経済・産業委員会 第13号
- 発言数
- 259 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/04/27
会議録
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、世耕弘成君、中島啓雄君、海野義孝君及び藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として倉田寛之君、保坂三蔵君、続訓弘君及び小川敏夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 消費者契約法案(閣法第五六号)及び消費者契約法案(第百四十六回国会参第六号)の審査のため、本日の委員会に政府参考人として経済企画庁国民生活局長金子孝文君、法務大臣官房司法法制調査部長房村精一君、法務省民事局長細川清君、大蔵大臣官房参事官高木祥吉君及び文部省初等中等教育局長御手洗康君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 消費者契約法案(閣法第五六号)及び消費者契約法案(第百四十六回国会参第六号)の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○畑恵君 おはようございます。 自由民主党の畑恵でございます。 消費者を不当な契約トラブルから保護するために、実に六年という歳月をかけてこのたびまとめ上げられましたこの消費者契約法、消費者の皆さんの声を筆頭に、あらゆる業種にわたる産業界ですとか学識経験者の方々、実に幅広い分野や立場にわたる関係者の方々の間で検討が重ねられて、とにかくこうしてコンセンサスを得る形になった。そこまで作業に当たられた関係者各位ないしは経企庁長官にまず心からの敬意を表させていただきます。 当法案が成立すれば、PL法とともに、物と契約に関する消費者保護制度の両輪が整うこととなりまして、既存の法律に定められた保護規定ではこれまで救済が難しかった悪質な勧誘ですとか契約からも消費者が守られることと今大いに期待されております。 ただ、さはさりながらも、一昨日の一橋大学教授松本参考人のお話を伺っておりますと、余り過大に期待してはいけないと、逆に。この消費者契約法というのは、消費者が一方的かつ全面的に保護されるという消費者保護法ではなくて、消費者がみずからの権利を正当に執行できるようになる、いわゆる消費者法という旨を先日理解させていただいたところでございます。 そこで、まず法案の趣旨、大前提といいましょうか、そのものについてもう一度御確認をさせていただきたいんですが、今法案の立法趣旨の第一義は、やはり情報量でも交渉力でも事業者に劣る消費者を不当な契約から守るということ、こういうことでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 消費者契約法の提案に至りますまで、国民生活審議会等で長く議論をさせてまいりました。 議員御指摘のとおり、最近になりまして、従来の役所の事前の規制制度、事前の規制によって消費者の立場を守るというような制度がどんどんと自由化、市場原理に変わってまいりました。これからは消費者が選んだものが成長する、消費者から嫌われたものは消えていくと、こういう消費者主権の原理というのが市場で成り立つことが大前提でございます。 そうなりますと、消費者が事業者と契約を結ぶ際に、やはり事業者は一般にプロでございますから、情報もございますし、交渉力もあるだろう、それに比べて、消費者はその都度消費者でございますから、情報量あるいは情報の質の点でもかなりの差があるし、また交渉も玄人と素人の違いがある。こういったことをできるだけその差を詰めることによって対等の交渉にしていきたい、消費者の弱い立場を利用した悪質なことを防ぎたいという考え方が基本にあります。 同時にまた、事業者が消費者に対して十分な情報を与えるとともに、消費者の方もその情報をできるだけ理解していただいて、よりよいものを大いに伸ばし、よくないものを消していく、市場から退場させていく、こういった努力によりまして常によりよい商法、よりよい商品というのが普及するようにさせていく。そういう全体として世の中を前進させたい、そういうような願いも込められた法律でございます。
○畑恵君 ありがとうございました。 今、経企庁長官の方から格差をなるべく縮めていくように制度設計をしている法案だというお話がございました。また、行政の方がお仕着せで何でもやってあげる、保護をしてあげるという、そうした今までの行政ルールから民事ルールへという、これは松本参考人もおっしゃっていたことだと思いますけれども、そのような社会に移行している、その状況を反映させた消費者契約法だということで理解させていただきました。 ですから、繰り返しになりますけれども、消費者は決して一方的な弱者ではないと、消費者にも自己責任に基づいて行動するように、自立した消費者になるようにということを今法案の中でも求めている。その証拠に、第三条の一項では、事業者から消費者への重要事項に関する情報提供というのは、これは義務ではなくて努力規定になっておりますし、また同条の二項には、消費者に対しても契約内容について理解するよう規定している。 ただ、この第三条一項、二項については、野党の議員の方々から、大分その趣旨に照らしておかしいのではないかというような趣旨の御質問が多く出ていたようなんですけれども、私は次のように解釈していますので、この第三条が先ほど長官に確認させていただいた法案の趣旨とそごを来しているとは考えません。 といいますのも、消費者と事業者間における情報量や交渉力の格差を是正して消費者を不当な契約から守るためには三つの方法が考えられると思うからです。 一つ目は、事業者側により厳しい義務を課す、規制を課すということ。 二つ目は、消費者を法的により強く保護すると。 ただ、この二つの方法だけですと消費者と事業者の関係というのはゼロサムになってしまって、どちらかを立てればどちらかが立たずという関係になりますので、こうした状況を打破して、消費者、事業者、双方がともに得をしていく、参考人質疑の中にも言葉が出ておりましたけれども、ゼロサムではなくてプラスサムの世界を実現するためには、やはり消費者自身の情報量ですとか交渉力、これをさらに向上させるように、そうした方向に世の中を導いていくというこの方法が一番大切な第三の方法ではないかと考えておるからでございます。 あくまでも、第三条の一項、二項を今回消費者契約法案の中に盛り込んだというのは、消費者自身の情報量ですとか交渉力をアップすると、そのためには今後政府がさらに力強くそうした努力を推進していく、サポートしていくんだよという意味に私自身は読み取っているんですけれども、それでよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 全く委員御指摘のとおりでございまして、事業者の方には努力義務といたしまして、消費者に対して情報を提供するように努めなければならないという指摘をしております。できるだけ多くの情報、必要な情報を提供するように努めなければならない。 一方、消費者の方には、この提供された情報、それから世間一般のこともございますが、そういった契約内容に関する情報を理解するように努めるものとすると。ちょっとこの書き方を微妙に変えております。 このことによりまして、消費者自身もさまざまな情報を理解して、消費者一般の消費者契約に関する理解を高めていこう、市場の水準を高めていこうという考え方がこの中に秘められている、強く打ち出されているわけでございます。 当然これには消費者に対する教育、これは学校教育あるいはさまざまな社会的な情報提供もございます。それからまた相談業務の拡張、そういった社会全体としての状況を、消費者の水準を高め、よりよい選択ができる状況にしていく。これは一つの、行政としても、また社会PRとしても大きな務めだと考えております。
○畑恵君 ありがとうございます。 確かに、この三条一項、二項というのは、もちろん消費者のためというのが第一義にあると思うんですが、一方、悪質業者の活動を封じて消費者を保護するというこの方向をどんどん強化していく、強めていきますと、しまいには健全な事業者の方まで縛り過ぎることになりますし、それがまた正常な商取引、契約というのを阻害して、めぐりめぐって結局消費者の方にも被害が及ぶということでございますから、やはりこの条文が入ったというのは私は有効な措置だと考えております。 今、大臣の方から、消費者教育ですとか、また相談ということで、これからまたさらに力を入れていくということがございましたけれども、それ以外の例も含めまして、今度この消費者契約法が成立した以後に、こういうところを拡充する、こういうところを強化するという、そういう御予定が具体的にございましたら御披露いただけますでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 例えば消費者センターあるいは弁護士会による相談業務というようなものもございますし、それらをできるだけ集約して国民生活センターではPIO―NET等の活用も考えております。 そのほかに、この法律が成立いたしますと、これをできるだけ広く人々に知っていただくようにPR活動もしたい。当然コンメンタール等もつくりますし、できればデジタルな映像か何かで訴えたいと考えております。 そういうような費用と適切にやっていただける人々がボランティアででも出てくれば非常にありがたい、私自身も努力したいと考えているところでございます。
○畑恵君 デジタルに大変御造詣の深い企画庁長官でございますので、先日もCD―ROMでという話がありまして、費用に見合えばというお話がございましたけれども、ぜひNPOですとかボランティアの方々ですとか、広く呼びかけていただいて、本当に手づくりで広報活動ということで、実効性がより高まるように御努力いただければと思います。ありがとうございました。 では、今経企庁長官の方から幾つか具体的な措置というのを伺いましたけれども、さらに詳しく伺ってまいりたいと思います。 まずは消費者教育について伺いたいと思います。 消費者教育につきましては、やはり社会に出てからでは改めて学ぶ機会というのは大変少のうございます。私も大学を出た以降、高校を出た以降でしょうか、そういう教育というのを受けた記憶がございません。 昨今、特に若者が悪質商法などの被害となるケースというのはとてもふえております。また、学校での消費者教育は早急にすべきだと思うんですけれども、昨年五月までの一年間に国民生活センターに集められました四十万八千件の商品売買ですとかサービス契約に関する苦情や相談のうち、三割強が二十歳代以下ということで、しかもマルチあるいはマルチまがい取引になりますと、当事者の半数以上が二十歳代以下と。非常に若年層が被害に遭っている状況というのが悪化しているということでございます。 また、授業内容でも、どういうことを消費者教育の一環の中で教えているかといいますと、やはり中心になりますのは教科書に書いてあることというのを担当の先生がなぞるという、その域を余り出ないということで、中には法律家ですとか消費者センターの専門員という方をわざわざ学校にお呼びになって、きめ細かい指導、悪徳商法の手口ですとか契約の落とし穴などについて具体的な例を引きながら語ってもらうという、そういう授業をしていらっしゃるところも幾つか出てきたようですけれども、まだそんなに多くない。 やはり、私としては、今回自分自身が勉強しましても、なかなか条文、例文だけ読んでいてもわからない。具体的なこういう例がある、こういうケースがある、その場合にはどうだということを一つ一つ説明していただかないと本当にわかりにくいと思いますので、ぜひ学校での消費者教育というのもそういう方式を今後とっていっていただきたいと思うんですけれども、学校で、また経企庁の取り組みも含めまして、消費者教育というのはどのようになっているんでしょうか。
○政務次官(小池百合子君) 今御指摘の若年層でございますけれども、学校における教育も含めてでございますが、おっしゃるとおりに、若年層が被害者となる消費者トラブルがかなりございます。その意味で、それを回避するためには、やはり小さいころから、低年齢のうちから徐々に契約についての認識を深めていくことが大変重要であることは言うまでもないと思います。そういった意味で、こうした能力を培うことに資するためには、学校での消費者教育の実践が極めて重要と認識をいたしております。 現在、学校教育におきましては、消費者教育は主として家庭科、そして社会科の中で行われております。 経済企画庁といたしましては、こういった学校におきます消費者教育の一層の推進、充実を図るという観点から、平成九年度から、学校の教員、先生、そして学校そのものに派遣する相談員等を対象にいたしまして、消費者教育の指導法であるとか実践事例の紹介等に関して理論的そして実践的に助言、指導するための専門家を派遣いたしているところでございます。平成十一年度では十六カ所延べ二十一人を派遣いたしました。 それから、財団法人消費者教育支援センターというのがございまして、ここを通じて学校の先生方を対象に消費者教育支援講座を各地で行っているところでございます。 それからもう一点、平成十一年度から五カ年計画で消費者契約教育に関する調査も行っております。初年度においては、高等学校を中心として、学校の教育の場で活用できる消費者契約とそして紛争解決のいろいろな手段に関しての副教材の作成なども行っております。 いわゆるピザのお届けではございませんけれども、お届けする、届ける講座ということで実施をいたしておりますし、また学校教育用の副読本の作成を通じて消費者教育推進の支援に積極的に取り組んでまいりたいと思いますし、またアメリカなどでは、例えばこれは消費者契約といいますか金融の世界の話で、株のバーチャルな取引なども学校教育の場で行っているなどということも聞くところでございます。 そういったことで、いろんな点から経済企画庁としてさまざまな学校教育への支援ということを行ってまいりたいと考えております。
○政府参考人(御手洗康君) 学校におきます消費者教育につきましては、ただいま総括政務次官からお答えございましたように、家庭科、社会科を中心といたしまして、小学校、中学校、高等学校、それぞれの学校段階ごとに児童生徒の発達段階に即して学習をすべての子供たちにさせるということにしておるところでございます。 具体的には、小学校の家庭科で申し上げますと、プリペイドカードや通信販売を利用した買い物の注意点などについて話し合いを行って、計画を立てて買い物をしていくことを考えていく。さらには、具体的な買い物記録をつけまして、過去の金銭の使用状況を確認することで次の買い物の計画を立てたりするというような具体的な活動を行っております。さらに中学校段階になりますと、契約解除の書類の作成を通じましてクーリングオフの制度を調べたり、さらには訪問販売や通信販売などの販売方法についても具体的に体験する。さらに、高等学校になりますと、消費者問題が発生します要因を考えたり、さらに消費者保護基本法などについての消費者保護施策についても学習いたしますとともに、地域にあります消費生活センターなどで、消費者の被害、具体的な悪質な訪問販売や通信販売などの実態を調べてその原因を考えるというような具体的な活動をしているところでございます。 特に、家庭科におきましては従来から体験的な実践的な活動をするということを重視しているところでございますけれども、新しい学習指導要領におきましては、各教科を通じまして体験的な学習や問題解決的な学習をより充実するという方向を強めたところでございますし、さらに、小中高等学校を通じまして総合的な学習の時間というものを設けまして、具体的な課題について教科横断的、総合的あるいは実践的、体験的な活動をより充実するというような形での指導要領の改訂も図ったところでございます。 御指摘ございますように、地元の法律の専門家等の御協力を得まして、学校に地域の方々あるいは商店の方々、保護者を含めまして具体的な体験を持った方々においでいただいて、個々の指導を行っていただくというような活動も徐々にふえてきているところでございますので、文部省といたしましても、今後、学校ボランティアというような形でより促進をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○畑恵君 ちょうど初等中等教育の御担当者の方々と私は情報教育のことでよくお話をさせていただくんですけれども、この消費者教育というのは、非常に情報教育のコンテンツになじみやすいんじゃないのかなというのをよく考えます。 いろいろなテストケースが考えられて、それを、じゃこういうときにはどうやって対処しますかと、自分で対処方法を選んで入力すると、だまされてしまうとか、いや反対に向こうが逃げるとか、そういうコンテンツをつくって、先ほど政務次官の方から副教材を経企庁の方も御努力なさってつくっていらっしゃるという話がございましたけれども、共同してつくっていただきますと、そうすると、高齢者の方々もこのごろパソコンをなさる方が多うございますし、いろいろな方が在宅しながら学べるというようなことにもなると思いますので、ぜひCD―ROMですとかいろいろな方式でそんなような教材コンテンツも考えていただければありがたいと思います。 ありがとうございました。 では、変わりまして、今度は悪質契約実態、これを何とか公表できないかということを常々思っておりますので、このことについてお話を伺いたいと思います。 消費者の情報量をふやして交渉力を高め悪質な契約による被害に遭わないようにするため、どのような悪質な業者がいるのか、その事業者名を公表しましたり、不適正な取引行為の実態を公表するということは、私自身有効な措置であると考えております。特に、昨今のようにインターネットの発達によりまして情報の受発信が容易になりますと、公表に関する費用対効果といいましょうか労力対効果というのはかなり大きくなっているのではないかと考えます。条例によってそのような規定を設けている自治体もございますけれども、当該事業者に不当な評価を与えかねないと危惧する余り、事業者名の公表に対してはいずれも極めて慎重な姿勢をとっているのが日本の実情だと理解しております。 一定期間内に同種の苦情相談が非常に多い事業者、せめてそれについてだけでも、その事業者名ですとか苦情内容、あるいは苦情件数などを客観的データとして公表してはいかがでしょうか。また、事業者名の公表がはばかられるということであれば、せめて苦情内容ですとか悪質な手口だけでもインターネットなどを通じて即座に公表していただきますと、同種の被害に遭う消費者の増加を食いとめられると思うんですけれども、そのような措置というのは考えられますでしょうか。
○政務次官(小池百合子君) まず、悪質な業者名の公表ということでございますが、PIO―NETで収集そして蓄積されました苦情相談情報というのは、消費者の方からの申し出をそのまま入力するということで、必ずしも真実性を確認したものではないというのがまず大前提にございます。ですから、直ちに事業者名を公表するということは、その事業者の例えば競争上の地位であるとか、その他正当な利益を害するおそれも一方であるわけでございまして、原則とすれば事業者名の公表は行っておらないところでございます。 しかし、今おっしゃいましたように、ある特定の時期に同じ会社の名前が何度も何度も出てくるというような感じで、特定の事業者に関して同じような種類の消費者被害が多数発生し、もしくは発生するおそれがあるというような場合でございますけれども、被害の再発防止や未然の防止のためには必要というふうに考えられる場合には、情報内容の事実関係の十分な調査を行いまして、そして適切かつ厳正な手続を経まして、例えば相談を受けた第一次の追跡調査をする、また第二次の追跡調査をするなどなど、いろんな段階を経ました上で公表をするということを行っております。 例を挙げますと、平成九年度に行いました朝日ソーラーに係ります事案などがその例となるわけでございます。 私の個人の経験でございますが、畑議員もそうでございますが、ニュースなどによるいわゆる何というんでしょうか、影響の多い分野で私自身、バブル時代にある悪質な業者の名前を全国放送で挙げて、実際それは悪質だったんですが、一方で各都道府県、各地域で同名の会社の名前が登録されているということで、ちゃんとやっている会社にまで非常な迷惑をかけたということで、私はそのとき、自分自身がニュースでべらべらしゃべっていることがどんなにマイナスの、また迷惑をこうむる、つくり出すかといったことを経験もいたしております。 そういった意味で、こういった名前の公表というのは本当に慎重に行わなければならないということを私自身も思っているところでございます。 また、国民生活センターでは、PIO―NETを通じまして各地の消費生活センターから収集いたしました苦情相談等の情報分析、そして評価をいたしました上で、先ほど御指摘ありましたインターネットや各種の啓発資料を通じて重要と考えられます相談事例を提供する、そして問題点については消費者に注意を呼びかけるといったようなことで、今後とも消費者の被害のまずは未然の防止に努めたいというふうに考えております。
○畑恵君 ありがとうございました。 自戒の念を込めて今、政務次官のお話を伺わせていただきました。確かに非常にそれがマスコミに出た場合はいずれにしても影響が非常に大きゅうございますので、事業者名の公表というのは非常に難しい問題があるとは理解いたします。 ただ、先ほども申し上げましたように、せめてその手口、そうした部分だけでも即座に出していただくということになりますと、かなり連鎖的に被害に遭うようなそういう悪質な商法というのは食いとめられるのかなというところがございますので、難しい問題は多々あることと思いますけれども、速やかな措置というのもできる範囲でぜひ行っていただきたいと思っております。 では、若干テーマを変えまして、今度は消費者の訴訟援助制度について伺いたいと思います。 不幸にして契約トラブルが発生してしまった場合にも、その紛争処理に当たりまして、通常、消費者というのは事業者に比べより弱い立場にあることが多うございます。当法案には罰則規定がございません。自治体による苦情処理制度というのも大体任意のもので強制力はないので、最終的に紛争を解決しようとすればやはり裁判によって最終的な判断を仰ぐこととなる。各自治体には、消費者を支援するために訴訟費用負担の軽減などの措置を盛り込んだ消費者訴訟援助制度というのが設けられていますが、これは調べますと、実際、ほとんど利用されていないのが実情でございます。 というのは、この制度について私も実は勉強するまで知らなかったんですけれども、一般消費者は皆さん余り知らない、さらには苦情処理機関の担当者さえも余り実は知らない。せっかくの制度でありますから、もっと広報に努めて、特に苦情処理機関の担当者には周知徹底すべきだと思うのですが、いかがでございましょうか。
○政務次官(小池百合子君) 今の御指摘でございますが、消費者の訴訟の援助でございますが、地方自治体が条例によりまして消費者訴訟援助制度というのを設けております。そして、五十九の都道府県、政令指定都市のうち、五十四の自治体で制度が設けられているところでございます。 その内容でございますけれども、これは以前から申し上げておりますように、消費生活センターもしかりでございますが、それぞれ自治体ごとによって異なっております。消費者が事業者を相手にして訴訟を起こす場合または事業者に訴訟を起こされた場合でございますけれども、ここには幾つかの要件が必要となってまいります。 まず第一に、同一または同種の被害が多数発生し、または発生するおそれがあること。第二に、訴訟に要します費用がその訴訟に係る被害額を超え、または超えるおそれがあること。そして三番目には、苦情処理委員会のあっせんまたは調停によって被害を救済できない。これらの三つの要件を満たす場合には、さらに三つの手段がございます。 一つには、訴訟に係る経費の貸し付けを行う。二つ目には、訴訟を維持するために必要な資料を提供する。三番目には、その他訴訟活動に必要な援助を行うこととなっているわけでございます。 最後の御質問でございますけれども、この消費者契約法、これの施行後の実効性の確保でございますけれども、消費生活センターなどによる苦情相談、あっせんに加えまして、裁判による円滑な解決の道が開かれていることが望ましいと考えておりまして、この消費者訴訟援助制度、各自治体による援助制度がより活用されることを期待しておるところでございます。
○畑恵君 ぜひ、今のお話にもありましたように、実効性の上がるように広報ということにも力を入れていただきたいと思います。 今の実際の業務内容といいましょうか、どういうことをしてくれるかという内容を三点お教えいただきましたけれども、やはり訴訟援助制度の内容の方も、単に経済的な支援、情報提供にとどまらずに、もし訴訟をこれから消費者が起こそうというときにも、その案件が訴訟になじむか否かというのを、これをそもそも判断すること自体が法律の専門家でないと極めて難しゅうございます。ですから、まず弁護士を紹介して、それから訴訟追行についてきめ細かく相談に応じて、必要と思われる資料はさらに追加して提供していく。被害に遭った消費者の身になったきめ細かい支援措置がなされるように、さらにその内容というのも今後質を高めていくべきだと思うんですけれども、何か今後御予定なさっていること、またさらにこういう部分を力を入れるといいなとお感じになっていることがございますでしょうか。
○政務次官(小池百合子君) 先ほどの私の答弁の中にその内容について申し上げて、ここで繰り返すことは控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、各自治体によってそれが異なってくるということで、訴訟に係る経費の貸し付けにとどまらず、訴訟を維持するために必要な資料の提供、そして訴訟活動に必要な援助、これを経企庁といたしましては、こういった制度を含めて全般的に各般の制度が的確に運用されるということ、そういった全般的な消費者に対する必要な支援が図られることを期待いたしているところでございます。
○畑恵君 恐れ入ります。同じことを繰り返していただいてしまいましたが、私も今回この件、またこの後に消費生活センターのお話なども要望も含めてさせていただこうと。 どちらにお答えいただくのが政府側としてはよろしいのか。私も全部経企庁では申しわけないといいましょうか、過重な負担になると思いますので、自治省に聞いたらいいのか厚生省に聞いたらいいのか、いろいろ伺ったんですけれども、それぞれ答えられませんということで、経企庁にお答えいただいておるんですけれども、本当に、自治体にそれぞれ任されていることというのは、余り政府の方から介入を強くするというのも難しいところは確かにあると思うんですけれども、御指導なりサポートなりというのをできる限りまたお願いしたいと思います。 一昨日、消費生活専門相談員の岡田参考人が話してくださったんですけれども、弁護士会の皆さんが各地で仲裁センターをつくってくださって、これはとても実効を上げていると。ただ、いかんせんやはり数が少ないので、司法書士の方々が法律相談ですとか訴訟代理人になってくれると消費者も訴訟という手段にもっと訴えやすくなるのではないか、このような発言をしていらっしゃったんですけれども、経企庁としてはこの御発言をどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
○政務次官(小池百合子君) せんだっての参考人質疑におきます岡田参考人の御意見でございますが、弁護士会仲裁センターが全国の住民によりまして活用できるように整備されることを期待なさる、現在弁護士が独占している法律相談、訴訟代理について他の隣接の職種にも開放すべく見直すことを求めるということで、私の方にもレポートが来ております。 そこで、弁護士会仲裁センターについてでございますけれども、いわゆるADR、裁判外におきます紛争処理制度の重要性からかんがみまして、その整備充実は当然望ましいものでございますし、その意味でこれらの一環として弁護士会仲裁センターの役割は大変大きいものというふうに認識をいたしております。 この手続でございますが、非公開となっております。ということで、事業者の仲裁手続への参加が確保できる。そして、弁護士や経験豊富な元裁判官の方々から選定される仲裁人によって判断が下されるということで、その判断に対します両当事者の信頼を得やすいことなどの利点があるものと思います。また、仲裁人が相当程度専門的な知識を有しておられること、それからこの仲裁センターにはそれぞれの地域的な管轄がないということからも、この消費者契約に関する紛争についてはまさにこのセンターの活用の余地は大きいものであると思っております。 経企庁といたしましては、この弁護士会仲裁センターに対しまして、岡田さんのように消費生活相談員の皆様方から高い期待があることに対応いたしまして、できる限り広範な地域の消費者にとってその利用が可能となりますように御努力いただくことを弁護士会に大きく期待しているところでございます。 一方、弁護士以外の専門家についてでございますけれども、原則は訴訟の代理権が認められていないわけでございます。また、法律相談につきましても、いわゆる弁護士法の第七十二条に抵触してしまいます。ということで、現行制度上問題とされることがあると承知しているわけでございます。 さきの三月三十一日に閣議決定された規制緩和推進三カ年計画の再改定文でございますが、そこにおいては、業務独占資格者の業務のうち司法書士も含む隣接職種の資格者にも取り扱わせることが適当なもの、すなわち訴訟への関与などについて資格制度の垣根を低くするため、他の職種の参入を認めることを検討するというふうになっております。 私どもといたしましては、この現在行われている司法制度改革の審議の中でも、こうした論点を含めて消費者である国民にとって利用しやすい司法という観点からの議論も十分行われることを期待しているところでございます。 長くなりました。失礼しました。
○畑恵君 ありがとうございます。先日、当委員会でも弁理士法の改正をさせていただきまして、ただ、そのときにもやはり訴訟代理というのは非常に難しい部分で、まだ積み残しているところがございます。ただ、やはりより多くの方々が、なかなか日本というのは裁判になじまない風土ですとか司法体制でございますので、一人でも多くの人が救われるような体制というのを、経企庁だけのお力では難しくても、ぜひ皆さんでつくり上げていくように、私どもも努力してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたしたいと思います。 では、変わりまして、今度は消費生活センターについて伺いたいと思います。 繰り返しもう何度も同僚議員の方からお話があったことでございますけれども、今法案が成立すれば、裁判に至るまでのあらゆる身近な紛争の相談、処理に当たる消費生活センターはその重要性をさらに増すことになるのは、これはもう明らかでございます。 にもかかわらず昨今は、各自治体とも財政逼迫の折から、消費者行政をリストラの対象にするところが目立ちます。朝日新聞社の調査、こちらを見ますと、一九九九年度は平均で前年度より一割以上予算が各自治体減っている。中でも神奈川県では半減に近い四八%減、愛知県でも三一%減という数値が出ております。 予算の減額が実際現場にどのような影響を及ぼしているかといいますと、例えば静岡県では、これまで県内に九カ所の行政センターで消費者相談を行っていたそうですが、今年度からは消費生活専門相談員の資格を持つ相談員のいるセンター、これを三つに集約しまして、残り六カ所では県職員、OBの県民相談員が消費者相談も兼ねて受けることになると聞いております。 また、先ほど、これから拡充をという経企庁長官からのお話がありましたPIO―NETですけれども、こちらに収集された苦情相談件数も、この十年間に三倍近くに増加しているということで、しかもその契約トラブルの内容というのがより高度化している。専門的知識や経験を持った相談員が各市町村に一定数確保できているということは消費者保護行政の必要最低条件ではないかと考えます。 また、このような視点から、各自治体の消費者行政における予算、人員の削減状況を経企庁としてはどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のとおり、消費者トラブルが非常に複雑化し、また多様化しておりまして、苦情相談の処理には専門家の対応が必要な場合が多くなっております。しかし、市町村という規模になりますと、千人未満の村もございますれば三百万人を超える政令指定都市もございまして、小規模な自治体まで何人の相談員を置かなければならないということはなかなか決めることが困難だと思っております。 こうした点を考えまして、企画庁といたしましては、苦情相談に対して適切に処理されるように、都道府県及び市町村の対応について委員会を設けて今検討しているところでございます。 また、消費者契約法が施行されますと消費生活センターの役割は一層高まるものと思われますが、市町村での消費生活センターの拡充や行政の効率化を背景にして、一部の都道府県では御指摘のように消費生活センターを縮小するという動きが、財政事情等がございまして、そういう動きがございます。 都道府県の消費生活センターのあり方は都道府県自身がお決めになることでございまして、国の方はどうということではございませんけれども、経済企画庁といたしましては、こうした消費生活センターの縮小の動きが適切な苦情処理に対応できないものになってはこれは大変困ったことだと考えておりまして、地方自治体にも適切な規模を維持していただくように要請していきたいと考えております。 また、国民生活センターでございますが、センターの相談員の研修、相談業務に関する情報提供等により、消費生活センターの苦情処理が適切に行われるように今後も努めていきたいと考えております。 私も、大阪にあります消費生活センターを見学に行ったこともございますし、また国民生活センターの相模原あるいは目黒にありますところも視察に行きました。なかなか多様なものがございますので難しいことでございますけれども、それだけにこれからこういう制度の充実をどのように考えたらいいか、目下、委員会のもとで非常に真剣に討論していただいております。 非常に地方財政との関係で難しい問題はございますけれども、何とかこういう法律をつくっていただきましたら、それを機会に全国で充実した苦情相談に応じられるような体制を整えたいと考えております。
○畑恵君 ありがとうございます。 今非常に真摯に検討に入っているということでございますけれども、恐らくそういう中でもお話が出ていると思うんですが、直接何人置けという指導ができなくても、現状の数値をアンケート調査して公表するということはできると思います。俗に言えば、各自治体の通信簿みたいなことになると思うんですけれども。 日本は横並び意識というのが若干強うございますので、そういう意味ではなるべく、あの県がやっているんならうちの県も頑張ろうとか、あの町がやっているんならうちの市も頑張ろうというような、そういういい競争というのが、なかなか行政というのはそのままにしておきますと競争原理というのが働きませんので、そうした情報公開をある意味で一つの競争原理として活用するようなこともお考えいただけたら大変ありがたいと思っております。 この消費生活センターにつきまして、先ほど岡田参考人の話をさせていただいたんですけれども、私、参考人質疑で岡田さんの方に幾つか質問させていただきました。その中で、問題点として次のような御指摘をいただきました。 一つは、相談員の定年制度というのがあると。短い時間でしたので正確でないのかもしれないんですが、自治体ごとには異なるけれども、通常五年間に設定されていて、これでは知識以上にやはり現場での経験が何よりも必要とされる相談業務がとても十分に行える体制ではない、せめて十年以上にしてもらえないかというような、率直な御意見といいましょうか御要望がございました。 また二点目は、PIO―NETの入力費用について、岡田参考人もPIO―NETに対しては今以上の開示ですとか活用によって消費者救済そして消費者政策に大きく貢献するシステムと高く評価されていたんですが、何分費用がかさむ。昨今の相談件数が非常に増加しておりますので、入力費用がどんどん高額となっていって、中には相談や啓発の予算を削って入力のために予算配分すると。本末転倒といいましょうか、非常に苦肉の策を強いられている自治体もあるということでございました。 この二点について、それぞれ自治体の問題ですので難しいというのは何度も伺っておるんですけれども、まず、どのように受けとめて、では何か改善の手というのは差し伸べられないものなんでございましょうか。
○政務次官(小池百合子君) まず、消費生活相談員のさまざまな待遇でございますけれども、今、畑委員もおっしゃいましたように、基本的にそういった環境というか雇用の問題は各地方自治体が自主的にお決めいただいているわけでございまして、ここで経企庁としてということでお答えはできないのでございますが、おっしゃるように、相談員というのは消費者からの苦情相談の対応をされるわけで、そのためには専門的な知識そして経験が大変必要であり、またそれが消費者にとっての利便性につながってくる。また、専門的な知識、経験を得るためには相当の期間を要するものというふうに認識をいたしております。 雇用期間そして契約更新の制限などによりまして、相談業務に精通した相談員が雇用されない場合、また適切な苦情相談の処理にそごを来すことのないように、このあたりはしっかりと地方自治体の方にも要請をしてまいりたいとは思っております。 それから、PIO―NETの件でございますが、これの費用でございます。 国としては、システム全体の運用に係りますホストコンピューターの経費等を負担させていただいているところでございます。そしてまた地方に対して、PIO―NETの整備・運用に関する経費、これには交付金を交付いたしております。また、端末機の借料、相談情報の電送料、そして情報入力のための経費も交付対象といたしているところでございます。
○畑恵君 PIO―NETにつきましてはそのような御配慮がなされているということでございますので、その中でもああいう御要望があったということは、なかなかそれだけ相談件数、苦情件数というのが多くて量そのものがふえているという結果なのかもしれませんけれども、ぜひ現状に見合ったサポートというのをお願いいたしたいと思います。 各相談員の処遇というのは各自治体に任されている、これは当然だと思うんですけれども、ではせめて資格を、岡田参考人の方からは四つの資格というお話がございましたけれども、それを取ればみんな一律に相談員としてみなされる、そうではなくて、ある程度経験を積まれたらまた何か試験制度のようなものがあってキャリアアップができる、そのキャリアが認められたら、やはりスタンダードを各自治体共通につくっていただいて、そのキャリアが評価されて報酬にもきちんとはね返るというような、そういう制度というのは整えることができるのではないのかなと思います。 本当に岡田参考人の方から、夜昼も問わず土日もなく、はっきり言って家族を犠牲にしてしまうんですよねと言いながらも一生懸命力を尽くしてくださっているお話を伺いますと、何とかやはり、岡田参考人だけではなくてそういう方々が多く支えていただいている消費者相談だと思いますので、ぜひ制度整備というのも重ねてお願いいたしたいと思います。 それでは、今度は高齢者対策について伺いたいと思います。 高齢化に伴って、判断能力が不十分な高齢者が契約トラブルの当事者となるケースというのが急増しております。PIO―NETに入力された六十歳以上の方御自身からの相談件数というのが、一九九五年度から九七年度の間に約三万件から五万件へと急増している。また、九七年度には契約当事者が六十歳以上である相談、この件数が五万五千件近くにまで達している。高齢者は在宅率が高いですし、訪問販売や電話勧誘など問題のある商法の被害をそういった意味で受けることが可能性としては高うございます。また、耳が遠いですとか、目が悪い、判断能力が鈍っている、物忘れがひどいなど加齢に伴う高齢者の心身の能力の低下、これにつけ入るという悪質商法も依然後を絶ちません。 医師から老人性痴呆症という診断書が出ると、それが裁判などのときに、また契約を解除するときに役立つということは、そういう措置はあると聞いているんですけれども、一般の消費者と同等には責任能力を問えない高齢者というのは、そこまで、診断書が出るほど深刻でなくても非常に数多く存在していると思います。こうした診断書が出るほど重病ではないけれども明らかに心身の能力低下があらわれているという高齢者に対して、特別な保護措置ですとか何らかの救済手段というのを考えられていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 高齢化に伴いますさまざまな社会問題が拡大しているというのは、日本にとってもこれからの将来ますます大きな問題になると思います。この高齢者がさまざまな契約を結ぶ機会が多くなるということに伴いまして、高齢者の被害を救済する制度の枠組み、これをどう構築していくかというのは重要な問題でございます。 例えば、本年四月から介護保険制度が実施されておりますが、これに基づく介護サービス、あるいは今国会で関連法案が議論されております社会福祉サービス、そういったことにつきましても、従来の行政措置から、いわゆる行政処分によってサービスを決定いたします措置制度でございましたけれども、利用者が事業者と対等な関係で契約を結ぶというようなサービスを選択できる制度に、いわゆる利用制度に転換してまいりました。そうなりますと、高齢者が契約当事者になるというようなことがますますふえてまいりまして、一定の説明義務あるいは苦情処理の仕組みなども導入されることになっております。 この四月、本年四月より民法の一部が改正されまして、関連四法律が施行されました。その中で、痴呆性高齢者の判断能力が不十分な者の保護を図るために、従来ございました禁治産、準禁治産の制度の後見に加えまして、保佐と補助というような制度ができました。 この保佐というのは、保つという字を書くわけで、補助の方は補助金の補助でございますが、まず後見の場合は、精神上の障害により判断能力を欠く常況、そういう人が対象になります。保佐の方は、精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者、それで補助をつけるのは、精神上の障害、これは痴呆症とか知的障害、自閉症などにより判断能力が、判断能力というのは法律的に言いますと事理弁識能力ということになりますが、これが不十分な者のうちで後見、保佐に至らない軽度な者を定める制度ができました。 本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、これは自分はだんだんぼけそうだということになりますと、自己判断能力が不十分な状況における後見人を事前に、まだ自分がぼける前でも契約をお願いするということができる新たな制度、すなわち任意後見制度というのを創設するなどの内容で、新しい成年後見制度が実施されることになっております。 この新しい成年後見制度によりまして、高齢者は痴呆になる前に財産管理を担当する後見人を選択できるとともに、痴呆高齢者本人のみならず、後見人、保佐人、補助人にも取り消し権が付与されるということになりました。従来に比べて柔軟かつ弾力的な取り消しの範囲ができることになりました。 さらに、今般御審議いただいております消費者契約法案は、まさにこうした社会的要請に沿ったものでございまして、制度的枠組みの構築に伴う取り組みの一つであると考えております。 この消費者契約法によりまして、消費者である高齢者が事業者の不当な勧誘によって締結した契約から離脱することを、要するに取り消しですね、容易にすることができるとともに、消費者の立証負担を軽くすること、さらには信義則違反、公序良俗違反といった抽象的な要件で判断されていた無効とすべき条項をより具体的に規定し、不当な条項の効果を否定することをより容易なものにしております。 高齢化社会の急速な進展が見込まれている中、この法律の制定は、高齢者を含む消費者と事業者とのトラブルの公正かつ円滑な解決に資するものと期待しているところでございます。ぜひとも本法案を速やかに成立させていただきまして、高齢者救済にも役立てていきたいと考えております。
○畑恵君 確かに高齢者も消費者の一員としてより救われるようになる場面というのは数多くあると思います。 ただ、冒頭の話に戻りますけれども、消費者にも一定の自己責任、自立した消費者たれということを求めている法案でございますので、高齢者にもそれを求めていくということでございます。それに、例えばの話なんですけれども、私自身も両親がだんだん高齢化していく、先ほど成年後見制度の話を出されましたけれども、まだまだそういうことを何かしなきゃなというような本人も状況では全くございませんし、私自身もそういうふうに判断しているんですが。でも、よくお年寄りをねらうSF商法など、いきなり来て何かわっと話される。そうしますと、本当に自分が小さいころ育てられた両親の状況と今はやはり明らかに違っていて、とっさの判断といいましょうか、これがなかなかできない。目も悪いですし耳も悪くなっているというような、その程度の高齢者に対しての措置というのがこれからかなり必要なのではないのかなというふうに私は実感を込めて認識しております。 確かに、具体的にじゃ何をすればいいのかというのは難しい話で、先日の参考人質疑の際、岡田参考人にも伺ったんですけれども、岡田さんの方からは、消費生活センターの存在を高齢者の方々、特にひとり暮らしのお年寄りの方々に知らせるだけでも効果があるので、お年寄りのいるお宅にパンフレットなどを配って広報に努めていますというお話を伺ったんです。高齢者の方々向けの今度は消費者教育といいましょうか、例えばひとり暮らしの方だけではなく六十五歳以上ぐらいの方々のところには、最寄りの消費生活センターと国民生活センターの連絡先が入ったステッカーか何かを電話の近くに張っておいていただくような、そういうことでもできれば大分違うんじゃないのかなと、素人考えでございますけれども、何かそういう具体的な措置というのはとれないかなと思いました。 あと、やはり御高齢の方々というのは非常に誇り高いといいましょうか、きちんとした古きよき日本人を保っていらっしゃる方が多うございますので、自分の心身能力が低下してきたということを非常に恥じて、自分自身でこういうことが困りますとか、こういうのはわかりませんとなかなか言ってくださらない。むしろ、近くにいて、先ほど長官からも介護保険のお話がございましたけれども、近くで介護をしている方ですとか、御家族ですとか、あと高齢者の方々が集うところでお世話をなさっている方、そういう方々から警視庁の方々などが随時ヒアリングをしていただいて、どういう具体的な問題点があるのかというのをリサーチしていただく、分析していただくというのは必要な措置ではないかと思うんですけれども、そのようなことはなさっていらっしゃいますでしょうか。
○政務次官(小池百合子君) 冒頭には若年層の教育について御質問がございました。今度は高齢者でございますけれども、消費者教育啓発事業については、当然高齢者を対象にも含めておりまして、消費者教育用の副読本の作成と配布、これもできるだけ年齢別に、分けると経費がかかるのでどういう形のが一番いいのかわかりませんけれども、やはりそれぞれの世代に合ったような形でのつくり方などの工夫も必要なんだろうなと思います。 それから、消費者教育のための研究会、研修会の実施もいたしており、さらにはシンポジウムの開催なども行っております。例えば、高齢者の方々に対してはパンフレットの字をちょっと大き目にするとか、できるだけわかりやすいものにするというような工夫なども凝らしていきたいと思っております。 それから、高齢者を対象にといいましょうか、高齢者がひっかかりやすいといったらあれですけれども、高齢者からの苦情相談、これのヒアリングをしたらどうかという御質問でございますが、実は、ヒアリングシステムとすればPIO―NETというのは大変な威力がございます。ということで、全国の消費生活センターからPIO―NETを通じまして四十万件の苦情相談があるうち一六%が六十歳以上ということでございまして、その意味でも年齢別のいろいろな分析等もこれによって行えるわけでございまして、このPIO―NETはさらに大きな役割を果たすものと認識いたしております。 それから、高齢者のみならず消費者という大きなくくりの中で申しますと、それぞれ各省庁で消費者行政を担当しておられる部署がございます。それらをいろんな意味で、縦割りをなくすという意味も含めまして各関係の行政機関と協力してまいりますし、また内閣総理大臣を会長として関係閣僚から成ります消費者保護会議というのがございます。そして、その下部組織が今申し上げました消費者行政担当課長会議ということでございまして、この消費者契約法施行の折にはといいましょうか、もう既にその準備を始めて、できるだけ広く活用され、また消費者の苦情の救済に資するようにやっていきたいというふうに思っております。
○畑恵君 ぜひさまざまな面からサポートをお願いしたいと思うんですけれども、たまたまこの高齢者対策について若い経企庁の方とお話をしていましたら、いろいろな勉強会を私的になさっていて、どうしたら高齢者の方々にアピールする、理解できるような広報手段があるだろうかと。紙芝居をやったらいいかどうかとか、いろいろお考えを皆さんが出し合っているということを伺いまして、そういう御努力というのはすばらしいことだと思いますし、有識者の方々が総理のもとでお話しなさるのもすばらしいとは思うんですけれども、やはり現場の声にならない声というのをきめ細かく拾っていく作業、そういう方々と政府の官僚の方々、それで長官までそういう話がネットになって、すぐにまた政策に反映するというような体制をつくっていただければ理想的ではないのかなと考えております。 ただ、それぞれいろいろ自治体とのかかわり合いもあって難しいことだとは思いますけれども、本当に情報化の中での高齢化という大変難しい時代を迎えて、消費者相談の中のこの高齢者対策というのはぜひ今後とも一層力を入れていただきたいと思います。 若干時間が早いですけれども、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会の木俣でございます。よろしくお願いを申し上げます。 一昨日、四参考人の方々にお出ましいただきまして、いろいろ大変貴重なお話を承ったわけでございます。 まず、政府の方にいろいろ質問する前に、堺屋長官、いまだに、いまだにと言うとちょっと失礼なあれなんですが、現在でもこの法案が最高のものだというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) この法案をつくりますまでには、いろんな方々と相談、議論をいたしました。国民生活審議会はもちろんのこと、各方面ともいろいろ協議をいたしました。 それで、何といいましても、労働契約以外のすべての契約を覆っているものでございますので、どちらに極端になってもいけないというようなことを重々考えまして、もうこれが最良のものだろうと、今も間違いなくそう考えております。
○木俣佳丈君 ただ、この間の参考人の方々に、そう思いまして四者の方々に点数を聞きました。岡田参考人は点数が高くて七十点です。ただ、ある雑誌には消費者団体の方々が口をそろえて五十八点と。経団連の角田参考人は良と可の間、松本参考人は可、藤森参考人は可という答えでございまして、もちろん落第するということではないんですけれども、すれすれの線という評価なんですね。 これについて再度長官に伺いたいんですが、それでも最良のものだというふうにおっしゃいますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 昔、宋の神宗が王安石という人を起用して大改革を試みたときに、だれかが一〇〇%満足なものは、他のだれかにとって非常に不満なものだと。だから結局、新しい改正をする、新しい法律をつくるときには、少しずつみんなが不満を分け合ってつくる以外にないんだと。改革は創業よりかたしという有名なことわざを残したのでございますけれども、まさにこういう法律をつくるときも同様でございまして、恐らく参考人の中で可をおつけになった方も、みんな同じ方向で点が減っているんじゃなしに、こちらへ行き過ぎている人とこちらへ行き過ぎている人と両方が辛うじて合格点を出していただいたというのが本音だろうと思うんです。 そういうことを考えますと、私どもも随分長らく努力をいたしまして、ようやく岡田参考人のような消費者相談を受けておられる方にも七十五点をいただき、経団連の方にも可をいただけるというようなところで、それをさらにこれから利用しながら内容を深め、さらにそれをサポートするような制度を強めていくことによって、すれすれで入学したのを優等生にしていきたい、そう考えております。(拍手)
○木俣佳丈君 いや、拍手をされるようなものではないと思うんです。法案は進化しないんです。育てるというよりも、もちろんサポートするシステムをどうつくるかというのはあっても、法案は育つことがないと思うんです。 宋の王安石の改革のお話がありまして、私も今一生懸命思い出しても宋の時代の非常に中核的な改革者だということだと思うんですけれども、長官がおっしゃるように、改革は少数者から始まるというのは今言わんとされようとしたことだと思うんですね。しかしながら、同時に、もうちょっと古く中国の歴史を見ますと、司馬遷が史記の中で言っておりますように、やはり大衆の欲するものを政治とせよということを言っていらっしゃるんですね。それが第一の政治のあるべき姿だというふうに言っておるんですが、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 大衆の欲するところというのは、事業者も消費者もやはり大衆の中に存在するのでございまして、消費者契約法という民法の一般法ということになりますと、それぞれのまた個別法、特別法になりますと別の考え方も出てまいるでしょうけれども、こういう一般的な契約を対象としているときにはそういう十分なサポート制度をつけていきながらこの条文を施行する、それが最高の範囲だろうと今考えている次第です。
○木俣佳丈君 最高でということであれば、審議会の中間報告を見ましても、威迫、困惑の事項についても、消費者契約法の中で威迫、困惑についての規定を設けるべきである、こういうふうに結論づけてあるんです。そういったものが幾つかございます。 もちろん大事なことは、今何度も繰り返し言われておりますように、一つの妥協と言うと消極的な意味かもしれませんけれども、正反合で持っていくというのか二で割るというのか、とにかくそれをフィージブルに、実現可能にしなければいけないという意味で、長官はそういう意味で最良だということなんですが、しかし、やはり報告書をもとにしてこれが達成できるようにしたというお言葉を何度も繰り返していらっしゃるんですが、これはどういうふうにもう一度お考えになりますか。やはり中間報告をもとにされておりますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 国民生活審議会から平成十年に中間報告が出ております。そして、十一年の十二月に最終報告が出されております。中間報告の段階では、いわば議論すべき問題点を列記したということでございまして、まだ結論には達していなかった。それをさらに二年近くもかけまして、平成十一年の十二月、去年の十二月に報告をいただくまでに、この審議会はもちろんのこと、各方面の意見も聴取いたしまして、そしてこれをつくり上げた。 最終報告に基づいて法案化しておるわけでございますが、その過程では、消費者団体の方々も事業者の方々も、あるいは学者、弁護士、いろんな方々の御意見を伺いまして、そして予見可能性の高い一般ルールをつくろう、こういう観点から現在の法案をまとめたものでございます。 そういう観点で申しますれば、現在我々が考え得る最良の法案だと思っております。
○木俣佳丈君 各国の比較みたいなものもちょっと今手元にございますが、例えば民主党案ではいわゆる不意打ち条項、これが入っておりまして、今回の政府のものには入っていないわけです。 やはり何度もこの委員会の席で、衆議院、参議院言われておりますように、契約書を十分に読んでいる人というのは非常に少ない。もちろん統計上で二十何%と新聞社の数字で出ましたけれども、特に説明書のところは読んでおるのかもしれません。それと多分混乱していると思うんです。私は、契約の部分なんというのは到底読んでいると思えないんです。多分アメリカなんかだと特に契約の部分が非常に長くなっていまして、つまり消費者の人がわからぬような物すごい細かい字で御案内のとおり書くようになっておるんです。 ですから、そういう意味でこの不意打ち条項、特にドイツには規定がございます。これを削除した理由、これを長官と、そしてまた我が党の千葉議員の方に伺いたいと思うんです。
○国務大臣(堺屋太一君) まず、ドイツあるいは諸外国の法案に比べまして、今提出させていただいております日本の消費者契約法は契約段階と不当条項と両方を盛り込んでいる、その点が非常にすぐれた体系だと考えております。 お尋ねの不意打ち条項についてでございますが、従来より、要件が不明確であること、それから契約締結過程に関する規定や不当条項に関する規定などの他の規定が十分に整備されれば、別途不意打ち条項に関する規定を設ける意義が乏しいという指摘があったところでございます。不意打ち条項の法定につきましては、明確な要件とはなりにくく、消費者契約法のような予見可能性の高いルールを規定するのにはなじみにくいと考えております。 つまり、不意打ち条項の適用が想定される場面でも、本法におきましては誤認類型、これは第四条一項、二項でございます。それから一般条項、これは信義則の十条でございますが、そういったもので相当程度カバーされるということで大丈夫だろうと考えております。 契約締結に際して法律行為の要素に消費者の錯誤があった場合には、民法の九十五条の錯誤の規定によって意思表示は無効になるということになっております。 要するに、不意打ち条項というのは一体どこまでが、例えば旅行契約を結んで何かがついていた、それがどこまでがというのが非常に予見可能性が少ない、それをこういった今申し上げたような誤認類型等でカバーできる、極端な場合はカバーできる。そういう意味で、この不意打ち条項を入れますと混乱を起こす場合が多いのではないか、こういう認識で特に規定してなかったということであります。
○委員以外の議員(千葉景子君) 今、政府案につきまして長官の方からお話がございましたが、やはり一般規定で多分大丈夫だろう、こういうお話でございました。 この消費者契約法は、私ども民主党案は、基本的に事業者と消費者が知識力とか情報力とかあるいは交渉力において格差がある、こういうところに着目をし、そして今御指摘がございましたように、現実にもやはり消費者にとって十分に契約条項など理解しにくい、こういう実態もあるわけでございます。 そういうことを考えますと、本来、情報提供義務が本当に十分に尽くされていれば問題はないのかもしれませんけれども、やはりこういう規定を設けて明確にしておくことによりまして消費者の保護を図るということをすべきではないかというふうに考えております。 そういう意味では、やはり政府案では消費者にとってはみずからの情報力の不足などを補うには少し不足しているのではないか、やはりこの不意打ち条項をはっきり明記して消費者の保護を図っていくべきではないかというふうに考えております。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 つまり、情報提供の義務がちゃんと行われていればいざ知らず、これも結局削除されて入っていないという、努力で終わってしまっているというのに重ねまして、やはり将来にわたっての事項についての予測ということじゃなくて、消費者がパンフレットを見ただけでは思いつかないような、そういったものというのか勧誘というのか、ということについてこの不意打ち条項というのがよくきいてくるんだというふうに我々民主党は考えて入れているということだと思うんです。 それで、具体的なお話をちょっとさせていただきますが、先ほどこの不意打ちみたいなもので高齢者というのが長官のお言葉からございました、私も本当にそうだと思うんです。 高齢化率が非常に高くなって、一七%ですか、もう大変なことになってしまう。しかも、先ほどお話があった介護保険の話で思いつくものが幾つかございますが、その中の一つで有料老人ホームというのがございます。これの問題が非常に大きな問題として、私もさきの経済・産業委員会の中でも述べさせていただいたんですけれども、始まったのが昭和三十年代ではありますけれども、しかし急速に進化したのが五十年代後半でございます。そのころの契約書なんかを見ますと、介護保険なんというのはもちろんございませんでしたので、結局、介護をどうするかということで、要するに入居する入居一時金というのがどんと四千万とか五千万ありまして、その別に介護一時金というのを取っているんですね。平均しますと大体五百万ぐらいだそうでございますが、現在で言えばこれが大体一万人ぐらいにかかっているお金なんですね。 ところが、最近ようやく介護保険が始まるということでこれを調整しなきゃいけないという問題になったわけですが、返さない業者が大変あるということなんです。これは今の不意打ちの話とはちょっと違うと思うんですね。つまり、法律がなかった、介護保険というものが導入されるなんという予想がなかったわけですから不意打ちとはちょっと違いますけれども、しかしながらやはりこの問題というのは非常に大きな問題だと思います。 では、そうすると、この消費者契約法の中で、介護を受ける側の御老人、有料老人ホーム、そしてまた介護サービス者、有料老人ホームの中で介護サービスを受ける場合に、だれが事業者でだれが消費者になるんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今の例でいきますと、やはり老人ホームといいますか、そういう施設を経営しておられる方が事業者になりますね、それでそこへ入っておられる方が消費者になろう、こういうことになると思いますけれども、この不意打ち条項というのはドイツの法律を調べましても異常性ということを言っているんですね。だから、普通に考えて、物に対して異常だという、これが予見可能性の難しいところでございまして、入れなかったところなんです。 今の委員の挙げられた、何年も前にとても介護保険が予想されなかったときに結ばれた契約が今こうなって解除したいということになりますと、これはなかなか難しい問題でございますが、社会的な事情変更というものが通用するかどうか、これはこの消費者契約法では予測できない将来のことでございますから、どうにも救いようが難しいので、一般的に社会事情の変更ということを理由に解除手続をとれるかどうかという問題でございます。 それはちょっと予測不能なことが起こったときに、それが天変地異でございますれば別でございますけれども、そういう介護保険が十年先にできたと、その介護保険ができる十年前に契約を結んでいたのをこれでどうするかというのは、ちょっと今予測して法案に書き込むということは難しいんじゃないかと思いますね。
○木俣佳丈君 おっしゃるとおりだと思いますが、しかし、これから先、契約の改定またはそういった費用の調整問題というのが出てくるということですね。平均すると五百万ですから、一万人掛けますと実は五百億になるんですね。大変な額でございまして、これを返さないとなると本当に詐欺なんですね。 厚生省には随分先日来、これはまさに談合行為である、公正取引委員会が業界団体ぐるみのカルテル行為ということで調査をせよと言っておるんですが、まさに公取というのはほえぬ番犬ですね。結局、どこを見て仕事をしているのか、本当によくわからないんです。 今回、消費者契約法の中で団体訴権というのがもちろん除外されておりますけれども、そうすると先ほどのように高齢者がもう一回契約を結び直すということになるんですが、しかしながら、やはり介護を必要とするような方や、それを間近にしたような方が十分に理解しながら契約をもう一回結び直すというのは非常に難しいと思うんですが、こういった場合、私は、もっと団体というのか業界としてというか、つまり被介護者たる有料老人ホームの入居者がまとめて契約を有料老人ホーム側とやり直すということがないと難しいと思うんですけれども、どのように考えますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今御指摘のありました点は、高齢化社会に伴って消費者である高齢者が弱ってくるという、いろいろな能力が衰えてくる、それを補うために先ほど御質問のありました後見の後に保佐とか補助とかいうような制度をつけました。だから、大変高齢になって体力、知力の衰えを感じるようになりますと事前に任意成年後見制度を採用される、そうするとその後見人になった方が今おっしゃったような問題も訴える、解除するとか、そういうこともできるようになってくると考えております。 また、団体訴権につきましては、これはドイツあたりで認めている例もございますが、団体そのものをどういうぐあいに認定するかという司法制度そのものの問題がございます。したがって、今司法制度改革というのが叫ばれておりますが、そういった大きな流れの中で本法の実施状況も見ながら考えていく必要があるだろうと思っております。
○木俣佳丈君 民法を改正されて後見人を選定してということなんですけれども、そんな簡単に後見人は見つかるんでしょうか。つまり、少子化の中で二人の親が一人の子供を産む時代でございます。ですから、どんどん先へ行けば行くほど人口ピラミッドが先細りする中で、要するに本当に善良な後見人を選べるかどうか、これは法律議論ではないので感想なんでございますけれども、これはそう簡単な問題ではないだろうというふうに思うんです。後見人が選べないならば、ではどこへ御老人が訴えてどのように対応してもらえるのかなというふうに思うんです。 というのは、私がこの問題を取り上げてから連日電話やファクス、そしてまた手紙、こういったものが全国から寄せられてまいります。もちろん消費者団体の方々のところへも御相談に行っているというお話も私は伺っておりまして、わかっておるわけでございます。 では、再度長官に伺いたいんですが、この消費者契約法ができて、高齢者の方が困っちゃうな、何とか助けてほしいと言った場合に、どこへ行ってどのように対応してもらえるのか、ちょっと具体的に言っていただけますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今の後見人が選べるかどうか、私も子供がおりませんので、そう言われると身につまされる思いがいたしますけれども、やはり身内だけではなしに弁護士さんであるとかあるいはボランティアの方であるとか、そういった社会的な支えが必要になってくるだろうと思います。 具体的に消費者契約に絡むことで問題が起こったらどこへ行けばいいのかということでございますが、やはりそれは一つは消費生活センターを中心といたします国、自治体のつくっている機関、もう一つは弁護士会やボランティアの方々で構成されている団体。私は、個人的な見解として言いますと、こういった消費者契約を援助するような、法律家を中心としたボランティア団体あるいは消費者団体というものが消費生活センターのような公的機関とタイアップする形で拡大していってほしいと考えております。 特に、高齢者の方々に対して説明するのは大変難しいことでございまして、わかりやすく簡単にすると不正確になるという問題がございます。そういう面でいろんな方法をとりたい。例えば、やはりビジュアルなビデオにして一つ一つゲームで解説するというような方法がとれればいいと思っております。 ぜひ消費者団体の方々にも事業者の方々にもそういう協力をお願いして、そんなものがつくれないかなと考えている次第でございます。
○木俣佳丈君 今のお答えを聞きながら、千葉議員はどのようにお感じでしょうか。
○委員以外の議員(千葉景子君) どのように感ずるかということでございますけれども、先ほど差しとめ訴訟などのお話がございました。 消費者と事業者とのさまざまな格差を考えますと、やはり消費者が一人一人で被害について救済を求めていくというのは大変困難なことではないかというふうに考えております。確かに相談に行くというようなこともできるわけでございますけれども、やはり消費者を救済する、特に今御高齢の皆さんのお話がございましたけれども、こういうことを考えるときには、相談に行けば、そこで被害に遭う皆さんを防止する意味でも団体としての訴訟が行える、そして不当なことについて差しとめを求められるということになりますれば、一人一人が立ち向かっていかなくても被害を未然に食いとめるということができるのではないかというふうに思います。 そういう意味では、差しとめ訴訟、団体訴権などの点については私たちも十分に必要性を感じているところではございますけれども、今ちょうど司法制度の改革なども進められているときでもあり、やはりそれらの議論と相まって今後検討されていくべきものというふうに考えております。そういう意味では、この法律もやはりこれからの動きに伴って適切に見直しなども図られていくことが必要なのではないかというふうに思っています。 また、当面、差しとめ訴訟などをこの法律に基づいて行うことができないということで、民主党案では、それならば未然の防止などを図るために、次善の策というふうに申し上げてもよろしいかと思いますが、内閣総理大臣の不当条項の削除等の勧告、こういう規定を設けさせていただきました。こういうことを通じて総理大臣が、やはりこれは被害がかなり広範に及びそうだというようなことが判明をすれば、これを未然に防止する、そういう勧告などをすることができるようにこの法案に盛り込ませていただいているところでございます。 やはり多くの被害者が出てから大変だということになりませんように、この民主党案をぜひ皆さんにも御理解いただきたいというふうに思っているところです。
○木俣佳丈君 本当にすばらしい御答弁をありがとうございました。本当に、今の政府のこのままではなかなかそういった被害者がどれだけ救済できるのかなというのがちょっと明確に私はならないような気がいたしますね。 この介護の問題につきましてはまた再来週、独禁法の改正を含めてその場でやらせていただきたいと思っております。 〔委員長退席、理事馳浩君着席〕 最近、インターネット取引ということで松本参考人からもありました、現在既に全世界の一%ぐらいの取引がインターネット取引にならんとしているという話だったかと思いますけれども。 私も毎日メールが来、そしてまた私の現在着ているこのシャツそしてまたネクタイ、これは実はアメリカから輸入しております。これは個人輸入でございまして、つまり柄がでかくて日本にないということでございまして、これはインチではかって要するに取引を、取引というか個人でクレジットカード番号を書いてやるわけでございますね。非常に助かるなということなんです。 あるとき、この取引をやっている中で、私の妻が、これはどういうお金ですかとクレジットカード会社から来る請求を見ながら二つ指しまして、これはどういうところの何を買っているのと、こう聞いてきたんですね。私は、ちょっとそれを見ながら、何か変なあれだったら嫌だなと思いながら、いやそれはと言っても、これは全然何か暗号のような感じで、相手側の事業主ですね、まさにこの法案で言う、それが身元が全く判明しないような、そういうものでございまして、毎月千八百円と千三百円ぐらいですか、私記憶しておりますけれども、ドル建てで換算され円で払われている、こんなような取引でございまして、そのときに、これはとにかく毎月毎月来るものですから取り消しを促したい、したいということで問い合わせをいろいろしてみました。 この場合、長官に伺いたいのは、だれが事業者でだれが消費者、消費者は私ですね、になるのか、ちょっと伺えますか。
○国務大臣(堺屋太一君) ただいまのお話だけでは請求相手がわかりませんけれども、請求している人は事業者に違いないんですね、毎月来ているわけですから。消費者間の取引でございますと反復しませんから、毎月来ているというのは請求しておられる方だと思うんですが、それが暗号でわからないということになりますと、その暗号人と言う以外に答えようがございません。
○木俣佳丈君 いろいろ苦労しまして、要するに向こうへ、もちろんメールが来ますので何となくこれだなというのはわかるわけですね。ところが、そこへ問い合わせても、とにかくアイ・スー・ツー・ユー、要はこれは訴訟を起こすぞと、もしこれを削除しなければ、こういうのを送っても送ってもだめなんですよ。 それで、私も、どうしようか、まずプロバイダーに電話をしてみました。ところが、プロバイダーは一切関知できないということでございまして、結局何のことかといえば、クレジットカード会社に電話して、それで追跡調査し、その身元に言ってもらって、それで契約を破棄してもらったと。翌月からはその請求がまさに来なくなったわけなんですね。 ですから、今、先ほども申しましたようにインターネットを通しての取引というものが非常にふえているというふうになっている中で、これは海外に出ていってしまうと非常に難しくなるものが多くなると思うんですね。 そういった意味で、電子商取引、新しい法案がまた審議されようとしておると伺っておりますけれども、この消費者契約法というのが有効に働くかどうか、長官。そしてまた、その答えも踏まえながら千葉議員に伺いたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) インターネットの取引に対する苦情は、絶対数はそれほどでもありませんが伸びは非常なものでございまして、平成七年には五件だったものが十一年には七百十件、PIO―NETに出ております。したがって、これからますますそういう問題がふえてくると思いますし、特に国際化に伴いまして、国境を越えたときに大変便利で迅速に選べるという便利さはあるんですが、その一方では、代金は払ったけれども商品が届かないとか、あるいは契約をしたつもりがないのにいつの間にか結ばれているとかいうような問題が起こってくるだろうと思います。 しかしながら、インターネットであるから消費者契約法が特に違うわけではございませんで、インターネット取引におきましても事業者が消費者と結んだ契約の締結について全く同じように適用されます。 〔理事馳浩君退席、委員長着席〕 この際、消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げるなど、この法律の四条一項、二項に規定するような行為がございますれば、これは契約を取り消すことができます。 また、インターネット上の取引については、不特定多数にホームページとか何かでこういうものを何ぼで売ると出しているときには、これだけでは勧誘行為に該当いたしません。 不特定多数に対するホームページだけではなしに、これがメールで送られてくるということになりまして、その回答の中で重要事項について事実と異なることを告げた場合には、これは契約の取り消しになるということでございます。要するに、インターネットというものを通じても、あるいは書面、郵便であろうと対面であろうと、そこは全く変わらないわけです。 問題は、消費者契約法の限りではなくして、インターネット自体が持っております秘匿性といいますか追及の難しさという問題は、別にEメール、Eコマースの問題として研究する必要があろうかと思います。
○委員以外の議員(千葉景子君) 今、長官の方から御答弁がございましたけれども、基本的にはやはり同様であろうというふうに思います。電子商取引、インターネット取引だからといって特別に消費者契約法が適用されたりされなかったりということではないというふうに思うんです。 先ほどありましたように、相手方がよくわからないというようなことは、例えば通信販売とかあるいは電話勧誘による販売とか、こういうことでも生じていることでありますので、電子商取引についてもある意味では同様の性格のものだろうというふうに考えております。だからといって消費者契約法が意味がないんだということではないわけでございますが、電子商取引には別途その性格に着目したさまざまな環境整備というものが逆に必要になってくるんだろうというふうに思っています。 ただ、民主党案と政府案の違いを指摘させていただきますと、契約締結過程あるいは契約内容などにおきまして民主党案の方が若干救済の幅を広げております。そういう意味では、電子商取引などにおきましても、例えば困惑などの場合、民主党案の方が多少幅広く救済をする余地があるのではないかというふうに思いますけれども、基本的な構造としては政府案あるいは民主党案も同じものであろうというふうに考えております。
○木俣佳丈君 今、民主党案の御説明がありましたように、堺屋長官が言われますように、労働契約以外のものをすべて網羅する法案としては、やはり契約をそれだけ網羅するのならば、幅広い範囲をカバーしなければそれはちょっとおかしいのではないかなというような私は気持ちさえするわけでございます。 あと、ネット販売につきまして、これは相手が見えないだけに訪問販売とかいうものとは大分質を異にしているというのが、一つ情報がありまして、これは通産省が調べた調査です。返品が可能かどうかなど訪問販売法に規定された表示義務を守っていない業者が全体の二九・五%に上っている。ただ、前回調査、これは一年前、九九年五月時点で六八・一もあったんです。要は、それからすれば三割ぐらいは改善しているんですが、依然二九・五%も表示のところで守っていない業者がある。これが実はインターネット販売の今の大問題なんです。 ですから、そういう意味で、もちろん適用はされるとは思うんですが、これは非常に気をつけないと、同じような考え方では当然ながら網羅できない、やり切れないというところがあるのではないかなと思うんです。 ちなみに、私がこのシャツ、ネクタイを買っていると言った、業者名は挙げませんけれども、これは本当にすばらしい業者なんです。例えば私は腕が長いものですから、短いとすぐに返品に応じてくれる。しかも、その返品の船代も削ってくれるんです。 ですから、やはり善良な業者というのがどこまで伸びていくかということが非常に大事だと思いますので、そういう意味で余り守備範囲を狭くとってしまうとこれはよくないであろう、そんなことを思った次第でございます。 次に、ネット販売という話、もう時間がございませんので、PL法が施行されてからもう間もなく四年、五年、平成七年七月一日から施行されております。これに基づく訴訟の数というのが非常に少ないわけでございまして、参考人の方々にも伺いました。今まで、平成十一年九月三十日時点で十七件しかない、しかも消費者が勝訴しているのがたったの一件である、こういう現状がございます。 これは何も法律が有効に機能しているかどうかというのがそれだけで判断できるとはもちろん言えませんけれども、しかしこのPL法ができる前の議論とこの後の訴訟の件数等々を見た場合に、私はこのPL法というのが日本になじんでいないのではないかというような気がするんです。つまり、本来であればプロダクトライアビリティー、製造物責任というものがもっと指摘されるようなものはいっぱいあると思うんです。ところが、もう面倒くさくて訴訟にならないというような事態が私は起きていると思うんです。 ですから、今回の消費者契約法についても本当に有効に働くかどうかというのは、これまた四年、五年たって考えなければいけないと思うんですけれども、このあたりどのように比較しながら考えておられるか、民主党の千葉議員から御答弁をお願い申し上げます。
○委員以外の議員(千葉景子君) ありがとうございます。 私もPL法の制定のときにも大変関心を持たせていただきまして、よりよいものをということを求めてきた一人でございます。PL法ができたときには大変私もうれしく思った一人です。 ただ、PL法自体も、いろいろな議論の末にどうもいろいろな意見の中ほどをとって制定されたという嫌いがございました。そういう意味では、基本的によって立つ視点がやはりいささかはっきりしていなかったということが言えるのではないかというふうに思うんです。 今回のこの消費者契約法につきましても、この間の議論を見ておりますと、事業者の皆さんの御意見、そして消費者側の意見、そういうものを両方取り入れて何とか中庸の中どころでおさめようというところに政府案などはどうも苦心をなさっているというようにも見受けられるわけですけれども、やはりこの法律の本来目的とすべきところが、消費者を保護する、そして透明なルールをつくっていくということであるとすれば、先ほど申し上げましたような団体訴権、これがどうしても今現在難しければ、それにかわるべき何らかできるだけ早急に救済をすることのできるような措置、こういうことも含めて、それから幅広く救済できるような条項をきちっと盛り込んでおくということをしておきませんと、どうもまたPL法のようにどっちつかずということになりかねないのではないかという若干私は懸念をさせていただいております。 そういう意味では、民主党案、大変自負しているところは、やはり消費者の立場に立って、使い勝手がよい、そしていざというときにこの法案を使って、消費者団体の皆さんもあるいは消費生活センターなどで解決に当たる皆さんもこれを背景にして問題の解決に当たりやすい、こういう法案として取りまとめさせていただいたところでございます。 そういう意味では、PL法のときの轍をまた踏まないという意味でも視点を明確にし、そして消費者にとっても有効に活用できるような法案としてぜひ今回は成立をいただきたいものだというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(堺屋太一君) PL法につきましてはかなりいろいろと認識が違う方が多いようでございまして、確かに裁判の件は過去四年間で二十件ほどでございます、非常に少ないんでございますが。これはできる前に、アメリカみたいに訴訟社会になるんじゃないかというような心配があったんですけれども、現実には非常に少ない。これは望ましいことでございまして、裁判がふえるよりは少ない方がいいだろうと思うんです。 その一番の原因は、製造業者の方がこの法律が施行されましてから、非常に安全に対して注意をしているというのが多いわけでございます。調査によりますと、この法律ができましてから製造物責任に対する安全保証体制を変えたという企業が大体七割ぐらい存在するわけです。それから、見直しをしたというところが八五%ぐらいございます。実際、ちょっとしたそういう危険のないもの、例えば書物でございましてもDVDのディスクでございましても、製造するときに大変時間をかけて繰り返しやって、その上に少しでも危険のあるものはもう避けた方がいいというので、新製品が余り出ないような状況すら起こっております。 そういう意味で、日本のPL法がどういう効果を上げたかという点につきましてはかなり議論が分かれております。少なくとも、各企業がこれによって安全に注意をして訴訟に巻き込まれないようにしているという、これは大変大きな効果があったんじゃないかという気がしております。 それと同じようにこの消費者契約法も、これが施行されますと、そういう取り消しのようなことにならないように事業者の方に対する警告、あるいは事業者が注意する、用心する、そういうような効果が非常に大きいと思うんです。これが余り強くなりますと、少しでも危険のある新しい商法はやめておこうとか、あるいは説明義務が余りに過剰になって中小企業の店頭に影響を与えるとか、さまざまなことがございます。 やはり経済の活力と新しい商法の開発、そして消費者の安全保護、そういったことを考えながら、消費者のためにもなれば事業者のためにもなり、そして日本経済全体がプラスサムになるような仕掛けをつくっていかなきゃいけない、そういう観点で現在の法案を出させていただいておるところでございます。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 ただ、やはり機能していないということだと私は結論づけたいと思うんです、PL法について。参考人の方々においでいただいたときも申し上げたんですけれども、やはり日本の経済力をつけたのは、消費者の厳しい目をとにかく気にしながら企業がやってきたことに尽きるということを私はロシアの方々にもとうとうと述べたことがございます。 ですから、そういう意味でも消費者に重心を置いた法案にならなければ私はだめだと思っておりまして、これから行政府のいろいろ改革がございますけれども、これは内閣府の方に行くわけですか、この担当というのが、そこでしっかり注目して監視していただきますようにお願いしながら、やはり民主党案がいいなということを最後につけ加えながら、少し考慮をしていただきたいということをお願いしながら、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 消費者契約法案(閣法第五六号)及び消費者契約法案(第百四十六回国会参第六号)の審査のため、本日の委員会に政府参考人として通商産業大臣官房商務流通審議官杉山秀二君及び中小企業庁次長殿岡茂樹君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 休憩前に引き続き、消費者契約法案(閣法第五六号)及び消費者契約法案(第百四十六回国会参第六号)の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。 先ほど、午前中、木俣委員の質疑の中でこの法案の採点というものが議題になりまして、何か参考人の方は可とする御意見の方が多かったようでございますが、私は、零点とは言いませんが、不可だと考えております。 これまでの長官のこの法律に関するお話をお聞きしますと、消費者契約のあり方について、大変にすばらしい理念に基づいた契約のあり方の方向性を示すいい法律ができたというような御説明を受けまして、そういうお話を聞いていると、まことにそのとおりかなという気もしてまいるんですが、実際にでき上がった法律を見てみますと、どうかなと。特に、消費者の保護に本当に機能するんだろうかと、個々具体的に検討しますと疑問がありまして、むしろほとんど機能しないんではないかというような私は感想を持っておりまして、どうも説明と中身が違う、不実告知を問題にする法律でありながら実は不実告知があるんじゃないかというような観点でございます。 私がこれから質問するポイントは、実際にこの法律の規定を個々具体的に検討しますと、消費者の保護に機能しないんではないか、あるいは機能するとしてもその場面が少ないんではないかという観点から質問させていただきます。 まず、閣法の第四条三項でございます。 事業者が消費者の自宅等から退去しないこと、それから反対に事業者の場所から消費者を退去させないことということの要件が記載されております。それで、特に一番の方は自宅に事業者が訪問してくる場合を予想していることだと思いますが、この規定と訪問販売法の規定について説明していただきますようお願いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) この法律、本法第四条第三項の不退去、監禁の規定は、訪問販売法のクーリングオフの規定と比較いたしますと、例えば次のような点において消費者の保護に役立つと考えております。 第一は、契約取り消し権の行使期間でございますが、訪問販売法のクーリングオフの行使期間は書面を受領した日から起算して八日間ということになっておりますが、これに対して本法案は六カ月ないし契約してからでしたら五年、状態が解けてから六カ月という非常に長期になっております。したがって、八日を経過した後、本法が機能する可能性が非常に高いと思います。 第二番目に、契約取り消しの対象が訪問販売法のクーリングオフのように指定商品、指定権利あるいは指定役務に限定されていない。これは非常に重要なところでございまして、本法が労働契約を除くすべてにかかっているという重要な点だと思います。 第三には、契約の取り消しがいわゆる不招請の勧誘についてはもちろん、招請の勧誘についても適用されるということであります。これに対して、訪問販売法のクーリングオフの規定は、招請の勧誘については適用されておりません。つまり、訪問販売法でございますから、訪問販売だけが対象になっております。 このようなことから、これまでの訪問販売法のクーリングオフの規定により消費者が必ずしも救済されなかったような事例が、少なからず本法の四条三項の規定により新たに救済されることになると考えております。この本法四条三項の規定は、訪問販売法のクーリングオフの規定と相まって、より一層強く消費者を保護するということになろうかと考えております。
○小川敏夫君 大臣の御説明、まことにそのとおりだと思うんですが、ただ、訪問販売法のクーリングオフの場合には、事業者側における責任事由がなくてもすべて無条件でクーリングオフできるわけでございます。そうしますと、確かに法律の規定としてクーリングオフで漏れる部分でこの消費者契約法に該当する部分があればその契約については適用できるというんですが、大体の部分は訪問販売法のクーリングオフ、この規定によってほとんど救済されるんではないか。そうしますと、この消費者契約法が役に立たないということは決して申し上げませんが、実際の訪問販売という形態による契約のトラブルで、訪問販売法で救済されないケースというのは実際には少ないんじゃないかというふうに思っております。 そうした意味からいいますと、決してこの法案の条項がむだとは言いませんが、この法律によって訪問販売における消費者トラブルがすべて解決できるかのような説明だと、少し誇張があるんではないかというふうに考えております。 それから、第二号の方の退去させないという契約のケースでございますけれども、確かにこのような形態で消費者を退去させないというひどい契約であればこれを取り消すことができるということが当然ではないかと思いますから、この規定を私は決してだめだとは申し上げませんが、ただ、非常にこの要件が厳しくて、実際に生じている被害のほとんどはこの規定によっては救済されないんではないかというふうに私は感じております。 具体的には、例えばある場所に、事業者の場所に消費者が連れ込まれたか、あるいは間違って行ったか、何らかの事情で行った場合に、帰らせてくださいと言うぐらいの意思を表明できる方は余り被害に遭わないんじゃないかというふうに思っております。特にこの規定は、「当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、」ということが明示されております。しかし、実際には、退去する旨の意思を示すことが不安になってしまって示せないとか、あるいは催眠商法といいますか、何かそこにいることが殊さら消費者のラッキーな感じであるかのような誤解をさせられた、いわばサービス商法みたいな形のケースの場合、退去すべき旨の意思を示すということはないけれども、しかし終わってみたらやっぱり被害に遭っていたというケースも十分あるわけでございます。 そうしますと、この法律の規定がむだとは言わないけれども、しかしこの法律の規定するところは、実際に起きているこの種の、ある会場から消費者を退去させないというケースの中で、さまざま生じているそのような悪徳商法による被害者の保護という面では、そのまたごく一部の本当に悪質な部分に関してだけ適用されるんであって、そのほとんどがこの規定では保護されないんではないかというふうに私は考えておりますが、私のその見解に対しては大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 退去の意思ということでございますが、明確に帰りたい、帰してくれと発言した場合以外でも、例えば、時間がありませんからとか、あるいは別の場所で仕事、用事がありますからというような帰りたい意思に相当することが発言された場合、これは客観的に見て消費者の意思表示と考えられると思っております。 また、その消費者が、要らない、断ります、結構ですと繰り返し言ってもなおしつこく引きとめていたというような状態でございますと、やはり契約を締結したくないのでここから出してもらいたいと意思表示をしたと考えられるのではないか。客観的に明らかに断っているにもかかわらず、何らかの方法でしつこく長時間引きとめたという場合もこれに当たるのではないかと思います。 また、口頭、言葉以外で消費者がそれを意思表示した、例えば、何度も部屋の出口へ行ったというような場合でございます、あるいは身ぶりでドアに手をかけたというような場合、こういうことが繰り返されながらなお引きとめた、あるいは立ちはだかったというようなことがございますと、これは消費者の意思を無視して引きとめた、監禁したということになろうかと思います。 したがって、ここでの意思表示というのは、かなりそういう広い意味、言葉で出たい、帰りたいと言うこと以外に、広い意味で考えられると思っております。そのこともこの法律の説明にはぜひ書かせていただきたいと思っているところでございますが、そういう意味で、消費者の帰りたいという意思表示は広くとればかなり有効に機能するのではないかと思っています。
○小川敏夫君 この法律の解釈に関して、消費者が退去する旨の意思を示したという部分の解釈を広くとればということでございますが、ただあくまでもそれはやはり退去する旨の意思を示した、その示し方が具体的な行動にあらわれていなければこれはだめなわけでございます。そうすると、もう初めから不安で、退去する、帰るという意思も示せないというような場合は、より悪質であるにもかかわらずこの規定には当たらない、すなわち保護されないことになるわけでございます。 それからもう一つは、完全に誤解している場合。催眠商法で、例えばある会場に行って、抽せんに当たりましたよ、それで千円のフライパンを五百円で買った、あるいは三百円の洗剤をもらったといって何かすごい幸せな気分になっているうちに、終わってみたら三万の布団を二十万円で買わされていた。こんな場合、誤解しているわけですから退去するという意思が表明されないけれども、しかしやはり全体から見れば明らかに悪質商法に消費者がひっかかったと思われるような場合があります。そういうような場合ですと、この「退去する旨の意思を示したにもかかわらず、」という要件に当たりませんので、結局この閣法の消費者契約法では保護されないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 前の場合、初めから怖くて退去する意思、言葉も手足も動かなかったということはあるかもしれませんが、これは民法の強迫になると思うんです、それほど恐ろしい状態に陥れるということは。だから、民法の強迫の条項でこれは処理できる問題だと思います。 それから、催眠商法の場合でございますけれども、これは一般的にどういうのが催眠商法かと言われても非常に難しいのでございまして、有名な歌手と一緒に着物を買わされたという話はよくあるのでございますが、その場合、やはり満足して買っている人もあれば、有頂天になったというようなケースもあるんでしょうけれども、一般に言いまして、極端な催眠商法というのはやはり一種の、一種といいますか、詐欺商法に当たるんだろうと思うんです。 この法律はすべての場合をカバーしておりますので、非常に特定の条件、特定の極端なケースだけを取り上げられると、確かにこういうのも保護できないのかというケースはないとは言えません。しかし、全部をカバーしているところから見ますと、例えば今の引きとめでも、本当に消費者の方も世間話でおもしろがって乗っていたというケースもございますし、またその内容の説明をしつこく求められたというケースもございますし、いろんなケースがございます。そういうときに、こういう場合取り消しだという予見可能性がないと、事業者の方あるいは消費者も余り長くここにいちゃいけないというようなことになりますから、やはり予見可能性の高い条件を置いておかないと、こういう一般法にはなかなかそぐわないと思うんです。 だから、委員仰せのような場合には強迫なり詐欺なりに触れる場合が多いので、すべてこの消費者契約法だけで片づかない、片づけるわけにはいかないと考えております。
○小川敏夫君 どうも民法上の詐欺あるいは強迫というのは、意思表示の瑕疵で、これまでの議論の中でも非常に要件が厳しい。ですから、例えば今出た例にしましても、帰ることができないという状態に置かれただけでは、私はこれは強迫による意思表示の取り消し事由には当たらないと思います。やはり契約をするというその契約行為に関して意思表示に瑕疵があって初めて強迫になるわけですから、ただ単に帰りにくい状況がつくられたということがイコール強迫にはならないと思います。 それから、催眠商法の場合も、詐欺といいましても、羽毛布団を二十万円で売るよと言って二十万円で買った、その二十万円が、実は羽毛布団でなかったとか社会常識上余りにも値段が不当だというのであればともかくも、二十万円か五万円か三万円か、高いか安いかという範囲の範疇に入るのであれば、それは商取引の中の一つとして必ずしも詐欺にはならないと思うわけでございます。 この法律の趣旨が、そもそもが民法の意思表示の問題、錯誤や詐欺、強迫という問題では消費者の保護には十分でないから、それを補完する意味でこの消費者契約法というものをつくって、民法では救済されないけれども、しかし消費者契約上好ましくないケースに関して、特に事業者の方に責任事由があるようなケースにおいては消費者を保護する、そのことによって消費者と事業者を実質的に対等な立場に置こうという観点にあるわけでございます。 ちょっと話は長くなりましたが、要するに民法では救済されないケースを想定して消費者の保護のためにそもそもつくった法律が、この法律の要件に漏れる場合は民法で救済すればいいんだという理屈になりますと、じゃ一体何のためのこの法律かなという気がするのが私の見解でございます。 次に、また同じように、今度は訪問不退去の場合ではなくて第四条一項、四項の重要事項についての不実の問題でございます。 これはもうさまざまに議論しているところでございますけれども、いま一度確認いたしますが、消費者がその契約をするについての決定について、動機について思い違いがあった、民法上錯誤ということで契約が無効になる場合もありますが、そうでないにしても、その契約を結ぶについて消費者側の動機に思い違いがあり、それが事業者側の不実の説明によってなされたものであるというような場合、これはこの第四条一項では保護されないように思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 先ほどの件でございますけれども、私が申し上げたのは、声も出ない、態度も示せないような状態だったら、これは強迫は成り立つと思うんです。それで、そこへ至らざるときに退去の意思表示をしたのに帰してくれなかった、これは民法の強迫ほどでなくてもここで取り消せる。態度も示さないのに、また強迫にもならない程度なのに、じゃこれは取り消しか、こうなりますと、その間が非常に難しい。難しいのみならず、事業者にしても消費者にしても、世間話を楽しんでいたら取り消しになるのかという話になりますから、そこはやっぱり、強迫ほど強くないけれども態度で示して出られなかった場合に契約した場合、この消費者契約法で救済される範囲というのはしっかり存在すると思っております。 それから、誤認でございますけれども、これは必ずしもこの契約法で解除の事由とは、動機でですね、これはなっておりません。
○小川敏夫君 では、また四条三項の「退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、」という問題で、私は終わったつもりですけれども長官から反論がありましたので、またその点について若干触れさせていただきます。 私もこの規定が役に立たないとは言っておらないわけです。もちろん、この規定によって救済される場合もある。しかし、民法の規定によって救済されない場合もあるし、この規定によって救済されない場合もある。それはやはりこの規定の仕方が限定的な要件過ぎるからじゃないか。ですから、民法の規定によって保護されないものについて、しかしこの規定でも保護されないケースが相当あるんじゃないか。そうすると、この要件を限定的にしないでもう少し包括的にすべての態様を含むような規定にすれば、すなわちそれは民主党が提案したようなことを念頭に置いているわけですけれども。今言ったように漏れるケースがあるんじゃないか。 ですから、私は、役に立たないとは言っておりません、ただ役に立つ部分が少な過ぎることになりはしないかと言っておるわけです。恐らく長官も、民法で救済されない、内閣法のこの規定によっても救済されないケースが当然出てくるということはお認めになると思うんです。ですから、その範囲についてのお話でございます。この程度でこの部分はやめたいと思うんですが、申しわけございません。 第四条一項の方の動機の点でございます。 確かに、閣法の効力が言っていること、つまり「重要事項について事実と異なることを告げること。」、これがあることによって消費者が保護されるということは、これは私ももちろん大変にいいことだと思っております。ただ、言いましたように、動機に関する部分、少なくとも消費者から見れば、重要事項とはいかないけれども、しかしその契約をするについて間違った情報を与えられて、それがゆえに契約した、その間違った情報が動機に当たる部分だということが案外多いものですから、ではそれを保護のらち外に置いてしまっていいのかなというふうに考えるのが私の考え方でございます。 ですから、これまで再三出たように、消火器の訪問販売で、訪問販売でなくてもいいですけれども、消火器の販売で私が指摘しましたように、消防署の方から来ました、防火のためには消火器を持つことが必要です、こんなセールストークで来て、消費者の方は、消防署の方かしら、何か消火器を設置しなくちゃいけないのかしらと誤信して消火器を買ってしまったと。ただ、消火器そのものは本物であるし、対価も決して異常に高いわけではないということになりますと、恐らくこの四条では保護されないかと思うんです。 しかし、では民法上詐欺があるかというと、なかなか、消防署の人間だと言ったわけじゃないので、消防署の方から来たんだからあっちの方角から来たというような話になってしまうわけです。それから、防火上消火器が有効なのはこれは当たり前のことであって、法律上消火器が必要だとは説明していないわけです。そうすると、消費者を誤解させるような部分があるけれども、しかし民法上詐欺というほどの強い不当な虚偽の説明がない場合には、これは民法でも救済されない。 そうすると、この法律でも動機の部分だからもうそもそも適用の除外だというと、やはり現在起きている消費者を食い物にする悪徳商法で、そういう部分は結局は消費者を保護し切れないということになるんではないかと私は思っておるんですが、長官の御見解はいかがでございましょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 確かにそういう紛らわしい部分というのは存在すると思うんです。だけれども、それを全部、環境とか周辺条件に間違いがあった場合に全部取り消しにするということにいたしますと、事業者の側からいうと、何か言うときにはすべて調べておかないと不実が入っていてはいけないと。例えば、うちのまんじゅうは日本一うまいよと言ったら、では日本一というのはどこで調べたんだというような話がございまして、大変限度が難しい。 おっしゃるように、委員の挙げられた消火器の例とか、そういうことを言いますと確かに救われない部分が出てくるのでございますけれども、それをではどうやってどこまでにするかということになりますと、これは法律問題として大変難しい、書き切れない問題が出てくるだろうと思うんです。だから、私どもの方は、事業者と消費者と双方が予見可能性が高い範囲で明確に、取引の、契約の対象をサービスまたは物品に限っておるわけでございます。 状況説明の中ではいろんな話が出てくる。それをことごとく検証するというのは、消費者と事業者との話し合いの中ではとても裁判のようにいきませんので、これはある程度漏れがあることは事実でございますけれども、そこまで全部縛ってしまうと普通の日常的な取引、小売業でありますとかごく簡単なサービスとか、そういったものが円滑にできなくなるんじゃないか、それでこういうところに限定しておるわけでございます。
○小川敏夫君 これは大分見解の相違ということになるのかもしれませんが、どうも長官の話を聞いていきますと、消費者が、もちろん消費者の中にはクレーマーのような必ずしも正当でない要求を事業者に突きつけるという方もないわけではないことは承知しておりますが、しかしそもそものあり方として、事業者と消費者が形式上対等といっても、持っている情報力とか交渉力によって消費者に差がある、その差がある部分を公平にして、そして本当の意味の対等な契約を結べるようにというのがこの消費者契約法の趣旨だと思います。そうしますと、どうも長官の話を聞いていると、消費者がわがままを言って、つまりある程度包容力が、包容力といいますか範囲が広い消費者保護規定を置くとそれによって事業者が商売できにくくなるという観点を強調されておられるようなんですが、果たしてそうなんだろうか。 幾ら消費者の保護の範囲を広げても、これはあくまでも事業者に責任があるケースについて、それをある程度類型化して消費者の保護の必要性を言うわけでして、事業者に何の責任もない、真っ当な事業者が真っ当な事業を行っていることについてまで消費者が恣意的に契約を取り消しできる云々という、そこまで求めているわけでは決してないわけでございます。 そうしますと、実質的な意味で事業者と消費者を対等にするという意味において、これは消費者を保護することによって消費者契約を対等にするという観点から立てば、消費者の一部のクレーマーというものを不安に思う事業者にウエートを置くよりも、やはり事業者の中に悪質な事業者が多い、それによって消費者が食い物にされてしまうということの保護の方により重点を置いて法を制定してこそ、初めてあり得べき消費者契約ではないかというふうに私は考えております。これは私の見解ですから、あえて答弁は要りません。 それで、あと、この法律の規定の仕方なんですけれども、普通、こういうことが悪いですよ、してはいけませんと言われると、それに近いこともやはりいけないことに近いんだからといって自粛するのが、これはいわば真っ当な事業者であり常識の世界なんですけれども、悪徳事業者の物の考え方は逆でして、これはいけませんよと言われますと、いけないと言われたそのいけないことだけがいけないんで、それに隣接することは許されたんだと、このような見解を持ってどんどんいろんな悪知恵を働かせて消費者を食い物にするのがまさに悪徳商法の本質的な姿だと思うんです。 そうしますと、この四条一項で重要事項というものを限定してしまった不実の告知、あるいは四条三項で不退去あるいは監禁という要件を限定してしまいますと、その限定してしまった要件以外は認めたんじゃないか、どうもこんなようないわば反対解釈の余地が出てきて悪質業者をますます増長させるのではないかという一つの危惧を私は抱いているんですが、そこら辺のところは長官はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) この消費者契約法による救済の対象を限定して規定していることは、規定外の事柄をすべて合法であるというような反対解釈を引き起こす可能性はないかというような御趣旨でございますが、規定外のことならすべて合法であるというようなことにならないのは当然でございます。 本法案の中でも、不当に反対解釈がされないように、第六条、第十条、第十一条などで工夫をしております。特にこの十条、信義則ですね、これはそういう反対解釈を封じるのに効果があるのではないかと考えております。 また、この法律ができたからといって、従来からの民法その他が改正されるわけではございませんで、ここにこう書いてあるからほかのことはしていいということにはならない。また、特に悪質な場合には、この信義則というような観点からも取り消しの対象とすることができるだろうと思うんです。 もちろん、そういう悪質な業者もいるんですけれども、一般の圧倒的多数の人たちはまじめに仕事をしておられるのでございまして、それがやっぱり不安になるというような規定がございますと、世の中の、取引だけではなしに、消費者と事業者との間の信義といいますか信用というものが難しくなってくる。 そういうこともあわせて考えますと、多少そういう、確かに法の網の目をくぐる人々をすべて取り締まるというのは、これはなかなか難しいことでございましてできないかもしれませんが、圧倒的多数の者がそれに従う。そして、悪質な者はやはり何回もそういうことを繰り返しておりますので、どこかでといいますか、例えばPIO―NETに例がたくさん出てくるとか、そういうことになりますと、警告、公表というような形で消費者に対して支えになる方法も出てこようかと思います。そういういろんなことが相まって、この消費者の保護ということが完成するものだと思っております。 すべて法に書くということになりますと、時代の変化もございますし、なかなか書き切れない。そうなりますと、やはり法として定めるときにかなり難しい、支障を来すんじゃないか。そういうところで、国民生活審議会でもいろいろ議論がございまして、結局こういうところに落ちついたということでございます。 ぜひ委員の御理解をいただきたいところでございます。
○小川敏夫君 どうも長官のお話を聞いていると、本当にいい法律ができたのかなとつい思ってしまいがちなんですけれども、でも、どうも条文を見るとそうじゃないなという気がしてしようがないのでございます。 議論をまたしかけるようでございますが、例えば反対解釈を許さない、つまり限定的にした以外のものはこの十条によって、すなわち信義則ですか、そうした一般条項で解釈の指針が出ているから救済されるのではないかということですが、私ども民主党が提案した消費者の保護の中では、例えば消費者が困惑して物を購入したような場合にも保護される規定を盛り込んでいるんです。ただ、政府のお考えですと、そういう困惑とか畏怖とか不明確な言葉を使うと事業者が不安を覚えて一つのルールづくりにならないからということで、いわば困惑した場合とか畏怖した場合というようなケースは法文に盛り込まれていないわけです。 ただ、今のお話を聞きまして、限定された部分以外は十条のいわば民法の一般原則でいくんだといいますと、民法の一般原則というのは、これは私どもが言っている困惑とか畏怖とか、そういった概念よりもさらに形がない、ルールの姿が全く見えない世界だと思うんです。そうしますと、結局政府案も、限定的な部分以外に関しては一般条項にゆだねて、基本のルールというものを定めていない非常にあいまいな規定の仕方、あるいはこれからの運用に当たっても、そういう一般条項にゆだねた、ルールが見えない、そうした方向性を示している法律ではないかというふうに感じるんです。 そこら辺のところ、規定された部分以外の解決は一般条項にゆだねるということについての私の今の指摘についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) これは大変難しいところでございまして、民主党さんの案を見ましても、重要事項の判断を含めて、かなりの部分が総理大臣の定める指針になってきているところがございます。結局、法律で書き切れないということになって政令に移すというようなことが必要になってくるだろうと思うんですが、やはりこれはこういう法律でございますから、取り消しという大変強い効果を、民事効果を持つものでございますから、国民を代表される国会できっちり定められる部分、そして予測可能な部分にとどめたいというのが閣法の法案の趣旨でございます。 委員の御指摘のように、悪質な業者が網の目を絶対にくぐれないようにしろというのは確かに正論のような気がしますけれども、そうしますと、網の目が細かくなり過ぎて詰まってしまって物が流れない。ここはやっぱり天網恢々疎にして漏らさずというところがいいところでございまして、この範囲を予見可能性の高い範囲にする。そして、それを受けて各事業者が信義則によってみずからを律していく。 そういう市場が、マーケットが広がることによって、また消費者もそれを理解することによって、よりよい消費者と事業者との関係をつくっていく。また、そういう関係の中で新しい商法、新しい業態が生まれてくる。そういうものも消費者が、これはこういうマーケットの条件の中で新しくできたものだからという信頼関係ができる。これがどんどんと消費者主権で世の中をよくしていく方法だと思うんです。 これは法律であるいは政令で、特に政令で余り細かく書くということになりますと、行政指導に逆戻りする可能性がございます。やはり自由な市場の中で消費者と事業者とが互いに高め合いながらプラスサムを求めるということでございますと、こういう予見可能性の高い範囲と、そしてそれに基づく信義則、こういう形態が今選べる最善の道かと考えております。
○小川敏夫君 私も意見をいろいろ言いたいんですが、時間の関係もありますので、二点だけ別のことを聞かせていただきます。 第四条五項で、この取り消しの効果が善意の第三者に及ばないということでございますが、この善意の第三者にはいわゆるクレジット契約、立てかえ金払いのクレジット業者が入ると思うんです。 割賦販売法によりますと、三回以上に分割したクレジット契約の場合には、当事者間で取り消し事由があればクレジット会社にも主張できるという規定になっておりますが、一回払いもしくは二回分割払いというクレジット契約の場合にはその保護規定がないわけでございます。 そうしますと、実際に消費者契約法の取り消し事由に当たることによって消費者が業者に対して取り消しできる場合でも、しかしクレジット会社が業者に立てかえ金を払ってしまって、残っているのはクレジット会社と消費者との間のクレジット契約だけだと。そうすると、クレジット会社が善意であれば保護されない。幾ら業者に言ったって、クレジット会社は善意の第三者として請求に来るということが考えられるわけでございます。そうしますと、割賦販売法で三回以上分割の場合には保護されているんですが、一回払い、二回払いのクレジット契約の場合には、善意の第三者ということで、業者との契約が取り消しできても、しかしクレジット会社から請求を受けるというケースがあるわけでございます。 そこら辺のところをもっと徹底して保護していただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) クレジット契約の場合でございますけれども、例えば消費者が事業者から物品あるいはサービスを購入いたしまして、その対価として事業者に代金を支払う契約をする、これは消費者契約でございます。そして同時に、クレジット会社が事業者に対して立てかえ払いをする旨の契約を消費者との間で締約する。こういうケースでございますと、クレジット会社は善意の第三者になりますから、消費者契約が取り消されてもクレジット契約は残るというのは御指摘のとおりでございます。この二つの契約は別々のものでございます。 したがって、消費者が事業者から物品あるいはサービスを購入した契約が四条一項等で取り消されましても、善意の第三者であるクレジット契約は残るのでございますが、このクレジット契約が割賦販売法第二条第三項第一号及び第二号に規定する割賦購入あっせんに該当する場合、すなわちクレジット契約が二カ月以上の期間にわたり、かつ三回以上に分割して支払う場合には、割賦販売法三十条の四における割賦購入あっせん業者に対する抗弁の規定が適用される。 だから、委員御指摘のように、三回以上にならない、二回以下だというときにはこれは適用されません。だけれども、二回以下というときにはかなり期間も短いでございましょうから、業者との契約を破棄して取り返した代金をクレジット会社の方に支払うとしても、二回以下でございますとそれほどの損害はついてこないだろう。三回以上、五回、十回となりますと金利その他の問題がございますから、この割賦販売法で救われる、解除できるということになろうかと思います。
○小川敏夫君 二回以下でも業者から取り返せない場合などを考えた場合にはやはり保護が十分じゃないと思うんですが、もう時間ですので、最後の一問だけ。 第八条の規定でございますが、これは、本来民法の規定によって消費者が事業者に対して損害賠償請求できるという権利があるものを全部免除しちゃった場合には無効だ、こういう規定でございます。 ただ、どうも考えまして、民法の規定によって本来消費者が事業者に対して損害賠償請求できるものを全部免除した場合だけ無効だと。じゃ、九〇%免除した場合にこれは有効だ、五〇%の場合には有効だとなりますと、本来民法の規定で消費者が請求できるものを、全部じゃない部分、減額した場合には、免除した場合には有効だという解釈になると思うんですが、そうすると、全部を免除した場合だけしか消費者を保護しないのは余りにも狭いんではないかと私は考えておりますが、そのお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 全部の場合じゃなしに九〇%の場合はどうかということでございますが、この条文で見る限り、全部は取り消しで九〇%なら有効だということになる場合がございます。これは、その契約の内容自体にいろいろと関係するので、例えば九九%というようなことがあって、どう見ても脱法行為だといえば、先ほどのやっぱり信義則に反するということで無効になると思います。 しかし、全体を、あらゆる消費者契約を対象とするこの法律で、じゃ五〇%がどうなんだ、六〇%がどうなんだ、五八%はどうなんだというのはなかなか設定できません。したがって、ここではこういう形にしておりまして、あとはその状況の判断に応じて、これは脱法行為とみなすか、信義則に反するとみなすか、そういうところで解釈していただくということにならざるを得ないんだろうと思います。
○海野義孝君 公明党・改革クラブの海野でございます。 三日ほど前に、本委員会におきまして今回の消費者契約法の条文に沿いながらいろいろ細かなことをお聞きしてまいりましたけれども、その残されている部分を含めていろいろと御質問したい、このように思います。 一昨日ですか、参考人の方々がお見えになりましていろいろお話をお聞きしましたけれども、今回の消費者契約法立案に向かっては大変多くの方々の御苦労があったということが改めてわかりました。 民主党さんからもあらかじめ法案をお出しになって、私も拝見しましたけれども、消費者の現在の業者とのトラブルの問題等について真剣に取り組んでいらっしゃるということに対して敬意を表したい、このように思うわけです。 また、今回の法案の審議を通じて私なりに勉強しましてわかったことは、全国の大変多くの消費者団体の方々が消費者問題について日夜分かたず大変な御苦労をされてきたということで、今回、参考人の方々の評価によればまあまあじゃないかという程度というようなことでございましたけれども、いずれにしても、消費者、事業者あるいは学識経験者、いろいろな方々が六年にわたって国生審において審議を重ねてこられた。 いろいろな経緯はございましたけれども、ようやくここにこぎつけたということについては、私は、訪問販売法とかあるいはまた金融商品販売法であるとかいろいろな関係の法律について携わってきまして、まさにいろいろな法案がどんどん今速いテンポで改正されているとか、あるいは新しい法案が包括的、横断的なそういうルールの確立が急がれているとか、いろいろな問題を通じて、やはり今日の世界の中に置かれている我が国における諸問題の解決のために法案の成立が急がれているということを痛感するわけでございます。 後から申し上げますけれども、私は、つまるところは、やはりこの法案が成立した暁にはその実効性ということが問われるということでありまして、この法律ができたことによって多くの消費者の方々も、また事業者の方々にとっても、お互いにとってよかったというものにしなくてはならないというように感じる次第でございます。 大変前置きが長くなりましたけれども、早速本論に入らせていただきたいと思います。 先般は、第七条の取り消し権の時効問題についてのところまで逐条的にいろいろと教えていただきましたが、きょうは第八条以降につきましていろいろとお聞きしたい、このように思います。 八条、九条の中で不当条項につきましてのいろいろな規定がそこに盛られているわけでございますけれども、国生審の報告ではたしか九項目にわたって不当条項に該当するような問題について報告されていたように私は思うんですけれども、この法律案におきましては八項目になっている、八項目がいわゆる無効となる、そのように思うんですけれども、この理由についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 国民生活審議会報告の①、②、③、④の項目、すなわち債務不履行、不法行為による損害賠償責任を免除する条項は、それぞれ第八条一項第一号から第四号までに相当しております。また、同報告の⑤に当たります瑕疵担保責任については、この法律の第八条第一項第五号及び第八条二項に対応しております。それから、報告の⑥の土地工作物責任は民法七百十七条に規定している不法行為責任であるので八条一項第三号に含まれております。 また、国生審の⑦、すなわち解除に伴う損害賠償は第九条第一号に対応しておりまして、国生審の⑧、すなわち代金の支払い遅延に係る損害賠償は第九条二号に対応しております。また、国生審の⑨、すなわち一般条項は十条に対応しております。 以上のように、国生審の報告と比べますと一つ減っているように見えますけれども、実はそれぞれ対応しているということでございます。
○海野義孝君 大変詳しく御説明いただきましたので、よく理解できるわけでございます。 これは当然のことかと思いますけれども、八条、九条におきましては損害賠償に関する消費者の権利を制限しているということで、ほぼ網羅的に列挙されているわけですけれども、ここでなぜ損害賠償に関する規定を定めたかという点について教えていただきたいと思います。
○委員長(成瀬守重君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(堺屋太一君) 御質問の件でございますが、本法は消費者契約に当たって横断的に適用される包括的な民事ルールでございますので、無効になる条項も幅広い分野における契約において定められることが想定できるところであります。 したがいまして、契約条項に基づく事業者による消費者の権利の制限としては、現実には、消費者が損害を受けた場合の損害賠償請求権を排除または制限し、消費者に不当な負担を強いる場合が多く、トラブルが発生しております。そこで、第八条では、事業者が消費者契約において民法などの任意規定に基づき負うことになる損害賠償責任を特約によって免除または制限している場合に、消費者が損害を受けた場合に正当な額の損害賠償を請求できるようにその条項を無効とすると、こういう趣旨でございます。 また、契約条項に基づく事業者による消費者の義務の加重としては、現実には消費者契約の解除等に伴い高額の損害賠償等を請求することを予定し、消費者に不当な金銭負担を強いる場合が多く、トラブルも発生しています。そこで、九条では、事業者が消費者契約において、契約の解除の際または契約に基づく金銭の支払い義務を消費者が遅延した際の損害賠償金の予定または違約金を定めたとき、消費者が不当な出捐を強いられることのないよう、その額が一定の限度を超える場合、その限度を超える部分を無効としているということでございます。 平たく言いますと、事業者の方の責任を不当に免除する、あるいは消費者の方に不当に重い負担をかけるということを明確に否定する、そういう趣旨でこの八条、九条ができているということでございます。
○海野義孝君 立法の趣旨はよくわかります。 先ほども同僚委員の方から御質問がありましたけれども、改めて、第十条で一般条項が規定されているわけでありますけれども、この一般条項規定の意義というか目的というか、これについてもう一度お願いします。
○国務大臣(堺屋太一君) 十条において一般条項を定めました理由は三つございます。 第一は、第八条、第九条は無効とされるべき条項を具体的に定めておりますが、同条に該当する条項以外は無効にならないという、先ほども小川委員から質問がございましたが、反対解釈をされちゃ困るということでこの信義則を置いたということが一つであります。 第二は、一般の事業者や消費者においては、民法第一条第二項が契約の条項に適用されることに必ずしも十分な認識がない場合がございます。したがってここで改めて明確にしたと。民法の第一条二項というのはまさに公序良俗、信義則でございますが、それがあわせて繰り返されている意味があります。 第三は、民法一条二項は、契約条項に基づいて権利を行使するときには、その権利の行使は信義則に反するものであってはならないということを意味するにすぎず、当該条項の効力について何ら規定するところではございません。したがって、ここで繰り返すことによってその条項が本法で言います取り消しの効果に波及するということを述べております。 したがって、以上のことから、特約がない場合の秩序づけ機能を有する任意規定からの乖離を判断根拠として、権利の行使及び義務の履行に関する指導原理である民法一条二項の信義則を判断基準として契約条項の有効無効を判断する趣旨としてこの十条を設けたものでございます。
○海野義孝君 ありがとうございます。 次に、第十二条でございますけれども、最後の条文ですが、「この法律の規定は、労働契約については、適用しない。」という条文がございますけれども、これをちょっと具体的に説明していただけますか。
○国務大臣(堺屋太一君) ちょっとその前に、先ほど取り消しと言いましたが、無効でございます。失礼しました。 労働契約に関しましては、労働基準法以下労働契約に関する特別の法律がございます。これに適用いたしますと、労働者、働く者の方が反復、繰り返して業務をやっておりまして、消費者という定義の規定は難しくなってまいります。だから、一般の消費者というのは反復継続しない人を指しておりますが、使用される人、労働者はどうかということになるとその辺があいまいになりまして一般の消費者契約とは違うということであります。したがいまして、労働契約は自由なる人間対人間ということになりますので、本法の適用からは余りなじまないということで除外させていただきました。
○海野義孝君 今のことに関係しますけれども、いわゆる内職商法といいますか、これにより、いわば家庭においてそういう内職をされる方、これが意外に被害を受けていらっしゃるということが多いように承知しているんですけれども、内職商法は労働契約になるのですか、それともこれは消費者契約法の対象ということなのか。 ということは、さっき御説明のように、反復継続して利益を得ればこれは業とみなされる、こう思いますけれども、内職をするために業者から例えばパソコンを買わされた、三十万なら三十万のパソコンを買わされたと。ところが、実際の内職をやっても、その収入たるやパソコン代がとても払えるような状況じゃない、それほどの仕事はないというような場合、これは要するに労働契約なのかあるいは消費者契約の対象となるのか。こういった点はどうでございますか。
○政府参考人(金子孝文君) お答えいたします。 まず、内職商法と内職というものを少し分けて考えた方がいいと思います。 純粋な内職ですけれども、これは内職の注文者と内職の請負人との関係でありますから、これは一般に労働法における労働契約ではなく、民法上における請負契約であります。したがって、まず内職自体は労働契約ではないだろうということになると思います。 今度は、内職商法はどうかというお尋ねなんですけれども、内職商法がそもそも本法の適用対象になるかどうかということです。内職になりますと、内職をしている人は、今こういう形で請負契約ですから事業者だととらえることになって、事業者と注文者の間は事業者対事業者ですから、それは消費者契約ではないということにまずなると思います。しかしながら、いわゆる内職商法はどうなのだろうかということは、また別の観点で考えていかなければいけないと思います。 それで、これは民事ルールですから、最終的には個別の具体的な例に即して司法の場でその辺を判断することになると思いますけれども、一般的には内職商法と言われるものは、内職のために必要な材料とか機械を注文させることを主な目的として、実際に事業をするというようなものではないだろうと。ですから、内職が客観的に見て実体もなく、また事業であるとは認められないということが多いと思います。したがいまして、内職商法の相手方のいわゆる個人ですけれども、それはどうも事業者とは考えられないわけでありますから、そういう面でそういう人々は消費者になるということになると思います。したがいまして、内職商法の場合の個人というのは一般的には消費者に該当しますから、内職商法のいろいろなトラブルというものは消費者契約法で対応できるということになると思います。 それで、お金がもうかっているかどうかということなんですけれども、その場合に事業者がどうかということが基本になりますけれども、事業者というのは一定の目的を持ってなされる同種の行為の反復継続的遂行をするかどうかということにかかっていまして、それは、利益を出すか利益を出さないかということにかかわりありません。したがいまして、実際に内職的なものと思われても、そこで内職がうまくいかなくてパソコン代よりも収入がないということだってそれは事業としてはあるわけですから、そういう場合には、たとえパソコン代が賄えるような利益が出なかった場合、仮にこれが事業として認められれば、それはやはり事業者契約ですから、これは消費者契約法の対象にならない。 ただ、私も何度も申しますように、これが実体的に内職商法というのは、どうも内職のために必要な材料とか機械を買わせて実際には事業として余りさせることがないということならば、それは事業者でなくて消費者になりますから、消費者契約法の対象になるということであります。
○海野義孝君 大体わかりましたけれども、また内職問題とちょっとこれは違いますが、こういうケースについてちょっと教えていただきたいんですけれども、消費者が契約をする場合に、業者から年齢を詐称させられたり、あるいは無職なのに勤続何年とか月収何ぼあるとか、そのように書くように言われたと。こういった形で契約を結んで例えば物を買わされたとかいうような場合、これは消費者契約法において救済されるかどうかという問題ですが、いかがですか。
○政府参考人(金子孝文君) これはいわゆる唆してこういうことを書いてくださいよということでありますから、消費者契約法四条第一項から第三項、これは重要事項についての不実あるいは断定的な判断、あるいは利益の反面としての不利益のことを言わなかったというようなもの、いずれにも該当しませんので、これだけでは取り消しの理由としては認められないと思います。
○海野義孝君 今のような場合は、民法の詐欺とかいろいろなそういった問題の方の適用になるということでございますかね。 それからまた、内職問題についてもう一つお聞きしたいんですが、例えば、よくありますように、家にいて高収入が確実だとかあるいは月に五万円ぐらいの収入は確実だというようなことで、こういう大変長期不況の中でもありますから、何とか子供さんの教育費のためとかあるいは御主人の収入減を助けるためとかいうようなことでこういうようなことに飛びつくというようなことはあるわけですね。 そういったことをうたったチラシとかインターネットを見て契約した。ところが、実際には収入がない。実際には知らされていなかったような通信用のはがき代だとか登録するための代金がかかったというようなことですけれども、こういった場合は、この消費者契約法に照らして契約の取り消しができるかどうかということですが、どうですか。
○政府参考人(金子孝文君) 本法第四条の勧誘ですけれども、勧誘とは、消費者の契約締結の意思の形成に影響を与える程度の勧め方であって特定の者に向けられたものをいうということを勧誘の定義としております。したがいまして、不特定多数向けの勧誘方法、例えばチラシとかあるいはインターネットのホームページの広告、これは基本的には勧誘に含まれないと考えられますが、ただ、いろいろ個別具体的な場合がありますので、取り消しの可否についてはやはり事実に即して、事案に即して司法の場で判断されるのではないか、こう考えております。 しかしながら、例えば不実の内容が含まれているチラシを用いて事業者の方が事実と異なることを消費者に説明したり、あるいはインターネットのホームページ上の広告を契機として事業者と消費者が契約締結過程に入り、消費者からメールにより問い合わせを受けた事業者がその回答の中で重要事項について事実と異なることを告げたというような場合には、勧誘があったとして本法案により契約の取り消しの対象となるのではないか、こう考えております。
○海野義孝君 大変細かいことで恐縮ですが、実際の、現実に即したようなトラブルのケースとしてもう一つ。 これは、例の困惑というようなところに入ってくる、条文のところに該当するかと思うんですが、内職によって収入が得られると思ってもっと詳しい資料が欲しいということで資料を下さいという電話をした。で、契約しないと言ったけれども、長時間にわたって電話を切らないで、やむなくそういうことならということで契約をしてしまったと。しつこい勧誘の電話があったというような場合、これは不退去または監禁に相当としてこの契約を取り消すことができるかどうかということです。
○政府参考人(金子孝文君) しつこい電話勧誘ですけれども、これは本法の不退去、監禁の類型には含まれませんので、取り消しは認められないと思います。 しつこい電話勧誘、これは非常によくないことなのでその契約の取り消しを認めよという議論もあるわけですけれども、これを仮に認めたとすると、次のような二つの問題があるのではないかと考えられます。 一つは、しつこい電話勧誘というのが必ずしもその意義が明らかではないと。したがいまして、事業者にとって客観的にどのような行為をすれば取り消しの対象になるのかということが不明確でありますので、そうしますと、やはり取引が非常に不安定なものになるということになるのではないかと考えられます。 それから第二に、民法において意思表示の取り消しが認められるのは意思表示の瑕疵があるということであります。それで本法案も、その取り消しに関しては意思表示の瑕疵があるかどうか、これは民法との整合性を図っているわけですけれども、それを基本としています。しかしながら、しつこい電話勧誘においては、必ずしも消費者に当該契約についての意思表示の瑕疵があるとは言えないのではないかということでありまして、これもそういう意思表示の瑕疵に必ずしも該当しないようなものを取り消しと認めますと、やはり事業者の負担が過大となり、要件効果のバランスを失するのではないか、こういうことだと思います。
○海野義孝君 前回と今回とにわたりまして具体的な事業者と消費者との契約のいろいろなケースについてお聞きしましたけれども、この法案、法律というものがやはり個別の業法、民法、それから全体的に包括的なルールを決めた今回の契約法、そういったものが相補完し合って適用され、そしてトラブルを解消していく、あるいはまた業者と消費者との間の信頼関係に立ったそういう契約が進んでいく、このようなことではないかというふうに思います。 冒頭にも申し上げましたが、やはり法律はできても、じゃ具体的に今後、例えば国民生活センターであるとか消費生活センターであるとか、こういったところのいろんなトラブル等の相談等が減っていくかどうかということについては、法律の実効性ということがやっぱり問われるということでございまして、実効性あらしめるための今後の対応ということについていろいろとお聞きしたい、こう思うわけでございます。この間、おとといですか、参考人の方からもいろいろとお話をお聞きしましたので、そういったことも踏まえながら少しお聞きしてみたい、こう思うわけでございます。 消費者契約に係る紛争の簡易迅速な解決を図るためには、やっぱり本法を制定するだけでは十分ではなくて、各種の裁判外の紛争処理機関の強化ということを図っていくということが私は必要ではないか、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、まず第一点、お聞きしたいと思いますけれども、まず国民生活センターにつきましてお聞きしたいんですが、国民生活センターとか地方自治体に設置された消費生活センター、これは消費者の身近な相談、あっせん機関として消費者契約に係る紛争の解決について重要な役割を果たすべきである、そのように思うわけですが、そういう重要性にかんがみて、国民生活センター、消費生活センターの相談、あっせん機能の充実強化を図るべきではないか、このように思うわけですけれども、本法案を提出されています官庁としての、経済企画庁としての今後のそういう御決意というか御所見を伺いたい、こう思います。 〔委員長退席、理事馳浩君着席〕
○国務大臣(堺屋太一君) 国民生活センター及び全国の消費生活センターは、消費者と事業者との間の取引に関する紛争について相談、あっせんなどを行う消費者行政の拠点として大きな役割を果たしております。経済企画庁といたしましては、消費者契約法の実効性を確保する上でも、国民生活センター及び消費生活センターの果たす役割は重要なことだと考えております。 国民生活センター、消費生活センターにおいて消費者契約法を活用し、契約に関する紛争を適切に解決するよう、消費生活相談員に対する専門的な研修の充実あるいは相談業務を支援するPIO―NETの拡充などによって、相談、あっせん機能を高めてまいりたいと考えております。 私も、大阪の消費生活センターを訪れましたし、国民生活センターも見ました。これは裁判にかけるというのはなかなかなことでございますので、やはり裁判外で解決することが重要だと思います。その際に、こういう機関あるいは民間の弁護士さんの会、そういったものが非常に重要になってくると考えております。これをぜひ我々としても支援していきたい。今、府県の中には財政難その他の理由で縮小傾向のところもございますけれども、できるだけこれを活用していきたいと思っています。 また、情報機関も発達してまいりますので、そういったものをさらにPIO―NETを充実するというような方法で皆様方にも資料、情報をできるだけ提供できるような方法も検討していきたいと考えております。
○海野義孝君 お聞きしたいことまでいろいろとお触れになりましたけれども、細かくお聞きしたいと思うんですが、消費生活センターばかりでなくて、国民生活センターにおきましてもこの法律の実効性を確保するための最大限の施策を講ずるということが必要だと思いますが、今、長官がいろいろとおっしゃいましたが、具体的な施策としてこれから推進しようとされている問題ですが、国民生活センターにつきまして何かございますか。
○政務次官(小池百合子君) 午前中から、消費生活センターのことを大分お尋ねがございました。国民生活センターにつきましては、まさに国、経企庁でございますので、お答えさせていただきたいと思います。 まず、各都道府県ごとの消費生活センターに対しまして、経済企画庁といたしましてはいわゆるPIO―NET、全国消費生活情報ネットワークシステムでございますが、その拡充のためなどに交付金を交付しているというほかに、国民生活センターにおきます研修の実施、相談業務に関する情報提供など、消費生活相談員への支援などを通じまして各地の消費生活センターの支援に努めてきたところでございます。 そこで、国民生活センターでございますが、具体的には、この消費者契約法の実効性確保のために、まず消費生活相談員等に対します契約に関する研修の一層の充実を図ってまいります。また、施行状況のフォローアップもいたしてまいります。そして、消費者への契約に関する情報提供・啓発事業の推進等、総合的な施策を推進してまいりたいと考えております。
○海野義孝君 どうもありがとうございます。 〔理事馳浩君退席、委員長着席〕 消費者契約法の関連に限らず、今後、国民生活センターの役割というのは一層重要になるということで、ただいまも御答弁がありましたように、いろいろと施策を講じられているということはよくわかりますけれども、さっき長官からもちょっとお触れになりましたけれども、財源の問題でございまして、最近は特殊法人の見直しなんかが言われているような折も折、財政的な問題、これはこの間の参考人の方々の中でもありましたけれども、消費者の契約というもののトラブルを解消するという問題は、今後の消費生活の向上あるいは国民経済的に見ても重要な問題でございますので、この点についてはやはりそういった財政的な問題があるかと思いますけれども、それを惜しまないで充実すべきではないか、そういうように私は思うんですが、その辺の兼ね合い、具体的に財源等については心配ないかどうか、その辺はいかがですか。
○政務次官(小池百合子君) 御質問ありがとうございます。 この特殊法人等の整理合理化につきましては、平成九年十二月二十六日の閣議決定で「個別特殊法人等の整理合理化事項」におきまして国民生活センターに対しての文がございます。まず第一に、「規制緩和が進展する中で、消費者の自立を支援するため、積極的な情報提供を行うとともに、消費者被害の迅速な処理・解決体制を整備する。」、そして「消費者ニーズに即応した業務の効率化を図るとともに、外部の有識者から成る委員会を設置して、業務の評価及びチェック機能を強化する。」とされておりまして、特殊法人の見直しの中でもその重要性が指摘されているところでございます。 たしか委員とは新進党時代に、特殊法人を一たんすべて廃止をする、その上で必要なものを改めて見直していくというようなそういった政策を立てたことも記憶いたしているところでございます。すなわち機能する特殊法人、それは大いにもっとある意味では活用していきましょうということかと思います。 ということで、財政的な基盤につきましては、消費者行政は非常に重要でございます、委員のぜひとも後押しも得まして、今後とも必要な予算要求を行ってまいりたいと思います。
○海野義孝君 実効性あらしめるために大変前向きな御答弁をいただきましたので、具体的に実効の伴うそういった施策をお願いしたい、こう思う次第であります。 国民生活センター関連でもう一点お聞きしたいと思いますが、いわゆるPIO―NETでございます。 これにつきましても、地方の消費生活センターからはこれへのインプット関係でも大変なお金がかかるんだというようなお話がありまして、大変苦しい状況をおっしゃっておりましたけれども、私は、こういった全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO―NETの拡充ということはやっぱり重要だと思うんですね。その充実のためには大都市だけではなくて、全国四百ぐらいですか、消費生活センターがあるというように聞いています。これすべてに国の費用でネットワーク端末をきちんと設置するということが私は急がれるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の実情、ちょっと私が不勉強で実情に即していない質問をしているかもわかりませんが、その辺のところはいかがでございますか。
○政務次官(小池百合子君) 御指摘のとおりだと思います。 このPIO―NETのシステム全体を効率的に動かしていくためには何が必要かということと、私どもで何をすべきかということで、国といたしましてはホストコンピューターの経費等を負担させていただいた上で、地方自治体がPIO―NETの整備・運営に要する経費に交付金を交付するという形でバックアップをさせていただいているわけでございます。 すべてに国の費用でネットワーク端末を設置すべきではないかという御指摘でございますけれども、そういったところでのバックアップをさせていただき、また各地の消費生活センターにおきます苦情相談処理の支援ということで、このPIO―NETの端末の設置は今後とも推進をしてまいりたいというふうに考えております。 少し事実関係をつけ加えておきたいと思いますけれども、この端末の現状でございますが、都道府県、政令指定都市に設置された端末につきましては、一台目は費用の全額を、そして二台目は費用の半額を交付させていただいておるところでございます。それから、市町村の端末でございますが、これも費用の半額の交付という状況でございます。それから、PIO―NETの設置されているセンターは、残念ながら四百ではございません、約二百カ所でございます。
○海野義孝君 これは、もっと消費生活センター全般にPIO―NETを設置されていくというような面での支援をされていくというようなお考えなんですか。
○政務次官(小池百合子君) そのとおりでございます。
○海野義孝君 次に、弁護士会仲裁センターに関係していろいろとお聞きしたいと思うんです。 これは法務省の方かと思うんですが、消費者契約に係る紛争、これを裁判外で適切に解決するための手段、これを十分に確保するために各地の弁護士会が設置している弁護士会仲裁センターを大いにあるいは積極的に活用していくことがいいのではないか、その必要性を感じますけれども、この点については現状はどんな状況でございましょうか。
○政府参考人(房村精一君) 現在、弁護士会において仲裁センターを設置しているところが全国で十一カ所ございます。平成十年中の取り扱い事件でございますが、平成十年中で全国で五百二十八件の事件を取り扱い、二百十四件について和解または仲裁によって解決をしたというのが実情でございます。
○海野義孝君 大変ありがとうございました。 今おっしゃった五百二十八件中二百十四件が和解、仲裁ですか、成立したということですが、これはどういう事案についての件数でございますか。
○政府参考人(房村精一君) さまざまな事件がございまして、まず額で申しますと、百万円以下の比較的少額の事件が約五四%を占めております。平均で申しますと、もう少し高額な事件もありまして、高いものは何千万というものも入っておりますけれども、そういったところでございます。 また、内容的には不動産売買をめぐる紛争であるとか不動産の賃貸借をめぐる紛争、請負契約、貸し金その他さまざまな、あるいは家族間の紛争、こういったものもありまして、非常に広く身近な法律問題全般について取り扱いがなされているようでございます。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 引き続いてでございますけれども、消費者契約に係る紛争解決に当たっての弁護士会仲裁センターと消費生活センターとの連携を図るなど、より利用しやすいものとなるようにしてはいかがか、そういうふうに思うんです。 そのためにも、さっきおっしゃったのでは、仲裁センターは全国の設置箇所が十一カ所というようなお話でございましたけれども、この仲裁センターの設置をもっと広げていっていただけるようにと思うんですけれども、その点についていかがでございますか。
○政府参考人(房村精一君) 確かに弁護士会、東京に三会ありまして、全国で五十三の弁護士会がありますので、その中ではまだ設置されているところの方が少ないわけでございますが、ただいまの十一という中でも、ことしの平成十二年四月に京都で設置されるというぐあいに、なお設置の努力がそれぞれの弁護士会においてなされているようでございますし、またそれぞれの弁護士会でも仲裁センターの利用促進のための普及活動等も努力をされているということでございますので、今後、このような消費者契約法の成立も相まってさらにそういう努力をしていただけるのではないかと考えております。
○海野義孝君 全国的に見ますと弁護士というのは、当然かと思いますが東京などの大都市周辺にやっぱり集中しているという傾向があると思うんです。つまり、地方では不足している地域もあるように聞いておりますけれども、先般の参考人の方のお話ですと、例えば司法書士など専門家の法律的な活用、例えば法律相談とか訴訟代理とか、こういったことが求められるのではないかというような陳述をされていたように私は記憶しているんですけれども、この点につきましての政府の見解はいかがでございますか。 最近いろいろと司法行政の問題等についてのことで、行政書士とか司法書士とか弁護士だとか、いろいろなところでのいろんなことがあるやに聞いておりますけれども、やはりそういった生活者の方、消費者の方が安心していろいろと消費契約ができるという面からも、トラブルに対してのやはり迅速なそういう相談ということがやっぱり大事じゃないかと思いますので、その辺についての政府の御見解はいかがでございますか。
○政府参考人(房村精一君) ただいま先生御指摘の司法書士等の隣接法律専門職種の方々にどの程度法律事務を取り扱わせるかということは、国民に利用しやすい司法制度を実現するという観点から非常に重要な検討課題でございます。 現在、内閣に司法制度改革審議会が設置されまして、二十一世紀の司法制度について国民的視点に立って御審議をしていただいているところでございますが、その司法制度改革審議会が取りまとめました論点整理、審議項目の中にも、弁護士と隣接法律専門職種との関係ということが取り上げられておりまして、司法書士の方あるいは弁理士、税理士の方々についてどのような法律事務の取り扱いを認めていくのかということが検討される予定になっております。 この問題につきましては、利用者である国民の側から利用しやすい司法制度という観点で検討していただくというのは当然ですが、同時に、専門職種でございますし、また取り扱う内容が国民の権利義務に直接かかわる事柄でございますので、その方々の専門的な能力、こういったものをどう担保していくかという観点も必要であろうと思っております。 いずれにいたしましても、そういう国民のための司法制度という観点からこの審議会において十分な検討がなされるよう、法務省としても協力していくつもりでおります。
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。 次に、苦情処理委員会のことですが、これも実は一昨日の参考人の方の陳述の中に出てきまして、私も具体的にこういった委員会があって活動しているということについては大変不案内でございましたけれども、そこで出た御意見がこういうことがあったんです。国民生活センターの苦情処理専門委員会と都道府県の苦情処理委員会の連携を検討すべきと、そういうお話があったわけです。 具体的に、この国民生活センターの苦情処理専門委員会とはどういうもので、どういうメンバーで、具体的にどういうような活動をされているかということについてお聞きしたいんです。
○政務次官(小池百合子君) 今御質問ございました国民生活センターの苦情処理専門委員会はどういうものかということでございますが、これは、国民生活センターに寄せられました消費者からの苦情の中で解決が極めて困難となっているような事案について、国民生活センターの会長から諮問を受けるというものでございます。公正かつ中立的な立場から助言等を行うというような機関でございまして、メンバーは専門の技術者、そして法律専門家等の学識経験者によって構成されておりまして、まさに苦情処理専門委員会ということでございます。 それから、苦情処理委員会でございますけれども、こちらの方は地方自治体が条例に基づいて設置しているわけでございまして、知事等からの付託によりまして消費者、事業者、学識経験者の三者から構成され、あっせん、調停を行う機関ということでありまして、国民生活センターの苦情処理専門委員会と地方自治体の苦情処理委員会とは若干機能、構成が異なっているところでございます。
○海野義孝君 もう時間が終わりに近づいておりますので、あと二問、消費者の教育という問題についてお聞きしたいと思います。 今回の法案の審議を通じましてわかったことは、やはり意外に若い人たちがいろんなそういう契約のトラブルに巻き込まれると。それについては、やはりいろいろな知識が不足しているというような面が指摘されているわけでございますけれども、第一点は、消費者に対する普及啓蒙活動のために国民生活センターはどのような役割を果たすべきか、果たしていくのかという点が一つ。 もう一つは、最後にこれは大臣にお聞きしたいと思うんですが、本法律案によりまして民事的な一般ルールを社会に認知させるというための消費者教育の一層の推進を図る必要性があると、こう思われます。また、学校教育などにおける消費者契約に関する消費者教育の支援に積極的に取り組む必要があると、このように考えますけれども、以上二点につきましてそれぞれお答えいただきたいと思います。
○政務次官(小池百合子君) まず、国民生活センターでございますけれども、もう既に委員御承知のように、各地の消費生活センターとの連携によりまして、消費生活に係るさまざまな問題の情報の収集そして分析、調査ということを行った上で、国民生活に関する情報提供機関としてその結果を幅広く御提供するという機能を持っており、また実施をいたしております。 今回のこの消費者契約法でございますけれども、施行の際には、国民生活センターにおきましてテレビ番組とか出版物などを通じての普及啓発活動、それから今度は各地の消費生活センターの消費生活相談員等に対する教育研修を行うということで、全体的な普及啓発に当たってまいりたいと思っております。
○国務大臣(堺屋太一君) 消費者の自由な選択が広がるにつれまして、消費者が消費者の契約あるいは商品の売買について知識を持たなきゃいけない、賢い消費者にならなきゃいけない、これは大変重要なことになってきております。それによって日本社会全体の向上も進められる、消費者主権によって日本の市場を高めていくという必要がございます。 そうなりますと、やはり消費者教育ということが大変重要になってまいりまして、学校におきましても消費者教育というようなことを考えております。消費者契約教育の推進を図る観点から、消費者取引に係る諸制度に関する基本的な知識、判断能力あるいは契約上のトラブルの解決能力を体系的に身につけるいわゆる消費者教育の体制整備に努めていかなければならないと考えているところでございます。 十一年度から五カ年計画で消費者契約教育に関する調査を行っておりまして、初年度においては高等学校を中心とする学校教育の場で活用できる消費者契約と紛争解決の諸手段に関する副教材を作成したところでございます。 また、十二年度以降におきましては、住宅、金融、介護福祉の分野の契約について調査研究を行うことを考えておりまして、これらを通じて消費者の適切な判断能力及び主体的な行動能力の涵養を目標として消費者契約教育の支援に取り組んでいきたいと思っております。
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。 以上で終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 本法案は、その目的に消費者利益の擁護を図るということをうたっております。しかし、政府の法案では私は不十分ではないかと。その点をきょうは具体的な事例に基づいてただしていきたいというふうに思います。 これは実際に先日私が地元で相談を受けた事例なんですが、御紹介いたしますと、バブル最終盤の今から十二年前、将来の資産価値を考えて一億三千五百万円の土地建物を購入された、仮にAさんとしておきますが、このAさんはその土地を担保に銀行と借り入れローンの契約を結ばれました。Aさん御本人と息子さんの名義で合計八千万円を借り入れられたわけですが、土地の担保価値がその後下落をし、ことしになって追加担保の差し入れか、あるいは差額分の支払いを求められたと、大変困っているという御相談であります。銀行は、現在、Aさんの居住しておる住居の売却等を視野に入れて対応してきているということでありました。 まず大蔵省に伺いますが、現在、金融商品の販売等に関する法律案が審議をされておりますけれども、この法案では金融商品の販売に際し事業者に重要事項の説明義務を課していると思います。この法案は、私が今紹介をした例のようなローン契約、これは変動金利型ローンでしたけれども、これを対象としているんでしょうか。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 今、先生がおっしゃいました金融商品の販売等に関する法律案におきましては、金融商品のリスクにつきまして顧客にきちっと説明をさせる、そのことによりまして顧客の保護を図ろうという法案でございます。したがいまして、顧客がその資金の出し手となりまして金融商品のリスクを引き受けるという場合に対象となってまいります。 先生今お話しのローン契約の場合は、金融機関の方がお金を出して、その回収等に関するリスクは金融機関の方が引き受けるという関係になってまいりますので、金融商品販売法案の対象とはならないということでございます。
○山下芳生君 おっしゃるとおり、金融商品販売法の対象は具体的には預貯金とか信託であるとか保険、有価証券等でありまして、ローン契約は対象にならないということであります。 それでは経企庁に聞きますが、そうしますと消費者契約法では、今私が紹介した事例というのは、つまり変動金利型ローン契約というのはその対象になるんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) この消費者契約法は民事ルールでございまして、民法における契約のうち、本法で言います消費者と事業者との間の契約をする消費者契約はすべて対象としております。したがって、ローン契約あるいはその抵当権の設定契約も、消費者と事業者の契約である限りこの対象になります。 ただし、個人でございましても、その土地を事業に使うというような場合は事業者になりますから、契約の対象にはなりません。
○山下芳生君 対象になるということです。 そこで、少し立ち入って伺いたいと思うんですが、このAさんは契約を結ぶ際に銀行員から契約書を見せてもらっていないと言うんですね。口頭で説明を受けた、それで契約を結んだと。サインするときは確かに契約書にサインしているんですけれども、中身を見せてもらっていないということでありました。 こういう契約のやり方というのは、この消費者契約法案で有効なんでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) 本法案は事業者に対して契約書の交付を義務づけているものではありません。 それで、有効かということで、そういうことを不交付の場合には取り消しにできるのかという御質問と理解してお答えしたいと思いますけれども、本法案の取り消しは、誤認の場合には四条第一項、第二項、つまり不実のことを言った、あるいは断定的な判断、有利なことを言った反面として不利なことを言わなかったというようなことが要件になっていますけれども、不交付の場合にはこの要件に該当しませんから、これによっては取り消しは認められないということであります。
○山下芳生君 念のために聞きますけれども、銀行は契約書ではなくてパンフレットというのを必ずつくっております。では、こういうパンフレットを見せるということで契約書を見せない場合、これも有効になるんですね、取り消しの対象にならないということですね。
○政府参考人(金子孝文君) 今申し上げた要件には該当しませんので、取り消しにはなりません。
○山下芳生君 そこで問題が生じるんですが、このAさんは口頭説明を聞いた際、あるいは仮にこのパンフレットを見せられていたとしても、このパンフレットの中身には重要な事項が説明もされていなければ書かれてもいないんですね。具体的には、担保割れしたときには追加担保を差し入れるという旨の説明も記述もなかったと。こういう場合もどうなんでしょうか、有効なんでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) 情報の不提供をもって取り消しの要件とするかどうかというのはこの場で随分議論されているわけですけれども、この追加担保提供義務、これについて単に情報を提供しなかったという理由だけでは要件に該当しませんので、取り消しは認められないということです。
○山下芳生君 これは私は本当に問題だと思うんですね。 このAさんというのは公務員の方なんですよ。ですから、一般的、社会的な常識というのは十分おありの方であります。しかし、住宅を購入する、土地を購入するなどというのは、そういう方であっても一生に何回もあるわけじゃありません、こういう大きなローン契約というのは。したがって、この方は、担保を設定すればそれで借入金の借り入れはできるんだと、それが価値が下落して追加担保しなければならないなどということは、この方は知らなかったとおっしゃっているんですね。しかし、重要事項について書面の交付も情報の提供も説明もされていなくても取り消しもできない、有効になっちゃうというのは、私、これは大変消費者の利益を擁護するという点で不十分ではないかと。 やはり、消費者が契約を結ぶ際に必要な情報については事業者が提供するということを義務づける必要が、私はこういう事例を聞くにつけあると思いますが、長官いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今のケース、これをどう判断するかというのは非常に難しい司法の問題も含まれているような気がいたしますけれども、一般的に申しますと、どういうことが重要事項か、この趣旨に関して全部告げなきゃいけない。明らかに行為としてうそを告げるとか、あるいはこういういいことがありますよと言いながら、反対に、悪いことを相手が知らないと知りながら告げないとかいうような行為によって行われたことは取り消しの対象とする。これは取引の上でも大変あり得べき、またこの法案はそうなっているわけですけれども、何々をしなかったということを理由に取り消しということになりますと、どれだけのことをしなきゃいけないかというのが非常に不安定になります。 具体的にこれとこれと規定されるような、例えば今の金融商品の場合でございますと非常に内容がはっきりしておりますが、こういう一般的にかかっているものについて、そのすべての情報を提供しないと取り消しの対象となるとなれば非常に取引が不安定になります。だから、一般的に情報を提供するのをすべて義務といたしますとなかなか難しい。取引が成立し経済を安定させることにならないと思いますので、そこのところはやはり情報提供の努力義務、努力ということで置くのが正当だと考えております。
○山下芳生君 しかし、非常に今困っているわけですね、現実に公務員の方が、そのことを知らないまま契約をしてしまったということで大変な事態になっているわけですから。どこまでも無制限に提供しなければならないんじゃなくて、これは契約書に入っていることなんですね。しかし、そのことが提供されなくてもそのまま契約が有効になっちゃう、消費者契約法をもってしてもということだったら、これは十分利益を擁護するということになり得ないんじゃないかということを申し上げたいと思います。 続いて伺いたいんですが、このAさんは契約の際に変動金利型ローンについてこういう説明をされたと。今後金利が下がれば低い金利で返済できるので有利ですよと、こういう説明なんですね。ただ、説明はそれだけであって、例えば金利が上がれば不利ですよという説明はなかった、あるいは今度金利が下がれば当然担保価値も下がることが考えられ、そうなれば不利ですよという説明もなかったわけです。 私、これは法案四条二項、不利益事実の不告知、つまり消費者の利益となる旨を告げかつ不利益となる事実を告げなかった場合に当たると思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(金子孝文君) 法の四条第二項、これには、当該消費者に対してある重要事項または当該重要事項に関する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ当該重要事項について当該消費者の不利となる事項、事実、これを故意に告げなかったことにより誤認した場合には取り消しができるということになっています。 そのときに、利益と不利益というものなんですけれども、これの解釈としては、その間に密接な関連性があるというようなことが基本になっています。 例えば、変額保険が一九八〇年代の中ごろ出てきたときに、これは利回りがいいですよと言ったわけですけれども、その反面としてはこれはハイリスク・ハイリターンですから、そのハイリスクの方が言われなかったということになりますと、そういうものが、つまり利回りがいいということが有利であって、その反面リスクがあるというのが不利益、そういうような関連性のある不利益を言わなかったということがこの問題になるわけです。 それで、今委員が御指摘の金利が下がるから有利になるだろうということと、それから担保物件の価値が下がるということ、ここをどういうふうに考えるか、なかなか難しいと思うんですけれども、ただ、私どもとしては、このあたりの密接な関連性ということは必ずしもあるとは言えないのではないか、こう考えています。したがって、その場合には第四条第二項の要件には該当しないのではないかなと、こう考えている次第であります。
○山下芳生君 該当しないということなんですが、私、今の説明を聞いても、極めて不利益事実の不告知という範囲が限定的だというふうに思わざるを得ないんです。 この法文を読んでも、単に不利益事実を告げなかっただけではあかんというわけですね。その前に「かつ、」がついている。つまり、有利になる、利益になる事実を告げた場合に限る。しかも、今御答弁があったように、利益と不利益の間に密接な関連性がなければいけないと。具体的にはさっき紹介されました変額保険というふうな場合が該当するというのですが、なかなかそれにぴったり当てはまるような事例というのは少ないんではないかと思うんです。 例えば、私、経企庁の方に聞きましたら、もう少しわかりやすい事例でこういうことをおっしゃってくれました。マンションを購入しようとされる方に、このマンションは日当たりのよいマンションですよと、こう勧誘をした。しかし、実は隣に別のマンションがこれから建つという予定になっていて、日当たりがよくなくなるということは告げなかったと。こういう場合は、日当たりがよいということを告げたことによって、まさか隣にマンションが建つことはないであろうというふうに関連があるから、言わなければ不利益事実の不告知になるというのですけれども、これだって本当に狭いと思うんです。 こういう例を探すのは本当に大変なぐらいなんですが、逆に考えると、例えばこの例ですと、日当たりがいいですよと言わなければ隣にマンションがこれから建ちますよと言わなくても不利益事実の不告知にならないということなんでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) 確かにそれは不利益ですけれども、不利益事実の不告知にはなりません。 ここでも何回も議論が行われたわけですけれども、確かにこの例だけを見ますと、それはこういうことを言わなきゃいけないというルールをつくることが適当ではないかと、こう考えられるわけです。しかし、これは包括的なルール、すべていろんな業を含むわけですから、したがって、不利益事実を言わないときには取り消しになるということになりますと、一体どういう不利益を言わなきゃいけないのかということが問題になります。したがいまして、仮にある業においてその不利益情報の不提供が大きなトラブルの問題になるとすれば、それはその業を対象にした業法の中で対応していくことなのかなと、こう考えております。 先ほど説明がありました金融商品サービス法の中にも、そのリスクについて情報を提供しない場合には損害賠償になるというふうなことになっていますので、そういう形で、非常に必要な場合には個別の中でやはり対処していくべきものではないかと、こう考えている次第であります。
○山下芳生君 個別の中でということなんですが、私が聞いたマンションの問題は個別の中にはまだ入っておりませんからね。つまり、日当たりがよいと言わなければ隣にマンションが建ちますよと言わなくてもいいということになっちゃうわけで、これは私は、こういう説明をしていると、もう本当に悪徳不動産屋が聞いたら泣いて喜ぶような説明ではないかと思うんですよ。 それで、それだけではないと。その上かつ故意でなければならないということになっているわけです。故意であるということを消費者がどう証明するのか。例えばこのマンションの場合だったらどんなふうにできますでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) その前に、一つだけちょっとお答えさせていただきたいと思います。 日当たりがいいかどうかということに非常に関心があれば、それは消費者の方から事業者に対して、これは日当たりがいいんでしょうねと聞けばいいんですね。それで、いいですと答えたら、それは不実になります。ですから、そういう面で消費者がそれに対してそれなりの注意義務、それは大して難しい話じゃないと私は思いますけれども、そういうことをやればそれは不実で対応ができるということだと思います。 それから、故意の話ですけれども、故意の立証が難しい。この事例に即してということなんですけれども、この故意は何かと申しますと、先ほども説明しましたけれども、当該事実が当該消費者の不利益となることを知っており、かつ当該消費者が当該事実を認識していないことを知っていながらあえてという意味であるということは御説明しています。 したがいまして、立証するためには、まず消費者は、その当該事業者が当該事実が当該消費者の不利益になることを知っていたということをまず立証するわけですけれども、ただ、その場合に消費者は、事業者たる者、特別な事情がない限り当該事実が当該消費者の不利益となるであることを知らなかったということはあり得ないんではないかということを主張できるのではないか。また、そういうことで、そうだろうなということで裁判に行っても事実上そういう推定がなされることが多いのではないかと、こう考えます。 それからもう一つは、当該事業者が当該消費者が当該事実を認識していないことを知っているということを立証しなきゃいけないわけですけれども、これについては、一般平均的な消費者が認識していない事実であれば自分もその事実を知らなかったということを主張することができるし、また、そのような主張によって、まあそうだなということが事実上推定されるのではないかと、こう考えます。 したがいまして、消費者にとってこれらを立証することは、民法の詐欺の要件である二重の故意、それに比べればはるかに容易になっているのではないかと、こう考える次第であります。
○山下芳生君 まず、日当たりがいいですねと消費者が関心があれば聞けばいいというのは、ちょっとこれは余りにもひどいと思いますよ。事業者が販売するんですから、これはやっぱり事業者が聞かれなくても説明するのが私は当然だと思います。そうしますと、今の立証はそんなに難しくないということなんですが、確かにそういうケースだったらそうかもしれません。 しかし、これは事業者の側が、例えばあの方はこの近くにお住まいだとおっしゃったので当然隣にマンションが建つことは知っていると思いました、だから言わなかった、故意ではありませんというふうに言った場合、それからまたは、いや、ついうっかり言いそびれてしまいました、故意ではありませんと、こう事業者が言った場合、これは立証するのもやっぱり消費者の側なんですか、そうじゃないということを。
○政府参考人(金子孝文君) その場合には、確かにお近くにお住まいですから御存じだったんでしょうということになった場合には、それは、いや私はそんなことはありませんでしたということになると思います。ただ、そのときに、近くに住んでいても必ずしも、一般的な人がどういう状況になるかということを知らないことも多いかもしれません。ですから、それは状況によっていろいろ変わってくるのではないか。 それから、うっかりというのは、ここに言う故意の話になりませんから、つまりその事実について認識していなかった、知っていたにもかかわらずということと、消費者がその事実を知らないことを、認識しないことを知りつつという二つのことでありますので、うっかりというのは、この故意とは関係がないということであります。
○山下芳生君 ちょっと確認なんですが、私、故意についての説明を経企庁からいただいたんですけれども、後段の要件なんですが、消費者が当該事実を認識していないことを知っていながらと、これはだれが認識していなかった場合ですか。今の説明では、消費者が知っていないことを自分で知らなかったんだと言えばいいという説明ですけれども、私の聞いた説明は、消費者が知らないことを事業者が知っていながらということが要件になるというふうに私は今認識しているんです。そうじゃないんですか。消費者が、私は知りませんでしたと言えばそれでいいんですか。
○政府参考人(金子孝文君) 確かに、その事業者が消費者がそういうことを認識していないことを知りながらということですから、正確に言えば先生がおっしゃったとおりでありますけれども……
○山下芳生君 違うじゃないですか、さっきの。
○政府参考人(金子孝文君) しかしながら、消費者が知らなければ、それは当然のことながら知らないということになるのではないかと思います。
○山下芳生君 事業者が消費者が知らないことを知っていながらということを立証しなければならないんでしょう。消費者が、私、知りませんでしたと言うだけでいいんですか。いいんですね。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員おっしゃるように、これは事業者の側の故意でございますから、事業者が消費者が知らないだろうと知りながらということでございます。 一般に常識として、事業者が消費者が知らないだろうと。当然、知りそうもないようなことでございますれば、事業者である以上はそれはやはり消費者がそこまでは知らないだろうという推定はできますけれども、その要件といたしましては、消費者が知らないであろうことを事業者が知りながらという意味でございます。
○山下芳生君 ちょっともう一回説明してください。
○政府参考人(金子孝文君) 失礼いたしました。私がちょっと勘違いしていまして、今大臣が申し上げたことが正しい……
○山下芳生君 そうでしょう。国会で今大事な審議をしているときに、担当者が勘違いなんて言わんといてよ。ちゃんと訂正してくれないと困る。
○政府参考人(金子孝文君) 当該消費者が当該事実を認識していないことを知っているということについては、当該事業者が当該消費者が当該事実を認識していないということを立証しなければならないということであります。
○山下芳生君 だから、さっきのあなたの事例は間違っていますね。
○政府参考人(金子孝文君) 後段は間違っていました。失礼いたしました。
○山下芳生君 大問題ですよ、こんな大事な審議のときに直接の担当者が間違って答弁するなんて。これで世界に冠たる消費者契約なんてよう言えたもんやと私は思います。 続いて法務省に伺いますが、先ほどの私が紹介したAさんの事例ですが、評価の減少による担保割れが起きた場合に追加担保を入れる説明をされていない、また契約書を交付されていなかった。つまり、消費者が契約内容にその条項があることを認識していなかった場合、果たして双方の合意による契約が成立していると断定できるんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) この点は、当該の事業者と消費者の具体的やりとりによって決まるわけですので一概に断定的にお答えするのは難しいんですが、一般的な民事の契約の成立に関する認定のルールを申し上げますと、双方が署名押印した契約書があるということになりますと、通常の裁判におきましては、そこの契約書に書かれている条項によって当事者が合意したと、そういうふうに認定されるのが通常でございます。 そういうことでございますから、その上で、仮に口頭で説明がなかった、あるいは事後に契約書を渡されなかったということがございましても、裁判の実務ではそういうことがあったからといって契約が成立しなかったということになるのは非常に難しいだろうと、余りないことだろうというふうに考えております。
○山下芳生君 念のために確認しますけれども、消費者が理解をしていない場合でも、例えば判こを押せば契約を承諾したということになるということですね。
○政府参考人(細川清君) 合意というのは、双方の意思が合致することであります。ですから、要するに文書によって契約条項が定められているものがあれば、通常の場合には意思の合致があったというふうに推定されるというのが一般的なルールでございます。
○山下芳生君 そういう推定されるんだけれども、実際は知らなかったということなんですね。この場合、民法で、契約内容を知らせずに契約させようとしたことで詐欺等になることはありますか。
○政府参考人(細川清君) これも具体的事実関係によりますものですから一概に断定的に申し上げるのは難しいんですが、契約書を、署名するからには、相手方に見せて、そして読んでもらっているわけですから、それをそちらの方が、本来開示された人がそれを十分に理解できなかったと言っても、通常は契約が成立していないとは言えないということでございます。
○山下芳生君 つまり、民法では通常はそれで契約が成立していないと言えないということなんですよ、私が紹介したAさんのような場合は。だから、特別法で消費者契約法をつくって、そういう消費者の契約を、格差がある消費者を保護できるようにしようといって契約法を今つくろうとしているときに、私が今紹介したようなことが残念ながら消費者契約法ができたとしても救えないというんだったら、一体何のために契約法をつくるのかということが私は今問われているというふうに思います。 少なくとも、必要な情報については提供する事業者に義務を負わせる、あるいは不利益事実の不告知については、故意ですね、この要件はやっぱり削除するということがどうしても必要だと思いますけれども、長官、改めてどうですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 個々の事例を挙げてまいりますと、こういう包括的な法律におきましてはいろいろと漏れの出る例を探すことはできると思います。 しかし、逆に申しますと、例えば駐車場に車をとめる、そのときにちゃんと、こうこうこうしないとこうですよということまで全部言わないと、ちょっとこすっただけで何十万、何百万ということになるということになりますとこれは大変な問題がやっぱりありまして、一つの契約あるいは一つの売買をするのに大変長い説明を全部つけなきゃいけないということになってまいります。 したがいまして、ここは事業者の側の行為、例えば何々、こういう有利なことがありますよという説明をしながらかつ知っていて言わなかったとか、あるいは尋ねられたのに不実の告知をしたとか、うそを告げたとか、そういうような事業者の側のはっきりとしたことに限定しないと、一体どこまで広がるのか。これはもうそれぞれに必要であれば個別法をつくることができるわけでございますが、この法律で全部事実の告知を義務づけてしまいますと、それはいろんなケースというよりも大多数のケースにおいてなかなか難しい問題が生じてしまう、そういうことも考慮していただきたいと思います。 今、委員の挙げておられる例だけを見ますといろいろそういう場合もあるでしょうけれども、これは何といっても労働契約を除くすべてに当てはめていくものでございますから、すべて事実を言わなきゃいけない、情報を言わなければ取り消しというような強い行為をいたしますと契約がどこまでも不安定になるという問題がございますので、この点はやはりこの法案に出させていただいているのが最善のところかと考えております。
○山下芳生君 それを最善とするところに私は問題があると思うんですね。 やはり、これは事業者にとって過酷でも何でもないと私は思うんです。契約に際して、必要最小限必要な情報を提供するというふうに、無制限じゃないわけですから限ればいいと思うんですね。そういうことは、私は、健全な取引ルールを目指す健全な事業者だったら当然やるべきことだというふうに思います。 次に、二つ目の事例について少し伺いたいと思います。 これもまた聞いた話でございますが、実例です。 産業廃棄物処理場の跡地が宅地として造成され、その土地を購入されたと、Bさんといたしますが。しかし、もともと廃棄物処理場であったという説明を受けずに、宅地としては最適ですよ、環境もよく価格も手ごろですよと、こう説明をされました。ところが十数年後、その土地に有害物質が含まれていることがわかって、今売却もできず住むのも健康上大丈夫かなといって不安になっていると。このようなケースは少なくはないと思うんですね。欧米では土地の履歴を明記しなければならない法律がありますが、我が国ではそういう法律はございません。 こういう事例は、今度の消費者契約法ができればどうなるのか。もともとこの土地は産業廃棄物の処理場でしたよという情報を提供しなくてもいいのか。それから、それを提供しなかったら不利益事実の不告知に当たることはないのか。いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) まず、環境がよくて宅地として最適と、これは消費者の利益になる旨を告げているわけであります。そして、不利益になる事実、つまり産業廃棄物処理場の跡地であった、そして有害物質が出る可能性があるというのを告げなかったということが故意でございますれば、これはこの法律の第四条第二項の取り消し要件に該当いたします。 ただし、今委員のおっしゃったのは十数年と、こうおっしゃいましたが、十数年ということになりますと、この法律は五年でございますから、恐らく時効にかかると思います。
○山下芳生君 わかりました。時効の問題は今からやりたいと思います。 じゃ、今の第七条の取り消し権の時効の問題なんですが、ここでは、「追認をすることができる時から」と、こうあるんですが、これはどういうときなんでしょうか、説明をしてください。
○国務大臣(堺屋太一君) 追認をできるときというのは、契約を結んだときに錯誤に陥れた、あるいは監禁とか不退去とかいうような不利な条件、それが解けまして、これが自分がそういう状態で、そうでなければ結ばなかったということを認識できるようになった状態からでございます。だから、その状態から起算することになっています。
○山下芳生君 誤認に気がついたときだということだと思うんです。 もう少し正確を期すために伺いたいんですが、その誤認に気がついたとき、気がつくことができるときだと思うんですけれども、これは、客観的、社会的状況によって消費者が誤認に気づくことができると一般的に判断されるときなのか、それともあくまで個々の消費者がおのおの誤認に気がついたときなのか、どちらでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) 追認することができたときとは、客観的に見て一般平均的な消費者が追認し得ると判断されるときではなくて、当該消費者、すなわちその消費者本人が、事業者の重要事項について事実と異なることを告げることにより誤認したことに気づいたとき、または事業者が消費者の住居または業務を行っている場所から退去しないこと、もしくは事業者が勧誘している場所から消費者を退去させないことにより当該消費者に生じた困惑をその消費者自身が脱したとき、そういうことで、その消費者個人の問題であります。
○山下芳生君 そういうふうに気がついたときに、この消費者はどのようにして取り消し権の行使を表明すればいいんでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) ですから、その相手方に、私はこの契約を取り消したいということを申し出るということであります。
○山下芳生君 それだけで。
○政府参考人(金子孝文君) はい。
○山下芳生君 その際、いや、あなたはいついつ気がついたんだと、つまり追認することができたんだと言うけれどももっと早かったはずだ、したがってもう時効なんだというふうに事業者が主張するとすると、その際、もっと早く気がついていたはずだということを立証するのは、あるいは気がついていなかった、やっぱりここだということを立証するのはだれになりますか。
○政府参考人(金子孝文君) 消費者が追認をしたことの証明責任については事業者側にありますので、それは事業者がしなければならないということです。
○山下芳生君 私、これは消費者にとって非常にいい規定だなというふうに思うんですけれども、そうであるからこそこの間ずっと議論になってきたんですが、日弁連の行った消費者契約何でも一一〇番では、追認することができるとき、つまり誤認に気がついたときから、それからずっと悩んで相談員さんや弁護士さんに相談をするというのが、半年越えて一年ぐらいたってから相談されるケースが多いということをこの間の参考人の方もおっしゃっていましたし、報告でもそうなっております。 ですから、せっかくそういう消費者に有利な条項ですから、実際活用し切れるように、私は、この取り消し権の時効についてはさらに延長もすべきではないかと。そうじゃないと、なかなかこれが、せっかく気がついて取り消そうと思っても悩んでいるうちに時効になっちゃうということが出てくるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) 六カ月の期間でありますけれども、追認したときから六カ月という短期の行使期間ですけれども、先ほど申しましたように、これは裁判所に持っていかなければいけないということではありませんで、その契約の相手方に、私はこれを取り消すという意思を明確に表明すればいいということであります。 確かに、そこがよくわからなくて長い間かかってしまうということもあるかもしれません。ですから、それについては、消費者契約法ができた暁には、六カ月ということなんだということをしっかり情報提供し、啓発していくことが必要ではないかと、こう考えている次第であります。
○山下芳生君 次に、無効となる契約条項について質問をしたいと思います。 第八条、九条、十条にそのことが定められているわけですが、まず、無効条項については約款として書面のない契約であっても適用されるんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 書面のない契約でございましても、本法第八条から第十条までの規定に該当する条項が契約の内容になっている場合には適用対象となり、本法第八条ないし十条の規定によって無効になります。 また、事業者と消費者との間の個別の交渉があった条項についても適用対象となり、無効となります。
○山下芳生君 二つ目の御答弁について確認したいんですけれども、つまり例えば契約書の中にいっぱい条項がある、その中の一つに、私は仮に何々があっても一切責任を負いません、事業者は、という条項があったと。これはもう無効条項ですけれども、その無効条項が無効だということを消費者が知らなかったと。しかし、その事業者が、この条項は特に大事ですからよろしく御理解をお願いしますよと念を押した、あるいは一筆書かせたということになったとしても、これはやっぱり無効を主張できるということでいいんですね。
○政府参考人(金子孝文君) 無効だと思いますけれども、せっかく民事局長来ていらっしゃるので民事局長に答えていただくのが適切かなと、こう思います。
○政府参考人(細川清君) 無効な行為は、後に追認等の行為がない限り、無効の条項を合意した事情がどうであれ無効は無効でございます。
○山下芳生君 わかりました。 続いて私は、第十条の一般条項、これは当然必要だと思うんですが、それとともに、八条、九条以外にもどういうものが無効になる不当条項に当たるのかということをリストアップすることでこの法律がより効果的に機能するということだと思うんです。先日の参考人の御意見でも、やはりリストはあった方がベターだという御主張がありました。 そこで、どのような場合が第十条で信義誠実に反し、消費者の利益を一方的に害するものに該当するのか、少し具体的にお尋ねをしたいと思います。六点聞きます。もう全部読み上げますので、後で答えてください。 一つは、消費者の解除権を一切認めない条項が入っている場合。二つ目に、消費者の法定解除権を制限する条項が入っている場合。三つ目に、事業者の証明責任を軽減し、消費者の証明責任を加重する条項が入っている場合。四つ目に、事業者の権利の担保責任を全面的に排除する条項が入っている場合。五つ目に、消費者の一定の作為または不作為によって消費者の意思表示がなされたものまたはなされなかったものとみなす条項が入っている場合。六つ目に、事業者の権利または物の担保責任について、担保責任の発生事由、内容、権利行使期間、行使方法を制限する条項が入っている場合。 以上六点、それぞれ、私はこれはすべて第十条に該当し得ると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) しばらくちょっとお時間をいただきたいと思います。
○委員長(成瀬守重君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(金子孝文君) この消費者契約法第十条でありますけれども、これをもう一度確認のために朗読させていただきますが、十条は「民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、」ということで、民法、商法が任意規定を定めているわけですけれども、その定めている場合に、その定めているものに比べて「消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に」、つまり信義則に「規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」ということであります。 したがいまして、今委員御指摘の点につきましては民法の任意規定、それに該当して……(「落ちついてやれよ、慌てないでいい」と呼ぶ者あり)慌てないんですが、なかなかたくさんありますので。失礼いたしました。 まず、消費者の解除権を一切認めない条項というものがあります。これは民法五百四十一条等に反するものとして本法十条に該当する可能性があると考えられます。 それから、事業者の担保責任を全面的に排除する条項をお挙げになったと思いますけれども、これは本法八条に該当する可能性が高いと考えられます。 それから次に、事業者の権利または物の担保責任について、担保責任発生事由、担保責任の内容、権利行使を制限する条項について指摘されたと理解しておりますけれども、これは民法五百七十条に反するものとして本法十条に該当する可能性があると考えられます。 それから、消費者の法定解除権を制限する条項、これは民法五百四十一条などに反するものとして本法十条に該当する可能性があると思われます。 それから最後に、事業者の証明責任を軽減し、または消費者の証明責任を加重する条項、これは民法四百十五条等に反するものとして本法十条に該当する可能性があると考えられます。
○山下芳生君 一個漏れまして、消費者の一定の作為、不作為によって意思表示が云々という、これはどうでしょうか。
○政府参考人(金子孝文君) それは民法五百二十六条に反するものとして本法十条に該当する可能性があると考えられます。
○山下芳生君 今六点聞きましたけれども、いずれも八条ないし十条に該当する可能性があるという御認識でした。 これ以外にも私は十条等に該当すると解釈されるものがあると思いますけれども、どうでしょうか。それ以外にもあるでしょう。
○政府参考人(金子孝文君) これ以外にもございます。
○山下芳生君 法律が仮にできたら、私はやはり経企庁の解説書、コンメンタールなどで八条、九条というのは具体的にはこういう事例ですよ、あるいは十条というのはこういう事例ですよということをそれぞれ解説する必要がある、それが使い勝手のいい法律になっていくというふうに思いますが、私はそういうことも法定すればいいと思うんですけれどもね。少なくともそういうことはきちっと解説書で示すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) お説のとおり、できるだけ具体的な事例が書ける限り、コンメンタールその他、解説書でこれを挙げて消費者、事業者双方の理解を深めるように努めたいと考えております。
○山下芳生君 最後に、消費生活センターの問題について伺いたいと思います。 この法ができたら、これまで以上に消費生活センター等の役割が大事になってくるということは長官も政務次官も繰り返しお述べになっておられます。そこで、一体どういう役割をこの消費生活センターや相談員の皆さんに期待するのか、特にこの契約法ができたらどういう役割を期待するのかということについて伺いたいと思います。
○政務次官(小池百合子君) 御指摘のように、現在、全国で約四百カ所ございます消費生活センターは、消費者のさまざまな相談に応じることによりまして、また消費者の啓発など消費者行政の拠点として大きな役割を果たしておられるということは再三お伝えをしてまいりました。 そこで、経済企画庁といたしましては、消費者契約法の実効性の確保という点からも、消費者と事業者との間の取引に関する紛争について相談、あっせんを行うADR、裁判外紛争処理機関としての役割がますます重要になってきているということにつきましては、この点も再三お伝えしているとおりでございます。
○山下芳生君 いろんな役割がおありなんですけれども、私は、そういう方々が大変努力をされている、しかしやっぱりなかなか大変な実態に置かれているというのは今までずっとありました。 私も地元の大阪の相談員の皆さんに御意見を聞いたんですけれども、例えば大阪府下四十四自治体あるんですが、常設のセンターというのはまだ十七、八ぐらいしかありません、地方の自治体で。だから、常設のセンターがないところは例えば週に一回とか月に一回とかしかやっていない。しかも、一回三時間ぐらいしか開設されていないんです。それでもほかの県と比べてみればましな方だということも教えていただきました。 ただ、そういう中で、これまでも随分紹介があり議論があったところですけれども、地方の予算が削られて体制が弱体化していっているということが紹介されたんですけれども、私、こういうことも聞いたんです。相談件数が少ないから予算を削るんだというふうな主張がどうも一部の自治体ではあるようだと、しかしそれは違うんだと言うんです。それは逆なんだと。相談員の数をふやすたびに相談件数はふえているということをおっしゃっておりました。 つまり、例えば今相談員が常設のセンターでもお一人ぐらいしかいないと。そうすると、相談中にほかの電話が入ってきてもとれないんです。だから、ある方は前年に比べて三〇%相談件数がふえたと。その一番大きな原因は相談員さんを一名ふやしたんだと。そうすると話し中でももう一人の方がとれるから、それで相談件数がぐっとふえたと。だから、本当にそういう意味では、件数が少ないから人が要らぬだろうじゃなくて、人をふやせば件数がふえるという関係にある。そのぐらい忙しく多忙な活動をされているんだということを伺いまして、なるほどなと思った次第です。 大体、一件の電話に三十分ぐらいかかる。来室されたりするとやっぱりいろいろ聞き取りますから二時間ぐらいかかると。消費者のために熱心に相談活動をすればするほど件数が減るというんです。そうすると、これではだめですよというふうな評価になっちゃうと、余り熱心にやらずに、だめですよとか打ち切れば件数は上がるけれども、そうはいかない。この辺のジレンマを考えると、私はやっぱり体制の強化というのを最優先でやることがこの法の実効性にとっては非常にかぎを握っていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 大変いい話を教えてもらいました。これから都道府県に予算をつけるように説得するときに委員の例を挙げさせていただきたいと思います。 私たちも、この自由経済、市場経済になるときに、消費者行政というのはまさに大変重要なことであり、特にそういう相談に応じるという地に足のついた活動をしなきゃいけないと思っています。 ありがとうございました。
○山下芳生君 最後に、そういうことを実効をもって支援していく上で、私は、地方自治体の相談員の皆さんの実態それからセンターの実態がどうなっているか、これはやっぱり政府としてきちっと調査をする必要があると思うんです。 私、聞きましたら、これまで政府として調査をしたことはないというふうに伺いました。相談員さんが自主的にやっているのはありますよ。しかし、やっぱりここまで、消費者契約法ができて消費者センターや相談員の活動が大事だとおっしゃるんなら、なぜこれがなかなか大変な実態になっているのか。財政的な問題が一番大きいんだろうなどということが大体だろうということを言われていますけれども、では、どこがどうネックになっていて、そのほかにどういう障害があるのかということをやっぱり政府が責任持って、法をつくるわけですから、調査をして一番的を射た対策を打つべきだと思うんです。 この調査をやるべきだと思いますが、いかがですか。
○政務次官(小池百合子君) 各地方自治体におきます消費生活センターの調査は、実際いたしておりません。 そして、今後の地方消費者行政に関するまさに調査という意味も含めまして、また自治体の具体的なあり方について、国民生活審議会の方で、地方消費者行政に関する検討委員会の場において御検討をいただくという予定になっております。これはせんだって参考人として来られました一橋大学の教授でいらっしゃいます松本先生が委員長でございまして、そして七月下旬までに報告書を取りまとめる予定といたしております。
○山下芳生君 ぜひ実効性ある調査と対策を要望して、質問を終わります。
○梶原敬義君 時間が三十五分ですからたくさんは聞けないと思いますが、よろしくお願いいたします。 大臣、二十日に委員会で審議をいたしまして、二十五日には四名の参考人の方の御意見を賜りました。その参考人の意見の中で一橋大学の松本恒雄教授は、今後の課題として、本法の施行後は各県の消費生活センターの役割が非常に重要だということも言われました。 今、山下議員からもお話がありましたように、消費生活センターの関係につきまして、二十五日に岡田参考人から、全国消費生活相談員協会が会員千二百二十四名に対して、調査票の回収数が八百二十九で回収率六七・七%のアンケート調査をやっている、その資料をいただきました。大臣、見ましたか。ちょっと上げましょう。(資料を手渡す) それを見ていただくとわかるんですが、相談員の身分については、いろいろ非常勤とかあるいは特別職の非常勤とか臨時的任用職員とかあります。 それから、二番目は勤務日数について、これは非常にばらついております。 それから、五番目の雇用契約の更新については、ほとんどが一年の契約更新になっております。これは非常に身分が不安定で、私は、安心して仕事ができないような仕組みになっていると思います。 定年制についてはこのようになっておりますが、五年ぐらいたって本当に仕事を覚えたということになるので、せめて十年はというお話もありました。 七番が休暇について、八番が報酬について、これもばらばらであります。 九番が諸手当、特に通勤手当なんかを見てみますと、これもついていないところもあります。半分ぐらいはすべてなしというところがある。 報酬についての満足度につきましては、不満という人が圧倒的、百五十五のうち百四が不満。 それから、保険の加入は未加入が非常に多い、そんなことでございます。 相談件数は十四番に書いてありますが、これを単純に計算してみましたら、三件から九件ぐらいの人が圧倒的に多いわけです。この前、岡田参考人の話を聞きましたら、大体多い人は日に十件ぐらいの相談がある、それから三十件ぐらい相談を抱えている、そういう状況というのを説明されました。 そこで、こうして一生懸命頑張っておられます消費生活相談員の皆さんの期待というのはやっぱり大きいと思うんですが、私は、二つのことを申し上げて答弁をお願いしたいと思います。 消費生活相談員の重要性にかんがみて、消費生活相談員が安心して相談業務に当たれるよう国として労働条件をもう少しそろえるような、そういう努力はできないか、これが第一点であります。 第二点は、全国の消費生活センターの果たしている機能には、今見ましたようにばらつきがあります。国民がどこに住んでいようとも消費生活センターの相談、あっせんが受けられるような体制をしくべきであり、そのためにも国から財政支援や指導を行うことは国の責務ではないかと考えております。地方の事務として片づけてしまうのではなく、この際、国として積極的な奨励的な意味を兼ねて予算獲得に向けて十分努力をすべきではないか。 私は、経企庁というのは、かつて国会に来たときには非常に大事な役所であり、期待をしておりました。ところが、省庁合併のとき前後から、我が国の経済、景気の見通しについて経企庁の判断が非常に甘いし間違っておりまして、もう経企庁は要らぬじゃないかという雰囲気があった。要するに、こういう消費者契約法もつくり、真剣に取り組めば、また国会においても国民も経企庁に対する評価というのは変わってくるんだと思うんです、省庁合併後も、名前は変わりますが。 今言いました一、二点についてまず答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 先に余談を言って恐縮でございますけれども、最近は民間のシンクタンクよりも経済予測については当たっていると思っております。一時、かなり外れたこともございますけれども、ちょっとその点は一言触れさせていただきます。 消費生活相談員の労働条件でございますが、実は私も大変残念に思っております。 各自治体において自主的に決められる事項でございますけれども、経済企画庁といたしましても、消費者契約法を実効性のあるものにしたいという観点から、消費生活センターにおける苦情相談等に対応する相談員の役割は重要でございます。そのために、やはり働きやすい環境をつくらなきゃいけない。 特に委員御指摘のように、勤務日数を見ますと八日ないし十二日というあたりが一番多いようでございまして、勤務が甚だ不安定、しかも契約が一年というのが圧倒的に多いという点は改善の余地があるのかと思っております。そういう意味から、働きやすい環境をつくるように自治体に対して要請してまいりたいと考えています。 また、消費者契約法の実効性を確保するために、この消費生活センターの相談、あっせんが適切に行われるようにしなきゃいけない。そういう意味からも、この点は大変重要だと考えております。 この消費生活センターに対して国が助成すべきということでございますが、これは自治体の自主性を重んじて、全体の予算の中で国の助成がある中で自主的に判断していただくということになっております。 企画庁といたしましては、交付金の交付によりまして、PIO―NETの充実のほか、国民生活センターにおける相談員の研修の実施あるいは相談業務に関する情報の提供というような、大きなセンター業務の方に力点を置いてまいりたいと考えております。 そういう意味で、これからこの消費者契約法ができますと、PL法と車の両輪をなして自由な契約の世界に入りますので、自治体の方々にもこの仕事の重要性をぜひ認識していただくように努力したいと思っております。
○梶原敬義君 前半部分は理解できましたのですが、後半部分、ちょっと私は二十日の委員会で中小企業診断士の話をしたと思うんです。 商工会議所に配置している中小企業診断士につきましては、かつては国から直接何人分か予算が行っておりました。それが今度は地方事務の移管の問題が分権の問題からきまして、一応その予算が国から県に行きまして、今度は県を経由して今商工会議所に診断士は何人か行っているんですね。だから、この前もくどくどお願いをしたのは、やっぱりそういうケース、場合があるじゃないかと。 だから、交付税交付金の対象にしながらそういう形に持っていって、消費者行政の位置づけというのを経企庁はもっとしっかりすべきじゃないかということをこの前も申し上げたんです、言い方が悪かったかどうかわかりませんが。くどくど言いますが、そのことについて大臣、理解はできますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員お説のことはこの前もよくわかりました。また、岡田参考人の発言の要旨も読ませていただきまして、現場の方々が大変悪条件の中で奮闘していただいていることもよくわかりました。 そういう趣旨からいたしまして、各都道府県にできるだけ要請はしたいと思いますが、これを別建てで補助するという制度にするのはいかがなものか。やはり都道府県、市町村の御理解をいただいて、自治体として重要性を認識してもらって強化していただくのが筋ではないかと考えております。 〔委員長退席、理事馳浩君着席〕
○梶原敬義君 そういいますと、中小企業診断士というのは通産省が組む予算なんですね。経企庁もそれと同じように国、県に対して予算措置をして、それで県があくまで消費生活センターに対しては、県と消費生活センターの間でこの予算措置をすれば、これは経企庁は通産省のやり方に見習いをすれば簡単にできることだと思うんですよ。
○国務大臣(堺屋太一君) 今の状況では市町村に対する交付の積算根拠に入っているわけでございまして、都道府県の方には入っていないんですね。そのことがどうかという点では、地方自治とそれから国の補助とどういうふうに考えていくかという大きな問題もあろうかと思います。 したがいまして、一応積算根拠に入っているわけですから、できるだけ御理解をいただいて、この重要性を理解していただきますれば、また市長さんあるいは知事さんも有権者のことを考えられるのでございましょうから、十分力を入れていただいていると思うんです。 まだどうも全体として消費者行政、特にこういう苦情相談とか、事前規制じゃなしに事後扱いということに日本全体がなれていないことが問題だと思います。だから、我々といたしましても、こういう消費者行政がいかに重要なことであるか、そして自由な選択の中でいかに効果のあることかというのを十分にPRしていきたいと考えております。
○梶原敬義君 ぜひお願いしたいし、経企庁が少し遠慮し過ぎた嫌いがあるんじゃないか、このように思いますから、通産省のやり方は隣に行けば、そういうやり方をやっているのを見習えば、予算措置のことはヒントになると思います。 条文でたくさん質問の用意をしておったんですが、一つ二つ聞きます。 第四条の第一項によりますと、消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘するに際し、当該消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げることにより消費者が誤認をし、それによって当該消費者契約の申し込みまたはその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができるとなっておりますが、この規定によってどのような場合、現在の民法の詐欺の規定に比べて取り消しができる場合がどのようにふえていくのか、拡大をするのか、そのことを聞きます。
○政府参考人(金子孝文君) 民法の詐欺では、二重の故意あるいは詐欺の違法性というものが詐欺のための要件とされているわけでありますけれども、この四条第一項では、重要事項について事実と異なることを告げた、それによって誤認するわけですけれども、違うことを言った、それだけで取り消しができるということであります。 したがいまして、民法の詐欺に比べれば取り消しができる場合は相当拡大するものであると考えている次第です。
○梶原敬義君 大体そういうことでしょうが、四条の三項、事業者が消費者を電話によりおどして契約をさせた場合、悪質電話ですね、こういう場合の救済はどのようにするのか、どのような対応をするのか。
○政府参考人(金子孝文君) 電話によるおどしですけれども、しつこい電話といいますか、それは本法案の困惑類型には含まれませんので、それだけでは取り消しの要件にはならないということであります。 しかしながら、電話によるこうしたおどしにつきましては、非常にしつこい、この間も参考人がおっしゃっていましたけれども、民法の強迫に当たるのじゃないかという非常に強いおどしのようなものがあるということをお聞きしましたけれども、そういう形で民法の強迫あるいは訪問販売等に関する法律のクーリングオフ、そうした規定によって消費者が救済されると考えております。
○梶原敬義君 ドイツにおいては、電話による勧誘は判例の積み重ねによって禁止をされておるようであります。一通り読ませていただきましたが、不適正電話によるドイツの実態、これにつきましてどのようにとらえておられるのか、お聞きします。
○政府参考人(金子孝文君) ドイツにおきましては、不正競争防止法の第一条で、営業取引において競争の目的を持って善良の風俗に反する行為を行った者に対しては、差しとめ及び損害賠償を請求することができるという規定があります。 その中で、電話による勧誘は不正競争防止法による善良の風俗に反する行為として差しとめの対象になるという、原則的に禁止という非常に厳しい評価をされていると理解しておりまして、ちょっとこれを見たときにすごいなと思いました。
○梶原敬義君 ドイツの場合は、読んでみますと、私もドイツはなぜそこまでいったのかというのを最初疑問を持ちまして、きょうも資料をいただいたからちょっと読んでみたんですが、一つは不正競争の観点、もう一つは自己、プライバシーあるいは個別私的領域、家庭生活ですね、私的領域に電話がどんどん入ってきて販売合戦がどんどん進んでいくと落ちついた私生活ができなくなる、そういう面からも裁判所は結論を出しているようであります。ただ不正競争だけではなくて、そういう私生活まで。 どういうことかというと、電話がかかってきたら、だれからかかってきたかわからぬからやっぱり受話器をとらざるを得ないというんです、電話の場合は。そして、では優しく言ったら、脅迫によらず優しい電話だったらまた優しく対応しなきゃいけない、そういうことを言っているわけです。 大体、電話による勧誘が禁止をされている理由の一つは、個人の私的領域の保護が第三者の経済的利益追求に対して優先するという判断基準が明確に示されておる、ここが非常に重要なこと。それから二番目に、電話加入者の煩わしさについてはさまざまな観点から指摘している。すなわち、まず電話の技術的特性から、かかってくる電話をコントロールする方法がない、まただれからかが判明せず、電話口に出ざるを得ない。それから三番目に、電話による勧誘が多額の出費を要せず容易に模倣し得るものであることから、この勧誘方法はさまざまな営業分野に蔓延するおそれがある。その競争方法として不公正性を指摘している。 あと四、五にまだあるんですが、大体主には不正競争の面と私生活の二つだと思うんです。プライバシーを電話でどんどん、そういう社会がいいのか悪いのか、裁判所はやっぱり相当考えて判断しておるんですね。 それから、私は、今度の場合も電話による勧誘のところをどうしてもこれは入れてもらいたい。二十五日に藤森参考人も言っておりました。電話勧誘に係る威迫、困惑で訪問販売におけるクーリングオフができる場合は期間が限られている。民法の強迫は要件が厳格で消費者には立証負担が大きい。そうしたことを考えると、電話勧誘に係る威迫により消費者が困惑した場合には、消費者契約で取り消しができるようにすべきではないかと。 〔理事馳浩君退席、委員長着席〕 ドイツまでもいかぬでも、少なくともやっぱりこの条文の中に一項入れるべきではないか、そう思いますので、重ねて御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 現在の法案では、電話による勧誘は取り消しの対象となっておりません。 委員御指摘のように、ドイツではこの電話のあれが禁止されておって、プライバシーの問題という方が重視されておるようでございまして、この消費者契約法でこれを入れることがなじむかどうか。むしろ電話というもの、どんどんと変わってまいっておりますけれども、これをどう考えるかという観点から検討すべき問題かという感じがしております。 なお、事業者が電話によって脅迫めいた言動によって消費者に契約を締結させた場合には、事業者の消費者に畏怖を生じさせようとする故意及びその畏怖によって消費者に契約締結の意思表示をさせようとする故意という二重の故意の立証が比較的容易であろうかと思います。したがって、余り度が過ぎますと民法の強迫に当たるということも考えられると思います。 この場合の取り消し権は、クーリングオフの行使期間を過ぎていたとしても、民法の強迫でございますから、追認を行うことができるときから五年間、行為のときから二十年間という民法の適用が受けられるということになろうかと思います。
○梶原敬義君 クーリングオフの関係ですが、訪問販売法ではクーリングオフは八日ですね。八日過ぎて気がついたときにはもう間に合わないんです。この法律の場合は、追認した日から六カ月、五年の間がありますね。 だから、少なくともやっぱり電話によって、嫌がらせの電話がかかったり威迫をされたり、悪質な電話によって、あるいは電話によって重要な事項を知らされないまま、これは上がるぞ、先では上がるから買っておけと、こういうのにつられて買った場合、こういう場合は、クーリングオフの期間を過ぎた場合というのはこれはもうどうにもなりませんから、これはこの法律を適用すれば救われるところは出てくるんじゃないかと思って、私の勘違いかどうかわかりませんが、そこはいかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 先ほども申しましたように、むしろそれが度を過ぎていれば民法の強迫に当たる方でいけると思うんですね。民法の強迫になりますと、これは追認をできるときから五年、行為から二十年でございますから、それでいけると思います。 それで、電話でございますと、大変回数が多いとかあるいは時間が長いとかいうことが電話局の記録に残りますので、比較的強迫の証明は立ちやすいと考えられております。
○梶原敬義君 この法律は、今まである民法と訪販法との間、すき間みたいなところが非常にみそというか、非常にその辺が有効に適用されるのではないかと、そのように思いまして、これは経企庁があくまで電話の威迫とか悪質電話とかあるいは電話による誘惑とか、こういうものにこだわるということは、訪販法との関係で非常にこだわりがあるのではないですか、その点はどうですか。
○政府参考人(金子孝文君) こういうお答えでよろしいかどうか。 契約の取り消しの場合には意思表示の瑕疵というものを要件としているわけですけれども、確かに電話はいろいろ問題あると思うんですけれども、それが意思表示の瑕疵というものの要件になり得るかどうかということを考えますと、やはりこれは民法の特別法ですから、その辺が非常に難しいということだと理解しております。
○梶原敬義君 訪販法との関係はどのように考えておりますか。
○政府参考人(金子孝文君) 訪問販売法との関係、それは訪販法は訪販法で対応されるものだと、こう考えております。
○梶原敬義君 くどいようですけれども、ドイツの場合は、電話による勧誘ですか、こういうようなことをやってドイツの経済がおかしな方向に行っているなら別ですよ。しかし、ドイツは何か裁判を繰り返しながら、電話による勧誘そのものがよくない、こういう結論が出ているわけですね。 しかし、今私が言っているのは、そこまでやれということを言っているのではなくて、誤認と困惑、その範囲に電話で、藤森参考人が言っていますように、非常に電話によるすさまじい威迫や脅迫行為の事例というものがあるんだ、こういう指摘もありまして、その辺のことはこだわる必要がないんじゃないか、私はそのように思うんです。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員おっしゃることは私もわからないわけではないのでございますけれども、こういう電話での勧誘を禁止している法律を明確につくっているのはドイツのほかに余り見当たりません。ドイツは非常にプライバシーを大事にして静かに暮らしている、大都市の少ないところでございまして、ちょっと民族性の違いもあるのじゃないかという気がしております。また、つい最近までは、今もそうでございますけれども、営業時間なども非常に制限するというような経済構造あるいは社会構造を持っておりました。そういう点で日本とかなり違うんじゃないかと思います。 それで、委員御指摘の電話による問題ですが、これは程度の問題が非常に難しく、もう電話全部禁止というなら簡単なんです、法の基準としては簡単なんですが、ある程度のしつこさとか言辞とかいうことになると大変難しくなってまいります。 したがいまして、先ほども申しましたように、一定以上これが度を過ぎますと強迫の方で処理できる。だから、民法とクーリングオフとの間を詰めるということでございますが、電話の問題に関しましては程度の問題とか法律で基準を定める方法が非常に難しいので、残念ながらその間がクーリングオフの次は民法の強迫という形に、この部分はそうなっておるということでございます。
○梶原敬義君 もう一回言います。 ドイツのように電話による勧誘がだめだと言っているのじゃない。少なくとも、認めつつも、すさまじい脅迫やしつこい電話によって消費者が間違った判断をした場合、あるいは電話で、これはいい話だ、乗りなさいと、こういった場合に契約した場合とか、こういう場合のために電話の部分というのは、三条かね、その中に少し書いていたらどうか。 私は、電話はなぜかというと、訪販のときなんかにばっと一回電話をかけてみる、そしてひっかかるというか何か反応があるところを今度は絞っていく、そういうやり方もするでしょう。だから、これはこれからますます日本の場合はそういうケースというのが多くなってくるんだろう、このように思います。一々行って面談してうまくいかなかったというと経費がもったいないから、まずじっとして事務所から電話を先にして、そしてそこで大体可能性のある人をとらえて、そして足を運ぶとか、そういうやり方もあるね。 そういう電話のやり方のときに、やっぱり電話では相当甘いこともどんどん言えますから、電話の影響というのはこれからの社会でますます影響が大きくなってくるだろう、だからこれを入れたらどうかと、こう言っているんです。もう一回。
○国務大臣(堺屋太一君) 電話でございましても不実告知、うそをつくとか、あるいは有利なことを言って不利益なことを故意に隠したとかいうことがございましたら、これは電話であれ面談であれ、同じような効果を生みます。 委員の御指摘の電話がしつこい、うるさい、それからだれからかかってきたかわからないから、大事な用件かもしれないから出ざるを得ないというのは、これは電話一般の特性でございますから、これは電話の問題としてあるいは電気通信の問題として検討すべき余地はあろうかと思いますが、そこだけを取り出して契約取り消しの要件にしようといたしますと、その程度の問題あるいは要件が非常に難しくなってまいります。ここはあくまでも不退去あるいは監禁ということに限っておりますので、それに当たる電話の状況がどうかと言われますと大変難しいものでございますから、ちょっとここへ電話を入れるというのは難しい問題じゃないかと思うんですね。
○梶原敬義君 先ほど、電話によっておどしたり、すさまじい電話で契約をした場合、局長はこれは取り消しの対象にならないと言われた。さっきそういうお答えがあった。長官の場合は、それは取り消しの対象になるというニュアンスでしたが、そこは統一してください。
○国務大臣(堺屋太一君) 私が申し上げたのは、その電話の内容が不実告知、うそを言っているとか、あるいは第四条にございますような、有利なことを言って故意に不利なことを言わなかったとか、そういうことになりますと、それは電話で言おうが面談で言おうが、同じように取り消し要件になると思います。 電話の度数とかあるいは言葉の使い方とかいうことは強迫になるかどうかという点でございまして、不実あるいは有利条件を言って不利条件を故意に言わない、そういう点は電話であれ書面であれ同じだろうと思います。
○梶原敬義君 いやいや、さっきはおどしなんかで契約された場合はどうかと言ったら、これはたしか局長は取り消しの、後で速記録を読んでみればわかりますが、取り消しの条件にはならないということをたしか答えられましたよ。 これはおどして契約させた場合はやっぱり困惑ですね、誤認と困惑の困惑のうちに入るんだろうと、私は当然やっぱりこれはひっかかるんじゃないかと思うんですが、ちょっと。
○政府参考人(金子孝文君) ちょっと言葉が余り十分な説明がなかったのかもしれません。しつこい電話ぐらいだと、それは困惑類型には入りませんということを申し上げ、ただ、それが先ほど大臣が申し上げましたように、一昨日も藤森参考人がおっしゃっていましたけれども、恐怖心を起こさせるような、そういうことになりますとそれは強迫になるでしょうし、それから、大臣が申しましたように、電話をかけているときに例えば事実と異なることを言ってそれで契約を結ばせたり、あるいは有利なことを言って不利なことを言わなかったとか、そういうような四条第二項に該当するようなことがあれば、それは契約の取り消しになり得るということであります。
○渡辺秀央君 いつものことながら、ここまで議論が尽くされますとなかなか新しい角度からの質問といっても限界があるわけですが、なるべく今までの議論に出ないところを、またこの法律の持っている特性とでもいいましょうか、これだけの商取引の複雑な、そしてまた変化に富んできた昨今で、この法律が数日間の議論で万全を期することができるというようなものではないだろうということは、大変恐縮ですけれども、感じられますが、しかし国民生活審議会の第十五次消費者政策部会で、平成七年から八年の部会報告で消費者契約に関する民事ルールの立法化について提言がなされたのを受けて今日の形になっているわけで、六年間の審議の上で法案の作成にこぎつけられた、なかなかこれは大変だったろうというふうに想定されます。これまでの関係者、特に私は、この法律案をつくられることに対する議論に加わった人たちに御慰労を申し上げながら、しかし私自身は一定の評価はこの法律に対していたしておきたい。 これは何年間ということも言われていますけれども、先般来のいろんな議論を踏まえてみても、非常に目まぐるしい変化の中ですから、後ほども申し述べますが、余り法律改正をすることをちゅうちょするということでなくて、時代に適応するような、あるいはまた対応できるようなものに、そうかといって年じゅう変えているとこれまた不安定要素にもなるでしょうが、そこのあんばいは難しゅうございますけれども、しかし考えながらやっていかなきゃならぬことだろうというふうに思います。とにもかくにも、しかし心からその労をねぎらいたいと思います。大変難しい法律だったと思います。 そこで、私は、先週の二十日、あるいは今週の火曜日の参考人質疑、そしてきょうの議論等々を踏まえて幾つかの質問をしてみたいと思うんです。 長官は提案説明の中で、現在、我が国では、市場メカニズム重視の社会の実現を目指し、構造改革が推進されている中で、政策の基本原則を行政による事前規制から市場参加者が遵守すべき市場ルールの整備へと転換することが求められていると、こう述べられております。市場メカニズムを重視した自由主義経済社会のもとでは、いわゆる今申し上げたようなさまざまな経済的、社会的規制が取り払われると同時に、各経済主体が能動的な意思を持って自己責任に基づいて行動することが求められる。しかしながら、すべてを自己責任に期することができない場合があることもまた事実であります。 特に、契約トラブルの被害者となることが多い高齢者につきましては、必ずしも判断能力は十分だとは言えない、自己責任を問えない場合も多々あると思うのです。その意味では、私はこれはお世辞抜きで、民主党が提案した法案にあるように、消費者の判断力が不足している状況を乱用した場合には契約を取り消し得るとの規定は一理あるのかなと。しかし、全体像との兼ね合いもあって、私はそのことを感じとしては、ニュアンスとしては理解できても、ちょっと今回の場合にはいかがかということで、一〇〇%これをセコンドするということの立場をとることはできないわけでありますが、しかし保護を厚くすることは一方で保護される者との契約を忌避する傾向を助長しかねない。これは先ほども議論がございました。そこでのバランスをさせるか、そういう意味でこの法律は非常に難しい。 自己責任の原則と弱者の保護を調和させる方策の一つとして、第百四十六回国会において民法の一部が改正され、これによって新たな成年後見制度として、現行の禁治産を後見に、準禁治産を保佐に改めるとともに、補助を新設し三類型が制度化されたところでありますけれども、このように民法という大きな枠の中で対応策を考えられることも一つの方策であると思うんですが、消費者契約法の中でも何らかの手段を講ずることが必要なのではないでしょうか。若干議論は出ていますが、あえてもう一度簡潔にお願いを申し上げたい。 六年に及ぶ消費者契約法案を策定いたす段階の議論の中でそのような問題が指摘されたのか、あるいはまた本法律施行後のフォローアップの中でどのような点を検討していくべきであるか、お感じで結構でありますが、ちょっとお聞きをいたしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のように、消費者と事業者との対等の契約というのを目指してこういう法案を考えてきたわけでございますが、国民生活審議会におきましても、消費者契約法における重要事項の内容の判断基準、これをどこへ置くか、例えば高齢者、未成年者等々個別具体的な消費者を念頭に置いて考えますと、個別の場合にはいいんですが、ルールといたしますと、やはりそれぞれの場合に非常に複雑になってまいります。したがって、一般的、平均的な消費者というのを念頭に置いてルールをつくらざるを得ないということになりました。 ただ、その議論の中で、本法案において、個別具体的な消費者を判断基準といたしますと、事業者が消費者の内心の事実、あるいはそれぞれの能力等を把握することが困難でございますので、重要事項の概念も著しく不安定になってしまう、予見可能性が欠けるんじゃないか、そういう議論がありました。このため本法案では、重要事項の内容を判断基準とする一般的な消費者ということにいたしました。 ただし、高齢者につきましては、判断能力が不十分な場合には、委員御指摘になりました民法の一部改正で、このたび後見に続いて、保佐、補助というような成年後見制度もできました。そして、法律行為の取り消しが認められる場合が従来以上に柔軟かつ弾力的に定められております。この法案によるまでもなく、必要な対応が民法の方で行われているということだと思います。 また、高齢社会が到来するに伴いまして高齢者がさまざまな契約を結ぶ機会が多くなると予想されますが、このため高齢者に対する勧誘の注意喚起について従来以上に重要になってくると思いますので、国民生活センターが地方の各地の消費生活センターと結ぶネットワーク、PIO―NET等を活用いたしまして、消費者からの苦情相談を収集、分析いたしましてインターネットその他で啓蒙資料を流していきたい、提供していきたいと考えております。さらに、問題がある場合がございますれば高齢の消費者にも注意を呼びかけるなど、これから高齢者を対象とした消費者被害の防止に全力を挙げたいと考えております。
○渡辺秀央君 我が国の高齢化は、御存じのように二〇二五年に国民四人に一人が六十五歳以上ということになります。世界に類例がないほどの急ピッチで進んでいることはお互いに認識しておるところでありますが、高齢者を取り巻く契約トラブルも著しく変化してきていると思うんです。 国民生活センターのPIO―NETで六十歳以上の高齢者からの相談の占める割合は、十年前に比べて一二%から平成十年度では一五・六%、要するに三・六ポイントも増加している、相談件数でいいますと五万八千件以上になっていると伺っているわけであります。 高齢者からの相談が多い商品、サービスについて、今までも累々質疑もございましたが、布団類だとか健康食品とか家庭用電気治療器具であるとか、健康に関連した商品が一六・五%も占めている。高齢者が健康に対して関心が強いことは当然うかがえるわけでありますけれども、これらの販売法のうちでその六割以上が訪問販売やあるいはまた催眠商法によって行われている。特に催眠商法は高齢者相談の中で代表的な商法となっているという現状、これは笑い事ではないので、お互いに年をとっていってそれに巻かれないようにせにゃいかぬわけであります。催眠商法は、会場に人を集めて日用品などを無料または無料同然で配って熱狂的に雰囲気をわっと盛り上げて、そして最終的には高いものをどんと買わせると。非常に巧みな商法をやっている悪徳商法でありますが、やっているわけです。最近では、契約を断ったところが暴力を振るわれたとか殺してやるとおどかされたというような、より悪質なケースがふえているということも聞いております。 一方、契約や解約に関する相談では、無理やり契約させられた、これも先ほど来話もありましたが、契約した覚えがないのに請求を受けた、あるいは業者が倒産した、契約時に書面を交付されていなかった、クーリングオフを申し出たが拒否されたなど、さまざまな相談が寄せられているわけでありまして、高齢者相談で特徴的なのは、高齢者であるために十分な判断ができかねる消費者の契約に関する相談が多いということであります。 特に、高齢者の中には社会的に孤立した状況の中で新しい商品やサービスについての情報が得にくい、また個人差はあるが心身機能や判断能力が衰弱している、大変失礼な言い方ですけれども、高齢者はそういう面が見られるわけですね。 その高齢者である消費者に対してはわかりやすい表現で情報を提供する必要がある、そのためには啓発用のパンフレットなどを病院の待合室あるいは社会福祉協議会の窓口など高齢者が日ごろ行く可能性の高い場所に置くなど工夫が、これは極めて浅知恵でありますけれども、しかしそういうことが必要なのではないだろうかと。また、孤立した状況に置かれている高齢者に対して、地域の人々が一体となって協力し合い消費者問題を解決していけるよう高齢者の生活にかかわる相談について何でも受け付ける総合的な窓口というようなものが設置されたり、あるいは消費生活センターなどの相談機関の相互連携や長官がおっしゃいましたようなことが必要であると思うんです。 これらについて、既に対応されている面もあると思いますが、政府の一層の支援の必要性について、長官、私は高齢者のことがやっぱり一番トラブルのもとだと思いますので、おっしゃったとおりですが、一般消費者というとらえ方で法律はいたし方ない。法律に高齢者なんといってもこれはまた別の角度からのことになると思いますから、そういう意味ではよく理解しているつもりです。しかし、そのことについてもし御意見がありましたら、長官。
○国務大臣(堺屋太一君) これからの高齢化社会をどのように日本が生きていくか、これはもう大変重要な問題でございまして、委員御指摘のように、高齢者に対して弱みにつけ込んだといいますか、例えば高齢になりますと足が痛いとか体のぐあいが悪い、そういうときに健康食品とか医療機器とかいうようなものの商売が大変多くて、これに対する苦情相談も非常に多くなっております。 これは消費者契約法の問題を超えても重要なポイントでございまして、高齢者を情報社会の中から遮断しない。これは、アメリカ、ヨーロッパでも情報格差、インフォメーションディバイドというのが非常に問題になっておりますが、そういう意味でもこれは大変重要なことだと考えております。 それで、この消費者契約法の範囲は、前にも申しましたように一般消費者でございますが、高齢者につきましては、今度できた成年後見制度等も活用いたしまして、意に反するような、だまされたあるいは霊感商法等のときはクーリングオフなどを活用してやっていきたいと考えております。
○渡辺秀央君 ぜひ高齢者に関する思いを、法律に読めない点を私はあえてこういう場で議論をしておくことが大事だろうということで、演説をやると長くなっちゃうものですから、少しまとめて今私の考えを申し上げたという次第であります。 もう一つ、これはおとといの参考人の岡田さんの御意見の中で私がちょっと感じたのでありますが、その中で身分の保障問題を言っておられました。 これはやっぱり、長官、今おっしゃるように、老人たちがもしある程度の知識があれば消費生活専門相談員にダイヤルを回すということになると思うんですね。この人たちはまさに経験者で、それはさっきもお話しありましたけれども、三十分も一人一件当たり対応しているわけですから。お互い、政治の話でも電話していても三十分になるといいかげん嫌になりますけれどもね、いや本当に。しかし、それでもやっぱり相談員の人たちは懸命にいろんな話を聞いてあげている。しかも、ベテランであるほど上手にお聞きになると思うんです。しかし、ベテランになることは定年に近くなっていく、こういうことだろうと思うんですね。 そこで、こういう熟練された人たちに対して、企画庁の権限ということではないけれども、地方自治体あたりに、そういうことに対するおもんぱかり、あるいはまたこの法律の執行に対する効果、効率を上げるために何らかの形で示唆していく必要があっていいのではないかなと、この法律が議決され施行されるに当たりましてね。そんな感じがいたします。これは私の方から一方的に申し述べて回答は要りません。まあ今ここで回答などできるはずありませんから。参考にしていただければ結構です。 それからもう一つ、高齢者の問題と同時に、御存じのとおり、日本にどんどん外国の人が定住してくる、一時的であっても。日本は外国の人たちが生活しやすい条件、環境ができ上がっているという国にしなきゃならぬと思うんです。 外国人といえども物を買ってだまされる。それは日本語がわからないから当たり前だということでは、国際国家日本としていかがかなと。しかし、最低限日本語はわかってもらわなきゃ困るねということにもなりましょう。そういう面についても、私は、外国定住消費者とでもいいましょうか、そういう人に対する考え方あるいはまた思いやりというものが、この法律をつくることにおいて、日本人だけのものである、しかし国家としては国際国家ですなんといったって、そこはちょっとつじつまが合わない面もあるんじゃないかなと。 そういうこともこの執行に当たって、さっきのお話のようなお考えを少しでもお持ちになられて対応を徐々にでもしていかれたらいいのではないか、また期待をしたいというふうに思います。長官、御意見がありましたら。
○国務大臣(堺屋太一君) 確かに、外国人の問題というのはいろんな面で日本のアキレス腱といいますか、大変難しいところでございます。 アメリカ、ヨーロッパでは外国語の教育、外国人に対する教育とか、そういったことも大変熱心にやっておりますが、日本ではまだその対応はかなりおくれているような気もいたします。 この消費者契約法につきましては、外国人に対しても啓蒙活動が重要だと認識しておりまして、これまで検討過程で出版物の英訳を作成する、それから、なかなか英文でつくりましてもコンメンタールみたいに厚くなりますと印刷する費用が大変でございますし配るのも大変でございますので、ホームページ「消費者の窓」等を通じて外国人にも啓発したい、ホームページを見ていただくと外国人の方にも御理解いただけるようにしたいと。そういたしますとまた、外国人と接している方がそれを見て説明していただけるということを期待しております。
○渡辺秀央君 どうぞそのように執行されることを期待いたします。 きょうは二人分の時間をいただいているようですので、なるべく早く結論的な質問に移りたいと思うんですが、時間があるとつい油断してしまいますのでこれも少し整理をいたしてまいりましたが、これまでの消費者行政を振り返って、今日的課題について若干御意見を伺ってみたいと思うんです。 我が国では昭和三十年代から四十年代にかけての高度経済成長期において、粉ミルクの砒素中毒事件、サリドマイド事件など、消費者の生命や身体を脅かす深刻な消費者被害が発生して、消費者問題が社会的な問題として顕在化してきたため、これらの消費者被害に対して薬事法や家庭用品品質表示法などが制定され、政府の消費者行政の体制がこの時期に整備されたことはお互い了解できることだろうと思うんです。 こうした時代背景のもとで、昭和四十三年には議員立法で消費者保護基本法が制定されました。これは後ほどちょっと御意見を承りたい。 その後、五十年代に入ると、ネズミ講やマルチ商法など悪質な商法や食品添加物問題、クレジット問題などが起こったため、クーリングオフ制度を盛り込んだわけであります。このときは私もこの法律に参画をいたしました。これは自民党というよりは、当時野党の皆さん方の意見を取り入れまして、このクーリングオフに関しては相当いろんな議論をやったものです。 ただ、訪問販売法やネズミ講の開設を禁止するいわゆる無限連鎖講防止法、サラリーマン金融の借り手を保護するための貸金業規制法などの法律が制定されました。 そして、六十年代以降になりますと、個人の資産運用が活発になる中で豊田商事事件が発生して、その被害者数は約三万人、約六割が高齢者で被害額も二千億円以上の空前の被害を出した悪徳商法に対して特定商品などの預託等取引契約法が制定されました。 一方、多様な約款を用いたサービスが提供される中で、契約締結に関する消費者トラブルが増加いたしてまいりまして、ゴルフ場会員権の不当な大量募集などの問題が起こって、そのためゴルフ場などの会員契約適正化法が制定されました。 そのほか、電話勧誘販売や外国語会話教室などの継続的役務取引に関する法律規制を講じた訪問販売法の改正がつい先ごろも話し合われたということの歴史だったと思うんです。 このように、我が国の消費者行政は昭和四十三年の消費者保護基本法を頂点としてさまざまな個別立法のもとに行われておりますが、消費者トラブルは減少するどころか、そういう法律をやっていますけれども、逆にトラブルは減少しないで増加してきている。そこがいわゆる今日的な問題だということもよく承知はいたしておりますけれども、消費生活センターや国民生活センターに寄せられた相談件数は九〇年代に入って急激に増加しており、平成二年度の三十一万件が十年度に五十九万件と約十年間で倍以上になっているわけです。 こうした実態を見ますと、消費者契約のすべてをカバーする消費者契約法の制定は、これは非常に御努力を多としながらも、実際には国民生活審議会で時間をかけ過ぎたかなという感じがしないわけではありません。 しかし、そこで伺いたいんですが、消費者行政の基本法である、これは議員立法でありますが、消費者保護基本法、今から三十年以上も前にできた法律で、これまでるる述べてまいりましたように、消費者問題の主眼が商品の安全性や表示の問題から消費者の契約や取引という、当時余り大きな問題にならなかった点に移っております。 ちなみに消費者保護基本法には、消費者契約や取引の適正化という言葉は実はないんです。ないんです。これは議員立法ですから、政府を責めるわけじゃありませんよ。そういう意味で申し上げているんじゃない。これは同僚議員の皆さんにも問題意識を持ってもらいたいのであえてちょっと整理をしてきて、申し上げると時間をとるので今読み上げるようにして申し上げているわけです。 二十世紀から二十一世紀にかけて、規制緩和という大きな流れの中で消費者の自己責任が重視され、消費者契約法の提案理由にもあるように、「消費者のための新たなシステムづくり」が強調されている以上、基本法でそのような方向を踏まえないと、契約法の制定や規制緩和をめぐる一連の動きの中で消費者保護基本法が時代にそぐわなくなるのではないかという危惧をいたしております。 長官、事前通告しませんでしたけれども、ちょっとどんな感じですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今、渡辺委員から日本の戦後の消費者行政というものをるる御説明いただきまして、まことに私もそのとおりだと思います。昭和四十三年に消費者保護基本法が制定されたときは、私はまだ通産省の役人をしておりまして、よく記憶しております。特に、粉ミルクの問題とか、そういう悲惨な事件が起こりまして、それでまずこういう基本法ができました。それと同時に、当時は行政的な取り締まりが非常に強うございまして、一つ一つ官庁が規制するというような形がとられておりました。 だんだんと世の中が豊かになってきますと、いろんな消費物資が出てくる、あるいは消費者契約が出てくる。例えば、昭和三十年代でございますとゴルフ場なんというのはそんなになかったのでございますけれども、ゴルフ場の問題が出てくる。それから、終身雇用が定着したので消費者金融も非常に発達して、それまでは質屋で物を持っていかなきゃだめだったのが、もう勤め先を言えばいいというような時代の変化が出てまいりました。 それに対応いたしまして、政府といたしましては一つずつ個別法をつくってまいりました、ゴルフ場でありますとか貸金法でありますとか。それで、民法というのは明治にできたままで土台がありまして、そこに個別法を植えるような形でやってきたわけです。そのすき間を何が埋めていたかというと、行政指導とか行政監督というのが埋めていたわけです。 これが今度自由化いたしまして、消費者の選択の自由を重視する、事業者の方も新しい商品、新しいアイデアで商売をする、そういうような創業の自由というようなことを設けてきている。その間で今までの規制に対して何が必要かというので、まずPL法をつくりました。このPL法を制定するのに二十年ぐらい、随分長い間議論がありました。それで、ようやく数年前にPL法ができました。それで、もう一つこの消費者契約法をつくることによって自由経済、市場経済を前提とした消費者行政の両輪にしたいと、こう考えているわけです。 もっとも、特定の、例えば宅建業法でございますとか、最近の金融商品とかいうところは特別法がございまして、一般法の中にそういうものがある、こういう形でございますけれども、基本的には、一方においてPL法、一方において消費者契約法、この二つが車の両輪になって、そして来年からは内閣府の中の国民生活局がこれを担当していく、こういう形になっていこうかと思います。 その間に、消費者基本法につきましては、また国会で議論していただきまして、必要な改正がございますれば進めていただきたいと考えております。
○渡辺秀央君 まさに消費者にとって、あるいは自由経済社会にとってこの両輪が整うということだと思います。そういう意味で、私も一定の評価をさせていただこうと思っておるわけであります。 衆議院の附帯決議に盛り込まれている見直し規定の問題がありますが、政府案と民主党案の違いの一つに見直し規定の有無があります。時代に合わせて既存の法律を見直すことは当然のことであり、必ずしも規定しなくてはならないというものではないと思うんです。 しかし、昨今の経済社会の動き、特にインターネットやコンピューター関係の環境変化はドッグイヤーと言われるほど急速に進展しております。 先日のこの委員会で我が参議院クラブの水野委員からの質問に対して国民生活局長が答弁したように、本法律案が必ずしもネット社会の動向に対応できているわけではありませんというお答えもありました。事実そうだろうと思うんです。法律見直しは立法府の責任でもあります。今後の経済社会の動向に経済企画庁として、今長官がおっしゃったその趣旨を踏まえて、来年一月の内閣府への移行に際してもしっかりとこのことを引き継いでいただいて、長官、ひとつしっかりした行政執行が行われるようお約束をいただければありがたいというふうに思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員御指摘のように、今インターネットを初めとする情報通信機関の発達は目覚ましいものがございまして、ドッグイヤー、一年が七年ぐらいの速さで進むというようなことも言われております。それに対応して世の中が変われば法案も変えていかなきゃいけない、法律も変えていかなきゃいけない、これは一般論として当然でございますし、また衆議院の方でも「必要があれば五年を目途に本法の見直しを含め所要の措置を講ずること。」というのが加えられておりまして、私たちもこれは重く受けとめている次第でございます。 今後もやはり、時代の変化、これは今のIT、情報技術の進歩のほかに高齢化という問題もさらに進むことが予想されますし、国際化も進むことが予想されます。そういう事情に応じて強力にかつ弾力的に消費者行政を進めることによって日本の消費者生活を安定させる、これはもう経済政策の一番の根本でございますから、ぜひ強力にやりたいと思っております。
○渡辺秀央君 どうぞよろしくお願いいたします。 なるべく今までの質問と重複しないようにこの問題についてちょっと伺っておきたいと思うんです。すなわち、本法律の施行期日と消費者契約の関係についてであります。 本法の附則には「この法律は、平成十三年四月一日から施行し、この法律の施行後に締結された消費者契約について適用する。」と、当然であります。これは言いかえれば、今年度中に締結された消費者契約については、その締結過程などに不当な部分があったとしても、本法による消費者の救済は図られないということであります、厳密に言うと。もちろん、法律の施行に当たってはどこかで線を引かざるを得ないことは十分承知しておりますが、また本法が成立すれば、実際の裁判において本法の趣旨を考慮した判決が下される可能性もあります。しかし、契約が法の施行前に行われたか後に行われたかによって取り扱いが異なるのは、一般消費者の感情としては釈然としない面があると思うんです。法律は実際にできている、だけれども施行されていない、しかし問題はこうだということで。 一部の悪徳業者が法の施行前をねらって不当な勧誘を行い、一時的に被害が拡大することも考えられないことはないと、こんなことがあってはいかぬと思いますけれども、法施行前の被害者についても本法の立法趣旨を生かした柔軟な対応を図っていくべきではないかと思いますが、長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) この法律が来年の四月一日、約一年ぐらい先に施行されるということでございまして、各界からも早期制定を要望いただいているほか、地方自治体からも要望がございまして、喫緊の課題だと考えております。 しかしながら、この新しく制定されました制度の内容を周知させるということにも時間がかかりますし、やはり一年間、これから十一カ月ございますが、この程度の周知期間は必要だと考えまして平成十三年四月一日としたわけです。これはやはり取り消しという非常に大きな民法効果がございますから、法の内容が周知されないうちに施行すると混乱を起こすということで、遡及しないという点で御不満もあろうかと思いますけれども、そういう形にさせていただいております。
○渡辺秀央君 そのことは当然だと思うんですが、しかしその谷間、間合いのところが心配であります。だから、そこはやっぱり行政指導といいましょうか、現場において、あるいはまた相談員の皆さん等々の中で、法律ができ上がっているわけでありますから、適宜適切な指導あるいはまた相談にあずかるということが必要だろうと、こういう意味で長官からそのこともおもんぱかってほしいですなという意味であります。もう御趣旨はよくわかっております。 それから、通産省の皆さんに御足労を煩わせましたが、冠婚葬祭互助会のような割賦販売法に基づく契約についても消費者契約法は適用されるのでしょうか。適用される場合、契約後に経営状況が悪化したことにより契約どおりの給付が期待できなくなれば取り消しの対象となるのでしょうか。冠婚葬祭互助会は赤字経営のところが多く、解約者が続出すると倒産が多発するおそれがあります。互助会を所管する通産省は、そのような事態を想定された場合に、余りいい想定じゃないですけれども、想定された場合に何らかの施策をもって救済する考えをお持ちでしょうか。 また、互助会に限らず、業界によって消費者契約法への対応がおくれる可能性があります。経済企画庁によるPRともども通産省としても個別の業界の事情に合わせきめ細かく周知を図っていただきたいと思いますが、どのように対応していく考えであるか、今の段階の考えでいいですけれども、これも非常に心配の種の一つです。そういう意味でちょっとお聞きをしておきたいと思います。簡潔でいいです。
○政府参考人(杉山秀二君) いわゆる冠婚葬祭互助会契約につきましても、今般の消費者契約法の対象になるわけでございます。こういった新しい状況に対応いたしまして、互助会業界が消費者保護にも十全の配慮をしながら健全な発展を果たしていくというのが大事だということは先生御指摘のとおりだと思います。 そういった意味から、互助会業界でも業界団体から会員企業に法案の周知徹底を図っておりますと同時に、当省といたしましても、互助会業界が本法の施行に的確に対応いたしまして消費者保護に十全の配慮をした取引が行われますように、例えば適切な勧誘パンフレットをつくるとか、あるいは勧誘員の研修が行われるといったようなことについて適切な指導をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、冒頭先生の方から互助会の経営問題についてのお話がございました。従来から割賦販売法に基づきまして業界の健全な発展という観点から立入検査等を行っているところでございますが、平成八年に互助会の最低資本金の額を引き上げるといったようなことで互助会のさらなる経営健全化の対応策を図ってきているところでございまして、こういった趣旨を踏まえながら、私ども、業界の健全な発展に向かって引き続き指導監督を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺秀央君 どうぞしっかり指導監督をしていっていただくようにお願いを申し上げます。 時間もそこそこに参りましたし、中小企業庁からわざわざお越しいただいておりますので、最後に消費者契約法と中小企業の関係について。 消費者契約法が施行されると消費者からの苦情がふえるのではないかとの懸念を抱く、これはPL法のときもそうでありました。特に、中小企業の中には交渉力が十分ではなくて、いわゆるクレーマーの存在を脅威に感ずることも多いと言われているわけであります。PL法などは、これはむしろ実際にいい面として動いております。長官からも先ほど御説明が同僚議員の質問に対してありました。全く私も同感であります。 しかし、実は消費者契約法の施行は、多くのまじめな中小企業にとっては私は脅威に感ずるというよりも一つのチャンスだろうと思うんです、このPL法と同じように。大企業に比べて中小企業に不足しているものの一つはブランド力でありますけれども、すぐれた商品、サービスであっても、長年の信頼をもとに築かれたブランドの与える安心感には容易なことではなかなか対抗できません。ところが、消費者契約法は、PL法などとともに、結果として消費者の利益を擁護して消費者に安心感を与える存在であると思うんです。いわばブランドに代替し得るものとして中小企業に新しい市場を開くものではないかと思うんです。 通産省・中小企業庁は消費者契約法の持つこのような特性について認識をしっかりお持ちでありましょうか。そういう前向きの角度からこの消費者契約法というのをとらえて、中小企業に対する指導あるいはまたPRということを私はぜひ期待をいたしておるわけであります。施行は今お話しのように来年の四月一日でありますけれども、今から中小企業庁は大いに周知徹底を図っていき、まさにこの法律のもう一つ奥にあるそのことを実際にくみ上げていくような施策を講じていくべきではなかろうかなということを老婆心ながら思って、中小企業庁の考えをお聞きして、質問を終わりたいというふうに思います。
○政府参考人(殿岡茂樹君) 中小企業庁としては、これまでも中小企業に影響のあるいろんな法律制度につきまして、パンフレット等を使いましてその制度の周知に努めてまいったところでございます。 この消費者契約法につきましても、先生おっしゃるような意味におきまして、事業ルールが事業をする方にとっても明確化されるということもございますし、安心感を与える側面というのもあるかと思います。 また一方で、中小企業がいろんな逆の意味での懸念を持っていることも事実でございます。そういう意味で、非常に中小企業の事業活動にとって影響の大きいそういう法制度であるというふうに思っておりまして、御指摘を踏まえまして、ぜひとも中小企業者に対しまして周知の徹底ということを図ってまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(堺屋太一君) 今、渡辺委員の御指摘のところ、まことに我が意を得たところでございまして、中小企業のみならず、創業、新しい業態を起こされる方に、消費者と事業者との信頼関係を深めまして、こういう新規の事業者、新規の業態を高める、こういう前向きの非常に効果があるものだと考えております。 一言申し上げて御礼にしたいと思います。
○渡辺秀央君 ぜひひとつ実効性を上げられますように期待をいたしております。 それと、やっぱり時代の流れにちゅうちょなく、この法律にもし補完すべきものがあったら即座に補完していくと。法律改正ということをこの法律に限っては余りちゅうちょしちゃいかぬなという感じがしますので、一言、そういうことも感じながら、質問を終わりたいと思います。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) この際、議案の撤回についてお諮りいたします。 消費者契約法案(第百四十六回国会参第六号)について、発議者千葉景子君外一名から撤回の申し出がありました。 本案の撤回を許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認めます。よって、消費者契約法案(第百四十六回国会参第六号)は撤回を許可することに決定いたしました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 消費者契約法案(閣法第五六号)を議題といたします。 本案につきましては、他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について円より子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま議題となっております内閣提出の消費者契約法案に対して、民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合を代表して、修正の動議を提出いたします。 修正案の提案理由及び要旨について御説明申し上げます。 我が国は今、これまでの消費者保護行政を軸とする政策から、自立する消費者の行動を積極的にサポートする政策へと大きく転換することが求められております。こうした要請にこたえるには、消費者と事業者との実質的な対等性の確保が必要であり、そのための契約締結過程及び契約内容の適正化を図る包括的な民事ルールを定めた消費者契約法を制定することは意義があることと考えております。 しかしながら、内閣提出法案には、一、消費者にも理解努力義務を課しており、場合によっては消費者が不利になるおそれがあること、二、契約取り消しの対象となる契約締結過程に関して、誤認類型については不利益事実の不告知について事業者に故意がある場合に限定するなど適用範囲を狭めていること、三、困惑類型については不退去または監禁に該当する場合に限定していること、四、取り消し権の行使期間が追認をすることができるときから六カ月、契約締結時から五年と短くなっていること、五、見直し条項を欠いていることなどの問題点があります。 以上の諸点を勘案し、より実効性があり、国民にとって意義のある制度とするために修正案を提出した次第です。 次に、修正案の要旨を御説明いたします。 第一に、消費者に対する理解努力義務を削除することとしております。 第二に、不当な勧誘があった場合における契約の取り消しについては、消費者が通常理解することができる程度に重要事項が説明されなかったこと、威迫があったこと、消費者の私生活や業務の平穏を害する言動を行ったこと、消費者の判断力不足に乗じることなどの行為があった場合も適用範囲とすることとしております。 第三に、取り消し権の行使期間を延長して、追認をすることができるときから三年、契約締結時から十年とすることとしております。 第四に、附則に新たに、消費者団体による差しとめ訴訟の創設、裁判外紛争処理機関の強化を含めて、法施行後三年を目途としてこの法律の見直しを検討することの条文を加えることとしております。 以上が修正案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(成瀬守重君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、円君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 少数と認めます。よって、円君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 円より子君から発言を求められておりますので、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま可決されました消費者契約法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 消費者契約法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 消費者契約に係る紛争の簡易・迅速な解決を図るため、裁判外紛争処理機関の充実・強化を図るとともに、その積極的な活用に努めること。 特に、都道府県及び市町村に設置された消費生活センター、苦情処理委員会等について、専門家の派遣等を含め、その支援に努めるとともに、紛争解決機能を充実する観点からセンター等の役割の明確化、消費生活相談員の育成及び人材の確保を図ること。 二 消費者契約に係る紛争を防止するため、国民生活センターの全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO―NET)を活用し、本法制定の趣旨に沿うよう、紛争及び解決の事例に関する情報の的確な収集・分析を行うとともに、その結果を可能な限り国会等に公表するよう努めること。 三 消費者が、契約に関して自己責任に基づいた主体的・合理的な判断及び行動ができるよう、消費者教育の支援等に積極的に取り組むこと。 四 商品等に係る情報等が高度化・専門化してきている実情から、事業者が、特に高齢者にみられる判断力の不足している者に対し、その状況に乗じて不当な消費者契約をすることのないよう消費者の利益の擁護に特段の配慮をすること。 五 紛争の最終的な解決手段である裁判制度が消費者にとって利用しやすいものとなるよう、司法制度改革の動向及び本法の施行状況を踏まえ、差止請求に係る団体訴権について検討すること。 六 消費者契約が今後ますます多様化かつ複雑化することにかんがみ、本法施行後の状況につき分析・検討を行い、必要に応じ五年を目途に本法の実効性をより一層高めるため、本法の見直しを含め適切な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(成瀬守重君) ただいま円君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、円君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、堺屋経済企画庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。堺屋経済企画庁長官。
○国務大臣(堺屋太一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいる所存でございます。
○委員長(成瀬守重君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会