金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/04/28
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局審査局長平林英勝君、金融再生委員会事務局長森昭治君、金融監督庁検査部長五味廣文君及び金融監督庁監督部長乾文男君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○益田洋介君 益田でございます。よろしくお願いいたします。 まず最初に、金融再生委員長にお尋ねいたします。 十三日、再生委員会と大蔵省は、預金保険機構の金融再生勘定の清算時に生じる損失を新たな財政支出で穴埋めして最終処理するという方針を明らかにされました。これは、公的管理後に地価の下落などで生ずる損失などが対象になっているわけで、言ってみれば破綻の後処理に必要な費用だということですが、引き継いだ貸出資産の価値が譲渡後三年以内に二割以上目減りして二次損失が生じた場合にも公的資金で補てんする、それにもこれを注入するという方針でございます。 現在では残高は三月末現在で三兆九千三百億円、最終的には十三兆円ほどに特例業務勘定というのがなって、全部これが国民の負担になる、こういうお考えのようですが、この点どういうふうにお考えでしょう。国民の方にはどういうふうに説明したらよろしいでしょう。
○政務次官(林芳正君) 予算もかかわることでございますので私から、見なれた顔で恐縮でございますが、答弁させていただきます。 預金保険機構の金融再生勘定は、再生法に基づく業務、もうこれは委員もよく御承知のことでございますが、ブリッジバンクや特別公的管理銀行への資金の貸し付けや、そういったブリッジバンクや特別公的管理銀行からの資産の買い取りや損失補てん、健全金融機関からの資産の買い取り等のことを経理しておりますが、そのほか旧金融機能安定化法というのがございまして、これに基づいてやった資本注入、いわゆる佐々波委員会のものでございますが、これも再生勘定に引き継がれておりまして、財源は預金保険機構が政府保証枠を活用した資金の借り入れで賄っておるところでございまして、再生法の規定六十七条一項に基づきまして再生業務が委員が御指摘のように終了の日に廃止を勘定されることになっております。その際に両方ございまして、利益が出た場合は六十七条の二項によりまして国庫に納付する、それから欠損が生じている場合には適切な予算措置が講じられるものになる、こういう制度でございますが、今の段階でどちらの方にどれぐらいになるということは、まだいろんな条件がありますので、現段階で申し上げられないということでございます。
○益田洋介君 今度は再生委員長にお伺いしたいと思います。 百貨店のそごうが六千三百億円の債権放棄を要求しております。不幸な事件もこれに引き続いて起こったわけでございますが。 比較的、我々の目から見ますと、銀行が安易な債権放棄に応じる傾向がある。安易ではない、六千三百億というのは大変なお金ですから。結局その取引企業の経営にモラルハザードが起きるんじゃないかと心配をされています。まだ地価が一段と下落している現状でございますから担保価値はさらに目減りしているので、公的資金を注入した大手十五行も不良債権額は健全化計画で想定したよりも大幅に上回るんじゃないかという懸念がされております。 これは、委員会としては債権放棄に応じる場合にさまざまな条件を満たすべきであるという主張をされております。この点について御意見を拝聴したいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) お答えいたします。 この債権放棄をめぐりましては、けさも大変残念な事件が起こりまして、それぞれ渦中にある方々は本当に身を削るような思いでやっておられることだろうと思いますが、あの不幸な事件に対しましては心から御冥福を祈りたいと思っております。 それで、今先生がおっしゃったような、しかしながら、安易な債権放棄を認めていくということは、いろんな意味でモラルハザードが起きてくるし、また国民の批判も出てくるのではないかと。 これは、まず一般論から申し上げますと、債権放棄に応ずる場合は、金融機関も下手な債権放棄をしていけば、これは株主代表訴訟というようなことで責任を追及されるということを覚悟しなければなりませんし、一方、債権放棄を求める企業の経営者の側にしても、そのことは当然経営責任を追及されるという前提があるわけでございますが、そういう一般論を超えて、特に資本注入を受けているような金融機関の場合には、大体、資本増強の基本的考え方というのを金融再生委員会としては示しておりまして、三つの条件をつけております。 その第一の条件は、残存債権の回収がより確実となるなどの合理性がある場合、それから第二点として借り手企業の経営責任の明確化、それから第三点として債権放棄に応じなかった場合の当該企業の状態がどのような社会的影響を持っていくかという、この三つの点で合理性がなければ債権放棄に応ずるべきではないということを示しておりまして、経営健全化計画の中にはいずれもこういうものを入れていただいているわけであります。 それから、各行が債権放棄に応じた場合には、今後の経営健全化計画のフォローアップでこれらの条件が満たされているかどうかということは我々としてもきちっとチェックしていかなければならないと思っております。
○益田洋介君 おとついの当委員会で、長銀と日債銀の経営者の経営責任というものを問われる質問が繰り返し行われました。 私はこれは、銀行側はさらに、特に総額七兆四千億資本注入された十五行に対してございますが、大蔵大臣、赤字決算ならともかくとして、黒字決算でありましても、これだけ公的資金を注入された銀行というのは、経営者の立場から、黒字決算であっても、やはりこの注入資金の償還が終わるまでは無配で、株主の方にもそういうことでわかっていただく、そういう姿勢が必要なんじゃないかという、モラルハザードに関しての件でございますが、この点どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) あの公的資金注入ということは、もちろん各行のためでもございますけれども、日本の金融システム全体にありました危機を解消するという内外にわたっての目的を持っておりました。 したがいまして、注入に当たりましていろいろ銀行のこれからの計画等々については具体的に示してもらい、そして今金融監督庁、あるいは谷垣大臣のところで、再生委員会等々で、それをチェックしつつ、計画どおりにあるいは計画より進んで銀行が強化されることを目的に行政指導を行っておられると思いますが、そういう条件として配当を遠慮してくれというようなことは申し上げていないと思いますし、銀行側で自発的にいろいろおやりになることはあり得るとしても、私どもとしてそれは求めていないというふうに考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大蔵大臣が御答弁になりましたが、経営健全化計画の中に、減配とか役員賞与の縮減等によって利益流出を十分に抑制するというようなことを評価項目の中に加えてございます。
○益田洋介君 わかりました。 健全化計画というのは、銀行が大型合併をしたり経営統合していく流れの中で、やはり見直していく必要も出てくるのではないかというふうに考えるわけです。 例えば、アメリカの主要銀行の株主資本利益率は二〇%台を超えている。一方、我が国の銀行では三%から四%。収益力の差が物すごく大きくなってきている。こういう数字で比較してみると大変なことになっているんだなというふうに驚くといいますか、そういう実感があるわけです。 ですから、こういう健全化計画の提出というふうなある程度統制的な経済的手法から、やっぱりアメリカのこの圧倒的な資本利益率に近づくためには、もっと競争の促進をする市場機能の活用といいますか、そういったポイントに政策の軸足を移す方がむしろ我が国の銀行の健全化につながるんじゃないか、そのようにも考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どものスタンスは、統合であるとかあるいは再編というのはあくまで民間の自発性というか、そういうものでやっていただかなければならない。それで、それをお手伝いできる手法があればお手伝いをするというのが私どもの手法でございますけれども、今おっしゃった経営健全化計画というのは、合併であるとか再編が進んでまいりますと、今までの個別の経営健全化計画というものは見直さなければならない場合が当然出てくるだろうと思います。 私どもも、従来ある経営健全化計画というのは当然フォローアップもするわけでありますけれども、合併した場合にどのようにそれぞれの再編戦略によって経営健全化計画を立て直すかということは十分御相談に応じていく必要があると思っております。
○益田洋介君 この健全化計画が、当初の予定に反して、むしろ有害な結果をもたらしているという例が数件実際に出ております。これは中小企業向けの融資の目標を達成するために数字合わせをしなきゃいけなくなっている銀行が出てきている。ですから、中小の証券会社やノンバンクなんかに高リスクの株式の取引絡みの資金を貸し出しているという銀行が出てきている。こういう点からも、やはり健全化計画だけを高らかに叫ぶといいますか押しつけていると、むしろその健全化が不健全になってくる傾向があるんじゃないかと。 ですから、そういう面で私は見直しが必要じゃないかなというふうに考えるわけですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先般、衆議院の大蔵委員会で、全銀協の会長、当時は第一勧銀の頭取でいらっしゃいますが、御出席になって、三月現在の経営健全化計画に基づく中小企業向けの貸し出しの暫定値を報告されたわけでありますが、それがある意味では、予想以上にと言うと語弊がございますけれども、貸し出しが進んでいる。それが一体どういう意味合いかということは、衆議院でもあるいは当院におかれましても御議論がございました。 私たちは、やはり中小企業向けの貸し出しというものもふやしていただかなきゃならないと思うんですが、今後あの予想以上にふえていた数字というものがどういう意味合いがあるのかというのはこれからヒアリングもして検証していかなきゃならないと思っておりますが、そのポイントは、実際の資金ニーズがあるかどうか、そしてその資金ニーズのあるところに行っているかどうか、こういうことではないかと思っておりますので、その辺はよく私たちもヒアリングをしながら精査をしたいと思っております。
○益田洋介君 次に、G7等で大分話題になりましたゼロ金利政策の撤回ということでございますが、これは時期については、大蔵大臣なかなか申し上げにくい、もちろん日銀の専管事項だというふうなお考えもあると思いますけれども、ヨーロッパの中央銀行でも結局は二十七日追加の利上げをしました。景気が回復基調に乗ってきたけれども、逆に欧州とアメリカでインフレの懸念が高まっている。五月十六日に連邦公開市場委員会、FOMCが開かれるわけですが、グリーンスパン議長としてはやはりここでもう一回〇・五%程度の利上げをするんじゃないか。欧州もアメリカもそういう基調になってきている。我が国だけがゼロ金利政策にいつまで固執していられるのかというふうな声が各国からやっぱり上がってきております。逆にアメリカあたりはゼロ金利政策を続けてほしいんだという要望があります。 この辺の見通しについて基本的な大蔵大臣のお考えというのをお聞かせ願えますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最終的には日本銀行総裁の決められることでありますので、私として有権的なことは申し上げられない立場であることはよく御存じでございますが、結局、この間G7で議論になる、ならないということにつきましては、四月十日に日銀の政策委員会の会合で、当分ゼロ金利を継続するという決定をなされました。その直後に日本銀行総裁が、それはそれとして、市中とコミュニケートしておく必要がある、経済がよくなればやがてこれについても考え直すときが来ると思うと。その時期等々を詳しく言われたわけではありませんけれども、総裁のお考えでは、将来を展望して、だんだん国内にもそういう議論もあることだし、一度コミュニケートしておこうというお考えであったようであります。 したがって、G7の場ではそういう議論は一切ございませんで、四月十日の決定そのものを総裁が紹介をされた。それについてのしたがって反論というものはもとよりあり得なかった。 ただ、益田委員の言われますように、アメリカとしては、あるいはIMF当局もそういうところがありますが、まだまだ日本の不況脱却というものが十分民需へバトンタッチしていない。殊に、リストラもあって雇用あるいは賃金というものが、消費というものがまだ不安定である。ですから、いまだにデフレの危険というものがあるので、それに対応することが大事だという、そういう立場でございますから、議論をすればそういう議論になるわけですが、このたびは別段そういう議論の発展はありませんでした。 そこで、最近国会でも総裁自身、将来のそういうコミュニケーションを自分としてはせんだってしたけれども、どうも今の事態ではまだ真剣に現実にその問題を日程にのっけるという状況ではないようだと、日々の経済状況を見ながらいろいろにお考えだと思うんですが、そういうふうに言っておられるようでございます。 ところで、恐らくしかし我が国の経済は、いつ民需に十分バトンタッチをし切るかということはそれといたしまして、その方向に向かっているということは間違いないし、またゼロ金利が生むメリットもデメリットも世間でいろいろ言われておることでございますから、その辺を見ながら日銀総裁としては将来の問題としては頭に置いておられると、そういうことではなかろうか。私として有権的に申し上げることはできませんけれども、そんなふうに観察をいたしております。
○益田洋介君 何度かこの委員会でも小渕前総理と議論をさせていただきました。一日も早い回復を願うわけでございますが、病気になられる前に、世界一の借金王だというふうに公言もされましたし、史上最大の景気刺激策を打ってきたと。大蔵大臣もお認めになっているように、やはり今上げ潮に向かいつつあるというのは確実な、景気に関してはそういうことでございますが、小渕前政権は、結局は本格的な構造改革というものを始動することなく政権交代をされたわけでございます。そういう意味で私は、施政方針演説にもございましたが、やはり森政権というのは、一つの大きな命題というのは、景気刺激策と同時に構造改革というものにも着手していく必要があるのではないか。 いつそれをまた手を打っていくかというタイミングの問題が非常に難しいと思いますが、一つのいい例はアメリカの構造改革で、制度と企業経営の両面、言ってみればベンチャー企業を多く生み出す、経済とか産業における技術のパラダイムというのが規格大量生産型から情報知識集約型に変わってきている現状でございますが、我が国の場合は財政と金融面からの総需要政策にとどまってきてしまっていたというのが現状であろう。ですから、この点もやはりアメリカの構造改革をよく見習った上でしっかりした施策を新政権としてはとっていただきたい、そのように思うわけでございますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 過去一年半のことにつきまして、多少益田委員と私の見方が異なっておるかもしれませんが、確かにこの不況脱却ということを最も大切な課題として考えながら、しかし二十一世紀を展望するとそれだけで済む話ではなくて、ここは徹底的な構造改革がないと二十一世紀には行けない、アメリカの例を見てもそうだということは絶えず意識にはいたしておりました。 したがいまして、前々国会では大企業中心のリストラクチャリングについての法制の整備を国会にお願いいたしましたし、前国会では中小企業国会と銘打ってベンチャービジネス等々についての立法もお願いをいたしました。そういう意味では、日本は日本なりの構造改革に進んでいると私は思っております。 ただ、レイオフ等のことは当然アメリカとは事情が違いますから、そのテンポというのはアメリカのようなテンポではないし、あり方も日本的なあり方ではあろうけれども、そういう方に向かって進みつつあると私は考えておりますから、今リストラクチャリングでかなり雇用も消費も低迷しているということになっておるのではないか、そういう見方をしております。 しかし、おっしゃっていることはよくわかっていまして、ではあるが、設備投資も回復してきそうだ、消費もぼつぼつというようなことになりますと、やはり重点というのはリストラクチャリングに向かわざるを得ない、また企業もそういうふうに考えておると思いますから、政府としては一応二つの国会でリストラクチャリングのための法制は整備をしていただいたつもりでおりますけれども、二十一世紀に向かってはもちろんその問題が我が国のこれからの経済のあり方を大いに規定する問題であるというふうに間違いなく私どもも考えております。
○益田洋介君 次の大きな課題でございますが、ぜひともかじ取りを景気回復策でおとりになったように期待をしておるところでございます。 先日も再生委員長とお話をさせていただきましたが、銀行への異業種の参入とか、あるいは民事再生法の申請とか、地価の下落とか、銀行業界をめぐる環境は大分変化してきているというのが現状だと思います。 それからもう一つ、有望な投資銀行業務ということもこれから展望していかなきゃいけないわけでございますが、その場合はやはり経験の豊かな欧米の銀行と業務提携すべきだというふうな意見も銀行業界の中にはございます。しかし、自分できちっと核をつくるというような、業務提携しても核になるんだと、そういった強みを持った銀行でないと丸のみにされちゃうというのが現状じゃないかと思うわけでございますが、この点はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員のおっしゃるように、金融界の土壌も変わってきておりますし、金融商品なんかの開発もいろんなところで新たな動きがある、いろんな刺激をやっぱり取り入れていかないと、旧来の手法だけではなかなか私はうまくいかないんだろうと思います。 したがいまして、そのあたりのノウハウあるいは知恵をどうやってつけていくのかというところがやはり金融機関のこれからの知恵の絞りどころだと思いまして、いろんな再編の動きも出てきておりますけれども、その中で十分知恵を絞っていただきたいなと思っております。そのこと自体を我々が率先してこうやれ、ああやれというような行政手法のスタイルは現在とってはおりませんけれども、民間で大いに知恵を出していただくことを期待しております。
○益田洋介君 次に、先日ロンドンでローレンス・サマーズ財務長官が講演をした際に、IMFの改革をしていく必要があるんじゃないか、長期的な融資から徐々に撤退すべきじゃないかというふうな話をされました。 一方で、カーネギー・メロン大学のアラン・メルツァー教授が報告書、これはメルツァー報告と言われていますが、その中で、やはりIMFは危機のときの短期融資に限定するべきじゃないか、緊急対応機関に衣がえする必要があるんじゃないかと、こういうふうな意見も出ています。 この点、大蔵大臣いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) サマーズ氏の発言は、アメリカの議会におけるいろいろな批判も頭に置いてのものであったように思われますから、徹底的にどういうことであるかということは明確でない点もございますけれども、基本的には、IMFというものは余り長い長期の融資にぐずぐずしていないで、それからは撤退して、大事なときにきちんとみんなにわかるような手助けをすべきだという、方向としてはそういうことを言っておられるように思います。 私どもとしても、構造改革への関与なんかに余り必要がないというか当面の問題でないときに深くかかわったりすることなく、おのおのの殊に貧しい国々のいろいろな意味での危機対応についての支援、あるいは各国の経済政策の観点でも具体的な改善を図っていくと、そういうことにもっと特化すべきであって、言ってみれば非常なアージェンシーが現に存在しない、過去にあったかもしれないけれども、のところへ相当手広く関与しているという姿よりは、もっと効率的に為替不安とか経済危機が起こったときにクイックに対応することに重点を置くべきだと、そういう考えは私どももほぼ同様に考えております。 ただ、そういう考え方は抽象的にはそれでよろしいようなものの、具体的にG7なんかで議論していきますと、まことにヨーロッパの国々の人々は必ずしも簡単にそういうところには同意していませんし、IMFにもまたいろいろな主張があるということでございますから、将来の改革に向かっての一つの方向が示されたということで、これから私どもも注目していきたいと思っておる点でございます。
○益田洋介君 次に、政務次官にお伺いしたいんですが、支払い保証機構のファンド九千六百億円、この規模は大変な規模ですが、どういうふうな意味合いを持っているファンドなのか、それからこの金額の算出根拠というものをお聞かせ願えますか。
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。 今、委員御指摘の生命保険の機構のファンドの規模ということでございましたが、委員御承知のように、例の東邦生命の破綻処理により、もともと現行の保護機構の財源が四千六百億ほどあったわけでございますが、この東邦処理に要した額というのが大体約三千八百億円でございますから、この大半を使ってしまうということでございまして、今後破綻が生じるかどうかの見通しについてはなかなかこれ明らかでないという状況でございますから、最小限今もともとあるその四千六百億以上に復元をしておかなければいけないだろうという観点で、今回五千億円拡大して九千六百億ということになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、三千八百を引きますと八百が残って、五千を足しますから五千八百億円と。少しふえますけれども、大体もとどおりのところには復元をしておかなければならないだろうということが積算の根拠ということになろうかと思います。
○益田洋介君 次に、金融監督庁にお伺いしたいんですが、非常に丁寧な対応をしているということでネームバリューのある銀行であります東京三菱銀行がデリバティブで上げた収益を海外の子会社につけかえたと。結局、九九年三月までの三年間で六十五億円の申告漏れを指摘されていることがわかりました。追徴税額は重加算税を含めて二十五億円にもなっているんです。 かなり悪質な隠ぺい工作がなされたと見られているようですが、この点はどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(乾文男君) 新聞報道で私ども読みましたけれども、これは国税当局の話でございまして、私どもその事実を確認しておりませんので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○益田洋介君 監督義務はあるんですよ。国税当局が調査しているから、あなた方監督官庁である金融監督庁が何もしないで、答弁を差し控えるとはどういうことですか。きちっと答弁しなさい、それ。わからないんだったら自分で調べなさいよ、調査しなさいよ、その義務があるでしょう。
○政務次官(村井仁君) 私どももきょう報道で承知したところでございまして、国税当局もそれなりのお立場でいろいろ調査を進められてきた結果だろうと思っております。 ただいまの委員の御指摘を踏まえまして、当然のことでございますけれども、私ども監督上の責任を十分果たしまして、私どもの法令に違反するというようなことがございましたらこれはもう厳正に対処するということでございます。
○益田洋介君 委員長にじゃお願いしておきます。 当委員会にきちっとした監督庁としての報告書を提出していただきたい。よろしゅうございますか。
○委員長(真鍋賢二君) 監督庁、いかがですか。
○政務次官(村井仁君) 個別の金融機関が行いましたさまざまな取引につきまして、これは一般論でございますけれども、具体的に出しました場合に、大変恐縮でございますけれども、全く善意の第三者に思わぬ影響を及ぼすとか、あるいはマーケットに対するいろいろな影響を及ぼすとかいうような問題もございますので、この点につきましては、ただいま委員御指摘の点につきまして可能かどうかよく検討させていただきます。 そのようにとりあえずお答えをさせていただきます。
○益田洋介君 大変丁寧な御答弁なんですが、中身がないですよ、政務次官。出していただけるのか、いただけないか、それが私の質問なんです。
○政務次官(村井仁君) 先ほど監督部長から申し上げましたように、とりあえず税の問題として表に出た話でございます。私ども、金融の問題としてまだ把握しておりません。 そういう状況のもとで予断を持ってお約束をできないということでございまして、調べました上で十分検討させていただきます。 国会でこのような形で委員からお取り上げをいただきましたというのは大変重いことでございますから、当然それにつきまして私どもとしては誠意を持ってこれに取り組むつもりでございます。
○益田洋介君 長年のおつきあいなんでこういう質問はしづらいんですけれども、ぜひそういうことで。 これは、脱税したという問題の以前に、金融派生商品、デリバティブで上がった収益を海外の子会社に移転させるといいますか、隠匿しているわけですよ。これはやはり経営上の問題でしょう。違いますか、政務次官、後で協議してください。 最後に、公正取引委員会、見えておりますね。 独禁法の第二十八条職権行使の独立性、それから憲法の第六十二条議院の国政調査権、この相互関係について説明してください、どういう認識を持っているか。
○政府参考人(平林英勝君) 独占禁止法におきましては、公正取引委員会は職権を独立して行使するというふうに規定してございますので、もちろん公正取引委員会は立法府からも司法府からもその他第三者からの影響を受けることなく、具体的な職権を行使すべきものと私は理解してございます。 もちろん、国会での国政調査権というのは尊重されるべきものであることは当然のことでございます。
○益田洋介君 時間がないので終わりますが、尊重されるべきものじゃなくて、どちらが優位に立つのかというのが私の質問です。後日答えてください、もう一回質問しますから。
○大脇雅子君 社会民主党の大脇でございます。 ペイオフ延期関連についてお尋ねをいたします。 我が党は、この間の住専処理問題に対する取り組みや公的資金注入処理を可能とした金融機能安定化法等により破綻金融機関の処理のために講じた措置等を考えるとき、今回提起されているペイオフ解禁の凍結については多くの問題をこれまで衆議院段階から指摘してまいりました。 大臣のお答えによりますと、信用組合等の早期健全化を達成する、そのために一年延期するということでありますが、この分野だけではなくて全般的にペイオフの解禁を凍結するということについては護送船団方式の復活ではないかという批判もあり、全般的に延長することの意義について改めてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ペイオフを一年延期しましたことの直接の理由は、信用組合がこのたびこの新年度から国の検査のもとに入ってくる、そうであれば、これも我が国の金融システムの末端ではあるがそれに加えて考えることがいいだろうという判断であったわけですが、ただいまのお尋ねは、仮にそのために信用組合に対して一年ペイオフを延期するということであったにしても、その他の金融機関については予定どおりすることが妥当ではなかったか、そこはどう考えたのかというお尋ねでございます。 この点は、与党各党の議論の中でも、また私どもの党の中でもいろいろ議論がございました中で、一つは、ある種の金融機関についてはペイオフの解禁が一年で成立する、信用組合だけはもう一年まだあるということによる預金の移動、いわゆるモラルリスクのようなものがいろいろ生ずるのではないかと。しかし、そうは言っても大銀行からどこかの信用組合に預金が移動するということは本当にあるだろうかとか、いろいろ議論がございましたけれども、最終的には実は、信用組合の代表者の人たちがヒアリングに出てこられまして、自分たちだけ別に扱われることは実は自分たちは賛成できませんということを言われたわけでございます。 それは理由はいろいろあったのだろう、私は直接おりませんでしたが、いかにも自分たちだけが何か悪い方に差別をされると申しますか、まだ悪いんだなと言われることは自分たちにとって決して得策ではない、こういうことであったらしゅうございまして、ためを思って信用組合だけ一年延ばしてほかはもういいじゃないかということについては、当事者である信用組合がむしろ反対をしたということが現実の一番直接的な関連でございました。 私どもとしては、それがあるなしにかかわらず扱いを異にすることはやっぱり問題だろうと、やるとすれば一緒でないといけないのではないかと思っておりましたものですから結局そうなりましたけれども、当事者の方々はそう考えておられたという事実はございます。
○大脇雅子君 二〇〇一年四月にペイオフを解禁するというふうに決められたのは、問題銀行の不良債権の処理などがその時点では終わるだろうということが大きい原因であっただろうと思うんです、二〇〇一年四月にやるということは。 そうしますと、他の銀行、信用組合のほかは健全な銀行として不良債権処理が行われたのか、既に行われたという認識に立っておられるのかということをもう一度お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) マネーセンターバンクスを初め他の銀行については、もともとそういう要望もございませんでしたが、私ども見ておって、まず完了しておるということを申し上げて間違いないと思います。信用組合の話が出てまいりましたときに、一部の第二地銀あるいは信用金庫、一部でございますけれども、それなら自分たちもということを言われたところはありましたけれども、大勢としてはもうまず問題ないと考えていいような状況であったと思います。
○大脇雅子君 そうしますと、一年延長すれば信用組合あるいは信用金庫関係その他はどのような再編強化が図られるかというふうに見通しておられるのか、それ以上の延長は必要ないと考えておられるのか、改めてお尋ねします。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは後ほど谷垣大臣からもお答えいただけると思いますが、まず信用組合につきましては、現実には帳簿等がそろいまして検査が実態的に進むのは六月ごろからではないかと思っておりますけれども、私どもが考えておりますのは、検査になりまして、その結果、どうもリタイアしてもらうしかないというものもあるかもしれません、また早期是正を必要とするものもあるかもしれない、また資本的な援助をした方がいいというものもあるかもしれない。全体が三百絡みと聞いておりますので、今申しました三つの分類で、さあ、どれだけ破綻になりますか、これからのことでございますが。 いずれにしても、そういう処置をいたしますと、六月から始まりますとちょっと来年の三月にはその処置のところまで間に合いかねるということが延期した理由でございますので、したがいまして一年以上延期する理由はございません。そういうことをいたすつもりもまたございません。
○大脇雅子君 協同組織金融機関が、公的資金の注入と優先出資証券が発行できていくということで、公的資金の注入とあわせて優先出資証券の発行ができるということになっております。自力による資本調達がより広がるということでありますが、これの期待は果たしてそれにかけられるかという議論もあり、こうしたことの効果ということについてどのようにお考えでしょうか。
○政務次官(村井仁君) 御案内のとおり、協同組織金融機関のうちで、例えば信用組合の中央機関でございます全信組連と私ども呼んでおりますが、これでございますとか、あるいは信用金庫連合会でございますとか、こういう中央団体につきましては既に優先出資証券を発行することが認められております。 しかし、個々の協同組織金融機関につきましてはそれがないわけでございます。結局メンバーからしか出資を得ることができない。こういうことで、非常にその資本の充実が難しいという環境でございますので、今般優先出資法の改正によりまして会員以外からも広く受け入れることができるということになりますと、これは個別の例を挙げるわけにはまいりませんけれども、信用組合の中にもかなり体力のあるところもございまして、相当な信頼もある、そういうところにはどんどん出してやろうというところもございましょうし、あるいは信用金庫の場合でも相当な規模のところもございます、能力があるところもございまして、こういうところは公的な資金に頼ることなく自力で相当な調達が可能なところがあるのではないか。さような意味で、私どもこれには大いに期待しているところでございまして、この効果は公的資金の投入の可能性とあわせまして非常に地域に対して責任を持ちます金融機関の体力強化のために役に立つと、このように期待しておるところでございます。
○大脇雅子君 整理統合が進む中で新たに破綻処理ということが問題になりまして、早期是正措置という一つの大きな武器を持っているわけでありますが、しかし、これが金融機関からの申し出が条件となっているということで、もしも経営者が事業存続のみを企図していろいろな工作をして行動すれば破綻の認定がおくれるのではないかということですが、この改正の趣旨を生かすために積極的などのような取り組みをなされるのか。とりわけ受け皿探しというのがこれまでの銀行処理を見ていると何かちょっとおくれがちであるというふうに思うわけですけれども、そういう点についてはどのように施策を強化していかれるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今先生お尋ねの件は、私どもからいたしますと、今回の改正の一つの目玉と申しますか、まさにポイントだろうと思うんです。それで、金融機関が破綻した場合あるいは財務状況が悪化して回復の見込みがなくなった場合に、預金者の損失とかあるいは預金保険の負担をできるだけ小さくしていくためには、早期に破綻処理を開始するということが一番必要だろうと思います。 それで、今回の改正では、債務超過とか預金等の払い戻しの停止のおそれという事態に至っていない場合でも、一番自分の財務状況を知っている立場にある経営者から債務超過に陥るおそれがあるというふうに申し出があった場合には、破綻処理を開始しよう、あるいはつまり金融整理管財人の選任等を可能にしよう、こういうことでございまして、今までに比べると選択肢を広げたということだろうと思います。 しかし、これだけで全部うまく機能するわけではございませんで、まさに今委員がおっしゃいましたように、早期是正措置それから平生のモニタリング、こういうものを活用して早期発見、早期治療ということをしていかなければうまく機能しない、それは当然のことだろうと思います。 それから、今おっしゃったなかなか受け皿探しが進んでいないというのは実はこの金融整理管財人を派遣した場合あるいはしない場合でも一番私ども頭が痛いところでございまして、これは今の委員のお尋ねに的確にお答えをするのはなかなか難しいんですが、私どもとしてはあらゆる知恵を絞ってあるいは人脈等もたどって探していかなければいけないなと思っております。
○大脇雅子君 その一つ、そうした制度を効果的に動かすためには検査制度、検査の体制ということが重要であろうかと思いますが、見ていて質量ともに弱いのではないかというふうに思われるんですが、この点についての強化措置などについてはどのように御検討されているんでしょうか。
○政務次官(村井仁君) 全く御指摘のとおり、検査の問題は非常に重要でございます。 私どもといたしましては、金融監督庁の検査部の定員につきまして、まず国家公務員全体につきましては大変厳しい環境でございますが、御理解をちょうだいいたしまして、平成十一年度におきまして八十七名、平成十二年度におきまして七十二名新規の増員をお認めいただきまして、検査部の定員三百十九名ということになっているところでございます。 さらには、こうしてせっかくちょうだいいたしました定員、増員を大いに生かしまして検査を充実させていくということでございますけれども、これによりまして私どもとしましては、主要行につきましては一年に一回くらいは大体検査できる、それから地銀、第二地銀、保険会社等につきましては一、二年に一回、証券会社については二年に一回程度、その他の業態につきましても大体三年に一回程度は検査できる、こんなような体制ができていると思っております。 さらには、検査マニュアルというのをはっきり表へ出しまして、それでこれを活用させていただいている。 さらには、民間専門家を大いに登用いたしております。これは、公務員の経歴のある者だけではなかなかついていけないいろいろな新しい事象も出てまいっておりますので、それに対応するための手段でございます。 それから、もう一つ工夫しておりますのは、検査につきまして部門制をとりまして、例えば保険の方を専門にやる部門とかいうようなものをつくりまして、いわば検査の専門性というのを高めておる。これは大変な工夫でございまして、非常に効率的に検査が実行できるような体制になっておる。 さらには、検査は決して何といいましょうかばらばらであってはいけませんから、検査の体制を統一するという観点から、検査指導官というのを新しく設けまして、検査の質ができるだけ均質になるような努力をいたしておる。 さらには、最近のコンピューターの進歩によりまして、そのシステムでかなりモニタリングがいろいろできる。民間からもらいました電子的情報を、私どもの方で財務データ等をもらいまして、これを中で分析する、こんなこともやっておりますし、さらには海外のいろんなノウハウもいろいろな情報交換によりまして手に入れまして、これを使いまして有効な検査をやっておるということで御理解をいただきたいと存じます。 なお、今後ともよろしく、なおなお足りないところでございますので、御支援を賜ればありがたいと存じます。
○大脇雅子君 ぜひ検査体制を充実させていただいて、しっかりと早期是正措置が働くようにお願いをしたいと思います。 ペイオフ解禁後であってもシステミックリスクというのに対する例外措置ということが決められているわけですが、このシステミックリスクが起こりかねない緊急時というのは預金の全額保護などの例外措置が設けられるということですが、この発動基準というのが非常にあいまいで、金融危機対応会議の裁量に任せられているようでありますけれども、しかし一方、退場させるべき金融機関が整理をされてしまえば天変地異以外には例外措置が働く余地はないということになると、何か非常にお守り的な気分もするわけですが、しかし、これをやる場合には国民にどう納得をしてもらうかということが大切になると思うわけですけれども、この発動基準についてどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。 システミックリスク規定に関して、どういった場合に発動されるのか、またそのときの基準についてどういうデュープロセスになるのかということだったと思いますが、今委員が御指摘がありましたように、この第七章におきまして、内閣総理大臣は、例外的な措置が講ぜられない場合には、我が国またはその金融機関が業務を行っている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときには、金融危機対応会議の議を経て当該措置を講ずる必要がある旨の認定を行うことができると法案に書いてあるわけでございます。 そこで、あいまいではないかということでございますが、個々のケースごとに内閣総理大臣が主宰をされます金融危機対応会議の議を経た上で判断をするということになっておりまして、さまざまな局面が想定されるものですから、あらかじめこれとこれと限定的に決めておきますと、かえって対応が困難であるということを御理解いただきたいと思います。 そう申し上げた上で、例えば、ほかの金融機関の連鎖的な破綻が発生するような場合とか、連鎖的にほかの金融機関の資金繰りが困難となる場合、もしくは大規模な貸し出し抑制や回収等資産の圧縮を進める動きが生じるおそれがある場合等で、こういうように信用秩序が混乱をしてまいりまして我が国もしくはその地域の金融機能が不全に陥ると、こういった場合が想定されますが、もちろんこれに限定をするという意味ではなくて、こういった場合を含めてそういう必要が生じた場合にはそういう手続でもってやるということが定めておるわけでございます。 そして、今申し上げましたように、内閣総理大臣が判断をするということでございますし、その後この認定を行ったときには内容を国会に報告するということも規定をしておりまして、極めて厳格な手続で国会にも報告をされて、また公表されることによって国民の皆様にもこれをきちっと御報告をするということになろうかと存じておるところでございます。
○大脇雅子君 そうすると、具体的にその発動基準というものはどんなところ、どう働くんですかね。何かちょっと、どういうことをイメージされているのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) たまたま我が国の場合、この数年非常な金融危機がありまして、公的資金の導入をしたり、あるいは預金のいわゆる無制限な政府が保証をいたしましたものですから、どう申し上げたらいいんでしょうか、比較的お若い方はこれをごらんになってまた同じことがすぐにあるような印象を持たれるということを私はこのたびの国会の質疑応答を通じて感じましたが、先生にはおわかりいただけると思う意味は、昭和の初めの恐慌みたいな、ああいう状況に発展しかねないようなことが起こりましたときに、我が国では今緊急勅令というようなこともできませんし、これに対応する法的な手段がほとんどないような状況でございますので、そういう場合を想像していただくのが私は一番恐らく合っているのではないかと。 したがいまして、そうしょっちゅうあることではないということになりますが、あらかじめこれを書いてみようとしますとなかなか上手に書けないというところに、むしろそう滅多にないことだという感じを持つのでございますが。したがいまして、具体的に書けませんので、総理大臣が特別の会議で諮って、そして決定をして、国会に報告すると。非常に重い手続を加えておりますから、そうそう起こることではない、昭和から七十年でございますか、まあ七十年に一遍あってもらってもむしろ困るというような事態を考えております。
○大脇雅子君 よくわかりました。 それでは最後に、時間が迫ってまいりましたので、生命保険契約者保護機構の財源策について一点お尋ねをいたしたいと思います。 今次の改正案によりますと、保護機構の借り入れに係る政府保証の恒久化及び平成十五年三月までの国庫補助の可能性ということが決まっているわけですが、この保護機構というのは決済機能を持たないということから、生保に対する公的資金の投入についてはさまざまな問題があると考えられます。 例えば、九千六百億円の規模で果たしてセーフティーネットとして妥当なのかということであります。条文を見ますと、見直し規定もあります。どのような財源策についての議論があったのか。財界といいますか業界は追加負担というものはしないというようなことを言っているということもありまして、この保護機構の財源対策がしっかりしていないと、これから大きな生命保険その他の保険業界の再編が行われますと、非常に契約者の不安が増すというふうに考えられるわけですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に林政務次官から五千億円という説明を申し上げましたが、既に使ってしまっておりまして、それを今回政府もひとつするから業界ももう一遍というようなことでここまで来ました。 ただ、今見ておりますと、万一のことが起こりました場合に、これから業界が毎年毎年の金を積んでいきましても、なかなか完全に対応できないことがあるかもしれない。あるかもしれないときは、今業界の負担が本当に精いっぱいに見えますし、正直申しましてこういう非常に低い金利になりましたので、各社とも自分の責めに帰すべからざると言っては甘過ぎますが、客観状況の変化で非常に経営が苦しくなっておるということがございますから、各世帯の九割までが頼っておる保険についてはやはり政府は場合によっては援助に出なければならないのではないか。ただいまのところ将来のことをこれ以上はコミットいたしておりませんけれども、実際にそういうことが起こりますと、やはり政府としてはいろんな意味で保証の規模であるとかあるいは場合によりまして財政支出であるとかということを考えざるを得ない事態になるのかもしれない。これは、なると申し上げておるのではありませんで、なった場合にはかなり業界の負担能力の限界に来ているということを政府は認識しておりますということを申し上げたらよろしいかと思います。
○大脇雅子君 最後に、やはり生活上の事故が保険化し、そしてまた事故が多様化するという二十一世紀の中で、この保険会社の整理統合、あるべき姿というのに対しては私ども非常に大きな関心を寄せざるを得ません。時間がございませんので、またの機会にさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 本日もまた私なりにいろいろとお伺いしてまいりたいと思います。 一昨日は高齢者と金融行政という御質問をさせていただきました。再生委員長にも御丁寧な御答弁をいただきまして、本当にありがとうございました。 お年寄りに優しい金融機関あるいは金融行政ということは本当に必要なことであると思いますし、そして今回のビッグバンやこの預金保険につきましても正直言いまして恐らくお年寄りの認知度は低いのではないかなというふうに私は思っておったわけですけれども、ある世論調査によりますと、高齢者と若い世代とではほとんど差はございませんでしたが、むしろ内容まで知っているというのはお年寄り、つまり高齢者の方が若い世代を上回っているという部分もございました。 そこで、本日お伺いしたいのは、この預金保険機構の仕組みの認知度という点について政務次官によろしくお願いいたします。
○政務次官(林芳正君) 預金保険制度についてどれぐらい皆さんが御理解いただいているかということで、委員からは金融ジャーナルの調査結果、これは二〇〇〇年の三月号でございますか、それをお引きになられての御指摘でございました。 認知度につきましては日銀も実はアンケートをしておりまして、預金保険制度を知っている人の割合は平成八年の三月には三七・九%だったわけでございますが、これが前回の十一年三月には五六・七%、それから今回、十一年九月でございますが、六一・七%とかなり上昇してきておりまして、前回からは貯金の残高が一千万円を超える世帯というのも別途調べておりまして、この世帯ではやはり七八・二%、そして今回は八〇・九%とかなり高い方がもうこれを御存じであるということでございまして、大変ありがたいことでございますが、皆様にこの制度をきちっと理解していただけるということは極めて重要であると我々も考えておりますので、きょうはこのコピーを持ってまいりました。(資料を示す) これがホームページの内容でございまして、こういうようなわかりやすく説明、絵を入れてホームページに掲載したり、またパンフレットを配布したり説明会を開催したり、また私ごとでございますが政府の広報番組に預金保険制度の広報ということで金融審議会の翁さんと一緒にこういう制度ですという討論に参加したりということを通じまして、国民の皆さんになるべくわかりやすく説明をしてきたところでございますが、今回改正法案にいろいろと、中身が豊富になっておりまして、例えば付保対象預金等が拡大されるとか、ペイオフ解禁が今御議論ありましたように一年延長されるとか、流動性預金の全額保護とか、新たなセーフティーネットやペイオフ解禁へ向けた種々の措置が入っておりますので、こうした改正案の内容も含めまして預金保険制度の国民への周知について一層頑張ってまいりたいと思っているところでございます。
○西川きよし君 御丁寧な御答弁ありがとうございます。 実は、私もせんだって予算委員会でも政務次官にお伺いをいたしました。そして、実はホームページを先にきょうは僕の方からごらんいただいて、ああ西川さんそうですか、そういう部分もお勉強なさったんですかとお褒めいただこうと思うぐらいの努力をしてまいりましたんですけれども、その先を越されたという感じでございまして。でも、実に本当に丁寧に。 そしてまた、お金に関することは、若い方もそうですしお年寄りの方もそうですけれども、地元の大阪へ帰りましてもいろんなことをお伺いされます。そしてまた、金融機関の方には、銀行へ参りますと例えばこういうふうな大きいパンフレットを置きまして、表紙には「預金保険制度」と、QアンドA方式でこういうパンフレットも置いておられるということで、大変お年寄りの皆さん方は助かるというふうな声もたくさんお伺いしておりますし、また、時間が十二分にということでもてあます部分、文化、趣味、そういう部分はもちろん日ごろ老人大学とか等々で皆さん仲よくされておられるんですけれども、その時間を金融の方、またこういった部分に費やされて勉強会をつくっておられるようなお年寄りの方々もいらっしゃいますし、また今後もよろしくお願い申し上げたいと思います。 そしてまた、一方で、この保険業法による保険契約者保護についてですけれども、むしろ仕組みも複雑ですし認知度という面では預金保険のようにはまだなっていないように思うんですけれども、こちらの方も政務次官にぜひ本日お伺いしてみたいと思います。
○政務次官(林芳正君) 保険の方のセーフティーネットについていかがと、PR活動の現状ということでございまして、これも後で西川委員お出しになられるかもしれませんが、私もこれを持ってまいりまして、これが生保の保護機構の御案内ということでございます。(資料を示す)それから、損保の方も同じようなものがございますが、こういったようなパンフレットや、それから先ほど預金保険機構の方で申し上げましたが、ホームページの方に掲載といったことをいたしましたり、それから生保、損保各社でそれぞれのディスクロージャー誌というのがございますし、契約者のしおりというもののがございますから、それにもちゃんと載せていただくように、また今回、保険業法と更生特例法の改正案、今御審議いただいている法案でございますが、これの全文、概要、スキームの図についてもホームページへ掲載して、またこういう形で周知徹底をして、預金保険に負けないようにこちらも周知を徹底してまいりたいと思っておるところでございます。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。 この保険業法では、保険会社が破綻をした場合に保険契約者保護機構が破綻保険会社の責任準備金の九〇%を保護することになっていると思うわけですけれども、実際破綻をした先ほども出ましたが東邦生命のケースでも責任準備金の九〇%が保護されております。しかし、破綻後の保険金の受取額の削減率が総じて大きくなっておりますし、最も極端なケースでは今までは八割も削減されたというような例も拝見するわけですけれども、この背景にはどういったことがあるのか、ぜひお伺いしておきたいと思います。
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。 これは少し複雑な仕組みになっておりまして、保険というのは長い期間をずっと保障するということでございますので、今委員がおっしゃられました九割というのは、破綻をしたときに責任準備金というのが百あるとしますと、その九割までは保証をいたしましょうと、これが九割でございます。その後、保険を契約されたときに例えば予定利率が五%だったと、その後金利が下がりまして例えば今ごろですと二%ぐらいになっておるわけでございまして、今までの分については九割保証されるわけでございますが、残りの期間についてはこの九割が二%の方でずっと延びていって、勾配が五%よりも下がってしまうというようなことがございまして、その分九割を下回ってしまうというケースが今委員が御指摘のようにあるわけでございます。 こういうふうに計算しますので、貯蓄性が非常に高い商品、例えば個人年金とか一時払いの終身ですとか、それから今申し上げましたように金利が高いときに契約をされたもの、それから残りの期間が長いものについてはこの九割を切って下がる率が大きくなるという傾向にあるということでございまして、先ほどのお話ではございませんが、その辺も含めてきちっと周知徹底、広報をやっていかなければならないと思っているところでございます。
○西川きよし君 こういうことに関してはたくさんの方々からお声をいただくわけで、どうぞよろしくお願いを再度申し上げたいと思うんですけれども。 皆さんもそうですし、朝早くから夜遅くまで一生懸命働いて、そして長年こつこつと保険料を掛ける、そして受け取るときには余りの額の低さに、どうしてなんだと、関西の方では「何でや」と言うんですけれども、何でこんな金額になんのやというふうに皆さんにお伺いするわけです。そういったときに今政務次官がお答えになったような内容を知るわけですけれども、こういう専門的な部分になりますとなかなか知り得るというようなことのチャンスが少ないわけですし、大変難しい問題だと思うんです。 そういう意味で、契約者保護の仕組み、あるいは保険会社が破綻した場合の保護の額、行政の当局にとってはもっと詳しい情報を国民に、少子高齢化、こういった部分で今後はどういうふうにしていただけるかというようなことを最後に、これは大臣にお伺いをして質問を終わりたいと思うんですけれども、よろしゅうございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今まで幾つかの問題について政務次官と問答していらっしゃいまして、なるほど、私自身も疎い方ではありますけれども、いろいろなことをかなり複雑でございますから国民の皆さんおわかりになるのにそうかもしれないなと思っています。 実は、そのことにつきましては審議会からも答申が出ておりまして、いかにもその内容を正確に保険がセーフティーネットであることについて理解していただくのにはどうも皆さんにわかりやすくわかってもらっていないのではないかという指摘がございます。 私どもも、内容を充実しますとともに、あらゆる機会を通じて国民の皆さんにわかっていただいて、そうでありませんとセーフティーネットになりませんので、セーフティーネットとしての実効を上げるように努力いたしたいと思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 日ごろ大蔵大臣には細かい部分は余り質問を自分ができないといいましょうか、何かそういうふうに威圧みたいなものを感じておりましたんです。何か余り細かい部分、福祉行政だとかそういう細やかな部分です、きょうの内容のようなことはどうも大臣にはしにくいというんでしょうか、そういう面を自分が勝手に理解をしておりましたんですけれども、きょうの御答弁をいただいて、これからはしっかりまた細かい部分も大蔵大臣にも御質問をしたいということを心新たに感じました。 ありがとうございました。 終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) どうもまことに申しわけございません。私も努力いたします。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○日出英輔君 宮澤大臣、本当にお疲れさまでございます。 この一週間、二週間、大蔵大臣のお話を伺わない日はないぐらいでございますし、きょうは午前中も実は伺っておりまして、林政務次官あるいは谷垣大臣には余りあれでございましょうけれども、ひとつもう少し時間をおかしいただきたいと思います。 表示はああいう形になっておりますので、後ろの方から大分冷たいまなざしで見られるのではないかと思いましたら、時間表示がああいう形でございましたので、安心をしてあの時間でやらせていただきます。 私は、この問題につきまして衆議院の方の議事録を読ませていただいたのでございますが、実はかなりの大部でございまして、二日間で読めなかったということでございました。かなりきちっとした議論をしているなというふうに思ったわけでございます。 私も、その衆議院での議事録を見ておりまして幾つか質問したいとは思ったんですが、その前に、やはり私も、きょうかかっております問題が、今までこの五年間の幾つかの集大成、政策の集大成的な意味合いもあるのではないか、もう少し言えば、バブル崩壊後のいろんな後始末の議論とそれから前向きの金融システム改革を進めてきた最後の段階に来ていると。そういうような認識がございましたので、少しタームを長くして、バブルのときからのお話を幾つか伺いながら、この問題について伺ってみたいと思っております。 きょうはそういう意味で経済企画庁総括政務次官の小池先生に来ていただいているわけでございますが、私は、まさしく私もあのバブルの時代に生きてきたと言うとなんでございますが、この十年大変目まぐるしい状況だなということを思っているわけでございます。 私も公務員をやっておりましたので比較的新聞を丁寧に読む方でございましたが、何しろこの十年、それから一昨年の夏から議席をいただいておりますので特に金融関係につきましては気をつけて見ておったのでございますが、なかなかに理解を超えてしまう、多分一般の国民の理解を超えていることが随分あるのではないかという思いもいたします。 平成八年の十一月に橋本総理が御指示なさいまして金融システム改革ということでグローバル化に備えるという話が始まりましたし、一方で平成二年からバブルの崩壊が始まって不良債権の処理その他どうするかという議論が出てまいりました。あるいは銀行では大銀行の再編でありますとかメガバンクとか、あるいはきょう本会議にかかっておりましたが金融商品販売法とか消費者契約法とかの消費者保護関連法制というのも最後の段階のものがのってきている。 こういう理解でございますが、私は、どうも一般国民が聞きたいのは、一つは前向きの金融システム改革の議論と、それから後ろ向きと言ったらなんでありますけれども負の遺産、不良債権を整理していく過程の政策がどうもなかなか整理がついていないという思いが実はするわけであります。 最初に経済企画庁総括政務次官に伺いたいのでございますが、我が国の経済分析ではやはりどうしても大変良心的であるし大変質の高いのが経済白書だというふうに伺っております。私もそのつもりで何十年か仕事をする過程で読んでまいりました。 この経済白書を見ておりますと、バブルというのを一体どういうふうにとらまえていたのか、特に九〇年代のバブルというのをどういうふうにとらまえていたのか、あるいはこれが実体経済にどういう影響を及ぼしたのかというのが、実は少し長く見てまいりますと若干の変化といいますか表現に違いがございます。言ってしまえば、九二、三年ごろに少しバブルの処理が終わったというか崩壊が終わったというか、前向きの仕事ができそうだということが一度出てきておったりしておりまして、後で見ますと、これは結果論でまことに恐縮でございますが、後で言いますとなかなかそういうふうにもなっていないということがございます。 そこで、最初に伺いたいのでございますが、この九〇年代の各年の経済白書、余り詳しくなくても結構なのでございますが、バブルというものをどうとらえて、これが実体経済にどういうふうに影響していたというふうに書いてきたんだろうかというのをごく簡単に御答弁いただけましたら大変ありがたいと思います。
○政務次官(小池百合子君) 九〇年代の経済白書でどのようにバブルをとらえてきたのか、またそのバブルの崩壊が日本経済にどのような影響を及ぼしてきたのかという御質問でございますが、九〇年代の経済白書を読み直してみますと、バブルの崩壊によります株そして土地などのいわゆる資産価格の下落、逆資産効果、そして企業のバランスシートの調整を通じまして消費そして設備投資などの内需の低迷を招いたということ、そして銀行の不良債権問題によりますいわゆる貸し渋りなど中小企業等の設備投資を抑制してきた可能性があるということなどを分析によって指摘しております。 ただ、それぞれ九〇年代というのではなくてもう少し細かく見てみますと、九七年の経済白書でございますが、九六年から九七年初めにかけて景気の改善が見られたということもございまして、その後の景気回復の腰折れは予測しておりません。また、企業や金融機関のバランスシート調整についてもやや楽観的な認識を示していたかと思います。 実際には、消費税率の引き上げを初めといたします当時の負担増の影響もございましたし、また企業や金融機関のバランスシートの調整、これもおくれた、さらにはアジアの通貨・経済危機の影響も加わりまして、九七年秋から景気の方は政府の予想以上に厳しくなったのが現実でございました。 こうした九七年時点での景気、そして不良債権問題に関します経済白書の判断でございますけれども、当時の限られた情報のもとでは最善を尽くしたものではあったけれども、その後の経済白書でもこれはしっかりと経済企画庁は認めているところでございますが、事態の深刻さに対する認識が甘かったと言わざるを得ない一面もあろうかと存じます。
○日出英輔君 私は経済白書を時々読み、あるいはこの二十年近くはサラリーマンの経済学の教科書と言われているある新聞をずっと読んだりしておりますと、企画庁の今のような分析が決しておかしくなかったと、多分そのときはそういうふうに言われていたように私も思っております。 今、九七、八年の話を政務次官はおっしゃいましたが、九二、三年ごろもちょっとそういう気分があったように思います。これも一般紙あるいは雑誌等を見ますと、もっと激しく楽観論も書いていたような気がいたします。 なぜそういうことを書いていたかというのは私もよくつまびらかにわかりませんので、ぜひとも御教授いただきたいのでございますが、多分バブルが非常に日本の場合特異であったという、非常に特殊なものであったという気がいたしますのは、アメリカなどに比べますと、非常に長い時間ゆっくり地価が落ちてくる。例えば八年、九年連続して地価が落ちてくるとか、株価もそう急じゃなくてやっぱりじわじわと落ちてくる。そういうことになりますと、逆に地価も株価も上がるかもしれないという一方でどこかに期待を持たせながら経済運営が進んできた、あるいは企業の経営が進んできたというふうな感じもするわけでありますが、あの一番の問題は、私は、どうもやっぱりバブルの問題で判断を間違えたのは、不良債権の額について必ずしもしっかりとした把握ができなかったという点ではないかという、これがすべてを誤らせたんじゃないかと思います。 拾ってみましたら、九二年の四月のときから八兆円、十二兆円、四十兆円、八十兆円と九九年の七月までの間にそういった発表が出てきますが、実は額の話だけではなくて、この前提となります不良債権の分類整理の問題、これが基準が変わっているわけでありますね。したがいまして、二重に基準も変わる額も変わるということで、よっぽどの専門家以外は非常にわかりにくかったんじゃないかという感じが実はしております。 そういう意味でいいますと、白書の責任でももちろん何でもないわけでありますが、大変難しいあるいは特異な時期ではなかったかという、そういう感じがしておるわけであります。 そこで、そういうことを冒頭にして伺いたいのでございますが、今この時点でいいますと、少しこういった金融面からの経済を見るだけじゃなくて、製造業とか我が国でも大分活躍しているところがあるんだから余り悲観論に陥る必要がないんだという議論も一部で出ているということもあります。これはきょうの本題ではございませんが、ちょっとそういうことも経済企画庁としてはどういうふうに考えているんだろうかということも興味がございましたので、一言ぜひとも政務次官にお答えいただきたいと思います。
○政務次官(小池百合子君) 不良債権の規模でございますが、今委員も御指摘ございました、その定義については必ずしも統一的ではなかったという点がございます。その時々の経済情勢によって事後的に変動する部分、また会計のとり方などさまざまでございまして、なかなか正確な実態把握というのは困難であったかと思われます。 不良債権の処理でございますが、その進捗がおくれていたところでございますけれども、九〇年代の後半に入りまして景気が若干上向いたということがありまして、各金融機関において積極的な償却等が進められたことによりまして、その進展が見込まれたということで、九七年度の経済白書では、「金融機関全体としては、不良債権問題を克服することは可能」というふうに記しております。 ところが、一たん回復するかに見えました景気でございますが、九七年度に入りましてから再び低迷をする、それによって担保資産価格は一層低下する、金融機関の業務純益が減少ということで悪循環がもたらされまして、不良債権問題はさらに一層の深刻化となっていくわけでございまして、その結果、今の御議論につながってくるかと思います。一連の金融機関の破綻をもたらす結果となったということでございます。 先ほどもちょっと反省を申し上げましたけれども、九七年時点での経済白書の判断、今から振り返れば、事態の深刻さに対する認識は甘かったということになろうかと思います。
○日出英輔君 政務次官、ありがとうございました。 それで、私は今のようなお話の中で、このバブルの崩壊による不良債権処理がなかなか進まなかったという幾つかの教訓といいますか、いろんな出来事がございました。その教訓が今度のこの預金保険法等の改正の中にあらわれているのではないかという、そういう考え方もとれるんだろうと思いまして、今にして思いますと大変重い結果論というかできてしまったことについての評価ということでありますから、実はなかなか御質問もしにくいし、あるいはお答えもいただきにくいかもしれないのでございますが、お話しできる限りでお答えいただきたいのでございますが。 まず、何といっても大蔵大臣に、余り大蔵大臣を答弁席に立たせないようにというつもりでございましたけれども、やっぱりこれだけは聞きたいと思いますのは、いわゆる住専処理の問題でございます。平成七年から八年にかけての住専処理の問題でございます。 ちょうどある新聞が「検証バブル」、バブルの検証をやっておりまして、実にうまいことを言いますのは「犯意なき過ち」という、故意ではないが間違っていたということなんでございましょうか。この中で、ちょうどこの住専の処理を四月の二十四日付でやっておりました。 私も実は隣の局でこれをやっておりまして、私自身はこれについて直接かかわりませんでしたが、なかなか苦労をしていた、悩んでいたということを毎日見ておりました。 今回この質問をするかどうかにつきまして、当時苦労した人間に聞いてみましたら、それはやめた方がいいよという話でございまして、というのは、伺ってみましたが、なかなかに事柄が整理できない、どうしてこういう整理になっちゃったのかというのは整理がしにくいということがあろうかと思います。 宮澤大蔵大臣が前にその話につきましてちょっとやっぱりコメントをこの新聞におっしゃったことを私も見つけたわけでございます。 当時の農協系統の方の議論といいますと、やや、世界の金融の常識に合っているのかどうかわかりませんが、やはりこの住専というものの母体が、銀行さんがちゃんとおつくりになって、それからトップを全部派遣して、人も派遣をし、それからあまつさえ例えば小口のリテールの仕事を当初やっておりましたら後からおれがやるよということになりまして、住専の部隊がそちらから撤退をしていくというようなことで、大きく業務内容を変えざるを得なかったということ。あるいは、例えば人事異動も全部そうでございました。さらには、母体行が融資の取り次ぎとかあるいは紹介までやっていたと、こういう話が出ておりまして、私は何となく金融の常識ではない方で聞いていたのでありますが、これはやはり母体行が責任をとらないとおかしいんではないかということを強く系統の方たちは言っていたような気がいたします。 当時、幾つかの資料を見ておりましたら、いや世界の常識はそうではないんだと。これ常識なのかどうかわかりませんが、プロラタというんでしょうか、貸し手の比例配分でこの損失を割るんだというのが世界のルールだといったようなことを聞きましたけれども、やはりこれはおかしいんではないかということがありまして、何か修正母体行主義というのをベースにして最後の六千八百五十億でございますか、これについて公的資金の注入をしたということでありますが、これも大変大蔵省は当時、私も見ておりました、苦労しておられまして、何か法案を出した後に、こういった公的資金の注入ではなくて、母体行に責任をとらせるということをみんなが言い出したというようなことがあったような感じもいたします。そこで、私は当時の野党の反対論なんかも見てみましたが、どうもやはり整理された形になっていないということがあります。 そこで、大蔵大臣の印象論を伺う前に私が強く受けた印象を少し申し上げますと、預金者保護という言葉はこの野党の方の話にも出てくるのでありますが、例えば善良な借り手の保護、あるいは地域の経済に対する影響、こういった議論がなかったような感じがいたします。あるいは、これが多分不良債権処理のリーディングケースだということなんだと思いますが、そういう議論も余り出ていなかったような感じもします。これは私の調査が足りないのかもしれませんが、そういう感じもいたします。 それから、どうも経営者責任の追及がやっぱり不十分だったという、これは母体行主義がいいのかそうでないのがいいのか、プロラタがいいのかという議論だったのかどうかわかりませんが、いずれにしてもちょっと住専の幹部に対する経営責任の追及が足りなかったという、そういう感じも実はいたすわけでございます。 余り整理されておりませんが、今、石原東京都知事のあの新税、あれは正確にはどっちでいったらいいのかわかりませんが、こういうことが出てきましたときのやはり大銀行の経営責任の話なんかにも思いをいたしますと、どうもあのときの住専の処理はその後のいろいろな金融破綻の処理をやりますときにプラスになったのかマイナスになったのか、ちょっと私自身としてははっきりしないところがございます。 ちょっと妙な質問で恐縮でございますが、そういう思いも含めまして、宮澤大臣に住専処理というものがその後の我が国の金融政策にどういうふうに影響したんだろうかというあたりを含めて御感想を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどお話を九二年からお始めになりましたので、そのときから申し上げた方がわかりやすいかと思います。 ちょうど私は総理大臣をいたしておりまして、その年の八月に株式の暴落がございまして、一万四千円を割るかもしれないというところまで行きました。私大変に心配いたしまして、それはそれで処置をしてもらいまして、そこは世の中に出ずに済みましたが、その八月の月末ごろ自民党の大会がございまして、私は総理・総裁として、今の状況というのは非常に異常なので場合によって国が公的な関与をする必要があるかもしれない、自分はそれをする用意があるということを申しましたが、これはほとんど受け入れられませんでした。 受け入れられない理由は、まず金融機関にとっては、多くの金融機関が自分のところは大丈夫だろうと思った。しかし、ある金融機関は、国が関与をすれば必ず責任問題が出てくる、それを恐れた。事業会社は、金融機関を助けるほど不愉快なことはございませんから、賛成をしない。それから、官僚機構は、自分たちの間でいろんなアレンジメントをしてあるので、土地と株が上がればやがてそういう必要はなくなるという気持ちがありまして、ついにこれは全く顧みられないような結果になったというのが九二年ごろの事情でございます。 そのときみんなが考えておったことは、やがて株も上がるだろう、土地も上がるだろう。まさに日出委員の言われましたように、非常に長い不動産の下落が続いたということでございますね。そういうことが直らないままに、今お話しの住専、六千八百五十億円になります。調べてみますと、日出委員が平成八年に御退官でございますから、まさにその年のことでございます。 六千八百五十億円というのは最終的に、年の末に予算の最終段階で大蔵省が六千八百五十億円という支出を突如として発表いたしました。そのために、ほとんどのマスコミが、これで黒い眼鏡をかけてキャデラックに乗っている悪い人を救うんだ、国民の税金でそういうことをするんだということを実際に書いたわけです。これはまことに恥ずべきことだと私は今でも思いますが、暮れにそういうことを書きました。しかし、大蔵省自身が背景を説明しておりませんから、読者は多くそう思った。そういう印象が今でも残っております。 先ほど日出委員が、この話をしようかと同僚に相談したら、しない方がいいと言われたとおっしゃいましたが、私も実はこの問題の答弁はかなり気をつけてしろと言われておる。それはうそをつけというのではないのでございますが、下手を言うと人を傷つけるという。しかし、本質は、住専というものはまさに、本当は銀行がやっていたことを住専というものをつくらされてそれで嫌な部分を負わされたということは言えるかもしれない。ですから、銀行が責任を負うということはありましたんですが、その住専の損失、これはさっき申しましたように、そういうことになるはずではなかった、土地がそれだけ下がるはずではなかった等々いろんなことはありましたが、結局しかしこれはトータリーにみんなで責任をしょわなければならないということになって、そしてそれが母体行であるとか修正母体行だとかいうことになりましたが、系統金融機関もその一つでありました。 それで、いろいろ、大蔵省あるいは農水省、建設省もありましたが、関係者が非常に苦労をして回って全体のトータルを関係者に分けるという努力をいたします、みんなでしょってもらおうと。そのときに、後になってわかることですが、系統金融機関に対しては、住専に出資をしてもらうときに、何があっても迷惑はかけないという了解があって、したがいましてその損失の分配のときに系統金融機関はそういう約束があるという主張をされたわけでございます。それは確かにそうであったけれども、そういう約束は表に出ておりませんので大変に扱いが困難を来しまして、しかし系統金融機関の納得し得る範囲でとどまった。とどまった結果が六千八百五十億円という国の支出になったという経緯でございますから、私はこれは、これによって救われたのは全国の系統金融機関に預金をしていた人たちである、私はそれ以外にこの正解はないと実は思っております。 ですから、そうであるならば、当時この法案、予算を提出した内閣はそのことを正直に国会に私は言うべきだったと思うんです。それであれば、賛否両論はあろうけれども、金の筋道というものはわかるわけでございますから。それを言わないままに、途中に内閣の交代がまたあったこともありまして、まことに不得要領のままこの全体が通ってしまったというところに、日出委員のおっしゃるように、この不良債権の処理に対する態度の基本というものがきちっとしないでスタートしたという、私も実はそういう気持ちを持っております。
○日出英輔君 ありがとうございました。一度だけ宮澤大臣に伺いたかった点でございました。 それから私は、公務員をやめまして、実は平成八年に政府系の金融機関に行ったわけでございます。仕事は早期是正措置を系統の方でしっかり受けとめるようにという宣撫工作をする仕事でございました。私もその限りでその部分だけは一生懸命関係の資料を読んだわけでございます。 私は、どうもやっぱり平成八年、そのころはまだあれでございましたが、次の年になりますと少しずつ世情が騒がしくなってくる。平成九年になりますと騒がしくなってきたという感じもいたしまして、この騒がしくなってきたときに、早期是正措置というのは多分、早期発見、早期治療でございますか、先ほど谷垣大臣がおっしゃったようなことで、非常にすぐれた、行政としてはこれがうまく採用されればある意味では非常にすぐれた手法だと思いますが、なかなか難しいときにこの早期是正措置の話をするんだなということを内心思ったわけでございます。 一方で、調べてまいりますと、自己資本の計算の中で、株の含み益を入れるという話がございますね。そこで、一方で株価が下がっていく中で自己資本比率の計算をし、早期是正措置の四%、八%を考えますと、例えば八%行でも、株価が一下がりますと十二・五倍ですか、そういうことで収縮しなきゃいけないということになりますね。これは後で実は教わった話でございますが。当時はただ実感として、入っているはずだということは何となくわかっていたわけであります。 だから、早期是正措置が行政としてはすぐれているし、やっぱり日本の金融行政としてはしなきゃいけないということは、私もそこはそういうふうに思ったんですが、このことをあの時期にやったことがなかなか事柄を難しくしたのではないかという、これは全くの結果論でありますが、そういう思いも実はしておるわけであります。 これは感想で結構でございますが、谷垣大臣から一言。
○国務大臣(谷垣禎一君) 本当は宮澤大蔵大臣に答えていただくと……。 私は宮澤大蔵大臣のように歴史的に日本の経済社会あるいは政治の過程の中でこの問題をどう処理してきたかお答えをする自信はないのでございますが、確かに今日出委員がおっしゃいましたように、たまたま日本の金融機関はたくさん株式も保有している、そして一時は含み益も多かったと。ところが、株価が下落して、毎年三月末になりますと、益出しのために金融機関は株式を放出するというようなことがあったんだろうと思います。ますます三月末の株価はどうかというようなことが心配になりまして、そしてああいうような経済情勢の中で日出委員がおっしゃったように信用収縮の一つの原因をつくったということは、これはなかなか否定がしがたいのではなかろうかなと私も思っているわけでございます。もっとも、ここのところは、金融機関に株式の所有を禁ずるというような銀行法制をつくっている国もございますし、他方、我が国の場合、やはり金融機関が株を大量に保有しているというのはそれなりの歴史的な原因があったことだろうと思いますが、そういう感想は確かに持つわけでございます。 ただ、早期是正措置、こういうものが必要であると今おっしゃっていただきましたが、私どもとしましては、これから目を将来に向けます場合には、資本基盤が少なくなってきた場合に、いろいろ増資等や何かで資本基盤を充実することももちろんでございますが、同時に収益力を上げていくという意味ではリスクテーキングや何かを適切にやっていかなければ収益力が上がらないので、大きな意味では資本基盤を健全化するというところと信用収縮というのは決して矛盾するものではないと思うんですが、やはり歴史の一時の経緯においてそういう現象があった。そういうことから、現在ではいわゆるティア2というようなものを重視するよりもティア1というようなものをできるだけ重視していくべきだという流れになってきているのかなと、こんなふうに思っております。 不十分なお答えでございますが。
○国務大臣(宮澤喜一君) もう一つつけ加えさせていただきますと、早期是正措置というのは法のもとに大蔵省がやった行政でございましたが、末端までいたしました。ただ、これはほとんど一般国民の気づかないことでありまして、恥ずかしいわけですが、私ども代議士もそういう行政が進んでいることをかなり後まで存じませんでした。 実際起こりましたことは、早期是正ですから内容をよくしろということで、それは分子を大きくしろと、立派にしろということを言ったのに、分母を小さくしたわけです。分母を小さくするということはもうあらゆる貸し出しを回収したわけでございますから、それでにわかに貸し渋りということがじりじり、じりじり起こりまして、本当に政治の知らないうちに進行をして危機状態に立ち至ったという、将来やはり行政と政治との関連で一番注意しなければならない、思わない事件があのときに起こったように思っております。
○日出英輔君 大変重い話を、結果論ではございますけれども、難しい時期をこの十年過ぎてきたんだなというふうに思うわけでございます。 先ほどの住専なんかの話も後で見てみますと、当時は預金者保護という言葉は人口に膾炙していたけれども、結局、善良な借り手の保護でありますとかあるいは地域経済に及ぼす影響とか、そういうことまで広げて金融の役割を考えていくあるいは破綻のときに考えていくという、そういったことがあの後出てきたのではないかという、専門家はもっと前に言っていたのかもしれませんが、そういう意味で、私は銀行法の一条を見てみましたら「預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、」という書き方をしておりました。これは専門家はわかるんだろうと思いますが、何か私は、「金融の円滑を図るため、」ではなくて、もう少し金融機関の役割を明確にしていかないと、また過ちを繰り返すと言ってはちょっと言い過ぎなのでございますが、何かこういうところについてはもっとはっきり国民に対するメッセージとして法律の目的規定があってもいいのではないかという感じが実はいたしたわけでございます。 少し飛ばして質問させていただきます。 そこで、この法律の話に入りますが、特にまずペイオフの延期の話がたびたび衆議院でもあるいは当委員会でも先ほど委員からも出たわけでございますが、このペイオフの話もそれから今申し上げました早期是正措置とかもそうでありますが、方針を決めるあるいは目標を決めるというのはいいのでありますが、それをいつからやるかということにつきましては、私はやはりある程度柔軟な考え方があっていいのではないかという感じをいつも持ちます。 昔の日本陸軍のあの敗戦の教訓ではありませんが、何か一定の方針を決めてしまうと、周囲の状況がどうであれあるいは世の中がどういうふうに動いているものであれ、何が何でもやってしまうと、こういう非常に硬直的な手法が大変気になるわけでございます。 五年前のペイオフ解禁を決めますときには、五年間でペイオフを実施し得る環境をつくるということは言っておられたように思うんですが、そういうことになりますと、五年後にこのペイオフをする環境はできたのかどうか。あるいはこれをもっと具体的に言いますれば、不良債権の処理はきちんと済んでいるといったことがあるかどうかということをきちっと検討して、こういう状況だからこうだという議論があっていいと思うんですが。最初に五年前に決めてしまうと何が何でもやらなきゃいけない、やらないのはおかしいんだと、こういう議論もやはりちょっと金融の問題にしますと、この十年間に幾つか踏んできた、結果論ではありますけれども、方針の決定のところの間違いと似たようなことをやっているのではないかという気も若干するわけでございます。 簡単で結構でございますが、政務次官、一言もし御感想がありましたら。
○政務次官(林芳正君) 大変に深い御指摘だなと思って今聞いていたわけでございますが、平成七年、五年前に金融制度調査会でございましたが答申にはこう書かれておりまして、「現時点においては、(ア)ディスクロージャーが充実の過程にあり、預金者に自己責任を問いうる環境が十分に整備されていない、(イ)金融機関が不良債権を抱えており、信用不安を醸成しやすい金融環境にある、ことから、未だペイオフを行うための条件が整っていない」ということで、今まさに委員が御指摘のとおり、そういう条件が逆に読みますと整備をされたらということがここにも書かれておるわけでございまして、そういう意味で、いろんな今御議論いただいたような枠組みを用いることによりまして不良債権処理や金融機関の再編整理等に集中的に取り組んだ結果一応安定している状況にあるわけでございますが、いろんな御議論があったように、まだ最後のところで若干信組等についていろんな懸念があるということが御議論があったところでございまして、それならばその趣旨に今委員が御指摘のとおりかんがみて延期をしようという決定になったということで、今委員が御指摘のように、そういう趣旨、質的な趣旨にかんがみてそういう判断をしたのではないかと考えておるところでございます。
○日出英輔君 私は、行政当局が、この辺につきましてはわかりやすい言葉で、五年前にこういう方針を立てたけれども今こういう状況なのでこういうふうにするんだというところが今回ちょっと見えなかったような感じがするわけであります。若干残念な思いをしているわけであります。 そこで、今度のこのペイオフの延期のときに出てまいりました信用組合の話でございますが、衆議院の方の会議録を見ておりましたら、全国信用組合中央協会会長さんとかあるいは全国信用金庫協会副会長さんなんかが、検査マニュアルあるいは早期是正措置を一緒にしてのお話だと思いますが、幾つかの懸念をお話しになっております。 そこで、私もこのマニュアルの原文を読んでみたのでございますがなかなかよくわからなくて、マニュアルの適用に当たりましては機械的、画一的な運用に陥らないように配慮するといったようなことなんですが、ちょっとここがよくはっきりしません。多分この箇所を指して先ほどの二名の方がこの辺について地域金融機関の実態をよく見てくれという話を言っていたようでございます。 これについて、金融監督庁の事務局で結構でございますが、具体的にはどういうことなのか。あるいは、これは検査官のマニュアルということでありますが、検査官の個人差が出ないものかどうか。この辺がちょっと気になるのでございますが、含めて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 御説明申し上げます。 お話のように、この金融検査マニュアルと申しますのは検査官が預金受け入れ金融機関を検査いたします際の着眼点について細かく整理をしたものでございます。 お話のように、画一的、機械的な運用というものを行ってはならないという記述がございますが、これを言葉をかえまして、このマニュアルでもう少し詳しく言っております。各金融機関においてマニュアルの字義どおりの対応がなされていない場合であっても、業務の健全性及び適切性の観点から見て、金融機関の行っている対応が合理的なものであり、金融機関の規模や特性に応じた十分なものであると認められるのであれば不適切とするものではないと。 これは要するに、金融検査と申しますのは、その基本に、各金融機関が私企業として自己責任原則に基づいて行います内部管理、これが基本にあると。検査と申しますのは、この内部管理を前提にして、例えば預金者の保護ですとか信用秩序の維持ですとか、こうした金融行政上の要請からくる観点からその内部管理の体制についてのチェックを補強していくという、こういう性格を持っているのでこうした記述になっているわけでございます。 したがいまして、ポイントとなりますのは、さらにこれを細部にわたって規律していく、規定していく点を行政側から示すということではかえって自己責任に基づく個性のある管理ができなくなってしまいますので、むしろ自己責任というものを促すために金融機関側と十分に意見交換を行う、金融機関がどういう根拠でそうした内部管理の仕方を選んだのか、あるいはどういう材料に基づいて特定の債務者に対する債権についてその回収の危険度をはかったのかというようなことを、十分に金融機関側から意見を伺うということが基本になるということが基礎にあるわけでございます。 もう少し具体的に申しますと、こうした観点から特性に基づいた管理の仕方を把握するための意見交換の留意点といたしまして、例えば信用リスク、貸付金のリスクでございますけれども、これをはかる際に債務者区分を検証していくということが当然必要になります。この場合、借り手が例えば中小零細企業である、特に信用金庫ですとか信用組合ですとかいうところでございますと債権の相当部分が中小零細企業向けということでございますから、ここの債務者区分をどうチェックするかということが即その金融機関の内部管理の特性というものに応じたチェックをしたことになるかどうかということになるわけです。 この例で申しますと、中小零細企業というような債務者の特性にかんがみました意見交換上の留意点として、マニュアルにはこういう記述がございます。「中小・零細企業等については、当該企業の財務状況のみならず、当該企業の技術力、販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力等を総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて判断する」、こういったような着眼が示されております。 例えば一例を挙げますれば、零細企業で財務諸表や何かがきちんとそろっていないというようなケース、あるいは業務を今後改善していくための長期計画といってもそのようなものはつくっていないというようなケースでありましても、例えば技術力や成長性というものを判定するために、一例を挙げますと、特許を持っておられるのであればその特許の証明書のようなものを見せていただく、あるいは取引先、どういう商品をどういうところから仕入れてどこへ売っているのかと、こういうような点のわかる仕入れ販売先の一覧表でございますとか、あるいはその企業の評価というものを報道いたしました新聞記事ですとかそういったものがあればそのコピーでございますとか、さまざまなものが資料として使えます。こういうものは通常大企業の資産査定をする場合には使うものではございませんけれども、こういったようなケースでは大いに役に立つものだろうと思いますし、また代表者の個人資産というようなものを判定するということになりますれば、例えば代表者の納税申告書の写し、あるいは代表者や家族に対する給与明細票、あるいは代表者の所有いたします不動産の登記簿謄本、こういったようなものの写しなど、通常の上場企業評価の際とは全く異なる資料や観点からの着眼で金融機関側のさまざまなリスク管理の根拠というものを十分伺う、こういったことでその特性に応じた画一的でない資産内容のチェックというのをしていくという、例えばこういうようなことであろうかと存じます。
○日出英輔君 これら心配をしております中小の地方金融機関の方々は検査においてダブルスタンダードをつくってくれというところまではこれは歯を食いしばって言わないんだろうと思いますが、やっぱりきちっとした検査マニュアルでやった後の、例えば必ず自己資本比率が落ちるだろうということになりますと、その後のこの早期是正措置のやり方について大銀行と違ったやり方をきちんとしてくれという意味だろうというふうに私は思いますが、その前段の検査マニュアルの方もAという組合に対しての検査官とBという組合に対しての検査官のやり方が違ってしまったんではやっぱりうまくないわけでありまして、ぜひとも、そこは大変心配をしているところでありますから、行政当局としても細心の注意を払っていただきたいというふうに思います。 それから政務次官に最後の質問になりますがちょっと伺いたいのは、保険の方、生保の方のセーフティーネットの話でございます。 最終的には政府の補助というのを生保機構の方に出すんだというふうに書いてあるわけでありますが、この規定ぶりを見ますと、会員の負担金のみで賄うと会員の財務状況を著しく悪化させ、保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活または金融市場に不測の混乱を生じさせるおそれがある場合というように書いているんでありますが、一字一字読んでいきますと、これは一体どういうときに当たるのかというこの場合が、確かにどういう場合が出てくるかわかりませんからこういう書き方になるのかもしれませんが、書き方についてなかなかふわっとしたところがありますし、さらには、予算の定める範囲内で補助すると、こういうことでございますから、本当に自分たちが大変なときに政府は助けてくれるんだろうかということが出てくると思います。 私は、何かこういう関係者にもう少しこの規定を置くということについての信頼感を与えるようなものがこの条文とかこの部分だけしかないのか、あるいは何かほかにもう少しあるのか、ちょっとそこを伺いたいと思います。
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。 法案の一条の二の十三というところを委員が今御引用されまして、そこの条文をどのように理解するのかということであると思います。今回、政府の補助ということで、今後仮に業界負担である五千六百億円を超える規模の破綻が生じたと。こういった場合に、今委員が引用されましたように、負担能力の要件について検討を行った上で、政府としてそれを超えて必要になった場合は改めて予算措置を講じて国会の審議をお願いする。ですから、そこの要件がかからしめるということになるわけでございます。そういう規定ぶりになっておりますが、まさにその補助の必要性については、実際に破綻が起こったときに判断をされることでございますが、先ほど来いろいろ議論がありますように、既に生保の業界は、この五千六百億以外に実は日産の方の別枠の負担というのが既に二千億これは保護機構創設前でありますがございますので、これを足しますと計七千六百億ということでございますから、かなり高い程度に達しているということを考えますと、今の経営環境が相当ドラマチックに好転するということがない限りでは、今の段階ではやはりこれを超える場合には基本的には予算措置を講じることになるだろうと我々は考えておるところでございます。
○日出英輔君 質問は以上でございますが、若干だけ少し時間がございますので感想を申し上げますと、保険業法の関係は、この今の生保業界が大変苦しくなったのは逆ざや化の問題だと、こう言っておりました。昨年の夏、例の既に契約をしている方に対する契約の転換ということをどんどん、生保レディーというんでしょうか、ああいう方たちが何か一生懸命やって問題が起きたという話を聞きました。これは、監督庁に伺いましたら、きちんとした対応をしたので今は下火になっているはずだと。大変結構なことだと思っております。 ただ、基本的に、この生保の不良債権についてのディスクロージャーの話がちょっと銀行に比べて一歩おくれているのではないかというふうに思います。こういうこともあれしませんと、今のような政府の補助の話も、金融の話で轍を踏んだように、やはり国民の支持を受けないということが私はあると思います。ですから、ディスクロージャーの点は、やはり一日でも早く指導なさるというのが大事じゃないかというふうに思います。 感想を、私の感想だけでございます。もう時間になりましたので終わります。大蔵大臣、大変貴重なお話を伺いましてありがとうございました。 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十分散会