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147回国会衆議院2000/04/24

予算委員会 第15号

発言数
361
登壇者
29
会派数
8
開催日
2000/04/24

会議録

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これより会議を開きます。  この際、去る七日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。  まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事町村信孝君及び理事西田猛君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に       伊藤 公介君 及び 木島日出夫君 を指名いたします。      ————◇—————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  基本的質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀井静香君。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 総理、本当に御苦労さまでございます。  総理は、小渕前総理が国家国民のため本当に全身全霊を込めて頑張られた、その結果病に倒れられた、その後を受けての総理御就任でございます。総理は、小渕前総理とは人間的にも政治的にも長い間の盟友関係であられた、このように承知をいたしております。それだけに、総理の感慨は大変なものがおありだろう、このように思うわけでありますが、まずもって総理の御決意をお伺いしたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 まさに図らずもでございまして、こういう立場になりました。待ったなしの案件も多いときでもございますので、誠心誠意、前総理がやり遂げ得なかったこと、またこれからやりたいと思われたこと、幸い、党で幹事長という立場でございましたし、一生懸命お支えをしてまいりました。私は自分で勝手に、総理がピッチャーなら私はキャッチャーだな、しっかり球を受けて返さなきゃいかぬな、そして同時にまた、それが総理の次に投げる球が元気が出るように、そういうつもりで捕手役をこなしておりましただけに、大変責任も重いと思っております。  そう先々のことまで今頭になかなか考えられませんで、毎日毎日をどう一つ一つこなしていくか、そして小渕さんならどうされたんだろうかな、小渕総理はどういう思いでおられたんだろうかな、そういうことを思いながら、一生懸命、毎日毎日、丹念に丹念に、一つ一つ案件を処理しているというのが私の心境でございますので、どうぞかわって党の立場で引き続きお支えをいただければと思う次第であります。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 今、総理御自身も申されましたように、当面は、小渕さんが必死になって遂げようとされたこと、景気回復を含めて、これを全力でおやりいただきたいと思います。そうしたことがなし遂げられました後は、ぜひ総理御みずから、長い間温めておられました、日本をどうしていくか、そうしたことについて、思い切った大改革をおやりになるもとで、ぜひひとつ実現をしていただきたいと私は思います。  日本の歴史でも、明治維新また敗戦後と大きな改革をやったわけでありますけれども、二十一世紀を日本のものにするためには、私はそれ以上の大改革が政治、行政、経済あるいは社会、生活、教育、あらゆる分野にわたって必要なのではないかな、私はこのように思っています。  問題は、総理、そういうことをなし遂げられる場合に、こんなことを言っちゃしかられますが、どうでもいいような学者とか経済人を集めて審議会なるものをつくられて、牛のよだれのように長々長々とされることは、私はおやめになった方がいいと思う。総理みずからが先頭に立って、イニシアチブをとっていかなければならぬ。こうした優秀な大臣もいらっしゃる。また、与党三党にはそれぞれ政策マシンもあります。また、野党の意見も謙虚に、率直にお取り入れになればいいと私は思います。  そういう姿勢でぜひひとつお取り組みをいただきたい、このように私は思いますが、どうでございますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 昔といいますか、私どもが国会に当選をさせていただいたころ、まだ我が国にはやはりイデオロギー的な対立というのが非常に強かったと思います。ですから、安全保障にしましても、教育にいたしましても、あるいは防衛、外交面にいたしましても、本当の議論というのはなかなかできない面もあったと思います。  そういう意味では、今日ではそうしたイデオロギーの闘いというのはむしろ大きく超越をした、そういう時代に入ってきていると思いますから、亀井さんおっしゃいますように、野党の皆さんにもやはり立派な御意見がたくさんあるわけでありますから、それをしっかり受けとめていくということも、政治を進める上において、あるいは行政を進める上において大変大事なことだと思っております。  しかし、政府はやはりできる限り各範囲にわたる多くの方々の御意見を政府として聞くこともまた大事でありますし、党は党としていろいろな御意見、与党は与党としてもいろいろな御意見を立ててくださることも大事でありまして、専門家の御意見をいただくということもとても大事なことだと思いますし、今、少なくとも小渕前総理が御信頼をされて依頼されました委員の皆さんは、みんなそれぞれ立派な見識をお持ちの方々ばかりである、私はそう理解をいたして、御信頼を申し上げております。ただ、おっしゃるように、余り長く時間をかけるというのはいかがなものかなというふうに思います。  例えば教育国民会議などは、私が臨時教育審議会を受け持った当時やりました教育改革は、約三年をめどにということでありました。今の教育国民会議は、ほぼ一年で大体の結論を出してくれ、お考えを示してください、こういうふうになっているところが全く違うのかな。いわゆる小渕手法は、そういう考え方とはまた違った考え方で政府のそれぞれの御意見を求めているということではないでしょうか。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 総理の御決意の並々ならぬことを感じさせていただきました。  総理は、もうこれは天命だと思いますけれども、この二十世紀を総括して、そうして二十一世紀の扉をみずから開かれる、そういうお立場であろうかと私は思います。  私は、二十世紀という世紀は、人類にとって大変なプラスとマイナスと両方あった、このように思うわけでありますが、大変な科学技術の発展、文明が大変に進展をしたという時代でもありますが、一方では、革命と戦乱の世紀でもあったということであろうと思います。  ヨーロッパに生まれました資本主義、これが産業革命等を経て、科学技術の発展をてこにして大きく発展をいたしましたが、ただ、資本主義の制度といいますか、その中身の中に、やはり弱肉強食のそうした論理といいますか、そういうものがあることは否定できないわけであります。  それをみずからきっちりと克服をしていけないうちに、弱者の強者に対する反乱、この武器として、マルクスが御承知のように生まれたと思いますが、しかし、これは資本主義国家を突き崩すということではなくて、むしろ後進地域における封建制を打破していくという、そうした方向に、レーニンあるいはトロツキズム、毛沢東思想という形で変化をしていき、そうしてそれが世界じゅうを駆けずり回っていき、多くの革命がいろいろなところで起きた。  結果として、生まれました社会主義体制というのが結局国民の幸せにならないということが決定的に証明をされる。しかし、それまでの間、大変な犠牲を人類は払った、私はこのように思います。  また、資本主義国が、これが帝国主義的な発展をそれぞれ遂げていく。そういうことの中で、結局は、国と国との経済的利益の飽くなき追求というのは最終的には戦争で決着をするという形にならざるを得なかった、これが第一次世界大戦あるいは第二次世界大戦という形になっていったと私は思うわけであります。  そうして、その後は、新しく生まれた社会主義体制と資本主義体制との、これの冷戦構造の中でのいろいろな小競り合いが起きて、ベトナム戦争あるいは朝鮮戦争含めてそういう状況があったということであると思いますが、幸い、そうしたイデオロギーの対立ということが終えんを迎えつつあるわけでありますが、一方では、民族あるいは宗教の対立が、そうした、後の世界の攪乱要因になって悲劇をもたらしておるのが今の状況であると私は思います。  翻って、我が国の場合、我が国の文化を考えました場合、自分だけが一人で利益を徹底的に追求をしていくということは余り肯定的に評価をされない、そうした文化といいますか、風土があるのではないか。自分だけじゃなくて、みんなで助け合って、みんなで幸せになっていこう、そういう思想が、私は、東洋思想、我が国の文化には色濃くあるのではないかと思います。ただ、これが妙な形になりますと、社会の停滞につながっていくという危険性もはらんでおるわけでありますが、一方、社会の安定ということに深くこういう文化が寄与していることも私は間違いないことであろうと思います。  宗教をとってみましても、西欧世界の場合は極めて排他的なマターが非常に目立つわけでございまして、そういうようなことで、今でも中東等を含めてそういう悲惨な状況はいろいろ続いておるわけでありますが、我が国の場合は、どっちかといいますと、いいかげんと言ったらおかしいのですけれども、おおようといいますか、かつて一向一揆だとか比叡山の荒法師だとか、少々荒っぽいこともあったわけでありますが、時間がたつに従って、時代がたつに従ってだんだんとこれは落ちついてくる、そういう状況が日本の場合はあると思います。  そういう意味で、私は、二十世紀を総括し、二十一世紀に進むに当たっては、東西の文化の融合の中に、新しい文明を二十一世紀は世界じゅうが協力してつくり出すんだということが人類の未来にとって大事なのではないかな、このように思うわけであります。  沖縄サミット、まず、沖縄・九州サミット、これが私はその第一歩であるべきではなかろうか、このように思うわけでありますけれども、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 大変格調の高い亀井議員のお話を承っておりまして、どの部分からお答え申し上げていいかわかりませんが、基本的には亀井議員と同じ考え方を私は持つものです。また、あなたと私は同年代でもありますから、同じような一つの価値観というものを持っているんだろう、そう思います。  亀井議員も御指導を受けられましたし、私も長い間御指導をいただきました、亡くなられた福田元総理は、この百年を振り返って、栄光と悔恨の百年だなということをよくおっしゃっていましたね。  つまり、前半の五十年というのは、今御指摘があったように、人類はいろいろな形で戦いを挑む、それが大きな戦争に広がっていったということ、しかし、後半の五十年というのは、そういう戦いの中から科学技術がどんどん進展をして経済が豊かになっていく。その科学技術が発展をして大量殺りく兵器になっていくわけですが、結果的には、その大量殺りく兵器は使ってはならぬ、そういう世界的な人類のやはり合意ができてくる。  そのことが、軍縮へ、核軍縮へと入っていったわけですから、大変大きな五十年の、むだなことに費やしてきた面もあるけれども、科学技術というのはそういう意味に、平和を維持していこうということになる、お互いに人が人をあやめていくという時代ではないという結論を導き出したと思いますし、科学技術は、逆に言えばまた、経済を繁栄させて、そして多くの人々の生活を楽しいものにしていく、快適なものにしていく、そういう面も生んだんだろうと思います。  したがって、亀井議員のおっしゃいますように、基本的には、この自由主義、そして民主主義、資本主義というものは、やはり人間が得たとうとい一つの哲学といいましょうか、仕組みだろうと思いますから、このことをこれからより大事にして、そしてどうこれを維持発展させていくかということが、政治家の我々にとって最も大事な務めということになるのではないかなというふうに思います。  そこで、新しい時代がいろいろな形で押し寄せてくる。実は、一昨日から宮崎県で、SPF、太平洋フォーラムの諸島の首脳とお話し合いをしてまいりましたが、我々日本よりもっともっと、今日のグローバル化であるとかIT革命ということに対しては、やはり大変真剣な、ある種の警戒心、しかしこれは避けては通れないんだろうとみずから皆さんがわかっていますが、それぞれの島、それぞれの地域にとっては、長い間の文化や伝統を持っていらっしゃるんですね。生活風土を持っていらっしゃる。それがインターネットなどですべてが凌駕されていくことにはもう耐えられない、そういう皆さんのお気持ちも非常に強い。そのことは私も十分理解をしたわけであります。  同様に、やはり我が国も、長い、昔から大事に大事にしてきた伝統文化や生活のそういう仕組みがあるわけでありますから、そのことがグローバルスタンダードということによって、すべてがその中に埋没されてはやはりいけない。日本人の生活を大事に守っていくこと、生活様式を大事にしていくこと、固有の文化や固有の、それぞれが大事に信頼をしている宗教というものは、やはりこれは大事に守っていく、そのことをしっかりガードしてあげるということもまた政治の大事な役割、務めではないかなというふうに思いました。  長くなりましたけれども、亀井議員の考え方と私は同じサイドに立つものだというふうに理解をしていただければと思います。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 私が日ごろから尊敬を申し上げておる総理の、そういう歴史観といいますか、価値観といいますか、今そういうものを改めてお聞かせをいただきまして、信頼感をさらに深めておるところでございます。  引き続いて、当面の我が国の対応すべき課題等についてお尋ねをしたいと思っております。  総理、今、経済は、小渕さんを初め、また総理も必死の努力をされておりますので、六合目から七合目に全体としては登りかけたかなという感じであろうと思いますけれども、まだまだ大変な状況、中小企業、零細企業については大変な状況が引き続いておるわけであります。さらにもうちょっと目を広く開いてみますと、北海道から沖縄まで、今、日本はようやく春から、場合によっては初夏へと移ろうとしておるわけでありますが、依然として、いてつくような光景がやはり展開をされておるのではないかな、このように思います。  親子が殺し合いをする、夫婦が殺し合いをする、最近は、もう金のためなら何でもありというような、そういう病理現象とも言っていいような状況が、御承知のように蔓延をしておるわけでありますし、また、残念ながら、商店街がシャッター街になってきておるというような状況もあります。そうした、スーパー自体までがその町から逃げ出すというような事態も御承知のように起きておるわけであります。  また、中堅サラリーマン等は、いつ肩たたきが始まるのかなという、あこがれた会社に入ってそういう恐怖感とも闘っている。また経営者は、極めて私は残念なことだと思うわけでありますが、マスコミがあおっているんだと私は思いますけれども、リストラのそうした風の中で、黒字部分だけ残して、経営努力を必要とするような、チャレンジを必要とするような部分は切ってしまう。従業員の首切りをどんどんやる、下請の整理をどんどんやってしまうという、これが風潮のような状況になっております。  また、労働組合というと、組合員の生活を守る、あるいは働く者の生活を守る、そういうことはどこかそっちのけにしちゃって、反自民だとか非自民だとか、政治道楽に狂いまくっているという極めて残念な状況があると私は思います。  また、元気がないですよね。日本人全体が元気がない。最近はお巡りさんまで元気がない。警察官まで元気がない。私は、国家にとってゆゆしき事態であろうと、今元気があるのは、総理、金融監督庁の検査官と公取の職員じゃないかと思うのですね。百メートル競走なのか一万メートル競走なのかマラソンなのか、それがわからずに、とにかくやみくもに競走、競走、走るのにもうくたびれ果ててしまっていますね。  こうした状況が本当に蔓延をしている今の日本、もうこのままの状況でどんな財政出動をやって経済対策をやったって、これはコンピューターやロボットが社会を構成しておるわけじゃございませんから、結局どぶに捨てる結果になってしまうんじゃないかとすら私は憂えておるわけでございまして、そういう面でどうしたらいいか。  私は、ここで冷静にならないかぬと思うのです。本当に我々が自信を失わなければならないような日本国なのかどうかということですね。  六百四十五兆の国、地方の借金があって、今にも国がつぶれるみたいなことを言い立てる方がいらっしゃいますけれども、これも大変なことは大変、これはちゃんと将来的には解消せないけません。しかし、それの倍以上の勤勉な国民の貯蓄があるということですね。また外貨準備高も、これはもう世界一ですよね。何の困ることもないわけであります。また、振り返ってみると、あの戦いに負けた廃墟の中から不死鳥のごとくよみがえって、勝ったアメリカをしのぐ世界一の経済大国に、この十年前にはなったという日本であります。  これは何もアメリカやヨーロッパの生活の仕方、商売の仕方、会社経営の仕方をまねてやったわけじゃありません。我々自身の文化、伝統の中で、我々自身のやり方で世界一の成功をなし遂げたということは、自信を持ってしかるべきだろうと私は思います。  そうした日本が、今後それではどうしていくかということでありますけれども、これについては、やはり自信を本当の意味で回復していく。そして、日本のよさをどうしたらさらに伸ばしていけるのか。そのためには、アメリカを含めて西洋の文明あるいは東洋、これをどん欲に我々が吸収をしていく。しかし、その前提は、日本のよさを我々が伸ばしていくという視点がなければならない。また、日本を守るという前提に立ちながら、外国と徹底的な協調をしていく、私は、その点を見失ってはならない、このように思うわけでございます。  一言、簡単で結構でございますから、総理の御意見をお伺いいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今、議員からお話がございましたように、すべての価値観が今大きくやはり変化をしてきているのだと思います。その価値観の基準というのは、やはり国際化の波というのは先ほども申し上げたようにありますし、それから最近では、情報化、科学技術というものがどんどん進展してきたこと、それから日本に限っていえば、やはり高齢化がどの国よりも進んでいるということ、同時にまた少子化も襲ってきている、我が国の大きな現象なんですね。  そういう中で、国民の皆さんが、やはりみんな、不安、不満、あるいは、ある意味では政治に対する不信も持ってきているということも間違いのない状況だろうと私は思います。  これをどうやって解決をしていくかというのは大変難しいことだと思いますけれども、それはやはり、各党そして皆さんの御意見をいろいろ承りながら、政治が、そのことによって国民がやはり元気を出して、そして先ほど言いましたように自由であってそして資本主義を大きく成長させていく、その中に秩序を正しく求めていく。基本的にはどなたもが自由に参加ができて、そして機会はきちっとできるだけ平等に与えていく、結果はお互いに競争していく社会だろう、そういうふうに思っています。  逆に言えば、結果としてうまく進まなかった場合には、どういうような形でそれをガードしてあげられるのかということも、やはり政治が持つ一つの側面だろうと思っています。  象徴的に言えるのは、亀井政調会長も大変今苦心をしておられるのは、やはり大きなこの国際化の波の中で、そして規制を緩和していくという社会の中で、地味にその地域地域、社会の中でしっかりと守っておられる商店街の皆さん、地域社会を形成しておられるその主役になっておられたような方々、そういう皆さんのお立場をどういうふうにしてしっかり守って、大資本、大企業が押し寄せてくる波にどのように同じような機会の均等を与えてあげるのかということが、やはり象徴的な私は日本の姿だろうな、そういうふうに思っております。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 今の景気につきましては、先ほど申し上げましたけれども、私、六合目か七合目かなと。必死の努力をやったからここまで来たわけでありまして、よく、百兆円の財政出動をしながらこの程度かなんてことを言う野党の方がいらっしゃいますが、では、こういう必死の努力をしなかった場合どうなっているかということを私は翻って考えてみるべきだろう、このように思います。  若干光が見えてきたというところで、一部、もうそろそろ財政再建に取りかかったらどうだ、そのタイムテーブルの提示を今しないのは無責任だというようなまことに無責任な言説が今相当飛び交いつつあると私は思います。財政再建の声を今いろいろな形で上げていく、タイムテーブルをやっていくことが、これが景気回復にプラスになっていき、その後の財政再建にプラスになっていけば私はそれもいいと思うわけでありますが、私は、百害あって一利なしだと思います。  かつて四年前に、御承知のように景気が緩やかな回復過程に入ったという甘い判断をして、思い切った財政再建に取りかかったために大変な事態になりました。今ここで、来年から財政再建に取りかかるんだぞというようなことを言い出した途端に、これは悪夢を思い出すわけでありまして、消費とかあるいは設備投資が冷え込んでいくという危険性があるわけです。  何も今そんなことを言う必要はありません。景気を回復し、経済を安定成長路線に乗せるということが先決の問題であって、それなくして財政再建なんていうのは、子供が考えたってできるはずはありません。アメリカにいたしましても、九年間かかって経済成長を安定的に続ける中であの膨大な赤字を解消したということは、これは経済の原則でありまして、それを外れるわけには私はまいらない、このように思います。  そういう意味で、ぜひ総理、小渕前総理が言われました二兎を追う者は一兎を得ず、一兎を一生懸命に追うんだというこの思想を、簡単で結構でございますから、御同意でございましたら明確にお話しをいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど冒頭の御質問のときに申し上げましたように、小渕前総理が進めてこられた景気回復、そして経済の新生、この基本的な考え方を党の立場で私は支えてまいりました。こういう事態の中で小渕前総理の後を受けたわけですから、私のやるべき仕事は、小渕前総理が進めてこられたその考え方をこれからもさらに積極的に進めていくという考え方で私はおります。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 明快なお答えをいただきまして、ありがとうございました。  今後この景気回復を軌道に乗せていくために、何点かについて私はお尋ねをしたいと思います。  一つは、予算編成までは、景気回復のためにこういう措置が必要だとかいろいろ熱心な議論がなされます、編成までは。ところが、編成が終わった途端に、もうそうした予算についての関心は政治家も何か失ったような状況になってまいりますが、私はやはりこれは間違いだと思うのですね。適切な執行なくして、どんないい予算だってこれは意味がないわけであります。  そういう意味では、大蔵省を中心に努力はしてくれていると思いますけれども、今、胸突き八丁の状況ですね。これについて、予算をある場合には前倒しし、あるいは五千億の予備費を適時適切に本予算を補完するものとしてこれをきっちりと使っていくという、予算の執行について、私は厳しい態度が必要であろうと思います。  と申しますのは、景気回復の状況を見ましても、日本列島は長うございます、都会も田舎もあります、非常にまだら模様になっておるわけであります。だから、公共事業の執行にいたしましても、景気の悪いところにやはり重点的にこれを充当していくとか、そうした執行に当たる手の工夫というのが、今後景気回復に向かっての一つの大きな決め手ではないだろうか、私はこのように思うわけでございます。  これにつきまして、恐れ多くも大先輩の大蔵大臣に、一言御見解をお伺いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 総理がお答えになられます前に、まず私から申し上げます。  確かに、今言われましたように景気はかなりしっかりした回復過程に入りつつあると思いますが、仰せのように、製造業の大企業は比較的恵まれておりますけれども、一般的に申せば、ITなどを除きましたいわゆる非製造、サービス業はまだまだでございますし、中小企業はなおまだまだでございます。一番国民の数の多いのは中小の非製造でございますから、そこへなかなかまだ景気が移っておりません。地方的にもまだらがございます。  そして、何よりも、十—十二月期に設備投資が出てきたのはうれしいことですが、雇用と家計は非常に悪かった。これだけの経済の片っ方での部分的な立ち直りが家計にちゃんと結ぶかどうか、雇用に結ぶかというところが、まさにこれから極めて大切なところでございますから、亀井議員のおっしゃいますように、今一番注意をして経済を運営しなければならないところであります。  したがいまして、経済の動きいかんによりましては、ただいまおっしゃいましたようなもろもろの項目は早く発動する必要があるかもしれない。常に機動的に見てまいりたい。総理のお答えになります前に申し上げます。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 それから、現在、こんな財政出動をし、あるいは持ち株会社あるいは会社の分割、思い切った規制緩和をどんどんやっていますね。マスコミはやっていないと言うのが多いですが、そんなことありませんよ、もうやれるものはどんどんやっている。にもかかわらず、なぜまだ六合目か七合目で四苦八苦しているかという原因はいろいろあると思いますが、その一つは、やはり金融機関が蛇口を閉めちゃっているという状況が私は間違いなくあると思います。したがいまして、財政出動いたしましても、これの乗数効果、波及効果が非常に限られてくる。民需がそれに伴ってぐんぐん出てくるという状況がなかなか生まれにくい状況に今なっておると私は思います。  金融システムの安定化、健全化、当然やらなければならぬことであります。当然のことでありますが、この間三党で金融機関の代表者の方をお呼びいたしまして、意見交換もし、我々からの御要望も申し上げましたけれども、一つは、金融監督庁いらっしゃいますが、金融機関に対する検査、これは外国で資金を調達していく国際競争力が強いことが求められる都市銀行と、いわば無尽から出発をして中小零細企業と血肉の関係、場合によったら家族の関係のようなことの中でずっとやってきちゃっている中小零細金融機関を同じ物差しで検査をしていくということは、どうしても私は合点がいかない。先日、大臣が委員会で、いや当たり前だという何か御答弁をされたように新聞紙上で私は見ておるわけでありますが、これは間違いではないかと思います。  それと、検査の中で、いろいろなことをおやりなんでしょうが、今不良貸し付けなんというのは、よっぽど度胸のある経営者でないとやるはずがない。不良貸し付けの検査も大事だけれども、貸し付けるべきところに金を貸していない、そんなことについて、それはおかしいという形での検査があってしかるべきじゃないかと私は思うのですが、このことについて、銀行の監督検査の中身として、私はこういうことを問題意識として持ってもらいたいと思います。  一言ずつ。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○谷垣国務大臣 先日も、与党三党でいろいろ金融機関と御議論をしていただいたわけでございますが、検査のあり方、特に金融検査マニュアルというのをつくりましたけれども、その検査のあり方がみんな一律であっていいのかどうかという亀井先生の問題意識でございます。  私は、大きな意味では、金融機関が健全であるべき基準というのは大きくても小さくても同じだと思いますが、あの金融検査マニュアルの中にも、ちょっと今正確な用語は忘れましたけれども、検査に当たって一律に硬直的であるべきではないということが書いてございます。その硬直的ではないということがどういうことかということについては、これはよくまた議論をしておかなければいけない、こういうふうに思っております。  それから、今、いわゆる貸し渋りとか蛇口を閉めていることに関しましても亀井先生からいろいろございました。  先日、この国会にも全銀協の代表に来ていただきまして、資本注入にかかわる大手十五行の健全化計画の中で、昨年の三月からことしの三月まで三兆円貸し付けをふやすという目標がございますので、それの中間報告といいますか暫定値の報告がございました。私どもとしても、その数字をこれから精査しまして、その意味をよく検討してまた御報告をしなければならない、こう思っております。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 聡明な谷垣大臣であります。私なんかの脳みそとは全然違うわけでありますから、ひとつ全知全能を傾けて金融システムの安定化、本当の意味の健全化に努めていただきたい、私はこのようにお願いを申し上げます。  先ほどから申しておりますように、今あらゆる経済構造改革を積極的に政府としてはこれに着手をし、また財政支援等もやっておるにもかかわらず、なかなかよくならないもう一つの原因というのは、私は、やはりエンドユーザーが生まれてきていないということであるのではないか。経済構造改革といいましても規制緩和といいましても、これは手段でありまして、最終のエンドユーザーがたくましく、ぐっと生まれてこない限りは、結局はバブルになってしまうのですね、光通信なんか一つのその例でありますけれども。  やはりそういう意味においては、我々が、ただ単に当面の需要であれば何でもというのではいかぬと私思うのです。それに国が金をつぎ込む、あるいは民間経済がそれを中心に舞い上がっておるような状況は、私は長期的に見ればいいことではない、これはまさにバブルであります。要は、国家目標、我々が物心ともに美しい日本をつくっていく、そのために必要ないろいろな事業、これがどう今からたくましく生まれてくるか、これが私は勝負だと思うわけであります。  そういう意味では、有効需要であれば何でもいいというわけにはまいらない、このように私は思うわけであります。では今のままでいいかというと、そうはいかない。それには我々の生活意識なりあるいは生活構造そのものを大胆にやはり変えていく、そういうことがなければ、そうした未来につながった、我々の生活を物心ともに豊かに美しくしていくという、国自体をそうしていくということにつながっていかない、このように私は思うわけであります。  そういう観点から、一、二私のつたない頭の中から、ちょっと提案したいと思うわけでありますが、一つは生前贈与の問題であります。  現在、六十万に限定をされておりますが、これなんかを五百万あるいは一千万程度にもっと緩やかな形で贈与できる方向に私は変えることができないだろうか。もう自分がやったような苦労は余りさせたくないという思いもあって、一生懸命働きつめて働いて、貯金をあるいは資産をつくられた方が、やはり自分が目の黒いうちに、自分の愛する子供に対して自分の手でそれを渡してやりたいという気持ち、私はこれは大事な感情であると思います。そういうことをやることによって、私は、千三百兆の、眠っているとは言いませんけれども、そうした国民の金融資産というのが内需として出てくる。しかも、出てくるだけじゃなくて、親子の関係を含めて、そういうものに対してソフトな形で大変な貢献が起きてくると思います。  また、何も子供だけじゃなくて、社会福祉施設だとか、あるいはNPO、あるいは芸術文化活動、いろいろな分野に対しての指定寄附という形で、税金をかけないで、そういうところに一生涯かかってためた財産を渡していくというようなことを私はもっと奨励をすべきではないだろうか、このように思うわけでありますが、これについて、総理、御感想で結構です。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 よく千三百兆、こう言われるわけですけれども、そうした預貯金というのは、細分化、よく見てみる必要がありますが、かなり高齢な方ほどたくさん預貯金を持っていらっしゃる、そういう数字も出てきているわけであります。要は、お金、資金というのは、眠っていてもこれは活用されないし、富を生まないものでありますから、できるだけこれをどう生かしていくかということを考えれば、従来のそうした需要のみならず、新しいそういう資金がどういうふうに流れていくか、どういうふうなものに変わっていくかということのお考えは、今亀井議員がおっしゃったとおり、いろいろとお考えをいただくことが私は大事なことだなというふうに思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 これは、確かに伝統的に考えられてまいりました相続税、贈与税の体系というものを、いろいろやってはきておりますけれども、大胆には再転換していないという現状であると思います。  かつては、親が死ぬときに自分の財産を世代交代していくという、それだけでございましたけれども、命が長くなりましたし、親子が別に生活しているということがございますから、それだけではなかなか社会の実態に合わなくなってまいりましたが、今亀井議員のおっしゃいますのは、さらにこういう一種の不況のときに、そういうことも反映して何か考えるべきではないかという御提言。  ただいままでに考えられておりますことは、先ほど申し上げましたが、年間に六十万円の贈与ができるということでございます。そうしますと、これは子供が三人いれば百八十万円毎年贈与できるということですが、毎年百八十万円ずつ贈与できる親というのは、これはかなり実は資産家であろうという反対が、反対といいますか議論がありまして、その辺が限度ではないかということを言われてきた。  ただ、相続税は、おっしゃいますように前回も改正をいたしませんで、やがて大改正をしなきゃならないということで、この問題なんかもそのときには確かに一遍取り上げられると思いますが、ただ、それまで全く待つかどうかということになります。  例えば、親が自分の土地の中に子供に家を建てさせるという場合は、相続はしませんでも、ある意味でノミナルな賃貸料を取ればいい、ノミナルでいい。相続のときに上物と一緒に相続が行われるということをやっていらっしゃる方が多いですが、そういう便法はいろいろありながら、六十万円という限度が現実に適当なのか。いろいろもう少し考慮の余地はないのかということは、私は、専門家でも十分に御議論のあるところだろうと思います。  政府・与党にも税の専門家はたくさんおられますし、政府税調にもおられますので、相続税の抜本改正ということはそれとしまして、今のような現状の中で考えられないかという御提言は、十分私は検討してみたいと思います。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 総理、大蔵大臣から非常に心強い御答弁をいただきましたので、党におきましても検討いたしたいと思いますが、政府におかれまして、よろしくお取り上げのほどを、今のうちからお願いをいたしておきたいと思います。  それから、これは桜井新代議士が長い間提唱をしてまいりまして、自由民主党もこれを取り上げ、一部現在実施をいたしておるわけでありますが、いわゆる田園住宅構想という構想、これと大型のバカンスを結びつけた政策を展開してはどうかな、このように考えるわけであります。  東京都内に土地つきの住宅を持つといったって、夢ではありますけれどもなかなか難しい。そういうような状況の中で、緑深い田舎に、何も高級住宅じゃなくてもセカンドハウスを持つ。もう田舎には、これも残念な話でありますが、農家の空き家が非常に目立っておる日本でもあります。これをリフォームしてセカンドハウスにしていく。  私の知り合いの大林というジャーナリスト、これを現にやって非常に楽しいと言っていますね。別荘じゃないんですね。それで地域の方々との交わり、お祭りとかそんなものを一緒になってやると言うんですね。新しい人生が開けたみたいなことを私に言っておられましたけれども、こういうことをもっと積極的に展開をしていく。  そのためには、やはり休暇。日本のサラリーマンといいますか、みんな働きバチと言われておりますが、最近では働かぬでいかに国や市町村から金がもらえるかということを考える不届き者がたくさんふえておりますけれども、しかし、大方は私は勤勉だと思うんですね。働きに働いちゃっている。  それをもうちょっと今から、そういう御生活にめり張りをつけるという意味で、夏休み、春休み、冬休みがあるんですから、このあたりを、例えば交代でサラリーマンの場合は仕事を休んでいく、あるいは田舎の方であれば、仕事が暇なとき家族でどこかに出かけていくというような、そういうことの中で、もう生まれ故郷から長い間離れて、自分の子供がお父ちゃん、お母ちゃんのふるさとも余りよく知らない、そこに友達もいない、そんなことじゃなくて、一週間なり二週間、あるいはもっと長くてもいいわけでありますが、その地域社会の中に溶け込んで一年のうち何日間か送る。これは私は、青少年教育という面においても無形の効果もあろうかと思うわけでありますけれども。  こうしたことについて、例えば保険、年金等の企業負担等について、これを工夫をしてインセンティブを与えるとか、あるいは、JALとか航空三社あたりが大幅な割引をやるとか、そういうインセンティブをつけながら政府としてこれを推進してもらう。それには、私は、公務員が率先してやったら民間はついてくると思いますね。公務員がまずそれを率先してやるというようなことを含めてお取り組みを願いたいと思うわけでございますが、いかがでございますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私は、ごく近年ですけれども、徳島に行きました。徳島の飛行場が海岸の見えるところにございましたが、ちょっと後ろを振り返ってみましたら、小高い丘がずっとあるんですね。その小高い丘にとてもきれいな、さっきあなたがおっしゃったような、大邸宅ではないけれども、本当にいい住宅がずっと並んでおりました。(発言する者あり)しょうしゃという言葉なんですかね。  そうしたら、私は、徳島県連の見送ってきてくださった方に、随分住宅需要があるんですねということを伺いましたら、いや、違うんです、あの上に建てられた方はほとんど神戸と大阪の方ですと。  橋が淡路島にかかりました。徳島から大体車で一時間半で神戸に行くそうでございます。ですから、大都市で得るそういう土地のことを考えれば、地方で得る方がはるかに大きなものを借りられる。だからそこに皆さん家を建てて、月曜日、朝早く車で出かけていく。金曜日は帰ってこられる。御家族は、奥様もみんな地方にいて、徳島のそういう人情あふれる風土になじんでいるんですということで、これは新しい時代の生き方の一つだななんということをそのとき非常に感じました。  先ほど大蔵大臣もおっしゃいましたけれども、やはり長寿社会にもなっていますし、それから核家族にもなっていますし、そういう意味で、新しく地方というものをどう再生をしていくか。何も長期的にずっと住まわなくても、一時的に住んで、地方をかえってにぎやかにしていくということも、大都会の考え方をどんどん注入していくことも、地方にとっても大変盛んになることかなと思います。  どういうインセンティブをつけるかは、これからまた各閣僚にお考えをいただければというふうに思います。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 それから、我々の幸せといいますか、満足感が何によって得られるかということになりますと、物質的な欲望の充足もそうでありましょうが、また生活の利便ということもそうでありましょうが、それだけじゃないわけでありまして、ある意味では、大げさに言えば、芸術とか文化、あるいはスポーツに身をゆだねる中で、我々は何物にもかえがたいような喜びを感じることができるわけです。  そういう意味で、私は、ぜひ来年度予算については、二千億程度、ソフトの面ですよ、箱物じゃありませんよ、ソフトの面でそれを奨励する予算をおつけいただけないか、このように思いますが、どうですか。これは文部大臣、どうですか。——金をつけられる方にうんと言っていただいた方がいいですから、ではこちらの方にひとつ。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それではまず私から申し上げますが、十二年度の予算編成におきましても、いわゆるミレニアムプロジェクトというものを設けました。  これは御承知でもいらっしゃいますが、今までの予算の単年度主義というものに事実上例外を設けまして、数年度にわたるそういう主としてソフトのプロジェクトについて、プロジェクトチームを、八分野でございましたから八つつくりまして、それは各省庁、民間もあわせましたチームをつくっておりますので、その人たちがそういうプロジェクトについてこれから何年間かにわたって検討をしていく。政府の方も、ある意味で、そういうものをつくりましたので、これから後の予算措置については事実上コミットをしていく。それは総理のもとに置きましたので、これは将来非常に展開できることだと、次につきましても考えております。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 ありがとうございます。非常に積極的な御発言をいただきました。  ただ、大蔵大臣、そうした大きなプロジェクトも大事でありますけれども、例えばお神楽の太鼓だとか、あるいは太鼓のあれなんかは最近非常に盛んですが、大変な金がかかりますね。また、オーケストラなんかも維持に大変金がかかる。そういう分野に、大した金がかかるわけじゃありませんから、ぜひひとつ奨励的な意味でお金を出動していただくということをお願いしておきたいと思います。  時間がだんだん迫ってまいりました。後に美女が控えておりますので、野獣はここらで引っ込みたい、このように思っておりますが、あと一、二申し上げます。  一つは安全保障の問題でありますが、これはとにかく国家にとってゆるがせにできない一番基本的な問題であります。安全保障について、装備あるいは人的な強化も大事でありますけれども、前提はやはり国と国との友好関係をいかに増進していくか、これにまさる安全保障はない、このように私は思っておるわけであります。  そういう意味では、安全保障は外務省の大きな分野の一つだ、このように私は思いますけれども、しかし、それにしても、万一の場合専守防衛の立場からきっちりと国を守れる体制を、財政事情が悪いとかいろいろなことの中でゆるがせにするわけにはまいらない、このように私は思います。  新しいミサイル時代に突入しておるわけでありますから、その時代に合った、合理的な、効率のいい防衛体制をどう整備していくか。特に日本列島の場合は空域、海域が非常に狭いわけでありますから、いろいろ工夫が必要でもあろうかと思います。  それから、隊員の士気がなければ、これはどうにもならぬわけです。隊舎、宿舎の改善も相当に進んではきておりますけれども、私は、ぜひこれについてはもっともっと力を入れていただく必要のある現状だ、このように考えております。  それから、公務員あるいは警察官に比べましても、階級が低い自衛官ほど退職年齢が非常に早くなっておると思います。第二の人生をどうちゃんと過ごしていかれるのか、また、自衛隊の時代に養われた不屈の精神、そうしたマンパワーを日本の社会全体がどう生かしていくのか、そうした問題があろうかと思いますが、防衛庁長官、一言ひとつお考えをお聞かせ願います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今、自衛官の問題につきまして、委員から若年定年制の問題を含めまして問題提起がございました。  私は、自衛官それぞれに才能を伸ばす課程も設けておるわけでございますが、いずれにいたしましても、若年定年制という、これは制度上いたし方ない問題もありますから、いかに社会に同化しながら、あるいは雇用の問題とうまくリンクしていくかという問題を、社会全体で考えなければならない問題だと思っております。そういう面では、自衛官の教育というものを私どもは平時から行っておくことは、これは大切なことでありますので、十分に委員の御指摘の問題も踏まえて努力してまいりたいと思っております。  なお、隊舎等後方の問題につきましても整備されてまいりましたが、私は、景気動向と相まって言いますれば、若干いろいろな問題がありますが、補正等にも十分意を用いて、こういう時代に整備ができれば環境としていい、こう思っておるところであります。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 最後に、有珠山の現在の状況、自然現象としては若干落ちつきを取り戻しておるようでありますけれども、あの周辺におられます方々、避難生活を余儀なくされておられる方々の精神的また物質的ないろいろな苦痛、御苦労、大変なものがおありであろうかと思います。  総理みずから現場に行かれまして、この対策について万全を期しておられる、私はこのように思うわけでありますけれども、今後とも、特に旅館を含めていろいろ商売をしておられる方々、あるいは畜産関係の方々を含めて、今後の御生活の問題についての不安に、ぜひ政府は思い切って私は取り組んでいただきたい。かつて阪神・淡路大震災とか普賢岳とか、大きな災害の経験もあるわけでございますから、ぜひひとつこのことについて御尽力を今後とも賜りたい、このことをお願い申し上げたいと思いますが、一言。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 有珠山のこのたびのことにつきましては、北大の岡田先生を初め予知連の皆様方が大変長い研究を進めておられまして、幸い、大きな犠牲を得るというようなことではなかったということでは、大変よかったなと思って、ありがたく思っているわけです。  政府が早く対応をいたしまして、そして自治体、特に警察あるいは自衛隊、そして多くの消防士、そういう皆さんの御努力によって、まずまずはそうした大きな犠牲のない、そういう状況に維持でき得たと思って、感謝をいたしておるところです。  先般、私は短期間で参りましたけれども、参りまして非常に救いだったのは、皆さん、我慢していらっしゃることはよくわかりますけれども、とても明るい気持ちで接してくださったこと。そして、ただ心配は、いつまでこの生活が続くんだろうかということに対するやはり御心配、その生活の面もございますし、特に御商売をされておられる方、そういう生業面での問題、そういう点がどういう形で解決でき得るかということだと思います。  きのう自治大臣も行かれたようでございますし、それぞれの閣僚が適切なる対応をとっておられますので、今後ますます、今議員が指摘ありましたように、生活面にどうすべきか、そして、地域住民の皆さんを掌握していらっしゃいます自治体、市町村長、そういう皆さんがどういう対応を一番望んでおられるか、そういうことに対して適切にこたえていくことが重要だというふうに考えております。

亀井静香自由民主党

○亀井(静)委員 どうもありがとうございました。これで終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、野田聖子君から関連質疑の申し出があります。亀井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。野田聖子君。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 おはようございます。自由民主党の野田聖子でございます。これから森総理大臣に対して質問をさせていただきます。  小渕前総理は、志半ばにして病に倒れられ、今懸命に闘病生活を送っておられます。心から小渕前総理の御回復をお祈り申し上げ、このたび新たに総理大臣になられました森総理に対し、どうか小渕前総理の無念を晴らしていただきたいと切望しております。そして、私たちも、微力ですが総理をお支えしていく覚悟でございます。  総理のリーダーシップのもと、すべての国会議員が真摯な気持ちで、直面するさまざまな課題に取り組み、答えを出していくこと、これが日本の、そして私たち日本に住む国民の幸せにつながっていることを確信しています。  これから私は、森総理が就任されて今日までいろいろな場面で国民に向けて発せられた言葉の意味を具体的にお答えいただきたいと思います。  初めに、教育改革についてお尋ねいたします。  総理は所信表明演説において、我が国が目指す第二の姿として心の豊かな美しい国家を挙げられ、その目的達成のために教育改革が必要だと述べられました。つまり、戦後教育の中で、必ずしも真に日本人らしい倫理観とか道徳心をあわせ持つ子供を育て上げることに成功しなかったということであります。そして、それを取り戻していくために、子供を取り巻くすべての人々、家庭、学校、地域社会が一体となって抜本的な教育改革を進めていく決意を約束されました。このことは、代表質問を振り返ってみても、与野党とも異論はありません。そして、国民も広く教育改革への取り組みを期待しているところであります。  そこで、次に求められることは、抜本的な教育改革を、では、いつ、どこから着手するかということにあります。党首討論でも同じような問いかけがありました。  私からもあえて申し上げれば、文部大臣を経験され、その後も自民党の教育行政の第一人者にあった総理が、有識者の議論を待つ、意見を待つ、こういうことではいささか納得できません。むしろ、森総理だからこそ独自の御提案をされるべきだと考えていますが、いかがでしょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほども亀井議員の御質問のときにも申し上げましたように、小渕前総理がああいう残念なことで体調を崩されて、今病院での生活を余儀なくされておられるわけです。その小渕前総理が教育改革に対して大変熱意を示されて、そして私も党の幹事長でございましたので、折々御相談もございました。それで、私は中曽根内閣当時文部大臣で、教育改革に取り組んだ閣僚としての成果も申し上げましたし、それからそのときの反省も申し上げました。  そして、教育というのは大変多くの人たちがどなたも発言できるんですね。それこそ大学の教授も、それから、町で毎日生活を営んでいらっしゃる主婦の方々にも教育論はあって、どの教育論が正しいかということはなかなか価値判断できない、私はそう思っています。  ですから、そういう意味で、総理が幅広く大勢の方にお手紙をお出しくださいと教育に関する意見を求められて、それをまとめられて、その中からどういう問題を協議していこうかという考え方を示された。私が始めたときとかなり違った手法をとられた。そういう中で多くの方々に御意見をいただきましょうということでございますから、必ずしも他の方々から聞くのはおかしいということの論にはならないというふうに思います。  同時に、ぜひ我々政府としましても、各党皆様方それぞれ意見がおありでしょうから、いずれ、町村補佐官を通じて各党の皆様方にも御意見を承るような機会、あるいは教育国民会議の今審議をしてくださっている先生方と政党の皆さんとのまた御意見をいろいろ交わしていただくということも大事なのではないかなというふうに私は思っています。  私の意見を示せということをおっしゃって、大変ありがたいことでありますが、私は、先ほど申し上げましたように、小渕前総理が進めていかれた路線を大事にして、少しでもいい結果を生むように努力していきたい、こう思っておりますので、今後、私どもと全く世代観の違う野田議員でありますから、そういう立場でぜひまた御指導いただければと思います。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 ぜひ総理におかれましては、教育のエキスパートということで御活躍をいただきたいと思っているわけです。  同じく、総理は党首討論の場におきまして、硬直した戦後システムの一掃をしたい、そういう意思を表明されました。私の意見なんですけれども、そのシステムの一つの中に、例えば有名そして一流大学を頂点とし、そしてその末端が最近は幼稚園にまで連なっているという、垂直で一方向のピラミッド型受験システムがあると考えています。このシステムの弊害というのは、あるところでつまずいた子供たちが容易にやり直しができないことです。  学歴社会において、この子供たちが長い将来にわたりドロップアウトという烙印を押され、そして、残念ながら今の日本では、悲しいことですが、これがさほど珍しいことではありません。さらに、ドロップアウトしないために、そうならないために、小さなころから受験に対する直接間接のストレスとかプレッシャーを抱き続け、そして結果として、登校拒否とか自殺、いじめというような環境をつくり出してきたということは、もう随分以前から指摘をされているところです。しかし、この疑問に対して真に有効な解決策が示されたという感触はありません。  最近、一部の有識者の間で提案されているものに、大学の入学、卒業のあり方を根本から変えようというものがあります。つまり、入学のための厳しい受験を緩和し、多くの子供たちに大学に入るというチャンスを与える、と同時に、大学での勉強を厳しく査定することで、真に優秀な者だけに卒業の、学士の資格を与えるというものです。いわゆる抜本的というのはこのくらいのことをしなければ本当ではないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  実は、四月十九日付の日本経済新聞に大変興味深い記事が出ておりました。  それによりますと、ヨーロッパの有力ビジネススクールのIMDは、二〇〇〇年の世界競争力ランキングを発表しました。アメリカが七年連続首位を維持する中、二位はシンガポール、そして三位から何と十位まではヨーロッパ勢が占めたということです。さて、我が日本の位置はといえば、昨年は十六位であったのが、残念ながら十七位まで転落したそうです。かつては、例えば一九九六年にはこのランキングで日本は四位にありました。そして現在は、大学教育、電気料金、移民法といった項目で最下位であることからこのようなランクに至ったと言われています。  戦後復興に貢献する人材、優秀な人材を育て上げるという日本のシステムは、一定期間大変効率的に機能いたしました。それは、奇跡と言われる戦後の日本の発展を見れば私もよく理解できます。しかし、現時点において、この教育システムに育てられた最高学府である大学が機能不全に陥っており、国際的な競争力を生み出す力がないということをこのランキングは指摘しているのです。  今日、学びの場というよりも、巨大な就職あっせん所とかあるいは気楽なサークルの寄せ集まりと化した感のある大学、これに求められる課題は山積しており、とても深刻だと思いますが、どう改革していかれるおつもりでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 最初に、日本の現在の教育システムの硬直化、それの抜本的改革等についての御質問がございました。  よい会社に入りたい、一流会社に入りたい、そういうところから、よい大学に入りたい、よい大学と言うと語弊がありますが、有名大学に入りたい、そういうところから受験競争が過熱し、また幼児期までこれが波及しておるわけでありまして、これは大変に困った状況でございます。こういうような学歴偏重社会が是正されて、そして、いつでも好きなときに勉強できる、そういういわゆる生涯学習社会を形成していくということが大事だろうと思います。  委員がおっしゃいましたように、そういう上で今いろいろ弾力的に行っておりまして、例えば中高一貫教育とか、あるいは、お話しありました入学や編入学制度の弾力化、飛び入学も行われるようになりました。あるいは昼夜間大学もあります、大学院もあります。あるいは専修学校、こういうものを充実しているとか、いろいろ選択ができるようにしていくということが一つの解決策ではないか、そういうふうに思っておるわけでございます。  そういうことを通じまして、また同時に学校側も、学校の組織運営とか、それから、今お話しありましたけれども、成績評価、単位の認定を厳しくするとかいろいろ工夫をし、教育それから研究、あるいは組織運営、評価等、さまざまな改革を行いながら、子供たちがやり直しのきく、そして個性が尊重できる、多様な選択の可能な、そういう大学あるいは学校システムをつくっていきたい、そういうふうに思っております。  それから、もう一つお話しありました国際競争力についての御質問でございますけれども、御指摘の新聞記事は、スイスのローザンヌに本拠を置く国際経営開発研究所が毎年発表しております国別の世界競争力ランキングであると承知をしております。  これは、それぞれの国が企業の活動をどの程度バックアップする環境を整えているかを評価したものでありまして、委員御指摘のとおり、日本の総合評価は世界で十七位ということでございますが、また大学教育については四十七位、最下位ということでございます。  四十五位、四十六位、四十七位の項目がたくさんあるわけでありまして、大学教育に限らず、これは日本の将来にとって大切なものでありますけれども、私どもといたしましては、これは日本の企業人が、日本の大学がどの程度日本の企業にとって貢献しているかというものをみずから採点したものでありまして、多少厳しいかな、そういう感じはしておりますけれども、十分に反省して、そして学生がしっかりとした学力を身につけ、また卒業した後国際社会で活躍していけるような、そういう人材を養成していくことが大切だろうと思いまして、今後も努力していきたいと思います。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 私が大学一年生になったとき、もう既に二十年前のことでございます。そのときから、もうそのときに既にこういう大学改革の問題、今言ったようなことが当時でも言われていたわけで、二十年何ら変わりがなかったということ、これを反省し、やはり森総理におかれましては、今後の日本を考えて積極果敢に取り組んでいただきたいと思うわけです。  続いて、これからの日本の経済の新生を支える、担う人材を立派に育てるという決意のもとで、小渕前総理が提唱されましたミレニアムプロジェクトの中にあります教育の情報化についてお尋ねします。  小渕政権では、教育インターネット、この政策に大胆に取り組み、今日子供たちは、自分たちの学校でパソコンを通してインターネットのだいご味を味わえる環境を手にしつつあるところです。当然森政権におかれましては、これを継承し、ますます発展させていただけることをお約束され、うれしく思っておりますし、公約どおり、二〇〇〇年代の初頭には、日本のすべての、私立公立問わず、学校ではインターネットによる教育を子供たちに提供できるということを確信しているところです。  そこで、ここで改めて指摘したいのは、いまだ学校教育現場において、この単なる通信手段または道具にすぎないパソコンによるインターネットに大きな誤解があることです。つまり、教育現場や親の側に、これらが教師にかわって子供に教育をするものだという思い違いがあるのではということを危惧しています。例えば、パソコンを使うようになると、そればかりに夢中になり、偏った人間になってしまうのではないかという疑問が出ていたりします。むしろ、パソコンとかインターネットはあくまでも勉強や生活の道具であり、それが主体ではないということをきちんと大人が理解し、指導することが大切であります。  そして、最も重要なことは、この新しい通信手段ときちんとつき合うため、情報をめぐる道徳心、倫理観、いわゆる情報リテラシーと言われるものを育てることであります。インターネットの世界では、私たちの前にありとあらゆる情報が物理的、時間的な壁を乗り越えて無限に存在するということ、そして、さらにこの世界、それらの情報が、善か悪か、または正しいか間違っているかを問わず、すべてのものが毎分毎秒増幅しながら子供たちを待ち構えているということです。リテラシーに未熟な子供たち、この子たちにとっては、例えば実社会においては不法な行為ということでわかることに対して、その犯罪性が子供たちゆえわかりません。  例えば、爆弾製作のサイトをあけ、爆弾をつくり実際に爆破させてみたり、毒性の強い薬品を使って動物や人体に実験をしてみたり、そういう事例も起きているわけです。また、匿名性があるということで、いとも簡単に事故や事件に巻き込まれることも実際にあります。  かつて学校では、ナイフは物を切るもの、人を刺してけがをさせるものではないと先生は私たち子供に教えてくれました。これからのインターネット時代で活躍してくれるだろう子供たちには、まずそのことをしっかりと指導していかなければならないと思いますが、政府のこれに対する取り組みを教えてください。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 詳細は文部大臣からお答えをいただくことが適切だと思いますが、メーカーの名前を言ってはいけませんが、電子計算機というのが出てきたときに、そろばんよりすごく便利なんですね。しかし、そろばんというのは数学の基礎だったと思います。ワープロがいろいろな字を、漢字仮名まじり文も出てくれるんですね、出してくれるんです。それで、パソコンがはやっていくことによって、漢字をみんな忘れてしまう、読めるんですけれども書けなくなっている。皆さんそうだと思うんですね。  ですから、インターネットを使い、パソコンを使うというのはとても教育の中には大事なことだけれども、よりむしろ、情報を得たり、それを駆使することによって倫理観の問題、このことをやっていいか悪いかという判断、そういう心の問題というのはむしろ教育の中に重視をしなきゃいけない。私はずっとこのことを就任以来申し上げてきたのはそこにあるわけでありまして、新しい時代をどんどん積極的に展開していく教育というのは大事だと思いますけれども、やはり一番大事なのは人間教育なんだろう、そこに、もう少し教育改革には重点を置いていくべきではないか、そういう考えをいつも私は申し上げているわけでございます。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 ありがとうございました。正しくインターネットが活用されるよう、特に教育現場におきましては、そういう誤解を解き、さらに今総理がおっしゃった倫理観、道徳心がしっかり大人の指導のもとで取り組まれることを、特に政府が中心となって、お願い申し上げたいと思います。  少し時間がなくなってきましたので、先を急ぎたいと思います。  総理は、先ほど申し上げましたように、昭和五十八年に中曽根内閣において文部大臣を経験されました。そのときに学習障害児という言葉を聞かれましたか、またはその議論がございましたか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 さまざまな社会の変化によって子供たちもいろいろな影響を受けてきた。そのため、いろいろな障害を持つ子供たちが出てきたことも我々の研究課題でございました。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 実は、この学習障害児というのは、平成十一年の白書によって、ある程度の定義ができたところでございます。  私がここで申し上げたいのは、教育改革に取り組むに当たって、日本の姿というのが大きく変化をしていて、教育現場においても、かつてでき上がった制度とか枠組みではとても対応できないさまざまなことがあるにもかかわらず、その動きに対して取り組みが鈍いのではないかということを言いたいわけです。  実際に、こういう軽度の発達障害の子供たちというのは、これまでは学校や世間において、親のしつけができていない、落ちつきのない子供というレッテル、間違った理解をされる中、親御さんたちが大変な苦労をしてきています。  なぜかといえば、現在、教育現場において、障害という中に知的か身体か及び精神、この三つの枠しかないわけで、こういう知的能力があり、かつ、そういう自閉症的障害を持っている子供たちには居場所がなく、エアポケットの中に押し込められている形になっています。  さらに、通常の教室に通っていますが、学校の中の障害児学級や養護学校でさえ、専門の養護学校の免許を持っている、専門知識を持った教師が非常に少数だという実態もあるわけです。こうした子供たちに対しては、専門知識を持った教師が丁寧にかかわることによって、そしてまた、例えば通常学級での学習を通級のような形をとる中で側面的に支援することが大切です。  本当に教育を真剣に考えていくのであれば、こうした子供たちの、特別な配慮を必要とする教育施策を積極的に考えていくこと、まさに個を大切にする教育をやっていただくべきではないかと思います。これにつきましての見解をお聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 障害をお持ちの児童生徒さんたちもいろいろな能力を持っておられるわけでありまして、そういう個人個人のさまざまな能力を最大限に引き出す、そして自立して社会参加できるようにするということは非常に大切なことでございます。  委員がこの学習障害児の問題について大変に御尽力いただいていることに心から敬意を表する次第でございますが、私たちは、一人一人の障害児のそれぞれの問題といいますか、そういうものを的確に把握をしながら、きめ細かい対応をとっていくということが基本であろうと思っております。  このため、いろいろな調査研究を行いまして、これらの子供さんに対する対応についての今勉強等も行っております。  また、教員の養成も大事でございまして、教員の養成につきましては、現在は特殊教育教諭免許状というものがあるわけでありますけれども、特殊学校担当教員については、法律上これの所有が義務づけられておりませんけれども、できるだけそういうような免許を持って、そして学習障害児に対する配慮の行き届いた教育をやっていく必要がある、そういうふうに思っております。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 教育改革というのは、大なたを振るう抜本的な改革も必要であれば、やはり現場で一人一人の子供たちの個を尊重していく教育がきちんとなされなければいけないと私は信じておりますので、どうかそのところをよろしくお願いします。  最後に、教育改革は終わりまして、総理のお言葉の中、特に所信の中で、日本社会の少子高齢化に応じて、意欲と能力に応じて生涯働くことのできる社会の実現を主張されました。当然、年齢も性別もとらわれることなくというふうに理解しました。  他方、総理は、自身の政治姿勢として、滅私奉公を基本とされておられます。日本の武士道を見るような大変美しい言葉だと思いますが、それゆえ、滅私奉公というこの言葉が求められた社会というのは、残念ながら男性だけの武家社会にあったということであります。  女性の私は、滅私と聞きますとすぐに、結婚、妊娠、出産、育児、こういうものを犠牲にしなくちゃいけないのかなと非常に悩んでしまいます。事実、今日では、働く女性、社会で特に男性と伍して働くためには、プライベートなことと言われてきたこれらのものをかなりの部分犠牲にし、切り捨ててきたわけであります。  現在、日本は女性が社会に進出し、男性同様働く戦士として各方面で活躍しておられます。今は全国に二人の女性知事が誕生しているわけでございます。平成十二年二月の労働力調査によりますと、就業者実数の六千三百十一万人のうち、女性は二千五百四十五万人、四割に当たります。武家社会とは大きな違いになってきているわけであります。  さて、このような時代の中、滅私奉公の総理から私たち働く女性に対して、女性はどういう滅私奉公が求められるのか、その御意見をいただきたいと思います。  小渕前総理は、これまでの総理大臣の中で最も男女共同参画社会に熱心に取り組まれました。小渕前総理はその土台を築いていただけたと思います。働く女性、つまり労働と家庭、その公と私が調和すること、バランスがとれること、女性が女性としてその機能を果たすことと、女性が社会人として自己実現をする、つまり仕事をすることがゼロサム、つまり、どっちかをとらなければならないという社会では、このままでは少子化対策もままならないと思います。  時間がありませんので、最後に、このことにつきまして総理の前向きなお考え、御意見をいただきまして、質問を終わりたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 忘れないうちに申し上げておきますが、今お二人の女性が知事さんになられました。大阪も熊本も、女性の知事を選出することに私は一番率先して努力したと思ってございまして、それだけをごらんいただいても、男女参画社会をぜひ成功裏に導いていきたい、そういうふうに私は考えております。  ただ、滅私奉公はいかぬと言われるとちょっとつらいのですけれども、やはりあなたの時代と私の時代が違う。私は昭和十二年生まれです。終戦になりまして、恐らく帰ってこないと思いました戦線にいた父親が帰ってまいりました。トラック島から帰ってきました。そして、私たち三人の子供を育てる母親が昭和十九年にがんで亡くなりました。ですから、全く私どもは両親のない生活をしなきゃならぬのかな、そんなことを思っておりましたやさきに父が帰ってきまして、そして仏壇の前で手を合わせて、亡き妻のために恐らくお参りをしたんだと思います。  その仏壇に私だけ呼ばれまして、そして、戦争の中で多くの戦友、部下を殺した、こうして早く帰ってきたことは大変恥ずかしいことなんだ、しかし、そういう人たちのために、これから世のため人のため父は働きたい、頑張るから、もうおまえは息子だと思わないから、そういう気持ちでこれから対応しろ、こう父親に小学校一年生の私が言われましたときに、さあ、どうしたものかなといったときに父が言ったのが滅私奉公という言葉、今はわからぬだろうけれども、いずれわかるようになるよ、こう言われたんです。それで私は、その言葉を今でも大事に大事にしているんです。だから、何かあると、ああ、父親が言っているんだろうな、そう思って考えておる。  ただ、この間も記者会見で、随分古い言葉ですねと言われたんですけれども、私は、その後当選しましてすぐ、坂田当時文部大臣にお目にかかったときに、文部大臣といろいろなお話をしたときに、文部大臣は、人は先に、私は後にという言葉を、森君贈るよ、こう言われたんです。なるほど、それは滅私奉公に通ずるものだなと思いました。  ですから、私はラグビーをやってきましたから、ラグビーというのはつらいことをまず率先してやることなんです。タックルだって嫌ですよ。百キロもある人が飛んでくるのに自分が頭から突っ込んでいかなきゃならぬ。セービングもそうです。つらいことがわかっていても、飛び込まないとみんなを救えない。  私はそういう気持ちを大事にしているということであって、このことは何も男性だけじゃない、女性にもやはり私は、当然そのことも当てはまることだというふうに思っております。

野田聖子自由民主党

○野田(聖)委員 終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて亀井君、野田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官田中節夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 引き続き、お諮りいたします。  最高裁判所安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、北側一雄君。

北側一雄公明党・改革クラブ

○北側委員 公明党・改革クラブの北側一雄でございます。  早速質問に入らせていただきますが、まず経済の問題からお聞きをいたしたいと思っております。  九七年度そして九八年度、二年連続マイナス成長が続きました。戦後、我が国にとっては初めての大変厳しい経済下でございました。おととしは、大きな金融機関が次々破綻する、そういう大変な金融危機を背景として、戦後最悪の不況というふうに言えると思います。  そういう中で小渕前内閣が発足をしたわけでございます。人によっては、当時、日本発の世界恐慌寸前というふうなこともおっしゃられました。小渕総理は、財政構造改革法を凍結する等の政策転換を決断されまして、経済再生、景気回復を内閣の最優先課題というふうに位置づけられまして、財政また金融両面からの積極的な経済対策を実施されました。  私は、その結果として、九九年度、昨年度、恐らくプラス成長が確実なものになるというふうに思っております。鉱工業生産も足元では増加に転じました。企業収益も改善をしております。設備投資も上向きになっております。ようやく自律回復の芽が出てきた、そういうふうに言えるのかなと思っております。  そういう、経済面ではいよいよこれから経済を本格的に再生するぞという大事なときに、小渕前総理が道半ばで病に倒れられたことは、私どもとしても非常に残念でございます。一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第でございます。  さて、景気、経済という面からいいますと、二〇〇〇年そして二〇〇一年、この二年間ぐらいが本当に大きな剣が峰に差しかかっていると思われます。森総理も所信表明演説でもおっしゃっておられますが、ここはまず景気回復を確実なものとする、民需主導の自律的な回復軌道に乗せる、そこを森内閣の最優先課題にして日本経済のかじをぜひとっていただきたいというふうにお願い申し上げる次第でございます。  私ども公明党、この二月いっぱいかけまして、中小企業の全国実態調査というものをさせていただきました。先般、森総理のもとにも、我が党の神崎代表がこの調査結果をお持ちをさせていただきまして、詳しい御報告、また要請もさせていただきました。  この中小企業実態調査、二月の一日から二十九日まで、二月じゅう一カ月かけまして、全国の二万二千二百二十四社の中小事業者のところに私ども出向きまして、面接で業況判断、資金繰り等々、聞き取り調査をさせていただきました。  この私どもの調査結果によれば、中小事業者の業況判断は、悪いと見ている企業がまだ過半数を超えておるんですね、まだ過半数を超えております。特に、事業規模の小さい零細な事業者になればなるほど、悪いと見ている人は多くなります。そういう結果になっております。また、資金繰り、金融の面でも、相変わらず苦しいとする企業が半数ございます。こちらの方も、零細事業者になればなるほど、資金繰りが苦しいという人がふえております。  確かに、さまざまな景気指標、足元で見ますと、好転はしてきておりますけれども、景気は上向きになっているとは思いますが、多くの中小企業の経営の実態というのはまだまだ厳しい状況にあるということを、私どもしっかり認識をしていかねばならないと思いますし、中小企業対策、きめ細やかな対策は引き続きしっかりとやっていかねばならない。  特に金融面は私、そう思うんですけれども、金融面において今回の調査でもいろいろな声がございました。中小事業者の声として、相変わらず金融機関の貸し渋りは続いているぞ、お金をなかなか貸してくれないという声が非常に多かったです。また、相変わらず民間の金融機関というのは、担保というものを重点に置いて融資をしている、なかなか自分たちのこれからの将来性だとか事業内容、事業計画なんかを見てくれて貸し付けしてくれない、こういう声が多かったです。  また、政府系の金融機関や信用保証協会においては、一昨年の秋に、信用保証協会を通じた融資ができるようになりました。これが非常によかったわけでございますけれども、倒産の数もその当時は減ったわけでございますが、その返済が始まっておるということもあるわけですね。中小企業の今の実情、個々の実情というものを勘案していただいて、返済期間の延長など弾力的な運用もぜひ検討してもらいたい、こういう声もございました。  私は、引き続き中小企業へのきめ細やかな対策をとらなきゃならないというふうに思うわけでございますが、総理、この調査結果の御感想も含めまして、今後の中小企業対策についての御見解がございましたら、お聞きをしたいと思っております。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 北側議員の中に今御指摘ございましたが、先般、貴党の神崎代表から、そして皆さん御一緒に、今お話ございました中小企業対策の充実を求める申し入れ書と適切な調査の資料をいただきまして、今、それぞれ政府の所管の方にもそれをお伝えいたしております。  中小企業をめぐります金融環境については、今御指摘ありましたように、まだまだ厳しい状況が続いておるということはよく承知をいたしております。  金融機関というのは、借り手と貸し手との側でお互いに理解をしながら話し合っていくことだと思いますが、ちょっと話は違いますけれども、この間有珠山に参りましたときに、せっかくローンを組んでつくった住宅がつぶれてしまった、すぐに返済できない、金融機関は三カ月間待ちますよと、ただし三カ月間待ったらまとめて全部返してくださいよと言われて困っておりますという、そんなお話も伺いました。金融機関には金融機関のお立場があるんだろうと思いますが、今議員が御指摘のように、もう少し中身をよく精査して、やはり適切な判断をすべきものだなということも実感として、最近そんな例もございました。  恐らく多くの議員の皆様方も、それぞれの選挙区におきまして、中小、小規模経営の皆さんがみんなそういうことでお困りになっているということは、私も幾つか自分の選挙区にもそういう例がございますので、十分これについてはきちんとした対応をするように、適切な対応をするように求めていかなければならぬというふうに思っています。  金融機関が、借り手の担保のみにとらわれることなく、適切なリスク管理を前提に、必要なリスクテークを行って中小企業に対する円滑な資金供給を図るなど、健全な融資態度の確立に取り組むということは、金融機関の本来の責務であるというふうに考えております。  また、信用保証協会や各政府系の中小企業金融機関に対しては、既往債務の返済猶予等を含む個別中小企業の実情に応じた対応を行うように、関係省庁から折に触れ指導をしているところでございます。

北側一雄公明党・改革クラブ

○北側委員 今後の財政運営についてお聞きをいたしますが、先ほども少し議論があったようでございますが、景気回復と財政再建との関係につきまして、先般の本会議では森総理はこのようにおっしゃっておられます。極めて厳しい我が国財政の現状を見れば、財政構造改革は必ず実現しなければならない重要課題であり、我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で、速やかに取りかからなきゃならない課題である、このようにおっしゃいまして、まずは緩やかな改善を続けている我が国経済を本格的回復軌道に確実に乗せることが重要であり、それに向けて全力を尽くしてまいりたい、このように御答弁されておられます。私も全くそのとおりであると思っております。  財政再建、景気回復、私は、財政再建はまず景気回復からだと思うのです。財政再建の第一条件は景気回復だと思うのです。景気回復がなければ財政再建なんかできません。その第一条件が景気回復だというふうに私は思っております。  そこで、総理は所信表明演説の中で平成十三年度予算編成についてお触れになられまして、「平成十三年度予算編成に際しては、」「私みずからの主導で、二十一世紀のスタートにふさわしい予算編成を行ってまいりたい」、このようなお話がございました。  そこでお聞きいたしますが、この夏にはもう来年度の概算要求が始まります。十三年度予算の概算要求がございます。この十三年度予算の基調といいますか、基本的な考え方といいますか、それをどう考えるかということでございますが、来年度予算は平成十二年度、今年度の予算と比較して、規模は中立的なものと考えてよろしいのでしょうか、大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまお尋ねになりました平成十三年度予算の問題は、実はこれから森総理に現状を御説明して指示を仰がなきゃいけない部分に属しますので、まだそのことをいたしておりません。  そういう前提で申し上げるわけでございますが、先ほど委員の言われました今の中小企業、殊にサービス業についての現状は、おっしゃるとおりと思います。いかにしてそれらの人々が景気回復に入ってきてくれるかというのが今一番の問題でございますから、そこが一番大切な問題でございますが、ごらんのように、十二年度予算そのものは、かなり景気刺激的に、公共事業も不況対策も、あるいは金融システムの維持も、かなりたくさんのものを盛ってございますので、さしずめこれを順調に執行することが当面の仕事と思っております。  そこで、過去の、昨年の十—十二月にも設備投資がプラスになってまいりましたので、恐らく、予想でございますが、この一—三はかなり高い成長が出るのではないか。したがいまして、おっしゃいますように、この年度はプラスの成長になるだろう。その後も、おっしゃいますように、いかに早く全体の動きが雇用や賃金にはね返ってきてくれるかというのがこれからの見どころでございます。  そこで、そういう前提でございますが、私自身といたしましては、かなり経済が順調に戻ってくる兆候が強うございますので、できるならば、十三年度予算編成の一番のポイントの一つは、十二年度予算がかなり大きな国債発行をし、また不況対策等々いたしておりますが、それらの不況対策あるいは金融措置等は、いわばこれが最終的なもので、平年度には本来落ちていくはずのものでございますから、できるならば十三年度予算の国債発行額は十二年度よりは幾らかでも落としたい。  これ以上国債を発行するということにも、これ以上と申しますのは、これを超えまして、もちろんいろいろ問題がございますから、もし経済の回復が比較的順調であって、しかも雇用、賃金というところへそれがうまくはね返ってきてくれるならば、十三年度予算では国債発行額は十二年度よりは縮減することができるのではないかという希望を持っておりまして、それらをやがて含めまして、経済動向を見ながら総理の指示を仰ぎたい、こう考えております。

北側一雄公明党・改革クラブ

○北側委員 財政再建という課題につきまして、もう一点だけもう少し議論させていただきたいと思うんですけれども、先ほどお話ししましたように、景気回復が先決だ、そういうことを前提にした上で申し上げるわけでございますが、今凍結をしております財政構造改革法のように、公共事業費や社会保障給付費にキャップを、量的な制限を設けてやっていく、こういうやり方云々もさることながら、私はもっと大切なことがあるんじゃないかというふうに思っております、この問題については。  この財政再建をする、本当に大変な借金を抱えております日本のこの財政を再建するためには、今日本が抱えておる数多くの構造的な問題がここにすべて含まれてくるなというふうに私は思っております。  少し申し上げますと、当然、これは経済が活力なきゃ財政再建できません。それを考えますと、経済の国際化、IT革命という言葉に象徴される高度情報化の中で、日本経済をどう新生させるのかということも一つ大きな問題でございますし、また、少子高齢社会が急速に進展していく中で、年金、介護、医療、また子育て等の社会保障制度について、給付と負担との関係をどうしていくんだという問題も含まれてまいりますし、また、そもそも、この少子高齢社会の中であるべき税制というのはどういうことなんだということも入ってまいりますし、行政の役割については、これからも民間でできることはできるだけ民間でやってもらう、また、地方ですべきことはできるだけ地方にお任せする、こうした規制緩和や地方分権の問題をどう進めていくのかという問題も入ってまいります。  という意味では、日本という国が、この二十一世紀に日本が本当に活力ある、安心できる国であるために構造改革すべき問題が、すべてこの財政再建の裏腹の問題としてあるなというふうに認識しておりまして、逆に言いますと、こうした構造問題の解決なしに日本の財政再建はないなというふうに思っております。  私は、そういう意味で、この財政再建というのは、極めて近い将来、大きな日本の政治課題になることは明らかでございますし、先ほど来申し上げていますように、景気回復が先決事項であるという前提のもとで申し上げておるわけですが、財政再建に向けての、財政構造改革に向けての総理また大蔵大臣の御認識をお聞きしたいと思っております。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 最初に私が申し上げます。  まず、今の財政状況は大変な借金をしておりますが、これはみんな外国から借りておるものではございません。したがいまして、財政改革をいたしますにも、これは日本の金でいたすのであって、外国から借りてやるのではございませんから、そのためには日本自身の成長がどうしても必要である、おっしゃいますとおりです。  第二点につきましておっしゃいましたことは、実はまことに私は、自分が考えておりますことを、そのものを言っていただいたと思うのですが、財政改革を考えてまいりますと、すぐに税制の話になります。それから、地方と中央との行財政の関係にもなります。また、たくさんの社会保障施策について、十分まだ国内的な給付と負担の割合というものが長期にわたって決まっていないという問題もございます。あらゆることに発展をいたしまして、これはすなわち、二十一世紀に日本がどうやって生きていくかという全部の問題に展開せざるを得ない。責任を転嫁するのではなくて、それだけの問題をみんな考えていかなければならないと私は思っております。  したがって、そのためには、非常に大きな全般的な理念が必要であるし、しかも、計算事が多うございますから、やはりモデルをつくりまして、コンピューターでバックアップをする必要もあるだろう、そう思っておりまして、これはおっしゃいますように大変大きな仕事になる。そのことは、成長が軌道に乗りませんと絵にかいたもちでございますけれども、しかし、だんだんこういう兆しがございますと、今からどういう発想をしていくかということは、やはりぼつぼつ政治が考えていかなければならない問題ではないかと思っておりまして、これもいずれ私は、経済の運営を見ながら総理の指揮を仰ぎたいと思っている大変大切な問題でございます。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど議員が御指摘されましたように、こうしてここまで経済がやや明るさを取り戻してきたいろいろな兆候は見える、これはやはり間断なく経済政策を手を打ってきたこと、あるいは減税政策もそうだったと思います。それにはやはり、当時のあの金融国会のことを思い起こしてみますと、まさに暗たんたるものだったわけですね。ですから、あの時点で、小渕前総理は、いわゆる政局の安定を図らなきゃならぬ、政治基盤を強くしなきゃならぬ、そういうことから、自由党、公明党さんの御協力をいただいたということだと思います。  ですから、ここまで来たわけですから、ここでやはり手を緩めてはいけないというのは私は前総理の思いだったと思いますから、私もそれを継承していきたい、こう考えております。  財政を再建する云々については、先ほど大蔵大臣からお話がございまして、私自身はまだそのことを考える、そういう段階には至っていないというふうに思っています。  心から、中小企業、小規模経営のお話もございましたが、そういう皆さん方も、本当に明るくなってきたなということが肌で感じてくれるようになるように、そのことをしっかり見きわめるということが大事であって、そして、財政というものを考えていくと、やはりこれは財政をどう効率的にこれから見直していくのかということが私はより大事な視点ではないかな、これは私個人ではそう思っているところでございます。

北側一雄公明党・改革クラブ

○北側委員 時間がございましたら、本当は公共事業のあり方について質問したかったわけです。  一点だけ申し述べておきますと、財政構造改革の大きなポイントの一つは、先ほど述べましたように、私は一つは地方分権の推進だと思うんです。これは本気になってやらないけないと思うんです。地方でできることは地方でやってもらう。国と地方の役割分担を本当に明確にして、例えば公共事業については、もっと地方に権限も財源も与えて、地方で、地方の責任と判断でやってもらうような公共事業に変えていかないといけないのじゃないのかな。統合補助金というふうなこともされておられますけれども、もっと根本的に、国と地方の税制改革も含めて、私は、公共事業の地方移管なんということをもっと本気になってやっていく必要があるのではないのかな。またこれは改めて、別の機会に議論をさせていただきたいと思っております。  最後に、全然話が変わるわけでございますが、永住外国人に対する地方選挙権付与の問題についてお聞きをいたしたいと思います。  御承知のように、公明党とそれからさきの自由党とが共同で、ことしの一月に、永住外国人に対する地方選挙権付与に関する法案を国会の方に提出をしております。  私の地元は大阪でございまして、地元は大阪の堺市なんです。ただ、私が生まれましたのは堺市ではなくて、大阪市の生野区というところで私は生まれ育ちました、中山建設大臣なんかはよく御承知でございますけれども。私は、この生野区で小学生、中学生のころまで過ごしました。クラスには大体、五十人学級ぐらいですけれども、同級生の三分の一ぐらいが在日の方々でした。もう三十年以上たちましたけれども、今もそういう在日の同級の方々とは親しくおつき合いをしております。今は彼らも五十近くになりまして、日本の企業やまた地域の中で、社会の中で本当に貢献をされております。  なぜこの生野区に在日の人がこんなに多くなったのかと申し上げますと、御承知かと思います、我々の同級生の祖父の時代に日本に来たそうなんですね。少し雨が降ってしまいますとしょっちゅうはんらんする平野川という川がございまして、大正時代にその改修工事に多くの韓国、朝鮮の方々が従事をされて、そのままこの町に住むようになったと言われております。  韓国、朝鮮の方々といっても、その当時は日本国籍を持った人たちでございました。御承知のように、一九一〇年、明治四十三年ですか、今から九十年前に日韓併合条約が交わされていたからでございます。私の在日の同級生の連中は、大体二世か三世の世代。その世代が五十近くになっていて、自分たちの子供がもう成人するというころになっていまして、今や四世の世代、さらにはもう五世が生まれてくる、こういうふうな状況になっておるわけです。  永住外国人に対する地方参政権の問題、もう十年以上も国会で議論をされています。私も、平成三年にこの委員会でも取り上げをさせていただきましたが、税を納めて、戦後日本の繁栄に貢献され、また現に貢献されている。ヨーロッパの国々では、多くの国で、一定の要件のもとで定住外国人に対する地方参政権を認めている。日本の地方議会でも、一千以上の地方議会から、定住外国人に対する地方選挙権の付与を認めるべきだという意見書が採択をされている。また、九五年の二月には、最高裁がこの問題について、これは法律で地方選挙の選挙権を付与する措置をとったとしても、在日の方々に、永住外国人に法律で地方選挙の選挙権を付与する措置をとっても憲法上禁止されていない、立法政策の問題だ、こういう極めて重要な判断をしました。  昨年十月、自民党、自由党、公明党の三党政策合意で、永住外国人に対する地方選挙権の付与の法案を三党で議員提案して成立させるというふうに一項目入っております。御承知かと思います。先般は、枠組みが変わりましたので、改めて自民党、公明党、保守党三党首が、この政策合意について確認をいたしたところでございます。  総理、私はこの問題について、もう機は熟している、あとは政治決断の問題だと思います。よく言われますが、もう二十世紀のことは二十世紀に解決をしないといけない。私は、ぜひともこの永住外国人に対する地方選挙権の付与について、積極的にもう本当にやっていかないといけないと思っておるわけでございますが、総理の御見解をお聞きいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 永住外国人に対します地方選挙権の付与、これはもう今議員が御指摘のとおりでございまして、私もこの三党の政策合意を結んだときの責任者でございますから、今の経緯については十分勉強もいたしましたし、また冬柴幹事長を初め、当時自由党の藤井幹事長からもいろいろとお話を承っております。ただ、我が党には幅広いいろいろな考え方がございまして、まだそこまで認識が固まっているという事態では当時ございませんでした。  そこで、党の方で、検討をできるだけ急ぐようにということで、意見の集約を今いたしておるところだ、このように承知をいたしています。私の立場がこういうふうになりましたので、後の幹事長また政務調査会長には、このことは大事な残された課題ですよということは申し伝えております。  いずれにいたしましても、今真摯な検討が、二十数項目あるというふうに聞いておりましたが、その中で皆さんが議論を詰めておられまして、私の今の立場からいえば、この議論をしばらく行方を見きわめていきたい、こういうふうに考えております。

北側一雄公明党・改革クラブ

○北側委員 この問題につきましては、最後は政治決断だと思います。総理のリーダーシップを期待して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、平田米男君から関連質疑の申し出があります。北側君の持ち時間の範囲内でこれを許します。平田米男君。

平田米男公明党・改革クラブ

○平田委員 公明党の平田米男でございます。  小渕総理の後を受けられまして、森総理、国民の期待にこたえてしっかり、我々も支えてまいりますので、頑張っていただきたいと思います。また、小渕総理、本当に一日も早くお元気にお戻りいただきたいと心から念じておるところでございます。  私から、まず最初に、アレルギー問題につきましてお伺いしたいと思います。  文明病、現代病と言われておるわけでございますが、アトピー性皮膚炎とか花粉症、ぜんそく、あるいはシックハウスなど、アレルギーに関する病気が大変ふえてまいりまして、多くの方々、一千万人を超える方々が日本国内でこの病気で苦しんでおられるということでございます。  私は、初当選以来この問題に取り組んでまいりまして、今日まで、研究費の確保とかあるいは実態調査、また、十二年度の予算では国立のアレルギー総合研究所の設置もしていただくようになったわけでございますけれども、我が党はこの問題にしっかり取り組んでまいっておりまして、本年に入りまして、乳幼児の健診にアレルギー検診を追加するなど、一層の総合的な対策を求める署名をお願いいたしましたところ、何と全国で一千四百六十五万人余りの方々から御署名をいただくことができました。  御署名をいただいた方々に心から御礼を申し上げたいわけでございますが、それを持ちまして、今月の十二日に、我が党の神崎代表、浜四津代表代行から森総理に、アレルギー性疾患対策を求める申し入れをさせていただきました。そして、総理からは、重みを感じます、しっかりと受けとめてまいりますとのお答えをいただきました。このお答えは、アレルギーで苦しんでおられる方々にとりましては大変心強い御発言であったと思うわけでございます。  改めまして、総理、また担当大臣でございます厚生大臣の方から、アレルギーで苦しんでおられる国民の皆様に対しまして、アレルギー問題に対する取り組みの姿勢また激励をいただきたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 後ほど厚生大臣から専門的な立場でお答えをいただきますが、先般、今お話ございましたように、神崎代表から大変膨大な署名をいただきましたものを確かにちょうだいいたしました。中身の重さもございましたが、本当に署名簿の重さを感じたわけでございます。  生活様式が変わりましたし、いろいろな意味で住宅の環境も変わっておりまして、そうした新たな問題が出てきている、これに対してできる限りの対応をしていくことは日本の国民の健康を守る上では当然なことだ、こう考えております。政府としてもしっかりとその対策に取り組んでいきたいと思っています。  厚生大臣からも答弁させていただきます。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 まず、御党がこの問題につきまして長年にわたりまして大変御熱心に取り組んでいらっしゃいますことに対しまして、心から敬意を表する次第でございます。  何らかの形でアレルギー疾患を有する患者は、私どもの調べで、成人で大体二二%、そして小児の場合には三五%と言われておるわけでございます。またことしは、御案内のように、杉花粉の飛散量が昨年に比べましても大変多いというような事情もございます。アレルギー疾患対策というものは、今や放置できない問題として大変大きな問題でございますけれども、率直に申し上げて、現在のところ、まだこれという有効的な治療対策やあるいは根本的な解決策というものを見出すに至っておらないわけでございます。  そこで、厚生省といたしましては、これまで、平成四年度から研究班を設置いたしまして、ぜんそくあるいはアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の病因の解明や有効な治療方法の研究を図ってきたところでございます。  平成十二年度の予算におきましては、このアレルギー研究の予算を、これまで三十八億であったわけでございますが、一気に百一億円、これは免疫も含まれておりますけれども、増額をいたしました。  それから来年度以降でございますが、さらに関係省庁と一層の連携を図りながら、杉花粉であるとか食生活であるとか、それから環境などのアレルギー疾患の原因に関する研究治療などの医学的な研究というものを総合的に推進していきたい、こう考えているような次第でございます。そこで得られました研究の成果を全国的に普及するために、医療機関、研究機関などによります連携体制を図るなど、我が国のアレルギー対策のために一層の努力をしていく決意でございます。

平田米男公明党・改革クラブ

○平田委員 よろしくお願いしたいと思います。  次に、名古屋で起きました少年五千万円恐喝事件、これに関しまして質問をしたいと思います。  この事件は、恐喝金額が大変高額であることや、あるいは、被害少年やその母親からSOSの声が発せられているのに、学校、警察、児童相談所が十分な対応ができずに、恐喝、暴行、傷害が数十回にわたって繰り返された。そういうことで、マスコミにも大変に大きく報道をされてきたものでございます。  実は最近、このような凶悪な少年事件が増加をいたしておりますし、また、いじめや不登校問題は極めて深刻でございます。私は、この事件を契機に、また教訓に、私たちの子供たちや孫が安心して通学し、また勉学にいそしめる社会をしっかりと築いていくための新しい出発をすべきである、こういう観点から質問をしたいと思うわけでございます。  いろいろ報道によりますと、学校側の対応あるいは地元警察署の対応あるいは相談を受けました児童相談所の対応が不十分であるというふうに言われておるわけでございますが、この辺の不十分さはぜひ正していっていただきたいと思うわけでございます。特に、学校、警察、児童相談所等の連携の弱さ、これを非常に痛感をいたします。  まだまだ問題点はたくさんあるかと思いますが、まず、警察庁、文部省、厚生省、それぞれ簡単に、今回の事件についてのそれぞれの対応について、十分であると言えると思っているのかどうか、これの認識だけお答えをいただけますでしょうか。

田中節夫警察庁長官

○田中政府参考人 御指摘の名古屋の恐喝事件に関する警察の対応についてでございますけれども、愛知県警察におきまして詳細調査中ではございますが、現在までのところ、警察署に被害少年及びその母親から相談があったものの、その後継続的に被害少年側や学校と積極的に連絡をとるなどの対応を行わなかったこと、加害者側からの相談に対し迅速に本格的な捜査を開始しなかったことなど不適切な対応が見られたところであり、まことに残念でございます。  加害少年らによる犯罪がエスカレートしていったことを防止できなかったことにつきまして、警察としてなすべきことが十分尽くされていなかったのではないかというふうに認識をしておるところでございます。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 中学生がこのような事件を行ったということ、また被害額が五千万円以上という大変高額になったということに、大変驚きを感じておりますし、衝撃を受けております。なぜもっと早くこれを解決できなかったのか、私どもも反省をすべきところがあろうかと思います。  今回の事件につきましては、文部省といたしましては、名古屋市教育委員会に対しまして、詳細な事実の把握、また今回の事件の問題点の徹底的な洗い出し、それから市内の全校の校内体制等の点検について今指導を行っているところでございます。  委員も事件の詳細については御承知と思いますのでここで詳しくは申し上げませんが、学校におきましても、指導主事やあるいは学年の主任や担任の間で相談をされながら、警察とも相談をされながらやってきたわけでありますが、結果といたしましては十分な対応ができていなかった、そういうふうに思います。校長のリーダーシップが十分に発揮することができずに、校内全体での組織的な対応が十分ではなかった、そういうふうに思っておるところでございます。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 御指摘の件でございますが、名古屋市から報告を受けましたところでは、昨年の七月十五日、被害者の母親が学校からの紹介で児童相談所の方に来られて、相談に応じております。相談の内容は不登校をめぐる問題である、こう承知をいたしておるわけでございます。  委員が御指摘のように、いずれにいたしましても、結果的に、児童相談所におきましてもこの対応が必ずしも十分であったかどうか、こういう問題も含めまして、事件の拡大を防ぐことができなかったことは事実でございます。大変遺憾に存じておるような次第でございます。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 この事件については、大変大きな問題として国家公安委員会の中でも取り上げ、詳細について調査をさせ、反省点を抽出していくというつもりで措置をいたしております。  この問題については、学校と警察との関係ということがありますので、学校警察連絡会というのが既に設置されておるわけでございますが、そうした会が十分に機能いたしますように、今後私どもとしては警察庁をよく督励してまいりたいと思っております。

平田米男公明党・改革クラブ

○平田委員 しっかりとお願いをしたいと思います。  それで、この事件の概要を見ますといろいろな問題点が出てくるわけでございますが、例えば、事件の被害少年が加害少年らから脅迫を受けた最初は、昨年の六月一日からの三日間の修学旅行中のことであって、ジュースの汁がかかったというのでクリーニング代を出せとおどしているところを、教師がその場面を見て注意をした、これがどうも最初だそうでございます。  私がここで思うことは、このような恐喝まがいのことが行われていても、学校側は単に注意をしただけで終わっているということではないかと思うわけでございます。  この事件の一年前ぐらいから加害少年らがいろいろな事件を起こしていることは中学校側も知っていた状況にあるようでございますし、この加害少年らを中心としたグループの存在は地元警察も認識をしておられた、恐らく地域の方々もそれなりの認識があったのではないかと思われる状況にございます。そういう状況の中で、この加害少年らも不登校をしておりまして、非行行為をさまざま繰り返していたという状況にございます。それで、いろいろな事件、この五千万円の事件になる前にいろいろな非行行為が目に見えているにもかかわらず、学校側は基本的にその場で注意をするという形で終わっている。しかし、注意をしても現実に非行行為は繰り返されている。  このような事態に対してどうすべきなのか。現行法はどうなっているのかというふうに調べましたところ、少年法には虞犯少年という項目がございます。  少年法が少年事件として家庭裁判所の審判の対象としているのは、罪を犯した少年だけではございません。虞犯少年というのがございまして、保護者の監督に服さないとか、あるいは家庭に寄りつかないとか、犯罪性のある人らと交際し、またはいかがわしい場所に出入りするとか、自己または他人の徳性を害する行為を行う性癖がある者で、将来罪を犯すおそれがある少年、これが虞犯少年というふうに定義をされているわけでございます。これらの加害少年のグループの動きを見ておりますと、まさにこの虞犯少年に当たる状況にあるのではないかと思うわけでございますけれども、この虞犯少年に対する対応というのが非常に弱いと思っております。  少年保護事件に占める虞犯少年の総数は〇・四六%だそうでございまして、一%にも満たない状況にございます。それで、少年事件というのは氷山の一角だと言われておりまして、なかなか、表に出てくるのはわずかしか見えていない。その隠されている少年事件の犯罪というものはなかなか大人の目に触れないわけでございまして、まさに虞犯少年のような形でしか、なかなか、本来の少年の行動というものは把握できないわけでございます。  そういう観点から、この少年法というのは、この虞犯の時期から少年問題にきちっと取り組んでいかないと問題は解決しない、こういう思想のもとで少年法ができているにもかかわらず、実際その法の運用の中でこのような虞犯少年に対する的確な対応というのがなされていないことが、このような重大な少年事件をもたらす結果になっているのではないかというふうに私は思えるわけでございます。そういう意味で、この虞犯少年に対する対応というのを、今後きちっとした取り組みをしていくことが急務なのではないかと思うわけであります。  例えば、小さな事件を起こしたとしても、これは犯罪にならないことにしましても、やはり学校と警察、そういうところがきちっと対応して保護者の方に注意をされれば、虞犯少年として家裁に送る前にその少年非行の芽はつぶすことができるのではないかと思うわけでございます。そういうことを今までやってこなかったがゆえに、このような重大事件にまで行ってしまった。  実は、この加害少年のグループは、もう既にほかの事件で九件被害届が出ております。最初に逮捕された三人の少年に関してでございますが、九八年から昨年の十一月ごろまでにかけまして、九件の被害届が出ている。その内容は、窃盗が二件、恐喝二件、占有離脱物横領二件、暴行、傷害、無免許運転各一件、合計九件だそうでございまして、家庭裁判所にはこのうち六件送られているそうでございます。  警察から検察庁に送られて、家庭裁判所に送られているのが六件だそうでございまして、その処分の内容は、報道によりますと、審判中が二件、保護観察処分が一件、不処分が一件、審判不開始二件となっておりまして、まだ三件は未送検だ。送検していない、これはまた警察の怠慢だと指摘されておるところでございますけれども。  いずれにいたしましても、この少年らは、警察の取り調べも、そして検察庁の取り調べも、そして家庭裁判所でも調査を受け、審判を受けているわけでございます。にもかかわらず、これらの少年をこの五千万円恐喝事件に走らせることを防ぐことができなかった。現在の少年事件に対する対応システムが、この事件、この加害少年グループに対しては無力であったということも、この状況の中で明らかになっているわけでございます。  そういうことを考えますと、これは私たち、大変深刻でございまして、この恐喝の被害者は、非常に特定の人ではありません。実は、この事件を教材に、ほかの県の中学校で、道徳の授業ですか、それで話し合いをしたそうでございますが、十九名の男子生徒の中で五名が恐喝の被害に遭ったことがあるということをそこで初めて言ったと、これは担任の先生にとっても大変な驚きであったということでございます。  それだけ今少年事件というものは水面下に完全に隠れてしまっておりまして、大勢のまじめな生徒たち、児童たちが苦しんでいるわけでございまして、安心して学校に行って、安心して勉強できない、こういう環境にあると言っても過言ではない。これは、名古屋のこの事件の起きた中学だけに特定する話ではなくて、もうまさに全国のいろいろな中学あるいは高校等で起きている問題だろうというふうに思うわけでございます。私はこの解決策といたしまして、今申し上げましたように、虞犯少年の段階から、警察、学校がきちっとした連携をとった対応をしていくしか、まず道はないのではないかというふうに思います。  実は、ニューヨークが大変犯罪都市だと言われておったわけでございますが、新しい市長のもとで犯罪の取り締まりをして、五〇%近く犯罪発生率が減った、五年間で一気に減ったという話がございます。この新しい市長はジュリアーニ市長でございますが、割れ窓理論という犯罪理論を使って対応した。割れ窓理論というのは、犯罪は小さいうちに芽を摘むべきである。例えば、ビルの割れた窓を放置しておくと、監視の目が届かないと見て無法者が次々と窓を割り、やがて大きな犯罪につながる、したがって、小さな犯罪よりも大きな犯罪を取り締まるのが先決であるというこれまでの常識を覆して、小さな犯罪をきちっと取り締まることによって凶悪な犯罪が取り締まれるのだ、これが割れ窓理論でございます。これを応用して実施をして犯罪都市ニューヨークの汚名を返上した、こういう大きなニュースがあるわけでございます。  私は虞犯少年をすぐ家裁に送れなどということは言いません。言いませんが、しかし、小さな、例えばたばこを吸っていた、中学生がたばこを吸ったということを見て、いかぬよと言っているだけではなくて、やはりその段階で、その奥に隠されたものをきちっと把握をする意味でも、警察、学校が対応をきちっとやって、芽のうちに摘む作業をするならば、少年はみんな真っ白な気持ち、心で生まれてきたわけですから、犯罪を繰り返すようなことに至らないうちにその非行の芽を押しとどめることができるのではないか、こんなふうに思っております。  そういう意味で、学校及び警察または児童相談所等の連携、早い段階での連携がぜひ必要なんではないかと思います。こういう事件が起きても、今なかなか連携が起きておりません。したがって、小さな非行事件の場合は、もっともっと連携などはできない状況にあるのではないかと思うわけでございますが、それに対し、きちっとした対応をぜひやっていただきたいと思うわけでございます。警察庁、文部省、また総理、お考えがありましたら、御答弁をいただきたいと思います。     〔委員長退席、久間委員長代理着席〕

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今回の事件が大きな教訓となっておりますけれども、早期発見、早期対応、子供の心の窓を開いて、SOSをキャッチするということが非常に大事でございます。  先ほど公安委員長からもお話がありましたけれども、学校警察連絡協議会等があるわけでありますが、今後、警察またその他の関係機関とも十分連携をとりながら、これらの対応を、さらに万全の対応になるように努力をしていきたい、そういうふうに思っておるところでございます。

田中節夫警察庁長官

○田中政府参考人 少年非行は、委員御指摘のとおり、飲酒、喫煙あるいは深夜徘回等の問題行動を繰り返すうちに重大な非行に至る場合が多いわけでございます。  御指摘のとおり、重大な非行の前兆となり得る問題行動の段階で、学校等関係する機関、団体が連携をとりまして、少年や家庭に対し適切な助言指導を行っていくことが極めて重要であると考えております。そのことから、警察では、専門的技能を有する少年補導職員等を配置した少年サポートセンターを全国的に設置し、学校や児童相談所等の関係機関、団体と連携しつつ、そうした少年や家庭に対し継続的な指導を行うなど、問題行動の段階での対応に力を注いでいるところでございます。  いずれにせよ、今後とも、学校、児童相談所等の関係機関、団体との連携をさらに強化しつつ、早い段階からの少年の立ち直りのために取り組みを積極的に推進してまいる所存でございます。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今、平田議員から、名古屋の問題も含めていろいろとるるお話がございました。  この背景は、私は、やはり大変広範囲でもありますし、また大変複雑だろうと思います。  まず、子供たちが、私は教育改革の関連からも申し上げましたけれども、やっていいことか悪いことかということの一つの規範ですね、学校における規範、家庭における規範、社会における規範、その判断が大変希薄化しているということが一つあると思う。  その兆候がわかっていても、家庭もまた学校も、それに対する対応が何か遠慮がちなところがある、これが二つ目の周辺の問題だろうと私は思います。  そして、基本的には、やはり社会全体がそのことについてどう取り組んでいくのかという、社会全体としての問題意識の欠如ということが指摘されるんじゃないかと思います。  少年の犯罪というのは、だれでもが批判しやすい、だれもが論じやすい、教育論議ともよく似ているわけでありますが、なかなか従来の経緯から見ても難しい、複雑な、いろいろな法が絡み合っているということでございますから、この機会に、こうした問題に——やはり基本的には、困り事があって、そして警察に相談に行く、お巡りさんに相談しに行くというのはまず社会の治安の原点だけれども、警察官がそれに対してなかなか対応していない面も最近は往々にしてよく指摘されているわけでありますが、警察の立場から見れば、何か具体的な犯罪がなければ、そういう立場になりやすい面もあるんだろうと思います。それはなぜかといえば、やはり警察権といいましょうか、公権力を行使することについて社会がどう見るか、またマスコミはどう見るか、そういう気持ちがありますとついつい及び腰になってしまうということになる。特に、少年犯罪の場合は家庭のプライバシーの問題に入ってくるという点もあるのかと思いますが、幅広く政府全体としてこの問題に深刻に取り組んでいくことがやはり大事だと思います。     〔久間委員長代理退席、委員長着席〕

平田米男公明党・改革クラブ

○平田委員 ぜひよろしくお願いいたします。  と同時に、私は、地域のコミュニティーというのをしっかりしていかないと、学校や警察だけに頼るのではなくて、やはり地域全体がもうちょっと人間関係を濃くして、こういう少年たちが地域の皆さんの声で非行に走らないようなネットワークというのをきちっとつくらなくちゃいけないのではないかというふうに思うんです。特に、新興住宅地域ではなかなかそういうものがないというふうに言われておるわけでございますが、さまざまな努力をやっていただいている話を聞きます。  例えば、私の地元の名古屋では、名古屋市がトワイライトスクールというのをやっております。私は、子はかすがいだ、これは夫婦だけではなくて地域のかすがいにならなければいけない、なっているんだ、こう言っておるわけでございますが、このトワイライトスクールというのは、放課後に学校の教室を開放いたしまして、生徒と児童、そしてまた地域のボランティア、おじいちゃん、おばあちゃんたちと一緒に遊んだりなんかして交流をしていただく場を提供するわけでございます。最近またなかなか三世代同居というのはないわけでございまして、お年寄りも自分の孫となかなか一緒に住めない、交流がない、そういう状況にもございますし、孫も、子供たちもそういう状況にあるわけでございますが、地域で横の連携をとればこれが解消いたします。そこにその地域の人間関係というのが濃密になるのではないかというふうに思います。  また、もう一つ、兵庫が、大きな少年事件があった後に、トライやる・ウイークという名前で、五日間連続で体験学習をやる。中学二年生、全県の生徒を対象にして今やっておられまして、これが大変な成果を上げている。  要するに、これは、地域の大人がみんな先生なんだ、こういう意識、考え方で対応した新しい発想でございますが、これはぜひ実現をしていくべきものでありまして、こういうことをきっかけにして地域のコミュニティーというのはできていくのではないかというふうに思います。  時間がなくなりましたが、最後、文部大臣に、この二つの制度等をいかに推進していくかということをお答えいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今委員から御説明いただきましたトワイライトスクール、それから兵庫県のトライやる・ウイークは大変効果を上げている、そういうふうにも伺っております。また、非常に有意義なものであると思っております。  こういうような地域における活動というものが全国的に展開されまして、そして社会全体が、地域全体が子供たちの育成を見守っていくということは非常に意義のあることであると思いまして、私どもも、今後もこういうような活動が促進できるように支援をしていきたいと思っております。

平田米男公明党・改革クラブ

○平田委員 ありがとうございました。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて北側君、平田君の質疑は終了いたしました。  次に、井上喜一君。

井上喜一保守党

○井上(喜)委員 保守党の井上喜一でございます。  まずもって、森総理、御就任おめでとうございます。内外ともに大変難しい問題が多い時期でありまして、本当に御苦労さまだと思います。私ども保守党も、微力でありますけれども、森総理をお支えして頑張ってまいりますが、森総理におかれましても、御精進いただき、立派な成果を上げられますことを期待いたしているものでございます。  森総理は、所信表明演説でありますとか、あるいは質疑の場を通じまして、小渕内閣の課題を引き継いでいくんだ、そういう課題の解決に当たっていく、こういうことをしばしば言明されているのでございます。  景気対策を初め非常に難しい問題もたくさんその中に含まれていると考えておりますが、しかし、考えてみますと、私どもの任期はもう限られたものでございますし、最近の報道等によりますと、六月に選挙があるんじゃないかなんというようなことも言われているような状況であります。解散はまさに総理の大権ともいうべきものでありまして、総理自身が一番適当と思われる時期に解散をされるということ、それはもう当然のことであります。しかし、さはさりながら、それじゃいつでもいいんじゃないかということにもならないんじゃないか。解散までにどうしてもやはり解決をしておかないといけない問題でありますとか、あるいは解決のめどをつけておかないといけないような問題もあろうかと思うのでありまして、それらの問題につきまして、まず総理の御見解をお伺いいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 井上議員から御激励をいただきまして、大変光栄に存じております。  先ほどの自民党の亀井議員の御質問の際にも申し上げましたように、小渕総理は本当に残念な思いでああした事態になられた、そして今もまた病院で懸命に闘っておられる、そのことだけは常に私は頭に置きながら、この内閣の責任を負うことになりましたことも、与党の幹事長としての立場で支えておりましたその責任をしっかり果たすことだ、こういうふうに私は考えて、お受けをさせていただいた次第でございます。  浅学でありますし、非才な私でありますから、小渕総理以上のことはできないと私も思っておりますが、しかし、こうして宮澤大蔵大臣を初めとしてすべての閣僚にも、すべての政務次官にも、すべて御留任をいただきましたことも、小渕前総理、小渕内閣としてやらなければならぬことを、私はしっかりそのことをフォローしていきたい、こういう思い、そういう願いからこういう立場に今立っているわけでございます。  解散の問題については、正直申し上げて、まだ現時点では全く考えておりません。したがって、常に国家国民の立場に立って考えていかなきゃなりませんが、井上議員の御指摘のように、十月十九日までが私どもの任期でございますから、小渕総理が一番頭の中に描いて、そして内閣を組織されたときからのやはり大きな課題は景気対策、そして経済の新生ということであったと思いますから、そのことだけは、明るさが展望でき得るように、その時点をしっかり見きわめていきたい、こういうふうに今考えております。  その後、有珠山の問題もございますし、あるいは沖縄・九州サミットもございますが、これも日本にとって極めて大事な外交案件でございますし、このサミットが本当にスムーズに沖縄県の皆さんの御協力で成功でき得るような事前の対応だけはしっかりとっておく必要がある、こういうふうに考えております。

井上喜一保守党

○井上(喜)委員 今、世界も日本も大変大きな激動の中にございまして、そういった変化に合わせていろいろな改革というようなことが議論をされているわけでございます。時にはそれに応じて、また時には先立ってそういった改革を進めていかなくちゃいけない、そんな時期だと思うのでございます。  戦後半世紀たちまして、日本の諸制度につきましてもいろいろと問題が出ておりまして、もう既に皆さん方がそんなことを繰り返し申されておりまして、今さらそれを改めて言うまでもない、そんなふうに思います。私ども保守党も、そういった改革を今後とも続けていく、改革をしていく努力をしていきたい、そんな考えでいるものであります。  それと同時に、しかし、今、日本の社会の基礎と言っていい家庭でありますとかあるいは地域社会にもう少し目を向けていくべきじゃないのか、そういう家庭の問題あるいは地域社会の問題を取り上げていくべきじゃないか、こんなことを考えているわけでございまして、私どもは、家庭とか地域社会というのは、家庭のきずなとかあるいは地域社会で支え合うというようなことがありますが、それ以上に、本当に内在して大きな力を持っていると思うんですね。社会全体を動かすような力も持っている、こんなふうに考えますし、また人間生活の安らぎの場所でもある、そんなふうに思います。こういった家庭や地域社会がよくなれば日本の社会もよくなるだろうし、あるいはひいては世界もよくなっていく、そういうようなことも言える地域社会や家庭じゃないか、こんなふうに思います。  今、家庭のきずなが緩んでいる、あるいは地域社会の支え合うそういう力がだんだんと薄くなってきている、こんなことが散見されるような事件が多くなってきているわけでございまして、こういう時期に当たりまして、私どもは、家庭や地域社会にもっと目を向けていく、政治の焦点を合わせていくというような意味で、新家庭主義あるいは新地域主義というべきものを提唱していきたい、こんなふうに考えているわけでございます。  つまり、家庭や地域社会を中心に据えていく、家庭や地域社会の充実を念頭に置きまして現在の社会保障制度を見直していくとか、あるいは育児なんかの制度を見直す。これらは、あるいは雇用の制度とも関係してくるかもわかりません。あるいは、住宅につきましても三世帯、四世帯住宅をこれからつくっていくとか、あるいは地域社会の活動としてNPOの活動なんかが大変最近盛んになっておりますけれども、税の制度といたしましてもNPOに対する非課税の範囲を広げていくような、そんなことを検討していかないといけないんじゃないか、早急に見直していかないといけないんじゃないか、こんな感じを持っております。  さらに、地域の文化や伝統あるいは祭りなんというようなものもありますけれども、こういうものの継承にももっともっとやはり力を入れていく。あるいは、教育の中にも家庭の問題あるいは地域社会の大切さというものをもっともっと取り入れていくような、そういうことが必要になっているんじゃないかと思うんですね。  もちろん、これまでもそういったことをずっとやられてきたのでありますけれども、この際もっと力を入れていくべきものとしてそんなものがあるんじゃないかと考えるのでありますが、森総理の御見解をお伺いいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 社会を構成してまいります基本は、やはり家庭であり社会だということだと思います。どうも、高度情報化社会であるとか、科学技術でありますとか、あるいは国際化でありますとか、そういう大きな流れの中で、基本のことをややもするとみんなが忘れているということが最近のやはり社会の現象だろうな、私はこう思っています。教育改革もやはり同じことでありまして、そういう意味で、やはりそういう家庭、社会、そして学校、その中でどう児童たち、子供たちの教育に当たるのか、これが基本だろう、そう考えています。  私なりの考えも持っていますが、長時間にわたりまして恐縮でございますので、井上議員の今御提示されました御意見、私も基本的には大賛成でございまして、そういう基本的な姿勢でしっかりと社会の改革あるいは政治の改革、制度の改革に取り組んでいきたい、こう考えております。

井上喜一保守党

○井上(喜)委員 平田議員も取り上げておりましたけれども、最近凶悪な本当に痛ましい少年事件が多発をいたしておりまして、また児童の虐待なんというようなことも多くなってきている、こういうことが言われておるわけでありまして、こういうことは家庭でありますとか地域社会の現状と深くかかわり合っているようなところも多いかと思うのであります。  警察庁の資料を拝見したのでありますが、本当に驚くべきことが多々あるわけでありまして、少年の凶悪犯、凶悪犯というのは殺人、強盗、放火、強姦の四種類を指すようでありますけれども、どんどんふえてきている。しかも、ここ十年間ぐらいのうちに倍ぐらいになってきているわけですね。しかも、一人でやらないで集団でやるのですね。集団も多人数の集団、三人以上の集団でやるような犯罪が増加する、あるいは犯罪少年は無職が多いのですね。これまた非常に特異な現象だと私は思うのであります。  しかも、かつては凶悪犯というのは都市部で大体起こったものでありますけれども、それが全国的に、全地域的に拡散をしていっているような状況も見られる、こういうことでありまして、他の非行等につきましては言うに及ばず、大変増加をしてきている、こんな状況でありまして、本当に罪を犯すことへの抵抗が少なくなってきているのですね。つまり、犯罪意識が希薄になってきているということかもわかりません。それが大勢でやるものだから、なおさら責任感が薄いということもあるのかもわかりません。しかも、この少年犯罪の被害者というのは本当に泣き寝入りでありまして、何ともこれまた残念な状況でございます。  我々保守党は、改めて家庭のきずなでありますとか地域社会の支え合いということを指摘するわけでありまして、そういう対策の緊急性とか必要性、こういうことを強く訴えてまいるのでありますが、同時に、思い切った少年凶悪犯に対する対策をやはり考えていかないといけない、こんなふうに思うのです。  ちょっとこれは質問が多くなりますので、全部申し上げましてお答えをいただきたいのでありますが、三つばかり私は質問をしたいのです。つまり、今の犯罪事犯を見ておりますと、どうも日本の社会が大きく変質してきているような、そんなことを感ずるのでありまして、これはなかなか難しい問題ではありますが、手をこまぬいてはいられない問題だ、こんなふうに考えるわけであります。  その第一は、家庭とか学校とか警察とか町内会とかあるいは自治体、こういうところが一体になりまして青少年の健全育成というものに今取り組んでおります。かなり成果も上がっているところもあるのでありますけれども、いま一つというようなところも多々あるんじゃないかと思うのであります。これを私は、今家庭の教育力というのは非常に落ちておりますから、そういう家庭を地域が支援をしていくような体制をつくっていくとか、あるいは学校におきまして先生がもっと生徒の中に入っていくとか、あるいは生徒のいろいろなことを聞く相談体制をきちっとするとか、あるいは警察のきめ細かな対応、あるいは、今保護司さんなんかが一生懸命やっておられますけれども、それも本当にこれで十分なのかどうかというような見直し、そういったことが大切じゃないかと思うのです。いずれにしても、日本の社会が大変危機的な深刻な状況にあるわけでありますから、これについての総理の見解をお聞きするのが第一点であります。  第二は、少年法の改正問題であります。  今、国会の方に少年法の改正案が出ておりますが、これは少年事犯の事実の認定手続を適正化しよう、そういうねらいなんですね。これはもっともなことでありまして、総理御承知のとおり、審判手続で三人の裁判官で行うような、そういう裁定合議制度を入れていくとか、あるいは審判への検察官の関与を認めるとか、あるいは観護措置期間を多少延長するとか、こういう中身でありまして、これらのことはもう当然のこととして早くやらなくてはいけないことだと思うのですが、それにとどまらず、犯罪が非常に低年齢化しておりますので、ぜひとも少年法の適用年齢を早急に検討して結論を出すべきだと思うのです。  例えば、少年法の対象というのは二十歳未満でありますけれども、これを例えば十八歳にするとか。あるいは、刑事責任年齢が今は十六歳からなんですね。ですから、少年なんかはよく知っておるのですね、十五歳まではいろいろな犯罪をやっても罪にならないなんということを知っているわけですね。ですから、これを例えば十六歳を十四歳に引き下げるというようなことを考えるべきじゃないか。外国の方の法制なんかと比較をいたしましても、いささか日本は、少年法のこういった年齢というのは高過ぎるのではないかと思うのですね。  あるいは、これは警察庁の内規でありますか通達でありますか、少年警察活動要綱というのがありますが、これなんかは、少年事犯については少年の氏名とか学校は公表しないのだ、こうなっておるのです。一般論としてはよくわかります。わかりますが、非常な凶悪な事犯、本当に更生の見込みもないんじゃないかというような、そういう少年もいるわけでありまして、最近もある事件で少年の氏名を発表した新聞もありましたが、これは、やはり社会的にも関心を呼ぶというような意味から、ある限度を超えた事犯については公表を認めるべきじゃないかと思うのですね。そのためのガイドラインをつくるべきじゃないかと思うのですが、これについての総理の御見解です。  最後は、マスコミ等の対応なんです。  書籍だとかビデオの販売、あるいはテレビの放映なんかで問題のあるものもある、これもよく言われたことでありまして、これら関係者の自粛が本当に求められるのでありますが、総理自身、こういうことについてどんなお考えなのか。あるいは、こういったマスコミ等についての対応をこれからどういうぐあいにしようとされているのか。  三つ今御質問いたしましたけれども、まとめてお答えをいただければと思います。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 臼井法務大臣。簡潔にお願いいたします。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今委員御指摘をいただきましたとおり、今国会に御提出をさせていただいております少年法改正では、年齢引き下げは入っておりません。各党各会派で最も激しい御議論のあるところでございまして、まずもって基本的な部分を成立させていただきたいとお願いいたしているところでございますが、今後、国会の御議論等も踏まえて、年齢引き下げについてもしっかりやらせていただきたいと思っております。  また、少年法の六十一条では、少年の犯罪に関する出版物への記載内容等を制限することによって、少年の特定に関する情報が広く社会に伝わり、少年の社会生活に影響を与えることを防ぎ、その更生に資することを趣旨としている規定でございまして、その制限を緩和することについては慎重な検討を要するものと考えております。  以上でございます。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 青少年の健全育成は、家庭のみならず、地域社会全体で取り組むべきことであることは言うまでもございません。  その中で、大きな影響を与えておりますマスコミ、テレビあるいは雑誌等の報道でございますけれども、私どもといたしましても、青少年の健全育成を阻害するような暴力シーン、性的な番組等については自粛をお願いし、また関係団体においても自粛していただいておりますけれども、なかなか是正も十分ではないと思っております。  そういう意味で、これらのスポンサーになられる経済団体等にも、番組への協賛をされる際には御配慮等もお願いしているところでありますし、また、これは文部大臣の直接の所管ではございませんが、青少年健全育成基本法のようなものも制定し、国のきちっとした青少年育成に対する方針を示すということも大切であろう、そういうふうに思っております。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 マスコミに対してどう思うかというのは大変難しい問題でございますが、社会全体が、営業を、経済行為を営んでいく中で、子供たちにどういう影響を与えるのかということを、やはり一つの規範として考えていただきたいなと思うのです。これを政府や政治の力でどう制御するかというのはとても難しいことで、やはりこれは、国民の皆さんがこの問題意識を持ってくださることが一番いいのだろうと思います。  そういう意味で、最近、某新聞が過激な性的な表現がある週刊誌の広告掲載をお断りになった、私はすばらしかったと思います。それから、PTAでそうした番組に対してスポンサーにならないように呼びかけられた、これも私はすばらしいことだと思います。  やはり、公共の電車の中のそういう広告物であるとかそういうことをみんなで注視をしていく、みんなで注意をしていく、そういう社会をみんなでつくっていく、そういう国民全体の盛り上がり、広がりというのは大事なことではないかな、私はそう思っています。

井上喜一保守党

○井上(喜)委員 では、質問を終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、西田猛君から関連質疑の申し出があります。井上君の持ち時間の範囲内でこれを許します。西田猛君。

西田猛保守党

○西田(猛)委員 保守党の西田猛でございます。  まず、世紀の変わり目に就任されました森新内閣総理大臣の御健勝にての御活躍を心からお祈りいたしますとともに、小渕前総理の一日も早い御回復をお祈り申し上げたいと存じます。  私どもも、小渕総理とも一昨年十一月の自由・自民合意以来一年半御一緒させていただきました。今後とも保守党として一緒に働かせていただくことをお誓い申し上げたいと存じます。  さて、昨年の国会におきまして、政治主導の政策決定システムの確立のためにいわゆる国会改革法というものが成立をいたしました。これでは政府委員制度が廃止され、国会の中でいわゆる国家基本政策委員会というものが設けられまして、内閣総理大臣とそれから野党党首の皆様方との討論が設けられたのでございます。  これらは一連の政治、選挙制度改革法案、これは、小選挙区制度を導入して、そしてできれば二大政党制を目途といたしまして、それで国会改革法、それから来年一月から始まる中央省庁改革法、そして地方分権推進一括法、これらは全部セットでございます、セットで、要するに成熟した民主主義を醸成するために国民の皆様方にも意識を変革していっていただきたい、深化していっていただきたいという思いからできておる改革だと存じます。  そのような中で、先週初めて国家基本政策委員会に登板されて、党首討論に参加された森新内閣総理大臣のこれらの一連の改革についての御感想をお聞かせいただけますでしょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今、一連の国会改革について御指摘がございました。国会の仕組みを変えるということを思い切ってみんなでやり遂げたということは、すばらしかったと思います。  しかし、まだそれぞれ成熟していない面もあると思うのです。政府委員を全部廃止したからといって、かえってスムーズにいくかどうかという面もやはりあるのだろうと思います。必要に応じて政府委員というものの意見も聞いてみることも、大臣はそういう細かな、お役人ではないわけでありますから、そういう面もあるのだろうと思います。  党首討議というのをどう感想を持つかというのは、なかなか私も最初でございまして、腰が落ちついていなかったということでございまして、今あえて感想を求められても難しいのですが、党首討論なのか、総理大臣と野党の討論なのか、ここがまだ明確にはなっていないのかなという感じがいたします。  お互いに党首が意見を述べ合うということは大事ですが、ややもすると、従来の国会のやりとりのパターン、つまり予算委員会の延長線上のような形になっている面が、私は与党の幹事長で当時見ておりまして、そんな印象を持ったわけでございます。  私は、初めて登板してどういう感想を持てるかというのは、もうちょっと時間をおかないと、感想を申し上げられるようなそういう立場じゃないと思っています。

西田猛保守党

○西田(猛)委員 ありがとうございました。  そのような中で、たくさんの課題を抱えておる森新内閣でございますけれども、特に、将来に対して国民の皆さんが大きな不安を感じておられる。  私も先週末家へ帰りまして、地元の大阪府の池田市とか箕面市とか茨木市などで座談会を開きましたら、今が一番苦しいですよという中小企業主の皆様方の声がございました。これはとりもなおさず、将来に不安を感ずるから余り消費をしない、そして貯蓄にばかり回っている、あるいはいろいろな経済活動が停滞しているというところだと思います。  私ども、これは年来の主張でございますが、年をとって仕事ができなくなったら年金、一人で生活できなくなったら介護、そして病気がちになったら医療があるという、高齢者医療、そして基礎年金、介護、これは社会のセーフティーネットの三つのアイテムとして国が責任を持って整備するべきではないか。これを税金で行うのか、社会保険負担で行うのか、これは余り大きな議論ではありません。どちらもこれは国民が負担して、そして財政措置で行うべきであると私は考えております。  その上で、これらは国防とか治安とは違って、国がどうしても行わなければ市場の失敗があって民間企業が手をつけられない分野ではございませんので、給付と負担の関係を明確にすることが可能でございます。したがって、財政措置でするにしても特定目的税、あるいは社会保険負担制度でやるにしてもある種の特別会計ということで、ここらあたりをはっきりとした形に国民の皆様に示していくのが必要ではないかと思うのですが、総理のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今、西田議員おっしゃいましたように、一番ここがやはり難しい、大事なところだと思います。経済の改革も行政の改革も、特にこうした医療、福祉の問題の改革も、すべてが、これでいい、満足だというものはなかなか出てこない。しかし、将来において、こういう少子高齢化が非常に激しく進んでいる中で、やはり生涯を安心して暮らせる、そういう社会を築くという意味でも、持続的に安定的で効率的な社会保障制度をやはり構築するということが大事という意味で、さらにこれからも、政府としても今、社会保障構造の在り方について考える有識者会議の議論をいただくようにいたしておるわけでありますが、そういう意味で、将来ともにこうした社会保障、社会福祉の制度が、皆さんに満足して、安心を持ってもらえるような制度に、みんなで議論を詰めて、仕組みとして構築していくことが大事だというふうに私は考えております。

西田猛保守党

○西田(猛)委員 今お話し申し上げましたように、総理からもお話がありましたが、社会福祉のセーフティーネットをつくっていくこと、これは一見考えますと何やら財政支出がふえるような思いがいたしますけれども、実はそうではないと思います。このように将来の不安をなくすような社会福祉のセーフティーネットをつくること、あるいは働きたい方が何としても働けるような雇用状況をつくっていくこと、こういうことが行われれば、例えば人間は幸せであれば健康でしょうから、医療費の抑制ができます。あるいは、社会的な福祉のセーフティーネットができていれば、いろいろな消費がふえて国民の皆さんの経済活動も発展するでしょうしとかいうことで、構造的ないろいろな改革に取り組んでいくことそのものが将来的には財政再建につながるのだという視点を私は持っていくのが肝要ではないかなというふうに考えております。  何も国の歳出を一律カットするということが財政構造改革では決してございません。大なたを振るっていろいろな構造改革に手をつける、それが国の赤字を減らして、そして財政構造改革につながっていくのだと思いますけれども、総理の御決意をお聞かせ願えますでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは以前から私もよく申し上げているところでございます。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど余り時間がないということでございますので、西田議員の時間をできるだけと思いまして御遠慮申し上げたわけですけれども。  やはり、先ほど申し上げましたように、税制も含めて、それから国の財政支出もあわせまして、本当に個人が社会的に公的な負担がどの程度までが必要なのか、どの程度がぎりぎりのところで、国民の皆さんに理解してもらえるのか、そういうことを年金も医療も介護も、その点、給付と負担のあり方、すべて含めて、財源の問題もあわせて、横断的な観点から検討を加えていくことが重要かと考えております。

西田猛保守党

○西田(猛)委員 ありがとうございました。  それでは、多難な森内閣の諸課題に対するこれからの問題解決に大きく御期待を申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。ありがとうございました。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて井上君、西田君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ————◇—————     午後一時開議

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。菅直人君。

菅直人民主党

○菅(直)委員 小渕総理が病気に倒れられ、森新総理が誕生いたしました。小渕前総理の回復を心からお祈りをしておりますと同時に、森新総理にも、大変厳しい中での御就任、御苦労さまでございます。  四月の五日に就任をされて、きょうでちょうど二十日目、予算委員会が二十日目というのはちょっと長い感じがいたしますが、きょうは国民の皆さんの前で、新総理がどういうお考えをお持ちなのか、順次聞いてまいりたいと思っております。  そこで、この森新政権、一説には居抜き政権と言われて、総理以外は全員が再任をされているわけです。また、小渕政権の継承ということで、第二次真空内閣、これは私が申し上げているんですが、そういう性格かなとも思っております。  しかし、そうは言っても、私は、小渕政権とこの森政権は大きく性格が変わった、このように思っております。  それはなぜか。それは、ちょうどこの政変劇と同じくして、自自公政権から自公政権にと政権の性格が変わったということであります。つまりは、自自ができ、自自公ができ、そして今回自公政権ができたわけであります。(発言する者あり)保守党があるというやじも飛んでおりますが、選挙までに合流を何人かがするというようなことを言われている政党は、私は、自己保身の保であってもそれ以上のものではないだろう、こう思っておりますので、あえて自公政権、このように申し上げておきたいと思っております。  そこで、この自公政権の性格は何が違うか。公明党の皆さんが、総理大臣のいわば選択権を握られた。つまり、前の小渕さんのときは公明党の皆さんはキャスチングボートを別に行使をされたわけではありませんが、今回は公明党の皆さんが参議院を含めてキャスチングボートを持って行動されたわけでありまして、私は、そういう意味では、この森政権が、自公連立ではありますけれども、談合による自公談合政権だ、このように見ておりますが、総理御自身は自分の新しい政権をどうごらんになっていますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 菅議員の御質問の中で、保守党に対する一つの見方を述べられたわけですけれども、それはまた貴党と保守党との間の問題だと思いますが、少なくとも、今こうやって御審議をいただいている法律、それから先般皆様の御協力をいただいて可決をいたしました予算案、これは自自公三党連立によってできたものでございまして、その三党が一緒になってつくった予算、一緒になってそれに伴ってつくりました法案、それらを国会で今議論をしていただき、またこれからもまだ続けなければならぬ、そういう時期だと思っております。  そういう中で、自由党さんとのいわゆる手法について、党首会談の中で、一緒にやっていけることは難しいという御判断で、それで自由党が連立を去られたということだと思います。しかし、自由党の皆さんも、皆さんが一緒になってつくられたこの政策課題、これは、今の私どもが中心になっている内閣で続けていくことについては、それはある意味での御協力もあるというふうに私ども伺う、それは私は、実際、自由党としては大変賢明なお考えをしていただいたと思って、喜んでいるところでございます。  そういう中で、今回、自由党で一緒に連立を組んでおられました中で、やはり引き続き連立が必要だ、こうお考えになった方々が保守党として残られたことでございまして、それを今、菅さんから、保守党が自己保身の保だと言うのは、やはり極めて失礼な言い方だと私は思います。  やはり、私はこの議論はまたいずれ菅議員としなきゃならぬと思いますが、あなたも小選挙区制、この制度をやろうとされた立場にあられたと思いますね。当時は武村議員などと御一緒でした。私はどちらかといったら守旧派でございました。しかし、この制度を取り入れた以上は、いずれはやはり二大政党あるいは二大潮流という形にまとめていかなければ、日本の政治は新しく改革されないということだったと思います。  そういう中で、これからやはり政党同士で、選挙のたびごとにいろいろな形の中で、我々与党からいえば、どうやって勝利をでき得るのか、どうやって選挙を勝ち抜けるのかという、考え方は一時的にいろいろな方法があっても、それは政党と政党の考え方であって、私は必要なことではないかと。現に自由党との間にも、私は当時幹事長として選挙協力の問題をずっと詰めてまいりましたけれども、最終的には、ここのところはやはり合流せざるを得ないのかな、そういう判断のもとで、当時、小沢党首ともいろいろ話し合ったことを今想起するわけでございます。  いずれにいたしましても、私は、居抜きだとか井の中だとか、いろいろおっしゃってくださっていますが、たびたびきょうの予算委員会で申し上げたように、小渕前総理が残された仕事を、私はこれを受け持って、そして責任を果たしていきたい、こういう気持ちで私は受け、担当させていただいたわけでありますから、全閣僚、全政務次官、全部残っていただくことが、私がこの内閣の責任を負うことの私なりの条件であったということを申し上げておりまして、何ら恥じることはないと思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 私が申し上げたかったのは、別に保守党のことをどうこう言うつもりはなかったのですが、やじが余り飛ぶものですから申し上げたのです。  つまりは、今度の政権は、公明党が完全に、自民党の例えば小渕派にまさるとも劣らないほどの大きな影響力を政権に持たれた政権だ、そのことを明らかにしておくことが私は必要だと思いましたので、保守党というのが残られたというのは知っておりましたが、私はやはり自公政権と言うのがふさわしいということで申し上げたところです。  そこで、森総理、私も自社さ政権のときには政権をともにいたしましたし、あるいはこの間も与野党で、ある意味では渡り合う関係にあったのですが、残念ながら、私にとっても、森さんというのは余りイメージが鮮明とは言えないわけです。先ほど、みずから守旧派的なところというようなことをおっしゃいましたが、政治経歴を見ますと、青嵐会で多少タカ派なところがあるのかな、文教族かな、あるいは公共事業でいえば、どちらかといえばばらまき派なのかな、あるいは改革を進めるよりは調整型、守旧派的やり方なのかな、リクルートを含めていろいろな疑惑問題でも名前がよく挙がってくるなとか、あるいは失言が大変多い政治家だな、そんな感じがいたしております。  しかし、これらのことだけを言ったのではまさに失礼に当たりますから、これから具体的なことをいろいろお聞きする中で、国民の皆さんに、森総理という人間がどういう政治理念をお持ちか、順次問うてまいりたいと思っております。  まず、連休に入りますと総理はロシアに出かけられて、プーチン次期大統領とお会いになると聞いております。サミットを前にして、二〇〇〇年末までに四島問題の解決を含む平和条約の締結というのがクラスノヤルスク合意という形であるわけですが、これを実行されたいということだと思いますが、その見通しについてまずお伺いをいたしたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 菅議員にちょっとお許しをいただきたいのですが……(菅(直)委員「いや、なるべく早く」と呼ぶ)いやいや、あなたはさっきから急げ急げとおっしゃるから、大事なことを先ほど少し省略したのですが、自公だけで組んでいくことが安定だ、こうおっしゃいますけれども、参議院の体制のことを恐らく菅議員は頭になかったと思います。自自だけでは、当時としては参議院での過半数を得ることは難しかった。やはり政治基盤を安定させて、そして果敢に、果断に取り組むということから自自公の協力を求めた、そしてそれを維持したということでありますから、この点はぜひ、国会というのは衆議院だけではないのであって、参議院というものも常に存在をしているんだということは忘れてはならないことだというふうに思っております。  それから、お尋ねの、これから訪ロいたすことになりましたが、小渕前総理は、恐らく、本来サミット前にプーチン首相に来ていただきたいというお気持ちは、公式にあったと思います。しかし、これは、プーチン氏そのものがまだ大統領に就任をされていないということもございまして、非公式にぜひお目にかかって二国間の問題も幅広くお話をしたい、そういう御意思であったというふうに、私は一日の夜、たまたま小渕総理と二人だけになりましたときに、その意思をお話をされておりまして、ぜひともプーチン大統領代行がロシアの大統領に就任される前に自分としてはどこかでお目にかかってお話をしたい、そういう思いを私に大変長い時間をかけておっしゃっておられました。  私は、そのことを大変大事に考えておりましたので、当時、小渕総理の私的なお使いという立場で我が党の鈴木総務局長が現地に行っておりましたので、小渕前総理のお体とは別として、ぜひその日程は詰めていただきたいということを私なりに御連絡を申し上げたわけでございます。  先ほど菅議員からも御指摘がございましたように、これまで橋本元総理あるいは小渕前総理が積み上げてこられた二国間の問題、そして平和条約の問題、四島の帰属の問題、引き続きエリツィン大統領からプーチン新大統領にそのことが移行されていくのかどうか、そういうこと、そしてこれまで日ロ間で積み上げてきたことが間違いなくこれからも誠実に進められていくのかということをぜひ確認もしておきたい、そういう思いで、まさに小渕前総理のその思いを私はそのまま受けとめて、そして訪ロをいたしたい、こう考えているところであります。

菅直人民主党

○菅(直)委員 一つだけお願いしておきたいのですが、いろいろな解説は、大部分のことは国民の皆さんもよく御存じですし、私も大体のことはわかっております。できるだけ森総理には自分のお考えを述べていただきたい。経緯の説明は余り多くの時間をとるともったいないと思っておりますので。  結局、今言われたのは、何を言われたかというと、これまでどおりやっていけるかどうかを確認したいということだけ言われたのですね。ですから、行って自分がプーチン次期大統領と交渉して、当初の方針どおり二〇〇〇年までに平和条約を結ぶように頑張りたい、せめてそのぐらいの決意があるのかと思ったら、確認をしたいと言うのでは、私は、とてもではないけれども、それで二〇〇〇年までの、それでなくても難しい平和条約が本当にできるのかなと、これまた先送りなのかなと、まずは国民の皆さんは思われるでしょうし、私もそう感じました。  そこで、もう一つ、次に重要な問題を聞いておきたいと思います。  台湾で総統選挙がありました。陳水扁次期総統が決まったわけですが、その前段として、李登輝現総統が中台関係を国と国との関係だと表現をされました。これに対して中国は、一つの国という原則を強く主張しております。  森さんは李登輝さんとも親しいというふうにお聞きしておりますが、この二つの考え方について、森さん御自身はどう考えられているのかお聞きしたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 個人的には、中国の方にもあるいはまた台湾の方にも親しくしている方がございます。しかし、この台湾の問題、中国の問題は、あくまでも中国人同士の問題でありますから、その当事者同士で平和的に話し合っていただきたいということは、絶えず、私は党の立場で、中国の要人ともあるいはまた台湾の要人とも、お話をするときは必ずそういうふうに申し上げております。あくまでもこれは平和的に両対岸同士で話し合っていただきたい、そういうふうに私は今もそう強く希望しております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 これも答えられていないですよね。  それは、だれも、平和的にやってもらいたいというのは当たり前の話であって、クリントン大統領は、中国に行かれたときに三つのノーを口頭で表明をされて、一つの中国ということに、いわばそれを是とされたわけであります。そういう考え方もあるし、あるいは国と国の関係という考え方もあり得るのかなと私も考えます。そのどちらですかとお聞きしたら、平和的な交渉をと言うのは、それは、隣国、我が国の総理としては見解を持たないということであって、これもはっきりいたしません。  そこで、もう少し具体的なことを聞いてみたいと思います。  李登輝総統は、総統をやめた後、訪日したいという希望があるようですが、総理はその希望に対してどう考えられていますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 李登輝総統がそういうお気持ちがあるということは新聞等で伝えられておりますが、私どもとしても、政府としても、まだそのことを具体的に、正式なお話があるというふうに承知をいたしておりません。

菅直人民主党

○菅(直)委員 これまた逃げられましたね。正式な話がないというのはわかっていますよ。政治家森喜朗としてどう思われるかということをお聞きしたんですが、これも何も答えられませんでした。  それでは、中台関係が、四年前でしたか、総統選挙のときにかなり緊迫をした時期があります。その後、我が国は周辺事態法を制定いたしたわけですが、中台がそうした軍事的な衝突、緊張関係が出たときに、我が国の自衛隊の行動はどういうことになるのか、この地域はこの法律で言う周辺地域に入るのかどうか、総理はどうお考えですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 菅議員からいろいろ中国、台湾について御発言がございましたが、我が国政府は日中共同声明の精神というものを踏まえてこの問題には対処しているわけでございまして、このことは我が国の政府が一貫してとっている態度でございますから、これについてあれこれおっしゃられても、それは従来どおりということで何の変更もないというふうに申し上げることが、外務省としては当然のことだというふうに考えております。  また、周辺事態法の問題は、周辺事態というのはあくまでもその事態に着目するのであって、その地域に着目をしているのではないということは、これまで法案審議で再三議論があったところでございまして、こうした問題についても当然議員も御承知のことだと存じます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ですから、私たちも修正案を出したぐらいですからよく知っています。ですから森総理大臣にお聞きしているんです。外務省の見解を聞いていません。森さん、どうですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私も今は内閣総理大臣でありますから、個人森喜朗としての考え方をここで申し述べることは、これは適切ではないんじゃないですか。仮にそんなことが、こういう中で自分の意見を申し上げたら、逆にまた、日本の国とそれぞれの関係の国との関係は一体どうなってくるのか。大変大事な問題だと私は思いますよ。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ですから、総理の口から、これまでこうこういう考え方があって、それでいきますと言われればそれでいいんですよ。それを何か、総理大臣だから物が言えないということはないわけでありまして。  では、次にちょっと話を進めます。  総理とも親しい石原都知事が三国人発言をされまして、かなり問題になりました。総理はこの発言についてどうお感じになりますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 これは、この御発言がありましたときにも、記者団からちょっとそのコメントを求められたときも申し上げました。  私たちが教育を受けてきたときには、第三国人というのは、他国の人たちをべっ視するというような、そういう意味で私どもはこの第三国という言葉を使わなかったと思いますし、かつては外務省なども、第三国というような言い方もやはりしていたというように私は記憶をいたしております。  私は、そういう意味で、石原議員はどちらかというと、政治家ということよりも、絶えずやはり芸術家、文学者的な発言もしばしばある、そういうことが、都知事という政治家としての立場の中に、いろいろ意見が、さまざまな問題が出てくるんだろうと思います。東京都知事という、そういうお立場でおっしゃったということは、これはやはり慎まなければならぬ、私はこのようにその当時、記者団にもコメントとして申し上げておきました。

菅直人民主党

○菅(直)委員 べっ視する表現ではないと思うと言う、そうでしょうかね、必ずしもそうではないんじゃないかと思いますが。  総理は、就任会見のときに、シナ事変という表現を日中戦争についてされましたが、まさに日中戦争について、これは日本の侵略戦争であったというふうにお考えですか。どうですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私も当時、生まれた時代がちょうど十二年だったわけでありますし、父が戦争に応召をしたわけでありますから、そういうふうな形で私のときは聞いていたわけでございます。  今日、長い歴史を経て、ある時期こういう不幸な時代があったということについては我々は大いに反省もしなければならないし、そういう時代を踏まえて、そういう経験を踏まえて、これから新しい中国との関係を構築していくことが極めて大事だ、私どもはこのように考えております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 答えてください、もう一回。そんな質問はしておりません。日中戦争について、侵略戦争という見方があるけれども、どういうお考えですかと聞いたのです。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 戦争というのは、やはりその時代その時代の背景でいろいろな問題意識はあったのだろうと思います。私は、日本が侵略戦争をしたかどうかということは、これは歴史の中でみんなが判断をしていくべきことであると思っておりますが、私は、日本の国であれ、どこであれ、国と国との戦いというものはやはりあってはならないことであるし、そういう長い歴史で、先ほど午前中の御質問の際にも申し上げましたように、この世界的な百年というのは、前半の五十年はいろいろな戦いがあったけれども、そういうものを乗り越えて、そして新しい平和の時代をつくり上げていく、やはり時代の一つの流れだろう、また歴史的な経緯だろうというふうに私は思っております。  具体的にまた答えにならぬとおっしゃるかもしれませんが、戦争というものはあってはならないし、まして侵略という形で戦争を行うということは、これはあってはならないことだというふうに思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いや、大分わかりますよね。村山政権のときの総理大臣談話とはかなり違っています。村山総理のときの談話では、侵略ということを認めて、それを反省するという言葉がありましたが、今の総理のは、侵略戦争であるかどうかということはだれか別の人が判断するだろうという趣旨ですから、それからいえば、私からいえば相当後退していると言わざるを得ません。  そこで、かつて原文兵衛先生が大変御苦労された従軍慰安婦の問題につきまして、我が党もこれに対応できる法案を用意いたしております。この問題について森総理はいかがお考えですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 これもこれまでの長い経緯、あるいはまた国会での議論、そういう中から、そうした多くの女性の皆さんに大変人間的にあってはならないことをさせたという面については大いに反省をしなければならぬ、そういう意味で、新しい基金を設けて、そうした皆さんに対する、気持ちを少しでも安んじていただけるような措置をとっているということだと思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 まだまだ外交問題があるんですが、少し内政にもかかわっていきたいと思っております。  森総理は、小渕さんの行政を継承されると言っておりますが、私たちは、小渕政権のときから、神奈川県警の問題、さらには新潟県警の問題について、大変問題だ、保利国家公安委員長は辞任に値する、そういう行政責任があるというように申し上げたわけですが、森さんは同じ保利さんを再任されました。そして、この国会で、政府として警察法を出されているわけですが、それを出し直すなどしてやるというようなことを言われていましたが、最近聞きますと、何かこの国会では何もやらない。我が党は、今週中に警察法改正案を国会に提出いたします。国家公安委員会のもとに、警察庁とは別に警察の監察を行う機能を持たせる改正案、たしかこの国会でも議論をしたことがあります。  まず私は、森さんにどうしても聞いておかなきゃいけません。先送りまで継承されるのかどうかということです。つまりは、警察法という、警察問題という国民が大変関心を持っている問題を、この国会で、与党として、政府として法案を新たに出すなりして対処されるつもりはあるのか、それとも先送りされるのか、どちらですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 警察法につきましては保利国家公安委員長にまずお尋ねをいただきたいと思いますが、今、国会に出されております警察法は……(菅(直)委員「解説はいいですよ」と呼ぶ)いや、あなたは一々私が話すと解説はいいとおっしゃいますけれども、御質問に対してお答えをするときに、やはり経緯を申し上げなければ国民の皆さんに理解されないんじゃないですか。あなたは御承知かもしれませんけれども、テレビを見ておられる国民は御承知ない面もあるかもしれません。政府としての経緯をやはり申し上げることだと思います。  これは、どうするかは、国会で取り扱いをやはり決めていただくことだというふうに思っています。私は、内閣を受け継ぎましたときの政府の説明では、この警察法は当時の神奈川の事犯というものを中心にして考えた、そういう改正法であるので、その後いろいろな問題がまた起きてきているわけでありますから、そうしたことも踏まえた、それだけで十分なのかどうかということをやはり検討してみる必要があるのではないか、私はそう考えております。  しかし、そのために小渕内閣として、小渕前総理として、警察刷新会議をおつくりになって、今大変精力的に御議論をいただいているところですから、その皆様方の御意見はまだ少し長くかかるようにも伺っていますけれども、でき得れば私も早急に、その中間の報告なども受けとめながら、今の法律の中でそれを含めることができ得るのかどうか、そうしたことも考えて対応してみたいというふうに思っております。  決して先送りをするということじゃないのであって、やはりできるだけいいものをつくるということが大事なんじゃないでしょうか。

菅直人民主党

○菅(直)委員 神奈川の問題が起きたのは昨年の相当早い時点でありました。新潟の問題も相当議論がありました。森さんは、幹事長としてその経緯は全部わかっているわけじゃないですか。そういう中で今さら経緯を説明すると言って、当時の政府が出した法案がこうであると、もちろんよく承知しております。ですから、わざわざ私どもが今週中に法案を出す、外部監察の法案を出すと言っているのですから、それに対して政府としてはこうしたいというのがあればお聞きしたかったのですが、今の答弁を聞いている限りは先送りの中身しか聞こえておりません。  そこで、もう一つ、次の問題に移ります。  医療保険制度改革法案を政府は出されております。私は、政府案は抜本改革に必ずしも踏み込んでいない、大変多くの問題を抱えている、こんなふうに思っております。しかし、単に何もしないままで置いておけばいいのかといえば、年金法とは違って、これは何もしなければもっと悪い状況、問題の状況が生まれてくる、このように理解しております。七月以降になれば、介護保険料を一緒に取る上での上限の問題もありますし、あるいは高齢者の薬剤費の免除を、たしかこれは自民党と医師会の合意でやられた。それには森さんもサインされたのではないかと思いますが、そういう経緯のある問題が期限切れになるわけでありまして、私がお聞きしたいのは同じことであります。  つまりは、この法案も警察法と同じように先送りされるつもりなのか、それとも何らかこの国会でやるつもりなのか。これはまず総理から、大きな問題ですから、先送りされるかどうかについて、総理からお伺いします。総理からです。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 現在国会に提出されております健康保険法案は、予算関連法案でございますから、法案の主要な柱である老人の一部負担の見直しは医療制度の抜本的改革に向けた第一歩となるものと考えておりますから、政府としては極めて大事な法案だというふうに承知をいたしております。  法案の審議につきましては、先ほども申し上げました。これはやはり国会でお決めになることでありますから、政府としては、できるだけ早く御審議をいただいて早期成立をぜひお願いしたい、こう申し上げているところであります。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 御指名をいただきましたので、発言をさせていただきたいと思います。  先ほどの総理の御答弁に補足をさせていただきたいと思いますが、単なる先送りといいますよりか、これはきちんと、国家公安委員会のあり方でありますとか、あるいは監察制度のあり方でありますとか、そういうところは基本的な問題として十分議論しなければいけないということで、警察刷新会議においてこれからもずっと精力的にやりますし、また公聴会も開いていただいてこうした基本問題を検討していただくということで、少し時間がかかるということであります。  それで、その間、法改正を要しないでもやるべき事項というのはたくさんありますし、現在やっております。  例えば、警察内部の規律の厳正化の徹底というようなことは公安委員会を開くたびに言っておりますし、現場の第一線にまでこれが徹底するようにいろいろ指導をいたしておるところであります。また、市民の皆様方の困り事相談員あるいは交番相談員という制度をつくって、これもやっていかなければならない。それから、他省庁との連携の強化というのもやらなければいけない。厚生省だとかあるいは文部省でありますとか、そういうところともやります。またあるいは、取り調べでありますとか、証拠物件の厳正な保管というようなこともやらせなければいけない。適正な留置管理、これも必要であります。それから、さっきの問題もありましたけれども、学校と警察との連携関係の活性化ということ、これも必要でありましょう。  そういうことも公安委員会で、開かれるたびにいろいろ警察庁を指導しているところでございまして、何も現在やっていないというわけではなくて、こういうことをちゃんとやって国民の警察に対する信頼回復を図っていこうということで、鋭意努力をしておりますことを申し上げさせていただきます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いいですか、保利さん。今、国家公安委員会でこういう議論をしていると言われましたね。その国家公安委員会が問題だということになったんですよ。五人の人が委員であって、その上に委員長がいて、二千六百万以上の給料をもらって、週一回一時間ずつ会議をやって、別に部屋もない、会議室しかない、そういう国家公安委員会でいいんですかと。  私どもは、その国家公安委員会そのものの改革を含めて、警察法改正案を今週出しますよ。事務局を独自で持って、監察機能を持つような、きちんとした対案を用意しているわけです。その問題のある国家公安委員会でいろいろ議論していますなんということでごまかそうといっても、それはだめですよ。だめです。  それで、次の問題に移ります。  まだまだ総理にお聞きしたいことがたくさんありますが、後ほど時間があれば重ねて総理にお聞きしますが、ここで、森政権に小渕政権から交代されたときの交代の正統性についてお尋ねをいたしたいと思います。  一般的に、クレムリンの政変劇ではなかったかと言われているわけですが、それに対して総理はどう答えられたかというと、自分は衆議院でも参議院でも過半数を受けて信任されたんだからまさに正統なんだと、せんだってのクエスチョンタイムでも言われました。  私が申し上げているのは、国会での総理指名の問題を言っているのではありません。小渕総理が入院された四月の二日から辞職をされる四月五日までの四日間、この四日間の間に何があったのか。情報を操作していたのではないか、あるいは当時の総理の発言を場合によったら捏造したのではないか、こういった問題が問われているんです。ですから、国会での指名以降の問題を問題にしているんじゃありません。だから、そこだけはまずはっきり申し上げておきます。  それから、議論のすりかえがたくさん起きております。例えば、危機管理だから急いだんだと。大いに急げばいいんです。今回おくればせながら臨時代理をあらかじめ指名されましたが、大いに結構です。急ぐことと公明正大にやることは当然両立するわけでありまして、急いだから情報を隠したなんということは成り立ちません。これは民主主義に反するわけですから、急いだということで情報をねじ曲げたということの理由にはなりません。  また、プライバシーにかかわる問題だからと言われます。しかし、小渕前総理が憲法七十条で言う欠けたときに当たるかどうかというのは、総理の病状が当然判断の基本になります。総理という公的な立場にある方の病状、しかもその総理を本人の意思に関係なく辞任ということに見るかどうかということは、これは明らかにプライバシーに優先する課題でありまして、それをプライバシーを理由に言わないというのは、これはありません。  また昨日、あるテレビを見ておりましたら、野中幹事長が、自民党の総裁選びなんだから、自民党の幹部と、まあ青木さんは入られていたようですが、幹部が話すのは当然だと言われました。果たしてそうでしょうか。四月の二日から四月の五日というのは、小渕総理大臣が在任中ですよ。その小渕総理大臣にかわる代理をだれにするか、あるいは七十条を適用するかどうかというのは、国家の、日本の行政の責任者のあり方を決める問題を自民党の役員人事と一緒にしているのですか。全く自民党というのは日本の憲法を読んだことがないのではないか。  そういった意味で、総理大臣の臨時代理は党役員でもありませんし、そして、小渕総理の辞任を認めるかどうかというものも自民党の問題ではありません。こういった意味で、この間のすりかえた議論は、あらかじめ私の方で指摘をしておきますので、同じ繰り返しはしないでいただきたいと思います。  そこでまず、総理にお尋ねをいたします。いいですか、総理。小渕前総理が入院された四月二日の正午ごろ、当時幹事長であった森さんが、青木官房長官、村上参議院議員会長、野中幹事長代理、亀井政調会長と都内で会われたというのは事実ですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 事実でございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 また、七時ごろと言われていますが、青木官房長官が小渕総理に面会をされた後、記者会見が十一時半にあるわけですが、その間の時間に同じメンバーで会われたというのは事実ですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 小渕前総理が体調がすぐれないということで入院をされたというのは、青木官房長官から二日の朝早くお電話がございました。私どもとしましては、ちょうど自自公の連立がああいう形で終わりましたので、やはりこれから後のことをどうするかということで、いずれ皆さんとどこかでお目にかからなければならぬな、そういう気持ちで、それぞれ連絡を私としてはとるべき人にはとっておりました。  ちょうどお昼に、先ほど申し上げたようにお会いをしましたので、官房長官から、前総理の、当時総理ですが、総理の体調のぐあいを伺いまして、正式には夜でないと検査の結果が出ないので、またその後何らかの形で御連絡を申し上げる、あるいはまた、その必要があれば、また御相談をすることになるというお話でありましたから、これはもう官房長官にお任せしておくことが極めて大事だというふうに思いました。  ただ、菅さんもいろいろ厳しくおっしゃいますけれども、立場が立場でありますから、余りこうしたことを早く多くの人たちにお知らせをしたり、動きが余り際立ったことにならないことを、むしろできるだけ静穏な環境に置くことも大事だ、これは私は個人的にそう考えました。

菅直人民主党

○菅(直)委員 聞いていることに答えてくださいね。いいですか、今聞いたのはただ一つ。青木官房長官が小渕総理に会われた後、記者会見があるまでの間、同じメンバー、つまり森さんも含めてのメンバーでお会いになられましたかと、それを聞いたのです。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今申し上げましたけれども、あなたにとっては不必要な回答なのかもしれませんが、大事なことなのです。いろいろな方とお目にかかっています、あの日は。ですから、まとめて全部その場でまたもう一遍会ったということはございません。その都度その都度いろいろな方と連絡をとり合っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ちょっとはっきりしてくださいよ、そんなわけのわからないことを言わないで。  では、もう一度伺いますが、青木官房長官が小渕さんと面会をされた後、記者会見の間、森さんは青木さんとは会われたのですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 それは総理の病状は大変私も関心があるし、心配ですから、当然御報告は受けました。(菅(直)委員「会われたのですか」と呼ぶ)会わなければ受けられないでしょう。

菅直人民主党

○菅(直)委員 それはわかりません。電話かもしれません。  それで、会われたときに同席された方はどなたですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、ほかのことをいろいろやっておりましたので、総理の御病状のことについては官房長官にお任せしておこう、そして、正式に医師団からのお話を承るまでは、その問題についてはむしろ触れる必要はないと。  だから、私どもはその他のことでいろいろな方にしょっちゅうお会いしていましたから、だれとだれとどう会ったかなんということは、一々今の時点で全部すべて申し上げるというか、そういうことも、いろいろな方がありましたから、全部すべて申し上げるわけにはいかないんじゃないでしょうか。

菅直人民主党

○菅(直)委員 国民の皆さんが聞いておられたら、不思議なありさまですよね。  もうちょっと進めていってみましょう。  青木さんには会われたと言われましたね。青木さんは森さんがおられるその場所で——青木さん、余り後ろからちょこちょこ言わないでくださいよ。その場所で宮澤さんに電話をされましたか。青木さんに聞いているんじゃないです、森さんに聞いている。森さんがおられる場所で宮澤さんに電話をされましたか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私の前ではそんなお話はなかったと思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 それでは、青木官房長官にお聞きします。  四月二日午後七時ごろ小渕総理に会われたというふうに記者会見で言われました。そのときに、小渕総理の口から総理大臣臨時代理という言葉は出たのですか、それともなかったのですか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 いろいろこれから答えなければいかぬと思いますので、初めに、小渕総理の入院につきましては、議員の皆さんから本当に温かいお見舞いのお言葉をいただき、ありがとうございます。皆さんとともに一日も早い回復をお祈りしたいと思います。  お答えいたしますが、私が病院に参りましたのは七時ごろでございます。私は、お医者さんの説明を聞いた後、小渕総理に病床でお会いをいたしました。そのときに小渕総理が言われたのは、有珠山の問題等もこれあり、いろいろ後のことはよろしく頼むということでございまして、臨時代理という話は出ておりません。  ただ、今議員がそういうことをお尋ねになるのは、私が次の日の記者会見で、小渕総理がそう言われたということは、病状がその後非常に変化いたしておりますので、官房長官と総理という二人の間でございますので、そういう事態のときによろしく頼むと言われたことは、当然、万一のときには臨時代理をせよというように私ははっきりと受けとめて、後の対応をしたわけでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 聞いていないことは、順次聞きますから。  四月二日に青木官房長官は宮澤さんに電話をされたと。宮澤さんも電話を受けたとほかの委員会で言われていますが、それは十一時半の記者会見の前でしたか、後でしたか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 私が大臣に電話したのは、宮澤大蔵大臣一人でございます。それは十一時半の記者会見の前でございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 その日はその一回だけですか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 もちろん一回だけでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 宮澤大蔵大臣、大蔵大臣は青木官房長官から電話をいただかれたということですが、総理大臣臨時代理のことを含めて、どういう話だったのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 官房長官からお電話がございまして、小渕首相の容体がなかなか容易ならざることである、それで、首相代理は私が、私というのは官房長官ですが、私が務めます、こういうお話でしたので、どうぞよろしくお願いを申し上げます、御苦労さまですと申し上げました。

菅直人民主党

○菅(直)委員 では、それは十一時半の前という青木さんの先ほどの答弁はいいのですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そのとおりでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 河野外務大臣、四月二日のいつ宮澤さんから電話を受けられましたか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 私的な電話について一々申し上げるつもりはございません。

菅直人民主党

○菅(直)委員 なぜ私的なんですか。総理大臣の容体などについての電話があったと聞いておりますが、なぜ私的なんですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 閣僚間で電話があることはよくあることでございます。いろいろな問題について電話がございます。  私が小渕首相の状態を伺いましたのは、公式には青木官房長官の記者会見でございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ですから、なぜ答えられないんですか。ほかの委員会で河野さんは、我が党の委員の質問に対して、私的に連絡をいただいた、だれからいただいたかは言えないと。だから、宮澤さんというのは私的な関係じゃないでしょう。大蔵大臣からお話があった。書かれていたものの中には、いや、あなたにも話が来るかもしれないから、そのときは受けた方がいいよと言われたと言われていますが、そうでないのならないでいいんですけれども、答えてくださいよ。そんなことが答えられないんですか、こんな公的な問題が。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 菅議員は、公的なものと私的なものとの区別が私の物差しとはどうも違うようでございます。私どもは、例えば大蔵大臣といわず、その他の閣僚ともいろいろな電話連絡はございます。私的なものもありますし、公的なものもございます。  今回、四月の二日に電話があったかと、外務委員会でございましたか、他の委員会でお話がございましたが、私は、私的なことなのでお答えできませんと申し上げた次第でございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 河野さんともあろう人がこの程度のことで答えられないというのは、私は大変失望を感じております。  青木官房長官、四月二日の午後十一時半の記者会見で、あなたは総理大臣臨時代理については何も触れられませんでした。今の話を聞いておりますと、その記者会見の前に、宮澤大蔵大臣に対して、私が総理大臣代理を務めますと、頑張ってくださいと言われたと今答えられました。大蔵大臣とはそこまで話をしていて、記者会見のときには一言も言わないというのはおかしいじゃないですか。なぜですか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 それは決しておかしくありません。  私が宮澤大蔵大臣に電話しましたのは、たしか記者会見の前でございます。私は七時ごろに小渕総理と会ったときにそういう指示を受けたわけでありますが、まだ病状がはっきりしておりませんでした。万一のときには、私は総理大臣臨時として、危機管理も含めて対応する覚悟をいたしておりました。ただ、宮澤大蔵大臣にだけ私が電話をいたしましたのは、ほかの大臣には私は一切電話をいたしておりません、今日まで。私が大蔵大臣に電話をいたしましたのは、総理を務められた大先輩であり、私が代理をやるのに、事前に一言、いわゆるあいさつをした、それだけでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いろいろ疑問は国民の皆さんが感じられたと思うんです。  そこで、青木官房長官、四月三日の午前十一時の記者会見では、いいですか、二日午後七時ごろに病院で総理と面会をした際に、こう答えられているんですよ。四月三日の午前の記者会見では、検査結果によっては、青木長官が首相臨時代理に当たり、一刻もゆるがせにできない課題に対応するようにと直接指示を受けたと青木さんは言っているんですね。  それが、しかし、四月十日の我が党鳩山代表の本会議質問に対する答弁では、今度は話が変わっているんです。総理より、有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼む旨の指示を受けましたと述べて、先ほど本人も認められたように、実は総理大臣臨時代理なんという言葉は本会議答弁では消えている。今の答弁では、もともとなかったんですね。なかったのに、記者会見で、あったように表現したのは、これはうそじゃないですか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 私は決してうそをついたわけじゃありません。  私が記者会見で、万一のときには内閣総理大臣臨時代理を務めると言ったのは、小渕総理と話したときに、臨時代理を務めよというようなことは全然聞いておりません。しかし、私は、当時の判断、小渕総理のこれからの病状、そういうものを考えて、この際はそれを聞いたと同じ解釈を私がしたわけでございます。それだけでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いいですか。あらかじめ順番が決まっているというならいいですよ。しかし、これまでは、官房長官が臨時代理になられるケースもありますが、大蔵大臣や他の大臣がなられるケースもたくさんありました。ですから、万事よろしくと言ったからといって、自分が臨時代理に任せられた、内閣法九条で言うあらかじめの指定があったなんということはとても言えない。しかも表現を、記者会見のときと本会議で言っていることを変えるということは、果たして、万事よろしくという言葉もあったのかどうか、疑うのは当然じゃないですか。どうやって証明するんですか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 今、小渕総理も非常に病床で病魔と全力を挙げて闘っておりますし、医師団も小渕総理の家族も、恐らくこの二十日間、睡眠もとらずに一生懸命頑張っておられると思います。きょう、テレビは恐らく見てごらんになると思います。  私は、逆にお伺いしますが、総理と会ったときに、私はよろしく頼むと言われたことを、内閣総理大臣代理を務めよという、いわゆる情勢の変化に応じて私が受け取ったのは当然であります。もし菅議員、あなただったら、そこで、あんたに万一のときがあるときにはおれは総理大臣代理やってもいいかと、病人の目の前でそういうことが言えますか。総理と官房長官の間であります、総理の一言を私がそういうふうにとるのは、私は当然だと考えております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 なぜ当然なんですか。なぜそんなことが当然なんですか。  私がもし官房長官であれば、当然、臨時に閣僚懇談会でも開いて、総理の状況を伝えて、こういう事態に至っているけれどもどうしようか、万事頼むと言われたと。その中で、万事頼むというのは、それじゃこの中でどうしようかということが議論されて表に出て決まったのなら、まだ国民は理解します。  自分が一人で聞いて、自分が判断をして、しかも、記者会見では言わないで翌日になってこうでしたと言って、こんなことが内閣法九条で言うあらかじめの指定に何でなるんですか。私は、青木官房長官が、正当に指名もされていないのに、みずから総理大臣代理を自分で決めて就任した、これは間違うと平成の天一坊になりますよ。  本来きちんと手続があるものを、全部、入院の時期も二十何時間後に言い、実はもう十一時半のときには集中治療室に入っていることもあり、しかも、その前に大蔵大臣と総理大臣代理の話をしていたというのにもかかわらず、最初の記者会見では一切そういうことを言わないで、単に、入院されて今検査中ですということを言って、やっているわけです。  少し詰めますが、翌四月四日に、小渕総理が病気のため、憲法七十条の総理大臣が欠けるときに当たるとして、臨時閣議を招集されましたね。そして、内閣総辞職が行われました。このとき、小渕総理が憲法七十条の総理の欠けたときに当たるかどうかというのは、だれが判断したんですか。  診断書が出されているんですか、どうですか、まずそのことをお聞きします。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 その前に、閣議を開いて決めるべきだということをおっしゃいましたが、法的には閣議を開く必要は何もありません。(菅(直)委員「閣僚懇談会と言いました」と呼ぶ)閣僚懇談会も開く必要もありません。  それは、真夜中でありましたから、私は、真夜中に各閣僚にお出かけをいただいて、いろいろな混乱が起き、私は小渕総理が何日かすれば回復することを最後まで祈っておりましたので、そういう立場から静かな対応をしただけでございます。  それから、今の、総理が欠けたときという判断でございます。七十条で、私も十分知っております。  申し上げますと、私は本当に最後まで、総理と官房長官というお互いの立場ですから、総理が一日も早く回復をされて、こういう騒動がないうちに、静かなうちにもう一回政権を担当して、沖縄のサミットもやっていただきたい、そういう気持ちでおりました。しかしながら、一日も、いっときも空白をつくるわけにいきませんので、私は私なりに、非常に厳しい判断をして決定したわけであります。ただ、私が一人で決めたわけじゃありません。  私は、閣議決定をする前に病院へ行きました。そして、医師団と話し合いをしました。そして、七十条、本人が欠けたときというのは、本人が自分の意思を他人に通じることができない、また他人の言ったことを本人が理解することができない、それが本人が欠けたときである、そういう解釈に立ちまして、医師団の皆さんに、当分の間総理は自分の意思も表現できないし、他人の言ったことも理解できませんねという念を押した上で、私の判断で、それは総理が欠けたときであるという判断をいたしました。  また、それだけじゃありません。その後、閣議を開きまして、私は医師団に会ってこういう話をし、こういう判断をしました、この判断を閣僚の皆さん全員お認めになりますかと言って、認めてもらった上で総辞職をしたわけであります。何の私は落ち度がないと思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 診断書は出ていますかと聞いているのですよ、診断書は。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 私と医師との信頼で、私がきっちり官房長官という立場でお話をしたことに何ら間違いありません。

菅直人民主党

○菅(直)委員 法制局長官、来ていますか。  法制局長官が聞いていて、診断書もなく、お医者から自分が聞いたと。最初は、二人のときに総理が万事よろしくと言われたのは、自分に対して臨時代理を頼まれたことだと自分で解釈して、自分で宣言してなっちゃって、今度は閣議を自分で開いて、自分で医者からこう聞いたということを、診断書もなく信頼関係といって閣議で言って、みんなから辞職を取りつける。これが、内閣法九条、さらには憲法七十条の規定に、きちんとしたルールにのっとったやり方と言えますか、法制局長官。

津野修内閣法制局長官

○津野政府特別補佐人 お答えいたします。  先ほどからいろいろお話を伺っておりますと、まず最初の、何かあれば万事よろしく頼むというような意思表示を前内閣総理大臣がされたわけでございますけれども、これにつきましては、当然その意思表示の内容として、いろいろな当事者の間の関係とか、それからそういった発言があったときの状況とか、いろいろなことを考えられまして、その上でその意思表示の内容というものを客観的に確定していくというのが、これが一般的な法律の意思表示の解釈の問題であります。  その場合に、その問題について一番よくおわかりになるのは、当事者である青木官房長官が一番よく御理解していただいていたというふうに考えております。  それからもう一つ……(菅(直)委員「法律判断を聞いているんだよ」と呼ぶ)いえ、これは法律判断でございます。  それからもう一つ、診断書がないというのがおかしいではないかとおっしゃいますけれども、これは、内閣官房長官、あるいは当時は内閣総理大臣臨時代理としての青木内閣官房長官が、御自分がそこに、医師団とお会いなさいまして、きっちりと正確にその言葉を御説明なさったわけでございますので、それをほかの方が疑うというようなことは必ずしも適当なことではない、当然疑うようなことはあり得ないということでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 私も歴代法制局長官と大分議論をしましたが、いろいろな政治的な判断までした法制局長官は初めてですよね。疑う必要がないとかあるとか、私は法律のことを聞いているんですよ。  いいですか、これは国民の皆さん聞いておられて、大体私、わかると思うのですよ。ごく自然に考えれば、四月の二日の夕方、官房長官は小渕総理に会われて、それは万事よろしくと言われたかもしれません。そこで、戻って、森さんたちと一緒のところでいろいろ話をして、場合によったらということで宮澤さんにも相談をされたり他の方にも相談されたんでしょう。そうしたら、結果的に、やはりあんたがやったらと言われたので、じゃ、やりましょうということになったんでしょう。ですから、そういうふうに全体の流れとして見るのが自然なんですよ。  それを、当初の記者会見で、当初というのは翌日の朝ですが、午後七時のときに総理大臣代理を指名されたとまではっきり言い切っておいて、後になって、いや実はそういう表現はなかったけれども、今の政治家法制局長官的に言えば、つまりは両者の関係からしてそういうふうに理解されるのもあり得ましょうと。どういう関係かなんと聞いていません、法制局長官に。あらかじめ指定ということに当てはまるかどうかと聞いているんです。  そしてさらに、病症が、まさに先ほど官房長官自身が言われたように、他人に意思を通じることができないという、これは医者の判断ですよ。その医者の判断を、医師そのものは国民なり国会に向かっても何も言わないでおいて、そして、それを全部自分が聞いてきたからと言って、診断書もなく、それで憲法七十条の総理大臣は欠けたと。  いいですか。総理大臣を、本人が亡くなったり、本人の意思が明確でないときに欠けたという解釈をしたのは、今回が初めてですよ。こんなひどい事例が成り立つんだったら、突然、官房長官が、総理をどこかに拉致して、それで医者がこう言っていますと言って、自分が代理だと、そうやったってできるということじゃないですか。  委員長、担当医師あるいは順天堂大の責任ある医師の国会への参考人の招致を要求します。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 ただいまのお申し出につきましては、先ほど理事会でこの話が議題に上りました。しかし、医師の守秘義務その他もございまして、参考人としてここに招致するのは適当でないということで話が済んでいます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 先ほど申し上げたでしょう。私は委員長と議論する気はないけれども、プライバシーという言い方、守秘義務という言い方を言われましたが、一国の総理が、本人の意思が確認されない中で、医者の病状判断に基づいて欠けたときと言われているのに、その医者の診断書もなくて、本人も話せない。呼んでください、参考人として、委員長。(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 ただいまの件は、後ほど理事会で改めて協議をいたします。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いいですか。こんなことで本当に日本は民主主義国家と言えるんですか。そこでやじを飛ばしている人も、内心はじくじたるものがたくさんあるんじゃないですか、自民党の人たちも。  そこで、もう一つ言いましょう。  青木官房長官は、その日は宮澤さん以外には電話をしていないと言われましたが、公明党の神崎さんにはいつ伝えられたんですか。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 私は、神崎さんに電話の一本もいたしておりません。

菅直人民主党

○菅(直)委員 野中さんの方からいったというのが一般に報じられておりますから、青木さんはされなかったのかもしれません。  そこで、森総理、もう一度お尋ねします。  四月二日の夜十一時半の官房長官の記者会見の前に、森さんは青木さんと会われたことは先ほど認められました。今度は後、後さらに青木さんを初め何人かの方と会われましたか。青木さんには会われましたか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、私は党の立場で、いわゆる自自公連立が一応解消されましたので、その後の対応をどうするのかということで、やはりホテルの部屋をとりまして、そしていろいろな方にお入りをいただいたりして意見交換をしたり、いろいろな情勢などのそういう聴取をいたしておりました。  青木さんとは、会見の前にお目にかかったときに、朝の病状よりも少し早目に、医師のお話がありまして、少し容体が変化をしてきた、そういう事態になっているというお話を聞いて大変心配を、私はその当時いたしました。ただ、党としてそれがどうあるか、どうすべきかということは、これは私なりにまた判断をしてお話をいたしました。  それから、さっき、まあ答えなくていいことなのかもしれませんけれども、神崎さんには、自民党の幹事長として、こういう事態になっておりますということのお電話は私がいたしました。

菅直人民主党

○菅(直)委員 答えてくださいよ。私が聞いたのは、ただ一つ、四月二日の夜の官房長官の記者会見が終わった後、また青木さん、あるいはそれに加えて何人かおられたかもしれませんが、お会いになりましたか、森さん。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 青木さんはお見えになっていないと思います。それから後はずっと総理の身辺のことを恐らく心配しておられたのだろうと思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 お見えになっていないと言うなら、じゃ、だれがいたんですか、そこに。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 もう一度お願いします。

菅直人民主党

○菅(直)委員 じゃ、いいです。それじゃ、ちょっと質問を変えましょう。  村上参議院議員会長は、ある会合で、この二日の夜から三日の未明にかけての深夜、森さんを含む、あるいは野中さんや亀井さん、そういう方もおられたということですが、そこで後継の話をしたと。それは後継総裁あるいは後継総理ということだと思いますが、そういう話を森さんも同席の中でして、ある場面で村上さんが、森さんでいいじゃないかという話になったと。こういうことを村上さん自身が公衆の前で話をされております。  森さんはこのことを御存じですか。この会に参加をされておりましたか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 そういう話が新聞に出てびっくりいたしました。そういう中に私はもちろん加わっておりません。

菅直人民主党

○菅(直)委員 加わっておりません。  そうすると、村上さんが公然としたところで言った話が、どちらかがうそをつかれたということを今言われたわけですね。そう理解していいですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私は直接そういう中に加わっていないということを申し上げたので、私は別のことが忙しくてそれどころじゃなかったのです、はっきり申し上げて。それどころじゃないというのは失礼かもしれませんが。  総理の病状については、これはもう官房長官にお任せして、医師団や御家族との連絡をとってやっていただきたい、これは内閣のことでありますから。  私はその他のことを、先ほどからたびたび申し上げておりますように、これからの政権をどういうふうにして維持していくのかということの方が、私にとってはより緊急な問題でございましたから、そういうことで、いろいろな方々においでをいただいて意見聴取をしたことは間違いございませんが、私も中にいるところで次は森だとか云々だとか、そういうところに私は参加をいたしておりません。

菅直人民主党

○菅(直)委員 少し時間をとって、森総理が国会で指名されたことを問題にしているんじゃありません。その前の、小渕総理が病気に倒れられて、御本人の意思が直接確認できないまま総辞職という手続がとられた、このプロセスが余りにも国民の目から見て不透明だ。しかも官房長官の記者会見は、くるくるくるくる表現を含めて変わっているわけですから、そのことを申し上げたわけです。(発言する者あり)何かやじで、どこが不透明だと言われますから、もう一回、じゃ不透明なところを全部挙げてみましょう。よろしいですか。  総理大臣が四月の二日に……(発言する者あり)うるさいね、本当に。青木官房長官が、結局のところは、小渕さんと国民との間の情報を、すべてただ一人、間をとった形をとった。しかも、それが第三者ならまだいいのです。自分自身が総理大臣代理になったということまで、二人でしかわからない場面で聞いたことを根拠に、自分で自分をそういう判断をする。(発言する者あり)だから、君ならどうするというのは、さっき言ったでしょう。ちゃんと閣議を開いて……。  こういうやり方をもし日本の民主主義の歴史の中で正当なものとして残すならば、私は、日本は民主主義とはとても言えないと思います。ですから私は、この問題は、先ほど委員長にも申し上げましたが……(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 責任ある医師を国会に招いて、本当に四月の二日の病状がどうであったのか、三日の病状がどうであったのか、そして、憲法七十条に言われる欠けたときに当たるような病状であったのか、それならきちんとした書面ぐらいは出すべきでないのか、このことをきちんと国民の前で明らかにしていただく必要がある。そうしない限り、私は、残念ながら、森政権というのはその誕生の前の手続が重大な問題があるということをこれからも言い続けなければならない、このように思っております。  総理にその見解をお聞きをしておきたいと思います。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 菅議員はいかにも私がうそをついているようにおっしゃいますけれども、私が七時ごろに小渕総理をお見舞いしたときには、私が一対一で話す以外に何にもないんじゃないですか。しかも、今日まで私は、総理が外遊のたびに総理大臣臨時を務めております。総理がよろしく頼むと言われれば、万一のときには私が臨時代理になるべきだと私が判断をするのは、私は当然のことだと考えております。  いま一つ申し上げたいんですが……(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 今、小渕総理が入院してから二十日以上たっております。皆さんは、その三日間を、今の時点でいろいろな形で見ながらいろいろなことをおっしゃいます。私は、この三日間、官房長官としてほとんど一睡もしないで、できるだけ総理に全快してもらいたい、総理が全快しないときには一日の空白もないように新しい内閣をつくらなきゃいかぬ、そういうことで動いているわけです。多少の言葉の行き違いなんかはあって当然じゃないですか。それだけ申し上げておきます。(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今、官房長官のお話がございましたが、官房長官が医師団の病状の結果が少し早くわかるということで、会見の前に私は官房長官にお目にかかりました。そして、万事よろしくお願いをするということを総理から言われておるということも、そのとき伺いました。  しかし、私は青木さんの名誉にかけて申し上げておかなきゃならぬことは、そういう立場の中で、青木さん、従来の経緯からいえば、総理は必ず外遊のときはあなたにお任せをされた、そういう意味から、ここはあなたがしばらくきちっとそこを受けて、後のことを大切にされた方がいいですよと申し上げたときに、彼はかたく固辞しました。それを青木さんが、何か今あなたの話を聞いていると、天一坊とまでおっしゃって、そして、何か自分が仕組んで自分が一人でそれを受け取ったようなことをおっしゃっていますが、再三再四、何度申し上げても、自分は嫌だとお断りになっておられたということだけ事実として申し上げておきます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 私は、個人のことを言えば、いろいろ頑張られたなとか、いろいろな思いがないわけじゃありません。ですから、そのことを私は言っているんじゃありません。  やはり、内閣法とか憲法ということで、一番の日本における行政の最高責任者がかわるというところです。まさに、アメリカ大統領がどうやって交代するのか、あるいはロシアの大統領がどう交代するのか。かつて、クレムリンではそれは外からわからなかったわけです。しかし、そういうものがオープンなルールにのっとってなされるのが民主主義の当然の原則であって、そのことを問題にしているのに、全部すりかえて、私は睡眠がなく頑張った、それは確かに頑張られたと思います。しかし、そのことを申し上げているんじゃなくて、私が申し上げているのは、今言いましたように、手続として重大な問題がある。残念ながらこのことは、私は、私だけの思いではないと思っております。  そこで、この問題はまたいろいろな形で問題になると思いますが、次に話を移したいと思います。  森総理大臣、この本をちょっと見ていただけますか。「あなたに教えられ走り続けます」というこの本は、森さんの書かれた本ですね。そのとおりですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 そうです、自分で書いたんですから。

菅直人民主党

○菅(直)委員 その森さんが、御自身が書かれて昨年出されたこの本の中に、ほう、こんなことを考えておられるのかと思う一文があったので、特にここに大きくしてみました。  ちょっと長いけれども、読んでみたいと思います。これは、森さんが福田赳夫さんの、御本人自称ボディーガードをされていたときに、角福戦争というものがあったときのことをみずから書いておられます。  ちょっと長いですが、読みます。   福田さんは、この期に及んでまだきれいごとを言っている。   私は思い切って進言した。  「田中さんから中曽根さんに相当な金がいっているとうわさされています。こっちもそれに対抗したらどうですか。そうしないと、中曽根さんのところへ行っても意味はないですよ」   これが福田さんの勘気に触れた。  「うるさい。車を止めろ」   福田さんが気色ばんだ。  「森君、降りたまえ。若い君から政治を泥まみれにするようなことを聞くのは不愉快だ。金で日本国総理大臣の椅子を買い取るようなことがあってはいかんのだ」   そこまで言われては、謝るしかなかった。   私は、福田さんはクリーンで立派な人だけど甘いな、人格だけでは勝てないな、と思った。  これが二百三十一ページから二百三十二ページにかけて書いてあります。今でも森さんはこのように思われていますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 たしかそれは昭和四十七年のときでございますから、私もまだ一期生のころでございました。激しく角福戦争というのが起こったことは、自民党の中の総裁選挙として行われたことは事実でございまして、私としては、尊敬している福田先生に何とか総裁になってもらいたいと思う、しかし、私は一年生で何もする役割がなかったわけですから、体も大きかったせいか、福田先生がどこかへ行くたびに、おまえついてこいと言うので、ずっと一緒について歩いていた。それがボディーガードなんてよく言われたわけですし、人違いもされたことは事実でございます。  当時、最終的なそういう局面の中で、中曽根先生にお会いをされるという場面がございました。当時、毎日、新聞やその他いろいろな方々からいろいろな話が、永田町はまさに大詰めに来た総裁選挙の話でございましたから、私としても、まだ若げの至りで、そういうことを福田さんに、そういうふうに世間は言っているぞということで、どうなんですかということを申し上げたら、今のようなおしかりをいただいたということでございまして、当時、若いとはいえ、そういう状況の中に振り回されて、私は、そういうことを申し上げたことを、自分なりの戒めとして大変恥じ入っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 これが、第三者がこういうことを森さんが言っていたと言われて、ああ、それはちょっと私も若げの至りと言うのならわかるのですよ。これは森さん自身が書かれて、最後のところですよ、「そこまで言われては、謝るしかなかった。」最後の二行、「私は、福田さんはクリーンで立派な人だけど甘いな、人格だけでは勝てないな、と思った。」思ったのは、これを書かれたときでしょう。去年の三月に出されているんですよ。森さんが言われる滅私奉公というのは、こういう考え方なんですか。  いざとなれば金で勝負をしろという、そういうやり方で日本国総理大臣のいすを買い取るようなことがあってはいかぬと、私は大変立派なことを福田さんは言われていると思います。それに対して、クリーンだけれども、立派だけれども、甘いな、人格では勝てないと、それを書かれたときに思われているんでしょう。今も思っておられるんですかと聞いたんですよ。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、当時、若い、そういう立場で申し上げて、大変恥じ入っております、こう申し上げておる。恥じ入っているということは、そういうことを当時言ったとして、大変よくないことだったな、そう思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 まあ、これ以上は同じことを言うのはやめましょう。やはり、一国の総理にもなられた方がこういうことをみずから本に出されているんだから、多分私は、自慢話とでも思って書かれたんじゃないかと思いますよ。  福田さんは、その後ですか、大平さんと敗れたときに、天の声にも変な声があると言われました。森さんも天命だと言われましたけれども、福田さんから変な声だったと言われないように精進をしていただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 お答えする機会がないといけませんので。  私は、それ以後そういう言葉を自分の戒めにしているという意味で、そう書いたのであります。

菅直人民主党

○菅(直)委員 全然そんなことは書いてありません。人格だけでは勝てないなと思ったと書いてあるのですよ。(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 そこで、森総理は、いろいろな発言をあちらこちらでされております。  一九八八年には、大阪人は金もうけばかりに走る、途中省略しますが、たんつぼだという発言をされたり、ことしの一月には、選挙に最初に出たころ、いろいろなうちを訪問したら追い返された、エイズ患者が来たようだ、こんな話をされて、私も、我が党の家西議員と一緒に抗議に行きました。そうしたら、その後調べてみたら、総理は、これは二度目なんですね。九二年に神戸でも、同趣旨の話をされていますね。  こういう発言が次々に出るというのは、私は、どうも総理には人権感覚がないんじゃないかと思いますが、いかがですか、御自身で振り返って。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 あえて、時間がありませんからすべてお話しできませんが、そういう一つの言葉の趣旨をとられたということは、大変私も残念ですし、反省しなきゃならぬところもございますが、私は、だれよりもだれよりも人を愛し、人格を大事にしている人間だ、そう思っています。

菅直人民主党

○菅(直)委員 こういう発言が次から次に出ておりますが、きょうこれ以上紹介するのは遠慮しておきたいと思います。  そこで、せっかく残された時間がもう少しありますので、当初申し上げた問題の何点か改めて御質問をしたいと思います。  先ほど警察についてはいろいろお話をいたしました。結局のところ、先送りということであったようですが、それ以外にも小渕政権時代から多くの問題点が起きております。一つは、防衛庁の不祥事、自衛隊の不祥事ですね、銃を撃たせたとかストリップをやらせたとか。そしてもう一つは、農水省の不祥事。  先ほど申し上げたように、森総理大臣は割と公共事業をあちらにもこちらにも大いにやれと言われているわけですが、農水省の構造改善局の事業には、私は大変むだが多いというふうに思っております。その典型は、私も何度か足を運びました諫早湾の埋め立てであります。(発言する者あり)そのとおりです。ここは今、近隣の漁協も貝がとれなくなって大変問題視されており、締め切ってから三年目になるのですか、最近はいろいろな新聞がその見直しを提起いたしております。  そこで、ちょっと具体的に聞いてみたいと思います。この諫早湾の埋め立て、埋め立ててその上を農地にするということになっていますが、これはもう時代に合わない、大体の人がそう言っているわけです。埋立工事は中止をすべきだと思いますが、どうお考えですか、総理。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 経緯は農水大臣からお答えをいただきたいのですが、先般、鳩山代表が私のところに有珠山対策のことでお見えになりました。公共事業というのは、必要なところにはやはり必要なんだということを鳩山代表もそのときおっしゃいました。ですから、公共事業を外から見て、これは不必要なものだとか、もう要らないものだというふうに外から私は談じ込むものでもないのではないかなと思っています。その地域その地域に応じて、やはり必要なものは必要なんだろうと思いますし、諫早の皆さんも、長い間の経緯から見てここはこうした形で解決を図ってほしい、そういうお気持ちから出てきたものだというふうに私は承知をいたしております。  すべてが、確かにいろいろなことを見直したり、効率的にやらなきゃならぬことは、これは大事なことだと思います。しかし、一方的にあれは不要なものだというふうに談じ込むのはいかがなものかなという、私はそういう感想を持っているのです。

玉沢徳一郎自由民主党農林水産大臣

○玉沢国務大臣 これは、災害を防止しながら、なおかつ農地も造成していく、こういう大きな目的を持って始めた事業でございまして、今までも災害を防止するための役割を地域の皆さんが大変高く評価いたしておるところでございます。  また、農地の造成等におきましても、自給率を向上せしめるという観点からいえば、当然これは、農地なくして自給率の向上は図れないわけでございまして、農業におきましては、転用その他によりまして毎年農地がそれぞれ減少している状況にございます。  したがいまして、この事業は、災害を防止すると同時に、干拓をいたしまして農地を造成する、こういうことでございますので、今後とも続けていきたい、こう考えております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 わざわざ農水大臣が出てこられましたが、今、長崎はもとより、全国で減反減反で水田も、場合によったら畑も近くに余っております。そういう中で農地をつくることが必要だというのは、全く時代を見ていないと思います。  総理は、外からという言い方をされました。外から見たってわからないと言われました。私もそうだと思うのです。霞が関からどこに補助金をつけるというのが、まさに外からなんですよ。基本的には、申請ではなくて財源ごと長崎県に譲っておけば、もちろん今の制度ではできませんが、そういう農地をつくるのがいいのか、下水道をつくるのがいいのか、あるいはグループホームをつくるのがいいのか、県や市が決められるんです。  今のように、農業構造改善局が毎年一兆四千億円近い金を族議員と一緒になって確保して、びた一文減らさないと言っているから、それを使わないと翌年の予算がとれない、だから、むだを承知で、補助金で出せば、どうせ補助金でもらえるんだったら隣の県に行くよりは自分の県でもらっておいた方がいいということで、どんどんそれをとっている、そんなことは皆さんよく御承知じゃないですか。それを、外から見たってわからない、まさに外から見てわからないからこそ、そういう縦割りの中央集権的やり方をやめましょうということを民主党は提案をいたしているわけです。  そこで、こういう問題に絡んで、必ず、おれが予算をとってきてやったんだと言って、いわばあっせんを理由にしていろいろと利益を上げるということが言われております。我が党は、九九年五月に、公明党など当時の野党の皆さんと一緒に、あっせん利得罪を提案いたしました。私は、これを与党も一緒になって成立させるべきだと思いますが、総理はどう考えられますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今の御趣旨については、かねてから各党の皆さんからもそういう御意見があることを承知しています。  まずは、これは国会で、党と党、各党各党で話し合っていただくべきことだというふうに私は思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 とにかく総理の答弁を聞いていると、何一つ総理としてというのがなくて、党と党の話になっちゃうのですね。きのうまで幹事長をやっていたんじゃないですか。だから、ちゃんとそのぐらいの見解はお持ちでしょう、これはこうすべきだという。  そこで、少し経済の問題に話を移したいと思います。  最近、ゼロ金利についていろいろ日銀などからも問題提起がされております。総理は、このゼロ金利というものを、もう少し金利を上げるべきかどうか、どのようにお考えですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 経済全体を見通して、若干いい方向に今来ておりますけれども、まだまだ予断を許さない状況であるというふうに私は経済企画庁長官からも報告を受けております。  そういう中で、ゼロ金利というのはやはり本来あってはならないことだ、私はそういうふうに幹事長当時から思っておりました。しかし、一方においては、こういう金利政策を進めることによって、企業が安定的な方向に向かう、そのことは結果的には日本の経済に、あまねく経済にいろいろな、いい意味での影響をまたつくっていることも間違いないことだろう、そう思っています。  大変今厳しい、いわゆる経済構造そのものが大きく変わっていくときでありますから、日本の企業にも安定的に将来に向けて大きく再生をしていっていただきたい、そういう気持ちも我々はございますので、こうした考え方を進めることについても、私は、一つの考えとしてはやむを得ない状況だろうというふうに判断をいたしております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 どちらともとれる答弁でありまして、せんだっての本会議で野中幹事長が、租税特別措置を全廃すべきだ、こういうことをかなり勇気を持って言われました。総理はどう考えられますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 租税特別法についても、それぞれ経緯がやはりあるんだろうと思います。改正をしていかなきゃならぬところもございますでしょうし、これをもうそろそろ改廃してもいいというような事態もあるのかもしれませんし、やはりそうした事態を、その租税を講じたということは、それなりにまた理由があってやられたことでありますから、そうしたものを十分見ながら検討していくことが大事だというふうに思っております。  先ほどから、あなたは何かというと私のイメージを悪くしようと思っておられるのでしょうけれども、私も今お引き受けをしたばかりでございまして、自分が党の幹事長という立場で今の内閣を支え、今の内閣がつくった基本的な姿勢を私は支持してきたわけでありますから、この場に立って急に、それを右カーブ、左カーブに変えるというわけにはやはりいかない。私は、しばらく自分で心構えとしては若葉マークだ、こう思って慎重に慎重に運転をして、小渕前総理がやりたかったこと、そしてぜひ果たし得たかったことを、私は率直に申し上げて、このことをフォローしていくことが私の今与えられた役割だというふうに思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 野中さんは現職の幹事長ですよね。野中さんがこの間本会議でいろいろなことを言われました。私は自民党を代表していないとか、しているとかという話もありましたが、かなり思い切ったことを言われた中の一つが、この租税特別措置の全廃です。ですから、いろいろな経緯があることは私どもも十分知っています。  結局のところは選挙対策で、幹事長には言わせておいて、そして総理の方は、そう簡単にはできませんよと言っている。いわば幹事長と総理の使い分けということなんでしょうか。そういう理解でよろしいですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 それぞれ政治家の立場で、自分の今あるポジション、そのことをやはり大事に考えていかなかったら、かえって政治は混乱するんじゃないでしょうか。  また、これは、そこにいらっしゃいますから、いらっしゃらないところで言っちゃ失礼ですが、鳩山代表がお申し出になったとき、やはり公共事業は大事なものは大事だと鳩山さんはおっしゃいました。ですから、やはり政治家として、私はそのとき、大変御無礼ですが、有珠山に参りましたときに、あのヘリコプターの上から白鳥大橋というのを見ましたよと鳩山さんに申し上げ、だけれども、私は外から見て、あんな巨大なものは必要だったのかなというふうな思いをしましたよと言ったけれども、鳩山さんは、いや、あれはあれで地元の皆さんが必要とされたものですよということでございました。  やはり、政治家としてはそういう見方があるんじゃないでしょうか。やはり特別措置法もそうだろう、私はそう思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いろいろ切り返されるのは御自由ですが、私が申し上げているのは、今、森さんのもとで改めて幹事長になられた方が本会議で言われたことだったから言っているんです。それも、個別のことを言っているんじゃなくて、まさに租税特別措置がどれだけ大きなものかということは、多分この部屋にいる人はみんなよくわかっているわけです。それを全廃しようということを提案されて、それに対して見解を聞いたら、いや、なかなか難しいと。そんなのはわかっています。だから、結局は選挙目当てで野中さんには格好いいことを言わせておいて、政府は余りそれはできないということなのかなということを申し上げたわけです。  そこで、あと残された時間で少し申し上げてみたいと思います。  サミットが七月の二十一日から始まります。その前に、七月八日には蔵相会議があるわけです。最近、解散の日程などがいろいろ言われておりますが、投票日が二十五日ということになりますと、細川政権が誕生したときは、投票日から内閣ができるまで二十日間以上かかっております。この日程を見ますと、もし二十五日前後に投票日が置かれた場合は、特別国会を当分開かないで、サミットが終わるまでは今の、つまり特別国会で改めて決まる内閣ではなくて、それが森さんになるかならないかは別として、今の内閣のままでサミットをやろうとしているのかなと。それでなければ、政権交代があればもちろん、森さんが再度指名された場合にも、非常に窮屈な日程になっている。もう早々と、だから大蔵大臣も外務大臣もかえないんだなんという話もありますが、このサミット日程と、今言われている投票日の関係、総理はどのようにお考えですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私は今、毎日毎日のことで頭がいっぱいでありまして、どの場面でも、どういう場合でも選挙のことを申し上げたことはございません。正直言って、本当にまだ考えておりません。  ただ、大勢の皆さんがいろいろな場面でいろいろな形でお話をくださる、非常に参考になることは参考になります。いずれは判断せざるを得ないときが来るんでしょうけれども、私は今、この連休を利用して、それぞれの要人の皆様に、小渕前総理がこういう立場になられたということ、日本の政府はこういう立場でいるということ、そうしたことをお話を申し上げて、そして、沖縄・九州サミットは何としても成功させたいので御協力をいただきたいということを私は率直に申し上げていきたい、今はそのことで頭がいっぱいでございます。  今改めて、なるほど、国会をどうするかとか、改造をどうするかということを言われますと、ああ、そういうこともみんなやはり念頭に置いて考えなければならぬのだなと思って、大変参考になりました。ありがとうございました。

菅直人民主党

○菅(直)委員 お礼を言っていただいて恐縮しておりますが、まさにサミットというものの成功を考えるならば、当然そのことを考えるんじゃないですか。もう既にシェルパの皆さんが各首脳と話をされているでしょうし、大蔵大臣や外務大臣もいろいろな問題で準備をされていると思うのですよ。  ですから、ちょっと言い方を変えましょう。このサミットの日程からしますと、例えば新しい内閣でこのサミットに臨むとすれば、それが首班が森さんであったとしてもなかったとしても、どのくらいの期間が必要だと考えますか、準備をするのに。つまり、その前の選挙から、その間の準備に。総理はどう思われますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 おしかりをいただき、御批判をいただくかもしれませんが、今の私は、解散をいつにして、そのためにどの程度のことを要するのかとか、それは全く頭にありません。  ただ、私は、幹事長当時、解散までの間のいろいろな事務的なことはどれぐらい必要なのか、解散してから選挙までに大体どれぐらい必要なんですかということは、自治省のどなたかに聞いたことはございます。そのとき、二週間以上はやはり必要なんです、特に小選挙区制になって、今までと違って事務的にいろいろ難しい問題もたくさんございます、そういうお話は承ったことがございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 二週間というのは、投票からサミットまでですか、それとも解散から告示までですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 解散から公示までというふうに聞いております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 今私が申し上げたのは、サミットになる準備のことを申し上げたのです。  そこで、現閣僚の中で、サミットに参加をされた首相経験をされている宮澤大蔵大臣にお聞きをしたいと思います。  九三年、私の記憶が間違っていなければ、解散後のサミットではなかったかと思いますが、そのときの経験からして、解散の時期、いわば選挙の時期とこのサミットの時期がダブることについて、あるいはダブらないとすれば、どのくらい離れた方がいいのかどうか、宮澤さんとしては、経験者としてどのようにお感じになっていますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 大抵のことはどのようにでもできると思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ということは、結局はお役人が全部やってくれるから、前の日に総理大臣になったとしてもできる、そういう理解でいいんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 こういうことは、いつ何があっても困らないように準備をしておくのが政府というものでございます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ですから、大蔵大臣は大変秀才ですが、政治家ではないですよね。  私がお聞きをしたのは、釈迦に説法ですが、選挙というのは、一たん衆議院が解散があれば、特別国会で内閣が総辞職をすることが憲法で決まっているわけです。ですから、一たん政府がなくなるわけで、改めて政府を、つまり内閣をつくり直すわけですから、その内閣をつくり直す段階とサミットの関係はどうなのかと。  あのときもたしか、私の記憶が間違っていなければ、死に体内閣と言われてサミットに出られたのをある意味ではお気の毒な立場ではなかったかと思っておりますけれども、そういう意味では、サミットというものが重要であれば、私たちは、一般的には、大いに森さんの姿勢を国民の前に明らかにした上で早く解散をすべきだということを思っております、私たちは野党ですから。しかし、政府の側が、サミットが重要だと言う割には、サミットの日程に対して、私に礼を言うぐらい考慮を払っていないというのは、ちょっと大丈夫なのかな、すべては役人任せということなのかなと感じたところですが、最後に森さんの方からもちょっとお聞きをしておきましょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 解散に関してお尋ねでございましたから、考えていないと申し上げたのであって、私はサミットは極めて大事だし、それから小渕前総理にとっても、この沖縄・九州サミットを成功させることを恐らく悲願として思っていらっしゃった、私はそう思っております。  ですからこそ、こうして連休も利用しながらサミット参加国のそれぞれの国を代表する方々にお目にかかりに伺うということも、そうした、すべてこの沖縄・九州サミットを大事に考えている、そういう私の姿勢でもあるし、また内閣の姿勢でもあるというふうにぜひ理解をしていただきたいと思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 それでは、サミットに関連して、もう一、二点だけお尋ねをしておきます。  今、最貧国の債務の帳消し問題というのが、前のケルン・サミットなどでもNPOのグループから大きな議論となりました。私はやはり、世界の非常に貧しい国に日本もお金を貸しているわけですが、これを取り立てるというのは大変それぞれの国にとって厳しいわけでありますから、これの帳消し問題は日本がイニシアチブを持って進めるべきだ、このように考えておりますが、森総理はいかがお考えですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 我が国が今の段階で世界のどこよりもこの問題に貢献しているということは各国が認めておるわけでございますが、おっしゃいますように、我が国、ほかにもう一カ国ぐらいございますが、帳消しということが国の会計法規上できずに、同じ額を渡しましてそれとスワップする形で処理している国が、我が国は殊に会計法にそれが書いてございますので、そういう困難な問題が昔からございます、御承知のように。  何とかこれを国内法的に解決する方法はないだろうかと、今回もその議論をいたしておりますけれども、今、全体のスキームが進行しておりますものですから、一応こういうやり方で日本はさせてもらいたいということで基本的には了解を得ております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 手続はわかりました。  ですから、総理として、これは他の国もあわせてどうするかという問題ですから、議長としてこの問題を取り上げて各国に同調を求める、そういうつもりがおありか、総理にお聞きをいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 問題提起としては、こうした問題も出てくるんだろうと私は思っております。  ただ、今宮澤大蔵大臣からお話しのとおり、まず議長国である日本はできるのですかということ、この問題を解決しておかないと、その場に臨んでそうした問題を前向きにお話しするということは、やはりいろいろな面で難しい問題があるのではないかなという感じを持っています。  この問題は、そうした国々にとっては大変関心のあることでありますし、また、いわゆるこのG8参加国にとっても、何とかそうした国々を助けていきたいというその思いはやはり皆さんにあるんだろうと思います。それぞれの国の事情もやはり絡んでくる話だと思っていますが、まず、日本の中でこれがどこまでどういうふうな形でできるだろうかということを政府部内でも十分またこれから協議をしておきたい、そう思っています。

菅直人民主党

○菅(直)委員 サミットが行われる沖縄は、言うまでもなく米軍の日本における基地の七五%が集中しているわけでありまして、普天間の返還と新たな基地の建設をめぐって大きな議論があります。  この問題について、沖縄知事は、十五年間の米軍の使用の後は民間の使用ということで公約をされて選挙を戦い、自民党はそれを支持された経緯があると理解しておりますが、総理としては、この十五年間の期限というものを実現させる、アメリカに説得をするなり、そういうおつもりなのか、それともそうではないのか、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 普天間の基地の移転の問題につきましては、議員も御承知のとおり、沖縄県知事あるいは名護市長等の御判断、これが極めて重い御判断であったと思いますが、こうした知事、市長の御発言等を政府としては重く受けとめて、このお気持ちを十分体して、そして閣議で行いました閣議決定というものを踏まえて、米側に対してこの問題を取り上げているところでございます。  この問題につきましては、これから先も誠心誠意、私どもとして閣議決定の方向で努力をしたいと考えております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 クリントン大統領はサミット前にこういった問題を決着したいという意向だとも聞いております。総理はクリントン大統領に会われるようですが、この問題についてきちんと話をされるおつもりですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今外務大臣からありましたように、沖縄県知事また関係自治体、名護の皆さんからもそういうお話があることを、当時党の立場におりましたので、私どもとしては大事に受けとめて、そして外務大臣あるいは防衛庁長官から米政府にそのことを申し上げているというふうに私は承知をいたしておりますが、これからクリントン大統領にお目にかかったとき、どこまでどういうお話を申し上げるかまだ決めておりませんけれども、そうしたお話が政府を通じてあるということだけは、申し上げる段階によっては申し上げなければならぬと思っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 そろそろ私の予定の時間も終わりですが、この間、私は森喜朗新総理がどういう考え方を持っておられるのかをできるだけいろいろな形でお聞きをして、国民の皆さんのいわば判断の材料を提供できるようにと心がけたつもりであります。しかし、残念ながら総理の答弁は、どちらかといえばイエスともノーともはっきりしない答弁が大部分でありまして、そういう点では、これで森総理がどういう考え方を持った総理なんだということが必ずしも明確になったとは言えないように思っております。  さらに、小渕前総理の入院から退陣に至るプロセスは、きょうかなり詳しくお聞きをしましたけれども、結局は青木官房長官一人のいわば行動の中ですべてが行われて、おれを信じろ、そういう姿勢で言われるわけですけれども、私は、民主主義というのは、信じる信じないの前に、正当な手続がなければ当然疑われるわけであります。  法制局長官のように、だれを疑うとか疑わないまで法制局が判断する必要はないのでありまして、それは国民が、この政権が本当に正統に継承されたものか、それとも小渕総理から総理大臣代理に青木さんがなったことが正当だったのか、さらには小渕総理が憲法七十条によって欠けたという認定を、医師の診断書もなく、医師の記者会見もなく、官房長官が総理大臣代理であるから、そういう立場で説明したことですべて済ませたということは、私はこれも大きな問題として残ったと思っております。  さらに、最後に申し上げましたように、サミットを前にしての政権交代でありますけれども、どうも私が見るところ、これはうがち過ぎかもしれませんが、サミットよりも次の選挙、小渕前総理へのいろいろな思いを国民の皆さんが持っている間に早く選挙をやってしまおうという、何かそういう意味での小渕さん利用、あるいはサミット軽視が見え隠れしているように思えてなりません。  こういった意味で、森さんも総理になられたわけですから、どうか今私が指摘したようなことも十分に玩味をされて、道を誤られないようにということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、横路孝弘君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。横路孝弘君。

横路孝弘民主党

○横路委員 まず、森総理の政治姿勢についてお話をお伺いいたしたいと思います。  私は、最近の日本の状況を見て、日本の基本のところが揺らいでいる、おかしくなっているんじゃないかというように思います。よく、バブル崩壊からリストラが進行していくこの十年間を失われた十年と言いますが、日本社会をおかしくしてしまったのではないか。それは、私ども日本人は、何といっても一生懸命働く、汗水流して働けばそのことは必ず報われるんだ、そんな思いで多くの日本人は家族のために、会社のために働いてきたわけですよ。  ところが、あのバブルのときというのを考えてみますと、そんなまじめに働くのはばからしいんじゃないかというような風潮ができて、そして、金融機関は個人にも企業にもどんどんお金を貸した。企業の中にも、本業でなかなか、やっても利益が上がらない、では株でもやろうかといって、それは、一時は利益を手にしたかもしれませんけれども、それが今日、不良債権になっている。そういうことの中で、人々はまじめに働くという気持ちあるいは倫理観を失っていった、そういう人々も多かったわけですね。もちろん、多くの国民は今日までずっとまじめに働いています。  しかし、そういう風潮ができたという意味では、バブルがもたらした、今日、日本の社会に残っているこの後遺症というのは大変大きいものだと思いますけれども、総理、いかがお考えでしょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 多くの要因があるんだろうと思いますが、今横路議員がおっしゃいましたことも、一つの判断の指標としてはそういうこともあったんだろうと私は思います。  要は、汗水流して丹念に物をつくってその成果を得るということが、だんだん多くの人たちからそのことについての関心が薄れてきた。まさにバブルという名前のごとく、何かぬれ手にアワで進めていくことがむしろ生業なんだというような風潮が出てきたことは、私も大変残念だと思う。  しかし、その結果、どういう結果が出てきたかということは、今、この景気回復、経済再生、新生に至る過程の中で、そうしたことが誤りであったということは、多くの国民の皆さんもやはりそのことについては反省をしておられるということは、言うまでもないことだと思っています。  ただ、株でもやろうかと今横路議員おっしゃいましたけれども、株というものは私自身は好きではございませんけれども、株そのものは、株でもやってということは、株が何か悪いものだというような考え方、恐らくそういう考え方でおっしゃったのではないんだろうと思いますが、私は、その辺のことだけは横路議員とは少し違った意見を持っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 そのバブルにおぼれた中に、特に政治や経済や行政組織のリーダーの人たちがバブルにおぼれていった。そのバブルの、今回のバブルの一番典型的な事件がリクルート事件ではなかったかというように私は思っております。  それで、総理にお伺いしたいんですが、総理は、文部大臣を昭和五十八年の十二月から五十九年の十一月までなされました。そして、やめた直後の十二月にリクルートコスモス社の未公開株を、リクルート系の金融業者リクルートファイナンスから融資を受けて株を購入されました。融資を受けて、お金を払って購入されたわけですね。そして、その株が店頭公開後、売却をして利益を得られたというように承知をしておりますけれども、このリクルートの株を購入した経過、そして、一体幾らの利益を得られたのか、御答弁をいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 日本の政治史の中でこうしたリクルートの話は時たま出てまいりますが、私もそのリクルート事件の中に名前が時たま連なっているというふうに言われておりますが、私自身は極めて残念なことだと思っているんです。  今お話がございましたように、私がこのリクルート株を購入いたしましたのは五十九年十二月ということになっておりますが、当時、このリクルートの創設者である江副さんとはかなり以前から友人関係にございまして、そして、お若い立場の中でああした大きな事業を展開されていることについて私は御尊敬を申し上げて、友人としておつき合いをしておりました。  たまたまその江副さんから、秘書を通じて、御自分の持っておられます、名前はたしか環境開発とおっしゃったかなと思いますが、そういう会社の株をいずれ公開したい、こう思っているので、社会的に信頼のある方々にお名前だけ出していただけないか、そういうお話がございました。私は、それまで全く株というものに興味もありませんし、やってもおりませんし、どういう仕組みなのかも正直言って、大変お粗末なことでありますが、知らなかったわけでありますが、そうした信頼している江副さんからのお話でありますから、私の秘書だとか家内というわけにいかぬのかなということを一遍申し上げた気がいたしますが、そうした方ではなくてきちっとしたお名前の方にぜひお願いをしたいということでございましたので、それならどうぞお使いくださいということで、私は名前を貸しました。  ただし、それを購入するにはお金が要るんだということになりました。さて、その金をどうやって調達しようかと思いましたけれども、自分のことで調達するわけじゃないので、金はないよ、こう申し上げたら、私どものファイナンスからお貸ししますということですから、それなら結構ですねと。もし私がそれを購入するお金があったらかえっておかしいのであって、お借りして、いずれそれを売って処分するというのならそれでも結構だな、そう思いましたから、お借りをしたことは事実でございます。  その後、名前が変わってリクルートコスモスという会社になったようであります。その辺のいきさつは私は全く知りません。忘れておりました。後にこれを売ることによって利潤を上げることができるということがわかって、いろいろなことがあったのだろうと思います。その後、いろいろな方々がその株を買われたということであります。私は全くそんな事実をわかりませんし、最後までずっと持ち続けておりまして、値が上がったから、公開したからそれを売るとか、そういう判断は全く私はありませんで、最後まで持っておりました。  この事件がこういうことになりまして、改めて、初めてマスコミの方が来られて、ああ、それなら持っておりますよと私は正直に申し上げたのが事の発端でございまして、私は、別に自分でそれで利益を得るとか利潤を得るとか、そういう意図でこの株に名前を貸したという、そういう意識は全く持っておりません。  しかし、その後多くの方々がこれに関連されて、こうした問題が社会的な問題になってきたわけでありまして、そこで、我が党の中で当時調査会をたしかつくられて、お亡くなりになった伊東正義先生が委員長になられまして、これらに関した方々を全部それぞれ事情を調べて、そして調査して結論を出されたわけでありますが、私はそのとき、その委員会の中では、その審議の対象ではない、そういう利益を目的に買ったものではないという判断を党の調査会でしていただきまして、私はその問題とは、そうした形で買い求めたものではないということに対するそういう判断をいただいておりました。

横路孝弘民主党

○横路委員 その株はどうされたのですか。売られたのじゃありませんか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 その後、いつまでも持っていてはいけないということでありますから、それはもちろん売却をいたしました。

横路孝弘民主党

○横路委員 幾らそれで手にされたのですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 明確に私は覚えておりません。調べればわかるのかもしれませんが、全くそういう意識はございませんでしたし、そしてそのことは、皆さんがそれぞれ党に対して、そうした問題については寄附をするということでございましたから、私は、そういう利潤を目的にしたものではございませんし、調査の対象ではなかったわけでありますが、党のお決めになったことに従いました。

横路孝弘民主党

○横路委員 一億以上の売却利益を上げたというように報道されておりますけれども、違いますか。五千円ぐらいで売られたのじゃありませんか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 調べてみないとわかりませんけれども、そんな大きなものではございません。  何かこの問題は、風評だのいろいろな人の話の中でだんだん大きくなったり、いろいろな形で伝えられておりますが、私は、当時は、自分の気持ちとして率直に申し上げると、私だけは別だということはやはり言い切れなかったのですね。多くの同僚議員の皆さんの名前があって、それに対して御苦労なさっておられたときに、私だけが、今ここで申し上げたように、調査の対象は別だということを私自身が言うことは、これは我が党の皆さんの仲間の中にもいいことではないと思いましたから、黙っていたというのが正直なところでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 当時の新聞報道で共通しているのが、五十九年の十二月に株を手に入れられて、そして公開したのが昭和六十一年の十月三十日なんですね。そして総理が売却されたのが、六十一年の末か六十二年の初めというように言われておりまして、大体売却益が一億円ぐらいというように報道されております。  このリクルート事件は幾つかの刑事事件になりました。川崎市の助役さん、それから文部大臣当時の部下であった文部省の官僚の方、それから藤波当時の官房長官というのが事件になったわけですね。  リクルートの公判廷でもいろいろと議論されまして、送った方の江副さん、検察側から何度も質問されております。その質問の中で、検察側は、一九八四年中に何回か当時の文部大臣を飲食に接待していたという事実を指摘、森氏に会ったことはないのか、森に頼む基本路線でいくと社内メモに記載されているけれどもどうなのかと、いろいろ質問がありました。  それに対して江副さんは、これは、森先生に関することは一切差し控えたいと言って、最後まで答えをされなかったんですね。そういう形でこの事件は結審をしております。  私は、今いろいろとお話しされましたけれども、文部大臣当時の部下であった方の判決の要点をちょっと言います。  この判決、どういうことかといいますと、この行為、彼も全く同じなんですね、未公開株を融資つきで買って、そして売却をして利益を得たということです。それが職務に関しているということで事件になったわけですね。  判決はこう指摘しています。  この行為は、多額の現金供与に等しい行為であり、公務員としてはあるまじき行為であり、強い非難が加えられるべきである。国の将来を担うべき青少年の健全な育成に不可欠な学校教育等の振興及び普及を図ることを任務とし、それを遂行する責任を負う者として、民間企業の社長から値上がり確実な株を安易に譲り受けた行為は、公務員と民間企業との癒着を連想させ、文部行政、ひいては公務一般に対する社会の信頼を著しく損ねたものであって、その社会的影響が大きいことは明らかだ。しかも、リクルートから数回にわたり飲食やゴルフなどの接待を安易に受けており、その意味でもその規範意識に問題がある。また、収受した利益は多額である。このようなことを考えれば、この人の刑事責任は非常に重いものと言わなきゃいけないというように、その部下であった文部省の人に対しては有罪判決が下されています。  私は、先ほど、バブルでみんながどこかにうまい話がないのかと金にまみれてしまった、これがやはり今日の日本社会をゆがめた一番の大もとにあると思うんですね。  私は、総理にお伺いしたいのは、総理は滅私奉公ということをキャッチフレーズにされていますが、こういう行為、株を融資つきで、そしてそれを売って利益を上げる、これはもう滅私奉公じゃなくて滅公奉私か。つまり、公の立場を利用して私の利益を得たということになるんじゃないですか、総理。これで、総理が言う立派な人間というのはどういうことですか。  みんなは、多くの国民は汗水流して一生懸命働いているんですよ。それが日本社会の基本だった。ところが、政治や経済や行政のリーダーが、まさにこういうような行為にバブルの中で手を染めてしまった、それがどれほど今日の日本の政治の信頼を損ねているか。どうですか、これは滅私奉公というキャッチフレーズと違うんじゃないですか、やっていることは。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、私がそういう株の知識がなかったというのはまことに恥ずかしいことなんですけれども、江副さんを私は大変尊敬いたしておりました。ですから、江副さんからそういうお話が、秘書を通じてでございますが、ありましたので、お役に立つことであればそれで結構ですよというふうに、私はそういう気持ちでお受けをしたわけです。  そのことが、こういう大きな誤解を受けたり、また多くの方々に御迷惑をかけるというようなことであったとしたら、これは大変反省しなければならぬことでございますけれども、しかし、その当時の気持ちとしては、そのことで、そういうふうにして公開をされるためには名前が必要なんだろうと思いましたから、私は何もお手伝いすることもありませんから、よろしければどうぞということを申し上げたのです。  もう一回申し上げますけれども、ただし、そんなお金は私にはありませんから、そちらの方で用立ててくださるなら結構でございますよということで、それはそれでお返しをしていったわけでございます。  ですから、あくまでも、値上がりを期待したり、それを待つために購入したという、そんな気持ちは全くありませんし、事実、全くその会社の名前も、リクルートとも何も関係のない会社の名前だったことも、御指摘のとおりじゃありませんか。私はそういうふうに考えておりまして、ただし、確かに、そうしたことで多くの方々に誤解を生じたということは、私自身、その後、反省をしなければならぬ、こう思っております。  後にも先にも、そういう意味で、株という問題に対して私は、自分なりにそのことを買い求めたり、そうしたことは一切いたしておらないこともこの際申し上げておきたいと思います。

横路孝弘民主党

○横路委員 どうもこのバブルが人々の倫理観というのを、特に政治経済、行政のリーダーの倫理観というのを失わせたというように私は思っています。  森総理は教育改革ということをテーマにされておりますけれども、しかし、こうした行為を見て、本当に大丈夫かなと思う国民は多いのではないかと思います。私はやはり、日本の社会というのは、汗水流して働けばちゃんとそのことは報われる、こういう社会にしていかなくてはいけないと思っております。  もう一点、総理の発言についてお伺いしますが、越智金融再生委員長の発言でございます。  御承知のように、ある自民党議員の地元で、地元の信用金庫、信用組合の幹部の人たちを集めて越智さんはこういう発言をしたわけですね。これから皆さんのところに金融監督庁が検査に入りますよ、この検査はなかなか厳しいですよ、何か困ったことがあったら言ってください、できるだけのことをいたしますよ、来られるときには、そばにいる自民党の議員を指さして、この方と一緒にいらっしゃい、こういうことを言われた。そして、なおかつ、公的資金があるから、つまり税金ですよね、これは幾らでも使いますよという発言までされておられる。  これに対して、当時幹事長でありました森総理は、問題があったら言ってきてくれというのは信用組合へのメッセージであって、そんな間違った発言ではないんだというコメントをされておられます。これは今もそういうお考えですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 その発言全部を、発言されたときに私はそばにいたわけではございませんので、全体をつまびらかに承知したわけではありません。  ただ、党側としては、このペイオフについて、党としてはできる限り、信金であるとか信組であるとか、そういう地方の中小金融機関があるわけですから、それを大都市銀行並みの尺度で見るということはやはり危険なのではないか、そういう声は党内にたくさんございました。そういうものを頭の中に私は置いておりました。  そういう中で、当時の越智長官が栃木県でそういう御発言をされましたのは、そういうことを念頭に置いてお話をされたことなんだろうと思いましたから、私としてはそういういろいろな思いがあって、金融機関の皆さんが、御不満があったり心配があって、それを越智さんなりに、直接長官に言いに行くということはなかなかできないでしょうから、そういう意味で、地元の、そこにおられた代議士を通じてお話をされたということになれば、それは聞いてあげるということもまた大事なことではないか、党の立場として、やはりそう申し上げるのは、その時点ではそういう判断だと私は思ってそういう発言をいたしたわけです。

横路孝弘民主党

○横路委員 それは総理、問題ですよ。それは問題ですよ。  問題は、大蔵省からどうして新しく金融再生委員会に移っていったかということですね。それは、検査そのものが、なれ合いではなくて、ごまかしではなくて、透明にして公正な検査をしっかりやるというために、大蔵省のいろいろな不祥事の経過を経て今日の姿になっているわけですね。そこで、これから検査に行きますよ、検査に行って問題があったらこの自民党議員連れていらっしゃいと言うのは、そういう行政の公正さというのを阻害するものじゃありませんか。これだって、どこに滅私奉公なんですか。こんなのは自民党の党利党略じゃないですか。こんな金融検査やっているんですか。それを認めるんですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 何も助けてくれとかどうこう、延ばしてくれ、そういうことじゃないでしょう。きちんとしたそういう調査をしていただいたり、御自分として主張ができないこと、また、なかなか、お役所でありますから聞いてくださらないようなことがあれば、やはりちゃんと話を聞いてもらうようにされたらいいんじゃないですかということを申し上げているわけでありまして、少しでもそれを軽くしろとか、間違ったところをそのままのんでくれとか、そんなことをしろと私は言っているわけじゃありません。

横路孝弘民主党

○横路委員 そんないいかげんな検査を金融監督庁はやっているんですか、総理。そんなことないですよ。金融監督庁は、新しくスタートして、それは確かに厳しいかもしれないけれども、厳しくしなきゃ実際の姿はわからぬじゃありませんか。実際の姿を見て、そしてどうするのかという方針が出てくるわけですね。だから、何かあったら言っていらっしゃい、そんなのはもう、どういうことですか。例えば、税務調査に入りますよ、何かあったら言っていらっしゃい、税金まけてあげますよと同じじゃありませんか、それは総理。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 初めからあなたはそういう頭で物を考えていらっしゃるわけで、私さっき申し上げましたように、党の中にはいろいろな意見がやはりあったんです。党の中には、都市銀行のような尺度ですべてをやられると、やはり地方の信組、信金としては立ち行かなくなるような問題もまだありますよということを、そういうことは我々も陳情を受けているわけですから、そういう問題意識を持っているわけですから、ですからそういうことを公正に、きちんとした判断、きちんとした調査をしてあげてくださいよ、そういう趣旨で申し上げているわけであって、ごまかしてくれとか猶予してくれとか、そんなことで私は申し上げているわけではございません。

横路孝弘民主党

○横路委員 越智さんの発言は、これから検査に入りますよ、検査はなかなか厳しいですよ、何かあったら言ってきてください、そのときできるだけのことをいたしますよと言っているんですよ。  問題は、検査はやはりちゃんとしっかり、公平、公正、透明にやる。そこに、自民党の議員が言ってきたら、ちょっと手心を加えますよ。だから、これは手心発言と言われているわけですよ。総理、それは当然のことなんですか。当然じゃないでしょう。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 ですから、冒頭に申し上げたように、越智さんがどういう形でおっしゃったかということは、その場にいたわけではありませんから、早い段階で、問題が出ましたときにそういうふうに私は申し上げたのであって、別に中をごまかすとか猶予をしろとか少し手心を加えろとか、そんなことを私は申し上げたわけじゃありません。やはり調査をきちんとして、行き届いて、自分たちの意見もちゃんと反映させてもらうように、そういうことが支障なくできればいいのではないかというふうに、私はそう思ったから、越智委員長としてはそういう趣旨でお話をされたとしたなら、それは私は必ずしも間違ってないんじゃないかということを申し上げたわけです。

横路孝弘民主党

○横路委員 越智さんがやめたのは、結局、やはり検査に手心を加えるということと、税金があるから、公的資金があるから、これはもう自分の責任でじゃぶじゃぶ使いますよという発言をして、責任をとってやめられたんじゃないですか。  私は、今の総理の発言で、やはり森内閣の性格というのは、これは滅私奉公じゃないですね。公正な行政を行うということじゃないですね。どうも自民党の党利党略のために権利権限を使う、これは一番許されないことですよ。そのことをちょっと総理に申し上げておきたいと思います。  それでは次に、この前の選挙から四年間たちました。四年間たちまして、一度参議院選挙があって、国民の審判を受けて、橋本内閣が退陣されて小渕内閣になられた。小渕内閣になってから今日までの実績、一体どういう実績だったのか。社会が一体どうなったのか、経済がどうなっているのかということをちょっと検証してみたい、このように思っております。  特に総理、これは、まず見ていただきたいのは、この間ホームレスの人が二万人を超えている。これは昨年の数字です。自己破産が十二万三千件。特に悲しいことは、自殺をされている方がふえているんですね、これ。特に四十代、五十代の人がふえている。経営者の人もいれば管理職の人もいるし、被雇用者の人もおられる。四十代、五十代が七割ぐらいふえております。それから、犯罪がふえてきています。重要犯罪というのは、警視庁が言っている重要犯罪でございますけれども、犯罪も非常にふえてきている。そして、社会全体、やはりリストラが進んでいますから生活保護を受ける方がふえてきて、九九年度ですと一兆三千億から四千億ぐらい、多分生活保護にお金がかかっているんだろうと思っています。これが最近の状況なんですね。  私はこの後経済の方も数字を示しますが、確かにGDPがどれだけになっているかというのは非常に大事ですけれども、我々政治の基本は何かというと、やはり国民が安心して現在と将来に希望を持って生活ができる、仕事があってしっかり働くことができる、生活ができるということがベースなんですね。〇・一%高いとか低いとかということももちろん大事ですが、一番基本はそこにあると思っています。  こういう社会の状況、これは総理、何が原因で、どうしてこうなったんだと思いますか。これは、この二年間でわあっとふえているんです。これが自民党政治のこの二年間の実績ですよ。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 経済の動向でありますとか、そうした社会的ないろいろな現象でありますとか、これも、やはり一つには、日本のすべて経済そのものが大きく構造が変わっていく、そういう一つのきっかけもあるんだろう、そう思っています。全体的に言えば、日本の経済そのものがやはり縮小していく方向、そういう方向の中でそうした数字が出てきたものであるというふうに、私も今の時点ではそういう判断をいたしますが、そうしたことを少しでも解決するために今最大の経済対策を、政府としては一生懸命にそれについて取り組んでいるということであります。

横路孝弘民主党

○横路委員 特に、やはり四十代、五十代の人が今一番不安を持って、不満を持っています。それは本当に家族のために、会社のために汗水流して一生懸命働いてきたのですから。そして、そのあげく、会社に、はいさよならですよ、解雇ですよね。この一年間で、解雇などによって人件費の節減五兆円と言われています。それがこういう社会的な不安を生み出しているのですね。ここをやはりしっかり押さえていかなくてはいけない。  過激なリストラ、これは実は政府もかなり進めてきたのですね、リストラを。最近になってようやく、小渕総理も年明けてぐらいから、リストラではなくて雇用、活用する形に変えていかなくちゃいけないということを言われるようになりました。  私は、雇用というのは一番社会の基本だと思うのですね。経済発展の核がまず雇用にあるというように思うのですね。やはり、これはかなり無理なリストラが生んだ結果だと思いますが、総理、その点いかがですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この現象は、今森さんが総理になられてからの時間の問題ではないと思いますので、少なくとも小渕内閣の初めからかかわっておりました者として、今ひとつ聞いていただきたいことがあるという意味でお聞きください。  それは、基本的にはこういう非常な、経験したことのない不況というものがどうしても根にあることは、もうそれは間違いありません。しかし、その一つ一つの社会悪が全部そこへたどり着けるかというと、今の我が国は、不況といっても、路頭に迷って餓死する人がいるというような不況ではございません。国民の不満感は高いけれども、それはあす飯が食えないというわけではない。ホームレスの人は、本当に家に住めないかといえば、また違う原因がある。いろいろ私は複雑な原因があると思うのですね。その中で横路委員のおっしゃるのは、雇用が一つだろうとおっしゃるのは私はそうだと思いますけれども、しかし、我が国が今までのような雇用状況を続けて二十一世紀の世界に臨むということは、私はやはり難しいのではないかと思っています。  そこにはどうしたってやはり二十一世紀らしい産業なり経済生活のあり方があるわけですから、それは雇用だとか教育だとかいうことに影響を及ぼさざるを得ない。それを乗り越えて我々は二十一世紀で生きていける国になるのだと思っていますので、今こういう起こっていることは、本当に政治に責任があります。また、こういうひどい経済状態にも責任が確かにあります。そうであるけれども、しかし、それをやめたら日本は二十一世紀に生きていけるかというと、やはりそうではないという現実を国民は知っていますから、ここはお互いにわかり合い、苦労し合い、政府としてもできるだけのことをしていくという、そういうことを御指摘になるのであれば、まさにそうであるとは思いますけれども、単純に不況だとか雇用だとかいうことではないように、まことに僣越ですが、私は思っています。

横路孝弘民主党

○横路委員 ちょっと雇用の問題は後ほどやりますが、では経済の方の実績はどうなったかということでございまして、これは新しい数字です、十—十二の数字。それから失業者は二月、企業倒産は三月の数字でございます。その前年の比較でございます。     〔委員長退席、自見委員長代理着席〕  総理にお尋ねしますが、なかなか経済——お金は相当つぎ込みました。例えば、小渕内閣になってからも、緊急経済対策、経済新生対策、十一年度予算と補正予算、それに十二年度予算ですね、当時は十年度予算の後半の部分でしたが。そのほか金融安定化対策と例の中小企業の保証枠ということで、これを合わせると三百兆円ぐらいのお金なんですね。それだけのお金を使ったけれども、GDPの方は、名目でいいますとむしろ下がってきているということなんです。  なかなかうまくいかない要素の一つというのは、従来から指摘されておりますように、私は、なかなか消費が伸びないからだと思うのですね。要するに、普通ですと、所得が伸びて消費、需要が伸びて、生産が伸びて設備投資が生まれて、また雇用が生まれて所得がふえて、そういう、うまく循環に入ればいいわけですが、なかなかそこに行っていない。所得も伸びておりませんし、所得が伸びたとしても、どうもやはり将来の不安があるから貯蓄に回ってしまう。お金を使わないのですね。  問題はやはり、ここでも全世帯の消費支出というのがマイナスになっています。どうして伸びないのかというと、それは今話をした点にありまして、そのベースにあるのはやはり将来の不安だと思うんですね。それは雇用不安であるし、それから老後の不安であるし、それからもう一つは増税の不安という三つの不安がベースになっていて、なかなか人々が消費に向かわないというところに今日の問題があるのだと思うんですね。  それで、私は、大事なのは何かといいますと、一つは、その不安をやはり解消していく努力をするということをしなければいけないわけなんですけれども、どうもこの間政権がやってきたことはそうではないんじゃないだろうか、不安をむしろ増長するようなことをしていたのではないかということをまず一つお尋ねしたいと思います。それは、今回の年金の改正の問題であります。  総理御承知のように、今、高齢者の方で年金や恩給だけで生活されているという方が六割おられます。しかも、高齢者の方の収入は、百万未満の方が三三%、百万から二百万の方が二二%、収入のない方も一〇%おられます、家族の方とか一緒の方などだと思うんですけれども。それで、今回の年金改正でどうなったかといいますと、現在五十歳、六十歳の方は、将来もらう年金は大体五百万減ったんですね。四十歳の方で一千万円、三十歳の方で一千百万円減るような措置がとられた。しかも、支給が六十歳から六十五歳に延長されて、この間の雇用は厳しいという状況なわけですよ。  ですから、人々は、年金は下げられますよ、医療と介護の負担はふえますよ、これじゃどうしたらいいんですかと。ですから、わずかな収入の中でも貯金をするということに現状としてなっているわけですね。  総理にまずお伺いしたいんですが、まずこの三つの不安を解消する。老後の不安解消でやはり大事なのは年金です。年金をしっかりするということが大変大事なんですが、今回の改正はそんな意味ではむしろ将来の不安を増長したことになるんじゃないかと思いますが、総理の見解をお聞かせいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 いろいろ随分長くおっしゃいまして、最初の段階のところは、そのままになってしまいますと、後、テレビをごらんになっている国民の皆さんは、なるほど、そうかなと見られてもいけません。  いろいろな数字をお出しになったわけですが、今あなたが立論にされている数字から並べればそういう数字が出てくるんだろうと思いますが、先ほど大蔵大臣もおっしゃいましたように、日本の現状をもう少しマクロで見れば、そういう意味では預貯金も着実にふえているわけでありますし、あるいは海外の資産もきちっと確保しているわけでありますし、国全体としては大きくやはり私は順調な歩みをしているんだろうと思います。  ただ、御承知のように、これはすべての制度で言えるわけでしょうが、国際化が進んでおりますし、高齢化も進んでおりますし、少子化も当然進んでいるわけでありますから、そういう中で企業といえどもやはり体質を変えていかざるを得ないわけであります。そういう意味では、従来のように、多少不採算な部門があっても会社としてそれをある程度経営を保持していくという時代ではもうない。そういう意味では、後ろにいらっしゃる岩國さんなどはまさに国際経済の通なんですから、恐らくそのことに、私の論には反対なさらないと思います。  国際社会のために堂々と打ちかっていく、今の舞台は日本だけをベースにしている企業の存在というのはもうないわけであって、世界全体を見ていかなきゃならぬということになれば、当然、そういう意味での経営資源といいましょうか、企業そのものを存立させていくためには、選択とある程度の集中というのは、これは不可欠なことだろうと思います。そういう意味で、単に不採算部門の合理化ということにとどまらず、経営資源というものを得意分野に集中していく、そして新分野を思い切ってつくって、その前向きな中から新しい雇用の場をつくっていく、企業の力を蓄えていくということが私はやはり今大事な政策だろう、そう思っています。  もう一点は、小渕内閣になってから悪い、悪い、こうおっしゃいますが、小渕内閣が橋本内閣を受け継いだときの株価であるとか為替の不安定を、あなたは一番よく御存じだと思うんです。何とかして金融破綻を救いたい、そういう思いで、私も当時幹事長として皆さんにも再三御協力のお願いもいたしたと思いますが、当時から見て、いろいろな意味で資金も随分つぎ込んだと今御指摘がございましたけれども、それじゃ今、日本の経済は悪くなっているのでしょうか。私はそうは思わない。まだ遅々として進んでいない面もありますが、かなり改善をされて、いい方向に進んでいるんじゃないでしょうか。私は、それは国民の皆さんがお認めくださると思うんです。  そういう中で、改めていわゆる社会福祉の制度であるとか、教育の制度でありますとか、行政の改革をしていくとか、そういう次の世紀に備えていくということが今これから果たしていく政治の大きな役割だろう、こう思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 企業の負担を軽減するんだということで、政策集中してきましたね。その結果どうなったかというのが、さっきの社会の状況がどうなったかという数字なんですよ、その結果が。結局、国全体としてはコストのかかることをやってきているわけなんです。しっかりやはり対応していかなければいけませんからね。社会的なセーフティーネットをつくっていく、生活保護費や何かはどんどんふえていっているわけでしょう。  年金の問題にお答えはありませんでしたが、次の質問に移っていきたいと思いますが——いやいや、結構です。それはさっき、現実としてそのようになったわけでございますので。  もう一つ大きな問題は何かといいますと、やはり雇用の問題なんですね。  総理、二月の数字というのをどのようにごらんになりますか。この雇用の厳しい状況というものを一体総理としてどう認識されているのか。失業されている方が三百二十七万人ですね。三百二十七万人というのは、労働力人口でいうと、千葉県よりちょっと多くて埼玉県よりちょっと少ないぐらいの数字なんですよ。これは、いろいろな県を合わせますと、例えば佐賀県、福井県、山梨県、島根県、徳島県、香川県、高知県の全部の労働人口が失業しているという数字なんですね。大変深刻ですよ。これをどのように受けとめていますか、総理。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほど経済そのものが大きく今構造変革をしていかざるを得ない、そういうときでありますから、そういう面では、確かにいわゆる非自発的失業者が出てきているということは承知をいたしております。そのためには、一時的にでも雇用創出というものをやはりつくらなければならぬということで、再三、恐らく政府としても四回にわたります雇用のそうした創出をしていく政策を掲げてきている、予算措置もしているというふうに思っております。  ただ、大きく今転換をするときでありますので、経済の動向よりも失業率の方が少しおくれて出てくることはやむを得ないことかと思っておりますが、改めて経済を安定させて、企業もいい方向に進んでいくことによって、雇用の場もまた創起されていくことだというふうに我々は期待をいたしているところです。  たまたま、企業というものを大きく変えるために、いわゆるリストラによる失業者が出てきていること、そしていわゆる高齢者の再就職という場が極めて難しくなってきているということ、それから新卒業者による就業の場がなかなか難しくなっているということなどもこうした数字にあらわれていると思いますが、政府としても、こうした雇用の不安、これを何としても解消するために今全力を挙げて各般の措置をとっているということでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 これは、労働大臣にちょっとお伺いしますが、三月は五%超えるんじゃないですか、失業率は。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 御承知のとおり、二月の完全失業率は四・九%、そして私どもが一番心配したのは新卒の就職率がどうなるか。先生御指摘のとおり、例えば高校については七九・三%でありましたけれども、最近の調査では九一・八%、こういうことで、企業サイドでやはり競争力を確保するためには優秀な人を必要とするという空気が実はじわじわと出てきたな、こういう感じがいたします。  それから、もう一つ顕著な特徴は設備投資でございますが、これは特に成長産業に伸びてきておりまして、企業の確信と申しますか、投資をしよう、人を雇おうという、単に可能性がこうだとかあるいは学者がこうだろう、そういうことではなくて、企業経営者が確信を持ってきたということを実は肌で感じさせていただいた次第であります。  したがって、五%をオーバーするかどうかについては、リストラの問題、それから特に大学卒業生の内定率がまだ不明でございますので、その辺の調査をいましばらく待たせていただきたい、こう思っております。     〔自見委員長代理退席、委員長着席〕

横路孝弘民主党

○横路委員 要するに、この四・九という数字は、中小企業の倒産と大企業のリストラなんですね。中小企業もこの間、四カ月ほどずっとふえてきています、中小企業の倒産が。それからリストラは、いろいろな調査を見ましても、まだこれから二年以上、大企業ではリストラは続いていくだろうということが言われているわけですね。  総理、やはり新しい雇用の場をつくるということが大変大事です。同時に、雇用のための安全ネットをどうつくるかということもあります。今度雇用保険法が改正されるわけですけれども、私どもは、世帯主が失業した場合の失業給付期間なんかはもっと延長すべきだというように考えていますし、最近パートや派遣労働がふえていく中で、その労働条件が非常に厳しいのですね。むしろ、同じ労働をすれば同じ賃金だという原則を、日本としても早く固めるべきだというように思っております。  そこで、質問したいのは、新しい雇用の場ということでお尋ねをしたいと思うのですが、新しく求人がふえている分野は三つあります。一つは、サービス業における福祉や医療関係、介護の関係が中心ですね。それからもう一つは、やはり情報通信関係なんです。このサービスが、事業がふえていっている。それから、情報通信関連の製造業というところがふえているのですね。そして、建設業の関係はどうかといいますと、この三カ月ほど出ている数字では、七十万ぐらい減ってきています。確かに、公共事業をやるとその後ぽっとふえるのですけれども、すぐその効果というのはなくなってしまう。  そういう意味では、これからの雇用をどこに重点的にやっていくのかというと、やはりこれらのサービス業なんですね。個人サービス、医療、福祉、教育、レジャー、こういう関係。それから、情報関連の対事業所サービスといったようなところなんです。そこにやはり財政投資を変えていかなければいけないわけですね。私は、公共事業というのは生活の基盤と生産の基盤をつくる仕事ですから、それは過去の生活や生産の基盤じゃなくて、これからの人々の生活と生産の基盤をつくるということが大事なんですね。  実は、この古い事業が依然として古いまま行われていて、新しい状況に対応していないわけですよ。だから、この仕事のふえているところを見ますと、それは何かというと、まさにこれから国民が必要としている生活の基盤を整備すればするほど、むしろここは伸びていくというのがはっきり出ていまして、今まで政府がやっている古い公共事業ではなくて、やはりこれからの新しい公共事業が必要なんですね。それが、この新しい求人の傾向に出ています。  ですから、私が総理に質問したいのは、投資先、投資を変える、財政支出の構造を変えるということがどうしても必要な時期に来ていると思いますが、総理のお答えをいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 小渕前総理も、十二年度予算を編成されるときに当たりまして、もちろん従来の公共事業というものも、経済を下支えさせていく、あるいは即効的に効果をあらわしていくという意味ではこれもまた大事にしていかなければならぬけれども、同時に、今御指摘ございました新しい分野の産業、そうした産業をしっかり伸ばしていく、しっかりとした財政措置をしていくということで、いわゆるミレニアムプロジェクトというものを推進された。その効果もやはりあればこそ、今指摘がありましたそういう新しい三つの部門が伸びてきているのだろうというふうに私は理解をいたしております。  まだ、やはり日本列島は広いわけでありますし、そして大企業、中小企業、小規模企業、いろいろあるわけでありますから、そうした企業の中にすべてが、今の新しい三分野のもとに、全部そのもとに集結していくということはなかなか難しいだろうと思う。技術的なものを習得もしなければならぬでしょうし、ミスマッチもあるでしょうし、横路議員には申しわけないわけですけれども、北海道なども、やはり何といっても全国よりもはるかに多いパーセンテージで公共事業への依存をせざるを得ないのじゃないでしょうか。  そういうところに対して、やはり公共事業というものは、そういう下支えをしていく役割というのはあるわけで、すべてそれを方向転換させてしまうということは、私はとるべきことではないだろう。徐々に徐々に新しい産業もしっかりと芽生え、定着し、広がって、雇用の場が大きく広がっていくように、財政はやはり細かな分野で目を配りながら、財政支援をしていくということが私は大事ではないかというふうに考えます。

横路孝弘民主党

○横路委員 その考えですと、ほとんど変わりませんね、全然。構図、構造、歳出構造をやはり思い切って変えないといけないわけです。  私は、その公共事業が、古い形の公共事業、新しい公共事業という言葉を使いましたけれども、これからの国民の生活に何が必要か。今はもう少子高齢化社会になっているわけですから、そのための介護や育児の基盤や人材を養成するということが大事でしょう。情報通信社会なんですから、そのための基盤とそのための人間を養成するということが必要なんですよ。そこに思い切って投資を変えていかないと、従来の昭和四十年と今の公共事業のシェアは何も変わっていないじゃないですか。これでは雇用が生まれていないんですよ、雇用が。だから、そこを考えてもらわなきゃならない。  例えば、特別養護老人ホームだってまだ足りませんよ。待っている人がたくさんいるんです。しかもその内容だって、もっと個室化を進めていかなきゃいけない。あるいはグループホームとかケアハウスのようなものを、公営住宅を使ってどんどんむしろつくっていった方がいい。あるいはバリアフリーの町だって、それはミレニアムプロジェクトというあんなお金じゃなくて、やはり本格的にやっていくような事業というのが必要なんです。  そして、少子高齢化というのは、先ほども議論がありましたけれども、これは何か経済の足かせになるんだという考えは間違いなんですね。むしろ、そういう中から新しい産業が生まれてくるんです。市場が生まれてくるんです。そこにむしろ思い切って誘導していく政策というのが必要なんですよ、総理。そうしないと雇用は生まれませんよ、従来の政策を続けているだけでは。それはどうですか、総理。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 経済の議論は正確にやらないといけないと思いますので、ちょっと申し上げます。  まず第一に、先ほど挙げられた数字でございますけれども……(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 あれは十月—十二月だけとっておられますけれども、最近の数字を見ると大分変わっております。例えば、今委員お示しになりましたのに、名目GDPがマイナス七・二というのは、これは十—十二月のだけでございますが……(横路委員「それをベースにして一年分に延ばしたものです」と呼ぶ)それを一年分に延ばされたんですね。ところが、最近の、二月になりますと、これはプラスの三・三でございます。特別のときだけとられると非常に大きく悪い数字が載りますが、決してそうではございません。  また、この次に、全世帯消費支出についてもマイナス四・三ということを書いておられますけれども、二月にはこれはプラスに転じている。そういうぐあいに、動態的に見ますとかなりよくなっております。  それで、今の公共事業の問題でございますが、これは最初、まず九八年の補正予算を組んだときには、まず下支えが大事だというので即効性を重視しました。そして、九九年度の新生対策におきましては、九兆円のうちで二兆三百億円を新セイ策に投じました。  それで、皆さんごらんになっておられるのは、各省とかそういう別で見ると、変わっておりませんというのがよく出るんですが、内容は相当変わっております。だから、情報通信、これは民間企業のやる分が多いのでございますけれども、地下埋設であるとかあるいは学校のインターネット化であるとか、そういうところへぐっと傾斜してまいりました。  その結果、今おっしゃるように、情報通信の製造業やサービス業で雇用がそろそろ出てきている。雇用は遅行的でございますけれども、景気ウオッチャーなどの調査によりますと、相当求人倍率、求人数はふえておりますし、求人広告もふえております。  したがって、景気の回復に従って、これも間もなく回復に向かうだろうと考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 三百兆円もお金を投入して、それは少しはよくならなきゃならぬわけで、ただしかし、タクシーに乗ってみても、どこに行ったってそんな景気がいいなんていう実感は国民の中にないですよ。  それで、もう時間がちょっとなくなってしまいましたので、聞かれたことだけ答弁してください。  一つは、財政の改革ということなんですが、歳入に合わせて歳出をカットするという財政の健全化じゃなくて、財政の構造改革を進めていく上では、まずやはり第一は財政の効率化を図らなきゃだめですよ。むだをなくすということですね。それから、できるだけ政策は選択をして、政策目的のはっきりした政策を行うということ。これはいつの時代でも大事なことだと思う、財政の効率化というのは。これはどうですか、総理。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 財政を効率化していくということは、私はたびたび、午前中にも申し上げたと思います。  そういう意味で、今議員が指摘されましたように、小渕内閣になってこうもなった、ああもなった、悪い悪い、こうおっしゃいますからそのことを申し上げたわけでありまして、何も従来の公共事業を中心にやるということを申し上げているわけじゃありません。今、堺屋長官もお話しされましたように、私も先ほど申し上げたはずです。緊急的に下支えをしていく、効果的にあらわしていくためには、その方法もやはり選択する道であったということを私は申し上げているわけでありまして、いよいよこれから、来年は中央省庁が新たにスタートするわけでもありますし、私は、本会議でも申し上げましたように、予算のあり方については、やはり多くの皆様の意見をちょうだいしながら、そういう意味で効率的な予算措置をしていくように考えていくべきだというふうに当然考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 財政の効率化ということで一つ、今回の児童手当の問題ですね。これも結局、考えてみますと、今まで三歳までの子供に、二百六十五万対象で手当が出ていたわけですね、それを三歳から六歳に拡大をすると。しかし、拡大するために、年少扶養控除、これは去年わざわざ上げたものをまた下げるということになりまして、結果的にどうなったかということになりますと、千六百万の児童の家庭が増税になるんですね。大体、子供一人でどれだけの増税になるかというと、年間で一万六千円ほどの増税になるわけですよ。三歳から六歳の、所得が六百七十万以下の家庭のところだけ三百万人ふえるということで、これは一体何が政策目的なのかということで、今議論しているさなかでございますけれども、もう厚生省の方も、いや、これははっきりしないということで、これが一体何になるのか。  子育てということになると、むしろ子供というのは大きくなるほどお金もかかるわけでして、やはり私どもは、全体としてやるならば、もちろん扶養控除との関連はございますけれども、もっと拡大してやるべきだというように思います。こんな政策目的のはっきりしない政策はないんですね。  つまり、やはり、一つ政策をしっかり選択をして、政策選択をして予算を考えるという、財政の効率化ということを考えなければいけないと思いますが、総理、どのようにお思いになりますか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 児童手当の問題でございますけれども、これはそもそも与党の三党協議の中で決められた問題でございまして、いわゆる年少扶養控除の中におきまして、児童手当の延長が、これまで三歳未満でございましたけれども、これを就学前まで延ばそう、こういうことでございます。その結果、増税に当たる部分もございますけれども、基本的には、いわゆる低所得者を中心とする重点化を図った、こういうことでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 いや、もう全く政策目的が混乱した制度で、多くの子供を抱えた家庭が増税になる、こういう政策は、やはり選択を間違えたというように私は思います。  最後に一つ、沖縄サミットについてお尋ねしたいわけですが、沖縄は太平洋のキーストーンと言われて、アメリカ軍のいわば、アジア太平洋地域、中東地域まで含めた戦略拠点だったわけですね。今回の沖縄サミットに沖縄県民の皆さんが何を望んでいるかというと、やはり米軍基地の問題、そして県民の平和を愛する心ということを今度のサミットのテーマにしてほしいというように言っております。  そうしますと、むしろ核軍縮の問題でありますとか通常兵器の移転の禁止といったような問題をしっかりテーマにしなければ、ここで世界の首脳が集まってもう一度米軍の基地を再確認するようなサミットになる危険性が私はあるのではないかと思っておりますが、その点、総理はどのようにお考えでサミットに臨まれるのですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 小渕総理のとき以来サミットの準備にかかわってまいりましたので、私から御答弁をさせていただきたいと思います。  沖縄で開かれますサミットは、二十一世紀を視野に入れて節目の年、しかもアジアの一角で開かれるサミットということで、大変重要な意味を持つサミットである、これをぜひとも成功させたいというのが小渕総理のお考えでございました。  沖縄で開かれるということもございますから、世界の首脳が沖縄に一堂に会されて、そして、基地をごらんになることもあるでしょう、沖縄の文化その他をごらんになることもあると思います。  しかし、サミットの議題は目下、シェルパを走らせましてその議題の整理を行っているところでございます。現状では、心の平安でありますとか、安心、安全な社会でございますとか、二十一世紀に向けて世界の人たちが不安を克服できるような、そうしたサミットにしたいものだということで目下調整中でございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 もう時間がなくなりましたので、最後に、有珠山の噴火の問題についてちょっとお話し申し上げたいと思います。  避難されている方もだんだん長くなりまして、心から皆さんにお見舞いを申し上げたいと思いますが、いよいよ仮設住宅の建設でございますとかいろいろな事業が始まります。これは地元からいろいろな要望もありますので、特に例えば国庫補助負担なども、例えば実際には四百万ぐらいかかるものが二百五十万ぐらいしか出ないとかいうような問題がありまして、たくさん要望が出ております。  それと同時に、問題なのはこれからどうなるかということでございますので、観測体制をやはりできる限り強化して、そして人々の安全に万全を期していただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わりといたします。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて菅君、横路君の質疑は終了いたしました。  次に、志位和夫君。

志位和夫日本共産党

○志位委員 私は、総理に、国民生活にかかわって大変切実で深刻な二つの問題について、基本姿勢を伺いたいと思います。  まず第一は、雇用の問題です。  大企業によるリストラの横行のもとで、完全失業率は四・九%と最悪になりました。ただ、その一方で、職場に残された労働者はこれまで以上の長時間過密労働を強いられているという現実がございます。この事態をどう打開するかという点で、私は、ヨーロッパ諸国でやっているように、労働時間短縮に政府が本腰を入れて乗り出して、そのことによる雇用創出を図るべきだと思います。  この点で、きょうは特に、サービス残業、ただ働き残業を一掃する問題に絞ってお聞きしたい。  総理は本会議の答弁で、サービス残業の解消に努めてまいりますと申されました。しかし、これまでも政府はそうした答弁を繰り返しやってきたわけでありますが、解消どころか、ますます蔓延しているのが実態です。連合の最近のアンケート調査では約半数の労働者が、程度はさまざまですが、サービス残業をしていると答えています。すなわち、この問題というのは、一千万人、二千万人という規模で労働者に蔓延しているという社会的大問題なのであると思います。  そこで、総理に伺いますが、これを一掃するためには、従来の対策の延長ではなくて、新しい特別の対策が必要だと私は思うのですが、総理にそういう認識はございますでしょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 解雇につきましては、いわゆる整理解雇の四条件あるいは合理的な理由というものがあるわけでありますが、裁判例の考え方を踏まえて、具体的な実情に応じて労使間で十分話し合われていくべきものである、このように考えております。  サービス残業というのも一様に、会社が強制して行われているケースも、私は必ずしも正しいとは思っておりません。それぞれのいろいろなお立場の中で、それぞれ個人が仕事に対しての熱意であるとか、そうした形で残されているケースもあるのだろうと思いますし、一律に、サービス残業はすべて悪という考え方をとるということは、私は、やはり企業、企業の事情というものを十分しんしゃくしなければならぬのではないかというふうに思います。

志位和夫日本共産党

○志位委員 サービス残業一律に悪じゃない、これは驚きましたよ。サービス残業というのは、残業しても残業代が払われない、ただ働きなんですよ。これは労働基準法違反。しかも、これが故意でやられているわけですから、これは重大な犯罪ですよ。  これは総理、一律に悪じゃないという立場では、これはまず前提がたがえますから、これは撤回してください。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 ちょっと誤解があったと思いいますが、それぞれの事情で働いていらっしゃる方々の、やはりある意味では、この仕事はきょうじゅうにどうしても片づけたいとか、そういう思いでやっていらっしゃるケースもありますから、私はそう批判をしてはいけないということを申し上げた。  しかし、いずれにしても、サービス残業というのは労働基準法の違反であるということだけは事実でありますから、政府としては、その解消を図るために、労働基準法の趣旨の徹底を図るとともに、経済団体等に対しまして適正な労働時間の管理を行うように今指導を行っているところであります。

志位和夫日本共産党

○志位委員 適正な指導をやっているというのですけれども、それをやっていてもなくならないから、これをどうするのかということを私は聞いていきたいと思うのですよ。  私は、この根絶のためには、二つの問題にメスを入れる必要があると思います。  一つは、今多くの大企業でやられているやり方というのは、労働者に実際より少ない残業代を自主申告させるというやり方なんですよ。ある企業では、今月の残業は十時間まで、こういうふうに会社が強制する、そして、二十時間働こうが三十時間残業やろうが十時間分しか申告は認めない、こういうやり方がまかり通っているわけです。これがサービス残業の温床なんです。  このことを明らかにしたのが、三月二十四日の最高裁で下された電通過労自殺訴訟の判決だと思います。私は、この判決、大変重大なものだと読みました。電通で働いていた青年労働者が、連日深夜から早朝の残業に追われて、疲労こんぱいした末に過労自殺に追い込まれるという大変痛ましい事件であります。  この事件について、最高裁の判決では、長時間にわたる残業が常態化していたこと、従業員が残業時間を実際より少なく申告することも常態化していたこと、そして会社がそういう事実を知りながら放置していたこと、この責任は重大だということで断罪したわけです。これは、無理やりそういう状態に置かれているわけです、多くの労働者が。労働者に異常な長時間残業を強制しながら、自主申告という形で、少ない、実態に合わない申告をさせる。  この電通の場合は、労働時間の記録がどこにも正規には残っていませんでした。どこで明らかになったかといいますと、委託されていた警備会社が深夜の巡回をやっていた、その巡回記録の中に辛うじてこの過労自殺された方の労働の記録が残されていて、これがたまたまあったから裁判で決着がついたわけです。私は、労働時間がそういう形でしか残らないというのは、本当に異常なことだと思います。  私は、総理にこの問題を聞きたいのですが、最高裁の判決について、総理は本会議の答弁で、政府としてその趣旨を尊重するとおっしゃいました。  そこで、私、提案したいのですけれども、サービス残業の根絶のためには、労働者に実際より少ない自主申告を強制するというやり方をやめさせる必要がある。そして、企業がみずから責任を持って実際の労働時間を把握することを義務づける必要がある。その把握した記録は労働者にみんな閲覧して、チェックできる仕組みをつくる必要がある。私は、そのための新規の立法が必要だと考えますが、総理の所見を伺います。これは総理の所見です。その新規のものが必要かどうかですから、どうか総理、お答えください。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 御指摘の電通事件につきましては……(志位委員「新規の立法が必要かどうか、簡単にやってくださいよ」と呼ぶ)現在行政指導しまして、出勤、出社、退社、全部時間を調べておりまして、みずからこれだけ働いたということを明示できるようなシステムになっておりまして、必ず今御質問のとおりできるものと思っております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 電通では、出社時間も退社時間も会社でつかんでいないわけですよ。賃金台帳に一応労働時間は記録してあるけれども、自主申告された過少の労働時間しか記録していなくて、だからどこにも正確な記録が残っていないわけですよ。これが事実なんです。ですから私は、今の労働法の不備をこれはきちんと正す必要がある、このことを提案したのであります。  いま一つの角度から申し上げたい。これは総理に聞きますから。  もう一つの提案として、サービス残業が発覚した際、今の仕組みですと、企業は通常の残業代を払えば済むようになっているわけですよ。これでは、通常の残業代というのは割り増しの二五%の賃金を払えばいい。これは発覚した場合、それを払えば済んでしまうわけです。これが、私は、いわばサービス残業のやり得を許していると思う。  これは、サービス残業というのは明瞭な犯罪行為です。簡単に言いますと、賃金泥棒ですよ。賃金泥棒をやっている。しかも、これは故意にやっている。反覆してやっている。重大な犯罪です。犯罪をやっておきながら、摘発された場合に、通常の残業代を返せばいい、こういうことになりますと、例えて言いますと、泥棒がお金を盗んだ、その泥棒が捕まった、そしてお金を返せば無罪放免ということになるわけですね。これが今の仕組みなんですよ。  ですから私は、この根絶を図ろうと思ったら、もしこれが発覚した場合には、企業は通常の残業代だけではなくて、割り増しの厳しい制裁金を払うことを義務づける、これは当たり前だと思います。総理、いかがですか。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 牧野労働大臣。

志位和夫日本共産党

○志位委員 今、総理が立つと言っているのですから……

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これは所管大臣から答弁すべきと判断いたしました。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 現在、どのようなルールになっているかということを、まず御説明をいたします。(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 時間外残業をした場合に代金を払わない場合は、それは明らかに労働基準法違反になるわけであります。したがって、当然のことながら、何時間働いたということを賃金台帳等にきちっと明示すべきことは、これはおのずから明らかなことでございまして、したがって、そういう台帳、帳簿等を労働基準監督署は常にチェックいたしている次第であります。

志位和夫日本共産党

○志位委員 私の質問したことを全然理解されていないようですね。  私は、これは仮に摘発されても、通常の残業代を払えば済んでしまう、それではやり得になってしまって、これはもう本当に、何のペナルティーもないという事態はおかしいのじゃないか、不合理じゃないかと聞いているのです。これは、総理、お答えください。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、職種だとか職場、いろいろな質によってやはり違うのだろうと私は思うのですね。  ただし、先ほど申し上げたように、いわゆるサービス残業そのものは労働基準法の違反だということだけはこれは事実でありますから、そうしたケースにならないように、今、経済団体等を通じてそうした指導をきちっとしているわけであります。  また、今度のこの事件などを一つの戒めとして、企業も十分このことについての、今労働大臣が申し上げたように、そうした労働時間等きちっとした管理をするように、そうしたことを私は、それぞれの企業、それぞれの経済団体がそういう方向で指導を強めていってくれることを期待したいと思っております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 そういう指導をずっとやってきたというのですけれども、なくならないので、私は二つの提案をしたわけですね。これはつまり、企業が責任を持って労働時間を把握する義務を明示すること、それから、違反した場合は厳しいペナルティーを科すこと、このぐらいは当たり前のことなんですよ。経済再生とか日本再生というのだったら、まずまともに、働いた分だけの賃金はちゃんと払う日本にしなければ、これは国際社会の中で通用しない、このことを強く求めておきたいと思います。  第二に、私は、介護保険の問題を伺いたい。  これは四月実施になりましたけれども、大変今矛盾が吹き出しております。その一つに、利用料負担が重過ぎるという問題があります。利用料の負担です。  費用の一割が自己負担という形になったわけでありますが、これが高過ぎて払えず、介護サービスの後退を余儀なくされている方がたくさん全国で生まれております。  日本共産党の国会議員団として、四月十六日から十九日にかけて、全日本民主医療機関連合会の協力も得て、全国のケアマネジャーさんに緊急の実態調査を行いました。私たちが設問した項目というのは、ケアプランを作成した方のうち、利用料負担の重さなどの経済的理由で、これまでの介護サービスの水準を後退させることを余儀なくされた方はどれだけいらっしゃいますか、こういう設問です。全国十九都道府県の百十一人のケアマネジャーさんから回答がありました。  集計してみますと、ケアプランを作成した方の総数四千三百二十五名のうち、やむなくサービスが低下せざるを得なくなった方が六百六十三名と、一五・三%という数字が出ました。大体今全国で起こっていることを反映していると思います。  ここにそのときの調査の一覧がありますけれども、返ってきたアンケートでありますけれども、切々たる声がつづられております。負担が重くなり、これまでの訪問看護、デイケアを中止し、楽しみにしていた訪問入浴の回数も減らさざるを得なくなった。あるいは、深夜、早朝のヘルパーを断ち切らざるを得なくなり、おむつ交換も我慢してもらっている。あるいは、せっかく笑顔も多くなり、体の機能もよくなっていたのに、逆戻りしないか、病状の悪化が心配だ。また、こういうのもありました。家族の介護負担が軽減どころか重くなり、家族関係が難しくなった。これが今寄せられている声であります。  重過ぎる利用料によって、介護のサービスというものが、介護の必要性からではなくて負担能力によって決められる、必要なサービスが後退するというのが実態であります。私、これでは一体何のための介護保険かという声がたくさん寄せられていますが、こういう声が起こって当然だと思うんですね。  総理に伺いますが、本会議の答弁の中で、総理は、大きな混乱もなく制度をスタートさせることができたというふうに述べられましたけれども、これが実態なんですよ。かなりの方がサービスの後退を余儀なくされている。これは胸が痛みませんか。総理、どうでしょう。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 介護保険制度は、全く新しいシステムとしてこの四月からスタートしたわけであります。志位議員のようにいろいろな角度で調査されるのも、それもまた一つの調査であろうと思いますが、まず基本的には、この新しい制度にまだ十分なれていないという面もありますから、そういう意味では、いろいろな事例がやはりあるだろうと思います。しかし、基本的には、関係者の皆さんが本当に懸命な努力を今されているわけでありまして、そういう中で大きな混乱もなく制度としてスタートができたというふうに私どもは認識をいたしております。  そして、そうした御指摘もいろいろあろうと思いますし、政府としても、今後、現場のそうした声に十分耳を傾けながら、引き続き円満な実施ができますように努力していきたい、こう考えております。

志位和夫日本共産党

○志位委員 今、なれていないために起こっている混乱だということをおっしゃいました。確かに、なれていないための混乱もあると思います。ただ、私が今出した話というのは、なれていないから起こったんじゃないんですよ。やはり、所得が少なくて負担能力がないことが原因で起こっているわけですよ。そういう方は、なれたとしても、これは問題解決しないんです。  私、その点で提案を幾つかしたいと思うんですが、政府の責任でやはり利用料負担の軽減の対策をとることが必要ではないか。我が党は、在宅サービスの利用料については、国の制度として、住民税非課税の世帯、本人とも免除すること、これを主張してきました。しかし、今の最小限の緊急措置として、今ホームヘルプだけを対象としている低所得者に対する三%の軽減措置、これはありますが、これを、訪問看護、訪問入浴あるいはデイサービスなど、つまり在宅介護サービスの全体にこの軽減措置を広げるべきだ、こう考えます。  どのぐらい負担が重いかということをちょっと紹介しますと、例えば訪問看護は、これまで一時間以内二百五十円だったのが八百三十円ですよ。それから、訪問入浴は、自治体によって違いますが、大体五百円前後だったのが千二百五十円ですよ。あるいは、デイサービスは、五百円前後だったのが千二百円から千五百円という額ですよ。  ですから、これは余りに負担が重過ぎる。その負担が重過ぎるところから、さっき言ったやむなくサービスを減らさざるを得ないという事態が起こっているわけですから、私は、ホームヘルプサービスに適用している三%の軽減措置を在宅サービスの全体に拡大すべきだ、少なくともそれをやらなければこういう方たちを救えない、こう思いますが、総理、いかがでしょうか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 まず、介護保険の導入前と導入後では、利用者の数が大幅にふえております。二三%ぐらいふえておるわけでございます。  それから、まだ私ども共産党さんのような資料は持っておりませんけれども、ある町におきましては、認定度の重い方のサービスの利用量というのは大変ふえておりまして、どちらかといいますと、認定度の低い方はそれほど変わっていない、認定度の重い方のサービスというものは大変大幅にふえておる、こういうような結果が出ておるような次第でございます。  それから、先ほど御質問がございましたいわゆる所得の限度額の問題でございますけれども、御案内のように、これは一割の限度額を設けておるわけでございます。委員御案内の上限というのを設けておりまして、一カ月三万七千二百円を設けることにいたしております。  それから、低所得者につきましてはこの負担の上限を二段階にわたって低くいたしておりまして、一カ月二万四千六百円と一万五千円と非常にきめ細かくいたしておるような次第でございますし、それから特別養護老人ホームに入居している方につきましては、施行前の費用徴収額を上回らない利用負担、こういうふうにいたしておるわけでございます。  それからあと、特に利用負担が困難な方に対しましては、社会福祉法人によります利用者負担の減免であるとか生活福祉資金の貸付制度の拡充など、こういうものを講じておるわけでございます。(志位委員「質問に答えてください」と呼ぶ)ちょっともう一点だけ、恐縮です。  それからあと、ホームヘルプの話で御指摘がございました。この問題は、御案内のように、激変緩和、こういう観点に立ちまして、いわゆる三年間にわたりまして三%に軽減する、こういうような措置を講じておるわけでございます。新たにサービスを受ける方については一割の負担をお願いいたしておるわけでございますので、バランスの上から考えまして、私どもは……(志位委員「在宅介護全体に広げてくれと言っているんですよ、三%を」と呼ぶ)いやいや、まず聞いてください。ですから、要するに私どもは……(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。御静粛に願います。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 これを恒久的にするつもりはございませんし、在宅サービス全体に、これから例えばホームヘルパーの需要というのは大変ふえておるわけでございまして、いわゆるゴールドプラン21の中では、これまでホームヘルパーが十七万人でございましたけれども、一気に三十五万人までふやす、こういうふうに着々と手を打っておるような次第でございますので、どうぞ御理解を賜りますようお願い申し上げます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 今聞いたことは知った上で質問しているんですよ。私が聞いたのは、ホームヘルパーに適用しているような三%の軽減を在宅の全体のサービスに広げるべきだ、そうしなければサービス後退という事態は救えないじゃないかと聞いたんですよ。その一点、イエスかノーか、答えてください。長々やっちゃ困りますよ、時間がないんですから。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 ホームヘルプサービスの場合は、御案内のようにほとんど低所得者の方が多かったわけでございますので、このような激変緩和の措置をとったわけでございまして、そのほかに拡大することは適当でない、このように考えています。

志位和夫日本共産党

○志位委員 適当でないということは、このサービス後退はやむを得ないということですか。あなた方が言っているような一定の軽減措置をとらざるを得なくなった、それは私たちもよく知っていますよ、ホームヘルパーについては。しかし、それだけでは救えないわけでしょう。そういうもとでも、一五・三%の人が介護サービスの水準を後退せざるを得なくなっているわけでしょう。ですから、この問題について私は問題提起したわけですよ。  私は、介護保険を一体何のために導入したのかということになると思いますよ。保険を導入して新たな負担を国民に求める以上、すべての方がサービスが拡充して当たり前なんです。サービスが後退してもやむを得ないなんという考え方は、私は許されないと思います。政治がとるべき立場じゃないと思います。  私は、時間がないので、もう一点伺いたい。  なぜこういう問題が起こるのか。これは、利用料だけの問題じゃありません。保険料も高過ぎる。これは、十二月のこの委員会でも高過ぎる保険料の問題について私は問題提起しまして、そして、住民税非課税のような低所得のお年寄りからは保険料を徴収すべきじゃないということを言いました。  私は、問題点がこれだけ噴出しているもとで、高齢者からの保険料をまず半額とはいえ予定どおり十月から徴収していいものかどうか、ここは検討すべきじゃないか。今保険料を取っていないもとでもこれだけサービスの水準の低下が起こっているわけですから、この上保険料を取り始めたらこれはもっと深刻なことになる、このように思います。これはいかがですか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 私どもは、与党三党の政策責任者との間の協議におきまして、半年間の保険料の免除を決めたわけでございます。これにつきましても、さまざまな御意見があったことは、委員も十分に御案内のことと思います。そして、私どもは、十月から二分の一スタートするということにおきまして、これまでの間はあくまでも助走期間、こういうふうに位置づけまして、十月から本格的に実施する、こういう意味におきまして国民の皆さん方の理解が十分に得られますように努力していく決意でございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 私は、あなた方の内閣というのは本当に国民の痛みや苦しみを全然理解しないと思いましたよ。私は、現実を示してあなた方に提案をお話ししたんです。一五・三%という方がサービス水準の後退を余儀なくされている。そのもとで利用料の問題や保険料の問題を考えるべきだということを私は提起したのに対して、あなた方は考えることを選択肢にも持たない、本当に冷たい政府だと思いますよ。  私は、最後に一問。  この図をちょっと見ていただきたいんです。なぜ介護保険で高過ぎる利用料や保険料という問題が出てくるかといえば、国が国庫支出を削減したからであります。保険への移行に伴って、これまでの給付費に占める割合、四五%国の負担だったのが三二%に減らした、額にすれば二千五百億円減らした、ここにいろいろな問題の根源があります。この社会保障への国庫支出を減らすというのは、世界の流れから見ると本当に異常なんですよ。  これは、私が厚生省の国立社会保障・人口問題研究所の資料からそのままパネルにしたものです。社会保障への国庫支出の対GDP比の推移を主要五カ国で比較して、そのままパネルにいたしました。青い棒が一九八〇年、赤い棒が直近であります。二つの特徴は明瞭です。  第一の特徴は、日本が際立って社会保障への国庫支出の対GDP比が低い国である、五カ国の中で最低であるという点、これが第一点です。  第二の点は、ほかの国は一九八〇年と直近と比べてみんな伸ばしているわけですよ。アメリカは二・九から四・八、フランスは四・八から六・一、ドイツは七・〇から七・四、イギリスは七・五から一二・四。みんな伸ばしているのに、日本だけ四・一から三・四、一番左ですが、減らしているわけですね。つまり、経済の規模の拡大以下に社会保障に対する国庫負担が抑え込まれている。これは、私は世界の流れから見て異常な恥ずべきことだ、こう思います。これでも社会保障を大事にしている国と胸を張って言えますか、総理。どうですか、このパネルを見て、見解を——総理が今手を挙げたのですから、総理に最後ぐらい答えさせなさい。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 私がまず前座を。  委員御案内のように、年金、医療、介護などの社会保障の給付費は年間六十九兆円に達しておるわけでございます。これらの費用は、御案内のように、保険料を中心といたしまして公費によって賄っておるわけでございますが、今後、いわゆる社会保障に要する費用というものは、二〇二五年には実に二百三十兆円に達するわけでございます。  そして、今年度の一般歳出予算の中で厚生省関係の予算は実に三五%を超えておるわけでございます。これをもってどういうふうに御議論をなさるかということはまた別の議論でございますが、今後のいわゆる少子高齢化社会を考えますと、私は、社会保障構造改革を進めるとともに、いわゆる公的な範囲でどこまで面倒を見るか、こういったような問題を真剣に国民の皆さん方と御議論することが、まさに我が国の社会保障の充実を図る道、このように確信をいたしておるような次第でございます。

志位和夫日本共産党

○志位委員 先ほどのグラフで、この五カ国で高齢化率はみんな大体一緒です。大体老年人口一五%ぐらいです。その中で、実際にGDPに比して余りにも少ない社会保障負担になっている、これは明瞭なんですね。  これは、財源のことや高齢化社会のことをおっしゃいましたけれども、なぜこうなるかといいますと、やはり公共事業に五十兆円もの税金を毎年使っているからですよ。その重圧がこの社会保障の異常に低い水準という圧迫にあらわれているわけですから、私は、ここを改めて、公共事業中心から社会保障と暮らし主役の予算に切りかえるということが今の本当の重要な仕事になっているということを最後に強調して、関連質問に譲りたいと思います。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、不破哲三君から関連質疑の申し出があります。志位君の持ち時間の範囲内でこれを許します。不破哲三君。

不破哲三日本共産党

○不破委員 午前中の討論を聞いておりまして、森首相が二十世紀論を述べる中で、大量破壊兵器、核兵器の問題が二十世紀の悔恨だ、そしてまた、核軍縮の流れが今の大事な流れだと言われたことに注目をいたしました。  私は、党首討論の中でこの核兵器が日本に入ってこない保証はどこにあるかということをずっと議論してきたわけですけれども、その際政府が、小渕さんのときにも森さんのときにも必ず保証として挙げるのは岸・ハーター交換公文と藤山・マッカーサー口頭了解です。私は、この藤山・マッカーサー口頭了解というのはいろいろ不思議ななぞが多過ぎると思っています。  それで、その点について伺いたいのですが、これだけ大事な取り決め、事前協議の対象が何になるかという取り決めをなぜ口約束で済ませて文書での取り決めにしなかったのか、そのことをまず伺いたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 貴党首不破議員が党首討論においてもお尋ねいただきましたし、これまで小渕総理のときも合わせまして四回にわたりまして、日米間で核持ち込み問題に関する密約があるのではないかということ、そういう指摘、提起をされたわけです。  この問題は、数十年前から議論されて既に結論を得ている問題でありまして、また貴党が配付したいろいろな文書につきましても、これまで報じられているものも多いが、政府としてこのような文書についてはコメントできないことについても、既に私も、また小渕前総理等からも申し上げているとおりでございます。  いずれにいたしましても、歴代の総理、外務大臣が繰り返し明確に述べてきておりますように、事前協議に関する安保条約の関連取り決めは岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解のみであって、いかなる密約も存在せず、既に申し上げたとおり、御質問との関係で、安保条約の交渉の過程について現時点で改めて調査する考えはございません。

不破哲三日本共産党

○不破委員 私が伺ったのは、あなた方がそれだけ大事だと言う藤山・マッカーサー口頭了解がなぜ文書の取り決めにならないで口約束で終わらせたのかという問題なんです。  それで、アメリカ側の整理によりますと、安保条約と一緒に結ばれた取り決めは全部で十七本に上ります。随分細かいものまでありますが、全部文書による取り決めです。しかし、これだけが口約束だというのは極めて奇怪であります。  二番目に伺います。なぜ、それだけ重大な取り決めが八年間も隠されて、一九六八年になって何で初めて国会に報告されたのですか。  では、外務大臣に伺いましょう。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 岸・ハーター、藤山・マッカーサー、岸・ハーターは交換公文でございます、藤山・マッカーサーは口頭了解でございますが、いずれも昭和三十五年に行われているものでございます。  これはもう議員十分御承知のとおり、岸・ハーター交換公文を説明するものが藤山・マッカーサーの口頭了解でございまして、文書は岸・ハーターの交換公文でございます。その交換公文の内容について、当時の藤山、マッカーサーお二人が口頭で了解をしたということになっております。  昭和三十五年以来、国会におきましても、内容について云々というさまざまな御議論がございまして、一九六八年にこれは文書の形で国会にお出しをしたわけでございますが、この文書は別に昭和三十五年当時にあったものではございません。昭和三十五年当時の口頭了解を繰り返し御説明申し上げましたけれども、質問者から、それこそ口頭で説明するだけではだめだ、文書で整理したものを出せ、こういう大変強い御要請があったために、一九六八年すなわち昭和四十三年に文書の形でお出しをしたものであって、これは別に日米関係の中で行われたものではないというふうに承知をいたしております。

不破哲三日本共産党

○不破委員 非常に大事な問題なんですが、結局、取り決めではない、日米関係の中で言われたものではないという今御答弁でした。ですから、これは非常に重大なんですね。  それで、事前協議に関する取り決めというのは、日米間で非常に大事な問題です。あなた方が、これが核持ち込みのない保証だと言われているわけですから。ところが、余りにも日本政府の主張とアメリカ政府の主張が違い過ぎます。  まず、この形式ですけれども、私が何遍もアメリカ政府の文書であなた方にお示ししたように、形式は、アメリカ政府は討論記録に署名したと言っています。あなた方は、口約束であって、今のお話だと取り決めはないんだと言われました。  それから、どこで、いつという問題ですが、アメリカ政府は、一九五九年六月二十日に東京で合意して、一九六〇年一月六日に東京で署名して、それから調印式を迎えたと言っています。ところが、あなた方は、調印をした一九六〇年一月十九日にワシントンでこの口頭了解をしたんだと発表しています。大体、大事なものについて、口頭了解も済んでいないのに条約が調印されるはずはないのですが、あなた方の説明はこのとおりです。  それから、アメリカ政府は、これは英語のテキストはあるが、日本語はないと言っています。ところが、あなた方は、日本語の文書が先にあって、そして、アメリカへの英訳が出てきたのは、日本語の文書を発表してから十三年たった一九八一年でした。だから、原テキストは日本語だということになります。  それから、内容になりますと、あなた方の口頭了解には、日本にどんな部隊が配置されたときに事前協議の対象になるかということについて、陸と空は一個師団程度、そして海軍は一機動部隊程度というのがありますが、アメリカの説明にはそういう問題はありません。  そして、大事な核兵器の問題。核兵器や中長距離ミサイルの持ち込みが対象になるという点は一致しています。  それからまた、日本からの戦闘作戦行動が事前協議の対象になるという点も一致しています。  しかし、一番大事な問題で、それが秘密協定だった理由なんですけれども、核艦船や核飛行機が日本に出入りするエントリーについては事前協議の対象にしないという条項、これはあなた方の取り決めには存在していません。  そして、はっきり伺いますけれども、これだけ大事な取り決めでありながら、両国の政府の違いがこんなにある条約、条項、取り決めというものは私は見たことがありません。しかも、アメリカ政府の主張は、私はあなた方に十通のアメリカ政府文書をお渡ししましたが、それに全部、交渉の過程から署名それからまた合意の過程まで、そしてまた、その後アメリカ側がその取り決めをどう活用したかまで、全部文書による記録、いわば物的証拠であります。しかし、あなた方の主張にはこの物的証拠が全くありません、口頭の国会の説明だけであります。  私、はっきり伺いますが、これは、この寄港や飛行機の乗り入れ、それについての密約があることを隠すためにあなた方が自分たちでつくり上げた、いわばでっち上げた文書ではありませんか。はっきり伺います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 まず、先ほどの私の御答弁を委員長は少し誤解しておられるといけませんので、もう少し説明をさせていただきますが、私は、昭和四十三年、一九六八年に文書にして国会にお出しをしたということを申し上げました。これは日本の外務省と国会との間の問題であって、日本の政府とアメリカとの関係で一九六八年に云々というものではございませんので、その点はぜひ誤解のないようにお願いをいたします。  それから、今、委員長から整理をされましたものを拝見いたしましたが、大変御無礼なことを申し上げて恐縮でございますが、アメリカ政府の主張と委員長は整理をしておられますが、それが一体アメリカ政府の本当の主張であるかどうかということを私は疑わざるを得ないのでございます。  それは例えば、私は何点か、私がこの問題を疑わざるを得ないと申し上げた根拠を申し上げたいと思いますが、日本語で国会にお出しをいたしましたのは昭和四十三年でございます。その昭和四十三年に国会に文書を、日本語で整理をしたものをお出しいたしましたが、それについて国会からも、本当にアメリカがこの内容で納得するものかどうかということもあって、これを英文にしてアメリカに照会しろという意味のお話がございまして、その文書は我が方で英訳をいたしました。この英訳は日本でいたしました。  それで、日本でした英訳をアメリカ側にお渡しいたしまして、それについてアメリカ側は異存がない、日本側で国会にお出しをしました日本語を英訳してアメリカに示したところ、アメリカからは、この英訳、この文書、この取り決めは異存がない、口頭了解を整理したこの文書の英文についてアメリカ側は異存がないということをアメリカは言ってきているわけでございます。  委員長はそこでいろいろとアメリカ政府の主張というものをお出しになりましたけれども、いずれも、それが本当のアメリカ政府の主張としてどれだけのオーソリティーがあるものかどうか、私どもには確認もできませんし、私どもは、日米両国政府間できちんと話し合って、もうこの問題については決着がついているものだという確認を何度もいたしておるわけでございますから、もうこれ以上のことを共産党の主張によって惑わされるということは勘弁をしていただきたいと思います。

不破哲三日本共産党

○不破委員 私は、このアメリカ政府の主張について、アメリカの国立公文書館に公開されている資料を全部、十通あなた方に示しました。それを疑うと言うなら、ちゃんと疑いの根拠を示してもらいたいと思います。  それからまた、アメリカ政府が、藤山・マッカーサー口頭了解について発言したり、公の文書で、内部のものであれ、私は記録したものを何も見たことがありません。ですから、もしそういうものがあるとしたら、後でお示し願いたいと思います。  それから、私は、あなた方がこの文書をつくるときに、この陸空、一個師団程度、海軍、一機動部隊程度と書き込んだのは大変な失敗だったと思うのです。  というのは、あなた方が一九六八年にこれをやってから、二年後に、アメリカのサイミントン委員会という上院の外交委員会の小委員会がありますけれども、これはそのときの一月の記録ですが、問題になったのです。そして、この委員会で、日本ではそんなことを言っているようだが、これがアメリカの解釈か、そんなルールがあるのかとかと言われたときに、国務次官はそんなものはないと言いました。  それからまた、それを補足して、在日米大使館の参事官は、あれは日本政府が自分の解釈を加えて国会でやっているだけだ、アメリカ政府はだからこれを承認も否定もしないんだ、ちゃんとこのページにありますけれども、そういう答弁をしました。  そうしたら、その二週間後に、アメリカのマイヤー大使がアメリカの本国に、国務長官に打電をして、あの答弁は議事録から削除してもらいたい、なぜかというと、この答弁があると日本政府が野党に追い込められて窮地に陥るからだ。私は日本の外交官の東郷氏、当時のアメリカ局長です、東郷氏と会談をした、そうしたら、彼がこう言ったというのですね。この上院サイミントン委員会でのジョージという大使館の参事官がしゃべったこと、つまり、アメリカ政府は関知していないということ、これは実際にそのとおりだが、弱ったことに、日本政府は数年前、国会で、この問題に関して藤山外相とマッカーサー大使との間で口頭了解が存在するという趣旨のことを公式に言明してしまっている。それを困るんだと言われたというんですよ。  ですから、大使はその状況をつかんで、この問題はこれ以上、野党に追及させるわけにはいかない。野党がこの問題を新たに取り上げることを許すなら、日本政府を苦境に陥れるだけで何らよい結果にはならない、だから削除してもらいたい、そういうことを公式の、これも国立公文書館にある文書で、打電をしてこの削除を求めて、実際に削除されています、その部分は。  ですから、これはあなた方、調べればすぐわかることです、ちゃんと国立公文書館にありますから。あなた方、興味がおありなら、私はその文書をお示ししますけれども。日本のアメリカ局長ですよ、後に外務次官になった。その人が、アメリカ大使館に行って、あれは日本政府のいわば解釈であってアメリカは関知しないものだ、しかしそう言われたら困るということを言ったものなんです。  だから、はっきり私は申し上げますけれども、この大事な協定、核の艦船の立ち入りは事前協議の対象にしないという協定を四十年間隠し続けたばかりか、それを隠すために、実際に存在しない藤山・マッカーサー口頭了解なるものを三十二年間も言い続けている。今度もそれで決着済みでもう物は言わないという態度をとるのは、まさに、このあなた方が多数の国会では通用するかもしれないけれども、この国会を見ている国民の間では、また国際社会では、通用するものじゃない、そのことを申し上げて、私は質問を終わるものであります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて志位君、不破君の質疑は終了いたしました。(河野国務大臣「委員長、一言だけ」と呼ぶ)河野外務大臣。一言でお願いします。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 御質問でございましたから、御答弁だけさせていただきたいと思います。(発言する者あり)委員長からの御質問でございますから、御答弁だけさせていただきます。(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 誤解が残るといけませんから、一言、承認をしました。どうぞ。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 御答弁だけさせていただきます。(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 委員長は、三十数年間云々というお話をされましたけれども、現在、日米関係は、信頼感に基づいて、日米安保条約をもとにして我が国の安全保障もやっている。そういう日米関係において、三十数年間も、委員長がおっしゃるようにうそを隠し続けるなどということがあるはずがない。どうぞその点は、十分信頼をしていただきたいというふうにお願いをいたします。(不破委員「その異常なことが起きているから、私は資料を出して示しているのです。」と呼ぶ)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて志位君、不破君の質疑は終了いたしました。  次に、小沢一郎君。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 きょうは三十分間の時間をいただきましたので、先日、党首討論、クエスチョンタイムで総理と問答いたしましたそのことを踏まえまして、引き続いて、総理のお考えをお聞きしたいと思います。  そういうことですので、ほかの国務大臣の皆さんは、お忙しいと思いますので、御自由に御退席いただいて結構でございます。あらかじめ申し上げておきます。  先般の党首討論におきまして、森総理大臣の所信表明演説をそのまま引用いたしましてお尋ねしました。戦後のシステムあるいは考え方の中で、今日の社会に、現代に適合しないものはどういうものと考えておられるか、そういう質問に対し、総理は、憲法、それと教育基本法、ほかにもあるかもしれませんが、二つ挙げられました。  まず、総理の挙げられました順序に従って、憲法についてお尋ねしたいと思うんですけれども、総理は、現代に適合しなくなった日本国憲法、その憲法の含んでいる、有しておるどのような理念、あるいはどのような思想、考え方、それが今日の日本に適合しなくなったというふうにお考えなのか、そのことをお聞きいたしたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先般の党首討論のときに申し上げましたのは、日本の戦後のシステムあるいは物の考え方というのは、そういう面で今の時代に適合しなくなった、こう申し上げた。そして、その一つの切り口としては、国際化がどんどん進んできている、あるいはまた少子高齢化が進んでいる、また価値観もいろいろな意味で多様化している、科学技術というものも進んできている、そういう面で、国民の物の考え方というのはかなり多様になってきているだろうということを申し上げて、そういう意味で、今の日本の戦後の仕組み、そうしたものを改革していく時期ではないかというようなことを私は申し上げたと思います。  例えばどういうことがあるのかということでございましたから、戦後、いわゆる占領体制の中で幾つかの諸制度がスタートしたわけでありますが、例えば憲法の解釈についてもいろいろな考え方があるであろうし、また教育改革を進めていく上において、例えば教育基本法というものは、なぜすべてこれを廃止されるような方向に行ったのであるかとか、そういうようなことをもう少し当時のことをよく検索してみる必要があるのではないか、私はそういう趣旨で申し上げたわけでございます。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 ただいまの総理の御答弁ですけれども、私が総理にお伺いいたしておりますのは、ちょっと今の答弁の趣旨とは違っております。  今の総理の御答弁は、戦後の日本の社会が、国際化や少子化や高齢化、情報化その他いろいろの中で、日本社会そのものが変わってきている、個人の価値観も多様化してきている、僕は多様化というよりもこれは個人の価値観の喪失と思っていますけれども、それは別といたしまして、それは日本社会の変遷、そして今日の現象を総理はそう見ておるということで、私もそう思っております。  ですから、一方において社会はそのように変わってきている、ところが日本国憲法は半世紀前のそのままである、だからこそ日本国憲法は多分現代に適合しないという認識に立ったんだと思うんですね。  だから、私がお聞きしているのは、社会が変わっている、だけれども日本国憲法は変わっていない、だから、この日本国憲法のいろいろな考え方や理念やあるいはシステムや、日本国憲法が定めている、それのどういう点がこの社会に、変化してしまった日本の社会に適合しなくなっているというふうに総理がお考えなのかということをお聞きしているんです。もう一度お願いいたします。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 憲法の基本理念であります民主主義でありますとか、平和主義でありますとか、あるいは基本的な人権、こうした尊重は、私は、憲法が制定されてから今日までの間、一貫して国民から広く支持をされているものだというふうに思っておりますし、また、将来ともこうした基本的な考え方というものは堅持すべきであるというふうに私は考えております。  一方、憲法の九十六条は憲法の改正手続を規定しているわけでございますから、憲法が法理的に永久にこれを変えてはいけないということではないわけでありまして、そういう意味で、憲法をめぐる議論が行われること自体が制約されるものではないというふうに私は考えています。  だからこそ、長い間のいろいろな議論を経ながら、こうして私が今小沢議員とこういうやりとりができるということも、従来の国会では余り考えられなかったようなことでもございました。それから、何といいましても、今の国会で、憲法に対して各党が大いに議論をしましょうということで憲法調査会ができたということも、これまた私はすばらしいことだろう、こう思っています。  そういう意味で、広くこれから各党また各議員が、いろいろな方々、そして国民の多くの皆さんの中からいろいろな意見を聴取しながら、憲法について大いに議論をしていただくということは、私は極めて大事なことだというふうに思っております。  私のこうした今の内閣の責任を負う立場の中で、憲法を直ちに今改正しろとかそういうことを私は申し上げているわけではございません。あくまでも、そうしたいろいろな考え方が、国会の中でいろいろと論議を進められていくということについて、私たちとしては十分それを注目していかなきゃならぬというふうに思っております。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 今、日本国憲法の基本的な原則、国民主権、民主主義、平和あるいは国際協調主義等々も入るでしょう、そういう原則は普遍的なものとしてこれを堅持していくべきだという趣旨のお話をされました。私もその点におきましては同じように考えております。  先日の発言、現職総理としては、多分、今日の時代に適合しない、だから速やかにやはり直すべきところは直さなきゃいかぬという趣旨の発言は、私は非常に高く評価しているんです。私もそう思っています。  そこのことをどうのこうの言っているんじゃないんです。ただ、これから憲法論議を進めるにしましても、どこが今日の日本社会と日本国憲法とが遊離してしまったのか、あるいは適合しない法規、規範になってしまったのかということを、やはり総理自身がきちんとした考え方を示していくということは私は本当に大事なことだと思っているんです。  ですから、私が今お聞きしていますのは、そういう総理の認識は私は評価しております。そして、今の御答弁で、この普遍的な原則だけは、これは守っていかなければならないということもわかりました。それも賛成です。  とするならば、適合しない部分というのは、日本国憲法の中でどういうようなもの、考え方なのか、あるいはどういうような日本国憲法のシステムが現に適合しないというふうに総理が認識されたのか、そのことを、総理の考えをお聞きしたいというふうに思っているわけで、ぜひ率直にお考えをお聞かせいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私は今内閣をお預かりしている立場でございますから、内閣が今の憲法を遵守しながら内閣の責任を果たしていくということは、これは大事な大事な基本的な姿勢だというふうに考えております。  ただ、先ほど申し上げましたように、戦争が終わりまして、そして憲法が制定をされて五十年、今日までこの憲法のもとに我々は生き続けてき、生々と発展をしてきたわけでありますが、各党からいろいろな声もあり、多くの声もあり、こうした憲法調査会で堂々と議論をしていく、そういう事態になったことを私は大変好ましいことだと考えております。  だから、そういう意味で、今それらの憲法調査会においてそれぞれの御意見を交わされていく中を、我々政府としては注視していくということが大事な姿勢であって、あらかじめ私どもが総理という立場で、こういうことが問題点、こういうところを導いていくべきだということを申し上げることは適切ではないというふうに私は考えております。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 先週も私はその点について申し上げました。例えば所信表明演説でも、教育の問題であれ社会保障の問題であれ審議会の御意見を承って、そしてその前に政治家がとやかく言うべきでないという趣旨の、きょうと同じような御発言だったと思います。  しかし現実、この前も申し上げましたように、審議会、立派な先生方はおられますけれども、事実上お役所が事務局になりまして、そしていろいろ答申なりなんなりを書く、そしてそれを受けてまた役所へ戻すということでは、本当に、では政治家はどういう役割をするのだ、要らないではないかという議論になりかねないわけですね。  僕もお役所のやることがみんな悪いと言っているのではないのです。それなりの機能を果たし、それなりの結果も出してきたと思います。しかし今日、やはりお役所に任せっ放しではいかぬ、にっちもさっちもいかないというのが今日の現状だと私は思うのですね。  だから、そういうときに、本当に大変なときこそやはり政治家が、特に総理大臣、何回も申し上げますように最高のリーダー、最高権力者ですから、自分は国民のためにこうしたい、あるいは今までの、戦後を支えてきたシステムや考え方も、これではいけないのだ、だからこうしたいのだということをやはり示して、それをスタッフとしてのお役所に実行させるというやり方をすべきときに来ているのではないかというふうに私は思います。  憲法の問題でも、今憲法調査会ができた。憲法調査会ができたことは私も大変大きな前進だと思います。これはいわゆる審議会とはちょっと違いますけれども、立法府の中ですが、立法府の問題でも、従来は、今の総理の答弁もそうでしたが、その中でのいろいろな各党の審議を見てというおっしゃり方は、要するに立法府と行政府、内閣とは全く違った立場だという考え方がその前提にあるのではないかというふうに僕は思います。三権の分立、司法、行政、立法。  しかし、日本の場合は大統領制と違いまして、言うまでもなく議院内閣制です。ですから、事実上内閣は、あるいは与党のトップの人は、立法と行政双方に責任を持っているわけですよ。ですから、大統領制あるいは戦前の日本のように、天皇陛下が国会とは全く関係なく内閣総理大臣を任命するというなら別ですけれども、国会の多数党の領袖が首班に指名されて、そして行政も預かる、こういう仕組みがいわゆる議院内閣制。だとするならば、国会の論戦は、まさに政府イコール与党対野党の論議なのですね。  ですからそれが、政府は別個のものだよということで、憲法の調査会で与野党の議論を待ってそれを見ながらというのは、それは議院内閣制の考え方としては取り違えじゃないかというふうに私は思うのです。ですから……(発言する者あり)これはいろいろ考えはあると思いますから。私は、議院内閣制のあり方というのは、そうだと思っているのですね。ですから、総理が……(発言する者あり)いや、憲法の問題であろうが何の問題であろうが、共通の政治のあるべきあるいは政治家のあるべき姿として僕は言っているのですけれども。  従来、よく役所の答弁に、同じように、これは国会の中で各党各会派の議論を待ってそれから政府は考えます、お役所の答弁の得意の一節ですよ。だけれども、私はそれでは政治家はいけないのじゃないか。特に、今日のように、総理自身の御認識のように物すごく日本の社会そのものが大きな変化を来している。  とするならば、やはりその道しるべを、あるいは将来像を、あるいは今日改革すべき点を。やはり総理みずからが、総理は自民党の総裁でもあるのですから、与党のトップなのですから。ですから、国会の論戦においてもやはり総理自身が、もちろん党全体の意見としてのまとめは必要ですけれども、総理御自身の意見ということも大きな要素になるし、それがやはり、総選挙がいつかわかりませんが近いわけですし、そういうことを国民が聞いて、それで森内閣を支持するのか、あるいは自民党を支持するのかどうするのかという投票行為を決めていくわけですから。  ですから、そういう意味において、総理がみずから細かいところまで言う必要はないですけれども、基本的にこういうところがやはり考え方として現代に適合しない、だからこそ憲法も速やかにみんなの合意を得て直す方向に行かなきゃならない、そういうふうに私は考えるべきだと思いますけれども、済みませんが、もう一度御答弁いただきます。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今小沢議員からもお話がありましたように、極めて内閣総理大臣という立場は重うございます。それから、自由民主党の総裁という立場もございます。  しかし、この内閣は、今の憲法に従ってこれを遵守して行政を進めていくということは、これはもう間違いのないことでございます。したがって、そうしたことを自分の個人の意見を申し上げて、これからいろいろな意見が交わされていくであろうものを自分の意見でそれに示唆を与えていくということは、これは避けなければならぬことだというふうに私は考えております。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 議論がかみ合いませんけれども、今総理が、憲法を遵守して、それを遵守して内閣というものは行政を行っている、そのとおりでありますけれども、それと時代にそぐわなくなったものをルールを変えていこうというのは、全然矛盾しない行為だと私は思っております。  それから、重ねての話になりますが、自分の意見を言わないことがいいんだというふうな簡単に言えば御趣旨でありますけれども、総理大臣は、やはり本当に、何度も言うように、政治の最高の責任者なんですから、やはり自分自身の、あるいはそれが内閣の方針でもあり、解散も最終的には内閣の権能とはいえ総理の判断一つなんですから、それだけの立場にあられる方が一切自分の意見を言わないということは、政党政治といいますか、民主政治といいますか、その中での政治家のとるべき道ではないのではないだろうか、間違っているんじゃないだろうかというふうに私は思います。  ぜひ、私は何も総理にとやかくどうのこうの言うつもりで言っているんじゃなくて、やはり今日のような本当に厳しい、新しい世紀を迎えんとしている今日、やはりトップリーダーはそれだけの見識と責任を持って国政の任に当たってもらいたいというふうに思うから申し上げておるわけであります。  憲法については、せっかく所信表明でも、先日も大変踏み込んだいい御答弁いただいたと思っていたんですけれども、憲法のことについては、いろいろ言いにくい、制約される面もあるのであろうと解釈いたしまして、教育基本法のことについても、ちょっと時間の範囲でお聞きしたいんです。  教育基本法、すなわち人づくり、教育の基本を定めた法律ですけれども、教育基本法につきましては、では総理はどういうふうなところをどういうふうに改めたらいいんじゃないかと思っておるんでしょうか。お聞かせいただきます。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 先般も申し上げましたように、私は教育改革を中曽根内閣のときに大臣として任じた経験がございます。  ちょっと長くなって恐縮でございますが、そのときにいろいろな議論がございまして、教育改革というものを全く白紙の中で議論をしていく、そういう空気はやはりなかなか成就しなかったわけです。いろいろな制約がございました、制約というとおかしいんですが。  まず、その教育改革を進めるための臨時教育審議会を国会での法律として手続をとったということがございました。ですから、その法律、いわゆる臨教審というものを立ち上げるために、かなり長い間この国会の中で議論がございました。また、当時としては今のような政治状況でもなかったと思います。大変激しいやはり教育に対する与野党の攻防も続いていたときでもございました。また、党内にもさまざまな意見がございました。中央教育審議会でいいじゃないかという意見もございました。  そういう中で、教育基本法には触れない、これも我が党の事情でございましたけれども、我が党の中で、そういうある程度の、これは制約というのでしょうか、条件というのでしょうか、そういうものも当時つけられたことも事実でございますが、いろいろな諸制度について、それから議論も進めていったわけであります。それはそれなりに、私は一つの大きな成果も上げ得たと思っています。国際化でありますとか、あるいは多様化でありますとか情報化でありますとかいうことに対して、特に自由化というテーマもございました。そういう中で、教育のありようというものを議論していった、そう思っております。  しかし、教育はこれですべていいというものではないわけだし、そのときも、私も議論の中に入っておって、いろいろな仕組みや制度を変えても、なかなか基本的に今の教育が一つの原因となっている社会の状況というのは、そう簡単に変えられるものではないなという、私はやはり自分なりの反省を持っているのです。  例えば、不登校であるとか教室が混乱をしているというようなことは、果たして制度だけの問題なのかなというふうに感じます。やはり学校に学ぶ、教育を受ける子供たちの価値観の問題、その価値観というものを教えていくのが学校の教師であり、また両親を中心にする家庭や社会なわけです。その社会を構成する、あるいは学校教育というものをつかさどる教職員、その皆さんの価値観ということが、戦後やはり変わったのではないか。  そういう中に、子供たちにとってやはり何が大事か、何をしっかり守らなければならないのかということをどうもきちんと教えることができなかったのではないかな。そういう反省の中から、私は、日本の伝統であるとか国を愛することであるとか、郷土を大事にしようという思いのことをなぜ戦後の教育の中で教えられなかったのだろうかということを、やはりよく検証してみる必要があるのではないか。  そういう意味で、教育基本法の中にもあるいは教育勅語のような、すべてがいいと私は申し上げているのではありません、そういう中に、やはりまじめな一つの真理というのはあったと思いますので、そういうものもすべて廃止してしまったのがよかったのかどうかな、そういう反省の中から、そういうものも議論の中に入れて、当時なぜこうしたものを排除したのかということもやはり議論の中に据えてみる必要があるのではないかなということを私は申し上げたわけであります。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 森総理は、大臣もされて長く教育、文教行政に携わってこられましたので、ただいまの教育に関する答弁は、憲法よりさらに踏み込んだお話でございまして、私も教育基本法、今総理がお話しのように、歴史とか伝統とかあるいは家族愛、郷土愛、祖国愛というたぐいのこと、こういうものも国民としてそれぞれ自覚し、持っていなきゃならない、そのことを多分教育基本法の改正という中で総理も描いておられることだろうというふうに、今の御答弁でそんたくして解釈させていただきます。  今のお話の中で、例えば教育基本法の改正というだけで済むものでは多分ないだろう、今御答弁の中で、親のあり方とかあるいは特に教師のあり方とかいうお話がありました。ただ単に六・三・三・四制の学制を変えるというだけで解決できる問題ではないのだろうと思いますが、そういう意味で、今総理お話しになりました今日の学校制度、六・三・三・四制という意味ではなくて、今の教育と国のかかわり合いのあり方、あるいはそれに関連して教師の身分のあり方等々についても、やはりかなり思い切った改革のメスを入れなくてはいけないんじゃないかなというふうに私は思っています。  そういう国と教育とのかかわり合いのあり方、あるいは教師のあり方、身分等についてどのようにお考えでしょうか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 教育改革も今、小渕前総理からお願いをして、幅広い角度で審議会の委員の皆さんに議論をしていただいているわけでありますから、率直に申し上げて、私は、それをこういう方向に持っていけということを申し上げることはやはり控えなきゃならぬと思っています。  私は、教育勅語をもう一遍戻しなさいとか、教育基本法を改正しなさいということを申し上げたのではないのであって、なぜあのとき消してしまったんだろうかな、いい点も随分あったわけですから、そういう点をなぜ全く無視してしまったんだろうかということをよく検証してみるべきだ。そういう意味で、教育基本法や教育勅語についても一度よく検討して研究してみる必要があるのではないか、こういう趣旨で申し上げてきているわけであります。  それから、今御指摘ありました点でいえば、例えば、戦後大きく制度としてやはり変わったのは、教育の責任は学校の設置主体であります地方が持つということになりました。警察もやはりそういう制度になりました。たまたまそういうことが、やはり今日いろいろな意味で矛盾も出てきているんだろうと思います。  警察の問題は、そういう意味では警察刷新会議で今御議論をいただいているわけでありますね。公安委員会の制度そのものもどうなのかなという議論がやはりあったんだろうと思います。教育委員会の制度もやはり同じだと思いますけれども。  地方分権というものを進めていくということであれば、本来はできるだけそうしたことは地方の自治体の方で責任を持って進めていくことだろう、私はそう思っておりますけれども、そういう中で、日本の教育制度そのものを、全体をすべて一遍パラレルにして、そして大いに組み立てをしていくということが大事ではないかなというふうに思っているからそういうことを申し上げているわけでございます。

小沢一郎自由党

○小沢(一)委員 もう時間も迫りましたので切り上げますけれども、今総理は、これまた憲法と同様、大変大事な問題を指摘されたと思います。  戦後の国の根幹にかかわるシステムの中で、特に大きくあり方が変わっているのが教育と治安。それはまさに行政委員会の形でもって、国家公安委員会、地方公安委員会、教育委員会という形で戦後の新しいシステムができたわけですけれども、やはりこれが、例えば警察の問題でも、基本的に各都道府県は、各都道府県の公安委員会の所管の事項なわけですね。  ところがそれを、これはそのときの知恵だったんでしょうけれども、警視正以上は警察庁、国の任命という形でもって国と地方の関係づけをしようとした中に今のシステムができているわけですね。ですから、これがまさに責任を、一体どこが、だれが責任を負うのか、地方警察ならば、地方の問題は地方でいいじゃないかという議論にもなるわけです。  それから教育の問題も、小中学校、特に義務教育のことを私は心配しているんですけれども、これもおっしゃるように市町村でもって教育委員会で基本的にやっている。文部省は指導、助言、援助はできますけれども、これまたそういう行政的な指導という形でやるという、ある意味でゆがんだ片システムになっていると私は思います。  ですから、その意味で、本当に根本からこういった問題、今総理の方から、私もまた次のいずれかの機会にやろうと思っていたことを、教育と国のかかわり合いのあり方、あるいは治安という、警察行政がどうあるべきかというあり方も答弁の中に出ました。  私は、そういうことを総理がこういう場で御発言なさるんですから、もう少し、もう一歩踏み込んで、憲法の問題でもその問題でも、御自分の考えを披瀝しながら、最高責任者としての内閣総理大臣の責任を全うしてもらいたい、そのように思っております。  終わります。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 小沢議員、お話ありましたので、ちょっと誤解があってもいけませんのでね。  そういう仕組みについて議論をしてほしいということを私申し上げたのは、先ほど冒頭に申し上げましたように、自分が教育改革の任に一度あったわけですね。その結果、必ずしもすべてが、そのことによって教育制度が行き届いたというふうには私は思っていないんです。そういう反省の中から、いろいろな制約がありました、例えば、教育基本法はさわるなよとか、教育委員会制度も一切触れてはならないよという制約があったんです。ですから、私は、そういうものをすべて一遍含んで、包含して議論をしていくべきではないかということを申し上げたわけであります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。  次に、保坂展人君。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  本日は、森総理に、先週、土井党首が党首討論の席で、年金削減が若い世代を直撃していく、若い世代から、政府や国に対する信頼感、これが損なわれているという状況を土井党首の方から指摘があったと思います。今の議論にもあったように、教育改革に力を入れておられるという森総理ですから、総理、よろしいですか、これからの議論は、若い世代がこの議論をしっかり見守っている、こういう気持ちでお答えをいただきたいと思います。  まず一点、リクルート事件について触れたいと思います。一点だけの質問です。  当時文部大臣でいらした森総理は、文部大臣をやめられてすぐに、後のリクルートコスモス、その株を売却されて、約一億円の売却益を上げられた。先ほどのやりとりにもありました。  私の質問は一点なんですが、九二年の九月九日、リクルート事件の政界ルートの裁判において、検察側は伝票を示して、そして江副氏に対して、文部大臣当時の森元大臣に対して二回接待があったんじゃないか、これを聞いているわけですね。これに対して江副被告は、こう答えているんですね。森先生に関することは一切差し控えたい。これは、裁判長が、森さんのことで黙秘するのは奇異だ、ちゃんと言いなさいと追及しているんですが、江副氏がかたく口をつぐんだ。江副さんは、森総理をどうも守り通したように見えるんですが、思い当たることはありますか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私は、江副さんとは、仕事を通じてとか、あるいは文部大臣であったとかいう、そういうおつき合いでは一切ないわけでありまして、私は、個人的に大変、あの方の創業の経緯というものを知っておりますので、そういう意味で、大変私は御尊敬申し上げておりました。  今の事件とかそういうこととは別に、今でもやはり、大変立派な企業をああしてつくられて、もちろんおやめになりましたけれども、リクルートという会社は生々としてやはり発達をしている、次代というものを踏まえた、にらんだ、そういう企業をつくられたという意味ではすばらしい創業者だというふうに、私はそう思っております。  ですから、そういうおつき合いをずっとしてまいりましたので、そういう政治家の立場だとか、あるいは文部大臣の立場だとか、そういうことでおつき合いしたことは一度もございません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 この点は疑問として私は指摘をしつつ、先ほど菅さんの方からも指し示されたんですが、こちらの本ですね。「あなたに教えられ走り続けます」、これは、総理就任という赤い帯がついて、平積みをされている本ですね。  こちらの本は、総理御自身でお書きになったもので、文章の内容には責任が持てる、このように確認してよろしいですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 そのラベルは私の知らないことでございまして、その当時、それをまとめたときは、総理になるなんて夢にも思っておりませんでしたし、また、こういう立場になろうということも、その当時は考えていなかったことであります。ただ、ちょうど議会に当選をいたしましてから三十年たった。三十年を振り返ってみて、自分は何をどういうふうに考えて進んできた、人生を歩んできたのだろうかな、そういうふうに思いました。  そういう中で、その「あなたに教えられ」というのは、私がいろいろと三十年の間親しくさせていただいた先輩だとか学校の先生であるとか、自分が直接いろいろなことを教わって、そのときに非常に印象深かったこと、そしてそのことが自分の人生を生きていくうちの糧になったこと、そういうことをずっとメモしてありましたので、そういうことを順番に書きつづったものでございまして、その「あなた」というのは、私をいろいろな意味で指導してくださった多くの方々だ、そのように御理解をいただきたいと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 御自身でお書きになったものをまとめられたものということなんですが、私は、まずぱらぱらと読み出して、何カ所かで目がとまって、もうこんなに附せんがつくほど熟読させていただいたのですね。  ずばり「白紙答案で産経新聞入社」というところを見て、これはちょっと驚いたのですね、正直申し上げて。ここでお書きになっていますけれども、早稲田に在学当時、同友会という活動をやられていて、自民党の千葉さんという方の御紹介で水野さんという財界人の紹介を受けて、そして産経新聞に入社をお願いする。ところが、産経からは連絡が来ない。来ないということで連絡をしてみると、行き違いがあったのか、あきらめてくれという話で、就職が決まらない当時の学生時代の森総理は、そこでかなり強引なことをされたというふうにここで書いていますよね。  こういうふうに書いてありますね。要するに、産経新聞はもう採用しないと言っている。けれども、どうしてもこれでは自分は納得できぬということで、産経新聞とのやりとりで、では試験をやりましょうと言われて、まともに試験を受けても合格しないことは自分でもわかっていたから、この試験は私を落とすための口実だと思って、「答えを書けば評価される。私は絶対に試験は受けませんよ」「いやです。いくら最低限といっても、何か書けば評価の対象になる。絶対にいやです」「わかりました。私は答案を白紙で出します。答えがわかっても書きません」、そして、森総理は、予告どおり、答案用紙に名前だけで、白紙で出した。答えのかわりに、天下の水野氏は前途有望な学生をつぶすようなことがあってはならないというようなことを書かれた。  これを見て、これは恥ずかしいという気持ちはないでしょうか。これは自民党幹事長室で前に書かれているわけですよね。去年の春ですよね。試験というものを受けないで、しかも採用しないと言っているのに、いわば強引に押しかけて、白紙答案で強行突破する、このことを恥ずかしいと思われませんか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 勉強を余りしなかったということが今、長い人生を振り返ってみて、もうちょっと勉強すればよかったなという思いはやはりありますね。そういう面での恥ずかしさはあります。  しかし、勉強だけが人生じゃないと私も思っておりますし、いろいろな面で人間完成を目指していくことも大事だというふうに私は思っています。その本が、若い学生たちにもし読んでいただけたら、人生というのはそう簡単に何でも我慢してしまってはだめだよ、努力しなさいというふうに読み取ってもらえれば大変ありがたいと私は思っているんです。  ただ、当時は、今もそうですが、当時もやはりなかなか就職というのは厳しい時代で、そして、優の数が私の大学では三十幾つないとなかなか就職部からあっせんしてもらえなかった。したがって、つまり、水際でだめになるわけですね、優の数がそんなになかったものですから。  ですから、これはもう就職をあきらめなきゃならぬのかななんて思っておりましたときに、たまたま学生会の活動の中から水野さんとお会いする機会がございまして、その中で、私だけじゃないんです、数人の学生たちがみんな目前に来年の卒業を控えて、頭の痛いのは就職ですという話をしておって、それぞれみんな何をするのか何をするのかと求められたわけでありますから、私は新聞記者になりたいのですということをそのとき申し上げたら、そうか、ではうちの会社があるからうちへ来るかねと言うから、それはよろしくお願いしますと言うのは、当時の二十二歳の若者としては当然じゃないでしょうか。  ちょっと待ってください。これは私の名誉に関することだから、簡単に……(保坂委員「時間がない」と呼ぶ)では質問しなければいいのであって。ですから、そこのところはちゃんと私は申し上げておかなければならぬことです。  そして、会社の方では、わかりましたと社長が引き受けてくださった。それは、今見れば社長がおっしゃったことや人事部長の言うことは違うのかもしれませんが、当時の純粋な若者としては、会社の最高の責任者である社長が、わかった、うちへ来いよとおっしゃってくだされば、入れていただけるものだと思うのは当たり前じゃありませんか。  そして、二月か三月、そろそろ卒業になったけれども何の連絡もない。ほかの皆さんはそれぞれ就職があったあったと喜んでおられるので、私はどうしたものかと思って産経新聞の人事課にお電話をいたしましたら、ああ、ことしは採用しないことになっているのですと言うからびっくりしたわけです。たまたま運がよかったのは、その人事課長が石川県の方であったものですから——いやいや、ちょっと待ってください。それで、あなたのような方が数人おられるのです、ですから、その方々のことも考えて一度検討して、また御返事申し上げますという返事でありましたから、待っておりましたらお電話がありまして、試験をするということになったのです。  私は、そのときその方に、試験をするということは、やはりはねることもあるのですねと言ったら、それはそうですね、やはり試験をして成績が悪ければ落としますよということでしたから、それはまた社長との約束と違うじゃありませんかということになったのが今おっしゃったようなことでありまして、私は、どういう形であれ、会社に入って、会社にとって有益な人材として頑張れるという自信があったから、私の評価する面をいろいろな角度で見ていただくことが大事だ、こう思って私は自分の主張を最後まで貫いたということであります。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 今の答弁を聞かれて、多くの若い人はあきれていると思いますよ。今、仕事がなくて、就職できなくて、学校は出たけれども就職が決まらないと悩んでいる若い人は多いですよ。それで、今の総理のお話を聞くと、試験を受けたら落ちる。だったら勉強して浪人でもして、もう一回ちゃんと勉強して試験を受けようという気持ちはなかったのですか。そういうのをいわばコネ入社、恫喝コネ入社というふうに言うのじゃないですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 どうしてそれがコネになるのか、どうも私わかりません。(保坂委員「有力者の紹介」と呼ぶ)いや、有力者じゃないですよ。私は、その活動をしながらそういう人たち、いろいろな先輩たちと会って、たまたまそのときに、そういう水野さんという方がおられたから私は堂々と議論をしただけの話でありまして、だから問題は、答案用紙の採点だけで見るのか、あるいは人間性を見るのか、あるいは運動部で鍛えてきたものを見るのか、いろいろな見方があるのじゃないでしょうか。そういう多面的な要素で人間の就職というものを雇用側はやはり考えていっていただくということが大事なことではないかなと私は思っています。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 私は、この本はあえて言えば、若い人がこれを読んで、ああ、世の中には裏と表があるんだなと。フェアで、みんな努力して、その日のために試験を受けてだめなら落ちる、これが公平な社会だと思っていたら、総理大臣がこうやって予算委員会で堂々と、コネ入社、そして試験をすると言ったら、私は落ちるからだめだと言って突っ張った。これが武勇伝ですか。  こういうものを読んで、では今若い人たちが、おれも私も森流の、企業に直接コネを探して言っていこう、こういう悪い影響を与えると私は思いますよ。どうですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 一つには時代というものも違うだろうと思いますし、それから、やはり私が常に言っておるのは、企業側もペーパーだけでテストするというのはよくない。いろいろな角度で十分にやはり人を見て採用すべきだ。  念のために申し上げますが、私は、教育改革をやりましたときの文部大臣として、当時、私が主張していたことが一つあるのです、残念ながら採用されませんでしたけれども。それは、三月に卒業をして、十月に入学あるいは会社の採用をするというシステムはどうだろうか。その方が丹念に、ペーパー試験だけではなくて、人物を十分見れて採用できるのではないだろうか。あるいは、会社が転勤するときと卒業、入学と同じ時期になることが、どうしても家族をそのまま置いて大阪へ転勤したり、北海道へ転勤するというような事態にもなって、家庭が崩壊するということにもなるんで、まずはお父さんが転勤をしても、その後十分時間をかけて学生たちが進学するという形をとってもいいんじゃないか、あるいは就職する形をとってもいいんじゃないか、こういうことを私は当時提案をした事実もあるんです。  ですから、議員がそういう見方をされるのかもしれませんけれども、逆に私は、その本を買って、随分激励と、いや、すばらしかったというお褒めのお言葉もたくさんいただいています。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 今、若い人たちあるいは高校生や中学生も、場合によってはこのやりとりを見ているかもしれません。そういうときにやはり、こういうフェアな、きちっとルールを定めたところである試験にいわば裏口がある、ほかの人には使えない手があるということを示すのは、とてもこれは問題だと思います。  つまり、公平な機会均等の競争は人をやる気にもさせます。けれども、こういうことを武勇伝として言っている神経が私には少しわからないんですね。今回これを全部は紹介できませんけれども、これは森総理、若い人に対して、僕は混乱を与えると思いますよ。あるいは失望を与えると思いますよ。  政治家に対する信頼感というのは非常に低いんです。政治家は信用ならざるものだということで、若い人は極めて失望深いんです。そういうことをきちっと考えて、なおこの本を販売し続けるんですか。これからもこれを回収したりすることは考えないんですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 私は武勇伝だなんて思っておりません。  先ほど申し上げましたように、冒頭に申し上げたでしょう、いささか反省をして、学生時代にもう少し勉強しておけばよかったなという反省は常々持っておると私は申し上げている。しかし、教育というのは勉強だけではないんだろう、私はそう思っております。  私としては、当時大人社会の皆さんと対応して、率直な青年として堂々と私は会社に述べて、そして採用していただいた。したがって、試験も当然受けたわけでありますが、それを人事部長や人事課長のペースで簡単に採点だけではねられてしまっては困ると思ったから、私は経営者との約束をきちんとメモしておいたということであります。  それから、その本を出版する気持ちはあるんですかと。私は、別に出版しているわけじゃありません、それを売ってもうけているわけでも何でもありません。それは出版社が自分たちで出版を続けておられるんでしょうから、私から差し出がましいことを申し上げる、そんな必要はないんじゃないでしょうか。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 現職の総理が、自民党総裁になられるときにも、政策論争が展開されて森総理の主張するところが明らかになって、この間の展開があったわけでもありませんし、そういう意味では私は、こういう内容を出しながら、なお平然としていられるということに非常に不快感を覚えます。それだけ言っておきます。  沖縄の問題について、次に触れたいと思います。  普天間飛行場、この移設に係る政府方針を閣議決定して、その後沖縄県及び地方公共団体と政府との間での協議機関を設置するということになっていますが、この協議機関は設置される見通しはあるのかどうか。そして、サミット後になるという話もありますけれども、サミット後に普天間基地問題の展望があるのかどうか。これを短く御答弁を外務大臣、お願いいたします。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 議員御承知のとおり、普天間飛行場の移設問題は、サミット以前から、普天間基地周辺住民の非常に強い要望があって、ぜひ一刻も早く移転してほしい、こういう希望に基づいてこの移転問題というのはテーブルにのったものでございますから、サミットと関係づけて考えるということは適当でないと思います。  しかし、私どもとしては、この移転については誠実にこれを実行しなければならぬというのは当然のことでございまして、先ほども申し上げましたが、沖縄県知事初め地元の市長さんの御決断という重い決定を受けてこれを閣議で検討をし、閣議決定というものをつくりました。  この閣議決定の中にはさまざまな項目がございますが、そのさまざまな項目を誠実に実行をしていくというのが現在の段階でございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 報道によると、デミング国務次官補代理は、サミット後に真剣な議論をしたいというふうに言われているようですけれども、SACO最終報告で合意された基地の整理縮小、これはそもそも沖縄の少女暴行事件に端を発して、沖縄の県民全体が、この基地問題を何とか決着をという声がこの合意に至ったと思います。  しかし、十五年という期限を、例えば、岸本名護市長も、これが実行されない場合は受け入れを撤回するというふうに言っているわけで、このまま何の結論も得られない、政府は、十五年の使用期限の問題がついに解決しない場合には、この普天間基地の問題をどういうふうにするのか、このことを簡潔に、外務大臣お願いします。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 SACOの最終報告につきましては、これはたくさんございますから、誠実に一つ一つ実行し、具体化いたしております。  今御指摘の普天間飛行場の移設につきましては、地元からいろいろな要望、要請が来ております。これは私どもは重く受けとめております。しかし一方で、国際情勢というものもまた考えないわけにはまいりません。これは我が国の安全保障という極めて重要な問題があるわけでございますから、国際情勢をにらみつつ、非常に厳しい議論をしなければならないと思いますが、地元のそうした御要請というものを重く受けとめて、そして、アメリカとの交渉のテーブルにのせているというのが現在の状況でございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 総理、今の点なんですが、いろいろ努力をし、言ってみる。しかし、アメリカの方も態度はかたい。そして、沖縄の名護市長の方も、これは前提として十五年ですよ。これが全部平行線で、何の結論も得られないという場合にはどうされますか。これは本当に、決意も込めてはっきり明言していただきたいと思います。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 今外務大臣からもお話し申し上げましたけれども、稲嶺沖縄知事あるいは岸本名護市長から要請がされましたこと、これは政府としても重く受けとめて、河野外務大臣並びに瓦防衛庁長官が米国政府に対しましてそのことを取り上げてきたという経緯は、今お話ししたとおりでございます。  政府は、やはり閣議の決定にあるとおり、今後国際情勢の変化というものにも十分対応して、本代替施設を含めて、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢についても米国政府とこれから協議をしていきたい、こう考えているわけであります。また、政府といたしましても、あわせて国際情勢が肯定的に変化をしていく、そのことも外交努力として積み重ねてまいりたい、このように考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 次に、公務員倫理法が成立し、人事院に公務員倫理審査会が設置をされた。これは官房長官と人事院総裁に伺いたいのですが、数々の不祥事の教訓が実を結んでこういった制度ができたわけですが、公務員が誇りを持って働き続けることができる環境を整えるのも内閣に課せられた使命かと思います。この点について、残り時間わずかですので、官房長官並びに人事院総裁に伺いたいと思います。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 官房長官。簡潔にお願いします。

青木幹雄自由民主党・保守党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 簡単にお答えいたします。  こういう法律をつくらなければいけなくなったこと自体が、私は非常に残念だと思っております。しかし、いろいろな不祥事が続いたためにこういう法律をつくらざるを得なかったわけでございますので、その以前の問題として、今議員おっしゃいましたようなことを十分気をつけながら今後対応していきたい、そのように考えております。

中島忠能人事院総裁

○中島政府特別補佐人 公務員が利害関係者等とつき合うときの基準というのを倫理規程、政令で定めていただきました。それをきっちり守っていただくというのがまず最初でございますけれども、なぜこういう不祥事が起こったかという根本的な原因につきまして、私たちは昨年の白書でそれを明らかにいたしました。その白書の中で明らかにいたしました施策を着実に実施していくということが重要だと認識しております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 総理、公務員倫理法ができて、極めて細かなルールがいろいろできました。さあ、では政治倫理の方はどうなっているんだろう、政治腐敗防止法はどうなっているんだろう。  例えば、この時期、各派閥のパーティーが活発に開催されていますよね。ちょっと過去を振り返れば、こういうパーティーは、派閥自体も解消するしパーティーもやめるという議論が政治改革の時期にあったのは御存じのはずです。  この政治腐敗防止について、森総理、どういうふうに今考えているのですか。これは、公務員倫理法はつくって公務員はきちっと縛るけれども、政治家は本当にやりたい放題、全く自分で自分を縛るということを真剣に議論もしない、こういうふうに言われてもしようがないんじゃないですか。

森喜朗自由民主党内閣総理大臣

○森内閣総理大臣 極めて残念な御発言だと思います。  政治の世界も、やはり政治資金の規制ということについて、きちんとこれらの法律の枠の中で行動いたしているわけでございますし、そのために、小選挙区並立制というものを採用すると同時に、政党中心な政治に移行していこうということでみんなが努力をしたことも御承知のとおり。また、個人に対する企業・団体の献金も、これを政党のみにするということも改めたわけでございますし、一つ一つ着実に、政治資金に対しての謙虚な姿勢はそれぞれの政党がとっていらっしゃると思います。  パーティーなども、これは法にきちっと基づいてやっていられるわけでありまして、何も自由民主党だけではなくて各党の皆様方、そして恐らくあなたの政党の方々も、やはりそういうパーティーをおやりになっていることではないのでしょうか。それも、政治資金規正法の枠の中でしっかり正しく行っていることだというふうに私は承知をいたしております。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十二分散会

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