労働委員会 第2号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/02/24
会議録
○赤松委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、政府参考人として科学技術庁原子力安全局長間宮馨君、労働大臣官房政策調査部長松崎朗君、労働省労働基準局長野寺康幸君、労働省女性局長藤井龍子君及び労働省職業安定局長渡邊信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷畑孝君。
○谷畑委員 おはようございます。谷畑でございます。 さて、もう間もなく四月になり、ぴかぴかの一年生ということでランドセルをつけて小学校一年生入学、あるいはまた、黒、紺の背広を着まして、いわゆる初めての入社式といいましょうか、希望に燃えまして、また少しの不安、そういうことを感じながら新しい人生のスタートを切っていく、こういうことであろうかと思いますけれども、最近、長い不況の中で若年労働者、とりわけ高校の卒業生、短期大学の卒業生、そしてまた大学の卒業生と、就職率が非常に悪い、こういうことでございます。 とりわけ私ども政治家の仕事、あるいはまた労働省もそうでありますけれども、そういう希望に燃えた若年労働者の就職を確保していく、こういうこともやはり非常に大事な私どもの仕事だ、このように思っているわけでございますけれども、牧野労働大臣、とりわけ若年労働者の雇用についての現状認識についてお聞かせを願いたいと思います。
○牧野国務大臣 今先生の御指摘のとおり、私自身も、雇用問題を担当している者といたしまして非常に心配をいたしております。特に、企業がリストラをやっておりまして、定年退職後の補充をしない、また新規卒業者も極力制限する、こういう状況にございまして、ぜひこの問題の解決に全力を尽くさなければいけない、こう考えております。 それで、今の状況についての御質問でございますが、平成十二年三月新規学卒予定者の就職状況については、昨年十二月一日現在の大卒者の就職内定率が前年同期と比べまして五・八ポイント減の七四・五%、四人のうち一人が決まっていない、こういう状況でございます。また、短大新卒者につきましては、九・八ポイント減の四六・八%ということでございまして、これは二人に一人がまだ内定していない。それから、一番御心配になって御発言ございました高校卒でございますが、昨年十二月末で、前年比五・五ポイント減の七一・三%、こういう状況でございます。 このような状況を踏まえまして、第二次補正予算において、一層積極的な求人開拓、就職面接会の開催、それから就職未定の高校生に対しては、もう既に実施しておりますが、パソコン講習等就職準備のための講習の実施をさらに強化してやっております。これらのために四億六千万円の経費が措置されまして、これらの対策により、大卒、高卒とも例年並みの就職率、卒業時に、三月末日で何とか九割は確保いたしたい、こういうことで現在全力を投入いたしております。
○谷畑委員 今大臣の報告で、大卒者が四人に一人が就職が決まっていない、短大生が二人に一人という、まさしく大変な事態じゃないか。やはり、将来の希望に燃えている者に就職を完全に保障していくということも非常に大事なことだと思いますので、さらに頑張っていただきたいと思います。 それと、私自身最近思うんですが、京都の小学二年生の殺害事件を見ましても、引きこもりという言葉が今大きな流行になりまして、特に二十代から三十代まで、仕事についていない、家に引きこもったままで、しかも対人関係がうまくいかない。そして、そういう人がすべて犯罪ということじゃないだろうけれども、非常に我々が不可解な犯罪事件を起こしてしまう。非常に大きな、ショッキングな事件であると思うんです。 そこでつらつら、私ども幼いころ、あるいは私自身が就職したころを思い出していきますと、昔は、私も農家でございまして、家族全員が稲刈りをしたり田植えをしたり、そして時には、仕事が終わりましたらとんとをたいて芋を焼いたりジャガイモを焼いたりして、また、夕日を浴びながら、仕事をして充実感というのか、ああ、いいな、仕事というのは苦しいけれども本当に、終わった後の爽快さというのか、そういう充実感というものがあったと思うんですね。そういうものを学んできたと思うんです。最近は、事務のOA化だとか、あるいは企業のベルトに乗った中で、一貫性がない、物をつくる喜びを感じることができない、そういうことも、複雑な社会に実はなっておるんじゃないか。 そこで私は、ぜひ、若年労働者が就職が可能なために、今の学校での勉強のあり方、小学校から、労働とは一体何なのか、労働がいかに我々にとって大事であり、生涯において幸福にしていくものだ、こういう認識が少し今弱くなってきておるんじゃないかと。そのあたりの認識についてどうとられているか、牧野大臣。
○牧野国務大臣 先生も御指摘のように、今の若年者は、私どもが学校を出て就職したときと違いまして、非常に価値観が多様化いたしております。その現象として、例えばフリーターとか、行きたいときだけ行くというような方も非常に多うございまして、需要サイドの企業と働きたいという人との間に大きなミスマッチの現象が実は生じているわけです。 それで、どうやってこのミスマッチをなくするかという点につきましては、今先生御指摘のとおり、高校、短大等でいろいろ勉強いたしておりますが、いざ働くということになりますとそこに大きなミスマッチが生じてきておる、こういう現象がございます。そういうことで、今、九割を目標にして、何とか就職できるようにと三月末までいろいろな努力をいたしますが、三月においてもまだ就職できないという人々に対しまして、そのミスマッチをなくするために、短期間の職業講習、あるいは事業主、民間教育訓練機関等へ、ひとつ一遍使ってみてくれないかと委託訓練等を行うことにいたしておりまして、これを今度の予算でお願いいたしているところであります。もちろん、求人情報の提供や就職面接会の開催等をぜひ積極的に支援いたしたいと思います。 そこで、通産省がやった調査をこの間拝見したのですが、特に情報関係の業種では、三十までの人をぜひ欲しいというような状況にございまして、なるべくそういう需要にマッチするような、政府の教育機関はもちろんのこと、民間の専修学校もいろいろなコースを大臣が認定するわけですが、そういう需要にマッチするような訓練もぜひ積極的に進めたい、こう考えております。
○谷畑委員 ぜひひとつその点について、大臣、頑張っていただきたいと思います。 もう時間が余りございませんので、もう一つだけ私の意見を申し上げます。 せっかく四人に一人あるいは短大生は二人に一人、幸いにして就職をした。ところが、聞きますと、就職してから三年間たちますとそのうちの五割がやめてしまう。時にはフリーターになったり、今私が言いました百万人の引きこもりに入ってしまったり、そういうことにもなろうかと思います。ぜひひとつミスマッチのないよう、自分の希望がかなえられるよう、一たび就職をしましたらそこでずっと生きがいを持ってその就職で頑張って社会に貢献できますよう、そういうことが今後労働行政においては非常に大事だと思いますので、統括政務次官も含めてよろしくお願いをしておきたいと思います。 次に、もう時間がほとんどなくなっていますので、今度は、参考人の藤井女性局長の方からちょっとお聞きしたいのです。 私も、おくればせながら三人の子供、一人は今小学校一年の子供がおるわけでありまして、いつもPTAに行ったりいろいろしながら、長男、長女を育てたころに比べますと、最近は、近所も本当に目に見えて子供が少なくなりまして、遊び場所もないし家で閉じこもる、そういうような状況があるわけですけれども、そういう少子化社会、本当に大変な社会問題じゃないかと思います。年金にも響いてまいりますし、社会保障制度にも大きな影響になるのではないか。また、労働行政においてもそうじゃないかと思うのですね。 例えば、二〇二〇年には十四歳以下の子供が現在よりも三百万人減る、このように実は言われております。これも非常に大きな出来事だと思います。また、二〇二〇年には四人に一人が六十五歳以上になるわけでありますから、その時代になりますと、労働人口に占める五十五歳以上の割合も三割を占める、こういう事態になるわけですから、私どもは、やはり国を挙げてこの少子化問題に取り組んでやっていかなきゃならぬと思います。 そのことに当たって、やはり子育てができる町づくりというのが非常に私は大事じゃないかと。もちろん、子供さんをたくさん育てるために、たくさん産んでくださいよということで児童手当とかいろいろ、そういうことももちろん大事なことでありますけれども、子供をずっと育てることが可能な制度というものが私は非常に大事じゃないかと思います。その点について、藤井女性局長の方から、そういう制度があるのか、またどういうことで努力されておるか、少し質問しておきたいと思います。
○藤井政府参考人 少子化対策ということで、昨年の暮れに、政府といたしましても少子化対策推進基本方針というものを各省庁協力してまとめたところでございます。働く親が安心して子育てができる環境づくり、これはさまざまな分野で大変重要なことだと存じております。谷畑先生の奥様もたしか働きながら子育てをおやりになったということで、町を挙げて子育てを支援するということの重要性について、先生、御自分の御経験からの御質問かと存じます。 私どもは、少子化対策基本方針に基づきましていろいろ重点的に政策を展開してまいりたいと。例えば、育児休業、介護休業をとりやすく、かつ職場復帰しやすい環境を整備するということで、育児休業給付の引き上げ等、今そのための法律案の御審議をお願いしているところでございますが、代替要員の確保に対する新たな助成金制度をつくるというようなこと、あるいは事業主の方々が自主的に事業所内託児施設をつくっていただくために補助金を拡充する、いろいろやっております。 特に、町づくりと地域ぐるみの子育て支援ということで、これは厚生省さんの方が中心になってやっていただいているとは存じますが、私どもの方でも、市町村で会員制で育児を相互援助するという場合に一定の補助金を出しておるファミリー・サポート・センター事業というのを、平成六年度から展開してございます。これは、現在六十二カ所でございまして、十二年度二十カ所ふやして八十二カ所にしたいと存じております。基本方針に合わせて策定しました五カ年計画の新エンゼルプラン、これで全国百八十カ所に広げたいと存じておりますので、そういう形でこれからも力を入れてまいりたいと存じております。
○谷畑委員 昔でいえば、まだまだ村社会というのは残っておりまして、子供というのは全員の、それぞれの宝だ、こういうことで、いわゆるみんながそれなりに、子供の命だとか、悪いことをすればしかるとかそういうものがあったわけですけれども、最近は都市化が急激になりまして、隣はだれが住んでおるかさっぱりわからない、地域交流もない。しかも、そこにおじいちゃんおばあちゃんがおればまだしも、おじいちゃんおばあちゃんがいない人たちにとってみたら非常に不安を感じるのですね。 私自身、子供をずっと保育所へ送り迎えをし、かかわってきた中で、お母さん方のお話を聞くと、まだ保育所の場合はそれなりに六時まで預かっていただける。しかし、小学校一年に入っていくと昼で終わってしまうので、そのあたりが非常に不安だ、こういうことがあります。 ぜひ、今の藤井局長のお話ではないけれども、そういうファミリーサポートといいましょうか、おじいさんおばあさん的な役割もそういうところでやっていただくことが非常に大事だと思いますので、八十二カ所と言わずに、全国津々浦々にもっと充実をしていくことが非常に大事じゃないか。せっかく生まれた子供が途中で殺されたり病気で亡くなったり、そういうことのないよう、しっかりとした人生をその子供たちが安心して送れるよう我々がしっかりとサポートしていかなければならぬ、今私自身の決意も込めてそういうふうに思うわけでございます。 次に、時間の関係上最後になるかと思います。統括政務次官に一つ御質問をしたいわけでありますけれども、私の後援会をずっと回っておりましたら、特に新興のところに行きますと、ほとんどの人が定年退職になられて、五年ぐらいたった人が多いのです。そういう人とお話をしますと、これほど退屈でこれほど悲しいことはないと言うのです。体は元気なのですけれども、何をしたらいいかわからない。毎日日曜日だということであります。ある人は、昔通っておったところの居酒屋へずっと出勤している人もあったり。 だから、私はやはり、もちろん厚生年金を含めて、六十五歳に将来なっていくとか延長とかいろいろありますけれども、そういう高齢者の問題、もっと早い時期にいわゆる第二の人生をどう生きていくかということを、もう三十代からそういうシステムとしてやっていく必要があるんじゃないか。ぜひひとつ、そういうことについて最後に、高齢者の生きがいと、また雇用問題も少しありましたら、統括政務次官の方から所見をお伺いしたいと思います。
○長勢政務次官 高齢化がどんどん進むわけでございますから、今先生おっしゃった問題は大変大きな問題だと思っております。もちろん、雇用の確保が一番大事でございますから、六十五歳までは定年延長を含めて継続雇用が確保できるように、今般新たに高齢者雇用安定法の改正案も提案をさせていただいているところでございます。 あわせて、今おっしゃいました生きがいということでございます。当然、退職前に、退職後の生活についてのいろいろな支援措置も企業等を通じたりしてやっていかなきゃいけませんし、また、今回の改正案にも出しておりますが、シルバー人材センターという形で、生きがいを中心にした就業活動をやっていただけるという仕組みをつくっておりますので、ぜひ御活用いただきたいと思いますし、またNPOその他地域活動もあるでしょうから、こういう問題にぜひ総合的な取り組みを進めていきたい、このように思っております。
○谷畑委員 終わります。ありがとうございました。
○赤松委員長 河上覃雄君。
○河上委員 きょうは、二十分の短い時間でございますので、私は、均等法上の枠を超えるかもしれませんが、セクハラの問題の一端について大臣と政務次官の御意見をお伺いしたい、こういう視点であえて質問をさせていただきたいと思います。 昨年の四月に、均等法の改正に伴いまして、セクハラ防止に関する企業の配慮義務が盛り込まれました。均等法施行後間もなく一年を迎えるわけでありますが、その効果が適切にあらわれているかどうかということが大切なことだろうと思っております。 そこでまず、セクハラに関する苦情などの実態が、均等法施行以前と施行後、どのように変化してきているのかな、対価型そして環境型の両面から、その実態について御報告をいただきたいと思います。
○藤井政府参考人 全国の女性少年室に寄せられておりますセクシュアルハラスメントに関する相談は均等法の施行前も年々増加をしておったわけでございまして、施行直前の平成十年度は、全女性少年室合計で約七千件ございました。十一年四月一日から均等法が施行されまして、その後どうなっているかということで、申しわけございませんが、十一年度の集計はまだできていない状況でございます。幾つかの女性少年室について直接報告を求めて集計いたしましたところ、いずれの女性少年室でも、施行前よりは施行後の相談件数が増加をしているという状況でございます。 その内訳を見ますと、企業からの御相談というのも相当ございますが、これは施行前と施行後とそれほど変わらないという状況でございます。女性労働者からの御相談というのがふえておりまして、幾つかの女性少年室の集計だけでございますが、大体前年度の一・五倍という状況です。 そのうち、対価型と環境型でございますが、対価型というのはセクハラを受けて労働条件上不利益を受けるという形でございますが、この対価型が約一割強、それから女性労働者の就業環境がいろいろ害されるという環境型が九割弱という内訳になっているところでございます。
○河上委員 いろいろと苦情が寄せられる件数がふえたということは、これも一つの均等法施行後の成果とも言えるわけでありますが、施行後の調査はいつごろおやりになりますか。今予定しておりますか、予定しておりませんか。それだけちょっと確認しておきます。
○藤井政府参考人 毎年、年度がかわりますと早急に各室から報告を求めておりますので、なるべく早くまとめまして御報告できるようにしたいと思っております。
○河上委員 次に、確認の意味でこれはお尋ねいたしますが、均等法が求めるセクハラというのは、あくまでも職場内に限定された関係を前提とするものであり、職場以外に適用しない、こう理解してよろしいのか。 あわせて、均等法上の職場の定義、均等法上の職場の範囲といいましょうか、これはどのように位置づけられるでしょうか。
○長勢政務次官 先生御案内のとおり、均等法は事業主の雇用管理上の責任を明らかにする性格の法律でございますので、セクシュアルハラスメントの防止のたぐいにつきましても、事業主が雇用管理上配慮すべき事項ということを規定しておるものでございますから、均等法で言うセクハラというのは職場におけるものに限定して考えておるということは御説のとおりでございます。 さて、均等法で言う職場というのは、労働者が業務命令に従って業務を遂行する場所、通常そういう場所を職場というふうに考えるわけでございますので、通常就業している場所以外であっても、取引先の事業所ですとか出張先といったようなものもその延長線上にある職場というふうに考えておるわけであります。したがって、そういう場におきましてもこういうセクハラというものがないように雇用主が管理をしなきゃならない、こういうことでございます。
○河上委員 具体的に一点だけこの事例でお尋ねをしたいと思います。 今の御説明ですと、職場は、日常的な側面は当然のこととして、商談のための会食やら出張先の車中やら、いろいろな側面で、その延長線上でこれは職場と判定されるという御説明だったと思いますが、例えば不特定多数の人が利用する電車やバスの車中に、だれが見ても過激なヌードポスターと思えるような週刊誌の広告が掲示されていて、利用者が不快な思いを抱いたとしても、均等法上の環境型のセクハラにこれは当たらないというふうな結論に今の答弁からはなるわけでございますが、今私が申し上げたような例の場合、均等法上の環境型のセクハラに当たらないという理由をやや具体的にお答えいただけますでしょうか。
○長勢政務次官 今お話しいたしましたように、均等法によるセクハラ防止というのは、職場における性的な言動によって女性労働者の就業環境が害されることを防止するということを目的としておりますので、今おっしゃいましたように、不特定多数の場所というものは職場ということは基本的にはないと考えられます。したがいまして、もし職場でそのようなことがあれば、当然環境型のセクハラということになって、雇用主がそれに配慮をしなきゃならぬという義務を生ずるわけでございますが、職場でないところにおいて雇用主が配慮するということは考えられませんので、この場合、そういう義務を課すということは法律上難しいと思います。 もちろん、そういう不特定多数の公共の場に先生御指摘のようなものがあるということは好ましいことではありませんけれども、均等法上の問題としてはそういうふうに解釈せざるを得ないと思います。
○河上委員 セクハラの指針の中にも、ヌードポスターが張られた職場で女性が苦痛を感ずるケースもセクハラに当たる、このように位置づけているわけでございまして、職場内なら当たります、それから職場の延長線上だと考えられる場合にも当たります、しかし職場を全く離れますと、これは均等法上のセクハラには当たらないという考え方になるわけであります。職場内ということが大前提になっておりますけれども、果たしてこれだけでこうしたセクハラ問題が解消できるのかなという側面を私はやや思いますので、この点を、冒頭申し上げましたように大臣や政務次官の御意見を伺いながら、何とかこれを一歩前に進めることができないのかな、こういう思いで質問をさせていただいているわけであります。 ここにこういうような例がありまして、投稿を寄せられているものでございます。「私は、新聞や雑誌の記事を読むことを楽しみにしています。ですが、広告に載っている男性週刊誌の広告のタイトルを見ると、本当にいやな気分にさせられます。いわく、」いろいろな具体的な言葉で、ちょっとここでは差し控えたいようなことが、ある女子高校生の投書として新聞紙上に載っておりました。また、「広告での露骨な性表現、自粛望む」と題する投稿の中では、「表現の自由といえど、他者の人格、心情を傷つけるようなものは許され得ないこと、たとえ法的な制限を受けないとしても、それで即、正当な行為になるわけではないことを思い起こしたい」、こういう投稿等もいろいろ出ております。 私は、このような広告に接し、早朝の通勤時に不快な思いを抱いている人は少なくないと思いますし、果たして職場内に限定しただけでセクハラの問題は社会全体として十分解消し得るだろうか、こういう気持ちを持つわけでありまして、その意味で、社会全体として、さまざまな観点からセクハラに対する取り組みが必要であろう、私自身はこう考えております。 特に、多くの人が通勤に利用する電車やバスなどの広告というものは、交通機関の公共性という上から、広い意味で環境型のセクハラに当たるのではないのか、当たるとすべきではないか、私個人はこういう考え方に立つわけでございますが、この点の御見解、御所見でも御感想でも結構でございます。ちなみに、一つだけ加えますと、労災法上、通勤あるいは退社における事故というのは労災の適用を受けるということにもなっていますからね。やや問題の質は違いますが、そういう発想も踏まえて、この感想をお答えいただきたい。
○長勢政務次官 均等法では、事業主に雇用管理上の配慮義務を課すという性格のものでございますので、おっしゃる事案が大変不快を与えるという意味で世の中によくないことではないかということはそのとおりだと思いますけれども、均等法上の問題として取り扱うことは、つまり電車の中まで個々の事業主に配慮義務を課すということは、実際上難しいというふうに考えております。 ただ、当然、こういう問題は均等法の問題というだけではなくて社会全体のあるべき姿でありますし、また報道の自由その他の問題もあるし人権の問題もあると思いますので、広範な範囲で具体的な規制をどう行うべきかということは、そういう観点から議論をすべき問題だと私も思います。
○河上委員 本年の一月四日でした。ある新聞社は、極めて過激な性表現を用いる週刊誌の数社を対象にいたしまして、これらの広告の掲載を当分の間見合わせる、こういう決定をいたしました。表現の自由という側面からの議論もあると私も思いますけれども、この新聞社のとった措置というのは、セクハラ問題を広義の視点からとらえた適切な措置であろう、私はこう考えるものでございます。 また、航空会社は、女性の乗客等の苦情等を踏まえながら、過激な性表現を用いる週刊誌を機内サービスの中から除外したという具体例もございます。 まず、出版社あるいは広告会社、そして交通機関に携わる会社など、自主的な規制、自粛が第一義であろうとこの問題については私も思っておりますけれども、大臣、セクハラという問題を均等法上の位置づけから職場内でここまでやったわけでございますから、企業やあるいは広く社会全体に、セクハラを担当する大臣の立場から呼びかけなどなさったらいかがなのかなと私は思うのと同時に、今後、均等法のセクハラ問題での実効性を社会全体の上から図る意味で、今職場内に限定をいたしております防止の範囲の仕組み、枠組みなどを見直すなど、何らかの措置が私は必要なのではないか。大臣としてお答えになられる範囲と政治家としてお答えになる範囲と、両方ぜひ大臣に御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
○牧野国務大臣 均等法上の解釈につきましてはただいま政務次官から答弁させていただいたとおりでございまして、均等法という見地からできるかというと、おっしゃったとおり、表現の自由等々いろいろございまして、なかなか難しいなという感じはいたしております。 しかし、現実に地下鉄の中における宣伝だとかあるいは新聞の広告等を見ますと、今飛行機会社でもそういう雑誌は配布しない、置かない、あるいは新聞では広告しない、私自身は、政治家としては非常にすばらしいことだなと。 したがって、皆さんと一緒に御相談させていただいて、社会全体としての一つの規制と申しますか考え方というものをコンセンサスが得られるような形で検討し、進めることができないかなと。私自身もいつも不愉快に感じていて目をそらすわけですが、何とか今先生がおっしゃったような形で、コンセンサスとして、新聞社はこういうものをしないよ、そういうような自主規制と申しますか申し合わせ、そういうものを媒介する機関がやっていただけないかな。ぜひ声を大にして今後とも努力をいたしたい、こう思っております。
○河上委員 これは、私が冒頭申し上げましたとおり均等法の範囲を超えておりますが、ぜひ一歩前へ進めるという側面からきょうは御意見をと、こういう立場でお伺いしたわけでございますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 いずれにしても、まだ現下の雇用情勢等も厳しい折でございますので、大臣、政務次官におきましてはますますお取り組みをよろしくお願い申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○赤松委員長 塩田晋君。
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。 牧野労働大臣並びに長勢政務次官におかれましては、非常に積極的に、意欲的に労働政策の推進のために日夜御努力いただいておりますことに敬意を表しますとともに、感謝を申し上げたいと思います。 牧野労働大臣は所信表明の中で、何としても国民の雇用不安の払拭をしたい、このことを冒頭に触れておられます。まことにそのとおりであり、現下の雇用情勢は非常に厳しいものがございます。 また大臣は、労使間の話し合いを進めて労使の関係の安定のために頑張っていただいておりまして、これまた感謝を申し上げる次第でございます。 失業というのは、働く意思と能力を持ちながら就業できない、そういう状況であるわけでございまして、これはまことに、個人にとっても家族にとっても、あるいは社会にとっても国家にとっても、あるいは世界にとっても大変な不幸な状況でございます。この失業をなくするということは、これはもういずれの国も最大の政策目標として取り組んでおり、完全雇用を目標として積極的に推進されておるところでございます。 失業をなくする、雇用をふやすということは、やはり経済の安定的成長、そして景気の回復、当面これを何としても達成しなければ基本的には解決しない。ミスマッチ等の解消のためにいろいろな細かい手段、政策、対策を講じておられますけれども、基本的には経済の回復だと思います。 そこで、最近の完全失業率、失業状況がどう推移しているか、また来年度、平成十二年度においてどのように推移すると見ておられますか、お伺いいたします。
○牧野国務大臣 先般閣議決定しました平成十二年度経済見通しにおいては、失業率について四・五%程度、こういうように見通しております。 この背景についてさらに申し上げますと、経済見通しでは、十二年度後半に民需中心の本格的な回復軌道に乗る、こう考えておりまして、景気回復と雇用の改善には一般的に半年以上のタイムラグがあるわけでございまして、こういう見地から、十二年度中の雇用情勢の顕著な改善を見込むことはなかなか難しいという状況にございます。 労働省としましては、経済見通しの失業率四・五%の達成にとどまらず、さらに引き下げる意気込みで雇用対策の効果的な実施に取り組んでまいりたい、このように決意をいたしております。
○塩田委員 かつての我が国の雇用労働市場というものは、二%台の完全失業率が常識というか、長期間続いておりますね。これが一挙にここ数年のうちに四%台になり、五%にも近づくような事態になったわけでございます。これは、どんなに対策をし、経済を成長させても、我が国の完全失業率はかつての二%に戻ることはまずないというふうに私は思っております。 といいますのは、日本の雇用構造、労働市場の構造がすっかり変わりつつある、大きな革命的な変動が起こっておるということにあろうかと思います。 それは、御承知のとおり、日本型の雇用市場、マーケットがずっと戦前戦後続いてまいりました。この特徴というのは、何といいましても日本型の雇用慣行、すなわち年功序列型の賃金体系であり、また生涯雇用であり、また常用雇用を中心にしたものであり、賃金も生活給が中心である。特徴的にはそういうことが言えるかと思いますが、これが、グローバル化する中で、社会的な国際化の中で、言うならばアメリカ型の労働市場に変わりつつある、大きな構造変化を起こしておるということが考えられます。 アメリカ型の労働市場というものはどういうものか、雇用構造はどういうものかといいますと、日本と対照的でございまして、どちらかというと日本の日雇い労働的な要素が非常に中心になっておるということ、それから生産性に見合った能力賃金というものが一般化しておるということ、それから若年労働者がどんどん退職していく、移動率が高い。これは優先権雇用の問題もありますけれども、アメリカの市場というのはそういうものだ。したがって中途採用もかなり活発である。こういった中で、労働移動というものが非常に高い、流動性があるということだと思います。 こういった方向に向かって、かつての日本型労働市場、雇用構造と言われたものがどんどんアメリカ型に、どんどんと言いましてもかなり近づく面があらわれておる、そこからくる失業の形態もアメリカ的になりつつある、こういうことだと思います。そこで登場いたしておりますのが、パートタイマーが非常にふえておること、それから派遣労働者の分野がかなり急速に最近伸びておる、こういったことにもあらわれておるわけでございます。 そういった就業形態の多様化、これは経営側にも労働者側にもそれぞれ要望があり、それにマッチした形で民営の紹介事業等も規制緩和でかなり広がっておる、その中でこういった状況が起こっておると思いますが、これにつきまして、労働大臣の御見解をお伺いいたします。
○牧野国務大臣 ただいま先生は現在の雇用状況について述べられましたが、その実情に対する認識は私も先生と同じでございます。 今までの日本の雇用は長期・年功型というのが基本でございまして、これは企業サイドから見ましても、また労働者サイドから見ましても非常に安定した伝統ある制度でございまして、これが崩れるかどうかという点については一つの心配を持っております。 しかしながら、現実には、産業構造の変化あるいは働く人の働くということについての認識の変化等もございまして、そういう中から、今御指摘の派遣労働者あるいはパートタイマーの問題等が出てきているわけであります。 こうした労働力需給にかかわるニーズの変化に対応して、需給の円滑かつ的確な結合を促進し、適正な就業機会の拡大を図るため、昨年は労働者派遣法の改正も行われたわけであります。これにより、労働者の多様な選択肢の確保の観点から、広範な業務分野について、臨時的、一時的な労働力需給調整が行えるようになるとともに、個人情報の保護、申告制度等の創設等の労働者保護措置の拡充が図られました。 パートタイム労働者についても年々実は増加いたしておりまして、週の就業時間が三十五時間未満の労働者は平成十一年には一千百万人を超える、こういう状況にございます。 パートタイム労働者については、労働条件、雇用管理の改善面で問題が指摘されておることもありまして、パートタイム労働法及び同法に基づく指針による指導等々、また、短時間労働者雇用管理改善等助成金ということで事業主に対する助成も考えておりまして、これらのことによりまして、パートタイマーが保護される、自由にパートで働くことができるように片方で助成措置も考える、こういうように考えております。
○塩田委員 我が国の雇用失業対策といたしましては、戦後、戦前も若干ございましたが、いわゆる失業対策事業でもって対応してまいりまして、これは大きな成果をやはり上げていると思います。これを収拾して、今や雇用保険を中心にした対策になり、これは大きな役割を果たしておる。これを転換したことは非常によかったことだと評価するところでございます。 雇用保険は、保険制度でございますから、財政的に安定が図られなければならない。今やもう積立金もほとんどなくなりつつあるという状況で、保険料を引き上げるということ、それから給付の適正化を図るということに積極的に取り組まれて、労使間で話をされました結果、合意が得られて、今国会に法案が出されるということにつきましては、私は歓迎するものでございます。 それはそれといたしまして、保険財政の安定化のためになお一層御努力を賜りたいと存じます。これらの御回答は結構でございます。要望いたしておきます。 それから、雇用調整助成金、これにつきましては、十数年前から始まったことでございまして、いわゆる景気的な循環失業に対する対策として、アメリカのレイオフ、これにある程度倣ったような、それ以上の対策でございます。 この調整金の効果はどのようになってきておるか。どういう推移で今日に至っておるか。また、これは構造的な、長期停滞的な失業に対する対策ではないけれども、そういうことに流れる可能性もあるということで、やはり見直しなり今日の状況に対応した改善が必要かと思いますが、これについてお伺いいたします。
○渡邊政府参考人 雇用調整助成金の制度は、今委員おっしゃいましたように、景気の変動に対して雇用の維持、安定を図るということで設けられている制度でございますが、平成十年度の実績を見ますと、約二百八十七億円の支給実績ということになっております。対象人員は、これは月別に見ておりますが、多いときには二十八万人ぐらい対象になったことがありますが、直近の昨年の十二月の数字では十六万人がその助成対象というふうになっておりまして、雇用の維持、安定ということで一定の役割を果たしているというふうに見ております。 ただ、先ほどおっしゃいましたように、この雇用調整助成金の制度は、あくまで景気の一時的な変動に対応して企業が休業とか出向、訓練等行うための雇用の安定、そういった制度として本来設けられているものでありまして、これが、構造的要因によってなかなか長期に回復が見通せない、難しいというものについてまで雇用の維持を何が何でも図るということは、やはり本来の趣旨ではないというふうに思います。 この点につきましては、昨年の六月十一日に策定をされました緊急雇用対策においてもそういった指摘が行われておりまして、雇調金のあり方について見直すべきであるという指摘がされました。 これにも基づきまして、昨年検討いたしまして、昨年の十月一日から、構造的な要因によるものについてはこの雇調金の助成対象から排除して、こういった業種についてはできるだけ成長産業への移動を促すという方向が必要であろうというふうに切りかえをいたしました。一定の経過措置は設けておりますが、昨年の十月一日からは、業種雇用安定法に基づきます特定雇用調整業種などはこの対象から外すということにいたしまして、今後とも一時的な景気の変動に対応する対策だということで重点化をしてまいりたいと考えております。
○塩田委員 ありがとうございました。 シルバー人材センターにつきまして、御要望を申し上げておきます。 高齢者雇用安定法に基づきましてこの制度ができてから、かなり全国的に急速に普及をし、大きな機能を果たしていると私は評価するものでございます。全国八百ほどセンターの設置があるようでございますが、そのうち、毎年十カ所ぐらいの助成、補助金のようでございます。今二百ほど助成されておるようでございますが、やはりもう少し大きいテンポで要望にこたえて増加すべきじゃないか、このように思いますので、この点についても御配慮を賜りたいと思います。 時間がございませんので、一つ労災の補償の関係で、かつてこの委員会で私は二回ほど過労死の労災適用についていろいろ申し上げて、悲惨な具体的な例についてもここで御披露したことがございます。 そういった状況の中で、その後、過労死についての労災の適用について、過労死のみならず、心理的負担による精神障害等に係るものにつきまして、業務上外のものであっても労災の認定をするということになったように聞いておりますが、その件について、簡単に御説明をお願いします。
○長勢政務次官 昨年の九月に、心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針というものを策定いたしまして、業務上外の判断に当たって、請求のあった労働者について、精神障害の発病の有無、発病時期及び疾患名を明らかにした上で、その労働者の業務による心理的負荷ですとか、業務以外の心理的負荷ですとか、あるいは個体側の要因といったものについて評価をし、これらと発病した精神障害との因果関係について総合的に判断をする、そういう基準を示したわけであります。 これによりまして、業務による心理的負荷が相対的に有力な原因と認められた場合には業務上と認定をするということにしたわけでございます。業務によって精神障害にかかるとかあるいは自殺するといったようなこと、こういうことはあってはならないことではございますが、この指針に基づきまして、労災補償の面で迅速適正に対処していくことにいたしております。
○塩田委員 ありがとうございました。 最後に、各種の規制緩和、自由化の中で、規制改革の一環といたしまして、社会保険労務士の業務独占の見直しを求める声があるようでございますが、社会保険労務士の業務の重要性あるいは専門性に照らしまして、これはむしろ業務を拡大して、限定的で結構でございますが、訴訟代理権付与等のいわゆるバリアフリーを進めた方がいいのではないかと考えます。この問題につきまして、ひとつ積極的に取り組んでもらいたいと思うのでございますが、労働省としてのお考えをお伺いいたしまして、終わります。
○長勢政務次官 経済社会情勢が大きく変わりまして、労働社会保険諸法令も相当複雑多岐にわたるようになりまして、この処理については高度にまた専門的な知識経験を必要とするということから、社労士制度というものが設けられておるわけでございます。 この業務は、当然、働く方々あるいは企業の権利義務に直接かかわることでございますから、間違いがあってはならない。そういう意味でも、しかるべき資格を持った方に適正に行ってもらうことがぜひとも必要でありますので、これを直ちにいろいろな方々に開放するということは、私どもとしては賛成しかねる、こういうふうに考えております。 また、今、訴訟代理権の付与等についてのお話もございました。現在、司法制度改革審議会におきまして、そういう意見について審議をされておると聞いております。この労働社会保険関係につきましても、訴訟その他にかかわることが多々ございまして、その事実認定等もいろいろございますので、ぜひ、その専門知識を有する社労士の方々のそういう面での活躍というものも十分評価をすべきであるという観点を含めて、適正な御判断を今後も進めていただくようにお願いしてまいりたいと思います。
○塩田委員 ありがとうございました。
○赤松委員長 中桐伸五君。
○中桐委員 民主党の中桐でございます。 私の質問、いろいろ多岐にわたっておりますが、まず、今の雇用失業情勢、依然として、まだ大きく好転という状況ではない。そういう中で、昨年、緊急地域雇用特別交付金制度というものをつくり、急遽、臨時的応急雇用対策として今実施しているという状況であると思うんです。 さて、この実施状況。予算は二千億円で、二年間実施するということになっているわけであります。幾つかの事業例等も示して、自治体との協力関係でこれを実施するということになっておりますが、まず、その実施状況を概略で結構ですからお教えいただきたいと思います。
○長勢政務次官 御質問の緊急地域雇用特別交付金につきましては、二千億の予算を計上しておりますが、現在、都道府県に対しまして全額の交付決定を終えておりまして、具体的に各地方公共団体において事業が開始されつつあるという状況でございます。 今、その具体的な事業計画も御提出をいただいておるわけでございますが、大変な工夫をいろいろな形でしていただいておりまして、例えば、ダイオキシンの調査ですとか環境美化ですとか、あるいは分別収集促進の事業といったような環境、リサイクル分野の事業で全国的に五百四十億円程度。また、情報教育や外国語教育で臨時講師を学校に配置する事業など教育分野の事業というものも約二割、四百十億円ぐらいが計画されております。さらに、行政文書のデジタル化などを行う行政分野の事業で三百三十億といったような傾向でございまして、非常に多岐にわたっていろいろな工夫をしていただいておる。これらの結果として、全体で、目標である約三十万人の雇用就業機会の創出が見込まれる。 現実にも、平成十一年度では四百五十億円の事業が計画されておりまして、十二月末までの段階では二百六十億円、既に委託契約が締結されて事業が開始されておる、年度末までには四百五十億円になるだろう、このように把握をいたしております。 〔委員長退席、鍵田委員長代理着席〕
○中桐委員 これは、まとめられる範囲で結構ですから、後ほど資料として文書でいただきたいと思うんです。 私がここで実態を質問をさせていただいたのは、この制度の今後の展開として二つの問題を少し議論しておきたいというふうに思ったからであります。 一つは、一応計画という形で今進められている、既に実施されていると思いますけれども、その評価。この二千億円の三十万人を目標とする緊急、応急の雇用創出、これのエバリュエーションをどういう時点でやるのか、だれがやるのか、どういう形でやるのか、それをやらなきゃいけないだろうということが一つであります。 それから、これはあくまで短期間の応急の雇用創出ということでありますけれども、それは単に、とにかくこれは緊急に、今失業状況が厳しいからということが一つの大きな要素でありますけれども、しかし、そこからいわば常勤の雇用とか安定した雇用に移行する可能性というものをどういうふうに考えるのか。非常に分野が多岐にわたり、なかなか一概にそれは言えないと思いますが、しかし、そこの努力をどういうふうにするかということは、これはある意味でいえば体験就労という意味も含めているわけですから、就業機会のチャンスを、ある意味では交付金という形の国の財源を使って、いわば体験就労という面を含んでいるわけであります。その点についてのメリットをどう生かしていくのか、この二つの問題があると私は思っております。 したがって、まず第一に、この評価をどういう時点で、例えば一年ごとに、半年ごとにやるのか、どうお考えになっているのか、国と自治体の協力関係でどういうふうにやろうとしているのかということからお聞きしたいと思います。
○長勢政務次官 交付金を決定する段階で、どういう事業にどれくらいの雇用を確保するかという計画を出していただいているわけでありますが、当然のことながら、その計画どおりに雇用を確保していただかなければならないわけでありますから、委託契約の段階においてまず確認をさせていただくことになると思います。その後、どの時点でどういうふうにやるかについて、まだ明確にしておりませんが、適時適切に評価がきちんと出て、事業が効果的に行われているかどうか、各県とも連携をとって進めたい、御心配のないようにいたしたいと思います。
○中桐委員 ぜひ評価をしていただきたいんですが、今まで、行政の問題点として、評価というものをなかなかやらなかった。それは行政改革の中で一つの大きなポイントになってきたわけです。やはり、これだけの税を投入してやるんですから、これはアウトプットをきちんと、どういうふうになったのかということを評価する仕組みをつくってやるべきなんで、そこが、今の政務次官の御答弁はちょっと従来型の行政の域を意識的に超えようというスタンスが感じられないんで、そこはぜひ大臣も含めて、これだけの応急雇用創出対策をやっていこうとしているわけですから、これはやはりちゃんと説明をしていかなきゃいけない、この財源は本当に有効に使われたのかどうかという。 その点については、早急にそういうエバリュエーションのシステムを国と自治体の間にぜひ設けていただいて、やっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○牧野国務大臣 御承知のとおり、このお金は各自治体で基金という制度によって議会等におきましても十二分に審議されて使われる、こういう体制になっております。 それからもう一つは、この制度をつくりました理由は、本当の細かい雇用ということになりますと地方自治体が、自分の周辺ですから、そこがよく把握している、こういうことで、各自治体にどういう仕事をしてもらうか、どういう形で雇用を確保していただくかという現実の姿を十二分に見ていただいて、地方自治体に任せよう、こういう形になっているわけです。 したがって、私の選挙区ですが、あなたのところはこれを何に利用なさるんですかと。実は間伐のためにやります、あるところは古跡の発掘についてやりますと。各地区それぞれに違うわけですが、いずれにしましても、先生おっしゃったとおり、貴重なお金を使うわけですから、ぜひ報告を求めて、直すべきところは直したいな、こう考えております。
○中桐委員 内容は、今政務次官の方にお答えいただいたように多岐にわたるということで、しかし、それは自治体にお任せするといっても、これはやはり国が予算できちんとつくってやっているわけですから、これは国の方で評価基準なども含めてきちんとつくって、やるということをやってもらいたいということであって、自治体がやるんだからどうのこうのという話は、自治体と協力関係でやればいいんで、そういうことじゃなくて、やるということでよろしいですね。
○長勢政務次官 当初の制度の目標が三十万人の雇用を確保するということで、そのための計画も出していただいておるわけですので、委託契約の段階、その後も、現場は都道府県なり市町村が一番よくおわかりでございますが、連携をとりながら、所期の目的の雇用の確保ができるかどうか、万全を期していきたい、このように思います。
○中桐委員 それで、その評価の中の一つに、私は全体系的にこれを網羅して問題提起をしているわけではないんですが、先ほどちょっと触れました、つまり体験就労的なものがあるわけでありますね。それが安定雇用に移行する可能性を含んでいるわけです。そういう意味でいえば、国の交付金を使った意味がさらに大きな意味に発展していくわけです。 そこで、エバリュエーションの中身とも関連いたしますけれども、また安定雇用に移行していける可能性というものも含んでいるものですから、これをどのようにやるかということについて、簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。
○長勢政務次官 制度そのものは、緊急に国費をつぎ込んで、市町村で工夫をして就労の場を確保するという制度でございますから、アプリオリにこれを経常的な就労の場として確保するということ自体を直接的に目的にしておるものではございません。 しかし、当然、市町村、都道府県におかれましてもそれぞれの行政需要に基づいて職場を開発されると思いますので、今後それが定着していくことについても御努力いただける端緒になるだろうと思いますし、その方向で御協力できる点があればしていくというスタンスで考えたいと思います。
○中桐委員 雇用の機会をこういった形でサポートしてやっていくということの意味もあると思いますので、ぜひ今の政務次官の御答弁のような方向で、評価の中にも入れていただくし、画一的なものではないけれども、そういうチャンスであるということをうまく活用することを国と自治体の関係者の中でもそれなりに確認をしていただければ、今、始まって、まだ残りがありますので、ぜひお願いしたいと思います。 では、次の質問に行きますけれども、実は私最近、障害者の就労、労働というものを考える、自主的に障害者雇用の促進を図っているいろいろなグループの皆さんと議論をする機会が大変ふえてきているんです。 そこで、雇用の中で特に障害者雇用の問題について、これは労働省と厚生省が一つの省庁にもなっていくということもありますし、障害者プランというふうなものも出されております。そしてまた労働省も、障害者雇用の促進をこれまで努力をしてきている。そういうことを前提といたしまして、労働省と厚生省が一つの省になれば、より体系的な障害者雇用の促進ということも、オーバーラップをしているものを整理したり、あるいは強力に一体化して進めることができるというふうになっていくだろうと思うので私は大いに期待をするわけなんですが、ただ、問題はこの障害者雇用の考え方にあります。 一つは、割り当て雇用という形で、一定の基準以上の規模の事業主に障害者の雇用を割り当てるという形での障害者雇用の促進という方法を考えておりますね。しかし、これもなかなか実際には予定の割り当て率にいかないで、雇わなきゃいけない分をお金として出して、それをカバーするというふうなことにもなっています。 そういうことから、もう一つは、今ある事業主という対象に限った場合には、やはりどうしても障害者雇用の促進において十分ではないのではないか。特に、障害者の雇用の促進を一生懸命考えている一つのグループが、自分の子供が障害者になって、こういう状態を何とか改善しなきゃいけない、雇用が全く展望のない状況を改善しなきゃいけないということで一念決意をして、ボランタリーに小さい福祉工場をつくる、家賃も何も全部自分持ちでつくる。非常に厳しい環境の中で何とか就労の場を確保しよう、こういうふうな努力をしている人に、最近何人もお会いをいたしました。 その人たちのおっしゃる話は、つまり雇用というものの場を、今ある事業主ということにこだわることなく、極端に言えばポストの数ほど作業所をつくってくれと。つまり、障害者というのはいろいろなハンディを負っておりますから、通勤というものも非常に大変な状況がありますし、家族がそれをバックアップする、家族にどうしてもおんぶにだっこになっている状況がある。そういう中で、幾つかの地域にセンター的に工場があってもそこに吸収されない。そうではなくて、もっと多様な、身近なところに小さいものでもつくってほしい、こういう要望があるわけです。 しかし、その中で、障害者の方の作業能力というものは非常に個人差がありますよね。今の雇用市場において、いわば物をつくる、あるいは何か作業をして成果を上げる、それが通常のコストで競争できるという状況はなかなかできない。しかし、やはり働きたいという人がいる。その場合に、例えば私の岡山市なんかでは、障害者の雇用を奨励するため、自治体が障害者に一人当たり百円出している。百円です。それほどの奨励金をもらったところで、とても雇用市場における競争の条件にたえられるものではない。 そこで、ILOの第九十九号勧告で保護雇用という概念が、これは英語ではシェルタードエンプロイメントということだそうですが、これは保護だから措置だというのではない。ILOの九十九号勧告は、保護、シェルタードエンプロイメントと言っているけれども、しかしそれは雇用市場の通常の競争にたえられない障害者のための助成、サポートなんだ、したがって、これは一応労働法が適用される雇用という関係としてとらえているんだということが言われています。私はこれは、文献の孫引きでしゃべっておるんですが。 そこで、これからの障害者雇用のあり方、例えばフランスとかあるいはスウェーデンとかでは最低賃金というふうな概念を導入して、最低賃金を下回ったときには補完手当として国から、保護賃金というのですか、保護雇用のためのサポートをするとか、あるいは補助金雇用という形でスウェーデンでは賃金補助を行っている。 つまり、今回の地方事務官の問題をめぐりまして、これは地方に移管するべきものなのか国がやるべきものなのかという議論がありました。国際的な流れとか、ILOというところで、雇用問題は国が責任を持ってやるということになっている。その流れの中で、やはり雇用は国だろうということになりました。そういう前提に立って、やはりこれは自治体が、例えば自治体によって千差万別だと思うんですが、障害者一人百円とかいうふうな状況というのは何とかしなきゃいけないんではないか。 そのために、国がセーフティーネットということで、障害者が雇用市場の競争にたえられない状況の中で、最低賃金を目安にするかどうかは議論があるところでありますけれども、そういった細かい話はのけまして、こういう考え方を、導入をすることも含めてこれから検討すべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○長勢政務次官 障害者の方々が、雇用あるいはその他の就業、あるいはいろいろな生活分野で、社会で御活躍いただく、参加をしていただくということは極めて大事なことでございますし、そういう過程で、各地域の中で、共同作業所、福祉作業所等々、大変な御苦労をいただいておるということも十分承知いたしておるわけで、こういう運動がますます活性化をするというか、活躍できるように国としても考えていかなければならない、このことはおっしゃるとおりだと思います。 その際、労働省の方は、いわゆる雇用ということを重点にというか、そういう面からのサポートをやっておるわけで、現実にも、今お示しのありました雇用率を中心にした障害者雇用納付金の制度でありますとか、あるいは雇用保険制度でいろいろな政策も講じておりますが、いずれも雇用主の共同連帯責任の中で考えておって、そこで財源を負担していただいているという経過でございますので、小規模作業所等につきましては雇用関係というものは一般的にはないものですから、なかなかおっしゃるような形での賃金助成等を今の仕組みの中で考えることはまだまだ問題があるのではないかと思っております。 ただ、当然、厚生省サイドといいますか、今百円のお話がございましたが、地方公共団体等でも、こういう方々の雇用という面よりも、就業の、あるいは社会参加という面での援助という予算が運営補助等というような形で行われておるわけで、これと労働行政とがどういうかかわりを持っていくかということは、今後両省が一本になる過程におきましても十分に考えていかなきゃならないことだと思っております。 労働省も、こういう小規模作業所等におられる方々が就職できるように促進をしたいという観点からの連携ということは今既に進めておるわけでございまして、例えば作業所等との連携によって、支援パートナーつきで民間事業所において訓練を行う職域開発援助事業を実施しております。また今年度からは、就業支援と生活支援を一体的に提供する障害者の就業・生活支援の拠点づくりを両省で試行的に実施するといったようなことも労働省の予算も活用しながら進めておるところでございまして、今後とも、先生のおっしゃったような方向で何ができるか、統合を契機にして考えていかなければならない、このように考えるところであります。 〔鍵田委員長代理退席、委員長着席〕
○中桐委員 前向きな御答弁で大変ありがとうございます。 特に私が申し上げたいことをまとめますと、厚生省も、社会福祉構造改革ということで、措置という世界から転換を始めようということを言っております。しかし、私は、労働というものの体系を持ってきた労働省の役割というのは、厚生省と一体になったときに、そこを強力に、今言ったようにシェルタードエンプロイメントであるということ、措置ではないんだよと。しかし、最低賃金まで補助するかどうか、あるいはどこまで手当てをするかということは議論があるといたしましても、これは、個人差という多様なものを背景にして、障害者が八時間一生懸命働いてアウトプットがこれだけであっても、それはエバリュエーションをきちんとやりながら、ただモラルハザードが起こるような形では困りますけれども、しかし、そこはきちんとやりながら、それは悪平等なのではなくて、そうではないんだという主張は、やはり労働省の労働概念というものを厚生省と一体になったときに強く出していただきたい。そのことは強くお願いをいたしまして、次に移りたいと思います。 次に、大臣の所信表明で、言葉として「円滑な労働移動を支援する」というふうにありますが、この文言は、当然政府が介入して円滑な労働移動をするということではなくて、要するに中立的に、労働移動を希望する労働者が円滑に移動できるようにという意味だと思うんです。 しかし、今の日本のシステムは、労働者ということから見たときに、企業と家族がセーフティーネットを大きく支えてきた。非常に極端に日本の特徴を言いますと、細かい話は別として、企業と家族が支えてきた。しかし、例えば介護サービスを必要とする人が出てきたときに、今もう家族で支え切れない構造ができてきておる。そこで介護保険制度という制度をつくりましたね。それと同じように、いわば福祉というか、そういったものが実は企業、事業主にかなり依存してきている。 それは、つまり小さな政府なわけですよ。日本が大きな政府だと言われているのは、規制が多過ぎて、いわば自由な市場の中で企業活動なりが自由に行えない。やたらと規制がある、つまりガバメントが規制をする。これが大きい政府なのであって、いわば福祉とか社会保障という問題について言うと、どうも企業に非常に負担が大きくなってきている。企業にぶら下がっている。 それも、多くは大企業というところに福祉のいろいろなオプションが加えられている。そういうことになりますと、言ってみれば企業の規模であったり、あるいはチャンスをつかみにくい経営者と労働者のところでは、非常に福祉という観点からいっても格差が大きくなっている。 そういう中で、しかし今、産業構造の転換で、この企業内福祉というもの、つまり非法定福利厚生費とかいう言葉でも言われますが、そういったものが見直され始めているという文献をたくさん目にするわけです。 私は現場に行って全部それを網羅的に調べたわけではありませんのでわからないところはあるんですが、例えば、企業内福祉で挙げられる項目からいうと、社宅を提供するとか、独身寮であるとか、保養所をつくるとか、低金利の住宅購入資金の貸与をするとか、あるいは交通費の支給をするとか、あるいは慶弔に当たっての支給をするとか、昼食費の補助をするとか、さまざまなものがある。優秀な労働力を我が企業に迎え入れたいということで、いわば企業のイメージ、良質な労働力を迎えたいという競争もあってそういうことが行われたということもあるんでしょうけれども。 しかし、円滑な労働移動というものを支援するということになりますと、こういった問題をどうするかという問題があります。例えば、産業構造転換で業界によっては大企業が抱え切れなくなっているけれども、しかし労働者の側も、こういったいろいろないわゆる法定外の事業主、企業による福祉ネットワークが張られていますと、移ると大変なデメリットになるということになりますよね。したがって、労働者の側からも、移りたいという気持ちはあっても、何か新しいことに挑戦したいと思っても、実際上はなかなかそういう決断ができないという問題があります。 こういう問題をどうするかということは非常に大きな問題で、しかもそれはガバメントがどんどん介入してこうしろ、ああしろという問題でもないところがあるから、それはどうするのかという問題は、私はやはり非常に重要な一つのポイントではないか。その中には年功型賃金というのもあるわけでありまして、そういう問題がこれからどういう方向に行こうとしているのかやはりガバメントとしては十分認識をした上で、適切な、できるだけ中立的な支援措置をやらなきゃいけないと思うんです。 その点について、大臣、いかがですか。
○牧野国務大臣 まず第一に、長期雇用の問題。これは、企業にとっても、それから働く人にとりましても、両方とも安定するわけですから、それで日本の雇用慣行の基本というものはでき上がってまいったわけでありまして、特に今の福祉の問題におきましても、そういう形の中で、企業は施設を設け、いろいろな制度をつくってこられたわけです。 当然ながら、労使間でこれらについても十二分に話し合いが実施されてきたということは、もう先生御承知のとおりでございまして、それが今、雇用の流動性という、これは産業構造の変化という点もありますし、また働く人の、個人の働き場所、働き方等に対する価値観も非常に変わってきた、こういうことでございまして、今おっしゃった、これを雇用との関係で見ますと、政府は中立的であるべきか云々という問題については、これからの変化に対応して十二分に研究していかなきゃならないと思います。 しかし、私どもとしましては、雇用のミスマッチもなくしながら十二分に雇用機会が得られる、今は変動の時期でありますから、そういう点に十二分の配慮をして政策の樹立をしなきゃいけないな、こう考えておりまして、そういう観点からも、例えば、福祉関係、今一つ取り上げられようとしておりますのは四〇一Kの問題でありますが、これなんかも、個人の立場から見ますと、自分の選択によってできるわけですから、こういうものも、実はそういう今おっしゃったような考え方に沿った一つの例だ、こういうように考えております。
○中桐委員 余り時間がないので、やや抽象的になりますので、余りこれに時間を費やすつもりはないのですが、四〇一Kの問題は、きょうの新聞でも、案がまとまったということが、与党の中でそういう状況になっているということが報道されておりましたが、これも大臣、今私が話をしました、いわゆる円滑な労働移動の今や障害になっている企業の福祉に依存してきたいわゆる横断的な福祉あるいはセーフティーネットということではない、そういうことが、実はアメリカでもどうも、私のちょっと知り得た文献では、二重労働力市場といいますか、大きな二重構造というのがあって、それは国によっていろいろ違うのです、要因が。 しかし、どうしてもできちゃっている。労働市場が二つに分割されている。それで、第一市場は賃金や労働条件が非常にいい、第二市場は悪くて、そこへ沈殿しちゃう。その相互移動が非常に少ない構造になっている。四〇一Kというのも、第一市場には非常に有利な制度なんだけれども、残念ながら第二市場、つまり下の層の市場には余り活用されないだろうというふうに言われています。 ですから、そういう意味で、これから、能力主義になったり、年功賃金の見直しも行われたりして、ちゃんとした能力評価をした上で、努力をしたり能力を十分発揮した人が賃金をよりたくさんもらって、努力をしていない人がそれなりの賃金になるというのは、これは仕方がない。だけれども、問題は、ガバメントはその格差を極端に拡大してはいけない。その拡大しないためのセーフティーネットなり横断的な条件整備をしなきゃいけない。そのためには、四〇一Kだって決して手放しで喜べない。 つまり、私が冒頭に質問したような企業内福祉、事業所に依存してきたことによる格差が大きくなっていますよ、その問題を前提にして、労働省の役割は大きいですよということを私は申し上げておきたいと思います。 次に行きたいのですが、先ほどの議論とも関連します。その中で、これからの労働力市場といいますか、雇用というものを考えたときに、どういう方向へ日本の雇用環境というのが変わっていくのだろうかという問題をちょっと取り上げていきたいと思うのです。 一つは、ジョブソサエティーというものになかなか日本はなれていない。そういうジョブによって契約をして雇用が成立し、また新しい雇用に移動していくという形になっていない。 日本の場合は、賃金一つをとっても、正規労働と非正規労働、例えばパートとか派遣、あるいは一定の有期的な期限を定めた雇用とか、そういったものによって非常に賃金が多様であって、同じような仕事をしていても賃金の格差が大きいということが指摘をされております。 そういった問題が、将来、日本の安定経済成長というふうなことを考えてみても、それで行くのかどうかという問題です。これは私もわかりません。わかりませんが、政府は、現場の変化を十分フィードバックして、どういう方向へ持っていこうとしているのかということは、これは非常に大きい問題だと私は思います。 そこで、急に同一労働同一賃金といったって、そういうものが現場に定着をしていないということから、言うのは簡単ですが、それがすぐ実現されるかどうかという問題もある。 そういう中で、一体どういうふうに今日本の現場は行こうとしているのか。この点を、例えば年功序列型賃金というのは大きく見直しが始まっていますね、大企業なんかの報道によると。そういった問題というのは、明らかに従来型の賃金体系というものを変えようという意向が現場にあるということだと思うのですが、そういうものを総合して、果たして今の、これまで日本のとってきた、いろいろな就労上の形によって賃金が大きく変わるというものをどのようにされようとするのか。どういう方向に行こうとしていて、どういう方向をサポートするというふうに思っておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○長勢政務次官 雇用就業形態がいろいろ多様化しつつあるということは、おっしゃるとおりだろうと思っております。これは経営の側の、産業といいますか、そういう側の要請もありますし、また働く方々の側からも、いろいろな事情の中で、こういう形態の多様化が進みつつあるというのが現状だろうと思います。 それを政府として、労使間で、社会的に必要なものについて、必要に応じて、今まで法的な整備が必要なものをしてきたというのが、例えば派遣制度にいたしましても、パート労働法にいたしましても、そういう経過で進めてきたわけでございまして、今後とも社会の情勢に従ってやっていくということであって、特段にこれを今から、こっちはこうする、ああするという政策まで、私自身はまだ構想があるというわけではありませんで、状況の推移を推進していくというのが今までの姿勢だろうと思います。 その間で、同一労働同一賃金というお話もございましたが、雇用形態、就業形態の差異によって格段の不公平が生ずることのないようにというようなことは十分配慮していかなければならない場面も、労働行政としては多いのではないかと思いますし、そういう点でのいろいろな政策も講じてきて、啓蒙普及、また理解を求める活動をしてきたというふうに私どもは思っております。 賃金体系等々は、御案内のとおり、労使間で決定されることが基本でございますので、我々として、行政として、強制的なといいますか、強力なという分野は少ないのかもしれませんが、先ほど申しましたような、特段の不公平がないような、摩擦が起きないような仕組みについて十分注意を払っていかなければならないのではないか、このように思っております。
○中桐委員 なかなか難しい質問ですから、非常にお答えしにくいと思います。 同一労働同一賃金というものが、余りにも大きな格差があって、それとかけ離れていることは是正しなきゃいけないというようなこともおっしゃられたと思います。いろいろなことを総合化してやらなきゃいけないということで、この問題は、これからまだ大きな変化をしていく問題ですから、議論を続けたいと思っております。 きょうはこの辺ぐらいでとめまして、実は、今、年金の改正法案が参議院で審議がそろそろ始まるかというふうな状況になっているようでありますけれども、私は年金の審議のときに、長勢政務次官にも来ていただきまして、本当に大丈夫か、六十五歳以上、一律支給開始年齢引き上げで大丈夫かという質問をさせていただいたと思います。それは努力をして、そういうことでいろいろなことをやりますというお答えだったと思います。 私はそこで、この年金改正法は厚生省管轄なんですが、特に支給開始年齢の問題というのは雇用というものと極めて密接不可分ですから、ここは労働省もしっかりコミットしてやっていかなきゃいけない。二〇一三年までにこの六十五歳というのを完了するので、まだ修正は十分可能なんで、私は、きょうここで、厚生省は特に呼ばないで、労働省との質疑に絞って議論をさせてもらいたいのです。 私は、年金の改正の中でこの問題は、六十歳代前半の雇用が非常に厳しい状況の中で、こういう一律の開始年齢の引き上げでいいのかという問題を非常に大きな重要な問題としてとらえているんです。というのは、実際に、労働力の供給側の、つまり高齢者の、六十歳代前半の人の働く意欲、供給市場に出てくる流れと、それから需要、企業がそういう六十歳代前半の人の労働力をどれだけ求めるかという問題において非常に私は心配なんです。 というのは、これは、年金の審議のときにヒアリングにも来てもらった高山憲之さんという方、一橋大学の教授ですが、細かい話はもうやめますけれども、この方が「年金の教室」という本を出しましたけれども、ここの中で非常に危惧をされております。結論からいうと、この六十五歳一律引き上げというのは最後の切り札なんで、それをもうやっちゃった、しかしその前にまだやることがあったんじゃないか、六十歳代前半の雇用状況は結論的には非常に厳しくなる可能性が大きいと彼は言っているわけです。 それともう一つは、高山さんの発想の中で非常に重要だと思うのは、エージフリーあるいはエージレスのソサエティーを目指すのかどうかという問題があります。エージフリーの、あるいはエージレスの将来ビジョンをもし描くとすれば、この六十五歳定年制との関連で、たしか長勢政務次官はあのときの質疑で、六十五歳へ引き上げるための啓発を一生懸命やりますよ、こうおっしゃったと思うんですが、私は医者をやっておりました、六十を超えてくると非常に個人差が大きい。単なる個人差といっても、非常に肉体的、精神的にバラエティーが大きいわけですよ。 それから、高山さんがおっしゃっているのに、六十五歳というか、それに一律引き上げる前に、拠出年数の延長、つまり五年の延長ですね、四十年を四十五年にするという方がまだ労働者に優しいんじゃないか。つまり、多様な働き方をしてくる労働者、特に中卒で働き始めた、高卒で働き始めた、これはかなり体もいろいろ使ってくたびれているという要素もある。これは実証的にどのぐらいそうなっているのかわかりませんが、理論的にはそういうことは全く合理性があると私は思っているんです。 そうした場合に、一律の六十五歳への引き上げは事業主にとっても非常にきつい話で、年功賃金を大胆に変えてしまっていれば別ですけれども、それはまだ徐々に、今これから始まっているんですよ。なかなかそう簡単にいかない問題ですから、賃金というのは。そういう問題があるときに、いきなり財政上の問題でえいやっとやっちゃった、私はこれは非常に問題だと思う。 四十年から四十五年に引き上げる方が、例えば中卒で働き続けてもう疲れた、それで四十五年に引き上げても、十分まだその疲れた状態で四十五年までいきそうだということになりますから、六十五までということになると非常にそこが硬直してまいると思うんですよ。 その点、どのようにこれから労働省は考えるのか、厚生省の方針でもういいんだというふうに考えて定年制に行こうとしているのか、そこが私は非常に心配なんでお聞きしたいと思います。
○長勢政務次官 先生御紹介の高山先生、私もよく存じ上げております。年金の議論をここでやるというわけにもいかないと思いますが、一応今の段階では六十五歳が目指されておるということもありまして、雇用の確保ということが中高年齢者にとって大変重要な課題になっておるということを私どもは強く認識しておるわけでございます。 そのために、新たに今回の国会に高齢者の雇用安定法の改正案も提案させていただいておるわけでございまして、将来的にエージレスの雇用確保ということも視野に置かなきゃならないかもしれませんけれども、従来の日本の長年の雇用慣行の中では、六十五歳程度まで定年延長あるいは継続雇用という形で雇用を確保していくことが一番なじみやすい、またやりやすいという点を考慮いたしまして、新たな制度化に対する義務づけ、あるいは助成措置ということを改正するとともに、また、いろいろな個人差があります。そういう意味で、例えば、学校を出て六十五歳までずっと同じお仕事をするということは、個人の問題としても、企業あるいは社会の問題としてもなかなか難しい時代でありますから、当然、その間、能力の開発を行うとかいうことも含めて、労働移動ということも、あるいは職場移動ということもやっていかなきゃならない。そういうことも含めて、六十五歳までの雇用の確保、そして必要な場合の再就職の支援、助成という制度を特段に強化をするという体系を今つくりたいということで、御提案を申し上げておるところでございます。 先生の大変高邁な年金に関する御卓見に直接お答えすることはできませんけれども、年金のみならず、これからの高齢社会における働く方々の当面の将来像として、そういう方向をぜひ政府としても目指していきたい、こういうことで今考えておるところでございます。
○中桐委員 時間が参りましたので終わりますが、その前に、今の問題は私は非常に重要な問題だと思っております。 今、もう既に定年制六十五歳へ引き上げるというシフトで労働省が動いているとしたら、私はもう一遍今の議論を十分してもらいたい。そういう中で、今度は逆に、厚生省の財源論的なアプローチというものだけで、だけではないと思いますけれども、そういう形で年金の改正が行われていくというのは非常に問題を含んでいるので、ぜひ厚生省、労働省の中でそういう議論を巻き起こしていただいて、選択可能な、しかも一人一人の労働者にもある程度基本的に優しいものを選択しなきゃいけないということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○赤松委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鍵田節哉君。
○鍵田委員 民主党の鍵田でございます。 臨時国会に続きましての質問をさせていただきますが、よろしくお願いを申し上げます。ただ、きょうは三十分という非常に短い時間でございますので、私もできるだけ簡潔に質問させていただきますので、大臣なり政務次官もひとつ簡潔で明快な御答弁をいただければというふうに思います。よろしくお願いを申し上げます。 まず最初に、現在の雇用状況の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 人間、生まれてきましてから一定の年齢までの非常に長い間労働生活を過ごすわけでございますけれども、その中で一番生活の危機といいますのは、やはり健康を害することと職を失う、雇用を喪失するということが非常に大きな事件でございまして、この二つを安全なものにしていくということは政治にとっても大きな課題でございます。そういうことからしますと、今日の状況というのは、必ずしもそういう皆さんの要求といいますか要望が満たされておるとは言いがたい環境にあるわけでございます。 特に、昨年度の調査でございますけれども、経企庁が国民生活選好度調査というものをやられております。世の中が次第に暮らしよい方向に向かっているかどうかという調査では、よい方向ではないという人が約八〇%に上っておる。特に、働き盛りの三十代、四十代、五十代の男女ともに八〇%を超えておる、こういうふうな状況にあるわけでございます。人々が、失業といいますか、そういうものなり、健康保険の問題、それから老後の年金の問題、こういうふうなことから非常に生活不安を覚えておるという状況が、この経企庁の調査の中でもわかるわけでございます。 また、失業の不安がなく働けるということがどのぐらい重要かというふうな調査につきましても、極めて重要というのが五四%、かなり重要というのが三二・四%ということで、雇用に対しての不安というものが非常に強いわけでございます。 そういうことを反映するように昨年の年間の平均失業率が四・七%ということで発表されておるわけでございますけれども、その間に政府も決して手をこまねいておったわけじゃなしに、大変多額の資金を投入して、景気対策さらには雇用対策を行われておるわけでございます。 その数字は、平成十年の四月の段階で十六兆円の総合経済対策を打たれて、そのうち緊急雇用開発プログラムということで四百九十八億円、同じく十年の十一月に事業規模二十三兆円の緊急経済対策を出されて、そのうち雇用活性化総合プランとして一兆円、また、昨年の十一年になりましてからは緊急雇用対策及び産業競争力強化対策ということで五千二百億円投入をされ、そのうち緊急雇用対策として三千二百九十九億円投入されておるわけでございます。また、十一月には経済新生対策ということで十九兆円の多額の資金を出されておる。そして雇用対策としてもさらに一兆円を投入されておる。 それだけの多額の資金を投入して雇用対策をやりながら、昨年十一月の失業率は四・七%ということになっておるわけでございます。当初四・三%という政府の失業の見通しでございましたから、それからしますと〇・四ポイントもずれが出てきておるわけでございます。 この原因というものは、結局雇用対策として投入された資金が少なかったというふうに評価をされるのか、または十分それが機能しなかったというふうに見られるのか、その辺の見解と、さらには、今後の雇用対策というものをそれらの反省の上に立ってどのように立てられようとしておるのか、そういうことについての見解がございましたら、ひとつ大臣の方からお答えをいただきたい。 以上です。
○牧野国務大臣 厳しい雇用失業情勢を改善し、国民の皆さんの雇用不安の払拭を図る、これは政府の政策としては当然でございまして、一昨年四月以来、四度にわたり総合的な雇用対策を取りまとめ、これに基づきまして雇用の創出、安定、再就職の促進に全力で取り組んできたところであります。これまでの雇用対策が雇用情勢に一定の下支え効果を発揮しているもの、こういうように私どもは見ております。 具体的には、雇用の創出を図るため、中小企業労働力確保法に基づきまして、創業、異業種進出を行う中小企業に対する雇い入れ助成を昨年一月から実施しており、これによる雇い入れ予定数は本年一月までに約七万人。それから、地方公共団体における臨時応急の雇用就業機会の創出を図る緊急地域雇用特別交付金制度については、二千億円全額の交付決定を終えまして、これによる雇用創出見込みは約三十万人、こう想定をいたしております。 また、雇用の維持、安定を図るため、障害者、高齢者等の就職困難者の雇い入れへの助成である特定求職者雇用開発助成金制度について年齢制限を五十五歳から四十五歳に引き下げまして、平成十年六月から昨年十二月までに就職した方で対象となる方々が約五十四万人おられるわけであります。また、企業の雇用の維持の取り組みを支援する雇用調整助成金制度につきましては、その支給見込み労働者数は昨年十二月に約十六万人。 具体的な政策によってどれだけの人が対象になっておるか、このように算定いたしたところであります。 さらに、平成十二年度においても、雇用の維持、安定や創出、能力開発の促進を図るため、引き続き積極的に雇用対策を推進することとしており、その重立った施策の対象者数は合わせて約百十万人を予定いたしております。 内訳は、雇用の維持、安定については約十九万三千人、雇用の創出、再就職促進の対象者数は約七十六万一千人、能力開発の促進は約十四万人でございまして、私どもは、この百十万人の方々を対象として具体的な施策を推進する、こういうように予定しております。 もとより、御指摘の調査に見られるように、国民の雇用不安が強いことは私どもとしまして真摯に受けとめております。今後とも、これらの施策を積極的に推進することにより、雇用の創出、安定を図り、国民の皆さんの雇用不安が払拭されるよう全力で取り組んでまいりたい、こう考えております。
○鍵田委員 これだけの資金を投入してこれだけの雇用を創出する、目標としてそういう数字を持っておられることはわかりますけれども、それが実際に実効を上げていないから政府の目標よりも高い失業率になっておるという事実があるわけでございます。 そういうことからしますと、やはりもっと実効の上がる方法をとってもらいたいということを私は言っておるわけでございまして、これからもっと実効の上がる方法をどのようにとっていただくのかということのお答えがいただきたかったわけであります。目標だけおっしゃられても、実際にふたをあけてみたら、またさらに悪くなっておったということも考えられるわけでございますから、そういうことについて十分配慮しながらこれからの施策を実施していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 時間がございませんから、次のテーマに移りますが、雇用保険制度の問題でございます。 昨年、中職審で大変御苦労いただきまして、私も臨時国会のときには、今までいろいろな審議会で意見の調整がつかないままで法案化されて国会に提出されるというふうな例が続いておったわけでございますが、何とか労使さらには公益の皆さんの合意もいただいて、そして全会一致で審議会がまとまって法案化してもらうということをお願いする質問をさせていただいたわけでございます。 幸い、労働側が大変辛抱されたというふうに思います、これは、大胆な決断をされないとなかなか受け入れられない内容ではないかというふうに思うわけでございますけれども、そういうことでまとまったということでございまして、事務方の御苦労もいろいろあったのじゃなかろうかということでお察しをするわけでございます。 やはり雇用のセーフティーネットというものをちゃんと位置づけて見直していく、こういうことがこれから大切でございます。そういうふうな面からしますと、今の雇用保険の改正というのは、単に財源という面からだけ見直しを迫られるというふうなことでございまして、本来のセーフティーネットを構築していくという立場からの雇用保険制度の見直しではないような印象を受けておるわけでございます。 こういうふうな状況を招いたのは、やはり財革法などに基づいて政府の負担金なども削減をしたりというふうなことをしてまいった政府の責任というものは非常に重いのではないかというふうに思っておりまして、これらにつきましては、今後法案の審議の中で十分審議をしてまいりたいというふうに思っております。 これからやはり高齢者雇用の問題、特に六十歳以降の継続雇用の問題の実効性がいかに上がるかということ、さらには、六十歳定年になった人は比較的経済的にも潤っておるし、職を失うということがあらかじめわかっているんだというふうに言われながら、その辺の皆さんの労働条件なり所得というものに非常に大きな格差があるという実態がありますから、そういうことを考えますと、非常に慎重に取り扱わなくてはならないのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。 そういう意味で、この高齢者雇用の問題について、どのような決意を持って労働省としてはお考えになっておられるのか、その辺についてのお答えをいただきたいと思っております。
○牧野国務大臣 御承知のとおり、今度は雇用保険法の改正、まず失業手当の問題については、いろいろ審議会の一致した結論をいただきまして、改正案を提出してこれから御審議をいただくことになっております。 先生が最後におっしゃった高年齢者に対する対策でございますが、雇用分野や社会保障分野を初め、経済社会の諸制度を高齢社会に対応していくよう見直していくということは基本的に大切なことでございまして、今、定年六十から六十五までというのは労使間でも真剣に実は論議されているわけです。 労働省としては、従前は一遍に六十五まで定年を延長するという方々について助成制度を考えておりましたが、今回はこれを直しまして、一年ずつ延びる場合もきちっとそれと同じような方法で対応する。継続してぜひ働いていただきたい、なるべく失業保険をおとりにならないように、元気な方については安心して働くことができるように、こういうことで、六十歳定年のときの給与の八五%を目途といたしまして、新たに雇用されたときの給与の例えば二五%は雇用促進制度ということによって補てんさせていただく。それを中心にして、まず労使間できちっと決めていただきたい、こういう形で措置しよう、こう考えております。 いずれにしましても、六十五までは、お元気である限り、働く意思がある限り、少し手取りは減ってまいりますけれども、そういう形で政府としては助成をさせていただきたい、こういうことであります。
○鍵田委員 年金問題は、来年から六十一歳、二〇一三年には六十五歳の支給というふうなことでございますし、それから、雇用保険の方も定年退職者などにつきましては給付を減額するというふうなことにもなってきておるわけでありますから、実効の上がる高齢者雇用の問題をぜひともやっていただきたい。そのためにはやはり労使の合意形成ができるような労働省としての施策ということが大切ではないかというふうに思いますので、ぜひともこれは大臣、死力を尽くして頑張っていただかないといかぬ、私もその年になってきておりますから余計そう思っておるのですけれども、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それからもう一つ、雇用問題に関連して、ワークシェアリングの問題がございます。フランスでも、この二月一日から従業員二十一人以上の企業で週三十五時間労働制というのがスタートをいたしまして、これは政府も介入をして、こういうワークシェアリングを導入していこうということで行われておるわけでございます。 我が国におきましても、このワークシェアリングという考え方が労使を初めあらゆるところから声が出てきてはおります。その中で、特に社会経済生産性本部が発表した労働時間短縮の雇用効果に関する調査研究の中間報告というのが出ておりますけれども、この中で、サービス残業を削減した場合の雇用創出効果は九十万人というふうに言われております。そういうことになってきますと、単純に数字の上で計算しましても、現在の失業率を三・二%程度に引き下げる効果がある。さらには、年休の取得率が現在五〇%程度でありますから、これを一〇〇%にするならば、さらに失業率を引き下げる効果が出てくるのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。 また、先日の大臣の所信の中でも、長期休暇の取得というふうなことも言われておるわけでございまして、サービス残業の削減や年休の完全取得、さらには長期休暇というふうなものでワークシェアリングを考えていくということを、ぜひともこれは、労使間の合意なり、社会的な合意形成ということで労働省が主導権を持ってやっていただきたい。 そして、経営者側の方は、何か賃金のワークシェアリングというのですか、そういうふうな考え方で、とにかく労働時間を短縮して、その分は賃金も下げてワークシェアリングをしようというふうな考え方があるわけですけれども、これは非常に危険な考え方であるというふうに私は考えておるわけでございます。経済的な効果からいたしましても、さらに労働者の生活を苦しめることにもつながってくるわけでございまして、もっと別のワークシェアリングの考え方というものがあるはずでございますから、そこらを労働省として、しっかり国民的な合意形成をするために頑張っていただきたいというふうに思っておりますので、これらにつきまして、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○牧野国務大臣 御承知のとおり、現在、ワークシェアリングにつきましては、例えば鉄鋼関係だとか電機関係だとか、主要労使間で真剣に検討されております。これは、結果的には賃金を同一賃金の内部で分け合おうということですから、今までの日本の伝統的な雇用関係から見ると、非常に難しい問題であるわけです。 しかしながら、現実に失業者が多い、こういうことを考えますと、やはりワークシェアリングについても基本的に考え直さなきゃならない、こういうことでございまして、今、各大手労使間において真剣に論議がなされており、その中身もそれぞれ違うわけでございまして、私どもとしては、各労使間で一応の結論を出していただいて、そういう方向に進まなければならない場合には、これはそれでいいのじゃないかというような社会的なコンセンサスができ上がりますように我々としては最大の努力をいたしたい、こう考えております。
○鍵田委員 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。 次に、通産省が調査をされた求人数の数字が先日の新聞に載っておりましたし、最近、経営者団体の方があちこちでこの数字を使われておる実態を私も目の当たりにしておりまして、通産省はまさかそんなあれはないと思うのですが、経営者団体の方が使われるのには何か意図的なものを感じないわけでもないわけですし、その辺について、ちょっと見解をお聞きしたいと思うのです。 通産省の調査をされましたのは、全国の三十三万社ですかを無作為で抽出されて求人動向などを調査されて、その結果、職安統計であります求人数の大体倍ぐらいの求人が実態としてはあるという発表の仕方をしておるわけです。 これは、確かに、自分で仕事を探す人もあれば、友人、知人を通じて職につかれる人もあるでしょうし、いろいろなケースがありますから、必ずしも職安を通して就職するということじゃないと思いますから、ほかに求人があることは間違いないと思うのですが、どうもこの数字は、意図的なと言ったらちょっと語弊があるのかもわかりませんが、何か、職安の機能が十分働いていない、したがって、実際は職安よりも他のいろいろな手段でもって求人をしておるので、そういう職安機能を民間に持たせていこうというふうな意図があるのじゃなかろうかというようなちょっと勘ぐった見方もしてみるわけなんですけれども、その辺について、何か労働省としての見解がありましたら。
○牧野国務大臣 本件につきまして、私は新聞で拝見いたしまして、倍あると書いてあるものですから、早速通産省を呼びまして、どういう内容であるかということを実は検討させていただきました。 何分あれは初めての調査でございまして、我が省がやっております安定所を通じての諸般の調査というのはずっと長年続いておるわけですから、その中から一つの変化を見出せばいい。しかし、通産省のこの間の調査は初めてで、特定の時期に一回やったものの結論なんですね。 あの内容を詳細に見ますと、特に建築業に対しての求人が、非常に多い数字が出ておるのです。ちょっとおかしいのじゃないかと。去年の十二月は、建設関係では雇用数が減っているわけですね。そうしましたら、あの調査時点の前三カ月、非常に住宅その他のブームがあった、それで関係の企業主は、私はもっと、これだけ雇いたいんだ、こういうことだろうという説明でございました。 したがって、あれを信用するしないは別といたしまして、毎年継続的にやっていただきたい。そうすると一つの方向というのが出てくるのではないか。そのとき初めて、私どもがやっている労働省の職安を中心とする諸般の調査と比較をしてみたいと思っております。 ただ、あの中で、実は、百業種選択したのですが、一業種、エレクトロニクスの一分野ですが、これだけ詳細に内容を分析しているわけです。あとは三月末日までに三百業種全部出ると言っておりますが、その一つ、ハイテク関係は、どういう人を求めるかという場合に、非常にはっきりと三十までの人が欲しいと。これはさもありなんとは思ったのですが、あのようにはっきり出てくるとは、実は私、想像できませんでした。 だから、あの調査で、私どもとして適正だなというところは積極的に参考にしてやりたい、こう思っております。
○鍵田委員 時間がもう少なくなりましたので、最後の質問に入ります。 ものづくり基盤技術振興基本法という法律がございます。これは労働省もかかわります法律でございますが、実は、私は議員になりましてから、最初からの課題としてこの問題に取り組んでまいりまして、超党派で、昨年の三月に全会一致で法案を通していただいたわけでございますが、大臣の所信の中に、物づくりの言葉が入っておりませんで、非常に残念に思っておるわけでございます。 総理大臣の私的諮問機関としても、ものづくり懇談会というのがございますし、それから労働省と文部省との共管といいますか、ものづくり教育とか学習に関する懇談会というふうなものもございますし、それからものづくり基盤技術基本計画懇談会というのも来月発足するというふうに聞いておるわけでございまして、これらの懇談会なり、さらには幾つかの省庁にまたがっておるわけですが、これらがお互いに協力をして予算の確保なり施策の推進なりを図っていただきたい。そうしないと、実効がなかなか上がらないのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。 東海村の事故でありますとか新幹線のトンネルの事故、さらにはロケット事故、こういうものを見ましても、やはり物づくりがどうも疎んじられて、その結果がこういうふうな事故につながっているんじゃないかということも言われておるわけでございます。 そういうことを考えたときに、このものづくりの懇談会などの、三つほどありますけれども、これの効果がどのように発揮されるのか。また、どういう目的でどういうふうにされようとしているのか。また、今地方でも地方のものづくり協議会ができつつあるわけでございますけれども、まだできておらない地方もあります。政令指定都市でもまだ二都市しかできておらない。さらには、市町村などでも物づくり産業が集積しておる地域があるわけですが、そういうところではやはりものづくり協議会をつくりたい、こう言われておるんですが、そこら辺にはまだ予算とかそういうものがつくようにはなっておらないわけでございますけれども、それらにつきましても何らかの形で考えていただけないかどうか。こういうことについてお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○長勢政務次官 先生方の御努力でものづくり基盤技術振興基本法ができまして、これからこの法律に基づいて、ものづくり基盤技術基本計画及び年次報告をやっていくということになっておりまして、今関係省でその策定に取り組んでおるところでございますが、今先生お話しのとおり、原子力の安全管理あるいは鉄道の保安等の分野でいろいろ事故が起きております。これも、品質管理を含む物づくりについての我が国の状況というか能力が落ちてきたんじゃないか、これを強化していかなきゃいけないという大変深刻な問題でございます。 こういうことから、総理みずからものづくり懇談会を開催されておるということでありますし、また以前から、我々労働省、文部省で、とにかく教育現場でこういう問題に取り組みたいということで、ものづくり教育・学習に関する懇談会を開催しておるところでございます。 先ほど申しました法律に基づく計画、年次報告を策定するに当たって、各方面の有識者の御意見も聞きながらやっていこうということで、三省で懇談会をこれから結成して、各懇談会の御意見を十分反映した基本計画を策定し、これを実行に移したいと思っておる次第でございます。 また、地方の協議会の件でございますが、主管の通産省におきましても、今取り組んでおられる対象を拡大していきたいという方向でございますし、労働省としても、各地域の能力開発の機関も持っておりますので、そういう要望等も踏まえて、その方向で協議をさせていただいて、通産省にもお話をしていきたい、このように思っている次第でございます。よろしくお願いいたします。
○鍵田委員 どうもありがとうございました。
○赤松委員長 松本惟子君。
○松本(惟)委員 民主党の松本でございます。 私、まず、労働安全衛生の問題についてお伺いをいたします。 ただいま政務次官のお話にもございましたけれども、昨年起きました東海村の臨界事故、これは本当に空前の大事故でございました。被曝した大内さんが亡くなられましたことは大変痛ましく、二度とこういう事故が起こることがないように、再発防止にそれぞれの立場から努めなければならないというふうに思います。 その意味で、労働安全衛生を指導する立場にある労働省の役割は大きいと思います。当委員会における質疑の中におきましても、牧野労働大臣は次のように答弁をされています。 安全衛生規則に基づいて労働基準局は指導しております、それが年一回ではだめだから、四半期に一回ぐらいは専門官が見るなどして管理監督、指導を具体的に強化していきたい、何とか事故が起こらないように全身全霊を挙げて不備なところは対処したい、このようにおっしゃられております。 私は大臣のこの姿勢、決意について期待するものでございますけれども、率直に申し上げて、労働安全衛生の徹底という点では大変不十分な実情にあるのではないかと思っております。 そこで、労働大臣にお伺いをいたします。 大臣の所信の中で、労働災害の減少及び労働者の健康確保のための対策の充実など、安全文化の創造に向けて取り組まれるというふうにおっしゃられましたが、具体的にはどのような取り組みを行うおつもりでございましょうか。
○牧野国務大臣 昨年、東海村ウラン加工施設における災害や鉄道トンネルのコンクリート落下事故等の事故災害が多発したことから、政府に事故災害防止安全対策会議が設置されました。組織と個人が安全を最優先にする気風や気質を育てていくといった安全文化の創造が提言されました。 また、同報告書では、安全確保のために適正なコスト負担が必要であることを共通の認識とするように社会全体で取り組んでいくことが必要であることも述べられております。 労働省におきましても、この安全文化の創造に向けまして、本年一月に安全衛生情報の発信基地である安全衛生情報センターを開設し、災害事例等の安全衛生情報の提供を行う体制を整備するとともに、事業者の自主的な安全衛生管理手法である労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進、さらにヒューマンエラーに関する調査研究を実施するなど、労働災害防止の観点から積極的に取り組んでまいりたい、こう考えております。
○松本(惟)委員 新しいお言葉、安全文化の創造ということは、大変耳ざわりがいいわけですけれども、どうぞ具体的にしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げます。 続きまして、昨年の十月六日、福岡県の筑紫野市ごみ処分場に掘られました井戸で、作業員三名が死亡をしております。土の中に埋めたごみが化学反応を起こして硫化水素が発生をしたもので、三名が死亡し、一名が入院中でございます。 県警などの調査によりますと、原因と見られる硫化水素の井戸内での濃度が人間の致死濃度を大幅に上回る約二〇〇〇ppmに達していたとのことでございます。違法な廃棄物が捨てられた疑いが強いとして、業務上過失致死の疑いで捜査が行われておりますが、大臣、この事件は御存じでございましょうか。
○牧野国務大臣 労働安全という見地から、そのような説明を受けました。
○松本(惟)委員 報道によりますと、産興の関連会社である産興リサイクル研究所の研究員が、水質検査のために井戸の階段をおりて、水を採取しようとして突然倒れた。研究員を救出しようと近くにいた作業員二人が井戸に入り、また倒れた。そして、四人目の作業員、この方は今入院中で現在治療中でございますけれども、同じく救出しようとして倒れたところを仲間に辛うじて救出された。結局、二人が事故当日に死亡、残りの一人は約三週間後に有毒ガスから生じた敗血症で亡くなっておられます。 私は、先般この現場を実際に見てまいりました。 硫化水素は、大気中に一〇ppmの濃度で目がちらつくなどの症状が出て、高濃度ですと頭痛や呼吸障害を起こす。致死濃度は七〇〇ppmというふうに言われております。労働安全衛生法では、大気中の濃度が一〇ppm以下という作業基準が定められております。 この筑紫野市の処理場だけでなく、滋賀県の栗東町の処分場では致死量の十五倍を超す硫化水素が検出をされているなど、各地の廃棄物処理場から一〇ppm以下という基準をはるかに超える量が検出をされております。死亡事故に至ったケースとしては、八〇年の滋賀県彦根市の市営ごみ処理施設で職員五名が死亡した事件があるようですけれども、いずれにいたしましても、こうした労働災害が起こり得る、あるいは起こりやすい危険な状況にあることは事実でございます。 私がおります福岡あるいは九州は、産業廃棄物が非常に多いところでございます。したがって、産業廃棄物処理を行う事業者に対して、従来どおりでなく、新たに労働安全対策の特別な措置が講じられるべきと思いますけれども、大臣、いかがお考えでございますか。
○牧野国務大臣 廃棄物処理場における硫化水素中毒につきましては、従来から、労働安全衛生法に基づく酸素欠乏症等防止規則によりまして、作業場所の酸素及び硫化水素濃度の測定、作業場所の換気、作業者に空気呼吸器等を着用させること、法定の資格を有する作業主任者の選任及び作業の指揮、作業者に対する特別教育の実施等の措置を事業者に義務づけているところであります。 さらに、昭和五十七年に安全衛生管理体制の整備、安全衛生作業基準の確立等を内容とする清掃事業における安全衛生管理要綱を定め、周知を図るとともに、平成十年十二月には、作業場所の測定及び換気等、硫化水素中毒等の防止対策の徹底を都道府県労働基準局長に通知し、集団指導等を通じ、廃棄物処理事業者に対してその対策の周知徹底を図ってきたところであります。 先生から御指摘のありました昨年十月の福岡県筑紫野市で発生した硫化水素中毒事故は、本来硫化水素が発生しないとされていた安定型処分場で硫化水素中毒が発生するという全国にも例を見ないものでありまして、現在、福岡県とも連携を図りつつ硫化水素発生の原因を調査しているところであります。 この調査結果を踏まえまして、同様の事故が他の安定型処分場でも発生し得ることが判明したときには、直ちに同種災害防止のための対策をまとめ、全国の関係事業者等に対し必要な指導を行いたい、こう考えておるところであります。
○松本(惟)委員 労働行政でしっかりと周知徹底を図られているということですけれども、これが現場で守られていないがために大変痛ましい事故が起こったわけでございます。私は、この筑紫野市の事態だけでなく、次に起こったらどうするということでなく、徹底的にこの件について原因を究明されまして、積極的な対応をお願いしておきたいというふうに思います。 続きまして、死亡した遺族が労働災害事故の遺族補償を申請したと聞いております。死亡した三名並びに療養中の人を含めて既に労働災害認定がされていると思いますが、確認的にお聞かせをいただきたいと思います。
○野寺政府参考人 先生御指摘のこの事故によりまして被災されました四名の方につきましては、業務上として既に認定し、遺族補償給付、療養補償給付などなど必要な給付を行ったところでございます。今後とも、業務上の疾病の認定に当たりまして、迅速適正に対応してまいりたいと思っております。
○松本(惟)委員 認定につきましては、ジェー・シー・オーのときは九月三十日の事故発生、十月二十六日に認定をされております。今回は十二月二十日ごろに申請をしたと伺っておりますけれども、二カ月かかっています。迅速な労災補償を行うと大臣が所信で言われております。今後も、労働災害につきましては、文字どおり迅速な補償が行われるように要請をしておきたいというふうに思います。 次に、家庭と仕事の両立支援についてお伺いをいたします。大臣が所信でお述べになりましたように、仕事と育児、介護との両立を支援するための施策の推進でございます。 今国会では、雇用保険法の改正案が政府から提出をされています。同法案につきましては当委員会で別に審議をされると思いますので、ここでは育児・介護休業給付の問題について伺っておきたいと思います。 改正案によれば、現行二五%を四〇%に引き上げるとのことでございますけれども、この支給の根拠を簡潔にお聞かせください。
○渡邊政府参考人 育児休業給付、介護休業給付につきましては、今おっしゃいましたように、現行の二五%を四〇%に引き上げるという改正案を提出しているわけでございます。これは、近年の少子高齢化の進展にかんがみまして家庭と職業生活との両立支援を強化するという観点から、このように引き上げたいということでございます。 その根拠ということでございますが、従来、賃金の二五%を雇用保険において支給しておりましたが、これは、仮にこの給付を受けないで離職をしたというときに失業給付、求職者給付として受け取る額と、離職をしないで休業によってこの手当の給付を受けるというときのバランスの面も考えまして、受け取る額で二五%程度であればほぼ同額ではないかというようなことで二五%という率を設定してまいりました。 今般これを引き上げるというときの考えでございますが、実際に失業している人に対する給付が六〇%でございますから、それを上回るというのはできないだろうということで、その範囲内で検討するということになりました。四〇%でございますけれども、育児休業あるいは介護休業中の方については社会保険料の本人負担分が免除されておりまして、これが大体一二、三%分になるというふうなことでございますので、足し上げれば五十数%、実質そういった給付になるかというふうなことです。 失業者との給付の均衡という点については従来の考え方と同じですが、総量で均衡すると見るのか、あるいはそのときの、六〇、四〇というような率で均衡すると見るのか、そういった考え方の違いでございます。いずれにいたしましても、家庭と仕事との両立の支援をさらに強化するという観点から、かなり大幅な引き上げで来年一月からの実施ということで御提案をしているところでございます。
○松本(惟)委員 二五%まで引き上げるときの論議、大変なものがあったんですよね。そのときの根拠は今おっしゃられましたようなことでしたけれども、今回四〇に引き上げる、本来ならば長期休暇は六割というのが妥当だと思いますけれども、四割に引き上げるための根拠というか、状況の御説明がございました。 私、そうであるならば、ちょっと嫌みに聞こえるかもしれませんけれども、前回あれだけの議論、あのときは雇用保険はまだ黒字だったわけですね、少子化もやはり進んでいたわけでございます。どうしてあのときに英断をなさらなかったのかなということを込めて、四〇%というのは前向きでありますので反対するものではありませんけれども、今御質問させていただいたわけでございます。 続きまして、昨年十二月に関係閣僚会議におきまして、少子化対策推進基本方針が決定をされております。同方針におきまして、少子化の要因の一つとして、仕事と子育ての両立の負担感を指摘しております。少子化対策の推進に当たりましては、基本的な視点として、結婚や出産は当事者の自由な選択にゆだねられるべきであるということとか、社会全体の取り組みとして国民的な理解と広がりを持って子育て家庭を支援することなどが書かれております。 この基本的な視点につきまして、私も全面的に同感するものでございます。少子化対策というと、ともすれば産めよふやせよというような時代錯誤的な考え方が一部見受けられるように思いまして、警戒感を持っていたからでございます。 基本方針の中の「仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備」に具体的に書かれていることにつきましては、前向きな提起が多く、注目をさせていただいております。 そこで、幾つかの事項についてお尋ねをいたします。その一つは、子供のための看護休暇でございます。 私は、かつて婦人少年問題審議会の委員として育児休業や介護休業の法制化の審議に加わってまいりましたけれども、そのときにも家族を看護するための休暇が早く実現をされることが必要であるということを提起いたしましたし、国会に参りましてからも、当委員会におきまして、たびたびその制定の必要性を時々の大臣に提起させていただきました。 家族が重い傷を受けたり病気になったりした場合に、その入院、自宅療養上必要な世話や付き添いをすることは家族として当たり前のことで、そのための休暇が保障されなければならないと思うからでございます。ILOの百五十六号条約及び百六十五号勧告、そしてECの親休暇及び家族休暇に関する指令案でも、長期休暇である育児休業とともに家族的責任を有する労働者に認めるものとして想定している短期休暇は、まさにこのような類型の休暇であろうかというふうに思います。 したがって、この制度の場合、休暇日数は年間、最長でも三十日程度のものとすべきであろうかと思いますし、もちろん有給で措置すべきと思います。今、私ども民主党では両立支援法を検討作業していますけれども、その柱の一つとして、この家族看護休暇の法制化を掲げています。 そこで、政務次官にお尋ねをいたします。 さきの少子化対策基本方針におきまして、子供看護のための休暇制度について、「普及を促進するとともに、その制度の在り方について検討を行う。」というように書かれてございますが、それについてどのような取り組みを検討されているのか、伺いたいと思います。
○長勢政務次官 先生御指摘のとおり、突発的なお子さんの病気などについて、その看護を行うために短期休暇をとるというようなことは大変重要な話だと我々も受けとめております。労働者の仕事と家庭の両立の支援にとって大変重要な部分だろうと思っております。 しかしながら、現実には、こういう家族の看護のための休暇制度を設けておる民間事業所の割合はまだ八・二%にとどまっておるというのも現状でございます。 今まで国会等の附帯決議におきましても、こういう観点からの看護休暇などについての対策を充実強化すべきであるという附帯決議等もなされておるところでございますし、今回の少子化対策推進基本方針におきましても、この点が触れられているところでございます。 労働省といたしましては、この基本方針に基づいて制度の導入や利用の実態等を今調査しておりまして、これを受けまして、これから関係者の御意見も聞きながら具体的な方向について法制化も含めて検討してまいる、こういう方針で今作業を進めておるところでございます。
○松本(惟)委員 制度のあるところ八・二というのは、私職場におりまして、これは非常に女性労働者の悩みだったんですね。やはり家族の責任というのは、職場で幾ら均等とか平等とかいいましても、女性の肩に依然として重い。年次有給休暇を使ってしのいでいるということを御存じでしょうか。八・二の数字にはあらわれておりませんけれども、実際には、欠勤をしたりなんかすると評価にもかかわりますので、女性の方を中心に年休を使ってしのいできているということを申し上げておきたい。 それから、今調査をなさっているとおっしゃいましたけれども、随分対応が遅いと私は思います。婦人少年問題審議会で育児休業の議論をかなり長いことやってまいりましたし、そのときにも申し上げておりました。やはりこれは育休、介護休業と同時並行で進められなければならないと思います。今のお答え、法制化を含めて検討するというふうにおっしゃられましたことを前向きに受けとめさせていただいて、今後の検討を期待したいと思います。 次に、短時間勤務について伺います。 少し古い資料でございますけれども、平成六年の婦人少年協会が出しました幼児期の子の母親の生活と就業の実態に関する調査の中で、仕事と育児を両立するために必要と思う対策は何かという問いに対して、保育施設の時間延長、休日保育、それから保育に要する経費の援助、そして保育施設の拡充など保育施設施策に関する充実とあわせまして、勤務時間についての配慮、具体的には短時間勤務制度や所定外労働の免除が挙げられておりました。 短時間勤務につきましては、さきに公表されました雇用均等政策研究会報告書というものがございますが、この中で、つい最近読ませていただいたわけですけれども、国民全体として育児期の働き方等について論議を深める必要があるというふうに書いておりまして、そして、正社員の短時間勤務制度やフレックスタイムなどが重要というふうに挙げられています。 私は、この正社員の短時間勤務制度という制度につきまして大変注目をしています。具体的な内容につきましては報告書からまだよく読み取れないところもございますけれども、現行の育児・介護休業法の中で制度化されている短時間勤務とほぼ同様の制度ではないかというふうに思っています。いずれにしましても、今後の働き方の見直しの一つとして注目をしているところでございます。 質問でございますけれども、女性にしても男性にしましても、三年とか四年とか長期にわたって職場を離れるということは、職場復帰を考えた場合、大変不安でございます。そうであるからこそ、さきの意識調査にもあるように、仕事と家庭を両立できる短時間勤務が職場でも求められているものだというふうに受けとめています。 そこで、正社員の短時間勤務についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○長勢政務次官 先生はこのような問題について前々から大変御熱心にお取り組みでございますから、経過等は今御指摘のとおりでございます。我々もその観点に立って、少子化対策推進基本方針等におきましても、短時間勤務制度という子育てに配慮した勤務時間に関する制度の拡充を行うという方針を定めておるところでございます。 御指摘の短時間勤務制度につきましても、現在その最新の利用実態や運用実態を調査しておるところでございまして、これを踏まえて、関係者の御意見を伺いながら幅広い観点から検討を行い、その結果に基づいた必要な措置を強力に推進していきたい、このように思っております。 遅いじゃないかというおしかりもまたあるかもしれませんが、鋭意やっておりますので、よろしくお願いいたします。
○松本(惟)委員 頑張っていただきたいと思います。 次に、女性と男性がともに家庭と仕事を両立できるようにするために、男性に対して家庭責任を果たせるような奨励策が必要と思います。これは、やはり企業文化を変えていくという意味で、産むのは女性しかできませんけれども、生まれた後は両性が責任を持って育てていく、それを社会が支援するということが必要かと思います。 そういう立場から、男性の育児休業の取得状況はどのようになっているのでありましょうか。
○藤井政府参考人 少し古い数字で恐縮でございますが、平成八年度の女子雇用管理基本調査によりますれば、平成八年度一年間に育児休業をとられた方のうち、男性の割合は〇・八%、九九・二%が女性という状況になっております。
○松本(惟)委員 雇用均等政策研究会の報告によりますと、欧米の企業においては、労働者の家庭、生活事情を配慮したファミリー・フレンドリーな雇用管理制度といたしまして、家族看護休暇制度、在宅勤務、転勤に当たって家庭の事情を配慮する施策が織り込まれているというふうに書かれておりました。大変歓迎すべきことだと私は思っています。 質問でございますけれども、労働省も今、法を上回る措置を行うファミリー・フレンドリー企業に対して助成金を支給しているというふうに伺っております。これらの取り組みの中で、例えば男性の取得を促す取り組みをしている事例がありますか。また、男性にも育児休業を取得するような奨励策を行っているでしょうか。
○藤井政府参考人 我が国の育児休業制度は、松本先生にも、法制化のときは連合の女性局長として大変お骨折りを賜ったわけでございますが、男性も女性もとれる制度ということになっているわけでございます。 今御紹介をいただきましたファミリー・フレンドリー企業、これの助成事業というのは、実は今年度から開始して、事業主団体で二カ年にわたって法を上回るような育児休業制度あるいは介護休業制度を導入していただくというものでございますので、現時点では、その具体的な取り組み内容というものについてはまだ報告が上がってきていないという状況でございます。 ただ、ファミリー・フレンドリー企業普及促進事業のただいまの事業主団体助成と並びまして、ファミリー・フレンドリー企業表彰制度というのを設けてございまして、昨年十月に既に実施してございますが、その選考基準の中には、男性の育児休業取得者がいるということをポイントにするというようなことをさせていただいておりますし、また、同じく十月に厚生省と連携して行いました少子化対策に関するシンポジウムにおきましては、男性の育児休業取得者の方をパネラーとしてお願いをするというようなことで環境整備に努めているところでございます。
○松本(惟)委員 取り組み始めたばかりとおっしゃられましたけれども、職場や社会の人間化というふうに呼ばれて久しいわけですけれども、これもやはり欧米におくれをとっているなという率直な感想を述べさせていただきたいと思います。 私は、北欧のような、例えばパパクオータというような制度がありますけれども、我が国でもやはり男性も育児にかかわれる、あるいは介護にかかわれるようにするためには、積極的な政策が必要なのではないか。強制力というわけではございません、促進をするための何か手だてが必要ではないか。これは二十一世紀にふさわしい政策と思いますけれども、政務次官、いかがお考えでしょうか。
○長勢政務次官 パパクオータ制度というようなものが北欧に例があるようでございまして、例えば、スウェーデンでは父親が育児休業をするというのが、何かパパの月とママの月というのがあるそうで、父親がそれをやらないと、その期間は休業期間中も給付がもらえないというような仕組みのように伺っております。 一方、日本では男女双方とも育児休業の権利が与えられているわけでございますが、今局長から答弁いたしましたような状況でございまして、一足飛びにパパクオータ制なるものを導入するということがうまく作用するかどうか、若干疑問もあるのじゃないかなと今は思っております。 そういう中で、労働省としては、当面、先ほど御説明いたしましたようなファミリー・フレンドリー企業の普及促進事業を総合的に、また強力に実施をするといったようなことを通じて仕事と子育てとの両立支援を進めていく、そして男女労働者による育児休業の取得促進の環境整備に努めていきたい、こういうふうに当面は考えたい、このように思っております。
○松本(惟)委員 知恵は出せばいろいろ出てくるのじゃないかと私は思います。北欧のような強制力を持たせたものでなくても、何らかの形、例えば、きょう議論するつもりはないのですけれども、均等法で取り入れました女性のための積極政策、企業が手を挙げた場合には何らかの措置を講じるというような、何かの方法があろうかと思いますけれども、これはまた別の場所で議論をさせていただきたいと思います。 続きまして、平成九年の男女雇用機会均等法改正におきまして、均等法第一条の目的が改正をされました。それまで法の目的にあった「職業生活と家庭生活との調和を図る」措置というのが外されたわけでございます。つまり、均等待遇の確保と妊娠、出産等の健康確保というふうに目的がつくられました。私は、大筋の方向としては、均等法をより性差別禁止法に整備をする必要があると考えましたし、その意味では、職業生活と家庭生活との調和等につきましては、いわば両立支援法として新たに整備をされる必要があるなというふうに考えておりました。 ただ、その確認が明確にとれないまま、法の目的から「職業生活と家庭生活との調和を図る等」というのが外されましたことにつきまして、一抹の不安を残しておりました。 案じていましたように、職業生活と家庭生活の両立支援の法律として体系化されるにいまだ至っておりません。あるものは労働基準法に、あるものは育児・介護休業法に、そして看護休暇のように法制化されていないものもございます。 私は、一日も早くいわゆる両立支援法の制定が必要と考えております。民主党といたしましては法案化の作業を現在進めております。政府におきましても早急に検討されるべき課題であると考えますけれども、政務次官、いかがお考えですか。
○長勢政務次官 労働者が仕事と家庭との両立を図っていくということは、我が国の経済のみならず、社会の活力を維持していくためにも極めて重要なことであるということは十分認識をしておるつもりでございまして、そのために、さまざまな施策を幅広く総合的に実施していかなければならぬ、体系的に考えなければならないというのも、お説のとおりであると思っております。 今、このために、労働者の仕事と家庭との両立を明確にして、育児・介護休業法を初めとするいろいろな法律に基づいた施策をやっておるわけでございますが、これをさらにきちんとした体系化を、法制化をすべきではないかという御意見であろうと思います。 労働省といたしましても、こういう方向での整備をするために、さらに関係者の御意見を伺いつつ、制度面を含めた検討をしていきたいという方向で考えておるようでございますが、私自身、まだよく勉強していない点もありますので、先生にもまた御指導いただいて、検討させていただきたいと思います。
○松本(惟)委員 前向きな御答弁というふうに受けとめさせていただきたいと思います。 続きまして、ILO条約の批准についてお尋ねをしたいと思います。 私は、当委員会で質問に立つとき、いつも労働大臣に、先進国並みに条約を批准することをお願いをしてまいりました。さまざまな面で国際化が進んでいる中で、やはり先進国の一員として我が国が、国際横断的な最低基準であるILOをできるところから批准をしていくということは責務であろうというふうに思っております。 今国会でようやくILOの百三十八号条約、児童の最低年齢に関する条約でございますけれども、批准案件として取り上げられることになって大変うれしく思っているところでございます。振り返りますと、どうしてこれほど批准することが難しかったのかなというふうに思います。 この百三十八号条約も、本来は労基法の改正と同時に批准してもよい案件であったというふうに考えていますし、そのときは、たしか船員法なんかがまだ整備をされていないと担当者が御説明をされておりました。今回の批准に際して、結局、船員法は改正する必要がないということで批准に持ち込まれたわけでございます。正直申し上げまして、何か意図的なものを感じざるを得ないなと思いました。百三十八号というのは、もう二十数年前に政労使一致して成立をした条約であったわけでございます。 もちろん、我が国の場合は、条約批准に際して、国内法との整合性を厳密に図っているということは承知をしております。しかし、同じように厳密に精査をしていると言われておりますドイツと比べても、大きな差があるわけでございます。先進国並みに批准することは必要だと考えます。例えば、イギリスですと八十一本、ドイツですと七十六本、我が国は四十三本というような状況でございます。 少なくとも一年に一条約は批准していくべきと考えておりますけれども、これは牧野労働大臣の御決意を伺わせてください。 時間がありませんので、続いてもう一つお尋ねをいたします。 来年度は百八十二号条約の批准に努力してほしいと思っておりますけれども、これも大臣、いかがでございましょうか。
○牧野国務大臣 ILO条約の批准につきましては、昨年の通常国会において第百八十一号条約の締結の承認をいただきました。今国会におきましても、第百三十八号条約の締結について御承認をいただく予定にいたしております。 それから、来年は百八十二号条約の批准に取り組むべきという御意見でございましたが、百八十二号条約の意義は私どもよく承知いたしておりまして、国内法制等との整合性について至急検討に入りたい、こう考えています。
○松本(惟)委員 大変前向きな御答弁をいただきましてありがとうございました。 これで終わります。
○赤松委員長 城島正光君。
○城島委員 城島正光でございます。 きょうは何点か、特に雇用関係の問題を中心に大臣に御質問をしたいというふうに思います。 所信表明でも大臣既に述べられましたけれども、労働行政ということを超えて、今政治の最大の問題というのは、やはり雇用情勢をどう改善していくかというところにある面では尽きるんだろうと思うんですね。したがって、それを何とかするためにも景気回復をやらなければいかぬという部分もあるでしょうし、さらには財政問題もあるでしょう。要は、暮らしという中での基本的な雇用を何とか改善していくというところに極めて大きな政治的な課題が今あるというふうに思っておりますし、大臣の所信の中でもそういうことを感じます。 そういうところで、経企庁が先日発表した九九年度の国民生活選好度調査、この概略を見ていますと、今国民の暮らしに大変大きな問題が生じているなということを改めて裏づける内容だと思うんですね。 新聞の内容から骨子だけ申し上げますと、要するに、今の暮らしに不安を感じているという人の割合が何と八〇%、細かく言うと七九・三%と過去最高。約八割の人が今の暮らしに不安を感じながら暮らしているという実情が明らかになったわけでありますし、また、この中身を見ますと、四十代、五十代の男性は八〇%を大きく超える人たちが不安を感じているということになっております。 一方、女性の方も、十代から七十代までのすべての年代で、六年前の九三年度の調査に比べて一四%から二五%ほど暮らし向きが今後よくなるということに対しての反応が低下をしている。すなわち悪化をしている。今言いましたように、十代から七十代すべての世代で、六年前に比べて、暮らし向きがよくなると答える人の比率が一四%から二五%低下しちゃったということであります。 すなわち、この調査結果は、恐らく長引く不況といったものを反映して、リストラですとかあるいは賃金抑制といった面での雇用環境の不安が一気に広がっているということがこの背景にあるんだろうというふうに思われるわけであります。 ですから、今、極めて雇用情勢が悪いということは、働く人にとってももちろん厳しいわけでありますが、冷静に考えますと、家族にとっても痛手が物すごい大きいわけであります。昨今のいろいろな心も凍るような事件がすべてこれに帰するわけではないとは思いますが、何となく、社会全体が殺伐としてきているということにもこの雇用情勢の悪化というのは大きく影響しているんではないか、私はこう思っているわけであります。 そういう点で、確認をしたいわけでありますが、最新の雇用情勢のデータ、先ほど午前中の質問の中で就職内定率は数字をもう披瀝していただきましたので結構なんですが、特に、失業率の中で世帯主の失業率、これは三%程度かなというふうに思いますが、今の状況の世帯主の失業率、さらには一年以上の失業者は一体どれぐらいいるのかということをまずちょっと御質問したいと思います。 〔委員長退席、鍵田委員長代理着席〕
○長勢政務次官 平成十一年十二月の世帯主の完全失業率は三・一%でございまして、前年同月に比べ〇・一%上昇しております。また、失業期間一年以上の長期失業者が完全失業者に占める割合は二二・二%でありまして、平成六年以降その割合が上昇をしております。 このように、先生御指摘のとおり、雇用失業情勢は依然として大変厳しい状況にあるというふうに認識しておりまして、大臣もそのことを最も大事にしてお仕事をされているところであります。
○城島委員 そういうふうに世帯主の失業率も三%を超えているということでありますから、しかも長期の失業者が二二・二%ですか、やはりこの問題というのは本当に深刻だと思いますね。日本全体もそうですけれども、世帯主の失業率の高さということも、これは看過できない数字だろうというふうに私は思います。 そういう中で、先ほどからもちょっと論議になっておりますけれども、十二年度の経済見通し、一月二十八日に閣議決定をされましたこの十二年度の経済見通しの「平成十二年度の経済運営の基本的態度」という中で、「安全・安心で楽しみのある国民生活の実現」という項目が出てまいりました。「民間経済主体がダイナミズムを発揮する前提となる安全・安心で楽しみのある国民生活を実現する。このため、」ということで、まさしくこの雇用問題に触れられていまして、一番目に「雇用保険制度の改革、高齢者雇用対策の充実、新規雇用の創出、人材移動の円滑化など雇用不安を払拭するとともに、安心して働けるための施策」というのがうたわれているわけであります。 これはまさしくそのとおりだと思うんですけれども、先ほど申し上げました経企庁の調査、それから今の実情、現実の失業情勢等からすると、安全、安心で楽しみのある国民生活の実現のためにということで、今うたわれております幾つかの施策の一点目にある、今申し上げましたようなこと、この掲げている目標と現実の間には、まだかなり大きな、余りにもと言った方がいいと思うのですけれども、乖離があるような気がするのですね、現実の中で。 余りに大きな乖離があると私は思うのですけれども、掲げられた目標に向かって進む上で、労働大臣の、雇用問題を何とかしていくんだというものに対しての基本的な考え方、姿勢というものをいま一度確認をしたいというふうに思います。
○牧野国務大臣 最初に、現在の雇用情勢に対する認識でありますが、政府は、新年度の見通しは、失業につきまして四・五%と。しかし、私ども現状をどういうふうに把握しているかと申しますと、失業率は、多分四・六%、四・七%、この辺の台で、毎月毎月少しの動きはありますが、非常に高いレベルで現実に推移している。 そして、実際に世の中の企業の合理化あるいはリストラというのはどういう状況かと考えますと、私どもの調査によりますと、全部じゃないんですが、製造業、建設業、七業種調査しておるわけですが、三十人以上の雇用を持っている企業数が大体二十五万五千ぐらいあるわけです。この中の約五千企業を抽出いたしまして、三千企業から返事があったわけですが、いわゆる早期退職の勧奨だとか、あるいはやめてもらうというまだすき間がございますが、全体としては、この調査によりますと、二八%の企業が何らかの措置を実はとっているという現実の姿なのです。 片方で、勤労者の所得がどうかというと、これはほとんどふえていない。逆に言うと、今度の見通しによりますと、去年よりはふえますが、おととしよりはまだ低い。こういう状況にあるわけで、非常に厳しい状況にある、こう私は考えております。 ただ、政府が全面的に景気対策をとっておりますので、これ以上悪くはならないという下支えは行われておる。しかし、政府の見通しとしては、後半には官需から民需に移る、そういう方向で持っていく。こういうことから、私どもは、そういう政策の方向、国内経済の動向の変化等々を見まして、何とか四・五%の失業は確保したい、こういうことで努力をいたしているわけであります。 そういう観点から、労働省としてはどうするか。失業保険がきっちり払うことができるように、財政面からの措置の御検討を雇用保険法の改正でお願いする。これは当然のことでありますが、さらに、雇用の安定、新しい需要の創造、それから今おっしゃった需給のミスマッチがあるわけですが、これはもう基本的に両方が合うように、いわゆる技能訓練、教育訓練等でそういう能力をつけなければ企業サイドは雇っていただけないわけですから、そういう技能訓練、教育訓練を、特に若い人を中心にして全面的に進めていきたい。労働省の政策としてきちっと支えていきたい、こう考えております。
○城島委員 そういう中で、かなり厳しい今年度の就職内定率、十二月末の数字が午前中もございましたけれども、大卒で四人に一人がまだ内定していないとか、短大だと二人に一人ですか。これからいよいよ学校を出て希望を持って社会に出ていこうという人たちが、多くの人が門戸を今のところ閉ざされているというか、入れないでいるということもこれは大変大きな問題だと思うのですね。 したがって、企業は企業なりに、確かに今おっしゃったようにいろいろな努力をしている。すればするほど、ある面で、新規採用をストップするなんということになっていくのも私も長く企業にいたのでよくわかりますけれども、そうすると、あるいは今掲げられているような施策だけではなくて、これまた先ほど鍵田委員もちょっと触れていましたけれども、もう一つ、短期的、中期的には、雇用をふやしていくという面においては、労働時間の中の特に時間外労働の問題に少しメスを入れるということも有効ではないか。 特に、いろいろな賃金制度の問題もあるので、時間外労働全般をどうこうするというのは確かに今の日本の仕組みの中で難しいでしょうけれども、少なくともサービス残業はゼロにするというようなことをこの段階で徹底を図るということは当然だろうし、またそのことによってある程度の効果が私は期待できるのじゃないか。サービス残業をなくすだけで九十万人でしたか、残業全体をなくせば百七十万人、これは数字上とは言いながら、やはり効果があることは否定できないわけなので、少なくともサービス残業をゼロにするということを徹底して取り組むというお考えはないのか。ないのかというよりは、ぜひそういったことをやってほしいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○長勢政務次官 労働時間の短縮を通じた雇用確保ということは、方向として検討の対象だろうとは思いますけれども、なかなか日本の今の労使慣行の中で、先生御指摘のように、いろいろな問題もあるわけでございまして、そのコンセンサスを得ていくという努力を早急に進めなきゃならぬなというふうに思っております。 その中で、特にサービス残業については、当然のことではないかという御指摘はごもっともでございまして、サービス残業というのは一般的には労働基準法違反ということですから、徹底的になくすることは当然でございまして、この点では当然我々の仕事として、違法にわたるものはなくするように一生懸命努めてまいる、こういう方針でおりますし、またこれから大変厳しい雇用情勢の中でございますので、労働時間の短縮も含めた雇用の確保について関心を持って対処してまいりたいと思っております。
○城島委員 サービス残業ゼロに向けて、これは企業内の労使も含めての努力というのは当然ベースでありますが、ぜひ行政面、政府等も積極的に取り組んでいただきたいものだなというふうに思います。 次に、もう一つ雇用関連で大きな影響を与えております先ほどの経済見通しとの関連でありますけれども、ちょっと主要経済指標を見ていまして気になる点が実はあるわけであります。 それは、数字だけで言うと、国民所得のところで、十一年度、対前年度比増減率で、国民所得はマイナス〇・三。内訳は、雇用者所得がマイナス一・〇、財産所得はマイナス七・九%。企業所得は四%ふえる。恐らく実績見込みなのでまだ確定ではないのでしょうが、ふえる。しかし、そういう点でいうと、企業所得は伸びるのだけれども失業率は上がっているわけですね、四・三から四・七%へと。単純にここだけとらえて何か決めつけようとは思いませんが、今の短期的なこの一年の数字の移行だけ見ると、経済というか収益回復だけれども、雇用情勢は依然として悪い、数字は悪化している、雇用の改善はない。 来年度の十二年度を見ても、企業所得というのはさらにふえる見通し、六・一%。完全失業率は、先ほど大臣おっしゃったように、何とか四・五以内に抑えたい、こういうことになっていますから、この数字が仮に達成されるとすれば、少し雇用情勢は改善するということになるわけであります。 企業収益、企業所得が十一年度ふえ、十二年度ふえていくということと、十一年度についてはしかし完全失業率はちょっと悪化をしている。今、十二年度は目標とされた四・五を少し改善をさせていきたいということでありますが、この見通し、今のところでいうと企業収益は上がりつつあるけれども雇用情勢は改善していない、しかし、来年度については何とか雇用情勢も改善していくだろうということについては、これはかなり強い期待を持って見詰めたいわけでありますが、この辺の見解について、もう一度、数字をベースにちょっと質問させていただきましたので、お答えいただきたいというふうに思います。 〔鍵田委員長代理退席、委員長着席〕
○長勢政務次官 経済見通しについての数字は今先生御指摘のとおりでございます。やや経済は厳しい状況から脱しつつあるということで、前年度比四・〇%増ということを見込んでおるわけでございますが、ただ、失業率につきましては、景気回復と雇用の改善というものには一般的に半年以上のタイムラグがあるということから、こういう厳しい状況になっているものと見込んでおるわけでございます。 来年度につきまして、企業所得がふえる、また雇用者所得もふえるということでございますし、景気対策も含めて、来年は雇用状況も今年度よりも相当程度に回復するものというふうに見込んで経済計画等を積み上げておる次第でございます。
○城島委員 そうしますと、もう一つ経済に物すごく大きい影響を与える春闘がいよいよ来月中旬ぐらいが一つの大きな山場なのでありますが、春闘がどういう情勢になるかということも経済見通しを達成できるかどうかの一つの大きな要因になってくるというふうに思っています。そういう点では、きちっとした賃上げが行われるということが当然望ましいわけでありますが、十二年度の中で雇用者所得が〇・五%伸びるという見通しを政府はお持ちであるわけでありまして、当然、わずかな伸びではありますが、今までのマイナスというところからすると、雇用者所得も伸びていくだろうということであります。 しかし、企業所得の伸びに比べると十一年度は雇用者所得がマイナスであったわけですし、十二年度も伸びるとはいえ、企業所得の伸び率をそういう面でいうと大きく下回る。一般的に言うと、マクロでいうと労働分配率が低下するのかなというふうな推測をするわけであります。 したがって、本当は春闘の見通しあたりも聞きたいのですが、これは大体お答えはわかっているので聞きません。そのかわり、こういう状況であるがゆえに、マクロ的には数字上うまくいけば労働分配率が低下していくだろうということが推測されるわけなので、何としても、完全失業率四・五というこの数字は見通しからすると最低限の目標でなきゃいかぬ、これをできるだけ下回るということがあっておかしくない見通しがベースとしてなっているのじゃないかというふうに僕は思うのですね。 したがって、こういった雇用者所得の伸びの見通しあるいは企業所得の伸びの見通しということも含めて見ますと、完全失業率四・五というのは最低限の目標であって、これをできるだけ下回るようにぜひ労働行政としてもやっていっていただきたいということを強く要請しておきたいというふうに思います。
○牧野国務大臣 失業率の問題につきましては、私どもは、政府を挙げて景気回復を図りまして、ぜひとも四・五%という線は死守いたしたい。労働大臣としては、もっと下がってもらえればこれにこしたことはない。私どもとしては、今とり、考えている政策を実施いたしまして、ぜひ期待に沿いたい、こう考えております。 最初、ベースアップの件について先生お触れでございました。マクロの雇用者所得は一人当たり雇用者所得と雇用者数を掛けたものでありますが、一人当たり雇用者所得伸び率は、ベースアップ、定期昇給、残業手当、一時金等によって決まります。これらの決定要素は多くの経済指標と関連しますので、マクロレベルでの雇用者所得の伸び率とベースアップとの間には直接関係はないのではないか、こういうように承知いたしております。 また、賃金を初めとする労働条件については、関係労使が自主的に交渉して決定するものでありまして、その水準が低いとか高いとか、今一生懸命関係労使で交渉しておりますので、こういうことに見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、春闘において関係労使間で自主的かつ真摯な話し合いが行われる、これを強く期待いたしているところであります。
○城島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、政府が予定をされています商法改正、特に企業分割関連について御質問させていただきます。 経済がグローバル化していく中で、こういう一連の企業の競争力強化のための各法案が成立をしてきております。現在政府で検討されている企業組織の変更に係る商法改正というのも、ある面では集大成みたいなことをよく言われますが、その大きな一環の一つであるというふうに考えておりますが、この立法に対して、企業組織を変更するには当然人がついて回るわけなんです。この一連の中で、働く人たちという側面を補強する分がどうしても弱いという指摘を私たちさせてきていただいたわけであります。勤労者に対する配慮というものが十分なされていないのではないかというふうに思っています。 そういう点で、まさしく労働省というのは働く人の立場に立った省庁であるわけなので、ここが、大臣以下が一生懸命そういう側面から応援していただかないことには、やはり働くサイドもますます不安になっていくわけです。私は、今回政府が予定している商法改正については、きちっとした働く人の立場に立った補強というものがどうしても必要だろう、そのことが、この経済見通しの中にもありますように、安全、安心といった社会をつくる上においても最低限必要だと思うんですけれども、我々の観点からいうと、今聞くところによる政府の働く人に対する配慮というものはどうも不十分ではないかというふうな感じがしております。 本当に大臣は、今考えられていることで大丈夫だ、雇用不安とかそういうものに対しての不安を持つ必要はないということを言い切れる、そういう自信がおありなのかどうかを含めて、この辺についての御見解をいただきたいと思います。
○長勢政務次官 企業の競争力の強化ということが、これから二十一世紀に日本経済が世界の中でやっていく上で大変重要な課題でありますし、また景気回復にとっても不可欠のものという認識は先生もお持ちのことと思います。 政府としても、そういう方向での立法措置を講じてきておるわけでございますが、その間、そのしわ寄せが働く方々にだけ行ったのでは困るというのは、私どもも全くそのとおりの思いでおります。 今、会社分割法制の議論をされたわけでございまして、我々も、それに伴うしわ寄せが労働者に変な形で行かないようにということに十分配慮して立法作業を今検討しておるところであります。 先生と若干意見が違う点があるかもしれませんが、我々は、この社会の趨勢の中で、働く方々に不当なことが起きないようにということに万全を期したい、こういう思いで検討しておりますので、今後またよろしく意見交換をさせていただきたい、このように思います。
○城島委員 少なくとも、今申し上げたように、いや、この経済見通しにあるように、今不安の時代という中で、こういった法案が成立しても、さらにこれから新しいグローバル経済化に応じた企業の組織運営というのがなされる、このことは否定しませんが、そういうことはあっても雇用についての不安を持つ必要はないということをきちっと言い切れるような法案というのを用意してほしいわけですね。 今のところ見解は違うということでありましたけれども、それは国民的課題ですから、僕の願いは、何とかそういう方向で成立するようにお互いに努力をしたいものだなというふうに思います。ぜひそこはお願いしたいというふうに思います。 そのこととの大きな関連なんですけれども、これは前回もちょっと大臣とお話をしたと思いますが、まさしくこういった問題になってきますと、ますます労使関係というのが大事になってくるということだと思います。 雇用調整というものがいろいろ行われ、いわゆるリストラという名のもとでいろいろなことが行われているということを前回論議したところでありますが、この今回の法案に関してもそうでありますけれども、私は、今日までの戦後五十数年の日本の繁栄の中のかなり多くの部分が、いろいろな変遷はありましたけれども、変遷を通じた上での労使関係の安定というところにあったことは、もう内外から認められておるとおりであるわけでありますし、しかも、その根幹に労使の協議というものがあった。 もし労使の協議、特に事前の協議ということをなくしていくとすれば、これはもう昔の、悪い意味の対決型の労使関係しか戻る道はなくなるわけであって、そういうことがないようにするためにも、この労使協議というものは、こういった時代だからこそますます重要だというふうに思っています。 そういう面でいうと、私は一般論として、労使協議というのはきちっと制度化していく、かなり多くのところで取り入れられている実情からすると、法制化してもいいのじゃないかというふうに思っておりますが、これについての大臣の御見解を承りたいというふうに思います。
○牧野国務大臣 先生御指摘なさったとおり、現在、労使協議が経営者と労働組合の間で行われており、今日まで特別、法的な裏づけということとは無関係に非常に円満に運営されてきた、自主的に運営されてきた、こういうように私は見させていただいております。 この場合の労使協議というのは、法律で規制するとかそういうことじゃなくて、それぞれの労使関係でいろいろな歴史的な経過もありますし、それから具体性を持っておりまして、したがいまして、労使協議を従前同様きちっとやるということは大いに尊重されるべきですが、法律でやるということになりますと、では何と何を法律的に協議の対象とすべきだと、非常に問題が出てまいりますので、現段階では、私としましては、現在の労使協議、自主的な労使協議というものを基本的に尊重して、今後のいろいろな企業形態の変化に対応していっていただきたいな、こういうように考えております。
○城島委員 ぜひ前向きな検討を今後も引き続き行っていただきたいということを申し上げて、終わります。
○赤松委員長 寺前巖君。
○寺前委員 きょうは私は、予算委員会で大森議員が質問しておった話を引き続いてやらせていただきたいなというのが一つの願いです。よくわからなかったから。だから、きょうは、労働省の局長さんに来てもらって、押さえることを押さえた上で、最後に大臣に聞きたい、こう思っています。 もう一つの問題は、昨年の十一月十七日に、緊急地域雇用特別交付金制度の執行について、これで三十万人とか二十七万人雇用というようなことが実行できるのだろうかという疑問を提起したのに対して、長勢次官が、「雇用は確実に現実のものとして確保される、こういう仕組みで考えております。」と言うて、私の不安に対してぽんとけってくるような、「調べてみますけれども。」とは言ったけれども、そういう取り扱いになっておる。 あれからもう二カ月余りたちました。改めて私は、このままではせっかくの意図が崩れてしまうなというふうに強く感じますので、その問題をもう一つは聞きたい、こう思っています。 まず、緊急地域雇用特別交付金制度について聞きますが、最近、新聞にこんなのが載っていました。 盛岡など六市町村で防災地図作成事業をやっている。それが、この交付金制度を使っての事業で、業者任せ、管理が甘いということが書いてある。その中身は何かというと、失業者を対象とした募集はせずに、二十六人は業者の契約社員ら、新規雇用の六人は紹介で探した地元の学生だったと。このためにこの予算を組んだんだろうか。 あの要綱を見ておりますと、要綱には、この緊迫したところの失業状態にかんがみて、これをやりますのやと書いてあるのに、これがねらいだったんやというようなことになってきたら、全然違うところへ走っているやないか。これはよろしいという指導で進んでいるんですか。
○渡邊政府参考人 ただいま御指摘いただきました岩手県の事案でございますけれども、学生アルバイトを雇用していたという記事でございます。 新聞で報道されました内容につきましては、現在調査中ですけれども、報道の内容はおおむね事実であるという報告を関係県から聞いております。 こういった扱いは、もとより本旨ではございませんので、早速、県を通じまして、まだ現在事業続行中の五市町村につきましては、新たに失業者を採用するように指示をいたしましたし、事業の終了した一つの町につきましては、交付決定を取り消すということで対応しております。
○寺前委員 だから、そういう結果になるよという心配をこの前に提起したときには胸を張っておった人が……。こんなことになるという不安は私はあるんです。 引き続き、私は調べてみたんですよ。例えば、この間、北海道の方がお見えになって、それで、ついでや、いい機会だと思って聞きました、あんたのところではあの緊急地域雇用特別交付金制度が有効にやられているんかいなということで。そうしたら、これまた異常なことがわかってきたんですよ。建設一般道本部書記局というところでお調べになっているんですよ、その事業について。 それで、例えば、ここに旭川の特別基金事業調査というのがある。そのときに参加してやってはる人の報告をずっと読ませてもらった。何と十四事業をやっている。ところが、勘定してみますと、この十四事業の中で七つが総額の半分以下が新規人件費なんです。新規に採用するためにやっているはずが、調べてみたら、十四事業のうち半分が半分以下しか新規の人件費というのは入っていない。目的はこれで許されていくことになるのか。釧路の例を調べてみました。そしたら六つのうち三つがやはりそういうことになっている。札幌の場合は十九のうち十六がそうなっている。悪いところばかり例を挙げていいところのことを言わへんのや、こう言われたらいかぬから、念のために、函館は違いました。だけれども、傾向としてそういう傾向になっている。 この結果から感じた問題点は何かというと、あの要綱の中に、失業という情勢にかんがみと言うてるのに、だれを対象にして募集するか、新規の雇用者、失業者を対象にするんだということを明確に書いてないんだよ。だから、立場が明確でないから、不安というのはそういう形でいろいろな現象となって出てくる。私は、ここの改善をする必要があるなと。要綱だから一々国会にかけぬかてよろしいがな。そこは明確にするということが新規事業に対するところの取り組みの一つとして重要だということを感ずるんですが、いかがですか。
○渡邊政府参考人 この地方自治体に対します交付金の事業は、今雇用失業情勢が大変厳しいということで、地方が民間の企業、団体等に委託をしまして雇用を創出するということを目的として、先ほどおっしゃいましたように、三十万人あるいは二十七万人、こういった目標も掲げながら実施している事業でありますから、そこで採用される方が失業者であるということは当然の前提であろうというように思います。今、要領のことにもお触れになりましたが、その要領の中でも、「新規雇用・就業の機会を生ずる効果が高い事業である」というふうにして地方にお示しをしているわけであります。 先ほど例がありましたが、そういった例が発見されたというときには直ちにこれを是正するように指示をしておりますし、先ほどのケースにつきましても、改めて全県に対しまして指示を発したところでございます。趣旨にのっとった事業を行うように指示を発したところでございます。 ただ、これは自治体から民間の企業、団体等に委託をしてそれぞれの創意工夫でやっていただきたいという事業でございますから、一〇〇%失業者であるということにはなかなかいかない。やはり、事業を実施するためには、それを企画立案し、労働者を指揮する人も要るわけでありますし、必要な機材、資材、燃料費等もかかわるわけでございますから、そういった事業の経費をこの交付金の中で見るということにしておるわけでありまして、一〇〇%この事業が失業者によって行われるというふうな事業ではもともとないということでございます。 ただ、新規に採用する人が学生アルバイトであったり、あるいは就職の意思のない人であったり、そういった方であってはもちろん趣旨を逸脱しているわけでありますから、そういうことを発見した場合には直ちに是正をする、こういうことで対応しているところでございます。
○寺前委員 あんた、もうちょっと勉強せなあかんと思うわ。おれはさっき言うた自治体のものを読んでみた。六つの事業のうち要労働者数というのはどうなんじゃい、こう言うて調べておる。新規事業というのはこれだけだというものをずっと一つずつ町を調べておるのや。調べていきよると、新規事業というのは少ないねというのがわかりますで、本当。だから、僕は調査をせないかぬと思うのやわ、調査を。失業者対策として考えるんだから、実態はなっていないな、調査があって初めてそのことが言えると思うんです。僕は、もうここまで来た以上は調査をしなかったならばあかん。緊急に調査をするということを明確にしなさいよ。どうです。
○渡邊政府参考人 これは、三千自治体すべてについて労働省が直接調べるということは実際問題としてもできないわけでありますので、都道府県を通じて指導するということにしておりますし、先ほども、今月に入りまして直ちに改めて指示をしたところでございます。 委員おっしゃいましたが、そういった具体的な事例がありましたならば、具体的なことを私どもに教えていただけますと、直ちに、例えば要件になっていない方を雇ったというときには、それは自治体の本来の費用で雇っていただくことにしまして、この事業には対象にしないというふうな措置をとることにしておりますので、具体的なことがあれば私どもにも教えていただければありがたいと思います。
○寺前委員 教えてくれ、教えてくれって、おれが何で労働省のかわりをやらなならぬのや。おれが委託を受けるのかよ。そんなばかな話ないよ。姿勢からしておかしいよ。 その次に、何日間働いてるのやと。その新規の雇用という人は、一回雇うてもろうたら二度と採用したらあきませんでというのが要領に書いてある。それで、何日分の仕事がそこで出るんじゃろうかなと思って調べてみたら、例えば旭川の場合に出てくる数字、除雪作業というのが出てくる、十四日間。それから遺跡の測量調査、十日間というのが出てくるわけ。それから、これは釧路のものを見ると、ごみの計量、集計情報プログラムの作成、九日間。チラシの各戸配布、十日間。これは二度とやったらならない。 三百万からの人が失業しているという時代に、新規の雇用者十日間、あと知りません、二度と来たらいけませんなんというのは、これはまともな発想なんだろうかと、私、これもやはり疑問に思う。せめて、今日の事態の中で、半年間は面倒見ましょうとか、方針をやはり確立して対策に乗り出さなかったらいかぬのと違うやろかなということを私感じますのやけど、それはどうです。
○渡邊政府参考人 この事業につきましては、各自治体において条例を作成していただく、あるいは補正を組んでいただくということでスタートに若干時間がかかりましたが、現在、既に実行の段階に入っておるところであります。 平成十一年度分について見ますと、約四百五十億円の事業が計画をされまして、十二月の末でこのうち二百六十億円分について委託契約が実際に締結されたということでございます。私ども、その事業計画のすべてを見ますと、事業はおおむね良好に行われている、適正に執行される予定であるというふうに感じておりまして、個々にそういった趣旨を逸脱したものがあるということであれば、これは直ちに是正をしたいというふうに思っているところでございます。 どのくらいの雇用になるのかということは、これは制度発足の当初からいろいろと議論のあったところでございますが、この事業はあくまで臨時緊急の事業として行うということでございまして、積算上は三カ月ないし四カ月ぐらいの雇用ということで積算はしておるということでございます。ただ、実際に、それぞれの自治体がどの事業でどのくらいの人をどのくらいの期間委託するかというふうなことについてはいろいろあろうかと思いますが、積算は、五日とか六日とかいうことではもちろんなしに、三カ月ないし四カ月という人件費は十分に組んでいるつもりでございます。
○寺前委員 実態を教えてくれと言う。だから実態を教えたら、そんなことないはずやと。そんなばかな話あらへんで。どないなるのや、これ。国民に責任持つのやったら、僕は、やはりもう一回調査をやって、現行におけるところの事態の中から改善点は何か、きちっとしなかったらいかぬというふうに思います。 もう一つ、ついでにこの機会に言っておきますと、失業者をきちっとねらってどういうふうに就職させてやろうかという経験の蓄積の豊富なところは自治体じゃないんですよ。それは職安なんですよ。職安がこの問題にかむということをやらなかったらせっかくの力量を発揮できないじゃないか。だから、職安がかむことでこの対策をやるということは重要な課題だと私は思っているんです。いかがですか。
○渡邊政府参考人 先ほど申しましたように、この事業はあくまで臨時緊急ということでございまして、常用就職というのはまたこの事業と別途探してほしいということで、いわばつなぎの事業だというふうに位置づけているわけでありまして、そういった意味からは、私どももできるだけ、都道府県においてこの事業を所管するところは職業安定庶務課が望ましいということで自治体にも指導してまいりました。 ということで、多くの県においては職業安定庶務課がこの事業を主管して、その執行にも当たっているということでありますし、例えば総務部等においてこれを主管される場合にも職業安定課と緊密に連携をとって執行しているということでありますから、今委員おっしゃったようなことは当然念頭に置きながら私どもは事業を進めておるところでございます。
○寺前委員 私は、引き続き予算もふやして、せっかくやるんだったらやるらしくさせるということで、調査し、見直しをやって謙虚に進んでほしいなと心から期待をするんです。大臣、その件に関していかがでしょう。
○牧野国務大臣 先生御指摘の点につきましては、私ども十二分に注意しなきゃいけないと思っています。 御承知のとおり、現在各都道府県を通じてどういう計画で仕事をしているかという報告を求めております。そして、これについては各府県が基金というものを設けまして、かつ……(寺前委員「それは言うているんだ。そんなことはいいんだ」と呼ぶ)だから、お金の使い方について、その地域として何が大切かということは、そこで十二分に論議されるという前提に私どもは立っております。そして、こういうものをやるというときには報告を求めますから、それで、おかしいところはおかしいということできちっと直させていただきます。
○寺前委員 おかしいことをさっき言うたじゃないですか。新聞にも載ったじゃないですか。だから、おかしい事態にあるから調査をして対処しなさいやと丁寧に言うているんじゃないか。私が言うていること、間違っていますか。間違いなかったら、そうしてください。
○牧野国務大臣 先生の御指摘はよく承知いたします。具体的には、府県から求めて当省できちっと判断して、不正なところは不正なものとして対処します。
○寺前委員 府県の責任にして、できないじゃないか。あなたのところの要綱に基づいて国から金を出して基金をつくっているんじゃないか。だから、国が責任ある提供をせなあかんさかいに、実態を早く調べて、改善すべき点は改善すると。私どもの提起は問題ありますか。間違っていますか。いいですね。
○赤松委員長 渡邊職業安定局長。
○寺前委員 違うだろう。参考人には私は聞いてへんよ。
○赤松委員長 指名権は委員長にあります。
○寺前委員 指名権と言ったって、勝手にやられたらたまらぬじゃないか。何のために委員会の運営を変えたんだよ。
○赤松委員長 その後大臣に答弁させますから。勝手に発言しないでください。座ってください。委員長は整理権ありますから、それに従ってちゃんとやってください。
○渡邊政府参考人 この点につきましては、先ほどもチェックのお話が出たところでございますが、徐々に計画が実施されている段階でございまして、契約締結時の報告、それから事業が終了しましたときの報告では当然チェックができます。また、そのほかにどのようなチェックをするかというのは十分検討したいと思います。
○牧野国務大臣 先生御指摘の内容は、よく私は承知させていただきました。労働省として、よくないところはきちっと直すということで措置させていただきます。
○寺前委員 次に、大森質問の続きです。 聞いておってわからぬのは、さっきもここでサービス残業の問題が出ました。これは去年の夏ごろでしたか、生産性本部が、サービス残業というのをやめたら九十万という数字が出てくるということを発表されましたわな。だから、それだけの意味を持つのだったら、そこのところは違法が行われているんだから、違法をどう取り締まるのかという立場から大森議員は質問をやっていました。 そこで私は、二つの点について担当の局長に聞きたい。 一つの点は、現行労基法では使用者の労働時間管理義務が条文として明記されているのかということを何回も聞いておられました。明記されているのかされていないのかだけ教えてください。
○野寺政府参考人 労働時間管理義務という言葉で御質問をいただきましたので、そういう意味では明記されておりません。 ただ……(寺前委員「いや、それでよろしい」と呼ぶ)よろしいですか。
○寺前委員 次に、大企業の職場へ行ってみると、タイムカードは置かれてなくて、残業時間は朝になって労働者の申告に任すという態度で、会社の方針として今月は残業代の請求枠は三十時間までだよ、それをよう知った上でちゃんと請求しなさいやということを事実上指示するという姿を各所で見ることができるわけです。労働者がこの指示を超えて請求しようものなら、だめだ、それは違うよ、今月は三十時間だよと言うて事実上改ざんさせられるという事態が生まれている。こんなことが許されておったら、サービス残業はいつまでたっても抑えることができないことになる、それはえらいことだなと思って大森議員さんの質問を聞いていた。 そこで、質問は、この三十時間の請求枠を超えたら実際の残業を改ざんするようなことが起こってくる、監督官が会社に臨検したときに虚偽の書類を提出した者は罰せられるが、監督官が日常おるわけじゃないんだから、そうでないとき、会社が毎月残業時間を改ざんして不実記載していることを禁止する、そういう条文はあるのかないのか。これをこの間聞いておられたのですよ。これもはっきりしない。いっぱいいろいろなことを言われているけれども、書いてあるんですか。
○野寺政府参考人 不実記載それだけを処罰するという規定はございません。
○寺前委員 現行労基法には残業時間の改ざんとか不実記載を禁止している条文はないということを明確におっしゃいました。 「所定外労働の削減及び適正な労働時間管理の徹底について」という基準局長の発した通達があります。そして平成八年当時、日経連にあてた労働基準局長の文書もあります。その文書を見ておるとサービス残業という言葉が三度も出てくる。サービス残業等が行われることのないよう適正な労働時間管理を行うことにぜひ協力をしてくださいよという、協力のお願いや。お願いという言葉が書いてある。法律でこうなっていますから、禁止しておるのですから、違法行為をやらないようにとは書いてないんだよ。違法行為として書けないような指導文書になっている。なるのは当たり前なんだ、その条項がないから。 そこで、労基法が不備じゃないか、欠陥があるじゃないか、企業はここを悪用して、その結果、サービス残業が蔓延するというふうに言わざるを得ないじゃないかというふうに私は思ったんだ。 要するに、サービス残業が蔓延していくのは……。この労基法の不備、欠陥にきちんとメスを入れたならば、そうしたら、監督官は胸を張って積極的に違法行為の問題についてぱっと乗り込むんだけれども、その瞬間からなるから、下手なことはできないな。そうなってくると、やらなければならぬことはどういうことをやらんならぬか。労働時間管理台帳というのですか、そういうものをきちんと置いておきなさいという指導を明確にしたら、そういうことを法文上も明確にしておいたら、そうしたらサービス残業がとまるという方向に進んでいくであろう。その積極策が欲しいな。 そうでない限り、いつまでたっても、何とかしてくださいやというお願い文書ばかりでは、これは違法じゃないことを宣言しているようなものだから、サービス残業そのものが違法であったって、改ざんしたり何やらしているのをちゃんと押さえる規定をきちんとしておかないからそんなことになるのと違うか。さあ、いかがでしょう。
○野寺政府参考人 行政の目的を達成する方法としていろいろな段階があろうかと思います。先ほど先生引用されました労働基準局長の日経連に対する、使用者団体に対するお願いという形の文書、そういうお願いでやっていく部分、あるいは最終的には法違反ということで罰則の適用まで含めて目的を達成するやり方、そこの中にはいろいろ段階があるわけでございます。 ただ、この労働時間の記載等につきましては、結果として不利益が発生する、それによって払われない賃金が出るといったところをとらえて罰則を加えるという形になっているわけでございます。 先生最初におっしゃいましたそれ以上の労働時間管理の部分については、先ほどのような団体に対するお願いという形でやっている部分もあるということでございます。
○寺前委員 結局お答えがない。書いてないということはもう明確になった。書いてないからお願いになってしまわざるを得ない。お願いである限り、願われておるんだから、どう取り扱おうがこっちの知ったことじゃないということで、使用者は好き放題になっていく、野放しになっていく。野放しが九十万人も影響しているということになったら、この失業時代、失業の統計をとり出して以来最悪の事態になっていると二月の発表では言われているんや。最悪の事態になっておって九十万人というサービス残業の被害が生まれているんだったら、そのことにメスを入れて当たり前やないか。そのメスを入れるところの問題について、お願いします、何とかしてください、そんな情けない話があるかというんだ。これ以上聞いたって、同じことを違う形で言うだけの話だ。 労働大臣、私の言わんとすることが理解できますか、理解できませんか。それだけ聞きたいんだ。理解できないんだったら理解できないと言うたらいいし、理解できるというんだったら研究してくれよ。
○牧野国務大臣 理解するかしないかということの以前に、要するに賃金台帳があればきちっと設置する、そして、そのほかに就業日誌だとかタイムカードだとかいろいろな制度があるわけでありますから、そういう形でサービス残業が現実にどのように行われているかどうかということは判断できるわけでありまして……(寺前委員「できてないねん。野放しになってんねん」と呼ぶ)いや、そういう見地から私の方としてはチェックいたしているわけであります。
○寺前委員 私はそんなこと言うてへんのや。私の言うていることが理解できるかと言うたら、あなたがそんなことを言うから、理解しておらへんなという判定を下さないかぬのだ。 そういう重要な位置を占めているんだから、日本の政府として、本会議でも提起されている問題だ、だからこの際、それだけ重大な問題だったら研究せないかぬなということも感じない政府になってしまっているのかな。何のために政府があるんだ、何のために政治があるんだ、そういうことになるでしょう、理解できないというのだったら。もうこれ以上言いません。理解できないんでしょう。
○牧野国務大臣 理解する、理解しないと言う前に、私としては、現実の調査を進めて、どういう状況になっているかということで判断をいたしたいと思います。
○寺前委員 同じことの繰り返しはもうやめます。 その次に、大森議員さんの日産リストラについての質問がありました。私も、去年の十一月十七日でしたか、日産のリストラについて労使間の記録を読んでおったら、日本の公約は千八百時間というのを打ち出しているのに、二千二百時間とか二千三百時間の労働時間でもってやろうということになるから、おかしいじゃないかと。政府として、日本の国はこういうふうに今やっているんですよ、二〇〇〇年が今来ているのにそんなことをやられてたまりますかとはっきり会社に言うて当たり前だ。それこそ労使間の協議以前の問題だ。あなたはさっきから以前、以前と言うけれども、以前と言うんだったら、そういうのに以前だと言わないかぬ。 ところが、大森さんは今度は、ずっと生産がこうなってきたら平均すると四百数十時間になって労基法の違反になるのと違いますか、そんな相談をやらせておいていいのですか、こう予算委員会で聞いておられた。そうしたら、何を言うているのかさっぱり私わからないんだ。 要するに、違反行為になる可能性があるので早速調査に行かせます、こう言うたら、なかなか政府もやるなということになりますよ。だけれども、あなた、会ったという話はする、村山工場へ行ったという話はするけれども、違法行為の疑いありとは言わない。そんなことは労使間の協議の事項ではありませんよ、違法な話はやってはなりませんといって向こうの人を呼んでちゃんと注意をするとか言うのだったらわかるけれども、それを言わないんだもの、私は情けないなと思って聞いておったんだ。 それだけじゃないんだ。考えてみたら、あなたのところから平成三年八月一日、中央労働基準審議会了承ということで出ている文書があるんだ。それはどんな文書かというと、所定外労働削減要綱というのがあるんだ。そういう文書があるんだ、労働省の中に。 その文書を読んでいると、いろいろなことが書いてあるけれども、本来、所定外労働、難しい言葉だけれども残業の話だ、所定外労働は臨時緊急のときのみ行うものだ。ところが、今労使間でやっているのは何ですか。会社の方が言うてきているのは、臨時の措置の話を言うているのじゃないんだよ。これでもってやりましょうという綱領的な問題提起をやっているんだ。日本政府はそんな態度をとっていませんよ。緊急のときのみ行うものであり、短いほど望ましい、目標はあくまでも年間総労働時間を千八百時間程度へ向け短縮することであり、労働時間短縮になるようにするためには所定外労働を減らしていく必要がある、特に大企業においてはとわざわざ書いてあるんだ。所定外労働時間は高水準のままであるので一層所定外労働の削減が要請されるというときに、逆の方向を出してきている。 日本政府に挑戦するのか、念のために申し上げるけれどもと言うて、それこそ呼んで、大臣やらなあかんねん。おれだったらそうするね。どうですか。いやいや、局長さんに先に。
○野寺政府参考人 私どものお答えもぜひ理解していただきたいと思うんですが、私どもが承知しております、日産のいわゆる先生御指摘のリバイバルプランというものだろうと思うんですけれども、これは、労働時間の関係で言いますと、年間の四千四百時間というのを設定いたしまして、それで稼働率を現在の五三%から八二%に上げるというようなことになっております。四千四百時間の八二%ですから大体三千六百時間ぐらい、これを二交代でやれば一人当たり千八百時間ということで、私どもの政府目標と特にかけ離れていないというふうに承知しております。 ただ、今後具体的なプランを細かく出していく中で、仮に法違反といったようなことが出てくれば、これは厳しく指導したいというふうに思います。
○寺前委員 いや、私はそんなことを言うていない。それは大森さんが言うた話で、四百何時間はおかしいという問題を提起したんだ。研究して直ちに指導せないかぬ。 問題は、私がきょう提起しているのは違うんや。あなたのところの平成三年の文書、その文書を読むと、こんなもの読んでられへんさかい私は言うたってるんやで、要約するとそういうことが書いてあるでと。所定外労働削減要綱というのがあるんや。これを見たことないのか、あなた。知っているんだろう。さっきざっと言うたとおりだ。 要するに、削減する方向をやりなさいと言って、中央労働審議会も了承して、それはそうやと言うておるのに、逆行することを言うてきたら、ちょっとあなた、よその国の人だから知らぬかしらぬけれども、念のために言うておくでと言うて当たり前じゃないか。何で言わぬのやろうかなということが私は気になった。法違反の問題も千八百時間の問題も、所定外労働時間を中心にして恒常的な契約をしようなんという話、そんなもの違いまっせと政府が言わなかったらおかしいなと思っている。 それで、改めて大森議員が、何回も大森議員と言うて悪いけれども、ベルギーではどうやっているんだというて調べて説明しはった、ベルギーの話は。ベルギー政府は、ルノーがどこか行こうということに対して、首相が直ちに欧州委員会に書簡を送り、突然の工場閉鎖に何らかの措置をとるべきだと強い要求をし、欧州委員会あるいは欧州議会でもルノー批判決議が行われたと書いてある。 日本政府は、無視されるようなことをやっていても、ようわからなんだなんということを言われたらかなわぬで、あなた。そうやろ。政府らしくやってほしいな、私は強くそのことを要望しておく。これはもうそれ以上言いません、局長には。そのことをはっきりしなさい。これは大臣に後で答弁してもらいます。 それから、せっかくの機会だから、この間大臣は村山工場へ行かれた。村山工場で、あなたら、地域産業に影響してお困りでしょうというようなことを言うたかどうか知らぬけれども、新聞記事を見ておったら、例の難しい、指定工場のその地域に対して、六カ月間、下請の労働者を雇おうとしたときには金を出しまっせという制度を一月一日からやるという話を、大臣やってはったやろ、村山に行かはったときに。新聞に書いてあるんやで、私が言うておるのは。そう書いてあったいうて、それが適切に行われるんやろかということを、ちょっと気になったから聞きたいと思うのや。 というのは、一体下請の企業というのは何社あって、対象になるのは何社やねん。そこで雇用している労働者の全体のどれだけの人が面倒見てもらうことになるんや、まともに雇ってもらったとしても。どうです、わかりますか。
○渡邊政府参考人 今ちょっと手元に具体的な資料は持ってきておりませんが、日産の村山工場の一次取引関係にあるところ、その企業とさらに取引になるいわば二次取引にあるところ、そういった企業が何社あり、かつ村山工場が取引高においてどれくらいの位置を占めているかというようなことは、既に調査済みでございます。ただ……(寺前委員「何ぼあるのですか」と呼ぶ)失礼いたしました。 例えば、村山工場の納入取引先について見ますと、まず、一次取引先が合計で四百七十八社ございます。例えば武蔵村山市にある企業で、村山工場が七〇%以上取引高の割合を占めているものが五社というふうなことで調査結果が出ておりますし、それから、二次の取引関係があるものが一千三百六十四社ということでございます。大部分は九%以下の取引量、それから一次下請につきましても、大部分は九%以下の取引量でございますが、先ほど申しましたように、七割以上のウエートを占めているというものも含まれておるわけでございます。
○寺前委員 時間が来ておりますので簡単にお聞きしますけれども、要するに、要綱を見ておったら、数字を出して、四分の一の契約の関係のところを基準にして面倒見ましょうということになってくると、全体の労働者のどれだけの人が対象になるのだろうか。少のうなるな、何ぼもないなということが、私、この間京都の関係者のところに行ったときに一番に聞かれた問題なのです。やるんやったらやるらしくやってくださいなというのが一つ。 それからもう一つは、つぶれるんだから、つぶれるときはどうするんやと言うたら、駆け込み生産をやって、八月までは駆け込みで忙しいんやと言うわけや。そうしたら、九月以降になりますなというわけや。この実施は二月一日まで。そうすると、半年間面倒見てもらえません。半年になる人、何人出てくるのやろうかという問題も出てきます。だから、期限を二月一日ではなくて、六カ月は面倒を見て、雇ったってくださいな。これ自身は私はええとは思わないんです、単純には。だけれども、言うた以上は、六カ月ということを保障する、先々まで延ばしましょうかということを検討してやらなかったら、言うこととやることが違うやないかとまた言われる運命になりますよ。私が気になっておるのは……
○赤松委員長 寺前委員、御注意申し上げます。もう既に持ち時間をオーバーしておりますので。
○寺前委員 もう時間が来ましたので、これで終わりますので、ひとつよろしくお願いします。
○赤松委員長 畠山健治郎君。
○畠山委員 極めて限られた時間でございますので、簡潔明瞭な回答をまずもってお願い申し上げておきたいというふうに思っております。 最初に申し上げたいことは、政府の経済見通しに関してお尋ねをいたしたいというふうに思います。 経済見通しでは、来年度一・〇%の成長の条件の一つとして、名目〇・五%の雇用者所得の伸びを見込んでおられます。ところが、昨年十一月時点での労働省調査では、従業員三十人以上の五千三百四十二事業所中、およそ五五%の事業所が今後一年間で一五%の人員削減を予定しておる、こうなっております。 そこでお尋ねをいたしますが、これだけの人員削減が行われた場合、雇用者所得に対するマイナスの影響はどの程度見ておられるのか、お示しいただきたいと思います。
○松崎政府参考人 お尋ねの件でございますけれども、雇用調整が実際行われた場合、これがマクロで見てどれだけ雇用者所得全体に響くかというものについては、現在積算はされておりません。ただ、御指摘のように、雇用調整を行う場合には、中身として残業時間の抑制でありますとか新規、中途採用の抑制、そういったものが含まれている場合には、労働者数の減少等も伴いますので、全体といたしまして、マクロで見た場合の雇用者所得全体の影響というのは及んでくるものというふうに考えております。
○畠山委員 経済的影響を予測していないというのであれば、対応すべき政策も立案できないわけでありまして、一体何のための調査であったかと言いたいくらいでございます。ないと言うならやむを得ません。 本年度の雇用者所得マイナス一%を来年度〇・五%に引き上げるためには、三倍の伸びが必要になるはずであります。となれば、失業者の抑制のみならず、賃金についても積極的な対応が必要ではないかとだれでも思うわけであります。これについて、一月二十五日、宮澤大蔵大臣は、マクロ経済の立場から、今春闘での賃上げに対する期待感を表明いたしておりますが、労働大臣、これをどう認識しておられますか。 いたずらなリストラが不況を呼ぶ経済の悪循環を断つためにも、民間の賃金相場形成に対する労働省の具体的な対応が求められているんではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○牧野国務大臣 大蔵大臣の御発言については、私は詳細は承知しておりませんが、消費支出の拡大が景気の回復に向け大切との認識を示されたものではないかな、こう考えます。 消費支出の拡大については、賃上げ等による勤労者所得の増加だけでなく、雇用の確保や将来に向けての不安の解消等さまざまな要素が影響するものであります。雇用対策を預かる私としましては、雇用の創出、安定を図り、雇用不安を払拭していくことが何よりも大切であります。 なお、賃金等の労働条件については、関係労使間で自主的に交渉を行って決定するものでありまして、今、私の立場から、その水準について見解を述べるということはどうかな、こう考えています。
○畠山委員 労働行政としてどうこうしてほしいなんという意味で申し上げたつもりはございません。 いずれにしても、それで雇用者所得が見込みどおりとなることには大きな疑念を抱かざるを得ないというふうに思います。 所信で、大臣は、雇用に関する安全ネットを張りめぐらすと言っておられますが、市場経済万能論ともいうべき政策のもとで、これまでの雇用上の諸制度を解体し、リストラ等々が先行するような状況であっては、安全ネットといっても、国民の雇用失業不安は消えません。しかも、年金、医療についても負担増と給付の引き下げが意図され、あげくの果てに自己責任論では、なおさらのことでありましょう。 社会経済の変化から生ずるリスクや不安を社会全体で分かち合おうとすること、そのための制度、政策体系を整備する、これが安全ネットの意味であろうかと考えます。市場経済と安全ネットとは相互協力の関係に立つべきものではないかと思います。この点、大臣の言う安全ネットは、構造変化に伴う落ちこぼれ対策と見られても仕方がないんではないだろうか、こう考えますが、いかがでしょうか。
○牧野国務大臣 御承知のとおり、雇用は国民生活の基盤でもあり、その安定を図っていくことは社会の安全ネットの基礎として国政の最重要課題の一つであります。 企業にとっても、労働者の雇用の安定に努めることは社会的な責務ともいうべきものでありまして、安易に人員削減をするのでなく、雇用している一人一人の労働者の職業能力の向上を図ることにより、生産性の上昇を通じて市場で評価される企業こそが社会から正当に評価されるべきである、こう考えております。 私は、労使にも雇用の安定に向けての協力を求めてきましたが、労使もこれにこたえて、共同で雇用安定宣言を出すなどの取り組みを進めていただいているところであります。 労働省としましても、中小企業や新規・成長分野の雇用の創出を図るとともに、雇用調整助成金の活用によって企業の雇用の維持の取り組み、企業の雇用維持の努力に限界がある場合には、人材移動特別助成金の活用による失業なき労働移動、また、やむを得ず失業した場合には、生活の安定を図るための雇用保険の支給や能力開発、労働力需給の的確な結合による早期再就職の促進等の施策を講じているところでございます。 私は、これらすべてが雇用に関する安全ネットであると考えておりまして、今後とも、これらの施策を積極的に推進することにより、雇用不安の払拭に努めてまいりたい、こう考えております。
○畠山委員 百兆円近い公共投資をもってしても経済が回復軌道に乗らないのは、従来の安全ネットが解体されたままで張り直されていないからで、そのためには政策転換が必要ではないか、この点を強く指摘し、次の質問に移りたいというふうに思います。 先ほどから指摘をしております経済見通しでは、来年度完全失業率四・五%とされております。しかし、過去の実績といえば、九三年度以降、見通しを上回る失業率となっており、GDPに至っても、九一年度以降、実績はすべて下回っております。見通しの甘さここにきわめりという感じがいたします。これを見れば、今後の長期的完全失業率見通しについて、三%台後半と言われてもだれが納得することができるでありましょうか。 そうした長期的見通しを裏づける政策的根拠は一体何か、お聞かせいただきたいというふうに思います。
○牧野国務大臣 昨年五月に発表された雇用政策研究会報告によりますと今後十年間の労働力需給の見通しが示されておりますが、これは毎年の政府経済見通しの数字を前提とするものでなく、二〇一〇年まで国民一人当たり平均して二%の経済成長が続くと仮定して推計したものであり、二〇一〇年の完全失業率については三%台後半から四%台前半、こういうことで見通されております。 この完全失業率の数値については、昨年七月に閣議決定された経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針や同じく八月に閣議決定された第九次雇用対策基本計画の参考数値として用いられております。 私は、政府全体で情報技術関連分野を初めとする新規・成長分野の発展に積極的に取り組み、より経済成長を図ることにより雇用が拡大していくことが必要と考えております。 労働行政の立場から申しますと、特に、今後の労働市場の構造変化に的確に対応して、積極的に雇用の創出、安定を図るとともに、労働力需給のミスマッチの拡大を抑制するために、的確な職業能力開発、高年齢者への労働需要の拡大、円滑な労働移動の推進、求職者に対する適切な情報提供等を行っていくことが重要であります。これにより、中長期的には三%台後半の完全失業率を目指して努力していきたい、こう考えております。
○畠山委員 言ってみれば大変勇ましいわけでありますが、よく伺いますと目標数値であるというふうに見ざるを得ないわけであります。時間もございません、先へ進ませていただきます。 雇用政策に関連してもう一点お尋ねをいたします。 ワークシェアリングについて、労働行政上どのような定義あるいは内容づけを言っておるのか、見解を承りたいと思います。
○牧野国務大臣 ワークシェアリングにつきましてはさまざまな定義があります。一般的には、限られた雇用機会をより多くの労働者で分かち合うという意味で理解されておりますが、分けますとおおむね二つに分かれるのではないかな、こう思います。 一つは、年間の労働時間を短縮したり職業生涯期間を短縮することによって、労働者の勤務態様は変えずに、一人当たりの労働時間を減少させることで、より多くの労働者に雇用機会を与えようというものであります。諸外国の例としては、フランスの三十五時間労働法の制定によるワークシェアリングというものがあります。 それからもう一つ。二つ目は、フルタイム労働者の作業分割や高齢者のフルタイム労働のパートタイム化など、常用労働者の勤務態様の変化を伴う形でより多くの労働者に雇用機会を与えるものであります。諸外国の例としては、オランダでパートタイム労働を活用している例や、ドイツで高齢者のパートタイム化を行っている例がございます。
○畠山委員 政策的概念としてはそのような意味と受けとめますが、現実には、中高年従業員に対する時短をしながらも若年従業員には解雇を行ったり、あるいは時短と引きかえに派遣労働職員やパート労働で代替するなど、本来の意味から逸脱した、新たな不安定雇用を招いている例もなしとはいたしません。 オランダ型、フランス型、ドイツ型と、ヨーロッパでは三類型がございますが、こうした形態をも参考にしながら、ワークシェアリングの進展のためのガイドラインを示す必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょう。
○牧野国務大臣 日本において、最近、雇用の維持、創出という観点から、労使からワークシェアリングについて問題提起がなされ、社会的関心は非常に高まっているという現状にあります。 しかし、現時点においては、ワークシェアリングにより雇用を確保することについては、景気変動に対しては所定外労働時間の調整で対応し、解雇はなるべく行わないという我が国の雇用慣行になじみにくい面が実はございます。また、賃金の削減を伴うかどうかについては労使間に相当の考え方の相違が存在するわけであります。 こういうことを考えますと、私としましては、まず労使間で十二分に議論してほしい、両方が納得していただかなければこれは実行できないわけですから。こういうことを通じまして社会的なコンセンサスが形成されていく。円満な雇用関係や労使関係でいくためには、少し時間がかかりますが、コンセンサスを形成していくことがやはり一番いいことなのではないだろうか、こう思っておりまして、現在、こういうガイドラインをつくるということについてはまだ考えていないのが現状であります。
○畠山委員 労使関係の問題、最終的にはそこに行き着くことは間違いないというふうに思いますが、労働行政の一つの方向性で今こう議論しているわけですから、労働省は労働省なりにやはり一定の方向性を示してもらわなければ大変ですよ、最終的には労使の協議でそれは決まるんでしょうけれども。そういう意味で申し上げておるつもりでございます。 昨年十一月十七日、当委員会で、私は、ジェー・シー・オー東海事業所臨界事故に関する質問を行いました。その際の大臣答弁のその後の対応についてお尋ねをしたいというふうに思いますが、その前に、大事な問題がございますので、科学技術庁にお尋ねをいたします。 中曽根科学技術庁長官が十八日の予算委員会で、臨界事故に対し行政責任はない、こう断言しておられますが、間違いございませんね。確認をしておきたいというふうに思います。
○間宮政府参考人 昨日の予算委員会で中曽根大臣が答弁いたしたところでございますが、事故が生じた原因はジェー・シー・オーの違法な行為によるものでございまして、科学技術庁として、ジェー・シー・オー施設に対して、原子炉等規制法上必要な行政行為は実施しておりまして、この趣旨から、中曽根大臣は、科学技術庁の行政責任はないと発言されたものと理解しております。
○畠山委員 保安規定遵守状況調査からすれば、八四年から九二年まで行われた八回の調査、問題の転換試験棟に関しては、運転中の調査は一回のみで、しかもそれは立ち入って行っておらず、あとは停止中であったとされております。さらに、九八年、九九年にかけて十四回行われた運転管理専門官による巡視は、巡視時に作業が行われていなかったことが一回、巡視したが停止中が二回、巡視せずが十一回となっております。 こうした調査の不備もさることながら、決してあってはならない事故が周辺住民を巻き込んで生じたわけで、これでも行政責任はないと言えるんですか。法に基づく調査あるいは巡視、その他の施設に比べて巡視していなかったことが事故発生の蓋然性を高めたことは間違いないのではないのか。その点、行政責任がないどころか、明確にある、こう言わなければならない数々の例を今出したわけであります。重ねて見解をお尋ねいたしたい。 と同時に、労働省についても言えるのでありますが、この事故で一人が亡くなり、二人がいまだに問題が残っておる。労働基準監督行政が適切であれば防ぎ得た、こう言わなければならないというふうに思いますが、この点の行政責任についてもお答えをいただきたいというふうに思います。
○間宮政府参考人 今回の事故につきましては、十分な知識や経験を持たない作業者が、安全審査で確認された条件を著しく逸脱した操作を行ったことによって引き起こされたということが明らかにされております。行政庁といたしまして、今回臨界事故を起こしたこのジェー・シー・オーの転換試験棟につきましては、昭和五十九年六月の変更許可申請以降、原子炉等規制法に基づく審査、施設検査などを通じて厳格な安全規制を行ってきたところでございます。 今先生おっしゃいました保安規定の遵守状況調査につきましては、平成四年度までは鋭意実施してきていたものでございますが、これは法令に規定されてない任意の調査でございまして、法令上の位置づけを有する審査、検査等の案件が多い場合、種々の制約から、毎年必ず実施できるということではございませんでした。実際、民間事業者による青森県六ケ所村の濃縮再処理等の事業の許可指定が行われたことに伴いまして、平成五年度以降、関連の許認可及び検査にかかわる業務が急増したため、これらの施設に関する法令上必須の検査が優先されたという事情がございます。 平成十年四月からは運転管理専門官が東海地区に常駐いたしまして、同地区の原子力施設の運転管理に当たってきたところでございます。しかしながら、運転管理専門官は、東海地区の再処理施設を初めとした多数の施設の運転管理を行わなければならず、ジェー・シー・オーの巡視頻度は月一回、曜日を定めて実施していたこと、事故のあった転換試験棟は、同社の他の施設と比較いたしましてもウランの取り扱い量が少なくて、かつ不定期に、かつまれにしか運転されなかったことなどから、施設の運転時に巡視が行い得ない結果となったものでございます。 昨年につきましては、十月に転換試験棟が操業される計画であったために、運転管理専門官は操業中の十月六日にも巡視をするということで準備をしていたわけでございますが、その直前に事故が発生したものでございます。結果といたしまして今回の事故が発生したということについては、謙虚に反省しております。 このたびの原子炉等規制法の改正によりまして、原子力保安検査官を新設し、保安の監督の充実を図るとともに、保安規定の遵守状況についての検査を定期的に実施することとしているところでございます。今後とも運転管理の状況を適切に把握し、原子力施設の安全管理に万全を期すべく対処してまいりたいと考えております。
○赤松委員長 労働省の答弁はありますか。
○畠山委員 いいです、時間がなくなってしまいましたので。 そんな答弁では納得できません。安全審査や規則に定められておる、言ってみれば、沈殿槽の量というのは二・四キログラムで基準がつくってあるんですね。それを、十六キロも入るという現場を見逃しているんじゃないですか。十六キロも入るという現場を見逃しているということは一体何ですか、これは。こんな事実が、どうだこうだとへ理屈ばかり言って、そんなことじゃとてもじゃないけれども納得できません。 時間がありませんから先を急ぎます。たった一つだけ。 さっきも申し上げましたように、大臣、昨年の十一月十七日の私に対する答弁、手帳を交付しましょうというふうに御答弁をいただきました。その後どうなっておるのか。時間がなくなってしまいましたけれども、これだけちょっとお願いいたします。
○野寺政府参考人 昨年の大臣答弁を私ども真摯に受けとめまして、先生の御趣意をかんがみまして、健康管理手帳も含めた検討を行っております。放射線関係の専門家あるいはお医者さん等を入れまして検討をしている最中でございます。 ただ、本業務は、事前に例えばフィルムバッジ等で結果としてがん等にならないような放射線規制が十分なされるわけでございまして、そういう意味では、通常業務をやっていてもがんが発生するような業務にのみ健康管理手帳をやっているという実態から考えますと、健康管理手帳そのものを支給するというのは不適切ではないかというふうに現在のところ考えております。 ただ、大臣が御答弁いたしました趣旨を十分かんがみまして、現在検討中でございますので、もう少しお時間をいただきたいと思います。
○畠山委員 日数も五カ月以上も経過しております。先を急いでいただきますようにお願いを申し上げまして、終わります。ありがとうございました。 ————◇—————
○赤松委員長 次に、内閣提出、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。牧野労働大臣。 ————————————— 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○牧野国務大臣 ただいま議題となりました介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国における急速な高齢化の進展等に伴い介護を必要とする高齢者の増加が見込まれる中で、介護分野の事業への新規参入や新たな介護サービスの提供等が進み、労働需要が大きく拡大するものと考えられます。 また、現下の厳しい雇用失業情勢のもと、このように成長が期待される産業分野において雇用機会の創出を図っていくことが喫緊の課題となっております。 このような状況に対応し、社会保障施策との連携に留意しつつ、介護分野における労働力の確保及び良好な雇用機会の創出、能力開発の推進、労働力需給調整機能の整備等を図ることが重要となっております。このような観点から、中央職業安定審議会において検討が行われ、昨年十二月に、介護分野における良好な雇用機会の創出対策等を実施するため、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の改正を早急に行う必要がある旨の建議をいただいたところであります。 政府としましては、この建議を踏まえ、本法律案を作成し、中央職業安定審議会の全会一致の答申をいただき、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者に対する入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、看護及び療養上の管理等の福祉サービスまたは保健医療サービスを法の対象となる介護関係業務と定義し、これらの業務に従事する医師、看護婦、ホームヘルパー等の労働者を介護労働者と総称することといたしております。 第二に、政府は、介護関係業務に係る新たなサービスの提供または介護事業の開始に伴って実施する雇用管理の改善に関する措置についての計画の認定を受けた事業主が、当該計画に基づき必要な措置を講ずる場合に、雇用保険法の雇用安定事業等による必要な助成及び援助を行うこととしております。 第三に、職業安定機関と職業紹介事業者その他の関係者は、介護関係業務に係る労働力需給の適正かつ円滑な調整を図るため、雇用情報の充実等に関し、相互に協力するよう努めなければならないこととしております。 第四に、労働大臣は、介護労働安定センターに、雇用保険法の雇用安定事業等の業務並びに介護労働者及び介護労働者になろうとする者に対する教育訓練の業務を行わせることとしております。 なお、この法律は、平成十二年四月一日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○赤松委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十五分散会