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147回国会衆議院2000/02/25

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
86
登壇者
12
会派数
4
開催日
2000/02/25

会議録

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  私が、本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。  本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。  平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算及び平成十二年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 平成十二年度の厚生省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、厚生省所管として十五兆五千五十四億円を計上するとともに、新体制移行後の厚生労働省所管等の予算として所要の予算額を計上しております。  以下、その主要施策について御説明申し上げます。  第一に、介護保険制度の円滑な実施のため万全を期するとともに、ゴールドプラン21の推進に全力を挙げてまいります。  第二に、昨年末に策定しました新エンゼルプランなどに基づき、保育サービスの充実など総合的な少子化対策の一層の推進に取り組むとともに、児童手当の拡充を図ることとしております。  第三に、障害者の自立と社会参加を促進するため、障害者プランを着実に推進するとともに、福祉サービスについて、利用者本位の社会福祉制度を実現するため、苦情解決制度の創設などの体制整備を行うこととしております。  第四に、生活習慣病対策を中心とした国民の健康づくりを総合的に進めるとともに、感染症対策や免疫・アレルギー対策の推進、臓器移植などの推進体制の強化、医療提供体制の充実を図ってまいります。  第五に、医療保険制度については、長年の懸案であります薬価差の縮小とあわせ、医療の質の向上などを図る観点から、薬価と診療報酬の改定を行うとともに、老人の一部負担について月額上限つきの定率一割負担制を導入するなど、抜本改革に向けた第一歩として今国会に所要の法案を提出いたしました。  第六に、年金制度については、現下の社会経済情勢を考慮し、平成十二年度の年金額を下げないための措置を講ずることとしております。  第七に、廃棄物処理対策については、廃棄物の減量化やリサイクルの推進を図るほか、ダイオキシン類の早期削減のためのごみ焼却施設の整備に対する財政支援の拡充、産業廃棄物処理施設の模範的整備事業に対する補助の創設などを行うこととしております。  以上のほか、痴呆などの疾患の遺伝子の解明による病気の治療法の確立などに努めるとともに、医薬品、食品等の安全対策、戦傷病者、戦没者遺族や中国残留邦人などに対する援護対策、原爆被爆者対策など諸施策を推進してまいります。  なお、委員各位のお手元に資料が配付されておりますが、一般会計及び特別会計予算の主要経費別概要につきましては、お許しを得て、説明を省略させていただきます。  今後とも、国民の健康と福祉の向上を図るため、厚生行政の推進に一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ、皆様のなお一層の御理解を賜りますようお願いを申し上げます。

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 この際、お諮りいたします。  厚生省所管関係予算の重点項目につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。     —————————————

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。

土肥隆一民主党

○土肥分科員 民主党の土肥隆一でございます。  きょうは、精神科医療と申しますか、精神衛生保健福祉と申しましょうか、精神を病んでいらっしゃる患者さんの実態を拝見して、質問をさせていただきたいと思います。  私は、一九九三年五月、例の大阪の精神病院、大和川病院をお訪ねいたしまして、それ以前からいろいろ聞いておりました余りにもひどい病院の患者さんに対する扱いに、言ってみれば、どういうことですかということで話し合いに行きました。院長がおりまして、院長室で和気あいあいと話をしたのでありますが、余りにもひどい実態を知って、同年六月二日に、厚生委員会において一時間にわたって質問いたしました。  余りもの患者の不当な扱い、金もうけ主義、そして、医療法上の定員なりあるいは職員の定数なりを大幅に割って経営されている実態について質問したわけでございます。厚生省は、しっかりやります、指導しますという話でございましたし、大阪府もそう言っておりましたけれども、結局、一昨年、北錦会という医療法人でありますけれども、三つ病院を持っておりましたが、全部廃止をしまして、そして大和川病院も廃止されたわけでございます。  その間、私は、この病院から威力業務妨害ということで大阪地検に告訴されまして、裁判の準備をしておりました。何も妨害していないのでありますけれども、そういうことがありまして、いつでも裁判は受けて立ちますよということを検察に申しておりましたが、病院の方が先につぶれてしまいまして、この告訴はさたやみになってしまったわけでございます。  私は、そのとき以来、日本の精神科医療について、非常な情けない実態というものを知るにつけて、何とかしなければいけないと。精神病の患者さん、大阪の患者さんに会いますと、大抵は一度は大和川病院を通過しておりまして、土肥先生、あの病院だけは入れないでちょうだいと言って訴えた人がいたものでございます。  日本の精神科医療というのはどうなっているかということを数字だけで申し上げますと、例えば、現在、精神科病床数が三十六万床ある。いつもこれは統計で出すのですが、国民一万人当たり二十七・五ベッドがあるということです。平均在院日数が四百七十日。そして、入院患者の三分の二が閉鎖病棟。十年以上入院継続が十万人。神戸大学の新福尚隆先生は、百万人の失われた時、こういうふうに言っております。十万掛ける十年で百万ということであります。ちなみに、アメリカは一万人当たり六・四ベッド、英国は十三・二ベッド、旧西ドイツの数字でございますけれども十六・五ベッド。何で日本の精神病院はこんなに多くの患者さんを収容しているのだろうか。そして、その余りにも過密な病棟の中で非常に劣悪な治療を受けておられる。ほとんど隔離する。  私は一つの本を紹介したいのでありますけれども、滝沢武久さんという方が書いた本で、「こころの病と家族のこころ」という本がここにございます。  彼は、神奈川で社会復帰医療センターでありますとか精神衛生相談センターだとか、長年お仕事してまいりました。実は十一歳年上のお兄さんが精神病院に入院しまして、亡くなられるわけでありますけれども、そういう経験も踏まえてこの相談センターの仕事をなさる。その後は全家連の事務局長もなさる。彼の本を読みますと、家族の立場から、親の立場から、切々とこの本を書いていらっしゃるのです。  あり得べき、あるいはあってほしい精神病院の理想像を掲げて、こう書いてあります。「開放的で明るい外来、入院病棟、活発な院内アクティビティ、少ない薬、選択の幅ある作業、レクリエーション療法を整備した街中の精神科医療、そして地域型ワークショップ、グループホーム、入院手続き偏重の特別立法ではない精神保健法、」ちょっと時代的に古うございますから少し変わっておりますけれども、「リハビリテーション法の整備、各種年金・手当、障害に合わせた各種税制の減免規定、一般総合病院等の緊急短期ベッド整備、夜間外来診療所(またはナイトホスピタル)、サテライトハウス(憩の家)などに市民、ボランティア参加のリハビリテーション活動や具体的な福祉制度などがあれば患者も家族も精神の病であることを恥ずかしがらず、むしろ積極的に社会参加適応訓練に進んで懸命な努力をするでしょうし、福祉制度を生かして使うと思われます。」このように書いていらっしゃるのですね。この滝沢さんが理想とされた社会状況と現実の精神科医療のギャップを強く感じるわけでございます。  まず私は大臣にお聞きしたいのですが、この三十六万床体制というのは、日本人だけ特別な精神病が発生するのでしょうか、それとも何か日本人は隔離しておかなければ精神病の治療はできないのでありましょうか。このような膨大な数字は世界的に見てもまれな事態でありますけれども、政府は、こういう三十六万床、人口一万人当たり二十七・五ベッドなどというこの体制をどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 精神病床数の国際比較につきましては、土肥委員の方から数字を挙げてお示しをいただきました。確かに、それぞれの国々によりまして医療制度が異なっておりますし、一概に比較することはできないわけでございますけれども、最近の傾向は、精神病床数は若干減少ぎみでございますけれども、全体的には、まだまだほかの先進国に比較いたしまして多い状況にあることは事実でございます。  その幾つかの理由でございますが、私どもなりに考え、分析いたしておりますことは、日本においては、集中的な入院医療を必ずしも必要としない精神障害者の方々についても精神病院が現実問題として処遇せざるを得ない、こういうような環境に置かれているのではないか。第二点として申し上げさせていただきますならば、入院患者とその家族が年々高齢化いたしておりますし、退院して実際に受け入れることが大変難しい患者がふえてきておる、これが第二番目であります。そして、そのほかといたしましては、入院医療を終えた精神障害者の社会復帰を援助するための施設については必ずしも十分ではないこと。私どもは障害者プランにおいて精力的に進めておるわけでございますが、その辺のところが、精神病床数が全体的に増床ぎみというところに起因しているのではないかと私なりに考えております。

土肥隆一民主党

○土肥委員 私に言わせれば、まず三十六万ベッドありき。三十六万ベッドつくってしまった、それを埋めなければいけないというふうに考えざるを得ないのであります。三十六万もベッドができて、それを廃止するとか、あるいは二分の一、三分の一にするというようなことは、病院業界にとっては極めて重大問題でありまして、大和川病院を一気につぶしたときに私はびっくりしました、ああいう荒療法でならばベッドが減らせるのだなと。  まず、三十六万あるから、それを埋めるわけです。これは鶏と卵の関係かもしれませんけれども、幸か不幸か三十六万つくってしまったのではないですか。そうしたら、そこを埋めなければならないということになりますと、当然これは入院中心主義になるわけでございます。  大臣、直接おっしゃいませんでしたけれども、診療報酬が安いからたくさん入れなければならない、つまり、スケールメリットみたいなもので病院は経営をしていかなければならない。診療報酬が安いがために数がふえているのではないかという理由づけもあるのですが、その点はどうですか。

近藤純五郎厚生省保険局長

○近藤政府参考人 診療報酬の関係でございますから、私の方からお答えさせていただきます。  診療報酬は、基本的には基本診療料、それから精神科なら精神科に特有の技術料ということで特掲診療料、こういうものがあるわけでございますが、基本診療料の中でも初診料とか再診料とか入院環境料、これはまさに一般病棟と一緒でございます。差がありますのは、入院時医学管理料というのが差があるわけでございますけれども、精神病院の場合には長期の入院というのが一般的でございまして、先生御指摘のような状態になってございます。そういうことも考慮いたしまして、一月未満では一般病棟よりは低い評価をいたしているわけでございますけれども、二月以降につきましては大体精神病棟の方を有利に扱う、こういう形になってございます。  また、看護料の関係でございますけれども、これも一般病棟と一緒でございます。ただ、看護婦さんの配置基準が低い場合が実際問題多いわけでございまして、結果として診療報酬が低くなっている、こういう状況になってきているわけでございます。  それから、特掲診療料といいますか特有の技術料につきましては、入院精神療法とか通院精神療法とかいろいろあるわけでございますけれども、こういうものにつきましては段階的に充実を図ってきているわけでございまして、特別に一般病棟に比べまして低いという評価は当たらないのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。

土肥隆一民主党

○土肥分科員 それでは、普通一般病院と余り変わらないということであるならば、例えばベッド数を大幅に削減して、そして、そのベッド数に応じた診療体制もできるんじゃないか。つまり、三十六万床を何とか縮小させる、そういうインセンティブを働かせるような政策をしなきゃならない。診療報酬上はそうではないということであるならば、経済的には、ベッドを減らしてもその規模に応じた経営ならばできるだろう、一般病院と同じようなことができるだろうというふうに思うわけでございます。  では、次に申しますけれども、いわゆる精神科特例というのがございまして、医師は四十八対一、看護者は六対一ですか、集中医療のときには十六対一で対応するとも聞いておりますけれども、つまり、精神病院だけは四十八対一などという特例を設けた。それはどういう意味なんでしょうか、お答えいただきたいと思います。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 精神科の特例につきましては、御指摘のように、一般病床より医師及び看護婦においてそれぞれ少ない数で基準が定められているということでございます。  これは、最初にこの制度をつくりました当時といたしましては、精神病床が大変不足をしていた時代に、その中で一定の入院医療を確保しなければならない、例えば在宅に監置しているような状態を解決しなくちゃならないというような要請がございまして、そういう低い基準でもってでも病床を確保し、適正な医療を確保しなくてはならない、こういう点が一点ございます。  そうは言いながら、今日に至りまして、果たして一般病床とそのような格差を有し続けていくことが今の時代にふさわしいのかどうかという指摘は、現実に受けているわけでございます。  私どもの公衆衛生審議会精神保健福祉部会におきましても、この一般病院との格差というものについては、できるだけ是正をする方向で今後検討を進めていく必要があるという御意見を賜っている次第でございます。  折しも、医療法の改正につきまして、先般、諮問、答申がなされたわけでありますが、その席におきましても、この精神保健福祉部会における意見を医療審議会にも御紹介を申し上げまして、今後、医療法の改正後のさまざまな施策の中で少しでもこの格差が是正できるようにということで私ども努力をしなければならない、このように考えております。

土肥隆一民主党

○土肥分科員 この三十六万体制を減らすためには、一般病院並みの診療報酬、そして一般病院並みの配置基準を適用しない限り、病院は減らない、ベッド数は減らない。今田部長、今三十六万体制というのはいいんですか、それは理想的な形態なんですか、どうなんですか、その数字全体についてお答えいただけませんか。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 いわば精神病床はどれぐらいがふさわしいかということの御指摘にもつながるのだと思いますけれども、平成七年に障害者プランをつくったわけでありますけれども、このときに社会復帰施設などの受け皿が整備されるとしたら、入院している精神障害者、その当時三十三万人でありますが、これからどのぐらいを想定できるだろうかということで想定をした値から申し上げますと、現時点において二万から三万人の人は社会復帰できる、このように認定をいたしております。そういたしましても、三十三万から三万を引いても三十万ということでありますので、なおかつその三十万が果たして多いのか少ないのかという御指摘かと思います。  私ども、精神病床数につきましては、米国などのように例えばナーシングホームのような整備がなされているところでは、ある意味で病院の中じゃないところで処遇を受けているということもあります。したがいまして、入院という形態として三十万があるいは三十三万が適当かどうかという点につきまして、私どもは、これでは必ずしも十分ではないという認識ではあります。  しかし、さりとて、そのまま地域にこれを持っていくためにはどういうものをつくらなければならないかという点について、十分な体制を整えておかなければならないという意味において、病床数の削減と社会復帰の推進というものをあわせて、今後、施策として取り組んでいく必要があるのではないか、このように思っております。

土肥隆一民主党

○土肥分科員 結局、精神病に対する日本国民の考え方というか、ひょっとすると文化と言ってもいいのかもしれませんけれども、精神病患者は自分の目の前からどこか遠いところへ行ってほしいというふうな感情が根づいてしまいまして、日本の近代国家の中で、精神病医療、精神病患者さんに対する認識というようなものが、やはりはっきりと国民の世論の中にあるいは意識の中に国がよき理解を深めてこなかった、むしろ精神科医療がそれを固定してしまった。つまり、病院は遠いところに、自分のコミュニティーの中から外に、そして、退院したいと思ってもなかなか引き取らないというような状況でございまして、いわば国家医療が、医療体制がこうした精神科、精神病に対する国民の意識を固定してしまったのじゃないかというふうに思うのであります。  きょうは分科会でございますから、また厚生委員会でも質問しようと思っておりますけれども、あらゆる手を尽くして、市民が身近なところで精神科の医者にかかり、身近なところで通院ができ、そして身近なところで特に任意入院なんかが自由にできるような体制をつくらない限り、患者さんやら家族にとってもなるべくコミュニティーの中にと思っても、それは支え切れない。ですから、よほど本腰を入れて、精神科医療の問題あるいは精神病の患者さんの置かれている状況に対してどんどん改革をしていかない限り、こうした恥ずかしい、国際的基準から見ても何で三十六万人も入院しているのですかということになるのであります。  例えば一般診療では二次医療圏というのがございますけれども、それには到底精神科救急も入らないし、精神科救急自体が入りましてもどこも手助けが受けられない、援助が受けられないということがあるのであります。  きょうは、最後の質問として、いわゆる二次医療圏ごとに設定するという精神科救急の普及程度、都道府県であとどれくらいこの精神科救急を置いていないのか、そして、この医療圏の中でどのように考慮しているのか、お答えいただきたいと思います。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 まず、御指摘のように、一般の病床につきましては、二次医療圏を単位に整備を考えるということでこれまでまいっておりました。精神病床におきましても、受診圏というものを考えれば、二次医療圏が最もふさわしいと私どもも思っておるわけでございます。  ただ、現実問題として、精神病床がそもそもその地域にないといった地域もたくさんございます。したがって、私ども、精神医療の分野では、特に救急の分野で、少なくともいざというときにある程度の圏域の中でこれが完結できるような仕組みをつくっていくべきではないかという観点から、今御質問のございました精神科救急システム事業において一定の圏域を定めて救急医療の充実を図ろう、こういうことで各県にお願いをしている次第であります。  現在、精神科救急医療圏の設定状況につきましては、三十七都道府県で百十八ブロックということになっております。十県が未設置となっております。  なお、十二年度の予算案におきましては、昨年成立をいたしました精神保健福祉法の改正によりまして、すべての県においてこの精神科救急システムのもとで移送制度等の対応をとっていただきたいということから、本年度は全都道府県にこれを拡充することで予算をお願いいたしております。したがいまして、この趣旨に沿って、関係いたします都道府県にもその整備方を強く指導してまいりたい、このように考えております。

土肥隆一民主党

○土肥分科員 質問を終わります。

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 これにて土肥隆一君の質疑は終了いたしました。  次に、池坊保子君。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 公明党の池坊保子でございます。  厚生大臣並びに政務次官には、たくさんの要望並びにお聞きしたいことがございますので、多少取りとめもなくなってしまうかもしれませんけれども、まず最初に、青少年薬物乱用防止啓発事業についてお伺いしたいと思います。  我が国における薬物乱用の現状は、昨年一年間で二トンを押収いたしました。これはどれだけの量かと申しますと、人間が薬物を飲みまして気持ちがいいと感じますのが〇・〇二グラム並びに〇・〇三グラムでございますから、何千万人の人間が気持ちがいいと思うような量でございますし、先日、一月にも二百五十キロの覚せい剤の押収がございました。  昨年は、総理府によって、全国五千人の児童たちを対象に覚せい剤に対する世論調査というのが出ております。今や、過去三年間に覚せい剤を見聞きしたことのある児童は約一〇%になっております。ということは、一割の子供がもう覚せい剤を何らかの形で知っているということになっておりまして、これは年代別に見ますと、十代後半は一八・七%、二十代一六・三%と大変高い比率になっております。  私は、文教委員会でもまた厚生委員会でも、事あるたびに早期防止ということを言ってきておりますけれども、この世論調査をごらんになってどのようにお感じになったか、まずお伺いしたいと存じます。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 委員が今御指摘になりましたように、近年、青少年の薬物乱用が大変ふえてきておりまして、薬物乱用に対する警戒感とか抵抗感が薄れてまいりまして、時にはファッション感覚でこういう薬物に近づいていく人たちがいるということを大変憂慮している状況でございます。  御指摘の総理府の調査におきまして、未成年者の二割近くが薬物乱用を身近で見たり聞いたりしているというデータも出ておりまして、大変驚いているというのが実態でございます。  厚生省といたしましても、次代を担う青少年が明るく生き生きとした生活を送ることができるような効果的な啓発活動というものにより一層力を入れて、薬物のない社会というものを築いていくことができるように努力をしてまいりたい、このように思っております。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 今の政務次官の御見解を伺った上で、私要望したいと存じます。  家庭と学校の連帯対策というのが私は大変大切ではないかというふうに思っております。補正予算をいただきまして、厚生省は、このような薬物乱用防止の小冊子を九百五十万部、中学、高校にお配りになりました。これは保護者用でございまして、保護者が持って帰りまして、子供と一緒に読んで、本当に薬物は怖いんだね、これは気をつけなければいけないよということで、私は、家庭の連携のためにも、母と子供の連携のためにも、また薬物の防止のためにも、大変よかったのではないかというふうに思っております。  ただ、残念ながら、新入生にはこれは配られておりません。私は、予算をつけていただいて、中学生百五十万人、高校生大体百五十万人だと思いますけれども、新入生にも配布できるような措置をとっていただきたいと思いますとともに、小学生にはまだこういうものがございません。今外国では、いろいろな教科を通じまして、イギリスなどですと幼稚園からこういう教育をいたしております。私は、やはり小学校からこういう教育が必要なのではないかと思っておりますので、文部省にも要求いたしまして、ビデオの作成並びにこういうパンフレットをぜひというふうに思っておりますが、それについてはどのようにお考えでございましょうか。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 委員の御指摘のとおりであろうと思っておりまして、青少年が薬物を乱用することの危険性というものをしっかり理解をしていただくためには、家庭における啓発にも力を入れていかなければいけない、このように思っております。  今後の取り組みにつきましては、啓発読本について、学校現場また保護者の意見を聞きながら、また文部省とも連携を深めながら、さらに充実を図れるように取り組んでまいりたい、このように思っております。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 ビデオの配布とこういう小冊子の配布とともに、「ダメ。ゼッタイ。」というキャラバンカーがございます、このキャラバンカーが大変有効でございまして、小学校なんかに参りますと、知らない間に好奇心をかき立てられながら、見終わった後でいかに薬物に汚染されることが恐ろしいかということをビデオ等を通して身にしみて感じるようなものでございまして、大臣も、政務次官はごらんになったかもしれませんけれども、ぜひ見ていただきたいと思っております。  これも私どもが言ってまいりまして、補正予算で二台増強することができまして、今全国で六台となりました。一億八千万という予算がついておりますけれども、これは六台分の運行費に当たるわけです。例えば、北海道と東北で一台、それから四国と近隣とで一台というふうになっておりまして、まだまだ私は足りないのではないかと思っております。この間、聞くところによりますと、北海道では一週間置きましたら、五千人の人たちがあの雪深い北海道で見学に来て、感心して帰ったということでございます。  海を隔てて行くと何かと不便でございますから、私はもうちょっと増強していただきたいと思いますので、これもあわせてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 薬物乱用防止キャラバンカーにつきましては、青少年が薬物乱用の危険性を理解するのに大変わかりやすいということで好評でございます。私も、地元で薬物乱用防止活動をやっていらっしゃるライオンズの皆さんと一緒に力を合わせてキャラバンカーに来ていただいて、青少年の人や保護者の方に見ていただいて、大変好評を博したという経験を持っております。  来年度から二台増車をいたしまして、全国六台の運行体制を確保したところでございますが、今後とも、学校現場や地域での利用状況を踏まえまして、増車の必要性について検討を進めてまいりたいと思います。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 大変うれしい御答弁をいただきましたが、私は、麻薬の防止は継続的に行わなければならない仕事だと思っております。補正予算がつきましたけれども、それで終わらせるのでなくて、私もずっと言い続けておりますのは、継続しなければ意味がないので、必ずや継続して事業を行っていただきたいというふうに思っております。  話は変わりまして、一時保育についてちょっとお伺いしたいと思います。  私の長女も今十カ月の子供を持っておりまして、たまに家に帰りますといつも話題になりますのは、子供を一歳からどこの保育園に預けようか、預ける保育園がないとか、いろいろな保育園に行ったりして探している、その保育園の実情を私は訴えられているわけでございます。  平成七年に、エンゼルプランができましたとき一時保育というのができました。娘なんかも喜んでおりましたけれども、これはいろいろな制約があってなかなか預けられない。そうしたら、九六年度からはその制約が緩和して、例えばリフレッシュするために、あるいは映画を見に行くために、友人と出会うためにも一時保育ができるようになった。これは画期的なことだと大変に喜んでおりまして、母親の私といたしましても、今児童虐待なども、私は厚生省が児童虐待の実態調査をしていらっしゃらないときから児童虐待について言い続けてまいりましたけれども、狭い部屋でいつも母と子が一緒にいる、子供が泣いて、それに対してどう対処していいかわからない、いらいらが高じて、いけないと知りながら児童を虐待してしまうことが実情としてございます。児童虐待の八割が実母であることにかんがみても、私は一時保育というのは大変いいことではないかと思っておりますけれども、現実を見ますと決して喜んでばかりはいられません。  要望が多いにもかかわらず、何と一割しかこの要望を満たしていないというのが現実でございます。保育園というのは全国で二万二千三百二十七あるにもかかわらず、一時保育をしているところが六百六十二施設しかないというのが現状でございます。これは国の予算をもらうと大変だから自分たちでやるというところも、この倍の一千二百二十六という施設があるわけですけれども、それを合わせましても大変に少ない数でございます。この一割しか要望を満たしていないという現実を、大臣並びに政務次官はどのようにお考えでございましょうか。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 今非常に家庭や地域の子育て機能が低下をしている、こういう状況の中で、母親の孤立化というものを防がなければいけない、地域の子育て支援というものを強化しなければいけないという意味で、もっと一時保育に力を入れなければいけないという委員の御指摘はもっともであろう、このように思っておりますし、同じ問題意識でこの一時保育について今後力を入れていく、こういう方向であるわけでございます。  今までなぜ進まなかったのかということでございますが、一つは補助の対象となる事業の要件が画一化していたためになかなか進められなかったとか、いろいろございます。  平成十年から補助要件の緩和を進めてきたところでございますが、平成十二年度予算案におきましても、五人以下の小規模な一時保育事業についても補助対象に加えるとか、また利用人数に応じて補助額がふえるような仕組みを導入するとか、こういうことをやりまして一時保育が充実できるように、進めやすくなるように今いろいろ考えているところで、ぜひそういう方向で推進をする、こういう方向でおります。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 今よりももっとたくさんそういう施設ができる方向だというふうに解釈してよろしいのかと存じます。  私は、一つには情報公開の徹底をしていただきたいと思うのです。保育園というのは今自由に入れるようになりましたけれども、どこにどんな保育園があってということはわかりかねております。保育園について情報公開を徹底すると四年前に厚生省は私の質問に対して答弁していただいたのですけれども、現実には全然これが徹底いたしておりません。  若いお母様方は、保育園がたくさんあるけれども、どこの保育園で一時保育をやっているかわからない。それから、それも保育園によって値段が違うのですね。そういうものを何で調べるかといいますと、例えば娘が住んでおります京都ですと、保育園連盟が出しております保育園ガイドというのがございます、そこに一時保育をするということは書いてございますが、料金までは書いていないのです。それから、こういうことがあるということを知らないお母様方もいらっしゃいますので、三カ月健診とか母子手帳を配付いたしますときに、そういうこともちょっと書いてくださることによって随分違うと思うのですね。  この情報公開の徹底というのを私はぜひ厚生省はやっていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 平成九年の児童福祉法の改正におきまして、一時保育を含みます保育所が行う事業に係る情報提供を市町村が行うように義務づける、こういう改正を既に行っているわけでございますが、まだまだ不十分ということでございますが、広報活動が非常に重要であるということは本当に御指摘のとおりだろう、このように思っております。  また、現在準備を進めております保育所情報の提供システムにおきましても、インターネットを活用いたしまして一時保育の実施状況というものを広く一般に広報できる、そういうように今準備を進めております。ことしの秋ごろまでには完備できるかと思っております。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 私が質問いたしましたのがちょうど児童福祉法一部改正のときでございまして、それ以後遅々として進まないのが現状ではないかと思いますので、ぜひこれを推し進めていただきたいと思います。  それから、四月から保育園というのは規制緩和になってまいります。預ける方にとりましては大変これはうれしいことである。いろいろなところで預けることができるからといって、若いお母様方は喜んでいらっしゃいます。私の娘などもそうでございますが。これは市場原理に任せていいのかな、質が落ちるのではないかと私なんかはちょっと心配しております。  考えてみますと、少子化対策の中で一番欠けているのは、親の立場で物を考えることはあるけれども、乳幼児の視点に立って考えるということが少ないのではないかというふうに私は思っております。  昔でしたら地域社会で、あるいは家庭の中でお年寄りがいらっしゃる、お年寄りの目で乳幼児を世話するということがございましたけれども、今はそうではなくて、若いお母様と子供だけの単位でございます。若いお母様というのは、世話をするのに一生懸命で、ゆとりを持って子供のことを考えるというのはなかなかございません。私は、このゆとり、本当にこの小さい子にとっていいのかなと思う、そういう視点を厚生省や国が持っていただかなければならないと思うのです。ですから、私は、国の方向性だけはしっかりとしていただきたいというふうに思っております。  保育園というのは、料金ももちろんまちまちでございますが、地方自治体によって本当に落差がございます。例えば東京ですと、品川は、子供を産むなら品川で産みなさいとおっしゃるぐらいに、公立の保育園も十時まで延長しております。江戸川に行きますとそうではなくて、乳幼児は家庭が育てるのが一番いいんだということで、ゼロ歳の保育はございませんし、また延長保育というのもございません。  これはどちらがいいかということではなくて、お母様方というのはそうやすやすと引っ越しをすることができませんので、いろいろな意味で国の保育園のあり方についての指導を規制緩和に伴って強化して、むしろきめ細やかにやっていただきたいと私は思います。  その辺については、どのようにこの四月からの規制緩和に伴って御指導等を考えていらっしゃるか、お伺いしたいと存じます。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 おっしゃるとおり、今回規制を撤廃いたしまして、設置主体は、社会福祉法人だけじゃなくて、企業であっても保育所の開設ができるようになったわけでございますが、あくまで施設や処遇の基準というのは認可保育所の基準と同じ基準をクリアしていなければ認可することができないということで、認可保育所の数がふえることによって待機児童を減らしていく、ゼロにしていく。  今まで、働くお母さんから見ると、認可保育所に入れられないものだから、どうしても劣悪なところでも無認可保育所に預けざるを得なかったというような状況も一部あったかと思いますが、こういう意味で認可保育所がきちっと充実できる方向で力を入れてまいりたい、このように思っております。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 それともう一つ、保育園と幼稚園の一元化というのはもう言われて久しい問題でございます。  言うまでもなく、保育園は厚生省であり、幼稚園は文部省でございますが、私は、保育園を見直す時期に来ているのではないかというふうに思っております。  保育園というのは、児童福祉法によりますと、第三十九条に、「保育所は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。 2保育所は、前項の規定にかかわらず、特に必要があるときは、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその他の児童を保育することができる。」  つまり、二十二年につくられましたとき、あるいはその十年ほどの間は、保育所というのは、やむない事情によって自分が保育することができない子供を預けましょうということでございました。ところが、現代はそうではなくて、多くのお母様方は働きたい、だから自分の保育を共有してくれる人が欲しいというふうに思っているわけでございます。ですから、この保育所の実情というのは、全く意識が変わらなければならないのではないかと思っております。  幼稚園は今少子化によって余っている、人員が足りないところがあるにもかかわらず、保育所では三万三千人の待機児があるという矛盾も抱えております。幼稚園は教育をする場だということでいろいろリズムをさせたりお遊戯をさせたりいたしますけれども、保育というのは遊ばせたり御飯を食べさせたらいいんじゃないかという意識がまだまだ根強くございます。  幼児学者によりますと、三歳までに人格形成並びに頭脳の働きというのは決まるというふうに言われておりますので、私は、保育所の果たすべき役割というのは本当に大きいのではないかというふうに考えております。  この辺をどのようにお進めになるか、ちょっと伺いたいと存じます。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 今まで、確かに幼稚園と保育所とはそれぞれ違ったような形でやっていた経緯がございます。  しかし、お互いに、相互乗り入れという言葉が適当かどうか、幼稚園も預かり保育というようなことをやるようにもなっておりますし、また中身におきましても、保育所の保育指針と幼稚園の教育要領というものを整合性を持たせながら、文部省と厚生省とが連携をとりながら、次の時代を担う子供たちの育成というものを図っていこうということで、おっしゃるとおり、新エンゼルプランの中で、厚生省といたしましても、従来の保育所の感じを、地域の子育て支援というようなところに非常に力点を置いた新エンゼルプランを作成しているところでございます。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 ぜひこれは、大臣、政務次官、御就任の間にもっともっと進めていただきたいというふうに、子供を持っている祖母といたしましては深くお願いしたいところでございます。  今おっしゃいました子育て支援総合センターについてなんですけれども、例えば私の住んでおります京都ですと、昨年十二月二十三日に、京都市子育て支援総合センターこどもみらい館というのが開かれました。約三百人のボランティアの人たちによって運営されておりまして、連日千人を超える、二カ月で五万人の人が入ったという、大変お母様方に喜ばれている施設でございます。  私は、これを見て二つのことを感じました。一つは、これからはやはりNPO、ボランティアの力をかりることなくして子育て支援というのはないのではないかと思っております。それから二つ目には、各地方自治体でいろいろないい催しをたくさんやっていらっしゃいますが、横の連携というのがなかなかとれていないのではないかと思います。  厚生省としては、情報収集をなさって、いい情報をいろいろ地方自治体に提供し推進する、そういうシステムがあったらいいなというふうに思っておりますので、この二点について御見解を伺いたいと存じます。

大野由利子公明党・改革クラブ厚生政務次官

○大野(由)政務次官 今回の新エンゼルプランの中でも、地域子育て支援センター事業、それからもう一つ、地域の子育てサークル、こういったところに力を入れていくというふうになっておりまして、お母さん方の育児不安とかそういうものに対する相談事業とか、また、お母さん方が子供と一緒になってやっていくようなサークル等への育成とか支援というものにも力を入れていく。また、今おっしゃったように、NPOと申しますか、公的な面だけじゃなくてお互いが助け合うというような、ボランティアで子育てをしていらっしゃる家庭を支えていくというようなことも非常に大事ではないか、このように思っております。  また、ベビーシッターなど地域の保育資源の情報の提供だとか家庭的保育を行うものへの支援だとか、また、こうした特別保育事業の積極的な実施とか普及促進の努力とか、こういったさまざまなことを推進してまいりたい、このように思っている状況でございます。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 ぜひそれを望みたいと思っております。  次に、児童手当の拡充について、ちょっとこれは要望もございます。  公明党が主張しておりまして、三党の合意によって、このたび三歳まででございました児童手当が六歳までに拡大されましたことは大変うれしく思っておりますけれども、他方で、ばらまきだなどという批判もございますことは、まだ国民の意識が、児童手当について各国との比較等が余りなされていないからではないかと私は思っております。  言うまでもなく、児童手当というのは、アメリカはございませんけれども、ドイツは十八歳未満まで、日本円にいたしますと一万五千円支給されております。それから、イギリス、スウェーデン等におきましては十六歳まで拡充されておりますにもかかわらず、日本というのは先進国でありながら一番低いレベルでございます。まず、そのことについてはどうお考えになるか、伺いたいと存じます。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 児童手当につきましては、委員も御指摘のように、特にマスコミの中でも児童手当ばらまき論というのがあることも事実でございます。  しかし、私ども、少子化対策の中で、働く女性の皆さん方が何を求めているか調査してみますと、先ほど来大変御熱心に御質問をいただきました保育の問題と並んで、経済的な負担を求めることが大変多いわけでございます。  そういうこともございまして、昨年、与党の政策責任者の間で、これまで三歳未満でございましたのを六歳まで、要するに就学前まで引き上げた経緯があるわけでございます。  それと同時に、公明党さんの御主張は、児童手当といっても、単に、財源の裏づけなしに、扶養控除の見直しの中において児童手当を行ったらどうかというようなことがございまして、いろいろないきさつはございましたけれども、扶養控除の見直し、十万円の部分でございますけれども、それをさらに縮小いたしまして新たにこのような措置をとらせていただいた次第でございます。  結論から申しますと、私は、今委員からも御指摘がありましたように、諸外国においては児童手当というものはほとんどの国においてなされておるわけでございますし、いろいろな御意見はありますけれども、扶養控除とは別な意味で、扶養控除というのは率直に申し上げて目に見えにくいものがあるわけでございますけれども、そういう意味において児童手当というものを拡充した今回の予算は、国民の大方の御理解をいただけるものと確信をいたしておるような次第であります。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 ぜひ、マスコミの意識が変わりますように、マスコミや国民の方々が正しく認識してくださるように、厚生省からもこの実情を御説明いただきたいというふうに私は思っております。  と申しますのは、九八年度文部省調査によります一人当たりの教育費総額というのが出ておりますが、幼稚園は年間で、公立で二十四万三千八百九十三円かかるのでございます。私立では四十九万六千四百五十一円。中学校では、公立で四十三万円、私立では百二十二万円かかっておりますし、高校では、公立五十一万円、私立百一万円かかっておりまして、授業料だけでこれだけかかっているのが現状でございます。  そして、その上に一つぐらいはおけいこをさせるとか塾に通わせるとか、いろいろなことがございますと、子供をたくさん欲しい、本当は三人ぐらい欲しいというのが調査によって出ておりますけれども、三〇%の方は教育費にお金がかかるから子供は一人でいいわということが一・三九になっているのだと思いますので、決してばらまきではなくて、二十一世紀にとってこれは大変大切だということを、厚生省が事あるたびにぜひ国民の方々に言っていただきたいというふうに願っております。  最後に、全く違う話で要望がございまして、これは包装紙の問題でございます。私は、きょうリサイクルのことをちょっと質問させていただこうと思ったのですけれども、時間がなくてもうやめますけれども、まずリサイクルの前にごみをつくらないということが大切なんだと思っております。  スーパーでは包装紙がございませんけれども、まだまだデパートに参りますと過剰包装ということで包んでくれる。でも、家に帰ったらそれを捨ててしまう。そのごみがたくさんになるという、本当に悪循環を抱えております。それで、これは通産省とも関係があって、包装会社との連携とかいうのもあるのではないかと思いますけれども、厚生省としてはぜひ包装紙をなくす運動というのをしていただきたいと思うのです。  スーパーなんかですと、今、袋を持って……

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 池坊君、予定の時間が終了しておりますので、結論をお急ぎいただくようにお願いいたします。

池坊保子公明党・改革クラブ

○池坊分科員 はい。  袋を持ってスーパーに行くというのがございますので、ぜひこれをしていただきたいとお願いして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 これにて池坊保子君の質疑は終了いたしました。  次に、安倍基雄君。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 私、分科会で質問するのは久しぶりでございますけれども、きょうは組合管掌保険、いわゆる組合健保で、方々の組合から、ともかく赤字だという話がしょっちゅう来るのですよ。運用水準も、いわば金利は低いし、しかも一番の重荷が老人医療への拠出です。私の理解によりますと、赤字の組合が大体八四%というぐあいに聞いておりますけれども、現在、組合健保の財政状況はどうなっておるのか、その辺の御説明をちょっと承りたいと思います。

近藤純五郎厚生省保険局長

○近藤政府参考人 先生御指摘のように、健康保険組合の財政状況等は、これは個々の組合によって大分差はございますけれども、全体としては非常に厳しい状況にございます。先ほど先生がお触れになりましたように、平成十一年度の予算の積み上げでございますけれども、八四・六%の組合が赤字になる、こういう見通しの予算を組んでいるわけでございます。一番最近の決算で見ますと、十年度でございますけれども、この場合には五三・八%の組合が赤字になりまして、その総額は千四百三十六億円、こういう状況でございます。  先ほど先生御指摘のように、高齢化によりまして医療費がふえてまいっております、それから非常に厳しい財政状況のもとで保険料収入が伸び悩んでいる、これが構造的な原因で、大変な厳しい財政状況になっている、こういうことでございます。     〔主査退席、山口(俊)主査代理着席〕

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 大臣、本当に、八五%に及ぶ数の組合健保が赤字というのは、これは大変な話ですね。一番の原因が、要するに老人保健の方へ拠出せざるを得ない。ところが、組合そのものはそんなに老人を抱えているわけはないのですよ。それが、それだけの拠出をしなければいかぬ。これは方々から非常な不満が出てきます。  こういったことをやっている国はほかにあるのかどうか、非常に疑問なんですよ。一般的に、若い者が年寄りを支えるということはわからぬではないけれども、全く老人を抱えていない組合が一定割合を老健の方へ拠出する、こういうシステムをとっている国がありますかどうか、ちょっとその点をお聞きしたいと思います。

大塚義治厚生省老人保健福祉局長

○大塚政府参考人 ただいまの老人拠出金制度でございますが、もう御案内のとおりでございますけれども、我が国の制度では、サラリーマンが退職をいたしますと国保に移る。国保の方のお年寄りの加入者の割合が高くなるということで、保険者間の不均衡を是正するために、すべての保険者でこれを分担するという老人拠出金制度をとっているわけでございます。いわば、その機能という意味では、一種の財政調整の機能を持っているわけでございます。  お尋ねの諸外国でございますけれども、我が国のような形で拠出金というような仕組みをとっているところは、制度上は私どもは承知をいたしておりません。  ただ、それぞれのお国柄で制度は違いますけれども、例えばドイツにおきましてもフランスにおきましても、高齢者は退職いたしましても従前の医療保険に加入するという仕組みをとりながら、一方で、被保険者の年齢でありますとか所得に応じて、財政の不均衡をならす財政調整という仕組みをとっておりますので、そういう意味では、機能の面では相通ずる仕組みをとっているというふうにも言えるわけでございます。制度の仕組みとしては、それぞれのお国柄でございます。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 そこのOBのために払うというのならまだわかるのですよね。つまり、そこでたくさんお金を積んでおって、それでもってそこを退職した、そのOBに払うのならまだわかるのだけれども、全く無関係に課せられてくるのですね、割合が。要するに、全国の平均レベルの老人の加入者数を基準として、しかも、そこの組合におるところの老人一人当たりの医療費がどのくらいか、その医療費にパーセンテージを掛けてしまう。だから本当に、全く自分と無関係な、つまり、自分たちの組合が大勢老人を持っているならまだわかるのだけれども、一般の全国レベルの平均値でもってばんと掛けられてくる。その組合が老人を持っていようと持ってなかろうと構わないわけですよ。しかも経費の方は、そこでの老人の費用の単価を掛けてくる。  だから、この合理性というか、若い者が老人を養うということはわかりますよ、全く無関係な割合でもってぱっと課せられてくる、これはどう考えてもおかしいのではないか。ほかの国にそんな制度があるのかどうか、それをどの程度検討されているのか、それをお聞きしたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 いわゆる高齢者の医療制度でございますが、医療改革の中で四本あるわけでございますけれども、最大の課題である、私はこのようにまず認識をいたしておるような次第でございます。  年々国民医療費がふえ続けておるわけでございまして、ことしは三十兆を超すと見られておるわけでございますが、その中においても、老人医療費の伸びは大変ふえ続けておるわけであります。私の記憶に間違いがなければ、国民医療費は三%ぐらいふえておるのですが、老人医療はその倍近くふえてきておる、こういうことも現実でございます。  そういう中で、私ども、これまでさまざまな議論をしてまいりましたけれども、いわゆる老人医療費の問題においては、連合であるとか日経連なんかが主張していらっしゃいます、今委員が御指摘になりましたいわゆる突き抜け方式、こういうような問題があるわけでございます。つまり、自分たちのOBの面倒を見る。その場合に、いわゆる自営業者の皆さん方をどういうふうにするのかという問題が残ってくるわけでございます。また、いわゆる独立制度という問題もあるわけでございます。つまり、高齢者の医療制度そのものを独立にしていく。その場合には、いわゆる国保の取り扱いなんかもどうなっていくのか。  こういうことで、さまざまな問題が複雑にかみ合ってきまして、率直に申し上げまして、これは要するに意見そのものがまだまだ集約されておらないわけでございまして、私どもは、二〇〇二年をめどにいたしましてこの高齢者の医療制度のあり方についてまとめていきたい、このように考えているわけでございます。その中で、最大の課題は、いわゆる世代間の連帯のもとに、委員が先ほどから御指摘になっております、いわゆる拠出金が七割ぐらいあるわけでございます、近くある。  それぞれの企業によって、若い人が多いところとかによって違うわけでございますが、社会保障そのものというのは、あくまでも社会的な連帯、世代間の連帯あるいは世代内の連帯、こういうものは欠かすことができないのだということもある面で御理解を賜りたいと思っております。  そして、私どもは、やはりこれからは所得のあるお年寄りの皆さん方にはそれ相応の御負担をお願いをしなければならない。つまり、お年寄りというものはいわゆる社会的弱者であり、そして……(安倍(基)分科員「簡単にしてください」と呼ぶ)もうやめます。一律的に経済的弱者だというような考え方のもとに、要するに御負担も現在は一回五百三十円、こういうことになっておるわけでございます。四回まででございまして、五回以上はただということであります。  こういうことを含めまして、今度の健保法改正では、上限つきでございますが、一割定率制等を出させていただいております。率直に申し上げましてなかなか難しい問題でございますけれども、国民の皆さん方の御理解を得ながら、高齢者の医療制度の問題にメスを入れていくのは我々にとりまして焦眉の急の問題だ、このように認識をいたしております。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 若い者が年寄りを養うという基本理念はいいのです。だけれども、この健康保険組合というのは、いわば本当に若い連中が一生懸命ためておるわけですよ。しかも、自分らがOBになってもらうのはいいのだけれども、ちょっとわけのわからない老人の比率でもってぽんと来ちゃうというのは、いかにも……。  私は、老人医療費の抑制は当然必要です、そのための改正をなさっていることはよくわかります。しかし、また逆に、老人を本来は養うべき人間も随分いるわけですよ。彼らに全部負担かけるのも気の毒でも、それを一般の人間にかぶせる。扶養義務のある人間はまた逆に遺産ももらうという親子の関係あるわけですから、そういうのをほっておいて、ほかの者、要するに若い連中にばんとかぶせるのだ、しかも一定の率で、八十何%の赤字を生むような健保にこれだけ課してくる。  医療費の抑制そのものは必要です。でも、課し方も、逆に連合あたりで言っているのは、若い連中の組合、一生懸命支出しますわな、保険料入れますわな、それがいつの間にか天引きされてぽんと持っていかれちゃう。これは私は、負担の公平というても、逆に日本が成長期ならいいですし、あるいは若い連中が大勢ならまだいいのですけれども、老人がますますふえていって養う連中が少ないというときに、この負担のさせ方が合理性があるのかどうか。  私は、ほかの国にこういった例があるのかどうか聞いたのですけれども、その点基本的によく考えていただかなくてはいけないと思います。  この点、いい知恵があるかどうかわかりませんけれども、健康保険組合の状況というのを聞けば聞くほどすごいので、まるで老人医療費のために今みんな赤字になりつつある。健康保険組合が八十何%赤字というのは異常なことですね。もう少しこの点を十分に認識されて、これからどういうぐあいに持っていくのか、基本的な検討をしていただきたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 委員御指摘の、健保組合の抱えております老人拠出金に伴います赤字の問題ということは、私も十分承知をいたしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、審議会の中で十分に一刻も早く御議論いただきまして、そして一つの考え方を集約をしていただきまして、また国会の場でいち早く御議論いただければ幸いだと思っております。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 では、次の問題に移りますけれども、私、ある友人から聞いたのですけれども、ある病院に入院する、そうすると、比較的最近、つい二、三年前から、ともかくちょっと長期入院するとすぐ、早く退院してくれ、早く退院してくれと言われると。  もちろん病院そのものが余りホテル式な格好になってはこれも困るのですけれども、どうも聞いてみますと、いわば各部の部長さんの最大関心事は、いかに長期入院を防ぐか。本当に長期的な治療を要する患者なんかの場合に、これはずっと置いておけないものだから、ほかのところへ連れていって、それでもってもとへ戻して新規入院のごとく扱う、そういうたらい回しさえも出てきている。  それが昔からかといったら、つい最近なんだと。つい最近保険の支払い方が変わってきたものですから、ともかく各部の部長さんの最大関心事が治療よりもむしろそこにある。だから、一週間ごとに各部のあれが集まると、おまえのところの平均滞在が長いじゃないか、入院が長いじゃないかとたたき合いみたいな話になって、例えば精神病とか特にある程度の長期入院が必要なものは別個になっているようでございますけれども、それが極端になっておる。私は、もう少しその辺が、病院長なり部長あたりが裁量をして、本当に長期入院が必要なものはちゃんと別に考えるというシステムがあってもしかるべきと思うのですが、何か機械的に一律になってしまう。  その辺の実情を聞いたもので、一体どうしてこういうことになっちゃったのだろうなということについての御説明を承りたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 それぞれの医療費制度のシステムが異なるわけでございますが、我が国の医療費増の一つの要因といたしまして、入院日数が長いのではないか。  平均をいたしますと、一九九六年で三十三・五日でございます。ドイツが十四・三日、フランス十一・二日、それからアメリカなどは、これはいわゆるDRGなんか等も導入しておりますけれども、七・八日ということで、非常に入院日数がほかの諸外国に比べて長いじゃないか、こういう御指摘があるわけでございます。その一方で、医療を必要とする老人の方々がたらい回しされているんじゃないか、こういうような御指摘があるわけでございます。  これはどういうことかと申しますと、診療報酬上のいわゆる逓減制があることなどから、その医療ニーズとはちょっと異なり、今先生から御指摘があったように、もっと必要なんじゃないかとおっしゃいながら早期退院させられるケースが現実問題として発生してきているということが言われております。  こういうような状況の中で、診療報酬におきます入院医療の評価につきましては、逓減制の緩和を、現在、平成十二年度の診療報酬改定に向けましては、中央社会保険医療協議会において御審議をいただいておるような次第でございます。その結果を踏まえまして、入院医療の必要な高齢者に対しまして適正な医療が確保されるようにこれから努力していきたい、こう考えております。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 日本の場合に、いわば病院をホテルがわりにするというような傾向がなきにしもあらずなので、そのために、そういったものを排除する意味で逓減制をつくったと思いますが、その運用が非常に非弾力的というか、もう少し病院長なり部長なりに裁量権を与えて、本当に治療の必要な者はちゃんと置くんだというぐあいにしないと、治療を要するのをわざわざしばらくうちへ帰してまたもとへ戻すとか、転院させてたらい回し、そういうことをせざるを得ないような状況へ追い込んでいるというのは、いわばしゃくし定規的なんじゃないか。ある意味からいうと、彼らにもう少し裁量権を与えてもいいんじゃないか。逓減制も、病院をホテルがわりに使っているようなところはどんどん排除してもいいんだけれども、どうもそのやり方がおかしいんじゃないか。  例えば、アメリカなんかの場合には、別に金持ち優遇じゃないですけれども、それはそれなりの保険に入っていて、必要なところはちゃんと長く置ける。非常に最低限のところはどんどんとかえるわけですけれども。ともかく、日本は全部が保険に入っているものですから、保険の逓減制をちょっといじくると、たちまちそういう現象が起こるわけです。  この辺、私はいろいろ実情を聞いてみると、まさに入院日数を減らすためにこういう逓減制をとる。それが現実には極端になってしまって、本当に医者が治療が必要と思う人間でさえも長い間おれない。長い間おらすためには、そういう手段を講じる。病院の部長あたりの最大関心事がそちらの方へ向かうのでは、これは本当の医療を受けられぬじゃないか、私はそう思いますが、その辺、もうちょっと考えていただきたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 委員御案内のように、この四月から介護保険制度がスタートするわけでございます。その中の一つの理由として、いわゆる社会的入院という、つまり一般病床に入院なさっていらっしゃる方々が長期に入院していらっしゃる。こういう方々は基本的には療養型の施設に入っていただこうじゃないか、こういうことが今度、ことしの四月から始まるわけでございます。さまざまな形で、真の意味で医療が必要な方が、いわゆるたらい回しであるとか病院から追い出されないような施策を今後とも努力をしていきたい、そういうような決意でございます。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 私も、この辺いろいろ聞いてみると、どうも十分現場を知らないと言ったら変ですけれども、もう少し現場を把握して行政をしてもらいたいと思います。  それから、ちょっと質問事項に入っていなかったのですけれども、介護保険ですけれども、私は、やはりこれは認定が非常に難しい。私は、この介護保険という名前はいいし、だれも反対しないのですけれども、この認定の仕方によっては、老人医療以上に大きな負担になりかねない。ですから、この運用はよほど注意してもらわなければいかぬなと思います。  この点について、介護保険、介護保険と言うのはいいんですけれども、認定で下手をすると、ルーズになったら、老人医療の騒ぎじゃない、それ以上に大きな問題になると私は思います。その点、ちょっと大臣の所感をお聞きしたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 この認定につきましては、もう委員御承知のことと存じますけれども、いわゆる第一次審査と第二次審査というのがございまして、第一次審査においては、八十五項目につきまして、調査員の方がいわゆる要介護者と見られる申請者の方々あるいは家族の方々からお話をお聞きした上で、八十五項目の中で、一つのコンピューター的、いわゆる機械的な判定を下させていただく。  しかし、機械だけではなかなか正確にいかない面もなきにしもあらずではないか、特にお年寄りなんかはその日その日によって状況が変わっていくじゃないか、こういうようなこともございまして、調査員の方々に、特記事項というような、特別このお年寄りの方はこういうような傾向がございますよ、実際問題としてはこういう結果が出ておりますけれどもこのような介護が必要ですよというようなことを付記していただくような問題、それから主治医の皆さん方の意見書というものがございます。  こういうものが第一次審査においてまず書類上提出されまして、そして、第二次審査におきましては、実施主体となります市町村を中心にいたしまして、いわゆる認定審査会というのがございます。その中で、その八十五項目に及ぶコンピューターを基準にいたしまして、最終的な結論を出させていただく、こういうことでございます。  さまざまな御意見があることは私も十分に承知をいたしておりますけれども、しかし、私もドイツを見てまいりまして、お話を聞きましたところ、この認定制度というものは概して精密にできておる、こういうふうに確信を持ったような次第でございます。  今後とも、いずれにいたしましても、この認定にかかわらず、よりよい介護を求めて、国民の皆さん方に理解を得られますように努力をしていく決意でございます。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 例えば精神障害があるわけですけれども、調査に行ったときは、いわば介護という面では余り手がかからないように見えるわけですよ。ところが、現実問題としては目が離せないということが随分あるわけですね。私は、そういった面から、例えば精神障害あたりの場合に、本当に介護という話で扱ってくれるのかどうかというような苦情も受けたことがありますが、これは実はあらかじめ大臣に出していなかった問いでございますけれども、これは担当者でもいいですけれども、こういった問題もあるよということを御指摘したいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 ドイツでは、痴呆は対象から外れているんですね、実は。日本だけでございますし、特に痴呆の方というのは、率直に申し上げて、非常にお元気なときと余り元気でないときと非常に波があるということもお聞きしております。そういう点も十分に考慮をしながら、いかにして正しく把握していくかということが今後の課題ではないか、このように考えているような次第であります。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 最後に、ちょっと話が戻るようですけれども、高額医療、これは今までは、社会で支えるんだということで来ていますけれども、高額医療についてはやはりもう少し本人負担あるいは家族負担ということがあってもいいんじゃないか。  こういうことを言いますと、マスコミは私をたたくでしょうし、なんて気の毒なことを言うという話もあるのですけれども、これは、相当の額になりますと、やはりほかのみんなに全部負担させるというのがいささか問題なんですよ。いわば経済成長期ならまだいいのですけれども、経済が非常に苦しくなってきているときに、高額医療といえども、かわいそうだということで一方的に考えるのはちょっと考え直す時期が来ているんじゃないかと思います。いかがでございますか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 今回の医療法の改正におきましては、与党の政策者会議の中でもいろいろな議論が出まして、どこに着目するかという話でございましたけれども、所得に着目をいたしまして、これまで同様に、一つは、ランクとしては上限が六万三千六百円、それからいわゆる標準報酬が五十六万円以上の方々に対しましては十二万一千八百円と新たなランクを設けさせていただきました。そして、これを超えたいわゆる医療費の部分につきましては一%、要するに一定の額を御負担をいただくということでありまして、高額医療の問題につきましても、国民の皆さん方にそれ相応の、余り過分にならないような御負担を今度の健保法の改正の中で入れさせていただいているところでございます。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 この問題は、老人医療費の抑制と連なり、また、いわば組合の赤字とも連なる。思想的に若い者に負担させるのはいいけれども、結局若い者そのものが本当に負担し切れなくなりつつある。組合健保の八十何%が赤字だ、しかもそれは老人拠出の分だというのは、もう少し我々は発想の転換をしなければいかぬじゃないかと私は思います。この点、今までは弱い者を助けなければいかぬという思想ですけれども、たくさん拠出をしながら後は面倒を見てもらえなくなるような連中がむしろ弱い人間なんですね、率直に言えば。  そういった者の声は余りないものだから、いや、老人はかわいそうだ、病気の人はかわいそうだばかりが先に立ちますけれども、全く関係のない人のために自分の資金をたくさん出して、最後には自分が面倒を見てもらえないという者こそが弱い人間なんですよ。この点、もう少し厚生行政もそちらの方にも着目をして運用していかなければいかぬのじゃないか、いかがでございますか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 これは率直に申し上げまして長い間の懸案でございまして、私どもこの問題を解決せずして、特に少子高齢化社会を迎えるわけでございますから、この医療改革は成就できない、こういう考え方に立っておるわけでございます。  特に、さまざまな御意見がございますけれども、これからの問題といたしまして、今先生が御指摘のような問題があるほか、いわゆる公的保険の中でどの水準まで保険において賄っていくのか、それから国民の皆さん方がどれだけ御負担に御理解をいただけるのか、私どもは、こういうさまざまな問題を総合的に国民の皆さん方の御理解をいただきながら進めていかなければならない、このように考えているような次第でございます。

安倍基雄自由党

○安倍(基)分科員 時間がございませんからこれで終わりますけれども、自由党は、できるだけそういったものが保険料という名前でどんどん負担がふえるのはやめましょう、むしろ税金という形にすれば目に見えるのじゃないかという議論をしています。それは一つの考え方だと思いますけれども、そういったことをこれからも一つの視点としてとらえていただきたいと思います。  質問を終わります。

山口俊一自由民主党

○山口(俊)主査代理 これにて安倍基雄君の質疑は終了いたしました。  次に、井上義久君。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 丹羽厚生大臣、大野総括政務次官には、日々の激闘、大変御苦労さまでございます。  私から二点、お尋ねしたいと思います。  一つは、厚生大臣は高次脳機能障害をよく御認識されていると思いますけれども、交通事故等で頭部外傷を受けた結果、脳の機能に損傷を来すとか、あるいは脳梗塞等の病気によって脳の機能に障害を来す、そういうことを高次脳機能障害、こういうふうに総称されているわけでございます。私も、こういう患者の皆さんあるいは家族の皆さんと接するようになりまして、いわゆる今の医療とか福祉のサービスのはざまに置かれているという悲惨な状況をずっと見てまいりまして、これは何とかしなければいけないなと。  例えば、見かけは普通の人なんですけれども、五分後には、会った人の名前も顔も忘れてしまう、あるいはどこかに出かけると、五分後には、どこを通ったか、どこへ行ったかも忘れてしまうということで、ほとんど日常生活ができない。二十四時間、家族の介護が必要であるとか、あるいは感情のコントロールができないとか、それから新しいことは覚えられないものですから仕事になかなかつけないとか、こういう人たちが、交通事故とか脳梗塞なんかでも、いわゆる医学の進歩によって生き長らえることができるようになってきた反面、こういった問題が非常にクローズアップされてきているわけでございます。  これらの問題というのは、医療福祉の問題にとどまらず、患者の社会復帰を目指す就労問題でありますとか、あるいは発症原因が交通事故の場合の賠償問題とか、非常に多岐にわたるわけですけれども、きょうは、医療福祉の関係に限定して、幾つかの問題点をお尋ねしたいと思います。  まず、大臣に、こういう脳外傷者とか高次脳機能障害者が現行の身体障害とか知的障害とか精神障害の枠組みになかなか当てはまらないというようなことで福祉や医療サービスの谷間に置かれている、こういう現状を大臣としてどのように御認識されているかをお伺いしたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 交通事故などによりまして脳を損傷いたし、その結果、記憶力がなくなったり、あるいは判断力が低下したり、さらに感情のコントロールができなくなる、こういう方々は、今委員が御指摘のように、見た目にはちょっとわかりにくいのだ、こういうことでございますけれども、このような方々は、その障害が社会生活に与える影響が大きいにもかかわらず、診断が非常に困難であるために、保健であるとか医療であるとかいうサービスがなかなか利用しにくかったり、必ずしも十分ではない、まさに医療と福祉の谷間に置かれている、こういう御指摘でございます。  私も、委員のその御指摘において、ほぼ同じような考え方に立つわけでございますけれども、平成八年度からその実態の把握と必要なサービスにつきましての調査研究を行っているところでございます。  いずれにいたしましても、医療や福祉の現場におきまして、実際の患者の方々あるいは大変御苦労をなさっていらっしゃる家族の方々のニーズを現状において果たして十分に果たしているかどうか、こういったような問題もございます。  いずれにいたしましても、大変大きな問題でございます。最近、ここに来て急にこの問題がクローズアップされてきていることも十分承知をいたしておりますので、この問題につきましては、どのような有効的な対策が立てられて、そして現にこういう方々に対しまして、御本人であるとか、あるいは御家族の方々に私どもが果たすべき役割というものはどういうものかということにつきまして十分に検討をしたい、このように考えているような次第でございます。     〔山口(俊)主査代理退席、主査着席〕

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 大臣も同じ認識に立っていただいているということですが、ただ、患者の置かれている状況、家族の置かれている状況は待ったなしでございますし、日々の生活があるわけでございますので、幾つか具体的な点につきまして、実は私は平成十年の九月に質問主意書を出させていただきまして、そのときにも幾つか御回答をいただいたのですけれども、その後の状況を踏まえて、何点か具体的なことを質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  一つは、高次脳機能障害の周知とか認知とかということがやはり非常に大事だと思うのですね。やはり社会的認知度を上げていくということが一番の喫緊の課題ではないか。  特に、医療関係者とか福祉行政担当者に障害の内容や基本的な対処方法等を十分に周知徹底することが必要であるということでガイドライン等の策定をしていく、こういうふうに伺っているのですけれども、具体的にどのように進めていくのか、この辺についてまずお伺いしたいと思います。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 今御指摘のいわゆる高次脳機能障害につきましては、脳の皮質の機能障害ということでございまして、医学用語として高次脳機能障害が必ずしも定着をしていないという点もございますが、それよりも、障害を受けている脳の部位、その部位によっていろいろな症状が出てくる。例えば、運動野のところであれば運動障害が出るし、記憶のところであれば今おっしゃったような記憶の障害が出る。そういうことで、症状が非常に多様であるということ。それから、その症状の発現が時期によってずれてきたりすることがある。こういったこともございまして、保健福祉行政に携わっている者に御指摘のように必ずしも十分に理解されていない、こういうことであろうかと思います。このことがまた翻って十分なサービスを受けにくい、そういうことを御家族なり患者さんがお思いになるということにつながっているのではないかと思います。  これに関しましては、行政相談窓口におきまして、これらの症状を示される疾患の種類でありますとかあるいは診断方法、利用できる福祉制度、それからその手続方法、さらには処遇方法というものを整理いたしまして、ガイドラインとして取りまとめられたところであります。  この三月六日に都道府県の障害保健福祉担当課長会議がございますので、このガイドラインをお示しし、説明し、周知徹底を図るように御指導申し上げたい、このように考えております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 それで、抜本的には、現行の身体障害、知的障害、精神障害という枠組み自体もそうですし、それから手帳制度とか認定基準とかを見直していかなければいけないというふうに思うのですけれども、これは大変時間もかかることだと思いますので、当面は、現実に困っている患者、家族の方がたくさんいらっしゃるわけで、現行制度の弾力的な運用を図っていくのが一番現実的な方法だろうと思うわけでございまして、ともかく早急に支援の手を差し伸べてもらいたいということで、現行制度の弾力的運用ということについて、当局のお考えをお伺いしたいと思います。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 今御指摘いただきましたように、高次脳機能障害というのがある面精神障害者的な部分としてあらわれる場合もあれば、身体障害者的にあらわれる部分、あるいは知的障害者的にあらわれる部分がございます。  それぞれの障害の内容によりまして、現在進められております身体障害者に係る福祉施策、知的障害者に係る福祉施策、精神障害者に係る福祉施策、それぞれの制度を活用いただけるという仕組みにはなっているわけでございます。  ところが、先ほど御指摘もありましたように、高次脳機能障害がなかなか認知されにくい、把握しにくい、こういった特徴があることから、施設のサービスの利用が必要にもかかわらず実態として利用されにくい、こういった場合がある、このように承知をいたしている次第であります。  これらの問題につきましては、もちろん関係者が家族あるいは患者に対しまして適切な生活支援をしていく必要があるわけでありますが、そのためにはこの障害の実態というものを十分に把握し、あるいは地域にある通所授産施設あるいはグループホームなどの運用に工夫をする必要があるだろう。  現に、知的障害の施設には知的障害しか入れないとか、あるいは精神障害の施設には精神障害者しか入れないんだということではなくて、その状況に応じて受け入れをいただける、そういうことを進める必要がある。さらには、その障害の種別を超えてそれぞれの既存の施設が相互に利用できるといった、いわば弾力的な運用によって、もちろん限られたサービスの量の現状かもしれませんが、それでも、なおかつ地域にある施設をできるだけ使っていただいて、当面のいろいろな御苦労の軽減に少しでもつながればということで、そういった形での施策を進めていく必要がある、このように考えております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 それで、平成十年九月の質問主意書でも、やはり効果的な支援体制をつくるためには、脳外傷、高次脳機能障害の実態と患者、家族のニーズを的確に把握することが不可欠ではないか、実態調査をやるべきではないか、こういう御指摘をしたのですけれども、その後どうなっていますでしょうか。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 実態の把握につきましては、平成八年に厚生科学研究の補助金によりまして、若年痴呆に関する研究ということで、例えば脳外傷によるいわゆる高次脳機能障害者がおよそ二千七百名程度いるのではないかといった点でありますとか、あるいはその方々の精神症状、問題行動、それからADL、日常生活動作能力、こういった点について調査をいたしましたとともに、必要な支援でありますとかシステムなどについて調査をさせていただきました。  さらに、記憶障害とか集中力の低下など生活支援ニーズ、その生活支援ニーズについての適切な評価指標といったものについてまだ研究の必要性があるということから、平成十一年から若年期痴呆の処遇と評価法の開発に関する研究ということで実施しておりまして、より正確な実態把握に今後とも努めていきたいと考えております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 今のようなお話があったのですけれども、いわゆる若年痴呆に関する調査ということで、これはいわゆる老人性痴呆が大きな社会問題になった際の副次的な研究として行われているわけでございまして、それはそれで一定の研究成果があったと思いますし、前進があったと思いますけれども、やはりもう一段新たなステージとして、いわゆる高次脳機能障害そのものに着目した研究に着手する必要があるのではないかというふうに思います。  それから、若年者が特に脳外傷者なんかの場合多いわけで、そうすると回復の可能性が極めて高いということもあって、リハビリテーションなんかのアプローチも、これも従来のやり方の延長線上で研究が行われておるわけで、この高次脳機能障害そのものに着目してリハビリテーションということについても研究を進める必要があるのじゃないか。それをもう一つ踏み込んで考えてもらいたいと思うのですけれども。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 先ほど厚生科学研究費での研究内容を若干御紹介申し上げましたけれども、外傷に伴います高次脳機能障害に焦点を当てた研究といたしまして、平成十年度から、いわゆる脳科学研究の一環、脳科学研究という一つのカテゴリーがございますが、その研究の一環といたしまして、その病態の解明でありますとか治療法の開発を目的といたします慢性期の中枢神経系外傷に関する研究というものに取り組んでいるさなかでございます。  御指摘のそういったリハビリテーションの必要性等も含めて、この研究結果に基づき、あるいは、先ほどちょっと触れましたけれども、若年期痴呆の処遇と評価方法の開発に関する研究、これらの研究成果に基づきまして、生活支援の方法、それから専門施設のあり方、こういった点について研究を進めてまいりたいと考えております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 それから、現在各地で患者、家族の会が結成されて、皆さんいろいろ交流をしながら、またこの苦しみを分かち合いながら前向きに取り組んでいらっしゃる方、たくさんいらっしゃるわけでございますけれども、そういう患者、家族の会のほとんどが医療機関とかリハビリテーションの施設を核にしているわけです。  そうすると、こういう高次脳機能障害に理解のある医療機関とかリハビリテーション施設のないところの皆さんが非常に苦労されているのですね。患者の皆さんから、脳外傷とか高次脳機能障害に対応する医療機関、リハビリテーション体制が自分の地域にないんですということで、そういう家族の会もなかなかできない。私は、高次脳機能障害に対応する医療機関、リハビリテーション施設の潜在的なニーズは非常に大きいんじゃないかということで、医療、リハビリの体制の拡充を図っていくべきではないかというふうに思うんですけれども、それはどうでしょうか。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 高次脳機能障害の分野というのが、ある意味ではその技法の開発においてまだまだ研究の余地があるということで、脳科学研究の一環として研究も進めているわけでありますが、具体的にそういったサービスを非常に熱心にやっていただいている施設そのものもそんなに多くはない。そういうふうな中で、どういう地域体制をつくればいいのかという点につきましては、先ほど申し上げました、一つは脳科学に係る研究でありますとかあるいは評価法に関する研究等を踏まえまして、その地域にどういうものを用意すればどういう仕組みができるのかといった点についての研究成果を期待しているわけでございますので、その点を踏まえて今後の施策の中で生かしていきたい、このように思っております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 それから、これも質問主意書で取り上げたんですけれども、そういうリハビリなんかを実際にやっているところに対する助成というものをぜひ実現していただきたいということで、質問主意書の回答では、検討する、こういうふうにお答えいただいたんですけれども、これは、医療、リハビリ関係者のいわゆるボランティア活動でほとんど支えられているんですね。やはり行政としてこれに対して適切な支援を講ずるべきだ、いつまでもボランティアに頼っているべきではない、こういうふうに私は思うんですけれども、その辺は、助成ということについてどうでしょうか。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 リハビリテーション施設にどういう設備が要るのかといった点につきましては先ほどの研究にまたなければならない部分もあるわけですが、一般的なリハビリテーションという点からいいますと、昭和五十年度から医学的リハビリテーションを行う公的医療機関に対しまして補助制度を設けているわけでございます。  ところが、御指摘にもありますように、高次脳機能障害というものに着目をして専門的に取り組んでいる施設というのは非常に少ないわけであります。そういうこともございまして、治療法でありますとかあるいはリハビリテーションの手法の開発といった点について、その研究成果を活用しながら、どういう施設がいいのか、そこの基本を今後構築していく必要があるだろう。幸いに、私ども、所沢に国立身体障害者リハビリテーションセンターを持っております。そこでも高次脳機能障害の評価訓練室という施設を設けておりまして、ここでも治療、研究をしてデータを出そう、このようにしております。  いずれにいたしましても、そういった積み上げた実績というものを参考にし、あるいはそういったものに基づいたリハビリテーション施設のあり方というものをしっかり構築して、今後の整備計画なりの対応の素材として検討していきたい、このように思っております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 現実に数少ない。体制をつくってもらわなきゃいけないんだけれども、今現実にはほとんどがボランティアで支えられているという現状を御認識だと思うんですけれども、そこはやはりバックアップしなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども。

今田寛睦厚生大臣官房障害保健福祉部長

○今田政府参考人 済みません、ちょっと後段につきましてお答えできなかったわけでありますが。  それで、現在、脳外傷でありますとか高次脳機能障害を有する方々に対しましては、いろいろな方々がボランティア活動で支援いただいている、大変有意義なことだと思っております。このようなボランティア活動に少しでも援助する必要があるのではないかという御指摘でありますが、保健所でありますとか精神保健福祉センターなどでは、例えば精神障害者家族会の育成あるいは断酒会の育成、いずれにしても、そういうボランティア活動に対して積極的に育成をしていく立場にある施設が現にあるわけでございます。確かにそこの人たちが果たして十分に高次脳機能障害というものを理解しているかという点については、もちろん今から十分な普及啓発が要るんですが、そういうところからいろいろと情報あるいはニーズといったものを把握して、その支援策についてどう取り組めばいいかという点を今後の課題として私どもも取り組ませていただきたい、このように思います。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 大臣、今いろいろ幾つかの具体的な点をお伺いいたしましたけれども、患者、家族の皆さんにとっては行政の支援ということが極めて、自分たちだけが大変な思いをしているというところに温かい手を差し伸べるということが、やはり気持ちの上でも非常に大事なことだと思いますので、それらの皆さんに対するメッセージも含めて、大臣の御決意を改めてもう一回ちょっとお伺いできればと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 言うまでもないことでございますが、私どもはさらに、二〇〇〇年を迎えまして、障害のある方も障害のない方もお互いに助け合いそして補い合って地域でともに生活をしていく、こういうような社会を実現しなければならないわけでございます。そのためにも、ただいま来委員が御指摘をいただいております高次脳機能障害を含めまして、障害のある方々やその家族の立場に立って心の通った施策を行うことが重要であることは十分に認識をいたしているような次第でございます。  この高次脳機能障害につきましては、先ほど来御議論をいただいておるわけでございますけれども、大変さまざまな難しい克服しなければならない問題が現にございますけれども、私どもは、先ほど申し上げましたように、その実態やニーズなどについて研究調査をまだ行っているところでございます。その研究の結果も十分に踏まえながら、課題といたしましては、いわゆる高次脳機能障害におきます治療やリハビリのあり方であるとか、それから地域保健の取り組み活動の中における保健指導のあり方、さらに生活支援という形の福祉の面の指導、いずれにいたしましても、保健、医療、福祉、こういった三つの分野におきますサービスが総合的に提供されるように施策の推進に努めていかなければならないと思います。  お話をお聞きいたしておりますと、私どもも全面的に御支援できるという点においては御支援をしなければならない、それと同時に、やはり身近な地方自治体の皆さん方の役割も大変大きいものではないかな、このように考えているような次第でございます。いずれにいたしましても、井上委員の御質問を契機にいたしまして、この問題にさらに真摯に前向きに取り組んでいく決意を新たにしているものでございます。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 よろしくお願いしたいと思います。  それともう一点、今国会で予防接種法の改正案がこれから審議されることになると思いますけれども、私がやはり平成十年の十月に予防接種健康被害者の救済について質問主意書をお出しいたしまして御回答いただいているんですけれども、それにつきまして二点だけちょっと確認したいと思います。  一つは、今回の改正では、申請手続が煩雑になる等々で健康被害者の方々の希望に反する可能性もあるというような理由で、現行の介護加算を介護手当として法文に明示した上で独立給付するという患者の皆さんの要望があったんですけれども、これが見送られたわけでございます。予防接種問題小委員会報告書では、「介護加算の方式を基本とした上で、具体的な充実を図ることが重要である。」こういう指摘があるんですけれども、健康被害者及び家族の方々の大変な負担や家族の高齢化による家庭介護力の低下などを考えますと、相応の支援が必要だというふうに思うわけでございます。  具体的には、今国会での法案審査の後、政省令で対応されることになると思うんですけれども、この予防接種健康被害者への支援に対する、特に介護加算の充実ということに対する大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 予防接種の問題でございます。これは、委員御指摘のようなさまざまな経緯があるわけでございます。そういう中でございますけれども、極めてまれでございますが健康被害の問題が発生いたしまして、こういった救済措置の問題も予防接種の大変重要な問題である、このように考えているような次第でございます。  それで、今委員から御指摘の、被害者の方々に対しますいわゆる介護手当の問題でございます。これにつきましては、被害者団体の方々からは、当初は、御意見といたしまして、介護手当を法定化してほしい、こういうような要望がなされました経緯が確かにございました。しかし、その後、介護手当を法定給付化することによってかえって申請の手続が煩雑になるのではないか、こういうような問題の指摘もございまして、最終的には、現行の介護加算の方式を基本とした上で具体的な充実を図る、こういうような御意見をいただきまして、本年の一月にまとめられました公衆衛生審議会の意見書の中においてそのような趣旨が組み込まれたような経緯がございます。  介護負担に伴います介護手当の額の設定につきましては、平成六年の予防接種法の改正の後に、介護加算制度を創設しまして給付の大幅な充実を図っておるわけでございますが、今後、予防接種健康被害者実態調査の結果や被害者団体の御意見、介護給付を制度化しているほかのさまざまな立法例がございますけれども、そういった点を含めまして、いずれにいたしましても、こうした切実な問題に対しまして真剣に取り組んでいきたい、このように考えているような次第でございます。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 予防接種禍、この被害者の皆さんというのは、いわゆる公共目的のために国家が行った施策の無過失の被害者という位置づけになるわけでございまして、やはり国としてこれらの皆さんに対する十分な支援というものをやっていかなければ、これは国家の施策のある意味で犠牲になったということでございますから、ぜひ十分な支援体制を組んでいただきたいと思います。特に介護加算という意味では、十分な介護加算の額の上積みを要望しておきたいと思います。  それと、もう一つは、私の関係者の方もやはりお子さんがそういう人を抱えていらっしゃるんですけれども、要するに、介護者が高齢化しているということで、いわゆる家庭内介護力というのが非常に低下しているわけです。これはいろいろなほかの問題もそうなんですけれども、特に、家庭内でなかなか介護する人がいなくなるという現状があるわけでございまして、介護サービスとか施設入所については、やはりこれから十分な体制をとっていかなければならないのじゃないか。  先ほども大臣から指摘があったように、平成十一年に予防接種健康被害者実態調査が行われておりまして、これに基づいて、介護サービス、施設入所等についてやはり的確な支援が望まれるというふうに思いますが、この辺についての基本的な考え方をちょっとお伺いしておきたいと思います。

篠崎英夫厚生省保健医療局長

○篠崎政府参考人 今先生御指摘のように、いろいろな被害者の団体の方々の御意見ですとか、あるいは実態調査の結果などを踏まえまして、予防接種リサーチセンターというのがございますが、そこが全国に相談員を配置いたしておりますが、そういう相談員を活用するなどいたしまして、健康被害者の方々が適切な介護サービスを受けられるような支援を初めとして、それぞれの方々に即した介護サービス提供体制について具体的に検討してまいりたいと考えております。

井上義久公明党・改革クラブ

○井上(義)分科員 以上です。どうもありがとうございました。

自見庄三郎自由民主党

○自見主査 これにて井上義久君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る二十八日月曜日午前十時より開会し、厚生省及び労働省所管についての審査を行うことといたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時五分散会

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