文教委員会 第14号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/04/26
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として文化庁次長近藤信司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中甲君。
○田中(甲)委員 きょうは、著作権法の一部を改正する法律案、長い法案でありますからちょっと省略して読み上げました、その質問を私は二十五分間させていただくわけでありますけれども、中曽根文部大臣に、こういう機会でしか質問できない点がございまして、もう少し委員の方が集まるまで、ちょっと一点だけ、こんな機会ですから、選挙権のことでお聞かせをいただければと思います。通告はしていなかったですか。——それではひんしゅくを買うといけませんが、せっかくの機会ですから、私はどうしても聞いてみたいなと思ったのです。 実は、一九七〇年に中曽根元総理大臣が、演説の中で、選挙権は十八歳からということを高らかに演説されていらっしゃいますね。それで、文部大臣に就任されました、元総理大臣をお父様に持たれる中曽根文部大臣は、その点はどのようにお考えになられているかなということを常々疑問に思っておりましたので、この法案に関する質問でなくて大変恐縮でありますけれども。 世界の百五十六カ国が十八歳で選挙権ということをもう既に実施されている。ちょうど元総理大臣が発言されたときは、アメリカ並びにヨーロッパで十八歳選挙権ということでかなり変更されて、二十一歳成人から十八歳成人、そして十八歳選挙権という流れがあった。多分その先取りをして中曽根総理大臣が当時発言をされて、演説にも使われたのだろうと思われますけれども、十八歳選挙権及び、この際十八歳被選挙権について、権利並びに、その義務といいますか責任ということを、どのようにこれから青少年に教育していくかという観点も含めて、恐縮でありますが、冒頭、御所見をいただければと思います。
○中曽根国務大臣 選挙権と被選挙権のお話でございますが、被選挙権の方は、参議院の方は三十歳でございますから、またそれなりの議論が必要と思います。 選挙権につきましては、今の世の中は非常に情報化の時代でございますし、また政治の動き等についても、若い人も十分に理解をし、また知識も持っている、そういうふうに思っておるわけでありまして、そういう意味では、今おっしゃった他の国々同様、年齢を引き下げるということも検討されてもよろしいかと思っております。 一方で、現在の投票率の低下の状況を見ておりますと、若い方ほど投票に行く率が少ないというふうに私は認識をしておりまして、選挙権の年齢を引き下げた場合に、いわゆる十八から二十歳までの方を中心として、若い方々がどの程度投票に行っていただけるのかということも、私は検討の上での重要なポイントではないか、そういうふうに思っているところでございます。 したがいまして、全般に政治に対する関心度をもっと持っていただく、これは我々の方も反省しなければならないところも多いわけでありますが、そういうふうに総合的に検討することがまず第一だというふうに思っているところでございます。 また、被選挙権につきましては、私は、個人的な意見でありますが、現行のままでよろしいのではないかと思っております。
○田中(甲)委員 きょう扱う法案以外の質問を冒頭したわけで、大変に御無礼をいたしました。 実は私、「論座」という月刊誌に「世界の流れに合わせて選挙権年齢を十八歳に下げよ」というものを書かせていただきました。確かに、低年齢層の二十から二十五歳までの投票率というのは低いのです。低いのですけれども、では、果たして低いからだめだという話なのかということを常々考えておりました。 やはり子供のころから自分の意見を述べる、その意見を述べるまさに象徴的なところが、被選挙権を得られるかどうかということなんだろうと思っているのです。意見を述べて、発言した内容に責任を持つ義務というものを認識して初めて、投票が義務になってくるのだろう。出る、出ないにかかわらず、被選挙権が与えられるということは非常に大きな意味がある。これから自立した一人一人の子供たちの教育ということを考えていく場合には、そこが一つのポイントなのかなというふうに思っておりまして、冒頭質問をさせていただきました。突然の質問で大変失礼いたしましたが、ありがとうございました。 実は、青少年問題に関する特別委員会で今、児童虐待防止の特別法を今国会中に成立させることができるかできないかということで、今まで理事懇をやっておりまして、余り私の得意としている法案でない審議の前に、自分の得手としている質問からスタートさせていただいたというのが正直なところであります。 この法案を読んでまいりまして、視覚障害者向け、第三十七条の二項の関係に私は最初に目が行きました。視覚障害者並びに聴覚障害者、このハンディキャップを持っているチャレンジ度の高い方々は、視覚障害者で全国三十二万人、聴覚障害者で三十一万人、合計六十三万人にもなるということを聞いております。参議院で江本参議院議員がやはり同質の質問をされているように思いますけれども、もう少し踏み込んで、深い部分までちょっと御質問をさせていただきたいと思っています。 コンピューターを用いて点訳した文字データが保存やネットワークで送信等を自由にできるという意味で、今回の法改正は非常に意味がある、評価できる内容というふうに私は考えておるのですけれども、これからさらに、受け手としての権利を拡充した今回のものから、まさに、インターネット等相互方向の通信というものが特徴になっているこのものからするならば、今度は障害者みずからが情報を発信できる送り手になるためのことが次に考えられていかれなければならないだろうと思うのです。 河村政務次官、この辺は今文部省はどのように検討されているのか、もしお聞かせいただける点がありましたら、御報告いただきたいと思います。
○河村政務次官 田中委員御指摘のように、こういう法改正をやって、障害者の方が自由にテレビ等々の画面を通じて点字等々で理解できるようにすると同時に、あわせて、自由に障害者が発信できるような形を求めていかなければならぬということでございます。教育においても情報活用能力を育成していこう、障害を補完する意味でも大きな意義があるということでございまして、その補助的手段としてコンピューター等の活用が必要である、重要な課題だ、こう思っておるわけでございます。新学習指導要領におきまして、中学部、高等部において情報に関する内容を必修とするということで、教育内容の充実を図っておるところでございます。まさにこれから図ろうとしておるわけでございます。 あわせて、教育用コンピューターを整備していかなければなりません。平成十年度末現在では、すべての盲学校に平均二十三・五台のコンピューターが設置されておるのでありますが、今後さらに、盲、聾、養護学校を含めてすべての公立学校において、平成十七年度までに、コンピューター教室のほか、普通教室や特別教室などへもコンピューターを配置する。それから、平成十三年度までにはすべての学校がインターネットで接続できるように、この計画的な整備を今進めておるようなわけでございます。 文部省においても、さらに、特殊教育における情報機器等を活用した指導方法、あるいは情報環境の整備、充実方策について検討を行いながら、盲、聾、養護学校において情報教育を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
○田中(甲)委員 政務次官の積極的な御答弁をいただきまして、大変にうれしく思います。 私、実は視覚障害を持たれる方からメールをいただきました。見事な、一般の方と全く変わらないと言ったらこれはもう障害を持つ方々に失礼になるかもしれませんけれども、これはその最後の方の文章です。「大げさな言い方かも知れませんが、今やパソコン通信は、私たち障害者にとって不可欠なメディアになって来ていると思います。」そのためにいろいろなことを政府が考えてもらいたいという意見も、もうとうとうと書かれておりまして、その中で、特に、視覚障害者のパソコン購入などに公的な補助金があるべきだと考える、それ以前に、まず学校でパソコンが使えるように教えてほしいと思います、そうしないと、たとえパソコンが政府の補助があって購入できるとしても全く役に立ちませんなどとあります。 視覚障害者の中で、今やパソコンに向かって情報を発信し、そして情報を得る。スクリーンリーダーというのがあるそうですが、済みません、私はそれは実際に見たことも使ったこともないのですけれども、画面を読み上げて、そして視覚障害の方がそれを確認していくということですね。あと、点字のキーボードというもので発信をしていくということで、かなりもう視覚障害を持たれている方にとって——今回はまさにこの関連の著作権法の法改正という部分からでありましたけれども、これを機会に、さらに障害者にとっての新しいメディアというものがどこまで彼らの世界というものを広げていくことができるのか、そんなことを考えられる文部省、政府の姿勢であってほしいと思います。 同じく障害を持つ方々ですが、聴覚障害の方々ですけれども、リアルタイムで字幕化を行っていくということで、これも、ネットワークを通じて聴覚障害者に提供できるようにするということで、評価をさせていただきたいと思います。非常に喜ばしいことだと思うのですが、災害のときに、特に聴覚障害を持っている方々が周辺の災害状況ということに全く気がつかないということが、現に東海村の事故のときにありました。このようなことが今後ないように、さらに、リアルタイムで文字化をしていくというようなことが進められてしかるべきだと思うのですけれども、災害等における周知対策を行っていくことに対する大臣の御所見等をいただければありがたいと思います。
○中曽根国務大臣 リアルタイム字幕送信でございますけれども、過日の東海村の事故の際の例をお挙げになりましたけれども、このようなときに非常に効果を発揮いたしまして、聴覚障害の方々にとりましては大きな、今後の情報入手、そして緊急時の避難等に役立つもの、そういうふうに私は思っております。 これは、事前に字幕をつけて番組を放送する、そういうことが困難な場合に、そういう生放送などの番組について、聴覚障害の方々への情報の保障、確保の観点から行うものでございますけれども、これによりまして、例えばニュースなどの生放送番組につきまして、聴覚障害者の方がインターネットで字幕によりましてその内容を瞬時に知ることができる。あらかじめ録画されたようなものですと、字幕をあらかじめ用意して放送局の方から放送することができるわけでございますけれども、ニュースのようなものとか、事故の際の突発的な現場からの放送とか、そういうものについてインターネットで事件等が障害者の方にもわかるということは、非常に意義があるわけでございます。 私ども文部省といたしましては、今回の改正につきましては、聴覚障害者のためのこのような方法によって不便を解消してもらう、そして、緊急時の対応がより行いやすいようにということでございまして、障害者の団体の皆さん方とも連携をしながら、障害者の方々にこういうようなシステムについて、周知といいますか、広報活動を行っていきたい、そういうふうに思っております。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。 一九九六年、パソコンを使える聴覚障害者はどのぐらいだったと思いますか。——一万三千人しかいなかったのです。もちろん、この四年間のパソコンの普及ということも、これはもうそのスピードたるや驚くべきスピードですから、今はもうその数をはるかに超えていると思いますけれども、全国の聴覚障害者が三十一万人いる中でパソコンを使える障害者がどのぐらいいるのかということも認識をしていただいて、先ほどの質問の繰り返しになってしまいますけれども、やはり彼らがパソコンを使えるような教育機関ということをもっと普及させていくことが同時に必要なんだろうと思います。 しかし、この情報革新ということは目覚ましいスピードでありまして、私は、災害のときにインターネットで情報を知るということは、意外と、有線で通信基盤が整備されている場合、今インターネットがそうですね、それが、電話回線が切れるとか、そういうことが災害時の状態と考えた場合、果たしてそれが機能するのかと。私も、愛用しているといいますか、たまに通信、連絡がとれなくなるのですけれども、iモードでメールをやりとりします。これはもう日本が最先端の技術を世界の中に先駆けて持っているわけですけれども、このiモード機能というのは、これから障害者が、特に災害が発生したときに、確認をする、あるいは、自分がどこにいるのか、どういう状態になっているかということをメールで伝えるということができるわけです。 今、販売台数を半分に絞るとか、私にも、iモードを活用している中年議員に対するアンケートというのがありましたけれども、これは、ホームページのメールでいただいたものをリアルタイムにこちらに送ってもらうとか、そういうことも既にできますので、こういうことをもっと普及させていくという方にもう既に切りかえていった方がいいのじゃないかと思うのです。 もしこの点で御意見があれば——特定の業者の宣伝をするつもりはありませんけれども、アジアの中でも、有線が張りめぐらされていない地域に行った場合に、このiモードというのが非常に重宝されるという時代がどうも来ているようです。災害時の被災者、特に障害を持つ方々にとってこの機能ということは有効になるのではないかと思いますが、御所見をいただければありがたいと思います。
○河村政務次官 おっしゃるとおり、iモード等非常に便利になってまいりましたので、それをできるだけ活用する、最近はああいうものをまた別に悪事に使うケースもふえてまいりましたが、これは、郵政省とも今こういうことを研究しておりまして、有線、無線、あらゆる通信網をどのように活用するかという方向で、今の御提言も一つの大きな方向だというふうに理解をして、文部省としても十分取り組んでまいりたい、このように思います。
○田中(甲)委員 恐縮です。すばらしい御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 第百十四条関係で質問をさせていただきたいと思います。民法上の救済規定及び罰則規定の整備というところでありますが、よろしいでしょうか。 現行の著作権法では、損害賠償額の最低額の補償として、「通常受けるべき金銭の額に相当する額」という規定で損害賠償できることとされていました。私はこれは従来からおかしいと思っていたのです。誠実に著作権の許可を受けた人と同じ金額を賠償すればいいことでありますから、これはやった者勝ちといいますか、まねをした者が得をするみたいな状況がずっと続いてきました。 そこで今回は、「相当な損害額」ということに変更されて認定をされてきたわけでありますけれども、河村政務次官、この相当な額というのは、これは何を基準に、幾らぐらいを指しているのですか。
○河村政務次官 これはなかなか確定することが難しいと思います。しかしこれまで、今委員が御指摘のように、このような「通常」のとなっていたものでありますから、一般的なライセンスといいますか、そういうものを基準にして金額が決まっておったということがあったわけですね。 例えば昭和五十一年に、「サザエさん」の漫画のあの絵を無断で観光バスの車体に使ったというようなケース、これも、普通はライセンスは販売価格の三%だ、こういうことでバスの運行収入の三%額が賠償額になったというケースがあったわけでありますが、ああいう「サザエさん」のような、非常に大きな情報通信といいますか、イメージを持っているところがそれでいいのかという議論もありまして、この「通常」ということでは、それに引っ張られるということで考えられておるわけであります。だからといって、これが幾らになるかということはそのときの状況によって判断をされなければいけませんが、少なくとも、そういう大きなイメージを持ったものが低く下がるということはやはり避けなければいかぬということから、この「通常」というものが外されたわけであります。
○田中(甲)委員 わかりました。 もしこれが、通常の損害額に余り変わりない、気持ち程度の額が今回の相当な額という判断であるならば、私は、著作権の問題は従来どおり——著作権の侵害の事例というのは検察庁調べで私の調べたところでは百五十二件、これは本当に氷山の一角だと思うのです。判決で勝訴をしても、今までの賠償額というのが「通常受けるべき金銭の額に相当する額」ということであったり、訴訟の費用と時間がかかるということで、なかなかこの著作権ということは実際のところ守られている状況にはなっていないと思うのです。 スロバニア、旧ユーゴスラビアでは、この著作権の問題で二倍賠償が導入されたということを聞いています。我が国の著作権審議会第一小委員会専門部会の中でも三倍賠償制度の導入についての議論があったと私は聞いているところなんですけれども、やはり損害を算定した額が明確に二倍ないし三倍というものでないと、なかなかこれから著作権というものが守られていかないのではないかと考えるのですけれども、この辺を具体的に、三倍賠償制度の導入その他も含めて、どのように御検討されているか、お聞かせをいただければと思います。
○河村政務次官 今回、三倍賠償制度の導入については見送っておるわけでございます。平成十一年に著作権審議会においてもこの問題は検討されたのでありますが、その結果、著作権等の侵害事件において、被害者の救済また侵害行為に対する抑止力の強化という観点からこれは有意義であろうという一方で、我が国においては、侵害者に対する制裁とか一般予防効果というのが刑事罰の役割とされてきた、こういう観点もありまして、導入には非常に消極的な意見もあったわけでありまして、一つの方向性が見出せなかったというふうに伺っておるわけでございます。今回、法人に対しては三百万を一億に引き上げるということも、刑事罰としては引き上げてきたわけでございます。そういうことで、民事的な方と刑法上の両方の観点から一定の方向性を得なかった。 しかし、これを今から検討していく上においては、今おっしゃいました民事法制的なもの、あるいは他の領域との均衡というものに配慮しながら、また一方では知的創作保護といいますか、いわゆる知的創造権、そういうものをきちっと保護していくという観点に立って、著作権法の固有な、新たな損害賠償制度の枠組みの検討ということも考えなければならぬわけでございます。文部省としても、今後、関係各方面、審議会はもとよりでございますが、議論の動向に留意をしながら、さらに検討を進めなければいかぬ、このように考えております。
○田中(甲)委員 わかりました。 ぜひ検討を進めるように、第一小委員会の専門部会で審議していると思いますので、示唆をしていただければと思います。 同じくその小委員会の専門部会で、弁護士費用の敗訴者の負担についても議論をされてきたと聞いております。考えてみますと、個人が原告であって、被告側が金銭的にかなりゆとりのある企業であった場合に、優秀な弁護士を雇うということに当然なってくるのでしょう。その場合、明らかに著作権が侵害されている場合であっても泣き寝入りしていくケースが多いのじゃないかというふうに思うのです。やはりその点で問題になるのは、被告勝訴の場合にもその弁護士費用を回収できないというところに問題点はあると思うのですけれどもその弁護士費用の敗訴者の負担制度の導入について、やはりこれも同時に検討していく必要があると思うのです。この点はいかがでしょうか。
○河村政務次官 御指摘のとおり、著作権等の侵害訴訟において、せっかく勝訴をした、しかし、そのために弁護士費用もかかるわけでございまして、その分だけ賠償額が減額されて、権利者はそのコスト等を考えてみても訴訟を断念する、これではやってもやらなくても、結果は弁護士費用の方が高くつくというふうなケースを考えて訴訟を断念するというふうな話も聞いております。 平成十一年に、著作権審議会において弁護士費用の敗訴者負担について検討が行われたところでございます。このことについては、その弁護士費用が敗訴当事者から回収されないとすれば、勝訴をしても、その成果は弁護士費用の負担によって減殺される結果となって、権利者が十分損害の回復をできないのではないか。それから、勝った場合はいいけれども、今度は負けた場合は、その場合は全部持っていかれるよというようなこともあった。導入に対しては、もちろん導入に積極的な意見、今委員が御指摘のような形でやるべきだというのと、あわせて、敗訴の場合を考えたリスク、敗訴の場合を考えたときにどうであろうかという両意見がありまして、またこれも結論が得られていないわけでございます。 ただ、これは、こうした一知的創造権等の裁判だけの問題ではなくて、司法全体の問題でもございますので、司法全体の中でやはり考えていただきながら、文部省としても、当面こういう直接の関与をした問題がございますので、十分な関心を払っていかなければいけない問題だ、このように考えております。
○田中(甲)委員 わかりました。 時間が参りましたので、さらに、高度情報化社会に対応する著作権法、また今御指摘をさせていただいた点の改善をお願い申し上げまして、質問を終わります。
○鈴木委員長 次に、西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。 著作権法等を改正する法律案に関連して幾つか大臣に御質問を申し上げたいと思います。 現在は、経済を初めとしてさまざまな分野にIT革命、いわゆる情報通信革命が起こっている、こういう状況でございます。この法案も、情報通信技術の発達によって、今まで多くの制約があった障害者への情報のアクセスを容易にする、そういう内容も含まれていると承知をしております。きょうは、IT革命の中での文教分野における情報通信技術の利用を促進するために、大きく分けて三つの点について御質問を申し上げたいと思います。 初めはネット学校の整備を行っていただきたい、二つ目は著作権の学校での利用を拡大していただきたい、三つ目は障害者の情報アクセス権を確保する、こういう問題でございます。 まず初めの第一点でございますが、インターネットは、御存じのように、悪用したり悪用されたりという場合にはさまざまな問題が引き起こされるということも、これはマイナス面としては確かにあるのですけれども、しかしながら、教育分野においても時間、空間的な制約を超えて膨大な情報が利用できる、こういうメリットは決して少なくないように思います。 最近、教育の課題として、創造性をはぐくむ教育、こういうことがよく言われておりますけれども、それは、教え込まれるという受け身の態度ではなくて、みずから情報を駆使して、そして自分自身が成長していく、こういう人材を育てることであろうかと思います。その手段として、インターネットを活用して情報を得ながら課題に主体的に取り組んでいく、そういう教育がこれから期待されるのではないか、こう思います。 さらに、人と人とを直接つなぐ、直接といいますか、もちろん間接ではありますが、人と人とをつなぐ機能を果たしているという面でもこれは大変大事なものを含んでいる、こう思います。特に、今問題になっている社会から完全に孤立してしまいがちな不登校の問題、それから引きこもりの問題、こんな子供たちに対してこのシステムが社会への一つの窓口を提供することができる、こう思うわけです。また、病気で入院している子供たちが院内学級を利用する、またそうした施設すらない病院に入院をする、こういう場合にも、教育の機会を与える道もこのシステムによって開かれていくのではないか、こう思うわけです。 そこで、ネット学校を学校として認める方向で検討されてはどうか、こう思うわけです。当面、通信制の高等学校、それから大学に関する設置基準、それから教育課程の中で必修となるスクーリングの要件を緩和してはどうか。今までは、インターネット等で対面の講義とか、そういうことを前提としておりませんから、このシステムを導入することによって、必ずしも今までどおりのスクーリングの時間等は必要でなくなる場合があるのではないかということでございます。同時に、既存の学校の要件、施設だとか教員数、こんな設立の要件についても変わってくる可能性が十分あるのではないかと思っております。 そこで、ネット学校に関して新たな設置基準を策定すべきだ、こう思いますが、お考えをお伺いしたいと思います。
○河村政務次官 西委員御指摘のように、高度情報化時代へこれをどうやってうまく活用していくか。今御指摘のネット学校の構想というのは、これからの教育を考えた上で一つの大事な提言だというふうに思います。 御指摘のように、僻地や離島の学校とか病院内の学校、要するに離れた機関をテレビ会議システムでやることもできましょうし、それから、不登校児童生徒に対する支援の一つとして、マルチメディアを活用して補充指導していくとかいう活用の考え方もあります。Eメールを利用するやり方もあります。また、通信制高校においては既にこれを活用している学校の事例もございます。 それから、大学においては、遠隔授業で単位を取れるようにする、これも可能になってきておりまして、現実にこれがもう活用されている状況もございます。この前の教育大臣サミット、G8のサミットにおいても、外国の大学間をこれでつなごうという提言もあったわけでございます。こういう問題で、大学設置基準等の改正もそういう観点で、遠隔授業で単位が取れるようにということで改正もいたしております。現在、大学審議会においても、高等教育における情報通信技術の活用方策について諮問いたしておりまして、今審議をいただいておるようなわけでございます。 そのように、今の御指摘については、今後、教育全般の中でこれをどのように活用していったらいいか等も含めて、検討を早急にしていかなければいけない問題ではないか、このように思っておりまして、御提言を重く受けとめさせていただきたいというふうに思います。
○西委員 前向きに精力的に協議をし、一日も早く具体的な法整備をお願いしたいと思います。 次に、著作権の教育利用についてお伺いしたいと思います。 インターネットを活用した授業で、先生方が著作物をコンピューターに保存をする、蓄積をするだけで、これは著作権法の違反というふうに現在の法律ではなっております。また、学校利用であっても、生徒や児童がインターネットを使って得た情報をコピーするということも、生徒の場合はできません。 この件について、先日文部省で、インターネット等を活用した著作物の教育利用に関する協力者会議を発足して、その解消のために取り組みを始めた、こうお伺いをしております。児童生徒が著作物の教育への利用ができるように、これだけ広まってきたわけですから、制度の改正をぜひお願いしたいと思います。 また、その協力者会議で、先生や大学教授等の講義を収録したビデオ、こういうものの録画の帰属の問題、だれの権限になるかという帰属の問題やルールについて、ぜひ検討をお願いしたいと思います。講義の録画も、本や特許と同様に重要なコンテンツとなる可能性が今後ますます高まってくると思います。また、そのコンテンツの知的所有権がどこに帰属するのかということも今後大きな問題になってくるのではないかということを考えるときに、ぜひともルールについての検討をお願いしたいと思います。 さらに、今後、ネット上で教科書と同様の内容を持つ、いわばデジタル教科書といいますか、こんな整備も同時に必要ではないかと思います。特にデジタル教科書では、写真や絵、それから音声も入りますね。また、動画も入ります。そんなことを特徴とした教科書ができ上がる可能性があるのではないか。これをわかりやすく、また使いやすい教科書として活用できる可能性も出てくるのではないかと思いますが、この点について御所見をお願いいたします。
○河村政務次官 委員の今御指摘にございましたとおりでございまして、情報化の中で、著作物の利用の形はいろいろあるわけであります。児童生徒が教育活動の中でインターネットを使う、コンピューターを使う、そういう著作物を複製したり送信したりするようなことはもう自由にできるようにしたらどうかという御意見もあります。一方では、著作権者と利用者との間の何らかの利益調整といいますか、これはやはりやっていかなければいかぬだろう。教科書の掲載やなんかについても、これは自由なのでありますが、補償金を払うという制度がちゃんと設けられておる。そんなことで、両意見が今あるわけでございます。 そこで、著作権審議会マルチメディア小委員会では、著作物等の利用形態の変化に対応した権利制限のあり方全般について検討を行っている。あわせて、今御指摘のように、文部省も生涯学習局の中で、コンピュータ、インターネット等を活用した著作物等の教育利用に関する調査研究協力者会議を設けて、この中で今議論をしていただいておりまして、著作物等が教育利用の観点でできるだけ自由にやれる方向で検討をいたしております。 もちろん、著作権審議会等の検討もございますから、それも踏まえて、まさに教育ということを念頭に置きながら適切な措置を講じていきたい、このように考えております。 もう一つ、デジタル教科書のお話もございました。 今、いわゆる補助教材といいますか、授業の補助教材としてそういうことが既に行われておるわけでございます。これは非常に効果的だ、こう思われておるわけでございますが、では、全部デジタルになるかということになると、教科によっていろいろあろうと思いますね。美術の授業なんというのは非常に効果的だ、こういうふうに思いますので、これも大いに今研究をされておるところでございますが、こういうものが十分活用できるように、情報教育の進展の中で考えてまいらなければいけない問題だ、このように思っております。
○西委員 ぜひともよろしくお願い申し上げます。 最後に、障害者の情報アクセス権の確立の問題について、これも今回の法改正の大きな内容となっております。実は私は、三年ほど前の学校図書館法の改正案の審議のときに、質疑通告を文部省に行って、そのまま時間がなくて質問しなかった内容にも若干かかわるのですが、そのときにも、障害者の著作権の利用についての検討を文部省にお願いしたい、こういうことを事前通告の段階で申し上げておりました。そのときには、コンピューターを利用した点訳を認めるようにということとか、著作権の制限の対象を視覚障害者だけでなくて聴覚障害者も対象にするとか、何点か申し上げたのです。 点訳本をつくるには、それまでの点訳機を使って手で一字一字入力する、こういう方法しか今まではなかったわけですね。それが、コンピューターやOCRのソフト等、また点字プリンターなんかが出てくることによって、点訳作業が飛躍的にはかどると同時に、一回の作業で同じ点訳本が何冊もできる、こういう時代を迎えました。 しかし、今まではそこに大きな障害がありました。それは、著作権の点字による複製という規定があったからでございまして、複製は点訳機を使って直接紙に点字を打つということに限定をされておりました。フロッピーディスクやハードディスクなど電子媒体へデジタル化した文字を複製するということが認められなかったからでございます。 著作権法がつくられた時代は、点字による複製は点字本、録音はレコード、テープに固定される、こんなアナログの時代でした。そういう意味で、今の情報のデジタル化ということについては当時としては想定されなかったということが、今まで大きな障害であったというふうに思います。 それが、今回の改正で、情報通信技術の発展にあわせて、視聴覚障害者が著作物を利用しやすくなったということについては大変評価をしたいと思います。今後とも、技術の発展に合わせて速やかな見直しをお願いしたいと思います。 例えば、この法案では字幕は放送という手段では送信できないという規定になっております。通信技術でやるということです。そうなっておりますが、現在もう既に進められている放送と通信が融合するようなそんな媒体ができた場合には、もう早速見直しが必要になってくるであろう。また、動画がまだ少しぎこちない動きしかできておりませんが、その技術がもう少し進めば、手話での解説についても、これはスムーズに動きができるようになり可能となってきます。そのときにはぜひ動画についてもお認めをいただきたい、こう思うわけでございます。 また学習障害児、LDというふうに言われておりますが、その子供たち、例えば聞くことは得意だけれども読むのは苦手、こういう人たちがいるわけです。そういう人たちに対する音訳物、それから録音物、こういうものの利用を認めていただきたい。点字図書館などで認められている音訳物それから録音物の利用を、一般図書館でも行えるような体制もぜひとも整えていただきたいということを強く要望したいと思います。 以上の事柄について御答弁をお願いいたします。
○河村政務次官 一遍にたくさんの質問をいただいたのでありますが、時間の関係もありますし簡略に申し上げます。 委員おっしゃるように、字幕放送についても権利制限をすべきでない、自由にしたら、こういうことでございます。御指摘のように、著作物を放送、有線放送することについては、権利者に許諾を得る際に字幕の作成についても許諾を得ることが可能と考えられておりまして、今のところそういうふうになっております。しかし、文部省としても、委員御指摘のように今後それが融合していくということになれば、これは一体として考える必要も出てくるでありましょうから、その時点で考えなければいけない課題だ、こう思っております。 あわせて、手話等についても、今の動画、もうすぐこれが実際のように動ける、そのままの画面が出てくるということになりますと、これも当然認めてもらいたい、自由にさせてもらいたいということになるであろうと思いますが、その動きを見なければいけない課題だ、こう思っております。御指摘は十分配慮させていただきます。 それから、学習障害児についても、御指摘はわかるのでありますが、まだ学習障害の判断基準とか対象者の範囲というのがもう一つ確定しておりません。これはもっと研究を急ぐわけでございまして、これを確定させながら、この問題についても考えていかなければならぬ。 特に録音図書の問題でございますが、これを含めて広く公共図書館でも利用できるようにということでございます。この問題も実は、著作権者の利益とのバランスといいますか、これが一方では強く求められておるものでありますから、この問題をどうするかということを考えながら、しかし、現在でも、公共図書館は、著作権者から許諾を得るために、文芸の著作権者の団体であります社団法人日本文芸著作権保護同盟を通じたら著作者にかわって無償で許諾が得られる仕組みがございますので、そこを通じて録音を置くということもできるようになっております。 ただ、この団体を通じて円滑に権利処理が進むようにこれは指導していかなければいけない問題でございますし、また制度上の対応については、作成された録音図書がほかに流用されるとか、権利侵害に当たらないように、この点だけは十分に配慮しなければなりませんので、関係者の意見を聞きながら、この問題については引き続き検討課題として大いに前向きに考えていきたい、このように思っております。
○西委員 この分野、つまりIT革命に関連する技術は日進月歩でございます。今までは不可能だと思っていたことがすぐ直後に可能になったりということが往々にしてありますので、文部省の方でも、その時期時期に応じて適宜権利の拡大のために取り組んでいただきたいことを申し上げまして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。 今回の改正で障害者の情報アクセス権が確保されます。聴覚障害者の方々はリアルタイム字幕で、緊急時のニュースだけでなくてさまざまな番組が今後楽しめるということで喜ばしいと思います。 そのリアル通信のことですけれども、今後どのように具体的に実施されていくのかということがあるかと思うのです。 そこで一点、最初にお伺いしたいのですけれども、サービス提供のためにはいろいろ、入力技術の向上ですとか、いつでもこたえられるように入力者を組織するとか、こういうこともあるでしょうし、また、どこであるいはどういう団体でこれをされるのか、その選定などがあるかというふうに思うのですが、私は、やはりいつでもどこでもできるということが大事かなと思うのですけれども、そういうふうに考えているのかどうかという点でございます。いかがでしょうか。
○近藤政府参考人 お答えをいたします。 リアルタイム字幕は、音声を文字化する際に音声内容を一部要約する必要がある場合が多いわけでございまして、著作権者等の利益を不当に害することなく正確かつ適切な利用が図られるように、私どもといたしましては、この利用主体につきましては、字幕作成に必要な一定の能力を有する事業者を政令で定める、このような予定をいたしておるわけでございます。 それで、今後の問題ではございますけれども、そういった利用主体の限定を行いまして、著作権者等の利益を不当に害することのないよう責任の所在を明確にしていきたい。ただ、その場合に、先生がおっしゃいましたようにいろいろな、利便と申しましょうか、例えば実際の入力作業がその事業者の施設において行われなければならないかといえば、必ずしもそういうことではなくて、例えば政令で指定されました事業者の管理のもとであれば、自宅からリアルタイムの字幕の入力を行う、こんなことも可能であろう、このように考えております。
○石井(郁)委員 最初にちょっと通告していなくて申しわけないのですが、ここでちょっと一点。 きょうは、聾唖者の方々が傍聴にいらっしゃっておりまして、皆様どうお思いになるかと思うのですけれども、情報の入手という点でも、障害者の方というのはやはりまだまだ不便を持っていらっしゃるわけでしょう。 これは私どもの文教委員会でも前にも問題になったと思うのですが、国会に入るときには、いろいろな器具を持って入ってはいけない。今の状況で、パソコンの持ち込みは禁止されているのですね。それで、ノートを持参して、翻案をして、きょうの質問を聞いていらっしゃるわけです。 だから、おかしいでしょう。パソコンを使えると、それでもうここで打ったら、それこそリアルタイムでわかるのに、こういうことが国会でまだ実現していないという、私は、やはりこのことこそまず解決しなければいけないのじゃないかと。 どうでしょう、皆さん。これは、ぜひ大臣と総括政務次官にそのように、文教委員会は率先してそういうことをやるという決意をお示し——済みません、委員長ですね、いかがでしょうか。
○鈴木委員長 委員長もよく承知いたしますけれども、文部大臣、発言はありますか。
○中曽根国務大臣 先ほどから私はこちらで、皆さん方がそういうふうにノートにお隣の方が書いて御説明されておられるのを拝見していて、今石井委員がおっしゃったようなことを感じておったところでございます。どんどん情報機器が発達しますし、私どももそういうものを使っておりますけれども、均等に、公平に、国民どなたもが情報を同じように受けることができるように私たちは最大の配慮をしていかなければならないと思っていまして、私からも委員長にお願いをしたいと思います。
○鈴木委員長 委員長はよく心得ました。
○石井(郁)委員 本当にそのように、当文教委員会こそぜひ進めていきたいというふうに思います。 二つ目の問題でございますけれども、テレビの字幕放送との関連でお伺いしておきたいと思うのです。 今回の著作権法の改正は、もともとテレビに字幕が付与されていれば何ら起こらないことでもあったわけですよ。そういう点で、障害者団体の方が問題化をする必要もないことだったのです。テレビの番組に字幕がないためにボランティアで始められた。そこから、いや、これは許諾が要るんだという話になっていって、法改正が必要だということになったという経緯があるかというふうに思うのですけれども、今、実は今回の著作権法改正によりまして、放送事業者がみずからの義務を放棄して、政令で定めた者がテレビ番組を聞きながらリアルタイムで字幕化すればよいではないかと、責任転嫁をするということが懸念されるわけです。 私は、やはりテレビの字幕の拡充というのは今後も一層進めなければならないものだというふうに思います。この点で、リアルタイム字幕が可能になったということでもって、放送事業者が字幕を減らすとか、あるいはおくらすとかいうことがあってはならないと思うわけでありまして、このテレビの字幕の拡充という問題についてどのように思われていらっしゃるか、これは総括政務次官にお願いしたいと思います。
○河村政務次官 御指摘の点、私もそのように思います。 もともと、このリアルタイム字幕というのは、生放送などであらかじめ字幕を付与することが非常に困難な、そういう放送番組について、障害者の情報保障の観点から認めるということで、むしろ字幕放送の補完的なものだというふうに考えておるわけであります。郵政省においても、字幕付与可能なすべての番組については二〇〇七年までに字幕を付するという方向で、今、各放送局に促進を図っておるわけでございます。 文部省といたしましても、これは関係省庁ともしっかり連携をとりながら、字幕放送普及推進といいますか、全体的にまだ非常に低いわけでございまして、NHKでも一六・五%、民放はわずか二・何%と言われていますので、この促進を図ってまいりたい、このように考えております。
○石井(郁)委員 力強いお答えをいただきまして、どうもありがとうございます。 この際、関連して一点ですけれども、今出ましたように、NHKの番組で、特に教育番組、これの字幕が大変少ないのですよ。総合テレビでは一六・五%ですけれども、教育テレビでは八・三%というふうに、少ないというのが一つ問題になっています。関連してですけれども、学校放送、子供たちが学校で見る教材番組、これにもぜひ字幕が欲しいという声が大変強くあるのです。そういう点でも、私は重ねて文教関係からも字幕が必要だということを大いに声を上げていただきたいと思います。 次の問題ですけれども、実演家の権利についてお聞きをしたいと思うのです。 今、テレビ放映向けのアニメがビデオに転用される際の二次利用料が支払われていないということをめぐって、二月十四日、東京地裁への提訴という事件がございました。これは三百八十一人もの声優さんたちが、アニメ制作会社の大手日本アニメーションと子会社の音響映像システムを相手に裁判をされているわけです。私は、この裁判についてお聞きするわけじゃありませんけれども、著作権法では実演家の方々の二次利用の権利が確立していないということが、やはりこの問題の背景にあるかなというふうに認識しているわけであります。 そこでお伺いしたいのですけれども、この視聴覚的実演家の方々の権利の問題、ここ数年国際的にもいろいろ論議されているところでございますけれども、ちょうど今月、WIPO著作権常設委員会と一般総会が開かれたというふうに聞いていますけれども、そこではどのような議論だったのか、その状況をちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
○近藤政府参考人 お答えをいたします。 先生御案内のとおり、平成八年十二月に、著作権に関する世界知的所有権機関条約とともにWIPO実演・レコード条約が採択をされたわけでございますが、この条約の検討の際に、アメリカ等の反対によりまして、実演については音の実演に限られた内容になったわけでございます。そこで、視聴覚的実演を対象として新しい条約を作成するための検討が、現在、WIPO、世界知的所有権機関で行われている。 現在のいろいろな検討状況でございますが、大きく言って、実演家の人格権、これにつきましては、我が国を含めまして、大体各国とも付与することで一致をしておるわけでありますが、その人格権の範囲等につきましてさらに検討が必要である、このような状況でございます。 それから、実演家の経済的権利でございますが、固定されている実演に関し複製権等を付与することにつきましては、各国ともおおむね意見の一致を見ているのでありますが、放送あるいは公衆への伝達に関する権利につきましてなお意見が分かれている。 それから、現在一番大きく課題になっておりますのは、この実演家の権利行使の方法をめぐりましてアメリカとEUの意見が対立をしておる、これが新条約採択に向けての最大の課題であろう、こんなような状況でございます。
○石井(郁)委員 状況を大体御説明いただいたのですけれども、WIPOはことし十二月にも外交会議を開いて、この条約の一定の結論が出されるというふうにも聞いているのですけれども、ことしの十二月に向けて、日本政府として、文化庁として、やはりどういう姿勢で臨まれるかということが大事だというように思うのです。ちょっとそれをお聞かせください。
○中曽根国務大臣 この視聴覚的実演の保護に係る新しい条約につきましては、これまでもアメリカとEUの間で対立をしておりまして、我が国といたしましては、そういう中で、調整役といいますか、両方の、両地域のかけ橋のような形で今努力をしているところでございます。 そういうことから、両者の言い分をそれぞれ取り入れたような形の日本からの条約案を提示するなどいたしまして、そして、この新しい条約の早期採択に向けての検討に積極的に参加をしてきているところでございます。 私どもとしては、国内の関係者の意見を十分にお聞きしながら、そして外務省や関係省庁とも連携を図りながら、ことしの十二月に外交会議が行われるわけでありますけれども、これが成功するように、一層の国際的な貢献に努めていきたい、そういうふうに思っているところでございます。
○石井(郁)委員 ようやくというか、ここに来て実演家の人格権という点では前向きな方向を見るかなという感じがしているのですけれども、これは経済的権利の問題ですよ。この辺で、先ほども申し上げましたように、やはり日本の隣接著作権ということをもっときちっと確立しないと、実演家の方々の権利というものは守られないというふうに思うのです。その辺で、もう少し何か文部省のお考えというものをお示しいただけませんか。
○近藤政府参考人 お答えをいたします。 現在、視聴覚的実演に係ります実演家の経済的権利に関しましては、一たん実演家の許諾を得て固定をされますならば、その後の利用には権利は及ばない、いわゆるワンチャンス主義がとられておるわけでございます。 WIPOにおきましては、映画あるいはビデオ等の視聴覚的実演の利用方法の拡大等に対応いたしまして、実演家の権利保護について検討が行われているわけでありますが、この実演家の権利行使方法につきましては、ワンチャンス主義のあり方も含め、依然として各国の中に意見の対立があるということが現実でございます。 また、国内におきまして、私ども文化庁におきましては、映像分野の著作権等に係る諸問題に関する懇談会というものを設けておるわけでございますが、その場におきましても、このワンチャンス主義につきましては、賛成の意見と反対の意見がそれぞれ出されておりまして、なお収束の方向には現時点では至っていない、このような状況でございます。 いずれにいたしましても、今後、こういったWIPOでの動きあるいは国内におきます検討におきまして、このワンチャンス主義のあり方につきまして、実演家の権利保護、一方では映画の円滑な利用の観点、こういった両方をにらみながらさらに議論を深めていく必要があろう、こう考えております。 いずれにいたしましても、私どももそういった意見を踏まえまして適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。
○石井(郁)委員 時間がなくなってきたのですけれども、特に映画関係者の方々が大変危機感を持っていらっしゃるのは、もう御存じのとおりだと思うのです。一回その会社と契約したらもうそれっきりだというのがワンチャンス、いろいろ言われていると思うのですが、しかし、このところビデオ、デジタル、いろいろな形で出回っていて、本当に権利の侵害ということが行われているという問題があるわけです。 実はこの問題は、ちょうど私、九六年十二月の当委員会の著作権の審議のときにも質問いたしまして、当時の政府からの答弁では、WIPOの新条約の中で実演家の方々の権利がきちんと保護されるように文化庁の立場としては努力していきますという御答弁もいただいているのですね。ちょうどあれから四年近くなろうとしていて、ことしにも外交会議でまた新たな条約が議論になるということでもありますので、やはり前進的に、進んだというふうにしていただきたいと思います。 著作権の問題というのは、本当にいろいろな問題がまだまだありますけれども、私は、とりわけこの隣接著作権の問題は、日本の文化の発展、特に映画やその他の発展という点からしてもきちんとやっていかなければいけないということを強調して、きょうの質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、笹山登生君。
○笹山委員 自由党の笹山でございます。 まず第一に、大臣の方にちょっと、やや大きな問題でございますけれども、著作権が障害者の最大のバリアとならないようにはどうするか、そして、早急な対応を図るためにはどうしたらいいのかというようなことにつきまして、第一点お伺いしたいと思うわけでございます。 先ほどからもいろいろお話がございますように、ソフト、ハード、非常に進展が激しい中におきまして、どうも著作権の対応というものが後手後手に回っているのじゃないかというようなお話もこれまであったわけでございます。私も全くそのように思うわけでございますけれども、アメリカの場合は、フェアユースというような考えでもって、いわば社会的な利益を持つ利用につきましては、やややわらかな、柔軟な著作権の適用というものを考えている。先ほど西委員のおっしゃったような、授業の中での資料の複写というようなものは、このフェアユースの考えでもって救済されているというようなことでございます。 日本の場合とアメリカの場合はいろいろと著作権の生い立ちが違うわけでございますので、日本の場合は、一つの個別の規定の見直しによって対応するというようなことでございますが、どうしてもタイムラグが生ずるわけでございます。今回のこの法改正につきましても、現場のニーズから数年を経てこの法改正に至っているというようなタイムラグを、ではどうしたら今後縮めていけるかというようなことをやはり考えなければいけないのではないかと私は思うわけでございます。 そこで、何を保護すべきなのか、何を保護しないのか、あるいはなぜ保護するのか、なぜ保護しないのかということにつきまして、やはりもう少し大きな、いわば知的所有権を取り巻く社会的経済的環境というものを考えながら、著作権の改正というものを前取りしながら行くような体制というのが必要なんじゃないかというふうに思うわけでございます。 その場合にはいろいろな方法があるかと思いますけれども、例えば、この前のDATの場合には、一定の補償金を入れて法改正の時間つなぎにするというような、一つのソフト的な考え方もあるわけでございますので、そのような一つの時間つなぎ的な方策というのもひとつ考えていただきたい。その辺、ひとつ大臣、ちょっと大きな問題でございますけれども、冒頭お伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 今回の改正は、障害者の方々の団体と、それから権利者との調整を行いまして、結論を得られたものについて自由利用を認めることとする、そういう規定を設けたものでございまして、ここに至るまでには、障害者の方の団体と継続的に意見交換を行いまして、そして、著作権審議会においても団体の要望を聴取した上で決定したものでございます。 そういうことから、障害者の団体のいろいろな御要望がありますけれども、今後も文部省として、残された課題につきまして引き続き協議を続けていく、そういう予定でございます。時宜を失することのないように努めていきたい、そういうふうに思っております。 それから、日本の著作権法では、著作者等の権利保護を図るとともに、やはり著作物の公正な利用ということ、これを図る観点から、著作権を制限して著作物の自由利用が認められる場合につきまして、個別のケースごとに詳細な規定が設けられているわけで、委員御案内のとおりであります。 一方、アメリカにおきましては、個別具体的な規定に加えて、フェアユースは著作権侵害とならない、そういうような一般的な規定が設けられておるわけでございます。米国の著作権法の第百七条でございます。 このような一般的な規定の場合は、ケース・バイ・ケースで柔軟に対応できる、そういう長所はありますけれども、一面、どのような利用方法であれば自由に利用が認められるのかという点が、あらかじめ判断するのが非常に難しい、そういうような短所もありまして、日本におきましては、ヨーロッパ大陸法の手法に倣いまして、自由利用の範囲を法律上明確に規定する方が、国民の皆さんにとってあらかじめ、どういう範囲がいい、どういう範囲が悪いということがわかるわけで、その方が利用しやすいものであるとの考え方に立ちまして、個別具体的な規定が設けられているわけでございます。 しかし、デジタル化の進展等もあるわけでございますから、これらに対応して見直すべき事項も生じてきておりますので、こういう時代の変化に対応して、適切な内容となりますように、さらに法制度の整備に努めていきたい、そういうふうに思っております。
○笹山委員 障害者に対しましては、ひとつ、早急な体制をどうとるかということを第一に考えていただきたいと思います。 第二に、今回、コンピューターを介しまして点字データの複製、送信が途中変換を要しないで利用できるということは、非常に時宜に適した措置であると考えますが、先ほどからもお話がありますように、録音物につきましては、従来どおり点字図書館等の公的施設を経由しての配付になっているわけでございます。 しかし、やはりウエブ上で、例えばバーチャルな点字図書館というものを一つ設定しまして、そこから、障害者の会員が、これはもちろんプライバシーを重んじなくてはいかぬわけでございますけれども、会員制でもってアクセスするということも可能なんじゃないかというふうに私は思うわけでございます。 また、点字情報というものを一つウエブ配信しまして、配信する場合は点字情報でございますけれども、そこを、今度は在宅で音声変換するようなシステムも今あるわけでございますので、この辺は著作権法上どういうふうに扱うのか、非常にグレーゾーンだと思うわけでございますけれども、その辺の考え方につきましてちょっとお伺いしたいと思うわけでございます。
○近藤政府参考人 先生から大きく二点の御質問があったかと思います。 最初の、録音図書をデータベース化し、ネットワークにより配信することにつきましては、これは現行法では、第一に、録音図書の作成が点字図書館等の施設に限定されておるわけでございまして、それ以外の施設が行う場合には著作権者の許諾が必要である。それから第二に、現行法上自由にできる行為は録音に現在限定をされておりまして、ネットワークを通じて公衆に配信する場合には公衆送信権が及ぶ、こういうことから、障害者に利用を限定するといたしましても、その実施につきましては著作権者の許諾を要する、こういうふうに現行法ではなっておるわけでございます。 文部省といたしましては、著作権者の利益を不当に損なうことなく、こういう一つの命題があるわけでありますが、また一方では、障害者の情報保障を確保していく、この二つの観点をにらみながら、ネットワークによる配信等の新たな利用形態、これを視野に入れまして、これもまたいろいろな関係する方々が多岐にわたるわけでございますけれども、そういった方々の意見を踏まえ、検討してまいりたいと思っております。 それから第二番目の、点字情報をウエブ配信して音声変換をできるシステムのお話がございました。 音声として出力をする場合に、関連する権利といたしましては口述権が考えられるわけでございますが、これは公衆に対して聞かせる場合に限定をされておるわけであります。配信された点字情報を、例えば障害者が自宅で音声変換し享受をするという行為そのものは、これは著作権の対象になっていないということで、自由に行うことができる、このように解釈をいたしております。
○笹山委員 アメリカの一九九六年九月の著作権法改正におきましては、点字も録音もできる、しかも場所の指定もなしというような、非常に先取りしたような改正もなされておりますので、ぜひとも実態に合ったような改正というものを前取りしていただきたいと思うわけでございます。 最後でございますけれども、これまで、点字図書館というのは各県非常にばらばらにあるわけでございますね。そうしますと、私も若いときに録音奉仕なんてしたわけでございますけれども、どうしても非常に古い、吉川英治とかあんなものが非常に数少なくしかないわけですね。 ですから、これらの規制緩和ができますれば、これを東京一点集中で、データベース化して、録音物もそして点字情報も、あるいはテキストファイルといいますか、そういうものも一手にウエブ上で配信できるような体制にすれば、非常にリアルタイムであるし、またアップ・ツー・デートなそういう情報を障害者が得られるというようなことでありますので、ぜひともその辺のこともにらんだ、著作権法がバリアにならないような体制というものをひとつ御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○河村政務次官 笹山委員御指摘の点は、一つの見識ある御提言だというふうに感じております。 ただ、残念ながら、現行法では、著作物をデータベース化するという場合には、たとえ公的機関であろうとも、これは著作権者の許諾をとることが必要、現時点ではこうなっておるわけですね。できるだけ自由に、特に障害者の著作物の利用を円滑にできるようにしたいということで、この法的措置についてはこれからさらに検討していかなければいけないテーマでございまして、御指摘の点を大いに参考にさせていただいて検討させたい、このように思います。
○笹山委員 終わりますが、著作権というものも公的な権利でありますが、同時に、障害者の権利というものも公的な権利でございます。その公と公との権利をどっちを優先するかというのは、まさに文部省なり文化庁の御見識だと思いますので、その辺をどうかひとつこの機会に御検討いただきますようよろしくお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木委員長 次に、保坂展人君。
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。 今回の立法の趣旨は、大変必要なことで、私どもの党にも障害者の皆さんから、何とかこういう改善が図れないものかということをいただいていたところです。 そしてまた、私自身も三十冊近く本を出してきておりまして、一冊一冊それぞれの図書館から、これを点字化していいか、あるいは録音テープ、音声にしていいか、そういう許諾を求められることがしばしばありまして、大変これは申しわけないのですが、たくさんの手紙の中に紛れてそういうものに対してちゃんと返事を出さないと、いつまでたってもできない。個々の著者に対して図書館がみんな許諾を得なければいけないということになっていて、大変不便である。 今回、点字図書館に限るということになっていますけれども、まず大臣にお聞きしたいのですが、障害を持っている皆さんの強い要望としては、やはり点字図書館以外の図書館でもぜひ潤滑にこういうサービスが行えるようにしていただきたいという要望が非常に強いわけですけれども、そのあたり、この法案ではまだ残している部分なのかもしれませんけれども、どのようにお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 著作物の利用の形態というのもどんどん変化してきているわけでありまして、そういうところから、著作権審議会等において、こういう技術の進展に伴う利用実態をよく調査して、またその変化に即して、著作権者の利益も確保しながら、また一方で利用者の利便も図るということで検討が行われているわけであります。 基本的には、規制緩和の方向、これが利用者にとって好ましいわけでありますけれども、それはまた著作権者の権利制限、これも申すまでもなく重要なものでございます。 今回は、障害者の著作物利用に係る権利制限の中で、先ほどもちょっと前の委員にも申し上げたのですが、審議会の結論を得たものについて法改正を行うものでございますが、さらに残された課題もございますので、今委員からお話がありました図書館での利用のやり方等について、そういうことについて、さらに審議会における議論も踏まえまして、私どもも適切に検討して対処していきたい、そういうふうに思っております。
○保坂委員 文部省の方あるいは文化庁にお願いをしたいのは、図書を出版する多くの著者が、そういった障害を持っている方のために点字化する、あるいは朗読して音声化してもらうということについて、いいですよという方がほとんどだと思うのですね。 これはマークがあるらしいですね。作家の方が、いいですよ、フリーでやってくださいというマークがあるそうです。これが案外知られていないのです、書き手の側に。出版社に周知をしていただいて、まず作家が本を出すときに、こういうことでよろしいですかと出版社の方がむしろ声をかけていただくような、そういう仕組みにしていただいたら、随分これは進むんだと思います。これは、行政の方でお手伝いいただいて、出版社にもこういうことに自覚を持っていただくということだと思いますが、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 私は不勉強で申しわけないのですが、今委員からお聞きして、そういう方法があるということも知りました。 著作者といいますか、そちらの権利を持っている方が、これでいいですよということでしたら、そういうような何らかのマークなり表示をして、そして現場での、図書館等での利用が即座に行われるようにやったらいいのではないかと、個人的には今お話を聞いて思っているところでございますし、そういう方法はさらに多くの方に知っていただくということもよろしいのじゃないかと思います。
○保坂委員 出版社や言論機関に対して政府が余り物を言うことはいろいろ差しさわりがあるという点はあるのですけれども、しかし、こういう問題については、だれもがああそうだなと思うことで、実は私は、恥をさらすのですけれども、社民党にこういう要請が来て、何とか取り組みますと言っていながら、自分が本を出したときに、ちょっとそこを踏まえていなかったのですね。それで、おしかりのはがきをいただきまして、これは本当に言いわけもなかったのですけれども。 ただ、作家の方も出版社の方も、そういうことを自覚していただけば、法改正がなくても、そういう障害を持っている方については自由に図書館等では使ってくださいというマークを一つ入れることで解決する部分もあるということを、ぜひお広めいただきたいと思います。 さらに、その方たちと話していたときに、寝たきりの御老人の話、あるいは重い病気で長期入院されている方は、本を持って読めないという状態になっていますよね。そういう場合に、例えば点字ではなくて電子情報、これはCD—RWでとったものとか、DVDですか、そういうものにかなりの情報が入ります。これはコンピューターソフトで、読んでもらうのじゃなくて、朗読マシンというのですか、そういうものがもうでき上がっていると聞きますし、どんどん精度がよくなっているということなんですが、こういうことはどうなんでしょうか。 著作権の保護の立場と、いわゆるつらい立場に置かれている方が文化に接するという、二つの両義性を持つ問題だと思いますが、いかがでしょうか。
○近藤政府参考人 一例を少し申し上げますが、例えば視覚障害者用の録音テープなどの著作物の使用許諾でございますが、例えば公共の図書館等では、目の不自由な方あるいは寝たきり老人の方、重度の肢体不自由者に限って、そういった録音テープを貸し出す。これは、そういった申請がありますならば、基本的には許諾をする。もちろんこれは、例えば先ほど来出ております社団法人日本文芸著作権保護同盟、こういったものを通じて著作権者にかわり無償で許諾を与えるというような一つの仕組みが設けられておるわけでございまして、こういった仕組みは、おっしゃるように、必ずしもまだ十分に知られていないというようなこともございます。 私ども、現行制度の中で、そういった団体を通じて、より円滑な権利処理が進むよう、これまたよく団体ともお話をしてみたいと思いますし、また、もう一つは、法制度上どういうふうに改めていくか、こういう議論もあるわけでございます。その両方を、それぞれ今後とも、先生御指摘の趣旨も踏まえながら、またさらに検討してまいりたい、かように考えております。
○保坂委員 成年後見制度のときにこういった議論があったのですけれども、遺言というのは、自筆のというかたい条件があるのですね。ところが、自筆のといっても書けない場合がある。そうすると、手を握る強さとかで、要するに機械が書く、あるいはまばたきで信号を送るとか、さまざまな意思表示方法が電子情報機器の発達によって確保されてきている。これは、そういうものを認めるというふうに最終的にはなったのですね。 今お尋ねしたのは、例えば長期入院されている方に、お子さんにお母さんが本を読んであげる、これは著作権の侵害にならないわけです。では、そのかわりに、小さなノートパソコンに電子情報を入れて、機械が本を読んでくれるというのが著作権侵害に当たるかどうかということについて、やはり障害の範囲ということを見きわめる必要はあると思いますけれども、柔軟にこれは対処していいのかなと私自身は思いますけれども、文化庁、いかがですか。
○近藤政府参考人 今回も私ども、障害者団体の方々といろいろな機会を得まして協議をし、一方では、先ほど来申し上げておりますように、権利者の著作権の保護、こういうものがございます。いずれにいたしましても、そういった両方のバランスを図りながら進めていくということが肝心でございまして、今回、そういった結論が得られたものにつきましては法改正を行ったわけでございます。 引き続き、障害者団体等いろいろな関係の方々の御要望、あるいはその実態等もよくお聞かせをいただきながら研究をしてまいりたいと思っております。
○保坂委員 終わります。 ありがとうございました。
○鈴木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○鈴木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、参議院送付、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十三分散会