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147回国会参議院2000/05/15

金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第9号

発言数
203
登壇者
11
会派数
6
開催日
2000/05/15

会議録

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十二日、谷林正昭君が委員を辞任され、その補欠として海野徹君が選任されました。  また、本日、須藤美也子君が委員を辞任され、その補欠として畑野君枝君が選任されました。     ─────────────

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融再生委員会事務局長森昭治君、金融監督庁検査部長五味廣文君、金融監督庁監督部長乾文男君、国土庁地方振興局長芳山達郎君及び大蔵省金融企画局長福田誠君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  この際、谷垣金融再生委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。谷垣金融再生委員会委員長。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 五月十一日の当委員会におきまして浅尾委員から御指摘のありました、減資の際に優先株主を有利に扱うように定款で定めることを資本増強の条件とすること及び日債銀に資本増強される優先株の取り扱いにつきまして、改めて所見を申し述べさせていただきます。  商法上は、優先株につき株式の消却等に関して格別の定めをすること自体は許容されております。  しかし、どのような定めであっても有効、適法かにつきましては、浅尾委員御指摘のような考え方のほかに、一つは、数種の株主の間でこれらを平等に扱う「技術的困難が全くないのに、客観的に明白に実質的衡平に反する格別の定めは、たとい不利益を受ける種類の株主総会の議決があっても、その瑕疵は治癒されないというべきである。」との説や、あるいは「定款の定めが、ある種類の株主にあまりにも大きな不利益を及ぼすようなものである場合には、無効と解される余地がある。」との説がある旨の回答を法務省から得ており、浅尾委員御指摘のような定款の定めの有効性あるいは適法性につきまして、全く疑義がないわけではないと考えております。  このように、その内容によっては有効性に疑義が生じ得ることを定款で記載することを資本増強の条件とした場合は、資本増強を受ける銀行の株主総会の特別決議を経ることが現実問題として可能かという問題があり、また当該銀行の株価等も考慮する必要があること等から、金融再生委員会としましては、減資の際に優先株主を有利に扱うよう定めることを資本増強の際の条件とすることは適切ではないと考えております。  また、日債銀に資本増強される優先株の取り扱いにつきましては、一般的にこれまで申し上げてきた考え方のもとで対応すべきものと考えておりますが、いずれにせよ日債銀につきましては、現在ソフトバンクグループと基本合意の締結に向けて交渉が進められている段階であり、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 ただいま谷垣委員長の方から仰せられました件につきまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、商法上優先株について株式の消却等に関して普通株と比べて格別の定めをすること自体は許容されておるというふうに述べられたわけでございますが、先般私が述べたケースというのは、実は東大の神田先生が、私の幾つか出した例の極論で一〇〇%普通株の消却を優先株より前にする、それでも許されるというのが神田先生の意見であったわけです。それがだめだということなんだと思うんですが、だとすると、今述べられたように優先株について株式等の消却等に関し格別の定めができるということなので、政府は具体的にどういう場合だったらば許されると考えておるわけでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今申し上げた考え方は、要するに株主平等の取り扱いに関しては、浅尾委員が御指摘になったような神田教授のような御意見も有力に存在するだろうし、ほかにもそれに疑義を呈する見解もあると。  したがって、ここのところは実はいろいろ見解がございますねということに加えまして、二点、あるいは法解釈上の問題というよりも実務的な観点、株価の問題と、それから実際上それが得られるかという、この三つと申しますか、法解釈上の問題とそういう実務上の観点、いわば総合判断と申しましょうか、法解釈上の観点だけから申し上げているわけではございませんので、どういう場合にオーケーになるかというのはちょっと私の立場からはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 少なくとも実務上、法解釈上できるということはお認めになりますね、今読まれたとおりですから。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 要するに、特別の定めをすること自体は認められているけれども、どういう定めをしたら株主平等原則に反するかどうかというのは種々の見解があり得るんだろうということでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 いや、それはちょっとなかなかよく理解ができないんですが。  今、株式の消却等に関して特別の定めをすることが許されるということなので、その具体例をぜひ示していただきたい。これは質問通告もさせていただいておりますので。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 数種の株式が定められているわけでございますから、それぞれが特別の定めをすること自体は商法が許容している、それは確かにそのとおりだと思います。  ただ、先ほどからの解釈論は、どこまでそれが認められるかということだろうと思いますので、それについては私はいろんな見解があるだろうということに立ちまして、要するにこの問題について私の立場からいわば有権解釈をするということは立場上そういう立場ではないということを申し上げているわけでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私は、有権解釈ということを、そのことのみを求めているわけではなくて、実際にこの優先株の後ろには公的資金というものがあって、その後ろには国民の財産というものがあって、その国民の財産を一般の株主と比べてどっちをどういうふうに優先させるのか、どういうふうに守っていくのかという観点から、当然行政の方から考えれば優先株について特別の定めをすることができるということは認められるわけですから、その研究をすべきなのではないでしょうかと、またその研究をした結果を行政に反映すべきなのではないでしょうかということを申し上げておるわけでございます。したがって、再生委員会としてあるいは政府としてここだったらいいだろうという具体例があるのではないですかということでございます。具体例をぜひお示しいただきたい。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 同じことの繰り返しになって恐縮でございますが、私どもはそういう、ここは解釈が分かれている以上、最後は結局きちっと解釈をできるのは裁判所ということになると思いますけれども、そういう問題が、いろいろ考え方は分かれており、先ほど申し上げたような実務的な問題点も予見できる以上、それ以上は議論に入らずに今のような取り扱いでよいのではないかと、こう考えたということでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 非常に議論が錯綜してしまいますのでまず整理させていただきますと、学術的にどうかということと実務的にどうかと二つ考えられると。  まず、実務的にどうかということを例えば日債銀の例で言いますと、先ほど述べられた株価への影響ということですが、これはもう特別公的機関になっておりますから日債銀の株価はゼロということでございまして、株価への影響はないと考えられるのではないかなと思いますし、また、資本増強を受ける銀行の株主総会の特別決議といっても、株主は政府のみでございますから特別決議も容易にできるのではないかと。ですから、日債銀のケースで言えば実務的な問題は全くないというふうに考えられますから、あとは学術的に考えてどのようにするのが国民の財産をより守れるのかということにつながってくるのではないかなと思いますが、その点まずいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 実務的な問題点が今委員のおっしゃるようなことなのかどうか、これもいろいろ議論はあるんだろうと思います。しかし、百歩譲って特別公的管理であれば委員のようなことだといたしましても、先ほど申し上げましたように、いろんなこの問題について解釈があり得る以上、できればそういう解釈の争いの余地のない見解でいきたいというふうに考えて先ほどのような三つの観点から総合的判断をしたとお答えをしているわけでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 実務的な問題点、私が申し上げたわけではなくて、今、谷垣委員長が読まれた、あるいは御答弁されたところに触れられておるわけでございます。私の方から読むのは時間の観点からもったいないんですが、申し上げますと、当該銀行の株価等も考慮する必要がある、あるいは資本増強を受ける銀行の株主総会の特別決議を経ることが現実問題として可能かと、この二点を挙げておられるわけですが、その二点とも日債銀の場合には全く問題がないのではないかということなんですが、その点まずお認めになりますか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) この点は、株価の問題は、確かに現在は特別公的管理に入っているわけでございますから、その株価形成がどうだという問題はございません。むしろ日債銀の場合は、将来どういう会社に育っていくかという、また育てなければならないかということではないかなと、こう思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 したがって、日債銀の場合は実務的な問題がないということになるんだと思います。であるとするならば、その考え方として、国民の財産を守っていくということが一つあるわけでございまして、また実際上、商法上格別な定めをすることが認められているわけであります。  今読まれましたいろいろな学説に関して少しずつ細かくやっていきますと、「客観的に明白に実質的衡平に反する格別の定めは、たとい不利益を受ける種類の株主総会の議決があっても、その瑕疵は治癒されないというべきである。」というふうに言っておるわけでございますが、ここで言う「客観的に明白に実質的衡平」というのは具体的にどういうことですか。全く平等ということですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) それは、そういう学説があるということでございまして、その学説が何を考えているのかまで私ここで御答弁をする立場にはないんだと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 今の御答弁はちょっと理解ができない部分がありまして、学説を理由にこれができないと言っているわけですから、学説が言っていることは少なくともどういうことかということを理解されていない限り、理屈が通らないんじゃないでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 私の申し上げていることは、学説もいろいろであると。学説が一致してこうだと言うんであれば我々も判断は易しいわけでございますけれども、学説もいろいろあるときに、確かに委員は一つ一つの内容もよく理解せよとおっしゃるんですが、それは読みようによっていろいろ読みようがあるんだと思いますが、私が今ここで申し上げる立場ではないということをお答えさせていただきます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 いや、私の質問は、学説が言っていることの中身をどういうふうに考えているんですかと。文章が並んでいても中身がどういう意味かわからなくては議論ができないわけですから、これを根拠にそれができないということですから、ここで言っている「実質的衡平というのは具体的にどういうことなんですかということを伺っておるわけでございます。  もし、「実質的衡平」が、ここで言う「衡平」という言葉が、普通株主も優先株主も平等に扱うというふうに言われるんであれば、商法上許されている格別の定めということと矛盾するんではないでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 同じことの繰り返しで恐縮でございますが、学説をお書きになった方はそれなりの御判断でお書きになったんだろうと思います。私の申し上げていることは、学説が幾つか分かれているなということを申し上げているわけでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 いや、私が申し上げておるのは、学説が分かれているんじゃなくて、解釈を曲解しているんではないでしょうかということです。ですから、ここで言う「実質的衡平」の中身を挙げないと、明らかに商法上許されるということは、先ほど大臣御答弁されたとおりであります。この「実質的衡平」が全く一緒ということであれば、商法で書いてある規定と反するんではないですかということを伺っているんです。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、その学説の御著者が「実質的衡平」をどうお考えになっているかということについては、私はお答えする立場にはないんだろうと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 学説の御著者がどういうことを言っているかを伺っておるんではなくて、商法上許されていることがあるわけです。それは委員長も認められておるわけです。そうであっても、すべてはだめよという理屈で一つこれを出されたわけですから、一〇〇%ノーではないということは前段の商法上許されているということと矛盾してしまうんではないですかということを伺っておるわけでございまして、すべてがノーじゃなくて、ある場合はノーだということを言われるんであれば、ここで言う「実質的衡平」はどういうことですかということを伺っているんです。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 大変何か押し問答みたいなことになって恐縮でございますが、確かに浅尾委員がおっしゃるように、種類の株主が定められているわけですから、いろんなそこで定めができることは当然でございますけれども、どこまでできるかということについては学説によって違いがある。それで、その学説がそれぞれどういうことを言っておられるかというのもこれはいろいろ読み方があるんだろうと思います。かなり抽象的に書いてございますからね。  ただ、私が申し上げているのは、私どもが判断する場合には、ここはいろいろ学説が分かれているなということを考えて先ほど申し上げたようなことをお答えしたと、こういうことであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 別な観点から伺わせていただきます。  政府が優先株を取得するわけでございます。優先株を取得する交渉の一方の当事者は政府であることは間違いがないわけであって、谷垣委員長も認められておりますように、学説上ある程度区別する、学説上じゃなくて商法の条文上区別することができるということが認められているわけであります。  だとすれば、政府はだれの立場に立ってだれの権益を守ることを考えることなのかということを伺っておるわけでございまして、私は、政府としては、まず第一に国民の財産、権益を守るということを考えるのが当然なんではないでしょうかということを伺わせていただいておるわけでございます。  まず第一に、政府として当然、聞くまでもないことかもしれませんが、国民の財産を守るというのが第一義的にくるということは間違いありませんね。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) その点は、特別公的管理、そのほか金融破綻処理をしていきます場合に、費用最小化の原則というものがございますから、そのことは要するに今浅尾委員がおっしゃったこととほぼ同じ内容であろうと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 では、次に伺いますが、商法上許されている区別、優先株と普通株を区別することが商法上許されておると。これはもう認められておるわけですから、区別をした方が国民の財産を守ることにもつながるということも明白、明らかなわけでありますから、なぜそれをやらないんですか。  どういうふうにやれというのは、私がどういう場合かということを言っているんではなくて、それは行政で、あるいは再生委員会の中で、この範囲だったらできるということが当然あるんではないでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 繰り返しの答弁になりますが、私たちはやはり一種の総合判断として考えたので、それぞれの学説の中の何が「実質的衡平」かというようなところを、繰り返しになりますが、私どもが議論する立場にはないんではないかと思っております。  それから、もう一つ申し上げますと、特に今浅尾委員の御議論は、特別公的管理と関連して、先ほどのように実質的な問題ではないんではないかというところで御議論を進められていると思いますが、これは、もう一つは交渉の相手があるわけでございまして、今現に交渉している最中でございます。ですから、その個別具体のことは今ちょっと答弁は差し控えたいと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 応用されたいろいろな学説、まず一番目、二番目の方でも、これは政府の方で応用された学説ですが、「定款の定めが、ある種類の株主にあまりにも大きな不利益を及ぼすようなものである場合には、無効と解される余地がある。」と書いてあるわけですから、ゼロ対一〇〇だったら確かに余りにも大きな不利益を及ぼすということがあるかもしれないというのがここで言っていることかもしれませんが、その場合は「無効と解される余地」があるんでしょうけれども、そうでない部分というのが当然あるはずなんだと思うんですね。そこのところを考えられたらいかがでしょうかということを再三再四申し上げさせていただいておるわけでございます。  それから、実質的な話をさせていただければと思いますが、例えば日債銀のケースで申し上げさせていただきますと、日債銀が特別公的管理から今度は売却されて普通株が消却されるような、そんな事態というのはまず大体今交渉している人たちは想定はしないんだと思うんです。それは経営が失敗した場合であろうから、それは想定しない、あるいはそんなことがあるようだったらわざわざ買わないということなんだと思いますから、彼らにこのことを言っても、それほど交渉に私は影響がないんだと思うんです。  なぜこういうことをやらなければいけないかというと、政府の姿勢として、国民の財産を守るという姿勢がその方が出るんではないかという観点から申し上げさせていただいております。  そこで質問は、いろいろ質問させていただいても一遍にはお答えできないかもしれませんので、絞って聞かせていただきますが、まず、実質的にこの条項を入れた場合に、日債銀のケースで、彼らが困るような場合というのは想定できますか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 個別具体の話はちょっと今お答えは差し控えたんですが、一般論として申し上げて、困ることが想定できるかどうかというのは、これは交渉してみなければわからないことだろうと思います。  それと、先ほどのをややもう少し一般論で申し上げますと、一体普通株式を消却する場合がどういう場合かというふうにおっしゃって、確かに、それは委員がおっしゃるように、何というんですか、もうどうしても資本注入してもらわなければならないような、もう経営が行き詰まっているところはそういうことに応ずる可能性というものが多分にある例だろうと思います。  それから、もう経営が非常に優秀であって、絶対に普通株を毀損するようなことはないという自信を持っている場合も、普通株の株主はそれに応ずるようなことがあるんだろうと。一般論としては確かにそういうことが今の委員のお話を伺いながらあるだろうなと思いますが、個別具体にどうなるかというと、ちょっと私もよく判断まだできないところがございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 今一般論でとおっしゃいましたので一般論で話をさせていただきますけれども、先般も申し上げましたが、議決権を持っているのは普通株主です。ですから、経営に対して距離が近い、したがって責任をとらなければいけないのは普通株主であると。その点はお認めになりますか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) そういう御判断ももちろんあるだろうと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そういう御判断もあるということは、そうでない判断もあろうかということになるかもしれませんが、そこはあえて突っ込んでもきっとお答えになられないでしょうから次に進めさせていただきますが、では、その責任が重い普通株主とそうでない優先株主とを減資という事態が生じた場合に同等に扱う理由は何でしょうか。今、政府がやっているのは同等に扱うということですが。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) これもですからまたもとにぐるぐる回るんですけれども、要するにどこまで債権者平等の例外というか種類株主の方で決められるかという問題は、私は再三申し上げているわけですが、いろんな考えがあり得るので、これできるではないかと浅尾先生はおっしゃっているわけでございますけれども、こういうふうに学説が分かれていることは、最後に例えば訴訟になった場合にどういう判断が下されるか我々としてはわかりにくいというところもございまして、そういう判断も先ほどのような御答弁をした中にはあるということは御理解をいただきたいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 学説が分かれておるとおっしゃいましたけれども、先ほど申し上げましたように、冒頭第一段の方、「技術的困難が全くないのに、客観的に明白に実質的衡平に反する格別の定め」の「客観的に明白に実質的衡平に反する」という部分が、果たして本当に普通株と優先株とを平等に扱うということなのかどうかということをまず決めない限り、この学説がどういうことを言っているかということにつながらないんだと思うんですね。ですから、ここは何を言っているのか教えていただきたい。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申しましたように、私どもが、例えばこれは商法でございますけれども、いろいろ実務を進めていく場合に商法をどう解釈するかというときに、我々は有権解釈ができる立場ではありませんので、場合によっては法務省に問い合わせることもございますし、リーガルオピニオンみたいなものを求めてやる場合も、いろんなことがございますけれども、そういう判断の上でいろいろな意見があるので、総合的判断として先ほどのような考えで実務を処理しているということ、これは繰り返しになりますが申し上げたいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 では、確認させていただきますが、政府としては優先株と普通株を消却に関して同じに扱うのが平等だというふうに考えておられるんですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) というよりも、それは債権者平等に反する、つまり別種の取り扱いをすることが債権者平等に反する可能性があるという考え方もかなりあるんだなという理解でございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そうすると、先ほど読まれた商法の条文と今言われたことと矛盾しませんか。商法上は別種の取り扱いをすることが許されているということを御答弁されたわけでございますから、矛盾するんじゃないですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 矛盾はないと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 ちょっとよくわからないんですけれども、商法上別種の取り扱いができるというふうに読まれたわけです。しかし、別種の取り扱いをすることはしない、そういう考え方、いろんな説もあってということで、矛盾があるんじゃないんですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 矛盾はないと思っておりますが、もう一回私の申し上げていることをちょっとくどくなるかもしれませんが申し上げますと、原則として数種の株主が認められている以上、それは少し違う扱いがあるということはこれは商法上認められている、これは大前提でございますね。  ただ、それも全く株主平等原則と無縁なところで行われているわけではありませんから、その別種のそれぞれ違った取り扱いを決めるときに、債権者平等の枠内のものと株主平等原則からすると違法となってくる場合とが恐らくあるんだろう、こういうことだろうと思いますね。  それで、先ほど浅尾委員のお示しになった御見解、浅尾委員の御提案は、債権者平等に反するものではないと、つまり別種の規定でそのままいけると、別種の規定ができるという規定でそのままいけるというお考えですね。中には、いや、その決め方次第によっては違法になるんだという考え方もあるんだと。なるほど意見がいろいろ分かれているなと、これが私の申し上げていることで、ちょっとくどくなりましたけれども。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 よくわかりました。決め方次第では違法になるという立場に立たれるんであれば、決め方次第では合法になるわけでございますから、政府の立場としては決め方次第で合法にするのが私は政府の責務としてあると思いますが、その点いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) そこらはなかなか解釈上難しいところであるから、我々としてはいろんな解釈があり得る以上、そこから先は踏み込まない、こういうことでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 それはよく理解ができないんですが、そうすると、くどくなりますけれども、商法上定めてあることはできないとおっしゃっていることですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 余り何度も同じことをお答えするのは恐縮でございますが、あくまで商法上別種の定めをできるということを私は否定しているつもりは一度もございません。  ただ、どこまでできるかということについてはいろんな考えがあるんだろうということを申し上げているわけでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 この議論を続けても時間の浪費になってしまいますので、後日に譲らさせていただきたいと思いますが、政府の務めとして国民の財産を法律で許されている限りはやるべきだということを申し上げさせていただいて、質問をかわります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 引き続いて、長銀の株式の譲渡の件に関してお尋ねしますが、非常に大きいテーマで、これまでも前にも質疑をさせていただきましたが、少し十分でなかった点がありますので、順次お尋ねしていきます。  まず、買い主のLTCBが取得した株式、これを単に早い時期に売り抜けるということは、売り主側から見て株式売買の精神に反することなんでしょうか。その点についてお聞かせください。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、精神とおっしゃったんですが、御承知のように、この長銀の譲渡契約書においては、買い主であるパートナーズ社が保有する長銀株式、それをパートナーズ社が売却してしまうということについては特段の制約は課せられていないという構造になっておりまして、ただ、この長期譲渡契約の前文に「長期的な視野から投資を行い、成長力のある銀行として長銀を運営する目的で」と、こういうふうに書いてございますので、これがやはり契約を結ぶときの売り主、買い主の一つの何というんでしょうか契約を結ぶ経緯としては当然あるわけでございますので、精神と言っていいかどうかわかりませんが、その精神からすれば、すぐに売り抜けるということは今の前文に書いてある精神に合致しないということが言えると思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 精神には合致しないという点では私も全く同じ考えなんですが、特にこのようないわゆる企業売買、普通は買い主の方が慎重になって、いわば売り主は売ってしまえばそれでいいわけですけれども、今回の長銀の場合には、やはり公的資金四兆円という国民の税金をつぎ込んだという大変な特殊事情がございます。  そういった観点から見まして、私は、売り主側は、やはり買い主側が銀行を通常の形で、まさに前文に書いてあるように「成長力のある銀行として長銀を運営する目的」ということが非常に重要なファクターではないのかと。特に長銀の経営がまた揺らぐことによって金融界全体の信用が毀損されるというような、影響力が大変に大きいというような事情がある。あるいは長銀の経営が揺らぐ、あるいは長銀の経営方針によって資金の回転が悪くなって借り手の経営が揺らぐということがあってはいけないという事情がある。そういうことをいわば回避するために私は四兆円という巨額な税金を投入したと思うんです。  どうでしょう、委員長の御認識で、この四兆円を投入した、だからこそ新生長銀を購入するLTCBに対してはこういうことは守っていただきたいんだということをいわば再確認する意味でお答えいただければと思うんですが。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 我々は三・六兆と、こういうふうに申し上げているわけでありますが、当然、こういう公的資金を投入してロスを埋めて新しい銀行として再出発してもらったわけですから、我々としては、これがきちっと成長し、成長といいますかきちっとした金融機関にもう一度育っていって、国民経済の上からもあるいは世界の金融機関の中でもそれなりの役割を果たすものに育っていってもらいたい、当然のことながらそういうことを期待しております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 またこのLTCBの株の譲渡の点に戻るんですけれども、前回の私の質問の際には、LTCBが株を早期に他に譲渡することはできないかのような答弁もあったんですが、きょうのお話では法的にはできるということでございますね。  そうしますと、私が非常に疑問に感ずるのは、売り主側の立場としては、やはりLTCBが株を早い時期に売り抜けるということは精神に反するんだということでございます。であれば、やはり法的にもそれを禁止するような、そういう拘束力を持った規定をこの契約の中に盛り込むべきではなかったかと思うんですが、それが規定の中の法的拘束力を持つということにはなくて、単なる前文の宣言の中で「株式を購入する意図を表明し、」という形だけに終わっている。つまり、法的拘束力がないということについて委員長はどのようにお考えでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 長期保有を目的とするということが前文に入っているということは、いろんな契約を解釈する場合の、これもちょっと精神というあいまいな言葉を使って恐縮ですが、いろんな場合、解釈する場合の一つの精神、指針というものにはなってくるんだろうと思いますが、そのことが直ちに契約違反を問い得るとか法的拘束力を生ずるような構成にはなっていないということは委員の御指摘のとおりだと思います。  それで、金融再生委員会としてこの契約を結んでいきますときにどう考えたかと申しますと、こういう経済合理的に見ましても、株主であるパートナーズ社やあるいはパートナーズ社への出資者の方々にしてみれば、まず長銀を成長させることによって自分が投資したものを回収していこうというふうに考えるのが自然であって、早々に長銀株を売却するということは想定しにくい、余り多く想定しなくてもいいんではないかというふうに考えた、私、当時おりませんでしたけれども、そういうふうに報告を聞いているわけでございます。  それから、こういう長期的な保有の意図を表明しながら、仮にこれに違背した売却が行われるということになりますと、パートナーズ社あるいはそのパートナーズ社の出資者、例えばそれを組成したリップルウッド、こういうところの信用、評判というものにも私は影響が出てくるんだろうと思いまして、こういったところの今後のビジネスにも支障を来す、そういう一種のレピュテーションリスクと申しますか、そういうものもあるだろうと。だから、それが一種の歯どめになるんではないかというふうに考えたこともあると聞いております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 契約ですから、単に相手を信じたというだけではなくて、やはり売り主側にそれだけの必要性があればその必要性を担保する、そういう規定を設けるべきではないかと思います。  さらにその点について深めていきたいと思いますが、売り主側としては、この契約書を見て、第十一条、いわば借り手の保護ですけれども、新生長銀に対してその経営者であるLTCBは急激な回収を行わないといったような契約条項が入っております。これはまさに長銀の借り手を保護するということでありまして、いわば四兆円、約四兆円ですか、三・六兆円というお話でしたけれども、約四兆円もの税金を投入した一番の目的はここにあるのではないかというふうにも思われます。  それで、私思うんですが、仮にLTCBが株を他に譲渡してしまった場合、この十一条の借り手保護の規定は、株を譲り受けた新しい株主には当然この十一条の規定の効力は及ばないと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) この譲渡契約書は、委員がおっしゃるように、預金保険機構とパートナーズ社との間の契約でございますから、三年間適切な融資を継続するというこの十一条の規定も、パートナーズ社を縛るものではありますけれども、それを超えてその買い主に一般的に適用されるという性質のものではないというのは御指摘のとおりだろうと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 そうしますと、長銀の借り手を保護するということが私は長銀に多額の税金を投入したことの最大目的だと思うんですが、しかしそれが、結局LTCBがいわば契約期間の三年間に満たない期間に株を譲渡してしまえば契約上の拘束力は全くなくなるというと、こんな四兆円もつぎ込んだ大事な目的がLTCBのいわば信義ということの上に成り立っている。ですから、LTCBが何か心変わりをすれば、それで吹けば羽のように飛んでいってしまうという非常に危うい状態にさらしている契約じゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かにこの点の借り主保護の三年間の規定、売っ払ってしまった場合にはかかってこない、おっしゃるとおりだと思います。  ただ、これは先ほどの早く売り抜けた場合にどういう問題が起こるかといったときと似たような問題がございまして、やっぱり一種のレピュテーションリスクみたいなものがかかってくるだろうということはございますが、もう一つ、この契約書直接そのものの問題ではございませんけれども、新生長銀の公的資本増強の際に提出された経営健全化計画の中で、「資産判定において適資産とされた貸出関連資産については保有を継続するとともに、これらの顧客に対しては引き続き適切な融資を継続し、信用供与の円滑化を図っていく方針です。」と、こういうふうに掲げられておりまして、これを金融再生委員会としては適時計画をフォローアップするということで今の継続的な貸し出しを担保していくという構造になっておりまして、これはもちろん契約そのものの問題ではございませんけれども、そういう構造になっております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ただ、その提出された健全化計画ですが、これはいわば法的拘束力があるんでしょうか。例えば、貸し出しの早急な回収をしないという健全化計画があったとして、仮に銀行がそれを守らなかった場合に、その回収を無効だとするような法的拘束力は出てくるものなのでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) これは経営健全化計画一般の効力の問題として、時々フォローアップをして定性的なヒアリングをし、報告を徴求する。それは世間に発表して、言うなればそういうパブリックプレッシャーみたいなものをかけて、まず自主的にやっていただくという、それでパブリックプレッシャーをかけるというのが第一でございます。  しかし、その計画を故意に無視するというようなことがあった場合には、監督上のいろいろな是正命令というような措置がとり得るということであろうと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 その是正命令は、個々具体的に、融資を回収してしまった、その回収した融資金をまた貸出先に戻せと、そこまで私法上の契約関係に干渉して実行する法的権限があるんでしょうか。    〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) その点は、小川委員のおっしゃったように契約上の効力と違いまして、こういう行政上の監督権限というものが私法上の効力まですぐ立ち入るようなことができるかどうかというのは委員のおっしゃるとおりだろうと思います。  ただ、こういう形になっておりますいろいろな、これを決めますときもいろんな議論があったわけでございますけれども、要するに貸し出しを完全に法的に義務づけていくことを余り強く求めますと、結局借り手の方の一種のモラルハザードみたいなものもやっぱりあるではないかと。やはりそれぞれの経営判断と、ある意味での借りる方も経営努力をしていくということがなければいけないという議論があったと聞いております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ちょっと議論の筋が違ったような、借り手のモラルハザードということの話がありましたが、モラルハザード云々かんぬんを別にして、借り手は保護するという大前提でこの十一条の規定があるわけですね。保護するという大前提があるのに、モラルハザードが起きるといけないから保護してはいけないかのような論理はちょっと説明にならないとは思うんですが。  私、この契約を見まして、特に相手が欧米の企業ですので、いわば契約社会、仁義とか信頼関係よりも契約関係を重視するというようないわば契約社会にある相手方であります。あるいは、例えばマレーシアの国家財政がソロスという人に代表される投機集団によって大変な危機に陥れられた。陥れられたという表現はちょっと別にしても、陥ったということがありました。いわばそうした、欧米だけではないのかもしれませんが、投機集団の非情さというものも実際に現に生じておるわけです。  そうしますと、この契約書に禁止されていないことは裏返せば許されているんだというのが私は契約社会の物の考え方だと思うんですが、そうすると、幾ら精神が云々、あるいはそういうことをすれば社会的批判を浴びると言ったところで、契約書で禁止されていないんだから許されるという論理で買い手側が出ることは十分予想されるんじゃないか。また、そういう行動が出てきたときにこの契約は対処できない契約じゃないか、こういうふうに思っておるわけです。  ですから、私は大変なリスクにさらしたと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) いわゆるハゲタカファンドなんという言葉がございまして、そういうものに日本の破綻したとはいえ金融機関を公的資金を入れて売っていいのかという御議論が一方であることは私もよく承知をしております。  それで、私も国際社会における契約のルールというものがどういうことなのか十分には小川委員にお答えできるわけではございませんけれども、小川委員の今のお考え方とは若干やはり私は違っておりまして、書いてないから何でもできると果たして言えるのか。先ほど書いてありますように、意図をやはり表明しているわけですね。長期的に保有をしていくということを表明しておりまして、そのためのペナルティーというのは契約書には書いていないわけでございますけれども、国際的な企業社会の中でそういう意図を表明しながらたがえていくということに対する国際上のレピュテーションといいますか、そういうものはやっぱり傷つくのではないかと、私はこういうふうに思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 そうすると、買い手の方はこの購入した株式あるいは取得した株式を早急には売らないという考えでおるという前提に立っているお話だと思うんですが、そうしますと、買い手の方で別に売る気がないということを表明しているのであれば、なおさらのことそれを契約条項に盛り込むことは容易だったし、盛り込むべきだったと思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) それはそういうお考えもあるのかもしれませんが、当時の議論はそうではなかった。それはいろいろな契約条件を検討して、その比較の中でこれが一番我々にとって有利な提示であった、結論から申し上げればそういうことであろうと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 そうすると、これはもっと細かいことになると、株式の譲渡禁止に関する規定を入れることを求めなかったのか、あるいは求めたけれども断られたのか、そこら辺の交渉経過はいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) その当時の交渉経過については、ちょっと今私事務局に問い合わせませんと正確にお答えする自信はありませんので、よろしければ事務局に答弁をさせます。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答えを申し上げます。  交渉の過程においてそのような話が出たことは確かでございますけれども、先ほど来大臣が御答弁されているような趣旨を双方が認識し合って、最終的に現在の契約書のとおりになったわけでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 どうも、双方が認識し合っているなら、なおさらそういう条項を入れればいいかと思うんですね。契約ですから、そしてまた売り主側から見て大変に重要な事柄ですから、これはやはり双方が認識し合っているなら入れないことがなおさらこれは契約締結するに当たってのいわばミステークだと私は思えてならないんですが。事実経過はわかりました。  それから、若干別な話に行きますけれども、先ほど委員長の答弁の中で、買い主側のLTCBは、こういう契約の中で条項とはなっていないけれども成長力のある銀行として長銀を運営すると購入の目的を表明している、こういう意図に反することを行えばいわば信用を失うというような趣旨のお話がありました。  それで、じゃその点を深めるためにお尋ねするんですが、このLTCB・パートナーズというのは、いわば出資者が長銀を購入するためだけに出資金を出し合ってできた会社でございますね。この点はそういうことなんですが、そうすると、仮にLTCBがそのような表明に反する行為を行ったからといって、その出資者が何らかの批難を受けるあるいは責任を負うということは通常考えられるんでしょうか。やはりあくまでも、そうした仮に信義に反することがあるとすれば、その信義に反することを行ったLTCBの経営者にそうした評価が加えられるかもしれませんが、経営に全く関与していない出資者にまでそのような評価は与えることができないと思うんですが、どうでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 第一義的にはやはり委員のおっしゃるように、パートナーズの代表者が今長銀の経営陣に入っております。ですから、まず第一義的には彼らの、パートナーズの代表でありしかも長銀の経営に参画している人たちの、信義違反をすれば、彼らの評価、信義というものに対する傷がつくだろうと思いますが、幾つかの会社が、かなり有力な会社がこのパートナーズに出資して長銀を買い取りたいというところに投資をしたわけですから、第一義的ではございませんけれども、第二義的にはそちらに対する評価ということにも影響してくるだろうと、こういうふうに思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 LTCBの設立目的は、いわば出資者の利益のために集まって出資がなされてできた会社だと思うんです。そうしますと、出資者から見れば、LTCBが新生長銀を経営することによって得られる利益、またその利益を得るためにかかる時間というものと比較して、短期に取得株式を売却して得た利益の方が大きければ、より効率のいい利益を上げられると。そうすると、出資者の観点から見れば、あるいは投機、投資という観点から見れば、LTCBが短期に利益を確実にするということの方が高い評価が与えられることもあると思うんですが、しかし、それはこの売買契約の趣旨には反することですね。それはどうなんでしょう。  ですから、この売買契約の趣旨に反しても、LTCBが投資目的の出資を集めた会社だとすると、むしろ短期売買の方が効率よい投資を行って収益を確定したということで高い評価を受ける場合もあると思うんですが、どうでしょう。そうすると、この売買契約に定めた表明の意図に反することになるわけですが、反することが結果的にむしろ投資的な観点からすると高い評価を受けられることがあるようにも思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、投資をした、それをどう回収するかということだけ考えれば、今委員のおっしゃったようなことが、現実にそういう長銀の業績に対する、新生長銀に対する評価が高まって高い価格で売れるということになると、短期で売った方が利益が回収できるではないかという判断もあり得るんだろうと。それは、経済合理性といいますか、利益を極大にしていくという観点からすれば全くないわけではない判断だろうと思いますが、しかし一方において、契約書においてこういう意図を表明しているということの意味はそう軽くはないのではないかと思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 このLTCBは有限会社でございますね。つまり、出資者は無限責任を負わないという意味で、有限会社でございますね。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 日本の法制で何に当たるのかちょっと正確には申し上げられませんが、パートナーズ社のパートナーとして責任を負う人と、それからリミテッドパートナーというのは責任が限定されている、二種類あると記憶しております。ちょっと正確には事務局に御答弁させます。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  大臣のお答えされたとおりだと思うのですが、我々の認識では、いわゆる日本でいえば組合、すなわちパートナーズは投資ファンドなり投資組合というものでございまして、投資組合につきましては、ゼネラルパートナーという無限責任を負う人間と、リミテッドパートナーズという有限責任を負う人間との組み合わせであると、こういうふうに認識しております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 そうすると、無限責任を負う者がいるということですね。  そこら辺のところを確認したいんですが、この売買契約書上ではLTCBの出資者の責任に関する部分が条項もないし資料もないので全くわからないんですが、それを確認できる資料、この契約書にはLTCBのパートナーシップ契約書が添付されているとあるんですが、このLTCBのパートナーシップ契約書、これを提出していただけませんでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  いろんな各種資料、本院で求められているものも含めましていろいろございまして、当方としましては、どれを開示していいか、どれを開示してはいかぬかということについて協議をいたしまして、向こうの、先方の意思を確認しておりますけれども、ただいま先生が御指摘されておられますのはパートナーシップ契約というものかと思いますが、先方はその開示に反対しております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 先方が反対するといっても、例えばこの売買契約書にはLTCBのパートナーシップ契約書を添付すると書いてあるから添付されているわけですよ。しかし、その添付資料を他に公開してはいけないなんという公開禁止の規定は入っていないわけですよ。これは当然公開すべきものじゃないでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  その点は先方との契約からというよりも、当方としては国家公務員法上百条の守秘義務を負っておりまして、先方が公開を反対しているものを当方が公表するというわけにはいかない次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 しかし、これは契約の付随資料ですからね。  それから、これまでに出たモルガン・スタンレーとかその他のアドバイザリー契約、あれも、ちょっと話が飛びますけれども、公務員法の守秘義務を持ち出しますけれども、私は大変不思議でならない。  というのは、政府があるいは預金保険機構が検査か何かに入ってたまたま入手した資料を、それを漏らさないと言うんだったら私は公務員法の規定に当たると思うんですよ。だけれども、アドバイザリー契約は、預金保険機構が契約した契約当事者のその契約に関する資料でしょう。例えば、ゼネコンがどこかの工事を受注した。ゼネコンが、いや、受注金額を教えないでくれと言ったらその工事代金を公表しないんですか。  すなわち、行政上の権限を利用してあるいは行使して入手した民間会社の秘密じゃないんですよ。国がお金を払った契約の相手方じゃないですか。その契約の内容を教えろと言っているんですよ。これは公務員法の守秘義務の規定に当たるのかどうか。あるいは情報公開という制度に明らかに反すると思うんですが、その点いかがですか。  今出ましたので、またその点について、同じゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのアドバイザリー契約書の公開について、相手方が反対する賛成するという契約相手方の意思に無関係に、国が契約したその契約に関することですよ、当然これは公開すべきことだと思うんですが、どうでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  先生の御指摘ではございますが、我々としては、国と先方との契約でございますけれども、国家公務員法の守秘義務は先生の御指摘のようなことに対してもかかっているというふうに理解しておりまして、先方の同意が得られない以上開示はできない。それは公共工事の入札等についての話と全く同様に我々は考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 では、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスにアドバイザリー契約料として幾ら支払ったのか、それについてお答えしていただけますか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  ゴールドマン・サックスにつきましては、長銀の譲渡についての預保のFAでございましたし、三月一日に譲渡完了とともにFA契約は終了しているわけでございますが、先方に確認したところ、その報酬については開示することは今後のビジネスに差しさわるので困るという強い求めがありまして、お答えできない次第でございます。  また、モルガン・スタンレーにつきましては、日債銀につきましての預保のFAでございますけれども、現在交渉中でございまして、そういう支払いというものが起きているような状況ではございません。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 一言で言えば税金を幾ら使ったんですかと聞いているわけです。どうして答えてくれないんですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員の御質問の点はこの委員会でも随分何度も御議論をしていただきまして、衆議院でもいろいろ御論議がございました。私としましては、できるものはできるだけ開示していくべきだと考えて、中も指導しているつもりでございますが、やはり民間のいろいろなところと契約をしていきます場合に、これはやはり全部を出すわけにはいかない場合があろうかと思います。そういうふうにいたしますとなかなか契約等もできなくなってしまう場合がありまして、今までできるところはできるだけお出しをしているということで御理解をいただきたいと思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 契約書を見せてくれと言って見せないと言うから、ですから税金を幾ら使ったのかと聞いているわけです。別に契約書を見せろとは言っておりませんし、契約書の細部まで見せろとは言っておりません。預金保険機構と契約を結ぶ、当然税金ですから買い主だってこれは当然税金の使い道として国民に明らかにしなくてはならないということは認識して契約していると思うんですよ。買い主ではなくて受託者ですね、今回の場合には。  そうしたら、契約の相手方がいい悪い言っている云々かんぬんは別にして、当然税金を幾ら使ったかということに関してはこれは国民に対して説明する義務があるでしょうし、当然またしなければならないものだと思うんですが、どうですか、もう一度だけその点、契約書の内部じゃなくて税金を幾ら使ったのかと聞いているわけで、その点についてだけ答えてください。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) アドバイザリー契約の報酬は幾らかというお話でございますね。  これは先ほど事務局長も御答弁を申し上げたところでございますが、アドバイザリー契約で幾らで向こうからすれば請け負ったということだろうと思いますが、彼らの経営ノウハウといいますか、そういう企業秘密の一番肝心な部分に属するということでございまして、これは公開することに承諾が得られないという状況でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 とても納得できない。できる限りすべてを公表してきたという委員長の先ほどの答弁でしたが、できる限り隠してきたというふうに考えているのが私どもの受けとめ方でございます。  先ほどのまたLTCBのパートナーシップ契約書の点ですが、無限責任社員がいるということでしたが、これは無限責任社員は具体的にどの会社になるでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  ゼネラルパートナーが無限責任と私申し上げましたけれども、組合の仕組みからそうなっているわけでございますけれども、その出資者となる会社の責任者としてはコリンズとフラワーズでございまして、その二人が現在長銀の経営陣の中にも入って、取締役に入っている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 コリンズとフラワーズというのはこれは個人ですか。これは出資もしているわけでしょうか。一応記録に残してください。    〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  多寡はともかくとして、現実に出資しております。そして、先ほど申しましたゼネラルパートナーというのはその出資元の会社であり、その責任者としてコリンズとフラワーズであるということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 その中に主要投資家としてむしろ大きな金額の投資をしている有力な企業があるんですが、こうした有力な企業は無限責任ではない、すなわち出資した出資金の範囲でしか責任を負わないと、こういうことでよろしいわけですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  パートナーズ社への出資者として先方と協議した結果、八つほどの出資者の名を挙げることに向こうは同意しておりまして、先生が御指摘なのはそのうちの幾つかの欧米の銀行、証券会社のことをおっしゃられるかと思いますけれども、そうであるならば、そういうところは無限ではなく有限でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 この売買契約書で、これは日本の法規に従った契約だということになると思うんですが、日本の法律用語では余り耳なれない「表明」するという言葉がよく出ております。表明するというのは我々日本の法律ですと約束をしたことは確約するとか約束すると言うわけですが、この表明するというのは日本の契約ではそれほど使用しないというかめったに使用しない言葉だと思うんですが、表明するという言葉にどういう法的な意味があるんでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  「表明」とこの契約書に書かれているところが幾つかあるわけでございますけれども、例えば先ほどお話が出ました長期的な視野から投資して株を持ち続けることを表明するという場合の表明というのと、中の事項の中で表明してそれに対して補償義務が出てくるところがございますね。そういう違った意味で表明が使われてございますけれども、法律的な意味での表明ということで言うならば、後者の例えば裏保証がこの銀行にはございませんということで、向こうに譲渡していて三年のうちに何か裏保証が見つかったときにはその表明違反ということで補償をするという意味での表明というのは法律用語で使っている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何かよくぴりっとしなかったんですが、表明違反があると、直ちにその表明をした事実に反すると、契約上不履行責任あるいは担保責任を負う、こういう趣旨ですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) この契約書で私が先ほど申しました後の意味で使っている表明につきましては、どういう補償をするかについて定めてございまして、一件当たり一億円未満というものについては細かいのでそれは補償はいたしませんということ、ただし累積していって五十億円以上になった場合には補償いたしますと、こういうことも書いてある次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何か余り聞いていないことを答えられても困るんですが。  端的に聞きますが、この契約書の中で5の3に「ニュー・LTCB・パートナーズの表明」という部分があるわけでございます。ここでは表明に反することがあれば5の4で例えば「ニュー・LTCB・パートナーズの補償」というようなことで、まず表明して、表明した事実に反すればその補償をするというような規定になっておるわけです。  ところが、同じ表明でも一番大事な第十一条の借り主の保護、つまり三年間は急激な回収を行わないといった、いわば四兆円も投入した最大の目的であるような非常に重要な事柄が第十一条には書いてあるんですが、この十一条はLTCBが表明しただけであって、表明しっ放しで、その表明に反してもLTCBが責任を負うという部分の条項がないんですよね。片や、表明に反すればLTCBが補償をするという条項があるんだけれども、この借り主の保護に関する十一条に関してはLTCBが表明しっ放しで表明に反した場合にどうなるかという補償とか責任の規定がないんですが、これはどういう構造になっているんでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答えを申し上げます。  5の4の「パートナーズの補償」と申しますのは、先ほどちょっと申しましたように、クロージング時点においてこういうことが後でわかったら損害を補償しましょうという趣旨でございます。  一方、先生御指摘の三年間急激な回収を行わずに借り手を保護している部分については、政策の意図表明ということでございまして、もしそれによって何か国が、その表明違反によって国に損害が出れば当然損害賠償請求の対象になるというふうな認識でございまして、そういう意味でここの5の4の条項の中に入る性格のものとは違うと。違いながらも、またそれで一応整理されているというふうに我々は考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 どうもぴりっと答えてくれないんですがね。  これ十一条、「表明する。」とあるわけですよ。例えば、普通日本語の、これ日本法を根拠にした契約ですからね、日本語ですと、必ず実行する、確約するとかいうような言葉を使うわけですよ。表明すると言うと何か言いっ放しで終わっちゃっていて何の法的拘束力もないような、単なるモラル規定といいますか努力条項みたいに読めるんですがね。  この第十一条の「表明する。」というのは努力条項なんですか、それとも法的拘束力を持った規定なんですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  十一条で申し上げましたのは政策の意図表明でございまして、そういう意味では先生御指摘のとおり法的拘束力は持っておりません。  ただ、先ほど来大臣からも御答弁されましたとおり、これにつきましては長銀自体の経営健全化計画のフォローアップで我々はそこを見続けているということでその政策の意図は実行されるものと考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 だから、何か聞けば聞くほど随分ひどい契約だなと思うんですよ。  四兆円、委員長は三・六兆円と言われましたけれども、約四兆円もの税金を投入した、途方もない巨額の資金を投入したその最大目的は、長銀の安定した経営とそれから借り手の保護ということが私は最大目的だと思うんですよ。  あたかも、この契約を見ると前文に、長銀を安定して成長力のある銀行にするために経営すると入っている。十一条を見ると、確かに借り手の保護の規定が入っていますよ。だけれども、契約書に入って字があったって法的拘束力がないんじゃ、意味がないとまでは言わないけれども、ほとんど意味がないんじゃないですか。少なくとも、すべてこんなに大事なことが、四兆円もの税金を投入した最大の目的、長銀の安定経営と借り手の保護というものがいわば買い手のLTCBの信義の上にかかっているだけじゃないですか。  だから、LTCBが信義に反したり、あるいはウォール街が大暴落してもうなりふり構わず信義を守っていられないようなだれも起こると予想しないような事態が仮に起きた場合の対処が全くできない、そういうことになるんじゃないでしょうか。いかがですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 小川委員は、要するに、信義に頼るだけで法的な担保が何もないではないかと。  これは、確かに先ほど事務局長がお答えしておりますように、こういう政策でこういう運営方針で運営してほしい、運営してくれという、向こうのいたしますよという表明でございますから、これは先ほどの繰り返しでございますけれども、法的効力というものは確かにその限りにおいてはないわけでございますけれども、先ほど申しましたように、こういうことを公式に表明しながら、しかもそれを実施しないという、もちろん今委員が想定できないような事態とおっしゃいました、当初の事情と大きく変更してくるようなことがあればまたいろいろ解釈論上もあるのかもしれませんが、こういう意図を表明しながら実行しないということに対しては、これは委員は信義とおっしゃるかもしれませんが、やはり取引社会上の評価というものはあろうかと思っております。  それにあわせて先ほど申しましたように経営健全化計画の行政上の手法で対応していこうということになっておりまして、確かにこの契約だけでどう対応するかというふうに委員に問われれば、そこまではこの契約書には入っていないというふうにお答えをせざるを得ないと、こういうことだろうと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 長銀がまさか倒産するなんていうことはだれも予測しないけれども倒産したわけでして、いわば予測しないけれども、しかし考えられることはすべてリスクが生じないように考えて、そしてきちんと契約するのがいわば管理者の務めだと思うんですよね。だけれども、突き詰められて、相手にさよならされて、あるいは約束が守られなかったときに何の拘束力もないというんじゃ契約としての意味がないんじゃないかと思うんですよね。単なる誓約書を差し入れてもらったと同じに近い。  ただ、あと契約書の意味は、これまで再三浅尾委員が細かく説明したように、買い主ばかり有利で売り主ばかりが担保責任を負わされる規定ばかりずらずらずらずら入っている。唯一買い主が約束した十一条の借り主保護の規定は、実は法的拘束力がない単なる表明だったと。これじゃ、国民の財産を管理する、あるいは国民の財産を投入した長銀を安定させていくという、そういう趣旨が守られない、あるいは守られないかもしれない事態に陥れるリスクを負わせていると思うんですが、そこら辺のところはどうでしょう。こういう契約はやろうとしたけれどもできなかったのか、それとも今言われてみていや初めてそうだったと気がつくことなんでしょうか、どっちなんでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員がいろいろ指摘されたような想定しなかった事態が起こった場合にどうするんだと、こういうことでございますが、そのリスクをどのぐらいのものとして考えるかということにもよるんだろうと思いますね。ですから、あらゆる事態に万全を期せ、そのための損害担保の方法もきちっとつくっておけと、こういうことになりますと、委員の今おっしゃった立場からしますと欠けている点があるのではないかということになるんだろうと思いますが、私どもとしては必ずしもそのようなリスクを読み込まずにという点が一つございます。  それからもう一つは、幾つかあった買い手の中から、いろいろ契約条件といいますかそういうものをやってここが一番我々にとってぐあいのいい条件であったと。こういうこの二つでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 じゃ、まとめて結論的に聞きますから端的にお答えだけしていただければいいですが、まず、買い主のLTCBがごく短期に株を他に譲渡して売り抜けてしまったということをこの契約書は禁止できない規定になっておりますね。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 契約上それにペナルティーを負わせるということはこの契約としてはなっておりません。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 それから、ペナルティーだけではなくて、そういうような動きを察知したときに契約違反だといって差しとめすることもできませんですね。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、そこで何か損害が発生してくるということが具体的にあればまた違うかと思いますが、今のように売り抜けること自体が直ちに契約違反という構造になっておりませんので、それを差しとめするということは少し考えにくいかなと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 どうも、少し考えにくいというのは、何かよく考えれば考えられるのかと思うんですけれども、できないんじゃないんですか、契約上の義務が入っていないんだから。もっと、少し考えにくいじゃなくて、できないとはっきり答弁してください。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 契約上そういう義務を負っているわけではありませんので、契約違反として差しとめるということはこれはこの契約上できる構造にはなっておらないと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 これもまとめですけれども、借り主保護の第十一条、急激な回収を行わないといったそういう借り主の保護の規定も、これもLTCBが宣言しただけであって、これの違反に対する制裁、あるいは急激な回収を行おうとした場合にそれを差しとめるといった意味の法的な拘束力はないと、こういうことでよろしいわけですね。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 意図を表明しただけであるというのには私は同意いたしませんが、法的な構造としては委員のおっしゃるとおりだろうと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 じゃ、その点については結論がほぼ出ましたので、次に行きます。  例えば、LTCBが経営権を掌握したと。しかし、その後の経営に関しては全く自由になっておるわけですけれども、私が個人的に心配するのは、税金を四兆円もつぎ込んだ、三・六兆円もつぎ込んだその新生長銀がやはり当然利益を上げたいというときに、例えば今国内では大変な低金利だ、今貸し出しするとしても二%前後ぐらいでしか貸し出しできない、であるなら海外で投資した方がより利回りがいい投資ができるというようなことで、せっかく私たちの税金が多額投入されながら実際の資金は海外にばかり向いてしまうんではないかということを私は今懸念に思っているんですが、ここら辺はいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) これは長銀に限らず、海外の方が投資して運営に有利であればそれはできるわけでございますけれども、もしパートナーズ社がそれを目的として長銀を買収したということになりますと、長銀は、今いる人的構成といいますか従業員も日本人が中心でございますし、日本の国内に貸してきたというのが中心でございますから、やはり得意なところもそこにあるということになるんだろうと思います。  したがいまして、そういう今委員のおっしゃったようなことを本来目的とするのであれば、必ずしも長銀を買うということが目的合理的ではないのではないかなという感じは持っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 本来の目的はそういう意図で買い主の出資グループが出資してきたということではなくて、一つの巨大金融機関が、実際に借り手保護の必要性があるというような状況にあるときに、いわばその資金を買い主の意図とは無関係にして、今の経済情勢からいえば日本の国内で日本の借り手に融資するよりも海外に投資した方が有利ということで、日本の借り手の保護のためよりも海外の方に目が向いてしまって、せっかくの私たちが納めた税金の中の巨額な資金が投入されているその効果が薄くなってしまうんではないかということを感じておるわけです。  ですから、契約の目的の意図ではなくて、今の実際の日本と欧米の金利差などの情勢を考えるとそういうことにはならないかという懸念を持っておるということですが、いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員のおっしゃったことも私は今の金利差ではもちろん理解できないわけではないんですが、ただ私どもの判断は、長銀という銀行の組織そのものが必ずしもそれに向いたわけではないからそういう方向で動いていくということを、もちろん契約の目的自体もそういうところにあったわけではございませんので、余り現実性を持って今非常に考えているわけではありません。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ただ、出資者を見ると欧米の有力な銀行が多いですよね。ですから、出資者のそういった組織体を使えば、いわば新生長銀のお金だけが海外に行けばあとは各出先の出資者銀行が取り扱うことだってできるわけですから、組織が別に国内にあるということが必ずしも資金が行かないという理由にはならないと思うんです。  結局、これまでの議論で何回も出てきたように、新生長銀が今役割を担わなければならないのは、やはりこれまでの長銀の借り手を保護しなければならない、そのことによって日本の企業を安定させなければならないという非常に重い責務があると思うんです。  それで、この契約書を見ますと、今後のそういう契約に関しては借り手から急激な回収を行わないということは、過去のことについては触れているんですけれども、将来のことについて全く制約がないんです。例えばそこのところも、過去のことについて法的拘束力がない表明を入れたぐらいならば、将来のことについても、日本での資金の運用を重視するとか何かそういう表明ぐらい入れてあってしかるべきだと思うんですが、そこのところはいかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今の点に関してどういう議論があったかも実は私正確に今、事務局の方が正確だろうと思いますが、その点は、先ほど申し上げたように、十一条というものが委員の御指摘のように必ずしも政策意図の表明であるということであってもかなりそういう役割は果たしているのではないかなと思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 私がいわばLTCBの当事者になって悪知恵を働かせたらこういうことができるなと考えまして、新生長銀から千二百十億円を出資者に融資してしまうと。そうすると、出資者は出資した千二百十億円が即戻ってきちゃうわけです。では、融資金の返済はどうするんだといったら、いやLTCBに対する出資金を担保にしてそれが現実に資金化されたときに返すなんということにしておけば、ごく短期間見せ金的に千二百十億円を用意しただけでこの新生長銀が手に入ってしまうように思えてならないんです。  例えば、少し前の話をより細かくした話ですけれども、出資者に対して特別有利な融資をしてはならないとか、特別ではなくても出資金に見合うお金が返ってしまうような融資あるいは融資に準ずるような取引をしてはならないとか、そういうことの規定も少し考えてみた方がよかったんではないかと思うんです。そこら辺、どうもLTCBさんは月光仮面か、困っているときに助けにあらわれた白馬の王子様みたいに、何かすべて善人善人みたいな話で、きちんと約束を守ってくれるだろうというようなお話ばかりで、どうも本来の管理者としての注意義務が欠けていると思うんです。  どうでしょう、質問がちょっと長くなりましたけれども、例えば今私が言ったように、千二百十億円の出資者、これに対して千二百十億円を出資していわば見せ金的に一時的に出資がなされたなんという操作がされた場合、こういうことをやれないんだというような何か根拠といいますか、あるいは契約書上のこの取り扱いなんというものはどういうふうになっているのか、お聞かせいただければと思います。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員がおっしゃったような点は、銀行法上の大口融資規制とかアームズ・レングス・ルールといいましたか、そういうようなものが銀行法上でもございますので、今委員がおっしゃったのはそういうことで対応できるのではないかなと、厳密に解釈するとどうか事務局から補足をあればしてもらいますが、ちょっとそういう感じがいたしております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ちょっとそういう感じに当たらないと思うんですがね。  結局、だから、例えばA社がLTCB・パートナーズの出資者だ、仮に百億円出資したと。そのA社に新生長銀が百億円融資するということはできないんですか。私はできると思うんですが。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと今の点は事務局から答弁をいたさせますが、私はさっき申し上げたようなことにかかってくるんじゃないかなと思いますが、詳しくはちょっと事務局から。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) もっとしっかり答弁してください。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) 先ほども大臣が御答弁されましたとおり、銀行法上の大口融資規制とアームズ・レングス・ルールでそういう問題は取り扱われている、規制されているということでございまして、先ほど先生がおっしゃられた例がそれに当たるかどうかにつきまして私は確たる答弁はできないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、銀行法上の規制でそういう脱法的なことがあるとすればそれはふさがれているものだと思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 銀行がこのLTCBの出資者に融資ができないということは考えられないと思うんですよね。ですから、私、大臣が言われた規制には当たらない場合だと思うんですが。  次に行きますけれども、新生長銀は、株主はこうしたLTCBになりましたけれども、どうもやはり長く日本長期信用銀行としてあった日本の銀行でありますし、国民の税金が投入されているというようなことを考えますと、例えば、LTCBが大変に首尾よく長銀を経営して将来株を譲渡する、それも上場という形で株を譲渡する場合に、ぜひとも日本の東京証券取引所に上場してもらいたいと思うんですが、どうもこの契約書を見ると、別に日本の株式市場じゃなくて世界どこの株式市場であるいは株式市場によらなくて相対取引で株を売却してもいいようになっておるんですが、どうも気持ちの上では、長銀が立ち直って株を公開するときには、あるいはLTCBが譲渡するときには、東証での上場公開ということをしてもらいたいと私は思っているんですが、結論的にはそういうことは全く考慮されていないんですが、ここら辺のところはどうなんでしょう、全く考えなかったんでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  議論はいたしました。結論として言えば、グローバルな金融の世界でございますので、東証に上場するかあるいはニューヨークに上場するかというのは契約上は縛らないということになりましたが、先方は明確に上場はまず東証、日本の銀行でございますので東証で上場したいということは言っておりました。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 言っていたんなら契約書に表明させればよろしかったんじゃないですか。先ほども言うように、表明というのは法的拘束力がないというんだから、法的拘束力がない表明ぐらいなら幾らだってさせてよかったんじゃないですか。  それから、東証に上場すれば株式の譲渡益は課税できるんでしょうか。そして、東証ではなくて海外の取引所に上場した場合あるいは海外で相対取引で株式を譲渡した場合のこの株式譲渡益の譲渡益課税というものはどうなっていますでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) それは取引の行われるところによってまた違ってくる、それぞれの法制によるんだろうと思いますが、ちょっと税法のことでございますので事務局から答弁をさせたいと思います。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  委員御指摘の株の譲渡でございますが、株式をだれが保有しているかというと、原則的には株式自体はパートナーズ社が持っているわけでございますが、パートナーズ社は組合でございます。したがって、パートナーズ社の持っている株というのはパートナーズ社へ出資しているその先の投資家、これは世界にいろいろいるわけでございます。そういう方がいわば株を譲渡するときのキャピタルゲイン課税という考え方になって、これは税当局が答えるべき点でございますが、私が理解している限り、それぞれのパートナーズ社の出資者のいる国と日本国との租税条約によっていろいろ区々に場合が分かれるというふうに理解しております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 私の理解では、これは推測に当たるんですけれども、なぜ各欧米の出資者が、オランダ法人、オランダ法によって組合をつくったのかというと、利益を上げたときの譲渡益課税が一番安く済むようなことを目的としたためではないかと私は推測をしておるわけです。  ということは、例えば東証で、日本の国内で株を上場して譲渡益が出て、それで日本の国が課税できないような、そういう仕組みになっていれば、先ほど言われたように東証で上場したいという言葉での何か意思表明を受けたらしいんですが、それは実際には、彼らは投資組合ですから、税法上不利益な扱いを受けるところで取引するわけがないんで、さすれば東証に上場するというのも結局は言葉だけで終わってしまうんじゃないかという気持ちを抱いているんですが、そこのところはいかがでしょうか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  正確には税務当局に御質問いただきたいと思いますが、私らが理解している限りにおきましては、先ほど申しましたように、確かにオランダに籍を置いた投資組合でございますけれども、日本の法人税法上、組合についてはその組合の先の者がどこの国籍に属しているかという扱いがなされると聞いておりまして、それは世界にいろいろ区々に分かれるわけでございまして、そしてそこの国と日本との租税条約によってキャピタルゲイン税がどこに落ちるかが決まってくるということを聞いておりまして、どこに上場するかということ、ニューヨークに上場するのか日本に上場するかによってキャピタルゲイン課税の関係が変わるというふうには理解しておりません。  もしそういうことであるならば、確かに東京市場に上場することを契約上入れるか入れないかというのは先生の御指摘になるように大きな問題になってくるわけでございますけれども、我々の確認している限りはそういうふうには理解しておりません。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 それでは、時間も来ましたので、LTCBパートナーズの先ほど言ったパートナーシップ契約書ですが、例えばこの契約書上でも5の3の条項などでは、LTCBの表明事項があって、それに対する補償事項もあるわけです。そうしますと、だれが無限責任であるか、あるいはLTCBパートナーズのパートナーシップ契約の中においてどのような責任分担がなされているのかというようなことは、この契約のあり方あるいは実効性を確認する意味では、ある意味では絶対に見せていただかなければならない資料だと思うんですが、そういう観点からこのLTCBのパートナーシップ契約書を再度公表するよう求めますが、いかがですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  先ほども申しましたとおり、別表にいろいろ出ているものの中で何が公表できるかというものを契約締結時にぎりぎり詰めまして、公表できるものはみんな公表してございます。逆に言いますと、パートナーシップ契約ももちろん当方としては、ああいう契約書そのものに「写し」という言葉がある以上、その写しが本院等から求められるのは明らかでございましたので、我々はそれを開示することを求めましたけれども、先方は当分の間困るということでございますので、当方としては守秘義務がかかるわけでございまして、このような答弁をすることを御容赦いただきたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 しかし、相手方の意思に無関係に、この売買契約の中でだれが無限責任を負っているのか、どういう内容で無限責任を負っているのか、これはある意味ではだれが保証人なのか、だれが連帯保証人なのかということを明らかにするような、この契約の中身と一体となっている事項じゃないですか。では、パートナーシップ契約書がすべてそのものを見せられないのであれば、だれがこの5の3項、4項で書いてある補償責任を負うのか、無限責任を負うのか、そういうことを明らかに説明してくださいよ。それもできないんですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  基本的に補償をするのはパートナーズ社、オランダに籍のございますパートナーズ社が補償をするということに法律上なっております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 質問に答えていないんですよね。  パートナーシップの中の無限責任社員の具体的な内容、それから他の社員との相互関係、そういった関係について明らかにしてもらいたいということです。  委員長に申し入れます。  当委員会で今まで開示を要求されたすべての契約及び資料について、すなわちLTCBのパートナーシップ契約書、貸出債権の明細書、明細、これは長銀関連でございます。それから、ゴールドマン・サックスとのアドバイザリー契約、モルガン・スタンレーとのアドバイザリー契約について、国政調査権に基づく当委員会決議によって開示することを求めます。  以上で質問を終わります。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 後刻理事会において協議いたします。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。  今回の預金保険法改正によって、九八年以降数次にわたって資金増強等の公的資金注入をやられてきた、そしてまた一時国有化を含めた破綻金融機関の処理のための公的な措置をとられてきたわけですが、これが今度恒久的な措置になっていく。公的資金注入も破綻処理もそうなるわけですね。そこで、そうなりますと、今後もこの数年間経験してきたような資本注入あるいは債務超過の穴埋め、こういったことがまた国民負担でなされる、それが国民に強いられるということになるわけですね、そういう事態が起これば。  そこで、政府は、資本注入についてはこれは将来必ず返ってくるんだから国民の負担にはならない、こういうことで公的資金を使ったわけですけれども、これは結果はもう既にはっきりしたと。九八年の佐々波委員会のときに購入した長銀、日債銀の優先株、これはもう紙くずになってしまったわけです。要するに、これは戻ってくるんだと言っていたことが、結果的にはもう戻らないという、言ってきたことは偽りだったということになるんだと思うんです。  大蔵省に伺いますけれども、預金保険法の再生勘定の中にあります長銀、日債銀への資本注入分、これはもう戻ってこないということが確定したわけですから、これは国民負担で穴埋めしなければならない、こういうことになると思いますが、そのとおりですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。  いわゆる佐々波委員会のときの注入分、資本ですからこれは確かに毀損をいたしておりますが、金融再生勘定の中に、それ以外に今委員が御指摘になられましたような貸し出しですとか適資産の買い取りですとか、いろいろなものがございまして、その中で委員が前段でおっしゃいましたようにお金が戻ってくるものもあるわけでございまして、その勘定の中で全体としてどうなのかというのは今申し上げることはできませんので、したがって、そこでマイナスが出たという仮定で今は申し上げることができないという状況でございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 ですから、少なくとも長銀、日債銀に注入した優先株、千三百億と六百億ですか、これについてはもう戻ってこないということが確定したというふうに見ていいんでしょう。だから、もうこの部分は国民負担で処理しなきゃいけないということになっているんじゃないですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) 前段のところは委員がおっしゃったとおりもう戻ってこないわけでございますが、そこで戻ってこないお金の分がどうなるかということは、今先生がおっしゃったように国民負担ということになると、税金投入というようなことになるのかなと私は今聞きながら思っておりました。  そこで、勘定がございますので、勘定の中に、例えば長銀ではピーク時三兆七千億円ぐらい貸しておったり、日債銀では五千億円ぐらい貸しておった。これはもう全部完済でございます。それから、長銀資産の適資産を例えば有価証券等二兆二千六百六十五億円ぐらい買っておりますので、それからまた健全金融機関から、これは延べ百十六金融機関と聞いておりますが、二百十七億円等いろんな資産も買っておりますので、この勘定全体で今からどうなるかというのはまだわからないということを今申し上げておるわけでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 締めた時点でどうなるかということだと思うんですが、それは後でちょっと論議したいと思うんですけれども、そんな甘いことを言っておれる状況じゃないだろうと私は思っております。  ともかく、先に進みたいと思うんですけれども、そこで、これは三月にも一度論議したんですけれども、日債銀のことについて論議したんですが、長銀も日債銀も大体同じ仕組みですよね。長銀を例にして聞きたいと思うんですけれども、ことしの二月にLTCB・パートナーズ社との間で交わされた最終契約の内容について再生委員会に伺いたいと思います。  株式売買契約書というのがあります。この株式売買契約書の3の5についてなんですけれども、最終的に預金保険機構保有の優先株、これは佐々波委員会が買った優先株もありますし、三月十四日に承認した二千四百億円の追加の新たな優先株、これがあるわけですけれども、これが最終的に幾らで売却しなければならないということになっておりますでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、佐々波委員会の……

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 長銀と、新しい二千四百億。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 日債銀の方ですか。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 長銀の方。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、預金保険機構は、長銀の優先株を約六億七千四百五十三万株持っているわけです。公的資本で増強した分が六億株と、それから佐々波委員会のときのが残っているのが七千四百五十三万株保有しておりますが、こういった優先株については、今お聞きになった長銀譲渡に係る最終契約書で、預金保険機構保有の新生長銀株式の時価総額が五千億円を超えている場合には、新生長銀は預金保険機構に対してその保有する新生長銀株式の一定の数量を売却するよう要請できるということになっておりまして、また預金保険機構はこの要請に対して不合理に拒否しないものとするとされておりまして、この条項を踏まえて今後の対応が行われる、こういうことでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 ちょっと私の聞き間違いかもわかりませんが、新しい優先株の売却額が五千億とおっしゃいましたか。佐々波委員会が注入した分と新しい二千四百億、合計の部分の売却額がということですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) そういうことでございます。両方合計して六億七千四百五十三万株になっておりますが、これが五千億円を超えた場合、こういうことでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 そこで、結局新生長銀の株が、銀行が隆々と発展して株がどんどん値上がりするということになった場合、その値上がりが予想されてもパートナーズ社の要請によって、五千億円以上の値段にこれがなったと、そうするとこれはもうパートナーズ社から要請があったら保有株というのは手放さざるを得ない、もっともっと上がると考えておっても手放さざるを得ない。これを何でもっと値上がりするまで保有するということをしなかったのか。これはもう明らかに国民の負担が軽減されるわけですから、銀行もどんどんと発展するだろうし、国民の負担も軽減される、どちらにとってもいいことなんですけれども、何でそういうふうなことをしなかったんでしょうか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今のようなことになっております契約の考え方は、パートナーズ社が新生長銀の経営権を持つわけでありますが、それを確実にしてみずから責任ある経営を行う観点から、政府保有の優先株式については、先ほど申しました公的資本増強分六億何がし分も合わせてこれら優先株式が普通株式に転換した後、政府持ち分を、議決権があるわけですが、三三%以内に抑えたい、こういう考え方でこの契約はでき上がっております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 いや、それは上限が五千億ということとは関係ないでしょう。五千億になったら手放さなければいけないということとは関係ないですね。持ち株の数の問題でしょう。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  おっしゃるとおり二つの要因があろうと思います。  一つは、大臣がおっしゃられましたように、佐々波委員会の株を一部減資しましたのですけれども、どうしてそういう減資をしたかというのは、全体で三三%、つまり特別議決権は新生長銀が持っていたいという考え方が一つあるということが一つございます。  五千億につきましては、実は国が新生長銀に合計幾ら投資しているかと申しますと、一つは公的資金による資本増強、早期健全化法に基づく二千四百億円が一つでございます。一方におきまして、長銀を譲渡する際に長銀の株の含み益二千五百億円を交渉の仕方によってはそのとき当方が取り返しまして三・六兆円よりか二千五百億低い三兆三千五百億にするやり方も考えられ得るわけでございますけれども、先方の希望及び当方もそれを資本勘定に繰り入れてより強固な銀行として再生してほしいという考え方から、あえて二千五百億円の含み益を国は取り戻しませんで、先方の資本勘定に繰り入れることを容認したわけでございます。  それにつきましても、我々はいずれは取り戻さなきゃいけないという考え方を持っておりまして、そういたしますと、資本注入の二千四百億と株の含み益二千五百億、これを加えますと四千九百億が国が取り戻さなければいけない金と。  これを頭に置きながら、一方、先方は、しっかりした銀行になって、株が上場された場合には国の関与からなるべく早く抜け出たいという要請がございます。そこら辺の先方の要請と、当方としては少なくとも四千九百億を取り戻さなければいけないという考え方と、この交渉事の中での接点として、大体五千億という時価総額水準に行った場合には先方がそろそろ国の関与も薄めていってくださいと言って、当方もそれならそれに応じましょうということでいわば折り合いをつけたのが、この五千億を超える場合には先方の一定株式数量の売却要請を不合理には拒否しないという契約条項になった背景でございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 立派な銀行に育ってほしいということでやったんだということですけれども、政府の立場としては、公的資金をつぎ込んだ、できるだけ国民負担を軽くしようということを一方で当然考えていかなければいけないことですね。その立場からいえば、五千億の上限というのはこれは低過ぎるんじゃないか。  例えば、先ほど言いました佐々波委員会の一千三百億、優先株に出しているわけですから、この分についても取り戻そうと思えば、二千五百億と二千四百億、さらに金利分百億ですか、それに何も限定しないで、さらに我々の立場、国民の立場があるんだということは当然主張できたはずですよね。そういった主張は一切なさらなかった。  これは、片一方で相手側の買い手の立場ばかり考えて、国民の立場というのは、国民の負担というのはどう考えたんですか。当然これが元気になっていけば、先ほど言いましたように、銀行も元気だ、国民負担も軽くなる、双方満足できるわけでしょう、五千億で頭打ちにしなければ。なぜそれを考えなかったんですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。  考えなかったわけではもちろんございません。国民のロスという、長銀というものをとらえた場合には、その佐々波委員会の投入した千三百億円、これは長銀の破綻時に株価ゼロと算定されておりまして、その時点で実は毀損されております。そして、毀損されておりますけれども、その株価ゼロの株式のうちの六割強を残しまして取り返す仕組みになったわけでございますけれども。  ただ、これは、私が申し上げた二千四百億、二千五百億という枠組みのほかになぜ千三百億を加えないかということに対する答えといたしましては、すべて交渉事でございまして、先般大臣がお答えされましたとおり、婿一人に嫁がたくさんある状況でない中での苦しい交渉でのぎりぎりの接点ということでのお答えしかしようがないと思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 佐々波委員会の一千三百億は毀損しちゃったからもう返ってこないのは仕方がないんだ、あの時点でそうなりました、株価評価がゼロになりましたと。そうですけれども、今株を持っているんですよね、七千万株余持っているわけです、そのときの優先株を。ですから、最初に国民に説明なさったように、これは返ってくるんだという立場を持ち続けるならば、もっと株が上がるまで待って取り戻すという立場にならなければおかしいというふうに思うんですよ。  もう千三百億はだめです、ゼロになりましたから、もうこれは過去の問題です、さらに追及する必要はありませんと、そういう考え方でいいんですか。大蔵省はそういう考え方でいいんですか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 今事務局長が御答弁しましたように、二千五百億の含み益と、それから二千四百億、これは注入しましたからそれだけは確実に取り返さなければならないことである、二千五百億の含み益はそれを実現させなければいけない、それに若干上乗せをしまして五千億ということを考えたわけでございまして、今委員のおっしゃったことは、結局、一度破綻した金融機関、そのロスも全部取り返せ、できるだけ取り返せ、全部とはおっしゃらなかった、できるだけ取り返せという趣旨であろうかと思いますが、一度整理をして売却するときにそこまでは求められなかったと、こういうことでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 それは最初の段階の説明からするとやっぱりおかしいと思いますよ、もともと公的資金、優先株の購入、これは返ってくるんですという説明のもとにやられたわけですから。もちろん我々はそれが返ってくる保証はどこにもないじゃないかと当時から言いました。現実の問題はそういうふうになったわけですが。  しかし、では契約の段階でわざわざ優先株分七千万株余を残してやると言うんであれば、当然物の考え方として佐々波委員会のときの優先株分も取り戻すんだという思想がそこにあっておかしくないと思うんです、本来。佐々波委員会の分はもう全部消却する、新たに新しい株を買う。もしあなた方の考え方でいくとすれば、それの方が合理的になりますよね、整合性がとれますよね。わざわざ株を残した、取り戻そうという考えがそこに当然あると考えていいんじゃないでしょうか。そういう考え方があって全然おかしくないと思うんですよ。  やっぱり交渉事だということで、相手方の立場に引きずられたということじゃないんですか。そこには国民の立場というものを考えるよりも相手を優先させちゃったと。先ほどの論議をずっと伺っていますと、契約書もほとんど出さないというようなところで、もう一時間余にわたる論議の中でそういうこともはっきりしてきたと思うんですけれども、そういう態度がやっぱりここにもあらわれているんだと私は言わざるを得ないというふうに思うんです。  さらに、先ほどの林さんの答弁にあったんですけれども、締める段階でどうなるかわからぬ、ひょっとしたらプラスになるかもわからぬというような、あたかもそのように聞こえるような答弁があったわけですけれども、それはおかしいんじゃないかと思うんですね。  ともかくこの一千三百億、六百億、日債銀含めて既に千九百億ですね、これについてはもうほとんど返ってこないと思うんですけれども、それだけじゃなしにまだ、先ほどの説明の中にもあった一時国有化中の長銀のロス分、これが三千四百八十九億円あるというふうに説明を受けたんですけれども、さらに大きな額を抱えているんですよね。これは、こういった損失を穴埋めしていかにゃいかぬわけで、先ほど言った二兆円の長銀保有株を持っているから、それの配当ぐらいで何とかなるだろうという、そんなお考えがあるように私は伺ったんですけれども、そういう考え方ですか。そういうことで利益も出てくるのでプラスになる可能性もある、そういうふうにお考えなんですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) 必ずもうかってお金がかからなくなるという意味ではなくて、まだ今の段階では、大変大きな金額でございます、先ほど私が申し上げました長銀からの適資産は二兆を超える額でございますし、それから旧金融機能安定化法に基づく資本注入ということで、これは十年の三月に実施して、東京三菱の分はもう返ってまいりましたけれども、二十一行で一兆八千百五十六億円。いろんな上下するものがございますのでこれは締めてみてからの判断になるということを申し上げたわけで、必ずもうかるんだと胸を張って申し上げたわけではないということでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 これは購入したときの平均株価というのはどれくらいか知りませんけれども、きょうの段階で一万七千二百円でしょう、平均株価は。むしろ下がっているんだと思うんです。そういう点からいうと、保有株で何とか利益を上げてというふうなのは現実の問題としては考えられないんじゃないかなというふうに思うんです。  それと、再生勘定についてのみ言いますと、これはロスの穴埋めの措置、これがない勘定なんですよね、どこからも金を持ってこれない。これはこういう勘定になっているもので、今言ったように三千四百八十九億とか、先ほどの佐々波委員会分の千三百億、六百億、これが積み重なってくると最終的にはどこで処理するんですか、マイナスになった場合に。結局国民負担でしょう。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) どちらになるかわからないということを申し上げた上で、最終的にどうなっている、規定ぶりになっておるのか説明せよということでございましたから、金融再生法の六十七条の一項ということで、預金保険機構及び整理回収機構が取得優先株式等や買い取り資産の全部を処分した事業年度の終了の日から六カ月を経過した日、施行令十四条でございますが、この日に勘定を廃止する、締めるということになってございます。  今申し上げましたように、仮に利益といいますか残余が出た場合は国庫納付をすると、これは再生法六十七条二項の規定がございますが、マイナスが出た場合の規定は委員が御指摘のようにございませんで、もし仮に欠損が生じた場合は、今委員がおっしゃったように、適切な予算措置ということにならざるを得ないんじゃないかと考えますけれども、いずれにせよ、どちらに行くかというのは今の段階ではまだはっきりと申し上げられないということでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 結局そういうことで、この分についてもまたまた国民負担というのが待ち構えておる。本当に極めて問題の多い処理の仕方だったということを指摘しておきたいと思うんです。  続いて、預金保険法の破綻処理の迅速化、多様化ということを言われているわけですけれども、特に迅速化を中心に伺いたいと思うんです。  政府は、アメリカ型のような金曜日に破綻金融機関を閉めて月曜日に営業譲渡が行われるといういわゆる金—月処理、こういうことを理想として、それを目指してやるんだというふうに言っておられます。  そこで、迅速処理ということについて言いますと、一番問題は名寄せだというふうに言われておるわけですが、この名寄せ、これについては本法案は二点決めているわけです。名寄せ等に必要な預金者データの整備、これが一つ。それから、それを預金保険機構にスムーズに引き継ぐためのシステム開発を金融機関に義務づける。この二つを義務づけているわけです。  ところが、現実には平常時からの名寄せ、これについては当面はやらぬでよろしいということですね、政府はそう言っておられるわけです。もしそうだとすると、この迅速な処理というこの大義名分はどこかへ吹っ飛んじゃう。そうじゃないですか。とてもじゃないけれども、平時からのデータが管理されていなければ迅速な処理なんてできっこないんじゃないですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) 今、委員が御指摘ありましたように、法律には、もとになるデータと、それから預金保険機構で開発している名寄せシステムにこれを引き継ぐためのいわゆるコンパチビリティーと申しましょうか、そこを整備しろというふうに書いてございますので、コンピューターは私は専門家ではありませんが、データをそこから預金保険機構に引き継ぎまして処理をいたしますとかなり速い速度でコンピューターでございますから名寄せができるということで、こういうふうな今回は改正案をお願いしているということでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 預金保険機構がそのシステムを開発している、そこにそれぞれの銀行のデータをつなげばすぐに処理できると。そのとおりですよ。問題は、その各銀行のデータ管理、これがなかなか各銀行から、こんなことはとてもできません、勘弁してくれと言われて、当分は平時からそういうふうな整理をせぬでよろしいというふうにしたと聞いているんですが、それは事実じゃないんですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) ちょっと言葉足らずであったかもしれませんが、金融機関にはきちっとそれぞれのデータを整備しておくことを義務づけまして、これは検査でいろいろとちゃんとやっているかというのも確認をすることになっておりまして、何か起こった場合はこれを即座に預金保険機構の方にもらいまして、名寄せをコンピューターで行うということでございます。  今聞いております範囲ですと、例えば小規模の信金、信組ですと、例えば十万口座だといたしますと大体十五時間ぐらいで処理ができるというふうに聞いておりまして、都銀クラスで、例えば二千万口座ですとこれが七十時間ぐらいということでありますから、それぐらいの時間をいただければコンピューターを使いまして名寄せができる。その名寄せがきちっとできるためのデータはきちっとそれぞれの金融機関でとっておいてくれということが今回の中身でございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 それはもう平時からきちんとやっておけということになっていますか、本当に。当分はやらぬでよろしいということにしたんじゃないですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) ちょっと私の説明不足かもしれませんが、名寄せをやっておけということではなくて、Aさんの口座はこれこれの名前の人でこれぐらいのお金があるというデータを整備しておいていただくわけでございます。それは義務づけして、ちゃんと検査が入るということでございます。それをそういうことが起こった場合は全部いただいてコンピューターで処理をしますと、私が先ほど申し上げたぐらいの時間で処理ができて名寄せが終わるということでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 ですから、私が最初に申し上げました点、今、林さんの言っているのは後ろの方なんですよ。預金保険機構にスムーズに引き継ぐためのシステムをそれぞれ開発しなさいと、各銀行で。ここの部分はそのとおりなんです。ところが、これをやる前段階があるわけですよ、名寄せ作業は。これは名寄せ作業を各銀行で先にやっておかなければできないんですよ、こんなシステム。その名寄せ作業が大変だから、平時からやるのは困るからということで、実際もし本当にこの法案で決めたとおり平時からやらせるんですということになればそれで結構なんです。そうなんですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) 名寄せという言葉の概念かもしれませんが、例えば、先ほど申し上げた十万口座分の、だれだれの口座に、この人はどういう住所で幾らあるという個々の十万口座分のデータがあるわけでございますね。これはきちっと整備をしておいてくださいと、これは義務づけるわけでございます。それをデータベースでいただきますと、ソフトウエアで処理を多分するんだと思いますが、そうしますと、その中で同じ名前の人が何人いるかとかいう名寄せということを、先ほど申し上げました十万口座ですと大体十五時間ぐらいで処理ができるということでございますから、その十五時間の処理をその前にやっておけというところまでは義務づけておりませんが、預金保険機構にその十万口座のきちっとしたデータをいただければ名寄せの作業はそのぐらいの時間で終わるというふうになっておるわけでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 じゃ、しつこいようですがもう一度確認しますが、業界紙で出ているんですけれども、要するにデータの不備やシステム間でのデータのふぞろいがあるんだと。ミス入力などのデータ不備とかいろいろありまして、なかなかそう簡単に顧客データ管理というのはできない。何か漢字表記の問題とか住所表記の問題とかいろいろあって、これをやるにはそれぞれの銀行に相当な負担がかかる。トータルでは数十億円かかるというふうなことも言われているわけで、そんな負担はとてもたまらぬというふうに要請があったことは事実でしょう、業界から。それは認めない、きちんとやらせるということでいいんですね。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。  最初に委員が御指摘あったように、今回義務づけておりますのは、先ほど来話題になっております氏名、住所その他のデータでございます。それからもう一つ、委員が最初に御指摘になりましたように、預金保険機構で開発している名寄せシステムにスムーズに預金者データを引き継ぐためのシステムの対応、ここまで義務づけておりますので、今おっしゃったところはきちっとやらせるということでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 わかりました。  それじゃ、二つ目の迅速化の問題について伺いたいと思うんですけれども、受け皿金融機関の早期確定といった措置について伺いたいんですが、法案では、迅速化策の一環として資金援助の対象を拡大するとか、営業の一部譲渡の場合、それから受け皿銀行への譲渡債権の二次ロス補てん、ロスシェアリング、いろいろ盛り込んでいます。これらの措置で受け皿探しがより迅速化する、今よりは迅速化するということはこれは確かだろうと思うんです。  しかし、じゃこれによって先ほどの政府が理想としておられるアメリカ型のPアンドA、金—月処理、こういった破綻公表時点でもう受け皿が決まっているといったような、こういった保証はありますか、今度の措置で。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 迅速な処理は、ペイオフになりますと全額保証されませんので、ほっておくとどんどん悪くなっちゃうということがございますので、迅速にやれと。これはもう当然のことでございますが、問題点は二つでございまして、一つは、経営状況が悪化した金融機関でその金融機関が破綻に至ることを想定した十分な事前準備ができているか、その中に受け皿をどういうものとして考えておくかというのが一つございます。それから、破綻した後、破綻金融機関の受け皿金融機関への営業譲渡を迅速に行うことができるか。二つあるんだろうと思うんです。  それで、事前準備に関しては、いろいろ申し上げることはあるんですが、名寄せについては今林政務次官と御議論がございました。それで、受け皿探しについては、内閣総理大臣が破綻金融機関となる蓋然性の高いと認められる金融機関について、その業務または財産の状況に関する資料を他の金融機関に交付するといった破綻金融機関の合併等に係るあっせんに必要な準備行為を行うことができることとするというような制度的手当てを一方で行っている。  他方、じゃ破綻した後、実際に営業譲渡等の迅速化については、先ほどお挙げになりましたけれども、一つは資金援助が可能になる場合を拡大するということがございますし、それから金融整理管財人制度を恒久化するということもやっております。それから、受け皿金融機関があらわれやすい環境の整備のために、ロスシェアリングとかあるいは受け皿金融機関に対する資本増強といった制度も取り入れまして、それから、受け皿金融機関が直ちにあらわれない場合の対応策としてブリッジバンク制度を恒久化したというような制度的手当てをしまして、全体としては委員がおっしゃったように前よりいろいろ手を打ちやすい体制にしていただくことは間違いありません。  しかし、それが現実にできる保証があるかというその実体論になりますと、これはやっぱり適切な検査とかモニタリングとか、そういった早期発見、早期是正というような破綻を未然に防止することがまず行われなきゃなりませんけれども、そういうことを通じて、日常から監督当局それから預金保険機構、こういったものが緊密に連絡を取り合うような体制ができ上がっていなければならないと思います。その点についてはこれから我々も十分研究をしてそういう体制をつくり上げなければならない、こう思っております。  実際の破綻処理になりますと、例えば破綻の時期がいつになるか、例えば典型的に想定しておりますのは、金曜日の市場が閉まってから直ちに処理に入って月曜には看板がかけかえているというようなことをよく言われるわけでございますけれども、本当に、そういう時期の問題とかいろんなことがございますので、いろんなことをやはり今からよく研究しておかなければならないと思っております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 要するに預金者保護それから借り手保護、このためには迅速な処理がもうどうしても必要になってくるわけなんですが、今の説明ですと、結局、破綻前に金融当局が受け皿探しに動くというふうなことは実際にはやらないと。ふだんから連絡を密にしてという説明がありましたけれども、現実問題として、金融当局がさっと個別の破綻の問題で受け皿探しに動くというふうなことは今のところ考えていないということですね。そこまではやらないと。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) それは先ほど申しましたように、今度は内閣総理大臣のもとに置かれるわけですけれども、そこで破綻する蓋然性が高いと認められる金融機関については、その関連の資料等をいざというときに受けてもらえそうなところに交付してあっせん等の必要な準備行為は行うことができる、こういうことにいたしております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 迅速な処理ができなかったらブリッジバンクもあるとかいろいろと言われてはおるんですけれども、しかしともかく、ブリッジバンクを設けることが悪いとは言いませんが、迅速な処理をやるためにふだんから、資料を交付して云々じゃなしに、具体的な問題で金融当局自身が機敏に動ける体制というのをつくっておく必要があるだろうということを指摘しておきたいと思うんです。  もう時間がなくなりましたので、もう一点だけ伺いたいと思います。  先ほどから論議されていた問題なんですけれども、要するに破綻処理の透明性の問題、どう考えたって今度の長銀の処理が透明化されておるというふうには私は思えません。先ほどの質疑がもう大体それを証明するものになっておったんじゃないかと思うんです。  ともかく、この法案で破綻処理が描くやり方を見てみますと、どの時点で事前準備に入るかということについては、これはもう監督当局の運用に任されておるわけでしょう。そして、受け皿金融機関の選定作業、これもすべて水面下でやられると。詳細な選定理由等が開示できない場合は、これはもう明らかにその中で恣意的な運用がやられておったってわからぬわけです。何ら検証できないということになります。  現行の特別公的管理銀行とか金融整理管財人の管理銀行の譲渡先の選定結果、これは結果はどこどこで、どこどこが受け皿会社になります、どこどこを選定しましたということは公表されます。ところが、その選定の経緯、いかなる理由でその会社が選定されたのか、受け皿が選定されたのかということについては公表されない。先ほども論議があったように、ほとんど公表されないわけでしょう。こうなりますと、もうまさに情報が不透明だと言わざるを得ないと思います。  もう詳しいことは言いませんけれども、先ほどの経緯も含めて、私も、要するに選定の経緯がわかる、経緯についての情報公開というのがなければならないと思うんです。結果だけこうなりましたと言われても、本当にそれがコスト最小化の原則に基づいてやられたのかどうか。アメリカの場合だったら、その原則によって処理の基準が決められていますからある程度は見れるけれども、この今度の法案では交渉事だということで、ともかく機構と民間企業との交渉だけに任されるということになります。そして、結果だけで経緯は公表されない。これじゃ本当にコスト最小化原則を貫かれたのかどうか検証のしようもないじゃありませんか。きちんと経緯も含めた情報公開をすべきだと思いますが、答弁を求めます。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) 契約に至った場合はその内容が公開されているわけですが、契約に至らなかった場合の……

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 至った時点でその選定経過、幾つもの企業が手を挙げておりましたと、何でここを選んだのか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) それは契約に至らなかった場合の条件、相手方の条件も公開をしなければいかぬという、委員の御議論だとそうなるわけでありますが……

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 いや、そうじゃないですよ。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○国務大臣(谷垣禎一君) いやいや、要するに比較の問題になりますですね。ですから、相手方、個別金融機関の経営に係るいろいろな秘密に属する事項ということが含まれておりまして、相手方が開示することにやはり反対している以上なかなかこれは開示できないということになろうかと思います。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 池田君、時間が参りました。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 一つだけ。ちょっと誤解されておるようですが、先ほどの論議にもありましたように、何もすべての入札の額を全部出さなくても、その選定されたところだけ、一体幾らでどういう条件でなったのかということが公表されれば、先ほどの論議にもありましたが、それではっきりしてくると思うんですよ。そのことがなされない、何度言っても公表しない、相手方が嫌だと言っているから守秘義務でこれ以上できませんというんじゃ、これはいつまでたったって透明化なんというのは望めないということを申し上げておきたいと思います。  終わります。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 実は、田舎へ帰りまして、退職した校長連中がいろいろ寄る会合があるんですが、そこで話をしておったら、生命保険、何か形態が変わると、どうもわからぬので教えてくれと、こう言われたんですが、いろいろ私も議論したんだけれども、なかなか難しい感じがいたしまして、その部分をきょうはちょっと帰って説明できるように質問をしてみたい、こう思うんです。  一つは、この前も私は申し上げたんですが、本来、生命保険というのは、保険会社というのはつぶれたらいけないということを前提に成立した、つくられたと私は思うんです、日本的発想で。しかし、今の資本の大きな世界の流れの中ですから、いろんな問題が出てきて大変難しい状況が今あるんだろうと、こういうふうな感じがするんです。  ですから、本来日本の国で生命保険が生まれてきた長い歴史、そして現在生命保険の中で比較的、何といいましょうか、世界の中の日本のセイホと、こう言われるぐらい大きくなってきたその生保が、世界で日本が一番強いとかつて言われておったような時代の背景は、これは一体何にあったんだろうか。この辺は大蔵大臣どうお考えでございましょうか。恐らく世界の生保業界の中で日本が一番強かったという時代があったんじゃないかと思うんですが、それはなぜそうなって国民感情なんか生まれたのか、この辺は大臣のひとつお考えを承りたいと思うんですが。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは難しいお尋ねですから十分申し上げられないかもしれませんけれども、やはり基本的に我が国の国民の貯蓄心が高いということに一つ関係があったと思います。郵便貯金でもございますけれども、しかし生保というのは全国の世帯の九割までがいわば生活の将来の保障として加入しておりました。そういうことの半面が、それを受け入れる企業の側においても、潤沢なといいますか確実な収入のもとに計画を立て得たということであったと思います。  その量が非常に大きくなりまして、継続して資金というものが蓄積されるということがわかりますので、生保としてもその資産の運用についてはかなり安心してあちこちに運用することができたと思いますし、また我が国の経済が上昇基調でございましたから、それは恐らく上昇の一途をたどったということも御存じのとおりでございます。その中からいわばセイホという片仮名で書いたようなコンセプトが国際的にも生まれましたし、また我が国の生保が国際的な機関投資家として世界的な活躍をすることもできるに至った。  本当に、なぜとおっしゃれば、非常に強い国民の貯蓄心ということを一番に申し上げるべきであろうと思いますし、次にそういうものを背景にして我が国の経済がプラス成長をしてきたということをさらに申し上げることができるかもしれません。  したがいまして、生保の今度は衰退というのはその逆のことを申し上げればよろしいわけですが、貯蓄心の方は落ちておりませんので、それは支えになっておると思います。しかし、まさに委員が言われましたように、そういう支えていたはずの人たちが、一体最近の事態はどういうことになったんですかと。私どもが怠けているわけじゃない、まさに皆さんまじめにやっていらっしゃるんだけれども、ちっともどうも報いがないということの一つは、我が国の経済がマイナス成長になったということ。  もう一つございますのは、恐らくここへ来まして急激に金利が下がったということにつきまして、したがって期待利益、計画的な利益率というものが現実のものからもうはるかに外れてしまった。この点は経営者の不注意だけに一概に帰せるわけには私はいかないであろう。このようなまことに異常とも申すべき金利体制をとらざるを得ない我が国の経済の現状、それから生まれる経済政策、金融政策というもの、ここに問題があるということは、これをそう申し上げなければうそを言うことになるのだと思います。  恐らく地方の言われる方も、そういうことについて言いたいことを委員にお尋ねをする形で言っておられるのだろうというふうに思います。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 大臣がきちっとした形でお話があったんですけれども、私は一つその持つ背景に、生命保険会社というのは大蔵省の検査というものを非常に大切にしておった、ある意味では怖がったと言ってもいいんですけれども。大蔵省が、銀行に対してもそうですけれども、かなり厳しく経営についてこれを監査しておったと私は思うんです。今、再生委員会もできましたし、あるいは監督庁もできたんですけれども、本来、昭和二十年代、三十年代は大蔵検査といえばもうどこもここも震え上がるぐらい懸命にそれに取り組んだ。  それから、生保業界は、これも大臣がもう答弁されておられるんですけれども、衆議院で共産党の矢島さんが質問されたのに対して、前に株式会社への道を開いた、今度また開こうとしているわけですけれども、「「保険業を営む株式会社は、契約者配当を行う場合は、公正かつ衡平な分配をするための基準として」「大蔵省令で定める基準に従い、行わなければならない。」」、さらにまた、定款に定める場合、この現行保険業法の百十四条一項というのが、きちっと遵守すると書いてあるんですね。そういうふうに、生保業界に対して政府はかなり責任を持って監督をしてきたということが僕は背景にあっただろうと思うんですね。  ただし、それがどうにもならぬぐらいまで来てしまったというのが、やっぱりバブルの中で、どうしても経営者は利益を上げようとしますからさまざまなものに手を出す、あるいは国際金融の流れの中で日本の生保が占める比重が大変大きくなってきている中での、間違ったというか誤った選択もあったかもしれぬと思います。  だけれども、基本的には日本の国民の大部分は、政府に対する信頼、戦後日本の政府に対する信頼の中で、郵貯もそうだし、それから生保もそうだし、それから銀行預金も私はそうだと思うんです、そういうものがずっとあってきておったんだと。ですから、生命保険の勧誘員が、これも私は自分が外交をやった話をしましたけれども、行って話をするときに、やっぱりいろんな安心の問題を背景にしながらやってきた。ところが、今度は株式会社、できたら奨励するような感じになってくるんですね。  ところが、実際問題として、相互会社という中でみんな契約をしてきて、相互会社の中でみんな契約者は安心感を持って契約しておる。うちの会社も株式会社になるのかしらん、そうするとどうなるんだろうかと。その不安が出るわけですね。  ちょっと事務局の方に聞いて、お調べ願ったんですけれども、経営上は大変メリットもあるでしょうと、しかし、契約者についてはデメリットもありますよと。難しい言葉を私は使いたくないんですけれども、株主になるについての問題だとか、あるいは配当金に対するさまざまな問題だとか、いろいろなことが出てくる。  ところが、今度の法案について、それじゃ日本全国民の九割までが加入している生命保険の契約者はこのことがよくわかるだろうか。また、会社が本当に末端に至るまで契約者にこうですよということを言うだろうか。ちょっとその辺が私は不安なんです。  ですから、本当からいえば政府が、今度は皆さんの会社は相互会社もあるし株式会社もやれますよ、しかしこの中で相互会社が株式会社に転換するという意味はこうなんですよということが契約者の皆さんによくわからないと、大変な誤解が生まれるんじゃないか。  私が心配するのは、正直言って株式会社にした方が資本を集めるのに楽ですよね。だから、会社が危ないから株式会社にするのと違うかという印象ががっと広がるかもしれない、場合によっては。ですから、なぜ今ここで株式会社にしなきゃいけないのかということについて、ほとんどの契約者は知らないんですよ。  正直言って、小学校や中学校の校長、高等学校の校長をした連中というのはある程度新聞をよく読む連中ですよね。それが、相互会社が株式会社になるという意味がさっぱりわからない、なぜ必要があるんだろうかと。我々は今まで安心してやって、もし自分が死んだ場合に子供に遺産としてやれるのは保険金だと、その会社は絶対大丈夫と思っているから、山本さん、何かおかしいのかと言うもので、いやいやそういう意味じゃないんだという話をするんですが、なかなか難しいんですよ。  ですから、今度の法案で株式会社にするということは皆さんこうですよと、わかりやすくどういうふうに説明したらいいのか、この辺はいかがですか。専門家の政務次官、ひとつどうですか。

林芳正自由民主党・保守党大蔵政務次官

○政務次官(林芳正君) 全く専門ではございませんが、大臣からなぜ株式会社になるのかという大変に深い御答弁があった後で大変無味乾燥なものになるとは思いますが、まずは、もう委員がよく御承知のとおりでございまして、今回、株式会社になりますと、今までは社員という立場とそれから保険の契約者という立場がまさに一緒であったわけでございますが、これが分離をされてしまうということでございます。  相互会社が株式会社になると、社員としての地位はなくなって契約者としての地位のみが残るということでございますが、私も含めてそうでございますけれども、多分余り社員という意識は皆さんお持ちではないのかなと。生保に入っているというのは多分契約者という御認識が強いので、その意味ではこれは契約者としては全く変わりがないということを、ここで委員から御質問をいただきましたので、こういうところでこういう議論をさせていただくということが皆様方にとっても大きなメッセージになるんではないかと思っております。  そういう意味で、失われる社員としての地位の方は、もちろん何もないわけではございませんで、今度は株式の割り当てですとか、もしくはもうそんな端株なんか要らないという場合では求償権ということで金銭的にも手当てをされるということでございます。  そこで、先ほど委員も御承知の上で余り触れなかったというふうに思うんですが、じゃ一体その配当がある方の、掛け捨てではなくて、配当がある方はどうなるんだろうということでございまして、この問題は、今までは社員と契約者と一致でしたから皆さんで決めてくれということでございましたけれども、今回は株主と契約者が分かれますのでどうやって分配するかという問題が出てくるわけでございまして、これはきちっと組織変更後に有配当契約に係る方針を定款で定めるということを義務づけております。  さらに、この定款につきましては、その部分は認可をするということで、厳しくここは定めろということを義務づけまして、ちゃんとしたその間の利益の調整を図るということになっておるわけでございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 ちょっと私もその辺は勉強しまして、今、政務次官が言われるようなことをやったんですけれども、なかなか説明すると難しいんですよ、ちょっと勉強したら、聞いたらわかるんですけれども。  だから、私が思うのは、やっぱり保険契約者の皆さんに、今度の動きはこういうことですよということを、もしこれをやるんならば、株式会社をやるんならば、そのときに本当に末端に至るまで契約者にきちっとそのことを説明するということを、これはぜひそういう会社に対する指導を、これがまさに行政指導だと思うけれども、きちっとやっていただきたいと思うんですね。  それから、実は私はちょっと心配しておりますのは、ちょうどこういうバブルで金融不安が出てきたときにこの問題が出てきた。これが平常時にこの問題が将来展望を含めて、これから株式会社でもいいんですよ、皆さん安心してくださいよという格好で出てきたのならばよくわかるんですけれども、待てよと、銀行があんなにばたばたいっておる、そしてよもやと思うような銀行が大変なことになっておると。そうすると、生保もおかしいもので、株式会社にしてそれでうまいこと逃げていくんじゃないか、そのための手段じゃないかと、こういうやっぱり印象があるんですよ、話をしていますと。  その辺のことも含めて、大蔵省は、私は正直言いまして、本当は昔の大蔵省へ戻ってほしいと思う。あんな監督庁とか再生委員会とか妙なものをつくらずに、本当はそうですよ、本当はそれぐらい国民から信頼される大蔵省に戻るべきなんだ。私はあの行政改革のときに反対したんですけれども、ちょっとこれは余分な話で質問に関係ありませんから。だけれども、そういう意味の、そういうことぐらいの、本当に国民の皆さん安心してくださいと言う政府は責任があると思うんです、一番。  ですから、その中でこの問題についても、バブルの問題の中でついでに弱い保険会社を助けるためにやるんじゃありませんよと、このことをきちっとしてもらわぬと、本当に圧倒的な保険に入っている国民に対するもし妙な不安が出たら大変なことになるんじゃないかと思いますから、そのことだけ特に申し上げておきます。  それから、もう三分しかありませんから、実は質問を用意したものがちょっとやりにくいんですが、信用組合の問題なんです。  この前も言いましたけれども、信用組合というのはもともとお互いに、極端なことを言ったら十人の人間が毎月金を百円ずつ出し合って講みたいなものから出発したと言ってもいいと思うんです、極端なことを言ったらですよ。それがだんだん大きくなってきてこうなってきた。  しかし、信用組合というものは本来お互いが責任を持つ、これが原点なんですよね。そのお互いが責任を持つというところから離れてどんどん大きくなっていって、それが日本の金融に影響を与えるようになってきたところに今度のペイオフの延期せざるを得ないというふうなところまで追い込まれた原因が私はあると思うんです。  したがって、これから国が直接監督できるわけですから、信用組合に対する監督を監督庁がきちっとすべきだろうと私は思う。銀行がいろんなことを言うけれども、地銀に至るまで大蔵の監査が行きますから、検査が行きますから、何かがあったら。  しかし、実はちょっと大蔵省の方もまずいのが二、三人おったものだからあんなこと出ましたけれども、本当は大蔵省の圧倒的職員はみんな優秀なんですよ、まじめなんです、本当はね。悪いのがちょっといたものでぼろぼろにたたかれたけれども。だから、私は大蔵省の職員によく言うんだけれども、おまえさんたちが自信を失ったらこの国は滅びるぞと。国会議員が来ても、先生あんた勉強しなさいと追い返した、昔は。それぐらいの役人になれと私は言っているんだけれども。  ですから、その辺のことで、やっぱり信用組合に対してはこれから厳しく見ますよと。そしてこのペイオフは、実はもっと言うと私は、本当は正直にこういうところがあるからどうにもならぬのですということを国民に言った方がわかりやすいと思うんですよ。何か難しいことを言わずに、とにかくここまで来ましたと。私は本当に住専のときに頭を抱えたんだけれども、あのとき本当にもうちょっと正直に言っておけばよかったと思うんですけれども、正直に言わぬものだから随分苦労し、またそこから混乱が始まって、最後はそんな何十兆という金までほうり込まなきゃいかぬところまで行った一つの要素になっていると私は思う。  ですから、やっぱり正直に言った方がいい。だから、今度は一年延期するについては、ペイオフは、これは信用組合の中でこういうのもあるから仕方ないんですよとはっきり言っていただいた方がいいんじゃないかと思いますので、その辺のことだけ申し上げまして、時間が来ましたので終わります。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、かつては政府の郵便貯金にしろ何にしろちゃんとしていて国民が信頼していた時代があった、今はどうなったのかなということをおっしゃって、いろいろ原因がありますけれども、やっぱり国内でお互いに信頼しながら生きてこられた時代から、日本も大きくなって国際的な時代になって競争になりまして、護送船団方式というのはだから悪かった、そういうところもあったと思います。  しかし、そうではあるけれども、やはり役人が信頼されない社会というのはいいはずがありません。したがって、護送船団方式をやろうというわけではありませんが、やはり役人は役人として信頼される国民の公僕でなければならない。かつてはみんな政府を信頼されたし政府も国民を信頼していたが、競争時代に必要なのは緊張感だということを皆さんおっしゃるので、それはそうではございましょう。しかし、国民と役人との間に常に緊張感ばかりあるということは全部いいのかどうかということもやがて我々も反省しなきゃならないと思います。  それから、今の信用組合のことはまさにおっしゃるとおりで、三百ほどのものをこれから金融監督庁と財務局が一年かかって本当に、これはやや検査を受ける方は心配をしておられるかもしれません、やむを得ないと思うんです、リタイアするものはしてもらわなきゃなりませんが、それで初めて信用組合も国の金融機関のやっぱり一部であるというような信頼感をこれで回復してもらえるのではないか。それは金融監督庁及び財務局が大変に責任感を持ってこれからやっておられる、まだこれからでございますけれども、大体、でございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 どうもありがとうございました。

田名部匡省参議院クラブ

○田名部匡省君 最初に幾つかお尋ねしたいと思ったんですが、時間が余りないので、むつ小川原開発会社の処理問題のことをちょっと、これは非常に関連しておるものですから。  これは地元の金融機関が非常に反対しておるんです。その理由は、国主導のプロジェクトでありながら、先般増田政務次官に私が質問したら、債権者平等の原則ということで、国も県も銀行も会社も全部六九%放棄してくれという、これは自民党の亀井善之君の委員会で取りまとめてこの案をつくって、何とかこれでのんでくれということで折衝しておるようでありますけれども、どうも民間の処理スキームと同じスキームを適用することについて金融機関が非常に抵抗しておるというのが実態なんですね。  きょうは一方的に私からいろんな話を、なぜ私はこれに反対しているかというと、責任に応じて放棄するというならわかりますけれども、責任のないところもあるところも一緒だというのはどうも私もぴんとこない。この間質問を行政監視委員会でやりましたら、翌日、県の分は四十億減らしますということになったんですね。ますます一貫性がないなと。片一方では金融システムを確立しなきゃならぬ、預金者を保護しなきゃならぬということで一生懸命やりながら、片一方では放棄させる。  この一覧表を見ますと、随分いろんな、経団連が民間の代表ということで、北東公庫、日本興業銀行、長銀、日債銀、そのほか第一勧銀から大手がずっと入っていまして、全部同じ金額を融資しているわけですね。この焦げついたのが二千二百九十九億円。これに出資がありますから、大体二千四百億ぐらいの負債を抱えて金利も払えないというので、苫東と同じようなことをやっている。これにはもう生命保険から信託から全部入っているんですね。この中には公的資金を導入してもらっているところもあるということで、この先、これを放棄させられて、またおかしくなったら公的資金を導入するのかなと。  片一方では皆さんが金融再生にかけて一生懸命やる、片一方では放棄させるということは、本当にこれは整合性があるんだろうかなという気がしてならぬものですから、まず冒頭そのことの考え方をお伺いしておきたい、こう思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、委員のように古いことを御存じで地域のためにしてこられた方がおっしゃることですから、ここは反論を申し上げずに承っておいた方が私はいいのかなという気がします。  実際、北東公庫のことを御承知のように、私ども中央の政治でこの何十年、苫東もそうでしたがむつ小川原は殊にそうで、地域のためにどうやればよくなるかということをまじめに一生懸命考えてまいりましたことが思ったとおりになりませんでしたから、御迷惑をかけたというか、迷惑を受けたと思っていらっしゃる方もあるでしょうが、それでもしかし、この間北東公庫の店じまいをするときに、やっぱりむつ小川原は何とかして将来しなきゃいかぬなというような気持ちで私ども及ばずながら努力してきましたし、北東公庫の処理についても、国もそういう負担をするという決心をしてまいったわけでございますので、そういう善意だけはどうぞお酌み取りをいただきたいと思います。

田名部匡省参議院クラブ

○田名部匡省君 この株式の所有者別を見てみますと、政府、これは政府系の金融機関ですが、それから青森県、これが五〇・二%株を保有しているんですね。金融機関が四十七行で一四・〇八%、四十七行で百六十九万株、その他の法人、まあ大株主というのは電力とかいろいろあります。  私は、今大蔵大臣もお話しになったように、確かにこれは日本の経済、むつ小川原を開発することによってというのは、私は県会議員だったんです、当時。県会議員に当選して間もなく、新全総でむつ小川原開発を初めて入れて、そしてこの計画をつくった。大変な計画でびっくりしたんですよ、私たちも。当時、四十年に比して六十年には鉄鋼が四倍、石油が五倍、石油化学が十三倍になるという計画で、県も開発計画は当然破格なものにやっちゃったんです。しかも、最初は二万八千ヘクタール、陸奥湾から三沢市まで広大な土地が入ったんです。何でそれを入れたかというと、当時は鉄鋼を考えていましたから。あの陸奥湾には五十万トンタンカーが入ってこられる、防波堤も要らぬというので、あのころ千何百人の人が視察に来たんです、新日鉄からいろんな方々が。それが漁民の反対でとうとうだめになっちゃって、だんだん狭まる。それから、家を移したくないという人たちが反対で、結局六ケ所地域だけが開発計画になっちゃったんです。ところが、オイルショックが二回来たものですから、石油コンビナートがだめになっちゃった。そこへ石油の備蓄タンクだということでやったんです。それから、核燃サイクルだということで、もう目的が全然違うことを直さずにやってきたんですね。  私はそのときに、竹内知事さん、それから北村知事さんの時代でしたが、北村知事さんも県独自で計画をつくれるわけがないと。それはそうでしょう、日本の経済がどうなるかなんというのは県庁でわかるわけがないんですから。産業界の将来もわからない。それで、経団連に依存しながら、通産省とエネ庁相手に計画をまとめた。結局は最終的には第一次基本計画、結論として石油シリーズ、これも国の主導だった。石油需要は将来も伸びるというのでこっちも乗り気になったのが、二回のオイルショックでこれはだめになった。国の予測も随分外れまして、石油精製なんというのは十五倍になりますよなんというようなものも全然、五倍ぐらいにしかなっていなかった。それで、土地が売れ残っちゃって、買いに来ない。  今度これをつぶして新しくもう一遍放棄してやればといっても、古くても新しくても私はあの土地は売れないと思います。しかも、国土庁では二十年を目指してと、こんな話で、半世紀もたってまだあの状態なんですね。当時経企庁の調査官で来た下河辺さん、私もよく県会議員のころお会いして知っておるんですが、国の見通しの甘さだった、もともと新全総の中にはやると書いていない、やるんならもっと調査しなきゃならなかったと、こういうことを後から言われているんですね。そうすると、四十七年ですか、あの閣議口頭了解を受けて、それから土地買収がどんと行ったんですよ。ですから、後押ししちゃったんですね、閣議口頭了解というものは。  ですから、もうすべてそんな状況で、地元紙のこの長い間のいろんななにを見ておりましたら、宮澤大蔵大臣のお話も出てまいりますよ。新銀行設立法案の国会審議の際、宮澤蔵相は、どうして日本は戦争を早くやめなかったんだと戦後生まれの方は思っていらっしゃるに違いないが、その渦中にいるとやめられないんですね、だれもやめさせるということは言い出せないということをお話しになったという記事がありまして、一たん手をかけるとなかなかこれ、やめるということは難しいと思うんです。  そして、経団連が民間代表だというんで、平成五年七月八日に念書を出しているんです、平岩さんが。「むつ小川原開発株式会社の事業運営につきましては、同社の設立以来ご支援、ご協力を賜わり厚く御礼申し上げます。」、「むつ小川原開発計画は、わが国経済の将来の発展に寄与する国家的事業として計画遂行されておりますが、近年の石油ショック等の経済的変動の影響もあり、」これはうまくいっていません、経営課題は非常に難しい状況にありますと。しかし、「同社はご高承のとおり、昭和四十六年三月、当経団連が中心となって設立した会社であり、前記の事態に対処するため当経団連といたしましては、内部に「民間活力委員会むつ小川原開発部会」を設置し、鋭意同社の経営改善に取り組んでいるところであります。」、「今後も引き続き当経団連主導のもと、当経団連が責任をもって同社経営の管理指導にあたる所存でございますので、よろしくご支援、ご協力下さいますようお願い申し上げます。」と。  言ってみれば金融機関というのは、つき合いつき合いと言われて、これは軒並み同じ金額ですから、しかも放棄してくれと言われている青森県は地元の銀行だというんで四十億ぐらいの大体債権放棄になっちゃうんです。もともとが貸し付けがみちのく銀行五十五億四千六百万、青銀が五十三億七千万、そのほかに出資が二千万ずつ。こういうことで、将来本当にちゃんと土地が売れて何かやるというはっきりしたものがあればつき合いますけれども、何か雲をつかむみたいな計画ばっかりを持ってくるんでつき合えないと、こう言って反対しているわけですね。  私は、この間も政務次官に質問したんですが、党の方でお決めになってどんどんこれは進む、しかし所管する大蔵省やそういうところは、我関せずということでもないんでしょうけれども、一体その辺の整合性はどうお持ちになるのかなと。片方では、今もう銀行大変だというときで一生懸命やっている、片方では放棄せいというのをやっている。  そのときに、地元の自民党の国会議員さん方が、いやいや青森県も恩恵を受けているんだからこの案をのめというのがマスコミに出まして、私は、冗談じゃない、あの原発再処理工場があるために全国の原子力発電所の使用済み燃料を青森に持ってくる、そのことによって国民全部電気を使えるわけで、私の方以上によそが恩恵を受けているんじゃないですかと。そうしたら、もう一人の代議士さんが、いや、むつ小川原に国民の税金を使うというのはおかしいと言うから、それじゃ長銀、日債銀は何でしたか、私は預金したことも借りたこともないが、国民の税金を投入して助けて、それとこれはどう違うんですかという質問をしたんです。  どうもそこら辺が、だから一番責任あったところがもう一〇〇%放棄します、県もかかわったというんならまあ五〇%だというふうにして、やっぱり責任に応じて放棄というものを決めてあげなければ、犯罪を起こして強盗も人殺しもこそ泥も同じ判決を受けるみたいな、そんな感じをみんな思っておるんですね。この辺のところは私はどう考えてもおかしい。  それでおかしくなったら、大体株主総会をもち切れるのかと。私も銀行の株主ですから、今度は行って頭取の首をとってやると言って、そうしたら、いや先生それは勘弁してくださいと言うんですね。だって、それだけの損して、自分の責任でもないものをああそうですかと放棄してきたら、銀行おかしくなったらどうするんだという話をしているんです。  ここまでお話を申し上げると、いかにこの開発計画というのは国主導でやられて、県がもう何にもわからずに乗っかってきて、まあいろんな条件はあったでしょう、その失敗のツケをまた負わされると。  この間も委員会で森総理にも言ったんですが、こんなことを県民の税金で負担する、新幹線も盛岡から博多まではただでつくって、いよいよ貧乏な岩手県の盛岡から先の北と青森県に来たら三分の一負担してくれと、一千九百億。それで、在来線は北海道から九州までつながっているのに、青函トンネルを抜けてきた途端に、青森県と岩手県の一部、盛岡までは第三セクターで維持してくれと。それもしかも青森県だけで二十二億ですよ、負担が、毎年赤字が。やれるわけがないんです、こんなことをやられたのでは。それで、私は知事に、線路を取っ払ってバスで代行すると言ってやれ、あとはどこを通っていこうがと。岩手県通らぬでいい、青森に来たら秋田県の方を通って行ってくれと、こう言って頑張っているんです。  ですから、その辺の枝線でない鉄道をそういう扱いにもするということでは本当に私は困ったものだな、こう思うんですが、ここまでの私の意見を申し上げました。どう感じられるか、ちょっとお答えいただきたいんですが。

芳山達郎国土庁地方振興局長

○政府参考人(芳山達郎君) お答えいたします。  むつ小川原開発は、先生御指摘のとおり、四十四年に新全総で位置づけられました。その後、国はもとより、計画主体であります青森県、また会社経営の主導をしてきました経団連など、官民多岐にわたる関係者の協力と連携のもとに長期にわたり進められてまいりました。  今、破綻になった原因についてよく反省すべきじゃないかという御指摘でございました。昨年末に、点検委員会ということで第三者の学識経験者による点検をしていただきました。  その中で三点ほど盛り込まれておりますけれども、一つは、計画の見直し等について柔軟かつ機動的な見直しに欠けていたのではないか、二点目は、官民多岐にわたる事業推進の結果、その責任体制について相互依存が深まったのではないか、三点目は、事業の経営自身が先行取得という形で進められてきましたために有利子による債務累積構造になったのではないかというような点も含めて、いろいろの御指摘をいただきました。  再建策について昨年十二月に閣議了解ということで、むつ小川原開発についての抜本処理策について閣議了解をいただいておりますが、その中で、我が国に残された貴重な未利用地であるむつ小川原地域の重要性にかんがみて、現在のむつ会社を清算して、借金に依存しない形での土地の一体的な確保とまた造成を行うための新会社を設立するという抜本処理策が閣議了解になりました。それを受けて、国の方でも出資の措置をしていただきました。また、青森県におきましても、三月二十二日に関係の予算、議案について可決をしていただきました。  そういうのを踏まえて、今御指摘ありましたように、民間金融機関についてもこの抜本的な処理策についての説明を、合意をいただくべくこれまで数回にわたりまして金融説明会ないしは個別の金融機関に対する御説明に出歩いておるところでございまして、民間の取りまとめ役であります経団連を中心にしまして、このような個別協議等を通じまして、この再建策についての引き続きの合意が得られるようにしてまいりたいと思っております。  また、御指摘の債権者平等主義につきましても、閣議了解について言及されておりますが、昨年、同様に処理されております苫東の例に基づきまして、金融機関における債権者平等主義についてはぜひとも御理解をいただきたいというぐあいに思っているところでございます。  以上でございます。

田名部匡省参議院クラブ

○田名部匡省君 何かありますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 閣議決定からは確かに二十何年ですけれども、もう四十年に近い地元の強い運動があって、そのとき中心になられた代議士さんも私は、もう亡くなられましたけれども、よく覚えていますし、経緯もずっと知っておりまして、ただ日本の歩いた道がこうなりましたから全く事志とたがったということは、これはもう認めざるを得ませんが、しかし、昨年の場合にも北東公庫をこれで閉鎖するときにどうするかということがありまして、もう一遍しかしやろうと、将来のことを考えてということを、私は地元のお考えも強く反映して今国土庁も言われたようなことをやってきたつもりでありましたので、おっしゃったことに私はどうも反論を申し上げることもいかがかと思いますので、お話は承っておきます。

田名部匡省参議院クラブ

○田名部匡省君 ありがとうございました。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十三分散会

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