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147回国会衆議院2000/03/24

法務委員会 第6号

発言数
89
登壇者
9
会派数
5
開催日
2000/03/24

会議録

武部勤自由民主党

○武部委員長 これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  本日、最高裁判所堀籠事務総長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部勤自由民主党

○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  この際、最高裁判所堀籠事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。堀籠事務総長。

堀籠幸男最高裁判所事務総長

○堀籠最高裁判所長官代理者 一昨日付で最高裁判所事務総長を命ぜられました堀籠幸男でございます。  前任の泉事務総長が東京高等裁判所長官に転出いたしました後を受けて、司法行政の任に当たることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。  改めて申し上げるまでもありませんが、裁判所は、個々の具体的な事件の裁判を通して、国民の基本的人権を擁護し、法秩序を維持するという重要な責務を負っております。この責務を果たすために、司法行政の面で微力ながら全力を尽くしてまいりたいと考えております。  幸いにして、今日まで当委員会の委員長並びに委員の皆様方の深い御理解と力強い御支援によりまして、裁判所の運営は充実したものになってまいりましたが、国民の期待にこたえるべくなお一層努力していかなければならないと考えております。  当委員会には、今後とも一層の御支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、所懐の一端を申し述べ、私の就任のあいさつとさせていただきます。(拍手)

武部勤自由民主党

○武部委員長 御苦労さまでした。      ————◇—————

武部勤自由民主党

○武部委員長 太田誠一君外八名提出、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。太田誠一君。     —————————————  株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 ただいま議題となりました株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  平成十年三月三十日に株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律が公布、施行されたことにより、平成十二年三月三十一日を期限として、公開会社は、資本の欠損に備えるための法定準備金を超える資本準備金を財源として、自己株式の取得・消却ができる特例措置が認められました。  本法律案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、なおこの特例措置を維持するため、公開会社について、資本準備金をもってする自己株式の消却を行うことができる期間を二年間延長し、平成十四年三月三十一日までとするものであります。  なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。  以上が、本法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

武部勤自由民主党

○武部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長細川清君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部勤自由民主党

○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。枝野幸男君。

枝野幸男民主党

○枝野委員 民主党の枝野でございます。余り民主党を代表した話にならないかもしれませんが、御容赦ください。  今回、議員立法という形で提案をされております。そこで、内容に入ります前に、立法の形式につきまして、せっかく、特に太田先生などが提案者にお座りでいらっしゃいますので、議院内閣制とは何なのかというところから少し議論をさせていただければというふうに思っておるのです。  この法案は、与党三党の中で少なくとも一致をして、それはお答えになれるかどうか別として、事実上、与党三党から民主党などもお声をかけていただいて共同提案をしているわけであります。与党三党が一致をしている話であれば政府提出法案にするのが一般的ではないかと思うのですが、どうして議員立法という形式なのかということをまずお尋ねします。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 今のお尋ねでございますが、与党三党のほかに民主党と社民党も共同提案者になっていただいております。これは、事柄の性格上、我が国の今日までのバブル期に起きたこと、そしてその後どういう対応を制度上していくのかということの中で、五党のこれらの問題について造詣の深い皆様方が意見が一致して、このような法律を提出することになったわけでございます。  議員提案であることがどうかということでございますが、議院内閣制という観点からいえば今御指摘のようなお考えもあろうかと思いますけれども、一方、我が国の憲法は三権分立ということを一つの枠組みといたしております。特に、憲法の条文から申し上げれば、唯一の立法機関は国会であるということになっておりますので、見方によっては、本来すべての法律は議員の名前でもって提案をされるのがノーマルであるということも言えるわけでございます。  また、内閣について憲法が明記しておるのは予算の提案権まででありまして、法律の提案権があるのかどうかというのは、憲法だけを見るとやや疑わしい点もございます。そこで、憲法ができた直後に内閣法が制定されまして、その内閣法において初めて法律案の提案権が明記されたわけでございますので、この点については、現在の問題というよりも、将来にわたって議論がある点ではないかと思っております。  そういう意味では、どのような法律についても、特に予算に絡まない、事業に絡まない提案については、議員提案というのは極めて正常な姿ではないかというふうに考えております。  なお、議院内閣制の本家というか権化のような存在であるイギリスにおきましても、議員提案というのはノーマルな姿でありまして、大体、去年もおととしも、成立しました法案の二割は議員提案になっております。さらに、提案件数からすれば、議員提案の方が数からいえば政府提案よりも圧倒的に多いというのがイギリスの姿でございますので、議員提案というのは極めて正常な姿ではないかと思っております。

枝野幸男民主党

○枝野委員 議員提案がよくないということではなくて、何が議員提案で何が政府提案なのかということの区別がどうもよくわからないというか、便宜的に行われているんじゃないかという気がしてならないわけであります。  過去の立法でいえば、例えば臓器移植法のような話は、これはどの政党も党議拘束はかけない、また政党の主義主張とはちょっと違う次元の話だ。こういったものは与党といえども意見が分かれるでありましょうから、当然議員立法という形式になるのはよくわかります。  それから、今も連立政権でありますし、私もかつて連立政権の与党であったことがありますが、連立政権といえども、すべての案件について与党が一致するわけではないでしょうから、与党の一部が加わるという形の議員立法というのは、これはあるのだろうというふうに思います。  そして、議院内閣制というもとでも、形式的には内閣の提出にするのか、与党の議員の議員立法という形にするのか、そこの形式はあるのだろうというふうに思いますが、少なくとも政府提案が日本の場合は事実上原則になっているという状況の中で、あえてこの法律が他の閣法と比較をして、与党として、閣法ではなくて議員立法にしなければならないという特段の事情というのはちょっと考えにくいというふうに思うのですね。  そうした中で、どうしてこれは議員立法で、ほかのものは、法務省関連でもたくさん法案があるわけで、例えば今度議論されるであろう商法改正なども閣法で出てきている。ちょっと区別がよくわからないのですが、どういうふうに仕分けをしたらいいのでしょうか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  私は、それは一人一人の議員の考え方であり、また、それぞれの会派の中でどういうふうに判断するかという問題であろうかと思っております。  個人的な見解を申させていただければ、予算及び予算に関連する法律、あるいは各省庁が行います事業に関連する膨大な法律が出されておりますけれども、それは内閣でおやりになればいいことであります。しかし、一般のルールとしての法律というのは、国民の代表たる者が国民自体を縛ることになるわけでございますので、これは議員提案でやるように将来はいたした方がいいと個人的には思っております。  なお、この商法の改正のことについて申し上げれば、前回の場合も、平成九年の改正も議員提案で行いました。これは、自社株の取得について、従来は株主総会の決議だけであったわけでありますけれども、平成九年の改正においては、定款変更をして取締役会決議でも行えるようにしたということから後は、前二回もこれは議員提案でやっております。  議員提案の例は、商法改正についてはよくあることでございますし、それは時間を急ぐのかどうかということが、急ぐというふうに立法府が判断すれば、それは通常の法務省の手続、すなわち法制審議会の審議を長時間かけてやるのを待って法案を出すということを待っていられないというふうな場合には、立法府がそのように判断すればそれは議員提案で出てくるということでございます。

枝野幸男民主党

○枝野委員 きょうはこういう議員立法であれなので、揚げ足をとるような趣旨じゃないのですけれども、議論を深める意味で。  先ほど太田先生は三権分立ということをおっしゃいました。私も実は大学も法学部で弁護士でもありますが、二、三年ぐらいまで三権分立と思っていたのですが、ちょっといろいろな指摘を受けまして、よく憲法を読んでみたら、どこにも三権分立という言葉は実はないのですよね。日本は本当に三権分立の憲法なのかということを考えると、ちょっと違うのじゃないかと思うのですけれども、いかがですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 私は、これはアメリカの憲法、詳しく読んでいるわけじゃないからどこか間違っているかもしれません。三権分立という言葉は、あるいは後でそれを表現していることであって、三権分立というものがこういうものであるというのをそれぞれの憲法の定義の中に書くものなのかどうかは、ちょっとわからないわけであります。  しかし、項目の立て方として憲法全体を見ますと、やはり立法権、行政権あるいは司法権というふうに大きく全体を分けておりますので、それをもってこれは三権分立の憲法であろう。それからまた、項目ごとに日米の憲法を対応させてみますと、そっくりな憲法で、ほとんど違わないというふうな憲法でありますので、構造的にそうなのであろうというふうに考えております。  そのことと議院内閣制というのは、すっきり矛盾なく説明できるのかどうかというのはわかりませんが、我が国においては、議院内閣制の本質と三権分立の本質を折り合わせながらやっておるということではないかと思っております。

枝野幸男民主党

○枝野委員 私は、三権分立的な考え方というのはベースにもちろんあるのだろうと思うのですが、本当の意味での三権分立ということでは、アメリカ型というのはここは完全に分かれている。つまり、行政府の人間と立法府の人間は、人間も別々であります。副大統領が上院の議長なんでしょうか、そういう部分で重なっているところがあるようですけれども、実質的には行政府と立法府は完全に分かれています。しかし、議院内閣制のもとでは、行政府の構成メンバー、例えば日本の憲法では、少なくとも過半数は立法府の人間と重なっています。もっと典型的なイギリスをいえば、議員でない閣僚あるいは閣外相などは議会で発言もできない、あるいは議員と接触することすらできないというふうに聞いております。  そういう意味では、考え方としては、権力は分けるべきだという概念は、三権分立と言われる考え方につながっているのだとは思いますけれども、議院内閣制のもとではあくまでも二権分立であるのではないか。立法府と行政府というのは、もちろん機能としては分かれていますけれども、人間が重なっている。つまり、立法府の多数が行政権を担うということの意味では、ここは重なっているのではないだろうか。そういう意味で、三権分立という言葉、考え方、理念としては非常に大事にしなければいけないわけですけれども、日本の政治システムを考えるときに余り三権分立ということを強調しますと、時々おかしな話になるのではないだろうかというふうに思っています。  そういう考え方のもとに立ちますと、与党というのは何なのかといえば、与党というのは、内閣、閣僚を通じて行政府をコントロールする。少なくとも、議会における多数派与党というのは、閣僚、内閣を通じて行政府をコントロールするという機能を持っているということについては御同意いただけますか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 それは、行政府をコントロールするというか、みずから我々が首班指名選挙で選んだ内閣総理大臣が代表して、この行政権をゆだねるということになっているわけであります。  そのときゆだねた者が何もかも全部ゆだねたのかどうかというところについて解釈の違いがあるわけであって、私は、行政権についてはゆだねておるし、予算提案権についてもゆだねているので、予算に関連したことは、これは与党一体ということになるかもしれませんけれども、それ以外のルールとしての法律については、個々の議員がそこでみずからの発意によって提案をするという、その権利までをゆだねているというふうには思っていないわけであります。

枝野幸男民主党

○枝野委員 もちろん、与党だから議員立法できないということではなくて、逆の方から、つまり内閣が出す法案というのは、与党が必ず全部賛成することが確認がとれないと出していないわけですね。実は、自社さのときに私が反乱を起こして民事訴訟法をとめたことがありますけれども、原則的に、政府が提出する法案はすべて与党が了解をして出すというのが原則的な姿であります。逆に言えば、内閣は、どんなに内閣としていいと思っている法案でも、与党がうんと言わなければ、それは予算に関係しようがしなかろうが、国会に法案は事実上出せないわけでありますね。  という意味で、与党の方が行政府をコントロールする。つまり、行政から議員の方が縛られているということではなくて、逆に議員の側から、与党という議員サイドから行政府は縛られているのではないか、こういうことなんです。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  今のお話は、議決をするときにどうかという話であって、発議の段階でそれが行政府から必ず出てこなければいけないということではなくて、議員の方から発議があるということは、内閣が発議をしたことについてそれを法案として出せるか出せないかということは与党のチェックになりますが、与党の中から発議がされるということと違う次元の話だと思うんです。

枝野幸男民主党

○枝野委員 いや、それはそれでよろしいです、出せないというふうに僕は申し上げているんじゃないので。ただ、どちらが議院内閣制の形として自然な姿なのかというお話をしたいのです。  法的に出せないわけでは全然ないですし、先ほど申しましたとおり、臓器みたいな話だったら明らかに関係ないと思いますし、あるいは、連立政権の場合、与党の一部の政党が出すということは当然あってもいいことだと思います。法的に縛られているとは思わないんです。  ただ、逆は間違いなくコントロールされているわけですね。つまり、与党がうんと言っていない法律を内閣が出すという例は過去にもないし、それは、やはりイレギュラーなことだとは思いますよね。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 恐らく、枝野委員がおっしゃりたいことは、そんなに大事な法律なら政府に言って出させればいいじゃないかということだろうと思うんですが、それは一つの考え方であります。  ただ、これは現実に、今例えば、来年の一月六日からは政治主導で、それこそ各省庁とも、大臣、副大臣、政務官がリーダーシップを持って、企画立案に至るまで主導権を持ってやってもらうということになりますけれども、しかしながら、急に、そうなったからといって、実態がついてくるかどうかは努力次第だと思うんです。  今現在でいえば、審議会もなくなっておりませんし、審議会は存在し、そして従来、戦後五十年以上、長く審議会方式でもって、省庁がつくった委員会で審議をして合意したものを、法制審議会ならば三年とか五年とか長時間かけて出てくるという手続をずっと踏襲してきておるわけでありますので、その手続では臨機応変な対応ができないというときには、省庁の中の秩序を飛び越えて、立法府がそういう判断をするということは、こういう場合でございますので、だから議員提案になっておるというふうに思っております。

枝野幸男民主党

○枝野委員 別に私、だからこの法案はだめだということを最後に結論づけようという趣旨じゃないので、これから方向性としてどうあるべきかというお話なので、余りそんなに防御的になられなくても大丈夫なんです。  それから、あえてこの段階で申し上げておきますと、こうやって言っていますのは、例えば、仮に民主党に政権をとらせていただいたときに、では、すぐにみんな閣法で出すかということになったら、そうはならないだろうと私も思います。つまり、ある段階までは、今、太田先生おっしゃられたとおり、今までの長い慣習といいますか、前例がありますので。  確かに、例えば法務関係の法案でしたらば、法制審議会を経ないと内閣として出しませんという前例になっています。そういうシステムがある以上は、それを壊すまでの間というのは、経過的に、それは議員立法でやった方が早いから、早くやってしまわなきゃということになるんだろうと思います。そこは認めます。しかし、あるべき論として、方向性としてどうなのか。  つまり、法制審議会をつくって、法制審議会で長い時間議論をしないと法務省から法案が出てきませんというのも、内閣をコントロールしている、内閣を構成している与党みずからが長年つくり上げてきた慣習であって、内閣を握っている、行政権を握っている、総理大臣を出している、法務大臣を出している与党がもうそんな手続は要らないんだという判断をしたら、それは当然、法制審議会の審議をなしに閣法を出せますということにできないと、僕は政治の主導ということにはならないんだろうと思います。  それは、前例としてあるかもしれません。あるいは事務方の、事務次官以下の皆さんが猛反対するかもしれません。しかし、結局、与党としてお出しになって、国会で通るわけなんです。それは、立法の権限を持っているのは国会議員ですし、行政の権限を持っているのはあくまでも大臣であって、事務次官以下の皆さんではないわけでありますし、ましてや法制審議会ではないわけであります。行政権を持っている大臣、内閣が仕事をする上でのお手伝いをしていただいているにすぎないので、そこがどんなに反対をしようと、手続を踏んでいないといって反対をされようと、これは与党としてやるべき法律なんだということであるならば、それを全部すっ飛ばしても、政府・与党としてやりますということをおっしゃって国会に出してくるということになって初めて政治主導ということになるんじゃないか、そんなふうに思うんです。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  将来の姿としては当然そうであって、これはどうあれ、内閣と与党、内閣の閣議と与党の意思決定機関が常に一体であれば、大臣がそうであっても、慣例がどうであれ、それを飛ばして臨機応変の措置をとるということが将来の姿としてはノーマルだと思います。将来の姿としてはそうだということです。

枝野幸男民主党

○枝野委員 本当に、先ほどから申し上げておるように、この法案でどうこうということを申し上げるつもりはないので、太田先生は、せっかく総務庁長官で行革を主導してこられて、今も多分、党内でされておられるわけでありましょう。  行革の一つの意味というのは、縮小することだけではなくて、政治主導での、憲法の想定している本来の政治のあるべき姿をつくっていくというのも行革の大きな一つの柱であるというふうに私は思います。そうした意味では、たまたま、提案者である太田先生が総務庁の長官もなされたということもありますので、今のような方向に、これは与党だけの話ではなくて、与野党超えていろいろな意味で努力をしなきゃいけない話だと思います。  少なくとも民主党としては、先ほど申しましたとおり、政権をとってすぐには、例えば、まさに行革、政治主導のための法律をやるのは議員立法でやらざるを得ないでしょうし、あるいは、半年、一年間は、その政治主導のシステムをつくるための法案は議員立法でやらなきゃいけない、あるいは、その間の法律は議員立法でやらなきゃならぬところが出てくると思いますが、与党と政府というのは一体だ。我々に政権をもしとらせていただいたら、半年から一年の間に、先ほどから申し上げている臓器みたいな話とか、ごく例外的な、超党派あるいは党議拘束にふさわしくないような話は党自体の拘束を外すわけですから、これは議員立法でどんどんやっていただくとしても、与党として一体でやる話は、内閣を通じて、内閣をしっかりコントロールしてやるという形でやっていくべきだというふうに思っています。  ぜひ、太田元大臣の与党の中での御健闘をお祈りしたいと思いますので、よろしければ御感想をいただきたいと思います。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  進めてまいりました省庁改革の考え方は、今おっしゃるとおりであります。  いわゆる内閣の行政組織各部に対するリーダーシップというものを非常に強めていかなくちゃいけないということでございますので、今おっしゃったようなお考えが方向としては正しいんだと思います。

枝野幸男民主党

○枝野委員 それでは、法案の具体的な中身について、若干お尋ねさせていただきたいと思います。  まず、法務大臣にお願いをいたします。  要するに、今回の法案は延長をするという法案ですので、本体の方が、前回、これは平成九年でありましょうか、成立をいたしましたときに附帯決議がついていて、当時の下稲葉法務大臣に、「その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。」という御答弁をいただいております。  三項目あるので、一項目ずつ伺ってまいります。  一項目めとして、「法改正の趣旨及び内容を周知徹底し、法の円滑な施行を図ること。」ということが附帯決議にあります。これについて、どのような適切な対処をしていただいたのかということをお答えいただければと思います。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今、委員御指摘いただきました本委員会での附帯決議一につきましては、各種出版物等におきまして法改正の趣旨及び内容を紹介するなどの広報活動を行ってきておりまして、改正法の円滑な施行が図られたものと考えておるのでございます。  例えば、各種出版物ということになりますと、「株式消却特例法の改正等について」とか、これは法務省の民事局参事官室でつくっておりますが、こういった幾つもの冊子を出しているのでございます。

枝野幸男民主党

○枝野委員 念押しをいたしますが、そうしますと、法改正の趣旨や内容についての周知徹底はなされたというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今私が御報告いたしましたとおり、努力をいたしたと考えております。

枝野幸男民主党

○枝野委員 では、二項目めとして、「株主、債権者等の保護並びに企業経営の健全化を図るために、ディスクロージャーを十分行うよう指導に努めること。」という附帯決議がなされております。  どういった指導に努められたのかということについて、お答えいただきたいと思います。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今委員御指摘をいただきました当時の附帯決議二につきましては、計算書類の開示義務の重要性については、出版物等を通じましてかねてより広報活動を行ってきたところでございますけれども、これに加えまして、平成十一年には商法の改正をいたしまして、監査報告書の記載事項の充実と、計算書類、株主総会議事録等の開示の対象者を拡大いたしまして、会社のディスクロージャーの一層の充実を図ってきたところでございます。

枝野幸男民主党

○枝野委員 三項目めとしては、「相場操縦やインサイダー取引による弊害が引き起こされることのないように監視体制を強化する」、「不正取引に対しては証券取引法を厳格に適用する」ということであります。この点についてどういった適切な対処がなされたのかをお答えいただきたいと思います。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 附帯決議三につきましては、関係当局におきまして、相場操縦やインサイダー取引等の違法行為に対しましては、必要に応じて勧告をいたしたり、告発等の所要の措置を講じることといたしているものと承知をいたしております。

枝野幸男民主党

○枝野委員 実は、これは質問通告するときに気がついたので、言いっ放しで、どうしてくださいということは申し上げませんが、よく考えたら、この附帯決議のときに法務大臣だけから適切に対処しますというお答えをいただいても、あ、ちょっと違ったのだなとふと気がつきまして、今後ちょっとこれは検討しなければ。つまり、三項目めについては、法務省の所管の事項ではない話について法務委員会での附帯決議で法務大臣が適切に対処しますとお答えになった。もしかするとちょっと違うのか、それとも、国務大臣は国政全般に責任を負っているのだから法務大臣の御発言でいいのか、ちょっとこれは将来的には考えなきゃいけないことかなというふうに思っておりますので、問題提起をしておきたいというふうに思います。  それぞれ努力をしていただいたというふうな御答弁ということで先へ進みますが、今回の延長することになった法案、資本準備金の自己株式消却を許す範囲を広げているわけでありますが、そもそも資本準備金とは何なのかということについて、提案者の御認識をお伺いしたいと思います。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 資本準備金は、資本取引から生ずる一定の財源を積み立てた法定準備金であります。その財源の性質上、資本に近いものであるということで、配当可能利益とすることを認めるべきではないということで、準備金として積み立てることが要求されているわけであります。  資本準備金の財源は何かといえば、株式を発行したときに入ってくる発行価額というものの総額のうち資本に組み入れなかった残りというのが一番典型的な財源でありますし、また、減資を行った場合に、それによって生じた差益というものも財源であります。また、会社の形態が、例えば合併や株式の交換あるいは株式の移転によって変わったときに生じる資本金額との差額というのが原資になるわけであります。  したがって、資本準備金の使途は、商法においては、資本の欠損のてん補及び資本組み入れに限定をされるということであります。

枝野幸男民主党

○枝野委員 これを二年前、この特例法で取り崩しについて緩めたわけであります。二年前の審議でも出てきておりますが、緩めて自己株式消却に充てることの積極的な理由、どうしてそれをやったらいいのか、やることがメリットがあるのか、まずその点についてお答えをください。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 積極的なメリットは、資本準備金の財源は先ほど申しましたようなことでありますので、時価発行のようなことで、エクイティーファイナンスにおいて取得をしたお金というもので資本金に繰り上がった残りでありますが、そのほかの生ずる場合というのは、いずれも、株式会社の形態が変わった、合併とか株式交換とか、そういう形態が変わった場合でありますので、やや臨時的なことであります。  そういたしますと、臨時的に生じたものをどう処理するかということについて、もちろん資本の充実という原則がございますので、資本金の額に対してこれだけのものは、ある程度のものは準備として積んでおかなくちゃいけないという、その意義はあるわけであります。  しかしながら、例えば今起こっている問題は、あのバブルの時期に、我先に各企業が時価発行などをして巨額の資金が流入をしたわけでございます。そこで、その資本準備金として積んだものについて、配当もできないし、あるいは資本に組み入れるほど将来に向けて資本を増強していくという積極的なポリシーがとり得ないときには、巨額の資金が流入しているものを、社会全体で見れば、成熟した企業にそういう資金が凍結されておるということと、むしろそれを解放することによって、成長企業、新たなベンチャービジネスなどに資金が移転をするということの方が、資金の資源配分上の有利性というのがあると思うのでございます。  だから、一たんは一般投資家にそのお金を返して、一般投資家のその時点での判断でその投資資金が成長企業の方に回るようにするという積極的な意義があろうかと思います。

枝野幸男民主党

○枝野委員 積極的な理由は非常によくわかりました。  ただ、問題は、そうはいっても、一方で資本充実の原則というものの中で、原則的には自己株式の消却のようなものには使えないという一般原則があるわけで、それを今の時点で、今の法律で緩めても、資本充実の原則を脅かすというか、それに反するということにならないという消極的な面での理由といいますか、そこについても御説明いただけますでしょうか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  先ほども申しましたように、現状は、例えば東証一部、二部の企業の資本金の総額というのは恐らく三十五兆ぐらいでありますし、それからまた、資本準備金の額は同じく三十五兆ちょっと切るぐらいであります。  そういたしますと、その中で、資本金と資本準備金が同額であるという状態がどうしても守らなければいけない状態かどうかというのは議論があるところでありまして、我々は従来から、法定の準備金であります利益準備金は、資本金の額に対して四分の一までは配当をせずにそこに積み増していかなくちゃいけないという法定準備金の考え方がありますので、四分の一というのは法定準備金全体として守るべき節度だということで、それを超えた分についてのみこういう自社株の取得に回せるようにしたということでございます。その節度が必要だということは、我々も十分に認めているところであります。

枝野幸男民主党

○枝野委員 確かに、過大なと数字上思われる資本準備金が、あるいは広く法定準備金が積まれているという状況はあるのだろうと思います。  その過大な法定準備金を生み出したのもバブルでありますが、その一方で、各株式会社はバブルの痛手を負っているところも少なからずあるのも事実だと僕は思います。特に銀行などの例が象徴的に出て、実はふたをあけてみたら大幅な債務超過であったという銀行が幾つも出ているわけでありますが、それは銀行は一番典型的にあらわれるとは思いますけれども、銀行以外の事業会社についても、バブルのときにさまざまな過大な投資をし、それが特に不動産が焦げついて、帳簿上は欠損になっていないけれども実質的には相当穴があいているということの想像は相当できるだろうというふうに思います。  そうした状況の中で緩める。つまり、いざというときの欠損に備える金が法定準備金でありますから、こういう一方でバブルの傷を抱えているかもしれないというリスクを負った中で緩めるというのは、ある意味ではちょっと時代に逆ではないのかという指摘もあり得るんじゃないかと思うんですけれども、この点について御見解はいかがでしょうか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 容易にわかるとおり、国民経済全体としてマイナス成長であったり不況と言われている状態であったとしても、個々の企業については好調であったり安定しているところもあるわけであります。したがって、それは個別の企業の判断になるわけでありまして、今実際に自社株を取得した企業というのは、おおむね自信のあるところ、あるいは、経営が安定していると経営者自身が判断できる状態でのみそういう決意をするわけであります。  だから、傷ついてぼろぼろになって、あすをも知れぬというような企業が自社株取得をやるということはないということだろうと思います。

枝野幸男民主党

○枝野委員 経済の原理だけからいくと多分そういうことなんだろうと思いますし、そういうことでこの法律自体はやむを得ないのかなとも思うんです。そこは、前回のときの附帯決議にもその趣旨はあるんだろうと思います。経済の原則からいけば今の先生のおっしゃったとおりのことだと思うんですが、それこそまさにインサイダー取引的な、株価操作的なことを仕掛けようという不心得な経営者がいたりすれば、事実上の一種の粉飾決算の中で自社株消却をすることをうまく利用して株価を変動させて、それでインサイダー利益を上げようというような不心得な者が全く出てこないとは言えないんじゃないかというふうに思います。  本当は法律の中でそういったことを防ぐような仕組みを組み込めれば一番いいんだろうと思いますが、そこはなかなか難しいんだろうと思いますので、ここのところは、まさに前回の附帯決議でありました、監視体制あるいは証券取引法の厳格な適用というところが非常に重要になるんだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 前回のとき、平成九年のときだったと思いますけれども、当然、インサイダー取引のおそれがある、その可能性が増すということは我々も考えたわけでありまして、その際に、たしか証取法の改正をいたしまして重要事項に指定をいたしました。このような取締役会決議でもって自社株取得をするという決断をした、そうしたらば、その決断をした結果が公開され、だれの目にもわかるようになった状態でなければその株の取得をしてはならないということにいたしたわけでございます。  それからまた、もう一つ申し上げれば、平成六年の改正のときに株主総会の決議だけでしか手続としては認めないということにしておりましたのに対して、ほとんど実行する企業がなかったということで、不思議に思って平成九年にいろいろな会社に聞いてみましたところ、実は、株主総会において決断をする、しかしながら、実際には自社株取得をするということを決断をする時期というのはその先になるわけであります。その数カ月の間に自分たちが思っていたとおりの企業の業績ではなくなるということがあり得るわけでありまして、そうすると、そのときに、せっかく株主総会で許しを得たんだけれども実行できなかったということになりますと、それこそ、インサイダー取引になって、風評を流して株価をつり上げたということになる。そのことを経営者は恐れて、株主総会のみの手続では自社株取得に踏み切れないということでございましたので、この定款変更による取締役会決議でできるようにということをいたしたわけでございます。  したがって、関係者はひとしくこのテーマはインサイダー取引という観点からみんなに見られるという意識を持っておりますので、そこは今までのところ何も不祥事が起きていないということだろうと思うのであります。

枝野幸男民主党

○枝野委員 もう一点だけ、ちょっとここは非常に意地悪な話になるんですけれども、これは二年前に二年間の時限立法という形でつくりました。私が認識する限りでは、少なくともこの二年間、前回の法律をつくってから、施行前からですから二年余りですか、社会情勢、経済情勢というのは、当時予測のつかなかったような大きな変化という状況にはないだろうというふうに思います。そうした意味で言えば、時限でつくったわけですから、時限が切れたら終わりということで、この二年の間にやりたいところはちゃんとやっておきなさいというのが時限立法でつくった法の趣旨だったんだろうというふうに思います。  そうした意味で言えば、やるべき会社はこの二年間にやってしまったんではないか。これは途中で経済の大きな状況変化があったなら別ですが、むしろ今やっていないという会社は、あえて言えば怠慢だったということではないのか。という意味では、時限というのは一たん時限で切るというのが筋なんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 一つの制度が一時的にせよ変化をしたということについて世の中の経営者がどのぐらいのスピードで反応できるかというのは、個人差があると思います。  その中で、過去二年間をとってみれば、それこそそれまで自社株取得を実行した会社は数十社にすぎなかったものが、去年は三百社、おととしは四百社という、大変一けた多い実行する企業が生じたわけであります。そして、これまで平成六年以来トータルで二兆円の自社株取得の消却が行われたわけでございますが、先ほど申しましたように、資本準備金の額は三十五兆円ぐらいまだ東証一部、二部であるわけであります。そういたしますと、経営者の中で、そういう自分の会社の株を自分で買うというのはややなれないことでありますので、勇気が要る、あるいは決断が鈍るというところがあるわけでございますので、そこに、実行したいけれどもまだしていない企業が相当あるということが言えるわけでございます。  また、これまでとどこか制度が変わったことがあるのかと言えば、一つは、会計基準が変わりまして、来年の三月の決算からは時価評価に変わってまいります。そういたしますと、たくさんの企業でもって株式の評価がマイナスになるということもあり得るわけでございますので、そうしたらば、持っております株の中で早目に処分をした方がいいもの、例えば、持ち合いになっているような状態の株式というのは早目に処分をする可能性があるわけでございます。そういう早目の処分をして、自分の会社の株を持ち合いの相手から売りに出される、そうすると、それに対抗してそれを買わないと自分の会社の株は暴落してしまうということになりますので、そういう環境の変化もあるわけであります。

枝野幸男民主党

○枝野委員 今なぜ延長しなきゃならないかという事情は非常によくわかるんですが、本当にここは申しわけないんですが、意地悪な言い方をすると、それは二年前にも想定できた話じゃないだろうか。だったら、初めから五年の時限立法にするとかということの方が本来筋だったのではないだろうか。  これは今回の話だけじゃなくて、実はいろいろなところで、特に政調などをやっていますとすべての法案が目の前を通っていくものですから、何とか措置法、特に何とか振興特別措置法、臨時措置法だなんというのが、五年時限の法律がもう五回も六回も延長されているだなんて法律をたくさん見るわけですので、何度も更新をするぐらいだったら、時限にするにしても初めから長い期間での時限でつくるというのがある意味では見通しの立て方なんではないだろうかな、少なくとも、延長一回ぐらいはわかりますけれども、二回も三回も延長するというのはちょっと違うんじゃないかなと一般論としてふだんから思っております。  そうした意味では、今回は一回目の延長でありますのでしようがないかなと思いますが、今後延長ということはないんだろうなというふうに思いたいのでありますが、いかがですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 それはあるいは正論かと思いますので、ぜひまたこの委員会において御協議をいただければと思います。

枝野幸男民主党

○枝野委員 これは、時限であくまでも臨時的な措置ということでやっているわけで、そういう限度でやむを得ないかなと思うところでありますが、長期に続ける、しかももう何度も続けるというようなことに結果的になるのだとしたら、法制審で長い時間をかけるのがいいかどうかという議論はまたありますけれども、根本的に資本準備金あるいは法定準備金の仕組みについての全体的な深い議論というものをしておかないと、時限的にとりあえずということで長く続ける制度でないのは間違いないというふうに思いますので、その点は我々自身も含めてきちんと精査しなきゃいけないんじゃないかなというふうに申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

武部勤自由民主党

○武部委員長 木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  提案者にお聞きしますが、前回の株式消却特例法で、二年の時限立法にいたしました。なぜ二年の時限立法にしたのか、その趣旨を簡潔に整理して述べていただきたい。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えをいたします。  前回、なぜ二年間だったか、これは、法律を出すまでには、例えば私がきょうは代表しておりますけれども、一緒に共同提案をされる皆さんもおられますし、それからまた、その法律を執行するに際して関与する法務省もいるわけでございます。そういたしますと、関係者の中の合意のもとで出さなくちゃいけませんので、一人の人間が一貫して考えるほどすっきりしたものに最終的にはならない、折り合うことがあるというのはやむを得ないことだと思うのであります。  そこで、個人の考えを言えば、私などは恒久的な立法といたしたかったわけでございますけれども、多くの方々は、それはそこまでするのはどうかということで、二年間に落ちついたということであります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そういう連合して出された内部事情じゃなくて、その趣旨ですよ、中身。二つあるんじゃないですか。一つは、この消却特例法が、何といっても商法の基本原則、資本充実・維持の大原則、とりわけ資本準備金というのは資本に準じるものであって、資本取引から発生したものであって、その使い方は、資本に組み入れるか欠損金の処理のためにしか使ってはならないという商法の大原則があるわけですよ。  前回、私はあなたとさんざんその論議をしましたね。その原則を崩してしまって、四分の一以上は気楽にできる、自己株消却のために使えるという、そんな資本充実・維持の大原則の根幹を崩すようなやり方は臨時異例の措置だということで、こういうのは長らくやっちゃいかぬのだというので二年の時限立法に一つはしたんじゃないのですか、どうですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  それは、臨時異例のこととして最終的にはそういう姿になったわけでございますが、資本充実の原則ということについては、従来の、同じ法定準備金であります利益準備金が資本金の四分の一を超えるまでは積まなくちゃいけないというような定めになっておりますのと同様にして、法定準備金が資本金の四分の一を超える部分についてというふうに節度を保ったということでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 この問題は、私だけじゃなくて、当時の各委員が、そこは大事だというので詰めております。特に、自由党の安倍委員などは、その資本充実・維持の原則を掘り崩しちゃだめだということで徹底して詰めて、前回の議事録を私は持ってきているのですが、平成十年三月十七日、安倍基雄委員、「私はまず念を押したいのは、私どもは最終的には時限立法だから我慢するかというような内部の議論になっていますけれども、まさにこれを続けようと思わないでしょうな。これは我々のやり方次第ですけれども、提案者はどう思っていますか。これはまさに時限立法を完全に守るわけですな。」これが安倍議員の質問です。  それに対して、太田議員の答弁が、「一つの法律案が時限立法になるというときには、さまざまな事情があると思うわけでございます。私は時限立法として提案をいたしましたのは、実は今先生がおっしゃったような資本準備金にかかわるかつての商法の精神が大切だという考え方も一方にある」、こう明言しておりますから、こういう商法の大原則を崩すようなものは、時限立法で臨時異例の措置なんだという立場で出されてきているんですよ。提案者はうなずいていますから、これ以上詰めませんが。  提案理由を述べた上田議員の趣旨からもそれは読み取れますし、提案者の保岡議員の答弁の中にも、「先ほど申し上げたように、三月」おととしの「三月は各社が利益を出さなければいけない、経営の姿をよくするために。これは、株式を放出する、持ち合いを解消する方向に動く、あるいは計画的に持ち合いを解消するのも期末に合わせているという会社もあるということで、株式が相当緩む危険性がある。株価が下がるということは、それだけ企業の含み益にも影響して、決算にも影響するというようなことがありますので、ぜひこの際、従来の株式の自己取得・消却の持っている機能をさらに強くしていくために、しかも期末に合わせてできるだけ効果あらしめるために、今回提案を申し上げたような議員立法による特例臨時措置を時限立法でとらせていただいたような次第でございます。」もう明確なんですね。  確認します。前回皆さん方が二年間の時限立法にした趣旨は二つ。一つは、商法の資本充実の原則を掘り崩す、そういう臨時例外的な措置だから二年に限ったんだということ。もう一つ。一昨年の三月という時点は、株価の大変低い、日経平均で一万五千円くらいの時期だったのでしょうか。その前年には山一と拓銀の破綻という大変な状況もあって、それで、三月末の株価が下がったんじゃ大変だ、金融を初め日本経済が大変だという臨時特例の経済情勢から、株価維持のため、決算対策のために、臨時異例の措置として持ち出されてきたんじゃないか。この二つが根本的な背景なんじゃないか。どうですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 資本充実の原則を大切にする考え方が一方にあるということは申し上げたわけでございます。  他方、資本準備金というのが、先ほどからその財源のことについて言っておりますように、経常的にフローとして流入してくるものではございませんで、資本の減資とか、あるいは時価発行とか、あるいは株式会社の形態が変わったときとか、極めて臨時に流入してくるものでございますので、そのことに制約を強く加えて、そして債権者に対する保護ということをそのことによって図るのが正しいのか、そうではなくて、ほかの方法で債権者保護というのは手当てができるのではないか、むしろその臨時異例の資金の流入というものについて制約を加えるのはどうかというその考え方は、私は国際社会でもあると思うのでございます。一方は、そういう資本充実の原則を厳格に適用しようとする考え方。そうではなくて、時価発行によって生じた、急に膨れ上がったものについては、また市場にお返しをするという考え方もあるのではないかというふうなことの考え方が一方である。その中で、折り合って前回の提案がなされたわけでございます。  それからまた、株式市場は、おっしゃいますように、二年前はまことに危機的な状況でありました。特に、前回の法律の、最初の株主総会までの臨時異例のさらに異例な部分があったわけでございまして、そこについては、本当に我々も、そういうふうに筋が通らないけれどもお願いをするということを申し上げたわけでありますが、今そのときと状況がどう変わっているかといえば、依然として……(木島委員「それはまた後で」と呼ぶ)わかりました。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 それでは、提案者の明改の倉田議員と自由党の中井議員にも、その問題についてのみお聞きします。  やはり、前回二年の時限立法にしたというのは、根本的にはさっき言った二つ、資本充実・維持の原則を崩す臨時異例の措置ということと、当時の大変緊迫した経済情勢、株価低迷、これを、だぶついた株を自己株消却の特例を認めることによって解消するには二年あれば十分だという判断から二年の時限立法にしたんじゃないかと思われるんです。先ほど私は自由党の安倍委員の大変すばらしい質問も披露しながらそれを確認したんですが、そう聞いてよろしいですか、二年前の時限立法にした趣旨。

倉田栄喜公明党・改革クラブ

○倉田議員 二年前については、私は提案者になっておりませんでしたので、今、太田提案者からお答えになったような趣旨で議論をされているんだ、こう思っております。

中井洽自由党

○中井議員 二年前に、きょうここで委員として出席されています安倍さんを中心にいろいろな議論があったことは、木島先生御披露いただいたとおりでございます。  今回いろいろと論議がある中で、過去二年間の実績等、また経済の現行の状態等を論議いたしまして、共同提案をいたしたところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私、二年前の趣旨は二点で明確だと思うんです。  それで、次の質問です。  では、今回なぜさらに二年の延長の法案を皆さん方は出されてきたのか。延長しなければならない根本的な理由を端的に太田議員からお答え願います。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 それは、経済界の中に、二年の間に決断ができなかったけれども、このような枠組みで自社株の取得・消却をしたいという声が根強くあるということであります。  それからさらに、客観的に申し上げれば、株式の持ち合い状態がどうなっているかといいますと、上場しております株式の総価額、バリューに占める持ち合い状態の株の価額は、かつてこの制度がスタートする前までは二十数%でありましたのが、最近時では一六%まで下がってきております。株式の持ち合いを解消するというその趨勢は少しも変わっておりませんので、それに対して各経営者が対抗する手段を確保しておきたいということもございます。  また、先ほど申し上げましたように、会計基準が変わりまして、時価評価という制度に変わりますので、それに伴ってさらにこの株式の持ち合い解消が加速されるというふうに予測されますので、この二年間の延長をお願いしておるということでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 経済界が二年間じゃできなかった、だから延ばしてくれ、こんな身勝手な話はないわけですよね。だからこそ、前回、二年の時限立法をつくり、皆さん方は附帯決議までつけて政府は周知徹底させよと号令を発したんじゃないですか。経済界の要求でこの法律をあなた方が出してきたのなら、経済界は承知の上じゃないですか。株主総会をやる機会は二年間もあったじゃないですか。だから、そんな経済界の身勝手は許されぬことだというふうに思います。  もう一つ。株式持ち合い解消のために株放出が進むんじゃないか、株価が下がるのが懸念されるとおっしゃられました。しかし、これは、持ち合い株主への時価会計導入は二〇〇一年三月期決算からでしょう。まだ先でしょう。だから、そんなのは、今二年、時限立法を延ばしてやらなきゃいかぬなんという理由はないですよ。しかも商法の根本原則ですよ、資本充実・維持の原則。それに反してまで時限立法を延ばしてやる理由は全然ないんじゃないんですか。どうですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 我々は、汗を流して働いておる勤労者の皆様方と同様に、一生懸命この局面で頑張っている経営者の方々の声にも耳を傾けなければいけない。別に我々にとってかたきでも何でもないわけでありますので、それは大事にしなければいけないと思っております。  その中で、新しい制度を設けて、二年間でそれはやれるところはやってほしかったけれども、さっき申しましたように、もともとの提案者の一人であります私などの考え方は、この法律は、恒久的に資本準備金の取り扱いについての原則は変えるべきであるという考え方でございましたので、私自身については別に矛盾はないわけでございます。  むしろ、状況が刻々と変わってきている中で、来年の三月のことであれば、企業においては早くもそれに対する適用の段階に入ってくるわけでございますので、既に今の時点でこういう手当ては引き続き必要だと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、この二年間の日本経済を真っ正面から見たら、商法の原則である資本の充実・維持原則はむしろ強めなければならぬ、それが引き出される教訓じゃないんですか。  それはこの二年間、御存じのように、長銀が破綻しましたよ。日債銀が破綻しましたよ。公的資金が長銀には四兆五千億円入りました。日債銀にも二兆三千億円ぐらいですか、入りましたよ。だから、むしろ、資本金だけじゃだめなんだぞ、本当に、取引先、銀行の場合なら預金者です、普通の製造業その他ならいろいろな取引先ですね、会社債権者を守る最後のとりでは資本金、資本金だけじゃ足りないぞ、資本準備金もしっかり守れ、利益準備金も株主にばらまくんじゃなくてきちっと積み上げろ、そういう商法の基本原則です。法定準備金、資本準備金と利益準備金、これはしっかり守れ、もっとふやさなきゃだめだ、充実させなきゃだめだというのが、長銀と日債銀の破綻の結果、明らかじゃないですか。あなた方、逆行しているんじゃないですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 お答えいたします。  先ほど枝野委員の質問に対しましても申し上げましたけれども、世の中全体がどうであるか、国民経済全体がどうであるか、マイナス成長であるかプラス成長であるか、好況であるか不況であるかということとは個々の企業の置かれている状態は別なのでありまして、一つの個々の企業について正しいことが経済全体にとって正しいとは限らない、これは合成の誤謬というような言葉がありますけれども。  そうすると、今おっしゃっておる資本充実の原則ということを余り強調し過ぎると、成熟した企業の中にいつまでたっても資本が固定、凍結をされて、新しく芽を出そうとする産業の方に円滑に資金が行かないという問題があるわけであります。そういう国民経済全体の資金の配分、資源の配分という観点からいえば、今おっしゃる、絶対それが鉄則であるということをそこまで執着をしておいてよいのかどうかということがあるわけであります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 前回のこの法案の審議で、平成十年三月十八日に、当委員会に早稲田大学の商法の学者である上村達男先生をお呼びしております。上村参考人は大変すばらしいことを言っています。簡単に、大事ですから、今、太田提案者から資本の充実原則、金科玉条はいかぬぞという趣旨の話が出ましたから、とんでもないことだということで、どう上村参考人がこの委員会で述べていたか披露しますよ。  株式会社という制度は、俗っぽく申しますと、要するに、究極的には他人に迷惑をかけても仕方がないという制度でございます。 有限責任制度ですからね。これが無限責任や個人企業と違う根本の原理ですよ。有限責任だから、株式にみんな投資して、その株は消失してもいいんだ、それ以上個人責任を問わない。だからこそ、株が集まって、資本が大きくなって、事業に発展するわけでしょう。しかし、その背景にはこれが基本にある。   このように、株式会社制度は定型的な犠牲者を想定しておりますが、そうした犠牲の反面の利益を国民経済全体が享受するわけでございますので、犠牲者たる会社債権者の立場に最大限の配慮がなされなければなりません。この点では、有限責任というたぐいまれな利益を得ている株主の立場は債権者よりも明らかに劣後しております。 株式会社制度が有するこうした弱点をカバーするため、いろいろな制度的手当てがある。   しかし、中でも最も基本的な制度が資本制度でございます。株主が何十万人おりましても、株主の中には大金持ちがおりましても、だれも債権者に対して出資金を超える責任を負わない以上、すなわち、人に対する信頼がない以上、会社債権者といたしましては、物、財産の存在を信じるほかはございません。   法定資本制度とは、会社に対して財産が詰まったプールの大きさを宣言させ、少なくともそのプールには財産が詰まっていることを懸命に保障しようという制度でございます。 だから、勝手にプールを減らしちゃいかぬというわけですね。それで、  債権者にとっては重大なことでございますから、これには慎重な債権者保護手続が用意されているわけでございます。そして、法定準備金制度は、こうした場合にも、これを資本欠損のてん補に充てることで、あるいは準備金の資本組み入れを行うことで、いわば資本の予備軍、あるいはバッファーとしての極めて重要な意義を有しているわけでございます。   法定準備金には、払込剰余金等を原資とする資本準備金と、利益の十分の一を資本の四分の一になるまで積み立てることを要する利益準備金がございますが、法定準備金を資本の欠損のてん補に充てる場合には、商法二百八十九条により、まずは利益準備金を使い、なお不足する場合に初めて資本準備金を使うことになっております。このたびの法案は、利益は使わずに資本準備金は使いたいという発想を認めるものでございまして、会社法の基本的精神に反するものと考えます。 これが当委員会にお呼びした商法の学者の見解ですよ。  私も、前回、利益準備金と資本準備金の違いをあなたと徹底して論じましたよ。利益準備金を置いておいて資本準備金を先食いするなんてとんでもないぞと言いましたよ。当時の法務省の民事局長の森脇さんも、木島委員のおっしゃるとおりという答弁になっていますよ。そのぐらいに資本準備金を守るというのは大事だ。  しかも、この二年間の日本経済は、さっき言いました長銀、日債銀だけじゃないです、大手企業がどんどんとつぶれているでしょう。つぶれたときに、債権者の最後のよりどころである法定準備金、とりわけ資本準備金を守らずして、どうして債権者を守れますか。債権者を守ることこそ株式会社制度の根幹じゃないですか。あなた方の提案は、株主の目先の利益だけを守ることにきゅうきゅうとしておる。これでは日本の百年間の商法の大原則をひっくり返すことになるのじゃないですか。太田さん、どうですか。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 株式会社性悪説というのは、そういう被害者が債権者で、資本家というのはすべて、株主になった人たちはいいかげんな人だというふうに、あらかじめそういうことを決めるのは、あるいは木島委員のお考えにフィットすることかもしれませんが、上村教授のおっしゃっていることについては、私は十分傾聴に値する主張を上村教授もここでなされたと思いますが、そこには、今木島委員の解釈のようなことでは必ずしもなくて、株式会社をめぐる利害関係者、ステークホルダーというのがいるわけでございますが、わけても株主は最重要のものでございます。そして、それに続いて、そこで働く勤労者もおれば、債権者もいる、利害関係者がいるわけでございます。それは、ひとしくそれぞれの立場を尊重しなければなりませんが、だれか一方のものだけが尊重されるということはあり得ないわけであります。  特に、債権者のために株式会社があるわけじゃないわけでありまして、株主のためにあって、そして債権者の保護もしなければならないということでありますので、債権者に対する配慮は、資本金の四分の一まで利益準備金を積み立てなくてはいかぬということ、今度の法律においても法定準備金で四分の一まではこれは確保するということでございますので、その折り合いをどこでつけるかというのは、これはそのときの判断であります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、株式会社性悪説じゃない、とんでもない、逆なんですよ。株式会社制度をきちんとルールどおりによりよきものにするがために私は論じているのですよ。上村先生もそうですよ。そういう意味では、私の方が株式会社制度をきちんと守るという立場に立っているかもしれません。  こんなことで株式会社制度の根幹が崩されたら、これは株式会社制度なんかだめだということになりますよ。それを守るのなら、長銀、日債銀のように、公的資金投入だってなっちゃうでしょう。そんなのは株式会社制度の破綻じゃないですか。何の責任もない国民の税金をつぎ込まなければ、会社債権者を守れない。でしょう——うなずいているから認めているんだと思います。  それで、これは商法の根本原則ですよ。きょうは時間がありませんから、ヨーロッパやアメリカの法制度のことについて触れません。資本の充実・維持は全世界の有限責任会社法制度の根本原則ですよ。しかも、最近、規制緩和なんということがはやりになって、そういう世の中になりますと、淘汰されてくる、倒産するという企業が続出する。そうしたら、なおさらのこと、資本の充実・維持の原則を守らなければ、私は、株式会社制度の根本が揺らいでいく。  先ほど太田さんが言ったのは逆なんですね。利益準備金からというのは逆なんですね。まさに利益が出たら株主に配当をすればいいのですよ。それが先でしょう。法定準備金というのはその次ですよ。そう簡単に株主に配当をしてはいかぬわけでしょう、法定準備金というのは。だから、その基本的な根本から考え方がひっくり返っているのですね。もう質問しません。  それで、私は法務省にお聞きしたいのですが、このような日本の、また世界の株式会社制度の根本原則を覆すような重大な法案が、前回、議員立法でされた。そして、二年間猶予があった。今回、また議員立法です。当然、学者の意見を聞いてしかるべきですよ。商法学会の意見を聞いたら、こんな法律はだめだと言うに決まっているのですね。なぜ法務省は、この間、きちっとこの問題で法制審議会を開き、広く学界の意見、国民の意見を求めて、こんな制度がいいのか、株式会社制度の根本問題としていいのかという掘り下げた議論をしなかったのか、法務省のその対応についてお聞きしたいと思います。

武部勤自由民主党

○武部委員長 民事局長の前に、太田君から発言を求められておりますので、太田君。

太田誠一自由民主党

○太田(誠)議員 今ちょっとお時間をいただいたのは、何か日債銀や長銀のことを、長銀がそれをやるようなことを、印象を与えようとしておられるので、そこは違いますと。  それは、金融機関の中でも、こういうことを実行する企業というのは自信のある企業であって、それぞれ財務内容において自信があり、あるいは業績もいいからこういうことを決断するのであって、銀行でやったところは二行ございます。京都銀行と福井銀行でありますが、いずれも理想的な財務体質の状態であって、そういうところは自信を持ってこれをやるということでございますので、どうか誤解のなきようにお願いいたします。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 法務省、時間がありませんから、きちっと答えてください。

細川清法務省民事局長

○細川政府参考人 前回の議員立法に際しましては、当省も各党から法案に関して問題はないかどうかの相談を受けておりまして、法制審議会商法部会の委員等の意見も聴取した上で、商法の原則との関係、殊に会社債権者及び株主の利益の保護の観点から検討を行い、意見をお伝えしたところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 質問に答えていないですよ。  ストックオプションの導入のあのときの商法改正以来、再三にわたり法制審議会の審議を無視されて、議員立法でどんどんやられた。商法学者はみんな怒っていますよ。商法の基本原則が崩されているからですよ。それも本当に経済的に理由のあることならともかくとして、経済的な理由はないのです。本当に一部の企業の利益、しかもほんの目先の株価対策、株主対策、決算対策、そんな目先の利益で、商法の一番大事な根幹が崩されてはたまらぬというのが日本の商法学会の流れじゃないのですか。  法務省はこの問題で法制審議会に諮問しましたか。こんな議員立法がつくられちゃったけれども、きちっと審議してくれと諮問しましたか。そして、法制審議会から回答を求めましたか。法務大臣、どうですか。そういうことをやっていますか。

細川清法務省民事局長

○細川政府参考人 この間、法制審議会におきましては、株式交換、株式移転の制度の新設、さらには会社分割の制度の審議をしておりましたので、御指摘の資本準備金による株式消却については諮問をいたしておりません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 時間が来たから終わりますが、こんな大事な問題について諮問すらしない、法制審議会を開いて、商法学者、広く国民の意見を問うことすらしない。私は、これは議員立法ですが、法務省としての怠慢も厳しく指摘して、こういう改悪の続行には断固として反対だということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

武部勤自由民主党

○武部委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  私は、日本共産党を代表して、株式消却特例法改正法の改正案について反対討論を行います。  本法案は、二年前の第百四十二国会で改正された株式消却手続に関する商法特例法改正法が二年の時限立法となっていたための措置で、株式公開会社が資本準備金で自己株消却できる期間を二年間延長しようとするものであります。  反対の最大の理由は、商法の資本の充実の原則という債権者など取引相手の保護を目的とした商法の根本原則を崩すという点です。  株主の有限責任を基本とする株式会社制度において最も大事な原則は、株式会社の取引相手たる債権者の利益を守るとりでとしての資本の維持と充実の原則です。  しかし、財界、大企業は、これに対する規制緩和を要求してきており、九四年にはバブル崩壊を逆手にとって自己株取得の一部緩和を行い、さらに九七年には法制審にも諮らず強引に与党の議員立法で株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律をつくり、前回九八年には、配当可能利益の範囲内に限られていた原資を、資本金への組み入れか欠損てん補にしか使えなかった資本準備金の取り崩しにまで手をつけ、手続も取締役会の決議だけで行う特例を設けるなど、財界の要求にはなりふり構わぬ改悪をもあえて行ってきたのであります。  我が党は、二年前に審議された現行の商法特例法改正案に対し、商法の資本充実の原則に反し、会社債権者の利益を損なう等の理由で反対しました。  今回の改正は、持ち合い株を時価評価する会計基準が再来年三月期から始まることを見越して、今後も持ち合い株の売却が進むとして、財界からの強い要望にこたえて、緊急対策としての時限立法だからとの前回答弁をもほごにして、さらに二年間延長しようとするものであり、御都合主義のきわみであると言わなければなりません。  現行法施行以来、資本準備金を原資とする自社株取得・消却を実施した会社は昨年末で二百七十八社に達しており、資本準備金による自社株取得・消却を定款に定めた会社は、九九年五月現在で約三百社に上っています。定款の定めがあれば、年度途中で経済変動や株価下落等に応じて、取締役会決議限りで機動的、弾力的な消却が可能となりますが、これでは企業の財務基盤を悪化させることになります。  本法案は、大企業、金融機関の野方図なエクイティーファイナンスなどバブルの真の責任を回避し、財界、大企業の要求に屈して商法の諸原則を崩し、債権者の利益を損ねるもので、到底賛成するわけにはまいりません。

武部勤自由民主党

○武部委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 これより採決に入ります。  太田誠一君外八名提出、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

武部勤自由民主党

○武部委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、与謝野馨君外四名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党、社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。倉田栄喜君。

倉田栄喜公明党・改革クラブ

○倉田委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。     株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について格段の配慮をすべきである。  一 会社の資本準備金による自己株式の消却については、本法律が二年の限時法である趣旨を関係者に対し周知徹底すること。  二 資本準備金による自己株式の消却については、今後二年を目途に、会社をめぐる最近の社会経済情勢とその変化に対応できるものとなるよう、具体策を検討し、必要な措置をとること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

武部勤自由民主党

○武部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  与謝野馨君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

武部勤自由民主党

○武部委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。臼井法務大臣。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部勤自由民主党

○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 次回は、来る二十八日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十七分散会

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