交通・情報通信委員会 第4号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/03/16
会議録
○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十五日、森本晃司君が委員を辞任され、その補欠として日笠勝之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(齋藤勁君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官官房審議官岡田薫君、総務庁行政監察局長東田親司君、運輸省鉄道局長安富正文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(齋藤勁君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のため、本日の参考人として帝都高速度交通営団総裁寺嶋潔君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(齋藤勁君) 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のうち、帝都高速度交通営団日比谷線脱線衝突事故に関する件を議題といたします。 まず、去る八日発生いたしました帝都高速度交通営団日比谷線脱線衝突事故により亡くなられた方々並びに御遺族の方々に対し、本委員会を代表し、謹んで哀悼の意を表します。 次に、寺嶋参考人から説明を聴取いたします。寺嶋参考人。
○参考人(寺嶋潔君) 営団地下鉄の寺嶋でございます。 去る三月八日、日比谷線中目黒駅構内の列車脱線衝突事故により、お客様五名の方が亡くなられ、三十八名の方々が負傷されました。 お亡くなりになられました方々には、甚だ申しわけなく、心から御冥福をお祈り申し上げます。また、それぞれの御遺族の皆様には私が直接お目にかかっておわびとお悔やみを申し上げましたが、その無念さと悲しみははかり知れないものがあり、お慰めする言葉もございませんでした。この場をおかりしまして、改めて心よりお悔やみとおわびを申し上げます。 負傷され現在入院中の方々におかれましては、一日も早い回復をお祈り申し上げます。 さらに、御利用いただいております多数のお客様を初め、国民の皆様に御迷惑や御心配をおかけいたしましたことを深くおわび申し上げます。 営団は、安全輸送を最大の使命とする鉄道事業者として、これまでさまざまな安全対策に取り組んでまいりましたが、このたびの重大事故を発生させたことは、まことに申しわけなく、極めて深刻に受けとめております。営団といたしましては、原因の究明と、二度とこのような事故を起こさぬよう安全対策に万全を期し、皆様方からの信頼を早期に回復すべく全力を傾注してまいる決意でございます。 列車脱線衝突事故の概要と緊急対策について御報告申し上げます。 三月八日午前九時一分、日比谷線中目黒駅構内で北千住発菊名行きの八両編成の列車が中目黒駅に接近中、駅ホーム端手前約百八十メートルの地点におきまして最後部の車両の進行方向の前の台車の二軸の車輪が脱輪し、その地点から脱輪したまま中目黒駅方向に約六十メートル地点まで走行いたしました。そこで中目黒駅を出発した竹ノ塚行きの八両編成の列車の先頭車両から四両目、五両目に接触した後、六両目の車両に衝突いたしました。これにより、竹ノ塚行きの列車に御乗車されたお客様のうち、入院後亡くなられた方を含め五名のお客様がお亡くなりになり、双方の列車に御乗車の三十八名のお客様が負傷されました。 事故直後には、両列車の担当乗務員を初め、異常に気がついた東急中目黒駅社員及び営団中目黒乗務区職員が現場に急行し、互いに協力し合い負傷者の救出、救護を第一とし、担架及び座席シートを使用して中目黒駅に収容いたしました。また、一一九番通報により駆けつけた目黒消防署の救急隊員も同様に負傷者の救出、救護に当たっていただきました。 負傷者の救出、救護に続いて、車内のお客様につきましては順次車外に誘導し、中目黒駅への歩行避難を九時三十二分に終了いたしました。 営団では、九時七分に事故現場に現地対策本部を設置いたしました。総合指令所から報告を受けた本社では、九時十分、本社内に日比谷線列車脱線衝突事故対策本部を設置いたしました。 また、同時刻の九時十分に、営団から要請し、JR、都営地下鉄、東急、東武及び京成による振りかえ輸送を実施いたしました。また、日比谷線においては、総合指令所の指令により、九時十三分に北千住駅—霞ケ関駅間の折り返し運転を開始し、その後、都営バスによる代替輸送を実施いたしました。二十一時二十六分には、北千住駅—恵比寿駅間の折り返し運転を実施いたしました。 事故区間である恵比寿—中目黒駅間につきましては、警視庁による事故車両及び線路の現場検証を終えた後、竹ノ塚駅行きであった列車を広尾駅の側線に自力運転により留置しました。他方、事故現場では、営団各職場から緊急招集した三百数十名により、警視庁の押収品としてのレール及びまくら木を現場から取り外し、さらに、事故現場に近いトンネルの坑口付近にある緊急用のレール及びまくら木を搬送してこれらを敷設した後、道床突き固め作業及び敷設状態の諸検査を行い、列車走行可能な状態に復旧いたしました。その後、脱線した菊名行きの車両につきましては、ジャッキアップにより台車を復線し、搬送用トロを装着して走行の安全を確保した後、自力運転により中目黒駅留置線に移動を行いました。 運転再開までにとるべき措置につきましては、運輸省の御指示により、事故区間の緊急安全対策として、脱輪した地点を中心とした六十メートルにわたり左右レールの内側に脱線防止ガードの敷設、交換したレールを中心とした塗油の実施、脱線した車両と同一形式の日比谷線所属の三百十二両に対する空気バネ、車輪フランジ部、車輪の傷及び摩耗についての緊急総点検を行いました。さらに、試験列車の運転を行い、四時五十三分、これらの緊急安全対策の安全確認を終了いたしました。営業開始後も、当該事故区間については運輸省の御指示により時速十五キロ以下の徐行運転として、九日五時零分から、所定ダイヤにより始発列車から定時に運転を再開いたしました。 営団といたしましては、とりあえずの緊急措置として、営団全線で半径百六十メートル以下の曲線四十三カ所に脱線防止ガードを緊急工事により一カ月以内で設置することにいたしました。 また、このたびの事故で死傷されましたお客様に対しましては、三月十四日に日比谷線列車脱線衝突事故被害者ご相談室を設置し、専任体制で誠心誠意対応していく所存でございます。 営団といたしましては、以上のような措置と並行いたしまして、必要な諸対策を検討するとともに、運輸省に設置されました事故調査検討会による原因究明に協力し、営団の総力を挙げ安全対策を実施する所存でございます。私どもが運行しております営団の八路線は首都圏の輸送機関としての大動脈であり、極めて重要な使命を果たしているとの認識に立ちまして、皆様に安心して御利用いただけるよう万全を期してまいる所存でございます。 重ねておわびを申し上げ、報告とさせていただきます。
○委員長(齋藤勁君) 以上で参考人からの説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。 質疑に先立ちまして、今回の日比谷線脱線衝突事故でお亡くなりになりました五人の犠牲者の方々に心から御冥福をお祈り申し上げ、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げる次第でございます。また、負傷されました方々の一日も早い御回復を願い、お見舞いを申し上げる次第でございます。 大臣並びに総裁におかれましても、犠牲になられた方々への補償あるいはお見舞いに万全を期して取り組んでいただきたいと思います。 本委員会といたしましても、事故原因の徹底的解明と有効適切な再発防止策を確立することが何よりものこの委員会に課せられた責務であると認識しまして、審議を尽くすことが求められているわけでございます。 鉄道輸送というものは、これまで自動車や航空機等に比して極めて安全な乗り物として評価をいただいてまいりましたが、これも過去におきましてたび重なる重大事故の反省とその対策を通して確立してきたものでございます。 今回の事故は、首都東京の交通の主軸である地下鉄で発生したものであり、利用者の皆様の信頼を大きく損なうものと考えられます。重ねて徹底した原因究明と再発防止を要望する次第でございますが、大臣からは、前委員会そして今回、総裁からも御決意を冒頭でいただきましたので、早速質問の方に入らせていただきます。 本日の審議に先立ちまして、私も中目黒の事故現場を訪れまして関係者のお話を聞き、上り下りの電車の前頭にも乗せていただきました。 新聞等にもさまざまな報道が行われておりますけれども、まずやはり第一の問題は、原因を徹底的に究明すること、二番目が、それに伴いまして再発防止に有効適切な手法を開発すること、そしてまたその経過、事故調査並びに今後の体制でございますが、その三つの観点から御質問をいたしたいと思います。時間が大変限られておりますので端的に伺ってまいりますが、簡潔にお答えをお願いいたしたいと思います。 事故の原因というものは、一般的には列車の運転状況あるいは線路状態、車両の実態等々多くの要因が考えられるわけでございますけれども、今回伺いますと、まず速度については、停車場に差しかかっておる手前ということでおよそ二十キロ前後ではなかったかと運転手の供述もあるようでございまして、これは通常のレベルと考えられます。 また、線路は、半径百六十メートル、上り勾配が三十五ミリの上りが終わりかけているところであるということ、さらにS字状の反向曲線の途中であるということもありまして、地下鉄は総じて線路状態は厳しいものがありますけれども、中でも大変ここは難しい線形であったことは間違いがございませんが、軌道の狂いなどで見ましてもすべて所定の範囲の中におさまっておるということでございまして、その点では問題がないように認められるわけでございます。 また、脱線しました車両、特に台車の形状、寸法も定期検査に合格して異常が認められていない。また、現場に設置されております塗油器について当初報道ではいろいろ取りざたされたわけですが、これも、私も現場で伺いまして、正常に作動していたものと考えられるわけでございます。 このように、速度、線路、車両、いずれも脱線に至る問題点が認められない中で、これまでの経験、常識を超える形でせり上がりの脱線が発生した。結果としてこういう現象が出たということは、これに携わっている者といたしましては大変な深刻な事態とむしろ受けとめなければならないと思うわけでございます。常識を超えたところで脱線が発生したと。 そこで、お伺いをしたいわけでございますが、過去におけるせり上がり脱線というものはどのようなものがあったか、主要なものだけで結構ですが、営団そしてあるいはJR等も含めてお答えいただければ幸いです。
○政府参考人(安富正文君) 御指摘の過去のせり上がり脱線の事故でございますが、幾つかございますが、運輸省に報告のあった過去五年間にとりあえず絞って申しますと、一つは、平成十年八月二十六日のJR貨物の山陽本線八本松—瀬野間で、貨物列車が二両目が二軸部分が脱線したということがございます。それから、平成十年九月三十日、南海電鉄の高野線学文路駅構内で急行列車が三両目後部二軸が脱線した。それから、平成十年十二月十六日、相模鉄道の本線相模大塚駅構内で回送列車が同じく二、三、四両目の脱線。さらに、平成十一年四月十六日、JR九州の鹿児島本線竹下駅構内で回送列車が最後部前二軸が脱線。平成十一年十一月二十二日、JR九州鹿児島本線西鹿児島駅構内で特急列車の入れかえ作業中に四、五両目が脱線したというような例がございます。 これらの事故に対する再発防止対策としては、それぞれ事故の特性に応じまして、脱線防止ガードの設置あるいは軌道狂いの改善、車両の左右輪重差の改善、あるいは車両の軸ばね特性の変更といったような措置を講じているところでございます。
○野沢太三君 過去をたずねると結構こういうようなせり上がりの事故があるわけでございますが、私の記憶している限りでも鶴見事故、これはもう大変な大勢の犠牲者が出たわけでございまして、貨車の脱線に伴って、それに対して上下の電車が突っ込んできた。瞬時の出来事で避けるいとまもなかったわけでございますけれども、この事故にかんがみまして、狩勝における遊休線を利用した再現実験を繰り返しまして対応策を編み出したわけでございます。 あの当時編み出した問題点としては、線路の複合狂いというものをしっかり管理することが途中脱線に有効であるということ、また車輪の踏面を少し深くいたしまして、N形踏面とたしか言ったと思いますが、こういったもので脱線の可能性を減らす。これを実施いたしましてから激減をしたことを記憶しておるわけでございます。 したがいまして、今回も、先ほど申し上げましたように、これまでの一般常識では考えられないところで発生したものといたしましてぜひとも徹底した対応策をしていただきたいと思いますが、ここで注目すべき現象が一つあるわけでございます。 これは既に営団地下鉄の技術者の方も指摘をいたしておりますが、編成八両のうち、一両目と八両目の連結器寄りの台車が滑走現象を起こすということでレポートが詳細にわたって出されております。せり上がりと滑走については直接の関係はないとは思われますけれども、いずれにしても、この台車には何らかの異常な力が働くということは間違いのない事実と思いますので、これにつきまして再現実験等を行いまして、輪重抜けの有無、あるいは脱線係数の測定がどうも間が遠いようでございますが、もう少しこれを繰り返し丁寧にはかって実態の解明をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、脱線の原因についてはいろんな要素が関連してくると思いますし、今回、事故調査検討会においても徹底した原因究明を図るべく種々検討しておるところでございます。 そういう意味で、軌道狂いであるとか輪重等の管理状況であるとか、先生の御指摘のような脱線係数の状況の確認であるとか、さらにはいろんな各車両あるいは軌道にかかわるデータの収集、その状態の分析、そういうものを通じまして、これから検討会においてこれらの事項をあらゆる角度からいろいろな形で検討していきたい。その際に、シミュレーションあるいは再現といったようなことも含めてこれから精力的に検討を行っていきたいというふうに考えております。 そういう意味で、先生の御指摘のような点も踏まえながら、検討会において再度精力的な取り組みを図っていきたいというふうに思っております。
○野沢太三君 いずれにしても、原因の究明、解明がなければそれに対する対応も的確に行われないということでありますので、ぜひともひとつ運輸省、営団あるいは鉄道技術の関係者、全力を挙げてまずこの解明に努めていただきたいと思うわけであります。 しかしながら、毎日何十万という皆さんが地下鉄を利用し、鉄道を利用しているわけでございますので、本日すぐただいまからも役に立つ対応策、再発防止策というものがなければ、これは乗客の皆様に安心していただけないわけでございます。 以下、再発防止に関する提言も含めまして御質問をいたしたいと思いますが、まず最初に、軌道の狂いというものが基本でございますから、軌道検測というものを的確にしかも適切に行う、これが大事ではないかと思います。 現在、軌道検測車を営団では年二回くらい走らせていると伺っておりますが、もう少しこの頻度を上げて軌道状態を、これは現物検査、全数検査ですから非常によくわかるわけでございます。これをもう少しピッチを上げることについては御検討いただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(寺嶋潔君) 営団におきましては、先生御指摘のとおり年二回の検測を行っております。鉄道運転規則によりますと年一回の測定が義務づけられておるわけでございますが、営団ではさらにもう一回追加しているわけでございます。また、検測の内容につきましても、営団では他社に先駆けてコンピューターによる軌道検測システムを開発して検測の内容の精度の向上を果たしております。 それから、営団の道床は狂いの少ないコンクリート道床が全線の約六三%を占めるという事情もございまして、年二回で一応適切であると考えておりますが、今後の検測車の走らせ方についていろいろ工夫を凝らしていきたいと思っております。
○野沢太三君 ぜひひとつ工夫していただきたいと思います。年に二回がいいか三回がいいか、あるいはもう少しやるかどうかは別としまして。 それからもう一つ、毎日乗っておる運転手からの異常通告によりまして即時に対応するという手段が有効であると。新幹線ではそういった方法を採用してやっておりますが、どうかひとつそういった方法も含めて即応態勢もやっていただきたい。運転手がモニターとして乗っているんだということになれば、どの種類の異常もこれは感じるわけでありますので、それを取り上げて即座に関係者を現場に派遣する、こういった点もひとつよろしくお願いしたいと思います。 それからもう一つ、今回の事故での一つの問題点は、先ほど指摘しましたように、モーターのついた車とトレーラー、いわゆるただ引かれていく車の配置、バランスが一つ疑問を持つところでございまして、先頭車両と後尾車両というものがモーターのついていないトレーラー車である、しかも運転台の設置の関係上、軸重に一・五トンの差があるということが既に指摘をされております。この状態というのは、いわば制動がかかる段階では後ろからの制動力、特に回生制動がかかっている間というものは後ろの車にはブレーキがかかっていないわけですから、持ち上がり現象というものが出てくることが想定をされるわけでございます。どうか今後の再現実験の中で、この組み合わせでいいかどうかも含めて御検討いただきたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、モーター車、それから付随車、これにつきましては、近年後輪モーターの制御技術の進歩により小型で大出力のモーターが開発されてきたことから、列車の編成中の付随車の比率が増加する傾向にございます。 おっしゃいますように、電動車と付随車の組み合わせが今回どのようにこの事故の原因に結びついてきたかということについては現段階ではなかなか詳しいことはわかりませんけれども、先ほど申しましたように、事故調査検討会の中で事故原因等について鋭意検討していく中で、ひとつこの問題についても重要な課題として受けとめて検討していきたいというふうに考えております。
○野沢太三君 よろしくお願いいたします。 それから、やはり基本であるレールと車輪との関係というものは非常に重要でありまして、たしかあの辺のカーブであの通行量ですと数カ月に一遍はレールの交換が必要になると思いますし、車輪の踏面もまた削り直しをしょっちゅうしなければならない、そういう状況にあろうかと思いますが、この踏面管理をレール並びに車輪双方についてもう少し厳密に行う必要があるのではないか、こういう印象を受けましたが、この踏面の形状の変更等も含めて今後御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 当然、事故を防ぐという意味からは、車両の維持管理はもちろんでございますが、軌道の管理ということでレールの摩耗管理あるいは車輪踏面の管理を厳格に行うことが必要でございます。そういう意味で、今回の事故に際しまして我が方でも鉄道局長名で通達を発しまして、軌道及び車両の点検等を確実に行うよう指示したところでございます。 先生御指摘のように、車輪踏面の状況が、今後どういうふうな形でこれを分析していったらいいかということがございますが、今回、踏面の形状がどのようにこの事故に結びついたかということもこれから鋭意検討していかなきゃいけない問題であるというふうに認識しております。
○野沢太三君 そこで、一つ私は御提言を申し上げたいと思うんですが、今運転は運転手が信号に従ってそれぞれ定められた速度でやっているんですけれども、それがどのくらいで走ったか、いつブレーキをかけたか、それからいつ加速をしたかといったことが全く記録に残っていないわけでありますが、これをぜひ記録できるような装置を積む。いわば飛行機でいえばフライトレコーダー、ボイスレコーダーがございますし、それから自動車でもタコメーターというのがついて記録が残る。そのことによって適切な運行があったのかないのか、原因究明に極めて有効であると識者は既にこれを指摘しております。ぜひともひとつ検討の項目に加えていただきたいということであります。 それから、万が一脱線してしまったときには、その脱線の動揺を感知して非常ブレーキがかかる、こういう仕組みもそれほど費用をかけなくて開発が可能であると思われます。過去に西ドイツのICEの大脱線がありましたが、あのときもたしか脱線してから三キロほど突っ走っているんですね。そして、そのときに立っていた立体交差の橋脚にぶつかってあの大惨事になった。脱線した途端にもし検知できていたならば、まずけが人程度で済んだのではないか、こういう反省もあるわけでございます。この脱線検知のシステムというものは営団地下鉄のみならず鉄道全般について必要ではないかと思われますので、この事柄も御提言を申し上げておきたいと思います。 これについていかがでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 御指摘の一つは運行を記録する装置、それから脱線検知システムについてでございますが、脱線検知システム、これにつきましては、例えば列車がポイントを通過するとき発生する振動あるいは脱線による振動をどう峻別できるかといったような技術的な問題もございますので、このシステムの開発についても我々として技術的な問題を含めてぜひ検討していきたいというふうに考えております。
○野沢太三君 そういうわけで、これは少し時間もかかるしお金もかかるわけでありますが。 一つ今回の事故を反省しまして惜しまれるのは、脱線防止ガードがあったならばこのような事態にはならなかったのではないか、こういうことが推察されるわけでございます。脱線防止ガードについては各社に任せられるという形でなっておりますが、営団については、カーブが多いということもありましてこれまでだんだん脱線のガードの設置基準を緩和してきておるわけでございますが、これはなぜ緩和をしてきたのか。 今回の事故もそういうことの反省に立って百六十までと言っておりますが、見れば百六十一とか二というようなカーブもたくさんあるんですが、それは当然含まれると解してよろしゅうございましょうか、営団に伺います。
○参考人(寺嶋潔君) 脱線防止ガードの設置基準でございますが、営団は昭和二十六年、丸ノ内線建設に際しまして、外側のレールの摩耗を防止するために曲線半径二百メートル以下の軌道の内側に沿って摩耗防止ガードレールを設置することといたしました。また、日比谷線建設中の昭和三十七年の軌道整備心得は、摩耗防止ガードレールを曲線半径百六十以下の軌道に設置することを定めております。 当時から、この摩耗防止ガードレールとレールの間の間隔が一定量に保たれていることから、このガードレールは摩耗防止に加えて脱線防止機能があることも認識されておりました。その後、レールにつきましては硬頭レール、焼き入れのかたいレールの開発普及あるいはレール塗油の自動化などによって摩擦係数の低下等の改善が図られましたので、そのことを背景といたしましてガードレールの設置基準を順次引き下げ、昭和四十三年に現在の曲線半径百四十メートル以下の基準に改めたところでございます。こうした経緯から、このガードレール設置による摩耗防止の意義もだんだん薄れまして、昭和五十六年に鉄道整備心得を改定した際には、その名前を脱線防止ガードに名称を変更いたしました。 なお、これにつきましては、新型車が入るとき、あるいは速度を向上するというような節目節目では脱線係数を計測いたしまして、安全の確認を図りながら今日に至ったものでございます。 しかしながら、今回の事故が生じたことにかんがみまして、今までの考え方にとらわれず、緊急対策として百六十メートル以下についてはとりあえず整備をすることといたしたわけでございます。 百六十を少しばかり上回ったものにつきましても実は手配をしておりまして、四十三カ所の外ではございますが、緊急に整備をしたいというふうに考えております。
○野沢太三君 脱線防止ガードがつくと保守管理が非常に厄介になるということで、どうも現場では外したがる。私もこれは過去に経験があります。しかし、今機械が進歩しまして、脱線防止ガードがついたままでもつき固めのできるマルタイも開発されておりますし、それから先ほど御指摘のように直結道床に直せばその作業も必要がないということでありますから、ぜひともこれを嫌わずにやっていただきたいと思います。 過去、営団の例の東西線で風であおられて橋の上で脱線したときも、このガードのおかげで大事故に至らずに済んだという大変貴重な体験、経験があるわけですから、この点をひとつ十分参照してやっていただきたいと思います。 そこで、今度は運輸省にお伺いしますが、脱線防止ガードを各社に任せるということのよしあしでございますが、今相互乗り入れでいろんな会社の車が一つ箇所、線路に入ってくる。今回の場合も、東武が入り、東横が入り、そして営団も入る。ですから、そういう意味からすると、この基準こそまさに運輸省が統一してつくるべきルールではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(二階俊博君) 御専門の野沢委員からの御指摘でございまして、先ほど来お伺いをしておりましてまことにごもっともな点がたくさんあるわけでございますが、ガードレールにつきましては、御承知のとおり、普通鉄道構造規則及びその告示において、「曲線半径の小さい曲線又は急こう配の区間にある曲線には、脱線防止レール又は脱線防止ガードを設けること。」が規定されていることは委員御承知のとおりでございます。 今回、運輸省としましては、このたびの事故の重大性にかんがみまして、またただいま御指摘のような見地からも、事故調査検討会におきまして原因究明、再発防止確立のために精力的に検討を進めておるわけでありますが、特にガードレール設置の具体的基準のあり方につきましても、この検討会における重要な検討課題として取り組んでいるところであります。 今後、事故調査検討会での検討を踏まえながら、適切な対応を運輸省として講じてまいりたいと考えているところであります。
○野沢太三君 あと事故調査体制について御質問しようと思ったんですが、時間が厳しくなりましたので、私の方からお願いだけ申し上げてまとめといたしたいと思います。 現在、運輸省で事故調査の検討会をやっていただいておりますが、これと警察の方で調べていただいている結果並びに営団が自力で調べている問題、これはぜひとも情報データを交換しながら一致協力して原因究明と対策の確立をしていただきたい。そして、出てきました結論は、運輸省で検討していただいた上で、ほかの事業者にも貴重なこれは成果として徹底をしていただきたい、これだけお願いして質問を終わります。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤でございます。 まずは、質疑に先立ちまして、今回の事故で亡くなられた五名の皆様方には心からの御冥福をお祈り申し上げます。 さて、まず私が最初に御質問申し上げたいのは、日比谷線のこの事故を踏まえて、監督官庁である運輸省がその後とった対応について何点かにわたりまして質問をさせていただきたいと思います。 今回の事故を踏まえて、類似の事故の再発防止のために運輸省が鉄道各社にいろいろな点検指示等を発したかと思いますが、その辺簡単に御説明いただけますでしょうか、どんな点検指示を出したのか。
○国務大臣(二階俊博君) 詳細な各事業者に発しました通達等につきましては後ほど鉄道局長が御答弁申し上げますが、運輸省におきましては、今回の事故発生後、直ちに事務次官を本部長とする中目黒鉄道事故対策本部を設置するほか、事故の情報が入るや否や、直ちに中馬総括政務次官を現場に派遣いたしますとともに、私も予算委員会の答弁が終わった段階で現地に入ったところであります。 事故の原因究明につきましては、事故当日の三月八日、現地調査の後、運輸省におきまして直ちに第一回の事故調査検討会を開催するとともに、三月十日、より詳細な検討を行うためにさらに専門家を加えワーキンググループを開催し、精力的に調査分析を進めているところであります。 なお、本日さらに事故調査検討会のワーキンググループ合同会議を開催し、原因究明及び再発防止の対策の確立に向けてさきのワーキンググループの検討事項を整理しまして、今後の検討の進め方について協議をすることに相なっております。 事故後の対策としましては、帝都高速度交通営団及び全国の鉄道事業者に対し、事故当日、鉄道局長名をもって通達を発し、安全の徹底を図ったところであります。 私といたしましては、今後再びこのような事故を起こすことのないように、今回の事故の徹底的な原因の究明を行うとともに、これに対応した再発防止の確立に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○内藤正光君 事故発生直後──政府参考人、済みません、求めておりませんので。事故発生直後、全国の事業者に対して徹底的な検査をするよう運輸省、運輸大臣の方から指示を発したということですが、それに対してのいろいろな報告は上がってきていますでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) まだ一つ一つ報告が上がってきておる状況ではございませんが、その後それぞれの運輸局長等を通じて事故調査検討会の模様等も連絡をとってございますので、やがて全国的にそれぞれ安全の確認等についての報告があろうと思いますが、年末にもそうしたことを行っておりますし、今後におきましてもこの安全の確認については重ね重ね対応をとってまいりたいというふうに考えておるものであります。
○内藤正光君 報告が上がってくるだろうと思うということなんですが、例えば横浜市の交通局は、事故発生直後、自主的に車両だとか軌道等を中心として点検を行ったと。異常はなかったとはいうものの、脱線防止ガードを新たに三カ所設置をしたというふうなことを新聞報道等で聞き及んでおりますが、これに関しての報告は直接何らかの形で正式には上がってきているんでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 今先生御指摘の横浜市の例でございますが、我々の方にはまだ具体的な形でそういう報告が来ているわけではございません。 先ほど大臣からも申しましたように、現在軌道あるいは車両の点検等について指示しておりますので、再度我々として、ある程度の期間を置いた後にどういうことをやったかということを報告を求めて事情聴取してみたいというふうに考えております。
○内藤正光君 では、まとめて言いますと、日比谷線事故発生直後に運輸省が再発防止に向けてとった措置は何かと言われれば、注意喚起にとどまっているという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(安富正文君) 現在のところ、今回の日比谷線事故の原因につきまして何らかの形である程度特定できるということが明確でない、これから原因調査について具体的に究明していかなきゃいけないということでございますので、あらかじめこういうところが問題じゃないかという形で予見を与えることができなかったものですから、今回軌道、車両全般にわたって点検を行うようにということで事業者に指示したところでございます。
○内藤正光君 これは後から質問をしようと思ったんですが、原因がはっきりするまでということなんですが、実は四カ月前、同じようにせり上がり事故が起きているわけなんです。この原因究明のために時間をかけたら、また可能性としては数カ月以内に起こることは十分考えられるわけなんです。そんなにゆっくりしていていいんですか。
○政府参考人(安富正文君) 確かに事故の防止というものは毎日毎日未然防止に努めなきゃいけないということは我々も十分承知しております。 ただ、今回の事故につきましては、先ほども申しましたように、まだ原因究明ということで具体的な対応がなかなか我々としてもできないということで、検討会の中で再発防止策も含めて今後のあり方についていろいろ議論していただいておりますので、その中で我々としてできることがあればこれからもやっていきたいというふうに考えております。
○内藤正光君 原因究明とか言いますが、レール等の傷を見ればもうせり上がりというのは一つはっきりしているわけですよね。ですから、そのせり上がり防止に向けての何らかの対応はとれるはずじゃないんですか、今すぐでも。
○政府参考人(安富正文君) 具体的にせり上がり脱線という形で言われておりますが、そのせり上がりがどういう原因でできてきたのか、その原因として車両に問題があるのかあるいは軌道に問題があるのか、そこら辺を我々としては明確にこれからしていかなきゃいけないということで……
○内藤正光君 どういうことができるかということですが、まずは、例えばRの基準の点検だとか、そういったことを徹底的に指示し、そしてどういう対応をとるのか各社から報告を求めるぐらいの毅然とした対応をとるべきではないんですか。
○政府参考人(安富正文君) 今回、先ほど申しましたように私の名前で各事業者の方に軌道及び車両の点検等を確実に行うよう指導するということで指導しておりまして、営団の今回起こった事故を参考にしながら、各事業者それぞれ、独自にそれぞれの対応をしているというふうに思っております。 我々としては、その状況については再度先ほど申しましたように報告を求めて、どういうことをやったかということを取りまとめたいと思っておりますが、先ほども言いましたように、具体的な形でこことここをやらなきゃいけないというふうなことがまだ現段階で我々としても十分つかみ取っていないものですから、そういう形の指示になっておるところでございます。
○内藤正光君 次は、営団総裁にお伺いをさせていただきたいと思うんですが、先ほどの野沢委員の質問とも多少重複するところがあろうかと思いますが、いろいろな事業者の脱線防止レールの設置基準を見てみますと、例えば東急だったらR四百五十、小田急だったらR四百、JR、R二百五十、東武、R二百。一方、じゃ営団はどうなっているかといえば、昭和二十六年の時点でR二百、そして昭和二十九年にはR百八十、さらには昭和三十六年百五十、そして四十三年には百四十にまで基準が緩和をされております。 これを見てもわかりますように、営団の基準は各社と比べてみても非常に最初から緩やかであったということに加えて、その後もさらに基準が緩和をされ続けている。 そこで、なぜ基準を緩和していったのか、その技術的な裏づけはあるのか。先ほど硬頭レールとかということをおっしゃいましたが、これは摩耗に対しての説明にはなろうかと思いますが、このRに対して、輪重抜けというんですか、これに対する質問には何ら答えにはなっていないと思うんですが、明確な答え、技術的な裏づけをおっしゃっていただきたいんですが。
○参考人(寺嶋潔君) 基準を緩和してまいりました理由は、先ほど申し上げましたように摩耗の防止の機能がだんだん必要なくなってきたということでございますが、他方、脱線防止の機能もあることはよく承知しておりまして、摩耗防止ですと間隔を非常に詰めてつけるわけですが、ある時点で、その後その間隔を広げまして脱線防止ガードの役割を持たせてきております。 ただ、その都度実験、試験を行いまして、脱線係数の測定をして、それが十分基準値の中に入っているということを確認した上で行ってきておりますので、自信を持った決定だと当時考えてやったことだと思います。 ただ、先ほども申し上げましたように、それにもかかわらず今回百六十ちょっとのところで脱線事故が起きましたので、今までの考え方にこだわらず、それを超えた、百四十メートルを超えた曲線半径のカーブにもつけることといたします。 なお、さらに基準が設定されて、それよりも厳しい基準が設定されれば、これに従うことも当然でございます。
○内藤正光君 総裁、その都度脱線係数等を測定されたということなんですが、私の聞き及ぶところによりますと、最近脱線係数が計測されたのは十二年前と聞いておりますが、その後いろんな状況が変わっているわけです。例えば車両の軽量化だとかどんどん条件が変わってきているわけです。 この十二年間、もし私が知らないだけだったら教えてください、脱線係数測定したんですか。
○参考人(寺嶋潔君) 十二年前にはかりましたのは、そのときに、今、日比谷線に使われております〇三系という新型車が導入されましたので、その新型車を使いまして係数を測定したわけでございます。その結果が十分基準の中に入っているということで、百四十という基準のままで、ガードレールをそのままでやってきたわけでございます。
○内藤正光君 わかりました、いいです。 十二年前に新型車が導入されたということですが、それ以降は、じゃ新型車は導入されていないということですか。
○参考人(寺嶋潔君) 日比谷線はその後旧型車の交代が進みまして、現在はその十二年前に入りました〇三系という型の同型車がすべて使われておりまして、したがって、レールの関係も変わっておりませんから、レール対車両の関係では当時の測定が基本的に生きているというふうに考えております。
○内藤正光君 じゃ、その件でちょっと運輸省にお伺いをしたいわけなんですが、普通鉄道構造規則によりますと、例えば四十八条に、運輸大臣の定める基準に従って脱線防止レールを設けなければならないとあります。 そこでお伺いしたいのは、この営団のR百四十というのはこの基準を満たすものなのか、あるいは満たさないものなのか、それだけをちょっと簡単に教えていただけますか。
○政府参考人(安富正文君) 委員御指摘のように、ガードレールの基準、四十八条におきましては、「本線における曲線半径の小さい曲線その他車両の走行の安全に特に支障を及ぼすおそれのある箇所には、運輸大臣が告示で定める基準に従い、脱線防止レールその他のガードレールを設けなければならない。」というふうになっておりまして、具体的な告示の中では、「曲線半径の小さい曲線又は急こう配の区間にある曲線には、」こういうガードレール等を「設けること。」という基準になっております。 それぞれの具体的な基準の範囲につきましては、各鉄道事業者が具体的基準として、それぞれの曲線における運転速度であるとか、あるいは車両の性能、線路状況等を勘案して定めておりまして、そこについては我々としてはこの基準の範囲内であるというふうに考えております。
○内藤正光君 まずは普通鉄道構造規則で運輸大臣の定める基準がある、後は各鉄道事業者に任せるということですから、これはある意味では運輸省としては許可を出したということですか、そのR百四十に対して。そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(安富正文君) 具体的な許可という形では出しておりませんが、実質的には我々としてそれも当然承知しているということで御理解いただきたいと思います。
○内藤正光君 その辺のちょっと言い回しを正確にしていただきたいんですが、承知はしている、知っていたということですが、でも一応基準は設けてあるわけです。基準は設けて、後は鉄道事業者のいろいろな各会社ごとの基準を認めているわけですから、だから承知しているというよりも許可をしたという理解でよろしいですね。
○政府参考人(安富正文君) 法律的な意味で許可ということではございませんが、先生がおっしゃる意味が基準の範囲内に合致しているということで我々が認めたということであれば、そう理解していただいて結構だと思います。
○内藤正光君 わかりました。じゃ、それは結構です。 では次に、過去に発生したせり上がり脱線事故について簡単にお伺いしたいんですが、どういう事故があったのか、いつ発生して、どの線路で発生したのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 過去の事例としては、さかのぼれば先ほどの鶴見事故等がございますが、過去五年間ということでちょっと申し述べさせていただきたいと思います。 一つは、平成十年八月のJR貨物山陽本線八本松—瀬野間の事故、それから平成十年九月三十日、南海電鉄高野線学文路駅構内の事故、それから平成十年十二月の相模鉄道本線相模大塚駅構内の事故、それから平成十一年四月十六日のJR九州鹿児島本線竹下駅構内あるいは平成十一年十一月のJR九州鹿児島本線西鹿児島駅構内で発生した例がございます。 いずれも回送電車あるいは特急電車、急行電車等がそれぞれ構内等で脱線している現象がございます。
○内藤正光君 過去五年をさかのぼっても五件のせり上がり事故、脱線事故が発生しているということです。 そこでお伺いしますが、これらのそれぞれの事故の原因を究明して再発防止に努めたのかどうか、具体的にとった措置についてお伺いします。
○政府参考人(安富正文君) それぞれ事故の中身によって違いますが、例えば先ほど申しましたJR貨物の山陽本線の事故につきましては、対策として軌道狂い箇所の補修を実施する、あるいは軌道整備の保守点検の強化を図るといった措置を講じております。 それから、平成十年九月の南海電鉄高野線の事故の場合には、平面狂いの改善あるいはカントの解消、それから左右静止輪重差の改善あるいは分岐器の改良が実施されています。 それから、平成十年十二月の相模鉄道の件につきましては、留置線、引き込み線のPCまくら木化を図る、軌道強化でございます。それから、事故車両と同形式の車両の代替を図るということで、平成十一年度に車両の代替を図っております。それから、留置線から本線の進出に際し、分岐器の速度制限を行うといった措置を講じております。 それから、JR九州の鹿児島線竹下駅構内の事故につきましては、脱線防止ガードの設置、それから軌道の平面狂いの管理強化、それから車両の軸ばね特性の変更といったことをやっております。 それから、西鹿児島駅構内につきましては、側線用分岐器にリードガードを設置する、あるいは転削直後の車輪のフランジに油を塗布するというような措置を講じておるところでございます。
○内藤正光君 運輸省がとった措置というのは、その事故が発生した付近だけなのか、あるいはまた線路全体なのか、あるいはまた、そういった究明結果を全国の鉄道事業者に還元をさせていったのか、教えていただけますか。
○政府参考人(安富正文君) 今申しましたのは、それぞれの事業者の当該事故が起こりました構内といいますか、その区間について対応しているものでございます。
○内藤正光君 つまり、例えば平成十一年四月十六日にJR九州の鹿児島本線の竹下駅構内で事故が発生している。そのときとった措置はその周辺だけだと。だから、同じ年に同じそれもJR九州の鹿児島本線の西鹿児島駅構内で起きているけれども、そこまではいろいろ措置をとらなかった、対応をとらなかったということですね。
○政府参考人(安富正文君) 同じJR九州でございますから、竹下駅構内で起きた事故の教訓というものは当然同じJR九州の中で生かされるべきだと思いますが、先ほど申しました措置につきましては、それぞれ竹下駅構内、それから西鹿児島駅構内でとられたものでございます。
○内藤正光君 つまり、それぞれの周辺で措置をとったということなんですが。 そこで、事故調査検討会というのが設置されたかと思います。これは、事故の教訓を生かして同種事故の発生を未然に防止することが重要だ、そのためには国でそういうような検討会を持つことが必要だと。つまり、どこかで事故が起きた、これを全国どこでも再発しないように調査結果を還元するというのがこの検討会設置の趣旨なわけですよね。この検討会が設立されたのは昨年の六月です。西鹿児島駅で事故が発生したのは設置後の十一月ですね。何もその趣旨が生かされていないじゃないですか。
○政府参考人(安富正文君) 事故調査検討会自体は、基本的に重大な事故、特大な事故について調査検討をするということで設置しておるわけでございますが、ただ、事故調査検討会と同じメンバーで事故分析小委員会というのを設けていまして、これは過去に起こったいろんな事故について分析をして、事故が起こった事象、それから対策についての分析を行うことによって将来の事故防止に役立てようということで、事故分析は続けてきていたところでございます。
○内藤正光君 残念なことに、その検討結果が今回の事故を未然に防ぐことには役立たなかったということですか。つまり分析が間に合わなかったということですか。
○政府参考人(安富正文君) おっしゃるとおり、事故分析につきましては、過去の事故をいろいろ分析してこれからの未然防止に役立てるということで、データ収集とか行いましてこの事故分析小委員会において検討を進めているところでございましたが、残念ながら今回の事故に間に合わせることができなかったということはそのとおりでございます。
○内藤正光君 今回の事故の原因もこれから調査分析するということなんですが、先ほど過去五年に起こった事故が五件あるとおっしゃいましたが、実は過去五年というよりも、むしろこれは過去二年なんですよね。二年でも五件の事故が発生しているんです。すごい大変な頻度で起きているんです。 今回の事故原因だってそんなに時間をかけられないと思うんですよ。時間をかけているうちに同種の事故が日本のどこかで起こる可能性というのは十分考えられるわけなんです。ですから、これはもう早急に全力を挙げて調査分析をしていただいて、そして本当に日本のどこでもこんな悲しい事故が再発しないように運輸省としても全力を挙げていただきたいんですが、大臣ちょっと御答弁をいただきたいんですが。
○国務大臣(二階俊博君) 委員御指摘のとおり、事故調査の結論を一日も早く出すことが今回のこの営団の大惨事に対する対処として最も大事なことだという認識を持っておりますが、同時に、今御指摘のように、他の鉄道事業者に対してもこの事故調査の結果を公表し、また指導していくことが重要と考えておりますので、一日も早くこの調査の結論が出るように今運輸省としても懸命の努力をしておるところでございます。
○内藤正光君 終わります。
○弘友和夫君 公明党・改革クラブの弘友和夫でございます。 質問に先立ちまして、首都圏の大動脈であります営団地下鉄日比谷線の思わぬ大惨事によりましてとうとい命を落とされました五名の皆様方に衷心より冥福をお祈りしますとともに、また負傷された皆様方の一日も早い回復を心よりお祈りいたしたいと思います。 先ほど来論議がされておりますけれども、徹底した事故原因の究明と再発防止、大臣も口を酸っぱくとにかく安全第一だと、こう常々言われておりますけれども、私は今の体制で果たして徹底した原因究明がなされるのかどうかという危惧を抱いております。 まず、事故調査検討会が、今一週間ぐらい事故以来たっておりますけれども、現在どこら辺の段階でこの原因究明というか進んでいるか、それをまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 現在事故調査検討会で鋭意検討しておりますが、まだ現在の段階としましては、現場における具体的な車両あるいは軌道の状況の調査であるとか、あるいは今後具体的にどういう点について、原因を究明するためにどういう分野についてどのような方法で試験をしていったらいいかという方法を整理して、それからこの整理した方法に基づいて具体的に専門家に調査をそれぞれの立場からやってもらうという状況でございまして、まだ原因究明をある程度特定するというような段階には至ってきておりません。
○弘友和夫君 警察の方いらっしゃっていると思いますけれども、警察の方ではいち早く現場に駆けつけて原因究明というか捜査に当たっておりますけれども、警察の方では今どういう段階でございますか。
○政府参考人(岡田薫君) 警察における捜査状況でございますが、お尋ねの件につきましては、死者五名、負傷者三十数名に上る大規模かつ重大な事故でございますので、現在、警視庁において刑事部長を長とする百五十名態勢の捜査本部を設置の上、犯罪捜査という視点から、現場の実況見分、関係者からの事情聴取、車両等に対する検証及び鑑定など所要の捜査を推進しているものと承知しております。
○弘友和夫君 営団地下鉄総裁にお尋ねしますけれども、先ほど原因の究明と、二度とこのような事故を起こさぬよう安全対策に万全を期する、こういう御発言もございましたけれども、当事者としてこの原因究明、どういうふうに今されておりますでしょうか。
○参考人(寺嶋潔君) ただいま御説明がありましたように、警察の方で捜査を行っておられますし、それから運輸省の事故調査検討会の方でも調査を行っております。 私どもとしては、この捜査ないし調査に全面的に御協力するということで、車両とかレール、まくら木等も移動して御提供しておりますし、職員の証言等も行っているわけでございます。 私ども、独自にもちろん過去の記録等を整理いたしまして原因究明に努めていく所存でございますが、脱線の本当の原因はなかなか難しいものがあるようでございますので、運輸省の調査検討会の方でぜひとも一日も早く本当の原因を突きとめていただければと思っております。そのためには、私どもとしてできる御協力は最大限させていただきたいというふうに思っております。
○弘友和夫君 それぞれが今調査をしている段階だ、こういうお話がございましたけれども、要するにばらばらに、事故調査検討会、すばらしい先生方が入っているわけですけれども、それから警視庁の方では犯罪捜査という観点からやられている。営団は営団で協力をしながらやっていると。 運輸省として、検討会として本当に事故原因を究明しようというのであれば、警察の方は犯罪というか、そういうことがあったんじゃないかという立場からやっていますけれども、例えば事故調査という観点から、何でこうして起きたのかということを真っ先に乗務員に聞かないと、そこからスタートをするべきだと思うんですけれども、そのときにはもう既に警察の方で乗務員も何日か、一日か二日事情聴取されていると、全然それはわかりませんということでしょう。 それともう一つは、先ほど局長はせり上がりかどうかわからない、それは車両なのか軌道に原因があるのか、こういうことも含めてというお話がございました。だけれども、今総裁の報告の中でも、警視庁の押収品としてのレール及びまくら木を現場から取り外して云々と、こうあります。事故があったそのレールを警視庁の方で持っていっているわけでしょう。そのレールの勾配だとか、まず原因を究明するには現場をきちっと保存しているというのが大事だと思うんです。レールがどういう角度でどういうふうになっているのかとか、そういうのはわからないじゃないですか、取り外して持っていったら。そういうことはどうなんですか。
○政府参考人(安富正文君) 具体的な事故のいわゆる原因調査についての調査の実施状況でございますが、検討会のメンバーの先生の中に各専門家の先生がおられます。最初、事故現場調査に行ったとき、具体的にそれぞれの専門の立場から現場の状況を見ておりますが、さらに営団に指示して、具体的な軌道狂い等の状況についてはちゃんと計測させております。 それから、乗務員に対する事情聴取でございますが、確かに一日目につきましては警察の方に拘置されてそこで事情聴取を受けたということでございますが、検討会メンバーの運転の専門家、具体的には中西先生が、さらに車掌それから運転手について警察から帰ってきた後に具体的に事情を聴取しているところでございます。 それから、レール等現場で押収されたものもございますが、これについては現在警察と協力して、現場検証の際に検討会のメンバーも一緒に警察の協力のもとに調査するというような形で、相互協力で実施しているところでございます。
○弘友和夫君 警察の方でレールを持っていって、どういう捜査というか検査というか、何をやっておられるんですか。
○政府参考人(岡田薫君) 大変恐縮でございますが、個別の事件の犯罪捜査の状況がこういうふうになっている、ああいうふうになっているというのはなかなか申し上げられないところというふうに思っております。 ただしかし、一般論として申し上げますと、犯罪捜査あるいはそのほかのこういう重大な事故でございますと、その事故原因を究明して再発の防止措置を講じていくということは極めて重要なことでございますので、それぞれの目的が両立し得るように個々具体的な場面では適切な連携というものがなされていくものと、このように承知をいたしております。
○弘友和夫君 過失があったかどうか、犯罪に結びつくかどうかという捜査をされていると思います。ただ、一般的な犯罪と違って、直ちにそういう本人、運転手さんなり車掌さん、乗務員の方を連れていかれて聞かなくたって、逃げはしないわけですから。 私は、この事故調査検討会という位置づけ、これは昨年の六月にようやく発足された。航空機はきちっとした法律的な裏づけのある調査委員会がある。この鉄道の事故調査検討会というのはどういう法的な根拠に基づいてできているわけですか。
○政府参考人(安富正文君) 現在の事故調査検討会は、いわゆる法的な根拠に基づいて設置されているというものではございません。運輸技術審議会の答申の中において、今後、「公平・中立の立場から、国が事故等の調査・分析を行うとともに、鉄道事業者の事故等の調査・分析結果を的確に評価することが必要」という指摘を受けまして、先生おっしゃるように昨年六月、重大な事故が発生した場合に事故の原因調査、再発防止等の検討を行うため、鉄道局長のもとに常設的に置こうということで整備したものでございます。
○弘友和夫君 大臣、法的根拠がない、審議会みたいな感じでつくっていますよね。警察は捜査権がありますよ、きちっとした。ところが、事故調査検討会というのは、そういう捜査権もなければ、じゃ何をどう調査するんだというその裏づけとなる権限、これは果たしてあるんですか。
○国務大臣(二階俊博君) 御承知のように、現行の事故調査検討会というのは、法的な根拠や位置づけを有しておるものではありませんが、運輸技術審議会の答申に基づきまして、「公平・中立の立場から、国が事故等の調査・分析を行うとともに、鉄道事業者の事故等の調査・分析結果を的確に評価することが必要である。」、こういう御指摘を受けて、昨年六月、重大な事故発生に備えて事故の原因調査及び再発防止の検討を行うために鉄道局長のもとにこうした調査検討会を置いておりますことは、委員も御指摘、また御理解のとおりでございます。 そこで、この事故調査検討会は、法的根拠や位置づけは持ってはおりませんものの、実質的には我が国の鉄道技術に関する第一人者によって構成されておりますので、今回も、事故発生後直ちに現場にこうした先生方に出動願って機動的な対処をしていただいた。また当日、運輸省にお集まりを願って調査結果を検討する、そういう会議も熱心に精力的に取り組んでいただいておるところであります。 したがいまして、法的な調査権を有していない現行の体制におきましても、十分な調査が可能と考えているところであります。 私も、官邸とも連絡をとりまして、今委員御指摘の警察の調査権との間に、私ども運輸省として一日も早い原因の究明を図りたいというこの希望が達成できますように警察にも協力をお願いしたところでありますが、警察の積極的な協力をいただいて、今調査に支障はないという判断でございます。 また、営団からの情報収集が必要になった場合には、これは私ども、鉄道事業法の五十五条第一項に基づいて報告徴収及び同法の五十六条一項に基づく立入検査の規定を発動することによって必要な情報を入手し、これらを速やかに事故調査検討会に提供することが可能である。したがって、実質的には事故調査検討会は十分な調査機能を持っておるというふうに判断をいたしております。
○弘友和夫君 先ほど警察庁の方がこの席で、個別の問題については捜査中だと、捜査中の問題については一々言えないというお話がありました。 じゃ、そういう問題についても、そういう捜査中の問題は運輸省には教えますよと、こういうことになりますか、警察庁。
○政府参考人(岡田薫君) ちょっと御説明の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、例えば個別にどういう人から事情聴取しているとか、どういう鑑定をしているということをなかなか申し上げにくいんですけれども、内容としてそれぞれ相互に協力をして原因究明をしていくという部分については、当然警視庁において適切に協力をしていく、こんなふうに思っております。
○弘友和夫君 例えばレールを持っていかれて、科学技術研究所ですか、そういうところでどういう傷がついていただとかなんとか、それは当然調べていると思いますけれども、そういうのは言われているわけですか。
○政府参考人(岡田薫君) 当然、鑑定という立場から現物を見たり調べたりしておりますし、それからその兼ね合いにおいて、事故調査検討会でございますか、そちらの方から御要望があれば、それと必要な調整を図って原因究明を図っていっているもの、そういうふうに承知をいたしております。
○弘友和夫君 観点を変えまして、新聞報道によりますと、今までの点検によって、レールに今回の事故以前についた傷が複数残っている、過去にも脱線寸前の危険な走行があった可能性は高い、新聞では運輸省事故調査検討会がそう言っていると書いていますけれども、じゃ実際、過去、今回の事故以前にレールに傷がついておったかどうか、どこがわかりますか、これ新聞報道がありますけれども。
○政府参考人(安富正文君) 事故調査検討会で具体的にその新聞報道にあるような事実を公表したことはございません。 我々としてはその新聞報道がどういう経緯で出てきたのか非常に問題でございまして、具体的に過去に、今回の事故の前にそういうレールに傷があったという報告は我々は検討会から受けておりません。
○弘友和夫君 警察の方ではそういうのを掌握しておりませんか。
○政府参考人(岡田薫君) 私どもの方では、現在の時点でそういった報告は受けておりません。
○弘友和夫君 じゃ、全くのこの新聞報道はでたらめだということでよろしいわけですね。 要するに、事故調査検討会、先ほど大臣はそれなりの権限がある、こう言われましたけれども、片一方、警視庁は権限を持って百何十人体制でやっている、片一方は七名かで、実際自分たちでレールを判定するとかなんとかいうこともできないという、そんな体制で果たしてわかるのかと、原因が。そして、今聞いてみても三者三様ばらばらの感じでやっているわけですよ。 アメリカには国家交通安全委員会、NTSBという、これは海と陸と空、全部を統合したそういう組織が事故原因の究明とかそういうものを、組織としてきっちり独立した機関としてあるわけですけれども、こういうのをつくるべきじゃないか。 今のように、権限も何も私はないと思うんです。何か、これについてはどうですかこれについてはどうですかと、一々お伺いと言ったら語弊がありますけれども、警察の方に出してもらう。そんなことじゃ、現場保存だってできていないわけですから。後で営団に計測をしてもらっておりましたよなどという、そういうものじゃだめなんです。現場保存をきちっとやって、直ちにそういう調査に当たらないと本当の事故原因なんかわかるはずがないと思います。 こういう組織をつくるべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(二階俊博君) 事故調査を実施する体制につきまして、運輸省内においてすべての輸送モードにわたる技術担当の課長で検討会を設置し、そしてそれらの問題につきまして検討をしてきたところでありますが、事故の形態は各輸送モードごとに大きく異なること、例えば航空機の事故、あるいはまた船の事故、あるいは鉄道の事故、それぞれ大きく異なっておるということ、そして、事故調査は極めて高度な専門的知識と豊富な経験が必要であることから、事故調査についてはそれぞれの分野に精通する専門家で構成される事故調査機関が必要とされているところであり、仮に陸海空を網羅する事故調査機関といたしましても、事故調査が直ちに円滑に進むことにはならないとの結論を得ているところであります。 しかしながら、人的要因等、各輸送モードに共通する事故の因子もあると考えられておりますので、事故調査に当たる専門家が連携をとって、相互に知見を融通するということも事故の未然防止対策の充実には重要であるというふうに考えておるところであります。 したがいまして、我が国におきまして今御指摘の国家運輸安全委員会のような輸送モード横断的な事故調査機関が現時点において必要とされているものではありませんが、今後も連携のあり方、知見の活用の仕方を初めとして、事故調査体制のあり方につきまして、引き続き委員御指摘のような趣旨を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○弘友和夫君 私は、アメリカが何でもいいとは思いませんけれども、アメリカの場合は空と陸と海とそれぞれ一緒で、日本の場合は陸海空が全然別々。アメリカだって一緒じゃないですか、それは。だから、そうしたそれぞれの専門家もいるそういう組織だと、こういうことなんですよ。それぞれの専門家がいる。 今は、ばらばらな上に、しかも警察の方は犯罪捜査という観点からやる、真っ先にそれはやるわけですよ。現場の保存もなかなかできないとか、こういうことを言ったら申しわけございませんけれども、警察の犯罪捜査ということが優先して、かえってそうした事故原因の究明というのがおくれているんじゃないか。それは犯罪の捜査も大事だと思いますけれども、結果的にそういうふうになるんじゃないか。少なくともこの事故調査検討会にそういう警察権なりなんなりもあって、そういう法的根拠もきちっとしたそういう組織をつくらなければ、今からこういう検討委員会で専門的にやっていきますと言うけれども、なかなか、もうレールもない何もない、どこでそういうことで判断ができるかと。 最後には、せり上がりだとかなんとかのいろいろな原因が競合して事故が起こったと、大体こういう結論に私はなると思うんです。一つ一つじゃなくて大体いろいろな複数のものがたまたまかち合ってこういう事故になりましたよと、私は申しわけないけれどもそうなるんじゃないかと思うんです。だから、本当に強烈な権限を持った組織をぜひつくっていただきたい。 まだいろいろとお聞きしたいことがございましたけれども、時間になりましたので終わりたいと思います。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本です。 去る三月八日の営団日比谷線の脱線事故については、さきの参議院予算委員会で運輸大臣に質問をさせていただきました。本日は、営団の寺嶋総裁もおられるので、さらに突っ込んでお伺いをしたいと思っております。 冒頭、総裁は、重大事故を発生させたことはまことに申しわけなく、極めて深刻に受けとめている、こう述べられました。 しかし、一方で、営団はマスコミに対して、原因はせり上がりとは考えにくい、脱線は保守管理の問題でなく不測の事態などと述べたと報じられております。産経新聞三月十一日にそうなっております。 「不測」というのは、広辞苑で調べましたけれども、「はかりがたいこと」、わからぬこと、つまり予期せぬことで仕方がなかったという言い分になると思うんです。今、事故原因は調査中で、脱線が保守管理の問題であるのかないのかも含めて調査中です。なぜせり上がりでないなどと言えるのか。なぜ不測の事態だったなどと決めつけることができるのか。 先日、この問題を当委員会で我が党の筆坂議員が取り上げ、運輸大臣は、そういう発言が事実だとしたら遺憾だと答弁をされました。 総裁にはっきりお伺いいたしますが、営団はそのようなコメントを行ったんですか、言ったとすればそれは何を根拠にしてそうおっしゃいましたか。
○参考人(寺嶋潔君) 事故発生後、連日連夜記者会見が行われておりまして、私どもの担当職員がいろいろと御質問にお答えしておるわけでございまして、その中でどのような発言があったか全部記録があるわけでございませんが、気持ちとしましては、今度の脱線事故の原因がなかなか究明が難しい、私どものやっております専門職員でもなかなか突きとめにくいということを申し上げたのではないかと思います。 余り表現が断定的であったとすれば、それは行き過ぎであったかと思いまして修正をさせなければならないと思いますが、何分、何も議事録などが残っておりませんので何とも申し上げられませんが、気持ちといたしまして非常に難しい事故であるなということを申し上げたのだと思います。
○宮本岳志君 理由がわからない難しい事故だからこそ、こういう予断を持ったような発言というものは大変問題だというふうに私は思うんです。こういうコメントが流れると、国民の間に、営団は本当に反省しているのかと、そういう疑念の声が上がるのは当然だと思います。今営団に求められることは、猛省し、過去の事故を洗いざらい明らかにすることだと言いたいと思うんです。 そこでお伺いしますが、我が党国会議員団の調査で、七年前に川崎市宮前区の鷺沼車庫構内で、短期間にレール乗り上げ脱線事故が相次いで起こっていたことが明らかになりました。 一九九二年十月十五日、ポイント部のカーブを走行中の十両編成の四両目と五両目、二カ月後の十二月二十八日午前九時ごろ、構内を走行中の十両編成の最後尾とその前の車両がせり上がってレールに乗り上げた。事故の事実は既にお認めになっていると思うのですが、運輸省の資料で見ますと、営団からの平成四年度の列車脱線の報告はゼロであります。 総裁、二度も立て続けにこういう事故が発生したにもかかわらず、なぜ報告をしなかったんですか。
○参考人(寺嶋潔君) 鉄道事故の報告につきましては、運輸省の省令で鉄道事故等報告規則というものがございます。その報告義務の対象となりますものは、列車脱線事故、列車または車両の運転による鉄道人身障害事故、五百万円以上の鉄道物損事故及び三十分以上の運転阻害事故等が列挙されておりまして、鷺沼の事故はそのいずれにも該当いたしませんでしたので、規則に基づく報告はいたしておりません。
○宮本岳志君 義務がなかったから報告しなかったと。 ではお伺いしますけれども、三月八日に事故が起こった。この平成四年の事故というのは、ある意味では、私どもその中身を調査してみて、今回の事故にさまざまな通ずる問題があると思うんですが、三月八日の後も、今日我が党が指摘するまで自分からオープンにしなかったのはなぜですか。
○参考人(寺嶋潔君) 三月八日の事故は本線上の事故でございました。事故を起こしましたのは営業運転をしている列車でございます。一方、鷺沼の事故は車両基地内での空車の脱線事故でございます。 本線と車両基地内では列車の走行条件が非常に違っておりまして、車両基地と申しますのは平たく言えば車庫でございますが、非常に限られた敷地に列車をぎっちりと並べなければなりませんので、本線から分岐してきた線が次々にポイントで分かれていきまして、そこに列車を入れていくという作業を伴うわけでございますが、用地の関係から非常に急なカーブと極めて複雑なポイントが次々にあるという状況でございます。そして、そこを走る車両はお客様を乗せておらない軽い空車という状態でありまして、走行するにつきましては、そういう条件でございますので極力速度を落としまして、時速九キロメートル以下の最徐行運転をしております。 そういうわけで、走行状況が全く違いますので、特に今回の三月八日の事故と結びつけて発表するということは考えませんでした。
○宮本岳志君 そうなってまいりますと、規則上の義務がないからといってほかにもこの種の事故が報告されずに残っているということがあり得るということになってまいります。今条件が違うということもおっしゃいましたけれども、脱線というのは、もちろん車庫とそして通常の線と場所は別でありますけれども、現にレールから車輪が外れた、脱線をしたということは事実なんですね。やはりこれだけ問題になっているときにそのことが出てこなかったというのは非常に重大だと思います。 これ以外にこういう事故が隠されているということはあるんですか。
○参考人(寺嶋潔君) 別に隠しているわけではございませんが、先ほど申し上げた報告規則に該当しなかったので、運輸省に規則上のお届けをしていない事故としてはあと二件ございます。 一つは、昭和四十九年八月八日に綾瀬検車区構内で脱線がございました。これは、千代田線は十両編成になっておりますが、十両編成同士の列車を併結いたしまして計二十両という長大な非常に異例の運転で、一方の列車で他方の列車を引っ張るという、重連と言われますが、そういう形で試験のための運行をしておりました。そのときに非常ブレーキによりまして脱線したものでございますが、対策としましては、この後、重連運転のときには急加速、急ブレーキを施さないということにその後いたしました。これは試験のための走行でございます。 それから二件目は、昭和五十年三月十二日に深川検車区の構内でポイントの乗り上げ脱線がありました。これの原因は構内の信号の不確認によるものでございまして、これは運転者のミスでございますが、対策としましては、運転関係者の教育を行うとともに、基本動作の訓練を実施いたしました。 この二件がございます。
○宮本岳志君 鷺沼の事故というのは九キロでも脱線しているわけですから、当然営業運転というのはもっと速い速度でやっているわけですから、その点では、それでも脱線したという事態は極めて重大だというふうに思うんです。 先日、運輸省との議論の中で、我が党の筆坂議員がこの報告義務、鉄道事故等報告規則、これの抜本的な見直しということも指摘をいたしました。もう時間の関係がありますので改めて答弁を求めませんけれども、ぜひ、あのときの御答弁でも述べていただいたように、抜本的な検討をまた運輸技術審議会で進めていただきたいというふうに思っております。 それで、営団にお伺いするんですが、この鷺沼車庫での脱線の原因は何だったか、そしてどういう対策をとったか、お述べください。
○参考人(寺嶋潔君) 先ほど申し上げました鷺沼の事故につきましては、車両の空気ばねのバランスを調節する、あるいはポイントのところの整備を確実に行い改良するというような対策をとりまして、その後事故は発生しておりません。
○宮本岳志君 私は冒頭、マスコミに不測の事態という言葉が流れたことを問題にいたしました。しかし、これはまさに不測の事態などと言えない。つまり、七年前に起こったこの事故というのが、今お述べになったように空気ばねの内圧の調節やポイント部の曲線の軌道状態の検査、補修を強化することが求められるものであったと、つまり、線路条件と車両バランスが非常に複雑に絡み合って脱線を誘発したと、今回の事故と極めて類似の特徴を持っているわけです。 それで、これも関係者にお伺いをいたしました。七年前に事故を起こした車両、住友金属製のSS一〇一という車両だと聞いております。今回の日比谷線の事故、これは同じく住友金属製のSS〇一一という車両であったと思います。この両者に共通するのは、ボルスタレス台車と言われる台車方式を採用していることであります。ボルスタレスというのは揺れまくらというものがついていない構造を採用しているということで、これは軽量化を進めるためにそういう措置がとられました。関係者によりますと、ボルスタレス台車は、カーブを通過する際に台車にかかる重力がアンバランスになりやすく、車輪が浮き上がったり、車体が傾斜する危険性、これがあるということが指摘をされております。 この指摘はまさに今お述べになった事故の原因の推定や対策と全く一致していると思うんですが、これは関係がないとおっしゃるんですか。営団、いかがですか。
○参考人(寺嶋潔君) 御指摘のように、使われております台車は、半蔵門線も日比谷線も同じ形式の台車が、同じメーカーのものがつけられておりますので、その点においては共通しておりますが、走行条件が先ほど申し上げたように極めて違った状況でございますので、これは直ちに日比谷線の事故を類推させるようなものではなかったということでございます。
○宮本岳志君 ボルスタレス台車というのがこのような問題点を指摘されているわけです。そして現にその台車方式を採用した車両が事故を起こしている。ですから、一層これはやっぱり、点検の周期の問題で見ても、あるいはこの車両検査体制の強化という点でも対策が求められていたわけであります。 ところが、この間、あなた方は一体何をやってきたかということが問題だと思います。私は、先日の予算委員会で定期検査の問題を取り上げて、運輸省の基準も年を追って周期が延ばされてきたことを指摘いたしました。しかし、営団が独自に定める列車検査、これもかつて毎日行っていたものを二日に延ばし、そして現在はこの九九年版の営団地下鉄ハンドブックによりましても、「三日を超えない期間ごとに」とさらに延ばされております。しかもあなた方は、事故の一カ月前、二月十日には、さらに検査周期を延ばす提案を労働組合に対して行っております。その内容をぜひ御答弁ください。
○参考人(寺嶋潔君) 営団の車両は、新技術を採用した新造車両への更新に伴いまして、いろいろな面でメンテナンスの軽減化が図られております。そこで、このような中で、検車区における列車検査は車両を外観から検査するものでございますけれども、摩耗部品、消耗品の取りかえなどを行うことが主となってきております。 今回組合に提案いたしましたのは、三日に一回行っておりました列車検査の周期を六日にするというものでございますが、これによって、営団全線における一日の列車検査本数は約百本から約五十本となります。これに合わせて、出庫点検施行時期及び検車区の作業担当区分の変更を行うという提案をいたしておるわけでございます。
○宮本岳志君 つまり、検査の延伸をやると。 あなた方から私のところへあらかじめいただいたこの中身を見ましても、この検査の延伸、三日から六日に倍に延ばす、それは四十八名の要員を削減するためだとはっきり述べられております。最大の問題は、この要員の削減とコストの削減ということで結局検査の体制、検査の周期を緩めてきたということを指摘したいと思うんです。 今回の事故の後、実は新聞でも、昨年一月号の鉄道技術の専門誌に営団が行った研究論文というものが掲載されていることが問題になりました。私も子細にその論文を検討いたしましたけれども、今回の事故原因との関係は現在調査中ということであろうと思います。 私が指摘したいのは、ではなぜ営団がこの研究を行ったかということがこの論文にはまず冒頭書かれてあります。この研究の目的は何ですか。
○参考人(寺嶋潔君) その研究の目的は、車輪の踏面につきます傷、フラットと言っておりますが、これがつきますと車両の乗り心地が悪くなる、それから騒音や振動が発生しますので沿線の皆様方にも大変御迷惑をかける、そして車両自体も傷みが早くなる、レールも傷つけることになるということから、何とかフラットを起こさないような方策を探ろうと。そのためには、レールの上で滑る現象、滑走現象を抑えていこう、その対策を探ろうとして書かれた論文でございます。
○宮本岳志君 この一月号は、「特集 鉄道車両・機械のコストダウン」となっているんです。そして、この論文をお書きになった是澤さんという方は、こういうふうにずばり述べておられます。「鉄道事業者にとって車輪の延命には大きなメリットがある。近年、車両性能が向上し、同時に機器の経年による故障率が減少していることから車両の定期検査周期の延長が検討されている。車輪交換は台車分解を伴うため工場入場時に行うのが一般的であり、車輪交換周期は必然的にその周期が基準となる。この場合、次回検査までの転削余裕代が残っているかが車輪交換の判断基準となる。」ので、つまり延期、延長するためには、できるだけ踏面損傷に対策を講じて、摩滅といいますか、転削周期を延長しても大丈夫なように「転削代の縮小を図ることが期待されている。」と。 つまり、検査周期を延ばすためにはできるだけ踏面の破損を減らす必要があるとあからさまに書いているわけです。もちろん、今総裁がおっしゃったこともないとは言いませんよ。しかし、この特集はそのことを大いに鉄道事業者が寄って議論している論文であります。つまり、ここにもやはりコストの削減ということが今回の事故の背景として大きな影を落としているということを指摘せざるを得ないと思うんです。 私は、きょうはこの保守点検の体制についても、昨日資料いただいたものをお手元の資料にもして配ってありますが、同時にこういうグラフをつくって持ってまいりました。この間、営団の車両の点検体制がどのようになっているか。(図表掲示) 一番上のこの赤いグラフが車両部や工務部の職員数です、九五年から九九年まで。これは一方的に減っております。その一方で、車両数は二千四百からふえているわけです。漸増しているわけです。それに伴って事故というものはこうしてふえているわけですよ。つまり、車両がふえているのに車両部や工務部の職員数を減らすものですから、やはり点検がおろそかになっているということがこのグラフから私は読み取れるのではないかと。 とりわけ車両関係の、またレール関係の職員のところが減らされているというのは、お手元に配付した資料でもパーセンテージを見てもらえば明らかだと思うんです。車両・工務職員は七八%まで減らされている。本社の職員は一一〇%ですから、減るどころかふえている、八八年比で。こういうことになっております。 こういう人員削減といわば点検の延伸、これが安全の軽視につながったということはもはや否定できないんじゃないですか。いかがですか。
○参考人(寺嶋潔君) できるだけ少ない人手で効率よく仕事をするというのは企業として当然の務めと思っておりますので、そのような見地から仕事を進めていることは否定いたしません。しかしながら、同時に、安全を犠牲にするということは全く考えておりません。 先ほど御説明申し上げましたように、車両にしましても非常に性能がよくなってなかなか故障が起きにくくなっておりますし、軌道の検査あるいはメンテナンスに関しましては、御説明申し上げたようなコンピューターを積んだレールの検測車を導入したり、それからレールを機械的に車両の方で削っていくというレール削正車というものを外国から輸入して入れております。このようなことで、スピードを上げて作業ができるという体制をつくっております。マルタイ、マルチプルタイタンパーというつき固め装置は前からございますが。 そのようなことで、いろいろな機械の導入によって人手を多くかけなくても仕事ができるということを進めておりますが、そのことによって決して安全が犠牲にされないように十分留意しながらやっているつもりでございます。
○宮本岳志君 総裁、現実に五名の人が死んでいるんですよ。人を減らしても安全を軽視するつもりはなかったと。当たり前じゃないですか。安全を軽視するつもりでやられてたまりますか。しかし、現にこの事故が起こった時点に立って、やはりこのことに問題はなかったのかということを真摯に検討するのは当然のことだというふうに私は思うんです。 それで、しかし、この効率化、人員削減が決して営団だけの責任でないこともまた事実だと思います。国の責任がある。 行政監察局長、きょう来ていただいておりますが、平成十一年二月九日、運輸省に対して行った行政監察結果、帝都高速度交通営団への勧告要旨の(1)「要員の合理化」のところを読み上げてください。
○政府参考人(東田親司君) 平成十一年の二月に鉄道事業に関する行政監察を勧告しておりますが、この中で、要員の合理化につきましては主に次の六点を勧告いたしております。 まず、駅員につきましては、他の事業者や営団内の他の駅と比較した上で、業務量に対応した要員配置の見直し。それから、車掌につきましては、車掌区間で比較した上で、管理監督要員の縮減及び一部区間のワンマン運転導入による要員配置の見直し。それから、運転士につきましては、営団自身の算出した必要要員数を上回る実配置要員数が見られましたので、その見直し。それから、工場につきましては、回転機の検修作業の部外委託をさらに進めていただくことによる要員の縮減。検車区につきましては、修繕業務実績に対応した要員配置となるよう見直し。それから最後に、中間機関である車両事務所につきまして、現在五カ所ございますが、これを一カ所に統合することによる合理化及び要員数算出根拠の見直しによる要員の縮減。この六点が主な要員合理化の指摘事項でございます。
○宮本岳志君 営団に一層の要員の合理化を迫るという勧告を行ったわけです。 それで、運輸大臣、私はさきの予算委員会でも、規制緩和が絶対に安全の軽視につながってはならないということを求めました。大臣も、時流に流されて安全面についておろそかになってはならないと答弁されました。そこはわかっていただいていると私は思います。 しかし、私はきょう、もう一歩踏み込んで問題提起をしたいんです。 我が党は一貫して、交通の規制緩和や要員の削減は安全の確保という点で重大な疑念がある、このことを指摘してまいりましたけれども、そのたびごとに政府は、規制緩和や事業の合理化は進めるが安全も守るといった答えに終始をして、結局はそれを進めてまいりました。しかし、私は、今回の事故というのは、規制緩和や要員の削減が安全性の低下に直結することがあり得るということの一つの典型的な事例ではないかと考えるんです。 どうか大臣、そういう厳しい目で規制緩和というものをいま一度見直すと。何も、規制緩和をやめるとここで言えと、そんなことは言いません。今回の事故の教訓に立って、安全の確保という点はもっと厳しい目で規制緩和や要員の削減を再吟味すると。ぜひ御検討いただきたいと思うんですが、大臣の御所見を伺って質問を終わります。
○国務大臣(二階俊博君) まず、今回の事故につきまして、再々申し上げてまいりましたが、私は改めて、再びこのような事故を起こすことのないように、あらゆる角度から今回の事故の徹底的な原因の究明を行ってまいりたいと考えております。これに対応した再発防止策の確立に向けて、今後全力を挙げて取り組む決意であります。 ただいま宮本委員から御指摘のありました規制緩和、あるいはまたこれと安全重視との関係につきましては、御意見として十分承っておきたいと思います。
○渕上貞雄君 まず、今回の事故で犠牲者となられた方については哀悼の意を表するとともに、負傷された方には一日も早い回復を祈るものでございます。 そこで、営団地下鉄日比谷線中目黒駅近くで発生をしました電車脱線衝突事故の発生状況について、具体的な事実関係についてまず教えていただきたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) お答えいたします。 三月八日午前九時一分、日比谷線中目黒駅構内で、北千住発菊名駅行きの八両編成の列車が中目黒に接近中、駅ホームの端の手前約百八十メートルの地点におきまして、最後部車両の進行方向の前の台車の二軸が脱線したものでございます。その脱線した地点から、脱輪したまま中目黒駅方向に約六十メートルまで走行しました。その時点で、中目黒を出発した竹ノ塚行きの八両編成の列車の先頭車両から四両目、五両目に接触した後、六両目の車両に衝突して大破したものでございます。この結果、五名の方が亡くなられ三十八名の方が負傷したという事故でございます。
○渕上貞雄君 まず、なぜこういう質問をしたかというと、やはりそういう事実関係については急いで発表すべきではないでしょうか。マスコミの報道によると、かなり憶測記事で、らしいとかあったのではないかという疑問符をつけながら言っているところが問題でありますから、こういうものは事実関係として早急に明らかにしてもらいたいというのを要望しておきたいと思います。 次に、事故調査検討会の問題点について、同僚議員の方からこの委員会の性格の問題についてもいろいろ御議論がございました。同じ運輸省の中でも、事故にかかわって空には航空事故調査委員会というものが法的にちゃんと設置されている。海には海難審判庁というのがちゃんと法的根拠を持って設置されている。なぜ鉄道にないのかというところに疑問があるわけでございまして、やはり私は、今後こういうことはきちっと法的根拠を持たせて、捜査上の問題について権限を持たせていくということがないと、相変わらず、今ここで議論になっていますように、刑事罰を求めて事故を調査していく場合と安全を求めて事故調査をやっていく場合とは私は違うと思います。 ですから、そういう点では、明らかに運輸省の中に二つのそういうきちっとした調査会があり、なぜここだけないのかというのは、恐らく委員各位の疑問でもあろうと思うんですが、ここは従来どおりいろんなことを言われておりますが、私は、これは設置すべきだということで情熱を傾けて今後も取り組んでいきたいと思っているところでございます。 そこで、事故調査検討会の委員の事故現場における行動と検証の内容について、タイムスケジュール的に教えていただきたい。それから、事故調査検討会の事故現場における行動について、到着から退却までの詳細な点を明らかにしていただきたい。同時に、そのときに現場における検証の内容についても明らかにしていただきたい。
○政府参考人(安富正文君) 事故調査検討会のメンバーの方々、事故発生後直ちにメンバーの方々に連絡いたしまして、六名の方に順次現地に行っていただきました。ただ、もちろん急なことでございますので一遍には行けないということで、順次それぞれ都合がつく方から入っていただいたという状況でございます。 それで、事故の現場をつぶさに見ていただきまして、その事故発生日の三月八日の夕刻、大体皆様方がそろいましたのが十二時ぐらいではなかったかと思いますが、それから事故現場をそれぞれ見ていただきまして、それぞれの六名のメンバーの方に三月八日夕刻に本省に戻ってきていただきまして、直ちに第一回事故調査検討会を開催しました。その際に、現場の状況の報告を受けるとともに、調査の今後の進め方などについて議論を行ったところでございます。 この際、今後の運転再開についてどのような措置をとらせるかということもあわせて検討いたしまして、先ほど営団の方からも報告がありましたように、当該箇所への脱線防止ガードレールの設置、あるいは十五キロでの徐行運転、あるいは同種車両の総点検といったことを実施させるべきだということで、そのように営団に指示したわけでございます。 さらに、九日、事故調査検討会のもとに、詳細な検討を行うため車両及び軌道力学の専門家二名を追加してワーキンググループを設置したところでございます。 十日には第一回のワーキンググループを開催いたしまして、営団から事故概況について詳細に聞くとともに、列車の検査の実施状況等の報告を聴取しまして、さらに今後の事故原因究明に向けて必要な分析や試験の方法、内容等について議論をいたしました。これにつきましては、再度次回に再整理するということで合意いたしましております。 本日十六日に再度この事故調査検討会、ワーキンググループの合同会議の開催を予定しておりまして、これまでワーキンググループで検討してきた軌道狂いであるとか輪重等の管理状況であるとか脱線係数の状況だとか、あるいは車両、軌道の状態、あるいは分析、シミュレーションの方法、台車状態の把握等の幾つかの検討事項について再整理して、今後の検討の進め方について議論していきたいというように考えております。 今後、この事故調査検討会及びワーキンググループで現在までに得られたいろんなデータあるいは知見をもとに、事故の徹底した原因究明を行っていくということにしておるところでございます。
○渕上貞雄君 そういう流れについてはわかりました。 当日、具体的に、実質的な現場の状況、検査をどのような形でされたか。恐らく検討会が開催をされているので報告があったと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(安富正文君) 中身につきましては、余り具体的な詳細な点は省かせていただいて、一つの例示にとどめさせていただきたいと思いますが、各委員から現状報告がございまして、ちょっとこれは新聞なんかでも若干問題になりましたけれども、台車の左側の空気ばねの空気が抜けていた状況であるとか、あるいは台車枠、ベアリング、車軸、車輪について目視でいろいろ見てみたけれども、目視で見た段階ではまだ異常は認められなかったとか、それからレール上に前輪によるフランジ跡が数メートルにわたって生じていたとか、それから塗油状況も調べてみたけれども一応油は乗っていたようであるとか、幾つかもっといろいろ細かいことございますが、例えばそういうことがいろいろ議論されまして報告されたところでございます。
○渕上貞雄君 今そういう具体的な報告がございましたが、これは後日この会議録は公表されますか、どうですか。
○政府参考人(安富正文君) この具体的な中身につきましては、また調査報告書をまとめる段階でそれぞれの事実関係について御報告したいと思いますが、現段階ではいわゆる原因究明について今後どういうことをやっていくかということをやっておりますので、それに余り予断を与えるような形になるのはいろいろ問題があるかと思いますので、ある程度調査が進んだ段階で検討したいというふうに考えております。
○渕上貞雄君 検討をしたいというのはどういうことですか。会議録について公表するかという問いに対して検討したい、公表するかどうかについて検討するんですか、どうですか。
○政府参考人(安富正文君) いわゆる会議録という形で個々の先生方がどういうことを言った、あるいはどういうことを議論した、具体的な中身については、我々としてその会議録自体を公表するということではなくて、この報告会のいわゆる議論をまとめていく形の中で、最終的な結論でなくても、例えば中間的にでも報告をするというような形で公表していきたいというふうに考えております。
○渕上貞雄君 では次に移りますが、今回の事故における営団の対応についてでございますが、事故発生時にいわゆる営団として行わなければならない最も重要なことが二つあると思います。その一つは、やはり被害者、遺族に対する誠実な謝罪と補償。二つ目は、今までも種々議論されましたが、事故原因を究明して事故の再発防止に努めるということでありまして、今回発生をいたしました事故について営団としてそういう被害者に対する問題、安全運行に対する問題についての見解をお伺いいたします。
○参考人(寺嶋潔君) ただいまの御指摘の二点でございますが、最初の被害者とか御遺族への謝罪と誠実な賠償につきましては、事故直後から私どもの職員を、不幸にしてお亡くなりになった方の御遺族あるいは入院された負傷者、それぞれの方に担当者を張りつけまして、終始御連絡をとらせていただき、そしていろいろなお手伝いもさせていただきました。 それから、亡くなられた方への弔問と謝罪につきましては、私自身がすべての御遺族をお訪ねいたしまして、心からおわびを申し上げたところでございます。また、その他の役員、職員も手分けをいたしましておわびを申し上げております。 それから、今後のことになりますと、御指摘の補償の問題等が出てまいるわけでございますが、これらにつきましても誠心誠意当たらせていただきたいということで、十四日の日に日比谷線列車脱線衝突事故被害者ご相談室という組織をつくりまして、専任の担当者を任命いたしまして、それらの者が誠心誠意対応に取り組んでいるところでございます。 今後とも、それぞれの御被災者との連絡を欠かさないようにして、誠意ある対応を申し上げていこうと思っております。 それから、事故原因の究明と再発防止でございますが、私どもといたしましても、警察の捜査、それから運輸省の調査検討会の調査に全面的に御協力をいたしております。また、営団独自の努力もしているところでございます。 それから、原因の究明を待たないで早急に手を打った方がいいと思われる対策は、先ほど申し上げました曲線半径百六十メートル以下の箇所への脱線防止ガードの設置に踏み切ったわけでございますが、その他必要な措置が出てくればなお対策として取り入れたいと思っております。 また、調査検討会の結論が出ましたら、それに基づいての対策の御指示もあろうかと思いますので、それらについても全力を挙げて取り組みたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 どうかひとつ誠実な対応をお願い申し上げておきたいと思います。 次に、運輸省の対応の問題についてでありますけれども、運輸省といたしまして、事故発生後、省内に対策本部を設置しました。鉄道事故調査検討会を招集して対応に当たられておりますけれども、この間、各鉄道会社に対して具体的にどのような指示をしたのか。マスコミによれば、その受けとめ方というのは非常にばらばらのようでございまして、そこらあたりの運輸省の指導と各社の受けとめ方といいましょうか、具体的にどのような指導をされたのかが一つ。 しかし、この事故の問題について国民が知り得るのはマスコミを通じてのみでありますから、やはりマスコミ情報というのは非常に私は重要だと思います。そこで、やはり事故調査検討会としてきちっとしたマスコミに対する情報というものを流すべきではないかと思うんですが、その点、各社の報道を見ましてもいろいろ違う。もちろん独自の取材はするでありましょうが、やはり一定のきちっとした事故調査会としての報告をするべきではないか。結局、どこら辺に事故の原因があるかということは、毎日乗る列車が安全なのかどうか、不安なく利用できるかどうかというところにつながるわけですから、やっぱり事故の原因を調査している調査会というのがきちっと報告をしていくことが一番大事なことではないかと思うんですが、その点はいかがか。 同時にあわせて、積極的にそういう問題については情報の開示をしていくべきではないかというふうに思います。そのことがより信頼性を高めることになるのではないかというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(安富正文君) まず、第一点目の各鉄道事業者に対する指導でございますが、三月八日付で私の方から鉄道事業者に対し、今回の事故の重大性にかんがみ、現在当局において事故調査検討会で事故の原因等詳細について調査中であるが、この種事故の再発防止を図るため、事業者に対し、軌道及び車両の点検等を確実に行うよう指導したところでございます。 それから、事故調査検討会の具体的な検討内容の情報開示ということでございますが、我々としても、第一回の事故調査検討会、それからワーキンググループ、いずれも会議が終わった後、記者に対してレクを行いまして、具体的な内容について報告、発表しているわけですが、ただ、事実関係として、具体的な原因究明とか事項としてなかなか外に出すのが問題な点についてございますので、そこら辺は我々として公表できる範囲内では努力してきております。それが、逆にまた一つの事実として大きく取り上げられて、いわゆる原因ではないかというふうな形で取り上げられる要素もございますので、そこは我々としても慎重に対応しなきゃいけないというふうに考えておりますが、具体的に今検討会なりワーキンググループがどういう活動をしているかということについては、我々としても積極的に情報開示をしていきたいというふうに考えております。
○渕上貞雄君 次に、脱線防止ガードの設置についてでありますけれども、普通鉄道構造規則の第四条、第十条にかかわる問題でございますけれども、カーブの半径が小さい場合は脱線防止ガードを設けなければならないと定められておりますが、設置すべきカーブの半径などの具体的な基準はありませんね。なぜ設置すべき基準を明示せず各社判断にゆだねているのか、その経緯について明らかにしていただきたい。
○政府参考人(安富正文君) 脱線防止ガードレールにつきましては、昭和六十二年四月の国鉄民営・分割の前には、地方鉄道建設規程それから日本国有鉄道建設規程等、国の技術基準には特に脱線防止ガードの設置基準は定められておりませんでした。一方、地方鉄道運転規則等に基づく鉄道事業者に届けられた実施細目の中で脱線防止ガードの設置基準が含まれていた、そういう規定になっております。 ただ、昭和六十二年四月の国鉄分割・民営化に伴って、それまで地方鉄道建設規程、日本国有鉄道建設規程及び日本国有鉄道簡易線建設規程等を統合しまして制定しました普通鉄道構造規則において、脱線防止ガードの設置基準ということを新たに規定したところでございます。 ただ、その際にも、具体的な告示でこういう箇所については脱線防止ガードをつけろということを明記しておりますが、具体的な数字につきましては、鉄道事業者がそれぞれの線区の状況、過去の実績、理論計算等により安全性の確認をした上で、脱線防止ガードの設置基準を細則として定めて地方運輸局に届け出るということにしているわけでございます。
○渕上貞雄君 最後に、曲線半径の設定根拠と例外についてお尋ねをいたします。 運輸省令において、本線のカーブのきつさについて、最もきつい場合であっても曲線半径百六十メートル以上に定められておりますね。しかし、運輸大臣の許可があれば例外も認められます。曲線半径百六十メートルとした根拠を明示していただきたい。それから、例外取り扱いを認めた根拠についても同時に明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 最小曲線半径につきましても、これは普通鉄道構造規則において定められておりますが、この百六十メートルと申しますのは、鉄道としての特性を発揮するため、ある程度最低限の規格として、あるいは軌道保守の難度等を考慮して定めたものでございます。 ただ、先生御指摘のとおり、鉄道事業者が運輸大臣の許可を受けたときは百六十メートル以下にすることができるということになっております。曲線半径を百六十メートルより小さくせざるを得ない場合には、この規定に基づいて、「規定により難い特別の理由」というのはどういうものであるかという妥当性、それから百六十メートル以下にしても安全が確保されているか否かといったようなことを審査して、必要に応じて安全性を担保するための措置についての確認を行った上で許可しているところでございます。
○渕上貞雄君 その規則と運営の間に当たって、各社別にゆだねられておりますね、自主的な判断。それで、各社別で決められた判断というのは、運輸局か運輸省にちゃんと報告はあるんですか。
○政府参考人(安富正文君) 曲線半径についてそれぞれいわゆる許可をとって百六十メートル以下でして、それについては当然運輸局の方で詳細につかんでおりますし、その際にどういう安全対策をやったかということについても運輸局の方でつかんでいるはずでございます。
○渕上貞雄君 これで終わります。
○戸田邦司君 今まで皆さんの議論をずっと聞かせていただきました。こういった事故が起こったときに一番大事な点といいますか、これはやはり行政サイドで事故そのものの全体像をなるべく早くとらえていただく、対応していただくということではないかと思っております。 そういう点では、今回、中馬総括政務次官がいち早く、中目黒鉄道事故対策本部が設置された直後に現場をごらんになられたということでありますが、運輸省のリーダーとしてその現場を見られて、それから後のいろいろな対応をしなければならない、それも急いで対応しなければならない、そういうことであったかと思いますが、今までの議論も踏まえて、中馬政務次官の御所見をお伺いしたいと思います。
○政務次官(中馬弘毅君) 大臣ともども私どもは就任以来、安全は運輸行政の基本であるという認識のもとに、昨年のトンネルコンクリート剥落事故におきましても、大臣もですが、私もすぐ現地に飛びまして、神戸トンネルでたたいてまいりました。こういった直ちの対応というのは、やはり組織が挙げてそれに真剣に取り組んでいるということ、それを働く人たちにも現実に意識づけをすることになろうかと思っておりまして、今回もすぐ飛んだわけでございます。 ちょうど当日の九時に大臣室で事務の打ち合わせをいたしておりました。そこに入ってまいりまして、それが十五分ごろでございましたでしょうか、本部を設置すると同時に私も運輸省を出ましたのが三十分ごろじゃないかと思います。案外早く行けまして、九時前ということは事故が起こりましてから一時間以内に現場に到達することができました。 もちろん警察等の警備も非常に厳しゅうございましたけれども、こういう立場ですから、現地にすぐ行きまして、まず初めに心配しましたのは爆発だという情報でした。しかし、現地を見ますと、どうも両方の車両の横が壊れているわけですから、爆発的な破壊状況でしたけれども、これは爆発でないということを、これはなぜ確認したかといいますと、両方とも窓ガラスは一枚も破れていないんです、こっち側は、ということは、爆発であれば飛んでいるはずですから。そうするとこれは爆発でないということをこれまたすぐ、対策本部に鈴木次官もいらっしゃいましたが、事務次官の方にもそれをすぐ報告すると同時に、また現地を見ましたら、本当に上りの車の中はもう血の海でございまして、血のじゅうたんを敷いたようで、そこに文庫本や新聞が散らばっているといった、満員の状況でこの事態が起こったということがよくわかりました。しかし、下りの方はがらがらとしていまして非常にきれいな状況でもあったわけですが、本当にそのときにこれは大変な事故だ、亡くなられた方がいらっしゃる、それも情報がちゃんと入っておりませんで、二名とか三名という、しかし少なくとも亡くなった方がいらっしゃいましたので、本当にその場で御冥福をお祈りしたようなことでございました。 そして、我々としましては、施設課長やあるいはまた関東運輸局の専門官も同行しておりましたので、そこにすぐどういう状況かをかなり細かく調べさせまして、一つの見取り図といいますか、ポンチ絵をかきました。ほかのところもかいておりましたが、どうも私たちがかいたのが一番正確なようでございまして、警察やあるいはまた新聞記者やその他も、現場の状況がわからないものですから、それをぜひ見せてくれといったようなことで、これも早くもちろん本省の方にもこれは送りました。 そして、そこで感じましたのは、今回の場合にはそれぞれの所掌のところが本当に真剣に対応よくやっていただいたのではないかと思います。消防の方も死傷者をすぐ病院にほとんど片づけて、私が行きましたときには、ということは一時間以内でしたけれども、そのときにはもうけが人も、もちろんそういった状況の方はだれもいらっしゃいませんでした。ちゃんとそれぞれの病院に運び込んだのではないかと思います。 警察の方も、これは刑事事件としての大変な事件でございますから、この現場検証、現場保存というのが非常に大事だということはわかりますが、これも大臣が官邸に申し入れられまして、警察庁の方に協力をしろということの御指示があったようでして、かなり柔軟に対応してくれておりました。 もちろん、また営団の方はこれは運転を再開するということは非常に大事なことです。利用者の利便のためにもこれは必要なので、これまた早く片づけて早く線路を敷き直して列車を通したいという気持ちはよくわかるんですが、それも一方で警察のこともございましょう。しかし、そこも双方が柔軟に対応して、次の日の朝の五時に一番電車がちゃんと走ったことは御承知のとおりでございます。 また我々の事故調査検討会、これも事故原因の究明ですからなるべくそのままで調べさせていただきたいんですけれども、とはいいながらも我々としましても現場検証のことがありますから、実際に先生方がそれをさわることはできませんでした。しかし、外見をずっと見て回ってかなり詳しくその時点における視察をしていただいた。ただ、クッションの空気が抜けていたとか抜いたとかいったようなことの若干の誤解はあったようでございますが。 そういったことで、今回はそれぞれの職務に忠実だったけれども、一方相手の立場にもなって、柔軟にそれぞれが対応をしたがために非常にスムーズに現在まで至っていると私どもは認識をいたしております。 ちょっと何か言い間違ったようですね、到着しましたのは十時ちょっと前でございました。 しかし、そこで感じましたのは、今回はそれぞれの立場の方々が今言ったように柔軟に対応していただきましたけれども、理想からいえば、情報を一元的に集めて、そして適切な指示を出す何かコントロールセンターみたいなものがあった方がよかったのではないか。それがあればなおスムーズにいっておったかもしらぬという、これは一つの今後の課題だと私はそのときに思ったようなことでございました。 ともかく、今回こうして事故調査検討会の先生方も本当に今一生懸命ワーキンググループを構成しながら頑張っていただいております。先生方からきょういただきましたいろんな御示唆やあるいはまた御提言を踏まえまして、今後私たち運輸省、こういった事故が起こらないように最大限また努力してまいりますことも申し添えまして、私の御報告とさせていただきます。
○戸田邦司君 なぜ私がそういう質問を申し上げたかといいますと、先ほど来の議論の中に国の規制の問題についていろいろ御注文がありました。私は、国の規制というのは、前からもこの委員会で再々申し上げておりますが、合理的な範囲で、しかも両者納得とは言わないかもしれませんが、大方の人がこれは合理的な規制であると認められる、そういうような規制をしなければ実際には効果もないし、それから運行者が責任を持って安全運行していくということにもならないと思います。大体、国の規制というのは最低限度といいますか、これだけは守ってくれと、それを上回る安全対策をいろいろ運行者が講じてきているというのが海陸空の運輸に携わっている人々の考え方ではないかと思ってそういうことを申し上げました。 そこで次は、私は質問ではありませんで、私の所見を申し上げておきたいと思います。 先ほど来脱線防止ガード、線路の曲率半径ですね、そういったことも論じられてきております。これもそのスピードが一つの大きなファクターになるはずでありまして、それなしに議論するわけにはいかない。そういったことで、今回の問題というのは私も技術屋ですからいろいろ考えてみました。大変に難しい事故だったと思います。 一つは、動いている列車、これがなかなか計算上一概に解答を出すことができない、そういう代物ではないかと思っておりますが、ああいった一両ずつつなぎ合わせて動いている、これがまた重量がそれぞれ違う。下り電車は非常に乗客が少なかったということですから、最後部車両の問題が先ほどから出ておりますが、考え方としてはああいう連結した運動体としては一番後ろというのはフリーエンドのような運動をする可能性があるといいますか、そういうふうにとらえられるわけですが、しかしこれは列車だけの運動で議論できないと私は思っております。 皆さんもよく見ておられればわかると思いますが、線路自身が上下動している。もちろんカーブの箇所ですから左右にも動いている。上下左右に動いている。それも単に外力がかかって動いているだけではないんじゃないかと思います。振動を起こしているかもしれない。振動といってもバイブレーションの意味ではありませんで、工学的にオシレーションと言われているそういう現象ですね、それが列車の方にもあるかもしれない。場合によるとこれはスーパーコンピューターぐらい動かしていろんな条件を与えて計算しないとわからないかもしれない、そういった可能性のある課題ではないかと思っております。 ですから、そう簡単に私は解答が出てくると思っておりません。その間十分な安全対策をして動かしてもらうということになるかと思いますが、しかし、いずれにしましても大方の専門家も含めて納得のいく解答を引き出していただかないとならない問題ではないかと思います。 そういうことで、運輸省それに営団地下鉄の皆さん初め専門家の原因究明の委員会の先生方に相当集中的に仕事をしていただかなければならない問題ではないかと、そういうふうに思っております。外部からいろいろ、ああではないかこうではないかと言われることがよくあるんですが、私も昔、大型船の沈没の事故究明にかかわっていたことがありまして、そういう点からいいますと、やはりそういう専門家が一生懸命考えていただくというのが一番ではないかと思っております。 後先が違ってしまいましたが、今回亡くなられました五名の方々、心から御冥福をお祈りしたいと思いますし、また遺族の方々には心からお悔やみを申し上げまして、私のコメントを終わらせていただきます。
○岩本荘太君 参議院の会の岩本でございます。 まず、先日の委員会でも申し述べましたが、お亡くなりになりました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御負傷された方々の一日も早い社会復帰を、これはそれを支援する営団としても最大の努力をひとつお願いをいたしたい、集中審議に当たりましてそのことを改めて申し述べさせていただきたいと思います。 本日のこの審議で、原因究明等いろいろな角度からいろんな御質問がございまして、まだ原因がはっきりしていないわけでございますので、それぞれ正確にはかみ合ったかどうかわかりませんが、原因究明に対する御努力、一日も早くという気持ちは私も一緒でございますので、よろしくお願いいたします。 私は、そういう面で今回の事故そのものとはちょっと離れるかもしれませんが、安全管理といいますか危機管理といいますか、そういうものについて御質問させていただきたいと思っております。 昨年も、JR西日本山陽新幹線のコンクリート剥落で当委員会でもいろいろ御議論させていただきましたが、それとも関連させていただきまして、ちょっと御質問をさせていただきたい。 この危機管理といいますか安全管理といいますか、私もそうでございますけれども、事故がない、何事もなくて安全だったというのが、これはだれもそれが当たり前のことだと思うのが常識といいますか普通だろうと思うんです。しかし、その陰にはいろんな方々が安全に対していろんな御努力をされている。技術的な面でもそうですし、ソフトの面でもそうであるというのが実態であろうと思います。 今回の事故とは直接関係ないかもしれませんけれども、先般NHKの「クローズアップ現代」で航空機事故の特集がございまして、その中で私印象に残りましたのは、一九八六年に起こったスペースシャトルの事故、あの事故の究明はもうその年に終わっておりますので、皆さんはもう御存じかもしれません。ただ、私はNHKで初めて知ったんです。 その中で、下請会社の技術者とNASAの、実行するかどうか安全に対する考え方の物すごい葛藤があったというふうな報道がございまして、結局最後は技術的な面が押し切られて発射したと。それでああいう事故になったというふうに私は受け取ったわけです。 要するに、あれが一つの事例だと思いますけれども、そういう物すごい葛藤がある。したがって、何でもないと思っている中で起こる葛藤で、要するにこうじゃなければいけない、安全のためにはやめなきゃいけないというようなことを主張するというのは物すごい勇気の要ることであろうと思うんです。物すごく大変なことであろうと思うんです。それと同時に、余りそれを言い過ぎると、今度は過剰防護といいますか過剰阻止ということで、場合によってはオオカミ少年みたいなことになりかねない。 したがって、例えば基準とかマニュアルとかそういうものをつくってということになりますが、そういう基準とかマニュアルというのは、ある意味では一つの経済効率といいますか経済性も入ってくるんじゃないか。犠牲者、亡くなった方を云々するわけじゃないですけれども、例えば河川の計画なんか百年に一度のは防ぐと、それよりはしようがないじゃないかというような物の考え方というのが出てくるわけですから、必ずしも本当の人命にかかわる安全をこういうもので頼るということは本当にいいかどうかということはわからないと私は思うんです。 したがって、安全を、事前に防止するということがなかなかそういうものでは規定できないし、なかなかそういう対策をとれないというのが実情ではないかと思いまして、これは飛躍するかもしれませんけれども、ある意味では教育の問題あるいは社会倫理の問題にもなろうかと思うんです。 そうなるとすれば、じゃどうすればいいかというのは私自身何も対策がないわけでございまして、私の考え方は迷路に入ってその迷路に迷い込むだけになってしまうわけでございますが、ただ、この問題、こういうことをどうするかというのは、具体的に運輸省だけの問題ではないと思います。日本国民として、日本国としてしっかりと考えなきゃいけないことだと思うんです。 したがって、こんなことを私が何も意見を持たないで御質問するのは大変失礼かと思うんですけれども、そういう問題意識を持っていただく、というか持っておいでになると思いますので、その辺大臣の、ただいま申し上げたようなことに対する、事前に防ぐ場合の勇気といいますか、そういう社会ムードといいますか、そういうものについてのお話を聞かせていただきたいと思っております。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま大変岩本委員から、委員その人がそうしたことに対して大変経験を豊富に持っておられるにもかかわらず謙虚なお話をいただきました。 私ども、やはり仰せのとおり、技術陣の意見あるいはまた専門の学者等の意見というものは極めて尊重していかなくてはならない。そのために、経済性のみを追求するのではなくて、そうした専門の方々の意見というもの、安全の意識の再徹底を含め、我々は改めて今回の事故を念頭にして対応していかなくちゃならないと思っておるところでございます。 私は、実は運輸大臣に就任しました際に、運輸省には三万七千人の職員がおる、関係の企業は二十万社に及ぶ、そこに働く人たちの数が三百数十万に達する、この話を以前から大体は承知をいたしておりましたが、改めてこの関係の皆さんに総力を挙げていただいて、安全意識の再徹底を国民の皆さんにも広く行き渡るようにやることが運輸省としての最大の責務ではないか、このように考えた次第でございます。 そして、事務方といいますか、委員も農林省のお役人として御活躍をいただいたわけでありますが、私は、やっぱり運輸省の三万七千人が総動員してこのことに協力する体制を整えるためには、やはり事務次官をトップにするのがよかろうということで、事務次官を議長とする運輸安全戦略会議というものを設けまして、危機管理対応を強化したところであります。 そして私は、再々にわたりまして、その会議の結果あるいはまたそれの地方の部局に対する、いかにしてこれを浸透させていくかというふうなことにつきまして、繰り返し繰り返しその必要性を強調してまいりました。 そうしたことを進めております最中に次々とトンネルが崩落したり列車がこのようなことが発生したりしてまことに残念でありますが、決して私たちはひるむことなく、このことに対し、つまり安全を確保するという安全意識の再徹底を図るということに関しましては絶え間ない努力をすることが大事だと思っております。 今、今度の問題に関しまして一日も早い原因の究明ということは極めて当然でありますが、原因の究明イコール再発防止につなげることでありますし、それはまたお亡くなりになりました、とうとい犠牲者となられましたこの方々に対する報いる道としましても、私は安全の確認を図っていくために原因の究明と再発防止、これは重ね合わせられておる問題でございますだけに真剣に取り組んでいかなくてはならないと思っておりますが、これを急ぐ余りに、後にまた考えを改めなくてはならないような結論であってはならない。したがいまして、慎重かつスピードを持って対応していかなきゃいけないという難しい問題でありますが。 いずれにしましても、けさほど来も各委員の皆様からも大変示唆に富んだ御意見をたくさんちょうだいいたしました。きょうこの場では十分な回答に至っていない、つまり検討課題といいますか宿題をちょうだいしたようなものもございます。私どもは、そういうことは謙虚に受けとめて、今後運輸省を挙げて真剣に対応してまいりたい、この決意を申し上げておきたいと思います。
○岩本荘太君 ありがとうございました。 大臣の大変心強い御決意並びに既にもういろいろな面で実行されておられますことを評価させていただきたいと思います。 大臣、これは運輸省だけに限らず、大臣のお気持ちが広く日本国に広がるということを私はぜひとも希望したいな、こう思っております。 次に、今回の事故、これはいろいろ原因がどうこうということはわからないんですが、やはり技術的な面の欠陥であろうということは言えるんだろうと思うんです。そういう意味で、いわゆる安全と技術に関しまして、これは昨年の十月二十八日の当委員会でも御質問させて、引用させていただいたんですが、西澤潤一先生がその当時新聞で、投稿ですか、意見を述べられておりまして、日本の技術者といいますか、それが非常に倫理性の欠如が今見られるんじゃないかと。先生は教育の面からこう言っておられるんですけれども、それがここのところの一連の事故につながっているというような、そんな御意見を述べられておるわけでございます。 そのときにもちょっとJR西日本に質問させていただいたんですけれども、学校教育とか何かで欠陥があるとすれば、これは会社でやらなきゃいけない問題じゃないかなというようなことで御質問させていただいたことがあるんですが、営団の方では、この辺の安全教育といいますか、研修等についてはどのように取り組んでおられて、あるいは今回の事故を踏まえてまた変えていかれるおつもりがあるのかどうか、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(寺嶋潔君) 鉄道事業者といたしましては、最大の使命は安全にお客様をお運びするということにありますので、私どもの職員の研修もそれが一番大きな柱になっております。 営団は独自の職員研修所を中野区に持っております。そこでいろいろな研修をやっておりますが、新入社員の新人研修あるいは新しく管理職についた者の初任研修というようなことで、安全の重要性ということを口が酸っぱくなるほどたたき込んでいるつもりでございます。 それから、同じ研修所の中でより実務的な研修をいろいろやっておりまして、特に運転関係の職員、運転手になっている人あるいは車掌になっている人の訓練をやっております。これは言うまでもなく営団の直接の運転担当者でございますので、しっかりと基礎技術を教え込み、そして何度も何度もグレードアップを図るということで研修をやっておりますが、昨年に運転用の車両のシミュレーターを導入いたしました。 これは若干テレビで報道されたこともありますので、ごらんいただいた方がおられるかもわかりませんが、運転台の模型をつくりまして、その前面にスクリーンで実際の運転をしているときにあらわれるような風景が映像で流れてくる。ノッチを入れますとだんだんスピードが上がってきて、その動揺を体で感じながら速度のコントロールをする、あるいは非常ブレーキをかけるというような、なかなか実車では危なくて体験できないような経験を積ませることによりまして緊急の場合の操作ができるような、そういう装置を導入いたしました。かれこれ一年たっておりますが、非常に効果を上げておると思っております。 そのほか、研修所以外の外部の研修機関に依託いたしましたり、それから、何よりもそれぞれの職場、運輸関係あるいは車両関係、軌道関係、その他電気関係、それぞれ専門の職場の中で職員の研修をいわゆるOJTでやっております。いずれも安全向上のための訓練が基本でございまして、その中では基本動作を怠らずに励行するということを常に教えております。 そのようなことで、施設面でも新しいものを入れ、さらに精神面でも常に基本に立ち返るという教育をしておるところでございます。
○岩本荘太君 いろいろ御努力されているのはわかりました。 ただ、そういう意識を持っていろいろ安全管理をやった場合に、何かおかしいなということが起こった場合に、それを受け入れる方、言いやすい立場、あるいは受け入れやすい立場、そういうものが一つ大事だと思うんです。個人がマニュアルどおりにやったからそれでいいというものでなくて、安全の観点から眺めて、どうもおかしいということを社内的にみんなが認知し合ってみんながそれに対応するというそういうことが一つ大事だと思うんですが、そういう体制があるかという質問というのもお答えづらいかと思うんですが、そういう点について、総裁、どういうふうにお考えになっているか、そのお考えだけをお願いします。
○参考人(寺嶋潔君) 御指摘のようなことも非常に重要であると思っております。 営団の中では、いわゆる小集団活動というものが活発に行われておりまして、規定やマニュアル類の見直しの提案とか、新しい技術や新しい機械、装置の導入に関しまして職員から自発的な提案をしてもらう、あるいは研究成果を発表してもらうというような機会を数多く設けております。ここで問題になりました論文もそのような職員の自発的な研究のあらわれと理解していただいて結構でございます。 それから、鉄道業にはいろんな専門職種がございまして、とかく自分の専門に閉じこもりがちでお互いの意思疎通ができないといううらみがございますが、そういうことのないように、駅とか乗務区とかさまざまな技術区の職種が一堂に会して事故防止のための情報の共有化あるいは対策の検討というようなことを話し合う機会も数多く設けてございます。 それから、いわゆる事故寸前の冷やりはっとと言われておりますが、事故には至らなかったけれども極めてそれに近づいた、危なかったというような経験の発表会を行いまして、そのような情報をお互いに交換して、それぞれの職場での安全の向上に役立てようということもやっております。 鉄道の世界は割合に階級的な社会でございますけれども、若い者でも遠慮せずに年上の者に意見を言えと、年上の者も若い者の意見に耳を傾けなさいということを私も常々いろんな機会に訓示で申しておりますが、御指摘のようなことは今後も肝に銘じてやっていきたいと思います。
○岩本荘太君 けさ出かけるときにテレビのニュースで、同じ車両のせり上がりが前にあったと。あれがどうこう私は申し上げるわけでもないんですが、例えばああいうようなことが本当にどうなのか、事前にもっとよく調べておけるような雰囲気といいますか、そういうものが一つ大事じゃないかなと思っております。 それと、この西澤先生の論文はさらに続いておりまして、いわゆる技術者の倫理の欠如というその大もとを探ると、日本の社会全体が科学技術、とりわけ技術を重んじなくて、場合によってはべっ視しているんじゃないかというような、こんな御意見もございます。その結果、やっぱり人材が出てこない、それで技術力が低下するというような論理になると思うんですが。 それには、やっぱり軽視している社会であれば当然そういう技術屋になりたくない。それは何で見られるかというと、やっぱり社会としての処遇の問題だと思うんですね。これはお金の問題もあるでしょうし、地位の問題もある。単純には言えないと思いますけれども、そういう面で、技術屋、事務屋、こんな分けて考えてはいけないのかもしれませんけれども、両方入社されてくると思いますけれども、営団の方ではそういう人に対する処遇の問題をどうお考えになっているのか。 あるいはこれは、私はどういう結果が出るかわかりませんけれども、例えば今ここで四十五歳と限って、同じ条件で入ってきた方が、技術、事務で四十五歳の時点でどんなふうな地位の状況になっているか、それを一つ御説明を願いたいと思います。
○参考人(寺嶋潔君) 職員の処遇制度につきましては私どもの就業規則で定めておりますけれども、私どもの職員には、御指摘のように技術職と事務職と二つの性質の職員がおりますけれども、職名とか資格は全く共通にしております。そして、昇進とか昇格の受験資格等も同じ基準になっておりまして、技術だから事務だからというような差は設けておりません。 お尋ねの四十五歳の職種でございますが、平均的に見ますとどちらも、技術職も事務職も主任になっておりまして、その間に技術だから事務だからという差はございません。それから、技術職員も役員初め、指定職と言っておりますが幹部職員に多数登用しておりまして、決して技術職員を軽視しているというようなことはございません。
○岩本荘太君 私、こういう質問をいたしますが、何も実際に数字を出してもらって、だからどうというつもりじゃなくて、そういう気持ちで取り組んでいただきたい。今のお話で、そういうふうに取り組んでおられるというお話ですのでこれ以上追及はいたしません。 それで、もう一つ、安全に対する危機管理で大切なのは、セーフティーガードといいますか、起こることは起こってしまっても、それをどう二次災害といいますか、次に発展しないようにどう抑えるかということになるんだろうと思うんです。 これは事故によっていろいろあるんだろうと思うんですけれども、今回の場合はこれ脱線されたわけですが、先ほど野沢先生の御質問で、脱線の検知をされたらいいというような、検知はどうされるのかというような御質問もありましたので、私はそれも大事だと思います。 それと同時に、脱線したときに制動をどうするか、制動につなげていただきたいなと。というのは、私はあそこは何回ももう朝晩通ったところですので、あの位置関係でどんなスピード感覚かというのを私知っているんです。したがって、あのスピードであれだけの大事故になっちゃうかというそっちの方が私の印象は非常に強い。 ところが、脱線というのは何もああいうところばかりでなくて、例えば一番速い新幹線でも起こりかねない。起こるなんということを予想しちゃいけないかもしれませんけれども、やはりそれは絶対ないわけではないですから、その場合の二重防止といいますか、これはしたがって脱線したことを検知すること、それからそのときにとまること、それともう一つはほかにどう連絡するかといいますか、通報するか、情報を流すか。 今回の場合も、脱線そのものはそんなに大きなことではなかったかもしれませんけれども、それに突っ込んできたことが非常に大きな原因になったわけですから、そちらに何らかの格好の通報が、情報伝達が僕は必要でないかなと。 何といいますか、こういう異物が乗ったときの、というのは、よく踏み切りなんかで自動車がとまっちゃったような場合、あの場合も、よく見てみますと何か発煙筒をたけとか何かボタンを押せとか非常にマニュアルな感じがいたしまして、よくよく考えてみると何か不安な感じがするんですが、これはまず運輸省の方から、この辺についてどうお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 当然のことながら脱線自体が起こらないことがよろしいわけですが、脱線が実際に生じたときに具体的に制動をかけるということは極めて重要なことでございます。 具体的には、運転の取り扱いについては運転規則に基づきまして、いわゆる各社ごとにその細則、運転取扱心得というのを定めておりまして、これは運輸省に届け出るということになっております。 例えば、営団の細則では、当然列車を停止させるときは常用制動によることを原則とするが、脱線等急遽列車を停止しなければならないという事由が生じたときは非常制動によらなければならないということを定めております。 あわせて、省令等では、列車または車両の運転に当たって、こういう係員の知識及び技能並びに運転関係の設備を総合的に活用して、その安全確保に努めなければならないこと、あるいは具体的に事故が起こったときのいわゆる列車防護、すなわち列車の停止を要する障害が生じた場合において、進行してくる列車を停止させるために列車の制動距離を考慮して停止信号または車内停止信号を現示するといったような、いわゆる列車防護についての規定も設けていまして、こういうことを各乗務員に徹底させるような措置を講じているところでございます。
○岩本荘太君 やっておられるんでしょうけれども、何かちょっとあなた任せのような印象を受けかねない。やっぱり今回の事故でも、これを全交通機関に徹底させるのは運輸省のお仕事でしょうから、そういう意味で、私が持った疑問等についてもし御同意いただけるのだったら、ぜひともその辺の検討もしていただきたいな、こう思う次第でございます。 時間も終わりまして、営団にも同じような質問をしようと思ったんですけれども、ただいまのでよしといたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(齋藤勁君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時五十五分散会