行政監視委員会 第1号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2000/02/21
会議録
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一月十九日、高橋令則君及び藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として阿曽田清君及び松前達郎君が選任されました。 また、去る二月十八日、加藤修一君、阿曽田清君、小林元君及び小宮山洋子君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君、鶴保庸介君、和田洋子君及び小川敏夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岩佐恵美君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官田中節夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。 本日は、最近の行政監察活動実績の概要及び警察行政に関する問題について、総務庁及び警察庁からそれぞれ説明を聴取することといたします。 それでは、まず総務庁から説明を聴取いたします。続総務庁長官。
○国務大臣(続訓弘君) 参議院行政監視委員会の諸先生方には、常日ごろ何かと特別な御指導をいただいておりますことに対しまして、心から厚く御礼申し上げます。そしてまた、本日は昨年八月以降の半年間の行政監察の活動の成果を説明する機会を与えていただきましたことに対しまして、厚く御礼申し上げます。 それでは、本日説明させていただくこの半年間の行政監察の活動の全体については、お配りした資料の一ページにまとめております。ごらんください。 まず第一に、財投機関五法人を含む八つの特殊法人に関する財務調査の結果を所管大臣に通知しています。これは、公団・事業団二十九法人を対象に、その財務内容を調査・分析しているものの一環であり、昨年八月に当委員会に御説明した十三法人の財務調査結果に引き続いて取りまとめたものであります。 第二に、これらに加えて、一般の行政監察として、九件の勧告等を行っております。 第三に、平成十年度に行った勧告のうち五件について、所管省庁の改善措置状況のフォローアップを行っております。 以下、順次御説明申し上げます。 第一に、特殊法人の財務内容に関する調査結果について御説明いたします。 資料の二ページをごらんください。 特殊法人の財務内容に関する調査結果につきましては、平成十一年十二月及び平成十二年一月の二回にわたり、関係大臣に通知しました。 まず、財投機関となっている五法人から御説明いたします。 森林開発公団については、林道網の基幹となる大規模林道の整備には、多額の財投資金が投入されており、その償還は順調に行われておりますが、全体としての事業効果は検証されておらず、費用対効果の観点から事業効果を総合的に明らかにしていくことが課題と考えられます。 また、水源林を造成する事業では、水源涵養効果は認められるものの、一般に国産材の価格が低下する一方で労務費が上昇しているため、造林木の販売収入により新たな植林費用を賄うことができるよう費用対収入のバランスを適切に維持していくための工夫が課題と考えられます。 なお、同公団については、平成十一年に緑資源公団に改称されております。 住宅・都市整備公団については、公団住宅のシェアや価格競争力の低下を背景としてその役割が見直され、平成十一年に廃止されております。新たに設立された都市基盤整備公団では、分譲住宅からの撤退など業務の重点化が図られることとされております。 分譲住宅・宅地の譲渡実績が低下し、保有用地の収益力が悪化する中で、新たな投資が拡大し、債務残高が増加していることから、財投資金等の償還の長期化が懸念される状況にあります。このため、継続して保有する意義の薄れた用地の早期処分が必要であり、また、債務の償還計画を策定し、計画的な償還を進めることが必要と考えられます。 次に、三ページの日本私立学校振興・共済事業団については、長期給付事業において責任準備金の積み立て不足が発生しており、これはおおむね五年ごとに行われる財政再計算において解消されるものの、その一方で掛金の引き上げにつながることから、適切な予定利率のもと、資産運用の一層の効率化を図っていくことが課題であると考えられます。 また、宿泊事業につきましては、収支が悪化する傾向にあることから、収支改善のため施設改修費や人件費の抑制を図る必要がございます。 運輸施設整備事業団については、船舶の共有建造業務では、近年、船舶使用料の未収金が増加し、貸し倒れリスクが増大しているのに対し、損益状況の悪化により貸倒引当金が不足するおそれもあることから、今後も貸し倒れリスクに見合った引当金の計上が必要と指摘しております。 また、国鉄清算事業団に対する債務の償還財源の一部を活用して実施している無利子貸付事業につきましては、この事業の実施により清算事業団に対する債務の償還に支障が生ずることがあってはならないことから、現行の仕組みによる債務償還のための収支バランスが失われないように留意することが必要と考えます。 関西国際空港株式会社につきましては、平成六年九月の開港以来、創業赤字が続き、十年度末現在で累積欠損が一千三百三十三億円となっております。また、一兆円を超える巨額の長期債務を有し、航空輸送需要が予測を下回るなど厳しい経営環境にございます。 同社は、昨年七月から二期事業に着手しており、それを踏まえた長期経営見通しとして黒字転換時期などの目標を立てております。しかしながら、厳しい経営環境のもとで健全な経営を確保するためには、航空輸送需要の動向などに対応して、適時適切に経営見通しを見直すとともに、収支改善方策を推進することが必要であります。 次に、四ページに記載しております財投機関以外の三法人について御説明いたします。 中小企業事業団につきましては、平成十一年、中小企業信用保険公庫との統合による新法人に改組されております。高度化融資事業では、多額の余裕金が発生していることから、今後、資金需要の動向を踏まえつつ、余裕金の活用を図っていくことが課題となっております。 また、中小企業の連鎖倒産を防止するため、無担保無保証で貸し付けを行う共済事業では、近年、延滞債権が急増しております。延滞債権がこのまま増大すれば、結果的に貸し倒れ損失の増加につながり、中長期的には余裕金が底をつき、制度そのものを揺るがす懸念があると考えます。 労働福祉事業団については、労災患者の減少により、その中心業務である労災病院の役割の見直しが必要となっております。 病院経営の状況を見ますと、赤字基調で推移しておりますが、これは減価償却費率や材料費率が民間の病院に比べ高いことなどが原因であり、経営改善により利益が生じる余地もあると考えられます。また、労災病院の運営のあり方について統合及び民営化を含め検討することとされており、そのためにも赤字経営から脱却する必要性が高いと考えます。 最後に、国鉄清算事業団につきましては、平成十年に解散し、残された国鉄長期債務は一般会計で負担することとされております。本調査結果においては、事業団による債務処理の仕組みが破綻するに至った経過を取りまとめております。 第二に、一般の行政監察結果に基づく勧告等について御説明申し上げます。 資料の五ページをごらんください。 都市高速道路について、平成十一年八月、建設省に勧告いたしました。 都市高速道路事業では、建設費が増加する一方、通行台数の伸びが鈍化している状況から、採算の確保等が課題となっております。 そこで、都市高速道路の建設に当たっては、現在、公団に対し、経営の観点からの意見を聴取する仕組みや供用後の料金の見通しについて国民から意見を聴取する仕組みがないのでこうした仕組みを構築すること、このほか競争契約の推進や業務の外部委託の拡大、組織・要員の合理化を行うこと等を指摘しております。 続いて、六ページをごらんください。 郵政事業における施設整備、資材調達について、平成十一年八月、業務運営の効率化、合理化を推進する観点から郵政省に勧告しました。 その主な内容は、特定郵便局と簡易郵便局を比べた場合、利用者へのサービス面にほとんど差異はなく、簡易局の方が経済的であることから、郵便局の新設に当たっては簡易局の設置で需要にこたえられる場合は簡易局で対応すること、資材調達等で随意契約にしているものについて可能な限り競争に付しその実効を上げること等を指摘しております。 資料の七ページをごらんください。 要援護高齢者対策に関する行政監察について、平成十一年九月、厚生省に勧告いたしました。 その主な内容は、介護保険施設の整備目標数量が地域の需要を十分反映していない状況が見られたことから、市町村の介護保険事業計画の作成に際しては地域の需要に即した施設整備の目標量となるよう必要な措置を講ずること、老人保健施設、特別養護老人ホームなど介護保険施設については、その利用の実態に大きな差異が見られないことから、それらの役割、機能について一元化を含めそのあり方を検討すること等を指摘しております。また、ホームヘルパーの業務範囲の見直しについても指摘しております。 八ページをごらんください。 毒物及び劇物の保管管理について、平成十一年九月、厚生省及び文部省に通知を行いました。 調査した結果、毒劇物営業者等の約七割が不適切な保管管理を行っており、また、教育機関のうち公私立の大学及び高等学校の保管管理が不適切な状況にあったため、厚生省に対しましては、立入検査を重点的かつ効率的に実施するよう都道府県を指導すること、行政処分または告発を的確かつ厳正に実施する方針を明示すること、文部省に対しては、大学等教育機関において適正な保管管理が図られるよう必要な措置を講ずること等をそれぞれ指摘しております。 次に、九ページをごらんください。 国立病院・療養所に関する行政監察について、平成十一年十月、厚生省に勧告いたしました。 その主な内容は、赤字病院の中にはその経営改善計画に病床利用率の向上や人件費率の引き下げなど経費節減方策を盛り込んでいないものが見られたことから、これらを積極的に盛り込むことにより経営管理の徹底を図ること、医師、看護婦等の一人当たりの業務量が他の病院に比較して極めて少ない例が見られたことから、業務量に応じた適正な職員配置を行うなど病院運営の効率化を図ること等を指摘しております。 資料の十ページをごらんください。 分譲マンションの管理について、平成十一年十一月、建設省に対して通知を行いました。 分譲マンションは管理業者に委託して管理が行われている場合が多い現状にありますが、管理業者の受託管理業務の遂行に不適切なものが見られたため、これら業者の建設省への登録の取り消しの基準を策定し的確に取り消しを行うこと、管理組合の修繕積立金の預金口座名義が管理業者となっているものが見られたため、預金口座名義を管理組合の理事長名義とするよう標準管理委託契約書の記載内容の改正を行うこと等について指摘しました。 続いて、十一ページをごらんください。 税関業務と登記行政に関する既往勧告事項の推進調査について、平成十一年十二月に大蔵省と法務省に勧告しました。 この調査は、勧告から五年程度経過した税関業務及び登記行政について改善措置の徹底を図ることを目的としたものです。 その主な内容としては、税関業務については、職員一人当たりの輸出入許可件数が最大の出張所と最小の出張所との間に約二倍の格差が見られたことなどから、業務量に応じた要員配置を行うこと、登記行政については、管内登記所の統廃合につき、その進捗度が最大の法務局と最小の法務局との間に九倍の格差が見られたことなどから、統廃合の進捗度が低調な法務局に対して重点的に指導すること等を指摘しております。 十二ページをごらんください。 労働者災害補償保険事業に関する行政監察について、平成十一年十二月、労働省に勧告しました。 その主な内容は、労災保険に未加入となっている事業が九十万程度あること、職権による保険関係成立手続がほとんど行われていないことから、その改善を行うこと、労災病院について、労災患者の利用割合が低下していること、同一の医療圏等に複数設置されている病院があり、これらはいずれも三年連続して損失を計上していることなどから、労災病院の機能の再構築及び存置する必要性の乏しい施設の統合または民営化の推進を図ること等を指摘しております。 続いて、十三ページをごらんください。 陸上自衛隊を中心とした防衛庁調達業務等に関する行政監察について、本年一月、防衛庁に勧告いたしました。 その主な内容は、一般競争契約に付すべきものを合理的理由もなく指名競争や随意契約としているものが見られたことなどから、競争性の拡大を図ること、補給統制本部が一括調達している品目の中には、部隊への搬送経費をさらに要しており、一括調達のメリットがほとんどない品目が見られたことから、現地での調達に適するものについてはより下級機関に統制をおろすこと等を指摘しております。 次に、資料の十四ページをごらんください。 第三に、平成十年度に行った勧告のうち、この半年間に改善措置状況をフォローアップした結果について御説明いたします。 最初に、平成十年六月に厚生省に勧告した国民年金に関する行政監察については、平成十一年八月にフォローアップしております。 その結果、まず、学生について、保険料納付を猶予する仕組みを導入することを検討する必要があるとの勧告に対しては、国民年金法の一部を改正する法律案に制度の導入が盛り込まれているところであります。 また、国民年金福祉施設について、収支改善が見込まれない施設の廃止を検討するとともに、施設の建てかえは収支の改善が確実に見込まれるものなどに限定して行う必要がある旨の勧告に対して、厚生省は勧告の趣旨に沿って改善措置を講じていくこととしております。 平成十年九月に厚生省に勧告した厚生年金に関する行政監察については、平成十一年八月にフォローアップをしております。 その結果、まず、パートタイマーに係る被保険者適用対象範囲を法令により明確化する必要があるとの勧告に対しては、厚生省において勧告の方向で改善の検討が進められております。 また、年金福祉事業団の業務について、大規模保養基地の地方公共団体への速やかな処分の実施や民間等への売却を検討する必要があるなどの勧告に対しては、厚生省において必要な改善措置を講ずることとしております。 平成十年十月に建設省等三省に勧告した下水道等に関する行政監察については、平成十一年十二月にフォローアップしております。 その結果、下水道等汚水処理施設には建設省所管の下水道、農林水産省所管の農業集落排水施設、厚生省所管の合併処理浄化槽があり、これらの効率的な施設整備が課題となっております。 このうち、農業集落排水施設と合併処理浄化槽との調整ルールがないため、調整ルールを策定するよう厚生省及び農林水産省に対し勧告を行いましたが、両省において改善措置を講じております。 また、下水道の終末処理場とこれに接続する末端下水道の整備時期がちぐはぐになっているため、整備時期の整合性を確保する必要がある旨建設省に対し勧告を行いましたが、同省において勧告に沿って地方公共団体を指導しているとのことであります。 続いて、十五ページをごらんください。 平成十年十二月に文部省に勧告した義務教育諸学校等に関する行政監察について、平成十一年八月にフォローアップを行いました。 その結果、いじめ・不登校・校内暴力問題が深刻化し、これらの問題への対応が緊要な課題であることから、学校と関係機関との連携・協力を図るとともに、学校における組織的対応を促す必要があるとの勧告に対して、文部省は、学校と児童相談所等の関係機関との連携、学校から保護者への情報提供の推進などを一層充実強化するよう、市町村教育委員会を通じ、学校に適切な対応を促しております。 平成十一年三月に防衛庁に勧告した調達実施本部の調達業務等に関する行政監察について、平成十一年九月にフォローアップを行いました。 その結果、予定価格の算定に当たって設定している受注企業の経費率を客観・統一的なものとするよう防衛庁に勧告を行いましたが、同庁においては、平成十一年六月に交際費を計算要素から除外することなどを内容とする予定価格訓令の改正を行ったほか、計算に使用する標準的な数値を定めることとしております。 以上が行政監察におけるこの半年間の活動の成果の概要であります。 国会における行政監視と行政府における行政監察の活動は車の両輪でございます。当庁の活動の成果を本委員会における今後の御審議の参考として御活用いただければありがたいと存じます。 どうもありがとうございました。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、警察庁から説明を聴取いたします。田中警察庁長官。
○政府参考人(田中節夫君) 警察庁長官の田中でございます。 参議院行政監視委員会の委員長、理事、委員各位におかれましては、平素より格別の御指導を賜り、厚く御礼を申し上げます。 本日は、警察行政に関する問題について御報告をいたします。 最初に、警察における不祥事案対策について申し上げます。 昨年来、神奈川県警を初めとする全国の警察で不祥事案が発生し、警察に対する国民の信頼を大きく損ねたことはまことに遺憾であります。警察庁としてもこうした事態を極めて重く受けとめ、国家公安委員会の御指導を得ながら、現在、お手元の資料のとおり、各種不祥事案対策に全力で取り組んでおるところであります。 以下、その概要について御説明いたします。 第一は、警察法の改正であります。 警察職員の職務遂行の適正を確保するため、国家公安委員会及び都道府県公安委員会等の管理機能を強化することとし、関係の規定を整備するための警察法改正案を今国会に提出すべく準備中であります。 主な改正内容について御説明いたします。 その一は、公安委員会の監察に関する指示についてであります。 国家公安委員会、都道府県公安委員会及び方面公安委員会は、監察について必要があると認めるときは、警察庁、都道府県警察及び方面本部に対する指示を具体的または個別的な事項にわたるものとすることができることとするものであります。 その二は、都道府県公安委員会に対する懲戒事由の報告義務の新設についてであります。 警視総監及び警察本部長は、都道府県警察の職員が職務を遂行するに当たって法令等に違反した等の疑いがあると認める場合は、速やかに事実を調査し、当該事由があることが明らかになったときは、その結果を報告しなければならないこととするものであります。 その三は、公安委員の再任の制限についてであります。 公安委員の任期を国家公安委員会については二期十年、都道府県公安委員会については三期九年とするものであります。 第二は、警察における監察機能の強化であります。四点ございます。 その一は、警察庁及び管区警察局の監察体制の強化であります。 このほど警察庁及びすべての管区警察局に監察官が配置されたところでありますが、さらに都道府県警察に対する監察を実施するための体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 その二は、都道府県警察における質、量、両面における監察体制の強化であります。 都道府県警察の警務部に参事官級の首席監察官を置き、また、監察担当者の増配置と監察担当者の能力向上のための専門教育を行うなどをその内容としております。 その三は、特別監察の実施であります。 現在、警察庁及び管区警察局において、不祥事案対策の推進状況について、順次、都道府県警察に対する特別監察を実施しているところであります。本日までに三十五の道府県警察について実施済みであり、その結果を今後の不祥事案防止対策に反映させていくこととしております。 その四は、監察に関する国家公安委員会規則の制定であります。 この規則においては、警察庁及び都道府県警察が行う監察の実施状況を公安委員会に報告すること等を定めており、本年四月一日から施行することとしております。 第三は、人事及び教養制度の改善であります。 その一は、組織管理者研修の実施であります。 これは、神奈川県警の事案の反省を踏まえ、警察庁に採用された者のうち、初めて県警本部長の職につく予定である年次の者を対象に、企業経営者等にも講習をお願いし、新たに実施したものであります。第一回の研修を一月十二日から三日間かけて実施したところであります。 その二は、職務倫理・服務及び教養に関する国家公安委員会規則の制定であります。 職務倫理・服務に関する規則は、警察職員が職務倫理を保持し、厳正に勤務に服する必要があることを改めて徹底させるため、その基本的事項について定めたものであります。 教養に関する規則は、警察職員の倫理観や警察幹部としての判断能力といった点についての教育を改善するため、新たな基本方針を示したものであります。 職務倫理・服務に関する規則は一月二十五日に施行され、教養に関する規則は四月一日から施行することとしております。 第四は、国家公安委員会による国民の意見、要望の把握であります。 国家公安委員会においては、警察行政に関する国民の声を今後の委員会運営に的確に反映させていくため、本日、インターネットのホームページを開設し、委員会の活動状況等について紹介するとともに、電子メールにより国民の御意見や御要望をお受けすることといたしたところであります。 以上が国家公安委員会及び警察庁における不祥事案再発防止対策の概要であります。 国家公安委員会及び警察庁といたしましては、こうした各種施策が第一線において真に効果を発揮し、一日も早く国民の信頼を取り戻すことができるよう一層の力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、京都市における小学生殺人事件及び新潟県三条市における監禁事件について申し上げます。 まず、京都市の小学生殺人事件について申し上げます。 この事件は、昨年十二月二十一日、京都市内の小学校校庭において小学校二年の男子児童が刃物で殺害されたものでありますが、去る二月五日、捜査員が容疑者に対して任意同行に応じるよう説得中のところ、これを振り切った容疑者が十四階建ての団地から飛びおり自殺しております。 自殺した容疑者は、京都市伏見区に居住する二十一歳の無職の男性であります。京都府警においては、現場に残されていたものと同種のくり小刀等を購入した人物が写っている防犯ビデオ写真を用いて聞き込みを行い、容疑者がビデオ写真の人物に似ていること、現場に残された自転車の購入者と同一人物である可能性が高いこと等が判明したものであります。 京都府警においては、事案の解明を図るため、二月五日午前七時ごろ、容疑者に対し自宅から任意同行を求めたのであります。しかし、容疑者がかたくなにこれを拒否し続けたことから、近くの公園に移動し説得を続けていたところ、午前十一時四十五分ころ、容疑者がいきなり捜査員の間をすり抜け、説得を振り切って走り去り、午後零時四十五分ころ、付近の十四階建ての団地屋上から飛びおり自殺したものであります。 京都府警においては、できる限りの捜査を行ったものと承知しており、今後さらに必要な捜査を尽くし全容解明を図っていくことと思いますが、容疑者が自殺するに至り、結果において任意同行に成功しなかったことについては重く受けとめなければならないと考えております。 京都府警は、捜査における任意性の確保と被疑者の検挙というはざまの中でぎりぎりの判断、措置を行ったものであり、その中で一つのすきが出てしまったことについてはまことに残念に思っております。 結果において容疑者に自殺されてしまったことは事実であり、今回の現場における具体的状況の中で、ほかに何らかの方法がなかったかという観点から十分に検討を加え、反省、教訓とすべき事項があれば今後の捜査に必ず生かしてまいりたいと考えております。 次に、新潟県三条市において発生した逮捕監禁事件について申し上げます。 この事件は、平成二年十一月十三日に新潟県三条市内で、当時小学校四年生の女子児童が学校からの帰宅途中、強制わいせつの前歴のある男性に拉致された上、九年二カ月の長期にわたりこの男性の自宅に監禁されていたもので、本年一月二十八日に至り、新潟県柏崎市内において発見保護されたというものであります。 新潟県警察においては、事件発生当時から、事件、事故の両面の可能性を念頭に置き、警察本部を含めた対策本部を三条警察署に設置し、所要の捜査・発見活動を行うとともに、県下の各警察署においても所在不明者の発見保護活動の徹底と不審情報の収集等を指示するなど、県警察を挙げて取り組みを行ったところであります。 また、事件の風化を防止し、市民の関心を維持するため、公開捜査を行うとともに、適宜ビラを配布するなどして多面的な活動を推進し、その行方を捜してきたところであります。 本年一月二十八日に至り、被疑者となる男性の母親から息子の入院について相談を受けた医師、保健所職員等が被疑者の自宅に赴いた際、二階の部屋にいた被害者の女性を発見して警察に通報し、被害者が病院に搬送された後、警察官がこの女性の身元を確認いたしました。 新潟県警察は、直ちに捜査本部を設置して事件の全容解明に当たることといたしました。 この被疑者は、被害者が発見された日から柏崎市内の病院へ入院したことにより事情聴取もままならない状況でありましたが、二月十一日に至り、医師により入院の必要性がなくなったとの判断を得たことから、同人を未成年者略取・逮捕監禁致傷の被疑者として逮捕したものであります。 新潟県警察においては、現在、被疑者の取り調べ等、事件の全容解明を図るべく所要の捜査を推進中でありますが、新潟県警察のこれまでの取り組みを見ますと、組織を挙げた捜査を行ったにもかかわらず、なぜもっと早く犯人を割り出すことができなかったか、担当地域について実態掌握をしなければならない地域警察官がなぜ被害女性を発見できなかったか、四年前に被疑者の母親が管轄警察署に被疑者に関し相談した際、発見できるチャンスがあったのではないかなどが警察庁としても問題点であると認識しております。 また、被疑者宅において被害者が発見された際に、保健所の職員から管轄警察署に対し現場に臨場するよう依頼があったにもかかわらず迅速に臨場しなかったことや、記者会見において事実と異なる発表を行ったことは、警察として不適切な対応であったと考えており、極めて遺憾に思っております。 警察庁としても、昨日、今回の事件をめぐる発見活動状況、捜査状況、報道対応等について検証するため、新潟県警察に警察庁幹部を派遣し、取り急ぎ現段階における事実関係の確認を行わせたところであります。 また、今回の事件を踏まえ、本件と同様の所在不明事案の発生している県警察に対しては既に捜査・発見活動の強化を指示したところでありますが、これを徹底するため、あすにも関係県警察の幹部を招集して捜査・対策会議を開催したいと考えております。 警察庁といたしましては、国家公安委員会の御指導を得ながら、反省、教訓事項を今後の警察活動に十分生かすとともに、不適切な対応については、正すべきは正し、責任があるところには責任を求めていくことが必要であると考えております。 以上、不祥事案再発防止対策及び最近の事件をめぐる警察の対応について申し上げましたが、このほか、警察におきましては、現下の厳しい情勢のもとで社会的にも大きな関心を集めている重要課題に取り組んでいるところであり、以下、簡単にその内容を御説明いたします。 第一は、サイバーテロ対策についてであります。 最近、一部省庁等のホームページが改ざんされる被害が発生するなど、ハイテク犯罪が社会的に問題となっておるところであります。 警察におきましては、政府機関、民間重要分野等の情報システムを対象とするハッカーやサイバーテロに的確に対処するため、ハイテク犯罪対策を強化するとともに、電子政府の実現を阻害するサイバーテロに対する防護措置の実施及び産業界との連携の強化を軸とした総合的な施策を推進することとし、このたびそのための政策体系を報告書として取りまとめたところであります。あわせて、二月十三日に施行された不正アクセス行為の禁止等に関する法律をも活用し、積極的な取り締まりを推進してまいります。 また、国際的な取り組みといたしまして、本年は我が国がG8国際組織犯罪対策上級専門家会合、リヨン・グループの議長国となったところであり、先般開催された第一回の会合において、特にハイテク犯罪対策に関する国際協力の枠組みづくりについて議論されたところであります。加えて、昨年秋の国際組織犯罪対策G8閣僚会合において開催が合意されたハイテク犯罪対策に関する産業界との合同会議が五月にパリで行われる予定であり、警察庁においてもこの会議に積極的に貢献することとしております。 第二は、薬物対策についてであります。 昨年は、覚せい剤の押収量が二トンに迫り、その前の五年間の総押収量を上回るという未曾有の大量押収となるなど極めて厳しい状況にあります。 また、国内においては、これだけの大量押収にもかかわらず密売価格が下がっておらず、少年を含む社会の各層に乱用のすそ野が広がりつつあります。 警察におきましては、関係国との国際会議の開催を初め、引き続き国内外関係機関と緊密に連携しながら、薬物の供給の遮断と需要の根絶の両面から総合的な薬物対策を強化してまいる所存であります。 第三は、九州・沖縄サミット対策についてであります。 本年七月に開催される九州・沖縄サミットは、初めて東京以外の場所で分離方式により行われ、特に首脳会議が開催される沖縄県は、その気候、地理的特性等から、沿岸警戒、交通対策等多くの課題を抱えているところであります。また、極左暴力集団等が反対行動に取り組むことが予想されるほか、国際テロの発生も懸念されるところであります。 警察におきましては、組織の総力を挙げて各種対策に取り組み、警備の万全を期す所存であります。 以上、警察行政に関する問題について御報告申し上げましたが、警察におきましては、国民の生命、身体及び財産の保護という使命を十二分に果たしていくため、不断の努力を重ねてまいりたいと考えております。今後とも委員長、理事、委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
○委員長(浜田卓二郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。 午後一時四十三分散会