経済・産業委員会 第8号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/03/30
会議録
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として福本潤一君が選任されました。 また、本日、水野誠一君が委員を辞任され、その補欠として田名部匡省君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 弁理士法案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として法務大臣官房司法法制調査部長房村精一君、文部省学術国際局長工藤智規君及び特許庁長官近藤隆彦君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 弁理士法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○畑恵君 おはようございます。自由民主党の畑恵でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今回の弁理士法案でございますが、何と大正十年制定という大変古い法律で、しかも抜本改正ということでございます。いかに抜本的であるかというのはこのタイトルが物語っていると思うんですが、通常でしたらば改正案とするところを弁理士法案としておりますので、非常に昨今の大きな動きに対応した重要な法案だと認識しております。 情報化社会が急速に進展しまして、知識ですとかアイデアが大きな付加価値を生み出す知恵の時代を迎え、知的財産権の保護及びその積極的な活用は、我が国の経済産業活動を活性化し国際競争力を強化する上で、喫緊の最重要課題だと思います。 今回、技術的な専門的知識に富みました弁理士の業務範囲が拡大するということ、権利行使ですとか係争処理の手続が迅速化して利便性が向上することに寄与することで、私自身大変喜ばしいことだと思っております。 まず大臣に伺いたいんですけれども、知的財産の事業化や取引活動の支援そして仲裁手続の代理業務など、多岐にわたる業務拡大が今回弁理士に認められるわけでございますけれども、法案に込められました、知的財産サービスの重要な担い手としての弁理士の方々に対する期待のほどをまず伺わせていただけますか。
○国務大臣(深谷隆司君) 今、畑委員がおっしゃったように、まさに現代は知恵の時代であります。知的財産のこれからの取引が市場で活発にできるような整備、そういう地盤づくりというのはとても大事でございます。 その際には、やっぱり各般の専門的な知識を有する弁理士の皆さんが十分に活動できるような法整備をしていく必要がある。そこで、ライセンス契約の仲介代理とか裁判外の紛争の処理等々に関して十分な活動ができるような、そういう形を今回の弁理士法改正ではつくっていこうとしているわけであります。 これからも弁理士の方々がTLO、技術移転機関の活動とか、特に中小企業における知的財産活用に積極的に貢献していただいて、そのことが我が国の産業の技術力の強化あるいは中小企業基本法でもうたっております新しい中小企業の事業の創出等に大きく貢献していただけるものと期待をしております。
○畑恵君 大変大きな期待が大臣からもかけられているということが理解できますが、そうした中ででございますけれども、この法案の策定過程これまで私も注視してきたつもりなんですが、弁理士に対する特許侵害訴訟の訴訟代理権の付与ということがこれまで大変大きな焦点となってまいりました。結論から言えば、今回はこの法案の中には盛り込まれなかった。そのかわり司法制度改革審議会において引き続き検討することとなったわけです。 ただ、米国と比較した場合、アメリカの方では特許弁護士は一万六千人おります。日本では弁理士登録をしている弁護士さんが二百六十余名ということなんです。さまざまな見方はあると思うんですけれども、聞くところによりますと、本当に専門的に知的所有権関係の事件を担当できる弁護士となると三十人程度じゃないかという大変厳しい見方もあるところからは私伺っております。 実際、深刻な格差が米国と日本の間にある中で知的財産権をめぐってさまざまな攻防が繰り返されているわけですので、やはり一刻も早くこの状況を改善しなければいけない。 現在、じゃユーザーの方はどう考えているかといいますと、弁理士に紛争の解決機能をやはり求めているという声が多いようでございます。弁理士会が中小企業を対象に実施した調査を見ますと、七割の企業が特許トラブルの最初の相談を弁理士に持ちかけて、そして弁理士の七割が侵害の判断をつけて、そして六割が警告に対する回答書の作成を手がけているということで、実際に実務的な業務のかなりの部分を担っているということでございます。 にもかかわらず、今回この法案には訴訟代理権の付与というのが盛り込まれなかった。なぜであるのかということと、実際今司法制度改革審議会でどのような検討状況であるのかを、こちらは法務省の方から伺わせてください。
○政府参考人(房村精一君) ただいま先生から御指摘のありましたように、特許権に関して弁理士の方々は非常に大きな役割を果たしておられるわけでございますが、そういう弁護士以外の隣接法律専門職種の方々にどの程度訴訟への関与を認めるのかというのは非常に大きな問題でございます。 法務省としても非常に関心を持って検討を進めているところでございますが、先生からのお話にもありましたように、現在内閣に設置されております司法制度改革審議会、これは日本の二十一世紀の司法をどうするかということで司法全般について御審議願っているわけでありますが、その中でやはり弁護士の方々と弁理士を初めとする隣接法律専門職種の方々の役割分担をどうするのか、どのような形で訴訟への関与を認めていくのか、あるいはその場合の能力の担保をどうするかというような問題について、広く利用者である国民の立場に立って御検討が進められているところと承知しております。 政府に置かれた規制改革委員会においても、この問題が取り上げられまして積極的な方向が示されておりますが、同時にやはり幅広い観点からこの司法制度改革審議会での審議を期待するという結論も述べられております。 そういうことで、私どもといたしましても、この司法制度改革審議会で国民的な見地から徹底的な議論がされるということを期待しておりますし、またその審議を充実するために全力を挙げて協力していきたいと、こう考えているところでございます。
○畑恵君 確かに司法に関しまして今大改革の途中であるということ、私どもも党の中でさまざまな研究会、勉強会を開いて精力的に取り組んでおりますので御努力のほどは一緒に仕事をある意味でさせていただいてよくわかるのでございますけれども、繰り返しになりますが現状を申し上げれば、特許、知的財産権紛争というのは今後さらに増大、激化していくわけでございます。 この紛争に迅速かつ的確に対応するためには、とにかく早急に法曹人口を量的に拡大しなきゃいけない、その一方で知的財産権の各案件に応じた技術的に高い専門的知識を擁した法曹人口を早くふやさなきゃいけないという、そういう問題がありますので、確かに大所高所からいろいろなバランスをとって法体系ということがあるんだとは思いますけれども、現状をかんがみて、やっと米国に法曹人口としてキャッチアップした時点では、知的財産権ある意味で戦争のような状況で今ございますので、勝負は見えてしまっていたというのではもう取り返しがつかないので、ぜひ柔軟な対応をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 では、変わりまして今度は弁理士試験制度と研修制度について伺ってまいりたいと思います。 現在の弁理士人口はおよそ四千二百人ほど。そのうち三千人が東京、神奈川に集中しているということです。それで六百人が大阪にさらにいらっしゃるということで、これから考えて、地方にはごくわずかしか存在しない。 ところが、先ほど大臣の方からは、特に中小企業の方々、ベンチャーもそうだと思いますけれども、そうした方々の知的財産権問題の力になってほしいという、そういう期待がございましたので、このことから考えますと、やはり何とか弁理士そのものの数をふやして、全国各地で広く活躍してもらうようにしなければいけない。そのために今回弁理士試験も量的拡大が望めるように改正されていると思います。 具体的にどのような措置をとって、どれくらいの弁理士人口の増を見込んでいるんでしょうか。
○政務次官(茂木敏充君) 畑委員は自民党の中でも知的財産政策小委員会のメンバーとしてこの問題についても活発な御議論をいただいている、このように伺っております。 委員御指摘のとおり、日本の弁理士の数でありますが、平成十二年の一月末現在で四千二百九十七名となっております。この水準を国際的に比較してみますと、日本の場合、特許の出願件数が諸外国に比べても圧倒的に多いにもかかわらず、米国の特許弁護士、パテントアトーニーやパテントエージェント、それから欧州の特許代理人の数に比べまして大幅に少なくなっております。大体アメリカと比べて五分の一ぐらいの規模でございます。 また弁理士は、出願件数の多い企業の知的財産担当部門が集まる大都市にどうしても集中する、こういう傾向がございまして、実際委員御指摘いただきましたように東京、大阪地域に約八〇%の弁理士が集中しておりますし、その一方で弁理士が全くいない県が全国に三県ある、こういう状況でございます。 そこの中で、今回の弁理士法の改正におきましては、弁理士の試験制度を大幅に見直していきたい。例えば、試験科目の中で予備試験を廃止する、そして論文式試験の中でも選択科目を現在の三科目から一科目に削減していく、また条約を対象から削除していく、そしてまた法令で定める例えば技術士さんであったりとかそういう人に対しては一部の科目を免除する、こういった試験制度の大幅な見直しを行いまして量的拡大を図っていきたいと考えております。もちろん弁理士さんとしての一定の資質を満たす、こういうことが大前提でありますので、二〇〇五年には何人にすると、なかなかそういう具体的な数字は申し上げにくいところでありますが、しかし今後は弁理士の数を利用者のニーズに十分こたえられる水準まで増加していきたい、このように考えているわけであります。 また、地方の問題でありますが、今回の弁理士法の改正案では、法人化の解禁とあわせまして支所の設置についても解禁をすることといたしております。つまり、地方で支所をつくれるようになってきます。こうなりますと、支所の開設によりまして弁理士の少ない地域においても知的財産サービスの一層の充実が図られる、このように期待をいたしております。
○畑恵君 確かに地方支所の設置というのは非常に大きいことだと思いますので、こちらもきちんと資格のある方が常駐していなければいけないという規定が付されていると存じ上げておりますが、ぜひ質の部分でも遜色のない方々が地方に送られるということを期待しております。 今、試験制度で過度の負担はかけないでというお話がありました。そうした中で、例えばなんですが、税理士試験の状況を見ますと、こちらは複数の受験科目のうち既に合格した科目につきましては翌年の試験の際受け直さなくていい、免除されるという、いわゆる合格積み上げ方式というのを採用しております。試験内容がどういうことかというと、当然税理士さんですので税に関することですので、毎年改正がある、アイ・エヌ・ジーで変わっていくようなことでさえもこういう合格積み上げ方式というのをとっている。 一方、弁理士試験の方を見ますと、選択ではありますけれども、憲法がありましたり、法律で余り大きく変わらない部分の試験科目というのもあります。 こう比べますと、税理士試験でも合格積み上げ方式をとれるのであれば、今回の弁理士試験に関しましてもこの方式が適用できないか、そうしたら大分過度な負担というのは軽減されるんではないのかと思うんですけれども、この方式は導入できるものなんでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 御指摘の積み上げ方式でございますけれども、弁理士試験の負担の軽減ということで、できるだけ多くの人が、しかも若い人が試験に通るようにという方向でもいろんな議論があったわけでございます。もちろん積み上げ方式の議論もしたわけでございますけれども。 要は、現在の試験の科目で申しますと、論文試験が合計八科目ございまして、工業所有権関係の四法、特許、実用新案、商標それから意匠、それに条約というその必須の科目プラス三科目の選択科目がございまして、合計八科目を一遍にとらなきゃならないというのが現状でございます。 これに対しまして、まずは選択科目を三科目を一科目に減らすということで、これは大幅に軽減ということでございます。それから、必須の工業所有権関係につきましても、条約の試験も論文試験からは削るということにしました。そうすると、残りますのは工業所有権のいわば特許、実用新案等四法の試験と選択一科目でございますので、四法はお互いに非常に密接な関係もあるのでございますからこれは一遍に勉強していただいた方がいいんじゃないか、むしろ全体の科目数を現在の八科目から大幅に減らすという方が受験生にとっては負担の軽減としてはそれで十分だろうし、かつ勉強もしやすいのではないかというのがこの議論をいろいろ考えていただきました専門家の結論でもありますし、私どももそれが適当だというふうに考えております。 したがいまして、受験科目数を大幅に減らすということで今回は対応したいということでございます。
○畑恵君 確かに科目数が大変そういう意味では負担の軽減になっているというその事実は理解できるところでございます。ただ、合格率は今四%、非常に厳しい難関を皆さん通られるということで、合格者の平均がさらに三十三歳ということで、やはりかなり高い年齢だなという気がいたします。そういう意味では、もちろん今回、科目数を減らした時点でどういう結果が見られるのか、またそれを踏まえましてさらなる御検討というのを必要であれば迅速にとっていただければと思います。 この試験制度とあわせまして、先ほど茂木政務次官の方からも質の担保といいましょうか向上ということが必要だというお話がありました。今回特にこの法律によりまして業務拡大がなされる、それに伴って今後、弁理士には技術革新や国際化の進展あるいは各制度の改正などに常に的確に適応したより質の高い知見ですとかノウハウが求められることとなります。最新の知識ですとか情報にキャッチアップしていくためにはやはりそれなりの自己研さんが必要となるわけですけれども、そのための支援体制というのを政府としてはどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 知的財産の戦略的な活用というのが今日非常に重要になってまいります。今までの状況からさらに何歩も前進していかなければならない。そういうときに専門的な知識のある弁理士さんがどうやって活躍していただけるかということが最大の課題でございますが、特にその場合に、今お話がありましたように、国際化の時代ですから相当視野の広い勉強もしていただかなきゃならぬし、新しい情報についても即座に取り入れるような、そういう態勢が必要でありますし、あるいは今回の改正も含めて一体どんなふうな法律になっているのかということについての万全の知識というのが大事でありますから、そういう意味では畑先生おっしゃるように常に自己研さんをしていくということは大変大事なことだというふうに考えます。特に、今回の法律改正で、例えばもう少し突っ込んだいわゆる指導、相談といったようなことまで入りますから、より自己研さんが求められるというふうに思います。 今までも例えば、弁理士会がみずから行っているような、そういう研修もありますし、あるいは日本知的財産協会、これは財界がやっている研修でありますけれども、それとこういう民間の行う研修と同時に特許庁工業所有権研修所などの公的な機関の研修というのがあるわけですが、どうも私ども見ていますと、全体的にそれぞれがクローズして横の交流が余りない。私はむしろこれらのネットワークをきちんとつけて講師等の相互派遣などを実現していくということが大変大事なことだと考えておりまして、そういう点で通産省は積極的な御協力をしていきたいというふうに考えます。
○畑恵君 どうしても法曹関係の方々というのはその中で、すべてが閉じられた中で済んでしまうということで、かなり弁理士会の方からもそういう働きかけが今までもあるやに伺っております。ぜひ大臣のお力で、横の交流といいましょうか、風通しというのをよくしていただきたいと思います。 今のお話の中ではどれぐらいの間隔でという話がございませんでしたけれども、例えば、私もこの問題については素人でございますけれども、やはりどんどん世の中の変化にキャッチアップしていくためには、五年ごとぐらいには弁理士さんも法令の改正事項ですとか先端技術に関して定期的に研修することというのを義務づけた方がいいのではないのか、そういう気がいたしますし、あと、試験に受かってやはり弁護士さんのように弁理士さんも実務研修というような形できちんとした制度というのをまた確立した方が、より弁理士自体の地位といいましょうか、質の向上という意味でもこちらの方が資するのではないかと思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでございましょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 今回の弁理士法の改正でも、新しく不正競争防止法関係の業務でありますとか、それから工業所有権に関連します著作権の方の業務とか、かなり拡大した部分がございます。したがいまして、そういう意味でいうと、ますます自己研さんを積んで資質の向上ということが求められていくわけでございます。 それから、御承知のいろんな新しい保護分野の問題もございますものですから、そういう意味でもいろんな意味で新しい分野の勉強を含めて自己研さんが求められると思っております。今おっしゃいました一定の期限を切って義務的な研修というのも一つの考え方と思います。 今後とも弁理士会の方で、これは自主的にこういった大変重要な時期に重要な業務の追加といったこともありますし、それからこれからの中小企業を含めた大きな期待もございますから、そういった期待にいかにこたえるかという点で、ぜひ弁理士会の方でも十分そういったことについての自己研さんの方法を考えていただきたいと思っておりますし、先ほど大臣から申しましたようなほかの研修機関とのいろんな協力とかそういったことも含めて、今おっしゃいましたことも十分勘案しながら、適切な自己研さんの方法、資質の向上につきまして考えていきたいというふうに思っております。
○畑恵君 やはり、もちろん弁理士の方々の自主的な自己研さんということが第一だとは思いますけれども、ぜひ通産省、特許庁の皆様からも側面的なサポートというのをよろしくお願いいたしたいと思います。 変わりまして今度は、特許業務法人制度について伺ってまいりたいと思います。 今回の改正で、いわゆる士業と言われる何々士というのがつく業態では、公認会計士に続いて二番目に弁理士も法人化が解禁されることとなりました。知的財産サービスの質を向上させるためにも、ユーザーからの依頼に対して複数の人員が協力して当たれる体制をつくるということは非常に有効なことだと思います。 このような法人化が今後弁護士にも認められるというような話を私どもも仄聞しておりますけれども、将来的には弁護士と弁理士がともに同じ事務所の中で米国並みの大規模な総合法律事務所というのを我が国でも実現していくのかなと。そうなれば、知的財産権をめぐっての国際競争力が質ですとかスピードともどもに大変上がっていくなと期待しておるんですけれども、そのような方向に今後現実は向かいつつあると理解してよろしいんでしょうか。
○政務次官(細田博之君) 畑委員御質問のいわゆる総合的法律・経済関係事務所につきましては、規制緩和推進三カ年計画を平成十年から十二年ということで閣議決定いたしておりますが、その中にも記されておりまして、関係省庁で検討いたしました結果、現行法制のもとにおきましても基本的に可能であるとの結論が得られております。すなわち、各種資格者が一定の協力関係のもとで同一の事務所を共有し、顧客のニーズに応じてそれぞれの資格の名においてその専門資格にかかわるサービスを提供することは可能であるわけでございます。 ただ、なお制約条件がございまして、法人格を持たせあるいは統一した法人格を持たせる、そして一つの法人として収入、責任を混在させるというようなことはまだちょっとできない。それから、名称についても各資格者の内容が明確になるようにする必要があるということ。それから、各資格者がその資格業務の範囲を超えたりあるいは他の資格者から不当な影響を受けないというような制約があるわけでございます。 そして、特許業務法人については、社員の中に弁護士、税理士、公認会計士等の参加を認めることも選択肢になり得ると考えておりますが、現時点では、弁護士法あるいは弁理士法、税理士法、公認会計士法のそれぞれの法律上、例えば弁護士は弁理士に雇用されていいのかというと、やはり法律的にはそういったものは禁止されていると解釈せざるを得ないということがございまして、これは畑委員がおっしゃいますように欧米型の大きな組織あるいはそれを有機的に発展させていくためには、さらに今後このようないわゆる総合的事務所を開設していただき、その業務を通じながら今後その可能性を見て、社会的に必要であればそのような法律的道をまた開いていく必要がある、またお願いしなければならないということでございます。
○畑恵君 望ましい方向であるけれども、まだまだ幾つか乗り越えなければいけない問題があるということでございます。ぜひ乗り越える方向で、私どもも努力したいと思いますし、政府の皆様方にも御努力をいただきたいと思っております。 私自身も全くこういう問題というのは不案内でございますので、不案内ないわゆる一般国民が、何か問題が出てきた、そうするとどこに相談に行ったらいいのかがまずわからない。その問題というのが一番国民にとってはやはり最初の難関でございますので、先ほども総括政務次官からお話がありましたけれども、自分が抱えているこの問題を解決してくれるのが弁護士さんなのか弁理士さんなのか、公認会計士さんなのか税理士さんなのか、司法書士さんなのか土地家屋調査士さんなのかというようなことで、どこを訪ねていいかわからないという状況がやっぱり今一番問題の解決をおくらせているネックだと思います。 そういう意味では、一つの事務所の中に総合的法律・経済関係事務所というような形でどなたでもそろっていてくだされば、総合病院のような形で、ワンストップサービスという形で業務が遂行される。 大変国民にとってはありがたいことでありますし、ユーザー側にとってありがたいということは当然それだけ業務量がふえていくということで、お客様がたくさん来るということでありますから、サービスを提供する側の方々にも当然資する話でありますので、ぜひこの部分というのは、基本的に可能という先ほど総括政務次官からもお話がありましたが、改定規制緩和推進三カ年計画でせっかく基本的には可能という結論が出ているわけですので、実際動かしていくときに、機能させていくときにどういう問題点があるのかを早期にピックアップされて、法改正が必要であればその部分だけでもなるべく早く処理をして、そうした事務所ができてきさえすれば、当然それだけ利潤も上がるし国民も喜ぶのかということが幾つか例が出てくれば恐らく追随する方々はたくさんいると思いますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 おしまいに、若干弁理士法案を離れますけれども、参審制の問題について御所見をちょっと伺ってまいりたいと思います。 先ほど、非常に知的財産権をめぐりまして専門的な高い知識を持った法律の専門家が必要だ、ただ、なかなかそう簡単にふやすことができなくて、そこが問題という話を法務省の方々からも伺いました。こうしたさまざまな問題をとりあえず凌駕していくための一つの解決策として、私はこの参審制というのは検討する余地があるのではないかと常々思っております。 陪審制と違いまして、あくまでも専門的能力のある国民を広く裁判所の審理に登用できると。この方式はドイツなどでも採用されておりますし、大陸法系の実務的合理性を有しているというふうに評価されているそうです。専門家の声を日本というのは素直にそのまま認めるという風土もありますので、日本でも採用されれば有効な制度と思うんですけれども、この点についてはどのような検討が進んでいるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 委員御指摘のように、特許関係は非常に専門的な知識が必要となります。そういうこともありまして、裁判所においても、技術系の知識を持っている特許関係の調査官を配置したり、あるいは専門家に調停員になっていただく専門調停委員制度をつくるなど、専門的な知識を持った方々を活用する方策というのは非常に努力を重ねているところでございます。 そういうものの一つとして、委員から御指摘のありましたような専門的知識を持った人を参審員として参加させる参審制度、これは確かにドイツ等欧米諸国で採用されておりますので、そのような専門的知識を持った人を活用する方策としては検討に値するものというぐあいには考えられております。 今、内閣に置かれた司法制度改革審議会でも、この参審制も審議項目として取り上げられておりますし、また専門的知識を要する訴訟に対する対応ということも検討項目に入っておりますので、当然委員から御指摘のあったような事情も踏まえて、司法制度改革審議会においてもこの参審制度の採否について検討が進められていると承知しております。 私どももできるだけその審議に協力をしてまいりたいと考えております。
○畑恵君 前向きな御答弁をいただいて、大変安心しました。 さまざまな司法制度改革が今検討だけではなくて進んでおると。今回弁理士について、広告制限の見直しが、要するに広告してもいいということで解禁されたわけですけれども、これについて弁護士はどうなっているのかなと思いましたら、弁護士の方はいち早くこの広告制限というのを見直されたということでございますので、非常に今急ピッチで進んでいるということは評価させていただきます。 ただ、それ以上に本当に知的財産をめぐる諸問題というのは変化のスピードも速いですし、また非常にそのスケールということでも本当に地球規模で進んでおります。なかなか予想が立たない部分もありますので、きょう法務省の方もおいでいただきましたけれども、関係省庁きっちり連携をとり合ってぜひスクラムを組んで頑張っていただきたいと思います。 若干時間は早いですけれども、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○藁科滿治君 まず最初に、大臣に御質問をさせていただきます。 大正十年に制定されました弁理士法が実に七十九年ぶりに全面改正される、こういう運びになりました。いささか時期を失したという感は免れないと思います。 特に、二十世紀の後半四半世紀を振り返りますと、国際化と情報化の流れが一気に加速をした時期でもございまして、この制度が実質的にはさまざまな面で機能しなくなっていたというふうに私は判断をしておりますけれども、まずこの点について大臣の現状認識を伺いたいと思います。 あわせて、この法改正が単に弁理士の業務拡大とかあるいは既得権の保持拡大といった側面では極めて残念なわけでございまして、私は、基本的な政策目標である新技術の開発と活用、こういうことをしっかり中心に据えて論議することが必要ではないかというふうに感じております。特に昨日の本会議で上程されました法案との関連も含めて、大臣の基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 藁科委員御指摘のように、この弁理士法の改正までに非常に長い年月がかかったということについては、私も同じような思いを持っております。 ただ、特に近年世界とのグローバルの時代に入って、あらゆるものが競い合うという時代になった。技術革新等もどんどん行われていますけれども、その際の特許のとり方、その早いか遅いかで後々まで大きな影響を与えてくる。 こういうような状況の中で、特許制度その他万般にわたって変えていかないと本当に時代に乗り遅れてしまうというような思いから、このたびこの弁理士法の改正で、情報や知識が大きな付加価値を生み出すような知恵の時代にふさわしいような、そういう位置づけをしていこうということに相なったわけであります。 幸いに、法務省とのいろいろ難しい話し合いもありましたけれども、今般共通の考え方に立ってスタートできることになったということは、私は大変喜ばしいことだというふうに思います。 このたびの法案を通していただいて、特許庁に対する手続代理が業務の中心であった弁理士が、知的財産の保護、活用、その両面にわたって業務ができる、専門的なサービスを提供できるということで、これらの時代の要請にきちっとこたえていくことができるのではないか、そのように思っておりまして、私どもは、この法案の一刻も早い成立を見て、まさにこの時代の求める知恵の時代という形にふさわしいような状態をつくっていきたい、そんなふうに思っております。
○藁科滿治君 今回、弁理士の業務の見直しということで、主として業務の拡大という問題が提起されております。 特許庁長官に伺いますけれども、この内容につきましては、工業所有権審議会の答申や、それから弁理士の皆さんみずから提起しております二十一世紀のあるべき姿、こういった主張が大筋反映されている、こういうふうに見ていいわけですか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 大変本問題は、委員も申されましたように八十年ぶりの改正という点もありますし、それから現在議論されています弁護士さんを中心としました関連する法律業務のいわゆる士業の業務の見直し、つまりお互いの垣根を低くするといった問題もございますので、工業所有権審議会の中に専門の小委員会を設けまして、相当厳しい議論も含めていろんな議論がなされたわけでございます。 その中で、少なくとも規制緩和、競争制限的なものをできるだけ減らしていこうという点、それから、したがいましてそれを踏まえて国民に対するあるいは出願者に対するサービスを徹底するという観点から物事を進めていこうというまず基本的な点がございます。 それから次に、そういう観点から、当面解決すべき問題と、それからもう少し時間をかけて引き続き検討すべき点といった点もございました。 現在、この法案に盛り込んでおりますのは、そのうち、当面できるだけ早い段階でできるものはどんどん導入していくという観点で、具体的に指摘されたものをほとんど盛り込んでおります。 今、先生がおっしゃいましたとおり、本質的な業務の拡大という点が中心でございますけれども、例えば他方、士業同士の垣根を低くするという観点から、逆に現行法ですと弁理士しかできない独占業務につきましても一部開放しまして弁理士でなくてもできるといったことまで含めておりまして、全体的に競争的な環境をつくっていこうということでございます。これはまさに色濃く工業所有権審議会の小委員会の意見を反映したものでございます。 それから、法人化、試験制度の改革等々につきましても、これもまさにその数をふやしていく、あるいは運営形態を柔軟にしましてサービスを十分できるようにするといったことでございまして、いずれも工業所有権審議会の小委員会のいろんな議論を十分踏まえたものでございます。 さらに申しますと、一部につきましては先ほど言いましたように今回は見送るけれども引き続き検討すべき問題といったことで、先ほど法務省からも御答弁いただきましたような法廷における訴訟代理権に関しましては、これは答申の中でも基本的な方向としましては、倫理的な感覚をしっかりするとかあるいは試験制度等資質の向上をしっかりするとかということは大前提ではあるけれども、いずれはそういう方向で前向きに検討すべきであるという基本的な方向は出していただいておりますけれども、当面は司法制度改革審議会の中で十分議論していただくということが工業所有権審議会の答申にもあったわけでございますので、こういった点も踏まえて今回の法案ということにさせていただいております。
○藁科滿治君 私自身は、業務の拡大そのものは基調的に賛成でありますけれども、ちょっと心配することがございます。 具体的に一つ例を挙げて申し上げますと、結論的に言って、弁理士の皆さんの間に新たな二極化現象というものが起こってくるんではないかという心配を持っております。 少し裏づけを申し上げますと、一方ではグローバル化の中で先端技術の波に洗われて競争力を高めていく、企業との連携ももちろんあるでしょう、そういった競争力を強めていく弁理士の皆さんと、他方では、代行業務を主体にやっておられる弁理士の皆さん、今回の規制緩和の流れの中で大胆に言わさせていただければ淘汰されていくという心配があるんですね。これが私だけの心配なら大変結構なんですが、そういう新たな二極化現象というものが改正によって出てくる心配がないのかどうか、それから、仮にあるとすればどういう手でそういうものを克服しようとするのか、そこらをちょっとお伺いしたいと思うんです。
○政府参考人(近藤隆彦君) 御懸念の点は一つの議論としてあろうかと思います。特に新しい保護分野が随分ふえまして、そういった点に対しまして積極的に対応できる方々とそうでない方々が出てくるのではないかということかと思います。 まず基本的に、先ほども議論になりましたように、弁理士の数は絶対的に極めて不足しております。しかも大都市集中型でございますので、そういう意味でいいますと地方では非常にニーズが高いわけでございまして、特許庁に対する申請事務に関しましても大変特に今地方のベンチャー企業等弁理士に対する需要が大きくなっております。 そういう意味でいいますと、これから当分の間は、まず全体のそれこそ大きな需要にいかにこれから見合っていくかという量的な拡大と同時に地方展開というのが必要だろうというふうに思っておりますものですから、そういう意味でいいますと、直ちに二極化ということが起こるということは余り懸念としましてはいただくことはないのではないかというような感じはしております。 一方、しかしながら現在考えておりますのは、やっぱり何といいましても弁理士全体としての資質を上げましてだれでもそのような新しい業務を含めてニーズに対しまして対応できることが必要でございますので、弁理士全体の資質の向上という観点から先ほども議論のあったようないろんな研修を十分充実しまして、それを踏まえて弁理士の自己研さんということを十分積んでいただいて、それでいろんな業務に対応できるようにしたいということでございまして、そのようなことで進めていこうと思っています。 いずれにしましても、今回大変大きな改正でございますので、改正後も推移につきましては私どもといたしましても十分注意をして関心を持って見守っていきたいというふうに思っております。
○藁科滿治君 今回の改正の目玉の一つとして私ども非常に注目しておりましたのは、訴訟代理権の問題なんですよね。残念ながら今回の法改正では、特許侵害訴訟に関しては従来の活動領域の限界を越えることはできない、こういう状況になっておるわけですね。 そこで、この問題は司法制度改革審議会で検討すると、こういうふうにずっと伺ってきているわけでございますが、私は個人的な意見として、時代も変わり環境も変わっておりますから、司法行政の規制緩和の面でぜひ一歩前向きに積極的な姿勢を示してほしいという期待感を込めた気持ちを持っておる一人でございますが、きょうは法務省の関係の方にも出ていただいておりますので、ぜひ今後の展開についてぎりぎり言える範囲の見解を聞かせていただきたいと思っております。
○政府参考人(房村精一君) 特許侵害訴訟というのは、先生の御指摘のように、非常に特許に関する専門知識、これが要ります。しかし同時に、訴訟でありますので、やはり訴訟手続等に関する知識及び能力が要るというその双方が要求される問題です。そういう意味で、日本ではなかなかその双方に熟達した専門家が少ないというのが実情だろうと思います。そういう意味で、特許関係を充実していくためには、そのような侵害訴訟を的確に扱える人をどうやって養成していくかということが大きな課題になっているわけであります。 そういうことから、司法制度改革審議会でも、専門的知識を要する事件にどう対応するのかということと並んで、弁理士の方々等の隣接法律専門職種の方と弁護士との共同関係というものも審議の対象として取り上げられているところでございます。 この問題は、そういう特許に強い弁護士の方をふやしていくということも当然一つでございますが、同時に、特許に関して非常に専門知識を持っている弁理士の方々をどう訴訟の面で活用していくのかということも当然対応策の一つとして考えられるところでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、的確な訴訟代理人としての事務を追行するためには、特許に関する知識と訴訟に関する知識、能力とがともに要求されるわけでありますので、そういうものをいかにして満たしていくのかということも当然検討される必要があろうかと思っております。 そういう意味で、利用者の国民の立場に立った広い視点から司法制度改革審議会で今後この御議論がされていくものと思っておりますし、現に司法制度改革審議会の事務局の方からは、弁理士の方に対する調査嘱託もなされて、その報告もされているように伺っております。そういった諸事情を含めて審議会で審議がされていくと思われますし、私ども法務省としても充実した審議がされるようにできるだけの協力をしていきたいと考えております。 以上でございます。
○藁科滿治君 ぜひ前向きな結論が出ることを期待しております。 この制度を前向きに私どもが展望するに当たって、やはりアメリカの動向というものを対比して考えざるを得ないというふうに思うわけでございます。 アメリカの場合は、八〇年代に入って知的財産権そのものを企業の戦略商品の根幹に置くというような、こういう姿勢に転換してまいりましたよね。したがって、この問題をめぐっても、単にその部門だけの問題ではなくて多面的、重層的な関係の連携の中で対応する、こういう動きが出てまいりました。 特にソフトのプログラムの著作権問題が八〇年代に入って浮上して、したがって一方でトラブルもいっぱい起きてくるということで、ひとり弁理士だけの問題ではなくて、弁護士、あるいはときには公認会計士、当然経営コンサルタント、こういった多角的な専門家が連携しながらその中で統一的な対応をしていく、こういう動きが顕著に見られてきたわけでございますが、我が国も、アメリカを対比して考えるとすればこういうような対応方式、具体的に言えば総合事務所というようなものを開設して今挙げたような関係専門家が連係プレーの中で総合力を高めていく、こういうことが必要ではないかというふうに考えますけれども、長官いかがですか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 関係の法律専門家ないしは公認会計士も含めた連係プレーの必要性がございまして、全くこれからますますそういったものの需要が高まっていくというふうに私どもも考えております。 先ほどちょっと御答弁申し上げましたとおり、現行法のもとでもいわば個別のいろんな専門家の連合体方式の総合事務所的なものはできるわけでございまして、その範囲内では要するに物理的に集まって、一カ所に集まりましていろんなサービスを事実上提供するということは可能でございますので、そういう意味では関係の法律専門家の方々にも現行法でもそういった範囲内ではあるができるんだということをぜひ周知をしたいというふうに思っております。 同時に、今おっしゃいましたような総合的な一法人の中で、まさにその社員としておのおのの専門家がいて共同プレーができる、収支も共同でシェアできるといったことで大変強い連携のもとに一体となって業務をするということに関しましては現在ではなかなか難しくて、その前提としましては、各法律専門家がおのおの法人化ができるということが大前提だというふうに考えております。 現在公認会計士の監査法人がございますけれども、それに続きまして今回この法案がお認めいただけますと特許業務法人という格好で弁理士が法人化できますので、さらに弁護士さんその他関係の隣接専門家の方々が法人化の道を選ばれて、またお互いに違う専門家をいわば社員として雇用できるといったことにつきましても今後の検討だと思っておりますけれども、今回の弁理士法の改正は、そういう意味では大きく一歩その方向に向かっているものではないかと思っておりまして、今後私どもとしましても、ほかの隣接専門家のこういった動きにつきましてもできるだけ期待をしておりまして、できることがあれば応援したいというふうに思っております。
○藁科滿治君 少し弁理士の実態について具体的な質問をさせていただきます。 今我が国の場合に約四千三百人ぐらいと言われておりますが、この弁理士の皆さんの中で企業に直接雇用されている人数、あるいは特定のところと委託契約を結んでいる弁理士、こういった数はわかっているんでしょうか。あわせて、知的財産部門の専門セクションとして企業サイドで配置している人員というようなものがわかったら参考までにちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(近藤隆彦君) 現在、弁理士の実態は四千三百人弱でございますけれども、一人事務所を構えているのが相当部分おりまして千七百八十名程度でございます。会社勤務ということで企業に勤めている弁理士の人は一〇%程度ということでございますので、四百人前後だということであると思います。企業の知的財産専門部で弁理士としての活動もしているということではないかと思います。あと、いずれにしましても、五人未満の大変小さい事務所が大部分でございますので、そういう意味ではいろんな仕事を引き受けている人が大部分であるということだというふうに考えております。
○藁科滿治君 提起されております資料の範囲で私は幾つか問題点が出ていると思います。 一つは日米の比較の問題ですが、これも具体的な数字が出ておりますから率直に申し上げますけれども、日本の四千三百、アメリカは特許弁護士といわゆる弁理士との合計ですが一万九千四百ですか、絶対数で相当な数の違いがある。もともとアメリカは歴史的にも弁護士グループが非常に多いというような経過はございますけれども、それにしましても、最近の傾向ということで少し中長期的に振り返ってみると大変な問題が出ているわけでございます。 日本の場合の伸び率はこれは当局が提案しております資料にありますように二・五%、絶対数でかなり差のあるアメリカが五・三%、倍以上の伸びになっているわけですよね。驚くことに、アメリカのこの四年間の増加数、これは日本の今の四千三百の絶対数に及ぼうとしているわけです。これはどう考えても根幹に問題があるんではないかと私は思うんですけれどもね。 それからもう一つ、先ほどもちょっと出ましたが、地域差の問題、地域分布の状態。これは国内の問題ですが。 例えば、弁護士の場合東京に集中という面が今までも言われてきたわけですけれども、それにしましても全国に対する東京の集中が四六・四%です。ところが、弁理士は六六%余りで三分の二がここに集中しているんです。さらに驚くことは、青森、島根、山口、佐賀、四県はゼロなんですよ。 今回、詳細に改正の内容を見ると、地域への影響ということを非常に組み込んでおられる。その点は私どもも大変喜んでおりますけれども、それじゃニーズがないのかといったら、そうじゃないんです。事実、創造法認定の企業は、例えば青森三十八、島根二十二、山口八十五、佐賀二十八というように、相当数に及んでいるわけです。だから、やっぱりこれもシステムの欠陥がここにあらわれているという面もあると思うんです。今まで法人化が認められなかったわけですからやむを得ない面もあるわけなんですが。 こういう点はぜひやはり、特に中小零細企業へのサービス提供という意味では、積極的に前向きに改善していただきたい。せっかくの法改正が進行過程でどうなっているかということをやっぱり迅速にチェックしてもらいたいということを要望として申し上げながら、この点についての何か御感想があれば承りたいと思います。
○政府参考人(近藤隆彦君) 御指摘の点、大変私どもも弁理士制度におきます一つの大きな今日的な問題だというふうに考えております。 今の御指摘に加えまして、例えば出願件数と比べてみても、日本は四十万件の出願がある、アメリカが二十四万件、ヨーロッパ特許庁が八万件といった出願に比べても非常に日本は少ないわけでございまして、そういう意味からいいましても、いろんな点から比べてみてもそういった量的な少なさというのはあると思っております。 それから、地方的な問題につきましても、確かに企業の出願部門が大体大都市に従来はあったといったことがあって、その結果大都市にどうしても集中したということがございますけれども、特に最近のように地方のベンチャー企業が大変こういった問題についての意識が高まってきましてどんどん特許を出すといったことを考えますと、おっしゃるように大変需要が高いわけでございますので、そういう意味で大きな問題だと思っております。 今回の弁理士法の改正をお認めいただければ、今のような量的な拡大といった面、それから法人化を含めて地方展開といった点、こういった点につきまして今後大いにこれが実効あるように進んでいくように期待をしておりますし、私どもとしましてもその成果をちゃんとこれからよく注意をして見ていきたいというふうに思っております。
○藁科滿治君 次に、人材の確保と育成の問題で、これは大臣に基本的な問題にもかかわるのでお考えをあるいはこれからの抱負を伺いたいというふうに思っております。 今回の改正で弁理士の量的な拡大というのはある程度見込めるのではないかと思います。ただ問題は、国際的な技術開発をめぐる競争力の強化あるいは知的財産権の確保というような大変難しい問題を扱っていくというような面では、量的な問題だけではなくて、質的なレベルの向上というようなことが非常に求められるわけですね。そういう意味で考えますと、今回の改正ではなかなか容易なことではないというふうに私は思うわけでございます。 そこで、私は一つ意見として申し上げますが、先ほどの絶対数の問題を含めて、やっぱり弁理士というものの職能の魅力といいますか、そういうものが社会的に時代が変わってニーズは高まっているんだけれども、客観的に評価が上がってこないというところに問題があるのではないかと思うんですね。 したがって、国際情勢も含めて弁理士の存在とニーズというものが質的に非常に向上しているんだということをやはり世間に訴えていくべきであると思うんですね。大いに宣伝もしていくべきだと思うんですよ。この点をまず第一に伺いたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 御指摘のように、知恵の時代を支えるための中核としては、近年は弁理士に対する期待というのが非常に高まってまいっております。 おっしゃるとおり、まだ弁理士とは何ぞやという、そういう意味での社会的な評価が十分でないということはもう御意見のとおりであります。ただ、今回の弁理士法の改正によって、時代の本当に必要性に応じて弁理士の存在というのがぐっと明確になっていく、そしてその試験制度も改良して若い人材を吸収していく。あるいはまた、これからますます、例えばバイオテクノロジーであるとかソフトウエア分野など、本当に二十一世紀に向けての分野がどんどん広がっていく。そういうときに弁理士がどのような活躍をするのかという、そういう実態がますます具体化されていく。そういうことを通じながら、社会的な認知と言うと言い過ぎかもしれませんが、高い評価が弁理士に与えられるような状況をつくっていくということが非常に大事であるし、そのためのPRといいましょうか積極的な情報を国民に提供して、弁理士の存在というものの認識を高めるということも大変大事なことだというふうに考えております。 また、これからは特許庁に対する手続の代理だけではありませんで、特許の有効活用のための助言とか保護、活用とか、そういう両面にわたって専門的な知恵を駆使して指導に当たっていくという、そういう役割でもありますから、恐らくますます弁理士と国民全体のとりわけ中小企業関係も含めたつながりというのは一層緊密になっていくのではないかというふうに思われます。 このたびの試験制度の見直しあるいは先ほど申し上げました研修、自己研さんのためのネットワーク化等々を通じて委員御指摘のような状態が生まれるように、私たちも一層頑張っていきたいと思います。
○藁科滿治君 冒頭の御質問でもちょっと申し上げたんですが、今回の改正をめぐって私も過去のデータをいろいろ振り返って点検いたしましたが、残念ながらここ五、六年の傾向を振り返りますと、特許実用新案の件数が下がってはいないけれどもほぼ横ばいなんですよね。我が国の環境条件などからいえば、やはり技術力で勝負していくという、技術を開発して勝負していくという面が非常に強く問われている国柄にあるわけで、私は横ばいとは思っていなかったんですが、横ばいである。これは単純に断定的には言えないさまざまな要素が絡んでいると思いますよ、それは景気の動向もあるでしょうしね。それから、ここでは私はもっとやっぱり基礎研究をめぐる教育の問題も絡んでいると思うんですね。 そういう面から、いい時期ですからこういう問題、なぜ伸びないのか、我々がかけ声やタイトルでは産業の発展とか新技術力の開発とか言っているけれども、実態がなかなか伴っていない。その根幹にあるものは何なのかということをじっくり掘り起こしてみる時期でもあるんじゃないかと私は思いますけれども、大臣、何かつけ加えるものがあったらちょっとお伺いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 全く委員御指摘のとおりでございます。 ただ、この弁理士法の改正のみならずいわゆる技術力強化のための法律も今回出させていただいて、産学官の徹底した協力によって、新しい技術革新あるいはさまざまな製品を生み出す、それを研究から具体的に推進するという方向が示されてまいりました。こういうような場面には中小企業の皆さんも大いに参画していただこうということでございますから、特許をとるべき技術的な具体的なものがこれから非常にふえていくであろうというふうに考えます。 そこで、それらをさらに進めるための弁理士の皆さん方の御努力と相まってまいりますれば、私は大いにこれから変わっていくであろうし、変えていかなければこれからの時代を日本が世界と伍して進んでいくことはできない、そんなふうに考えておりまして、産業技術力の強化ということを含めながら、それを支える形として弁理士法の今回の改正が大きな力を発揮していくのではないかというふうに思います。
○藁科滿治君 深谷大臣は自分の考えを述べていただけるので、私ども大変ありがたいと思っております。 次に、具体的な問題へまた話を戻しますけれども、申請代理業務の料金体系の問題です。今回の法改正で、やはりサービスの向上という側面が大変重要な一面でございます。競争促進によってコストを削減していく、低減していく、それを国民に還元していく、あるいは特に中小零細企業に還元していく。こういう意味では非常に期待感も強いわけですよね。ところが実態は、大変コストが高くて、特に中小零細企業の皆さんからすればとても耐え切れないということで、力をかりたいんだが資金的に対応し切れないというような障害にもなっているわけでございます。 そこで、申請代理の比較的簡単である商標登録に例をとって私はここでちょっと指摘をしたいと思いますが、特許庁に納める出願手数料、設定登録など一区分九万円かかるんですよね、商標登録の場合でですよ。それから、弁理士の手数料が六万円、成功報酬が四万五千円、その他雑費等を入れて、私の計算が正確かどうかわかりませんが、私の試算によると実に二十万円ぐらいかかるんですよ。 あと特許その他推して知るべしということになるわけで、こういう状況では、再三申し上げているように、中小零細企業ではとてもじゃないが対応し切れない。逆に、今回の改正に大変大きな期待を寄せているということになるわけでございまして、こういった具体的な問題について少し、こうなるよ、大体こう見込めるよというようなものを示していただければありがたいと思います。
○政府参考人(近藤隆彦君) 今商標の例をおっしゃいましたけれども、特許に関しましても実際に出願されます方からは大変高いというお話はよく伺うわけでございます。弁理士費用と一体となって納めることが多いものでございますので、そういう意味では、今回の弁理士法の改正の効果が弁理士費用のいわば低減という格好でぜひとも還元されるようにというふうに期待をしております。 具体的には、まず絶対数が少ないというのが大きな点でございますので、まずは量的な拡大を図るということと、さらに地方展開を含めて全体的に量をふやすということで、まずは競争が促進されるような環境をつくっておく必要があるというふうに思っております。 それからもう一つ具体的に、さらにその弁理士同士の競争が少しでも促進されまして、ユーザーであります出願人ないしは個人とか産業界の方々が自分のいろんな評価で選択できるようにということで、一つは、現在会則でありますけれども規制をしております広告制限を原則的に撤廃しようというふうに思っております。今回の法律改正そのものではございませんけれども法改正の大きな流れの中の一環としまして考えておりまして、現実におきましては現在でも弁理士会の方で、弁理士さん本人の了解があれば、いろんな専門性等につきましては弁理士会のホームページではかなりもう流しておりまして、相当数の弁理士さんにつきましてはユーザーの方もどういった人かということを見られるようにはなっておりますけれども、さらに今度は個人の弁理士さんそのものも自分で広告ができるようにというふうに考えております。 それから現在、法律上の根拠があって、いわば標準報酬額といったものを決めることができるようになっておりまして、現実の現場ではその標準報酬額をベースにしまして相対でもちろん協議によりまして価格が決まっておりますけれども、今回の法律改正ではこの法律の根拠を撤廃しておりまして、法律上標準報酬額表的なものができるということにはしないようにしております。したがいまして、これも現場において、現行制度を考えますと、さらに相当当事者の間で相対で料金決定ができるのではないかと思っております。 このような具体的な競争制限的な措置の撤廃ということをしておりますので、そういったことと先ほど言いましたような全体的な量的な確保、地方展開の促進ということと相まって、この法律の効果が特に中小の方々に対しまして料金の面でも反映されるように期待をしておりますし、またいろいろウオッチをしてまいりたいというふうに思っております。
○藁科滿治君 今回の改正で、国際化とか専門化の進行によって特許庁と裁判所の連係プレーをより緊密にしていこうという内容が提起されております。 従来はやや一方的というのか片面交通のような色彩が強かったわけですが、今回こういう両面のボールの投げ合いという方向が出てきたことは大変いいことではないかというふうに思っておりますが、具体的にどういう成果を期待されておりますか、それだけちょっと伺っておきます。
○政府参考人(近藤隆彦君) 裁判所と特許庁とのいろんな意味の交流でございますね、あるいは情報の交換、人事の面も含めての交流でございますけれども、これによってねらいますところは、一つは裁判において極力専門性を反映した裁判にしてほしいということでございます。もう一つは、できるだけ迅速に裁判を進めていただきたいということでございます。 現在こういうことから具体的に進めておりますことは、一つは特許庁から技術的な知見を十分活用しまして裁判に対しまして協力していくという点で調査官というのを派遣しておりまして、現在裁判所全体で十九名の派遣がございます。この調査官の人たちは、裁判所に行って、例えば具体的な裁判における争点に関しまして、その争点を整理したり、あるいは提出される証拠につきましていろいろな点でチェックをしまして専門的な観点からそういったものを整理しまして、裁判官の判決に十分生きるようにということをしております。 それから、特許庁の審査官が毎日毎日審査で使っていますような同じ機能のある端末を裁判所に持ち込んでおりまして、それで特許庁と同じようないわば情報検索ができるということで、いろんな技術情報あるいは既往の特許情報等を直ちに裁判所で見られる、それを特許庁から行きました専門家が分析しますから、そういったものが迅速に反映されるということと思っております。 こういうことが、裁判所におきまして専門性を十分に反映していただく、さらには迅速に御判断いただくということにつきまして協力している点でございます。その結果、最近裁判で幾つか具体的な成果もあると思っておりまして、今後ともこういったことを強力に進めていきたいというふうに思っております。
○藁科滿治君 最後に大臣にお考えを確認させていただいて、私の質問を終わりたいと思っております。 この知的財産権の政策展開というのは、今の特許庁と裁判官の連係プレーでも明らかなように、かなり国際的な事情も絡んでいるし専門的な事情も絡んでおりますので、一つの省庁の問題として展開してもなかなかうまくいかないという意味では、関係省庁の連携強化ということが非常に重要ではないかというふうに考えております。 そこらの今後の展開についての大臣のお考えを伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 国際化の波の中で日本がこの時代を切り抜けていくためには、技術革新やそれを支える知的財産の問題についてのあらゆる仕組みというものが完全にでき上がっていかなければなりません。そのために各省庁と連係プレーをとるということはもう当然のことでありまして、私はあらゆる角度からここにかかわりのある関係省庁と一層綿密な連絡をあるいは連携をとっていきたいというふうに考えます。 例えば、先ほどお話がありました総合事務所の問題を一つとりましても、これを法人格のもとでやろうということになれば、現在は、公認会計士と弁理士が法人化の道になったわけでありますが、弁護士にいたしましても税理士にしましても法人化という道が開かれておりませんが、これらを進めていくということになれば当然大蔵省とも相談をする、法務省とも相談するというわけでありまして、どの分野を考えましても各省庁との連絡提携というのは非常に大事だと思っておりますので、そこいらは十分に心して、むしろ通産省が先頭の役割を果たせるように努力をしたいと思います。
○藁科滿治君 どうもありがとうございました。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 私は、先ほどから取り上げられておりました特許権の問題について多少質問をさせていただきたいと思います。 製造業分野はともかくとして、これ以外におきます特許権あるいは知的財産権、これを取得、確立する能力が依然としてある意味では脆弱な部分があるんではないかなと思っております。 例えば金融分野を見ますと、アメリカでは近年、金融工学ですか、ファイナンシャルエンジニアリングの発展を生かして新たな商品が開発されて特許申請が相次いでいる。一方、我が国におきましては、ALMですか、資産負債総合管理、あるいはVARという投資時に想定される損失算出法、こういった面でのソフトあるいはそれにかかわる特許出願は数件にすぎないというふうに伺っているわけでありますけれども、さらにデリバティブや証券化に関する特許申請はいまだ皆無に近い状態だというふうに伺っておりますけれども、こういった分野の特許の促進についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 今、先生御指摘の金融関係の特許あるいはビジネス特許という点でございます。 大変世界的に注目されておりまして、日本の企業でもさらに一層積極的に今考えているわけでございますけれども、特許の面から申しますと、これは一九七〇年代からいろいろな点で保護してまいりましたソフトウエアという技術に関するものだというふうに考えております。 ソフトウエアを特許制度で保護することに関しましては世界的に確立した状況でございまして、その流れの中で、技術の進歩によりましてソフトウエアのウエートが非常に高まってきている。従来はほんの一部であった、つまりハードと全く一体でしかなかったものがどんどんハードからいわばウエートを増してきている。最初は単なる制御でしかなかったものが、制御を離れましていろんな新しい機能をソフトで実現するようになってきている。かつ、最近はCD—ROM等の格好で、ハードを離れまして、ソフトが媒体というそういったものを仲介はしておりますけれども、ソフトはソフトとしてもう流通を始めておるわけでございます。最近特に、それがCD—ROMさえ必要ないというふうに、インターネットという場で本当にソフトがソフトとして回転をしているという状況でございます。 そういう意味で、特許としましてはソフトウエアの大きな流れの一環というふうに考えておりますけれども、大変新しい視点が必要でございますので、そういった意味では、一番基本的な問題としましては国際的な運用の調和、ハーモナイゼーションだと思っております。それが第一点でございます。 もう一つは、その運用方針、運用の考え方をできるだけ明確化する。明確化しまして、出願される方が、予見可能性と申しましょうか、こういう場合には特許になるんだ、こういう場合にはならないというふうに予見可能性が相当つくように運用の明確化をすることが必要だろうと思っております。 国際調和に関しましては世界の特許の八〇%ぐらいを占めております日米欧のいわゆる三極で相当突っ込んだ議論をしておりまして、基本的には同じような考え方、同じような審査の方針で進めていこうということで、現在、具体的に事例研究をして、さらにそれを詰めているところでございます。 それから、運用の明確化に関しましては、このような三極の成果も踏まえつつでございますけれども、さらに新しい技術を反映したような運用基準をできるだけ早目に公にしようと思っておりまして、今鋭意それを検討しております。ただ、日本でも現に相当数出願がございまして、現在でもソフトウエアの一環として審査ができる状況ではあるということは御理解いただきたいというふうに思います。
○加藤修一君 CD—ROMも必要ないぐらいな形になってきているということを考えていきますと、今日欧米の三極の中で審査、運用の基準についてやっているという話ですけれども、これは具体的にはどういう組織でおやりになるんですか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 日本の特許庁とアメリカの特許商標庁それから欧州特許庁というのがございます。欧州特許庁といいますのは、ヨーロッパ各国の特許庁と別にヨーロッパ全体の特許を一元的に付与する、そういった機関ということで欧州特許庁というのがございます。この日米欧の三つの特許庁で世界全体の八割以上の特許の出願があるものでございますから、世界全体の特許制度を議論する場合にまずこの三極で大筋を決めるというのが従来の方法でございます。 この三極で、実は昨年でございますけれども、長官会合をいたしました。その前に相当な回数専門家レベルの会合をしてまいりました結果、昨年の十一月に長官レベルの会合をしまして、そこで、このようなビジネス特許に関しましては、運用をきちっと明確化していく必要があるということから、事例研究をしようということにしております。この事例研究でいろいろハードとソフトのかかわり合いを想定しましたいわばバーチャルな事例を想定しまして、それを日本とアメリカが並行して審査をしてみていわば結果を比べてみるといったような方式の事例研究でございまして、これを踏まえてさらに具体的な運用を明確化しようということでございまして、そういう意味では、三極というそのような場で今のような議論をしておるということでございます。
○加藤修一君 ところで、いわゆる特許とは一般に物質や装置等ハードに関する発明が想定されやすいのでありますけれども、大量生産方式とかあるいはかんばん方式等いわゆる業務遂行スタイル自体が特許の対象になるという、そういう発想は日本では乏しいわけでありますけれども、アメリカでは最近新規性や独自性があれば業務遂行方式やノウハウであったとしても特許に認められる、いわゆるビジネスモデル特許ということなんでしょうけれども、これについて我が国の現状とこの方面について促進をどう図るべきか、お考え、その辺の見解について教えていただきたいわけであります。 ただ、こういう関係の面について強化していくということを考えた場合、企業が特許管理に経営資源の多くを割かなければいけないとかあるいは訴訟に時間とコストがかかるなど、そういった意味では企業経営に大きな影響を与える、そういったことが懸念されるわけでありますし、さらに中小・ベンチャー企業の特許対応がおくれている中でこういうビジネスモデル特許が日本の産業に与える影響、こういったことも当然予想され得るわけですけれども、この辺についてどういうふうにお考えか。こういった面での特許の促進についてどういうふうに見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) まず、現状をお尋ねになったわけでありますけれども、例えば金融関係の特許、これは一番典型的な例でございますけれども、金融関係の特許の運用と現状につきまして申しますと、平成十一年度末までに二十件弱の特許が既にこの日本でも成立をしております。他方、出願件数は相当な増加傾向にありまして、公開済みのものにつきましては日本の場合でも二百件程度出願があって既に公開をされている状況でございます。 さらに、最近は関心が非常に高まってきているものでございますし、特に従来はこういった金融特許でありましても情報関係の、コンピューター関係の企業から出願される、そういった例が多くて、金融機関は相対的に少なかったものでございますが、最近は金融関係も大変関心を持ってきておりますので、金融機関に対しますいろんな説明会とかそういったこともしておりますし、特許庁のホームページでもいろんな公開をしております。 そういったことで、最近は金融関係も含めて関心を持ってきておりますので、そういう意味では、さっき言いましたような国際的な調和を図るということと、それから運用の明確化を図るということで積極的に関心を持っていただく企業が出願をしやすいような、そういった状況をつくっていこうというふうに思っております。 それから、このような金融ないしはビジネス特許の産業に対する影響でございますけれども、これは大変特に電子商取引が進んでおりますので、いろんな取引が電子化されてどんどんインターネットが活用されていくということでございます。インターネットの活用によりまして、いろんな問題が出てきておりますけれども、このような特許も一つの問題であるというふうに思っております。 それで、現在いろんな意味でこういったビジネス特許に関しましては、懸念という点もございますし、一方どんどんこういうのは進めていくべきだという議論もございます。そういった中で、先ほど言いましたような、まずは調和を図るということと運用の明確化ということが必要だろうというふうに思っておりますけれども、いずれにしましても、現在新しい、まさに新しい方便をしまして特許庁としましても審査体制を十分強化するなり審査官の研さんを積んだりしましてこれに対応しようというようにしているわけでございます。
○加藤修一君 九五年のときに特許のいわゆる英文の申請が自由化になったわけでありますけれども、外資の日本における特許申請が格段に容易になったと思われますけれども、この辺についての現状はどういうふうな中身になっていますか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 平成六年のおっしゃいましたような法律改正によりまして、外国語書面出願制度といいますものを導入いたしております。経済のグローバル化を踏まえまして、英語で出願してもいいということでございます。ただし、一定期間以内に翻訳文を提出するということが条件でございますけれども、そういった条件のもとで英文で提出してもその英文で提出した日をもって出願日として扱うということでございます。 この制度を利用しました出願は現実に着実にふえておりまして、平成十年は千七百件弱の出願がこの制度を利用しまして英語によって出願がされているということでございます。
○加藤修一君 世界的な状況の変化から見れば当然ということについては、例えば日本企業サイドから見れば特許取得に関する国際競争力が弱い部分がある。そういった面で外資の特許が伸展しているということは客観的な事実としてあると思うんですけれども、国内企業が次第に市場から排除されていく心配がなくはないんですけれども、この辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) この点に関しましては、基本的には特許制度の制度とか運用の国際調和ということが基本だろうというふうに考えております。それで、日本で導入しましたこの制度に関しましてもアメリカにおきましては昭和五十九年から日本語による出願が認められておりまして、そういった状況を踏まえまして日本も同じようなことをするという必要性があったわけでございます。 こういった点で、基本的には国際的な制度をつくりまた運用するということでございまして、日本の企業もそういう意味では制度のこういった点も含めた国際化につきましては大変需要が強くて要望が大きい点でございますので、そういう意味では大きな意味での国際的な制度の調和、運用の一体化という中で、アメリカに若干おくれましたけれども、日本もこういう制度を導入したということでございます。
○加藤修一君 次の質問も似たような答弁になるかもしれませんが、審査期間の短縮の関係でありますけれども、要するに特許権のスピード化が図られるわけでありますけれども、こういった観点から考えていった場合、国際競争力の弱い分野についても、先ほどちょっと申し上げましたけれども、外資がねらってくる可能性が十分あるわけでありますけれども、金融商品等商品の変化が極めて早い分野においては我が国の企業活動に対して大きな影響を及ぼすというふうに考えられますけれども、こういった影響について政府はどのように認識しておりますか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 金融特許とかビジネス特許につきましては大変回転が速いということでございます。そういう意味で、できるだけ早期の審査が必要なこういった分野につきましては、審査を早期にするということだろうというふうに思っております。現在、早期審査制度という制度がございまして、特にできるだけ早目に実施をしたいとかあるいは外国でもどんどん出願しているとかという場合には、早期審査という制度を利用していただきますと優先的に審査がされるようになっております。 そういう意味で、特に出願者のいろんな御要望に応じまして優先的なそういった制度もございますので、それを大いに活用して、必要なものにつきましては需要にちゃんと見合うように早目に審査をするという体制で臨んでいこうというふうに思っております。
○加藤修一君 それでは、ちょっと角度を変えた質問になりますけれども、日本の産学共同研究による技術革新、これはまだまだこれから強化していかなければいけないということだと思うんですけれども、今回、産業技術強化法案が提出されているわけですけれども、日本の国立大学を考えていった場合、九七年の時点でありますけれども、約五万九千人の教官で産学共同というのは二千三百六十二件。そういった意味では、共同研究にかかわる教官が二十五人に一人の割合でありますけれども、特許取得数を見てまいりますと、国立大学の特許件数は、ちょっと古いデータで申しわけありませんが、九四年の時点でアメリカが千八百六十二件に対して我が国は百二十四件と十五分の一でありますけれども、こういった件数を考えていきますと、この範囲で考えた限りにおいては、要するに大学、研究所の研究開発を強力にしていく、そういったシステムをつくり上げていくことが重要ではないかと思いますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
○政府参考人(工藤智規君) 若干日米の特許の違いを申し上げなきゃいけないのかもしれませんが、私ども国立大学の教官の特許につきましては、大学の研究者御自身にインセンティブを与えるために従来から個人有を多くしてございまして、近年の傾向で申しますと、年々各大学で審査される特許申請の件数がふえてございますが、平成十年度では千百件ぐらいでございますし、五年前に比べると約三倍ぐらいになっているのでございます。ただ、そのうち八割が個人有でございまして、二割の国有特許について申し上げますと先ほどのような少ない見かけになるわけでございます。 そうはいいましても、なかなかアメリカに比べて大学発信の特許あるいは産業化が少ないという現状については私どもも通産省ともども心配しているところでございまして、そのために大学の研究開発体制の強化というのは御指摘のとおりでございます。私どもそのために、科学研究費補助金等の競争的研究資金の拡充でございますとか、あるいはポスドク一万人計画等に基づきます若手研究者の支援でございますとか、研究体制の整備を図っているのが一方でございます。 他方で、一流の研究者が必ずしも特許マインドを持って起業家精神に富んでいるわけでもございませんので、そういうせっかく大学で生み出された研究成果が企業等に橋渡しできるようにその仕組みの整備を図ってございまして、一昨年になりますか、いわゆるTLO法を制定いただきまして、その橋渡し役の整備をするとか、環境整備に努めているところでございます。今後とも関係省庁とも連絡をとりながら、一層の整備に努力をしてまいりたいと思っております。
○加藤修一君 三月六日の産経新聞によりますと、共同研究などの特許料収入について半額を国立大学に配分する方針を固めたというふうに書いてございますけれども、これについては事実確認させていただきたいんですけれどもどうでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) ほぼ事実でございます。 これは誤解なきように一言申し上げますと、先ほど申しましたように、国立大学の教官由来の発明については約八割が個人有でございまして、個人の権利に属しました特許につきましてはほとんどが企業に譲渡されるなどして活用されていると承知しているわけでございます。 この新聞等に載りましたのは、残り二割の国有特許の部分について、これは国が特別の資金を供与して職務発明としてお願いしているところでございますので国有になっているのでございますが、これをこれまで国庫の収入にすべて入れていたところを、せっかく各大学の教官が頑張っておられるわけでございますので、その特許の由来となりました研究に要しましたいろいろな申請あるいは特許維持料等の経費等々を差し引いて、約半分ぐらいを当該教官が属する大学、研究所に還元いたしまして、それぞれの大学でのインセンティブを高めていきたいという趣旨でございます。
○加藤修一君 それでは、弁理士法改正の関係でございますけれども、企業同士が特許の取引契約を結ぶ場合についてでありますけれども、これまで弁護士が行っていた契約の仲介代理業務あるいはコンサルティング業務を弁理士ができるようになる。特許を活用して新しいビジネスを立ち上げようとする者にとって非常にメリットがあるように考えられますが、この弁理士の業務範囲拡大の効果、これをどのように評価しているかお伺いしたいわけですが。
○政府参考人(近藤隆彦君) 今回お願いしています改正では、今おっしゃいましたとおり、弁理士業務の業としまして契約代理とかあるいは仲裁代理といったことのような多様な法務サービスを追加いたしております。また、法人化等いろんなことで総合的なサービスの提供体制といったことを考えております。そういった意味で、質量ともにサービスの充実とか強化が図れるのではないかというふうに考えております。 このような業務を追加しますことによりまして、今おっしゃいましたように法律的な相談とか仲介も法律に明定しましたので、そういったことを背景としまして、例えばTLOにおける技術移転とか特許移転に関しましても弁理士がいろいろ支援ができるといったこと、あるいは中小企業においても、中小企業の知的財産の活用におきましても積極的に貢献できるといったことが期待できると思っておりまして、こういった意味で全体的な日本の産業の活性化とかあるいは新規産業の創出、技術力の強化といった点に大きく寄与するのではないかというふうに期待している点でございます。
○加藤修一君 次に、特許流通化の取り組みについてなんですけれども、技術を導入したいいわゆる中小のベンチャー企業と、それから未利用特許、そういったものを有する企業の橋渡しを行ういわゆる特許流通アドバイザー、そういった者による知的財産取引支援、あるいは特許流通フェアの開催とかあるいは特許流通データベースの整備等いわゆる制度的な枠組みの整備、またこれに対応した形で民間事業者の知的財産活動に向けた取り組み、こういったものが始まりつつあるように考えられますけれども、いわゆるその特許流通に必要な取引情報の不足、あるいは取引仲介や活動ビジネスをサポートする弁理士を初めとするいわゆる知的財産専門サービスの層をより一層厚くしていくことが指摘されているわけであります。 ただ、特許流通の活性化にはまだまだ時間が私はかかるように認識しておりまして、そういった観点から、特許流通促進のための基盤整備あるいは支援が必要であると。そういった意味では、知的財産権取引業者の育成の支援、あるいは知的財産権取引サービスに関するいわゆる社会的認知、こういったことを高めていく必要が考えられるわけでありますけれども、こういった点を含めて、いわゆる特許流通の活性化、促進についてどのように取り組まれているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(近藤隆彦君) 特許につきましては、単に権利としまして維持しておくということではなくて、積極的にそれを活用しまして、それで新しい技術、新しい産業に結びつけるということが大変重要でございます。そういった意味で、おっしゃいましたとおり、特許流通ということが大変重要だと思っております。 現在、先ほど先生からお話がありましたけれども、特許を提供してもいいという側と、それからその特許を導入したい側と、それをできるだけうまくマッチするようにということで、いろんな施策を講じているわけでございます。 未利用特許というお話もございましたけれども、特に日本の大企業が持っております特許のうち相当部分が、自分で使うこともないし、しかも他人に使ってもらってもいいという、そういう意味で開放してもいいという特許が相当数ございます。こういったものの情報をいろんなルートで提供しまして、また導入側と提供側をマッチングするような特許流通フェアといった場をつくる、ないしは特許流通アドバイザーということで、その流通につきましてもそういった専門家を派遣しましてマッチングを図るといったことでございまして、現在、このような施策でこの二年半ぐらいで百七十件ぐらい具体的な成約のケースも得ております。 こういったことを踏まえて、さらに今後はおっしゃいましたとおり民間の独自の仲介業者がどんどん出ることが期待をされておりまして、現在日本では、わかっておりますものでは十幾つ、二十ぐらいの企業しかございませんけれども、アメリカではもう何百、何千とありまして、これが大変大きな力を持っておりまして、活発な特許流通が行われております。 そういった意味で、これからはこういった民間ベースの仲介業者といいますものがどんどん出るような、そういった環境整備が必要だというふうに思っております。そのためには、特許を客観的に評価するような手法の開発とかあるいは情報の提供等でございますけれども、こういった点につきまして今後ともいろんな意味で努力をしていこうというふうに思っております。
○加藤修一君 質問をちょっとスキップしておりますけれども。 それで次に、非常にこれも重要な問題になってくると思うんですけれども、特許裁判ということで、この辺について機能強化を進めていくべきだと思うんです。これについては、裁判所側のいわゆる体制の整備、そういった面ばかりじゃなくて、当事者の主張とか立証活動をより充実して迅速にかつ専門的な審理への対応を図る必要が言うまでもなくあるわけです。 専門技術的な主張、立証を円滑に行うために、いわゆる先端技術に詳しい学識経験者や、損害の計算のための会計書類の解析を行ういわゆる公認会計士、加えて弁理士も入ってくると思いますけれども、そういった専門家を鑑定人候補としてデータベース化する、あるいはその利用を促進することも検討すべきでありますし、近年のいわゆる知的財産権の重要性の認識が高まってきているわけでありますから、こういった面についての訴訟というのも増加傾向にあると。 この訴訟については今後ともさらに増加が予想されるわけでありますから、いわゆる特許裁判の機能強化あるいは専門的知識を有する裁判官の養成、こういったことも欠かせないことだと思います。 そういった意味では、司法制度改革において、いわゆる知的財産権訴訟、こういった面についていかなる対応を考えているか、どう位置づけるか、この辺について御見解を示していただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) ただいま委員から御指摘のように、特許裁判を充実し強化していくということはこれからの日本にとって非常に重要な課題だろうと思っております。 裁判所におかれても、そのような意味で、東京、大阪の特許専門部を充実強化する、あるいは特許庁から派遣していただく調査官の人数をふやしていただくというようなさまざまな努力をして特許裁判の充実に努めているところでございます。 特に、今回内閣に置かれた司法制度改革審議会においても、日本の司法全体を検討する中でそのような専門的知識を要する裁判をどう充実していくかということを検討項目に掲げておりますのは、やはり先生の御指摘のような特許裁判に関する重要性を審議会としても認識しているということのあらわれだろうと思っております。 そういう意味で、具体的にどのような方策をとるかということにつきましては、先生からただいま御指摘のあったようなさまざまな方策が考えられるところでありますが、そのような点を今後審議会において十分検討をされていくものと思っておりますし、また私どももその審議の充実に協力していきたいと。また、裁判所は裁判所としてその間もでき得る限りの充実を図っていくというぐあいに聞いております。 以上でございます。
○国務大臣(深谷隆司君) 今法務省からお話をしたとおりでありますが、我々通産省といたしましては、先ほども長官から御報告しましたように、専門的な知識を持った調査官の数をふやして、そこいらについての技術的な問題を含めた徹底した裁判の結論が得られるような努力をしておりますが、特に、昨年の特許法の改正を受けて、六月から、侵害訴訟と無効審判等の情報交換を特許庁と裁判所が行っております。 いずれにいたしましても、迅速な権利保護というものが必要でありますし、その面でいけばかなり専門的な知識というものが裁判所にも求められますので、そういう点ではあらゆる角度からしっかり連携をとっていきたいと考えております。
○加藤修一君 最後に、知的財産権をめぐる政策については、いわゆる特許権、商標権、意匠権、そういったものについては特許庁、そして著作権は文化庁でありますけれども、それぞれ分野別に担当しているということになるわけですけれども、国として、いわゆるこういった面についての総合的、戦略的な側面で考えてまいりますと、やや整合性に欠ける部分があるように私は思いますけれども、そういった観点から、知的財産権の活用を国家戦略の柱として位置づける部分もあるのではないかと。そういった観点からは最近、知的財産基本法、そういったものがあるべきではないか、そういった議論もあるように思いますけれども、この辺についてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 知的財産権の基本法というのは、知的財産権制度に対する関心を高めて、また広く理解を得るという意味でも一定の意義があるという、そういう声が高まっておることは承知をしております。 知的財産政策については、中長期的あるいは総合的な視点に立って施策を展開していくということをしていかなければなりません。こうした課題に関しては、通産省としては、基本法の有無にかかわらず、例えば学生向けの副読本を作成して無料配布するとか、あるいは大学向けのセミナーを平成十一年度には約五十回開催させていただくとか、国民各層の知的財産権の理解を深めるために努力をいたしてまいったつもりでございます。 関係省庁との人事交流等も通じて、より広い視点に立って整合性のある知的財産権政策が実施できるようにこれからも努力したいと思います。
○加藤修一君 終わります。
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時十九分開会
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、弁理士法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下芳生君 日本共産党の山下です。 最初に、工業所有権審議会の弁理士法の改正等に関する答申の中に書かれてあります知的財産をめぐるグローバル競争の実態について聞きたいと思います。 答申の六ページを見ますとグラフが出ておりまして、技術貿易収支の推移について日本とアメリカの比較を行って、アメリカが多額の黒字を計上している一方で、日本が長年にわたって赤字を続けているということが指摘をされております。 もう少し詳しく分析をしたいと思いますが、この技術貿易収支を欧米諸国やアジアなど地域別に見ると実態はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 技術貿易収支の地域別の数字のお尋ねでございます。 この答申に引用していますデータは日本銀行のデータでございますけれども、地域別につきましては日本銀行はデータを出しておりませんので、同じような傾向といいましょうか、技術貿易収支に関します総務庁の統計で申し上げますと、地域別に関しましては、日本は北米に対して八百億円程度の黒字で、欧州に対しましては五十億円程度の黒字という数字でございます。 なお、日本銀行のデータと総務庁のデータの違いでございますけれども、調査対象がかなり違っておりまして、総務庁のデータにはプラント輸出中の技術輸出分を含んでおりますけれども、逆に商標とかファッションといったものが含まれていないものですので、この答申では日本銀行の数字、表を使っておりますけれども、地域別に関しましては総務庁のデータの数字しかないようでございます。
○山下芳生君 欧米に対して赤字、アジアに対して黒字という、大体そういう傾向だというふうに思うんですが、同時にもう一つ技術貿易の収支を今度は技術分野ごとあるいは業種ごとに見るとどうなるでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 技術分野別に関しましても、同じデータベースでございますけれども、アメリカに対しまして赤字が目立っておりまして、特に通信・電子・電気計測器分野に関しましては千二百億円程度の赤字ということのようでございます。
○山下芳生君 今の二つの分析を合わせますと、欧米に対しては先端技術分野を中心にして赤字になっている。それから、途上国ということがいいのかどうか、アジアを中心としたそういう地域についてはどちらかといえば旧来の技術で日本は技術貿易収支が黒字になっているということだと思います。 それで、私はアメリカと日本の技術力レベルを比較するとどうなっているのかなというふうに思うんですが、この技術力のレベルはいかがでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 技術力のレベルのお尋ねでございますが、なかなかこれをうまくあらわすデータといいますものは難しいわけでございますけれども、特許取得件数という点でデータがございましたので、それを御紹介いたします。 これは、一九九五年でございますけれども、WIPOという国際的な機関の調べた数字をもとにしたものでございます。これによりますと、三十の分野に分けまして海外での特許取得件数を比較しておりますが、日本が優位かどうかという観点から見てみますと、情報記憶装置とかエンジンなどの八分野におきましては日本が優位な状態にあるという反面、医薬とかバイオとか石油化学とか二十二の分野、非常に多くはなっていますけれども、二十二の分野におきましては米国が優勢であるというような数字が出ております。
○山下芳生君 私も特許の登録件数あるいはいろいろな技術レベルの比較の資料をいただきましたけれども、やはりアメリカが優位あるいは同等、どちらかというとやっぱり優位というふうに日本側からの評価もアメリカ側からの評価もされているというふうに思います。 そこで、大臣に伺いたいんですが、答申では、欧米が官民を挙げて知的財産戦略を強化している、こう述べておりますけれども、いわゆるプロパテントに対する我が国と欧米諸国の違いがどこにあると分析されているんでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) プロパテント政策、つまり知的財産権重視政策でございますが、この基本的な考え方については、私は欧米、特にアメリカと比べて格別な相違があるとは思ってはおりません。発明と知的創造活動の成果の保護の強化、これは国家の産業発展にプラスになるんだと、そういう意味でひとつ頑張っていかなきゃならぬという、そういう考え方は全く同じであります。 ただ、アメリカにおいては、一九八〇年、当時貿易赤字で非常に苦労していて、こういう状態ではアメリカがどうしようもないということから、自国の産業を何とか強化発展させて国際競争に勝ちたい、そこで知的財産権を重視するというふうになったという、そういう経緯がございます。それで、アメリカはその結果として特許商標庁の体制の強化、連邦巡回控訴裁判所の創設など、一連の改革がなされていったわけであります。 一方、我が国でも、これらの知的創造活動の成果というのを適切に保護してこれを通じて産業の発展を図っていこうではないかというので、数々の制度改革は実施してまいったわけでございます。 今回の弁理士法改正も含め、それこそアメリカ、ヨーロッパと同じように、国を挙げてこの問題に取り組まなければならぬと考えます。
○山下芳生君 考え方、志は同じだと。ただ、歴史的にアメリカの方が少し早くそういう危機感も持って取り組んできたということかと思います。それが今の技術貿易収支の格差あるいは技術力レベルの格差ということにあらわれているわけです。 そこで伺いたいんですが、今回の弁理士法の改正で弁理士の国籍要件と居留要件を外しました。その結果、外国籍の人が、外国に住んでいながら、しかし日本の弁理士試験に合格をして日本弁理士会に登録をすれば、日本で弁理士活動ができるようになるわけであります。 この国籍要件と居留要件を外した理由は何でしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 弁理士の資格をいう場合に、国籍要件と国内居住要件といいますものがあったわけでございますけれども、これをまず外しましたのは、できるだけ広く適切な資格を持った多くの人が弁理士として活躍してほしいという観点からでございまして、広く人材を求めるために国籍を問わずということにしたのが第一点でございますけれども、同時に、ほかの資格法制を見てみましても、ほとんどの場合には国籍要件というものがないといったこともございまして、そのような実質的な理由と、ほかの例も考えまして、今回国籍要件といいますものを外したわけでございます。 それから次に、国内居住要件でございますけれども、これも同様にグローバルな活動がこれからますます弁理士にも期待をされております。外国にいる日本人が日本で弁理士として働くということも十分考えられますし、また日本で弁理士の資格を取った人が外国に移るということも考えられるものですから、そういう意味でグローバルな活動を進めるためには、円滑に行わせるためには、国内居住要件というのは必要ではないんじゃないかという点でありますし、また、場合によっては、今言ったような観点から在外邦人にも道を開くということも考えております。 それから、これも同様でございますけれども、ほかの資格法制をいろいろ見てみましてもほとんど例がないといったこともございまして、このような実質的な面、それから横並びの面も考えまして、両方とも今回は外したというのが経緯でございます。
○山下芳生君 アメリカの同様の資格制度では、この両要件はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) アメリカの弁理士資格におきましては、幾つかございますけれども、一つは、米国内での居住をしておるかどうかは問いませんけれども、米国市民であることというのが一つでございます。それから、またはということでございますけれども、米国内に居住していれば外国人でも構わないということで、米国内に居住している外国人といったこと、どちらかというのが基本的な条件でございます。 ただ、一定の条件のもとに、場合によっては外国に居住する外国人でも米国弁理士の登録をすることができるということになっておるというふうに承知をしております。
○山下芳生君 原則はどちらかがないとだめだということなんですね。したがって、これは日本からいうとかなり緩和されたということだと思います。 そこで、そういうことになりますとこういうことができるんじゃないかと。特許業務法人が同時につくられることになります。そうすると、外国籍で外国に居住している弁理士が日本国内に特許業務法人をつくる、それができる。そして、使用人として日本人の弁理士や事務員を雇うという、そういう形態の事務所も届け出れば可能になると思いますけれども、それはよろしいですか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 今回の改正で、御指摘のとおり、弁理士法上は、外国籍で外国に居住している者が日本の弁理士となりまして、日本に法人を設けて日本人を雇用することは排除されておりません。
○山下芳生君 そこで私は一つの心配をするわけです。答申によれば、欧米先進国の特許出願人というのは、国内の出願よりもむしろ外国出願が多くなっております。特に、アメリカは圧倒的に外国出願が多いというのが実態であります。 アメリカの企業というのは、もう御承知のとおり他企業の特許動向に常に目を光らせている。そして、ライバル企業の特許をつぶしたり、ある意味ではクロスライセンスに持ち込んだり、そういうことをやることを企業の重要な戦略としております。その結果、日本の企業が特許訴訟で敗訴して莫大な損害賠償金を支払わされるというケースも多くなっている。 そういうアメリカの企業の戦略がある中で、先ほどできると言われた居留要件の撤廃、そしてアメリカに住んでいる方が日本で事務所を開設することができるということになりますと、こういうアメリカの企業戦略をより加速させる、日本でそういうことを一層やりやすくする足場にされることになりはしないか。その結果、ますます欧米諸国との技術格差が広がったり技術貿易の赤字が拡大するような私は懸念があるんじゃないかと思うんですが、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 確かに、外国の企業なりは、自分の国に対する出願に加えまして、ほかの外国に対しまして出願する場合が多いというのも事実でございます。 今回の法案で、先ほど申しましたように、外国人が外国籍のまま日本で法人をつくったりすることにつきましては排除はされておりませんけれども、しかしながら日本の弁理士とか日本の今回新しい特許業務法人に関しましては、あくまでも日本国内で日本の特許庁に対します特許出願とか、あるいは国内のまさにいろんな意味での法律相談に応じましたり、あるいは法律的な紛争の仲裁、和解といったことが期待されます。こういう意味では、基本的にはやっぱり国内における知的財産の保護とか活用の支援ということがあくまでも基本だろうというふうに思っております。 おっしゃいましたようなグローバルの問題は常に実はありまして、日本の企業としましては、制度の問題以前に、やっぱり日本の企業としまして戦略的にいかに日本の国に対する特許出願と同時にどれだけ戦略性を持って外国に対しまして出願するかといった点もございますので、そういう面から考えますと、常に日本の企業としましては外国のこういった戦略にはきちっとした対応が必要だと思っております。 そういうことを考えてみますと、この法律によりましてそういった可能性が非常に高まって日米格差がますます広がるということでは必ずしもなくて、むしろ日本企業そのものがもっと積極的に戦略的な対応をすべきであるというふうに考えております。
○山下芳生君 私もそうなるというふうに確信しているわけではございません。懸念があると。しかし、アメリカの企業というのは特許戦略というのはもう本当に重要な柱に位置づけていますから、可能性があればそれを追求してくる、幾ら金を出してもそういう足場にするということも予想されますから、そこはよく注意をしておく必要があるんじゃないかということであります。 次に、中小企業との関係について伺いたいと思います。 大臣は提案理由説明の中で、産業の国際競争力強化とともに、中小企業等の活性化のために知的財産の保護とその利用による収益の確保が大事なんだと、こうおっしゃっております。 私も、中小企業で特許にかかわってこられた方の御意見を大阪の地元の方に聞いてまいりました。中小企業あるいは零細企業の方々が何社か集まって共同研究開発をやられているグループなんですが、初めて特許の出願をされた製品が出たわけです。商品名は申すわけにいきませんけれども、従来のプレス機よりも何分の一かの力で深絞りが一発でできるという技術であります。 今、特許出願中なんですが、なぜ今そういう技術が開発され製品化されようとしているのかと聞いたら、とにかく今不況ですから、ばらばらではだめだと。それぞれの分野で技術を持っている何社かが集まって、何かできないかと思って知恵を出し合う。そこから始まって、プレス屋さんがもう少しこういう改良をすれば便利になるんじゃないかというアイデアを出された。そして、それならということで金型屋さんだとか設計屋さんが知恵を出し合って一つのものになっていった。 最初から特許をとろうなんという発想じゃないんです。何かできないかということでやり始めたらそういうものができてきた。これはなかなかいいじゃないか、ひょっとしてほかの人にまねされたら困るなということになってきて、そこで初めて特許をちょっと調べてみようかということで先願特許の調査に入ったそうです。 そうすると、たまたまなんですけれども、よく似たものがあって、これは大変だ、一体だれが漏らしたんだという騒動にもなったそうなんですが、幸い、手法が全く違うものだということもわかりまして、特許出願が済んだということです。そういう過程の中で、非常に親切な弁理士さんにお世話になって、結局手続もうまいこといったということなんです。 私は、弁理士のそういう点でのかかわり方というのは、中小企業、零細業者の場合、特に特許の出願手続の代行というのはもう最後の最後であって、そのアイデアから技術を練り上げるまでの過程でどうアドバイスできるのかということも実践的には非常に大事なんだなということを学んだわけです。 そういうことも含めまして、中小企業との関係で弁理士の果たす役割について、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 情報とか知識というのが付加価値を持って新しい技術開発をつくり出していく、そうやってつくられたものを申請して特許をとっていくわけでありますが、従来ですとどちらかというと特許に関していえば保護するという立場だったんですが、これからは大いにこれを活用するという前向きなものに持っていこうというのが法改正の一つのねらいでもあります。 そういうことを考えた場合に、やっぱりその部分で一番情報や知識が入りにくいのは中小企業で、よく私ども中小企業政策の中で資金、人、ノウハウだと言うんですが、まさにこのノウハウの部分が一番欠けている。大きい企業ですと専門的な知識を持った人が社内におりますけれども、中小企業はそれを持っておりませんから、そういう意味では知的専門家としての弁理士に対する期待というのは非常に大きくなってくるだろうと私も思います。 弁理士の業務として、契約代理、コンサルティングあるいは多様な法務サービスといったものを今度は追加いたしましたし、あるいは法人化というので総合的な相談にも乗れるような体制をつくってまいりましたから、そういう意味では質量ともにこれから充実していくのではないか。そういう方々の期待にこたえてこれから弁理士の皆さん方が大活躍をなさることによって、そのまま中小企業の技術開発、特許等につながっていく。そういう方向でまた努力していただくことがこれからの新しい時代の対応ではないかというふうに考えております。
○山下芳生君 話を伺いますと、さっき紹介した技術は、プレス屋さんの日常の仕事の中から、こうすればもっと便利なものができるんじゃないかというのが出発点だったんです。 それから、同じグループでもう一つ特許出願中の技術というのはメッキ装置なんです。小さいねじとかビスをメッキする際に、大体振り子つきたる状メッキ装置というのを使うそうなんですけれども、振り子が当たることによってメッキの不良品が出る。それをなくしてメッキができるようなものを開発されたんですけれども、この発想もやっぱりメッキ屋さんの仕事の中から出てきているわけです。 ですから、日常の仕事の中から生まれるアイデアを知的財産にまで結実させるというのが非常に大事だと思います。それはやっぱり専門的な技術、能力がないとできないわけですし、弁理士さんの果たす役割は大きいというふうに思ったわけです。 そういう点では、これまでの中小企業の皆さんというのはなかなか特許ということを意識されていない方が多かった。図面を受け取って、そのとおり加工して納める。しかし、それだけではだめだということで、今いろんな形で共同化など努力されているわけですが、そのときにやっぱり初めて特許について関心をお持ちになる、あるいはかかわらざるを得ないということが出てくるわけですので、私はその点で弁理士会がおやりになっている知的財産支援センターの積極的ないろいろな事業というのが非常に大事ではないかというふうに思ったわけです。 パンフレットもいただいて見てみましたけれども、いろんな情報提供だとかをやられていますし、それからこのセンターのインターネットの広報をとらせていただきましたら、相談会活動というのをやられているんですね。「全国各地で特許無料相談会を行っております。」、「アイディアが浮かんだとき、製品をデザインしたとき、ネーミングするとき、特許を活用したいときや困ったとき、知的財産制度について知りたいときなど、相談会に参加しご相談下さい。」と。まさにアイデアが浮かんだときに、しかし特許なんてかかわったことがない方が多いでしょうから、どうしたらいいんだろう、どんなことがあるんだろうということを気軽に相談してください、無料相談ですと。 これは非常にこれから中小企業のすそ野を広く知的財産を活用して活性化していく上では大事だと思います。東京、名古屋、大阪、福岡には常設の無料相談所を開設されているようなんですが、これは本当に大事だと思うんですけれども、こういう活動に対して政府として予算面も含めた支援はやられているんでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 弁理士会が去年四月からセンターをつくって活動されておられて、大変知的財産というものに対する国民の理解がこのセンターの相談業務を通じて広がってきた、あるいは大学あるいは中小企業の関係者も対象としてやっておられて非常に効果を上げてきたということは私どもも承知をしております。 また、我々の方も通産省としては、特許流通アドバイザーというのを全国の都道府県にセンターをこしらえてそこに派遣をしておりまして、そこでも同じように、そのセンターに派遣したアドバイザーが中小企業等の対応をいたし、また大学等にも連絡をしながら御指導申し上げているという、そういう状態があります。 現段階でこれらに加えて新たな措置をすべき状況にあるとは私どもは考えておりませんけれども、これからの状況などを踏まえて、今日の状況の中で何か必要なことがあればまた考えていくという、そういう場面も出てくるかもしれないと思いますが、現段階ではしばらくこういう状況を見守っていこうというふうに考えているところです。
○山下芳生君 今後を見て必要であればということですので、制度自身、センター自身がこれから大いに活躍をされる、できた直後ということもありますので、ぜひ関心を持って対応していただきたいと思います。 それから、私は中小企業の方々に話を伺いましてもう一つ指摘されたのが、特許になるまでの研究開発がやはり大事であって、研究開発にはやっぱりお金がかかるということであります。 先ほど紹介した共同開発グループは、研究開発にかかる費用について、労働省の地域高度技能活用推進事業助成金というのがありますが、これは共同研究事業も対象にされ、調査研究等に要した費用について五百万円を限度に二年間支給される。ですから、何分の一補助とかいうんじゃないんですね。必要な経費を上限はありますけれども支給される、非常にこれは使いやすいというふうに聞きました。もしこの五百万円がなかったら、先ほど紹介したような技術の開発は無理だったろう、幾らいい案を持っていても研究しなければ特許にまではならない、五百万がなかったらプレスもメッキ機もなかった、こうおっしゃっているわけですが、これは労働省の施策だったんですね。 中小企業庁に伺いますが、中小企業庁としてこういう研究開発に対する支援制度はどういうものがあるんでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 中小企業の多様で活力のある成長発展を図るためには、その技術力を生かした研究開発が最も必要であることは言うまでもありません。そこで、昨年の臨時国会で改正された中小企業基本法、これは中小企業の技術の向上のための必要な施策を講じていくというふうに一つ取り上げておりまして、また中小企業者が行う技術に関する研究開発の促進などを進めていこうとしているものであります。 そのための一つとしてSBIR、これは既に十一年度から始まって、五省庁四十の技術開発に向けてそれに対する補助金等の支援を行う、これは百十億ぐらいを予想しておりますが、また第二次の補正予算でもさらに十六ぐらいふえる予定でございますし、平成十二年度の予算に関しましてもさらに上乗せをしていくような、そういう努力をしたいと思っています。 また、産学官の連携、都道府県の公設試験研究所あるいは大学などとの共同研究に関する支援とか、あるいはものづくり基盤の強化、これは試作開発支援や技能の客観化、マニュアル化等々を中心にいたしまして研究開発支援を行っているところでございます。これからもこういう点については一層充実強化させていきたいと考えます。
○山下芳生君 中小企業庁にも来ていただくつもりだったんですが、ちょっと手違いで申しわけございません。 額も非常に大事なんですが、私はいかに簡単に研究開発に対する支援が受けられるのかというのも大事だと思いまして、先ほど紹介した労働省のメニューはかかった費用が上限はあるけれども出されるということでありますから、何分の一というよりも使いやすいという声がたくさん出ておりますので、ぜひ検討していただきたい。 それからもう一つ、書類の簡素化というのも非常に声として出ております。この労働省のメニューもそういう形で長所はあるんですが、申請に際して四センチぐらいの分厚さの書類を、写真だとか図面だとか出さなければならない。その書類の分厚さを考えただけでもう申請するのが嫌になるというやはり中小零細企業の方も多いと聞いておりますので、これも中小企業庁、通産省としてもぜひ改善を図っていただきたいということを要望だけにしておきたいと思います。 最後に、弁理士会の問題なんですが、答申は、「公正な運営がなされるよう自治の拡大を検討する。」と。これはやはり弁理士にとって個人や企業の知的財産にかかわっておりますので公正な運営というのは大変大事な観点だと思いますが、今回の改正で弁理士会が日本弁理士会となるわけですけれども、従来と比較して自治は拡大をするのかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(近藤隆彦君) 弁理士に対します需要がますます高まり、また期待が高まるわけでございますから、そういう意味でいいますと、そういう中では弁理士による自治組織であります弁理士会が、これまで以上に主体性を持って、会員である弁理士に対しまして品位の保持でありますとかあるいは資質の維持向上といったことに対しまして一層指導監督ができる、そういうものを求められているというふうに今回の法案を考える場合も前提としまして考えております。 このような観点から、今回の法律の改正に関しましては、まず弁理士会の目的に、大きな目的としまして会員の「監督に関する事務」ということを、会員の監督というのを事務に加えております。それで、これによりまして最終的には、もちろん強制加入という弁理士会の性質上国が最終的な監督といったことは持っておりますけれども、弁理士会によります自治的な統制機能をできるだけ明確化したいというふうに考えております。 また、弁理士会の会則を変更する場合にも、現行法ではすべて通産大臣の認可ということでございましたけれども、今回の法改正によりまして、会則の変更は原則としまして認可は必要でなくて、重要な項目に限って通産大臣の認可が必要であるというふうにするように絞っております。 こういったことで、国の事前の、特に事前の介入は、監督は最小限にしまして、できるだけ新しい弁理士会の自主的な機能というものを強化したいというふうに考えております。
○山下芳生君 もう時間が参りましたので、この法改正が弁理士会の地位の向上とそれからとりわけ知的財産の中小企業の活用の向上に直結するように期待しまして、質問を終わります。
○梶原敬義君 今日は歴史的に見ますと、一種の産業革命の時代というか、情報通信産業を中心とする大きな変革の時期の今真っただ中にあるんだと思います。そういう状況の中で、八十年ぶりにこの弁理士法が改正されるということにつきましては、時を得たというか、むしろ遅きに失したというか、そういう気持ちがしておりますが、この法案につきましては私は賛成でありますが、以下、若干お尋ねをしてまいりたいと思います。 一つは、十二年一月二十七日付日本経済新聞に、北陸先端科学大学の研究成果の民間への技術移転を弁理士会が弁理士を派遣することによって支援するという記事が載っております。こうした弁理士の活用は、我が国の産業競争力強化のためにも非常に重要なことでありますし、大学からの技術移転や地域のベンチャー企業支援において弁理士に今後国が期待をしている弁理士の役割というのは一体どのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(近藤隆彦君) 企業とか大学におきます知的財産戦略についての弁理士の役割という点でございますけれども、現在でも、先ほどお話に出ましたように、知的財産支援センターという弁理士会の機関を通じまして無料相談に応じるなどという形で、既に大学とか特に中小企業におきます知的財産権の取得とかその活用につきまして今いろいろな支援をしているものというふうに承知をしております。 今後はさらに、こういったような現状の活動に加えまして、この法律の今回の改正によりまして相談業務とかあるいは契約のいろんな仲介業務とかいったことが業務として加わりましたので、そういったものを背景にしまして、例えば大学におきますTLOにつきまして、積極的にTLOの活動にも参加しまして、特許の円滑な発掘とかあるいはその活用、移転といったことに関しまして大いに貢献していただきたいというふうに思っておりますし、また地域の中小企業に対しましても助言とか相談業務といったことを今まで以上に充実ができるのではないかというふうに考えております。そういう意味で、そのようなことが十分できるような背景としまして相談業務とかあるいは仲介業務といったものを今回明定したわけでございます。 こういった状況で、ぜひ今後、このような相談業務等の一層の充実によりまして地域の中小企業の技術力の向上とかあるいは新規産業の創出にできるだけの貢献をしていただきたいと、このように考えております。
○梶原敬義君 大臣、この知的財産専門サービスの重要な担い手であります弁理士、今四千二百九十人と言いましたかね、これは不足をしているだろうと。試験科目を単純にすることとかいろんなことをしながらこれをふやしていこうと、こういうお考えのようでありますが、やっぱり弁理士という職業が、今以上に社会的な地位といいますか、あるいは経済的にも社会的にももっと伸び伸びと、国民の中におれ弁理士になろうという人がどんどん出てくるような、そういうものがやっぱりない限りなかなか思うようにはいかないんじゃないか、このように思うわけであります。 今、大臣のこの点につきまして考えておられる基本的な考え方をお伺いをしておきたいと。
○国務大臣(深谷隆司君) 梶原委員が御指摘のように、やっぱり弁理士になろうとする人が、つまり、すそ野が広くなって試験を受ける人も多くなっていくということによって質的な向上も当然図られてまいります。 その場合に一番やっぱり大事なのは、今までどちらかというと感覚的におくれていた知的財産の重要性というものを国民全体が考えるような、そういう時代をつくっていく。それこそ、小学校、中学校、高等学校の生徒あたりを対象にして、これから知恵の時代で世界で伍していくためには特許というものが必要になってくるんだと。それで、そのことに取り組んで、専門的な知識を持って指導、そして特許を有効に活用していく、そういう存在が弁理士なんだというような教育をやっぱりだんだんに徹底していくということがとても大事なことだろうと思います。 一方で、今回の法律改正で新たな仕事が弁理士に付加されたわけでございます。より中小企業を含め身近な存在になっていくと私は思います。この法改正を通して、弁理士及び弁理士会が積極的に、先ほどもお話がありましたように、みずからの改革を行いながら、より多くの人たちに知的財産がいかに大事か、それをまた特許をとることが必要かということを訴えていただく、これらの動きも大変大事になってくるであろうと思います。 今、長官が答えましたけれども、技術移転機関、TLO、あるいは中小企業等についての積極的な貢献、そういうことと相まって、私は時とともに弁理士に対する魅力あるいはあこがれ、自分もその道を選びたいという層が広がっていくものと考えます。
○梶原敬義君 ありがとうございました。 次に、先ほどからも議論がありますように、弁理士の数、少ないんだということは何となくわかるんですが、一体どのくらいが妥当なのか、トータルで。長官、その辺はどのようにお考えなのか。 それから、私は大分県です。青森、島根、佐賀がゼロ、弁理士がですね。大分、高知、長崎、西の方が悪いんですけれども、これが一人。これは一人というのはまたどうしようもないわけでありまして、そういうような状況ですから、これは法人格を与えて地方に事務所を出せるようにするとかいうことでこの効果は出てくるんだろうと思いますが、やっぱりこういう状況は何としても解決をされなきゃならない問題だろうと考えておりますが、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 弁理士の数は、今御指摘のとおり、十二年の一月末でございますけれども、四千三百人弱でございます。それで、東京とか大阪地域に相当部分が集中しているというのも事実でございます。しかも、この水準、絶対数の水準を国際的に比較してみても、特に特許の出願件数と比べてみても非常に少ないのも事実でございます。 こういったことで、できるだけの施策を尽くしまして量的な拡大を図りたいということでございます。何年に何人にするといった具体的な数値目標というものは必ずしもございませんけれども、業界、産業界などからはもう倍でも三倍でもという声もございますけれども、いずれにしましても今回の試験制度の改革等によりまして、できるだけ特に若い人がこの弁理士という世界に入ってこれるようにして全体的な数もふやしたいというふうに思っております。 地域に関しましても、まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、特に最近のように地域のベンチャーとか中小企業がますます特許というものに対しまして目を開きまして関心を持ってきますと、とてもそういった中小企業の期待にはこたえられないのが実態でございますので、まさに先生がおっしゃられましたとおりでございますけれども、法人化等によりましてできるだけの地域展開も図りたいというふうに思っております。 いずれにしましても、今回の弁理士法の改正でいろんな業務の拡大とかあるいは今言ったような数の増加とかといったことを図りまして、できるだけ国民のあるいは産業界の期待にこたえるようにしたい、このように考えております。
○政務次官(細田博之君) ただいま御質問のゼロの弁理士の私島根県が選挙区でございますのでちょっと補足をさせていただきますが、どういうふうにゼロ人でやっておるかということを紹介しますと、結局、我が県出身で都会で弁理士さんをやっている方、弁理士会の幹部の方でもおられまして、そういう人が、島根だけじゃ仕事量が十分じゃないものだから、大都会での仕事をしながら島根の案件についても大変親切に取り上げていただきながらお世話をいただいているんです。 ただ、やっぱり長期のことを考えますと、大分県もそうかもしれませんが、二十一世紀において弁理士さんがいないあるいは一人というところは情けないのでございまして、これからはやはり総合的な事務所、支所等を置いて大いに頑張っていただきたいと考えておりますので、その点を申し添えさせていただきます。
○梶原敬義君 いや、そう言われますと、またちょっと言いたくなるんだけれども、山下委員が先ほど言いましたように、出願をする段階よりももっとそこにいくまでが、相談に乗ってもらうし、いろいろ情報が知りたいということですから、やっぱり地元におられるようなことの方が望ましいと思いますから、よろしくお願いしたい。 それから、大臣の答弁でちょっとありましたが、訴訟代理権ですね。訴訟代理権を今回これは見送った形になっておりますが、私はやっぱり特許庁しっかり、それは弁護士会というのはがめついから、あなたは弁理士会の側に立ってしっかりこれは訴訟代理権を入れるように努力をこれから引き続いてしていただきたいと思います。 それから次に、急いで悪いんですが余りもう時間がありませんから、一つはビジネスモデル特許。少し先ほど質問もあったと思うんですが、住友銀行が個人別の口座管理について新聞では特許を申請したとか、三井物産がやったとかやるとか、こういうことでありますし、アメリカでも相当議論があるようでありますが、最近の傾向といたしましては、アメリカではこのビジネスモデル特許の二十年を五年ぐらいにしたらどうかとか制限気運が高まっておるようであります。 私ものべつ幕なしこんなことをどんどんどんどん広げたら収拾がつかなくなるような気がしておりますが、このビジネスモデル特許については、これはもう少し国内でも整理をしてもらうと同時に、日米欧の三極による話し合いで、特許庁長官が出られるんだと思いますが、もっと意見交換をして詰めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(近藤隆彦君) 御指摘のとおりだと思っております。先ほどおっしゃいましたアメリカにおけるいろんな動きがございまして、基本的には大いにこういったものを活用するという企業が多いわけでございますけれども、たまたまその一企業が自分のところの特許に対しまして大変むしろ反感を買いまして、不買運動が起こったものですから、逆に少し抑制ぎみの発言をしているというような経緯もあるようでございます。 確かに前例がないといいましょうか、特許庁が審査をする場合に前例が必ずしも十分ないものですから、そういった結果、審査の結果必ずしもこれで本当に新規性とかあるいは進歩性とかが問題なくあるのかいなといったものも場合によっては特許になり得るといった問題もございます。そういった問題があってかえっておかしな格好にならないように、そういう意味では国際的な審査の考え方、審査基準のハーモナイズが必要だと思っておりますし、また運用の明確化、こういう場合には特許になるとかならないとかということをできるだけ事前に明確にしておくことが必要だというふうにも考えておりまして、三極でもそういった方向で今議論を重ねておるところでございます。 昨年十一月にも長官レベルの会合をしまして、事例研究を積みながらこういった方向に進めていこうということで、今後ともぜひこういった方向で進めていきたいと思っております。
○梶原敬義君 最後に、アメリカの裁判所において、言いたいことは守秘特権ですね。 日本の弁理士が知り得た依頼人の秘密がディスカバリーによりまして相手方当事者に全部内容まで知られてしまうというような話を聞きますし、弁理士会の方からもこの点は非常に強い要望もあったようでありますが、これについてどのような対応をしていくのか、今現在、そして将来にわたっての考え方をお伺いしたいと思うんです。
○政府参考人(近藤隆彦君) 守秘特権と申しますのは専らアメリカの裁判での問題でございまして、アメリカの裁判で証拠を開示させる場合に弁護士等の代理人とそのいわば顧客でございますけれども、その両者の間の通信に関する文書をすべて開示せよといった場合に、それをしないという通信文書の開示を拒否できる、そういった特権がございます。こういった特権が米国の判例法上は認められております。 ところが、一例、日本の弁理士と日本の企業との間の通信文書に関しましてアメリカの裁判におきましてこのような守秘特権が認められなかったという例がありまして、大変注目された問題でございます。この問題は、あくまでもアメリカにおける裁判上の証拠の取り扱いの問題でございますので、アメリカにおける推移をこれから見詰めていく必要があります。 今回私ども、この法律によって日本の弁理士に関しましても、業務において従来の特許庁に対する申請業務等に加えまして、契約の代理とか仲裁代理等相当幅広い法律業務が認められたものでございますから、そういう意味では法務サービスの代理人として地位が随分向上したというふうに思っております。こういった弁理士における法律業務の拡充といったことをぜひアメリカの裁判においても十分認識してほしいというふうに考えておるわけでございますけれども、いずれにしましてもアメリカにおける裁判の問題でございますので、さらにこのような期待を込めつつ運用を注視したいというふうに思っております。
○梶原敬義君 時間が来ましたからやめます。
○渡辺秀央君 きょうは私がどうも最後の質問のようでありまして、あとは採決だけということですから、同僚議員からも大分問題点もう大方指摘が出尽くしたなという感じもいたしております。たまには、今度は最初に質問をしなきゃいかぬなという感じはいたしておりますけれども。 しかし、いずれにしても、この議論の中で、今の時代においての弁理士の役割というのは極めて重大になってきている、しかもまた大変期待をされている、こういうことは格段議論が出ていたとおりでありますし、そういう中で八十年ぶりの抜本的な改正、こういうことになるんだろうと思うんですね。 私は、この前の国会のときに特許庁の法律改正の中で、そのときも申し述べたんですけれども、この特許庁をめぐる問題というのは、今後の日本の技術立国として、あるいはまた知的財産権を有して国の経済あるいはまた生活レベルの向上等を図っていかなきゃならないというような観点から、かつて私が特許庁の特別会計を創設するに当たって、別に自慢をするわけじゃないけれども、一助として役に立ってきたことが、今日考えてみると間違いなかったなと。 同時に、手前みそではないが、そこのところについてちょっとほかの議員が余り触れていないので、質問通告を出していないことであるかもわかりませんけれども、特許料の問題というのから、特許特別会計がこれだけ言うならば剰余金を特許料等から受け入れている。非常に結構なことなんですよ。だから、大いに私も自負しているわけなんです。平成九年度四百三十四億、平成十年度五百五十二億、十一年度五百八十五億、十二年度七百四十九億と年々増加してきている。 このことによって特許庁は、すぐに考えることは、恐らく料金の引き下げ、特許料申請料の引き下げ、こういうことで、今まで格段話があった特許の申請のしやすさというようなことの便宜の一つとして考えやすいんだ、また今までもそういうふうにやってきたことなんです。これも今までも間違ったとは言いませんよ。しかし、これだけの特別会計の益が出ているとするならば、これをどう還元するかということを、日本のそういういわゆる知的財産所有に関するあるいは特許庁をめぐるそういう範囲においてこの資源を、原資をどう活用するかということを、深谷大臣、あなたのときに思い切ってこの使途についてちょっと一回点検をして、そして効率的、効果的に。しかも、高いなら別だけれども、そんなに世界各国と甲乙ないというレベルだろうと思う。 そうであるとするならば、例えば今まで前段の同僚議員から話があった、本当は余りこういう質問をするつもりなかったんだけれども大体ダブっちゃうものだから、いわゆる弁理士の不足、一人しかいないという話もありましたし、ゼロというところもありました。私のところは新潟県、六人。それでも六人といえば三人の倍だから、三人ずつだから、三人寄れば文殊の知恵で二人の観音様がいるみたいなことになるのかもわかりませんが。 冗談は抜きとして、このことについて例えば特別講座、特許に関して知的財産権に関する講座を大学に特許庁が提供するとかあるいは政府が便宜を図るとかというようなことまでも考えないと、これはとても大学自身にやれといったって、私も若干大学には関係したことがあるが、これは特別の知識と、ある意味においては経験と、ある意味においては基礎的なものがないと、これ学問の場に立ったって学生を指導するなんてできませんよ。そういう意味では、私はそういう制度があってもおかしくないんじゃないか。むしろそういうものに便宜として例えば一つで、それすべてにせいと言うんじゃないですよ、一つとして考えられないかなということが若干の議論を聞いておってそんな感じがいたしました。 もし意見があればちょっと承っておきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) やっぱり結びの一番のお役目十分発揮して、適切な御発言であると伺います。 今までも料金引き下げを行ったり、あるいは資力の乏しい法人への減免であるとか、そういうところに活用いたしてまいりましたが、まだそういうような結果的には有効に使える黒字というと変でありますけれどもものがありますから、ただいまの委員の御発言も踏まえながら、一体どういうふうに有効に活用するかという点については十分検討していく余地があるなというふうに受けとめました。 適切な御意見であったと受けとめます。
○渡辺秀央君 それは大変ありがとうございます。前向きにちょっと検討してみるといろんな知恵が出る。やっぱり金があれば知恵が出ますから、ぜひひとつよろしく検討していただきたいとお願いいたします。 さらに、先ほどの同僚議員の中にいわゆる弁護士法七十二条にかかわることがありました。法務省、ちょっとそこにおってもらえばいいので、こっちの考え方を聞いておいていただいて、さっきと同じことになるかわからぬが、あなたの答弁も僕はさっき聞いていましたから。弁理士と弁護士とのこれからいろんな研修あるいはまたそういうことに対しての、これは弁護士会の方は反対するに決まっているんだから、もうそれは弁理士は人がいいから先に市場開放なんかしちゃうからあれですけれども、しかしこれからの規制緩和というのはそういうことだと思うんですね。 だから、司法制度改革審議会において、この時代、海外との競争に勝たなければ日本の将来はないわけですね。これは何も戦争でなくて、知的な戦争の戦いに勝たなきゃいかぬ。そのために、今までの、既存の既得権におぼれているところは司法といえどもどんどんと開放していく、あるいは緩和していく。そして、国全体あるいはまたそういう業務に携わっている人全体の利便性に適応させるということをぜひ考えていただきたい。そのことが、弁理士がいわゆる国際市場において言うならば日本の知的財産を保護かつ育成していくという道につながっていけると思うんですね。 そういう意味で、ぜひ当委員会でそういう強い要望があったということを、何なら附帯決議に今からでも入れてもいいんだけれども、しかし私の方から特に要望しておきますから、そのことを何とぞその審議会に話をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 さらに、これからの弁理士に関してのいろんな課題がまだ残されている。今もお話がありましたけれども、まさに海外の日本企業の保護を推進するための措置をどういうふうに講じていくか。これは特許庁と司法、あるいはまた外務省もかかわるかもわかりませんね。長官に、これもせっかく八十年ぶりの抜本的な改正をやるんですから、これはなかなか役人生活何十年やっていても、一つの自分の所管する法律の抜本的改正に出会わすなんというのは冥利だと思わなきゃいかぬ。それならば、そのときに問題点として残ったのは何と何と何であるか、しかもそれが将来の日本の行政において必要とされるもの、そこはきちんとテークノートしておく必要がある。 そういう意味では、長官自身、ちょっと人の悪い質問かわからぬが、今後問題点として残っているのはどういうことであるか、もし意識があったらちょっと答えてもらいたい。
○政府参考人(近藤隆彦君) 実は、まさにこの問題は、中長期的な目でも考えていく必要がある問題だというふうに考えております。 この弁理士法の今日に至るまでにいろんな議論をしていただきました工業所有権審議会の専門の小委員会でも、当面解決すべき問題といった点と、それからさらに現在は若干もう少し検討するけれども中長期的に大いに検討すべき問題というふうに二つに実は分けて議論をしていただいております。言ってみますれば、いろんな議論をした結果そういうふうに分かれたわけでございますけれども。 当面の解決すべき問題としましてはほとんど今回の弁理士法の改正に盛り込んだというふうに考えておりますけれども、特にやっぱり中長期的な問題としましては、幾つかございましたけれども、やはり先ほどの紛争の解決につきまして、今回は裁判外の仲裁や和解という点までは、しかも一定の場所ということですね、限定として入っておりますけれども、さらにこれを広く裁判における訴訟代理の問題、それからさらに一般的な仲裁でございますね、もっと広い意味の仲裁の問題もございます。仲裁法という法律もございまして、これも負けず劣らず大変古い法律でございますけれども、こういった法律の問題とか、特にやっぱり紛争解決につきましては、ますますこれから競争制限的なことが緩和されまして自由化すればするほど民間レベルの紛争といいますものもふえてきますから、それをいかにスムーズにかつ専門的な知識を生かしながら解決するかといった問題が大きいわけでございますので、これが最も大きな残っておる問題の一つではないかというふうに思っております。 それからもう一つは、やはり特許の利用、活用をさらに一層推進するために流通あるいは取引というのをいかに民間レベルでも推進できるように環境をつくっていくかだと思っておりますし、もう一点言いますと、国際的にできるだけいわば世界共通特許的なグローバルな特許に向けて詰めていくか、これはなかなか難しい問題がたくさんございますけれども、できるだけ世界共通特許的な方向に向かっていかに進んでいくかといった問題も残っておるというふうに考えております。
○渡辺秀央君 もう時間が来ておりますから、私も根本的にもちろん賛成でありますし、採決をして、そして新しい一歩を早く踏み出すべきで、衆議院の方で早く審議促進をしてもらうということだろうと思います。 しかし、今長官が言われたこと、まさに工業所有権の侵害訴訟にかかわる代理権、先ほど言った七十二条の問題、そのことは資格の垣根を低くして資格を付与するような措置ですね、言いかえるならば。あなたの答弁の中からもう一つはっきり僕は言っておくと、そういうことをおっしゃったということだと思う。 それから、工業所有権の仲裁センターによる、そこにかけられた限定条件の解除、そういうことをおっしゃっているんだろうというふうに解釈します。 あるいはまた、確かにこの弁理士法の周辺業務にかけられた限定条件の解除を特許庁としても頭の中にありますよと。その一つには不正競争防止法、業務の制限解除等、一々言いませんが、農林省との問題ありますね、種苗法。これは農林省も、そんなもの監督権だなんて言わせちゃいかぬ、こんなものは本当に。これは大臣の腕力でちょっと今やっておいた方がいいと思いますよ。 あるいはまた、さっきの海外の日本企業保護の問題。 大体そういうことが、今度の法律はこれは賛成だから今さら弁理士をどう育成するかという問題具体的な提案をひとつしてみて、大臣も考えてみようということですから極めてよかったと思いますが、とにかくも今後の問題。これでもうあと八十年法律改正がないなんというんだったらこれは日本はおくれちゃうんだから。 だから、そういう意味で八十年ぶりの大改革大変敬意を表しながら、また大変な関係者のここまで来るにはいろんな苦労がお互いあったわけで多としながら、しかし弁理士会の諸君たちも、これをやっぱりもっと国家のためにどう自分たちが役に立つのか、あるいはまた特許申請だけでない、さっきからお話があったような特許申請をしていく過程におけるアドバイス、そういうもの。それから、国民の発明意欲をどう特許庁が振興するかという施策。やっていることはわかりますけれども、もっとさらに等々考えて、そしてぜひひとつ近代国家としてのまさにこれは体制を整えるということの一歩ですからそういう意味でよろしく御検討を期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 大臣から特別御意見があれば承ります。
○国務大臣(深谷隆司君) 特別な意見ではありませんが、傾聴に値する御意見ありがとうございました。
○渡辺秀央君 ありがとうございました。
○委員長(成瀬守重君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 弁理士法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 円より子君から発言を求められておりますので、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま可決されました弁理士法案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 弁理士法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 弁理士の業務拡大等に伴う弁理士の研修においては、新規業務に十分対応できるようにするとともに、弁理士の資質が十分に向上できるように努めること。 二 今後の弁理士制度の検討に当たっては、知的財産権の国際的情勢の動向にかんがみ、我が国企業の機密事項が外国の裁判においても保護されるよう適切な方策を検討すること。 三 特許に係る裁判及び弁理士の侵害訴訟代理に関する制度については、司法制度改革審議会による検討も踏まえつつ、紛争の迅速かつ実効ある救済が図られるよう柔軟に対応すること。 四 知的財産権政策の策定に際しては、国全体としての総合的な取組が図られるよう関係省庁間での十分な連携と密接な意思の疎通に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(成瀬守重君) ただいま円君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、円君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、深谷通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。深谷通商産業大臣。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 ありがとうございます。
○委員長(成瀬守重君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 中小企業指導法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。
○国務大臣(深谷隆司君) 中小企業指導法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 今日、景気は緩やかな改善を続けているとはいえ、なお厳しい状況を脱していない中にあって、経済の活力の源泉である中小企業の活性化を図ることは、我が国経済の新生を実現するため、非常に重要な政策課題となっております。多様な中小企業に対し、その個々の必要に応じてきめ細かく経営資源の確保を支援することは、地域における経済の活性化など、我が国経済の活力の維持及び強化にとって非常に重要な役割を果たすものであります。このため、中小企業指導法を改正し、国、都道府県等及び中小企業総合事業団が行う中小企業支援事業を強化するとともに、中小企業の経営の診断等の業務に従事する者の登録の制度を設けることにより、中小企業の経営資源の確保を効率的に支援するため、本法律案を提案した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、先般の臨時国会で改正された新たな中小企業基本法の基本理念を踏まえ、従来の国、都道府県等が中小企業を上から指導するという考え方を、中小企業が経営資源を確保することを行政が支援するという考え方に改めることとし、法律の題名の改正を初め、所要の規定の整備を行うことといたします。 第二に、都道府県等が行う中小企業支援事業においては、民間事業者の能力の活用の観点から、指定法人の積極的な活用を図ることとし、このため、専門的な知識及び経験を必要とする分野について指定法人の業務を拡大し、指定法人が幅広い事業を行うことができるようにいたします。 また、都道府県等が行う中小企業支援事業の一層の効率化を図るために、指定法人が都道府県等の総合的な支援機関として活動できるよう、都道府県等が設立した中小企業の支援に係る諸機関の統合を進めるための制度整備として、小規模企業者等設備導入資金助成法の貸与機関に対する地方公共団体の出資比率の特例を設けることといたします。 第三に、都道府県等が中小企業支援事業に係る計画を策定する際には、地域における中小企業の身近な支援拠点として整備される相談窓口を初め、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会などの地域における中小企業に関する団体や、中小企業の経営の診断等の業務に従事する者などの民間事業者と協力しつつ、事業が行われるように配慮しなければならないことといたします。 第四に、従来、国、都道府県等及び中小企業総合事業団が行う中小企業指導事業において経営の診断を担当する者の資格であった資格制度を、民間事業者の能力の活用の観点から、中小企業の経営の診断等の業務に従事する者一般の資格制度へと再構築を図り、それに伴い、登録制度、試験制度その他の制度の透明化を図るため、必要な規定を整備することといたします。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(成瀬守重君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十三分散会