金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/05/12
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、海野徹君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君が選任されました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁刑事局長林則清君、金融監督庁検査部長五味廣文君、金融監督庁監督部長乾文男君、大蔵大臣官房長林正和君、大蔵省理財局長中川雅治君、大蔵省金融企画局長福田誠君及び厚生大臣官房審議官吉武民樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 きょうは、まず初めに東京相和銀行の問題で、金融管財人が十一日、同行がいわゆる見せかけ融資を行ってうその登記をしていたという事件について告発をしたと。そして、昨日捜査が入って長田元会長らが逮捕されたということが大きく問題になっております。 この問題で、まず警察庁に伺います。 事件及び捜査の現状について説明していただきたいと思います。
○政府参考人(林則清君) お尋ねの事案につきましては、株式会社東京相和銀行の元取締役会長ら六名が共謀の上、同行が新株の第三者割り当てによる増資計画を実施するに当たって、同行の自己資金を取引先等を経由して引受会社に移動させて同会社が株式払い込みを行ったように仮装して新株発行による不実の変更登記をしようというふうに企てまして、一つには、平成九年九月の株式申込期日に、名義を借用した取引先等を経由して引受会社に移動した同行の自己資金九十億円を新株の申込証拠金として同行に入金させ、他の申込証拠金と合わせた総額四百億円についての株式払込金保管証明書を発行して払い込みを仮装し、もう一つは、平成十年三月の株式申込期日に、名義を借用した取引先等を経由して別の引受会社二社に移動した同行の自己資金九十九億円余りを新株の申込証拠金として同行に入金させ、他の申込証拠金と合わせた総額二百五十億円余りについての株式払込金保管証明書を発行して払い込みを仮装し、それぞれ、東京法務局港出張所において、同株式払込金保管証明書とともに、新株の払い込みがすべて履行されたことにより同行の発行済み株式総数が変更された旨の内容虚偽の変更登記申請書を提出して、商業登記簿原本である電磁的記録にその旨の不実の記録をさせるとともに、これを同法務局に備えつけさせてその用に供したという電磁的公正証書原本不実記録、同供用の事実で、昨日、同元会長ら六名を警視庁において逮捕し、現在捜査中でございます。
○笠井亮君 刑事局長、結構でございます。 今ありましたように、驚くべきまさにインチキな仮装増資が行われていたと世論も怒っております。粉飾や不正融資とまた違った次元の、市場そのものを欺く行為をやっていたと。銀行経営の健全性とは全く相入れないごまかしがまかり通っていたというか行われたということは極めて重大だと思うんですが、この点で金融再生委員長の所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。どういうお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回のこういう逮捕に至ったわけでございますが、金融整理管財人が内部で調査チームをつくられまして事実関係を解明しながら告訴をされ、そして今回の逮捕になったわけでございますが、今後司直の手で実態が解明されてくると思いますが、その過程を私たち注目いたしたいと思っております。 いずれにせよ、今は容疑の段階でございますし、司直の手で解明されるのを私ども待つ立場でございますけれども、容疑にあるようなこういう形での仮装資本の振り込みというのは、これはもちろん事実であれば法規違反であることは間違いございませんし、委員のおっしゃるように市場そのものも欺く行為である、大変残念なことであると、こう思っております。
○笠井亮君 同行の経営実態さまざま明らかにされておりますけれども、ワンマンと言われたオーナー経営者の暴走が目立ってきたということと、この元会長みずからがバブル後の一九九六年には不良債権はすべて処理できたというふうな形で公言もされて、しかしその結果、自己資本比率を下げたために増資計画を立てたけれどもうまく集まらない、そして見せかけ融資というやり方を戦略会議で決めて、表面的、外見上は健全な銀行だと見せかけていたということであります。 これは金融監督庁に事務方で結構ですが伺いたいんですが、昨年この東京相和銀行に検査に入ったのは何月何日から何日までだったか、そして結果を通知したのはいつですか。
○政府参考人(五味廣文君) 立ち入り開始が平成十一年三月十五日、立ち入りの終了が五月二十日、検査結果の通知書を交付いたしましたのが平成十一年六月七日でございます。
○笠井亮君 六月七日というのは破綻の直前であります。たしか十二日ですか、破綻は。 それでは、さらに伺いたいんですが、今回問題になっているいわゆるこの見せかけ融資といいますか仮装融資の問題を監督当局が知ったのはいつですか。この検査のときですか、あるいはその前か後か。
○政府参考人(五味廣文君) 検査の際には犯罪摘発という任務を必ずしも持っておりませんでしたし、権限上も強制捜査権もございませんので、こうした具体的な行為があったかどうかというところまでは把握をいたしておりません。
○笠井亮君 こういうことについて知ったのはいつですか。
○政府参考人(五味廣文君) 私どもはまず報道を見まして知ったといいますか、まず報道が最初の情報でございましたですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 金融整理管財人の方から、この告発がございます前日に、このような事実が解明できているので明日こうこうしたいと、こういう趣旨の報告を受けました。
○笠井亮君 破綻直前の昨年三月期決算を昨年五月二十八日にこの銀行が公表した際にも、金融関係者からは、どうしてこの巨額の資金を何度も集めることができるのか、こういう今の実態の銀行がということで、専ら不思議がる声がちょうど一年ほど前ですが上がっていた。 監督庁も当時、一年前になりますか、経営が思わしくないのに多数の企業に多額の増資を引き受けてもらえたのは不自然と見て検査に入った結果見せかけ融資の実態がわかったという形で、昨年六月の破綻直後にリアルにそういう形で報道が一斉に出たんですけれども、そして監督庁はたとえ結果的でも融資が出資金として手元に戻ることは資本増強の手段としては不適切だと指摘したとその報道の中ではされております。 監督庁はその一年前の時点で少なくとも実態をつかんだから、そういう話が具体的に監督庁によればということで出たんじゃないですか。そういうことはありませんか。
○政府参考人(乾文男君) 私ども、金融機関が新株を発行いたしますときに、金融機関がいわゆる持ち合うということは、一方の金融機関の経営の破綻と申しますか経営の状況の問題が直ちに別の金融機関に影響を及ぼすという観点から、いわゆるダブルギアリング規制というものを行っているわけでございまして、平成五年にそうした制度を導入いたしましてから、これはバーゼルのBISのところでそういう考え方が出されているわけでございまして、平成五年にそうしたものを最初に導入いたしまして、その後いわば解釈の明確化というものを行ってきておりますけれども、ただいま先生御指摘になりました報道にあるように個別の金融機関を念頭に置いてこれこれの対応をとったという事実関係は承知をしておりません。
○笠井亮君 今ダブルギアリングの問題に関連して話があったんですけれども、いわゆる持たれ合い融資というか持ち合いということだと思うんですが。 監督庁は昨年五月にいわばそういう不透明な増資対策のために銀行法の告示を改正をされていると思うんですけれども、そういうことも、五月というとちょうど時期は東京相和のこういう増資とそれにかかわる決算があったりとかという時期、検査の時期と重なるんですが、東京相和のやったこと、当時持たれ合い融資ということでも相和自身も問題があったということなんですけれども、そういう一連の不透明な融資、増資の問題というのをつかんでいてそういう告示を出すに至ったということではないんですか。
○政府参考人(乾文男君) 金融機関の増資につきましては、言うまでもなく、それが自行の資本の確実な基盤となるように行われるべきことは言うまでもないことでございまして、銀行はそうしたことをきちんとしなければなりませんし、また銀行の監査法人がそうしたことをきちんと要するにコントロールしなければならないことは言うまでもないわけでございます。 先ほど申し上げましたダブルギアリングにつきましては、九三年に導入いたしましてから数次の告示ないしはガイドラインの改正を行っておりますけれども、これはバーゼル等の議論を踏まえましてあくまでも解釈の明確化等を図ったものでございまして、個別の金融機関を念頭に置いてやったということではございません。
○笠井亮君 金融監督当局がこの東京相和のような事態を検査に入りながら見抜けなかったとすれば私は重大だと思いますし、検査の結果把握していたならもっと重大、深刻だというふうに思うんですが、いずれにしてもその辺が非常にはっきりしないんですがね。 検査に入ってこの自己資本にかかわる部分あるいは増資の問題についてきちんとしなければいけないと今お話があったんですが、そういう問題については検査監督のサイドからは把握できないんですかこれは、どういうふうな形になるんですか。
○政務次官(村井仁君) これは大変基本的な問題でございますので、私どもの考え方をもう一度申し上げたいと存じますけれども、私どもの金融検査と申しますのは、金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するという観点から実施されるものでございまして、当然のことでございますけれども、法律にも明記してございますように、犯罪の摘発を主眼に置いているものではない。それからまた、検査は金融機関の任意の協力を得て行われるものでございまして、強制力を伴わないという性格を持つものでございます。このあたりのところはぜひ御理解をいただきたいわけでございまして、さような意味で、この東京相和のように現在司直の手が入ったものがその検査の段階でなぜ見抜けなかったのかという御指摘でございますけれども、私どもの方にはやはりおのずからなる限界があるのだということを御理解いただきたいと思います。
○笠井亮君 最初から犯罪捜査、きのうもこれは議論があった問題ですが、ということではなくて、まさに今政務次官が言われた金融機関の健全かつ適切な運営ということが目的で検査監督やるわけですよね。そうすると、今度もまさにこういうやり方で増資する、見せかけをやるということについては、もう健全性からいったら全く真っ向から反対の話をやるということなんで、しかも強制力を伴わないからという話まで来ると、悪いことをたくらんでいる人がいてやっちゃったらもうどうしようもないんですということになりますと、これは一体この検査監督というのは何のためにやるのか。そして、健全性という観点から見ても本当にこれは大きな、先ほど大臣も言われたように、市場そのものを欺くというようなことまで至るような重大なことであるのに、これはもう手をこまねいて、あとは要するに告発があって捜査があったらそちらの方でやっていただくと、検査に入っている過程ではわかりようがないんですということになると、これは一体何のための検査監督かと、これは考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。監督庁要らないんじゃないかというふうに、極端に言えば。こういう点についてはどうなんですか。
○政府参考人(五味廣文君) 金融検査が一般的にその目標としておりますところは、必ずしも会計上の処理だけをチェックするということではなくて、法令遵守状況いわゆるコンプライアンスというのも重要な目標でございます。したがいまして私どもは、銀行の場合でございますれば、銀行法に定められました検査権限の範囲内で全力を尽くして検査をいたしております。 具体的には、銀行法二十五条に基づいて検査をするわけでございますけれども、権限上の制約というのがございまして、意欲があってもやはりその守備範囲だけは守らなくちゃいけませんし、法令違反の検査をするわけにいきません。例えば銀行法の二十五条一項、二項を読んでいただきますとわかりますが、私どもの立入検査権限というのは銀行本体とその子会社に限定をされておりまして、例えば貸付先ですとか関連会社ですとか、こういったところへ反面調査をするということは銀行法上許されないわけでございます。また、当然のことでございますが、強制捜査権限はございません。 さらに、銀行法二十五条第四項にはこの立ち入り権限は「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」という規定がございますので、犯罪の疑いが仮ににおったといたしましても、その証拠集めのためにだけ立入検査を続行すれば銀行法違反であります。 こうした制約の中で、検査官は精いっぱいやっておりますので、この点御理解願いたいと思います。
○笠井亮君 今聞けば聞くほど、やりようがないんですという話にしか聞こえないんですよね。 それで、会計上の処理だけを目的でないというふうに言われてコンプライアンスの問題と言われるんですけれども、しかし、「だけを」ということは、そういうことも目的なんでしょう。今言われたのを逆に言えば。 それから、本体ということを言われましたけれども、反面調査できないにしたって、本体が当時だってもうその決算報告出たときにちまたではこの銀行については何でこんなに増資ができるんだろうかということはみんな思っていたわけですから。そういうときに、何もできないんです、制約があるんですということになったら、こういう事態を防ぎようがなくなると思うんですよ。これはもう特殊な例だと言われるかもしれないけれども、それだったら、これはあくまで特殊なケースでほかには絶対あり得ないというふうに断言できますか、これは。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 金融検査も、検査技術を磨いて眼光紙背に徹するようなことで今のような何というんでしょうか経済犯罪も見抜く目を持てたら、それが私は一番よいんだと思います。先ほど御答弁を部長がいたしましたように、あくまで犯罪捜査を目的とするものではないとはいえ、こういう財務の健全性を損なう裏の活動というものを見抜く目を持つことが望ましいことは私は言うまでもないと思います。 ですから、我々当局としては、そういう技術を高めてそういう目を養うようにしなければならないと思いますが、他面、こういう経済犯罪というのは摘発する側と、摘発する側といいますか監督する側と、また隠れてやろうとする者のあるいはイタチごっこみたいなところも正直言ってございます。そこまで参りますと、どこかで一線で犯罪当局に譲らなければならないというところも当然あるわけでございまして、初めから犯罪捜査を目的とするのではないということで先ほども御答弁申し上げたようなことになるんだろうと思います。
○笠井亮君 初めから犯罪捜査が目的じゃないというのは、もうこれはわかっている話なんです。 しかし、それじゃ、この間破綻した旧幸福だとか国民銀行、なみはやなんかありますけれども、その中にはやはり程度は違うけれどもワンマン体質が問題になってきたところもありますよ。そうすると、そういうところについてはこういうことはなかったかというのははっきり確認できるか、こういうケースは全く特殊でほかについてはないというふうに言えるのかどうか。その点はいかがですか。調べるべきじゃないですか。
○政府参考人(乾文男君) 今回の東京相和につきまして捜査当局の捜査が及んだわけでございますけれども、先生御案内のように、例えば金融整理管財人の派遣が決定されました金融機関につきましては、金融整理管財人がその民事、刑事の責任追及をするということで必要な場合には告発をするということになってございまして、現に金融整理管財人が入った銀行の幾つかについてそうした告発が行われ、また捜査当局の捜査が入っているというふうに承知をいたしております。
○笠井亮君 刑事、民事の責任追及をやるのは当然だと思うんですけれども、しかしこれは特殊なケースみたいに今言われていますけれども、ほかで、いろんな銀行でこういうことがないのかということについて言うと、断言できるような話では今のお話を伺ってもないわけでありまして、私は問題は、何が重大かというとやっぱり、自己資本比率をごまかして健全性があるかのように装ってまさに市場と国民を欺いた、これは早期是正措置にも連動する問題だと思うんですよね。金融界の信頼が揺らいだら大変なことになる、こういうことで。しかも、破綻処理をめぐって巨額の税金が使われるということがあり得る、乱脈経営のツケを国民が払わされるということになると、これは許しがたいことになるわけであります。 やはり今回の事件、検査監督当局としても、これでよかったのかどうかというのをきちっと自己点検しながら今後の教訓を引き出すこと。しかもそれが、一般的な決意だけじゃなくて、何ができるのか我々も考えなきゃいけないと思うんですが、自己資本そのものに関する監督検査でもっとやれる余地がないのか、チェックの重視の問題、それから資本増強の際の調達先の把握だとか、あるいはアメリカのような銀行に対する外部監査の強化など、そういうことも含めて具体的に検討すべきじゃないかと思うんですが、その点について再生委員長いかがでしょうか。
○政務次官(村井仁君) 基本的に笠井委員の御指摘大変ごもっともなことでございまして、金融機関今回の場合のように増資を行うについていろいろ関係法例を遵守して適切に行われるのはもう当然だと私どもも思っております。 そして、私ども監督当局としましても、当然のことでございますけれども、各金融機関が市場規律とそれから自己責任原則に基づきまして責任ある経営を確立するように促し、引き続いて検査や日常のモニタリングを通じましてしっかり実情を把握して監督していかなきゃならないということだと思っておりまして、さような意味で今回の事件も一つの教訓といたしまして体制の整備に努めてまいりたい、こんなふうに思う次第でございます。
○笠井亮君 そういうことで、今お話がありましたけれども、今回の事態に即してもさらに突っ込んで深めていただきたいし、我々も伺っていきたいと思います。 そして、銀行監督についていわば自己資本比率規制を物差しにしながらそれを主にやっていくということになると、それはまたいろんな意味で無理してやるだとかということが出てくる点があると思うんです。そういう点では、銀行全体に対する監督をどういうふうにするかということについても、やっぱり比率何%かということだけで追いかけるようになるとこれまたいろんな問題も出てくると思うので、そこも含めて大いにこれは研究しなきゃいけない問題だと私は思いますし、ぜひ研究をお願いしたい。 ところで、大蔵省に伺いますけれども、東京相和銀行に大蔵省出身者がいわゆる天下りという形ではいらっしゃったんでしょうか。
○政府参考人(林正和君) お答え申し上げます。 過去十年間ということで見てみますと、人事院の承認を得て同行に就職した者は一名でございます。
○笠井亮君 具体的なお名前と大蔵省時代の略歴、その後の東京相和での略歴を述べていただきたいと思います。
○政府参考人(林正和君) 河原井東海男と申しまして、元大臣官房金融検査部管理課上席金融証券検査官でございます。平成六年に東京相和に入行いたしまして、平成七年取締役検査部長になりました。平成十一年の七月九日に退任をいたしております。
○笠井亮君 この河原井氏は平成七年六月には取締役検査部長、そして十年五月には取締役考査室長という形でずっとやってきたということですが、この方は大蔵省在職当時、東京相和銀行の検査を担当したことはありませんか。
○政府参考人(五味廣文君) 大蔵省から引き継ぎました現存する資料で確認いたします限り、この河原井さんという方は、東京相和あるいはかつての東京相互銀行の検査に参加したことはありません。
○笠井亮君 ないということでありますけれども、問題は、見せかけ増資の時期は検査部長をやり取締役考査室長を務めていたという時期でありまして、そして破綻するまで在職してその後に退職したということで、しかも大蔵時代に検査の担当、上席金融証券検査官ということまでされているというので、まさにそういう点では問題の渦中にこの銀行に大蔵OB、プロの方がいたと。しかも検査のプロということになるんですけれども、この方が不正にかかわった疑いも私は否定できないんじゃないかと思うんです。 もしそういうことでかかわったとしたらまたこれけしからぬ話だと思うんですが、そういう点では天下りの禁止という点では、こういう点で見てもますます重大な課題になっていると思うし、こういうことは私はいいことではないし、よくないんだということだと思うんですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 正規の承認を得て就任したようでございますから、そこに抜かりはないと思います。問題は、そういう一種のプランニングにどれだけ参画していたのか、積極的であればもとよりそれだけよろしくないわけですが、どうもその程度のことを存じておりません。 比較的何かそういう銀行というカラーが何となく世の中はわかっておりますから、何となく折り合いが余りよくないような使われ方をしたんじゃないかと思いますけれども、それ、わかりません。したがいまして、どうも判断を下しかねますけれども。
○笠井亮君 折り合いがよくないというようなことをよく御存じみたいな今ニュアンスに聞こえてしまったんですがね。政府の承認を得たからということでよしとするというわけには私はこれはいかない問題だと思うんです。やっぱりこういう問題が起こったときに、実際に大蔵省で検査を担当していた人がそっちに行って検査、考査をやっていらっしゃる、役員をやっていたと。しかも先ほどの経過の中で検査監督の問題ということがやっぱり問題になってきているわけで、実際にこういう見せかけ増資みたいなやり方をその人が指南したかどうかというのはこれはまた調べてみなければわからないし、今のところ六名の中には入っていないわけですが、しかし世の中一般から見ると、これはやっぱりいかがなものかというのは当然あるんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 結果としておっしゃればまあそういうことでございましょう。
○笠井亮君 問題は大蔵OBだけじゃないということで私ちょっと一つだけ簡単に伺いたいんですが、最近というか昨年からことしにかけて、近畿財務局の宿舎建設をめぐって、精算検査後にその精算検査の項目に入っていない不正な設計変更を行っていたという事実が発覚をしました。その事実関係と大蔵省、近財としてとった手だてについて説明してください。
○政府参考人(中川雅治君) 今先生御指摘の事案でございますが、近畿財務局の玉造住宅というのがございまして、これは大阪市中央区所在の鉄筋コンクリートづくり七階建ての合同公務員宿舎でございまして、平成十一年三月に完成しておるものでございます。 建設請負業者は不動・中道建設共同企業体でございまして、また設計業務及び監督業務は株式会社二葉設計事務所が受託をしております。業者の選定は、一般競争入札により行われております。 この玉造住宅に関連しまして、昨年十一月以降、約款に違反した施工変更が行われている、あるいは文書によらずに施工変更を承認していた等の報道がなされておりまして、近畿財務局で調査したところ、玉造住宅の建設に当たりましては合計七十項目について当初の設計と異なる施工がなされておりまして、このうち三十六項目については財務局が了解していたことが確認できるわけですが、残りの三十四項目につきましては財務局では承知していない無断変更であることが判明いたしております。 これら一連の施工変更に伴いまして、玉造住宅の建設工事においては約六百十一万円の国損が生じていたため、近畿財務局では関係した建設業者及び監督業者に対して請求を行いまして、既に全額の支払いを受けたところでございます。 また、近畿財務局におきましては、契約違反の無断施工変更が行われていたことを踏まえ、関係した監督業者を六カ月間、建設業者を一カ月間の入札参加資格停止処分にしたところでございます。 さらに、施工・監督検査事務が不十分であった、施工・監督検査事務のための指導監督が不十分であったことなどから、当時及び現職の関係部次長等十二人の職員に対しまして、二月二十九日付をもって近畿財務局長から訓戒及び文書等による厳重注意を行ったところでございます。 なお、近畿財務局では、本件のような不適切な処理が今後行われることのないよう、国及び関係業者における書面主義の徹底、竣工検査の徹底など、事務運営の改善を図ることとしたところでございます。
○笠井亮君 当初、精算検査時に含まれていた設計変更は十一カ所で、金額も少ないので業者が持つことになったと。ところが、結果的に七十項目の設計変更が発見された。うち三十六項目は財務局も知っていて、しかも承知していながらわざわざ精算に盛り込まなかったものも二十五項目あると。 処分を受けた近財局の総務部次長は、意図的に精算から設計変更項目を落としていたという趣旨の発言をされているというふうに伺っているんですが、この二十五項目は意図的に精算から落とされたものではないんでしょうか。どうなんですか、そこら辺は。
○政府参考人(中川雅治君) 近畿財務局の担当職員といたしましては、増額となる施工変更につきましては国が追加負担は行わない旨を業者と口頭で確認していたことから、必ずしもすべての施工変更を設計変更内訳書に計上し精算しなくてもよいと考えていたことからこのような処理になったということで、意図的にそういうふうに除外をしたということではないと報告を受けております。
○笠井亮君 口頭ということになりますと、あうんという形でこの問題では業者とやっていたと。癒着の問題も出てくると思うんですが。 先ほど十二名が処分されたと言われましたけれども、入札停止となった業者から接待を受けた者はいませんか。
○政府参考人(林正和君) お答え申し上げます。 本件の玉造住宅の設置に関しまして関係職員について事実確認を行ったところでございますが、御質問の玉造住宅については関係業者との間で接待等の事実は確認されておりません。 ただ、昨年十月、公務員宿舎建設に係ります設計業務委託に関連しまして、財務局職員が設計業者から接待を受けたという報道がなされました。その報道がなされましたので近畿財務局において事実関係を調査いたしましたが、本件、玉造住宅の事案とは無関係に業者から会食等の接待を受けていた事実が判明をいたしております。このため、平成十一年十月六日付で、近畿財務局長から訓戒とあわせて総務部部付への配置転換を行っているということでございます。
○笠井亮君 その玉造住宅と直接かかわった接待ではないにしても、玉造住宅について問題になった業者、入札停止となった業者から接待を受けていたわけですよね。これはもう極めて重大な問題だと思います。私は、それ以外に接待はなかったと言われるけれども、それ自体も本当かということをこれはクエスチョンマークを出したい。 この問題は、近畿財務局の公務員宿舎建設受注を目的とした竹中工務店、二葉設計事務所との不透明な架空取引の中で、問題の職員の接待をマスコミから今あったように指摘されて調査、処分したというものであります。そして、伺っておりますと、調査はその範囲でしか行われていなくて、しかも問題の取引を仲介した下請業者への調査はやられていないと。私は、それで果たして十分な調査と言えるのかと。 私は、大蔵省接待問題というのを本省でやりました。私自身も追及したことを改めて思い起こしますが、地方でもこういう財務局で問題が出てきたということでありまして、こういう問題からやはりどういう教訓を引き出して、そして全国の地方財務局に対してもきちっと調査もし教訓も引き出すかということが大事だと思うんですけれども、これは大蔵大臣その点ではどのように考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一連の問題につきまして、委託事務の適正な遂行を確保するための契約書の諸規定が遵守されていなかったことに端を発しておるようでありまして、近畿財務局においても事前処理に適正さを欠いていたことは反省しなければなりません。今後は、本省及び財務局ともに適切な事務運営の確保に努めてまいります。 なお、業者及び関係財務局職員の処分につきましては、先ほど官房長が申し上げたとおり、終了をいたしております。 今後、このようなことがありませんように十分に注意をいたします。
○笠井亮君 次に、預金保険法改正案に関連して伺いたいと思います。 本法案では、破綻処理の迅速化、多様化をするというさまざまな措置が盛り込まれております。金融再生法と預金保険法附則に規定された時限措置が終了すれば、預金保険制度は本則に戻って、そして保険金支払い方式いわゆるペイオフと、一般資金援助方式、譲り受け金融機関への合併、営業譲渡等に対して預金保険機構がペイオフコスト内の資金援助をするという二方式になると。 これを踏まえてさまざま法案に向けて議論があったと思うんですが、金融審議会は、昨年十二月の答申で、特例措置終了後の破綻処理のあり方としてどういうことを強調されていたか紹介していただきたいと思います。
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。 金融審議会における平時いわゆる特例措置が終了した後の議論の中で強調された点ということでございました。 今委員が御指摘になられましたように、この全額保護という特例措置が終了いたしますと、預金がいわば一部カットされる可能性が出てくるという体制になるということを前提といたしまして、恒久的な預金保険制度のあり方について議論をいたしまして、十二月の二十一日でございましたが、この答申を今委員が御指摘になったようにまとめたところでございます。 この中で、破綻処理のあり方については、市場規律を有効に機能させてなるべく早期に発見して早期に直していく。引き始めが肝心というのが風邪薬の宣伝にございますが、なるべく早いうちに直していく。そして、どうしても破綻に行ってしまった場合には、預金者の損失及び預金保険の負担ということを両方とも最小限にとどめていかなければならないわけでございますから、回復の見込みがなくなった金融機関は早期に処理をする。その際、破綻処理に要するコストが最も小さいと思われる処理方法を選択していかなければならない。また、この破綻金融機関が有していた決済とか融資等の金融機能をなるべく維持していくことによりまして破綻に伴う混乱を最小限にとどめることが重要となってくるということが基本的な考え方として示されておりまして、そういう意味で、今委員がおっしゃいましたように、ペイオフをして金融機関をなくしてしまうということではなくて、なるべく資金援助方式ということを優先いたしまして、いわゆる日本版PアンドAといったような方式の導入を提言しているというのが基本的な考え方でございます。
○笠井亮君 今、最後に日本版PアンドAと言われましたけれども、まさに政府は究極的には、金曜日に破綻金融機関を閉めて、そして月曜日には営業譲渡が行われているという、いわゆる金—月処理というんですか、これを目指して、米国型のPアンドAを日本版という形で今度は究極の目標としていくということで本案にも幾つかの措置を盛り込んでいると思うんですが、日本版PアンドAという形で今言われましたけれども、実際このような迅速な処理が今の日本の中でどれだけ可能というふうに思っていらっしゃるか、これはいかがでしょうか大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の法案の中で事前に準備をする形、それから特に一番実態を本来よく知っている当該破綻に瀕している金融機関みずから申し出る方法と、いろんな方法を設けていただいておりまして、今までよりもいわゆるPアンドAをやりやすくなるような手法は整ってきております。 しかし、実際にやっていくとなると、週末に市場が閉まった後、月曜日に市場が開くまで、これ迅速にやっていくには我々も十分これから研究をして、いただいた道具がうまく使えるように我々としても研究を重ねなければならないと、こう思っております。
○笠井亮君 アメリカの例で私もいろいろ勉強をさせてもらいました。連邦預金保険公社、FDICによる破綻処理のスキームというのを見ますと、ある金融機関について倒産の可能性が高いとの通知を第一義的に監督当局から受ける。するとFDICとしては、事前立入検査、それから入札候補者の選定、それから入札者会合、デューデリジェンス、入札コストテスト、継承先の決定、PアンドA計画という締結の過程が行われていくと。それが第一義的な監督当局による当該金融機関に対する資本再構築命令の発出とその作業と並行してやられるという形で、この資料の中でも紹介されているんですけれども、そういう意味では十分な体制がとられながらやっているというふうに思います。 その米国のFDICの検査要員数の問題とか体制の問題について伺いたいんですが、FDICというのがありますし、それから広い意味で監督機関となりますと、OCCとかFRB、OTSがあると思うんですが、これらの体制ということで職員数は大体どれぐらいのものがあるのかお教えください。
○政務次官(村井仁君) 概要を御報告申し上げます。 まず、アメリカの金融監督機関の全職員数ということで申し上げさせていただきます。FRBでございますが二万二千九百九名、これは九六年の数字でございます。それからOCCでございます、これは通貨監督庁とでも訳したらよろしいのでございましょうか、これが三千五百七十六名。それからただいまお触れのございましたFDIC、これが九千百五十一名。それからOTS、これは貯蓄金融機関監督庁とでもいうのでございましょうか、これが千四百五十八名。合計しまして三万七千九十四名。こんなようなことでございます。 ただ、この中で検査監督に従事している職員数というのは、それぞれ申しますと、FRBで三千百十一名、OCCで三千五百七十六名、FDICで二千五百七十二名、OTSで千四百五十八名、合計一万七百十七名と、このように承知しております。
○笠井亮君 大分けたが違うような感じがしているんですが、けたが違うというのは日本と比べてですね。全体で三万七千を超えていて、検査監督分野でも一万七百を超えるという形でいる。 じゃ、これに対して我が国の監督検査体制なんですけれども、金融監督庁の検査部、監督部、それからそれ以外に証券取引等監視委員会事務局という形になると思うんですが、どれぐらいの職員数で、監督検査にはどれぐらいの方が当たっているんですか。
○政務次官(村井仁君) これにつきましては、いろいろ当委員会の委員の先生方の御理解などもちょうだいいたしましてかなりふやしているところでございますが、十一年度末現在、金融監督庁の各部ごとの定員でございますが、検査部二百四十九名、監督部九十五名、証券取引等監視委員会事務局百六名でございまして、長官官房の八十五名を含めまして金融監督庁全体で五百三十五名ということでございます。 なお、十二年度の定員ベースでございますが、これは中央省庁等改革による金融部局の再編、それから十二年度の増員百二十三名、これを織り込みました場合は、検査局という形になりますが、これは仮称でございますけれども、三百十九名、監督局百三十三名、証券取引等監視委員会事務局百十二名でございまして、総務企画局の二百二名を含めまして金融庁全体で七百六十六名と、こういうふうになるはずでございます。 それから、地方財務局の金融関係部門の職員数を加えますと、十一年度末現在で千六百四十五名、十二年度定員ベースで二千百名程度と、こんなふうに承知しております。
○笠井亮君 これだけ銀行の問題があって、しかも今破綻処理のスキームということで先ほども金融審以来の話もありましたけれども、迅速に最小限のコストでということでさまざま問題になっている中で、これはちょっと余りにけた違いの貧弱な日本の現実というのがあると思うんです。一方で、監督検査をやるということでは、さらに多岐にわたりながら、しかも複雑化する中身が出てくるということだと思います。 この間の第一火災の破綻の話で私も伺ったときに、損保への検査というのが第一火災が初めて入ったところでしたという話で、保険監督課に関しても二十三人しかいなくて損保担当は数人なんですという話も担当者から伺って、これで本当に今の金融のいろんな複雑な問題、それからシステムの問題と言われている中で、きちっとやれるのかというのが本当に率直に思ったところでありまして、私はそういう点で再生委員長に伺いたいんですが、体制を抜本的に拡充して、いわばさまざまいろんなやらなきゃいけないことは多岐にあるんですけれども、特に私が今議論させていただいた迅速な破綻処理のスキームという点から見ても、これはアメリカと比べても格段の違いということで、もっと体制的にも確立すべきじゃないかと思うんですが、これについてはどういう御所見をお持ちですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) アメリカと比べると随分貧弱じゃないかという御指摘だと思うんです。 こういう公務員をめぐる情勢でございますから、なかなか多々ますます弁ずというようなことは申し上げにくいわけでございますけれども、金融の検査監督の分野に関しましては、二年前に金融監督庁が発足したわけでございますけれども、それ以来、各方面の御理解もあって、厳しい定員事情の中では随分、日本の全体の事情の中ではでございますが、随分傾斜的に配分していただいた分野かなというふうに、率直に言うとそういう思いもございます。 ただ、こういうこれからのことを考えますと、やっぱり金融システムをきちっと安定させていくためには、早期に発見して早期に手を打っていくということが一番大事だと思いますから、そういう意味で計画的に何というんでしょうか整備を進めていかなければならないなと思っておりますし、それから先ほど申しましたようにいろいろな機会をとらえて検査技術を向上していくというようなこともあわせて行わなければならないのではないかと、こんなふうに思っております。
○笠井亮君 検査の中身の問題も、冒頭から伺っておるように、きちっとその中身をもっとできるようにしなきゃいけない、そして体制の問題も今おっしゃったようにこれは格段の努力が要るんではないかと私は思うんです。 最後に、大蔵大臣に、これお金のことにかかわるものですから。 処理にずるずると時間をかけて、結果的に莫大な公的資金を投入ということにつながるよりも、検査監督に必要な人員を抜本的にふやすということの方が、結果的にはコスト的に見ても合理的ではないかということを思うんです。今公的資金投入何兆円とかという話がありますから、人件費からすれば、今のレベルから格段に上げたとしてもそっちの方がもっと効果的ではないかということも思うんですが、その辺についてはいかがですか、検査監督体制増員ということに関連して。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはやはりいわゆる護送船団行政の反省として我々が今持っているものは、護送船団行政では検査監督も、場合によっては倒産もやむを得ないんだといったような心構えよりは、むしろなるべくそういうことを起こしたくないという、そういう気持ちの中で行われておりましたから、不正があったという意味では必ずしもありませんけれども、それではやっぱりいかぬのだと。緊張関係というものがなければならないというのが今の反省でございますから、おっしゃいますようにそうであれば、そういうことを充実していくことによってそういう緊張関係が生まれ、そしてまた銀行のディスクロージャーが行われて、思わないことが起こらないようになる、その考え方は私はそのとおりと思います。
○笠井亮君 終わります。
○大脇雅子君 先回、年金担保の融資問題についてお尋ねをいたしましたが、どうもそのお答えについて納得がいかないということがありますので、もう少し詳細に場合を分けてお尋ねをしてみたいと思います。 まず、年金証書あるいは年金権を担保に供させて融資するというのは、直接関係法令において譲渡が禁止され担保に供することが禁止され差し押さえが禁止されているということで、これに違反する取り立てがなされることは可罰的な違法性が、その規定する根拠がないとしても、そもそも担保に供すること自体というのは非常に高度な違法性があると考えます。 この前提について、厚生省、大蔵省、金融監督庁の御見解をお伺いいたします。その根拠を何と、その趣旨、法の趣旨というものをどのように理解しておられるかということです。これは大臣にお願いいたします。厚生省は担当者で結構です。
○政府参考人(吉武民樹君) ただいま先生お話がございましたとおり、私どもの年金の関係で申し上げますと、厚生年金につきましては厚生年金保険法の中で受給権の保護、公租公課の禁止を規定をいたしております。 この趣旨を申し上げますと、年金の保険給付を受ける権利につきまして譲渡、担保あるいは差し押さえをすることはできないということでございますが、これは給付の請求権といいますか年金の給付を受ける請求を行う権利、基本権と申しておりますが、それのみならずその支払いを受ける権利までも含めまして、広く含めて解釈すべきだというふうに解釈をいたしております。この趣旨を申し上げますと、受給権者の権利を保護するためということでございます。 仮にこのような制限がない場合を考えますと、例えば年金の給付を受ける権利につきまして、その給付を受ける権利を、例えば毎月月額二十三万の厚生年金のモデル年金の受給権のある方が、非常に一時的な金銭需要があるために、生涯給付を受ける権利全体を例えば五百万円で譲渡されるというようなことが起きますと、老後の生活の基本である年金の保険給付を受ける利益を長期間にわたって失うおそれがあるということでございまして、そういう形で受給権の保護ということをいたしております。 したがいまして、もともと年金の受給権は公法上の権利でございますし、このような制限を付されておりますからその権利は受給者の一身に専属するというふうに解しておりまして、例えば別の例で申し上げますと、受給権者が死亡された場合に、その老齢年金の受給権は遺族年金という形で継承されることはありますけれども、受給権そのものは相続をされないという形でございますので、そういう一身専属の権利としてできるだけ保全をすべきものだというふうに私どもは解釈をいたしております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先日来、大脇先生の問題意識を伺って、年金受給権を担保に供することを禁止されている、それの潜脱手段みたいなことが行われているのはおかしいじゃないかと。私もそれは確かにそういう感じがするなと思いまして、法律書生のころたしか恩給受給権がどうだというのは民法九十条との関係で、大審院判例ですか最高裁判例で何かああいうものを読んだことがあるような気がいたしまして、事務方にも少し何か適切な判例でもないか調べてごらんと、こんなことを言っているんですが。 ただ、国民年金法や厚生年金保険法の趣旨ということになりますと、私どもが解釈をするというわけにもなかなかまいりませんので、厚生省の解釈を私どもも参考にして執務をしたいと、こう思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) つけ加えるべきことはそうあるわけではございませんが、もともと違法性があるということはこれは問題がなくそうだと思っておりますが、個別のケースになりますと、貸金業者が受給者との間で具体的にどのような方法で貸し付け契約を締結しているのか、その点は貸金業者の実態を存じませんので詳細に申し上げることができません。 また、年金法、厚生年金保険法は大蔵省としてこの法律の規定を有権的に解釈する立場にはございませんものですから、基本的に違法であるということ、それはもう問題がありませんけれども、具体的なケースについてコメントすることが十分にできないという立場でございます。
○大脇雅子君 私は、厚生省の担当者が言われるようにこれは公法上の権利で、もし年金権とか児童扶養手当とか児童手当とかあるいは生活保護費などが担保に供せられて貸し金で取り立てが可能だということで現実に占奪されると、これは社会保障制度全体が崩壊して、国のやっぱり生存権体制というものが非常に危機に瀕してしまうのではないかという問題意識がございます。 そこで厚生省にお尋ねしますが、今現在行われているものは、年金証書とかあるいは年金証書に化体される年金権というものを一応業者に渡す形で印鑑と振り込み用の預金通帳を渡して、金融の貸金業者がそこから貸し金を取ってしまう。これは本人の預金に入ったものではなくて、むしろ年金を業者の自由になる預金口座に振り込ませるわけですから、そういう状況がある場合に厚生省としては具体的にどのような施策を考えておられるでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) まず第一点御説明を申し上げたいと思いますが、実は現在の年金の受給は、先生御案内のとおり、大部分が年金受給者の方が金融機関の口座に自動振り込みを行うという形で行われております。ほぼ九九%この形で行われております。かつては、国庫金を基本的には郵便局に送付いたしまして、郵便局の窓口を中心としまして年金証書を提示していただきまして、そのことを確認して年金給付のお金が受給者に渡るという形をとっておりましたけれども、この形は現在では福祉年金等を除きましてほとんどございません。 したがいまして、年金証書が例えば実際の金融業者の、私も先日のテレビを見させていただきましたけれども、それは担保であるというような形で認識をされておりますが、実は振替口座の選定につきましては年金受給者の意思でいつでも変更ができます。その際には、仮に年金証書が業者の担保といいますか業者にとられておりましても、現実には年金額の支払い通知書というのを私どもは毎年発行いたしておりまして、その中に年金の基礎年金番号も書いてございますので、現在では基礎年金番号と住所、氏名によりまして基本的に年金受給者の確認ができる状態になっておりますので、仮に年金証書が業者の手元にあったといたしましても、それはなかなか実際上の人間関係といいますかで難しい面があるというのは想像ができますけれども、手段といたしましては口座を変更するということが自由にできる状態になっております。 したがいまして、今先生がおっしゃいました事態は、いわゆる年金の支給そのものが直接担保にとられているというところまではなかなか私どもも申し上げにくい点でございまして、形としては年金受給者の口座に年金が振り込まれ、そのお金が出されていった直後に返済に充てられるというような、こういう状態に近いような状態ではないかと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、先ほど申し上げました年金というのは老後生活の非常に中心的な給付でございますので、この年金給付につきまして年金の受給者の方々が御自分の判断でその使途を決めていく、借金の返済につきましても決めていくことができるだけ担保されるということが望ましいというふうに考えておりまして、現在起きております状態につきましても、私どもは先ほど申し上げました年金受給権の保全の趣旨からいいまして基本的には望ましくない姿だろうというふうに考えております。
○大脇雅子君 そうしますと、実際上でも、年金をとられてそこから弁済させられている本人にとってみれば、年金権は担保でとられて、そして実際上老後の生活としてそれが利用できないような状況になっているということである、そして最終的にはほとんど貧困の底で命を失うということになるわけですので、私は、先回金融監督庁にどういうことができるのかと申し上げましたときに、まず二つの場合に分けてお聞きしたいと思います。 都道府県をまたいでいる貸金業者の場合の監督はどこになりますか。
○政府参考人(乾文男君) 貸金業者はその所在地の都道府県の都道府県知事が管轄することになっておりますけれども、今御指摘のように複数の都道府県にまたがるときには大蔵省財務局が所管ということになっております。
○大脇雅子君 先回、乾政府参考人は大阪の方で大阪府が一応是正をした例を言われまして、そして当局も指導を行っているというふうに言われました。今までどういう指導をどこにいつ行われたのか、もう少し明快に説明をしてください。
○政務次官(村井仁君) この年金担保の融資問題、大脇先生から既にいろいろ御指摘ございますが、私どもといたしましても、国民年金法上禁止されているということも踏まえまして、貸金業規制法上は規定はございませんけれども、金融監督庁の行政上の指針でございます事務ガイドラインにおきまして契約締結の際の禁止事項として、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求してはならないと、このように明示をいたしております。 具体的には、財務局、都道府県、財務局につきましてはただいま御説明のように複数の都道府県をまたがった場合でございますが、都道府県において行う貸金業者に対する監督でございますが、これに際しましてきちんとこれを守るように改めて指示をしているところでございまして、実は昨年の九月商工ローンを念頭に貸し金業務の適正化に関する要請を行ったわけでございますが、その際に財務局、都道府県等を通じて全貸金業者に対しまして文書によりまして、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求しないことを含めて、適切な業務の運営を確保することを要請したということでございます。 今後とも、御趣旨を体しまして、都道府県等ともよく連携しまして適切な対応をしてまいりたいと思っております。
○大脇雅子君 それでは、今はその財務局関連の指導でございましたが、これがいわゆる一県の都道府県における金融業者の場合は、先回はともかく地方分権法があって私どもとしては何もできないんだというような趣旨に受け取られる答弁をされたんですが、これはどうなんでしょうか。たとえ自治事務としても、監督官庁としては、勧告や助言の制度もあり是正要求もできるわけですが、これとの関係では今後貸金業者に対して違法があった場合にどういうような取り扱いをされるんでしょうか。
○政務次官(村井仁君) 確かにこの事務は都道府県の自治事務ということになっておりますが、私どもといたしましては、地方自治法第二百四十五条の四におきまして国は普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言または勧告をすることができるという規定もございますので、いずれにいたしましても、都道府県とともに貸金業規制法に基づきます貸金業の監督事務を適切に執行する立場というのは金融監督庁として非常に重い責任を持っているわけでございますから、都道府県からよく実態も聞き取りましたり、調査をしてもらいましたり、必要があれば今引用いたしました条文に基づく勧告、助言等をしてまいりたいと思っております。
○大脇雅子君 私は先回の御答弁の根底における認識に問題があると思ったのは、要するに年金とかそうした社会保障の一身専属の権利を担保にすることと利息制限法の利率を超えて利息を取る場合と、これは違法性と法的な性質において断然違うと思うんですが、乾政府参考人はその点、利息制限法や出資法の上限金利を超えている云々というような場合の取り締まりと並列的にお話しになったので、私としてはどうしても、帰って考えてどうにもおかしいなと思ったんですが、今の御指摘によりますと、金融監督庁としても財務局ないしは都道府県に対してそれぞれの法的な根拠に基づいて的確な指導をしていただけるということなので、今後とも老人に悲しみと不安や恐怖を与えないような形で監督の目を光らせていただきたいと思うわけでございます。 立法政策ということがありまして、立法政策については金融監督庁の長官は私としては述べる必要はないと。確かに国会の問題でありますけれども、大蔵省としては、それでは立法政策というものについて、それに対して罰則がないとか云々というような法の欠缺状態についてどのように考えておられるか、御質問します。
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。 貸金業法につきましては大蔵省が所管をしておりますし、委員御指摘がありましたように今いろんなやりとりがあったところでございますが、年金制度そのものや貸金業者の監督という意味では所管をしておりませんので、具体的にどのようなトラブルが今生じているかというのが細かくわかっていないというのは先ほど大臣から答弁があったとおりでございますが、ただ、今委員御指摘がありましたような問題を含めて、やはり年金受給権を実質的に担保とするような融資への対応については、やはり年金法制上、今御指摘がありましたように、この年金受給権の保護のあり方という検討や、それから今度は貸金業者の方でございますが、この貸し付けの実態や、今度は借りていらっしゃる方の方の御事情でこれは全部だめというふうにした場合に果たしてどうなのか。前回の改正のときもいろいろ御議論を国会の方でいただいたところでございますけれども、こういったことを考えながら、年金制度を所管しております厚生省、また貸金業者の監督に当たっている監督庁等の関係省庁といろいろとよく相談をして、今後検討する必要があるというふうに考えておるところでございます。
○大脇雅子君 先回もちょっと触れましたけれども、年金を担保にして一・五倍まで貸すことができるという年金福祉事業団の融資制度というのがあって、これが非常に人気を呼んでいるという新聞記事もあるんですが、厚生省、この点については現状と今後の扱い方についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 従来より、年金福祉事業団が担当いたしまして、年金受給権者の方に対しましていわゆる小口資金の融資を行っております。これは、いわゆる住宅の融資等とは違いまして、端的に申しまして使途が自由な小口資金の融資でございまして、私どもの考え方から申し上げますと、年金の被保険者あるいは年金の受給者のためのいわば福祉施設事業という位置づけでございます。公務員で申し上げれば、共済組合で住宅資金の貸し付け等を行っておりますが、これの年金受給者に対するものということで。 ただ、最大の問題は、年金の受給者の方の場合に、例えば民間の金融機関から非常に貸し付けを受けにくいという状態がございますように、融資の原資は資金運用部からお借りをいたしておりますので、これは基本的にお返しをするべき資金でございますので、ここにつきまして担保が必要だということで、年金受給権を担保にするということを法律上位置づけをいたしまして行っております。 それで、平成八年度で千二百九十億円、約十万三千人の方に融資をいたしております。平成九年度が千三百二十億円、それから十年度は千六百五十九億円という形でございまして、年金福祉事業団も私どもも最近の経済情勢等にかんがえましてこの融資に対する資金需要が非常にふえているということを認識をいたしておりまして、平成十二年度は資金枠といたしまして千九百三十億円の資金枠を財政当局の御理解を得て用意をいたしております。 それからもう一点でございますが、従来のこの融資方法につきましては、融資をいたしますと毎月毎月の年金につきまして全額担保で回収をさせていただくという形になっております。年金額の大体一年半、それからその絶対枠で申し上げますと二百五十万を限度として融資をいたしますので、端的に申しますと、一年半たつとほぼ融資は回収をされるという形でございますが、これは貸し付け条件として非常に厳しいのではないかと、肝心の年金がお手元に残らないという形でございます。この点につきましてもことしの十月から改善をいたしまして、年金額の半額につきまして回収をさせていただく、年金額の半額は御自分のお手元に残るということを選択肢として設ける形にいたしております。 それから、貸し付けまでは従来約一月半から二カ月ほどかかっておりました。これは、年金の受給権があるということを確認いたしますし、それから全国約二万五千の民間金融機関の窓口で受付業務をやっていただいておりますので、民間金融機関から年金福祉事業団へ到達するまでの処理期間もございます。これは、民間金融機関の御協力も得まして、ことしの秋からほぼ一カ月に短縮をいたしたいというふうに思っております。 金利を申し上げますと、二・一%でございますので、したがいまして先ほどの四〇%といった金利とは全く違いがございますので、これが年金受給者の本来の福利のために用意しておる制度でございますので、できるだけこの制度が機能を発揮できるように私どもこれからさらに努力をしてまいりたいというふうに思っております。 私どもの希望から申し上げれば、できればこの融資をまず活用していただいて年金受給者の方が安定した生活が保持できるようにということを私どももできるだけ努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 温かい処理をぜひお願いしたいと思います。 時間がなくなりましたが、保険業法の改正について一点お尋ねをいたします。 早期是正措置というのが損害を大きくしないための一番大きな法的措置であるけれども、なかなかに実行できないということで、とりわけ生命保険業界については大変大きな危惧がされているわけであります。そのためには金融監督庁が早期是正措置を発動するための情報開示が非常に大切だと思うわけですが、この情報開示というものがなかなかにできない我が国の業界の体質というものがあるんですが、これについてはどのように情報開示のあり方についてお考えであるかお尋ねをしておきたいと思います。
○政務次官(村井仁君) 御指摘のように、早期是正措置非常に大事でございますが、ただいまの御質問は、早期是正措置を発動した場合にそのことを情報開示するべきではないかというような御趣旨に解してよろしゅうございましょうか。
○大脇雅子君 そういう趣旨ではなくて、早期是正措置を発動するための条件として、情報開示が経営体の方からなされなければ立入検査とかモニタリングの強化が必要だと思うわけですけれども、その点でどういうふうな措置をとられるか、どう考えられるかと、こういうことでございます。
○政務次官(村井仁君) 全くそのとおりだと思うわけでございまして、私どもは保険業界がそれぞれの経営状況というものを適切な形でディスクローズしていくということが非常に大事なことだと思っております。 さような意味で既にいろいろなことをやっておりますが、例えば自己資本比率あるいはソルベンシーマージン比率というようなものがそれぞれの保険会社によりまして表にきちんと開示されるというような、みずからそれを開示するというようなことが行われていく、これが非常に大事だと思っております。
○大脇雅子君 それでは、次の質問は次回にさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 先日、当委員会で長銀、日債銀、またそれ以外の既に破綻をしている金融機関の処理について、そして国民負担について質問させていただいたわけですけれども、再生委員長の方からは、十三兆円という金額は破綻した金融機関の処理に十分余裕のある金額であるというお答えをちょうだいいたしました。十三兆円という金額は破綻した金融機関の処理に十分余裕があると。 しかし、ペイオフコストを超えるこの部分を負担する預金保険機構の特例業務勘定には三兆五千億円もの政府保証つきの借り入れがあるわけです。そして、一年延長された特例業務が終了して勘定が廃止されたときに、この赤字を解消するために交付国債を使ってしまうと、十分余裕がある金額とはひょっとしたら言えないのではないかなと、私はこう思うわけですので、再度確かめる意味におきましても再生委員長に御確認をしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 前回、西川委員とここで御議論をしましたときに、私いろいろな数字を申し上げまして、前提も幾つか設けました。だんだん時間がたつと劣化をしてもっと額がふえてくる可能性もある。また、あるいはペイオフの枠内で払えるものがあるから、これより相当減っていく面もあるというようなことを言って幾つか数字を挙げたと思うんですが、それを積み重ねていった上で、今御指摘の三・五兆何がしの金を足していくと場合によると十三兆を突き抜けてしまうのではないかと、こういうお尋ねだと思うんですね。 結論から申しますと、私はその心配はないと、前回もないと申し上げたわけですが、今回もないと申し上げたいと思うんです。 その理由を申し上げますと、現時点で特例業務勘定の借入残高といいますのは三兆五千六百七十六億円になっております。これは何かというと、主なる使途は整理回収機構が破綻金融機関から資産を買い取りしたお金がこの三兆五千六百七十六億円になっておりますが、いわゆる整理回収機構が破綻した金融機関からこういうものを買い取ります場合に非常に言うなればかたくかたく見積もっておりますので、もちろんこれが全部返ってくると私が断言することはできませんけれども、幾つか毀損するものもそれはないとは申し上げませんが、まずかなりの部分がこれはきちっと回収できるというふうに考えておりまして、それで整理回収機構による回収によって返済されてくると、こういうふうに考えておりまして、御指摘のように交付国債が不足するような事態にはならないと、こういうふうに考えております。
○西川きよし君 そこで、平成十二年度の予算ではペイオフコスト内の負担を賄う今度は一般勘定にも四兆円の政府保証枠が設定されております。この一般勘定には現在一兆三千億円の政府の保証なしの借り入れがあるわけです。これを政府保証つきに変えるのか、まずこれを一点お伺いしたいことと、さらには、一般勘定についてもこの赤字を解消するために政府保証の結果、実際に政府が預金保険機構にかわって支払う可能性があるのかということもお伺いしたいと思います。
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。 一般勘定の方にも政府保証がつくということでございます。 そこで、お答えする前にちょっとなぜこういうことになるかということをお話ししたいと思うんです。十年二月に改正をいただきまして、預金保険法上政府保証を付与することが可能となっておるというのは今委員がおっしゃったとおりでございます。十一年度まではまだこの政府保証を使っていなかったわけでございますけれども、今谷垣委員長からは特例勘定のお話がございましたが、一般勘定の方も今委員御指摘がありましたように金融機関の破綻処理の結果一・三兆円というところまでいっておるわけでございまして、資金調達については、例えば民間入札をいたしますと未達になったりということがございまして、大変厳しい状況にあるわけでございます。 今後、既に破綻を公表済みの金融機関の処理によってさらに借り入れがふえるわけでございまして、これがだんだんふえてきますと円滑な資金調達というのがなかなか難しくなってくるということも想定されるわけでございます。 今お話がありました特例業務勘定は三兆何ぼというお話でございましたが、平均コストが大体〇・一九%で済んでおりますが、一般勘定は政府保証を今まで使っていなかったものですから、金利の平均がやっぱり〇・四三とかなり高くなっておるわけでございまして、そういう意味で今後一般勘定の資金調達の円滑化を図るためにも、また今申し上げましたように調達金利をやっぱりなるべく下げて負担を軽減しなければいけないということで、今回四兆円の政府保証枠を法律でお認めいただいた権限を使うということにしたわけでございます。 そこで、今ある一・三兆円はどうなるのかというお尋ねでございますが、これは大体一年未満の借り入れでございますので、返さなければいけないわけでございます。そうすると、もう一回借りかえるということが起こりますので、借りかえが行われますと、今度は一・三兆円の借入金が政府保証を付与した形で借りかえをして資金調達がその一・三兆円、また借りかえたものは政府保証をつけて借りかえるということになるわけでございますから、おっしゃったように一・三兆円がそのまま返せない分が残った分につきましては政府保証がついた形になるということになるわけでございます。 そこで、二番目の御質問でありますが、ではこれを最後政府保証をつけているんだから支払うのかということでございますが、これは預金保険機構があくまで債務の履行をするということが原則でございますから、これを政府が保証するわけでございまして、一般勘定における借入金というのは将来の保険料、預金保険料でございますが、これを使って返済をするということでございまして、政府が預金保険機構にかわって支払うということは考えておりません。
○西川きよし君 次に移ります。 先日、赤ちゃんからお年寄りまで国民一人当たりが十万円以上、四人家族で四十万円以上負担がということで質問をさせていただきました。それでもって一体何が守られたのかという質問を大蔵大臣にさせていただきました。一千万円を超える預金やそして金融債が全額保護されたという御説明、御答弁をいただきました。 ただ、少し疑問に思ったのは、預金の口座の九九%は一千万円以下の金額で、十三兆円がなくても守られるのではないかなというふうに疑問を抱くわけです。残りの一%のために十三兆円というのは何か割り切れない気持ち、皆さんもそうだと思うんですけれども、私たちを初め子供や孫にその負担がかかってくるわけですから、やはりなるほどな、これはもっともだな、仕方がないなという説明があって不思議ではないというふうに思うわけですけれども、大蔵大臣に御答弁をいただけましたら。
○国務大臣(宮澤喜一君) 口座数で申しますとおっしゃいますように千万円のところまでで九九%、金額で申しますとしかし残額の三分の一ぐらいはそれを超えたものである、そういうのが実情でございますね。 それで、我々が経験しましたように、この数年で幾つか銀行が倒れました。その場合何事も起こりませんでしたのは、すべての預金者が保護されるということがわかっておったからでございます。そこで、仮に一千万円のところまでだということでございましたら、残りの預金者はうわさが出ますと直ちに銀行に行くと思います。それで引き出しちゃうと思います。そうすると、もう銀行は千万円以下の預金すら払えないという状況になりますから、そこでもう銀行が破綻をしてしまうと、こういうことだとお思いになりませんか。 つまり、千万円までの人は、非常に賢明なら、うちはいいんだとしてくれればいいですが、上の人が銀行へ行くと、うちだっていつ返してもらえるかわからないから、そんなら今もらっちゃった方がいいと、多分そういうふうになられますから、その方だけを守っているようで、実際にはほかの人が先に行って金を払い出しに行けばその方だって心配になる。それでもいい、いずれはもらえるんだとどっしりしていてくれればいいですけれども、いやみんな取りに行くと、うちはいずれ政府がくれるんだ、まあそこまで落ちついていればいいとは多分思ってくれなくて、皆さん出かけてしまうだろう。そうすると、もうその取りつけは次の銀行へ移ると。 現実にはどうも私はそういうことであるだろうなと思いますので、本当はまさに千万円までの人が守れればいいんだとおっしゃいますが、現実に銀行がああいう事態になりましたときに、それでは銀行自身がもう早い段階で取りつけに遭ってしまうということだというふうに私は思いますけれども。
○西川きよし君 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。 もうごもっともなという、内容を易しくわかりやすく御答弁いただいて、西川理解しろよということ、十分今いただきました御答弁は皆さん方にもお話をさせていただきたいと思うんですけれども、日々の暮らしの中で、不公平だとか、何でだろうというようなところは我々はここでたださなければいけないという使命でございますので、それもまた御理解いただいて、次に移らせていただきたいと思います。 今回の法案では、一年延長された特例業務が終わった後も、さらに一年間流動性預金が全額保護されることになっておるわけです。流動性預金には普通預金、当座預金のほかにも別段預金、納税準備預金、貯蓄預金、通知預金、こういった種類があると聞いておるわけですけれども、これらがすべてまた全額保護の対象になるのかどうか、この際お伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(福田誠君) 制度の内容でございますので答弁させていただきます。 御指摘のように、流動性預金につきましては、金融審議会の答申でも、金融機関の破綻に際して、企業や個人の決済が滞ることを通じて経済全般や金融システム等に大きな影響を与える事態とならないよう、主に決済のために使用される流動性預金について時限的に特別の措置をとることもやむを得ないという指摘をいただいたわけでございます。 そういうことで、御指摘のように、預金等が全体が全額保護される、さらにその後一年間、すなわち平成十五年三月末まで流動性預金について全額保護することになったわけでございます。この点につきまして法案では、「預金等のうち為替取引に用いられるものとして政令で定める預金」と、ちょっとわかりにくい表現になってございますが、そういう規定でございますが、具体的には金融機関の決裁取引の中核をなしております為替取引に使用されている預金ということで、普通預金と当座預金、そして別段預金の三つの流動性預金について全額保護の対象とする予定でございます。この三種類がいずれも決済取引の中核として利用されているということで、政令で定めさせていただきたいと思っているわけでございます。
○西川きよし君 御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。 もう間もなく終わりでございますけれども、もう一問まいりますと中途半端になりますので、これで終わらせていただきますが、どうぞひとつ、よりよい政治の方向性というものを、皆さんが納得いくものをよろしくお願い申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会