国土・環境委員会 第7号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/03/28
会議録
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十四日、奥村展三君が委員を辞任され、その補欠として岩本荘太君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、内閣総理大臣官房管理室長坂東眞理子君、宮内庁長官官房審議官山口均君、宮内庁書陵部長角田素文君、環境庁自然保護局長松本省藏君、文化庁次長近藤信司君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、農林水産省農産園芸局長木下寛之君及び建設省都市局長山本正堯君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。 官房長官におかれましては、大変お忙しい中、お疲れさまでございます。きょうは、明日香村整備特別措置法の審議ということで若干御質問させていただきたいと思います。 明日香村はもう委員の先生御案内のとおり、いわゆる明日香村を含んで飛鳥という地域がありまして、この地域は今から千三百年前にほぼ百年間、一世紀にわたりまして都が置かれたところで、百年にわたりある特定の地域に都が置かれて、そこにいろんな旧跡が残っている。我が国が統一国家として初めて成立をしたという、大変歴史的に重要な土地だというふうに思っております。 私ごとながら、私は松下政経塾というところで学んでまいりまして、松下幸之助さんは私たちに、とにかく現地現場だ、机の上で勉強しているよりもとにかく現地現場に行ってこいということを教えていただきまして、土曜日に明日香村に行ってまいりました。 それで、明日香村の教育委員会の教育長さん、それから文化財課の埋蔵文化室長さんにお話を伺って、役所の方がいらっしゃるとなかなか向こうも気を使われると思うので、その方たちにお目にかかる前にちょっとぶらぶらと一人で明日香村を歩かせていただいて、学生のころから大変好きな場所だったので二回三回は行ったことがあるんですが、この立場になって行きますとやはりちょっと景色が変わりまして、なるほどなと。今までは、橿原神宮前というところから明日香村に行くときに余り感じなかったんですが、土曜日に行きますと、橿原市の風景と明日香村の風景は間違いなく異なっていまして、橿原市はいろんなビルやマンションが建っていてホテルもあるけれども、明日香村に行くとない。それはやはりこの法律が機能をしてきた結果だというふうにも思いまして、大変感銘をして帰ってきたわけです。 そういう点も踏まえて、まず官房長官にお伺いをしたいのは、官房長官御自身この明日香村に対しましてどのような思いをお持ちなのかということと、最近、官房長官は明日香村に出向かれたことがおありかということをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 今議員が、明日香村をよく知るためには何といっても現地現場だ、そういうことをおっしゃいましたが、その点では私も恥ずかしい話でございますが、以前には一回行ったことがございます。しかし、官房長官に就任してから、私自身も責任を持った立場でございますので、一回はぜひ早くという考えを持っておりますが、時間的になかなか行けませんでしたので、政務次官が、そのかわりに私がよく行っていろんな問題を研究してきましょうということで、先般わざわざ明日香村へ行ってきていただきました。そのいろんな様子を聞きながら、私もやはり一回は現地に行ってみて、直接この目で見ながらやっていかなきゃいかぬなと思っておりまして、できるだけ早い機会にそういう機会を設けたいと考えております。
○福山哲郎君 では、せっかくでございますので、政務次官、わざわざお出ましをいただいたということで、行った御感想をお聞かせいただければと思います。
○政務次官(長峯基君) 一月の末の寒い日でございましたけれども行きまして、村長さんから大変御熱心な御指導やら御意見を拝聴しました。 もちろん歴史的にはもう先生御案内のとおりの場所でございますが、ちょうどそのときに村道をつくる準備をして、たまたまカメの遺跡が出たということで、一遍それを見てくれとおっしゃいました。大変感動的な場面でございました。 それからたしか二週間ぐらいしてからマスコミに出たと思いますけれども、そのときはまだそのような重要な価値があるということについては村長さんも認識はしておられなかったようでございます。しかし、大変日本の財産であると思っておりますので、積極的に明日香村の今後のあり方については取り組むべきである、そのような認識をいたしております。
○福山哲郎君 今政務次官が言われたのが酒船石遺跡だと思いますが、本当に形が全く壊れていない遺跡が残っておりまして、私も歩いてまいりましてびっくりして、この表記がまさに日本書紀に載っている表記で、日本書紀には宮の東の山の石垣という表記があるらしくて、その石垣のところにこういうものがあって、日本書紀の記述が全く正しい記述をしているという証拠にもなるというようなことを現地の方が言われていまして、大変感銘を受けて帰ってきました。 また、観光客というか、この遺跡を見に来ている方も多くいらっしゃいまして、立入禁止の区域になっていまして、私は厚かましく腕章をして中へ入らせていただいて、観光客の皆さんがうらやましそうな顔で、何であんな若いのが入れるんだというような顔をされていまして、皆さん入って生で見たいんだろうな、生でさわられたいんだろうなと思いながら行ってまいりました。 そんな中で、この法案が今審議をされているわけでございますが、二十年間この法案が制定されています。先ほど申し上げましたように、その規制がかかってきたおかげで今の明日香村の景観、それから保全がなされている。ただし、その分、住民等がやはりその規制のおかげで開発もできず大変厳しい生活もあるという両面を伺っておりますが、まず官房長官にお伺いしたいのが、この明日香法の二十年間についてどのように総括をされているかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 明日香村は、議員御指摘のように五十五年に法律制定以来今日まで、まさに村全域にわたって行為規制と二次にわたる整備計画の実施によりまして、近隣地域の開発から逃れて、依然として新しい歴史的遺産が発見されるなど、本当に長年にわたって文化的遺産に加え、田園風景等が一体となった歴史的良好な保存が図られてきているところでありまして、私はこのことを高く評価いたしますとともに、この状態を私どもはこれからも守っていかなきゃいかぬと思っております。 ただ、それについては今議員もおっしゃいましたように、そのために住民の皆さんがどういう苦労をされたか。また、住民の皆さんがこの事業に今後一生懸命協力していくためには我々がどういうことをすべきか、そういうこともあわせ考えていかなきゃいけない問題だと、そのように認識をいたしております。
○福山哲郎君 官房長官がおっしゃられたとおりだと思いますが、ただ、現実には第一次の整備計画にうたわれた農業を中心とした村づくり、第二次の整備計画にうたわれた観光を中心とした村づくりというものが、実は農業も衰退傾向にありますし、観光客も年々減っているという実態がございます。 私は、一つ原点みたいなことをお伺いして恐縮なんですが、一体この歴史的風土、明日香村というのはだれがだれのために保存をするのかという理念が少し私は国の政策として見えてこないような気がしておりまして、一体だれがだれのためにこの歴史的風土や明日香村を保存するのかという点について、もしよければ官房長官にお答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(青木幹雄君) これは議員が冒頭におっしゃいましたように、日本の長い歴史の一つの大きな場所であろうと思っておりまして、それはただ場所が明日香村にあるから明日香村のためにこれを保存するということでなくて、日本の長い間の文化、習慣、そういうふうなものを私どもが認識することによって、基本的には国のあり方、また我々の将来に対する考え方、そういうものをすべてこの明日香村が含んでいる、そういう認識に立っておりまして、これは国として全力を挙げてこの問題に取り組まなきゃいかぬ、一明日香村だけの問題じゃない、そのように私どもは認識をいたしております。
○福山哲郎君 そうすると、ある意味でいうと国が、国民が長い文化や習慣、我々の歴史というものを認識するためにこの法律をつくって、歴史的風土として明日香村を保存していくんだということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) はい、結構です。
○福山哲郎君 そうすると逆に言うと、実は中途半端なところがたくさん見えてくるという気が私はしております。 まず、少し細かいことになりますが、今回、負担や補助、補助率の問題も含めて基金の問題、財政的支援を明日香村だけに特別にされる例えば具体的な根拠、理由というのはどういったものでございますでしょうか。今の保存しなければいけないというのはわかります。ただ、それに対して例えば村の人たちが非常に不便、犠牲をこうむっているというお話はよく伺うわけですが、具体的にこういう点で明日香村の人は問題なんだというような、何か論拠や理由があればお示しをいただきたいと思います。
○政務次官(長峯基君) 明日香村の歴史的風土の重要な構成要素である田園風景や集落環境などの自然的、人文的環境は、そこで暮らす人々が生き生きと暮らすことによって初めて成り立ち得るものであると思っております。したがいまして、明日香村の歴史的風土を保存していくためには住民生活の安定向上、地域産業の振興等、地域の活性化のための施策を幅広く展開していくことが必要であると思います。 一方、明日香村は、御指摘のように歴史的風土保存のため、村全域にわたり厳しい行為規制がしかれた結果、村の財政基盤が脆弱であることから、生活環境及び産業基盤の整備等のための事業を行う主体である明日香村に対しまして財政支援措置を講じてきたものでございます。
○福山哲郎君 では、具体的に、明日香村の村民の平均所得を教えていただいて、そして奈良県の各市町村の平均所得との対比をしていただくとどんな数字が出るのか、お教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 住民の平均所得に関する調査は、奈良県の場合は県レベルまでしか行われておりませんので、個別の市町村のデータがございません。明日香村と他の市町村との比較は困難でございます。
○福山哲郎君 私は奈良県のすべての市町村がどういう状況にあるのかをちょっと調べさせていただいたんですが、道路の舗装率、それから下水道の普及率に関してもあながち明日香村が際立っておくれているということはございません。なおかつ住民に対して大変厳しい、先ほども財政的基盤が脆弱だというようなお話もありましたが、今の政府参考人のお答えにもありますように、明日香村の平均所得等についての数字も国としては把握をしていないという状況にあるわけです。 私は、この措置法で明日香村に対していろんな特別な措置をすることを否定しているわけでは全くございません。そこは誤解をしていただきたくないんです。逆に言うと、そこの論拠をはっきりしていないと未来に向かってどういった支援をしていくのか、どういった措置をしていくのかということについての絵が実は描けないのではないかなというふうに思っているわけです。 そして、先ほど申し上げましたように、観光についても実は減っている、農業についても実は衰退をしているという状況の中で、この一次整備計画、二次整備計画において旗を掲げたものがなかなかそのとおりにいっていない。そして、現実問題として十年間この法律を延長するということに一体本当に先が見えているのだろうか、明日香村を一体どういうふうに国はしたいのか、一体国民から見ても明日香村をどういうふうにしたいのか。 確かに住民はしんどい思いをしているのかもしれない、規制がある。でも、住民はある程度、私は地元で聞きましたけれども、開発か保存かということで争点になって、選挙とかでいろんなもめごととかが起こることはあるんですかと言ったら、それはない、住民は明日香村に住んでいることに対してある意味で誇りを持っているし、保存をすることによる便益が不便なこと等についてはある意味でいうと納得した上でやっているから、政策的に論点になるようなことは余りないんだと。ただ、問題は、外部の遺跡に対して大変関心のある方とか歴史学者が、この明日香村について非常に重要だからまあ保存をしてほしい、開発は勘弁してくれというような議論はあるかもしれないけれども、住民自身で村の中でいろんな形でいがみ合ったり戦ったりするような状況はないとおっしゃっていました。 では、そういう中で単純に十年間これを継続した、それで次に明日香村は一体何が見えるのかというふうに考えたときに、私は少しわからないというか、納得のできないところが幾つか出てきたわけです。そして、先ほどもお見せをしました酒船石遺跡、ここを見たときに、資料にもありますけれども、一体どのぐらいこれで明日香村の遺跡は出てきたんですかと言ったら、五%ぐらいです、それはわからぬけれども五%ぐらいだと。明日香村というのは掘れば必ず出てくるようなところですと言われたので、では何か掘って緊急に出てきたからやらなきゃいけないという話ではなくて、きちっと学術調査として明日香村全体のこの遺跡をどうやって発掘して調査するのかみたいなことというのはどうなんですかと言ったら、それは文化庁の問題でありますとおっしゃられるわけですね。 そうすると、では今回もこれが出てきたのは、あちこち話が飛んで恐縮ですが、万葉ミュージアムというものをつくって、ある意味でいうと一定の地域は開発していこうという話の中で掘ったら出てきた、残り九五%あると。この特別措置法ができてもその十年後どういうふうに明日香村をしていくのかというのがなかなか部分的に私は見えないところがありまして、そういった点について、先ほど言われた評価はもちろんなんですが、官房長官はどのようにお考えなのか。ちょっと抽象的な質問で恐縮なんですが、お答えをいただければと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 今あらわれているものが五%で、あと九五%が眠っている、これをどうするかという問題なんです。 実は私も、ついこの間だったんですが衆議院のこの委員会に出たんです。それから、ちょうど総理といろんな打ち合わせがあって、打ち合わせができなくて、総理は、あなたきょうはどうしたと言うから、いやきょうは衆議院の明日香村の委員会に出ておりましたと言いましたら、総理が言ったのは、明日香村はこういういわゆる文化財がずっとあるんだから、国の予算もとにかく五年、十年かかってやるんじゃなくて、本当に一遍にある程度のものはぶち込んできっちりやる方法にしなきゃいけないよということを非常に総理は強く言うんです。それがあったものですから、私も役所の人にそのことを言ったんです。とにかく予算の心配は要らないからきっちりやりましょう、来年から。 ただ、これは難しい問題で僕も技術的にわかりませんが、ただ予算をつけただけではどうしようもないと。ただ、どんどん掘り上げていく、それで済むという問題ではないと。そういうことをやる専門の人がやはりこつこつとやっていくところに本当のあれがあるので、ただ予算が足りなくてどうこうという問題じゃありませんと、そういう回答が返ってきたんです。だから、その辺はひとつ今後考えていかなきゃいかぬ大きな問題だと考えております。 それからいま一つは、明日香村の人がこれを一生懸命誇りを持って守ってくれている、協力してくれている、その人たちが安心して生活できる基盤をどうするかという問題なんですが、こういう場所でございますので、工場誘致したりいわゆる環境破壊につながるようなものはできません。そういうことになると、環境とか農業とか、それからやはり今後考えていかなきゃいけないのは、明日香村そのものを歴史的教育の場として我々が十分にそれに対応していく。地元の若い人が明日香村に住みながら、明日香村と一緒になって、しかも生活はきっちりできる、そういうふうな環境整備というものも一方では必要じゃないか、そのように考えております。
○福山哲郎君 今のお話はもう大変ありがたいお話で、今のお言葉をいただくと、もうこの法案の審議はあれなのかなと思うぐらい大変重要な重いお言葉をいただいたと思います。また、それを総理のお言葉であるというふうに言われたところが、気配りの官房長官という本当にお人柄が出ているなというふうに思っています。 もう余り長くは繰り返しませんが、質問時間がございますので申し上げますと、五十五年から始まった一次整備計画、二次整備計画で最も大きなお金が投じられたのが、道路、河川、上下水道という社会インフラの整備だったわけです。全体の六割から七割のお金が投じられています。私は、インフラの整備はもちろん否定をする気はありません。しかし、先ほど申し上げましたように、観光や農業を中心にすると言いながら、道路整備と比較するとやっぱりお金のかかり方が全然違う。特に、観光に関してはほとんど進捗をしていない。そういった配分の仕方がなぜ行われたのかがまず大変大きな問題だ。この根本的な問題は、今、官房長官が言われたように、明日香村の貴重な遺産を継承していこうという村のあり方のグランドデザインがないからこそ、とにかく道路だ、とにかく下水道だという話になるわけです。 しかし、例えば、自然と景観を守るために、観光客は村の入り口までは車で来られるけれども、そこから先は車を置いてあとは電気自動車やシャトルバスや馬車で移動するとか、明日香村は自転車がたくさん走っています。また、遺跡部分だけはしっかり保存するけれども、町は普通に活用しようと。建物の色や高さや何かは少し指定するけれども、原則としては町の中の遺跡と共存させようと。ローマなんかはそういったやり方だと思うんですが、いろんなやり方があって、そこのコンセプトが明日香村の場合にはまだ実は大分ぼやけているんじゃないか。 それが住民の方の意見を聞いてという、ある意味でいうと非常に重要なことなんですが、では住民の方の意見を聞いてそれが出てくるかというと、それはやはり先ほど官房長官が言われたように、国策としてこの地域を子供たちに教育や歴史や、我が国の本当に伝統を伝える場所としてどういうふうに国が位置づけるかということが非常に重要なのではないかというふうに私は思っているわけです。 文句を言うわけではないですが、道路の舗装率は約七〇%でして、奈良県内では決して見劣りする数字ではございません。山が多い村の数字としては、逆に言うと普通なわけです。道路改良率はほとんどまだ七%ということになります。ただ、道路改良率というのは、基本的に交通量が多いから幅員を拡張しようという話でございまして、では明日香村に対してこういった道路改良を高めていくことが必要なのかどうかというのは大変大きな論点になりまして、例えば総理府から出ている資料を見ると、道路改良率はまだまだ少なくて各県から比べると平均的に低いんですというようなことが書いてあるわけです。でも、本当に改良で幅員を広げることが明日香村にとっていいのかどうかというのはやっぱり議論をしていかなきゃいけない。それはグランドデザインがないからであって、そのグランドデザインを、今、官房長官が言われたとおり総理ともどもお考えいただければ大変ありがたいというふうに思います。 今の官房長官の言葉を聞かれて、文化庁にお伺いをしたいと思います。 文化庁の場合には、発掘をして緊急に出てきた場合には新たな事業費としてお金を出す、そしてそうではなくて保全目的の調査費としても出すけれども、この明日香村に対して文化庁としては、今後九五%残っているという遺跡に対してどのようなお考えでいらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 明日香村におきます発掘調査の問題でございますが、国と奈良県、明日香村、三者の協力のもとに昭和三十一年度から奈良国立文化財研究所、これは文化庁の機関でございますけれども、ここが発掘調査を実施しておりますし、昭和三十五年度からは国庫補助によりまして奈良県それから明日香村が発掘調査を実施してきている、こういう状況にあるわけでございます。 明日香村全体を発掘調査することにつきましては、開発事業計画のない場所でも調査を実施するということになるわけでございまして、地元住民の生活への配慮でありますとか地権者との調整など解決すべき課題もあるんだろう、このように考えております。 いずれにいたしましても、奈良県及び明日香村からの要望を十分伺いながら、今後とも奈良県、明日香村とよく連携を図りまして、計画的な発掘調査、それから遺跡の保存整備に努めてまいりたい、かように考えております。
○福山哲郎君 残念ながら、今の話だと何にもわからないわけです。今の話だと、要はこれまでと全く変わらないと。住民や奈良県の意見を聞いて保存をしていきたいと思いますと。 では、どういう形で明日香村を将来にわたって保存していって、先ほど官房長官が言われたとおり、日本の歴史的な風土の保存、子供たち、教育も含めてやっていくおつもりが文化庁にあるのかということをもう一度お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、明日香村は我が国の本格的な国家体制の始まりとも言える律令国家が形成された時代におきます政治及び文化の中心的な地域であり、明日香村内の遺跡は歴史上も学術上も大変重要なものである、こういうふうに認識をいたしております。 文化庁といたしましては、こういった認識のもと、文化財保護の観点から、これまでも明日香村内の遺跡につきまして調査をし、重要な遺跡につきましては史跡に指定をいたしますとともに、土地の買い上げあるいは史跡の整備を行ってきたわけでございます。 例えば飛鳥池遺跡、酒船石遺跡につきましてもそれぞれの遺跡の歴史、性格があるんだろうと思っております。そこらはまた、文化庁といたしましては奈良県、明日香村とよくお話をしながら、歴史上、学術上大変貴重なわけでございますから、そういった性格に十分配慮いたしまして、明日香村の中の文化財の保存整備に今後とも努力をしてまいりたい、かように考えております。
○福山哲郎君 まだよくわかりませんが、ただ、今のお話ですと、例えば開発をしましたと。開発計画ができて、掘ったら出てきましたと。そうしたら、行き当たりばったりで、出てきたからとにかく調査費をつけてやらなければいけないと。そうすると、本来だったらその出てきたものとの関連でもっと重要なものがその近くにある可能性もあるし、まだまだ発掘をするべきものがあるのかもしれないけれども、それを能動的に、受動的ではなくて能動的に国として発掘していくという姿勢が全く見えないわけです。 これは特別措置法ですけれども、本当に世の中の動きとか財政上の問題とかがあるから特別措置法で十年ごとで区切っていくというのは、これは法律のあり方としてはわからなくはありませんが、本来、官房長官が言われたとおり国策としてやるんだとしたら特別措置法というような枠を超えて、明日香村に対する特別立法のような形で、やっぱり国として十年のたびに修繕を繰り返すような法律ではなくて、もっと理念のきっちり通った法律に私はある意味でいうと書きかえていかなければいけないのではないかなというふうに思っているわけです。 大変こういうことを言うと生意気ではございますが、ひょっとすると十年前の国会の審議で十年延長するといったときにも議員から同じような指摘があって、二十一世紀を十年後に控えて明日香村をどうするつもりなんですか、それがなければどうしようもないではないですかという議論が僕は恐らくあったんだと思います。ひょっとすると、このままでいくと十年後もう一回改正をするときに、そのときに議員をしていて、そのときに私がしているかどうかわかりませんが、そのときに同じ議論をするのを非常に私は忍びなく思いますし、逆に住民も、そこのグランドデザインやコンセプトがあればある意味での納得もできるのではないかと思うんですが、今の文化庁の姿勢だと、あくまでも受動的で、行き当たりばったりで、出てきたらその場で考えますと。とにかく住民に不便を与えている部分に関しては財政的にしますというような話になるような気がしまして、甚だそこが残念でなりません。 大体私の言いたいことはこういったことなんですが、官房長官、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 私も今の議論を聞いておりまして、やはり一番大事なのはグランドデザインをどうするか、絵をどうしてかくかということが一番難しい問題だと思います。 ただこれは、とにかく絵をかくのに予算さえつければいいという絵ではいけないし、といって地域の開発発展のために、今おっしゃったように本当に近代的な道路ができてもいけないと思うし、だからこの絵のかき方そのものが一番僕はこれからの大きな課題じゃないかなと考えます。本当にいい絵がかければ、国としては予算的にはこういう十年ごとのことはしなくても、これは恒久的にやっていかなきゃいかぬ問題だと、そういう認識をしております。 やはりどんな絵をかくかということが、この問題が将来続いていく中での一番大事な問題だと、そういうふうな認識をいたしております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 それで、この法律が通るとその絵をかく作業がなかなか進まないというようなことも懸念されますので、ぜひ官房長官、この法律が通った後も絵をかく何らかの形の行動を国として起こしていただきたいというふうに思います。 もう瑣末な話になりますが、保存基金に対する運用益が少なくなるということで、今回、一億円を交付することになります。これも私は全然否定はしませんが、では一体この一億円という交付がことしから始まっていつまで続くのか。金利が上がって運用益がそこそこ上がればそれでいいのかみたいな話になるとそれこそ行き当たりばったりで、この一億円の使い道についても、来年もらえるかどうかわからないという話の中で、もらうとしたって使い方に非常に苦慮しなければいけないわけですね。それがやっぱり長期的な視野に立っていけば、そのお金の使い方もより有効性が高まると思います。 今、官房長官が言われました絵をかく作業もぜひとも継続をしていただいて、この十年の法案が次の十年のときには絵がかけて先ほど言われた別の恒常的な法律になるような、それで明日香村の住民も納得をし、また国民も明日香村に対してきちっと位置づけができるような、そういう形にしていただきたいということを本当に心から祈念申し上げまして、私の質問はこれで終わります。
○森本晃司君 公明党の森本晃司でございます。 今、福山先生から、大変我が明日香村に対する熱い思い、さらにまた官房長官から熱いお言葉をいただきまして、私は大変うれしく思っておりますが、同時に課題もたくさんあるのではないかなと思っております。 明日香村といえば日本の心のふるさとでもありますし、同時に律令国家が形成されたその一番歴史的発祥の地であるということはだれもがよく御存じのことかと思いますし、これはだれも否定をしない。 私は、ついこの間までは明日香村から十分のところの橿原市というところに住んでおりまして、小学校の遠足等々は明日香村の、まだ石舞台に垣根ができていないところに弁当を持って、あの石の上に上って食べたとかという、もうごく近所におりまして大変幸せな生き方をやってきたなと思います。それだけに、明日香村に対する思いは私は強いものでありますし、同時にまた、この激しい国政の中で、大和の国へ帰ったときは絶えず明日香村を訪ねて、自分自身をまた取り戻させていただいているところでございます。 「大和は国のまほろばたたなづく青垣山ごもれる大和し美し」、これは古事記に書かれた大和の姿であって、今もその姿を大和の国は保ち続けています。その大和の国の一番根本となったのがこの明日香村であるだけに、私はこの明日香村についてより大事に、国民の共有の財産として、それから日本人のアイデンティティーを育てるものとして残していかなければならない。福山先生が、単に明日香村の人のためではないとおっしゃっていましたが、私はまさにそのとおりでございまして、それだけではなしに国民全体が考えなきゃならない問題だと思っているんです。 私の住んでいました橿原市、ここは奈良県第二番目の都市でございます。大阪までもう三十分でございます。どんどん開発が進んでいます。この間、私も千三百年の眠りから覚めたカメ形石造物を見ようと思って明日香村へ行ってまいりました。つい数年前よりも、また明日香村との接点の開発が橿原市内においてはどんどん進んでいっています。 それで、そのときに私は思ったんですけれども、古都法から始まって、そして二十年前にこの明日香立法ができた。よくぞこの明日香立法ができるときに、私たちの先輩諸氏もいろいろと御苦労をいただいたなと。これがもしなかったら、今ごろあのカメ形石造物やいろんなものも全部開発されてわけがわからなくなっていっているんではないかなと。同時に、この明日香立法ができるときに、村の人たちが本気になって自分たちのこの明日香を、生活は不便になるけれども一生懸命守っていこうという、そういうものがなければ今日のこの明日香立法も二十年間生きてこなかったなと思います。単に国がいろんなことをやったから明日香立法が生きてきたというものではなしに、そこにはこの村人の大変な苦労があった。 私の友人もたくさんいます。農業を営んでいる者も何名かおります。その農業を営んでいる者は、自分の息子、次男、三男等々の家をまた建てるときには、分家を建てるときには、それはそれで彼らもまた悩み、また明日香立法があるから協力しようという気持ち。 しかも、その農業は、十年前に私は衆議院時代にちょうどこの改正のときにそのことも取り上げて申し上げたんですが、全国と同じように全国一律で減反政策がかかっている。明日香村ぐらいは、そのすばらしい景観を保つために減反政策の枠から外してはどうかということを農水省に申し上げたら、いやそれは県で決めるものなんです、村で決めるものなんですという言い方をする。そうでなしに、国でもっと考えたらいいんじゃないかなとそのとき訴えさせていただいたんですけれども、そういう農業の問題、後継者の問題があります。それから、どんどん高齢化になっています。全国平均一四%ですから、既に明日香村の人々はもう二〇・二%の高齢化の時代に入っています。 私は、そういう中で頑張ってくれている明日香村の人々の強いこの財産を残そうという思いがあったなればこそ、今日までこの偉大な日本の財産を保ち続けられた、またこれからも保ち続けていくことができると思うんですが、官房長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 森本先生が近くにお住みになり、長い間、明日香の問題に熱心に取り組んでこられたことに心から敬意を表する次第でございます。 ですから、先生のような、本当に自分でそこで暮らしそこの村民の実態もよく知り尽くしておられる先生方が、やはり我々が机の上でいろんな議論をしたりいろんな情報をもとにして議論するよりも、私はひとつ先生もこれから立派な絵をかいていただきますようにお願いしたいと思っております。 先生おっしゃるように、確かに住民の協力なしにはとても今までも二十年やってこれなかったと思いますし、これからもそうだと思います。しかし、住民の考え方、住民のニーズというものは時代とともに変わっていくものでありますから、私どもは、住民の皆さんが今までの二十年と同じように明日香に対して愛着を持ち、自分らが本当に誇りを持って明日香を将来も今までどおりにやっていこうという意識を持っていただくための施策というものは、やはり国なり県なりいわゆる町村なりが真剣に考えていかなきゃいかぬ問題だと思っておりまして、政府としても全力を挙げてそういう問題に取り組んでいく覚悟でございます。
○森本晃司君 先ほど、官房長官はぜひ明日香村を訪ねてみたいとおっしゃっていただきました。サミットも控えており激動の日々の中でございますが、日本のふるさと明日香村を官房長官もお訪ねいただけたら、そのとき私は水先案内人としてぜひお供をさせていただいて、その中でゆっくりいろいろとお話もさせていただきたいと思うんです。 先ほどの長官の答えの中で、もっと長期的な展望を持ってやってはどうかとおっしゃっていただきました。十年前に衆議院で議論をさせていただいて、今また議論をさせていただいています。千三百年という長い歴史が今よみがえってきているときに、私はこの財政措置が本当に十年単位でいいんだろうか。先ほどから話が出ているグランドデザインが描けたとき、この部分は十年単位で考えなければならないかもわからないけれども、この部分についてはもっと恒久的に考えていこうというものが私はできてこなけりゃいけないと思います。 先ほどの福山先生と同じ思いでございまして、十年前にやって、今十年でやっている、その後は私もわかりませんが、同様の議論がまたされていく。僕はそんなことばかりで果たして明日香村が守れるのだろうか。イタリアへ行ってポンペイへ行く、これはすごい守り方もしていますし、そのほかヨーロッパではすごい守り方をみんなしていますね。これは、十年単位じゃなしに恒久的にやっていこうというものはできないものですか、どうですか。
○国務大臣(青木幹雄君) グランドデザインができれば政府としても、当然今先生おっしゃったように、この問題は十年、この問題は二十年、そして今すぐやれるものはとにかく単年度でもやっていく、そういうやはり政府としても考え方で取り組んでいかなきゃいかぬ問題だ、そのように考えております。
○森本晃司君 ぜひ、十年後は同じ議論ではなしに、あるいは十年待たずして、この問題は私どもも一生懸命研究、勉強させていただきますので、ここではどんと予算をつけてやってしまおうというふうに進めていただきたいと思っております。 文化庁にお見えいただいていますが、奈良はあっちこっち遺跡があって、文化庁もいろいろやってくれているんだけれども、手が足りない、金がないという形が今の文化庁ではないかと思うんです。 明日香村の場合は、田んぼの一メーター下を掘ればいろんな石が、今は農村風景になっていますが、かつて石の都、日本の歴史のない石の都を築いたところですから、石の文化の遺跡が相当あるということはもう既に文化庁の方でも調べていただいたとおりでございます。 そこで、カメ形石造物、これはもうマスコミによりますと、あるいは文化庁はアナウンスされていると思うんですが、すぐ埋めるという計画らしいんですが、私も見まして、確かにあの周りを取り囲んでいる石垣等々を保存するのはなかなか難しいとは思うんだけれども、要するに石で、花崗岩でできておるものですから、私は保存は木造のものと違って相当きくと思うんです。 でき得れば、今一時期は埋めて調査をするかもわかりませんが、そういった埋蔵文化物で、これは七メーター下から出てきたわけですけれども、それをそのまま多くの人に当時の文化を見てもらう。明日香村のものは、いろんなものが全部その後すぐ埋もれてしまうという形になっていますね。最近いっぱい発掘されて、去年の十一月には富本銭が出た、それから六月には飛鳥京庭園跡の噴水等々のあるのが出てきた、さらにまたあの石を運んだと思われる運河の跡もわかってきた。ここ数年、これだけ続々出てきているわけです。 私は、一つはこのカメ形石造物は、これはちょっと今答えにくいかと思いますが、できるだけ早く史跡指定にしてもらいたいんですが、時期はどれほどかかって、この遺跡を文化庁としてはどのような保存の仕方をしようと考えておられるのか、お伺いします。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 酒船石遺跡の保存の問題でございますが、先生おっしゃいましたように、今回の調査場所は一たんは埋め戻して保存をいたすことにしておりますが、明日香村教育委員会によります今後の遺跡の範囲確認調査の結果を踏まえまして、文化庁といたしましては、できるだけ早く史跡指定の方向で検討してまいりたい、かように考えております。それが第一でございます。 第二点目の史跡指定後の整備につきましては、先生おっしゃいましたように、ここの場所は地盤がやや軟弱でございますしこういった谷のようになっておりますので、そういった土木工学の関係者でありますとか、もちろん考古学の関係者、そういった専門家の意見を十分お聞きいたしまして、遺構そのものの現場での展示がいいのか、あるいはそこの現場ではレプリカによる復元展示がいいのか、そういったさまざまな方策があろうかと思いますので、そこは十分専門家の御意見を承って検討してまいりたいと思っております。
○森本晃司君 明日香村の財源措置の進捗率、道路とか河川とかは相当進んでまいりました。一番進んでいないのは観光施設です。 明日香村を訪れた人たちは、ずっとあの農村風景と歴史をしのびながら回られるわけでございますが、例えばそこにおけるトイレの設備も十分ではない、泊まる人はいなくて、空き缶は捨てられて、そして泊まるのは京都、大阪へと皆さんが行かれるという状況です。観光施設を私はもっとやっていかなけりゃならないと思うんです。 飛鳥資料館には須弥山とか猿石とか、レプリカも本物も含めていろいろあるわけでございますけれども、もっともっと、レプリカでもいい、その土地の中に自然にあった位置のところにそういうものをつくって、それでしのぶことができるような保存の方法を考えてはどうか。 例えば、水落ちのところから出てきた水落遺跡。当時の時計だと言われる。だけれども、きちっとした文献がないがゆえにその模型はなかなかつくりにくいと言われていますが、例えばあの水落遺跡のところに水時計の模型をつくったり、そういうことは、レプリカをつくったりは文化庁としてはなかなかできないんですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 先生御指摘の史跡飛鳥水落遺跡では、昭和五十六年度から六十年度にかけまして明日香村教育委員会が国庫補助を受けまして、遺構の様子がわかるような平面あるいは立体による整備を行っておるわけでございます。また、あわせまして、奈良国立文化財研究所の飛鳥資料館におきまして水時計の模型が展示をされているわけでございます。 その水時計の建物を現在の遺跡の場所において復元、整備をしていくことの是非でございますけれども、いずれにいたしましても、歴史的、学術的な観点からさらに調査研究を行っていく必要があるんじゃないだろうかと、そういうものを踏まえてまた研究をしてまいりたいと思っております。
○森本晃司君 ぜひ現地でいろんなものを見たり触れられるように、文化庁もちょっと柔軟に考えて、それが例えば文化庁ができないというのであれば、それは村の事業でやる、ただし村の事業でやるのに予算がなければ国からまたつけていくとか、もう少し自然の場で触れるように考えていく必要があるかなと。 それから、一億円のあの基金も、本当にそれは金利分といえばそれだけなんですけれども、もっともっと村独自がいろいろ考えていくための予算も私は存分にこれからつけていかなければならないと思っております。 時間が私限られていまして大変あれですが、あとはもう一つ、ちょっとこれは私のロマンであるかもわかりませんが。 恐らく私は、千三百年前は石があり、そして噴水があり、水が流れていた、大変きれいなところで、今もすばらしいところでございますが、もっともっと自然がいっぱいにあったんではないだろうか。そのころ恐らくあの飛鳥川には蛍がいっぱい飛んでいたのではないだろうか。昼の明日香村を訪れる人はたくさんいるわけでございますけれども、夜になると真っ暗なしじまになってしまいますから観光客もほとんど来ない。私は、今、飛鳥川が改修されてユンボが入ったりいろいろしています。今のままほうっておくと、今もまた蛍が飛ぶような雰囲気ではないと思っています。 私は、甘樫丘の周辺、あるいは川原寺の周辺、石舞台のあの横の飛鳥川に、もう蛍がいっぱいその季節になったら飛び交うというのは、私はこれはまた日本の心の安らぎを、同時にあの明日香、しかも世界的に今有名になっている明日香でそういうものをつくっていくのも大事ではないかなと。私の仲間とあそこで蛍を育てる会をつくって、そしてそれを実現しようと考えてくださっている人たちも今いらっしゃるわけでございます。 環境庁来ていますが、環境庁、そのちょっと所感を述べて、そういうことに対して環境庁はどう思うのか、どういう予算づけができるのか、どんな応援ができるのか、お尋ねします。
○政府参考人(松本省藏君) 蛍にかかわるお話でございますが、蛍の生息につきましては、まず幼虫のときには大変適度な流れのあるきれいな水が必要であります。それから、えさになる巻き貝も、これはカワニナと申しますけれども必要になる。それから、いい土壌と草木も必要になるということで、結論から申しますと、良好な水辺の自然環境が保たれているということが蛍の生息にはどうしても必要だということであります。 私ども環境庁といたしましても、このような蛍が生息できる水辺の自然環境を保全しあるいは回復していくということは大変重要なことだと考えております。 具体的に申しますと、多様な生物が生息をいたします身近な自然を回復あるいは整備するために地方公共団体が行います例えば自然共生型地域づくり事業あるいは身近な水辺環境再生事業、こういう事業がございまして、それに対して環境庁が補助をしていくという仕組みがございます。そういうような補助制度を活用しまして自治体の活動に対して支援をしていきたい、こういうふうに考えております。
○森本晃司君 ありがとうございました。 官房長官、ぜひお待ち申し上げております。それから、委員長初め委員の皆さん、ぜひお越しいただければと思っております。飛鳥遺跡を守り、明日香村の人々の生活を豊かにし、さらに昼は遺跡をめぐって、夜は皆さん、どうぞ飛鳥川に飛び交う蛍にひとときの心の安らぎを求めていただきたいとお願い申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
○岩佐恵美君 飛鳥地域は、先ほどから言われていますように、六世紀末から七世紀にかけて日本の古代国家の政治、文化の中心舞台となったところです。しかも、朝鮮半島や中国大陸との交流も活発で、東アジアの歴史とも重要なかかわりを持っています。 長官は改正案の説明で、明日香村の歴史的風土を保存することは国家的課題と述べられました。私は、飛鳥が東アジアの歴史と深いかかわりがある、そういう視点から見ると飛鳥地域の保存、研究は世界的にも非常に重要な責任を負った課題ではないかというふうに思うのですけれども、長官の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 先ほども私は答弁で申し上げましたように、明日香村の歴史的風土は国民共有の財産である、そういうふうに認識をいたしております。また、議員今おっしゃいましたように、明日香村は我が国の律令国家体制がアジア周辺諸国との関係の中で形成されてきた時代の中心地でございます。 その歴史的、文化的遺産は、我が国のみならずアジア全体の当時の歴史にも非常に深い関係があるものと認識をいたしておりまして、そういう考え方でもって今後とも取り組んでいく必要がある、そのように認識をいたしております。
○岩佐恵美君 第二次明日香村整備計画では、遺跡の発掘等の事業規模、進捗率はどうなっているでしょうか。総理府。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 第二次明日香村整備計画におきましては、進捗率はそれぞれの事業によって異なっておりますが、歴史的風土の保存、文化財の保護の進捗率につきましては、平成十年度末現在で、文化財の保存施設は〇%、遺跡範囲確認調査、これは県の事業でございますが八三・六%、遺跡範囲確認調査、これは村の事業ですが一〇六・五%、史跡地買収、県の事業で二六・九%、史跡地買収〇%、史跡地環境整備六〇・三%というふうに、かなり事業によって違っております。
○岩佐恵美君 個々にいろいろばらつきはあるわけですけれども、ただ総額で見ますと、九年間で三億六千六百万円、年間にして四千万円の事業規模で、整備計画全体の二%足らずということです。ですから、私は、歴史的風土保存、文化財保護の事業費というのは非常に少ないなというふうに思っております。 ところで、富本銭が発見された飛鳥池遺跡、これは飛鳥寺に接して、飛鳥時代の歴代の宮殿とも近く、多様な工芸品などが出土をしました。そこに今、奈良県が万葉ミュージアムを建設しています。飛鳥池遺跡はどんな遺跡なのでしょうか。文化庁。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 飛鳥池遺跡は、七世紀後半から八世紀初めの総合的な官営工房であると考えられておりまして、日本最古の鋳造貨幣であります富本銭でありますとか金銀等の金属製品などが多数発見されておる、そういう遺跡でございます。
○岩佐恵美君 飛鳥池遺跡全体の面積はどのぐらいで、そのうちどれだけの発掘調査が行われたのでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 飛鳥池遺跡の正確な面積につきましては、本年二月から奈良国立文化財研究所が実施をしております遺跡の範囲確認調査の結果によりおおむね判明するという予定でございますが、現時点ではおおよそ三・八ヘクタールである、このように考えております。また、飛鳥池遺跡におきます平成九年一月からの調査面積は約一・一ヘクタール、こういう状況でございます。
○岩佐恵美君 発掘調査が行われたのは全体の面積の三分の一以下なんです。そういう全体の遺跡確認が済んでいない中で、多少の設計変更をしたということで万葉ミュージアムの建設にゴーサインが出されているのですけれども、なぜでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 万葉ミュージアムでございますが、明日香村の地域特性にふさわしい万葉集を初めとした我が国の古代文化に関する全国的な中核となる総合文化施設として奈良県でこの建設計画が立てられたわけでございます。私ども文化庁におきましては、奈良県によりますこの万葉ミュージアムの建設計画の段階で、飛鳥池遺跡の保存に十分配慮する必要があるとの立場から、奈良県と協議をしたところでございます。 この結果、奈良県におきましては、今先生が御指摘になりましたが、万葉ミュージアムの管理・研究棟の位置を遺構のない場所に変更いたしますとともに、貴重な遺構を壊さないような展示棟の設計変更でありますとか、その他の保存対策を講じるなどいたしまして、万葉集と飛鳥の古代遺跡に対する理解を深めるいわば遺跡と共存する展示公開施設として奈良県においてこの工事を実施している、このように承知をいたしております。
○岩佐恵美君 万葉ミュージアムは、今話があったように管理・研究棟を縮小、移動して炉跡群を中庭にしたということですけれども、南西部の炉跡群は展示棟の下になってしまうわけです。それで、まだ三分の二以上が土の下に眠っている、何が発見されるかわからないという状況です。 私は最近現地に行きました。現地に行って、最初に甘樫丘に登りました。そして、いにしえのたたずまいが残っているその風景に本当に感動いたしました。また、水落遺跡、伝飛鳥板蓋宮跡、酒船石、石舞台古墳それからキトラ古墳などを見ました。飛鳥時代をしのばせる全体的な景観の中に遺跡がまとまって残っている、そういうことに非常に強い感銘を受けました。 文化財保護審議会の答申では、「個々の遺跡だけでなく、それと一体となつている歴史的・自然的景観を含めて、それらを総体として保存・活用の対象とすること。」、こういうことを求めております。ところが、飛鳥池遺跡における万葉ミュージアムの建設は、本物の遺跡や景観を壊してしまって、絵とかあるいはレプリカ、これなどを見せる施設をつくるということですから、私は明らかに答申の趣旨に反すると思うのですけれども、いかがですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 今先生が述べられました昭和四十五年の文化財保護審議会答申では、御指摘のとおり、飛鳥・藤原地域における文化財の保存・活用のための基本方策の立案に当たりましては、個々の遺跡と一体となっている景観を総体として保存・活用の対象とすべきである、このように言っておるわけでございます。この答申の考え方なども踏まえまして、明日香村におきましては明日香村特別措置法によって村全体が保存をされてきた、こういうわけでございまして、今回の万葉ミュージアムの建設に当たりましても、敷地の西側に位置します今先生お述べになりました甘樫丘からの歴史的な景観等にも配慮しながら奈良県におきまして計画がなされた、このように承知をいたしております。
○岩佐恵美君 私は、文化庁の認識というのは本当に歴史を愛するあるいは歴史を残して包み込んでいる風土を愛する人々の感覚と違うというふうに思います。 飛鳥寺に接する北半分は「天皇」の文字が書かれた最古の木簡が発見されるということで、飛鳥寺と深いかかわりがあったのではないかと言われています。南半分は多数の炉跡群がある工房跡です。古代の手工業技術が集積した大規模な総合工房、現代の言葉で言うと巨大コンビナートということであって、重要な生産遺跡です。古代の造幣局とも言われています。 これだけの工房が一カ所に集積した遺跡はほかにはありません。また、その規模も三千平米を超え群を抜いています。今、国が範囲確認調査をしているということですけれども、国の史跡に指定すべき重要な遺跡だというふうに私は思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 飛鳥池遺跡は、先ほども申し上げましたが、七世紀後半から八世紀初めの総合的な官営工房であると考えられておりまして、日本最古の鋳造貨幣であります富本銭でありますとか、金銀等の金属製品などが発見された遺跡として貴重でございます。そういうことで、この遺跡の範囲確認調査の結果を踏まえまして、私どもといたしましては史跡指定の方向で検討してまいりたい、かように考えております。
○岩佐恵美君 明日香村特別措置法は、「我が国の律令国家体制が初めて形成された時代における政治及び文化の中心的な地域であつたことをしのばせる歴史的風土」の保存を目指しています。柱は重要な遺跡から外したとしても、その上に鉄骨づくりの巨大な建物を建ててしまったのでは、到底往時をしのばせる歴史的風土の保存にならないと思います。 明日香村特別措置法は、住民の理解と協力のもとに明日香村の歴史的風土を保存するとしています。歴史的風土審議会の答申も、「そこに暮らし生活を営む人々が、貴重な歴史的風土を有する地域に誇りと自覚をもって、生き生きと暮らせることが歴史的風土の保存上も重要である。」、そう指摘をしています。歴史的風土の保存に当たっては地域住民の理解と協力が不可欠、これも先ほどから議論されているところであります。 ところが、飛鳥池遺跡における万葉ミュージアムの建設に関して、明日香村の方たちの間に、村民の住宅建設や福祉施設には文化財保存を理由に建設場所の変更を指導しながら、自分たちだけは超一級の遺跡の上に建てるとは何事か、あるいは何のために三十年以上も古都保存法による規制に協力してきたのか、今後はわしらも宮殿跡などの上に住宅を建てさせてもらうという厳しい批判の声が広がっているということです。これでは、私は歴史的風土の保存にも重大な支障を来すということになりかねないと思います。非常に憂慮すべき事態だと思います。文化庁の対応が非常に問われています。今後、二度とこのようなことがないようにすべきだというふうに思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 万葉ミュージアムにつきましては、さまざまな御意見があることは聞いておるわけでございます。ただ、奈良県がそういった明日香村からの要望も踏まえて建設を実施している、こういうふうに承知をいたしておりますし、今後とも文化庁といたしましては文化財の保存整備、そういう観点から対処してまいりたい、かように考えております。
○岩佐恵美君 本物のすばらしい遺跡を壊して、それで今の近代的な万葉ミュージアムという建造物を建てる、これが何で遺跡の保存になるのか、遺跡の保存を目指してまいりますということになるのか。これは本当に現地でも怒りの声が上がっていますし、それから甘樫丘から飛鳥池の方向を見ますと、今クレーンがいろいろ動いているわけです。それを見て皆さんは本当に胸を痛めるんです。一体これだけのすばらしい風景の中に何が起こっているのか。 文化庁はこう説明します。今はクレーンでちょっと見苦しいかもしれないけれども、結構建ち上がってしまえば周りの景色に溶け込むような建物になるはずですと。しかし、そうじゃないんです。やはりそこはそこできちっと、水落遺跡ではありませんけれどもきちっと保存して、そしてどんなにすばらしい巨大コンビナートがあったのか、あるいは炉跡群がどういうふうにあったのかということをやっぱり丸ごと皆さん接したいんです。そういうことが今現地では行われていない。これは、私は重大な問題だと思っているんです。 なぜこんなことになってしまったのかということですけれども、飛鳥池遺跡には九一年の発掘で大規模な工房跡がある、こういうことがわかっていました。ところが、その後継続して十分な学術調査が行われるということがなくて、九六年から万葉ミュージアムの基本計画、基本設計が進められました。そして、本格的な調査というのが九七年から万葉ミュージアム建設のための予算で行われたんです。ですから、学術調査のための調査ではない形で調査が行われた、その中で重要な遺跡が見つかった。 富本銭が発見された直後の昨年一月二十五日付奈良新聞は、研究者の間には遅きに失したとの声もあると報じています。それから、奈良国立文化財研究所の発掘調査部長は、工事費の一部を使った調査であり、またそうでないと調査費は出ない、記録保存は破壊保存とも言えるが、調査には多額の予算が投入されている、大切というだけで単純に全面保存を認めるわけにはいかないと、苦渋に満ちた発言をしているんです。 明日香村の歴史的風土を保存することは国家的課題であるからこそ、こういう状況を放置することは許されない、私はそう思います。遺跡調査を開発予算による緊急発掘に依存する、このことが問題なのだというふうに思います。 明日香村特別措置法の制定の際には、「埋蔵文化財の保存とその活用の重要性にかんがみ、政府は実効ある措置を講ずること。」という参議院の建設委員会の附帯決議が採択されています。長官、改めてこの決議を尊重する立場でぜひ取り組んでいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 地元の住民の皆さんが、家一軒建てるにしても場所を考え、その下に何があるかを考えてそういう対応をしておられる中で、今先生がおっしゃったことがそのとおりの状態であれば、私はこれは非常に大きな問題だと考えておりまして、県なり町村がいろいろな意見があったにしても、これは文化庁が間に入ってそういう調整はすべきというのが一つの役目じゃないかと考えております。 今後とも県、村とも相談をしながら、計画的な発掘調査に努めてまいるように努力をしたいと思っております。
○岩佐恵美君 カメ形石などが発見されました酒船石遺跡、これは全体としてどういう遺跡なのでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 酒船石遺跡は、飛鳥寺の南東の丘に所在いたします飛鳥時代の遺跡でございまして、丘の上には古来より酒船石と言われる石造物がございました。これは昭和二年に史跡に指定をいたしておりますが、今回の発掘調査によりまして、その北側の谷に石垣や石敷き、カメ形石造物などが発見されたわけでございます。 この遺跡は、日本書紀に宮の東の石垣として記述があります斉明天皇の大規模造営の跡ではないか、このように推測されている遺跡でございます。
○岩佐恵美君 酒船石がある丘は伝板蓋宮の東にあって、丘の北西の斜面には、九二年の調査で黄色い砂岩の石垣が見つかっています。私もこの砂岩の石垣を見てきました。日本書紀の、先ほども同僚議員から紹介がありました「宮の東の山に石を累ねて垣とす。」に相当するものと見られていますけれども、今回見つかったこうした石積みの遺構群について、どう評価をされていますか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 カメ形石造物を含む酒船石遺跡につきましては、明日香村教育委員会が平成四年度から継続的に発掘調査を実施してきているわけでございます。 私どもといたしましては、この遺跡が貴重なものであるということにかんがみまして、今後はこの酒船石遺跡全体につきまして史跡指定の方向で検討していきたい、このように考えておるところでございます。
○岩佐恵美君 酒船石遺跡については、これまで十一次にわたって明日香村教育委員会が調査を続けてきたものです。しかし、今回の遺構発掘は、万葉ミュージアムにつながる村道建設のための緊急調査として行われたものなんです。日本書紀の記述とも符合する、今お話があった斉明期の貴重な遺跡が見つかっている、そういう地域なんですが、万葉ミュージアムのための道路建設が計画され、そしてそれが進められる、そのこと自体が驚くべきことなんです。 そういう中でたまたま重要な遺構が発見されたということで、そういう意味では、今お話がありましたけれども、酒船石遺跡の範囲確認調査をきっちり行って遺跡の全容解明を図っていくということが必要だと思います。 今回の調査では、カメ形や小判形の石造物と一緒に南北の溝あるいはその周囲の石敷き、両わきにせり上がる階段状の石垣などが一体となった導水関連の遺構であるということが確認されました。 私も現地に行ったのですけれども、私が行ったのはウイークデーではなかったものですから、カメ形石等にはシートがかぶせてあって直接見られなかったのですけれども、ただその全景を遠くから見て、本当にすごい仕事なんだなということを思いました。ちょうど丘の下のかなり深いところにその遺跡があるわけですけれども、その日もやはり多くの人々が来られていました。これがニュースで報道された後、二日間の公開で一万五千人の方々が訪れる、これは異例だそうです。そういう見学者が訪れたということです。それによって村の中でも遺跡に対する考え方、見方が変わったと。それ以降も観光客が例年よりも多いのではないか、だからやっぱり遺跡の発見というのが非常に大きいということを現地では言っていました。 私は、先ほどもお話がありましたけれども、史跡としてその景観が見えるような保存整備、同僚議員から指摘がありましたけれども、そういう整備をすべきだと。決して飛鳥池の二の舞はすべきではないというふうに思うのです。改めて、飛鳥池の反省の上に立ってきちっと対応していただきたいと思いますが、文化庁、いかがですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 文化庁といたしましては、今後の明日香村教育委員会によります遺跡の範囲確認調査、この実施の結果をまちまして、できるだけ早く史跡指定の方向で検討してまいりたいと考えておりますし、酒船石遺跡の史跡指定後の整備につきましては、先ほども少しお話し申し上げましたが、ここの地盤が軟弱である等々のこともございますので、土木工学の関係者でありますとか考古学関係者等々専門家の意見を十分聞きながらそういった復元整備の方策を検討してまいりたい、かように考えております。
○岩佐恵美君 建設省はこの地域を飛鳥歴史公園として整備するという意向のようですけれども、衆議院のやりとりではそんなこともうかがえたんですが、やはり原状保存を中心として歴史的な風土、景観や自然環境を生かしたそういう整備の仕方が大切だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政務次官(岸田文雄君) 公園整備と保存につきまして御質問いただきました。 まず、基本的な認識ですが、明日香の歴史的風土は国民共有の財産であり、その保存、活用を図ることは重大な課題であると建設省も強く認識しております。そういったことから、例えば今までの例としまして、キトラ古墳及びその周辺におきましては平成十二年度中に閣議決定を経て、そして国営公園として整備する予定になっております。 ですから、このキトラ古墳につきましては、平成十年にその調査の方が本格的に進展したんですが、それからその対応を進めて、そしてようやく史跡指定のめどがついた。それを受けて、平成十二年度中に閣議決定を経て国営公園として整備する予定にしている、こういった対応をしているところでございます。 そして、今先生の方から御指摘いただきました酒船石遺跡でありますが、まずこの遺跡につきましては重大な関心を得ている、これは強く感じてはおりますが、現在はその文化財関係機関による調査を行っているところでありますので、この調査の結果を踏まえましてこれからどのような対応をしていくのか考えていかなければいけないというように感じております。その際に、先生の御指摘も頭に入れた上で検討を進めていくべきだというふうに考えております。
○岩佐恵美君 この遺跡群はさらに調査区域外の北と南に伸びていて、丘の上の酒船石や北側に隣接する飛鳥池遺跡とのつながりが予想されています。 私も丘の上にあります酒船石というのもずっと昔に見たんですが、今回もまた改めて見てまいりました。ちょうどその丘の上の酒船石の溝の方向が今度見つかった下の酒船石遺跡群につながっているということで、すごい仕事なのかしらというふうに思ったわけです。 この遺跡について日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、酒船石遺跡と飛鳥池遺跡、さらにはその周辺地域が我が国の古代国家形成期の諸課題を考える上で比類のない重要な文化遺産を包蔵していることが明らかになったと酒船石遺跡の保存に関する要望書で指摘をしています。大阪市立大学の直木孝次郎名誉教授も、斉明から天武、持統にかけての重要な遺跡ですから全部一まとめにして保存する必要が当然あります、両方とも特別史跡になる値打ちは十分あります、そう評価をしているんです。 私はもっともだというふうに思うのですけれども、文化庁いかがですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 飛鳥池遺跡と酒船石遺跡につきましては、その成立時期でありますとか遺跡としての性格が異なるため、専門的に言いますならば一つの遺跡とみなすことは難しいんだろうとは思います。ただ、広い意味ではどちらも飛鳥・藤原地域が政治、文化の中心であった時代の遺跡でありますし、こういった歴史的な位置づけのもとで保存を考えていくということは大切なことだろうと考えております。
○岩佐恵美君 明日香村の文化遺産のうち、発掘されているものは本当にわずかです。大部分はまだ地中に埋もれていると言われます。富本銭は日本の貨幣の歴史を書きかえる大発見と言われています。酒船石遺跡の石積み遺構群、これも日本書紀の斉明天皇に関する記述に符合する極めて重要な発見です。しかも、いずれもこれまで国の史跡にも明日香法の第一種特別保存地区にも指定されていないところから発見されているんです。その上、万葉ミュージアムや関連道路建設に伴う緊急発掘で発見されたものなんです。 私は、きょう随分辛口の質問を文化庁にさせていただいたんですけれども、実は現地でこういうことを聞いたんです。カメ形石などの、さっきから話になっている遺跡のことですけれども、カメ形石などの発見というのは幾つもの幸運が重なったことにあるというんです。村道の建設を請け負っていた業者の現場監督が階段上部の石を見つけて、いろいろ掘っていったらごろごろっと石が出てきた。それでもしかしたら済んでしまったかもしれないんだけれども、その石が何かやっぱりひっかかったんだそうです。それで、石が出たというので村にその連絡をしたというんです。そうしたら、それを受けたのがたまたま元文化財課長だった。それで、すぐに調査をしようということで調査をして、それから一メートルほど掘り下げたそうです。一メートルというと結構ですね。 だから、石がごろごろっとして、それからさらに一メーター掘るというのは、相当やっぱり勘といいますか運といいますかそういうものが重なったんだということなんですね、現地では。それで、もし遺跡に疎い業者だったらそのまま道路工事、まあ石ころがごろごろあるのは石の都ですから当たり前ということで、どんどん工事をやってしまうということだったかもしれない。まさに間一髪だったというんです。 明日香村は、そういう意味で至るところにまだ未発見の重要な遺構、遺跡が詰まっている可能性がある地域なんです。明日香村の歴史的風土を本当に保存する、そういうためには遺跡の発掘調査を含めて文化財保護事業、これに力を入れていく必要があるというふうに思います。 九九年三月二十五日の歴史的風土審議会の答申は、「明日香村の歴史的風土については、現時点で明らかにされている「見える」歴史的文化的遺産のみならず、その周囲の自然的人文的環境の中に眠る「いまは見えない」潜在的な遺産の存在により今後その価値が一層高まり得るものと考えられる。」、そう述べているんです。 私は、遺跡というのは丸ごと残してこそ人々を引きつけると思います。そして、歴史的風土を保存するための規則、これが住民の迷惑ではなくて、丸ごと残った遺跡が村の人々の財産、生きがいとなる、私はそれが明日香法の本当の法の精神だろう、趣旨だろう、そう思うんです。遺跡を破壊する事業を進めるんじゃなくて、遺跡を生かしていく、そのための援助をしていく、これが国の役割であり、法律を本当にきちっと生かしていく方向だろうというふうに思います。 明日香地域の特別な重要性からすれば、明日香村の遺跡などの保存、活用、これは文化財保護法だけに任せるわけにはいかない、明日香法上きちんと位置づける。どうしていったらいいのかという問題について、本当に真正面から検討をしていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 私も今のお話を聞いてちょっと驚いたんですが、工事現場の工事の仕方、そのときの運だけで貴重な文化財が、あるときは壊されたり、あるときは今のように運よく発見されたりということ自体が、まだ表に出たものは五%しかない、九五%が地中にある、そういう場所に対する考え方というものは今までのままでいいのかどうか。 それは非常に根本的な問題であろうと考えておりまして、県、国、町村一緒になって工事のあり方、それからそういうものに対する基本的な考え方を十分検討する必要があると考えておりますので、前向きに検討して今後の対応をさせていただきたいと思っております。
○岩佐恵美君 終わります。
○大渕絹子君 きょうの明日香村の法律の審議に合わせるかのように、きょうの新聞は各紙とも一面でホケノ山古墳の発掘についての報告がなされております。非常に貴重な遺跡がまた明らかになってきたということで私自身も重大な関心を持っているわけですけれども、この新聞の切り抜き等々を読みながら、いまだに邪馬台国の所在がどこかという論争が日本の中ではまたわき起こってくる状況にあるわけでございます。 これは通告してありませんけれども、こういう日本の最も重大な歴史がまだ明らかにされていないという現状、こういう文化財を発掘したりそれから調査をしたりする中には、日本の歴史について真実を国民に知らしめていくための重要な役割というのがあると思うのですけれども、いまだに邪馬台国の存在がどこなのかということさえもわからない文化財の調査のやり方というのに私はいささか疑問があるわけです。 このことと、その遺跡の保存そのものがどういうことでやられてきているのかということをあわせてお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 私もけさの新聞を見て、各紙がかなりの紙面を割いてトップで報道しておりまして、驚きました。 〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕 といいますのが、これはちょっと余談になりますが、発掘されたのが桜井市でございまして、あそこにはたしか三輪神社という神社があると思います。私はちょうど島根県の出雲大社のある大社の出身でございまして、三輪神社と出雲大社はもう何百年、何千年昔から非常に親しい縁がある神社であります。それで僕は新聞を見たときに、奈良もこうだったけれども私のところの近くにも物すごい銅鐸が出たことがありまして、やはり全国いろんなこういうものが出るんだなという印象をけさ非常に深くしたわけでございます。 こういう発掘、そういうものについても歴史的な流れの中で私どもはそういういろんな歴史的な勉強もしながら、ここにはこれが出やしないか、あそこにはこれが昔の関係からありやしないかというようなこともやはり研究の中でやりながら対応していかにゃいかぬなということを非常に強く感じました。
○大渕絹子君 それで、遺跡の中でも特に天皇の墓は陵と言われて、そして皇室にかかわるところは墓と言われて、陵墓の土地については非常に期待がされる。調査をしていけば日本の歴史について明らかにされる部分というのがたくさんあるというふうに思われているにもかかわらず、それが国有財産でありながら皇室の財産と位置づけられて、普通の文化財と同じ扱いを受けておらないというところに日本の歴史が明らかになってこないという現実があるんだという意見があるわけですけれども、これらの意見についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 今議員御指摘がありましたいわゆる陵墓につきましては、文化財としての面を持つとはいえ、やはり皇室の御先祖をお祭りしているお墓でありまして、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっていることを考えますと、私はその管理に当たっては皇室用財産として静安と尊厳を保持していくことがやはり一つは大切な問題じゃないかと、そのように理解をいたしております。また、陵墓を管理している宮内庁においては、ただいま申し上げました陵墓の本義に支障を及ぼさない範囲の中で学術研究上の要請にもこたえていくべく現在も努めていると、そういうふうに理解をいたしております。 したがいまして、陵墓につきましては、今後もそういった観点から宮内庁において適切に管理していくことが必要ではないかと私は考えております。
○大渕絹子君 事務方の方に答えていただいてからと思ったんですけれども、ありがとうございました。 それで、そういう皇室の管理の中に置かれてきたと言われる陵墓なんですけれども、陵墓であったのにその管理下から外されて参考地になったけれども、あけてみたらやっぱり陵墓であったというようなことが見瀬丸山古墳の場合はあったというふうに思うのですね。これらの経過について、それでは宮内庁ではどういうふうに受けとめていらっしゃるのですか。歴史の中で、陵墓なのかどうかということさえもわからない中で指定がされてきたというこの経過は私は非常に不幸だというふうに思うのですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(角田素文君) 陵墓の指定につきましては、いろいろ研究者の間でも御意見があることは承知いたしておりますけれども、基本的に陵墓は江戸時代から明治時代にかけまして文献調査や現地踏査等を行いまして、当時の最高水準の学者等の考証によって決定されたものでございます。先生御指摘のように幾つか変遷したものはございますけれども、基本的にはそういうことでございます。
○大渕絹子君 江戸時代の学識経験者が決めたことと、現在のまた過去をさかのぼって調査がされてきて新たな認識の中で確認をされたことというのは非常に多いと思うのです。そうすると、このホケノ山遺跡というのはこれは陵墓ではないのですね。
○政府参考人(角田素文君) お答えいたします。 宮内庁の所管の陵墓ではございません。
○大渕絹子君 というように、陵墓というのが本当に天皇の墓であったのかそうでないのかということが極めてあいまいな認定の中で今も管理がされているということは、非常に私は日本の文化財にとって不幸なことだと思うんです。 さっきの見瀬丸山古墳ですけれども、当時は参考地として指定してあったわけですね。陵墓参考地ということだったわけですけれども、これがどうしたことだかわかりませんけれども中が開いてしまったということで、調べてみたら天皇の墓であったということなんです。しかも、その天皇の墓は、最初に天皇が埋葬されたんですけれども、その埋葬された天皇の墓を押しのける形で後から第二夫人の女性がその天皇の石棺を奥に押しやる形で合同葬にさせられている。第一夫人ではない第二夫人、それは蘇我稲目とか蘇我馬子の親族、いわゆる娘であったり妹であったりという関係にあるということですけれども、その蘇我氏の権力と天皇の権威というものが逆転しているような状況が事実上この丸山古墳の中で明らかになっているわけです。 もちろん、宮内庁はそうしたことが表に出ることは皇室の権威を守るということからすればそれは表に出したくないということはよくわかるわけですけれども、学術経験者が調査をさせてくれという依頼があったにもかかわらず、そこは宮内庁で調査を行ったからということで封鎖をされてしまっていて、今は宮内庁の維持管理下に置かれているということなんです。陵墓でなかったと言っていたものが陵墓であったというこれは一つの具体的な例だろうと思いますけれども、こういうものがさまざまあるんです。 今の学識経験者の中で、陵の形によってこれは宮内庁が指定している陵墓の年代とかなり違っているというようなことも具体的にいろいろ示されているんですけれども、それが正式の調査に付されない状況というのは、私は日本の歴史にとって極めて不幸なことだというふうに思うんです。 もちろん、宮内庁がこれまでも自分たちで調査した改修工事などを行っていて、そのときにわかった事実を公表したり学識経験者とも年に一回の懇談会を開いて情報交換しているということは十分承知をしておりますけれども、私はこういう今の管理のあり方では後に禍根が残るのではないかと思います。いかがでしょうか、この問題は。
○政府参考人(角田素文君) 陵墓につきましては、先ほど官房長官が御答弁なさいましたけれども、歴代の天皇、皇族をお祭りしているお墓でございまして、皇室において祭祀が継続して行われてきておりまして、いわば今日においても生きているお墓ということでございまして、他の一般の古墳とか史跡とか、そういったものとは性格を異にしているものでございます。 したがいまして、陵墓の管理に当たりましては静安と尊厳を保持していくということが最も重要なことでございまして、学術を目的としたものでありましても発掘したりすることは厳に慎むべきことである、こういうふうに私どもは考えております。
○大渕絹子君 世界でも歴史、世界の成り立ちなどについて、お互いに情報交換をしながらそれぞれの歴史を共有するということが盛んに行われています。 例えば、エジプトのピラミッドも、これは王の墓でありますけれども、中がきちんと調査をされて公開をされるというようなこともありますし、中国の帝陵も公開をされて、科学的な調査が行われて歴史の史料を全世界が共有するということが行われておりますし、また第二次世界大戦後の韓国でも、武寧王陵というんでしょうか、武寧王という人の陵でしょうか、そこから発見された王と王妃の墓誌というのは、我が国の五から六世紀といいますからちょうど飛鳥時代に当たるのかなと思いますけれども、その歴史解明に非常に貴重な史料として提供がされているというふうに言われています。 世界じゅうでこうしたお互いに持っているものを提供し合いながら歴史を共有していこうという流れがあるにもかかわらず、我が国では一番はっきりとわかる古墳とか陵墓というようなものが調査をされないままになっているということは非常に私はもったいないというふうに思っておりまして、何も全部中をあけて壊せということは言っているわけではありませんので、本当にはっきりとわからないものについてきちっと調査をして国際的にも広げていくという、そういう基本原則というのは必要なんじゃないかなというふうに思うのですけれども、国民主権の立場からの文化財のあり方について、官房長官、いかがでございましょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 先生がおっしゃったことも非常に大切なことだとも思いますし、また文化庁も歴史的な流れの中でいろいろな判断をしていると思います。その辺をどういうふうにお互いが考えていくかということがこれからの大きな問題だろう、そのように考えております。
○大渕絹子君 宮内庁の方にもしかと申し上げておきたいと思います。 皇室の過去の歴史について、それはどんな事実が出てきたとしても、私たち日本国民はそれは歴史上の事実として受け入れていくということは絶対にできるんです。ですから、仮に史実と違う形で言い伝えられてきたというようなことがあったにしても、それが歴史の証明によって明らかになれば、それは当然私たちは受け入れられる問題だというふうに思うのです。ですから、現行憲法は天皇そのものも国民の象徴としてきちんと位置づけておるわけでございますから、そういう懸念等々はなしにして、文化庁あるいは文化財の保護をなさっている方々ときちんと協議をしながら、日本の歴史解明のために必要とあらば陵墓についてもきちんと調査研究に資するという態度が私は必要だと思うのですけれども、ぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(角田素文君) 陵墓は、御指摘のように我が国の文化遺産としての一面も有するものでございます。したがいまして、宮内庁といたしましては、静安と尊厳の保持という、これはやはり本義、基本的な考え方でございまして、それに支障のない限りで、例えば陵墓の保全工事を行います際に事前調査を行います。その際に、研究者等に見学していただいたり、あるいは出土品を公開したり調査結果を公表するなど、できるだけの御協力を学術研究上の要請にもこたえるようにしてきているところでございます。
○大渕絹子君 それでは、このくらいにして、万葉ミュージアムの建設の是非とか、あるいは出土された石造物の扱いについてとか、あるいは明日香で起こっている問題等々については同僚委員の質疑の中で明らかにされましたので、取り下げていただきたいというふうに思っております。 ただ、一点だけ、明日香村の土地、地価についてなんですけれども、明日香村からほかの地域に移転をしていきたいということで、そうしますとどうしても自分の持っている土地を手放して近隣の市町村に土地を買わなければならないわけですけれども、都市化が進んでいる近在の市町村と明日香村で手放す側の土地の価額とが限りなく差がついてしまっているという現状があるそうなんです。これらについて少しお考えをいただかないと、明日香村全体を史跡としてあるいは文化の村として保存していこうとする方向性を出そうとするときにマイナスになってくるのではないかというふうに思いますので、その点だけお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(山本正堯君) お答えをさせていただきます。 古都法によりまして、先生御案内のとおり土地利用に関しまして一定の行為の制限がかかっておるわけでございますが、その不許可によりまして著しい支障を来す場合については、土地所有者の申し出によりまして、県によって当該土地の買い入れ措置が行われている、こういうことでございます。 その際、先生御指摘のように外に出ていくときの地価についてどういうあれになっておるかと、こういうことの御指摘かと存じますが、その古都法に基づく土地の買い入れにつきましては、古都法の十一条の二項に基づきまして時価で買い取るというふうにされておるところでございます。具体的には政令で書いてございますが、土地の価額につきましては近傍類地の取引価額等を考慮して算定した相当な価額とすると、こういうふうに規定されておるところでございます。 その価額の算定に当たりましては、不動産鑑定士その他の土地の鑑定評価について特別の知識を有し、かつまた公正な判断をすることができる者に評価させなければならぬということで政令で規定されておるところでございまして、これに基づきまして、奈良県の方におきましては複数の不動産鑑定士に鑑定を依頼し、その鑑定結果に基づきまして買い取り価額を決定しているということでございます。 この際の、今申し上げましたように鑑定に当たって近傍類地の取引事例を考慮いたしまして、歴史的風土特別保存地区の規制のないものとして取り扱っているということでございます。具体的には、近傍類地、あそこは明日香のところでございますと、橿原市でありますとか高取市の市街化調整区域で特別の規制がかかっていないということとして取り扱っている、こういう価額でございまして、具体的には適正な価額で買い入れが行われているというふうに考えておるところでございます。
○大渕絹子君 そんな答弁をしていただきたくてきょうおいでいただいたわけじゃないんですね。今、実際に困っていらっしゃる人たちがいらっしゃるので何らかの手当てが必要じゃないかということで私は意見を申し上げておるので、現行がそうなっていることは十分承知をして言っておりますので、ぜひ御配慮をしていただきたいというふうに思います。そうでないと、明日香村そのものが守れない状況になっていくというふうに思いますので、重ねてお願いを申し上げます。 最後になりますけれども、私はこのカメ形遺跡の石組みが発見されたり、あるいはホケノ山の遺跡が発見されたり、こちらは卑弥呼かこちらは斉明天皇かとこういう状況で、どちらも女性の天皇が大活躍をしているというこういう時代。この時代のきょうのこの質疑の中で、日本の今の皇室典範の中で、憲法には男性というふうには規定されておらないんですけれども、皇室典範の中で皇位継承権は男系の男性、男子に限るというこの規定があるのは、私たち今、男女共同基本法ができ、男女平等の社会づくりを進めて、女性たちがこれだけ社会で活躍をし、もちろん人口の半分以上は女性のこの日本において、国民の象徴たる天皇の場が男系男子に限るというこの皇室典範は、いかにも今の時代には合わない、即刻改正をすべき問題であるというふうに思うわけでございます。 この問題は今私が初めて取り上げるわけではなく、平成元年の二月十四日には私たちの先輩でございます久保田真苗先生が当時、今、総理大臣でいらっしゃいます小渕恵三内閣官房長官にお尋ねをしています。そのとき当時の官房長官は、さらに勉強をさせていただきたいと思いますと答弁をされています。 時あたかもこのときの官房長官が総理になられて、そしてこのことをしっかりと研究する、しなければならない問題として、十二年間もう過ぎてきちゃっているわけでございますので、もうこのあたりでそろそろ結論を出さないとならない時期が来ているのではないかと思います。男女共同参画室のトップであられます官房長官でございますので当然のこととは思いますけれども、皇室典範の改正の研究に入っていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 今議員おっしゃいましたように、確かに憲法ではそういう規定はありません。皇室典範において規定されているわけでございます。しかしながら、日本社会全般において今後男女の平等についてはさまざまな形で実現していくことと考えられ、また政府としてもそのことをさまざまな施策を通じて推進すべきであるとは考えております。 ただ他方、皇位継承制度は、皇室の歴史、伝統、そしてそれらを踏まえた国民の皇室に対する気持ちなどさまざまな背景によって現在ある形になっているものと考えられます。この皇位継承制度のあり方の問題は、男女平等という点からのみならず、それだけで議論していい問題かどうかという恐らく国民の意見もあろうと思います。 この問題は、男女平等参画社会担当の大臣ということだけでさっと割り切れる問題ではない、非常に複雑な問題だと私は考えておりますので、小渕総理が官房長官時代にこれからよく勉強をしますという答弁をいたしておりますので、私も幅広い観点から勉強をさせていただきたいと考えております。
○大渕絹子君 それでは青木官房長官、小渕総理にこういう質疑があったということをぜひお伝えいただいて、十二年前にあなたがそう言っておるのでどうですかということをぜひ閣議の場所ででもあるいは官邸ででも親しくお話し合いをなさって、今のこの時期、世界的に女性の台頭著しい、そして平等社会をつくっていかなければならないというこの機運に乗ってこそ私は日本の政府だ、そういうふうに思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 御返事していただけますでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 総理に十分伝えまして、二人一緒になってこの問題、よく勉強をさせていただきたいと思います。
○大渕絹子君 ありがとうございました。 終わります。
○島袋宗康君 最後になりますけれども、重複するかもしれませんので、よろしくお願いしたいと思います。 平成十一年三月二十五日の歴史的風土審議会の答申、「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等を今後一層進めるための方策について」の中の「第一 明日香村の将来像について」において、「明日香村の歴史的風土は、そこに暮らす人々が生き生きと暮らすことによって初めて成り立ちうるものであることにかんがみ、保存と利活用が両立できるよう、今後、これを創造的に維持保全活用していくべきである。」と述べられております。 これに関連して、平成十二年度予算における措置で、総理府は歴史的風土の創造的活用を図る事業を支援するため、明日香村に一億円の交付金を交付することになっているようでありますが、歴史的風土の創造的活用とはどのようなことを言うのか、また創造的活用を図る事業とは具体的にどのような事業なのかを御質問させていただきます。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 歴史的風土の創造的活用は、先生御指摘いただきましたように、歴史的風土審議会答申におきまして指摘されているわけですけれども、明日香村の歴史的風土はそこに暮らす人々が生き生きと暮らすことによって初めて成り立ち得るものであるということで、そのまま遺跡を、凍結的保存というような言い方をしておりますけれども、保存するだけではなしに、利活用と両立できるように明日香村の歴史的風土を活用して、学び体験し実感できる歴史文化学習の場として整備を推進しようということでございます。 この歴史的風土創造的活用事業交付金の具体的な事業といたしましても、歴史的風土を活用した歴史文化学習の場の整備に関する事業、明日香村にふさわしい景観創出に関する事業、歴史的風土を活用した地域産業振興に関する事業、それから歴史的風土の保存に関する国民への啓発に関する事業などを想定しておりまして、明日香村がこうした事業を行うことを助成するために活用することを考えております。
○島袋宗康君 いろいろな事業を推進するために、説明がありましたけれども、一億円で十分なのかどうか、その辺についてお伺いします。
○政府参考人(坂東眞理子君) 金額の面に関しましてはもちろん十分とは言えない額かもしれませんけれども、できるだけそこを知恵で補っていただく、いろいろな創意工夫をしていただく、特に明日香村の若い村民の方等々にいろいろ活用の道を考え出していただきたいなというふうに期待をしております。
○島袋宗康君 平成十年三月十九日の歴史的風土審議会の意見具申で、「最近の歴史的風土の保存をめぐる状況と課題」の中で、「古都以外の都市における歴史的・文化的資産や歴史的な風土についても、国民の理解と協力の下に保存、継承が図られるべきものである。地域の歴史的な風土をその土地固有の資産として引き継ぎ、積極的にまちづくりへ活かそうとしている市町村も一部にあらわれているが、歴史的な風土を保存するための既存の手法が十分に活用されていない面も見られ、時間の経過とともに、遺跡周辺等の歴史的な風土が失われてしまうことも懸念される。」というふうに述べております。 〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕 このような状況を踏まえて、単に古都や明日香村に限定しないで全国の歴史的風土を対象とする抜本的な法の整備が必要ではないかというふうに考えておりますけれども、その対処方針についてお伺いいたします。
○国務大臣(青木幹雄君) 先生御指摘のように、平成十年三月の歴史的風土審議会意見具申でも指摘されております。国民的な歴史的、文化的資産を保有する観点から、古都以外の都市においても歴史的風土の保全のための取り組みの推進が必要であると私も認識をいたしております。 国といたしましては、現行の古都保存法に基づく取り組みを今後とも推進いたしますとともに、古都保存法以外の緑地保全地域、風致地域、美観地域の既存制度の活用や、国民に対する歴史的風土の保存についての一層の普及啓発の促進を図るなど各種施策を講ずることによりまして、全国における歴史的風土の保存に今後とも積極的に対応をしてまいりたいと考えております。
○島袋宗康君 ぜひそのように心がけていただきたいと思います。 歴風審の意見具申では、「現在までに文化財の発掘調査は着実に進み、」「発掘調査の状況によっては、新たな古都の指定等国家的見地から対応を図るべき必要性も考えられ、引き続き今後の発掘調査の結果を見守る必要がある。」と述べております。 このような状況に対しては、どのように対処される方針であるのかお尋ねします。
○政務次官(長峯基君) お答えいたします。 現行の古都保存法による古都の指定を受けた場合、先生御案内のとおり歴史的風土を保存すべき区域については土地利用の規制を受けることになりますので、新たな古都の指定については、地元市町村の意向等に配慮しつつ、十分に検討した上で適宜適切に対応してまいりたいと考えております。
○島袋宗康君 同じく歴風審の意見具申で、(3)の「歴史的風土の保存と農林業等との調和問題」の中で、「京都市嵯峨嵐山地区における農業経営形態の変化等による水田から畑地への転換や、明日香村における農業後継者の減少による耕作放棄地の増加等、歴史的風土の重要な構成要素である田園景観が変化する状況が生じつつある。」と述べております。 この問題は、単に古都京都や明日香村に限った問題ではなく、我が国の文化や自然景観が我が国農林業のあり方と深くかかわった問題であることを示していると思います。国際化や貿易自由化等ともかかわって困難な点もありますけれども、我が国の農林業の衰退を食いとめる方策を打ち立てない限り日本文化の衰退を招きかねないという懸念もあながち杞憂とは言えないと思います。 この点に関して、農水省はどのような考えで対処していく方針なのか、お伺いいたします。
○政府参考人(渡辺好明君) 良好で豊かな田園環境といいますか田園風景ということでありますけれども、やはりそれはただ自然にほうっておけばいいということではなくて、人がそこに住んで適正な生産活動を継続して行うということが前提になると思います。 今先生から御指摘がありましたように、日本全国押しなべて都会より二十年進んでいると言われる高齢化、それから担い手や後継者の不足、そして高い耕作放棄率、どこの地域も同じように悩んでおります。 こういう中で、やはり一番ともかく急いでやらなければならないことというのは、この農村地域、田園地域における一番重要な資源であります農地、これをやはり少ないとはいえ担い手に集約をして生産活動が効率的に継続をするということなんだろうと思います。 私たちも、そういう観点から、農地の流動化、集積、それから効率のいい農業生産ができるような圃場整備、それからさらには遊休農地の復活、そして自然的、経済的あるいは社会的条件において条件の格差があればそこを直接支払い等によって格差を埋めていくというふうな手法。進んで、エコミュージアムといいましょうか、田園空間そのものを博物館のような形でもう一度修景をし、つくり上げていくというふうな事業もやっておりますので、こうした事業の総動員によって、もう一度豊かで良好な田園環境というものを再構築したいというふうに考えております。
○島袋宗康君 平成十一年五月に文化庁は、琉球王国のグスク及び関連遺産群として、沖縄県の首里城址等九カ所を世界遺産に推薦されました。 この点に関して、今後の世界遺産としての登録の見通し及びこれらの遺産群に対する国内法上の保全策についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 文化庁におきましては、平成十一年の六月に首里城跡ですとか識名園など九資産から成る琉球王国のグスク及び関連遺産群を世界遺産に推薦したところでございます。今後は、世界遺産の登録基準に基づきます専門的な審査が行われ、本年十一月下旬から開催をされます第二十四回世界遺産委員会で世界遺産一覧表へ登録の可否が決定される予定でございます。 いずれにいたしましても、文化庁では、これらの貴重な文化財が世界遺産として登録をされるということは極めて意義のあることと考えております。今後、世界遺産委員会におきます審査の過程を通じまして、これらの文化遺産が申請どおり登録されるように最大限の努力をしてまいりたい、かように考えております。 二番目の国内法との関係についてのお尋ねでございますが、世界遺産委員会が定めております世界遺産の登録基準では、推薦されました文化遺産を確実に保護するための適切な法律や管理体制が措置をされていること、それから締約国はこれに全力を注がなければならないと、こういったことが登録基準の中で規定をされておるわけでございます。 琉球王国のグスク及び関連遺産群の推薦に当たりましては、その構成資産は、文化財保護法によります重要文化財、史跡、名勝などの文化財指定によりましてその保護を図っておるところでありますし、またこれらの資産を取り巻く周辺地域は、都市公園法でありますとか森林法あるいは地方公共団体が定めます文化財保護条例によって適切な環境の保全が図られている、このように考えておるところでございます。
○島袋宗康君 このグスクのいわゆる九カ所の世界遺産の問題については、非常に沖縄県民は関心を持っておりますので、文化庁の今までの御労苦に対して非常に感謝を申し上げて、ぜひそのことが実現できるように政府としても努力していただきたいと思います。 それから、沖縄県与那国島の沖合の海底三十メートルほどの地点に海底遺跡のようなものがあり、ダイバーたちの人気のポイントになっております。 琉球大学の木村政昭教授らの調査によれば、階段がほぼ直角であることなどから、人為的に築かれた海底遺跡である、二千年以上も前に陸上でつくられ海中に没したのではないかというふうな提言をされております。 沖縄県が来年度予算で五百万円を計上してこの海底遺跡の観光資源調査をすることになっていると毎日新聞が報じておりますけれども、政府はこのことを御承知なのかどうか、そしてこれに対して政府の支援策等がありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 沖縄県与那国島の沖におきまして、人為的に切り取られたかのような特徴を持つ海底地形が発見されていると、このように承知をいたしておるわけでございます。 今先生が御指摘になりましたように、この海底地形につきましては、沖縄県が観光資源としての活用と景観保護を図るために、平成十二年度におきまして与那国海底観光資源調査事業を実施すると、このようにお聞きをしておるわけでございます。確かに、昭和六十一年に沖縄県与那国島の沖におきまして地元のダイバーの方がこういった海底岩を発見され、平成四年から琉球大学の木村政昭先生が独自の調査を開始された。木村先生の話によりますと、沖縄周辺の海底には鍾乳洞や石器などが見つかっており、かつては琉球古陸という陸地であった、琉球古陸こそがムー大陸の実像と言えると、大変ある意味では夢のあるようなお話であるわけでございます。 ただ、現時点におきましては、人が住んでいたという証拠となる遺構、遺物がまだ発見をされていないということで、現時点におきましてはこれが遺跡であるというところまでの確証は得られていないのではなかろうかと、こんなふうにも考えております。 いずれにいたしましても、そういった沖縄県の鑑定、資源調査でございますか、こういったものを見守っていきたいと、このように考えております。
○島袋宗康君 これは本当に夢のような、あるいはまた本当なのかうそなのかというふうな疑問などたくさんあるようであります。 しかし、ここに書いてありますけれども、長さが百二十メートル、幅が四十メートル、高さが二十メートルと、小さな丘状になっているようであります。こういうふうにちゃんと遺跡の跡らしき感じがするものですから、やはり政府とされても関心を持っていただきまして、沖縄県が五百万円を調査費につけてありますから、その面の支援策をよろしくお願いしたいと思います。 文化財保護法における特別史跡の指定と史跡の指定の指定要件の違い及び現在までのそれぞれの指定件数、現状等を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 史跡につきましては、文化財保護法によりまして、貝塚でありますとか古墳、都城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとりまして歴史上または学術上価値の高いもののうち重要なものを指定することができると、このようになっておるわけでございまして、平成十二年三月一日現在、史跡に指定をしております件数が全国で千四百三十三件でございます。その内訳でございますが、貝塚や古墳等が五百八十七件、都城跡が二百八十二件、社寺跡等が二百三十五件と、このような状況になっておるわけでございます。 また、特別史跡につきましては、同じく文化財保護法によりまして、史跡のうち特に重要なものを特別史跡に指定することができると、このように規定をされておりまして、史跡のうち学術上の価値が特に高く我が国文化の象徴たるもの、これは特別史跡でございます。また、この件数でございますが、平成十二年三月一日現在で特別史跡の指定件数は五十八件でございます。このうち都城跡等が十九件、社寺跡等が十四件と、このような状況でございます。
○島袋宗康君 国宝の指定要件と指定件数及びその現況についても概要を説明いただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) 国宝の指定件数でございますが、全国で千五十四件でございまして、このうち美術工芸品が八百四十五件、建造物が二百九件。この考え方も基本的には史跡と特別史跡と同じようなものでございまして、我が国にとって貴重な有形文化財、その中から重要なものを重要文化財に指定し、さらにその重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを国宝に指定する、こういう考え方でやらせていただいています。
○島袋宗康君 沖縄のことを話しますと、戦前は国宝クラスの遺跡が相当あったわけでありますけれども、残念ながら戦争によって全部破壊されまして、やっと首里城が四年前ですか完成をしたわけでありますけれども、それによって沖縄県民は非常にこの沖縄の文化、歴史、そういったものを非常に大事にしようと。そこに住んでいる者が、本当に自分たちの文化がどれぐらいの水準であったかということも余り定かではなかったんだけれども、首里城を建設することによって自信を持ち、沖縄の歴史、文化というものはこうであったというふうなことが最近非常に若い者にとって高められつつありますので、ぜひ沖縄県民の期待にこたえて、先ほどの旧グスクの遺跡を、ぜひあらん限りの力を込めて沖縄の歴史、文化を発展させていただきたいというふうに思います。 同時に先ほどの、官房長官せっかくお見えですので、県が五百万円をかけてこの海底遺跡を調査するというふうな援助をしているわけですから、政府としても何らかの援助を講じていただきたいと思いますけれども、どのようにお考えですか。
○国務大臣(青木幹雄君) 沖縄のいろんな問題については特別な予算措置をいろいろやっておりまして、先生もよく御承知のとおりでございます。 その中で対応できるのか、別に新しくそういう措置をしなきゃいかぬのか、私も急なことでよく存じませんので、何らかの形で前向きに対応することは必要なことだろうと、そのように考えております。
○委員長(石渡清元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として日出英輔君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 岡崎トミ子君から発言を求められておりますので、これを許します。岡崎トミ子君。
○岡崎トミ子君 私は、ただいま可決されました明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、今後の明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等の推進に当たっては、地域住民を含む広範な合意形成により明日香村の目指すべき将来像を確立した上で、その実現に向けて必要な施策が着実に実施できるよう十分な配慮を行うこと。 二、明日香村整備基金が、明日香村の歴史的風土の保存に当たり、住民の理解と協力を求める上で重要な役割を果たしていることにかんがみ、住民生活の安定向上等のために行われる事業が今後とも着実に実施できるよう配慮すること。 三、明日香村における歴史的風土の保存に重要な役割を果たす農林業の現状にかんがみ、明日香村の農林業従事者の確保・育成に努めるとともに、地域の特性に応じた農林業の振興に配意すること。 四、明日香村における埋蔵文化財等遺跡の分布の調査及び発掘調査を計画的に進め、我が国の歴史に対する国民の認識が一層深まるよう、発掘された埋蔵文化財等の保存と活用に努めること。 五、中央省庁再編後、国土交通省は、文部科学省等関係行政機関との連携を密にして、古都における歴史的風土の保存を推進すること。また、社会資本整備審議会の構成についても、古都における歴史的風土の保存に関する専門部会を設けるなど十分配慮すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(石渡清元君) ただいま岡崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、岡崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、青木内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。青木内閣官房長官。
○国務大臣(青木幹雄君) 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会において御熱心な御審議の上、ただいま全会一致をもって議決を賜り、深く感謝を申し上げます。 御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。 ありがとうございます。
○委員長(石渡清元君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石渡清元君) 港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。二階運輸大臣。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま議題となりました港湾法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 港湾は、人や物の交流を支える交通基盤として、また、国民生活や産業活動を支える重要な社会基盤として、我が国の発展に大きく貢献してきたところであります。 近年、我が国においては、グローバル化の進展等により、経済社会の構造変化が急速に進行しており、こうした状況に対応して、構造改革等の取り組みが進められているところであります。 このような中で、我が国が国際競争力を備えた活力ある社会を構築し、国民生活の向上等を図っていくためには、効率的、効果的な物流体系の構築が必要であり、港湾についても、全国的、広域的な視点から、効率的、重点的な整備とその適正な管理運営を推進していくことが求められているところであります。 また、環境の保全に対する国民意識が高まる中、より積極的に港湾における環境施策の充実に取り組むことが求められているとともに、近年のプレジャーボート需要の増大に伴い、いわゆる放置艇が急増し、港湾の開発、利用等に支障を及ぼしている現状にあることから、放置艇対策の推進が求められているところであります。 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、重要港湾の定義を、国際海上輸送網または国内海上輸送網の拠点となる港湾その他の国の利害に重大な関係を有する港湾で政令で定めるものとし、特定重要港湾の定義を、重要港湾のうち国際海上輸送網の拠点として特に重要な港湾で政令で定めるものとすることとしております。 第二に、重要港湾における港湾工事について、運輸大臣が実施する工事の費用に対する国の負担割合の一部を引き上げるとともに、小規模な施設の工事の費用に対する国の負担割合を引き下げることとしております。 第三に、運輸大臣が定める基本方針の記載事項に、経済的な観点等から見て密接な関係を有する港湾相互間の連携の確保に関する基本的な事項を追加することとしております。 第四に、環境の保全に配慮しつつ港湾の整備等を図る旨を法目的に規定するとともに、運輸大臣が定める基本方針の記載事項に、港湾の開発等に際し配慮すべき環境の保全に関する基本的な事項を追加することとしております。 第五に、いわゆる放置艇の対策として、港湾区域内で港湾管理者が指定した一定区域内における船舶の放置等を禁止するとともに、港湾管理者が撤去保管した所有者不明の放置艇等について、その売却、廃棄等の処分を行うことができることとしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は来る三十日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十三分散会