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147回国会衆議院2000/04/21

文教委員会 第13号

発言数
141
登壇者
10
会派数
6
開催日
2000/04/21

会議録

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、独立行政法人教員研修センター法案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として文部省教育助成局長矢野重典君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川元君。

小川元自由民主党

○小川委員 自由民主党の小川元でございます。文教委員会で質問させていただくのは随分久しぶりでありまして、大変緊張しておりますので、お許しをいただきたいと思うわけでございます。  教員研修センターを独立法人とされるということでありますけれども、我が自由民主党の行政改革実施本部の厳しい審査も経ているわけですから、設立される十分な理由がおありになるとは思うんですが、ちまたには、廃止される国立教育会館の生き残り策ではないかというような話も出ております。そういうことではないとは思っておりますけれども、なぜ独立行政法人として設立をされるか、民間あるいは国が直接やるというようなことではなぜいけないのかということもあわせまして、まず、設立をする理由についてお伺いをさせていただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教員の研修は、各種研修があるわけでございます。また、日ごろからこういうものを実施して資質の向上に努めなければならないわけであります。これは、国レベルの研修あるいは教育委員会等が行うもの等あるわけですが、国におきましては、やはり、当然全国を見渡しながら教育というものを考えて、そして、機会均等あるいは水準の維持向上、そういう点に注意をしなければならないわけであります。  各県におきまして中心的な役割を果たしている教員の方々、また喫緊の課題があるような場合もあるわけでございまして、例えばO157の問題が起きたとか、そういう課題がある場合に、そういうものを中心とした内容の研修を実施する必要がございます。  一方、国の事務につきましては、日ごろから事務事業を減量化するとか、あるいは運営の効率化をするという、いわゆる行政改革的な努力も必要でありまして、そういうところから今回独立行政法人制度が設けられたわけでございます。  そして、この教育研修の中でも、やはり国がみずから実施する必要はない、そういうものについて、民間にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるというものもあるわけでありまして、そういうものについては国がやはりしっかりとやっていかなければならないと思います。こういう観点から、教員の研修の中で、今申し上げましたように、国として確実にやらなければならない、そういうものについては、独立行政法人という形で業務を実施する、そういうことにしたものでございます。

小川元自由民主党

○小川委員 その際、独立行政法人には公務員型と非公務員型とあるわけでありますけれども、非公務員型とされた理由はどういうところにおありなんですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 お答えいたします。  小川委員も御承知のように、独立行政法人にする場合に、公務員型と非公務員型に分けられたわけであります。  いわゆる国家公務員型というものは、特定独立行政法人という形でやろうということで、今大臣の御答弁にありましたが、業務をどういう形でやるかによって、これがきちっと行われませんと業務が滞るということがありますと、国民の生活あるいは社会経済にも著しい影響があるであろう、またその可能性も高い、支障が出るであろう、こういう場合には、国家公務員型、特定の独立行政法人にしようと。  しかし、この教員研修の場合にはそこまで考えなくてもいいということで、いわゆる特定ではない非公務員型の独立行政法人で維持しようということになったわけでございます。さらに、非公務員型にするということによって、将来、研修業務を、専門的知識を広く民間からも集めるということもやりやすくなるであろう、こういう観点もあって、今回、非公務員型でいこう、こういうことになったわけであります。

小川元自由民主党

○小川委員 先ほど大臣から独立行政法人にされる理由の御説明もありましたけれども、独立行政法人というのは来年の一月からスタートするわけで、まだスタートしていない。その段階で、新しい独立法人を設立するということについて党内でも幾つかの議論も多少あったように聞いております。この独立行政法人が行革の精神に反しないというふうになった理由をお聞かせいただきたい。本省ではできないのかなという気もいたします。  それから、独立行政法人にするためには、やはりどうしたって効率化ということも大変必要なことではないかと思うのですけれども、その運営経費等々について、後で業績評価もあるわけですから、かなり節約した形でやれる御意思がおありなのかどうか、その辺もお伺いさせていただきたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 確かに御指摘のように、独立行政法人化することによってその効率が上がるということも大きなねらいになっておるわけであります。事これは教員の研修でありますから、経済性、効率だけ求めるというわけにいかない面が教育現場にあります。しかし、これまで研修は国立教育会館で、いろいろな部局で皆それぞれ研修を持っていたわけですね、教育助成局も持っている、初等中等教育局も持っているということで、いろいろな形でそこに行ってやっているというようなこともございました。そういうものを一つにまとめ上げて、そしてそこで人員もある程度整理しながら、重複部分を割愛しながら効率を上げていくという点で、私は今回、行革の観点からいっても、研修センターを一つのものにしていくということは意義があることだ、このように思っております。  今まで、もちろん本省だけで全部やるということも、それはできないことではなかったと思いますけれども、この際、行革の視点に立って、本省業務をできるだけ削減して、そして研修部分を一つの方向へ移していくということは意義があるというふうに考えております。

小川元自由民主党

○小川委員 役所でやると、どうしても何々局が担当だということでばらばらで、重複の部分もあり、効率が悪い。したがって、そういう意味でもセンターをつくって一元化してやろうという御趣旨、私も当然賛成でございます。  ただ、ほっておくと、また本省の仕組みがそのままセンターの方に直通して、センターの業務もセクショナリズムになるというようなこともえてして、かつては、文部省にあったとは言いませんが、役所にはあったわけでありまして、そういう点はぜひ、せっかく独立行政法人としてつくられるわけですから、十分お気をつけて、研修の成果が上がるような形で運営をしていただきたいというふうに思います。  それに関連しまして、本法案の第六条、七条で、役員について出ておりまして、理事なんかは常設でないということでもあるようでございますが、この役員については、全員文部省出身者がなられるのでしょうか。  というのは、研修をやられる以上は、やはり外部のいろいろな意見とかそういうものも当然反映していかなくてはいけない。これは、ごく少数の役員の数だから常に役人の人以外というのも難しいかもしれませんけれども、民間の方とかそういう人にも極力入ってもらって、そして運営に関与してもらうのは当然必要なことじゃないかと私は思うのですね。その辺につきまして、どういうお考えでいるか。  それとついでに、とかく今、役所から来た方の給料がどうだというような話も出ているわけで、商売をする独立法人ではないだけに、そういう面も十分気をつけていただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘のとおりだと私も思います。  センターの理事長の任命について、さはさりながら、このセンターの趣旨といいますか、それにかなう適切な方、こういうことになるだろうと思うわけでございます。それから、特殊法人の役員に関しても、いわゆる主務官庁といいますか、半分以下にとどめよ、こういう閣議決定があるわけですね。こういうものを踏まえながらやっていかなければならぬ、こう思っておりますので、今の御指摘の点を十分踏まえた適切な対応といいますか、そういうことでやっていかなければいかぬ。  それから、給与、報酬等々は、常識をかけ離れたものになるということは当然あってはならないことだというふうに思います。

小川元自由民主党

○小川委員 ここの項は、文部省の方で困ったなという感じだったかもしれませんけれども、私は、党の方でもいわゆる公務員制度の問題をやらせていただいているものですから、やはり我が愛する文部省、文教行政をスムーズにやっていただくためにはそういう点をぜひ御注意をいただきたいと思って、質問を入れさせていただいたわけでございます。  次の質問に移らせていただきます。  今もう本当に、コンピューターだとか、あるいはまた子供たちのいろいろな問題でカウンセリング等、教育上の新たな課題がいっぱい出てきております。したがって、今までの学校の先生の経験だけではいかない、新たに研修が必要であるという部分が非常にたくさん出てきているので、受ける先生方も大変ですけれども、研修の重要性というものがあるわけです。  一方で、研修漬けと言われるほど研修がたくさんあるという話も聞くのですね。それで、何十年も同じような内容の研修を続けている部分もあって、その研修のために肝心の生徒と接触する機会が非常に少なくなってしまっている、こういうこともあるというふうに聞いております。  こうして独立行政法人として新たに設置されるのを機会に、従来の研修のいろいろなものを見直して整理をされるお気持ちがないかどうか、お伺いをいたしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、研修には、国レベルで行うもの、地方公共団体レベルで行うもの、また学校で行うものとあります。  今小川委員が御指摘のように、研修も随分ふえてまいりまして、また、課題がふえているということによって研修もふえているわけでありますけれども、そういう意味で、教員の方々の負担になっているのではないかという御指摘も確かにあります。そういうところから、各都道府県や学校においては、研修の精選、見直しが図られているところでありますし、私どももそのようなことを進めているわけであります。  国の行う教員研修につきましては、御案内のとおり、先ほど申し上げましたけれども、全国レベルの統一的な認識が必要である、研修が必要であるというものに限って行っているわけでありますし、また、それぞれの地域での中心的な役割を果たす先生方に来ていただいて研修を行っているわけでありますし、また同時に、喫緊の課題のものについて国レベルで行っているわけであります。  また、都道府県が行う研修につきましては、学校が直面している課題に適切に対応できるようにということで、その時々に求められる学校教育をやる上で必要な教員の資質、能力の向上のための研修を行っているわけであります。  この実施の方法につきましても、選択制を導入するとか、参加型の研修の導入を基本的な視点として見直しを図るようにやっておるわけでありまして、これにつきましては、教育職員養成審議会等でも指摘もされておるところでございます。そういうところから、今後、文部省といたしましても、十分そこら辺は必要な対応を行って、教員の方々の過度の負担にならないようにやっていきたいと思っております。

小川元自由民主党

○小川委員 国が行われる部分はリーダー的な方の研修ということで、もちろん全教員の皆さんに国が全部行うというわけにはいかないのは当然のことだと思います。  しかし一方で、リーダーの方に研修して、それが都道府県へ行って、そういうリーダーの方がまた、都道府県でリーダーの方に多分やるのでしょうね。それで、その次ぐらいの方が今度は市町村でやられるとか、そういう格好になってくるのだろうと思うのですけれども、その辺は、せっかくの国の研修の効果が、何回か繰り返されているうちにだんだん薄まったりなんかしないように、せっかく国で独立法人をつくって研修をおやりになるわけですから、ぜひしっかりと末端まで、末端という言葉は適当ではないかもしれませんけれども、研修効果が行き渡るように十分御配慮をいただきたいと思います。  さて、次の質問に移らせていただきます。  こういう形で独立行政法人という形になって、国が直接行うよりは、いろいろな意味である程度研修がフレキシブルに行われることができるのではないかと思うわけであります。せっかくの機会でございますから、名前は教員研修センターということでございますが、教員だけではなくて、他の人の研修もやるような仕組みはお考えではないでしょうか。  例えば、学校栄養職員の方々がいらっしゃるわけですが、今、栄養教諭を目指して、資質の向上のために自分で研修をやっておられるのですね。自主研修でお金を自分で出してやっておられる。栄養というのは大変大切ですから、そういう方々にもぜひ教壇に立っていただく栄養教諭を目指していただくよう、我々も力を入れて、この間も大臣のところへお邪魔して、お願いをして、前向きなお答えをいただいているわけであります。新しい教諭をつくるとなると、その資質というものが一番大きな、大切なことになる。そのためには、やはり国でもしっかりと栄養士の方々に研修を行っていただく必要があるのではないか。  これは一例でありまして、これだけという意味ではないのですが、そういうものをこの研修センターで取り上げていただける、要するに、教員以外の研修というものができないかどうか、お伺いをさせていただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 この教員研修センターで行います研修には、校長や教員、それからその他の学校教育関係職員を対象とした研修を実施することとしておるわけでございます。学校教育関係職員の中には、今委員がおっしゃいましたような学校栄養職員を初め、教員以外の職員も含まれます。そしてまた、文部省がアウトソーシングをする研修事業にも、学校栄養職員、また例えば養護教員など、教員以外の職員を対象とするものも含まれているわけでございます。  センターにおいて具体的にどういう研修をするかということにつきましては、今後、中期目標の策定時の過程において検討することとなりますけれども、基本的には、学校栄養職員など学校の活動を支えているさまざまな専門性を持つ職員の方々についても、その職責の重要性にかんがみて研修の充実を図る必要がある、そういうふうに考えております。

小川元自由民主党

○小川委員 ありがとうございます。  せっかくの機会ですから、やはり教育にかかわる人になるべく幅広く研修の機会を与えていただくということについては、大変重要なことだと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  さて、その次でございますけれども、法案十一条二項に独立行政法人評価委員会が出てまいりまして、積立金の中期目標期間中の業務の財源に充てることなどについて評価委員会の意見を聞くということになっているわけであります。これは、独立行政法人の設立に伴ってこの評価委員会というものができるということになるわけだと思うのですが、この評価委員会はただ単に、積立金とか、そういうこの法案に出ていることだけしかやらないのでしょうか。どういう権限を持って、本センターとこれ以外に何かかかわりは持つのかどうか、その辺をお伺いさせていただきたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 各省庁には、独立行政法人通則法に基づいて、その所管する独立行政法人について評価を行う、こういうことになっておるわけでございまして、評価委員会が置かれるわけでございます。  文部省も、今度は文部科学省になるわけでございますが、その中に評価委員会が置かれます。これは、教員の研修センターだけじゃなくて、科学庁と一緒になりますと、科学庁の関係が四つ、それから、文部省は既にこれまで十一持っておりますから、今十五あるんですね。これにこのセンターが加わりますと、十六の独立行政法人を持つことになります。それを一括してその評価委員会が評価をするということになるわけでございます。  その評価委員会としては、毎年度の中期目標期間におけるその独立行政法人の業務実績の評価を行う、これがまず第一でございます。それと同時に、大臣が中期目標を設定するとき、それから独立行政法人の中期計画に対する認可、中期目標の策定、中期計画の認可、それから第十一条の積立金の処分に関する承認を行う際にも、評価委員会の意見を聞く、こうなっております。  この評価を行うための主たる目的は、まず、前段の目標を立てるときに意見を聞く、それからさらに、実績に対して評価を受ける、ここが一番主たる権限といいますか、ねらいになると思います。

小川元自由民主党

○小川委員 そのほか、全体的なものは通則法の中で書いてあるから、特にそれ以外のものということでこの法案に役割が書かれているというふうに解釈をさせていただきます。  さて、時間も少なくなってきたのですが、こうやって研修をしっかりやられることは当然大変重要なことでありますが、その前にやはり、学校の先生に適した方を採用というのも非常に大切ではないか。学校の勉強ができるとかなんとかいうことだけで採用するのではなくて、もっと幅広い観点から採用というものを考える必要があるのではないか。逐次実施されているとは聞いておりますけれども、その辺につきましてはどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 学校教育の成否というものは、教員の資質、能力に負うところが非常に大きいわけでありまして、そういう意味では、教員の養成、採用、それから研修の各段階を通じまして、教員に適格者を確保するということが大変重要でありますし、また、その資質、能力の向上を日ごろから図っていくということも重要な課題であります。  その中でも、とりわけ教員の採用の段階につきましては、教員としてふさわしい資質、能力を備えました優秀な人材を採用すること、確保することが重要ですから、文部省といたしましては、各都道府県や指定都市の教育委員会に対しまして、教員採用選考のあり方を、人物評価重視、そういう方向に一層移行をしてもらうように今指導しております。選考方法の多様化とか、それから選考尺度の多元化を図っていくようにということで指導をしているところでございます。  そして、これを受けまして、各都道府県の教育委員会などにおきましては、教員としての適格性のある人を採用するために面接を重視しております。今、五十九の都道府県等で面接が実施されております。四十七の都道府県と十二の政令市であります。  それから、実技試験とか適性検査、これも実施をしております。実技検査は、ほぼすべての都道府県で実施しております。適性検査は、五十二の都道府県などで実施をしております。さらに、最近は特に、ボランティア活動あるいは生活体験等のさまざまな社会体験も、選考の場合、評価しているわけでございます。  そういうことで、人物重視の方向で教員採用の改善に努めておるところですけれども、一方、学力試験につきましては、これは一定の水準に達しているかどうかを評価するために活用するのでいいのではないかというような考え方もありまして、より一層人物評価を重視する方向で、教員採用選考の改善に取り組んでいるところでございます。

小川元自由民主党

○小川委員 採用というのは大変重要な問題だと思います。ぜひこれからも、創意工夫を重ねながら、極力優秀な人を、子供たちを教えるのに適した人を採用していただきたいと思いますが、そうはいっても、採用のときにはいろいろわからないところもあるわけであります。そうなると、入ってから後、子供を教えることに問題がある、その他いろいろな、いわゆる問題教員というものがどうしても出てきてしまう。それはマスコミ等にも取り上げられて、非常に教育に対する不信感を増長する面もある。  その問題教員に対する対応はどのようにされておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 最近といいますか、問題教員のいろいろな行為が新聞等の記事になっているということは大変残念なことであります。  平成十年度におきまして、みずからの非違行為に関して懲戒処分を受けた公立学校の教育職員の数は七百五十八名でございまして、前年度と比較しまして九人増加をしております。教員は児童生徒の模範たる立場にあるわけでありまして、そういうことを考えますと、教員のこういう非違行為が後を絶たないということは極めて遺憾なことであるわけでございます。こういう不祥事は、教員全体に対する信頼を失わせ、また、ひいては学校教育への信頼を著しく損なうものでありまして、私たちも大変重く受けとめております。  こういうことから、各都道府県、それから指定都市教育委員会におきまして、先ほど申し上げましたように、採用段階での面接を工夫いたしまして、人物を十分に評価する、それからまた、条件つき採用制度の適切な運用というものを通じまして、教員としてふさわしい人材の確保に努めるとともに、服務規律の徹底を図るよう指導しているところでございます。  それから、特に適格性を欠く者につきましては、これは、児童生徒の指導に当たることのないような適切な人事配置といいますか、人事上の措置を講ずることがこれまた必要であると考えております。こういうところから、教育委員会におきまして、こうした教員に対して継続的な観察、指導を実施して、適切にまた研修を行う体制を整えますとともに、必要に応じて免職等の分限処分を的確に行うことも求められております。これまでも、問題ある教員に対する人事管理を適切に行うよう指導してきたところでありますが、今後も厳正に措置を講ずるよう指導していきたいと思っております。

小川元自由民主党

○小川委員 子供たちを教えるという重大な責務があるところでございますから、問題教員に対する対応というのはしっかりやっていただきたいということを重ねて強くお願いいたします。  最後に、現在教育を取り巻く環境は非常に厳しい。今度の五千万円の恐喝事件の件でも、これはいろいろ問題はあるけれども、まず学校の対応が、知っていたのに何もやらなかったとかいうことで事なかれ主義ではないかというような厳しい指摘を受けておりますし、破廉恥罪も、学校の先生だから特にマスコミで載るのでしょうけれども、いろいろなところでいっぱい出てきている。さらに、先般、同僚の平沢議員の質問にもあったような、極めて子供を唆すような、あるいは自己の主張を職場へ持ち込んでいるような先生もいる。こういうことで、大変今教育への不信が増大している。  研修を幾らやっても、どっちかというと、申しわけないけれども、今まではさっきお話ししたように研修漬けみたいにやっているけれども、どうも、ではその研修の成果はどうなっているのかなということになってしまうのではないかと思うのです。  ですから、私は、先ほど申し上げたように、研修をやっていただくのはもちろん大切だ。さらに、採用も大切だ。そして、もう一本としては、やはり教職員の評価、教員の評価というものを取り入れていかないと、すべて、一生懸命やっても一生懸命やらなくても全く同じだということでは、結局、やらない方が得だということになるのではないか。私は、その三本柱が大変重要なことではないかと思うのです。  研修をやってお茶を濁すだけではなくて、その研修の成果が評価としてあらわれるように、例えば能力給の導入とか、抜本的な対策が必要ではあろうかと思うのですが、その点につきまして大臣の御所見を伺わせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 研修は効率的に、それから効果的に行うことが大切であることは言うまでもありません。文部省といたしましては、そういうところから研修事業の見直しの精選を図ってきたところでありますし、平成十年度におきましては四十四事業ありました研修を平成十二年度は二十五事業ということで、見直しを行っています。  この研修の評価というものは、基本的には先生方の、教員の方々の日々の職務を通じて成果があらわれるわけでありまして、そういうところでまた評価をされるべきことだと思っております。  そういう状況でありますけれども、任命権者とかそれから服務監督権者におきましては、こうした日々の教員の職務遂行能力の状況を踏まえまして、例えば管理職の登用、その他の教員人事において一定の評価を行うなどの措置を講じているものと考えております。  今後とも適切な対応がとられるように、各都道府県の教育委員会の努力を促してまいりたいと思っておりますが、委員からは今、能力給の導入というようなお話もありましたけれども、教員の給与体系は公務員全体の給与体系の中に位置づけられているものでございまして、教員について能力給を導入するということにつきましても、公務員全体の給与体系のあり方の中でこれは検討されるべき事柄だとは思っております。  しかし、先ほどから申し上げておりますように、子供の教育にとって教員の資質というのは非常に大事でありますので、教員の評価というものが適正になされるようにさらなる努力をしていく必要があると思っております。

小川元自由民主党

○小川委員 どうもありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、藤村修君。

藤村修民主党

○藤村委員 民主党の藤村修でございます。  きょうは、独立行政法人教員研修センター法が審査に係りましたので、これに関係をして、私と山元委員の方で分けて、まず最初に、公立学校教職員の研修という大きなテーマで、今小川委員の方からもございましたような内容も含めて、少し具体的にお答えをいただきたいな、そんなことを期待いたします。  まず、この四月から地方分権一括法ということで、大きな国の流れは、中央の政府がやることは本当にそこでやらねばならないこと、できるだけ地方に仕事は移すというのが基本の発想でございまして、それが、地方分権という大きな今の時代の流れでもあると思うのです。  ただ、教育の分野ではどう考えたらいいのか。これは非常に基本の問題でございますけれども、教育というものは、国あるいは中央でどれだけのことを最低限やり、そして大半のことは地方に移していくという考え方が当然採用されるとは思うのですが、その教育における地方分権ということをひとつ頭に置いていただいた上で、きょうは具体的に、教員の研修、学校の先生を採用後どういう形でよりレベルアップしていただくか、あるいは今の学校における新しい問題に取り組んでいただくような研修をしていくかということにおいて、国は今後どの部分を担当するか、あるいは地方はさらにどのように担当するかという、この教員研修における国と地方の役割分担についての基本的なお考えをまずお示し願いたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教員研修における国と地方の役割分担の基本的な考えということでございますが、教職員に対する研修というのは、これはもう、任命権者が主体的に実施することがまず基本でございます。  そして、この教職員研修における国の役割は、この任命権者が行う研修について、必要な助言とかまた援助を行うことをより重視していくこととしているところでございます。  また、国が直接行います教員研修は、各都道府県での教育内容や方法に関する研究や研修において、先ほどからも議論がありますけれども、中心的役割を果たす教員、リーダー的な教員の方々を対象とした研修、また学校教育に係る喫緊の課題を中心とした内容の研修、そのときによって、これは急いで全国的に研修をしなければならないというような、そういうものに限定することが重要であると認識をしております。  私どもといたしましては、この教員研修における国と地方の役割分担における、今申し上げましたような基本的な考え方のもとに、必要な教員研修の機会が国と地方を通じて適切に行われるよう、今後も努力をしていこうと思っております。

藤村修民主党

○藤村委員 一点だけ。  要は、今後は国の役割は、相当厳選して、ある意味ではきょうまでよりは縮小するという方向なのか、それともきょうまでと同じレベルなのか、あるいは、国の役割はもうちょっと必要だからふやしていくのか、この三つのうちの一つ、基本の方針ですから、これは文部大臣が方針を示していただいたらいいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、やはり基本的には任命権者が主体的に実施するということでございますから、国の立場、役割は今後厳選をしていこうということでございます。

藤村修民主党

○藤村委員 私も、大きな流れとしてそういうことであって、国が実施する研修ということで、先ほど来お話になっていますが、リーダー的な者を研修するというところが割に中心になっていると思います。  だから、初任者研修においても、全国の初任者の中のまたリーダー的な存在の人たち千数百人に洋上研修、これは国の直轄でやっている。そういう意味では、その部分を担当している。あるいは、中堅教員の研修あるいは校長、教頭等の研修にしても、やはりリーダー的な方の、一部の、国でやるべきことを相当厳選している。あるいは、生徒指導、進路指導、喫緊の教育課題なども、それも相当厳選してやっていく、こういう方向であろうと思います。  そこで、そうすると、今後の国が行う研修について、すなわち、今の基本の方向は厳選していくということですので、現状を相当見直すのか、あるいはさらに、見直した上で、いや、これはやはり国でやらねばならないという新たな研修事業があるかないか、それからその他、基本的に改善点はどういう点があるのか、これについて具体的にお示し願いたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 今大臣も答弁されましたし、また、委員からも御指摘がありました。方向としては、縮減の方向へ行こうということであります。かなり限定をするということでございまして、既に教養審の方からの御指摘等もあって、研修の精選、見直しをやろうということで、平成十二年度においても、二つの事業を廃止しました。また、六つの事業も、開催日数を縮減するとか、参加数を、余り広く集めないでもっと限度を削減するとか、こういうところを平成十二年度においても見直しをやっておるわけでございます。  これまで国立教育会館でやってまいったこと、そのことそのものも、事業を統廃合するというような形で見直しを既にやってきておるわけでございます。  現時点で、新たに起こさなければいかぬというようなもの、今のこの十二年度においては、取り入れるというよりも、これまでやってきたことを見直して、縮減をして、統廃合していく、こういう方向で今進んでおるわけでございますが、これから実践していく段階、特にこういう大きな時代の変遷もありますから、こういう問題をやはり国全体としてまず取り上げていかなければいかぬという課題も出てくるであろう。その場合には、それを入れていくということはあり得る、こう思いますが、現時点では、このセンターを立ち上げるについては、まず縮減の方向で考えていっておるわけであります。

藤村修民主党

○藤村委員 基本の方針がそういうことで進んでいくということで、そこで、過去、よくはしの上げおろしまでという言い方で、中央集権の日本の官僚制度が教育の分野でもよく言われたことがありました。それが相当変わっていくんだなということを、むしろ地方の方々が、こういう委員会の議事録なども通して知っていただきたいなと思うのです。  文部大臣の先ほどのお答えの中にも、多分二回、三回、任命権者である都道府県あるいは政令市という、県、市という言い方が常にあるのです。ただ、実はそれはやや建前的で、やはり文部省はいまだ、はしの上げおろしまで何か注文しようという意図も、片やまだ思っている人がある。これは誤解かもしれません、あるいは誤解でありましょう。  ですから、その点で、本当に地方分権の時代、教育も相当部分地方に任せるんですよ、こういうことをやはり発信していっていただいて、今回のこのセンターについても、助言とか指導とか、それから財政的な支援をするのであって、研修というものはこのセンターが、独立行政法人ですからまさに独立しているわけで、まさに文部省が今までのはしの上げおろしまでということのイメージをぜひとも払拭していただきたいなということを希望したいと思います。  そこで私は、きょうはちょっと、中心的には初任者研修についてということを少しお尋ねしたいと思います。  先ほどの小川委員の話でも、採用段階が非常に重要である、これは私もかつて文教委員会で何度か指摘をいたしました。そして、採用された教員の最初の一年、初任者の研修というものが重要であるということから、たしか平成元年にこの初任者研修制度ができて、平成四年には各学校種すべてに行き渡ったと思いますので、おおむね十年の実績を持ってきた。そして、十年たったときに、今、この初任者研修制度というのはどういうことであったのか、あるいはどういう問題点があるのか、あるいはどういう評価をしているのか。  過去の議事録をちょっとあさってみましても、割に、文部省がきっちりと成果、評価あるいは問題点の見直しなどをまだしてないようでございます。つい先日も、同僚、濱田委員が文部大臣に質問をしているのですが、そのときはちょっと答えが別な方に行ってしまっていましたので、きょうは、文部省として一度、この初任者研修制度について成果、評価あるいは今後の問題点、改善点など、ちょっと整理してお答え願いたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 初任者研修の重要性といいますか、フレッシュな方々が初めて教育現場へ入っていかれる、そのときに、教育の現状を把握しながら、みずから教員としての自覚をしっかり持っていただく、非常に大きな意義があるということでこれまでやってきたわけでございます。  そして、その結果をどう評価するかということでございますが、これは、初任者あるいは教育委員会等からも初任者研修の結果についていろいろ意見をこれまで伺ってきたところでございますが、やはり何といっても、教員としての自覚、使命感を持つことができる、それがこの研修によってしっかり自覚することができたということ。  それから、やはり、教員としてどうあるべきかという、一般的な教養といいますか、視野を広げることができた。これは、何人か集まって一緒にやるわけでありますから、そうした中でお互いに意見を交換したりディベートしたりする、そういうことで非常に視野も広がった。  それから、特に新任の先生が一番不安なのは子供との接し方、特に若い方々でありますから、そういうことを先輩の方々からいろいろ聞くことによって学ぶ、学級経営のあり方についてはどうしたらいいかというようなことを学ぶ、そういうことが非常に大きな意義があるという評価をいただいておるわけでございまして、それをさらに高めるということがこれから必要になってきておると思います。  また同時に、昨年の十二月には教養審の方からやはり、さはさりながら、どうもまだ研修内容が画一的ではないかという指摘もいただいておりまして、授業前後の指導時間の確保、授業を持ちながら、週の中で一日は外、校外的なもの、それから二日は校内的なもの、あと二日をみずから授業を持っているわけでありますから、その前後の指導時間をもっととれとか、それから、校外がどうも講義中心になっているのではないか、もっと体験的な、受講者にとって魅力あるものにしろという指摘もございます。  それから、校内でやっていることと校外でやっていることが同じような、講義なんかでありますとどうしても同じようになるので、そういうものをもっときちっとして、両方が話し合ってもっと連携を持たせる。校内でやったことが後で校外で生きるとか、両方の連携を保つ、こういうようなことも指摘を受けているところでございまして、そういうことを改善をさらにしていくということが必要になってきておるわけでございます。  総じて、初任者研修を入れたということが、これだけ情報化が進み、社会も大きな変動をする中で、まず心構えをきちっとつくっていただくという意味で初任者研修は大きな意義を持っている、このように評価をし、また評価を受けている、このように思っているわけであります。

藤村修民主党

○藤村委員 河村総括政務次官が今のとほぼ同じ内容をこの三月三十一日に濱田委員にお答えされているのですが、中曽根大臣、初任者研修制度に、例えば平成十二年度の予算では百三十七億八千百万余りが、これは文部省の予算で計上されております。内容的にはもう大体御存じで、余り詳しく申しませんが、文部省は補助ですから、おおむね二分の一であったり三分の一であったりするのですが、そうすると、この倍のお金が、おおむね二百六十億とかいうお金が初任者の研修に、国のあるいは地方の予算で投資されている。平成十二年度の初任者の対象人数といいますと一万一千三十六人であります。これは一人当たり二百五十万円の投資をするわけであります。  民間で、新入社員に研修で二百五十万円の投資をするということはなかなか難しいことで、非常に大きな投資だと思うのです。それはやはり、それだけの意味、意義、効果を期待するからであり、あるいは必要だと考えるからだと思います。となりますと、もうほぼ十年にわたって行ってきたこの初任者研修は、河村総括政務次官の先ほどの、こうこうこうという程度の評価ではちょっと物足りないのではないか。  一人の人に年間で二百五十万円をかけて初任者の研修をするわけですから、それはやはり、こういうはっきりした効果があったな、どうかと。多分きょうまでは、洋上研修の人たちのアンケートをされているとか、その程度だと思うのですね。これはひとつ、どれだけのいわば投資効果があるかと。その効果をはかるのは難しいことだと先ほどもおっしゃった。しかし、国としてそれだけの予算をつぎ込んで、入ってきた最初の一年生の先生に、一人当たり二百五十万円をいわば投資をして研修をするわけですから、文部省としては総合的に、この初任者研修というものについて客観的な評価、成果、あるいは問題点をきっちり把握していただきたい。  おっしゃった、昨年十二月の教養審の中で出てくるのは、例えば「校内研修と校外研修との有機的な連携を保つこと。」と書いてありますけれども、これは個別具体にいいますと、学校に派遣されて、校内研修、多分年間で六十日間、指導教員がいてということでやるのでしょうね。それで、校外研修、講義なんかに行った場合に、非常に重複している部分が多いとかというアンケート調査も出ています。  これはやはり、任命権者である県の教育委員会が総合的に、研修というものはどういうものであるか、一年間のプログラムをどうすべきかと。あるいは、場合によっては、本当に小さな学校へ初任者を出してしまう。そこはもうあと三年も五年も新人は来ないとなれば、研修のノウハウ自体が蓄積されないわけですね。その意味では、これも教養審が言っておりますけれども、研修拠点校を設けるとか、それだけのお金をかけて、一人に二百五十万円投資してやるからには、もう少しこれは、任命権者が本気でやるように文部省は考えていろいろな提案をされたらどうかと思うのですが、いかがでございましょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 先ほどの続きの形の質問でございますからお答えさせていただきますが、おっしゃることは非常に重要な視点だと思います。それからいくと、もう一回任命権者の研修をやらなければいかぬか、こういうことになろうかと思いますが、私は、任命権者といいますか、教育委員会の皆さんにもお集まりいただいてさらに効果あるべくすべきことは、大変大事なことだと思います。  これをどのような形で評価するかというのは確かに難しい問題ではありますが、一年生の教員の皆さんが一年間研修を受けたことが、ずっと先で花開き、実をつけるという形にならなければいけませんから、一年終わった時点でやはりもう一度きちっとその評価をする、そういう考え方で研修に取り組むということは非常に重要なことだというふうに思います。

藤村修民主党

○藤村委員 総括政務次官、非常にいいことを言っていただきました。任命権者を、本当に少し頭を変えていただく。教養審の指摘でも、「指導教員が指導事務に専念できるよう制度本来の趣旨を十分認識し、」という指摘がされるほど、任命権者は余り理解してお金を使っていないのじゃないか。新任の先生を預かるから、大変だからというので何か予算がついて、補充教員の手当てがされているぐらいの認識しかなかったら、この制度は本当に生きてこないと思うのですね。  何度も言いますが、一人の新人に二百五十万円のお金をかけてやるからには、やはりそれなりの体制と、あるいはそれなりの、まさに任命権者の意識変革をここで求めていかねばならないのではないか、私はそのように思います。  次に、中曽根文部大臣、ちょうど十年前でございました。一九九〇年の参議院予算委員会で質問をされました。それは、「教員の研修制度について伺いたいと思います。」ということで思い出していただけると思いますが、千葉県で初めて高校の先生を長期の企業派遣ですか、このことを評価され、これが非常に重要ではないかという質問をされておりました。当時の文部大臣も、考えていきたいというふうなことでありました。  それからちょうどもう十年たちまして、それが飛躍的にふえたかというと、一人から、今は八百人ほどになりましたから、その意味では八百倍になりましたけれども、十年ですから。まあ、着々と来たとは言えますが。  いわゆる企業、団体など一般社会における長期の体験研修に、中曽根文部大臣は非常に熱心で、いわば提案者の一人でありますので、現時点でのこの教員の長期研修の実態がどうなっているか、それから、今後どういうふうになっていくと考えられるか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教員が、社会の構成員の一員としての自覚を持って、そして自分の視野を広げるために学校外の施設においてさまざまな体験を積むということは、非常に重要なことであり、また意義のあることだと私は思っておりまして、今委員が御説明くださいましたように、長期の校外研修制度の創設というものを十年ほど前から提言してまいりました。  このような観点から、民間企業等の学校以外の施設、事業所等で、一カ月から一年間、できれば一年間なんですが、その程度派遣して研修を行っていただきたいということでございますが、今委員お話しのように、平成元年、私が提案したときには千葉県でお一人の高等学校の先生が民間企業で研修したものが、平成十年度は四十三の県市で七百二十三人がそのような研修をされました。平成十一年度は、まだ最終的な数字は上がっていませんが、四十六の県市で八百八名の予定となっておるわけでございます。  行ってこられた先生方の感想を聞いてみますと、おおむね皆さんよかったということでございます。  主なポイントをちょっと申し上げさせていただきますと、児童生徒や保護者との接し方など対人関係能力が向上した、接し方の改善の必要性を再認識することができた。それから、学校運営について、コスト意識の厳しい企業などの経営に触れることができて勉強になって、学校という組織体の中で自分が何をすべきか自覚し、積極的に学校運営に参画する意欲が生じてきた、学校改革の意欲が向上したということ。それから、学校以外の人々と触れ合うことなどを通じて、やはり教員としての職責の再認識、また、みずからの自己啓発といいますか、研修意欲も向上されたというような報告もあります。また、学校とは全く異なる価値観で動いている社会があるということを実感して、さまざまな物の見方、考え方に触れ、柔軟な発想を得ることができたということで、視野が非常に拡大したとか、いいことばかり私は申し上げておりますけれども、中にはつらいこともあったかもしれませんが、おおむねそういう良好なお話であります。  そういうところから、今委員がおっしゃいましたように、昨年の十二月には教育職員養成審議会の答申において、長期社会体験研修の一層の充実を図るとともに、「すべての教員に短期の社会体験研修の機会を提供すること」等が提言されているところでございます。ぜひ、今後ともこのような研修を充実していただいて、先生方にいろいろな経験をしていただきたい。そして、視野の広い、バランス感覚のとれた先生であってほしいと思います。  特に私がお願いしたいのは、やはり小学生を受け持つ先生方に、子供というのは、家を出ると、小学校の低学年においては、先生方というのはお父さん、お母さんのような感覚でもおられると思いますので、ぜひお願いしたいと思っています。

藤村修民主党

○藤村委員 今の最後の点で、はっきりしているのは十年で七百二十三人だったのですが、中曽根大臣も当時から、高校の先生ではなしに小学校の先生だと言っていますが、その内訳、さっきちょっと通知したのですが、わかりますか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 平成十年度の実績の合計で申し上げますと、小学校の教員が派遣されたものが二百九十一名、中学校が百五十四名、高等学校が二百二十四名、それから特殊教育の諸学校が五十四名、その他はございません。合計で七百二十三名ということでございまして、小学校が一番多い数字にはなっております。  ただし、一月以上というのが二百九十一名の小学校のうちの百十三名でありまして、六カ月以上四十三名、一年以上四十名ということで、もう少し長く派遣ができればと希望しています。

藤村修民主党

○藤村委員 私自身は、二十年来、日本の学生をブラジルという国に一年間派遣いたしまして、企業研修をさせて帰すという制度をずっと運営しておりますので、その意味、意義、効果というのは非常に身にしみて感じている一人でございます。  中曽根大臣も十年前からそのことを提案されている、あるいは昨年の教養審は「すべての教員に」という提言をしているわけですから、今の七百や八百という数ではございません、かつ、今おっしゃったように、一カ月以内というのはちょっと物足りないと思います。私どもも若い人を一年外国に派遣して、働きながら学ぶという形なんですが、やはり一年程度。  これは他の公務員とのバランスがあるとお答えになるかもしれませんが、教育公務員特例ということで、幾つかのことは相当違うわけであります。五年目とか十年目とかの節目のところに今研修がございますが、ここに一年の長期社会体験研修を、これは文部大臣が十年来提唱されてきたのですから、また、教養審も「すべての教員に」と言っているわけですから、この際にぜひとも、これは前向きな答弁をここでぜひいただきたいなと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 効果につきましては、先ほど申し上げましたように、先生方からもおおむねよかったというふうな感想をいただいております。  ただ、これは受け入れ側の事情もあろうかと思いますし、予算的な面、代替教員の面もあろうかと思います。すべての教員に経験していただくことが理想でありますが、今委員がおっしゃいましたような節目のときに、教員の方々ができるだけそういう経験ができるように、今後検討していきたいと思っています。

藤村修民主党

○藤村委員 それでは、ちょっと短く二つだけ、法律の問題点についてです。  このセンターは、独立行政法人として独立するわけですが、考え方としては、文部省がきょうまでやっていた研修は全部センターに移す、そう考えてよろしいでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 そういうことであります。

藤村修民主党

○藤村委員 そうすると、センターは独立行政法人ということでされるわけですが、結局は、独立した行政法人で非常に主体性が求められるわけですね。そこに必要なことは、主体性といっても、理事長ほかわずかの理事者ですから、その人たちがすべて考えるわけではない。やはり大事なことは、実際に研修を受ける側の教員自身の希望とかニーズ、そういうものを的確に把握し、これは文部省がまた助言してもいいわけでしょうから、それを十分に活用していく、そういうことでよろしいのですね。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 基本的なことは中期目標として文部科学省が定めていくことでございますけれども、研修事業を実施するこのセンターが、具体的な内容とか方法とか、あるいはその規模とか時期については、専門的な見地に立って主体的に定めることになります。  その際、今おっしゃいましたような、受講する教員のアンケート調査等を実施することなどによりまして、教員の方々のニーズとか希望とか感想を十分に聴取して、そして、今後の各種研修事業にそれが反映されるように努力していくということは非常に重要なことである、また効果的なことだ、そういうふうに思っております。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 先ほどの答弁で、原則としてセンターに移るわけでありますが、一部特殊教育の関係については、既に独立行政法人特殊教育総合研究所がございます。そこで実施しなければいかぬ。それから、私学については、これはセンターは直接関係しませんが、日本私立学校振興・共済事業団が引き続いてやるという点、全教員ということになりますと、そういう区別がございます。

藤村修民主党

○藤村委員 かつ、きょうまで教員の研修ということが、やったらいいだろうというぐらいで、ではないとは思いますけれども、何となく、それだけお金をかけて、これだけの効果があって、そして今後改善点がこうだということで整理しては——私もさきに初任者研修を取り上げましたが、十年になるところで過去の議事録などを見ても、案外、とにかくスタートするときは大変な鳴り物入りというか、大変な議論もやってスタートしたのですが、その割に、割に忘れられているなという気がいたしましたので、きょうは初任者研修一つを取り上げてやりました。  新入教員に年間二百五十万円のお金をかけてやってきている、あるいは今年度やるんだということの重みを十分に感じていただいて、本当に、投資効果というか、費用対効果といいますか、そもそも独立行政法人の考え方がそこにも一部あるのでしょうから、そういうことを文部省も、人を育てるというのはなかなか効果をはかるのは難しいのですが、しかし、対外的に、これだけのお金をかけているからにはこれだけのことをしていますと胸を張って言えるようなことを、常に検討を、検証をしていただきたいなということを要望いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、山元勉君。

山元勉民主党

○山元委員 民主党の山元でございます。  私は、本題に入る前に少し大臣にお聞きをしたいんですが、けさの新聞を見て驚きました。総理が「教育勅語 一部復活を」という、大きな見出しが出ているんですね。各紙がそういうことを書いているわけです。そして、中身は何だといったら、日本の伝統や文化を継承していくということは間違っていなかったではないか、こうおっしゃっているわけです。  日本の伝統や文化を継承していくということについては、これは大事なことで、教育の中でもきちっと位置づけなければならぬと思います。けれども、なぜそれが教育勅語、「朕惟フニ」から始まるあれに結びつくんですか。あれはやはり、軍国主義、国家主義の教育を進めていく、侵すべからざる天皇の言葉としての教育の指針であった、バックボーンであったというふうに思うんですね。ですから、本当に国民的な論議をしていく、今の教育、子供の状況や、あるいは学校現場、教育現場の問題を考えて論議をしていくというときに、まず教育勅語がぽんと出てくるということは、これは、総理としておかしいというか、論議を間違えてしまうというふうに私は思うんです。  恐らく大臣もごらんになったでしょうから、このことについて、まあ、総理が間違っているということはなかなか大臣としては言いにくいかもしれぬけれども、論議の方向として、文化や伝統の継承ということはもちろん大事だけれども、この言い方はないだろうというふうに思うんですが、一言、大臣の所見をお伺いしたい。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今御指摘のことにつきましては、私も実は総理の御発言の一言一句を承知しておりません。新聞記事での意見を述べさせていただきますが、新聞によって比較して違いを見ておりませんが、一つの新聞によりますと、「「教育勅語には日本の伝統文化の継承などが含まれていたが、連合国軍総司令部が駄目だと言って消した。本当にそういうことでよかったのか」と指摘。「そういう問題を含めて議論する必要がある」と述べ、」となっておるわけであります。この教育勅語が廃止されたいきさつは別といたしまして、総理は、そういうようなことについて議論をする必要があると述べられたという報道でございます。  私自身、教育の問題を考える上において、戦後の教育の中で道徳的なことが少し、家庭を中心としてそういう力が、教える力が少し弱くなっているんではないかというふうにも感じております。この教育勅語の中には、兄弟が仲よくし、父母に孝行を尽くし、夫婦互いにむつみ合い、朋友互いに信義をもって交わりとか、人間の生きていく上での基本的な、非常に大切なことが書いてあるわけでありまして、こういう精神というものを児童たちに養っていくということはやはり大切なことだろう、これは普遍的なものだろう、私はそういうふうに思っております。今日にも通ずる道徳の基本を示したものであると思っております。私の考えでございます。

山元勉民主党

○山元委員 いや、私も言いましたように、伝統や文化を継承するということは、これはきちっと教育の中で位置づけなければならぬ。今大臣がおっしゃったようなこともそのとおりです。けれども、なぜ教育勅語に結びつくんですか。  ですから、そこのところは、そういう発想で教育基本法を考えたり、不登校とか学級崩壊とかいった話があるからと制度を見直すのは間違っている。やはり、今の子供の状況というのは、きのう、きょうの新聞にはずっと、十八の子が殺された、殺したというのが出てきている。それはやはり、政治の場できちっと、こういう教育制度に問題がないかどうかということを真摯に考える姿勢がなかったらいかぬ、立場がなかったらいかぬ。けれども、それは間違っているという決めつけで、教育勅語もよかったんやないかと。これでは、国民的な教育についての論議は狂ってくるというふうに思うんです。  だから、大臣がおっしゃったところまではいいんです。ですから、そういう教育勅語に——これはもう論議するつもりはありません、ぜひこれは大臣もしっかりと考えていただきたいし、総理にもそういうことを、この間、どこかの知事が不適切な発言があったといって取り消されたところがありましたけれども、やはり、平和を大事にしようとか、主権在民を大事にしようとかいう国民の気持ちを逆なでするような、あるいは、それを全く軽んじてしまうようなことは政治家としてすべきでないということだけを申し上げておきたいんですが、よろしいですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 さっき申し上げましたように、総理の正しい御発言がわかりませんけれども、おっしゃろうとされたことは、教育勅語を復活しようとか、一部を復活しようということではなくて、そこに述べられている、本当に大切なもの、その中の一例として、日本の伝統、文化の継承などが含まれているということをおっしゃりたかったのではないか、また、そういうことを議論することが大切であるということを述べられたということであろうかと思います。ということです。

山元勉民主党

○山元委員 もういいと言っているんです。大臣があれを間違っているとはなかなか言いにくいでしょうけれどもね。そのことはきちっとやはり中心に据えてというんですか、わきまえて論議をこれから進めていただきたいということだけを申し上げておきたい。教育勅語について、間違ってばかりはいなかったというのが森総理のかねてからの持論というのは、近時、新聞にも、森総理が就任されたときの新聞の記事の中に、教育勅語は間違っていなかったというのが持論だという部分がありました。ですから、私たちは、そういうことではいけないなという気がしているということをまず申し上げたかったわけです。  それでは、本論に入らせていただきます。  先ほどから、小川委員からも藤村委員からも、研修のあり方については相当出ましたから、私はできるだけ具体的なことについてお尋ねをしたいと思うんです。  最初にやはり、この教養審の答申の中で幾つか言っている、厳選あるいは精選、見直しというんですか、これは繰り返しおっしゃっていましたから、わかりました。ここのところに、「自発的・主体的な研修意欲に基づいた研修を奨励」していくんだと。厳選して縮減すればいいということではなしに、やはり、自発的、主体的な研修意欲をかき立てるというんですか、喚起して、それを援助していくんだ、こう書いてあるんですね。実際に文部省は、この答申によって、主体的、自発的な研修というものをどういうふうに考えて、どういう手だてを講じようとされるのか、それがあったらひとつお聞かせをいただきたい。  もう一つ、得意分野づくりというのは、これは今まで余り使わなかった言葉ですね。その道その道のプロというんですか、そういう専門的な分野での力量を持った人を養っていく、養成していく、こういうことだろうと思うんですが、これについても、今まで研修の中で、得意分野づくりという言葉は余りなかったですね。  この二つについて具体的に、文部省、受けとめていらっしゃることがあれば教えていただきたい。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今委員がおっしゃいました、昨年十二月の教養審の答申におきましては、教員の自発的、自主的、主体的研修活動の奨励、支援の具体的方策について、都道府県、市町村における取り組みとして、個々の教員のニーズに応じた多様な内容、方法の研修機会の提供、また研修に関する情報提供、さらに指導者の派遣などの支援策が提言されているところでございます。  文部省といたしましては、この提言を踏まえまして、ことしの二月に、研修の実施主体である都道府県の教育委員会に対しまして、この答申の具体的な改善方法等を参考に、教員研修の見直しに係る取り組みについて積極的な対応をお願いする旨の通知を発出して、必要な対応をしてきたところでございます。  また、今委員がおっしゃいました得意分野の研修というお話でございますけれども、この答申の中でも御発言ありましたような研修内容の精選、見直しを図ることと、それから、教員の得意分野や個性が今後一層多様化することを踏まえまして、研修参加者のニーズや学校の課題等に応じて多様な選択ができるようにするなどの改善を図ることなどが提言をされているわけであります。  私どもは、そういう提言を受けまして、また、この具体的な改善方策等、教員研修の見直しに係る取り組みにつきまして積極的な対応をお願いするよう、都道府県教育委員会等に対して今促しているところでございます。

山元勉民主党

○山元委員 そういう条件というのは、任命権者、都道府県の段階でも余りないだろうと思うのですね。ですから、これから実際に具体化をしていくことが大事だと思いますし、これは、これからの教師あるいは教職員ということでいうと大事なことだろうというふうに思いますから、ぜひ具体化をしていただきたいと思います。  それから、厳選、縮減はいいんです、大変現場の教職員の皆さんに負担になっていますからね。けれども、今の状況でいいますと、例えば情報技術の問題、環境の問題、あるいは福祉の問題、あるいは男女共同参画、人権の問題、新たなテーマがどんどんふえてきているんですね。私もずっと昔に免許を取ったから、環境というような単位は一単位も取っていないわけですね。ですから、今の現場の人たちに、環境や福祉あるいは情報技術というものをきっちりと持ってもらうということは大事なことで、これは大変な仕事量になるだろうというふうに思うのですね。  そのことについては、今これとこれと出しますということにならないだろうと思いますから、先ほどもちょっと論議がありましたけれども、ぜひ、教員現場からのニーズにこたえられる、そういう任命権者の研修というものを文部省はしっかりと指導していただきたいし、援助もあるべきだというふうに思います。環境の問題や情報技術の問題等はやはり金が伴う部分が多いですから、ぜひそういう援助をしていただきたいということを、研修のあり方の基本について、これだけ申し上げておきたいと思います。  この法案について、少し具体的にですが、通則法でも言っているわけですが、研修事業の企画立案は文部科学省がやる、実施はセンターがやる、こうなっているわけですね。そこで、その関係です。例えば構成される要員でいうと、今の教育会館でそういう事業をやってきた人が二十人と、文部省から、後で聞きたいと思いますが、何か指定する官職の人が三十人行って、やる。そしてそこへ、文部省から行った人と教育会館から行った人がいるところへ、文部省が企画をして実施をさせる、こういうことになると思うんですね。その上下関係がどうなるのか、少しイメージが出てこないんです。  今までだと、文部省が計画して実施していた。けれども、今度は現場に実施をさせる、そして評価をする、こういうことになっているわけですから、上下の関係になって、研修センターに主体的な力といいますか、主体性を持たすことがなくなってしまうのではないか。そこのところが現場との接点だというふうに思うんですが、その上にいる文部省が企画立案、監督、評価をするということで、上下の関係になるのではないかと思うんですが、その関係はどうなるんですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘のように、センターが中期目標に基づいて中期計画を立てる、また年度計画を立てていくわけであります。そのときには、内容、方法、規模、実施時期等が決まっていくわけでございますので、センターはそういう意味で主体性を持っていくわけであります。  今御指摘の、内部で、今まで国立教育会館でやってきた方々、それから文部省本省において企画立案を立てながら実施をしてきた方々、その連携がうまくいかないのではないかという懸念でございますが、これは、意見交換をしっかりして連携をとり合っていただく、これは当然一体でやるわけでありますから、またそういう方々に行っていただく。  しかし、これまで特に教育現場で起こっている緊急の課題でありますから、そこでどっちが上とか下とかなんというようなことをやってもらっておったのでは、とてもじゃないが、この重要な時期に教育の研修の機能が果たせませんから、そこのところは事前に、まずスタートする時点でしっかり話し合って、意思の疎通を欠くことのないようにきちっとしていただく。これは第一歩だというふうに思いますので、御指摘の点を十分踏まえて、融和を図っていく、最大の努力を文部省としてしていく、こういうことだろうと思います。

山元勉民主党

○山元委員 ぜひこれは、言葉は悪いですけれども、下請になるようなことにならないように、一体になってと今政務次官はおっしゃっていただきましたけれども、ぜひ一体になった形、センターは教職員と接するところ、教職員の声が一番聞きやすいところですから、そこのところの主体的な判断というのは最大限尊重するような、そういう仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。  そこで、そのセンターを評価する評価委員会、先ほど政務次官は十六の独立行政法人が文部省所管であるとおっしゃった。ですから、各種それぞれの、今挙げませんけれども、幅の広い独立行政法人があって、評価委員会が評価をするということになるわけですけれども、その十六はそれぞれ事業分野が違うわけですから、大変評価委員会というところの責任は重い割に、割にと言ってはいかぬのですけれども、教育がわかるといいますか、教育現場の実態がわかる、そういう人がきちっと評価委員会の中に位置づけられるかどうか、充てられるかどうか。  そうでないと、通則法が一番大事にしている効率性について、効率化したかどうかという評価の観点、第一の観点が云々されて、実際に教育現場に研修実績がいい効果を上げているかどうか、有効な研修が行われるかどうか、こういう評価の観点というのはとぶだろうというふうに思うんですね。だから、評価委員会というのは私たちも初めての仕組みですからわからぬのですが、構成とか、どういうものになるんですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘のように、独立行政法人の中には、青年の家もあるし博物館もあるし美術館もある、そういうものを評価していかなければいかぬということでありますから、かなり広範囲にわたります。委員の選任については、それにたえ得るといいますか、それが十分できる方々にお願いをしなければいかぬ。原則は、そうした役割を踏まえた上で外部の有識者などにお願いをしよう、こういうことになっております。  その具体的な組織のあり方、あるいは委員会、委員のあり方、委員の任命等々は今検討いたしておるところでございまして、今からお願いをしようとしている教員研修センターの業務評価、これが御指摘のように適切に行われる方にお願いをしなければいかぬ、十分配慮しなければいかぬ、こういうふうに思っておるところでございます。

山元勉民主党

○山元委員 これもこれからつくられるわけですけれども、効率化ということが最大の物差しになるようなことではなしに、教育現場のニーズにどうこたえたか、そしてまたそれがどういう効果が上がったかということをきちっとしないといけない。先ほど藤村委員から大きな投資だとありましたけれども、そういうものが実際に効果を上げているかどうか。効率化というのが、いわゆる行政改革での効率化といったらどんどん減らしていけばいい、ただ単にそうなってしまうんです。この評価委員会というのは大きなかぎを握っているだろうというふうに思うんです。  先ほど次官が外部からもとおっしゃいましたけれども、私は、研修に参加した人が一番評価できるだろうと思うんです。これは子供を置いてきた値打ちがあったと考えるのか、いや、つまらぬことを言いよったなとなるのか。だから、参加した教職員に評価を求めるというんですか、感想を求めるということは大事だと思うんですね。ただやればいい、効率よくやればいいということではないということについてはきちっと押さえて、これから評価委員会というものを動かしていっていただきたいな、これはお願いをしておきたいと思います。  それから、センターですけれども、センターも例えば五十人、役員の方が理事長と理事と監査がいて、あと五十人の職員の皆さんがいらっしゃるわけですけれども、その方たちはどういう役割を持つのか。研修センターですから、例えば教員の研修にも、養護教員の、事務職員の、いろいろな研修があるけれども、そこのところの講師になり得る人がいるのか。それとも教育会館、こういう言い方はおかしいかもしれませんけれども、貸し館というようなことで、設定というようなことに主力が置かれる職員さんになるのか。  私は、この五十人のうちの多くの部分の人たちが、実際に教育についての研究をともにする人でなければいかぬだろうと思うんですね。箱だけだったら、それはもっと人数が少なくても管理ができるわけですから。同じように教育について一生懸命になって研究をする、そういう職員がどれだけいるかということになるだろうと思うんですが、その仕組みはどうなっていくんですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 この仕組みそのものはこれから決める部分が多いのでありますが、基本的な考え方としては、センターが主体性を持って外部の適切な方に講師をお願いするというのが基本になっておるわけでございます。例えば教育現場の事情に精通している、大学の教授でありますとか、教員を生み出しているような現場の方々とか、あるいは現場経験のある方々、これも当然その中に入っていかなければいかぬ、こういうふうに思っております。  これまでも研修は行ってきておるわけでございます。各部局でやってまいりました。その中で、ああいう講師がよかったとか、また当然、先ほど御指摘のように、研修を受けた方々の意見もこれまでも聞いてやってきているわけでございますから、評判がよかった方とか、いろいろあるわけでございます。そうした方々を中心に、まさに適切な方に委嘱する、こういう形になろうと思います。

山元勉民主党

○山元委員 そうすると、その講師は外部から、あるいはいわゆる学識経験者とか、そういう技能を持った人を講師にする。五十人の人の中にはそういう共同研究者というのはいらっしゃらないんですか。(河村政務次官「職員ですか」と呼ぶ)職員。研修センターの職員になるのは五十人と聞いているんですけれども、その人たちの職務は何だということです。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 センター設立の際に文部科学省からセンターに行く職員については、これは、これまで教育研修を実施している部局、局、課でやってきたわけですが、直接研修業務を実施している職員とか、あるいは研修予算業務などをやってきた、関連をやってきた職員を予定しておるわけでございます。  これは、文部科学省においては学校教育の、いろいろな問題がありますから、その中期目標を定める、その際に、その中期目標に基づいて専門家の意見を聞いたりしなければなりません。そういうことをこれまでやってきた方々を、そこへ派遣するということであります。

山元勉民主党

○山元委員 そうすると、ちょっわからなくなったんですが、五十人も要るのかなという感じがするんです。法の附則の第二条に、このセンターへ文部科学省から行く、「大臣の指定する官職を占めるもの」が行くんだということですね。その「指定する官職」というのは、今おっしゃったような、これまで文部省の研修事務をやってきた、そういう人たちが行くと考えるんですが、その「指定する官職」というのは、では、もう具体化されているんですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘のように、文部省の中において直接研修を担当している方々が行くということでありまして、その方々が講師になってやるということではないわけです。

山元勉民主党

○山元委員 そうすると、幾つかの心配が出てくるんですが、その文部省の中にあった研修の事業をやってきた事務官が行く、こういうことになるわけですね。  私は、先ほども言いましたように、文部科学省とセンターと現場教職員とをつなぐということで言うと、一緒になって教育についての研究をする人たちがその五十人のうちに何十人かいなけりゃいかぬのと違うか、そういう人を養成すべきではないかというふうに思うんです。そこには、ただ場所の提供だとか講師の人選だとか予算をつくるだとか、そういうことだけではない人を配置すべきではないかという気がするんですが、そのことについてはこれからあれでしょうから、これからの検討として、ぜひそれは考えていただきたいというふうに思います。  そして、その今問題になりました講師、よく、学識経験者とかその道のオーソリティーとかいろいろありますけれども、私は、どうも今まで少なかったのは現場の人たち、例えば管理職団体の人たちからの講師だとか、あるいはそれぞれの専門分野になるんでしょうけれども、学校現場の教職員の代表というんですか、講師たり得る人を探して、そういう人が一番お互いに教育現場での苦しさとかあるいは成功の例とかいうのは知っているのだろうと思うんですね。ですから、講師の人選に当たってはぜひそういう人を選んでほしいし、そういう管理職団体だとか職員団体とかいうところからも十分意見を聞きながら、内容を左右する講師の人選をしてほしい、すべきだというふうに思うんですが、それはいかがですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 先ほども御答弁申し上げたと思いますが、現場経験のある方も含めて、それから教育関係以外の方にも入っていただいて、広範な形で講師が選ばれるというふうに思っております。これは、これまでセンターの前の教育会館の中でも実務に携わってきた方々がおります。それに、さらに企画立案をいろいろな方がした、文部省からも行って一体となってやるわけでございますから。そして、これまでの研修の中で講習を受けた方々のアンケートとか評価とか、そういうものも事実受けておりますから、そういうものを総合的に勘案して、そして講師を、まさに必要な方々を決めていく。今委員御指摘のような方々も、まさにそれに入る。適切な方であるという判断になれば、そういう方にもお願いしなければいかぬ。まさに総合的にこれは考えていかなければいかぬというふうに思います。

山元勉民主党

○山元委員 時間が余りありませんから、今度は研修に参加をする教職員の皆さんの問題です。  先ほど小川委員が、教師を評価すべきだ、能率給を入れるべきだと。私は、研修とこれは結びつけるべきではないというふうに思うんです。答申にも言っているように、自発的、自主的な研修意欲を守り立てていくということで、それぞれの先生の意欲を喚起し、そして研修をしてもらうということが大事なんで、その研修と、身分や賃金や能率給、そういうことを結びつけると、私は研修の質が変わってくるというふうに思いますから、少し私は小川委員の御発言には異論があるということだけは申し上げておきたいと思うんです。  そこで、参加する教職員の側ですけれども、先ほど藤村委員からも出ました、地方分権の流れの中での研修ですから、できるだけ任命権者が主になってやるということになっていくだろうと思うんですね。これはぜひ、中央研修というのができるだけ少なくなっていくようにこれからも努力をしてほしいと思うんです。  例は余りよくないんですけれども、北海道の人と鹿児島の人と一緒にして研修をする、そういうことは、いい場合もあります。けれども、それぞれの教育の環境、条件、気候も含めて違うわけですね。お互いに共通の意識を持っている者が研修する方がいいということが一つ前提に言えますけれども、教職員というのはやはり自分の近くで研修をしたいわけです。研修、出張ということになったときに、いや、うれしいと言って遠足に出かけていくような気分にはならぬのですよ。実際に自分の学級で、自分の学校で何が起きるかわからぬ、できるだけ自分の学校の近くにいたいということを思うんです。  ですから、そういう近くでということは、決して怠けさすという意味ではなしに、教師として、自分たちの共通のそういう教育条件や環境や地域の特性をしっかりとお互いに持っている者が研修をすることが大事なんだろうということが一つの大事な視点だということで御理解をいただきたい。これはもちろん時間も経費も違いますから、だから、近くということになるんだろうと思います。  そこで、もう一つ、出る側ですが、文部省の研修の中に、校長、教頭、中堅教員の研修で、平成十一年度は千八百人、四ないし六週間、二カ月離れるんですね。一般教員がそういう長期研修に出るときには、任命権者は代替の講師を充てます、これは直接的に学級担任もしている人もあるわけですから。ところが、校長、教頭が出張ということで一月行ってらっしゃいということでは、管理職のかわりを任命するわけにはいかぬ。それはそのとおりです。  けれども、現場、とりわけ小規模校では、教頭さんは授業を持っているんですね。もし先生が年休をとったり出張だというと、校長さんが授業をやるわけです。小規模校ほど、そういうのは切実にやらなければならぬわけですね。わしは管理職だといって校長室に踏ん反り返っているということには、絶対ならぬわけです。そこのところが、校長が行くとなったら、残った皆さんでは、病欠者が出た、あるいは出張や何かがあったというときには、全部子供は自習にせざるを得ぬということになるわけですね。  ですから、これは任命権者の仕事かもしれぬけれども、やはり文部省が指導をして援助すべきだと思うんです。管理職を発令するわけにいかぬけれども、校長、教頭が長期に不在になるときについては講師を出すこと、そのことがやはり学校をよくすることだということです。子供のためのことだということでこれはやってもらわぬと、現場は大変苦労をしているというふうに思うんですが、そういう実態は御承知ですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 委員御指摘のとおりで、管理職そのものをというわけにはいきませんが、長期にわたる場合には、任命権者が当然そこを考えなければいかぬ問題だというふうに思いますし、子供たちの授業に支障が来るということは許されざることであるという認識でございますから、もしそういうことが現実にあるとすれば、これは文部省としてもきちっとした指導をしなければいかぬ、このように思います。

山元勉民主党

○山元委員 現実としてあるわけですから。手当てされている府県もあるようですが、ない方が多いというふうに聞いていますから。現に私の地元もそうなんです、余り言うとなんですけれども。そういうことはやはりきちっと手当てをして、安心して研修が受けられるという条件をつくっていく必要があるのだろうというふうに思います。  もう一つ、受ける側ですが、何で教員研修センターという名前になったんですか。教育職員研修センターでいいのと違いますか。これは、どうしてもこだわっている部分があるんです。  教員というのは、教員と教員以外の養護教諭だとかそういう人というふうに、先ほど大臣も使い分けをされた。だから、やはりこの場合は、教員研修センターというよりも教育職員研修センターの方がいい。そうすると、事務職員も養護教員も栄養職員も、全部そういうところできちっとするんだよということになるのではないかと。名札がちょっと違うという気がするんですが、いかがでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 独立行政法人にする場合に、できるだけ名前もわかりやすいものにしろというのが大筋であったわけでございます。教育といいますと、研修センターはもちろん教育でありますが、教育研究所というのとは別に、特殊教育や何かをやるところもございます。したがって、ここはやはり教員の研修センターだという方がわかりやすいということで、しかしその中には、今おっしゃったような方々にも入っていただくというふうにすればいいではないか、こういうことであります。

山元勉民主党

○山元委員 これは、栄養職員の皆さんだとか事務職員の皆さんは教員というふうには呼ばれていないわけですから、そういう人たちも来てしっかり勉強するところですよということにして、その人たちの研修もやはり積極的にやるということはしっかりと見せてほしいというふうに、名前にこだわるわけではありませんけれども、これはこれからもお願いをしておきたいと思います。  最後にもう一つだけですが、先ほどから五十人と言っています。文部科学省から三十人行く、教育会館の職員が二十人行く、大体それで立ち上げをするということになっていますけれども、文部科学省から行く人については、退職金はどうする、児童手当はどうする、それから雇用保険はどうする、全部書いてあるんですね。退職金は不利にしないとか、文部科学省から出向するけれども帰ってきたら損しないようにするとか、そういうことが全体的にきちっと書いてあるんですが、教育会館の職員であった者の身分なり賃金なり、そういうものは全然書いてない。  だから、どういうふうにその人たちの身分が守られるとか、あるいは賃金がどう格付されるのかとか、ここのところは法律事項でないのかもしれませんけれども、明確にしておく必要がある。これから労使の問題も出てくるわけですから、文部省、そのことについてはどういうふうにお考えになっていますか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 この独立行政法人教員研修センターには、先ほどからお話がありますけれども、国立教育会館において現在学校教育研修の業務を行っている、携わってきた職員の一部もそちらで採用することを予定しているわけであります。これは、特殊法人の統廃合に際しまして雇用の確保等を図ること等の閣議決定、これは平成七年二月の閣議決定でありますが、それに基づきまして行われるわけですが、国立教育会館の職員が有する教員研修に関するノウハウというものを活用しようとするものでございます。さっきからお話がありますが、二十人ぐらいでしょうか、そちらから研修センターへ入っていただくことになります。  これらの職員の方々も含めまして、解散する国立教育会館の職員につきましては、その雇用が確保されて、また処遇において不利益にならないよう万全を期していきたいと思っております。

山元勉民主党

○山元委員 今大臣から不利益にならないようにという言葉をいただきましたけれども、確かに、教育会館は、八十人いた人たちが二十人整理をされて今は六十人。六十人のうち二十人は行くけれども、二十人は解雇、二十人は別のところと、ばらばらになるんです。不安定なというか、雇用について極めて不安な状況に教育会館がなっているわけですね。八十人がばらばらに、二十人、二十人、二十人、二十人で四つのグループで行き先が皆決まっていっている。  だから、そういう点で言うと、法律事項でないかもしれないけれども、今の不利益にはしませんよと、退職金の問題や給与の問題あるいは児童手当の問題等、やはりきちっと早目に話をする必要があるだろうと思います。そういう不安な状況になっています、もう既に教育会館の解散というのは法的に決まったのですからそこの皆さん方が大変不安な状況になっている。そこのところを、今の大臣の言葉というのは一言だけで、不利益なことにならないようにと。不利にならないようにということについてはほっとされるでしょうけれども、それはやはりきちっとすべきだと思いますし、そういうばらばらになっているところですから、ぜひ全職員の皆さんと、きちっと話をしてあげる必要があるだろう。  それは、これからの仕事を二十人に意欲を持ってやっていただこう、研修というのは人と人との関係ですし、意欲を持ってやってもらう必要がありますから、どうぞそれは早目にしっかりと、当該の職員の皆さんとお話し合いをいただきたいというふうに思うんですが、よろしゅうございますか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 先ほどの大臣の答弁に尽きておると思いますが、今の委員の御指摘の点を十分配慮して、文部省内でもきちっとした対応に万全を期す、こういうことでまいりたいというふうに思います。

山元勉民主党

○山元委員 前に、特殊法人同士が統合するというときに、どちらの賃金体系にするのか、そうやっていろいろなことが問題があって、それぞれの所管の省は苦労されました。今度の場合も、一番わかりやすいのは、国家公務員の人は行き帰りがあるというふうに書いていますから、また帰ることができるんだろうと。そうすると、国家公務員の賃金あるいは権利レベルでずっといくんだろうと思いますね。そこのところに準ずるということが基本にあれば一番問題ないと思うんですが、今までの例でいうと、なかなかそうはいかない部分があるというふうに思います。  いずれにしても、国家公務員であった人も行って非公務員になる、一時的になるわけですから、国公に準じてということにはなかなかなりにくいかもしれないけれども、重ねて言いますが、ぜひ、そこのところは不利にならないようにお願いをしておきたいと思います。  質問は終わりたいと思いますが、私どもは、この通則法について反対をいたしました。それは、今申し上げましたような、行政改革によって職員の皆さんの身分だとか、あるいはそういう不利、混乱が起こるということ、そのことがすきっと見えないということもありましたし、そういう、外部に出すことによって国民の皆さんへのサービスが低下するのではないかという危惧がありました。乱暴にと言ったらしかられるかもしれませんけれども、どっと独立行政法人化するということについては、私は通則法に反対をしました。  そういう意味でいうと、これにはたちまち賛成ということにならないという立場ですけれども、ぜひこれは、私たちが心配をしたようなこと、今挙げただけでも二つあるんですが、そういうことにならないように努力をしていただきたい。そうでないと、教職員の研修そのものの質が低下をしていくし、方向がゆがんでいくだろうというふうに思いますから。  法案に反対をしておいて注文をつけるというのはいかがかとなるかもしれませんけれども、私たちの気持ちは、そういう心配をしながら、こういう形でどっと独立行政法人化すべきではないという立場に立っていましたから。けれども、どうもこれは行きそうですから、そういう注文をいろいろ申し上げましたけれども、ぜひいいセンターをつくっていただくように御努力をいただきたい。お願いして、終わらせていただきます。  ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 この際、休憩いたします。     午前十一時十一分休憩      ————◇—————     正午開議

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。濱田健一君。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 社会民主党・市民連合の濱田健一でございます。  三十分時間をいただきましたので質問をさせていただきたいと思うんですが、質問する前に、けさの藤村委員と山元委員のお話を聞いて、二つだけ感想を述べたいと思います。  一つは初任者研修のことでございます。  文部省としては、みずからが主体的に任命権者と一緒になってされてきた初任者研修ですので、政務次官がいろいろな形で評価のことをお話しされましたが、それなりにあるというふうに私は思うわけです。私は現場にいた人間として、初任者がまず最初に出会う子供たちと、鹿児島弁的に言うと、おわかりになるかならないかわかりませんが、とったいくんだいと言うんです、初等中等局長はおわかりになると思うんですけれども、とにかく、いろいろな形で学校現場でまみえていくといいますか、そのことをまずやるということがないと、子供ということに関する感覚的なものが身につかないと私は思うんです。逆に言うと、余りにも丁寧に入り口のところから技術的なことを、こうだよ、ああだよとやることによって、マニュアルしか覚えない教員がスタートをするという問題点を指摘しておきたいと思います。  それと、新採の採用についても、先ほど任命権者の研修というお話も出てきましたけれども、各県の教育委員会が採用するときに、デパートに行ってわざわざあいさつのけいこをするとか、そういうことをしなくてもいいように、現場の中で若い青年教師たちがいろいろなことを学んで、人生の中で二十年ないし二十二、三年学んできた人たちが、その持ってきているそれぞれに違う人生の経験をぶつけ合って、ああ、これはおれにはない、あの先生のいいところを私はとりましょう、おれはもらいましょうというような形で、いろいろな経験を持った人を過去の経歴を見ながら採用するという、ある種の意図というようなものが大事じゃないのかなと、私はつくづく思っているところでございます。  それと、教育勅語のお話を山元委員が出されました。中には、一つ一つピックアップするととてもいい言葉が並んでおりますけれども、それが集大成されて、どういう形で当時の日本人というものは生きていくのかということがあの中では述べられている。そのことが、現代的に言うと道徳ないし道徳教育の中で、自発的にその人間が人間らしく、自分の尊厳を大事にして生きていく、成長していくということにつながるのか、権力を持った者が、こういう形でこういう人間に育ってほしいという思いを意図的に吹き込んでいくのかによって、物すごく違ってくるというふうに思います。  その辺、新聞の記事の中身がどういうふうなことなのか、森総理の本心がどういうお考えなのか私はわかりませんけれども、今私が申し上げた、旧態たる大日本帝国憲法下におけるこの教育勅語の中身であれば、現在の憲法第九十九条の部分にもちょっと問題ありなのかなということを、お話を聞きながら感じたところでございます。  それでは、中身に入りたいと思います。  教特法の第十九条、教育公務員の職責に関して、絶えず研究と修養を積むという、ほかの公務員と違うこの研修のありようというものが教育公務員には課されている、努力しなさいということが言われているわけでございます。  私は、これまでの文部省や任命権者が実施される研修の中身には、より研究的な部分のウエートが大きくて、修養を積むという部分等は、全然ないとは言いませんけれども、比率的に少なかったのではないかという感じを持っているところでございます。新たにこの教員研修センターというものがつくられるのであれば、この教特法の十九条をより生かすために、精選をしながら、これまでの趣と違ったどういう研修を、実施主体はセンターです、大まかな企画立案が文部省とおっしゃっておりますので、文部省としては期待をしておられるのか、どういうふうにこの教特法にのっとったような中身というものをつくっていかれようとするのか、大臣のお考えがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 文部省におきましては、従来から、省内の各局課において国レベルの教員の研修を実施してきたところでありますが、教員の資質をより向上させるという観点から、そのやり方等について日ごろから検討等も行ってまいりました。内容をさらに充実して、また効率的、効果的にすることが求められてきたわけでありまして、そういうところから、今回のこの独立行政法人の教員研修センターを設立することになったわけであります。  ここでの研修の特徴というものは、けさほどからの委員会の御審議の中でも議論が行われてまいりましたけれども、国レベルで行うということから、全国的に、中心的な役割を果たしていくであろう、そういうリーダー的な方々の研修を行うということが一つでありますし、もう一つは、喫緊の課題を中心とした内容の研修にできるだけ限定をして、精選をして、そして本当に国でやらなければならないものを中心でやろうというのが基本的な考え方でございます。  委員がおっしゃいました、修養的なものという御発言がありましたけれども、この十九条に「努めなければならない。」となっております。こういうものにつきましては、先ほどからお話がありますような、いろいろな場でみずからも努力をしなければならないと思いますし、それから、先ほど長期社会体験研修のお話もありましたけれども、そういう場で一般の方と同様に修養的な面も養っていただければと、そういうふうに思う次第でございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 大臣、子供にとっていい教師と、校長や教育委員会にとっていい教師、変な言い方、この僕の変な言い方なんですけれども、どっちがいい教師だというふうに大臣はお思いですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 校長や教頭といいますか、教育委員会から見ていい教師というのは、私は、総合的に、人格的にも、資質もまた教える能力も、本人の経験、知識も、すべてが理想であると思います。子供にとってはやはり先生が、信頼できる先生である、尊敬できる先生である、自分たちのことを理解してくれる先生であると思いますし、子供といいましても年齢によりますけれども、具体的になりますが、教え方が上手な先生とか楽しく教えてくれる先生とか、いろいろあろうかと思います。  しかし、私は、どちらから見ても、行き着くところは同じような、視野の広い、資質の豊かな、人間性豊かな先生になるのではないかと思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 変な聞き方をして申しわけありませんでした。  今大臣がおっしゃるとおりなんですね。そのときに、やはり遊びのあるというか、幅のあるという言い方、もう少し言うと、遊びのある、遊び感覚とまで言っていいのかどうかわかりませんが、そういう部分を研修的な作用によって身につけている先生というか人間というか、そこが、子供たちにとっても、そして教育委員会や校長さんにとってみても、本当に多種多様な子供たちの前に立つ教師としての幅広い素養を持てるというふうに私は思うんですね。  ですから、大臣言われたとおりに、国がやる教員研修センターというところの制約はあるかもしれませんけれども、大まかに企画立案をして、独立行政法人という文部省ではない一つの部署をつくられたわけですから、そこに大きな裁量が発生して、その裁量がある部分について、自主的な判断に基づいて、現場のニーズに応じてこういう研修をやろうということが、多分この研修センターには求められてくるでしょうし、そのことを意図されて文部省もこういう形のものをつくっていかれようとしているというふうに私は認識をするんですが、政務次官、いかがでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 この独立行政法人のあり方、その根幹にかかわる問題だと思うのでありますが、独立行政法人を設立する場合においては、要するに、国民の生活実態、それに直接大きな影響を及ぼすようなものについては国、国立、国家公務員、それから、それほどではないがアウトソーシングしていく方が効率がいいと言われたものについては非公務員型、こういう二つの形があるわけであります。  しかし、特に教育でありますから、教育の根幹にかかわるような基本的なものについては、やはり国が責任を持っていく。そして、独立行政法人はまさにその実施部隊。研修をするということにかけてのプロの集団がそこで実態を動かしていくということになろうと思います。  研修機能そのものは行くわけでありますが、その研修の、どういう方向で行くか、今日本に起きている教育現場の、例えば不登校であるとかいじめであるとか、こういう大きな課題に対して、今回、研修の中心にしようという基本的なことはまさに中期目標の中に打ち立てていく、これは文部省の責任になってくるわけですね。そしてさらに、それを具体的に、どういう講師を選んで、中身をどういうふうにしていくかということについて、また、効果を上げるためにどうやるかということについては、これは行政法人が、やはりプロ集団の皆さんが企画をしてやっていくということでありますから、あらゆるものがそっちへ行くということじゃありません。  その裁量をどういうふうに考えるかということでありますが、一つの大きな目標が立った、それを具体的に実施するという裁量は、やはりこれは行政法人が責任を持ってやる、こういうことになるのであろうと思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 これまで、これまでというか今、文部省が企画立案をしたもの、大まかな、中期的なという言葉をよく使われますけれども、大まかな企画立案をやるのが文部科学省ですか、そしてアウトソーシングしてその実施を教員研修センターがやる。そのときに、一体でない組織、これまで一体だったのが一体でなくなることにしたときに、その分けたことにより国民的に大きなプラスになる。教員の研修の実施部隊と企画立案するところを分けて、国民的に大きな、大きなというか、国民がメリットとして受ける部分は端的に言って何なんでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 国民がと言われますが、まあ子供たちということになろうと思います。その前段にはまず、きょうの議論にもいろいろありましたけれども、研修漬けというような指摘もあった、そして研修そのものの効果が重複しているとかそういう問題もあった、そういうことをこの際精選をして、まさに教育研修効果が上がることによって、それによって、先生方が立派な研修をやることによってその効果を生徒に効果的に及ぼしていくということによって、大きな得るものがあるというふうに思います。  もちろん行政面からも、アウトソーシングすることによって文部省としても、本来の業務にも携わっていかなければいけない、今まさにかけ持ち的なところがあって、初等中等教育局がやる、教育助成局もやる、連携はあるでしょうが、いわば別々の形でやっておったようなものを、一つの教育研修という形で統一していくという行政的なメリットもあるわけでありまして、それらが総体的に、全体的な国民に及ぼすメリットを求めて、今回独立行政法人教員研修センターにする、こういうことであります。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 わかります。  教養審や中教審が出している、現場のニーズとか、その先生が持っている特別な能力をより拡大していくための、そういう現場感覚をどうぞこの新しい研修の中には入れてくださいよということをうたわれている中で、大まかに企画立案をする、そのことを研修センターは実施する、きちんとした形になったものを文部科学省が示すのではなくて、今日的な課題としてこういうものの研修をぜひ具体化していただきたいですねということを提案されるということですよね。  そして逆に、現場からのこういうことをぜひやってほしいというニーズや、いろいろな先生方の、いや、これは親たちでもいいと思います、子供たちでもいいと思うんですけれども、私たちはこういうものを実施してほしい、そういうものについて、逆に企画立案の素材を文部科学省に投げ返しますよということも、あってよろしいですよね。政務次官、いかがですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 委員御指摘のとおりでありまして、これには評価ということも入ってくるわけでございますから、それにたえ得るものでなければいかぬということにもなりますので、センター、現場が研修をこういうふうにやってみた、しかしこういう点をさらにやらなければいかぬ、どうであろうかということは当然起き得ることで、また起きてこなければいかぬことではないか、このように思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 端的に言って、この独立行政法人教員研修センターという、来年できるこれは、裁量権を持って、文部省ともいろいろなことをディスカッションして、現場の先生方、現場の親御さんたち、子供たちのいろいろなニーズ、意見もどんどん取り入れることができる、そういう生きた主体になり得るというふうに理解してよろしいですね。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 そのとおりで、そういう期待をいたしております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 ありがとうございます。  そこで、そういう主体になるためには、やはり、現場の先生方、親の皆さん、子供たち、広く国民の皆さん方にも、先生たちがこういう研修をやっておられるんだ、こういう研修ができるんだ、ではぜひ私も行ってみたいと。  けさから、リーダー、リーダーという言葉が出るんですが、リーダーイコール、先ほど私が言った、子供たちにとっても校長にとっても教育委員会にとっても本当にいい先生たり得るのかどうかというのは私はわかりません。研修ばかりやっていて、本当に現場に生かすことができているのかできていないのかというのは、人間の世界ですから千差万別だろうと思うんです。ですから、公開する、アカウンタビリティーというか説明責任の中で、こういうことをやっているんですよということを、こういう研修をやっているからこういうふうにおれも受けてみたいな、私も受けてみたいなということがガラス張りにわかるような仕組みというのを、当然多くの皆さんが望んでおられると思うんですが、その辺、政務次官、いかがでしょう。この施設、センターはどうなるんでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 この独立行政法人教員研修センター、先ほど来御説明申し上げておりますように、かなり研修の機能というものを絞り込もう、ということは、よく任命権者と言っておりますが、地方の教育委員会がそれぞれ研修をやっておるわけですね。また、先ほどの議論の中にもありましたが、できるだけ近くでやってくれという声が圧倒的に多いんだという声もございました。  したがいまして、東京へ出てきていただく、つくばへ出てきていただいて受ける以上は、一つはやはりその受けた研修をさらに地方において反映をさせていただくということがあるでしょう。そして、もっと緊急課題がある、これはやはり全国レベルで考えて、いろいろな各県で取り組んでおられることも一生懸命まとめて研究する必要もあるというようなこともあってやろうというような問題を中心に、ある程度限定するわけです。  だから、当然独立行政法人には情報公開ということも強くうたわれておりますから、そういうことを十分理解していただいて参加をしていただく、こういうことだろうと思います。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 まさにそのとおりだと思いますね。  そのときに、参加をされる主体としての現場の教職員が、ややもすると年の順番で決められたとか、そういうことじゃなくて、この人は若いけれども、本当にこの問題についてはいろいろな形でのアプローチをやりながら現場実践が積み重なっている、子供たちとも信頼関係もあると。例えば初任者でも構わないと思うんですね。例えばの話ですよ。  そういう形で、多様な先生方、教職員の皆さん方がいろいろな形でそこに入っていけるような、一方通行の、あなた行きなさい、あなた行きなさいというような仕組み、やはり精選された、国でやるというふうに限られていても、あなたが行くんだよ、もうすぐ教頭さんになる前だからあなたが行くんだよなんというような形での、上からの東京に行きなさいというような形ではない仕組みにしてもらいたいんですが、その辺はどのように理解したらよろしいでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 濱田委員御指摘のとおりでなければいかぬ、こういうふうに思いますし、今回のこの独立行政法人の研修センターのあり方はそういうものであろうというふうに思います。  派遣される教員、教員だけじゃございませんが、この選択については、これはやはり各教育委員会が責任を持ってもらわなければいかぬ。それぞれの県にとってその独自の、やはり教育効果が上がる、研修の効果が上がる、そして、その方にゆだねて、さらにそれを、一人だけで受けてきたらいいというものではありませんから、その結果が県のそれぞれの教育委員会に反映される、それだけの重い責任を負うわけでございますので、そういう意味で選んでもらいたい、このように思います。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 ありがとうございます。  現場のニーズ、いろいろな思いを引き上げて、裁量のある教員研修センターが文部科学省とタイアップしながらいろいろなメニューをつくっていく。そのための、現場的なニーズ、いろいろなものを引き上げていく方法は、研修を受けた人のアンケート調査ぐらいのことじゃなくて、もっといろいろな手法で引き上げることが可能な時代になっていると思うんですが、けさからのお話では、アンケートを見るとこうだというお話ぐらいしか、この間、初任者研修かれこれについてもなかったようですけれども、ほかにいろいろなメディアを使っての引き上げ方というのはお考えじゃないでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 アンケートの問題は、講師の選び方とか、もちろん今回の研修がこうであったということも聞かなければなりません。それを受けてまた次にどういう方を選んでいくかという、そっちの方がありますから。  あと、受講者の選び方については、これはやはり任命権者の方に大きな責任があるわけでございまして、こちらからだれをよこせというようなものではない、こういうふうに思っております。しかし、この研修センターの趣旨をよく理解していただいて派遣をしていただくということでなければいかぬわけでございますので、その点はそれぞれの教育委員会等々で十分ひとつ勘案してやっていただくし、研修、これは新しくこういう仕組みでやっているうちに、いろいろなまた御指摘等々も各教育委員会からも出てくるかもわかりませんので、やはりそういうものは、しっかり現場の声を聞いてやるということが非常に大事なことだというふうに思います。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 研修を受けられた人の感想とか、透明性の中で、こういう企画があるというのが現場の先生方、教職員にわかったときに、こういうものをつくっていただきたいとか、こういう中身をどうぞ盛り込んでいただきたいというのは、例えばホームページを開いておいて、そこの中にどんどんインプットするとか、そういう方法は幾らでもあるわけですので、そういう面のメディアの活用というものも私は申し上げたいというふうに思っているところでございます。  附則の第六条に、三項、職員の身分の問題が描かれているんですが、三項めに特に、「センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書の規定は、適用しない。」というふうに書かれているんです。細かく分析をしていないものですから大変失礼な聞き方になるんですが、これは、ここで働かれる職員の皆さん方が無権利状態に近い状態で置かれる可能性があるのではないかというふうに考えたんですが、そうじゃなくて、いや、これは逆にプラスの面を意識しながらこういうふうになっているんだよというのがあれば、お答えいただきたいと思います。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 附則第六条の趣旨でございますけれども、これは、独立行政法人に移行する機関の職員は、現在は国家公務員法上の職員団体を結成することができるわけでございますけれども、非公務員型独立行政法人に移行した後は、労働組合法上の労働組合を結成することができることとなるわけでございます。本条は、独立行政法人に移行する前に存在する職員団体につきまして、独立行政法人になった場合に、新たに労働組合としての設立手続を経なくとも当該職員団体が労働組合に移行できるよう、必要な措置を定めたものでございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 けさも出ましたけれども、新しい組織で働かれる皆さん方の職場での身分、これはやはりきちんとしたものがなければいい仕事はできないという、本来的な、人間の根源的なものを考えて対応をいただきたいというふうに思っているところでございます。  最後に、人間の世界ですので、いろいろな人がいて、いろいろな子供たちがいて、子供社会、大人社会も成り立っているわけでございます。  一緒に生活をするということと、特別に何かの理由があって、ある人たちだけが生活をする、ないしある子供たちだけが分かれて教育を受けるといういろいろな仕組みは、教育の機能の充実、効果を重点的に発揮する意味で、教育の技術的なものを含めての手法としてはあり得るというふうに理解するわけですが、分かれて学ぶ、別学ということを基本とする今の子供たちの振り分け方、これも今、現場段階でいろいろな取り組みがなされています。  共生、共学という形のインクルーシブ教育の推進ということがいろいろな国からも言われているわけでございますけれども、こういう面での教育の形態のありよう、そういうのを、人権の時代、そしてどんな子供たちも本当にそれぞれの違いを乗り越えて学習、勉強していくという時代の中で、より的確に文部科学省も指導をいただきながら推進をしていく時代になりつつあるのではないかなというふうに思うんですが、その点を、大臣の御感想なり御見解をいただければ幸いでございます。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 盲学校や聾学校や、また養護学校や特殊学級の生徒さんたちに対する配慮といいますか、そういう方たちの可能性を伸ばしていく、また自立性を高めていくということは、大変大事なことであると思っております。そういう子供さんたちが、障害の種類とか程度とかそういうものにかかわらず、通常の学級で障害のない子供とともに学ぶべきである、そういう考え方も大切でありますが、一方で、障害のあるお子さんにとっては、本当にどういう教育がそのお子さんのためになるかということも十分に配慮しなければならないと思っているわけです。ですから、お子さんの障害の種類とか程度に応じた最もふさわしい教育を受けられるかどうか、それはどういうものかということを考えながらこの問題は検討していくべきだと私は思っております。  社会参加とか自立に必要な力を培う可能性を損なわないようにしなければならない、そしてまた、ノーマライゼーションの理念の実現とか、また本人の生きる力、これの育成とか、そういう基本的な方向からも十分に検討する必要があるわけでありますが、今委員がおっしゃいました、別学というお言葉でおっしゃいましたので、私正しく理解できているかどうかと思っておりますが、すべてのお子さんを一緒に教育するということについては問題もあるのではないか、そういうふうに思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 いろいろな形態があると思うんですけれども、人間の社会はいろいろな人が一緒にいろいろな形で生活をするという基本だけは忘れないように、教育の現場でもしたいと思いますし、けさほど、特殊教育総合研究所で障害を持った子供たちのことについての研修はやるんだという政務次官のお話ございましたけれども、新しくできるこの教員研修センターとどういうつながりを持つのか、どういうジョイントをしながら、いろいろなことを交換しながら研修の中身を高めていくのかということなども、どうぞ研究を深めていただいて、開設に当たって御努力いただきたいと思います。  ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十一分休憩      ————◇—————     午後一時四十七分開議

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石井郁子さん。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。  法案の質疑に先立ちまして、北海道有珠山の噴火災害について、一問お尋ねをさせていただきます。  学校関係者の皆さんも、子供たちを訪ねたり励ましたりして、学校生活を立て直そうとこの間奮闘されております。きょうは高校の始業式だと聞いているところです。この問題では、一地域の問題にしないで、行政の支援を長期的に行っていくということを文部省に求めたいというふうに思うのでございます。  その一つといたしまして、被災地と周辺の学校について、教職員を加配してほしいという要望が地元から出ているわけでございます。  被災地では、使えなくなった学校があって、それを幾つか統合して、四つと聞いていますけれども、スタートさせているわけですね。非常時の中での学校生活ですから、いろいろなことがある。それから、被災ということでの子供たちのケアという問題が特別にある。先生方がいろいろ御苦労されているわけであります。  それで、こういう要望にこたえて、具体的に今こうしてほしいという形ではまだ文部省に上がっていないかというふうに思うんですが、今後、地元の判断で加配ということがやはり要求されてくるということは考えられるわけでありまして、文部省としては、国として、そういう場合でもそういう補助をしていくというお考えがあるかないかということをまずお尋ねしておきたい、文部省というか、大臣としての御見解をお伺いしておきたいというふうに思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 私自身、去る四月十七日、噴火の状況の把握や学校再開の現状の視察、また避難しておられる方々へのお見舞いのために、現地視察を行いました。  北海道の教育委員会からは、これまで、公立学校施設整備、教職員定数、児童生徒の就学支援等についての緊急要望をいただいたところであります。その中で、教員の加配等についての御要望もございました。  この教員の加配等につきましては、今後、北海道教育委員会から具体的な要請があれば、文部省として適切に対応してまいりたい、そういうふうに思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 この点では、被災地のみならず周辺の学校もまた大事なんですね、子供たちはいろいろなところへ避難というか、移動しておりますから。そういう学校でも、やはり特別なケアとかを考えなければいけません。だから、転居している子供たちも大事だということ。そういう意味でも、スクールカウンセラー、養護教諭などの加配等々、いろいろ適用範囲を広げていくということも含めて考えていただきたいということをまずお願いしておきたいと思います。  それから、高校でございますけれども、虻田高校というのがありまして、この高校はつぶれて使えないということで、仮設校舎の建設を検討しているというふうに聞いているんですね。その場合に、仮設の場合に、どういう補助を国としてされるのかということをお伺いしておきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 お話がありましたとおり、虻田高校は、本日二十一日から、豊浦高校など三カ所の施設を利用して授業を開始しております。北海道教育委員会では、避難指示がなお続く場合の対応として、応急仮設校舎の建設を計画していると伺っております。またこれも今後、国に対しまして具体的な要望があれば、適切に対応していきたい、そういうふうに思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 これは事務当局でもいいんですけれども、補助率ですね、ちょっと数字としてお願いできませんか。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 仮設校舎等の整備事業を利用します国の補助率でございますが、三分の二でございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 今お話し申し上げたことにとどまらず、いろいろなことが出てくるかというふうに思うんですね。また、長期化するということも予想されますので、国としてやはり子供たちのためにいろいろな積極的な支援策をとっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  さて、法案でございますけれども、もう既にいろいろ議論がありますように、これまで文部省と国立教育会館とで行っていた教員研修、これを一元化し、厳選しようということでございます。今後、教員研修ということで、どういうふうにどんな研修を行おうと文部省としては考えているのか、ちょっと漠然とした質問かもしれませんけれども、そういうことと、文部省はこのセンターで行う研修にどういうかかわり合いをしていくのかという点をまずお聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 まず、委員が二番目におっしゃいました研修センターに対する文部省のかかわりでございますけれども、文部省の方は文部科学省となりますが、こちらは、このセンターで実施する研修の分野とか対象とか課題とか、そういう基本的な事項について、学校教育におけるさまざまな状況等を踏まえながら中期目標として定めていくことになります。  センターの方は、この中期目標に基づきまして中期計画また年度計画を作成して研修事業を実施するものでございますけれども、そのセンターでの研修事業の具体的な内容とか方法、また規模あるいは実施時期等につきましては、センターが主体的に、専門的な見地に立って定めることとなっております。  それから、内容でございますが、国の方の行う教員研修は、これは、各都道府県等で教育内容、方法等に関する研究や研修をする上において中心的な役割を果たす教員の方々を主に対象とした研修、それから学校教育に係る喫緊の課題、その時々の喫緊の課題を中心とした内容の研修に限定することが重要である、そういうふうに思っております。  このように、文部科学省とセンターはそれぞれの役割を分担しながら、より効果的な教員の研修ができるように努力をしていきたいと思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 私は、昨年の通常国会で、国による教員の管理、統制を強化するための教員研修というのは必要がないという立場で、国立教育会館の廃止には賛成をいたしました。  ところが、今度は独立行政法人で教員研修センターをつくるということになりまして、これは何がどう変わるんだろうかということがいま一つ明確ではないという感じがするわけであります。今御説明のように、結局、文部省のもとにこの教員研修センターを、実務的にやる下請の機関をつくるというふうに言ってもいいと思うんですね。  それからもう一点大事なことは、教員研修センターの業務でございますけれども、これは法案の十条で書かれてあるところですけれども、学校教育関係職員の研修に際して指導、助言及び援助を行うことというふうにあるんですね。これは、今後、都道府県教育委員会等が行う研修に指導ができるというふうに考えられるわけですけれども、なぜ指導というふうに言わなくてはいけないんでしょうか。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 教員研修センターは、研修を実施いたしますとともに、先ほど委員からお話がございましたように、各都道府県等が実施いたします教員研修に対しまして指導、助言、援助を行うことといたしているところでございます。  これは、センターの持っております専門性を生かしまして、各都道府県等の研修が、特に具体的な実施についてでございますが、それがさまざまな学校教育上の課題に的確に対応したものとなりますように支援する観点から行うものでございます。  具体的には、研修につきまして、専門的、技術的な観点から、その方法の改善でございますとかカリキュラムの改善等につきまして、それを促すということなどを想定いたしているところでございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 一般的には文部省が指導するというのはわかるんです、指導するという、そこも問題はあるんですけれども。独立行政法人になるわけでしょう。しかも、実務部門を担当する。そこが、こういう研修ということで指導するというふうに言えるんだろうか。指導というのは、やはり大変権限も必要になってくるでしょうし、というと、やはりまさに指導ですね、上からの。上下関係ということになるわけでしょう。どうしても何か指導というのはちょっと理解しにくいんですよ。それが一つ。  それから、今お話しのように、具体的な実施で、支援をするとおっしゃいましたけれども、それはまさに支援、援助であるわけですから、助言、援助でいいのじゃないかというふうに思うんですね。だから、あえてやはり指導を入れるというのは、何かちょっと、独立行政法人のこの担当部門が扱うということについては私はふさわしくないというふうに思うんですが、この点をもう一点。正確に。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 指導ということをセンターの業務といたしましたのは、教員研修センターは、本来文部科学省が行うべき研修業務のうち、企画立案業務以外の実施業務を、いわば国に代行して実施するものでございます。そして、文部科学省設置法では、都道府県教育委員会等に対しまして、教育にかかわります指導及び助言を行うことができるとされているところでございまして、これを踏まえまして、教員研修センターの業務として研修実施業務にかかわります指導、助言、援助を行うこととしたものでございます。  これにつきましては、他の独立行政法人の業務規定におきまして、研修に関し指導を行うことを規定しているものといたしましては、この教員研修センターと同様、研修業務を一つの業務といたしております、私どもの所管でございますけれども、国立オリンピック記念青少年総合センターあるいは女性教育会館などの例においても、研修に関しまして指導を行う、そういう業務が業務として位置づけられているところでございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 どうも、文部省も指導する、そしてこの新たにできる独立行政法人の教員研修センターからも指導をする。何か指導が肥大化していくというふうにも考えられるわけでして、私は、やはりこういうやり方はうまくないんじゃないかというふうに思っているところであります。  そしてもう一点、これは通則法にのっとっての法人化でありますから、これは主務大臣が定める中期目標があるわけでしょう。そして評価があるということ、先ほども御議論がございました。  その中期目標としては、これは独立行政法人の通則法全体が、業務の効率化とかサービス、その他の業務の質の向上ということなんですよね。だから、効率化、サービスの質の向上ということでいうと、こういう研修センターというか、教員の研修という問題でこの通則法が本当になじむのか、どうなっていくのかという点を思うんですよ。  つまり、教員の研修というのは教員の資質向上のためだと言われているわけです、資質向上のためだと。一方で効率化だということで、これは研修ということが独法化になじむのかと言ってもいいかと思うんですが、その辺は、今後この問題、目標と評価というのを、研修と業務上どういうふうに具体的に考えられていくんでしょうか。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 効率化という御指摘につきまして、具体的に、中期目標、それから評価のあり方について、現段階における私どもの考え方を申し上げたいと思うわけでございます。  教員研修センターの中期目標につきましては、中央省庁等改革推進本部の決定といたしまして「中央省庁等改革の推進に関する方針」というものが出されているわけでございますが、それによりますと、中期目標は「独立行政法人の業務の内容、性格に応じた目標の設定となるよう特に配慮するもの」、そういうふうにされているところでございます。そういう意味で、私どものセンターにおきます中期目標でございますが、研修事業について、例えばその内容、対象あるいは課題、規模等の研修につきます基本的事項を定めることを、中期目標の内容として現段階では考えているところでございまして、そしてそのことが独立行政法人の、先ほど委員から御指摘がございました独立行政法人通則法で定めております業務の質の向上に関する事項に該当するというふうに考えるものでございます。  またさらに、御指摘がございました業務の効率化に関する事項でございますが、これにつきましては、これも現段階での話で恐縮でございますが、例えばでございますけれども、一つには研修事業の体系化あるいは整合性の確保に関する事柄、また研修内容の重点化に関するもの、そうしたものが業務の効率化に関する事項として考えられるところでございます。  さらに、お許しをいただきますれば、評価について申し上げますと、評価につきましては、先ほど申し上げました、中央省庁等改革の推進に関する法律におきまして、独立行政法人の評価委員会が設定する客観的な評価基準によるものとするとされているところでございます。まだ独立行政法人がスタートしておりませんから、そういう意味での評価基準というのはないわけでございますが、基本的には評価委員会が決めるものとされているわけでございます。  そこで、具体的なイメージとして私どもが考えておりますのは、先ほどの効率性との関係であるわけでございますが、改めて申し上げるまでもなく、センターの目的は研修等を行うことによりまして教員等の質の向上を図ることであるわけでありますが、教員の資質、能力につきましては、定量的な評価、定性的ではなくて定量的な評価にはなじみにくいものであるわけでございますから、センター業務の評価に当たりましては、研修事業の内容あるいは方法等が教員の資質の向上という目的達成のために適切であるかどうか、そういう観点から行うことになるのではないかと考えているところでございます。  しかし、いずれにいたしましても、センターの設置をお認めいただきますならば、今後、私どもといたしましては、センターの具体的な中期目標あるいは評価方法について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 どうも、今いろいろと一生懸命理論づけというか、理屈づけをしているような感じがしないでもないのですけれども、ちょっと十分納得いくような御説明にはなっていないわけであります。  ですから、独立行政法人という形で教員研修センターを置くと、都道府県の研修にも指導的な役割も果たすということが先ほどあったし、今のお話のように、やはり効率化の評価も絡んできますと、その内容が非常に大事だということを大変強調されている、方向づけも大事だということになりますと、それは具体的にはどういうことになっていくんだろうか、やはりどうも国による教員研修の統制、管理ということがその中に色濃く出てくるんじゃないかということを懸念するわけであります。  そういう点で、先ほど来、現場からの要望というのを研修の場合は本当に一番大事にしなければいけないということがあったと思うんですけれども、どうもそうじゃなくて、逆に上からの研修ということが非常に強まるということを大変心配するわけであります。そうなってはいけないということを特に強調しておきたいというふうに思います。  実は、この間、国立教育会館でずっと文部省が実際に中央研修あるいはいろいろな分野ごとの研修ということをされてきたというふうに思うんですが、それが一体どういう研修だったのかということで、私も資料をいただきたいと言ったのですけれども、なかなかすぐにはお見せいただけなかったということがあります。それから、新任の校長研修という研修でも、どういう研修をされているのか、これは当然知りたいわけでしょう。ところが、レジュメがあっても、肝心なところでは内容がないという状態もありました。  だからやはり、そういう形で行う研修というのは本当にいいんだろうかというふうに思いますし、その中の内容でいえば、いろいろ議論もあるところでありまして、例えば学校経営マネジメント論だとか、リーダー論とか、人生論だとか、そういうことが校長先生も必要だというお考えもあるでしょう。しかし一方で、やはりやり方も、内容も非常にトップダウン的だということを感じるわけであります。ですから、本当にそういうものにならないような研修という点でいうと、これから大変大きな課題を抱えていくんじゃないかというふうに思うわけであります。  それで、私が強調したいのは、そういう教員研修が文部省主導で行われるということと、もう一方で、大事なのは本当に現場の教員が必要とする研修だというふうに思うんですね。これも先ほどの議論にもありましたけれども、教育公務員特例法の十九条で強調されているとおりで、これはもう教員という職責上、絶えず研修をしなければいけない、それをやはり行政が奨励あるいは支援をしなければいけないということだというふうに思うんですね。  そこで伺うのですけれども、文部省として、本来必要なそういう教員の研修についてはどういう支援施策を行ってきたのでしょうか、またいくつもりでしょうか。その点をお伺いしておきたいというふうに思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今委員おっしゃいましたように、教員は日ごろから研修を行い、また修養を行って資質の向上に努めていただくということが大変大事である、そういうふうに思っております。個々の教員の方々の自主的な、主体的な研修意欲に基づいた研修をできるだけ奨励をいたしまして、そして、そのための支援体制の整備を図ることも重要であると思っております。  昨年十二月に出されました教育職員養成審議会第三次答申におきましては、今申し上げましたような教員の自主的、主体的研修活動の奨励、支援の具体的方策について、都道府県、市町村における取り組みとして、個々の教員のニーズに応じた多様な内容の、また方法の研修機会の提供、それから情報の提供、あるいは指導者の派遣などの支援策が提言されているところであります。私どもといたしましては、この二月に、研修の実施主体であります各都道府県の教育委員会等に対しまして、今申し上げた答申の中の具体的改善方策等を参考にして、教員研修の見直し等に係る取り組みについて積極的に対応をお願いする旨の通知を出しまして、必要な対応を促したところでございます。  また、この答申におきましては、国における取り組みとして、可能な限り多くの現職教員が多様な形態で修士レベルの教育を受けることができるようにするための条件整備を行うことも提言されておるわけでございまして、文部省としては、この答申等を踏まえて、大学院で勉強ができる大学院修学休業制度を創設するための法律案の御審議をお願いし、先ほど、本日の午前の参議院本会議で成立をさせていただいたところでございます。  さらに、教員の方々の自主的な研修活動、研究活動の促進を図るため、初等中等教育に関する中央教育研究団体に対する補助を行ってきているところでございまして、今後とも、教員研修における国の役割を踏まえつつ、教員の方々の自主的また主体的な研修の奨励、支援を行ってまいりたいと思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 私は、やはり個々の教師が自主的に研修をするその時間の保障、条件の保障は絶対的に必要だというふうに思うんですね。もうこれは言うまでもなく、今の日本の学校現場は、まずその時間がない、忙しいということで、先生方が本当に疲労こんぱいをしている状況があるわけでしょう。  それからもう一つ、研修というのは学校の職場で集団で行う、職場研修とよく言うのですけれども、そういう保障が大事だと私は思うんですよ。今それが本当にないんですね。学年とか学校全体で教員同士がお互いの授業を見せ合ったり、あるいはその授業をもとにしていろいろ議論をする、研究を深めるということがない。  それは、だって、子供とか地域というのはそれぞれ違うわけですから、その学校の状態に即して、ここの学校はどういう教育活動をするのか、今何が求められているのか、どこを改善するのかという、それは職場で研修するということが一番大事なんですよ。  しかし、本当にそういう学校が今どれだけあるだろうかという点でいうと、私の聞く限りでは、非常にそれがない。例えば中学校の先生などでは、朝早くから、それこそ校門で生徒を待ち受けて、そして一日学校内で駆け回って授業をして、午後クラブ活動をして、土曜日も日曜日も部活で出ていってという形でいうと、本当に先生方は研修をするということに飢えていると言ってもいいぐらいだと思うんです。  だから、私が申し上げたかったのは、やはりそういう条件を本当に文部省は真剣に見て、受けとめて、変えるという支援こそ、本当に研修を奨励する道だというふうに思うんですね。この間、大学院に行って一年から三年まで休めるということも、それはいろいろありましたけれども、日常的にやはりそれをどう保障するかということがないと、学校は活性化しないと思います。そして、本当に子供に向き合ったいい教育活動になっていかないというふうに思うんですね。  そういう意味で、この教員の現状を解決する努力、これは教員をふやすことを含め、教員の負担を軽減するということを含め、いろいろな問題があるんですけれども、本当に文部省としてそういうことに真剣に取り組むというお考えがあるかどうかということで伺っておきたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘をいただきました点は、文部省としても当然これは研修の重要性にかんがみて、そして研修を一つに一本化して行政能率も上げながら効果的にやる、しかも中央でやる研修についてはある程度限定をして、厳選をして、そしてまた地方もしっかりやっていただくという体制をとっていこうということでありますから、そういう面では、今回のこの独立行政法人化することによって研修の成果というものが大いに上がるというふうな期待を持って、また文部省もその責任を持って果たしていきたい、このように考えております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 残りの時間で、研修とかかわると思いますので、そういう立場で、私は名古屋市のあの五千万円恐喝事件について幾つかお尋ねをしたいと思っています。  今春卒業した生徒たちなんですね。だから、中学三年生の時期にあの衝撃的な恐喝事件があったわけです。五千万という数も驚きですけれども、子供同士が暴行と恐喝を繰り返すという中での事件なんですね。この問題はもう今、新聞等々、週刊誌も書いておりますから、背景、要因等々いろいろ考えなければいけないということは言うまでもありませんし、事件の全容を必ずしも全部知り尽くしているわけじゃないという状況ではあるんですけれども、報道の限りにおいてということで私は質問をさせていただくわけです。  それは、この事件の焦点の一つが、母と子が昨年七月にもう被害を訴えていたのに、この三月まで学校も警察も対応できなかったという問題なんですよ。これはなぜそうだったのかということを明らかにしないと、やはりこれからの再発防止にもならないし、世間は納得しないというふうに思うんですね。  警察の問題でいえば、新潟のああいう不祥事の事件があって、やはり初動ミスがあって、そしてまた、うそ、ごまかしの発表があって、社会的に大変怒りが起こっているわけですが、今回も、同じような意味でやはり警察への批判は大変あるというふうに思いますね。つまり、例えば被害届が九件出ていてもその三件は放置していただとか、あるいは訴えてもちゃんと対応しないという問題などがあるし、最初の会見でもやはり本当のことを言っていないという問題があるんですけれども、私は警察のことはおきまして、やはり今、同じように学校の問題が問われているということなんですね。  学校の対応なんですけれども、学校も最初の対応がくるくる変わっているわけであります。その一つは、学校のこの間の対応でいうと、七月一日と言われているんですけれども、親と子が一応学校と相談をした。そのとき、学校は警察へ行くことを勧めているんですよね。こういう学校の対応が一つ。  それから、事件がわかって、校長先生がマスコミに出て言われたのは、学校は今までわからなかった、加害の少年たちのことはわからなかった、それは被害者が名前を言わないので対応できなかったという言い方をしているわけですよ。それから、さらに重大なのは、学校はもう限界ですと。こういう発言をされたら、これはちょっとどうなんでしょうかと言わなければいけないように、この問題では何かもうお手上げ状態のような話が聞こえてくるわけです。  もう一つ、三つ目の問題で言いたいんですけれども、しかし一方、学校側はこの加害少年の数人のグループの行動は逐一知っている。その膨大な記録も持っている。これも新聞に報道されましたよね。だから、それほどのこういう少年たちだということを知ってもいる。しかし何をしたのかが見えてこないというふうに私は思うんです。  そういうふうに私は今ちょっと整理させていただきましたけれども、この事件で、今の段階で文部省は学校の対応についてどうお考えなんでしょうか。これは大臣の御所見として伺いたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 委員もおっしゃいましたけれども、中学生がこのような事件を行ったということ、それから約五千万円という多額な被害額になった事件であることに、大変私も衝撃を受けております。  この事件につきましては、名古屋市の教育委員会を通じて詳細な事実の把握に今努めているところでございますが、現時点での名古屋市の教育委員会からの報告によりますと、学校といたしましては、初期の段階から、被害者やその保護者に対し、家庭訪問やまた電話連絡などの対応を継続的に行ったそうでございます。家庭訪問も三十回近くしたそうです、その中ですべてがお会いできたわけではないとのことでありますけれども。それから、警察へも適宜情報を提供するなどの連携を図ってきたということであります。  私の立場からすれば、被害者、加害者両方の御家族にもまた問題があったのではないかと思いますし、警察の対応もまた、いろいろな方から御指摘があるところでありますが、学校のことについて申し上げれば、加害者への指導も含めました、校長のリーダーシップのもとでの校内全体での組織的対応が十分ではなかった、そういうふうに思っております。結果として恐喝事件としての対応がおくれて、傷害とそれから多額の被害が発生してしまったことにつきましては、大変残念に思っております。  今回の事件を受けまして、名古屋市教育委員会におきましては、教育長を初め関係部課長等で構成する問題行動緊急対策会議を設けて、詳細な事実関係の把握に現在努めるとともに、この事件を教訓に、事件の再発防止に向けまして、被害者や加害者が在学していた扇台中学校へ必要な指導、支援を行う、それから市内の全学校等に対しまして、これまでの生徒指導の総点検を求めるなど、緊急また総合的な取り組みを行っているものと承知をいたしております。  早期にこの一連の事件が解決をされまして、全容が解明されることによって、この教訓を生かした生徒指導が行われて、二度とこういう事件がないように、私たちも私たちの立場で努力をし、また指導をしていきたいと思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 私、最初に、この問題はやはり教員の研修と関係しているんじゃないかと申し上げたのですが、それはいじめ問題があるからなんですよ。文部省も、いじめ問題については、この間いろいろと重視をして取り組みをされてきたというふうに思いますし、いろいろ研修もされてきたんじゃないかというふうに思うわけであります。  今回の事件でも、恐喝には暴力を伴って、必ずいじめを伴っているわけでしょう。それから、いじめ問題は、いじめグループでいじめる側といじめられる側が交代に、立場を変えたりして、そのグループとした中でいじめがあるということが特徴なんです。愛知では、六年前に大河内君の事件があって、いじめ問題が大きな社会問題になったわけですね。今回の事件も非常に構図が似ているんですよ。金品が絡んでいるし、そして本当に執拗ないじめがあって、とうとう大河内君の場合はそれを訴えられなくて自殺をしたわけですけれども、今回は訴えている。訴えているのに、救えなかったという問題が一つ。  私は、大河内君のいじめの教訓が生かされていなかったんじゃないかというふうに思うわけですけれども、文部省がこれほどいじめを重視をして、いろいろ研修もしているし、通知も出して通達も出していると思うんですが、にもかかわらず、いじめの問題でやはり十分な解決というか、力を発揮し得ていないんじゃないかということを非常に問題にしたいわけであります。  それは、現地の報道及び状況でいいますと、例えばいじめ対策会議は毎週一回やっているというんです、この学校では。それから、心の相談員を置いたでしょう。その相談員がいるけれども、そこにはこの加害者、被害者の子供たちは相談に行っていないわけです。それから、地域でも取り組みをといって、地域で連絡会もつくっているそうですね。そこでも、恐喝、暴行の事実は話されていないというんですよ。だけれども、地域ではみんな、みんなと言うのは失礼ですけれども、親も子供たちも、こういう子供たちがいるということを知っているわけですよ。タクシーを乗り回しているということで有名な話になっているわけでしょう。だけれども、学校の会議の中ではそういう子供たちのことが話されていない。これは一体何なんだ。  つまり、こんな会議を持ったりいろいろやっているけれども、機能していないということじゃないですか。そうでしょう。だから、そこのところは、何で機能しないのですかという問題としてきちんと文部省が受けとめないと、これでは本当に世の中の皆さんは納得しないですよ。  それは、私は結論的に言いますと、この点では市長さん自身が、これは十七日の新聞でやっと登場されているんですけれども、この市長さんは前の教育長さんでもあり中学校の校長先生でもあられたという方なんですが、こうおっしゃっているんですね。以前からいじめ、不登校に対処する機関があるが、きちんと対処された形跡がないと言うんです。私は、ここにやはり深刻な問題があるというふうに思うんですね。  だから、やはり形どおりじゃなくて、何で対処できないんだ、機能しないんだ、ここをちょっと考えてほしいということなんですが、そういう問題意識はお持ちでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 かねてから、こういういじめの問題に対する対応というのは学校においても行われてきたところでありますし、委員も御案内のとおり、全国のいじめの件数というのは、幸いなことにこの三年間減少傾向にあるわけでありまして、これらの対応が、十分ではないにいたしましても、少しずつ効果を上げてきたのかなと思っておりました。しかし、今回こういうような事件が起きまして、今委員も御発言ありましたけれども、これを機会に十分また反省をして、さらなる対策をとらなければいけないと思っております。  新潟における少女の監禁事件にいたしましても、あれだけの長期間監禁されながらこれが解決できなかった、捜査できなかったということもありますし、今回の問題も、今、皆さん、ほとんどの方が御存じだったというお話でありますが、そういうことを考えますと、社会全体が、自分のことのみならず、地域のことやいろいろなことについて思いやりの心とか気配りを持って、地域がより安全になるようにしていかなければいけないと思います。  そして、学校のことでございますが、学校においても、校内全体で組織的対応とかそういうものもやってまいりましたけれども、先ほど校長のリーダーシップが十分でなかったのではないかと私は申し上げましたけれども、十分な効果を発揮していなかったわけでありまして、そういう意味で、今後さらに今回の事件の原因とか経過とかを十分に精査しまして、なぜ早期の発見、解決ができなかったのかなど、そういう事実関係を把握しながら今後の対策をまた考えていきたい、そういうふうに思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 私は、校長のリーダーシップが不足していたというふうに思わないんですね。やはり何かが欠けているんですよ、その学校全体が。  そのことで一つ二つ私の考えを申し上げたいんですけれども、これもまた、もし事実だったら本当に驚くことだと思うんです。これは、週刊誌も新聞も、そして現地のお母さん方も言っておられるんですけれども、問題行動の主犯格の、A少年とよく言われますけれども、その子供たちは、不登校だと言われますが、学校に来ると、生徒指導の先生が門に立っていて、おまえは学校に来るなと言う。義務教育で先生がそんなことを言っていいんでしょうか。これは私は重大な発言だと思うんですね、そういう事実があったとしたら。  それで、学校に来ても教室に入れないというふうにやっているそうです。これは生徒たちがみんな見ているわけですから、知っているんですよ。この学校は二十七クラスで、一学年十クラスあるんだけれども、十一クラスあると言われていて、その子たちは特別なクラスだと。それは保健室であったりするんですけれども、保健室には行く、こういうんですね。  この保健室も、私もずっとこの文教委員会で質問していますけれども、三十学級以上でないと二人配置になりません。この学校を聞いてみたら、二十七クラスで、やはり一人だったと。大変だと思うんですよね、こういう子供たちが保健室に行くわけですから。そういう養護教諭の複数配置もできていないという問題があるんですが、まずそういう、来るなと言う学校、義務教育でそういうことをしてしまう。  だから、少年問題というのは教育的な指導や援助で解決をしていくというのが原則じゃないかと思うんですけれども、まず突き放している。私は教育者がこれを言ったら本当におしまいだというふうに思うんですけれども、そういうことが出るという学校の問題。  それから、本人が名前を言わないからわからないんだというふうに先生が言う。いじめが怖くて本音を言えない、そういうことは当然考えなければいけないし、わかる話なんですよ。それが、言ってこないから私は知らない、だから知らなかった、見なかったで済ます。こういうことだったら、本当に子供は学校を信頼しない。  だから、私は、子供と学校の信頼関係が本当に今もう一部ではないんだなと、今回の事件でも思うんですね。子供たちは本音を言っていませんよ。怖くて言えないし、先生に言っても先生は助けてくれない。そう見ているからですよ。だから、ここを本当に今変える、メスを入れるというか、考えなければいけないということを強調したいというふうに思います。  愛知では、私はこれもずっと質問してきましたけれども、内申書で日常の行動の記録や何かの点数が半分だというんですよ。それで、五段階評価の三が一つでもあったらもう進学校には行けない、こういう仕組みがあるということも有名な話なんです。  だから、やはり今の学校は病んでいる、今回の事件は、やはりそれを示したと思うんです。だから、大人一般の責任にしないで、学校として何ができるのか、どういう学校に取り戻していくのかということを、教育行政に携わる人が今真剣に投げかけないと、取り組まないと、子供たちの心は閉ざされていくだろうというふうに思うんですね。  このことをちょっと申し上げまして、ちょうど時間が参りましたので、終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、笹山登生君。

笹山登生自由党

○笹山委員 自由党の笹山登生でございます。  平成十一年の九月に教育改革プログラムというものが出されまして、今回のこの法案も、広い意味ではその流れの中にあるのではないかというふうに思うわけでございます。  その際の四つの柱が、心の教育の充実、そして二番目は、個性を伸ばし、多様な選択ができる学校制度の実現、そして現場の自主性を尊重した学校づくりの促進、そして大学改革と研究振興の推進、この四つだと思っているわけでございます。  それで、教育改革の先進国でありますイギリスの例でございますけれども、サッチャー政権時代、八〇年代から九〇年代にかけまして、矢継ぎ早にいろいろな教育改革をした。その辺の評価というものがだんだん出てきているわけですね。余り芳しくない評価というものも中にはあるわけでございます。  例えば、選ばれる学校と選ばれない学校との二極分化が生じてきた。あるいは、親の経済的、社会的な地位によって選択に制約が生じている、親の選択というものが結局の選択になってしまっている。あるいは、貧困な家の子供に私学へ行かせるための奨学金制度というものが実際は富裕な家庭のものになってしまっているとか、あるいは、企業との連携のカレッジというものあるいは中央直轄の公立校というものが、実際はエリート校の一変形にすぎなくなってしまっているというような、イギリスの教育改革の評価というものは、現時点では余り芳しくないということになっておるわけでございます。  そこで、日本におきましても、近時のバブル崩壊後、親の経済的な状況が非常に変わってまいりまして、そして、そのこと自身が子供の多様な選択、イコール親の多様な選択なんでありますけれども、それを狭めているというような状況もございますし、特に、私学、私立の中学校、高等学校におきましては、学期の途中で公立校に泣く泣く転校する、そういうような例も結構多いわけでございます。  ですから、私の考えますに、今、セーフティーネットという言葉がございますけれども、教育の世界におきましても、親の経済的な状況にかかわらない教育のセーフティーネットというものもやはり考えておく必要があるのではないか。奨学金制度、あるいは私学におきますれば授業料の延納とか、いろいろなソフトがあると思うんですけれども、その辺をやはりもう少し充実する必要があるのではないかというのが一点でございます。  二点目は、教育というものを公共財の一つの供給というふうな観点で見た場合、供給を市場メカニズムにゆだねるということでどのような問題が生じるのかというようなことも、やはりこの際考え直す必要があるんじゃないかというふうに思うわけでございます。  例えば、私学の重視、教育産業への依存、あるいは産学連携、これはいずれも市場メカニズムをもとに、ある一部をゆだねるわけでございますから、そうしますと、バブルの崩壊等の経済基盤の沈下によって、このこと自体が、このスキームがもろくも崩れてしまうというようなことであるならば、やはり経済変動に左右されない、保障的なものが必要なんじゃないかというのが二点目でございます。  教育の市場化と言われているわけでございますけれども、私は、教育の市場化というのは、効率化とか、あるいは自由な選択、多様化、こういうものには寄与すると思いますけれども、やはりどうしてもショートラン、短視的な評価を迫られる、あるいは非永続的な効果しか上げられないというような、市場化に伴う一つのデメリットというものもあるわけでございますので、ぜひともその辺の、いわば市場化に依存してこれまで改革というものを進めてきた面もあるとすれば、やはりここらである程度の再評価というものをする必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 委員の第一点の、経済的な負担の問題といいますか、教育機会均等を進める上で、私学助成を初め、もっとそういう点を力を入れていくべきではないかという御指摘がありました。  私も同感の気持ちでお聞きをしておったのでありますが、日本の教育は、特に教育の機会均等ということに非常に力を入れて今日まで来て、それなりの成果を上げ得たと思うわけでございますが、一方では、例えば少子化対策等の問題を突き詰めていきますと、やはり非常に教育費にお金がかかり過ぎるというようなことが浮かび上がってきておるわけでございます。  そんなことで、特に奨学金等の整備については、この際私は思い切った形をとっていく必要があろうと。今まで奨学金というのは、経済的な面とか、特に成績のいい人には奨励的な意味とかがあったわけでありますが、いわゆる学生生徒の自立を促すという面から考えてみても、やはり奨学金を望む学生には、一律にといいますか、全員奨学金をもらえるような形、金額等はみずから選択をしていくというような形をとるべきだと。既にそういう形を今とりつつあるわけでございます。  ただ、特に経済的に困っておられる方、また、今回のようなリストラ等に遭われて経済的にピンチである、そういう方々には緊急な奨学金制度、緊急採用奨学金制度を実施しておるわけでございまして、私は、その点については配慮はしてきたというふうに思っているわけでございます。  さらに、まだ不備な点があれば十分考えていかなければなりませんが、奨学金については思い切った形をとってやっていくことが、これからの、教育の機会均等を進める、また学生の自立を促すとか、そんないろいろな面、あるいは少子化対策等において、教育費に金がかかる、国民のそういうものに対してこたえていくことになると思っておるわけでございます。  平成十二年度においても、先ほど申し上げましたが、保護者の失職など、こういう急変の場合には、高等学校等においても、児童生徒を支援するための授業料減免事業臨時特別経費ということも措置をいたしたようなわけでございます。  また、公私の格差の問題等も強く言われておるわけでございます。私学助成については、これまで文部省も大変力を入れて努めてきたつもりでございますが、少なくとも大学においては非常に格差は縮まってきておりまして、授業料等で見れば一対一・七八ぐらいまで縮まってきておるわけでございます。  しかし、まだまだ私学助成はこれで十分とは言えませんので、もっと私学助成にも力を尽くしていきたい、このように考えております。

笹山登生自由党

○笹山委員 教育のセーフティーネットというのはちょっと耳なれない言葉でございますけれども、ぜひともそういうような観点から施策もお願いしたいというふうに思うわけでございます。  私の知り合いに変わった方がおりまして、ある国立大学の先生なんでありますけれども、ゴカイ、ミミズですね、これの専門家がおりまして、この方に言わせますれば、その土地土地のゴカイを見ただけでその土地の環境状態なり生態系がすべてわかるというような方なんであります。こういう方は、恐らく二十年に一回ぐらい、ジャーナリズムにもてはやされるか、あるいは論文がハイライトを浴びるかというような、そういう一つのまれなることを専門とする人間だと思うのですね。  しかし、こういう方が、二十年に一回日の当たる、あるいは百年に一回も日の当たらないかもしれない、そういうテーマを抱えながら国立大学に奉職されているというのは、これは一つのキャパシティーだと思うのですね。国としての一つの度量だと思いますし、また、これが、いつシーズとなって、芽が出、そして花が咲くかもしらぬ、技術大国日本の一つの種であるというふうに私は思うわけでございます。  ですから、今回の研修というものがどういうような内容になるかわかりませんけれども、余り短視的でない、余り非永続的でない、超ロングランのマクロの評価も得られる、あるいはそういう百年に一回芽が出るかもわからない研究者も存続し得るような、そういうような評価体系というものも必要なんじゃないか。それがやはり、大国日本としての、これからの教育立国としての一つの大きな財産なんじゃないかというような感じがするわけでございますので、懐妊期間の長い教育なり研究成果も可能とするような体制というものもひとつ御尽力いただきたいと思いますが、最後に大臣にその辺の御見解もお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 社会が急速に変化しておるわけでありまして、そういうものにこたえて、高等教育全体も対応をとらなければなりませんし、また、活性化も図っていかなければなりません。そして、国立、私立、公立、それぞれが期待される役割というものを十分に果たして、かつ、特色ある研究体制、教育体制をとっていくということが重要であると思っております。  国立大学につきましては、その社会的責任といたしまして、例えば計画的な人材養成とか新たな人材需要への対応とか、先導的、長期的、基礎的な専攻分野における教育研究の実施、今委員からお話ありましたような長期的な研究等が、国立大学等でのまた一つの研究の分野でもあろうかと思います。それから、社会的な需要は少ないけれども重要な学問分野の継承、また各地域特有の課題に応じた教育研究と、これを通じた地域社会への貢献、こういう機能を果たすべきだ、そういうふうに考えておりますし、またそれが期待されているところだと思います。  さらに、公立大学につきましては、当該自治体における公立大学の設置の目的に沿った、そしてそれぞれの地域の向上、発展につながる、そういう特色ある教育研究をやることが重要でございます。  そういうところから、文部省といたしましては、国公立大学が今後ともこれらの役割をより適切に果たしていくことができるような、効率性のみにとらわれることのない、長期的な視野に立った教育体制、研究体制というもの、これの充実に努めてまいりたいと思っておりますし、今委員がおっしゃいましたように、評価という意味におきましても、これは研究内容等によりましていろいろ事情が違いますから、十分そういうものを配慮した上での評価を行っていく、また研修体制についても同様な点を配慮しながらやることが重要だと思っております。

笹山登生自由党

○笹山委員 これで終わりますが、度量の深い、そしてキャパシティーのある、そういう教育立国を目指しまして、ひとつ頑張っていただくことを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。石井郁子さん。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人教員研修センター法案に反対の討論を行います。  反対の理由は、この法案によって設立される教員研修センターそのものの存在意義が認められないからであります。このセンターは、これまで国立教育会館、文部省がそれぞれ行ってきた研修業務を移管し、運営することとしています。これまで国立教育会館、文部省が行ってきた研修の内容を見ると、その主たるものは、文部省主導の教育改革の実施に対応できる教員を確保するとの観点から実施され、対象も校長、教頭及び将来指導的立場に立つ教員を中心にしており、国による管理、統制強化のための研修であると言わざるを得ません。このような研修を一元化して実施しても、その役割は変わるものではなく、センターの設立でかえって文部省主導の研修が再編強化されかねません。  国立教育会館は、昨年の通常国会で解散を決めたものであり、そのまま解散すべきで、このような新たなセンターの設立は必要ありません。  教員研修とは、教員が自主的に不断に行うものであり、そのための条件整備を進めることこそ本来の国の責務であることを主張し、反対討論とします。(拍手)

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、独立行政法人教員研修センター法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、内閣提出、参議院送付、著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。中曽根文部大臣。     —————————————  著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 このたび、政府から提出いたしました著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  我が国の著作権制度については、これまでも逐次改正をお願いし、その充実を図ってまいりましたが、近年、情報技術の発達、普及に伴い、さまざまな形態での著作物等の利用が可能となっているとともに、著作権等の侵害の可能性も高まってきているところであります。  このたびの改正は、このような利用動向の変化を踏まえ、著作物の公正な利用とのバランスにも留意しつつ著作権制度のさらなる充実を図るため、所要の措置を講ずるとともに、世界知的所有権機関、いわゆるWIPOにおいて、平成八年十二月に採択された著作権に関する世界知的所有権機関条約の締結に伴い必要となる国内法の整備を図ることを目的とするものであります。  次に、この法律案の概要について申し上げます。  第一は、情報伝達手段の発達により可能となった視聴覚障害者のための著作物の利用について、著作権者の許諾を得ずに自由に行うことができるよう定めるものであります。  視聴覚障害者の福祉の増進の観点から、コンピューターを用いた点訳や、放送番組等の音声内容をコンピューターを用いて字幕化し、ネットワークを通じて送信することを自由に行い得ることとするものであります。  第二は、民事上の救済規定及び罰則規定の整備を行うことであります。  著作権の実効的な保護をより一層充実するため、著作権等の侵害行為を立証するために必要な文書提出命令の範囲を拡充する等の民事上の救済規定を充実するとともに、侵害に対する抑止力を高めるため法人に対する罰金額の上限を引き上げることとするものであります。  第三は、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締結に伴い、同条約締約国の著作物に対する著作権法等の適用関係を明確にするための規定の整備を行うものであります。  最後に、施行期日についてであります。  この法律は、著作権に関する世界知的所有権機関条約に係る部分については同条約が日本において効力を生ずる日から、その他の部分については平成十三年一月一日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十六日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十七分散会

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