P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
147回国会衆議院2000/02/28

予算委員会第六分科会 第2号

発言数
182
登壇者
18
会派数
6
開催日
2000/02/28

会議録

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。  平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算及び平成十二年度政府関係機関予算中通商産業省所管について、前回に引き続き質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 おはようございます。大村秀章でございます。  本日は、この予算委員会第六分科会、貴重なお時間をいただきまして質問させていただきますこと、本当にありがたく思っております。そして、深谷大臣初め両政務次官の先生方、本当にお忙しい中、お時間をいただきまして、ありがとうございます。  きょうは、私ども、地元愛知県にとりまして、愛知県だけでなくてもちろん日本全体にとりまして、これから大きな一つのイベントといいますか、課題になっております二〇〇五年の愛知万博につきまして、この一点に絞りまして御質問をさせていただきたいと存じます。  経過はもう十分御案内のとおりでございますが、ずっと何年も前から、地元愛知県そして通産省を中心に準備を進めてまいりまして、ちょうど今から二年半前の一九九七年六月に、モナコのBIEの総会で誘致が成功したということでございます。当時、今の小渕総理が自民党の万博推進議員連盟の会長代行ということで、政府代表でモナコまで乗り込んで、最後の誘致活動、だめ押しをやったということでございまして、私自身もそのお供をして、最後の、一カ国一カ国を票固めといいますか、やった者の一人として大変感慨深いものがあるわけであります。  その後、推進協会をつくって、地元の体制をつくって、私自身は、これは順調に進んできたのかなという感じを持っておりました。ところが、そういう中で先月、一月に、地元の新聞を中心に、報道の中で、昨年の十一月、BIE、博覧会協会の幹部と通産省、政府との非公式な意見交換の中で、特に環境問題についていろいろな懸念があるという御指摘があったという報道がばっと出たわけでございます。  それを受けて、いろいろお聞きいたしておりますと、大臣がみずから、これはもうとにかくまずBIEと話をして、何が真意なのかということを、意見を聞いてこいという話で、先般職員を派遣されて、そして、相当突っ込んだやりとりがあったというふうにもお聞きをいたしております。  今回、万博についていろいろ議論がされておりますけれども、そのBIEとの交渉というか意見交換といいますか、それの経過なり今の現状、特に大臣の認識はいかがなものかということをまずお聞きしたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 大村委員が一生懸命頑張っておられたという姿は、私どもかねがねよく存じ上げておりまして、その御苦労に心から敬意を表したいと思います。  二百三十七団体及び八十八市町村が挙げて万博誘致で愛知県で立ち上がられて、数々の動きの中で、ついに、平成九年にモナコで劇的な決定を見た。五十二対二十七という立派な数字で、そのときに、喝采を叫んだ、愛知県の人たちのみならず、全国民がそんな思いだったんですね。  その後、御案内のように、具体的な計画が進められていたのでありますが、昨年の十一月にBIEの議長と事務局長等がその状況を見に来られた。そのときに、私のところに表敬訪問をなさるというので、私もお目にかかったんですけれども、大変短い時間で、まさに表敬訪問で終わったのですが、その前に話し合ったときに、BIEの議長さんや事務局長さんから、かなり、環境問題についての懸念だとかいろいろな話があったようでした。  それらは、通産省の担当職員はメモにしまして、それらのサジェスチョンについては関係方面に配ったのですけれども、それとは別個に、たまたま随行して案内をしていた方が自分のメモを持っていて、これは英語での会話だったらしいんですけれども、そのメモというのは、ニュアンスあるいは書き方、随分様子が違うので、確認されたものではないんですけれども、それが後に地元新聞にばんと出ることになりまして一気に大騒ぎになっていった、そんな感じがするんですね。  私は、当時の状況について職員から詳細を聞きましたけれども、新聞に書かれたほどの激しいやりとりだったということではないと。やはりメモする人の感覚だとか受けとめ方で随分違うものだと思ったのです。  しかし、環境問題についてBIEがかなり厳しく言ったとか、具体的にマスコミを通して書かれておりますから、かなり説明不足なところもあるんじゃないか。もう一回BIEに行って、きちっとこちら側の状況を説明して正しく理解していただくと同時に、いずれ承認を得なければならないわけですから、その場合に、BIEの議長や事務局長に正しい認識を持っていただくことはとても大事だから、よくお話をするということと、実際にBIEが考えている関心事項あるいは日本に対する要望等があったら、それを率直に聞いてきてくれと。そのことできちっと対応できるような中身の検証も行っていかなければならない。まず何よりも、出かけていって話をし、聞いてくることだというので、それで通産省の担当の代表の者を行かせたわけですけれども、そのときは万博協会からも県からも一緒に行かれたようでございました。そんな経過です。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 そういうことで折衝された、その後、報道等を中心に、我々ももちろん聞いておりますけれども、BIEの登録申請、この五月にもBIEの総会で予定をしておられたということだったわけであります。  もちろん、二〇〇五年の三月には開会ということでありますから、ちょうどこれから丸五年。通常、会場をつくっていろいろなものをつくっていくと、逆算をしていくと、結構日程的にはタイトになっていると思ってもいいと思うんですね。  その登録を、今回とりあえず見送るといいますか、もうちょっと考えようということになったというふうにお聞きをいたしております。これは当然、そういった環境面でのいろいろな問題をやはりできるだけ多くの人に理解をしてもらって、クリアしていく中で計画を承認してもらうということであれば、私はむしろ、今回の大臣を中心にした御英断はそれでよかったんじゃないかなと思います。むしろ、今はまず、急がば回れといいますか、少し時間をかけてでも、もう一度計画をしっかり、原点に立ち戻ってつくっていく、そういう時期じゃないかなと思うのであります。  そういう意味で、今回の経過と今後のスケジュール、わかる範囲で大臣の方からお答えいただければと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 BIEのそのときの御意見は幾つかあるのです。  具体的に申しますと、博覧会の内容は、跡地利用を含めて博覧会のテーマにふさわしいものであることが大事ですよ。二つ目は、博覧会の計画について、自然保護団体を含め、幅広くさまざまな意見を持った人たちと十分なコミュニケーションをとって理解を深めることが必要であること。三番目は、跡地利用というのは、その万博が終わってから将来、十年とか、場合によっては数十年の期間にわたる性格のものですから、これは実施国の責任においてやることです、BIEはその基本的な枠組みについて、博覧会のテーマにふさわしいものであるかについての審査をするんですということ。それから、会場計画とか資金計画をできるだけ早く具体的に出してください。また、登録承認の時期については、登録用の文書などもしっかり準備することに重点を置くことがより大事です。それから最後に、愛知万博の成功は国際的にも重要で、BIEとしても技術的な支援は惜しまない。  こういう御発言などもありまして、大変和やかなものであったそうでございます。  そこで、これらの問題も含めて、それからまた、私が現地を回りましたときにも申し上げたのですが、やはり万博を成功させるためには、地元の皆様、関係者の皆様の御理解と御協力が一番大事だ、だから、その理解と協力を得るために、もう一回、自然の叡智、自然との共生というテーマにふさわしい中身を十分に練り上げてもらいたいと知事にも要請していたのですが、その後の経過の中でただいまのBIEのこういう御発言があったわけですね。  そこで、それらを踏まえて、愛知県の知事を中心にしてこれらの検討を目下進めているわけでありますが、二月の十六日に愛知県知事が私のところにおいでになりまして、そのような状態の中で今一層努力をしているけれども、もう少し時間が欲しい、五月の前に全部の手続を完了することは容易なことではないので、次の総会、つまり十一月ないしは十二月であろうと思うのですけれども、そこに間に合うような申請にさせていただくとより十分な対応ができる、こういうお話があったものですから、それはまことに結構なことで、ではそのようにしていきましょうというので、それで二人の側で合意ができたわけでございます。  今、愛知県、万博協会、通産省はもちろんでありますけれども、具体的な中身を練り上げている最中で、この十一月ないしは十二月の総会には書類を提出して、そして圧倒的多数の支持が得られるように進めていきたいと考えています。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 まさしく、先ほど私申し上げたように、急がば回れではありませんが、やはりもう一度、そもそも、三年前、我々がこの愛知万博の誘致活動を一生懸命やってきた、そのときの原点というのは、やはりこれまでの万博の百年の歴史の中で、真正面から環境との共生といった、環境というのを前面に掲げた万博というのは多分これが初めてだと思うんですね。もちろん、ことしやられますドイツのハノーバーの万博も自然だとかそういったものを前面に押し出してはおるわけでありますけれども、環境との共生、環境というのを前面に、それを一番の理念に打ち出したのはこれが初めてだと思っております。そういう意味では、二十一世紀の冒頭にやる万博として一番ふさわしいのかなと思って、我々も一生懸命誘致をしてまいりました。それが成功した。  一方で、今回、ちょっとコミュニケーションの不足があったのではないかと私思いますけれども、環境面でどうかなという懸念が示されたということになれば、やはりこれは、コミュニケーションをとることも含めて、もう一度計画をしっかりつくり直していく、原点に立ち返っていくということが必要じゃないかなと思っております。  ちょうど先般、二月十九日の土曜日でございますが、自民党の野中幹事長代理が党を代表して万博の会場、候補地を視察されるということで、その施設の海上の森と長久手の青少年公園を視察されるということで、地元の議員も、おまえもついてこいということで、私も御一緒させていただきました。  改めてそこへ行ってみますと、やはり、都市近郊で自然が残っている、いわゆる日本独特の里山ということ。そして、もちろん日本の自然というのは、大臣も十分御案内のとおり、全く自然に、そのまま、どうぞというふうにほっておいて山が保たれるとか自然が保たれるということではないんですね。やはりある程度人間が手を入れて育ててきた、日本の山というのはそういうものであります。そういう意味では、海上の森自体も、これまでに人間がつくった、治山技術でつくってきた森であるわけであります。ですから、これを生かしていくためには、やはり、人間がある程度手を入れながら、そして、環境を前面に押し出したこのテーマに沿った計画づくりをもう一度やったらどうかなということを強く思います。  そして、その中で、私思うのは、万博の歴史の中で一番大規模で、多分もう二度と記録は破られないだろうと言われるのは一九七〇年の大阪万博ですね、六千万を超える入場者。もちろん、日本全体が高度経済成長の右肩上がりという時代だった。ただ、今、時代が違うと思うんですね。  ですから、私は、これまでも党のそういう議員連盟の役員会で申し上げてきたのでありますけれども、規模が大きいことはいいことだ、とにかくどんとお祭りをやろうという感じじゃなくて、やはり二十一世紀、これから我々日本が、先進各国どの国も追い求めているのが、一たん使ったものをもう一度使い直す、そういう循環型の社会をつくろう、そうしないともう持続的な発展ができないですねということでありまして、それを追い求める意味でも、規模はある程度小さくても何かきらりと光るような、後で、後世の人が見て、あれはいい万博だったね、中身があったなということをみんなに言っていただけるような、私は少々規模が小さくてもそんな万博にしたらどうかなと思うわけであります。  済みません、ちょっと長い私自身の考え方を申し上げましたけれども、改めて、この万博を成功させていく上での大臣自体の万博についての考え方、理念といったものをもう一度お伺いさせていただければと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 愛知県の皆さん方がこの万博を計画して進めてくるに当たって、やはり一番大きなテーマにしたのは、自然の叡智、自然との共生、そういうテーマでございました。  今委員が言われるように、これからの時代を考えると、自然と人間がどうやって共存していくかということはとても大事なことですね。今までは、どちらかというと、自然というのはとにかく最初からあってずっとあり続けるものだ、また、自然のよさとか、逆に言うと自然の恐ろしさとか、そういうものをだんだん無視したような暮らし方に変わってきたのですけれども、ここでもう一回そういう自然を見直して、その自然の中でどうやって共存していくのかということを考えるというテーマは、私は非常に二十一世紀的なテーマだと思って、すばらしいことだと思っているのです。  一般的に誤解がありますけれども、そういう考え方を捨てて進んでいるような言い方、書き方をする向きもありますが、私は決してそうではないと。例えば、オオタカが営巣したら、別にそれは自然保護運動が大変だからということでなしに、思い切って青少年公園に計画を変更する。オオタカの営巣のたった一つの問題でもそれだけの思い切った決断をするということは、私は、自然との共生をいかに考えているかということの最大の証左ではないだろうかなと思うんですね。  しかも、今大村委員が言われたように、自然はほっておいても大丈夫なんだというものではありませんで、特にあの海上の森なんかは、あの里山というのは、戦後丸坊主になったのをみんなが苗木を運んでは埋めていった、まさに人間が育てたものだ。大正池というんですか、あそこへ私行きましたときに、とてもきれいな、本当にすばらしい自然だと思って感銘したのですけれども、そこも、砂防堤ができたからそこに池ができ、何年かの中で自然としてのとても美しい景観が生まれてきた。  これもそもそもは人がかかわって自然の新しい形をつくってきたということを考えますと、やはりこのテーマにふさわしい、自然とどうやって生きるかということが非常に重要なことで、そのテーマを忘れずに、ではどんな形がいいのかということを皆さんの英知、我々の知恵も含めてまとめ上げていくべきものではないかなと思いまして、そういう意味では、いろいろな変遷がありましたけれども、ここでもう一回考えて、みんなの理解を得られるようなプランをつくるということは大変大事なことだというふうに思います。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 それで、今回特に問題になったのはやはり会場計画全体で、特に、青少年公園をある程度活用していくということは皆さんの理解を得られていると思うのですが、問題は海上の森の評価と位置づけだと思うんですね。  先ほど申し上げたように、やはり日本の自然、特に里山というのは人間が営々と手を入れてきた。今大臣おっしゃるとおりでありまして、僕はそれの事実は事実として評価をしていかなきゃいけないと思うのでありますけれども、オオタカの営巣が発見された、そしてまた、今回ああいう形でのいろいろな環境面での懸念を言われたということもあります。  ですから、私は、そういった声を受けていくとすると、やはり海上の森自体の具体的な会場計画ですね。そしてまた、跡地の利用計画につきましては、特に例の跡地利用で新住事業が大変大きな問題になったわけですね。ですから、これ自体は、人の手を入れて自然を維持していくということはもちろん大事でありますけれども、やはり、環境にできるだけ負荷をかけないような形で、具体的には、私の個人的なあれですけれども、海上の森自体は少しずつ、造成部分でありますとか手を入れる部分はある程度縮小していって、実際に人が来ていただくところはやはり青少年公園が中心にならざるを得ないのかな。また、必要であれば、名古屋の方でもいろいろな国際会議をやったらどうか。そして、海上の森は日本がつくった、人の手でつくった自然なんだということを世界から来た人に見ていただくというような形で、できるだけ負荷をかけないような計画づくりの見直しというのですか、それが私は必要じゃないかなと思うのであります。  もちろん、これはこれからの御検討ということでありますが、今現在の大臣の率直な御意見をちょっとお聞きできればと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 私は、大村委員の御発言というものは大変傾聴に値することだと思っています。そういうことも含めて今検討しておりますので、どのような形でいつごろまとまるのか、私も深い関心を持って見詰めていきたいというふうに思います。  やはり、跡地の問題と海上の森の問題が一つになってしまったことがいかにも自然破壊という印象になったということは、とても残念だと思うのです。私も、調べてみると、海上の森の中での住宅建設用地というのは三・何%ぐらいで、ほんの小さな部分なんですが、ここだけが拡大されたということは非常に残念な思いがいたします。それにしても、この新住計画というのは、今から恐らく十五年、二十年先の話でございますから、そういう意味では、それと結びつけて事を進めていこうという物の考え方自体にも問題があったのかなというふうに私どもは思いますけれども。  いずれにしても、海上の森が、これからも人の力でさらに自然環境をよくしていって、そしてまさに二十一世紀に自然との共生という形で本当にうまくいくような、そういうプランを考えていくべきだと思います。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 ありがとうございます。  この点、万博自体のテーマがやはり環境ということでありますので、環境、環境ということになるわけでありますけれども、それで、今回特にこの海上の森を対象に会場候補地として使うということから、通産省を初め政府としては、環境の保全といったことに対しては、相当慎重かつ十分な配慮を行ってこの計画づくりを進めてきたというふうに思っておりますけれども、特に、環境アセスメントも含めて、そういった点についてのこれまでの進め方、そしてまた今後の進め方ということにつきまして、もう一度大臣のお考えをお聞かせください。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 オオタカの営巣の確認を契機に、環境への配慮から青少年公園への会場拡大を図るなど、大幅な変更をしたんですね。その閣議了解に沿って、博覧会協会が環境影響評価を実施しているわけです。昨年の十月には、御存じのように協会から環境影響評価書というのが提出されました。これに対する環境庁長官の意見及び二十二回に及ぶ専門家による検討会の報告を踏まえて、去る一月に私の意見を協会に対して伝えた、そういう経過でございます。  これらの意見は、当然のことながら、協会はこれを十分に勘案して、引き続いて環境影響評価の手続を進めて、その環境への配慮を事業の実施に適切に反映させていかなければならぬものというふうに思っております。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 ありがとうございました。  いずれにしても、先日、この会場候補地を一緒に視察していただいた野中先生も言っておられましたけれども、ここまで来て、この万博自体が後戻りはもうできない、とにかく、国際的な信用も含めて、日本として、環境ということで前面に押し出してやるんだということで打ち上げた万博でありますので、これはもう成功させなければいけない、そのとおりだろうと思っております。  そういう意味で、今後の計画の推進に当たりまして、国があって、そして地元の愛知県があって、地元自治体、市町村、それから万博協会があって、この三者が、今回いろいろな新聞報道等々で言われたことの中に、どうもその三者の意思疎通が余りうまくいっていなかったんじゃないかというようなことも言われておりますし、その点がもしあったとすれば、これをいい教訓にして、しっかりと意思疎通をしながら進めていくということが当然大事だなと思っております。  それから、今後、万博を進めていく上においての閣議了解の中に、やはり財源問題も触れられておるわけでありまして、会場の全体の建設費の負担は政府と地元自治体と経済界で一対一対一、こういう閣議了解があるわけであります。そういうことを前提にすると、今の状況、私の地元は愛知県でありますが、愛知県の財政状況は、大臣の東京も非常に厳しいとお聞きいたしておりますけれども、愛知県も御多分に漏れず非常に厳しいわけでございます。そして、地元の経済界も含めて、今こういう景気の動向ですから、なかなか財政負担、高度経済成長のときのようなことがなかなかやりづらいということもあります。そういう意味で、全体の計画をつくっていく上で、やはりこの三者の連携協力は当然必要だと思います。  さらに言いますと、私、地元の県議団なりと、まあオフィシャルな話ではありませんけれども、彼らといろいろ話をしていく中で、今回の特に新住事業の話について、建設省と通産省というような話が、地元の県なり県議団から見ると、どうも政府がそれぞれ何か別々にやっているんじゃないかというようなことで、やはり万博を進めていく上においては、もちろん通産省を中心に、大臣の御指示のもとでということは当然だと思いますけれども、政府として、全体を統括するような、司令塔というのですか、何かそんな強力なものをつくってもらって、むしろどんどん引っ張ってもらいたいというようなことを率直に地元の議員さんから言われる機会が多いものですから、そういったことも含めて、万博を進めていく強力な司令塔として、大臣を中心にそんな体制もぜひつくっていただいたらありがたいな。その推進に対する体制についての考え方をお聞かせいただければと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 国と県と万博協会、この三つのグループが本当に力を合わせないとすぐれた万博を実現させることは困難であることは、もうそのとおり。今まで、そういう点で十分かと言われたら、十分であったらこういうような動きにならなかったわけですから、やはり反省するところが非常に多いのではないかというふうに思います。  そういう意味では、三者がしっかり協議するようにということを私もやかましく申し上げておりますし、ついこの間、県知事が総理のところにお邪魔するときも、わざわざ連絡がありまして、これから総理に会うけれども、最近は通産省も非常に積極的に協力してくれて、いい意見も出してくれて助かっている、そんなお言葉がありまして、ようやく本格的に軌道に乗ってきたかな、そんな思いを強くしました。  私は、現地を視察した後に、翌日、建設大臣に直接会いました。それはなぜかというと、新住計画と今度の問題とがインフラの問題でリンクしているものですから、そのために愛知県としては動きがとれないという感じもないわけではありませんので、そういうようなことを踏まえて、これから愛知県側が跡地利用についてのいろいろな考え方をまとめてくるときにはできる限り理解してやってほしいんだということを、率直に、建設大臣のもとへ私が出かけてお話を申し上げたりいたしました。  今度のBIEのサジェスチョンについて、あるいは説明について、ぜひ行くようにという指示を出したり、微力でありますけれども、担当大臣ですから、そういう意味では、責任を持ってあらゆる角度からお手伝いしていこうと努力をしているつもりでございます。  早く新しいプランをつくり上げて、そしてそれが大勢の評価を集めて、絶対万博は成功させるんだという機運を盛り上げて、BIEで承認が得られ、本当に、万博を愛知県で行うことによって、自然との共生というテーマ、自然の叡智というテーマを日本から世界に発信できるような、そういう形にぜひしていきたいと思っておりますから、どうぞ地元の大村委員を初めとして、皆さんの御意見も率直にこれからお寄せいただいて、何とか成功に導くように、ともども努力させていただきたいと思っています。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 きょうはありがとうございました。  とにかく、二〇〇五年に向けて五年間、もう時間が限られておりますし、今の大臣の御答弁をいただきまして本当に心強い限りでございます。どうか引き続きましての大臣の御指導、とにかく引っ張っていただくことを心からお願い申し上げ、質問といたします。ありがとうございました。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 これにて大村秀章君の質疑は終了いたしました。  次に、田中甲君。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 田中でございます。  深谷通産大臣とお話をさせていただく機会をいただきまして、大変にうれしく思っております。  きょう私が質問をさせていただきますのは、ゴルフ場の預託金返還問題についてでございます。  この問題はかなりせっぱ詰まったところまで来ているという認識を私は持っておりまして、質問の冒頭に、日本でゴルフ発祥からちょうど百周年を来年迎えることですとか、ゴルフは私嫌いではありませんのでコースにもよく行くんですけれども、残念ながらそんな和やかな話から質問することができないような状況にあるということで、きょうもし大臣からこの問題に通産省でも積極的に取り組んでいくというような御発言が最終的にいただければ、質問する意味もあるのかなというふうに思っております。  最初にお聞きをしたいのですけれども、大臣の現在の預託金問題の現状認識、今返還要求がされるゴルフ場の数やゴルフ会員数あるいはその金額などもまぜて、その点の御認識をお聞かせいただければありがたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 まず第一に、田中委員が言われるように、ゴルフというのはやはり国民の健全なスポーツでありますから、本当に和やかな形でゴルフ場経営もゴルフ会員もともどもに健全に進んでいくことが一番望ましいことだ。私は余りゴルフをやる機会がありませんし、下手くそなんですけれども。  日本のゴルフ場というのは、まず会員から預託金を集めて建設資金などに充てる、そんな柔軟な方針でずっとやってきて、随分多くのゴルフ場が開設された。しかし、八〇年代後半から、いわゆるバブル期の会員募集、これはちょっとどうかなと思うような、かなりの行き過ぎがあったように私どもそのとき感じていたのですけれども、その後バブルがはじけて、会員の持っている会員権の相場が驚くほど下落をする、それからゴルフ場経営というものも非常に悪化するというようなことで厳しい状態が生まれてきた。  そういう中で、かつて集められた預託金の返還期限が来ているゴルフ場では、会員との間に数々のトラブルが起こり出した。それが裁判ざたになって、どうも、健全に進めるべきゴルフ場の問題がむしろ不健全な印象を持たれたということはまことに残念なことだ、まずそういう認識を持っています。  それから、では、細かいゴルフ場の数とか会員権だとか預託金の問題は政府参考人から御説明させます。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 お答えをいたします。  預託金に直接かかわります数字を申し上げる前に、この問題の前提となっておりますゴルフ場の経営状況について若干お話をさせていただきたいと思います。  日本ゴルフ場事業協会の調査によりますと、国内のゴルフ場は平成十年度で二千四百四カ所あるわけでございます。前年度より若干の増加傾向でございます。利用者の数が九千六百三万人という数字になっております。私ども通産省におきまして平成十年の十二月に発表いたしました平成九年特定サービス産業実態調査によりますと、平成九年のゴルフ場の年間の売り上げが一兆五千三百十一億円、こういった状況になっております。  最近のゴルフ場の経営状況でございますけれども、景気の低迷、法人需要の減退、ゴルフ場の値下げ競争の激化と相まちまして、平成四年をピークにいたしまして、申し上げました売り上げが減少を続けてきている、こういったところがゴルフ場を囲みます状況でございます。  預託金でございますけれども、通産省におきまして、平成十一年度の調査研究といたしまして、ゴルフ場預託金問題の実態調査をただいま実施いたしておるところでございまして、ちょうど最後の集計作業に当たっているところでございます。これまでの集計結果によりますと、ゴルフ場の預託金返還のピークはことし、平成十二年に来る、こういうことになっております。また、この調査におきます有効回答数七百四十六でございますが、このうち約三四%のゴルフ場が、預託金問題が経営に非常に大きな影響を与える、このように厳しい認識を持ちまして回答をしてこられておりまして、これに関連をいたします会員数が約四十三万人、このように推計されております。  以上でございます。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 大臣、申しわけございませんが、引き続き局長とちょっと会話をさせていただければと思います。  預託金の返還ピークを本年度迎えて、大体どのぐらいの期間続いていくのか、そしてその総額が大体どのぐらいになると判断されているのか、教えていただけますか。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 先ほど申し上げました平成九年の特定サービス産業実態調査報告……(田中(甲)分科員「もう大体概要を聞きましたから、後は質問に簡潔に答えてください」と呼ぶ)  その段階の調査でございますけれども、預託金額の総額が十兆二千五十五億円となっておるわけでございます。こういった中で、預託金の償還の到来が、申し上げましたように本年がピークになると思われますが、平成十一年から十三年ぐらいにかけまして毎年一兆円を超える預託金の償還が到来をする、このように認識をいたしております。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 それでは通産大臣に、今の局長とのやりとりの中で出てきた数字、まず、ことしから既にピークを迎えているという、通産省の生活産業局でよろしいですね、課としてはサービス産業課になると思うのですけれども、随分対応が遅いのではないかなと正直思われます。もう既にピークを迎えているのに、まだ調査の段階で集計を取りまとめているということでありますし、十兆円にも及ぶ預託金の返還が行われるという中で、通産省はゴルフ場経営者に対する適切な指導が現在行われているという状況に果たしてあるのかどうか。大臣、この辺を今どのような御見識を持たれているか、ちょっとお聞かせいただければと思います。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 実は、この問題につきましては、基本的にゴルフ場の経営者とまたその会員の方々との間の民事的な問題、こういうことで、これまでかなりの数に上ります訴訟が進行いたしておるところでございます。  この預託金返還請求に関しましては、昭和六十一年に、最高裁におきまして一つの判断が出ておりまして、個別的な承諾を得ていない会員に対しては据置期間の延長の効力を主張できない旨の判決が出ておりまして、この六十一年の最高裁の判決がこれまでの司法の世界での考え方の基本となってきたところでございます。  しかしながら、年々この預託金の問題が大変厳しさを増し、社会的な認識、注目を浴びてきていることと軌を一にするわけでございますけれども、平成十年以降、会員のプレー権を保護、存続させるためのやむを得ない措置ということで、据置期間の延長を認める地裁レベルでの判例もあらわれつつある、こういうことでございます。  既に、申し上げましたように、判例が出ているものもございますし、まさにかなりの数の訴訟が現在係争中でもあるわけでございまして、こうした裁判事例、司法の世界の争いになっておりますので、私どもがこれにコメントをする立場にはないわけでございますけれども、バブルの崩壊による経営環境の著しい変化というのがこうした裁判の面でもこの問題の考え方に影響を与えているのかなということで、ケース・バイ・ケースでさまざまなと申しますか、結論が異なる方向を向いている裁判所の判断が出ているというのが現状でございます。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 それでは、ちょっと資料の報告や過去の経緯をお話しされるというお答えになりがちなものですから、局長、この問題を考えていくときに最も重要なところはどの点だと思われますか。いろいろなケースがあると言われたけれども、問題を処理していく上において最も重要なポイントはどこだという御見解を持たれているか、お聞かせをいただきたいと思います。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 一つには、当然のことでございますけれども、当初の入会に当たりましての契約に基づきましての預託金を受け取る会員の権利が、どのように実際に保護をされるかというのが一つの重要なポイントでございます。それと同時に、現実に、ゴルフ場の経営が相当厳しくなっておる状況の中で、一どきに大量の預託金の返還を行わなければならないということになったときのゴルフ場の経営に与える影響。これは、ひとつゴルフ場の狭い意味の経営だけの問題ではなくて、このゴルフ場でプレーを楽しんでおられるたくさんの会員の方々の、引き続きプレーをしていきたい、こういうお気持ちを、このゴルフ場の経営、預託金問題の返還のラッシュとの関係でどう調整をしていくかというところがこの問題の大事なポイントであり、また難しいポイントであろうかと思っております。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 大体共通の認識です。  それで、会員の権利は現在守られていると思いますか。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 実際、ゴルフ場ごとにいろいろ工夫をされまして、現実の直面しております難問、つまり、預託金の返還の義務が来ているということと、ゴルフ場の経営を維持しながら多くの方に引き続きプレーを楽しんでいただくというこの二つの問題点を、個々の事例ごとにゴルフ場の経営者が、またゴルフ場の経営者が、個々の会員の方と御相談になりながらいろいろ知恵を出しておられる。その知恵の出し方というのは、まさにケース、ケースに応じていろいろあるわけでございます。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 質問に答えてください。守られていると思いますか。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 そういった中で、もちろん、訴訟という形で、御納得のいただかない方々との間で、司法上の紛争処理にゆだねられているものもあるわけでございますし、また個別のお話し合いの中で回答を出されているものもあるということでございます。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 私は、守られていないと思うのです。  茂木政務次官にお聞きできればと思いますが、栃木県の問題なんです。ゴルフ場の預託金問題ではかなり重要な局面を迎えたという顕著な例で、那須城ゴルフ倶楽部という栃木県のゴルフ場なんですけれども、事前に資料は回っていないかもしれません。経営会社、株式会社東烏山カントリー倶楽部は、昨年の十二月上旬に、経営危機を乗り切る策として、会員にこういうことを通達したのです。預託金の債権の放棄をしてもらいたいと。お金を出して、信用で預けたその預託金を放棄してくれということを、全国の中でも初めて通達したんですね。そして、さらに、プレー会員権の再購入をしてもらいたい、百万円ずつさらに上乗せして出してくださいと。いよいよゴルフ場の経営もここまで来たかという顕著な例として挙げられているのですが、政務次官、こういうことで、ゴルフ場の経営を信頼して預託金を預けた会員の権利ということが今守られている状態と言えるかどうか、御地元のことでもありますから、御所見をいただければと思います。

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 今初めて委員の御質問、具体的なデータを持っておりませんので……(田中(甲)分科員「ああ、そうですか、かなりこれはゴルフ界では取り上げられたケースだったものですから」と呼ぶ)少なくとも、先ほど局長の方から答弁させていただいたように、会員の方から、必ずしも満足できるような状況にない、しかも、今委員のお話を伺った限りにおいては、個々のケースについて私が、それが守られている、守られていないと言える立場にはございませんが、満足がいくような状況になっていないということだけは確かだと思います。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 政務次官がおっしゃられたとおり、私も、もしこの東烏山カントリー倶楽部のメンバーだったら、これはないだろうと。預けたものを放棄しろ、さらに百万ずつ出資しないとプレーもできない、存続もできない、会員として。こういうことが言われる状況になっているわけですよ、局長。  局長、個々のケースと言われたけれども、このケースはどうですか、会員の権利が守られていますか。どう思いますか、一言。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 個々のケースについて、私の方から、これがどうかというふうに申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思うのでございますけれども、それぞれ、ゴルフ場の経営者とゴルフ場の会員の方とのお話の中で、申し上げましたように、いろいろな知恵、いろいろな処置がとられている、その一つの事例かなと思って今伺っておったところでございます。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 うまくさばかれている事例とは言えませんよね。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 それぞれ、例えば御指摘の件につきまして、会員の方々がどういうお考えを持っておられるかというのを伺っておりませんので、ちょっとコメントしかねる次第でございます。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 別の事例をお話しさせていただきます。  昭和六十二年に開設した君津ゴルフ倶楽部、千葉県ですけれども、東京地裁から破産宣告を受けていることが明らかになっています。このゴルフ場は、少し特殊な背景などもありまして、募集当時には洗剤等で有名なライオン系列と思わせるような経営展開を行って、実際に預託金を納める会員が募られているときにはもうライオンは経営陣から手を引いていた。そして、あの二信組でも有名なイ・アイ・イ・グループが実際には建設をしていったということであります。  資金繰りが悪化して預託金の償還もままならないという状況に至っておりまして、今、会員は、有志で君津ゴルフ場を守る会というものを設立して、どうにか自分たちも逆に経営に参加していくと。預託金という場合には、これは実際に出資金という形態を法律上とっていませんから経営に参加できないんですけれども、新たに、可能であれば、預託金を購入して会員になっている方々が、総会を開いて、会員総会の中で方向づけして、株主会員化ということを図って、自分たちも経営に参画していく資格とプレーをする権利を持ちたいというケースも出始めていますね。  この株主会員化について、局長、どう思われますか。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 会員の方々からの預託金の返還請求に対しまして、金銭での返還がなかなか困難であるという場合に、会員への一種の代償措置といたしまして、御指摘のような方法を含めまして、例えば株式を発行する方法でありますとか会員権の分割などという方法もあるわけでございますけれども、とられておりますのは事実でございます。  申し上げました会員権の例えば分割ということでございますけれども、預託金を返還するかわりに会員権を……(田中(甲)分科員「いや、この君津のケースをどう思われますか」と呼ぶ)  株式の発行という形で、預託金を返還するかわりに、その債務を一種の出資に転換させまして、一定の経営参画権を会員の方が得るというメリットを会員の方に与えることによって、申し上げましたような、難しい、預託金の返還ができないということと、会員の方の権利、受益のバランス、調整をとろう、こういう工夫が見られている、その一つの事例かと思います。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 もう一つ事例を挙げます。  日東興業の話をさせていただきたいと思うのですけれども、最大手とも言われていましたこの日東興業、和議の申請で、会員は突然に預託金の八割をカットということですね。二割を十年間かけて分割で償還していく和議条件を示した。それが実際に今後とられていこうとしているわけでありますけれども、これもケース・バイ・ケースと言われた事例の一つとしてお話をさせていただかなければいけないケースだと思います。  そこで、大臣にも、このポイントをまた直接御答弁いただければありがたいと思うのですけれども、預託金制度の問題で極めて重要なところは、基本は、まず会員を保護することだと思います。会員の権利ということを保護していく。そのためには、ゴルフ場というものを倒産させないことだと思うんですね。  ゴルフ場を倒産させている最大の理由は、大臣、実は、一部の会員の返還請求によってキャッシュフローというものをとめられてしまって、ゴルフ場の事実上の経営が成り立たなくなってしまう、そして倒産に至るというケースが今ふえています。弁護士が間に入りまして、土曜日、日曜日、ゴルフ場に入ってきた現金をその場で押さえちゃう。その日の売り上げというのを全部押さえて、結局その経営というものがもう動かなくなってしまう状態をつくり上げていく。キャッシュカードで支払った人も、キャッシュ会社に裁判所の仮押さえ請求というものを持っていって、ゴルフ場には現金が入らないようにしてしまうという状況が今既に起きています。  これによってゴルフ場が倒産してしまうと、まさに他の会員の権利というものを阻害してしまうという状況がもう既に起きていまして、いかにゴルフ場を倒産させないかということを、やはり大臣主導で、通産省の通達あるいは法改正ということによって行っていかなければならないんじゃないかということを、時間がない中ですが、真剣に対応していかなければならないというふうに考えております。  まずは局長、この点、どう思いますか。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 繰り返しの答弁ラインで恐縮でございますけれども、やはり契約の後の債権債務関係の処理につきましては、私的自治の原則にのっとりまして、経営者側と会員側との間で適切に、話し合いの上解決されることが基本であるという認識でございます。それを基本的な認識とした上で、私どもとして可能な限りの対応をしていこう、こういうように考えております。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 局長、これは重要な問題ですよね。

横川浩通商産業省生活産業局長

○横川政府参考人 重要な問題と認識しております。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 局長も重要な問題だというふうにおっしゃっていただけましたし、大臣、いかに会員を事業者と同じ立場、同じ接点の場面をつくり上げていくか、そういう具体的な問題も出てくると思うのです。  そうしますと、今までゴルフ場の経営というのは、会員総会ということを、事業者が主導する形で、当初は一、二回行ってきたのですが、顔ぶれがほとんど変わらない、二、三十人しか出てこないというような状況がありまして、結局は簡略化して、開いておりません。この総会を開いて、大体会員の二分の一をもってするですとか、あるいは預託金の総額の三分の二をもって総会の成立を認めるですとか、いろいろな規制が必要になってくると思います。  それから、理事の選出というのは、今までは経営者側と理事選出ということがかなり結託したような形で、余り会員には公開されてこなかった。この理事の選挙ということも、形骸化したその理事会にメスを入れていくということが必要になってくるんだろうと思います。  その後行われていく方法としては、先ほど局長からも話がありましたけれども、現在ある会員権の分割、そして返還期間の延長ということも取り入れたそのゴルフ場それぞれに適用できていく方法というものが考えられなければいけない。さらにその先には、一つのケースをお話ししましたが、株主会員化ということも選択肢の一つにできる、会員の総会ということのまとまりがあって方向性が示されるならば、株主会員化ということもチョイスできるというところまで具体的には行っていかなければならないんだろうと思います。  私に今与えられている質問の時間もあと二、三分になりましたので先にお話をさせていただきますが、これは昨年の十一月十九日に通産省の生活産業局サービス産業課から出された預託金とゴルフ場の問題に関する資料であります。私は野党の議員でありますから、だからこれだけ少ないのかもしれませんが、余りにも少な過ぎる。これが今重要な問題だと認識されている、そして通産省から出されてくる資料としてはお粗末きわまりない。こういう状況であっていいとは私は思えませんね。これは強く反省していただきたいと思うのです。担当の局、課が前向きに対応していくという姿勢が全く見られない。  大臣、これで、今回のバブル崩壊の中で不動産、株券、債券ですね、そしてこのゴルフ会員権というものが三大、バブルで泡として消えていった。その消費者、会員権を買った生活者というものを守っていく通産省の姿になっているかどうかということをきょうの質問の中で御指摘させていただきたいと思ったのです。  既にゴルフ会員権、会員制ゴルフ場の破綻防止法というものがあるグループの中からつくり出されています。つまり、ゴルフ場を破綻させないというところをまず今押さえておかないと、会員権を持っている会員の方々、このバブル崩壊の中で物すごいあおりを生活者が受けている。ゴルフ会員権の話ですからなかなかしづらい点があったのでしょうけれども、これがもし、ゴルフ場が倒産して会員権、預託金が全く戻らないという形、あるいはゴルフ場の破綻ということが次々につながっていくようなことになりますと、社会に及ぼす影響も極めて大きいと思うのですが、大臣、この問題を具体的に取り組んでいく必要があるという御認識をお持ちになられるかどうか、御見解をいただきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 本当に、田中委員指摘する社会的な問題になりつつあるという認識はあります。  ただ、非常に難しいなと思いますのは、この預託金返還の問題等を含めて、これはもともとが、経営者と会員との間で完全に適切に解決されるような、そういう組み合わせになっています。法律改正の話も出たのですけれども、ゴルフ場の会員権については、平成五年に法律ができまして、ゴルフ場等に係る会員権契約の適正化に関する法律、これだと、会員募集に当たっての書面の交付とか誇大広告の禁止とかクーリングオフの適用などの、つまり契約の適正化を図るためのルールという形で運用しているわけですね。  この法律の考えそのものも、今申し上げたように、消費者の自己責任を前提としている。消費者の自己責任の原則を前提にしていて、そのために事業者側は一定の情報の開示を義務づけられる。そういうかかわりの中で、契約時点で消費者が適切に判断できるようにしていく、こういうような問題のための法律なんですね。  だから、あなたが御指摘するように、今度は契約後の債権あるいは債務関係の処理ということで、私的自治の原則にのっとらない何かの規制というものは考えられないかというのは一つの視点だろうと思いますけれども、現状では、では今どういう法律が適切なのかということについてはよく解明されていない。大勢の皆さんの意見を聞きながら、社会問題になりつつあるという現状を踏まえて、我々としても適切な対応を図っていかなければならない。よく協議させていただきたいと思います。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 最後に一言よろしいですか。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 簡潔にお願いします。

田中甲民主党

○田中(甲)分科員 大臣、ありがとうございました。  平成五年に改正されたのは、実はあれは契約制度の中の改正であって、今の状況の中を正しい方向に誘導していく新しい法律や施策というところとは少し違うように認識しています。通産相の諮問機関で、既に研究して本も出しているところもありますし、会員制ゴルフ場の破綻をまず防止するというところで、法的に、あるいは通産省の指導という面での改善があれば、ぜひともそれは前向きに進めていただきたい。  どうやら超党派で議連をつくるという動きが進んでいるようでありまして、私もそれに参加してまた審議を深めていきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 余計なことですが、むしろそういう議員の、超党派の議連の動きは望ましいことだと私も思います。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 これにて田中甲君の質疑は終了いたしました。  次に、末松義規君。     〔主査退席、青山(二)主査代理着席〕

末松義規民主党

○末松分科員 民主党の末松義規でございます。  私の方は、きょうは、アラビア石油の利権延長問題、これがちょうどけさ利権が切れたということでございますから、これを中心に質問させていただきたいと思います。  切れたということで、大臣もいろいろと、利権延長に至るまでに、最後まで交渉されておられたということでございますが、私も実は前に外務省におりまして、アラビア語ということで、アラビストということで、九〇年代の初めに担当課にもいたことがありますもので、通産省にもお世話になったということもございますものですから、これについては大きな関心を持っていたのですが、例えば、対サウジ外交の理由の、ある一定の部分は、アラ石の問題もいつも念頭に置きながらやっていたというような状況でありました。  したがいまして、大臣もその辺は非常に前々から問題意識もお持ちだったと思いますけれども、切れたということで、アラムコがその業務を引き継いで、そしてアラ石の利権は切れたにしても、これがすぐに再交渉さえも一切できないものになるのかどうか、ちょっと私はそこはよくわからないのですが。私自身の考え方としては、これはやはり交渉を継続して、いろいろな形でやっていくということを、もう切れたから終わりだという話ではなくて、やっていくということが極めて重要であろうと思っているのですが、大臣からその辺についてお考えを聞きたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 あなたが石油担当の当時実務者で、よく詳しかったということも報告を受けていますが、それだけに御理解いただけるのではないかと思うのです。  サウジと日本の交渉というのは、厳密な意味ではアラビア石油の交渉ではないわけでありまして、アラビア石油という企業は、サウジアラビアとの期限切れに向けての交渉を行う、その場合の背景として、日本とサウジアラビアの環境をどう整備するかというその視点で、政治的な配慮も含めて交渉をやってきた。協議ですね、交渉というよりは。それをやってきて、去年は審議官が計七回参りました。  私どもとしては、例えば、日サの関係でいきますと、一番効果的なのは投資促進だというので、日本の企業が投資をするという場合に、融資の面とか金利の面でできる限りのことをやろうというので、ほぼ六千億円ぐらいの内容のものを提示したわけなんですね。  ところが、その協議は協議として進められていたのですが、一方において、どうしても千四百キロの砂漠の中の鉄道を引いてほしい、この鉄道は全面的に日本が負担をすべきもの、それから毎年百億ぐらいかかるけれども、サウジ側の方はノーコストで頼む、こういうような話でございましたので、これはとても受け入れられない、こう考えて、私が参りましたときには、それならば、サウジアラビアが鉄道を引かれるならば、恐らく千四百億円ぐらいの融資関係の配慮はできると思う、その金利についても軽減措置を行うが、それでどうだろうか、こういう話をしたのですが、結果的には、サウジアラビアは、お金をよそから借りるということは国策としてとっていない、だめなんだということで、しかし、それで決裂してはいけないと思ったので、ひとまず帰りますということで物別れに終わったというのが現状でございました。  その後の経緯をずっと見ておりましても、鉄道に関しては、鉄道を引くということであれば、いろいろな相談の中から妥協点を見出すような交渉があってもいいのですけれども、全くそれはなくて、これは国で決めたから変えるわけにはいかない、そういう全く動かざる内容でありました。  そこで、これは、国としてはそれだけのお金を税金の中からぽんと出すというわけにはとてもいかない、国民の理解を得られないと私は判断いたしまして、この件に関しては、これ以上はもう話は無理だということでございました。  そこで、アラビア石油の方が最終的な交渉の段階に入りまして、小長社長がここのところ二回ぐらい往復しているわけでございます。  その際に、私のところへおいでになって、例えば、自分の方で提案するけれども、その場合に国は協力してくれるのかという、中身は申し上げられませんが、話し合いもありましたが、我々としては、それはできる限りのことはいたしますよというふうなことを申し上げて、彼は行ったのですけれども、結果においては、鉄道問題は最初からの考え方にいささかも先方に変わりがないということで、これ以上の交渉はできないと。  これ以上の交渉の延長その他を含めて、ないのですかということを何回もただしたようでありますが、それはない、そういう先方の対応で、やむなく帰ってまいりまして、昨晩、十時四十分ごろでございますが、帰京した小長社長ともお会いをし、これは通産省の事務次官も担当長官もともに会いまして、これ以上打つ手がない、残念ながらサウジアラビアの方針というのは変わらない、そういう状態であるというので、粛々と期限切れの時間を迎えざるを得ないという状態になったというのが実際でございます。

末松義規民主党

○末松分科員 質問したのは、再交渉という形で引き続きやっていくという御意思があるのかないのか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 私たちにはあるのですが、少なくとも社長がきのう最終的な話をした中に、もう一回時間を延長してでも協議をしたい、交渉したいということを申し入れたようですが、向こうは、もうそれはだめだということのようでした。

末松義規民主党

○末松分科員 そういった交渉がとんざをしていく過程、それは今からどう言っても仕方がないと言われれば仕方がないのですけれども、確かに大臣が言われたように、要するにアラ石の問題というのと、例えばサウジに鉄道を引く、これはサウジ側にとってみれば、例えば日本に対して引いてもらいたいという話はあったかもしれませんが、条件としては、サウジ側はノーコストでいってほしいということですよね。(深谷国務大臣「はい」と呼ぶ)  ということであれば、アラ石の問題とは切り離して、日本政府として、例えば日本だけじゃなくて、中国とか、あとほかのアジアの国、いわゆるアジア連合みたいな形で、投資を募って、そこでやっていくという、外交的に大きな枠組みをつくってやっていくというようなこともできたんじゃないかと思うんですね。それが、直前じゃなくて、かなり前からサウジ側のそういった御要望もあったんでしょうから。そういったことについての、今さら言ってもしようがないと言われればしようがないんですが、そういうことも御検討されたことはあるんですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 いろいろな角度から、どういう形ならできるんだということを、また採算性があるのかということの調査もやったわけですね。その結論から言うと、まず第一は採算性がない。そしてまた、国内で、投資をする、それに参加するあるいは主導的にやろうという企業はないか。これも随分広く検討したようでございますけれども、残念ながら、日本の企業で進出していくということも、格別手を挙げるところはなかった。採算性も無理だ、そういう判断も強うございました。そういう中で、日本が乗り出していって、世界各国に呼びかけて鉄道の事業をやるというのは、それはまず不可能な話ではないかと私は今でも思っています。

末松義規民主党

○末松分科員 資金面だけで見れば確かにそうだし、ただ、採算面ということは、赤字もすべて日本政府が負担しろ、そこまでサウジ側は言ってきたんですか。メンテの費用じゃないんですか、それは。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 毎年百億円ぐらいはかかる、そしてサウジアラビアはノーコストだ、これは明確に言われておりました。

末松義規民主党

○末松分科員 つまり、事業経営体そのものの赤字もすべてサウジ側は一切負担しない、事業面、つまり鉄道でのメンテとかそういったことの費用がかかるコストということじゃなくて、事業全部を責任を負えと言っていたんですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 そうです。先方は経営に参加するということも全然考えておられないわけですよ。とにかく鉄道を引いて、それらを維持していくためにも毎年百億かかるという話も言われて、ノーコスト、こう言うんですから、ちょっとそれ以上対応のしようがない。何かありましょうか。

末松義規民主党

○末松分科員 日本で、ではリスクを限って、例えばここまでだったらできる、例えば年間メンテの費用として三十億だったらできるとか、そういうふうな形の交渉、数字の交渉というのはやられたんですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 アラビア石油の社長の交渉の中にはいろいろな提案がありますが、守秘義務がありますから私から申し上げることはできませんが、考えられることはかなり考えて私たちも対応したつもりでおります。

末松義規民主党

○末松分科員 それ以上この議論に終始しても、守秘義務との関係とかいろいろあるのでこれ以上言えないのかもしれませんけれども、結局この問題、アラ石という、日本の数少ない、最大の自主開発原油、これの半分が今回打ち切りになって、サウジの前例を見てみますと、多分クウェートとの間でも、あと三年ありますけれども、三年後には、サウジの意向とは全く反対にクウェートが継続するということは今の常識では考えられないということですから、結果としては、ここだけにとどまらず、日本にとって大きな影響を受けることになるとは思うんですね。そして、交渉も一切、サウジ側が言うんだからうちはやりませんという話になれば、それは自主開発原油の方針そのものがやはり大きく狂ってしまうんじゃないかと思うんですけれども、その自主開発原油の位置づけといいますか、アラ石というのは、そういった意味で大きな位置づけを与えられていたと私は認識するんですが、それは違いますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 私は、日本が、資源のない国ですから、いろいろな地域から石油を買っていかなければならない、そのための、それぞれの地域との、国と国とのかかわり合いを友好にしていく、そういう意味では常に安全な体制をとっていく、その努力をずっと続けていくべきだと思いますが、そういう中で、自主的な開発ができるような石油会社があるということは大変大きな心の支えであったことは間違いがないと思います。  そして、石油公団を中心として自主開発については随分努力してきましたが、それぞれが非常なリスクが多いし、為替の変動、その他油価の問題等もあって、なかなか容易なものではありません。石油公団に対する批判等も非常に多くて、本当にこれは大変なことだ。だけれども、そういう中でも、アラビア石油というのは日の丸石油としては一番古く、一番最初から頑張ってきたところですから、できることなら何とか政治的に解決して支えたいと思って精いっぱいやってきたんですけれども、重要さにおいてはもうあなたと同じ考えですが、事実において、これは協議でありますから、どうしても受け入れられないという状態になったというのが実際です。

末松義規民主党

○末松分科員 石油省の次官がこの鉄道の問題に対して極めて強硬な立場であったということは私も承知をしているんですけれども、ほかの要人とかそういったものに対して大きな働きかけもしてこられましたか。実は大臣と私も同じ気持ちなんですけれども、皇族外交も含めて、みんなこれを念頭に置きながらやっていったことが、単に鉄道という話、それだけがネックになって、日本の自主開発原油、つまりこれは何のためにやるかというと、石油パニックを起こさないように、あるいは起こしたときの費用と比べてどっちが安いのかあるいは高いのかということで考えれば、一九七三年の石油パニックにしろ、今油価がじりじり上がってきていますけれども、また大きなパニックが起こってきたときに、結局、その程度のことでこだわっていた方が間違いじゃないかと、後で大きな歴史的な糾弾を受けるんじゃないかという気も私はするのですが、いかがですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 現実問題として、ではアラビア石油が第一次、第二次石油ショックのときにどんなふうな状況であったかというのはあなたも御存じのとおりでございまして、パニックを防ぐだけの力があったわけでは決してありません。やはり私たちは、自主開発原油というのがあるということは一つの支えではありますけれども、それがパニックを抑えるだけの力になるとは思ってないんです。やはり全体的な、産油国との協調関係とか、あるいは石油にかわるエネルギーの開発だとか、原子力発電もその一つですけれども、あるいは省エネだとか、そういう総体的なものでパニックを乗り越えてきたというのが今までの歩みだと思っていますから。ですから、自主開発を否定するものではありませんが、自主開発のアラビア石油にそんな過大な期待は持ってないです。やはり、現実といたしましても、今日本の石油の消費量の三・五%ですから、びっくりするような数字じゃありません。  それから同時に、今度の重要なことは、クウェートとサウジと、両方半々の権限を持っていまして、今度はクウェートの権限は少なくとも三年アラビア石油が持ち続けるわけです。そして、サウジ側のものはアラムコの子会社が持って、この二つが恐らく共同操業、共同経営という形になっていくんだろうと思うんですが、その場合に、アラムコの方は、今まで日本が買っていた関係の精製元会社に、引き続いて買ってくれるねと、そういう確認もしているものですから、そういう意味では、入ってくる量がこれで半分に減るとかいう状況にはないんです。  同時に、今お話がありましたクウェートの問題については、三年後、予断を許しませんけれども、小長さんたちはクウェートの関係はこれからますますよくしていって、もっと大きな夢をあるいは期待をつなげているという、そんな話も入ってきておりますから、やはり我々としては、決して悲観論だけじゃなくて、しっかりそれはつなげていくことに努力していかなきゃならないと思います。

末松義規民主党

○末松分科員 アメリカに対してアプローチ、あるいは鉄道事業にしても、何らかの形で応援をお願いしたというような形跡はありますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 ありません。

末松義規民主党

○末松分科員 一部石油業界の中で、サウジの、鉄道事業は日本におんぶにだっこというのはあんまりじゃないか、そういった意味ではわけのわからない国だから、サウジから石油を買うのはやめて、ほかの物わかりのいい国に石油の輸入をシフトしようじゃないか、そういった意見も聞いたこともあるのですけれども、その辺についてはいかがですか、御認識の方は。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 サウジと日本の友好関係を続け、石油の供給を維持していきたいと考える通産大臣としては、ただいまのようなお話に対して、あえてコメントすることは避けるべきだというふうに思いますが。

末松義規民主党

○末松分科員 むしろ通産大臣としては、そんなことはあるべきではないだろうというふうにお考えだということの方が強いということ……

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 公式に言葉であらわすことが難しいというふうに受けとめてください。

末松義規民主党

○末松分科員 私は、通産大臣としてはそのぐらい言っていいのだろうと思うのですけれども。  言葉でも言っておられますよね、サウジとの関係は別にこれでどうこうなるわけではないと。もっとそういう形で是認をしていった方がいいのだろうと思われますけれども。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 サウジと日本との関係が最大の私どもの心配の種であります。それは、一日百万バレルという石油を供給してもらう、売り手であり、買い手でありますからね。それはサウジ側にとってもそうだろうと私は思うのですよ。百万バレルという大きな買い手が今すぐいるわけではありませんから。そういう意味では、お互いに利害を共通しているというふうに私は思っているわけですけれども。  このアラビア石油の問題で、サウジと日本の関係がおかしくなっては大変だという思いがありますから、その点は何度も何度も深い配慮をしながら協議をしてきたつもりでおりまして、現にヌアイミ石油大臣と私どもの間では、何回となく、このことで日サの関係にいささかでも傷はつけない、つけるつもりはないんだということを、ヌアイミ石油大臣も繰り返し申されましたし、それは公の席でも言っておられることでありますから、そこに私は、目下の状態の中で、格別な不安はないのではないかというふうに思っています。

末松義規民主党

○末松分科員 先ほどの大臣のお話の中に、まあ、石油パニックというものは、もう別に自主開発原油があろうがなかろうが、それを防止するような力もないという話も言われて、これを突き詰めていきますと、じゃ、自主開発原油は本当に意味がないじゃないか、結局否定の論理につながるわけですよ。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 いや、それは無理してそこへ結びつければそうも聞こえるかもしれませんが、くどいようですけれども、私は、自主開発というのは大事なもので、支えの一つなんだと申し上げておるのですが、大パニックが起こったときに、そのときに全面的に支えるような力は期待できないと申し上げているので、そのまま言葉で受けとめてほしいと思うのです。

末松義規民主党

○末松分科員 それは私も重々理解はしておりますけれども。ただ、そこの中での議論で、石油の中であれほど大きな操業を世界各国とともにやっているというのは、日本では非常にレアなケースでもあり、それによって得られるいろいろな技術的なものから石油人脈というものから、極めて大きいものがあるのですね。  結局、クウェートも利権がなくなって撤退するというような話になれば、これはまた石油産業そのものにとっても甚大な被害になると思うから私は申し上げていて、そのためにどれだけの努力をなさいましたかという中で、特にアメリカとかアジアとかそういったものも含めた視野の中で協議をしてほしかったなという気は、私は非常に持っており、そこでやられてなかったということは残念だと思うわけであります。  ちょっと話を変えますけれども、今、ヒトゲノムという遺伝子情報の話が、正月のテレビなんかも含めて、非常にいろいろ話題になっておりますけれども、アメリカは官民合わせて兆を超えるお金で大きなプロジェクトとしてやっているという話がございました。ヒトゲノムというのは、これからの遺伝子情報の最先端の話になって、すばらしい夢の技術と言われているわけですけれども、アメリカが特許を世界的に押さえにかかっているというのがよく言われているわけですね。  日本もこれにおくれてはならないという話であるのですが、国家戦略として、ここは通産大臣として、通産大臣だけじゃないかもしれませんけれども、通産省としては、非常に大きく力を入れてやっていかなければいけないと思うのです。ミレニアムプロジェクトの中のある程度の部分を占めているということで、六百数十億円の予算だというのは、世界に比べれば胸を張って言えるほどの額じゃないと思うのですけれども、その辺についていかが思われていますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 ヒトゲノムの解析については、国際競争が非常に激化している、そういう中で、国を挙げて一体的な取り組みをしていこう、小渕総理の主導でミレニアムプロジェクトというものをまとめて、その中でも、特に高齢化分野で、関係省庁間の連携のもとで、ヒト遺伝子の機能の解明を中心とする産学協同プロジェクトを進めていこうと。私は、六百四十億円とちょっと胸を張って言おうと思ったのですけれども、胸張るほどではないというお話ですが、いずれにしても、こういう分野に積極的に取り組んで臨もうとしている姿勢であるということはぜひ御理解をいただきたいし、私は、二十一世紀のバイオ産業の国際的な競争に勝つためには、これを出発点として一層頑張っていくべきだというふうに考えています。

末松義規民主党

○末松分科員 本当にその六百四十億円、胸を張って言いたいというお気持ちだったかもしれませんけれども、ただ、本当にアメリカが兆を超えるお金を使ってやっている。  私、もう一つの問題でも感じるのですけれども、例えば、これは通産省の所管じゃないですけれども、アメリカの国防総省が、この前、サイバーテロで、ハッカーに対する対策に困り果てた。一日に二千件くらい、大変な、いろいろなアクセスがあって、コンピューターそのものが壊される。これを逆手にとりまして、国防総省は、逆の意味で、今度は各国に対して、ハッカーを雇うのかどうか知りません、そういった人たちの頭脳集団で、防衛戦略にそれを用いて、そして、例えば北朝鮮あるいはほかの国がいろいろ核兵器を使おうとしている、そのときに、コンピューターの中央司令塔を壊してしまえというようなことは、例えば核兵器を持たない日本にとっては極めて重要だと思うのですね、核兵器を無力化するという意味で。そういったことはやはり国家プロジェクト的なところで非常に心を持ってやっていくということが重要だろうと思うのです。  その意味では、本当に、ヒトゲノムというのも、特許が取られてからでは遅い。つまり、タイミングの問題が極めて重要だということを申し上げたいわけなのです。  そういった意味で、国防省のサイバーテロの話も、防衛庁の予算が、何か胸を張っているのかどうか知りませんけれども、十三億円とったということで、これが本当に胸を張れるという話では全くないでしょう。要するに戦略がないということを見せているだけじゃないかという情けない思いがするわけです。  ぜひ本当に、六百四十億円がこれ以上どうこうなるという話じゃないかもしれませんけれども、例えば、地方の不必要なまでの公共事業を一つ変えれば、一千億円、二千億円、三千億円、これはとってこれる話なので、むしろそちらの方を通産大臣として強硬にやはり内閣で主張してもらいたいと思うのです。その辺についていかがですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 予算の中に、この予算はむだであるというような予算はないはずでありますから、そこはむだだからこっちへ持ってこいということは、それはできないことでありますが、それよりも、これらの今の新しいバイオテクノロジーの分野というのは非常に大事であるという認識からスタートしているわけですから、これから徐々に予算もふやし、内容も高め、国際競争の中で勝ち抜けるようにしていくということは、これはもう委員の御指摘のとおりで、一層頑張るつもりでおります。

末松義規民主党

○末松分科員 本当に、そういった意味で、予算というのはむだなものはないのですよ。ないのだけれども、どちらが重要かといったときの重要性の判断は大臣がされるしかないのですよ。そこのところはぜひ将来の日本民族のためにお願いしたいと思います。  では、この辺で質問を終わります。ありがとうございました。

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)主査代理 これにて末松義規君の質疑は終了いたしました。  次に、大森猛君。

大森猛日本共産党

○大森分科員 日本共産党の大森猛でございます。  私は、本予算委員会の分科会で、これまでもいろいろな角度からマンション問題を取り上げてきたんですが、最初にこのマンション問題についてお聞きをしたいと思います。  今、分譲マンションというのは、都市型の住宅として主流をなして、そのストックは五百二十万戸、居住者の人口も一千万人を超える、そういう状況になっております。私も横浜に住んでおりますけれども、横浜でも、マンションを含む集合住宅が四割を超える大変な状況になっております。  そして、そういう中で、マンションに政治の光をということで、私はこの十数年来さまざまな問題を取り上げてまいりました。  なぜマンションに政治の光をということなんですが、第一に、公共性が非常に高い。これは建設省の住宅局の文書でも、「マンションの管理システムのあり方について」という文書の中で、マンションについて「大都市地域における住宅・宅地事情の下で、土地の高度利用を図るという強い公共的要請に応える住形式である」、こういう形で位置づけられている。また、環境面、安全面あるいは町づくり全体に貢献する、そういう面でも公共性が非常に高いんじゃないか。  それから二番目に、戸建て住宅と比べて費用負担が非常に大きい。これは、共有部分が多いわけですから、通路、廊下、エレベーター等々、それにかかわる税金や維持管理費、こういうものが相当かかる。これは電気、水道、ガスも同様なわけなんですが、電気などでも、戸建て住宅の場合にはメーターまで電力会社の負担になるのに対して、マンションの場合は建物の取りつけ部分までという大きな違いがあるわけです。  もう一点申し上げれば、マンションの歴史、これがヨーロッパなどと比べて日本の場合非常に浅いという面で、未解決、これから直面する問題が多々出てきているという三つの理由から、政治の光をマンションにということを私はやってきたわけなんですが、そういう中で、特に国会で系統的に取り上げてきたのが、戸建て住宅とマンションの費用負担の不公平の問題であります。  特に、生活を維持する上で最低限必要な、いわゆるライフラインとも言われる電気、水道、ガス、この供給において、本来企業が負担すべき費用を住民が負担している、そのために戸建て住宅と比べてマンション住民は非常に割高になっているということをいろいろな委員会で取り上げてまいりました。  電気の問題では、一九九七年の予算委員会分科会で、これは当時の住宅・都市整備公団、公団住宅の変圧室の維持管理における東京電力と公団との費用負担区分の見直しを求めて、当時、亀井建設大臣でしたが、見直しを約束されて、その後約二年間にわたって公団、東電の側の協議が行われて、昨年の三月に一定の見直しを行った新契約も結ばれました。  そこで、念のためにお聞きをしておきたいんですが、私が伺っているのは公団と東京電力との新契約なんですが、他の電力会社とも都市基盤整備公団は契約を結んだんじゃないかと思いますが、念のためこれをお聞きしておきたいと思います。

名和洋介都市基盤整備公団理事

○名和参考人 団地内に設置される変圧器室の維持修繕に係る費用の負担区分につきましては、電力会社と協議してまいりました。  その結果、平成十一年三月に東京電力と、平成十一年四月に中部電力と、平成十一年七月に九州電力と、室内の照明器具の補修、取りかえ、あるいは変圧器室出入り口の扉の塗装等を電力会社側の負担で行うということで協定を変更しております。  なお、関西電力とは現在協議中でございます。  以上でございます。

大森猛日本共産党

○大森分科員 電気の供給元によって費用負担が異なることがあってはならないということで、他の電力会社についても同様の見直し等をぜひ積極的に進めていただきたい。  加えまして、同様な理由で、公社、公営住宅の場合どうなるかという点で、これは、特に地方財政が非常に大変な状況でありますから、当然のこととして、公団の見直しと同様に地方自治体の公営住宅、公社住宅についても見直しを行うよう求めてきたわけでありますけれども、その点は今どういうぐあいになっているでしょうか。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 電気供給設備の費用負担につきまして、公営住宅についてどうかという御質問を受けたわけですが、御指摘の公営住宅における費用負担については、従来より、電力会社との間で修繕費用について十分協議するように事業主体に対して指導をしてきたところでございます。  先生のお話の中で、公団の場合と違いますのは、公営住宅の場合は事業主体が都道府県ですとか市町村でありますので、直接事業ができる公団の場合と違いまして、公営住宅の場合は、こうした事業主体、都道府県や市町村に対して指導するという立場に立つわけであります。  公団と電力会社との間で費用負担の見直しが行われている、こういった結果、成果も見ながら、公営住宅におきましても、その費用負担の一層の適正化を図るよう努力していかなければいけない、そのように考えております。

大森猛日本共産党

○大森分科員 ぜひ積極的にお願いをしたいと思います。  次に、問題の既設の民間マンションについてでありますけれども、こういう公団と東電の新契約の内容、これを管理組合とかあるいは管理会社等にも伝えて、居住者の負担をできるだけ軽減するということで、東電あるいは他の電力会社についても、少なくとも既に新しい契約を結ばれた電力会社については指導すべきじゃないかという点と、あわせて、今、新設マンションについては、通常、建設会社と電力会社との契約、確認書という形をとっておりますが、これは事実上の契約になるわけですね。こういう形で契約が行われて、そのままこれが管理組合にも引き継がれるという形が、これは電力会社の主導的な形で一般的には行われているわけなんですが、この点はやはり管理組合と基本的な契約をきちんと改めて行うということが必要じゃないかと思うんです。  この二点について、これはどちらになるでしょうか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 今お尋ねにありました費用負担の問題でございますが、私ども、認可しております電気供給約款というのがございまして、その中に、約款上に定めのない細目的事項につきましては、電力会社とお客様、需要家との間の協議によって決定するということが定められているわけでございます。  したがいまして、幾つかの、先ほど公団の例が出ましたけれども、個別の事例に応じて電力会社と需要家との間で協議をしているわけでございますが、そういったものについては基本的には個別の協議によって決定していくということが適当であるという立場をとっておりまして、私ども、こういう方式にしなさいとか、そういう形で電力事業者に対して指導をすることは当面考えてはいないということであります。

大森猛日本共産党

○大森分科員 では、今お話のあった、約款に規定のないことについては両者間で協議を行う、協議によるものであるという点は、電力会社に指導を徹底されますか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 例えば東京電力の場合でありますと、実施細目というところで供給約款上の規定がございまして、この供給約款の実施上必要な細目的事項は、その都度お客様と当社との協議によって定めますということになっておりますので、私ども、いろいろな地域の方々から、あるいは国会の方からそのようなお話があった場合には、電力会社にもお伝えして、こういう中で適切に協議によって決定するようにと、こういうことは一般的な話として申し上げているところであります。

大森猛日本共産党

○大森分科員 この問題の大もとにあるのは、今お話がありました電力会社の変圧室について言えば、これは約款上は単に提供となっているものが無償提供という形で建設会社なりあるいは管理組合に一方的に押しつけられている、ここに問題の大もとがあると思うんですね。  そういう点で、約款上は提供ということになっているのに、それを勝手に無償提供ということにしてはならないということで、それが有償であるか無償であるかは、これも約款上の取り決めがない問題として、今の御答弁のとおりだとすれば、当然両者間の協議によって決定していくということになるものと思うんですが、その点いかがですか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 今御指摘いただいた点でございますけれども、電気供給約款におきましては、中高層マンションに電気を供給する場合について、変圧器を施設する場所を需要家に無償で提供してもらうということを定めております。  こうした考え方につきましては、平成三年十二月に、たしか寺前議員から提出されました質問主意書に対しましても回答をしたとおりでありまして、現時点においてもその考え方は変わっていません。また、東京電力に限らず、全電力会社においてもこの考え方に基づいた運用がなされているというふうに承知をしております。

大森猛日本共産党

○大森分科員 そうしますと、先ほどの答弁とこれは食い違うんじゃないかと思うんです。かつての平成三年の答弁書と今の答弁とは明確に食い違うと思うんですね。約款上は、提供していただきますと。それが有償か無償になるかは、取り決めがないわけですから、需給間で話し合うというのが当然じゃないですか。  それを勝手に、確かに平成三年の政府の回答書の中では「需要家に無償で提供してもらうこととし、」となっているわけですが、これは先ほどの答弁と明確に食い違うんじゃないか。取り決めのないことについては、外装の問題あるいは他の施設の問題、例えばマンションの敷地内の電柱などについては取り決めがないから、これは需給間で話し合って使用料を取るというのが通常になっているんですね。ですから、提供していただきます、それについて料金を支払うかどうかは需給者間で相談をするというのが先ほどの答弁からいえば当然の筋じゃないですか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 平成三年十二月の寺前議員から提出されました質問主意書に対する回答でございますけれども、そこにおきまして、供給約款、供給規程に書いてあります「変圧器等の供給設備を施設する場所をお客さまから提供していただきます」、この規定の解釈として、無償で提供してもらうという解釈をしているものということでございます。それで、私どもとしては、この平成三年の回答をベースにして現在も同じような運用がなされていると承知しております。

大森猛日本共産党

○大森分科員 ですから、それが先ほども申し上げているように、約款上取り決めのないことについては需給者間で話し合う、これは筋が通っている話だと思うんです。したがって、提供しますということに対する解釈を、通産省が一方的にそれは無償だと決めるのはよくないと思います。どうですか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 「提供していただきます」というこの趣旨につきまして、私ども電気事業法上の認可をしたときにそのような解釈を前提として認可をしている、こういうことでございます。

大森猛日本共産党

○大森分科員 私は、この点については大体、先ほど冒頭に述べましたように、戸建て住宅と余りにも差があり過ぎると思うんですね。したがって、できるだけ入居者の負担を軽減するということからも、変圧室は有償提供とすべきじゃないか。そうやったらなぜまずいのか、どういう不都合が生じるのか。電力会社のコストが上がるということだけじゃないですか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 マンション等の場合には、基本的に建設の段階で電気事業者と施主との間で取り決めがなされて、その後に入居いたします各戸の間に個別の供給契約を結ぶ、こういうような形がとられていると思います。  そういった中で、私どもとして「お客さまから提供していただきます」というのは、そういった経緯の中で変圧器等の設置場所につきましてはお客様の方から提供をしていただく。しかし、その他のことにつきましては、例えばそこに置かれております照明の器具の負担であるとかあるいは修理、修繕、こういったものにつきましては特段の定めがないということで、これは個別に、お客様といいますか需要家と電力会社との間で協議をしていただく、そういう運用を行っているということでございます。

大森猛日本共産党

○大森分科員 ですから、かつて認可の過程でそういう解釈をしたという説明はお聞きしました。しかし、それは通産省の一方的な解釈であって、「変圧器等の供給設備を施設する場所をお客さまから提供していただきます」ということは、有償ということも決して解釈できないことはないわけです。  先ほども紹介しました公団と東電の協定のやり直しのそもそものきっかけは、当時の建設大臣の電力会社のコストを下げるために公団が協力する必要はないという御答弁があって、しかる後に再協議が始まったわけですね。ですから、そういう公共性の非常に高いマンションにお住まいの皆さんが提供するということはいろいろな面でやむを得ないとしても、それを有償にすべきだと私は思うんです。約款に明確な規定がない限りは、電柱代と同じように、あるいは外装費の負担と同じように、電灯の電気料金と同じように、そういうものについて需給者間で話し合う、少なくともそれぐらいあってもいいのではないかと思います。これは大臣には質問通告をしていないんですけれども、大臣いかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 私は、今の政府参考人の答弁が適切だと思っていますが。

大森猛日本共産党

○大森分科員 理由はわかりませんが、改めて私は、有償提供、少なくとも需給者間で話し合うべきだということを重ねて要求をしておきたいと思います。  関連してお聞きをしたいんですが、ことしの一月二十五日のマンション管理新聞、ここに都内のマンション、これは全部で十八戸という小さいマンションなんですが、変圧器の小型化に伴うパッドマウント方式に移行したということが報道されております。これは、借り室である提供された変圧室、これが面積二十一・七平方メートル、そのうち九七%の約二十一平方メートルがこの小型化によって管理組合に返還されたというわけですね。現在は自転車置き場やロッカールームとして有効に活用されている。  問題は、こういう費用が管理組合の負担になっているということです。今回のこのケースの場合、経過があって、約百万円ほどで済んだそうなんですが、通常はパッドマウント方式、導入費用が約三百万かかる。この管理組合は、十八戸ですから、もしこれが通常の費用であれば大変な負担になったと思うんです。  今、電気容量が従来よりふえているという面もある。東電、電力会社の必要性から小型化することもあると思いますし、耐用年数などの関係もあると思います。管理組合の要望で電力会社の費用負担でこういう小型化はできないものか、こういう点での政治の光を何か当てることはできないかという点はいかがでしょうか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 例えばそこの場所をどけて、別の、例えば駐車場とかそういうものに利用したい、こういう場合が一つの例になりますけれども、需要家側の事情によって供給設備を変更する場合につきましては、電気供給約款上はその変更に要する費用を需要家サイドで御負担していただきたいというふうな規定がなされております。  これは、今お話しのありました変圧器でございますけれども、中高層マンションにおきます変圧器の設置場所につきましては、マンションの建設時に電力会社と施主との間で合意され設定されているところでありまして、このような設置場所を需要家側の要請によって変更する、こういう場合には、受益者負担の原則に沿って需要家が経費を負担するのが適当と考えられているということと承知しております。  もちろん、耐用年数等が過ぎたとか、あるいはその他の、電力会社側の事情により変更する場合には、これは当然電力会社側の負担になる、こういうことでございます。

大森猛日本共産党

○大森分科員 もともとは管理組合、マンション住民の皆さんの部屋を変圧室などに提供するという性格のものなわけですね。したがって、いわば返還になるわけなんですけれども、そういう多大な負担があるものについて、それはしようがないと決めつけないで、何らかのこれは援助をすべきではないかと思うのですが、重ねてその点どうでしょうか。

大井篤資源エネルギー庁公益事業部長

○大井政府参考人 現行の電気供給約款におきましては、そのようなお客様といいますか、需要家サイドの理由によって供給設備を変更するという場合についての負担方法というのは、やはり明確に需要家サイドということになっております。  そこの点につきましては、他のお客様、例えばここのマンションの利用者といいますか、マンションを購入されている以外の方々の負担、こういう問題とも絡みます関係上、私どもとしては、電気供給約款に定められたとおり実施をしなければいけないというふうに思っておるところであります。

大森猛日本共産党

○大森分科員 それは今後も引き続き要望していきたいと思いますけれども、前向きにぜひ検討していただきたいと思います。  次に、エレベーターの問題でありますけれども、三十年代、四十年代、四階、五階建ての中高層住宅がかなり首都圏などでも建てられております。当時入居された方も相当高齢化が進んで、高齢者だけでこういう中高層にお住まいというケースも少なくないと思うのですね。そういう点で、中高層にエレベーターを設置する、いろいろな面でこれは行政の方からも行われてまいりました。  これは、平成十年度の第三次補正予算では、新規に建設される公営住宅、それから改修される公営住宅には、三階建てでもエレベーターが設置できるよう補助対象が拡大されたというぐあいに伺っているわけなんですが、問題は、三十年代、四十年代に建設された、あるいは高齢化を迎えているそういう中高層の民間のマンション。  廊下型の場合、それから階段型の場合、二通りあるわけなんですが、廊下型の場合は、一カ所設置すれば階全体が利用できるという面があるわけなんですが、階段型の場合、例えば五階建てであれば十世帯で一基のエレベーターということになって、これは今民間にお住まいの皆さんのさまざまな現状からいって、非常に困難な面があると思うのですね。  そういう点で、私は、こういう面にも大いに政治の光を当てていただきたいということを言っているわけなんですが、建設省の方で、こういう中高層のエレベーター設置について、特に負担ができるだけかからない、ローコストのものを開発するというようなお話も伺っておりますけれども、そうした現状についての状況と、それから、民間に対しても何らかの光を当てるようなことはできないかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 中高層住宅へのエレベーターの設置につきまして御質問いただいたわけですが、建設省におきましても、高齢社会に対応するため、バリアフリー化された住宅の供給を推進しているところでありまして、その一環としてエレベーター設置を積極的に取り組んでいるところであります。  今、先生の方から一部御紹介がありましたが、ちょっと整理して申し上げますと、まず公営住宅につきましては、六階建て以上の高層の公営住宅についてはエレベーター設置の義務づけが行われております。そして、三階から五階建ての中層の公営住宅につきましては、先ほど先生のお話の中にございました、補助対象としてエレベーターの設置を推進しているところでございます。  そして一方、民間マンションでありますが、これにつきましては、基本的には所有者の判断によるものと考えてはおりますが、住宅金融公庫におきまして、新築マンションのエレベーターの設置費用は融資の加算対象にするという対応をしておりまして、新築マンションにつきましては、実績としまして一台当たり約九百四十万円の工事費としての融資が行われているというようなことであります。また、既存のマンションにつきましては、リフォーム融資の対象としてエレベーターの設置費用を加えるということで、実工事費の八〇%まで貸し付けるというような対応にしております。  以上のように、公営住宅につきましては、六階以上義務づけ、三階から五階は補助対象とする、民間マンションにつきましては、主に融資法によって支援をしていく、これが現状の対応でございます。そして、民間マンションにおける状況につきましても、これからしっかり把握した上で、まずは今の制度をしっかりと利用していただく、その上でまた考える必要があれば検討を加えていく、そういった姿勢で考えております。  そして、御質問の中に、階段室型の共同住宅のお話もございましたが、階段室型の共同住宅に係るエレベーター設置につきましては、その設置費用の問題ですとか、あるいは維持管理の問題等、さまざまな点が問題点としてありまして、設置は今行われていないという状況であります。しかしながら、公共賃貸住宅のストックの約半分を占めますこの中層の階段室型の共同住宅についてもエレベーター設置を行うことは重要な課題だと考えておりまして、現在、エレベーター製造業者に対しまして、低コストでコンパクトなエレベーターの開発提案を行うよう募集を行っているところであります。  イメージとしまして、設置費一基当たり六百万円以下で行うことができないか、それから維持管理費一基一カ月当たり一万五千円以下でできないか、そういったイメージで提案をお願いしているところでありまして、現在のところ三十二件の応募を受け付けまして、平成十二年三月下旬をめどに選定基準を発表する予定であります。その募集、そして選定の結果を受けまして、平成十二年以降におきましては、この成果を活用した上で公共賃貸住宅へのエレベーター設置を推進していこうというふうに考えております。  以上申し上げましたのが現状と、加えてこれからの方向性ということでございます。

大森猛日本共産党

○大森分科員 今の公共の賃貸住宅というお話だったのですが、そういう安全でローコストのエレベーター、特に階段型に対応できるものが開発されれば、それがさらに民間の中高層に本当に何らかの形で活用できるよう、これはぜひさらに突き進めていただきたいと思います。  私、日産問題を、先週の予算委員会の議論に続いて改めて取り上げるつもりでいたわけなんですが、時間が参りましたので、一点だけ。  これは、昨年の商工委員会その他で、我が党議員の質問に対して、日産の下請等々の一連のいわば切り捨てに伴うどういうような影響が出るかということについて調査をするというお約束もいただいているようなんですが、その調査の中間報告と、それから、それに対する今後の、どういうような対策をとろうとするのか、この点だけお聞きをして質問を終わりたいと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○岩田政府参考人 日産自動車のリバイバルプランに関する下請企業への影響に関する調査でございますが、一言で申し上げまして、なお調査中でございますが、今日までの状況を申し上げますと、このリバイバルプランに関係をする日産グループの企業の国内におきます直接取引先四百社余りにつきまして調査をし、その八割程度から御回答をいただいているところでございますが、全体を通して申しますと、その影響について、現時点ではわからない、無回答という回答が多数ございます。いまだ影響を予測できない状況というのがうかがわれるところでございます。  また、回答のあった企業の中で見ますと、日産のリバイバルプランに関する情報提供の要望が多数見られるというような状況にございまして、私ども、日産自動車に対しまして、リバイバルプランの実行に当たっての下請企業あるいは地元への情報提供を要請しておるところでございます。  対策面についても御要望がございますが、これまで私どもが、この種の問題につきまして、下請取引のあっせんあるいは資金面での支援、こういったようなものを対策として用意いたしておるところでございまして、この点につきましては、既に、すべての調査対象企業に対して、政府としてとり得る、あるいは準備をしている対策について概要を示す、説明する資料を送付いたしておるところでございます。

大森猛日本共産党

○大森分科員 終わりますが、引き続き全面的な調査をよろしくお願いします。  終わります。

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)主査代理 これにて大森猛君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ————◇—————     午後一時開議

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  主査が所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。  通商産業省所管について質疑を行います。小沢鋭仁君。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 民主党の小沢鋭仁でございます。  通産関係について質問をさせていただきます。座って質問ということのようで、ちょっと戸惑っておりますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  大きく二つの柱で質問をさせていただきます。最初のものが特許関係、それから二つ目が新産業育成、こういう観点でさせていただきたいと思います。  そこで、まず特許関係からでございますけれども、私、たまたま民主党の中で情報通信分野を担当する、こういう仕事をさせていただいておりまして、その分野でいろいろな人とお話をしたり、あるいはまた勉強をしたりしておりましたところ、いわゆるビジネスモデル特許、こういう言葉に突き当たりました。その辺を調べてまいりますと、まずその手前といいますか、ビジネスモデルに入る前の特許関係の話として、金融ビジネス関連特許、こういう話もございました。私も銀行の出身なものですから、そういったところを少し調べてみました。  一月三十一日の日経新聞には、住友銀行が取引手法で特許、こういう記事が載っているわけであります。国内の金融業初、こういうことでございまして、これはいわゆる仮想支店を使っての決済サービスでありますけれども、コンピューターを使いながら仮想支店というものを置いて、そして決済サービスを行うというこの手法そのものを特許として申請する、こういうことのようであります。私が銀行にいたころというのは、もう二十年も前ですから、全くそういう発想はありませんでした。  まず、その金融ビジネス関連特許とはということで御報告をいただきたいと思いますし、そして、アメリカがある意味ではこういう分野においては大変事例が多いということのようでありますから、そういった意味で、日米比較も含めて御報告をいただきたいな、こういうふうに思います。

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 情報通信分野に関しましては小沢委員大変お詳しくて、その小沢委員からの御質問で緊張もいたしております。  最近、委員御指摘のように、いわゆるビジネスモデルに関する特許が大変注目を集めている。これは、アメリカにおきましては八〇年代からプロパテント政策、いわゆる特許重視の政策がとられている、こういうことからくるわけでありまして、特に金融分野におきましては、平成十年の七月でありますけれども、アメリカにおきまして、金融に関するハブ・アンド・スポークス方式のデータ処理システム、これのビジネスモデルに関する特許を容認する判決、ステート・ストリート・バンク事件判決が出たことを契機に起こっております。これはいわゆる金融関係、コンピューターを活用した資産管理に関連したもの。  それからもう一つは、インターネットを活用した電子商取引、例えばアマゾン・ドット・コムのワンクリック特許であったり、プライスライン・ドット・コムの逆オークション、こういったものがアメリカにおいては認められておるわけであります。  ただ、日本におきましても、今住友銀行の例を出されたわけでありますが、例えばトヨタのかんばん方式等々、ソフトウエアの特許の一形態である、こういうことで既に認められております。  ここで問題になってきますのは、特許制度の運用について、現段階では国際的な調和がまだ図られていない。こういう観点から、昨年秋の日米欧の三極の特許庁長官会合におきまして、事例研究を開始することを合意したところであります。  通産省といたしましても、今後とも特許制度とその運用について、国際的な調和の確保と我が国企業関係者の理解の増進に努めていきたいと考えております。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 茂木政務次官は頭の回転が大変速いので、私の二つ目の質問も含めてもうお話をいただいたわけでありますけれども、改めてビジネスモデルの方の話を私もさせていただきたいと思います。  今もお話がありましたけれども、アマゾン・ドット・コムの方式であるとか事例が出てきているわけでありますが、今お話しの中で、トヨタのかんばん方式も特許をとっている、こういう御報告でしたが、そこは私は承知しなかったものですから、ちょっと御説明いただけますか。

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 ちょっと言葉が足りなかったのかもしれないのですが、トヨタのかんばん方式自体が特許になっているということではなくて、トヨタの場合、適切な生産とか在庫管理を実現するために、需要、生産計画、生産量の変動に応じて発注指示カードであるかんばんの枚数や発行時期を管理するソフトウエアについての特許をとっている、こういう形であります。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 ということは、要するに、日本でも既にもうビジネスモデル特許ということで特許が認められているんでしょうか。  それから、私自身は、今度は、先ほどの金融ビジネス関連特許をある意味ではビジネスモデル特許、こういうことで考えていったときに、そのソフトウエアというか、経済の運営の仕方、商売のやり方、こういうことでありますから、それが本当に特許になるのかというそもそもの思いもあるのでありますが、そういったビジネスモデル特許というものをまさに日本の特許庁も認めていく、そういうことなのか。そして、もう既にトヨタのそれが特許として申請され、実際に認定になっているのか。そのあたりに関して、御説明をいただけますか。

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 冒頭申し上げましたように、ビジネス方法の特許については明確な定義がまだないわけでありまして、今申し上げましたトヨタのかんばん方式についても、それに関連したソフトウエアについての特許であります。また、例えば凸版印刷で行われておりますインターネット上で運営される地図情報サービスにおいて、広告情報と当該広告情報を呼び出す地図上の位置を関連づけて設定可能とするソフトウエア、こういう特許もございます。  また、金融面でもそういうソフトウエアに関する特許が出てきておりまして、今後、例えばアメリカなんかはかなりビジネスモデルそのものを特許として扱っていく。ただ、それについても、余りにも広いものを特許として認めますと、結局それが独占的な形態になっていく。そこで、今後どこいら辺にその仕切りを置くか、こういう問題が、先ほど申し上げたような国際的な調和という意味で必要になってくると考えております。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 まさに、日米欧の特許庁長官の会合等、また後で質問させていただきますが、今のような考え方を持つ、そういう特許まで認めていくことになっていくと、我が国の特許行政、そこまで実際問題視野に入れて人員の配置であるとかそういうことができているのかどうか。  私は、たまたま前、特許庁の方とお話をしたときに、かなり先進的な科学技術の事例に関しては本当に大変なんだ、こういうお話を聞いたことがあります。人員の方も正直言ってそんなに多くないのかな、こういうふうに思っています。ですから、そういう意味で、特許行政そのものが、ビジネスモデルあるいは金融関連特許を含めて、今そういったものを視野に入れた形になっているかどうか、その辺をちょっとお聞かせいただけますか。

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 大変重要な御指摘をいただいていると思っておりまして、これから特許問題、さらにいいますとITであったりとかバイオの分野を考えた中で、人的基盤、この問題が非常に重要になってまいります。  そこの中で、例えば特許に関連してまいります審査官数、これで見てみますと、アメリカが平成十年の九月末時点で二千五百九十四人に対しまして、我が国は千七十八人、これは平成十年末の数字でありますが、こういった二倍以上の差がございます。  また、御指摘をいただきましたビジネス方法、これに関連します審査を行っている審査官も、現段階では六十五人程度、こういう形になっております。  さらに申し上げますと、今度は民間の場合におきます弁理士の数、こういうものを見てみましても、日本が現在大体四千人に対しまして、アメリカは、日本の弁理士に相当いたしますパテントアトニー、これが一万六千人、四倍ぐらいいる。こんなことも含めて、この国会では弁理士法の改正等々も行っていきたいと考えているところであります。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 わかりました。  それから、先ほど来お話が出ている昨年秋の日米欧特許庁長官の会合、ここは始まったばかりということでありますが、具体的にどのような内容の話が出たのか。  今、通産としては、この問題で、アメリカはかなり先行的な、というよりも、アメリカ型のと、こういう話を主張しているというふうに私は理解をしているわけでありますけれども、それにある意味では抗して、我が国の利益を、まさに国益を守れるような、そういう見通しをお持ちなのかどうか、お聞かせいただけますか。     〔青山(二)主査代理退席、主査着席〕

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 昨年秋の日米欧の三極の特許庁長官会合におきましては、ビジネス方法関連の発明に関しまして、比較研究を日米の専門家によって開始していこう、こういうことで合意をされまして、本年六月の日米欧の三極の専門家会合におきまして報告書の採択を目指すこととなったわけであります。  そういった中におきまして、日本の産業界というのはアメリカの産業界よりこの分野で不利にならないか、こういうことでありますが、特許制度の運用の国際調和については、我が国産業界からも、委員御指摘のように、強い要望をいただいているところであります。また、本件につきましても、最終的には欧州も加えた形で、日米欧三極の専門家会合で取り上げることとされているわけであります。  そこの中で、多分委員が御指摘されているのは、ビジネス方法の特許をめぐっていろいろな紛争が起こったときに、日本側が今の制度では不利にならないか、こういう意味も含めてだと思いますが、現状で起こっておりますトラブル等を見ますと、日本の企業とアメリカの企業のトラブルとか日本の企業とヨーロッパの企業のトラブルというよりも、アメリカ内の企業におけるトラブル、こういう段階にあると思っております。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 まさに今はまだその段階のようでありますから、そんなに慌てふためいてといいますか、余り先のことを心配してもいけないのかもしれませんが、ただ、御承知のとおり、アメリカの訴訟社会というのは、ある意味で大変我が国の制度とは違っておりまして、例えば通産関係の話でいいますと、ごく最近にありました、例の東芝製品の損害賠償がありました。  全く今まで問題が起こっていない、確率的に、東芝のその製品のバグといいますか、問題が起こる可能性は極めて低い。しかし、損害賠償請求が行われて、東芝の、アメリカの現地法人かもしれませんが、一千二百億円ですか、損害賠償の支払いを最近認めた、こういう話がありました。今後、特許に関してこういう話が次々と起こっていかないんだろうか、これが最大の心配なわけですね。  ましてや、ビジネスモデル、こういう話になりますと、それをとにかく、承知している、承知していない、こういう話をまず大体普通の企業はなかなか調べづらい、やってみたらいわゆる特許侵害になった、それで大変な賠償金が請求される。あるいはまた、今後そういう手法をとっていくためには、すべて一々、いわゆるショバ代といいますか、特許の使用権を払っていかなければいけない。  これは、ある意味ではビジネスのあり方そのものを変えてしまうようなものではないか、こういうふうに私は危惧をしておって、そこはまさに、先ほど、ヨーロッパも取り入れた形でと、こういう話がありましたけれども、本当に我々日本の政治家はきちっとこの問題を正確に認識して、そして日本のナショナルインタレストはどこにあるのか、こういうことで頑張らなきゃいけない話だろう、こう思うんですが、それに関していかがですか。  そしてまた、そういった国際統一基準みたいな話を策定していくということを、我が国がイニシアチブをとってやっていかなければいけない、こう思うんですが、いかがでしょうか。

茂木敏充自由民主党通商産業政務次官

○茂木政務次官 御指摘に関しましては、私は、国としてもしくは公的な機関としてするべきことが三つある、こんなふうに考えております。  多分、委員が御懸念をされている、また御心配をされているのは、国によって特許性の判断が異なる、これによって、例えば日本がアメリカに比べて不利になってはいけない、これがまさに先ほど申し上げた特許の国際的な調和、こういった話になってくると思います。  それから二点目といたしまして、先ほども簡単に申し述べさせていただきましたが、これに関連する人的な基盤、これが圧倒的に劣っております。先ほど数字をちょっと間違えてしまったんですが、ビジネス方法関連の審査を行っている審査官、日本は三十一人です。アメリカが六十五人で、全体の数と比べても大体半分くらい、こういう比率になるわけです。こういった人的基盤を整えていくということが二つ目であります。  それから三つ目、これはビジネスモデルでもそうでありますし、これからのバイオ分野でもそうでありますけれども、やはりプロパテント政策というのが世の流れになっている、こういうことを我々もきちっと認識をし、また企業の皆さんにも御理解をいただくような方向というのはとっていく必要があるんではないかなと思います。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 この問題は、一見地味なように見えますけれども、本当にこれからの話を考えたときに、大事な、重要な案件だ、こういうふうに思います。  国と国、ある意味では特許制度も違っているわけでありますけれども、これからの時代は、インターネットを通じて、本当にボーダーレスで商売が行われる、経済活動が行われるという話になりますから、これは本当に何が起こってもおかしくない、こういう話なんだろうと思うんですね。ビジネスモデルの話をいろいろ聞いても、きょうは具体的な話は避けますけれども、こんな話が、もうなっているということですが、ビジネスモデルで特許になっているんだったら、それを行うたびにお金を払わなきゃいけないとしたら大変だね、こういうような話であります。  ある意味で言うと、例えば民主党が先に公約でいい政策を出して、そして自自公政権が後からそれを追随してやったら、これは国民の審判を選挙で受ける前に、まず特許料を支払えみたいな話すら起こり得る、こういうようなことなんだろうと僕は思うんですよ、ビジネスの人たちにしてみたら、我々政治の例を今出しましたけれども。ですから、ぜひここはきちんとしっかりと対応していただきたい、こういうふうにお願いをして、次の話題に入らせていただきたいと思います。  二番目は、先ほど申し上げましたように、新産業育成、こういう話で御質問をさせていただきます。  今一生懸命通産さんも、法律を出してきたり、新事業創出促進法の一部を改正する法律等々というような話が出ておりますが、具体的に、開業率というのは依然として低迷をしているわけであります。いただいた資料を見ますと、開業率が、昭和五十三年、五・九、五十六年、五・九、六十一年、四・三と、こう減ってきておりまして、平成三年が三・五に減り、平成八年は二・七に減る、こういう話でございます。  なぜ日本では新規産業が伸びないのか、端的に御質問申し上げたいと思います。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○細田政務次官 最近、いわゆるベンチャー創業について、日本においては、アメリカなどと違いまして、逆に減ってきておるということは事実でございます。そのことは、政策的に見ても、二十一世紀の日本の産業構造を見ても大変な問題であると認識をしているわけでございます。  そして通産省としては、省を挙げてこの対策に取り組みまして、昨年も法律を改正させていただきましたし、年間の開業の企業社数を、今十四万社なんですが、それをさらに年間十万社上乗せ、二十四万社に持っていこうとか、あるいはベンチャー企業自体を三から五年で一万社ふやそうというような政策をとってきているわけでございます。  何ゆえにこれほど伸びないのかという御質問ですが、これはやはり、人、資本、技術、日本人の精神構造等々いろいろあると思いますけれども、現在我々考えておりますのは、ベンチャー企業の創出、育成につきましては、優秀な人材の確保が困難であるということ、それから金融面でのリスクマネーの供給が非常に少ないということ、それから、いわゆる有望な事業、技術を発掘、育成するベンチャーキャピタリストが少ないなどの問題があるというふうに認識しておりまして、これらの問題に対応するための措置を講じておるわけでございます。  そのための、例えば一例でございますが、たくさんありまして、最近、大きな冊子で、創業・ベンチャーの皆さん、こういうふうにして政府の助成措置もあります、いろいろな手だてがありますのでやってくださいという立派な本もつくりましたので後刻お届けいたします。私、広島へ行って、金曜日に中小企業の方々へのセミナーをやりまして、そこでも言ってきましたし、通産大臣は富山に土曜日に行かれまして、そういうことを四十七都道府県の大半においてこれからやってまいります。  そういったことの中にいろいろ詳しくは書いてございますが、優秀な人材確保を円滑にするためのストックオプション制度の拡充ですとか、あるいは資金調達を円滑にするための無議決権株式に係る発行要件の緩和ですとか、いわゆる目ききができるベンチャーキャピタリストがつくる投資事業組合に対する公的出資等の措置を講ずる。  そして、例の広島でいえば、広島市にナショナルセンターを設けて、大体中国地方全体を見ているわけですが、二十五人ばかりの目ききあるいはコンサルタント、その他の税理士とか弁護士とか公認会計士とか技術士とか、そういう方々を集めて、だれでも相談に来てください、知恵を出しますよ、ニュービジネスの経験者も集めてそういうことをやっておる、努力をやっておるということをあわせて申し添えたいと思います。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 今細田次官の方から細かい御説明をいただいて、本当にそういうことの積み重ねというのが大事だ、こう私も評価を申し上げます。  しかし、今の話は、ベンチャーの皆さんたちが頑張れるための土壌づくり、ある意味ではいろいろなアイデアがあります、こういう話だと思うんですが、私の問題意識は、一言で言えば、大企業の方がベンチャーや中小企業よりもずっと有利で得なんだと思います、日本の経済の仕組みというのは。それを、私の経済学の師匠でもあります東大の野口悠紀雄さんが「日本経済再生の戦略」というので書いておりますが、いろいろなアイデアなんかを出していくのは大事なんですけれども、大企業の方が有利なんだ、こういうもともとの構造を変えるのが構造転換なのではないですか、こういう話を私は思っています。  幾つかあるんですけれども、その中の一つの事例で、例えば金融市場、日本は戦後、間接金融がかなり大きなウエートを占めてきました。銀行がお金を貸すときは、やはり今までの実績だとか担保だとかそういうことを見て貸しますから、まさにベンチャーの人たちに貸しづらい。リスクテークをしていくのは基本的には資本市場、証券市場の方が強かったわけだけれども、基本的に間接金融でずっときちゃった。  例えば、アメリカで話題になって、日本にことしできると言われているナスダック・ジャパン、ナスダック、このことを一点質問してみたいと思うんです。  アメリカのナスダックは、私つい最近だと思っていたんですよ。そうしたら、一九七〇年代からやっている。もう三十年の歴史を持っている。ニューヨーク・ダウは大企業で、ナスダックが店頭の小さい企業、そんな説明の仕方もされるようですけれども、全然そうではない。ニューヨーク・ダウに行けない人がナスダックをやっているわけではなくて、もともとナスダックでやってナスダックで伸びている。先週もニューヨーク・ダウが一万ドルを割る、こういう話の中で、ナスダックは最高値をつけていますね。そういうまさに証券市場についてどういうふうにお考えになっていますか、日本のこれから。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○細田政務次官 まさにおっしゃったように、日本では、金があったらまず郵便貯金をする、投資は余りやらないという心情がある、安全と危険との関係だと思いますが。  ただ、先週から日本の証券市場で株式投資の、あるいは新しい投資信託の需要が物すごく大きくなって市場が活況を呈したですね。ここでそろそろ、余りにも低金利であるという時代、不確実な時代、そして見も知らぬ新しい企業が大いにもうけて株価が驚くほどの高値をつけている時代、これに日本国民が気がついて、なるほどリスクマネーというものは、自分たちがお金を出すことによってまた見返りもあるんだな、それが資産運用の唯一の手段であるのかなと気がついたこの二〇〇〇年が、あるいは一九九九年あたりが元年ではないかと思いますので、小沢委員のおっしゃった方向にこれから行くように、我々も支援していかなきゃいけないし、資金調達でも何でも、債務保証とか、いろいろな政府の施策も講じていかなきゃならないと思いますし、新しい証券市場を育てていかなきゃならないと思います。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 もう一つ、大企業の方が有利なのだ、こういう例として、年金の話も一言申し上げておきたいと思うんです。  これはもう時間がありませんからお答えは結構なんですが、例えば、今までの企業年金というのは、長くいれば受給額もふえる、こういう話でありますから、まさにこれはそういう構造なんですね。四〇一Kのような話が今出てきておりまして、そういった意味では少し変わりつつあるのかなと思いますが、総じて日本の経済構造というのが大企業に有利になっている。だから、まさに創業・ベンチャーの人たちがそれをやればこれで夢が開けるんだという話になっていない、こういう状態だったのではないか、こういうふうに申し上げておきたいと思います。  そして最後に、そういう経済の構造を変えていかないとこれから日本は世界の中でやっていけないということですね。  そこで、ちょっと自慢話で恐縮でございますが、平成六年のときに、私は、当時の自社さ政権のもとで、与党の経済対策プロジェクトチームということで、我が国経済構造改革の基本方向というまとめをさせていただきました。そして、まさにそれは、そういう経済構造を変えていかないと本当に世界の中で立ちおくれていくし、やっていけなくなるよというのを平成六年のときに私なりに声を大にして申し上げたつもりでいたわけでありますが、依然としてその後の経済運営というのは、ある意味では景気刺激型の話で、そういった本質的な経済構造改革の議論がおくれてきているように思います。  それは例えば、経済構造改革の基本方向というこの文書を受けて、政府もその直後にその対策推進本部をつくっているんです。その暮れに推進本部をつくっているんですが、全くそれが動いてないんです。産業構造転換雇用対策本部を私はあの当時つくっていただいたんですが、それが全然動いていない。ここのところに来て少し動き出したやに聞いておりますが、やはりこういう話を本格的にやらないとだめなのだ。そして、アメリカはそれをまさにやってきたから今があるのだ、こういうふうに思っているわけでありますが、そこに関して、今後の決意を含めて、どうか通産の皆さんの、大臣も含めて決意をお聞かせいただきたいな、こういうふうに思います。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○細田政務次官 大臣からまた後で御答弁願うこととして、最初おっしゃった、終身雇用の問題、あるいはポータブルな年金というようなものが必要だ、もう全くそのとおりでございます。それから、構造改革をしなければならない、最近非常に大きく進めておりますけれども、技術開発も大いに進める、規制緩和も進める、その他さまざまな環境整備をするということで、我々も、これから産業技術力強化法案なども提出するつもりでございますが、おっしゃった方向で大いに改革を進めていかなければならないと考えているところでございます。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 小沢委員がじゅんじゅんといろいろな分野で御発言なさっているのを、さっきからしっかり聞いておりました。最後の御指摘の、我が国の経済を活性化させるためには構造改革が絶対必要だというのは、おっしゃるとおりであります。  そこで、例えば、産業再生法の制定による企業の関連諸制度を改革したり、基本法の改正でベンチャーとか創業の支援を行うとか、いろいろやっておりますけれども、一層これに力を入れて推進していくということは絶対に必要なことで、これは政府を挙げて努力していきたいと思います。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)分科員 よろしくお願いします。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 これにて小沢鋭仁君の質疑は終了いたしました。  次に、中山義活君。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 それでは、よろしくお願いします。  三十分という本当に短い時間なので、効率よくやりたいと思うのですが、明日は二月の二十九日、四百年に一回のうるう年が来るわけです。これは、今まで、エネルギーの問題で重要な問題だと思いまして、何回かうちの委員からも質問があったようでございますが、二〇〇〇年問題の中で、この二月二十九日というのは特別な日でございまして、これについて原子力発電またはいろいろなものに怠りがないかどうか、ちょっと先に聞きたいのでございます。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 二〇〇〇年を迎えるときに徹夜で対応しまして、万全を期して、おかげで格別な問題もなく過ぎてほっとしていますが、おっしゃるとおり、うるう年のこの二十九日というのは非常に重要でありますから、それに準ずる態勢をとって万全を期するようにしているところです。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 万全を期するのはわかりますけれども、いろいろ手だてがあったと思うのですが、二〇〇〇年問題とは別に、四百年に一度のこの問題というのは、問題が出て当たり前だ、初めからないというよりも、あって当たり前だというようなことがありますので、二〇〇〇年問題で終わった、どこの新年会でも、二〇〇〇年問題は何もなかった、よかった、こういう話があるのですが、怠りなくひとつ、これは要望でございます。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 承知しました。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 早速、エネルギーの問題なんですが、通産大臣にもいろいろ質問させていただきました。その中で、やはり安保という問題が一つ出てきたと思うのですね。  このエネルギーの問題については、石油は、私企業がやっているというだけでなく、エネルギー安保という問題がある。それからもう一つは、外交上の問題、いろいろ述べられました。それからもう一つは、私企業を、これは国策なのかどうか、どういう形が国策なのか、それとも、こういう形は国策じゃない、いろいろあったと思うのですが、その辺の三つに絞って、私ども、たしか答弁をいただいたような気がするのです。この中で、今回の問題、アラビア石油が政府と一体であったというような感覚をサウジアラビアの方は持っていたんじゃないでしょうかね。  大臣の方は、最終的に、二千億円の鉄道のプレゼントはできない、これはノーと言った。これは、最終的には、民間企業に対して政府が二千億円も出せないよ、こういうような話だったと思うのですが、サウジアラビアがどう思っていたか、相手側が日本をどう感じたか、この辺の調査というのはやはりやってしかるべきだと思うのですね。  そういう面では、どうも今までのあれを見ていると、サウジアラビア側から見ると、アラビア石油と政府は一体だった、こういうふうに見てたのじゃないでしょうか。その辺どうでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 おっしゃるとおりかもしれません。その側面はあったと思いますね。それは、サウジアラビアとしては、アラビア石油では資金的に難しい、この更新の機会に日本の政府を相手にした方が出てくるのではないか、そういう判断はあったかもしれません。  しかし、それは先方の判断でありまして、私たちは、サウジアラビアと話すときには、企業とサウジアラビアの契約問題ですから、しっかり話してください、しかし、日本としては、サウジと日本の友好関係をきちんとつなげていく。先方は石油を輸出する国、我々は買う国、利害をいわば共通にしているわけですから、この関係は大事ですから、そういう意味でできる限りのことはしますよ、これはもう去年から一貫して相手にずっと説明をしてきた内容です。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私、こっちもお得意さんだからという考え、それは確かに一つあると思うのです。でも、あちら側が日本をどう見ているか。きのう、いろいろなことがありまして、きょうの新聞でも、資源外交にパイプを欠く、こういうふうに書かれているのですね。  つまり、向こうの本当にトップの方たちと、またはそういう石油を担当している閣僚と、いつもしっかりしたパイプがあったかどうか。これは大変大きな問題だと思うのですよ。こちらはうんと買っているんだから、うちはお得意さんだから相手は売るよ、こういうようなこともあります。しかしながら、相手側がどう考えているかということも、これは非常に大事な話だと思うのです。  あの湾岸のときも、カフジでは日本のアラ石の人たちと向こうの人たちが一生懸命爆撃から施設を守ったりなんかして、そういう人間関係ができてきたといろいろと書いてあるのですね。ですから、今回の問題におきましても、本当に信頼が置けるのかどうか、その辺を今後の外交とかなんとかでやっていくわけでしょうけれども、その辺の配慮というのはこれからどういうふうにされるのでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 お断りしますけれども、買ってやっているんだとか、買う立場が有利だというふうな、そんな思い上がった考えは日本政府にはありません。むしろ、資源の少ない日本としては、供給をずっと安定的にしていくということが最大の課題ですから、そういう意味では、サウジとしっかり友好を続けるということは当然のことです。ただ、お互いに利害を一つにしている、売る側も買う側も利害を一つにしている、こういう認識はそれぞれお互い持っているだろうと思います。  それから、常日ごろから、サウジと日本との外交関係や、そういう交流をどうしているかということの意味合いの御質問だと思いますから、申し上げますと、かつては疎遠だった時代は確かにありました。第一次石油ショック、第二次石油ショックのときに、むしろ中東にもっと力を入れなければだめだという相当大きな批判とか反省があったわけですが、その後は、かなり交流は密にしています。例えば、小渕総理がみずからアブドラ皇太子殿下とお会いになって、アジェンダというものを示して、その後の交流があったり、特に近年は、前年通産大臣が現地に行ったり、あちらの大臣がこちらに来るとか、かなりいいかかわりが続いてきたというふうに認識しています。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 何回も何回も総理大臣が行ったとか、または通産大臣が行ったというのが、つまり、アラ石の権益を延長してもらう、そういうために行ったんだとすると、これはアラ石と政府はやはり一体であった、こう見るわけですよ。外交上は、やはりアラ石というのは国策で、政府が投資しているんだろう、だからこそ政府が二千億円出して鉄道を引いてくれ、この辺も、本当に友好な、もっと親密な関係にあったら、日本じゃなかなかできないというようなことを持ってこないような気もするのですね。そういう面では、もうちょっと本当の意味での心の通い合った外交が必要だったんじゃないか。  私どももいろいろな新聞を読んでいますと、例えば、石油ショックのときも、これは日経の「春秋」というところに出ているのですが、中曽根さんが「日本が石油危機を脱したのはあなたの努力のたまものだが、生前それは公にされることはなかった」、これは、故人の名は水野さんという方で、アラビア石油の会長だった。この方が、「世界の原油の確認埋蔵量の三分の二は中東産油国の主権下にある。石油が市場商品の性格を強めた今も、単なる買い手ではなく」ここが大事なんですね、「単なる買い手ではなく現地で操業し、産油国と特別なつながりを持つ意味が、なくなったわけではない。アラ石のサウジとの権益協定は二十七日に期限を迎えるが、更新交渉はサウジの鉄道建設への協力の範囲で対立し、暗礁に乗り上げた。」  つまり、それ以上の交渉するパイプがないじゃないか、こういうような話を中曽根さんがしているんですね。あの石油ショックのときでさえ、そういう人間関係が必要だったじゃないか、こういうことだと思うんです。今後、その辺の心配が私ども一番大きいわけで、安保と言われても、いやいや、石油は今市場で買えばいつでも安定供給されますよというようなことでは、私らもちょっとそれではわからないわけですね。  ですから、二千億円の鉄道をふっかけられた、こういうことだけでも、何か信頼関係がないんじゃないか。要するに、大臣がノーと言ったとおり、日本ではできないことを言ってきているわけですから。その辺に信頼関係の危惧を私は感じるんですが、どうでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 小渕総理がアブドラ皇太子とお会いするとか、あるいは通産大臣が毎年行くというのは、アラビア石油の問題だけではありません。それよりもはるかに大きな、一日百万バレルを供給してくれているというサウジアラビアの存在の重要性、それを考えてのことですから、もちろん全く考えないというわけじゃありませんが、アラビア石油会社の契約更新のために行っているということではなくて、もっと大局的な立場から行っていると思います。  それから、アラビア石油が、かつてアラビア太郎という方が初めてあの砂漠に石油を掘って一発で当てた。日の丸石油といって非常に重要で、それがナショナリズムにもつながって大きな役割を果たしたということは全く否定する話ではないんです、そのとおりだと思うんですね。だから、できることなら何とか延長させたいというので全力を挙げてきたんですけれども、やはりこれは協議ですから、残念ながら協議がまとまらないこともあるということだと思います。  なお、中曽根康弘先生の話だと思いますけれども、今度の件につきましても、再三この点については御意見も承っております。そして、このたびの結論というのはやむを得ない措置だ、そういう御判断の返事を聞いております。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 今そのようなお話がありましたが、大臣が帰ってきてから、向こうの新聞でも、日本が二千億円の鉄道を拒否したことは遺憾であると結構感情的に非難をしているんですね。私ども新聞で読んでおりますが、これはきょうの日経にもそういうことが書いてありますが、やはりあれは日本の国が国策でやってきたんだから、鉄道ぐらい引くのは当然であるというようなことを言ってきているんですね、現実に。  そこで、さっきの質問になるんですが、大変心配だ、国策でやってきたものが最終的には政府があそこは責任を持たないんじゃないかと。恐らく、サウジアラビアにしてみれば、石油という財産というものは国民の財産である、こういうふうに考えているわけです、向こうは。日本が、いや、こっちは私企業だからということでは、国と国との外交、国と国との信頼感というのはやはりうまくいかないと思うんですよ。向こうは、日本が鉄道を引くのは当たり前、なぜかといえば、石油というものは国民のものである、日本の方は、いや、あれは私企業だからという考え方だったら、外交という問題はどうなりますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 あちらが鉄道を引くのは当然だと言うその背景は、石油は国民のものだというのはあるかもしれませんが、重質油を出しているので損失がある、その補てんをしろ、こういう言い方が中心だったですね。だから、あなたの言っているのとちょっと違うんです。  それからもう一つは、ナイミ石油大臣が、もう既にこの間も私申し上げた話だけれども、今度の交渉の話の過程の中でこういう言葉で言われました。ささいなことで両国に傷をつけるようなことはしない、友人でも意見の違うときはある、兄弟でもけんかするときもある、しかし我々は、日本とサウジの関係というのは大事なものだと考えて、このことで影響されるようなことのないようにしていくんだと。それは、単に大臣同士の話でなくて、公の立場で御発言をされておりますから、私はその言葉を信じてこれからも大事にしていきたい、こう考えています。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私は、日本の国の場合は武器を売れない、当然これは国是でそういうことはできないでしょう。だけれども、外国の場合は、国を守るという防衛の部分に相当関与しているわけですね。例えばアメリカだったら、軍事協定を結んでいろいろな兵器を売っている、中には鉄砲の撃ち方まで教えに行く、そういう人たちがいるわけですね。そういうことでの外交での人間関係。または、ほかの国でもそういうことを随分しているそうです。私も、中国も恐らくそういうような武器を売っているんだろう、こう思うんです。  アジアのこれからの経済復興を考えてみると、来年かそこらで石油の消費量は一・五倍ぐらいに上がってくる、このくらい言われているわけです。そういう面で、外国はいわゆる防衛上の、日本とアメリカみたいに安全保障みたいなことをやっているわけですよ。または武器を売っている。その国を守ってあげるための一番支えをやっているようなところがあるわけで、こういう信頼関係と、今言ったように、日本はうんと買っているから恐らく向こうもお得意さんだと思っているだろう、恐らくそうだろう、これではなかなか確証が得られない、私はそう思うんです。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 そんな単純に思っていないですよ、基本的に。  いろいろな角度から考えているので、日本はお得意さんだから大丈夫だろうなんて、そんな簡単な形で貿易関係から石油関係を議論を進めることは不可能ですから、これは国を挙げて、当然のことですが、総理とも相談をしたり、宮澤大蔵大臣と相談したり、そして何よりも通産省挙げて真剣に取り組んできたことです。残念な状況ですけれども。決して思い上がった、日本のうぬぼれで物を考えるなどということはしておりません。  それから、国と国との安保という感じでいけば、あなたのおっしゃるように武器を売ったり何かするような国々もあるでしょうが、我々はそういうわけにいきませんから、橋本総理とファハド国王及びアブドラ皇太子さんたちの会合の中でも、こちらから申し上げているのは、例えば人づくり、あるいは環境・健康、科学技術、文化・スポーツ、投資・合弁、この五分野を対象にして両国間で作業を実施していこうと。これは今進めているところですから、こういうことは本当に大事にしていかなければならない。そういう日本ができるいい面での協力をずっと重ねていくことによって、サウジアラビアが日本をより理解し、日本もサウジアラビアを理解していくという友好関係が広がっていくのだろうと思いますね。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私は、そういう今のお話のことを聞くと、何でこれは外務省がもっとかんで、日本とサウジアラビアの関係というのは、本来外交であれば外務省がやる。この大きな問題が、一企業の問題じゃなくて非常に大きな問題としてとらえた場合、日本の石油の将来とかエネルギーの将来とかいろいろな問題に発展していくんですね。  むしろ、今回のこの問題というのは国民に明らかにして、実は二千億円の鉄道を引いてくれと言っているんだけれどもこれを国費で賄っていいかどうか、こういうところまで本来はやるべきだと思うんですよ。私は、それをそうしろと言うのじゃなくて、本来そういう問題を政府から議会なんかにどんどん出してもらって国民的な話し合いをしなきゃいけないと思うんですよ。  実は、きのう大臣もテレビに出ていました。私もその後サンプロを見まして、北川知事が言っていたのは、原子力発電にしてももっと国民的な議論を呼んで、本当に原子力発電が必要なのかどうか、必要ならどうしたらいいか、いろいろなことを論じるべきだろう。これは一都道府県が決めるような問題ではないし、これからもっとエネルギーの問題は議会とか国民的な合意に基づいてやってもらいたい、こういう意見があった。  ですから、私も今回の問題は、一次エネルギーで、石油は昔の七二%が、それが五二%ぐらいになった。だんだん……(深谷国務大臣「七七%」と呼ぶ)五二%になりましたね、一次エネルギーですから。こういうような問題を考えたときに、石油の使用量がどんどん減ってきたからもうこれはというような考え方じゃなくて、エネルギー全体を考える時期に来ていると思うんですよ。  そういう面で、国民的な合意に基づいて今回やってないし、外交上の問題としても、なぜ外務省または総理大臣が出てこないのか。私は、そのぐらいの大きな問題だと思うんですが、いかがですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 まず第一に、この問題は総理大臣とも外務大臣とも大蔵大臣とも当然議論をし、煮詰めた話で、そして通産大臣がこの所管の大臣ですから、私が窓口になるというのは当然のことなんです。しかも、日サの関係で、今度の交渉の中心はエネルギーですから、エネルギーをどうするかということはまさに通産省の所管。同時に、もう一方では投資の問題が中心でした。六千億円というお金を、枠をつくって、日本の投資企業会社があったときには融資をして、金利も下げて応援します、そういうような話は、これは正直言って、専ら通産省の話。だから、各省及び背景に総理大臣の意見を聞きながら、通産省がその窓口になって交渉するというのは政治や行政の当然の筋道であって、これは別に批判される立場ではないと私どもは思っています。そういうことです。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 大変大きな問題だということを言っているんです。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 それはそのとおり。だから、これは政府挙げてやっていますから。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 では、このいわゆる窓口の通産省の考え方をちょっと、先ほどの外交というだけじゃなくて、エネルギーを使う分において損か得か考えてもらいたいんです。今まで石油公団というのは、私、石油公団に、ある人に間接的に電話してもらったんですが、既にもう一兆八千億近く使っている。しかし、石油を掘り当てたなんて話は余り聞かないし、大きな実績も上げていない。しかし、アラ石は現実に相当すごい埋蔵量を誇っていますね、六十億バレルぐらいの埋蔵量がある。これをむざむざアラムコに撤収されるというか、持っていかれちゃうわけですね。  今までやってきた石油公団が一兆何千億使っても掘り当てられないのが、今現実にあるわけですよ。今までやってきた石油公団のあれだけの金額を使ったよりもずっと有効なことをやっているわけですよ、今。これを差し上げちゃうというのは、今後、二千数億円の鉄道建設をプレゼント……(深谷国務大臣「二千数百億ね」と呼ぶ)二千数百億ですか、二千数百億を差し上げるのに比べて損か得かという計算もあってしかるべきだと思うんですね。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 お尋ねしたいんだけれども、あなたは、二千億、三千億かかるお金を上げろという考え方ですか、基本的に。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私は、損か得かもっと考えてくださいと言っているんです。今、私は、そうしろなんて言ったことは一言もありません。  では、いいですか。石油公団と比べていただきたい、石油公団と。石油公団、どのくらい使いました。私が調べた限りでは、一兆八千億円近く使っているんです、現実に。これは恐らく融資とか投資でしょう。各会社にずっと出している。しかし、果たして、アラ石と同じぐらいの埋蔵量のあるところを掘り当てましたか。今中国とやっているところだって、中国だって日本と一緒にやっているじゃないですか。それだって、どんどんお金を出している。そういうことを考えると、今現在あるものを有効に生かした方が、現在あるわけだから、利口じゃありませんかという考え。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 石油公団からお金を出すとか出さないという問題の前に、この鉄道が経済性があるのか、本当にプラスになるのかという判断が一方にあるんですよ。我々の場合には、採算性が合わないであろうという調査の結果が出ているから、石油公団であれ国のお金であれ、現金で渡してどうぞというわけにはいかないというのが一つ基本的にあります。そこをちょっと区別しておいてもらいたい。  それから、もう一つ。石油公団に関しましていろいろな御意見があることはわかりますけれども、念のために、私どももしばしば石油公団の状況について把握しているんですが、参考までに申し上げますと、平成十年度末で、出融資等の残高というのは一兆三千二百四十億円です。そして、損得ということを考える場合には、油価をどう見るかというのがあるんですね。それから、為替が幾らかというのを見ないといけません。  それで、一つは、例えば油価を二十ドル以上に考えて、為替を百四十八円クラスに計算をしますと、実は、回収不能額の見込みと今後の収益額を比べると、四千億円ぐらいの黒字になるんです。ところが、油価を今度は低く、今は高いですけれども、十一ドルぐらいで為替を九十三円ぐらいに換算しますと、五、六千億のマイナスになるんです。つまり、油価だとか為替の変動で石油公団が出していたお金が損か得かというのが左右されてきますから、一概に、これがむだだという理論というのはなかなか難しい。  ただ、今中山さんの言われたことで、大事なことで、実は私もひそかに思っていることで共通している点があるんですが、これから掘り当てるところに石油公団は主として使います。だけれども、今まであるところにこれを使うような形というのは考えてもいいのではないか、私、そう思います。ただ、これは法律で決まっておるものですから、これから先の状況を見て、それをやるには法律を変えなければならないので、今度の件には当てはまらないということだけ御認識をいただきたいと思います。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○細田政務次官 ちょっと補足させていただきますと、石油公団を通じて探鉱開発をやるということは、大消費国としての我が国の責務でもあるわけでございまして、人類のためあるいは日本のために、石油を探鉱して新しく掘り当てるということは世界的に皆やっていることでございます。その一員であるという認識です。  したがって、既存の油田の維持と友好関係という目的と、石油公団の本来の探鉱開発の目的はともに大事なことであるという意味で、こちらをやめてこちらにという問題じゃありませんので、補足します。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私、いつか新聞で読みましたけれども、この石油公団というのは、資料では、天下りのいわゆる偉い方、理事以上の方ですね、これは三人だから。ところが、ここから融資や投資なんかいろいろしているわけですね。そこの石油備蓄会社の社長だとかなんとか、随分通産省の方も行っているし、これは、確かに全人類のためだとは言うけれども、もし今回のことで、サウジアラビアと日本の関係からいえば、市場で調達できる、うちはお得意さんだ、どこの国ともうまくつき合っているから買えるというならば、私はこういう石油公団のむだなことはやめてもらいたいと思うんですがね。  これだって、融資して、いつまでに掘れというんじゃないんでしょう。いつまで掘ったっていいんですもの。こんなことを通産省がやったら、まさにお金の垂れ流しですよ。これは地方の今まで問題になった公共事業よりなお悪いと思う。しかも、そこの備蓄会社でも何でも、みんな通産省の人が行っているという話だ。これを守るということが、通産省も、何か自分たちの権益を守るようなことじゃ困るわけですよ。私、そういう感じすらするんですが、反論があったら言ってください。

細田博之自由民主党通商産業政務次官

○細田政務次官 まず、日本は効率が悪いから余り石油の探鉱開発をすべきでないというような感じにも受け取れる御質問でしたが、そういう流れではないんです。オイルショックも経験し、我が国としては、できるだけ世界に貢献して、新しい油田を探す、中央アジアでも東南アジアでもあるいは中国でも一生懸命探すというのが基本でございます。千に三つと言われるくらい当たらない油田でございますので、当たらないものもかなり多いわけですが、当たったものも多いということをまず御認識いただきたい。そこから始まる。  それから、各企業、開発主体企業などは当たったときに行います。それから、その前に、探鉱時点で行いますが、一種のベンチャー企業でもあり、関係企業も人を出すし、通産のOBが入った例もございますけれども、それぞれが協力し合ってやっておるということを御認識いただきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 もう一つ申し上げたいんですけれども、あなたの主張は、やはり自主油田というものを考えろというお考えでしょう、基本的には。(中山(義)分科員「効率よくですね」と呼ぶ)効率よくね。そのためには、どういうところでどういうものがとれるかということを世界的な視野でいつも探鉱、探索しなければならぬことは当然で、そういう意味で石油公団がどうだということについては大いにこれから議論をしていただきたいと思っています。私たちは、今の石油公団をもっともっと改善していかなきゃならぬという立場に立っていますけれども。いずれにしても、そのことで、世界の石油の状況を分析し、実際に採探し、成功して自主的な企業をつくっていくということは大事なことだと考えています。  それから、念のために、関係の会社に天下りが多いと今おっしゃったんですけれども、七社で調べてみますと十二名が在職中です。その役員の総数は百二十名です。だから、必ずしも多いとは言えないのではないかと判断します。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私、今言った効率の問題としてはですよ。だから、今あるものを最大限活用した方が有効だろうと。これから恐らく何兆円はかからないにしても、既に一兆八千億円近くかかっていることは事実なんです。これはもう電話して聞いたんですから、金が出ているんですから。だから、その採算性というのは、確かに、仕入れまたは売り上げ、その差益がどのくらいあるとかいろいろな問題があると思います。だけれども、現実問題として、そこにある油田の埋蔵量が大きいものを簡単に手放していいのかということであって、ですから、鉄道を引くことが高いか安いか、こういうような視点も必要だったんじゃないかなという感じがするわけなんで、それを国民にもうちょっと明らかにして、こういうような問題なんだということが国民に見えにくいというところにこの論議の難しさがあると思うんですよ。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 国民に一つ一つ問いかけて進めていくということは民主主義としては大事ですけれども、事実上はなかなか不可能に近い。そこで国会というのがあるわけですね。だから、国会の審議を通じてきょうのような議論が繰り返されるということがとても大事です。ただし、いろいろな国々との交渉のたびごとに、それは秘密を厳守しなければならない事柄もたくさんあるわけですから、その経過について一つ一つ議論を国会でもしていけというのはなかなかできないことだろうと私は思っています。  それから、何回も繰り返し申しますけれども、私たちはこのたびの件については、本当に全身全霊をささげて交渉したつもりです。それは通産省も政府全体もそうでありまして、決して安易に、簡単に事を処理したという覚えはありません。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 最後、要望でございますが、とにかくエネルギーの問題というのは、原子力にこれから移行するにしても何しても、原子力そのものにも国民は不安があるわけですよ。だから、このエネルギーの問題は、そういう面で、国民的な合意が必要だということを言っているんですね。原子力発電でも何でもそうです。  そういうことで、私どもはエネルギー全体の問題として今回とらえているわけなんで、かなり強い言い方をしていますが、私どもの心配だと思って、心意気だと思って聞いていただければ幸いだと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○深谷国務大臣 あなたの気持ちがよくわかりました。ありがとうございました。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 以上をもちまして通商産業省所管についての質疑は終了いたしました。     —————————————

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 次に、総理府所管中経済企画庁について審査を進めます。  政府から説明を聴取いたします。堺屋経済企画庁長官。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 平成十二年度の経済企画庁関係予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げます。  平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、経済企画庁に計上いたしました予算額は百三十八億二千二百万円でありまして、新体制移行後は内閣府等所管の予算として所要の予算額を計上しております。  以下、重点項目につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、経済のしっかりした回復軌道への復帰のために必要な経費として、五億七千四百万円を計上しております。  その内訳の主なものは、従来四半期ごとに実施していた消費動向調査の月次化や、全国のモニターを活用した地域景況の早期把握調査、あるいは情報通信技術利用による新たな調査手法の開発など、景気動向の的確かつ早期の把握と迅速な情報提供のために必要な経費であります。  第二に、経済社会のあるべき姿の実現を目指す取り組みに必要な経費として、十一億二千六百万円を計上しております。  この内訳の主なものは、一つには、昨年閣議決定された「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の着実な実施の促進や、構造改革の影響の多面的調査分析、あるいは民間資金等活用事業、いわゆるPFIの推進など、制度・構造改革の推進を図るために必要な経費であります。もう一つには、今国会に提出を予定しております消費者契約法(仮称)の普及啓発を初めとする消費者契約適正化事業や、二〇〇一年のボランティア国際年関係事業など、豊かで安心できる国民生活のために必要な経費であります。  第三に、政策形成能力の強化に向けた知的基盤の整備のために必要な経費として、十八億六千五百万円を計上しております。  その内訳の主なものは、ミレニアムプロジェクトである二十一世紀型経済社会システムの総合研究や、来年一月から発足する経済財政諮問会議の円滑な調査審議のための活動基盤の整備などに必要な経費であります。  また、国際協力銀行の平成十二年度の事業規模は二兆七千四百九十億円を予定しており、このための資金として、一般会計において、出資金三千六十三億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画においても、資金運用部資金等からの借入金一兆八千三百九十一億円が予定されております。  以上、平成十二年度における経済企画庁関係予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。  よろしくお願いいたします。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。     —————————————

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。中山義活君。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 長官、まことに申しわけないんですけれども、またちょっと石油の問題でいろいろお聞きしたいんです。  石油公団が今、いろいろあちこちで新しい埋蔵量のあるところを探そうとやっているんですね。これの損益分岐点とかいろいろなものが石油の値段なんですよ。最終的に、掘り当てた石油、その当時が、一バレル三十ドルだったら採算性がある、いや、五ドルだったらだめだとか十ドルだったらだめだ、こういう話になっているんですね。これだけ石油の価格というのが最近ちょっと動いているのを見ていますと、自由市場に石油を任せる、そこでやはり安定供給をという話をしているんですが、その自由市場というものの怖さというのが、私は、むしろ逆に今増しているんじゃないかと。  一夜にして何百億ドルが電子マネーで動いている、またはもっと大きいのかもしれませんが、このようなことを見ていますと、とんでもない値段に石油が上がってくるとか、または、株がどんどん上がって、もうアメリカの株はこれ以上あれだから、天井で、嫌気が差してそっちへお金が流れ込むとか、いろいろなことがあり得るわけなんで、最終的にきのう、アラ石の問題、これはサウジアラビアとの決裂でいろいろなことが出てくると思うのですが、石油が市場で売買されるというところで、全然そういう怖さというのはないんですかね。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 石油の価格というのは、七〇年代に非常に大きく動きました。八〇年代の中ごろからは比較的安定しておりまして、九〇年代では、湾岸戦争のときに三十九ドル何がし、四十ドルちょっと手前まで一瞬行ったことがありますが、それ以後はそれほど大きな動きはなかったんです。ところが、一昨年ぐらいから動きが出まして、OPECの生産制限、供給制限がございまして、今、ドバイ・ミックスで三十ドルを超えるような値段になっております。  この石油というのは極めて大きな商品でございまして、特定の人が買いだめをして、上げるとか、先物売買でつり上げるということは非常に困難でございます。したがって、基本的には、世界の需給を反映して動くという形になっております。  今値上がりしておりますのは、OPECの生産制限によると言われておりますが、生産制限が効果を発揮すること自体、需給がいささかタイトになっているというように考えていいと思います。したがって、将来、石油価格がどうなるかは見通しにくいところでございますけれども、値上がりの可能性がないとは、これ以上さらに上がる可能性はないとは言えない。この辺は、専門の方々が今の値段をつけておられるのは、それが現在の需給関係から妥当ということでございまして、それほど投機的に動くものではないと考えております。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 実は、ナフサも輸入量が年々増しているんですね。これを見ていますと、一九九〇年の初めから比べたって相当ふえている。これは、石油化学の分野からいっても、この辺の流れも大変心配なんですが、私がちょっと新聞等で読んだ限りにおいては、もうそろそろ商品の小売価格を上げなきゃだめだとか何だとか言っているんですね。ナフサなんかが同じように連動しているとなると大変怖いなと思うのですが、その辺はいかがですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 ナフサの輸入量がふえているのは、日本が石油製品の輸入自由化に踏み切ったことと関係がございます。  油を持ってまいりますと、これを分解すると、ガソリンも軽油も重油も、その油によって一定の量ずつとれるわけですね。そうすると、日本国内の需給とそういう石油を分解したときの取り分との間に差ができますから、ナフサが足りないときはそれを輸入して、ガソリンが余っているときは輸出するというような形になっております。ずっと日本は消費地精製主義をとってまいりまして、製品の輸入を抑制していたのでございますが、それを自由化したことでふえてきている。  石油が値上がりいたしますと、石油製品、石油を分解してできるものが一斉に値上がりするのは当然でございます。したがって、ナフサの値上がりも、原油の価格にスライドする形で値上がりしていると思いますが、これが物すごい価格になるという可能性は、非常に日本経済を危うくするような価格になるという可能性は今のところちょっと考えにくいと思っております。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 石油が大変大きな市場だということなんですが、メジャーが再編を進めて、より大きなものになろうというところだとか、やはりグローバルな中で、自由経済の中で、より大きい方がいいだろう、ベストだろうと思っているのだと思うので、僕は必ずしもベストではないと思っているのですけれども、メジャーがどんどん再編している。こういうような影響で、あるところはぐっと抑えちゃって値段をつり上げたり、または動かしたり、こういう可能性はないのですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 そのことは私が「油断!」という本を書きました七〇年代の前半から、もっと前から盛んに言われたところでございます。当時は、セブンシスターズと言われて、七つの国際石油資本が全世界を抑えている。したがって、この七つの石油会社が談合すれば、異常につり上げられるのじゃないかという話がございました。  ところが、現実の市場の動きを見ますと、独占価格でつり上げられたというのは、一九二〇年代までさかのぼらないと見当たりません。商品が大きくなってまいりますと、販売量が減りますと、備蓄、蓄えておくコストが高くつくものですから、やはり流通は比較的円滑に行われる。その中で、需給の関係で調整される。  したがって、値段を上げるのは、流通を押さえているメジャーよりも、やはり生産を押さえているOPECの方が生産量を制限するというのは聞くことがありますけれども、流通でつり上げられるというのは、最近の状態ではちょっと考えにくいと思いますね。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 独占禁止法みたいな、日本の法律と同じような反トラスト法というのがありますよね。こういうようなものでそういうものが抑えられていて、今後の再編の中で、日本の石油会社といいますか、非常に小さなものがほとんどなんですね、石油公団から融資してもらったりなんかしている会社にしてもそんなに大きな会社はないのですが、相手がでかいところ、日本の石油の販売会社が小さい、こういうことでの問題点というのはありませんか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 石油の会社というときに、まず、掘っている会社、生産者ですね、それから加工している精製業者、元売業者、それからガソリンスタンド、小売業者、こういうアップストリームからダウンストリームまで流れがあるわけでございます。石油開発公団が援助しているのは、アップストリームの、掘っている方でございまして、流通の方はそれほど直接関係ないわけです。  掘っている方で見ますと、日本の自主開発といいますか、日本の企業が日本の資本でやっているのはごく少なくて、世界的に見ますと極めてわずかなものでございます。それを今度精製して持ってくる元売のところは、外資系、民族系と昔は言ったのですが、外国資本の入った会社と、それから日本独自の出光さんとか、そういう会社があるわけですね。  今問題になっておりますのは、一つは、外国資本で掘っているのは日本にとって安全かどうかという議論がございました。  ところが、石油ショックを経、湾岸戦争を経て経験したところによりますと、外国資本というのは極めてマーケット原理で動いておりまして、特定の政治目的でどうするということは余りなかったのです。余りなかったというのは、昔は、ココムとかがあったときにはございましたけれども、日本を対象として、少なくとも自由主義の国を対象としてそういうことはございませんでした。  それを持ってきて今度販売するときになりまして、今問題になっておりますのは、むしろ、ガソリンスタンドをつくり過ぎた。元売競争でガソリンスタンドをつくり過ぎて、これが安売り競争になって、今かなり減っている。そういうダウンストリームの方の問題が出ておりますが、アップストリームにつきましては、日本が少ないことが日本の安全を損なうと考えることはちょっと難しいと思います。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 いわゆる国策で自主開発をやっていかないといけないということで、ジャパン石油とかいろいろやっていましたね。ところが、ああいうのを見ていますと、極めて効率が悪いのです。日本の自主開発をやっている会社にも融資をしたり出資をしたり、いろいろやっているのですが、これも効率が悪い。だったら、思い切って外資の方に少しくっつけて、石油公団の方も、そういうところに力を持って、日本とメジャーとの関係というのですか、そういうものを構築した方が効率がいいような気がするんですよ。  さっきちょっと通産大臣にも質問したのですが、今まで石油公団、一兆八千億円ぐらい使っているんだけれども、大したものは生まれていないのです。今あるアラ石の埋蔵量の方がそれよりずっと多いんですよ。そうして考えてみると、何でそうやってむだなことをやっているんだろう、だったら、メジャーで力のある、採掘というか、そういうことにたけているところへ融資や出資をして、もうちょっといいパイプをつかんだ方がいいのじゃないか、こう思うのですが、もし効率だけ言うなら。その辺はいかがでしょう。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 いろいろ議論がございまして、六〇年代から試行錯誤を大いにしております。  日本が掘削、試掘したものは、非常に当たる率が低いのです。当たる率の低いのはどうしてかということをいろいろと研究もいたしました。  まず第一に、鉱区に対する情報が不十分じゃないのかというような問題もありました。それから、探査の能力が少ないのじゃないか。一つの例でございますけれども、日本がやってうまくいかなかったところのすぐ隣で外国が当てたというようなこともございました。それから、日本としてなるべく分散したいという意識がございまして、やはり当たる率は中東がいいんですね、ところが、危険分散の意味で中東以外でやりたいという意識があって、これが率を下げたのではないかというようなこともございました。  そういうさまざまな試行錯誤があった末、現在の形になっておりまして、結果としては、委員仰せのように、非常に率が悪かったということだと思うのです。  これはもともと、石油の鉱区というのは掘ってみないとわからない。よく例えに言うのですが、資料、データを見ますと、そこに冷蔵庫があるということはわかる、だけれども、冷蔵庫の中に何が入っているか、空っぽかもしれないし、お魚が入っているか、野菜が入っているか。だから、出てくるのがガスであるか油であるかというのは全くわからないのです。  そういうところに試掘を何本も入れるわけでございまして、そういう意味では、情報が不完全であったとかいうようなことはあったんだろうと私も思います。過去において、必ずしも、適切というか、上手ではなかった、不当ではないにしても上手ではなかったのは、結果を見れば事実だという感じがいたします。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 例えば、日本と中国で共同でやっているような開発事業みたいなものでもなかなか当たらないわけですよ。それで、私どもは見ていると、これはメジャーに融資や投資してちゃんとやった方がこれだけのお金がうまく有効に生きるんじゃないかと。  今回、サウジアラビアと日本の問題ですが、中国と日本とやっている共同開発みたいなことよりも、サウジと今回のアラ石、この場合なんかはそこにもう現在あるわけですよ、現実に。埋蔵量も六十億バレルとか言われていて、相当な埋蔵量がある。それをサウジのアラムコに撤収されちゃうのがいいのか、例えば二千億円の鉄道でやった方が安上がりなのか、今後の石油の全体像を見ながら安いか高いかという判断もしなければいけないと思うのです。  しかも、もし鉄道を引かないでサウジアラビアの信頼を損なうようなことがあればまずいわけで、今回そういうことで決裂したんだ、こう思うわけですが、その思考の中に、やはりもうちょっと効率よく考えるということが一つと、相手の国はどう考えているんだろうと、相手の国の考え方もしっかり勉強しないといけないと思うのです。  私は、長官から昔ちょっとお話を聞いたときに、大体、例えばアフリカの方に日本人が行くと、何だ朝から昼まで寝ているじゃないか、朝起きてもっと仕事しろとか言っても、それはアフリカの人たちの考え方であって、アフリカの人たちに日本人の考え方を押しつけることは日本人が嫌われる要因だとか、ありましたよね。だから、相手を知らないとえらいことになるわけですが、今回の問題というのは、何か日本が勝手にいろいろやったけれども相手に理解されなかったということがあると思うんですね。その辺はいかがですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 私はこの問題の所管担当大臣ではございませんから、一人の有識者としてお答えさせていただきます。  アラビアの問題は政務次官の方がずっと詳しいので、後でまた政務次官からもお話しいただきたいと思いますが、石油、今のアラ石の問題だけに限りますと、新聞情報その他で聞いている点で申しますと、アラビア側の要求が、鉄道を約千六百キロほど引けという話で、しかも、そこの燐鉱石とボーキサイトを運ぶということでございますが、石油の利権というものは、やはり一つの基準といいますか相場というものがございます。一カ国つり上げますと、よその国の利権にもこれは影響し、非常に、国際的にも日本自身にとりましても、一つつり上げると我も我もと上がるんですね。そういうようなことも考えなきゃいけない。だから、カフジの油田に対して与える金額、限度というのはやはりあると思います。  二番目に、その金額はともかくとして、鉄道を建設し、日本側で運行するような形はあり得るのかどうか、有利かどうかという問題が第二番目にございます。  私も、新聞情報程度でございますが、その計画を見ますと、とてもこれは日本が建設して運行して引き合うものじゃないような気がいたします。アラビア側の試算によりますと、燐鉱石、ボーキサイトのほかに一般貨物がかなり運ばれるという前提になっておるようでありますが、一般貨物が本当に鉄道で運ばれるのか、自動車に流れるのか、その辺のことも自信を持って答えられない。  それから、アラビアの地で鉄道を運行するというノウハウ、経験が日本にございませんから、どれぐらいの費用がかかるかもわからない。そういう意味で、融資ならいいけれども、お金を貸してあるいは一部投資をして、アラビア側が運行してくれるのなら限界が明確になりますが、日本側がやるとなりますと、幾らかかるかという限界がわからない、こういう点でもリスクが高過ぎるということもあろうかと思います。  三番目に、アラビア石油の、これはもう日本にとっては大変貴重な自主開発原油だったのでございますが、そのものの、日本経済、マクロで見たときの評価、これは日本の国民の税金をどこまで払っていいものかという評価もございます。  これは油の種類もございまして、この点についての日本とサウジアラビア側の考え方が非常に違いまして、日本は、重質オイルだから値段が安いものだという考え方でございますが、アラビア側は、重質オイルを出して安いものを売っているから、同じ割り当ての中で高いものを売れないだけ逸失利益が、得べき利益を損しているんだ、こういう発想なんですね。ここが日本とアラビアとのまさに考え方の違いかと思いますが、そういうことまで日本が補償すべきかどうかということを考えますと、相当これは開きが大きい。  そして、あの地に、これはまた人によって考え方が違うかもしれませんが、あの中東の、イラクに近いところに日本が鉄道を建設し、運行することによって、いかなる事件に巻き込まれる可能性があるか、これも慎重に考えなければいかぬことだと思います。そのことを考えますと、サウジアラビア側の要求が今日伝えられているようなものであれば、日本としてはまことにのみにくいのが現状だと思います。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 今度小池さんに聞きたいんですが、今の話の中で、やはり最終的には相当厳しいものを突きつけられたわけです。これ自身が、サウジアラビアと日本の友好関係というのは、人間関係、信頼関係というのがなかったような気がするんですね。  もともと、融資といったって、向こうは国是で対外債務を持たないというようなことがあったわけでしょう。今回も、そうは言っても、ぽっぽっと手のうち見せちゃってから、八千億円ぐらいの投資促進策を提示はしているんですよ、向こうへ。これだって、クウェートだって何だって見ているわけですよ。こういうことをしておいて、やはり手のうちは知られるとほかの国たちに困るというようなことがあっても、何か交渉事というか外交というか、こういうことがうまくないなという感じがするんですが。

小池百合子自由党経済企画政務次官

○小池政務次官 今お話がございましたように、今回の鉄道の要請についてけったことで日サの協力関係が悪くなるのではないかという御心配だと思います。確かに、今回の問題は、日本にとっても大きいですし、またサウジアラビアの一部としても大変重要な問題ではあったかと思います。  ただ、私は、裏返して申し上げれば、日本とサウジアラビアの関係というのがこういった油の関係だけででして、本来は、これまでの歴史的なつながりのある欧米各国は、単に石油だけでなく、さまざまなチャネルで、さまざまな点で交流を結び、かつ一方で決裂をしという、それが重なっているんです。ですから、今回の日本とサウジアラビアの関係は、言ってみれば、これ一本だったということの方がむしろ問題でして、こういった交渉事というのは時にうまくいくこともあるし、うまくいかないこともある。むしろ今後これを大きな教訓ともして、さらに、経済だけでなく人的交流も含めてですけれども、サウジアラビアとのそういったパイプをふやしていくということが必要なのではないかなというふうに思っております。  また、サウジアラビアの社会の構成と申しますか、王族の構成もなかなか複雑なものがございまして、今回の点で、そのあたり、どのような影響になるのか、この辺は外務省もしっかりと調査検討も重ねた結果の話ではないかというふうに承知をいたしております。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 私もさっき通産大臣に、外務省がなぜもっとしっかり絡んでいかないのかという話もしたんです。  やはり、この問題というのは、私どもからすると、今までも石油公団があれだけ金を使ってもちっともヒットしないというところで、ここにあるものをもっと活用した方がいいんじゃないかという発想が一つあったのと、本当にサウジアラビアとしっかり文化的な交流も含めて交流しようとしたのかどうかも、ちょっと私ら残念だなと思っているんですよ。  何年か前に、インターネットで、産経新聞か何かに、橋本総理大臣が行っているんですね、向こうに。だけれども、それ以上の糸口がつかめなくて、結局は延長の話はもうできなかった。  それから、アブドラ皇太子が来たときも、小渕総理が会っているのですが、東京新聞によると、それも遠回しに延長をお願いした、こういうようなことで、刀一振り持って帰ってもらったという形なんですが、やはり国と国がつき合うのですから、文化的な交流であるとかサッカーの試合であるとか何であるとか、またはいろいろな交流の仕方があると思うのです。  そういう面では、今後、やはりサウジとの関係というのは、何たって世界一の産油国ですから、この辺、ちょっと不用意だなという感じが今回するのです。

小池百合子自由党経済企画政務次官

○小池政務次官 私の少ない経験で申し上げますと、アラブ社会も人と人との信義を大変重んじる国であります。一方で、これは日本の企業もそうですし、また、今政府にいてこういうことを言うのはなんですけれども、政府の閣僚なども、日本の場合は頻繁にかわるということがございます。そういった意味で、人と人との交流を深めていくという、先ほど申し上げました点ですが、やはりこれも長期にわたってそういった関係が構築できるような、そういうことも目指していかなければならないなと思っております。

中山義活民主党

○中山(義)分科員 最後にちょっと。  いろいろ新聞なりなんなり読んでいますと、向こうの人をじゅうたん商人、いわゆるじゅうたんを売る人で、百円のものを千円ぐらいに吹っかけていて、値切っていって、最後に、帰ると言うと、ちょっと待って、これは十円にするからとか、そんなふうに見ている人もいるんですね、現実に。  恐らく政府の人はそんなことは絶対あり得ないと思うのですけれども、現実に、相手の国を理解しないということはすごく怖いことだと思うので、今後こういう問題、経済の問題としては、経済の問題イコール文化交流だ、または、経済の問題というのは相手の国を知ることだと。つまり、グローバルに経済を判断する場合にはそういう視点が必要だな、こんなことを今回感じたわけですから、質問でも何でもありませんが、最後にそういう自分の考え方を述べまして、終わらせてもらいます。

太田豊秋自由民主党・自由国民会議

○太田主査 これにて中山義活君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして総理府所管中経済企画庁についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位の御協力により、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後二時三十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗