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147回国会衆議院2000/02/29

予算委員会 第14号

発言数
384
登壇者
36
会派数
7
開催日
2000/02/29

会議録

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これより会議を開きます。  平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。  第一分科会主査高橋一郎君。

高橋一郎自由民主党

○高橋委員 第一分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、国会関係では、国立国会図書館への恒久平和調査局の設置及び同館の使命と目的、国会の参観施設の整備及び情報化推進等への取り組み状況など、  次に、総理本府関係では、障害者の社会参加促進策、  次に、公正取引委員会関係では、化粧品の内外価格差の是正策、  次に、警察庁関係では、新潟県における女性監禁事件等一連の警察不祥事への対応策及び警察行政、監察に対する信頼の回復策、覚せい剤等の薬物犯罪への対応策、交通安全対策など、  次に、総務庁関係では、小渕内閣の行財政改革への取り組み姿勢、  次に、防衛庁及び防衛施設庁関係では、米軍普天間飛行場代替施設の十五年使用期限問題への取り組み方針、厚木基地周辺住民への騒音補償制度の必要性など、  最後に、沖縄開発庁関係では、九州・沖縄サミットへの取り組み方針及び沖縄振興策などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第二分科会主査西田猛君。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 引き続き、第二分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なるものについて申し上げます。  まず、法務省関係では、出入国管理行政のあり方、通信傍受法の運用問題など、  次に、外務省関係では、在日米軍相模総合補給廠におけるPCB保管問題、ILO条約の批准促進の必要性、在外邦人の安全確保策など、  次に、大蔵省関係では、コンサルタント業者によるいわゆる脱税指南事件、国の会計制度の改革の必要性、たばこによる健康被害問題などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第三分科会主査桝屋敬悟君。

桝屋敬悟公明党・改革クラブ

○桝屋委員 第三分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、科学技術庁関係では、宇宙開発体制の整備と国民理解の増進、核燃料加工施設事故被災地への対応の充実などであります。  次に、文部省関係では、公立高等学校の学区編成見直しのあり方、専門高校卒業生の大学入学特別選抜枠の拡充、養護教諭に係る定数配置基準の改善、公立学校施設の防災機能強化と補助基準、文化財保護行政における運用の見直し、国旗・国歌法の制定が教育現場に与えている影響などであります。  次に、自治省関係では、消防団員の処遇の改善、土地開発公社及び第三セクターの現況と自治体財政への影響などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第四分科会主査自見庄三郎君。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 第四分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、厚生省関係では、精神医療のあり方、青少年の薬物乱用防止対策、介護保険制度における要介護認定のあり方、小児医療の提供体制の拡充策、少子化対策、国立病院・療養所の統廃合のあり方などであります。  次に、労働省関係では、ホームレス対策などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第五分科会主査町村信孝君。

町村信孝自由民主党

○町村委員 第五分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、農林水産省関係では、食糧自給率向上の必要性、国産材の利用促進、我が国周辺の水産資源減少への対応と日中漁業交渉、食品廃棄物のリサイクル促進、家畜排せつ物処理への国の支援の必要性などであります。  次に、環境庁関係では、地球温暖化対策、水俣病被害者救済のための補償制度維持の必要性、希少動物の保護対策、産業廃棄物の輸出に関する規制強化の必要性などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第六分科会主査太田昭宏君。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 第六分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、経済企画庁関係では、アラビア石油問題と原油価格高騰の懸念、サウジアラビアとの石油交渉のあり方などであります。  次に、通商産業省関係では、リサイクルの推進策、原子力発電のあり方、中小企業とベンチャー企業への支援策、電子商取引を推進する必要性、愛知万博への対応、ゴルフ場の預託金返還問題、ヒトゲノム研究を推進する必要性、マンションの電気設備修繕に係る費用負担のあり方などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第七分科会主査村田吉隆君。

村田吉隆自由民主党

○村田(吉)委員 第七分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、郵政省関係では、個人間の盲人用録音物の郵便の無料化、放送のデジタル化への取り組み姿勢、郵政職員の労働環境の実情などであります。  次に、運輸省関係では、大都市圏における鉄道網整備の必要性、交通のバリアフリー化推進への取り組み姿勢、JRの事業が中小企業に及ぼす影響、タクシーの需給調整についての運輸省の認識、海運の振興への取り組み、交通事故被害者救済のあり方などであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 第八分科会主査萩山教嚴君。

萩山教嚴自由民主党

○萩山委員 第八分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、建設省関係では、公共事業の波及効果、国道の整備状況、治水対策、都市計画法の区域区分制度の見直し、建築確認のあり方、バリアフリーな町づくりの推進、ダム建設事業の見直し、吉野川可動堰問題への対応、中心市街地活性化などであります。  次に、国土庁関係では、激甚災害指定の基準の見直しなどであります。  以上、御報告申し上げます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これより締めくくり質疑に入ります。  この際、お諮りいたします。  三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁刑事局長林則清君及び厚生省年金局長矢野朝水君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。

町村信孝自由民主党

○町村委員 自由民主党の町村信孝でございます。  本日の締めくくり質疑の冒頭に当たりまして、私は、今回の予算委員会の運営方法につきまして、これは質問ではございませんが、予算委員会の理事として若干申し上げたいことがございます。  今回の予算委員会は、国会改革の一環といたしまして新しい国会運営システムができ上がったわけでありまして、そのいわば第一回目の予算委員会ということになるわけでございます。すなわち、去年の七月に国会審議活性化等の法律ができて、国家基本政策委員会ができ、あるいは政府委員制度が廃止され政務次官の数がふえるといったようなことが決まり、さらに、昨年の六月、そしてことしの一月十八日に、自民党、自由党、公明党、そして民主党の四党国対委員長の合意というものができ上がり、予算委員会のあり方もその中で詳細に述べられているわけでございます。決まっているわけであります。  例えば、総理の出席につきましては、各党一巡の基本的質疑と本日の締めくくり質疑のみとする、こう決まったわけでございまして、これは、今までの予算委員会のように、長時間総理大臣そしてすべての大臣が拘束をされるといった姿を反省しようということに立って、より効率的で、また予算の中身に即した審議をしようという趣旨でこうした改革が行われたと私は理解をいたしております。  こうした国対委員長の合意というものがあるにもかかわらず、特に民主党を中心として野党の議員諸君が、こうした合意があるのを知っているのか知っていないのかよく私にはわかりませんけれども、しばしば総理の出席がないということを問題にしたことは、これは国対委員長の合意というものを一体どのようにこれら野党の諸君は理解をしているのかということで、非常に不可解な野党諸君の発言であった、このように私は理解をいたしておりまして、むしろ野党の諸君には強く反省を求めたい、かように考えているところであります。  ここに、平成六年七月二十日に新生党党首であった羽田孜君の衆議院本会議の代表質問の一節がありますので、これを引用させていただきます。羽田君は現在、民主党の幹事長でございます。  予算委員会について、総理を初めとする全閣僚出席の慣行についても大幅に見直し、他の委員会との並行審議や必要な国務に専念できるように改めていくべきと考え、この機会に特に提案をいたします。これが平成六年の羽田さんの発言であったということをぜひ民主党の諸君はしっかりと踏まえていただきたいと私は思うわけであります。  さて、質問に移らせていただきますけれども、ちょっと順序を変えまして、真っ先に、大変沈痛な面持ちである保利国家公安委員長にお聞きするのは私は甚だ残念なんでありますが、やはりこの新潟県警本部長あるいは関東管区警察局長の行為というものについて、冒頭お尋ねをしないわけにはまいらないわけでございます。  一連の報道を見る限り、とてもこれは警察官のトップにある人たちの行為とは思えない、まことに信じられないことが次々出現をしているわけであります。しかも、新潟のみならず、京都府警あるいは神奈川県警、相次いでいるわけでありまして、国民の怒りというものは今相当なレベルに達している、私自身もそうであります。また同時に、大部分の非常にまじめにやっている警察官諸君、一線で頑張っている警察官の皆さん方が非常に怒りを覚えている今の姿ではないのかな、こう思うわけでありまして、一体なぜこうした事態が相次いで起きるのか、そしてこれについてどうしようとしているのか。  特に私は、けさの新聞を見ると、関東管区警察局長に対して、辞職をしたんだからもう何ら処分はしないということを昨日の国家公安委員会で決めたということでございますが、本当にそれでいいんだろうかどうだろうか、この点について保利国家公安委員長の御見解を伺います。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 今回の新潟におきます一連の事案については、委員から御指摘のとおり、大変公務員として、警察官としてあるまじき態度であったということについては、もうくどく申し上げる必要はないと思います。国民の皆様方に大変御心配をおかけし、被害者、また御家族、そして御親族の皆様方にも大変苦痛をおかけすると同時に御心配をおかけしたことについて、深く心から陳謝をする次第でございます。  今お尋ねの件でありますが、昨日、国家公安委員会を緊急に開かせていただきまして、今回の事案についていろいろ意見を聴取いたしました。  まず、小林本部長に対する処置と中田局長に対する処置は分けて考えなければならない点がございます。それは、小林本部長は国家公安委員会の任命にかかわる人事でありまして、この処分等については国家公安委員会の中で決めなければならないという事情がございました。  公安委員会の先生方と御相談をし、懲戒免職に当たるのではないかという気持ちもございましたけれども、いわゆる刑罰法規に触れる場合が懲戒免職になるということでございまして、このたびの案件については懲罰法規に触れるというところまでまいりませんものですから、そこが非常に無理であったということであります。その中で、減給の一番きつい処置、五分の一となっておりますが、それを適用することで処置をした。  なお、国家公安委員会は、五人の委員と私、委員長で構成されておりますが、その五人の委員の方々全員が、この処置でやむを得ず、やむを得ずというか、この処置でよろしいという御裁定をいただいております。  なお、私は、その国家公安委員会の中では意見を申し上げる立場にございませんで、その取りまとめをするという立場でございました。五人の委員全員がこれでいいということでございましたので、その旨取りまとめをして発表したところであります。  それから、中田局長に対する処分でありますが、中田局長に対する人事権は、御承知のように警察庁長官が持っております。それで、警察庁長官が判断をいたしました引責辞職を求めるということに対して、それを、引責辞職という形になりましたものですから、そういう形で国家公安委員会の意見を聴取いたしましたところ、委員の皆様方から、警察庁長官の判断を了とするという御意見が全員から出ておりますので、そのような取りまとめをさせていただいた次第であります。  なお、これにつきましては、いろいろ御意見もありますが、冷静に判断をしなければいけないということが国家公安委員会の委員の先生方からも御指摘がございました。  冷静にといいます意味は、国家公務員法並びに人事院規則等に照らして、またこういう懲戒事案の前例等いろいろ調べて、それでこのような処置で妥当と、五人の委員が全員そういうことを言われましたので、取りまとめをする立場の委員長としてその旨取りまとめをし、国家公安委員会として警察庁長官の御判断を了とした次第であります。

町村信孝自由民主党

○町村委員 冷静な判断も必要でしょうし、過去の事例とのバランスというのもあるとは思います。思いますが、どうも合点がいかない、納得がいかない。  というのは、個々の事件だけを取り上げればそうかもしれませんが、やはり一連の流れの中で、特にここ何カ月かの警察不信というものが累積している中でのこの事案というのは、それぞれの事案の妥当性、判断の妥当性だけを超える、やはりもう少し流れの中での判断をするということも必要なのではないのかな、私はこう思ったりもいたします。  確かに、国家公安委員会というのは独立の委員会でありまして、これに第三者は政治を含めて介入しない、これは公正取引委員会等を含めてそういう今の法体系になっているわけでありまして、私は、こういう独立行政委員会という戦後アメリカの形をまねして導入した行政組織のあり方がいいのかということについて、もともと疑問を持っている者の一人でありますが、それにしても、今回の国家公安委員会の判断が本当に妥当なのかなということについて、率直な疑問を持たざるを得ないのであります。  青木官房長官、昨日は相当いろいろな御努力をしていただいたと聞いておりますけれども、内閣全体をおまとめになる官房長官のお立場から今どのような御判断をしておられるのか、ちょっとつけ加えて伺いたいと思います。

青木幹雄自由民主党・自由国民会議内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 ただいま保利公安委員長がお話しなさったとおりだと考えておりますが、私も、内閣という立場を離れて個人的な立場に立てば、今度の処置は非常に生ぬるいものである、そういうふうに個人的には考えております。

町村信孝自由民主党

○町村委員 多分これで事は一件落着というわけにはまいらないと思いますが、保利国家公安委員長の今後適切なる対応、また警察全体の極めて厳しい反省と自浄努力というものを心から期待したいと思っております。  私は、総理にちょっとお伺いをいたしますが、これは一警察だけの問題ではない、こう思うのであります。公務員全体の問題であるかもしれない。そして、もっと言いますと、私は戦後の日本の社会にずっと広がっていったさまざまな病根、例えば、この薬を売ればエイズがまたさらに広がるかもしれないとわかっていながらそれを販売した薬会社の体質であるとか、あるいは夫だか妻だかに保険金を掛けて殺人してまで保険金詐欺をはかるとか、もう個々人から企業、いろいろ団体に至るまで、すべての戦後の日本の社会の病根というものがいろいろな形で今噴出してきているのではないのかな。そういう意味で、国民全体のモラルとか規範意識の低下といったようなものについて、この際、これはもう党派を超え、すべての国民で考え直さなきゃならない重大な社会としての危機に今至っているのではないか。そういう危機意識、問題意識を私は持っているわけであります。  そうした戦後のいろいろな価値観、それを今私は細かく申し上げるつもりはございませんが、今総理は富国有徳の国づくりということを言っておられます。特に有徳の国づくりということについて、一連のこうした不祥事を踏まえながら総理はどういうお考えを持っておられるか、お伺いをいたします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今町村委員が御指摘をされましたように、具体的に今幾つかの不祥事が生じておるということでございまして、そのよってもって来る原因というものはこの機会に徹底的にやはり検討し、その病根がいずれのところに発生しているかということを深く反省する機会かというふうに認識をいたしております。  私といたしましては、やはり戦後の我が国の発展が経済的発展に極めて大きなウエートが占められた、これは当然のことでありますが、同時に、人間としてのモラル、こうした問題につきましてもやはりおろそかにされてきた点があったのではないかという反省も込めまして、いつも申し上げております富国有徳のそうした国づくりを目指さなきゃならぬと思っております。  種々こうした事象が起こり、国民の大変な不信感をさらに醸成するというこの機会に、一つ一つの問題につきまして、その根源にさかのぼっての問題を剔抉しながら、方策についても明らかにし、国民的な理解を求めていく努力をいたしていかなきゃならぬ、心からそう念願しておるし、また努力をいたしてまいりたいと思っております。

町村信孝自由民主党

○町村委員 総理のそうした真摯な御努力を心から期待いたします。  次に、今後の経済財政運営につきまして、一、二、お伺いいたします。  これが今回の予算委員会の最大のテーマであったことは言うまでもないわけでございまして、景気対策と財政構造改革あるいは財政の健全化というものについて、総理のお言葉をかりれば、二兎を追う者は一兎をも得ずという表現もありましたし、また、ある公述人からはアブハチ取らずというような表現もございました。  私は、財政健全化、財政構造改革、それにいつ取り組み始めるかというタイミングとか、あるいはどういう方法でやるかという内容については、まだまだ議論が、十分国会の中でもコンセンサスができているという状態にはないと思いますが、しかし、一つ言えるのは、財政健全化が必要であるというコンセンサスが与野党を通じてできたことは大変私は意義が深かったのではないのかな、こう思っております。  そう言ってはなんですけれども、従前、野党の皆さん方は、福祉予算等々の歳出の拡大を主張し、ではその歳入の裏づけはというと、ほとんどお答えがなかった。非常にある意味ではバランスのとれていない議論が多かったと思いますが、少なくとも、野党の皆さん方も含めて、与野党を通じて財政の健全化を図る必要がある、財政構造改革はやる必要があるというコンセンサスに至ったということは、私は大変意味があった予算委員会ではないのかな、こう思っております。  特に、この財政健全化、財政構造改革の中で、もちろん公共事業のあり方等々を含めていろいろ議論があるのですが、一番の問題はやはり福祉、年金、医療、特に厚生省関係の予算が年々かなりのペースで伸びて、今やもう二割前後まで達しているということでありまして、今後さらにこの勢いでふえ続けるということになりますと、一体どうやって財政健全化を達成するのかということになるわけでありまして、特に、医療、年金、福祉の抜本的な構造改革がなければ財政健全化というのは絶対に達成できないと私は思うのでありますが、こうした諸改革について、総理の御決意、お考えをお聞かせいただければと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 少子高齢化が進行する中で国民が安心できる社会を築くため、国民に信頼され、将来にわたって安定的、効率的な社会保障制度を構築することは言うまでもありません。  とりわけ、高齢化の進展に伴いまして、給付の増大が見込まれる中で、国民の新たなニーズにも的確に対応しつつ、経済と調和がとれ、将来世代の負担を過重なものにならないようにしていくことが必要であることは申すまでもありません。  このような考え方に立ちまして、現在国会で御審議をいただいております年金改正法案の一日も早い成立をお願いするとともに、医療保険制度の改革や介護保険制度の円滑な実施に向けまして取り組んでおるところでございます。  私は、いわゆる団塊の世代の人々がやがて高齢世代の仲間入りをすることを考えますと、実は最後の検討機会との思いで社会保障構造の存り方について考える有識者会議を設置し、議員御指摘のように、年金、医療、介護の各分野の、縦割りでなく制度横断的にかつ総合的な観点からの検討をお願いしているところであり、今後とも社会保障制度の改革に全力を挙げておるところでございます。  そこで、有識者会議を開きましたときに、やはり今までは年金とか医療とか介護とか、こうしたことをそれぞれの分野で専門的な審議会で取り扱ってきましたことは、それはそれなりに意義があるわけでありますが、しかし、これまで税制調査会等でやってきました、税と社会保険負担を別々に扱ってきた、やはり両方まとめて議論する場がなかったことから、一面しか取り扱えなかったのではないか、こういう御主張もされておられました。  そういう意味でこの有識者会議が本当にこれから二十一世紀に向けての本格的かつ最終的な考え方を取りまとめる最後の機会、そういうつもりで政府としてはこの有識者会議を開いておるわけでございまして、その結論を得、それを実行していくということに将来はなってまいらなければならぬと思っております。  これは、それこそ、今までそれぞれの分野におきましての法律改正をもってすべてが解決するということでない、ぎりぎりの段階に来たという強い認識のもとに、この結論を早期にお願いし、その報告が出ました暁におきましては、国会の御賛同を得られるよう、その方策についての考え方を早急に取りまとめて御審議をいただけるように努力していきたいと考えております。

町村信孝自由民主党

○町村委員 医療、年金などの将来に向けての不安が今の消費停滞を招いているという意見、私はそのとおりだと思っておりますので、できるだけ早い時期にその懇談会の答えを出し、国民にそれを問うていただきたいとお願いをいたします。  時間も限られてまいりましたので、最後に一問だけ。歳出の問題はそういうことだろうと思いますが、歳入の問題であります。  今の財政の赤字は、とても税の自然増収だけでは先々これのバランスを回復することは不可能だというレベルに達している、私はそう思っております。そういう意味で、国と地方との税源配分の問題も含めてあわせて考えていかなきゃならないわけで、消費税率の引き上げでありますとかあるいは外形標準課税の必要性ということは、これはいずれかのタイミング、場合によっては早急にやらなきゃいけない。  そういう中で、今、東京都のいわゆる銀行税ともいうべき新たな外形標準課税の案が出てまいりました。私は、率直に言って、この石原提案には反対であります。これほど税の公平性、中立性をゆがめた考え方はない、かように思いますし、また、じゃ東京都の行革が十分に行われているのかといえば、非常に不十分だ、こう私は思っておりますので、私は都議会において慎重な審議をされることを期待するわけでありますが、この銀行税について自治大臣のお考え。  そしてもう一つ、短くて結構ですが、新たに着任されたばかりの谷垣さんに恐縮でありますけれども、何でこんなに銀行バッシングの税制が国民に受けるかというと、やはり銀行の経営姿勢ですね。給与水準がまだまだ非常に高いとか、リストラをどこまでやっているのだろうかとか、あるいは倒産した銀行の幹部が退職金を返さないとか、そういうレベルで非常に銀行の経営姿勢について国民の不満が高じているから、こういう案がさっと通ろうとしているわけですね。こうした銀行の経営姿勢について、金融再生委員長としてのお考えを承らせていただきまして、私の質問を終わります。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 地方財政の窮状というものは委員よく御承知のとおりであります。この地方財政の安定化を図りますためには、どうしても税収の安定化を図っていかなきゃならぬ。そういうことから、自治省といたしましては、外形標準課税を導入するのは前向きでずっと取り組んでまいりました。しかし、全国知事会等からの御要望もありまして、全国一律に導入をするようにという御意見等御要望も承っておったわけであります。  そういった観点から、このたび東京都知事が表明をされました外形標準課税につきましては、私自身、その気持ちはわかる、理解をすることができるとは言いながらも、そのやり方等については疑問を呈し、知事にも申し上げたところでありますし、去る二十二日には、閣議口頭了解をもちまして内閣としての見解も提出をしたわけであります。  そんな状況の中でございますが、今後、地方財政の健全化を図っていくために、やはり税収の安定化を図っていく方途として外形標準課税を導入していくということは、私は必要なことだと思っておりますが、タイミングそれからやり方等については、十分に税制調査会等の中で御議論をいただきたい、こういうふうに思っております。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○谷垣国務大臣 町村さんの今の御意見は、金融機関の合理化やリストラの努力がまだ足らないんじゃないか、こういう御趣旨だと思うのです。  一般論として言えば、金融機関の効率化、合理化というのは、それぞれの金融機関がまず判断してやらなきゃいかぬ、これが一番基本だと思うのですが、現在のように大きく金融秩序も変化していって、その中で、競争力を高めたりあるいは健全性をもっと高めて国民の不安を取り除かなきゃいかぬという流れがございます。そういう中で、特に公的資金を入れて健全化を図ろうというような仕組みができ上がっていることを考えますと、単に金融機関のそれぞれの自主的な御判断だとは言い切れないものがある。  ですから、我々金融行政に当たる者としましては、日常の監督も通じ、あるいはさらに資本注入行には経営健全化計画のフォローアップ等を通じて、効率化、合理化をもっと促していく必要があろうかな、こういうふうに思っております。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて町村君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤茂樹君。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 公明党・改革クラブの佐藤茂樹でございます。  私も、あらかじめ外交問題等についてお聞きしようと思っておったのですが、この二、三日、マスコミ、テレビ並びに紙上をにぎわしております警察の不祥事とその対応につきまして、冒頭、総理にお尋ねをしたいと思うわけでございます。  新潟県警本部長並びに特別監察に入った中田関東管区警察局長のこの言語道断の行為というのはもう今さら言うまでもないわけでございますが、問題は、その行為が発覚する前に一たん処分がなされていて、そういう行為をしておったというのが後でわかっていながら、昨日緊急に国家公安委員会を開かれたにもかかわらず、特に、上の特別監察に入られた側の方については処分なしという、そういう判断がなされた。これについては、本当に国民感情からいっても全く納得のできない、そういう対応ではなかったのかなと。  ですから、けさ来いろいろ報道されておりますが、警察の方にも至るところに苦情電話が殺到しておるという、ここにあらわれているように、国民感情からすると、特別監察に入った人間が、監察もせずに、監察する側と監察される側が官官接待で宴会やマージャンをしておったという、こういう実態一つとっても、これはもうそれがわかった時点で民間であれば首だろう、そういうように考えるのが妥当なところだと思うのですけれども、結局、国民から見たときに、警察というのは、国民には厳しいけれども身内には非常に甘い体質というのがまたしても露呈した、そういう事案ではなかったのかな、そのように私は思うわけでございます。  先ほど官房長官の御答弁では、個人的には非常に生ぬるい、そういうように思っているというお話がございましたけれども、この国家公安委員会というのは独立性の高い組織で、総理大臣に指揮監督権がないというのは重々わかった上で、ぜひ総理の見解を伺いたい。  そして、この警察行政に対しての国民の不信というのは、もう感きわまれりというか、ここまで来たのかというところまで来ておるわけで、この事態をこのまま放置しておくと、やはり今後の日本の安全を守っていくという治安、秩序を揺るがすようなそういう事態にも発展しかねないのではないのか、私はそのように思うわけですが、総理は、今回のこの事案に対してどういう判断をされているのか。  また、これからやはり警察が信頼を取り戻すためにいろいろ改革をしていかなければいけない。体質の改善とか、または自浄作用をきちっとできるようなメカニズムをきちっともう一回つくり直さなければいけないとか、いろいろな問題があるかと思うのですが、全般にわたってどういう判断をされているのか、まず総理にお伺いをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今回の事案は、神奈川県警等の不祥事を踏まえて、全国の警察の信頼回復に向けた取り組みが進められている中で、県警の最高責任者と、これを指揮監督すべき立場にある幹部が、その立場をわきまえず、幹部としての自覚に欠ける不見識、不適切な行動をとったものであり、弁解の余地もなく、言語道断であると考えております。  そこで、お尋ねの処分の問題でありますが、両名に対する今回の処分につきましては、いろいろな御意見があることは承知をいたしておりますが、私としては、懲戒権者及び任命権者たる国家公安委員会及び警察庁長官において、事実と法に基づく判断のもと、事案の重大性を踏まえて処分について決定し、引責辞任の措置をとったものと考えております。  委員今御質問の中にありましたように、国家公安委員会の存在、これは恐らく、戦前における警察権力に対して、内閣の指揮監督の問題についての反省に基づいてこうした機関を設けて、内閣総理大臣あるいは内閣が直接的に、人事その他におきましてもあるいは懲戒その他の処分についても行えないという、戦後の一つの形式をとったものだというふうに考えております。  したがって、今御答弁申し上げたような趣旨に尽きるわけでございますが、先ほど官房長官も、個人的なことということでお気持ちを吐露されました。私も昨晩、官房長官と夜遅くまで本問題について率直な鳩首協議をいたしました。それは、委員御指摘のように、今回の事案について国民各界各層から極めて厳しい御批判をいただいておるということは百も承知をいたしておりますし、私自身も、政治家としては目線を常に一般国民、庶民のところに置きたいと願っておるわけでありまして、そういう意味から、新潟県警に対しても数百本の抗議の電話が届いておるというようなことを考えますと、これが国民の素朴な、率直な気持ちではないかというふうに思っておるわけでございます。  さりながら、先ほど官房長官個人のお考えと言われましたが、私、ここで答弁する以上は、総理大臣として、こうした人事処分に当たりまして私の見解を申し上げることはなかなか困難でありまして、法律的根拠を言えば、国家公安委員長のもとで国家公安委員会委員、すなわちこれは内閣で国会に御提案しておることでありますけれども、国会の厳然たる御審議の上、これが承認人事と相なっておるわけでございまして、それがそうした結論に及んだということについては、これは政府の基本的な考え方であると思っております。  しかし、先ほど来町村委員からもお尋ねありましたように、やはり今後の問題として、いかにこうした事態に対処すべきかということにつきましては、国民的な理解、協力を得ていかなきゃならない、信頼を回復していかなきゃならぬということを考えますと、我々としても、常々この問題についても、深く今回のことを認識をして、適切に対処していかなければならぬという思いを強くいたしておる、こういうことであります。(保利国務大臣「事実関係が違うんです」と呼ぶ)

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 済みません、国家公安委員長。ちょっと時間が十分で限られていまして、ほかのこともお聞きしたいので、申しわけない、また別の機会にお伺いしたいと思いますが……(保利国務大臣「事実関係がちょっと違いますから」と呼ぶ)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 事実関係が少し違うようですね。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 それでは、簡潔にお願いします。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 処分を決めた後に新たな事実が出てきたという国家公安委員会の認識はございません。それで、全部の事案、特にマージャンをやっていたということを念頭に入れて、それで御議論をいただいて結論を得たものであります。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 ぜひ綱紀粛正に努めていただきたいと思うのです。  もうあと二分ほどになりましたが、総理、私きょう本当にお伺いしたかったのは、実は人間の安全保障という考え方が九四年の国連開発計画、UNDPの人間開発報告書の中で打ち出されてから、特に総理が大変力を入れてきておられる。人間の安全保障というのは、人間の生活、生存、さらには尊厳に対する脅威への取り組みを強化していこう、そういう考え方でございまして、私ども公明党が中道政治として、生命、生活、生存を最大限に尊重する、そういう人間主義の政治ということを訴えておりますけれども、それを国際的視野で見たときに、この人間の安全保障という考え方も非常に一致する部分があるわけですね。  総理は、外務大臣時代からなんですが、そういう観点で見ますと、歴代の総理の中で最もこのことに力を入れておられて、いろいろなところで演説をされておられる。さらに、演説される、ただ言うだけではなくて、昨年の三月には国連に人間の安全保障基金を設置されて、具体的なプロジェクトも実績を積まれてきておる。  そういうことを、私はそういう意味から高く評価をするわけでございますが、そういうことがまだまだ国民や世界に知られていない部分もございますので、何点かお聞きしたいのは、ぜひやはりそういう人間の安全保障に基づく考え方、また具体的プロジェクトというものをこれからの日本外交の柱の大きな一つにしていくんだという、もっと言えば人間の安全保障推進国日本、そういうように言われるくらいに推進していっていただきたいというように私は思うのですが、総理の見解を伺いたいのが一点。  それで、七月には沖縄サミットが参ります。できれば、今、情報技術革命とかいろいろなことが話題になるだろうというふうに言われているのですが、私は、ノルウェーとかそういうところ、カナダとかは熱心だけれども、まだまだ足並みがそろっていないということから考えますと、ずっと推進をされてきた総理の議長国のイニシアチブで、サミットにも人間の安全保障というテーマをぜひ取り上げていただいてテーマにしていただければと思うのですが、総理の所見を伺いたいと思います。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 小渕内閣総理大臣。簡潔にお願いいたします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 安全保障といいますと、とかく軍事的な安全保障が中核になるわけでありますが、やはり国際的には、人間一人一人が真に生活が安定するようなことを考えなければいかぬ。そのために、ヒューマンセキュリティー、人間の安全保障ということを私はお訴えさせていただいておりますが、率直に申し上げまして、本院における施政方針演説等ではこの言葉を使わせていただきましたが、まだ国際的にこの意識、精神というものが理解がすべてに及んでおらないことは残念であります。ただ、国連におきましては先ほど御指摘のような基金もできました。  そこで、お尋ねのように、ぜひこれをできる限り広く訴えていかなきゃならぬ、努力は傾注しますが、その一環としてサミットで、こういうことでございますけれども、やはり人間安全保障に直結するような開発途上国への援助や国境を越える犯罪の問題などを取り上げさせていただきたいと思っております。そういう意味で、この人間の安全保障という問題について、それぞれの各国の首脳にもより理解が深まる努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。  次に、青山二三君。

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)委員 公明党・改革クラブの青山二三でございます。  小渕総理に質問させていただきますのは初めてでございますので、特に、我が党で力を入れて取り組んでおりますアレルギー性疾患対策について質問してまいりたいと思いますが、私も十分という短い質問時間でございますので、御答弁の方は簡潔かつ明快にお願いしたいと思います。  近年、アトピー性皮膚炎や気管支炎、花粉症、じんま疹など、現代の難病とも言えますアレルギー性疾患に悩んでおります患者が年々増加の一途をたどっております。今や、国民の三分の一、三人に一人が何らかの症状に悩まされているというのが現状でございます。  こうしたアレルギー増加の原因には、車の排気や工場の排気などの大気汚染、また残留農薬や食品添加物など食生活上の問題、また住宅建材に含まれる化学物質や杉花粉の増加などが影響していると言われております。ですから、総合的な取り組みが必要になってくるわけでございます。例えば、今でこそ当たり前のように言われております花粉症でございますけれども、これは、三十年ほど前はほとんど見当たらなかったわけでございます。  この杉花粉症の増加の原因といたしましては、もちろん杉花粉やそれから自動車の排ガスなどが指摘されておりまして、花粉症対策として、環境庁は、十一年度第二次補正予算で、粒子状物質除去のためのディーゼル排出ガス処理装置の調査費ということで七千万円の手当てをいたしておりますけれども、アレルギー予防の観点からもこの実用化を早急に図るべきであると思います。東京都は、排ガス浄化装置や、また都心に乗り入れる車からの料金の徴収など、抜本的なディーゼル車規制案を検討しているようでございます。  そこで、アレルギー性疾患対策として、この大気汚染防止への取り組みを推進するために、交通量の規制とか税制の見直しなどについて早急に検討すべきであると思いますけれども、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 最近、自然によるもの、あるいはその他の原因によりましてアレルギー疾患が非常に増加しているという事実は承知をいたしておりますし、またメディア等も最近これを大きく取り上げております。  そういった意味で、この問題について政府としても全力で取り組ませていただいておるところでございますが、まだまだ足らざる点を御指摘いただいておるのだろうと思います。  したがいまして、現在、厚生省を初めとした関係省庁と十分連絡をとりながら、その原因をまず究明すること、またその暁におきましては、それに対する対症療法その他につきましてもいたしていかなければならないと考えておるわけでございまして、この疾患にかかった方々の大変なお苦しみが時々テレビ等で出てまいりますと、その人にとりましては人生を失うような大変な苦しみに遭っているということでございますので、それぞれの問題を整理し、そして原因を究明する努力をもっともっと政府としては考えて、また努力をしていきたいと思っております。

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)委員 そういうことでございまして、我が党は昨年の十一月、アレルギー疾患対策プロジェクトチームを設置いたしまして、本格的な取り組みを行っているところでございます。  総理がただいまおっしゃられましたように、本当に多くの方々からアレルギー性疾患に悩むお苦しみを聞いているわけでございまして、特にアトピーとかぜんそくで悩んでいるお子さんを持っている親御さんたちの悩みは、もう筆舌には尽くせないものでございます。まず、その根本的な治療が確立されていない、そしてまた経済的な負担が大変に重いというようなことでございまして、大変な御苦労をいたしておりまして、経済は圧迫され、限界に達している、こんな声も聞かれるわけでございます。  ですから、特に慢性そして重度のアレルギー性疾患患者に対する治療費を軽減するとか、また、医者の指示のもとで使われました食品あるいは包帯、寝具、またいろいろな必要なものに対する購入費を医療費から控除する、こういうことが考えられないかと思うわけでございますが、この患者の過重な負担を軽減するための対策についてはどのようにお考えでございましょうか。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 委員から御指摘がございましたように、さまざまな要因がございまして、まだ有効的な、これという決め手は現実問題としてないわけでございます。  特に、要するに、患者さんの方からすると、なかなかこの病院に行っても治らないのじゃないかということで、たらい回しというよりも、むしろはしごをする、こういうことがあるわけでございますが、現時点におきまして、いわゆる有効的な治療法というものをきちんと周知いたしますとともに、過剰な投薬であるとかそれから治療を防止する、その結果、アレルギー患者に対する医療の負担が軽減する、このような考え方に立つものでございます。

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)委員 厚生大臣の御答弁でございましたけれども、今後、このアレルギー対策を進めていく上では、関係省庁は、ただいま御答弁のございました厚生省だけではなくて、大気汚染の関係では環境庁でございます。そして、学校給食は文部省、食品添加物などの問題は農水省、そして住宅関係は建設省、杉花粉関係は林野庁など、多くの省庁にまたがっているわけでございまして、各省庁が連携をとりながらの対策が必要かつ重要であると考えます。  そこで、こうしたアレルギー疾患の原因究明、治療の確立、そして国民への正しい知識の普及のためには、これは国を挙げての取り組みが不可欠になってまいります。新たな国民病と言われておりますこのアレルギー疾患に対します総理の強力なリーダーシップが、それには必要でございます。  最後になりますけれども、このアレルギー性疾患対策の早急なる取り組みについて、小渕総理の御決意をお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 小渕総理大臣。一言でお願いいたします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 各省庁にわたることでございますが、委員御指摘のように、本当に緊急を要することであります。全力を挙げてこうしたアレルギー疾患をなくしていくための諸努力をいたしていきたいと考えております。

青山二三公明党・改革クラブ

○青山(二)委員 時間が参りました。終わらせていただきます。大変ありがとうございました。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて青山君の質疑は終了いたしました。  次に、青山丘君。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 青山さんの後の青山です。よろしくお願いします。  四十九兆円の税収の我が国が八十五兆円の歳出規模ということでございますから、そこには相当な無理がある。しかし、私は、現下の経済情勢ではやむを得ないことで、無理に無理を重ねてきた財政運営であったと思っております。公聴会の公述人の中のお一人が、神が与えてくれた最後の一年であるという言い方をされましたが、私もぜひそうしていかなければいけないと思っております。  それは、やはり平成十二年度末の国債発行残高が三百六十四兆円、国の債務総額が四百八十五兆円、地方を合わせると六百四十五兆円という相当な債務を抱えた国になっているわけでございまして、しかし、とはいえ、まだ十分に景気が回復していない段階で財政再建に走り出すことは私はできないと思います。それは、我々が経験した苦い経験があるわけで、いつか来た道、あの失敗を繰り返してはならないということであろうと思います。  そこで、総理大臣が、二兎を追う者一兎をも得ず、非常にわかりやすい話でございまして、国民にとっては理解しやすいことだと私は思います。ただ私は、財政再建か景気回復かではなくて、財政再建の道筋だというふうに理解しております。  すなわち、第一はやはり景気回復であると思います。第二が、だから景気回復のためにどうしても歳出規模が拡大をしてくる、国債の発行もやむを得なかった、そして景気が回復した段階では、その段階でようやく景気中立型の予算を組むことができる、歳入と歳出のバランスをこれからとっていかなければならないという段階であろうと思いますし、やはり第三が、財政再建にいよいよ踏み出すという道筋であろうと思います。  そういう意味で私は、二兎を得ていかなければいけない、二兎を得ていくためには一兎をまずどうしても得ていかなければならないというふうに考えてきましたので、これまで総理がお話しになったことをそういうふうに私は理解しておったのでありますが、総理大臣のお考えはいかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 ただいま青山委員の御指摘のとおり、小渕内閣といたしましても、その方針を一貫して今貫かせていただいておるわけでございます。  もともと、財政健全化は単年度でもいたしていかなきゃならない、予算はレベニュー・ニュートラルでなけりゃならぬということは、古今東西改めて言うまでもありませんけれども、単年度だけで収支を合わせようということに相なりますと、これは現在の状況では不可能でございますので、そうしたことを考えますと、やはり、何としても景気を回復し、そして所要の税収が確保できるような国の状況をつくり上げるというところに専念いたしていくべきではないかということでございます。  九六年にプラス成長になりまして、このままでいくか、こういうことでありましたが、これは我が国のことばかりでなくて、アジアにおける金融危機等が起こりまして、一遍にアジアも我が国もマイナス成長に陥ってしまったということ。これを何としてもプラスにいたしていくということが当初の目的であり、そのために財政につきましてはかなりの負担をお願いしておるわけでございますけれども、これが成果を得られていくということであれば、必ず、しっかりとした体制が整い、経済の成長が確保されれば、将来にわたって財政が再建できる道の一歩を踏み出せるのではないか、こう考えております。  と同時に、単に財政の収支のみならず、これを最終的にいたしていくためには、経済の構造をしっかり改革をするということが一面であるわけでありまして、これもしばしば本院でも御指摘をいただいておりますが、その点につきましても、政府としては、あわせて多くの政策を遂行しながら、日本経済を体質的にもしっかりとしたものにしていくということの中で、財政を安定化させていかなければならぬ。  しかし、今の時点で、かつて財革法が御討議され、その実行が行われてまいりましたが、行われようとする段階でこうした事態が生じておることでございますので、今しばし財政構造改革につきましてはこれをおくとして、景気の回復ということが最優先、そこに的を一本に絞っていくことが今の政府の方針でなければならない、このように考えておる次第でございます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 景気回復のために全力を挙げていこう、そういう姿勢をひとつ支持して、我々も一緒に取り組んでいかなければならないと思っています。  それから、今総理がおっしゃられたように、構造改革をやっていかなければならない。たくさんの公共事業が効率的に執行されなければならない。社会保障制度を改革していかなければならない。安全保障もきちっと整えていかなければいけない。多くの課題にこれから取り組んでいただくわけですが、既に平成十二年度では、構造改革に相当取り組んでこられたと私は思っております。  野党からは、小渕政権は構造改革は先送りであるという批判を受けてきておりましたが、決してそうではない。私は、科学技術の振興であるとか社会保障であるとか、ミレニアムプロジェクト三分野、情報化、高齢化、そして環境対応への重点的な配分がなされてきておりますので、そのあたりを本当はもっとPRしていただいてもよろしいのではないか。今私が申し上げた以外になお構造改革を進めておりますよということを、私は積極的にお話しいただいてもいいのではないかと思っておりますので、この際、御意見がありましたら、どうぞひとつ述べていただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 どうも財政赤字が六百四十五兆円、また、私が内閣をお預かりして以降百一兆を数えておるということが非常に喧伝をされますし、また、確かにそのことは軽々に考えるべきことでないことはしばしば申し上げておるとおりであります。  が、一方では、そうした財政の赤字を万やむを得ないこととして国債を発行させていただいておるゆえんのものも、一方では今青山委員御指摘のように、構造改革につきましても積極的に取り組ませていただいておるということでございまして、しかし、その成果というものは、なかなか単年度で来年この成果が生まれるというものでもございませんので、なかなかもってこのことの御理解を得ることが十分でないと反省はいたしております。  ただ、このことをやらないでおるかという御批判に関しましては、やはり具体的に申し上げれば、技術開発の活性化のためのミレニアムプロジェクト、あるいは企業関連諸制度の改革、産業再生法の制定、あるいは中小・ベンチャー企業の振興、中小企業基本法の改正、あるいは抜本的な規制緩和の実施、電力分野における大口需要家の小売供給の自由化、金融システムの改革、こういうものは順次適切に対応させてきていただいておるわけでございまして、今国会におきましても、技術開発の活性化に資する産業技術力強化法案、あるいは会社分割制度の創設のための商法改正案等を提出する予定になっておりまして、こうした構造改革というものを着実に実行しつつあるということは、ぜひ国民の皆さんにも御理解をいただき、その成果もあらわれつつあるものもある、こういうことでございます。  したがいまして、こうした構造改革が本当に実りあるものになってくるということになりますれば、日本経済がまことに足腰の強い経済に相なるということと相まって、日本経済における景気の回復における税収の確保とともに、日本経済はより安定的な、また健全化するものになっていくという自覚を持って、自信を持ってその対策に取り組ませていただいておるということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 ぜひ構造改革を進めていただきたいと思います。  昨年十月四日、与党三党の間で合意書が取り交わされました。定数削減などの点では立派な成果を上げることができたと思っております。しかし、まだその合意が実行されておらない分野がありまして、その一つが社会保障制度の改革であります。  介護保険制度については、高齢者の負担を軽減するために、半年間保険料にかかわる部分について実施しないということ、また、四十歳から六十四歳の人について、おおむね半年間、負担増を解消するため、国が医療保険者に財政支援を行うこと、これらの措置が決定されたことは、相当な成果だと私は思っております。  しかし、社会保障制度の改革というのは実はまだこれからでございまして、二〇〇五年をめどに、年金、介護、高齢者医療を包括した総合的な枠組みを構築していく、そのために必要な財源のおおむね二分の一は公費負担としなければならないこと、また、消費税を福祉目的税に改めること、その金額を高齢者医療、そして基礎年金、介護といった面での社会保障経費の財源に充てるということになっておりますが、私はこれをぜひ進めていかなければならないと思っております。  総理大臣は、総理・総裁として強いリーダーシップをとってこの改革に取り組んでいただきたいと思います。その意欲、決意をお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 先般の三党連立政権樹立に当たりまして、政治・政策課題の合意において、消費税を福祉目的税に改めることが政策課題として合意されておるところであります。政府としては、この合意を踏まえ、今後の具体的議論の進め方を含め、与党と緊密に連絡をとりながら、将来にわたる社会保障制度、安定的な財源の確保についてしっかり検討してまいりたいと考えております。  総裁としてということでございますけれども、三党合意につきまして、三党におきまして真摯にこの話し合いを進めております。今、総理大臣としてということになっての答弁にならざるを得ませんので、三党で合意を見て、そしてその上で、政府としてはそれに立脚をしての、これから具体的な法律並びにこの問題についての対処を考えていくべきであろうと思っておりますので、ぜひこの点は御理解いただきたいと存じます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 いま一点、安全保障の問題です。  政府が進めてきました有事法制研究を踏まえまして、あの有事法制研究の中の第一分類、第二分類のうちで、整備を急ぐべきものを特定して、早期に立法化を図る必要があります。また、第三分類においては、法整備を前提に検討を進めていく必要があるということになっております。さらに、PKOのうちPKF本体業務の凍結解除のために法的措置をとることも緊急の課題であります。そのほか、PKO訓練センターの誘致などの問題がありますが、これらの安全保障全般にわたる推進のために、総裁として、総理のリーダーシップをひとつぜひ発揮していただきたい、私はこう要望申し上げますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 安全保障をめぐる三党間の合意というものが存在をすること、十分承知をいたしております。三党間におきましてこの安全保障をめぐりましての基本的な合意があるわけでありますので、これがさらに、いつ、どのような形で国会にお示しをできるかどうかということになろうかと思っております。  もちろん、党の総裁として十分その責任は感じておりますが、これまた長い間の本院における御議論がございまして、その中でどのような結論を、PKFの解除の問題あるいは有事立法の問題等につきましては御提議していくべきかということにつきましては、十分、与党三党の考え方を受けとめながら、政府としては対処させていただきたいと思っております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて青山君の質疑は終了いたしました。  次に、横路孝弘君。

横路孝弘民主党

○横路委員 二〇〇〇年度予算案の審議も、衆議院、この締めくくり総括質問でということに、最後のところまで来ましたが、昨年の予算委員会、総理は十日ほど出席をされておられまして、総括で六日間、集中で三日、締めくくり総括一日ということで、七十時間十五分出ておられます。今国会は、きょうを入れまして三日で、十九時間ということなわけですね。  そこで総理にお尋ねしたいのは、国民にとって今一番大事なこの予算の審議、特に今、日本の社会はかつてなく不安が広がっております。そしてまた多くの国民が不満を持っている。四十代、五十代が一番大きな不安と不満を持っているという日本の状況になっております。  総理は、景気回復ということで何でもありということを旗印にやってこられたわけですが、こういう厳しい状況の中で、来年度予算もまた大変な借金をするわけであります。どんどんふえていっている。やはり今一番総理大臣として必要なことは、こういう日本の窮状といいますか、現状というものをしっかり国民に説明するということ、そして国民の理解を求める。今現状がどうなっていて、自分たちはどういう方向に向かって今政策を進めているのか、その方向性と内容を明らかにするということがやはりリーダーにとって一番必要なことだと思いますが、総理大臣、そこをいかがお考えですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 政治家たる者、特に内閣総理大臣としては、国民に向けて政府の考え方を明らかにするということは、これは至極当然なことでありまして、あらゆる機会を通じてその努力をいたしていきたいと思っておりますが、アカウンタビリティーという点において必ずしも、不十分であるかもしれませんけれども、精いっぱい努力をさせていただいておると思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 この予算委員会という場は、実は今日本の社会がどんな問題を抱えているのか、財政上、税制上どういう課題があるのか、どんな社会問題があるのか、やはり議論を聞いていますと、私どもでも、ああ、こういう点があるのかということを勉強させられるわけですね。非常にいい機会を総理は逃されたというように思うんです。  自自公政権ができて、ともかく数は物すごい大きな力を持っているわけでありますから、そんなの説明しなくても数で押し切りゃいいんだというようにお考えならば、これは非常に大きな間違いだと言わなくてはなりません。私は、そのことを申し上げて、質問に入っていきたいと思います。  まず、越智再生委員長の発言についてでございます。  総理は、越智委員長からは直接、この発言について、その内容等については聞かれたんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 発言と申されますと、同僚国会議員の後援会における発言のことでございましょうか。その点について、直接私はお聞きをいたしておりませんけれども、この予算委員会等におきましても、御本人から、質疑を通じて弁明をされておられる、その状況につきましては、私も院内のテレビを通じましてお聞きをいたしておるところでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 その越智委員長の発言は、どこが問題だというように総理、お考えですか。あるいは問題であると思うのか思わないのか。この発言を聞いてどのように思われましたですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 たしか越智前委員長は、そのときの御発言が適切でなかったということを御答弁しておったように承知をいたしております。

横路孝弘民主党

○横路委員 いやいや、任命された総理大臣として、この越智再生委員長の今回の金融関係者を集めての発言というのは、どう受けとめられたんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御本人が、不適切だ、こう言っておられるので、そう理解をする、こういうことでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 では、あの越智委員長の発言のどこが総理大臣としては不適切だと思われたんですか。それは、越智さんが不適切だと言っているから不適切だと思ったんですか。そうじゃなくて、あの発言そのものを総理としてどう受けとめられたのかと、任命権者なわけですから。そこを今聞いておる。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 お仕事の内容についてでありませんで、やはりマスコミその他、また本院でもいろいろと御質疑があったと思いますけれども、その当日の講演の中身において、いわば手心を加えるというような誤解を与えかねない発言があったということを、御本人が述べられておるということでありますので、そのことはそのこととして、確かに、そういうことがあったとすれば、好ましいことではないという認識をいたしたということであります。

横路孝弘民主党

○横路委員 問題は、信用組合などを集めまして、これから検査に入りますよということをまず伝えて、そして、検査が厳し過ぎると思ったら言ってらっしゃい、そうしたら十分考慮しますよと。言ってくるときには、そばにいた地元の代議士さんを通じて言ってらっしゃい、十分考慮しますよ、こういう発言なんですね。  この発言は、例えばもっとわかりやすく言いますと、大蔵大臣が企業を集めて、これから国税の方が検査に入りますよ、検査、厳しいかもしれませんよ、厳しかったら言ってらっしゃい、考慮しますよと言っているのと同じことなんですね。そこが問題じゃないんですか。そこがそもそも、金融再生委員会の果たすべき役割からいって、おいおい議論していきますけれども、そこが一番問題じゃないんですか、これは。  どうしてやめたんです、越智さんは。総理が何か責任を、越智さんとの間でもって話は全然しなかったんですか。どういう経過なんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御本人が、諸般の情勢を考えたのでしょう、辞表を提出されました。その過程におきましては、越智前委員長と官房長官が、その間の真意を十分聴取するということでお目にかかっておりまして、それが提出をされまして、そして、最終的に私のところにこれが届けられましたので、私としては、御本人のそうした意思を尊重しようということでこれを受理させていただいた、こういうことであります。

横路孝弘民主党

○横路委員 そうすると、任命権者である総理大臣として、この発言は極めて不適当であるという判断をされて、そして、越智さんに責任とってもらいたいということを言った結果ではないんですね、今度の辞表というのは。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 本人がそうした申し入れをいたしましたので、私としてはそれを受理した、こういうことでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理大臣としては、この越智委員長の発言というのは、責任をとるべき内容だと思いますか。そうは思わないんですか。総理大臣として、任命権者として、どうこの発言を受けとめているんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 発言をと言われますけれども、たしかここでもいろいろの御質疑があったと思いますけれども、そのことについて、越智前委員長としては、みずからの考え方で、いろいろの諸点があるのかと思いますけれども、そのことの考えで、少なくとも手心を加えるとか、後方で物を処置するとか、そういうことは言っておらないと、たしか御本人も弁明をしておる、こういうことでございまして、その後、国会の状況とかいろいろの御判断をしまして、御本人としては辞表の提出に至ったのだ、こういうふうに考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 この間のやりとりではっきりしたことは、要するに総理大臣として、この越智発言というのは金融再生委員会の委員長としてふさわしいものではないという判断は別にされていないわけですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 越智委員長が、私的な会合であるといえども、そこで御発言をされたことがいろいろ国民の皆さんにも誤解を与えかねない発言であったということは、これは確かだろうと思います。  しかし、そのことで本人が基本的にこの委員長としての職責を曲げるようなことはあったものではないということは、ここでもきちんと御本人から申し上げておるとおりであって、私は、任命権者としてはそのことは信頼をしておる、こういうことであります。

横路孝弘民主党

○横路委員 いや、だんだんに明らかになってきましたが、何より公正さが求められる銀行検査まで、自民党議員の口ききがあれば都合のいいようにねじ曲げますよというこの姿勢、これが今、国民の信頼を政治が失っている一番大きなところじゃないですか。  私は、いろいろな報道の中に、例えば森幹事長も、そんな変なこと言っているわけじゃない、面倒を見る精神は大切だなんという発言を新聞でされておられました。どうも自民党の皆さんの中に、まあこれは当然じゃないか、こういう空気があるのじゃないですか、総理。そこが一番政治不信の原因になっていて、そこを今変えなければいけないときにこういう発言が出てくる。やはり七〇%以上の大きな数を持っているということが言わせているのでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 数の問題は直接に関係ないと私は思いますが、御指摘のように、大蔵省が財金ともに責任を負っておったことにかんがみて、その反省に立って来年はいよいよ金融庁も発足するということに相なるわけでありまして、そうした意味で、金融監督庁が種々の調査を厳密にやっておられることについては、これは高く評価されておることだろうと思っております。  そのことにつきまして、この委員長は委員長としての権限を行使することにおいて、ここでも御議論あったようでありますけれども、政府としての見解が明らかになっておりますように、個人的にそういうことはできる立場ではないわけではあります。しかし、発言のそれぞれを取り上げますと、いかにもそうしたことができ得るのではないかという誤解をもし与えたとすれば、これは私は本旨にもとることだろうと思っておりますし、また、越智委員長も決してそのようなことを企図しておるとは私は思っておりませんが、しかし、発言の内容がいかにしてもそうした誤解を与えかねないということであるとすれば、これはある意味で大きな責任も、やはり一番金融監督という厳正、公正にやらなければならないことにまで及ぶというような印象を与えたとすれば、これは大変反省に値するものだ、こういうふうに考えておるわけでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 権限があるとかないとかという問題じゃないんですね。  総理も御承知のように、我が国は、ともかくこの金融危機から脱却しようということで、例えば預金の全額保護でありますとか公的資金の注入でありますとか、あるいは破綻した銀行の国有化といったようなスキームをつくって、そこに七十兆円というお金を準備しているわけですね。ともかく早急に、早くそういう状態から脱却をして金融システムを安定化させなくてはならないということで、金融再生委員会にも大変大きな権限を与えて、今日まで、担当した職員の人たちは努力してやってきたわけですよ。  この再生委員会ができたのは何かというと、やはり一つは大蔵の不祥事があったからですね。大蔵が金融機関との間にいろいろな癒着が生まれてきたというので国民の不信が高まって、分離していこうじゃないかということで生まれたんですね。だから、何より求められているのは何かというと、公正なルールと、そして厳密な、透明化された、だれにでも見える検査ということが一番大事なんですね。  その一番大事な中核のところを越智発言は踏みにじったんですよ。これほど信頼を喪失したことはないですよ。国際社会にだってどういうように説明するんですか。日本の金融検査というのはこういうものだ、こんなものなのかというようにしか評価されませんよ、総理。これは総理大臣です。総理、お答えください。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御指摘されておることを私は否定するつもりはありません。やはり公正なルールに基づいて透明ある行政をきちんとしていかなきゃならぬということは、これは全く横路委員と同じ気持ちであります。  また、そのために営々として金融監督庁も努力をしつつあるわけでありまして、そういったことについて委員長として、私は行政の責任者としては適切に対応してきたと思いますが、そのことと、その御本人が会合において御発言をされたことは、今お話にありましたように、国際的にもまた国内的にも、しっかりこれを進めておることについて非常に誤解を与えかねなかったということにおいては、このことは事実でありまして、そのことは大いに反省していただかなければならないというのが私の考えでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 この信頼回復のために、総理、どうしたらいいんですか、海外に対してだって。ちゃんとやらなければいけないと思いますよ。これは総理の責任です。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 そういう発言も含めて、御本人が辞表を提出され、そして受理したわけでございますが、したがって、谷垣新委員長を直ちに任命することによって、本人の努力もそうでありますし、また政府としても、そうした誤解が国際的にも国内的にも払拭のできるように最大限努力をしていくということに尽きると思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 こういう発言がありますと、越智大臣のもとでのさまざまなとられてきた措置、長銀、日債銀の処理の問題、あるいは、さまざまな金融機関に対する検査というのは一体どんな検査だったのかという、やはり国民の不信は高まるばかりなんですね。  私は、この際、金融問題について総括をしっかりすべきではないかというように思います。  つまり、今までどんどん税金を投入して金融機関を救済してきたわけですね。金融システムを守るということを大義名分にして、余り責任は言わないで、ともかくやろうということでやってきた。その結果、やはりいろいろな問題と不信感が出てきているわけですね。  金融問題といいますと、金融不祥事の始まりは富士銀行の不正融資事件でございます。これも明るみに出て、二千億以上の不良債権があった。この経過、経緯というのは一体どうなっているのか。あるいは、この間の幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行、こういう倒産の経過と大蔵省などの関与あるいは指導というものがあったわけで、そういう行政指導の是非というのはどうなんだろうか。長銀、日債銀の破綻ということで、例えば日債銀についていろいろな議論を今日までしてきました。しかし、これは責任をとった人はだれもいないわけです。そういう経過というのは行政サイドになかったんだろうか。そして、長銀、日債銀の今日の処理についてもトータルで七兆円以上なぜかかったんだろうか。  こういった金融問題について、どうも私どもは、最後まで詰めてしっかり総括をして、何が悪かったのか、何が間違っていたのかということをはっきりさせながら今日まで来ていない。何となく大変だからというので、わっとお金を投入してやってきたということが、ここに来て、例えばいろいろな問題になってあらわれてきているんじゃないか、このように思います。  総理に、この金融問題について、こうやってやってきたというのは、これは経過をたどると事実なわけでございまして、その辺の総括をやはりこの際一度はっきりすべきではないかというように思いますけれども、いかがでございますか。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○谷垣国務大臣 先ほどから横路委員が言っておられますように、今は金融秩序が非常に大事なときでございますから、私も、今おっしゃったような透明性、それから公正なルールのもとで透明に行政を展開していくということを、折に触れて、あらゆるときに強調をして、目的を達成していきたいと思っております。  そして、今横路委員は、今までの処理の経緯に疑念が生じているというふうにおっしゃいました。過去の経緯を振り返ってみますと、そのときそのときのセーフティーネットのでき上がりぐあい、いろいろなことがございまして、そのときそのときに当事者は一生懸命努力をしてきたのではないかと思っております。  そして、一昨年の金融国会で、私が今おります金融再生委員会というものもつくっていただきました。これは、国会の中で、与野党で真剣に議論をしていただきまして、そして、こういう合議制の中でオープンに議論をして透明にやっていこう、独任制の官庁よりもこういう合議体の官庁がよいのではないか、こういうことでつくっていただいたわけであります。  その間、大変な御努力で処理が進んできたわけでございますけれども、今は大事なときでございますから、私どもも、できるだけ結果も出しながら、堂々と議論をしながら進めていきたい、このように思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 ともかく、我々、日本の行政、政治の中で、やはり過去のそういう総括、区切りをつけるということが、どうもしっかりしない、あいまいに済ませてしまうということは、やはりあるように思います。  特にバブル崩壊以後、金融システムをしっかりさせるということが最優先課題だったわけですけれども、それがなかなかこれずに、九八年にようやく一定の方向性を出したということでありまして、先ほど私が申し上げました幾つかの金融機関、これについてももう大変な税金を投入しているわけでありますから、一度しっかりそういう総括をすべきだと私は思いますが、総理大臣はいかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 一遍にと言われましても、総括といいますか、常にこの金融二法に基づいて、あのときの日本の金融システムリスク、いかに国際的信認をかち得ていくかというためのことを、先ほど委員長からも御答弁いたしましたが、本当に、与野党ともに力を合わせてそういう法律をつくったわけでございますので、しからば、その法律に基づいてどのような対応を金融監督庁並びに金融再生委員会としていたしておるかということについては、もう申すまでもないことですが、常々レビューし、総括していくということは、これは当然のことだろうと思っております。  その手法、そのやり方等については、委員長が十分心得て対応していただけるものと信頼をいたしておるところでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 次に、財政問題について御質問をいたしたいと思いますが、総理はたびたび、二兎を追う者は一兎をも得ずということを言われて、ともかく景気回復がもう最重点だということで、借金も随分ふやしながら今日までやってきたわけです。  その結果どうなったのかというと、残念ながら、まだこの国の行き先というのがはっきりしてこない。不安はむしろ拡大をしています。不満も強くなってきているということなんですね。どうも、何でもありという旗のもとで、行き先を知らない漂流船に国民は乗せられているというような状況に今日あるんだと思うのですね。それは何かというと、やはり状況についての説明が足りないからだと思います。  私は、どうも一兎をも得ないのではないかということ、これがこれからの私の質問のテーマでございまして、二兎をしっかり追うことが大事だと。もう欧米では、財政健全化が経済を好転させるという考え方がある意味では定着しているわけです。日本の財政赤字がふえることにも非常に心配がされ、先日も、G7のときにもいろいろな発言がヨーロッパの諸国からあったというように伺っております。  そこでまず、総理に基本のところでお尋ねしたいのですが、二兎を追うという、二兎というのは何と何というようにお考えなんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 一つは、言うまでもありませんが、現下日本経済を再生し、そして景気を回復し、でき得べくんば成長率も一%あるいは二%、将来においては、こう考えておることが一つであります。  一方のウサギといいますか、それは、一兎は、言うまでもありませんが、財政再建を実現していくということでございまして、財政再建を実現していこうとすれば、どうしても予算の編成上、税収でこれを賄うことができないとすれば、当然のことながら国債を発行し、これは財政再建にたごうことになると思いますが。  このいずれも同じ時期に実行しようということは極めて不可能に近いことでございまして、さすればゆえに財政構造改革法も凍結をさせていただき、その議論はたしかこの数年、この財革法を成立させる時点からも野党の皆さんからも強い御指摘があったことでございまして、簡単に申し上げれば、言うまでもなく、財政再建と経済再生、景気回復、この二兎を追うことが極めて困難であるということを申し上げておるところでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 財政再建のためには、財政構造改革が必要なわけですよね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 この前もたしか委員と議論したと思いますけれども、財政構造改革というものは、これは財政再建をいたしていく場合に必要なことだろうというふうに思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 いや、既に本会議での答弁でも、二兎というのは、一つは景気回復、一つは財政構造改革なんだと御答弁されているんです。  ただ、先ほどのように、何か収支バランスをとることだとかいうように話がなりますと、少しぶれていますので、基本のところはやはり、財政の構造改革をしっかり行って財政再建をするということなんですね、総理が言っているその二つのうちの一つは。それをちょっと確認しておきます。よろしいですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 委員会の御審議で申し上げてまいりましたんですが、財政構造改革がなければもちろん今の財政の状況は直りませんし、実はそれは財政の構造改革だけでなくて、もちろん税制も、中央、地方の関係も、社会保障についての負担と給付の関係とか、二十一世紀初頭の日本の経済社会の大半の問題を巻き込むような改革がどうしても前提になりませんと、財政だけが格好よくなるというわけにはいかないのではないかということを私見としてこの委員会では何度か申し上げてまいりましたが、私はそんな感じがいたしております。

横路孝弘民主党

○横路委員 私も、財政というのは歳入歳出ですから、結局は何かというと、税制改革が必要でありますし、行政改革、それからやはり公共事業と社会保障の改革をどうするかということが、財政再建のためにどうしても議論をして、新しい方向を見出さなければいけない課題なんですね。  総理、その認識はあるんでしょう。いや、今大蔵大臣が答えられた。大蔵大臣はここでずっと出ておられて、一生懸命御答弁されておりましたから、十分聞いて、大蔵大臣のお考えはわかるんですが、総理大臣が、ずっと今まで、二兎を追う者は一兎をも得ずと、何だかわかったようなわからぬような話をしていますが、もう一つは、今言ったように、やはり歳入歳出全般についての基本的な改革課題、それをもう一つの一兎だというように理解してよろしいんですね、総理。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 財政構造改革ということについての概念の規定について、今委員から例を挙げてお話をされました。  行革もあるし、また税制改正もあるし、社会保障の問題等もあるという意味では、財政構造というものを常に考慮しなければならぬということは、そのことは認めておるわけでございますが、同時に、財政改革とおっしゃられるのは、ごく簡単に言えば、現下、地方、国が持てるこの大きな財政赤字というものをいかに解消するかということでございまして、そういうことを目標にして、今具体的な政策をそれぞれ打ち出していくということは、心理的にも非常に大きなもので、一方で財政が支出を抑えていくということは、一方では、今公共事業をいたしまして下支えをしておるこの景気回復に大きなインパクトを与えかねない、マイナスインパクトを与えかねないという意味で、二兎を追うことは困難であると申し上げておるわけでございます。  今財政構造の概念を規定された幾つかのテーマについて、これを常々問題として考慮するということは、当然、政治の立場でいえば、このことを無視して、いたずらにただ国債を発行していけばいいというものでないことは言うまでもないものだと考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 まさにこれからそこをちょっと議論したいと思うんですが、その前に、まず景気を本格的な回復軌道に乗せることということで、今、経済成長率一%から二%ぐらいというお話をされました。  総理は、昨年の施政方針演説で、この九九年度というのは景気回復元年にするんだということを明らかにされておられます。そうすると、総理の景気が回復軌道に乗るというのは、成長率が一、二%というようなことを想定されているわけですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 象徴的には、経済成長率というものが一番わかりやすい指標であるというふうに私は考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理は、施政方針演説の中で、アメリカのケースを引用されまして、要するに、アメリカで本格的な景気回復があって財政というのは黒字に変わったのだ、こういうことを述べられておりますが、間違いございませんですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 そのように述べさせていただきました。

横路孝弘民主党

○横路委員 日本とアメリカと今比較してみますと、アメリカで例えば国債依存度のピークというのは大体二〇%台なんですね。来年度の日本の予算はほぼその倍、三八%を超えています。それから、GDPに対する国と地方の債務残高も、アメリカの場合ピークで六三・四%、日本はもうほぼその倍ということになっていますよね。ですから、非常に日本とアメリカはフローやストックの面で違うわけです。そういう赤字を抱えている日本の財政を再建するのに、景気回復ということだけではこれはもう不可能だというのが、先日示された中期財政試算の言わんとする結論だというように思うんですね。  総理、これは景気が回復して、一%だろうと二%だろうと三%だろうといいわけですが、先日の大蔵大臣の御答弁ですと、三%成長でも自然増収というのは、せいぜい一兆四、五千億ぐらいかなというお話をされました。そうすると、今八十五兆の歳出に対して三十兆を超える国債を発行している予算ですよ。毎年一兆四、五千億ずつふえていったって、その分ますます、どんどんどんどんふえていくばかりなんですね。  つまり、景気が拡大したからといって、日本の財政というのはむしろ悪化するばかりで、その悪化の度合いは減っていくかもしれませんが、解決することにはならないということ、これは先ほど自民党からの質問にもそういう意見がありました。  これはもう大体みんなが共通に認識していることだと思うんですが、どうも総理一人、この施政方針演説でアメリカをわざわざ引用しているところを見ていると、そういうのと違った認識をされているんではないかというように思いますが、景気が回復、今総理がおっしゃられた象徴的にという言葉を、大蔵大臣のアドバイスでつけられましたけれども、いずれにしても、成長率一、二%になっても、問題は何も、基本のところで財政問題でいうと解決しないというのははっきりしていると思うんですけれども、いかがですか。  いやいや、これは総理。大蔵大臣の意見はわかっておりますから。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 中期展望のお話がございましたので申し上げますが、確かにあれは一つのプロジェクションではありますけれども、金利が高くなるとか社会保障の水準が高くなるであろうとかいろいろ考えますと、景気が、成長率が多少上がりましても、なかなか公債の発行というのはやめられない、そういうことを確かに意味しております。  したがいまして、多少成長率が上がりましても、先ほど横路委員も言われました、私も申し上げました、諸制度の改革が行われませんと財政だけがよくなるということはなかなか難しい、そういうふうに考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 大蔵大臣の言うとおりなんですよ。総理、そうなんですよ。それは同意されますね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 試算によればそのように大変厳しい状況である、こういうふうに認識をいたしております。

横路孝弘民主党

○横路委員 アメリカの連邦財政収支という資料をお渡ししてありますが、ちょっと見ていただきたいんです。一九八九年と一九九八年の数字を見ていただきたいんですが、歳入で二%増ですね。大体、アメリカのGDP一%を十兆円として、二十兆円の歳入をふやしているわけです。そして、歳出の方を見ていただきたいんですが、歳出の方は二%近くカットしているわけです。つまり、歳入をGDP比で二%ふやし、歳出の方は落とすということをやったわけです。  つまり、レーガン政権というのは、基本的に減税と、そして軍事予算をふやしましたから、歳出増になったんですね。むしろ赤字が激しくなったわけで、その後、ブッシュ政権、クリントンと、むしろ増税政策をとって歳出カットをするという政策をとってきたわけです。それが、この八九年と九八年の比較を見るとはっきり出ているんですね。  今大蔵大臣からもお話ありましたように、景気回復だけではやはり問題解決しない、構造改革がどうしても必要だ。だから、それはみんなの共通認識ですよ、ある意味では。それをちゃんと議論するということは必要じゃないですか。  このアメリカのを見てどう思いますか。アメリカというのは、歳出増を図り、歳入増を図りながらやってきたわけです。もちろん、そのベースには、情報革命をベースにして情報産業が進んできたということがあるわけですけれども、形はこういう形なんですね。総理、いかがですか、これは。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 アメリカの財政についてちょっと説明させていただきますと、アメリカの財政は今プラスになっておりますので、最高の赤字と現在と比べますと、GDPで六・一%ぐらい改善しております。そのうちで歳出カットで改善したものが五一%、約半分でございます。それから歳入増加で改善したのが四九%、約半分でございます。  そして、その中で、どういうような要因で歳入がふえたかと申しますと、景気がよくなったというのが約三割、それから、増税したというのが約一九%であります。それから歳出のカットは、ほとんどが構造要因、つまり歳出カットでございますが、軍事費を削減したのが約三割、それから社会保障等が一割強というような形でなっております。したがって、委員御指摘のように、財政改善の約二割の増税がありました。しかし、それは非常に短期でございまして、今減税が既に議論されている段階でございまして、そんなに長期のものではございませんし、全体としても二割でございます。  日本の場合も、景気が改善しただけではなかなかよくならない。大蔵省の試算にございますように、長期金利と名目成長率の関係が、本当に大蔵省が機械的に考えているとおりであるかどうか。七〇年代には名目成長率の方が高い時代もございました。  また、不況から脱出するとき、これはアメリカの例を見ていただいてもよくわかるところでありますが、大蔵省の方では、長期的な数字をとりまして、ずっと租税弾性値が一・一。一%経済が成長すると税収が一・一%ふえるという、これは長期的にはそんなものでございますが、アメリカも、脱出のときにはやはり一・五とか一・四とかいう数字になっております。日本も、景気がよくなるときには、法人税等今非常に下がっておりますから、これがはね上がるときもございます。したがって、大蔵省の出しております中期展望というのはあくまでも機械的な計算の結果でございまして、それがそのとおり確定論的になるとは限りません。  アメリカでも増税はなかったわけではありません。ありましたけれども、それほど大きくなかった。歳出カットも非常にたくさんやりました。これがまさに委員のおっしゃる財政構造改革だと思いますが、あらゆる手を使って財政は経済が立ち直った後に改善していかねばならないこと、御指摘のとおりだと思います。

横路孝弘民主党

○横路委員 いやいや、最後、御指摘といったって、そんなことは私は言っていませんよ。経済が回復してからやるべきだという話ではありませんよ。両方やるべきだという話をしているんですから、そこを間違えないでいただきたいというように思います。  その両方をやったんです、アメリカも。結局、最初は大幅減税と軍事予算をふやした。日本でも、大幅減税と公共事業予算をふやしたということをやったわけです。レーガン大統領と同じことをやられたわけです、小渕さんも。しかしその結果、赤字がふえていって、どうしようもなくなったので、どうするかと。ベースとしては規制の緩和という大きな流れの中で、情報関連の産業がぐっと立ち上がっていくということももちろんありました。  しかし同時に、もう一つやったことは何かというと、歳入をふやすことと歳出をカットすることだったんですね。だからそこを、今小渕さんの言うように、二兎を追う者は一兎をも得ずといって目をつぶって、これでどんどん先にいつまで行くんですか。先に行けば行くほどコストは高くなるんですよ、コストは。  だから、最近は、国民の中に三つの不安と言われている。雇用不安と老後の不安に、もう一つは増税の不安。これからどうなるかわからない、この不安が貯蓄をますますふやしていっているんですね。  総理、どうですか。一体、この一、二%というのは、大体、いつになったら財政構造改革の議論をするんですか、総理。これは総理に聞きます。総理。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 財政構造改革は、先ほども委員の御指摘もあり、こうした概念で考えろということ、すなわち、行革の問題とかそういうことは常々やっていかなきゃならぬと思っておりますし、そのことは、行政改革によりましていろいろ省庁再編を含めまして努力はいたしていくことは、これは至極当然のこととしてやっておるわけでありまして、これを二者択一と申し上げておるわけじゃありません。  先ほど申し上げましたように、財政赤字というものを解消するための財政改革、法律をもってしてもこれを行うことについて、そのことを、今、再びこの法律を適用するということではあり得ないということを申し上げておるということです。

横路孝弘民主党

○横路委員 先ほど象徴的には一、二%というお話がありましたが、ことしの施政方針演説で、「我が国経済が低迷を脱し、名実ともに国力の回復が図られ、それにより財政、税制上の諸課題について将来世代のことも展望した議論に取り組む環境を整え、その上で財政構造改革という大きな課題に立ち向かう」という、これはどういうことですか。これは去年と全く違うんですね。去年は、景気が回復したらちゃんとやりますよという、単純明快な施政方針演説だった。  今回は、経済が低迷を脱し、一、二%になっても、国力の回復が名実ともに図られというのは、これは総理大臣、どういう意味でこの言葉を使われたんですか。どういう意味なんですか。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 宮澤大蔵大臣。

横路孝弘民主党

○横路委員 いや、委員長、これは総理に。総理の施政方針演説だ。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 宮澤大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 昨年は、景気……(発言する者あり)昨年の国会の主たる御議論は、不況からの脱却でありました。どうやって不況から脱却するかということが主な御議論でございましたから、総理の財政についてのお話もああなっておりますが、ことしは進みまして、どうやってこの財政構造、財政を直すかというお尋ねが多うございましたから、したがいまして、総理としても、それだけ具体的に、今横路委員が言われましたような表現をされたわけでございます。  つまり、政府としては、何とか財政の改革をしたいが、そのエネルギーは国民経済から生まれるしかほかはございませんので、経済がマイナス成長を続けておっては何を言っても絵にかいたもちでございますから、まずそのエネルギーを回復しなければならないということを言っておられるわけでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理、国力の回復が図られというのはどういうことですか。大きな借金を抱えている国は、国力が回復した国と言えるんですか。借金なんか、そんなに簡単になくなりはしないですよ、どんどんふえるばかりですから。国力の回復が図られというのはどういう意味ですか。それを財政構造改革の議論の前提にしたんですよ、これは。どういうことですか、国力の回復。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 国力というものをトータルとして考えれば、それは経済成長によってあらわされるGDP、こういうことになるんだろうと思います。

横路孝弘民主党

○横路委員 そうすると、ここの「我が国経済が低迷を脱し、名実ともに国力の回復が図られ、」云々というくだりは、要するに景気の回復だというように理解してよろしいわけですね。去年とそういう意味では変わりないと。  去年の施政方針演説はどういう演説かといいますと、私は、財政構造改革という大変重い課題を背負っていると痛感しています、日本経済が回復軌道に乗った段階で、財政、税制上の諸課題について、中長期的な視点から幅広くしっかりした検討を行って、国民の皆さんにあるべき姿を示しますというのが去年の施政方針演説ですよ。  ことしになっていろいろなものがくっついて、これだったら何年先のことかわかりやしないですよ。そうじゃなくて、これは去年と基本的には変わりない、こういうように理解してよろしいんですね。成長率が一、二%になった段階で、財政構造改革の議論をちゃんといたしますということでよろしいんですね、これは。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 大筋として昨年とことしに変わるものはありません。  ただ、よりわかりやすくお話を申し上げようと思っていろいろの用語はつけ加えておると思いますが、要は、日本経済を本当にプラス成長に持っていって、GDPをしっかりとした数字にあらわせるようなことにしていくということがすべてでございまして、それに全力を挙げていくということです。  将来の計画、こうおっしゃられるけれども、横路さんにしても、十年、二十年後のことを想定するということは無理だろうと思います。今いかにいかなる政策を講じて、少なくとも成長率をマイナスに置くなんということは、これが何年も続くわけじゃありませんので、何としてもプラス成長をするためにあらゆる手法を講じて、予算も、大変申しわけありませんが、財政も厳しい状況でありますが、財政出動もさせていただきながらこれを実現していこうという強い意思をお示し申し上げたというのがその演説の内容でございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 わかりやすいどころかわかりづらくなっています。  そこで、いずれにしても、先ほど、改革は必要だ、行政改革だとか税制改革というお話がございました。例えば税制改革について、では総理は、今どういう改革が必要だというようにお考えですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 税制改革につきましては、この内閣としては、既に御案内のように法人課税、所得課税を引き下げさせていただきましたが、このことは、財政の面からいいましたら、それぞれ経済が動いていますけれども、おおよそ年間五ないし六兆円の減税をすることは財政的には減収になるわけでございます。  それを引き続いて行っておるということでございまして、こうした大きな税制改正を引き続いて実行していくということも、これまた景気を回復するための手法としてでありますが、同時にまた、やはり国際的な税率の彼我の間の大きな隔たりというものが、国際社会において資本の移動その他が行われるということで、こうした各国とほぼ横並びにいたしておるというようなことも、これまた税制改革として引き続いて行っておるところでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理、日本政府は小さい政府だと思われますか、大きい政府だと思われますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 横路委員から小さい政府、大きい政府の概念をよくお聞きしませんと、御答弁できかねると思うんですね。  単純に小さいとか大きいとかということを説明することはなかなか困難でありますが、要は、常に財政が膨らみ、あるいは人件費が、公務員の数もふえていくというようなことになれば、大きい政府になっていく方向であるということは、一般論的にはそのとおりだろうと思っています。

横路孝弘民主党

○横路委員 俗に、日本政府は大きい政府だから小さい政府にすべきだという議論をみんながするわけですね。  大きい政府という面は二つあると私は思っています。  一つは、中央省庁の持っている許認可権ですね。これは今もう毎年毎年ふえていっています、総理。一万一千件を超えてますますふえていっているのですね、この許認可。それからもう一つは、やはり公共事業です。GDP比でいって、諸外国との比較で、先進国でこんなに高い国はない。この二つが、日本政府が大きい政府たるゆえんの二つのポイントですね。  あと、今の租税負担や社会保障負担はどうなのかというと、ちょっとお手元の資料を見ていただきたいのですが、一つは「租税負担率の内訳の国際比較」というのと、「一般政府財政収支、債務および利払費の国際比較〔対GDP比〕」という、二枚入っています。  租税負担率の内訳の国際比較は、そこにあるように、アメリカなどよりも低い負担。これは国民所得比ですね、低い。つまり、こういう面でいうと、日本政府は今先進国の中で一番小さい政府なんですね。  一般政府財政収支のOECDの資料も見ますと、経常収入、これは税だとか社会保険なんかの負担、あるいは印紙そのほか全部入っているようですが、これも九八年見込みでいいますと、もうアメリカよりも小さい政府になっているわけですね。  だから、大きい小さいということをよく議論しますけれども、大きい部分とちっちゃいところがあるわけですよ。だから、まずやはり、その大きいところを少し小さくしなきゃいけないというのが課題の一つですね。あと、小さいところをどうしていくのかということは、これからの財政構造改革の中でどう考えていくのかということであります。  要するに、この間減税をして消費を喚起しよう、減税をして企業の活動を活発にしようということでやってきて、しかし、どうもその政策が今の日本の経済構造の中で的がしっかり合っていた政策では必ずしもなかったということだと思うのです。その結果、こういう状態になっているということなんですね、総理。  だから、大きいところをまずとりあえずはできるだけ小さくしていくということが必要だと思います。租税負担などについてはこういう状況になっているわけですね。この点について総理、どのように受けとめられますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 今、租税負担は、横路委員のおっしゃるように統計上低くなっておりますけれども、それは、一つの大きな原因は、毎年国庫が収入不足を生じておるからでございます。つまり、毎年の国会に提出いたしました租税収入というものが歳入欠陥をずっと続けて生んでおりますので、それが結果として、けがの功名というのは変な言葉でございますが、租税負担がGDPベースでは小さくなっております。これは、もう少しちゃんと税が取れておりますと、大きくならなければいけない問題でございます。  もう一つは、御存じのように、社会保障の給付のレベルが決まらないものでございますから、これは恐らく低く決まることはなかなか難しいだろうと思いますので、社会保障負担も大きくなっていくと考えなければなりませんので、ただいま合計の三五、六%というのは、一見いい数字でございますけれども、実際はそういう二つの理由に基づく部分が多いのではないかと思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理、どう受けとめますか。  日本政府、大きい政府の、ほかに比べてはるかに大きいところと、それからこの経常収入をごらんください、アメリカやイギリスよりもずっと下がっている、そういう状況になっているわけですね。この結果についてどう受けとめますか。  厚生大臣には聞いていない、どうぞ、総理大臣。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 各国の国際比較について、せっかく資料を読んで御提起されておりまして、その中では、今委員が御指摘されましたように、それぞれの部門においての各国比較で大きいものもあれば小さいものもあるということは、この図表の指し示すところであります。  なお念のため、社会保障の関係の費用も、さっきの大きい政府ということの関連性からいえば非常にあるのじゃないかというふうに私は思いますけれども、これも一つの要素として考えていくべきものがあると思っております。  それから、内容にわたってなんですけれども、個人所得課税とか消費税の負担率が非常に低いのが我が国の特色であるということを、このまま書いてありますが、これはこのとおりだと思っています。

横路孝弘民主党

○横路委員 それで、税制なんですが、やはり将来に向けて今から議論をしなければいけない点、たくさんあると思うんですよ。例えば総合課税にするために納税者番号制度という議論、従来からあるわけですね。こういうところは、何も景気が回復してそれから議論をするというんじゃなくて、今からやはりしっかり議論をしなければいけない課題なわけですよ。消費税だって、前からある逆進性という問題があります。では、逆進性をどう解消するのかというような問題も、それはちゃんと議論できるわけですよ、今。何も景気回復を待ってからやる必要のない問題があるんです。税制なんかそうじゃないですか。  だから総理、その基本的なところを議論を始めましょうよ。いかがですか、これは。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 重要なテーマでございまして、この点については、恐らく与党といたしましても真剣に今それぞれの部会等で検討を始めておるわけでありますが、結論的に、しからば租税をどこに求めるかということについて、今そのことを明らかにするということは、財政再建の意味からも、申し上げることはなかなか困難だろうと思います。  しかし、議論としては、いろいろ専門的な立場で御検討しておることはこれは事実でありまして、これから、そのことをもって常に勉強し検討し、いずれ将来の姿というのをいかに描いていくかということについては、責任ある政党としては当然なしておることだと思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 先日、大蔵大臣が海江田議員の質問に答えて、個人の所得税の課税最低限度を——非常に高い水準ですね、国際的に見ても。そこで、私も同じ意見なんですけれども、できるだけ国民は、企業もそうですが、広くやはり税は負担をして、そのかわり、所得の低い人のところには政策がちゃんとそこをバックアップする、支えるという仕組みをつくるべきだというように思っているんですね。それで、大蔵大臣は、所得税の課税最低限度をもう少しやはり下げた方がいいと個人的には思うという御発言をなさいました。  今総理も、これを見て、個人の所得税と消費税という二つにちょっと言及されたわけでございますけれども、消費税は先ほど言った逆進性の問題がある、所得税についてもどうするか、その辺のところの議論をちゃんと政府としてもしっかり始めたらどうですか。  もちろん、我々も、民主党の党内で税制調査会をつくってずっと議論をしていますが、やはりそれをやらないと、景気が回復してからやりましょうというんじゃ、議論は今から始めないといけない。議論すること自身が、何か景気の足を引っ張るというようなお話がありましたが、そんなことはありませんよ。むしろ国民は、どうなるかということを国民の方がよく知っていますから、心配になっているんです。不安が増大しているんです。それが全然消費が拡大しない大きいところなんですよ。  やはり総理、今から議論すべきだと思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それを言ってくださることは、そういうお話がありますことは、私としては、非常にある意味でまじめな御提言だと受け取っております。  ただ、例えば所得税の課税最低限、いかにも高いと存じますし、私見としてそう申し上げましたが、それを下げるといたしますと、その際の、社会保障はどれだけくれるのかとか、国のその他の問題はどうなっているのかとかいうことがございませんと、国民の受ける側としては、ただ納税者の数がふえるというところだけを受け取られると思いますので、どうしてもやはりほかの問題と関連してでないとその問題が提起しにくいということも御理解いただけると思うんです。

横路孝弘民主党

○横路委員 だから、それをみんなトータルにやればいいんですよ。  私、先ほど四つ必要だと言いました。行政改革と税制改革と公共事業の改革と社会保障の改革、この四つがやはりベースなんですね。そこのところはやはりいろいろ議論をしてちゃんと説明しないと、何の説明もなく、ともかく借金ばかりふえているから、みんな心配になっているわけですよ。消費なんか絶対ふえませんよ、今の状態ですと。  総理、どうですか。今大蔵大臣が言ったように、税制を含めてやはりどうするかという議論を今やらなかったら、これは、一年先、二年先になればなるほど国民の負担というのはふえていくんですから。そう思いませんか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今御指摘をいただきました四つに絞られましたけれども、こうしたことについては、当然のことながら、政府も与党も真剣に勉強させていただいておるということでございます。  ただ、税についてだけ申し上げれば、国民の持てる資産と国家の財政との関係で、いかに税率を考えていくかということは極めて大きな問題でありますし、そこに入ってまいりますと、今、景気を回復しようということで少なくとも消費を拡大する、そういうためにいろいろな影響も高じてくるということだろうと思います。  確かに御指摘の、ちょっと数字を最近見ておりますと、二十代、三十代の方々の貯蓄率が高まっているのですね。こういうことも、将来に対する不安もなきにしもあらずということであると思います。  が、一方また、課税最低限についてはかなり、若い人たちが税負担なしでおられるということでありまして、一方、今度こういう人たちが、電気通信の関係でいえば、通話料その他を多く支払っておる世代に相なっておるということでありまして、もろもろ、いろいろな形で検討させていく必要があることは事実です。  それは、今消費税のことを申し上げる段階ではありませんけれども、社会保障の増加とともに税率を逐次変えてきたドイツの例などもあるわけです。社会保障制度においていろいろな優遇措置を講じていくということとともに、必ずVATについても税率を引き上げていくという論議をされながら来たドイツの例もあるわけであります。が、しかし、現下日本においては、そうしたことをとり行うことは好ましいことではないということで、研究は十分いたしてまいりますけれども、今の段階でこれを実行するということは、ますますもって景気を引き上げることにマイナス要因になるということはいたすべきではない、こう考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 実行する前にまず議論をして、国民的な合意を得なければいけないわけですね。それにも時間がかかりますよ。  ですから、例えば税制でいいますと、資産課税とか消費課税、所得課税あるのですが、いつもばらばらに議論していますが、やはりこれなどもまとめて、そして、できるだけ公平で透明な、しかも簡潔な税制にはどうしたらいいのかということですね。しかも、納税者番号制あるいは総合課税といったいろいろな課題があります。あるいは、サラリーマンも申告課税、申告して課税するようにすべきではないかというような議論もあります。そういう議論を大いにやって、やはり議論をしていくということが税制度についても必要だと思うのですね。  総理、今やるかどうかは別にして、議論をしっかりやって準備をするということは、これは否定されないでしょう。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 究極はそれこそ国家財政も黒字になっていくということでなければならないということは、これは目標とすべき大きなテーマである。そのためにいろいろな角度から検討をするということは当然のことでありまして、今横路委員が御指摘をされましたような諸点も今やっておりますけれども、さらに加えて、将来の方向性についても、これが国民に理解を求められるような形でいかなることができるかということについては、さらに積極的に検討いたしていくべき課題だ、こう考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 きょうは議論はしませんけれども、本来、もう一つ大事な社会保障改革も、抜本改革、抜本改革と言われながら、政治的な圧力に負けて、そしてまた既得権益を持っている団体等、冒頭の発言じゃありませんけれども、そういう選挙の関係もあるんでしょう、ともかく本来やるべき筋道から全然外れた方向に行ってしまっているわけですね。だから、そういうところをちゃんと、本筋の議論を社会保障制度改革などについてもやらなければいけないというように思います。  それで、質問、次の点に移りますが、総理は、片時も財政構造改革のことは忘れていないと施政方針演説の中で言われていますが、どうも忘れているんじゃないか。来年度予算を見まして、例えば肥大化した財政支出を徹底的にスリム化するということでいいますと、例えば補助金がどうなったのかというのを来年度予算で見ますと、補助金は地方自治体がほぼ八割でございますが、地方自治体、それから特殊法人、民間団体、それぞれ、地方自治体がプラス二・九、特殊法人がプラス三・二、民間団体がプラス一〇・七ということで、補助金がふえているのですね。  私は、これからの行財政改革の中で一番大きいのは、やはり補助金の問題だと思います。  例えば、市町村の仕事の、日常業務の三〇%というのは補助金の申請業務なんです。これをどれほど減らしていくのかということは大変大事な課題なんでありますけれども、どうもそこのところが十分来年度予算を見ても行われていないということです。  地方分権推進委員会が行いました勧告に基づいて、公共事業について若干の統合補助金化がされましたけれども、それ以外の部分では、この補助金をなくすという点でいいますと、財政のことを片時も忘れてはいないと言う総理の予算編成としてはどうも十分ではないと思いますが、いかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 横路委員、数字的には確かにそういう数字に相なっております。よってもって、この補助金の内容につきましては、平成十一年度に対し御指摘のように三・三%増となっておりますが、主たる要因が、高齢化の進展等に伴う社会保障関係費の増加のほか、加えて国勢調査実施及び九州・沖縄サミット開催等の平成十二年度の固有の事情等でございまして、そういう意味で、数字的には増加いたしておりますが、必要やむを得ないものとしての補助金の増額になっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、財政再建を片時も忘れないということは、これはもう言うまでもないことでございますが、年度年度必要とするものについてはこうした数字に相なっておるわけでございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 個別に、補助金もいろいろな形がありますから、どうしても削れないものももちろんあるわけでございますけれども、政策誘導的な補助金というのはできるだけやはりカットする、それは一般財源化していくということが——行政にとって、この手続に、つまり補助金の申請をする業務にどれほどエネルギーをかけているか。  ちょっと一つお話ししますと、児童福祉法によって補装具の交付というのがあるのです。例えば車いすだとか松葉づえだとか、これは基準が決められていまして、基準が決められているものは地方でもってできるわけですよ。ところが、基準外のものになりますと、厚生大臣と協議しなければいけないというのですね。  そうすると、例えば昔あったことは、松葉づえの交付を受けるのに、北海道は冬場は滑るものですからアイスピックを松葉づえの先に打ち込む、つけるというので、それを担当者が基準外と判断したのでしょう。厚生省に上がっていって、下がってくるまでに半年かかってしまって、もう雪が解けていたという話があるのです。  今、ここに車いすのシーティングバギー、これをつけた、座って体の姿勢を保つようにする車いすなんですね、これが基準外だということで、厚生省に九月に届けられているのですよ。そしておりたのが二月ですよ。五カ月かかっているのですね。ことしは特にこの種のものに八カ月から九カ月かかって、先日、二月の末に一遍にどっとおりたようでございますが、こんなことは都道府県や市町村に任せればいいでしょう。こういう補助金が多いのです。補助金とともにその手続が必要ですから、行政事務に余計なエネルギーを費やしている。  例えば、来年度予算でも、地方自治体が八割ですから、二十兆ぐらい地方自治体はありますね。二十兆までいきませんか。十六兆八千八百億ですから、十七兆ですよ。これのための手続と、そこに注ぐエネルギーというのは非常にむだなんですね。だから、そこのところを、こんな車いすのものが基準より外れているかどうかというのを厚生大臣に協議して、半年も一年も時間をかけている問題じゃないんですね。  だから、予算編成のときに何が大事かというと、こういう補助金をチェックして、必要な補助金については、個別補助金化をやめて、できるだけ一般財源化するとか、交付金に変えていくということが必要なんですね、総理。ともかく補助金をできるだけカットするという意味でいいますと、来年度予算は努力不十分というように思いますが、いかがですか、総理。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 平成十二年度の補助金等の総額については、増加したことは先ほども申し上げましたが、社会経済情勢の変化、官と民及び国と地方の役割分担のあり方等も踏まえ、地方分権推進計画、中央省庁等改革基本法等を踏まえ、国が箇所づけをしないことを基本とする統合補助金の創設等、すべての行政分野について見直しを行うなど、補助金等の整理合理化を積極的に推進しておるところでございますが、これはある意味では総論だろうと思うんですね。  したがって、今委員が御指摘されたのは、一つ一つ精査をしながら、実際は、こうした大きな大筋の方針が決まっておりましても、中央が常にコントロールをしなければならないようなことにおいて、補助金がまたそれなりに、チェックされないということがあってはならぬということだろうと思うんです。  具体的な案件についてお話がありましたが、お聞きをいたしておれば、ちょっとそのようなことは、率直に申し上げれば、あるいは厚生省はその他の事由があるのかもしれませんけれども、お聞きした範囲では、これは地方にお任せしてきちんと対処したらいい課題ではないかと受けとめさせていただきました。

横路孝弘民主党

○横路委員 地方分権の議論のときに、地方六団体が、百八煩悩事例集と言っているんですが、補助金のいろいろなケース、こういうケースは問題だというのを出したんですよ。そうしましたら、省庁の中で、一体こんなケースを言ってきた市はどこの市だといって、調べて後でいじめたなんという話があって、しかし、大蔵大臣、補助金の問題、毎回予算編成のたびにやっているとは思うんですけれども、今財政がこういう厳しいときですから、やはりこの際しっかり徹底してもう一度洗い直しをする。  方法をどういう方法にするのか。これは単に補助金が減るとか減らないというだけじゃなくて、それに伴って行政の仕事が非常にスリム化するわけです、申請する方も受ける方も。大変大事だと思いますので、ぜひやっていただきたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 総理の言われましたように、いろいろな事情はございましたけれども、とにかく六千五百億円ぐらいふえておるわけですから、どう申し上げても、余り立派な説明はできません。これは確かに、ディレギュレーションにつながりますので抵抗も大きいんですが、しかし、これをやりませんと、本当に行政の、殊に中央と地方の関係はよくなりませんので、できるだけいたします。

横路孝弘民主党

○横路委員 あと、ちょっともう一つ、公共事業予備費、これは憲法や財政法上からいっても、九九年度の公共事業予備費の使い方を見ていますと、これは予見しがたい予算の不足に充てるために設けられている制度ですよね。こんなのは、ちゃんと、もし必要ならば、あるいは補正予算を組んでやればいい話ですし、去年のような配分ならば。だって、既に去年の配分というのは、災害に対してというのもありましたけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンドの費用だとか空港整備だとかというところに使ったわけでしょう。だから総理、これも、財政規律を片時も忘れない、財政構造改革を片時も忘れないと言っていながら、大いに忘れている一つの例だと思いますよ。  大体、二〇〇〇年度予算というのは、概算要求よりも予算の方が大きいですからね。ほとんど大蔵省は査定しないで、みんなパスしちゃったんじゃないかと、数字だけ見ていると疑いたくなるような状況ですよね。こんな公共事業予備費五千億なんて、何ですか、これは。また分捕り合戦になりますよ、族議員と省庁の。それが政治を堕落させているのですよ。必要ならば、ちゃんと必要なときに必要な措置をとればいいわけです。どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 一般の予備費に入れましたらもう少し横着な方法でございますけれども、特に公共事業と私どもが自身を縛りまして国会の御審議をお願いいたしたわけです。  これを予備費にしましたのは、景気の動向によってこれを使うか使わないかという部分が予見しがたい部分であったわけでございますが、使わなければならないとなりましたので発動いたしました。中身は確かに、横路委員の言われますように、かなりわかった公共事業が多うございましたが、そういうものを発動するかしないかというところが予見しがたかったということでございます。  これは、十二年度では、したがって、こういうものを発動しなくて済む状況が出てくるかもしれません。私ども、それを大変期待しておりますけれども、いわゆる乱に流れるような補正の原資にするというようなことは、極力考えていかなければならない問題だと思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 そうすると、二〇〇〇年度予算では、九九年のような、ああいうやり方はしないということですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 昨年これを施行しましたのは十月であったかと思いますが、今年度の場合、そのころまでにはもう景気の動向は、私どもはかなり好転したい、してほしいと考えておりますので、去年のようにこれはどうも使わざるを得ないだろうというような予感は、今のところ、大変深く持っておるわけではございません。

横路孝弘民主党

○横路委員 もう分捕り合戦というか、どこにどうなんというのは決まっているわけじゃないんでしょうね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 何か期待を持っていらっしゃる方はおられるかもしれませんが、そうでないことを私どもは考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理、この予備費というのは、ちゃんと憲法で決められているわけです。緊急の場合に使えるようにしましょうということなんですね。景気対策で必要なら、それはそれで、ちゃんと補正を組めばいいわけで、こんなわけのわからぬ、国会のチェックのない、できない、これは事後で報告するだけで済むようになっているわけですから、いいかげんな運用はだめですよ、総理。ちょっと総理からお答えをいただきたい。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 十分御指摘を注意しながら、この公共予備費につきましては、政府としては対処していきたいというふうに考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 次の問題に移ります。  一つは、三つの過剰解消ということが言われて、よく雇用だとか設備だとか債務だとか言われたわけです。昨年の経済白書でも、二百二十万人の過剰雇用があるというような話が出され、総理も昨年、シカゴの演説で、失業率四・八%になったことに触れて、これは避けて通ることのできない、構造改革の努力の結果として直視しなければいけない、失業の増大というのは避けて通ることのできない不可避であるということを言われたわけですね。経済白書のこの過剰雇用という言葉の使い方といい、総理の演説といい、一気にやはりリストラが加速をしたわけです。  総理、今日の解雇を含むリストラの状況というものをどうお考えになっていますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 産業が入れかわる場合、やはり縮小する産業と成長する産業がございますので、経済構造の改革の上で、ある程度の労働力の流動化はやむを得ないものと考えております。  実を申しますと、九〇年代に入りましてから、規格大量生産の分野では、わかっているだけでも数十万人の従業員の減少がございました。そういうものがいろいろなところで吸収されておりまして、これからもそういうことはかなりあるんではないか。そのことによって、より適切な労働力の配置が行われ、経済が再生する面もあろうかと思っております。  全体としての失業率を高くしない、これは政府として大きな仕事でございますが、中身の入れかわりというのはやはり避けられない部分があろうかと思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 ちゃんとした受け皿なしに、雇用が過剰だ過剰だ、失業もやむを得ないということになると、企業の方はそういう努力をするわけですね、総理。  そして、どのぐらいの数字になるかといいますと、ある研究機関の調査ですと、九八年から九九年にかけて大体五兆円、人件費コストを下げたと言われているんですね。そのために何をやったかというと、新規採用の抑制でしょう、正社員を減らしてパートをふやしたわけでしょう。さらに、ベースアップを凍結して、ボーナスを削減するということがずっと続いているわけですよ。だから景気がよくならない。個人消費がだめですよ。  総理、十—十二の数字は大体マイナスだ、これは三月になったら発表になるでしょうが、そのマイナスの大きい要素は何かというと、やはり消費が伸びないことでしょう、所得がふえないんですから、雇用が不安なんですから。違いますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 仰せのとおり、十—十二月の消費は余り好調ではございませんでした。特に十二月は前月比で三・九%のマイナスでございました。  これは、主としてボーナスの支給が低かったことが原因でございます。このボーナスというのは、前年の三月期の決算で、春闘、それから六月期までに決まるものでございますから、それを前提として年末調整を行いますから支給額が低かった、それを反映しているのが第一だと思います。そのほかに、コンピューターの二〇〇〇年問題の不安等もあるわけでございますが。  一月になりましてから、きょう発表になりましたけれども、家計調査の勤労者分で見ますと、前月比二・三%の伸びになっております。このあたりはやはり前のときの企業の業績の悪さというのを反映しておりまして、ややそういう意味では底打ちの感が、十二月が一番底だったんじゃないかというような感じも出てきているのではあるまいかと考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 総理、投書をちょっと読ませてもらいたいと思います。去年の暮れに出た投書なんですが、横浜の主婦の人の投書です。   「奥さん、おむすび一つすみませんが恵んでくれませんか」。朝、外を掃いている私の背中に、五十歳ぐらいの男の人が声を掛けてきました。   その朝はあいにく、一ぜんほどのご飯しかなく、おむすび一つと、ミカン、バナナを袋に詰め、小銭を入れてさしあげました。   男性は、リストラで職を失い、郷里にも帰れずにいるとのこと。商店街の裏通りにある我が家に来た今年三人目の方です。私はラジオが好きで、聞きながら家事をしています。時折入る交通情報には「人身事故」という名で片付ける自殺の何と多いことでしょう。   そして、それがほとんど働き盛りの男性ばかり。 こういう現実を政治家の皆さんはどのように見ているのでしょうかという投書が去年の暮れに出ていました。  総理、どう思いますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 大変悲惨といいますか、そういう方々が増加しておるということ、すなわち雇用が、こうした方々がお仕事を持つことができないという状況を、一人の方の投書によって理解するわけでございまして、さすればこそ、やはり日本の経済全体をどうしても好況に持っていく努力をしていくのが、政府としての務めであると思います。  具体的事例についてどのように対処するかということにつきましては、それは生活保護の問題等々も含めまして、あらゆる世話活動を通じながら対処しなければならないかと思いますけれども、全体的には、やはり日本経済が活性化し、雇用が増大し、そして働きたいという方々にこたえていくということが極めて重要であり、そのための施策を一つ一つ着実に遂行しておるというのが、私ども政府の今の務めだと考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 「一兎をも得ていないオブチノミックス」という資料をちょっと渡してありますが、これを見ていますと、景気がよくならないばかりではなくて、完全失業者もふえ、生活保護もふえています。お金で一兆五千億を上回るんじゃないでしょうかね、九九年の生活保護費。それから、ホームレスの方が二万人を超えています。この寒い中で、もう全国、沖縄から北海道の札幌にまでホームレスの方がおられるという状況です。自己破産、自殺。自殺も史上最高でございまして、特に四十代、五十代が大幅にふえているのですね。自営業者の方、あるいは雇用されている方。ホームレスの人も四十代、五十代が多い。これも、過去の日本の歴史の中で、こんなにホームレスがおられる社会状況になったというのは初めてなんですね。毎年四、五千人ずつふえていっています。  問題は、今世論調査をして一番不安を持っている世代というのは、やはり四十代から五十代の一番働き盛りのところなんですね。私はこれからちょっとパート労働と派遣労働について御質問をしていきたいというように思っているのですけれども、結局、今日の事態はどういうことかというと、産業界のリストラが進んで、失業者がふえているわけですね。それから、企業のいろいろな負担を軽減するということで、税を含めてやってきました。その結果、やはり税制にゆがみが生じたりしてきているわけですね。結局、産業の足腰を強くするというための政策が社会の安定を危うくしているということが今日の日本の大きな状況、情勢であるというように言わなければいけないと思うんです。  そのことをちょっと頭の中に入れていただいてお話をしたいと思うんですが、やはり雇用の安定というのは非常に大事です。これは雇用サミットの、どこでしたか、ロンドンかどこかのサミットの中で、長期的、継続的、安定的な雇用こそが社会安定の基本であり、経済発展のかなめであるという声明を出したことがありますが、雇用について、総理はどうお考えですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 言うまでもありませんが、失業率というものを引き下げて、そして雇用の安定化のための諸施策を講じていくということは当然のことだろうというふうに思っております。そういう意味で、雇用といいますか労働政策として、昨年の秋にはわざわざ国会を開かせていただきまして、所要の方策を講じさせていただいておるということでございます。でありますが、一遍に四・〇とかそういう数字になってこないということは大変申しわけないことだろうと思います。  したがいまして、重ねて申し上げれば、経済をより活性化することによりまして、各企業体もかなり企業体としての健全化のために努力をする。しかし、かつてのようにリストラすればその企業はよくなるというようなことでなくして、雇用につきましても最大の配慮を考えつついたそうという、企業家のマインドもそういうことになってきつつあることは事実でありまして、そうした中で雇用を安定せしめていくという努力をしていかなきゃならない、このように考えております。     〔委員長退席、久間委員長代理着席〕

横路孝弘民主党

○横路委員 雇用の流動化が言われて、もう既に日本社会は相当雇用は流動化しています。パート労働はアメリカよりも多いんですね。雇用者に占める割合がもう二一%を超えていまして、ますますふえています。派遣労働も、多分ことし百万人を超えるでしょう。去年の十二月に施行されましたから、どんどんふえていっております。  しかし、このパートと派遣労働に伴う問題があるんですね。それは、やはり労働条件の格差が非常に大きいということなんですね。  そこでちょっと、まずホームヘルパーの問題を質問したいと思うんですが、「実態調査」という表がありますので、それを見ていただきたいと思います。  四月から公的介護保険制度が始まるわけで、この制度の一つの柱というのは在宅介護なわけですね。そういう意味でいいますと、ホームヘルパーの人々の果たす役割というのは大変大きいわけでございます。しかし、この労働条件というのもなかなか厳しい状況にありまして、ひどい条件もたくさんあるんですね。  先日、宮城県の、しかもこれは市町村が出資している介護サービス会社、宮城登米広域介護サービスというところで、介護ヘルパーに手当を払わないで長時間労働を強いていたということで、労働基準監督署から改善命令が出されました。その中身についてちょっと労働大臣から簡単に報告してください。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 先生御指摘の宮城登米広域介護サービスに関しまして、明らかに労働基準法令に違反いたしておりまして、一つは、時間外労働に対する割り増し賃金を未払いでございました。これは三十七条違反であります。もう一つは、時間外・休日労働に関する労使協定を締結することなく時間外労働及び休日労働を行わせていたこと、これは基準法三十二条及び三十五条違反でございまして、これにつきまして監督署から指示を与え、既に解決されております。  以上です。

横路孝弘民主党

○横路委員 これからの雇用分野というのはどういう分野かというとき、必ず議論されるのは福祉分野だということで、今ホームヘルパーの人の数も急速にふえていっています。  それで、ちょっと実態調査をやった数字がないんですが、これは私のところの札幌で行ったホームヘルパーの実態調査、ちょっと総理、お目通し、見ながら話を聞いていただきたいんですけれども。  これを見ますと、最初の資料七のところを見ていただきますと、「雇用形態」というのが真ん中の上から三番目にありますが、これで見ますと、常勤が九%で、非常勤・パートが七五%ですね。その下に「月平均の派遣日数」というのがありまして、派遣日数は、結構十六日から二十五日ぐらいのところに集中しています。一日平均の時間が、二、三時間から三、四時間ということになっていますね。これは右の方です。それから、右の十五、「月平均の収入」というところを見ますと、一番多いのは六万から八万、その次が四万から六万、その次が八万から十万ということになっております。  次の表をめくっていただきたいのですけれども、賃金の形態は時間給になっております。左の下の十八というところですね。それから、真ん中を見ますと、家事型・介護型、「分かれている」というところが多いわけです。そして、真ん中の一番下のところの質問十九の三というところに、「分かれている場合の一時間単価(家事型)」が八百円から千円、そして右側の一番下のところ、「介護型」が、千二百円から千四百円というところが一番多いわけです。そして、保険などには入っていないという人が、大体七割から八割という数字になっています。     〔久間委員長代理退席、委員長着席〕  どんな労働かといいますと、その資料の二枚目の方の下のところに、「ホームヘルパー派遣週間スケジュール表」というのが出ていますが、ちょっとそれを見ていただきたいのですが、朝の八時から、遅いと夜の八時までですね。ですからこの人、拘束されている時間というのは十二時間以上ということになります。時間給ですから、その間の通勤の移動時間というのはお金はもちろん払われないわけですね。しかし、これはどうしたって拘束されているわけです、ある意味では。  それから、利用者の方が急に休んだとか病院に入院したとかいっても、これも保障はないというのが大部分でございまして、この左の下の人は、三十五時間働いて、時間給が千三百円、家事型、介護型平均しますと千三百円ぐらい、三十五時間働いて大体四万二、三千円ぐらいのお金になっています。こういうのが実態なんですね。  私は、ホームヘルパーの人たちの声をちょっと紹介してみたいと思いますが、家事型だから安くていいという考えはまず誤りだと。家事をしながら介護が入ってくるんだというのが、大体ホームヘルパーさんの大きな声ですよということですね。  それから、とてもやりがいのある仕事ですが、しかし労働条件がもっと何とか改善できないだろうかという声、そういう声が非常に大きいです。自立をして頑張っていきたいんだけれども、例えば雇用保険、厚生年金などの保険もつけてほしいなと思いますという声がございます。  それでも、多くのヘルパーの人が、利用者の方の笑顔が見たくて頑張っていますと。しかし、雇用形態が不安定で待遇改善がないということ、そういう点についてもっと考えてほしいという声が圧倒的なんですね。  そこで、今度、介護保険の報酬が決まりました。報酬が決まったことに基づいて、今いろいろな企業が、どういう条件かという説明をずっとしてきています。私は、一つまず、そのチェックをちゃんとしていただきたいということを、これは厚生省にお願いしたいと思うのです。  私が知っている、千人ぐらいホームヘルパーを採用しているところで、問題がやはりあるのですね。例えば、そこでは基本給千円、家事型、介護型なしに千円と決めています。同時に、日曜日は千円に対して割り増しが百円だというのですね。早朝、夜間は四百円。だから、これはまあまあ労働基準法、いいのですが、百円とか、祝日は八十円なんという条件になっています。そうすると、介護報酬で渡している金額と働く人が受け取る金額に差がある上に、労働基準法にもどうも触れそうな内容が提示されているという実態なんですね。  そこで、ぜひ、まず一つ厚生省の方に、その実態についてやはりできるだけチェックをしっかりするということをやっていただきたいということをお願いしたいと思うのです。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 ホームヘルパーに対してきちんとした給与が支払われているかどうかという御指摘でございますが、まず基本的には、これはあくまでも労使間の問題であるという認識に立つものでございますけれども、私どもが去る二月の十日に告示をいたしました介護報酬の中では、訪問介護の問題でございますが、あくまでも実態を踏まえまして、身体介護は四千二十円であるとか、あるいは家事援助は千五百三十円であるとか、複合単価は二千七百八十円である。大変適正な水準である、私はこう考えておるような次第であります。  問題は、介護保険は、利用者がサービス事業者を選択する制度でございますので、私は、利用者の選択によって質のよいサービスが提供されるようになると考えておりますけれども、これに加えまして、委員御案内のように、国保連におきましては、苦情処理であるとか、それから第三者的な立場から事業者との間に相談に立つ、こういうようなことも考えておるわけでございます。  委員の御指摘は、主にホームヘルパー、従業員の方でございますけれども、これにつきましては、この派遣元でございます事業者は、一定の条件のもとにあれば、当然のことながら社会保険に適用の届け出をする義務があるわけでございますけれども、実態問題としてなかなか、適用漏れというものもあることも事実だと思います。  当然のことながら、私どもは働く勤労者の立場に立ちまして、健康保険であるとか厚生年金などの届け出漏れがないように今後よく指導していきたい、このように考えているような次第でございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 これは労働省の方にも、労働省の方で今度この予算の中に、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の改正案を国会に今出していますね。そして予算措置もあるわけですね。そのときに、やはり労働条件についてちゃんと守られているのかどうかということを含めてチェックをしていただきたいと思いますが、労働大臣からどうぞ。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 先生御指摘のとおり、このたび改正法案を提出いたしまして、新たな介護事業がどんどん発足するわけですから、これの規制と、あわせて助成の方法を考えております。特に、事業者でまだ十二分に労働基準法等々を知らない方が多いように散見されますので、こういう方にいろいろな機会を通じて、労働基準法、特に勤務時間あるいは日曜、休日の活動等について注意を喚起し、きちっと労働条件を確保するようにいたしたい、こう考えております。  そして、これらが実現できない場合は、先ほど先生おっしゃったように、宮城県のあれと同じように、改定計画等を勧告する。そして、やらなければ、きちっと、あなたはきちっとやっておりませんよというような公表までも考えまして、守られるようにベストを尽くしたい、こう考えています。

横路孝弘民主党

○横路委員 それで問題は、総理、パート労働のあり方にあるんです。時間もだんだんなくなってきましたから簡潔にお話ししますと、今、大体千百万人を超えているわけですね、パート労働の方が。だんだんこれからふえていく。時間当たりの賃金の格差というのは、大体百対七十ぐらいなんですね。つまり七〇%ぐらいなんです、時間当たりの給与が。このごろは特に、パートもそうなんですけれども、一日四時間、週二十時間に働く時間を限定するという企業が非常にふえています。それは何かというと、二十時間以内ですと雇用保険を掛けなくて済むからなんですね。そういう使い方になっていっています。つまり、今のリストラが進行していく中で雇用は流動化していって、その受け皿である方のパート労働の余りにも大きな格差、これをやはり直していかないといけないわけですね。  よく、ヨーロッパの中で、景気回復や雇用安定の一つのケースとしてオランダモデルということが言われます。オランダという国は、パート労働とフルタイムの労働との間に、時間による差はあるけれども、あとはみんな同じ条件にする、賃金にしても雇用保険や社会保険の適用にしても。そのことを、政府を含めて、経営者と労働組合と政府の三者で確認をして、したがって、労働組合も労働協約の中にそれを全部入れちゃうわけですね。パート労働に何も差をつけないでこうしますよと。そしてまた、それを法律でもきちっと決めるということをやっているわけなんです。  日本の場合も、パート労働といってもいろいろあるわけなんですけれども、こういう調査もあります。今政府の方で、パート労働について、やはり同一価値労働、同じ労働をしているのは同じ賃金を払おう、雇用形態で違うのはおかしいじゃないか。今、常勤労働とパート労働で、同じ仕事をして給料が違うわけですね。そういうところがやはり雇用を不安定にしている非常に大きな要素なんですが、こういう調査があります。  パート労働者の中で正社員と職務内容がほとんど同じという人が五八・六%、管理業務や専門業務に従事しているパート労働者というのは二六%、正社員と同じ勤務時間で、残業や事業所内の配置転換もあるというのは二〇%、そして、勤務期間がもう十年以上という人が四九・五%。こういう調査が、今パート労働をどうするかという議論をしている中の調査報告として上がってきているんですね。  ですから、議論はありませんので、ひとつ方向性として、一つのオランダモデルと言われているように、フルとパートは、時間の差によるもちろん給料の差はあっていいのですが、それ以外は保険の面でもなくしますよと。よく堺屋さんが、自己実現するために雇用の流動化はいいのだと言いますけれども、しかし、今のように、雇用保険にも入れなければ、給料は七割で、自己実現も何もないですね、そんなことは。だから、そこがしっかりしていれば、週のうち二日はこっちで働いて、こっちで働こうというようなことができるんですが、それがない。  派遣労働はきょうは時間がないので触れませんが、総理、今一番大きな問題は何かといったら、やはり雇用が不安定、そして所得が伸びない。そうですよね、正社員からリストラされて、みんなパートをどんどんどんどんふやしているわけですから。そして、したがって消費が伸びないという構造になっているんですね。  ですから、今、景気回復の対策としてやるべきことの非常に大きな点は何かというと、このパートと派遣労働について、よく言われるセーフティーネット、労働のセーフティーネットをできるだけしっかりつくるということですね。これができますと、少なくともその方向性を明確に示すだけで大分、私はその辺のところというのは解決の方向が見えてくるのだと思うんですよ。  これはいろいろあるんですよ。パート労働法とかいろいろな法律はありますが、みんな何か努力規定になっていまして、実効性が全くないのです。実効性がないので、今議論をして、まさに同一価値労働、同一賃金という方向に向かってどうするかという議論を、いろいろと詰めているところなんですよ。  私は総理に、こういう今の状況の中で、このパート労働、派遣労働ということについて、もっとしっかりセーフティーネットが完成できるように、今言った労働条件、賃金などの面、それから雇用保険や社会保険などの適用の面について、オランダ的な方向性を目指して努力をぜひやっていただきたいと思いますが、総理、いかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 パートタイム労働を魅力ある良好な就業形態として確立することは重要な課題であると認識しております。  パートタイム労働法に基づき、適正な労働条件の確保及び雇用管理の改善に向けた事業主に対する指導、支援を引き続き推進してまいりたいと思います。また、派遣労働者についても、派遣元事業主による教育訓練の実施を指導することを通じ、派遣労働者の労働条件の改善に努めてまいりたいと思います。  景気の悪いときには、その昔でいえば救農土木というような形、あるいはまた、田舎に戻って生活をしていくというようなことでありましたが、現在ではそのようなことはありません。そういうことでパートに出る方々が非常に多いのじゃないかと思います。この経済の動向の中で、こうした方々の生活をより安定させていかなきゃならないというのは、先ほどオランダの例でお示しされましたが、それは趨勢だろうというふうに思っております。  もともといえば民間企業の問題ではありますが、社会全体のセーフティーネットとして、こうした方々にどう対応するかということは極めて重要なことだと思っております。これは、労働大臣あるいはまた通産大臣、その他関係の省があるわけでありますが、今御指摘のような点も含めまして、少し勉強させていただきたいと思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 いや総理、もう勉強はされているのです、今。もう既にされて、三月中に一応の方向性を出すというところまで来ている最後の段階ですから、ぜひその点について、そこがやはり今のままですと、雇用は流動化しても、結局雇用が不安定化するだけの話になりますので、流動化しているというのは現実ですから、現実に対応してどうするかということで、今の点をぜひお考えいただきたい、このように思います。  時間がなくなったのですが、総理、もう一つ、ちょっと新聞の投書を読みまして、お答えいただきたいと思うのですが、これは障害者の方です。施設嘱託ということで、女性なんですが、   歯科助手、医療事務、図書館司書、簿記三級、家庭奉仕員、社会福祉主事、いけばな教授者、介護支援専門員。これは、私が今までに取得、または合格した資格です。   言語障害がある私は「いつかきっと、健常者と対等に働きたい」という希望を抱き、努力して来ました。今年、ケアマネジャーの実務研修受講試験に合格した時に「やっと健常者と同じスタートラインに立てる」と思っていました。   相手の立場で物事を考え、その人に適したケアプランを立てられるケアマネジャーになろう、と夢はふくらみましたが、世間は障害者の私をケアマネジャーとして認めてはくれません。   人との出会い、助け合いを売り物にしている生協ですら「あなたにケアマネジャーとして、どんな仕事をしてもらったらいいのか分からないので、採用の可否は保留させていただきます」という面接の回答が送られてきました。これは私にとって不合格以上のショックでした。   どうしたら障害者の能力を社会に認めてもらうことができるのでしょうか。どなたか私に、納得できる答えを下さい。 という投書が、これは去年、朝日新聞に出ていました。あるいは総理もごらんになったかもしれませんけれども、どのようにお考えになりますか。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 丹羽厚生大臣。

横路孝弘民主党

○横路委員 いやいや、ちょっと委員長、感想をまず聞いてから……

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 一応まず担当大臣から答弁の後、感想を求めます。

横路孝弘民主党

○横路委員 いやいや、後からちゃんと議論しますから。委員長、ちゃんと議論しますから、障害者雇用について。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 委員長は必ず答弁を求めますから。

丹羽雄哉自由民主党厚生大臣

○丹羽国務大臣 それじゃ、経緯だけ簡単に申し上げさせていただきます。  私どもは、この障害者の問題につきましては、お互いに助け合い補い合う、こういうようなことで、いわゆる地域社会において、ともに健常者の方々も障害の方々も生活をしていかなければならないというノーマライゼーションの精神に立ちまして、今委員が御指摘の、身体であるとかまたは精神の障害を理由として免許であるとかあるいは許可が与えられない、いわゆる欠格条項の問題と思いますけれども、これに対しましては、障害者の社会参加を一層進めていくことが重要な課題だ、こういう認識に立ちまして、厚生省といたしましては、先日、医師などの資格について医療関係審議会で審議を開始したところでございます。  欠格条項の見直しを申し合わせました障害者対策推進本部の決定の趣旨を踏まえて、障害者団体を含む関係団体の御意見を聞きながら、障害者の皆さん方の能力を十分に発揮できますように、今、見直し作業をちょうど行っている最中でございますけれども、年内には結論を出し、そして、次の通常国会にはこの法案につきまして提出したい、このように考えているような次第でございます。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 重障者が社会の中に大いにその働く場所を得なければならぬということについて、これを助長せしめていくということについては、まことに喫緊の課題だろうと今厚生大臣も御答弁を申し上げました。  卑近な例ですが、実は私の事務所にそういった方々で御陳情がありまして、どこかということになりまして、千葉県下の市役所でこれを採用していただける方向に進んでいるというようなことでございます。ぜひ公的機関等におきましては、できる限りそうした方々を御採用いただくことによりまして、心身に大変ハンディを持っておられる方々を、やはり社会全体でもこれを支えるということが必要だろうと思います。同時にまた、法的な面でも、今厚生大臣お話しのような形でこれを推進できるような体制と、両々相まっていたしていかなきゃならない、こう考えておる次第でございます。

横路孝弘民主党

○横路委員 最近よく自助努力とか、結果の平等じゃなくて機会の平等という議論がありますけれども、この人はやはり努力しているわけですよ。この人、自助努力していないとは言えないでしょう。物すごい努力をしている。しかし、なかなか就職ができないわけですね。  そこで、政府の方もいわゆる法定雇用率というのをつくって、企業に、特に大きい企業にちゃんと採用しなきゃだめですよということを決めています。それが景気が悪くなりますと、やはり解雇者がふえてきているんですね、障害者の解雇者が。  その中で、一つだけ質問いたします。いわゆる金融機関、これが一番悪いんですね、法定雇用率。その金融機関の中で、公的資金を入れた金融機関というのは今まで六十三あります。そのうち四十六の企業が未達成なんですね。四十六、だから七割ぐらいの企業が未達成なわけですよ。これだけ税金を入れてもらった企業が——ちゃんと社会の一つのルールというもので、しかもちょっと問題があるのは、法定雇用率を達成しなかったら、一人幾らとお金を払えばいいような仕組みがあるんですね。だから、みんなお金を払っちゃうわけですよ。  問題は、金を払うところにあるんじゃなくて、採用するというところにありますので、これは総理、税金をあれだけ投入した金融機関で、実に七割もの金融機関が法定雇用率を達成していないというのは、やはり改善してもらわなきゃいけない。これはやはりちょっと指導してもよろしいんじゃないかと思いますが、総理、いかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 金融機関はプライベートカンパニーではあるかもしれませんけれども、大いに社会的、公的な責任を負っておる企業体だろうというふうに私は認識をいたしております。今のような数字であるということは甚だ残念であると思いますので、改善していただく努力をしていかなければならないのではないかと思っております。

横路孝弘民主党

○横路委員 いや、ですから、それでちゃんと指導をしてください、労働省を通じて。

牧野隆守自由民主党労働大臣

○牧野国務大臣 先生御承知と存じますが、障害者雇用促進法に基づきまして、法定雇用率未達成企業に対し雇い入れ計画作成の命令をします。そして勧告をいたします。この法律に定める手順を経てなお改善の見られない場合には、社会的制裁として企業名を公表する、こういうことに決まっておりまして、私どもとしては、公的資金を投入している金融機関に対しても当然でありますが、これら所定の手順に従い厳正な指導に取り組んでまいりたい、こう考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 答弁は要りませんが、ついでに、平成三年に公表するということを含めた指導をやって以来、ちょっと今までしばらく時間があいていますので、この際しっかりやっていただきたいというように思います。  最後に、もう時間がなくなりましたが、ちょっと景気回復について、特にこれからの個人消費ですね。  経済企画庁の、去年の十二月に出た日本経済の現況という、なかなかおもしろいレポートでございました。この中で言っていることは、設備投資は余り期待ができないから、これから日本経済はやはり個人消費だということが結論的に述べられております。そして、その個人消費を拡大していく上でもやはり雇用の改善がどうしても必要なんだということが強調されておりまして、この中で、リストラ解雇型ではなくて、雇用活用型でいくように環境整備しなければいけないということが述べられています。私は極めて正しい指摘だと思っています。  今までは、企業経営者は、ともかく売り上げが伸びませんので、利益を上げるためにということで、リストラでもって解雇をばんばんやってきた結果が、社会的にいろいろな問題を引き起こしているわけですね。したがって、この雇用活用型でいく環境整備をするという点は、私は大変大事なことだと考えておりますが、ではこれを具体的にどうしていったらいいのかということになります。これは経済企画庁長官、いかがですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 できるだけ企業の中で雇用者、従業員の能力再開発を進めていくということは大事だと思います。現在、いろいろと新しい技術、新しい方式が入ってまいりまして、それに対応できるように能力再開発をしていかなければならない。もっとも、すべての企業、すべての人がそうできるわけではございませんから、部分的には流動化するところもございますでしょうけれども、そういう能力を再開発して、新しい事業、新しい事態に合うような、そういった人材をつくるということがやはり基本になるんじゃないかと思います。

横路孝弘民主党

○横路委員 先日の公聴会の公述人の公述の中に、スウェーデンが二兎を追って二兎を実現した国なんですね。そこで何をやったかというと、労働生産性を上げるために教育投資を物すごくやった。社会人も大学で受け入れる、中小企業を入れて一番新しい技術をそこで技術移転をするということに非常に中心的にお金を投資して、あそこの国は二兎を追って二兎を得たというお話を聞きましたけれども、まさに今必要なのはそこなんですね。そこのところにこれからやはり重点を置いていかなければいけない、このように私も思っております。  いろいろな調査、家計調査だとか生活意識調査でありますとか国民生活選好度調査とか、これを見ていますと、今何に国民が不安を持っているかというと、もうまさに雇用と処遇の不安の方が、老後の不安よりもそっちが今わあっと表に出てきていて、したがってお金を控えるということになっていっています。  それから、この分析の中で非常におもしろいと思ったのは、やはり住宅ローンの負担がふえてきている、特に三十代でふえてきている。政府が景気対策をやって、住宅をいろいろな意味で、減税そのほかの措置をとって、住宅はわっとふえたけれども、それが個人にとってみると家計の負担になっている、そして消費が伸びない、こういう構造になっているんですね。やはり問題は雇用のところである、総理、雇用のところ。  したがって、先ほど言いましたパート、派遣労働のところから、あるいは教育強化といった点、それから、できるだけやはりリストラ解雇型でなくて雇用活用型でやっていくんだと。  これは、日本の場合は、雇用活用型でやると市場が株価を下げるとか、リストラ型でやると上げるという、市場も変な動きをしているわけでございますが、総理、ぜひ、総理がシカゴ演説でやむを得ないと言ったところからリストラがわあっといった。この際、この企画庁の答申にありますように、やはりリストラ型ではなくて雇用活用型でいくべきだということをちょっとはっきり言っていただければと思いますが、いかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 雇用を拡大するために企業も含めまして健全化していかなければならないわけでございまして、結論を言えば、それは雇用を皆、企業体がしっかり受けとめていくということと同時に、単にリストラをすればというようなことは一時の風潮としてあったかもしれませんけれども、企業のクレジビリティーからいって、きちんとした雇用を確保して、そして経営を安定させていくということが現下日本の企業体の進むべき道であるということに大体、私は、コンセンサスが得られてきつつあるのではないか、こう考えております。

横路孝弘民主党

○横路委員 時間になりましたが、最後に、資料の六というのをちょっと見ていただきたいのですが、高齢者世帯の所得分布、それから貯蓄額ですね、高齢者世帯と雇用者世帯。私は、やはりこの間ずっと日本の国内で二極化が進んできているんじゃないか、所得や資産の面でですね。  この高齢者世帯の所得分布というのを見てみますと、確かに、例えば所得が一千万以上という方も三・四%おられます。貯蓄の方を見ますと、三千万以上の貯蓄を持っているという高齢者世帯が七・九%おられます。しかし同時に、所得でいいますと、二百万未満という方でこれはもうほぼ半分なんですね、高齢者世帯。それから貯蓄の方でも、ないという方が一五%おられますが、二百万未満でこれを全部足して、やはり四割を超えているのですね。  だから、四〇%から五〇%が、高齢者世帯でも雇用者世帯でもなかなか厳しい、かつかつの生活をされている方がいる、それから一〇%ぐらい非常に貯蓄も所得も持っている方がいるということなので、よく高齢者世帯と一口に言って平均値の議論をしていますけれども、こうやって実際の数字を見てみますと、やはり、どこにちゃんと政治が光を当てなければいけないのか、やみくもにお金を使ってもよくならないというのが、これを見るとよくわかるんですよ。  これは総理、どのように思いますか。こういう状態に今日本の国はなっていますが。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 小渕総理大臣。時間が経過していますので、簡潔にお願いいたします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 せっかくの資料でございますので参考にさせていただき、ひとしく、年齢にかかわらず、それぞれが安定していけるような施策は那辺にあるかということについて検討させていただきたいと思います。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて横路君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十一分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。生方幸夫君。

生方幸夫民主党

○生方委員 まず、総理にお伺いしたいと思います。  警察幹部による不祥事が相次いでいるわけでございますが、総理として、リーダーに求められる倫理観というものはどういうものか、まず一言、教えていただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 リーダーのみならず、人間として、常に高い倫理観を持つべきものと努力すべきものと考えております。

生方幸夫民主党

○生方委員 私、どういう倫理観を持つべきかという内容をお伺いしたんですが、重ねての質問なんですが、いかがでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私も哲学者でございませんので、倫理とは何ぞやということをすべて勉強しているわけではありませんけれども、人間として正しい気持ちを持って進んでいくべきだということではないかと考えております。

生方幸夫民主党

○生方委員 今度の国会から国会改革が行われて、たびたびここでも話題になっておりますように、審議のあり方というものが随分変わったわけでございますが、総理からごらんになりまして、これまでのところ、国会改革、成果が上がっているというふうにお思いになりますでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 国会としてその成果が上がっておるかどうかということは、国会自身が御判断をいただきたいというふうに思います。  やはり、今回の国会活性化法によりまして、政府委員の廃止、あるいはまた来年の一月六日から正式に副大臣制度も導入をされるわけでありますし、また、いわゆるクエスチョンタイムの導入等、新しい試みもなされているわけであります。  私に関していえば、このクエスチョンタイムというものについて、先般、初めて公式にこれが開かれましたが、国家基本政策委員会ということにおきまして、国家の支柱たる基本的な政策についてお話し合いがこれから、与党党首、私の場合、同時に総理でございますけれども、野党の党首と御議論を、討議を申し上げて、そして、国民の前でそれぞれの考え方を明らかにすることができる第一歩を踏み出すことができたということにつきましては、私なりに評価させていただいておるということであります。

生方幸夫民主党

○生方委員 午前中の横路議員のお話にもございましたが、予算委員会に関していいますれば、去年の予算委員会の出席と比べれば大幅に出席が減っているということで、私もたびたびこの場でお話をさせていただいたんですが、総理御自身としては、この間、出席が減った日数を、私も総理の日記等を見ておりまして、どういう日程をこなされているのか、大変お忙しい日程をこなされていることは間違いないんですが、その間に、お勉強なさる時間があってよかった、あるいは、ふだん会えないような人に会ってよかったなというふうにお思いなのか。あるいは、大事な予算の審議でございますから、せっかくであれば私が出ていって説明したいんだけれども、国会の方でこう決めちゃったから説明できなかったというお気持ちでおられたのか。そのお気持ちをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今回、予算委員会における出席につきましては、たびたびここでも御論議あったようでありますが、いわゆる国会におきまして各党間の話し合いによって決定したことに相従っておるということだろうと思います。  与えられた時間につきましては、できる限り有効に、国政全般にわたりまして、各種の問題について各省庁間のお話をお聞きするとか、また、それぞれ関係者の皆さんの御意見を電話等でお聞きをするとか、みずから省みて勉強するということもあったでありましょう。と同時にまた、予算委員会の動向等につきましても注目をさせていただいてきたところでございます。

生方幸夫民主党

○生方委員 先ほど総理がおっしゃいましたように、政府委員が答弁をしなくなったということで、随分論議が早くなったことはもう間違いないと思います。これはこれからのことでございますが、私は、総理が何もずっと用もないのにいる必要は毛頭ないのですけれども、やはりいられる時間はできるだけ出てきていただくように、周りも配慮しますから、総理も進んで出てこられるように望んでおきます。  さて、次の問題ですが、二月の十五日のこの予算委員会の場で私、質問をさせていただいたのですが、総理が御出席されておらなかったので、青木官房長官にお伺いした問題がございますので、その問題について、総理に直接お伺いをしたいと思います。  まず、恵山会、恵友会、恵和会、国際政治経済研究会、これらの政治団体を総理は御存じでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御指摘の、恵友会、恵和会などの団体は、政治資金規正法に基づき政治団体の設立の届け出がなされ、以降、毎年、同法に基づきそれぞれの政治資金収支報告書の提出がなされておると聞いておりますので、承知をいたしております。

生方幸夫民主党

○生方委員 総理との関係は、どういう関係になりますでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 関係と言われましても、私の政治団体は、未来産業研究会という団体として正式に届け出をしておるものと承知しております。

生方幸夫民主党

○生方委員 この恵山会、恵友会、恵和会、国際政治経済研究会というのは、いずれも総理を推薦している政治団体ということではないですか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 事実関係といたしましては、小渕恵三氏を支援している団体というふうに承知をしております。

生方幸夫民主党

○生方委員 具体的にどんな活動をなさっているか、総理は御存じでございましょうか。総理を支援している活動として、どんな活動をなさっているのか、総理は御存じでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 これらの団体は、私自身の団体でなく、それぞれの団体の詳細については承知しておりませんが、以前から自分の政治活動を支援してもらっておると聞いております。

生方幸夫民主党

○生方委員 自治大臣、政治団体というのはどういう団体のことをいうのでございましょうか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 政治資金規正法の第三条に法律の規定がございます。  「この法律において「政治団体」とは、次に掲げる団体をいう。」「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体」「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体」「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること。」「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること。」  以上が、政治資金規正法に定められている政治団体の定義であります。

生方幸夫民主党

○生方委員 自治省の選挙部が出している「政治活動の手引」というところに、こういう問答がございます。「自らは政治的キャンペーン等の活動をすることは、およそ目的とせず、また実際にも何らの活動をしないで、政治家のために資金上の援助をすることのみを目的とし、かつ、これのみをする団体は、「政治団体」に該当するか。」という問いに対して、「該当しない。」というふうに書いてございますが、自治大臣の認識もこれと同じでございますか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 解釈上はそういうことになりますけれども、その当該団体がどういう政治活動をしているかということは、自治省としては承知をいたしておりません。

生方幸夫民主党

○生方委員 私どもで、この今私が述べました恵山会、恵友会、恵和会、国際政治経済研究会に行ってまいりました。  委員長にお許しを得ておるのですけれども、これが、それぞれの場所の玄関というか扉でございます、中に入れませんでしたので。  恵友会と恵和会というのは同じ場所に住所登録されております。しかし、実際には、ここに恵友会も恵和会も表示をされておりませんで、それぞれ、コウザンと読むのか、ミツヤマと読むのか、光山電化工業株式会社、関東ミネラル工業株式会社という看板が出ている。  最初に我々が行ったときには事務員の方がいらっしゃったのですけれども、二回目に行ったときにはどなたもいらっしゃらずに、ここに、御用の方は下記の弁護士のところへ来てくださいというような張り紙がございました。  それから、国際政治経済研究会というのは銀座のビルの六階にございまして、一回目に行ったときは、五階から下は事務所が入っているのですが、六階はいわば物置みたいな格好になっていて、階段の電気もついていなかったという状態で、二回目も、こちらもドアが閉まっていて、どなたもいらっしゃらなかった。  あと、恵山会というのは、今総理おっしゃいましたように、総理の政治資金団体である未来産業研究会の中に住所登録がしてございます。しかし、ここも恵山会という表示はございませんでした。  これらの政治団体がそれぞれ、もちろん政治資金報告書を出しておるのですけれども、それを拝見いたしますと、支出がゼロの年もあるし、寄附金として支出をしていることもございますが、実質的に支出がゼロであるところがほとんどである。これはもちろん、ここに事務所が仮に入っているとすれば、事務所費というのを計上しなければいけないのですが、事務所費もなければ、光熱費とか人件費とかというものは全く計上されていないわけでございます。  こういうものを政治団体と言えると、これは、自治省が出した「政治活動の手引」にのっとれば、私は政治団体とは言えないと思うのですが、いかがでございましょうか、自治大臣。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 自治省といたしましては、その当該団体がいかなる政治活動をしているかということを承知いたしておりませんので、私からコメントすることは差し控えさせていただきます。

生方幸夫民主党

○生方委員 ここにございますように、「自らは政治的キャンペーン等の活動をすることは、およそ目的とせず、」。  私ども、ここにいた方にもお話を聞いたのですが、聞ける方がいたのですが、その方は、私は知らないということで、少なくともここには、国際政治研究会とか恵友会とか恵和会、恵山会に専任の方がいらして、専任の活動をしているというふうにはどうしても思えないのですけれども、総理、こういう団体でも政治団体ということがあり得るんでございましょうか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 どのような御調査をなさったか、私もつぶさには存じませんが、御調査をされたということは、まことに御苦労さまと申し上げましたら大変失礼ですが、そういうことをされたということは、御党の立場としてあるいは大事なことかもしれません。  ただ、自治省といたしましては、先ほど申しましたように、政治活動の自由を保障するという意味もありまして、行政のサイドから、どういう活動をしているんだということについて逐一調べるということをいたしておりませんし、また、人員的にかなりのものを要しますから、そういうことについて調べるということは現在いたしておりません。  ですから、私からこの活動状況についてお話を申し上げるということはできない状態であるということを御認識いただきたいと思います。

生方幸夫民主党

○生方委員 ここに告発状がございます。これは昨年出されたものでございますが、「告発の趣旨」「被告発人団体(未来産業研究会)の行為は政治資金規正法第二二条の二、同二六条三号、同二八条の三に左記のとおり違反するので、早急に捜査を遂げ、厳重に処罰されたく告発する。」という告発状が出ているんですが、総理、こういう告発をされていることは御存じでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 新聞でも報道されましたので、承知をいたしております。

生方幸夫民主党

○生方委員 この中に、「被疑事実」として「被告発人団体(未来産業研究会)は小渕恵三首相が代表者である政治資金規正法に定める資金管理団体であるが、」これは、法律用語でございますので、中を抜かしてやります。記載の者から金二百万円の寄附を受けながら、もし未来産業研究会で右合計金額の寄附を受ければ政治資金規正法第二十二条の二に抵触するので、それを仮装または脱法するため、ペーパー政治団体に寄附させ、またはさせたかのごとく仮装し、その上、同記載のペーパー政治団体から被告発人団体、未来産業研究会が寄附を受け取り、同一人から金百五十万円を超える金二百万円の寄附金を受け取ったものであるというふうに告発をされているわけでございます。  簡単に言えば、総理の資金管理団体に、一人の方から年間百五十万円までというふうにされている政治献金の枠を超えた献金が、複数の方から複数の年にわたって行われていた、それが政治資金規正法に違反しているという内容でございます。  総理が政治資金規正法に違反しているというふうなことで告発されているというのは極めて遺憾なことだと思いますが、いかがでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 この問題については、当然、私の政治資金団体にかかわることでございますので、その告発ですか、それに対しては、法定代理人を通じましてお話があろうかと思いますので、対処したいと思いますが、政治資金規正法違反であるかどうかについては、これは私が判断することでありませんで、自治大臣が法律の所管者として御判断をされることの意味合いがあろうかと思いますが、そうした事実は承知をいたしておりますので、しかるべく対処いたしていくことになると思います。

生方幸夫民主党

○生方委員 どういう仕組みなのか簡単に、これは安いパネルで申しわけないのですけれども、簡単にパネルで御説明をしたいと思います。  会社役員の方、仮にT氏というふうにいたします。これは九八年だけをとったものでございます。この方が九八年に五口政治献金をなさっている。その中で、国際政治経済研究会に百万円、恵山会に百万円、恵友会に百五十万円、恵和会に百万円、そして、総理の団体でございます未来産業研究会に百五十万円、都合六百万円、一人の個人の方から、こういう団体を経由したにせよ、国際政治経済研究会、恵山会、恵友会、恵和会、いずれも全額が最終的には未来産業研究会に寄附をされているわけです。こう入った寄附金が、Tさんのも含めて全額、未来産業研究会というところに寄附をされているわけでございます。  これは明らかに、一人百五十万円というふうに決められた政治資金規正法に違反するのではございませんか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 委員が御指摘の点は、事実上ということなのではないかと思いますが、形式審査権を持っております自治省としては、違法行為はないというふうに考えております。

生方幸夫民主党

○生方委員 総理にかかわることでございますから、どう見ても最終的に未来産業研究会に行っていることは明らかであるわけですから、一人百五十万円を超える政治献金がなされたと、普通に考えれば考えるんですが、総理はいかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 違法行為はないと考えております。

生方幸夫民主党

○生方委員 皆様のお手元に資料をお配りしてございますので、ちょっとごらんをいただきたいんですが、二枚目が、未来産業研究会の、平成十一年三月二十九日に行われました政治資金収支報告書でございます。ここの中に、個人献金の欄に、今ここに示しました百五十万円というTさんがされた献金が記載をされております。  それから、一ページめくっていただきまして、恵和会のやはり収支報告書がございまして、恵和会は、五番「寄附の内訳」として、このTさんを含めた方から寄附がなされている。この「支出総額」というところと「寄附・交付金」というところを見ていただければわかるんですが、支出が四百万円で、寄附・交付金が四百万円というふうになっております。  それで、また一枚戻していただいて、これは総理の未来産業研究会でございますが、恵和会から四百万円、これは政治団体分として寄附がなされた。つまり、ここで、Tさんが行いました献金がそのまま真っすぐに、トンネルとおぼしき恵和会を通して入っているということがおわかりになると思います。  それから、もう一枚めくっていただきまして、恵山会も、ここにやはり「寄附の内訳」で、個人分としてTさんという名前があって、やはり支出が三百万円で、その三百万円全額が寄附をされている。これはもう同じことでございますので一々あれですが、これも二枚目を見ていただければわかりますように、三百万円全額が未来産業研究会に入っている。同じように、国際政治経済研究会からも恵友会からも、寄附と支出が同額のものが総理の政治資金管理団体に入っている。  このことはとりもなおさず、こういうところを通ろうが通るまいが、ストレートに未来産業研究会にこの個人の方から政治資金が流れたと、だれが見ても見えると思うんですが、総理、いかがでございましょうか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 自治省では、政治資金の収支報告書を管理して閲覧に供しておりますので、それをお調べの上の数字でありましょうから、数字としては自治省の閲覧で得られたものだろうと私は推定をいたしますが、先ほどから申しておりますとおり、仮に恵山会なりから集まったものが未来産業研究会に流れましても、それは直ちに違法ということは言えないということでありまして、これを違法と断ずることは私どもの立場からはできません。

生方幸夫民主党

○生方委員 これらの政治団体が、ほかの活動をしてほかの支出があるというのであればいいですけれども、ほかの支出は全くないわけですね。全額が未来産業研究会に行っているという点が一点。今もここにお示しをいたしましたように、未来産業研究会と恵山会は同じ場所にある。あと、国際政治経済研究会、恵友会、恵和会というところは、この恵山会、恵友会、恵和会は会計責任者が一緒でございます。そして、その会計責任者が未来産業研究会の事務責任者になっているわけでございますね。  だから、まさにこれは、常識的に考えれば、一体であるというふうに考えていいわけでございまして、その一体である政治資金団体から総理のもとに、総理の政治資金管理団体にお金が入っているということは、だれが見ても、この会社役員のTさんという方は、この国際政治経済研究会に寄附をしたかったんではなく、まさに未来産業研究会に寄附をしたかった、しかし、それだと百五十万円を超えてしまうから、こういうところを通したとしか考えられないんですが、総理、いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御推測は御推測として、私の方は、自分の政治資金管理団体の処理について会計責任者から報告を受けておるということがすべてでございまして、そのことを信頼してこの団体を任せておるということです。政治資金管理団体たる未来産業研究会をお任せしておる、こういうことです。

生方幸夫民主党

○生方委員 「逐条解説 政治資金規正法」という自治省がお出しになっている本の中に、この第二十二条について解説をしてございます。  二十二条をもう一度読みますと、「政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、百五十万円を超えることができない。」というふうになっております。  それの解説として、「個別制限とは、同一の者から同一の者に対してする寄附の年間総額の制限であり、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、年間百五十万円を超えて政治活動に関する寄附をしてはならないとされている。 この個別制限の趣旨は、」ここが大事なんです。「趣旨は、巨額の政治資金の授受が政治の腐敗を招きやすく、癒着現象を引き起こしやすいことから、寄附の総枠制限のほかに個別の制限を設けることにより、特定の者と特定の政治団体又は公職の候補者との癒着を防止しようとするものである。」というふうになっているわけです。  したがって、これはこの間も自治大臣に質問をしたんですが、一つの政治団体に限って百五十万円だから政治資金規正法上は問題ないというふうにおっしゃいましたが、明らかにこのTさんの趣旨は、未来産業研究会に六百万円を贈るというのが趣旨でございますから、趣旨からいえば、一人百五十万円を超えた献金がなされているということでございますので、百歩譲って法律に違反しないとしても、法律の趣旨には違反するんじゃないですか。総理、いかがですか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 お一人の方がまとめてそこへ献金をするという意図を持っておられたかということは、私どもでは承知をいたしておりません。

生方幸夫民主党

○生方委員 重ねてお伺いしますが、その法律、政治資金規正法は、百五十万円を超えて寄附が行われると、寄附をした側と寄附をされた側の間に癒着が生じてしまうおそれがある、だからこれは、政治資金規正法で百五十万円までというふうにされているわけですよね。でも、現実には、この方から未来産業研究会、これはもう総理御自身のところにも百五十万円入っているんですけれども、それ以外、総理が御承知していようがしていまいが、実質的にこれが、未来産業研究会に寄附がなされているわけです。  総理、御存じだったか御存じなかったかは別として、これは明らかに政治資金規正法の趣旨、法の趣旨に反していることではないですかという質問なんですが、いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 法律の有権的解釈について、それぞれの議員が御判断するということであっては、これはそれぞれの考え方の違いもあろうかと思います。よって、法律に違反するかどうかということにつきましては、先ほど来お話しのように、これを所管する自治省におきまして判断をいただいておる、こういうことでございます。

生方幸夫民主党

○生方委員 これは、この間も、総理はいらっしゃらなかったのですけれども、この場で説明をいたしたのですけれども、このように支出が寄附金以外に一つもない。ほかのところは、みんな見ても、事務所費とか光熱費とかみんな入っているのですよ。資金報告書に記載をされている。少なくともこの四つの団体は何も記載をされていない。  だから、いわば幽霊的な政治団体を持っているのは、ほかの政治家の方たちもみんな持っているというのであればともかくとして、お隣にいらっしゃる宮澤大蔵大臣も持っていないわけですね。ほとんどの方が、政治資金団体は一つに限るというふうになったときに、私はそこまで詳しくは知りませんが、あるいはもうなくしちゃったんだと思うのですよ。  そういう疑惑を持たれるようなものは持つのはやめようというふうにして、政治資金規正法は、何といっても資金の流れを透明にしよう、政治に対する不信があるわけですから、その不信を取り除くためには、資金の流れをできるだけ透明にしよう、一つに絞ろうということでつくられたわけでございますから、ほかの方たちはもうみんなそれをなくしているのですから、総理も、たびたびこれは指摘をされているわけですから、ことしはもう終わっちゃいましたからしようがないですが、少なくとも来年はこういうことはもうやめようという気があるかどうか、そこをお伺いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 公のところでしばしばお話に出ないように考えていくことは当然だと思います。

生方幸夫民主党

○生方委員 これは総理を支援している団体でございますから、もちろん総理が直接責任者であるわけではございませんが、総理の知っている方、総理の支援をしている方がこういう団体をつくって、もちろん総理のためによかれと思ってこういう活動をしているのは確かでございましょう。  しかしながら、法の精神からいえば、百五十万円という規制があって、こちらにいらっしゃる方はみんなそれを多分守っていらっしゃると思うのですよ。そういうことをやりながら、こういうトンネル的な政治団体を通して一人から百五十万円を超える寄附などということは、みんなやるまいということでやっているわけで、そこを、長たる総理大臣が、百歩譲って違法ではないとしても、極めて脱法的なにおいが強いと私は思うのです。  そういう指摘をされたら、ことしからやめますとか、関係者に言ってこういうものは廃止をしますとかという約束をするのが、やはり政治不信を解消するためにも、ぜひとも総理が今ここで言うべきことじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私を支援してくれる団体について、私がその存否についてここでお話しするということは僣越だというふうに思っております。  がしかし、私は、この政治資金管理団体として定められたところの歳入についていろいろ誤解があるとすれば、それは考えていかなければならない問題だろうと思っております。

生方幸夫民主党

○生方委員 もう一点お伺いしたいのですが、前回、同僚の海江田議員の質問で、総理の秘書官である古川さんが、総理が官房長官のときに、民間会社の役員を兼務していたという指摘をしました。  そのとき総理は、一々許可をしていたわけじゃないから知らないというふうにお答えになりましたが、これは政務秘書官として規定に違反しているんではないですか。いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 たしか明治時代の勅令か何かに違反しておるということであると思います。

生方幸夫民主党

○生方委員 これは罰則規定がないというのは、この間青木官房長官からも伺いましたが、そうすると、それ以降は古川さんはこういう兼職というものはなさっておりませんか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 秘書官が民間企業の役員を兼職していた事実につきましては、二月十七日に秘書官本人から報告を受けまして、本人は同日に直ちに企業の役員を辞職する手続をとったと聞いております。  これは、写真週刊誌にそのことが報道されましたので、それを拝見いたしましたところ、昭和五十四年に設立した会社で、同級生が会社を起こして、そこの役員になってくれということであったそうでありますが、その後、もちろん対価を得ておったわけではありませんし、また役員総会などの連絡も一切今日までなかったということでございますので、大変残念ながら、本人はそのことを週刊誌をもって承知するということになったようでございますので、直ちに辞職する手続をとりました。  さりながら、冒頭のお話のように、明治のときの勅令から判断して、こうした政務の秘書官を受けるということにつきましては好ましいことでないということで、辞職をされ、本人が大変反省をいたしておりますので、私としては、大変な遺憾なことであり、今後みずから厳しく律するよう心してほしい旨申し上げ、本人に厳重に注意いたしたところであります。

生方幸夫民主党

○生方委員 規定に違反しているわけですね。首相秘書官というのは特別国家公務員で、首相の許可なく営利企業の役員になったり給料を得たり事務をすることは、官吏服務紀律で禁止をされているわけですね。(発言する者あり)給料を得ていないです。給料を得ようが得まいが余り関係ないですね、これは兼職をしちゃいけないということですから。  ただ、前回の答弁のときには、一々私は秘書が何をやっているか知らないというふうにお答えになったわけですね。これは、総理の秘書官、官房長官のときにも秘書官。青木官房長官は、私の秘書はそういうことをやっていないというのはきちんと知っていると。  こういう規定があるわけでございますから、官房長官のときにも問題になったわけですから、当然、総理になったときにはもう一度、再度、総理にとっては小さいことかもしれませんけれども、これは、やはり首相の秘書官というのは普通の人が知り得ないあらゆる情報が入ってくるわけでございますから、仮にお友達だというふうにしたとしても、それはやはり規律としてきっちり総理が守らないと、これは、やや話は飛んじゃうんですけれども、今度の県警の不祥事なんかにもつながっていくことだと思うんですが、いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 その点は生方委員の御指摘のとおりだと私は思いまして、前の、官房長官のときの秘書官の経緯については、そのときも承知をしておりませんでした。  したがって、今回につきましては、官房長官から総理ですから、より一層重責を担わせていただいておることに対しての秘書官ですから、そのことは一切ないということを問いただしたところ、なかったんです。なかったんですが、先ほども申し上げましたように、もちろん報酬を受けているとか受けていないとか関係ありません。  ただ、五十四年に、高校時代の同級生に頼まれて、正直言えば名前を貸して、その後、給与もそれから役員総会の通知もないということですから、大変その点で……(発言する者あり)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 どうぞそれは御自由に、お話があったらさせてください。  ということでございまして、大変本人も不注意であったということで辞職をされましたので、十分注意をいたしたということでございます。

生方幸夫民主党

○生方委員 やはり総理は我々のトップにいるわけでございまして、日本国民にとってもやはりトップにいらっしゃる方でございますから、李下に冠を正さずで、本来は見本にならなきゃいけないところが指摘をされたんじゃ、これは逆になると思いますので、その辺は十分注意をしていただきたいと思います。  それから、最後に一点でございますが、午前中も出ました警察の幹部の不祥事の件でございます。  これは、国家公安委員長も警察庁長官も、やはり警察の独立ということで、この処分の見直しが行えない。青木官房長官も、非常に残念なことだというふうにおっしゃっておりました。  これは私、一人の国民として、やはりとても納得はできないわけですね。監察に行って、監察をやったのが十五分で、その後昼飯を食いに行って、その後はどこか港か何かを視察に行って、その後、崩れているか崩れていないかわからないような、山崩れのもう終わっちゃった後の、まあ山崩れが起こって現場には行けない、下を通って、それから温泉に行ってしまったというようなことで、これをこのまま済ませれば、国民の間に非常にいらいらも募りますし、警察に対する不信はさらに募ると私は思うんですね。  したがって、総理ができることは、やはりその長たる警察庁長官あるいは国家公安委員長なりに責任をとらせるという形でこれは決着をつけないと。もしこのまま何の処分もなく通ったら、警察は自分たちが悪いことをしていても処分もしないのかということになってしまうので、そこまで考えなきゃいけない深刻な事態だと私は思うんですが、いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、今般の事件について、新潟県の本部長並びに中央から参りました監察官の行動についての御批判というものは、一般の国民の目から見ますと、どうしたことだという大変強い怒りの声があることも承知をいたしております。  このことは十分承知した上で、その処分についてどうあるべきかということにつきましては、先ほど来自治大臣、国家公安委員長から、国家公安委員会における二回の審議の経過を踏まえて決定をいたしたわけでございます。  これも先ほど申し上げましたけれども、政治家として、官房長官、内閣総理大臣、昨日もこの問題について極めて憂慮すべきこととして、どのような方策が講ぜられるかということを鳩首検討いたしましたが、結局、かつての警察権力に対する政治的な指揮あるいは命令等があってはならぬという趣旨でこうした国家公安委員会制度をつくり、委員そのものが国会の承認をされて生まれてくる委員会でございまして、ここで正式にお取り上げいただき、御審議した結果が今回の処分に相なっておるわけでございまして、内閣総理大臣としてこのことについて改めて手を下すといいますか、これを指揮するということは、これは秩序を守り得ないことでございます。  したがって、正直に申し上げれば、国民の素朴な感情と法的に定められたことに対する対応との間のジレンマは非常に感じてはおりますけれども、この点については国家公安委員会、あるいは警察庁長官もその公安委員会に出席をされて、お話をされておるということを総合的に判断して、国家公安委員会で決定したことでございますので、この点については、これは御理解をいただく以外にないのではないか、こう考えます。

生方幸夫民主党

○生方委員 同僚議員がこれからその件について質問をいたしますので。  あともう一つ、警察庁長官に、この間、京都府警に対しても調査をするという御返事をいただいておりますので、こちらの方も一日も早く調査をしてほしいということを要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて生方君の質疑は終了いたしました。  次に、坂上富男君。

坂上富男民主党

○坂上委員 新潟県警、女性長期監禁事件の質問は、私はもう四回目でございます。時間がありませんので、詳細な質問要旨を答弁者にお渡ししてありますので、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。質問も早口で要点のみを申し上げます。時間がない場合は文書ででもお答えいただきたいと思っております。  この不幸な事件は、私の町、三条市で起きたものであります。保護された一月二十八日の日は、我が三条市民は、九年二カ月の長期にわたって監禁されたということを知りまして、ほとんどの人が涙を浮かべ、胸を詰まらせたものであります。しかしながら、警察の不手際や、酒を飲みながら、マージャンをしながら捜査指揮をしておったなどというようなことが報道されるに及びまして、私たち三条市民の警察に対する怒りと不信はその極に達していると言っても過言でありません。私は、被害者の一日も早い御回復をお祈りし、御家族の、御親戚のお見舞いを申し上げながら、一括質問をして一括答弁を求めたいと思います。——こういうのは笑い事ではないんです。きちっとまじめに聞いてください。  まず、警察では、このような重要な事件や監査と上司との懇親はどちらの方が大事だと指導しておるんですか。笑い事じゃない、これをやっているんだから。  その次。  本部長や局長の甚だしい非常識な、破天荒な行為をすることはなぜだろうかと私は考えてみました。林局長の答弁によりますれば、事件として立件しなかったので、多分、小林本部長が事件引き継ぎのとき、この引き継ぎ書の中で女性長期監禁事件は事件として引き継がれておらなかったんじゃなかろうか、したがって、本部長はこの事件の重要性について認識していなかったんじゃなかろうか、私はこう思っております。  引き継ぎ書の中にこの事件はあったのですか。引き継ぎ書をぜひ提出していただきたいと思います。もし提出できなかったら、委員長の方で提出要請をお願いいたしたいと思います。  もし引き継いでおるならば、本部長としては、寝ても覚めてもこの問題は頭を離れることができないはずであります。それが何ですか、マージャンしながら、酒飲みながら、事件が発表、保護されてから捜査指揮をしておったというのが温泉で、こんなのはどこの世界でもないんじゃないですか。  それから今度は、責任者のほとんどが不在のまま特別監査がなされました。一体こんな監査、神奈川県警の事件があってからでしょう、実効性があるんですか。監査には懇親や食事をともにすることは厳禁されております。許されますか、こういうことが。  監査以外の、新潟西港の外国船入港の状況も視察をしておるのであります。公用車を利用して往復し、翌日は公用車で観光しておるのであります。  懇親、宿泊費は県警が負担したのではありませんか。請求書、受領書、ぜひ提出をしていただきたい。提出しなければ、委員長の方で命じていただきたい。  それから、今回の特別監査の報告書も提出していただきたい。ぜひひとつ取り寄せていただきたいと思いますが、任意提出するようにお願いをいたします。  こう考えてみますると、新潟県警はこの事件についてはほとんど力を入れていなかったのではありませんか。これが本部長の虚偽発表や酒を飲んでの捜査指揮となったのではないかと思っておりますが、いかがですか。  処分について。  保護についての虚偽発表の記者会見、その夜、三川温泉で小林本部長と中田局長が酒を飲んで懇親しているとの情報を、私は、二月の二十六日、この間の土曜だ、得ましたので、警察庁に直接電話をいたしました。そして、担当は、午後二時半まで御連絡をお待ちくださいと私に連絡がありました。待ったところが、次のような回答でした。本部長は、駐在の視察で三川村に行き、三川温泉に泊まり、関東管区局長に合流したとの報告を私は受けました。そして、同日午後五時、何時かわかりませんが、慌てて国家公安委員会が開かれたんじゃないかと思いますが、五時に処分発表があり、辞職する旨の記者会見がありました。同時に、中田局長も辞職をするが処分なしとの発表があったわけであります。  急遽これらの処置をとられたのは、国民の怒りを考慮して、慌てて出されたんじゃなかろうかと思います。中田局長に対する責任は、さっき申し上げたように、まだまだ調査の必要があるのでありまして、調査の必要なし、処分の必要なしというのは明らかに間違いであります。指摘をしておきます。  さて、今度はコンピューターの入力についてでありますが、本件事件の被疑者の犯罪手口について、再犯のおそれがなかったのでいわゆる犯罪手口については入力しなかった、これは結構です、それ自体としては。手続上の誤りはなかったようです。しかし、認定の誤りがあることは指摘しておる。と同時に、指紋や写真や罪名等の鑑識関係は入力してあるのであります。確定判決の結果についても、罪名や判決結果が入力されているのであります。  これは、新潟県警のみならず、警察庁にもこの鑑識カードがコンピューターに入っているはずであります。これは事実でしょう、間違いないでしょう。何でこの捜査のとき、あの調査をするとき、警察本部を初めとして、新潟県警、三条警察挙げて捜査しなかったんですか。九年二カ月の監禁が続いたのでありまして、もう本当に腹立たしい、私たち市民の思いでございます。ぜひきちっとした御答弁をいただきたいと思います。  私は、国家公安委員長を大変尊敬いたしておりますが、きのうの対応については承服できません。長官が処分権があって、国家公安委員会は何らこれに対する対策はないんだそうでございますが、こんなのは、警察に対して、国家公安委員会が管理しているんだから、管理の立場からこれは要求すればいいんです。私は、何ら手続上違法はないと思うのであります。  もう私のところへ、きょう私が質問することで何か新聞で出たそうです、わんわんと電話が来ている。こんなことを許して、本当に日本の警察は何をしているんだ、小渕さんどうしているんだろう、本当にそういう電話が来ているんですよ。こういう電話が来ているわけです。  私は、保利国家公安委員長に、本当にこの責任は委員長みずからとっていただかなきゃならぬ事件になったんじゃなかろうかと思います。長官の方も、これはやはり監督責任上、あるんじゃないですか。どうかひとつ、刑事局長、長官、委員長それから小渕総理の順で、簡単で結構でございますから、御答弁いただきたいと思います。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 事実具体の問題につきましては、警察庁長官から答弁をいたさせます。  私、この事件に接しましたときに、昨年からの神奈川県警におきます不祥事、それの対応に当たってまいりました者として、大変寂しい、何か裏切られたような気持ちがいたしました。どうぞその心境についてはお察し願いたいのであります。その上に、こういう大変重大な事件を新潟県警で起こしておりまして、本当に私は何と言っておわびをしていいかわからないという気持ちでおります。  なお、国家公安委員会を代表する者として申し上げさせていただきます。  昨日の夕方五時から国家公安委員会を招集いたしまして、開きまして、小林県警本部長に対する処置の可否について、いろいろ御意見を改めてまたもう一度伺いました。その結果、さきに発表いたしました処置を了とするという形の結論が出まして、五人の委員がそろってその結論を出したものですから、私は、取りまとめとしてそのような発表をさせていただきました。  それから、御指摘の、警察局長に対します、中田氏に対します処分の問題でありますが、私もかねていろいろ警察庁の方には申し上げておりました。その中で、これは人事権者は警察庁長官でありますので、警察庁長官の判断で処分が決まっていくわけでありますが、警察庁長官からいろいろ御説明が国家公安委員会の場でありまして、五人の委員がその報告を了とする、いろいろ議論はございましたが、了とするという旨の発言があり、その取りまとめを行いまして、発表をしたものであります。  国家公安委員会の中におきましては、御承知のように私は表決権がございませんから、事前にいろいろお話をするということはございますけれども、その中での発言は、私はいたしておりません。国家公安委員会としての判断であったということを申し上げておきます。  今回の件では御心配をおかけして、本当に申しわけなかったと存じております。

坂上富男民主党

○坂上委員 交代時間だそうですから、文書答弁をいただくことにして、私は退場します。どうぞ。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 田中警察庁長官。(坂上委員「総理から」と呼ぶ)いや、さっきから手を挙げていますから。質問を受けたから。

田中節夫警察庁長官

○田中政府参考人 簡潔に御答弁を申し上げよということでございますので、順を追って申し上げます。  女性監禁事件の捜査と懇親とどちらが大事か、これは当然に捜査が大事であること、言うをまたないところでございます。  それから、引き継ぎ書の問題でございます。これは調べますと、急遽調べましたので十分ではございませんけれども、当時の引き継ぎ書を調べますと、本件については特に記載がされてございません。おりません。その後、三週間後に三条署に巡視をしておりますが、そのときに、当初から最重要の課題としての報告を受けておる、こういう事実はございます。  それから、特別監察でございますけれども、今回の関東管区警察局の特別監察、これは特に管区局長の行動の態様という御指摘だと思いますけれども、これにつきましては極めて遺憾であるという認識でございます。  当日の新潟西港のお話がございました。これは当初から計画していたものでございまして、こういう場合には重要な、これは北朝鮮の万景峰号が入ってくる港でございますので、警備体制を視察することはございますけれども、これは正確には監察の対象にはないということは言えると思います。  それから、公用車の問題がございました。順を追って御説明いたします。  公用車の問題がございましたが、翌日、公用車で帰っておりますが、宿泊費は自分たちで負担しております。旅館の請求書、領収書は、これは求めましたところ、既に廃棄してしまっておるという報告を受けております。これは私費でございますので、公費でございませんので、私費でやっておりますので、そういうことでございます。(発言する者あり)請求書、領収書のたぐいは、今申し上げましたように、廃棄しているということでございます。  それから、特別監察の報告書の問題でございますが……

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御静粛に願います。

田中節夫警察庁長官

○田中政府参考人 その内容につきましては、具体的な捜査の進展状況あるいは証拠品の管理状況等がございますので、このまま報告することは、お出しすることはできない、差し控えさせていただきたいと存じます。  ただ、この概要につきましては、国家公安委員会に御報告をして、既に昨年の時点におきましては、昨年終了した分については公表しておりますので、このような形で公表をしたいというふうに考えておるところでございます。  なお、処分の問題でございますが、二月二十四日に国家公安委員会が開かれまして、調査結果を御報告いたしました。その夜、中田局長から当該事案の報告が私になされまして、事の重大性、極めて言語道断であるということで、その当日の夜、大臣に御報告を申し上げました。大臣に御報告申し上げて、そしてその次に、大臣の御指示で、各国家公安委員に全部、順次、私あるいは次長が御説明申し上げまして、そしてその二十五日の夜、具体的な処分等が決まったということでございまして、決して急いで決めたということではございませんで、御案内のように、新潟県では現在県議会開会中でございますので、こういうことも含めて二十六日に決めたということで、二十六日に急遽決めたということではございません。そういう背景がありまして決めたということでございます。  コンピューターの問題につきましては、刑事局長から答弁させます。(坂上委員「要らないんだ。大臣だけ答弁、総理大臣」と呼ぶ)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 では、小渕総理大臣、一言。一言でお願いします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 先ほど来お話し申し上げておりますように、国民の信頼を失ったことはまことに責任の重きを感じております。向後こういうことのないように、私は、国家公安委員会の組織は組織でございますが、委員長初め委員の皆さんにもお話を率直にお聞きしながら今後に対処していきたいと思っております。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて坂上君の質疑は終了いたしました。  次に、池田元久君。

池田元久民主党

○池田(元)委員 総理のこの委員会への出席問題、欠席問題かもしれませんが、既に同僚議員が取り上げておりましたが、総理は、官房長官が委員会で決めることだということをおっしゃっていても、みずから進んで審議には加わり、説明責任を果たされるべきであったと私は思います。総理のかくも長き不在についてどう考えるか。自民党のトップリーダーでもある総理としては、積極的に審議に加わって説明をしていただきたかった。  山積する問題がございます。この委員会では今後集中審議を行う方向となっておりますが、従来同様、総理は集中審議には出席されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 憲法六十三条の規定によりまして、国会が要請した場合には内閣は進んで国会に出席し、考え方を申し述べる義務を負っているものと考えております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 ぜひ憲法どおりに対応していただきたいと思います。  総理のお顔をほとんど拝見、お声も聞いておりませんでしたので、きょうは質問を総理にほぼ絞っていきたいと思います。  まず、越智通雄さんを金融再生委員長に起用した理由は何ですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 昨秋、自自公三党連立内閣が組閣をされまして、そのときに、それぞれの役職に当たりまして最も精通された方々をということを念頭に置きながら対処したわけでありますが、越智金融再生委員長につきましては、自民党の金融問題調査会の会長として、たしか七、八年の長きにわたってその責を全うされてこられた最もエキスパートと考えておりましたので、内閣の中ではこの方が望ましい、こう考えて入閣をお願いした、こういうことでありました。

池田元久民主党

○池田(元)委員 金融に知識があるとか金問調の会長をやっていらしたとか、また新しい金融再生委員長は越智氏を練達の士というようなこともおっしゃっているようでありますが、それは知識があればいいというものではありません。金融行政はまずその姿勢が重要であると私は思います。  この越智さんの発言、たびたび取り上げられておりますが、どんどん言ってくれとか、最大限考慮するとか、今言ってくれれば私のところからお金が出せるとかという発言は、まさに当局に口ききをし、検査に手心を加えるかのような発言でありまして、まさに利益誘導ではないか。  任命権者の小渕総理としてはどのように考えるか、端的にお尋ねしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 すべての発言を記憶しておりませんけれども、同僚の議員の支援のために参りました席上におきまして、言われておりますような発言をされたということでありますが、その発言につきましては、今池田委員が御指摘のように、いわゆる再生委員長として検査に手心を加えるとか、あるいはまた信金、信組についての事柄について要請を承るとかいうことをその発言の中から受け取られた嫌いがあることは、これは事実だろうと思います。  そういう意味では、極めて不適当な発言だというふうに、御本人もそうこの委員会で述べられておるわけですから、私どもも、そういうことで、いやしくも金融再生委員長として公正公平に対処し、かつ金融監督庁の検査そのものが、言われるような手心を加えられる可能性があるかのように誤解をされたということは、これは全く残念至極、遺憾のきわみであるというふうに感じております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 極めて不適当な発言で、公平公正さを欠いて、極めて遺憾であると。そうであれば、総理は越智金融再生委員長を罷免すべきではなかったのですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 任務として金融再生委員長の仕事に瑕疵があったと私は思っておりません。  それは、さすがに、ベテランとしてその任に当たっては十分その任を果たしてきたと思っておりますが、そのときの発言そのものがそうした日ごろの努力なり任務遂行に当たっておることと離反しているような印象を与えたということについては、これは好ましいことではない。  これは、金融再生委員会並びに金融監督庁も含めて、現下、金融の問題については非常に透明性の高い行政を行わなきゃならぬということがいわゆる曲げられていくような印象を与えたことが、これは好ましいことではないと申し上げておるわけでございまして、そういう意味で、この問題の処理については、いろいろと御本人の御判断もあろうかと思いますが、最終的には、御本人がそうした発言についての責任を考えて、そして辞表を持ってこられましたので、私としては、諸般の情勢を判断してこれを受理し、後任を選任させていただいた、こういうことであります。

池田元久民主党

○池田(元)委員 この問題について、自民党の幹事長は、やめるほどのことじゃないだろう、選挙の応援だったらあれぐらいのリップサービスはするよと言い、また政調会長は、やめる必要は全くないと述べたと言われております。  自民党の政治では、補助金の交付や許認可など、行政のあらゆる分野で口ききと手心が横行しているのではないか。越智発言は個人の発言、発想というよりも、こうした自民党の体質があらわれているのではないかと思いますが、総裁である小渕総理大臣にお聞きしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 民主政治におきましては、お互いそうかと思いますけれども、地域社会の要請その他につきまして全力でおこたえをしていくということは、これはあり得ることだろうというふうに思っております。  ただ、権力を持してといいますか、少なくとも大臣あるいは長官、そういう立場にある者は、よほど心していきませんと誤解を受けがたいことだろうと思います。  しかし、おっしゃられるように、自民党全部の国会議員並びにここに並んでおられる大臣そのものが、そうした考え方に基づいて御指摘のようなことは、私は、いやしくも大きな役割を担っておる者がそういう姿勢で対処しておるということは決してない、このように確信しております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 私もできればそう思いたいのですが、越智さんを罷免できなかったのは、やはり自民党二役も、残念ながら総理もそうかもしれませんが、こうした口きき政治、手心政治を共有していたからではないかという疑念を持たざるを得ません。  一年半前を思い起こしていただきたい。私たちが金融再生計画に基づいて、その主な柱として、金融危機管理の司令塔として金融再生委員会をつくりました。大蔵省の裁量行政から決別して、つまり護送船団行政から決別してルールに基づく事後監視型の行政に転換するために、国務大臣を長とする三条委員会として設置をしたわけです。それは三条委員会、つまり独立行政委員会。午前中、与党委員の質問で私とは全然評価が別のことをおっしゃっていましたが、中立公正さを確保する独立行政委員会である三条委員会をつくったわけですね。そこにまた国務大臣を長とすることによって責任を全うさせる、つまり両者の長所を兼ね備えた組織として我々はこれをつくったわけです。  再生委員会は金融行政のかなめでありまして、中立公正を確保しなければならない組織です。これは発足当時からそうなんです。この組織の長に、業界癒着型と言われてもその言動からいって仕方がない人物が起用されるとは私も思いもしなかった。このような中立公正さを確保すべき金融行政のかなめに越智氏のような人物を起用した小渕総理の責任は極めて重いものがあると思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 結果的に越智委員長が退任せざるを得なかったということについては、まことに残念でかつ遺憾のきわみだというふうに思っております。  ただ、先ほど申し上げましたように、金融問題というのはいろいろと難しい点もございますし、また、過去の経緯も承知していなきゃならぬ。今、池田委員も、一昨年にあの金融国会において与野党いろいろと御議論をされましたが、まさに専門家の皆さんが熱心にお取り組みいただいてやられました。そういう中にあって、越智議員も、申し上げたように、この問題について、事態の重要性については承知をしておるものだというふうに思っておりましたし、また、今日までその仕事に精励をされてこられたわけでございます。  今回は、御発言が不適切であるということをもって、国民の信頼を失いかねないということで本人も辞意を表明したわけでございますので、そういうことから考えますと、私の選任そのものに私は間違いはなかったとは思いますけれども、しかし、結果的にこうした事態に立ち至ったということについての責任は、それは看過し得ざるものと考えております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 口が滑った発言ではないですね。あのテープを起こした発言録だと、全編これは同じトーンでやっておりまして、また、いろいろ最近の言動も聞いております。政治献金の話もございます。私は、このような方を起用した責任は極めて大きいと思います。  さて、ここへ来て、金融行政の後退がはっきりしてきたのではないかと私は思います。一つはペイオフの延期、もう一つは長銀等の売却、譲渡です。  ペイオフの延期は日本の金融改革をおくらせ、国際的公約でもあるこのことをほごにしたことで、日本の金融行政に対する信認を低下させたと言えます。そしてさらに、公的負担を膨らませることにもなります。弱いところに合わせて行政を進めるというのは、まさに護送船団方式そのものではないかと私は思います。  もう一つ、長銀の外資系投資組合に対する売却に当たりましては、国有長銀の保有株式の含み益、覚書締結時で二千五百億円強ありましたが、これを長銀の債務超過額の穴埋めに充てるのが当たり前なんですが、それに使わずに、新しい長銀の資本に組み入れることになりました。また、もっと問題なのは、大口融資先に対する資産査定を厳格に行わずに新長銀に引き継がせ、国が損失を負担する道を開いたことであります。  これらは極めて問題でありまして、金融再生法にあります費用最小化の原則に著しく反するものだと思いますが、この金融行政の後退について、小渕総理大臣の考えをお尋ねしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党金融再生委員会委員長

○谷垣国務大臣 先ほどから池田委員がいろいろおっしゃっておられますように、大体今の金融行政、いろいろ変わってまいりましたけれども、池田先生があの議論の中で、今もおっしゃいましたように、よく承知でございます。  私も、金融再生委員会に参りまして、合議制というものがうまく機能しているかどうかというのが一番関心でございまして、参りましてから数日間、その間の事情をよく調査いたしました。やはり練達の人間が集まって、しっかり議論をしようというのでよくやっていると思います。  今御指摘になりました長銀の処理あるいはペイオフの一年延期、そういうことで金融行政が後退する心配は一切ないと私は思っております。しっかりやりますので、信頼を取り戻していくように渾身の力を振り絞って頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

池田元久民主党

○池田(元)委員 途中の理由がなくて、決意だけでありました。いずれ議論をしたいと思います。  総理にお聞きしたいのですが、私たちは一年半前に、長銀などの大手銀行、いわゆるマネーセンターバンクの危機に当たりまして、金融再生四法案を提出いたしました。その際、大蔵省、自民党はブリッジバンク法案などをまとめたんですが、大手銀行の危機には全く対応できないことがはっきりしました。今一転して与党の一角にある自由党は、政局にすると勢い込んでおりましたが、私たちは金融危機の克服を最優先いたしました。  別に小渕内閣にタオルを投げたわけではありません。日本発金融恐慌を回避するために我々は行動をいたしました。金融再生法は、成立直後、長銀、日債銀に直ちに適用され、これら二行は混乱なく処理をされました。  私たちは金融再生四法という新しい車をつくったが、運転するのは我々ではなかった。車は新車だったが、運転手に恵まれなかった。それでも、柳沢委員長のときは、ギアはドライブレンジに入っていた。ところが、越智さんになると、ギアはバックに入れ続けたわけです。越智前委員長は小渕内閣の金融行政、金融改革後退の象徴であると言って過言ではないと思います。  のど元過ぎれば熱さを忘れるということがあります。金融再生法が成立した後、小渕総理大臣は外国に行かれて、こういうものができたんだよということを胸を張っておっしゃったというふうに聞いておりますが、今や小渕内閣の金融行政、金融改革は大きく後退したのではないか、小渕総理にお尋ねをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今回、現職の委員長が退任することになったことは残念のきわみでございますが、この二法を、国会の意思として成立をさせていただいた法に基づきまして、政府としては粛々と作業を進めておりまして、柳沢委員長も越智委員長も、そして決意を新たにいたしましてまた谷垣委員長も、これを着実に推進していくと。  思い起こせば、御案内のように、日本の金融システムがまさに崩壊せんとするときに当たりまして、国会を新たに開いていただきましてこの問題に対処した、その国会の意思というものは十分受けとめて、新しい金融制度のあり方、そして国際的に信認を得られるような形でのこれをつくり上げていくことでなければ、せっかくの法制定の意味もなくなるわけでありますから、全力を挙げてやっておりますので、いささかも後退したということは私はあり得ない、こう考えております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 ペイオフの延期、長銀等の譲渡、大変問題があるということを申し上げておきたいと思います。  財政再建についてお尋ねをします。  総理のこれまでの発言、施政方針演説や予算委員会の答弁等を聞いておりますと、景気が回復すれば財政再建が可能になるというふうに受け取れます。議論の前提として、単純な話でございますが、端的にお聞きします。景気が回復すれば財政再建が可能になるのでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 景気を回復し、七百兆になんなんとする日本のGDPでございますので、これを適正な成長路線に持っていくことができれば、必ず、私は、国民の財貨というものの中で国家に対しての財政を潤していただけるものがあり得る、こう考えております。  その時期はいつかと問われれば、なかなか申し上げることは難しいかと思いますが、その路線において私は誤りはない、このように確信いたしておる次第でございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 そうしますと、景気が回復すれば財政再建が可能になる、財政再建の展望が開けるとお考えなんですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 裏返して言えば、回復しなければなかなか困難だと思っております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。  私は、景気が回復して財政再建が可能になれば大変よろしいと思いますが、巨大な財政赤字のもとでは、景気が回復しても財政は再建できないのではないか。  大づかみな話をしますが、二〇〇〇年度予算を前提にした、前回論議しましたこの中期財政事情の試算では、結論からいいますと、二通りの成長率のうち高目の成長率の方が国債発行残高がかえって膨らむ結果となっております。景気が回復しても財政再建ができないことを示しているわけですね、これは。景気が回復すれば財政再建が可能になるとか、財政再建の展望が開けるという認識とは全く正反対なんです。どっちが本当なんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その資料のことでございますから申し上げますが、その資料は御承知のように一種のプロジェクションでございますから、政策努力、政策意思というものは入っておりません。  資料として言っておりますことは、仮に景気が回復しましても、恐らく社会保障の負担というものは財政としてふえ続けるであろうし、それから、利子が上がれば国債費がふえるであろう等々の理由から、景気が回復しただけで即国債発行量が減るということにはならない。それは委員のおっしゃるとおりでございます。  ただ、それはそうでございますが、いろいろな政策努力がその中に入っておりませんから、いろいろな政策努力をやることによって景気が回復して財政再建ができるということを何も排除しているのではないので、それは易しいことではないがと言っております。  ただし、総理が言われましたように、景気が回復しなければ一・五%も三%もないわけでございますから、これはもともと何もないということでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 しかし、今、政策努力はないわけでしょう。これは、プロジェクションとかなんとか英語をお使いになりますが、二〇〇〇年度予算を前提にして、ちゃんとした与件を与えて計算したものですよ。どちらが本当なんですか。景気が回復すれば財政再建が可能になるのか、あるいは景気が回復しても財政再建がますます遠ざかってしまうのか、どっちなんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは、そこに書いてありますように、どっちが本当かと言われましても、三%とか一・七五%なんという成長率は全く仮置きで、これは事実じゃありませんし、そうなったときの利子率が四%なんということも事実でございませんから、それは全くの一つの約束事、演習みたいなものでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 演習であろうと何であろうと、毎年出しているこのペーパーのことしのペーパーを読み取れば、要するに、景気を回復しても財政再建はできないということを単純に示しているわけですよ。しかし、政府の考えは、景気が回復すれば財政再建の展望が開ける、こういう認識でしょう。その基本的認識を私は質問しているわけです。どっちなんですか、総理。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 政策努力がない場合と政策努力がある場合は違うでしょう。

池田元久民主党

○池田(元)委員 では、政策努力というのは何ですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 何度も申し上げますように、プロジェクションでないものです。

池田元久民主党

○池田(元)委員 ちょっと答弁の趣旨が全くわかりません。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 何度も申し上げておりますように、その資料は、二つの成長の場合を想定しまして、その場合の利子率を想定しまして、そういう場合でも、租税の弾性値と、それがございますね、それからもう一つは金利の上がることとで、なかなか成長がそれだけあっても国債は減らないということを、そういう前提のもとに言っておるわけで、その限りにおいては、その資料がそれを言っておるわけですが、それ以外の政策努力というのは何も言っていないわけです。つまり、歳出を減らそうとかなんとかということは何もそこにはないわけですから。(発言する者あり)それが言えるのが財政再建でしょう。それが今言えないんじゃないですかと言っているんだ。

池田元久民主党

○池田(元)委員 おっしゃることは、やや無責任にも聞こえます。無責任だと思いますよ。これは、単なるそこらにある紙じゃないんですよね。一応これしかないんですよ、要するに我が国財政の道筋を示しているのは。(発言する者あり)いや、これしかないですよ。私は前に緊急経済対策特別委員会でもやりましたし。もっと精緻なものをつくれとも言ったんですが、しかし、景気が回復すれば財政再建が可能になるのかどうか、どっちだということをもう一度聞くわけです。どっちが本当なんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 財政再建をしようとすれば、景気が回復することは、これは必須の条件であります。しかし、景気が回復しても、怠けておれば財政再建というものはなかなかできないのです。

池田元久民主党

○池田(元)委員 では、今までおっしゃっていることと違うんじゃないでしょうか。施政方針演説にも景気が回復すれば財政再建の展望が開けるような、そういう文言がありますよ。それからクエスチョンタイムの、ここにもありますよ。どっちなんですか。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 宮澤大蔵大臣。簡潔にお願いいたします。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それはもう大変に簡単なことで、この際、景気が回復しなければ財政再建の道は開けません。景気が回復しても、じんぜんとして何もしなければ財政再建はやはり簡単ではない。

池田元久民主党

○池田(元)委員 今ありましたとおり、そうすると、冒頭、総理がおっしゃった、景気が回復すれば財政再建の展望が開けるとかあるいは可能になるというのは違うんですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 展望の開けるように経済成長を引き上げていく努力を懸命に今いたしておるということでございまして、先ほど申し上げたように、その成長なくしては財政再建の端緒も生まれてこない、こういうことでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 今の発言はよくわかりません。ちょっと整理してお話ししていただきたい。一体どっちなんですか。しなければという話とすればという話じゃ、これは明らかに違いますからね。日本語を正確に理解してほしいと思うんです。景気が回復すれば財政再建の展望が開ける、そういう趣旨のことを言っているわけですよ。ところが、今宮澤大蔵大臣の言うのは、違いますね、それとは。違いますよ。日本語の必要条件、十分条件、正確に、しっかりと議論をしていただきたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 お時間を使わないようにもう一遍申し上げますが、この景気が回復しませんと、とても財政再建などということはできない。それなら、回復したらできるかといいますと、それは怠けていればできないかもしれない、しかし一生懸命やればできるかもしれない、これだけのことです。

池田元久民主党

○池田(元)委員 景気が回復しても必ずしも財政再建ができるわけではないという発言は、これまでの小渕内閣が主なところで言っているのと明確に違いますから、これは次回というか、次回はないのか、じっくりと討論をさせていただきます。  終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。  次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  二〇〇〇年度予算審議も締めくくり総括質疑ということであります。しかし、小渕総理が当予算委員会に出席して野党から質問を受けるのは、二月十四日に続いてきょうがたった二日目であります。予算審議の形骸化は覆うべくもないと私は思います。こうした事態の出発点となったいわゆる四党合意、申し合わせなるものに、日本共産党は断じて賛成していないことをはっきりと申し上げておきたいと思います。  国と地方で六百四十五兆円になる空前の借金財政の問題、越智金融再生委員長発言に見られる金融問題、新潟県警をめぐる不祥事など警察問題などなど、重大な問題が山積しておりますが、私はきょうは、総理にしか聞くことができない問題として、総理関係者のドコモ株問題について総理に質問したいと思います。  総理の古川秘書官と実兄の小渕光平氏が、九八年十月にドコモ株が上場されたときの全国でたった九人しかいない個人株主である、その株式の時価は、きょう現在、二〇〇〇年二月二十九日前場の終わり値は、一株四百四十五万円にまで上っているようでありますから、実兄の光平氏は千三百五十株で六十億円、秘書官は六百七十五株で三十億円。九十億円の多額に上っております。古川秘書官が、総理の答弁によれば、わずか十二年前の八八年六月に二百二十五万円で買った株が三十億円になっているんですから、驚くべき問題であります。  多くの国民は、一般人では絶対に入手不可能なこのような株をなぜ入手できたのか、いわゆる逓信族政治家と言われる小渕氏あっての株式取得ではないのか、こういう疑問を持っているのではないでしょうか。  これまでの総理の答弁は、秘書官の株式取得の時期、そしてそのいきさつに関して、一昨年以来くるくる変わっております。しかし、ことしに入って、古川秘書官の所有株に関して、故石井康元氏の妻洋子夫人から、真実の株の所有者は私だ、こういう声が上がってきました。そして告訴という事態になり、その中で、総理の答弁は、その告訴状に書かれた方向に沿って一貫するようになってきております。  それは改めて整理いたしますと、総理の答弁は、実兄の株取得は昭和四十八年、七三年の十月、古川秘書官の株取得は昭和六十三年、八八年の六月、いずれも実質上の株の所有者であった故鈴木弘氏から頼まれての株式譲り受けであり、何らやましいものではなく、しっかりとした手続も踏んでいるというものであります。  しかし、総理、私が総理の対応で本当に理解に苦しむのは、総理の側がなぜ、古川秘書官への株式譲渡を証明する基本的な文書である株式譲渡承認請求書、当時の上毛通信の取締役会に対する株式譲渡承認請求書と、承認を決めた取締役会議事録、この二点セット、なぜその写しをこの委員会に、この国会に提出しないのか、こういう問題です。告訴状にも、私見ましたが、ついておりません。  総理、なぜ、提出できるものを堂々とこの委員会に提出して、みずからにも降りかかっている疑惑を晴らそうとしないのでしょうか。答弁を願います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 まず、最後にみずからに降りかかっている疑惑とおっしゃるが、何であるかということをこの場ではっきりさせていただきませんと、私としては答弁のしようがない、こういうことだと思いますよ。  それから、この問題につきましては、今資料の要求がございましたが、これは、既に告訴し、捜査当局の手がこれからお調べになるだろうと思いますから、恐らくその段階できちんとした書面は出るだろうと思います。  しかし私は、秘書官の弁護人に成りかわって、ここでどの書類を出すということを私がお約束することは、別に私の務めであると思っておりません。議会として国政調査権において、必要とあらばこのことを要請されて対応するということであれば、そのことについては法的措置によって処理するもの。すなわち、既に昭和六十二年の段階でありますし、そのもともとのことからいえば昭和四十七年ぐらいのことでございますので、その書面の有無を含めてこれを立証する手法というのはいろいろな形であろうかと思いますから、そのことは、しかるべき要請によって、この提出、あるいは証明するということはあり得るだろうと思います。  これは、国政調査権でやられるのか、あるいはまた捜査当局の要請によって出すものかどうか、これは民間の企業が持っておるものもあるかと思いますけれども、私がそれをこの場で要請してここで提出すべきものではないというふうに思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 しかし、実際こうして国会でも再三真相解明の要求があるわけであります。総理の態度はまことに不誠実だと思います。  何か、今月二十四日、総理自身も、総理の代理人弁護士を通じてある雑誌社を告訴しているのではないですか。  上毛通信サービスは、昭和六十三年、八八年十月合併し、中央移動通信株式会社となり、さらに平成五年、九三年十月には、移動通信企画株式会社と合併して中央移動通信網株式会社、いわゆる今日のNTTドコモとなりました。会社組織は変わりましたが、株主としての地位、権利関係は当然そっくり新会社に包括的に承継されているわけであります。株主の権利関係を証明する最も重要なものとして、新会社は、株式譲渡の承認請求書と取締役会の議事録は当然大切に保管しているはずであります。  古川秘書官は、今総理秘書官という公的な立場であります。先ほど来言っておりますように、総理自身にも、どうなんだ、かつてこの株は総理が国会議員としていたからこそ総理の周辺に配分されたのではないか、そういう声もあるわけですよ、現に。しかも、古川秘書官は株主であります、現に。お兄さんも株主であります。総理の側から、古川秘書官の側から、ドコモに対して、この二点の資料の提出を要求すれば、拒否されるはずはないのです。  それが、総理が答弁しているようなことがきちっと書かれておれば、名義人か所有者かわかりませんが、きちっとその人の自筆のサインと印鑑があれば、当時の取締役会に出席した取締役の署名捺印が昔のままでしっかり保存されていれば、総理周辺に降りかかっている疑問は氷解するわけですよ。まあ、氷解するかどうかわかりませんが、明らかになるわけですよ。それでも総理が出そうとしない。私は、そこに疑問があるのです。  それはそんな書類がないからではないのですか。あるいは、現に今NTTドコモが握っている譲渡承認申請書や昔の取締役会議事録なるものは、場合によっては真実と異なるものにかえられているか。あるいは、そのものがここに出されるとまずいことがある。そういうことがあるから、かたくなに提出を断っているのではないかと、あらぬ疑いをせざるを得なくなっているのではないのでしょうか。どうして出さないのですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私がそれを要求して出せとおっしゃるわけですか。私は現在内閣総理大臣として存在しておりますし、私自身の事案にかかわることとして当該の人間ではありません。それが、この権限を持ってそれを求めるということは、私はなすべきことではないというふうに思っておりまして、もし必要とあらば、先ほど申し上げたように、国政調査権の名において公的にこれを要求するか、あるいはまた、今、捜査当局が捜査権限においてこれを取得し、そして、今般の告訴状における、その判断についての告訴についてこれを受けとめて、検察庁でこれを事件として取り上げられるかどうかということであって、その暁において、今のような書面も含めて、裁判の過程で公平に、裁判所、すなわち第三権において御判断されるべきものと私は考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 総理は、権限を持って出させるものではないとおっしゃいました。私はそんなことを言っているのではないんですよ。総理の関係者、総理の側からNTTドコモにお願いすれば足る問題ではないのでしょうかということ。お願いでいいんですよ。出していただけませんか。そうすれば、自分に降りかかったいろいろな問題が明らかになる。むしろ、総理の方こそ、告訴という形で司直の手にこの問題を渡そうとしているのではないですか、総理秘書官が。いや、総理も告訴されたようじゃないですか、二月二十四日。まあいいでしょう。  この問題の総理の答弁を私は読み返してみました。総理は、三つの大きな筋立てを立てているように思います。  第一、上毛通信は、鈴木弘といういわゆる企業家精神旺盛な人物が設立し、その経営を切り回してきた会社だということ。第二、この会社は経営が容易でなく、合併、合併を経て、今日のような大企業になることなど株式取得当時は、もちろん古川氏と実兄の光平さんですが、株式取得当時は全く想定されなかったということ。そして第三は、実兄や古川秘書官の株取得は鈴木弘氏に頼まれてやむなく行ったものだ、したがって株式取得には何らの問題もないということだ、こう整理されたと思うのです。  総理は現在もこうした見方に立っておるのでしょうか。改めて確認しておきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 告訴状によれば、そのように書かれておると認識しております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 しかし、私のこれまでの調査によりますと、事の真実は全く違うのではないかと思います。そのことを、時間の許す限り、これから可能な限り明らかにしてみたいと思います。  第一に、上毛通信株式会社の性格づけの問題であります。  この会社は、総理の言うように、群馬県の企業家精神旺盛な故鈴木弘という一民間人が設立した、普通の小さな一民間会社などというものでは断じてない。事実は逆で、よく聞いてください、この会社は、その設立から経営すべてを当時の電電公社が取り仕切っていた。電電公社の無線呼び出し事業、いわゆるポケベル事業の委託会社、そういう性格を持った会社ではなかったですか、総理。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私はその会社に直接関与しておりませんので、承知をいたしておりません。ですから、今の話があるいはそうであったかもしれませんが、私はその会社設立の直接の関係者でもございませんので、承知をいたしておりません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 上毛通信サービスという会社が、その設立から経営すべてをいわゆる巨大な独占企業体電電公社が取り仕切っていた、電電公社の委託会社であった、そういう事実も全然自分は関与していないから知らぬという答弁ですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 昭和四十七年の十月十一日に、群馬県内の民間有力者を対象に、ポケットベルサービス事業を目的とした上毛通信サービスの設立総会が開催されたということで「告訴に至った経緯と事情」の中で述べられておりますから、そうしたことだろうと思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 かなり、三十年に及ぶ歴史を持った問題でありますので、私、ちょっと膨大な関係資料を作成してまいりましたので、委員長初め、お許しをいただいて、皆さんに配付したいと思うのです。  配付資料四を見てください。これは、七二年に設立された、問題になっております上毛通信サービス、それを含めて、出発点、六八年四月に、当時の日本電電公社のポケベル事業の受託会社として東京で設立された日本通信サービス、そしてそのほか、全国十六の通信サービス会社の一覧表であります。設立時期が白くされているところであります。数字が書き込んであるのは、当時の日本電電公社がこれらの受託会社、電電公社からいいますと委託会社に出資を始めた時期と、その金額と、配当の割合であります。私がつくりました。  よくわかります。一九六八年、日本通信サービスが立ち上がってから、上毛通信が設立される七二年、そして翌七三年、この時期に集中して全国各地に受託会社が設立をされています。北海道、九州、東北、北陸、中国、四国、静岡、新潟、そして上毛です。  資料一をごらんください。「ドコモ問題関連年表」です。私がつくりました。電電公社の動向、移動体通信関連会社、問題になっている通信サービス会社の動向、郵政省等関連行政の動向、そして失礼ながら、小渕総理と古川秘書官をめぐるいろいろな動向を記載しております。この年表を見れば、一見明白ですね。六九年に、日本通信サービスが立ち上がった。そして大阪、名古屋にできた。そして北海道以下全国に展開していった。ちょうどその真ん中の時期に、総理は七〇年、昭和四十五年一月に郵政政務次官に就任し、一年半ほど務められているわけであります。  それで、総理にお聞きしますが、電電公社が当時新しい事業を始めること、特にそれを委託会社に行わせることについては、公衆電気通信法や電電公社法などによって、なかなか厳しい、難しい問題だったんじゃないんでしょうか。総理はそのことをよく存じておったんじゃないんでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 正直申し上げて、その当時の状況についてすべて想起することは不可能だろうと思いますが、もし必要とあれば、それは郵政省が、記録があるとすれば、よく調べさせて、その間の状況がどうであったかということは、公式に、やはり十分な状況の記録によって明らかにされるべきであろうと思って、今の私の記憶を直ちに呼び起こせ、こう申し上げても、それは不可能だろうと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 では、総理の記憶喚起のために、客観的、公正な資料をお示しします。  資料七をごらんください。  これは、昭和六十一年三月二十日に日本電信電話株式会社が発刊した「日本電信電話公社社史 経営形態変更までの八年の歩み」とする大変大部な社史であります。その資料の抜粋でありますが、「IV.自主的、弾力的事業運営」、「1.業務範囲、投資」、アンダーラインをつけておきましたが、私がつけました。  「公社法では、公社が行う業務範囲は、1公衆電気通信業務、2附帯業務、3目的達成業務」、ちょっとこれは切れちゃっているかな。印刷ミスで切れちゃっておりますが、附せんが邪魔して切れちゃって済みません。後で差しかえます。  その下に、公社が新たな業務を行おうとすると、それが上述の業務に該当するか否かが非常に見解が分かれる場合があったと。要するに、電電公社というのは国家独占事業なんですね。逆に、通信業務という、非常に国家にとっても国民にとっても大事な業務を国家に独占させる、公社という形態で独占させておりますから、勝手にほかの民間会社にやらせるわけにいかない。勝手に受託会社をつくって、勝手にやらせるわけにいかない。そういう公共性があるから、なかなか難しかったという趣旨であります。  そして、「公社が投資できる事業の範囲は、1KDD、」御存じのとおり国際電電、「2宇宙開発事業団、3通信・放送衛星機構、4公衆電気通信業務の委託事業及び密接関連事業とされていた。」こういう重大な位置づけを持った会社なんですよ。「しかし、公社が関連事業に投資しようとするとき、上述の投資対象事業のうち「密接関連事業」の範囲について明確性を欠く」、要するに法律の解釈が物すごく分かれるわけです。  これはなぜか。電電公社の利益と一般、そういう業務に入り込みたい民間の利益、国民の利益、行政の権限、そういう非常な問題がないまぜになって法律解釈が難しいんです。そう簡単に、電電がやりたいからといって、そういう業務に進出できなかったんです。勝手に関連会社をつくって、業務を委託することができなかったんです。そういう法の仕組みのもとにあったんです。  「これに該当するか否かの解釈をめぐり見解が分かれることがあった。更に投資が可能と解される場合であっても予算計上及び政令改正を要するため、その後の新たな変化に機動的に対応することができず、結果的に、電気通信事業全般の発展にとって、支障を生じると考えられるようになった。」  投資するのに、政令を変えなければできないほど、非常に公共性の高い、行政によってがんじがらめに縛りつけられた、そういう性格を持った会社こそ、日本通信サービスを初め全国に展開された通信サービス会社であり、その一つとしての群馬県内での業務を行った上毛通信サービスではなかったか。  総理は、そういうことは篤と御承知だったんじゃないんでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 公社の当時の基本的方針について承知をしておったか、こういうお尋ねでしょうか。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 ここに書いてあること。ここで今私が読み上げたような、そういう状況を知っていたんじゃないですか、業務や投資の拡大、委託に際して。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今思い起こしても、そのことの方針について十分承知をしておったとは言いがたいとは思いますけれども、何の記録も残っておりませんので、今思い起こすことは困難でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 もう関係ないと。古い話ですので、総理は知らぬ知らぬとおっしゃいますが、知っていたんじゃないか。  記憶を喚起してもらうために、もう一つ資料を示します。資料一をもう一度見てください。  総理は、一九六三年、昭和三十八年、衆議院初当選です。六六年には自民党の通信部会副部会長になります。六八年に古川氏が秘書となります。六九年一月には逓信委員会の理事になります。そして、翌六九年二月には委員会で、総理御自身、逓信委員の一理事として、公衆電気通信法改正法案について質問に立っております。非常に大事な質問です。それが資料九です。ごらんいただきたい。  非常に細かくて恐縮でありますが、昭和四十四年二月二十七日、第六十一回国会逓信委員会議事録第三号であります。出席委員のところに、理事として小渕恵三氏、現総理のお名前が載っております。一番下の欄に、二月十九日、公衆電気通信法の一部を改正する法律案、これが付託され審議していると示しております。  その資料の、ここでもう読み上げることはいたしませんが、ちょっとポイントだけ念のため指摘しておきましょう。二枚目を見てください。三段目。  ○小渕委員 次に、データ通信の問題についてお伺いいたしたいと思います。   この問題につきましては、まだ明確でないというよりも、これは将来の問題になる点が多分にありますので、なかなかむずかしい問題を含んでおるわけでありますが、わが党におきましても、先般、情報産業振興議員連盟を設立いたしまして、橋本登美三郎議員を会長にいたしまして、百五十名の参加をいただいて、党としても、この問題について積極的に取り組んでいこうという考え方をいたしておるわけであります。 こんなことも大変生々しく述べられております。  そのページの一段目、これはもう私は引用しませんが、要するに電話料金の値上げをもっとしろという詰めなんですね。河本郵政大臣は、まだ諸般の情勢から物価値上げというわけにいかぬから、電話料金は値上げはちょっと待てということで臨んでいるのですが、小渕総理は、もっと電話料金を値上げしろと、こういう中身が一段目であります。  それから、三枚目の四段目、印刷が悪くて恐縮でありますが、当時の米澤電電公社総裁に対して、データ通信に関して将来の需要見込み、充足計画について、非常に具体的、詳細な答弁を求めております。  電電公社の、光澤説明員、これは間違いです、米澤説明員です、米澤総裁です。真ん中辺に、物すごい答えですね。約一千七百億円の建設投資をやることにしておりまして、四十三年に百億円、四十四年に二百億円、四十五年から四十七年に千四百億円という投資を予定しております、こういう答弁を引き出しているわけです。  そして、最後、四枚目、一段目。これが締めくくりであります。  ○小渕委員 時間があまりありませんのでこの程度にいたしますが、情報産業は未来の先取りだろう、こういうふうに考えます。そこで、公社としても、将来ある種の占有率を確保しなければならぬために積極的に参加もしなければならぬ、しかし、同時に、郵政当局の一つの方針の中にもその歩みを進めていかなければならないという、いわば戦国時代的様相も現在示しているような気もいたすわけであります。それだけに、ひとつ郵政当局にも御希望申し上げておきますが、いろいろ不確定要素が非常に多いこの問題でありますので、 印刷悪くて申しわけありません、段を変えて、  適切な処置をとりながら、この産業が将来においてもりっぱな繁栄を遂げられるように、特に日本にとっては、ソフトウエアの問題あるいはプログラムの問題、ハードウエアの問題、日本の産業で非常に将来性のある問題であろう、課題であろうというふうに考えておりますので、当局の適切な行政的なあり方を期待いたしておきたいと思います。 非常に先見性があって、要するに、郵政省も電電公社にもっともっと力を入れろ、こういうことを言っています。一九六九年、昭和四十四年でこれだけのことを質問に立てたというのは見事なばかりだと私は思うのです。  それで、私も、初当選、国会に来たのは十年前なんですが、国会議員というのは、自分が質問に立ったこと、十年やそこらで決して忘れるものではありませんということなんですね。どうですか。こういうことをやったこと、思い起こしていただけますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 速記録をこうしてお取り寄せいただきまして、今御朗読いただきましたので、これは官報で表示されておることですから、間違いのないことだと思います。  ただ、言わんとするところを先走って申し上げれば、ポケットベルとの関係を申し上げたいのではないかと推察しますが、ここで最初に取り上げたのはデータ通信の問題です。それから一番最後には、ソフトウエアとハードウエアを通じまして、いわば現在のIT革命につながる一つの発想を、ある意味では質問の中で想起しておったかと思います。  そういう意味でいえば、私も、少し愚鈍かもしれませんけれども、この点に関してはかなり先見性があったのではないかということをこの紙面から知るわけでございますが、そのことといわゆるポケットベルの関係は全く異なっておりまして、ポケットベルについては、ずっと経過を経て、今日はどうなったかというと、ドコモがiモードの形でこれだけ進捗をしていることでございまして、ここ数年、六千万になんなんとする携帯電話の普及などということは、私の先見性をもってしても、これは想像することは不可能であったところと申し上げたいと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そのとおりなんです。これはデータ通信の論なんですよ。さすがに総理、よく覚えていますよ、三十年前の話を。  当時の電電公社は、電話積滞の解消、いわゆる国民から電話を架設してくれという要求がどんどんウナギ登りにふえるけれどもついていけない、それを難しい言葉で電話積滞の解消と言っております。電話積滞の解消と自動即時化という二つの大目標に向かって事業を進めておりました。  そして同時に、新しい事業として、まさに今総理がおっしゃったデータ通信事業、今日巨大な発展を遂げているこの事業、オンラインですね、この事業と、後の移動体通信事業の先駆けとなる無線呼び出し方式、いわゆるポケベル事業、小さい分野かもしれませんが、大きな今日の携帯電話につながるこの移動体通信事業の先駆けとしての無線呼び出し方式事業に乗り出していったところでありました。     〔委員長退席、久間委員長代理着席〕  その出発点になったのが、六七年の電電公社の十年後の電信電話のビジョンであります。これは、この分野だれでも知っている基本文献であります。資料を示しておきました。資料五です。これは、最近私がNTTから取り寄せたものであります。全文じゃなくて要約して、私にくれたんだと思います。これがその後の電電公社、また後のNTT、また日本の通信情報産業の発展の出発点になった基本文献なのです。  見てください。これが一九六七年、昭和四十二年四月、電電公社から発表された文書の要約だと思うのです。左側の真ん中のところ、下線をつけたところ。「ア 産業活動を効率化する電信電話」、「(ア)経済のスピード化 ほとんど全国をダイヤルでつながるようにし、世界主要都市との通信も即時化する。さらに、航空機、船舶、自動車等への電話の普及、携帯電話サービスの開始などによって、いつでもどことでも通話ができるようにする。 また、全国各地に散在する事業所間に、各種情報の伝達処理が可能なデータ通信サービスを提供する。」二大事業ですね、データ通信と移動体通信。戦略的に電電公社が乗り出してきたことがよくわかります。  もう一つ、ちょっと後の文献ですが、資料十をごらんください。「電子通信学会誌」の論文であります。ドコモにも関係している、取締役にもなったのですが、倉本実さん、そして進士昌明さんの連名の昭和六十年に出版された「移動通信の展望」と題する文書です。もう詳しい説明はしません。  二枚目を見てください。これに電電公社、NTTが、移動通信が、明治以来どういう歴史をたどってきたか、そして昭和四十年代、そして今日、五十年代後半、書かれております。  この右側の図面の下、移動体通信の各種サービスの関連。非常にわかりやすいですね。発信の利便性と通信の利便性。要するに、単独からボタン、コードレス、構内コードレス、列車、船舶、自動車、着脱、そして最終目標が携帯電話だと。そして、ポケットベルはその左の離れたところに位置づいている。しかし、ポケットベルを立ち上げたということは、こういう見通しを持って当時の電電公社は事業を展開していったということがようわかります。  そして総理、総理はまさにこのような時期に自民党の通信部会副部会長になり、逓信委員会の理事になり、そして郵政政務次官になったのでありますから、こうした電電公社のデータ通信事業やポケベル事業への新たな展開には、大きな期待を持って、それを支援する立場で政治活動を進めていたのではないでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 電気通信の将来ということを考える中で、それぞれ、与えられた仕事を誠実に相務めてきたというふうに思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 新しい電気通信事業分野への進出を進めようとする電電公社にとって、当時大きな足かせとなっていたのが、いわゆる外部への業務委託の制限、法的な制限、行政による制限の問題と、いわゆる出資、投資の制限の問題でありました。  時間が迫っておりますから簡略化しますが、資料六、資料七をごらんください。いずれも電電公社の社史であります。二十五年史や八年の歩みであります。日本電信電話公社の社史だが、その事情がようわかります。実は、既に一九六四年に、電電公社法の改正三条の四によって、公社が関連会社に投資する道は開かれておりました。年表にも書いてあります。しかし、具体的に投資が認められるためには、政令改正が必要だった。大変なんですね、政令改正。内閣の判がなければできない。その理由は、資料八に述べられております。資料八、これは、昭和四十八年に電気通信関係法詳解と題して書かれた、郵政省電気通信監理官室の監修による法の解釈の本であります。これに詳しく書かれております。  公社が関連会社に投資する道は開かれておりましたんですが、具体的に投資が認められるためには、先ほど言ったように政令改正が必要だった、その理由が書かれております。百九十七ページです。全国のポケベル会社に対して、やっとのこと電電公社の投資が認められたのは、資料八にありますが、昭和四十八年、一九七三年になって初めてなんですね。本当は、電電公社は最初から投資をしたかったでしょう。まさに一体として、非常に将来性のある事業を立ち上げるわけですから、資本参加もしたかったでしょう。それは法によって、行政によって制限されていた。法律はあったんだが、解釈あるいは政令改正ができなかったんでしょう。  しかし、政令改正をやはり獲得しているんですね、電電公社は。それがこの資料八の三枚目であります。これは独立した文書でありますが、電電公社法施行令の一部を改正する政令をここに公布する、昭和四十八年十月一日、内閣総理大臣臨時代理、国務大臣三木武夫。そして、どういう改正かというと、中を読めばわかります。真ん中辺、「三 公社の委託を受けて、電話と接続してポケツトベルに対し信号を送る役務に係る業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業」。要するに、日本通信サービスその他その他、全国に展開が始まっている、今問題になっているこういう委託会社に対して、電電公社が晴れて出資することを認めた政令なんですね。  それで、総理に質問したいんです。  総理は当時、こういう電電公社の投資の対象の拡大のために骨を折ったんじゃないんでしょうか。批判しているわけじゃないんです。一生懸命おやりになったんじゃないんでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 具体的にどこでどういうことをされたと言われないと、私、思い起こすことはできません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 次に進みます。  公社が関係会社に出資する目的がどこにあったか。公社と出資会社の業務の一体性を図る、当該事業の公共性を確保するためであったことが資料七の三百九十八ページを見ればよくわかります。  この資料七の三百九十八ページのアンダーラインを引いているところを読みます。「公社の関係会社への出資の目的は、主として当該事業設備の拡充強化などの推進を図るとともに、出資会社」、ポケベル事業委託を受けた上毛通信サービスなどですね、この「出資会社と公社との業務運営の一体化を図り、当該事業の公共性を確保することにある。法的には、公社法第三条の四の規定に基づいて、業務の運営上必要がある場合、公社の委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行うことを主たる目的とする事業等に対し、郵政大臣の認可を受けて出資できることになっている。」  要するに、公社と通信サービス会社の一体化を図るためにまさに公社は出資をするんだ、それが法によって、行政によって認められるようになったんだ、そういう趣旨なんですね。  総理、これだけの当時の国家独占企業体、通信、郵政事業を独占していたいわゆる公共企業体電電公社とその受託会社である上毛通信サービスとの関係というのは、単なる委託、受託の関係じゃない。法と行政によってしっかりと監視されていた。そして、上毛通信サービスだけじゃありません。全国の通信サービス会社は、電電公社と設立も運営も、業務はもちろんのこと、一体不可分、そういう関係の会社だということは明々白々じゃないんでしょうか。  そうすると、私が最初に述べました、総理の側の基本的な立論というのは、上毛通信株式会社なんというのは群馬の、今からいえばベンチャー精神あふれる一企業家、故鈴木弘氏が頑張って立ち上げた、そんな企業ではさらさらない。電電公社丸抱えの企業体であったんじゃないんでしょうか。先ほど私の三つの、総理の側の筋立て、その出発点のところ、全然違うんじゃないでしょうか。総理、どうですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 いろいろ資料を収集されまして、戦後の電電公社からNTTに至る間のいろいろ経過についてはこの書面から理解できるわけでございますが、そのポケットベルの会社が生まれてきたことの当時の状況について、いつぞやお尋ねに対して私の知っておる範囲で申し上げたことは、たしか、東京でポケベルの会社が非常に生まれまして、この利用者が非常に多く、恐らく利益もたくさん出ておったんでしょう。したがって、全国各地とも、若干、これは大変利益を生む企業であるということで、全国各地にポケベルの会社が誕生したんだろう、その一つとして群馬でも上毛通信が生まれたんだろうと思います。  しかしながら、やってみるとなかなか利益が出ないというような形の中で、合併に次ぐ合併というような形で今日の会社まで、NTTからそれからドコモになってと、こういう経緯は承知をしておりますけれども、しからば、私がどこにどういうふうに関与したかということは、御説明なければ、私がそれを逐一思い出せと先生は言っておられるんでしょうけれども、私自身は、どこでどういう関与をしたかというようなことは記憶に定かでありませんし、申し上げることは、これは不可能でございます。  ですから、そのことでおっしゃられるんなら、どこでどういうふうに関与したかということをお話しいただければ、私としてはお答えができると思いますが、戦後の日本における電気通信事業の経緯については、改めてこの膨大な資料をちょうだいいたしまして、お読みいただきましたので、改めて私も思い起こすこともございましたし、私の発言も取り上げていただいておりますので、これは間違いのない事実だと思っております。     〔久間委員長代理退席、委員長着席〕

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私が言いたいのは、こうした、各地に設立され、電電公社のポケベル事業の委託を受けて、電電公社と一体となって事業を進めるというのが通信サービス会社の基本的な会社としての性格だということなんです。  資料四を改めて見てください。つらつら見ると、本当におもしろい、いろいろなことがここから読み取れるんじゃないかと思うんですよ。  一九七四年、昭和四十九年、先ほど言ったように、電電公社が晴れて閣議によって出資を認められるようになって、そして早速、東中国通信サービスが立ち上がったときに、最初から五〇%の資本を出資しています。全国一斉に電電公社は出資に入っていくんですね。これはもう本当に横並びでしょう。これはもう上毛通信なんて一民間会社なんというものじゃないですよ。しかし、私は、何でか、上毛通信サービスに対する電電公社の出資がよそと比べて数年おくれているというのは興味あるところなんですが。  要するに、そういう間柄にある電電公社と通信サービス会社ということは、今総理が述べられたような、上毛通信というのはそれほど利益の上がらなかった会社だったとか、将来大きな企業になるとは想定されなかったなどという言い方は通用しないんじゃないかということを指摘したいわけでございます。  最後に、時間が迫っております、古川秘書官と光平氏の株式所有が全く不可解なのは、この二人が数少ない個人株主だということです。  一昨年、ドコモがいよいよ、晴れて東京証券取引所に上場したときに、全国九人しか個人株主がいなかった。資料二のとおりです。  資料二を見てください。これは、一昨年の上場のときの目論見書であります。失礼ながら黒丸を打ったのが、わずか九人の個人株主であります。その中の二人がいわゆる総理関係者、総理の実兄と総理の秘書官、これが今回のいろいろな疑惑のもとになっているわけです。  私は、今回の調査を通じて、もっと驚くべき事実が発見されました。  資料三を見てください。全国九人の個人株主、ドコモが上場して今日の一株何百万円という状況をつくり出す、上場したときの全国九人の個人株主を調べ上げてみました。このとおりであります。資料ですから実名も挙げております。見てください。一見、明らかです。小渕光平氏と古川秘書官以外、すべての株主が、各地に立ち上がって、運営苦しいながらやってきた通信サービス会社の代表取締役、取締役あるいは監査役として、本当に経営の第一線で苦労して、それぞれの事業の発展のために尽くしてきた人たちばかりだったという事実であります。そうなんですよ。  こうした人たちが、指摘されておりますように、この一連の組織形態変更の中で、NTTは個人株主解消、法人株主へ切りかえていく、あるいは自分が株をとる、そういう流れがありました。そして、こういうNTTの個人株主解消の方針、安定株主対策というのでしょう、個人株主解消の方針の中にあっても株式を手放さず持ち続けてきたこの七人については、私はよう理解できます、本当に苦労してきた人なのですから。何か当時、額面一株五百円の株をたった八百円で買い取るなんということを現にやられたそうです。利息にもなりません。しかし、断固としてそれを手放さずに、この七人の方が個人株主として頑張り抜いたというのは本当にようわかりますし、それをNTTが認めたというのはわかります。創業者利益というのでしょう。  しかし、この九人の中にあって、失礼ながら、事業発展のために何らの貢献もしていないのが古川俊隆さんと小渕光平さん。総理、まことに不自然、不可解、この事態をどう説明されるのでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 説明不可能なことを説明しろ、こう言われても、私は、説明はまことに困難だろうと思います。それぞれの方々がそれぞれにどういう状況であったかということ自体も、今委員がお示しをされたわけでございまして、私の関知するところではございません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 最後になるのですが、まともな答弁をされません。  民営化したのは八五年、昭和六十年です。民営化したNTTは、八八年、昭和六十三年十月、移動通信事業の再編に当たり、それまでの各地の通信サービス会社の個人株主を消滅させ、法人株主に転換させる方針をとったように思われます。そして、各地の個人株主から株式を買い取っていったんじゃないのでしょうか。  総理の答弁によりますと、この再編を直前にした八八年、昭和六十三年六月に、故鈴木弘氏から古川氏個人に対して、個人株主になるよう要請があったとおっしゃいます。  私は、こんな不自然な話はないと思います。NTTが事業戦略として個人株主解消の方針をとっているというのに、なぜ古川氏がその直前、八八年十月なんという時期、五社合併の直前という時期に、個人株主としてこの株の譲渡を受けることができたんでしょうか。その当時の、合併直前の上毛通信サービスの取締役会で、みんな個人株主を手放そうとしているその真っさなかにあって、なぜ個人株主への、古川氏への株譲渡が承認されるんでしょうか。流れと逆行しているんじゃないんでしょうか。  古川氏への株式譲渡が取締役会で承認されたのが事実とすれば、あの時期、八八年、十二年前、流れと全く逆行しているのですから、それが事実とすれば、私は、そこには、当時の内閣官房長官、そして逓信関係の有力議員としての小渕総理の存在を抜きには到底考えられない問題ではないかと。これは、三十年の日本の電気通信産業の発展、NTTの発展、組織の変更、そして株主の動き、全国に立ち上がった情報通信網の会社の離合集散、私は全部どのくらいの売り上げかも調べておりますが、それを見ると、幾ら何でも八八年のあの時期に、個人株主として古川氏がそこに入っていくというのはとても説明できない。  だからこそ、それが本当なんであれば、NTTドコモから株式譲渡申請書、そして取締役会の議事録をとって出していただきたいと強く求めて、総理の御所見を、ありましたら伺って終わりにいたします。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 小渕総理大臣、時間がありませんので、一言でお願いいたします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 いろいろ資料を集められて、みずからが構成されたストーリーをお話しされましたが、真実は一つでございまして、さような指摘をされるようなことはないと、秘書の対応については確信をいたしておる次第でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 単なるストーリーでないということを申し述べて、終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。  次に、保坂展人君。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  まず、小渕総理に、先週の越智金融再生委員長の辞任問題について伺いたいと思います。  総理は、越智金融再生委員長の発言が問題になったそのときに、この越智さんの発言を精読されてどういう読後感を持たれたのか、どういう印象を持たれたのか、伺いたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私のところにはテープが送られてきておりませんので、精読するといっても、その後におきまして本委員会で御発言をされたこと、あるいは新聞紙上で、すべてではないかと思いますけれども、かなり詳細な発言録が出ておりましたので、それを拝見したということでございまして、そもそも、私のところにはそうした資料となるテープなどは送られてきておりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 テープではなくて、新聞報道あるいは当委員会でのやりとり、あるいは前日には大蔵委員会でもあったようですけれども、その中で、発言の全容ではなくても、問題にされた部分が多々各委員から指摘されたと思います。総理としてはどの部分に問題を感じられたのか、答弁いただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今発言の中でアンダーラインをきちっと引いておりませんから、言葉そのものが正確であるかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、栃木県における、金融機関の皆さんを前にしてお話をされた中で、自分を通じて、いろいろと検査その他についての問題で指摘があれば、議員を経てお話をしてくれというようなことをお話しされた。このことは、いわば公平中正として、特に金融につきましては、一昨年来、本当に財金分離をしてきちっとした形で日本の金融機関を検査監督していかなきゃならぬということで、新しい制度もでき上がりつつあるわけでございまして、そういう中での発言としては、やはり不適当といいますか適切を欠いた発言ではなかったかというのが率直な気持ちでございました。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 この場で先週、越智さんにも申し上げたのですけれども、まじめに、それこそ公平で厳格な金融検査にこれから当たろうとまさに準備をされている現場の職員の方に対して、大変迷惑をかけた。いわばトップの方がそういう発言をされるというのは非常に心外だという声があると聞いておりますけれども、その点について、十分謝罪の言葉などはなかったのですね、御本人からは。総理はどういうふうにお感じになりますか、現場の方に対して。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 金融監督庁の長官以下、委員長がまだ誕生しないときには、私、総理大臣自身がその責任者であったわけでございまして、その過程において監督庁長官初め担当の皆さんからしばしば現状についての報告をいただきました。まさに新しい意欲を持って、国民の信頼をかち得るために、大変適切な検査に日夜を分かたず少ない人員をもって対処しておるということは承知をいたしております。いたしておりますが、今のお話は、その中での職員の発言ということを言われております。  たしか新聞紙上でも匿名の形で出ておりましたので、本当にその職員だったかどうかは関知しませんけれども、そういう意見があったということは新聞では拝見いたしましたが、真剣にそれぞれの任務に当たってそれを全うし、それこそ、今回人員は増加することにいたしておりますけれども、少ない人員の中で監督し、かつ検査の指示を、真剣に取り組んでおるということをいたしておりまして、私は、そのような、上司といいますか責任者を批判するというようなことはあり得ないものだ、このように考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 先ほど総理が、議員を経て話をすればその結果が動くかのような誤解を与えるような部分が極めて適切を欠いたというふうにおっしゃったわけで、そういう意味では、現場の方々も、大変まじめに、誠実に、一生懸命やろうというところで、本当に心外な事態だったということはぜひ受けとめていただきたいと思います。  もう一点、発言の一例だけ引きますけれども、私のところからお金が出せるんですよ、六十兆に十兆乗っけた、くれたお金が一・五兆、貸したお金が十五兆、それしか使ってないんですと。この部分、やはり、金額の根拠というのは、それは税金でありあるいは将来にツケを残していく国債であり、つまり国民のお金ですよ、こういう部分について、大変な思い違いじゃないか、国民の間からも、大変大きな怒りの声が渦巻いている。この点についてはどういうふうにお感じになりますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 その点についての正確な発言内容について、全部掌握をいたしておりませんが、金融機関に対する公的資金の投入というものについては、これはまさに国民の皆さんの御理解を得ながら、これだけ多くの金額を予定して、金融機関を助けるためにやっていただいておるわけでございまして、これは私のものでないことは言うまでもないことだと思います。越智委員長の発言がそのようなことをおっしゃっておられるのかどうかについての精査をしておりませんので、もしそうであるとすれば、誤解を招いた発言の一つともなるかと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 任命権者は総理であるわけですね。この予算委員会でのやりとりでも、越智委員長と私も議論をしましたけれども、やはりかみ合いませんでした。越智大臣は、言い方が適切ではなかった、自分の真意は真意として正しいんだということでした。私は、これは本当に重大発言で、この越智金融再生委員長の発言が残した波紋ははかり知れないほど重いと思いますね、大きいと思います。  任命権者として総理が、広く国民、あるいは透明で公平な金融検査、これをつくっていこうという現場の人々に対して、申しわけなかった、こういう気持ちがあるのかどうか、この点についてお聞きをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 不適切な発言が国民の金融政策に対する信頼を失わせしめているということであるとすれば、このことは重大に考えなきゃならぬかと思っております。  したがいまして、本人が辞職を申し出、これを私としては承認をし、そして谷垣新委員長を即座に任用して、国民的な理解にさらに努めるべく政府としては全力を挙げてまいる、これが私の責任と考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 この件では、幅広く国民に任命権者として不明をわびるということはなさらない、こういうことで確認してよろしいですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 越智前委員長が退任をし、職務の半ばで辞任せざるを得なかったということについてはまことに残念至極なことだというふうに思っております。当初の金融再生委員会としての責務を十分御本人が全うし切れなかったということは残念だと思いますが、先ほど申し上げたように、新任の委員長のもとで全力を挙げていくということであろうかと考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 私は、トップが責任を認めるということは大変大事なことと思います。今の点、ちょっと平行線なので、警察の問題に移らせていただきたいと思います。  国家公安委員長に伺います。先週のこの委員会におきまして、今後、警察の現場の責任者の方々が虚偽の発表をした場合は厳重に処分をすると約束していただけませんかというふうに私申し上げました。急な場でいろいろ不正確なことを言ってしまった場合ではなく、これは信じたくないけれども、意図的にうそをついた場合は、これは厳正に対処するという答弁をいただきました。  その後、どうでしょう。この新潟の一連の事態、この中で、明確なうそ、明らかになってきていないでしょうか。厳正な措置をされたんでしょうか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 国家公安委員長として小林本部長に対する処分の決定をいたしました時点では、すべてのその時点での小林さんの行動については全部説明を受けた上での判断だ、私はそのように理解をいたしております。これは国家公安委員会としての判断であります。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 小林本部長が中田局長を送って、その後帰庁した、こういうふうに言われていたんですけれども、実際にはそうではなかったということも明らかになってきています。  私は、この新潟県の事件を離れて、ちょっと前になりますが、昨年の十一月二十四日に読売新聞が、神奈川県警の中に対応マニュアルがあった、不祥事は安易に公表するな、組織防衛を最優先にしよう等々、かなりびっくりするような内容がありますよ、これは。免職した職員は、再就職あっせんに努め、警察の目の中に入れておくことが必要だ、こういうマニュアルがあったんですね。あったのはあった。  これは、石川官房長来ていらっしゃいますね。  ちょっとお聞きしたいんですが、この新聞が十一月二十四日なんですが、この新聞で、私ども、ちょうど法務委員会が開催されていまして、野党三党から、この現物をぜひきちっと出してもらおうじゃないか、こういう求めをいたしました。これは、その後理事会協議を経て、残念ながら理事会で合意に至らなかったので、議員四十名による予備的調査権を経て衆議院の調査局の方から先日回答が来た。  これは、回答を見て大変驚きまして、この回答はすべて廃棄したと書いてあるんですね、すべて廃棄した。二十四日、衆議院のやりとりでは、まだ警察各署長のところに残部があるということを認めているんです。  石川官房長、国会で指摘をされて、国政調査権に基づいて、ぜひこれは出してほしいという求めがあったことを神奈川県警にちゃんと伝えたんですか、それとも、国会で問題になっているから早く隠滅した方がいいぞ、こういう指示を出したんですか、一体どういうことなんですか。

石川重明警察庁長官官房長

○石川政府参考人 今御指摘の資料、不祥事案等の措置要領という文書でございますけれども、神奈川県警察の内部の執務資料として配付されたものであった、これは平成三年に作成されたというふうに思われるわけですが、同年中にその効力は失われておったということがございまして、そういうものでございますので、警察庁としては国会への提出を差し控えておった、こういう状況でございまして、その後、私どもの方で掌握しておる限りにおきましては、監察官室の方から文書で各所属に、このものについては不適切な表現等もある、誤解を招きやすい文書であるし既に効力も失われているということで、回収をし廃棄をするというような指示を出して、すべて焼却あるいはシュレッダーにかけた、こういうことでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 もう一度、じゃ、国家公安委員長にお聞きをします。  これは重大なかぎを握っているかもしれないマニュアルなんですね。当時もう効力がなくなっていると、今答弁されました。ただ、マスコミに対しては漏らすなとか、さまざまな不祥事案に対する対応マニュアルなんです。それはあったんです。国会でそれを出してくださいと言ったわけです。言ったにもかかわらず、神奈川県議会の議事録を見ると、国会で資料要求があった日に、神奈川県警はこれを全部廃棄するようにと指示をして、三日ぐらいでこれを全部廃棄し終えた、こういうことなんですよ。  これじゃ、どういう構造的な腐敗の根っこがどこにあったのかわからなくなるじゃないですか。こういう体質、本当に許しがたいと思いますね。証拠隠滅の罪でまさにその信頼が根幹から揺らいでいるそのときに、また公文書が、国会のまさに求めがある、国会議員それぞれ、各党から求めがあるにもかかわらず廃棄をされる、それを堂々と予備的調査の答弁に出してくる、こういう体質でよろしいんですか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 廃棄そのものの事実関係については私も詳細を存じませんが、一般的に言えば、委員御指摘のような、故意のいろいろな隠し立てというようなことはあってはならないことだと私は思っております。  今後、私は、そういう御指摘等もあることを踏まえながら、警察の秩序維持、内部体制の厳正化に私自身の立場で努めてまいりたいと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 ぜひ国家公安委員長には、二百部あったものを一枚残らず廃棄したということは恐らくないと思います、必ず警察庁の中には残っているはずなので、それを求めていただいて、これからでも、これだけ不祥事が広がっているわけですから、ぜひそれを捜していただきたいと思います。いかがでしょうか。

保利耕輔自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○保利国務大臣 神奈川県警察の中まで国家公安委員長が細かくやるということはできません。警察庁がどうお考えになるかということを私は報告を受けたいと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 こういう不祥事の根がどこにあるのかということは、やはり真実がちっとも明らかにならない。  そういう意味では、次に小渕総理に、前回、二月十四日お聞きしたNTTドコモの問題について追加的に、時間が足らなくてお聞きできなかったことについて幾つかお尋ねをしたいと思います。  まず、一九九八年の十月、この衆議院の予算委員会において海江田委員が質問をされたその日に、古川秘書官が石井夫人宅に向かった。この向かったことは事実ですよね。この向かった目的は一体何だった、何が目的でこの石井夫人宅に、国会開催中大変忙しいときに向かわれたのか、この目的は何だったのか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 告訴状の中のページがちょっと明らかになりませんが、承知していることは、この問題が国会で取り上げられたということでございまして、したがって、その件について、石井未亡人がこの問題についてどういうことを、事実関係を承知しておるか、国会にまた答弁を私が要請されることもあり得るというので、その真実についてお聞きに上がったというふうに、たしかそういうふうに告訴状に書かれておると思いますが、そういう経緯だったと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 そうすると、参議院でも質問が出ていた、そして十月一日には海江田委員からの質問もあったということで、今後の国会答弁等もしなければならないので、そうすると、上毛通信からNTTドコモに至るこういった株について石井夫人とのやりとりがあった、そこの点について掌握するために出向かれた、こういうふうにお聞きしてよろしいでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今正確な資料はございませんけれども、たしかそういういきさつでお伺いしたと私は聞いております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 すると、小渕総理、私二月十四日にお話をしたように、よろしいですか、総理、私も石井夫人に会ってお話を聞いております。  その際に御夫人が言われたのは、本当に久しぶりに石井夫人宅に、もうすぐ近くに来ているんだということで電話はあったそうですが、電話があって何分とたたないうちに古川秘書官が見えられた。総理大臣の秘書官ですから、一体何だろうというふうに思った、こういうことなんですね。  上毛通信からNTTドコモについての、株についての話題が当然出た。そこで、総理秘書官は週刊誌を告訴されていますけれども、石井夫人自身は、こういうふうに私は話したんだというふうにはっきりおっしゃっているんですね。私はその週刊誌の誌面で書かれているようなことを、時間がないのでリピートしませんけれども、そういう話をしたと言っているんですね。  そうすると、石井夫人がどういうことを言ったというふうに古川秘書官から報告を受けているんでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私は逐一報告を受けているわけではありませんが、十月一日に石井方を訪問した経緯については、これは告訴状かあるいは本人の弁明書、捜査当局に出しておる中にあるのかもしれませんが、国会でドコモ株についての問題に関し質問を受けたので、今後の答弁のより正確を期するため、事実裏づけの確認に赴いたものである。これはもう一人の人が同行しておりますが、その結果、石井夫人は古川秘書に対し、私はドコモ株のことは何にも知りません、夫の遺産にもそんなものはなかったと話してくれた、こういう報告を受けておる、こういうことであります。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 総理、そんなことは言っていないというふうに石井夫人は言っている、そんなことは言っていませんと。それに対してどう思われますか。石井夫人というのはそこで、では我々にうその証言をしたということでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私、石井夫人から直接、今保坂委員がお聞きをされたというお話を聞いておりませんので、それに論評することはあり得ないわけでございます。  しかし、国会の場で、そのようなことを保坂委員が聴取をされておるということをこの場で御発言されましたから、いずれ捜査当局でその是非を捜査する段階においては、国会議員の御発言として、これは私は十分参考にされるのではないかと考えておりますけれども、それは今後の経過の中で明らかにされるものだろうと思っております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 小渕総理の人柄、その石井夫人も、大変政治家として、今総理になられているということも含めて、つい最近まで支援者だったということ、この前のやりとりで総理自身もお認めになりましたけれども。  さて、そういう中で、一九八八年の時点で名義の変更がされたわけですよね。名義の変更がされたそのときには、亡くなった石井さんは、もう亡くなってから十三年、そのぐらいの時間がたっていたわけです。そのことを古川さんも御存じだった。そうすると、亡くなってそんなに長い間、それで音信が途絶えたわけではなくて、遺族である石井夫人は小渕さんの高崎の事務所を、自宅の一部を提供して、賃貸料はあったのかもしれませんけれども、一九八八年のころまで提供していた間柄。どうしてその石井夫人に対して、元夫の名義の株がこういうふうに変わりますよということを説明されなかったのでしょう。そこは、信頼を欠いたと言われても仕方がないのではないでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 その事務所が、今八八年までということを言われましたが、私もそれは記憶をよくしておりませんが、いっとき、私が若いころ、大変親切に御主人がその事務所を提供してくれたこと、今でも感謝いたしておるわけでございます。  それと、その株をどなたが所有されておられたかということについて、私が関知しておりませんので、そのことを説明しろと言いましても、しからば、いつどこで、私がどのように関知をしておったということを保坂さんも明らかにしていただきませんと、知っておったから、そのことを説明しないのは悪いと言われても、私自身はお答えのしようがない、こういうことです。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 これは事実として、石井夫人宅、亡くなった石井さんの住所のところに小渕さんの高崎事務所があったということは事実だと思います。それが八八年までだったのかというのは、もう時間がないので詰めませんけれども。  一点だけ。この告訴状によると、二百二十五万円で鈴木弘さんから古川秘書官が株を買ったとき、名刺の裏に領収をした、こういう名刺を一つ領収書がわりにいただいたということなんですが、この領収書は存在するのでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私、弁護人にかわって、どういう書類がどう存在しているかということを明確にすべて承知をしておりません。いずれこれは捜査当局が明らかにして、必要な書類というものが存在、どういう書類か私もわかりません、わかりませんが、株の授受についての、それを証明するような何らかの形での資料というものは、当然、この事案について黒白を明らかにし、名誉毀損が成り立つか成り立たないかということをする過程においては明らかになるのではないか、こう考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 時間がわずかになりましたけれども、先日、濱田委員から、あるいは辻元委員から、一月にあった日米防衛首脳会談の席であったやりとりについて、十五年使用期限について、予見できない国際情勢の中であらかじめ期限を設定することはできない、こういうアメリカ側の発言があった、これについて、新聞報道は事実かどうかという確認をしましたけれども、さらにどうですか、事実は明らかになったでしょうか。瓦防衛庁長官に。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今、御質問は、恐らくコーエン長官との会談におきまして使用期間の問題を国内問題かどうかというようなことで話し合いをしたかということでございますか。  先般、そのような質問がございましたので、私から使用期限の問題は国内問題である、さようにお答えをしたことはないと。それは、この国会でさようなことは国内問題ということでお話を申し上げたことはありますが、コーエン長官との会談におきましては、使用期限の問題は国内問題であるというようなことは申し上げておりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それでは追加して一問ですが、そうなると、沖縄県知事や名護市長の言われているところの十五年使用期限だということについては、アメリカ側は否定したわけではないし、これについて前向きな回答が近いうちに出る、こういうふうに考えてもよろしいわけですか。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 河野外務大臣。簡潔にお願いいたします。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 十八日に、私、アメリカへ参りましてバーガー大統領補佐官等と会談をいたしました際に、今お尋ねの件について、私の方から、沖縄の県民が負担してきた大変な御苦労、御苦心というものを考えれば、沖縄県知事あるいは名護の市長の今回の御決断というものを我々は重く受けとめる必要がありますと。そして、そういったことを閣議で、これを重く受けとめてアメリカとの話し合いの中で取り上げますということを私どもは相談をしていたわけです。  しかしいずれにせよ、日米間の話し合いの中では国際情勢その他を勘案して議論をしなければならないので、これは大変厳しい状況ではあるが、この問題については取り上げましょうということで、私からアメリカ側に対しても取り上げて説明をしたという状況でございまして、それが日米間の最新の状況だというふうに御理解をいただきたいと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。  これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。  以上をもちまして平成十二年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 ただいままでに、日本共産党木島日出夫君外二名から、平成十二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。  この際、本動議について提出者から趣旨の弁明を求めます。平賀高成君。     —————————————  平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算及び平成十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

平賀高成日本共産党

○平賀委員 私は、日本共産党を代表して、平成十二年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。  まず、撤回のうえ編成替えを求める理由についてです。  政府予算案は、公債依存度が三八・四%に達し、四割近くを借金に頼るという異常な事態となっています。年度末の国、地方の長期債務残高は六百四十五兆円、国民一人当たり五百十万円もの空前の規模です。単年度の財政赤字が国内総生産、GDPの約一割、債務残高がGDPの一・三倍にも上る日本の財政の状況は、サミット参加国の中でも最悪であり、欧州共同体の通貨統合の最低基準、すなわち単年度赤字三%以下、債務残高六〇%以下に照らせば、まさに破産国にほかなりません。  このままでは、近い将来に深刻な財政破綻を来して、大増税か悪性インフレを招くという国民にとって重大な事態となることは必至であります。財政再建の見通しも計画も示そうとしない小渕内閣の無責任な姿勢は断じて許されません。小渕首相は、二兎を追う者は一兎をも得ず、景気対策が優先などと言って財政再建を後回しにしていますが、景気が回復すれば自動的に解決するようなものではありません。景気対策と財政再建は車の両輪であり、財政再建の見通しと計画を欠いた本予算案では景気回復を実現することもできません。  景気の回復を実現するためにも、国民の暮らしや社会保障に思い切って予算を回すとともに、財政再建の確かな目標と見通しを示すことであります。そのためには、公共事業五十兆円、社会保障二十兆円という逆立ち財政の構造を根本的に転換して、暮らしと社会保障中心の予算とすることが必要です。  次に、組み替えの概要について述べます。  第一は、大規模な公共事業費や大銀行への公的資金投入などの浪費に大胆にメスを入れる問題であります。  景気対策にも逆行し、財政危機と環境破壊をもたらすむだと浪費のゼネコン型公共事業にメスを入れ、公共事業を段階的に半減して、バブル以前の八〇年代の水準に戻すことが必要です。浪費の根源となっている、総額六百三十兆円先にありきの公共投資基本計画を廃止します。大銀行への公的資金投入は中止します。我が国に負担義務のない在日米軍への思いやり予算は全廃とします。  第二は、社会保障、暮らしに予算を重点的に配分し、将来不安をなくす問題です。  年金法の改悪をやめ、国庫負担を二分の一に引き上げる、介護の問題では、基盤整備と低所得者への減免措置を創設する、また、医療保険改悪の中止、子育て支援の充実などを行うこととしています。  第三は、消費税率の三%への引き下げを初めとする、消費を温め、営業を守る景気対策であります。  第四は、財政再建の長期の目標と見通しを明確にすることであります。  以上が動議の概要です。  委員各位の御賛同を期待して、趣旨弁明といたします。(拍手)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これより討論に入ります。  平成十二年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。高橋一郎君。

高橋一郎自由民主党

○高橋委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成十二年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。  平成十二年度予算は、我が国経済が厳しい状況をなお脱していないものの、緩やかな改善を続けている中で、本格的な回復軌道につなげていくため経済運営に万全を期すとの観点に立って編成されており、現在の日本経済において、まことに適切かつ重要な予算となっております。  賛成の第一の理由は、本予算案が現下の経済金融情勢に万全の対応を行っている点です。  今重要なことは、景気への下支えの手を緩めることなく、経済新生に全力で取り組み、ようやく上向きかかってきた我が国経済を本格的な回復軌道に乗せることであり、このことこそ、国民の皆様への責任を果たすことになると考えております。  十二年度予算においては、現下の経済情勢にかんがみ、公共事業については、景気回復に全力を尽くすとの観点に立って編成した前年度当初予算と同額となる九兆四千三百七億円を確保するとともに、経済運営に万全を期すとの観点から、公共事業等予備費五千億円を計上するなど、万全の対応を行っております。  また、金融面においても、金融システム安定化、預金者保護を図るため、預金保険機構の保有する交付国債の償還財源として四・五兆円を国債整理基金特別会計に繰り入れる等、万全の対応を行っております。  今回の予算をもって、景気回復や金融システム安定化に向けて必要な措置は講じられたものと考えております。  賛成の第二の理由は、本予算案が、限られた財源の中で、二十一世紀に向けて真に必要となる施策に重点的、効率的な予算配分を行っていることであります。  まず、公共事業について、我が国経済の発展、国民生活の向上に向けて緊急かつ優先的に取り組むべき課題は何かという観点から、新たな発展基盤の構築を目指し、物流効率化による経済構造改革の推進、環境対策、少子高齢化対応、情報通信の高度化といった、我が国が直面する政策課題に対応した重点化を図っております。  また、公共事業以外においても、総額二千五百億円の経済新生特別枠において、ミレニアムプロジェクトとして、情報化、高齢化、環境対応の三分野に特段の予算配分を行っているのを初めとして、各歳出項目について、重点的、効率的に配分を行っております。  以上、本予算案に賛成する理由を申し述べましたが、私は、経済新生対策を踏まえて編成した十一年度第二次補正予算を着実に執行していくこととあわせ、この平成十二年度予算によって、公需から民需へと転換を図り、民需主導の自律的な景気回復を実現させることができると考えております。  十二年度予算は、まさに本格的な景気回復のかぎを握るまことに重要な予算であり、ここに賛成の意を表するものであります。  本予算の一日も早い成立を期して、賛成の討論といたします。  なお、共産党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、見解を異にするものであり、反対の意思を表明することとして、私の討論を終わります。(拍手)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、五島正規君。

五島正規民主党

○五島委員 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております平成十二年度予算三案に反対する立場から討論を行います。  そもそも当予算に対する審議は極めて不十分であり、いまだ採決の段階には至っておりません。今回明らかとなった越智手心問題を初めとして、政治倫理、既にがけっ縁にある財政再建などの眼前の重要課題を審議する集中審議もなく、国民の意見を聞くための公聴会は半減されるなど、審議時間が大幅に削減されています。予算審議はまだ政府予算の問題を一通り指摘しただけであり、まさに本格的な議論はこれからです。  一例を挙げれば、本予算に盛り込まれている診療報酬の引き上げなどは、ようやく医療費や国民負担の全体像が見えてきた段階であり、本来ならこれをもとに議論を行うのが国会の務めであります。しかし、自自公は、この議会が国民から負託された責任をないがしろにし、無理やり予算の通過を図ろうとするばかりであります。  さらに大きな問題は、予算委員会における総理の出席が極端に少なかったことであります。まさに、これが真空総理の真骨頂と言わんばかりに、総理の席は常に空席であり続けました。予算は内閣が考える政策の集大成であり、これを国民に説明することが総理の最大の政治責任であります。しかし、総理は、あろうことか予算審議中の極めて異例のお国入りをし、みずからの選挙運動に努めていたわけであります。これで、一国の総理としての責任を果たしたと言えるでしょうか。  今回の予算審議に当たり、伊藤議長は、円満なる運営、充実した審議に努めというあっせんを行いました。しかし、審議時間は前代未聞の短さ、総理の出席しない真空審議で、どこが充実した予算審議と言えるでしょうか。このような予算審議のあり方は、民主主義そのものを真空にするものであります。  次に、予算そのものについてでございます。  本予算は、いまだ足元のおぼつかない景気を本格的な回復軌道につなげていくため、経済運営に万全を期すという基本方針で編成されたものであります。しかし、内実は、国民からの批判が多く、足元のおぼつかない自自公政権の選挙対策そのものであり、みずからの圧力団体にひたすらばらまきを行うものであります。公共事業の重点化と称して四分野に約二兆円の予算を投入していますが、中身は、道路、港湾など旧来型事業のオンパレードであります。  一方で、今後の我が国産業の核となるであろうIT革命については、予算は何ら効果的な支援策を備えておりません。これでどうやって公需から民需への転換を図ろうというのか。結局、座して民間が頑張ってくれるのを待つのみというのが政府の予算であります。ここでも真空総理の真空経済対策が明らかになっているのです。  さらに、問題なのは、六百四十五兆円という我が国のGDPの一三〇%にも達する財政赤字であります。小渕総理は、世界一の借金王とまるで人ごとであり、みずからの政権になってから既に約百兆円を超える国債を発行している責任感が全くありません。実効性ある景気対策を何ら打ち出せないままに、ひたすら国債発行額のみを積み上げていく政府に国民は大きな不安を抱いています。この不安感が景気回復をさらにおくらせているのであります。  総理が言う二兎を追う者は一兎も得ずでは、景気も財政も好転いたしません。財政構造改革と景気回復という二兎を追ってこそ、二兎とも得られるものであります。この現実に目をつぶり、みずからの選挙という一兎を追っているのが本予算であり、小渕総理の政治姿勢であります。その結果、景気回復のおくれと財政破綻という悲劇を小渕総理は国民に押しつけているのであります。  以上のように、本予算は、量的にも質的にも不十分な審議しか行われず、結果的に、国民が心待ちにしている本格的な景気回復につながる施策は何ら備えていない内容となっています。このような予算に対し、民主党は強く反対の意を表明いたします。  なお、共産党提案の動議につきましては、趣旨の一部については同意できるものもございますが、意見を異にする部分があり、同意できないことを申し添えます。  最後に、越智問題を含めた政治倫理に関する集中審議を総理出席のもとで早急に開催することを求めまして、私の討論を終わります。(拍手)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、石田勝之君。

石田勝之公明党・改革クラブ

○石田(勝)委員 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成十二年度予算三案に対して、賛成の立場から討論を行うものであります。  我が国経済は、個人消費の低迷など依然として厳しい状況にあるものの、ようやく民間設備投資に曙光が見え始めるなど、景気は少しずつ、緩やかながら改善を続けております。ようやく上向きかけた我が国の経済を本格的な民間主導の自律的な回復軌道に乗せることができるかどうか、重要な局面に差しかかっております。  現下の経済状況を脱し、経済の再生を図るためには、財政及び金融面での下支えを緩めることなく、いま一歩の積極策を講じることが重要であります。本格的な景気の回復を望む国民の期待にこたえるためにも、十一年度第二次補正予算の執行とあわせ、本予算案の早期成立を期すべきであると考えます。  以下、賛成する主な理由を申し述べます。  賛成する第一の理由は、現下の厳しい経済金融情勢に対し、十分な対策を講じているということであります。  公共事業については、予算規模として前年度当初予算と同額を確保するとともに、金融システムの安定化、預金者保護対策として、一層のセーフティーネット策が講じられております。  さらには、我が国経済を支える中小企業への支援策として、経営革新や創業への支援、経営基盤の強化などが図られ、昨年十一月の経済新生対策による中小企業安定化特別保証枠の十兆円の拡大、期間の一年延長ともあわせ、財政、税制面での対策が大きく前進しております。  賛成する第二の理由は、本予算案が、厳しい財政状況の中で、二十一世紀へ向けて、少子高齢化への対応を初め、環境、情報通信など新たな発展基盤となる分野に対し、重点的、効率的に予算が配分されていることであります。また、こうした予算配分は、結果として我が国経済の構造改革を強く促すものであります。  特に、少子化対策としては、児童手当の支給対象年齢の拡大を初め、新エンゼルプランの一環として、保育対策の大幅拡充など安心社会の実現へ向けたセーフティーネットの強化が図られております。  また、交通機関におけるバリアフリー化など、高齢者向け町づくり対策の拡充、渋滞の解消対策など、生活者の視点に立った施策を重視し、公共事業のあり方にも大きな変化が出てきております。  さらには、公共事業以外でも、小渕総理主導のもと、ミレニアムプロジェクトとして、情報化、高齢化、環境対応の分野に特段の予算を充当するなど、二十一世紀を迎えるにふさわしい施策に光が当てられております。  以上、主な賛成理由を申し述べました。  本予算案をめぐっては、一部議員の間から、積極財政と財政再建との二者択一を迫るかのような議論がなされ、本予算案がやみくもに我が国の借金だけを増大させ、日本を破滅への道へ誘うものだと言わんばかりの論調がありました。  私も、我が国の財政は極めて深刻な状況であると認識している一人であります。財政再建の重要性を決して否定するものではありません。しかし、今は、積極型の財政出動によって公需主導の経済状況から抜け出し、民需主導の自律的回復の軌道に乗せ、その上で財政再建へ進むことが筋道であろうと考えます。財政再建のタイミングを間違えては、これまでの対策がすべて水泡に帰すものであります。私たちは、過去の失敗を断じて繰り返してはならないと考えます。  いずれにしても、本格的な景気回復のかぎを握る平成十二年度予算案の早期成立を切に望むものであります。  なお、共産党提出の平成十二年度予算撤回のうえ編成替えを求める動議については、見解を異にするので、反対であることを申し添えます。  議員各位の御賛同を心から希望し、私の賛成討論を終わります。(拍手)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、加藤六月君。

加藤六月自由党

○加藤(六)委員 私は、自由党を代表して、ただいま議題となっております平成十二年度予算案三案に対して、賛成の討論を行います。  以下、賛成する主な理由を申し上げます。  第一に、公共事業について、景気への配慮が十分にできたことであります。  構造改革にはデフレ圧力を伴うものが多いため、改革を円滑に進めるためにも、総需要喚起策に万全を期することが不可欠であります。また、交通関係社会資本の重点的、効率的な整備など新しい時代に必要な国家的大プロジェクトや、高齢化社会に対応したバリアフリーなど都市環境の整備なども、構造改革そのものに資するものであります。  現下の厳しい経済状況にかんがみ、来年度の公共事業については、景気回復に全力を尽くすとの観点に立って編成をした前年度当初予算と同額を確保し、さらに、公共事業等予備費五千億円を計上するなど、万全の対応となっております。  第二に、重点的、効率的な予算配分であります。  科学技術振興費は、与党三党の合意を踏まえ、重点的な配分がなされております。また、非公共事業については情報化、高齢化、環境対応のミレニアムプロジェクト三分野特別枠を設け、公共事業についても新たな発展基盤の構築を目指して特別枠を設け、重点的、効率的な予算配分がなされております。  第三に、景気を下支えし、構造改革を促すための歳出面における税制改革であります。  住宅ローン税額控除制度の延長、特定情報通信機器の即時償却制度の延長など、民間投資を促進するための施策が盛り込まれております。また、エンゼル税制の拡充、同族会社の内部留保金課税の特例、事業承継円滑化のための取引相場のない株式の評価方法の適正化など、中小・ベンチャー企業振興のための施策が盛り込まれております。  以上のほかにも、教育改革国民会議の設置、金融システム安定化、預金者保護のための施策など、自民、自由、公明、与党三党が政治主導によって取りまとめた施策も盛り込まれております。これらが平成十二年度予算案に賛成する主な理由であります。  ここ一両年の経済運営は、まさに日本経済再生へ向けての正念場であり、財政再建のためにも経済再建をなし遂げねばなりません。政府におかれましても、本予算の成立の後は、諸施策を速やかにかつ着実に実施されるよう強く要望いたします。  なお、日本共産党提出の動議につきましては、見解を異にするものであり、反対をいたします。  最後に申し上げます。  景気対策という意味においては、まさに政策を総動員した感がある予算案でありますが、自民、自由、公明間で合意された政策課題には、安全保障に関する合意、社会保障に関する合意など、いまだ具体化を見ていないものが多々あります。これらについて早急に実現を図るべきであります。  また、私ども自由党は、連立政権の合意の中でも、最大の成果は政府委員制度の廃止であると考えております。議院内閣制においては、政府・与党は一体であり、与党は行政の責任者、官僚は与党の方針を実行する行政の実務者であります。よって、国会は、民主的に選ばれた政治家同士である野党と与党が論戦をする場とならなければなりません。これが国会の本来のあり方であります。  これらを大切に、理想に近づけるのが政治家の使命であり、私ども自由党が、委員会の座席の配置にまでこだわり、与党と野党の対面式に改めたのも、本来の理念を具体化するためであります。  本委員会も早急に与野党対面式の座席配置に復帰するべきことを申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、春名直章君。

春名直章日本共産党

○春名委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました、日本共産党提出の組み替え動議に対して賛成、政府提出の予算三案に対して反対の討論を行います。  今政治が最優先で取り組まなければならない課題は、言うまでもなく景気の回復であります。また、国民が日本の将来について最も憂えているのは、国の財政の破綻であります。来年度予算は、当然、この二つの課題について、解決の展望を示すものでなければなりません。ところが、政府原案は、この二つとも投げ捨てた、文字どおりの亡国予算となっているのであります。  予算が大事と言いながら、総理自身が予算審議に出席したのはわずか三日間、全体の審議日数も史上最短と、異常な事態で審議が進められたことも重大であります。国会審議を軽視し、与党が勝手に決めた審議日程を国会に押しつけて、この亡国予算を強行することは、憲政史上例のない暴挙と言わなければなりません。  政府案に反対する第一の理由は、総額八十四兆九千八百七十一億円という史上最大の本予算案が、巨額のゼネコン型公共事業と、大銀行支援枠の十兆円の拡大というばらまきとなっていることであります。  公共事業による就業者は、九〇年代以降では三分の二に落ち込んでおり、雇用拡大には結びついておりません。また、公共事業をゼネコンに発注しても、その大半が不良債権の処理に消え、もうけの二〇%程度しか新たな設備投資に回らないことも、経済企画庁のミニ経済白書で述べられているとおりであります。ゼネコン奉仕の開発型公共事業が有効な景気浮揚策とならないことは、今や明白であります。  越智金融再生委員長の暴言と辞任で明るみになった、金融監督行政と金融機関、そして自民党との癒着構造は、大銀行支援の枠組みそのものについて、根本からの見直しを提起しております。七十兆円もの大銀行支援策は、直ちに中止すべきであります。  こうしたばらまきを進める一方で、年金の改悪、医療費の負担増など、国民に二兆円もの負担増を押しつけることは、全く道理がありません。  千六百万人が増税となる児童手当を含め、自民党内からもばらまきと批判されているこの財政政策が政権維持と選挙目当てであることは、だれの目にも明らかであります。  政府案に反対する第二の理由は、来年度末の国と地方の長期債務が六百四十五兆円となり、国民一人当たり五百十万円もの莫大な借金を国民に押しつけようとしていることであります。  GDP比一二九%というけた外れの長期債務は、第二次世界大戦末期の一九四三年の財政状況に匹敵し、自民党内有力者からも元大蔵省主計局長からも厳しい批判の声が上がっているのであります。政府の言うとおり、二%の経済成長が仮に達成できたとしても、税収増は一兆円余りであり、毎年三十兆円を超える国債発行額の三十分の一でしかなく、歳入歳出のギャップは改善されないのであります。  さらに重大なことは、小渕内閣にはこの空前の財政破綻を解決する計画すら持ち合わせていないことであります。返済の計画も展望もなしに借金を重ねることなど、およそ世間では通用しません。財政破綻のツケを将来の消費税の大増税あるいは悪性インフレなどで乗り切ろうなどと考えているとすれば、言語道断と言わなければなりません。  今こそ、公共事業には五十兆円、社会保障には二十兆円という硬直した財政の枠組みにメスを入れ、むだを削り、社会保障と国民の暮らしを中心に据えた財政への転換を図るべきであります。そうしてこそ、景気を回復し、財政再建の展望も切り開くことができるのであります。そのことを強く要求し、私の討論を終わります。(拍手)

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 次に、濱田健一君。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、政府が提案しております平成十二年度予算に対し、反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、政府予算案は、歳出総額八十四兆九千八百億円に上る過去最大の規模にもかかわらず、その内容は国民の期待とかけ離れているからであります。  消費や民間設備投資を活性化し、経済を自律的な回復軌道に乗せるためには、社民党が従来から主張してきたように、生活、福祉、環境、雇用、情報通信等に大きくシフトした予算こそ追求すべきであります。すなわち、長引く長期不況のもとで青息吐息の国民が心の底からほっと安心できる内容の予算こそ求められているのであります。  しかるに、政府案は、相変わらず従来型の公共事業偏重予算であり、選挙向けの典型的ばらまき予算であります。これでは経済を自律的な回復軌道に乗せることは不可能であります。  第二の理由は、今年度予算のうち三八・四%、三十二兆六千百億円は国債発行によって賄われるということであります。しかも、予算総額のうち二十二兆円は借金返済で消えてしまいます。財政構造改革法は景気の現状から凍結されていますが、国と地方を合わせた長期債務残高は、二〇〇〇年度末には六百四十五兆円にまで膨れ上がるのであります。  もはや子や孫の世代を当て込んだ借金漬けの財政は限界に来ており、適切で均衡のとれた公債政策を実行すべきであります。政府には財政立て直しのシナリオが全くありません。  第三の理由は、政府予算案は、生活、年金、介護、医療への不安、子育てに対する不安などに対して全く配慮に欠けていることであります。確かに社会保障費全体は前年度比で四%の伸びが確保されていますが、理念も政策もない、単なるばらまきでしかありません。  医療保険制度に関しては、二〇〇〇年度をめどに実施するとしていた抜本改革の姿を何ら示さず、負担のみを国民に強いるものとなっており、無責任きわまりないと断ぜざるを得ません。年金制度についても、給付水準を引き下げるのみならず、九四年改正時に国民へ約束した基礎年金の国庫負担引き上げすら見送られています。児童手当の拡充も現行制度では限界があり、年少扶養控除の停止を含め、抜本的な見直しが必要であります。政府予算案は、社会保障全体をどうしていくのか、構造改革の視点が基本的に欠落しているのであります。  第四の理由は、防衛関係費の削減が不十分であるということであります。  社民党が与党時代の九八年以降二年連続して対前年度マイナスでしたが、自自公連立政権となった途端に対前年度〇・一プラスに転じました。現在の財政事情、経済状況を勘案すれば、非生産的経費である防衛関係費は大幅に削減すべきであります。とりわけ後年度負担となる正面契約額、思いやり予算への抑制は全く不十分であります。  第五の理由は、地方財政への危機に全く対応していないということであります。  深刻な長期不況の中、地方財政は一九五〇年代前半並びに七〇年代後半のスタグフレーションに続く戦後第三の財政危機に直面しています。これは、政府の経済運営の誤り、累次の景気対策に伴う公共投資における地方負担の増大、地方単独事業の拡大誘導、大幅減税など、政府の施策によってもたらされたものであります。にもかかわらず、政府の二〇〇〇年度地方財政対策は、十三兆を超える財源不足に対し、交付税特別会計借入金の増加、財源対策債や減税補てん債等の地方債の増発など、従来型の方式にとどまっています。これでは、第三の財政危機にさらに拍車をかけるだけであり、地方財政危機の抜本的な解決にはほど遠いものであります。  地方財政危機を打開するためにも、この際、国の責任として、地方交付税法の本来の制度にのっとり、抜本的な制度改正を行うべきであります。  以上、社会民主党・市民連合は、このままでは政府原案を承認するわけにはいきません。よって、政府予算案に反対いたします。  なお、共産党提出の撤回のうえ編成替えを求める動議に対しても、立場が異なり賛成できません。  以上で終わります。

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 これより採決に入ります。  まず、木島日出夫君外二名提出の平成十二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 起立少数。よって、木島日出夫君外二名提出の動議は否決されました。  次に、平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。  三案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 起立多数。よって、平成十二年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました平成十二年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

島村宜伸自由民主党

○島村委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る二日、当予算委員会の審査開始以来、時には厳しい意見の対立を見ることもございましたが、終始真剣な論議を重ねていただき、本日無事審査を終了いたしました。  これもひとえに委員各位の御理解と御協力のたまものであり、ここに深く感謝の意を表します。  特に、各党の理事諸兄におかれましては、審査開始前の打ち合わせ段階から、まさに昼夜を分かたず、当委員会のスムーズな運営のために大変な御努力をいただきましたことに心からの敬意を込めてお礼申し上げ、ごあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手)  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十九分散会

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