行政監視委員会 第9号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/05/22
会議録
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月十六日、宮本岳志君が委員を辞任され、その補欠として小泉親司君が選任されました。 また、去る同月十九日、小宮山洋子君及び長谷川清君が委員を辞任され、その補欠として松崎俊久君及び竹村泰子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁刑事局長林則清君、総務庁行政管理局長瀧上信光君、総務庁行政監察局長塚本壽雄君、北海道開発庁計画監理官林延泰君、法務省入国管理局長町田幸雄君、大蔵省関税局長渡辺裕泰君、大蔵省理財局長中川雅治君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、厚生省医薬安全局長丸田和夫君、農林水産省畜産局長樋口久俊君、食糧庁長官高木賢君及び建設省道路局長大石久和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。 財政投融資対象機関の点検等に関する件について、前回に引き続いて質疑を行うことといたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水島裕君 水島でございます。 最近の新聞を見ますと、警察の不祥事とか十七歳の少年の非行というようなものがしょっちゅう出ておりますけれども、それと同じぐらい出て問題になっておりますのが医療事故あるいは医療過誤という問題であります。この問題は一義的に、つまり当事者は医療機関でありますけれども、やはり行政の責任も大いにあると思いますので、この問題を取り上げたいと思います。 十分通告していないところもございますけれども、私が申し上げた中でこれからの医療過誤を減らすということに役立つことがありますれば、ぜひそれは行政に今後生かしていただきたいというのが第一の目的でございます。 皆様も御存じのように、最近でも都立広尾病院、それから横浜市大の取り違えの問題、あるいは東海大医学部の点滴の問題、それから癌研の問題といろいろたくさんありますけれども、まず総論的にこれらの問題をどうとらえていらっしゃるのか、大きく言ってどういう問題点があるのかというところからお尋ねしたいと思います。 私の考えでは、もちろん単純なミスあるいはエラーというのが非常にあるわけでございますけれども、それを起こす原因としましては、医療機関の人が非常に多忙であるということ、それからちょっとした工夫や管理をきちっとしておけばこういう問題が避けられたのではないかという問題も多いと思いますから、そういう点も含めてひとつお答え願いたいと思います。
○政府参考人(伊藤雅治君) 最近頻発しております医療事故につきましては、私ども厚生省といたしましても大変深刻に受けとめておりまして、国民の医療に対する信頼回復のために全力を挙げて取り組むべき課題と認識しております。 今、水島委員御指摘の医療事故につきましては、例えば看護婦による薬剤の取り違い、凝固阻止剤と消毒液を間違えたことでございますとか、投薬経路の誤り、例えば内服薬を静脈内に注入したり、また医師の投薬期間の指示の誤り、例えば一回投与した後三週間休薬するというものを三日間連続して投薬する、こういうことが原因というふうに報告を受けております。 その背景といたしましては、医療機関の職員の医療の安全性に対する意識の欠如、医療機関におきます安全管理のための組織的な取り組みの欠如などが考えられるわけでございますが、私ども厚生省といたしましては、こうした医療事故を防止していくためには、まず医療機関の職員が患者さんの生命を預かっているという意識を忘れずに安全に十分に配慮して医療に従事していくということが基本でございますが、やはり人間にとってエラーというものが避けられないことだ、こういう前提に立ちまして、このエラーを事故に発展させないシステムというものをいかに構築していくか、そしてこのシステムを構築するために病院が組織的に一体として取り組んでいくということが基本であろうと考えております。 私どもは、以上申し上げたような考え方に立ちまして、厚生省としていろいろな事例の分析等を通じまして医療機器、器具の改良などにつきまして組織的な取り組みを今後やっていきたいと考えているところでございます。
○水島裕君 私が恐れておりますのは、これは非常に国民不信を招いているわけですね。こういう国民不信がもちろんいい方向に働く場合もありますけれども、これが悪循環して、もう不信なものですからいろいろなことを言ったりなんかして、またそれが病院の忙しさとか複雑さに反映したり、信頼関係がなくなったことにおいて事故がますます起きるということがあるわけですね。 それからもう一つ、これからいろんなことを決められるのもいいんですけれども、そうなりますと逆に看護婦さんたちが多忙になり過ぎるということでこれもまたその悪循環の一つになる可能性があるので、ひとつ広い意味でいろいろ考えてやっていただくということがぜひ必要だと思います。 それでは、少し具体的な例、それから具体的にどういう方策を立てるかというのでございます。 もちろん、医療過誤に遭った人はたまったものではないわけでございますけれども、やはり点滴の事故が多いんですね。点滴しちゃいけないものが注射の中に入っちゃうと。そういうことはその後、ごく最近ですが、医薬品・医療用具等関連医療事故防止対策検討会というのをなさっておられまして、それもさっと見せていただきましたけれども、そういうところでもある程度取り上げられているわけですけれども、やはりもっと色をちゃんと使うとか、それから例えば消毒薬、私なんかがやっているときは消毒薬は全然別のところに置くという習慣にしておりましたし、それから、今ちょっとおっしゃいましたけれども、点滴と口に使うものは注射器の大きさを変えてもう入らないようにしておけばどんなにぼけていてもそういうことは起きないわけでございますから、そういうことをいろいろおやりいただく。ここにいらっしゃる方が余り医療に関して不信を持ってもいけないんですけれども、本当にこの注射というのは日本は少しやり過ぎるものですからどうしてもミスが多いんですね。 科学者というのは人の心は信用しますけれども物事は余り信用しないというのが本質でございまして、私も入院したときに、抗生物質の点滴を受けるというのに本当に大丈夫かと。入れてあるものをこう見せまして、大丈夫だと。でも、どうも色が少し透明なんですよね。ですから、本当に入れたのかもう一回見てこいと言ったら、あっ入れ忘れましたと。つまり、私がそういう注意をしなかったら私は単に水だけを注射されていたと。 こういう話はしょっちゅうあるので、余りそんなことを言うとここにいらっしゃる方は嫌になっちゃいますけれども、そういうことがあるんだけれども、それをやはり事故につながらせないようにということで注射の問題が一つ。 それからその次に、今ちょっとおっしゃいましたけれども、薬も薬局で一日量を例えば多く出すとこれはだめになるようにチェックがうまくいくんですね。ですけれども、例えば一週間に一日だけ使うもの、一回だけ使うと非常にいい薬というのは結構あるんですね。それを月曜日に出すと薬局はオーケー、火曜日に出すとまたこれはオーケーになってしまうわけですね。ですから、そこをちゃんとやっていない病院は非常に多いので、これはすぐにでも通達を出された方がいいんじゃないかと。 それからもう一つは薬のアレルギー、これは薬歴をちゃんと、薬歴とは今までどういう薬でどういうことが起きたかというのを入れておけば、例えばひどいアレルギーが起きるものを処方するとビーと鳴るというような仕掛けだってできるわけですから、この辺はちょっとこの対策に書いていないような気がしますので、ぜひつけ加えられたらいいんじゃないかと思います。 いろんなことでお金がかかるというのはわかりますけれども、医療事故とかこういうミスによってかかる費用というのはアメリカなんかは物すごい、何兆円となっているぐらい事故が起こるために使う費用というのは非常に多いわけですので、少々の費用でできることはどんどんおやりになった方がいいというので、これは薬の問題ですね。 先ほどお話ししたのは癌研のシスプラチンで、こういうところでこんなことを申し上げていいかどうかわからないけれども、癌研は手術の技術は割合とうまいんですけれども、どうもあそこは古い病院で中のお医者さんが新しいこととか世間のことを、私もこの間行って少し驚いたんですけれども、癌研の附属病院はちょっと教育した方がいいところがあるような気がしますので、あそこでこういうことが起きてもっともかななんて思って、なおかつあの院長をよく知っておりますけれども、院長がこれは警察に届ける必要はないと思っていたというのはちょっと、普通の大学病院なんかだったらこれは届けなくちゃいけないということになるので、病院によって認識の差が随分ありますのでその辺もひとつ御検討をいただきたいと思います。 〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕 それから第三番目は、やはり薬の事故が多いんですけれども、薬の事故は一言患者さんに言っておくと防げるものがすごくあるんですね。 例えば、私は専門の一つとしてリューマチをしておりますけれども、リューマチに非常によく効く薬、メソトレキセート、この間厚生省でようやっと認可していただいたものは、致命的な副作用としては肺臓炎があるんです。それはまず一〇〇%空せきが起きてくる。ですから、患者さんに空せきが起きたらすぐやめてお医者さんに受診しなさいと言えばいいんですけれども、そういうのを医者は、専門医は苦労してやっておりますけれども、やはり製薬会社がもっとやっていただくといい。ところが、製薬会社は、そういうことをやれというと、いや厚生省から能書以外のことはそう患者さんとかに伝えちゃいけないことになっている、これだけ伝えたらほかのものはいいということになるのでそういうことはいけないことになっているというので、厚生省もひとつ本当に必要な情報、全部やらなくちゃいけないといったらこれはかえって散漫になってしまいますので、本当に必要な情報が行くような体制をもう少しいろいろ考えていただきたいというふうに思います。 じゃ、今の注射のことと薬の一日量のことと情報のこと、その辺をまとめて御答弁いただければと思います。
○政府参考人(丸田和夫君) まず最初の問題でございます。 先生御承知のように、医療事故を引き起こしている要因というものとしましては、医薬品や医療用具、その他医療現場で使用されます製品の容器、包装、表示、名称などが類似しているということもその一つの要因であると考えられております。 そこで、私どもとしましては、こういった製品に関連いたしましたいわゆる物的なものでございますが、こういうものにつきます医療事故の事例とかあるいはインシデント事例の情報を医療現場から幅広く収集いたしまして、これらの事例をもとに医薬品、医療用具などについて改善できる点はないかを検討するために医薬品・医療用具等関連医療事故防止対策検討会、これを設置いたしまして、先週の五月十六日に第一回検討会を開催したところでございます。 この検討会におきまして逐次具体的な改善策の提言をいただきまして、これを受けまして基準化や関係企業あるいは関係団体への要請を行うことによりまして製品の改善を進めます。また、それと同時に医療関係者の方に幅広く事例や改善策に関する情報を提供いたしていきたいと思っております。 それで、お尋ねの注射をしてはならないものが誤って投与されることがないような工夫した製品、これを医療現場に提供することにつきましても先般の第一回の会議におきましていろいろと具体的な提案がなされているところでございます。そういった点はなるべく実施できるものから逐次実施していきたいということで進めてまいりたいと考えております。 それから二番目の処方内容のチェックと申しますか、これについてでございます。 基本的にはそれぞれの医療機関におきまして処方監査を行うなどにより対応がとられているところでございますが、抗がん剤等による化学療法あるいは一日の投与量、投与方法のほかに投与期間や投与間隔、こういったものが特に重要なものについては御指摘のように細心の注意が払われるべきものであると考えております。 御指摘の処方ミスを防ぐためには、一回の処方内容のチェックだけではなくて、前回処方の内容とのチェックなど種々の観点から処方内容をチェックすることが求められているところでございます。既に一部の医療機関では実施しているというようなところもございますが、そのようなチェックを自動的に行えるシステムの導入、これを進めていくことが重要であると思っております。こういったシステムに関する研究につきまして検討会の意見をいただいて進めていきたいと考えているところでございます。 それから三番目の患者さんへの医薬品情報の提供でございます。これは医療事故防止の観点からも極めて重要であると考えております。 既にこれまでも重大な副作用を発現するおそれがあってその初期症状が自覚症状として把握されやすいものなど一部の医薬品につきましては副作用の早期発見のために必要な注意等を記載いたしました患者向けの説明書を製薬企業が作成しておりまして、医師や薬剤師の方が患者さんに説明する際に利用されているという状況でございます。これにつきましては、今後とも承認審査の際に患者向け説明文書の作成が必要と考えられます医薬品につきましては積極的にその作成を製薬企業の方に指示するなど患者さんに対する適切な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
○水島裕君 今おっしゃった五月十六日の検討会のこれを見ますと、結構多いのが人工呼吸器がとれちゃったとか、それからスイッチを入れ忘れたとか、警報装置がつくのでいろいろ処理するときはそれを一たん切るとかそういうことをやるわけですけれども、それを入れ忘れたとか、そういうことが結構あるんですね。ですから、やはりそれも一工夫で、管がとれちゃったら警報が鳴るとか、それから警報装置を切ってもあるところまで行くとまた鳴るとか、私なんかも自分で電子レンジなんかやりまして温めたまま忘れているとピッピッピッと電子レンジから呼ばれるぐらいですので、人工呼吸器がしばらく電気が通じていなかったりなんかしたら相当早く呼んでくれないと困るわけでございますので、たとえ警報装置を作業のために一たん切ったりいろんなことをしても一定のところでは鳴るようにとか、そういう工夫は十分できると思います。 それからもう一つ、異型輸血が依然として多い。これは二度のチェックになっているはずですけれども、さらにもう一回責任者をだれか決めておいてチェックをするとか、そういうことで防げるものが大部分のような気がいたしますので、私が申し上げている中で抜けていることがありましたらぜひそれを入れるように、多分そこにいらっしゃるお二人の局長も範囲の中のことだと思いますので、ぜひ実行していただきたい。日本はそれでもまだ医療事故が少ないんじゃないかなと思っているぐらいでございますけれども、ぜひこれを多くしないようにしていただきたいと思います。 それから次の問題は、事故が起きたときにそれをどうするか。マスコミによりますとおかしなものはみんな警察に届けろと書いてありますけれども、先ほどから申しておりますように、厚生省でもこれをヒヤリハットと言うらしいですけれども、冷やりとするようなちょっとした間違いはしょっちゅうやるわけですので、そのたびに届けていたのでは切りがないし、それにかかる事務手続が多くてまた医療ミスを犯すということにもなりかねないので、やはり私は、病院内にきちっとしたシステムをつくって今のヒヤリハットのみたいなときは、そこまでは届ける、そこで至急判断して警察に届けるものは届ける、もちろん最初から間違いなく重大な事故で患者さんが亡くなったというときはもうすぐに警察に届けなくちゃいけませんけれども、その中間みたいなものはが非常にありますので、その辺をひとつこういう検討会でもおやりいただく、とにかく一度各医療機関でそういうことを検討することをなさるといいんじゃないかと思います。 また、こんなことを申し上げると聞いていただいている委員の方がまたどきっとなさるかもしれませんけれども、私もちょっと前まで回診をずっとやっておりまして、ある難病の人がいて、ステロイドホルモンが非常に効くのでプレドニソロンというステロイドホルモンの代表のものを七・五ミリ、そのぐらいで十分効くからということで七・五ミリ投与しなさいと回診のときに申しましたら、量が少ないものですから、新人だったものですからこれを七・五ミリじゃなくて七・五グラムじゃないかと思って処方を七・五グラムと何と千倍も量を多く書いちゃった。もう大分前のことですから厚生省もちょっと聞き逃しておいていただきたいんですけれども、七・五グラム、とてもそんな量は使わない量ですけれども、薬局もどういうわけだか七・五グラム出してしまった。患者さんもこんなにたくさんあるんだけれどもそれを飲んじゃった。そして、すごく効く薬を千倍飲んだからこれはどうにかなると思って、もうその投与したお医者さんなんかも青くなって先生どうしましょうかと言うけれども、これは不思議なことに、すごく効くんですけれどもたくさん飲んでも意外と大丈夫なんですね。ですから、いやいや一日、胃潰瘍を起こすか、白血球が減るかふえるか、だからちょっと一日様子を見てからと。それから、かっかきて夜眠れなくなるんです。患者さんにどうだったと言ったら、もうきのうの夜は眠れませんでしたと。確かにたくさん飲み過ぎてそういうふうになったんですけれども、でも何も問題になるような副作用もなくおさまったんですね。 ですから、こういう間違いはしょっちゅう、余りしょっちゅうあると言っているといけないんですけれども、あるけれども、これは確かに千倍も飲ませちゃって多少副作用が出たんですから、これはもうマスコミレベルからいくととんでもないと、すぐ警察に知らせるべきだと言う方もいらっしゃるかもしれませんけれども、私はこういう場合は、ヒヤリハットのところには警告の意味で届けるけれども、警察に届ける必要はないと思います。 それはある程度わかった方がちゃんと病院の中でそういうシステムをつくって、検討委員会をつくっていればわかるわけですので、ひとつその辺をきちっとやれば医療事故も少なくなるし、また余りたくさん警察を煩わせたり警察に届けていろいろ問題がわけわからなくがしゃがしゃになるということも防げるんじゃないかと思いますけれども、その辺について御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤雅治君) 医療事故防止の観点から医療機関におきまして安全管理体制の確立のために、御指摘のような冷やりとしたりはっとしたりした、そういう事例につきまして院内の報告制度を整備することが重要であるというふうに考えております。 このため、厚生省といたしましては、一般の医療機関以上に高度な安全管理の取り組みが求められております特定機能病院につきましては、本年四月から安全管理のための医療事故等の院内報告制度の整備などを制度的に義務づけたところでございまして、すべての特定機能病院における取り組みを徹底していきたいと考えております。また、特定機能病院以外の医療機関におきます取り組みの参考となるようにこの特定機能病院における取り組みを周知していきたいと考えているところでございます。 〔理事田中直紀君退席、理事太田豊秋君着席〕 お尋ねの後段の警察への報告の問題でございますが、医師法二十一条におきまして医師は死体を検案して異状があると認めたときには二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならないと規定されているところでございます。この異状についての判断は、医師がその専門的知識を持って個別に行うことが基本と考えておりまして、一方、関係の学会におきましては報告のためのガイドラインが定められているわけでございますが、厚生省といたしましては改めて基準を示す必要があるかどうか検討していきたいと考えているところでございます。
○水島裕君 私も多少不勉強でお聞きしてあるいは申しわけないのかもしれませんけれども、かなりはっきりとしたミスがあって、結構重篤な副作用が起きても死亡しなければ、亡くならなければ警察に届けなくても法律上はよろしいわけでございますか。
○政府参考人(伊藤雅治君) 医師法二十一条の条文は異状死体等の届け出義務となっておりまして、その死体が異状死体であるかどうかという判断でございますから死亡事故を前提にしているというふうに理解しております。
○水島裕君 今のようなこともぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、やはり私は、大きなミスをしてすごい重篤な副作用、もしかしたら死ぬかもしれない、あるいは将来機能障害を残すようなことになった場合は、患者さんにはもちろん説明しなくてはいけないと思いますけれども、果たしてあとは病院の中だけでいいのか、そういうようなことも決まっていないとすれば一度御検討いただくとよろしいんじゃないかと思います。 それから、この検討会の中に仮にもし出ていなければぜひ追加していただきたいことは、先ほどの注射器の話も出てきましたけれども、薬とかアンプルとかそういうのでもすごく間違いやすいものがたくさんあるわけですね。そういうのをやはり許可するときに極力減らす、そういうようなことも一つつけ加えておいていただけるといいのではないかと思います。 それでは次に、諸外国はどうか、あるいはこれは日本が今後どうなるかということにもなりますので、これもみんなショッキングなことばかりですけれども、アメリカ医師会雑誌、一応相当権威のある雑誌ですけれども、一九九七年の一月号に、もちろん全部アメリカを調べたわけじゃないんですけれども、ある地域を調べてそれをアメリカに拡大して計算してみますと、薬の副作用のために入院した人が約二百万人。ちょっと信じられない。そのうち死亡者も含めて非常に強い副作用が起きたのが十万人。そのために費やした医療費が七百億ドル、つまり八兆円と日本の薬剤費よりも多い費用を使った、訴訟とかそういうことも含めてでありますけれども。それで、厚生省の人に聞いたら、なかなかこういうのは本当かどうか答弁できそうもないと言うので、まだ依然としてできなければ答弁してくださらなくて結構ですけれども、日本もこれから多くなっていく可能性がかなりあるんですね。というのは、これからはやはりきちっと効く薬をちゃんと許可しようというのが一つ、それからもう一つは飲み残しがないようにやはりきちっと指導して薬を飲んでもらおうと。また、こういうことを言うと問題ですけれども、患者さんが退院してベッドを片づけるとベッドの下から薬がごっそり出てきたり、家にも薬がごっそりたまったりなんかして、結構薬というのは出しただけ飲んでいないんですね。それだもので副作用が少なくて済んでいるという一面もあるんですけれども、これからはきちっと効く薬をちゃんと服用するということと、やはりこういうふうにいろいろ新聞なんかにも出ましたのでお医者さんに悪いし何とかだから言わないでおこうというのも減ってくると思いますので、これからも非常に、まさかこのアメリカの重篤副作用が十万人というところまでは行かないと思いますけれども、ふえていくので、これは医療過誤、一部医療過誤、一部はやむを得ない副作用ですけれども、そういうこともやはり頭に入れていろいろ対応していただきたいと思いますけれども、何かもし御意見がございましたら。
○政府参考人(丸田和夫君) 先ほどの御質問の中でちょっとお答えしておきたい件がございます。 医薬品による副作用で、例えば重篤な後遺症が残るとか死亡、そういったものがございますれば医療機関を通じてあるいは直接私どもの方に副作用報告という形で上がってまいります。そういったものでやはり非常に重篤なもの、あるいは多数頻発している、そういうものであれば私どもも中央薬事審議会にかけまして添付文書の改定とか、あるいは状況によりますとドクターレターという形で医療機関に対して情報提供を行う、こういうことをやっているわけでございます。 それから、アンプル等非常に間違いやすい、そういった形態のもの、そういうものにつきましても先ほど申し上げました検討会の中で具体的に検討をしていくということで進めてまいりたいと思っております。 それから、アメリカの事例でございます。数字につきましては、我が国でどれぐらいというのは今のところ把握してございません。 それから、例えば入院した後、そういった飲み残しの薬の問題でございますが、これにつきましては、私どもとしましては、院内の薬剤師が服薬指導という形で患者さんに対してどういった薬でどれぐらいの頻度で飲んでいただく、そういうことを進めるように今いろいろと整備しているような状況であります。 以上でございます。
○水島裕君 そうすると、もう一度確認しておきますけれども、もちろん重篤な副作用が出たときには厚生省に届ける、あるいは保健所を通じて届けるということは今でももちろんやっているわけでございますけれども、先ほどの質問は警察関係ということですので、これはそういうときでも警察は関係ないということでよろしゅうございますか。
○政府参考人(丸田和夫君) 医薬品の副作用の届け出まででございまして、それについて警察へ通報するということにはなってございません。
○水島裕君 もちろん普通の副作用はそうですけれども、医療過誤によって医療事故としてそういうことが起きたときもそれでよろしいわけでございますね。
○政府参考人(伊藤雅治君) 先ほど医師法二十一条の警察への異状死体等の届け出義務のことについて御答弁させていただきましたが、それに関連いたしまして、学会の「異状死」ガイドラインというのがございまして、例えばその第四番目といたしまして、「診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの」という中に「注射・麻酔・手術・検査・分娩などあらゆる診療行為中、または診療行為の比較的直後における予期しない死亡。」という項目がございまして、今お尋ねの件はこの項目をどのように判断するかということかと思います。
○水島裕君 きょうはこの辺でやめますけれども、やはり私は、過失傷害罪とかいろんなものもあるわけですから、副作用とか事故が起きたときに、ただ副作用事故として厚生省に届けるだけじゃなくて、やはりそういう傷害罪みたいなということもあり得るんじゃないかと当然思いますので、ぜひこの辺も御検討いただいて、医師の方はそれはその方がありがたいと言うかもしれませんけれども、やられる患者さんの方はそれはたまったものじゃありませんので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 それでは最後に、この行政監視というのは何か問題を起こしたのを監視するばかりというわけじゃなくて、きちっと前向きの監視もしなくちゃいけないというふうに私はとらえまして、二つばかりお答えしていただければしていただきたいと思います。 一つは、またリューマチの話になって恐縮ですけれども、今度許可していただいたもので相当リューマチの患者さんはおさまるようになってきた。ところが、二年前ぐらいにアメリカで開発された薬はそれのまた数倍よく効くんですね。ですから、今アメリカでは一般の人もリューマチになるとすごいいい薬が出たといって喜んでいると大きな新聞にも出ているんです。 今の薬の世界的な認可方式だと、アメリカできちっとしたデータをとるとヨーロッパは大体それに合わせて許可するということで、今ヨーロッパも全部使えるようになっている。そして、問題はアジアですけれども、アジアの中でも従来は日本で許可になったものは韓国とか中国なんかも許可しようという動きがあったけれども、その薬に関しましては、私が聞きましたら、もう日本は待っていられないので、アメリカのデータで、ちょっと人種は違うけれども、認可しようという方向と聞いております。 そういうふうになりますと、日本だけはどうしてもあと一年か二年、これも相当頑張っておやりになるそうですけれども、それでもおくれてしまう。つまり、先進国あるいは準先進国の中で日本のリューマチの患者さんだけが二、三年、今までだと五年とかそのぐらいになっちゃいますけれども、つらい思いをしていなくちゃいけないという状況になりますので、これは何も厚生省ばかりじゃなくて製薬会社あるいは医療機関も責任があるんですけれども、やはり日本の患者さんだけが世界で損をするというふうにならないような行政をぜひとっていただきたいのが一つ。 それからもう一つ、日本の中でいい研究が行われ、いい発明、発見も結構あるんですよね。あるんだけれども、今、日本の中で研究開発、それから承認審査というのが非常におくれているので、私どももそういうことをやっておりますけれども、外国にみんな頼んでしまう、外国で研究をやって臨床試験もやって認可もとって薬価もつけてもらうといった方が通常今は速いのでそういうふうにしているものが多い。 そういうことをしていたのでは日本のライフサイエンスは、ライフサイエンスに限らずサイエンスはもうどんどん力が落ちる一方で、今度は二千億円も予算をつけましたし、ことしだけでミレニアムということでライフサイエンス関係だけで六百億円つけて、その主たる目的は患者さんの幸福あるいはライフサイエンスの経済の発展ということでつけているんですけれども、前の科学技術庁長官もそこにいらっしゃいますけれども、こんなような状態だったら幾らお金をつけてもしようがないのでありますので、今の日本人の患者さんだけが損しない、それから日本の発明、発見はぜひ日本でまず研究開発して認可するというのをこれはもう国の方針としてやっていっていただかないと、ただお金は出すけれども成果は上がらないということになりますので、それを強く申し上げて、それは御同意くださるはずだと思いますので、本当は大臣が言ってくださる方がいいんですけれども、大臣よりも局長の方が力があるかもしれませんので、ひとつぜひ御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(丸田和夫君) まず第一番目の問題でございます。 御指摘の海外での承認と我が国での承認の時間差の解消や早期の承認を行うことができるよう承認審査体制の整備やいろんな体制の整備に取り組んでおります。 具体的には、平成九年度から三カ年計画で医薬品医療機器審査センターの審査官等の倍増、あるいは昨年の十一月に中央薬事審議会の見直しを行うことなどによりまして、ことしの四月以降承認申請される新薬につきましてはタイムクロックを十八カ月から米国並みの十二カ月に短縮しております。 そういったことで、御指摘の点につきましては、私どももこういった体制整備を行いましたので、なるべく早期に承認審査を行いたいと思います。 〔理事太田豊秋君退席、委員長着席〕 それから第二番目、治験の問題でございます。 御指摘のように、そういった新薬承認に際しての治験の停滞と言われております。これにつきましては、新GCPの施行以来、いろいろ努力をしております。 昨年の六月に取りまとめました治験を円滑に推進するための検討会の報告でも、被験者の参加を得やすくするための施策とか、あるいは医療機関側のいろんな体制整備、そういうものが必要と考えてやってきております。 それとともに、私自身、まず一つは製薬企業の方でもなるべく国内での治験をやっていただきたいということを昨年来折に触れて申し上げております。それと同時に、やはりこういった受け入れる医療機関としまして、国立病院等においても実施できるように依頼しているところでございます。 なるべくそういった方向でやってまいりたいと思っております。
○水島裕君 苦労なさって新しいことをどんどんやっていらっしゃるのはよくわかっておりますし、私どもそれに協力しているわけです。 私が最後に申し上げたいのは、やはり制度をつくっていろいろ変えればいいというのではなくて、変えたらそれに沿ってきちっと実行して、その成果が上がるところまで行政というのは責任を持たなくちゃいけないということを最後に強く申し上げて終わりにしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○田中直紀君 自由民主党の田中でございます。 税関業務について具体的に質問をいたしたいと思いますが、総務庁の行政監察局におきまして、平成四年には輸出入許可等に係る審査・検査の迅速化を図ること、あるいは社会悪物品の取り締まりの強化をする、そしてまた適切な要員配置、税関官署の配置の見直しを実行していく、こういう勧告がなされております。 また、平成十一年十二月には、業務量に対応したより一層適切な要員配置を行うこと、あるいは税関官署の配置の見直しを引き続き推進していく、こういうことでございますし、大変税関業務も要員の配置に苦慮されておるわけでありますが、必要なところは適切にしていっていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。 先般御質問させていただいた内容の続きでありますが、報道によりますと、新潟港から北朝鮮に往来をしております万景峰号の手荷物検査が大変甘いのではないか、こういう指摘をされております。一方で、北朝鮮に運ばれておる物資が非常に多種多様になっておる。人の往来も相当ふえてきておる。国交が回復されておらない北朝鮮でありますから友好関係を推進するということ、便宜を図るということは大切なことでありますが、一方で物資が中古自動車や自転車のみならず工作機械、プラント用の資材一式、医薬品、こういうものが流通をし、とかく軍事目的に使用されておる可能性のあるものも輸出されているのではないか、こういう報道もされております。 最近の人の交流、そして輸出入の状況、そしてまた税関体制が本当に適切であるか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(町田幸雄君) 今お尋ねのうちの人の往来の関係についてだけ、私は法務省の入管局でございますが、御説明させていただきます。 平成十一年におけるお尋ねの船による出入国者の数でございますが、まず出国者ですが、日本人が百六十五名、そして外国人が四千六百七十六名でございます。また、入国者の方は、帰国でありますが、日本人が百五十一名、外国人が四千四百九十八名でございます。 今、外国人と申しましたが、このうちの大半は日本にいる特別永住者の方々でありまして、再入国許可をとって出国し帰ってこられているという形態のものが大半でございます。 以上でございます。
○政府参考人(渡辺裕泰君) 北朝鮮との輸出入の実績、それからまた軍事目的に使われるようなものについての取り締まりの体制等々についてのお尋ねがございましたのでお答えをさせていただきます。 まず、北朝鮮との万景峰号によります貨物の輸出入実績でございますが、平成十一年におきましては輸出申告件数が千二百八十件、輸入申告件数が四百六十六件でございます。 軍事目的に使われるようなおそれのあるものが輸出されていることはないのかというお尋ねでございます。これはワッセナー・アレンジメントというものでそういうものは輸出してはならないということになっております。私ども、十分気をつけておりますが、税関職員も非常に最近のものはハイテク商品が多うございますのですべてがわかるわけではございません。したがいまして、疑わしきときは必ず担当の通産省に照会した上でその判定をするというふうにいたしております。 それから、税関の体制は適切かというお尋ねがございましたが、職員数につきましては、先ほど先生からもお話がございましたように、仕事が増加しておりますけれども職員数は残念ながらふえていない、むしろ近年は総数では減少になっているという中で何とか仕事を全うしていかなければいけないということでございますので、いろんな点で工夫をさせていただいております。機械化等も図っておりますし、また新潟につきましては、先般も申し上げましたように、私どもだけでなくて海上保安庁あるいは警察等と緊密な連絡をとりながら三者一体となって適正な通関というものを実現すべく実施しているわけでございます。
○田中直紀君 なお一層税関体制の適切な配置をお願いいたしたいと思います。 北朝鮮には、先般、米支援ということで十万トンの支援の約束を政府がいたしたところでございます。 食糧庁にお出かけいただいておりますので質問させていただきますが、平成九年の六万七千トンの米支援のときには日本の港に七隻寄港がありまして、そのうち六隻が北朝鮮の船籍でございます。これは大体一万トンずつ船積みするということでありますから、できれば一港で作業するということが望ましいのではないかと思いますが、七港に分散されて七隻が積み荷をとりに来た、こういうことであります。 今回も十万トンという数字でありますので、そろそろ向こうから船が来るという時期になってきておるというふうに伺っておりますが、形はWFP、世界食糧計画のあっせんによって市場マーケットから船を探して日本にとりに来る、こういうことでありますが、大体地理的なことからいっても北朝鮮の船が日本の港にとりに来る、こういうことに実際にはなるわけであります。 したがいまして、それはいろいろ報道されておりますけれども、国交がこれから微妙な時期で、回復を積み重ねていかなければいけないという時期でありますので現地でトラブルが起きてもいけない、そしてまた税関上、そういう港の方々が大変神経質になってきているわけでありますから、これからの計画がどういう形になっておるのか、農林水産省にお伺いをまずいたしたいと思います。
○政府参考人(高木賢君) 北朝鮮への食糧支援につきましては、今お話がありましたように、国連の食糧援助機関であるWFPが政府米十万トン、これを我が国から買い入れて支援を行うということになっております。北朝鮮への支援米の輸送船の手配につきましては、WFPがこれを行うということになっておるわけでございます。 御指摘のありましたように、前回の支援、六万七千トンにつきましては、中国籍のものが一船、北朝鮮籍のものが六船、計七船でありました。 今回、第一船が五月十五日の月曜日に小樽港に入港しておりますが、これは北朝鮮船籍のものでございます。それから、第二船、第三船、ここまでWFPからあらかじめの通知がございます。つまり、船名、船籍などの船舶の状況は入港予定日の十日以上前にWFP本部から通知を受けるということでございますが、第二船、第三船のものにつきましても、WFP本部からの通知によりますと、北朝鮮船籍のものを使用する予定であるというふうに聞いております。 それから、現場ではいわゆる右翼の街宣活動というものが行われましたが、警備当局の適切な対応によりまして特にトラブルというところまでにはいっていないというふうに承知いたしております。
○田中直紀君 食糧庁の方では支援が十万トン、こういうことで決まっておりますが、輸送経費というものが本来でしたら予算化して適切な形で、あるいは人道支援でありますから当然その意義が果たされるべきものでありますけれども、この形態がやはり今回も日本のいろいろな港にとりに来るような形になっておりますから、国交が回復されていない船が不審船、工作船ということで大変大騒ぎになったことも当然あるわけでありますし、警戒体制の中にあるわけでありますから、その辺は各役所、外務省ももっともっと注意を払って、あるいは大蔵省の方でその対処について何か御指摘の点があれば対処していくというふうに思っておりますが、大蔵省の方はどんな対応でありますか。
○政府参考人(渡辺裕泰君) 税関での対応という点で申し上げますと、先ほど食糧庁長官からお答えがございましたように、五月十五日に第一回目の船が小樽に入りました。それにつきましては、私ども船内検査を実施するなど厳正に対処いたしておりますし、今後とも適正に対処してまいりたいと思います。
○田中直紀君 もう余り時間がございませんので、薬物のことだけ最後にお伺いをいたしたいと思います。 平成十一年には、いわゆる覚せい剤を中心として二・二トンということで大変な、平成十年に対して二・五倍の不正薬物が摘発をされた、こういう状況でありまして、最近は海上での不法密輸というような事態も発生をいたしておりますし、当然コンテナ貨物においてもその事犯がふえてきております。密輸、特に薬物の密輸に対しては厳正に対処していかなきゃいけないというふうに思っておりますし、特に東南アジアを初め中国、北朝鮮から実際にそこを経由して我が国に密輸がされておるという事実がもう既に判明をしているわけでありますから、しっかりと検査体制をやっていただきたいと思いますし、税関体制、検査体制について、警察庁の問題もございますが、まずは税関体制についての対処につきましてお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(渡辺裕泰君) ただいま先生からお話がございましたように、近年、第三次覚せい剤乱用期が到来したと言われておりますなど覚せい剤、麻薬等の不正薬物の問題が国内で深刻化しております中で、税関におきましては不正薬物の国内流入を水際で阻止するということを最重要課題の一つとして位置づけておりまして、警察、海上保安庁など関係取り締まり機関との連携を強化しながら積極的な取り締まりを実施しております。また、過去五年間、平成七年から十一年の間におきます不正薬物の国内押収量全体に占めます水際での摘発の割合は七割から八割程度となっております。 そのような中で、私どもが現在重点的に実施をいたしておりますのは次の三点でございます。 まず第一点が各国税関当局との情報交換、分析を行うための連絡事務所、これはアジア・大洋州RILOと申しますが、これを香港から我が国へ誘致してまいりまして各国の情報交換のセンターにしておるということ、それからまた漁業関係団体との密輸防止に関する覚書の締結など情報収集、分析の強化をやっております。実は先週も中国との覚せい剤等の情報交換を行うべく中国税関に参りまして話し合いを行い、今後情報交換をやっていこうということをまさに話し合ってきたばかりのところでございます。 それから二番目に、麻薬探知犬、エックス線検査装置の増配備など取り締まり検査機器の整備を図ってまいりたいと思っております。本年度はコンテナ全体を一度に検査することができる大型エックス線検査装置を初めて導入する予定でございます。 それからまた三番目には、地方港も含めました広域的、機動的な取り締まりや警察、海上保安庁等との合同取り締まりの積極的な実施など取り締まり職員の効率的活用を図る、こういうような対策を積極的に講じて不正薬物の取り締まり体制の強化を図っているところでございます。 それからまた、法制面におきましても、先般成立させていただきました関税法の改正におきまして、不正薬物の密輸入に対する罰則を引き上げるなどの改正を行わせていただいたところでございます。 今後とも、不正薬物の流入阻止のため、全力を挙げてまいりたいと考えております。
○田中直紀君 終わります。
○竹村泰子君 民主党の竹村泰子でございます。 きょうの一連の質問に入ります前に、総務庁に一つお伺いしたいと思います。 けさの朝日のトップ記事、「九警官の違反もみ消し」ということで新潟県警交通機動隊の幹部らが違反の事実をもみ消していたということで、警察にもお聞きしたいのですが、きょうはちょっと時間がないと思います。 五月十五日のこの委員会で私どもの江田議員が全国の警察のかけマージャン、全国の警察の要保護記録、交通違反のもみ消しの総点検ということで質問をしておられます。そのときに総務庁長官に、特に交通違反のもみ消し問題は極めて重要でこれはぜひ総務庁の行政監察の対象にしてほしいと思いますという御質問に対しまして続国務大臣が、私ども総務庁の仕事は国の行政機関を対象にするということでございます、ですからこれは地方警察のことでありましてというふうな答弁をしておられるんですけれども、もみ消されたのは警察庁のホストコンピューターでございまして、全国の都道府県警察とオンラインでつながっている警察庁のコンピューター、これを国の行政機関でないというのは間違っていると思いますが、きょうはちょっと急だったので長官はお留守でいらっしゃるようでして、行政監察局長、御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。 委員御指摘の大臣の答弁でございますけれども、これは法令的には国の行政機関を対象とするものでございますので、もしこの件が一県警における個別具体の事件ということでございますと、御答弁申し上げましたように、自治体警察の問題であって対象ではないということになるところでございます。 しかしながら、本日報道されました問題について、コンピューターシステム等々の点につきましては私は現在のところ詳細を承知しておりません。この件個別については何とも申し上げかねるところでございます。しかしながら、私ども国を対象にするという趣旨から申しますと、このようなことが全国的に何かある等々でございますと警察庁の方の御指導、御監督の関係となりますので、その場合におきましては一県警における問題ということにはならない、こういうことはあり得ようかと思っております。 以上でございまして、詳細を承知しませんのでなかなかはっきりとお答え申し上げられませんのは申しわけございませんが、今のようなところでございます。
○竹村泰子君 江田議員の要求されました信頼回復の第一歩として交通違反のもみ消しというようなこういうけしからぬ問題、これを総務庁の行政監察の対象にしてほしいという御要望もあり、私はそれを受け継いでの質問でありますけれども、今、局長がお答えになりましたように、にわかにそういたしますともおっしゃれないのかもしれませんけれども、やはり局長というのは行政の長に次ぐ方でいらっしゃいますから、そこはきちんと長官とも御相談をいただきまして、これは当然やるべきだというふうに要求をしておきます。 結構でございます。急に呼び出して申しわけございませんでした。 それでは、桶川の事件、一連の事件につきまして私どもが予算委員会に始まりましてさまざま追及してまいりましたことが、おかげさまでといいますと変ですが、ストーカー行為等の規制等に関する法律案という形で超党派で議員立法をすることができまして、中身をきちんと実行していくのはこれからだと思いますけれども、そういう結実を見たということで私もよかったと、やりがいがあったなというふうに思うのです。 先日、大分遅くなってしまいましたが、これは私が四月六日の予算委員会で一体何がどうなったのか、女子大生猪野詩織さん二十一歳がストーカーに殺される殺されると何回もお訴えになったのになぜこれを取り上げてくれなかったのか、一体どういうことだったのかといったことに対しての一応の調書というか報告書をいただいております。 ただ、人一人の命がかかり、しかも警察がきちんと取り合っていればこの猪野詩織さんという方は亡くならなくてもよかったのではないかという人の命の重さを考えますと、余りにもこの十一ページの報告書というのは簡単過ぎて、しかもこれまで私が調査した限りにおきまして、どうもこれは事実と違うんじゃないか、一方的にではなくていろんな方面から聞いていることとこの報告書は違うのじゃないかということが幾つかありますので、今後なお一層御精励いただきたいということで質問させていただきます。 この被害者が昨年、九九年六月の時点で警察へ相談に行った際、対応した捜査員の一人の人がこれは恐喝だと言って、もう一人の捜査員が、いや、そんなの事件にならないよと述べたというようなやりとりはなかったというふうに報告書には書いてあるんですね。これは御家族がたびたびこの事件について記者会見もなさり、さまざまこれまで発言してこられたことに対して、全然違う、こういった事実はなかったと書いてあるんですけれども、これはどうなのでしょうか。事実関係はいかがでしょうか。
○政府参考人(林則清君) ただいま御指摘のこのやりとりにつきましてはテレビ等の報道において取り上げられていたものと承知しておるところでありますが、埼玉県警察本部の調査チームにおきましては、一連の過程の事実確認のために、被害者及び御家族に応対した捜査員からの事情聴取だけではなくて、関係記録の精査も行い、さらに被害者の御両親からも詳しく話を伺って検証を行ったところでありまして、御指摘のやりとりにつきましても慎重に確認を行わせました結果、そのようなやりとりはなかったということが確認されたという報告を受けておるところでございます。 なお、先生の御指摘もこれございます。そういうことで、この点につきましては被害者の御両親にも再度確認させていただきましたけれども、やはりこういう点は御両親も認識しておいでにならないということを確認したところでございます。
○竹村泰子君 それは御両親にも確認をされて、それは勘違いであった、そういう発言はなかったということだったのですね。
○政府参考人(林則清君) はい。
○竹村泰子君 わかりました。 それでは、そういう事実関係はなかったと。しかし、そのことは私も御両親にお会いしておりませんのですとんとは落ちないのですけれども、一応報告書にはそうなっております。 それから、七月に入って被害者とそのお母さんが上尾署を訪れて、刑事第二課長と係員の方が事情を聴取したと。この方々は今回の事件で処分を受けられた方たちでありますので私も実名を申し上げるのはやめておきますけれども、事情聴取した。「その際、被害者らは、元交際相手から何度も電話があり、無言電話もある」、「早く元交際相手を捕まえてください」ときちんと固有名詞を出して、あの人におどかされている、ストーカーされているんです、あの人に殺されますと訴えておられる。それに対してこの刑事第二課長は、「背景を踏み込んで聴取することもなく、」、これは報告書に書いてあるんですよ、「告訴がなければ動けない」、「嫁入り前の娘さんだし、裁判になればいろいろなことを聞かれて、辛い目に遭うことがいっぱいありますよ」、「告訴はテストが終わってからでもいいんじゃないですか」などと述べ、被害者らが「告訴は今日ではだめなんですか」、「元交際相手と接触してください。逮捕してください。家族に被害が及ぶのが怖い」、「覚悟はしてきているんです」、「なぜ延ばすのか理解できません」と言っていらっしゃる。しかし、刑事第二課長は、テスト期間終了後である七月二十二日に日にちを指定して、その日に告訴をしなさいと。 危害の発生がいかに危機的な状況であったか、どんなに恐れておられたか、そういう感覚、センスに欠如する状態であったと思いますが、見解はいかがですか。
○政府参考人(林則清君) 七月以降の名誉毀損が発生して以来、議員今御指摘ありましたとおり、被害者が御自身や家族の身の危険を感じておるという切実な訴えをされておったのは事実でありまして、また名誉毀損自身も、大変悪質な中傷ビラを自宅付近に大量にまくという大変悪質なものであったことからすれば、まさに議員がおっしゃるとおり、危害発生の見きわめを欠く、そして被害者の置かれた重大な切迫する事情に対する認識を持たないで応対したということは被害者のそういう切実な訴えに対する真摯な姿勢が全く欠如したものでありまして、国民の生命、身体、財産の保護に任ずる警察としてその応対はまことに不適切なものであったということが言えるというふうに考えております。
○竹村泰子君 そして、七月二十二日を指定したんですね。七月二十二日になってお母さんが上尾署を訪ねられると、この刑事第二課長は「今日は事件があって担当者がいないので、また改めて来てもらえますか。電話で連絡しますので」などと述べて事情聴取を行うなどの対応をせず、被害者らを帰宅させているんですね。 こういったことも含めて、今、刑事局長お答えくださいましたが、たくさんいろんな訴えが来ると思います。窓口、カウンターにはもうそれこそいろいろな事件を持ち込まれると思いますけれども、そういった切実な訴えといいますか、危機的な状況なんだということの見きわめ、これは何だとお思いになりますか。
○政府参考人(林則清君) まさに御指摘がありましたとおり、被害者の方が訴えを、あるいは警察へお越しになるということはよほどのことでありますので、その被害者の心情なり、さらに立ち入った状況なり、それを一緒になって考えてやる、もっと言いますれば、訴えてきておるのが自分の娘であったならばということを考えるだけのそういった心持ちで対処すべきであるというふうに指導もしておりますが、今回そういう点が全く欠けておるということであろうかと思います。
○竹村泰子君 公安委員長、おいでいただいていますが、私は、想像力の欠如とかそういう言葉を使いたくなるほどやっぱりいいかげんな訴えなのか、それとももう命の危険を感じているんだといって訴えて駆け込んできているのか、そこのところの見きわめができる警察官を養っていただきたい、教育していただきたいと思うんですけれども、その辺はどうすればよろしいとお思いでしょうか。公安委員長、突然で申しわけありません。
○国務大臣(保利耕輔君) 今度ストーカーの対策法をつくっていただいたのは委員の最初の質問がきっかけになっていると思いますので、そしてまた参議院でこの法案をおまとめいただいたことに対して心から敬意を表したいと思います。 それで、今の窓口のお話でございますが、警察の刷新をいろいろ考えておりますが、そのときに非常に大事なのは親切な窓口対応というのをいかに実現していくかということが大事でございまして、そのことが実現をしておりますればいろいろなお訴えに対して真摯に取り組んでいく体制ができるのだろうと思います。 そこで、私は思いますが、そういうお訴えがあったときに、主として女性の側のお訴えが多いかと思います。したがいまして、女性の立場に立った相談員のような方が窓口にいるということが私は必要なのではないかと思います。そういう意味で、今後窓口に女性の警察官を配置するということに努力をしていかなければならない、そして女性だから訴えやすいという、そういう雰囲気の中で恐ろしさというのを訴えていただいて、それを警察の中できちんと取り上げていただく、そういう体制をつくっていかなければならないのではないか、こんなふうに考えておるところであります。
○竹村泰子君 女性の捜査官、調査官を置いていただくのも一つ大事な点だと思いますけれども、男性、女性ということではなくて、やっぱり人権感覚といいますか、人間同士の叫びをどう受けとめられる人なのかということだろうと思いますが、それはもうこれからの警察のあり方を私も監視させていただこうと思いますけれども、幾つかまだありますので先を急ぎます。 七月二十九日にその被害者とお母さんがもう一度上尾署を、二十二日にちゃんと対応してくれないものですからもう一度二十九日に行って事情聴取をされた。このときにこの処分を受けられた刑事二課長の方は、御自分でワープロで作成していた告訴状を被害者に示して署名しなさいと言って告訴を受理したと、これは報告書に書いてあるんです。「告訴を受理した。」と書いてあるんですけれども、これはみずからワープロで作成した告訴状を提示して署名を求めている。 本来、告訴状は告訴人あるいは代理人が作成するものではないかと思いますが、刑事第二課長が作成した告訴状なるものは刑訴法上告訴状と認められるんでしょうか。もし認められないとすれば、この書面はいかなる法的評価を受けるものなのでしょうか。
○政府参考人(林則清君) 委員御指摘のように、告訴状というのは被害者本人または代理人、ほとんどが弁護士さんでございますけれども、これが作成するというのが通例でございます。 他方、刑事訴訟法二百四十一条の規定によりますと、告訴は書面または口頭でしなければならないということで、口頭で告訴がなされることも予定されておるところでございます。 本件の場合に、告訴の有効要件でございます犯罪事実と犯人の処罰を求める意思、この二つが告訴の有効要件でございますが、これは七月十三日の名誉毀損事件の発生以降、被害者御本人が刑事二課長に対して口頭で明確に申し立てておいでになったところであって、刑事二課長としては被害者から聴取したその二つの要件の内容を告訴状という形で書面としたものでございます。 そして、七月二十九日に被害者の方がこの書面を御確認の上署名されて、そして提出ということでありまして、刑事訴訟法上は被害者御本人による有効な告訴状が提出されたものと見て差し支えないものということが言えようかと思います。
○竹村泰子君 こういうことはよくあるんですか、代理で警察側が告訴状をつくって署名しなさいと。
○政府参考人(林則清君) ほとんど例はなく、先ほどおっしゃいました御本人というよりもほとんどの例は代理人である弁護士さんがお持ちになる例が非常に多いということで、例は少のうございます。
○竹村泰子君 じゃ、なぜこのとき代理人に書いていただかなかったんでしょうかね。告訴状を警察が用意して、字が書けない方でもないし、それにサインしなさいというふうなことをなさったのかと思いますが、これは重大な何というか、たくらみと言っちゃ言葉が悪いんですが、次なる手を打とうというお考えがあったのではないかと思うんですね。 八月三十一日ごろ、刑事第二課長は上尾署の刑事・生活安全担当次長の決裁を受けておられますね。その際、同次長は被疑者不詳とされた告訴状を見て、「被疑者が特定されていなければ、まず被害届を取り、それで捜査を進め、被疑者を特定した時点で告訴状を取ってもよかった」とおっしゃった。「この発言を聞いた刑事第二課長は、」、これは警察のお出しになった報告書に書いてあるんですよ、私が言っているんじゃないです。「この発言を聞いた刑事第二課長は、本件名誉毀損事件についても、被害者から被害届の提出を受けてこれにより捜査をしていたこととすれば、告訴受理の事実を県警本部に報告する義務を回避し、告訴事件としての迅速な事件処理の義務も免れることができると考えた。」、そういうふうに報告書に書いてございます。「極めて不当なものであった。」と。 こういうことにしようかなとこのときヒントを受けた、被害届にしようかと。だから、告訴状は少しこちらで書いてやりやすいようにしておこうかなと、そんなことを考えたんじゃないですか。
○政府参考人(林則清君) その点は、最初からそういうことを予定しておったという事実は全く認められないところでございます。 それで、代理人でございますけれども、弁護士さんなり代理人を依頼するというのは告訴をなされる被害者の方でございまして、今のお話でも、もし警察の方が告訴の意思を示されている方に、いや、あなたではなくて弁護士さんを頼んで、それで告訴してくださいと言うのも一つのあり方であろうかとは思いますけれども、通常、口頭による告訴も有効なものですから、それでこちらでつくったということでございます。
○竹村泰子君 いや、警察に代理人を立てろということじゃなくて、どうして被害者が代理人から告訴をきちんとされるようにとお勧めしなかったんですか、どうして警察がワープロを打って告訴状をつくっちゃったんですかと聞いているんです。
○政府参考人(林則清君) その点は、再々告訴したいという御意思を示しておられる者に対して、その告訴を受けたということでございまして、委員が御指摘の点、そういうやり方も場合によったらすればよかったということも言えようかとは思います。
○竹村泰子君 「刑事第二課長の判断は、極めて不当なものであった。」と書いておられますから、不当だったとお認めになっているわけです。 そこで、九月七日ごろ、告訴時の供述調書の「告訴」を「届出」に改ざんをしていらっしゃいます。この改ざんの供述調書はいつ、どういう形で上司の決裁を受けたんですか。
○政府参考人(林則清君) 御指摘の調書は七月二十九日に告訴を受理した後に被害者から事情を聴取して作成したものでありますが、九月七日に改めて被害者から被害届を受理して、捜査員がその前にできておりました供述調書の記載の中の「告訴をいたしました」という記載の「告訴」の部分を「届出」に書きかえ、また「犯人は元交際相手しか考えられません」という記載を「元交際相手の仕業だと思いました」と書きかえるなどの改ざんを行ったものでありますが、この供述調書につきましては九月九日に刑事二課長がお尋ねの告訴状と一緒に副署長と署長に報告して決裁を受けておるということでございます。
○竹村泰子君 大変おかしいことがあるんですけれども、このとき「告訴」を「届出」に改ざんしているわけですね。改ざんするなんてとんでもない話で、そのために処分も受けているわけですけれども、上尾警察署の刑事二課で告訴状を受理した場合、通常だれがだれに報告をするんでしょうか。本部に報告しないことを刑事二課長だけで判断できるんでしょうか。
○政府参考人(林則清君) 埼玉県警察におきましては、警察署で告訴を受理した場合には、本部報告のための書類を作成しまして、これは告訴事件受理報告書、これは告訴状の写しを添付しますが、これを実務的には署長の決裁を得て、そして担当の課長、この場合は刑事二課長になりますが、これが速やかに警察本部の主管課へ提出するというのが手順でございます。 埼玉県警によりますと、今回の事案におきましては、告訴を受理した刑事第二課長がみずから作成しなければならない本部報告用の書類をそもそも作成していない、そして本部への報告も怠ったということでございます。 警察署長、副署長、それから刑事・生安担当の次長、この三名の上司というのは刑事二課長が本部報告の手続を行っているか否かというものを監督すべき立場にあるわけでありますけれども、事件報告の決裁が上がった直後の九月十日付で三名とも異動をしておる、またこれらの後任者についてはそもそも刑事二課長が事件の報告を行っていないということからこれ自体の存在を知りませんで、本部報告がなされていないということを全然知らなかった、こういうのが実態でございます。
○竹村泰子君 お粗末な話ですね。報告書でもいろいろと反省はしておられますけれども、告訴状と供述調書を一緒に決裁に上げたら少なくとも副署長、署長は、告訴状があるのに調書は告訴ではなくて届け出になっている、おかしいじゃないかと気づくべきと考えますが、全部お三人とも転勤をしておられたというお粗末な話なんですね。ですから気がつかなかったと、局長の今の御答弁はそうなるんですけれども、これらの署の幹部がちゃんと内容を点検せずに決裁をしたと、つまり次の人に引き継ぎもせずに決裁をしたということになるんですね。
○政府参考人(林則清君) その点については、決裁は上げておりますけれども細かな調書の内容まで点検していないということで、それに気づかずに決裁をしておるというのは議員御指摘のとおりでございます。
○竹村泰子君 告訴状は普通どういうふうに扱われているんでしょうか。こんなに山ほど告訴状があるとも思えませんけれども、例えば地方の上尾署のような警察署で何件かでしょう。それをそんなふうに引き継ぎもせずに、転勤になったらそのまま転勤しちゃって、次の人は全く告訴状のあることもわからずに、しかも告訴状と被害届とが違うのにそれにも気がつかずにスタートするというふうなことが普通あるんでしょうか。
○政府参考人(林則清君) まず告訴を受けますと、署に備えつけられております告訴事件受理簿というものに登載をしてまいります。そして、その事件については署長、副署長あるいはその上司の決裁を得て捜査を進めるわけであります。そういうのが普通のやり方になっております。 そして、この引き継ぎということでございますけれども、本件の場合は、課長が大変重要な事件であると、切迫した事件であると、そういう事件をやっておるということを前任にも報告していないものですから、新たな今度転勤してきた人にも報告をしていない、両方にきちっとそういう報告がなされていないものですからその認識がなかったということでございます。大変重要な事件として個別に引き継ぐということもされていなかったということでございます。
○竹村泰子君 そういうことがあってはならないと思いますし、今後十分に気をつけていただきたい、御指導いただきたいと思います。 真犯人と見られる人が北海道の屈斜路湖で自殺をしてしまっている、このことが捜査の中心部分を非常にやりにくくしていると。 私は、予算委員会でも、この人のお兄さんが、共犯のお兄さんが弟は沖縄に行った後北海道にいると、北海道では他人名義で札幌市内にいると場所まで指定しているのに何もしてくれなかったと、そして「一月中旬まで釧路市周辺に所在していたことが判明したので」云々とありますけれども、最初にこの被害者の猪野さんがこの小松和人と言っている、名前を出しているのは六月ですよね。そして、警察がこの人を特定して、平成十二年、ことしの一月になってから、半年たっています、被害者が訴えて、あの人が犯人です、あの人に殺されますときちんと名前を出して訴えてから半年たっています。ことしの一月になってから「交際相手が名誉毀損事件の被疑者であることが判明」と、名誉毀損事件というのはビラを張りまくった事件ですけれども、この被疑者が首謀者であるということが判明とありますが、なぜこんなに特定できなかった、捜査できなかったのですか。
○政府参考人(林則清君) 埼玉県警察におきましては、今問題のこの名誉毀損事件について、被害者の元交際相手であるこの小松という人物、これが犯行に関与しておる可能性というものは当然のことながら念頭に置いておりました。 しかしながら、報告書にも記載しておりますとおり、上尾警察署の捜査の進捗状況というものが極めて緩慢であったということから、同人が本件名誉毀損事件の犯行、すなわち中傷ビラの作成、貼付といった実行行為であるとか、その計画にかかわっていたと認定するだけの証拠を捜査が緩慢なものですから入手するに至らず、被疑者として特定するということができなかったというのが実態でございます。 その後、殺人事件の被疑者を十二月に逮捕して、これらを取り調べる中で元交際相手が名誉毀損事件に関与したという供述が得られたため、本年一月中旬に至ってようやく同人を名誉毀損事件の被疑者と特定できたというのが実態でございます。
○竹村泰子君 とてもおかしいと思うんですけれども、九月七日に被害届を出していますね、告訴状じゃなくて被害届の方がいいと言われて被害届を九月七日に。このときには当然小松和人の名前はあったわけですよね。どうですか。
○政府参考人(林則清君) 被害届には犯人の住所、氏名等を記載する欄がございますが、この欄には何ら記載がされておりません。 と申しますのは、この被害届というのは七月十三日に被害者の自宅周辺等に被害者の名誉を傷つけるビラが貼付されたという事件に関するものでありますが、先ほども申しましたように、この事件の刑事的にいって犯人というのは、中傷ビラの作成、貼付といった実行行為とか、その計画にかかわった者を指すものであります。この被害届を受けた時点では、元交際相手がかかわっておるというのは常識的にいって事実上当然推定できるわけでありますけれども、刑事的にいって被疑者としてはっきり特定するというだけのものはなかったということで犯人の欄は何ら記載されていないということでございます。 ただし、参考事項というところがございまして、この欄には、六月十四日に元交際相手らが被害者の自宅に押しかけてきてトラブルになったために、送ってもらったものを送り返したやさきに名誉毀損の被害にあったということが参考事項のところに記載されておる状況でございます。
○竹村泰子君 おかしいですよ。あなたたちは小松和人だってことはわかっていたんでしょう、六月の時点から。ほかの人じゃあり得ないでしょう、被害者があの人に殺されますと言っているんですから、何回も何回も繰り返し。テープを持ってお母さんとお父さんと訴えに来て、警察がそれを真剣に取り合っていれば被害届に名前がなくたって小松和人が犯人だということは十分わかるじゃないですか。もちろん、無罪の人を犯人として追っかけたり、名誉毀損で反対に訴えられたりする場合もありますから人権は十分大事にしないといけないと思いますが、この場合はそういう言いわけは通らないと私は思います。 報告書の最後を見ますと、「被害者の元交際相手の所在を追及していたものの、その所在に関する確かな情報はなく、」、情報は山ほどあったじゃないですか、「また同人は偽名を使って転々と所在を移していたことから、その所在の解明に至らなかったことはやむを得ないと認められる。」で終わっているんですよ、公安委員長。これは反省なしじゃないですか。やむを得ないんですよ。これは、何とかこの体質を変えなければ、市民の訴えをいかに真剣に受けとめるかということじゃないですか。またストーカー事件か、またそれこそ、差別的な言葉を使っちゃいけませんからやめますが、女性のそういった特有の叫びかと、そういうふうに軽く扱ってあしらっていた、そういうことが積み重なっているから犯人はわかっているのに挙げられない、とうとう半年たって北海道で入水自殺しちゃったと。 こういうことではストーカー法が幾ら成立したってこういった類似の事件は全くなくならないと私は思いますが、委員長、いかがお考えですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 御指摘のとおりでございまして、最初から丁寧に対応するということがやはりこの種の事件の非常に大事なところだと私も認識をいたしております。そういう点において、今回の事件は対応が大変に不行き届きであったというふうに私自身も反省をいたしております。 ただ、御指摘の被害届の件でありますが、被害届はビラを張ったとか配ったとかということに対する被害届だと私は認識しておりまして、そういう意味で、ビラをだれが配ったのかということ、だれが張ったのかということについてはなかなか特定が当時難しかったのじゃないかなというふうに思います。関係者もおられたのだろうと思いますので、小松さんが張ったと特定することができなかったというところに警察の処理の難しさがあったのだろうと私は認識をいたしております。
○竹村泰子君 納得できないんですが、時間が迫ってきまして幾らもなくなってしまいました。 私はこの行政監視委員会で、桶川事件の九カ月前、兵庫県で同じようなストーカー事件の結果若い女性が殺されたということを取り上げました。尾ノ井由加子さん、二十歳ということで、九七年の夏ごろ告訴を希望され、本当によく似た事件なのですけれども、これは、私は報告書を江田理事を通じてきちんと出すように言っていただいておりますけれども、一体どの辺まで進展をしてどういう結果が出たのかお聞かせいただきたいと思います。 それで、同時にちょっと警察にお伺いしたいのですが、これは余りマスコミで地元では報道されていないようでして、あるテレビが報道をしたんです。そのテレビの担当の人を兵庫県警が呼び出して、あのテレビの描き方は全く事実と違うじゃないか、警察が悪いということを伝えようとしているじゃないかとかいろいろやりとりがあるんですけれども、そういった事実があったかどうか、それもお答え願いたいと思います。
○政府参考人(黒澤正和君) お尋ねの事案でございますけれども、これまで兵庫県警察におきまして調査を行っているところでございますが、現在までに判明いたしました主な論点となっております事項の事実関係等について御報告申し上げます。 まず、平成十年十二月二十一日に発生しました傷害事件につきまして、二十三日、龍野署の斑鳩交番へ告訴したが誓約書で処理されたとされる件についてでございます。 この件でございますけれども、被害者が兄とともに診断書を持って傷害の届け出をしまして、交番におきましてはA警部補以下が当初傷害事件として事件化しようと事情聴取をいたしたわけでございますが、そこへ被疑者らが突然やってまいったわけでございます。被疑者らは来署後被害者への謝罪を繰り返しまして、被害者側も次第に話を聞く姿勢を見せまして、また両者は一年半ほど交際がございましたことなどから、両者がわだかまりを残さず関係を断ち切るためには事件化を進めるよりもむしろ双方の話し合いにより合意が形成される方がよいとのA警部補の判断のもとに話し合いによる和解が成立いたしまして、その担保として誓約書の提出を受けたものでございます。 誓約書の内容につきましては、二度と殴ったりつきまとったりしない、これを破った場合は傷害の件で訴えられても文句を言わない、こういった内容のものでございまして、約束を守らない場合には事件化するという留保つきの和解でございますが、双方の意思に反してなされたものではないわけでございます。 しかしながら、被害者や兄が和解に応じたのは、以後警察の対応によりまして被疑者の暴行などが防止されるものと警察を信頼したからにほかならないわけでございまして、A警部補は事案処理後速やかに本件の経緯について本署に報告し、組織的、継続的な対応ができるように措置すべきでありましたが、こうした認識を欠いたまま報告を怠っておりまして、極めて不適切な取り扱いであったと考えております。 それから、翌十一年一月十四日に発生いたしましたコンビニエンスストアでの傷害事件でございます。 被疑者が被害者を呼び出し、復縁を迫ったが断られましたために暴行を加えた事案でございますが、対応した警察官が現場に残っておりました被害者から事情聴取をした結果、本件について被害者が被害申告をしないと申し立てたことから事件化しないこととしたものであります。 しかしながら、被疑者は以前にも本件と同様の傷害事件を起こしまして、今申し上げましたように、斑鳩交番で処理されていることが判明したわけでありますので、被害者からの被害届の提出の有無にかかわらず、被疑者に対しまして指導警告をする、あるいは斑鳩交番への連絡等何らかの措置を講ずるべきであったと考えております。 それから、一月二十七日、被疑者が被害者への面会を求めまして被害者の実家へ押しかけた事案でありますが、この際の姫路警察署林田交番における事情聴取によりまして、被疑者が依然被害者に対する傷害事件を起こし、斑鳩交番に誓約書が提出されていることが判明し、さらに被害者の兄から傷害事件の事件化について相談がございまして龍野署に相談するよう教示したのでありますから、相談への対応が確実に行われるよう龍野署に連絡するなどの措置を講ずべきであったものと考えます。 それから、十一年一月三十一日、被害者の兄が斑鳩交番に行きまして誓約書のコピーの要求を拒否され暴言を吐かれたとされる件でございます。 A警部補は、コピーの要求を拒否したことは事実でございますが、その理由につきましては、誓約書というものは警察に提出された書類であって、提出者の同意を得ることなくコピーを提供することは適当でないと思ったためだといたしております。しかし、事件を処理いたしましたA警部補におきましては、その際、被害者の兄から事情聴取をするなどしまして、被疑者の約束違反が判明すればこの傷害事件を立件するなど適切な対応をすべきであったにもかかわらずこれを怠っておりまして、極めて不適切であったと考えております。 また、被害者の兄はその際、A警部補から、お兄さん、被疑者に女でも紹介したったらどないや、女紹介したらあきらめるやろとの暴言があったと述べておりますが、この件につきましては、そのような趣旨として兄に受け取られる何らかの言動があったものと認められ、被害者の安全を危惧する兄の心情に配慮しつつ適切に行うべきであったと考えております。 以上が主な論点に関する現時点における事実関係の調査の結果でございます。 それから、お尋ねの報道対応の問題でございますが、私その点につきましては承知をいたしておりませんので、よく調べてみたいと存じます。
○竹村泰子君 もう私のいただいている時間がなくなってしまいましたのでまた後刻に譲りますが、今のお答えで、そういう答え方もあるのかなと、森総理ではありませんが、誤解を招くようなおそれがある発言だったのかなというふうに思います。 Iに女でも紹介したったらどないやと、そうしたら落ちつくだろうと言った斑鳩交番のお巡りさんはそう発言したのですか、しないのですか。 それも含めて、これは委員長にお願いいたしますが、報告書をきちんと委員会に提出するように要求してよろしいでしょうか。今のテレビ局への対応も含めて調査して報告をお願い申し上げます。いかがですか。
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまの件につきましては、その取り扱いを理事会で後ほど協議させていただきます。
○竹村泰子君 よろしければ公安委員長、この件について決意のほどをお聞かせいただいて私の質問を終わります。
○委員長(浜田卓二郎君) 簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(保利耕輔君) この兵庫の件は、非常にいろんな意味がございまして、私もマスコミで出ているものをちょっと読ませていただきましたが、両方の立場があるようでございまして、非常に微妙なところがありますから取り扱いには注意をしながらやらなければならないという問題の一つだと思います。 ただ、個々のいろいろな不適当な事項については十分に反省をしていかなければならない事項であると、このように感じておるところであります。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 私は、主に農水省の防疫業務、すなわち疫病を防御するという観点でございますけれども、それについてお尋ねしたいと思います。 現在、北海道十勝で家畜伝染病であります口蹄疫が宮崎県に続いて発生しておりまして行政の適切な対応が強く求められておりますけれども、約七百頭の牛が殺処分されたと。発生農場を中心にして半径約十キロメートルを移動制限地域に設定しているわけでありますけれども、口蹄疫については日本は清浄国であったわけでありますけれども、そういった意味では非常に深刻な事態かなというふうに認識してございます。 この問題は、我が国の食料安全保障あるいは農村、農業の持続的発展、さらには当面四五%を目指しております食料自給率、こういった面に非常に関係してくる話でありまして、もちろん食料自給率を一%押し上げるということは極めて大変な話でございますけれども、そういった極めて重要な観点を含んでいるというふうに言わざるを得ないわけであります。 北海道は、御存じのとおり、金融破綻の関係では唯一の都市銀行でありました北海道拓殖銀行が破綻してしまいましたし、これによって道内の経済は底冷えということで極めてそういった面での深刻な事態も進んできて、なかなか回復基調に入ってこないという状態でございます。あるいは、最近の有珠山の火山災害から生じた北海道経済のいわゆる大動脈であります交通路の破壊あるいは風評被害、そういった意味での深刻な打撃を受けているわけでありますし、また今回の牛に発生いたしました口蹄疫、こういった面などを考えていきますとまさにトリプルパンチでございますけれども、これはまた我が国の危機管理にかかわる問題でもあるというふうに私は認識しております。 そこで、実は「獣医畜産新報」という論文雑誌、その中で「世界における口蹄疫の現状と日本の対応」ということで口蹄疫の防疫対策について農水省の方が発表してございます。それを読んでまいりますと、水際防疫についてはかなり対応しているというふうに書いてございまして、九七年三月に台湾で起こった豚の口蹄疫の関係を含めて、それに対して水際防疫を相当やっているというふうに書いてございます。 そして、台湾の豚の口蹄疫の我が国への侵入防止に万全を期すこととして、考えられる侵入経路については徹底的な水際防疫措置が講じられたと。これらの措置は、台湾での初発生から一年経過したわけでありますけれども、この論文によりますと、一九九八年五月現在においてはなお国内において発生していない、継続的な実施をしているという話なんですけれども、二〇〇〇年に入ってから宮崎県で起こったし、さらに北海道で起こっているということで、最初のうちはかなり厳しくやっていたんでしょうけれども、気の緩みがあったかどうかを含めて、極めて重要な問題でございますので、水際防疫についてどのような取り組みをさらにやっていかれるか、その辺についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樋口久俊君) お答え申し上げます。 お話しございましたように、口蹄疫という病気は大変悪性の家畜伝染病でございまして、その蔓延の防止、清浄化、しかもその前の侵入防止等々は我が国畜産の将来のみならず国民生活にとって極めて重要と考えております。 お話しございましたように、平成九年に台湾において口蹄疫が発生しました。これは九年の春でございますけれども、その後直ちに、まず侵入防止ということが私どもとしては最大の眼目であったわけでございまして、防疫体制に万全を期すということで、この病気は偶蹄類にかかりますものですから、台湾からの偶蹄類の動物そのものと畜産物の輸入の禁止ということが一つでございます。それから、台湾から稲わらを輸入しますときにチェックする輸入検査と消毒という措置が二つ目でございます。それから、全国にございます家畜保健衛生所というところで、端的に言えば獣医さんがおられるわけでございますが、こういう皆さんが畜産農家へ立入検査をして巡回指導していただく。それから、万々一のために備えまして口蹄疫のワクチンを緊急に備蓄いたしました。 この対応はずっとその後も続いておったわけでございます。先生お話しございましたように、その後仕組みを変えたとかいうことは決してございませんで、その後ずっと所要の措置が継続しておったところへ今年発生をしたということでございます。
○加藤修一君 水際防疫を完璧にやるというのはなかなか難しいところだと私も認識しておりますけれども、我が国の防疫、検疫に係る体制については厚生省を含めて縦割り行政になっておりますので、その弊害をなくすという意味でも一元的な水際防疫体制の確立を一層進めていく必要があるのではないかな、そう私は思いますので、その辺について検討を進めていただきたいと思います。 それから、他国の防疫体制のあり方、これも十全であるかどうかというのが極めて大きな問題だと思いますので、いわゆる国際基準の強化、これについて我が国が国際的なハーモナイゼーション、そういった面についてのイニシアチブを強力にとる必要があるのではないかなと思っております。それで、国際獣疫事務局、OIEでございますけれども、東アジア地域における口蹄疫に関する緊急会議、これが六月に東京で開催されるというふうに聞いておりますので、その辺におきましては我が国政府がイニシアチブをとって国際標準化についてより強化していく道をぜひ探っていただきたい、そのように思います。 次に、マニュアルの関係あるいは法律の関係でございます。 マニュアルについては海外悪性伝染病防疫要領というものがあるわけでありますけれども、この論文を読んでいきますと、一九九八年の時点で改正作業を実施中であるというふうに聞いております。それ以降二年ぐらい経過しておりますけれども、何らそれらしい兆候が出ていないということについてはどのようにお考えでしょうか。ちょっと私は不思議に思っております。
○政府参考人(樋口久俊君) お答え申し上げます。 まず、海外からの侵入は主として、主眼に置いておりますといいますか、水際のことは伝染病予防法の中に明文の規定がございます。 それから、今お話がございました防疫要領、これは、もしお手元にございましたらあれでございますが、第一章の一番しょっぱなのところにはっきり書いてございますが、「国内に発生した場合に」という出だしで始まっておりまして、実はこれは発生した場合の危機管理のときのいわば初動といいますか、どういう体制をとるかということ、関係の国あるいは都道府県がどういうふうに動くかということを定めた規定でございます。 これにつきまして、要領の方でございますが、台湾に発生したことのいろんな情報を整理いたしまして、私どものところではかなり古い規定でございますので、例えば、一番わかりやすく言いますと、病気にかかったものからとられました材料を運んでこいと書いてあるところを、持ってこなくても、今は宅急便といいますか、ああいうのでちゃんと運べるんだから時流に合ったような動きができるようにということで見直すべきだという話がございまして、そういう作業は進めております。現に昨年の夏に大体そういう項目を頭の中に置きまして十二年度にそういう作業をするということで既に予算要求しておりまして、その作業を進めておったやさきにそれは発生した、そういう経緯があることは御理解をいただきたいと思います。
○加藤修一君 より迅速なあるいは的確な防疫体制をそういったマニュアルの変更を含めてしていただきたいと思います。 それから、家畜伝染病予防法の改正についても、台湾で二度ほどたしか四月に現地調査をしていらっしゃるわけですよね。そういったことを踏まえた形で、こういった伝染病予防法の改正についても種々の課題が当然あるわけでありまして、時間がないから読み上げませんが、この法律の改正についてもやはり検討する必要があるのではないかなと思っていますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(樋口久俊君) お話しございましたように、今回、現行の制度の枠組みを中心に現地あるいは私どもを含めてさまざまな対応をしているわけでございますが、今回の経験等を勘案いたしますと、今後における侵入防止のための措置とか発生時の防疫体制あるいは原因究明のための調査等について現行制度を見直す必要があるのではないかと考えております。 現時点ではまだ口蹄疫そのものの終息を見ていないわけでございまして具体的に申し上げられる段階ではございませんが、今般の口蹄疫の発生とその後の経緯を踏まえまして、国、県、団体、それから生産者など、それぞれの課題を整理することにしておりまして、必要がありましたなら次の通常国会までに家畜伝染病予防法の改正案を提出できるよう検討していきたいと考えているところでございます。
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。 五月十日に宮崎県が安全宣言をしたということで、その次の日に実は北海道で口蹄疫が発見されたという話になっておりまして、そういった意味では連続的になっているわけでありますけれども、やはり検査体制というのは極めて重要だと思うんですね。例のダイオキシンの関係でも、四十七都道府県については非常に精度の高いものをそれぞれの県で導入するという話になっておりまして、それは対応を明確にしていく、迅速にしていくという上では非常に大切であると。この口蹄疫の関係についても、安全宣言を早期にするという意味でも、例えば検査機器についてロボット化、オートメ化するとか、そういったことは非常に私は大切だと思いますので、要員の配置を含めて積極的にその辺について検討していただきたいと思います。 それと感染経路の疫学的調査、これもきちっと実施していただいて、要するに感染経路がどこからあるかというのが全くわからない、感染の媒体についても全然わからないというふうになっておりますので、その辺について今わかっている範囲でお答えしていただきたいと思います。
○政府参考人(樋口久俊君) まさにお話しございましたように、原因と感染経路の究明は最大の課題でございますし、私どもは当然関心を持っていろんなデータを整理しているところでございます。 現在、私どもが得ております材料は、宮崎で確認をされておりますウイルスと北海道で捕まえましたウイルスの断片、これらから同じウイルスによるものというところまで確認をしているわけでございます。これから挙げてさらに究明を進めないといけないわけでございまして、ただ余り予断を持ってお話をしますと逆の影響が出てまいりますが、お話しでございますのであえて言及をいたしますと、輸入された粗飼料の可能性があるのではないかということを念頭に置きながらいろんな作業をやっているところでございます。
○加藤修一君 検査体制の関係、要するにオートメ化するとか素早くできるような検査機器の導入、この辺についてはどうでしょうか。
○政府参考人(樋口久俊君) ウイルスの確認といいますか検査でございますが、実はこのウイルスは空中に飛ぶという可能性があるわけでございまして、検査、分析をいたしますときには相当きちっと隔離をされました、つまり空気とか水まで管理をされました施設の中で厳重にやるということが条件になるわけでございまして、この部屋の四分の一ぐらいの施設が現在ございましてその中でフル稼働してやっているわけでございまして、もちろん消毒も完璧にやっております。 したがいまして、その中でやる作業がいろいろございますけれども、一番難しいのが試料を作成するというときと、それから確認をした後は誤解がないようにという、どうしても人間がある程度関与をしないといけない作業がございます。 先生お話しございましたように、例えば検体の読み取りでございますとか、あるいは一定の試料を機械的に分配していくとかいうような機械部分はございまして、これが発生しまして、ちょっとテクニカルで申しわけないんですが、エライザ検査というのがございまして、いろんな材料を洗う洗浄機でございますとか読み取り機はすぐ購入いたしましたが、何しろスペースに限界がございましてすべてを購入して機械に任せてしまうということのできない部分がございます。 さらに、東京の小平に一カ所しかなかった施設を筑波の方もできるようにということで現在改良しているところでございまして、機械化そのもの、それからスピードアップする、これはまさに私どもの希望でもございますので、その方向でできることはやっていきたいと思っておるところでございます。
○加藤修一君 ぜひ迅速化、また新しい検査方法、こういったことも編み出すことについて研究を進めていただきたいと思います。 それで、経済対策といいますか、今回の被害を受けた方々は相当数いるわけでありますけれども、移動の制限なんかによって家畜の出荷ができない、そういったことも相当出ているわけでありまして、今非常に困難な経営状態の中にある畜産農家については、やはり円滑な資金の融通とか貸し付け、既に貸し付けているお金について償還条件の緩和、こういったことも必要じゃないかなと思っていますけれども、この点が第一点。 それから、同様に経営に必要な運転資金の低利融資、この辺については国の利子補給なんかもあるわけでありますけれども、今のところ国の利子補給については一・〇一%、もう少し利子補給の割合を高めることはできないか、これは積極的に特例という形でもいいですからやっていただきたいと思いますけれども、この辺はどうでしょうか。
○政府参考人(樋口久俊君) 全体として対応策といいますか、それについては先ほどお話もしましたようないろんな蔓延防止策もございますし、これから原因を究明する、その次にいろんな影響を緩和する対策ということになるわけでございまして、個別の中身は御紹介を省略いたしますが、資金対策、これは金融機関に対しまして経営に必要な資金の円滑な融通と、既に貸し付けられている資金の償還猶予等について私どもの方から要請をいたしております。既に地元ではいろんな協議が始まっているんじゃないかと思っております。 ただ、そのときに、一定の利子補給率が定められておるわけでございますが、さらに引き下げてはどうだろうかというお話でございますが、利子の扱いについてはいろんな仕組みとのバランス等々がございまして今回の仕組みでは精いっぱい対応はしたつもりでございます。 したがいまして、その際に、例えば南九州でのことを御紹介申し上げますと、宮崎県、鹿児島県、熊本県、いろんな仕組みが違いますが、残りについてそれぞれの県とかあるいは市町村とか団体がカバーをされるということで、私どもが承知をしている限りではほとんど生産者の皆さんの負担はなくなっているというようなこともございますので、今、先生からお話しございましたようなことを北海道の道庁を初め各自治体といろいろ御相談するということになろうかと思います。
○加藤修一君 余り納得できなかったんですけれども、有珠の関係を含めて道庁もお金を使っているものですから財政が相当苦しいということは聞いておりまして、そういった意味を含めて特例措置をぜひ検討していただきたいことを要請しておきたいと思います。 それでは次に、先ほどわらの話が出てまいりましたけれども、それも必ずしも真犯人ではない、そういう可能性はなくはないわけですけれども、わらまで輸入しているとはちょっと思っていなかったんですけれども、国内ではやはり米の関係を含めて稲わらが年間一千万トンあるというふうに聞いておりますし、こういった国内のわらを飼料として自給できる体制をつくっていくことも一つじゃないかなと私は思うんですけれども、飼料化という観点から考えていった場合に、食べ残し、学校の給食とかあるいは企業の食堂、一般の生ごみ、こういったものを含めて検討していく中で、飼料にしていくということも随分と農水省でやっているように聞いております。 例えば、山形県の話でありますけれども、エコピッグ計画、要するにフードリサイクルシステム、こういったものの事業化を実際に進めているようでありますし、農水省では給食残渣等飼料化システムモデル事業という事業もあるように聞いておりますので、こういった面についての強化を含めて最終的には自給率の向上につながるような、そういった施策の展開というのが必要ではないかと私は思っておりますけれども、このわらの自給率、国内自給、この辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(樋口久俊君) 実はお話のとおりでございまして、現在、国産の稲わらは端的に申し上げますと年間約九百万トンぐらい生産をされております。そのうち飼料用に使われておりますのが大体百万トン強というふうに私どもは承知をいたしておりまして、五百万トン以上がすき込んでみたり焼却してしまったりという形になっておりまして、お話がございましたとおり、飼料自給率を高めるということからしますと、国産稲わらの飼料への利用率を高めていただく、これは大変必要なことじゃなかろうかと思っております。 一方、外国からどのくらい稲わらというのは入ってきているんだろうかという話になりますと、大体年間二十万トンぐらいでございまして、数字だけで見ますと九百万トンあるわけでございますから二十万トンはその中の決して大きな比率じゃないわけでございますから、それを利用するということはぜひ対応しないといけないということでございます。 ただ、一つだけ、なぜ利用されなかったか。いろんな理由がございますが、稲作が行われる土地と基本的に畜産地帯とは必ずしも近いところじゃないことが多いわけでございまして、それがなかなか難しい面があったということでございます。 したがいまして、今回、私どもとしてもこういうことを契機に、ぜひそこのところを関係者みんな一緒になって、俗っぽく言えばそれがちゃんと回るようにということで対応する必要があるんじゃないかということで、先般、そのための官民挙げてといいますか、国から生産者団体みんなに集まってもらいまして全国運動の会議を開きまして、そこでぜひ今後は、お話しございましたように、国内産で充てるということでみんなして対応していこうじゃないかという意思統一ができまして、これからは具体的にどこの地域にどこのものをどういうふうに充てればいいだろうか、そういう組み合わせ、流通の仕組み、そういうものが具体的に検討されていくということになろうかと思っております。
○加藤修一君 時間がないからちょっと先に進みたいと思いますけれども、風評被害ということで十勝ブランド、北海道ブランドについて消費者が敬遠するところが出ているように聞いておりますし、畜産品と全く関係のない農産物に対してもそういった傾向が出始めているというふうに聞いております。あるいは、教育の現場においては、スポーツの交流試合について口蹄疫を理由に断られたと、そんな話まで出ているわけなんですけれども、やはり風評被害を防ぐためには正しい情報というものが非常に重要なわけであります。 有珠山の関係でも風評被害の関係があって頑張る、けっぱる北海道なんという形でキャラバンを組んだりなんかしてやっているわけですけれども、こういったことについてもっと強化していくことも農水省の立場から必要ではないかなと思いますけれども、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(樋口久俊君) 風評被害につきましてですが、一番大事なことは正しい情報を伝えるということだと思います。私どもは、毎日日報をこの口蹄疫に関して出しておりますが、その際も重ねてその話はいたしておりますのと、厚生省さんの協力を得まして公衆衛生上問題はないということもしばしば機会をとらえて言っていただいています。 そのほか、生産者とか生産者団体にはもちろんお話をしていますし、一番買っていただかないといけない、窓口と言ってはあれでございますが、いろんなスーパーさんでございますとか、そういう業界の団体の方に再三集まっていただきまして、しつこくといいますか、何度も何度も現状をお話ししまして、安全性には問題ないんだからちゃんとそれに沿った対応をしてほしいということをお話ししておりまして、そういう周知徹底と円滑な流通の確保は要請を続けておりますし、今後も続けていきたいと思っております。また、機会をとらえてそれは続けていかないといけないことだと思っております。
○加藤修一君 時間がないから最後の質問にしたいと思うんですけれども、家畜の排せつ物、北海道開発庁にお尋ねしたいんですけれども、家畜排せつ物法というのが昨年施行されて、これなんかも環境に極めて大きな影響を与える可能性があると。地下水の汚染あるいは河川の汚染あるいは海の汚染によって感染症が発生する可能性が決して低くはないということを考えていきますと、こういった農業から出てくる排せつ物、廃棄物をいかに十分有効に使うかということも考えていかなきゃいけない。先ほど飼料という話もありましたけれども、私は、バイオガスを発生させて熱を供給する、あるいは電気をそこからつくり出す、そういったことにも使っていいのではないかなと思っています。 北海道は牛ふん尿を含めて年間二千万トンぐらい生じるというふうに聞いていますが、そういったことについて開発庁はどのように具体的に取り組んでおられるか、ちょっと教えてください。
○政府参考人(林延泰君) お答えいたします。 今日北海道では、酪農等畜産業から排出されます家畜排せつ物は、先生今御指摘のとおり、年間約二千万トンに上っております。それによります環境負荷への増大が深刻な問題になっておりまして、環境対策といたしまして家畜排せつ物のリサイクル活用が極めて重要であり、かつ急がれる課題であると我々は認識しております。 しかしながら、先生御案内のように、北海道は気象状況が積雪寒冷という極めて厳しい状況下にございまして、そういった意味では他の都府県とは事情が異なるというようなことから、北海道仕様に基づく施設とかあるいは技術等の管理基準の制定が必要になってくるのじゃないかというふうに考えております。 そこで、この課題に対応するために、私ども北海道開発庁といたしましては、今年度、平成十二年度からバイオガス実験プラントを根室支庁管内の別海町と網走支庁管内の湧別町の二カ所で建設いたしまして、一つは家畜ふん尿の効率的な処理、それから一つはメタンガスの生産と利用方法の検討、それから有機肥料の農地還元による土づくり等の実証研究を実施することとしております。現在の予定では本年の秋ごろには建設を終了いたしまして運用の開始をしたいというふうに考えております。 当庁といたしましては、このバイオガス実験プラントの成果を踏まえ、経済性の高い家畜ふん尿処理技術の確立やリサイクルエネルギーの利用促進に取り組み、循環型社会の構築を目指していきたいと考えております。 以上でございます。
○加藤修一君 ぜひ強化していただきたいと思います。 これで終わります。
○小泉親司君 私は、長期テーマであります財投問題に関連をしまして、東京湾の横断道路アクアラインの問題について少し建設大臣にお尋ねをしたいと思います。 まず初めに総務庁にお尋ねをいたしますが、きょうは総務庁長官は何か出張だそうでありますけれども、昨年四月に道路公団の関係の四公団について総務庁では調査をされておるというふうに聞いておりますけれども、この点について、特に日本道路公団のうち東京湾横断道路アクアラインの問題についてどのような点が指摘されているのか、まず初めにお聞きをしたいというふうに思います。
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。 日本道路公団事業のうちのいわゆるアクアラインについてでございますが、私ども財務の角度からの調査でございますが、平成九年十二月に開通いたしましたアクアラインでございます。 当時の状況は、平成九年度末で償還対象総額が一兆四千五十八億円ということでございまして、公団の一般有料道路事業全体の約四割に当たるということでございます。したがいまして、アクアラインの収支の動向といいますものが公団の一般有料道路事業の今後に大きな影響を与えるという認識をまずしたところでございます。 このような状況のもとにおきまして、アクアラインの利用実績でございますけれども、調査当時におきましては償還計画で見込んでおります交通量の五割程度で推移していたという状況がございました。 そこで、私どもといたしましては、一般有料道路事業の経営の健全性確保のためにはアクアラインの的確な収支管理が不可欠であるという点を指摘申し上げたところでございます。
○小泉親司君 道路公団の調査報告では、今御指摘ありましたように、いわゆるアクアラインの今後というのは有料道路の将来を左右する問題だというふうに指摘されているわけですね。それと同時に、この点でいけば財投問題でも大変大事な内容を持っておるということであります。 そこで、建設省にお尋ねいたしますが、交通量の見通しとか収支状況とか、東京湾横断道路アクアラインの現状はどうなっているのか、その点をまずお聞きしたいというふうに思います。
○政府参考人(大石久和君) 東京湾アクアラインの交通量の実績及び見通しについてお尋ねでございます。 東京湾アクアラインの実績交通量は、平成九年十二月の開通から平成十二年三月末までの日平均が約一万百台でありました。初年度計画日交通量二万五千台の約四割程度で低迷している状況にございます。 なお、日本道路公団が東京湾アクアラインの利用状況及び利用低迷の要因等について分析をいたしましたが、我が国における戦後最大の不況を反映した経済活動の鈍化、料金の割高感、関連道路網の整備のおくれ、周辺地域の開発のおくれ等により計画、これは将来推計も含むものでございますが、との差が生じたというような分析をいたしております。したがいまして、これらの諸点について種々の改善計画を打っていくということといたしております。 いずれにいたしましても、計画交通量の四割ということでございますので償還計画の見直し等々が必要である、このような認識でございます。
○小泉親司君 アクアラインの問題は再三当委員会でも取り上げられておりますし、最近の雑誌でもこういうふうに指摘しているわけですね。 例えば、建設費用は着工前の計画を三千億円以上オーバーして一兆四千四百億円だと、トンネル部分が長いので照明や換気などのメンテナンス費用も膨大である、通行量は着工時見込みが一日に三万三千台と言われていたけれども二万五千台まで下方修正したと、ところが九八年度の平均通行量は一万台以下と見込みの約四割、九九年度の通行量はさらに減少している、したがってアクアラインの採算性は極めて悪い、失敗プロジェクトと言われると、こういうふうに雑誌でも指摘されている。 先ほど交通量の問題が出ましたが、道路公団の資料を見ますと、九八年度の決算では赤字が三百二十億円、道路公団の九八年度の事業でも東京湾アクアラインは三一六%の収支率だと言っているわけですね。つまり、百円の収益を上げるのに三百十六円のコストがかかる。その収支率の大もととなる交通量の問題、先ほど局長がお話しになりましたが、もともとこの当初の見込みというのは三万三千台だったわけですね。 いいですか。あなたがおっしゃっているのは、開通時の九七年十二月に二万五千台に見直しをしているわけですね。ところが、当初見込みからすると、三万三千台のうち例えば開通した約五カ月間は一万台を超えている。これは、私の言葉で言わせれば物見遊山的に見た方がたくさんいる。実は、私も当時アクアラインへ行きました、海ほたるへ行きましたけれども、後は、実際の交通量はこの物見遊山の時期を除いては夏場だけが一万台をちょっと超えているだけで、実質はもう一万台以下という状況にずっと推移している。先ほど四割とおっしゃったけれども、当初見込みから見れば三分の一以下なわけですね。修正してから見ても、先ほど言いましたように、四割以下。 これは実際に当初の予測も今度の修正値も全く絵にかいたもちだったということになるんじゃないかというふうに思いますが、何でこのような推定交通量と実績交通量の乖離が生まれてくるのか、この点、建設省はいかがお考えなんですか。
○政府参考人(大石久和君) 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、日本道路公団がこの道路につきましては事後評価というものを実施いたしております。 その中におきまして、交通量の低迷の原因につきまして、一つは不況に基づく経済活動の鈍化、それからさらには、今、先生も御指摘ございました料金の割高感、それから房総半島側もそうでございますが川崎側におきましても幹線道路網が十分に計画どおり整備されておりません、そういった関連道路網の整備のおくれ、それから関連する地域の開発のおくれ等により将来推計の計画交通量との差が生じたというように分析しておるところでございます。 いずれにせよ、今御指摘ございましたように、料金改定前の将来交通量の見通しにおきましては初年度交通量を三万三千台程度に置いていたことは事実でございます。そういったことから見ましても相当大きな実態との乖離が生じておるということでございますので種々の手だてを講じていく必要がある、このように考えているところであります。
○小泉親司君 経済の動向とかおっしゃられるけれども、それは確かにありました。しかし、三万三千台から一万台も行かない、つまり三分の一以下だというこんな推定交通量が果たして成り立つのか。 もともと、このアクアラインの問題というのは当時からもうずっと取りざたされてきた問題なんですね。つまり、不要不急のこういうプロジェクトは撤回すべきだという大変大きな運動もありました。実際に計画時からこの道路が必要なのか、交通需要があるのかということが繰り返し指摘されてきたプロジェクトだと思うんです。この点については建設大臣もお認めになるのではないかと思うんです。 こういう状況を見ますと、当時のそういう指摘が正しかったんじゃないかということにもなるもので、三万三千台は見込めるんだということから出発したこの東京湾横断道路アクアラインが、実際にそれではどういう根拠でこの三万三千台というのが出たのか。経済であるとか開発の見込みがおくれたとかという、そんなことまで推測できないでこの三万三千台というのが先にありきになって、ある雑誌にはこれは架空のものだったんだと、その必要性だけを強調してどんどんプロジェクトを推し進めたんじゃないかという指摘もあるわけで、一体どういう算定根拠でこの三万三千というのが出たんですか。
○政府参考人(大石久和君) 本日はその将来交通量の推計となりました資料を持参いたしておりませんので正確なところは御答弁できない部分があるかと思いますが、一般に、特に一般有料道路のようなネットワークを形成いたしておりません有料道路の将来交通量を推計いたします場合には、当然、当該道路が持ちます誘発効果でありますとか、あるいはその道路が代替することになるであろう他の道路との競合性と申しますか転換率等を考慮して計算いたすものでございます。 ただ、このアクアラインのように、通常陸上部で種々の経験がございました道路整備とは異なりまして、いろんな新たな要因の読み込みが必要でございました。そういったことから、私たちが従前例えば横浜横須賀道路の際に用いたような通常の推計手法が十分に機能しなかったということはあるのかもわかりません。そういったこともございまして今御指摘がありましたような実態と計画との乖離が生じているものと認識いたしております。 しかし、いずれにいたしましてもこの問題は、せっかくでき上がりました有料道路を有効に御利用いただくための種々の手だてを講ずることによりまして実態と計画との乖離を極端に少なくさせていくか、あるいは解消していくべきものと認識をいたしておりますので、今後そういった意味での改善努力を続けたいと考えております。
○小泉親司君 どうもおっしゃっていることは、陸上の道路と違ってこういう橋上型の道路ではいろんな要素が見込めなかったんだとおっしゃっているようでありますけれども、幾つか私、大臣にお聞きしたいのは、今それでどういうふうに改善するかという点で、昨年の十二月に東京湾アクアライン事業事後評価委員会の中間報告というのが出ておるわけですね。それと相前後しまして、千葉地域高速道路網検討会というもので学者の方や地方自治体の方がお集まりになった「千葉地域高速道路網の整備・活用について 提言」というものも発表されておるわけです。大臣としてはこういう中間報告ないしは提言をどういうふうに受けとめておられるんですか。
○国務大臣(中山正暉君) 先ほどからこの道路、最初の見込みと大分違うじゃないかというお話でございますが、日本のバブルが崩壊した原因というのは、私は、ベルリンの壁の崩壊、あれでロシアがヨーロッパになだれ込む、東ドイツがどうなるんだということで心配をしたいわゆるヘッジファンドの連中が、日本にあった二千億ドルぐらいの短期の資金をぱっとヨーロッパにシフトした、これが十年ぐらい前のバブルの崩壊だったと思っております。 それから二回目は、私はこれはいつも持論で言うのでございますが、この間経済閣僚会議のときも自民党の野中さんがちょっとヘッジファンドの問題に触れられましたが、まだ世界でこれを規制しようという風潮にはなっておりません。しかし、ジョージ・ソロスというような人が、例のマレーシアのマハティールのジョージ・ソロスにやられたといった発言がありましたが、あれも一昨々年でございましたか、香港の返還が七月一日、それから十月二十日と二十三日にモルガン・スタンレーのバートン・ビッグスという戦略部長がアジア投資をゼロにしろという電子メールを二回世界じゅうに打っておりまして、これが七百二十億ドル、アジア投資が半分になってしまいました。 私は、そういう世界情勢の変化みたいなものが日本のバブルの変化だったと思いますから、その前に経済がどんどん伸びていく、いわゆるバブルで日本がこのままいけば大したものになるという見込みを立てたときに、このぐらいの量が動くだろうということの見込みを立てておったのはあながち政治家の目標として、今こそ投資、だから建設国債というのが六十年の償還になっている意味は、今の人たちが負担しているのではない、後世、今生まれた人も六十年後まで負担してもらおうという形になっているということでございます。 先生もアメリカで赤旗特派員を三年間もやっていらっしゃいましたから、ニューオーリンズのあのばかでかい長大な海の上をまっすぐ走る道路なんというのは、こんなものは何のためにつけたのかなと私もニューオーリンズに行って思いました。ですから、やっぱり大アメリカの投資なんですよね。日本の二十六倍ある国が、土地もいっぱいあるのにあんな島にまで長い長い延々と007の舞台になるようなあんなものをつける。そうしたら、この狭い国に住んでいる日本が東京の向かい側であんなに土地の遊んでいるところに何もかけないでじっとしているなんというのは世界から笑われますね。 特に道というのは、私いつも言うんですが、昔の道というのは美しく知ると書いて、万葉集なんかでは道というのはこれは美しく知る、訪ねていったら美しい景色に会える、それで「美知」とつけたと。それから、今の道というのはしんにゅうがないとさらし首になる、こう書いてあります。 ですから、これは政治家同士議論をする場に今度の国会は改革されましたのでこれははっきり言っておかなきゃいけませんが、共産党が三十年来仲の悪かった中国と仲直りされましたが、李鵬さんが来て、あのアクアライン、これはすばらしいと。この間マレーシアの建設大臣も来られましてペナン島にこれとまねをして橋をかけろとマハティールに言われているという話をされました。 ですから、これは今の投資、新幹線も三十九年にできたときには何でこんなばか高いものをつくるんだということでしたが、今これが日本経済が世界で第二位になるもとになったと思います。 ですから、先生も細かいことをおっしゃらずに、お若いんですからもっとどんと大きく将来を見て、それは今は苦しいかもわかりませんが、成田の市長からも二十二日か二十三日に会ってくれといって、あの辺の市長さん方からも早く東京の外環道路をつけてくれということを私は言われておりますので、そういう意味で先生もひとつどんと構えてください。
○小泉親司君 どんと構えて質問しておりますけれども、実際に国際的なお話をされたけれども具体的なお話が全然ない。 やはり財投問題でも、先ほども指摘しましたように、この東京湾アクアラインは一般有料道路時代のリスクを四〇%も抱えているという大変ひどいものなんですから、それを私は、国際的な問題を引き合いに出してやっても現実の政治にどうこれが具体化されるかという点では甚だ疑問であります。 その点で、少し現実に戻らせていただきますと、この提言は一つは料金体系として新たな千葉プール制をとるんだと、このアクアラインと千葉東金道路と京葉道路と。つまり、千葉県のプール制をとると、それから交通量の見直しを行って料金の見直しを行うんだと、それから償還期間を五十年に延長するんだと、こう言っているわけですね。 これを見ますと、今まで二万五千五百台だった交通量を現実の問題に今度は引き戻してきて、平成十四年度、あと二年後には一万二千台にするんだと、それから十年後には三万五千台にするんだと、こう言っているわけです。つまり、現実に合わせてさらに十年後には当初の見込みの三万五千台になるんだと、こういう推測をされているわけですが、こんなことが現実に、じゃ先ほど大臣が言われたような答弁でいけば現実にそういう可能性というのはどこにあるんですか。
○政府参考人(大石久和君) 先ほど御紹介申し上げました「千葉地域高速道路網の整備・活用について」という御提言の内容についてお触れになりました。この中で、今御指摘ございましたように、新たな千葉プール等による関連道路の整備あるいは東京湾アクアラインの料金調整等々を行うことといたしております。 この中で用いております将来交通量の推計でございますが、今お話がございましたように、現在、平成十年度を一万台とし、平成十四年度を一万二千台、平成二十二年度を三万五千台とするような利用見通しの改定を今回の償還計画の中で入れようと考えてございます。これは将来、国内総生産の推移、GDPの推移等に連動して私たち計算する手法を持ってございます。現在の道路整備五カ年計画等で用いております推計をさらに将来的に敷衍いたしまして、第十一次五カ年計画で用いておりました交通量推計をかなり下方修正することによりまして将来交通量を推計しているものでございまして、我が国の経済が着実に成長する限り、この程度の交通量の増大は見込めるものと考えております。 また、今、大臣からお話しございましたが、房総半島もこれから種々の開発が進む計画となってございまして、こういったことを反映して今申し上げましたような将来交通量は達成できるものと考えております。
○小泉親司君 提言の試算はこの推定交通量に基づいて、これまで三十年の償還期限だったアクアラインの事業を四十年にしたものをさらに今度は五十年にすると。どんどん赤字を先送りしちゃうと。だから、実際にはどんどん金利がふえると。これでは赤字を先送りして金利をふやすだけではないかというそしりを免れないんじゃないかと思うんですよ。 この提言の中に何と書いてあるかというと、今、局長がおっしゃったものについてこの提言の中には「但し、これは景気が回復し、将来のアクアラインを活用した各種の開発が進むことを想定したものである。」と。つまり、景気が回復して開発がうまくいったらこうなるという推定だけであって、実際に一体どこに根拠があるかというのは、これ自体も示していないんですよ。 今の局長の話も、建設省の話も多分そうなるだろうというだけの話で、実際、景気がいつ、どういうふうに回復したら、GDPがどういうふうになったらこのようなうまいぐあいのものが進むのか全く不明瞭だと思うんです。これはずっと計算した人自身が景気が回復しない限りだめだと言っているんですから、その見込みなんというのが本当に架空のものだというふうなこと、いわゆる失敗的なプロジェクトなんだということは私は明白なんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府参考人(大石久和君) 将来計画あるいは将来推計は、先生御指摘のとおり、狂うことが当然のことながらございます。私どもも一般有料道路を全国に展開してございますが、それぞれの有料道路につきまして見込み違い等も過去に経験もいたしております。また、見込み以上の交通が乗った経験もたくさんございます。当然、その都度将来計画を見直していくというのが我々の基本的なスタンスでございます。 また、開発計画が見込めないではないかという御指摘でございますが、従前の一般有料道路の推計におきましては開発交通量を見込むという手法もしばしば入れているところでございまして、過去におきましてはそのような将来交通量、開発交通量を見込むことによって償還状況が極めて改善されたという道路もたくさんあるわけでございます。このアクアラインのように極めてインパクトの大きい道路におきましては、房総半島の開発あるいは房総半島の土地利用のされ方というものが将来大きく変わるということがこの道路によって想定されるわけでございますので、そういった効果をこの償還計画の中に盛り込んでいっているものでございます。
○小泉親司君 どんどん改善されたとおっしゃっているけれども、私、日本道路公団の九九年度の決算ファイルを見まして、つまり収支率が一〇〇%を超えているものということになると六〇%近くが超えているわけです。収支率のトップが伊勢湾岸自動車道の三三八、続いて東京湾アクアラインの三一六と、こう続くわけですが、実際にそんな多くのところがいわゆる交通量の見込みが全く初めから狂っていて、それでもってどんどん工事だけ先行させていく。こういう大型のプロジェクトは交通量の精査が最も肝心でありますし、現実問題として、これは本四架橋のところでの指摘でもありますけれども、交通量の算定については精度の向上を図らなくちゃだめなんだといって会計検査院からも指摘をされているものなんです。 もう一つ、料金体系の問題について言いますと、今度の料金体系は京葉道路と千葉東金道路と東京湾横断道路と一緒に千葉プール制にするというわけですね。 そうすると、一方の東京湾アクアラインは収支率三一六%、ところが京葉道路と千葉東金道路は収支率は五八%、つまり百円の収益を上げるのに五十八円で済むという、いわゆる黒字路線なんです。黒字路線と赤字路線をくっつけて、いわばプール制にすることによって赤字を大変小さく見せてしまうと、こういう指摘もあるわけで、実際にプール制の問題にしても、千葉東金道路と湾岸道路と京葉道路は現実問題として今つながっていないわけです。そのつながっていないものを今度はくっつけて、現実問題としてそこでも膨大なお金がかかるというふうなところが指摘されているわけで、この点ではさらにどんどん雪だるま式に赤字がふえてこれからの料金値上げもアクアラインばかりじゃなくて京葉道路や千葉東金道路にもつながる可能性だって出てくるわけです。 時間がないので次にちょっと移りますが、東京湾アクアラインの問題でこういう赤字路線を生み出している一方で、今度の二十一世紀の国土のグランドデザインを見ると、アクアラインに加えて第二湾岸道路でありますとか、あるいは湾口道路だとか、どんどん大型のプロジェクトを開発してくる。先ほど建設大臣、何かそういうものを全部容認するような御姿勢なんだけれども、そんな橋をどんどんかければいいんだというふうな認識では、今の大変な財政上の厳しい状況のもとでこういう大型プロジェクト、採算性のとれないものをどんどん進めるというのはひどい問題が生じてくるわけですし、この点でやはりこういう大型のプロジェクトについて今後の問題については見直すというふうなことが必要だと思いますが、建設大臣、最後にいかがですか。
○国務大臣(中山正暉君) 先ほど申しましたアジアの混乱の中で、宮澤大蔵大臣が三百億ドルのいわゆる基金を出しましたり、今度は連休の間にまた百億円出されまして、アジアを何とか再生させることで日本は生きていこうという、それを財政再建、行政改革、二兎を追うか一兎にするのかという話。まだしかし、国民のいわゆる金融資産というのは千三百三十三兆ありますから、このお宝を活用させていただきながら後世のために、特に会社をつくってもすぐに黒字になるというわけにはいきません。 ですから、日本というのは六千八百五十二の島がありますから、その離島の多いところに全体的に、特に高規格幹線道路も一万四千キロが目標でございますがまだ七千五百三十七キロでございましたか、それしかできておりません。 ですから、道路というのは皆つながっていかないと、これはうまく国家としての経済力にいわゆる大きな生産基盤を提供することはできないというのが建設省の役割でございますので、私はその意味で、これは大変つらいときでございますけれども、日本はサミット国からいつも言われますことは、日本はインフラストラクチャーが少ない、何とかしろということは先進国から言われます。しかし、まだ日本が開国されてから百二十五年ぐらいしかたっていませんから、英国なんかは一六六三年にターンパイクという馬車用でございますが高速道路をつくり始めておりますし、そういう国家から比べますと日本の投資というのは先進諸国に比べて大変おくれておりますので、それをむしろ日本がしっかりと公共投資を有効なものにする、いわゆる投資効果が上がるようなものにして、そしてアジアの平和のための基本を確保していくような経済力の大国日本をつくって、そしてアジアの平和、安定につながるような経済力を維持していかなければならないためには、苦しゅうございますが、私はこういう道路網の整備、パリなんかは全部もう三環状ができておりますけれども、東京はまだ三環状は全部つながっておりませんが……
○委員長(浜田卓二郎君) 大臣、時間を経過しておりますので簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(中山正暉君) はい。 石原愼太郎氏が十一月一日に来られまして、ぜひやってくれというので、昭和四十五年、根本龍太郎建設大臣以来凍結されておりますから、こんなことは早く解決しなければ先生の御心配なさっていらっしゃるような経済効果は出てこないと思いますので、頑張りたいと思っております。
○小泉親司君 やはりここでも問題になっております財投問題で、一般有料道路の最も重点的な問題を占める東京湾アクアラインが現実に失敗のプロジェクトで大変な赤字をつくっている、そういう反省もなしに湾口道路、第二湾岸道路とどんどんやっても、私、アジアの平和と安定とは全く関係ない話だと思いますが、こういう財政を圧迫する大型プロジェクトはきちんと見直しをしてやめるべきだということを申し上げて質問を終わります。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に内閣総理大臣官房管理室長坂東眞理子君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○田名部匡省君 今、中山建設大臣の話を伺ってびっくりしました。国民の貯蓄がこれだけあるんだから、それをうまく活用していってと。これは他人のお金でして、うまくいけばそれはいいんですよ。失敗したらどうするか、やっぱり両方考えておかなきゃならぬのであって、しかもこれは五十年、今の本四架橋ルート、償還を延長した。厚生省が三十年後日本の人口が八千万人になるんだと、こういうのを発表しておりますけれども、だから、そういう時代を想定してああいう話をされたのでは、いよいよ利用する人は少なくなるわけですから、そんなことも考えて政治というのはやっぱり将来計画というのをきちっと立てるべきだというふうに思いまして、いささかびっくりしました。 もともとこれは田中角栄先生が始めたころ、将来は有料道路は無料にするんだと、こう言ってやっておったんです。私もそうなるものだと思ったら、年々値上がりして一向に無料になりそうな気配がない。 きょうはせっかくおいでいただきましたから、特殊法人に対する財投の融資額というのは現状どうなっているか、まずお答えいただきたいと思うんです。これは大蔵省理財局長ですか。
○政府参考人(中川雅治君) 十二年度の財政投融資計画におきまして、特殊法人に対し三十三兆五千八百四十八億円を計上いたしております。
○田名部匡省君 財投、これを改革する、特に債券を発行してこれからやるんだと、こういう話ですが、実際、本当に資金調達できるんだろうか。 できないところはどうされるつもりですか。
○政府参考人(中川雅治君) 現在御審議いただいております財政投融資の改革に関する法案が成立いたしましたならば、その改革後の資金調達に関してどのようなことになるのかにつきまして先般の参議院本会議等におきましても大蔵大臣から御答弁申し上げておりますが、特殊法人等につきましてはまずその資金を財投機関債の発行により自己調達するため最大限の努力、検討を行うこととしていただきたいということでございます。 次に、財投機関債による資金調達では必要な資金需要を満たすことが困難な機関につきましては、その業務が民業補完のために実際に必要なものかどうか、将来の国民負担を推計した政策コスト分析、償還確実性等の精査により当該法人等の業務についてゼロベースからの徹底した見直しを行った上で、真に政策的に必要と判断される場合におきまして、財投債によって調達した資金の貸し付けを受ける方式を認めることといたしております。
○田名部匡省君 利益を十分見込めるというものについては結構だと思うんですね。 例えば、今の東京湾アクアラインとか本四架橋の話のように、これはとても採算も何もとれない、見込み違いだと思うんです。三重の知事から話を聞いたときに、評価システムをやって情報公開をして役所が十分検討して失敗したら責任をとらせると、ここまで決めてやっているんですね。 ところが、責任の部分に行くと、さっきも局長の話を聞いておって全く無責任な話なんですね。五十年と言ったらもうこの世にいないですよ、みんな。そういうことを簡単にだめになったからこうやりますという話を、残された借金を返済する人たちの身にもなったらもう少し私は責任のある体制というものをつくってほしいと思うんです。 いずれにしても、政府の保証をつけるとかいろんなことを考えられるんでしょうけれども、どうしても必要でできない、しかしなければならぬというものは公共事業でやった方がいいと思うんです。財投で何でもかんでもやるからおかしくなるのであって、採算のとれるものはそっちでおやりなさい、しかし国民の必要なものは公共事業でやります、こういうふうに分けてやらないと、後に借金だけが残っちゃってさっぱり利用されないということになるんじゃないでしょうか。どうですか。
○政府参考人(中川雅治君) 改革後におきましては、各機関におきまして政策コスト分析をしていただきまして、将来にわたってその機関に対して補給金や補助金等の一般会計の負担等がどのくらい入ってくるのかということを推計してお示しする、そういった作業をしていただくということで現在鋭意その検討を進めております。 そうした政策コスト分析等も活用していただきまして、本当に財政投融資の対象として考えていくのが望ましいかどうか、そういったことを御判断していただくということになろうかと思っております。
○田名部匡省君 あなたとばかりやっていられない。補助金にしても出資金にしても、何でもこれは税金ですから、そういう認識をきちっと持っていないと、これを入れれば確かに赤字でなくなりますと、しかしそれを出さなかったら赤字ですということは、どこへ回してみたって国民の税金を使っているんですから、そういう認識を持って頑張ってくださいよ。よろしく。もう結構です。 次に、総務庁ですが、財投機関にかかわる資金の流れ、関連会社の経営の実態について行政監察の実施を通じてどのように実態を解明し運営の改善に取り組もうとしているのか、お話をいただきたいと思います。
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。 総務庁では現在その多くが財政投融資機関でございます公団、事業団等約三十の特殊法人を対象に財務調査というものを実施いたしております。 この調査では、財政投融資資金などを活用して事業を展開します特殊法人につきましてその財務データの分析というものを通じまして、一つは財務の構造をわかりやすく明らかにいたす、二つ目は法人が担います事務や事業を財務データから見た経営分析的な観点から総合的に評価いたしまして、特殊法人が抱える経営上の課題を明らかにするということをいたしているところでございます。 また、御指摘の関連会社でございますけれども、これは実は行政監察の実地調査の対象ではございません。しかしながら、特殊法人との取引等がございますから、こちらの方の角度から実態を明らかにすることが重要と認識しておりまして、申し上げたように、今回実施しております調査の中でも特殊法人の経営内容の分析を通じてその実態を明らかにしたというところでございます。 この取り組みを通じましていかがするかということでございますけれども、私ども、調査で明らかになりました経営上の課題というものにつきましては、その改善が進展いたしますよう所管大臣に通知ということで内容を御連絡申し上げ、公表いたしております。 これによりまして、所管省庁、それから個々の法人におきまして自発的な改善のための取り組みが進むということを期待申し上げているところでございます。
○田名部匡省君 これは本当は外部監査を導入したらどうかなと。内部でばかりやっているとやっぱり甘くなると思うんです。 それから、ディスクロージャーの推進等、特殊法人改革について本当にどのように進めようと思っておられるか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(瀧上信光君) 特殊法人の外部監査の導入、ディスクロージャーの推進等でございますが、総務庁では昨年四月に閣議決定しました減量化計画を踏まえまして、平成九年の三次にわたる整理合理化の閣議決定等を踏まえつつ、統合関連法案の審査や財務公開、それから評価に係る実施状況の点検といったことを推進しているわけでございます。 そして、ただいま御指摘の外部監査の問題につきましては、特殊法人以外のチェックとしましては、特殊法人の財務会計につきまして監事が内部監査を実施するほかに主務大臣の承認を受けるということになっています。そして、大部分の法人が会計検査院による会計検査の対象ということにされているわけでございます。さらに、これに加えまして外部監査を実施しているところにつきましては、ただいま特殊会社が十三法人ございますが、これがいわゆる商法特例法に基づきまして実施をいたしておりますほか、政府系金融機関などに導入が進められつつあるということで承知をいたしています。 それから、特殊法人のディスクロージャーにつきましては、従来も財務諸表等の公表やそのための関連法令の改正といったことを進めてきているところでございます。 今後、特殊法人につきましては先ほどの減量化計画によりまして独立行政法人等の可否を含めふさわしい組織形態及び業務内容となるよう検討していくということが決定されていますが、こういった際にはただいまお話のありました外部監査そしてディスクロージャーの問題等、透明性の確保といった観点にも十分留意して特殊法人改革を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田名部匡省君 はい、結構です。 先ほどアクアラインと本四連絡橋公団ですか、お話がありましたが、私もそう思っております。今度一度この委員会で視察をさせていただきたい、そう思います。 もともとこれは民間の計画でやろうとしたと思うんですね。途中からやっぱり民間じゃこれはやり切れぬというので道路公団がこれを引き受けたんじゃないですか。だから、やっぱり民間でやろうと思ったのが、とてもできないものをやったということ自体、さっき大臣がいろいろ言っていましたが、もっとやるべきことを先にやって、そんなものは余裕のあるときにやるとかというなら別ですけれども、無理して私はやったと思いますよ、やっぱりこれは。 そういうことで、今度改めて私も別の角度からこの問題は取り上げたいと思います。きょうはおいでいただいて大変ありがとうございました。 次に、総理府にお伺いしたいんですが、公益法人、財団、社団、その数が一体今どのぐらいあるのか、国からの財政援助がどのぐらいあるのか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 まず、公益法人数でございますけれども、民法第三十四条の規定により設立を許可されました公益法人数は、平成十年十月一日現在で、国所管の公益法人数は六千八百六十九法人、うち社団法人が三千六百九十一、財団法人が三千百七十八でございます。また、都道府県所管の公益法人数は一万九千六百六法人、うち社団法人九千百九十六、財団法人一万四百十となっております。 また、そうした公益法人への財政援助と申しますか補助金等はどのように使われているか十分注視していかなければなりませんが、平成九年六月に閣議決定されました財政構造改革の推進におきまして「法人の役割、事業運営の在り方等について見直しを行うことにより真に必要なものに限るとともに、思い切った削減を図る。」こととされております。 今後ともこの方針に基づいて適切に見直しを図ることが必要と考えておりますが、平成九年度決算ベースで見ますと、国所管の公益法人で補助金の交付を受けている法人は延べ四百三十四法人、補助金の総額は約二千六百七十七億円となっておりまして、委託費の交付を受けております法人は延べ六百八法人、委託費の総額は約千四百三十億円となっております。
○田名部匡省君 私は、この前、文部省から文部省関係の法人の資料をいただいたんです。膨大な資料で、これは見ただけでは何をやっているかというのは全然わかりません。本当にこれだけ必要なんだろうかと。立派にやっているところもあるんだろうと思うんですね。 例えば、これらの法人については非課税の部分というものがありますよね。きょうも新聞に出ておりましたけれども、本当に全体のためになってこういう活動しているというものはあると思うんですが、こういうことを一つずつ見ておっても全然わからない。 この中身を本当に、これはどこで精査して、内容をチェックして、もう必要でないと認めるものについてはこれはもうやめるというようなことはできないんですか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 公益法人がどのような活動を行っているかにつきましては、情報公開という点から、定款または寄附行為、役員名簿、社員名簿、事業報告書、収支計算書、正味財産増減計算書、貸借対照表、財産目録、事業計画書、収支予算書の十を主たる事務所に置いて公表するというふうに規定しております。 そしてまた、こうした公益法人がどういうふうな活動をしているかというのはそれぞれの所管法人で第一義的にはフォローすることになっておりますけれども、総理府はこの各所管官庁の権限である公益法人の指導監督が統一的に行われますようにそのルールの調整を行うことを任務としておりまして、全体としてその統一をもって公益法人の指導が行われるように見守ってまいりたいと努めているところでございます。
○田名部匡省君 ちゃんと調べていればオウムとか法の華とかというのはわかるはずだったんです。こんなことすらわからぬでしょう。だから私は言っているんですよ、もうちょっときちっとしなきゃいかぬと。 そして、これだけのことを質問しようとすると大蔵省、総務庁、会計検査院、総理府とばらばらでしょう。何か一つにきちっとして、これだって国民の負担が相当出ているわけですから。どうですか、これはどこでやるかわかりませんが、こういうことをきちっとして、余りばらばらにならぬようにもう一遍検討してください。 これはどこで検討をお願いすればいいですか。
○委員長(浜田卓二郎君) 時間が来ておりますから、簡潔に御答弁願います。
○政府参考人(坂東眞理子君) 十分ただいまの御意見を踏まえて検討していきたいと思います。 ただいま申し上げましたように、総理府はそのルールの調整、統一的な基準づくりという点でしっかり頑張っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○田名部匡省君 終わります。
○委員長(浜田卓二郎君) 本日の質疑はこの程度といたします。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、松前達郎君が委員を辞任され、その補欠として広中和歌子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) この際、田中君から発言を求められておりますので、これを許します。田中君。
○田中直紀君 私は、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合、参議院クラブ及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による警察の信頼回復に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 警察の信頼回復に関する決議(案) 警察は、国民の生命・身体・財産や社会の安全を守る重要な責務を負っているにもかかわらず、最近の相次ぐ不祥事に多くの国民は警察に対して不安と不信を募らせており、その責任はまことに大きいものがある。 こうした不祥事には、一般の警察職員だけでなく、県警本部長などの最高幹部がかかわったケースもあり、また、国民からの相談への不適切な対応や情報の隠蔽など、警察としてあってはならない事実も明らかにされている。 これらは、警察組織の身内意識や閉鎖性等に起因し、また、警察を管理する公安委員会、警察の内部監察が十分機能しなかったとの指摘もあり、極めて憂慮すべき事態である。 よって政府は、不祥事の再発防止と警察に対する国民の信頼回復を図るため、国民に開かれた組織の確立、地域住民の相談に応える体制の整備、社会変化に即応した捜査体制の整備、公安委員会の機能の向上、監察機能の充実強化、警察幹部の人事制度の改善、教養・教育制度の刷新・充実について速やかに検討し、実施すべきである。あわせて、第一線において職務に精励している警察職員の士気の向上に配意すべきである。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまの田中君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜田卓二郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、保利国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。保利国家公安委員長。
○国務大臣(保利耕輔君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を踏まえ、国家公安委員会として、情報の公開、困り事相談の受理体制の整備、サイバーテロなどハイテク犯罪対策の推進、監察体制の整備、人事・教育制度の見直しなど、不祥事案の防止と警察に対する国民の信頼を回復し、その期待にこたえるための諸施策を全国警察に徹底するとともに、職員の士気の向上に配慮するよう警察庁に対し適切な指導、督励を行ってまいる所存であります。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、江田君から発言を求められておりますので、これを許します。江田君。
○江田五月君 私は、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合、参議院クラブ及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による会計検査院の検査体制の充実強化に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 会計検査院の検査体制の充実強化に関する決議(案) 本委員会は、平成十二年三月二十七日、国会法第百五条に基づき、会計検査院に対し、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団に関し、本委員会が第百四十五回国会において行った「政府開発援助に関する決議」のうち、「被援助国の実情に即した国別援助計画の作成」等五項目の実施状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう要請を行った。 この要請を受けて、会計検査院においては、同日付けで検査を実施してその結果を報告する旨の回答を行い、現在鋭意検査を実施しているところである。 国会が国民の負託に応え、行政の監視機能を十分に発揮するためには、今後、会計検査院との連携を強化し、会計検査院が有する専門的な検査能力を大いに活用することが必要であると考える。 ついては、会計検査院は、国会の検査要請に十分応じられるよう予算、人員等検査体制の充実強化に努めるとともに、政府においても、これに十分配慮する必要がある。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまの江田君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜田卓二郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、金子会計検査院長及び青木内閣官房長官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。金子会計検査院長。
○会計検査院長(金子晃君) ただいまの御決議につきまして、所信を申し上げます。 会計検査院といたしましても、本院の検査活動の成果が行財政の効率的な執行に一層有効に活用されるために、国会との連携は非常に重要であると認識しております。 したがって、会計検査院として、国会からの検査要請にも十分に対応すべく、今後とも、御決議の趣旨を踏まえ、検査体制の充実強化に一層努力してまいりたいと存じております。
○委員長(浜田卓二郎君) 青木内閣官房長官。
○国務大臣(青木幹雄君) ただいま御決議がありました会計検査院の検査体制の充実強化につきましては、政府といたしましても、会計検査院が国会と緊密な連携を保ち、適切かつ効果的な行政の執行のため有効に機能することを期待しているところであり、御決議の趣旨を踏まえ、今後とも協力をしてまいりたいと存じております。
○委員長(浜田卓二郎君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。 午後四時十四分散会