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147回国会参議院2000/04/27

交通・情報通信委員会 第14号

発言数
89
登壇者
19
会派数
8
開催日
2000/04/27

会議録

齋藤勁民主党・新緑風会

○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣内政審議室内閣審議官中澤欣三君、警察庁交通局長坂東自朗君、経済企画庁総合計画局長牛嶋俊一郎君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、運輸省運輸政策局長羽生次郎君、運輸省鉄道局長安富正文君、運輸省自動車交通局長縄野克彦君、建設大臣官房総務審議官林桂一君、建設省都市局長山本正堯君、建設省道路局長大石久和君、自治大臣官房長香山充弘君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

齋藤勁民主党・新緑風会

○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

齋藤勁民主党・新緑風会

○委員長(齋藤勁君) 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 おはようございます。民主党・新緑風会の内藤正光でございます。  私は、まず冒頭申し上げさせていただきますのは、今回の交通バリアフリー化に向けた政府、特に四省庁が一体となった取り組み、大変評価をさせていただいております。しかし、御存じのように、我が党民主党も交通バリアフリー化に向けての考え方を取りまとめさせていただいております。その差が若干ございますので、この法案をよりよいものにしていきたい、そんな思いから何点か質問をさせていただきたいと思います。  まず、運輸大臣にお尋ねをさせていただきますが、基本方針あるいはまた基本構想等といろいろ言われておりますが、どんなものになるのか、そのイメージが私自身まだついておりません。そこでお伺いをさせていただきますが、基本方針並びに基本構想、一体どういうものになるのか、具体的に何を定めていくのか、お尋ねをさせていただきます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) まず、内藤委員から冒頭、民主党のお考え、また本法案に対する基本的なスタンスにつきましてお話がございました。積極的な御協力をいただいておりますことに、まず感謝を申し上げます。  私は、この基本方針におきましては、今後広く国民の意見を拝聴した上で定めることといたしておりますので、その具体的な内容は現時点で明確に申し上げる段階ではございませんが、一つの考え方といたしまして、まずバリアフリー化の具体的な目標として二〇一〇年を目標にし、一日当たりの乗降客数が五千人以上である駅を一応目標に定めております。これについてバリアフリー化を実現することを目標として推進してまいりたいと思っております。交通事業者が講ずべき措置としまして、関係者と連携しながら順次計画的にバリアフリー化を進めることなどを定めることにいたしております。さらに、市町村が基本構想を作成する際の指針といたしまして、各委員の皆様からも常々御指摘をいただいております高齢者、身体障害者等の意見を聞くこと、これを定めることなどを考えておるものであります。  基本構想は、作成主体であります市町村、まさに地方分権の時代の幕あけといたしまして、バリアフリー化の問題につきまして地方が主体として基本構想を作成するという考えでありますが、特に高齢者や身体障害者の意見を十分聞いた上で作成するものと考えております。  具体的な記載事項としましては、基本構想を作成することとした背景、目的等の考え方や基本構想の達成の目標年次、次に重点整備地区における福祉施設等の配置の状況や区域の範囲を示す具体的な線引き、さらにバリアフリー化推進を具体的に実施する移動経路や、そこで実施する事業の内容に関する基本的な事項を定めることにしたいと思っております。  次に、必要に応じ、関係者の連絡協議体制の整備のあり方などを考えておる次第であります。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 それでは、まず基本方針についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  我が民主党の考え方との最大の違いの一つに、基本方針にしろ基本構想の策定にしろ、その策定過程において広く国民の声、身障者だとか高齢者の声を聞くということが法案の中に明記がされていない。  さきの衆議院本会議、三月十日の本会議で、大臣の方から、基本方針の策定に際しては高齢者や身障者の意見を聞き、パブリックコメント手続をとって広く国民の声を聞くという答弁をお伺いいたしました。しかし、考えてみますと、パブリックコメント手続というのは、もう既に平成十一年三月の閣議決定でなされていることで、その域を出ている答弁かどうかというのも私は個人的には疑問に思うわけでございます。  問題なのは、パブリックコメント手続以上のものをするか、何をするかなんだろうと思います。高齢者、身障者等がこの基本方針の策定に直接参加できる仕組みを考えていらっしゃるのかどうか、お尋ねをさせていただきます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 交通のバリアフリー施策の実施に当たりましては、高齢者や身体障害者の意見を聞くことは極めて当然のことであるというふうに認識をいたしております。  したがいまして、基本方針の策定の際には、国民の皆さんから提出された意見、情報を考慮して意思決定を行うための手続であります、今御説明のありましたパブリックコメントを活用することとするものであります。また、必要があれば高齢者、身体障害者等の団体に対して個別に御意見を聞くことも検討してまいりたいと思っております。基本方針については、これらの手続を実施することにより、高齢者、身体障害者等はもちろん、広く国民の皆さんの意見を聞いて、その意見を十分反映してまいりたいと考えております。  特に、今回の法案の中にも、私たちのいわゆるバリアフリー化を推進していく上に最も強く、色濃く描いておりますことは、常に地方が主体であるということ、地方分権の時代にまさにふさわしい、地方が中心になって対応する。その際に、地域の高齢者の皆さんの団体であるとか身体障害者の団体の御意見を聞くことなくこれらのことを進めていくということは全くあり得ないとさえ思っておりますが、そうしたことを地域を中心にしてそういう方々の御意見を十分拝聴して対応するように、これは指導してまいりたいと思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 大臣の思いはわかりますが、例えば、どこの省庁、どこの何の法案とは申しませんが、パブリックコメント手続、一カ月を見当にとるというふうになっていますが、本当に数週間で形式的に済ませてしまって、後からいろいろな団体だとかいろいろな方々の話を聞いてきますと、あれは本当に形式的に終わってしまったもので自分たちの意見が全然反映されないとかいうような不満も少なからず聞いております。そんな法案がございました。  ですから、私はもっとちゃんと、何か本当に多様な国民の声が担保される場が欲しい、そういったことを大臣の答弁でいただきたいんですが。具体的に、例えばそういった高齢者の方々だとかあるいはまた身障者の方々が同じテーブルに着く会議というのを実際に設ける気があるのかどうか、お尋ねさせていただきます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) ただいまお話しのような機会を設けるということは、それぞれの地方が主体となってこの事業計画をまとめるわけでありますから、その限りにおきまして地方がそうした関係の皆さんの意見を聞くということは私は当然だというふうに思っておりますから、そうした会議に御出席をいただくか、あるいは特に御意見を聞く機会を得るか、その形式はそれぞれの地方にお任せすることにして、地元におきましてそれぞれの福祉団体あるいは高齢者の皆さんの団体からも御意見を聞くということは当然であると思います。  同時に、今回のこの負担が、地方が三分の一、事業者が三分の一、そして国が三分の一それぞれ負担をするわけでありますから、その三分の一の負担におきましてそれぞれの地方の議会の承認を得ることは当然のことでありますから、その議会におきましても十分議論がなされることでありますし、その議会の判断においてまた高齢者や身体障害者の皆さんの御意見を聞くという機会もあると思いますから、十分これらの方々の意見が反映されるであろうということを私は期待いたしております。  しかし、余りにもいろんなことを法律等で決めてしまって事が全然前を向いて動かないというようなことになってもいけませんから、私は、そこらは地方にお任せをするということで、十分関係の皆さんの意見は反映されるものというふうに思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 基本構想に対する思いはわかりました。  基本方針についてはいかがでしょうか。私がお尋ねをさせていただいておりましたのは、国がつくる基本方針の部分でございます。お願いいたします。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 法律で国会の承認が求められているのは、一般的には警察法、自衛隊法、周辺事態法などに見られるわけでありますが、治安問題など国家の存立にかかわる事項に関するものであり、基本方針という形式を国会承認している立法例はないものと承知をいたしております。  これに対しまして、本法案は、幅広い分野を有する交通行政のうちの一分野である交通のバリアフリー化という特定分野について定めるものであり、国家の治安などに直結する問題ではない。そういう観点から、障害者施策や高齢社会対策の基本をなし、他の個別法に対して優越する性格を有する障害者基本法や高齢社会対策基本法においても国会の承認を必要とする規定は存在していないわけであります。  したがいまして、基本方針につきましては、国会で成立した法律を受けて、行政府である主務大臣が具体的な事項を定めることで足りるものと考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 国会承認というよりも──それは私の次の質問だと思うんですが、基本方針の策定に当たって、どう高齢者なり身障者の方の意見を聞き入れる場を担保するか。できればそういう会議を設けるというふうに大臣みずからおっしゃっていただければ、私は本当にありがたく思うわけなんですが、お願いいたします。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) そうした会議が必要であるとそれぞれの地方が判断した場合に会議を設けて対応するということも結構でございますが、一々それを今回の法律で、あるいは政府がそういうことを指導していくというよりも、地方の判断に任せるということが私は適切であると考えております。

羽生次郎運輸省運輸政策局長

○政府参考人(羽生次郎君) ただいま御指摘がございましたように、パブリックコメント制度、これは活用してまいりますが、パブリックコメント制度につくるときは一定の案を出すわけでございます。その案の前段階で必要である、もちろん必要であると認めますが、その場合には高齢者や身障者の方の意見を伺う。  ただ、それは、先ほど大臣申し上げていますように、会議にするのかあるいは個別団体に伺うのか、これは御事情があると思います。それによって決めてまいりたいと思いますが、パブリックコメント制度を活用して、そこに国民の御意見を聞く前の事前の政府の案をつくる、資料をつくる段階から、高齢者、身障者の方々の意見を伺ってまいりたいと考えておりますし、恐らく意見を伺わないとそういう案自体ができないものだと考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 わかりました。  いずれにしましても、基本方針の策定におきましては形式的に陥らずに、やはり本当に国民の声、各層の声、身障者あるいはまた高齢者、いろいろな利用者がいるかと思いますが、そういった声が本当に聞き入れられるような、そんな仕組みを何としても担保していただきたい、このことを申し上げさせていただきます。  続きまして、各省庁の連携ということでお尋ねをさせていただきます。  今回、冒頭申し上げましたように、運輸省、建設省、自治省、警察庁、四つの省庁が一体となってこの法案の制定に向けて取り組んできたことは私も大変高く評価をいたします。しかし、大切なのは、法案をつくってから、これからも運用においてこの四つの省庁が一体となって取り組んでいっていただけるかどうか、ここが大変大きな問題なんだろうと思います。  そこで、運輸並びに警察両省にお尋ねをさせていただきますが、法案がこれで成立をしたら、まず基本方針策定作業が始まるわけなんですが、この基本方針づくり等においていずれの省庁が例えば調整役を務めるのか、またそうではないということであれば、少なくとも四つの省庁が同じテーブルに着いて一緒になって方針づくりを進めるのか、この辺、両省にお尋ねをさせていただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○政務次官(岸田文雄君) 建設ですか、今警察とおっしゃいましたが。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 建設です、ごめんなさい。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○政務次官(岸田文雄君) 建設省の政務次官でございます。  先生御指摘いただきましたように、関係行政機関が一体となって取り組むこと、これの重要性は強く認識しておるところでございます。  そもそもこの法律におきまして、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動に係る利便性及び安全性の向上に向けて四つの省庁が旅客施設及びその周辺のバリアフリー化を一体的そして重点的に進める措置を講ずるということ、これがこの法律の趣旨でありますが、この重点的、一体的に進めるというのがこの法律のポイントだというふうに考えておりますので、この法律に基づいて基本方針を決めるわけですから、この基本方針におきましても重点的、一体的という部分は大切にしていかなければいけない、まずこういった認識を持っております。  そして、先生今同じテーブルに着いてというような御指摘がございましたが、例えばほかの法律、一つの例としまして中心市街地活性化法のような十三の省庁が協力してその法律の中身を実現するというようなケースに当たっては、十三も省庁が関係しておりますので協議会みたいなものをつくっておりますが、今回の場合は建設省、運輸省、警察庁、自治省、四省庁でありますし、加えて来年一月六日からは建設省と運輸省は国土交通省になります。省庁の数がかなり絞られておりますので、今のところそうした協議会というようなものは考えておりませんが、これも必要に応じて具体的に連携をとっていく仕組みは考えていかなければいけない、そういった問題意識は持っておるところでございます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) ただいま建設省から御答弁のあったとおりでありますが、特に今回の法律の特徴としまして、四省庁が連携して事を進めるというところに大きな特徴があろうと思いますが、先般も、アメリカのADA法等を中心にバリアフリー、我々の国に比べて約十年先を進んでおるという状況でありますが、アメリカの専門家等とも話をしておりましても、四省庁が一体となって対応するというこの制度はすばらしいと。  同時に、四省庁が単に一体化して対応するというだけではなくて、それぞれの計画において、鉄道を受け持つ運輸省は運輸省の役割、また公園や付近の道路等を担当していただく建設省、あるいは信号機等に対する対応をやっていただく警察庁、さらに地方財政等について十分御配慮いただく自治省、これが一体となっておるわけでありますが、とりわけその中でも、建設省と運輸省は御承知のように来年からは国土交通省としてまさに一体になるわけでありますから、今度は国土交通省と警察、自治省とともに連携をして対応するわけでありますから、私どもは、今アメリカに十年おくれてのスタートでありますが、やがて追いつき追い越すことができるであろうとさえ考えておるわけであります。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 岸田政務次官にお尋ねをさせていただきますが、運輸大臣もおっしゃったわけなんですが、やがて運輸省と建設省はくっつくから一体となるということなんですが、しかし基本方針づくりはもうその前から始まるわけですね。その時点では、まだ二つの省庁は別々でございます。  また、私が懸念するのは、例えば駅前周辺をどの省庁が持つのかとか、あるいはまた横断歩道だって、横断歩道は道路の上にあるわけですから、やっぱり警察庁と建設省の境界ですよね、そういったところのバリアフリー化を進める、つまり省庁にまたがるようなところのバリアフリー化を進めるに当たって、やはり省庁間の密な連携だとか話し合いの場が私は担保されるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○政務次官(岸田文雄君) 確かに国土交通省発足は来年の一月六日ではありますが、具体的に関係省庁の統合に向けての準備作業は進んでいると考えております。  それから、一月六日から突然何か省庁が一緒になるんじゃなくして、やはりその間、事務等におきまして連絡は密にとられるものだと考えておりますし、またそれ以外の省庁も含めた四省庁におきまして、先生の御指摘のありました部分は大変重要なことだと思っております。この基本方針策定の手続において、これは当然四省庁におきます担当者が密に連絡をとる、これはもう当然行われることだというふうに認識しております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 ぜひ運用においても四つの省庁一体となって進めていっていただきたいと思います。  次に、内閣官房にお尋ねをさせていただきたいんですが、内閣官房長官は、この三月ですか、バリアフリーに関する関係閣僚会議を呼びかけているわけなんですが、四つの省庁が今回この問題に取り組んできたわけなんですが、本来ならば内閣官房が束ね役となって国の施策としてバリアフリー化に向けてどおんと推進すべきではないのかと考えるんですが、まずそのあたりのことに対して所見を伺いたいんですが。

中澤欣三内閣官房内閣内政審議室内閣審議官

○政府参考人(中澤欣三君) お答えさせていただきます。  ただいま御質問のございましたように、去る三月二十一日に関係閣僚会議を開催させていただいたところでございます。それで、その中でバリアフリー化の推進について進めていくということとしておりまして、そういう場も活用しながら内閣としても進めていきたいというふうに考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 ところで、アメリカのリハビリテーション法五百二条が定めているんですが、建築・交通バリア対策委員会というものを御存じでしょうか、内閣官房。

中澤欣三内閣官房内閣内政審議室内閣審議官

○政府参考人(中澤欣三君) 今先生のお話でございましたけれども、私、昨日ちょっとお伺いいたしましたですけれども、それまで私としてはまだ聞いていなかったところでございます。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 これは簡単に紹介をさせていただきますと、アクセスボードと通称呼ばれているそうなんですが、十三人の委員から成る組織だそうです。実は、その過半数が身障者より選出される。つまり、過半数ですから七人以上が身障者だそうです。そして、そのほか、この委員会にはバリアフリーに関係するすべての省庁の長が同列に常任委員として加わっている、そんな組織だそうです。だから、十三人のほかに、関係する省庁の長ですね、大臣とかそういった方々が同列に加わっている、そんな組織だそうです。  それで、この組織が何をやっているのかといいますと、例えば分野別で言えば建築、交通からコミュニケーションの分野まで、そしてまた公的部門から民間部門まで、そしてさらには政府や企業から、さらに家庭にまで、そういう津々浦々の分野、そういった社会全体を包括的にバリアフリー化を推進する、そんな機関なんです。つまり、このところが束ね役となって、ちゃんと社会全体津々浦々、バリアフリー化が進んでいるかどうか常時監視する。その前にまず指針をつくるわけなんです。そんな組織が私が冒頭申し上げた建築・交通バリア対策委員会というものなんです。  副長官いらっしゃったわけですが、そこで、そんな組織、今の日本にございますでしょうか。

松谷蒼一郎自由民主党・保守党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 質問の全部を伺ったわけじゃありませんので、あるいは若干食い違いがあるかもしれませんが、すべての人が安全で快適な社会生活を送ることができるよう、社会全体のバリアフリー化を効果的かつ総合的に推進することは極めて重要であるというように認識をしております。  こうした認識に基づいて、今委員からお話がありましたように、各省庁に非常に幅広く関係をしておりますので、関係の閣僚会議を開催することといたしまして、第一回会合を三月の二十一日に開催をいたしました。これにつきまして、閣僚会議の場を十分に活用してバリアフリー化をさらに推進したい、こう考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 関係閣僚会議の開催、一回開催されているということなんですが、まだ一回しか開催されていないということで、どういう方向に進めようかという、まだその方針は立っていないかもしれませんが、政治家として、副長官として考え方をお尋ねさせていただきたいと思うんです。  まず、そういったようなバリアフリー化を国としてどおんと進めるような組織の必要性を感じていらっしゃるかどうか、お尋ねをさせていただきます。

松谷蒼一郎自由民主党・保守党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 各省庁に、およそ十五の省庁に関係をしている非常に大きな政策であります。それを推進していくために、じゃどういったような組織を整備していったらいいかということは今後の検討にまつ必要があるかと思いますが、しかし一方、省庁改革、行政改革の流れもありますし、来年から中央省庁の行政改革が実施をされるわけでありますので、その辺のことも踏まえながら、まさにこの関係閣僚会議の場で検討していく必要があるんじゃないかというように考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 これから検討課題ということで、どうなるかわかりませんが、ばらばらにやるべき施策ではない、やっぱり国として全体的にぼおんと進めていくべき施策だと私はバリアフリーに関しては思います。ぜひ、これは単に調整役というにとどまらずに、旗振り役、先導役としての役割を果たしていただきたい、こんなふうに思います。よろしくお願いいたします。  時間があと二分しかなくて、通産、郵政の政務次官の皆さんにはいらっしゃっていただいたんですが、済みません、質問できません。  最後に、内閣官房副長官にお尋ねをさせていただきたいと思うんです。  これもこれからの議論の一つとして検討していっていただきたいんですが、官房副長官、これもまた同じくアメリカのリハビリテーション法の五百八条なんですが、御存じだろうと思いますが、これは連邦政府あるいはまた連邦政府の補助を受けている機関が調達する機械、情報機器に関してはバリアフリー対応でなければならないと義務づけるものなんですが、私は、これから情報化社会が本格化するわけで、こういった状況にかんがみ、国として政府として、率先して五百八条のような法律の策定に向け推進していくべきものだと思いますが、政治家として、また副長官としての考え方、お尋ねをさせていただきます。

松谷蒼一郎自由民主党・保守党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 今委員が御指摘になりましたアメリカにおける五百八条のような規定をどういうふうに検討していくべきか、そういうことも含めて、これからまさに極めて重要な政策の実現の時期に当たるわけでありますので、今後とも慎重にかつ前向きに検討していく必要があるというように考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 どうもありがとうございます。  重ね重ね、郵政、通産の両次官の皆さん、申しわけございませんでした。ありがとうございます。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 交通バリアフリー法案の周辺といいましょうか、ソフト面といいましょうか、について何点かまず最初にお伺いをしたいと思います。  これは大臣、私も何遍も御主張申し上げてきておりました身体障害者の方々の有料道路の割引の問題でございますが、障害者手帳に車種を明記して、それから社会福祉事務所にまで出かけていって割引証をいただいて、それに記入をして、精算するときに両方提示をする、こういうことでございまして、これがまさにバリアになっているのではないかということで、これを早く規制緩和をすべきということをあらゆる場面で何回か申し上げてきました。  今、建設省の道路局におきまして、身体障害者等割引制度研究会を設置されて、福祉団体の皆さんからのヒアリングも済んだのかなという状況だとは思いますが、現状はどうなっていますか、この検討会。まず御報告いただきたいと思います。

大石久和建設省道路局長

○政府参考人(大石久和君) 有料道路における身障者割引制度につきまして、現在どのように取り組んでおるかという御質問でございます。  今御指摘ございましたように、身障者等割引制度研究会を昨年、平成十一年度の十二月二十日に第一回の研究会を発足させていただきまして、種々の検討を進めているところでございます。  検討の内容は、一つには、対象者としてどのような方々を考えるか。現在、身体障害者及び知的障害者を対象といたしておりますが、そのほかの障害者の方々をどのように対象として加えていくのかといったような議論でございます。  二番目に、対象車両でございますが、現在は乗用車またはそれと類似の車を対象といたしておりますが、タクシー等の御議論もあるようでございます。そういった車両をどのように考えていくかということでございます。  それから三点目に、今先生お話の中で触れられました実際の実施の手続でございます。身体障害者証を提示するだとか、それを割引証と一緒に示さなければならない等のことが大変な負担になっているというような御指摘もございます。そういったことにつきまして、不正な利用だとかの防止等の観点も含めまして、どのような簡易なやり方を導入していけばいいのかということについて検討を進めているところでございまして、年度内を目途に取りまとめをしたいと考えております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 年度内とは十二年度ということですか。というのは来年の三月までということでしょうか。

大石久和建設省道路局長

○政府参考人(大石久和君) お答え申し上げます。  平成十一年度の十二月に第一回の委員会を開き、十一年度内にはヒアリング等を行いましたが、本年、平成十二年度は研究会を三回程度実施したいと考えてございます。  今の取りまとめ目途は年度内でございますが、できるだけ早期にまとめられるようこの研究会を進めていきたいと考えております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 この交通バリアフリー法案も、公布の日から六月を超えない範囲内で政令で施行するとありますから、できればそれに合わせていただいた方がまさにソフト面のバリアフリーになるのかなと思いますので、一段特段の御努力をお願いしておきたいと思います。  その次は、同じく盲導犬とか介助犬の問題でございますが、いろいろな交通事業者の方もこの問題につきましていろいろ御配慮いただいておるということは重々承知をしておりますが、大臣、この永田町近辺の、どことは言いませんが、ホテルの一部は盲導犬、介助犬をお断りするというところがあるようでございます。国際都市東京のホテルがこういう盲導犬、介助犬の同伴をお断りしますというところが私はあるというふうに聞いてはおるんです。  どうでしょうか、こういうのは今後のバリアフリーの大きなソフト面だと思いますけれども、観光の面とか、日本はいろいろとこれから国際的にもイベントを日本で開いていただこう、国際会議をという中で、ぜひこれは早急にしかるべき方法で盲導犬、介助犬同伴を許可する方向で要請というんでしょうか、すべきじゃないか、こう思いますが、まず認識と対応をお願いしたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 盲導犬を連れた視覚障害者の宿泊施設等の観光施設に受け入れにつきましては、他の利用者の利用についても配慮しながら、積極的にこれを受け入れるという従来からの指導方針であります。  最近は、ホテルにおきまして、盲導犬を我がホテルはどうぞ受け入れますよというふうなシンボルマークのようなものを張っておる施設が多くなってまいりました。私は、あのシンボルマークも非常によくできておって、だれが見てもこれは盲導犬を連れて視覚障害者が歩いておるという様子がはっきりするわけでございますが、ああいうシンボルマークがもっともっと各ホテルと事業所に張られることがいいことだなということをかねがね思っておりましたが、今回の交通バリアフリー法案が成立いたしますと、社会全体がバリアフリー化について一段と認識が進むものということを期待いたしております。  したがいまして、この法案の成立によって、アナウンス効果といいますか、内外にいわゆる心のバリアフリー、みんなが協力し合おうというそういう国民的な機運が盛り上がってくることを期待しておるわけでありますが、ただいま日笠委員御指摘の点につきましては、日本ホテル協会以外のホテルにつきましても遺漏のないように、関係者の協力を求めながら指導してまいりたいと思っております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 運輸大臣が示される基本方針、また市町村が取り組まれる基本構想、個別具体的に介助犬、盲導犬云々ということは言えないかもしれませんけれども、そういうことがわかるようなひとつ記述といいましょうか、方針といいましょうか、地方は地方で構想をきちっと皆さんで一緒に立てるという方向での、これも一段特段の御努力をお願いしておきたいと思うわけでございます。  さて、四月二十五日、先日当委員会で参考人の質疑を行いました。学者、有識者の方々とか福祉団体の皆さんとか、また交通事業者の方々、いろいろやっぱり参考になる御意見、御助言もございました。まさにそれらを委員会で活用していくのが我が委員会の委員のまた使命だろうと、こう思いますので、私はその中で特に運輸大臣にお聞きしたいなと思う点が何点かございますので、拳々服膺しながらお伺いをしたいと思います。  まず第一は、駅舎の中の障害者のトイレでございますが、福祉団体の方がおっしゃるのは、いつもかぎがかかっておるというんですね。一々連絡をしてお呼びしてかぎをあけてもらうんだと。これではまさにもう一つバリアがあるようなもので意味がないんじゃないかということで、例えばこのいつもかぎがかかっておるような状況を何とかならないのかというようなことも要望されておりまして、なるほどなと私も得心をしておるところでございます。  ですから、この障害者トイレも、まさにいつもかぎがかかっているような状況から、しかるべき対応が要るんだと思いますけれども、そういうことのないような方向で指導できないのかなと。  それからもう一つ、オストメートという人工肛門とか膀胱の方々が年々今ふえておるわけでございますが、そのオストミーという人工肛門・膀胱の方のトイレは障害者トイレとはちょっと違うんですね。詳しいことはちょっと時間がなくて申し上げられませんが、御存じだと思いますが、主要な大きな駅、例えば東京駅とか新大阪とか、JRでいえば、そういうところに一カ所ぐらいあってもいいのかなと。これもちゃんとしたマークをつけるんですね。そういう意味では、オストメート用のトイレなんかも障害者用のトイレの中でもちょっと違うわけでございますので、積極的とは言いませんが、シンボル的にまず大都市の駅舎から順次設置すべきではなかろうか、こう思います。  トイレのことで恐縮でございますが、二点、簡潔で結構でございます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 最初の御質問の身体障害者用のトイレにかぎがかかっているということでありますが、これは一面、それだけのお話を伺いますと、せっかくそんなトイレをつくって表にかぎをかけているというのは大変ばかげたことのように聞こえるわけでありますが、やはり身体障害者用のトイレは御承知のように多少広うございますので、他の用途に乱用されるという可能性もありまして、駅等ではそうしたことのないように、通常、障害者以外の方がお使いにならないようにかぎをかけておるようでありますが、何かこれは双方の意見、工夫があるはずであります。  したがいまして、委員の御指摘は十分よく理解するところでありますが、駅の職員等が速やかな対応ができるようにどうすればいいか、この法案の成立とともに、鉄道事業者の皆さんやその従業員の方々の協力をお願いしながらも、運輸省としては、今委員御指摘の点を踏まえて指導してまいりたいと思っております。トイレをつくっておいてかぎをかけておくという、これほどナンセンスなことはないわけでありますから、それはよく承知をいたしております。現場の声も、しかし少しは耳を傾ける点もありますので、それは今後解決に努めてまいりたいと思います。  ただいまオストメート用のトイレのことにつきまして言及がございました。そうしたことに対して御配慮をいただく委員のお気持ちに大変感謝を申し上げるわけでございますが、そうした点につきましても、今、少し東京だとか大阪だとかシンボル的なところをやってみてはどうかという御提案でございますが、今後、身体障害者用のトイレのあり方につきまして、ただいまのような御意見を踏まえて検討してまいりたいと思っております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 次は、参考人の方がおっしゃっていたことで、例えばバリアフリーのフォローアップ設備があるだけではなくて、いわゆるハードだけではなくて、快適に使える、これが大事なんだ、アメニティーが大事なんだということをニッセイ基礎研究所の白石さんがおっしゃっていまして、なるほどと思いました。  では、その快適性とは何ぞやということを山内委員がお尋ねになったときに、快適性ということは人それぞれ思いが違うと思いますけれどもと、参考人が感じますのは、まず安全な乗り物であること、そして乗りたいときにいつでも来る、電車とかバスのことでしょう、来る。それから、天候にかかわらず利用できる、かつ運賃が安い、車内が清潔であると、こうなんですね。車内が清潔であると。  そこで、私、少しく前に見たテレビのことを思い出しまして、なるほどなと思いました。これは、本年になりまして東京のキー局から放送されました電車の乗車マナーが非常に悪いという、電車内における喫煙、ごみのぽい捨てを取材した番組でございました。これは大変な、通学の電車の中で、まあ座席は占領するわ、たばこは捨てるわ、飲料水の飲んだ缶がごろごろ転がっているわ、不清潔きわまりないようなテレビの報道が二回にわたって出ておりました。学校の関係者とか鉄道関係者が行くとすっときれいになるんですが、いなくなるとまた汚くなる。  例えば、運輸省の鉄道局の方は、過去二回報道されておるわけですが、これを見たんでしょうか。見たら即どういう対応をされるんでしょうか。見ていないと言えば、どこからかそういう情報が入ってくると思うんです。  私が何が言いたいかというと、公共交通機関の中で、不法な、そういうふうな車内のマナーも全然だめだとか、また清潔でないとか、先ほど申し上げましたこれはバリアなんですから、もうすぐ、スピードですよ、まさに新幹線スピード三百キロ時代ですから、スピードを上げて、しかるべき方にではすぐ現地に行きなさいと。すぐその報告を受けて、JR東日本なんでしょう、対応をとる。鉄道警察隊だってあるわけですよ。  ただ、二遍も三遍もそういうふうに放送されて、運輸省の方が指をくわえて見て、ああ大変だなというだけではいかぬと思うんです。大変運輸省の皆さんの職員の数も何万といらっしゃるわけですよね、全国的に見れば。二万五千ですか、六千ですか、予算定員は。即応するということで、どうなんでしょうか、これはどういうふうに対応されたんでしょうか、まず。

安富正文運輸省鉄道局長

○政府参考人(安富正文君) 今先生の御指摘の放映等に対する、マナーキャンペーンの関係について、私自身ちょっと見落としたことは非常に残念でございますが、常日ごろから乗車時のマナーについて鉄道事業者についていろんな角度で旅客に対して知らせるように、いろんなキャンペーンという形、あるいはポスターを張るとか案内放送とかという形でやるようにということをやっております。  現に鉄道事業者自身も、車内放送、ポスター等を通じてある一定期間に集中的にマナーキャンペーンを実施するといったようなことをやっておりますので、我々としては、こういうことをそれぞれの事業者がいろんな工夫を凝らしながらやっていただけるようにこれからも指導していきたいというふうに考えております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 それでは、半月ぐらい先にテレビ局が行ってやればきれいになっておるということですね。そういうふうに期待していいわけですね。どうですか。

安富正文運輸省鉄道局長

○政府参考人(安富正文君) 今後、強力に我々、鉄道事業者にも指導しまして、なるべくそういうマナーがよくなるように一層事業者にハッパをかけていきたいというふうに考えております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 では次、もう時間もありません、最後の一問になるかと思いますが。  御存じのように、ノーマライゼーション、いわゆる障害者と健常者がともに暮らしていけるという社会参加と平等ということ、これが人権という観点からも最終的な私たちの目標になろうかと思いますが、そこに至る方策として、まずバリアフリーがあるだろう、その次がユニバーサルデザインだと、こういうふうに言われておるわけでございます。今回は、そのノーマライゼーションに至るワンステップのバリアフリー、その次がやっぱりユニバーサルデザインと、こういうふうになるのかなと。いろんな書物を読んでも大体そういうふうなことを書いておるわけでございます。  そこで、このユニバーサルデザインということについて、きょうは建設省からもおいでいただいておりますが、箱物だけじゃありませんで、道路もございましょう、橋梁もございましょう、それから運輸省的に見れば交通機関などなどあるでしょう。いずれにいたしましても、バリアフリー法案が成立をした場合、次なるノーマライゼーションということを考えれば、ユニバーサルデザインをどう我が省に、今度国土交通省で一緒になるわけでしょうけれども、どういうふうにそれを各局取り込んで一つのノーマライゼーションに向けてのそれぞれの方策、指針を出すのかということが非常に重要だと思うんです。  そこで、時間ございません、建設省と運輸省に、ユニバーサルデザインについての現状認識と、今後どう取り組まれていくか、このことをお聞きして終わりたいと思います。

林桂一建設大臣官房総務審議官

○政府参考人(林桂一君) ユニバーサルデザインに対する建設省の考え方についてお尋ねがございましたが、ユニバーサルデザインは、できる限りすべての人が安全かつ快適に利用できるように、公共施設や建物、あるいは製品ということもあるかと思いますが、設計するという考え方であるというふうに理解しております。  すなわち、障害者あるいは高齢者、外国人あるいは男女など、それぞれの違いを越えまして、すべての人が暮らしやすいような町づくりあるいは環境づくり、あるいは物づくりなどを行っていくという考え方だと理解しておりますが、特にバリアフリーとの関係につきましては、障害者や高齢者に対して特別な施設や方法で生活していく上でのさまざまな障害を取り除いていこうとするバリアフリーの考え方に対して、ユニバーサルデザインはさらにそれを推し進めまして、例えば施設や物をつくるときに初めからできる限りそれらの人々、すべての人々が利用しやすいようなそういうものをデザインし、つくっていこうという考え方であるというふうに理解しているところでございます。  こういった考え方につきましては、建設省も大変重要な考え方であるというふうに理解しておりまして、今後の住宅、社会資本整備を進めていく上で大きな方向ではないかというふうに考えているところでございます。  そういうことを踏まえまして、今後生活福祉空間づくりを総合的に推進してまいる所存でございますけれども、既に一部そういった考え方を導入している例といたしまして御説明いたしますと、例えば歩道や公園の整備につきまして、バリアフリーのみならず、今のユニバーサルデザイン的な視点も踏まえました基準をつくり、あるいは指針をつくりまして、これらの施設がすべての人に利用しやすいようにできるような整備の推進に努めているというようなところでもございますが、先生の御指摘のようなそれ以外のものにつきましても、今後さまざま努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 本会議でもお答え申し上げましたが、すべての人が使えるようにデザインするという考え方がいわゆるユニバーサルデザインだというふうに理解をいたしておりますが、これは御承知のとおり高齢者や身体障害者のためだけの施策を推進するというのではなくて、健常者の皆さんにもこのことが十分利用、活用できるということを考えていくことが重要であると思っております。  したがいまして、今後バリアフリー化基準を具体的に策定する際におきまして、ユニバーサルデザインの精神を十分念頭に入れて対応してまいりたいと考えております。

日笠勝之公明党・改革クラブ

○日笠勝之君 終わります。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。  交通バリアフリー法案が策定されたことは、障害者の皆さん、また高齢者等の皆さんの願いに本当にこたえたものであって、私も前進面を評価していきたいと思います。しかし、問題は、法案の内容が実効性を着実に推進できるかが私は重要な課題となると思うんです。ですから、本法案の実効性をより高める立場から、私たち日本共産党は衆議院で修正案を提案させていただきました。そして、その内容からも幾つかの問題点を整理して質問させていただきたいので、よろしくお願いいたします。  まず、目的と理念の位置づけについてですけれども、法律の前提となるのは目的や理念がどう書かれているか、これが法律の内容を決定する私は基本と言えると思うんです。しかし、政府案では、移動のバリアを取り除くことを前提条件としていながら、移動の自由と安全確保は基本的権利との理念が明記されていません。欧米では、移動、いわゆるモビリティーは基本的権利と規定していますし、しかもモビリティー対策は、障害者、高齢者に限らずすべての人々のためのモビリティーを目標としています。  そこでお聞きいたしますけれども、今度の法律の対象となる障害者や高齢者の基本法である障害者基本法、そして高齢社会対策基本法では、社会参加の確保を基本の理念として規定していますね。特に、高齢社会対策基本法は、社会参加、生活環境等の「社会のシステムの対応は遅れている。早急に対応すべき課題は多岐にわたるが、残されている時間は極めて少ない。」とまで書かれているんです。  ですから私は、このように障害者、高齢者の方々にとっては社会参加は極めて切実な課題となっている、その社会参加の大前提となるのが移動です。それだけに、移動の自由と安全を確保することは社会参加を保障する上で絶対に不可欠なことと思いますが、大臣のお考えも変わらないと思いますが、いかがでしょうか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 大筋におきまして、大沢委員の御指摘の点につきまして私どもも十分理解できるところであります。まさに政党政派を超えて、この高齢者、身体障害者等の社会参加の問題につきまして相協力して取り組んでまいりたいと基本的に考えております。  我が国の人口構造は、御承知のように高齢化が急ピッチで進んでおりまして、二〇一五年には国民の四人に一人が六十五歳に到達するといういわゆる本格的な高齢社会の到来が予測されます。したがいまして、ただいま委員御指摘のとおり、高齢者、身体障害者等の皆さんの社会のさまざまな活動に参加する機会が確保されるよう環境を整備することは極めて急を要する問題だというふうに認識をいたしております。  ただしかし、私は、この法案の審議が開始されて以来ずっと各方面の御意見をちょうだいしておりましても、まるでもういわゆるバリアフリー法あるいはバリアフリー対策がゴールに近づいておるかのごとくいろんな御意見を承るわけです。これからが出発なんです。アメリカにおくれること十年、これからが出発なんです。  ですから私は、できるだけこの法案の審議の中での各党の御意見等を生かしていけるような対応をしてまいりたいと思っておりますが、いずれにしましても、時間にも制約がございますが、同時に、まずは出発することが大事であるというふうに考えております。  先ほどの御質問の中でも、それでは関係閣僚会議を開いて一体何をやっているのかという御指摘もございましたが、私ども、関係閣僚会議がつくれたということだけでも大きな前進だというふうに思っております。私は、内閣全体の御支持をお願いしながら、とりあえずは今四省庁で懸命の対応をしてまいりたいと思っております。  したがいまして、公共交通機関を利用した移動の果たす役割が極めて大きいという考えからこの法案を提出させていただいた次第であります。  委員初め、当委員会の格段の御協力を改めてお願い申し上げる次第であります。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 大臣のその理念ですか、これからが大事なんだ、大きな一歩なんだということだと思います。私もそのように感じております。そういう理念の立場から、次はこの法律の対象範囲にかかわる問題についてお聞きしたいと思います。  対象範囲を「身体障害者等」と狭めた規定となっているわけですね。知的障害者等が除外されています。その除外理由として、いかなる施設が必要か確かな答えが出ていないと答弁はこれまでされていると思います。百歩譲って、仮にいかなる施設が必要かがわからなくても、なぜわざわざ知的障害者などを除外しなければならないのか、私にはよくわからないんです。本来、障害者、高齢者はもちろん、健常者も含めてすべての人々が対象であっても何ら支障はないはずです。  そこでお聞きいたしますが、昨年の十二月に公表されている、運輸省もかかわって調査作成されています公共交通ターミナルのやさしさ指標がありますね、ここにございますけれども。この中に書かれていますけれども、公共交通ターミナルを利用する上で制約を受ける三つが挙げられています。簡単にお答えいただけませんか。

羽生次郎運輸省運輸政策局長

○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。  今先生御指摘の公共交通ターミナルのやさしさ指標、昨年暮れにつくられたわけでございます。その中にある、公共交通ターミナルの利用に当たっての制約、三つございます。  一つは、移動・アクセスに関する制約、二つ目は情報認知・伝達に関する制約、三つ目は施設利用に関する制約、この三つでございます。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 その三つの中で、知的障害者はどの制約を受けるとなっていますか。

羽生次郎運輸省運輸政策局長

○政府参考人(羽生次郎君) この報告書、公共交通ターミナルのやさしさ指標の中では、知的障害者の方々におかれては情報認知・伝達の面で制約があるとされております。ただ、知的障害者の方は非常に幅広うございまして、一概にくくってそう言ってしまってよいのかどうかという問題はございますが、やはり報告書にあるように、基本的には情報認知・伝達の点に制約があると私どもも考えております。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 今お答えがあったように、幅広いということもありますけれども、知的障害者の方は情報認知そして伝達、すなわち移動経路や施設設備の認知に関することが困難だと。案内情報やサインを認知することが困難、意思を伝達し、コミュニケーションをとることが困難、こういうことに制約があると、ちゃんと明確に書かれているわけですね。つまり、移動制約の中には、単に施設整備の制約だけでなくて情報認知、いわゆる伝達も大きな比重を占めています。その制約を受けるのが知的障害者であります。  だから、ここでは私は大変重要なことが書かれていると思うんです。知的障害者を移動の制約を受ける特に重要な対象としてここに位置づけられていることですね。この点について、私は大臣も同じ考えだと思うんですが、いかがですか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 知的障害者の問題につきましては、本会議等でもしばしばお答えをしてまいりましたが、私は、この現状、今さまざまな御意見をちょうだいいたしておりますが、もう少しそれが固まった段階におきまして、今提出している法案をいわゆる改める必要があれば法案を改める、同時にまた、実際、運用面においてどのようなことができるか等について具体化していく対策を今後検討してまいりたいと思っております。  知的障害者の問題をこの法案で書いていないからそれを除外しているというふうなことではなくて、それらに対する対応を十分今後調査し、そして対策が固まった段階でまた国会に御審議を願うなり、あるいは運用面で対応できるようにするなり、積極的に知的障害者の問題に対して対応してまいりたいと考えております。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 私は今、法的に対象になるかどうかをお聞きしているんじゃなくて、大臣として、知的障害者も移動の制約を受ける重要な対象者かどうかということを一言確認をさせてください。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) すべての障害を持っている皆さん、それだけではなくて健常者の皆さんも含めて交通が円滑に移動できるようにしていくということが理想でありまして、知的障害者もその範疇に入ることは極めて当然のことだと思っております。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 そのとおりです。知的障害者も移動制約の特に重要な対象者であることは明確です。  そこで、その知的障害者の制約、バリアを取り除くために具体的対応として三点挙げ、この評価の中にバリアフリーの評価指標としています。  一つは適切な案内情報、二つにはわかりやすさ、三つには見つけやすさと位置づけされていますね。この三点を指標としていますが、知的障害者に対しては、一の適切な案内情報と三の見つけやすさと位置の適切さについては、これは制約のあるすべての利用者に共通事項となっていますね、つまり他の制約者と同じように対応するということになっているんです。除外されていないんですね。  また、もう一つのわかりやすさについてはこう指摘しています。移動経路の方向指示、施設位置の明示、料金表示、緊急案内などの情報を提供する場合には、図の記号ですね、ピクトグラムとか矢印などなんですけれども、行うことが指標となっているわけです。つまり、こうした対応をすべきという方向がもう示されているわけなんです。だから、わざわざ法律の対象から除外する必要はないと思います。あわせて私は大臣にお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) つまり、図の記号であるとかいわゆるピクトグラムは、その表現内容を一見して理解できる情報伝達手段でありまして、知的障害者にとっても有効な場合があるというふうに伺っております。このため、やさしさ指標では、制約への対応策をその成熟度合いや効果の大小等にかかわらずできるだけ幅広く取り入れる観点から、ピクトグラムについても指標として織り込んでいるところであります。  したがいまして、先日の参考人質疑でも、学識経験者の皆さんから、知的障害者に関し技術的な研究が不十分である旨の御発言があったように、知的障害者が円滑に移動するためにはどの施設整備が最も効果的か、あるいは施設整備以外の手段によるべきであるかなど、まだまだ明らかになっていない点がございます。その点を考えまして、ピクトグラムについてもどの程度の効果があるのか、図柄によっては有効な情報伝達手段として効果がどの程度期待できるか、今後さらに研究、検証する必要があると考えております。  このため、現時点においては交通事業者にその整備を義務づけることはまだ適当ではないというふうに考えておりますが、これらにつきましては、委員の御指摘や、それぞれの皆さんから大変熱心に、この法案の審議の過程におきまして知的障害者の皆さんにどう対応するかというさまざまな御意見を伺ってまいりました。私はこれらの問題につきまして、今後少し時間をちょうだいして検討していきたいと思っております。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 先ほども申し上げました運輸省もかかわっている公共交通ターミナルのやさしさ指標では、明確にこの問題も方向づけされているわけですから、指標となっているわけですから、やはり現段階でも有効と言われているところから私は対応をしていくのが当然だと思います。そのことを指摘をいたしまして、大臣にもう一点お聞きしたいと思います。  運輸省のとってきた施策から見ましても、私はちょっとその辺は疑問があるんです。それは、運輸省は交通バリアフリー化を進めるに当たって、八三年の三月には公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドラインの策定をしていますね。このときも、今と同じ身体障害者と対象がなっていました。ところが、この見直しを行って、九四年三月には公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドラインとしたんですね。なっているわけです。つまり、身体障害者から障害者に見直しをされているんです。こうしたことからも私は疑問を今の法案に持たざるを得ないんです。  そこで大臣、一定の段階で積極的に推進されると今述べられましたけれども、ぜひ検討をしていただきたいんです。この法律は五年後に見直すことになっていますね。ぜひ知的障害者等も含めた体系にするため検討をしていただきたい。もう一点は、五年を待たずにできることはすぐに積極的に対応していただきたいと思いますが、この二点についてお伺いします。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 委員御指摘のとおり、先般、この法案の施行後五年を経過した段階で見直しをするというふうに改めさせていただいたところでありますが、今委員御指摘の後段にお述べになりましたとおり、私は五年という年限を待たずとも、この問題につきましてある一定の結論が得られれば直ちにまた御審議をお願いする、あるいは法律で定めなくとも対応できる場合は、それはそれなりの方法で進めていくということになろうかと思います。いずれにしましても、まさに前向きに取り組んでいきたい、このように思っております。

大沢辰美日本共産党

○大沢辰美君 ぜひその今の決意を実行していただきたいと思います。  次に、先ほども質問があったんですが、利用者、障害者、高齢者等の参加について、利用者の企画、計画の参加についてのお尋ねをしたいと思います。  この法案をより実効的に実現するためには、バリアフリー化問題に一番苦労している障害者や高齢者の意見をどのように反映させるかというのが大事だと思うんです。  一昨日も、障害者団体、老人クラブの代表の方々が、ぜひバリアフリー化対策に直接参画させてほしいと、強い強い要望が出されていました。特に共通していたのは、全国段階の計画だけでなく、地域での参画がとても重要であるということ。これから参画する場合に大事なのは、その団体にはこの問題で一番精通している人が必ずいるんだと、だから、例えば運輸省など、地方自治体でもそうですが、一方的に指名するんじゃなくて、いわば現場に対応している障害者の方をぜひ参画させてほしいという大事な意見をお伺いしました。  私は、今の答弁をお聞きしまして、パブリックコメントが決定しているからそれでやれるんだ、広く意見を聞いてやりますということで答弁されていますので、そのことについては意見が一致するんですけれども、私はどうしてももう一段階強化できないかということをお聞きしたいんです。例えば、整備検討委員会とか協議会にそういう障害者、高齢者などが参加して設計段階から反映できるシステム、そういうのをつくってほしいと思うんです。  なぜこうしたことを言うのかと申しますと、一つは、欧米ではかなりそういうシステムが確立されているからうまくいっているということを聞きました。例えば、イギリスでは障害者交通諮問委員会があって、二十一名のメンバーのうち何と半数以上が障害者で構成されているんです。この委員会では、公共交通について障害者のニーズに関するあらゆる問題を大臣に助言することになっているんです。フランスでも障害者交通共同委員会があって、三十九名の構成で障害者は八名、障害者交通問題有識者が四名、交通労働者が五名となっています。  国内でも、私の地元の阪急伊丹駅がこうしたシステムで大きな成果を上げているんです。阪急伊丹駅アメニティターミナル整備検討委員会というのがつくられまして、メンバーには身体障害者の団体の皆さん、老人クラブの皆さん、車いす部会の皆さんも参加をして、文字どおり最初の計画の段階から、設計の段階から参画して、二十回に及ぶ議論を繰り返したそうです。だから、知的障害者の要求も、障害者、高齢者の意見もすべて取り入れられて皆の力でつくり上げられた。  つまり、整備検討委員会というシステムを確立して関係者の意見を具体的に反映させた結果、とてもいい教訓を今得ているという報告も、私も現場を見せていただきました。大臣、こうした障害者や高齢者などの参加したシステムを私は検討していただきたいと思うんです。  ですから、今答弁されていましたけれども、地方自治体に任せるんだとか自主性を尊重するんだとか、協議体制のあり方を今検討しているということもおっしゃいましたので、ぜひ、このシステムの問題も、本当にこういうことをやることによってすばらしい結果が出ているという例を挙げさせていただいて、大臣の御検討の考え方をお聞きしたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 実は、私は、この法案の提出以前、いわゆる法案ができ上がった段階におきまして、私はしばらく考えましたが、思い切って八代英太郵政大臣に、こういう考えで対応したいと思うがこれでよろしいかと、詳細にわたって御検討願いたいということを御相談申し上げ、八代英太大臣はそのことを大変喜んでくださいました。  特に、アメリカなどでは、この問題の担当者は車いすの生活をみずからなさっておる方にゆだねております。そうしたことから、まさに相手の立場に立って物を考えるということはよく言われますが、これこそ相手の立場に立って物を考えていかなくてはならないことであるということを私は常々感じております。  先般、これまた八代英太郵政大臣の御案内で赤羽駅を視察してまいりました。両側から開閉されるようなシステムになっておるエレベーターをごらんになって、これはいい、これはすばらしいということを連発されました。私は、何がすばらしいかということはとっさにわからなかったのですが、それは車いすを回転させなくともおりることができるということがすばらしいということをおっしゃいまして、なるほどなということを私は改めて感じました。  そして、この駅及びその周辺のバスのノンステップバス等を含めて、この周辺のいわゆるバリアフリーは何点ぐらいだろうか、こういうことを言われました。私は、自分は多少当事者の側でございますから、少し遠慮して八十点ぐらいだろうかということを申し上げたら、いやいや、私から申し上げればもう百点つけていいくらいよくできておるというふうにおっしゃっていただきました。  こうして、どこでもここでもみんな郵政大臣に行ってもらうわけにはまいりませんが、それぞれの地域にやはり車いすの生活者であるとか身体御不自由な方々が多くいらっしゃるわけでありますから、そうした皆さんの御意見を聞くという姿勢は極めて大事なことだということ。  したがいまして、本法案を適用する際にもそれらの方々の意見を十分聞く運輸省の方針であるということを申し上げて、今後この考えに即して、法律の施行に際して関係者とこれから何回となく説明会等が行われるわけでありますから、我々の精神を十分地方自治体にも伝わるようにしてまいりたい。また、関係四省庁にもこのことが十分徹底するようにしてまいりたいし、あわせて、先ほど来御議論がありました関係閣僚会議におきましてもそのような主張をしてまいりたいと考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 社民党の渕上であります。  交通バリアフリーにつきましては、我が党は古くはシャドーキャビネットにおけるモビリティーハンディキャップの解消に向けた取り組み、伊藤元運輸大臣の交通アメニティーの充実の取り組みなど、党を挙げてこれらの問題に積極的に取り組んできたところであります。  そういう意味においては、本法案につきましては、今も大臣申されましたように、私自身やっとここまで来たのかな、こういう思いがするのでありまして、まず初めに、交通バリアフリー法案に対する大臣の決意と、移動円滑化の意義と目標についてお聞かせいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 社会民主党におきましても、この問題につきまして大変な御努力をいただいておりますことを心から感謝申し上げる次第であります。  我が国におきましては、いよいよ本格的な高齢社会が到来するわけでありますが、障害者が障害を持たない者と同等に生活し活動する社会を目指す、いわゆるノーマライゼーションの理念が国民の間に浸透しつつあります。一方で、従来の社会資本の整備は量的な面を中心に進められてまいりましたが、これと同様に質的な面につきましても重視をしていくべき段階に来ておるというふうに認識をいたしております。  このため、交通バリアフリー化はまさに緊急の課題であります。私としましては、この認識のもとに、交通のバリアフリー化に本格的に取り組むべく本法案を提出した次第でございます。この法案に基づく施策の実施により、高齢者や身体障害者の方々が移動する際の身体の負担が幾らかでも軽減され、その利便性、安全性が向上することになるように期待をいたしております。  これらのいわゆる身体障害者の方々あるいは高齢者の方々も自立した日常生活、社会生活を営むことができるという環境を整備するということが極めて大きな意義を有するものであると考えております。  先般も、車いすに乗っておられる団体の方々が四、五十人一組になって観光旅行にお出かけになったということをある駅の駅長さんが話してくれました。それは行き先の温泉の旅館がバリアフリーになっているからなんですよ、こういうこともおっしゃっておられました。まことにそうした時代が早くいずれの地域にも到来することを期待しておるものであります。  この目標につきましては、二〇一〇年までに一日当たり乗降客五千人以上であるターミナルのバリアフリー化を実現する。これにとどまらず、地域の実情また御熱意に応じて、ターミナル周辺に高齢者や身体障害者の利用する施設がたくさんある場合など、いわゆる必要性に応じて、また地元の御熱意に応じてそれぞれのターミナルにおきましてもバリアフリー化を進めていきたいというふうに考えております。つまり、五千人以上というそういう基準にとらわれずに対応していきたいというふうに考えておる次第であります。ただし、五千人以上のことが達成されれば、利用者の数から考えまして日本じゅう大体九二%程度カバーできるものだというふうに考えております。  また、バスの車両につきましては、新規導入の際にバリアフリー化を義務づけることにより、おおむね十年ないし十五年で低床化されたバスにかわっていくことになると思っております。  アメリカの一九九〇年の障害を持つアメリカ人法、いわゆるADA法が成立しておりますが、その意味におきましては我が国は十年おくれたことになっておりますが、欧米に追いつき追い越すことができるように全力で取り組んでまいりたいと考えておる次第であります。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 ただいまの大臣の決意を聞きまして、どうかひとつその決意が実現できますように御期待を申し上げておきます。  次に、先日、参考人からの意見聴取を行いました。各参考人が共通して言われていましたことは、現場職員の対応と接遇の重要性でありました。また、さきの代表質問において、我が党の清水澄子議員の質問に対して大臣は、駅構内における人的サポートの強化等に努めたいと答弁をされておりますが、一体人的サポートとはどのようなものを想像されておられるのか、お伺いをいたします。

安富正文運輸省鉄道局長

○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、バリアフリー化の推進に当たりましては、単にハード面の整備のみならず、現場の第一線で働く駅の職員が高齢者あるいは身体障害者等のニーズを理解して温かいサポートをするということが極めて重要であると考えております。特に、駅の設備に不案内な高齢者の利便向上、あるいは視覚障害者等の安全確保の観点からも案内サービスの充実等の人的なサポートに対する要請が非常に強いと認識しております。  その意味で、この法案でも、鉄道事業者に対して公共交通機関を利用して移動するために必要となる情報の提供、あるいは職員に対する必要な教育訓練の実施ということに努めるように規定しておるところでございますし、去る三月三十日の緊急の鉄道・軌道主任技術者会議でも鉄道事業者に改めてその旨を強く要請したところでございます。  鉄道事業者も、従来から、案内要員等を主要な駅には配置するなどいろんなきめの細かい案内サービスの向上あるいは介助業務に取り組んでいるところでございますが、ただそうはいいましても、駅職員のみによる対応では一定の限界があるというふうに考えております。  そういう意味で、運輸省としましても、鉄道事業者による自主的な取り組み、教育訓練等のこういうことを支援すると同時に、周りにいるお客さん、旅客の協力を仰いでいかなきゃいけない。そういう意味で、広報活動を通じて広く国民の理解と協力を得るように努めていきたいというふうに考えております。  また一方、交通エコロジー・モビリティ財団等で一つの試みとして交通ボランティア体験講座といったような取り組みをやっておりまして、そういう旅客の方々のボランティアとしての活動、こういうものも引き続き積極的に支援して、駅職員も含めた人的サポートの強化に努めていきたいというふうに考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 これから先の教育は、やはり接遇の問題だけではなしに、具体的に障害者がどういうことでサービスを期待しているかということなどを考えますと、より介護的サービスというのが非常に重要になってまいりますので、その辺も教育する場合にひとつよろしく御指導願うようお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、同じ参考人の意見において、情報の提供ということが挙げられました。障害者の方々が利用する交通機関の情報をあらかじめ知るということは、より移動に対して安心されるし、安心して移動ができると言われておりました。  交通事業者による情報の提供も大切なことであろうと思いますけれども、移動という行為をとらえた場合に、やはり点的な情報というよりも面的な情報というものが大変重要ではないか。同時にあわせて、接続に対する情報の提供というのが利用者にとって最も利用しやすいと思います。  既に民間においてはインターネットや雑誌類において一部そういう情報も提供が行われておりますけれども、国としてこのような情報提供をする用意はあるかどうか、お伺いをいたします。

羽生次郎運輸省運輸政策局長

○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。  先生がただいま御指摘なさったように、高齢者、身体障害者等の方が安心して外出して、公共交通機関を利用できるようにするためには、まず、どの施設がバリアフリー化されているか、そしてどのような経路を選択すれば支障なく利用できるのか、そして先生のおっしゃった接続の問題等に関する情報がなければいけないということはおっしゃるとおりでございます。そして、それらの方々があらかじめそういう情報を知ることができるようにするということが一つの大きなバリアフリー化の課題であると考えております。  このため、本法案では、先生御指摘のように国がやるというのも一つの考え方でございますが、やはりこれは民間の力をかりるというところもございまして、交通事業者によるバリアフリー化の状況だけでは各事業者の単一で終わってしまいますので、今申し上げた経路であるとか接続情報を含めて、先生のおっしゃる面的、線的な情報を事業者から集めて加工、整理する、そういったことをやる法人として運輸大臣が指定する法人、指定法人にこれをやっていただくということを考えております。  先生のおっしゃったような、一つは、現在インターネット等を利用しているのもございますし、また点字マップ等を出している団体もございます。いずれにいたしましても、かなり財政的にしっかりした基盤で、かつ、こういった情報は営利ではなくて無料ないし実費で出すことが重要でございますので、そしてまた、身障者、高齢者等についてそれなりの知見を有した団体でなければいけませんので、そういった団体に対して運輸大臣が指定を行って、今申し上げたような情報をつつがなく提供できる、そういうシステムをこの法案では考えているところでございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 大臣は、参議院の代表質問においてスペシャル・トランスポート・サービスについて問われまして、「このような輸送サービスの重要性は今後ますます高まるものと考えております」と答弁を実はされております。  本法案はスペシャル・トランスポート・サービスについては一切触れられておりません。今後ますます重要性が増すというスペシャル・トランスポート・サービスについて、どのようなものか、お教えいただきたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○政府参考人(縄野克彦君) お尋ねのスペシャル・トランスポート・サービス、STSと申しますのは、高齢者、身体障害者の方などを個別にあるいは個別に近い形で輸送するサービスというものと考えております。  具体的には、例えば民間運送事業者によります福祉タクシー、あるいは地方公共団体が主体となって福祉行政の一環として提供する輸送サービスまで幅広いサービスを含むものというふうに考えております。  地方公共団体におきましては、低床式の小型バスを使用したコミュニティーバスをみずからあるいは民間事業者に委託して運行しましたり、リフトつきタクシー車両の導入に際して補助を行うなどの取り組みが行われております。  運輸省としましても、民間運送事業者による福祉タクシー等のサービスにつきまして、その充実を支援してまいりましたり、あるいは地方公共団体とさらに協力連携を深めるということで、このようなサービスの提供がさらに進められますように努力してまいりたいというふうに考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 交通ボランティアについてお尋ねをしたいと思います。  大臣は、同じく代表質問の答弁におきまして、交通ボランティア制度の導入について真剣に考えたいと答弁をされております。これは、移動制約者のサポート、すなわち駅施設やターミナル施設における介助的行為を考えておられるのか、具体的にはどのようなものをお考えになっているのかお尋ねをして、質問を終わります。

羽生次郎運輸省運輸政策局長

○政府参考人(羽生次郎君) 先生御指摘のように、バリアフリー化の推進に当たっては、ハード的な整備のみならず、人々が高齢者、身障者等のニーズを理解してサポートする、一つは乗客の方々の手を差し伸べるというようなサポート、それに加えまして、先生が御指摘になったように、さらにエキスパートと申しますか、介護的な知識を持っている、そういった方々がボランティアとして活動していくのは大変有意義であるし、まさにそれは必要とされていることだと考えております。特に、交通事業者の要員というのもなかなか限りがございますから、こういったボランティアの方々が存在し、そして信頼されるということは非常に重要であると考えております。  したがいまして、本法案では、国民に高齢者、身障者等の円滑な移動への協力を求めておりますが、この中でボランティア活動が国民の間に定着していくよう、私ども努力したいと考えております。  現在、既にその努力の萌芽がございまして、先ほど鉄道局長が申し上げましたように、交通エコロジー・モビリティ財団で交通ボランティア育成講座を開催しておりまして、この中で人的なサポートができるように必要な研修等をやっております。  具体的に申し上げますと、交通ボランティアの発掘と育成を目指しまして、平成八年から年二回、開催場所は首都圏、関西圏が中心でございましたが、十一年度からは、さらに高齢者の高い比率にある仙台、下関を含めて実施しております。参加者は、社会人、大学生、ボランティア団体等から一般募集いたしまして、大体五十名くらいの参加の方がございます。講座の内容としては、車いす、盲導犬についての講義であるとか、車いすの試乗、介助体験、障害者等との意見交換、こういったことを幅広く行って、ボランティアの方々の育成に努めてまいりたいと考えております。

岩本荘太参議院クラブ

○岩本荘太君 参議院クラブの岩本荘太でございます。  先日の代表質問あるいは参考人質疑、きょうの質疑をお聞きしまして、私も大分勉強させていただきました。こういう法律が発想されたこと、あるいはこういう法律の成立に努力されていることを評価するものでございますが、やはりこの法律、これをどう実効あらしめるか、実効を確かなものにするかということは、それを受け入れる社会の問題ではないのかなというような気もいたします。そういう意味で、先ほど大沢委員も実効性についていろいろ御質問されましたが、私は、角度はちょっと違いますが、そういう角度から質問をさせていただきたいと思っているわけでございます。  こういう新しい対応といいますか、今までになかった価値観といいますか考え方というものは、やはり受け入れる社会そのものの中に実際に根づいていなきゃいけない。単に表面的なもので、あるべし、そうだというようなことであってはなかなかいけないんじゃないのかなと思うわけでございます。  そういう意味で、私は今回のこの実効性の面で、いわゆるお互いを思いやる心といいますか気持ちといいますか、そういうものをどう確かなものにするか、社会に根づいたものにするかということと、先ほど大臣も言っておられたバリアフリーのこういう問題というのは地域が中心になると、それと同じことだと思いますが、地域性の尊重ということが大きな二つの柱でないかなということを私は思っているわけでございます。  その思いやりといいますか、これは新しい考え方ということでなくて、人間が本来持っている、だれでも相手を思いやって、助け合いたいという気持ちはこれはだれにもあるわけで、今までもそういう意味で、バリアフリーとまではいかなくても、それに相当するようないろんなことをやってきただろうと思います。  それと同時に、やはり人間、これは私が申すまでもないわけですけれども、競争社会の中で生きていく、あるいはその中できばをむき出して相手をけ落とさなければ生きていけないというときといいますか時代もあったと思うわけでございます。それはそれでやっぱりやむを得ない。例えば日本のあの戦後の復興時代もあるいはそうだったと思うんです。そのときに、バリアフリー対策がいいからやろうと思っても、これはなかなかやれない。その前にやるべきこと、やらなければいけないことがあったというような時代でもありましょう。  私は海外援助なんかで発展途上国をいろいろと見させてもらっているんですけれども、そういうところでは、やはりそういうバリアフリーはやりたくても、まず貧困からの脱出だということで、なかなかそういうことができない。これは発展途上国全体について言うと失礼かもしれませんけれども、そんなふうな見方もできるわけでございまして、今、我々日本人、日本がこういうことに取り組めるということを、こういう経済発展のもとに取り組めるということを、ある面では大変幸せなことであるという喜びを持たなきゃいけないんじゃないのかなという気がするわけでございます。  ただ、とはいえ、金ができたから何でも金で片づけようということであれば、これは私が最初言いました思いやりの心と大きく離れるというような気がしてならないわけでございます。  その思いやりの心をどう植えつけるかということで、私の経験でございますけれども、二年ほど前、ドイツの地方都市で、駅前の広場の横断歩道に目の不自由な方が立たれましたら、さっとどこからか御婦人があらわれてきて、手を引かれて渡られた。それで、渡られたら、どこへ行くともなく消えられた。そういうような、これは何でもないような光景でございましたけれども、私はそれを見て、大変こういう思いやりの心というのが根づいているところだなと。  こういう気持ちが、やはりこういうバリアフリーの法律だけでない面での、バリアフリー社会を確立するために必要ではないのかなというような思いをいたしたところでございまして、そういう気持ちを持っているということで質問させていただくわけです。  まず、思いやりについてなんですが、これはやはり日本人といいますか人間全体が持たなきゃいけないことではあると思いますけれども、それはある意味では教育の場で教え込むということも大事ではないか。  今回のこの法律は四省庁ということですけれども、やはりバリアフリーというのは我々も含めて人間が生活するすべてにかかわるものですから、これはまさに全省が関係しなきゃいけないということで、きょうは文部省と経済企画庁からも来ていただいておりますので、まず、このバリアフリーというものが、こういう物の考え方が必要なんだと、お互いに思いやることが大事なんだということをいわゆる教育の場でどんなふうに具体的に教えておられるのか。それと同時に、できれば、子供だけではだめですので、大人の人にも、例えば大人の人は生涯学習というような場がございますので、そういうところとの関連でどんなふうにお考えになっておられるのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。

御手洗康文部省初等中等教育局長

○政府参考人(御手洗康君) お答え申し上げます。  学校教育におきまして、思いやりの心を持って相手の立場に立って親切にするという考え方、これは道徳の基本的な考え方でございます。社会のバリアフリー化が進み、高齢者や障害者の活動の範囲が拡大しているという中で、こういった道徳的な考え方のみならず、具体的に特別活動等でボランティア活動などの社会奉仕の体験的な活動をしていく、さらには、社会科や家庭科という教科を通じまして、福祉やあるいは町づくり、そういったことについての理解を深めていくという学習を、小学校、中学校、高等学校それぞれの発達段階に応じて、各教科や道徳、特別活動、さまざまな活動の中で行っていくということにしているところでございます。  特に、新しい学習指導要領におきましては、福祉についての理解を深めるとともに、実際に高齢者あるいは小さな子供たちあるいは障害者などの方々と交流して触れ合う活動、あるいはボランティア活動、そういった活動を具体的に体験することができるようにということで、総合的な学習の時間というのを、小学校は三時間、中学校は二時間、高等学校でも卒業までに最低三単位ぐらい設けることといたしておりまして、こういった活動を通じまして、社会の中に実際に出ていって具体的な体験を通して、今御指摘のように身をもって思いやりの心、あるいはそれに基づく具体的な実践的な態度や行動ということが身につくように配慮してまいりたいと考えているところでございます。  また、教員につきましても、小中学校の教員になるためにはすべて卒業までに介護等の体験を必ず七日以上するというような法律もできてございまして、教員につきましてもさまざまな面でこういった意識についての研修活動に努めてまいりたいと考えております。

岩本荘太参議院クラブ

○岩本荘太君 ありがとうございました。  時々、子供たちが弱者をいじめるニュースなんというのを聞くことがあります。それは一部の例外でしょうけれども、今の社会はやっぱり経済だけでない方向に向かっていると思いますので、その辺を今後ともよろしくお願いいたしたい。  それともう一点ですけれども、こういうバリアフリーの社会というのは、今までの経済社会、経済成長をずっと求めてきた社会とはちょっと異質であると私は思っているわけですけれども、そういう意味で、あるいはこれは例えば景気を判断する指標なんかも本当は今までと同じじゃなくて変えてみたらいいんじゃないかなというような思いもあるわけですが、その面で、今のバリアフリー社会に向かうこの状況を今までの経済社会の構造の中でどのようにとらえられているのか、経済企画庁の方にお願いいたします。

牛嶋俊一郎経済企画庁総合計画局長

○政府参考人(牛嶋俊一郎君) お答え申し上げます。  政府におきましては、御承知のように昨年七月、経済審議会からの答申を受けまして、経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針というものを平成十一年からおおよそ十年間程度の経済運営の方針として閣議決定したところでございます。  私ども経済企画庁といたしましては、これに沿いまして、これからの多様な知恵の時代におきましては、持続的な経済の成長を実現していくという観点からも、自由な競争によって磨かれた個性、創造性によりまして新しい技術、産業、文化が育っていくことが必要であるというふうに考えております。  こうした社会の前提といたしましては、まずすべての人に公正な機会が与えられるということが重要である、それで初めて自由に経済活動が行えるような経済社会が築かれていくということでございます。特に、少子高齢化の社会におきましては、高齢者や障害者など社会的弱者が安心して快適かつ積極的に経済社会活動に参加できるように、住宅のバリアフリー化、あるいは駅等の公共交通施設、あるいは歩行空間、公共空間のバリアフリー化、情報機器等のユニバーサルデザイン化といったものを進めていくことが重要であるというふうに考えております。

岩本荘太参議院クラブ

○岩本荘太君 それと、やはりこういう気持ちを根づかせることが大事であるわけですけれども、それを根づかせるために、我々サイドといいますか、何かなすべきことがあるのではないのかなと私自身も常々感じるんですが、じゃそれはどうかということになるとなかなか難しい。  一つ考えますのは、やはり健常者であってもこういう気持ちを持ってどんどんいろいろやられる方に対して何らかの格好で評価をする必要があるんじゃないのかなと、どういう評価がいいかというのは、これはなかなかわからないわけですけれども。実際やっておられる方は、お金も名誉も要るなんということじゃなくてやっておられるんでしょうけれども、できるだけ幅広くそういう気持ちの人たちをつくり上げるには、やはりそういう社会的な評価というのが必要ではないのかなと思うわけでございます。  こういう質問は本来総理大臣にすべきなのかもしれませんが、大臣、閣僚でもございますし、総理大臣になったお気持ちでも構いませんので、その辺、何も交通ボランティアとかそういうことに限らず、こういうものに対する一つの社会風潮に対しての大臣の御感想でもお聞かせ願えたらと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 先ほどから、岩本委員の御質問を総理大臣が語っておられるような気持ちでお聞きいたしておりましたので、大変このバリアフリー化の問題に対しての、本当の意味での最も大事なところを御指摘いただいておるというふうに先ほどから承っておりました。  特に、この問題につきましては、受け入れる社会、そしてお互いの思いやりの心、それを根づかせることが何よりも大切だという御主張がございましたが、私も全く同感でございます。したがいまして、予算を投入して四省庁が連携をして対応する、あるいは関係閣僚会議を設置した、いずれも大事なことには違いがありません。しかし、私は何よりも大事なことは、すべての国民の皆さんの心にバリアフリーを植えつけていくことが一番大事なことではないかと思います。多くの国民の皆さんの御協力をいただきながら対応してまいりたい。  そうした観点から、ただいまの岩本委員の御指摘はまことに当を得ておるわけでございまして、私はこうした問題に対して積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  ホームの問題につきましても、先ほど渕上委員からも御指摘がございましたが、やはりこれを今の鉄道事業者に多くのそうした関係の駅員をふやして対応することを運輸省が命令するということは極めて今の経済情勢からいいまして困難なことでございます。したがいまして、そうしたところにボランティアの皆さんが御参加いただけるような方法はないだろうか。それを全くボランティアの皆さんが自主的におやりいただくということだけではなくて、やはり社会的にみんながそのことに対して、崇高なお働きをしていることに対して拍手を送る、社会全体が感謝をする、そういう気持ちがあらわれてこなくてはならないのではないか。  交通安全の問題につきまして、全国に定着しておる緑のおばさん、朝夕登校下校の際に、他人の子供であれどこの子供であれ、熱心に交通安全を祈って対応してくださる、あの旗を振ってくださっている方々に、思わず前を通って頭を下げたくなるような気持ちになるわけでありますが、我々は今後この交通バリアフリーを推進していくために、多くのボランティアの皆さんに御参加いただくために何らかの方法を政府として考えていかなくてはならないというふうに思っております。いわゆる心のバリアフリーを推進していくために何をなさなくてはならないかということを考えていきたいと思っております。  なお、私は先般、アメリカのこの問題の専門の皆さんで、いろいろと本法案の策定に向けても助言をいただき積極的な御協力をいただいたお二方に対して、ささやかでございますが、みずからの感謝の気持ちを込めて感謝状を贈った次第でございます。そのことを大変喜んでくださって、最初は失礼かなという気持ちもあったわけです、人に評価をされるとか人から何かをというふうなことを求めておやりになっている方々ではないだけに、私はそのことに大変慎重であったわけでございますが、十分こちらの気持ちを御理解いただき受けとめていただいたことを私は内心喜んでおるわけでございます。  そうしたことをこれから積極的に対応していけという委員の御主張でございますが、これらに対して、またこの法案の成立の上に、できるだけ早い時期にそうしたことに対応できるようにしてまいりたいと思っております。

岩本荘太参議院クラブ

○岩本荘太君 ありがとうございました。大臣のお気持ち、大変よく理解させていただきました。  この法律そのものも、さっき大臣が言われたようにまさにスタートでございますから、こういう気持ちそのものをこれからどんどん広げていかなきゃいけないと思っております。どうしたらいいのか、試行錯誤しながらやらなきゃいけないものではあると思いますけれども、私自身もそういう面では努力いたしていきたいなと、こんな思いでございます。  次に、地域性の尊重ですが、これも私、いい例かどうかわかりませんが、これはドイツで経験したんですけれども、地方都市の駅で階段の横にコンベアがついていたんですね。これは恐らく荷物を上げるためのものだと思うんですが、それは一本だけついているわけです。だから、これは当然常識的には上がるだけのものかなと思っていましたら、私もそれは上がるときに使ったんですけれども、しばらくたって行きましたら、下がるときにも使っているんですね。だから、建設費からいえばそれは両方つくるよりも半額になる。  また、それは地方都市だからこういうことができるんじゃないのかなというような気もするわけです。都会の大都市であればお客が行ったり来たりするわけですけれども、地方都市はそれほどの列車の回数もないからというようなこともあるんだと思います。また、それを使う上でも、やはり上の人と下の人がかち合ったらどっちが先にするか、ここにも一つの思いやりというものが醸成されているからそういうものをつくれるんだと思うんです。  そういう意味で、地域によって随分やり方が違う、地域の知恵がいろいろ生かせる。実際外国では生かしているわけですけれども、そういうものがあるんじゃないのかなと思うんです、日本でもあると思いますけれども。  そういうものを、できるだけ地域性を、地域の自主性を喚起するようなお力添えを運輸省の方でやっていただきたいということと、それから、そういう情報はできるだけ広く伝達するといいますか、そういうことが必要だと思うんですけれども、その辺について御答弁をお願いいたします。

羽生次郎運輸省運輸政策局長

○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。  先生のおっしゃるとおり、交通のバリアフリー化は地域の実情に応じて進めることが重要であると認識しておりますし、また、先般の参考人の方々の御意見でもそのような御意見が多かったと拝聴しておりました。  したがいまして、この法案では、地域の実情に最も詳しい市町村が主体的にバリアフリー化を進める仕組みを盛り込んでございます。具体的には、市町村が関係交通事業者等の関係者と調整の上基本構想を定めることができるとしております。そして、その成案が得られた場合は、これに即して関係者はバリアフリー事業を実施しなければならないこととなっております。  こういったことにより、地域の自主性と独自性が生かされた地域のバリアフリー化が実現するものと考えておりますし、もちろん地域からの要請があれば、運輸省といたしましてもこれに対し協力し、必要な助言等を行うことは当然のことと考えております。  また、先生の御指摘の成功した情報を交換すること、これも大変重要であると考えております。  当委員会でも、たくさんの先生方が阪急の伊丹駅の例を出しておられます。まさにそういった例というものを地域に御紹介することにより、それから学んで進めるということも重要であると考えておりまして、国が仲介するというのもいかがかと思いますので、先ほど申しました法人等がその業務の一環として地域の成功例等を研究して、これを地域に広めるといったようなこともぜひとも考えていきたいと、かように考えております。

岩本荘太参議院クラブ

○岩本荘太君 最後に、一点だけ地域性ということでお聞きしたいんですが、地方自治体がバリアフリー条例というのをつくっているところは非常に多いと思うんです。先ほど来の議論でも、地域が中心だと、地方が中心だというお話がありましたから当然だと思うんですけれども、地方自治体でバリアフリー条例をつくっているその実態と今回のこの法律との関係といいますか整合性といいますか、その辺について、自治省来ていただいておりますので、最後にお答え願いたいと思います。

香山充弘自治大臣官房長

○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。  先ほど御指摘ありましたように、最近条例を制定いたしましてバリアフリー化に積極的に取り組んでおる地方団体が多く見られるようになりましたけれども、その数は四十二都道府県二十七市区町村に上っております。また、条例制定までは至っておりませんけれども、要綱とか指針を策定して取り組んでおるという地方団体は二百を超えるというような状況でございます。  現在御審議いただいておりますバリアフリー法案の方は、地区におきます公共交通機関あるいは大きな旅客施設地区のバリアフリー化を中心テーマとするものであります。御紹介申し上げました条例の方はと申しますと、町づくりの全般的指針を定めたものでありますとか、あるいは公共建築物一般を対象としているもの、あるいは交通関係でも、この法案では触れておりません既存駅の整備等に触れているもの等もありまして、内容は極めてまちまちでありますけれども、一般的には条例の方がバリアフリー法案よりも広い範囲を対象としておるんだと考えられます。  いずれにいたしましても、法律、条例それぞれが相手の効力を否定するようなものではございませんし、またこの法案自体も地域の自主性といったものを尊重するという精神に立っておりますし、いずれにいたしましても目的を同じくするものでありますので、両者が相まちまして地域の実情に応じたバリアフリー化が積極的に進められるものというふうに考えておる次第でございます。

岩本荘太参議院クラブ

○岩本荘太君 運輸省にお聞きしようと思ったんですが時間が参りましたので、大変失礼ですがこれで終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 時間が押しておりますので、ごく簡単に最初申し上げまして、残りの質問は次回に回したいと思っております。  まず、このバリアフリー法案でございますが、昨年来私ども党の政務調査会においても勉強してまいりまして、今回提案をいただきましたが、なかなかよく考えていただいているという点で大変感謝をいたしております。  特に、四省庁共管として運輸、建設、警察、自治ということでやっていただいたことが、これまでのどうもお役所の縄張りというような面から見て大変これは結構なことだと思いますが、この間の参考人のときにも、高齢者団体や身障者団体の方々から、できれば厚生省が入ったらどうかという意見も出ておるわけでございます。いわゆる当事者の意見という、身障者団体のお話を聞いたり、それからそれにこたえるべく厚生省も協力するというようなことであれば、介護保険制度もスタートをしておるわけでございますので一層効果が上がるように思われますが、この点につきまして大臣の所見、これまでも先生方からいろいろお話出ておりますが、ひとつお伺いしたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(二階俊博君) 野沢委員はもとより国鉄、鉄道関係の権威であられますが、今度の法案に対しまして大変評価をいただきまして、心からまた感謝を申し上げたいと思います。  本法案に関して大変重要な点を御指摘いただきましたが、私はいずれも野沢委員の御指摘、賛成でございます。  まず、高齢者、障害者等の意見を聞くこと、これはもう極めて当然のことでありますが、今後、このことを基本構想あるいは公共交通特定事業計画等の策定主体である市町村及び交通事業者の方々が作成するに当たって高齢者、身体障害者の意見が十分反映されるように私どもとしても対応してまいりたいと考えておる次第であります。  また、福祉の時代に際して、厚生省に参加をしてもらってはどうかということでありますが、当然厚生省を含めた十六省庁のメンバーによりまして関係閣僚会議が設置されておりますことは御承知のとおりでありますが、私ども、またこのスタートにおきましてはとりあえず四省庁の体制でスタートいたしますが、他の省庁、特に厚生省と必要に応じて十分連携をとってまいりたいと思いますし、それによって法律を改正しなくてはならないという点に達しました場合には、その際国会にお諮りをさせていただく、そういうことでありますが、基本はそれぞれの省庁の御協力をお願いしたいというふうに考えております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 運輸省は、これまで交通のシームレス化あるいは今のバリアフリー、それから先ほど日笠委員からも指摘がありましたように、今後の展開としては一部高齢者に限らず全体の人々の便宜に尽くすという意味でユニバーサルデザインというような考え方が展開されるということが望ましいというふうに言われておるわけでございます。その意味で、この法案を一つの足がかりにいたしまして、一層住みやすい、暮らしやすい世の中をつくっていただく、これは御一緒に努力をしたいと思っておりますが、そういう点でぜひひとつ、まず第一にこの法案の実施方について万全を期していただきたい。  御要請だけ申し上げ、本日はこれで打ち切りまして次回に残りの質問をいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

齋藤勁民主党・新緑風会

○委員長(齋藤勁君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会

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