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147回国会参議院2000/03/15

経済・産業委員会 第3号

発言数
170
登壇者
16
会派数
7
開催日
2000/03/15

会議録

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。  昨十四日、予算委員会から、本日三月十五日の一日間、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業総合事業団信用保険部門について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。     ─────────────

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査のため、本日の委員会に政府参考人として通商産業大臣官房調査統計部長吉田高明君、資源エネルギー庁長官河野博文君、同長官官房審議官藤冨正晴君及び建設省建設経済局長風岡典之君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査のため、本日の委員会に参考人として国際協力銀行理事丸川和久君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 次に、通商産業大臣から説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 平成十二年度の通商産業省及び経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。  現下の我が国経済は、各般の政策効果などにより緩やかな改善を続けているものの、設備投資の落ち込み、高水準にある失業率など、民間需要の回復力は依然として弱く、いまだ予断を許さない状況にあります。  このような厳しい状況から脱却し、景気回復の一段の推進を図るため、昨年十一月に経済新生対策を取りまとめるなど、目下さまざまな措置が講じられているところであります。私といたしましても、我が国の経済を民需主導の本格的な回復軌道に乗せるとともに、経済構造改革を通じて二十一世紀の新たな発展基盤を整備するなど、経済新生に向けた施策に取り組み、新たな千年紀に我が国が大きな飛躍をするための基盤構築に鋭意邁進してまいる所存であります。  このような認識のもと、通商産業省及び経済産業省といたしましては、平成十二年度において、以下の四つの重点項目に沿って全力を挙げて政策の遂行に取り組む所存であります。  第一の柱は、雇用を生み出すフロンティア市場の創造であります。  新たな千年紀を迎えるに当たり、次世代の経済社会を活力あるものとするためには新たな市場の創造が極めて重要であると認識し、先般総理に御指示いただきました情報化、環境対応、高齢化分野を中心としたミレニアムプロジェクトを初め、新規雇用の創出が期待できる重要分野への重点的な取り組みを官民連携により強化してまいります。また、市場創造の原動力となる戦略的な技術開発・普及の促進、技術開発の成果が実用化に迅速につながるよう技術革新環境の整備等も強力に実施いたします。  第二の柱は、創業・ベンチャー支援に向けた中小企業政策等の新たな展開と地域経済の活性化であります。  中小企業の多様で活力ある成長発展を図ることは、二十一世紀に向けた我が国経済の新生にとって極めて重要な課題であります。昨年の臨時国会は中小企業国会と位置づけられ、中小企業基本法の改正や関連法律の大幅な見直しを行い、中小企業政策の抜本的な見直し・拡充を図ったところです。今後、創業及びベンチャー企業に対するきめ細かい対応を中小企業政策の柱の一つに据えるとともに、中小企業の多様なニーズに応じてきめ細かな支援を行うための体制の整備を初め、金融対策、技術開発・ものづくりの支援、さらには中心市街地の活性化等を積極的に推進してまいります。  第三の柱は、戦略的な対外通商政策の展開であります。  世界経済の安定化のために、WTOを中核とする国際経済システムの強化等を図ることが重要であります。また、これを補完すべく欧米やアジア等との連携を強化するとともに、アジア経済の構造改革、エネルギー・環境問題に対応した各種支援策の実施、対外通商政策等に関する情報提供・発信機能の強化等を推進してまいります。  第四の柱は、経済・産業の中長期的なリスク、制約への対応であります。  我が国の経済社会や国民生活が安定かつ安心して活動を営むためには、エネルギーの安定供給や環境対策への取り組みが必要不可欠であります。  そのため、需要面では最大限の省エネルギー対策を実施するとともに、供給面では原子力や新エネルギー等の非化石エネルギーの導入に引き続き積極的に取り組んでまいります。特に、原子力政策につきましては、原子力発電施設等における安全確保及び防災対策につきましても万全の措置を講ずる所存であり、さらに高レベル放射性廃棄物対策につきましても処分実施の枠組みの制度化等を進めてまいります。  また、地球温暖化問題、廃棄物・リサイクル問題、環境ホルモン・ダイオキシン類問題等を克服するため、技術開発を積極的に推進するとともに、新たな経済発展の原動力となる循環型経済システムの構築に努めてまいります。  以上申し上げました平成十二年度通商産業政策を実施していくため、一般会計では、通商産業省所管六千二十七億円、経済産業省所管三千二百十億円、通商産業省所管及び経済産業省所管の総額は九千二百三十七億円を計上しております。  また、特別会計については、石炭並びに石油及びエネルギー需給高度化対策特別会計七千四百二十一億円、電源開発促進対策特別会計四千六百八十億円を初め、五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。  さらに、財政投融資計画につきましても、フロンティア市場の創造や創業・ベンチャー支援等、所要の措置を講じております。  平成十二年度通商産業省及び経済産業省関係予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 次に、経済企画庁長官から説明を聴取いたします。堺屋経済企画庁長官。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 平成十二年度の経済企画庁関係予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げます。  平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、経済企画庁に計上いたしました予算額は百三十八億二千二百万円でありまして、新体制移行後は内閣府等所管の予算として所要の予算額を計上しております。  以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、経済のしっかりした回復軌道への復帰のために必要な経費として五億七千四百万円を計上しております。  その内訳の主なものは、従来四半期ごとに実施している消費動向調査の月次化や、全国のモニターを活用した地域景況の早期把握調査、あるいは情報通信技術利用による新たな調査手法の開発など、景気動向の的確かつ早期の把握と迅速な情報提供のために必要な経費であります。  第二に、経済社会のあるべき姿の実現を目指す取り組みに必要な経費として十一億二千六百万円を計上しております。  その内訳の主なものは、一つには、昨年閣議決定されました「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の着実な実施の促進や、構造改革の影響の多面的調査分析、あるいは民間資金等活用事業いわゆるPFIの推進など、制度・構造改革の推進を図るために必要な経費であります。もう一つには、今国会に提出いたしました消費者契約法の普及啓発を初めとする消費者契約適正化事業や、二〇〇一年のボランティア国際年関係事業など豊かで安心できる国民生活のために必要な経費であります。  第三に、政策形成能力の強化に向けた知的基盤の整備のために必要な経費として十八億六千五百万円を計上しております。  この内訳の主なものは、ミレニアムプロジェクトである二十一世紀型経済社会システムの総合研究や、来年一月から発足する経済財政諮問会議の円滑な調査審議のための活動基盤の整備などに必要な経費であります。  また、国際協力銀行の平成十二年度の事業規模は二兆七千四百九十億円を予定しており、このための資金として、一般会計において出資金三千六十三億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画においても資金運用部資金等からの借入金一兆八千三百九十一億円が予定されております。  以上、平成十二年度における経済企画庁関係予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。  よろしくお願いいたします。

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長。

根來泰周公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(根來泰周君) 平成十二年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。  公正取引委員会の予算額は、総理府所管分四十七億四千八百万円、総務省所管分十一億五千四百万円の計五十九億二百万円となっております。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として、総理府所管分四十六億二千五百万円、総務省所管分十一億四千百万円の計五十七億六千六百万円を計上しております。  これは、違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策を講ずるための経費など、独占禁止法を厳正に運用し、法運用の透明性を確保するとともに、規制緩和の推進及び規制緩和後の市場の公正な競争秩序の確保を図ることにより、競争政策を積極的に展開するための経費であります。この中には、違反事件の処理を担当する部門を中心とした増員のための経費が含まれております。  第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として、総理府所管分五千万円、総務省所管分六百万円の計五千六百万円を計上しております。  これは、下請法の厳正な運用と啓発普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。  第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として、総理府所管分七千三百万円、総務省所管分七百万円の計八千万円を計上しております。  これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持促進することにより、消費者利益の保護を図るための経費であります。  以上、平成十二年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 おはようございます。  ただいま堺屋長官は、景気動向の的確な把握が重要であるとおっしゃいました。全く同感でございます。  先日、四半期別国民所得統計、いわゆるQEでありますけれども、十―十二月期が発表になりまして、昨日も長官からいろいろお話がございました。それで、本日は一点に絞りまして、民間最終消費の的確な把握、この一点に絞って質問させていただきたいと思います。  昨日までの御説明によりますと、十―十二月期ではGDPの前期比が一・四%マイナスになっている。その中の大きな原因として、GDPの六〇%を占める民間最終消費、前に個人消費と言っていたものですが、これが前期比で一・六%マイナスになったのが大きい。Y2K問題であるとか、あるいはボーナスがさえなかった、こういったことを反映しているんだろうと。しかし、消費には力強さも感じられるし、何よりも設備投資が久しぶりにプラスになったというのが大きいということで、企業収益も改善に向かっているということで、個人消費もこれからよくなるんじゃないかといったような御趣旨だったかと思います。  ところで、きょうここへ来る前に日本経済新聞の朝刊を見ましたところ、おもしろい記事が載っておりました。ごらんになったかと思いますが、家計調査、家計消費調査と単身者の違いでございます。よく統計でとられているのは、私もよく読むのは総理府統計局で出している家計調査でありますけれども、これは全世帯とか勤労世帯とかあるわけです。全世帯というのは、平均を見てみて驚くんですけれども、世帯主が五十二・二歳という世帯がイメージされている。勤労世帯というのはどのくらいかというと四十六・二歳、これは世帯主がそれであります。平均世帯数が二・何人とか三・何人、いわば昔のサザエさんのような家庭をイメージしているわけであります。こういう方々の消費動向というのは非常に慎重であり、マイナスになっているというのが実態であります。  ところが、最近ふえているのが単身者であります。サザエさんに対してこちらは、ごらんになっているかどうかわかりませんけれども、「ビューティフルライフ」のキムタクみたいな感じでありまして、一人で住んでいて格好よくてあちこちでぱっぱっと買う。買う先はディスカウントショップとか、こんなような人であります。現代風な若者の姿のかなりの部分がこういうところにもあらわれているのではないかと思います。  私の問題意識というのは、こういう単身者の世帯の消費をどのようにとらえておられるのか。これは非常に大事なことだと思うんですけれども、この辺いかがでしょうか。きょうの日経新聞によると、九九年で見ると、家計調査では、つまりサザエさんとかマスオさんのいる家庭では家計消費は一・二%減っているけれども、キムタクのようなところではプラス三%になっているということなんです。  こういうところを見ていくと、個人消費は統計上はマイナスになっているけれども、やや個人消費の実態と統計上とは乖離があるんじゃないかという、そういう問題意識の質問でございますが、御所感がありましたら教えていただきたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 委員御指摘のように、十―十二月のQEはマイナス一・四%、その中で消費支出は実質マイナス一・六%ということになりました。この出し方は外国と違いまして、日本では需要側は、特に消費は家計調査というものを総理府で行っていただいておりまして、これは大変細かい調査でございまして家計簿をそのまま書いてもらうというような調査なのでございますけれども、そういうものをもとにいたしまして、それにあらわれにくいといいますか、逆に言えばとりやすい自動車の修正、それから医療関係の修正、それから帰属家賃と申します持ち家の人の家賃も収入にするわけでございまして、これが入ってこない、そういうところも修正してやっております。  現在とっておりますのは、委員御指摘のようにサザエさん型の家庭、二人以上家庭というものでございます。ひとり者の家庭というのは今までとっておりませんでしたが、総理府の方で、つい最近でございますが、平成十一年の速報値を出していただきました。  それで見ますと、単身者世帯というのは、二人以上世帯と異なりまして、十一年に入りまして一―六月、七―十二月と大変好調に推移している。このグラフで見ましても水面の上に出ているような形でございまして、一方、二人以上家庭が水面下にあるのと非常に大きな開きをなしています。  それを年齢別にもいろいろと調べておりますが、それで見ましても、若い人だけではなしに、中高年の単身者、こういった方々の支出も結構多いということがわかってまいりました。これをできるだけ早い機会にGDP統計にも反映させたいと思っております。  しかし実際、統計の現場というのは大変難しいものでございまして、家計調査のような相当記入に手間のかかるものをわずかな報酬でやってくれる人を毎年、六カ月でかわるようにしていくわけでございますが、探すのはなかなか大変で現場の方は御苦労をいただいております。私たちも、統計の早期化と的確な把握ということで、景気ウオッチャーその他いろんなことを通じて早く的確に掌握したいと努力しております。  委員御指摘のように、単身者世帯を考えればあるいはこの統計は少し修正される部分もあるのかなという気はしております。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  私は単身者がいいとか悪いとか決してそんなことは思ってもおりませんし、決して口にも出さないつもりでございます。いろんな御事情でしばらく一人でいたい、親元を離れたけれども結婚しないで一人でいたいという方もいらっしゃるし、御家庭の事情でたまたま勤労世帯だったのが単身世帯、二つに分かれたということだって世の中あり得るわけでございます。それから、高齢者の方とかいろんな単身者がおられますので、そういうことの価値判断じゃなくて、現実の世の中で単身者の方が大きな経済の主体になってきている、かつて我々が想像していたような統計の前提と変わってきたということをぜひ申し上げたいわけであります。今の長官の御回答を伺うと、まさにそういう御認識だと思います。  私は、統計が不備だとかいうんじゃなくて、統計はつくった瞬間から古くなる、法律と同じで。一番新しい知見を入れてつくった統計は、世の中が先に進むので翌日から遅くなるのは決して無理ではないので。  ですから私の提案は、例えば単身者を若干お小遣い程度のことを差し上げて丹念に定点観測でもしていただいてウオッチしていく、それを加重平均して統計に織り込む。それでも無理ならば、例えば景気ウオッチャーの一環として景況判断に加味していただくというようなことは当然できると思います。私の考えでは、何か加重平均すればいいのかな、出てくるのかなと思うんです。勤労世帯とかほかの世帯に加えて単身世帯を加重平均で加えるというのは一つの方法かと思いますが、こればかりこだわっても仕方がないので、ぜひ景況判断に少なくとも加えていただくことをお願いして、次に景気ウオッチャーの話に移りたいと思います。  これもきょうの日経、きょうの日経は何かこの質問に合わせていろいろ出してくださったみたいですけれども、今大臣がまさにおっしゃった景気ウオッチャーはとてもいいアイデアだということを日経の「春秋」という欄でけさ取り上げておりました。タクシーのドライバーとかコンビニの店長とか求人雑誌のスタッフに聞いて、まさにその人たちの皮膚感覚を統計に加味していくんだという、堺屋長官のアイデアだと思うんですが、これは非常にいいことだと書いてありましたので、これで伺いたいと思うんです。  予算委員会でも長官ちょっとお触れになっていたかと思いますけれども、私はこれはもうぜひとも過去の分析だけではなくて、先行きの、二、三カ月先どうなるのかといった点でこのウオッチャーの認識というのは非常に大事だと思うのでございます。過去三カ月間の実態に対してこれから三カ月先はよくなると思っているかどうか、そういったようなデータがもしお手元にありましたらで結構ですけれども、マクロの大ざっぱなデータで結構でございます、よくなりそうな感じかどうか、わかりましたら景気ウオッチャーについて教えていただければと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) この景気ウオッチャーの制度は昨年末に始めまして、ことし一月の下旬に最初の調査をいたしました。そのときは北海道、東北、東海、近畿、九州の五地域各百人で五百人でございました。  これで見ますと、現在、一月末現在が、三カ月前、だから十一月ということになりますが、それに比べてよくなったか悪くなったかというのがまず第一の質問です。これで悪くなったという人が〇点でございまして、やや悪くなったという人が〇・二五、それから変わらないが〇・五、そしてややよくなったが〇・七五、よくなったという人が一・〇。だから全部百人足しますと、五十点になりますと中立ということで、その調査をいたしますとマイナスでございまして、四十三から四十六というようなところに集まりました。地域によって業種によって違いまして、業種で見ますと、雇用関係をやっておられる人材派遣であるとか求人関係をやっておられる方々は割といい数字、そして悪いのは小売あるいは飲食店などが低い数字でございました。  そしてもう一つ、三カ月後にどうなるかということを聞いたところ、これは五〇%を超える人々が、五十点を超えるような成績が出ておりまして、よくなるという人の方が強かったんです。  第二回目はあしたあたり大体発表予定でございますが、これに関東を加えた六地域になっておりまして、六百人の景気ウオッチャーにしていただくことになっております。これはあしたまとまるわけでございますけれども、前よりはやや改善しているという印象が届いておりますので、足してみると数字がわかるわけでございますが、今鋭意その作業中でございますので、将来見通し、現状ともややよくなっているというような報告を受けております。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  ぜひこれは続けてこういう機会にまた伺いたいと思っております。  民間最終消費の指標をいろいろとっていらっしゃるわけですけれども、かつて百貨店売り上げとかいうのがメーンだったんですが、百貨店よりもスーパーだということでスーパーが加わり、さらにはコンビニが加わってきたわけです。  私ちょっと最近のを拝見していて、またキムタクに戻って済みませんけれども、スーパー、コンビニでも買っているようですけれども、最近は例えば百円ショップとかディスカウントショップで買っている若者、単身者を随分見かけるわけでございますが、こういったものについては何か調べていらっしゃるものがおありでしょうか。そういうところから、統計上出ている民間最終消費よりもやや実勢が強いと言えるようなことがもしありましたら聞かせていただきたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 私どもの方で把握しておりますしっかりした統計というのは、消費に関して申しますと、百貨店、それからチェーンストア、これはスーパーマーケットでございます、それからコンビニエンスストア、それから自動車の新車登録台数、それから家電の販売、あるいは旅行、これは主要大手旅行店の実績や契約、そういうようなものを把握しておりまして、約千三十三ぐらいの統計を毎月とりまして景気判断の指標、参考にしておるわけでございます。  これも把握率という、どれだけの同種の業界でとられるかという、その差はありますが、百貨店やチェーンストアは非常に率が高い、コンビニエンスストアもほとんど把握しております。家電量販店になりますとある程度これも大体、協会に入っているところは全部入っておりますが、そういうような関係になってまいりまして、このディスカウントストアあるいは百円ストアとか最近の新しい業界というのは、聞き込み調査などはやっておりますけれども、把握率が余り高くございません。そういう意味で、参考にはなりますけれども、必ずしも統計に入らない。  ずっとこのところ、去年あるいはおととしぐらいから続いておりますのは、百貨店、量販店が苦戦をしている、それに比べてコンビニエンスストアは物すごい勢いで店舗数がふえておりまして、一店当たりでは必ずしも伸びてはいないんですが、全体としては大変な量になってきている。それから、家電量販店なんかもかなりふえておりまして、これもまたカメラを売っているところが家電を売り出したとか、家電といっても今やパソコンが中心だとか、いろんな複雑な要素がございますが、そういったものを加味いたしますと、割合比較的早くまた信頼性を持って見られております百貨店、チェーンストアの低迷に比べて実態はもう少しいいんじゃないかなということは把握しております。できるだけそういう多くのところも見るようにしておりまして、統計的とは言えないまでも、聞き込み調査、参考資料等では非常に努力しているつもりでございます。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 長官、ありがとうございました。  これからもそういうきめの細かな皮膚感覚のものも加えながら、在来の統計を補完して景況判断をぜひお願いしたいと思っております。ありがとうございました。  残った時間、エネルギー政策について伺いたいと思います。今回の予算案の背景となっている、根本をなしているエネルギー政策の考え方について一、二伺いたいと思います。  きのうの同僚議員からの質疑に関連しまして、エネルギー政策の基本は三つあるように大臣はおっしゃったように思います。一つはエネルギーの安全保障、それからまた環境適合性、さらには効率性、長期経済性といいますかそういうコストの話、三つをベースにして進めていくんだと。全く賛成でございます。  まず、きょうはセキュリティーについて伺ってみたいと思います。  私は、エネルギーのセキュリティー、安全保障といったときの一つの基準となる数字があると思います。それは、一次エネルギー全部の中でどのぐらい政情の不安なペルシャ湾岸の石油に依存しているのか、つまり一次エネルギー全体分のペルシャ湾岸からの輸入石油という比率でございます。こういったことについて恐らく通産省としても分析していらっしゃると思いますけれども、指標があったら教えていただきたいと思います。

河野博文資源エネルギー庁長官

○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘の一次エネルギーに占めるペルシャ湾岸依存度ということでございますが、これは、一次エネルギーの石油依存度、それから石油の輸入依存度、さらに輸入石油のペルシャ湾岸依存度、これを掛け合わせますと出てくるわけでございます。  比較として米国との関係を御紹介いたしますと、まず、一次エネルギーに占める石油の割合は、日本が五二・七%、米国が三九・五%でございます。ちなみに、ここで石油の中には原油と石油製品双方を含んでおります。  それから次に、石油の輸入依存度でございますが、日本は御承知のとおり九九・七%、米国は五三・六%でございます。  最後に、輸入石油のペルシャ湾岸依存度でございますが、日本は七五・二%、米国は二〇・一%でございまして、これらを掛け合わせますと、一九九八年時点で日本が三九・五%ペルシャ湾岸依存、米国が四・三%依存ということになります。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  今の数字は非常に大事な数字なので、エネルギー政策をやる場合の前提として、アメリカはペルシャ湾には四%しか依存していない、反面日本はその十倍の四〇%を依存しているということだと思います。四〇%という数字は、アメリカに比べて十倍という重みがあります。  同時に、四〇%というのをちょっと振り返ってみますと、第一次石油危機のときは同じ数字、私、何となく記憶しておりますけれども、たしか五〇%だったと思います。ですから、日本は五〇%から四〇%へペルシャ湾岸依存度を引き下げた。ペルシャ湾への石油輸入自体の依存度は変わっていないし、石油の輸入依存度も変わっていないわけですから、変わったのは、日本が成功したのは、最初にあった一次エネルギー分の石油というのを下げたことがきいていると思うんです。  これを下げたものは何であったのか。省エネルギーを真剣にやってきた。これに加えて、天然ガス、LNGへの転換、さらには原子力を推進してきたといったことがあったと思うのでございますが、こういったことをやってきた中で、日本のエネルギー政策はどういうところで効果があったのか、いわば四〇%という数字をどう読むか、所感がございましたら大臣から伺えたらと思います。

河野博文資源エネルギー庁長官

○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘のように、かつてオイルショック前後にエネルギーの中の石油依存度が非常に高い七十数%という状態から現在五二%余りまで低減しているわけでございまして、その背景には御指摘のような原子力発電の普及等々の要因があるわけでございます。こうした石油への依存度の低下が全体としてペルシャ湾岸依存度の低減につながっているということはございます。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  昨日の議論をいろいろ伺っておりまして感じたことなんですが、今のような長官の答弁、私は的確だと思いますが、そういったことを背景としつつも、やはり私はさまざまなエネルギーについての的確な評価といいますか位置づけが大事だろうと思います。中には、原子力しかないとか原子力以外のエネルギーはだめだといったような意見は、私は賛成ではありません。原子力の果たすべき役割、それから私は、自然エネルギーは、再三申し上げておりますように、この二十数年間私も新エネルギーのファンといいますか推進をしてきたつもりでございます。省エネルギーは私のライフワークでもございます。省エネルギー、新エネルギー、化石エネルギーはだめじゃなくて、これのクリーンで効率的な利用、そして欠かせない原子力、これらがまさにチームワークを組んでやっていくところが大事だろうと思っているわけでございます。  やっぱり、思い入れも大事なんですけれども、冷静な議論も必要だと思います。冷静な議論の一つとして量ということもあると思います。そこで、風力や太陽光は非常に理想的なエネルギーであってこれを推進すべきだという意見、私はこの理想的で推進したいという立場については理解をし、また賛成でございます。けれども、一つだけ冷静に量はどのくらいかということをやっぱり頭に絶えず置いておかなきゃいけない。  現在は非常に小さなウエートだというのはだれもが認めるんですが、これから先、例えば二〇一〇年という一つのターゲットを見て、現在ある長期エネルギー需給見通し、今回また見直すというお話がありましたけれども、見直し作業はこれからでしょうから、少なくとも現在ある長期見通しの中で最も政策を加速したケース、つまり新エネルギーを促進したケース、省エネルギーを促進したケースにおける新エネのウエート、特に風力、太陽光のウエートは何%になっているでしょうか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○政府参考人(河野博文君) 先般来大臣が申し上げておりますように、現行の長期エネルギー需給見通しにつきましては、先生御指摘のとおり、これから検討に着手するということでございますので、現行の二〇一〇年度に向けての需給見通しで申し上げます。  いわゆる新エネルギーの導入目標は、原油換算で千九百十万キロリットル、一次エネルギー供給全体の三・一%でございます。ただし、これは御案内のように太陽光発電ですとか風力発電ですとかあるいは廃棄物発電等々を含んでいる数字でございます。  その中で、太陽光発電につきましては、設備容量ベースで目標策定時の約九十倍というものを目指しておりますので、五百万キロワットが目標でございますけれども、これは二〇一〇年におきます発電量ベースで依存度を換算いたしますと一次エネルギー全体の中の〇・二%に相当する数字でございます。  それから、風力発電につきましては、設備容量ベースで三十万キロワット、発電量ベースで一次エネルギー供給の約〇・〇二%というのが目標値ということでございます。  こういった点を含めまして、今般のエネルギー政策全体の検討におきましては、長期エネルギー需給見通しにおける新エネルギー導入目標についても検討を加えるということでございます。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  私、太陽光を九十倍に拡大するというのは大変意欲的な目標であったと思うし、これは非常に実現が大変だとは思いますけれども、ぜひ実現していきたいなと思っているわけでございます。ただ、その場合に、五百万キロワット本当にできるのかどうかわかりませんが、仮にできたとしても〇・二%だというのもまた我々頭にちょっと置いて議論したいなと思っています。  それから風力ですけれども、今のお話、三十万キロワットというのは私は少ないと思います。この十年ぐらいの間に風力はかなり私はコストダウンができてきていると思いますし、それから環境調査もかなり進んでおります。私は風力はもっともっと進むんではないかと思っておりますが、仮に三十万キロワットを思い切ってその十倍の三百万キロワットとした場合にどのくらいのウエートになるかというと、それでもやはり〇・〇二%が〇・二%程度になる、ほかのも動くかもしれませんが。  ということであるので、数十%を占めるとかというものでは到底ないということもまた事実なので、遠い将来は別にして、少なくとも十年とか十五年といった我々が目前に控えている、今、手を打たなければならないエネルギー政策を考える場合には、こういった量の要素も一つ頭に置きながらやっていかなければいけないのかなと思っているわけでございます。  続いて伺いたいと思うんですけれども、ライフサイクルアセスメントというのがあります。よく議論するのは、原子力はCO2を出さないというんですけれども、私は違うと思います。運転段階では確かに出さないけれども、燃料をつくる段階、加工する段階、廃棄する段階でエネルギーを使いますから、原子力はCO2を出す、温室効果ガスを出すと思います。同じようにして、太陽光だって風力だって、幾らクリーンとはいえ、運転しているときはクリーンですけれども、架台をつくったりシリコンをつくったり、これは当然のことながらエネルギーを使いますから、ライフサイクルで見て温室効果ガスがどのくらい出るのかというのが公平な数字だと思います。やっぱり議論するときにはこういったことを前提にした方がいいかと思いますが。  たしか電力中央研究所で発表した数字があったかと思いますが、もしお手元にあればで結構ですが、あったら、大ざっぱで結構ですから、化石燃料とそれから風力、太陽光、原子力、水力などとの比較があったら教えてください。

藤冨正晴資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府参考人(藤冨正晴君) 御説明いたします。  御指摘のライフサイクルアセスメントによる比較は、財団法人電力中央研究所が平成八年に行った研究において分析されております。  発電所の寿命を三十年として、資源の採掘や発電所の建設からこれらの廃棄に至るまでの間の二酸化炭素をこの期間の発電量で割った値として比較されております。  この試算では、発電電力量一キロワット時当たりの二酸化炭素排出量における炭素量が、火力では微粉炭火力で二百七十グラム、石油火力で二百グラム、液化天然ガス複合発電で百三十九グラムでございます。  新エネルギーにつきましては、今後の技術進歩をも考慮して、風力発電で九・五グラム、太陽光発電で八グラム、なお水力については四・八グラムでございます。  御指摘の原子力につきましては、軽水炉発電所で五・七グラム、プルサーマルを利用して五・三グラムになるものと見込まれております。  以上でございます。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  きょうはこのコメントは抜きますけれども、いずれにしても、こういったことも頭に置きながら議論をしたいなと思っております。  最後になりますけれども、今までいろいろ議論がなされてまいりました自然エネルギーと原子力でありますが、私は原子力も自然エネルギーもそれぞれ推進すべきだという考えでございます。ただし、余り無理をしてやっちゃいけないんじゃないかなと思っております。  自然エネルギー、これまでも国は例えば太陽光ですと三分の一補助するということをやってきました。私は、これは揺籃期としては当然の措置であるし、賛成でございます。それから、電力会社が非常に高い単価、二十四円というような単価で太陽光の余ったものを家庭から買い取る、これは私は経済原則からいったら反対なんですけれども、揺籃期の太陽光を育てようというその気持ちは私は買えると思います。同じようにして風力についても十一・七円ぐらいですか平均で、それぐらいのかなり高い単価で買ってきております。こういうことは本来私は市場原理に徹すべき、自由化に徹すべき業界においてちょっと不思議な気がしますけれども、揺籃期の自然エネルギーに対するエールだというふうに理解をします。  けれども、揺籃期を脱して市場に出てきていよいよ真っ向勝負というときには、この補助はなくていい、してはいけないと思っております。同時に、自然エネルギーを電力会社に買い取らせるというようなことがもしあるとすれば、私は、自発的に買うのは結構ですけれども、あるいは相対で買うのはいいけれども、義務化をする、法律で義務づけるというのはとんでもないことであって、自由化を進めていく中において新しい統制を生むというようなことは間違っていると思いますし、またコストアップを招くので断固反対したいと思っておりますが、こういったことも含めて、大臣、何か所見がございましたら教えていただきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 加納委員、専門家としてのお立場からいろんな御報告も含めた御意見を傾聴に値するとお伺いしておりました。  自然エネルギーを思い切って伸ばしていくということは大変重要なことでありまして、最近では、今まで言われているもののほかにメタンハイドレートだとかジメチルエーテルだとか新しい提案が石特委等でも出されておりまして、しかもそれらが実験にやや成功しているという、そんな報告もあります。私どもはぜひ近くそれらの現場も視察したいと思いますし、実態も見たいと思っていますが、いずれにしても、そういう新しいエネルギーを開発する際に、例えばただいまお話があったような電力会社等において買い取りという話が当然出てまいります。それは、最初のころの時代としてはみんなで協力しなきゃならないという背景があるからでございます。しかし、それを強制的なあるいは義務化した、そこまで持っていくことはいかがかという御意見については、私も同じように慎重論であります。

加納時男自由民主党・自由国民会議

○加納時男君 ありがとうございました。  いずれにしても、昨日来大臣からるるお話ございましたエネルギー政策の基本、セキュリティーと環境適合性とそして経済合理性、これをぜひ私はエネルギー政策の基本として推進いただくことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 民主党・新緑風会の今泉でございます。  きょうの日程の質問、急だったものですから十分な質問通告を整理して通知できなかった点、まずお断り申し上げておきたいと思います。  まず最初に堺屋長官の方にお尋ねしたいと思うんですが、昨年の暮れに出されました政府の経済見通しを中心として質問をさせていただきたいと思います。  さきに発表になりました十―十二月期の我が国の経済成長がマイナスの一・四%になったということは各同僚の議員が何回もお話をされているとおりでございますが、この経済動向をちょっとこう見回してみますと、特に最近の経済の動きの中で目立ったことは、順調な経済成長をしていたころに比べましていわゆる名目と実質の逆転現象が明らかに出て続いているわけですね。この名目と実質の逆転現象について長官はどのように考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 名目と実質の逆転というのは、一言で言ってGDPデフレーターがマイナスになっておる、つまり物価が下がっているということでございます。物価の中でも卸売物価の方が大きく下がっておりまして、消費者物価は今までめったに下がらなかったのでございますけれども、このところ前年に比べて〇・三%ないし〇・四%というはっきりした値下がりになってまいりました。  この原因でございますけれども、一つはやはり経済が十分な立ち直りを示していないということで価格が下がっているということがございます。もう一つは、昨年にはかなりの円高が進捗いたしまして輸入物価が下がった。後半になりまして石油価格が上昇してそれを幾分埋めたところもございますが、この石油製品にいたしましても自由化、規制緩和が進みましてガソリンスタンドの競争が激しくなったというようなところで末端価格はそれほど、国際価格の値上がりほど変化していない、そういうようなことがいろいろと関係していると思います。  それと、二番目の問題といたしまして消費者の選択、これは法人も個人もでございますが、消費者の選択がかなり厳しい目になってきた。いわゆる衝動買いとかあるいはブランド志向とかいうものが緩みまして、やはり安いものを買うという傾向が強くなってまいりました。今、加納議員からも御質問がありましたように、例えばコンビニエンスストアとかディスカウントストアとか、そういうところを選んで買う人が多いものですから、これがやはり価格の引き下げ要因に働いているんではないだろうか、そういうようなこともございます。  そんなことが重なり合って、やはり景気がまだ厳しい状態であることが一つの基本、それから国際関係が二つ目の基本、そういうことが重なってこのGDPデフレーターに反映される物価、これは卸売と小売とさまざまなものをちょっとミックスしたような数字でございますが、それがかなり下がっているということがこの名目と実質の差になっているんだろうと思います。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 次に、昨年の十―十二月期の我が国の経済成長が大きく落ち込んだけれども、経済企画庁長官は事あるごとにたまたまこれは昨年暮れのボーナスの落ち込みによって生じた現象であって、一―三月期には相当な回復があるという期待をしている、したがって政府が経済見通しに出しましたように〇・六%の実質経済成長は実現できるというようなことをよく発表されておりますが、その考え方は今でも変わりませんか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 全く変わっておりません。  私どもの経済見通しは一昨年の暮れに〇・五%の成長と、こう申し上げたんです。そのとき民間機関あるいは国際機関ではほとんどマイナスでございまして、プラスと言ったところはもうほんのわずか、一機関が〇・二プラスと言ったことがあったぐらいで、皆さんマイナスでございまして、経済企画庁だけが強気だと言われたのでございますけれども、その後、一―三月、四―六月の数字が出ますと民間機関や国際機関の方では一%以上の成長に手直しをされました。次いで、今度七―九月が出ましたときにまた民間機関の修正がございました。そのときで見ますと、四十七機関の平均値が〇・七%の成長と。私どもはやはり十―十二月の落ち込みを予想しておりましたので、民間が高く上げたときも〇・五ないし〇・六%という数字をずっと続けておりました。  今、民間機関の申しているのと大体平均値が近いところにあるんじゃないかと思いますが、私はこの十―十二月の一・四というマイナスの数字を見まして、大体予想どおり、予想の範囲内と感じました。そして、その後の一―三月の今まで出ております統計、これは一月と二月がちょっとでございますけれども、そういう状況あるいは先ほどの景気ウオッチャーの話などを総合いたしますと、大体〇・六%はいけるんじゃないかなという感じがしております。もっとも、コンマ以下のところで幾らか、どういう差が出るか、それは余り正確に予測するのは難しいのでございますが、大体〇・六%近傍というところは達成できると感じております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 大変希望のある数字をいただいて、これは国民にとってありがたいことなんですが、重ねてお聞きしておきたいと思うんです。  マイナス一・四%落ち込み、これを一―三月期に相当な回復をして、予測の〇・六%に達するためにはある程度の急激な回復が必要なことは言うまでもないことだと思うんです。機関によっては、これは厳密に計算すればすぐ出てくるんでしょうけれども、年率にして七%ぐらいの瞬間風速が吹かなければこの〇・六%というのは実現不可能な数字です。大変強気のような私ども気がするんですが、これは間違いございませんか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 平成十一年度の年率で〇・六%を達成するために一―三月で二・〇%。だから、一年に直しますとこれの約四倍になります。大体それぐらいの数字になるんですが、前期、前々期が特殊、一時事情で落ち込んでおりますから、その特殊事情の落ち込みだけを回復するだけでもかなり戻ってくる。そういうことと、近ごろになりましての景気動向等を合わせますと〇・六%近傍はいけるんじゃないかと思っております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 今言われたように、前期比二%、年率にして約八%ぐらいの瞬間風速が吹かなきゃならない。このことによって仮に〇・六%の数値が実現できたとすると、次に出てくる平成十二年度の予測値、これに対して大体げたはどのくらい履くことになるんですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 一―三月が出ないとわからないんですけれども、仮に一―三月が予定どおりといいますか予測どおり二・〇ぐらいの数字が出たといたしましても、ちょうどこう上がって下がって真ん中になりますので、げたは余りございません。その形でございますとプラスマイナスほとんどないような非常に小さいげたになります。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 わかりました。  政府としましては、げたのないような状況で十二年度の実質経済成長率を一%、こういうふうに見ていらっしゃるわけですね。これは平成十一年度の実績が仮に〇・六%というふうな数字になっても、ことしよりやや景気が上向くな、こういう数字だろうというふうに考えますが、堺屋長官はこの一%を実現するための中心的な牽引車というのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 私どもの見方で言いますと、まずやはり民間設備投資、これがずっとマイナスで来ました。それがこの十二年度にはプラスの一・四%ぐらいになるんじゃないか、こう考えております。既に、機械受注あるいは建設受注額など民間の需要が出てまいりましたし、十―十二月でもこれがかなり大きなプラスになりました。したがって、IT技術を中心に新しい設備投資が起こってきて新産業が生まれるという期待を特に後半にはかなり強く持っております。  その次は、やはり何といっても寄与率の大きいのは消費でございまして、これが前年に比べて一・〇%ぐらい成長してくれるのじゃないか、こう考えております。  それに加えまして政府の支出、これは以前よりもかなり小さく、〇・五%ぐらいの増加に見ております。そういったものを積み上げまして、こういう一・〇%というような数値を出しております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 確かに、政府の見通しによりますと、新年度は民間設備投資がプラスになるという予測を立てておられます。最近非常に大きな影響を与えるようになってまいりました住宅投資は逆にマイナスというような見通しも立てられております。  こういうふうに考えてみますと、やっぱり中心は消費支出がどのように今後動いていくかというのが大変重要なことではないかと思うわけでありまして、昨年暮れの大幅な落ち込みがボーナスの減少による消費支出の減少であったとするならば、新年度においていわば国民の所得というものがどのぐらいにプラスに転向していくか、こういうところが焦点になると思うんです。  その中で、やっぱり何と申しましても六千万人以上を数える就業労働者の所得がどうなるかということが大きなキーになるのではないかと思うわけであります。確かにボーナスというのも大きな影響あるでしょう。しかし、年間所得に占めるボーナスの割合というのは、全国的に中小零細全部平均してみますと年間所得の二割から二割五分ぐらい、多く見ても二割五分であります。大手でいきますと三割も行っているところもありますが、恐らく二割ぐらいだと思うんです。そうしますと、やっぱり所得の最大の上昇というのは、これは賃金がどれだけ上がるか、あるいはまた時間外収入がどれだけふえるか、こういうことになるわけでございます。  きょう、たまたま日本の代表的な企業の賃上げの集中的な回答が、今もう既に出ているんじゃないかと思うんですが、聞くところによりますと史上最低の賃上げである、こういう状況であります。昨年の賃上げよりも低いという状況でございます。そういう中で恐らくきょう発表される大手企業の回答というのは、ことしの賃上げの中では上限の数値でありましょう。これから日を追うごとに中小零細の企業でも回答が出ていくということになれば、むしろ少しずつ低下をしていくというようなことが考えられますし、ことしの賃上げの状況を私どもの立場で考えてみますと、要求すらできないというところが三割近くもあるわけです、実は。  そういう中で、所得がふえない中で、一体消費支出の期待がどこまで持てるのか、昨年以上に持てるのかということが大変これはポイントになるんじゃないかと思うんですが、企画庁長官の立場から、今次賃金上昇のある程度の予測をしながらこの経済見通しも立てられたのは当然のことだろうと思うわけですが、この史上最低の賃上げというのに関しましてどういうふうにお考えになりますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) その点はこの予測を立てますときにも大変議論いたしました。大体個人消費というものは所得と密接に関係がありまして、消費性向の増減によって、所得以外の要素で動くところがありますが、やはり所得が大きな要素になっております。  それをどう見るかということでございますが、要素は、日本の大半を占めます勤労者家庭に限りますと、まず賃上げ、ボーナスという給与の体系がどうなるかということが第一。それから二番目には雇用の数、あるいは世帯数、そういった数の問題がございます。それから、時間外労働とかそういったものが入ってくる、こういう形になっております。  ことしの春闘でございますけれども、お説のとおり、大部分の企業では非常に低い賃上げ水準でございまして、ベースアップを見ますと極めて低い。ただ、年齢の高齢化というのがございまして、それによる賃金総額の増加というのはあるようでございますけれども、それを除いていわゆるベースアップで見ると低い水準です。これは日本の今の非常にある意味では問題点でございますけれども、ベアをしなくても年齢構成で上がるという問題があるようでございますが、それは別といたしまして、低い水準だろうということは私たちも予測しておりました。  それから、中小企業はこれを下回るということでございますが、もちろんそういうケースも多いでしょうけれども、最近は、中小企業あるいは従業員の少ないところでもベンチャービジネス等で高い賃金を出しているところもございまして、必ずしも中小企業の水準が大企業を、最近は大企業の中にも悪いところが多いものですから、下回るかどうか、そこは一概には言えないところだろうかと思います。  それから、所得につきまして申しますと、現在は求人倍率がふえていると同時に、所定外労働いわゆる時間外手当がかなりふえてまいっております。そういうところから所得の増加も幾らか見込める。一・〇%というのはまさにそういうような数字でございます。十―十二月期を見ましても所定外労働は一・四%、それから一月になりますと三・三%の増加になっておりますので、全体として勤労者所得は少し上向きになるというような見方から、この一・〇という消費の伸びは余り高くはありませんけれどもしっかりとした伸びになるんじゃないか、こういう予測をしたところでございます。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 経済成長の要因に数えられております一つは労働力の数値ですね、それから設備投資がどうなるか、あるいはまた技術革新がどう進むか、この三大要素が非常に大きな経済成長の要因になっているはずでございますが、政府見通しによりますと十二年度は実は減るということを前提にしてこれは計算されているわけですね。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 何がですか。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 労働力でございます。  具体的に申し上げます。  労働力人口が、六千七百八十万が去年でございました、十一年であります。十二年度の見通しを作成するときにはマイナス五万人というふうになっているわけですね。要するに、労働力人口の面からも実はこれはマイナス要因として経済成長の足を引っ張るという形になるわけでございます。  したがいまして、そういう中において失業率を四・五%というふうに定められているんですが、企画庁といたしましては、雇用調整が底打ちをするということは、消費支出がまず底打ちをしてから、過去のデータを調べてみますと、大体失業率が低下をしてくるという流れがあるわけであります。消費支出に関しては新年度は底打ちがなされる、こういう自信を持っておられるわけですね。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 結論からいうと仰せのとおりでございまして、大体消費支出は去年の十二月の落ち込みが一番底だったんじゃないかなというふうに考えております。  ボーナス、賃上げは低かったものの、来年度は所定外労働等が増加いたしまして、それに設備投資が加わって新しい職場も出てくる。職場の中の移動はまだ多いと思います。既にある既存の産業からの流出、そして一方で新産業の受け入れというようなことは起こると思いますが、全体として見ますと、今年度の後半あたりからはかなり設備投資が出てきて、それに伴って雇用も増加し、また所定外労働もふえてくるんじゃないか、そういうぐあいな見方をしております。  したがって、労働人口は五万人減っておりますが、就業者数はむしろ増加するという見方をしております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 かつて私も、橋本内閣のときに、実はあのときの経済企画庁長官に、こんな経済情勢でそんな甘っちょろい見通しを立てて大丈夫なのかということを再三再四質問したことがございました。返ってくる言葉は、桜の咲くころはということばかりでございました。実際上、桜の花が咲いたらかえって悪くなってしまった、こういう実態があるわけですよ。  政府の一体経済対策や経済見通しが信用ならない、こういう受けとめ方をみんなするわけでございまして、企画庁長官は、これは経済成長率などというのがぴったり当たるなんということはまずあり得ないわけでございますが、大勢の趨勢としてそういう方向に向いているということであるならば大いにこれは許容範囲にあるわけでございますが、企画庁長官としては、責任を持って大丈夫だ、責任をとるというぐらいの自信はございますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 私は、一昨年の暮れでしたか、十一年度がプラス成長にならなかったら責任をとりますと申しました。その考えは今も変わりません。十一年度はプラスになるという信念を持っております。  過去の例でございますけれども、高度成長のときには結構いい数字が出ておりました。いい数字ということは、当たりました。企画庁の見通しが民間よりよく当たったんですが、だんだんと状況が変わってまいりました。  その原因、特に今委員御指摘になりました一昨年あたりの状況、これを見ますと、九五年、九六年と大変高い成長をした。数字づらを見ますと、確かにこれで経済が立ち直った、バブル崩壊以来の好景気が来たというような判断がなされたのもわからぬではないのでございますが、その中身といいますか経済的な構造を見ますと、何といってもバブルのあの大きな負債、過剰債務を金融機関もメーカーも各企業が抱えていた。そのことを処理しないままに、たまたま携帯電話が出てくるとか阪神大震災の復興需要が出てくるとか、あるいはコンビニエンスストアの出店が多くなるとか、そういう事情が重なって上がっていたんですね。一方において企業は耐えがたくなってきていましたから、少しよくなるとすぐ従来のバブル崩壊以来の負債を締めなきゃいけない。そこへ銀行の国際基準などがあったものですから、猛烈な勢いで今をチャンスと全員締めた。それに合わせて政府も締めた、財政再建を試みた。  これがどっと重なったものですから悪くなったんですが、今回は、御存じのように金融再生もやりました、それから各企業も相当リストラを進めまして自己資本率なども上昇しております。また、売上高利益率も少し改善してきた。そういうような構造改善がいろんな面で進んでおりますし、また人々の考え方も、雇用の流動性あるいは企業系列の解消、そういったことを受けとめてこういうような状態になっている。その点が二年前の状況と非常に違うところだと思います。  したがって、ことしはプラス成長になる。〇・六がぴたっと当たるかどうかは別として、プラス成長になるのは相当自信を持っております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 大変力強い見解を述べていただきました。  もう一点重ねてお聞きしておきたいんですけれども、失業率がことしは四・五%に減るということでございます。我々が新聞紙上でいろいろ知る、あるいはまた地域にいろいろ行って話を聞く限りにおいては、我が国の産業界においてのリストラというんでしょうね、一般的に言われている企業内の構造改革というものは、必ずしもまだ完了していないような気がするわけであります。結局、今リストラということが何を中心によって行われているかというと、これは一つは需要が大幅に減退をして企業の体質がもたなくなる、あるいは需要の大幅な減退によってコストがかえって割高についてくる、こういうところから何とか企業内の構造転換をしなきゃならないという形で各企業は大変苦労されていると思うわけであります。  この中身をずっと私ども分析してみますと、先ほど企画庁長官が言われましたように、円高によって物は下がってきている。すべての物価というものがどんどん下がっていますですね。例えば材料費も下がっている、金利もゼロに近い。そういう中で結局下がっていないのを見つけるとするならば、それを中心として構造転換をしなきゃならない。下がっていないのは何か、人件費だと。この人件費を何とかしなければ企業は立ち直れないという見方でもって、恐らくリストラ、リストラということが叫ばれていると思うわけであります。  このようなリストラのよしあしはここでは論じません。そういうことが行われていることはこれは現実の姿でございますが、こういう動きがとまってこそ失業率は下がってくると思うわけですが、こういう動きはもう底を打つと、こういう判断でございますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) このリストラの問題でございますが、やはり九〇年代に入ってから既成の重厚長大といいますか重化学工業ではかなり人数を減らしているんです。今に始まったことじゃございませんで、実はずっと鉄鋼とかいうようなところでは減らしてきております。ここへ参りまして、リストラということが社会的に容認されたといいますか、そういうことを証券市場などで発表して許容されるようになった。だから、各企業が従来余り公にしないでやっていたことがぱっと出た、こういう事実が一つございます。  それからもう一つは、やはり我々の年齢の者が大企業だと思っていたところが今は景気が悪い。そこが盛んにやるものですから、ここは何千人、ここは何百人と非常に目立つ、そういうようなこともございます。そして、恐らくまだそういう従来の規格大量生産型のところからはリストラが続くだろう、既に仕上がったところもございますが、まだ続くだろうと思います。  その一方で、今雇用が非常にふえているところ、例えばコンピューターのソフトウエアハウスあるいはデジタルコンテンツなんというようなところは、相当やっぱり会社の数も人数もふえておるんですけれども、余り目立ちません。我々の知らないような新興企業といいますか中小新興企業が多い。そういうところがいろんな企業サービスを受けてふえております。そしてまた、それを取り入れて、例えば今のコンビニエンスストアなんかでも、そういう情報を迅速に出し、またその情報サービスも請け負うという形でふえている。  だから、そういう今、業態の入れかわりで、私たちが注目するような伝統ある有名企業の方でリストラが進んで、他方で新しいものが出てきている。そういう入れかえがかなりあるんだろうと思うんです。そういったことが新聞紙面で見ますとリストラの方が非常に大きく出て、まだまだ続いているんじゃないか、こういった状態が一つあろうかと思います。  十一年度に比べますと十二年度はその点かなり進行しましてリストラの率もやや減ってくるんじゃないかと思いますけれども、完全になくなるとはとても言えない、そういう入れかわり、構造改革がなお続きながら、就業構造の改革も続きながら、全体としては少しよくなるんじゃないかというような見方をしております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 長官が言われるように、既に七〇年代後半から八〇年代にかけまして、製造業の大企業は確かに人減らしをしてまいりました。これは主にいわゆる生産工程におけるところの現場の人たちなんですよ。ですから、もう日本を代表するような大企業である、当時八万人もいた新日鉄であるとか三菱重工は今四万人を切るようなスケールになっていることは事実であります。ところが、今起こっているのは、もう現場はこれ以上スリム化できないという実態になっているわけですから、その上に乗っかるホワイトカラーの部門、管理部門、要するにシステムあるいは新しいソフトウエアに関係するようなホワイトカラー部分がどんどん今リストラの対象になっているわけであります。  ですから、そういう意味での受け皿として、ソフトウエア産業であるとか情報通信関係が受け皿として受けてはいるけれども、リストラ以上にそれがふえているというような状況にはなっていないような気がしてならないんです。それが大変心配なのであります、私どもとしては。  ですから、そういう意味で、四・五というのは果たして大丈夫なのだろうか、楽観過ぎないんだろうか、こういう心配があるんですが、いかがですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 確かに、雇用がうまく乗り移れるかどうか、これは二つの意味で私も心を大変痛めております。  その一つは雇用の数の問題で、委員御指摘のように、中高年のホワイトカラーの方々、これが今リストラといいますか、配置転換といいますか、とにかく職場を失う可能性あるいは期待に沿わない職場に行かなきゃいけない、こういうのが相当出てきております。  そういう方々もやはり従来の大企業の中での生活、職場環境と違ったところでまた新天地を開いていただきたい。これにはかなりの精神的、経済的苦痛が伴うかもしれませんが、やはりこれは時代の変化ということで、終身雇用だけに安住しておられないのはやむを得ないことで、できるだけ能力を再開発して、新しいところで人生を切り開いていただきたいと考えています。  そういう数の問題とそれから質の問題がございまして、こういうコンピューター関係であるとかそういうところはどんどん採りたいけれども、従来やっておられたような対面情報といいますか、会議を開いて情報交換する技術を積み上げてこられたそういう方々がうまくいくかどうか、これも問題でございまして、労働省などでもいろいろと能力再開発のプログラムをつくっておりますし、文部省も生涯教育というようなことを言っておりますが、実際に生きていく中でそんな能力再開発とか生涯教育を受けている暇があるのかというような心配もございます。そういうことも含めまして、中小企業の創業者支援であるとか、人材の流動性であるとか、政府としては総合的な施策をとってこの範囲内におさめたいと思っております。  何とか全力を挙げて雇用の問題、経済というのは行き着くところ人間生活を豊かにすることでありまして、あとのものは中間でございますから、何とかこの雇用の問題、生活の問題は支えていきたい、これに全力を傾注するつもりでございます。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 企画庁長官、ありがとうございました。結構でございます。  次に、通産大臣にお伺いしたいと思います。  大変今我が国の経済状態が悪い中で、幾らか回復の兆しが見えるとはいえ、まだ産業界においても一般の国民の間にも、一体我が国が今後どのような国になるのかわからない、一体どういう形をした国になるんだろうかということを大変心配をしているのではないかと思うわけであります。  私は、こういうときこそ、歴史に逆行するかもしれないけれども、強力なやっぱり産業政策というものが必要ではないかなという気がしてならないわけです。一時、日本の経済が日の出の勢いの時代、通産省が余りにも強力な指導をし過ぎるということで世界からちょっと嫌みをいろいろ言われた時代がございました。規制緩和の流れの中で、どちらかといえば、政府が関与するよりも民間に任せておく、民間の自律的な競争原理の中に置いておくというような見方が大変強くなってきていることは、これは否めない事実だろうと思うわけです。  そういう中で起こりました最近の我が国の企業倒産などを見ていますと、果たしてこれでいいのかなという心配がしてならないわけであります。  例えば、日産自動車がルノーに実質的に吸収合併をされた。こんなことを言ったらフランスに悪いんだけれども、日産とルノーの比較をしてみれば、技術面からいったって実力からいったってもう格段の差があったはずであります。むしろ、日産がルノーを吸収してもおかしくないような企業であったと私は思うのであります。これはもう大変いい買い物をしたと思いますよ、借金を抱えた以外は、これは。そういうことを、ルノーの場合は国策企業ですから、政府の恐らく後ろ盾も内面的にあったんじゃないかと思うんです。私は、これを何か国として放置をしていてよかったんだろうか、通産は何も発言しなかったんだろうか、そういう気持ちがしてならないわけです。  振り返ってみますと、実は自動車産業が我が国で少なくとも世界の端っこに名前を連ね始めたのは昭和四十年代になってからだと思います。昭和四十年に初めて自動車の自由化の第一次が始まったはずでございます。このときに盛んに言われたことは何かというと、日本の自動車産業、当時十一社あったけれども、こんなのひとたまりもないよ、外国の資本に、外国の自動車メーカーにのみ込まれてしまうよということが盛んに言われました。  そのときに、通産行政は盛んに企業の合併を指導されたはずであります。当時起こったのが日産とプリンスの合併とか、その他いろんな自動車メーカーに対して、対外的な競争力をつけるために、こうせいああせいと相当な干渉をしたはずでございます。  そういうものが全く実は今回の日産の例を見てみると我々からすると見えなかったわけであります。こういうことを見てみますと、ますます、日産だけに限らずいろんな企業において、今の日本の実態から見ると、外資がどんどん乗り出してきて日本の企業を乗っ取るような形になるのではないだろうかという気がしてならないわけであります。  これは国際化だから、人、物、金の今移動は世界的な流れなんだから何も日本の企業じゃなくてもいいじゃないかと、こういう話もあるかもしれませんけれども、私はそうではないんじゃないかと思うわけでありまして、こういうときにこそ少なくとも国が強力な産業政策をつくり、我が国はこういう産業を一つの核にして二十一世紀の我が国産業をつくっていくんだ、経済社会をつくっていくんだというやはりプレゼンスを示すべきだったんじゃないかなという気がしてならないわけであります。  かつてアメリカが、クライスラーがおかしくなったときに、これは国を挙げて援助しましたよね。国を挙げてという表現はおかしかったかもしれませんけれども、相当アメリカ政府はクライスラーの立て直しに努力をしたはずでございます。アメリカにおきましては、今では違っていますけれども、今でも多少あるんでしょう、自動車産業というのは戦略産業でありました。  そういう意味で、我が国の産業の柱、戦略産業をこう置いて、これをこうするというやっぱり産業政策というものが今こそ求められるんじゃないかと私は思うんですが、通産大臣、いかがなものでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 今泉委員の御指摘、一つ一つ私どもも理解をしております。  かつて自動車産業、特に自由化をめぐっては相当な攻防が例えばアメリカとの間に行われて、その間に例えば橋本通産大臣が必死の交渉に乗り出したという時代もございました。また、そのとき一方で言われたのは、日本が余りにもいろんな角度から企業を守り過ぎる、もっと国際的な社会の中で自由な競争ができるようにすべきだといった、そんな議論もあったわけでございます。  時代はいろいろ変遷いたしましたが、しかし、日本の産業を守るという通産省の気構え、対応というのはそんなに変わるはずのものではないとまず基本的に思っています。  ただ、個々の企業の問題になってまいりますと、どこまで関与できるかということは、これは相当問題があるだろうと思います。  このたびの日産とルノーとの問題について一体通産省はどういう対応をしたのかというふうに問われれば、やはり産業競争力を強化していく、そして会社がいわばその土台をきちっとして、現在はいろんな苦労があるけれども、後々安定した企業体制ができ上がれば産業の面でも雇用の面でも一定の確保ができるんだという、そういう考え方もあるわけでありまして、ここに格別注文をつけるというのはむしろ避けていくべきではないかと考えました。  ただ、これによってリストラが行われる、これによって雇用の問題あるいは下請企業の問題がさまざまに起こってくるということを懸念いたしまして、この点につきましては通産省といたしまして私自身も含めてかなり率直な注文は日産側には申し入れたところでございます。  いずれにしても、経済全体の新生を図って自律的な経済の成長軌道に乗せていくためには、需要面の対策だけでなくて供給面の対策というのは非常に大事でございまして、そういう意味では供給面の体質強化を図っていく。つまり、我が国産業の競争力を強化していくという、そういう産業政策をきちっと立てていくことが大局的には大事なことではないかと思うんです。  最近の例えば生産性の上昇率一つ見ましても、我が国は九八年の平均で〇・三%、OECD諸国の平均が一・一%であることを見ますと大きく下回っておりますから、そういう意味では生産性の向上を通じた産業競争力の強化は喫緊の課題であるというふうに考えます。  そこで、こうした認識を持ちまして、政府としては昨年の六月に、事業再構築のための環境整備とか技術開発の具体化とか、あるいは創業・ベンチャー企業の育成といったような三点を柱にする産業競争力強化対策というものを作成させていただきました。そして、この対策にのっとって去年の八月に産業再生法というのを制定いたしまして、企業の戦略的な事業再構築を円滑化するための措置を講じて、さきの臨時国会ではまた別途中小企業基本法の改正を行って、いわば中小企業やベンチャー企業を育成するためのそういう振興策を大幅に拡充していったりもいたしました。  また、情報化とか高齢化とかあるいは環境対応の三分野、この技術革新を中心として総理提唱のミレニアムプロジェクトということなども推進するということになり、また産学官との協力体制を一層進めて、研究から事業化へ向けての軌道をつくっていくといったようなそんな考え方も示して、ただいまその努力をしている次第でございます。  生産性の向上であるとか新規産業の創出あるいは魅力のある事業環境の整備、こういうような全体的な産業新生への道を通産省としてはリーダーシップを持ってやっていくべきだ、そんな考え方にのっとってただいま努力している最中であります。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 いろいろと努力をされておられること、承知しているつもりでございます。  ただ、私が歯がゆく思う点は、アメリカの政府のやり方と日本の政府のやり方の違いでございます。どうも、自由化自由化、規制緩和規制緩和という外部からの押しつけに対して余りにも日本は受け身過ぎるのではないかと思うんです。  というのは、これはもう私が言うまでもないことでございますが、八〇年代に入りましてアメリカが大変な苦境に陥った。そのときに、もう何回も申しましたけれども、いかにしてアメリカ産業を立ち直らせるかということでアメリカは相当思い切ったドラスチックなことをやってまいりました。有名なヤング・リポートは別といたしまして、ヤング・リポートが実際に生かされたというのは後々のことでございまして、実際上アメリカの経済再建が始まったのは一九八七年の実はレーガンの年頭教書からはっきりとこれを打ち出されてきたと私は見ているわけです。  そこに出ているものは、一つは、二国間並びに多国間の交渉を通じた市場開放を強化する通商法の改正という建前を一つは出しながら、それ以外のものは何と全く違うようなことを堂々とやってきているわけです。例えば、輸入圧力によって傷ついた国内産業の救済措置をどうするか。三番目は、外国の不公正な競争に効果的に対処できるような法律の改正をせよ。四番目には、知的所有権の強化。五番目には、世界貿易の変化に対応した独占禁止法の修正。六番目には、アメリカの生産者に不利に働く外国のひもつき援助に対処するための特別の基金の確保。  大体この六点を中心として、一九八七年のレーガンの年頭教書はこれを起点として、ヤング・リポートを引き受けるような形でアメリカの経済再建に取り組んできた。何というんでしょう、それこそ周りから何と言われようと自分たちの主張しか押しつけないというやり方でやってきたと思うわけです。そういうアメリカの動きを見てみますと、日本の政策は余りにも紳士過ぎるんじゃないかという気がしてならないわけであります。  特に、今私どもが心配なのは、今やっぱり国民が一番心配なのは、何といっても仕事がないということですよ。雇用をどうしてくれるか。大きなことを言えば、産業政策がどうだとか、日本をこれからこうするんだということは言えるけれども、現実の姿としては、仕事がないから仕事をどうかしてくれよ、こういう気持ちがあるわけであります。  そういうことを考えてみますと、仕事がいっぱいできる産業は何なのか、その産業をいかに育成強化していくか、こういうことになるんじゃないかと私は思うわけです。そういう形での大きな柱を据えつけていただきたいと思うんです。そういう意味では、労働政策と通産政策は大変関係の深い問題があると思うんです。  よく我々はこういうことを聞いてまいりました。最初、産業の米と言われた鉄鋼の場合は部品構成が大体二けただ、造船の場合は三けただ、電機産業は四けただと。要するに千の単位の部品を構成しなきゃ物ができないという、それだけ多くの部品を持っている。自動車の場合は五けただ、飛行機の場合は七けただと。要するに、何万、何十万というけた数の部品を組み立てるということは、その製品をつくるための企業が必要なんです。労働者が必要なのであります。だから、いかに雇用を拡大するかということは、雇用の大変必要な産業を戦略産業として据えつけて、それを拡大をしていくという強い一つの柱があってしかるべきだと。  ですから、あれまでもアメリカは自動車産業にこだわって、アメリカ人が望んでもいないのに自動車の輸入制限をしているわけです。アメリカの国民は、日本の自動車の方がよほどいい、効率はいいわ、安いわ、スタイルはいいということで望んでいるにもかかわらず、自動車産業の代弁者としてアメリカは強引に我が国の自動車の輸入制限をした。輸出制限台数を最初は二百六十万ですかなんかに抑えて、やむを得ず日本の場合はそれに対応するために、橋本総理も大分それは苦労されたかもしれませんけれども、向こうに工場をつくるという妥協策を講じて、向こうの輸入制限の攻勢にこたえたというけれども、結果的には向こうに工場をつくって日本の雇用がどんどん、どんどんしわ寄せを受けていった、こういう経過があるわけであります。  だから、そういう意味では日本の、先ほどレーガンの年頭教書にもあったように、日本に働く人間が被害を受けるような産業はどんなことを言っても守るんだという強いやっぱり産業政策をつくっていただくということが私は通産行政に課せられた重大な使命だと思うのでございますが、この点。  雇用の拡大という面で一般的に言われているのは、最近の情報化革命だからそこで雇用が創出すると言うけれども、なかなかそう簡単にふえてくるものじゃないんです。これは時間がかかる問題なんです。  そういう意味で、この問題について通産大臣、どのようにお考えですか、お聞きしたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 大統領制度のもとでの強力なリーダーシップと議会制民主主義の中での立場の違いというのが本当に大きなものだということを、私たちはWTOその他いろんな国際的な協議に参加して強く思うところであります。もっともっと強力なリーダーシップで我が国の産業を推進し守っていくことが必要だということを感じながら、しかし一方においては、この議会制民主主義の中で民主的に進めていくためには、むしろ通産省としては環境の整備とかあるいはリーディング産業を幾つか見出してそこに強力な支援体制を整えていくという、どうしてもそういう方向をとらざるを得ないという、そういう弱点がございます。  今たまたまWTOのことを申し上げたんですが、例えばアンチダンピングの問題一つでも、我々は新しいラウンドに向けてはこれに対する規制を強化すべきだと言うんですが、真っ向からアメリカと対立をしておりまして、これも一つの理由となって、シアトルの協議というのは新ラウンドの立ち上げに至らなかった。しかし、そういう中でも、かなり今までと違った強い発言だけはやっているつもりでございますけれども、そういう面では、国のありよう、国の仕組みという点で非常に歯ぎしりするような思いがあることは、正直に申し上げて私の実感であります。  我が国のリーディング産業ということを考えた場合に、成長産業というのは、経営者自身が事業分野の大胆な選択だとか新分野への進出を行っていくということで決まってくるものではございますけれども、私どもは、やっぱりこれから中心になっていく産業というのは、今お話にありました情報化産業、それから高齢化に対するもろもろの対応の産業、そして環境対応、この三つの分野がやはり中心になっていくのではないだろうかと。私どもとしましては、こういう我が国経済社会にとって重要性の高い分野を認識して、新しい産業を生み出す大胆な技術革新を中心とした産学官協同のプロジェクトの推進等々をやっていかなければならないというふうに考えています。  情報産業の問題について、委員はどの程度の雇用が見通せるのかということに対しての御意見がございました。恐らく今泉議員がお考えになっておられるのは、かつて雇用の重大な部分を占めていたのは製造業であったというふうに思うし、それが雇用の拡大につながってきた。これらについても、もちろん当然のことでありますが、我々は力を入れてまいりますけれども、やはりIT産業というのは時代のリーディング産業でございますから、ここでの雇用の状況というものを考えていかなければならないというふうに思います。  今後五年間で、通産省が行った調査では、情報化の進展で二百四十万人ぐらいの総雇用が生まれるのではないかというふうに一応推定しています。しかし一方で、情報化は中抜きということになりますからマイナス効果もございますので、これらを引きますと八十六万人のネット雇用が創出されてプラスの影響は出ていくのではないだろうかなというふうに思う次第であります。  また、この調査を見てみますと、例えば電子商取引を活用した新たなビジネスとか、あるいはその他関連する仕事、情報産業つまりIT革命だけじゃなくてそれにかかわるいろいろなものがもろもろ出てまいりまして、それらが雇用にプラスになっていくのではないだろうかというふうに思います。そういう意味では、我々はこの分野においてはかなり大きなウエートを持って支援していかなければならないというふうに思います。  また、お話にありました雇用の問題というのは、これは労働省と緊密な関係を持っていかなければなりません。私どもは、企業の代表の方々、そして労働省、我々も加わりまして折々に協議をいたしながら、そこいらの意思の疎通はしっかり図って、雇用全体の拡大のために努力していくべきだと思っております。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 二十一世紀が高度情報化社会だと、IT革命が非常な勢いで今進んでいるわけであります。それに対して、当然我が国として積極的に対応していって一つの目玉にしていかなきゃならないという考え方には全く私も同意をいたします。  が、現実の姿を見ていますと、もうとんでもない実態に今なりつつあるということに我々は注目をしなきゃならないと思うんです。IT革命が行われるといいましても、これはハードとソフトの両面があるわけでございまして、どちらかといえば今我が国で盛んに喧伝されているのはソフトを中心とした面だと思うんですが、ソフトというのは単独でできるものではないわけでありまして、ソフトを生かすためにはそのハードがなければこれはできないわけであります。  そのハードを支える例えば半導体、いろんな形の半導体の我が国の世界的な地位を見てみますと、実に惨たんたる実態になっているんです。  例えば、一九八八年における我が国のソフトを支える半導体の世界に持っているシェアというのは、何と五二%あったわけであります。大変先駆的に電機メーカーを中心として努力していただいたわけであります。ところが、一九九八年には二六%に低下をしております。二〇〇三年には恐らくこれは一五%ぐらいに低下をするのではないか、これは予測でございますけれども、そういうような予測すらあるような我が国の状態は惨たんたる状況であります。しかも、韓国にすら追い抜かれるのではないだろうか、こういう状態であります。  そういう戦略的な基盤となるものに対して、我が国のそれこそ産業政策というものが全くなされていない。かけ声はいろいろ、産学官の協同だという話はもう何回も聞かされておりますし、そういうことでございますけれども、実際にこれが動いていない。予算措置はどうなのか、どれだけ力を入れて予算を投入して支援をしているのかということを見ると、お寒い限りだと思うわけであります。  そういう意味で、そちらも大変重要なことであるけれども、既存のせっかく雇用を守ってきた産業がばらばらと砕けていっては困るわけでありまして、既存の雇用を生み出してきた産業も同じような形でその中からやっぱり中心となるものを育て上げていかなきゃならないんじゃないかと思うわけであります。  特に我が国のような海洋国家は、海洋開発をどうするかという問題あるいは宇宙開発をどうするかという問題、これなどはそれこそ何十万という部品が必要になるものをつくらなきゃいけないわけです。いかに多くの労働者がこれに参加しなきゃならないかということです。それはもう製造業の時代じゃないといっても、これはどこかがやらなきゃならないわけです。これを持っていたのは、日本が世界一のものを持っているわけですから、これを何とか守り育てていかなきゃならないはずであります。  そういう中で、あのロケットがなかなか上がらないとかいうような失態もあるわけでございますから、そういう点での力の入れ方というものについて大臣としてどういう考え方を持っていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 半導体の動きについては、今泉委員の状況判断というのはそのとおりでございます。  ただ、今私は、昨年皆さんとともにつくらせていただいた中小企業政策を国民の皆さんのもとに届くようにというので大キャンペーン運動を行って、六十何カ所でフォーラムを開いたりして政務次官にも参加していただいて回っているんです。この間熊本県に参りましたら、熊本大学との産官学の提携が非常にうまく進んでいて、半導体のいろんな部品の測定その他のもろもろの開発について、民間の比較的小さな企業と一体となってかなり前進をして、パテントその他についても頑張っているという、そういう状況が見られました。これは産学官協同の姿が実際に進んでいると。仙台にフォーラムに行ったときもそうでありますが、東北大学等でも盛んに産官学の共同事業が行われていると。  これから技術力強化で法案を出させていただいて、研究開発をしたものを事業化という場合の公立の大学の先生、研究所の先生が企業の中にも参加できるようなことになってくると、それはより進んでいくことではないだろうかというふうに思いまして、こういう点は大変大事なことだという認識を新たにいたしました。  また一方で、熊本へ参りましたときに三菱電機を訪ねました。ここでは半導体についてかなり進んでいたのが、ずっと今お話しのように後退をしてきている。一体このような状態を乗り切るためにどうしたらいいかというので、本当に挙げて努力をしているという、そういう実態がよくわかりました。  そのときにやはり問題になりましたのが特許制度のあり方等です。やっぱり日本の場合には基本的な特許というのが非常におくれていた。基本的な特許がおくれているために、いろんなバイオその他が開発されると、それから次々と新しい技術が起こっていって、基本の特許を持った者が勝利するという、そういう状態があると。    〔委員長退席、理事馳浩君着席〕  だから、三菱電機等においても新たなものを次々と特許としてとっていく必要があるというので相当頑張っていますが、それに対しては特許制度そのものが我が国にとってまだまだ改良されなきゃいけない。あわせて、新しい時代のビジネス特許まで入ってくるものでありますから、これは欧州とかアメリカとか日本で最近は特許庁の長官等が集まってグローバル化されたルールみたいなものをつくっていこうと今努力中でありますが、そういうさまざまなことをやりながら、おくれている状態を取り戻していくということにとにかく国を挙げて頑張っていかなければならないというふうに思います。  また、ものづくりの基盤技術というのは、これはもう特に我が国の場合には非常に大きな力でありました。中小企業が非常に必要とされたのは、職人の持っている技術とかそういうものが基本であったのでありますが、ともするとそういうものが置き去りにされていくような傾向が本当にありまして、これは我々は重大な反省をして、ものづくり基盤技術の振興のための施策をしっかりやっていかなければならないというふうに思います。  御案内のように、先般の通常国会でものづくり基盤技術振興基本法というのをつくらせていただきました。これは今泉議員もその中心になって、議員連盟の事務局長もお務めになられて、非常に力を入れておられることに対しては心から敬意を表しておりますけれども、その基本法に基づくものづくり基盤技術基本計画、これは法の施行されました昨年六月から一年以内をめどに策定するということで、ただいまそれが進められている最中であります。  現在、総理がものづくり懇談会というものを開催されて、技術者の技術向上、ものづくりの振興のための幅広い議論も検討もなされているわけでありますが、これらの議論を含めながら、十分受け取りながら、ものづくり技術の振興ということには力を一層注いでいかなければならぬと考えます。    〔理事馳浩君退席、委員長着席〕

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 力強いお話をいただきまして、ありがとうございました。  これは堺屋長官も含めて、次の問題については、通産大臣もでございますけれども、考え方を少しお聞きしたいと思うんですが、ちょっと大ぶろしきを広げるようなことになるかもしれませんけれども、御勘弁願いたいと思います。  歴史をずっと振り返って考えてみますと、この二十世紀、今二十一世紀に足をかけているところですけれども、二十世紀の前半というのは、近代国家ができて、それぞれの国家は自分の主権と権益を拡大するために植民地競争に熱を上げてきたのが二十世紀の前半の実態ではなかっただろうか。日本の場合も不幸にして、そういう中で戦争に巻き込まれたという実態がございました。  二十世紀の後半を振り返ってみますと、そういうような戦争の反省もあったんでしょうけれども、そういう中で生まれてきたのは、いわば民主主義か全体主義かというイデオロギーの主権争いの中で、いわゆる社会主義国家群と自由主義国家群がいろいろな形で争い競い合ってきた、こういう流れがあったと思うんです。  人類の歴史を見てまいりますと、情報化の進展の中では人、物、金が国の垣根を越えて自由に行き来するとはいいながらも、どうしても避けられないのは、国家というものを単位とした争いというものは、これは避けて通れない現実ではないだろうかと思うわけです。  二十一世紀を展望してみた場合、私は、少なくともこれはIT革命に象徴されるように情報化戦争だろうと、戦争という表現はよくないんですけれども、情報化の中でいかにその主権を握るかという争いだろうと思うわけであります。  そういう中で、いち早く実はアメリカがその主導権をとって、いわばアングロサクソン流であるいわゆるシステムを構築したというのが現実の姿でありまして、我々としては切歯扼腕しても残念ながらアメリカのシステムの中に組み込まれてしまったという現実は否定できないんじゃないだろうかと思うわけです。  これに対抗して、旧社会主義陣営においても、ソビエトはソビエトなりのシステムづくりが冷戦構造破壊後も行われてきたことは事実でありまして、御存じのようにあそこの国の国力の低下に伴いまして、これに取ってかわろうというのが中国であろうというふうに思うわけでありまして、大きな二つのシステムの情報の主権争いというのは今後も大きく続いていくというふうに考えるわけであります。  したがいまして、何をするにも情報化時代になると一つの大きな主権国家のシステムの枠の中に閉じ込められてしまう、こういう危険性を我々は十分理解をしておかなきゃならないと思います。  例えば、例としては悪いわけですけれども、戦争の武器にしても、アメリカから輸入した武器を使った限りにおいてはアメリカのシステムから一切外れることができなくなってくる。ソビエトから武器を輸入しようにも、そのシステムの中ではこれは作用しないわけであります。いい例が韓国の例であります。  そういうように、これは武器だけではなくして、生活の場においても工業の場においても、この高度情報化社会のシステム化というのはすべてみずからのシステムをいかにつくるかという争いであったはずでございますが、残念ながら日本の場合は完敗をしているという実態じゃないかと思うわけです。これを同じような気持ちで同じような金をつぎ込んでアメリカと対抗できるシステムをつくれるか、これはなかなか難しいというのが二十一世紀の姿じゃないかと思うんです。  そうしますとどういうことか。我が国が生きるためには、そのシステムの中には足を突っ込みながらも、そこの間にすき間がある、ニッチにどのようにみずからの新しいものをつくり上げていくかということだろうと思うんです。産業でいうとニッチ産業です、早い話が。そこにみずからの得意分野を構築していくということじゃないと、総花的にアメリカと同じようなことをやっても私はだめだと思うんです。  そういう意味で、私が言っている産業政策というのは、そういうすき間に何を見出していくかということが我が国のこれからの生きる道ではないかと思うんですけれども、いかがなものでしょうか、こういう考え方は。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 委員お説のごとく、近代工業社会が誕生いたしました最初は、まずイギリスが走り出しました。そして、十九世紀になってフランス、ドイツ、アメリカ、やがて日本というような国々が工業化して競争する。その間で市場と資源を求めて植民地争奪戦が起こった。これがコンペティションエージ、列強の時代と言われるころであります。それがやがて体制化して、第一次世界大戦のときには帝国、皇帝が強い力を持っている国々と議会が強い力を持っている国々に分かれて戦った。それが第一次大戦後はナチスとか、日本もその部類でございましたけれども、そういう官僚主導型といいますか統制型の国と自由市場の間、そして戦後になりますと社会主義対資本主義というような形の体制的対立がありました。  小渕総理の施政方針演説の中に、これまでは、二十世紀は体制的対立の多い時代であったというような趣旨の一言がございまして、これからの時代とそこが非常に違うという指摘があったのは非常に歴史的炯眼だと私も思っております。  ところで、情報の問題でございますが、確かに二十世紀は軍事技術が世界をリードいたしまして、軍事技術にすぐれている国が軍事物資、兵器や戦略方式を提供することによって陣営をつくったというような時代でございました。これからは情報だと、これは委員御指摘のとおりだと思います。この情報のもとには、確かに今の情報技術というのもございますが、この情報技術ともう一つ根底に言葉の問題とか振る舞いの問題とかいうのがございまして、この点ではやっぱり英語が圧倒的に有利といいますか全部を占めていると。それに対して日本語は非常に不利だ。インターネットの普及率などを見ますと、やはりアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスというような英語国が先行しているというのも現実でございます。  それで、日本としてはどういう戦略を立てるのか。私ども経済企画庁でも、今、日本型IT社会とは何かというような研究を始めようとしているところでございます。私は、その点でかなり、先生ニッチとおっしゃいましたけれども、もう少し日本にとって可能性があるんじゃないかと考えております。  それは、情報化が進展する中で、アメリカは先行いたしましてワイヤ、ファイバーが、光ファイバーとか線が非常に普及している。いまだにアメリカはデスクトップ型の、ブラウン管式のコンピューターが圧倒的でございます。ところが日本は、つい先日携帯電話が固定電話を抜いたというような、いわゆるモバイル社会が芽生えてきております。しかも、液晶を使った小型モバイルで、かなり精密な情報が流せる。  この分野を日本のひとつ得意分野として、フィンランドなんかもそれにすごく力を入れているのはよく知られておるところでありますが、日本もそういう分野で考えますと、機器の生産だけではなくして、その範囲で、これぐらいの液晶の中に入れられるコンテンツは何か。これがどんどん日本から開発される。日本は幸いにして和歌とか俳句とか短縮の技術、文化を持っておりますから、そういう点を大いに活用していきますと、これから発展途上国が情報化するときにワイヤを引くのは大変な手間ですから、やはりモバイルの利用量というのは高いと思うんです。  そういう点を日本の得意分野として需要の面でも生産の面でも研究開発の面でも集中していくと、日本の一つの新しい発展方向があるんじゃないか、こう考えております。  世界のルールというのは体制をつくった最初の国が、例えば現在の二十世紀のルールはやはりイギリスがつくったのが大きいんです。これは野球でもオリンピックでもそうなんですが、どこかの国がルールをつくった。例えば柔道は日本がつくった。陸上競技は主としてフランスがつくったとか、競馬はイギリスがつくった。そういうルールの中に我々が参加して、そして最近は余り成績がよくありませんけれども、日本も優勝することができるわけでございます。だから、ルールは一番合理的なものが世界的に普及する。  その中で、私たちは自分の一番得意な分野で成功する。そういったことを、国が関与するんじゃなしに、国家、文化としての精神的な戦略というものをきちっとつくっていく、これがこれからの私たちの経済戦略であり、国家、民族として、文化としての一つの道筋じゃないかというように考えるようになっております。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 今、専門家が大いに語られましたから蛇足を加える必要はないかと思うのでありますが、アメリカ型のシステムというお話がございました。確かにそういう点ではアメリカは進んでおりますから、それが日本に押しつけられるという心配がありますが、しかしよく見てみますと、そのアメリカ型のシステムそのものが随分変貌を遂げてきている。逆に言うと、日本的なよさを受け入れた新しいシステムというのが生まれてきているような感じがしてならないのであります。  例えば、企業が目指す三つの満足というのは、今言われていますのは、株主を満足させて従業員を満足させて、そして消費者を満足させるという三つですが、この従業員を満足させるといったような感覚というのは余りなかったような感じがするのであります。今のアメリカ型のシステムの発展したものを見てみますと、従業員の参加意識を向上させるとか、高度な品質管理、それから先ほどのお話の熟練技術者の活用、これは日本の企業がむしろ大事にしてきた部分ではないだろうかなというふうに思われます。  ですから我々も、アメリカ型のシステムをただ押しつけられたりうのみにするのではなくて、このような日本的なよさというものも十分あるということを認識した上で新しいシステムをともに考えていくという時代ではないだろうかなというふうに思います。  産業の分野でも、半導体については差をあけられましたけれども、決して追いつかない状態ではないし、例えばものづくり技術でいえばバイオなどのDNAチップなどは日本が進んでおりますから、そういう意味ではまだまだ努力の結果前進できるものは数あるものだと考えて、通産省はそういう点にしっかり重きを置いて頑張っていかなければならぬと考えます。

今泉昭民主党・新緑風会

○今泉昭君 ありがとうございました。  ものづくり問題についてお聞きしたいと思ったんですけれども、時間がちょうど十二時になりましたので、健康のためにこれで終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時開会

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業総合事業団信用保険部門を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下でございます。  大臣は予算案の説明の中で、健康で安心できる高齢化社会を実現するということにもお触れになりました。それともかかわって、私は、小売業、とりわけ中小小売業の担う社会的役割について質問をしたいと思います。  まず、この十年で小売店の数がどのように変化したのか、どれだけ減ったのか、説明をしてください。

吉田高明通商産業大臣官房調査統計部長

○政府参考人(吉田高明君) 商業統計における小売業の商店数でございますけれども、平成三年には百六十万五千五百八十三店でございましたが、平成九年には百四十一万九千六百九十六店でございます。店数で十八万五千八百八十七店、率では一一・六%の減少となっております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 わずか六年間、九一年から九七年で十八万軒の小売店がつぶれたということであります。東京の小売店の数は全体で十二万八千軒ですから、それをはるかに上回る数が六年間でなくなったと。  この今紹介いただいた数というのは規模の小さいものから大きいものまで全部含めた数でございますので、従業員が四人以下の小さな小売店だけで見ますと二十一万軒減少しているという数字が出てまいります。こうなりますと、東京プラス神奈川県の小売店全部がこの六年間に消えたということになるわけであります。  もう一つ聞きたいんですが、では同じ時期に大型店はどうなのか。店舗数と売り場面積がどう変化したか、どうふえたのか、紹介してください。

吉田高明通商産業大臣官房調査統計部長

○政府参考人(吉田高明君) 商業統計における大規模小売店舗でございますが、店舗数につきましては、平成三年には一万五千五百十一店でございましたのが、九年には二万一千八百九十二店となっております。店数では六千三百八十一店、率では四一・一%の増加でございます。  大規模小売店舗内の売り場面積につきましては、平成三年には三千七百八万九千三百四十八平方メートルであったものが、平成九年には五千四百九十六万七千七十三平方メートル、面積で一千七百八十七万七千七百二十五平米、率で四八・二%の増加となっております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 もうはっきりしているんですね。わずか六年間で東京の小売店が丸ごと消えてなくなる一方で、大型店は店舗数で四一%、売り場面積で四八%ふえているわけです。大型店の出店ラッシュが中小小売店、とりわけそういう小さな小売店の減少の原因になっている、これははっきりしているんだと思うんですが、大臣、この点での御認識はいかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ただいま数字で示されたように、小売店が減っていくという状況については私どもも心を痛めているところであります。  我が国の商店数の変化を規模別に見ると、従業員の規模が一人から四人の小規模小売店の減少幅が非常に多い。逆に、従業員規模が五人から四十九人の中小商店及び五十人以上の大型小売店は商店数が増加している。  こういうような背景として考えられるのは、いろいろあります。大型店の進出だけではございませんで、例えば近年の消費不況ということもありますし、価格競争の激化あるいは消費者ニーズの変化といったようなことがございます。また、経営者の高齢化、あるいは事業を承継する後継者の問題等々があります。こういうような問題に加えて、ただいまお話があった大型店の進出というものも影響を与えていることはそのとおりでございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 さまざまな要因の一つであることは大臣も否定はされませんでした。  そこでさらに、その小売店の推移を業種別に見てみたいと思うんですが、生鮮三品、食肉、鮮魚、野菜、この小売店の数、今の同時期にどう変化したでしょうか。

吉田高明通商産業大臣官房調査統計部長

○政府参考人(吉田高明君) 食肉小売業の商店数は、平成三年には二万八千八百八店、平成九年には二万一千四十六店となっております。店数で七千七百六十二店、率では二六・九%の減少でございます。  鮮魚小売業につきましては、同様に平成三年が四万一千二百四店、平成九年が三万三百三十八店、店数で一万八百六十六店、率では二六・四%の減少でございます。  野菜小売業につきましては、同様に平成三年が三万二千九百五十店、平成九年は二万四千七百十四店でございまして、店数で八千二百三十六店、率では二五・〇%の減少となっております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 これも大変な数字です。わずか六年間に肉屋さん、魚屋さん、八百屋さんの約二五%がそれぞれ消えてなくなった、四軒に一店が消えちゃったということであります。  これはこうなりますと、私はもう単に小売業者だけの問題ではないと思うんです。人が生きていく上で食べることはもう絶対条件であります。とりわけ、肉、野菜、魚、これらは基礎的な食材でありまして、これを近隣の地域で手に入れることがなかなか困難になるということは、これからの高齢化社会を迎える中で住民の暮らしの基盤が私はある意味では失われているんではないか、こう思うわけでありますが、この点での大臣の御認識はいかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) いわゆる中小小売店が元気で活動していくという、営業活動を続けていくということは、地域活性化全体にとりましても大事なことでございます。そういう意味では、小売店がなくなっていくということは大変な大きな問題と認識しています。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 そこできょうは、その中小小売店の衰退が地域住民の生活基盤の崩壊を招いている典型例として、大阪の千里ニュータウンの事例を御紹介したいと思うんです。  お手元に資料をお配りさせていただきました。その資料の左側、「千里ニュータウン地域図」をごらんになっていただきたいと思うんです。  千里ニュータウンというのは、一九六二年、昭和三十七年の入居開始から約四十年今たっておりまして、日本で一番古いニュータウンであります。面積は全体で一千百七十ヘクタール、約四万世帯、十万人がここで今暮らしております。ニュータウン全体が十二の住区という区域に分けられておりまして、それぞれ五千人から一万人程度の人が住んでおります。地図の中でも青山台でありますとか藤白台という名前があると思いますが、それが住区であります。  建設省に伺いますが、この千里ニュータウンを建設する際制定された新住宅市街地開発法では、こういう住区内の居住者の日常生活に必要な施設、これは購買施設も含まれると思いますが、その整備についてどのように定めているでしょうか。

風岡典之建設省建設経済局長

○政府参考人(風岡典之君) 新住法におきましては、公共施設とあわせまして公益的な施設というのが都市居住に必要だということで法律上きめ細かい定めをしております。  公益的施設としましては、教育施設だとか医療、官公庁施設、それに加えて購買施設というようなもので、居住者の共同の福祉とか利便の向上のための施設ということであります。これにつきましては都市計画の手続の中では、公共施設については都市計画で具体的に決めますけれども、公益的施設については都市計画で場所を決めるというようなことをしませんけれども、今申し上げましたように非常に重要な施設でありますので、都市計画の事業を定めるに当たりましての配慮事項としまして、全体の地区をカバーするような相当規模の購買施設、公益的施設の整備の敷地を確保するとか、あるいは住区の居住者の日常生活のために必要な公益的な施設の敷地を確保するとか、こういったものを都市計画を定めるに当たりまして決めているところであります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 千里ニュータウンの場合、複合的な公益施設としまして各住区ごとに近隣センターというものが設置されております。  もう一度建設省さんにお伺いしますけれども、この近隣センターの機能について御説明いただけますか。

風岡典之建設省建設経済局長

○政府参考人(風岡典之君) 今御指摘ございましたように、千里ニュータウンにおきましては、居住者の買い物等の利便施設ということで近隣センターあるいは地区センターというものを定めている、整備しているわけでございますけれども、近隣センターといいますのは原則として各住区の中心地に一カ所ずつ配置をするということで、今回の千里ニュータウンでは十二の住区で一部重なっておりますので十三カ所こういった近隣センターを設置しております。これは、通常居住者の日常の生活の利便のための施設ということで住区ごとに配置をしているということであります。  それに対しまして地区センター、これはもう少し広域的なものでございまして、千里ニュータウンにおきましては三カ所設置をしておりまして、これは大規模な商業的な機能あるいはアミューズメント施設も含めた若干高度なニーズにも対応するということでありますし、さらに千里ニュータウンにおきましては、地区の代表的なセンターとして、中央地区に一カ所地区を代表するセンターというものもあわせて設置をしているところであります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 お手元の資料右上に標準的な近隣センターの配置図を載せておきました。要するに、近隣センターというのは住民が歩いて日常生活に必要な最寄り品の買い物ができる場所、スーパーマーケットまた市場を中心店舗として日常生活に必要な十店舗前後の個別商店で形成をされております。ほかにもサービス施設、診療所、郵便局、集会所といった生活利便施設が配置されているところもございます。  つまり、建設省さんに確認ですが、ニュータウンの住民の皆さんの買い物は、一日に一回近隣センターに出向いていく、それからそれで足らないものは週に一回程度地区センターに行く、そしてそれでも足らないところは月に一回程度中央センターに出向けば済むと、こういう仕組みになっていると私は伺ったんですが、それでよろしいですか。

風岡典之建設省建設経済局長

○政府参考人(風岡典之君) 大規模なニュータウンを造成する場合に、そういった今申し上げましたような施設というものがどうしても必要になります。三つの類型がございますけれども、基本的な役割というのは今先生御指摘のものでございます。  ただ、現実問題としましては、すべての活動をセンター内で実施する、ニュータウン内で活動するということではなくて、もう少し広域的な当然活動がございますので、それは必要に応じて地区外の施設を利用するというのは当然のことかと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 全部が全部すべてでそういう仕切りじゃないが、それが基本的な仕組みだということだと思います。  ところが、今その近隣センターの機能の喪失という事態が起こっております。  例えば、ニュータウン南部にある高野台という住区がございます。ここには二つの近隣センターがありました。ありましたということでもう表現しなければなりません。今どうなっているかといいますと、一つは、本センターと言われるところは九三年に中心店舗、これは阪急オアシスというスーパーだったのですが、このスーパーが経営難で撤退をいたしまして、現在ドラッグストアになっております。それから、魚屋さん、豆腐屋さんもあったんですが、そういう生鮮食品を扱う個店も残念ながら泣く泣く店を畳んで今、不動産業などに変わっております。ですから、ほとんどこの本センターでは食材を購入することができなくなってしまっているわけです。私も先日現地を訪ねましたけれども、土曜日の午後にもかかわらず本当にお客さんがいない、活気のない状況になっておりました。  それからもう一つの、サブセンターと言われる近隣センターは、こちらはもっと深刻でして、九六年に中心店舗、これはスーパー・ライフでしたけれども、これが撤退をして、もうそのセンター自身を維持することができなくなって、今ではセンターの建物は取り壊されて更地になっております。その結果、結局高野台住区の中で生鮮三品など食料品を買える場所が一切今なくなってしまっているわけであります。  住民は大変です。これはいろいろ声を聞きましたけれども、例えば二十代の専業主婦の方は、とても不便だ、子供が小さいのでとても困る、いつも近所の人たちとどうにかならないのかとこういって話をしている、こんな声を紹介してくださいました。  それから、お年寄りはさらに大変であります。一番近い近隣の商業施設というのは南地区センター、阪急の南千里駅のスーパーまで行かなければならない。行くのにバス停が四つかかります。それから、千里ニュータウンというのは御承知のとおり丘陵地帯を切り開いて造成しましたので、そこまで行くのに丘を二つ越えなければならないと。ですから、八十歳、九十歳の方はとても歩いて行けませんので、そういう高齢の方々がバスに乗ってそこまで買い物に行っております。  それから、これまでの近隣センターでしたら顔見知りの商店の方が、お年寄りで高い階に住んでいるということがもうわかっておりますから、買ってもらったらそこまで運んでくれていたと。ところが、地区のセンターのお店では、スーパーではそういうことはできない。したがって、どうしても買い物におっくうになると。私が話を伺いましたら、そこでそういう方々には近所の元気な主婦の方が、これはもうボランティアですけれども、時々お年寄りの注文を聞いて買い出しをされて宅配をしている、そういうやり方で何とか今補っているというふうに聞きました。  最初のコンセプトであった良好な居住環境とは逆行する深刻な事態が今起こっております。  大臣にまずお聞きしたいんですが、これは私、一人の政治家としてこういう事態が起こっていることについてまず感想をお聞かせいただきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 千里ニュータウンの中の近隣センターのお店がなぜつぶれたのかというその背景を、私、正直具体的にわかりません。つまり営業不振であったのかということはもちろんありましょう。そうすると、今お買いになっておる方が、不便だ不便だとおっしゃっていたその方たちはそれまでどんなふうな買い方をしていたのかなと、そこらの関係は本当によくわかりません。残念なことだと思いますけれども、一体何がそのお店が撤退した理由かということをもう少しつまびらかにしませんと、私としては申し上げる立場にありません。  ただ、この千里ニュータウンについて一般的に申し上げますと、建設されてから三十年たっている、そして若い人たちを中心にして地域住民の人口が減少している。これは先ほどもお話がありましたが、今、十三万人であったものが九万八千人、三万人以上が減っている。そして近隣のセンターの店舗の設備が老朽化している、あるいは業種や提供するサービスの状況が住民のニーズと合っていない等々いろんな問題があるようでございまして、そういう複合的なものからただいまの撤退ということになったのではないかなというふうに感じます。  不便さ、千里ニュータウンの方々が御苦労なさっているということはよくわかりますけれども、これらの小売店の撤退についてはもう少し中身を知らなければならないと考えます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 大臣おっしゃいました、なぜこんな事態になったのかと。私もこれは本当に大事な問題だと思います。  要因はさまざまだと思うんです。今るるおっしゃったこともあるでしょう。しかし、研究者の皆さんがこれはもうかなり入って調査をされております。共通して指摘しているのは、周辺地域への大型店の進出であります。例えば、きょう持ってまいりました大妻女子大学の福原正弘先生が「ニュータウンは今 四十年目の夢と現実」、これは千里だけではなくて多摩なども調査されておりますけれども、この中では、住民の生活水準の向上、生活パターンの変化、車社会の到来、そのような要因は確かにあるだろうと。しかし、決定的なものとしてはニュータウン隣接地への大型スーパーの進出、こういう分析をされているわけです。  それから、もう一つ資料を持ってまいりましたけれども、これは大規模ニュータウン再生研究会という研究会がございます。大阪府、吹田市、豊中市そして住都公団などがつくった研究会ですが、分厚い報告書を出しております。その中でも、ニュータウン周辺における大規模商業施設の立地、これが近隣センター衰退の一番の原因だということを挙げているわけであります。実際に地域の方の話を伺いましても、八七年に、この地図でいいますと、ちょうどこのニュータウンの南の隣接した場所に、店舗面積一万四千平米の大型スーパー、ジャスコが進出をいたしました。住民の方に聞いても商売人の方に聞いても、このジャスコの進出が近隣センター衰退の一番のきっかけだと、こう口々におっしゃっております。  それから、それにさらに追い打ちをかけるように、九〇年代に周辺地域に大型店が急増いたしました。私、千里ニュータウンを抱える吹田市と豊中市のニュータウン外での大型店の出店状況を調べてみましたら、こうなっているんですね。九一年、店舗数は大型店四十二店舗、売り場面積の合計が十二万七千平米でした。これが現在、六十八店舗、十七万九千平米になっております。九〇年代になってから、大型店の店舗数で六割ふえ、売り場面積で四割ふえているわけですね。  ですから、これは大臣、いろいろ要因はあるでしょうけれども、国や自治体が計画した町づくりですよ、ここは。普通の自然に生まれた、成り立った町ではございません。そういう行政が計画した町づくりが、大型店のいわば無秩序な出店によって成り立たなくなっている。私は、この事実はしっかり受けとめる、重く受けとめる必要があるんではないかとこう思うんですが、いかがでございましょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 千里ニュータウンの今の状況ということについては、大阪府が商業機能の活性化あるいはコミュニティー機能の充実などを重要な観点として、今さまざまな形の調査を進め、住民のニーズであるとか商業施設についての建てかえだとか、あるいは市民ホールの整備など、ハード面、ソフト面で努力をしているようでございまして、これらの努力は積極的に行っていかなければならないものと考えます。  それから、先ほども私ちょっと申し上げたのでありますが、小売店が撤退をする要素というのは、例えば中小企業庁の実態調査などを見ましても、例えば売り上げの減少というのが圧倒的な多くを占めています。つまり、これは景気の動向だとか、あるいは消費者のニーズに必ずしも合っていないというような事柄であろうと思います。それから、その次を占めていますのが後継者の不在という点でございます。この調査では三番目に、二四・八%でございますが、大型店の進出ということが挙げられているわけです。  ですから、私といたしましては、小売店があるいは商店が後退するということはまことに残念なことであるけれども、全体の景気回復や消費の動向を盛り上げていくということ、それから後継者の問題についてどういう形で対応していくかということ、そして大型店についてはどのような形で小規模の商店が生き抜くためにありようとして判断をするか、こういうように考えていく以外にはないと思っています。  先ほどから申し上げているのは、私は小売店の撤退の要素は幾つもあって、そのうちの三番目ぐらいの理由の中に大型店がある。それは大型店の進出を容認するという意味ではなくて重大な要件としてとらえておりますけれども、全体的な背景としてはそういう状態にあるというふうに判断します。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私は、一般的な小売店の衰退の影響、原因についてはそういうことで大臣がお述べになったことだと思うんですが、きょう問題提起させていただいているのは、ある住区で五千人から一万人が暮らしている、その地域の中でいわば近隣センターしか日常的な買い物をする場所がない、そこが丸ごとつぶれちゃっているという事態が生まれているわけですね。それもいろいろ原因があるでしょう。しかし、いろんな調査やいろんな人の声を聞いても、大型店の進出が一番のきっかけになっているということは口々に語られるわけです。  ですから、そういう特別な今深刻な事態になっているときに、要因はいろいろあるだろうと言って分析しているだけでいいのかということを私は言いたいわけです。これをこのまま放っておきますと、事態はなお一層深刻にならざるを得ません。  といいますのは、超大型店がまだまだ周りにこれからも出店を計画しているわけです。例えば、ダイエーが山田というところに一万八千平米の出店を計画しております。この計画を聞いたこの近隣センター、まだ元気で頑張っていらっしゃる竹見台の近隣センターの商店の方々も、しかしこう今一生懸命頑張っている、お母ちゃんをパートに別に出しながらも店の経営を何とかその収入でやりくりしている、しかし、この大型店一万八千平米が出てきたら、ちょっともうこの近隣センターも頑張り切れないんじゃないかというようなことをおっしゃっておりますよ。  それからもう一つ、さらに深刻な事態になる要因として、一層これからこのニュータウンでは高齢化が進むという問題があります。  建設省さんに、もしわかればお答えいただきたいんですが、千里ニュータウンの高齢化の進行状況を大阪府下の平均的な高齢化率と比べて教えてください。

風岡典之建設省建設経済局長

○政府参考人(風岡典之君) 千里ニュータウンと大阪府の高齢化の比較でございますが、先生お示しされました資料の右の方にも出ておるわけでございまして、私どもも調べさせていただいておりますけれども、例えば昭和五十年、二十五年前ということで見てみますと、六十五歳以上の高齢者の比率ですが、大阪府は六・一%、ここにございますように六・一%でございます。そのときに千里ニュータウン内は三・五%ということで、大阪府の方が高齢者の割合が高かったということであります。  ちょっと私どもが事前に調べてきましたのは平成十年のを持ってきてしまいましたので、この七年と十二年の間に入るわけでございますけれども、十年でいいますと、千里ニュータウンの六十五歳以上の割合は一六・八%、大阪府は一三・六%ということで、平成七年以降逆転現象が続いておりますので、そういうように今度はニュータウンの中の方が高齢化が進んでいる、こういう状況でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 これはニュータウンの特徴かもしれません。一時期に大量に入居された、その層がずっと高齢化するわけですから。私は、ある意味ではこれはこれからの日本の地域社会の先取りだとも言えると思うんですね。そういう中で、購買の機会が奪われていったらどうなるか。さっき紹介したような本当に八十歳、九十歳、このニュータウンに若くして希望に燃えて入居されて、そして子育てを終えて、さあこれから自分の余生をと。住環境は非常にいいんですよ、緑も多いし。しかし、商業施設がこんな事態だから大変な不便をお感じになっていらっしゃる。そういうことが、さらに高齢化が他の地域よりも早く進行するという中で、私はこれはもう一刻も放置できないんじゃないかと思うわけですね。  大臣、これは、いつも通産大臣は小売商業、商店街の社会的機能ということを強調されます。まさにその役割が失われることがどんな事態を招くのか、また、もうこれからも深刻な事態になろうとしているのかということがここに示されているわけですから、私、これはもう、いろいろ分析をするということもあるでしょうけれども、一刻も放置できない、打つべき手は打つべきだと思うんですけれども、その点で大型店の問題も含めてこれは何らかの対応をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 大型店の進出によって商店が影響を受けるということの深刻さについての認識は山下委員といささかも変わっておりません。個人的な政治家としての今までの歩みの中で申し上げることもどうかと思いますが、そもそも大店法というのをつくり上げるときに我々は先頭に立って運動したメンバーの一人でございます。そして、大型店の進出から何とか小売店を守ろうとして必死の形でやってきた。しかし、残念ながら年を追うに従ってその大店法が形骸化されてきてしまった。そういう状態の中で、どうやったら規制ができるかということを考えて、平成十年に街づくり三法ということになり、ただいま大店立地法がこの六月から施行されるということになったわけでございます。  ですから、私は、単に分析だけしているということでありませんで、御質問があったから状況について説明をしているわけでございまして、私は、この街づくり三法によって近年の小売業を取り巻く環境を何とか改善させて、そして現在の大店法で克服できなかったことを克服していくように努力していこうと、そう考えている立場でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 私、少し残念に思うのは、これからの問題はいろいろ努力しなければなりません。しかし、まずこうした事態を招いた責任を担当行政の長としてやはり感じなければならないと私は思うんです。  それから、街づくり三法ということを言われましたけれども、実際これはヨーロッパと私は仕組みが違っていると思います。大型店の進出に対して生活環境や都市計画に悪影響を与える、そういうことが明らかな場合に、肝心なのは出店を拒否できるかどうかだと思います。ヨーロッパは許可制をとっておりますのでそれができる。  しかし、日本の街づくり三法には出店を拒否できるという条項はございません、原則自由になっているわけですから。今からそういう街づくり三法が施行されるに至っても、残念ながらこのニュータウンの現状は、いろんな手だては打とうとしているんです。中央センターでも、先ほど紹介した中核のスーパーが出ていった後は、大阪じゅうすべてのスーパーに声をかけて何とか入ってくれないかというお誘いをしています。しかしそれでも、こんな状況では入れないと、入るスーパーがないんです。  それから個店の努力も、さっき言ったように、家族ぐるみでその地域の消費者の皆さんの利便を確保するために努力されている。しかし、そういう個々の努力ではもうどうしようもない状況が今の大型店の出店ラッシュによってもたらされてきているということを私は直視する必要がどうしてもあるというふうに思います。  そこで、もう時間が余りありませんので、いよいよ大店法が今度は廃止されて六月からは大店立地法になりますので、その立地法施行を前にして幾つかただしておきたいと思うんです。  今、特に関東方面で問題になっております深夜営業を売り物にするディスカウントストア、ドン・キホーテが住民無視と言ってもいい出店をしております。東京の三鷹、杉並、横浜、大宮などで出店をしているわけですが、各地でトラブルが発生しております。これは、現行大店法の大店審の審議にかからない、周辺商店に影響のおそれなしとみなされる一千平米以下の出店を意図的にしているわけですけれども、深夜営業をしているのが特徴でございます。  大体どういう問題になっているかというと、静かな住宅地に突然出店してくる。近隣に病院だとか小中学校があっても結構お構いなしで、深夜の騒音や照明による安眠妨害が起こっている。交通渋滞、青少年の教育環境への悪影響なども心配をされる方が多くあって、環境を守る会などの反対する住民運動が各地で起こっております。今、区議会や市議会でもそういう出店反対請願が全会一致で採択されるということで、自治体としても対応を迫られているわけであります。  私は、こういう事例というのは今後ふえるだろうと思うんです。これまでの五百平米以上という大店法の基準が千平米以上というふうになってしまいますので、深夜営業だとか一千平米以下の出店戦略を実際にとるホームセンターなどが出ております。  そこで、大店立地法のもとでこういう千平米以下の、地域にどんどんそういう規模の出店をしていく戦略、今トラブルが多発しておりますけれども、こういう出店に対して規制をかけることはできるんでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 大店立地法は、全国どこに出店する場合でも、大型店の設置者に生活環境への配慮を求めるというルールを定めるものでございます。そして、実際には地方自治体にこれらについての直接的な担当をしていただく、そのことの方が地域にとって一番身近でございますし、住民の声も聞きやすいということにこれから相なるわけでございます。そのルールを定める場合の対象となる店舗は千平米を超える店舗としております。これは千平米がいいか悪いかということについては、どこかで境界を引かなければなりませんから、その境界の引き方ということでいずれか一律に定める。そこで千平米ということになっているわけでございます。  地方公共団体は、本来法令に違反しない限りにおいて、条例を制定するということが可能でございます。だから、大店立地法の規制対象外の店舗について、地方公共団体が生活環境の保持という観点から合理的な範囲で何らかの制度を設けるということは可能でございます。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 地方自治体として条例を制定することも可能だという答弁であります。  ところが、今地方自治体のそういう自主的な条例制定の動きに対してさまざまな圧力があることが報道されております。事実関係について確認したいんですが、先日ある報道で、アメリカ大使館が環境条例を検討している杉並区に書記官を派遣し説明を求める異例の出来事があったというふうに言われておりますが、通産大臣、この件について事実を把握されているでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 新聞記事で御指摘のような記事があったというふうに聞いておりますけれども、新聞記事で見た範囲ですけれども、杉並区からも大使館からも私どもに直接話があったという形はございません。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 大使館からも相談はなかったということですが、その後これはどういうことだったのかということをアメリカ大使館に確認はされましたか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 杉並区からも連絡がなく、大使館からもそのような報告はありませんで、新聞記事だけでありますから、こちらから尋ねるということはいたしておりません。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 これは、自治体が出店に対していろんな独自の規制を条例制定によってやろうとすることに対するアメリカ側からの牽制ではないかということも言われております。  これまでのアメリカの大型店出店規制に対するいろいろな圧力というのは、我々は本当に痛いほどずっと感じてきたわけで、八〇年代から大型店出店規制の緩和、具体的には大店法を廃止せよということをずっと要求し続けてまいりました。そのアメリカが大型出店の規制緩和要求をヨーロッパに対しては一切やっていないということも、これは二年前の大店法廃止の際の国会の審議で、当時の小渕外務大臣がそのような事実はないと明言されましたし、また日本の現行大店法はWTO上何ら制約を受けるものでもないという答弁もありました。にもかかわらず、アメリカから日本にだけ要求されているそういう、私は圧力だと思いますが、それに従う形で、当時いろんな商業団体、商店街団体、不安の声があったにもかかわらず、とうとう大店法を廃止してしまった。廃止してしまったんですよ。  ところが、まだアメリカからは、それでもそういう新しい自治体の動きに対していろいろ口を挟むといいますか、そういう形で介入がある。しかも通産大臣にも何の相談もない。これは所管大臣としてそのことを放置していていいのだろうか。余りにもこれはアメリカ側としては少し日本の自治体あるいは通産行政に対してずけずけと介入し過ぎではないか。私はそういう感想を持つんですが、このまま放置しておくのでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 大店立地法をつくったのは、大店法にかわって地方自治体にもっと直接的な対応ができるようにという判断でございます。そして、仮にアメリカに懸念があるとすれば、実質的な商業調整にならないかという意味のことではないだろうかというふうに思います。  しかし、今回我々が目指しております、大店法による商業調整から、街づくり三法による地域社会との調和、そういう調和のとれた出店規制と地域振興策を図るわけでありますから、これはアメリカが懸念することの方が間違いだと私は思っております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 間違いだということなんですが、実際そういうことですね。いろんな形で自治体に直接乗り込んでいっている。私、これは担当大臣として放置しておいてはならない問題だと思う。我々もしっかり、そういうやり方に対して、地域の住民の皆さん、自治体の皆さんとともに、自主的な条例の制定は当然だという立場で奮闘する。大臣も今言われたアメリカのやり方に対して、違いだと、そういう認識を言葉の上だけではなくてしっかりと態度でも示していただきたい、そのことを要望して、質問を終わります。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 同じことを繰り返すようでございますが、記事には出ておりましたけれども、杉並区からそういう話があったわけでなし、大使館から言われたわけでありませんから、私の方から積極的にどういうことですかと聞くという立場でもありません。  私は、このたびの街づくりいうのは、地域社会の調和のとれた地域振興策等を図るものであって、アメリカが懸念しているような商業調整ということではないんだということで進めていくわけでありますから、この姿勢を我々が進めていく限りアメリカから圧力をかけられる必要はないし、そういう場合には私は堂々とこれらの考え方をお話しするつもりでおります。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 終わります。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 私は昨日、電子商取引の推進をめぐる質問の中で、ネット取引課税の問題について機会を改めて触れたい、このように申し上げましたが、きょうまずこの点から伺いたいと思います。  昨日の日経夕刊にも記事が載っておりましたが、インターネットを使った電子商取引を通して物品やサービスを購入する際に課せられる税金について、これはアメリカではもう御存じのように数年前から大変激しい議論が続いてまいりました。商品を物の形で購入するあるいは輸入する場合、これは関税などでしっかりと捕捉をし課税ができるわけでありますが、消費者がインターネット経由でいわゆる形のない音楽なんかの場合、これはもう特にそういう問題が出てきますが、また書籍などの場合も含めて、直接パソコンに取り込んで購入する、こういう取引がこれからもう大いにふえていく可能性があるわけでありますが、こういった場合はきちんと捕捉することが大変難しいんじゃないだろうかと。日本の消費税に相当する売上税の徴収を今後どうしたらいいのかという、こういう議論がアメリカでは大変激しく行われているということであります。  アメリカでは九八年に、電子商取引に対する新しい課税を三年間、二〇〇一年十月までになりますが、凍結する法案を通していますが、それ以降どうするのかという方向性はまだ決まっていないということであります。この課税凍結を恒久化するという法案が出されたり今回の大統領選の争点にまでなったと思えば、つい最近、クリントン大統領が課税凍結期間の後は国ではなくて州レベルで判断をしてもらう、その州レベルの判断を優先するというような発言をしたりということで、非常にホットイシューになっているようでございます。間接税の課税権限がアメリカの場合は各州政府にあるため、税収を確保したい自治体とネット産業育成を図りたい連邦の綱引きと、こういう構図がそこには見えるわけであります。  日本ではその議論をそのまま持ち込むわけにはいきませんが、このネットを利用した取引課税をどうするかという問題は、今後国際的な議論が不可欠なテーマになっていくと思っております。これは七月の沖縄サミットの中でも重要なテーマの一つになるのかなと、こういう認識もしておりますし、また期待もしているわけでございます。  大蔵省も、海外業者からのコンテンツを購入する取引について、まず企業間など規模の大きい取引で徴税方法を検討に入った、このように報じられているわけでありますが、税の世界の話とはいえ、電子商取引の普及やコンテンツ業者の育成を促す立場の通産省としては、これは大いに関心の高いテーマではないかと思っております。  まず、この電子商取引をめぐる課税問題について大臣の基本的な認識を伺いたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ネット取引課税の問題については、各国でかなりの議論が今盛り上がっているところでありまして、特にアメリカ、EUにおいてはこれらの問題の検討が顕在化してきているというふうに聞いております。  アメリカでは、インターネットにはアクセスするだけでも課税せよという声が一時多かったようでありますが、今委員御指摘のように、インターネット課税免除法というのを二〇〇一年の十月までということでつくりましてから、電子商取引には一切課税はしないという、そういう声がむしろ多くなっているとも聞いております。  国内取引、日本の場合には消費税ということでありますけれども、この件について申し上げますと、一体健全な電子商取引の発展を目指す場合に課税との是非はどうなんだろうか、そのタイミングを一体どのように考えるのだろうか。それから、ただいまお話にあった捕捉が非常に困難であるということ。それから、インターネットには国境がない、したがって国際的な調和というものを考えていかなきゃなりませんので、そういう意味ではアメリカやEUやその他の国の動きを見ながら慎重なそして十分な検討がこれからなされていくべきではないかと、そう思います。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 今、大臣のお話にもありましたんですが、アメリカは、インターネットを通じた電子商取引を非課税とする国際ルールをつくるべきじゃないかということで、九八年にWTOにそういう提唱もされているわけでありますが、その片方EUでは、ことしに入ってから産業界の反対、これは事業者の負担が重くなりいわゆるEコマースの発展の妨げになる、こういう批判が強い中で、それを押し切って電子商取引を課税対象とする方針を決めた、固めたと、こういうふうにも聞いております。  これは、こうなりますとヨーロッパとアメリカでは大きな方針の違いというのが出てくるわけでありまして、したがって、今大臣もおっしゃるように、国境のないEコマースという、Eトレードというものを考えていったときに、そのシステムが異なることによって非常にアンバランスあるいはアンフェアな問題というのが出てくるんじゃないかと。そうすると、今度はそのはざまにおります日本がどういう立場をとっていくのかということは非常に重要な問題だと思います。  これはしたがって、大蔵省の税のマターということよりも、やはり通産省が相当積極的な立場を、リーダーシップをとってこの問題には検討を加えていっていただきたいなというふうに思っております。  そういう中で、今後、政府内でのいろいろな検討あるいは省庁間での検討の中で、通産省としての立場というのはどういう立場で取り組んでいかれるのか、その辺について伺いたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 既に、この問題については、お話のありましたように、OECDでは消費税とか事業所税等の検討が行われたり、WTOでは関税の検討なども行われています。  我々としては、これからの時代に臨むに当たって、電子商取引というのはもう非常に多くなってまいりますし、またそういう電子政府を目指していくという観点からいけば、これを発展させるためにどういう背景が必要かという、そういう点から通産省としては物を考えていかなければならぬとは思いますが、しかしただいま申し上げましたようにグローバルな意識をやっぱり統一させていかないと、これは国境を越えての話になってまいりますから、そういう点では先に答えありという形でなしに、慎重な対応で各国の状況を踏まえながら今から検討をしっかり重ねていくという作業が大事ではないかと思います。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 今度の七月の沖縄サミットの材料として、テーマとしてこれは話題に上る可能性というのはいかがなんでしょうか。その辺は何か御存じでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) まだ沖縄サミットのテーマというのが固まりつつあるわけではありませんので、私のところから何とも言うべき立場ではないと思いますけれども、これからのサミットに向けての動きをきちっと注目してみたいと思います。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 ありがとうございました。  大いにその辺のリーダーシップを、EU、アメリカというちょうどはざまにいます日本がやはりとっていく絶好のチャンスではないかなと思いますので、私はそういったテーマについてもぜひ議論をしていただければというふうに思います。  次に、堺屋長官が所信表明の中で、新たな千年紀を迎えるに当たってのインターネットを利用した記念行事の開催ということで、インパクについてお考えがあるということでございます。また、新聞広告なんかでも長官みずからお出になって盛んにPRに努められているわけでありますが、その割にはなぜか余りマスコミがまだ取り上げていない。一部新聞紙上でも記事は散見はいたしますけれども、まだまだ話題の盛り上がりといいますかその辺が足りないのかなという感じがいたします。  これは、そのメンバーといいますか委員になられておりますソニーの出井さんなんかのお考えだと、余りこういうものを政府がイニシアチブをとってやるのはいかがかというような意見もあれば、ソフトバンクの孫さんなんかは、いや、むしろもっとどんと政府の音頭でおやりになった方がいいですというような御意見もあるということで、これは賛否両論いろいろなものが出てくるんじゃないかなと思うんですが。  ともかく、記念行事懇話会というんですか、そのメンバー、大変そうそうたる顔ぶれを集めて打ち上げられるということでございまして、私も経企庁のウェブサイトの中にありますコーナーも拝見しましたけれども、なかなかおもしろい魅力的なものをおつくりになって、その意気込みは大いに買いたいと思っております。  そんなことで、ウェブ上でも勉強をさせていただきまして、あらかたの計画というのは承知しているつもりなんですが、この際改めて担当大臣である堺屋長官にこの企画の目的あるいはその発想の経緯について伺いたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) このインターネットを利用した記念行事でございますが、昨年の補正予算をつくりました経済新生計画の中で、日本の構造改革を進め新しい情報環境をつくろうということになりました。  それで、やはり今の時代でございますから、インターネットの普及を飛躍的に進めたい、これにはどうしたらいいか。そのために、今インターネットというのは非常に便利なものとして、特に企業それから人々の間でも便利なものとして使われておりますが、もっと楽しいものという形になっていかないと本当の普及はしない。お子様にも御老人にも使っていただくためには楽しいようにしよう、そういうような前提で、しかも全国から情報発信のできるような状況をつくりたい。  それで、まず政府がこのインターネット博覧会、初めはそういう名前がなかったのでございますが、行事を用意いたしまして、そこに原則としてすべての都道府県が出展していただく、つまり情報発信の拠点になっていただく。そして、それぞれにテーマを選んで、例えば、ある県は昆虫というテーマ、ある県は平成万葉集というようなテーマを選んでいただいて、そして、その地域だけではなしに、そこから発信し受信するのが全国的になる。東京一極集中じゃなしに、全国に広がるような仕掛けをしたい。  そういうことで、まず政府が構想を練りまして、その仕掛け、仕組みを発表して、そしてテーマを全国民から募集いたしまして、それを都道府県に選んでいただく。それから、民間企業にも、またNPOなど個人の集団にも参加していただいて、できるだけ多くの行事をやる。そのことによってインターネットを急激に普及し、またインターネットにかかわるコンテンツの開発、これを全日本の地域でできるようにしよう、そういうような構想で発足いたしました。  それが補正予算でございますから、去年の十二月から始まったことでございまして、何しろ情報技術というのはドッグイヤーと言われるぐらいで早くやらないことにはどんどん古くなりますから、一年余りの準備期間でこれをやろうということで、大急ぎでこの懇話会をつくりまして、その下に五つの部会をつくって、それぞれ専門的な検討をしていただいたというような状況でございます。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 ありがとうございました。  大いに期待したいものではあるわけでございますが、今政府広報などで一般から広く企画、アイデアを募集中というふうに伺っておりますけれども、これまでにどれくらいの数が集まっているのか、それからまたそれらの扱いについて今後どんなスケジュールでお考えになっているのか、その辺はいかがでございましょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 十四日、きのう現在で千七百件の応募がございました。ページビューの方はちょっと古いですけれども、八日のときに七万件に達した、こう聞いております。  これからテーマを有識者の懇話会で検討いただきまして、二百か三百のテーマリストをつくりたい。その中で各都道府県が御希望のものがあれば出していただく。それから、政府自身もひとつ出展をしようということで、政府自体の行事も考えたい。それから、民間企業、NPOに対して大いに宣伝をして、それが大体この三月、四月ぐらいに一覧表をつくる。五月にはもう一回二次募集をしたいと思っております。  そういった形で設定者、このインターネットの中のバーチャルな博覧会場に出展する人を選んで、そしてそれぞれの企画を、テーマを決めていただいて、全国民にアピールしていただく。その段階で設定する方とそれからそれにアプローチして参加する方々に広げていく。  だから、政府もやりますけれども、これが四月、五月の段階になりますと、各設定者が自分のテーマの好みに合った人たちにずっと広がっていくので、非常に大きな輪ができてくるんじゃないかと期待しております。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 伺うところによると丸一年間にわたる企画ということで、これは私はもう、先ほど長官が言われているようにドッグイヤーと言われる変化の激しいインターネットの世界で一年間魅力的な運営を続けていくということの難しさ、これはすごいことじゃないかなと思うんです。  今お話を伺っていると、コンテンツを提供する、バーチャルパビリオンを運営してくれる企業とかNPOとか都道府県が参加してくることによって成り立つということで、そのイメージは一種の巨大な政府が運営するポータルサイトがそこに展開をされるということだと思うんですが、そこに単純に通り一遍のホームページが並ぶようなことではおもしろくない。そうすると、やはり博覧会と言われるにふさわしい魅力的な内容のものが、しかも絶えずアップデートされて情報が刷新されながら並んでくる。この運営というのは相当大変じゃないかなと。  今伺うと、二十五億ぐらいの予算かなというふうに考えてよろしいのかと思うんですが、その予算を使って、あるいはその範囲の中で果たしてそういうものができていくのかというあたり、これを非常に私は期待と同時に心配もしているところでございます。  さらに言えば、これが終わった後に何を残すのかと。確かにインターネット振興ということでいけばインターネットの普及、振興というのがこれによってドライブがかかるということ、これは間違いないと思うんですが、やっぱり政府がやる以上は、例えば今後の小さな政府と言われる一つテーマがあるわけですが、その小さな政府の実現に向かって何かそういうものが残せるのかどうか。  それからもう一つは、今これもまた別途通産省の方にも質問したいと思っているのですが、今話題の愛知万博の問題があります。これは、環境破壊の問題と万博の二十一世紀のあり方ということで非常に大きなテーマなんですが、こういうインパクのようなものが私は逆に言うと二十一世紀の万博の一つのひな形になり得るんじゃないかな、こんな感じも持っておりまして、そういう意味では愛知万博への新しい足がかりになるのかどうか、こういう点からも博覧会学の権威であられる長官に伺って、私の質問を終わりたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) このインパクはとても二十五億どころの話じゃございませんで、都道府県、民間企業等々が参加していただく大変大きな行事になる。  それで、政府が運営いたしますサーバーサイトというのが真ん中にありまして、その周辺にそれぞれ民間企業が現にやっておられるサーバーで占めている、その地域もございます。それから、自由参加地域もございます。そういう何重もの輪を構成して日本のバーチャルサイトを大きくしていく。その中に、都道府県などは政府サーバーの中に入っている。そういう仕掛けになります。  政府が担当いたしますのは、中央のサーバーと、それから国家行事、それから勧奨ですね、皆さんに出てくれという運動、そういうことを担当するので、盛り上がり自身は都道府県を初め全国民の力でやっていきたいと思っております。  この運営を一年間、ことしの十二月三十一日の暮れからどっとやろうというわけなんですけれども、この運営を繰り返すためにはそれぞれの出展者が自分のパビリオンを監視してどんどん新しくする。それで、投書、投画、映像で入れてもらったのも更新していく。これが非常に重要なことで、それはとても政府だけではできませんから、政府のパビリオンは政府がやりますけれども、各都道府県は都道府県、民間企業は民間企業でやっていただいて、それでどんどんおもしろくなりますとアクセス数がふえます。アクセス数がふえたらなるべくそれがフロントページの真ん中へ出てくる、人気がないのは端へ行く、こういう仕掛けになるわけです。ここが普通の博覧会と違っておもしろいところだと思うんです。  そうすると、お互いに高め合って非常に大きなものが出てくると思います。ちょっと見えにくいかもしれませんが、(資料を示す)ここに政府がやります会場があって、その周囲に特定テーマのパビリオンがあって、自由参加がある、こういう形になるわけです。  一体これで何を残すのかという御質問でございますけれども、これで残すものといいますと、まず第一に日本でコンテンツをつくる能力、組織、習慣、そういうものを残したいと考えています。  例えば、今提案されておりますのは、インターネットというとデスクトップのコンピューターを考えますが、モバイルとどうつなぐか、そういったことがもしこれでできますれば、これは大きな新しい文明をつくるということになります。  それから二番目には、日本全国に張り渡されたインターネットの高速通信、これを機会に市町村までいろんな公共施設が太い線で、一・五メガか三メガぐらいの線で結ばれるようになる。そうしますと、日本の環境が非常に変わってくるし、またそれにアプローチする習慣も出てくる。郵政省なんかでも郵便局でコンピューターの講習会を開くというようなことも考えていただいているようですが、そういう日本全体の情報環境がかっちり変わる。これが第二の問題です。  そして、三番目に、政府サーバーを後どうするか。これは大した金額のものではございませんけれども、まだ決まっておりませんが、何らかの形でこれを活用していきたい。  そういう三段階の、三つの分野で考えている次第でございます。これを機会に日本の情報環境が完全な立方体に、マスコミという天の板と電話という地の板の間ががっちり詰まるような形にしていきたいと思います。  ちなみに万国博覧会でございますが、万国博覧会が時代おくれだというのは、私たちが一九七〇年の日本万国博覧会を準備したときに盛んに言われました。当時はマクルーハンという大学者がおりまして、これが町は崩壊して村になるという名言を吐いて万国博覧会は時代おくれだと言いました。  私は、世界じゅういろんなところの新聞でこの人と論争をいたしまして、それで結果としては日本万国博覧会が予定の三千万人を倍以上上回る六千六百四十万人ぐらい入りました。これでマクルーハン理論が間違いが証明されたわけでございますが、今も同じようなことを言っている人がおります。  万国博覧会というのは、そのときそのときの情報環境をすべて取り入れて、そしてその時代にふさわしいものをつくる。だから、恐らく今度二〇〇五年に愛知県で開かれますと、もう愛知県からあらゆるモバイルの情報が発信されている、入場した人がすぐ電話をかけるような状態になると思うんですが、そういうものを取り入れていくから万国博覧会は今日も、ことしもハノーバーで開かれますけれども、九二年のセビリア万国博覧会も大変なはやりでございました。だから、愛知万博もこれを開催する意義は非常に高いものだと私は思っております。

水野誠一参議院の会

○水野誠一君 終わります。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 公明党の加藤でございます。  私はまず最初に通産大臣にお伺いしたいんですけれども、昨日の委員会におきましてもほかの委員の方々が、私も若干三月十日の記者会見の関連で質問させていただきましたけれども、三重県の芦浜原発の関係につきましては、知事が白紙撤回を求める見解を示した。これに対して電力会社の社長は、知事の見解を真剣に受けとめ、芦浜原発の立地は供給計画から外す、こういう形でコメントを出しているわけです。  そういったことを通して、例えばこれは電力政策研究会が出している「イーピー・レポート/二〇〇〇年三・一一・一三二六」号でございますけれども、その中で、そういった経緯を踏まえて、それは時代は変わったという感慨である、何よりも中部電力の太田社長が同日即座に知事の見解を受け入れたことでそのことを感じたというふうに書いてございます。ただ、なぜそういうふうに感じたかというと、かつて、一九八五年の話でありますけれども、中部電力社長に就任したときに記者会見では、芦浜原発は百年かかってもやり遂げる、そういう意地と執念を見せていた、そういう社長もいたということでございます。  そういった中で、実はこの白紙撤回を要求したということに対して翌日の中部電力株は六十円の値上がりを見せた、株式市場はリストラと受け取り好感を持った、そういうふうに書いてもございます。  さらに、このような社会情勢の変化を含めて、エネルギー政策の見直しがようやく始まりつつあることは注目されるという言い方をされて、国民の意見を原子力政策に反映させる目的で原子力委員会が設置したいわゆる原子力政策円卓会議、このモデレーターが去る二月二十五日でありますけれども、原子力発電所について、第一番目、現行計画どおりに建設を推進した場合、二点目は建設を抑制した場合、三点目は現状のままふやさない場合の三通りの想定でエネルギー需給を試算したシナリオを政府が示し、原発建設のあり方を検討することを求めた提言を中曽根弘文原子力委員長に提出した、こういうふうに書かれております。  こういったことを踏まえて、私は、先日の大臣の記者会見の内容というのは非常に注目する内容である、極めて私は大変歓迎をしたい、そのように思っております。  その記者会見の中で、質疑応答に入りまして第三問目でございますけれども、十六基から二十基という具体的な数字を縮小する方向で見直すということもあり得るのでしょうかという質問に対して、現状では十六基から二十基という目標が達成できるかというと私は疑問に思っていますと、疑問に思っていますというふうに発言されております。  二点目は、恐らく十六基から二十基という目標は変えざるを得ないという思いを私は持っておりますからそれを含めて今後検討される、このようにお答えになっております。  三点目は、この機会に過度な原子力発電所ということの考え方とはまた別にと、原子力発電所についての一つの評価として過度なという修飾をつけられてお答えになっているわけですけれども、こういった考え方とはまた別に、思い切った新エネルギーの開発だとか、特に大事な省エネ、ここにやはり力を入れていかなければいけない、このようにおっしゃっているわけです。  こういったことに対して、耳に入ってくる言葉は、私は歓迎しておりますけれども、パフォーマンスだとかスタンドプレーだとか、そういった言い方をする方もいます。大臣の独走だとか、そういうふうに言っている方もいますけれども。  この記者会見の中で、私はもう一つ、少し小さい話であるかもしれませんが極めて大事だなと印象を受けたのは、エネルギー使用料金表示器、これを大臣が説明されて、こういったものを各家庭が持っていることは非常にエネルギーの節約、そういった観点から重要であるような趣旨のお話をされておりますし、省エネルギーに関する国民の側の責務の一つとしてこういったものが普及されることが私は非常に望ましいと思っています。  こういったことについて、今の件も含めて大臣の御答弁をいただきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 先週、私が申し上げたエネルギーの総合的な検討につきましては、需要と供給の両面のエネルギー政策のあり方、先週十日、私が発表したときは、エネルギーの需要と供給の両面からエネルギー政策のあり方全般について検討していこうと、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。今お話のございました記者会見の様子については、私の率直な思いを述べたことであることは間違いがありません。  それから、しかしそうはいっても、それではこれから原子力発電所を何基にするのかというところに言及しているわけではありませんで、要するに供給サイドの検討項目として原子力についても取り上げるという意味でございます。したがって、現行の長期エネルギー需給見通しに盛り込まれた原子力導入目標についても検討の対象になる、そういうふうに思っておりまして、しかし、それが直ちに現在導入目標の削減だと言っているわけではないわけでございます。  なお、各電力会社から届け出る平成十二年度の供給計画については、現在電力各社が鋭意策定作業を行っておりますから、三月末までに当省に届け出が出されるというふうに思います。したがいまして、現時点で具体的な原子力開発規模についても申し上げるという、そういう立場ではないわけでございます。  いずれにいたしましても、今日のエネルギーの需要と供給の状況にさまざまな変化がありましたから、こういう時代にエネルギー政策全体を検討するということは私は政治の務めだと考えておりまして、別にこのことでパフォーマンスにもなるとも思っておりませんで、むしろいろいろな思い、いろんな悩みを持ちながら、この一年がかりで拙速に走らないようにきちっと国民の皆様に御理解いただくためにも検討を行うべきだと判断したわけであります。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 私個人は全くそういうふうに、パフォーマンスとかそういうことは思ってもおりません。正直に歓迎をしております。そういう気持ちを持っています。  それで、記者会見の中にもございましたし昨日の審議の中でもございましたけれども、原子力の説明をするに当たってさまざまな点から大臣はおっしゃっているわけでありますけれども、その中で私は少し確認をしたいと思っている点は、クリーンなエネルギーというふうに原子力の関係について御説明がございました。この辺について、そのクリーンなという意味はどういう意味かということなんですけれども、午前中ほかの委員からも炭素の関係を含めてございました、ライフサイクルアセスメントの関係、私はエネルギー収支を含めて検討しなければいけないし、原子力も熱汚染の観点もございますので、その辺についてちょっと確認という観点から大臣にぜひお願いしたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 先ほどの省エネの問題についてお答えをしておりませんでした。  私は、石油ショックの後に国民が産業や民生も含めてとにかくエネルギーの消耗をできるだけ抑えようというので省エネということに非常な関心を持っていたわけでありますが、その後の流れを見ておりますと、必ずしも省エネということに深い関心と協力があるとも思えない向きがあります。産業面では数値を見ますと省エネについてはかなり努力をしておりますが、民生・運輸部門ではかなりエネルギーの消費が高くなって右肩上がりでございます。  そういう中で、御家庭でそれぞれ節約をしていくという運動を起こすためにはどうしたらいいかということをあわせて検討の大きなテーマにしていきたいと思うんですが、そういう中のたまたま一つとして、省エネナビと称していますけれども、今この家庭の中で電力を使っているのはお金にしたら幾らになるかという数値がすぐ出る、そういうのが今開発されておりまして、まだ一台が高いんですけれども、これは実験によりますとこれを設置しますと二割ぐらい電気エネルギーを倹約するという、そういうデータなども出てきておりますから、こういうのがもっと普及して各御家庭で今一体電気エネルギーをどのぐらい使っているのかということを考えていただくということはとても大事じゃないかと。  ちなみに、この省エネナビというのが二十万台普及すると今二十万円ぐらいのものが一万円ぐらいになるということもありますから、これは一つの省エネの手だての中の材料として考えられないかということをちょっと申し上げただけであります。  それから、原子力発電が放射性廃棄物を伴うというそういう一面がありまして、これは大変重要なことでありますから、このたびはこの最終処理に関する法律というものについて御検討いただこうと思っているわけであります。  昨日、御発言の中に、あらゆるエネルギーをつくり出すものはその手前においてはいろんな地球温暖化等に関する問題もあるんだという御指摘もございました。  私どもが原子力発電がクリーンであると言っておりますのは、発電の過程において、地球温暖化問題の要因となる二酸化炭素、CO2とか、酸性雨の問題の要因となる硫黄酸化物、SOxでございますが、及び窒素酸化物を全く排出しない特性を有している、こうした特性に着目して原子力発電をクリーンなエネルギーと呼んでいると承知しております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 より正確といいますか、発言する場合には限定的な意味をつけて私は説明すべきでないかなと思うんですね。直接的にクリーンなというふうな言い方はちょっと言い過ぎかなと思いますけれども、どうでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 発電の過程においてクリーンであるというふうにこれからもし必要ならば加えますけれども、おおむねこういう発想の中で今日までクリーンと言われてきたと承知しています。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 それでは、原子力発電所に関連して、私はトルコのアックユ原子力発電所建設の件について質問をしたいと思います。  現在、日本企業が入札中であると聞いておりますが、これ仮に落札した場合、日本政府としてはどのような支援を考えているかということなんですけれども、公的支援に関しては通産省の貿易保険等あるいは国際協力銀行からの融資等を含めて考えられるわけでありますけれども、この原子力の関係については種々の問題がある。いわゆる国際世論としてもなかなかこういうことを進めていくような話になっていない。  具体的に申し上げますと時間がかかりますので割愛いたしますけれども、あるいは核拡散防止の観点とか、あるいは地震、トルコですから活断層が近くに見つかったということを含めて考えていきますと、事故発生の可能性にかんがみますと慎重にこういった点については考えるべきではないかと思っているわけですけれども、通産省はどのようにお考えですか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) トルコのアックユ原子力発電所計画につきましては、入札しております我が国の企業から貿易保険の付保について相談を受けておるわけでございます。国際協力銀行のバイヤーズクレジットということで相談を受けておりますが、入札自体が進捗していないために、貿易保険当局としては審査する段階には至っておりません。  我が国からの原子力発電資機材等の輸出を行う場合には、貿易保険を付保するかどうかということにつきましては、発電所の計画が耐震性等の安全確保、放射性廃棄物対策及び原子力事故発生時の適切な措置体制の整備などの観点から見て十分な配慮のもとに行われることをまず確認いたしました上で、事業のリスク等について検討を行うこととしております。  したがいまして、本件についても、今後、日本企業が落札すれば、このような観点から確認の手続に入ることになるということで、あくまでもそのような諸点を重視して審査体制に入ってまいりたいと思っております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 ドイツの輸出信用機関でヘルメス信用保険会社というのがあるんですけれども、この会社は安全性を考慮して輸出信用を認めないという判断をしております。それから、各国政府、アメリカ、カナダ、フランスに対しても公的支援を行わないように市民グループが強く働きかけを進めているわけでありますけれども、こういった点については通産省は把握しているでしょうか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) やや事実関係について申し上げますが、そのような情報もありましたので貿易保険の当局からドイツのヘルメス信用保険会社に照会いたしましたところ、本件に関して輸出者等から具体的なアプローチは受けておらない、したがって本件に対する信用供与の可否についてもまだ決定していない、発表を行ったことはないというようにも聞いておるわけでございます。  ただ、もちろん実際の付保については、国際世論の動向についても注視しなければならないとは考えております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 先ほど私は地震の話をいたしましたけれども、地震のリスクに関していえば、我が国は地震学が相当進んでいるわけです。この辺に関しまして、内諾段階といいますか、そういうプロセスがあると聞いていますけれども、いずれにしても最終的にはどちらかの判断をしなければいけないということになるわけですけれども、この地震のリスクにかかわる評価とか分析とか、そういった面については現段階ではどのようにお考えですか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 私も、島根原発三号機で最近活断層が見つかって、それの活断層がどのぐらいのマグニチュードのもとになるか、地震のもとになるかという精密な分析を行い、活断層の長さ、近さ等々を分析してやっておりますが、地震学、地質学の面から非常にこの技術は確立していると言われているわけでございます。  トルコ等の場合に、それがどの程度の分析が行われているかということは当然判断の対象になりますし、そのための技術陣は当然日本にもおりますので、その点は十分やっていかなければならないと思います。特にトルコは大きな地震が頻発しております関係上、それは当然の前提であると思っております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 大蔵省から政務次官に来ていただいておりますので、国際協力銀行によるこういった面に関しての融資についての判断のあり方、具体的にはトルコの原発の関係ですけれども、質問通告していると思っていますけれども、よろしいですか。

林芳正自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) まず、加藤委員の御質問の時間にちょっとおくれまして大変恐縮に存じております。財政・金融委員会で今まで審議をしておりましたのでお許し願いたいと思います。  今御質問のトルコの原子力発電プロジェクトの件だと思いますが、トルコ政府による入札が行われまして本邦企業が入札に参加したということを聞いておるところでございまして、国際協力銀行による融資については、案件の進捗に応じて、本邦企業からの要請に基づいて具体的に融資内容について今後検討していくというものと承知しております。  要するに、まだ要請が来ておりませんので、その段階で判断をするということになろうかと、そういうふうに承知しております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 それじゃ次に、タイランドのケースであります。  タイで今、石炭火力発電所計画が進んでいるわけですけれども、それはヒン・クルット発電所とボー・ノック発電所、この大規模な石炭火力発電所の計画でございます。国際協力銀行は、ヒン・クルット発電所、こちらに対しては五億ドル以上の融資を検討しているというふうに聞いているわけですけれども、これは事実ですか。

林芳正自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) 私の方に対する御質問ということで。  この件につきましては、石炭の火力発電プロジェクトでよろしゅうございますか。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 はい。

林芳正自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) これは、プラント設備の輸出と、及びその事業への参画を予定しております日本企業から輸銀、現在はJBICになりましたけれども、輸出信用・投資金融の供与にかかわる要請がなされたというふうに承知をしております。  そして現在、委員も御承知だと思いますけれども、地元住民による反対運動があるようでございまして、これを踏まえましてタイ政府の方でいろんな検討をしておるようでございますし、また事態の推移を見守っておるということでございまして、具体的には、この事態の推移を見守って、まずタイ政府や、それからその事業主体の方がどういう判断をされるのかということを我々としても見守っているという状況でございます。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) ちょっと保険の側で補足いたしますと、ヒン・クルット発電所については全く今の段階で付保の相談を受けておりません。他方、ボー・ノック発電所計画につきましては相談を受けております。  現在、タイ国内におきまして環境問題に関して公聴会が行われる等のプロセスが進んでいるということで、関係企業の方からも、この公聴会の様子を見守った上でまた正式にお願いしたいというようなことでございますので、我々はそれを見守っておる状況でございます。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 通産省にちょっと教えてほしいんですけれども、こういう事実があるということなんです。ヒン・クルット発電所計画については、フィンランドの企業とフィンランドの輸出入銀行ですが、撤退した、それからボー・ノック発電所に対して、当初アメリカはかなり積極的でありましたけれども、アメリカの輸出入銀行でありますけれども、住民の合意ができていない、再生可能エネルギーの支援を優先すべきだとしてこのボー・ノック発電所へ融資しないことを決定している、残るは日本の企業と日本の輸出信用機関のみである、こういったことが言われているわけですけれども、この辺については事実確認はございますか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 私どもその実態を必ずしも承っておりませんが、私どもが聞いているところでは、先ほど申しましたように、先方の国内で公聴会が開催されているということでございますから、何らかの環境問題についての討議が行われていると承知しておりますので、その結論を待って判断したいと思っております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 この発電所は、要するに年間六百六十五万トンの石炭を燃やすプロジェクトである、それから先ほどから答弁もございますけれども、公聴会の開催方法などに問題があり住民の意思が反映していない、あるいはそれについては事態の推移を見守っていかなければいけないという状態にあるわけなんですけれども、ただ、タイ経済の電力供給の関係を考えてまいりますと、これはタイの政府資料でございますけれども、二五%を超える余剰電力を抱えている、そういった観点から考えても二つの発電所計画の経済的な面からの必要性は認めることがなかなか難しいんではないかというふうに考えられるわけであります。  そもそも、国際協力銀行あるいは通産省の貿易保険、こういった問題点は私は非常にあると思っておりますので、情報収集あるいは分析の体制、そういった面をより拡充すべきであると私は思います。  そこで経企庁にお尋ねしたいわけですけれども、環境社会開発室の体制や権限、専門スタッフを増強すべきであるというふうに考えているわけでありますけれども、これは国際協力銀行の関係ですけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 海外経済協力基金と輸出入銀行が合併いたしまして国際協力銀行になりました。それで、従来は政府が強く関係しております海外経済協力基金の方にはこういう環境配慮のためのガイドラインというのがつくられておりまして、これは第二版でございますが、それ以前からあったわけでございます。  今度これが合併いたしまして国際協力銀行になりましたので、輸銀部分につきましては、これは融資ということでややガイドラインよりも緩い体制でございましたけれども、今回はこういう輸銀の関係につきましても昨年環境配慮のためのガイドラインというものをつくっていただくことになりました。  そして、合併いたしました現在におきましては、業務部門から独立した環境社会開発室というのを設置しておりまして、環境配慮にかかわる専門の人員が十三人ほどおります。そして、環境社会開発室と連携をとりつつ、各事業部門や各国に駐在する事務所が環境配慮に携わる業務を行うことにしております。  国際協力銀行が実施いたします投融資案件の環境配慮は、近年の社会的な関心の高まりとともにその重要性が増していることは十分に認識しておりまして、こうした分野の重要性にかんがみ、限られた人員ではございますが、適切な体制をとることに努力したいと考えております。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 保険の方につきましても若干補足的に申しますと、保険につきましても環境配慮のための貿易保険ガイドラインというものを設置しておりまして、これはまだ案でございますが、四月一日から実施することにしておりまして、これは、実施国の環境に重大な影響を及ぼすおそれがあると認められる場合には、環境配慮の改善措置を求め、あるいは引き受けを行わない等の措置をとることとすると。それには原生林、国立公園等の配慮とか、あるいはパイプライン等の特に環境配慮が本来必要なプロジェクトとか、その他の重要なプロジェクトについてカテゴリー別に分けて基準を設けておるわけでございます。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 後でそれについて触れようと思ったんですけれども、この通産省が用意しています環境配慮のための貿易保険ガイドライン、これを私さっと読んでみましたけれども、極めて不十分だと私は理解しております。これは変えないとだめだ、四月一日からやれないという中身だと思いますね。これは後でお話しいたします。  それで、OECDの会合で輸出信用保証に関するワーキングパーティーがことしの二月二十三、二十四日に開催されておりますけれども、この会合それ自体はどのようなことが協議されて決議されたか、この辺について通産省、お願いします。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 二月に開催されましたOECD輸出信用アレンジメント環境特別会合におきましては、昨年のOECDの閣僚理事会コミュニケ及びケルン・サミットのコミュニケを踏まえまして、各国輸出信用機関における共通の環境上の指針策定に向けた活発な議論が行われたところであります。この会合の成果といたしまして、今後の共通の環境上の指針策定のための具体的な手順を示した環境に関する行動声明が採択、公表されておりまして、大きな前進があったものと考えております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 その行動声明の中身でありますけれども、この第四点目に、「環境調査と環境影響評価に関連した共通要素やベスト・プラクティスを総合する方法を検討すること。」と、こういうふうにございますけれども、世界銀行のガイドラインを最低限のベースとして、国際的に適切と認められたガイドラインをいわゆる市民とかNGOとかそういったところと相談をしながら策定する必要があるのではないか、そのような項目にかかわるようなところも入っているわけでありますけれども、この作業をどのように今後実施していく予定になっておりますか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) この環境配慮につきましては、さまざまな関係者との意見交換が必要であるということは各国の共通の認識であります。この行動声明におきましても、適切な利害関係者との非公式な意見交換を行うことが合意されているわけでございます。今後この合意に従いまして、OECDの場におきまして、輸出信用アレンジメント会合参加国とさまざまな利害関係者の間で適宜適切な意見交換がなされていくことになっておりますが、どのような形で意見交換を行うかについてはまだ合意が形成されておりません。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 今の点を踏まえて、例えば通産省貿易保険あるいは国際協力銀行の環境ガイドラインのあり方について、ある意味では多面的に今後検討しなければいけないと思いますけれども、それを継続的に定期的に研究会を開いて、先ほど申し上げましたようにNGO等を含めて相互の連携を深めて最終的に策定をしていく、こういったことも考えていいように思いますけれども、これは通産省と経企庁にもかかわってくる話ですので、両者に御答弁をお願いしたいと思いますけれども、どうでしょうか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) おっしゃいましたように、さまざま幅広く関係してまいりますので、関係省庁でよく検討してまいりたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 国際協力銀行の案件に絡みましては、先ほども申しました環境配慮のためのガイドライン等を十分に考えて、援助国に対しても御迷惑のないように考えていきたいと思っております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 もっと積極的な答弁をいただきたいんですが、具体的な答弁を。  行動声明の第六点目の中には、二〇〇一年六月のOECD閣僚会議までに中間報告を、あるいは二〇〇一年末までに作業の完了を目指すと、そういうふうに明示されているわけですけれども、政府は本年のサミット開催国でありますし、国際協力銀行及び通産省の貿易保険における環境・社会ガイドライン、これをもう一度私はお聞きしたいんですけれども、どのように整備していくおつもりか、大臣にぜひお願いしたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ただいま政務次官からも細かくお話ししたとおりでありますが、昨年六月のケルン・サミット、このコミュニケでは、二〇〇一年のサミットまでにOECDの枠組みの中で各国輸出信用機関のための共通の環境上の指針を作成するということが記述されております。  たまたま沖縄サミットは今年でございますので、実際にはその先の一年後にこれらの指針を作成するということに相なります。この目標を達成するために、現在OECDで真剣な検討が行われております。我々といたしましても、サミットメンバーの一員としてこの目標の達成に向けては積極的に貢献してまいりたいと考えています。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 先ほど答弁の中に環境配慮のための貿易保険ガイドラインの関係がございましたけれども、それについてちょっと質問したいんです。  たしか三月十五日までパブリックコメントを求めるというふうに聞いておりますけれども、この中身がOECDで採択されている行動声明と大きく乖離している部分が私はあるように思っていますけれども、第一点としては公募意見の反映をどういうふうに担保する考え方でいらっしゃるか。いわゆる今出ていますガイドライン、この本件を見直す、そういったことも含めてパブリックコメントの積極的な活用ということについてはどういう御見解でいらっしゃいますか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 環境配慮のための貿易保険ガイドラインにつきましては、通産省のホームページにおきまして広く一般の意見を求めております。  いただきました意見については、その内容を十分に検討させていただきたいと考えておりますが、三月一日にパブリックコメントの募集を行って以来、本日が締め切りなのでございますが、昨日まで特に一般からの御意見がなく、一件のみあるというような状態でございます。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 この案ですけれども、旧輸銀の環境ガイドラインと比べますと、非常に後退している感じがするわけです。例えば、先ほどカテゴリーA、カテゴリーB、カテゴリーCというような表現を使って答弁されておりましたけれども、環境配慮確認票、その裏づけとなる書類の様式が全くない。つまり、イエス・オア・ノーで答えるような形になっているわけですよね。  ですから、この辺について私は相当改善をしなければいけないんではないかと思っていますけれども、例えば「温排水の拡散による水生生物、漁業への影響とその対策について検討され、影響を緩和すべく取水口、放水口の位置、取水量等が検討され、プロジェクトが環境に大きな影響を与えないことが確認されていますか」ということに対して、イエスまたはノーなんですよ。これは極めて範囲が広い問題でして、イエス・オア・ノーで答えられるような問題じゃないと思うんですよ。こういったことについて私は改善しなければいけないと。  また、バックデータになるようなものについて書類の様式をきちっと定めて、なぜイエスなのか、なぜノーなのか、その辺のことをきちっとやるべき必要が十分あり得ると思いますけれども、どうでしょうか。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 貿易保険の環境ガイドラインでは、基本的にはこの環境配慮を要する程度の区分とか個々の案件について確認する内容、この内容はいわゆる旧輸銀、すなわち国際協力銀行のガイドラインと共通でございます。また、案件的にいいましても、大規模な案件は輸銀の方を認めるということと保険を認めるということが表裏一体になっておるということは御認識いただきたいと思います。  若干今御指摘のような中身、具体的にまいりますと、環境配慮確認票の裏づけとなる書類の様式を定めておらず、確認票の提出のみを求めているとか、スタッフの体制についても両機関の相違があるとか、若干いろいろ問題点があると思いますけれども、今後ともよく連携をとりましてより精緻な体系を組み上げていこうと思っております。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 時間がないから最後にいたしますけれども、昨年の国際協力銀行法案に対する附帯決議、衆議院、参議院両方ともございますけれども、その中では、環境配慮に対して相当十分に検討しなければいけない、あるいは国際金融等業務についてもそのように理解できるわけであります。  いずれにしましても、先ほどのこのガイドラインについては、火力発電、水力発電というものもありますけれども、原子力発電という極めて大きなプロジェクトについてのあれが入っていないわけなんです。そういった意味で、私はちょっと理解しかねる部分がありますので、十分私はこれは検討をしなければいけないと。私の手元に持っているものの中には入ってございません。  いずれにしても、また別の機会にこの問題について審議をしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○政務次官(細田博之君) 原子力発電問題については、発電所自体のいわゆる核不拡散の関係につきまして、別途ロンドン・ガイドライン等に基づきまして外為法上の許可も必要でございますし、そちらの観点については別の規制もあるわけでございます。  それから、実際の安全性とか原子力の発電所の問題については我が国独自のルールを設けておりますので、これは実際にきちっとした計画でなければ保険をつけないというような取り扱いにはしておりますが、これまで余り多く例がございませんので、十分に配慮してまいりたいと思います。

加藤修一公明党・改革クラブ

○加藤修一君 終わります。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 きょうは大臣が出席でありますから、政務次官の皆さんはお休みください。大臣がいないときには政務次官の皆さんにお尋ねしますから休憩をしてください。  最初に、新エネルギー関係予算、これは予算の委嘱審査でありますから、新エネルギー関係予算のことにつきましてお尋ねをしたいと思います。  エネルギー庁長官、石油、天然ガス、石炭、ウランについて可採埋蔵年数、可採年数ですね、これを述べてください。

河野博文資源エネルギー庁長官

○政府参考人(河野博文君) 大ざっぱな数字で大変恐縮でございますけれども、石油については四十三年前後と記憶しております。それから、天然ガスはたしか、もし誤解がありましたら後ほど訂正させていただきますが、約六十年程度。ウランもほぼ数十年というオーダーの可採埋蔵量というふうに理解しております。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 世界的な権威のあるオイル・ガスジャーナル社の統計では、今話がありましたように、石油は四十三年、天然ガスは六十二年、石炭は二百三十一年、ウランは七十三年という数字を通産省からいただいておりますが、私はこの委員会で昔、三年ぐらい前ですが、大牟田に行きました、委員長以下。  そこで、大牟田の経済界の人たちとも懇談をしながら、かつて石炭は、炭掘る黒いダイヤ、黒いダイヤと言われるような時期がありまして、炭坑節があったり非常に栄えたんですが、今日のような資源がほとんど枯渇して、こういうような状況を当時、昭和二十五、六年ごろあるいは三十年の初めにかけて予測しましたか、こう聞いたら、全くそういう予測はしなかった、このように言っておりました。  私は、去年、通常国会が終わった後、中国の東北地方に行きまして、大連や瀋陽に行ったんです。撫順炭鉱を見てきました。我々が小さいときには、天然掘りで、撫順炭鉱というのはもう永久に石炭資源があるんだろうと、こう言われておりましたが、行ってみたら、もう縦横、縦六キロ横三キロぐらいで、もうすり鉢の底を掘っているんです。もうほとんどなくなりつつある。そういう状況を目の当たりにしてきました。  私は、去年は中国へ行って韓国へ行ってアメリカに行った。それから、おととしでしたか、東南アジア五カ国を委員の皆さんと一緒に回ってきました。どこに行っても自動車のふえ方というのは物すごいんです。この調子でどんどん石油をたいた場合に一体石油資源はどうなるのか。四十三年と、こう言われておりますが、もっと早く私は来るだろうという、何かそんな予感がしてならないんです。  したがって、これはもうそうなると思うんです。これは、何億年かかってできた化石燃料がそんな永久に続くわけはないんです。そうしますと、何十年か先に我々の子孫は、これは石油がなくなったときには非常にやっぱり困りますから、特に資源のない、石油をよく使う日本とすれば、もっとこのことを、政府以下認識をもっと新たにして、代替エネルギーと新エネルギーに対してもう少し本格的な、やはり日本だからやれたと、特にこういう不況のときには重点的に対応していくべきではないか、このように思うんです。  そこで、平成十二年度の予算もうわかりますが、平成七年から十二年ぐらいまでの予算の推移について、長官、お述べください。

河野博文資源エネルギー庁長官

○政府参考人(河野博文君) 新エネルギー関係予算の推移を御報告申し上げます。  平成七年度におきましては四百三十三億円でございました。八年度、四百七十九億円、九年度、五百六十億円、十年度、七百四十八億円、十一年度、八百七十五億円を経まして、平成十二年度の予算として九百二十五億円をお願いしたわけでございます。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 これは、多いと思うんですか、少ないと思うんですか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○政府参考人(河野博文君) この数年間で倍増しているという意味におきましては、私どもとしては精いっぱいの努力をしている所存でございます。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 今、大臣、答弁ありましたように、それは確かに倍増になっておるんですが、元が小さいものですから、それは率でいうと見せかけは大きくなるんですが、九百二十五億円というのが多いのか少ないのかという議論を少ししてみたいと思うんです。  実は中曽根科学技術庁長官・文部大臣が所管をするロケットの打ち上げが、ここ、科学技術庁も失敗し文部省も失敗しているんです。その前に、平成十年の二月にHⅡの五号が、これが失敗しているんです。その後、去年の、十一年の十一月にHⅡ八が、これは科学技術庁ですけれども失敗している。ことしの二月にミューⅤというのが、文部省の打ち上げ衛星が失敗しているんです。この損失は一体どのぐらいかということで出していただいたんです。そうしたら、ロケットの製作費と衛星の製作費と合わせまして、管理費なんか多分入っていないんじゃないかと思うんですが、約千二百二億ぐらいになるんです。  ですから、そういうことから考えると、九百二十五億というのはちょっとロケットの打ち上げよりも少ないようなお金です。今、科学技術庁は、日本は科学技術立国を目指すということで予算が非常に重点的についておりますが、これは文部省とか科学技術庁の方にむしろこの部署を任せたら予算がもっとつくのかなと、こんな要らぬことまで考えますが。  問題は、九百二十五億というのは、これは確かに率でいうと高い数字になっておりますが、私は、これは今ロケットは一つの例ですよ、これから見てもこれは非常に大臣、少ないと思う。これをやっぱり三倍ぐらいに少なくともすべきじゃないか。予算編成に当たりましていつも不満を持つのは、通産省、ほかの予算はまあまあですが、ここのところだけはどうしても毎年毎年ひっかかるんです。答弁ください。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ただいま御指摘のありましたロケット、衛星等の失敗の問題と宇宙開発という大変大事な事業との関連から考えてまいりました場合に、一概にこの費用を比較して論ずるというのはいかがなものかと私はまず思います。  それから、新エネルギー関係予算について、今もお話がありましたように、五年間倍増である、元が小さいから倍増といったって大したことはないという御意見もよくわかりますけれども、問題は、額の問題よりも開発の進捗状況と照らし合わせた場合にどうであろうか、そういうことを検討していかなければならないと思います。  私は、このたびのエネルギー政策の検討に当たりまして、いろんな角度からエネルギーの開発を行っていこう、その中では自然エネルギーや新エネルギーは極めて重大だと、こう思いながら、エネルギー庁長官を初めとする職員の人たちから、細かいデータや状況についての分析の報告を受けておるわけでありますが、残念ながら新エネルギー開発についての現場の開発状況がまだそこまで行っていないと。そういう意味では、私は、進捗状況を見ながら、今後必要な予算はきちんと割り当てるということの基本姿勢を保ちながら、ひとつ少しでも前進できるように拍車をかけていかなければならない、そんなふうに考えています。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 答弁、不満です。ロケットは一つの例として、ロケットで失敗した額というのはそんなもので、これはそういう例として申し上げたんですが。やっぱり発想が小さいんです。これは、新エネというのは石油がなくなったらそのときではもう追いつかないんですから。やはりこれはなかなか役人のサイドでは発想が限界があると思いますから、大臣のところでもう少し発想を変えて取り組んでいただきたい。  それ以上の答弁、出ないと思いますから、次に移りたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 私は、エネルギー政策の今度の点検の中で、委員おっしゃるような新エネルギー、自然エネルギーの開発についてはひとつ思い切って力を入れようではないか、こういうふうに指示をしております。そういう点では、今後の予算のあり方も含めて委員と同様な考え方で努力をするという点では同じでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 それじゃ、そのようにぜひ努力をしていただきたい。  景気の問題ですが、きのうの続きになると思うんですが、きのうは十―十二月の昨年のGDPの実質マイナスの議論をちょっといたしました。日本の現在の株価のことも申し上げましたが、特に株価については、やっぱり去年からことしにかけて外国人買いというのが非常に大きなウエートを占めております。だから、実質経済の力が後ろにあってというよりは、むしろそういう面をやっぱり感じなければいけないのではないか。  それからもう一つは、きょう新聞で出ておりましたように、二月の倒産件数が前年比の五一%増、負債総額では最悪の一兆二千億、このように出ておりますが、私は、経済のファンダメンタルズというのは非常にやっぱり今そう強くない、弱い、心配がある、このように思います。  結論から言いますと、やっぱり内需拡大をするために、着実な内需拡大をするためには私は、結論から言いますと、もう時間がありませんから言いますと、住宅投資ですね、住宅をもっとやっぱりやってもらう。特に大都市近郊の住宅というのはまだ貧困です。地方は大分よくなりましたですね。大分よくなりました、大分よくなりましたが、やっぱり都会の住宅というのは非常にまだ貧困でまだ余地が残っておりますから、ここをやっぱり展開をしてもらうのが非常にいい。  住宅の波及効果というのはたしか二・一倍ぐらいでして、土地代を引いても一・八倍ぐらいで、公共事業に次ぐような非常に有効なものでありまして、業種は八百業種が連なっておりまして、ですからそういう意味では家が建つことによって八百業種もまた乗数効果が出てくる、潤ってきますね。  その住宅を、住宅投資をさらに刺激するというのは私は前からお願いをしておるんですが、やっぱり消費税ですね、住宅にかかる消費税をやっぱりもう取らぬと。これは大蔵省は物すごく抵抗いたしますが、そういう方法を思い切ってとってみたらどうかと。  私は、住宅の消費税というのは、サラリーマンがやっと住宅を手に入れて、それで消費税で子供部屋が一つぐらいできるのに、その分は税金で持っていかれるような状況ですから、これはやっぱり何とか、衣食住の住ですから、生活に欠かせないものですから、取り方については、やっぱり大蔵省はそれはなかなかうんと言わないから、一応いただく、いただいた分について何年かで今度は減税していく。そういうやり方をすれば税の秩序も壊さなくてやれるんではないかと。  もう結論も全部言ってしまいましたが、それで内需拡大をやっぱりやる。これは、日本があの不況なときに、バブルの後の不況なときに日本政府は何をやったかと、そうするとやっぱり狭隘な住宅をこれをよくしたと歴史に残るわけですから、しかも内需拡大に通ずるわけですから、しかも人間が一生短い人生を過ごすのに快適な住居に住めるか住めないかというのは非常に大事なことですから。しかも財政的にはそんなにお金が公共投資に丸々要るわけではないわけですね。ですから、非常に小さなお金で大きな効果が出るわけですから。  やっぱり私は、これこのまま放置したら日本経済は大変だと思います。着実な内需の拡大のためにも住宅の消費税、これをやっぱり何らかの形で住宅取得者には返すと、このことを真剣に考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 倒産件数につきましては、委員御指摘のように千四百二十七件、特に負債額が一兆二千億に達しましたのは長崎屋など大型の倒産があったということでございまして、私たちも重く受けとめています。  内需の振興について、住宅ということでございますが、私たちもその点は全く、住宅が重要だという点では同じでございます。ただ、その住宅の消費税、住宅だけ消費税を抜くかということになりますと、委員御指摘のように衣も食もというような話になってまいりましてなかなか判断が難しい。  それからもう一つは、消費税というものに例外をつくりますと、他に使われるものが例外商品の方に流れるということがあります。例えば、イギリスなんかで食料品だけ安くするというようなことをいたしますと、段ボールを使うものが、食料品の段ボールにすると安くなるというので、そちらに他のものも登録するような形が出てきたり、あるいは子供用の運動靴をすると、大人でも足の小さい人は抜かれるというような、サイズで決めなきゃいけないとかいろんな問題がありますので、消費税というのはやっぱり例外はつくるべきではないと私も考えております。  そこで、そのかわりに、かわりにと言ったら語弊がありますけれども、住宅促進のために今、住宅の借入利子を所得減税するという措置をとっておりまして、これは最大限の場合には十五年間で五百数十万所得税が軽減されるような措置になっております。これを今ちょっと延期いたしまして続けております。  その結果、この二月にはかなり住宅が伸びておりまして、十―十二月は余り、前期に比べて五・六%下がったんですが、一月になりましてからは前期に比べまして一六・四%、前年比でも一六・八%、一月には住宅の着工件数がふえてまいりました。これは一時的要因がありまして、この調子でどんどんふえるとは思いませんけれども、かなり住宅の面では優遇していると思います。  住宅がもっと都市で充実するように、それから現にある住宅も大いに改装していただきたいというので、昨年は私たちの方で、お子様が独立されてあいている子供部屋を楽しみ部屋にするというコンクールをいたしました。これも数百件の応募がございまして、かなり雑誌等でも取り上げられて、そういうことも、住宅のリフォームというのも進んでおります。  確かに、日本人の生活の中で、特に都市の住宅問題というのはこの機会に大いに改善していきたい項目の一つでございます。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 やっぱり所得税から減税、それはわかるんですけれども、やっぱりどうしても家をつくった者じゃないとわからぬのじゃないかと思うんですよ。それは、全部小さく見積もりやって、それで全部消費税がぽこんとかかってやりますからね。だから、やっぱり消費者というか取得する人は物すごく消費税のことが気になるんです。  だから、その部分はもう取らない、返すということになりますと本当に勢いがついて、アメリカの経済にもそんなに依存をしなくてもいいし、内需が拡大をし、これはやっていく。当分、やっぱり公需から民需へという言い方の民需になるのかもわかりません、半分公需かもわかりませんが、非常に重要な位置を占めておると思うんですね。  去年の十―十二月のあの数字が悪いのは、やっぱりあそこの落ち込みが非常に響いておりますから。ぜひ両大臣、検討してください、消費税。その取り方を、大蔵省は物すごい反対しますから、一応いただいて、それを減税で返すという措置なら問題ないと思いますから、ぜひさらにこの検討をお願いしたいと思います。  次に、アメリカの株高というのは私は非常に心配です。これががたっときた場合に、日本にどのような被害をもたらし、影響をもたらすのかというのは非常に心配であります。ダウ工業株三十種平均で見ますと、九七年が七千四百三十九ドルあったものが、九八年、八千六百二十七ドル、九九年、一万四百六十四ドルですね。こういうようになっておりますが、私はこれはやっぱり、バブルかどうかという議論もありますが、相当バブルの要因があると思うんですが、大臣、どのように長官お考えでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) アメリカの株価につきましては、相当前から上がり過ぎではないかという話がございまして、たしか私がこの職につきます前から、七千ドルぐらいを超えたぐらいから盛んに言われたのでありますが、意外と繁栄は、業績もずっと好調を続けてまいりまして、そのうちにどんどん上がってまいりました。  ところが、ことしに入りましてから大分下がっておりまして、ダウ平均、これは三十種だけでございますが、一四・七%ほど下がっております。それから、S&Pというものですが、これも七・五%、これはもっと株数が非常に多い平均でございます。それから新興株の多いナスダック、こちらは三月十四日現在までで一五・七%上がっておりますが、つい最近は下がってきまして、これが日本の株価にも悪影響を与えているんじゃないかと言われております。ちょっと今、直近で見ますとアメリカの株が下がっているというので市場関係者の間では危惧の声も出ているように聞いたりしております。  このアメリカの株が下がったときに日本がどういう影響を受けるか、これは大変難しい問題でございまして、実質的にお金がどう動くかという問題と心理的影響とがございますが、やはりまず心理的影響がどうかということが大きいと思います。今までのところ、アメリカの株はかなり下がってもまた上がるという経験を積み重ねてまいりましたので、かなり安心感はあるのだろうと思いますけれども、これが長続きすると日本だけじゃなしに世界的にやはり悪影響はあるかもしれません。  今日の段階でそういうような予測を論じることはもちろんできないわけでございますが、世界じゅうがやはりこのアメリカ・ニューヨークの相場には、かたずをのんで見守っているというのが現状だろうと思います。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 時間がなくなりましたけれども、逆に政府、日銀の金融政策というか金利政策、今ゼロ金利に近い状況の中で海外に日本の資本の流出というのは非常に顕著なものがありまして、平成八年は八兆七千億でした、株式の取得や証券の取得については八兆七千億。それが平成十年には十六兆二千五百億、三年間で二倍にふえているわけですね。これは非常にそういう意味では危険な要素を含んでおるのではないか。  アメリカは一方では対外収支は赤字で、そういう状況でありますし、また生保等の機関投資家は米国債をたくさん持っております。これが一たん株が暴落をして、そして円が強くなる、ドルが安くなると、これはまた大変な泥沼に入ったような状況になりかねない、痛しかゆしでありましてね。この辺についても国民を誤りなきようにやっぱり指導していただきたいという気がするんですよね。これはどこの担当になるのかどうかよくわかりませんが、いかがでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 担当といいますとまあ大蔵省もございますし、金利の問題でございますれば日本銀行もございますけれども、そもそもやっぱり国民を指導するというようなものではないんじゃないかという気がいたしますが、十分情報を流すというのはやはりしなきゃならないと考えております。  外国に投資するということになりますと、やはりほとんどがプロでございますから十分調査してそれぞれの判断でやっておられるんだと思いますが、それが以前の例で見ますと損失を招いたこともございますから、プロだから大丈夫とのんきには言っていられないと委員が御心配になるのもごもっともでございますが、そういう今の時代でございますから、情報は十分に伝わってそれぞれに判断して行われていることだと承知しております。  自由化された世の中、あらゆるものが、為替も物価も金利も変動するという世の中は常にそういうリスクがあるということを踏まえて、リスクテーキングな経済だということを十分国民も政府もまた各企業の経営者も御承知の上でやっていかなきゃいけないそういう時代、これが一方ではダイナミズムがあり、一方ではハイリスクがあるという社会だと思います。そういう中でやはり生き抜いていくためには情報と知恵が大切になってくるんだろうと考えております。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 もう終わります。  プロの銀行がああいうバブルをしでかしたり、あるいは日本の社会は今、競争のダイナミズムというのか、そこまではやっぱり行っていないんですね。だからやっぱり政府はよく誤りないような情報を提供していただくことが大事じゃないかと思いますので、よろしく。  終わります。

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 以上をもちまして、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業総合事業団信用保険部門についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬守重自由民主党・自由国民会議

○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十六分散会

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