経済・産業委員会 第15号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/05/11
会議録
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として輿石東君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局長山田昭雄君、同経済取引局取引部長上杉秋則君、同審査局長平林英勝君、北海道開発庁計画監理官林延泰君、経済企画庁国民生活局長金子孝文君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君、通商産業省貿易局長中村利雄君、資源エネルギー庁長官河野博文君、中小企業庁長官岩田満泰君、運輸省運輸政策局観光部長藤野公孝君、同航空局監理部長丸山博君及び労働大臣官房審議官上村隆史君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩です。 今回の改正の柱であります私人による差しとめ請求制度について集中的に質問をさせていただきます。 そもそもこの差しとめ請求制度の導入に反対する意見が見られます。その見解というのは、確かに独禁法違反で被害を受けた私人を救済する必要性は認めておりますが、その処方せんとしては公正取引委員会の体制を飛躍的に強化拡充する方が適切と考えております。その主な理由として、独禁法が職権の独立した公正取引委員会を設けて、ここに準司法手続のもと審決等の行政処分を行わしめていることから、独禁法上は裁判所の介入はあくまで公取の行政処分後の二次的になされるべきであること、さらにこの差しとめ請求制度の立証面での問題からその実効性に疑問を抱いているということで、導入に反対をしているという意見が見られます。 この点について、公正取引委員会はどうお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御指摘のような反対といいますか、反論の意見のあることは私どももよく承知しております。 戦後、昭和二十二年に現行の独占禁止法ができまして今日に至るまで、公正取引委員会が独占的にこの独占禁止法を運用してきたことも事実でございまして、その間にいろいろ紆余曲折がございましたけれども、今の自由競争の時代を迎えまして、いよいよ重大な責務を持っているということは十分自覚しているところでございますし、主観的には全力を挙げて仕事をしているつもりでございます。 しかし、客観的には至らぬ点も多々あろうかと思うのでございます。そういうときにやはりこの市場原理を十分働かせるためには、独占禁止法の運用を今までのような一本レールで運用するということはどうであろうかという疑問を投げかけられますと、私どももこれに対して反論をするところはないわけでございまして、やはり通産省の研究会あるいは私どもの研究会の結果でもそうでございますけれども、やはり私人に対して差しとめ請求を認めるという法制を認めるということが妥当ではないかという御意見に対しては、私どももそれはそういう御意見もごもっともだなということでございまして、今回このような提案をしたわけであります。 私自身といたしましても、また公正取引委員会としましても、この法制を採用するかどうかということについては大変悩んだわけでございますけれども、一般消費者あるいは事業者がいろいろ選択する方法、クレームをつけることについて選択の方法を一本線ではなくて二本線あるいは三本線を認めるということは結論的にはいいんじゃないかというようなことで今回の改正をお願いしたわけでございまして、委員御指摘のような反論については十分私どもも念頭に置いてこの法案を提案したような次第でございます。
○馳浩君 そういう反対意見があるということを承知しながらも、時代の流れに応じて今回の改正になったというお話かなと思いますが、続けて質問させていただきます。 この差しとめ請求制度の導入によりまして、被害者が同一事件につき裁判所と公取の両方に訴えて、その結果、両者の結論が異なる場合が出てくるという可能性もあります。 この点の懸念を平成十一年十月に出された独占禁止法違反行為に係る民事的救済制度に関する研究会報告も述べております。すなわち、「裁判所と公正取引委員会の間で、違法性の判断基準に齟齬が生じれば、独占禁止法の解釈・運用について混乱が生じ、事業者の事業活動を過度に萎縮させるおそれがある」と報告しております。つまり、法の重大任務である行為の予測可能性の確保に問題が生じると述べております。 この点について、今回の法案ではどのように工夫をされて立法化をされたのか、お伺いいたします。
○政府特別補佐人(根來泰周君) この法案でごらんのとおり、私どもも裁判所に意見を述べ、また裁判所はその私どもから意見を聴取するという道を開いて、できるだけ私どもの意見があるいは裁判所の意見が一致するような方策を講じているわけでございます。 しかしながら、御承知のように裁判所も独立機関であり、私どもも独立機関でございますから、最終的にはその意見のそごということは当然起こり得るわけでございますけれども、私どもの意見も、これは最終的には高等裁判所から最高裁判所に行くわけでございますし、また、一般の方々の差しとめ請求も抽象的には最高裁判所まで行くわけでございますから、そういう意味では最終的には判例という形で示されるわけでございまして、そごがないという形になっております。 ただ、委員が御指摘のように、その過程におきまして意見の食い違うところがあると思いますけれども、私どもとしては、やはり現在の社会情勢といいますか制度は法の支配ということでございますから、裁判所の御意見に十分注意を払って、裁判所の御意見を尊重して処理していきたい、こういうふうに考えております。
○馳浩君 周知のように、独禁法二十五条は損害賠償制度を設けておりますが、この制度においては裁判所は損害額について公取の意見を必ず求めなければならないように義務化しております。これは第八十四条の関連であります。この八十四条との比較において今回の任意的求意見制と意見陳述の許可制だけでは不十分ではないかと思います。なぜ義務化しないのでしょうか。まずこの点が一点。 さらに、たとえ公取が意見を出しても、最高裁がこの意見を一つの参考資料にすぎないと扱えば、これでは裁判所と公取の判断のそごを調整する制度としては十分なのかどうか、非常に疑問が出てくるが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) まず第一点の御質問でございますけれども、義務化の問題でございます。 これは確かにおっしゃるように義務化ということも考えてもいいことであろうし、またそういう考え方も原案作成のときにはあったわけでございますけれども、一つは、二十五条というのはあくまでも公正取引委員会の審決ということを前提にして損害賠償を請求するわけでございまして、その段階では、私どもも十分調査をいたして、その資料を持っているわけでございます。このたびの差しとめ請求については、一般私人が直接裁判所に訴え出るものですから、私どもは資料は何も持っていないという差があるわけでございます。そういうものについて裁判所が義務的に公正取引委員会に照会をするということ、そういう義務を課するということは、そこまで義務を課してもどうであろうかという疑問から、そこに差を設けたわけであります。 それから、そごの点は、先ほど申しましたように、ある時点で私どもの考え方を裁判所が採用されないということも当然あり得るわけでございますけれども、それは私どもも裁判所の考え方を十分参酌いたしまして、これを基準にして今後考え方を改めるなりあるいは修正するなりしていくつもりであります。
○馳浩君 答弁は承りましたが、抜本的な解決にはなっていないと思います。 そこで、私なりの提案を二点したいと思います。 一つには、差しとめ訴訟が係属された事件につき、公取が既に審判、同意、勧告の各審決を行っている事件については裁判所は公取から意見を求めなければならないように義務化すべきであると思います。 もう一つは、独禁法二条九項等の積極的、迅速的運用であります。すなわち、裁判所と公取の間で違法性の判断基準にそごが出た場合、最高裁判決等でそのそごが確定的になった場合には、即座に公取は二条九項により不公正な取引方法の指定を改正し、つまり実質的立法を行い、裁判所の判決に従ったそごを解消すべきであると考えます。また、指定の改正にまで至らない問題については、公取が出している独禁法上の指針等を改正すべきと考えられますが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 第一点は、先ほど申しましたように、やはり二十五条と今回の差しとめ請求との差ということで、義務化をするということについては、私どもは種々検討した結果、義務化までする必要がなかろうという結論に達したわけでございます。 第二点の問題については、委員御指摘のように、先ほど私が申し上げましたように、法の支配というのは裁判所の判例を我々は尊重するということでございますから、裁判所の判例が確定したときには当然その判例に従い我々行政としては処置すべき問題だと考えております。
○馳浩君 私も、何か重箱の隅をつつくような質問をさせていただいておりますが、基本的にはこの制度の導入については賛成の立場であります。 しかし、一方、被害者の救済を図る手段として、被害者みずからが裁判所を利用するこの差しとめ請求制度のほかに、同じく被害者のイニシアチブに基づく、裁判所ではなく公取に対する不服申し立て制度もあわせて創設すべきではないかと思います。 特に、今回の差しとめ請求制度は、あくまで民事的救済制度であるために、その枠内におさめる理論構成、法律構成が随所に見られます。そのために、被害者救済とは言いつつ非常に使い勝手の悪いものになっていると個人的には考えております。つまり、理論構成が優先され、本来の目的である独禁法違反の被害者救済が後回しになっているという感を覚えます。だからこそ、公取に対する不服申し立て制度もつくり被害者救済に全力を尽くすべきではないかと提案したいのであります。 具体的には、独禁法四十五条の被害者からの違反事実の申告、報告に対して公取が何らの措置もとらないと不問決定をしたときに、四十五条の改正も視野に入れて不服申し立て、厳密には異議申し立てができるようにすべきではないでしょうか。つまり、この四十五条三項の通知、不問決定を公取が行う行政法上の拒否処分に再構成、立法化し、そのためにも被害者に限定して被害者の報告を行政法上の申請行為に改めれば可能と考えますが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) これも委員の御指摘はごもっともでございまして、これは講学上、被害者といいますかの申し立てというのは職権発動を促すんだということで理解しておりますので、不服申し立てという制度を採用していないというふうに講学上言っているわけであります。 講学上はそういう理解は十分であろうと思いますが、最近の社会情勢を見ました場合に、やはり行政の対応の不十分ということがいろいろ指摘されておるわけでございます。それを私どもも他山の石としまして、私どもの方もそういうおそれというかそういう批判を受けないであろうかということを考えました場合に、やはりただいま御指摘の四十五条の点について公正取引委員会へまず報告する、申し立てする、それはだめですよというふうに通知を受ける、しかしそれで納得していただけるかということになると、私どもも若干首をかしげざるを得ないわけでございます。 繰り返すようでございますが、講学上はそれで仮にいいとしましても、現実の対応としましてはやはり御納得いただけない点があるんじゃないかというふうに思いまして、私どもの中でもこれから、そういうものについて拒否した場合、これを公正取引委員会の組織の中でもう一度再考するような組織といいますか、事実上そういうものをつくれないだろうかということを現在研究しているところであります。 したがいまして、被害者の方が申し立て、被害者というかその申立人が通知をして拒否された場合に、なお公正取引委員会の上部といいますか、上の方に申し立てて検討してもらうというふうな制度というものを事実上つくれないだろうかということをまず第一着に考えているわけでございます。 そういうことでございますので、法律改正というよりも、事実上私どもの委員会の中で御納得のいただけるような組織をつくりたい、こういうふうに考えております。
○馳浩君 非常に前向きなというか、研究中であるということでは前向きな私は御答弁をいただいたと思っておりますが、現行の独禁法の枠内での不服申し立て制度が今無理であるならば、行政事件訴訟としての抗告訴訟の道を開くように四十五条を改正することは、独禁法の解釈にも抵触しませんし、理論上問題ないのではないでしょうか。独禁法違反の被害者の救済を徹底する必要性から、民事救済制度と行政事件サイドの救済制度があればよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) これも従来の判例あるいは講学的には抗告訴訟の対象外になっているということはもう御承知のとおりでございます。こういう点も含めまして、先ほども申しましたように、制度的な問題あるいは法律的な問題も含めまして申立人の納得のいくような制度を考えていきたい、こういうふうに思っております。
○馳浩君 私、一つ感想として思うのですが、行革という一つの圧力と同時に、やはり国民が求める公取の立派なしっかりとした活動等の中で、委員長初め職員の皆さん方も大変な御苦労があると思いますし、その辺は私たち政治家も十分公取の現状を踏まえた上で立法についても対応しなければいけないんだろうなと、これは私の感想でありますが、まず申し上げさせていただきます。 次の質問に移ります。 この差しとめ請求制度の具体的な中身について質問をさせていただきます。 まず、この制度の請求権、すなわち私人の差しとめ請求権の理論構成について質問をいたします。 この点について公取は、この請求権を独禁法違反行為による私人の被害に対する民事的救済手段として構成する考え方だと思いますが、独禁法の執行の一部を私人にゆだね、公取による独禁法執行を補完する制度として構成するという考え方はとれなかったのでしょうか。この議論は差しとめ請求権の要件を定める意味で実益があると思うのでお聞きしたいと思います。
○政府参考人(山田昭雄君) 御指摘の点は、アメリカの反トラスト法の差しとめ等では、私的司法長官というようなことで、私人に執行をゆだねるという形になっているわけでございます。しかし、我が国の独占禁止法は公正かつ自由な競争の維持促進を図るということでございまして、公益の実現ということでございます。公益の実現、これを行政に行わせるということを原則としておりまして、こういった我が国の法体系になじむかという問題が一つあるかと思います。 また、私人の損害、これを、私人による公益実現のための訴訟というのを民事訴訟にゆだねるという、こういうことが適当かどうかという問題がございまして、我が国の法体系全体での整合性との観点から適当ではないのではないか、このように考えたわけでございます。
○馳浩君 公益の実現は行政が行う、私人にゆだねるべきでない、我が国の法体系にはなじまないという御答弁であったと思いますが、この御答弁が最高裁の考え方と矛盾しないのかを次にお聞きしたいと思います。 例えば、鶴岡灯油事件の最高裁判決は、独禁法二十五条の私人による損害賠償制度について、この制度は、私益救済を主眼としながらも、独禁法違反の行為に対する抑止的効果を上げようとする目的に出た付随的制度でもあると述べております。つまり、二十五条は独禁法違反を抑止するという公益実現を図る制度でもあると判示しているのではないでしょうか。そして、この二十五条自体の制度が私人の損害賠償請求権の行使による訴訟であることを考え合わせれば、まさしく私人に公益実現をゆだねた制度の側面もあると言えるのではないのでしょうか。 とすれば、最高裁の考え方に立つ限り、私人の差しとめ請求制度も、差しとめ請求権を行使した私人に公益実現をゆだねた制度の側面もあると言えるのではないでしょうか。最高裁の考えでいけば、差しとめ請求制度は被害者である私人に主眼である私益の実現と付随的に公益の実現の両方をゆだねた制度であると理解できるのではないのでしょうか。少なくとも、公取や先ほど述べました研究会が言うような二者択一的な考えはできないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田昭雄君) 御指摘の点につきましては、先生お話しございました研究会でも大変議論しました。 差しとめ請求制度、これは二十五条訴訟と同様に、私人の被害、これは私益を救済するということでございますが、それと同時に抑止的な効果もあるということは事実でございます。そういう意味では、公益の確保に資するという側面もあるわけでございます。しかし、この最高裁判決、御指摘ございますように、そういったことは付随的な効果であるということを言っているわけでございまして、やはり差しとめ請求権の理論的な構成といたしましては、個々の被害者の被害の救済を図るもの、このように位置づけることが適切ではないか、このように考えたわけでございます。
○馳浩君 次の質問をいたします。 差しとめ請求制度の損害に関連した質問をいたします。 それは、この差しとめ請求制度の条文に「著しい損害」と明文化されておりますが、この「著しい」をなぜ明文化させたのか、あわせてその意味を具体的に教えてください。 関連して、ここでの損害とはだれの、または何の損害か、つまり私益の損害か競争秩序という公益の損害か、はたまた両方か教えてください。 さらに、著しい損害の認定作業の中で差しとめした場合の不利益も比較考量された上で認定がされるのか、教えてください。 特に、「著しい」を条文化すると、この差しとめ請求権を保全債権とする仮処分が申し立てられたとき、民事保全法二十三条の「債権者に生ずる著しい損害」とダブることになり、仮処分命令の申し立てと本案の訴えである差しとめ請求訴訟の要件に違いがなくなり、立法上おかしいようにも思いますが、いかがでしょうか。 ちなみに、アメリカは要件を違えており、当然差しとめ請求の方に著しいがなく、損害だけにしておりますが、この違いを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山田昭雄君) 改正法の二十四条で、今の御指摘の差しとめ請求ができる場合、これは、「違反する行為によつてその利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、これにより著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、」となっているわけでございます。 この「著しい」という要件がなぜ入っているかという御質問でございますが、我が国の民事法におきましては、被害に対する救済手段というのは、これは事後的な金銭賠償による、これが原則でございまして、差しとめは非常に例外的なものでございます。したがいまして、一般に損害賠償を認容する場合よりも高度の違法性を要するというように解されておりまして、このために「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるとき」と規定したものでございます。 著しいとはどういうことかと申しますと、個々の被害者の損害の質、量において著しいことを意味しておりまして、終局的に、最後になって金銭賠償ということも可能であっても、損害の質、量において著しいと判断される場合にはその要件に当たるというように考えておるわけでございまして、実際にどのようなケースが考えられるかということにつきましては、例えば共同の取引拒絶や排他条件つき取引によりまして市場に参入できないとか、あるいは事業活動が困難になるというような場合が当たるかと思います。 また、損害はだれの損害かということにつきましては、違反行為によりましてその利益を侵害された者、被害者の財産的な損害でございます。 また、著しい損害の不利益ということにつきまして、被告側の差しとめによりまして受ける不利益との比較考量をされるかどうかということでございますが、著しい損害であるかどうかということは裁判所が個々に判断することであるということでございまして、やはり受ける侵害の程度あるいは守るべき法益ということにかんがみまして著しいかどうか、質、量によって判断するということであるかと思います。 また、仮処分との関係の御質問がございましたが、著しいという要件が他の法律でもございますが、商法等でもございます。差しとめの要件といたしまして著しいという要件がございます。その場合におきましても、仮処分が民事保全法によりまして認められているというケースもございますから、御指摘のような、要件に違いがあるとか立法上おかしいということではない、このように考えている次第でございます。
○馳浩君 万感の思いを込めまして最後の質問をさせていただきます。最後の質問です。 この差しとめ請求制度の対象行為を不公正な取引方法に限定した理由を伺いたいと思います。特に価格カルテルについて、研究会報告によれば、ここでの差しとめは被告の事業活動を過度に制約するという理由で否定的ですが、重要なことなので、過度に制約するの詳しい説明をしてください。 また、さきの研究会報告を詳細に読んでみると、私的独占については価格カルテル等の不当な取引制限や企業結合に比べて強い反対理由が述べられておりません。この点についてはいかがなのでしょうか。 関連して確認をしたいのですが、今後の改正作業の中で対象行為を拡大する意向はないのかどうかを教えてください。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほど御説明いたしましたように、こういう制度を導入するにつきましてどの範囲のものを対象とするかということについていろいろ考えたわけであります。 私自身は、むしろこの独占禁止法の改正ではなくて単独法をつくって、こういう独占禁止法に関係する要するに訴訟行為といいますか、そういうものを一本にした方がいいんじゃないかという考え方で自分自身もいろいろ研究したわけでございますけれども、これはやはりなかなか時間がかかるわけでございますし、刑事の問題もございますし、なかなか一朝一夕にはまいらないわけでございます。 そういうときに、こういう社会の急激な変更に応じて何とかこういう制度をつくるというためには独占禁止法の改正しかないんじゃないかという結論に達して、このような提案を申し上げたわけでございます。 そこで、この独占禁止法の対象としては、例えば私的独占あるいは不当な取引制限あるいは不公正な取引方法というようなものがあるわけでございますけれども、前の二つは非常に公益的な色彩が強い、後の不公正な取引方法というのはその中でも私的な色彩が強くて、私人が裁判所に訴訟を提起する対象としては適当ではないかというような一つの考え方でこの不公正な取引方法に限ったわけであります。もちろん、私的独占とか不当な取引制限について訴権を認めた場合にやはりいろいろただいまおっしゃったような弊害があるというような反対意見もございましたけれども、差し当たり不公正な取引方法ということに絞るということでお願いしたのであります。 そこで、これからの実績でございますけれども、こういう制度を設けていただいて一般の方々が積極的に活用していただく、そういう暁にはまた再びもう一度考え直して、私的独占なり不当な取引制限をこの範疇に含めるということも当然私どもも視野に入れて考えているところでございます。
○馳浩君 我が国の経済社会、まさしく構造改革待ったなしでありますが、まさしく開かれた、そして公正な競争がなされることによって我が国の経済も強固なものとなり、事業者の皆様方もあるいは、被害者という言葉は余り私は好きではないんですけれども、経済活動に従事する皆様方も、この独占禁止法そして公取の活動によってスムーズに円滑に風通しのよい経済社会となっていく、そのための独占禁止法であるということ、そして何よりも公正取引委員会がしっかりとした活動をしていけますように私たちもしっかりとバックアップしていきたいと思っておりますし、今後の御活動、御活躍を強く御祈念申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○木俣佳丈君 おはようございます。 民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。 きょうは独占禁止法の改正ということでありまして、私は、先ごろ、四月四日の中小企業指導法の改正の際に、中小企業の一環ということで有料老人ホームの大変なおびただしい問題について公正取引委員長に御質問をしたわけでございます。 私も、ゴールデンウイークの中でいろいろ活動しながら、今もまだちょっとのどが痛くて寝込んでおりまして、女房にというか、差別用語ですから、妻に介護をしてもらっておりますと、そしてまたこうやって何となく体の調子が悪い中で質問をするというのは大変いいものでして、弱い方々の立場が何かわかるようなそんな気がしておるわけでございます。 そんな中で、四月四日の質問をした際に、朝日新聞さんが四月七日付の新聞の中に、この返還問題について、これは重大性があるんだということで載せてもらいました。四月のあの上旬というと小渕前総理が倒れられて、大変紙面のない中で、そういう中でも、これは二万四千人ですか、有料老人ホームのトータルは、これだけのたくさんの方々が被害に遭っているんだという重大性にかんがみ、マスコミの方々も反応していただいたと思って、私も大変心から感謝しておる次第でございます。 それを、まず、独禁法違反ということで前回も取り上げました。独禁法三章第八条第一項一号、四号のいわゆる事業者団体におけるカルテル行為ということでこの間取り上げたわけでございます。 ざっくばらんに、まず、どんなことであったかというのをもう一度申しますと、いわゆる有料老人ホームというのは入居する際に三千万とか五千万とか多大なお金を家屋敷を売ってついの住みか、最後の住みかということで入居するところでございます。そして、それに上乗せしまして介護の一時金ということで三百万とか四百万、多いところは一千万、平均しますと大体五百万円ということで厚生省の統計で見ておりますけれども、五百万円を支払って最後まで介護をしてみとっていただく。これが基本的なコンセプトであったはずでございます。しかし、平成九年の介護保険導入決定から、この一時金をどうするのかということで社会問題になりました。 いよいよ介護保険が始まりました。一カ月がたちました。一カ月、ことしに入ってから特にその声が高くて、利用者の側、消費者側というのか、消費者側というよりも本当に立場の弱いおじいさんやおばあさんたちが、このお金というのはどうしてくれるんだろうか、我々の将来というのは介護は本当にあるんだろうかどうか、こういう切実な、本当に涙ながらに訴えをされる方が多くなってきた。私が質問した後も、事務所にはもう大阪から広島から横浜から愛知から電話がかなり鳴りまして、そしてまたファクスで、またいろいろな投書でこんな事実があるんだと、消費者団体の方も含めましていろんな情報が集まってまいりました。 とにかくひどい話で、この五百万円を本来であれば、介護一時金ということで預かったわけでございますから、預かったお金はお返しするというのがやはりこれは原理原則であろうと私は思うんですね。これはそう思うんです。 ところが、本年二月十四日の厚生省の通達、それに引き続いて老人ホーム協会が出した二月二十一日付のこの案内文、これが各県に行きまして、それで調整作業が一気に進んだ経緯がございます。 対象の人数というのは約一万三千人と言われまして、この厚生省が後から私のところへ出しました計算式によれば、十年たったときには、十年入居している方はもう一切返還しなくていいと。一千万、五百万、三百万、全部だからもう召し取っていいと、こういう内容であるというのは先般も御紹介した新聞の方々の報道にもよるところでございまして、これはひどい話だなということでありました。 要するに、この有料老人ホーム、そしてまた有料老人ホーム協会というのは老人福祉法の三十条にその名前が載っている団体でございまして、極めて公性の強い団体でございます。ですから、厚生省が出したのをそのまま出したと言っても、別に有料老人ホーム協会が民間の任意団体ではないということをまず念頭に申し述べながら、この業界ぐるみのカルテル行為というものを公取の根來委員長がこの一カ月どのように対応されたのか、まずもってちょっとお伺いをしたいと思っております。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先般、委員会でお尋ねがございまして御答弁申し上げましたように、私どもが一番つらいところは、具体的な案件についてこれが独占禁止法に当たるのではないかという御提案があって、これを調査しろと言われると、これに対して何ともお答えできないというのが大変つらいところでございます。 しかし、調査と申しましても、私どもに与えられた調査というのは、いわゆる事件としての調査というのと一般的な調査というのがあるわけでございます。事件としての調査というのは、先ほど申し上げましたように、御提案がありましても調査をするとかしないとかいうことは申し上げかねるわけでございますけれども、一般的に調査というのは、国会で世の中にこういう問題があるということを御提示があった場合に、私どももそれを真摯に受けとめまして一般的な調査をするということは可能であります。 もとへ戻りますけれども、ただいま御提案の介護の問題は、先生のおっしゃることを信用しないというわけではありませんけれども、そういう意味ではないということを申し上げますけれども、一般的な調査をしていろいろヒアリングをしているところでございます。
○木俣佳丈君 本当に一カ月たつとこうも委員長のお言葉が変わるのかなと思って、本当に心から感謝申し上げます。さすが和歌山の根来寺、根来衆の末裔の方なのかなと。鉄砲伝来のときも大変なお役目を果たした先祖の方々がいらっしゃると伺いましたけれども。やはり私もそういう声をどんどん聞くごとに、これを事件として取り上げるというのは、それは事件としてと一般というのはどういう違いがあるのか、いわゆる内偵ということなんでしょうか。いずれにしても、やはり公取の方々が積極的に前向きにそうしてとらえていただいて聞き取りを始めていただいておるということが私も聞こえてまいります。これは非常に心強いことだと思いまして、本当に感謝しております。 今後、審査は後で、本体の方のお話はゆっくりまたさせていただきますけれども、一般にやはり着手から何年もかかってしまうというのが現在の審判のあり方になっておりますので、一刻も早い解決、審判審決をしていただきますように心からお願いする次第でございます。本当に心から感謝します。 さて、厚生省の方に、大塚局長にきょうは来ていただいて、本当は政務次官に来ていただきたいと申し上げたんですが、時間が重なっているということで、大変残念でございましたが。 この一カ月間、担当者の方々は大変頭が薄くなる思いでやっていらっしゃった方もいらっしゃるやに見受けますけれども、局長、今どんなお気持ちでございましょうか。
○政府参考人(大塚義治君) 介護保険制度と申します大変大きな、しかも新しい社会保険制度がこの四月一日からスタートいたしました。その前後、本体と申しますか制度そのものの施行に関連いたしまして、私どもというよりも特に現場の市町村の職員の方々の大変な御努力がございまして、何とか円滑に施行できたと思っておりますが、まずそういう点を感謝申し上げなければならないと思っております。 その関連といたしまして、有料老人ホームと介護保険制度の給付との調整という問題はかねて懸案事項、処理しなければならない事項でございました。さまざまな方々のこれも御協力と御指摘をいただきまして、できれば施行前に入所者の方々と施設の方々で適切な手順に基づきまして合意が行われるということを期待して、私どもの立場からしますとさまざまな、指導と申し上げるのはおこがましいわけでございますが、情報提供をさせていただきました。 おおむね九割方程度の施設におきましては順調にと申しましょうか、当事者間の合意が成立をして調整の方法が合意されたというような受けとめ方をしておりますが、まだ今後調整が少し残っている施設もあるようでございます。引き続き当事者間での御努力に期待をいたしたいと考えております。
○木俣佳丈君 今の御発言の中で、大体今九割方調整がお済みになったと言われましたね。これは事実でございますか。
○政府参考人(大塚義治君) 個別に一つ一つのというわけにもまいりませんが、私ども、都道府県を通じましてそれぞれの都道府県内、これはすべての都道府県にあるわけではございませんけれども、都道府県内の施設の調整状況について御報告を賜りました。それによりますと、九割程度一応合意が成立をしているというふうに報告を受けているところでございます。
○木俣佳丈君 九割ということは、調整が大体一万三千人と厚生省の方がはじきますよね。そうしたら、九割だから九、一が九、一万一千七百名ぐらいは大体終わっているということですね。 返還の率というとおかしいんですが、率はもちろん、初めに取っているお金が違いますので、三百万取っていたり一千万取っていたりと違いますから。ただ、返還の方法について、二月十四日の通達、そしてそれを受けた二月二十一日の協会発の文書について、同僚の民主党の金田議員が、これを撤回しなさい、してくださいということでお願い文を出しておりますが、この取り扱いはいかがでございますか。
○政府参考人(大塚義治君) 金田議員から国会での御質問もございました。また、それとは別に私どもにいろいろ御指導、御意見がございました。 私どもの受けとめております趣旨は、この二月の通達は、新しい介護保険という制度がスタートするに当たりまして、当然のことながら両者の調整というのが必要になってまいりますので、その点の徹底ということが基本でございます。有料老人ホームの場合には入所者と施設の契約が基本でございますので、まずそこに調整が必要だよということを徹底する。それから、調整の方法につきまして、これは当事者の合意ではあるけれども、幾つかのパターンがあり得るのではないかという、幾つかのガイドラインとは申せませんけれども参考例をお示しいたしました。 その中で、必ずしも適切でない処理方法があるのではないかというような御指摘が中心だったと私は受けとめておりますけれども、その点につきましては、私どもも、一つの基本としましては、私どもの基本の線といたしましては、介護保険制度の施行に伴いまして一たん一つの、何というんでしょうか、精算をする前提で、調整を必要とする額というのを施設ごとにきちんと明確にして、その上で入所者の方々とよくお話し合いをされる、これを基本にするということにつきまして再度御説明を申し上げました。 通知そのものを撤回するということではございませんけれども、そういう形で指導をし、必要があれば御相談に応じてまいりたい、こういうことでございます。
○木俣佳丈君 厚生省が要は中央のところから都道府県、そしてまた有料老人ホームを眺めておりますと、眺めておりますと言うとちょっと言い方があれなんですが、そのように見えるのかもしれませんけれども、私どもはやはり草の根的にいろいろな、先ほども申しましたように入り込みながらというのか、いろいろ意見を伺いながらやっていますと、今の意見と大分違うんですよ、実際に。 やはり、この間政務次官がおっしゃったような、二月十四日の通達があって、基本的には有料老人ホーム、民と民の契約であるから、それは、この間の答弁だと、「当事者間の合意を尊重いたしまして、行政の関与は最小限にすべきだ」、こういうことで言っておるんですけれども、これは民と民だけですか、実際に、有料老人ホームというのは。
○政府参考人(大塚義治君) 民と民という表現の中には、もう少し正確にと申しますか、かたい言葉で申し上げれば、当事者間の契約によってという意味での民民という趣旨だろうと思います。 したがいまして、厳密な意味で民間か公的団体か、これは問わずに、当事者間の契約によるもの、したがいまして、その有料老人ホームの経営者が公的ないしは準公的な団体であれば、当然これも含まれるものと考えております。
○木俣佳丈君 特に今質問を想定されて言われた半公的というか公的資金が入っているところ、有料老人ホームがありますね、九つですか、これは建設省さんの所管と言ったらいいのか、の住宅供給公社のケアつき高齢者住宅の話なんです。 建設政務次官にこれから質問をしたいと思うのですけれども、ここでの調整の、調整という言葉をまず今局長が何度も、私も一応通達に調整と書いてありますから調整という言葉を使っておりますけれども、ことしの三月十八日の読売新聞さんが書いておりますように、要はもうこれは調整ということじゃなくて返還という言葉でしょうというような、もう調整という言葉すら使っていないんですね、まず返還しなさいと、当然だと思うんですよ。介護保険はないですよ、介護保険というのはもちろん想定されていなかったわけです。だから、要は介護保険が導入されたのだから、その介護費用として一時預かったお金は調整じゃなくて返還しなさいというのは当たり前の、商売上の道義というか、というものだと私は思うので、まず言葉を変えていただきたいという気が、気がというか、先般もそういうお願いを政務次官にしたところでございます。 いずれにしましても、住宅供給公社ですね、全国に九つあって、大体入居の戸数が一千五百とか一千六百あるということで建設省さんから伺っておりますが、ここでの調整や返還の今の状況、これは政務次官どのように聞いていらっしゃいますか。
○政務次官(岸田文雄君) 今、先生の方から、地方住宅供給公社のケアつき高齢者住宅と言っておりますが、この住宅につきまして御質問をいただきました。 まず基本的な認識としまして、このケアつき高齢者住宅におきまして、入居者が前払いしました介護一時金というお金によりまして、介護保険給付の対象となるサービス、これももちろん含まれておりますが、それよりも幅広いサービスあるいは手厚いサービス、こういったものが供給されるという建前になっているというふうに認識しております。 ですから、この一時金を受領している公社がその介護保険の保険給付を代理受領するということになれば当然、その中に重複した部分がありますので、その重複した部分に関しましては、先生の御指摘のように、これはもうしっかり調整した上で返還しなければいけない、これは当然のことだと、まず基本的にそういう認識に立っております。 その上で、今調整が進んでいるわけでありますが、これは今現状九つの団地が全国にあるわけですが、そのうち一つだけこの直前に合意ができたというふうに聞いておりますが、ほとんど今調整中でございます。その条件等につきまして提示が行われ、そして、先ほど来お話が出ております二月十四日の厚生省の通知等もありまして、そうしたものを踏まえましてさらに再提示が行われる等々交渉が行われておりまして、その八つの団地におきましては今引き続き交渉が続いているという段階だと認識しております。
○木俣佳丈君 私がちょっと知った範囲だと、その九つのうち三つぐらいはもう大体決まっているということのようなんですが、その数はともかくとして、調整、返還の問題が出ているということで御認識をしていただいておるということです。 ただ、この中で、この調整の方法なんです。特に、調整が終わったと言われる、これは神奈川のヴィンテージ・ヴィラ横浜というのだと、介護費用一時預かり金として、平成二年にこれはできたんですが、一人四百五十万預かっていると。それを実は返還ゼロということで出しているということなんです。あと、広島県の場合も大体四百万預かって九十二万、それから神奈川のヴィンテージ・ヴィラ洋光台、これは系列ですかね、六百万預かって百二十万返還するということなんです。 ただ、これ返還というのを考えてみますと、単純に大体月額平均三千円ということで考えますと、三千円、介護保険の費用ですね、プレミアムで三千円掛ける十二カ月、三万六千円、一年。十年でも三十六万円ですよね。それから例えばマキシマムで二十六万円とすれば、所得のあれがありますが、そうしたら一割負担ですから二万六千円の十二カ月ということで三十万ぐらい、年間です。これが例えば平均どのぐらい寝たきりとか介護度五とか、最高になるかというと、これは大体もう二割ぐらいの方が最高でも五年ぐらいだそうですね。ということで、こんなに取る必要は絶対ないんですね、これは。絶対にこれはおかしいということだと私は思うんです。 それで、どんな形で調整、いわゆる返還のこの問題を今処理していますかと、その資料を出してくださいということを御省に、建設省さんに、建設省を通じて各県の住宅供給公社のところに問い合わせてもらったところ、第三者に提出するのは差し控えたいというような連絡があったんですね。しかも、入居者と公社の契約当事者間の調整後、所管の地方公共団体と再度資料の提出について調整を図ることといたしますという文書が返ってきた。 これは私、私も別に、もちろん一人の住民であり国民でありますけれども、国会の場でこういった資料を提出してくださいと、いや、しなさいと、もちろん院においての国政調査権というのはあっても、もちろん議員一人一人の調査権というのはないかもしれませんけれども、しかし一般の人たちに公社が、つまり公的機関が調整を図るといった資料を議員に対して出さない理由というのはどうしても私わからないんですね。ちょっとそのあたりどう思われますか。
○政務次官(岸田文雄君) まず、この一時金の中に、先ほど申しましたように介護保険サービスより幅広い手厚い部分がある、その割合、中身につきましては、九つ全国で団地があるわけですが、どの程度介護保険でカバーできるサービスがそのウエートを占めているか等々、内容につきましては全国みんなさまざまであります。加えて九つの団地、その管理がスタートしましてから十年たっているところもあれば二年のところもある、それから入居者によりまして入居年数等もみんなさまざまであります。ですから、この内容につきましては個別に調整しなければいけない、そういったことから全国一律ではなくして当事者間の調整が進んでいるというふうに認識しております。 そして今、その間の資料等について、提出が決着がついてからという部分はおかしいではないかという御指摘をいただいたわけなんですが、その部分につきましては、まずそういったさまざまな個別の事情の中で各団地におきまして交渉が今続いている最中であります。先ほど言いました、提示が行われた、あるいはその間に厚生省の通知が出された、再提示が行われた等々、その資料の中には具体的にどのような金額が提示されたかその交渉の過程が入ってくるわけですが、そうした今交渉の過程の中で、その過程の中身を明らかにすることについてどう考えるかというものが一つ。 そして、公社につきましては、こうしたケアつき高齢者住宅につきましては、もちろん経営は公社でありますが、契約につきましてはあくまでも民事法上の契約、民民の契約でありますから、その当事者同士が今契約している中にあって具体的に幾らのお金を返還するか、金銭的な問題も含まれているわけでありますし、そうしたお金が、どれだけの額がやりとりされるかというプライベートにかかわる部分もあるわけでありますから、これはその当事者の了解を得られなければ、片方の当事者であります公社だけの判断で表にできないという部分があるわけです。 ですから、変遷する交渉が現在続いている、また当事者が両方民間、民民の対等の交渉が今進んでいる、そういった中にあって片方の判断だけでは出せない。決着がつき、合意ができた上であるならば表に出すことができますよというのが、交渉が完了した上で、なおかつ相手、当事者、入居者の合意を得た上であるならば資料を出すことができますという公社側からの回答の意味だと我々は認識しております。そういった趣旨で、公社が設立主体であります都道府県を通じて我々にそういった連絡をしてきているというふうに認識しております。
○木俣佳丈君 いやいや、それは民間が設置して運営している場合であればそれは私も何となくわかる、何となくですよ、これでも。というのは、なぜかといえば、老人福祉法二十九条、三十条に、要は法文上に載っているような団体であって、そして業界なんです、法文上に。普通の民間会社なんというのは協会の名前が法文の中に出るなんということはないです、一般的に言えば。一般的に言えばありません、これは。だから、何が言いたいかというと、これはやはり役所が目を光らせなければならない。 先々週成立しました消費者契約法、きょう経企庁の局長にも来てもらっていただいておりますが、先ほど来、政務次官、対等というお話ありました。当事者間、対等の立場で、いわば民民の立場でという話がありましたけれども、これ全然対等じゃないんです。要するに、冒頭申し上げましたように、高齢者というのは弱者なんです、弱いんです。 実は私も、消費者団体の方々の大変な御努力を得て、ここにあります、どういう書類が配られたか、建設省が絶対出さないから。建設省がという言い方、ごめんなさい、失礼かもしれないけれども、供給公社が出さないのか、しかし建設省はそのぐらいの力あってもいいと思うんです。建設費だって国から出ているんだから、結局特別な感じで。だから、それはオープンにして悪いなんという話じゃないと思うんです。計算式というのは明るみで、みんなこれで平等ですよねというふうにやるべきものだと僕は思いますし、そこに公的資金も入っているということであれば、しかも団体にしても法文上に載ったようなものであれば余計そうだと思うんです。単なる民間と民間の、事業者と消費者の契約とはやはり全然次元が違うんで、認識をちょっと新たにしていただかなければならないと思うんです、絶対にこれは。 しかも、平成八年にできたような東京の明日見らいふ、六百万のうち百二十万しか返還されないんです。平成八年六月です。四年しかたっていないのに。これは全くおかしいんです。厚生省の計算式でも、要するに五年間入居しますと、返還が、戻りが五百万のうち七十万という計算になって、十年たちますと、記憶によれば、局長、ゼロになるんですよね、たしか。大体十年たって寝たきりになる人がどのぐらいあるかというと、ほとんどないんです、実は。十五年間が平均入所で、記憶によれば、要は最後の数カ月とか最後の例えば三年ぐらいが悪くて寝込む方がどのぐらいあるかというと、全体の二割とかそんな感じなんです、実際が。ですから、そういうのから考えますと、こんな返還というのは絶対に僕はあり得ないと思うんです。 何でもう少しこのことについて、ちょっと経企庁の局長に聞きましょうか。今の、当事者間の対等な立場でというような契約がされているから、そこに余り公的なものが口出しするのはおかしいというのか、ちょっと違うんじゃないかと政務次官が言われたんですが、今それどう思われますか。消費者契約法の違反第一号みたいな感じがしますが。
○政府参考人(金子孝文君) お答えいたします。 消費者契約法は、消費者と事業者との間の情報・交渉力の格差が、消費者と事業者の間で締結される契約である消費者契約のトラブルの背景になっているということを前提にいたしまして、消費者契約に係る意思表示の取り消しについて民法の要件の緩和を図る、さらに抽象的な要件を具体化、客観化したというものであります。これによって、消費者契約法は、事業者の不当な勧誘によって締結した契約から消費者が離脱することを容易にする、また消費者の立証責任を軽くするといった意義があるというわけであります。 それで、今お話を伺っていますと、このトラブルというのは、どうも契約が結ばれた後、事情が変更になりまして、それでその金を返すかどうかという議論だと思います。それで、消費者契約法というのは、確かに事業者と消費者、その格差があるんだぞということを前提にしてつくられた法でありますけれども、この法がカバーする一つの範囲というのは契約締結過程でどうだったかということでありますから、この法によって、これが第一号で、これによってある程度の解決が図られるというものではないのではないかという理解をしております。
○木俣佳丈君 いやいや、局長、それは違う。なぜならば、要するに返還の問題というのは再契約に当たるから、これが。 要するに一時金で、預かっただけなんです。要は、公社の方というか、各有料老人ホームが預かっただけだから、それをどう返還するかというのは再契約の話なんです、これは。だから、単に昔契約した中に、だってそれはそうですよ、そのころ、だって介護保険法も何にもできていなかったわけですから、平成八年だったら。九年にできたわけですから。それよりもっと前、五十八年ぐらいからもう隆盛をきわめた有料老人ホームですから、バブル期に一番できたわけですから。ですから、もとよりそれは契約上はないんです。だから、再契約の話だから、それは局長、ちょっと違うと思いますが、どうですか。
○政府参考人(金子孝文君) 再契約かどうかという問題につきましては、ちょっと私どもがこれは再契約かどうかと判断はできません。 ただ、仮にもしこれが再契約であるとした場合には、その契約をする過程において、この法律によれば、事業者がうそを言ったり、あるいは有利だぞという反面で、それと非常に密接に関連する不利なことを故意に言わなかったということがあれば当然この法の対象になると思いますが、ちょっとその具体的なこと、あるいはこれは基本的には司法が判断することだと思いますけれども、そういう考え方でよろしいのではないかと私は考えております。
○政務次官(岸田文雄君) 消費者契約法の適用につきましては今経企庁の方からお話しあったとおりなんですが、それはさておきまして、本件に関しまして、先生御指摘のように、入居者が事業者に比べまして交渉力あるいは情報力におきまして格差がある、弱い立場にあるということにつきましてはおっしゃるとおりだと認識しております。 その上で、建設省としましては、内容につきましては公社あるいはその当事者の交渉人にゆだねるしかないんですが、その基本的な交渉の条件としまして、入居者に十分な説明を行って、適正な方法によって調整するようにということにつきましては公社に対して指導を行っている、こうした指導だけはしているということであります。 ですから、基本的に先生の御指摘にあった情報力、交渉力にいわゆる格差があるということ、このことにつきましては認識した上でそういった対応をとっておるということを御理解いただきたいと存じます。
○木俣佳丈君 政務次官はいい方なんだけれども、実際建設省がそうやっているかというと、そうじゃないんです。だから、それが大問題。 それから、うそをついたらだめと言われました。これはこの間も言ったんだけれども、「輝」という老人ホームガイドがあるんです。うそ、でたらめばっかり。でたらめなんです。例えば、これは平成十一年十二月に発行している。もう介護保険ができるとわかっていますよね。できる、施行直前ですよ。なのにもかかわらず、介護一時金二百八十万、八百万、四百万、五百万。おかしいでしょう、これはうそでしょう。しかも、要は介護保険がカバーするようないろいろのものが管理費に含まれて別途またこれ取られるんですよ、随行費とか。そういうものが平然とこのガイドの中に書いてあるんです。 総務庁の政務次官に来ていただいておりますが、この有料老人ホームに対しまして今までも何回か行政監察のレポートが出ておりますよね。こういうのをもう一度伺ってどんなお感じですか、過去の経緯も含めてちょっと一言お願いします。
○政務次官(持永和見君) 先生御指摘のように、有料老人ホームのあり方そのものについて私どもの方も重大な関心を持って今日まで参ってきたところでありますが、今いろいろと御議論のある点につきましては、これは介護保険とそれから有料老人ホームの前払い徴収との調整の問題であろうと思いますけれども、実は介護保険そのものがことしの四月から発足して、先ほどもお話がありましたけれども、これは国民福祉の面から見ても大変大きな重大な事業でありますし、しかも初めての事業で、中身もかなり複雑なものがありまして、そういう点でいろいろと国民の側からも御意見が寄せられているのは事実であろうと思います。 そういった点を私どもも十分踏まえまして、近いうちに適切な時期を選んで介護保険事業の施行そのものについて監察なり行政評価をきちんとやっていかにゃいかぬなという思いをいたしておるところでありますし、その中で、今先生御指摘のようなそういった有料老人ホームの前払い金額の調整の問題についても行政監察なり行政評価の一つの対象として取り上げてまいりたいというふうに考えておるところであります。
○木俣佳丈君 本当に総務庁が頼りでございますので。マスコミの方はそういう点はすごいと、偉いと思うんですよね。マスコミの方が調べ上げて大体一般の方に知らしめてくださる。これは逆だと僕は思うんですよね。つまり、やはり総務庁の行政監察たるものがレポートをきちっと書いて一刻も早く、これはもう何年も前から言われている、平成七年、八年、このぐらいから。このころは、要するに医療保険と介護一時金の関係、これについてたしかレポーティングされているかなと思います。今回は、そうじゃなくて、介護保険が新たに導入されて、それと一時金の問題ということ、これはもう決定的な話なんです。 ですから、これだけ言われているんですから、後追い後追いじゃなくて先に、どんな薄っぺらなレポートでも結構だと思うんですね、何ページかの。やっぱり調べ上げていただきたいということをお願いしたいと思います。 それから、ちょっと委員長にお願いをしたいんですけれども、建設省から私の力でとれなかったこの住宅供給公社の入居者に対する説明の資料について提出を理事会で御審議いただきたいと思いますが、お願いしてよろしゅうございますでしょうか。
○委員長(成瀬守重君) 後ほど理事会で協議させていただきます。
○木俣佳丈君 ありがとうございます。 それでは、それをお願いしまして、質問を続けます。 大塚局長、先ほど経企庁の金子局長から、これはうそをついていなければという話がありますね。私がうそをついていると思うのは、一つは、例えば厚生省さんが出した仮の計算式でもそうなんですけれども、有料老人ホームは、先ほど建設政務次官が言われたように、上乗せ、横出し、こういったプラスのぜいたくな介護をふんだんにしていると。特に三倍しているという計算ですよね。正しいですか。
○政府参考人(大塚義治君) ただいま委員からお話のございました資料でございますけれども、実は公にしていると申しますか、いろいろ個別の御下問、御指示、お尋ねがございましたので、私ども役所限りの一つの例としてつくって御説明をした経緯のある資料でございますが、その中で、おっしゃいますように、仮にということで介護保険の人員に比べて三倍程度の人数でサービスが行われた場合というのを例として挙げてございます。 これは、有料老人ホームすべての平均とかそういう具体的な実は数字ではございません。それは御説明を申し上げたと思いますけれども、仮にそういうことであればと、調整率というのが出てまいります。先ほど手厚いサービスをした場合という表現がございましたけれども、それをどの程度と見るかという一つの例で、仮に三倍の人数がいればその重複割合は三分の一ですけれども三三%になるという計算式の例でございます。具体的に三倍の職員がすべての有料老人ホームに配置されているというわけではございません。
○木俣佳丈君 そんなものをだから議員のところへ持ってこぬでほしいですね、だったら。これは、一般的にされていないかもしれない、厚生省の内部資料かもしれないけれども、私が聞いたときはホーム協会がつくったというふうに言っていましたよ、担当官が。後で聞いてくださいよ、ホーム協会がつくったというふうに言っていましたよ、ちゃんと。 それを、ここに書いてあるように、「仮に、介護保険の人員基準に比べて三倍の人数の看護・介護職員数を配置した場合を想定すると介護保険の給付対象は三分の一」となるから重複は三三%だと、こう書いてあるんです。これがだから平均で、こういう計算をしているに決まっているじゃないですか、そんなものは。でなきゃ、こんなものを持ってこないでくださいよ。何だと思っているんですか。 だから、国会議員に提出する資料が、いや、仮にとか。仮にといったって、大体こんなものだろうというものを持ってくるものでしょう、基本的には。そんな、だから、空想で、思いつきみたいなものを持ってきますか。これは、だって有料老人ホーム協会が作成したわけですよ。厚生省がこんなこと知るわけないじゃないか、だから。違いますか。もう一回ちょっと答弁してください。
○政府参考人(大塚義治君) 介護保険制度におきます人員配置基準、これは、要介護認定という新しいシステムを導入し、それとの関連で配置基準を決めると。その施行前のことでございますから同様の仕組みがございませんので、データそのものにおのずから限界がございます。 それから、施設によっても、これは委員御案内のとおりでございますけれども、同じ介護型と申しましてもさまざまなパターンがございまして相当幅がございます。現実にも三倍程度の人数が配置されている施設もございますれば、いわゆる特別養護老人ホームなどと同様に原則要介護者に対して大体三対一の割合、この幅がございます。そのうちの、したがって三倍の体制をしいている施設ももちろんあるだろうと思いますし、現にあるわけでございますが、したがって全く架空の数字ということではございませんけれども、全施設がこうなっているという意味ではございません。
○木俣佳丈君 そんなでたらめ言ってはあれですよ。寝たきりの人が介護度五で最高の介護度になっていて、一週間のうち五日、六日介護をされていて、ちょっと私、細かいことは素人ですからわかりませんが、それで一日のうち三回、四回、五回とヘルパーが回ってくる。その三倍も有料老人ホームで人員が配置されてサービスが行われている事実なんかあると思いますか、そんなことが。入居者に聞いてくださいよ、そんなことは。ないんですよ、それが。ないから僕はおかしいと言っているわけであって。だから、役所の中に踏ん反り返って座って、三倍かかっているんだと、横出し、上乗せはそんなにあるんだなんということで、それで計算式を出すなんというのは全く言語道断だと思いますね。絶対おかしい、これは。 それで、それをもとにあるんですが、ここに一冊の本がありまして、有料老人ホーム便覧、昭和五十九年版ということで、この年から便覧というのを出したそうですけれども、有料老人ホームがついの住みかということで売り出したのならばこの中の言葉というのは何だろうと。「入居者が寝たきり等常時介護を要するようになった場合」は、他の特別養護老人ホームか老人病院にあっせん、「家族その他の付添を必要とする。」、「十人迄は各自介護者を雇い、十人以上の場合は施設側が有料介護」、「同系列の特別養護老人ホームへ斡旋」。これですよ、これが事実、このころは。 もちろん改善しました、問題が出て。問題が出て改善しましたけれども、しかしその後も、先ほど言いましたように、例えばこういったパンフレット一つだって、要は、何回も何回も公取が入って勧告しているわけです、表示がおかしい、不当表示だということを。だから、そういう団体なんですよ。 しかも、今回いろいろな私のところに、こんな議員が調べて集まるような話じゃない。これは、消費者であるおじいさんやおばあさんが涙ながらに持ってきてくださった資料と、それから業者側の中の健全な方々がいっぱいいるんですよ。その方々が、要は、これじゃおかしいじゃないか、こんなんじゃ世間の非難を浴びるじゃないかと言って、自分が火の粉をかぶる思いでこれを持ってこられたということを局長、だからよくわかっていただかないと、本当に健全な人が市場から排除されて不健全なやからが市場に残る、こういうまさに独禁法違反甚だしいことがある。 例えば、三倍の介護がなくても、じゃ特別に何か有料老人ホームの介護者が給料が高くて非常にすばらしい介護者であるかというと、これ、給料の平均が載っていますよ。有料老人ホーム介護職員の費用は平均二十三万六千円、特別養護老人ホームは二十四万四千円、変わらないんですよ、これ。特養を一〇〇としたら有料老人ホームはむしろ安い、九七%、給与が。というのが二〇〇〇年二月のこの資料にあります。 ですから、そういう意味で、三倍の介護をするなんというのは、まだそんなことを言っているのは全くおかしな話だと思います。 いずれにしましても、私は改めて、建設省所管の住宅供給公社の方の問題というのはさらに深い、やっぱり公的なものが絡んでいるだけにこれは徹底して調査してもらって、先ほど言いましたように返還率が何でそんなに低いんだ、そんなのおかしいじゃないかと。やっぱり政務次官じかに、これ九つしかありませんから、ちょっとぱぱっと聞いていただいてやりましょうよ、ぜひ、そういうふうに。 やっぱり本当に国民の側に立った政治というのをしなければ、特に消費者契約法というのが、労働契約以外のすべてを網羅するものができましたけれども、しかし、一番弱い高齢者の方々にやっぱり寄った政治というのがされなければ私は絶対だめだというふうに思います。 最後に、来た手紙の一つをちょっとおかりして質問を終わりたいと思うんですが、その算定方法の説明を求めたところ、基準時間、人件費など非常に計算式が複雑であり、お答えしがたいというような答えが業者側からあったということです。わかりますか。だから、全然情報の対等性なんというのは何にもない。要するに、おじいさん、おばあさん、消費者側と事業者側の対等なというようなものが全くないです。だから、介護保険の一番の本旨であるところの措置からそういう対等な立場へというような、そしてまた中央集権的なものから地方へというところが全く感じられないというのをちょっと申し上げたいと思います。 もう一つだけ、ちょっと。ことしの二月十四日に通達があって各県に送りました。各県、管轄のホームに対して厚生省の通知をどのぐらいで再び送りましたかというものがあります。ほとんどの県はもう読むか読まないうちに厚生省の通達を右から左なんです。東京と京都だけは三週間ぐらい手元に置いて、三月十日、三月十三日に管下ホームに対して発信した。ほかの県はほとんどもう右から左なんです。 これはまさに、先ほど申しましたような介護というのは保険者が三千三百の市町村であってというようなところ、それからより身近な近いところで行わなければならないというようなこと、そういう発想からしても全然これはおかしいと思いませんか。大野政務次官が前回言われたような、結局行政というのは見守るのにすぎないのがよろしいんではないかというような御発言だったですよね。それとこの行動というのは全く違うと思うんです。どうですか、局長。
○政府参考人(大塚義治君) 私も、ただいま通知の件について調べてもらいますと、大部分の都道府県では、私どもからすれば比較的速やかにということになるとは思いますけれども、関係のホームに連絡をしておるようでございます。少し時間がかかった市町村もございますが、それはそれぞれの都道府県の判断あるいは対応もございますので一律に申し上げかねますけれども、いずれにしても、情報を早くお伝えするということは基本でございますので、その後で必要な指導もきちんと行っていただく、そういう趣旨で私どももこれから都道府県と連携をしてまいりたいと思っております。
○木俣佳丈君 局長、全然意味が違う。要するに、地方自治体によって、今回の通達が何であろうとそれは参考意見としてやっぱり聞いて、東京や京都の方が偉いと言っているんですよ。つまり、自治体ごとの要は契約の方法を、自治体ごとのというか自治体ごとのやり方というのがやっぱりあってしかるべきだと思うんです。それがやはりバラエティーある都道府県ということだと思いますし、地方分権ということです。 だから、要は、速やかに流れるのがいいということじゃない。それは厚生省の言いなりになっている県ということですよね、言いなりという言い方がおかしいかもしれないけれども。だから逆ですよ、今言っていることが。そうでしょう。おわかりになりますよね。私、熱でちょっと変なことを言っていますか。そんなことはないですよね。だから、やはりそれはちょっと考え直していただかないといけないと思うので、もう一度ちょっと、局長。
○政府参考人(大塚義治君) 率直に申し上げまして、ただいま御指摘ございましたように、大部分の都道府県では比較的短時間で老人ホームに通知を流しておる、東京、京都においては少し時間を置いて流しておると。どちらがどう適切なのか、それこそそれぞれの都道府県の対応の仕方でございまして、私ども、どちらがいい、時間がかかっている方がいい、短い方が適切でないと判断するのはいかがかという気はいたします。それぞれの都道府県の御判断だろうと思います。
○木俣佳丈君 いずれにしましても、全体を通して私言えるのは、やっぱり老人福祉法の二十九条、三十条というのを抜本的に見直して、削除してもいいぐらいだと自分は思います、本当に、こんな様子であれば。何でそれがあるのかというのは、ちょっと僕は意味がわかりません。もう一回再規定をしないと、有料老人ホーム、そしてまたホーム協会というものを再規定しなければ、やっぱりこれ本当に、先ほど申しましたように健全なところが市場から排除されて、不当なところで、基金として残すとかいろいろな手法を厚生省が教えている、そういったところだけが残るというような話になってしまうわけですので、これは徹底的にやっぱり直してほしいというふうに思います。 それから、建設政務次官に、先ほど資料の提供も申しましたけれども、言ってみると、こちらがまたは公取の方がこれから例えばいろいろ内偵調査に入っていただくとしても、いや、ちょっと待ってください、泥棒するまで、ちょっと出てくるまで待ってちょうだいよと言って、だからそれで出てきて逃げてから調査しなさいよみたいなそんな話に聞こえちゃうんですよね。本当、盗人たけだけしいというのはこういうことでありまして、一万人から調整が必要、一万三千人から必要だとすれば、単純に考えても何百億というお金が結局献金というか補助金のような形で使われちゃうということはやっぱり見逃しちゃいけないことで、それが結局、高齢者の方々が大枚はたいて、家屋敷を全部売って、本当のついの住みかだよということで安心して住んでいるところとは到底言えないということで、再度、建設政務次官と公取委員長も含めて御決意のほどをいただきたいです。
○政務次官(岸田文雄君) 先ほども申しましたが、入居者が交渉力あるいは情報力におきまして格差がある、弱い立場にあるということにつきましては本当に先生御指摘のとおりだと思います。 その問題意識のもとに、建設省としましても、説明あるいは情報提供におきまして不都合がないように調整を進めるように公社等へ指導しなければいけない、それは強く感じているところであります。その認識のもとにどこまで具体的に対応できるのか、ぜひ検討したいと思っております。
○政府特別補佐人(根來泰周君) ただいま委員が御提案になりました問題点など、よくわかりました。私どもは、いつも申し上げておりますけれども、この委員会の御議論を踏まえまして、適正な行政を図っていくつもりでございます。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 この件に関しましては、業者の方々や、そしてまた各都道府県の消費者団体の方やまた個人の非常に悲痛な思いというものがこうした私の怒りになりまして質問させていただいたことを再度報告させていただきます。 それでは、公取の委員長以外はどうぞ御退席いただきますように。 それでは、おくれましたけれども本体の話でございますが、昭和二十二年から現在までに独禁法の改正というのは、附則その他の法律の改正に伴って独禁法を改正したのも合わせますと、何と五十九回改正が行われている。本体の改正は今回で十七回目ということで、えらい短い間に大変な改正がされているなということだと思うんです。 委員長も二〇〇〇年の年頭のあいさつの中で、抜本的な改正というものが、改革というものが必要であるんだと強く言っているのを拝見しておるわけでございますけれども、そろそろ全面改定を考えてもよいではないかと書いてございますけれども、これはそのように今思っていらっしゃいますか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私は、御承知のように途中入社でございますので若干客観的に物を見ているわけでありますが、世の中は自由競争を主体に経済構造改革ということが行われているわけでございますが、やはり公正な自由競争ということがどうしても必要だろうと思うのであります。 だけれども、公正なと自由競争が車の両輪のようにうまくかみ合っていけるということはなかなか難しいわけでございまして、どうしても公正なというのが後追いになってしまうわけでございます。 ところで、社会がもう変転きわまりない状況でございますので、なかなか経済実態もつかみにくい。だから、もう少し様子を見て、経済実態が落ちついたところでやはりそれの公正なルールというものをもう一度考え直してきちっとつくった方がいいのではないかというふうに、私が申し上げているのは近い将来のことじゃなくて相当遠いことを申し上げているつもりでございます。
○木俣佳丈君 いや、何か急にトーンが弱くなりまして、年頭のあいさつで言われているんですからやはりそれは自信を持って言っていただかないとと思うんです。 冒頭申しましたように、まさに鉄砲伝来、そして鉄砲というのが戦争を変えて、それが堺の商人と根来衆が、根来寺の方々、技術師が全国に広めていく。そして信長が使って、一気に世の中が個から集団へということで戦争の形態が変わっていく。そして、全国の統一がそれで始まるというような大きな流れを起こした方の御子孫でございます。 今、IT革命という、全世界的な世界を変える動きが日本に及んでおりまして、IT革命においては実はやはり日本は一歩負けているというところで、しかももう一つは市場性という意味、市場の開放性という意味でも残念ながらいろいろ、先ほども申しました消費者契約法、今回の独禁法の私訴による差しとめ請求、こういったものが枠組みが整ってくる、同時に、商法改正などで会社分割というのが始まり、大きな大きな変革が急激に起きてくるわけでございますので、これは委員長、そんな悠長なことを言っていないで、御任期あと何年かちょっと忘れましたが、もう本当に任期中に徹底的にこれはやるんだという思いでやっていただかないと困ると思います。 時間がないのでちょっと本論の方に入ってまいりますが、差しとめ請求の制度、私訴制度というのができたんですが、これでいろいろ進むと思いますか。つまり、今、二千件からまず審査要求がある、そのうち実際年間に二百ぐらい着手をする、そして毎年三十件とか何件が上がってくるというような話でございました。もちろん、前回の問いの中でも、その一件一件の中に何百社というのがかかわっているものがあるからさほど少なくないんだというお答えもありました。しかしながら、差しとめ請求というものを私人ができるから十分になるというのは、ちょっと私はそう思えないんですね。 例えばこれは具体的な例で、ある弁護士が取り扱った有名な例でございますが、新聞の事例がございますね、北海道新聞。北海道新聞が商標登録を七つの新聞の名前、函館新報とかなんとかかんとか、要は排除するために七つの新聞の名前をあえてほかの新聞、参入者が使えないように登録をしたという、この事例がございました。 独禁法の五十九条に基づく当事者参加の申し立てに対して、独禁法制定当時の数例を除いて先例がないということで、当事者の参加というのは却下されちゃったということがあるんですね。これは昭和二十五年の帝国製紙、二十八年の日本郵船の事件、この二例だけだそうですね。 五十九条という、改正しなくてもあるもので何とか弁護士も頑張っていこうと上申書も提出したんだけれども、検討しますという中で全くその後も返答がないし参加をさせない、こういう事実があるんです。 五十九条を読みますと、「職権で、審決の結果について関係のある第三者を当事者として審判手続に参加させることができる。」と、こう書いてあるのにもかかわらず、これは現状ですよ、改正案じゃないですよ、にもかかわらずこれができないというのを非常におかしいというふうに言っているんですが、いかがでございますか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) これは十分御理解賜った上での御質問だと思いますけれども、五十九条の参加の問題は、職権で行う、必要と認めるときは職権でやる、こういうふうに書いてあるわけでございます。 ですから、あくまでも当該弁護士さんが私どもに提出になった書類は職権の発動を促すという趣旨で提出されたものと私どもは理解しているわけでございますし、これも先ほどの議論と少し関連しますけれども、職権発動でございますから、私どもで果たして職権で参加を認めるかどうかということを十分議論いたしました。しかし、どうも結果としては職権発動をする必要がないという結果になりまして、多分これはある年の四月ごろにそういう申し出がありまして、夏ごろに御本人には返事はしているはずであります。 これは、短い時間で恐縮でございますが、なかなか参加の趣旨が、これは衆議院でもお尋ねがございましたけれども、この立法趣旨がもう一つはっきりしない点がございます。せっかく参加をいただいても、参加人にどういう効力が及ぶのかというのが法律に書いてないわけであります。私は法律を少しかじったものですから、ずっとこの法律を通読しましたけれども、どういう趣旨かなというのは今にまだはっきりしないようなぐあいであります。 そして、その対抗する新聞社の方の方の立場は、私どもの審査官の方で十分反論できる資料を持っているものですから、あえて遠いところから御足労いただかなくても私どもの審査官がそれに対して十分代弁できるという判断で、職権発動のことについてお答えしなかったということであります。
○木俣佳丈君 それは恐らく、これは推測の域を脱しませんけれども、やはりこの後に続きます独禁法の六十九条、利害関係人に対しての事件記録の閲覧、謄写の権限について、ここにも関連するんですけれども、やはりその審判手続の中に入るということと今のものはもちろん違うことはよくわかっています。わかっていますけれども、ここに原本がございますが、例えば謄写させてくれと初めに言ったら、そうしたら、わかりました、じゃ、コピー機をお持ち込みくださいと言って、コピー機を持ってきたら弁護士にコピーさせるとこう言われたと。そんなばかな話があるかということで、次に言ったのは、いいですよ、じゃ、コピーさせてあげますと言ったら、損害賠償請求をするのに一番大事な数字が黒塗りで、何かこれCIAから来た機密情報みたいなそんなあれなんですよね。だから一番大事なところは全部こんなCIA以上に、べたっと何か張ったんでしょうかね、これ、こんなのが来て、これはたまらぬということで怒り心頭に発しているというのがこの弁護士の言い分なんですよね。 だから、やはりこの辺が要はきちっとできなければ、例えば差しとめ請求制度ができただけで十分にこれが機能していくのかなというふうに、私訴の制度ができただけで十分に機能していくのかなというのが彼の言いようなんですが、この六十九条の話にちょっと今移っておりますが、もう時間がありませんので次の損害賠償のことも含めてちょっとお話しして、最後にお話を承りたいと思うんです。 今回、損害賠償の拡充というのがあります。これは要するに個人から業界団体、事業者団体の禁止行為を追加したという、いわゆる横幅を広げたことなんですよね。ですから、二十五条にしても、改正をしたといっても損害賠償の範囲がどの程度広がったかというのはわかっていない。なぜかというならば、今まで審判審決がおりるのが、先ほど言いましたように年間三十件とかそういうレベルなんですよね。そういう中で、例えばそこから損害賠償に発展するわけですけれども、昭和二十二年から平成十二年三月までに何と損害賠償の請求が来たのが十四件しかない、しかも勝訴というのがゼロだというのが実態なんですよね。ですから、やはり事業者の秘密ということで、今回も実はこの改正に当たりまして特別につけていただきたいと思って事業者の秘密というのを除いてくれというふうに私も申し上げたんですけれども、それはかなわなかったんですが、やっぱり公取から要は情報、データがもらえないというのが最大のポイントであるということ。 もう一つは、やはりこの裁判所も今回、要は今まで東京高等裁判所の独禁法事件というのは専管であったのが、それが地方裁判所でもできるよというふうに今回変わるわけなんですけれども、ここで問題は、ちょっとごめんなさい、いろいろな質問をまぜていますけれども、まず、地方裁判所で十分な独禁法の対応ができるのかどうかというのが疑問がありますよね、専門官がいないのに。それから、私訴の差しとめ請求が地方裁判所でできるのに、しかしながら損害賠償請求は、東京高等裁判所の専管を変えないわけですよね。そうすると、要は、一番大事な損害賠償を請求するということができなくなっちゃう、地方で。これでだから機能するのかなと。 いろんな質問をちょっとまぜこぜにしましたが、お答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 網羅的にお答えできるかどうか自信がありませんが、まず最初、黒塗りの話がございましたけれども、これはいろいろ、委員の聞かれた方が一方の当事者でございますから、必ずしも私どもは委員の御指摘を全面的に肯認するわけにはまいりません。当然、企業秘密もございますしプライバシーの秘密もございますし、また事件の端緒ということで、端緒を大っぴらにしますと御協力を得られないということもございますので、いろいろそこは苦労してやっているわけであります。 コピーの機械を持ってこいと言ったのは、それはどうかわかりませんが、私どもの予算はなかなか少ないものですから、紙代とかコピー代をお願いしたんじゃないかと思いますが、そういうことであります。 それから、こういう差しとめ請求を認めてもなかなか活発にいかないんじゃないかという点でございますが、これはおっしゃるとおりでございます。これは、私は活発にいくとは今の段階で断言するほど勇気はございません。 といいますのは、独占禁止法というのはやはり歴史がございまして、これまで規制社会であったわけでございまして、規制社会で独占禁止法を使う方というのはいなかった。ところが、これからは自由競争になるわけで、自己責任ということになりますと、やはり自分が裁判所に訴えたいという人もたくさん出てくると思うのであります。そういう社会の情勢の変化に応じて、やはりこういう制度を利用する者が出てくるということは、ある意味では期待しているわけでございます。 それから、司法との関係でございますが、確かに私も、裁判所へ独占禁止法事件を持っていっても時間がかかる、なかなかいい判断は得られないということを一般の方々が考えると思うのであります。 これは、やはり今やっておられる司法改革と同一の平面で見ないと、やはり司法改革をしてもらって、これはどちらが先かはわかりませんけれども、司法改革の結果、やはり裁判所が適正な判断をできるという受け皿をつくっていただけると。私は、個人の希望としては、例えば参審制度なんかは結構な制度じゃないかと思いますけれども、そういういろいろの、混沌とした社会でいろいろ制度ができていくうちにうまくいくんではないかということを希望的に考えているわけでございまして、その希望をかなえる一つの道筋といたしましてこういう制度をお願いしているわけでございます。 もちろん、この制度がベストなものだとは思っておりません。また、状況を見ましてこの委員会に改正をお願いするかもわかりませんが、そのときはひとつよろしくお願いしたい、こういうことでございます。
○木俣佳丈君 頑張ってください。 ありがとうございました。
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時三十分まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ─────・───── 午後零時三十分開会
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 私は、まず最初に有珠山の噴火の問題について質問をしたいと思います。 有珠山の活動それ自体はかなり小康状態ということでございますけれども、ただ地域社会の現状というのは極めて深刻な状態でありまして、日常生活とかあるいはコミュニティーの分断とか、さまざまな形で出ているわけでありまして、とりわけ雇用の問題、経済の問題、こういった問題についてもなかなか回復状態に行くというのは難しいという状況にございます。 それで、私は、まず最初に雇用調整助成金、この問題についてちょっと入りたいと思うわけです。これは現段階では災害救助法が適用されておりますので、三市町に適用されているということで、伊達市、虻田町あるいは壮瞥町に適用されているわけですけれども、洞爺湖温泉街はもう休業状態でありますので、そこで働いていた方がなかなか仕事につけない等を含めて、生活の糧をどうするかという極めて深刻な状態になっているわけでありますけれども、この雇用調整助成金の関係で助成率の点についてちょっと説明していただきたいんです。
○政府参考人(上村隆史君) 雇用調整助成金についてでございますけれども、ただいま先生からお話がありましたように、被災地域の事業所を対象にいたしまして特例措置を現在実施しているところでございまして、現地での説明会の開催などによりましてその活用の促進を図っているところでございます。 雇調金は、事業主が休業、教育訓練等をした場合に支払います賃金の一定額を助成するものでございますが、この特例措置によります実施状況ですが、五月九日、一昨日現在でございますけれども、二十一事業所から六百八十三人分の計画届が提出されているところでございます。この計画届を前提にして今後助成金の受給が出てくるところでございます。 実施状況等以上でございます。
○加藤修一君 助成率について聞いたわけですけれども、中小企業の場合は三分の二の助成率になるわけですか。 これについてもいろいろ陳情があったりして、なかなか対応がうまくいかないということもありまして、対応というのは、休業している段階にあってそれを事業主の方で負担するということについては極めて厳しい現状であるということから、例えば三分の一という話でございますね、事業主の方としては、中小企業については。これを三分の一から四分の一にぜひしてほしいとか、そういったこともこういったケースについては考えていく必要が私はあるのではないかと思っておりますけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(上村隆史君) 先生今お話しになりましたように、雇調金の助成率、事業主が負担した賃金額の助成の割合が中小企業は三分の二、大企業は二分の一ということで、その残余は事業主が負担することになりますが、今お話しのありましたように、その負担の助成率のあり方につきましても、先ほど申し上げましたような実情もございますので、これらの活用状況あるいは今後の事態の推移等を見守りながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○加藤修一君 もうぜひその辺については積極的に検討をお願いしたいと思います。 それでは次に、運輸省にお願いしたいわけでありますけれども、こういった災害にありがちなケースでございますけれども、風評被害ということが随分と今回のケースについても言われておりまして、例えば洞爺湖は今入っていくことが当然できないわけでありますから、そこは直接的な被害ということで、四月現在でも、昨年のケースを考えていきますと十億円ぐらい見込んでいたものが全く入ってこないという現状であります。 ただ、登別温泉や遠く離れた函館とかあるいは札幌あるいは阿寒湖温泉、そういったところにおきましてもいわゆる観光客の宿泊のキャンセル、そういったものが相次いでいる。あるいは特に有珠山から約三十キロ離れた登別温泉、ここでは噴火活動の影響は全く受けていないわけです。降灰があるとか泥流がどうのこうのという話にはなっていない。しかし、これまで一万人を超えるキャンセルが出たということで、あるいは本州からは地震があるけれども大丈夫なのかとかそういった問い合わせが続いておりまして、登別観光協会の話によりますと、四月現在で、例年の九万人を見込んでおりましたが、前年に比べますと二万人前後が減った状態にあるということでございまして、そういった意味では一つの風評被害というふうに考えられなくはないんじゃないかと思います。 風評被害が生じる原因の一つとしてやはり正確な情報が伝わっていないというところも考えられると思いますけれども、こういった面についてどのように対応を考えられているか、よろしくお願いいたしたいと思います。 運輸省来ておりませんか。
○委員長(成瀬守重君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
○加藤修一君 それじゃ北海道開発庁にお願いしたいんですけれども、代替道路の整備の関係でございますけれども、現段階で室蘭本線が円滑に運行されていない、あるいは高速道路もとまっている状態、あるいは国道も部分的にとまっている状態でありますけれども、北海道の経済にとってはこの道路というのは極めて重要な道路でありまして、非常に経済に対する影響が大きいということから考えていきますと、長期的にはやはり代替道路というので十分対応しなければいけない。 災害時の、緊急時におきます代替道路ということもそうなんですけれども、事前に、ということはつまり二、三十年に一回は噴火は起こるというふうに想定されているわけですから、今後また二十年後、三十年後に起こるというふうに考えざるを得ない。ということはまた似たような形で災害が起こり得るという話になってまいりますと、経済的な打撃というのは北海道全体に与えるという話になってまいりますので、そういうことを考えていきますと、室蘭本線とかそういったことだけじゃなくてやはり函館本線、あるいは道路について考えていきますと、日本海側の道路について代替的な道路として高規格に道路を整備していく、そういったこともやはり考えていくことが必要ではないかと私は思っておりますけれども、この辺については今後どういうふうに対応を考えようとしておりますか。
○政府参考人(林延泰君) 先生御承知おきのように、道路といいますのは、産業活動、社会活動、そして経済活動等々を支える極めて重要な役割をなす施設でございます。今回の噴火によりまして道路網の寸断が周辺のみならず北海道全域に大きな影響を与えているということにつきまして、私どもも大変憂慮しているところでございます。 現在の周辺地域の道路網につきましての対応についてお話しさせていただきますと、北海道開発庁では、有珠山噴火非常災害現地対策本部と連携を図りつつ、迂回路や緊急輸送道路の交通確保に向け全力で取り組んでいるところでございます。特に、迂回路につきましては、二百三十号が通行規制されておりますので、先月の二十六日には道道から国道に編入させて現在交通確保をしております。また降灰時を考えまして、周辺八カ所で二百七台の重機を配置しておりまして、それらの対応に万全を期しているところでございます。 本地域におきます道路は、道央、道南を結ぶ大動脈でございます。先生御指摘のとおり、日本海側のルートも広域的な幹線道路ネットワークとして重要な道路と私ども位置づけております。 具体的には、高速ネットワークの整備として、北海道横断道路、黒松内—小樽間の整備を進めて、規格の高い道路整備をしているところでございます。そのほか、都市部を初め、国道の拡幅ですとかあるいは防災事業など積極的に進めているところでございます。今後とも広域的な幹線道路ネットワークの構築に向けまして、関係機関と調整を図りながら災害に強い道路網の整備を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○加藤修一君 日本海側回りといいますか、要するに小樽回りの道路ですね、それが現段階では二車線だと思いますので、やはりこれは往復三車線とか四車線とか、やっぱり計画交通量はふだんは少ないかもしれませんが、こういった災害時を考えて、それに的確な対応をとるように道路の拡幅を含めてしっかりとやっていただきたいと思います。 それから、現状のいわゆる室蘭本線を含めてその周辺の点でございますけれども、将来また二十年後起こる、あるいは三十年後起こることが想定されているわけですから、仮にこういった考え方も私は成り立つのではないかなと思っています。それは、火砕流とかあるいは火砕サージが生じた場合に、なるべく道路網に対して影響を与えないように、例えばの話ですけれども、火砕流防災あるいは火砕サージ防災のトンネルというものをつくるということも一つの検討に値する中身になるかもしれません。 ただ、これは非常に難しい問題も含まれておりますので、検討というレベルでやるということについては積極的に対応していただきたいなというふうに思っているところですけれども、何かお考えがありましたら。
○政府参考人(林延泰君) ただいまの先生の御指摘のように、今回の有珠の噴火がまた二十年後、三十年後に起こるという可能性を秘めているというようなこともいろいろと言われておりますので、私どもといたしましては、人命尊重第一に安全な道路づくりをやっていきたい、そういった観点から、ただいま御指摘のようなことも今後十分調査研究いたしましていろいろと取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
○加藤修一君 それでは、これに関連して地域振興の関係についてお尋ねしたいわけでありますけれども、今後この周辺地域についてどういうふうに地域開発を促進させていくかということについては、当該町村の虻田町あるいは壮瞥町の町長それぞれが、もちろん泥流対策は当然必要なわけでありますけれども、いわゆる防災拠点センター構想とか、あるいは総合火山防災研究センター構想、あるいはエコミュージアム、つまり有珠山周辺地域を丸ごと天然の博物館と見立てて、いわゆる噴火災害のつめ跡を保存し、自然現象あるいは防災を学ぶ新しいタイプの体験学習ゾーン、そういうふうにとらえたものを設置するとか、そういったいわゆる観光の資源として活用していく部分についても考えながら地域全体の振興を図っていこう、こういう提案もなされているところでございますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。こういうことを含めて将来の地域振興。
○政府参考人(林延泰君) 有珠山の噴火による地域のダメージを少しでも回復させまして、地域の活性化に資する、そういう振興策の要望として地元から出されているものと私ども受けとめております。地域の活性化を図る観点から、私ども北海道開発庁といたしましても、できることから積極的にかつ迅速に対応していく所存でございます。 開発庁といたしましては、有珠山対策を初め今後の北海道経済活性化のため、緊急にとるべき施策につきまして長官の私的懇談会でございます北海道活性化懇談会を先月の二十五日に立ち上げているところでございます。この懇談会では、今おっしゃっているような話も含めましていろいろと各有識者の委員の先生方から御提言をいただく予定になっておりまして、六月中に提言をまとめていただくように考えております。 また、北海道の産品を全国の皆様方に多少なりとも購入していただく運動として、北海道産品購入促進キャンペーンを今月一日から開始しているところでございます。 そこで、伊達市、虻田町、壮瞥町から要望がございました総合火山防災研究センター構想、あるいはエコミュージアム構想につきましては、地元において構想が具体化した段階で関係省庁等と協力し、できるだけの支援をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○加藤修一君 時間がないので、次に行きたいと思います。 先ほど風評被害についてお尋ねしたわけですけれども、要するに登別の観光協会によると、例年の九万人を見込んでいたけれども、前年に比べて二万人前後は減る見通しになっていると。こういうことで、風評被害に関連してはやはり私は正確な情報をいかにスピーディーに流すかということが極めて重要なところだと思っておるわけでありますけれども、こういった風評被害に関しての対策、あるいはこういうことが生じないように、あるいは事後についてはどういうふうに考えて今進めているところでしょうか。
○政府参考人(藤野公孝君) 観光部長の藤野でございます。 お答えする前に、おくれましたことまことに申しわけございません。きょう中国の唐家セン外交部長、二階運輸大臣と一緒に今行っておりまして、それが大変おくれまして、ここがおくれましたことを重ねておわび申し上げます。 今のお尋ねの件でございますけれども、先生御指摘のように、私も行ってまいりましたけれども、登別で今三万人もキャンセルが出ているというようなことでございまして、直接被害も何もないところでこんな非常に大きなダメージを受けることに対して国の方としてもしっかりやってもらいたいというような要望も、ついこの八日、九日に行ってまいったところでございます。 運輸省といたしましても、風評被害というものは、必ずしも一般の利用者あるいは関係者が正確な情報を持っていないということから無用のキャンセルを行うというようなこともあるので、何よりも正確な情報を提供するということが必要だというふうに考えまして、去る四月十八日でございますけれども、この有珠山の噴火に伴う北海道の観光対策連絡会議というものを開きまして、旅行業界のトップ等を集めまして、これから北海道はトップシーズンに入りますのでこれ以上の落ち込みがないようにということ、それから、ついこの間のまた八、九日には現地に伺いまして、同じトップを集めまして、ツアーの設定というようなことを踏まえました具体的な対応というものを今とらせております。修学旅行等についても、修学旅行協会等に対して、キャンセルなりしないように、あるいはコースの変更のときも道内でコースの変更をするようにということで、今お願いをしておるところでございます。 今後の同様の災害に際しましても、関係者と連携いたしまして、正確な情報を提供すべく今後とも防止に努めてまいりたいと思っております。
○加藤修一君 今の御答弁の中身は事後対策を中心にして述べていただいたわけでありますけれども、心理学者でオールポートという人がおりまして、この方は流言、流言飛語とかデマとかというそういう意味での流言ですけれども、流言の流布の公式によれば、ある事柄について十分情報を与えてあいまいさをなくすことでいわゆる風評とかうわさの流布を抑えることができると考えられるというふうに言っておりますので、確かに正確な情報をいかにスピーディーに供給するかということが大事だと思います。 あるいは、ナップという方は、流言、そういったものをコントロールするために六つの方策を提案しているわけなんです。一つは、通常のコミュニケーションメディアが十分信頼されるようにすること、二つ目は、指導者が最大限に信頼されるようにすること、三つ目は可能な限り多くのニュースを可能な限り速やかに発表すること、四つ目は可能な限り情報へ接近させること、五つ目は怠惰、単調さ、個人的混乱を防ぐこと、六つ目が風評、そういったものを広めることに対して慎重なキャンペーンを行うこと。 ということで、風評被害というのはなるべくなくすような形でキャンペーンを張るということが非常に重要だということで、事後的な対策として今説明をいただいたわけでありますけれども、こういった六つの方策を今説明申し上げましたけれども、なかなか難しい話なんですね、コントロールをいかにするかといっても。ただ、こういったことについても研究対象にして考えていく必要も私はなくはないなというふうに思っているんですけれども、所感がありましたらちょっとお願いいたします。
○政府参考人(藤野公孝君) 今伺いました予防対策といいますか、そういうものにつきましても、また後からでも詳しく先生からの御指導も賜りまして、運輸省といたしましても今後の積極的対応を図ってまいりたいと思っております。
○加藤修一君 それでは、エネルギー問題について多少質問させていただきたいんですけれども、これは電力の自由化にかかわってくる話でございます。 まず最初に、APECの会合がございます。これはエネルギー担当相会議ということで、明日アメリカで開く予定になっておりますけれども、いわゆる環境への影響が極めて少ないそういった石油代替エネルギーとして期待されているのが天然ガスということになっております。 私は、過日大津で行われたG8の環境サミットですか、環境関連大臣の会議、その中でいわゆるコミュニケみたいなのが出されまして、いわゆる宣言でございますけれども、自然エネルギー、こういったものをアジア太平洋にいかに普及していくか、いかに促進させるか、そういったことが基調になった宣言がされたわけであります。 APECのこの会合におきましても、天然ガス云々の件も非常に重要な話でございますけれども、自然エネルギー、再生可能エネルギー、そういったものをいかにアジア太平洋に普及させていくかということが極めて重要な点だと思いますけれども、この辺についてどのようにお考えでしょうか。 つまり私の言いたいことは、そういったことと、それから日本がこういった面についてもっともっと今以上にイニシアチブを発揮してやっていただきたいという要請も含めての御質問でございます。
○政府参考人(河野博文君) ただいま先生御紹介ございましたとおり、五月十日から関連会合が始まりまして、五月十二日にサンディエゴにおきまして第四回のAPECエネルギー大臣会合が開催されるという段取りになっております。 御承知のとおりで、APECにおきましては、今後のアジア太平洋地域でのエネルギー需要の増大を踏まえまして、この地域でのクリーンなエネルギー利用の促進と持続可能な開発が重要な課題の一つという意識でございます。 今回開催されますAPECのエネルギー大臣会合におきましても、これは議長国といいますか主催者は米国でございますけれども、私ども日本と米国の提案で議題の一つとしてエネルギーのクリーンな開発と利用というものが取り上げられているという状況にございます。アジアでの新エネルギー、あるいは今も御指摘ありました天然ガスも含まれますが、いわゆるクリーンエネルギーの利用拡大などについて議論が行われるという状況にございます。 また、国会でただいま通産省提案の法案を御審議いただいておりまして、大臣の名代ということで荒井通商産業審議官が出席をすることになっておりますけれども、荒井審議官はこの中で二十一世紀に向けた域内エネルギー分野の議論と題された議題の中でメーンスピーカーといいますかそういった役割を受け持っておりまして、新エネルギー利用の拡大の重要性についてもこの議論の中で問題提起を行うということになっております。
○加藤修一君 労働省と運輸省と開発庁ですか、退席されてよろしいです。 私は先走って質問してしまいまして二問ほど抜かしてしまいましたけれども、自由化の関係で、貿易自由化ということも当然これからどんどん促進されるわけでありますけれども、その中でいわゆる貿易保険、こういったことが極めて重要な位置づけになってきているのではないかなと思います。 過日、五月三日、四日でございますけれども、深谷通産大臣がシンガポールを訪れた際に、いわゆる日本、シンガポールを中心としたアジア域内での貿易投資促進が重要だと、これは私もそう思います。昨年の一月に締結した投資保険、それについての再保険スキームに引き続いて、さらに輸出についての再保険も検討しているという話がございました。このケースについての貿易保険等について、いわゆる環境・社会ガイドラインとかそういったいわゆる環境にいかに配慮するか、そういった面についての内実があるかどうか、そういう質問でございますけれども。
○政府参考人(中村利雄君) 先生御指摘のように、昨年の一月にシンガポールの貿易保険機関と私どもの貿易保険で海外投資保険に関する再保険の枠組みを合意いたしました。これは具体的には、シンガポールの貿易保険機関が第三国への投資につきましてそのリスクを付保した場合に我が国の貿易保険が案件ごとに個別に審査の上再保険を引き受ける、こういうことの大枠を決めたものでございます。 これまで再保険の実績はございませんけれども、今後の運用に当たりましては、実際に案件が出てきた場合に、この四月から私どもも環境配慮のためのガイドラインというのをつくりましてそれを適用しているわけでございますが、その基準に照らしまして、これに適合する案件についてのみ再保険を引き受ける、こういうことにいたしております。 それから、深谷通産大臣がシンガポールに参りました際に、この再保険の協力の分野を投資だけではなく輸出にまで広げることを検討したいというふうに述べられたわけでございますけれども、具体的なやり方につきましては今後詰めていくことになりますけれども、環境配慮につきましては投資の場合と同様な対応をとっていきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 貿易保険の再保険については、多国間投資保証機関、MIGAという機関でございますけれども、ここでも通産省との間で貿易保険等については、相互協定ですか、それをすることで昨年合意したと聞いておりますけれども、MIGAの場合については日本の貿易保険のいわゆる環境配慮のガイドライン以上に厳しいと伺っております。 いずれにいたしましても、こういった面について、いわゆる世銀グループ並みの環境ガイドライン、これをやはり設定できるように日本政府も努めていくべきではないかと思っております。 六月にOECDの輸出信用機関グループ、ECGの環境特別セッションが開催される予定でありますけれども、こういった会合におきましても通産省は積極的にイニシアチブをとって環境配慮についてより細やかな対応をやっていただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。 それでは、先ほどエネルギーの問題について聞いたわけでございますけれども、原子力発電の関係でございます。 原子力発電については、新規増設目標、これが極めて九八年の見通しのレベルについては達成が困難になったと、そういうふうに言われておりますけれども、その達成が困難になったという背景といいますか要因というのをどういうふうにとらえていらっしゃるか、その辺について御答弁をお願いします。
○政府参考人(河野博文君) 今御紹介がございました一九九八年六月に策定されました長期エネルギー需給見通しのことだと思いますけれども、これは二〇一〇年度までに原子力発電所を十六基から二十基新増設することが目標ということになっておりました。しかしながら、最近のエネルギー情勢における需給両面での各種の変化がございまして、私どもの深谷通商産業大臣は、エネルギー政策の基本目標には変更はないんだけれども政策内容について改めて幅広い検討を行う時期になったのではないかと判断し、去る三月十日にその旨を発表いたしました。 その後、本年四月二十四日に総合エネルギー調査会総合部会第一回会合を開催いたしまして、エネルギー政策のいわば全面的な検討が始まったという状況にございます。 今後、原子力導入の規模も含めまして、長期エネルギー需給見通しといいますか、そういった見方も再度検討されるということになるわけでございますが、こうした背景の中で本年三月末までに電力会社から、これは毎年度受け取っているものでございますが、供給計画というものを受け取っております。この中で、これは本来は二〇〇九年度までを目標とするものではございますが、原子力開発計画について今後、その中で二〇一〇年度までの原子力開発規模にも触れられておりまして、これは各社別に出てまいりますが、トータルいたしますと二〇一〇年度までの新しいものが十三基ということになっております。 こうなった背景でございますが、一つには、昨年度に比較いたしまして電力需要の伸びが低下しているといいますか、あるいは一九九八年度のエネルギー消費が減ったというようなことも背景にあろうかと思いますが、同時に、例えばジェー・シー・オーの臨界事故の影響などもございまして、想定していたほどには立地動向に進捗がなかったという地点があるということもその理由だというふうに考えます。 いずれにいたしましても、我が国におきまして、環境保全それから効率化、こうした要請に対応しながらエネルギーの安定供給を確保するため、安全確保に万全を期しながら原子力政策を円滑に推進することが必要だということで、地元の御理解を得ながら一歩一歩着実に原子力立地に向けて計画を進めていくという姿勢で政策を遂行してまいりたいと考えております。
○加藤修一君 その達成困難になった要因について、私も今説明の件については理解しておりますけれども、電力の小売自由化のスタート、そういったことがあって、いわゆるコスト競争力の強化、そういったことから長期的な設備投資について抑制の影響が、あるいは判断がされているのではないかと、そういう見方をする方もいますけれども、この辺についてはどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(河野博文君) たしか昨年の十二月であったかと思いますが、私ども、総合エネルギー調査会の原子力部会におきまして各種発電のコストについての試算を御報告申し上げ、評価をしていただいたことがございます。 これによりますと、原子力発電につきましてもかつての試算とさまざまな要素を若干変えて、また他のエネルギー源とのバランスをとった試算を御紹介したつもりでございますが、この場合、原子力発電の発電コストはキロワットアワー当たり五・九円ということでございまして、他のエネルギーに対して遜色のないものであるというふうに私どもは理解をいたしております。 そういう意味で、自由化の中で電力事業の皆様方の投資活動、これから変化の予想はあろうかとは思いますが、この二〇一〇年度に向かって出されました三月に受領いたしました供給計画におきまして、そういった経済性の面から原子力発電の規模が縮小されたというふうに私は理解をいたしておりません。
○加藤修一君 次の質問です。 自由化の中でいわゆる公益的目的をいかに達成するかという部分も私もあると思うんですけれども、いわゆる科技庁が考えています新原子力長期計画の策定といわゆる今総合部会で検討し始めております最終的なエネルギー政策の総合的な見直しの中身、結果ですね、そういった結果と今言った科学技術庁の策定の結果、その調整といいますか、その相互の関係というのはどのようにこれは考えたらよろしいですか。
○政府参考人(河野博文君) 今、先生御指摘ありました原子力委員会におきましても、長期計画策定会議を設置いたしまして原子力長期計画の見直し作業が進められているというふうに私どもも承知をいたしております。本年内に新たな原子力長期計画を策定する予定というふうに伺っております。 原子力長期計画自身は、原子力政策の基本的な方針とその推進方策を示すということでございますので、原子力の導入規模自体を決めるためのものではないのではないかというふうには思います。 ただ、いずれにいたしましても、原子力長期計画の審議をお進めいただく中で、この長期計画策定会議におきましても、私どもから現行の長期エネルギー需給見通しですとかあるいは現在作業に着手をいたしました見直しを含む今後のエネルギー政策の総合的な検討状況といったようなものの説明をさせていただき、また求められるというふうに思っておりまして、今後、この策定会議におきましても、総合エネルギー調査会での検討状況も考慮しながら、お互いに整合性のある新たな原子力長期計画の検討を進めていただけるものというふうに考えております。
○加藤修一君 それじゃ、通産省の方、よろしいと思います。 それでは次に、航空業における新規参入問題ということなんですけれども、まずその前に、今電力の自由化の話を申し上げましたけれども、いわゆる規制緩和の推進業務について「公正取引」という雑誌の中でもちょっと紹介があるわけですけれども、規制緩和の関係について最近顕著な進展が見られた、一つは、電気事業の小売の自由化に向けて公取と通産省が共同でガイドラインを公表したことであるというふうに述べられておりますけれども、これは単に自由化に伴って参入する新規業者に対する妨害・排除行為などについて独禁法上の考え方を明確にするという従来型のものではなく、いわゆる実効ある新規参入のため既存企業にいわゆるエッセンシャル・ファシリティーズですか、そういったものへのアクセスの確保、そういったものを要請した点に特徴があると。そういった観点から考えますと、新機軸のガイドラインであるというふうに紹介がなされておるわけであります。 例えば国内の航空業界において、新規参入の関係でございますけれども、平成十年九月及び十二月に三十五年ぶりに国内航空分野に二社が新規参入したということになっておりまして、この二社が参入したことでその当該路線を中心にして運賃の低廉化が進む。こういった意味では国内航空分野における競争が一層促進されていくという判断はできるかなと思いますけれども、新規参入したスカイマークあるいはエア・ドゥという会社でございますけれども、なかなか当初考えていたほどにはうまくいっていない部分もあるわけなんです。 先ほど私が紹介いたしました通産省と公取がそういった面でのいわゆるエッセンシャル・ファシリティーズへのアクセスの確保、そういった面も含めていわゆる競争条件をイコールにしていこうと、そういった新しいガイドラインを制定する、こういったことについて運輸省はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(丸山博君) ただいま先生から御指摘ございましたように、私ども、新規航空企業が新しく航空市場に参入いたしまして、そのことによって新たな競争が起こる、それで航空市場が活性化していくということについては非常に大事なことであるというふうに考えております。 ことしの七月から羽田の発着枠が三十一便分ふえるわけでございますけれども、その場におきましても、新規の航空会社に対しまして三十一のうち十五の枠を新たに新規参入の会社に配分するということで、新規参入の促進に努めておるところでございます。 また、運賃の話で、新規参入が行っても、対抗的な運賃を既存の会社が打ち出すことによってなかなかその新規参入がうまくいかないというようなことを御指摘ございましたけれども、ことしの二月から新たに改正航空法が施行されておりますけれども、そのような仮に略奪的な運賃等の設定があった場合は変更命令を発出するということが航空法上定められたわけでございます。 しからば、どういうときにどういう手順で変更命令を出すかということにつきまして、私ども既に運賃及び料金の変更命令に係る取扱要領というものを作成いたしたところでございます。また、その策定に当たりましては、私どもが単独で策定したものではなくて、まず議論を懇談会を開きまして公開の場で一つ行いました。それから、公正取引委員会事務総局とも所要の連絡をとらせていただいた上で、いわゆるガイドラインといいますか、私どもが変更命令を出すガイドラインにつきまして連絡をとらせていただいたところでございます。
○加藤修一君 航空業界についてもガイドラインをつくり上げていくという考え方でよろしいですか。
○政府参考人(丸山博君) どこの部分につきましてそのガイドラインをつくるかということでございますけれども、ただいま申し上げましたように、運賃がどういうときに略奪的と判断して、そのときにどのように私どもとして変更命令を出すか、そのことにつきましては公取と運輸省の間で、電力と同じようなガイドラインをつくったというわけではございませんけれども、私どもがガイドラインをつくるときには公正取引委員会の事務総局とも所要の連絡をとらせていただいた上でつくったというふうに御理解いただければと思います。
○加藤修一君 手元に「国内定期航空旅客運送事業分野における大手三社と新規二社の競争の状況等について」ということで、公取がつくりました平成十一年十二月十四日の報告の内容があるんですけれども、私の認識としては問題がなくはないなというような表現もあったりなんかするわけでありますので、こういった資料をもとに検討を公取との間でされて、できるだけ早い機会に私はガイドライン的なものを作成する意義はあるんではなかろうかと思っておりますので、検討のほどよろしくお願いしたいと思います。 時間がございませんので、次の問題に移りたいと思います。 日米独禁法協力協定の関係でございますけれども、これは昨年十月に締結されております。これはいわゆる行政協定でございますけれども、日本とアメリカの独禁当局が協力関係を構築し、そういった中でお互いの独禁法の効果的な執行、それに貢献することが目的というふうになっておりますが、この協定の締結によって公取としてはどのような課題を負うことになったか、あるいはどのような改善結果が出たかについて伺いたいわけであります。 メリットがあれば、そのメリットを最大限に生かそうとすればやはり課題というのが生じてくる可能性が十分あると思われますので、その点が一点と、同様の協定をEUあるいは韓国などの主要国と結ぶ必要があると考えておりますけれども、この辺についてどのようにお考えでしょうか。 以上です。
○政府特別補佐人(根來泰周君) ただいま御指摘のように、昨年の秋に日米独禁協力協定という行政協定を締結いたしました。 この内容でございますが、簡単に申し上げますけれども、五つばかりの条項がございまして、一つは通報ということでございます。これは、相手方の重要な利益に影響を及ぼすことがある執行活動等について通報するということ。二番目は協力、執行活動について支援をする。それから三つ目は調整、執行活動の調整を検討する。それから、四つ目は執行活動の要請ということであります。そして最後は、相手国の重要な利益の考慮という五つばかりの条項がございまして、これについて行政協定という法的な義務を私どもが負っているわけでございます。 従来、アメリカとの間ではもう二十数年の間に二十何回か交渉、交渉といいますか意見の打合会をいたしまして協力関係は十分であったわけでございますが、今回こういう行政協定という形で法的に義務を負うことになったわけであります。 といいますのは、これによって何が期待できるかということでございますが、お互いに執行活動について協力するということと、従来よく言われております米国の反トラスト法のいわゆる域外適用についてのいろいろ摩擦があったわけでございますが、その摩擦が多少なりとも解消されるのではないかという期待があるわけでございます。 昨年結んだばかりでまだこれという実効性は上がっておりませんけれども、そういう点を私どもは期待しているわけであります。 それから、第二番目の御質問でございますが、EUとか韓国とはどうだという御質問でございます。これは確かにEUとも韓国とも経済的に密接な関係がございますから、私どもとしては将来やはり積極的な立場に立ってそういう協定が結べたらいいなというふうな感じを持っております。
○加藤修一君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下です。 初めに、金融機関の再編問題について伺いたいと思います。 巨大銀行の持ち株会社方式やあるいは合併方式による企業結合が大変盛んであります。みずほフィナンシャルグループ、興銀、第一勧銀、富士のこの持ち株会社が総資産でいいますと百三十四兆円、それから三和、東海、あさひの持ち株会社による結合が総資産百三兆円、東京三菱と三菱信託との持ち株会社による結合が総資産八十七兆円、住友とさくら銀行、これは合併ですけれども九十九兆円と、世界トップクラスの巨大銀行がことしから来年にかけて次々登場するということになるわけですが、市場の番人たる公正取引委員会として、この金融再編をどのように把握、認識されているでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御紹介がございましたように、最近金融の再編というのが進みまして、巨大な銀行が合併あるいは持ち株会社方式で業務提携を行っていることは事実でございます。これについては私どもは、独占禁止法の定めるところによって厳正に審査してその回答を出すつもりでございます。 一部回答したところはあると思いますけれども、これからまだ検討すべき事柄がたくさんございますので、その検討の結果をもって事前の相談、これは事前相談という形でございますが、事前相談について回答を出したい、またその事前相談の内容については従来から行ってきたように一般に公表してまた御批判を待ちたい、こういうふうに考えております。
○山下芳生君 この四つのグループの総資産は、合計すると四百二十三兆円であります。日本の国内銀行、都市銀行、地方銀行、第二地銀、信託銀行、長信銀、これ全部合わせて百六十九行の総資産の合計は約七百六十兆円ですから、この四つのグループだけでもうその半分以上を占めるということになるわけであります。しかも、銀行だけ見ているわけにはいきません。銀行というのは多くの事業会社にこれは資金を提供したり融資したり、あるいは役員を派遣したり、巨大な事業支配力を持っておるわけであります。 私は、今回のこの四グループの統合というのは、戦前の財閥の流れをくむ六大企業集団の枠をも超えた、あるいは枠をも束ねる産業界の大再編、統合がこれから起こるということになるんだろうというふうに思うわけですが、一面では金融再編というのは国際的な競争激化の中でこれは必要なんだという論があります。しかし、もう一面では、やはり公正かつ自由な競争を阻害する方向に行くおそれはあるという観点からも十分にこれは対応する必要があると、特にその役割が公取に求められていると思いますので、改めて、そういうかつてない事態が起こるということを踏まえた厳正な審査、もう一度委員長の御認識を伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御指摘をまつまでもなく私どもは問題意識は十分持っておるわけでございまして、事前相談に当たりましても銀行側あるいは金融界のみならずユーザー側の意見も十分聞きまして、そして適正な判断をしたいと思いますし、仮にこういう合併なり持ち株会社方式の業務提携が行われましたときには、独占禁止法を厳正に適用していくと。 金融会社というのは従来は一部規制のもとにあったわけでございますが、だんだん規制がなくなって、独占禁止法が直接適用されるという事態になるわけでございますから、そういうのはおっしゃるまでもなく、厳正に対処するつもりでございます。
○山下芳生君 次に、独禁法の不公正取引のうち、優越的地位の乱用について伺いたいと思います。 下請法、下請代金支払遅延等防止法に基づく勧告、警告の数、最新のデータを紹介いただけますでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) お答えいたします。 三月末に終わりました平成十一年度の処理状況ということで、今最終的な確認を行っておりますので若干暫定的な数字になりますけれども、処理件数の合計は千百七十件、その内訳は、法律に基づく勧告が三件、それから行政指導である警告が千百一件、それから調査の結果違反事実なしということで不問にしたもの六十六件となっております。
○山下芳生君 今の下請法の対象となるのは、言うまでもなく製造委託あるいは修理委託に限られております。 〔委員長退席、理事馳浩君着席〕 主には製造業の下請企業だというふうに思うんですが、この下請法対象以外のいわば独禁法本体の優越的地位の乱用について処理した案件、勧告、警告、注意、同じく平成十一年度ですか、紹介いただけますでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) 平成十一年度の数字ということでございますが、優越的地位の乱用行為ということで行った勧告はございません。警告件数が一件、注意の件数は四件ということでございます。
○山下芳生君 独禁法本体の方の処理でいうと件数が非常に少ないんですね。 それはなぜそうなっているのかと。本当にその分野は少ないのかと、違反事例が。というと、私はそうではないと思うんですが、ちなみに下請法の対象となる下請中小企業の数、それからその対象にならない中小の運輸・通信業、あるいは中小のサービス業の事業所数は幾らでしょうか。中小企業庁にお答えいただきます。
○政府参考人(岩田満泰君) 中小の運輸業の関係でございますが、統計の制約がございますけれども、総従業者数三百人未満の企業数を見ますと運輸業で約九万九千社ということになっております。それから、サービス業でございますが、総務庁の平成八年の事業所・企業統計調査によりますサービス業の中小企業数は百二十四万四百四十五となっております。
○山下芳生君 下請法の対象の企業数は幾らでしょうか。これは公取ですか、どちらでも結構です。
○政府参考人(岩田満泰君) 本年二月に発表されました平成十年の商工業実態基本調査報告書によりますと、我が国の中小製造事業者数全体が六十五万九千六百二十七社でございますが、うち下請中小企業者数は三十一万五千九百七社となっております。
○山下芳生君 今紹介いただいた数字のとおりです。 下請法の対象中小企業は三十一万社、しかしその対象にならない運輸業やサービス業は百三十数万社あるということですから、事業所数でいいますとやはり対象外の企業の方が多いわけですね。 しかし、さっき聞いたように、処理の案件をそれぞれ紹介いただいたわけですが、けたが全く違う、余りにもこれは少な過ぎるというふうに、対象外の方が、下請法も十分だというふうに私は認識しておりませんが、しかし下請法対象外の事業分野ではこういう優越的地位の乱用というものが数字としては余りにも把握し切れていないんじゃないか、こう思うんですけれども、これは公取の認識、いかがでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) ただいま御指摘のように優越的地位の乱用の問題というのは、我々も一生懸命情報の収集に努めておるわけでございますけれども、結果として、我々のところに具体的な情報が寄せられるということが比較的少ないというそういう性格がございますので、その点が公取の措置が少ない理由にもあらわれているのではないかというふうに認識いたしております。 したがいまして、こういった行為の性格上、被害者から具体的な事実関係なり情報提供が我々のところに寄せられにくいということでございますので、我々の方で比較的多数の事業者に対しましてアンケート調査を行いまして情報を収集し、その上で個々の、どの企業がどういう情報を提供したかということがわからないような形で親の方に是正を求めていくと、こういう活動が大事だということでいろいろ取り組んでいるわけでございまして、先般、大規模小売業者と納入業者との取引などの実態調査も行いました。現在も二業種において同様の調査を進めているところでございます。
○山下芳生君 確かにそういうアンケート調査で把握する努力をされていることは承知しております。しかし、そういう努力をしても先ほど言ったような一けたということしか結果としては処理がされていないわけで、これは事業規模、事業所の数から見ても非常に漏れが多いと言わざるを得ないと思うんです。 そこで提案なんですが、下請法は不十分ではありますけれども、それでも製造委託など下請取引に関しては全数調査を実施しております、親事業者については。その上で行政指導等も行っているわけで、せめていろいろ問題が多いというふうに言われておりますサービス業等の役務取引もこの下請法の適用範囲に入れる、あるいはそういうような対処ができるようにするべきではないかと、こう思うんですが、これはいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御提案は、確かにそういう感じはいたしますが、ただ御指摘のありました関係の業種はなかなか整理がつかない、親事業者と子の事業者という整理をした上で下請法に組み入れるということが必要でございますが、規模の大小だけではなかなか整理がつかないという技術的な問題がございまして、ちょっと下請法に組み込むにしては難しい問題が多くあり過ぎるような感じがいたします。 そこで、先ほど取引部長が申しましたように業種ごとに実態調査をいたしまして、その実態調査に基づいて端緒を求める、あるいは実態調査に基づいて業界団体に改善を求めるという方法がまず第一着として正当ではないかと、こういうふうに思っております。 〔理事馳浩君退席、委員長着席〕
○山下芳生君 中政審の答申の中には私が今提案したような方向が盛り込まれていたと思うんですが、その内容、趣旨について、長官、説明いただけますか。
○政府参考人(岩田満泰君) ただいま御指摘のような問題意識は中小企業政策全般の見直しをいたしましたときに中政審の中でもテーマとして上がったわけでございます。今、公正取引委員会から御答弁がございましたように、そうした役務取引に関しましては、なかなか規模の大小だけで仕切り得るかどうか、あるいは中小企業のもろもろの何といいましょうか、不当な取引からそれを守ると申しましょうか、そうしたことがうまくできるかどうかというような議論がございまして、先生今御指摘になりましたとおり、中政審の答申の中ではその役務委託に関して、その実態の把握と分析を進めた上で検討すべきというような御提案がございまして、簡単に言えば、もう少しよく勉強するようにという宿題を現在いただいておるというのが私どもの立場でございます。
○山下芳生君 一方で規制緩和が非常に急速に進められようとしておるわけですから、そういう流れの中から中小企業の営業をきちっと守るということを、これは宿題ということですが、早急に私は打ち出すべきだということを指摘しておきたいと思います。 次に、同じく不公正取引の中で不当廉売について伺いたいと思います。 不当廉売にかかわって、酒類、石油製品、家電製品を中心に最近申告が急増しております。申告件数、注意件数、警告件数の推移についてお知らせください。
○政府参考人(上杉秋則君) 不当廉売に関する、申告の件数というのは私どもまとめておりませんで、措置の件数を申し上げさせていただきますと、九五年度、注意、百十八件、九六年度百五十件、九七年度二百十七件、九八年度五百九十九件、九九年度六百七十二件でございます。それから、警告を行ったものというのは九八年度に一件、九九年度に二件ございました。
○山下芳生君 そういう形で注意を行った件数自身がやはり増加傾向にあるということは間違いないと思います。不当廉売の取り締まりの強化ということは、酒類の、酒販の免許の距離基準、人口基準のこれから緩和が、あるいは廃止ですけれども、やられようとしているもとで、一方で規制緩和推進三カ年計画、この政府の計画にも、そういう点での公正取引委員会としての取り締まりの強化ということがうたわれております。 具体的に体制の強化ということが必要だと思うんですが、政府の規制緩和推進計画の中にも、関係省庁から人員の派遣を受けるなどしても体制強化せよというふうなことが盛り込まれておりましたけれども、不当廉売を担当する公取の専任者というのは何人いらっしゃるのか、また他省庁からの受け入れというのは今何人いらっしゃるのか、どういう体制でやっていらっしゃるのか、御紹介願います。
○政府参考人(上杉秋則君) ただいまお尋ねの、専ら不当廉売といったような行為について調査を行っている担当官の数でございますが、私ども、本局と地方事務所での体制を組んでおりますが、本局で八名、それから各地方事務所に一名、合計十五名でやっております。それから、そのうち他省庁からの派遣数というのは、本局で二名、地方事務所七名の九名でございます。
○山下芳生君 専ら十五名、そのうち応援が九名ということですから、今全国の酒屋さんとかからはたくさんこの問題での申告がなされておりますけれども、私はこの人数ではとても対応できないというふうに思うわけです。実際、公取のいろんな方に聞きますと、頑張りたいんだけれども人数には限界があって、すべての通報、申告に対応し切れるかというとなかなかしんどいという率直な声も聞くこともございます。 担当者を思い切って増員するという点で、これまでも努力されていると思いますが、今からまたこういう問題が広がるということを踏まえて、人員の増員についていかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 国会でも再々御指摘を受けておるところでございまして、一番頭の痛いところであります。 正直言いまして、私どもの職員の全部の数が六百人弱ということでございまして、今の厳しい財政状況あるいは小さい政府というときに、私どもだけで増員をお願いするということもなかなか心苦しいところでございます。国会からも御支援をいただき、また政府部内でも最大の御配慮をいただいておるというふうに認識はしておりますが、私どもの立場からいうと本当に人が足りないなという感じをするわけでございます。 しかしながら、そういった愚痴だけこぼしておっても仕方がございませんので、これからの御支援をさらにちょうだいして増員を図っていきたい、そうして少しでも御期待に沿うような行政をやっていきたい、こういうふうに考えております。
○山下芳生君 そこで、これも提案なんですけれども、すぐ人がふえるかというとなかなか難しい面もあるでしょう。独禁法の欺瞞的顧客誘引の特例であります景品表示法では、都道府県知事に対して事業者の違反行為を取りやめるように指示したり立入検査をしたり報告徴収などができる権限を与えておりますけれども、そういうことをやれば、これは地方自治体の行政機構も使っていろいろ手だてができるんじゃないか。こういうことも検討すべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御提案もまことに聞くべきところがあるわけでございますが、これも光の部分と影の部分がございますので、一概に地方団体にお願いするということもなかなか難しかろうと思います。 しかし、これは御提案のように、長期的な立場に立って、あるいは地方分権の問題と絡めていろいろ検討すべき問題だと考えております。
○山下芳生君 いろんな知恵を出す必要があると思います。 今回の法改正で差しとめ請求を裁判所に提訴できるということになるわけですが、被害を受けると思われる中小事業者がこの制度を大いに活用することが期待はされると思うんです。 ただ問題は、不当廉売を行う事業者というのは、公取から注意をされたときには確かにやめる、これから裁判に訴えられるということになったら、そのときはやめる、しかし、ほとぼりが冷めたらまた繰り返すという業者がこれまでも多かったわけです。いわばモグラたたき状態がずっと続いているわけです。こういう状態は、今度の法改正によって差しとめ請求を裁判所に提訴できることになったとしても、これはもうやめましたと、訴える側に利益がないじゃないかというふうになってしまうと、なかなかこのモグラたたき状況を変えることにはならないんじゃないかという心配もあるんですが、この点はいかがでございましょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 差しとめ請求は、現に行われている行為を差しとめるとともに、将来行われるであろうことについても予防的な立場から差しとめできるわけでございますから、それなりの効果はあると思います。 ただ、おっしゃるように、不公正な取引方法というのは罰則もございませんし、これという、損害賠償はできるわけですけれども、そういう若干ペナルティーという点で手ぬるいところは、執行側からいえばそういう感じがするわけですけれども、そういう点も含めていろいろ検討しないといけない問題だと思っております。
○山下芳生君 今、根來委員長から若干手ぬるい面があるというふうにおっしゃられたわけですけれども、確かに私もいろいろ勉強してみますと、例えばフランスの競争法では不当廉売に対して罰則を規定しております。九六年の法改正でその罰金の額を引き上げております。これは間違いありませんか。
○政府参考人(上杉秋則君) フランスの競争法の中に先生御指摘の条文というのが、不当廉売に関する規定があるわけでございますが、九六年の改正におきまして、内容もちょっと変えておりますけれども、御指摘のように、それまでの罰金の額というものが五千フランから十万フラン以下であったものが五十万フランの罰金額に引き上げられているということは事実でございます。
○山下芳生君 これは一つの、先ほど根來委員長からのお言葉をかりれば、これは何といいましょうか、緩いということじゃない、もう既に法的な措置がされているわけです。 しかも、フランスの競争法を見ますと、こうあるんです。いかなる商業関係者も、商品を現状のままで販売する場合に、実際の購入価格を下回る価格で再販売し、または再販売する旨を告知した場合には、五十万フランの罰金に処する。 これはつまり、そういう下回る価格で販売あるいは販売する旨告知したらもう直ちに罰金ということになっているようで、日本の不当廉売の要件を見ますと、単に仕入れ価格を下回った価格で販売するだけじゃなくて、継続的に販売する、なおかつ同業者の事業活動を困難にさせるという要件がついていると思います。 これは、なかなか同業者にどの程度影響があるのかということをまたこれ証明するという点で難しさが伴ってくるわけですが、フランスはもう仕入れ価格よりも下回った価格で販売する、あるいは販売の告知をすればこれは競争法の違反になって罰金が科せられるということになっていると思うんです。こういう点で、罰則を私は検討してもいいんじゃないかというふうに思いますし、それから一方で不当廉売に対する要件の緩和、これも行う必要があるんじゃないか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) フランスの競争法の規定というのは我々条文を見ただけでございますので、どのような運用が行われているかというのは必ずしも承知いたしておりませんけれども、フランスの競争法の場合に、今先生が御指摘のような形で、付加価値、つまりその形状を変えることなく販売する場合については罰則の定めがあるわけでございますが、他方で生産加工、商品化の費用と比較して不当に低い価格を提示し、そのような価格で販売するという一般的な不当廉売の規定もございまして、こちらには市場から排除、それから市場へのアクセスを妨げる目的を有す、そのような結果を有するというような要件もございます。 したがいまして、私ども諸外国においていろんな法制があることを研究いたしておりますけれども、このようなフランスの場合に利害関係者が裁判所に提訴する方法で不当廉売を規制するという方法もあるでございましょうし、また我が国のように行政処分によって迅速に差しとめるというやり方もあろうということで、多々いろんな要件のもとに不当廉売規制の考え方が見られるということであると承知いたしております。
○山下芳生君 客観的な答弁なんですけれども、先ほど公取委員長からやや手ぬるいということもありましたので、勉強するのは結構ですけれども、それを必要と認めるならば私は法改正も勇気を持ってやるべきだというふうに思っております。 次に、突然の取引停止という問題について伺いたいと思うんですが、今、日産を初めとする大規模なリストラが吹き荒れておりまして、これは労働者に対するいろんな不利益とあわせて、下請中小企業に対しても取引が一方的に停止をされたり大幅な取引の削減が行われたりということが少なくない規模で広がっております。 そこで、中小企業庁にまず確認をしたいんですが、下請取引の停止を受けた企業の割合、この間、どういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(岩田満泰君) 中小企業庁で民間団体に委託をして実施しております発注方式等取引条件改善調査によりますと、回答がございました中小企業のうち、過去二年間に親企業から下請取引の停止を受けたことがあると回答した中小企業は、平成七年度調査で五%、平成八年度で四・一%、平成九年度三・三%、平成十年度が五・六%、平成十一年度が五・三%となっております。
○山下芳生君 その報告書を私も見せていただきましたけれども、まとめのところで、取引停止を受けた割合というのが長い目で見れば増加の傾向にあると、いろいろな要因もお書きでしたけれども、そういう状況が起こっております。これは、これからますますそういう事態が広がる可能性というのは十分予想されるわけです。 その取引停止のうち、事前予告がなかったというのはどのぐらいになっているでしょうか。
○政府参考人(岩田満泰君) ただいま申し上げました調査の中で、下請取引の停止を受けたことがあると回答した中小企業のうち事前の予告を受けていないと回答した中小企業は、調査が行われました直近三年間だけ申し上げますと、平成九年度が四六・〇%、平成十年度が四四・七%、平成十一年度が四二・七%となっております。
○山下芳生君 四割から半分ぐらいの企業が事前予告なしに打ち切られたということであります。 公取に伺いますけれども、突然の取引の停止について、独禁法あるいは下請代金支払遅延等防止法に何らかの規定はあるでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) 突然の取引の停止というような問題について、独禁法なり下請法でどのような規定があるかということでございますが、独禁法上の考え方というのは、事業者がどの事業者と取引をするかということは、あるいはどの事業者との取引を停止するかというのは基本的に取引先選択の自由の問題であると位置づけをいたしておりまして、当事者である事業者の意見が尊重される形でございます。ただ、それを違法な行為の実効性確保の手段として取引を拒絶する、このようなことになりますと独禁法上問題となるという形で規定されているわけでございます。 それから、優越的地位の乱用の規定が不公正取引の中にあるわけでございますが、これもいわば取引条件の設定とか変更が不当に不利益になるというような形で規定されておるわけでございます。
○山下芳生君 基本的には、突然の取引停止そのものについては規定がないということであります。 この点でも、今言った独禁法や下請法にはないけれども、下請振興法には、親事業者の下請事業者への十分な事前予告や情報提供、あるいは発注を打ち切るあるいは減らす場合に、新規開拓等への積極的支援をやる必要があるということが振興法では規定されているわけですけれども、実際、下請中小企業の方の話を聞きますと、そんな丁寧な配慮をされた話というのはほとんどないわけで、守られていないわけです。これはもちろん罰則もなければ、振興法という性格上そうなるのかもしれません。 そこで、公取にもう一度確認したいんです。 先ほどのフランスの競争法は突然の取引停止についてどういう規定があるでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) フランスの競争法に三十六条というのがございまして、これはどういう規定かといいますと、一定の行為を行った場合にその行為者に責任を負わせまして生じた損害の賠償義務を課している、そういう規定でございまして、行政処分をする規定ではございません。 先生御指摘のように、これまでの取引関係または職業上の協定により定められ、認められた慣例を考慮した書面による予告もなく、既存の取引関係をたとえ部分的なものであるにせよ突然打ち切る場合ということが定められて、若干の例外規定もございますけれども、一方的、突然の取引停止ということについて規定を置いているわけでございます。これは九六年の改正において導入されたものであるというふうに承知いたしております。
○山下芳生君 私、これは大きいと思うんです。突然の取引停止というのは、これは下請中小企業の側にとってみればもうどうしようもないことになるわけで、それに対して罰則がなければ常にびくびくしなければならない、親事業者の要請に対して断ったら突然取引を停止されるんじゃないかと。 たとえそれが不当な要求でなくても、正当な親事業者からの例えば下請単価のこの程度の低減、うちもこれだけやるからということで法的には別に問題ない要求であっても、下請中小企業にとってはそれを受けちゃうとなかなかしんどいなという場合に、しかし拒否したら突然打ち切られるということが罰則なしに容認されているという場合と、そういうことをやってはだめだということになる場合、あらかじめ予告をちゃんと書面でしなさいよという場合、それだったら、たとえ断っても一定の期間が打ち切られるまでにあるわけですから、その間に別の仕事を開拓しようとか、取引先を開拓しようということができる。したがって、合わない要求に対しては自由な立場から断ることもできるということになっていくんだろうと思います。 したがって、この突然の取引停止を規制するというのは、下請中小企業者にとっては大変大きなその権利を擁護するという効果を発揮するんじゃないかと思うんです。これはぜひ日本の独禁法の中でも検討する値打ちはあるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) 先ほどと繰り返しになりますけれども、取引の突然の停止そのものを構成要件といたしまして規定をするのはフランスの考え方であろうと思いますけれども、我が国の場合にはそういうことではなくて、今もちょっと先生おっしゃいましたように、一方的な停止の背景として、何か条件をのまない、不当な要件をのまないということを担保するため取引を一方的に切る、こういうようなことも指摘がありました。私どもとしては、独禁法上違法な行為の実効性を確保する手段として取引拒絶を圧力に使う、こういうようなものを規制する、こういう考え方で対応しているわけでございます。
○山下芳生君 違法なものじゃなくても、断る自由を確保するために必要ではないかという問題提起をしているわけです。 同時に、独禁法とフランスの競争法は考え方が違うということをおっしゃるんですが、私は、中小企業の経営をしっかり促進するというのは、例えば中小企業庁設置法の第一条に「健全な独立の中小企業が、国民経済を健全にし、」「経済力の集中を防止し、」と、そして、そういう効果があるから中小企業を支援するんだというふうにうたっております。 中小企業の支援というのは単に中小企業のためだけじゃない。大企業に事業支配力が過度に集中するようなことを防止するためには中小企業がいわば元気であることが大事なんだと、そういう位置づけをして中小企業を支援しようというのが中小企業庁設置法の第一条の目的にうたわれているわけで、中小企業を支援するということは独禁法上全く矛盾はないということも申し上げて、終わりたいと思います。
○梶原敬義君 私は、この私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、これは賛成でありまして、時間もありませんからさきの同僚議員の質問と余りダブらないような形で質問してみたいと思います。 第一に、提案理由を何回か読んでみまして、ちょっと気になりますから指摘だけしておきたいと思います。 提案理由の一ページの真ん中辺からありますが、少し読んでみますが、「このたび、電気事業、ガス事業等については、既に自由化が進められておりますことから、これらの事業に固有の行為」云々ということで、既に自由化が進められておるというその読み方は、相当自由化が進んでいるというとり方もできますし、若干始まったばかりだというとり方もできるわけですが、私はどうもこの文章をさっと読んだときには、電気やガス事業についてはもう相当自由化が進んでおるというような受けとめ方をしたんですが、これはどのように受けとめておられますか。
○政府参考人(山田昭雄君) 御承知のとおり、ガスにつきましては平成六年から自由化が進められておりまして、また電気につきましても、その後、電力会社に対する卸売発電についての自由化が進められ、またことしの三月から実施されましたが、大口供給につきましても自由化がされるということでございまして、そういう趣旨、平成六年からガスについてはということで、かなり以前から進められつつある、そして今もまた進められているということでここに書いてあるものでございます。
○梶原敬義君 電力の話は、今ガスの話は聞きましたが、電力はどうなんですか。
○政府参考人(山田昭雄君) 電力につきましては、平成七年に、先ほど申しましたが、電力会社に対する卸売供給につきまして自由化がされ、平成十一年の法改正によりまして、大口小売分野の自由化が進められているわけでございまして、これが法の施行がことしの三月でございまして、かなりいろいろな形で新聞報道されましたのも電力の大口供給についての自由化が進められたということで報道されているものと思います。
○梶原敬義君 特定電気事業とかあるいは特定規模電気事業とか、今言われましたことにつきましてもここで議論をしたんだけれども、私は、新聞で見ましたら確かに進んでいるような形になっておりますが、資源エネルギー庁の担当者等も呼んで実態は進んでいるのかと、いやそれは進んでいるということは言わないんですよね。やっぱりそういう点では、むしろ形だけは進んでおるが、実態はほとんど通産省の許可が要ったり、あるいは託送するときには電力会社の電線を使ったり、事実上はなかなかそう簡単にはいっていない。そして、今電力が余っていますからそういう卸電力の設備の注文も減っておるという状況ですから、そこは随分隔たりがあると思いますが、私はそういうことだけ申し上げておきたいと思います。 それから、二十一条の適用除外ですね、どうもこれによって規制緩和への効果というのはどうなるのか、なかなか読みにくいんですね、見えにくい。一言で言うとどういうことなんでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) これは私自身、こういう二十一条のような規定がどうしてあるのかなという疑問を持ったわけですが、それはどうしてかというと、うちの中で意見を聞きますと、要するに電気もガスもそれぞれ事業法がありまして、こういう二十一条のような規定がなくても規制はされているんだと。だから、独占禁止法に置かなくてもいいんだというような意見を言う人がおるわけで、そうするとこの独占禁止法は昭和二十二年にできたときにどういうことでこういう二十一条を置いたのかという私は疑問を持つわけですけれども、そういう私の頭の整理としまして、そういうことからいうと入念規定といいますか、念のために置いておるというような感じがするわけであります。 そうすると、今委員の御質問の中でこの規定を外したらどういうことになるかという結論でありますけれども、これはある意味では象徴的な意味、要するに電気、ガス、要するに自然独占というものについてもこれは独占禁止法が適用されるんだよという象徴的な意味にすぎないのかなという感じがある意味ではするわけでございます。若干委員の御質問にお答えできていないかもわかりませんけれども、今の日本の経済構造の変革ということで自由競争ということが叫ばれております。その象徴的な意味で二十一条が削除されるんじゃないかと私は思っております。
○梶原敬義君 私もどうもそこら辺、そんなことじゃないのかなと、流れは。しかし、何か影響が具体的に出るところがあるのかなというのもあるんですが、もう次へ移ります。 今度の法案の非常に特徴というのは、消費者とか事業者が不公正な取引方法によって著しい損害を受け、または受けるおそれがあるときには裁判所に差しとめ請求ができる。そのときには必ず、差しとめ請求を裁判所にする以上は、恐らく同時に公取にも、裁判を闘う上においてはやっぱり世論形成も必要ですから、公取にも申請をするんだろうと、このように思います。 そこで、私はこれもどういう事例があるのかということで公取の皆さんとも相談をしましたが、大分県の中津市、福沢諭吉さんの出たところなんですが、ここでかつて北九州の石油販売業者が乱売というか安売りをやりまして、組合の皆さんが困った困ったと言って、たしか公取に不当廉売で何とかしてくれということで要請、申請があったんじゃないかと思いますが、その件、公取は何か関知していますか。
○政府参考人(平林英勝君) ただいまのお尋ねは個別具体的なお尋ねでございますので、答弁は御容赦させていただければと思いますけれども、一般論として、私どもは不当廉売の事案につきまして相談がございましたときは、相談に来られた方から十分事実関係を聞いた上で対応策について回答していると。そして、申告されるということでございますれば、不当廉売につきましては迅速処理という方針をとっておりますので迅速に調査をするということで対応しておりますので、お話のあった件もそういう方針に基づいて処理されたことと理解しております。
○梶原敬義君 事実関係はいいんですが、こういう場合に、福岡高裁なりあるいは大分地裁なり、そこに関係者、組合なら組合の皆さんが、どうもそれをやめてくれと、不当廉売、安売りは、そういうような訴訟を起こすことができる、そのように考えていいですか。
○政府参考人(山田昭雄君) おっしゃるとおりでございまして、公正取引委員会に申告すると同時に裁判所に直接被害の救済を求めるということもできると思います。 また、先ほどちょっとお話がございましたが、不当廉売の場合はすぐ終わってしまうというような場合もありますが、将来またそういう業者、再び行われる可能性があるという場合には、その将来の行為に対しても差しとめということも可能であるということでございます。
○梶原敬義君 その場合に、裁判所と公正取引委員会との関係で、裁判所がそういう訴訟があったぞということを公取に通知をし、そして公取の意見も聞くことができ、公取は意見を言うことができるというような形で事が進むんだろうと思います。 その辺のことにつきまして、公取の独自性というのか、裁判は裁判、一方では公取の判断は公取の判断で別にありますよね。その関係というのは、確かに裁判ではそうなっておる、公取は公取で独自の判断はまた別でやり得ることもあるわけですね。そういう事案に対応するためには非常にややこしくなると思うんですが、公取の独自性をきちっと生かすことができるんですか、こういう場合。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほどもお答えいたしましたように、私どもが独占的に独占禁止法を運用していたということになりますと私どもの判断がまず優先するわけでございまして、それに対して不服の者は東京高等裁判所へ不服の申し立てをして、抽象的には最高裁で最終結論が出る、こういうことでございますが、今度は二本レールでございますから、私どもの方を経由していく分と、一般の地方裁判所から高裁、最高裁へと行く二本のレールがあるわけです。その間にどうしても意見のそごというのはあり得ることだと思いますけれども、その一つの打開策として、私どもの意見を裁判所に申し上げ、また裁判所から私どもに意見の御照会をいただくと、こういう相互理解といいますか、そういうルートをつくっているわけでございます。 しかし、いずれにせよ、最終的には最高裁判所で結論が出るわけでございますから、最高裁判所の結論がやはり何よりも優先することになろうと思います。
○梶原敬義君 わかりました。 それから、ちょっとプロ野球のドラフト制、これは昭和五十三年に我が党の先輩の寺田議員あたりが議論をちょっとしておりますが、これらの選手が、どうもおれはこの球団に行きたいと、しかしあっちもこっちも声がかかって、くじを引いてくじで当たったところに行かなきゃならぬというような場合に、差しとめ請求というのですか、そういうような形がこれから起こってくるんではないかと、このように思うんです。 いただいた資料によりますと、ヘイウッド事件と言って、仮差しとめを求めた例で、アメリカのバスケットボールの選手について、NBA、ナショナル・バスケットボール・アソシエーションというところが、高校を卒業して四年間はNBAに加盟するチームに所属することができないと、こういう協会の規則が定まっておって、そして彼は、ヘイウッド氏は、高校を出て四年たたないうちにシアトルチームと契約をした、それでNBAがだめだと、こう言った、それで裁判をやって、一審は仮処分で勝って、二審は仮処分の停止をした、そして上告をして最高裁は仮差しとめ処分を支持したと。ヘイウッドさんの希望するところでバスケットができるようになったというんです。 今度は、日本のドラフト制というのは、私はこの法律ができたらやっぱり、これは独禁法云々という議論はきょうは時間がないからしませんが、恐らく訴訟が選手からふえてくるんじゃないかと、このように思うんですが、いかがですか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私は、こういうドラフトなんかは当然独禁法の適用があると思いましたら、うちの方の学者がこれは適用がないんだという話のようであります。ちゃんと論文を書いた人がおりますから、詳細お聞きならば御説明申し上げますが、アメリカでもプロ野球については何か独禁法の適用がないようでございます。 そうしますと、ただいまお話しのようなプロ野球の選手がいろいろ野球協約上の問題で不公正な取引方法の被害を受けたということで裁判所へ差しとめ請求、これは請求はできるとしましても勝ち目がないということになるんじゃないかと私は思いますけれども。
○梶原敬義君 結論は、今根來さんの言われたことは、よく聞き取れなかったんですが、結局は本人が訴訟をやっても勝ち目がないということですか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 独占禁止法がプロ野球の各種協定に適用がない、それはプロ野球選手と球団との雇用契約であって取引ではないという解釈をとりますと、独占禁止法の適用がないという前提に立てば請求をしても勝ち目がないんじゃないかと思うわけでありますし、また、これは何か悪意の場合には担保を提供するというようなことがございますから、入り口でもいろいろまた問題もあろうかと思います。
○梶原敬義君 結局、不当な取引制限に当たるのか、あるいはこのプロ野球選手がドラフトにかかるというのは不当な取引制限に当たるんではないかというのが、私は当然当たるんだろうと、こう思います。しかし、今言われているのは、一種の雇用契約だということから独占禁止法にはひっかからないということなんですかね、今言われているのは。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 何か通説はそういうことのようです。
○梶原敬義君 これは、先ほど言いましたヘイウッド事件という、バスケットボールの選手が裁判を繰り返しながら最終的にはヘイウッドさんの仮差しとめ処分がアメリカでは最高裁では勝っているんですよね。だから、なかなか簡単にはこれはいかないんじゃないかと思うんですけれども、ちょっと。
○政府参考人(山田昭雄君) 御指摘のとおり、アメリカではプロのバスケットボールもサッカーもこれは独禁法の適用があるとされております。野球につきましては委員長が申しましたように適用除外となっていましたが、最近その適用除外の範囲を縮めまして、一応適用があるというような判例なり、あるいは制定法で適用除外としていたものが範囲が縮小されるというようなことでございます。 我が国の場合につきましては、プロ野球の球団と野球選手との関係というのは、これは雇用契約の色彩が非常に強いのではないか、あるいは前回の国会等の御議論では請負契約の色彩もあるんじゃないかと。いずれにいたしましても、独占禁止法上の球団と野球選手との取引関係があるかどうかということで、独立の事業者と言えるかどうかという問題であろうかと思います。 したがいまして、これは公正取引委員会として従来そのように考えそのように運用してきたわけでございますが、これはどうもひいきの球団がどこであるかによりましてもそれぞれ解釈がかなり違っておりますので、裁判所に訴えを提起しそして司法の判断を求めていくというのも、これもまた一つの道ではないかというようには思います。そして、委員長が先ほど申しましたように、判例として集積していくということではなかろうかと思います。
○梶原敬義君 時間がなくなりましたからもうやめますが、できればその論文も、今言われた趣旨のことも、後日でいいですがいただきたいんですが、よろしくお願いします。 終わります。
○水野誠一君 私は、今回の独禁法改正の大きな柱は、被害者が裁判所に独禁法違反行為の差しとめ請求ができる道を開いた、いわゆる差しとめ請求制度の導入にあるとの理解をしております。 現行の独禁法では、個人あるいは企業が独禁法違反行為の差しとめを求める手段が、従来、公取委員会に申し立てをして調査などを待つしかなかったため、実際、被害の救済などが十分にできなかった、こういう指摘があったところでありますが、先ほど来お話がありますように、公取委員会の人員や体制が必ずしも十分じゃなく環境の変化に対応し切れていないということもこれまでの議論で改めて指摘をされてきました。今回の改正を経て法が十分に機能するようになることを期待したいと思っております。 そこで、これは先ほど来ほかの委員からも出ている不当廉売について、さらに今までの経緯あるいは少し細かい点も含めて伺ってみたいと思います。 そこで、まず、そもそも不当廉売の定義、これが非常にあいまいだという指摘がこれまでもあるわけですが、この不当廉売の定義と、これを規制することの目的について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(山田昭雄君) 不当廉売の定義と、それと規制の趣旨でございますが、不当廉売は不公正な取引方法に当たる一類型でございまして、不公正な取引方法の一般指定の第六項という規定で規定されているわけでございます。 その規制の目的でございますが、独占禁止法の目的は公正かつ自由な競争を促進するということでございまして、企業の効率性によって達成した低価格で商品を販売する、そういうことではなくして、採算を度外視した低価格によって顧客を獲得すること、これは正常な競争手段と言えないということからこれを規制しているわけでございます。
○水野誠一君 特にここ数年、不当廉売に関する公取委員会の注意処分の件数が非常に急増していると、こういう記事を拝見しております。これは事実なんだろうと思うんですが、そこで、この件数の推移あるいは業種の内訳などについて説明をしていただきたいと思います。 また、はるかに件数は少ないと思うんですが、警告に至った案件、つまり注意処分の上が警告だというふうに理解をしておりますが、その警告に至った案件についてはいかがなものかと。 さらに、さらに厳しい排除勧告については私の理解ではもう何年間も出されたことがないというふうに理解をしているんですが、この点もあわせて確認をしたいと思います。
○政府参考人(平林英勝君) お答えいたします。 不当廉売事案の処理状況でございますけれども、まず注意についてでございますが、平成九年度は二百十七件、平成十年度は五百九十九件、平成十一年度は六百七十二件でございます。業種の内訳でございますけれども、大部分はお酒の関係とガソリンでございます。 それから、警告につきましては、平成九年度はございませんでしたけれども、平成十年度に一件、平成十一年度に二件。それから、勧告につきましては、九年度、十年度、十一年度ともございませんでしたけれども、これはかなり以前でございますが、牛乳の不当廉売につきまして勧告という法的措置をとったことがございます。
○水野誠一君 今のお話を伺っても、この三年間で注意処分が非常に急増しているわけですが、その理由や背景ということについて公取としてはどうお考えなのでしょうか。
○政府参考人(平林英勝君) この酒とかガソリンといった業種につきましては、急激に規制緩和が行われまして急に競争状態に置かれたということから価格競争が激しいといったことがあろうかと思いますし、私どもも迅速処理という方針を掲げましたので、それに応じまして申告がふえ、それに応じて注意処分もふえているといった関係にあるのではないかというふうに推察いたしております。
○水野誠一君 今のお話を伺っていてもわかるのは、注意処分が十一年度では六百七十二件という件数にもかかわらず、警告というレベルになるともう年に一、二件というふうに極端に減ってしまう。これはなぜなのかなと。 その注意を受けた段階で業者側がそれなりの対応をするということで、それ以上の警告にはなりにくいということなのかもしれませんが、それにしても最も重要な事業戦略である商品価格の設定について注意を受けた業者がすべてその命令に従ってその以降も守っているのかということになると、どうも私は必ずしもそうじゃなくて、モグラたたき状態で、次から次にそういうものが出てくるけれども、とりあえず注意を受ければ引っ込める、またいずれ同じような問題を提起するといいますか、出してくるというような形になっているんではないかなと思うんですが、警告や排除勧告に至るケースがそれほど極端に少ないというのは何なのでしょうか。何かほかに、今申し上げたようなことのほかに理由が考えられるんでしょうか。
○政府参考人(平林英勝君) 勧告といいますとこれは法的措置でございますので、勧告に応諾すれば審決という行政処分になりますし、そういたしますと相手も不服があれば審判あるいは訴訟ということで争うということになりますので、私どもとしても十分その証拠をそろえておかなければいけない。 警告につきましても、これは違反の疑いがあるということで公表いたすわけでございますから、それもそれなりにしっかり証拠の収集をしなければいけないということになりますと、不当廉売の構成要件に当たるということを十分立証し得るだけの証拠を収集しなければいけない。単に価格がコストを割っているということだけではなくて、不当廉売の継続性でありますとか、それが他の事業者にどの程度事業活動に影響を及ぼしたのか、そういった点について詳細な調査が必要になってくるわけでございます。そういたしますと、どうしても時間を要してしまうと。 ですけれども、不当廉売というのは周辺の中小事業者に対しまして影響を与えるところが非常に大きいわけでございますので、迅速に処理しなければ措置をとっても意味がなくなってしまうということでございますので、私どもは迅速処理という方針をとっていることから注意がどうしても多くなるということでございます。
○水野誠一君 確かに警告や勧告になれば時間がかかるということもわからなくはないんですが、しかし大体が注意で終わるということ自体が、言ってみれば、業者側にしてみれば非常にこれは注意を受けたら頭を引っ込めておけばいいということで、また勢いほとぼりが冷めればやる、同じような問題を起こすというようなことが繰り返されているんじゃないかな、そんな感じがしないでもないんです。注意という処置自体が甘過ぎるので、どうも根本的問題解決になっていかないんじゃないかな、そんな感じもしないではないんですが、それはまた後で指摘をさせていただくとして。 そこで、ちょっともう一つ伺いたいのは、不当廉売の定義について、市場の独占を目的に他の事業者の経営を困難にしようと利益を度外視した価格で商品を販売すること等といった趣旨の説明が今もあったわけですが、不当廉売をめぐる過去の有名な事例を見てまいりますと、九五年にこれは注意処分となっていますが、ダイエーの輸入ビール事件というのがあります。これはダイエー側は過剰在庫の処分セールであって不当廉売ではないと主張をした事件であります。これや、九八年にこれは警告処分となりました家電のコジマの案件、これは新規開店記念セールでテレビを千八百円で売ったという非常に極端な例なんです。それから、またことしに入ってからは、住宅地図のゼンリンが一部地域で原価を大幅に下回る価格で住宅地図などを販売したのが不当廉売に当たるとして、これも警告処分だったと思うんですが、こういう案件がございます。個別の案件についてここでどうこう申し上げるわけじゃないんですが、二点ほど確認したい点があります。 まず一つは、経営努力によって販売経費などを削減し、商品供給コストを引き下げること、そのものについては独禁法上当然に問題は生じないものと考えますが、それでよろしいのかどうか。それから次に、競争相手の経営を妨害したり困難にしようといった意図がなくとも採算割れの価格で販売した場合に、これは特にダイエーの輸入ビールのときなんかはそういうケースだったんじゃないかと思うんですが、いわゆる不当廉売に相当するケースになるのかどうか。この二点について伺いたいと思います。
○政府参考人(山田昭雄君) 御質問の第一点の経営努力によってコストを引き下げたということにつきましては、これは先ほど私から申し上げましたが、不当廉売にはならないというふうに考えております。 第二番目の、独占化しようとするそういう意図がなくても不当廉売と規制されるのか、あるいはそういう意図がなければいけないのかということでございますが、要件といたしまして、そういう価格の要件のほかに、競争事業者等の事業活動を困難にさせるおそれがあるということがございます。それは、行為者の主観的意図、そういうものが、主観的意図といいますか、あるいは確定的な意図というのは必ずしも必要ない、客観的に事業活動が困難になるかどうかということを判断しているということでございます。
○水野誠一君 今回の法改正では、まさにそうした個別案件ごとに判断される要素を多く含んだ不当廉売について案件ごとに裁判所で判断される道が開かれたわけでありますが、議論の過程では裁判官ごとに判断がばらばらになるという危惧も一方ではあるわけであります。 また、そもそも不当廉売についての定義が不明確だという、こういう指摘も今まで重ねてなされてきたわけでありますが、この点について公取の考え方を伺いたいと思います。 不当廉売についての定義、基準を明確化する方向の検討などは今後お考えなのかどうか、その点について確認をしたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) この不当廉売に関する定義でございますが、これは昭和五十九年十一月に公正取引委員会が「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」というのを公表しておりまして、これが現在、考え方のよりどころになっているわけでございます。 この内容は、先ほど局長が御説明したとおり三つぐらいの要件があるわけでございまして、この三要件をもって不当廉売というふうに定義づけているわけでございます。 それから、今度こういう制度が導入されたことによりまして、仮に不当廉売事案が裁判所に差しとめ請求になった場合に裁判官個々の判断ということに相なるわけでございますが、当然裁判のことですから独立性があるわけでありますので、もちろん判断が食い違うことは当然あり得るわけでございますが、私どもはこの考え方に即しまして裁判所に意見を述べたい、こういうふうに考えております。
○水野誠一君 十二年の四月七日の日本工業新聞だったと思うんですが、不当廉売の定義を明確にするという目的で公取が検討委員会をつくるという記事を拝見しています。これは何か学識経験者も交えた検討委員会だというふうに伺っておりますが、そういう御計画はあるんでしょうか。
○政府参考人(山田昭雄君) 具体的にそういう研究会を設けていろいろ学識経験者から意見を聞いていくということ、そういったスケジュール等はございません。 ただ、この五十九年に出された不当廉売の考え方というこのことについて、もう少しわかりやすくならないのかとか、あるいはいろいろきょうも御指摘がございましたが、いろいろの御指摘がございますので、こういった点は私どもとしても、いろいろ諸外国の法規制の状況あるいはその運用の実態、あるいは御指摘があるようなわかりにくいというような点についてどうしたらいいかという検討は進めていかなければいけない、このように考えておるわけでございます。
○水野誠一君 私は、実を言うと、この検討委員会をつくるという話を記事で拝見して大変期待していたところでありまして、繰り返し言われている五十九年の基準といいますか、これに基づいてということでありますが、いかんせん、その時代と今とは状況が変わってきているということが言えると思うんですね。 とりわけ、これも繰り返しになりますけれども、商売のあり方というのも、インターネットの時代になり、いわゆる店頭での商売、競争だけではない状況になってくると、やはり新しいガイドラインを明確にしておく必要というのがあるんじゃないか。それでなくても不当廉売というものの定義が非常に不明快だという指摘が今までも重ねてされてきているということもあります。 ですから、私は、やはりこの際、その五十九年のガイドラインというものをもう一度補強し、そして抽象的な部分を非常に具体的にしていく意味からも、ぜひそういった意味での検討をしていただきたい、見直しをしていくべきではないかなと。それが一つ。 それから、先ほど来申し上げていますが、ともかくモグラたたき状態にならないように、やはり根本的なガイドラインをつくるということによって迅速な処置、それも単に注意だけではなくて警告、勧告も含めて迅速に行われるようなシステムをつくっていく必要があるんじゃないだろうか、これを要望しておきたいと思います。 次に、独禁法と特許法の関係について伺いたいと思います。 これも新聞記事で拝見した件なんですが、四月九日の日経新聞に、「通産省はネットビジネスでの不当な独占状態を予防するための検討に乗り出す。」という記事を拝見しました。「事業の仕組みと情報技術を結びつけたビジネスモデル特許」、これは前回の委員会でも私は取り上げさせていただいたんですが、これが国内でも認められ始めたということで、今後、特許権の行き過ぎた行使によって電子商取引が阻害される、電子商取引の活性化が阻害される危険性があると見て対応策を練っていくと、こういう内容の記事でありました。早ければ五月にも学識経験者などによる研究会を設置すると記事は具体的に報じています。 そこで、まず特許庁にこの記事の事実関係について伺いたいと思います。そうした予定はお持ちなんでしょうか。
○政務次官(細田博之君) 四月にそのような記事が出たことは事実でございますが、これは全く事実無根でございます。 ネットビジネスにおける特許権の不当な行使やこれによる不当な独占を予防するための措置等を検討するために学識経験者などによる研究会を設置する予定があるというような記事でございましたけれども、これはこれからの問題でございますし、まだまだネットビジネスでの不当な独占状態というものが起こっているとも申せませんし、むしろどんどんこれからさまざまな競争が行われて、その過程におきまして本当に独占状態が生ずるのかあるいは群雄割拠でいくのか、その辺も見通しの立たない段階でございますので、現段階においてはそういった実態の動向やあるいは諸外国における議論の動向、産業の実態等の的確な把握に努めてまいりたい、その上でまたさらに特許政策の競争への影響を注視して考えてまいりたいと思っております。 記事の内容は、全く根拠がないものでございます。
○水野誠一君 どうも記事がミスリードというか先走りだったようなんですが、そうだとしても、特許法や著作権法などというものは、発明や著作といった創作活動を活発化するために特許発明者、著作者に排他的、独占的権利の行使を認めるものでありまして、この結果、権利者以外の事業活動が必然的に拘束されることになるのは当然のことであります。 また一方、独占禁止法は、公正、自由な競争を確保するため、事業活動の不当な拘束を排除するのがその本旨であるわけで、二十三条で特許法などの権利の行使と認められる行為には独禁法を適用しないと規定して一応の調整を図ってはいるものの、既に特許権を盾にした競争相手に対する牽制あるいは訴訟が日米で始まっている。この事実を見てまいりますと、特許法などの権利行使と独禁法の規制との兼ね合いをどうするのかという問題が今後ビジネスモデル特許の出現によって再び浮上するんじゃないかというこの記事の指摘は、私は一理あるというふうに理解をいたしました。また、非常に興味を持ったわけでございます。 そこで、こういった点についての検討を行う予定などは具体的に今はないということのようでございますが、私は非常にこれは重要なテーマだと理解をしておりますので、今後そういう問題についてどういうお取り扱いをお考えになるのか、伺えればと思います。
○政務次官(細田博之君) 特許制度自体は排他的、独占的に権利を与えるものですから、そういった観点からは独禁法の明確な適用除外はあるわけでございますけれども、その取引方法あるいはその他取引相手との関係等におきまして独禁法の要件に当たる場合には当然独禁法の方でも規制し得るというふうに私どもも考えておりますし、公正取引委員会もそうではないかと思っているわけでございます。 そしてまた、このビジネス方法の特許みたいなものも含めてソフトウエア、コンピューター関係、ネットビジネス、こういったものは、最近はマイクロソフト社、ビル・ゲイツとか、ああいうところがアメリカで大きく取り上げられて、独占的状態になっておること、そしてさらにそこにいろいろな取引制限なども盛り込まれておるということを根拠にしながらさまざまな議論が行われていることは御存じのとおりでございます。 したがって、今後のネットビジネスを含むさまざまな特許についても、広がりと影響力を持ってまいりますので、あるいは危惧するような事態が生じないとは言えないというふうには思っておるわけでございます。 したがって、特許制度による保護が行き過ぎたものとなって排他権の行使が健全な競争を不当に制限することがないようにしていかなければならないと思いますし、また、保護に値しないような発明が特許されるということも大きな問題でございますので、そういったことのないようにまた対応していかなければならないというふうに思っております。 それから、特許権に関連していろいろな問題、そういう競争政策上問題となり得る問題が生じたときには、独禁法のほかに特許法による裁定制度というものもございまして、強制実施制度とも言っておりますけれども、公共の利益のために特に必要であるというような場合にはその実施を公開を義務づけたり、あるいは強制実施の裁定を行うという道も制度的には開けておるわけでございますので、いろいろな角度から今後の実際の展開を、IT革命が進む中でいろんな形の展開が起こると思いますので、注視して対応してまいらなければならないと思っております。
○水野誠一君 今、政務次官の方からマイクロソフトの問題が出ました。これは最近のいわゆる独禁法問題としては最大の話題だと思います。その内容についてはもう皆さんも御承知のとおりだと思うので触れませんが、これは日本においても同様のやはり問題というのがあるのではないか。 つまり、今、争われている問題というのはアメリカにおける裁判でありますが、日本のマイクロソフトに対してもたしか公取から過去に排除勧告を行ったことがあったはずだと思いますが、その経緯について伺いたいと思います。そしてまた、あの当時、アメリカのマイクロソフトに対しては何らかの対応措置をおとりになったのかどうか。 この二点についてお答えいただけますか。
○政府参考人(平林英勝君) 水野委員からただいま御指摘がありましたように、公正取引委員会は平成十年十一月二十日に日本マイクロソフト社、これはアメリカのマイクロソフト社の日本子会社でございますが、その会社が高いシェアを持っております表計算ソフトウエアに日本語のワープロ用のソフトウエアを抱き合わせたということで、不公正な取引方法に該当して独占禁止法十九条に違反するということで、勧告という法的措置をとっております。 それからまた、日本のマイクロソフト社につきましては、日本のパソコンメーカーとの関係でまた別途不公正な取引方法の疑いがあるということで警告いたしておりますが、親会社のアメリカのマイクロソフト社に対しましても、やはりその不公正な取引方法をしていた疑いがあるということで警告をいたしております。 それはどういうことかと申しますと、日本の大手のインターネット接続サービス事業者というものがございますけれども、この業者十一社とアメリカのマイクロソフト社との間におきまして、基本ソフトウエアで会員獲得サービスをマイクロソフトが提供するということと引きかえに、競合ブラウザーソフトのそういったインターネット接続サービス業者の取り扱いを制限するといった疑いがございまして、これがやはり不公正な取引方法の排他条件つき取引の疑いがあるということで警告したという経緯がございます。
○水野誠一君 まさに今アメリカで進行中のマイクロソフトをめぐる裁判について、日本の公取がコメントするという立場にないことを十分承知した上でお尋ねするわけでありますが、先ほど細田政務次官もおっしゃっておられるところでありますが、こういったインターネットの世界の実現ということによって、あるいはコンピューターという新しい技術の出現によって、技術のこういう特許とかあるいは技術の世界的支配、デファクトスタンダードというような言葉もありますけれども、そういうものの浸透の仕方というのは明らかに変わってきているということが言えると思うんです。 また、例えば通信事業なんかの状況を見ても、最近ではNTTコミュニケーションズがアメリカのヴェリオ社を六千億円で買収するというような、非常に国境を越えた大規模な買収とかそういう動きも出てくるということで、従来の独禁法行政あるいは従来の特許行政というものがやっぱりこれから大きく変わっていく。そして、それに対して対応も考えていかなきゃいけないという意味では、決して他国の出来事ではなくて我々にとっても大きなテーマではないかと思うわけであります。 とりわけアメリカでのこのマイクロソフトの裁判というのは、今後大統領選挙なんかも巻き込んだ非常に大きな国家的イシューとして今取り上げられてきている感じというのもあるわけでありますが、この問題を公取としてはどうごらんになるのか、ぜひ委員長からその辺についての御見解を伺わせていただきたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほども申し上げましたように、多少おしかりを受けましたが、やはり独占禁止法というのは昭和二十二年に当時の進駐軍の強い示唆によってでき上がったものでございまして、その後、日本の経済状態に合わせて何度か大きな改正を行ってまいりました。 しかし、水野委員が今御指摘になりましたような新しい技術、新しい商売の方法というのが開発されてきまして、それの要するに公正競争のルールとして十分なのかどうかということは反省、検討しなければならない問題だと思っております。 そういうことで、いろいろの問題についてびほう的という言葉を使うとおしかりを受けるかわかりませんが、目の前に出てきておる問題を解決するための法改正、それともう一つ、この自由競争社会が一段落したときに抜本的に法律を変える努力、こういう二つの努力をしなければならないと思っているわけでございます。 そこで、今日お願いしているのは、まず目の前の問題を解決する手段として差しとめ請求等をお願いしているわけでございまして、委員のおっしゃった恒久的な問題はこれからさらに検討して、あるいは国会の御議論を踏まえてやっていきたい、こういうふうに考えております。
○水野誠一君 最後に、細田政務次官に、今と同じ問題でございますけれども、今後こういった新しいネットビジネスも含めた市場の変化というものに対して、先ほどの話でありました検討委員会というようなもの、勉強会というようなものも含めてぜひ通産省リードの中でしっかりとやっていただきたいと思うんですが、その点について御感想を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○政務次官(細田博之君) 現時点ではまだそこまでの環境になっていないという認識ではございますけれども、将来においてまたいかなる変化が生ずるかということはまだまだ不確定な状態でございます。 他方、ビジネス方法に関する特許、これも非常に深くかかわってくるわけでございますけれども、これは日本でいえばトヨタのかんばん方式とか、あるいは外国におけるワンクリック方式のソフトウエア、そういったものが開発されまして、それがネットビジネスに大きくかぶさってきて、独占状態あるいは取引制限、あるいは特許権の不当行使とかいろんなことを生ずる可能性もなきにしもあらずでございます。 したがって、日米欧三極でも専門家会合でビジネス方法関連発明の研究などは着手しておるわけでございますが、そういったことをまず踏まえながら、世界じゅうでの考え方をまず統一していかなければならないという実態もございますので、そういった統一のテンポと合わせながら前向きに考えてまいりたいと思っております。
○水野誠一君 終わります。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として福本潤一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) これより内閣官房長官に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会の木俣でございます。 官房長官に御質問いたします。 今回の改正で、独禁法が制定されてから、その他の法案の改正から独禁法を変えなきゃいけないということも含めますと、もう五十九回目ということらしいんですね。本体を変えるのは今回で十七回目ということなんですけれども、先ほど根來委員長からもありましたように、いわゆるGHQの強制的というか半強制的な圧力によって日本経済過度集中排除というようなこともあり、これはできてきたものだと思うんですね。それだけにかなり追加的に変えなければならないのかなという気もするわけでございますけれども。 ことしの二〇〇〇年の年頭の根來公取委員長のあいさつにもありますように、とにかくもう抜本的に見直さなければならないんだと、素人目には非常にわかりにくいんだと、こういうお話があったわけでございますが、今回抜本的なこれは見直しだとお思いですか。そしてまた、そうでないとすれば、今後もっと抜本的に見直したい、こういう御決意をお持ちかどうか伺いたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 今、議員御指摘ございましたように、今日までも必要に応じていろいろな見直しを行っておりますので、私は今回もその一つの流れの中だと、そういうふうに理解をいたしておりまして、抜本的な見直しをする必要は現状においてはない、そういうふうに認識をいたしております。
○木俣佳丈君 そうすると、今申しましたように、根來委員長が抜本的見直しをしなければならないと年頭のあいさつの中でおっしゃることと今言われたことが相反するんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(青木幹雄君) それはどういう意図で申されたか私もよくわかりませんが、私は素人、片一方は専門家ですから、よくその辺の問題はわかりませんが、いずれは、将来、抜本的な見直しが必要だという考えを述べられたものと理解をいたしておりまして、現状においては、私は、今議員御指摘のように必要に応じて改正を行ってきたところでございまして、将来も経済構造の改革や経済社会の変動に応じてやはり見直しをしていくべきだ、そういうふうに考えております。
○木俣佳丈君 今官房長官がおっしゃった中にはかなり論理の矛盾がある、二つの意見が混然一体となっていて意味がちょっと不明でございます。 いずれにしましても、中小企業などの育成のためにも健全な市場が必要である。衆議院の方、きのうも会社分割の法案が通りまして、いよいよリストラ本格化というような流れでございます。 そういう中で、やはり市場の番人という公正取引委員会、そしてまたその根拠法である独占禁止法、こういったものが非常に大事になってくるのは言をまたないわけでございますが、ある調査、これは一九九六年四月の日本総研の調査によりますと、中小企業のうち四七・八%が不正取引行為をこうむったことがある、または聞いたことがある、またはその両方という結果になっておりまして、こういう結果からしましても、非常に今のまま、また継ぎはぎの状況の中では十分に機能しないというふうに私は思うわけですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 私は、現在も、中小企業者に対する不当な不利益を与えるような不公正な取引に対しましては、公正取引委員会において厳正迅速に対応して今日もいると、そういうふうに理解をいたしております。
○木俣佳丈君 いやちょっと、理解をどうされているんですか、どこが迅速だと思いますか。 例えば、審査から審決まで、これ公取が出されている資料ですが、平均でどのぐらいかかっていらっしゃると思いますか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) これは一概に言えないわけでございまして、最近は談合事件というと数百社が関係している事件がございます。こういうのはやはり一年以内ということの法律の制約がございますから、一年以内にこれはもう何が何でも仕上げておると。簡単な、簡単というか比較的簡単な事件は一カ月、二カ月でやっているわけで、一概にはちょっと言えないところが非常に苦しいところでございます。
○木俣佳丈君 これは公正取引委員会の方からいただいた資料で、過去二年間に審判審決が出された事件にわたる事件処理及び審判に要した平均は全体で千三百三十五日、四年間かかっています。さらに、要は調査から審査に入るまでというのが、出してくれというふうに言ったわけですが、しかしこれは出ないということなんですよ。ちょっと委員長もう一度。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 今のお話は審決があった事件を言われているんじゃないかと思うのでありますが、これはなかなか説明するのは難しいんですが、いろいろな違反事件についてはいろいろの投書とか内部告発があるわけでございますが、一つではなかなか動けない、一つではなかなか疑いというのは難しい、それが何回か重なって疑いというのが出てくる場合があるわけでございます。そういうのは、やはり一件を受け取ったときから何日始めるというのじゃなくて、一件を受け取る、次の二件目が来る、三件目が来る、いよいよそのときに疑いを持ってやるというようなことでございますので、なかなか時間的に審査を、例えば申告があってから審査を始めるまでどれぐらい平均かかっているかと言われても、なかなかそれは割り出しにくいという問題がございます。 それから、繰り返すようでございますが、先ほど数字を挙げられましたが、これは多分審判が終わって審決があるまでの期間だろうと思います。審決になるのは事件としては非常に少ないわけでございますから、非常にややこしい長くかかる事件が多いものですから、平均するとそういうふうに長い日が必要となっているんだと思います。
○木俣佳丈君 それは、いろいろ言い方はあります。 だから、審判審決というのは最後まで、裁判でいうと結審ということですが、同意審決やら勧告したらもう審決したと、いろいろなことがあるのはわかっていますけれども、要するに、やはり審判審決というのは最後の結審ということなものですから、そこまでの時間が長いということ自体が問題なんです。 それから、私も現場でこれ実際立ち会って、この独禁法、そしてまた不当表示の話や市場のカルテル行為とかいうのに立ち会った者として、私、官房長官が迅速にやっている迅速にやっていると先ほどから何度もぱんぱんと言われるのが非常にこれ違う印象が、現場で私はやっていましたので持っておりますので、そういう印象をもう一度ちょっと持っていただきますようにお願いしたいんですが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(青木幹雄君) 私は、公取委員会は自分らの仕事として全力を挙げてできるだけ急いで処理をしているということを申し上げたわけでございまして、それぞれの事案については、客観的に見て迅速にやっていると見られるものも、またなかなかこれは時間をかけているなと見られるものもいろいろあろうと考えております。
○木俣佳丈君 ですから、平成九年からできたと言われる不当廉売、これの特別チームなんかは非常に迅速にやっていただいているというのは私も認識しておりますが、一般的なものについては遅いんです、本当に。 そして、だから何度も申しますように、やはり三千とか持ち込まれる事案のうち、審査をされるのが二百、審決が行われるのが大体三十なんです。ですから、非常に数も少ないということなんです。だから、公取の方々がサボっていると私は思いません。そういうことを言いたいんじゃなくて、要は、もっと強化しなきゃいけないから今回も私訴というのを入れて私人でも裁判で差しとめ請求できるようにと、これは非常に強力なことだと思うんですけれども、きょう午前中の質疑の中でも申しましたように、しかし情報公開がきっちり行われたり、それから当事者が、利害関係人がもっと自由に入れるようなものにならないとそれが有効に機能しないものですから、それはやはりちょっと御認識いただきたいと思います。 いずれにしましても、全体的に情報公開というのが欠けておりまして、例えば国会への公取の年次報告なんかでも、申告件数報告、所要時間についての報告というふうには一応文章の中にはちょこちょこちょこと書いてあるんですけれども、先般私どもがもらいました審判審決まで何件何件という明確なものというのは、実はこの報告書の中に入っておりませんでして、この十数年来専門でやっている弁護士もそれを見たことがない、こういう意見でございましたので、やはり情報公開を含めて、それからやはり抜本的改革で私大事なのは、もっと民間人を公正取引委員会の中に入れていくというようなこととかというのも考えなきゃだめだと思うんです。 ですから、そういう意味で、市場が自由化になっていくに従って、やはり市場の番人たる公正取引委員会、そしてまた独占禁止法がやはり本当に機能するように、抜本的に早急に速やかに改正をしたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(青木幹雄君) 確かに、議員おっしゃいますように、情報公開の重要性は私どもも十分認識をいたしております。 また、できるだけ民間人を入れてということでございますが、議員も御承知のように、現在、五名の中で一名民間人が入っておられます。しかしながら、この委員会は非常に豊富な知識と高度な専門性が要求されるわけでございまして、そういう中で私どもも五名のうち一名を両院議員の了解を得た上で任命しているわけでございまして、これは今後考えていかなきゃいかぬ一つの課題だ、そういうふうに認識をいたしております。
○木俣佳丈君 もちろん公正取引委員会もそうなんですけれども、その事務局の方ですね、こちらに例えば弁護士さんを入れるとかいうのをやはり考えていただかないとだめだと思うんです。 次に、省庁再編に伴いまして公正取引委員会は総務省の管轄となるわけでございます。考えますと、郵政省も郵便事業の方は総務省の管轄になるんです。 ここで、例の例えばクロネコヤマトのヤマト運輸が、信書でクレジットカードを送るのは、これの独占は郵政省が行っていておかしいという話がありました。つまり、私が申したいのは、公正取引委員会というある意味では裁判所みたいな役割、司法みたいな役割をしているわけでございまして、総務省の中に一体化して、結局郵政の独占事業をしているものと要は独占を見張るものが一緒にいるということが非常に厳しいんじゃないかというのがマスコミやそして専門家の意見なんですが、この辺はいかがお感じになりますか。
○国務大臣(青木幹雄君) 公正取引委員会の位置づけの問題でございますけれども、この問題につきましてはいろいろな意見があることは私も承知をいたしております。 しかしながら、内閣府というのはいわゆる知恵の場として、できるだけ実質的な事務を置かずに身軽にという、そういう基本的な考え方に立ちまして行政改革会議というのが基本的な考え方を出したわけでございます。そういう中で総務省の外局とすることとされたわけでございまして、昨年の通常国会において総務省設置法が成立したところでございます。 また、郵政省の関係については、多少いろんな問題が絡んだ問題でございますので、こちらの方から答弁させます。
○政府特別補佐人(根來泰周君) ただいま官房長官からお話がございましたが、確かに私どもの仕事の中に郵政省関連の話がございます。しかしながら、私どもも中央省庁の再編で総務省の外局という位置づけになっておりますけれども、引き続き厳正な立場でやっていきたい、こういうふうに考えております。 郵政省の、クロネコヤマトの問題はよろしゅうございますか。
○木俣佳丈君 どうぞ。
○政府特別補佐人(根來泰周君) クロネコヤマトからは、要するに地域振興券が信書に当たるかどうかということについて郵政省と見解を異にしたということでございまして、クロネコヤマトの主張はこれは信書に当たらない、郵政省の方は当たるという考え方でございまして、そういう前提に立って私どもの方にクロネコヤマトから要するに不公正な取引方法に当たるという申告がございました。 これについて委員会で種々検討いたしましたが、これは郵政省はやはりいわゆる独禁法に言う事業者に当たるけれども、信書かどうかというのは、郵政省が所管しているわけでございますから、郵政省が信書に当たると言う以上、私どもがそれに当たらないと言うわけにはまいらないという結論から、クロネコヤマトに対してはこれは独占禁止法違反として取り上げないという通知をしたわけでございます。 ただ、付加して申し上げますと、これに触発されまして、郵便事業についての競争条件の整備ということから私どもの方の私的研究会であります郵便事業ワーキンググループにおきましてこういうことを含めて検討していただいて、その結果を私どもが競争政策の唱導ということで公表したい、こういうふうに考えております。
○木俣佳丈君 信書の定義が不明確で両者の意見が違っていて、その解釈は郵政省にあって、独禁法違反の取り扱いは不適切というのが公正取引委員会の言い分なんですね、今のをまとめますと。それだと、すべての取引についても何かはっきりした審判ができるのかなという感じさえちょっと私はします。そういうワーキングでやっていらっしゃるのも伺っておりますけれども、やはり迅速な裁判というか審判というのができるように、そしてまた我々民主党としましても、抜本的な公正取引委員会そしてまた独禁法の改正案というのを考えて提出したいと思っております。 そんなことを宣言しながら、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下芳生君 金融持ち株会社の解禁を機に、第一勧銀、富士、興銀の統合、東海、あさひ、三和の提携、住友、さくらの合併等、有力銀行同士の大型再編が相次いで発表されております。同時に、大規模なリストラも始まっております。人減らしの面ではそれぞれ七千人、六千三百人、九千三百人と、先ほど紹介した三つのグループの合計で約二万人の大量の人員削減が行われようとしております。日産自動車のリストラが大問題となっておりますけれども、実は住友、さくらの九千三百名というのは、割合では日産を上回る過去に例のない計画であります。 さらに問題なのは、取引先にリストラを求める銀行の圧力、これが加わっていくだろうと。有力銀行が合併することによって融資先同士が競合するようになれば、これは銀行からの圧力はますます強まらざるを得ないと思います。 例えば、一勧、富士、興銀の場合、メーンとなっているのは取引先企業数で約十七万社、メーンバンクとなっているところだけでも十七万社あるわけですね、三つの銀行で。それが一つになるわけですから、メーンバンクが同じという企業が一つの業界内にはんらんするということになる。そうなれば、当然はじき出される企業も出てまいるわけであります。さらに、そうした事業会社の取引先あるいは下請企業にもこれは大きな影響を与えることは間違いない。そうしたそれぞれの企業で働く労働者にも大きな影響が出てくるだろうと。 つまり、持ち株会社解禁などによる金融再編というのが産業界の大再編を招くことは必至でありますし、それに伴って雇用問題、中小企業の選別淘汰の問題が私はこれから大規模に深刻な形で出てくるんじゃないかと思うんですが、まずそういうことが起こるであろうということについての官房長官の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 確かに議員が今おっしゃいましたようなおそれがなしとは言えないと考えておりまして、私どもは今おっしゃったようなことが起きないように、事前にいろいろな対策をすることがまず一番大切じゃないかと考えておりまして、今おっしゃいましたような金融機関の合併や持ち株会社化を初めとする金融再編の動きというものが、社会のインフラである金融機構の強化や産業に対する資金供給の効率化などを通じて我が国経済の体質強化や構造改善を促進して、ひいては我が国経済の安定成長に資するものと、私どもは基本的にそういう考え方を持っております。 しかし、その過程において雇用や中小企業に対するいかなる影響が生ずるかということにつきましては、金融再編が本格化したばかりでございますので、私どもは何らかこのことを申し上げるような現状にはないと思いますけれども、確かに議員今おっしゃいましたような問題については、そのおそれがなしとは考えておりません。 政府としても、その影響についてはこういう再編の動きを十分に注意しながら、そういう問題が生じないように対策を十分考えていきたいと考えております。
○山下芳生君 宮澤大蔵大臣がこの金融再編に関して、十年後二十年後、産業システムが変わる歴史の転換点だったとわかるだろうと、こうおっしゃっております。金融再編によって日本のあらゆる産業界がさま変わりをする、そしてそれに伴って下請企業を中心とした中小零細企業にも大変大きな影響が出ることは間違いないと思うんです。 これはよく見ながらということですが、間違いなくそういうことになるおそれはあるわけですから、今からその対策をしっかりとらなければ、一方で持ち株会社の解禁はやっちゃっているわけですから、もう一方の対策というのを、これは待ちの姿勢では私はだめだと思うんです。 その点で、労働者の権利を守る法整備、これはヨーロッパと比べて私大変おくれていると、これはもういろんな方々から指摘がされているところでありますが、これをしっかり守る法整備がこの点で非常に急務だと思いますが、これ見ながらというんじゃなくて、もう直ちにそういうことをやる必要があると思いますが、この点の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 企業再編に伴う労働者保護の問題についてだと思いますけれども、やはり私は、労働者の権利が守られない場合には、現在までに確立いたしております判例法理によって、企業再編のみを理由とした解雇等、そういうふうなことが許されない状態にあると思っております。 また、民法、労働組合法等の規定によって、労働条件の変更には労働者の同意を必要とするなどの労働者の保護は現行においても図られておりまして、新たな法整備をする前に、議員が今おっしゃったようなことには十分現在の法のもとで私どもも全力を挙げてそういうことがないように取り組んでいきたい、そのように考えております。
○山下芳生君 けさの報道によりますと、イギリスのローバーという有名な自動車会社が一つの工場を閉鎖される危険があったと、しかし労働者の皆さんそれから地元の行政初め市民の皆さんが団結してその工場の閉鎖をさせない闘いをされて、工場の閉鎖を回避する状況ができたというように聞きました。 このイギリスには日本にはない解雇の規制制限法というものがございますし、労働者の権利を守るさまざまなルールが日本より進んでおります。ある意味で、規制緩和という点ではグローバルスタンダードということが叫ばれるんですが、労働者の権利を守るという点でもこれは同時にグローバルスタンダードに合わせなければならない、私はこの認識を非常に大事なことだと思っているんですが、いかがでしょうか、長官。
○国務大臣(青木幹雄君) 今もお答えいたしましたように、そういうリストラによって解雇や労働条件の変更などにより労働者の権利が守られない場合は現行法の中で判例法理によって私は十分に対応をしていかなければならないと考えておりまして、現行法のもとで私どももしっかりそういう対応ができるように注意をし、また監視をし、十分に対応していきたい、そのように考えております。
○山下芳生君 現行法では不十分だという面がいろんなところで出てきておりますので、そういう点での、私どもも立法提案はしておりますけれども、この点が急務になってくるであろうということもつけ加えておきたいと思います。 同様に、労働者の権利の保護と同時に、やはり企業結合、企業淘汰などの影響から中小企業を守るためのルールの確立強化というのも必要かと思います。 これは先ほどの議論でも私、公取委員長には提案させていただいたんですが、例えば突然の取引の停止、取引削減を規制するような新たな法整備、そしてそれを本当に実効あらしめるための公正取引委員会の機能の強化、体制の強化、これはやっぱり急務だと思うんですが、この点での長官の御認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 取引停止をするとかあるいはいろんな問題が生じた場合には、公正取引委員会において、中小企業者に不当に不利益を与える優越的な地位の乱用行為の不正取引については現行法でも十分私は対応ができるんじゃないかと考えております。 また、公正取引委員会の組織の強化という問題、私はこれも当然必要だと考えておりまして、御承知のように平成元年から平成十二年度までには、事務局の職員にいたしましても二二%の増員をいたしておりますし、また、専門部門については一〇四%という定員増をやっております。私どもは、いろんな定数削減を今後非常に大きな課題として政府は取り組んでいかなければなりませんが、そういう中にあってもやはり必要なものは必要なものとして、十分それに対応できるような組織の強化も図っていくつもりでございます。
○山下芳生君 終わります。
○梶原敬義君 青木長官、御苦労さんです。 戦後の日本経済におきまして、私は、独占禁止法の果たした役割については、いわば戦後日本の経済民主主義の定着には非常に大きな役割を果たしてきたと考えておりますが、官房長官の見識をまずお伺いしたいと思います。 さらには、この独占禁止法のもとで頑張ってきました公正取引委員会、この公正取引委員会の役割も私はあわせて日本の経済の民主主義のかじ取りとして大きな役割を果たしてきたと思うんですが、あわせてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 私も、戦後日本経済の発展にこの委員会が果たした役割は、議員が今おっしゃったとおり、同じような認識をいたしておりまして、自由主義経済を基調とする経済制度のもとでは市場機能を発揮させることが必要でありまして、市場における公正かつ自由な競争の促進を目的としてつくられました独占禁止法は、戦後の日本経済の発展には非常に大きな役割を果たしてきたと、議員と同じような私も認識をいたしております。
○梶原敬義君 そこで今、規制緩和とか自由化がどんどん進み、グローバリゼーション、そういう流れのもとでさらに公取のあり方というのは非常に大事にしていかなければならない、このように考えておるところでございます。 省庁再編に関しまして同僚議員からも先ほど質問がありましたが、今までは総理府のもとで公正取引委員会や国家公安委員会、公害等調整委員会、金融再生委員会、こういう非常に今までは私どもはやっぱり公取というのは非常に独立性の強いものだと、このように考えておりましたが、今回は総務省の総務大臣の下でこの公取が外局として活躍することになるわけですが、その外局には郵政事業庁が入りますし、先ほど質問もありましたように、この郵政事業庁というのは先般東芝、NECに排除勧告が公取から一昨年の十一月十三日ですか、郵便物区分機の入札談合、郵政省に防止をせいと、こういうのが公取から出ておりますね。今度は逆に同じ大臣のもとでやっていくわけでありますから、なかなかその独立性を貫くにしても私は実際には難しい問題が出てくるのではないか、そういうことを大変心配するのであります。 公正取引委員会の重要性を考えれば考えるほど、その体制の強化を図るとともに、省庁再編後においても、これまで総理府の外局として確保されていた公正取引委員会の独立性を十分確保する、これはこういう流れになっておりますが、有力な青木官房長官、ここでやっぱりそういう省庁再編しても公取の位置づけについてはしっかりするという決意表明をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 公正取引委員会を総務省の外局とするということにつきましては、今日に至るまでいろいろな議論があったということは私も十分承知をいたしております。また、法案を提出しました後も引き続きそういう議論がなされていることも十分承知をいたしておりますが、基本的な考え方は、内閣府はできるだけ実質的な事務を置かずに身軽にという基本線に立ってこういう形がとられたわけでございまして、私は、今後、公正取引委員会につきましては、その中立性、独立性を確保するため、委員長及び委員の職務行為の独立性や身分保証が非常に独占禁止法で明定されておりますし、委員長及び委員の任命は引き続き両院議員の同意を得て内閣総理大臣がこれは行うということになっておりますので、公正取引委員会はその特性にふさわしく、機能をあくまでも中立的かつ独立的に発揮して期待にこたえていただけるものと、私はそういうふうに確信をいたしております。
○梶原敬義君 終わります。
○委員長(成瀬守重君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 円より子君から発言を求められておりますので、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま可決されました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 自然独占事業に関する適用除外規定の廃止の趣旨にかんがみ、関係事業者及び事業者団体等に対し、独占禁止法遵守への取組みを一層促すため、適正な取引に関する指針の周知徹底等に努めること。 二 電気事業及びガス事業において、不当な対価による取引等公正な競争を阻害する行為に対する厳正な法運用を期するとともに、当該事業の自由化については、新規事業者の参入状況、エネルギー政策との整合性、供給安定性及び環境政策との整合性等に十分配慮しつつ、対応すること。 三 差止請求訴訟及び損害賠償請求訴訟における求意見制度については、事業者の秘密保持の問題等に配慮しつつ、円滑・迅速な訴訟審理に資するよう可能な限り公正取引委員会が保有する資料等の提供に努めるとともに、被害者が迅速かつ適切な救済を得られるよう、団体訴権等につき、司法制度改革に係る検討状況等を踏まえつつ、引き続き検討を行うこと。 また、本法により裁判所に提起される差止請求訴訟に的確かつ迅速に対応し得るよう、裁判所の体制を整備するよう努めること。 四 規制緩和等の進展に伴い、自由かつ公正な競争秩序の維持が一層重要性を増大している状況を踏まえ、公正取引委員会は違反事件への対応に万全を期すること。そのため、同委員会の審査体制等の一層の充実・強化を図ること。 五 中央省庁再編等行政機構の大幅な整理統合が公正取引委員会の業務に支障を来さないよう配慮するとともに、公正取引委員会の独立性、業務の公正性を引き続き確保すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(成瀬守重君) ただいま円君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、円君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、青木内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。青木内閣官房長官。
○国務大臣(青木幹雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、本法律案の適切な実施に努めてまいる所存でございます。 ありがとうございました。
○委員長(成瀬守重君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会