金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 355 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/04/26
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十四日、大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件の調査のため、本日の委員会に金融再生委員会事務局長森昭治君、金融監督庁検査部長五味廣文君及び金融監督庁監督部長乾文男君を、また預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁刑事局長林則清君、金融再生委員会事務局長森昭治君、金融監督庁検査部長五味廣文君、金融監督庁監督部長乾文男君、大蔵省金融企画局長福田誠君及び林野庁長官伴次雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件の調査のため、本日の委員会に参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。 本件の報告は既に聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 まず、破綻金融機関の問題に入る前に、現在いろいろと商工ローンの問題が言われておりまして、先般も当院において証人喚問をいたしました。商工ファンドの社長さんを証人喚問した次第でございますが、その商工ファンドについても、違法性があるということで強制捜査に着手したわけでございます。 そこで、実はその商工ローンに限らないわけでありますけれども、谷垣新大臣が就任される以前に越智大臣の答弁の中で越智大臣が約束をされた件でございますけれども、谷垣大臣も元弁護士ということでございまして、非常に社会正義に明るいということだと思いますので、きっと同意いただけるのではないかと思いますけれども。 いわゆる利息制限法と出資法との間の制限金利の違いがある。しかも、利息制限法は百万円を超える部分は御案内のとおり一五%以上は払う必要はないと書いてあるわけでございますが、その利息制限法に基づいて仮に年率三〇%とかいう契約を結んだ場合でもこれは払わなくても、払う意思がないということになった場合にはこれは商工ローン側もあるいはいわゆるサラ金業者側もそれを請求しないということが巷間行われておりますし、また近時の判例でもそのようなことが言われておるという次第であります。 そこで、実は越智大臣がお約束されたのは、当院においても議論がなされましたいわゆるノンバンク社債法案の附帯決議の中で、消費者教育というものがあって、その消費者教育を徹底して行いますということが附帯決議の中に記されておるわけでございますけれども、この消費者教育にのっとって、利息制限法を超える金利の部分についてはこれは任意に払わない限りは弁済する必要がないですよという消費者教育をやるということはお約束をいただいたわけでございます。どういう形でやるかというのは、例えば貸金業者の中でそういうポスターを張るとか、いろいろなやり方があるでしょうし、あるいは政府広報を使ってそういったようなことを周知徹底することもできるわけだと思います。 私は、いずれにしても一五%と三〇%なら三〇%の間の大きな違いというのがあるということがまず大きな問題だと思いますし、知っていることと知らないことによって利益不利益があるというのはこれはかなり問題なのではないかなというふうに思っておりますので、ぜひ谷垣金融再生委員長に、その後どういう形でこの利息制限法を超える部分については任意に払わない限りは払う必要がないですよという教育をされておるかということを伺いたいと思います。
○政務次官(村井仁君) ただいま浅尾先生から御指摘のございました点は、昨年の十二月の十日でございましたか、越智前金融再生委員長が御答弁の中で、結論的には勉強させていただきますというようなおっしゃり方で御答弁申し上げた点でございますが、これにつきまして改めて申し上げさせていただきますと、貸金業規制法第四十三条のみなし弁済規定でございますけれども、これは利息制限法の超過利息を任意に支払った場合、一定の要件のもとで有効な利息の債務の弁済とみなすものとして利息制限法の特則をなしている。このことを考えると、その特則について触れずに超過利息が無効であることのみを契約者に周知徹底することを義務づけるというのは、これまたちょっと貸金業法の第四十三条が設けられている立法趣旨とあわせ考えますと、慎重に考えられるべきものだと考えられる。 それで、貸金業者に対しまして超過利息が無効であることを契約者に周知徹底させることを義務づける。そうしますと、民事訴訟を念頭に置く場合に、契約者は超過利息が無効であると知りながら任意に支払ったと貸金業者が主張するのを容易にするという問題点もあるわけでございまして、かえって契約者の不利に働くおそれもある。そういうことを指摘しつつ、貸金業規制法の行為規制の観点から検討すべき事項というより消費者行政の問題として観念するべきものと、このような趣旨の答弁で勉強させていただきたいと、このようにおっしゃったと私は理解をしております。 それで、この点につきましては、いずれにいたしましても消費者行政の観点からの取り組みというのは私どもだけでやれませんので、今後、同法の施行後の状況等を見きわめつつ、この趣旨を踏まえながら、先生の御趣旨を踏まえながらさらに勉強をしていきたい、このように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、経済企画庁がどちらかというとこういう問題につきましては主務官庁でございますので、よく相談もしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございまして、さような意味での連携作業を現在いろいろ工夫をしているところでございます。
○浅尾慶一郎君 今の政務次官の御答弁は実は昨年の委員会でも同じような御答弁があったわけでございまして、私が伺っておるのは、昨年の十二月から現在の間に勉強がどういう形で進んだのか、全く行われていないのか、その点だけなんです。
○政務次官(村井仁君) 今ちょっと御説明申し上げましたけれども、やっぱりなかなか法律論としても難しい点がございまして、率直に申しまして、今すぐそういうことでこの問題について明示的に払わなくていいんだぞということを公示しろというところまでやれるかという話になりますと、なお私どもちょっとまだ関係省庁との間で議論が煮詰まっていないと、こういうふうに御理解をいただきたいと存じます。
○浅尾慶一郎君 私が伺ったのは議論されましたかどうかということでございます。
○政務次官(村井仁君) もとより国会であれだけの御議論のあったことでございますし、それから越智前委員長が勉強させていただきたいと申し上げたことでございますから、私どもとしてもきちんと議論をさせていただいていることをはっきり申し上げたいと存じます。
○浅尾慶一郎君 私は法律論の話ももちろんあると思いますが、判例でもう既に、裁判を起こした場合は必ず今の判例では一五%を超える部分は返されておるという現実があるわけです。 それで、私が申し上げたいのは、そのことを知っている人は裁判を起こすか、あるいは先方も負けることはわかっているわけですから、裁判に行かないまでも、その場でもう、じゃそれ以上はいいですよということになっておるわけでございますから、知っているか知らないかによって大きな利益、不利益があるということが社会正義に照らしてどうかということを申し上げておるわけでございまして、それについて、再生委員長は弁護士であり社会正義についても大変熱心に取り組まれておられるということなので、御所見を伺いたい次第でございます。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私、昔弁護士をやっておりましたころ、この利息制限法違反の問題は随分やったことがございまして、今、浅尾委員がおっしゃいましたように、判例もいろいろ、私も昔のことでございますから最近のものまでフォローしておりませんが、いろいろな判例がございまして、例えば内容証明一本出すことによって追及がぽんととまってしまうとか、いろんなことがあったと思います。 それで、今総括政務次官が御答弁申し上げましたように、消費者行政の観点もあるでしょうし、あるいは弁護士や法廷でどう対応していくかという問題、多角的に取り組まなければ、やはり一種の金を借りる者のニーズがあり、そこに弱い立場と強い立場があってこういう問題が起きてくるわけでございますから、多角的な取り組みは必要だろうと思います。 ただ、多角的な取り組みが必要だからといって、我々のやるところを、これは経済企画庁が主管でありますと申し上げてはいけないと思いまして、私どもでできることは何があるかと検討していきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 ぜひ引き続き主管となる部分もあるかもしれません経済企画庁と密に連携をとっていただいて、できる限り社会正義の実現に努めていただきたいということを申し上げさせていただきます。 それでは、問題を移させていただきたいと思いますが、長銀がリップルウッド社が組成しましたニュー・LTCB・パートナーズ・CVというところに売却をされました。 ここに株式売買契約書の本文だけあるんですが、まず再生委員長、これ読まれましたか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一応目を通しております。
○浅尾慶一郎君 きょうは預金保険機構の松田理事長にもお越しいただいておりますが、松田理事長はこれにサインされているわけでございますから当然読まれたと思いますが。
○参考人(松田昇君) 読んでおります。
○浅尾慶一郎君 谷垣委員長も松田理事長もそれぞれ法曹の御出身ということでございますが、私まず一目これを大急ぎで読んで感じたのは、ちょっと日本の契約書、日本語でもちろん書いてあるし裁判管轄は日本の東京地方裁判所となっていますが、日本の契約書というよりは、かなりこれはアメリカのあるいは渉外弁護士が入ってつくった契約書だと思いますが、まず再生委員会側でどなたか渉外に強い弁護士事務所は雇われましたか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 当時のいろいろな経緯につきましては私も十分まだフォローできていない面があろうかと思いますので、事務局から御答弁をさせたいと存じます。
○政府参考人(森昭治君) 本件につきましては、一方の交渉、国側の交渉を担当していますのは再生委員会、預金保険機構でございますが、預金保険機構において渉外弁護士を雇っております。
○浅尾慶一郎君 その渉外弁護士がどこかということを聞くつもりはありませんけれども、非常に買い手に有利な契約になっているのではないかなというふうに思います。 具体的に述べさせていただきますが、まず定性的に申し上げれば、預金保険機構、長銀の義務がはっきりと書いてあるのに対して、買い手側の義務は限定的に書かれておるということだと思います。 具体的な例で申し上げさせていただきますと、例えば何かここで書いてあることにうそがあった場合、不正があった場合は、預金保険機構が五十億を超える部分については損害賠償に応じましょうとなっておるんですが、一方で、ニュー・LTCB・パートナーズにもそういう条項は入っておりますけれども、このニュー・LTCB・パートナーズというのは、いわゆる有限会社で、しかもリミテッドパートナーということで、ほとんど何か実態があるのかないのかわからないわけでありまして、本来であればそのニュー・LTCBに出資をしているそれぞれの出資者に対してそのことを保証させることを要求するべきなんだと思いますが、これを読む限りにおいては一切そういったようなことはなくて、あくまでもニュー・LTCB・パートナーズでその責任が切られてしまっているような形になっておりますが、この点まず間違いがないかどうか伺いたいと思います。
○政府参考人(森昭治君) 表明あるいは補償につきまして両方の当事者がどういう義務を負っているかという先生の御指摘かと思います。 パートナーズ社側の義務ということにおきましては、あくまでニュー・LTCB・パートナーズ・CVの義務としてあるわけでございまして、先生のおっしゃるとおり、その背後にある投資家まではかかっておりません。
○浅尾慶一郎君 ちなみに、五十億を超える、まあ百億円損失があった場合に、ニュー・LTCB・パートナーズはオランダ法人であります、すぐ多分倒産もできるんだと思いますが、本当に百億請求できるんでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) 当方といたしましては、契約に従いまして、仮に先方の方にそのような補償の対象となる事柄が起きたとするならば、契約に従いまして請求をするというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 再生委員長に伺います。 預金保険機構、いわば国と、ニュー・LTCB・パートナーズ、リミテッドパートナーズと、信用力はどちらが大きいですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大変お答えが難しい御質問ですが、それは一般論といたしまして、日本のようなこれは大きな国でございますから、日本の方が信用が低いなんということは、大臣をしております者として、お答えができないわけでございます。
○浅尾慶一郎君 逆に、言葉をかえて伺いますが、ニュー・LTCB・パートナーズ、リミテッドパートナーズですから、例えがいいかどうかわかりませんが、いわゆる有限会社であります。しかも、最近組成されたばかりの有限会社であります。その有限会社が、例えば急に百億の債務を背負ったとして、本当に払えると思われますか。どうもこのニュー・LTCB・パートナーズは、余り資本金も大きくないような、しかもこの買収のためだけにつくられた会社でありますので、私はこれは書いてあっても意味のない、極論すれば意味のない条文なのではないかなというふうに思いますが、何かあればお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど国とこのLTCB・パートナーズとどちらが信用力が上かというお問いかけでございましたけれども、一般に民間企業と国と比べますと、それは国の方がうんと信用がある。それで、民間企業も信用はいろいろでございますが、こういう金融機関をもう一回どういうところに売っていくかというような場合に、それぞれが組合をつくったりあるいは何とかリミテッドというのをつくったりするのは私はよくある手法だろうと思いまして、これをふさいでしまいますとなかなか買い手が見つかりにくいということだろうと思います。
○浅尾慶一郎君 私が実は申し上げたかったのは、リミテッドパートナーがいけないということではなくて、リミテッドパートナーシップに出資しているいろいろな大きな会社があるわけです。そこからちゃんとレター・オブ・ギャランティーなり、あるいはその機関がそれでも本当に信用があるのかないのかわからないということであれば、信用力のある例えば銀行に保証を入れさせるというのがこうした取引の場合の通例だということだと思いますが、これをされておられないのは、そこを見落とされたのか、それとも先ほど伺いましたようにそれは一体だれの責任なんですかということなんです。 恐らくこれは金融再生委員会の、一義的にはサインをされております預金保険機構の責任になるのかもしれませんが、先ほど預金保険機構の方に伺ったら、これは逐次法律にのっとってすべて再生委員会と相談をして決めておられるということですから、少なくともこの契約の条文に関しては再生委員会の責任ということで間違いないかどうか。再生委員会の責任で間違いがないかどうかだけお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) そうでございます。
○浅尾慶一郎君 それでは、引き続き再生委員会の方に伺ってまいりたいと思います。 今、実態がないような契約になっているんじゃないかということを一つ申し上げさせていただきましたが、ほかにもいろいろと例がありまして、例えて申し上げますと、これは日本の契約ではなかなかないんじゃないかなと私が個人的に思ったことなんですが、例えば長銀の持っておる土地で何らかの環境問題が発生した場合その責任はすべて国がかぶりますよといったような条文も別に入っておるんですが、これは環境問題に対してかなり先進的な、土壌汚染とかに関する隠れた瑕疵ということに対して先進的なアメリカの考え方が入っているんではないかなと思いますが、その例だということだけ申し述べさせていただきます。 それからもう一つ大きな、国にとって明らかな損失だなと私が個人的に感じておりますことを申し上げさせていただきますと、恐らく私が読む限りにおきましては、税が追加的に発生した場合はこれは預金保険機構なり国が過去のものについて新生長銀に払いますよということが書いてあるんですが、逆に過去払った税において税効果が発生した場合はこれは恐らくどうぞお取りくださいというふうになっているんだと思うんですが、この点間違いないでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 税につきましての表明、補償についての御指摘かと思いますけれども、特別公的管理銀行に移った後に、十一年三月の納税期に、もちろん赤字決算でございますので税金を実際に納めたということはないんですが、繰欠額も含めまして納税申告書を提出しております。 問題は、その十一年三月期の納税申告書が正しかったかどうか、後に税務当局からの調査によって仮にも増差が発生するとかそういうことによって税が徴収される場合は、そういう場合は国の公的管理になった後での納税申告でございますので、我々は保証をいたしまして、そういう場合は払いますということを表明しておるわけでございます。
○浅尾慶一郎君 私が申し上げていることはそういうことではなくて、過去に長銀が有税で償却をしたものについて、将来、当該企業が無税に該当しますよと国税が認定した場合、当然税金は戻ってくるわけです。これはニュー・LTCB・パートナーズに帰属する財産ですねと。間違いないですね。
○政府参考人(森昭治君) 大変失礼いたしました。先生のその御質問を答弁の途中で失念してしまったわけでございますけれども、税効果につきましては、いろいろな議論がございました。ただ、資産、負債の差のロスを預金保険機構によって三・六兆円埋めたという状況のもとで先方に引き渡したわけでございますけれども、そういう資産、負債がバランスしている状況の銀行に税効果があるかということの最終的にはそういう議論になりまして、結論的に申し上げれば、繰り延べ税金資産というものは計上いたしませんでございました。 そういうことで、将来につきましても、それは税効果は資本金勘定をつくった後で税効果が出てくるものでございますので、その税効果については新生長銀の方に帰属するということかと思います。
○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、国が何かした行為によって偶発的に発生した税についてはすべて責任を持ちますよと、ところが、将来発生するかしないかわからないからこれは左に置いておいて、仮に言葉は悪いですがもうかった場合にはどうぞお取りくださいというのは、契約書のつくり方としてはおかしいんじゃないですかということなんです。 契約書をつくるとしたら、国が表明して、将来税について損失が発生した場合については、仮に税効果で別途益が出ているがそこだけは相殺しますよと書くのが恐らく対等な契約のつくり方なんだと思うんですが、その点について、もし何かあれば御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(森昭治君) お答え申します。 大変申しわけございません。先生の御指摘に対する理解が不足しているのかもしれませんけれども、我々としては、クロージングで先方に引き渡した時点におきましては、将来の収益というものは何も保証されているものでございませんので、繰り延べ税金資産というものは計上できないわけでございます。 一方におきまして、国が表明、補償しているものにつきましては、当然我々としては納税申告書が正しいものということでしておりますので、仮にも何かあった場合には補償するとしたわけでございます。
○浅尾慶一郎君 質問に答えていただいていないんですが。私が申し上げているのは、あるかないかじゃなくて、あった場合はこれも同様に扱うべきだということを申し上げているわけであって、扱っていないのは契約書に不備があるんではないかということであります。 次に行きます。 もう一つ契約書に不備がある例を申し上げさせていただきますが、先ほどのニュー・LTCB・パートナーズというのは、有限会社であって、新しく組成した特別な会社ですから、過去の実績もありません。この会社が十億円で買いますと、それから新規で株を千二百億円ですか資本注入すると書いてあるんですが、繰り返しになりますけれども、ニュー・LTCB・パートナーズなるものは本来は信用がビジネスの実業の世界においてはないとみなすのが私は通常の扱いだと思うんです。 であるとするならば、ニュー・LTCB・パートナーズの後ろにある株主が、私が出資するから安心してくださいよという文書を出すんだと思うんですね。その株主が例えば世界の大企業であればまあまあその当該会社の表明でいいでしょうということになるでしょうけれども、そうじゃない会社もいっぱい、いろんなファンドもくっついていますから、入っているんだと思うんです。 そうじゃない会社ないしはファンドについては、本当にこの人で大丈夫かどうかのチェック、検査をするのが通例なんだと思いますが、これはなされていませんし、少なくともこの契約書を読む限りにおいては、ニュー・LTCB・パートナーズの後ろにいる株主がしっかり払いますよということを証明するものも出てきませんし、あるいはそれを補足するような銀行の保証書というようなものもないんだと思うんです。 これも、片や国が国としてやっていることの抱えている信用力と比べると大変な格差があるんじゃないかなと思いまして、もし今私が指摘していることが違うとするならば御意見をいただきたいと思います。そうじゃないなら次に行きますけれども。
○政府参考人(森昭治君) 一言お答えさせていただきます。 ニュー・LTCB・パートナーズ社は、もちろんいろいろな外銀も含めた出資者から成っているわけですけれども、千二百億円を合計出資したわけでございますけれども、その出資の確認及び入金の確認は当委員会においてしております。
○浅尾慶一郎君 それは、出資の確認というのは、現に銀行に入ったということをその特殊なエスクロアカウントか何かで確認されているんですか、それとも単に文書で出資しますよという約束状ですか。
○政府参考人(森昭治君) 当方において長銀の口座に入金されていることを確認しております。
○浅尾慶一郎君 ただ、私がおかしいなと思うのは、売買の実行がされる日と出資がされる日が契約書のもとでは同日になっているんですが、本当にそれは確認ができていますか。
○政府参考人(森昭治君) 千二百億円の見返りに二十四億株を先方に手交したわけですけれども、手交するときに入金の確認をさせていただきました。
○浅尾慶一郎君 そうすると、技術的な話になりますけれども、二十四億株というのは実は長銀が発行するわけでありまして、そのときにというのは、それがなかった場合にはこの取引自体が失敗してしまった可能性があるんだと思うんですね。私が申し上げたいのは、本来はちゃんと契約書を結んでいく段階でしっかりと担保となるような別途保証書をつけておくのが通例なんじゃないかなということを申し上げさせていただきます。 さらに、この契約のちょっとおかしいなと思う点を指摘させていただきたいと思います。 ニュー・LTCB・パートナーズに出資をされたいろんな企業があります。通常は彼らはそこはリスクを負っているわけなので、うまく株が上がればもうかりますということなんだと思うんですが、何がおかしいかといいますと、この契約書だけを見ると、長銀からニュー・LTCB・パートナーズの後ろにいる株主に対して融資の制限が一切ないんです。ということはどういうことが起きるかといいますと、しかも今の新しい金融技術を使えば、新生長銀がつぶれたときはこの融資を返さなくてもいいですよという金融派生商品というものをつくれるわけなんです、デリバティブで。 仮に、私が例えば三百億円出資しましたということにして、私の会社に新生長銀から三百億円、どこか海外の、どこでもいいんです、ケイマンか何かを通して融資をした場合には、しかも金融派生商品をかませた場合には、全くリスクなく取引ができるようになっているんだと思うんですが、その点間違いないですね。
○政府参考人(森昭治君) 先生の御指摘、そういう仮定の議論をすればそういうことになろうかと思いますけれども、それは銀行監督上の問題でございまして、大口融資規制とアームズ・レングス規制で通常の銀行と同じような規制でやっていくという考え方かと思います。
○浅尾慶一郎君 事務局長もよくこの契約書を読まれたんだと思いますけれども、明らかにこれは日本側に不利、アメリカ側は細かいところまですべて規定がされておるんですね。通常であれば、今申し上げたようなことも日本側が書いて、こういう融資はだめよと二重にかけてもいいわけですよ、こういう契約書の場合の規制は。それをしていないというのはおかしいなというふうに思います。 ところで、長銀がこの売却をするに当たってゴールドマン・サックスをファイナンシャルアドバイザーで雇っていますよね。当然ゴールドマン・サックスは、何回も以前から御説明のとおりこういうMアンドAの取引をやっているわけですから、こういうことは気づいているはずだと思うんですが、何で指摘されなかったんですか。
○政府参考人(森昭治君) 先生御指摘のとおり、フィナンシャルアドバイザーとしてゴールドマン・サックスにいろいろな助言を求めているわけでございまして、そういうゴールドマン・サックスのチェック、さらに預保の雇っている渉外弁護士のチェック、さらに最終的には再生委員会のチェックということで、当該契約書が最終的に承認されたということを御理解いただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、そのアドバイザーがアドバイザーとして果たすべき機能を明らかにこの契約を読むと果たしていないんではないかなということであります。それに対して、チェックをしたというふうにおっしゃるんでしょうけれども、今るる申し上げたようなことがあるので、チェックが足りないということだと思います。 ところで、この契約書でサインをされておりますJ・クリストファー・フラワーズという方がいます。買い手側でサインされています、ちなみにJ・クリストファー・フラワーズさんは。このフラワーズという人物は、ゴールドマン・サックスにいたんじゃないですか、あるいはつい最近までいたんではないですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 我々の理解では、十一年四月ごろまでゴールドマン・サックスに在籍したというふうに理解しております。
○浅尾慶一郎君 ということは、攻め手と守り手というか、売り手と買い手は両方とも仲のいい人たちが後ろにいるということなんじゃないかなというふうに思います。 そのゴールドマン・サックス、いろいろ仕事をされているということなんですが、私が見る限り、こういう契約書を結ぶということに関して、いろいろと政府側、国民側にとって不利なことが明らかにあるわけですから、本当にその機能を果たしているのかなということが疑問になります。 ちなみに、今月発売されております月刊文芸春秋の記事によりますと、ゴールドマン・サックス社の、本件十億円で国が売ったわけです、十億円で売ったものについて彼らが得た収入は、国の側に立ってアドバイスしているわけですよ、十億円で売ったものについて彼らが得た収入というのは七億円と書いてあります。 ということは、国庫に入るのは十億じゃなくて三億しか入らない。しかも、その三億の中には今までゴールドマンがやったようないろいろなサービスについて月次で払っているものがあるでしょうから、ほとんど入らないという理解でいいですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先生にも前にも御答弁させていただきましたとおり、ゴールドマン・サックス社とのFA契約の内容につきましては、先方がかたくその開示を拒否しております関係で、申し上げるわけにはいきません。したがいまして、成功報酬が幾らであったかということにつきましてもお答えを控えさせていただきます。
○浅尾慶一郎君 今の御発言は大変重大な問題があると私は思います。その重大性について入りますが、その前に、今先方が拒否しているということでございましたが、日債銀についてはモルガン・スタンレーがFAになっていますが、モルガン・スタンレー社は拒否をしておりません。したがって、日債銀のFA契約についてはぜひ開示をしていただきたいと思いますが、再生委員長お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはり取引上の観点からそういう契約の個別の内容、ゴールドマン・サックスなりモルガン・スタンレーなりが拒んでいる限りは、我々としては……
○浅尾慶一郎君 モルガンは拒んでないですよ。
○国務大臣(谷垣禎一君) いやいや、我々としてはお出しするわけにいかないわけでございますが、以前のこの当委員会、浅尾委員との御議論の中で、モルガン・スタンレーはOKをしていると、出すことに対して異議はないというお話があったと聞いております。 私どもも、それだけでああそうですかというわけにはまいりませんので、当委員会の事務局においてその点は確認したけれども、やはり出してもらっては困るということであったというふうに報告を受けております。
○浅尾慶一郎君 じゃ、確認しますが、ゴールドマン・サックスと長銀との契約には守秘義務条項が入っていますが、モルガン・スタンレーと日債銀との契約の間には守秘義務条項は入っていませんね。
○政府参考人(森昭治君) 守秘義務に関しましては、長銀とゴールドマン・サックスとの契約、それから日債銀とモルガン・スタンレーの契約、守秘義務については同様と認識しております。
○浅尾慶一郎君 以前の当委員会におきます御答弁ではそうではなくて、モルガン・スタンレーとの契約には守秘義務がないということが書いてあります。 なぜこの契約の開示が大事かということを今から申し上げさせていただきたいと思います。 そもそもこの株式売買契約書を読まれれば、明らかに日本側にとって不利だということがわかるわけでありまして、果たしてそれにずっと携わっておった機関が本当にその機能を果たしているのかなということを調べていかなければいけない。そのためにはどういう契約になっていたかということを見ないと議論ができないわけでありまして、ぜひその開示をしていただきたいと思いますし、以前の当委員会の柳沢委員長の答弁では、しかるべき時期が来れば開示をするということも御答弁をいただいておるわけであります。 したがって、もう既に長銀については売却が終わっているわけですから、しかもよくよくこの株式売買契約書を読んでみると、これはもう反論の余地がないと思うんですね。日本側にとって公正でない、ちょっと条件が不公平である、あるいは相手側については非常に細かいところまで契約書上で保護がされているにもかかわらず、日本側は保護が弱いということは争う余地がないところだと思います。 そのような契約に対してアドバイザーとして重要な役割を果たしたゴールドマン・サックスの果たした機能について検証することが私は本当に必要だというふうに思いますので、再度早急に契約書の開示を求めたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 浅尾委員は明らかにこれは日本側に不利であるというふうに断定をされるわけでありますけれども、これは私も渉外取引というようなことはよく存じないわけでございますが、この長銀買収に係る補償とか表明とかいろんな条項が通常の企業買収の場合に比して著しく不利なものかどうかということになりますと、今、FAとしてゴールドマン・サックスを使っていたわけでございますけれども、それだけではなくて、預金保険機構が依頼していた渉外弁護士といいますか、そういうところにもいろいろ意見を聞いて、著しく不利なものではないということを確認しているというふうに報告を受けております。
○浅尾慶一郎君 再生委員長、本当に読まれてこれは公平だと思われますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私自身読みまして、これはいろんな過程もあったと思いますが、特段これでもって著しく不平等なものであるというふうには認識しておりません。
○浅尾慶一郎君 先ほど来申し上げておるようなことは、ニュー・LTCB・パートナーズの信用力を補完するようなことについては、当然その契約の中に組み込んでおくということが通例としてあるわけです。これは、場合によっては渉外弁護士は彼らの仕事の範疇ではないかもしれませんが、ゴールドマンというファイナンシャルアドバイザーはまさにそのことは知っているわけでありまして、その彼らがやっていないのは、真実がどうかということは別にして、例えば先ほど申し上げましたようにこのクリストファー・フラワーズという人間がもともとゴールドマンにいたからそういうことなんじゃないかなということが疑われても仕方がないんではないかなというふうに思います。 それから、もう一つその例を申し上げたいと思いますが、日債銀の売却について、今度は攻め手、攻守を変えて買い手に名乗りを上げておりますソフトバンク連合のアドバイザーにゴールドマン・サックスがなっています。このことはさすがのゴールドマンも本当にいいかどうか事前に金融再生委員会にお伺いを立てたと。そうしたら、我が金融再生委員会は結構ですと言ったということなんですが、本当にそれでいいんですか。 私は、売る方というのはなるたけ高く、なるたけ売り手に有利な条件をつけるというのが売る方の務めなんだと思うんですね。買う方はなるたけ安く、なるたけ買い手に有利なような条件をつけるというのが買い手の特にアドバイザーの務めであるわけであります。 なぜ、売る方のアドバイスをしていた人が今度買い手のアドバイザーになる、しかもお伺いを立てたらどうぞと答えられたんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これが問題じゃないかという御指摘ですが、ゴールドマン・サックス社からは去年の秋ごろソフトバンクグループのフィナンシャルアドバイザーを受注したいがどうかというお話があったようであります。それで、金融再生委員会としては、ゴールドマン・サックス社が長銀譲渡に関して知り得た情報についてこれは当然のことながら守秘義務を遵守すると、それからまた利益相反の防止を徹底するということでございましたから、これはやむを得ないという言葉で申し上げると思うんですが、やむを得ないと判断したものと聞いております。
○浅尾慶一郎君 非常に私は問題があると思います。国益の観点からいえばこれは明らかに問題であるということだけ申し上げさせていただいて、そして委員長にお願いをいたしますが、いろいろとそのゴールドマン・サックスと長銀との契約、あるいは日債銀とモルガン・スタンレーとのフィナンシャルアドバイザリー契約、これは問題がありますので、ぜひ当委員会として資料請求をさせていただきたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 後刻理事会において協議いたします。
○浅尾慶一郎君 それでは、もう一点だけこの長銀の売却について伺わせていただきますが、先ほど、通常の金融監督行政のもとにおいて、海外における融資で出資者に迂回でお金が回らないようにするというふうに森事務局長は御答弁いただいたわけでございますが、実際に本当に今の日本の監督行政のもとでそれが一〇〇%できると確約できますか。
○政府参考人(森昭治君) 私が先ほど申し上げましたのは、ニュー・LTCB・パートナーズの出資者、外銀あるいは外証があるわけでございますけれども、そういうところへの融資の問題という御指摘でございますが、それは通常の、同じように日本の銀行であれ、日本の銀行もいろんな事業会社等を株主に持っておるわけでございまして、それと同列で監督上の配慮がなされるのではないかと、このように申し上げた次第でございます。
○浅尾慶一郎君 今の御答弁を伺っておりますと、仮に本当に性悪説に立った場合には防げないということなんではないかなと思います。それは間違いないですね、御答弁を。
○政府参考人(森昭治君) 先生の御想定がどういうものかということについて明確に把握してないのかもしれませんけれども、銀行監督上は大口融資規制とアームズ・レングス・ルールと、やっぱりこの二つを柱に監督していくということしかないかと思います。
○浅尾慶一郎君 それは答えになっていないわけで、例を申し上げますと、ニュー・LTCB・パートナーズに出資をしたある企業、例えば二百億円出資した企業に新しい長銀がどこかから融資をする。それは別にいろんな子会社を使ってもできるでしょうけれども、そうした場合に、それを本当に一〇〇%今の監督行政で防げるかどうかということです。
○政府参考人(森昭治君) 通常の銀行が、株主にいろいろな事業会社もあるわけでございますけれども、そういうところの融資と同じことでございまして、全く一〇〇%融資してはいけない、一切融資してはいけないというルールはないんではないかと考えております。
○浅尾慶一郎君 ということは、できるということでよろしいわけですね。
○政府参考人(乾文男君) 先ほど森事務局長がお答えしておりますけれども、大口融資規制ないしはアームズ・レングス・ルールというのがございますけれども、それに反しない場合、通常の融資というのはそれは当然可能だろうというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 そこで、できるということになると、先ほど来申し上げておりますように、そういう融資をすれば、仮に新生長銀がもう一回つぶれても全く損はしないように取引を仕組むことができるわけなんです。本来はこの契約の中でそれができないように書いておくのが通例だと思いますし、仮に再生委員会が気づかれなかったとしたら、再生委員会が雇われたゴールドマン・サックスがそこに気づくのが普通のプロフェッショナルなサービスを提供する人の当たり前なことだということだと思います。だから私は、どういう契約になっていたのか出していただきたいということを請求をさせていただいた次第であります。 余りこの議論をしても多分水かけ論になってしまいますので、次に移らせていただきます。他の破綻金融機関について話を伺いたいと思います。 なみはや銀行が破綻をいたしました。前身は何銀行ですか。
○政務次官(村井仁君) 福徳銀行となにわ銀行でございます。
○浅尾慶一郎君 その銀行は破綻をしたことはありませんか、その前に。
○政務次官(村井仁君) いずれにいたしましても、福徳につきましては御案内の、もう先生十分御承知のとおりでございますけれども、破綻をいたしまして、それで福徳となにわを一緒にいたしまして、なみはやということにしたわけでございます。
○浅尾慶一郎君 一緒にされるときに、本来であれば、問題のある債権を別にして、本当にきれいな形にしてなみはや銀行というのをつくられるのが私は筋なんではないかなと。ところが、それをされなかったがために、もう一回合併してつくった銀行がまた破綻してしまったということなんだと思いますが、その点についての行政の責任はどういうふうに考えられますか。
○政務次官(村井仁君) 申しわけございません。私ちょっと勘違いいたしまして、福徳銀行、なにわ銀行、いずれもまだ破綻をしたわけではなくて、特定合併という形で処理をしたということでございます。
○浅尾慶一郎君 その特定合併というのは言葉のあやで、危ないから特定合併をさせて支援をしたんだと思いますが、それにもかかわらず破綻した責任というのは行政としてどういうふうにとられるかということです。
○政務次官(村井仁君) 福徳銀行それからなにわ銀行に対しまして、それぞれ当時の大蔵省におきまして検査をしておりまして、それに基づきましてそれぞれ債務超過ではないということを認めまして特定合併を行ったわけでございますけれども、しかしながらその特定合併制度というのは現在のようなセーフティーネット制度というものが存在していない時期に金融システム危機の中で行われた制度でございまして、その時点では、実施計画の承認あるいは合併の認可というような行政行為そのものでございますけれども、それぞれの法令にのっとりまして適切に行われたものと私どもは理解しているわけでございまして、ただ、結果としてなみはや銀行の再建が実現できなかったということは非常に残念なことだと思っておりますけれども、なみはや銀行の設立に至る過程というものは、これは金融システムの不安あるいは危機が我が国経済を覆っていた平成九年から十年の秋にかけてのことでございまして、金融再生法等はそういうことを一つの教訓といたしましてつくられたということだろうと思っておりまして、その時点においては私は法令にのっとりまして最善を尽くしたものだと思っております。
○浅尾慶一郎君 その時点で最善を尽くされたとおっしゃいますが、検査をして、不良債権があったらそこの部分に対して十分な資金を預金保険機構から特定合併に際して贈与すると。贈与した金額あるいはその不良債権として認定した債権額が少なかったんじゃないかということを伺っているんです。
○政府参考人(乾文男君) 先生御案内のように、この特定合併の制度は、両行が合併をいたしましたときに、新設合併でございますけれども、合併をいたしましたときに、贈与ということではございませんで、預金保険機構が不良資産を買い取るということでございます。 その買い取るための前提としての必要な検査というのは行ったわけでございますけれども、検査を行いました結果をもとにいたしまして、両行及びその監査法人が十年三月期の決算というものを固めたわけでございますが、その決算によりますと、両行とも債務超過ということではございませんでした。 そうしたことから、当時の大蔵省におきまして特定合併のあっせんが行われたわけでございまして、私どもその当時、当時というのは大蔵省当時でありますけれども、不良債権の売却を行ったことによりまして確かに両行の資本基盤というのは薄うございました。通常ならば自己資本が四%を超えているわけでございますけれども、四%を超えるためには今後の収益の強化とかあるいは増資というものが必要であったわけでございますけれども、提出されました計画を慎重に審査いたしますと、今後この特定合併の計画の中で不良債権の処理、それから資本の増強、リストラ計画につきまして抜本的な経営の刷新というものが認められまして、スタート時においては四%を超えているというわけにはこれはまいりませんけれども、その計画期間中にそうしたことが達成されるということ、これはまさに特定合併制度の中のいろんな基準に合致しているということから、これは金融監督庁におきまして特定合併計画の実施計画の承認あるいは合併の承認を行ったものでございます。 ただ、その後一年以内に破綻したことにつきましては先ほど政務次官が申し上げたとおりでございますけれども、私どもは、このなみはや銀行が合併の前後から貸出先についての収益の改善を図ろうとしていろいろな新規の融資ないしは追い貸しを行ったこと、それらが景気、景況の悪化等の中でいわば裏目に出まして、特定合併の前後から急速に資産の悪化を招いて、先ほど御指摘のような破綻の状態になったというふうに認識しているところでございます。
○浅尾慶一郎君 不良資産をしっかりとちゃんと移転されていれば、幾ら景気が悪くなったとはいえマイナス成長といったってその当時でせいぜい〇・五とか一%ぐらいですよ、一%マイナス成長のときに銀行が一年でつぶれてしまうということはもともと不良債権が相当残っていたとしか思えないんです。残っていたとすればそれは検査が甘かったかその判断が甘かったかどっちかなんですけれども、そうでないと言うのならば、なぜ一年間でつぶれたかもう少しわかりやすく説明していただけませんか。
○政府参考人(乾文男君) 余りちょっと破綻銀行とは申せ個別の事情に立ち入ることは差し控えたいと思いますけれども、銀行が特定合併のころからいろいろな融資を行ったと。融資を行ったことにつきまして、その後捜査当局によりまして指摘されたことを見ますと、いわばそうした融資自体が特別背任であったというふうに指弾を受けているところでございまして、そうしたことから、銀行の判断というものに誤りがあったというふうに言わざるを得ないのかなと思っているところでございます。
○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、一年で特別背任に該当するような新規の融資先を見つけるというのは、これは多分相当難しいと思うんですね。もともとあって、いろんな関係があるから、まあここはちょっと経営の状況が悪いけれども貸しましょうということなんじゃないかと思います。 本来は、検査に入って、これはやっぱりどう見ても不良債権、不良資産だから預金保険機構に移しちゃいましょうというのが行政としてとられるべきことだったと思うんですが、それをされてこなかったのは明らかに行政において行政の責任があるのではないかなということであります。 これ以上求めても、結構ですので、次に移らせていただきますが、同じように破綻をしている銀行が幾つもあります。その中で、最近あるいは以前から私が指摘をさせていただいておりますものを一つだけ取り上げさせていただいていきたいと思います。 朝銀信用組合について、横領ですとかいろいろな刑事的な問題も指摘がなされております。 以前、柳沢金融再生委員長の時代に、これについて、金融再生法にのっとれば、新しく整理管財人ないしになった人が犯罪を告発しなければいけない、仮に金融再生法にのっとらない普通の通常の今までのルートで行っても、国家公務員としては犯罪の告発をしなければいけないということを御答弁をいただいておるわけでございます。 いよいよ幾つかその朝銀信用組合が破綻をし合併している中で、ここに公的資金で一兆円を超えるとも言われるお金が使われると言われておりますが、その原因が仮に横領であり、それがまたどこかわからないところに行ってしまっているということであれば、これは当然公務員としてどのルートをとるにしても告発をすべきだと私は思いますが、その点について現在の進行状況を伺いたいと思います。
○政務次官(村井仁君) 個別のお話でございますので、ちょっと一般論としてお答え申し上げざるを得ないわけでございますけれども、まず公務員の告発の義務の問題でございますけれども、これにつきましては、確かに刑事訴訟法の二百三十九条第二項に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」、このように規定されている、それはそのとおりでございます。 ただ一方、金融検査につきましては、金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するために実施されるという観点から、犯罪の摘発を主眼に置いているものではないということを御理解いただきたいわけでございまして、その趣旨で、協同組合による金融事業に関する法律いわゆる協金法でございますが、これの第六条第一項におきまして準用される銀行法二十五条四項におきまして、「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」とわざわざ規定がされている、こういうこともございます。 さような意味で私どもは、このようなことを十分に念頭に置きました上で、ただいま委員御指摘のようないろいろな問題につきましても、御案内のとおり信用組合につきましてはこの四月から私ども国の方にその検査監督の権限が移行されたというような背景もございまして、もし違法な事実があるならばこれはきちんと対応させていただくということで御理解をいただきたいと存じます。
○浅尾慶一郎君 一言だけいいですか。
○委員長(真鍋賢二君) 浅尾君、時間が来ておりますが、最後に。
○浅尾慶一郎君 最後に一言だけ。 大変重大な問題でありますので、もし一般のルートで行く場合にはできないということであれば、金融再生法は犯罪の告発ということを書いてありますので、ぜひ金融再生法に基づいて処理をするように申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 まず、長銀及び日債銀の旧経営陣に対する責任追及の問題なんですが、退職金の返還要求を行ってきたと思うんですけれども、現在の状況はそれぞれどのようになっているか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 長銀、日債銀の旧経営陣の退職慰労金の返還につきましては、その二つの銀行が金融再生法に基づいてつくりまして金融再生委員会が承認した経営合理化計画というのがございますが、それに基づきまして、もう亡くなった方を除きますが、平成元年以降に退任した代表取締役に対して支給した退職慰労金の返還を要請してきたところでございます。 この性質は、法律的な、あるいは刑事的あるいは民事的な責任追及というものではなくて、今の合理化計画に基づく言うなれば自主的な返還という性格でございますが、その結果、長銀につきましては五億五千五百万円の返還がなされたところでございます。日債銀については、対象者全員より返還について基本的了解を得ておりますが、順次今入金中でございまして、現在一億五千二百二十万円の返還がなされているというところでございます。
○笠井亮君 それぞれ対象者の人数と額、対象額が幾らなのに対して今の額はというのをちょっと言っていただけますか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 対象者の範囲は、先ほど大臣が御答弁されたとおりでございますが、長銀の場合は二十三名でございます。そして、長銀の場合は、その二十三名の税引き後の退職慰労金の手取りは二十九億九千三百万円でございます。それに対して自主的に返還されたものは、大臣がおっしゃられましたとおり、五億五千五百万円でございまして、長銀につきましては三月一日に既に民間銀行になっておりますので、これ以上の自主的な返還を求めることは難しいということでございます。 日債銀につきましては、対象となりました退任した代表取締役の数は十六名でございます。そして、その税引き後の手取り額は十九億四千百三十万円でございます。これに対しまして、いまだまだ特別公的管理銀行でございますので、当方の選任した頭取初め役員が自主的返還交渉をさらに行っておりまして、現時点で入金されましたのが一億五千二百二十万、こういうことでございます。
○笠井亮君 長銀は、今、譲渡後あるいは売却後、これ以上退職金返還を行えないとされているというふうにされましたけれども、その理由は何でしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申しましたように、この退職金返還請求が経営合理化計画に基づいた自主的なものでありまして、当時の国有管理下の長銀の経営陣にその義務を自主的なものとして、何というか、取り組みをやってもらっているということでございます。 しかし、そのほかに民事、刑事上の法律的な責任追及というのもございまして、これはちなみに申し上げますと、元取締役十五名に対しまして総額六十三億円の損害賠償を求める四件の訴訟を今東京地方裁判所に提起しております。これは民事でございます。 それから、ちなみに申し上げますと、日債銀の方は内部調査委員会の報告書で……
○笠井亮君 長銀の方でいいです。 今損害賠償請求をしているという話もありましたけれども、大臣が言われたように、賠償請求を行っているのが二十三人中十五人ということで、残る八人については請求が行われていない。その中には、九億三千万円の退職金を受け取って、長銀の関係者からもこれだけの不良債権をつくったのはバブル期にも隠然と力を振るった杉浦さんの責任と指摘されている元会長も含まれているわけであります。 それで、この間の答弁の中で、森総理初め前、現再生委員長も繰り返して、公的負担の大きさにかんがみれば退職金の返還額が少ないのは極めて遺憾だと総理は言われました。また、大臣も歴代、前、現で、役員退職金は功労金として支払われている、これだけ経営を悪くして国民の税金を何兆円も入れないといけないようにしたのに何が功労なのかと柳沢大臣は言われましたし、巨額の公的資金を投入した立場からすると十分だと評価はできない、残念だというふうに谷垣大臣もおっしゃいました。 そういうことであるならば、自主的というふうに先ほど言われましたけれども、特に民事上、刑事上の責任を追及されなかった旧経営陣が杉浦さんを初めとしているわけですけれども、こういう方々については知恵を絞って請求を継続すべきじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 知恵を絞れということでございますが、我々今行政の場におります者としては、知恵を絞った場合にまず第一にできますのは民事、刑事上の法的の責任追及でございます。 それ以外ということになりますと、先ほど申し上げましたように、自主的な返還努力に期待するということでございまして、従前、国有管理下の旧長銀の経営者にはそのことを期待し、我々も十分努力をするように慫慂してまいったところでございます。
○笠井亮君 自主的にだから限界はあるんだという話ですけれども、杉浦さんは、昨年三月に行われた長銀との交渉の際にも取締役経験者の中で一人だけ御出席なさらずに、知人を通じて、自分に責任はない、民事責任を問わないなら返還するというような条件もつけたりされているという問題もあるわけでして、ここのところはこれだけ税金を投入したという問題があるし、本当にどういう努力をするのかというのが問われていると思います。 伺いますけれども、長銀の旧経営陣に対する損害賠償請求というのは、新生長銀が引き継ぐことになりますか、どうなりますでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 民事の訴追の方は、預金保険機構の方が引き継いでおります。
○笠井亮君 損害賠償が民事の方については預金保険機構に引き継げるということであれば、退職金返還要求も同様にそういうところで引き継いで、保険機構の方からやるということも含めてこれは検討してやるべきじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど委員がおっしゃいましたように、私もロス埋めに注入した額の大きさを思いますと、この返還額を見まして憮然たる思いは禁じ得ないところでございますけれども、しかし先ほど申しましたように、じゃどういう手段があるかといいますと甚だ手詰まりでございまして、その辺のところは御理解をいただきたいと思っております。
○笠井亮君 これはやっぱり再生委員長、よく検討して、どういう形でやるのか法律的ないろんなことはあるでしょうけれども、やるべきだと思います。 ところで、日債銀の方ですけれども、これに対してはいまだに民事訴訟は提起されていないということだと思うんですが、なぜ民事請求が提起されていないんでしょうか。その点についていかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、日債銀の中に内部調査委員会というものをつくりまして、そこが一応報告書を出しております。その報告書では、民事責任の追及について提訴すべき案件なしという報告になっておりました。 しかし、いろいろなその報告書に問題点の指摘がございまして、その問題点の指摘を受けた案件について、監査役会で引き続きこれはどうするかということで今調査検討をしていただいている最中でございます。
○笠井亮君 報道によりますと、調査検討、再調査の結果、結論をことし一月末までに出すということもされていたんですけれども、いまだに検討中だということであります。それで、一方では譲渡、売却に関する最優先交渉先が既に二月に決定をしている。そして、長銀の場合をとってみますと、大体その最優先交渉先が決まってから半年間ぐらいでやられているわけですから、そのことを考えると、二月ですから、この七、八月には最終譲渡、売却に至る可能性さえあるということだと思うんですが、その辺は一体どうなさるおつもりなのか、どのように考えられるのか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 御指摘のように優先交渉先が決まっておりまして、私どもとしてはできるだけ早く結論を出したい、時間をかければ資産が劣化してきて国民負担も多くなるわけでございますから、できるだけ早く売却先を見つけたいわけでございますが、それで、今の委員の御質問は、それとこういう旧経営陣に対する責任追及がどうなるかということだろうと思います。 こちらの方の責任追及の方の結論も早く出していただいて、できるものはしていただかなければいかぬと、こう思っております。
○笠井亮君 長銀の場合は、既にもう売却された後だから、自主的でしかも仕組みとしても難しいということで、なおかつ努力が必要だと私は申し上げたんですが、日債銀の場合は、まだそういう意味ではそういうところまで行っていないという段階なので、しかもこれまでに、先ほど冒頭お答えいただきましたように、返還状況を見ますと、十九億四千三百万円請求するのに対して一億五千二百二十万円ということで、長銀と比べても非常に低い水準でこの返還の問題が推移しているということだと思うんですよ。 ですから、やはり長銀のようにあいまいな形で請求を打ち切られてしまうということが許されないようにするために、これはやっぱりさらに努力が必要だと思うんですけれども、その辺大臣、もう一回お答えをお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げた自主的な返還については、さらに努力をしていただく必要がございますし、現に努力が行われている最中というふうに聞いております。 それで、今の内部調査委員会の報告では、民事上の責任追及に値するものなしという報告でございますが、今監査役等で検討していただいておりますが、ひとつそこでいろいろ御議論いただいていると聞いておりますのは、要するに長銀の場合には配当等について違法配当の問題があったわけでございますが、日債銀等についてはそういう問題がない。このあたりをどう考えていくかという問題があるやに聞いております。
○笠井亮君 いずれにしましても、そうしますと、その辺をきちっとさせない限りは、その最終譲渡、売却にはいかないということはおっしゃれますよね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 当然のことながら、最終的に売却先を決めて民間に、今は国有管理下にありますが、民間に移す前までには今の問題に一つの結論を出さなければいけないんだろうと思っております。
○笠井亮君 次の問題、私伺っていきたいと思います。 これは貸し渋りに関連した問題なんですけれども、二十一日の本会議質疑の中で、資本注入行の中小企業向け貸出実績の中にいわゆる水増しということがある、そして報告内容を調査せよという我が党の池田議員の質問に対して、総理は、決算で確定して報告を求め公表される際に再生委員会がヒアリングを行うなど適切な対応をするだろうというふうに答弁されました。 私は、問題の緊急重大性がおわかりになっていないんじゃないかというふうに思うんです。 資本注入を受けた大手十五行は、四月四日に公表された見込みで、中小企業向け貸し出し目標三兆円を一六〇%から一七〇%超過達成したと言ったわけですけれども、実態は大きく違っていたということが衆議院の審議でも明らかになりました。 私も、銀行関係者に直接いろいろ聞いてみました。二から三月にかけて、幾つかやり方があったと思うんですが、一つは、銀行が自分の子会社や関連会社に対して何十億円単位で貸し出して、これを中小企業向けにやったものに加えて算入する。それから二つ目に、資金需要のない優良中小企業に頼んで、一時的に期末残高を積み増しする。それから三つ目に、大企業に貸し付ける資金をまず一時的にその大企業の関連子会社に貸し出す形にして、そして短期間のうちにそれをまた大企業に貸した方につけかえるという形で、表向きだけ経営健全化計画の目標は達成したということで公表したと。これはいわば国民を欺く水増しだったということが明らかになったと思います。 それで、総理大臣が決算報告が公表されてからというふうにおっしゃったんだけれども、そんな悠長な問題じゃないと思うんですね。公的資金投入の口実の一つとされて、貸し渋り解消ということがどうなっているかということが大問題になってきたわけで、これは個々具体的に中小企業、零細企業にとってみれば、この一日一刻生死がかかった問題だというふうに思うんです。 ですから、再生委員会としては、こういうことが実態の一部でも明らかになってきたわけですから、そして疑問点があるということがあったわけだから、これは決算を待つまでもなく直ちに調査をするということをやるべきじゃないかと思うんですが、そこの点はいかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先日、衆議院の参考人質疑で、全銀協の会長が国会のお求めに応じられて暫定値を発表されたわけで、その暫定値をどう見るかについていろいろな御議論があったわけでございます。 我々としては、まだその暫定値がどういう性格のものであるか十分に確認できておりません。それはいろんな理由がございまして、その暫定値を確定的なものにしていくためには、例えばどれだけ償却をしたかというようなこともあわせて見なければなりません。 それで、各金融機関におかれましては、もうじき決算期が参りますから、今決算期に向けての数字の精査の最中でございますから、私どもとしてはそういうものを見ながらなぜこういう数字が出てきたのかということについてもきちっと報告を求めたいと思っております。
○笠井亮君 これは単なる疑惑の段階じゃないということであると思うんですね。 衆議院でも二度目の参考人質疑の中で、富士銀行の山本頭取が、銀行子会社の多くは中小企業だと、十億円以上増加した子会社が数社あるということで、いわば水増し実績の一部ということをお認めになったと私は思うんです。それから、全銀協の当時の杉田会長も、大企業の子会社に対する融資も一般的だという形で言われました。 現場でも、大企業に近い優良なコアミドルなんかに無理に頼んでいると、そういう会社の社長さんにとにかく借りてくれという形で泣き込んだという担当者の話も私は伺いました。 だから、そういうごまかしがやっぱり公然とやられていると。しかも、去年九月から見ると、なかなか本当に貸し出しがふえなかったのに、期末になって急にばっとふえたと。大臣もいろんな問題で疑問点はあるというふうに以前に言われていましたよね。 そういう点でいきますと、貸し出し増加を条件に公的資金を入れたわけですから、この決算期ということはもちろんそこで見る必要があるんだけれども、しかしそれ以前にも直ちに呼んで、これは支出はどうなっているんですか、国会でも取り上げられたけれどもということで、きちっと聞くくらいはできるんじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ここまで、ここまで参りますとというのはちょっと表現がいいかどうかわかりませんが、いずれにせよもう近々、近々というのも正確な表現ではございませんが、六月末各行決算期でございますから、それに向けて今いろいろな数字をどうするかというのを整理しておられる最中で、その整理しておられる過程ではなかなかしっかりしたものは得られないと思います。 ある程度内部で数字が固まりましたときに、私たちとしては、その数字の意味、そしてどういうような御努力によってそういう数字になったのかということをきちっと聞きたいと、このように思っております。
○笠井亮君 結局積み重ねて数字的結果というのはいずれ決算のときに出ると思うんだけれども、しかし、実態としてはこういうことが起こっているということが指摘され、銀行もそういうことが一部あるということは言われているわけですから。 その数字が結果的に出たときに、その数字になった原因は何かを調査するということはもちろんそれはそれでやったらいいんだけれども、実際に実態が明らかになっている中で、先ほども言いましたけれども、今本当に中小企業にとってはこれはもう一日一日なんですよ、やっぱり貸し出しとか融資の問題というのは。 ですから、例えば銀行でいくと健全化計画の実施状況について月別の金額と件数というのは当然持っているはずなので、その水増しの実態が指摘されているのであれば、そういうことも一方では調べるということを今から始めると。六月末というのはまだ大分先ですから。 そういう点で、聞けばわかるはずだと私は思うんです。そういう点でも、今から始めてみようというお気持ちもないんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 決してゆっくりやろうなんということを申し上げているつもりではございませんで、数字がある程度整理されたものの上に乗って議論をしませんと、きちっとした結論が得られませんので。 今各金融機関において数字を、六月末が決算の期でございますから、それ以前にかなり中でいろいろおまとめになるわけですね。そのあたりまで待たないと、なかなかしっかりしたものが得られないだろうということを申し上げているわけでございます。
○笠井亮君 そのまとめるということを最終的にやる中で、いろいろうまくまとめることもあるわけですよ。しかし、こういう実態が明らかになったとき直ちに、どうなのかと、そういうことはないのかどうか確かめればできることがあるはずだと思うんですね。 それで、杉田参考人、前会長は、関連子会社については実勢ベースで私自身は数字を出すことは可能かなということを思っているというふうに国会の場でも言われているわけなんでね。 だから、そういうことを作業としてはやるべきじゃないんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 杉田前全銀協会長がそのような趣旨の御答弁を参考人質疑の場で、銀行の子会社向け融資の月次残高の推移については全銀協に持ち帰って検討するという発言をされたということは承知しておりますので、私たちとしては、その全銀協の対応も注視していきたいと思っております。
○笠井亮君 これは私は六月を待たずにやるべきだということで重ねて申し上げたいし、今注視してやっていくということも言われましたので、ぜひそういう作業をやって、きちっとただしていくということが必要だと思います。 それから同時に、金融再生委員会あるいは監督庁として、この問題でこういう実態が明らかになってきた中で、今後の問題ですけれども、経営健全化計画の計画どおりに実行しているかということで新たに厳格な基準を設けてチェックするようにすべきじゃないかと思うんですが、そういうことについては実態も踏まえながらもちろんやっていくということをおっしゃるんでしょうが、そういう方向での検討というのはするんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の御質問の御趣旨は、平成十一年度に関しては、要するにこの間暫定値が出て、これから確定した数字を出していただくということですが、平成十二年度のこと……
○笠井亮君 これからのこと。
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十二年度の件につきましては、当然次の計画を、この間の数値をきちっと確定していただいて、同時に平成十二年度の計画も出していただかなければいかぬということだろうと思います。
○笠井亮君 いや、それは計画を出すのはいいんですけれども、この貸し出し問題で結局そういう形で水増しするようなやり方というのが起こらないようにするための基準とかチェックするための仕組みとか、あるいは例えばですよ、今は一年間ですよね、十二年度出したら最後一回報告するだけでしょう、じゃなくて、半分の九月の段階で中間報告させるとか、具体的にこういうやり方、抜け道が起こらないようなことをするために、あるいはより厳格にするためと言ってもいいです、何らかのことを考えていくというお考えはないのかということです。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃった点も、この平成十一年度の末、この三月ですね、この三月の数字がどういうものかというのを分析していく中で今のようなこともあわせて考えていくということではないかと思います。
○笠井亮君 不当な水増し工作が確認される、あるいは悪質なケースがあった場合について、これは今後ということをおっしゃるんでしょうけれども、それはきちっと公表し、業務改善命令を発動するということも当然検討すべきだと思うんですけれども、それについてはいかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本的には、経営健全化計画に基づいてどういう数字を達成していただいたかというようなものは公表しまして、それでそれによって一種の何というんでしょうかパブリックプレッシャーといいますか、そういうものによって各金融機関にまた次の努力を促すというのが第一でございます。 それから、今の業務改善命令ということになりますと、これはなかなかいろんな、どういう場合に業務改善命令を出すのか、また出すのが中小企業向けの貸し出しをふやす上において実効性があるのか、そのあたりはいろいろ問題もございますので、十分検討させていただきたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 笠井君、時間が来ております。
○笠井亮君 国民の税金を出してもらって、貸し渋りを解消すると約束しながら、それを守らない上に水増し報告までしていると。これはもう実態として明らかになっているわけですから、こんなことを断じて許しちゃいけないというふうに思います。私は、厳格な調査と対処を求めていく、六月末ということじゃなくて、この委員会をやっている最中にきちっと報告を出してほしいというふうに重ねて求めて、質問を終わります。
○大脇雅子君 社会民主党の大脇でございます。今般の報告書につきまして、三点ほど御質問をさせていただきます。 まず、金融再生法五十条に定められた措置を効果的に実施するための体制整備として、内部調査委員会が設置され、調査活動が行われております。一つは特別公的管理に至る原因となった責任を明らかにすること、二つは特定大口債権から集中的に進められている不良債権の調査、三つには不良債権の発生以外の経営責任も明らかにするということであります。 これらの目的に基づいて設置された内部調査委員会の調査活動の取りまとめというのが本年三月をめどに進められているとの報告書の記載がありますが、現在民事責任がどのように追及されているのか。先ほど十五名に対して六十三億、四件、東京地方裁判所というふうに御説明がありましたが、民事責任の追及について経過とその見通しについてお尋ねをいたします。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、金融再生法五十条に基づきまして、旧経営陣の民事上、刑事上の責任の明確化を目的といたしまして平成十年十二月十一日に弁護士七名を委員とする内部調査委員会を設置いたしまして、責任追及につき調査検討してきたわけでございます。 検討の結果、刑事責任に関しましては、長銀の場合、昨年六月四日に第一回報告が経営陣に対して提出され、同年六月十日に民事責任追及を含む最終報告が提出されました。 民事責任の追及につきましては、当該最終報告を受けて取締役、監査役並びに内部調査委員から成る提訴案件協議会を設置いたしまして提訴すべき案件を検討した結果、昨年十二月十六日に、違法に実施された九年九月期の中間配当及び平成十年三月期の決算配当、これが一件でございます。第二件目として、リゾート開発会社イ・アイ・イ・インターナショナルに対する緊急支援融資。三件目といたしまして、マリンリゾート開発運営会社日本海洋計画に対するプロジェクト資金融資。四件目といたしまして、長銀主要関連ノンバンクの日本リース、日本ランディック、エヌイーディーの三社に対し実施された損益支援及び資金支援。この四件につきまして、事案に関与した前会長増澤高雄、元頭取堀江鐵彌及び元頭取大野木克信を含む元取締役十五人に対しまして総額六十三億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したところでございます。
○大脇雅子君 長銀についてはそのような四件ということを今申されましたが、そのほかの銀行に対しては今検討中ということを言われておりますが、それぞれどのような進捗状況になっているでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 同じく特別公的管理銀行の日債銀につきましては、刑事告訴は既に終わっております。ただ、民事につきましては、一応内部調査委員会の報告書では提訴すべき案件なしとしたわけでございますけれども、いろいろな問題を含む案件もあろうということで監査役会で再度現在検討している最中でございます。 その他の破綻銀行でございますけれども、これは金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が打たれた五つの第二地方銀行でございます。 国民銀行につきましては、昨年十一月二十九日に旧経営陣二名を告訴いたしまして、十一月三十日には逮捕されております。それで、同じく国民銀行につきます民事につきましては、昨年十二月二十二日、旧経営陣十五名に総額六十三億円の民事訴訟を提起しております。 次に幸福銀行でございますけれども、昨年九月十四日、旧経営陣三名を告訴いたしておりまして、九月十六日には逮捕に至っております。民事につきましては、ことしの二月八日、旧経営陣三人に総額七十三億円余の民事訴訟を提起しております。 残りの東京相和銀行、なみはや銀行、新潟中央銀行につきましては、現時点におきましては刑事につきましても民事につきましてもまだ固まった状況ではございません。
○大脇雅子君 そこで、先ほど退職金の問題が言われまして、非常に徴収が不全であるということでありますが、私はやはり、経営合理化計画に基づいて一応決まったもので、自主的な返還といっても単なる道義的な義務というふうに解釈するのはおかしいのではないかと。預金保険機構がそれを受け継いでやるということであれば、公的資金を出した以上、やはりもう少し預金保険機構がそれを受け継いでさらに未払い者に対する執行、取り立てということを何らかの形でやるべきだと思うのですが、金融再生委員長、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大脇先生は法律家としても大先輩でいらっしゃいますので余りこちたき議論は申し上げるつもりはないんですが、要するに、どういう根拠に基づいて請求をしていくかというのがなかなか難しゅうございまして、いわゆる民事上の契約責任、不法行為責任と言えたり、あるいは刑事責任というのでありますれば、それは明白な方法があるわけでございますけれども、道義的と申しましても、あるいは道義的責任という言葉がいいのかどうかわかりませんが、自発的な返還を求める場合になかなか手段が限られておるということを御理解いただきたいと思っております。
○大脇雅子君 一方、公的管理銀行になったときはリストラが行われるということで、ピーク時である平成五年の約四割の人員削減の二千八百人というのが、人件費コストについても五割カットということで、ボーナスについて組合員層は全部それをカットしてきて一定程度の効果を上げてきているのです。 問題は、この計画に基づいて削減された行員というのはその後雇用はどう確保されているのかということについては、何か情報をお持ちでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 長銀におきましては、金融再生法四十七条に基づく経営合理化計画で人員や営業経費の削減等のいわゆるリストラ策を掲げまして、人員削減については、ピーク時が平成五年の四月末四千六十人でございましたが、その四割削減を図って、去年九月末の時点での行員数を二千四百五十三人としたというところでございますが、退職行員の新規雇用先の確保の点については、長銀におきまして再就職先を紹介するなどそれなりの対応が図られたというふうに承知しております。
○大脇雅子君 そうすると、そのリストラも人件費のカットも経営合理化計画に根拠があるわけです。退職金の返還も経営合理化計画であります。自発的といっても、この役員の退職金の返還だけが自主的にやられなかったからといって見過ごされるというのはやはり非常に不公正ではないかというふうに思うわけです。 ですから、その点について法的な問題ということで、私は、道義的な義務以上に経営合理化の中で、本人が同意しているかしていないかというのはこれは一つ問題ですけれども、やはり限りなく法的に近いものとして預金保険機構はそれに対応して退職金の返還ということを行うべきだと重ねて思いますので、金融再生委員会といたしましてはぜひそれを追及し続けていただきたい。 そうしないと、国民の不公平感というものは相変わらず経営に対して不信を突きつける、銀行に対してのやっぱり責任の負い方の問題になると思いますので、私はぜひこれは法律家であります谷垣委員長の腕の見せどころというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 法律家であると先輩からおっしゃられて進退きわまったような気がするわけでございますが、今現に特別公的管理下にある日債銀につきましては当然のことながら返還を求めていく努力を徹底的にやっていかなければいけないと思っておりますが、長銀につきましてはことしの三月一日で一つの整理がついたというふうに考えざるを得ないのかな、このように思っております。
○大脇雅子君 やはりそこをあえて行っていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。 あと一問させていただきたいんですが、特別公的管理下の終了にかかって受け皿機関というので、最終的に長銀に関してはニュー・LTCB・パートナーズというのが買収して、先ほど浅尾議員からもさまざまな契約内容の疑義がただされましたが、私は、受け皿譲渡に対する検討事項として、公的負担の極小化が図られているかとか、あるいは我が国金融システムの安定化に資するのかとか、我が国金融システムの効率化、再編、活性化にそこへ譲渡することがそれでよいのかとか、あるいは国際的な評価がどうかとか、企業会計ルールに反しないかとか、さまざまな受け皿譲渡に対する検討事項が付されているわけですけれども、結果、このニュー・LTCB・パートナーズが長銀を買収したということに関して、これらの諸点でどの点で他の譲り受け機関よりもまさっていたのか、そして今現在、新生長銀になったわけですけれども、今申し上げたような点について効果があるのかどうかというところの見通しをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 長銀の優先交渉先の選定に当たりましては、今大脇委員がお挙げになりましたような種々の観点、公的負担の極小化が図られるか、あるいはその譲渡が我が国の金融システムの安定化とか効率化とかさらには再編や活性化というようなものに資するかとか、こういうようなもろもろの理由を勘案したわけでありますが、その結果ニュー・パートナーズ社に売却をしたということで、三月一日に公的管理が終了したところでございます。 それで、新生長銀はスタートしてまだ間もないわけでありますが、パートナーズ社のもとでの経営のあり方が確かにやはり今までの従来の日本の経営の感覚とは少し違うなと、これはどうと言葉で説明するのは難しゅうございますがそういう感じを受けるところがございまして、今後、金融界へのよい刺激となるとともに、我が国経済の発展に資する銀行として再生することを期待しているところでございます。
○大脇雅子君 では、時間が参りましたので。
○渡辺秀央君 御苦労さまでございます。 谷垣委員長には、この金融関係の法案のときには宮澤大蔵大臣のもとで十分ならつ腕を振るわれて、そしてまた小渕前総理の非常にすばらしい的確な人事のもとに御就任されまして、大いに期待をいたしておるところでございます。 やっぱり新しい役所が始まりあるいはまた新しいシステムがスタートしていく段階というのは、いろんな問題が出るんだろうと思うんです。そういう中でやっぱりいろいろ試行錯誤をしながら将来に向けて万全たることをこれは国家、国民のために、あるいはまた今の日本の経済状況としては、世界の国際市場、ある意味においては世界経済の中においての責任を果たしていく上で大変大きな責任があろう、またその期待にこたえていかなきゃいかぬだろうというふうに思いますと、非常に私は委員長に就任された谷垣さんに御苦労さんと言いながら期待をいたしたいと思うわけであります。 ところで、この委員会は、実は御案内のとおりで、金融特別委員会となっておりますけれども、「経済活性化」という言葉が入っている。これは亡くなった石川さんがこの委員会の冒頭の質問のときにそのことをはっきり先生言っておいた方がいいですねと言うから私は大いにお勧めしたんですが、金融問題はまさに経済の血液だと言って我々始めたんです。 昨年は六月十八日に国会に出されて、七月九日にこの委員会が開かれて、また質疑を交わしているんです。ところが、今回はどういうわけか昨年十二月に出されたのが実はきょうやっている。こういうことでして、ビールの気が抜けた、私も委員の一人です、私も責任があるんですよ。あるんですが、この機会に委員長を初め同僚議員の皆さんにも、やっぱり参議院というもののあり方の中で、まさにこういう問題こそ我々は即座に対応して、衆議院で法律をやっていてある意味においては大臣の出席がよしんばもしなくても、この報告に基づいた議論を落ちついた雰囲気で、もう今連休前に五カ月もたってやっているみたいなことではなくて、私はやっぱり真剣な議論をして、これが参議院が六年間与えられているその責任だろうと思うんです。理事会のオブザーバーとしても申し上げたこともありますが、ぜひ冒頭に、もうこんなことにならないようにしておくべきではないかと。今までの議論もすばらしい議論でしたけれども、やっぱり時間が相当たっている。 私もこれから、ちょっと手前みそですけれども、皆さんが大型の大局的な質問をされましたから、個別の自分の出身地のところの問題を少し状況を聞いてみたいと思っておるんです。 しかし、これももっと早かったらもう少し生々しい議論ができたのかというような感じで、きょうは聞く以外にないのかなというぐらいに、もう来月は五月ですから、再来月へ行ったらまた次の報告が出る、こういうことですから、そこはやっぱり委員長を初めぜひお考えをいただいて、せっかくのこの特別委員会の存在を、責務を果たしていくべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。 さてそこで、金融監督庁さんかあるいは再生委員会か、現状における新潟中央銀行の状況がどういうふうになっているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 新潟中央銀行につきましては、現在、金融整理管財人が受け皿を探している段階でございまして、現時点におきまして、第四銀行、大光銀行及び北越銀行が名乗りを上げているところでございます。 今後につきましては、資産の振り分けを行った上で候補先に資産の査定をしていただき、合理的な解決ができた時点におきまして基本合意がなされるというふうに認識しております。 〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕
○渡辺秀央君 多分そういうこと以外には出てこないんだろうと思うんですね。そこを私はきょう委員長の考えもちょっとお聞きしておきたいと思うんです。 せっかく行政改革あるいはまた金融問題等で再生委員会なり金融監督庁ができた、大蔵省と分離されてこういう形に来年からいよいよきちんとしたスタートをしていく。時代がどんどんどんどん進んでいく、しかもまた今これだけの変化の時代で問題が起こってくる。それに対する対応がどうも旧態依然とした作業の仕方あるいはまた取り組み方、ないしは私はサボタージュとは言いませんよ、一生懸命やっているんだろうと思うんです、しかし、だけれども、もう少し時間をかけずにもっと対応を迅速にできないものかなという感じがしてならないんです。 例えば、今のお話のとおりで、まだ現在やっているというこの三つの次の受け皿の問題にしても、実際には三月にもう地元の新聞で出ておるんですね、三月に。もう四月いっぱい終わるわけです。これで連休です。それで五月の中になっちゃう。そうすると、地元の人間というのはどういうことかなと。それは十分に私は理解した上で、あえて、あえてそういう取引先の人たちやあるいはまた地域の経済活動をやっている人たちの立場から見ると、我々国政にいる人間あるいはまたその職務にある者として何とかもう少し、これは新潟だけに限らず、今までの前段お話のあった各地域においても同じだと思うんです。そういう意味で、この問題はもう少し時間をかけずにやっていく方便を、ぜひ委員長の、いろんな取り組み方があると思うんですが、これは一朝にしてなかなか大変でしょうけれども考えるべきではないか。せいぜい、半年たってもまだもたもたしている、責任の所在も明らかになっていないというようなことでは、どうもいかがなことかということになると思う。 そこにやっぱり一つの政治に対する不信があったり、あるいはまた一体指導者というのは何を考えているかねと。極端な話が、地域の問題になっていくと知事にまでそういう問題が出てこないとも限らぬというようなことを思いますと、私はぜひ今のようなことは地元、相手あってのことですから、相手がだめだというものはしようがないことで時間かかると思うんですけれども、ぜひお考えをいただいて、改善できるところ、あるいはまた少しはめどを置いて作業をおやりになる、長銀や日債銀のように大きな問題ではないわけなんで、あるいはまた債権債務の問題も極めて明確に出ている、昨年の十二月にもう報告書の中にあるわけですから、というような感じがいたしますが、委員長いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、渡辺先生がおっしゃいましたように、破綻銀行の処理はスピード感というものがある程度ありませんと、実際今まで持っていた財産自体がどんどん悪くなっていきますし、それから特にこういう地域地域に根を張った銀行になりますと、融資先も零細な中小企業者がたくさんおられて、資金繰りもうまくいかないというようなことが起こって、地域経済にも大きな影響を与える、もうおっしゃるとおりだろうと思います。 随分遅いではないかというおしかりでございますが、私どもとして、幾つか地方銀行の破綻がございますけれども、幾つかある中でどれが重要でどれが重要でないなんということは申し上げるつもりはありませんが、新潟中央に関しましては地域的な事情から見てもこれはできるだけ急ぐ必要があるのではないかと考えまして、金融整理管財人等にも督励をいたしまして、しかし今渡辺先生がおっしゃいましたように、なかなか相手あっての話でもございまして、これは地元でもいろいろ御苦労をいただいてそれぞれ働きかけていただいたりいろんなことがあったんだと思いますが、まだこのぐらいのところで十分な渡辺先生が明るい顔をしていただくようなところまで来ていない、もう少し努力をしなければいけないなと、こう思っております。 〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕
○渡辺秀央君 私が申し上げているのも、少しでも促進剤になればと思って、あえてこの場で申し上げているんです。でないと、どうもずるずるいっちゃうという感じがしてならないんです。そういう意味で申し上げさせていただきました。 しかし、あえて急いでさっきのお話のように何か余り整理もしないで合併したりあるいはまた整理をしたりということで問題を持ち越してもいけませんから、そこはもう当然のことと思います。 ただ、あくまでもこれはまだこういうことでお互いに認識をしているところがあるから、いわゆるセーフティーネットができて、そういうシステムができてからやっている話なんです。 ところが、もう時間がなくなってしまいましたのでこの次にでも、個別の案件でもあるわけで、このセーフティーネットシステムができる以前に金融破綻をしたところの、そこで取引をやった善良な取引業者が大変苦しんでいる面もあるんですね。そういうところはいわばそれを引き継いだ金融機関がちゃんと整理してあるいはまたフォローしていくということにはなっているけれども、これとてもまさに商売ですからね、そういうこともありまして、そのはざまに挟まれた善良な取引業者があるいは取引人が、言うならば企業家が非常に苦しんでいる面もあります。一々申しません、個別の問題ですから。 しかし、今のようなこのシステムができてもなおさらこういう状態で時間がかかる、できる以前のやつはもうそれは仕方がない、切り捨て御免ということでは、どうも先に行った銀行はまあまあそれも余り責任を問われなかった、だけれども取引していた善良なる人たちが一番損をしたということにもなって、しかしそこには国の公的資金が入っていないからしようがないじゃないのと、こういうことにもなるのかもわかりません。 しかし、私が言いたいことは、もう時間が参りましたので、要するに、金融監督庁、金融再生委員会、大蔵省の方とこの三等分された金融政策がみんながそれぞれ言うならば無責任になって、無責任という言葉がいいかどうかわからぬが、どうもきちんとした一本のところが、任務分担されているとは言うんですけれども、前は護送船団でやり過ぎたなということもありますが、そこのところの兼ね合いがちょっと細かい面かもわかりませんけれどもまだスムーズにいっているとは言えない面があるようであります。 私は、尊敬する宮澤大蔵大臣在任の間にその三つの関係をひとつぜひきちんともう一つ、行政改革法で整理されているからということよりも、具体的に運ぶ面において国民あるいはまた経済活動に遺漏のないようにしておかないといかぬのではなかろうかなと、大変生意気なようですが、そんな感じがちょっと一、二点個別のことでありまして感じを受けたことを申し上げさせていただいて、時間が参りましたが、もし御意見があれば承って、終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、渡辺先生大変大事な御指摘をなさったというふうに思っております。 それで、今の金融行政組織は、もう今さら繰り返すまでもございませんけれども、二年前金融監督庁ができ、そしてその年の暮れに金融再生委員会ができて、金融監督庁をその下にぶら下げたと言ってはいけませんけれどもそうなり、ことしの七月からは大蔵省の大部分の金融の企画立案機能をいただいて金融庁になり、来年一月からは金融再生委員会がなくなって内閣府に入るということで、猫の目が変わるように変わっておりまして、そこはもちろん行政手法の変化とかいろんなものが背景にありながら、あるいはそのときそのときの重大案件の処理ということがありながらこうなって、それなりの必然性があるのでございますが、組織がこう変わりますと、やっぱりそれに合わせて足並みをそろえていくというのも実は先生が御指摘のようによっぽど気をつけていかなきゃいかぬと思っております。これから、七月それから来年の一月をもう前にしておりますので、その辺のところを気をつけながらやっていきたいと思っております。
○渡辺秀央君 終わります。
○西川きよし君 私は当委員会でお世話になるのは初めてでございまして、日ごろは国民福祉委員会で大変お世話になっておりまして、お金の方でも、医療関係のお金、年金、福祉、そういった分野で、高齢社会、この背景に基づきましていろいろと質問をさせていただいておりますが、金融の分野におきましてもこれは私は例外ではないような気がいたします。 例えば、金融機関は高齢者に信頼されるために、健全な経営体質づくり、こういったものに努めなければいけないと思いますし、金融機関におきましては、高齢化市場は安定した資金の吸収源と申しましょうか、そして遺産の承継業務など新しいニーズにも対応していかなければならないと、私はそういうふうに思います。 そういった意味におきまして、金融機関、金融行政においても、高齢社会への対応というものは大変重要なテーマだと思います。 まず、この点から委員長にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の経済が二十一世紀の少子高齢化社会においても活力を保っていくためには、これだけではできないんですが、やっぱり金融システムが安定してしっかりしていなきゃいけない。そして、きちっとした、利用者のニーズにこたえられて国際的な競争にもたえられなきゃいけない、こういうことだろうと思います。 それを目指しまして数年前にいわゆる金融ビッグバンを始めようということになったわけでございますが、そのときのなぜ金融ビッグバンかというペーパーを今読み返してみますと、まさに今西川委員が御指摘になりましたように、高齢化社会にどう対応していくか、そのための金融システムをつくれという問題意識があったんだろうと思います。 今、そういう新しいシステムづくりを続けているわけでございますので、そういう枠組みを利用して金融機関が主体的に今のような問題に取り組んで高齢化社会に対応したサービスを提供していくようになってもらいたい。また、そのために我々は土俵づくりをしようということでございます。
○西川きよし君 若い委員長ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、総務庁の貯蓄動向調査というのを見てみますと、高齢者の貯蓄残高は現役世代を上回っております。その背景には、定年退職時にある程度まとまった退職金が入るわけですけれども、またその一方で、住宅ローンそして子供にかかる教育費という、こういう大きな支出がなくなるわけですけれども、こうした高齢者に金融機関を選択した理由をお尋ねしております。その理由は、経営の健全性、勧誘員の態度が大変よかった、ほかには例えば、近所に店舗とかATMがあって大変便利だ、店舗も全国的に展開をされているといったお答えがたくさん出てくるわけです。 そういう意味におきまして、金融機関の合理化によりましてこうした高齢者へのサービスが切り捨てとならないようにと、大変こういうものが全国津々浦々いろいろお伺いいたします。こういう工夫をやっていただきたいなというふうに思うわけですが、こういった点での御見解を委員長にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 高齢化社会になって、いろいろ金融機関の合理化や競争が激しくなって、そういう中でお年寄りに対するサービスみたいなものを切り捨てていくことになってはいかぬのではないか、こういう御質問でございます。 これはいろいろなところでこういう問題意識がございまして、例えば都市銀行などでも、都市銀行で調査研究を行っていることし平成十二年度の上半期のテーマ、高齢化社会における金融機関の役割というテーマで調査研究を続けていただいているわけであります。 それで、高齢化社会を迎えるに当たって金融機関が、よりよい資産運用手段であるとかあるいは魅力あるサービスを提供してもらうように主体的に取り組んでいただきたいわけでありますが、主に高齢者の方を対象とする商品、例えばリバースモーゲージというようなものがございますし、また遺言信託といいますかそういったような取り扱いを拡充しようというような動きも出てきておりまして、我々としてはこういう取り組みは大いに歓迎したいと思っております。 今後とも、明確なルールに基づいて透明かつ公正な金融行政に努めていくわけでございますが、こういう高齢化社会の準備のため、高齢化社会のインフラとしてのいろいろな努力というものは私たちとしても大いに応援してまいりたいと思っております。
○西川きよし君 リバースモーゲージのお話も出ましたけれども、そこで四月二十三日の日曜日の新聞報道ですけれども、目を通されたかもわかりませんけれども、介護保険の被保険者証を悪用して痴呆症の七十四歳のお年寄りから銀行預金を何と一千三百万円を引き出してだまし取ったという事件が神奈川県で起こっております。介護保険、痴呆症、高齢者の高額な預金、まさに人の弱みに巧みにつけ込む本当に卑劣なやつがいるわけです。 しかし、高齢になっても介護を必要とする場合におきましても、御本人が望む限りは自宅でお暮らしいただきたい。そういった政策を進めていく上におきましては、こうした犯罪から弱い立場のお年寄りを守る、これは大切なことだと思います。こういう施策は大いに、大変に大切なことであります、どうぞお進めいただきたいと思います。 そういう意味でも、成年後見制度、そしてあるいは地域福祉権利擁護事業、これは厚生省でございますけれども、こういったものを活用しながら金融分野におきましても高齢者に対して積極的にお取り組みいただきたい。この質問を最後にして終わりたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、西川委員が引用されました新聞に報道されましたような事件というのは、これはやっぱり高齢化社会が進んでくると大いに気をつけなきゃいけないんだろうと思うんですね。成年後見制度とかあるいは地域福祉権利擁護事業というようなものの環境整備が進んでいるわけでありますけれども、金融機関もそういう環境整備というものを意識してやっていかなければいけないんじゃないかと思います。とかく目が技術革新とかそういうところに向くわけでありますが、そして技術革新がやはり高齢者やあるいは弱者の方に非常に役立つ面もあると思うんですが、そういうところばかりに目をとらわれないで、高齢者にやはり親切丁寧に応対していくということも私は必要なことだろうと思います。 そういう意味合いにおきまして、今国会で御審議いただいている金融商品の販売等に関する法律案、これには金融サービスの利用者保護を図るための説明義務の明確化であるとか、あるいは説明義務違反に対する損害賠償責任などの規定が盛り込まれておりまして、金融機関が金融商品を販売する際にはその商品のリスクについて十分説明しなきゃならない、こういう義務が課される仕組みになっているわけでございますが、そのほかにもまだこれからいろいろ工夫をしていかなきゃならぬ点があろうかと思っておりますので、またいろいろお教えをいただきたいと思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更正手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。 この国会はどういうわけか予算以外に予算関連法案を含めて非常に大蔵関係の法案が、また重要なものがたくさんございまして、私どもも大蔵大臣も相当お疲れだというふうに漏れ聞いておるのでございますが、やはりこの議論をする場合も大蔵大臣の御見解を伺わないとなかなか前へ進んでまいりませんので、きょうは金融問題に関して大蔵大臣の御見解を中心にお伺いをさせていただきたいと思います。 最初にちょっと私に短い演説をさせていただきたいんですが、私は一九九二年七月に初当選しました。そういう意味で、九〇年代の大半は国会で過ごさせていただいたんですが、つくづく思いますのは、この九〇年代というのは本当に日本が金融問題で揺れに揺れた十年だなと。もちろん、深刻な不況というのもお互いに相乗効果があったと思うんですが。特にバブル経済が崩壊しまして、金融機関の巨額の不良債権がいわゆる顕在化したといいますか、これがちょうど九一年から九二年ぐらいにかけまして、これは申し上げるまでもなく宮澤内閣のころでございまして、私が当選した年の秋に銀行の不良債権を一時預ける共同債権買取機構、これをつくるつくらないといいますか、つくったわけですが、そういう議論をちょうどしていた時期でございました。 顧みますと、その後東京二信組問題とかコスモ信組、木津信組、兵庫銀行、こういったところが相次いで破綻をいたしまして、それから御承知のように住専が大問題になりました。 こういう状況の中で九六年に大蔵省がいわゆる金融三法というのをおつくりになりまして、その法律でペイオフを二〇〇一年三月まで五年間凍結する、こういうことをやりまして、いわゆる来るべき金融ビッグバン、当時議論された言葉で言えば、いわゆる従来の護送船団方式から、そういう規制されたシステムから市場中心の競争的なシステムに日本の金融機関を移行していくということを決断したのがこのころではないかというふうに私は思うわけであります。 その後、アジア経済の問題等もあって、拓銀、山一、長銀と、こういう非常に大手の金融機関が経営危機に瀕しまして、御承知のように金融再生法、早期健全化法、こういう法律を与野党本当に夜遅くまで議論しまして、何とか危機を回避して、そして金融機関の再編だとか統合だとか、いわゆる経営健全化に向けたこういう動きが急ピッチで進んできた、進んでいる、現在進行形だというふうに思うわけであります。 そういう状況下で、今回、政府はこのペイオフの凍結解除の延期を決定された。これは、言いかえてみますと、一生懸命ゴールに目がけてそれぞれが努力をして走ってきた、何かゴールが見え始めた、その途端にゴールがちょっと先へずらされた、まさにこういうことではないかなと思うんです。 私は、やっぱり金融機関の体質改善に向けた言ってみればランナーとしての緊張感をこのペイオフの延期というものが相当大きくなえさせてしまったんじゃないかなと。そういうことを考えますと、私はやっぱり今回の延期というのは、これから議論させていただくわけでございますけれども、金融機関の体質改善ということはもちろんそうなんですが、同時に日本経済の構造改革をやはり先送りしてしまったというふうに申し上げざるを得ないのではないか、こういうふうに私自身は認識をいたしております。 そういった議論に入る前にまず大蔵大臣にお伺いを申し上げたいんですが、さっき申し上げたように、この九〇年代というのを振り返りますと、外国でもこれまでにいろんな金融問題というのはございました。しかし、どうも我が国の金融問題の解決というのは外国の例に比べても非常に長い時間かかっているんじゃないか、何か十年たってまだ道半ばという感もしないこともないのですが、大蔵大臣はこの点、もし長くかかっているとすればどこに原因があるというふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。 私は、やはりバブルがはじけたときの最初の不良債権処理、これを先送りしたといいますか、あのときに決断できなかったということが後々かなり大きな影響を及ぼしているのではないかと、こういうふうに思っているんですけれども、大蔵大臣のこの御認識、あるいはどういうところに原因があるというふうにお考えかということについてお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 多少お時間をいただけるようでございますので、同じ問題意識でお答えを申し上げたいと思いますが、いずれにしてもこの問題は将来何年かたちましてもう一遍たくさんの方があるいは学問のテーマとしても考えられる問題だろうと思いますが、振り返って、私も一九八五年まで振り返るかなと。これはプラザ合意の年でございます。 そのころ日本経済は絶好調でございまして、世界の大銀行といえば十のうち九つまでは日本の銀行というふうに言われたし、我々もそれを当然と心得ておったような時代でございます。確かに量的には非常な、もともと資本の大きい日本の銀行でございますから、資金を擁して、大きな国内の貯蓄も持っておりました。そういう位置を占めていた。 当時、アメリカの銀行は、理由はいろいろあったと思いますけれども、いわゆるセービングス・アンド・ローンの話もありましたし、主としてラテンアメリカ等々に対する大銀行、マネーセンターバンクスの不動産投資というようなこともあったと思いますが、非常な不調でありました。バンク・オブ・アメリカが本店を売るというような話を私どもは間違いではないかというような気持ちで聞きました。 しかし、やがてアメリカは、これは一番悲痛な話は、ナショナル・シティであったと思いますけれども、もう首を覚悟でリードという人が再建をかけたというような話はついこの間のことですが、結局バンク・オブ・アメリカを含めて立ち上がることができた。 その間我々は大変に、栄華の夢にふけっておったと申しては情けない話ですけれども、量的な拡大というものを誇っておって、しかもそれがバブルだと気がつきましたときに、ここはちょっと途中を飛ばすようでございますけれども、いわゆる護送船団方式のもとに各行の間に本当の競争関係、食うか食われるかという関係はございませんでしたから、したがって本当に監査部の人たちの厳しい自己監査というものはなかったし、そのもとをたどれば監査をすべき国の銀行検査がすべき検査をしていなかったということにならざるを得ないのですが、そういう状況の中で一挙に崩れ去ったと申し上げてほとんどいいのじゃないかと思います。 アメリカの方が早く立ち直りましたので、とても今太刀打ちはできない状況になりまして、いや決して悲観をしているのではございませんけれども、そういう中で表面的に言えば九八年に突然三洋証券が倒れる、北海道拓殖銀行があるいは証券会社山一がといったような、国民には本当に降ってわいたように、思いもしない、みんなが銀行へ列をつくったというような、突如としてそういう状況が起こったときに、政府は全く不用意、不準備ではなかったのですけれども、その前の年ごろから早期是正というものを心がけたために、それが、それだけが先行しましたから、銀行は引き締める、国民はおびえるということで、この状況を非常に悪くしたと思いますが、しかし全体として、やはり銀行も不用意であったし、行政も全く護送船団方式ということでほとんどなすことをなさなかった。 わずかにその前の前の年あたりの住専処理という問題、御承知のように国会の大きな御論議になりましたが、これもちょっと私の拝見していたところでは、その正体というものを十分把握し切れずに、何となく六千八百五十億金を出せばいいんだというようなことで、それで済めばよかったんですが、もうそのときにはそれで済まないということははっきりしておりましたから、それでさらにいわゆるバブルの不良債権というものの実態に入っていかざるを得なかった、簡単に申しますとそういうことだと思います。 私はやはり、産業界と違いまして金融界は競争というものが、対外的な競争の自由化というものが非常におくれました。これはなぜおくれたのか、いろいろあると思いますけれども、役所側の抵抗もあったと思いますけれども、プレッシャーも意外に強くなくて自由化をしなかったということがやはり日本の金融が自己監査を怠ったということになったのだろうと、これが一つでございます。自由化をしなかった理由は、護送船団方式というものがあって、その流れで物を考えていたということ。 一九九二年に私はたまたま総理をしておりましたけれども、この状況というのは国が関与をする用意があると考えましたほど実は深刻であったと思いますが、しかしそのことは金融機関にとっては、もし国が関与をすれば責任問題になる、責任者が出るという見方と、うちは大丈夫だ、ほかのことだというような見方。産業界は、金融に支援をするということはもう本能的に嫌いでございますから。そして、官僚機構は、今まで自分のお守りをしてきた行政がまあ土地でも何でもちょっと値段が上がればもとになるだろうと。いろいろ自分たちがやってまいりましたその努力というのはあるのですが、その努力は一種の、やがて土地が上がっていくだろうという、そういう希望に裏づけされておるものですから、したがってそれが実現しないときにはその努力というものは破れてしまう。そういう立場からいうと、役人としても経済の好転を期待したいという気持ちがあって、とうとうこれは取り上げられませんでしたけれども。そういうような全体としての現状是認、競争からくる気持ちの引き締めというようなものがない状況のまま突入してしまったというふうに思っております。 それで、最後のところで言われましたことは、しかしそうではございましたけれども、こういうことになって、本当にかつての好敵手からはもう遠くに置いておかれて二十一世紀でやれるだろうか、各銀行もうたくさんの責任者が出る、上の方の人間がいなくなってしまいましたから、かえってそれはやがていいのかもしれませんけれども、当面非常に経営というものもしっかりはしていない。そういう状況でございますが、いろいろありましたが、私は最悪の事態は過ぎただろうと。随分国民のお金も使わせていただいたし、いろいろでございますけれども、随分高くつきました。そして、これは将来に向かって大きな国の債務としてやっぱり残っていく、それももうやむを得ないことでありますから、大変に高くつきましたが、何とか立ち直れそうだと今思っております。 そこへいきますと、ペイオフを一年延期したということ自身は、私は前にも申し上げましたが、実は理由があってのことで、それが国際的な信用なり国内の士気をくじくことにはならないと思っておるものではございますけれども、委員が言われましたような過去十何年の回顧というものはやはり私はこれからのことを考える上で非常に大事な問題だというふうに思っておりますので、御発想は私も極めて共感をいたすものがございます。
○直嶋正行君 次に行政府の政策的な問題とかお伺いをしたかったんですが、今、大臣御答弁の中で行政の問題等についてもお触れになりました。 結局、業界の横並び体質だとか、あるいはそのときに、今まさにおっしゃったように現状認識の甘さといいますかこういう問題があって、今日のような非常に危機的状況にまで至ったと思うんですが、私はそういう経過の中にあって、二〇〇一年三月いっぱいで、四月以降ペイオフをやるんだと、こういうことで決めてきたわけですから、これは非常に大きな意味を持っているんじゃないか、そういうこと自体がというふうに私は思っているんですけれども、この点は大臣の御認識はいかがなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五年前になりますか、二〇〇一年までというターゲットを決めたことは確かでございます。そのときはしかし、マネーセンターバンクスがつぶれるというようなことを考えなかったものですから、せいぜい信用組合ぐらいのことを考えていましたが、預金保護をもうしかし全面的に広げざるを得なかった。そういうことで、二〇〇一年というのは確かにシンボルとしてございました。ございましたから、本当はこれは守れれば守りたかった。 しかし、これだけあれもこれもみんな預金保護になりましたし、そして最後に信用組合をやっぱり国の管理に入るのならばこれももう金融機関として、今までのようにほっておかずに、国の監督・検査の対象にした方がいいと考えたのが一年延ばしました主たる理由でして、ほかのものは延ばさずに信用組合だけ延ばしてやったらという意見はございましたが、組合自身がそれはむしろ自分たちのいわば信用のないのを告白するようなものだというものでございましたから。他方で、その他の各金融機関の状況はもうある意味で出るうみは出てしまったという感じが強うございますから、これから後新しい負担が残ることはまずまずあるまいと。 したがって、国際的な信用にかかわることも少なかろうし、国の負担がふえることもなかろうと、こう思いましていたしたことでございまして、この点は、どうも昨年の暮れに各党の協議の中からこれが出たものでございますので、何か非常に政治的に曲がった決断をした、不適当な決断をしたと、殊に長年言ってきたことであるからという御批判がありまして、その御批判は御批判として、私自身は信用組合のことまで考えると特に害になることはなさそうに思いましたので決心をしたわけでございます。
○直嶋正行君 その辺の話、特に信用組合の話は後ほどまたゆっくりお伺いしようと思っていたんですが。 それで、今の信用組合の問題があるので一年先送りして、最悪の事態を越えている、だから余り実害はないという御判断なんですが、ただ私、多少大臣のこれまでお話しされてきたことというのは、少し含みはあったのかもしれませんが、例えば九八年の金融国会で、やはり私この場でペイオフどうされるんですかと、あのころはもう大変な時代でしたから、ということをお伺いしたときに、大臣の方は、二〇〇一年四月の締め切りを延ばしたら怠けるだけだからこれは絶対変えないと、こういうトーンのお答えをされていました。 昨年暮れ、この問題が議論になり始めたころも、例えば十二月二十四日ぐらいでしたかの記者会見の記事も拝見したんですが、やはりペイオフの凍結解除を延期することは日本の信頼を損ねると。つまり、大体クリスマスくらいまでは大蔵大臣は、先送りはしないんだと、こういうことをお話しされていたんですが、十二月の二十九日ごろですか、ちょうど年末ぎりぎりだったと思うんですが、与党三党の合意ができますと、実にあっさり、ちょっと表現はよくないかもしれませんが、実にあっさりと本当にお受けになったというか。 したがいまして、私は、なぜそんなに簡単にあれだけおっしゃっていたことがころっと年末にお変わりになったのかなというので、率直に言って本当に不思議だったんですけれども、その間に、さっきお話があったんですが、大臣のお気持ちなり御判断が変化をしていくということが何かあったんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、御観察としておっしゃったことは大体そのとおりなのでございますけれども、おっしゃいますように、三党でいろいろ御協議があって、このときにはいわゆる政治的なというよりは、お若い代議士さん方、各党ともと申し上げてもいいぐらいなんですが、比較的純理的にこれはやるものはきちんとやってしまえという御意見が多かった。 ところが、中年以上の方は、これは党派に余り関係なく、大丈夫かね信用組合のことは、どうせ一年なら検査して一緒に抱き込んだらいいじゃないかという、意外に党派に余り関係なく、やや純理的にお考えになる方と少し保守的にお考えになる方。それは、信用組合というものは地域的にはいろいろな政治的な存在であることもございます。しかし、これも大事なことであってという方は、せっかくのことならちゃんとそれまで抱き込んでやったらいいじゃないか、ほかに何も弊害はないだろうというふうにおっしゃっていました。 当時、調べてみますと、信用組合のお一人当たり千万円以上預金を持っていらっしゃる人は一%しかいないということもありまして、そうであればどっちみちここは大したことはないな、どっちに転んでもということから、皆さんがそうおっしゃいますので私もそれに従ったということで、確かに両方の考え方があったのだろう。 ただ、信用組合までこれから行政の対象にすぐにしていっても今ここで一年延ばすことからくる害というものはどうもほとんどないのではないかというふうに判断いたしましたので、比較的あっさりそういう決定をという印象をお与えしたかもしれませんが、そんなようなことでありまして、別にどこから政治的なプレッシャーがあったということでもありませんし、またあったところで大したことはない話ですから、自分の判断でこれでやっぱり間違いはなかろうなというように思ったというのが正直なところでございます。 御説明がその間、大変に、十二月のまさに御用納め過ぎてのことでありました、申し上げる機会が少なかったことも申しわけなかったと思います。
○直嶋正行君 信組の実態の話は後ほど伺うとして、結局しかし大蔵大臣、信用組合の問題があったんだと。 たしか前の再生委員長ですか信用組合がやっぱり問題なんだということをおっしゃって、何かあのあたりから随分信用組合の話が出てきたんですが、当時の再生委員長の御発言がどういう影響があったか私にもよくわからないんですけれども、結局それが発端になって、確かに大臣おっしゃるように信用組合の場合には心配な点があるのかもしれませんが、しかし結局いろんな議論をした結果としてすべて一年延ばした。 これは結局、さっき十年振り返ってというお話の中であった、まさに護送船団ではないんでしょうかね。どうなんでしょうか、大臣、私はまさにこれこそ護送船団の決定だと思うんですが。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう御意見がございまして、各党でございましたか自由民主党だけでありましたか、関係団体を呼ばれまして、部会がいろいろ意見を聞かれた。そのときに、いわゆる大きな方の金融機関の団体はたしかもう現状で延期なしでやるべきだという御意見であったと思いますが、中から下の方にいきますと必ずしもそうではなくて、いろいろ危惧を表明された。そういう機会をつくりますと、必ず中以下と申しますかの方々はそういうことを言われる。危惧を持っておられたんだと思います。 ですから、聞かずにやるというのも一方法であったとおっしゃれば何も申しませんけれども、聞いてみるとなるほどなという意見を皆さんがそれに影響を受けられたのは私は無理もないことかなと思っております。
○直嶋正行君 当時のことはいろんなマスコミなんかでも報道されているんですが、例えば、信用組合について延期が必要だと、こういう話が出たことに対して、これは当時の、今もどうか知りませんが、地方銀行協会の会長さんが、信用組合について延期が必要ならば全業態を延期の対象にすべきだと、何かこういう発言をされた。しかし一方で、第二地銀の方は、ペイオフ解禁に向けた準備を何もしなかったところが結局これは得をしたことになる、だから、破綻とか合併とかメガバンク誕生とか、一体公的資金の注入というのは何だったんだと、片一方でそういう発言がある。やはり、今の金融に問題意識を持って心配をして努力されてきた方というのが比較的こういう意見が多いんじゃないでしょうか。この点ちょっと申し上げておきたいと思うんです。 ですから、確かに、大臣はこれは信用組合だけの問題だから大きなマイナスにはならないだろうからということで、それが発端になったんですが、結局これはまた、さっき申し上げたように、赤信号みんなで渡れば怖くないじゃないんですが、そういうアクションに結果としてつながってしまったというふうに申し上げざるを得ないと思うんです。 それで、そもそもこれをお決めになった昨年十二月二十九日の与党政策責任者間での合意というペーパーをちょうだいしたんです。これを拝見しますと、要は、今後中小企業対策に万全を期す、こういうことが必要なので、一部の金融機関においてさらに改善を必要とするところがあると。結果これが、多分今の信用組合の話じゃないかと思うんですが、一年延期をする、こういう結論につながっていったわけですね。 そういうことを考えますと、結局、それはそうかもしれませんが、信金、信組から融資を受けているところはやはり中小企業が多い、特に信用組合は零細企業が多いと思うんですが、そうすると、やはりもちろんペイオフがもし解禁されると、例えば中小金融機関から預金が流出するとか、信用のないところはそういうことが起こり得るわけですし、それが結果的に貸し渋りだとか資金回収だとか、こういうことにつながって中小企業の資金繰りが困る、だからペイオフ延期をという、こういう説がやはり強いんですよね。 しかし、それは結局、冷静に考えてみると、そういうことで延ばすとすれば、これは預金者とか金融機関の問題ではなくて、突き詰めていくとこれは中小企業を中心としたつまり借り手保護のために一部を延ばしてしまうんだと、こういうことにつながってくると思うんです。結局それは、巷間よく言われておりますように、やはり一種の、どうも選挙が近いから、ある意味ではそういう対策も含めて借り手の皆さんにも手を打っておかなきゃいかぬ、こういうことじゃないんでしょうか、実態は。さっき大臣は、別に政治的プレッシャー等はありませんでしたと、こういうふうにお答えになったんですけれども、結論的に言うと、この理屈立てから見るとそういうふうに判断せざるを得ないんですけれども、この点どうなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かにそういう趣旨の反対論をされた代議士が多うございますし、その気持ちの中には具体的な企業との融資という問題よりは、三百近く信用組合が、三百近くというのはあいまいなんですが、合併の途中の話であったりなんかするものでそういうあいまいな数字になるんですが、そのうちの二十とかなんとかはきっとつぶれるかもしれぬなと、過去の経験からいいますと。そうすると、やっぱり地域において少しいろんなことがあるんじゃないか。具体的に融資というよりは、地域でそういうものがさらに二十なり三十なりつぶれるということについて我々同僚の代議士としてはやはり無関心でいられないと、そういう気持ちであったように私は観察いたしておりました。
○直嶋正行君 結局そこのところなんですね。当時の新聞を持ってきましたけれども、こういう「貸し渋り再燃」というような大きな見出しが躍って報道されているんですけれども、これを心配している。私はどうもそういう政治的なプレッシャーがやはりかなり強く作用したんじゃないか。 ただし、よく考えてみると、中小企業の皆さんの貸し渋り対策としては、これは通産省の所管ですが、中小企業金融安定化特別保証制度というのをちゃんとつくったわけですよ、これは。やはり金融国会のときに貸し渋りが大問題になりまして、与野党いろんな意見がありましたが、結論としてはあれをつくってきたわけです。ですから、本来、中小企業の借り手側の人たちに対する手当てとしては私はやはりこれを使うというのが本筋だと。 昨年末に資金も十兆円上乗せしたわけで、例えば、ちょっと調べてきましたので申し上げますと、ことしの三月末で見ると、制度始まって以来トータルで二十兆九千億強。ですから、まだ十兆円ぐらいお金が余っていますから、これを活用すべきが筋であって、そのためにペイオフの凍結解除を延期するというのは筋違いなんじゃないかなというふうに思うんですけれども、この点どうなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは、国民金融公庫であったりあるいは信用金庫までは確かにそういうことがあると思いますが、信用組合となると、さあどの程度かなと。むしろ、信用組合が崩壊するということによる地域の不安というものを我々同僚の代議士さん方は心配されたのかなと。一つ一つの企業の金融でいいますと、金庫あるいは国民金融公庫とかいろいろございますが、信用組合に全面的にというところはさあどれだけございますか、ちょっと、むしろ私も、おっしゃいますように、企業の貸し出しの問題だったらそれは信用保証もあるし、そちらからの不安ということをそういうふうに感じられたよりは、やはり地域の漠然とした社会の不安というものを信用組合が倒れた場合に心配されたのではないかと思います。
○直嶋正行君 僕も大臣のおっしゃられようとしていることがわからないわけじゃない。 私もちょっと信用組合の方にもお話を聞かせていただきましたが、やはり取引相手に非常に零細なところが多くて、おっしゃるように確かに地域の零細企業が相手ですから、金融監督庁が言うようにBSとかPLを出せと言ったってそんなもの出てきません、まさに個人の信用も含めてお貸ししているんですと。 しかし、これは私はここのところが非常に大事なところだと思うんです。なぜ大事かというと、これが本当にそういった零細企業の問題を仮に理由とするのであれば、やはりそこに手だてを打たないといけないと思うんです。私自身は、さっき申し上げた中小企業の信用特別保証枠だって、これはやり方によっては大変なモラルハザードを招く制度だと思います。今のところむしろプラス面の方が強いのかもしれませんが。 しかし、考えてみると、こういう制度をつくって、これは中小企業対策としてつくった。今度は、例えば流動性預金を守らなきゃいけない、あるいは今申し上げたような地域の問題があるので信用組合も含めてペイオフを延期する。つまり貸し手の側に手を打っていくわけですね。そうすると、これは結局突き詰めていくと、さっき申し上げた零細な借り手も含めて金融機関側からお金を入れていって、今度のスキームの中には信用組合にも資本注入する仕組みも入っていますし、さまざまな形でお金を入れていって全体を支えていく、何かだんだんそういう絵柄に近づいてくるんですよね。そうすると、これはもう大変なモラルハザード社会になってしまうんじゃないか、一体こんなことをどこで歯どめをきかしていくのだろう、私は正直言って本当にそういう危険性を持っているんじゃないかと。 ちょっとペイオフ延期の話から横道にそれてしまいましたけれども、今度の政府のお考えになったこのやり方の中には私はそういう側面が入っていると思うんですよ。 ですから、中小企業の問題について信用保証枠をつくってやったのと同じように、もし零細企業、地域問題があるのなら、それはそれとしてきちっとお金を手当てしていかないと、あるいは対策を打っていくという発想に立たないと、全然違うところで、金融機関の経営問題を公的資金を入れて支えることによってそういったものすべてを支えていこう、こういうことになってくると、これは私は結果的にすさまじいことになってくるんじゃないか、こんな危惧を持っているんですけれども、大臣はこういうことは余り発想としてはお考えになったことはないんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、それはおっしゃっていることはよくわかるような気がしております。 つまり、中小企業が倒産するかしないかというときにともかく信用保証をして金を出すということは、それによって立ち直る企業が八つあって、本当はつぶれなきゃならぬ企業がつぶれないで済むということが幾つかあるということは私はあることだと思います。 ただ、これだけ大きな改革を国を挙げてしかも失業を出してやっておりますときに、私はとことん我が国には我が国の改革のやり方というものがあるだろう。レイオフをやっているアメリカとは違うやり方がやはり日本にはあって、しかも日本人の気性としてはそれにちゃんとこたえていけるだけの正直さも基本的にはあるというような気持ちがしておりますものですから、今までのところ信用保証の損失率というものは非常に少ない、意外にやはりまじめに支払いをしてくれているというようなこと、これは今まではということですけれども。そういう信用、お互いの信頼感もあって、手術をしてしまった方が早いぞということの場合でも、まあもうちょっと時間がかかっても立ち直ってもらおうやという、そういう物の考え方が我が国なりにいろいろたくさんあるんだろうと私も思っています。 がしかし、それが我が国の我が国らしいやはり危機の突破の仕方、立ち上がり方であるのだろう。それに流れるようなことがあってはいけませんけれども、アメリカのようなやり方ばかりではなかなかやっぱりいかないというようなことがございますから、直嶋委員のおっしゃっていらっしゃいますことはよくわかっていまして、これは限度を間違えると確かに元も子もなくなる心配のあることでございますので大変用心をしなければならないことでございますけれども、立ち上がりのテンポが多少おくれましても我が国なりのやり方でどうやらいけそうだというような感じをただいまは持っております。
○直嶋正行君 これは議論をいろいろもっとしたいんですが、私の持ち時間も大分少なくなってまいりましたので、もう少し具体的な問題、さっきからお話ししているんですが、協同組織金融機関の問題について少し踏み込んで御見解をお伺いしたいと思うんです。 それで、さっきのペイオフ延期の話に戻るんですが、さっき信用組合の問題ということでお話があったんですが、衆議院でのやりとりもちょっと私読ませていただいたんですが、大蔵大臣はやはり衆議院でそういう御答弁をされているんですが、その中でこういうくだりがあったんです。 要するに、金融監督庁が信用組合の検査を六月から始めたとして、ことしの六月ですね、後どうするか。破綻させるか、早期是正させるのか、資本注入するかを決めて来年の三月までに終了させるのは難しい、だからもう一年延ばした方がいいと、こういう判断。ただ、そのときの中にこういう一文があったんです。しかし一方で、金融監督庁は一年あれば大丈夫と、こう言ってくれたんだけれども、そういう判断をしたんだと、こういうふうにおっしゃっているんです。私もどちらかというと、五年のリードタイムがあって、もちろん国の管轄に入るのはことしの四月からかもしれませんが、やる気があればもっと早く検査もしてそういう体制がつくれたんじゃないか、いまだにこういう思いがするんですが、この点はどうなんでしょうね。 再生委員長にお伺いした方がよろしいんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私が先にお答えした方がいいと思います。 そのときに、ほぼ三百ぐらいの信用組合があって、今まで地方団体がしておられた検査の結果というものは、そう申してはなんですけれども、これは全部やはり国のスタンダードで見直さざるを得ないと思っておりましたので、きちっとしたところもあるでしょうけれども、ですから初めから始めなきゃならぬ、書類等々も整備されているとも思えない、せめて六月から始めることだなと。そうして、今おっしゃいましたような三つの方法で処理していくと。 六月からですと、来年の三月のペイオフの期間に間に合わないのではないかと私なんかは思う。しかし、金融監督庁は非常に検査官の方が熱心に、しかも人員的にも多少増強されるから、それは何とかしてやるよと言っておられたんです。それは何となく、こういう大事な行政の結末というものが自分たちが一生懸命やらないからそういうことになるんだという、そういうふうに言われることは、当然責任者の方としては無理もない反応だと私は思っていました。 しかし、やっぱり考えると六月からじゃちょっと無理じゃないかな、皆さん一生懸命やると言っていらっしゃるんだがということは私はできる限りつけ加えておったというような状況でした。
○国務大臣(谷垣禎一君) もう大蔵大臣から御答弁があったところでございますが、従前も都道府県の事務でございましたから、都道府県としてそれぞれ検査はやっておられたわけでございますし、必要があれば我々も国の方としても連携というものがあったわけでございます。 ただ、それを十分掌握する立場では必ずしもございませんし、今大蔵大臣がおっしゃいましたように、決算期が終わってから取り組むあれでございましたけれども、来年の三月までにはきちっと終わらせるという体制を整えていたのでございますが、一年間時間をいただきましたので、しっかりやっていかなきゃいかぬと思っております。
○直嶋正行君 それで、実務方の方はやれると言ったんだけれども、まあいろんなことが必要なので、心配なので延ばした、こういうふうに聞こえたんですけれども。そこのところに私はちょっとさっき申し上げたような選挙が非常に近いということもあるんじゃないかという勘ぐりは持っているんですが、そのことはちょっと別にしまして、政策面として考えると、そういう状態で御認識だったら、これはなぜ信用組合だけ一年先送りをする、こういう政策判断はとれなかったんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私どもの党だけでしたかあるいは与党全部でしたかで各団体の方々に来ていただいてリアクションを聞かせていただきましたときに、信用組合の代表者は、一説によると信用組合だけ延ばすという話があるけれども、それは私どもは反対です、自分たちの信用を疑われるようなことになるのでそれは自分たちとしては賛成しがたい、そういうことでしたら皆さん一緒にお願いをしたいと、こういうこれはかなりはっきりしたお話がありました。 他方で、話を聞いておりますと、代議士さんの中には、これは預貯金が動くのではないか、モラルリスクがあるのではないかと。私は、まさか今になって何銀行から何々信用組合へ預金を移す人はいますかねと申したんですが、そういう一年違えばモラルリスクがあるというような話もありまして、両方のことからするのなら一緒にという結論になってまいりました。
○直嶋正行君 結局それが、さっき申し上げたことでいえば、護送船団が復活したと、こうさっき申し上げたんですけれども。 それで、少なくとも、確かに預金の話はあったんですが、大手銀行、都銀ですとかあるいはいわゆる地銀の中でも大手、このあたりまではよかったんじゃないんでしょうかね。 例えば、これはことしの一月二十日の日経新聞にたまたま掲載されていたのを私は見たんですが、こういう記事が出ているんです。「地方銀行や第二地方銀行の再編機運が急速に後退している。株価上昇で自己資本比率が改善し、ペイオフ凍結解除の一年延期で、預金者による銀行選別の本格化までに猶予期間が生じたためだ。 「公的資金申請の打診がぱったり止まった」。金融再生委員会・金融監督庁の幹部はペイオフ延期が決まった昨年末以降、地銀の切迫感が明らかに薄らいだと悩む。」、こういうくだりの記事なんです。 これは少なくとも、さっき一生懸命走ってきたという話をしましたけれども、一生懸命やってきた人たちから見ると、あるいはここが期限だよと言われて何年間か努力してきた人たちから見ると、やはりこういう効果というのは相当あったんじゃないかと思うんです。 ですから、さっき大臣は、いろんな人の意見を聞いて全部延ばしたと、こういうふうにおっしゃったんですが、その中でも大手だけは予定どおりやるとか、そういうことは本当にとれなかったんですかね、やっぱり政策判断としては。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、いわゆるマネーセンターバンクス、大銀行を中心にこのまま変更しないでくれということははっきりしておりました。それから地方銀行でも、これは必ずしも明確でありませんで、第二地銀でしたか専務理事か何なりの方は、向こうが二年延ばすのなら延ばしてほしいと言われた人があります。しかしそれは、どうやら地銀も第二地銀の方かもしれない、地銀の協会長は延ばしてほしくないということを私に同じときに言っていますから、多少銀行によって違ったのかもしれません。 それから、お読みになりました記事は実は私も読みまして、ああ、これは足で書いていないな、頭で書いた記事だなと思いましたのは、各銀行とも今大変真剣で、一年延びたからちょっと休めるなんという、そんなことではございませんので、これはちょっと楽に書いた記事だなと私は今でも思っております。
○直嶋正行君 次に、少し信組問題について、検査の話についてちょっと再生委員長にお伺いしたいんですけれども。 さっきもお話があったように以前から監督者が都道府県になっていたんですけれども、ただ、さっき申し上げた東京二信組の問題を初め幾つかの、これは信用金庫ですかね、組合もありますが、信用金庫、信用組合というところの経営不安というのがいろいろ指摘されてきていますよね。 それから、これは平成九年だったと思うんですが、総務庁が行政監察結果報告というのを出していまして、その中で、行政監察に入って、もっと信用組合の検査もしっかりやらなきゃいけないじゃないか、こういう話があって、都道府県と共同検査というんですか、連携検査をそれ以降おやりになっている。こういうこともされてきたわけですね。 ですから、結局こういうことを考えるとやっぱり、もちろん管轄が都道府県というのはあったかもしれませんが、平成九年に総務庁からの行政監察を受けて共同検査をもっと強化するとかこういうことをやっておればもっと正確に信用組合の状況というのがつかめたんじゃないかと思うんですが、この辺ちょっと私はよく理解できないところがあるんですが、国が直接やる検査と共同検査と、これは全然違うものなんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ことしの四月に信用組合に対する検査や監督事務が都道府県から私どもの方に移ってくる前は、都道府県が所管する信用組合については、いわゆる協金法というんでしょうか、協同組合による金融事業に関する法律、これの第七条で、都道府県知事の要請があってかつ国が必要と認める場合に国と都道府県が共同で検査ができる、こういうふうになっておりまして、それでその当時は、大蔵省あるいは後を継いだ金融監督庁、それから財務局では、限られた人員の中なのではございますが、都道府県に検査監督の権限がゆだねられている趣旨を踏まえて、個別の検査の必要性があると判断した場合には共同検査を行ってきたわけなんです。それでまた、共同検査以外にも、都道府県から要請があった場合には、必要に応じて都道府県が実施する個別の検査について財務局が実地に指導も実施してきたということがございます。 それから、都道府県が実施してきた信用組合に対する検査については、国としては、いわゆる資産査定通達といった検査に際して適用する通達、国の検査で適用するものを都道府県知事にもそれぞれお送りしまして、検査や監督事務の運用を統一にしようというようなことをやってきたわけです。それから、都道府県から検査一般に関する相談がなされれば各種の指導を行うというような協力を行ってきたというのが過去でございます。
○直嶋正行君 ですから、さっきの実務家と大臣の御判断の話じゃないんですが、私も、例えば去年の暮れあたりの新聞報道を見ても、今再生委員長がおっしゃったように、国からも通達を出されて、状況の悪いところというか問題のあるところは何か基準を示して、きちっと検査しなさい、それも二〇〇〇年の三月までですよと、こういう通達を出しておられる。ですから、こういうことを考えると本当は、検査、これから掌握するんだというふうにさっき大臣おっしゃったんですが、本当はこれきちっとできたんじゃないかと。 そういう意味では、もし本当にことしの六月以降もう一度検査をやり直してみないと状況がよくわからない、こういう状況であるんだとすれば、これはやはり政府が少し努力が足りなかったんじゃないか、こんなふうに思うんですけれども、そうなんじゃないんでしょうかね。
○国務大臣(谷垣禎一君) もっと国が一緒になってやればもっと前からはっきりわかっていたんじゃないかという御主張でございますが、それはおのずからやはり、先ほど申しましたような通達を出したり、あるいは先ほど申しました法律のそのような要件に従って共同で検査をできるということはもちろんございました。それから、各都道府県もそれなりペイオフに向けて準備をされてきたことは事実でございますけれども、やっぱり国が直接権限を持っている場合とおのずから違うところが私はあったのはやむを得ないと思っております。
○直嶋正行君 ちょっと私はそこが腑に落ちないんですが。もう一度やり直してみないとどうも安心できないというか、そういうお考えのようですが。 結構問題のあるところ、どこかの報道にもありましたが、三百弱とさっき大臣おっしゃったんですが、三百弱のうち百弱ぐらいがかなりしっかり調べなきゃいけないところ、もう既にいろいろ言われておりますし、実態は私は結構早くからつかめ得たんじゃないかなと、そんなふうに思っていますけれども。 それで、もう一つ次に、これも再生委員長にお伺いしたいんですが、結局、ペイオフを延期するということになりますと、ペイオフ凍結中というのは、個人の預金だけじゃなくて、すべてのいわゆる金融商品というんですか、例えば金融債だとかそういうものも保護されますし、もちろんいわゆる銀行間の取引なんかも含めて全額保護されるわけですね。結局、ペイオフコストを超える以上のもし費用がかかった場合は、さっき長銀の処理のお話がありましたが、これは公的なお金も使っていくと、こういうことなんです。 これは長銀のケースでもちょっとお聞きしたんですが、これはもちろん名寄せをする前の話ですが、例えば個人預金を見ると、全体の中で一千万を超えている口座というのは一%ぐらいだと。日銀の資料なんかを見ましても、一千万未満の預金口座数の割合というのは、これは都銀、地銀、信金、信組、労金、全部含めたものですが、九九・二%が一千万未満。ただし、金額で見ると、この九九・二%の口座が金額全体に占める比率は四九・三%。個人預金の割合というのは六割強です、全体で見ると。 ということはどういうことになるのかというと、ペイオフをやっている間というのは、実は預金保険というのは、小口預金者、大衆の小口預金を保護するための制度なんですが、それとは全く逆で、結局これは言ってみれば大口預金者とかあるいは機関投資家とか、本来これは自己責任ですべてやらなければいけない人たちの預金を保護するんですよ、ペイオフを凍結するということは。ですから、これを続けるというのは結局はそういう人たちが安心して大きなリスクをとれるということにつながってくるわけですが、こういう問題があるというのはもちろん承知の上で延ばされたわけですね。どうなんですか、その辺。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはそうでございます。 ただ、そのときに名寄せをしてみたらどうかなというのを、本当はちょっとわからないということはいつも思っておりますし、しかし普通きっとその地域のお金を持っている人がかなりぬきんでて積んでおる、預けておるということはあるかもしれません。しかし、だからといって信用組合だけそれをどうするというわけにはまいりませんですから、やはりそれはもうペイオフをある時期にやめるということで回答するしかないんだろうと。今の実態が、実際名寄せをしてみたらどれだけかはまたわからぬ点もあろうと思いますけれども。
○直嶋正行君 大蔵大臣のお言葉ですが、これはやってみぬとわからぬ話ですからここでやり合ってもしようがないのかもしれませんが、例えば、日本の金融資産は約一千三百兆円と言われますが、いわゆるその中で個人の預金というのを調べますと、平均しますと世帯別に見て大体六百数十万円ですよね。一番たくさん、最頻値というんですか、ちょっと私は正確な数字を忘れましたが、この辺は大体四百万円以内だったと思います。ですから、大臣は名寄せをしないとわからないとおっしゃったんですが、私はかなりそれはやってみれば偏りがあるんじゃないかと。だから、個人口座が九九%そうだというわけじゃなくて、もちろん一千万円以上の比率は上がってくると思うんですが、それはやはり限られた人のところに集中しているんじゃないかと思います。 ですから、もちろんこれで信用組合だけどうこうということじゃなくて、ペイオフ凍結を続けるということはこういう矛盾を抱えたままやるということなんですよということをやっぱり私たちは理解しておかなきゃいけないと思う。 ですから、さっき信用組合のところでも申し上げたんですが、再生委員長に申し上げたかったのは、できるだけやっぱりきちんと早く努力をして信用組合も含めてペイオフを実行できることにしていかないとこういうひずみを抱えたまま行くんですよと、こういうことを申し上げたかったわけです。 もう一点申し上げますと、今回のペイオフ延期は一年延期だと、こういうふうに巷間言われているんですが、私は実際は二年延期だと思っています。というのは、いわゆる流動性預金というんですか、決済預金は一年またそのまま継続するということですから。今の金利の情勢で考えるとばかばかしくて定期預金なんかできないですよね。だから、いつでも定期から当座とか普通預金にかえられると思いますから、結局これは私は実態として二年延期することになるんじゃないかという説明をした方が正確じゃないかと思うんですが、この点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、昔は普通預金というものも余り流動性のものでなかったのでございましたね、金利としては少し高かったし。カードができましてからほとんどやっぱりそういうことになってまいりましたので、これは実態にかんがみて、そういうものが何かもう少し金利の高いものに定期性のものに移ってくれない限りは、そこまで見ておかないとカードを持っていらっしゃる方が頓死してしまうということでございましたのでいたしましたけれども、実際はそういうことで、これからは本当に定期性の預金は幾らかでも金利の高い、そしてそうでないものは金利の安い、そしてそうでないものはやっぱり保証金は高く積んでもらう、そういうことになっていかなきゃならぬと思っています。
○直嶋正行君 二年延長だというのはお答えがなかったんですけれども、もう一つ言いますと、決済預金というのは、さっきもちょっと似たようなことを言いましたけれども、個人じゃなくて大企業を含めて決済預金を保護するというのは、結局そちらを保護していくということになるんじゃないかと思うんです。 もう一つの問題点は、さっき申し上げたんですが、結局、では金融機関側で見たらどうかといいますと、これは信金、信組なんかで経営が苦しくなったところがよくやる手だてですが、運用面でいろいろリスクの大きなものに手を出していく。それはなぜかというと、預金を集めるのは苦しいから金利を高くして大口預金を集める、当然コストが高いからリスクの大きい運用をする。こういう意味でいうと、やはり金融機関側にも非常に大きなこれはモラルハザードといいますか、そういうものを呼び起こしているんじゃないかと思うんです。ですから、かなり大きな問題を抱えたままこれは二年間延ばしていくということになるんだということを認識しておかないといかぬと思うんですが、この点はどうなんでしょう、そのとおりでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう部分があることは否定できないと思いますけれども、いずれにしても、ともかくこれは一年で、あるいは直嶋委員の御表現では二年で終わらせていただきたいと思っています。
○直嶋正行君 余りしつこく言うつもりはないんですが、金融審議会がペイオフ問題を議論したときにパブリックコメントというのを募集しまして、もちろんこれは賛否両論入っています。 ただ、おもしろいのは、モラルハザードの抑止を含む金融システムの信頼性維持、国民負担の最小化を考えると、全額保護を前提とした特例措置の解除を期限どおりに行うのが望ましい、通産省、とか。実は私の出身の連合はちょっと慎重論を言っているんですよ、これがまたおもしろいところなんですが。やはりこれで流動性預金を全額保護した場合、さっき私が言った話ですが、金融機関、預金者双方のモラルハザードを助長するおそれがある。それから、決済預金とその他の預金を区別するのは実務上不可能なんだと。それからもう一つここでおもしろいことを言っているのは、やはり要は決済預金の問題はスピードで解決しなきゃいけないんだと、これは地銀協のコメントです。もう一つちょっと申し上げますと、大手銀行というのがありまして、これもやはり流動性預金を預金保険制度の中で全額保護することは小さな預金保険制度という基本理念に反する、だから予定どおりやるべきだと、こう言っていますし、もう一つ、やはりこれを延ばすことは預金者の間に不公平を生じて、多額の流動性預金を保有している大企業が保護される、一千万円超えの個人定期預金には特別の措置がないという事態が発生する、これは企業と個人の不公平だと言っているのは、これは再生委員の方がオピニオンとして意見を申されています。 ですから、確かに両面の意見があるんですが、大体金融に関して精通されている方は私が今申し上げたような心配を理由に挙げて慎重論をおっしゃっている。だから、この点はやはり私たちはきちっと受けとめておかなきゃいけないんじゃないか、こう思うわけであります。 それで、何かコメントございましたらどうぞ。
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。 私も金融審議会に時間のとれる限り出席をしておりまして、今委員がおっしゃったような意見も、かなり激論を闘わされての結果、両論いろいろございましたけれども、この件につきましては、やっぱり決済への影響に懸念する意見というのも随分ありまして、迅速な破綻処理というものを今から仕組んでいくわけですけれども、これが確実になりました。 また、もう一つ大事な点でございますが、民間の方で決済のサービスというものを、今からこの体制に応じていろんなことを開発していってもらわなければいけない、それができるまで特別に時限的に二年ぐらいが適当ではないかと。これは先ほどの御議論があったペイオフを一年延期するしないの前の議論として二年ぐらいということが適当であるというのが最終的な結論でございます。 例えば、アメリカですと、スイープアカウントというのがございまして、例えば銀行が終わる五時になりますと預金にあるものを自動的に国債やそれから信託へ移して、その間は倒れても大丈夫だと、こういうような決済サービスが多様になっておりまして、そういうものが出てくればこの決済性のものも同様に扱うことができるわけですが、まだまだそこまで行っておりませんので、その間、時間の御猶予をいただきたいというような議論もありまして、最終的にこのような形になったというのが審議の経過でございます。
○直嶋正行君 あとちょっと一点だけ、時間がなくなりましたので、一点だけ御確認をさせていただきたいんです、また時間がありましたら改めて議論させていただきたいと思っていますが。これは大蔵大臣にやはり。 今回の預金保険法の中で、金融機関の破綻によって、これは恒久措置として入っているんですが、いわゆる危機的な事態、システミックリスクの場合に、通常の破綻処理以外のケースとして三つばかり規定されています。ちょっと最後に確認という意味でお聞きしたいのは、このシステミックリスクと判断された場合に、その判断を金融危機対応会議で判断をするというふうに法律上なっているんですが、この危機的な事態というのは具体的にどういうことを想定されておられるんでしょうか。 往々にしてここはすごくわかりにくいといいますか、通常の破綻なのかシステミックリスクになるのかというところが、どうも私は今回の法案を拝見する限りはあいまいというか、きちっとした定義がございませんので、ちょっとそれだけ確認させていただいて、また後日議論させていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) たまたま銀行に対する公的資金の導入等のことがあったばかりでございますので、この規定が形が似ておりますのでそういうふうに言われる方があるかと思いますが、この百二条は金融危機への対応という特別の金融危機に対応するための措置でございまして、我が国が、昔でございましたらこういうときは緊急勅令とか戒厳令とかいうことでございますが、そういう法制がございませんので、しょっちゅう起こることではない、たまたまこの間公的資金を導入したものですから、いつものことのようなことではこれはございませんで、これに書いてございますように、めったにあってはいけないことですが、しかし緊急勅令というものがない状況でこういう規定を置いておかなきゃやっぱりいけないのではないか。 ただ、それは発動は極めて重い条件にかからしめませんといけませんので、金融危機対応会議というもので協議をして、総理大臣が決定をして、それは国会に報告をする。しかも、これで金が入るというようなことは、今の制度ですと銀行は公的資金の導入を申請することがだれでもできるわけですけれども、これはもちろんそういうことではございません。政府の方から、おまえのところそれをやれと、こういうことしかございませんので、何十年に一遍もあっては困るような状況ではありますけれども、こういう恒久法を書きますときにはやはり入れておくことがいいだろうということで入りました規定でございます。
○直嶋正行君 ちょっともう一点。じゃ、小川議員の御好意でちょっと時間をいただいて確認させていただきたいんですが、その中に危機対応勘定を新たに設けるというのがあるんです。それで、今回の法改正でいわゆる財政措置として幾つかプラスされているものがあるんですが、ここには例えば一般勘定から始まって特例業務、金融再生、金融機能早期健全化、これは従来のあれですが、それとは別にこの危機対応勘定というのをつくるということなんでしょうか、恒久的に。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今までやったこととは全然別にそういう必要があればそういうことでございます。
○政務次官(林芳正君) 補足させていただきますと、新しく危機対応勘定をつくりまして、今委員がおっしゃった一般勘定はずっと残りますけれども、特例業務勘定と金融再生勘定は少しダブりますけれどもそのうちなくなってしまうということでございまして、行く行くのパーマネントな姿というのは、一般勘定と今申し上げましたシステミックリスクに対応する危機対応勘定の二つが残るというのが最終的な恒久的な姿ということになるわけでございます。
○直嶋正行君 それはつまり、いわゆるこの公的資金ということでいうと、それはその段階で決めるということですか、実際にそのお金をどうするかということは。ちょっとこれも確認質問で恐縮なんですが。
○国務大臣(宮澤喜一君) 危機の大きさに対応して決めるということです。歳出で立てて決めるということでございます。
○直嶋正行君 じゃ、委員長、済みません。私の質問はこれで終わりまして、あとまた改めてやらせていただくというふうにしまして、同僚の小川議員の方に譲りたいと思います。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫です。 まず最初に、長期信用銀行の株式のニュー・LTCB・パートナーズへの売却に対して先ほど民主党の浅尾議員からも質問がありましたが、この契約書も私今手元で概観しますとどうも売り主側に随分甘い契約ではないかというふうに感じまして、まずそういった観点から金融再生委員長の方に質問させていただきます。 例えば、非常に抽象的な聞き方をしますと、LTCB側がこの売買契約に定めてあるそれぞれの事項を守らなかった場合の責任のあり方、あるいはそれに対する賠償請求を行うときにどのような担保をとっているのか、そこら辺の包括的な考え方をまず最初にお聞かせいただきたいのでございますが。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先生の御指摘は、契約の一つ一つの条項についての遵守、それを遵守しない場合のどういう追及の仕方ということかと思いますけれども、いわゆる表明と補償そして誓約、それにつきましては、それぞれについて契約書の中に責任追及のあり方も示してあるということかと思います。それ以外のことにつきましては、通常の契約の履行についての責任追及という枠組みの中で処理されるものと理解しております。
○小川敏夫君 余り抽象的な議論をしても始まらないから端的に聞きますが、例えばこの売買契約の中で、新しい新生長銀は融資先に関して取引を継続する義務、一定の条件で三年間は融資を継続する義務というものが課せられております。これを仮に守られなかった場合に、それに対する手だてというものはこの契約書上どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 三年間、当方が承継資産として承継した貸出債権につきましては、三年間急激な回収は行わないということを先方が表明しているわけでございます。ただ、これはそういうことを向こうにいわば契約書の中で、これは公表されている契約書でございますので、表明させているわけでございますので、それはそれによって担保されているものと思っております。
○小川敏夫君 どうも答えになっていないんですけれども。それは契約だから一義的には守り合うというのがこれは当然のことだけれども、しかし我々、一般に契約というものは、そういう約束が守られなかった場合に、ではどのようにその約束事を実行するのか、あるいは損害が発生したらそれを請求するその請求権を担保するのかということを決めるのがまさに契約書だと思うんですよ。 金融再生委員長に聞きますが、この三年間の融資継続義務あるいは融資を急激に回収しないという規定が入っておるわけですが、これはやはり長銀の融資先の企業を保護するために非常に重要な規定だと思うんですが、委員長の御理解はいかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはり、経営主体が大きく変わりますが、健全で善良な債務者と申しますかクライアントに大きく地位を変動するようなことは好ましくないので、三年間従前の態度を守ってくれということはこの契約の中でかなり大きな意味を持った部分であるというふうに思っております。
○小川敏夫君 そこで、契約というものを考えますと、それはこの契約書、そういうふうにやるということを約束されています。だけれども、契約書というものは、しかしその約束が必ず守られるということを担保する手だてがあって本来この契約書が契約書たるゆえんだと思うんです。 しかし、今聞いていますと、もしこのLTCB側が経営権を掌握した後その条項を守らなかった場合にどうするのかということについて規定があるのかないのか。ないんじゃないですか。もう一度はっきり答えていただきたいんですが。
○政府参考人(森昭治君) 先生御指摘のとおり、急激な回収を行わないということに対して、それに違反した場合はどうするかということについては規定はございません。
○小川敏夫君 だから、そんなことで売り主側あるいはそれに重大な利益を有する借入先の保護が徹底していると言えるんでしょうか。これ、先ほども浅尾委員が指摘したように、売り主側にばかりいろんな責任が課せられていて、買い主側のLTCB・パートナーズ側には違約に対するものが入っていない、非常にひどい契約だというふうに言っておりましたが、まさに私もそのとおり考えまして、LTCB側が約束したことを実行するということがこの契約書上何らその履行を担保させる規定が入っていないし、違約した場合にそれに対する責任の手だてを講じる、責任をとらせるということの規定が入っていない契約というのは、これは契約書として欠陥だと思うんですが、そういう御認識はないですか。
○政府参考人(森昭治君) 新生長銀、三月一日にクロージングし譲渡した際に、貸出債権として約八兆円を譲り渡しておるわけでございます。それにつきましていろいろな交渉がございました。いろいろな交渉の中で、先方にそういう表明を契約書の中に書かせること自体がこれがやはり大変な一つの大きなポイントでございまして、当方としてはいわば善意かつ健全な借り手の保護を行うという観点から、こういう条項を入れさせるということに何とか成功したというふうな認識を持っております。
○小川敏夫君 答えになっていないんだけれども。 そんなに大事なことで、実際大事だと思うんですよ。長銀の融資先、長銀から融資を打ち切られたりされた場合に経営が困難になるという関係会社が多いわけですから、そういう関係会社を守るという意味では大変に重要なことだと思うんです。しかし、それがただ単に文書として約束されているけれども、それが必ず実行されるということについては相手方の信義に頼るしかないというようなことになってしまっては、これはやはり大変に大きな問題だと思うんです。 少なくとも違約に関する何の規定もないということはもうはっきりしていただいたわけで、大変な私は欠陥契約だと思うんですが、どうぞ、じゃ再生委員長その点に関して。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大変欠陥のある、何にも守るあれがないではないかという御批判でございますけれども、先ほど申しましたように、先ほども浅尾議員のときにいろいろ議論をいたしましたが、向こうに売り渡したわけですね。三月一日から日本の新生長銀として営業を開始しているわけでございます。それで、私どもの方はそれに対する監督官庁でございますから、やはりあれだけの存在を持って日本で営業している金融機関に対して、いろんな手段での監督の手法というものは一方で持っております。したがいまして、全く何にもないではないかというのは少し私はそのように理解をいたしておりません。
○小川敏夫君 しかし、何らかの法律的な権限があるんですか。この株式売買契約書で約束された融資の急激な打ち切りをしてはいけないという、契約事ですよね、この契約事に関して行政がそれの実行を強制させるような法的権限があるんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 契約上の権限としては、委員が御指摘のように、私どもも契約の一方の当事者でございますから、契約に従って履行してくれと言う権限は持っております。それで、今委員は、じゃ、それを担保するものは何かと。 それで、担保するのは必ずしも行政上の監督権限とぴたっと一致するものでは確かに委員御指摘のようにございません。しかし、やはり監督官庁と金融機関というものはいろんな形を通じて、これはもちろん明確なルールでなければいけませんけれども、ございますので、やはりそこは、何というんでしょうか、全く何もなしという御理解はやや違うのではないかというふうに私は思っております。
○小川敏夫君 契約というものは常に善意の必ず守られるんだという性善説の立場に立って最悪のことを想定しないでいいんだと考えればそういうことかもしれませんが、しかしそれではやはり契約が契約たる意味が全くないと思うんです。 例えば、アメリカの株があした突然、ブラックマンデーといいますか、それ以上に大暴落して大破綻が起きたと。そうすると、このニュー・LTCBの出資者たちも、そんな日本のことよりもあるいは長銀の取引先のことよりも自分たちの足元の方が大事だといって、利益第一、もう信義も何もないような、信義を守るような余裕すらなくなったような突然の急激の変化が起きて、こうした株式売買契約に定めた事項が守られない、実際に履行されないというような状態が起きたときに、何らかのそれによってこうむった約束違反による被害あるいは損害というものを後々請求できるような手だてが講じてあるんでしょうか、この契約書には。
○国務大臣(谷垣禎一君) そこらは確かに小川委員がおっしゃるように、具体的にじゃ三年間の履行義務に対してこのような形での担保なりあるいはそのときのペナルティーというものが直接の形で決められているわけではございません。 だから、私が先ほど申しましたように、監督権限というものがすぐパラレルに結びついてこないということは確かにそのとおりでございますけれども、通常の当事者同士とは違ったまたいろんな手法があろうかと、このように思っております。
○小川敏夫君 LTCBの出資者がこのような契約関係に入って出資してくるということは、これは利益を求めて入ってきているわけです。その利益の実現方法は、これは善意に考えれば、新生長銀を優良会社にして、そして株の評価が上がればそれによって売却なり配当なりで利益が得られるということに性善説に立てば考えられますけれども、しかし、必ずしもそうでないケースも想定して、やはり国民の権利を守らなければならない、税金を大変多額に投入した銀行ですから守らなければならないとなった場合に、これは性善説だけで契約は結べないので、もっと契約の相手方に違う考え方あるいは魂胆があるんではないかと。 これは、LTCBがそうだとまだ断定するわけではありませんが、例えばの一般論として、新生長銀を再建して利益を得るというんではなくて、そこにある財産をいわば食いつぶして、そして利益を得て、はいさようならするんだというような考え方で投資に入ってきているのかもしれない。 例えば、雑誌の記事によれば、このLTCB・パートナーズ以外に手を挙げたグループの中には、債権回収による利益が主たる目的で、必ずしも長銀の再生によることを期待できないようなグループもあったかのような報道もされています。これはいろんな意見の立場のことでしょうから、実際の事実関係まで私はわかる立場ではありませんが。 ただ、ここで質問させていただきますけれども、要するに、仮にLTCBの出資グループが、もう新生長銀を手に入れたら、そこにある財産は食いつぶして、さらに逃げていってしまえばいいんだというような考え方でどんどんやりたい放題やられたという場合に、仮にそういうような場合に、預金保険機構の方はこのLTCB・パートナーズに対してどのような防止の手だてを講じることができるのか、あるいはそれによって生じた損失を回復することができるのか、その点のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(谷垣禎一君) だから、それは契約で向こうに義務を負わせているわけです。 それで、委員は性善説ばかりに立つわけにはいかぬというお考えかもしれません。確かに、当時の再生委員会の議論に私直接関与しておりませんから、後から聞きますと、やはり今委員がおっしゃったのは、いわゆるハゲタカファンドみたいなものであっては困るではないかという御指摘だろうと思います。この点もいろいろな議論があってこのような結論になったわけでございますが、もう一つ御理解をいただきたいことは、やはり長銀を売却しますときに、娘にお婿さん候補がもう引く手あまたというようななかなか状況ではないということが一方であるわけなんでございます。そういう中で、言うなれば一番有利な条件は何かということを求めてこの結論を得たということも御理解をいただきたいと思っております。
○小川敏夫君 幾ら売り先が少ないからといっても、国民が巨額な税金を投入した銀行をその利益を守りかねないような契約で売買するということはやはり大きな問題があると思うんです。 こうした議論の前提で一つ確認したいんですが、LTCB・パートナーズというこの買い主の会社ですけれども、これはどういう会社なんですか。いつごろ設立されて、どういう実績がある会社なんですか。
○政府参考人(森昭治君) ニュー・LTCB・パートナーズは、長銀をいわば譲り受ける、買収する目的を持って、そのために、たしかことしの一月だったと思うんでございますけれども、つまり最終契約、最終譲渡が決まった後で設立された投資組合と申しましょうかリミテッドパートナーシップでございます。
○小川敏夫君 そうすると、このLTCB・パートナーズというのは、長銀に出資した、いわば株式を買った十億円と出資する千二百億円以外に何の資産もない会社ですね。
○政府参考人(森昭治君) おっしゃるとおり、千二百億円をいろいろな投資家から集めて、そして千二百億円で二十四億株の資産を持っている、そういうリミテッドパートナーシップでございます。
○小川敏夫君 そうすると、ですから、何か事があった場合に国がLTCBに対して損害の賠償を求めたとしても、相手は何の資産も持っていないんだから、結局何の請求もできない会社ですよね。そうすると、先ほど浅尾議員が指摘されたように、なぜ、LTCBに出資している出資主体であり実際に資産を持っている会社に保証に参加させる等の、すなわちLTCBの債務不履行なり契約違反によって生じた損害賠償について保証させる手だてを講じなかったのか、これについてお聞かせいただきたいんです。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先ほど先生が資産は何もないと申されましたが、先ほど申しましたように、いわば長銀という、新生長銀という資産を持っている会社でございます。 そして、なぜその投資組合の先にある投資家に連帯保証のような保証をさせなかったのかという点でございますけれども、その点につきましては、預保の顧問弁護士、預保の渉外弁護士等の意見も聞いた上で、十分チェックした上で、これでいいということでそのチェックを経て最終契約書が承認されたわけでございます。
○小川敏夫君 だから、長銀という資産があるといっても、ですから、例えば長銀をここに書いてある売買契約に定めた条項を守らないで資産をさんざん食いつぶして逃げてしまったと。例えば、先ほど浅尾議員が指摘したように、長銀が出資者あるいはそういった会社の方に融資してしまって資産を流してしまうというような方法、あるいはもっといろいろ考えればどんな方法だってありますよ。そうやって長銀の資産を食いつぶしてしまって、長銀をまた破綻させてしまって、はいさようならということになってしまった場合に、この長銀以外に何の資産もない、一銭も持っていない会社だったら何の責任追及もできないじゃないですか。 ですから、そういったことのあらゆる場合に備えて、LTCB・パートナーズ側が長銀を買収するためにつくった組合であるなら、その出資者、実際の保証能力がある、信用能力がある出資者に対して保証責任を負わせるべきではないかというのが浅尾議員の指摘だと思うし、またそうするのが本来の契約のあり方だと思う。しかし、それをやっていないというのは、これは大変にこの契約のあり方について大きな落ち度がある。少なくとも、国民の財産を危険にさらしている、そのさらされた危険を回復する手だてがないという欠陥契約だと私は思うんですが、この意見についてどう思いますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどと違う御答弁ができるわけではありませんけれども、先ほど事務局長が御答弁いたしましたように、長銀というある程度、ある程度というか、一回は破綻をいたしましたけれどもうみを取り払ってすっきりさせた大きな金融機関が日本の中にあって、それに対して我々は監督手段を持っているということでございます。それを売り払うかどうか、これは性善説に立つか性悪説に立つか、いろんな見方があろうかと思いますが、やはりこれに対して種々の監督手段を持っているということは、全く何もないという話とは私は雲泥の差であると思っております。
○小川敏夫君 同じ議論をしてもしようがありませんが、そういう行政の監督権限が売買契約を履行させるといういわば預金保険機構とLTCBの一つの契約関係、これを実現させるかどうかという問題と、そういう行政庁の監督行政というもの、これはおよそ筋が違う問題だと思うんですよ。少なくとも、売買契約における違約に関するそれを担保する手だてがないということを、これを行政の監督権限で実現させようというなら、それはおよそお門違いな話だと思うんですが。
○国務大臣(谷垣禎一君) これも何度も同じことを押し問答のように申し上げるのは恐縮でございますが、監督権限と契約上の義務を履行させるものがパラレルに結びつかないというのはそのとおりでございます。しかし、これだけの規模の金融機関というものがやはりこの契約を履行させるときの最終的な担保になっているわけであります。 そして、この金融機関に対して我々は何も手法を持っていないというわけではありません。我々はこの金融機関に対して監督権限を持っているわけであります。確かに契約上の義務を履行させるのは行政府の役割ではありませんで、これは司法府なりなんなりの役割だと思いますが、少なくとも最終的な担保であるこの長銀という資産に対して我々は監督権限を持っているんだということを申し上げたいと思います。
○小川敏夫君 では、もっと具体的に生の事実で聞きますが、急激な回収をしてはいけないという契約条項があります。これを破って急激な回収を新生長銀が行った場合に、これを行政が監督できるんですか、法律上ですよ。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 一つは、私先ほど申しましたように、じゃこれを破ったら、リーガリー、法律上はどういうふうになるのかということになれば、これは向こうは表明しているわけでございます、三年間の間は急激な回収をしない、売却をしないということをしているわけでございますから、当然、向こうには表明責任が発生しているわけでございますから、当方は損害賠償請求ができるものと考えております。ただ、その前に当方は、二千四百億円の公的資本の注入をしている銀行でございます、したがいまして経営健全化計画のフォローアップという形で半期に一度その経営状態を見られるものでございますので、そういうところからもいろいろなことが長銀というものに対して言える。その長銀の先にある株主がニュー・LTCB・パートナーズ社でございますけれども、そこに言えるというふうに我々は考えております。
○小川敏夫君 全然、何か支離滅裂な、あれこれつなぎ合わせて何の答えにもなっていないんですけれども。要するに、契約が履行されなかった場合に何の手だてもない、法的な意味では何もないということだと思うんです。 同じような観点から別のことも聞きますが、例えばこのLTCB・パートナーズが近々にこの株を、千二百億円投下しているわけですけれども、それより高い買い手があった場合に株式を売ってしまうことはどうなんでしょうか。これは禁止されているんですか、認められているんでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 契約書の一つの条項からいえばそれは特に禁止はされておりませんけれども、その前文におきまして、「長期的な視野から投資を行い、成長力のある銀行として長銀を運営する目的で長銀の株式を購入する意図を表明」するということを前文に書かせております。したがって、そういうむしろ長期的な投資ということを前提にしているということを向こうが述べ、それを前提にパートナーズ社を売り渡し先として選んだわけでございます。
○小川敏夫君 だから、そういう目的で株をLTCBに売ったのであれば、これは契約のイロハとして、株式をある期間譲渡してはいけないと、少なくとも長銀を運営する目的で長銀の株式を購入する意図を表明したというのだから。しかし、前文じゃこれは法的拘束力はないですよ。だから、やはり契約の本文の中の条項でこの趣旨を実現する条項を盛り込む、そしてさらにそれが違約されたらどうするのかと、それを決めるのがまさに契約じゃないですか。 ですから、浅尾議員が、これは本当にひどい欠陥契約だ、欠陥という言葉を使ったかどうかは別にして、ひどい契約だというふうに言っておるわけですけれども、私も全くひどい、国民の財産を全く危険にさらして何の反省もないひどい欠陥契約だと思っておるわけですよ。 ですから、じゃ、LTCBが近日中に千五百億円でだれかに売っちゃって、もう後は知りませんと言われても、それを防止する手だては全くないわけですね、法律上。
○政府参考人(森昭治君) 先生の御指摘のような御指摘はそれは可能かと思うんですけれども、現実の交渉は、当方の弁護士、公認会計士、先方の弁護士、公認会計士の間でいろいろぎりぎりの交渉をしたわけでございまして、国側にとって一〇〇%満足すべき主張というのはもちろん最初はありました。しかしそれが、先方との交渉事でございますし、先ほど大臣が申されましたとおりにお嫁候補がたくさんあるというような主体ではないわけですから、そういうぎりぎりの交渉の中で折り合ったのがこういうところであるということについて御理解いただきたいと思います。 ただ、一つ言えますことは、今先生は株を売った場合云々というお話をされておりますけれども、一番の目的はこの新生長銀というものがしっかりした銀行として再生されていくということが一番重要であると我々は考えておりまして、そういう観点から、資本注入の裏返しであります経営健全化計画をしっかり見ていくということが重要なことであると考えております。
○小川敏夫君 だから、新生長銀をしっかりとした形で立ち直って運営してもらうということが一番の目的でしょう。であれば、それに反するような行為は禁止しなくちゃいけないし、それに反するような行為が行われたら、それに対する何らかの手だてを講じておかなくてはいけない。それがまさに契約の本筋だと思うんですよ。 しかし、LTCBが株を売っ払っちゃったって少なくともどうすることもできません、あるいはさっき言ったようにLTCBがこの定められた条項を無視して新生長銀の財産を食いつぶして逃げちゃったといっても何の責任追及もできないと。これはひどい契約ですよ。何か顧問弁護士の意見を聞いたからいいんだみたいなことを言いますけれども、私も弁護士として言えば、本当にひどいですよ、この契約は。
○国務大臣(谷垣禎一君) 何の責任追及もできないというのは私は少し違うのではないかと思います。行政の持っている権限は先ほど申し上げたようなことでございますが、やはりそこに司法というのもあるわけですよね。だから、何の責任追及もできないというのは、やっぱり私は違うんだと思います。 それで、やはりそこに、先ほどから繰り返し申しますが、長銀というものがここにあるわけですね。最後にそれが担保になっているわけです。そして、司法という道も開かれているわけです。 ですから、今おっしゃったように全く欠陥があるというのは、私はそういう見解にはくみしないというふうに申し上げたいと思います。
○小川敏夫君 それは委員長がくみしてくれなくても結構ですけれども、しかし少なくとも私が指摘した危険について対処できないような契約だということは事実だと思いますよ。 じゃ、私の見解にくみしないというのなら結構ですよ。だけれども、今言ったようにLTCBがこの契約の趣旨に反して株を売ってしまったらどうするんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 趣旨に反してというふうにおっしゃった、その趣旨に反してということですが、どこかの段階で行く行くこの銀行が立派な銀行になって株の値段もうんと高くついて、それでその段階でパートナーズが仮に売るというようなことがあって立派な経営者に譲り渡すのなら、それはそれで金融機関として十分成長してパートナーズも利益をおさめたということがあるかもしれません。それは、私はこういう契約を結んでいるんですからすぐあっていいとは思っておりませんけれども、将来にそういうことがあること自体までノーと言う必要はないんではないかと、私、これは金融再生委員長というよりも個人としての見解でありますけれども、そう思っております。
○小川敏夫君 何の質問にも答えていないじゃないですか、私の質問に。 ですから、将来新生長銀を再建して立派にしたいという趣旨が契約の趣旨だと言っておるわけですよ。そうなったときに売ることは、株式を上場するなりなんなりして売ったって構いませんよ。しかし、私が聞いているのは、いいですか、そういう趣旨に反してLTCBがあしたにでも株式を売ってしまった、あるいは近々に株式を売ってしまったと。まさに契約の趣旨に反しているわけでしょう。しかし、もしLTCBが売ってしまったというような背信行為がなされた場合に、それをやめさせられない契約ですよね。それについて、再生委員長はこの契約は不備があるとは思いませんか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから申し上げておりますように、株を売ってはいかぬという条項はないわけですね。だから、そのいわゆる売り抜けをしたときの、何と申しましょうか、制裁といいますか、法律違反というものはこの契約上はないわけでございます。 ただ、その場合でもこの契約に定められた条項を破ってやれば、当然のことながらそれは契約違反になるわけです。
○小川敏夫君 条項を破っていないじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いやいや、売ること自体は、売ること自体はいかぬとは書いておりませんから、そのこと自体に契約違反はないわけですね。 そうすると、それは何を追及せよとおっしゃるんでしょうか。
○小川敏夫君 何か支離滅裂な答弁をされても困りますよ。 だから、いいですか、契約の趣旨は再三言っているように長期にこの新生長銀を経営してもらって立て直して取引先も守るという趣旨ですよね。それがこの契約のあり方の趣旨だと言っておるわけです。それはお互い認識が一致しているわけですよ。私が聞いているのは、LTCBがそういう趣旨を破って近々に株を売り抜けてしまった場合に、それはこの契約書上の趣旨は守られないことになりますよね。しかし、LTCBがそういうことをやってはいけないということの禁止条項は入っていないわけですよ。
○国務大臣(谷垣禎一君) それは、先ほど事務局長が御答弁申し上げましたように、前文に長期にわたってということが書いてございます。それでこれは、契約の趣旨と申しますが、この契約の趣旨が契約内容にどう入ってくるか、これは解釈の余地があろうかと思いますが、私はそういう意味での契約の前文には反していると思います。
○小川敏夫君 前文に反しているけれども、しかし契約条項に禁止されていないから売られてもしようがないというのが、委員長先ほど答えたでしょう。だから聞いているんですよ。そういう前文の趣旨に反しても、条項で具体的に禁止していないから、LTCBが売り抜けて株を売ってしまった場合にどうするんですか、それを禁止できますか、できないですね。それから、それに対して損害の賠償請求できますか、少なくともできないですねと聞いているんですよ。
○国務大臣(谷垣禎一君) それは、先ほど、売ること自体はできるわけです、売ること自体は禁じておりませんから。 ただ、個々の、先ほど申し上げたようないろんな誓約やらなんなりに反している場合は、これは当然損害賠償ということがあり得るわけでございます。
○小川敏夫君 そこで、いいことを言いましたね、損害賠償を請求できると。 しかし、実際にその損害賠償請求して、現実にその損害賠償請求金を確保できるだけの手だてが講じてありますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) それは、売った場合には当然代価が入るわけでありますから、それをどう確保するかという司法上の問題になろうかと思います。
○小川敏夫君 現実に裁判になって判決をとったって、それを執行するなりして回収して初めて被害の回復ですよ。ですから、LTCBという会社が株を売ってしまった、代金があると。しかし、当然損害賠償請求権があって損害賠償請求ができるという権利があったって、それを現実に回収してこなければ損害は補てんされないわけですよ。 そこで聞くわけですよ。先ほど出てきたわけで、LTCBというのはほかに資産がない会社ですよね、そして出資者も保証はしていないわけです。ですから、再三繰り返していますけれども、これは契約の趣旨に反する行為をされても、それをとめることができないし、またそれに対して、具体的にそれによって生じた損失なり損害を実際に回収する、そういった担保機能あるいは保証的なものについての規定がない欠陥契約だと私は言っておるわけです。 次に、それに関連して例えばもう一つ、非常に私はすらっと読んで買い主側に都合がいいなと思うのは、今度は新生長銀、これまでの長銀が保有している株の処分のことであります。いろいろ区分があって、一月三十一日時点の評価を基準にして、市場で売るかあるいは預金保険機構が買い取るかというような区分けした取り決めがなされています。 それで、私が思うのは、株が一月三十一日の評価よりも上がった場合には、これはその利益は新生長銀に入る、すなわちその出資者のLTCBの利益になると思うんですが、株が下がった場合にはこの一月三十一日の評価で預金保険機構が買い取ると、こういう規定に読めるんですよ。そうしますと、株が上がった利益はLTCB側に入るけれども、株が下がった場合にはその損失はLTCBは負わないで預金保険機構が負う、このような契約に読めて、随分買い主側に一方的に有利な規定じゃないかと思うんですが、そこのところはいかがですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 長銀の保有株式の売却方法でございますけれども、株は毎日毎日動くものでございますから一つのルールを決めたわけでございますけれども、そのときに基準日を一月三十一日の株価ということに決めたわけです。 先生御指摘の点は、それから後の上がり下がりということでございますけれども、これはフィフティー・フィフティーのリスクだと考えれば、預保が持った、預保に売られるわけですけれども、預保に売られた後それが上がれば預保の含み益になりますし、下がれば預保の含み損になります。
○小川敏夫君 何かちょっと質問に答えていないんじゃないですか。 市場で売るか預保で売るかという選択があるわけですよ。ですから、高く上がれば市場で売りますよ、しかし下がれば預保に引き取らせますよ。ですから、上がれば上がった分の利益はLTCBに入る、下がった場合には預保に引き取らせて預保の方に損失が生じると、こういうことを聞いているわけですよ。今、答えが違うんじゃないですか。
○政府参考人(森昭治君) 事実を申しますと、二千五百億円の含み益の実現という意味におきましては、全株を預保に売っております。市場では売っておりません。
○小川敏夫君 この「長銀保有株式の売却方法」というのを見ますと、クロージングの後に、「含み益の実現により長銀の自己資本比率を四%以上とするための上場株式」の売却は、「クロージング後に市場又は預保に売却」、こういうふうに説明資料があるんです。 〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕 あるいは、「二千五百億円の含み益を有する株式のうち上記Aとは関係のない上場株式」、これは「実行日から九十日以内に市場又は預保に売却」とあるんです。 ですから、クロージングの日以後に市場または預保に売却という、そういう取り決めになっているんじゃないですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 パートナーズ社の方は確かに市場でも預保でもよかったわけでございますけれども、結果としてパートナーズ社はすべて預保の方を選択したと。クロージングのときであれクロージング後であれ預保に、第一次売却も第二次売却も預保に売るということになっております。
○小川敏夫君 契約のあり方として、今これは契約がされた後のもう四月ですから、事後的にでは預保に売ってしまったからよかったということかもしれませんがね、しかしこのときにもしこの持っている保有株が高騰していた場合、これはその利益はLTCB側に入った、こういう仕組みであった契約であるわけですね。ただ結果的には、預保が買い取ったからそういう問題は起きなかったという結果論だけであって、私が聞いているのは、契約するときにそういう虫のよさ、都合のよさが買い手側にあった契約の仕組みではないかと、こう聞いているわけですが。 契約の仕組み自体は私の指摘どおりでいいですね。
○政府参考人(森昭治君) パートナーズ社の方は二月七日にどちらにするかを決めたわけでございますけれども、市場に売却するという、例えば市場に売却したならという仮定でございましたら、先生の御指摘のとおり益の方も損の方もニュー・LTCB・パートナーズ社の方がかぶるということでございます。
○小川敏夫君 私は、その契約を結んだこの契約のあり方が欠陥契約だということの一つとして指摘しておるわけですよ。だから、契約したその時点のときのことを考えれば、以後に市場で売るか預保に買い取らせるかはこれはLTCB側に選択の余地があったわけですから、ですからその間に株が高騰していれば市場で売ってその利益を得たでしょうし、下がっていれば預保に売ったでしょうと。すなわち買い手側に都合のいい仕組みが残された、そういう契約の仕組みだったじゃないかと、こう聞いているわけです。これは意見の部分だから別にもう答弁もらわなくてもいいですよ。私の言っていることが、指摘が少なくとも客観的事実として明らかですから。 次に、時間の関係で質問行きますけれども、先ほど浅尾議員が質問したアドバイザー契約、長銀とゴールドマン・サックス社、それから日債銀の関係のモルガン・スタンレーのアドバイザー契約ですが、そのモルガン・スタンレーの方のアドバイザー契約に関しては、柳沢再生委員長の段階で、守秘義務がないと、守秘義務に関する条項はないような答弁をして、適時開示するような趣旨の答弁を前されていたんですが、その点はどうですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先ほども浅尾先生から御指摘があって私も一生懸命思い出したんですけれども、私は正直、議事録を調べさせていただきますけれども、柳沢元大臣がそういう御答弁をされたということは記憶にございませんし、また事実として守秘義務に関係する条項につきましては基本的に長銀と日債銀において変わりはございません。 〔理事須藤良太郎退席、委員長着席〕
○小川敏夫君 その守秘義務の書き方も、それは守秘義務と一言で言えば守秘義務かもしれないけれども、その契約の条項によってはさまざまなスタイルの守秘義務だと思うんですが、具体的にその守秘義務を定めた条項の書き方はどのような文章になっているんですか。もう未来永久に絶対見せないという、そんな守秘義務なんですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 委員の御指摘の点からすれば、そこの守秘義務と申しますのは当方のいわば守秘義務でございまして、そういう意味におきましては先方の合意があれば当方の守秘義務は解除されるわけでございます。 そういう意味におきまして、先ほども申しましたとおり、先方が今後のFA活動といいますかMアンドAの分野で活動していく中で、今の時点においてはFA契約等について開示することには反対であると、そういうことを言っている以上、当方からFA契約の内容を開示できない、そういう意味での守秘義務を当方の方が負っていると、そういう意味でございます。
○小川敏夫君 まず、国民の税金を使った契約ですよね。ですから、本来情報開示のルールということからすれば当然明らかにしなければならない。であるなら、なぜ守秘義務のあるような契約を結んだんだと、なぜ守秘義務を取り決めたんだと、私はこのように言いたいんですが、どうして守秘義務を定めたんですか。
○政府参考人(森昭治君) 守秘義務を定めたと申しますか、当方、国家公務員法の第百条におきまして守秘義務がかかっているわけでございまして、先方が秘匿性のあるものだとしているものについて客観的に見ても秘匿性があるというふうに認められたものについて、先方の合意がない限り国家公務員法上我々は開示はできないと、こういうことでございます。
○小川敏夫君 何か答弁が一貫していないですね。だって、ゴールドマン・サックスなりモルガン・スタンレーが見せてはいけないと希望する場合に見せてはいけない、先方が、モルガンなりゴールドマン・サックスがいいと言えば見せていい契約ですよね。だから、公務員法上関係ないじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この守秘義務の何というか仕組みですね、これはFA契約の中に守秘義務があるからというわけではなくて、先ほど事務局長が言いましたように、国家公務員法上我々は守秘義務を負っているわけですが、その守秘義務はどういう場合に守秘義務がかかってくるかということになるわけで、この場合は民間の要するに企業と一種の契約を結んでおりまして、それを明かしていいかというのは、これは普通の取引の中身でございますから向こうがいいと言えばいいわけなんでございます。それで、向こうがノーと、これはやっぱり表に出してもらったら自分の例えば営業上のノウハウや何かが傷ついてしまって困るという場合には出せないと、こういう仕組みになっているわけです。
○小川敏夫君 そうすると、アドバイザー契約の中に守秘義務を定めた条項があるんではなくて、一般の取り扱いだということですか。
○政府参考人(森昭治君) 守秘義務を定めた条項はあります。ありますけれども、向こうが守秘する義務、こういうものは向こうが守秘してくださいということを書いてあるわけでございまして、こちらの方が守秘する義務みたいなものがあるわけではございません。
○小川敏夫君 だから、委託者であるこちら側が守秘する義務はないわけですね、今の規定ですと。
○政府参考人(森昭治君) それは、そういう規定上から、契約の規定上から出てくるものでございませんで、先ほど申しましたとおり国家公務員法上から出てくるものでございます。
○小川敏夫君 であれば、これ国民が一つの銀行に四兆円近くもの税金を投入した銀行の処分に関するアドバイザー契約、しかもこの長銀に関して言えば大変な欠陥契約ですよ。そんなアドバイザー契約をした。まあ一般論からいえばそんな非常に国民の重要なというか高額な税金を投入した資産の処分に関する国民の関心が高い契約に関して、それを公務員法上を盾に開示しないというのは、これはそのあり方として非常に不適切だと思うんです。 それから、柳沢元委員長は未来永久に見せないんじゃなくて適時公開するときになったら見せると言っておりましたが、このアドバイザー契約の公表に関しては谷垣委員長はどのようにお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、国家公務員法上で我々も法上の守秘義務を負っているので、向こう側が出してもよいということになればこれはお出しできるけれども、それでは困ると言えば出せないと、こういう関係でございます。
○小川敏夫君 ただ、今の政府参考人の答弁ですと、別に向こう側が、アドバイザーのモルガン・スタンレーなりゴールドマン・サックスの側が守秘義務を負っているというだけで、依頼者の方が負っているわけじゃないということですね。 だから、そうしたアドバイザー契約の相手方の承諾がなくても、この国民の関心事から考えれば、重要性から考えれば、当然情報公開の趣旨からして公表すべきだと思うんですが、もういいですよ、議論してもしようがないから。ただ、柳沢元委員長は適時公表すると言っていたんですが、谷垣委員長はどうですか、これは将来もずっと公表しないんですか、それとも時期が来たら公表するというふうなお考えなんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは相手方が当分オープンにしてもらっては自分たちの営業上困ると言っておりますので、それはそういうことであろうと思います。
○小川敏夫君 長銀関係の質問はきょうはこの程度にさせていただきまして、きょう来ていただいた関係がありますので、残された時間を平成三年に発覚した富士銀行の巨額不正融資事件のことについてお尋ねします。 まず、金融監督庁の方に、質問の手順として、この巨額不正融資事件の概要について簡単に説明していただければと思います。
○政務次官(村井仁君) 平成三年の六月十七日でございますけれども、私どもと申しますより金融監督庁は当時の大蔵省銀行局の事務をそのまま引き継いでいるという立場で申し上げますけれども、大蔵省銀行局に対しまして富士銀行から、役席行員が架空の預金証書等を作成し、それを用いて不正にノンバンク等から資金を引き出したという第一報を受けたわけでございまして、その後、その事後措置や人事処分等について一連の報告を受けてきたと、こういう立場でございます。 その後、累次にわたる国会審議における御質問や御指摘を踏まえて、私どもとしましては、その都度富士銀行から報告を受けるとともに、必要に応じ関係書類等の確認を行ってきているということでございます。
○小川敏夫君 その不正に処理された金額は幾らで、それで実際に実損として生じた損失は幾らになるんでしょうか。
○政府参考人(乾文男君) 発覚時における不正融資金額は二千五百七十億円というふうに報告を受けておりまして、その後その数字がふえたということは報告を受けておりません。
○小川敏夫君 実損額が二千五百七十億じゃないですか。不正総額はもっと、六千億円というような話をこれまで聞いていたんですが、違いますか。
○政府参考人(乾文男君) 一部において六千数百億円というような報道がされているようでありますけれども、私どもはその金額の根拠は全く承知をしておりません。
○小川敏夫君 警察庁の方にお尋ねしますが、刑事事件として立件した金額は幾らになるんでしょうか。
○政府参考人(林則清君) 先生のおっしゃる事件は、富士銀行赤坂支店を舞台にした不正融資をめぐる多額詐欺事件ということで警察では事件検挙を行っておりますけれども、これで立件送致した額は八百二十一億円が正確なところでございます。
○小川敏夫君 この犯罪資金の中で、結局その犯罪によって詐取された資金の中で、尾花万里子というところに資金が流れている、それが十三億円も流れていると、こういうふうに言われているんですが、そのことについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(林則清君) この事件に関連いたしまして、議員が御指摘のような報道が、そういった内容の報道がなされていることは承知しておりますが、立件に至らなかった個別の事案について警察がその内容を云々するということについては答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○小川敏夫君 ただ、八百二十一億円の事件について立件したわけです。一般に犯罪によって得たお金が何に使われたのかということは、これ一般的に捜査すると思うんですよ。そうした場合に、この立件されたお金の中で尾花万里子という人に流れた資金があると思うんですが、この点についてはいかがですか。
○政府参考人(林則清君) この詐欺で立件された中に、さらにそのお金がどこへ流れたかということの具体的な内容についてはお答えを差し控えさせてもらいますけれども、そういった詐取した額のさらに流れたもので刑事事件性のあるものについては当然捜査を十分尽くしておるということでございます。 それから、私の承知する限りでは、立件されたものからさらに流れたものに議員御指摘のものはなかったと記憶しておりますが。
○小川敏夫君 この八百二十一億円の中で実際に流れたものも何千万円単位で既に公開の裁判で明らかになっていると思うんですが、ただ、実際の実損二千五百七十億円の中から立件されたのが八百二十一億と。立件されなかった事件の中から流れた金が中心だと思うんですが、そうするとこれ、一部のジャーナリストの見方によれば、なぜ立件しなかったのか、それは結局尾花万里子に流れたお金の解明を避けるために政治的な処理がされたのではないかと、このように言う者もいるわけですが、そうした考えについてはどうですか。
○政府参考人(林則清君) 本件の事件に捜査に着手しまして、法と証拠に基づいてその立件すべきものにつきましてはすべて立件送致したということでありまして、今先生御指摘のような何らかの捜査外の配慮によって立件できるものを立件しなかったというような事実は全くないものというふうに承知しております。
○小川敏夫君 この不正事件は、ウラウス・リゾートという開発公社、花田某というのが関係してくるわけでございますが、これで保安林の指定解除というものが一つの焦点となったんですが、林野庁にお尋ねしたいんですが、このウラウス・リゾート関係で解除の予定告知までなされたと聞いておるんですが、実際のその手続の結果について簡単に説明してください。
○政府参考人(伴次雄君) 本事案につきましては、平成二年六月二十日に当会社から保安林の解除申請が提出されております。そして、五十四日目に当たります同年八月十三日に保安林の解除の予定告示を行っております。
○小川敏夫君 この事件に関して、そのウラウス・リゾート開発公社をやっていた花田敏和ですが、林野庁OBの松岡利勝議員に八百万円を渡していたというようなことが言われているんですが、そこら辺のところ、警察庁では捜査したのかどうか、あるいはどのように把握していたのか、お聞きしたいんですが。
○政府参考人(林則清君) 議員御指摘のような報道等がなされたことは承知しております。 それで、具体的な事件について捜査をしたかしなかったかということは、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○小川敏夫君 終わります。
○笠井亮君 今回、まず預金保険法改正案について伺いたいと思います。 現在の金融早期健全化法による資本注入と金融再生法による特別公的管理は、二〇〇一年三月までに終わるという時限立法とされております。 それが、今度の法案では、金融危機への対応ということで、先ほどもありましたけれども、一つは特別資金援助、二つ目に資本増強、そして三つ目に特別危機管理という三つの仕組みがいわば期限なしに用意されている。政府の説明では、あくまでシステミックリスクにつながるおそれのある場合に金融機関の危機を救うためとしております。 そこで、まず伺いたいんですが、本会議で総理は、我が国の金融システムは安定してきている状況にあるが、今後、将来にわたって危機的な事態が起こる可能性を否定することはできないと答えられて、大蔵大臣も先ほども一種の非常事態の規定だと、戒厳とか緊急勅令というものがないから、大きな金融危機が発生したときにどうするか、しょっちゅう起こってはならない事態、めったにあってはならない、しかし法的にはそういうものをつくっておくんだというふうにおっしゃいました。 そこで、まずちょっとこの辺いろいろただして伺っておかないと、私もどうもよくわからないところがあるのであれなんですが、大蔵省で結構なんですけれども、システミックリスクの態様として具体的にどういう場合が想定されているのかということについて御説明いただけないでしょうか。
○政務次官(林芳正君) 先ほども御議論があったところでございますが、システミックリスクは具体的にどういう場合かという御質問だったと思いますが、後ほど申し上げますけれども、さまざまな局面が想定をされるということで、定義を具体的に法律に明記するというのはなかなか困難であるということを御理解いただきたいと思うんです。それは万が一の事態に備えておくものですから、仮にその要件をこれとこれとこれというふうに書きますと、それ以外のことが起こった場合には使えない、こういうことも想定されますのでこういう表現ぶりになっております。 具体的に例えばということで申し上げますと、ほかの金融機関の連鎖的な破綻が発生するような場合ですとか、連鎖的にほかの金融機関の資金繰りが困難になる場合、またあるいは大規模な貸し出し抑制や回収等資産の圧縮を進める動きが生じるようなおそれがある場合、こういうことが例示としては挙げられるわけでございますが、このような場合には、信用秩序が混乱することによりまして我が国あるいは当該地域全体の金融機能が不全に陥りかねないということで、実体経済への悪影響も懸念されるような事態ということでこういうことが考えられるということでございます。
○笠井亮君 そうすると、今例示として具体的に三つ言われたんですけれども、これはそれぞればらばらに起こった場合についてもシステミックリスクにつながっていくということで該当するのか、それとも、幾つかありまして、他の機関に波及するとか、連鎖的だとか、大規模な貸し出し抑制その他ということがあったんですが、このすべてが起こった場合というのか、いわばオアなのかアンドなのかというあたりはどんなふうなことで考えたらいいんでしょうか。
○政務次官(林芳正君) 今のはあくまでも例示でございますが、今の御質問にお答えするとすれば、多分いろんなことが起こって連鎖的にいろんな一、二、三と今申し上げたようなことが同時に起こるような可能性が多いとも思いますけれども、それぞれ一つでも、要するにオアということで、それぞれ一つが起こったとしてもこの定義には該当するのではないかということでございます。
○笠井亮君 大蔵大臣に伺いたいんですけれども、そうしますと、一つでもということになりますと、今のようにと言うのがいいのかわかりませんが、大銀行が大規模に融資を減らしている場合についても、大規模な貸し出し抑制、回収等資産の圧縮を進める動きということでシステミックリスクということになり得るのかどうか。そうなると、不況の局面というか、いろいろあると思うんですけれども、そういう問題がある意味では常に起こり得る。 大蔵大臣が御説明いただいて、めったにあっちゃいけないとか何十年に一回とか、それもあってはいけないんだ、万が一のことだということをおっしゃるんですけれども、ニュアンスがちょっと違うんじゃないかと思うんですが、その辺はどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、たまたまこの何年間かで公的資金の導入なんかいたしましたから、何かその続きのことではないかという連想を持たれる方が多いと思いますけれども、そういう意味ではなくて、先ほども申しましたような意味で、そういう非常なパニッキーな状態にあったときにどうするのかということを定めておりますし、先ほど政務次官が言われましたように、したがって、具体的にはなかなか包括的に、インクルーシブに定め得ないものですから、こういうふうに書いております。 今のようなというのはどういうことをおっしゃいますか、この何年間かという意味でしたら、これは一種の、何と申しますか、こういう金融危機に対する非常的な措置を用いずに立法と予算措置によって解決してまいりましたから、こういうことをこの法律で言っておるというふうには私は思いません。
○笠井亮君 私の質問があれだったかもしれませんが、例えば大規模な貸し渋りの状況、資金回収ががあっと行われるというような状況の局面ですね、これはいろんな要素があるかもしれませんが、不況の局面でそういうことが起こり得る可能性があると。そうなった場合に、先ほど一つでも該当すればこういうこともあり得るんだというふうなお話があったものですから、そうなると、この間続いてきたようなことと違って、連想されるかもしれないけれどもそういうことじゃないんだと言うんですけれども、そういう場合もはまるんじゃないかというふうに思って、ちょっとその辺のことがよくわからないんですが。
○国務大臣(宮澤喜一君) この間うちのこの何年間かの場合が大変な危機でございましたけれども、いわゆる取りつけ、ふだん申しますが、取りつけみたいな状態がわあっと起こったと、こういうことではなかったように思いますから、それに対する緊急的な措置がその日に必要だといったような、最近で申せば昭和二年のような状況がこれに似ているかと思いますけれども。
○政務次官(林芳正君) 先ほど言葉足らずだったかもしれませんが、委員が今大規模な貸し出し抑制、回収等資産の圧縮を進めるというところだけをとらえまして、そういうことが起こった結果、先ほども申し上げたんですが、こういうような信用秩序が混乱をしまして我が国またはその地域の金融機能が不全に陥りかねなくて実体経済への悪影響が懸念されるような事態というのが全体でございまして、先ほど申し上げたこれが起こることによってこういうことが起こるというところまで含めて判断をするということでございます。
○笠井亮君 そうすると、昭和二年とかということだけではなくて、もう少しいろんな可能性が起こり得るというふうに私は思うんですよね。 しかも、今度の場合はおそれがあるときというふうになっているので、私も思い出して、九七年秋からの山一、拓銀の事態以来、九八年一月八日、正月早々に参議院の大蔵委員会でもこの問題は議論して、ジャパン・プレミアムの問題、それから長銀、日債銀と。そして、この間の経過というのが時限措置ということでやられてきてあったわけです。 大臣は連想というふうに言われるかもしれませんが、私が今理解した範囲では、かなり幅広いいろんな範囲で、しかもそのどれかにひっかかるおそれがある、それが今最後に林次官が言われたような形で全体の信用秩序の低下につながるということになりますと、危機的な事態ということで例外措置をとれるということになる。 そうするとやっぱり、総理は通常の破綻処理の枠組みでは対応できないことも予想されるので万が一に備えて例外的な措置が可能になるようにしておく必要があるというふうにおっしゃったし、大蔵大臣もそういうニュアンスのことでおっしゃたんですが、それではまさにこの間の緊急、そして時限措置だと言ってきたことを、枠組み、形を変えて、恒久措置ですけれども、恒久化と、そしていろんなあらゆる事態に対応できるようにと、こういうものになってくるのではないかということを非常に思うんですね。 それで、ちょっと具体的に聞いてみたいと思うんですけれども、例えば預金保険機構による株式等の引き受けによる資本増強というのが今度の金融危機対応の中であるわけですけれども、この問題で見てみたいと思うんです。 これについて見ますと、これまでは期限を切ってすべての金融機関が申し込むことができる、手を挙げることができるとなっていた。ただ、今度は、私が理解している限りでは、金融危機対応会議の議を経て内閣総理大臣の認定を受けた金融機関のみが定められた期間内に申し込むことができるというふうになっていると思うんですね。 そうすると、この認定ということが大きくなってくると思うんですが、これも衆議院でも議論があったのを私も読んで承知しているんですが、この基準は何かというのがやっぱり非常にまだわかりにくいと思うんですね。これについてはどういうふうに考えたらいいんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは総理大臣が会議を開いて、あの銀行を補強しなきゃこれは危ないなと、そういう、これが認定です。
○笠井亮君 そうすると、法案でも百二条で「金融機関」と書かれている。今までは手を挙げてやってきてそれを受けるのとは違って、対応会議の方からおまえのところはこれは受けるべきだ、病気だから危ないよということで認定を受けなければ申請できないということになるわけですね。 そうすると、この特定の問題は、ある単数または複数の銀行だけを認定してそこに資本増強をする、こういうことで理解はよろしいのですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 危機を解消するための最小限の措置をとるということですから、私もなんと言っても、おまえなんかは関係ないということになると思います。
○笠井亮君 しかし、そうしますと、その特定をすると、今度は認定されたところは危ないということで短期資金がとれなくなるとか預金の引き揚げが起こるとか、当該銀行が直ちに破綻につながってしまう。実際には、全体に網をかけないと信用秩序が低下している中でそれが引き金になってということになりかねないということだと思うんですよ。 現にこの間のやり方でも、私も振り返ってみて思うんですけれども、結局は資本注入やってきた経過を見ても、要らないと言っていた東京三菱なんかも結局横並びで資本注入する。そういう横並びでやらないと、これはどこだけが危ないよと言われても、そこが標的になって、それが全体のパニッキーなことになるということでなっていたと思うんですけれども、やっぱり同じようなやり方をとられるということですか。 それとも、やっぱり結果的には横並びになる、あるいは認定のときにおまえのところということをもっと広く、おまえのところというのは要するに統合合併の中で、どれだけの大手行があるかわかりませんが、銀行でいうとおまえのところ、おまえのところ、おまえのところと、言い方は悪いですけれども大臣がおっしゃったので、この銀行、この銀行という形でこう全部認定するという結果になるのか、その辺はどういうふうに考えたらいいんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、そういう状況で常識的に考えればいいことでございまして、確かにあの銀行は手当てしなければ危ないなということはわかりますから、それを手当てすればいいのであって、あっちの方まで手当てする、あっちからも話があるといったような状況ではないわけですから、せんだっての公的資金導入とは全く状況の違うこと、第一、目的が違いますから。
○笠井亮君 私が思うのは、特定のところを公表することによって、あなたのところは病気ですよということを広く世の中にすることによって、それがさらに事態を大きくして一気に危なくなることにならないかと。この間もそういうことで結局は横並びの資本注入という形になったのではないかと思うんですけれども。 あるいは、その金融危機対応会議で、おまえのところと言うとまたあれですけれども、あなたのところは受けるべきですよと認定をしたときに、それは直ちにその時点では公表しないと、広くは。そして資本注入する。後で一定期間安定したら、あのとき実は入れたんですよということでやるんですか。それとも、もう直ちに認定して、直ちに公表して、期限を設けてその期間に申し込みをさせる、国民も認知し、国会もみんな知っているという形になるんでしょうか。ちょっとそこら辺が。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはもう少し考えてみないとわかりませんけれども、普通考えますと、相手は国民でございますから、預金者、銀行の前へつながる人ですから、行ったときにはもうすぐ幾らでもお札はありますという状況にしておかなければいけないのが普通だと思います。言っておいて、行ってみたらお金がなかったなんというようなことをしてはいかぬので、言ったときにはもう心配ないと、銀行へ来なくてもいいという状況になっていなきゃおかしいと思います。
○笠井亮君 ということは、認定したときから大丈夫な状況までの間には国民には知らされないということですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 知らせるということです。
○笠井亮君 ちょっとその辺がよく私理解できないんですけれども。公表されて、ここは危ないよとなって、国民がそこに行ったときにはもう既にあるわけですよね、大丈夫だという状況ですから。そこには注入されて大丈夫な状況になっているということになっていなきゃいけないと思うんですけれども。ですから、認定した時点、その辺はどういうふうな形になるんですか。認定して、すぐ国民は知るけれども、すぐ行ってもまだ注入されていないということになりませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そんなに難しくお考えいただくことはないんで、どこかの銀行が危ないよといううわさが出ることがありますね。それで人が並んだりする。もうそのときは、あそこには金を入れましたと、そうしておかなければだめでございますから。それはごくごく常識的にやられることで。
○笠井亮君 随分私が考えているのと違うんですけれども。認定をするわけでしょう。内閣総理大臣がその後でもう同時的にやっちゃうわけですか。それでは、一定の期間、この法案を見ますと期間内に申請をさせるというわけですけれども、それはもう瞬間的に認定してすぐやらせて、そしてもう入れちゃっていると、そういう法案なんですか、これ。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはどこだって何ぼかはお金持っていますから、来ても、すぐ今度は政府が全部応援に出るとなればそれでもう騒ぎはおしまいになりますから、初めっから一文も金がないなんということはあり得ませんので。
○笠井亮君 この辺が、初めっからないというわけじゃないけれども、危ないから認定をするわけですよね。そして、期限をつけて、その期間内に申請させて、入れるわけでしょう。この辺のところがちょっと非常にわかりにくいですよ。
○国務大臣(宮澤喜一君) 申請させて入れるというと、何かその間に時間がたつようですけれども、そんなことは瞬間的にできるわけですね。そういう状況が出たら、銀行が言ってきた、大変ですと言ったら、よしと言ってやればそれで済んじゃうように思いますね。行政的にそんなに時間がかかったり、形式的にいろいろ手続を踏まなきゃならぬということじゃないと思いますね。
○笠井亮君 形式的な手続じゃないんですよ、これ。厳格にやるから大丈夫だと言われているわけですよ。金融危機対応会議の議を経て、内閣総理大臣の認定を受けた金融機関のみが定める期間に申し込むことができると、そして国会にも報告するというふうになっているわけです。そして、今回は厳格にやるから大丈夫なんですというのを繰り返し言われているわけです。 ところが、一瞬のうちにやっちゃうと、国民が知らないうちにですよ。実際どういう状況になっていて、そして注入していいのか。それは、こんなところに入れていいのかというのはこの間いっぱいありますよね、経営状態の問題とかその他含めてですよ。だけど、とにかくこの銀行はもたせるんだということの前提に立てば、もちろんとにかく危ないとなったらすぐ入れちゃう、何が何でもすぐ入れちゃうと。そして、国民が行ったときにはもう大丈夫ですという状況になっていることになりますけれども。 しかし、問題は、この間さんざん問題になってきたのは、金融機関の行動というのは、じゃ、すべていいことをやってきたかというとそうじゃなくて、やっぱりいろいろ問題がある中で、それは危なくなる原因がある、そして要因があると。そしてそういう銀行に対して公的資金を注入するのがいいのかどうかさんざん議論してきたわけですけれども、今度はとにかく、今大臣のお話を伺いますと、ここは危ないぞ、これが危ないということになったら全体が危なくなって信用秩序が下がるおそれがあると、そうなったら瞬間に入れる、もうそこは時間かける必要はない、手間かける必要はないと。 これは、国民が知らないうちに公的資金を入れていた、それで後で国民はあそこに入っていたことがわかったと。つまり、危ないなといううわさがあったとさっきおっしゃいました、おっしゃって、いつの間にか元気になっていたと。なぜかなと思ったら、我々は知らなかったけれども、国会も知らなかったけれども、ここには公的資金が入ってちゃんと手当てがされていましたと。しかし、そこは後から見たらこんな乱脈経営をやっていると。こんなところに入れていいのかといういっぱい問題があるところについて危機対応会議で入れた、そして助けてあげたと。それは金融秩序の維持のため、信用の維持のためと。さんざんその理屈は私も伺ってきたんですよ、この間ずっと長銀、日債銀についても。 そこを本当に今やらなかったら大変なことになるということでさんざんおっしゃってきて、そして長銀問題が日債銀問題があり、先ほど来議論があって、契約の問題とかその他いっぱい問題があって、それも譲渡された後あるいはするに当たってもたくさん問題が起こっているような、こんなところに一体どうして入れたんだと、そして入れてこうやったけれども返ってこないとかという問題がいっぱい起こっているわけです。 今回はもっと即効性があって、とにかくこの銀行が危ない、入れるというふうになったら、ぱっと入れて、もう即断即決で、手続も一定期間というけれどもすぐやって、例えば金—月になるかもしれませんけれども、そうなると、金曜日に危なくなったときにすぐ対応会議を土日にやって、月曜日までに金を入れて、月曜日に国民が行ったときにはもう十分になっている、安心してくださいと、こういうことなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に申し上げましたように、最近にこの何年間かああいうことがございましたものですから、その連想でお考えになっておられるんだと思いますけれども、これは一種の非常事態に対応することでございますから、火事が出たら消防が行けばいいんで、欠陥住宅かどうか調べてからやろうなんて言っているわけじゃないわけで、その銀行の経営が悪かったということは後からまた言えばいい話で、経営を調べてからなんということはこの場合の想定ではありません。
○笠井亮君 厳格にやるとか国会にやるから大丈夫とか、さんざん言われてきました。それから、今までと違って今度は検査、監督もやるんだと、しっかりやるから大丈夫だということを言われてきましたけれども、そういうことについても一切投入するに当たっては今度はやらなくていいということに極端に言えばなりますよ、大臣がおっしゃるような形になれば。 だって、今までだってそうです。今までだって、それは火事になるからという話があったけれども、火事になるからということで入れるかどうかというのはさんざん問題になってきたわけですよ。しかし今度、今伺っている限りは、そんな手間をかけるということをせずに、これは火事になると、危なくなったらもうとにかく何が何でも入れてやるんだということでしょう。だったら、一体何を今まで議論してきたんですか、こうやって金融問題について。そして、これだけ検査、監督の規律も大事にするとか、これからこうやりますとかということを何のためにやってきたのかなという私は気がするんですよ、そこまで極論されてそういうことだって言われると。なるほどそういうことをされるのかなというふうにだんだんイメージわいてきましたけれども、これは大変なことですよ。
○政務次官(林芳正君) ちょっと通告も余りはっきりいただいていなかったものですからあれでしたけれども、認定をする段階で、さっき委員も手間と時間と両方おっしゃいましたけれども、時間的にはきちっと迅速に対応しなければならないわけですが、時間を迅速に対応しなければならないからといって手間を省略するというわけではないわけでございまして、そこはきちっと手続をかけて認定をまずすると。 それで、これ何が一番重要かと申し上げますと、認定をすることによって、申請をきちっとすればきちっとそういうお金が供給をされるということが明らかになるということによって、その当該の金融機関の信用に関する間違ったうわさといいますかそういう懸念がなくなるということが非常に重要なことでございまして、それで認定をしたことによりましてそういう効果をまずアナウンス効果として出した上で、実際にその金融機関が申請をしてくるのをきちっと審査をして実際にはお金が入っていくと。 それから、流動性についてはこれ以外にも日銀のいろんな手法もあるわけでございますから、そういうことが相まってまずは皆さんが不安にならないようにするという意味でこの認定が大事であるということでございます。
○笠井亮君 大蔵大臣のおっしゃったことと私ニュアンスが非常に違うと思うんですけれども。まずアナウンス効果で、認定をやると、そうするとここは認定されたから大丈夫ですよというふうなことで、後でちゃんと申請すれば入るでしょうという安心感を与えるという話ですよね。大臣がさっき言われたのは、そうじゃなくて、危ないとうわさが広がったときに、もうその銀行に行ったときにはちゃんともう大丈夫なように手当てがされているということをおっしゃったんで、これは随分距離がありますよ。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、そういうことを決めればもう人が来なくなると申し上げたじゃないですか、同じこと。だから、うまくやればちゃんと一種の予防措置として働くんだし、また現実に働くということがわからなければ予防措置になりませんから、そういう意味では人が来ないようにするのが目的。そのためにそういう認定をするということです。
○笠井亮君 いや、その認定をするんだけれども、認定をしたときに、もう直ちにそれと時間的にくっついて入っているんだということが大臣のおっしゃったことなんですよ。これは非常に重大なことなんで、認定をして安心感を与えるというのと全然意味が違うんですよ。ということが私は重大な問題で、これ明らかになったと思うんですがね。いや、そうですよ、これ。今までと全然違うんだから。 そして、今度、おそれということでやるわけですから、先ほどありましたけれども、システミックリスクへの対応ということで、これが信用秩序の低下につながる可能性がある、おそれがあるとなれば、これは、いや、おたくのところはもう入れないと危ないですよと言ったらもう直ちにこれ入っちゃうんですから。国民や国会は後から知るという問題になってくる。これは私極めて重大な問題だと思います。 信金・信組特例措置について、信金、信組だけ一年延長だとか言われてきたわけですけれども、本当のあれは、本音と見ていいんでしょうか、銀行への資本注入も形を変えて恒久化する、しかも今までよりもっと手間を省いてと。手間とさっき大臣おっしゃったから私こだわるんですけれども。手間を省いてとにかく即刻入れられると。時限的な緊急措置を、システミックリスクのあるときとして、注入するのも認定されたところ、しかも厳格になると言いながらすぐに入れられると。これは国民の知らないうちに、本当ですよ、これは本当に資本増強をしてもらえると。 これでは私、金融システムの安定化とか言ったって本当に助けにならないと思いますよ。こんなことをしてあげる、いざとなったらやってあげますよと。万一があれば公的資金で即刻入れてあげます、認定してもらえばすぐ入れてもらえるんですという話ですから、これはもう安易な依存心を生みますし、それこそ自己規律とか自己責任というふうに将来的に目指していく、先はそういう方向だというふうに総理もこの間おっしゃっていたけれども、それどころか、いずれどんなことをやったって今度は責任とか何とか言う前に金をもう入れてもらえるんだと。これはモラルハザードにつながるのは明らかじゃないですか。
○政務次官(林芳正君) ちょっと誤解があるのか言葉足らずなのか申しわけございませんが、まず資本の増強ということと、それから流動性いわゆる資金繰りが危なそうだというような話とは少し別の話でございます。それは委員もよく御了解のとおりでございまして、大臣が先ほどからおっしゃっているように、そこに行けばお金があるというのは資本ではなくて流動性がきちっとしているということでございますから、そういうことをまず認定によって、私が先ほど申し上げたように、大丈夫です、もし何かあればきちっとその申請をしてやれるという状態が整っておりますということをまずやるということでございまして、資本の増強につきましては、ですから認定によって、その後きちっと申請をしてもらって、手続に従ってやるということでございまして、それを余り手間暇かけて、手間暇というか時間をかけて、殊さらに時間をかけてやるのはこのもともとの意味がないですから、迅速にやるわけです。それは手続はそこはきちっと踏んで資本の増強ということをやるということでございます。
○笠井亮君 流動性の問題はちゃんと手当てするやり方があるんですよ、それは。日銀とかいろいろあるでしょうし、そういうことをやればいいわけですから。 私、資本増強について話を伺っていて、しかも大丈夫ですよというのはその時点ではもう入っているという形が確実になっているということですからね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 流動性。
○笠井亮君 そこをやるということが一番の大丈夫だということなんでしょう。認定しさえすれば、じゃ大丈夫という確証があるわけじゃないんですから、それは申請するその後があるわけですから。じゃ、そこを時間をかけないでやるんだ、その手間はかけないんだと大臣がおっしゃったから、そういう問題だと。こういう形でやっぱり注入するということは、いざとなったらやるんですよということ自体がやっぱり本来の銀行がきちっと立ち直って自己責任でやっていく方向と逆行するではないかということを申し上げているわけであります。 次の問題に行きたいと思います。 谷垣委員長、先ほどのことに関連しながら若干確認的に質問させていただいて、その先伺いたいんですが、中小企業への貸し出し問題を先ほど伺いました。 三点ほど確認をさせていただきたいんですが、一つは、決算期末で資金需要のない大企業系列の中小企業などに融資して、その条件として定期預金等で受け入れる歩積み両建て、こういうことが行われているんじゃないかということを私も申し上げました。そういうような歩積み両建てなどこれまでに繰り返し通達などでこれをやっちゃいけないよというようなことを言ってきたものがあるとすれば、こういうことはきちっとチェックするということはなさるわけですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃった点は好ましい点ではありませんので、やっぱりポイントは、本当に何というんでしょうか資金需要のあるところに貸し付けているかどうかと、こういうことでございますから、そのあたりのことはこれからチェックを、我々どういうふうでああいう数字になったかヒアリングをいたしますので、そのあたりのことは確認してまいりたいと思っております。
○笠井亮君 二つ目は、ヒアリングのことを今ちょうどおっしゃったので、いつの段階でやるかということなんです。私ちょっと先ほど伺っていて、決算に向けて数字が確定したらという話がありましたが、決算そのものがもう終わっちゃって数字が確定したらこれは直りようがないので、数字の結果が出てからというので近々という形でも言われたんですが、きょうたまたまNHKのニュースがあったということで改めてちょっとチェックしてみたんです。 NHKのニュースだと、金融再生委員会は、大手銀行など十五行を対象に公的資金を投入した立場から、中小企業向け融資が昨年度の後半に大幅に伸びた理由などを大型連休明けからヒアリングすることになりましたと。そして、ヒアリングは、経営健全化計画のほかの項目より先に大型連休後の来月上旬から行う方針で、融資が大幅にふえた理由などを具体的に確認した上で公表する方針だという報道があったんですが、大臣が先ほど近々と言われたのはこの報道にあったようなことなんですか。その時期なんですが、いつの段階でという。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今NHKでそういう報道をされたということでございますが、私は全く関知をしていない情報でございまして、率直に申しますと、今まで率直に言わなかったわけじゃないですが、率直に申しますと、数値がもう少し確実に出てまいりますのは連休が明けてからもうちょっとたつと思うんです。もうちょっとというのは五月中ということだろうと思いますが、連休明けすぐに数値がまとまるということではないと思っております。
○笠井亮君 ぜひ再生委員会の事務方の方も、そういうニュースは委員長にお知らせいただきたいと思うんです。 三つ目については四月二十日の毎日新聞の一面で出された報道なんですが、「再生委・監督庁は、五月初めにも基準を策定、各行の三月期決算の数字が確定するのを受けて行う健全化計画の実績点検から、この基準を導入する。」と。 つまり、先ほどは来年度からの話をちょっと私もしたんですが、この報道によれば、今年度の結果についての実績点検から新しい基準をつくってやっていこうじゃないかということをお考えになって、もうそういう方向でお決めになったということの報道があったんですが、こういうことを考えていらっしゃるのかどうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この今おっしゃった記事は、私も新聞をちょっと前に読んだんですけれども、これに対応する事実はございません。
○笠井亮君 そうすると、そういうようなことについてはもう少し、今私が申し上げたその記事に関連して、どういうふうなことをお考えか、これは間違っている、違うんだとか、あるいはそういうことは検討課題なんだとか、その辺はどうなんですか。全く誤報だというふうに否定なさるのか、あるいはその中身についてはどういうふうにお考えなのか。
○国務大臣(谷垣禎一君) さっき申し上げたことから出ていないのでございまして、要するに数字が固まってきて、そしてその数字の意味をやはりヒアリングでやっていくと。それから、特に平成十一年度は三月いっぱいで終わっているわけですけれども、来年度のことを考えていかなければなりませんので、その数字にあわせて、つまり平成十一年度三月までの数字のある程度整理ができ、それとあわせて、じゃ来年度はどうしますか、平成十二年度どうしますかということもあわせて検討していく、こういうことでございまして、その間に、今おっしゃったような厳格な基準云々というあの新聞の記事でございますが、そのようなことを特に今考えているわけではありません。
○笠井亮君 谷垣委員長にさらに伺っていきたいんですが、最近の大手行の統合、合併の問題です。 それで、直近でいいますと、東京三菱と三菱信託との統合発表に当たって委員長は、再編統合は利用者の利便性向上や経営基盤強化の観点から歓迎すべきだと述べられたと。住友とさくらが合併を一年前倒しで合意した際にも、競争の激化や経済社会に対する利便にとって大変結構だというふうに歓迎しているというふうに記者会見などで言われているということなんですが、そういうことなんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かにそのようなことを申しました。 ただ、一般論として、再編とか新たな統合とかいうのをどう考えるかということでございますが、これは私ども金融再生委員会として、こうせよ、ああせよというような行政指導をしながらやっていくというわけではございませんで、それぞれの金融機関で、これから競争も激化していくことが予想されますので、そこでどういう体力をつけ、あるいは顧客に対するニーズにかなったサービスを提供していくために何をしたらいいかというのは、それぞれのやっぱり金融機関でまずお考えをいただくべきことだろうと思います。 ただ、私どもとしては、これだけ競争が厳しくなってきたときの体力であるとか、あるいはこのごろはコンピューター等のシステムに対する投資、大変膨大な額になっておりますし、あるいは新たな金融商品を開発するというのにもいろいろなコストがかかりますので、そういう中で、競争にたえてどういう仕組みをつくっていくかということは避けて通れない課題ではあるだろうと、このように思っております。
○笠井亮君 課題の問題は別として、ニュースが出た際に、一般論として、金融再生委員長が、結構なことだと、そこまで言えるのかということを私ちょっと思うんですがね。 これは事務当局の方で結構なんですが、銀行法によって合併等の申請があった場合に、どういう基準で審査することになりますか。
○政府参考人(乾文男君) 銀行法で、合併等によりまして、「業務を行つている地域における資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして、適当なものであること。」、あるいは「合併等が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないものであること。」、また「合併により設立される銀行が、合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。」といった要件が規定されておりまして、こうした基準に適合するかどうかを審査することといたしております。
○笠井亮君 つまり、再生委員長、再生委員会は、合併等の申請があったときに、その計画が資金の円滑な需給、利用者の利便性の向上に役立つものかどうかを初めとして、今三つ言われましたけれども、三つの基準から、これから審査をしなきゃいけないときだと思うんですよ。そういう立場にあられるのが再生委員会だし再生委員長だと。 にもかかわらず、谷垣委員長が、合併、統合の記者会見を聞いた段階で、申請もされていないときに、審査もしていないうちに、一般論としても、歓迎します、結構ですと。私は、何を根拠にそれが言えるのかというのは、これから申請があって審査するんですから、ちょっとそういう御発言というのはいかがなものかと思うんですが、何を根拠に結構ですと言われるのか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、今私どもの仕事の根拠になっておりますのは、一つは金融再生法ですし、もう一つは早期健全化法、ほかにもいろいろ預金保険法や銀行法もみんなそうでございますが、今金融再生委員会の仕事の根拠になっているのは主として金融国会でつくられた二本の法律だと思うんです。 それで、金融再生法はそれから早期健全化法も、やはり基本のねらいは、今こういう山一や北拓が倒産して以来金融システムが非常に脆弱になっておりますけれども、その中でやはり健全な金融システムをつくれ、安心していただける金融システムをつくれという思想がこの二つの法律の背景にあると思っております。そして、その目的を達成するために資本注入等の武器が与えられているわけでありますけれども、その資本注入をしていく場合の考え方として、やはり金融システムの再編やあるいは金融システムを強化していくことに役立つ場合、こういうことがあるわけでございますので、そういう観点から先ほどのような考え方を申し上げたわけであります。
○笠井亮君 銀行法もありますけれどもと言われたんですが、銀行法でこういう合併申請とかということについて審査するというのはどこがやるんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 金融監督庁でございます。
○笠井亮君 そうすると、再生委員会のもとできちっとやるということですよね。ですから、健全化法とか再生法があってそれを実現するためにというのは、それは一方である。しかし、銀行ですから、根本は銀行法があるわけですから、銀行法に照らして果たして公共性を果たしているのかとかいう問題を初めとして、とりわけ合併をする際には基準をわざわざ設けて、これまでは大蔵省の所管だったけれども、それは今度そちらに移ったわけです、監督庁の方に。という形で、監督する立場の方にあるわけですから。 そういう広い意味で、そういう立場にある方が、再生法とか健全化法で大いにその再編を進めるなんとかということは結構ですということを一方でお考えになる。もう一方で、こっちの方の銀行法もあるんですけれどもというんじゃなくて、これはきちっと厳格にチェックしないと、いずれにしても健全な姿に発展していかないということになると思うんですが、最初から旗を振る方だけは大いに使って、銀行法できちっと監督してチェックする側の方についてはそっちもありますと。しかし、それよりも旗振りなんです、だから結構ですと最初から言っていいんですと、こんなことを言ったら、銀行の合併のことについて厳格にどこできちっと責任を持って審査するのかという問題になってきますよ。もう護送船団の船長みたいなもので、合併、統合したら資金の円滑な受給の点でも貸し渋りがもう一挙に改善される、すべて万々歳だと、審査しなくてもわかっていますと、こういうことなんですか。これ重大な問題ですよ。
○国務大臣(谷垣禎一君) 銀行法もありますけれどもというのはちょっとミスリーディングな表現だったかもしれませんが、銀行法は、一般法といいますか基本法として、平時のときもあるいは今のようなある意味での非常に不安のあって、今不安は去りつつあると思っておりますが、そういうときにも適用される銀行に関しての基本法でございますけれども、それと同時に、今この数年来の金融システムの不安定の中で銀行の問題、合併の問題を考えるときにも再生法とかあるいは早期健全化法の言っている精神は私はかかってくるんだろうと思うんです。 だから、先ほど確かに歓迎すると申しまして、これから先また銀行法できちっとそれは審査していかなければなりませんけれども、そこにはやはり健全化法や再生法の趣旨もあわせてかかってくるものであると、こういうふうに考えております。
○笠井亮君 申請があったときに審査する基準は、先ほどあったように三点なんですよ、これは合併については。再生法、健全化法はそこにないわけですから、そこには。その三点から見てどうかということをきちっとやるのが銀行法の立場からの合併の申請を受けてのやるべき仕事なんです。 じゃ、大型合併、統合で銀行はどうなるか、残った時間若干見てみたいと思うんですが、銀行統合によるリストラ状況について伺ってみたいと思うんですが、店舗数です。 これは事務方で結構ですが、みずほグループ、住友・さくら、東海・三和・あさひ、中央・三井信託のそれぞれが統合前、統合後どれぐらい増減する計画になっているか、数字を言っていただきたいと思います。
○政府参考人(乾文男君) 統合前、統合後で申しますと、まず、みずほグループが店舗数は七百七十八から五百四十八に二百三十を削減する。それから、住友、さくらは八百七十五から六百九十二に百八十三削減する。それから、三和、東海、あさひの三行は九百一から七百八十九に百十二削減をするということでございます。 さらに、もう発足しておりますけれども、中央・三井信託は百六十六から百に六十六削減するということでございます。先般発表のありました三菱グループにつきましては、まだ具体的な計画を発表しておりません。
○笠井亮君 今のを合わせると五百九十一も減る計画ですね。この四グループに集約される金融再編で共通しているのは、先ほどもあったと思うんですが、競争力強化ということを看板にして収益率優先と効率重視ということで、収益拡大第一の姿勢が非常にはっきりしていると思うんです。 この間、私も計画を持っている幾つかの銀行の関係者にもお会いしていろいろ伺って調査もしてまいりました。どの銀行でも先取り的に収益率アップのための業務拡大や激しいリストラ、そして長期不況で資金繰りに苦しむ中小企業に対する選別融資というのが行われている。 支店の配置などを見ましても、今までのように地域単位ということじゃなくて、例えば優良法人だけを対象にエリアをつくるというふうなことをしたりとか銀行の収益本位の支店展開になっていて、これまで近くに銀行の支店がありますからと言って勧誘してきたのに、ある日さっと支店の方は閉店する。例えば三鷹の方は、支店があったのが、今度はその法人業者の方が今度は吉祥寺まで交通費を払って行ってくださいよということでされるというふうなことも起こっている。 再生委員長はもちろんこういう事態を御存じですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 合併、統合等の再編の計画の中で、いろいろな意味での何というんでしょうかぜい肉をどう落としていくかということをお考えなのは承知しております。
○笠井亮君 そういう中で中小企業に対しては、再編するからもう貸せない、零細の方には特に、あるいは返してくれということもあちこちで起こっております。 それで、富士銀行の山本頭取が雑誌の中ではっきり言われているんですが、「高度な専門知識、相談機能が不可欠な大企業、個人富裕層には、徹底して人材を張り付け、ビジネス・チャンスをつかむ。 一方で、利幅の薄い中小企業取引については、IT技術をフル活用し、ギリギリまでコストを絞り込む。一例が、先ごろ中小企業向けに創設した六〇〇〇億円のファンドだ。ここでの事務処理は申込み、与信から融資実行に至るまですべて電話、ファックス、パソコンで完結する。支店長がわざわざ出向いて一時間も話し込む、という手間はかけない。 コストをかけるべき相談機能には重点的に経営資源を投入する。そうでないビジネスについてはIT化で効率性を追求する。」と。 ここまではっきり言われているわけです。つまり銀行がもうかる部分については厚くしていく、しかし中小零細とか庶民の預金者に対しては薄くしていく。そして中小零細には、例えば商工ローンなんかで大問題になってきた中で、新たなシステムを立ててとここにありましたけれども、ローンなどに直接乗り出して、そういうところは選別してもうだめと切るところは切っちゃうんだけれども、しかし手間をかけずに、もうからないところには貸さないで、もうかるところにやっていく仕組みをつくるということだと思うんですよ。 合併、統合に向けてこういうことをどんどん先取り的にやっている。再生委員長は、こういうことでいい、これが円滑な資金需給につながるとかいう観点から見て好ましいことかと。そして、こういうことをお知りになって、なおかつ合併、統合結構ですと、こういうことなんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) その方針、今お読みになったのは富士銀行の方針でしょうか。
○笠井亮君 頭取がおっしゃったんです。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私、今伺っていて、それほど間違ったことをおっしゃっているとは思わずに聞いておりました。 ですから、例えば余り利幅の上がらないものはITなどで徹底的にコストを削減していくというようなことも別段悪いことではなくて、やはり経営の効率化を図ることによって、例えば貸出金利なんかも安くできるんだと思うんですね。コストがかかっていたら、貸出金利だって高くせざるを得ない、中小向けの。ですから、私は今のような御努力はしていただく方がいいのではないかと思いながら聞いておりました。
○笠井亮君 私は非常に驚きであります。そして、中小零細企業にとってみたらどんなことになるかと。 こういう新しいシステムを使ってコストをかけずにやるというのは、いろんな銀行ごとにベストアシストとかいろいろつくっていますよ。これは、その銀行の支店に融資してくださいと行っても、うちではちょっと御相談に乗れません、〇一二〇の番号を教えますからそこで直接やってくださいといって、中央のセンターに言って、そこでそこに直接文書を送ってもらって申請する。そして、その業者の顔も知らない、経営状況も知らない人が、ここはだめだとぽんと切っちゃうんですよ。こういう形でやられているんですよ、コスト削減の名のもとで。そういう中で、貸し出ししていたものが貸し渋りされ貸してもらえなくなるということが現実に起こっているんです。 だから、これを大いに結構なことで、コスト削減いい、もうかればいいなんということをただそこだけ追求して、では銀行の公共性だとかあるいは地域社会への貢献という問題があります。貢献というか、要するにありますよね、寄与する、これはそういう役割だと。(「ボランティアじゃないよ」と呼ぶ者あり) いや、これはボランティアじゃないんです。これは森総理もそういうことを言われているんです。そういうことで寄与するという役割を持っていると、中小企業に対しても、それは森総理自身が言っていることなんです。 そういうことに反することが起こっているじゃないですか。そういうことも検討せず、審査もせずに、申請も来ていないのに、結構です、歓迎です、どんどん進めてくださいということを、金融再生委員長というお立場で、私個人じゃないんです、なさることがいいのか悪いのか。これで果たして銀行法に基づいてきちっとした銀行の管理、監督、運営ができるのか、行政ができるのかという問題なんですよ。
○委員長(真鍋賢二君) 笠井君、時間が来ております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 笠井先生のおっしゃったことは、確かに一面の真実ではあろうかと思います。 私の地元でも、金融機関が合併いたしまして、そのせいで一番地元の支店がなくなってしまった。今まではげた履きで行って気軽に相談に応じてくれたのに、今度は遠いところまで電車で行かなきゃならないから不便になった、こうおっしゃる方がおります。 ですから、それは確かに今笠井先生のおっしゃったような面が私もあろうかと思いますが、他方、それでもって体力が弱っておかしなことになれば、これまた地域経済に対しては大きな影響があろうかと思います。
○笠井亮君 だから、国民全体の立場に立ってきちんと審査してやるべきで、それ以前に結構ですということだけ言うべきじゃないということを私は申し上げたいわけです。 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後六時二十三分散会