国土・環境委員会 第17号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/05/18
会議録
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、斉藤滋宣君及び本田良一君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君及び北澤俊美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、環境庁企画調整局長太田義武君、環境庁水質保全局長遠藤保雄君、国土庁大都市圏整備局長板倉英則君、運輸大臣官房技術審議官藤森泰明君、建設省都市局長山本正堯君、建設省河川局長竹村公太郎君及び消防庁長官鈴木正明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法ということで、非常に長い間政府の方におかれましても検討がなされてきたわけでありまして、大都市圏域で公共事業を推進していく中である意味では非常に期待の大きい法律であったわけでありますが、ようやくこうやって条文になって日の目を見るといいましょうか、審査の過程に入ってきたわけであります。 この法律は、また一方で国民の財産権というものをどう考えるかという非常に基本的なことを問題にしている法律でもありまして、この考え方がどんなものになっているかということ、私個人といたしましても注目をしていたわけであります。 たびたびこの委員会でも話題に上ります日本国憲法第二十九条、皆さん重々御承知の話でございますが、「財産権は、これを侵してはならない。」、二項に「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」、この条文はある意味では公共の福祉といったものが財産権の上位に存在するというふうに読める、そういう条文でございますね。そして、三項に「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」、財産権を制約することがあってもそれを勝手にとってしまってはいけないというのが第三項かなというふうに読めるわけであります。 これをどんな理念で実際の法律に落としていくかということなんですが、どうも現行の法律は、やや私的所有権、財産権の方を大事にする方に偏り過ぎていはしないかなというのが私の経験を通じての率直な感想です。 ただ、しかしながら公共の福祉が何かといったことが必ずしも明快でない場合がありまして、その公共の福祉といったものをきちっとしておかなければそれを上位にするということが確立してはいけないわけですね。ですから、みんなのためというのは一体何なんだと、それをまたきちっと法的な手続によって定めて、国民の大多数の者が、これは公共の福祉だということを当然のこととして受けとめる下地があって初めてそれで私的財産権を超えることができるんだろう、そういうふうに解釈すべきだと思うんです。 今までは、例えば建設省なら建設省という役所が公共事業として役所の中で内部決定をして、そして大蔵省に予算要求をして、予算化されて実行すればそれが公共の福祉であると。確かに、役人の皆さんは私的なことを考えたんじゃなくて、国民のため、国のためということをお考えになってやられていることかもしれませんが、それだけで私人の財産権を奪っていいのか。ある日知らないうちに、赤紙ではありませんが、おまえのところは公共事業にかかるからどけ、補償はしてやると言われても何か腑に落ちないという部分が残ると思うんです。 ですから、その手続の中で一度は私的所有権を持った人が、おれは賛成だとか何か意見を言う場があるとか、そういったことがどうしても必要なんだろう、そういう手続をきちっと経た上で法律でもって個人の財産権を押さえることをしていいんだと私はそう思うんで、ある意味ではこの大深度についてはかなり明快にそういう方針を打ち出してもらった方が我が国の今後にとっていいのかなというふうに期待をしておったんですが、かなりそれに近い部分もありますし、従来型の、バランスをとったといいましょうか、やり方に近い部分もあるように見受けられるんです。 かなり御苦心をされたと思うんですが、調査会に長い間付された問題でありますし、さまざまな議論もなされたと思いますので、ここで大臣にまとめてその辺の経緯とかお考えをお示しいただければと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 私もこの大深度というのに大変興味を持っておりました。この言葉を聞いたのが十二、三年も前の話でございまして、もう宇宙まで人間が今いろんな意味で到達しておりますけれども、地下の問題、地球の中身の問題というのはなかなかいろいろ問題がある。 しかし、地震に対しましても大深度の方が大変強いということを聞いておりましたり、それからまた、これは将来いろいろな海で隔てられた国を結ぶような、大深度というのは大変な効果をもたらすのではないか。大げさなことを言いますと、交通機関にもし利用されましたら地球が一つになるもとになるかもわからないというような気持ちでおりまして、今回どうしようかと庁内で相談を受けましたので、これはぜひ内閣提出ということで御審議いただくいい機会が来たのではないかと。 特に、二十一世紀にこの大深度を利用するということ、今までは道路に沿ってその下を掘って、権利関係が錯綜しております中、また浅深度の地下も利用されております中にいろんな問題があるということで、大深度ならばこれはかなり大きなインフラストラクチャーをつくり上げていきますために効果があるものだと、こう思いまして、機が熟したと申しますか、そんなときが来たのではないかと思いますが、先生の御懸念のようないろんな意味合いがあると思います。 民法の第二百七条におきましては、「土地ノ所有権ハ法令ノ制限内ニ於テ其土地ノ上下ニ及フ」とされております。大深度地下にも土地所有権は及んでいるとこの法律では解釈されております。しかしながら、憲法の二十九条第二項には、先生の今の御指摘のように、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」としておりまして、本法におきましては、この規定を踏まえて、大深度地下が地権者により通常使用されない空間であるという特性、ここが大変貴重なところだと思いますが、その大深度地下については公法上の使用権の設定を先行させることといたしております。 また、大深度地下は補償すべき損失が実質的に生じないと推定されることから、例外的に補償を要する場合は事後的に請求を待って補償する。いわゆる水源の問題、井戸の問題とかいろんな問題があると思います。そういう問題を配慮に入れまして、国民の権利保護に遺漏のないように、説明会の開催とか一般公衆への公告縦覧、それから利害関係人の意見書の提出等についても定めておりまして、こうして御審議をいただくということに私ども大きな期待を寄せておるということでございます。 よろしくお願いいたします。
○脇雅史君 お話しのように、大深度であるがゆえに所有者にとって何の価値もないといいましょうか、通常は使用しないという空間でありますから、それだけにどう決めてもいいような部分があるんですけれども、どう決めてもいいならばかなり明快な規定をした方がいいのかなというのが私の感触でございます。 これはちょっとおいておきまして、大深度を使用するというときに、本当は地上の方がいいんだけれどもやむを得ず大深度にするといったような性格のものと、もともと、モグラじゃありませんが、地下の方がいいんだというものがありはしないかなと。 これはちょっと例が悪いんですけれども、例えばミサイル基地とかは地上より地下にあった方が、大深度にあった方が多分いいはずです、これは我が国では余り問題にする話ではないのかもしれませんが。それ以外に、例えば大規模な発電所とか変電所とか、そんなようなものもあるいは地下の方がいいかなと。場合によりますと、原子力発電所なんかは、余り遠くから送電線を引くより大都市のそばの地下の岩盤の安定したところの中でやるということもあり得るのかなとか、幾つかそんなことも考えられるんですが、やむを得ず地下に入れるということよりも、そのものの性格上地下にあった方がいいんだというものがたくさんありますとやはり法律の書きっぷりも変わってくるんだと思うんです。 その辺で、法案をおつくりになる経緯の中でさまざまな議論があったと思うんですけれども、どんな感じになっているのか、お示しいただければと思います。
○政務次官(増田敏男君) お尋ねの関係ですけれども、本法案は、公共の利益となる事業による大深度地下の使用について特別の手続、要件を定めることにより公法上の使用権を設定するものであります。先生のお話のとおりであります。 このため、本法案の対象事業としては、土地収用法の対象事業のように公益性の高い事業のうちでも特に大深度地下を使用する必要があるもの、具体的には、これまで地下数十メートル以下での実施例がございます。今後、大深度地下を活用する見込みのある事業を選定しております。 現在でも、既に大都市部におきましては地下数十メートルのところに超高圧の送電線あるいは上下水道等の生活に密着したライフライン施設が設置されております。これらは通常、道路の地下を利用しているため、曲がりくねったルートとなっている例が非常に多く存在しているところであります。これが現状であります。
○脇雅史君 ちょっと私のお聞きしたこととニュアンスが違うような気がしますが、後々またお聞きいたします。 要は、三大都市圏に限ったということの中に三大都市圏以外では余りこういった大深度地下を利用する事例が生じないんだろうという前提があるように思いますし、それは大都市地域であろうとなかろうと、もともと大深度につくる方がいいというものがあれば当然法律の担保として残しておかなければいけないので、そういった性格のものがあり得るのではないかなということで、現在そういう性質の構造物がないと考えられてこういう法律になったのかなというふうに類推するわけです。 何かあるような気がするということで、その種のものがあり得るのかというお尋ねをしたわけでありますが、もしありましたら。
○政務次官(増田敏男君) 現状を御報告申し上げましたが、ただいまお話もございましたけれども、大深度地下に施設を設置すべきかどうか、土地の利用の状況、またコスト、景観等の要因を個々の事業に即して総合的に判断した上で決めることとなると存じます。 本法案によって、このようなライフライン施設に加えまして、地下鉄あるいは地下河川等の公共の利益となる事業がより円滑に実施されるようになることが期待されているところであります。 先ほどの御質問のように、三大都市圏というお話がございましたが、そういうことでスタートをとっていこう、それで後は考えませんという意味じゃございません。よろしく御理解をいただきたいと思います。
○脇雅史君 わかりました。 その次に、この法律の名前に特別措置法という特別という名前がついているわけで、これは単なる措置法と意味が違ってそれなりの意味合いをお持たせになったんだと思うんです。 例えば、三条でも「この法律による特別の措置は」と書いてあって、あっちこっちに特別という言葉が出てくる。必要なと読みかえてもいいような部分もあるような気がするんですが、特別という言葉をお使いになられた特別の意味が多分おありになるわけで、民法の特別なのか何なのかよくわかりませんが、その辺の意味合いについて教えていただければと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この法律は、御指摘のとおり、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法という名称でございますが、これは公共目的のための土地の収用、使用に関する一般法でございます土地収用法に対して特別のという意味でございまして、本法では、大深度地下という空間の特性にかんがみまして、この使用の要件、手続等について収用法とは異なる特別の措置を講じているところでございます。 それが特別措置法という名称の由来でございまして、具体的にこれからの御質疑でも明らかにされていくと思いますが、例えば、土地収用法の事前補償の原則をこの大深度法案では事後補償で足りるとか、しかし一方で国民の権利保護に遺漏のないようにとか、あるいは権利調整が円滑に進められるようにという観点から、収用法にはない基本方針の作成あるいは協議会の設置、事前の事業間調整あるいは説明会の開催等について規定している。そういう意味では収用法にない仕組みを設けているということでございます。
○脇雅史君 わかりました。 ただ、「目的」なんかを読ませていただきますと、「この法律は、公共の利益となる事業による大深度地下の使用に関し、その要件、手続等について特別の措置を講ずることにより、」云々とあるんですが、何か法律は、公共的利用を推進、促進するといったようなこともあって、収用法の特別法だと言うには少し幅広いのかなという印象も持ちますが、用語としては理解をいたすところでございます。 次に、各条文ごとに、若干読ませていただいてすっと腑に落ちなかったところを幾つか御質問させていただきます。 第二条でございますが、大深度地下の定義の部分でございます。 これが技術的にかなり苦労されたところだと思うわけでありますし、また、将来技術的な発展によっては変わり得るようなこともあってなかなか書きっぷりは難しいだろうと思って注目していた部分なのでありますが、その二号の「当該地下の使用をしようとする地点において通常の建築物の基礎ぐいを支持することができる地盤として政令で定めるもののうち最も浅い部分の深さ」という書き方がなかなか私の知識からしますとわかりにくいということがありまして、政令の定め方がないからわからないんですけれども、「最も浅い部分」、通常は個人的な使用に迷惑を与えないようにある幅があればその中で深いものをとるような気がする、ちょっとそういうふうに思うものですから、この「最も浅い部分」ということの意味合いがよくわからなかったんで、教えていただきたいんですが。
○政府参考人(板倉英則君) 法律の第二条でございますけれども、この大深度地下の定義というのをいたします場合に、私ども二つのケースを想定して規定いたしております。それが支持層の位置によって変わってくるわけでございまして、支持層が浅く建築物の地下室が直接基礎となる場合と支持層が比較的深くてそれを基礎ぐいによって支えるケースと二つに分けて書いてございまして、御指摘の二項は後者の方でございます。 支持層によって大深度の定義が異なってくるわけでございまして、その際の定義といたしまして、その支持層の上端から政令で定める距離を加えた深さということを大深度の定義にしておりまして、支持層はある程度の厚みのある地層でございますので、そこの上端ということを明確に示す必要があるということで「最も浅い部分の深さ」と、これは支持層のまさに上端を示す規定でございます。 ちなみに、この支持層というのは大都市地域によって分布が異なっておりまして、東京ではいわゆる東京れき層、大阪周辺では天満層、あるいは名古屋では海部・弥富累層、既にそれが支持層であるということがわかっているところでございます。
○脇雅史君 言われてみると私はわかったんですが、お聞きになっておられる方は多分余りすっとおわかりにならない方もおられるんじゃないかなというふうに思うわけでありまして、御無礼なことを申し上げたらお許しいただきたいんですが。 この部分はかなり法律の適用について基本的な部分ですから、一般の方がお読みになられてすっとわかるようなことでないと困るわけです。これで政令で何か書くわけですから、これと政令と見比べてなるほどなと思えばいいんですが、要は、私の家の下の大深度は何メーターなのか、この法律が施行されたときにみんながわかればそれでいいんです。 若干乱暴かもしれませんけれども、個別に審査するということを離れまして、この条文によって、東京なら東京、大阪なら大阪で、インターネットか何かで見たら、すぐお宅のところは五十メーター以下が大深度ですよとか四十メーター以下ですよとかわかるような措置が講じられれば、持って回ったような法律の条文を読まなくても済むと。 法律は、やはり法律の専門家が解釈してやるという部分も大事なんでしょうけれども、通常の施行部分については一般の国民がよくわかるということが最も大事な要件だと思います。特にこういうことについては、どこからどこまでが大深度なんだと、そこは大体私権が及ばないんだなというようなことがあらかじめ国民にわかる方がいいに決まっていますので、政令を書かれるわけですけれども、その先にぜひともそういう工夫をしていただければというお願いをしておきたいと思います。 それから、次に第三条でございますが、対象地域、これを、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、法律を読む限りでは三大都市圏ということではないんですが、さまざまな要素、土地利用の状況等を勘案して必要な地域を政令で決めるというふうに書いてあるわけであります。これはやはり当然のことながら、対象地域が世の中のさまざまな動きに応じて変化をしていくというのもいいのかもしれませんが、法の対象、しかも財産権を制限するような対象地域でありますから、すぐに適用がなくたって、法そのものが対象になったって一向に構わないんです。 そういう意味で、法の整合性といったものを考えると、全国に網をかけた方がいいのかなという気も若干するので、事実さまざまな検討の過程でそういう意見もあったようにお聞きをいたしますが、こういうふうに定められたわけでありますが、その辺のことについてもう一回お聞かせをいただきたいと思います。
○政務次官(増田敏男君) 一般に私権の制限を行う場合、その制限を適用する地域については、私権の制限の内容や方法についての妥当性、制限の必要性等を総合的に勘案して定めております。 本法案についても、使用権の設定による私権の制限の内容や方法等について臨時大深度地下利用調査会におきまして三年間にわたり慎重に審議していただいたところであります。 本法案を適用する必要性のある地域としては、土地利用がふくそうするなど、公共の利益となる事業を円滑に遂行するため大深度地下を使用する社会的、経済的必要性が存在する地域に限ることが妥当である、このような考え方であります。 具体的には、当面三大都市圏を対象地域として、その他の地域については事業の必要性を勘案して政令で追加いたしていきたい、このような考え方でございます。よろしく御理解いただきたいと思います。
○脇雅史君 一つ想定されることが、先ほども申し上げましたが、大都市であろうとなかろうと、とにかく今の技術からすれば大深度につくった方がその施設の性格上好ましいというものがあった場合に、その事業者はつくりたいなと思うわけですね。ところが、対象地域に入っていない、そういうことになれば地権者との交渉は従来どおりやらざるを得ないわけで、その辺が、片や三大都市圏ではそういうことがあるのにそれが許されないと全国のバランスからしたらちょっとおかしいのではないか。 これは、全国的にばらまいたときに、実際に法を運営していくだけのいろいろな人手とか何かがありまして、それが足りなくてやむを得ないんだという事情があれば別ですけれども、そういうあちこちに出てくる可能性が強いのであれば、それに対する措置もあらかじめ決めておいた方がいいのではないか。 それで、先ほどお聞きしたわけですけれども、そんなものはもうここしばらくないんだということであればよろしいのですが、どうも何かありそうな気が若干するものですからしつこくお聞きをしているわけでありますが、もしそういうものが出たらどういうふうにされるんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 確かに、御指摘のとおり大深度施設といいましてもいろいろな施設がございまして、この法律で当面三大都市圏に地域を限定させていただきましたのは、その三大都市圏の土地利用は非常に複雑化、高度化しておりまして地上部でなかなか用地を取得することが困難であるという、そういう実態がございますけれども、単にそういった社会的な必要性だけではなくて、やはり私権の制限でございますので、ある種の制限の内容、方法についての妥当性というか、そういう面からのチェックも当然必要かと思います。 したがいまして、それは経済社会の進展とともにその中身も変わってくるものと思いますけれども、今、私どもの認識といたしましては、現在想定されるような事業であれば、当面は三大都市圏の地域で足りるのではないかという認識でございます。
○脇雅史君 わかりました。 それでは、次は第六条なんですが、「国は、大深度地下の公共的使用に関する基本方針を定めなければならない」と。非常に大事な基本方針を国がおつくりになるわけでありますが、これの幾つか項目が書いてあるわけですけれども、現在想定されることで具体的な内容、こんなことを定めるんですよということがわかればお教えいただきたい。 それから、国が定めると言っているわけですけれども、単にと言っては失礼なんですが、新しくできる国土交通省になるんでしょうか、そこの部局が起案をして、部内で決裁をして、それで決まったということになると決まっちゃうことになるのか。その基本方針の策定手続、閣議の決定は求めるようでありますが、役所の内部だけの動きでお決めになるのか、その辺の策定手続についてお伺いしたいと思います。
○政務次官(増田敏男君) お尋ねの関係なんですが、法案第六条に規定をいたしております大深度地下の公共的使用に関する基本方針、この関係だと思いますが、大深度地下の公共的使用に当たってすべての関係者が心得ておくべき基本的な事柄を国が定めるものであります。関係省庁と調整の上、閣議決定するものであります。 その内容としては、これから申し上げる四つがございます。 第一に、大深度地下における公共の利益となる事業の円滑な遂行に関する基本的な事項であります。具体的には、地表や浅い地下で実施される他の公共事業との適切な連携や調整、それから土地収用制度や都市計画制度など、関係する他の制度との関連などがあります。 第二に、大深度地下の適正かつ合理的な利用に関する基本的な事項であります。具体的には、実施位置が近接または競合した場合における施設の共同化、位置の上下関係や事業の実施時期の調整など、複数の事業間での調整の方針などがございます。 第三に、安全の確保、環境の保全その他大深度地下の公共的使用に際し配慮すべき事項であります。具体的には、火災、地震への対策や地下水への配慮等、安全の確保や環境の保全に関し特に配慮すべき事項などであります。 第四に、その他大深度地下の公共的使用に関する重要事項でございますが、具体的には大深度地下に関する情報の収集、整備などであります。 また、基本方針は国土交通大臣が案を作成し、閣議の決定を経て策定することとしておりますが、その案を作成するに当たりましては、事前に国民に公表し広く意見を求めるなど、できる限り民意が反映される仕組みを取り入れたい、このように考えております。 以上です。
○脇雅史君 最後のところで、公表して国民の皆さんの意見も聴取するんだというお話がありまして、なるほどなと思ったわけであります。 〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕 これは、法律が施行されるとすぐに基本方針をおつくりになって、よほどの事情がない限りは変更しない、いわば大深度地下の利用に関する憲法みたいなものになるわけで非常に大事なものです。ですから、もし言われなかったら、ぜひ民意を反映していただきたいということを申し上げたかったんです。 私自身は、行政を信じないわけではありませんし、行政の皆さんが一生懸命やってくれるので信頼を申し上げているわけでありますが、やはりこういう大事なものは、国民の財産に関する極めて基本的な定めでありますから、事前に公表して皆さんの意見を伺う場があるということが、言われればそのままそれを聞けるというわけでもないでしょうが、とにかくそういう場を設定するということは極めてこれからの行政にとって大事なことだと思いますので、ぜひお願いしようと思ったら先に言っていただいたのでありがたかったんですが、この手続について、そういう意味で、国民の皆さんの大方の合意が得られるような進め方をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。 それから、次に第七条の大深度地下の使用協議会でございます。 ここで協議会を設けて、役所の中だけでなくてさまざまな方々の意見をお伺いするというのをそれぞれの場所でおつくりになるということでございますが、この協議会の運営の仕方、そして住民等の関係者の方々との関係はどうなっていくのか、今の段階でおわかりになっていることを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この法案で想定しております協議会でございますが、国の関係行政機関や関係都道府県を構成員といたしておりまして、私ども、今のところ、三大都市圏の圏域ごとに、対象地域ごとに設置することを想定しております。 ここでは、この法律が対象としております公共の利益となる事業の円滑な遂行とか、あるいは大深度地下の適正かつ合理的な利用を図るために必要な協議、調整を行うその実質的な場所にしていきたいということでございます。 具体的に申し上げますと、協議会におきましては、できるだけ早い段階からそういった協議、調整をしようということで、一つは長期的かつ広域的な視点からの構想段階からの調整、それから二つ目といたしまして、複数の具体的な事業の実施位置あるいは異なる実施時期の事業の実施時期の調整等、即地的な調整、それから実施位置が近接または競合する事業が出てまいりますが、そういった場合、その事業の共同化等、事業が具体化した時点で行う個別の調整といったような多段階の調整を協議会を通じて行っていきたいというふうに考えております。 それから、この協議会におきましては、私ども設定権者あるいは事業主体の関係の省庁だけではなくて、安全の確保あるいは環境保全の観点から消防庁あるいは環境庁等の関係省庁にも入っていただきまして、早い段階から適切な対策がとられるような仕組みにしていきたいということを考えております。 それから、地域住民の意見の扱いでございますけれども、私ども、この法律の中で使用認可申請書が公告縦覧された際、住民等から協議会の構成員たる許可権者に対しまして意見書が提出された場合、その意見をこの協議会で紹介させていただきまして、そこで実質的な調整を行い、場合によっては使用権の設定認可に反映していきたいというふうに考えている次第でございます。
○脇雅史君 やはり関係住民の方々は、ある日突然知らないうちにここが決まったぞと言われるのはどうしても納得ができない、これから二十一世紀はそうなっていくと思うんです。ですから、あらかじめ今度こういうものが来るということがわかる格好で運営をしていただきたいと思うわけで、そういう意味では、この協議会の場というのが相当大きな意味を持つのかなというふうに思いますので、協議会の運営の仕方については十分そういう配慮をしていただきたいと思います。 そこで、ちょっと事前にお話ししていたものと順番が変わるかもしれませんが、それに関連いたしまして、本当の土地所有者、例えば私なら私の土地の下に何か通るということを、どういう状態、どういう段階で知ることができるのか。その事業者なりが通知してくれるのか、あるいは役所の方から言ってくれるのか、協議会で教えてくれるのか。この法律を読む限りにおいてはそういうことは何もなくて、注意深く何か公告されたやつを見ていないとだめなのかなと。 結果として、そんなものを一々見ているわけありませんから、あるときもう決まったということで地下を通るということがわかるわけですけれども、気がついたときには意見を言う場がもう既にないと。役所の論理からいえば、ちゃんと手続があって、事前に公告を供覧しているわけだし、知っていて当然だということになるわけで、手続があるということになっちゃうんですが、実態は要するに全く知らない状態になっちゃう。 そこで、大深度地下というのは、そもそもそういうことでいいんだという論理で、要するにもう私権の及ばないところだという論理であればまだそれはそれでいいんですけれども、必ずしもそういう論理でこの法律は構成されていないと思うものですから、やはり所有者に対しては、事業者からでもいいんですが、何らかの通知といったものがあってしかるべきではないかなという気がするわけでございますが、その辺の考え方はいかがでございましょうか。
○政府参考人(板倉英則君) この大深度法案が先ほど土地収用法に対して特別措置法だということを申し上げたわけでございますが、この大深度地下が地権者によって通常利用されることが見込まれない空間だという特性に着目した特別な合理的な権利調整ルールを定めるということでこの法案を御提案しているわけでございますが、その際に、土地収用法でございますと、事前に権利者あるいは補償額を確定して、そういった事前の補償手続をとった上で土地を収用、使用するということになるわけでございますが、先ほど言いました大深度地下の特性にかんがみまして、この法律では、あらかじめ地権者を特定したり、あるいは個々の地権者の同意を得ることを要しないという構成に一応しているわけでございます。 ただし、使用権の設定に当たりまして、私どもはいろいろな収用法にないものも加えまして手続を書いているわけでございます。 まず一つは、前広に事業者による地権者等への説明会を開催する、こういうことを徹底したいと思います。また、説明会の開催以外にもいろいろな周知措置の方法があると思いますが、例えば、資料を公民館等に配置したり直接関係住民に配布、送付する、さらには、説明会を単に開催しますよという通知をするだけではなくて、それを市民だより等で周知徹底するとか直接住民にチラシを配布するとか、いろんなきめ細かい周知措置を講じていきたいと考えているわけでございます。さらに、土地収用法とか都市計画法にもございますが、国民の権利保護に十分配慮するという趣旨から、一般住民への公告縦覧、それから意見書の提出の機会、さらには公聴会の開催というようなことも法律上用意してございます。 こういったことでございまして、これらの地権者への周知措置につきまして、法の施行に当たりましても、関係公共団体あるいは関係事業者に対して十分周知徹底を図ってまいりたいと思っています。
○脇雅史君 そういうお答えをしていただければ安心するわけです。この大深度の事業者というのはほとんど公的な主体になるわけですから、十分役所の指導が行き届くと思いますので、その辺の配慮をしていただきたいと思うんです。 ちょっとまた飛びますが、法第三十七条の「その他の損失」ということなんですが、この法の構成上、今局長が言われたように、事前に言わないけれども、後から実際私は使いたかったんだと一年以内に気がつけば、実際合理的な理由がある使い方であるのならば補償してあげるよという条文があるわけです。 これは、役所が最初にお配りになったさまざまな説明文書の中ではかなり大きな項目として取り上げられていたんですが、どこへ行ったのかなと読んでいたら、なかなか見つからなくて、やっと三十七条で「その他」ということになって、確かによく読むとその他になるのかなという気がするんですが、それは法の体裁上はともかくとして、実際に補償を受けなければならない人にとっては大問題なんです。その他なんかで片づけられる話ではないので、法の構成はともかく、もうちょっとこの条文を日に当たるようにしておかないといけないのではないか。 先ほどの通知の中でも、事業者が事業をするときに土地の所有者に対して通知をするときに、こういう条文がありますよと言ってくださいよということをやっぱり同時に教えておかなければいけないし、法の構成全体もわかりやすく説明をする必要があるわけですけれども、その辺のことをきちっとしていただきたい。法三十七条ではやむを得ず書いたように見えてしまうので、この辺の取り扱いをしっかりしていただきたいんです。 先ほどの局長の御答弁によると当然しっかりやっていただけると思うんですが、念のためお聞きしたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この大深度法案におきまして、三十七条というのは先生御指摘のとおりこの法律の中核的な部分でございます。ただし、この法律が先ほど申しました土地の収用、使用の一般法である土地収用法の特別法であるということでございまして、現行の収用法体系下の事前補償の原則ということを一応念頭に置きつつ、新しい大深度地下に着目した特例といいますか、特別の措置を定める、こういう構成でございますので、既存物件につきましては収用法の事前補償の一般原則によってまず三十二条で書きまして、それ以外の土地そのものにつきましては、収用法と異なりまして、大深度地下に着目して事前の補償手続を要せずと。しかし、権利保護に遺漏のないように、事後的に請求をもって補償する、こういう組み立てになっているわけでございますので、何とぞそこら辺を御理解賜りたいと思います。
○脇雅史君 わかりました。 いずれにいたしましても、公的な福祉といいましょうか、そういった部分と私的な権利をきちっと守っていくという部分、実際に事業をやるに当たって、各所有者が不満を持たないような運用を心がけていただきたいというふうにお願いをしておきます。 それから、ちょっと戻りまして、法第十三条「調書の作成」というのがあるんですが、「あらかじめ、事業区域に井戸その他の物件があるかどうかを調査し、」というわけですが、この「事業区域」という区域の意味は、事業者が事業をする大深度という意味でしょうね。その中に井戸が実際にあるのかどうか。多分いろいろ調査をされたら井戸しかなくて、余り対象物件がないので、もしあるといけないので「その他」という記述になっていると思うんですが、「井戸その他の物件」という書き方が余りぴんとこなかったということがあって、そんなことだったのかどうか御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) ここで「その他の物件」と称しておりますのは、大都市地域では余り数は多うございませんが温泉というものがございまして、大深度地下利用をする際に立体的な区域を使うことになりますので、そこに現に温泉の井戸がございました場合には、それを既存物件として扱って、この手続で補償手続等をしていく必要がある、それで「その他の物件」と規定しているわけでございます。
○脇雅史君 わかりました。 次に、第十四条でございますが、十四条は「使用認可申請書」というのですが、四号に「事業により設置する施設又は工作物の耐力」という表現になっているんです。私も技術屋なんですが、「工作物の耐力」と言われるとちょっと何のことかというのがすぐはわからない。 例えば、自動車なら自動車の耐力とか、ダムならダムという構造物の耐力が何だと言われると、要するに答えられないんです。それぞれいろんな部品はすべて構造計算をして必要な力に耐えられるように設計をするわけでありますが、ここで言っているのは、論旨からして、上に何か載ったときにそれが支えられるだけのものという意味なんだろうと思うんですが、法律用語でそんなことを「耐力」という一字で言っていいのかなと、もう少しわかりやすく書いてもらった方がいいんじゃないかなと、あるいは政令で書くのかどうかわかりませんが。 いずれにしても、法律というのは国民の皆さんに権利義務を規定するわけで、わかってもらうことが大前提ですから、もう少し何とかその意味合いがはっきりするような書き方がないものかなということで、一応そういう解釈をしたわけでありますが、その辺について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この十四条第一項四号で言っております「耐力」でございますけれども、これは先生御指摘のとおりの大深度地下施設の上部にある建造物とか構造物あるいは土それから地下水というようなものがいろいろ想定されるわけでございますが、そういった建築物も含めて、大深度構造物が上部からのどの程度の加重に耐えられるかということを示す数値でございます。 先生の御指摘の点については政令で明確に計算式を明示したいと思いますけれども、今想定しておりますところでは、高層建築物など、最大限に有効利用された場合の建築物の加重と、それから当該施設の上部の土地の土圧それから地下水による水圧、それを合計したものをこの「耐力」とさせていただきたいというふうに考えております。
○脇雅史君 わかりました。 次に、第三十八条に「原状回復の義務」というのがあって、これも当然の規定であるわけですが、公的な主体がやられる事業ですから、倒産して逃げちゃうということはそうは想定しなくていいのかもしれませんが、ただ、大深度の原状回復というのはかなりお金もかかるし、しんどいのかなということが容易に想定できるわけで、確かに言葉としては必要なことですからあるんだと、これでやらせればいいんだということかもしれませんが、実効性を考えますと、ちょっとどうなのかなと。むしろ、だめになってほうっておいても後で困らないような構造にあらかじめさせておくといったようなことの方がいいのかなというような気もします。 それによって当初、通常考えるよりもやや多目の出費が必要になるかもしれませんが、その考え方もなかなか難しいとは思うんですけれども、少し担保性といいましょうか、その辺がどうなのかなという気がするんですが、そんな御意見といいましょうか、議論はあったのでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 御指摘のように、大深度地下施設というのは相当長期間にわたって使用されるということを前提に設計されるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたような諸力に対して十分な強度とか耐性を持った構造とする必要があろうかと思います。また、それを施工し適切に管理する能力のある事業者にそれをゆだねるということもまた重要な要素かと存じます。 私ども、この原状回復につきましては、事業の廃止があった場合にはこの法律上、国土交通大臣または都道府県知事に届け出をする義務を課しておりまして、事業者に対しては、遅滞なく安全の確保あるいは環境の保全のために必要な措置をとった上で、例えばトンネルの場合ですと砂で埋め戻す等の適切な原状回復措置をとらなければならないと。 また、協議会の場におきましては、安全上、環境上特に措置が必要という場合には必要な対応をそこの場で検討していく、そしてそれを事業者に求めていくというようなことになろうかと思います。万々一事業者が従わない場合には、その行政上の義務を全うさせるために行政代執行法の通例に従いまして対処していく、こういう考え方でおります。
○脇雅史君 役所のお考えはそういうことだろうと思いますが、なかなかそうは言っても難しいのかなという気がいたしたわけであります。 〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕 それから、多分、時間がありませんので最後になりますが、四十八条の「権限の委任」という項がありまして、大臣の権限を地方支分部局におろすということで、この間の審議の中で国土交通省の地方支分部局については野党の皆さんは反対の御意見が多かったわけでありますが、私自身は、こういう地域の開発にかかわることは、東京で差配するのではなくて、やはりそれぞれの地域でお考えになるという地方分権のあり方、そこの部分については野党の皆さんも当然賛成されるわけでありますが、十分に地域の方々の意見を聞いて地方で決めてやられる、地方ごとに違っていいと思うんです。余りにも全国一律に東京の指令によらなければいけない。 さっきの基本方針は東京でおつくりになるんでしょうが、個別の部分についてはかなり地域ごとのいろんなさまざまな需要に、実態に応じたものであるべきだと思うので、できれば、野党の皆さんはどうか知りませんが、できるだけ委任をしていただいた方がいいのではないかと思うんですが、現在お考えになっているのはどのようなことなんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) この法律は、省庁再編後の国土交通省において所管することになっておるわけでございますが、中央省庁等改革基本法にございますように、できるだけ地方に権限を移譲するということで、国土交通大臣の権限を地方整備局に委任することを考えております。 具体的に申しますと、協議会の実質的な事務局に地方整備局に当たっていただくということでございまして、使用の認可に当たりまして実務的な諸調整がございますが、それをやっていただく。あるいは、法第十二条の「事前の事業間調整」という規定がございますが、地方整備局に実質的に事業間調整の重要な役割を果たしていただくというようなことを想定しております。
○国務大臣(中山正暉君) 先生の御質問の終わる前に、ちょっと私、最初に御答弁申し上げたときに時系列的な問題を抜かしておりましたので、せっかくの御質問でございましたので、途中でございますが時系列的に申し上げておきます、大深度地下利用に関する検討の経緯でございますが。 これは、昭和六十三年、各省庁より大深度地下利用構想が提案されまして、それから私ども法律案を提出すべく関係省庁間で調整を行いました。 それから、平成元年三月、これは竹下改造内閣でございますが、内閣内政審議室等十省庁による関係省庁会議を設置いたしました。 それから、平成七年六月でございますが、野沢太三議員、参議院の自民党の先生を中心にした議員提案によりまして臨時大深度地下利用調査会設置法が国会へ提出され、可決をされまして、衆参ともに全会一致でございました。 それから、平成七年八月に臨時大深度地下利用調査会が設置されまして、平成七年十一月、内閣総理大臣から諮問が出まして、平成十年五月二十七日、調査会答申を決定、内閣総理大臣へ報告、同じ月の二十九日に国会へ報告をいたしました。 それから、平成十年六月十七日、内閣内政審議室等十三省庁による大深度地下利用関係省庁連絡会議を設置いたしまして今日に至るということでございます。 失礼いたしました。
○脇雅史君 どうもありがとうございました。 ただいままでの質疑を通じて大臣初め局長の御答弁、私は大体満足できるんですが、法の運用に当たってそれが一番末端の組織にまで浸透しませんとうまくないものですから、ぜひともその精神を今後とも生かして、よい方向でこの法が運用されることをお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。 質疑の前に、森総理のさきおとといの神の国の発言で、日本の国はまさに天皇を中心とする神の国であるということを国民にしっかり承知していただくということを強調されたわけなんですね。私たちは民主主義国家日本であります。主権在民の国民を、今の質疑を聞きましても、大事にしなければいけないということをいろんなことで表現して戦後やってきているわけなんですけれども、日本の首相として基本的な資質を欠いた発言だというふうに私たちは思っております。 きのう参議院の本会議場で森総理はこのことに関して、誤解を生じたとしたら申しわけないことであって、おわびを申し上げたいというふうに答弁されたんですけれども、これはもはや失言だけでは済まされない問題だというふうに思います。 撤回もされないというふうにも伺っておりますけれども、内閣の一員であります中山国土庁長官・建設大臣としましては、この発言に対してどのようにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 私も記者会見でいろいろ聞かれましたときに、いろいろ私の感想を申し上げたのでございますが、五十四年前に戦争が済んだ後、戦前は現人神と言われた天皇陛下は人間宣言をされましたから、もう私はその時点で、人間宣言をされた天皇のお立場というのは、憲法の第一条で国民統合の象徴というお立場におなりあそばして、そして国事に関する行為というものだけが規定されておりますから、戦前は、参議院議場を見てもわかりますように、参議院には貴族院と言った時代には定数がありませんで、そしていわゆる高額納税者、それから学識経験者、それから公、侯、伯、子、男、それぞれ貴族と言われた方々が自由に貴族院にお入りになっておられたということでございます。ですから、天皇の御座所が傍聴席にもございますし、衆議院では議長席の上になっております。 それが全く変わりまして、国民から選ばれた国会議員というものを主体にして、天皇陛下の国事に関する行為というものは内閣の補弼と助言によって行われますから、全く総理がおっしゃった考え方というのは、いわゆる宗教団体、神道、特に神道というのは昔は別格官幣大社というようなものもありまして、官が祭る神道というものがありました。 その考え方は戦後全く変わっておりますし、いわゆる神話の世界から始まったイメージで総理大臣が話をされましたが、それは神道政治連盟という場所での御感想であったんだろうという気でおりまして、行政の場にそういう問題を持ち込むべき時代ではない、こういうふうに確信をしておりますので、総理大臣は陳謝をなさったということで、別にその意識の中にそういうものが定着して固定した観念というものではないと、総理大臣の発言の要旨もここにございますが、私はそういうふうに感覚として受けとめております。
○岡崎トミ子君 ぜひ神である天皇ではなくて、民が中心の国であるという、民が議論をして物事を決定していくということを踏まえて私たち国会議員は努めていかなければならないというふうに思っております。 それでは、法案についてお尋ねしていきたいと思います。 まず四条に定められております対象事業についてお伺いしたいんですが、対象事業は限定列挙になっております。第四条第十二号を見ますと、「土地収用法第三条各号に掲げるものに関する事業又は都市計画法の規定により土地を使用することができる都市計画事業のうち、大深度地下を使用する必要があるものとして政令で定めるもの」というふうになっているんですが、これは具体的にどのような事業が該当するのか、お聞きしたいと思います。 土地収用法を見ますと、例えば第三条二十七号には「一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設その他の廃棄物の処理施設」まで入っているわけなんですけれども、産廃処理施設などは対象事業となるんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) この法律が対象事業と考えておりますのは、そこに書いてございますとおりの事業でございまして、建前としまして法律で限定列挙するということが基本になっております。 収用法対象事業が基本になっておりまして、ただそれがすべてということではございませんで、収用法対象事業のうち特に大深度地下を使用する必要があるもの、具体的にこれまでも大深度地下の実施例があるとか、あるいは今後活用される見込みがあるといったような事業を列挙しているわけでございます。 お尋ねの産業廃棄物処理施設についてどうかということでございますけれども、これにつきましては、法律の建前としては収用対象事業として列挙された事業でございますので、対象とする場合には政令で追加することが可能ではございますが、現在その事業官庁から特に具体的な御要望もなく、この法律では対象事業とすることを考えておりません。
○岡崎トミ子君 今は、この時点では想定していないかもしれませんけれども、将来そういうことは大いにあり得ることだというふうに思うんです。 環境庁が出しております資料でも、廃棄物処理施設の立地の困難性ということで、最終処分場の残余年数、平成八年度でも一般廃棄物で八・八年、産業廃棄物で三・一年ということですから、もう間もなくこういうふうなことで多分想定されるのではないかという心配があるわけなんです。 答申を見ますと「いったん事故が起こった場合に回復不能の重大な損害をもたらすおそれのある施設の設置は特に慎重にすること等が必要である。」というふうにあります。慎重に対応するのは求めておりますけれども、今ちょうど循環型社会の問題について制度づくりの議論が始まるというところであります。地上の処分場がいっぱいになって地下に逃げようというのでは私は言語道断だというふうに思うんです。今でも安定型の処分場に対して汚水が出てくる、有害物質が出てくる、そういうようなことがさまざまにあるわけですから、これが地下になりましたら全く見えないところになってしまうのかということもございます。 間違っても廃棄物処分場は対象事業にしないということ、ごみゼロ社会を目指すということが大前提だというふうに思っておりますので、これは対象事業にしないということを明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 御指摘のとおり、答申におきましては、例えばという例示でございますが、一たん事故が起こった場合に回復不能な重大な損害をもたらすおそれのある施設の設置は特に慎重を期することということがございますが、私どもはこの答申の趣旨を踏まえまして、産廃施設につきましても個別具体の事業に応じましてその必要性等を十分慎重に吟味して対応してまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 慎重にではなくて、私の方で求めましたのは、むしろ明記して外してもらいたいぐらいの思いでございましたので、ぜひ厚生省との検討を進めていただきたいというふうに思います。 続いて、第五条と第六条に関連して伺います。 第五条では、「大深度地下の使用に当たっては、その特性にかんがみ、安全の確保及び環境の保全に特に配慮しなければならない」というふうになっていて、第六条で、基本方針の中でその安全の確保、環境の保全ということについて配慮すべき事項、先ほど脇議員の質問に対して四つ挙げられていらっしゃいました。 その中で、火災、地震、地下水ということについても検討するんだ、配慮するんだということをおっしゃられましたけれども、この安全という観点から活断層について、阪神・淡路大震災以来注目が集まっているところでもありまして、大深度利用に当たっても特に配慮すべき点だというふうに思いますが、国土庁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この法律におきまして安全の確保というのが大深度地下使用につきまして大変重要な観点だということが書いてございまして、御指摘の基本方針におきましては、地震災害を含めましてそれに対する基本的な重要事項につきまして基本方針の中で定めて適切な対応をとってまいりたいと思っております。 御指摘の活断層につきましては、活断層に起因する地震が生じますと地盤のずれというものが起こるわけでございますが、このずれというのは通常地下深くまで及ぶことが想定されるわけでございまして、活断層上に施設が設置された場合、大深度地下施設に限らず、浅い地下あるいは地表の施設にも大きな影響が生ずることが想定されるわけでございます。 したがいまして、私どもは活断層上への施設の設置は極力避けなければならないというふうに考えておりまして、これはできるだけ避けたいとは思いますが、設置せざるを得ない場合にも、現在想定される最も適切な対策を講じられますように、使用の認可の審査に当たりまして最善の注意を払い、慎重を期してまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 具体的に活断層が日本全土にどういうふうに分布されて、危険な地帯がどのぐらいあってということの作業はされているわけですか。
○政府参考人(板倉英則君) 私どもが承知している我が国の活断層の現状でございますが、全国で約二千の活断層があるということがわかっておりまして、そのうちで比較的活動的なものが九十八あるとされております。 そして、科学技術庁等によりまして所要の調査を完了したものが三つございまして、これは代表的な活断層と言えるかと思いますが、糸魚川—静岡構造線断層帯あるいは神縄・国府津—松田断層帯、富士川河口断層帯、こういった三つの代表的な活断層については、いずれも数百年以内に地震の可能性があるというふうにされているところでございます。
○岡崎トミ子君 安全という面からいいましたらやはり大深度地下というのは未解明な部分が非常に多いわけですので、本当に住民の皆さんや市町村の皆さんたちの安全の確保のために、今後とも私たちもお伺いをしていきたいというふうに思っておりますから、よろしくお願いしたいというふうに思います。 環境の観点についてもやはり同じように未解明な部分が大深度地下については大きいというふうに思うんです。調査会の答申でも、調査分析の事例が非常に少ない、環境影響を予測するためには十分な知見も得られていないというふうになっているんです。 環境庁は昭和六十年ぐらいから、この大深度地下の利用についての議論が大変盛り上がったときから検討されているわけですけれども、これまでの取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤保雄君) お答え申し上げます。 環境庁のこれまでの取り組みでございますけれども、昭和六十三年度以降、大深度地下の使用に伴う環境への影響につきまして調査検討してまいっております。具体的には、地盤変位とか地下水あるいは地下水流動、地下水質などについて調査検討してまいりました。 この検討の結果得られました知見につきましては、臨時大深度地下利用調査会における検討の際にも活用されまして、その調査会の答申、具体的には答申の第二章第三節「環境分野」を特掲していただきまして、環境保全の重要性についても指摘がなされたと理解しております。
○岡崎トミ子君 地盤沈下とか、あるいはまた水脈が切られるということによって湧水の枯渇ですとか地下水の利用の障害ですとか、かつては大気汚染のことについて、今は触れられませんでしたが、そういう問題ですとか、あるいは温泉源の保護の問題、こういうことについてずっと懸念を持たれてきたということなんですけれども、具体的に大深度事業についてどのように取り組むおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤保雄君) この大深度問題につきましては、今申し上げましたように地盤の変位とか地下水あるいは地下水流動、地下水質などにつきまして、大深度地下における環境についての調査検討をこれからずっと続けていかなきゃいけない、そして知見を集積していかなきゃいかぬと思います。そういう知見をベースに、今回、法律の中におきまして、基本方針の策定、協議会での論議の場、あるいは認可に際しての意見開陳の場、そういう中で環境保全の観点から環境庁としてはきちんと対応してまいりたいと思っております。
○岡崎トミ子君 非常に未解明な部分が多い中で環境面の対応というのは大変難しいだろうなというふうに思うんです。 環境影響評価、アセスメントについてなんですが、この対象事業と調査項目、それから手法、技術、評価方法、判断基準、こういうことについて検討されているかどうか。そして、事業が決定された場合、慎重にしていただきたいと思いますけれども、貴重なデータとして蓄積していくことが必要だというふうに思います、その点に関して。そして、その方向に向けて研究をされていると思うんです、環境庁は。どこでどういう研究をされているのか、これまでの研究の成果はどのように生かされていくのかについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(太田義武君) お答え申し上げます。 平成九年に制定されまして昨年六月に施行されました環境影響評価法、アセスメント法におきましては、地域と事業の特性に即しまして調査、予測、評価そしてその評価の項目、それから手法、これを柔軟に選定するということができるようになっておりまして、そのために、アセスメントの実施の前に項目とか手法につきまして幅広く意見を聞く方法書、いわゆる私どもこれをスコーピングと言っておりますけれども、スコーピング手続を導入したところでございます。 大深度地下使用に係りますアセスメントにつきましても、このスコーピング手続の中におきまして、専門家の意見を踏まえながら大深度の特性に着目したアセスメント手法が採用されることになると思います。 先生から今具体的にお話しのありました幾つかの点でございますけれども、私ども、アセスメント技術という観点から現在三つの分野で検討会を設けて検討を進めておりまして、一つは、大気と水と環境負荷というのが一つのグループでございまして、第二番目は生物の多様性という点、それから三番目は人と自然との触れ合い、この三つの分野において検討会を設けまして最新の調査とか予測、評価技術についての調査を行っておりまして、最新の技術が得られ次第、順次公表してこれを御利用いただく、また我々もその普及の促進に努めておるというところでございます。 もう一つ、今後の話といたしましては、ただいま水質保全局長から申し上げましたように、環境庁といたしましても引き続きこの調査研究をするということでございますし、さらにいろんな方面での研究も進むかと思います。そういう結果も踏まえながら、大深度地下使用に利用可能な最新のアセスメント技術の採用というのを図ってまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 環境保全という点につきましては基本方針が重要な役割を果たすことになっておりますが、この基本方針については環境庁の考え方が反映されなければならないというふうに思います。環境庁はどう関与されるのか。 大深度使用協議会も大きな役割を果たすことが決まっておりますけれども、これは環境庁も主要なメンバーになっているということでございますが、環境庁はどのような態度でこの協議会に臨むのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤保雄君) 先生御指摘のように、この法律第六条二項三号におきまして、環境の保全その他大深度地下の公共的使用に際し配慮すべき事項が定められることになっております。この基本方針の策定に際しましては、私ども、今まで得られました大深度地下に関しての環境影響を予測するためのいろいろな知見につきまして適切に反映されるよう対応してまいりたいと思っております。
○岡崎トミ子君 さて、七条について、今伺ったことも含めてなんですけれども、この七条で、事業の主体でありますところだけではなくいろんなところが中に入ってくるわけなんですが、協議会が必要と認めるときという項で、市町村の意見の開陳を求めることができるというふうに定められております。 この市町村の意見ということなんですけれども、関係行政機関はこの使用許可に関する処分について、国は大臣、そして都道府県は知事に意見を述べることができるというふうになっているんですけれども、この段階ではもう既に使用協議会によって協議が済んでしまっている。市町村の意見というのは、私は、本当は聞くことができるではなくて協議会の段階で市町村の意見が言えるように設定されなきゃいけないというふうに思いますけれども、この点に関してはいかがですか。
○政務次官(増田敏男君) 大深度地下の使用に当たりましては、市町村等の公的な町づくりの構想との調整が必要であります。また、本法案の事務には事業区域を表示する図面の長期縦覧等、市町村における事務も含まれております。本法案の円滑な施行のためには、市町村の協力、市町村との緊密な連携が不可欠と認識いたしております。 本法案において、国土交通大臣、都道府県知事が使用の認可を行おうとする場合には関係する市町村は関係行政機関として意見を述べることができることとしております。また、協議会の運営に当たっても、必要に応じ市町村の意向が十分反映されるよう市町村の意見聴取の機会を設けてまいります。さらに、これらの機会を通じていただいた御意見については、使用の認可に十分反映させてまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 やはり協議会の運営をする場合には、市町村の意見を聞く、述べることができるということではなくて、主たる官庁の国土庁としてはむしろ原則意見を聞くものとする、こういう運営のあり方でなければならないというふうに思うんです。原則そういうことを設けることについてはいかがですか。
○政府参考人(板倉英則君) 先ほど総括政務次官から御答弁申し上げたとおりでございますが、この法律の施行に当たりましては、市町村の協力あるいは市町村との緊密な連携が必要不可欠でございまして、それも早い段階から御指摘のとおり市町村の意向をくみ上げていく必要があろうかと思います。協議会等におきまして、必要に応じまして市町村の出席を求めまして、市町村から十分意向を把握するように努めてまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 その際ですけれども、市町村が地盤沈下の問題ですとか地下水の取水障害ですとか、例えば温泉のある町づくりをしようと思ったけれどもそれが不可能になってしまった、そういう影響ですとか、この大深度地下を使用することは反対だというようなこと、これまでも住民投票で基地の問題ですとか原発の問題ですとか吉野川ですとか、そういうことについて民意の反映というのをしっかりしなければならないというふうに今みんな思っているわけなんですけれども、こういうことを踏まえること、市町村がもしかして反対をするという方針を出した場合、条例でそういうことが決められた場合には市町村の意見は最大限反映されるんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度地下施設を現実に設置しようとする場合にはやはり地元の市町村の御協力というのが大変重要な要素でございまして、私どもとしましては、それぞれの事業者がその事業の必要性等を十分その市町村に説明して御理解、御協力が賜れるように努力すべきだと思いますし、また市町村からも十分その意見を聞く機会を設けていただきまして、市町村の意向の酌み取りに配慮をしていく必要があろうと思います。 仮に市町村が反対だったらどうかということでございますが、いずれにいたしましても、住民からの個々の御意見あるいは市町村の御意見というのは、一つの重要な要素として使用権設定の際に総合的な判断の中で反映されるというふうに考えておるわけでございます。
○岡崎トミ子君 具体的に、反対して条例ではっきりした場合には、きちんと民意の反映ができるというふうに、よろしいんですね。反対の場合にはつくらないということになる、使用しない、そういうことも大いにあり得ることですね。
○政府参考人(板倉英則君) 具体の事業で具体の地域において問題が生じた場合に検討すべき問題だと思います。 御指摘の趣旨はよくわかりましたが、私ども、使用権設定に際しましては、その認可の際に、いろいろな住民の御意見あるいは市町村の御意見というものを幅広く勘案しながら総合的に判断すべきものであるというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 最後に、町づくりとの関係について伺いたいんです。 例えば、大深度を利用した地下鉄の建設なんですが、これまでは地下鉄の建設というふうなことですと、土地所有者との権利調整が必要ないんだという道路に関して路線が選定されてきて、そのことで非常にカーブの多い路線が設定される、だからコスト高になっていく、こういう要因を指摘されてきたというふうに思うんです。地下鉄が建設されるということが決定されまして、今度は道路建設のための区画整理事業ですとか道路づくりに関する合意形成に時間がかかる、そういうケースがあるわけなんですけれども、この法律ができましてこういう問題が解決できると期待している一方で、拙速な事業促進というのが心配だという両方の声があるというふうに思うんです。 これまでは道路と一体の形で地下鉄の建設がされてきたわけなんですけれども、この大深度法が適用されるということになったときに、道路の路線のあり方とは別に直線的に地下鉄が選定されるということが考えられるわけなんです。今までですと本当にカーブが多いような形だったものが、地下ですから一直線で、そういうことで路線の選定はこれまでのあり方とは違っていくわけなんですけれども、大深度のメリットをコスト面で生かすとすればこれは当然のことだと思いますが、例えば住宅街の下を地下鉄が通る場合、その駅の選定の場所によって町づくりに大きな影響を与えるんじゃないか。 これは、女性議員が中心になってそういうことの研究をここちょっとやってきたという人たちから、町づくりと全く違うところで、大深度の方で、地下の方で動いて、もしかしたら、私たちの町がここにあるのに駅が別なところにつくられていって寂れてしまうような、そんな心配があるんだというようなことを言われているわけなんですけれども、この町づくりとの整合性の問題について、おろそかにならないようにぜひお願いしたいというふうに思うわけです。 ですから、住民参加の積極的なかかわり、十分連携をとるんだということ、脇議員の方からも再三住民参加ということについて言われましたけれども、基本方針の中に私は明確に盛り込む必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度地下施設と町づくりとのかかわり合いでございますけれども、先生の例示に挙げられましたような鉄道施設を考えました場合には、都市内で鉄道施設を建設しようとする場合は、それが地表であろうと浅深度であろうと大深度であろうと恐らく都市計画決定の手続を経ることになると思います。そうしますと、当然、駅の位置、それから駅間のルートの設定、そういったことはまず基本的には都市計画決定手続の中で決められていく。 したがいまして、それが大深度地下を使用する場合には、これは大深度法の適用をあわせて行うわけでございますけれども、そういった町づくり、都市計画との十分な整合性を持って大深度地下使用をしていく必要があるというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 それでは、その地下を使用の地下鉄、あるいは急行が走るかもしれませんけれども、その関連で運輸省そして建設省にも町づくりの観点からそれぞれの立場からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤森泰明君) 町づくりと鉄道整備との関係についてお答え申し上げます。 御案内のとおり、鉄道は経済社会活動の基盤として大変重要な輸送機能を担っておりまして、その整備につきましては住民の方々の関心も非常に高いものと私どもも認識しているところでございます。 したがいまして、例えば東京圏に関しましては、ことしの一月に運輸政策審議会に鉄道整備に関する中期的な基本計画を策定していただいたところでございますけれども、この審議に当たりましては、審議会の委員として関係各方面の学識経験者に参加していただきました。また関係の地方公共団体からも十分に意見を聴取させていただきました。さらにはまた、インターネットを通じて広く国民の意見の把握に努めたというところでございます。 また、今お話がございましたように、具体的に鉄道事業者が鉄道整備を進めるに当たりましても、地方公共団体を初めとする地元関係者の意向を踏まえながら、町づくりや利用者の利便の向上に資し、また鉄道の輸送特性を発揮し得る効果的な鉄道整備に努めてきたところでございます。 今後とも、大深度を利用するか否かにかかわらず、計画の段階から各方面の意見を把握しつつ、適切な鉄道整備が進められるように努めてまいる所存でございます。
○政府参考人(山本正堯君) 先生先ほど御指摘のように、大深度の事業の実施に当たりましては、地上部の土地利用あるいは町づくりとの連携というのが大変重要であるというふうに私どもも考えております。 町づくり、都市づくりをするに当たりましては、一般的には都市計画決定をするということでございます。今般、都市計画法の改正におきましても立体的な都市計画決定ができるように改正をしていただいたところでございます。 地下に鉄道とか道路等を整備しようとする場合に、従来では平面的な都市計画決定しかできなかったといったようなことでございますが、都市計画決定をすれば、地上部の土地について二階建ての木造建物しか建てられない、一定の建物しか建てられないといったような制約があったわけでございますが、立体的決定をすることによりまして地上部での土地利用も緩和されるということで一体的な町づくりができていくというように考えておるところでございます。 こうした制度を利用いたしまして、現在の大深度地下の利用による鉄道や道路の整備をする場合に、その整備が地上部や浅い部分の土地利用に影響が及ぶ場合等につきましては、当該施設を都市計画に位置づけるといったようなことによりまして町づくり全体としての整合性の確保を図ってまいりたい。この点につきましても、国としても都市計画決定が地方公共団体において積極的に行われるように技術的指導等をやっていきたいというふうに思っておるところでございます。 なお、当然のことながら、都市計画決定をする段階におきまして、公告縦覧あるいは説明、公聴会等の住民の意見を十分聴取する手続をとっていくということでございます。
○岡崎トミ子君 最後に大臣にも、やはり大深度を使用した鉄道建設の際の町づくりとの整合性、そして住民参加ということについての御配慮を含めてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) ありがとうございました。 いろいろ先生の御指摘、貴重と受けとめて拝聴いたしておりましたが、これからのいわゆる経費の節減とか、それからまたいろいろな意味で効果のあるこの大深度がその地域の住民にいろいろな心配をかけてはかえって私どもの意思とそごをしてまいると思いますので、今先生の御指摘にありますような有効利用のための、大深度が民衆にも大きな利益をもたらしますような、そういう方針でこれからやってまいりたい。 十分に御意見を拝聴いたしました。 ありがとうございました。
○岡崎トミ子君 終わります。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願いいたします。 大臣、先ほど岡崎委員から、冒頭、森総理の神の国発言についての質問がありました。私も一つだけお伺いをしたいと思います。 先ほど大臣が、神道政治連盟の場で申されたことだと、行政の場ではいかがなものかというような御発言をされたというふうに承ったんですが、場所によってはあの発言はいたし方なかったというような御認識なのかどうか、大臣、御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) どうも、私なんかも昭和七年生まれでございますので、アバンとアプレ、両方に足をかけておりまして、郷愁があるみたいなところがあるんですね。 しかし、政治家は、政というのは、神と人の心の間をつる、祭りというのはそれが語源だと言われていますが、神様に近づいてもいけないし、人に近づき過ぎてもいけない。神様に聞かれても恥ずかしくないことを人のためにするというのが私は宗教だと思っておりますが、これは行政の場に持ち込んじゃいかぬと。 政治家が神を信じているかどうか。だから、閣議の前に私は総理にも言ったんです。家の中にもおかみさんがいるだろうと、日本は山の神というのが一番大事な神様だということを最後につけ加えておけばよかったのになと言って、閣議が始まる前に、森総理と私は同期なものですから、若いときから、我、おれでやってきていますので、そういう私は言い方をしました。 先生はお若いですから、また余計なことを申し上げて恐縮でございますが、明治維新に、余り一般の民衆は天皇のことを知らなかったようでございます。 歴代天皇、今まで百二十五代の天皇がおられます。私は、昔、建国記念日をやるときに神社本庁三十五団体に呼ばれまして、何としても二月十一日に建国記念日をやるのならば、ここで神武天皇を言え、それから天皇陛下万歳をやれと言われましたので、私はそのとき言いました。神武天皇にはお父さんもおられたでしょうし、おじいさんもおられたから、神武天皇で切るわけにはいきませんと。 大分県の国東半島から出た「ウエツフミ」の話を聞いたことがありますが、その「ウエツフミ」の中には、神武天皇以前の七十二代の天皇の名前が隠されているという話も聞いたことがございました。今から二千六百六十年前に橿原宮で神武天皇が即位されたということですが、確かにそれまでの先祖がいらっしゃるはずでございますから。 しかし、やっぱり英国とかフランスに明治維新は影響されたようで、伊藤博文はドイツに憲法を習いに行っているようでございますが、そのとき、ウィッテに明治維新後の日本をどうして統一したらいいだろうということを相談しております。そうしたら、ドイツの人が、あなた方のところには氏神様というのがあるじゃないか、その氏神様の集中した中心が天皇だと言ったらどうだと。これが大きな間違いにつながった。 つまり、明治憲法ができる四年前に内閣制度ができておりました。明治憲法の中には総理大臣という名前が一切ありません。今でも大臣と言いますが、大きな臣というのは天皇の臣ということになっておりました。ですから、首相という名前が明治憲法では一切出てきておりません。 内閣が軍縮会議に影響を与えたときに、それは統帥権の干犯だと、こういう話につながったのは、明治憲法の欠陥は総理大臣という名前が憲法の中に一字も出てこなかった、首相という名前が一字も出てこなかった。これが現人神ということで、天皇陛下のために死ぬと、天皇陛下のためならば何で命が惜しかろうなんという歌にもつながってしまったと。私どもはああいう話を聞くと頭の中をそれがよぎるわけでございます。 私は、そういう神道の方ばかり寄っていらっしゃるところで、そういう郷愁の発言がああいうことになって、森総理も多分反省しておられると思っております。ですから、何であの大東亜戦争につながったかということを考えるならば、先生のお答えに、私はそれを政治家として反省の材料にしなきゃいかぬと。 私は、そういう意味で今度の発言は、政治家としての神様の存在というものを意識して、神様に聞かれても恥ずかしくないことをするのが政治だ、信仰というのは一人一人が持っていればいいわけでございまして、総理大臣にも信仰の自由はあると思いますが、それが行政の場としての総理大臣の場に入ってくるといろいろ問題があるんじゃないかなと、そんなふうに、御質問に対して答弁が長うございますが、これは御辛抱いただきたいと思います。 そういう国会になったと思いますので、政治家としての考え方をはっきり言う時代が来たと思いますので、(「ここは法案を通すためなんですから短くしてください」と呼ぶ者あり)御指摘をいただきましたが、そういう意味で、御質問でございますので、これはお答えをさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 私もさらっといこうかなと思ったんですが、大臣が大変御丁寧にお答えいただいて、もうこれ以上余り大臣には御質問はしませんが、氏神が間違いのもとだったとおっしゃいましたが、それが森総理が逆に鎮守の森の話をずっとされたということもありますし、郷愁で物事を発言して、その郷愁でいいことも悪いこともあると思いますし、さらには、反省の材料にするべきだというお言葉もいただきまして、私はこれについてはもう結構でございます。 なかなか私ら戦後世代にとってあの発言は衝撃的でございまして、私たちが生きてきた過程を逆に言うと否定されたような気もしておりまして、私は天皇に対して親しみを大変持っておりますけれども、やっぱりああいう表現で天皇を表現されると我々の世代は大変抵抗があって、逆に宮内庁も含めて困っているのではないかな、天皇との距離間について逆に国民が混乱するのではないかなというふうに率直に思っています。 済みません。法案の審議に入りたいと思います。 大深度の地下の利用につきましては、都市部で地上平面利用が限界に来ている以上、制度的に進めていくことに関しては反対するものではありません。また、人口の集中している都市部の住民にとっても有益な公共事業ならばそれは必要でございますし、我々もすべての公共事業がだめだと言っているわけではございませんので、この大深度の特別措置法についても基本的には評価をしているつもりでございます。 ただ、いろんな形でこの大深度の地下利用についてはメリットという面がかなり強調されているような状況でございまして、先ほどからの委員の質問で大臣もかなり御答弁いただきましたけれども、まず今回提出された大深度地下使用法案の目的と意義について簡潔にお答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 今回の意義でございますが、我が国の大都市地域において社会資本を整備する場合には、土地利用の高度化それから複雑化が進んでおりますことから、事業によっては地上で実施することが困難を増す傾向にございます。一方、社会資本整備のための用地を取得するには地権者との交渉、合意を経て権利を取得することが基本であるが、その際に地権者と権利調整に要する時間が総じて大変長期化をいたしております。 そういう傾向にありますので、権利調整の難航等のために効率的な事業の実施が困難となっております。それらの理由から大都市地域における社会資本整備に当たっては道路等の地下を利用することが多うございますので、道路のルートに従うために合理的なルートの設定が困難となる場合があります。道路の地下を中心に浅い地下の利用はふくそうしているところでございますから、公共の利益となる事業を実施する場合には、地上及び浅い地下に加えて、地権者等による通常の利用が行われない地下空間である大深度地下を、国民の権利義務に留意しつつ、円滑に利用するための制度を導入する必要が高まっているということでございます。 本法案は、こうした状況を踏まえまして、地権者等による通常の利用が行われない空間であるという大深度地下の特性に応じた合理的な権利調整のルールを定めるものでございまして、大深度地下の適正かつ合理的な使用とともに、公共の利益となる事業の円滑な遂行を目的といたしております。 以上でございます。
○福山哲郎君 先ほど大臣、細かく年次を追って流れを御説明いただいたのですが、少し私も申し上げますと、今から十二年前、一九八八年六月に閣議決定された総合土地対策要綱の中で、「大深度地下の公的利用に関する制度を創設するため、所要の法律案を次期通常国会に提出すべく準備を進める。」と書かれておられたということであって、一九八八年というとまさにバブルの絶頂でございまして、そのときに大深度地下の利用を閣議で決定された。 それから十二年たちまして、今は逆に言うと不況の真っただ中で大変国民は苦しんでおるわけですが、そのときの大深度の地下の利用というのとは、恐らく意義も環境も変わっているのではないかなというふうに感じておりまして、十二年前に法案提出が検討された当時の状態と今とはどのように異なっているのか、またそれにもかかわらず今回出されたというのは、先ほどの意義で、権利調整の難航ということで、そのためにということはよくわかるんですが、そこら辺の時間の変遷についてどのようにお考えか、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 今、大深度を使っておりますが、関西電力が地下七十メートルを使っております。私は大阪でございますので、梅田層というのは十二メートル、天満層というのは二十七メートル、淀川の堆積平野にできたところで軟弱な土地でございますから、その深度の問題というのはいろいろ問題があると思います。 先般、神田川の下に通っておりますいわゆる放水路、神田川があふれましたときにどっと四十メートルぐらい下へおろして、東京都がやっております十二メートルの直径のものを見てまいりました。それから、新宿にございます東京電力の二十七万ボルトの高圧電力をこの大都市東京に送電するための施設を見ておりまして、私はこれは大変有効な利用が今でも行われているなと。ただし、それが道路沿いに敷設されておりますものですから長時間かかったものが、今度はそれがこういういわゆる投資対効果というものが問題になってきておりますときには非常に有効に、これは経費の節減にもなる、時間の短縮にもなるということでございます。 昭和六十三年に閣議決定されました総合土地対策要綱においては、「大深度地下の公的利用に関する制度を創設するため、所要の法律案を次期通常国会に提出すべく準備を進める。」こととされておりまして、今回の法案提出までに十二年が経過してしまいました。今おっしゃるようにバブルが花盛りのころだったという感じでございますが、これはかえって土地に対する感覚というものがバブル崩壊の後私は国民の意識の中で変わってきたと。そういう有効な大深度を利用するのは、御指摘のような社会経済情勢には大きな変化がありましたから。我が国が大都市地域において社会資本を整備する場合には、土地利用の高度化それから複雑化が進んでいる等のことから、事業によっては地上で実施することが困難を増すような傾向にある、環境の問題その他いろいろございます。 そういう意味で、大都市地域における社会資本整備に当たりましては、道路等の地下を利用することが多い現在の事情を考えますと、道路のルートに従う合理的なルート設定が困難になる場合がありまして、先ほど地下鉄もカーブが多いなんという話がございましたが、道路の地下を中心に浅い地下の利用はふくそうしておりますので、地権者による通常の利用が見込まれない空間ということで、大深度の特性に応じた合理的な権利調整のルールを定める必要性はむしろ高まっているところでございます。 また、大深度地下利用に関する法制度について十年前に議論されておりましたときには、事業を所管する官庁や土地収用法を所管する官庁がそれぞれ別々に検討を行い、一つにまとまることがなかったという今までの時間の経過の中での問題がありました。 今回、平成十年五月に取りまとめられた臨時大深度地下利用調査会の答申を踏まえまして、関係する十三省庁からなる大深度地下利用関係省庁連絡会議、これは内政審議室にあったのでございますが、と調整を行ったところ、土地所有権等の関係という基本的な問題に加えまして土地収用法や公物管理法との調整も整いましたので、使用権の設定は一元的に国土交通大臣が行うことで合意が得られました。 法案を提出するに至りましたのは、来年の一月六日から国土交通省というものが発足をいたしますので非常に時宜を得たものと、私は閣法として提出を決断いたした次第でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 では、次に伺いたいんですが、地権者との権利調整の合理化、それからバブルのときから土地利用についていろんな国民の認識も変わったということですが、現実にこの大深度地下を利用することで建設コストはどのようになるのでしょうか、お答えいただけますか。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度地下施設を設置する際の建設コストについてのお尋ねでございますが、この法律によりましてルールをつくっていただければ合理的なルートの選定が事業者にとりまして可能となりますので、公共の利益となる事業の円滑な実施に資するという面と御指摘のコスト縮減にも大きく寄与することが期待されているわけでございます。 具体的に申しますと、個別の事業によって異なりますが、大深度地下の場合、浅い地下と比べまして縦方向の掘削量は確かにふえますので、それはコスト増の要因になるわけでございますが、横方向のトンネルの掘削について見ますと、大深度地下というのは非常によりかたく引き締まった地層でございますので工法的に容易な面があるというようなこと、さらにA地点、B地点が最短距離で結ばれるというようなルート短縮効果も考慮いたしますと、私ども事業費全体として一割程度のコストダウンは可能ではないかというふうに考えているわけでございます。 また、事業期間の短縮効果、さらに用地費が要らないという用地費の軽減効果も考慮すれば、さらにコストダウンが可能であるというふうに考えております。
○福山哲郎君 その一割縮減というのは衆議院でも御答弁をいただいているんですが、ただ、平成十年五月二十七日に出されました臨時大深度地下利用調査会の答申によりますと、コストはトンネル径、深さ、地盤条件により異なるが、先ほど言われた浅い地下と比べると微増から五割増し程度と、それから、今局長が言われました最短ルートの選定、短縮効果を考えると微減から四割増というふうに書かれているわけです。 そういうふうに言われていまして、衆議院でも何回もお話としては事業費全体として一割程度のコストダウンというふうに言われているわけですけれども、現実に調査会の答申では微減から四割増とかなり幅のある表現をされておりまして、この違いはどういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 私どもは答申後さらにコスト面での検討を進めてまいっておりまして、私どもが今現在この法律で想定いたしております超高圧送電線とか上下水道、そういったライフライン施設を中心に事業者からいろいろヒアリングをしてまいったわけでございます。 それでわかりましたところは、コスト面で建設コストが若干下がっているということもございますし、答申後のその他のそういった要因もございまして精査して、工法の技術革新、シールドマシンが非常に進歩しているというようなこともございまして、工法的にはむしろ横方向についてはコストダウンが可能であるというようなことを聞いておりまして、事業によって多少異なるところはあるかと思いますが、総体として一割程度のコスト削減は可能であるというふうに考えているところでございます。
○福山哲郎君 ただ、地域の違いもありますよね。東京では一三%のコストを削減できるとなっていますが、大臣の地元である大阪では逆に四割以上、四四%もコストがふえるというような結果になっています。 確かに、一割縮減というのが調査会の後のいろんな調査、工法等でというお話はわからないでもないのですが、ちょっとコスト削減を先ほど言われましたようにメリットとして挙げるにしてはこの一割縮減というのは余りにも大ざっぱな数字でして、余りにも根拠があいまいだというふうに思うんですが、そこはいかがですか。
○政府参考人(板倉英則君) 先ほど申しましたように、私ども身近な生活系のライフライン施設をつくっております事業者、電力会社等からいろいろヒアリングを続けておりまして、先ほど言いました工法の進展、それから最近の建設コストの低下の傾向等を総合的に勘案して考えますときに、確かに軟弱地盤とかいろんな地層によって工法に難易度が出てまいりますので一概には言えないわけでございますけれども、総体として見まして、先ほど来申し上げておりますように一割程度のコストダウンは可能であるというふうにお伺いしております。 さらに、私どもコスト削減に向けましてはいろんな研究を重ねまして、それが本当に実際に実現するように努力してまいりたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 次に、大深度地下の使用権を設定する手続の問題ですが、先ほどから委員の方々がかなり質問をされていますので詳しいプロセスはもう結構でございます。 一つ、大深度地下における使用権設定で住民の参加する機会、先ほどからも出ました公聴会ということがあるんですが、この公聴会の開催は事業者の義務になるのでしょうか、それとも単に必要に応じて開催できるというふうになるのでしょうか、どちらでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) この公聴会の開催につきましては、必要に応じて開催することができるということでございますが、その必要に応じてという場合をどういう場合を想定しているかということを申しますと、既存物件等が多数存在するというようなことはあらかじめわかりますので、そういったような場合には公聴会を開催する。あるいは、非常に地形的に難しいようなところを通過するルート設定をせざるを得ないというようなときに所要の専門家を招致いたしまして公聴会を開催するというようなことが考えられるかと思います。
○福山哲郎君 では、すべての場合に公聴会が開催されるとは限らないわけですね。
○政府参考人(板倉英則君) さようでございます。
○福山哲郎君 それで本当に使用権をめぐっての住民参加の機会の保障ということになるのか。 先ほど言われた既存のものがある場合に対してということになると、それは一体だれがどういうふうに公聴会を開催するかしないかの判断をするのかによって、逆に言うと恣意的な判断がされるとそこで住民が機会を得られないこともあるのではないか、それによって地権者が不利益を生じるようなこともあるのではないかと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 地権者等を含めまして周辺住民にこの大深度地下施設の設置に当たりまして十分周知徹底を図っていく必要があるということはもう御指摘のとおりでございまして、先ほどからの御質疑の中でも、まず一つは、説明会を前広にさせていただくと。説明会につきましては、通常の場合必ず実施されることになるだろうと思います。そういった説明会、それからいろんな広報、チラシ等を通じて事業の中身を周辺の住民の方に十分承知していただく。そして、関係住民の方々から意見がある場合には提出できるような機会を十分とっていきたい。 公聴会につきましては、収用法の例も同じような規定ぶりでございますけれども、先ほど申しましたように、既存物件等が非常に多数あるとか、あるいはそのルート設定上ちょっと通常と違う場合とか、そういったことが典型的には想定されるわけでございますが、必要に応じて開催するように私どもも指導してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 済みません、非常に単純な疑問をお話ししますので、お答えいただきたいんですが、例えば大深度地下に使用権を設定しようとしていると、地権者が、わしの地下に何らかのものが建てられるなんてかなわぬ、何を言ったってわしの土地なんや、四十メーターだろうが百メーターだろうが二十メーターだろうがわしは知らぬ、そんなもの気持ち悪い、嫌やと言ってあくまで反対をして使用権を認めへんぞと言っている場合にどのような対応が考えられるんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 今回大深度地下を定義するに当たりまして、深さでいいますと原則として四十メートル以下ということで一つの線を出させていただいているわけでございますが、これまでも地下四十メーター以下につきましては、使用貸借とか起工承諾とか御存じのとおりでございますが、というような形式によりまして無償で使用させていただく例が収用実務の実例あるいは用地買収の実例でも多うございます。 したがいまして、経済的な面では御理解がかなりそういった実例の積み重ねの中でいただけるかと思いますが、今度はその感情の問題でございますけれども、これは今回御提案するようなルールを、これは確かに私権の制限にかかわることでございますので、施行前に十分な周知期間をとりまして、国民の皆様方に啓蒙活動を一生懸命させていただきまして、こういった社会生活上必要不可欠な施設のために皆様方の大深度地下を公共のために使わせていただきますが、どうぞよろしくということを啓蒙活動として十分やっていきたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 ということは、啓蒙活動をしっかりやって説得をするということですね。それだといろんな人が嫌やと言い出すのと違うんかなと思うんですけれども、まあわかりました。 では、次に補償の問題についてお伺いします。 大深度地下利用においては補償すべき損失が発生しないという推定で基本的には制度設計がされていると思うんですが、発生すると想定される損害とはどのようなことを考えられているのか、簡単にお答えください。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度地下施設を設置する場合に発生が予想される損失につきましては、大きく分けて二つあるかと思います。 一つは、いわゆる既存物件と称されるものでございまして、大深度地下にわたる井戸とか、先ほど御議論のありました温泉とか、そういったものがございます場合には、これは土地収用法と同様に事前に補償手続をとっていただきまして、それの明け渡しを受けてから大深度地下施設をつくる。その場合、当然事前の補償が必要になります。 それからもう一つは、そういった既存物件以外の土地そのものの、つまり大深度地下の使用のことでございますけれども、これは収用法の原則と異なりまして、個別に同意とかを得ることなく公法上の使用権の設定の手続を先行させていただきまして、実際に損失が生じたという場合には事後的に請求を待って補償する、こういうことをやっております。 どういう場合に事後的に補償するのかという例につきましては、大深度地下利用を土地の所有者が考えていて、もう既に事前の準備をするために機械を購入していたとか、あるいは地下水の水質調査をしていたとか、そういうような準備行為にかかっていたというような場合が想定されるわけでございまして、それは実際に費用がかかっているわけでございますので、そういう場合には事後的に請求を待って補償をするという手続になろうかと思います。
○福山哲郎君 今の準備をしていて水質調査とかしている場合が事後というお話になりますが、現実には深いところを掘るわけですから、何年かたってそこの生態系が変わったとか水質が変わってしまったとか、そういうふうな事後的な損害みたいなことは想定されていないんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 今、福山先生の御指摘の点は、損失補償の場合と損害賠償の場合があろうかと思います。大深度地下施設が設置されることに伴いまして、ある種の井戸がれとか水質の悪化というようなことが仮にあった場合、これは民法の一般原則、七百九条とか工作物の設置責任というのがございます。御案内のとおりでございますが、一種の無過失責任で補償するという、それは損害賠償の世界で通則に従ってやっていただく、こういうことになろうかと思います。
○福山哲郎君 そうですよね。事後に損害が認められた場合、民法七百九条の不法行為責任の損害賠償でやると。そうすると、事後に何か損害が出てしまった場合に、地権者はその損害と大深度に建設されている施設との因果関係をみずから証明しなきゃいけなくなりますよね。大深度ですから、地下四十メートルで起こっているそれを証明すると。その蓋然性を証明するだけでもかなり困難を伴うと思われるのに、こういう大深度で起こったことを、一年というスキームですが、一年以降に出てきたものに関して民法七百九条の損害賠償の問題があるということは、地権者が協力をして地下を使わせてあげたのに、出てきた問題、それは一年ぽっきりで、先の話に関しては自分で四十メーターのことについてある意味でいうと証明責任があると。 これは地権者にとってかなり不利なんじゃないかと僕は思うんですけれども、そこはいかがですか。
○政府参考人(板倉英則君) 確かに御指摘のとおり、例えばある地下水脈がはっきりわかっていてそこを大深度地下施設が仮に通るというような場合に井戸がれ等が予想されるというような一つの典型例で申しますと、そういった場合は、地下水の調査を通じまして私ども、事業者に対しては、いわゆる賠償ということでございますけれども、事前に賠償をするように指導することも可能でございますし、そういった対策は協議会等でも関係省庁が入る中で事前に前広にやっていただくような指導も可能でございます。 それからもう一つは、事後的に七百九条に基づいて損害賠償をするときにも、これまでの裁判実例でございますと、起こった損害と行為との関係につきましては、因果関係の蓋然性を確定できるような明確なある種の蓋然性が認められれば、挙証責任を事実上転換いたしまして工作物設置者の方に責任を負わせるというような裁判実例の積み重ねもございまして、そういったことで今のような御指摘の点は救済が可能であろうと思っております。
○福山哲郎君 ということは、一方的に判例上は地権者が挙証責任を負うというわけではないということですね。それは少し安心をいたしました。 それから、例えばJRのトンネルのコンクリート落下事故などが起こっているわけですが、大深度の地下に対する安全性、建造物の質の低下が年月を経れば当然起こるわけでして、それがさらにいろんな副作用として出てくるような状況もあると思いますし、四十メートルですから何が起こっているかわからなくて、それが将来的にそこの住民や地権者にとって不利益になる、もしくは健康、生態系上の問題になるようなことも十分想定されているんですが、この建造物の質の低下、四十メーターに対しての安全性やそういったものについての基準についてはどのように今確保される御予定でしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 地上の建築物の荷重との関係で大深度地下構造物が十分な強度と耐性を持つように設計されなければならない、それは政令で基準をきちっと書きたいと思いますし、またその設計の指針になるようなことは現在技術検討委員会で細部を検討いたしておりますので、その中で明らかにさせていただきたいと思っております。
○福山哲郎君 冒頭申し上げましたように、基本的には大深度地下利用に関しては必要性は認めます。しかし、この法律の持つ意味合いというのは非常に大きくて、事が地下四十メーターの話でございますから、我々が直接それにしっかりと、因果関係が出てくるまではっきりしないということで、その間にいろんな問題が出てくることをやっぱり懸念しておかなければいけませんので、地権者の損害に対するフォローも含めて、そこは十分慎重に運用していただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石渡清元君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、福山哲郎君及び奥村展三君が委員を辞任され、その補欠として海野徹君及び岩本荘太君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 休憩前に引き続き、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高野博師君 それでは、大深度地下利用に関する法律について御質問いたします。 午前にもいろいろ同じような質問が出ましたので、できるだけ簡単にしたいと思いますが、まず最初に、将来の都市計画あるいは町づくりにおける大深度地下の利用の位置づけ、あるいはメリットについてお伺いいたします。
○国務大臣(中山正暉君) けさほどの御質問にもお答え申し上げましたように、この大深度というのは、私は、これからの二十一世紀にできるだけ早くいろんな目的を完遂するために、できるだけ人に迷惑をかけない大深度という地層をいかに有効に利用して、この二十七万平方キロ、南北に二千八百キロ、まず最初は三大都市圏でございますが、町づくり、その町づくりには社会資本をどのように整備するかが重要となります。 我が国の大都市地域においては、社会資本を整備する場合には、土地利用の高度化それから複雑化が進んでおりますことから、事業によっては地上で実施することが困難を増す傾向にございます。このため、公共の利益となる事業を実施する場合には、地上及び浅い地下に加えて地権者等による通常の利用が行われない地下空間、これが大深度ということでございますが、国民の権利保護に留意しつつ、円滑に利用する必要性が高まっている。 今国会におきましても、先般、都市計画法の一部を改正する法律が先生方のおかげで成立したところでございますが、この中で新たに都市施設について適正かつ合理的な土地利用を図るための必要があるときは、当該都市施設を整備する地下について立体的な範囲を都市計画に定めることができるとされておりますので、今後地下空間における歩道ネットワーク等の施設整備が一層進むものと考えております。また一方、本日御審議いただいております本法案には、地権者によって通常利用されない大深度地下について合理的な権利調整のルールが定められているところでございます。 このため、今後は本法案とそれから都市計画法との運用面での緊密な連携が重要であると認識しております。両法の運用の基本となる事項を基本方針に位置づけるとともに、地方整備局長を協議会長といたします大深度地下使用協議会の場を通じて十分な調整を図ることによって、都市計画と一体となった適正かつ合理的な大深度地下利用に努めてまいりたいと思っております。 御指摘のありました点、これからいわゆる大深度の効用というものを、その価値をいや増すための計画を、新しい一月六日からの国土交通省という交通と道路が一緒になるという行政の大改革が行われるわけでございますが、大いに将来に私は期待をいたしております。
○高野博師君 ありがとうございます。 そこで、大深度地下を利用して例えばガスとか水道とか電気とか通信、こういうものの共同溝をつくった場合には、今至るところで問題になっている道路工事、これは解消するのかどうか。 特に大都市ではもう至るところで道路工事をやっているということで、本当にその必要性があるのかどうかというのを若干疑問に思いながら見ているんですが、この道路工事によって損なわれる景観とかあるいは経済的なロスというのは非常に大きいと思うんですが、これは大深度地下を利用することによって解消の方向に行くのでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 御指摘のございました共同溝でございますが、この整備につきましては、引き続き整備の促進を図るほかに、本法案の運用についても、構想段階等の早い段階から事業間の調整を協議会を活用して行うことによりまして、事業の共同化等を積極的に推進してまいりたいと存じております。 大都市でも、もう同じところを何度も掘ったりする、それからまた景観も非常に悪い、そういう面が、共同溝に入れるものは入れるものとして、また大深度を使うものは使うものとして、省庁間、一府十二省になるわけでございますので、効率的な、また縦割りを是正するためのこういう共同溝とそれから大深度の調整には私は有利に展開をしていくのではないかと希望を持っております。
○高野博師君 それでは、大深度地下利用の対象地域は政令で定める地域ということになっていますが、当面は首都圏、近畿圏、中部圏ということが見込まれているんですが、将来の見通しはどうなるのか、お伺いいたします。 大深度地下利用というのは、地権者との交渉が不要であるとか、建設費用が安く上がる場合もある、あるいはルートを自由に選べる等いろんな利点があって、公共事業の安易な拡大につながらないのかどうか。一般国民の目に触れない場所での工事でありますので、その必要性等の評価もしにくいという点があると思うんですが、きちんとした行政評価というのはする必要があるのではないかと思うんですが、これがこの三つの都市圏から拡大していくのかどうか、その辺の見通しについてお伺いいたします。
○政務次官(増田敏男君) お答えをいたします。 一般に私権の制限を行う場合、その制限を適用する地域については、私権の制限の内容や方法についての妥当性、制限の必要性等を総合的に勘案してまず定めることになります。 本法案を適用する必要性のある地域としては、平成十年五月の臨時大深度地下利用調査会答申にありますように、土地利用がふくそうするなど公共の利益となる事業を円滑に遂行するため、大深度地下を使用する社会的、経済的必要性が存在する地域に限ることが妥当であると考えております。具体的には、当面三大都市圏を対象地域とし、その他の地域については事業の必要性等を勘案して政令で追加することといたしております。 したがって、先生は首都圏にお住まいですから、首都圏の場合には一応基本の線が、木更津、千葉、成田、竜ケ崎、羽生、行田、東松山、それから飯能、青梅、八王子、ちょっと飛びまして小田原と、この辺の範囲が近郊整備地帯であります。これを基準に考えて必要があれば延ばす、こういうのが考え方でございます。 それから、本法案は、地権者による通常の利用が見込まれない空間であり公法上の使用権を設定しても実質的な損失が発生しないと推定できるという大深度地下の特性に応じた合理的な利権調整のルールを定めるものであります。特定の地域において特定の事業を推進することを意図するものではございません。 よろしくお願いいたします。
○高野博師君 それでは、原状回復について少しお伺いいたします。 認可事業者の原状回復の義務が法案に規定されているんですが、ある一施設が例えば首都機能の移転等で不要になった場合に、あるいは工事が何らかの事情で中止になった場合、原状回復はかなり難しいのではないかと思うんですが、その原状回復の程度の問題もあるかと思うんですが、これについてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 午前中の御質疑でもあったわけでございますが、大深度地下施設の場合は、施設を設置する際に相当長期間にわたって使用するということを前提に、相当の強度、耐久性を持った施設として設計されるわけでございます。したがいまして、その施設が用途を終えまして事業が中断あるいは廃止されるというような場合には、この法律におきまして、使用権設定権者に対して届け出義務を課すると同時に、安全の確保上あるいは環境上必要な措置を講じた上で、例えばトンネルの場合でございますと砂で埋め戻す等の措置を講ずることにしているところでございます。 そういうことで、私どもとしましては、この大深度法に基づく原状回復義務で一応行政上の義務を課し、それが履行されることを期待しているわけでございますが、万が一その行政上の義務が履行されないという場合には、先ほども御答弁申し上げましたとおり、行政代執行法の通例に従いまして原状回復を求めていく。 それから、もうちょっと実務的なレベルで申しますと、協議会等でその施設について特有の安全上の措置、どういう対策が必要かというようなことを議論していただきまして、関係省庁の御意見も伺いながら適切な原状回復を求めていくということに留意していきたいと思います。
○高野博師君 その施設は相当の強度を持ってつくられるんだと思いますが、やっぱり耐用年数というのがあると思うんです。それが使われなくなったときに、その耐用年数を超えたときにきちんと原状回復をしておかないと、これが崩壊したりなんかして地盤沈下とかあるいは地下水の汚染とかいろんな問題が起きてくるんではないかと思うんですが、この耐用年数は大体どのぐらいのことを想定しているんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 施設によりまして耐用年数というのは相当異なってくると思いますけれども、私ども、今までの例えば地下鉄等で地下の地上権を設定する際の免許の期間の条件を見ておりますと、施設の存する限りというような扱いになっておりまして、相当長期間にわたって使用されるということを前提に、期間を明示せずに地下鉄等は免許を与えております。 恐らく、大深度法の使用権設定につきましても、先ほども申しましたとおり、地上の建築物も含めまして相当の荷重に耐えられる強度、耐久性を持った施設として設計されることになりますので、その耐用年数というのは百年とかそういうオーダーで非常に長期にわたるものとして考えていかれるものと考えております。
○高野博師君 それでは、将来の地下空間といいますか大深度の利用に関して、将来はもっと技術的にも進むんだろうと思うんですが、そしてこの利用の仕方も将来変わってくる可能性もあるんではないか。 例えば大規模な地下市街の建設とか、あるいは地下物流のシステムをつくるとか、さっき言いましたライフラインの共同溝をつくるとか、あるいはモスクワの地下鉄のように有事の際にはシェルターにも使う、日本はそういうことは考えられないと思うんですが、いろんな利用の仕方が今後あり得ると思うんです。 大深度地下の利用は適正かつ合理的、そして計画的に行うということになっていますけれども、施設の撤去困難という性質にかんがみると必要最小限度の利用という、当面はそういう考え方が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 仰せのとおりでございまして、大深度地下法で対象事業といたしておりますのは、収用法対象事業を上限といたしまして、その事業の中で大深度地下利用の可能性のある、あるいは必要性の高い事業に限定するという姿勢でございます。 しかも、使用権の設定に際しましては、公益性、必要性等を十分総合的に勘案しまして判断してまいりたいと思っておりまして、真に大深度を使うことがふさわしい施設に限定していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○高野博師君 それでは次に、安全性の問題についてお伺いいたしますが、地下災害の大半は火災だと言われておりますが、そのための安全確保を図るというのは非常に重要だと思います。 そのほかに、地震の問題あるいは浸水とか停電等の対策も十分行う必要があろうと思いますが、大深度地下の施設というのが一般犯罪とかあるいはテロとかそういう対象の場所にねらわれやすいのかどうかはよくわかりませんが、ねらわれた場合には被害等が非常に大きくなるんではないかと思うんです。その施設の構造上の問題とかあるいは緊急時のアクセスの問題等難しい問題があると思うんですが、国土庁はどういうようにお考えでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 私どもで答えられる範囲で御答弁申し上げますけれども、まずテロ等の犯罪防止につきましては、やはり施設内部の空間設計あるいは監視システム等により防止措置を講ずることが大変重要であるというふうな指摘を受けているところでございます。 具体的に申しますと、犯罪の発生を事前に防止するという観点から、出入り口等につきまして監視体制を充実しておくとか、あるいは必要な巡回をするとか、防犯カメラを設置して中の出入りがわかるようにするとか、そういった措置が当然必要になってまいりまして、特に出入り口というのがアクセスポイントになりますので、そこの出入り監視あるいは管理の実施ということが大変重要な要素だという指摘を受けているところでございます。 それからもう一つ、安全面で火災というのが非常に大きな要素でございまして、過去の地下施設の災害の半数以上が火災に関するという御報告がございます。そういうことでいえば、私どもは大深度地下施設の火災対策というのが最も重要な安全対策の一つだという認識でございまして、臨時調査会の中の技術・安全・環境部会の中でも三年間にわたりましてこの点については慎重な御審議を賜り、また消防庁等からもいろんなサジェスチョンを受けているところでございます。 私どもが現在わかっている範囲で申しますと、既にそういった施策が大変進んでおります長大なトンネル、海底トンネル等のトンネル、それから相当超高層のビル、そういったところで講ぜられております火災に対する安全対策を大深度地下施設に講じていけば、そういった火災等の安全という面では十分な対策が講ぜられるのではないかということがわかっております。 それで、特に有人施設の場合、大変火災の問題が重要でございまして、大深度の有人施設の場合の特徴といたしまして、一つは、重力に逆らって地上方向に避難する必要がありますが、それが非常に困難である。それから、煙が流れ込む方向と消防隊が進入する方向が逆であるというようなことがございまして、一たん災害が起こりますと外部からなかなか状況が把握しにくいという点があるわけでございます。 これにつきましては、重力に逆らうということに対しましては、地上への避難時間が長時間化する懸念がございますので、水平方向に一時避難できるような場所を確保するということが大変重要でございまして、私ども地下街等で講ぜられている対策を見ますと、防火防煙区画によりまして幾つかのブロックに分けまして火災範囲を局限化する、あるいはそこから避けて水平移動ですぐ近くに一時避難をする、それから一時避難した場所からは複数経路でもって地上に到達できるような避難経路を設けておくというような対策が講ぜられておりまして、そういったものを十分参考にしながら大深度施設の安全対策を考えていきたいと思っております。
○高野博師君 それでは、環境保全に関係してお伺いいたします。 地下水とか地盤の変化等、地下の生態系というのがあるんだろうと思うんですが、地下にも地下水あるいは小動物、微生物、いろんなものがすんでいるわけで、地上の生態系とやはり密接な関係があって存在しているんだと思うんですが、そういうものに対して、例えば地下水の汚染とかあるいは還元性の地層の酸化反応、いろんなことが想定されるんですが、そういう生態系の問題についてはどういうお考えでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度地下の生態系への点についてのお尋ねでございますが、私どももこの審議の過程を通じまして何人かの専門家の御意見を拝聴してまいりました。 水中微生物の先生あるいは動物学の先生、土壌微生物の先生、水文の先生等々からいろいろ、大深度地下に相当する地下の水中微生物、土壌微生物等の生態系について現在どの程度の知見があるかということをヒアリングを通じて把握したわけでございますけれども、非常に既存の知見ではなかなか十分わかりにくい、データも必ずしも十分でないというところがございまして、地下深くの生物あるいは微生物への影響、また逆に人体に対する影響というのを、これまでの大深度地下の事例、例えば海外における鉱山等の利用も含めまして、特にそういう顕著なものは報告されていないということでございます。 私ども、こういった報告をもとに一応の検証はしたわけでございますが、まだ知見が十分でないというところもございまして、今後とも必要な知見の収集、蓄積に努めてまいりたいと思っております。
○高野博師君 それでは最後に、この大深度地下利用について、地下施設に対する漠然とした不安を一般の人は持っているんではないかと思うんですが、科学的な根拠とか科学的な知見に基づいて技術的に安全の面、あるいは環境保全上問題がないということ、そして社会資本の整備という点で利用価値が高いということを国民一般にきちんと説明する責任があるんではないか。 いわゆるアカウンタビリティーがあると思うんですが、この法律の存在を知らない人がほとんどでありますし、所有権が大深度まで及ぶといっても、全然知らないうちにいつの間にか自分の土地の下に地下施設ができていた。けさもそういう話がありましたが、こういうことが起こり得るわけで、この法律の存在そのものを政府がきちんとした手段で、あるいは一般紙等に載せる等で国民に知らせるということが必要なんではないかと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 私ども、平成七年の臨時大深度調査会法に基づく調査会の答申がまとめられるまでの三年間、中間報告の段階も含めまして、それぞれ意見がまとめられる節目節目ごとに啓蒙活動を行いますと同時に、説明会あるいはシンポジウム等々を通じまして調査会以外のメンバーの専門家の方々の御意見とか、それからさらにシンポジウム等の会場に御出席いただいた方々の出席者に対するアンケートを通じまして、大深度地下利用というのがどの程度国民に周知されているかというような意向把握にも努めてまいったところでございます。 確かにおっしゃいますように、大深度地下利用をするということについてやはり漠然とした不安感というのがあることも否めないわけでございまして、暗いとかじめじめしたとかいうそういったものにつきましては、今までも地下街等の実績等を通じまして、必要な対策を講ずれば十分地上施設と同じように明るい落ちついた雰囲気の空間として利用することが可能であるというようなこともわかっておりますし、先ほど来御指摘いただいております安全対策につきましても、十分な対策を講じていけば十分利用可能なものができるということがわかっておりますので、これからこの法律がもし御成立を認めていただきましたら、施行されるまでの期間、十二分にそういった啓蒙、周知活動について努力していきたいと思っております。
○高野博師君 終わります。
○岩佐恵美君 この法案は地権者との権利調整をしないで大深度地下を使用できるようにする、三大都市圏で公共公益事業を実施する新たな道を広げよう、そういうものです。 今日、公共事業のあり方については経済財政運営の最大の焦点の一つとなっています。サミット七カ国の中で日本の公共投資規模、これは他の六カ国の合計を上回っています。異常に突出して、その結果、国と地方の借金は、もうあちこちで言われていることですが、国内総生産、GDPの一・三倍、六百四十五兆円にも膨れ上がって破産国の状態にある。他方、社会保障給付に対する国の負担割合は八〇年代から二十年間で三分の二に引き下げられ、医療・年金制度の相次ぐ改悪、これで国民の生活不安が非常に高まっています。財政の優先順位をこれまでのように公共事業中心から社会保障中心に転換することが今強く求められていると思います。そういうときに、大深度開発のための新たな法律までつくって大都市での大型公共事業を推進する、そのことが本当に国民のためになるんだろうか、国民生活の実態とかあるいは財政状況に全く逆行しているんじゃないだろうか、そう思います。 この法律でどんな事業を行おうとしているのか、まずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 先生の御指摘のように、今の日本の財政状況、言いますならば日本のバブルの崩壊で、短期の資金がヨーロッパにシフトしたのが、ベルリンの壁の崩壊で私は世界は平和になったのかなと思ったら、金利差を利用して日本にあった短期の資金、二千億ドルぐらいと言われておりますが、これがあっという間にヨーロッパにシフトした。 それから、香港の返還の後、七月一日に返還した後、これはヘッジファンドのモルガン・スタンレーの戦略部長バートン・ビッグスという人が十月二十日と二十三日に、いつもこれは例示に出すのでございますが、世界に電子メールを二回送りましてアジア投資をゼロにしろと言っております。それが七百二十億ドルと半分にアジアの投資がなってきたことが、橋本財政再建、行政改革という二頭立ての馬車の一頭を外さなきゃならない。二兎を追う者は一兎をも得ずという小渕総理のお話に象徴されているわけでございます。 それから、宮澤三百億ドル基金、それからまた最近百億円の基金を連休の間に行ってお出しになっている。どうやらアジアがもとへ戻ってきた。やっぱりアジアをしっかりさせるためには日本がしっかりしないといけない。千三百三十三兆の金融資産がまだ日本にはある。郵便局の集中満期百六兆ですか、これが二年で抜けるんじゃないか。半分ぐらい、五十数兆円また郵便局に戻ってきているということでございますし、このいわゆる国民の金融資産を利用させていただいて税金を上げずにいかに日本の経済を立て直すかということが私は今の、雑駁に言いまして、また答弁が長くなるとしかられるといけませんのであれでございますが、私はそういう中で今の日本はやっぱり経済再生をしなきゃいかぬ。 特に、サミット国の例がございましたが、もういつも言うことでございますが、一六六三年にターンパイクといって英国ではもう高速道路を着工しております、馬車用でございますが。それから、大石内蔵助が討ち入りしたときにはもうパリでは下水は全部できておりました。ですから、ヨーロッパと単純に比べるということは、先進ヨーロッパに倣って明治維新から後発的にこの軟弱な国土の上に日本という経済大国を築き上げてそしてアジアのために貢献をしているという日本は、やっぱり経済をしっかりつくっていかなきゃいけない。そういう意味での公共事業だと私は思っております。 この法案は、大深度地下の適正かつ合理的な使用とともに公共の利益となる事業の円滑な遂行を目的とするものでございまして、現在でも大深度地下に相当するような深い地下が、超高圧送電線とかそれから上下水道等の生活に密着したライフラインの施設を中心に利用されておりますけれども、通常の道路の地下に設置されるために曲がりくねったルートの設定を強いられておりますのが直線コースをとれるということでございます。本法によって、このようなライフラインの施設を含め、地下鉄、地下河川等の公共公益事業がより円滑に実施されることが私は見込まれる。 けさほどの答弁でも申しましたが、神田川の環七地下の河川、壮大なものでございます。直径十二メートルでございますから、地上にあふれる水が一時的にそこへ収容されるということで水害を防ぐ。それからまた、東電の東新宿の地下変電所、二十七万五千ボルトの送電線が入っておりまして、我々の目に見えないところでそういうものが、東京都という三・六%の国土に二六%の人口が寄っているところのいわゆるインフラストラクチャーに大いに役立っているということに意を強くいたしまして、むしろ法律的な根拠をつくって三大都市圏にまずインフラを展開するということは、私は国家の利益にとって大変大きな効果を生む、かように思っております。
○岩佐恵美君 経済問題あるいは財政の問題についてここで議論をするということは、法案審査の時間もなくなりますので余り深入りはできません。 いずれにしても、今、日本の公共事業というのは国、地方合わせて年間五十兆円、そして社会保障が二十兆円。こういうお金の使い方に問題はないのかということで、公共事業に非常に光が当てられて、そしてむだはないのかと。それでいろいろ時効が来たら見直しをして、むだな公共事業をやめていきましょうというようなことも始まっているわけです。あるいは費用対効果の見直しだとか、そういうことが始まっているわけです。 大体、この大深度地下開発というのは、一九八七年に中曽根内閣が策定した第四次全国総合開発計画で、地下深層空間、これを公的利用に優先させる制度の検討を行うと明記したのが始まりです。翌八八年に政府の総合土地対策要綱で法案の提出準備が閣議決定されて、一斉に各省庁、企業、業界、そういう団体からさまざまな大深度地下開発構想が打ち出されました。大深度地下開発は、バブル経済の異常な地価高騰の中で、土地買収費がかからない開発方式として構想されたものなんです。 ところが、現在は御存じのように九年も連続して地価が低下をしています。むだな公共事業の見直しが求められている。バブル当時とは全く社会経済情勢が違っています。だから、何で急いでこの大深度地下使用法を制定しようとしなければいけないのか。そのことについて、私は今の答弁でもわからないんです。 そこでちょっと伺っていきたいと思いますけれども、都市の公共施設を整備する手続について、今、都市計画法があります。また、公共施設の整備に必要な土地の使用については、任意交渉を基本としつつ、法制度としては土地収用法があります。国民や地域住民の納得を得られる事業であれば、私は現行制度のもとで事業は円滑に実施できるというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 今の先生のお話でございますが、地価は下がっていると申しましても、国土の狭隘な、八割が山で非常に狭いところにたくさんの人が住んでいるというところでは、まだ外国に比べますと大変な土地自体に高い値段がついております。それからまた、この間もニュースで聞きましたが、外国に比べて物価が二〇%も高いという日本の、ある意味で世界と比べていろんなひずみがある国家でございますから、できるだけそういう基本的な社会的な価値を、効率のいい公共事業をやっていかに整合性のあるものにしていくかということは、私は日本の国の政治をする者の責務だろうと思っております。 公共目的のための土地の収用とか使用に関する一般法としては土地収用法がございます。また、同法は、地表や浅い地下を主に想定しておりまして、これらの収用、使用に伴って補償すべき損失が通常発生するという前提のもとに、事前に権利者及び補償金の額を確定させ補償金を支払う仕組みとなっておりますけれども、本法案は、地権者によって通常利用されていない大深度空間を対象とすることから、使用権を設定しても損失が発生しないということが推定できることを前提といたしておりまして、事前の補償手続が不要という、そういう公共投資に簡素化をもたらすということでございます。 したがって、これらの法律では損失補償について仕組みが全く異なっておりまして、本法案により公共の利益となる事業がより円滑に実施されるのがこの法律の効果であると思います。
○岩佐恵美君 まさにそこが、私は事業者の利便だけをねらったものだというふうに思うんです。本法を使えば地権者の同意が要らない、土地物件の詳細な調書をつくる必要もない、補償金も払わなくて済む、事業者には大変都合のよい制度です。 ところが、地権者、住民にとっては、了解もなしに地下に大規模な構造物がつくられる、どこの地下が使われるのかということは正確にはわからない。通常は使われていない深さであるとしても、そこに大規模な施設をつくる以上、地権者とか住民の了解を得てやる、あるいはそのために最大限努力するというのが私は民主主義社会の当たり前のルールだというふうに思います。大深度地下は住民にはどうせ利用できないんだから勝手に使わせてもらいますよという考え方というのは、余りにもひどいのではないかというふうに思います。 午前中の議論で、説明会もやります、あるいは公告縦覧もちゃんと手続にのっとってやりますというふうにいろいろ言っておられましたけれども、幾つかの手続があるといっても、最終的には地権者の了解なしでやるわけですから、結局は聞くだけということになってしまうと思うんです。 地権者に実質的な損害はないと言うんですけれども、大深度地下の使用が将来にわたって地上の土地利用にいささかも影響を及ぼすことはないというふうに本当に断言できるのでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 先生御指摘の大深度地下でございますが、これは通常地権者等により利用されない地下空間であるということでございまして、この通常利用されないという範囲でございます。 私どもが想定しておりますのは、超高層ビル等、現存する最大規模の建築物の設置にも支障がないと。当然、超高層ビルでございますと地下に地下室を設けまして、あるいは地下室で足りない場合は基礎ぐいをもちまして支持層で支えるというような構造になってくるわけでございますが、そういった支持層等を含めまして、全く超高層ビルの建築に支障がないということで、私ども現在東京にございます超高層ビルについては悉皆調査をいたしまして、それとの兼ね合いで大深度地下の定義としまして、原則として地下四十メートル以下、それから支持層が深い場合には支持層から十メートル以下を大深度として定義しているわけでございます。 さらに下の大深度地下につきまして、社会生活上必要不可欠な施設のために公法上の使用権の設定をすることは、現在の憲法上あるいは民法上も許されるのではないかという、これは私どもの政府部内での検討の結果そういうことでございましたし、臨時調査会答申の中でもそういう御指摘をいただいているところでございます。
○岩佐恵美君 そこのところはまた後で議論したいと思いますが、手続の問題で、今回の制度は土地収用法の大深度地下における特例という性格を持っています。 土地収用法では、まず土地収用法を適用する事業の認定を行い、一年以内に起業者が都道府県の土地収用委員会に裁決を申請する。裁決申請があれば、地権者等は収用委員会に意見書を提出することができる。収用委員会の個別審理による裁決で権利の使用が決まります。 ところが、この大深度法では、土地収用法の事業認定に相当する使用認可だけで、土地収用委員会にかけることもなく事業者が大深度の地下の使用権を得るということになるわけです。 これは、地権者を無視するということにはなりませんか。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度地下使用の特別措置法でございますが、先ほど以来御議論が出ておりますが、土地の収用、使用に関する一般法でございます土地収用法の特別措置を定めるものだという御説明をさせていただいているわけでございます。そこで、土地収用法というのは、先生今御指摘のとおり土地を収用するに際しましては、権利者を確定し、あるいは補償額を確定するなど事前の補償手続を経て権利を取得するというのはもう本当に御指摘のとおりでございます。 しかし、先ほど御説明申し上げましたとおり、大深度地下というのは通常の地権者によって利用されない空間である。そこを公法上の使用権の設定を仮に先行させても実質的な損失が生じないだろうという推定のもとに収用法と異なる手続を定めているものでございまして、この大深度法に基づきまして実施する場合には、個々に地権者の同意等を得ることなく公法上の使用権の設定が可能となるわけでございます。 ただし、それにかわるべき措置といたしまして、先ほど以来御説明申し上げておりますが、前広に説明会を開催する、これは収用法にない措置でございます。それから、都市計画法や収用法にございますように、一般公衆への公告縦覧、それから利害関係人からの意見書の提出、それから公聴会の開催等慎重できめ細やかな住民意向把握のための手続、仕組みをこの中に置いているところでございます。
○岩佐恵美君 土地収用委員会に対する裁決申請では、今の説明のように地権者の氏名が特定されるということになります。ところが、その使用認可の申請では、事業計画あるいは事業区域は示されるけれども、だれの土地が対象になっているか明示されない。午前中の審議にもあったところです。氏名を特定した調書を作成するのは、その大深度に達する井戸あるいは温泉ですか、そういうものがある場合だけだと。知らないうちに地下の使用が認可されるということになりかねないわけです。 しかも、その収用裁決というのは第三者機関である収用委員会が行うわけですが、使用認可は国土交通大臣または都道府県知事です。道路や地下鉄、地下河川、下水道など事業所管大臣と使用認可権者、これが同一ということになると、これで本当に公正な審査が期待できるのだろうかということなんです。 これは実例があるわけですね。建設省は去年の八月、首都圏中央連絡自動車道、圏央道の東京都青梅市からあきる野市の区間について土地収用法の事業認定を申請しました。地権者は、こういう条件で土地を売ってくれという具体的な話は一度もないままに突然事業認定を申請した、そういうことで怒っていました。 その後、私がこの委員会で住民の声を受けて質問して、中山建設大臣が現地に足を運んでいただき、地権者とも会っていただいて、一軒一軒回って生の声を聞いていただきました。これは私どもも評価をしているわけですけれども、ただ、その後が問題でした。 その場では、話し合いはこれが最後ではないということでしたけれども、結局、地権者と建設省の具体的な話し合いはありませんでした。一方的に事業認定に判を押してしまうということで、残念な事態になりました。結局、その法律には学識経験者の意見聴取、公聴会の開催、こういうことが規定されているわけですね。そして、それを要求する多数の意見書が出ていたわけですけれども、ついに行われることがありませんでした。 私は、この公告縦覧、意見書提出、これもこの今の私の具体的な例から見ると、単に形式的な手続ということだけに終わってしまう。大深度の使用認可に当たってこういう一方的なやり方、そういうことがまたまかり通ってしまうのではないかというふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 二つの御指摘がございましたので、前の方の事業所管大臣と使用権設定大臣が同一でいいのかというお尋ねについてまずお答え申し上げます。 今回の大深度法の所管大臣を省庁再編後の国土交通大臣としているわけでございますが、それは現在、国土庁設置法の中に大都市の機能の改善に関する総合的な政策の立案というのがございまして、これが内閣総理大臣を補佐する国土庁が行う事務として整理されているところでございます。省庁再編後には、その事務がそのまま国土交通大臣に引き継がれるということでございまして、この大深度法の所管大臣といたしましては、事業所管大臣としての立場ではなくて、事業の公益性、必要性について統一的かつ公平に判断し得る使用権設定大臣としての国土交通大臣が所管するということでございまして、法律の施行に当たりましても公正かつ適正な運用に努めてまいりたいと思っております。 それから、いろんな住民の意向把握の手続はあるが、実際にそれが有効に機能しているかという第二の御指摘でございますが、これは私ども、この法律を施行する際には、確かに使用権の設定に際して個々の地権者の同意を得るという手続は不要になるわけでございますが、先ほど御説明しましたように説明会を前広に開催しまして、地域住民の理解をいただくように努力するとか、あるいは土地収用法や都市計画法等と同様に、公告縦覧あるいは意見書の提出の手続、さらには必要に応じまして公聴会を開催する等によりまして、きめ細かい周知措置に努めてまいりたいということでございます。 そういったことを含めまして、本法案の施行に当たりましては、そういった措置について実際の法律の執行に当たる方面に対して十分な周知措置を図るとともに、適正な運用に努めてまいる考えでございます。
○国務大臣(中山正暉君) 圏央道の際には本当に先生にお世話になりまして、ありがとうございました。 もう先生を時の氏神として、先生のおしりについていけば間違いないだろうと思って参りましたら、本当にそういう感じになりまして、その節、あそこでも思ったんですが、地表をこういうところを抜くとなかなかこれは難しい問題だなと、こういうとき大深度ならばうまくいくんじゃないかな、こう思ったのでございますが、もう大勢の九百人の方が賛成してくださっていまして、そしてあと十三軒ばかりでございますか、の方々の御意見はもういろいろとお伺いをしたということを伺っておりましたので、どういうふうにしたらいいか。 やっぱり民主主義というのは最大多数の最大幸福だと思いますので、もう黙って最初から応じてくださった方々の御意思も尊重しなきゃいかぬ。ここらがもう判断のしどころではないかなと思いましたので、まことに恐縮でございましたが、収用手続をさせていただいたということで御了承をいただきたい。費用対効果を考えますと、随分マイナス効果にならざるを得ないようなところで私が判断をすべき、それが政治家として国土庁をお預かりしている者の責任ではないかと、こう思いました。 それと同じじゃないかということでございますが、そんなことはないと思っておりますが、本法案は、地権者による通常の利用が見込まれない空間でございますので、公法上の使用権を設定しても実質的な損失が発生しないと推定できるという大深度地下の特性に応じた合理的な権利調整のルールを定めるものでございます。したがって、土地の収用とか使用によって通常補償すべき損失が発生するということを前提としている土地収用法とは異なりまして、あらかじめ地権者を特定したり、それから個々の地権者の同意をとるということを不要にしているということが大変大きな効果を持つものと思っております。 しかしながら、使用権の設定に当たっては、国民の権利保護に十分配慮をいたしまして、前広に事業者による説明会を開催する等によりまして地権者への十分な周知を図ることとし、また、土地収用法や都市計画法と同様の公告縦覧、意見書の提出という仕組みもとっておりまして、さらに必要に応じて公聴会を開催することといたしておりますし、本法案の施行に当たりましては、これらの措置について十分な対応をして、適正で非難を受けることがないようなもので国民の皆さんに喜んでいただける、そういう効果の法律でありたいなと、かような願望のもとに提出をいたしております。
○岩佐恵美君 せっかく大臣にお答えいただいたんですけれども、圏央道問題について言えば、右の手で事業申請して、大臣の左の手で認可をするという、そういう役割だったわけですけれども、その真ん中でやっぱり今までの手続に本当に問題がなかったのかどうかということで確かめていただいて、住民の声をよく聞いていただいた。 ただ問題は、認可をされるその前に、一言住民の皆さんに私はこう思うんだということを言っていただいたらよかったんじゃないか。大臣がせっかく現地まで足を運んでいただいて、直接会っていただき話を聞いていただいた。そのことを今までの建設行政になかったことだということで、住民の皆さんは非常に感動したし期待もしたんですね。それだけに、認可をする前に一言もなかった、私にも御連絡いただくということがなかったものですから、そういう点では岩佐議員にもなかったのかというので、現地では非常に残念がっておりました。 私は、善意で動いても仕組みそのものががちっとはまっていると、なかなかそれが現実にはそうはいかないということがある実例としてこの件があるのではないかと思っているものですから、やはり今後のきちっとした対応の一つの反省材料にしていかなければいけない問題だと思っているんです。 この法律は、関係事業者については土地収用法にはない事前調整の手続を設けているんですね。認可申請の前にあらかじめ事業概要などを届け出る。大深度法の対象となり得る事業者、すなわち鉄道会社、電力、ガス、通信会社などに対しては、事業所管大臣からの事業概要の周知や事業者間の調整が保証されているんです。 ところが、一般の地権者等については公告縦覧だけですから、この段階では意見書の提出は規定されていません。また、対象地域ごとに国の関係行政機関と関係都道府県で構成される大深度地下使用協議会で事業の円滑な遂行のための協議が行われる。協議が調った事項については国の行政機関等は協議結果を尊重する、そのことが義務づけられているわけですが、結局、使用認可申請の公告縦覧、一般の地権者等の意見書提出という手続は、事業者間の調整がもう既に行われて、関係行政機関や都道府県の協議が全部調って、事実上すっかり固まってから行われるということにすぎないと思うんです。 ですから、国民の意見が反映される、そういう手続とは言えないと思うんです。あれこれ十分聞きますということを言っておられるんですけれども、これはもう繰り返しになりますので、私はその問題は残るということを指摘させていただいて、次の問題に行きたいと思います。 先ほど同僚議員から、産業廃棄物、一般廃棄物、これが対象施設になるのではないかという話がありましたけれども、私は、もう一つ電力会社の使用済み核燃料あるいは放射性廃棄物、この貯蔵施設というのは対象になり得るのかどうか、その点を伺いたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この法律で対象としております事業というのは、法律で原則として限定列挙し、土地収用法対象事業のうちで大深度地下利用の必要性の高い事業、あるいは可能性のある事業について政令で追加することができるということになっているわけでございますが、今御指摘の使用済み放射性廃棄物処理施設につきましては、私どもこの法律の対象とすることを全く考えておりません。
○岩佐恵美君 今は考えていないけれども、やろうと思えばできるということなのですね。 そうすると、一般廃棄物や産業廃棄物と同じということになるんでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) 御指摘の使用済み放射性廃棄物処理施設は収用法の対象事業に入らないということでございます。したがいまして、それが上限でございますので、本法案においてそれを対象とすることは考えておりません。
○岩佐恵美君 次に、安全性の問題です。 大深度地下については大変わからないことが多過ぎる。例えば、地盤とか地下環境あるいは人間環境への影響、そしてそのことのデータの蓄積とか研究、これが進んでいないというふうに言われているんですけれども、この大深度地下の地盤、環境についての調査研究体制はどうなっているのでしょうか。
○政務次官(増田敏男君) 御指摘の点につきましては、平成七年からおよそ三年間にわたりまして、臨時大深度地下利用調査会において、安全、環境、技術開発等の各分野の第一人者たる専門家に御参集をいただきまして、技術・安全・環境部会を設置して検討を行ったところであります。問題点及び課題に対する対応策について取りまとめてきたところであります。調査会答申に引き続き、現在技術検討委員会を設置いたしまして技術的な面について検討を行っており、技術指針として取りまとめることとしております。また、地方自治体、調査機関等においても研究成果の蓄積が進んでおります。 さらに、法案第八条において、国及び都道府県の責務として、地盤の状況、地下の利用状況等に関する情報の収集、提供等に努めることを規定しており、今後これらの機関と連携を図りながら、知見の蓄積、活用に努めてまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 「未来につなげよう 大深度地下利用」という大変立派なカラー刷りのパンフレットを見ますと、冒頭「もう始まっています大深度地下利用」というページから始まって、最後は「さまざまな可能性を秘めている大深度地下」ということで、非常にいいようにいろいろ書いているわけですけれども、調査会の報告書では、「大深度地下については、利用例もこれまで必ずしも多くなく、また、設置した施設の撤去が困難であるので、大深度地下の利用に当たっては慎重な対応が求められる。」というふうに指摘をしているわけです。 それで、これまで下水道管とか高圧電線あるいは通信ケーブルのためのトンネルなど、大都市の大深度地下でつくられている例はあるんですけれども、極めて少ないというふうに思います。専門家は、そういう中で、広がりを持った地下空間の建設、つまりかなり広いものをつくるということ、あるいは一定の範囲内に、このパンフレットを見ると、もちろんこれはこんなものですよということを示すためにいろんな管が、この表紙のところに管というかこういう利用があるよという絵になっているんですけれども、要するに、こういう利用の密度がどこまで許容されるのかということについてもまだ解明されていないんだということを言っているわけです。 それは、いろんなものを利用すれば地盤が弱くなるということは言われているけれども、まだ解明されていないという指摘がありますけれども、その点はどうですか。
○政府参考人(板倉英則君) 現在、我が国におきまして大深度地下に相当する深さを利用している事業といたしましては、先生御案内のとおりでございますが、東京、大阪における超高圧送電線事業、例えば銀座付近で土かぶり四十メートルを超えるもの、あるいは大臣が先ほど御答弁を申し上げましたが、西梅田、大阪駅付近で土かぶり七十メートル程度のもの等がございます。また、上水道につきましても、土かぶり四十メートルを超える事業が大阪、神戸などで実施されておりますし、また、下水道につきましても、東京、横浜、大阪などで四十メートルを超える事例が出ております。 それから、地下鉄事業につきましても、だんだん深くなっておりまして、東京の営団南北線の後楽園駅などは四十メートルを超えておりますし、新たにことし中に開通する予定の都営大江戸線の駅も一部で四十九メートルという深いところに入っているわけでございます。こういった事例がございますけれども、いずれも道路下が多うございまして、道路下は非常に錯綜しておりまして、東京の青山通りなんかを見ていただきますと、本当にぎっしりライフラインでいっぱいに詰まっているというような状況でございます。 そういったことでございますので大深度地下を利用する必要性がございますが、この大深度地下を利用して使用権を設定するかどうかということにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、その事業の公益性、必要性等を総合的に判断しまして大深度地下を利用することが真にふさわしいものに限定して利用を認めていく、そういう方針で慎重に対処してまいる所存でございます。
○岩佐恵美君 調査会の答申では、設計あるいは施工技術について、支持層より深い地層の調査事例はまだ少ない、地下水圧が高い等の厳しい点もあり慎重な対応が必要、こういう指摘をしながら、実際は現状の調査技術で対応可能とか、あるいは適切な工法で慎重にやれば現段階の技術で地下百メートル程度までは建設が可能、こう結論づけています。 ところが、去年一月の地下空間シンポジウムで東京都立大学の今田教授は、大深度地下施設の建設技術について、従来の実績は多くなくこれから多数の知見を積み重ねねばならない領域であると指摘をしているわけです。ですから、やっぱり学者がそういう指摘をしているということですから、建設はもう可能なんだということでどんどんと進めるということではなくて、本当に慎重にきちっと調査をしてやらなければいけないという分野だと思います。 とにかく地下というのは大変複雑で、もうこれは共通認識ですけれども、私たちが見えないところなわけですから、軽々に今の技術でやればできるんだと、技術過信というのは私はよくないというふうに思うのですけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(板倉英則君) 確かに、大深度地下に関する知見、データにつきましては、公共公益事業に関しまして幾つかのボーリング等をやっておりまして、それによっていろんなデータが収集されつつありまして、それを大都市の地層解明あるいは支持層の分布等に私ども活用して今後の法律の施行の参考にしていきたいと思っております。 確かに御指摘のとおり、まだまだ知見が不十分であったりあるいは未解明の部分もたくさんございます。それにつきましては、先ほど御指摘の調査研究体制の充実も含めまして私ども謙虚にそういった必要な知見、データの蓄積に今後とも十分努力いたしまして、この法律の適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 安全性の問題については、火災、爆発、地震、浸水、停電、そういうことが想定をされます。これまでも地下街やトンネルで火災はたびたび起きていて、火災というのが事故の半分ちょっとを占めているということです。 大深度の場合は重力に逆らって避難しなければならない、これも先ほど説明があったところですが、停電が災害に重なるということになると致命的なことになると思いますけれども、こうした対策はとれるのでしょうか、消防庁。
○政府参考人(鈴木正明君) 地下の利用施設は、今お話しのごとく地下の空間を利用するという特性から消防の観点から見ましても、利用者などの避難あるいは消防隊による消火・救助活動などにおいて大きな制約を受けることが想定されるわけでございまして、これまでも、お話のように不特定多数の方が利用する道路トンネルあるいは鉄道につきまして、事業を所管する省庁とも協議をいたしまして消火活動や救助活動が円滑に行えるための設備等を設置させているということでございます。水噴霧設備とか排煙設備、あるいは消防隊の活動に必要な無線の補助支援設備、そういったものを設置させているところでございます。 大深度地下につきましては、深度が深くなるにつれまして消火・救助活動というものの困難性が高まるということは予想されます。したがいまして、この法案の中におきまして、「大深度地下の使用に当たっては、その特性にかんがみ、安全の確保」「に特に配慮しなければならない。」と定められておりまして、また、大深度地下の使用に関する基本方針に安全の確保について定めるということにされております。さらに、大深度地下の利用に係る具体的な事業につきましては安全に関する事項も含めて必要な協議を行う協議会を設けることとされておりまして、消防庁としては、この協議会に参加いたしまして個別の事業について安全の確保に関し協議を行うこととしております。 その中において、これまで得られました知見等も十分活用して対処してまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 「セキュリティ研究」という雑誌の去年の十月号に、「大深度巨大地下施設の消防活動は」と題して、消防庁の事務局が行った消防技術の将来予測調査が掲載されています。そこでは、大深度地下などの密閉された複雑な巨大空間における消防活動では、消防隊員の位置特定システムが重要だと指摘をしています。 この回答者の七六%が二〇一〇年までに実用化を予測しているんですが、実現を阻害する要因として、コストが高くなる、研究開発体制が十分でないということを挙げていて、現在の技術を統合化すれば実用的なシステムに仕上げることができるが、開発体制、資金面の確立が必要というのが専門家の多数意見と結論をされています。 そういうことが可能な体制になっているのでしょうか、消防庁として。
○政府参考人(鈴木正明君) 御指摘の「セキュリティ研究」の記事につきましては、お話のございました消防技術の将来予測調査、これは消防活動のための資機材や防災対策のための機械器具として将来どのようなものが開発されるか、あるいは実用化される可能性があるかということにつきまして、学識経験者あるいは消防機関の職員に対してデルファイ法で調査が行われて集約されたものでございます。 今回、約三十項目ございまして、その中で消防活動、救助活動にかかわる技術開発項目といたしまして、今お話しの地下構造物などで消防活動を行う場合に消防隊員の位置が三次元でわかるというようなシステムを開発するということで消防隊員位置特定システムという点について取り上げられているわけで、お話のように技術的な隘路はそれほど予想されないので比較的近い将来に実現する、こういうふうにされております。ただ、お話のように、課題といたしましてコストの問題とか研究開発体制の問題が指摘をされているわけでございまして、専門家によります将来の消防技術に対する現時点での一つの見方が示されているというふうに私どもは考えております。 そこで、これまでも例えば地下施設に対する消防活動のための排煙技術に関する研究など、消防研究所がございますので、そこでいわば安全確保の点から研究を推進してきているところでございます。 消防庁としては、今後とも大深度地下における消防活動を支援する各種の技術開発、消火面、救助、救急といった面での技術開発が進むように、消防研究所やあるいは他の関係機関の協力をいただきながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 次に、安全性の問題等ですけれども、地下水位低下による塩水遡上、地盤の酸化、地下水滞留による硝酸汚染、地下水位上昇により地下水の酸化、こういうものがある。これに関しては本当に今後の課題であるし、古くから塩水遡上の問題に関してもその定量的な三次元的な調査もされていない、こう指摘しているのは岡山大学の西垣教授です。 それで、さらにその答申でも、還元性地層の酸化反応による地下水の強酸性化、有毒ガスの発生、地盤の発熱、強度低下、これを生じるおそれがあるという指摘をしています。しかも、このような地層に対しては事前に調査を行い、慎重に対策を行う必要があると指摘をしているだけで、防止策は全く示されておりません。 さらに、この西垣教授は、地下水位が変動することによって地表や地下の生態系にどのような影響を生じるのか、あるいはそれほど影響がないのかについても判断も極めて未知の分野であると、長期間の地下水位の変化による地上の生態系への影響や地表温度への影響などに警告を発しておりますし、塩基性微生物への酸素の影響、これも他の学者の方々も指摘をしています。 環境庁として、こうした問題についてどんな研究をしているのか、済みません、また時間がなくなって、簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤保雄君) 環境庁といたしましては、御指摘のいろいろな研究につきましては昭和六十三年度から平成四年度にかけまして委託調査で実施したことがございますけれども、現時点におきまして、今御指摘のような非常に機微な研究につきまして国立環境研究所の調査対象も調べたのでございますけれども、現在のところ実施してはおりません。 しかしながら、こういう地盤環境への影響につきましては未解明なものが多いことから、既に大深度を使用している事例なんかをも対象にいたしまして、それから今後御指摘の点も含めまして具体的な地盤環境の影響についての調査を実施するなど必要な調査研究は進めていきたい、こう思っております。
○岩佐恵美君 今まで議論をしてきたところで、個々の工事における調査の蓄積というのが中心で全体的な三次元的な実態というのは本当にわかっているんだろうか、これで的確な環境影響評価はできるんだろうかという疑問が残ります。大深度地下の本格的な利用を行う以前に解明しなければならない研究、これが大変まだまだ貧弱だということも感じます。 大深度地下というのは、残された非常に大きな空間です、貴重な空間です。将来に禍根を残さない、そういうためにまず基礎研究を充実するということが必要だと思います。 済みません、残された時間がわずかなので、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 大深度地下の利用につきましては、基礎研究を行うことが特に重要である、私も同感でございます。物事の始まりでございますから、将来どんなことが起こるか、人間のやることでございますから注意をしなきゃいかぬと思います。 本法の第八条におきましても、地盤の状況、それから地下の利用状況等に関する情報の収集、提供に努めるべきこととしておりまして、これから得られる知見の蓄積、活用をさらに図り、各事業者それから調査機関とも連携をしつつ、大深度地下利用に関する基礎的な研究体制の強化に努めてまいる所存でございます。 また、大深度地下利用のあり方に関しましても、現在、各事業者、省庁との連携をして、大深度地下の適切かつ合理的な利用を進めるための調査を実施しておりまして、具体的には利用がふくそうする場合の事業間の調整方法、それから共同化を進めるなど、効率的な空間利用について調査研究を進めるとともに、関係省庁それから関係事業者、調査機関等と連携を図りながら、この法律の実務面のノウハウを蓄積して活用を進めてまいりたいと思います。 私どもの寝ているまくらの下でございますので、まくらを高くして寝ることができるようにしてまいりたいと思っております。
○岩佐恵美君 終わります。
○大渕絹子君 よろしくお願いいたします。 本法律案を制定するに当たりまして、その大深度地下利用について安全性などさまざまな角度から調査研究がなされてきたと思いますけれども、どのようなことを積み上げてきて確認をしながらこの法律を出されてきたか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 臨時大深度地下利用調査会におきまして、御指摘の安全の確保の観点が極めて重要な事項でございますので、技術・安全・環境部会を設置いたしまして、消防の実務担当者、先ほどから御答弁をいただいておりますが、地下空間の防災の専門家それから建築物の防災の専門家など、防災に関する各方面の専門家の参画を得て約三年にわたり調査審議を行ってまいりました。 調査審議におきましては、地下災害の約半数が火災・爆発であると報告されているところから、火災・爆発対策について精力的に検討されたほか、地震、浸水、停電等の災害についても慎重な調査審議がなされておりまして、これらの調査審議を経て審議会で取りまとめられた事項につきましては、大深度地下の公共使用に関する基本方針、これは第六条でございます。それから、火災、地震災害への配慮事項として使用の認可に際し基本方針に適合しているかどうかを慎重に審査する、これは第十六条でございますが、安全の確保に万全を期してまいりたい、かように考えながら提案をいたしております。
○大渕絹子君 法案のできる前にもさまざまな、建設省もそうですが、通産省などでも大深度地下空間開発技術の研究開発などというものを行いながら、ジオドームですか、これを成功させたと。これは一九九七年に相模原市内で地下七十メートルに直径二十メーター、高さ十二・五メーターというミニドームの建設に成功したと、こう言われているんです。 これは通告していないんですけれども、この施設は今はどうなっているかわかりますでしょうか。事務方で結構です。
○政府参考人(板倉英則君) 先生御指摘の相模原市にございますジオドームの実験施設につきましては、通商産業省の補助金を得て実施された実験施設でございまして、地下八十メートルの空間に一定の広がりのある地下室をつくりまして、それをスパイラルトンネルというもので保護するような形でつくりまして、一定の地下空間を都市的な利用ができるかどうかというような実験をしたものでございます。 これにつきましては、実験の目的を達成したということで今埋め戻しが行われておりまして、その上部の五十メートル地点ではまだ横のトンネルが一部残っておりまして実際に見ることも可能でございますが、その八十メートル下のジオドームの実験の対象施設そのものは閉鎖されていると聞いております。
○大渕絹子君 つくった目的は達成されたと言っていますけれども、私が聞いたところでは、メンテナンスの費用などがかかり過ぎてとてもその地下の空間を維持していくのが難しい、そういうために埋め戻しをせざるを得ないということでございます。 本来、大深度地下がそういうドームとかをつくるのに向いているということであるならば埋め戻す必要は全くなくて、ほかの何か有効的なものに使うことは可能なわけですけれども、残念ながらそうではなくて、埋め戻さなければならないという事態になっているということをぜひ皆さんにもわかっていていただきたいなと思うので、あえて言わせていただきました。大深度地下にインフラ整備などは私は大丈夫というふうに思いますけれども、人間がそこに長い間とどまるということはなかなか難しいのかなというふうには思っているところでございます。 それでは、岩手県の久慈では地下百メートル以深の花崗岩の中に百七十五万キロリットルの原油、あるいは愛媛県菊間では六十五メーターの地下に花崗岩の岩盤の中に百五十万キロリットルの原油、それから鹿児島県串木野市では百メーター地下に安山岩の岩盤の中に百七十五万キロリットルの原油を備蓄している。あるいは兵庫県奥多々良木地区発電所は地下三百メートルに築かれている。あるいは山梨県の葛野川揚水発電所は地下五百メーターに築かれている。あるいはまた、岐阜県宇宙線天文台スーパーカミオカンデはニュートリノの測定に支障のある宇宙線をカットするために地下千メーターの岩盤の中につくられている。あるいはまた、鉄道とか道路のトンネルは地下三百メーター以深のものも数多くありますけれども、これらの今既にもう大深度地下を利用しながらつくられている構造物はどのような手続で土地収用をなさってきたのか、教えていただきたい。
○政府参考人(板倉英則君) 先生今いろいろ非常に多様な施設について御指摘でございますので、私ども全部承知しているわけではございませんが、発電所等につきましては、電力会社が直接用地を買いまして、その敷地内につくっている例もあろうかと思います。それから、道路の下を収用法の対象施設としてあるいは道路法等の占用物件として地下を使用しているという例もあろうかと思います。 そういうことで、今まででいえば収用法あるいは公物管理法の手続を経て土地を取得し大深度地下を利用する、こういう手続でございます。
○大渕絹子君 言いましたように、今までの手続でこういうものは既につくれる状況ですね。だから、新たにこの法律がなぜ必要なのかというところになっていくんです。 それでは、今までの、鉄道とか道路なんかの場合にトンネルを掘る場合に、いろいろ言っているとわからなくなりますので、山の中を突き抜けるトンネルに限って、その補償というのはどんな試算がなされるのでしょうか。
○政府参考人(板倉英則君) トンネルの場合で申し上げますと、山をトンネルが貫通する場合は、土かぶりの程度によりまして使用権の設定の仕方が異なりまして、入り口ではもちろん所有権を取得し、土かぶりの浅いところでは地上権を設定し、土かぶりが一定以上深くなり、大体私ども用地実務の数字で見ておりますと四十メーターを超えるようなところにつきましては起工承諾という格好で、無償で使用を受けてトンネルを設置しているというふうに聞いております。
○大渕絹子君 この法律では、使用権設定に伴う補償はどうなりますか。
○政府参考人(板倉英則君) それで、今申し上げましたような事例でございますと、いずれも土地所有者の同意が必要であるということになるわけでございますが、今回大深度地下というのは、通常地権者が利用しない空間であるということに着目いたしまして、そういった特性から特別の権利調整のルールを定めておりまして、通常の場合は公法上の使用権の設定手続を先行させまして、その場合にただし既存物件については収用法と同じような事前の補償をしまして、土地の大深度部分の使用そのものにつきましては使用権の設定の手続を先行させる。 ただし、実際に損失がある場合もございますので、権利法に遺漏のないように事後的に請求を待って補償するという仕組みにしているわけでございます。
○大渕絹子君 通常利用しない空間というのは、一体だれが決めるんですか。
○政府参考人(板倉英則君) これは土地の最有効利用ということを念頭に置いておりまして、最有効利用というのは、現在我が国に存在する超高層の建築物、それの建築が可能であるということでございまして、もうちょっと申し上げますと技術的に建築可能である、あるいは法令上の制限の範囲内である、それから経済性に見合っているというようなことを要件にして判断されるというふうになっております。
○大渕絹子君 今現在は使用されない空間というふうに規定されるとしても、将来的にそれが利用されないという保証はないというふうに思いますけれども、その将来の利用権までも奪うことができるんですか。
○政府参考人(板倉英則君) 私どもは、現在東京等に存在する超高層ビルというものを悉皆的に調査いたしておりまして、その地下室の利用あるいは基礎ぐいの利用等から見まして、支持層の浅い場合には四十メーター、深い場合にはその支持層の上端から十メーター以下を大深度地下と定義したわけでございますが、そうして外形的に把握される大深度地下であれば、今私どもの承知しているところでは現実の土地利用に障害は生じないというふうに考えております。
○大渕絹子君 それでは、私たちは自分の土地造成などをするときに、土を買って埋め戻しをしながら造成するというようなことをよく行うわけですけれども、自分の所有の大深度の土を掘削いたしまして捨てられたということを、その土そのものが価値あるものだとしてその所有者が訴訟というか損害賠償などを起こされた場合は可能でございますか、これは。
○政府参考人(板倉英則君) 大深度ということでございまして、土地の所有権の地下四十メーター以下につきまして公法上の使用権の設定を認めていただこうというのがこの法律の趣旨でございますけれども、その際に所有権はどうなるかということでございますが、確かにおっしゃいますように形上は所有権の中に入っておりまして、その土の問題がどうかということはあるわけでございます。 これについては、今までの補償等の実務を見ますと、先ほど申し上げましたように、経済的には起工承諾あるいは使用貸借で用地実務上処理している例が多うございまして、経済的には限りなくゼロに近いものとして実務上処理されているわけでございます。したがいまして、所有権の下の方の地下四十メーター以下の土を勝手に取られたということについては、これは公法上の使用権のためであればやむを得ない制限であろうと、こういうふうになろうかと思います。
○大渕絹子君 それでは、トンネルなどを掘るときに、あるいは基盤整備などをするときに、土地を掘って、その土に対して補償した例はないのですか。あるでしょう。
○政府参考人(板倉英則君) 補償実務の中で、土地の使用貸借をする際に、トンネル等につきまして、先ほど言いましたように土かぶりあるいは地下四十メートル以上超える場合には、これは例外なしではございませんけれども、使用貸借あるいは起工承諾という格好で、補償金はなしに地権者の同意を得て使用させていただいているということになっております。
○大渕絹子君 この法律では損失補償請求期限を一年ということにしてありますけれども、自分の土地の下を掘られているかどうかというのはよくわからないわけですね、その人たちにとっては。事前に全部の承諾を得るわけではないでしょう。 そうしますと、この一年では短いのではないかというふうに思うんですね。気づいたときはもう二年目になっていたとか三年目になっていたとかということはないのかなと思って。 この期限を一年にした理由は何ですか。
○政府参考人(板倉英則君) これは、既存物件等につきましては事前補償で行うということが前提で申し上げますと、大深度地下で事後的に請求を待って補償するというのは、私どもが想定いたします限り一般的には軽微なものであろうというふうに推定できるわけでございます。 それで、ほかの立法例等、例えば河川法に基づく溝垣補償、先生御案内のとおりそういうものがございますが、それは一年の除斥期間ということで制度が組み立てられておりまして、そういった既存の立法例を参考にしまして一年ということにさせていただきました。
○大渕絹子君 それでは、地下の乱開発を防止するための措置はどうなっていますか。
○政府参考人(板倉英則君) この大深度地下使用の特別法の対象事業でございますが、これは先ほど来御議論していただいておりますように公益性を有する事業に限定しております。 したがいまして、法律で限定列挙している事業が対象になるということでございますので、その反射的効果といいますか、私人が私的目的のために、自分の土地は別でございますが、他人の土地を使用するということは反射的に抑制される、こういうことになろうかと思います。
○大渕絹子君 対象地域を三大都市圏に限ったのはなぜですか。
○政府参考人(板倉英則君) これは、大深度地下法案というのがある種の私権制限に踏み込む法律でございます。 したがいまして、制限の内容、方法の妥当性、あるいは制限の必要性等を総合的に勘案いたしまして、先ほど来御説明しておりますように、公益事業につきまして、大深度地下ではなかなか道路下以外に用地の取得が困難だというような事情も加味いたしまして、当面は三大都市圏に限定して適用し、事業の必要性等に応じて逐次政令で追加していこう、こういう仕組みにしたわけでございます。
○大渕絹子君 都市と都市周辺部に利用が制限をされるその主な理由としては、都市の過密状態の解決を図るということ、それから景観や都市の役割を守るために地上と地下の使い分けを明確にするというようなこと、それから都市の災害から市民を守るというようなことが挙げられているわけですね。そして、今実際に、先ほど大臣からでしたでしょうか、環七の地下河川のお話もございました。あるいはまた、首都圏の外郭放水路の建設も予定がされているというふうに聞いております。 私は、地下河川と聞いて、頭の中で想像力をずっと回しまして、出口はどうなっているのか。河川というと上流があって当然河口があるわけですが、その出口は、大臣は見てこられたそうですが、出口はどうなっていましたか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 環七の地下河川も大阪府における寝屋川の地下河川も出口は海に面しておりますが、低いところにございますので、ポンプアップで水を吐くこととなっております。 〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
○大渕絹子君 さっき大臣は、この地下河川、環七の地下河川もそれから首都圏につくられる放水路も、洪水時、いわゆる災害、水害を防ぐために役立つものだというふうにおっしゃっていますね。そうすると、この地下河川が、今出口はないわけですので水がためられていきますね。 そうすると、常にあいた状態でないと洪水を防ぐことにはならないわけでして、たまったものをどのくらいの期間でどのくらいの電力を使って排水する仕組みになっているんでしょうか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 地下河川の仕組みは、平常時は空洞になっておりまして、そして小さな雨が降っても水は入らないようになっております。小さな雨、小規模な雨は従来の河川ではけるわけでございますので何も入らない。ある一定以上の大きな洪水になると、のみ口が高いところに設定してありまして、そこから水が、洪水の上水が入るような形で地下の空洞の、いわゆる地下の中にある、大都市の中にあるダムに入っていくという形式になっています。そしてその後、洪水が終わった段階、川の水が小さくなった段階でポンプでくみ出して川へ戻してやるということになります。その時間は、今私の手元にございませんが、環七の地下河川、そして大阪の寝屋川、それぞれポンプ代で年間約一億円ぐらいの費用がかかっておると考えております。 ただし、この費用が一億円かかっておりますが、具体的に申しますと、環七の地下河川では、平成九年に実は平成五年と同じような大洪水が来たわけです、神田川に。平成五年八月には神田川は床上、床下三千百戸以上が水につかりまして百五十六億円の被害を受けました。そして、平成九年に同じような雨が来たんですが、もうそのときは地下河川ができておりましたので浸水被害はございませんでした。大阪の寝屋川でも昭和五十七年八月に大きな洪水が来たわけですが、床下、床上二千六百戸以上が沈みました。そのとき九十二億円の被害があったわけでございますが、その後に地下河川ができて以降、実は同じような雨が昭和六十一年に発生しまして、そのときは床下浸水八戸にとどまっております。その被害額が、九十二億円がほとんど小さな数字で済んだということになっておりまして、大阪府の試算によりますと、地下河川ができて以降現在までの累積の被害の軽減額は二百三十五億円となっております。 ですから、この稠密な大阪、東京における人々の生活と財産を守るために、この年間一億円程度のポンプ代の費用は、私ども多大な効果から見ても妥当だと考えております。
○大渕絹子君 そこを私は、費用がかかり過ぎるから悪いとか何とかと言っているわけではないんです。ほかの方法があるのではないかなというふうに思うので言っています、地下河川にしなくても。 新潟市も非常に天井川でございます。信濃川、阿賀野川がありまして、そして常に洪水の危険を持っています。だから、至るところに排水機場などをつくって常に排水に万全を期して洪水から五十万の市民を守っていることをやっているわけで、そういうところにもしこれが、こういう地下河川というようなものが有効に使えるのかなというふうに思いながら今費用の計算などを言っていただいたわけでございますので、ありがとうございました。 それからもう一つ、今計画中のものに物流ネットワーク、これは大深度地下スーパーネットワークが提案をしているというふうに言われていますけれども、晴海から新宿までの距離に九カ所ぐらいの拠点を物流で結ぶというような構想があると聞きますけれども、これの中身を教えていただけますか。
○政府参考人(板倉英則君) 私ども、そういう構想があるということは承知しておりますが、詳細については、申しわけございませんが私どもの手元に今資料を持ち合わせておりませんので。
○国務大臣(中山正暉君) 私は、きのうたまたま小渕総理が提案された三大都市圏の再生委員会に出ましたら、秘書官が資料を持っているかどうかちょっと今聞いているところでございますが、不動産協会の提言にそういうものが出ておりましたようでございます。──経団連の計画のようでございますが、それは全く絵があるだけという感じでございました。きのう初めて私も首都圏の再生委員会でその話を聞きました。
○大渕絹子君 これはこれは驚きでございます。この大深度地下を審査する担当官、大臣が知らないというか計画だけでわからないというようなことの答弁というのは全く腑に落ちません。 それは、きのうの通告のところで言わなかったですよ。言わなかったですけれども、実際には調査資料の中にはこういうふうな形でちゃんと出ているんですよ。そうしたら、これについて聞かれても当然答えられるはずでしょう。
○政府参考人(板倉英則君) 今先生が御指摘の構想があるということは私ども承知しておりますけれども、しかしそれが今現在御審議いただいております大深度法の適用を直ちに受ける事業であるという認識は持っておりませんので、今後の検討課題として十分私どもも一生懸命勉強してまいりたいと思っております。
○大渕絹子君 そういうお答えをするのであれば、当然、リニアモーターカーの都市圏に入ってくる利用についても同じ答弁をするんでしょう。 〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
○政府参考人(板倉英則君) リニア新幹線の問題につきましては、いろいろ検討が進められていると聞いておりますが、現在実験線におきまして走行実験を繰り返しているところでございまして、まだ幾つかの課題、例えば長期走行安定性の課題、それからコスト削減あるいは採算性の課題、それから減速時の走行の安定性等の技術的な課題等、いろいろまだ克服すべき課題もあると聞いておりまして、引き続き実験が続けられているというふうに承知しているところでございます。
○大渕絹子君 この法案をつくろうというきっかけは、リニアモーターカーをどうしたら都心に持ってこられるかということから始まっていることは皆周知の事実なんです。ですから、そういうことをきちっと踏まえながら答弁をしないとひどいことになってくるなというふうに思います。 それでは、時間がまだありますので、最後に海外における大深度地下利用の状況というものを、四十五分までどうぞ話してください。
○政府参考人(板倉英則君) かいつまんで海外における代表的な地下利用例につきまして御説明申し上げます。 例えばアメリカのシカゴでございますが、ミシガン湖の汚濁防止という観点、あるいはシカゴ市の雨水の浸水被害防止という観点から、最大の直径が十一メートルの地下トンネルを地表からの深さで五十メートル以深の深さに、総延長距離で二百十一キロという壮大な地下トンネルを設置していると聞いておりまして、これが非常に洪水防御等に大きな効果を発揮しているというふうに伺っております。先ほど河川局長からも神田川、環七地下河川の例がございましたが、私どもも非常に参考になるのではないかというふうに思っております。 それからもう一つ、ロンドンのテムズ川の下をくぐりますジュビリーラインというロンドンの都心とドッグランドを結ぶ地下鉄工事でございますが、これは土かぶり最大五十メートルの深さに地下鉄を設置しているものでございます。ロンドンはおもしろくて、地下九メートル以深については一律に一メーター当たり三・五ポンド、約七百円でございますがノミナルな補償をして、それで権利を取得しているというふうに伺っております。 それから、パリの例で申しますと、A86、これはフランス語でどう読むか私はわかりませんがA86号線というのがございまして、これはベルサイユ宮殿の文化財あるいはその周辺の森林を保護するためと伺っておりますが、二段式の地下の高速道路としておりまして、土かぶりが約三十メートルということで、現在建設中だというふうに伺っています。 それから、モントリオールの例でございますが、これは冬期の寒冷地対策ということで、モントリオールの市街のビルとビルを地下通路でネットワークで結びまして、実にその延長は三十五キロにわたっていると、これも私どもは大変参考になる例だと思っております。
○大渕絹子君 終わります。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として松崎俊久君が選任されました。 ─────────────
○島袋宗康君 私は、法案自体の問題点について若干の質問をしたいと思います。 まず、現時点にこの法案を提出する必要性及び背景は何であるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(中山正暉君) 先進国と言われておりますけれども、日本は公共投資後進国といいますか、いつもサミットごとに言われます。沖縄で今回サミットが開かれるわけでございますけれども、その際にも、毎回のサミットで、日本はもっとインフラストラクチャー、公共投資を、都市の基盤整備をやりなさいという指摘を先進国同士の中で日本が言われるということでございます。 我が国の大都市地域においては、社会資本を整備する場合には、土地利用の高度化、複雑化が進んでおりますので、事業によっては地上で実施することが困難を増す傾向にございます。また、用地の取得に当たりまして地権者と権利調整に要する時間が総じて大変長期化をいたしておりますから、道路の地下を利用することが多いために合理的なルートの設定が困難となる場合がありまして、道路の地下を中心に、浅い地下の利用はふくそうを逆にしております。 このために、公共の利益となる事業を実施する場合には、地上及び浅い地下に加えて、地権者等による通常の利用が行われない地下空間である大深度地下を、国民の権利保護に留意しつつ、円滑に利用するための制度を導入することが必要ではないか。 特に、先ほどから御質問がありまして、海外の例その他、もうこれは二十一世紀の私は大都市における、かつて私どもが子供のときには、高層建築物なんて地震国日本では不可能だと思っておりましたものが技術的に可能になりました。今度は、大深度というところが意外な大都市の近代化を図るために有効ないわゆる地下の空間、地下の空間と言うとおかしいですが地下に利用できる部位があるということは、私はこれは技術で克服できる、百メートルぐらいまでは可能だということでございますので、これは大きな効用になり、先ほどから建設省の河川局長が申しておりましたが、私も地下トンネルに入ってまいりましたら、平成五年のときはここまでというような目盛りがついておりました。 それから、大阪も寝屋川から平野川放水路というのができまして、私もそのテープカットに住吉区の方でございますが行ってまいりまして、そういう都市防災のためにもかなりの効果が出てくる、いろんな私はプラス効果が出るものだと思っております。
○島袋宗康君 約十年前に各省庁がこのような法案を検討されたというふうなことがございます。今回の本法案は当時検討された法案の内容と何が異なっているのか、また、なぜこの法案が国土庁のみの所管になっているか、それをただします。
○政務次官(増田敏男君) 大深度地下利用に関する法制度につきましては、お話がございましたように、十年前に議論されたときは、事業を所管する官庁や土地収用法を所管する官庁がそれぞれ別々に検討を行い、一つにまとまることがなかったところであります。 今回、平成十年五月に取りまとめられました臨時大深度地下利用調査会の答申を踏まえて、関係十三省庁から成る大深度地下利用関係省庁連絡会議等において調整を行ったところ、土地所有権との関係という基本的な問題に加え、土地収用法や公物管理法の調整も整い、また使用権の設定は一元的に国土交通大臣が行うことで合意が得られ、法案を提出するに至ったところであります。 また、使用権の設定を初めとする本法案による事務は、現行設置法上、大都市の機能の改善に関する総合的な政策の一環として内閣総理大臣を補佐する国土庁が行う事務と整理されており、省庁再編後は、その事務をそのまま引き継ぐ国土交通省において所管することが適当である、このように考えております。
○島袋宗康君 大深度地下の定義については二つの号から成っておるようであります。しかも、政令で数値を定めることとしておりますけれども、単純に地下何メートル以深というように法律で定義することはできないんでしょうか。それを御説明願いたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) この法律におきます大深度地下の定義でございますが、私どもは支持層の位置によって二つのケースを想定しているわけでございまして、第二条第一項の第一号におきましては、これは支持層が比較的浅いケースを想定いたしておりまして、超高層ビルの地下室を直接基礎とするというケースを想定しております。 〔委員長退席、理事田村公平君着席〕 それから第二号でございますが、これは支持層が比較的深いケースでございまして、超高層ビルを基礎ぐいでもって支えて支持層に到達し、そこでもって超高層ビルを支える、こういうことを想定いたしております。したがいまして、その第二号の場合は一律四十メートルというような書き方ができませんで、つまり支持層との位置の相対関係で大深度の地下の定義が決まってくるということでございます。 これにつきましては、私ども今、支持層の分布等を地下マップで表示できるような工夫をしておりまして、そういったものを公表することによりましてこの制度が使い勝手がいいようなものになるように努力していきたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 大深度地下にも所有権が及んでいると解釈をするならば、地権者の意思をそんたくすることなく使用権を設定することは問題があるのではないか。また、必ず損失補償が必要ではないのか。その辺をお尋ねいたします。
○政府参考人(板倉英則君) これにつきましては、大深度地下という地権者による通常の利用が見込まれない空間であるということに着目いたしまして、公法上の使用権を設定しても実質的な損失が発生しないだろうという推定のもとにこの制度を組み立てております。したがいまして、土地収用法のように通常土地の収用、使用によって補償すべき損失が発生するという法律と組み立てが異なっておりまして、事前に個々の地権者の同意をとることを要しないというふうにしているわけでございます。 〔理事田村公平君退席、委員長着席〕 ただし、国民の権利保護の観点から遺漏のないように、事後的に損失があれば請求を待って補償できると、こういう形にしているわけでございます。 それからなお、手続面におきましては、説明会の開催とか、それから公告縦覧あるいは利害関係人からの意見書の提出、公聴会の開催等きめ細かい周知の措置をとることにいたしております。
○島袋宗康君 例外的に、損失があれば権利者の請求を待って事後的に補償するという仕組みとしておりますけれども、それはどういうことですか。これはむしろ事前に積極的に補償をすべきではないかと考えますけれども、その辺を御説明願いたいと思います。
○政府参考人(板倉英則君) 確かに仰せのとおり、この法律におきましても、既存物件等で補償すべき物件が明確である場合は事前に補償する、そして補償の手続を終えて明け渡しを受けた上で使用権を設定するということにいたしております。 ただし、大深度地下に関して申し上げますと、これは、一つは事前には損失があるかどうか明確でない、あるいは仮にあっても軽微なものであろうということでございます。しかし、その権利保護に遺漏のないように、事後的に損失があれば請求を待って補償するという組み立てにいたしておりまして、これはほかの類似の立法例にもございまして、それを参考にさせていただいている次第でございます。
○島袋宗康君 本法案の対象地域を限定することは、観念上所有権の制約を受けるものと受けないものとに分けられると思いますけれども、国民の間に不平等をもたらすのではないか。 したがって、公平の観点から全国に適用すべきではないかと考えますけれども、その点についてはどうお考えですか。
○政務次官(増田敏男君) 一般に私権の制限を行う場合、その制限を適用する地域については、私権の制限の内容や方法についての妥当性、制限の必要性等を総合的に勘案して定めることとなります。本法案についても、使用権の設定による私権の制限の内容や方法について臨時大深度地下利用調査会において三年間にわたり慎重に審議していただいたところであります。 本法案を適用する必要性のある地域としては、土地利用がふくそうするなど、公共の利益となる事業を円滑に遂行するため大深度地下を使用する社会的、経済的必要性が存在する地域に限ることが妥当であると考えております。具体的には、当面、三大都市圏を対象地域として、その他の地域については事業の必要性等を勘案して政令で追加することといたしております。 よろしくお願いをいたします。
○島袋宗康君 事業対象について、「大深度地下を使用する必要があるものとして政令で定めるもの」との規定がありますが、無限定に広がるおそれがあるのではないかというふうに危惧いたしますけれども、その辺についていかがですか。
○政府参考人(板倉英則君) 本法案では、対象事業を法律上限定列挙するという建前で書いておりまして、それは収用法対象事業を原則としております。 ただし、ここにございますような事業、つまり都市計画法による都市計画事業等につきましては、都市計画法で収用対象事業とみなすという法律上の手当てがされておりまして、やはりそれは収用対象事業と同列に扱う必要がある。そこが上限でございまして、その中で大深度地下使用の必要性の高い事業を本法案の対象事業とする考えでございますので、無限定に広がることはございません。
○島袋宗康君 大深度地下に構造物を設置すると地下水の流れを遮断することになり、地盤沈下等環境破壊をもたらすおそれが皆無とは言えないと思いますけれども、その点についてどのように対処されるか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(板倉英則君) 私どもこの法律で想定しております大深度地下というのは、御案内のとおり地下水脈というのは比較的浅い帯水層に分布しております。それで、大深度地下については、いわゆる地下水の流動という意味ではほとんど流動のないところでございますので、工事の施工に気をつけて、帯水層を完全に遮断しない限り、地下水が施設の背後にゆっくり回り込むというようなことで、影響なく構造物が設置できるということがわかっております。 特に私ども、現在こういう大深度地下で用いております密閉式シールド工法という、これは都市部のトンネル掘削で最近一般的な手法として用いられる手法でございますが、セグメント間のシール材の高性能化等による水密性の向上、あるいは情報化、自動化された泥水圧の管理技術の向上等によりまして、構造物への漏水を防ぎまして、地下水に影響をほとんど与えずに掘削することが可能な状態になっております。 こういうようなことでございますが、また縦方向につきましては確かに過去に浅い地下水に影響を与えた例もございますので、これにつきましては立て坑の掘削についてその連続地中壁を粘土層などの不透水層まで根入れをきちっといたしまして、地下水の低下を防ぐ方法がもうでき上がっておりまして、そういった工法を採用することによりまして、あるいは地下水が一部その施設の中へ潜り込む場合は、それを付近の地上からさらに地下に強制注入という格好で地下水をもとに戻すというようなことも可能になっておりまして、適切な工法を選択しまして、十分な注意をして施工してまいりたいと考えております。
○島袋宗康君 大深度地下使用協議会の構成員に学識経験者を加える必要があるのではないかと考えられますけれども、いかがですか。 また、協議会で協議が調った事項の拘束力はどこまで及ぶのか、その点について御説明願いたい。
○政府参考人(板倉英則君) 協議会の構成メンバーは、原則として国の行政機関あるいは都道府県で構成するということにいたしておりますが、御指摘のように大深度地下を使用する施設によりましては専門家等の意見を聞いた方がいいということがございまして、そういう場合には、必要に応じまして適切な学識経験者を協議会に招致いたしまして、意見を求めるということは当然考慮しなければならないというふうに考えております。 それから、協議会の結果というのは、これは地元の都道府県も入っていただいての協議会の結果でございますので、使用権の設定、認可に当たりましては、その協議会の協議の結果というのは十分尊重されなければならないというふうに考えております。
○島袋宗康君 いわゆるできる規定になっておりますので、使用の認可の要件を満たしていたとしても使用の認可を行わない場合があるという解釈になりますけれども、どのような場合が想定されますか。
○政府参考人(板倉英則君) この法律に基づきます使用の認可というのは、いわゆる講学上の特許というものに当たるものでございまして、法律上は裁量処分ということになっております。しかし、これは全くの自由裁量というわけではございませんので、その裁量の当否は法律問題として当然裁判所の審理の対象にもなりますし、法律で書いてございます認可の要件、これに合致していれば原則として認可をする、こういういわゆる覊束裁量と呼ばれるカテゴリーに属する処分でございます。 したがいまして、ここで列挙いたしております認可要件をすべて満たす場合は、特段の事情がなければ認可が行われるということになるわけでございます。ただし、利害関係人からの意見書の提出とか、あるいは関係行政機関の意見の聴取を踏まえまして、特段の社会的、経済的事情等があると判断された場合は認可が行われないこともあり得ると、こういうことでございます。 収用法も同様な規定の種類になっております。
○島袋宗康君 許可された使用権は譲渡できる旨規定されております。譲渡を受けた事業主体によっては、事業の安全性等に問題が生ずるおそれがあるのではないかと思います。 したがって、譲渡を認めること自体問題ではないかと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えなのか、お伺いします。
○政府参考人(板倉英則君) 御指摘のとおりでございまして、使用権の譲渡はいわゆる特定承継というものに当たるわけでございまして、抑制的でなければならないと考えております。 しかしながら、一切この譲渡を認めないということになりますと、結果的に公益性の高い事業が、その事業者が事業を中断せざるを得ないような事情に至った場合、事業そのものが中断されるという不都合がございますので、その承継につきまして、承継する側に使用の認可をした事業者と同等の能力、意思等があるというふうに判断されまして、その公益的な事業の継続に問題がないという場合には特別に承認して事業を継続するという道を開いたものでございます。
○島袋宗康君 終わります。
○委員長(石渡清元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として佐々木知子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案に反対の討論を行います。 第一に、大深度地下の開発は、安全の確保や環境の保全などが特に重要であるにもかかわらず、本法案にはそのための具体的な方策がないことです。大深度地下は、地盤や構造物の安全性、環境や地下水への影響など、多くの未解明の問題があります。まず十分な科学的、総合的な調査研究が不可欠ですが、その体制は極めて不十分です。このような状況で大都市の大深度地下開発を進めることは、将来に重大な禍根を残します。 第二に、大深度地下の利用について住民の意見が反映される保障がないことです。本法案は、大深度の利用について、行政機関と関係事業者の協議、調整を優先しており、国民にはそれが済んでから説明や公告縦覧などを行うにすぎません。また、大深度地下の使用認可は、第三者機関である土地収用委員会にもかけずに地権者の権利を制限するものであり、到底認めることはできません。 第三に、本法案によって、大都市の大深度地下において新たな大型公共事業を推進しようという仕組みがつくられることです。国と地方の財政が破局的な状況のもとで、公共事業推進ありきのこのような制度をつくるべきではありません。 以上で反対討論を終わります。
○委員長(石渡清元君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 岡崎トミ子君から発言を求められておりますので、これを許します。岡崎トミ子君。
○岡崎トミ子君 私は、ただいま可決されました大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合、参議院クラブ及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、大深度地下の公共的使用を行うに当たっては、大深度地下が限られた貴重な公共的空間であることにかんがみ、長期的視点に立った計画的かつ効率的な利用に努めること。 二、大深度地下の公共的使用が三大都市圏における都市機能の過度の集中を招くことのないよう、十分配慮すること。 三、大深度地下の特殊性に応じた環境影響評価手法の開発を進め、その成果を活用して環境影響評価が適切に行われるよう努めること。 四、知見が不足している帯水層に関する研究を進めるとともに、当該事業に係る帯水層について事前調査等を十分に行い、大深度地下の公共的使用が周辺の地下水の取水等に影響を与えることのないよう努めること。 五、大深度地下の使用の認可を行うに当たっては、構造物の安全に係る審査を十分に行い、利用者及び就業者の安全の確保に万全を期すこと。 また、いったん事故が起こった場合に回復不能の重大な損害をもたらすおそれのある事業については、大深度地下の使用を行わないなど、特に慎重な対応を図ること。 六、大深度地下使用協議会において国の行政機関等が調整を図るに当たっては、学識経験者等の意見を十分に聴くなど、適切な運用が行われるよう努めること。 七、大深度地下の公共的使用が土地の所有権と密接な関係を持つことにかんがみ、本制度が円滑に運用されるよう、その趣旨の周知徹底を図るとともに、大深度地下の使用の状況等本制度に関する情報の提供及び公開を積極的に行うこと。 八、大深度地下の公共的使用を行うに当たっては、地上部の土地利用や浅深度地下利用との十分な調整を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(石渡清元君) ただいま岡崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 多数と認めます。よって、岡崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、中山国土庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中山国土庁長官。
○国務大臣(中山正暉君) 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。 今後、審議中における委員各位の御高見やただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。 どうもありがとうございました。
○委員長(石渡清元君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。玉沢農林水産大臣。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 我が国におきましては、今後の我が国経済社会の持続的な発展を可能にするため、環境への負荷ができる限り低減される循環型社会を構築していくことが喫緊の課題となっております。 このような状況の中で、食品の食べ残し、売れ残りや製造、加工、調理の過程における食品廃棄物等は、一般廃棄物の大宗を占める等相当の量が発生している一方、その循環資源としての有効な利用は十分に行われていない状況にあり、食品に係る資源の有効な利用と食品に係る廃棄物の排出の抑制を一体的に推進していくことが強く求められております。 また、食の外部化の進展、加工食品の増大等を背景として、今後、食品関連事業者の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の増大が見込まれるところであり、食品産業の健全な発展を図るためにも、食品循環資源の再生利用等を促進していくことが重要となっております。 このような状況を踏まえて、食品循環資源の再生利用並びに食品廃棄物等の発生の抑制及び減量に関し基本的な事項を定めるとともに、食品循環資源の再生利用を促進するための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、主務大臣は、食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向、再生利用等を実施すべき量に関する目標等を明らかにする基本方針を定めることとしております。 第二に、主務大臣は、基本方針に定める目標を達成するために取り組むべき措置その他の措置に関し、食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定め、これに基づき食品関連事業者に対し必要な指導及び助言を行うとともに、特に多量の食品廃棄物等を発生させている者に対しては、勧告、公表及び命令をすることができることとしております。 第三に、食品循環資源の再生利用を促進するため、これを原材料とする肥料、飼料等の製造を業として行う者は、登録再生利用事業者として主務大臣の登録を受けることができることとしております。 第四に、食品関連事業者、農林漁業者等及び肥料、飼料等の製造業者の連携を促進するため、三者が共同して再生利用事業計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができることとしております。 第五に、登録再生利用事業者または再生利用事業計画の認定を受けた事業者が行う再生利用事業の円滑な実施を図るため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、肥料取締法及び飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律の特例措置を講ずることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。中山建設大臣。
○国務大臣(中山正暉君) ただいま議題となりました建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国においては、近年、建設工事に伴い発生する廃棄物の量が増大し、廃棄物の最終処分場の逼迫及び廃棄物の不適正処理等廃棄物処理をめぐる問題が深刻化しております。その一方で、限りある資源の有効な利用を確保する観点からは、これらの廃棄物について再資源化を行い、再び資源として利用していくことが強く求められております。 この法律案は、このような状況にかんがみ、特定の建設資材について、その分別解体等及び再資源化等を促進するための措置を講ずるとともに、解体工事業者について登録制度を実施すること等により、資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図り、もって生活環境の保全と国民経済の健全な発展に寄与しようとするものであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 第一に、一定規模以上の解体工事その他の建設工事においては、受注者は一定の技術基準に従い、特定の建設資材について分別解体等を実施する義務を負うことといたしております。また、工事の着工に先立ち、発注者はその分別解体等の計画等を都道府県知事に届け出ることといたしております。 第二に、分別解体等に伴って生じた特定の建設資材に係る廃棄物については、受注者は再資源化を実施する義務を負うことといたしております。ただし、再資源化が困難な場合には、縮減をもって足りることといたしております。 第三に、解体工事業者の登録制度を創設するとともに、解体工事業者に対して、技術管理者の選任及び解体工事の現場での標識の掲示等を義務づけることといたしております。 第四に、分別解体等及び再資源化等の円滑な実施を確保するため、必要な費用の適正な負担についての発注者の責務等を定めるとともに、主務大臣または都道府県知事は建設工事の発注者に対して再資源化により得られた建設資材の利用について必要な協力を要請することができることといたしております。 その他、これらに関連いたしまして所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十七分散会