経済・産業委員会 第6号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/03/23
会議録
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、続訓弘君、加納時男君及び足立良平君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君、吉村剛太郎君及び峰崎直樹君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として警察庁長官官房長石川重明君、大蔵省主計局次長藤井秀人君、通商産業省環境立地局長中島一郎君、工業技術院長梶村皓二君、資源エネルギー庁長官河野博文君、同石炭・新エネルギー部長北畑隆生君及び労働省職業安定局高齢・障害者対策部長長谷川真一君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉村剛太郎君 おはようございます。 自民党の吉村でございます。実は私は当委員会の所属ではございませんが、本日、特別の計らいをもちまして差しかえをしていただきまして出席させていただいておる次第でございます。 といいますのも、私は福岡県選出でございまして、かつて福岡県は全国の石炭の生産量の、最高時は恐らく七、八割を出炭しておったのではないか、このように思っております。それが、平成九年三月、我が国最大の炭鉱でございます三井三池鉱が閉山になりまして、福岡県に炭鉱が全くなくなったわけでございます。 かつて全国的に約九百を超す、恐らく千弱の炭鉱があっただろう、このように思っております。我が福岡県におきましても、かつては二百近い山があったわけでございますが、それが平成九年三月をもって全くなくなったということ、これは大変、我々石炭を守ってきた県民にとりまして、ある意味では感慨無量なものがあるわけでございます。 戦前、戦中、戦後、日本の産業を、なかんずくそのエネルギーを支えてまいりました石炭でございます。特に、筑豊地区、それから筑後大牟田地区、福岡県には二つの大きな産炭地があったわけでございます。筑豊地区の石炭がその当時の八幡製鉄所に供給をされて、そこで重工業に貢献をしてきたという歴史、日本の経済の屋台骨を背負ってきた石炭産業がまさに今終息しようとしておるわけでございます。 しかしながら、いろいろな資料を見ておりますと、今日、我が国のエネルギーの一六%は石炭に負うところがあるということでございまして、一六%といいますとまだまだ相当のウエートだな、こんな感じがするわけでございます。 そういう中で、いよいよ石炭産業といいますものが北海道の太平洋炭鉱、そして長崎の池島炭鉱、この二つを残すのみとなったわけでございまして、きょうはそれぞれ北海道の峰崎先生、加藤先生、大分では梶原先生あたりも若干関連があるかな、佐賀の陣内先生も若干関連があるかな、このように思っておりますが、おおむねまだ石炭を掘っておったのかなというような感覚をお持ちの方々もたくさんおられますし、我々国会議員仲間でもまだ石炭を掘っていたのか、こんな感じがするわけでございます。 きょうは、質問もさることながら、今日まで我が国のまさに経済を背負ってきた、エネルギーを背負ってきた石炭の今日までの果たしてきた大きな役割。そして、石炭から石油へとエネルギーがかわりまして、石炭産業といいますのがだんだんと縮小になっていった。その間のそれぞれ関連をされた方々の御苦労、そしてまさに今、あと二年で石炭対策といいますものが終息をしようとしておりますこの今日、ぜひ国民の方々、また国会議員の方々にも、石炭といいますものの存在をぜひ御理解を賜りたい、このような気持ちできょう出席をさせていただいた次第でございます。 そういう中で、まず通産大臣にお伺いしたいと思いますが、エネルギー、今日、環境問題も含めていろいろとエネルギー問題が論議をされておる次第でございます。クリーンエネルギーということの重要性。しかしながら、一方ではあのジェー・シー・オーの事故がありまして、本当に産業を支えるエネルギー問題というのは大変大きな課題だな、このように思っておる次第でございますが、まず基本的に我が国のエネルギー政策といいますもののこれからの展望といいますか課題、そして大臣のお考えをお聞かせいただければと、このように思います。
○国務大臣(深谷隆司君) エネルギーは国民生活や経済社会活動の基盤をなすものでございます。一方では、環境保全であるとか安定供給であるとか、そういうような条件のもとで国民の皆様にエネルギーを供給していくという仕事はまことに重要な仕事でございまして、我々は諸般の状況を判断しながら、このエネルギー供給を長期的な見通しできちっと立てられるように努力をしていかなければならないというふうにまず考えます。 昨今のエネルギーをめぐる需要と供給の状況を考えてまいりますと、例えば需要の面でいきますと、九八年度のエネルギー消費量というのは、第二次石油ショック以来初めて、経済の低迷の背景もありますが、マイナスという状況でございました。一方で、民生とか運輸に係る部分というのは右肩上がりで相変わらず消費がどんどん進んでいるという状況にございます。一方、供給の面でまいりますと、例えば原子力発電所の立地条件の問題等々のさまざまな問題が惹起され、あわせて昨今は石油の価格が高騰し続けているという、そういう状況もございます。 これらの需要と供給の両面の変化を見ますと、やはりこの機会に、そういうエネルギー情勢に変化があるわけでありますから、現行の各種施策だとか、あるいはエネルギーの需給の見通し等についてここできちっと再検討していく必要があるのではないか、そう私は判断をいたしまして、おおむね一年ぐらいかけて長期見通しについての点検あるいは場合によっては見直しを含むそういう検討を行わなければならないと考えまして、去る十日に事務方にその準備に入るように命じたところでございます。 具体的に申しますと、需要面でいいますと、これまで民生の面で余り対策が十分に進んでいなかった分野、例えば省エネ対策、これはもう産業界では大変省エネに思いを寄せてかなりの成果を上げているのでありますが、民生の面では一向に進んでいないという状況もございます。 また、供給面でいきますと、原子力発電の有効性とか今日までの価値観というのは変わっておりませんけれども、これらも含めながら新しいエネルギーの開発にもっと意欲的に取り組んでいかなければならない、こういうような問題、あるいは石油や天然ガスの安定に向けての取り組みを一層確かなものにしていくというような、そういう角度からの総点検をしていく必要があるのではないか。 いずれにしても、エネルギーの安定供給を確保していくという大きな仕事に国全体が今一層真剣に取り組んでいく必要がある、そのように考えております。
○吉村剛太郎君 ありがとうございます。 ところで、先ほど申しましたように、我が国経済の屋台骨を育ててまいりました石炭も、昭和三十七年、石油の輸入自由化に伴いまして大きな変革を迫られたわけでございます。そして、今日まで九次にわたりましていろいろと石炭政策を打ってきたわけでございますが、昭和三十八年からでございますから、もう四十年近い間いろいろの施策を打ってきたわけでございます。 我が県、私の福岡県は、そのような次第で日本の石炭産出の大きな分野を背負ってきた。それがエネルギー革命によってだんだんと縮小せざるを得なくなった。実は私が昭和五十年、福岡県議会に初めて当選をさせていただいたとき、今日でもしかりでございますが、やはり県政におきます最大の課題は産炭地対策ということであったわけでございます。 産炭地をめぐりますと、ボタ山の姿、それから炭住ですね、炭鉱に働く方々がずっと長屋に住んでおられた。それが年々離職をされて、また地域から去っていかれて、その長屋が本当に寂れてきて、最終的には長い長屋の中に二、三軒しか住んでいない、あとは荒れ放題だというような惨状、そういう姿を目の当たりにしてきたわけでございまして、そういう苦労を経ながら、今申しましたように石炭対策といいますのが平成十三年度で終息をしようということでございます。 私は、自民党の石炭特別部会でもいろいろと関連の方々と論議をし、また当局とも打ち合わせしながら、今度の関連法案、終息へ向けての関連法案については、地元の方々ともいろいろと意見を聴取しながらやってまいりました。ある意味では、欲を言えば切りがない、欲を言えば切りがありませんけれども、いろいろと地元の意向、それから今日までの経過、現実を酌んで、まあまあの対策を講じてくれたなと、このように思っておりまして、地元の一人としては敬意を表したい、このように思っている次第でございます。しかしながら、今後、うまく平成十二年、十三年で終息をさせながら、その後五年間で激変を緩和しながら自然に終息をさせていくという形であるわけでございます。 そういう中で、いろいろと課題もあろうかと、このように思う次第でございますが、この円滑な石炭政策の終息に向けての政府としての決意といいますか、お考えといいますか、それについてお聞かせいただければと、このように思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 吉村委員が福岡で県会、それから今日の国政、御活躍なさって、その地元の炭鉱関係の仕事に熱心に取り組まれておられることはよく承知しております。私も福岡に何回か昔若いころ参りまして、ボタ山があって、本当に活況を呈していた、そういう状況が目に浮かんでまいります。 戦後の日本の経済の復興・発展のために石炭の果たした役割というのは極めて重要でございまして、我が国の今日の発展の土台はまさに石炭産業のおかげであると申し上げて過言ではないというふうに思います。しかし、その後、輸入エネルギーとの激しい競争があり、あるいは国内の生産体制の合理化が進む、あるいは深く深く掘っていかなければならないという状況の悪化等々がございまして、残念ながら今日では主要な炭鉱は二炭鉱だけになってしまったわけでございます。 しかし、輸入炭も含めて、現在も我が国の一次エネルギーの中で占める石炭の割合は、委員御指摘のように一六%、これは石油代替エネルギーとしては非常に大きなものでございまして、この石炭の供給をしっかり確保していくということはエネルギー政策の中の重要な課題の一つであると考えております。 このために、我が国の炭鉱に蓄積されているさまざまな技術をできる限り、国内のこの二炭鉱を土台として、海外に技術移転をさせていく、技術的な移転をさせていく。そのために五カ年計画というものを策定させていただいて、現在稼行中の炭鉱を活用した研修事業を一層大きく展開していこう、そのことが海外からの輸入炭の安定供給につながっていくというふうに考えているわけでございます。 国内炭鉱は、そういう意味で、エネルギー政策の石炭の安定供給という目的の実現に向けてこれからも十分に活躍してもらわなければならないと思っています。この五カ年計画の推進及びその背景のさまざまな条件を緩和していくために通産省は一層努力したいと思います。
○吉村剛太郎君 ありがとうございます。 御存じのように、政策期限でございます平成十三年度末に向けていろいろとこれから対策を講じていくわけでございます。ただ、物事すべてがうまくいくとは限らない、こういう事態に立ち入る可能性もなきにしもあらずであるわけでございます。 十三年度末に向けて、産炭地域振興対策、鉱害対策をこれから進めていくわけでございますが、それについての当局の御見解、また仮に十三年度末までに目的が達成しなかった場合の経過措置についてどのような手当てが考えられるのか、その点についてお聞かせをいただきたいと、このように思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 産炭地域振興対策につきましては、昨年の八月に産炭地域振興審議会の答申というのが出まして、産炭地域全体としては対策の目標をおおむね達成したという、あるいは達成しつつあるという評価がございます。しかし同時に、一定の市町村については、この産炭法の失効に伴って影響を受けるわけでありますから、その激変緩和措置の必要性というものが指摘されたところでございます。 このため、石炭関連整備法案においても特定公共事業の国の負担割合のかさ上げ措置の五年延長など、産炭法失効に伴う激変緩和措置を盛り込んだところでございます。 当省としては、今後とも関係省庁と連絡をいたしまして、産炭地域の実情に十分に配慮しながら、産炭地域振興対策の円滑な完了に向けて努力してまいりたいと思います。
○吉村剛太郎君 ありがとうございます。 これまで産炭地域振興対策の実施について地元からもいろいろと意見も出されてきたわけでございますが、今後、経過措置として適用地域の指定ということがうたわれておるわけでございまして、それぞれ自分のところが適用地域になるかどうか、それぞれの地元は心配もしておるわけでございます。 広域的に指定をしていただければいいなという声が大変大きいわけでございますが、その点について、事務方で結構ですが、ちょっと細かい説明なり今後の方針なりをお聞かせいただければと、このように思います。
○政府参考人(河野博文君) 今御指摘がございました激変緩和措置の対象地域の選定でございますけれども、これは答申をいただきました際に、いろいろな指標を検討の上結論を出すべきであるという御指摘をいただいております。 例えば、人口増減率あるいは財政力指数、一人当たりの工業出荷額、生活保護率の四つの指標がこの代表例でございます。こうした指標によりまして経済活動あるいは財政状況を拝見するということになりますし、また累積閉山量ですとかあるいは老朽炭鉱住宅の残存等によって、経済活動の沈滞や財政の逼迫が閉山という特殊な要因によると特に認められるかどうか、これを見るべき旨もあわせて指摘されているわけでございます。 私どもといたしましては、こういった点を十分精査いたしまして、また地域の実情を十分勘案いたしまして指定に当たってまいりたいと考えております。
○吉村剛太郎君 十分にもろもろの観点から適用地域の指定についてはお願いを申し上げたいと、このように思っております。 ちょっと具体的な話になりますが、大臣も産炭地に何度もお入りになったということでございます。そして、何といいましても鉱害というのがまた地域の大変大きな課題であったわけでございます。 おかげさまで、全国的には累積鉱害といいますものは一応終息を見たと。ただ、福岡県についてはまだ残っておるわけでございますが。その累積鉱害と同時に、浅いところを掘ったものの浅所陥没ですね、この浅所陥没がまだ福岡県におきましては大変大きな課題でございまして、これについて今後財政的にも相当まだかかるのではないかと思いますが、これについての対応について当局の意向をお聞かせいただきたいと、このように思います。
○政府参考人(北畑隆生君) 累積鉱害解消後にも発生をいたします浅所陥没の被害にどう対応するかというお尋ねでございます。 これにつきましては、現行の法律上、指定法人という県単位で設立する公益法人がその後の処理に当たるというふうな規定になっております。 今回の法律案では、福岡県を対象とした問題でございますけれども、この累積鉱害の解消前にもこの指定法人が設立できるように法律上の要件の緩和をいたしたところでございます。福岡県と調整中でございますけれども、十三年度中にはこの指定法人を設立し、その後の浅所陥没処理体制に万全を期すということで県庁と話をいたしております。 指定法人ができますと、この指定法人の必要な資金について財政面で十分な手当てをしてまいりたいと考えております。
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。 いずれにしましても、先ほど冒頭申しましたように、全国で九百幾つかの山があった、それが現在では二つしかない、もう二つになってしまった、四十五、六万の炭鉱に関連する雇用があったのが今日では千か千五百ぐらいだと。本当に我々産炭地を抱える者にとっては、石炭の歴史を今振り返ってみますと、まさに感慨無量であるわけでございます。 その間、産炭地ではいろいろなこともありました。福岡県においては、石炭を運ぶ川、遠賀川というのは有名な川ですが、この川沿いに川筋気質というような一つの気風さえ生まれてきた。そういう、石炭ということだけではなく、その風土とか歴史とか、また喜びや悲しみを刻み込んだ石炭の歴史といいますものを、きょうは石炭に関係ない多くの委員の方もおられますが、ぜひ御理解をいただき、石炭が果たしてきた役割、大変大きな役割についてどうか拍手も送っていただきたいなと。それだけに、この石炭対策というのが終息する、そしてまだ二つは残っておりますが、これの活用も含めて、きょうはぜひPRをさせていただきたいというような思いで、この委員会に大変僣越ですが差しかえていただいて出席をした次第でございます。 総論的に最後に通産大臣の御感想をお聞かせいただければ幸いでございます。
○国務大臣(深谷隆司君) 平成十二年度、十三年度の対策にまず万全を期することが私どもの役目であり、それから同時に、必要な経過措置の実施に遺漏なきように努めて、せっかく御苦労なさってこられた方々のためにも十分こたえていく、それに全力を挙げるということが私たちの責務だと考えております。
○吉村剛太郎君 終わります。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。 今、吉村剛太郎委員がある意味では福岡を代表してといいますか九州を代表してお話しなさったと思うんですが、私の場合は北海道でございます。きょうは七年ぶりになりますが、商工委員会に、今は経済・産業委員会と名前が変わっておりますので古い呼び名になっておりますが、本当に感無量で質問させていただきたいと思います。 私の場合は、どちらかというと自分の氏育ちがやはり働く労働者の立場でずっと物事を見てきたということで、そういう観点からいろいろとまたお話をさせていただきたいというふうに思っていますし、また、今後の二十一世紀を展望して、ぜひエネルギー、大きな課題になると思いますので、そういった立場からも発言をさせていただきたいと思います。 実は、最初に深谷通産大臣のお話を聞くべきところなんですが、お隣の労働委員会とダブっておりまして、政務次官お見えになっていると思いますが、最初に労働政務次官の方に私の方の質問をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 実は、この平成十三年度末でいよいよこの離職者、雇用問題も含めて終わろうとしているわけでありますが、いわゆる黒手帳問題というのは平成十三年度末までには、一応そこまでに離職をした人には適用されるということになっていると思いますが、その後、平成十四年度以降も恐らく太平洋炭鉱あるいは池島炭鉱という二つの現行国内炭鉱の合理化問題というのは相当厳しいものがあるだろうというふうに思っているわけであります、それは後で電力会社が引き取るときの価格問題とも絡むわけでありますけれども。 そうなってまいりますと、この合理化に応じて失業せざるを得ない、あるいは会社をやめざるを得ない、そういう労働者に対する対策というのは非常に手厚くこれまでも進めてこられたわけでありますが、この点については万全を期していただきたいという強い思いがあるわけでありますが、その点、労働政務次官、どのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。
○政務次官(長勢甚遠君) 先生今御指摘のとおり、平成十四年度以降に離職される方々については、現在、現行法に基づく対策はなくなって一般の雇用対策に移行するということになるわけでございます。 しかしながら、炭鉱の合理化あるいはその地域における雇用失業情勢に対応して重点的に雇用対策を講じていかなければならない、こういう方針でおりますし、今申し上げましたような状況に応じて安定所における重点的な職業相談あるいは求人開拓を実施すると同時に、特定求職者雇用開発助成金という制度が現在ございますが、これも重点的に状況に応じて活用を図って、先生のお話のような御心配のないように万全を期していきたい、このような方針で考えていきたいと思います。
○峰崎直樹君 雇用問題というのは恐らくこれから一番政府が力を入れていかなければいけない分野だと思いますので、ぜひこの点についても万全に進めていただきたいと思います。 少しちょっと話が飛んでしまうのでありますが、せっかくの労働政務次官のおいでになっているときでございますので少し敷衍して、少し石炭政策と離れますが、いわゆる平成十三年度末で石炭政策が切れてくる、あるいは電力の自由化というものが進み始めてくると。そうなってきたときに、従来、電気事業あるいは石炭鉱業において、皆さん方はなかなか頭の中に記憶があるかないかわかりませんが、ストライキ権というものが非常に規制をされてきた歴史があるわけです。 こういったいわゆるスト規制法といいますか、労使関係法上の問題ということについて、この点はどのように見直されるのか、あるいは見直されないのか、こういった点について少しお聞きしてみたいと思うんですが、次官、どうでしょうか。
○政務次官(長勢甚遠君) 電気事業、石炭鉱業につきましては、極めて重大な公共性に基づき、いわゆるスト規制が行われてきたところでございます。 若干この背景も変わりつつあることは事実ではございますが、電気事業につきましては、今般の電気事業法の改正によりまして、特定規模電気事業として例えば大工場やデパートなどの特定の大口需要者に対する電気の小売については自由に参入することが認められました。 一方、いわゆるスト規制法においては、「一般の需要に応じ電気を供給する事業又はこれに電気を供給することを主たる目的とする事業」を対象としておりますので、特定のものの需要に応じ電気を供給する特定規模電気事業については規制の対象とならないというふうに考えております。 しかし、いずれにしても電気事業においては、停電ストが行われると国民経済、国民生活に甚大な影響を及ぼすことから、一般の需要に応じ電気を供給する事業等については依然としてスト規制法の必要性はある、このように考えております。 また、石炭事業につきましても、いわゆる保安放棄というようなことが起きますと人命にかかわる問題でございますし、争議行為としても許されないという当然のことを定めておるわけでございますので、炭鉱が大変少なくなったとはいっても、ある間はこの必要性は依然としてあるもの、このように考えておるところであります。
○峰崎直樹君 この問題は、恐らく今後の労働委員会等でまた議論になっていくだろうと思いますので、これはこの程度にしておきたいと思います。 実は、労働委員会でないのでもうこれ以上余り労働問題に触れたくはないんですが、昨今の警察の不祥事に絡んで、私はだれもが指摘しない問題で非常に不思議に思っていることがございます。それは、消防職員とそれから警察職員のいわゆる団結権の問題なんです。これは憲法論議で、憲法には働く人間は団結権が保障されていると記載されているわけですが、そのいわゆる労働三権が保障されない労働者がいるということもまた事実なわけです、法律において。 そこで、お聞きするんですが、G7あるいはG8でもいいですが、あるいはOECD加盟各国で、消防職員及び警察職員の団結権が認められていない国というのはどこなんでしょうか。ちょっと教えてください。
○政務次官(長勢甚遠君) 警察及び消防職員の団結権については従来から議論のあったところでございますが、事実だけを御報告申し上げたいと思います。 警察職員の団結権につきましては、アメリカではFBIなど一部の職員を除き認められております。しかし、イギリスでは認められておりません。また、ドイツ、フランスでは認められておるというのが現状でございます。消防職員につきましては、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスでは認められておる、このように承知をいたしております。
○峰崎直樹君 ということで、消防職員は、これは最近、何年か前でしょうか、ある程度部分的に前進していったことがございますね。それは、どんな仕組みを消防職員の場合はつくられたんですか。
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。 この問題につきましては、関係者との多年にわたる議論の末、当局と消防職員の意思疎通を図るための消防職員委員会を設けることなどを中心とする解決策が合意され、消防組織法の改正を行ったところでございます。 現在までにすべての消防本部で消防職員委員会が設けられ、制度の趣旨に沿った運営が開始されており、自治省といたしましては、今後とも同委員会制度の市町村における円滑な運営に向けて助言をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○峰崎直樹君 要するに、最近グローバルスタンダードという話をよく聞くんですけれども、事労働問題に関するグローバルスタンダードというのは、いかにも日本というのは先進国とは言いがたい状況が進んでいると思うんですね。 警察庁、きょうは官房長においでいただいていると思いますが、私も先日の予算委員会でかなりの時間を費やさせていただいて、そのときに、警察内で起きてきている今の出来事を少し我々がかいま見るぐらいにしか聞いていないと思うのでありますが、例えば人の体毛を火で燃やしたとか、あるいは警察のピストルをみけんにぶつけて威嚇をしたとか、大変な事態が起きてきています。 私は、これは上位下達というか、非常に身分制が激しいんですね、警察の位というのが、上があって。そういう中で、横の連携というか、つまり警察官といえども労働者、働いている人間なんです。消防職員もそうであります。そういう人たちが横の連携というか、そういう問題があったときに、ある意味ではこういう問題を起こしちゃいけないんじゃないのかということをなかなか本人が言いにくくても、それが職場の仲間の申し合わせで、こういうことはやめてもらいたいということを、いわゆる団結権があればそういったことも保障されていくわけですよ。 私はいきなり、消防職員もまだそういう状況ですから、直ちにと言わないけれども、今の警察のシステムを変えていくときに、キャリアシステムとか、あるいは国家公安委員会のもとに内局を置けとか、いろんなシステムの改革を今進めようとしているんですが、たしかきょうあたりにいわゆる警察の何とか会議が発足しますよね。そのメンバーの中に労働組合の関係者はおられましたか。
○政府参考人(石川重明君) 労働界からの委員がそこに含まれているかという御質問でございますか。
○峰崎直樹君 はい、そうです。
○政府参考人(石川重明君) おられないというふうに承知をいたしております。
○峰崎直樹君 そういう意味では、私は、ある意味では、働く者の内部からそういうことをチェックしていくというのは極めて重要だと思っているんです。そういった点について警察の内部で、もちろんあれでしょうけれども、ある意味では私は、やはり働く人間がそういう自分たちの労働条件、あるいは自分の身に危険が及ぶようなことが起きたときの対応というのは、やはりそこの中でお互いに話し合えるような場がつくられるべきだというふうに思っているんですが、その点もし御意見があったら伺います。
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のように、現行の国家公務員法あるいは地方公務員法におきまして警察職員に団結権というものはないわけでございます。これはそれなりの理由があるわけでございますが、ただ、委員御指摘のように、職場における風通しと申しますか、意思疎通と申しますか、そういうものが大変重要なことだということは私どもも認識をしておるわけでございまして、職員の要望とか意見とかあるいは勤務条件、そういったものにつきましていろいろな要望等を組織運営に反映していくことは大切なことでございます。 そうした観点から、各都道府県警察におきましては、組織内部におけるそうした意見を把握して職員の処遇や業務の改善に生かすためにいろいろな提案制度というようなものを設けておりますし、また、名称はそれぞれの県警等によって異なりますけれども、警察職員協議会とか明るい職場づくり委員会とか、そういったような第一線の職員の意見を継続的、組織的に吸い上げる仕組みを設けて、その活性化に努めておるところでございます。 今後ともこうした制度を有効に活用して、第一線で厳しい勤務に従事している職員の声が県警本部長等の幹部に届く、そういう意思疎通の図られやすい、士気の高い組織づくりに取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○峰崎直樹君 警察庁はもう結構でございます。ぜひ、本来であればこれから私、少し労働問題に絡めてもお話ししようかなと思っておったんですが、きょうはお忙しいようですから、これで結構でございます。 そこで、深谷大臣、実はこれはちょっと質問通告をしてなかったんですが、今労働組合の話をちょっとさせていただいたんですが、たしかシアトルに行かれましたね。そして、ことしの一月にたしかダボスというところで世界の経済界の人とかあるいは政界の実力者の方々が一堂に会するダボス会議というのがありました。そこで語られたことも実はシアトルの問題なんです。 つまり、この間のWTOにせよあるいはサミットにせよ、国際的な会議においてNGO、NPOの果たしている役割というのがある意味では非常に強くなってきている。シアトルにおいては大変な、行かれた方はもう御存じだろうと思うのでありますが。そういう意味で、私は、今労働組合の団結権の問題とかいろいろ話をしましたが、世界の先進国では、もうそういう組合があってそこときちんとうまくやっていくというか、パートナーとしてやっていくということが当たり前の時代になりつつあるんではないかという気がするんです。 そういった点で、WTOに行かれて、あのときはシアトルで大変な戒厳令がしかれるような状態になりましたけれども、もし今後、そういうNPO、NGO、労働組合も含んだそういったものと、いわゆるこれからの国際通商政策といいますか、そういうものを展開されるときのもし御見解などがあったら、これは事前に質問通告しておりませんので感想でも結構でございますし、政務次官がおられますから、お二人の政務次官のどちらでも結構ですので、御意見をいただければ、こう思います。
○国務大臣(深谷隆司君) シアトルでは、私は国会の関係で一日おくれて参りまして、一番激しかった場面を見ていないんですけれども、翌日参りましてもまだ騎馬警官が警戒をして、それから建物その他、ガラスがぶち破られたり、そういう破損状況など非常に過激な状況が実際にございました。その中心になったのがNGO、NPOでございますが、あのような騒ぎを起こしたというのはまた一部の特殊な人たちであったろうとは思います。そのときに、シアトルでもやはり議論になりまして、こういうようなNGOやNPOの声をどういうふうに取り上げようかということが一つのテーマになりました。 ただ、WTOでいいますと、WTOで集まってこられて会議をしている者たちは、正式な国の、国民から選ばれた代表でございます。一方、NGOの方々にとってはいろんな形が違いまして、必ずしも国を代表するという機関ではないというそういう判断もあって、そことのバランスをどうとるのかというのが大きな今後の重要なテーマだというふうに承知しております。 私どもとしましては、これからWTOなどを開く場合のそのような外部の団体の動きに対してどうしていくかということについては、意見は意見として聞かなければならないけれども、少なくともWTO参加のメンバーと対等な議論の場というのはそれは無理だと。だから、場合によっては外にその人たちが集まるような機会をきちんと設けて、そこの発言というものが集約されてWTOに反映できるような、そのようなやり方はどうだといったような、そんな提案なども含めて目下考えているところでございます。
○峰崎直樹君 いろんな団体があるんだろうと思うんです。しかも、今おっしゃられたように、それはどこを代表してくるのかという正当性の問題ではいろいろあるのかもしれません。 しかし、例えば労働団体でいえば労働サミットというのがありまして、これは、労働政務次官はよく御存じのように、ことしも東京でやりますですね。必ず事前にやります。そういったところとの連携とか、あるいは環境保護団体なんというのは大変国際的に大きく活躍しておりますが、ぜひこれから、国際的な通商政策をする場合には、そういうところとのいわゆる話し合いというか、それをぜひとっていただきたいなと思っているわけです。 なぜここまでちょっと労働問題に、自分の氏育ちが労働運動だということもさることながら、昨今、労働団体に対してどこかの政党がチェックオフを禁止したらどうだとかいろいろ出始めているわけです。私は、それが本来のデモクラシー、つまり民主主義的な手法にとって必要なものだったらやった方がいいと思うんです。ところが、党利党略でもしやるとしたら、私は、今の国際的な、NGOとかNPOと連携していかなきゃいかぬという流れに何だか日本だけは逆行して、しかも言ってみれば、先ほど申し上げたように、何というか、我が国は国際的な標準にも達していない、労働分野では私はそう思っているわけであります。 そういった点は、大臣もそうであります、労働政務次官もそういった動きに対してどのようなお考えを持っておられるのか、個人的な見解で結構でございますが、もし今ここで発言していただければと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 実は、私も元労働政務次官でございまして、ILOの世界会議、アジア会議には大臣の代理で何回も出席しております。 現在は通産大臣でありますから、WTOの問題に絡んで申し上げさせていただくと、過般のシアトルの会議でもこれらが問題になりまして、つまり労働という問題とWTOとの絡みをどう考えるか。例えば、労働条件ということを貿易についてのルールの中に取り入れた場合には、それに相当抵抗する国々もあるわけでございます。一方では、労働問題というのはILOでやればいいじゃないかという、こういう声もありまして、そして恐らく今後はILOとWTOとのお互いから何か会合のメンバーを出し合って協議をするような、そんな場面をつくっていったらいいのではないかという、そういうような声などもございました。 いずれにしてもまとまっておりません。同時に、日本だけがおくれているという印象でもございません。労働に関しては開発途上国等も相当な抵抗がございました。だから、そういう意味では日本がおくれていると格別に思ってはおりませんけれども、しかしただいまのような重要なそれぞれ立場があるわけでございますから、これとどう調和させていくかというのはまさにこれからの課題ではないか、そう思います。
○政務次官(長勢甚遠君) 外国、国際社会におけるあり方について、今通産大臣から御答弁があったとおりだと思いますし、そういう観点を踏まえてレーバーサミットその他、政府として考えなきゃならぬことは対応していかなきゃならぬ、このように考えます。 また、何よりも働く方々の不安のない社会をつくっていくことが政治の基本でございます。 そういう過程において労働運動の果たす役割というものも大事であろうと思いますが、そういう観点から労働行政をしっかりやっていかなきゃならぬ、このように決意をしております。 今、政党における議論についてお触れになられたようでございますが、当然健全な労働運動を基盤にして安定的な労使関係を形成していくということが大事であるという観点からいろんな議論をなされておるものと思います。 政府としては、その議論の推移を見守って今後対応していかなければならないのかな、このように思っておる次第でございます。
○峰崎直樹君 最後に、これは政党に対しても要望しなきゃいけないと思うんですが、やはり労使で物事を決めていくという、その労使の自治といいますか、これが産業民主主義と言われているものの基本ですから、ぜひその点に法でもって直接介入せざるを得ないというような、そんな事態というのは私はやはり避けるべきだし、またそれが健全な労働運動の発展に貢献し、また日本経済の発展にもつながってくるというふうに思っているものですから、ぜひその点を注意しておきたいというふうに思っています。 それでは、労働政務次官、結構でございます。 それでは、大臣、この石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案についてお尋ねをしたいと思うんですが、この歴史をずっと振り返ってみますと、たしか衆議院の議事録を読ませていただいたときに、大臣も夕張新鉱のあの大災害のときに北海道にお見えになったということでございました。 私もあのとき、実は夕張新鉱が大災害を起こしたとき、その直後でしたが、当時の飛鳥田社会党委員長と一緒に現地に赴いて、夕張川の水を火災鎮火のために入れるか入れないかという間際のときだった。大変、働く仲間の本当に泣くような、もちろん被災に遭われた家族の方たちの本当に悲痛な叫び声というのは今でも残っているわけであります。そういうある意味ではこの四十年近い石炭鉱業の合理化の歴史というものを振り返って、先ほど吉村委員の方の質問にもございましたけれども、そういう労働災害というか大変厳しい労働環境の中で働いてきた仲間が、ある意味では恐らく戦前から数え上げれば千名を超えているんじゃないかと思いますが、この災害の歴史だと思いますが、そういうことにも触れながら、この四十年間にわたる政策について、大臣、どのような感想をお持ちか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 今お話がありましたように、峰崎委員も行かれた夕張新鉱、まさにそのときは労働政務次官のときでございまして、藤尾正行大臣の名代として現地に参りました。 本当に炭鉱で働く方々、そして災害、事故に遭ったときの悲惨な状況というのを目の当たりにいたしまして、本当に言葉もなく涙を流したという、そういう私の古い古い印象がございます。もう十九年ぐらいになりましょうか。 あのときも思ったのでありますが、こんなに御努力をなさって我が国の経済産業や国民生活のためのエネルギー源を石炭という形で採掘しておったのかということを本当につくづく感じました。 先ほども申し上げたように、戦後のあの敗戦のどん底の時代から日本が立ち上がってきた、そのいわば土台を築いたエネルギーの中心は石炭でございました。だけれども、その石炭鉱業を取り巻く経済的社会的な環境も随分変わってまいりまして、石油の重要な位置を占めていくような状態や、あるいは採炭技術、非常に深く掘っていかなければならないということのための危険性あるいは経済性、いろんな面から種々問題が出てまいりまして、三十年代以降約四十年間にわたって各般の政策を国はとってきたところでございます。 その石炭政策も間もなく政策期限が切れようとしております。これまでの政策遂行の結果、石炭鉱業構造調整対策、産炭地振興対策、鉱害対策、いずれも政策目的の実現までもう一息というところに至っておるのではないか。 これからは、石炭政策は、日本のエネルギー供給の中で輸入炭も含めて一六%も占めているわけでありますから、第一次エネルギーの、そういう意味では今後も大事でございますから、この残された二つの炭鉱を技術移転ということで存分に活動していただき、つまり長い長い歴史を有する石炭の技術やさまざまな御苦労というものを技術移転という形で諸外国にお伝え申し上げ、そのことが輸入炭その他の関係にもプラスになっていくように、そのような努力をしていく時期ではないだろうかと考えます。
○峰崎直樹君 総体的に見られて、この四十年間の政策というのは成功であった、あるいはもっと言えば、世界でも本当に国内炭がこんなに急速にある意味では減少していったといいますか、私はそのことについて、恐らく日本の戦後経済発達史の中に果たした役割というのは大変大きかったのではないかというふうに思っているわけですが、その点、いわゆる四十年間にわたる政策についての大臣の御見解があったらお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいまも申し上げましたように、石炭鉱業構造調整対策とか産炭地振興対策とか鉱害対策等、石炭対策の中で重要な部分というのはかなり前進できていたのではないかというふうに思います。 ただ、残念ながら、我が国の資源構造を見てまいりますと、地域の狭いところで石炭はあっても相当深く掘っていかなければならない、もう本当にそういう意味では採炭、採掘の限界に来ておったというふうな、そんな感じもいたします。 かつてオーストラリアに参りました、そのときの採炭現場に参りましたら、そのころはまだ露天掘りでございました。だから、こういうような露天掘りで、安全性があり、効率的であり、うらやましいなと思ったのでありますが、そこの決定的な差というのがやっぱりあったように思います。 そして、石油その他新しいエネルギー等がだんだんに出てくるに及んで、どうしても石炭行政あるいは石炭産業というのは後退せざるを得なくなった。しかし、そういう中で石炭関連の業界及び労働組合その他もろもろの人たちが全力を挙げて頑張り、それを政策的に支えてきた。そういう意味ではかなりの成果はあったのではないかと評価をいたしております。
○峰崎直樹君 そうしますと、これから五年間、いわゆる海外の研修生を受け入れて、いわゆる炭鉱技術移転五カ年計画というものが策定をされてきているわけであります。となると、今大臣がおっしゃったように、池島炭鉱にせよあるいは太平洋炭鉱にせよ大変深部に、私も切り羽に出向いたことがございますが、ある意味では大変困難な条件の中で最新技術を駆使しながら進んでいる。 実は、そういうやさきに池島炭鉱が火災事故を起こされたわけです。この災害に対して通産省を中心にして大変な努力をされているということは私もよく存じているわけでありますが、改めてこの池島炭鉱の災害問題について、二次災害の防止の徹底、あるいは坑内全般にわたる保安作業の励行、さらには、実は何カ月間か恐らく出炭停止ということになってくると、その間やはり企業の経営問題にも結びついてくる。大変大きい問題が山積しているし、そのことに対して通産省も大変努力をいただいているわけでありますが、改めて、この山元で働いている人たち、あるいはこれから保安作業あるいは安定供給、こういったことの課題を持っているがゆえに、その点に対する大臣のまた御決意をいただきたいものだと、このように思っているわけでございます。
○国務大臣(深谷隆司君) 大変重要な時期に池島炭鉱で火災が起こりまして、まことに残念なことでございます。 二月十四日に発生いたしましてから、関係者が今必死で鎮火に当たっているのでありますが、だんだんに見通しはついてきたものの、まだ鎮火に至っていないわけでございます。そこで、学識経験者の技術的な助言を受けながら、第二次災害は何としてでも防止するということで、それを最優先にしながら今鎮火を進めているという状態でございます。 当面の保安強化対策としては、初期の消火に必要な水の噴霧装置を大変多くこのたびふやすことにした。六十五カ所といいますから、そのうちの三十九カ所がただいま工事中でございます。また、池島炭鉱労働者全員参加の特別研修を行う、あるいは鉱山保安監督部によるベルトコンベヤー坑道の一斉の検査あるいは再検査などを実施する。まず鎮火をいたしませんと正確な原因がつかめないという難点もございますが、その前にやるべきことはきちんとやっていかなければならない。 それから、炭鉱自身がこれからの経営に関しては非常な御苦労をなさるわけでありますから、それに対する対応、あるいはその地域の中小企業、商店街、その他もろもろ、商店ですね、影響を受けるところがありますから、これには各般の相談窓口を設けましてただいま対応に全力を尽くしているところでございます。
○峰崎直樹君 ぜひまた強力な取り組みをお願い申し上げたいと思いますが、さて今度の政策、また五年間、実は石炭を電力業界に買い取ってもらうという問題が起きてきているわけであります。 そうすると、電力業界も最近は自由化、規制緩和という流れが非常に強くなってきておりまして、どうして国内炭、恐らく内外価格差からするとトン当たり一万円ぐらい差があるんでしょうか、いわゆる生産トン数は約三百万トン近いですから約三百億ですか、こういったものを実は電力業界に買い取っていただいて、そしてそれで国内炭火力を中心にして専焼をする、こういう構造になると思うわけであります。 中には、やはりそういう規制緩和、自由化というものが厳しくなる中で、なぜ電力産業だけがその問題を背負わなきゃいけないのかという、ある意味ではもっともな切実な声も出てくるだろうと思うんですね。この点についてはどのように考えておられますか。
○国務大臣(深谷隆司君) 現在のポスト八次石炭政策においては、石炭鉱業の構造調整に御協力いただくために電力業界に国内炭の引き取り協力をお願いしてきたところでございます。 今後につきましては、昨年の八月の石炭鉱業審議会の答申で示されたところでありますが、平成十八年度末までの間に限り炭鉱技術移転五カ年計画の遂行のために引き続いて御協力いただく、最後の御協力をいただく。ただし、その間でもできるだけ引き取り価格を下げるという努力を続けるというようなことで電力業界等の関係者の御理解をいただいておりまして、もう一息頑張っていただこうと考えております。
○峰崎直樹君 これはもう一つ、例えば石油備蓄はどのぐらいお金を国費としては投入しているのか。よくそこと対比をされるので、石油備蓄費用にかかる費用はどのぐらいか、その財源は一体どこから持ってきているのか、この点がもしわかれば教えていただきたいと思います。
○政務次官(細田博之君) 御指摘のように、石油備蓄関係は国家が基本的に備蓄をしておりまして、国家備蓄八十五日分、それに加えまして民間備蓄分が七十六日分あるわけでございます。 先般成立いたしました平成十二年度予算におきます石油備蓄関係の費用は総額で二千九百億円となっております。このうち、石油国家備蓄の維持管理に係る費用が二千八百億円、また石油備蓄法に基づく民間備蓄の助成に係る費用、これは利子補給を中心とするわけでございますが、約五十五億円となっているところであります。 石油備蓄関係の費用につきましては、石油税収を財源として石特会計により負担されております。これは、石油備蓄事業が我が国の石油の安定供給、エネルギー安全保障の根幹を担う事業であり、またエネルギーを多く使う者がより多く裨益することにかんがみ、その負担を特定財源たる石油税に求めているものであります。
○峰崎直樹君 そうすると、石油には二千九百億かけている。もちろん電力業界の三百億だけが石炭にかかっている費用じゃなくて、もっといろんな意味でかかっているということはよく存じているわけですが、その意味からしても、これは将来的に一産業だけがやはり肩がわりしていくということではなくて、やはり国策としてエネルギー転換をなし遂げていく。しかも、国際的に見て、ドイツやあるいはその他のヨーロッパの国々などを見てみますと、国内自給率が非常に高いですよね、石炭。しかも、内外価格差が日本と同じようにやはり二倍なり三倍なりあるやに聞いている。それは全部実は補てんをしていっているんですね。 そういうことにかかっている費用と我が日本の三百万トンという、輸入する量からすれば微々たるところまで下がってきておりますけれども、そこのいわゆる二つの稼行炭鉱が海外技術協力ということを含めて貢献をしていることに対する度合いからすれば、はるかに私はやはり日本の場合は大きな貢献をしているのかなと。そうすれば、やはりそこに、国策としてそれを進めてきた以上は、当然それは国民のいわゆる税という、そういったところで賄っても、これはやはり国民には私は十分説明がつくのではないかというふうに思えるわけであります。 その点ぜひ、この点は恐らく平成十八年度以降の問題にも絡むかもしれませんが、そのときまでに我が国内炭の価格が海外炭の値段と同じようなレベルにまで行けばよろしいんですが、そうでない場合においても私はそこのところはきちんと面倒を見ていくべきだというふうに考えるんですが、この点はいかがにお考えですか。
○政務次官(細田博之君) 峰崎委員のおっしゃることも非常に一つのお考えであると思います。これまで確かに、おっしゃいますように石炭に関連いたしましては、原料炭のあります時分には高炉業界にも非常に御負担をいただいたわけでございます。稲山さんが主導されまして、本当に鉄鋼業界でもお世話になったわけでございますし、また最近におきましては、電力業界を中心に多いときには年々一千億以上の御負担をいただいて、これが徐々に最近下がっておるという状況でございます。一時は一千億以上の業界負担、それに対して国による補助金等による負担が三百数十億ということでございますから、そちらの方に御負担を願った額の方が歴史的に見ると多いわけでございまして、いわば形を変えた補助金のような形でございます。 つまり、電力料金等は、やはり電力料金の認可ということもございますし、一般に薄く広く御負担願えるという考え方もとりまして、直接的な税という、例えばこれを本当にやろうと思うとまた石油税を上げるとかいろいろな関税を上げるとかということになりますので、そういう形をとらずに政策をとってきておることは事実でございますが、今後のあり方につきましてはおっしゃるようなことも一つの方向ではないかと思っておりますが、今後の議論にゆだねたいと思っております。
○峰崎直樹君 石炭、国内炭の問題というよりも、今度は、もちろん国内炭も絡むでしょうが、クリーンコールテクノロジーだとか、あるいは副産物として、これは衆議院の会議録を読みますとしきりに出てまいりますのはジメチルエーテルですか、ジメチルエーテル、ちょっと口がなかなか回らないんですが、そういう副産物も出て、これは将来の夢という意味ではなかなか非常に有望なのではないかという大臣の御指摘などもありましたが、この点、余り暗い話ばかりでなくて明るい将来の話も少ししていただければと思います。
○政務次官(細田博之君) 石炭に関係いたします将来のテクノロジー開発につきましては、さまざまな方向がございます。 一つは、加圧流動床ボイラー等の燃焼効率の向上という問題がございまして、これによりまして二酸化炭素の排出を抑制する技術でございます。高温、高圧下の炉内で石炭を流動状態にしまして、大規模実験プラントで実証運転をするということで、平成元年から十年以上かけまして百億円の補助金を出しております。 それから、ボイラー内で燃焼時に発生します硫黄酸化物などの有害物質の発生を抑制する排煙脱硫・脱硝技術、これにつきましても十年ほどの計画で補助金を五億円弱出しておって、現在、技術開発中でございますし、それから石炭のガス化そしてジメチルエーテル化といった、固体燃料である石炭を利用しやすい気体または液体に転換する技術。 それから次に、石炭燃焼に伴って発生する石炭灰を軽量骨材等に有効利用するための技術の開発を実施しております。 以上のように非常にたくさんございますが、そのもとは、非常に地球上にたくさん、無尽蔵というほど石油に比べて埋蔵量の多い石炭は、必ずや将来これらの技術開発によって有効利用がよりできてくるであろうという観点で強力に進められているものでございます。
○峰崎直樹君 ぜひそういう将来の、たしか今のところ二百年以上掘ってもまだ存在するというこのエネルギー源は石炭かなというふうに思いますが、いわゆる化石燃料ですね、そういった新しい技術の開発にもぜひ力を入れていただきたいと思います。 それでは、産炭地の今度は地域振興の問題にちょっと触れさせていただきたいと思います。 これは通産省と自治省と両方またがるんですが、関係自治体にとってみると、産炭地に行かれた方は本当にわかると思うんですが、ぼた山があって、そして昔の炭住街の跡地だとか、本当にこれが昔産炭地で、昔ここが栄えた町なのかと。 例えば、夕張なんという町へ行きますと、あの細長い土地に十一万人の人口がいたというのがとても今では信じられないような、今では一万人そこそこの、十分の一ぐらいに激減しているわけでありますが、そういう地域。ずっと振り返ってみて、この地域、過去はそこから日本の経済、日本の資本主義が本当に大きくなっていくときのある意味ではエネルギー源として石炭を大変活用してきたわけでありまして、そういう意味で、この平成十四年度以降の激変緩和期において、この地域に対する私はやはり対策というのはぜひしっかりととってもらう必要があるなというふうに思っておりますので、これは自治省及び通産省、どちらからでも構いませんが、ぜひそのことに対する対策をお願いします。
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。 いわゆる産炭地補正につきましては、炭鉱の閉山等による鉱業就業者の減少に伴う影響を緩和するため昭和五十一年度から適用しておるわけでありまして、産炭地域振興臨時措置法が失効する平成十三年度までの間に限りその適用を行うこととしておりますことは議員御指摘のとおりでございます。 そこで、法失効後の市町村の財政支援のあり方につきましては、産炭地域振興審議会からも答申をいただいておるところでございますけれども、自治省といたしましては、今後、政府において講ずるべき激変緩和措置の内容や、あるいは地域の経済、財政状況を踏まえまして、通産省の方ともあるいは関係省庁とも十分協議をいたしまして、どのような対応が適切かを前向きに検討してまいりたい、こう考えております。 頑張りますので、よろしくお願い申し上げます。
○政務次官(茂木敏充君) 今、自治政務次官の方からございました昨年八月の産炭地域振興審議会の答申でございますが、委員も御案内のとおり、産炭地域全体としては対策をおおむね達成しつつあるという評価がなされている一方で、一定の市町村については産炭法の失効に伴う激変緩和措置が必要であると、このように指摘をされたわけであります。 このために、本法案におきましても、平成十三年度末までに着手しました特定の公共事業、ここの中には例えば道路の建設であったりとか公営住宅であったりとか学校、スポーツ施設、保育所等、十七の事業が含まれておりますが、こういった特定の公共事業につきまして、法失効後も五年間、国の負担割合を引き上げる特例措置の継続を盛り込んでいるところでございます。 なお、答申におきましては、このほかにも地方財政上の特例措置、具体的には地方交付税の産炭地域補正措置の一定期間の継続等々になってまいりますが、こういった法律措置を必要としない支援対策も提言をされているところでございます。 何にいたしましても、一定の市町村につきましては、この激変緩和を図るため関係省庁、自治省等とも連携しつつ、十全の措置を講じてまいりたいと考えております。
○峰崎直樹君 茂木政務次官は、昔、中央公論に、「都会の不満 地方の不安」だったですか、そういう論文を書かれて、大変印象深く読んだことがあるんです。今のお話聞いていて、確かにそういう今答弁で、型どおりの答弁で、優等生の答弁なんだと思いますが、実は私ども、本当にこういう疲弊した地域にそういう温かい支援をしていただくといいますか、どうもそれだけだと何かなかなかその特効薬といいますか、なかなか特効薬ないのかもしれませんが、地域が本当に活力を持って、特にこういう過去企業城下町と言われたようなところのそういう地域において、そういう国からの財政支援、公共事業のかさ上げだとか補助率のかさ上げとか、そういう措置自身は非常にありがたいわけですが、そのことが直ちになかなか地域の活性化に結びついていかないという意味で、これは要望になるんですが、そういう形での公共事業というものも私たちは否定をしないわけでありますが、しかしもっと何かお金の使い方の面で、いわゆるそこに住んで、そして何かやってやろうかという、そういうものに結びつくようなものに変えてもらえないものかなというのが、私、非常に印象を強く持っているわけであります。 ただ、そうはいいましても、このいわゆる北海道なんかの産炭地、九州はちょっと私よくわかりませんが、非常に第三セクターでさまざまな事業を展開をして、それがかなり、大部分と言っていいんですが、余り成功していない。むしろ、大変な借金を残してしまっているというような実態があるわけであります。 このいわゆる後ろ向きの対策というものに対する対応というのはぜひまだお願いをしたいと思うんですが、そういう二十一世紀を先取りするような政策展開、もし何かアイデアありましたら、自治政務次官それから茂木政務次官、もし何かありましたら御意見をいただければと思います。
○政務次官(橘康太郎君) 私も、この疲弊する地域の代表みたいな夕張の状況につきましてはよくわかるわけでございます。同じ北海道に小樽がありますけれども、小樽も港町としてかつては物すごく栄えた立派な町でございました。しかし、今や大変衰微しておるわけで、隣に新しい石狩新港ができたり、そういう競争関係の中で衰微しておる。 小樽は何をやりましたかといいますと、かつて栄えた港の倉庫を使いまして、そこが今や観光地の中心になりまして、レストランでありますとかあるいはいろんな販売物を提供する場所になっている。そういうふうにして町全体がアイデアを出して一生懸命頑張っておるわけでありまして、やはりそういう疲弊した町におかれても、何かアイデアがございましたら、地方分権の時代でございますから、事業債を我々はつけるつもりでおります。どうかアイデアを出して、県を通じて申し出ていただければ、我々とすれば最大の御協力をするつもりでおりますので、頑張っていただきたいと存じます。 よろしくお願い申し上げます。
○政務次官(茂木敏充君) 委員の方から私が十二年前に書きました本まで引用していただきまして、大変恐縮をいたしておりますが、当時から考えておりましたのが、単なる地方分権ではなくて、結局その地方が自立できるようないろんなシステムをつくっていかなきゃならない、こういうことでございます。 私、産炭地の問題につきましても同じでありまして、その自立を支えるような中核的なシステムが必要ではないかなと、こんなふうに考えているわけであります。 委員御案内のとおり、産炭地におきましては、例えば中核的事業主体、これが今、北海道、九州で五つあると思うんですが、こういったところが地域振興について今後大きな役割を果たしていくのではないかな、こういうふうに考えておりまして、通産省といたしましても、平成十二年度、十三年度に関係の道県とも協力いたしまして基金、産炭地域新産業創造等基金の造成を支援していくこととしておりまして、平成十二年度の政府予算といたしまして約七十五億円を計上したところであります。 要は、アイデアの問題もありますが、そこにお金と人がどういう形で集まっていくか、こういうシステムをつくることが大変重要だと考えております。
○峰崎直樹君 アイデアを出せということなので、我々も本当に地域にいる人間がしっかりアイデアを出せるような努力をしていかなきゃいかぬと思っておりますが、構造の問題、システムの問題とおっしゃいました。我々もしっかりと受けとめて頑張っていきたいと思います。 〔委員長退席、理事馳浩君着席〕 今、産炭地域振興の中核事業主体の問題がございました。実は、かつての利息でありますと、五十億円とか百億円ぐらいのお金があれば五%あるいは六%ぐらいの利回りで回っていたんですけれども、昨今の金利事情でございまして、本当にほとんど金利らしいものが出てきておりません。しかし、それを積んでいただくというのは、基金運用していただけるわけでありますが、弾力的な運用等、ぜひ活用させていただきたいものだというふうに思っております。 これ、最後に、ちょっと時間もありませんので、大臣に二点ばかり、もしわかれば、あるいはお答えいただければと思うんです。 一点目は、先ほどもちょっとお話し申し上げました、平成十八年度でこの五カ年計画が終わる、そこから先、五年というのも意外と早く来るかなと思います。この五年間でまた恐らく国内炭鉱、二炭鉱も物すごい努力をするでありましょうし、また技術協力も順調に進めばもっともっとふやしてくれとかいろいろ来るかもしれない。そういういろんなさまざまな条件があるのですが、それらの条件を踏まえながら、その先の展望というのは何かお考えをお持ちなのかということが一点目であります。 もう一点目は、過去四十年間、この国内炭鉱が大変隆盛をきわめて、そして今日ここに至るわけでありますが、その間の歴史をある程度総括といいますか、一つのやはり記録として、しかもこれは、これから続くであろうアジアの国々が、恐らくそれぞれの国内の石炭を掘りながら、やがてまた石炭から別のエネルギーへと転換をしていくということもあり得るでありましょう。そういう産業政策の、ある意味では転換の成功例といいますか、中には問題があるという指摘があるかもしれませんが、それらを含めて、そういったものをある意味ではきちんとまとめられてはいかがかなというふうに思っておるものですから、こういった点についての御所見があればお聞きしてみたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) まず第一に、平成十九年度以降については、今低水準で推移している海外炭価格、これはアジア経済が恐らく復調してまいります、あわせて坑内掘りへ移行いたしてまいりますとかなりの影響を受けるだろうと。そういう意味で、石炭の価格は上昇していくのではないか。国内炭の品質は低硫黄であるということやら安定供給ということで価値観は高まっていくだろう、国産の方ですね。そういうような状況を踏まえてまいりますと、恐らく競争条件は今までほど激しくならずにだんだん緩和されていくかなというふうに思います。 これに加えて、石炭鉱業審議会答申の過程で、炭鉱の労使双方からのいわゆる今後の炭鉱においての合理化というのがさらに進められてまいります。そういうことになっていけば、私は、炭鉱を取り巻く経済環境というのはかなり改善されていくのではないだろうかという、そんな思いを持っています。 それからもう一つの、今まで石炭政策をずっと重ねてきた、そしてこの四十年にわたる炭鉱事業そのものの経営者及び働く人たちの努力、こういうことを歴史的な経験として後世に伝えおく、残しておくということは大変大事なことであるというふうに思います。どのような形でまとめたらいいかということは今後の課題として、せっかくの峰崎委員の提案でございますので、私は全く同感でありますから、ぜひそのような資料を作成するということについて早速資源エネルギー庁に命じまして、その段取りを図って具体化させていきたいというふうに思います。
○峰崎直樹君 大臣、ありがとうございました。 以上で終わりたいと思います。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 私は、今後の石炭政策の基本的な方向についてまず大臣にお伺いしたいわけであります。ほかの委員と重なる部分がございますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 〔理事馳浩君退席、委員長着席〕 アジアの最大エネルギー消費国である中国では既に石油についても純輸入国に転じているというふうに聞いておりますし、インドネシアも二十一世紀初頭に同様な状況になり得るというふうに聞いているところでございます。中国、インドネシアでは、石炭に関して、採掘箇所がだんだん深くなってくる、あるいは内陸の奥部まで行くということ、あるいは露天掘りから坑内掘りへ移行している、そういった意味では採掘の条件が悪くなってきている。 我が国の石炭技術の移転、これが非常に私は重要であると考えておりますが、アジア地域のエネルギー需要における石炭の今後の将来性をどういうふうに評価していらっしゃるか、あるいはそれに関して我が国の役割についていかなる認識をお持ちか、その辺についてよろしくお願いいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) 加藤委員の御指摘のように、私は、今後アジアの経済がますます復調、発展を遂げてまいりますと石炭需要というのは大幅に増大するというふうに思います。その点全く同感でございます。また一方で、供給面からいきますと、露天掘りであるとかそういう比較的簡単にとれていたものが、だんだんに坑内掘りへ移行してくる、そして採炭深度がますます深くなっていく、そういうような条件の悪化が一方では見込まれるわけであります。 こうした状況を考えますと、我が国といたしましては、例えば需要面については効率的な石炭利用技術についての協力を行う。これは日本の長年の経験がまず生かされるというそういう場面ではないか。二番目は、供給面においては我が国の高い炭鉱技術の移転を図る。これが、先ほどからいろいろ言われておりますが、いわば技術移転ということでございます。こういうような形でアジア地域の石炭需要の安定に貢献していくことができるのではないかと考えます。
○加藤修一君 石炭需要が増大するということについては、地球温暖化防止を含めて、そのまま使うという範囲においてはゆゆしきことかなと私は理解しております。この辺については先ほど来のほかの委員の質問にもございましたけれども、クリーンコールテクノロジー、そういった開発促進を今後とも強化していく必要性があるかもしれないわけですけれども、要するに、こういった面におきます技術移転、さらなる環境負荷低減の技術成果、そういったものの海外移転について今以上に促進していく、そういった我が国の取り組みがあってしかるべきかなというふうに考えておりますけれども、この辺についてはどうでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のクリーンコールテクノロジーでございますが、いろいろな側面から技術開発をさせていただいております。例えば、燃焼効率の向上によりまして二酸化炭素を抑制する技術ですとか、あるいは燃焼時に発生いたします硫黄酸化物などの有害物質の発生を極力抑制する技術でありますとか、あるいは固体燃料であります石炭をより利用しやすい気体あるいは液体に転換する技術、さらには石炭燃焼に伴いまして発生する石炭灰を有効利用するための技術、こういった技術開発に政府としては支援をさせていただいているわけでございます。 こうした技術開発について、平成十二年度におきまして約五十八億円の予算措置を講じて推進をいたしておりまして、今後とも必要な予算措置を通じて技術開発を積極的に推進する、またこういった技術を利用していただける諸外国に対しても技術供与をしてまいりたい、このように考えております。
○加藤修一君 長期的な展望についてお伺いしたいんですけれども、二〇〇六年までは炭鉱技術移転五カ年計画等支援あるいは電力会社の引き取り協力という国内炭鉱を支える仕組み、そういったものがあるわけでありますが、いわゆる二〇〇六年以降についてはその辺についてはなかなかわかりづらい。整理されていないように私は理解しておりますけれども、国内石炭鉱業が新たな展望が開ける向きもあるような、先ほどほかの委員に対する御答弁があったわけでありますけれども、この長期的な展望について、さらに改めてこれについて御質問したいと思います。その辺の認識についてよろしくお願いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほども申し上げたのでありますが、今の海外炭の価格というのは極めて低水準でずっと推移してきております。しかし、これがアジア経済が復調してまいると需要がぐっと高まってまいります。そうしますと、これは価格に影響してくるだろう。それから、いわゆる露天掘りから坑内掘りへというふうな影響が進んでまいりますと、これも今までの安い価格ではなくなっていくのではないか。つまり、海外、特にアジアの状況を考えてまいりますと、現在のような価格で推移していくとは思われない。必ずこれは、石炭の価格は上昇していくだろう。 一方で、今度は品質の問題でいくと、日本の場合には硫黄分が非常に少ないといったようなこと、これは比較した場合には日本の石炭が価値観がふえてくる。また、安定供給という点においての市場の一定の評価も得られてくるであろうということになりますと、私は競争条件というのが緩和されていくのではないだろうかというふうに思います。あわせて、今後合理化というのがどうしても越えなきゃならない山でございまして、これらを進めてまいりますと、経営改善等さまざまな効果を上げて日本の、いわゆる国内炭の価格の低下につながっていくのではないか。 こうした状況を考えてまいりますと、二炭鉱を取り巻く状況というのは、十九年以降徐々に変わって国内炭鉱の努力というものが実って活動が継続できるのではないか、そんなふうに予測しています。
○加藤修一君 私は次の問題としてNEDOの財務状況についてちょっとお伺いしたいわけですけれども、NEDOの中には六つの勘定がありまして、石炭合理化勘定、石炭鉱害勘定等ございます、あるいは新エネルギー、先ほどのクリーンコールの関係も含めて入ってくるように思いますけれども、とりわけ産業技術研究開発等勘定、これについてお伺いしたいわけであります。 今、財政がかなり逼迫しているということでございますし、もちろん景気回復あるいはその技術開発、あるいは新規産業をいかに立ち上げていくかということを考えていきますと、効果的に資源を使っていく必要が当然ある。政府が持っている資源は当然のことでありますけれども限界がございますので、それをよりベターな形でどういうふうに使っていくかということが考えなければいけない話でありますけれども、この産業技術研究開発等勘定、これは非常に多くの欠損金を抱えているわけであります。 その欠損金の話に行く前に、研究開発事業費が相当数支出されているわけですけれども、政府から、ここで行われている研究開発の事業の概要、それと成果といいますか、この辺についてどのように評価されているか、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOの産業技術研究開発等勘定においては、産業技術の向上に資する研究開発業務を行っていることは御案内のとおりであります。 具体的に申しますと、その一つは、経済社会に革新をもたらすような技術をつくり出す産学官連携による基礎的な独創的な共同研究の開発、それから医療・福祉あるいは環境保全等の社会的使命にこたえる研究開発、外国の研究機関との共同研究開発、地域における産学官連携共同研究開発等、大変幅広い分野にわたっての業務を行っております。 これらの研究開発成果の具体的な例として、たくさんございますけれども、例えば一つ取り上げてまいりますと、非常に小さなマイクロマシン、これは血液の中を内視鏡を通すような形でいわゆるロボット化したものを移動させてそして治療に当たる、あるいは検査をするというようなことでありますが、血管の中でも移動できる世界最小レベルのマシンなどを開発して、今後医療を中心とした分野で実用化が進められるという、そういう新しい開発などが行われています。私は、これなどは大変画期的なことであって、一つの大きな成果と見ていいのではないか。こういう分野で開発していけば世界に一歩でも進んでやっていけるのではないかというふうに考えております。 NEDOの産業技術開発の成果というのは、今申し上げたように、我が国の産業技術基盤の形成につながるだけではなくて、将来の我が国の経済社会に非常に大きな波及効果をもたらすものと考えます。
○加藤修一君 手元に私は、財政法第二十八条による平成十二年度予算参考書類というのを持っているわけです。今国会で提出された内容でございますけれども、これで産業技術研究開発等勘定、それについて見てまいりますと、平成十年度研究開発資産が三百五十億円、十一年度に研究開発事業費が一千四百六十億円支出された、減価償却を百四十八億円と見込んでいるわけでありますけれども、そこで十一年度の研究開発資産の見込額は六百七十億円しかない。私の計算でいくと、もっとなるはずなんですけれども、この辺のいわゆる研究開発資金が即当該年度に特許等の資産になるとか、そういうふうには思っていないわけでありますけれども、資産にならない研究が相当あるというふうな理解もできなくはない。この辺についてはどのようにこれを考えたらよろしいんですか。
○政府参考人(河野博文君) 今御指摘の点は、制度的なことからまず申し上げますと、産業技術研究開発業務に要する経費は、補助金あるいは委託費という形をとる場合もございますけれども、国からの出資金という形で賄われている部分も多いわけでございます。 この出資金は会計処理上は収入には立たないわけでございますけれども、支出分は費用として処理されるということになりますので、一たん支出されましたものが一部、例えば貸借対照表上の研究開発資産として、これは機械などに化体された場合には計上されるわけでございますが、一般的な費用として消費された場合にはこういった資産としては計上されませんので、純粋に損失金を生ずる形になるということでございます。 この結果、その貸借対照表上、毎年、出資額が増加する一方で、支出された分、特にその研究開発資産として計上されない分についての欠損金が増加するということになるわけでございますけれども、こうした欠損金の累積というのは会計処理技術上生じてしまうものであるということでございます。
○加藤修一君 部分的にはわかるんですけれども、要するに研究開発費については人件費が多い、しかも見える資産というものはどうしても少なくなるケースがまま、多いということなんですけれども、そういった意味ではどうしても技術やノウハウ、そういった面についてのいわゆる無形財産、無体財産になってしまうわけでありますから、そういった意味では特許といういわゆる目に見えない形でなくても、いわゆる技術力という無形の財産として残っていくということが、一般的にそういう面についての認識は持たなければいけない。この辺については私もよくわかりますけれども、そういう技術力を開発するとか、そういった面について、その技術についての評価についても時間によってはすぐ陳腐化してしまうケースもある。 そういった意味では、先ほど来問題にしている部分については、こういった研究開発についてはそういった宿命を負っている、そういったところに出資金というふうに、いわゆる財政法の四条に基づく国債、そういったものを使うということについてはどうもなかなか理解しづらい。ある意味ではぞんざいな使い方になってしまう可能性もなくはない。こういった面については当然大蔵省が予算の査定を行っているわけでありますけれども、こういう多額の欠損金を出している特殊法人、そういった面についての年度ごとの査定、そういったものについてどういう見解でそういうことを進めているか、その辺についてどうかなと思うんです。 私は、特殊法人関係で調べた範囲では、欠損金の総額は約十七兆円あると。大蔵省が発表しています国有財産の総額は平成十年で百兆円なわけです。そのうち三十九兆円が政府の出資金等、そういうふうになっているわけであります。そういったことを考えていきますと、国有財産に計上されている政府出資金が実は四〇%以上になる、そういうふうな見方ができるわけです。 こういった点を含めて、要するに効果的な税金の使い方、あるいは建設国債の使い方、この辺について年度ごとの査定を含めて、どういう見解、認識で大蔵省はやっていられるか、その辺について示していただきたいと思います。
○政府参考人(藤井秀人君) お答え申し上げます。 今、先生おっしゃいましたNEDO等の研究開発法人、これが特定の研究開発プロジェクトを行う場合におきましては、それに要する経費、これは今御答弁ございましたように会計処理上、費用として計上されます。他方、その財源を出資金で賄うということになりますと、損益計算上の欠損金が生ずるということは御指摘のとおりでございます。 こうしたプロジェクトにつきましては、それが単に研究開発、技術の進歩等を通じて後世代が利益を享受できるということだけではなくて、当該プロジェクトに係ります効用、これが具体的な成果の形で将来にまで及ぶという特色を有していること、あるいは当該法人におきましても将来の収益によりまして支出の回収が期待され得るというようなことが考えられるところでございます。 こうした事業は、換言いたしますと、当該法人及び個人にとりましていわば無形の資産を形成するものであるということでございまして、このような性格を有する経費につきまして、出資金によりその財源を賄っているということでございます。 もとより毎年の予算編成におきましては、こうした特殊法人の行う研究開発につきまして、国民の税金を使うに足る十分な成果を上げているのかどうか、さらにはそれを出資金により賄う場合におきましては、国民の資産とするにふさわしい性質、内容を伴ったものであるかどうかといった点につきまして、関係省庁ともよく相談をさせていただき、適切な対応を行っているところでございますし、今後ともなお一層努めてまいりたいというように考えております。
○加藤修一君 この出資金の財源は、そもそも建設国債でいいわけですよね。よろしいですね。 出資金に見合う形で効果があることが当然なことですけれども望ましいと。今の御答弁の中に、後々の世代が利益を享受できる、あるいは支出の回収が期待できる、あるいは国民の資産形成にふさわしい、そういうことがあったわけですけれども、これはどういうところできちっとした担保ができるかどうかということなんですけれども、それと、やはり国民にこの辺についてはわかりやすい形で十全に開示をすべきだ。わかりやすいという点も含めてお願いしたいと思います。
○政府参考人(藤井秀人君) まず、最初の御質問でございますけれども、おっしゃるとおり、財政法四条におきましては建設公債につきまして、公共事業費、出資金及び貸付金の財源、これにつきましては財政法四条ただし書きにおきまして、例外的に「公債を発行し又は借入金をなすことができる。」ということでございます。 そこで、二番目の具体的な出資金のあり方ということでございますが、具体的に申し上げますと、特殊法人等に対します研究等に対する国の支出につきましては、御指摘の出資金によるものと補助金等による場合に大きく大別されようかと思います。 若干話が繰り返して恐縮でございますけれども、例えば出資金、補助金等との峻別におきましては、その使途におきまして、出資金につきましては特定のプロジェクトに係る研究開発費ということでございますし、他方、補助金につきましてはそれ以外の事業費。さらに、特色として申し上げますと、出資金につきましては、ただいま申し上げました具体的な知的資産の形成を目的とした特定プロジェクトを推進するとか、あるいは研究開発成果に係る特許権等から生ずる将来の収益によりまして支出の回収も期待され得るということ。これに対しまして補助金等は、効用は当該年度のみに限られ、将来の収益等は意図しないというような形で、大きくいろいろの二つの峻別がなされているわけでございます。 出資金に係ります研究開発の成果につきまして、国民に対してなお具体的にわかりやすいものを考えるべきだという御指摘でございますが、これにつきましてはそれぞれの関係省庁におきまして、具体的な研究成果、あるいは研究開発の具体的な目標なりあるいは全体の開発スケジュール等々を具体的にいろいろな機会にパンフレット等でお示しする等々のいろいろな努力がなされているというように承知をいたしております。
○加藤修一君 まあ余りよくわからなかったんですけれども、非常に重要なところは、支出の回収が期待できるという答弁をされたわけですけれども、これは通産省聞いていて、今対象としている勘定について大蔵省が言っている意味というのはどういうふうに理解されましたか。
○政府参考人(河野博文君) ただいま大蔵省の方から御答弁がございましたのは、出資金をもって研究開発に充てた場合に、広く将来にわたって、あるいは次の世代にわたって広い意味での知的資産として残されていくようなものである場合、あるいはそれがまた特許のような具体的な権利として将来収益をもたらす可能性がある場合など、それらを包摂して出資金として費用を充てることが適当であるという御説明であったというふうに伺いました。 私どもも、確かに会計処理をいたしますと、具体的な機械等に化体されたものについては研究開発資産として計上されるわけでございますけれども、人件費等によって消費されました部分につきましては結果的に欠損金という形になりまして、国民の皆様には出資金でいただいたお金があたかも損失に変わってしまったかのような印象を与えるのは御指摘のとおりでございますので、具体的な研究成果を世の中によく御理解をいただいて、これが次の世代あるいは広く社会全般にとっての有益な広い意味での資産であるということを理解していただくことが非常に重要だというふうに考えております。
○加藤修一君 今まで通産省がやってきた事業では、五世代コンピューターの関係とかシグマ計画とか、そういった計画がありますけれども、この辺については何らかの評価をしたという話は私の範囲ではちょっと聞いたことがないんですけれども、いずれにしてもこういった研究開発関係については、当然のことでありますけれども、技術評価をやらなければいけない。 そういった観点から、通産省は技術評価指針というものをつくっているそうでありますけれども、これは通産省関連のプロジェクト評価、それから研究所評価、そういった面についてどういうシステムになっているか。これは年度ごとにどれだけの案件を評価しているか。この辺について、例えばプロジェクトの中心になった件数とか、研究体制の見直しの件数とか、その辺についてお願いしたいと思います。
○政府参考人(梶村皓二君) 通商産業省におきましては、政府の研究開発に係る評価を推進するために、「国の研究開発全般に共通する評価の実施の在り方についての大綱的指針」に沿いまして、平成九年に通商産業省技術評価指針というものを定めました。そして、外部有識者の知見を活用した研究開発プロジェクトの評価を実施しているところでございます。 具体的には、平成十一年度におきましては、現在までにNEDO関連を除きますと通商産業省全体で九十二件のプロジェクトについて、外部の評価をしていただく方をお願いしまして評価を実施しているところでございます。評価結果につきましては、その概要等を通商産業省のホームページ、雑誌、広報といったものに掲載するとともに、報告書の配布ということによりまして国民に対して積極的に公開しているわけでございます。 それから、委員の御質問にありました見直しに関してでございますが、研究の中間段階におきましての評価によって見直しを行っているわけでございますが、十一年度につきましては、二十一件の中間段階の評価に対しまして三件を見直しとしております。
○加藤修一君 今の関連で、三件の見直しがあるという話ですけれども、全体としては四百から五百ぐらいプロジェクトがあるというふうに聞いておりますけれども、この関係で、例えば特許権数とか実用新案件数とか製品化した件数とか、あるいはさらにそういった成果物がどこに帰属するか、そういった面についての資料を委員会の方に提出していただきたいと思いますけれども、委員長、よろしくお願いいたします。
○委員長(成瀬守重君) では、委員会に資料を提出してください。
○政府参考人(梶村皓二君) 承知いたしました。
○加藤修一君 それでは、そのガイドラインにのっとって、特殊法人であるNEDOについてもこれは同じような評価の対象になるかどうか、その辺について確認したいと思います。
○政府参考人(梶村皓二君) NEDOの実施します研究開発プロジェクトについても同様に、通商産業省技術評価指針に基づきまして各プロジェクトごとに評価委員会を設けまして、外部有識者を積極的に活用しつつ評価を実施しているところでございます。 これらのプロジェクトのうち、例えばエネルギー・環境領域総合技術開発推進計画のような産学官連携の大規模な国家プロジェクトにつきましては、通商産業省が事務局となりまして、産業技術審議会におきましてプロジェクト創設の際の事前評価、そして開始後、中間段階で行う中間評価、さらに終了直後の最終評価を実施しております。 少し具体的に申し上げますと、事前評価につきましては、産業技術審議会に設けられている各部会におきまして個別プロジェクトの採択を実施しているところでございます。さらに、中間評価並びに最終評価につきましては、厳正かつ中立的観点から評価を行うために評価部会を別途設けまして、外部評価委員会の責任において評価結果を取りまとめ、広く国民に公開しているところでございます。
○加藤修一君 今、答弁の中で産業技術審議会の評価部会の話が出てまいりましたけれども、これはすべての案件、プロジェクトについてすべてやるという話になっていますか、どうでしょうか。
○政府参考人(梶村皓二君) すべての主要な案件、プロジェクトについてやることになっております。
○加藤修一君 それでは、NEDOの案件についてでありますけれども、今まで評価した案件はどのぐらいあるのか。それから、答弁の中では四段階の評価ということが出てまいりましたけれども、評価報告が出た件数とその評価の内容についてちょっとお尋ねしたいわけです。
○政府参考人(梶村皓二君) 特に産学官連携の大規模な国家プロジェクトについては、産業技術審議会において厳正な評価を行っているところでありますが、平成十一年度におきましては、現在、産業技術審議会におきまして二十九件の評価を行いました。うち、事前評価を四件、そして中間評価を十件、最終評価を十五件実施しております。さらに、追跡評価につきまして、本年は三件を実施しているところでございます。
○加藤修一君 今、追跡評価の三件ということでありますけれども、かなりの年数にわたってNEDOは運営してきているわけですけれども、過去の例えば五年前にさかのぼってとか、あるいは十年前にさかのぼってとか、そういった意味での追跡評価ということは対象外なんですか、対象としているわけですか、どちらでしょうか。
○政府参考人(梶村皓二君) これらにつきまして、今後どのように発展していくべきかということを追跡評価の中に入れております。その点から、現時点におきまして技術評価の内容の意味のあるものについて取り上げてまいりたいと存じております。
○加藤修一君 技術評価をする意味のあるものについて追跡評価を行いたいと。その基準というのはどういうことなんでしょうか、ちょっとわかりづらいんですけれども。判断の基準です。
○政府参考人(梶村皓二君) 現在の技術の中において重要性があるものについて、今後の展開のために必要な技術の評価をしてまいりたい、かように存じます。
○加藤修一君 それは今後の話であって、過去にさかのぼってという意味で追跡評価というのはないんですか。過去にさかのぼって、もう既に終わっている事業で、プロジェクトで。
○政府参考人(梶村皓二君) 既に終わったものについてでございますが、を申し上げているつもりでございますが、大規模で社会的に重要な案件についての追跡評価ということでございます。
○加藤修一君 そうすると、全部やる必要はないという話、ということですね。
○政府参考人(梶村皓二君) この追跡評価の基本的意義でございますが、これはプロジェクトの成果の実用化に向けたフォローアップという観点から大規模かつ重要なプロジェクトを取り上げるというのが視点でございます。
○加藤修一君 いや、なぜ中止にしなければいけなかったかという、ある意味で失敗例なんかもなくはないわけですけれども、そういった失敗例に教訓を得るというケースも少なくはないと私は思うんです。重要なもの、そういった面についてやるというのは当然のことかもしれませんが、そういった前者についてもやる必要があるんじゃないですか、どうでしょうか。
○政府参考人(梶村皓二君) 最終評価の段階におきまして、全体のプロジェクトの意義がどのようにあったかという最終評価を得ているわけでございますが、その後の実用化に向けたフォローアップという意味におきまして追跡評価をいたしておるところでございます。
○加藤修一君 別の機会にその辺についてはやりたいと思いますけれども、ちょっと時間がございませんので。 いずれにしましても、出資金の形で投入した研究開発、そういったことを考えていきますと、これだけの予算でこれだけの成果あるいは効果あるものができ上がってきた、そういったことは非常に重要なわけですけれども、中には欠損金になる場合もあると。欠損金になる場合についてやっぱり国民にわかりやすい形で伝えなければいけない。 そういう国民にわかりやすいということを考えたならば、例えばの話ですけれども、科学技術振興事業団、これは行政監察局がやった中身ですけれども、これは新技術創製のための基礎的研究と、もう一つが新技術の開発について行った中身でありますけれども、これも出資金の累計が一千億円を超えている話なんですね、平成八年の話でありますけれども。研究成果としては、工業所有権の取得・出願が一千三百四十六件、そして論文の公表・発表が一万五百七十一件と、そういったふうに書かれてありまして、これはある意味ではわかりやすいといえばわかりやすい話なんですね、中身までは言及しておりませんが。研究成果の的確な評価を推進していくべきだという監察局の結論が書いてございます。 もう一つは、新技術の開発ということで、全部でこれは企業化開発案件累計として四百十件ございまして、成功が三百九件、成功率は八八・五%、開発費の回収としては、回収済みが一千四十六億円のうち七百四十五億円、こういう形で、比較的わかりやすい形で表示してあるわけであります。 こういった国民にわかりやすい、これは例えの話でありますけれども、通産省及びNEDOについてもわかりやすい形での表示をすべきである、開示をすべきである。 今後の技術評価について大臣にお尋ねしたいわけですけれども、この評価のあり方についてどういうふうに取り組まれるか、決意を含めてお願いしたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 国民へのアカウンタビリティーを確保するために、わかりやすい技術評価を行う必要があるという委員の御指摘は、全くそのとおりであります。通産省としましては、平成九年に定めた通商産業省技術評価指針において、評価の目的の柱の一つとして国民への研究開発実態の開示というのを掲げております。 具体的に申しますと、研究開発の成果を公開して、広く社会一般や学会の意見を聞くということとか、あるいは評価委員会の傍聴を認めて評価のプロセスを最大限公開するとか、あるいは評価委員の選任や評価項目などをあらかじめ明確に定めてこれを公開するということで、評価の手法自体をだれにもわかりやすくするということなど、さまざまな配慮をいたしてまいりました。 これからは、より厳正で透明性の高い評価を実施するという意味で、通産省技術評価指針そのものの改訂を行いながら評価体制をさらに強化していきたいというふうに思います。 具体的に申しますと、研究開発プロジェクトの創設時の事前評価で、大学教官や技術専門家などの外部評価者をより積極的に活用すること。あるいは、プロジェクトの性格に応じたきめ細かな評価基準を設定して、あらかじめ国民に公開した上でより厳正な評価を行う。あるいは、個別プロジェクトの技術的な目標達成度などを評価するだけじゃなくて、例えば産学官の連携や公的補助の仕組みなどの研究開発に係る制度設計そのものが一体妥当なのかということ。あるいは、分野ごとに関連する複数のプロジェクトが全体がバランスよく組まれているかということについても新たな評価に加えていきたいというふうに思っております。 いずれにしても、国民に対してわかりやすい評価というものが提示できるように一層努めてまいるつもりです。
○加藤修一君 ぜひわかりやすいアカウンタビリティーを推進していただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 休憩前に引き続き、石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 私は、主として石炭、山の問題は、労働運動の関係では見詰めてまいりましたけれども、こういう経済・産業委員会で質問させていただくのは初めてでございます。 今度の法案は、石炭関連諸法案を期限どおり、二〇〇二年の三月末をもって廃止させるという法案でありまして、ほぼ四十年にわたって政府が行ってまいりました石炭産業の縮小合理化、そして最後には消滅をさせていくという最終決着をつけるという法案であるというふうに考えます。 我が党は、日本共産党は、国内資源の有効利用、エネルギーの安全保障という観点から、石炭産業を消滅させるということについては一貫して反対をしてまいりました。今なお関係の地域の住民の皆さんの中からも、また全国的にも、日本の石炭の火を消すな、火を消してほしくないという声は根強いものがありますので、その声を受けとめてきょうは質問をさせていただきたいと思います。 きょう三つの側面から質問をしていきたいと思いますが、一つは産炭地域の将来をどうするのかという問題、二つ目には労働者の離職者対策をどうするのかという問題、三つ目に国内炭の位置づけをどうするのか、この三点についてお聞きをしていきたいと思います。 まず最初に、産炭地域の振興対策でお伺いをいたします。 石炭政策の終了に当たって、いわゆる六条地域には激変緩和措置がとられるということになっておりますけれども、答申などをよく読みますと、六条地域全体ではなくて、原則として八次政策以降の影響を受けている地域に限定するように受け取れるんですが、そのように限定をする理由は何か、また何か基準があるのでしょうか、お聞きをいたします。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘の答申は、昨年八月の産炭地域振興審議会の答申と思いますけれども、ここにおきましては、八次策、それからポスト八次策、この期間内において閉山あるいは合理化が行われて間もない市町村につきましては、閉山等による影響が一部残存しているということで激変緩和措置が不可欠というふうにされております。 一方、この同じ答申におきまして、その他の六条市町村の中にも経済活動の沈滞やあるいは財政の逼迫が閉山という特殊な要因によると特段認められる市町村であるかどうかについて、所要の検討を要する旨の指摘がなされているわけでございます。 私どもは、この答申の趣旨に添いまして、激変緩和措置の対象地域を、八次策、ポスト八次策期間内において閉山、合理化が行われて間もない市町村に加えまして、どのような市町村を対象とするべきか検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それでは、具体的に地域指定を行うに当たっての考え方、基準はどのようなものかということでございます。 答申におきましては、四つほどの指標を参考にすべしという指摘を受けておりますが、例えば人口増減率、財政力指数、一人当たりの工業出荷額、生活保護率の四つでございます。こうした指標によりまして、経済活動あるいは財政状況を拝見いたしますとともに、累積閉山量あるいは老朽炭鉱住宅の残存等によって経済活動の沈滞やあるいは財政の逼迫が閉山という特殊な要因によって生じたものと特段認められるかどうか、これを見るべきという指摘を受けているところでございます。
○西山登紀子君 とりわけ福岡の筑豊の皆さんから強い不安の声が私たちの方にも寄せられているわけですけれども、例えば福岡の筑豊地域の六条地域、市町村三十二ございます。筑後というのはあと三つほどあるわけですが、筑豊地域三十二、その大部分は八次策、ポスト八次策以前の閉山地域であるわけですけれども、これはすべての市町村が激変緩和措置の対象になるのでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 繰り返しになるようでございますけれども、答申で指摘を受けております四つの指標によります要件、それから累積閉山量あるいは老朽炭鉱住宅の残存量等も含めまして、さまざまな要因を総合的に勘案するということでございますけれども、私どもといたしましては、筑豊地域の六条地域につきましても、この答申を踏まえまして、地域の実情を十分精査してまいりたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 通産省から提出してもらった資料を見てみますと、その指標になっている人口増減率、財政力指数、一人当たりの工業出荷額、生活保護率、こう指標がございます。そのいずれの指標を見ましても、今三十二の六条市町村ずっと見てみますと、例えば人口増減率、全国平均一・三四なんですけれども、それを上回っている自治体は二つしかございません。財政力指数、全国平均〇・四二ですが、それを上回っている自治体というのは八ですね。それから、工業出荷額、二百五十六万円以上ある自治体は一つしかありません。生活保護率は、全国平均は七・二人なんですけれども、これを下回っている自治体は一つしかない。 こういうふうに、政府が検討する指標に挙げられているいずれの指標を見ましても、この筑豊地域の各県域の状況を見ても、各市町村の状況を見ましても、やはり全国平均を下回っています。 私は、こういう状況を見ましても、大臣にぜひお願いしたいことは、筑豊の六条地域というのはすべてこの激変緩和措置の対象にすべき地域だと言えると思うんですが、今ここではっきりとお答えをいただきまして、各自治体の皆さんは大変不安に思っていらっしゃいますので、はっきりとしたお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 昨今の経済情勢のもとで、筑豊地域の市町村が厳しい経済環境に置かれているということは私どもも十分承知をしております。 産炭地域振興対策の激変緩和措置の対象地域の指定に当たりましては、産炭地域振興審議会答申に示されているように、その一つは、地域経済が厳しい状況に置かれているかどうか、二つは、それが炭鉱の閉山ということに原因があるのかどうか、この二点を考慮すべきだということになっています。 御案内のとおり、市町村でいいますと全部で百二ございますが、そのうちの六条地域というのは六十二、そのうちの筑豊関係が三十二でございまして、私は、それぞれの地域が大変厳しい状況にあるということを前提にして、これらの実情を精査した上で、地域の実態を十分に配慮した指定を行っていきたいと考えています。 ただ、関係省が幾つかありまして、そことの話し合いということも法律が制定した以降行われるわけでありますが、通産省としては、できる限り委員のお話しになるような方向で努力をしたいと考えています。
○西山登紀子君 ぜひお願いしたいと思うんです。 国の施策によって非常に政策的に町が大きく変えられる、住み方が変わっていくということでございますので、それは最後までやはり国が手厚い施策、責任を持った施策をしていくということが必要だろうというふうに思います。そういう問題を抱えておりますのは、六十二ある六条市町村、多かれ少なかれ同じような問題を抱えていると思います。何も筑豊に限った問題ではないと思うんですね。 それで、やはり何かこの指標でというふうなことで、いろいろ指標を挙げて、これよりも上か下かというふうなことでいろいろ選別するというやり方も一つの方法ではあるとは思いますけれども、しかしやはり全体として見るということが私は必要だろうと思います。 それで、大臣にさらに、筑豊だけでなくて北海道も含めまして、この六十二ある自治体のうち、例えば八次策、ポスト八次策以降ということになりますと十三しかありません。六十二ある六条市町村のうち十三は絶対に激変緩和措置をとらなければならないと答申でもなっておりますけれども、あとは検討するというふうな方向だけしか示されていないというのでは、やはり住民の皆さんあるいは自治体の皆さん大変心配でございますので、ぜひ激変緩和措置の対象にすると同時に、その期間が過ぎましてもなお事態が改善されない場合には引き続き対策をとるようにしていただきたい。 これも大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 昨今の経済全体、非常に状況は悪いわけでありますけれども、その中で特に産炭地域の各市町村が厳しい経済環境にあるということは十分承知しています。今後は、地域経済の厳しい状況が、今お話がありましたように炭鉱の閉山という要因によるものであるかどうか、いろんな角度から十分に精査いたしまして、地域の実情に十分な配慮の上で指定を行っていきたいと思います。
○西山登紀子君 ぜひ前向きの対策をお願いしたいと思います。 次に、産炭地域の就労雇用対策についてお伺いをしていきたいと思います。 最初に、筑豊地域の雇用情勢、どうなっているでしょうか。労働省にお伺いいたしますけれども、有効求人倍率だとか全国との比較、その点でどうですか。
○政府参考人(長谷川真一君) 筑豊地域の雇用情勢についてのお尋ねでございますが、飯塚、直方、田川の公共職業安定所管内全体での有効求人倍率は、平成十二年一月現在〇・三〇倍でありまして、同時期の全国平均〇・五二倍と比較して厳しい状況にあると考えております。
○西山登紀子君 炭鉱の離職者関連の失業対策というものについて五つのメニューがあるというふうにお伺いをしておりますけれども、その中に開就というのがあります。この開就という対策が石炭政策の終了後どういう扱いになっていくのか、お聞かせいただきたいと思うんです。 現地の雇用情勢を見ますと、激変緩和のための暫定措置というのは不可欠ですけれども、暫定措置が終了した後も容易に解決するというふうにはなかなか思えないわけですけれども、状況を見てその後も対策を継続するなど適切な対策をとるべきだと思いますし、その点をどのようにお考えか、お伺いいたします。
○政府参考人(長谷川真一君) 開就事業、いわゆる産炭地域開発就労事業についてのお尋ねでございますが、この事業につきまして昨年八月の石炭鉱業審議会答申において、「平成十三年度末をもって終了することが適当である。 しかしながら当該地域の厳しい雇用状況にかんがみ、当該事業に就労している者の自立を促進していくための措置を講ずるとともに一定期間暫定的な事業が実施できるような激変緩和措置を講ずる必要がある。」とされたところでございます。 この答申を受けまして、労働省といたしましては、開就事業について平成十三年度末をもって終了することといたしますが、平成十三年度末時点におきます就労見込み者約千六百名のうち、六十五歳で引退する者を除く約千五百名について激変緩和措置が必要になるものと考えておるところでございます。これらの方々に対します激変緩和措置といたしまして、同事業の終了に伴い自立をされる方につきましては自立支援金の支給、それ以外の方々には関係自治体が主体となった暫定的就労事業等を実施する予定でありまして、そのための所要経費等を今年度予算から計上させていただいておるところでございます。
○西山登紀子君 もう一つ、特定地域開発就労事業という特開というのがありますね。これについて、どうですか。当分の間続けるということですけれども、どうですか、説明してください。
○政府参考人(長谷川真一君) 御質問の特開事業につきましては、これは一般会計でやっております公的就労事業でございますが、一昨年の特開事業の今後のあり方に対する研究会報告におきまして、この事業の役割はほぼ終息の段階を迎えたというような報告があったわけでございます。これは一般会計でやります就労事業でございますが、この報告の線に沿い、地域の実情も踏まえつつ、今後この就労事業について対応してまいりたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 地域の就労対策についても万全を期していただきたいと思います。 次に、政府の考えております炭鉱技術移転五カ年計画についてお伺いをしていきたいと思います。 この炭鉱技術移転五カ年計画、アジア各国に我が国の技術を移転していくということを考えていらっしゃるわけですね。これはやはり日本に蓄積された石炭鉱業に関する技術の保存、活用のために必要な技術の開発、深部の採炭や保安技術の積極的な開発、またその技術をアジア諸国に研修、移転するというようなこと、友好的な諸国との関係を発展させるという点ではこれは私は積極的な方向だと思うわけですけれども、しかし、こういう技術移転計画というのが、いろんな見方があると思いますけれども、単なる日本の二つの炭鉱の延命措置としてとられるということではやはりだめじゃないか、五年間で終わっていいのか、そういうふうな点で疑問に思うところでございます。 また、現に生きて、そして現に採掘をしているという炭鉱でなければ本当に役に立つ技術移転はできないんじゃないか。酷な言い方をすれば、将来の見通しが暗い、そういうもとでの炭鉱、そういう炭鉱で将来に役立つ明るい技術や進んだ保安対策が生まれるのかという私は大きな点での疑問を持ちながら、今この技術移転五カ年計画というものについて少し質問をしたいと思うわけです。 そこで、炭鉱といえば事故がつきものというか、今まで非常に悲惨な事故の話も午前中からずっとありました。私も、直接現場で見たわけではありませんけれども、いろんな情報では、山といえば悲惨な事故、家族も大変な悲惨な思いで、それこそ命がけで仕事をしていると言っても過言ではない現場だと思います。 そこで、池島炭鉱、事故が起こりました。去る二月十四日、二つしか残っていない主要炭鉱の一つであります池島炭鉱で火災事故が起こって現在ストップをしています。この事故の原因、それからその原因の徹底的な究明がどの程度進んでいるか、再発の防止対策はどうか、再開に向けた今後の取り組みなどについてお伺いをしていきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 炭鉱における操業は保安の確保が大前提でございます。そういう意味では、池島炭鉱のこのたびの火災はまことに残念なことでございます。 今、こうした考えに基づきまして慎重に鎮火に当たっているわけでございますが、それを行いながら、当面の対策として、初期の消火に有効な水噴霧装置の大幅な増設、それから池島炭鉱鉱山労働者全員参加の特別研修の実施、それから鉱山保安監督部の一斉検査、再検査の実施等を指示いたしまして、着実にそれらの作業は実施されているものと聞いております。 原因につきましては、自然発火なのか、あるいはベルトが加熱したために起こったのか、あるいはその他の原因なのか、今のところ残念ながら判明しておりません。密閉内の火災の鎮火が確認できた後に、火災の原因、真相の徹底究明を行って、必要な再発防止対策をとるということでございます。 我が省としましては、こうした保安対策のために鉱山保安確保事業費補助金を積極的に活用するなど、必要な支援策を講じてまいりたいと思っております。
○西山登紀子君 この炭鉱の事故なんですが、非常に海底の深いところを掘っているということで、非常に危険です。しかし、最近では非常に技術が進歩していて、そういう危ない事故というのは本当に防げるんだという、そこに日本の技術の非常に、海外からも研修に来たいというようなそういう要望があるというのは、やっぱり日本の技術が進んでいるからだろうと思うんです。 それで、大臣に二つお伺いしたいんですが、私は、そうはいっても大変心配なことが二つございます。 一つはコスト。海外との競争力の問題で、国内炭のコストを下げるために非常に、いわばコスト削減は至上命令とされて、企業が生き残りをかけてといいますか合理化をやっていますね。 事故を未然に防ぐということについては、私は大臣に二つのことをお伺いしたいと思います。 通産省からいただいた資料に「坑内掘り炭鉱のコスト削減努力について」という資料があるんですけれども、この資料を見ますと、あらゆるコスト削減のメニューがずっと書いてありますけれども、すべてが、集約化による人員の減、維持坑道の減による保全費、修繕費の減、掘進の効率化による人員の減、坑道維持費、資材費の減、自動化・省力化による人員の減、効率化による人員の減、みんな人を減らしていくというんですね。 こういうコストを下げるためにとにかく人員を減らす、あるいは修繕費、保全費を減らしていくというようなことでは、これはやっぱり生命の危険、安全が二の次にされていくというふうに思います。ですからコストを、もちろん合理的なコストを下げるという努力は必要だけれども、しかし炭鉱の企業にとっては、最も大事なことは生命の安全であり労働者の安全だということが第一。 それから、それを防ぐためには、あくまでも労働者が率直な意見が言える、こういうところが危険ですよということがあれば直ちに改善の意見が言えるというような職場の環境、民主的な雰囲気といいますか、そういう労使関係がどうしても必要だと。 この二つの点については、大臣の御意見はどうですか。
○政府参考人(中島一郎君) 保安の観点から一つお答えをさせていただきたいと思いますが、合理化と保安との関係でございますけれども、過去五年間の推移を見させていただきますと、鉱山労働者数は横ばいで参っております。それから、労働者と保安技術職員との関係でございますけれども、まず保安技術職員の数も横ばいであります。したがいまして、当然ですけれども、保安技術職員と鉱山労働者の割合でございますが、それも横ばいで来ておりますと、そういうことでございます。 また、先ほど大臣の方から御答弁申し上げた中にあります鉱山保安確保事業費補助金、これは事業展開との関係でふえたり減ったりでございますけれども、漸増という傾向で推移してきてございます。
○西山登紀子君 いや、私はそういうことを聞いているんではなくて、大臣に、炭鉱の保安、安全のためにはとにかく生命の安全というのを第一にしなきゃいけない、コストを切り下げるためにそのことを二の次にしちゃいけないと、これは当然のことですが、その点と、やはり働いている労働者が危険性について、安全について率直に物が言える、そういう職場環境は大前提でしょうという、そういう姿勢をお聞きしているんです。
○国務大臣(深谷隆司君) 今、局長がお答えしたのは、職員の大幅な削減が続いてきたというお話を委員がなされたので、横ばいでございますということを申し上げたわけでございます。 つまり、人が減るということに関しては横ばいであるという状況を考えると、このたびの火災と因果関係がどのように結びつくのかは実際には定かではありません。 炭鉱に従事している労働者の意見を十分に聞きながらその安全を保っていくということは、これはもう委員の御説のとおりでございます。 このたびの災害の今日の状態は、残念ながらまだ鎮火できていないわけでありまして、今完全に閉山をいたしまして密閉をして、温度も徐々に下がりつつあるとも聞いておりますから、いずれ鎮火をいたしましてからこれらの火災の本当の原因を綿密に調査し、再び起こらないような体制がしけるものというふうに考えております。
○西山登紀子君 今、人数のことをおっしゃいましたけれども、私がいただきました資料では、従業員数のこの池島炭鉱の最大ピークは昭和五十九年八月末、二千五百五十一名いたんですね。それが、平成十一年十二月には千二百二十七人でございます。炭鉱全体の規模の関係もございますが、私が言ったのは、一般的に今残っている二つの炭鉱に、使命としてコスト削減の努力が押しつけられていると。そういうことで、このコスト削減のためには人員を減らしたり保全や修繕費を減らすという方向がメニューとして示されているから、これではいけないでしょうということを今お聞きしているわけでございます。 そこで、大変心配な事態を私は指摘をしなければなりません。実は昨夜遅く、私のところに、この池島炭鉱で働いている労働者の方から訴えがございました。会社の経営の、言葉は悪いですが、でたらめぶりというのは目に余るという怒りの訴えでございます。 例えば、監督官がこの事情聴取に入っているけれども、正直に話をしないように指示をしている。また、今度の火災のときに煙探知器が作動していない。もう一つは、今回の火災現場の近くで二、三日前にも火災があった。とりあえず消火をして無理に運転をしている。これが今度の事故につながったんじゃないかという心配がある。今までにも小さな事故があっても、保安部には言うな、こういうことでもみ消しがされているという訴えです。 この方は思い余って、言おうか言うまいか思い余ったけれども、しかし将来この鉱山で働いていかなければならないことを思えば心配で、思い余って、私がこういうことで質問するという機会を聞いて通報してきたというわけでございます。命がけで働いている労働者の命がけの訴えですから、私はそれはうそはなかろうというふうに思います。 通産省、こういうことは、ほぼ山の中ではもう一斉にこういうことは伝わるそうですよ。公然の秘密になっているということですが、こうした情報を入手していらっしゃいますか、うわさでも何でもいいです。
○政府参考人(中島一郎君) ただいまのような話は聞いておりません。 ちなみに煙探知器、煙探知器とおっしゃったのは煙探知器だと思いますが、煙探知器につきましてはどの部分が不作動であったか、あるいはその二、三日前に類似の場所で火災があったということを隠していたという話でございますが、いずれも私ども把握してございません。 なお、これは先生御承知だと思いますが、二月十四日の火災の際には、さまざまなセンサー、あるいは中に入っております坑内テレビというのがございますが坑内テレビによる火災の発見、あるいは坑内無線によるその誘導等が、避難する際の誘導でございますが、そういったものが正常に働いて、その結果、人的な罹災はなかったというふうに考えてございます。
○西山登紀子君 思い余ってこういうふうに連絡をしてくるというのは、私は、そこの現場が、労働者が本当に危ないよという、しょっちゅう言えるという、こういう自由な信頼関係ということがやっぱり断ち切られている職場じゃないかと思うわけですね。その点を非常に心配するわけでございます。 それで、鉱山保安法ではいろいろ監督をしてこなきゃいけないという通産省のそういう責任もございますけれども、平成元年から過去十年間でこの池島炭鉱、池島だけではございませんけれども、太平洋炭鉱もそうなんですが、重要な災害がずっと起こっているんですよね。 池島の場合を見ましても、二月十四日に重大な災害が起こっていますが、その前の二月八日にも事故が起こって、死亡事故が一人出ています。ということで、過去十年間ずっと振り返ってみましても、池島の場合は平成元年に一人亡くなっています。それから平成三年、五年、六年、七年に一人、七年にもう一人、十二年に一人、合わせて今度の二月十四日の事故までに合計八回、そのうちに四人の方が亡くなっているという災害が起こっているんですね。 この過去十年間、災害はなくなっていない、死亡事故もなくなっていない。この間、どのような指導監督をなさってきたんでしょうか。
○政府参考人(中島一郎君) 事故の状況につきましては、ただいま御指摘のとおりでございます。大変残念なことだというふうに考えてございます。 私ども、炭鉱の保安につきましては、それが事業の基盤であるという観点から、最優先で取り組むべき課題であるということで監督をいたしてまいっております。これも先生御承知の話でございますが、北海道、九州に鉱山保安監督部がございまして、その中で特に炭鉱は事故がありがちであるということから、その中に炭鉱の保安を専門にいたします部署を設けて保安の監督に当たっているわけでございますし、また池島炭鉱のすぐ近くのところにも監督署を置いて、こうした残念な事故が起こる都度、その原因の究明に当たって再発の防止を図っているところでございます。 また、先ほど御指摘のございました話につきましても私どもまだ承知しておりませんが、今、池島炭鉱の火災の鎮火の確認後、本格的な捜査をするということでございますので、その際にもあわせて調査をさせていただきたいというふうに考えております。 いずれにしましても、このような災害の防止に私どもも全力を挙げて取り組んでいるわけでございますが、残念ながら御指摘のような事故が続いて、平成元年以来、四人の方が亡くなっているというのは事実でございますので、このようなことのないよう、再発の防止に全力を挙げて取り組んでまいりたい、そういうことでございます。
○西山登紀子君 炭鉱というのはそういう事故があって当たり前というふうなことでは許されないと思いますし、日本の進んだ技術があればこそそういうのは防げるんだということでこそ、この炭鉱技術移転五カ年計画というものも私は本当に生きてくるんだろうと思うんですね。その意味で言えば、池島の場合はこういうふうに私のところに通報がございましたけれども、もう一つの炭鉱の方がどうかこれは私はわかりませんけれども、しかしやはり今、こういう職場環境が私たちから見ればどうもこれはフランクじゃないなという懸念がしてなりません。そして、こういうふうに通報をしてくださった方々に何か被害が及ばないかなという心配も私たちがしなきゃいけないような大変深刻な状況も私は解せないというふうに思うわけですね。 そこで、鉱山保安監督部長等に対する申告、第三十八条というのがございます。大臣、お伺いしたいんですけれども、この第三十八条には、鉱山では、その省令に違反する事実、かつ危害を生じ、またそのおそれが多いときは、鉱山労働者は、その事実を鉱山保安監督部長または鉱務監督官に申告することができる。そして、鉱業権者は、その申告をしたことを理由に、鉱山労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないという第三十八条があるんですが、なかなかこれも周知がされていないというか、なかなか労働者にも広まっていないというふうに思います。 こういう池島炭鉱の今の事態を、その場所で働き続けたいからこそこういう手段をとって伝えてきた労働者がいるわけですよね。ですから、ぜひこの第三十八条で被害が及ばないように約束することはもちろんのことなんですけれども、そういう事態に池島炭鉱があるということを真摯に受けとめていただいて、今きちっとした対策をとっていただきたい。そうでなければ、またさらに重大な事故が起こりかねないというふうな危惧も持ちますので、厳正な調査を進めていただきたいと思います。 その点で大臣の御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) 鉱山保安法というのがあって、申告制度というのがあるわけであります。そして、申告した者に対して迷惑が当然のことながら及ばないようなそういう規定になっているわけでありまして、この法にのっとりまして厳正に対応していくように指導していきたいと思います。
○西山登紀子君 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 池島炭鉱の現状を見ますと、二月十四日に事故が起こってほぼ一カ月以上がたっているわけですけれども、操業再開にはなお相当な時間がかかると思います。その点で、やはり例えば賃金カットで自宅待機をされているとか、いろんな下請の方の仕事の問題とか深刻な状況が広がっているんですね。 そこで、通産省と労働省の双方に対策をお伺いしたいと思いますけれども、その池島炭鉱の会社の労働者、また下請の労働者、あるいは池島炭鉱の企業の事業活動に依存をしている地元の業者、商店の皆さんにどのような対策をとっておられるのか、双方からお伺いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 通産省の方の関係だけ先に申し上げますが、操業再開までの炭鉱への経営支援につきましては、NEDOの経営改善資金貸し付け等により生産再開に向けた資金面での支援を実施いたします。 また、地元中小企業対策については、三月三日に長崎県、九州通産局、地元商工会、長崎県内の政府系中小企業金融機関の各支店、信用保証協会等に相談窓口を設けまして、現在、相談に来られる方々の親身な御相談に応じているところでございます。 今後とも、現地の実態であるとか要望をよく把握いたしまして、特に関連中小企業の資金繰りの円滑化のために、政府系金融機関による既存融資制度の活用をしっかり図ってまいりたいと思います。 また、地元の自治体ともよく連絡しながら、必要に応じて信用保証制度の活用等について検討してまいりたいと考えます。
○政府参考人(長谷川真一君) 労働省の助成金で雇用調整助成金という制度がございます。景気の変動や産業構造の変化等に伴い事業活動の縮小を余儀なくされて休業等を行う場合に、賃金や休業手当の一定割合を助成するという制度でございますが、この雇用調整助成金の対象業種に属します松島池島炭鉱の関連事業主につきまして、この助成金を活用することにより雇用の安定を図ることとしたところでございます。 これまでのところ、二月二十九日に関連事業主の方々にお集まりいただきまして説明会を開催したところでございますが、三月十七日現在で十五社から雇用調整助成金の申請に必要な休業の実施計画届が提出されておりまして、およそ四百人の労働者の方が対象となる見込みでございます。 労働省としては、今後とも関係労働者の雇用の安定に努めてまいりたいと考えております。
○西山登紀子君 そういう対策が、現場の住民の皆さんからいろいろお話があるんですけれども、どうも国の施策、それから市町村の施策というのが一人一人の人によくわかっていないんですよね。いろんな情報が飛び交って疑心暗鬼を生んでいるということがあるので、労働省は、こういうふうな仕組みで、こういうお金を出しておりまして、そして一人一人にはこういう形になりますよというような、そういう周知方もよろしくお願いをしたいというふうに思います。 最後に、ちょっと時間がなくなってしまいましたんですけれども、炭鉱技術移転五カ年計画に基づいて五年間計画をやるわけですけれども、それが終了しました後ですけれども、これはやはり国による施策、支援がなければ、ほぼ価格競争力という点では太刀打ちができないというようなことになって、全面撤退というふうな事態になりかねないのじゃないかという大変危惧を持っております。 我が国の石炭埋蔵量をちょっとお伺いしますけれども、いつの時点の調査で、調査範囲も含めて、どのぐらいあるのか、聞かせてください。
○政府参考人(北畑隆生君) 理論的に可能な埋蔵量というものと、技術を前提とした埋蔵量、二つに分けてお答えをいたしたいと思います。 まず、理論的な可採埋蔵炭量でございますが、調査時点が非常に古くて恐縮でございますが、昭和二十五年と三十年に通産省が全国を対象にして実施をいたしました。その結果、理論的な可採埋蔵炭量というのは二百二億四千六百万トンでございます。これは地質学的に炭が存在をしているというふうにお受け取りいただきたいと思います。 このうち、調査時点での技術を前提といたしまして採掘可能な炭量というのを別途調査いたしております。こちらの方は、昭和五十年から五十六年度、七カ年にわたりまして、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOが実施をしたものでございます。これは北海道の四地区と九州の五地区に限って調査をいたしました。その結果、この量は二億九千七百万トンでございます。これは全国ベースにはなっておりません。 これとほぼ同じレベルでの推計値でございますが、WECという国際機関が推計をしておるものには、日本については七億八千五百万トン、約八億トンの技術的に採掘可能な埋蔵量がある、こういうことになっております。
○西山登紀子君 大臣にお伺いしますけれども、資源の少ない我が国にとって貴重なエネルギー資源であると思うんです。ですから、この埋蔵石炭、経済性だけで評価するのは正しくないというふうに我が党は考えております。やはり、緊急時の供給体制を保持しておくということも必要でございます。 自主的なエネルギーの供給源を確保するために、もう一度国内炭の位置づけを再検討すべきだと思いますけれども、大臣の御所見を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(深谷隆司君) 今こちらからお答え申し上げたように、我が国には石炭の埋蔵量というのはまだかなりあるというのはわかっているのでありますが、断層が多いとか、採掘条件が極めて厳しくて、それが今日までのずっと長年苦労をしてきた最大の理由でありますが、そういう意味では、経済性あるいは危険性、その他もろもろ考えますと、開発は極めて困難だとしか言いようがありません。 したがって、石炭の安定供給を確保するためには、これまで持っていた我が国の採炭技術、その他もろもろの技術を海外の産炭国に移転をすることで、海外の産炭国の円滑な石炭生産を維持発展させるということに努力をして、そのことで我が国の安定供給が確保できるような、そういう方向を進めていかなければならないと考えています。 そのために炭鉱技術移転五カ年計画というのをつくって、国内炭鉱を研修の場として活用することによって、海外産炭国への技術移転を積極的に進めてまいりたいと思っております。
○梶原敬義君 私は、この法案を審議するに当たりまして、また皆さんの質問も聞いておりまして、感慨ひとしおであります。 戦後、かつて日本の復興をなし遂げる原動力を石炭産業は背負ってくれましたし、また、ある時期は炭掘る黒いダイヤと言われて、また炭坑節がよく歌われた時代もありました。また、三井三池争議に代表されますように、本当に大きな総資本対総労働というような労働争議もありました。また、炭鉱の爆発や炭鉱の災害事故、大きな事故も何度か経験しました。ところが、今日もう会社は二社になって、そして従業員の数は千五百人になろうとしている。非常に一連の流れを考えますと寂しい思いがしますし、感傷的になりますし、感慨ひとしおであります。 そのことを思いながら、これからのエネルギー対策、エネルギーというものはどうなっていくのか、もう一度原点に返ってエネルギー問題は考えなければいけないのじゃないか、このように思うわけであります。 そこで、これは通産省からいただいた資料でありますが、石油、天然ガス、石炭、ウラン、これらの可採年数につきまして世界エネルギー会議が一九九八年に発表した数字によりますと、石油の可採年数というのは三十九・四年、天然ガスは六十四・四年、石炭は二百十一年、ウランが七十二年、このようになっております。 石油・ガスジャーナルの数字よりもちょっと厳しい数字が出ておりますが、こういう状況から見ますと、私はいつも言うんですが、やっぱり石油は、このまま世界の人がどんどん車を走らせて使って、あるわけがないわけですから、いつかは枯渇をしてしまう。それも二十一世紀に入りましたら、そう遠くないんじゃないか、このように基本的には私は考えておりますし、私の頭にはそういうことがびんびんくるわけであります。 そういう点からしますと、新エネルギーの問題、開発、あるいは天然ガスやそういうものも非常に大事でありますが、やっぱり石炭をエネルギーにするということは、これはこれからもまた石炭が浮かび上がってくる時代が必ずあるだろう、このように考えているところでございます。 石炭資源をめぐって、世界の資源をめぐってどういう位置づけをされているのか、あるいは日本の石炭産業というものをどういうように位置づけをしているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(河野博文君) 石炭が可採埋蔵量におきまして二百年以上ということで、他の化石燃料に比べまして非常に多い可採埋蔵量を有している、また地理的にも世界に広く分布するという特徴を持っていることは御指摘のとおりでございます。そういう意味で、供給安定性が高いというのは石炭の特徴ではないかというふうに思っております。 また、昨今、石油価格が非常に上昇しておりますけれども、その中で石炭価格は相対的には安定をいたしておりますし、経済性にすぐれているということも言えると思います。そういう意味で、将来のエネルギー供給上も、現在も一六%を我が国の一次エネルギー供給の中で占めているわけでございますけれども、相当程度の割合を占めるということは当然見込んでいくべきものというふうに思いまして、今後とも中核的ないわゆる石油代替エネルギーというふうに位置づけられるものというふうに考えております。 こうした状況の中で、我が国への石炭の安定供給を確保するにはどうしたらいいか、これがエネルギー政策上重要な課題でございます。現在、一次エネルギーの中で一六%を石炭が占めておりますが、国内産炭はその中の三%程度ということでウエートは低いわけでございますけれども、我が国炭鉱に蓄積されてきた高い炭鉱技術を集中的、計画的に海外産炭国に移転するということで、炭鉱技術移転五カ年計画を策定しているところでございます。現在稼行中の炭鉱を活用しまして研修事業を実施するという考え方を持っております。 こういたしますと、国内炭鉱は、こういった意味で、アジアを中心とする海外産炭国への技術移転を通じて、エネルギー政策上のいわゆる石炭の安定供給という目的の実現に向けて一定の役割を果たしていただけるものというふうに考えているわけでございます。
○梶原敬義君 私は、基本的に今ある池島と太平洋炭鉱というのは、技術移転だけじゃなくて国策上、将来のエネルギー問題も考えて残していただきたい、残すべきであると、このように意見を申し上げて、次に移りたいと思います。 私が国会に来たときには石油代替エネルギーの議論が随分ありまして、特に石炭の液化についても通産省も力を入れているということをよく聞きましたし、資料もいただいて議論もしたことがあるんです。その後なかなか、オーストラリアで石炭の液化についてプラントをつくってやっているというのは聞いたんですが、その結果がうまくいったのかいかないのか、なかなかさっぱりわからぬまま今日に至っておりますが、研究開発の費用とか成果とか、その評価等について、この際ですから、要領よくお聞きしたいと思います。
○政府参考人(梶村皓二君) オーストラリアにおきます褐炭液化のプラントに関してでございますが、サンシャイン計画におきまして石油代替エネルギーの安定的確保に資する石炭液化技術の開発を進めておりますが、この一環といたしまして褐炭液化の試験プラントを、昭和五十六年度から平成五年度にかけまして、約一千百億円の予算によりましてオーストラリアに建設いたしまして運転研究を行ってまいりました。 このプラントによります運転の研究は、オーストラリアとの国際協力のもとで行われたところでありまして、品質、経済性、耐久性といった点で所期の開発目標を達成いたしまして、技術的なノウハウが数多く蓄積されました。 平成六年度に産業技術審議会におきましてこのプロジェクトに対する評価報告書が取りまとめられまして、技術評価と経済評価の二点から取りまとめられました。 技術評価につきましては、液化油の収率、品質などの点で、その当時の欧米の石炭液化プロセスと比較して同程度以上であるとの成果を上げた技術評価がなされました。 経済評価に関しましては、将来の量産プラントにおいて、原油価格の動向によっては商業化の可能性が十分にあるといった高い評価をいただいております。
○梶原敬義君 審議会は審議会でいいんですが、委員長、この今言われたような技術評価と経済評価、審議会がまとめたという資料を委員会に提示をしていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○委員長(成瀬守重君) 資料を提示してください。
○政府参考人(梶村皓二君) 承知いたしました。
○梶原敬義君 千百億もかけて、これ大変な金額なんです。だからこれは、悪いということを言っているんじゃないので、やっぱり活用するように、あるいは国会でも心配していますから、その点は通産省としても配慮していただきたいなと思いました。 次に、通産大臣ですね、同僚議員が先ほど質問されましたジメチルエーテルに関して、ここにプラントのあれもいただいておりますが、説明を聞きましたら、なかなか希望の持てる実験プラントではないかと、このように思いますし、今大臣の方も力を入れて、予算の方も力を入れておられるようでありますが、これは太平洋炭鉱の下から出てくるガスを取り出す作業のようですが、少し概要を説明していただいて、私はこういうことこそエネルギー資源のない日本は最先端を走るべきだと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 炭鉱の中に閉じ込められたメタンというのは爆発の原因になるわけですが、それを外にまき散らすという状態で処理をしているんですが、それは地球の温暖化に影響するというような点から、このメタンをどう活用するかということでこのジメチルエーテルの開発がスタートしております。 ただ、ジメチルエーテルは石油系のガスからもとれるということではありますけれども、そして今、ただいま御指摘のあったこのパンフレットにありますように、北海道においてプラントができて、まだ実験のもう一つ手前の実験の、五トンぐらいでございますけれども、少なくとも実験の過程では成果があるようでございます。 私どもといたしましては、今月の二十九日に大手町の日本鋼管の前で実際に自動車に使ってみるという実験とセミナーがございます。国会が許したら私もぜひそこへ行きたいというふうに思っているわけでありますが、一つの希望の持てる新エネルギー、自然エネルギーと言えるかもしれません。 ただ、まだまだ実験段階でございまして、これを大きなプラントの実験用に、例えば五百トンぐらいに持っていくためにも数年かかりますし、その実験を通して今度は商業化ということでコストを含めた状況になるにはまたさらに年数がかかるというので、有望ではありますけれども、今すぐ際立った形になっていくとは思えないところもございます。 ただ、せっかくの自然エネルギーでございますので、しかもこれは環境的にも非常にいいものでありますから、ぜひひとつ力を入れたいと存じまして、NEDO等で資金を提供するようなことをやっております。 私どももこの研究が、少なくともただいま行っている小型実験プラントにおける研究が平成十三年に終了しますものですから、できるだけ早い時期にその次の段階に着手できるように努力をしていきたいというふうに思っております。
○梶原敬義君 私はこの前からあっちこっちで問題にしているんですが、科学技術庁のロケットが二つ打ち上げ失敗しました。それから文部省が一つ失敗をして、衛星の製作費と合わせますとその三つで一千二百億ぐらいかかっているんですよね。だけれども、私は、むしろこういう自然エネルギー、これから、これはもう石油がなくなった場合というのは大変な状況が想定されますが、そういうことを前にして、こういう自然エネルギーについてはぜひ、今決意を述べられましたが、全力を挙げていただきたい、このように希望いたします。 次に移ります。もう余り時間がなくなりましたが。 一つは、産炭地域開発就労事業ですね、労働省。今の状況を少し、ちょっとさっき同僚議員の質問の中にもありましたが、二千名おりまして、十三年度の末には千五百人、千六百人ぐらいにまで減るということでありますが、私は、非常にこの方々は長いこと石炭で苦労して、そして今日やっぱり心配していると思うんですよね。この点については労働省として、先ほど説明がありましたが、もう一度決意を聞いて、そしてそのやり方ですね、具体的に、福岡県どうするのかとか、そういうやり方についてもあわせてお答えください。
○政府参考人(長谷川真一君) 産炭地域開発就労事業のことでございます。 今、先生御指摘のような点がございまして、石炭鉱業審議会答申におきましても激変緩和措置を講ずべきであるという結論になったわけでございます。労働省といたしましては、これらの方々に対する激変緩和措置として、同事業の終了に伴い自立する方々には自立支援金の支給、それ以外の方々には関係自治体が主体となった暫定的就労事業等を実施する予定にしております。そのための所要経費を平成十二年度予算において計上しておりまして、平成十三年度においても所要額を要求する方針でございます。 この激変緩和措置、どういうふうにしてやるかという御質問でございますが、石炭鉱業審議会の答申におきましても、関係の県、福岡県でございますが、あるいは関係市町村の主体的な取り組みが必要であるというふうな指摘もなされておるわけでございます。地域の実情も踏まえ、平成十四年度以降の暫定就労事業のやり方については、今後関係者と十分議論をして具体的内容を詰めてまいりたいというふうに考えております。
○梶原敬義君 十四年以降というのは、福岡県と福岡関係市町村が主体になってやると。それに対して国の助成はどこから出るんですか、NEDOですか、直接ですか、労働省。
○政府参考人(長谷川真一君) 暫定的就労事業についてのお尋ねでございますが、これにつきましては平成十二年度予算及び平成十三年度予算で、国は石炭勘定予算から支出をいたしまして、それを福岡県につくっていただきます基金に移して、その財源をもとに平成十四年度以降暫定的就労事業を実施していただくというようなスキームを現在考えております。
○梶原敬義君 ということは、もう最初の基金だけで、十四年以降は国はもう出すことはないという意味ですか。
○政府参考人(長谷川真一君) この激変緩和措置につきましては、平成十二年度、十三年度に石炭特別会計から支出をしましてつくり上げます基金をもって暫定就労事業を実施していただきたいというふうに考えております。
○梶原敬義君 それで足りるわけ。
○政府参考人(長谷川真一君) この予算の積算に当たりましては、過去、公的就労事業を、失業対策事業等々終了してまいったわけでございますが、こういった経験を十分に踏まえて積算をしておりまして、開就事業の円滑な終了に向けて十分対応できるものと考えております。
○梶原敬義君 はい、わかりました。 それから、炭鉱離職者の雇用対策、先ほどもあったと思うんですが、黒手帳、十三年度を越しますと同じ炭鉱労働者でも黒手帳と普通の会社でやめる人と同じような、そこは差がつきます。その辺はどのように考えておりますか。
○政府参考人(長谷川真一君) 炭鉱労働者に対する雇用対策、平成十四年度以降離職を余儀なくされる方々についての対応でございますが、これは炭鉱労働者雇用安定法に基づく対策はなくなりまして、一般の雇用対策の中で対応してまいるということになるわけでございます。 しかしながら、労働省といたしましては、今後の石炭鉱業におきます合理化の状況、あるいは関係地域の雇用失業情勢等を十分に踏まえつつ、公共職業安定所における職業相談や求人開拓の実施、また特定求職者雇用開発助成金の活用など、各種制度を最大限活用しながら、法廃止の前後を通じて炭鉱離職者の方々の早期の再就職促進が図られますよう、適切かつ十分な対策を推進していきたいと考えております。
○梶原敬義君 聞いていると何かやりそうな感じしますけれども、実際、問題ないように対応できるのかどうなのかちょっと自信が持てない、そんな答弁だと思うんですが、頑張ってください。 それから、通産省にお伺いしますけれども、福岡に主におります鉱害本部の職員ですね、職員の処遇というか配置転換、東京に来れる人はいいけれどもなかなか、これはNEDOの中で処置をするということのようですが、これはなかなか、二百名ぐらいいるんでしょう。これは十分な配慮をすべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(北畑隆生君) NEDOの鉱害本部で鉱害対策を担当している職員は、十三年度末におきましても、委員御指摘のとおり、二百名を超える職員が在籍をする見込みでございます。このうち雇用対策を必要とする職員が二百十四名というふうに考えております。 通産省では、NEDO内部での配置転換を図りつつ、鉱害本部職員の雇用対策に最大限の努力を行う必要があるものと認識しております。このため、平成十年九月に全省挙げて雇用確保対策を講じるということを省議決定いたしますとともに、特殊法人や他の機関への職員の受け入れ要請などを行っているところでございます。 今後とも、鉱害本部職員の雇用につきましては、直接の雇用者としてのNEDOはもちろん、通産省といたしましても誠心誠意対処してまいりたいと考えております。
○梶原敬義君 ぜひお願いします。 そして次に、産炭地振興でありますが、私も少し近いんです、九州、筑豊に近いんですが、これまで大体見てきたけれども、やはり産炭地振興で一番大事なのは、そこが本当に振興するように、うまくいかないとだめなんです。ですから、やっぱりいい企業を誘致するとか、雇用ができるような、あるいは将来性のある企業を誘致するとか、通産大臣、ぜひこれはもう一度原点に返って情報通信産業のような先端産業ですね、一番うまくいきそうなそういうのを誘致するような、通産省一体となってやらないと、なかなかこれは、やってみた、結局うまくいかなかったというのが非常に多いわけですから、産炭地振興のためにはそこに配意をすべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のとおり、産炭地域を振興いたしますためには、せっかく整備をしております産炭地域の工業団地に有力な企業が出てきてくれることが非常に大事でございます。平成十四年度以降も地域振興整備公団はこの分譲活動を通じて企業誘致を行うという措置をこの本法にも盛り込ませていただいているところでございます。 今後の団地の分譲促進策でございますけれども、産炭地域振興審議会の答申におきましても、企業ニーズに対応した工業団地の供給方法の検討ということの必要性が指摘をされております。例えば、分譲だけでなくリースのような形で、おっしゃるような情報通信産業のように固定資本を余り寝かせないような企業体質の企業にも来てもらえるような方法を考えたらどうかというようなこともございまして、現在、地域公団産炭団地分譲促進検討委員会という場で公団あるいは地方公共団体の首長さらには有識者、また私どもも参加をいたしまして種々検討しておりますので、こういった検討結果も踏まえまして全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○梶原敬義君 時間が来ましたから、最後に一つだけ要望を申し上げたいと思いますが、産炭地振興対策というのはまさに通産省、自治省、労働省、各省またがっております。総合的にやっぱり作戦を立ててやらないと、これはだめだと思うんです。各省庁連絡会というのがありますが、それをもっと有効に活用すべきだ、このように考えますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) お話しのように、十四省庁から成る連絡協議会というのがございます。これが十分な連携を図って所要のインフラの整備を進めていくとともに、各省庁が持っている一般施策を有効に活用して産業誘致のために環境整備をしていくということ、大変大事なことで、我が省としても全力を挙げてその連係プレーを進めていくように頑張っていきたいと思います。
○梶原敬義君 終わります。
○渡辺秀央君 同僚議員の今までの質疑で、この石炭政策、石炭産業含めての、大体大まかに企業の関係あるいはまたエネルギーの観点から、あるいは労働者の観点から、およそ大体出尽くしているような感じもいたします。 私もこの石炭問題については衆議院の時代からかなり深くかかわってまいりました一人でありますので、若干この整理をする意味で、少し聞きにくいところもあるかもわかりませんが、少し私の意見も述べながら、時間の許す限り通産省側の考え方もお聞きしたいというふうに思います。 昭和五十九年ごろには、その以前はさっきもお話がありましたけれども、数百あるいはまた四十五万、五十万近い労働者等おりましたが、五十九年ごろには炭鉱数は三十ぐらいを割ってしまいまして、労働者も一万五千人ぐらい、今日では二つに二千人弱というようなまさに惨たんたる状態になっている。これはもう石炭産業というものの与えられた一つの時代的なことであっていたし方ないと言えばそれまでであるわけでありますが、であるがために政策が必要であった、こういうことだと思うんです。 毎年一千億もの石炭予算、対策予算をつぎ込んできている状態を見ても、大体十五年も前から、石炭対策というのは私どもはかつてエネルギー政策と言えるか、実際はこれは福祉政策に近いんじゃないかというようなことまで、暴論かもわかりませんが、しかしそれほどの産炭地あるいはまた企業に対して等々の深い、手厚い政策をやってきたわけであります。 昭和三十八年ごろから始まった今日の石炭政策は、一次から八次まで、ポスト八次まで四十年近く実施してきたわけであります。その間、昭和四十二年に石炭特別会計が設置されてから今日まで、石特、石炭勘定からの、延べ約、大体これまで驚くなかれ三兆六千億もの予算がこれにつぎ込まれてきていると言って差し支えないと、私の概略計算でありますが、思います。 石炭産業の衰退に伴う石炭政策あるいは産業政策の構造調整と産業衰退に伴う地域対策は分離して考えてもいいほどになってきているわけでありますけれども、石炭産業を地域対策の政策手段とは、ちょっとそういう手段にしていくのには時代的にまあ遅いというか、おくれているという感じもします。 私は、しかしこの政策、この法案が、いわゆる構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案ということでありますから、法律そのものには賛成はいたします。賛成はするが、しかし整理はしておく必要がある。物の考え方として、我々特に国政に携わる人間として、私はこの二つの炭鉱について、依然として海外炭との技術協力のためのいわゆる技術保存、あるいはまた石炭採掘技術の坑道借り上げ料の名目で財政支援がなされるとか、少し、余りにもちょっと貧弱な政策になってきていると言わざるを得ないと思うんです。しかも、平成十三年度以降も五年間公共事業かさ上げを、補助率のかさ上げをやっていくということになるわけであります。あるいはまた、その地域の地方自治体の財政に対しては、言うならば予算措置で交付税の産炭地補正特別交付税が引き続いて行われる、手厚いことになっている。 本来、第八次石炭政策に続くポスト第八次策が講ぜられた時点で本当はこれで終わりだということだったのでありますけれども、くどいことは言いません、言いませんが、しかし、私としてはかつて携わってきた一人として、もうこれ以上のことはいけない、いけないというか、国民が、後で若干言いますけれども、これ納得しない。いわゆる石油業界が納得するとか、あるいはまた電力が納得するとかなんという問題以前に国民が納得しない。これは地域の問題としては同情、あるいはまた組合、労働者の、勤労者に対しても同情、それは別の手段として政策として考えるべきで、石炭政策の中でいつまでも考えていくべきものであろうかという点を若干疑問としながら、大臣の所見があったらお伺いしておきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) 渡辺委員のうんちくのあるお話を伺っておりました。 昭和三十八年に始まった石炭政策は、御指摘のように四十年の歳月と相当な政策経費を投入いたしました。しかし、その政策目的は、その実現までようやくあと一歩というところに至りました。ここまで至ることができたのは、関係者の並々ならぬ御努力、それから、負担をいたした業界を初めとする国民の皆様の御理解と御協力のおかげであったというふうに思います。 現行石炭政策の期限は平成十三年度末までの二年間、事業を実施することでその政策目的は実現可能であるというふうに考えます。このような点を踏まえて、石炭関連整備法案においては石炭政策の根拠法を廃止するということにいたしました。石炭政策は平成十三年度末をもって完了するということでございまして、その後の種々の政策は激変緩和措置であるとか技術移転であるとか、そういうところでございまして、そういう意味では、長年多くの努力と、また多くの負担をかけましたが、ここで一応ピリオドを打つ、こういう状態になったと思います。
○渡辺秀央君 もちろん国策としてやってきたわけですから、それはもう我々も実際、当時は頭も上がらないような大先輩を相手にしてこういった議論を、産炭地の出身の議員の皆さんの立場も考えつつ、かつまた今後のエネルギー政策も考えつつ大変な議論を交わしたということが、今本当によみがえってまいります。 私がなぜそういうことを言うかというと、例えば他産業、比較対照として適当かどうかは別にして、あの繊維関係も、これは繊維構造対策として、日本の国策あるいはまた外交、アメリカとの関係でああいう結果になった。しかし、それから以後投じられた金額は繊維全体で、構造改善あるいは買い上げ、いろんな手当てをやった中でもトータル、私は自分が別に繊維関係の産地に生まれたという意味で言うわけじゃないが、しかしこれは四千九百億にも満たない金額なんです。だから、先ほど言ったように膨大な国費が投ぜられてきている、陰に陽に。そのことは、三兆六千億近いということは、私はこの際申し上げておかなきゃいかぬ。だから、激変緩和措置も結構ですが、それ以上の甘えの構造はいけないということを申し上げておきたいというふうに思います。 石炭対策費の国民負担をもう少し申し上げますと、平成十一年度八十一億、十二年度八十五億、石炭対策費が計上されています。この金額は石炭対策費として考えている国民がほとんど、表に出てくる予算ですからそれは当然なんですね。 しかし、実際にはほかにも石炭対策費が国民の負担となっている、これ見逃しちゃいけないんです。それは、まさに現在、北海道の太平洋炭鉱と長崎県の池島炭鉱の年間生産量、平成十年で三百十三万トン、この石炭は電力会社によって引き取られるという、これ条件づきで掘らせているわけです。またそういうふうにやってきたんです。私もその責任者の一人だったんです。この石炭が電力会社に引き取られるその金額はトン当たり約一万六千円です。海外炭は、これは皆さん御案内のように約五千円です。一万円以上の格差の中でこれは電力会社に買い取られている。また、予算のときには必ずこの話をやってその予算を編成していかざるを得ないということですね。 すなわち、それは電力会社といわゆる石炭関係者との問題かというと、そうじゃないわけなんで、これはまさに一人当たり約十三円と言われる国民の負担になるわけですね。まあ消費税と同じようなものだといえば言えるわけですね。だから、そういうことを考えていきますと、国民の税金で存続しているようなものだと。 私が言いたいのは、石油業界においても、まさに石特の中における勘定であるというような考え方もおかしいんであって、これは実際は国民にはね返ってきているんだから、そういうことを我々はこの際明確にして整理して、そしてこの法案を仕上げて、完全ないわゆる軟着陸をさせていかなきゃならぬことではないかということを申し上げたいのであります。 三百三十五億円に十一年度予算の八十一億円を加えた金額で石炭の構造調整費と考える必要があるんだろうと思うんですね。石炭対策のために、国の予算措置だけではなく、形を変えて電気料金でも負担しているということが明確に正しく情報提供されないと、国民は石炭政策の是非に対する正確な判断ができない。この点についてもう一回、通産大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員が御指摘の意味はよくわかります。しかし、ここまで四十年にわたってやってまいりまして、これは他の産業と比較した場合でも、エネルギーというまず国家存立の、国民生活の基本のものでありますから、そういう意味では相当な費用を投資せざるを得なかったというふうに理解せざるを得ないかなと思うのでありますが、もうここへ来てその政策目的がほとんど達することができるというところに参りましたから、あとは最後の努力でこれらの石炭政策にピリオドを打って、そして新しい形で激変緩和措置の期間を置いた後は自立をし、また世界から、特にアジアから石炭供給をしてもらうような、そういう安定的な体制をつくっていくことが肝心だというふうに思います。 委員の御指摘の意味は、私はよくわかるような気がします。
○渡辺秀央君 別に言葉を返すわけじゃないけれども、国策でエネルギーは大事だと。しかし、繊維なんというのは、戦後のドルを稼いできたある意味においては唯一の産業だったんですね。それでもその程度で済んでいるということを言いたかったわけです。戦後ゼロから始まったその輸出で、その輸出は繊維であった、その金をもとにした日本のいわゆる戦後復興の原点としてきた、あるいはまたその資金としてきたということを考えれば、それぞれの落差はあるにしても、そうおつかつの話ではないわけでして、だから申し上げる、私はもういろんな立場をわかって申し上げているんですが、これ以上のことはという意味であえて実は言っているわけですから、そこは誤解のないようにしていただきたいと思うんです。 問題は、この法律案の財源対策でありますが、若干先ほども同僚議員の方からもあったやに承っておりますけれども、もし重複しておりましたらお許しをいただきますが、この法律案で、十三年度まで政策期間とする現行ポスト八次石炭対策を完了するために必要な財源確保を図るための措置としては、十二年、十三年度において石特会計石炭勘定の負担千五百億を超える借入金を行うこととしていますね。この借入金は十八年度末に償還しなければならないこととするとともに、その償還財源は原油などの関税を無税にしないで、このために無税にしないようなものでしょう、それは、エネ庁の政策の中でやっているわけだから。だから、これは無税にしない、本来なら無税なんだけれども無税にしないで、現行より若干税率を引き下げて平成十七年度まで課税することで償還財源を確保することになっていますね。 このほかに本法律案は、NEDOの負担で国の石特会計に対する国庫納付金が石特会計石炭勘定の歳入となるように規定されていますね。NEDOからの国庫納付金は計算すると二百億円ほどあると思われるが、通産大臣がその金額を定めることとされている、その程度の額を考えているのか。これは事務当局で結構ですが、承りたい。 また、NEDOが負担する石特会計への納付金の出所となるNEDOの石炭合理化勘定は、平成十年度末で一億五千万の欠損金ということで抱えているわけですが、NEDOの国庫納付は果たして大丈夫なのでしょうか。もしも、私が言いたいことは、何でそういうことを言うかというと、NEDOの出資金の増額などという問題が将来出てくることも想定されるかされないか、あわせて簡潔にお答えいただければと思います。
○政府参考人(北畑隆生君) 十二年度、十三年度の最後の石炭対策に必要な財源を確保するために借入金を実施いたすという法律の改正案にしているのは委員御指摘のとおりでございます。また、この返済財源として原油等関税を二割ほど税率を引き下げた上で四年間延長していただき、これを返済財源とするということも委員御指摘のとおりでございます。 それから、御質問のございましたNEDOからの国庫納付金でございますが、現在NEDOに現金等の形で四百億円ほどのお金がございます。これのうち、もちろん運転資金等で必要なお金は除外いたしまして、将来の事業費に必要な金額を再計算いたしまして、二百億円を超える金額を国庫納付するということが可能であると私ども考えております。これによりまして十二、十三年度の予算を組みたいと考えております。 この返済が足りなくなるかという御質問につきましては、私ども財政当局ともよく相談をいたしまして、それから今後の関税収入見込みにつきましても非常にかたい見通しを持っておりまして、十四年度以降に新たな御負担をいただくということにはならないというふうに考えております。
○渡辺秀央君 ならなきゃ結構なんですけれどもね。 それは、NEDOの方は、技術開発とかいろんな関係において今すぐ償還されないものがあることも承知はしています。しかし、だけれども、これがためにNEDOの、何でもNEDOだとは言いませんけれども、これはスクラップ・アンド・ビルドの時代、しかもスクラップ・スクラップの時代でもあるし、やむを得ないかもわからぬが、しかしあえてそういうことを、少し懸念されたのでお聞きしておきたいと思ったんですが、エネ庁の方が自信があり、NEDOが自信があるのならそれにこしたことはありません。 石炭合理化勘定で平成十年度末で三百三十四億円、今申し上げたように延滞債権額があります。本法律案でこうした貸付金の償還などに係る経過措置も規定されているけれども、これらの償還の見通しとその処理について、実際に私が心配するのは、これもやれると言うんだろうけれども、不良債権なんかにはなっていないでしょうねと、これは各石炭会社と関連会社に貸し付けるわけですから。それは、そういうことは大丈夫なんでしょうねということを、この際やっぱりいろんなことを指摘しておいた方が後々皆さんが作業しやすいだろうと思って、老婆心ながらあえて申し上げているわけです。
○政府参考人(北畑隆生君) NEDOの石炭合理化勘定の中で三百億円強の延滞債権が発生をしておりますということは委員御指摘のとおりでございます。これは、従来の石炭鉱業構造調整政策の中で、石炭企業に貸し付けをしておった、貸付先が閉山等で返済が困難になった、このうちの延滞が六カ月以上にまたがっているものを財務諸表上計上させていただいたものでございます。 これらにつきましては、貸付先が閉山しておるわけでございますから回収が困難になるという可能性は極めて高いわけでございまして、先ほど申し上げましたNEDOの石炭合理化勘定全体の中では、これは貸し倒れる可能性が高いという前提で計算いたしておりまして、これが十四年度以降新たな負担を招くということにはならないものと考えております。
○渡辺秀央君 まだ若干時間があるようで、私は演説をやるとオーバーするものですから少し整理をしてきたので、時間がもうちょっとありますが、せっかくですので。 石炭関係の業界の皆さんもきょうはお見えのようですが、先般もお見えになられたときに申し上げたんです。これだけの保護政策をいわばやってきたわけですから、これからこれを国にどう還元するか。国民にどう、これだけの政策をやってもらった後の、要するに、これは会社がそのままなくなって石炭政策が終わればそれでいいというものじゃないので、何かというと、当然、先ほども話が出ておりましたが、まさに日本的な技術、これを東南アジアあるいはまた開発途上国にどう役立てるかということであります。 具体的には、もちろん石炭液化というのはずっと進めてきたことでもありますが、同時に、採算ベースに乗らないためにどうとかというようなことだけでなくて、この政策はやっぱり日本固有の、しかもまたこれだけ深く掘って、そしてさっきも大臣お話があったように断層の間を縫いながら掘ってきた、この技術は大変な世界に誇るべき技術だと言わなきゃいかぬと思うんです。 そういう技術を今申し上げたような国際的に役立てるということと同時に、今後のしかも日本の国内における各種の技術にも大いに貢献できるような、そういう幅広いものとして温存というか、あるいは維持、そしてかつこれを発展させていくというようなものがむしろNEDOで考えられていくべきであろうというふうに思います。 最後になりましたが、この問題について私の期待を込めての質問と、エネ庁のしっかりしたこれに対する取り組む姿勢を御答弁いただいて、終わりたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘のように、日本の炭鉱はなかなか厳しい環境の中で操業しておりますが、それがゆえに非常に高度な技術を持っていることもまた事実でございます。 私どもが海外への技術移転五カ年計画を策定してアジアを中心とする産炭諸国への技術移転を図ろうというのも、そういった日本の誇ります高度な技術が海外の産炭国に伝播いたしまして、ひいては我が国への石炭の安定供給にきっと役に立ってもらえるであろうというふうに考えたからでございまして、この五カ年計画は既に準備段階にもう入っておりまして、確実に実施をしてまいりたいというふうに思っております。 また、御指摘の石炭液化技術なども、我が国に石炭産業があるということを一つの根っこといたしまして技術開発を進めてきたわけでございまして、今後中国あるいはインドネシアなどにおいて石油輸入国に転ずる、そういう状況の中で、石炭の活用はそうしたアジア諸国にとっても非常に大きな課題だというふうに伺っております。 こうした国々におきまして石炭液化への期待も非常に高いというふうに存じておりますので、こういった面でも我が国の技術を活用して大いに国際貢献をしてまいりたい、そういう決意でございます。
○渡辺秀央君 ありがとうございました。
○水野誠一君 参議院の会の水野でございます。 今回の問題というのは、昭和三十年以降、今日に至るまで約四十年間、計九次にわたって実施されてきた我が国の石炭政策は一貫して構造調整と段階的な縮小を目的としてきた、このように理解をしています。また、その最終局面というべき時期に当たって、今後の石炭政策のあり方やエネルギー政策のビジョンの一端を示すものが今回の一連の法案、かようにも理解しております。 今まで、もう既に同僚議員からさまざまな質問が出ました。最後の質問者というのはいつも大変質問に困るところがあるのでございますが、幾つかの点を強調するとともに、私の考えを少し述べさせていただきたいと思います。 今回、平成十四年度から十八年度までを技術移転五カ年計画期間と設定することになったわけですが、これをめぐる最大のポイントだった炭鉱会社と電力会社との関係について改めて確認をさせていただきたいと思います。 国内の発電量に占める石炭のシェアは一六%、これはもう先ほどから繰り返し述べられていることでありますが、うち海外輸入炭のシェアは九七%、これも繰り返し言われているように、国内炭と海外からの輸入炭の価格差が約三倍もあるということから、このように輸入炭のシェアが圧倒的になっていると理解しております。それでも電力各社は国産の高い石炭をほとんど買い上げてきた、これが今までの状況だったわけであります。電力自由化の流れの中で、国際競争力のある価格水準を常に求められている電力各社の本音として、おつき合いはこれを最後にしたいなどと報道されているわけであります。 これまで電力各社が国内の石炭を買い上げるために負担してきたコスト、これは、先ほど渡辺委員の質問の中にも三百三十五億というような数字が出てきたわけでありますが、また新たに五カ年計画期間が設定され、その間も買い取り協力に応ずることによって電力各社が負担するコスト、これは今までと変わらないコストと考えてよろしいものなのか。それから同時に、これは三百三十五億なりの負担を想定したときに、総電力供給量の中でこのコストが電力料金の何%ぐらいの影響になるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(北畑隆生君) 電力会社の引き取り協力に伴う電力会社の負担額についてお答え申し上げたいと思います。 まず、平成十年度の実績で申し上げますと、電力会社が引き取りを行った国内炭の平均価格がトン当たりで一万六千円でございます。これに対して輸入炭の平均価格は、年度の平均為替レートを基礎に算出いたしますと、トン当たり五千円でございました。この結果、トン当たり一万一千円の内外価格差が電力業界による負担額ということになります。十年度の国内炭引き取り量が三百万トンでございましたので、負担総額は年間に換算いたしまして三百三十億円ということになります。 ちなみに、現在のポスト八次策がスタートいたしました平成四年度には、同じような計算をいたしますと七百二十四億でございました。これは、その後、閉山によりまして引き取り数量が減ったことによって減少したということでございます。 炭鉱技術移転五カ年計画との関係で、電力会社と調整した過程で電力会社が最後まで主張いたしました条件は、今回の協力が最後であって、十九年度以降はいかなる意味でも自由取引になるというのが第一点でございましたが、この五カ年計画の中でもさらに炭価を引き下げる努力をしてもらいたいというのが二番目の条件でございました。 したがいまして、十三年度末までにトン当たり一万二千円程度に引き下げる、さらに十六年度の後半以降はトン当たりで一万円を切る水準にするというのが条件になっておりまして、今後は仮に石炭の引き取り量が変わらないといたしましても炭価は下がっていくわけでございます。 今後も輸入炭価格の方を五千円ということで固定して仮の計算をいたしますと、これから十三年度末までは年間二百十億円、それから五カ年計画期間中は年間の負担額が百五十億円ということになります。このうち、十四年度の一万二千円になるという前提で計算いたしますと、標準家庭当たりで計算いたしまして年間八十一円の御負担ということになるかと思います。
○水野誠一君 今回の法改正のベースともなった昨年八月の石炭鉱業審議会の答申によりますと、「技術移転計画が完了する平成十八年度までの間、電気事業者に対し国内炭の引取協力を期待する。」、しかし「引取協力は平成十八年度限りとし、平成十九年度以降においては当事者間の自由取引に委ねるべきである。」、かように述べられております。 本来、ポスト八次政策が終了する平成十三年度末をもって引き取り協力も終了するはずだったものでありますが、まさに電力各社が今度こそおしまいにしたいという立場でいるのは容易に想像できるところであります。今回の五カ年計画、激変緩和措置であり、技術移転計画期間が終了した後はさらに引き取り協力の再延長という可能性はもうないと、かように先ほど大臣もお答えになったと理解をしておりますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(深谷隆司君) 今御指摘のように、昨年八月の石炭鉱業審議会の答申で、電力会社の引き取り協力は「平成十九年度以降においては当事者間の自由取引に委ねるべきである。」というふうに指摘されています。本答申の趣旨を踏まえて、平成十九年度以降に電力会社に引き取り協力の再延長をお願いすることは考えておりません。
○水野誠一君 よくわかりました。 次に、国内の石炭需要のほとんどを占める海外からの輸入炭の価格推移について伺いたいと思います。 先ほどの試算でも輸入炭は五千円という炭価で固定して試算をされているわけでありますが、実際は、石油ほど相場変動の激しいものではないと聞いておりますが、それでも多少の変動がある。例えばここ数年で見たときに、上下に何割程度の変動があるものなのか教えてください。
○政府参考人(北畑隆生君) 我が国に輸入されております海外炭価格の動向についてのお尋ねでございますが、ここ数年で申し上げますと九五年度がピークでございまして、それ以降下落傾向で推移をいたしております。具体的に申し上げますと、九五年度の平均はトン当たり四十九・五ドルでございました。九八年には三十八・八ドルということでございまして、約二割方の下落になっているかと思います。
○水野誠一君 さらに、今のところ伺いますと下落傾向と。しかし、今後海外での需要の変動、あるいは先ほどから大臣からも御答弁ありましたが、露天掘りができない、したがって高度な技術によってコストが上昇していく、そういうことで今後とも変動の可能性、むしろ上昇の可能性、それと今の御答弁には為替リスクというのは当然入っていないわけですが、それを含めた場合、どんな考え方でしょう。
○政府参考人(北畑隆生君) これまでの石油の値段と石炭の価格を長期的に比較いたしますと、若干のタイムラグがありましても石油の値段に連動して石炭の値段が変動するということでございました。最近石油の値段が上がっているのに対して石炭の値段が上がっておらないという状況にございますけれども、これは非常に短期的な事情によるものかと存じます。非常にオーストラリアで供給余力が大きいとか、あるいは中国とかインドネシアで輸出市場にたくさん出してきたということがございます。 ただ、これは中長期的にはまた条件が変わってくるわけでございまして、大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、一つはオーストラリア、中国においても坑内掘りがどんどん進んでまいります。従来のような安い露天掘りというのが掘れる炭田というのは非常に少数になってきております。こういったことと、それから中長期的にはやはりエネルギーの価格ということで石油に連動してくるだろうということでございまして、今後は一定のタイムラグを経て石炭価格は上がってくるのではないか、こういうふうに見ております。
○水野誠一君 さて、国内に炭鉱を有することの意義について多くの識者がそれぞれの立場や見識に基づいた発言をされていますが、その中で九州大学の内野健一教授の意見を拝読しました。平成九年に衆議院の石炭対策特別委員会で参考人として出席されております。 会議録からごく簡単に御紹介しますと、第一に、国内炭鉱は言うまでもなく貴重な国内資源の生産基盤であり、海外で開発を行うにも自国にその基盤を有していることの意義は大きいということ。第二に、専門家の育成など技術基盤の維持についての貢献、海外炭の輸入においても専門的な知識を持つ人材の供給ベースが必要ということ。第三に、技術の国際協力のための役割。第四に、世界的に採掘レベルの深度も増す中で、新しい技術開発の場としての意義。 国内炭鉱が持つ機能としてあるいは意義として、この内野先生の整理は非常に明快なものがあると私は受けとめました。 さて、エネルギーの選択には経済性、安全性、環境性、供給安定性などいろんな物差しがあるわけですが、例えば経済性、供給安定性については原子力が優位と通産省はおっしゃっています。それから、環境性では風力を初めとする新エネルギーに優位性があるわけであります。ただし、さらにその前提に、エネルギー資源の有限性という問題があるわけであります。これは通産省の試算だったと思いますが、ある条件のもとでは石油の残存量というのはあと四十三年ぐらいしかもたない、あるいはウランでもある条件のもとでは七十三年ぐらいしかもたないんじゃないか、こういう深刻な有限性の問題があるわけであります。 九三年に社会経済国民会議が実施した国会議員対象のアンケートがございますが、このデータを見ても、国会議員の七〇%以上が需給逼迫による停電が将来起こり得ると回答している。また、海外からのエネルギー供給が途絶する可能性があるという回答も五〇%を上回っておる。供給確保の確かさ、エネルギーセキュリティー性とでもいうべき軸も依然としてあるはずでありまして、今後これらの複数の物差しをどうバランスさせるかという点がまさにエネルギー政策の根幹になるのではないかと思っております。 過去四十年、段階的な縮小、構造調整がその目的でありました国内石炭政策は、その円滑な完了を図るというまさに終局、最終局面を迎えているわけであります。しかし、例えば加藤委員などからも指摘のあったように、新しいクリーンコールテクノロジーといった石炭利用に関する研究も進んできているようでありますし、通産省も石炭の役割は今後も重要で、輸入炭の安定輸入のためにも国内炭鉱の技術保持は重要とお考えになっていると理解をしております。 実際に日本が産油国などからエネルギー輸出問題で首を絞められる可能性等についてここで議論をしても仕方がないと思いますが、例えば輸入炭の相場にしてもぴたっと安定したものでないことがある、また今後上昇の可能性というのが大いにあるということは先ほど御答弁をいただいたわけであります。それに為替変動の要素を加えればもっとその予測が大変難しい状況になると思います。 長期的なエネルギーセキュリティーあるいはエネルギーミックスの観点からも石炭政策の種を残す意味で、平成十八年度以降の国内炭鉱の何らかの役割をしっかりと位置づけておく必要があるのではないでしょうか。手放しで国内炭鉱の消滅を迎えるようなことになると、これは一度消滅した技術を復活させるということはほとんど不可能になるということも聞いておりますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) エネルギー政策全般にわたる御意見だと思います。おっしゃるとおり、経済性あるいは環境性に加えまして、セキュリティーといいましょうか安定供給といいましょうか、こういった要素は私どもエネルギー政策を検討する上での三つのEと称するものの一つとして非常に重視をしている点でございます。そういう視点からいきましても、国内炭鉱の活用、あるいは国内に、先ほど九大の内野教授のお言葉を引かれましたけれども、何らかの基盤を持っているということの重要性は御指摘のとおりでございます。 私どもは、国内の炭鉱を技術移転の基盤として活用いたしたいということで五カ年計画を立案いたしております。また、国内の石炭関連の産業が海外での開発に関与する際にさまざまな支援策を講じておりまして、そういった意味でも何らかの基盤を持つ企業の活動が海外においても促進をされているというふうに思っております。 加えまして、国内の石炭産業、これまで長い歴史を有してまいりました産物の一つとして、先ほど来御指摘があります石炭液化のような技術についても取り組むことができたということでございまして、こういった技術も海外に移転をしながら実用化を図っていくということで、総合的に石炭産業、その関連が日本のエネルギーセキュリティーに貢献していただく、こういったことを期待しているわけでございます。
○水野誠一君 大変結構なことだと思うんですが、しかし、とはいえ五年間というのはあっという間に過ぎてしまう。その間に技術移転というような非常に具体的なプランももちろんこれはいろいろ立てられていると思うのでありますが、しかし、五年たった後にまた今後どうすべきかという議論をしても遅いということも考えます。まして、エネルギー政策というのは五十年あるいは百年のサイクルで考えるべきものでありまして、近視眼的な議論を積み重ねても全体像というものが浮かび上がってこない、こういうまさにテーマだと思います。 しかし、この五年間にもちろんやるべきこと、それは、どれだけのクリーンコールテクノロジーなどの技術開発を促進するか、あるいは石炭事業自体の根本的な構造改善を図るか、あるいはさらに、これは日ごろ私あるいは加藤委員なんかも繰り返し申し上げている、原子力だけに頼るのではない、もっと新エネルギーも含めた長期的エネルギーのビジョン、全体ビジョンというものをもう一度いかに組み直せるか、こういったトータル、総合的な見通しの中における石炭の役割というものも明確にしていくこと、これが私は大変重要なのではないかと思います。 そんな観点から、最後に大臣に御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 炭鉱技術移転五カ年計画を平成十八年度までにしましたのは、石炭の需給の状況等に関するエネルギー政策を取り巻く諸要因を勘案した上の判断でございます。ただ、今後も諸情勢がいろいろ変化するという状態なども勘案しながら、国内炭鉱の位置づけだとか海外炭の安定供給確保の政策のあり方についてはその時点で最良の判断をしていかなければならないと思います。 今、御指摘が水野委員からございましたように、この石炭政策だけでエネルギーの問題は解決するわけではありませんですから、原子力発電、石油の供給の問題、新エネルギー、石炭はもちろんですが、それらの総合的なエネルギーのこれからの見通しというものをきちんと立てていくということがとても大事でありまして、その意味で、去る三月十日に私は、エネルギーの長期見通し、これの分析、検討を至急始めてほしいと事務側に命じまして、ほぼ一年をかけて全体的な検討を見直しも含めて行っていこうというふうに考えている次第です。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(成瀬守重君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、反対の討論を行います。 エネルギー資源の乏しい我が国にとって、これまでに確認されているだけでも二百億トンを超える豊富な埋蔵量がある国内炭は、炭層の自然的条件や鉱区の設定などに配慮して合理的な開発を進めれば、我が国のエネルギー資源の自主的な供給基盤を確保する上で、一定の役割を果たし得る可能性を持つものでした。 しかし、四十年余に及ぶ政府の石炭政策は、国内炭を政府の政策として切り捨てていく一方で、それによって産炭地域に発生する矛盾を糊塗するためのいわゆる振興対策や離職者対策をとるというものでした。 本法案に反対する理由の第一は、拡大した日本経済が必要とするエネルギーを国内炭で賄うなどというのは現実的でないことは多言を要しないところです。しかし、エネルギーの安全保障の観点から、自主的なエネルギー供給基盤を確保するため、国内炭を必要なときには利用できるよう確保しておくことは国民的な課題であると考えます。 このまま政府の石炭政策を完了させれば、激変緩和措置があるとはいえ、現在稼行中の炭鉱に出ている坑内骨格構造整備拡充事業費補助金や鉱山保安確保事業費補助金など、炭鉱存続のためのわずかな補助金もなくなります。石炭技術移転五カ年計画の研修施設として五年間は存続させることになっている池島炭鉱や太平洋炭鉱も、それ以降は市場原理に任せることになっており、このままでは主要炭鉱が全山閉山することにもなりかねず、我が国のエネルギーの自主的供給基盤を一層脆弱にするおそれがあるからです。 反対する理由の第二は、四十年近い産炭地域振興対策にもかかわらず、依然として産炭地域の地域経済や社会の疲弊は回復しておりません。それは質問の中でも明らかにしたとおりです。五年間の激変緩和措置をとるといっても、その後については全くの保障がありません。政府は、政策変更による地域経済に対する影響については最後まで責任を持って対策を講じるべきです。 さらに、雇用・離職者対策についても、産炭地域の実情を見れば、経過措置をとるだけでは不十分であり、今後なお積極的な雇用確保対策をとることが不可欠です。 以上で反対討論を終わります。
○委員長(成瀬守重君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 円より子君から発言を求められておりますので、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま可決されました石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 産炭地域振興臨時措置法の失効後の激変緩和措置の対象とする市町村については、地域経済、地方公共団体の財政及び過疎等の状況を総合的に勘案して、指定すること。 また、産炭地の地方公共団体への公共事業の優先的実施に配慮するほか、財政支援の継続を図ること。 二 炭鉱離職者の雇用対策については、今後の石炭鉱業の合理化及び関係地域の雇用状況等を考慮し、法廃止後も含め、なお十全な対策を講ずるとともに、産炭地域開発就労事業における就労者の自立促進、同事業の終了に伴う激変緩和措置について万全の対策を講ずること。 三 累積鉱害の完全解消を図るため、鉱害関係機関等とのより一層の連携、協力により復旧を強力に進めること。また、浅所陥没等の処理のため、速やかに指定法人の指定と同法人への財政支援を行うこと。 四 炭鉱技術移転五ヶ年計画の実施に当たっては、国内稼行二炭鉱が技術研修現場となることから、同炭鉱が保安施設等を十分に整備できるよう配慮すること。 五 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)鉱害本部職員の処遇等雇用対策については、NEDO本部への配置転換を含め、職員の意向を可能な限り尊重し、対応すること。 六 石炭の多角的かつ総合的な利用を促進するため、環境と調和した石炭エネルギー利用技術等の積極的な開発・導入に努めること。 七 我が国の石炭鉱業の現状にかんがみ、今回の炭鉱事故については、原因の徹底究明と再発防止策を含め保安体制の整備を図るとともに、操業停止に伴う炭鉱従業員及び中小零細企業対策等に十分配慮すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(成瀬守重君) ただいま円君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、円君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、深谷通商産業大臣及び牧野労働大臣から発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。深谷通商産業大臣。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、今後とも石炭対策の完全なる実施に向けて全力を尽くしてまいる所存でございます。 ありがとうございました。
○委員長(成瀬守重君) 牧野労働大臣。
○国務大臣(牧野隆守君) ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、炭鉱離職者の雇用対策等に努力してまいる所存であります。
○委員長(成瀬守重君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十二分散会