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147回国会衆議院2000/04/19

文教委員会 第12号

発言数
222
登壇者
20
会派数
8
開催日
2000/04/19

会議録

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として文部省教育助成局長矢野重典君、文化庁次長近藤信司君及び建設大臣官房審議官三沢真君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。

下村博文自由民主党

○下村委員 おはようございます。自由民主党の下村博文でございます。きょうは長丁場でございまして、よろしくお願いいたします。  四月十四日に教育改革国民会議の第二回会合がございました。前小渕総理は、教育改革を内閣の最重要課題と位置づけて教育改革国民会議を発足させたわけでございますけれども、その後を受けました森新総理も、同じような思いの中で、教育改革国民会議第二回会合の中でこのように発言をされております。「私は教育基本法の見直しを含め、「教育は何のためにあるのか」、「学校は何のためにあるのか」を率直に問い直し議論すべき時期に来ていると考えております。」ということで、教育基本法の見直しということを明確に発言されていらっしゃいます。  中曽根文部大臣におかれましても、これは平成十年三月の参議院予算委員会のときに教育基本法について御発言をされております。そのとき御発言をされた内容について、ちょっと時間の関係で私の方から簡単にお話し申し上げますと、大臣は、「この教育基本法には、人間として生きていく上での基礎である家庭とか家族や友人を大切にするとか、我が国の歴史や文化や伝統を尊重するとか、そして国を愛する心を養うとか、そういう日本人としての基礎、基本を教える、つまりどういう人間をつくろうとするのか、そういう理念や精神が欠けている、魂のない、余り血の通っていないものであると、私はそういうふうに思っております。」こういうふうに御発言をされております。  そして、「戦後の日本の教育はこの教育基本法がすべての出発点となっております、教育の憲法ともいうべきこの教育基本法をこの際ぜひ改正して、私が申し上げましたような理念や精神を織り込んでいただいて、日本人のための教育基本法をぜひつくっていただきたいと思います。」ということを、参議院の予算委員会で平成十年に御発言をされていらっしゃるわけでありまして、私も一〇〇%、全く同感をしております。  そういう中で、ぜひ中曽根文部大臣の在任中に、この教育改革国民会議で既に議論をされようとし、また明確に教育基本法について総理が触れていらっしゃいますので、中教審におきましても、この教育基本法の改正についての議論については同時並行で着手すべき、そういう時期に来ているのではないかというふうに私は考えておりますが、この中教審の中で、いつ、どのような形で、具体的にこれからこの教育基本法について議論をされる予定があるかどうかについて、まずお聞きしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 委員から、私の平成十年三月二十四日参議院予算委員会における質問についての御発言がございました。確かにそのとおり発言をいたしております。また、そこでの、今委員が御紹介いただきましたような認識を持っておりまして、今もそういう認識を持っております。  教育改革国民会議は、御案内のとおり、教育のさまざまな問題について幅広く国民的な議論を行う、そして教育の根本にまでさかのぼった議論を行っていくということでございます。また、中教審における審議事項につきましては、これは教育改革国民会議の動向を勘案しながら今後の審議の内容については検討していくということでございますが、御案内のとおり、国民会議の方はまだ三月末に第一回が開催されてスタートしたばかりでございます。今後、回を重ねるにしたがいまして、議論の内容も方向性というものが出てくるのではないかと思っておりますが、国民会議と中教審は、その性格とか、それから期待されている役割が異なるものでありまして、両者の役割分担をする必要があるのではないか、そういうふうに思っております。  教育基本法につきましては、もう制定以来五十年以上たっておりまして、先ほど私の質問の御披露をいただきましたけれども、そのほかいろいろな御意見があるわけでありまして、この見直しについても幅広く御議論いただいて検討していくことが大事である、そういうふうに思っております。

下村博文自由民主党

○下村委員 中曽根文部大臣のお父様でございます中曽根元総理が、総理のときの臨教審について発言をされている機会が多いわけでありますが、改革が率直に言ってなかなか難しかったというお話があったというふうに思います。  そういうことを受けまして、今回教育改革国民会議というものを総理主導の中で始められている部分もあるわけでございまして、我が国における当時の文教行政の状況と、そして今さらに深刻化している日本の教育状況の中で、これは総理官邸主導だけでなく、やはり文部省としても積極的な姿勢を持って、臨教審と同じような状況の中で今度は教育改革国民会議がある中で、中教審の方でも、これは率直に、同時並行的に議論をしても決して早過ぎることではないのではないかというふうに私は思いますので、これについては検討していただきたいと思います。  そして、大臣がこの教育基本法の改正について御発言をされている中で、この基本法をめぐる論点が三つぐらいあるのではないかというふうに御発言をされています。時間がないのでこれも私の方から申し上げますけれども、一つは、生涯教育の視点がない、二つ目には、日本の歴史、伝統、道徳教育の記述がない、三つ目には、既に定着している男女共学の規定がいまだにある、こういう御発言をされていらっしゃいまして、まさに私もそのとおりであるというふうに思います。  そして、きょうはさらに、今の教育基本法の中で、これ以外であっても今後議論を十二分にする、私の立場からすれば、これについて改正を考えていくポイントが幾つかあるのではないかと思いまして、それについて大臣の御見解をお示しいただければと思います。  まず一つは、教育基本法前文の中で、「民主的で文化的な国家を建設」「世界の平和と人類の福祉に貢献」等、理想が表現されておりますけれども、その中に、日本人としてどうしたら日本を発展させられるかという表現がないわけであります。要するに、日本における歴史とか伝統、文化の尊重、日本が誇るべき文化価値をどう子供たちに認識させるか、日本の歴史を学ぶ中でこれからの日本のあり方を真剣に考える、そういう国民を育成するということの中には、この伝統、文化、これはまあ大臣も触れられているわけでありますけれども、それが欠けている。  この教育基本法が制定された当時は、日本がアメリカを初め連合国に占領されている状況の中で、歴史、伝統の尊重、これが指導によって削除されたということも聞いているわけでありますが、具体的に大臣の考えるこの歴史、伝統、特にどういう部分についてといいますか、子供たちにどういうことをこれから強調し、またあるいは教える必要があるかどうか、お考えをお聞かせ願えればと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 歴史、伝統、文化についての御質問でございますけれども、一人の人間として、国民として、成長し、また生活を行っていく上におきましては、自分の国の生い立ちや歴史や伝統や文化というものをまず十分に認識するということがやはり基本ではないかと私は思っております。そういう中に、社会的な習慣とか、あるいはコミュニティーとか、それから文化的な価値のあるものを尊重するとか、そういうような心がはぐくまれるわけでありまして、学校での学問的な、いわゆる科目等の勉強も重要でありますが、私は、そういうものを小さいころから養うということが大切である、そういうふうに思っております。  それからもう一つは、国際化の時代になりまして、世界で、国際社会の中で大きく生きていくといいますか、活動、活躍をしていく上においては、自国の文化や歴史というものを認識するということは、外国との関係で、これまたやはり非常に重要なことだ、そういうふうに私は思っているわけであります。  最近の子供たちの環境というものを見ておりますと、とかく情報化というものが急速に進展していまして、パソコンやファミコン、そういうような情報機器を使った教育、また遊び等がふえてきている。そういう中にあって、こういう国の基本的なことをしっかり学ばせるということがやはり大事であり、そういう意味で、この教育基本法の中にはそういうような観点が欠けているのではないか、そういうことから申し上げたわけであります。

下村博文自由民主党

○下村委員 今から三年前に、中学校の歴史教科書の中に従軍慰安婦の記述の問題が新たに入りました。これを受けまして、我が党の中で、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会というものがつくられました。中学生にこういうふうな記述をして教えることが本当に時期的にいいのだろうかという親としての疑問点、それからもう一つは、今まで歴史教科書の中に一度も触れてこなかった、あるいは従軍慰安婦という言葉自体ほとんど議論をされたこともないし、またそういう事実についても触れる機会もなかった、それが中学校の歴史の教科書の中に入ってきたということに対して大変な疑問とまた危機意識を持った中で、このような議員の会が自民党の中でつくられたわけでございます。  特に、その議論の中で我々が問題にしたのは近現代史、これがやはり非常に自虐的に日本国民の——別におごることはもちろんなく、特に近現代史の大戦までの中での我が国のあり方について日本人として反省すべきところは、それはもちろんあるというふうに思います。ただ、それが、これだけ近隣諸国にも迷惑をかけ、世界にも迷惑をかけたというふうな、あたかも自虐的と言えるような、そういうふうな言い方をしているグループがあるわけですが、それによって、子供たちを教えることによって、子供たちが自分の国に対して、あるいは日本人に対して誇りを持てなくなる、意欲を持てなくなる、そういう歴史認識を教えることが果たして、子供たちの未来に生きる勇気を、歴史というのはそういう意味で教える部分もあるというふうに思いますが、ある意味ではそれがマイナスになっている部分があるのではないか、こういう疑問点が我々議員の会からも随分出されました。  このような、特に日本の歴史教科書、近現代史、自虐的ではないかと言われるようなこの近現代史の歴史観、これについては、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 今御指摘の点でございますが、委員も御案内のように、日本の歴史あるいは伝統、文化、そういうものを大事に学ぶということについては確かに教育基本法そのものにうたってはおりませんけれども、学習指導要領の中で指導していっているわけですね。  それから教科書については、これは、これまでも民間の執筆者の方に教科書をつくっていただくという形で、これまで執筆者が創意工夫を凝らして教科書をおつくりいただいているわけであります。そうした中で、検定制度の中で言われることは、明らかな誤りあるいは学習上の支障となる、バランスが欠けているというようなことがあれば、欠陥を指摘していくということでこれまでもやってきたわけでございまして、どのような歴史的事象を取り上げていくかとか、あるいはその歴史的事象をどのように記述するかということについては、一義的にはその執筆者にゆだねられておる現状でございます。  先ほどお触れになりました、例えば従軍慰安婦の問題等においても、学習を進める上で指導上支障があるというふうに考えられた教科書会社において、また、学習指導上支障があるということについてはやはり検定の側としても指摘をするわけであります。  しかし、これまでの議論、国民の意向等を踏まえながら、やはり支障があるという観点から、従軍慰安婦ということの従軍ということは省く、これは事実的な問題もあるという指摘もあったわけです。こういうことについては、教科書会社の方から自発的に訂正を申し入れられて訂正をされたという例もあり、またそれについては、教科用図書検定規則に基づいて訂正を承認した、こういう例も既に出てきておるわけでございます。  おっしゃるように、日本人として誇りを持って生きていく、自信を持ってこれから生きていく、これにはやはり教科書の果たしていく役割は非常に大きいと思いますから、そういうことについて問題があるということであれば、これは正していかなければなりませんけれども、基本的には、いわゆる事実関係に基づいて教科書をきちっと見ていくということが必要であろうというふうに思っておるわけでございます。  しかし、いずれにしても、教科書が与える影響といいますか、教科書から受ける学生、児童生徒の影響、また教科書から学び取るものというものは非常に大きいわけでございますから、御指摘のようなことがあってはならないというふうに思っておるわけでございます。  今後とも、文部省としても、そういうことは踏まえながら、まず事実に基づいてきちっとやられているかどうかということを中心に、教科書については十分に配慮していきたい、このように思っております。

下村博文自由民主党

○下村委員 端的にお答えしていただければと思いますし、また、今は直接的なお答えではなかったのです。近現代史に対して自虐史観があるのではないかということについてどうお考えかということですが、ちょっと時間の関係でまた後日ということで省かせていただいて、教育基本法に限って問題提起をさせていただきたいと思います。  改正の論点となるのではないかと思われる教育基本法の問題の中で、前文に「個人の尊厳」「個性ゆたかな」とあり、個人を尊重する、これはうたわれているわけでありますけれども、今我が国の教育の中で、特に心の問題、道徳の問題が言われているわけであります。先日の教育改革国民会議第二回の会合のときにも、森総理が、「これからの教育においては、まず第一に、思いやりの心、奉仕の精神、日本の文化・伝統を尊重する気持ちなど、」云々ということで御発言をされているわけでありますが、この教育基本法の中には、他を思いやる心、感謝の心、いたわりの心、こういうことが教育の目的として明らかにされておりません。これについては、改正の論点としてどうお考えになりますでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育基本法につきましては、教育改革国民会議等の場で議論が行われることになると思います。今、改正の論点としてというお話でありますが、森総理が所信表明演説においてもお述べになりましたとおり、やはり思いやりの心とか奉仕の精神とか、また先ほどからお話にあります伝統、文化の尊重など、こういう日本人として本当に持つべきものが最近は欠けておる、そういう認識であります。  このような、他を思いやる心とかいたわりの心をはぐくむことは大変重要であります。したがいまして、今回議論をされる中で、こうした観点も踏まえて大いに議論し、また検討していただければと、そういうふうに期待をしております。

下村博文自由民主党

○下村委員 もう一つの論点として、第九条の宗教教育の問題があります。  第九条の宗教教育については、「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。」というふうに書かれておりますが、この文言は、やはり当時の占領政策の中で、宗教的情操を重視しようとしたのがトーンダウンをした文言に変わったといういきさつがあるそうであります。  私は、広い意味での思いやり、他を思いやる心とか感謝の心という意味では、広い意味での宗教心をはぐくむ教育、涵養する教育というのがもっと必要ではないかというふうに思っております。特に、今の日本というのは、バブルが崩壊した以降であっても、やはり拝金主義、そして唯物史観、また偏った合理主義、これが戦後の我が国の状況としてあるのではないかというふうに思います。  目に見えないものの価値を大切にする、また、個人の権利を主張するばかりでなく、感謝の心とか畏敬の念を高める教育、これはやはり必要ではないか。ある意味では、具体的に神、仏ということでありませんけれども、神、仏を思えるような、そういう広い意味での宗教教育といいますか、宗教心を高める教育というのは、これからの我が国の中でもポイントになってくると思います。  先ほど申し上げた、他を思いやる心とか感謝の心といったものも、宗教的な背景やバックボーンがなければ、文言だけが例えば教育基本法の改正の中に入ったとしても、どう教えたらいいか、あるいはその受け手としても、それがどういう意味なのかというのがやはりわからないのではないかというふうに思うわけであります。  そういう意味では、宗教心をはぐくむような教育というものを積極的に学校教育の中にも入れる必要があるのではないかと思いますが、この教育基本法の中でも、積極的な議論の中心の一つとして行うべきではないかと思いますが、これについてはどのように御見解をお持ちでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今委員がおっしゃいましたような、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めるというようなお話がありましたけれども、そういうもの、あるいは人生における宗教の持つ意義のようなものを理解させて、人間としてのあり方とか生き方、そういうものを考えさせるということは、私は非常に大切なことだと思っております。  宗教的な情操を深める教育につきましては、教育基本法や学校教育法に基づいて、学習指導要領において児童生徒の発達段階に応じて指導しているところでございまして、学校教育の中で、現在そういうような情操を深める教育をやっております。こういうものを大切にしていきたいと思っておりますが、先ほどから申し上げておりますように、この教育基本法についての御議論が行われる中でこういうことについても検討していくということは、大変いいことだと私自身は思っております。

下村博文自由民主党

○下村委員 いわゆるカルト集団と言われる宗教の動向を見ていますと、そういう意味では子供のころから宗教心の教育をしていない問題点としてああいう現象が出ているのではないかと思える点もたくさんございます。  そういう意味では、これからの我が国のあり方の精神的な部分として、しかし特定の宗教ということではないわけでありますから、全体的な宗教心をはぐくむための環境づくりということで、今後、宗教法人法の規制緩和とか、逆に既存の、もちろん社会的に認知されている、評価のされている宗教法人の中でもそういうカルト的な部分については問題がありますけれども、もうちょっと発展、育成をするような環境づくりをするということもやはり同時に問われてくるし、また宗教法人法の問題も含めて今後議論をしていく必要があるのではないかというふうに私は思っております。ですから、これはぜひ教育基本法の改正問題に含めまして、今後早急に中教審の答申の中にこの教育基本法の問題を含めました議論が促進されますように、大臣としても御努力をしていただければと思います。  時間がございませんので、ちょっと話題を変えさせていただきまして、マルチメディア、インターネットについてちょっとお聞きしたいと思うのです。  クリントン大統領が白書の中で、これからの国家戦略の一つとして、アメリカにおいては十二歳で全員の子供がインターネット等を使えるようにしていこうという戦略があるわけでございまして、我が国もこれが大変に重要だというふうに思います。そして文部省も、このマルチメディアを活用した教育活動支援、来年にすべての学校にインターネットを接続するという大変な努力をされつつあるわけでございまして、今後の教育の大変に加速度的な発展のためにも、ぜひこれは必要だと思います。  ちなみに、この予算でありますけれども、文部省の方で、平成十二年度、ことしですね、すべてのコンピューターとかインターネット関係だけで約一千八百億円の予算を計上されているわけで、これは大変に評価できることであるというふうに思います。  一方で、私学の問題でありますけれども、私学は二分の一とか三分の一とかそういう中で、これが逆に私学格差、公立との格差がどんどん開いていってしまっているという問題がございます。  特に、インターネット、マルチメディアは大変日進月歩で技術開発が進んでおりまして、今は三カ月もたつと新しいコンピューターあるいはソフトでないと使えなくなるという、これだけの大きな時代の加速度的な変化の中でありますから、この大変なコストのかかることに対して、今までと同じような経常費補助の発想、あるいは今までの発想の延長線上ですと、公立と私立の学校の格差がどんどん開いていく、こういう問題点が出てきております。平成十二年度だけでも、公立の学校の予算は一千八百億、私立の場合には、合計をしても、私立高等学校のマルチメディア教育環境、これが平成十二年度六億七千五百万、それから私立の経常費補助が平成十二年度八億、両方足しても二十億もいかないわけであります。  もちろんこれは、私立は都道府県のレベルですから、一概に比較できない部分はありますが、しかし、都道府県も大変な財政難の中で、これは都道府県だけの問題でなく、やはり国が、文部省が、私学におけるマルチメディア、コンピューター、インターネットに対して、やはり公立と同じような施策をする必要があるのではないかと私は思います。これについての積極的な施策が求められると思いますが、御見解をお聞きしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 学校教育における情報教育の充実というのは非常に重要なものでありまして、文部省といたしましても、積極的にこの整備に取り組んでいるところでありますし、また、委員御案内のとおり、ミレニアムプロジェクトということで、今もお話ありましたけれども、来年度中にはすべての学校にインターネットで接続し、二〇〇五年にはあらゆる教室からインターネットによる授業ができるようにということで、今整備をしているところでございます。  私立学校に対する情報機器の整備につきましては、御案内のとおり、今、例えば私立高等学校の経常費助成費補助などにつきましては八億円を十二年度で計上しているわけでありますが、今後も、公立と並んで私立の学校のこれらの情報教育がおくれないように私どもも努力をしていきたいと思っております。  インターネットへの接続状況等調査結果を見てみますと、小学校、中学校、高等学校合計で、平成十一年度四月現在では、私立学校は接続状況は約六割ということになっておるわけでございます。  基本的には、私学の場合には、これらの機器の整備、設置というものは、学校の設置者がその学校の経費を負担するということが原則でありまして、公立の学校のように国が全額負担というわけにはまいりません。設置者負担主義、そういうような観点、また、今の厳しい国の財政事情等を考えますと、一気に整備するというのはなかなか困難なことでありますけれども、私どもとしては、私立学校も公立と同じように情報教育が充実するように、今後も経常費助成を初めとして私学助成の充実に努めていきたい、そういうふうに思っております。

下村博文自由民主党

○下村委員 ありがとうございました。  時間が参りましたので、終わります。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、旭道山和泰君。

旭道山和泰公明党・改革クラブ

○旭道山委員 大臣、総括、おはようございます。明改の旭道山と申します。本当に持ち時間が少ないので、慌ただしい話し方になりますけれども、よろしくお願いします。  初めに、学校の窓ガラスについて質問させていただきます。  学校において生徒が安全に学習できることは当然のことです。全国津々浦々にある公立の小中学校は、地域の中心的な施設であり、住民の心のふるさとでもあります。また、台風や地震などの非常災害時には、阪神・淡路大震災の例を引くまでもなく、避難場所として、学校施設はまさに地域住民の命を守るべき場所であると思います。  そのような学校の窓ガラスが風や小規模な地震で簡単に壊れて、人々の頭の上に降りかかってくるようでは、避難場所としては失格であります。もちろん、平常時においても児童生徒が安全に学習できることは当然のことと思います。したがって、学校の安全ガラスの普及状態や、その推進をいかにすべきかについてお尋ねしたいと思います。  公立学校施設は災害時等の緊急避難場所にどの程度指定されているか、現状をお伺いしたいと思います。  それともう一つ、学校が避難場所となる場合が多いとのことですが、そのような施設には災害に強いガラスを使うべきと思いますが、どのような考えか、お伺いしたいと思います。また、その普及状態をお伺いしたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘のとおり、避難場所としては公共施設を原則として使うということでございますし、特に学校については、災害対策基本法に基づいて防災計画が持たれますが、その中にほとんど学校であるとかあるいは公民館というものが入っておるというふうに思います。  今御質問がありました、どの程度と言われますが、大体どこの市町村も、九割以上の学校はそこに入っている。中には、学校も災害に遭うとか、そういうケースもありますから、時に外されているケースもございますが、原則として学校の体育館等は避難場所に指定されていると考えてよろしいのではないかというふうに思います。  それから、御指摘のように、避難場所としては、ガラスが非常に危険でございますから、これから新築等に当たりましては原則として強化ガラスでいくということで、これに対しても、小さなものについては市町村が交付税の対象としてやっておりますが、大きい増改築に当たりましては、当然強化ガラスでやるということを原則にして予算を組むということを進めております。

旭道山和泰公明党・改革クラブ

○旭道山委員 済みません、時間が少ないものですから、早口でしゃべらせてもらいます。  今、この中身について話していただきましたけれども、公立の小中学校で使用する安全性の高いガラスの種類とその強度についてお伺いしたいと思います。  それから、教育委員会が校舎等のガラスを強化ガラス等に取りかえる場合の、国の財政措置についてお伺いしたいと思います。ひとつよろしくお願いいたします。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 学校で使われている安全性の高いガラスというのは、合わせガラス、強化ガラス、それから網入りガラスの三種類があるわけでございますが、特に合わせガラス、強化ガラスが一般のガラスより強度が高いと言われております。要するにガラスは、何か事故が起きたようなときに破片が飛びにくいとか、穴があかない、あるいは破片が粒状になって、破片になって刺さるようなことがない、こういう特徴のあるガラスを使うということでございまして、これからは安全性の高いガラスをぜひ使っていくという方向でございます。  また、予算につきましても、校舎を新たにつくるというときには当然それが織り込んでありますし、それから、特別にガラスだけ直すというような小規模の工事につきましては、これは市町村の中に交付税の対象として織り込んでありますから、それを使ってやっていただくということで、今後とも、児童生徒の安全確保という意味からも、この計画に支障を来さないように文部省としても最大の配慮をしていきたい、このように思います。

旭道山和泰公明党・改革クラブ

○旭道山委員 これからも公立の小中学校は、地域の防災拠点として、また児童生徒の日常の安全の確保の視点からも安全ガラスは本当に不可欠であり、その普及について全国運動を積極的に展開していくことを強く要望させていただきます。  次に、質問を変えさせてもらいますけれども、私は相撲をやっていたもので、アマチュアスポーツの選手のことについて質問させていただきます。  アマチュアスポーツ選手のスポーツ災害に対する補償制度について質問させていただきます。  オリンピック、日本選手権などにおけるスポーツ選手の活躍は、いろいろな形で私たちに勇気と希望を与えています。しかし、その華やかな舞台の裏には、血のにじむような努力、そしてけがとの闘いがあります。そのような選手たちが安心して競技に集中できるように、競技中の負傷などへの補償制度がきちんとしたものになっていかなくてはいけないと思います。  この件に関しては、以前、私は予算委員会分科会でも取り上げましたが、高知県の柔道選手の昨年の熊本国体での負傷に対する補償に関して、県体育協会が富山国体のボイコットも辞さないという事態が報じられたこともあり、今回の質問をさせていただきます。  アマチュアスポーツ選手の競技中の事故に対して現在の補償制度はどのようなものか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 アマチュアスポーツ選手が安心して競技に専念していただく、万一のことも考えなければいかぬということで、補償については十分配慮していかなければいかぬというふうに思っております。  競技中の選手の事故に対する補償制度としては、一般のスポーツ活動における事故については、広く普及しておりますのが、財団法人スポーツ安全協会が行うスポーツ安全保険というのがございます。一千万以上と言われております。それから、小中学校などで行われるスポーツについては、日本体育学校・健康センターが行う災害共済給付、それから大学、短大については、財団法人内外学生センターが行う災害傷害保険というのがございますし、さらに、競技大会、それから選手強化合宿における事故については、その都度競技団体が、さまざまな民間保険がございますから、そういうものに入っていただくということになっておるところでございます。  また、先ほど国体選手の例をおっしゃいましたが、国体選手の場合については、日本体育協会が国民体育大会参加者傷害補償制度というものを設けて、加入を指導いたしておるところでございまして、選手の事故の補償というのはやはりきちっとやらなければなりませんので、関係団体に対してもさらに指導をしていきたい、このように思っておるわけであります。

旭道山和泰公明党・改革クラブ

○旭道山委員 本当に、規制緩和と周知徹底をよろしくお願いします。  時間があと三分しかありませんので、早口で質問させていただきます。  高知県の柔道選手の重傷事故への補償制度は、その後協議が調い、国体派遣拒否は撤回されましたが、これは、現行の補償制度が十分でないこともあって起きたと思われます。社会人、学生選手の競技中の事故の補償制度については、以前、予算委員会分科会において、文部省の方からも、不都合等があれば労働省や団体と相談したいとの答弁をいただいていますが、文部省としては、高知県の柔道選手の事故も踏まえ、保険給付額の引き上げなど、具体的な改善策についてどのように対応されるのか、お伺いしたいと思います。  そして、高知県の柔道選手の場合、国体出場が公務とされず、労働災害保険の適用がなかったと聞いていますが、これも以前、予算委員会分科会で、労働省の方からも、労災保険の適用に関しての実情調査を行うとともに、制度の趣旨を企業に周知させるなどの努力をされるという答弁をいただいていますが、その後の文部省としての取り組み状況及び今後の方針についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 委員御質問の件は、平成十一年十月の、熊本県で行われました柔道の大会において発生した事故のことであると思います。  この選手は、公立中学校に採用されている地方公務員であります。ですから、労災法の適用は受けずに、公務災害補償制度の対象となるわけであります。そして、この選手の場合は、試合に出るに当たりましては、学校長に職務専念義務の免除の申請をし、許可を受けた上で熊本国体に参加をしておりまして、そういうことから、今回の派遣は公務ということではないわけでありまして、公務中に発生した事故というふうにはなりません。したがいまして、この選手に対しては公務災害補償の給付がされなかった、そういうふうに聞いているところでございます。  御指摘の労災法の適用ということにつきましては、平成十年三月の、お話にありました予算委員会分科会における御指摘も踏まえまして、労働省におきまして、現在、企業に所属するスポーツ選手の労働契約の締結状況や勤務時間、あるいは職務内容、また賃金の体系等についての調査を行っているところであると聞いております。  文部省といたしましては、この調査の結果等を踏まえて、労働省とも連携を図りつつ、スポーツ協議中の事故に対して労災保険の給付が適切に行われるようスポーツ団体にも周知してまいりたい、そういうふうに思っております。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 今御指摘の国体選手の場合でございます。  残念な事故でございましたが、これは、日本体育協会の国民体育大会参加者傷害補償制度、最大五百万円、それからスポーツ安全協会が設けるスポーツ安全保険、最大三千万円に加入しておられますから、これから給付金が支払われるというケースでございます。  これまでも、日本体育協会は、国体の参加選手が国民体育大会参加者傷害補償制度に加入するように各都道府県に要請をしているわけでございますが、今回このような事故がありましたので、この補償制度の給付金等の見直しについてさらに検討を予定しているというふうに伺っておるところでございます。

旭道山和泰公明党・改革クラブ

○旭道山委員 時間が来ましたので本当にあれですけれども、いずれにしましても、アマチュアスポーツ選手が競技技術とスポーツの発展のために安心して競技に取り組めるように、文部省、労働省、各種団体において十分協議して、補償制度の充実等が図られますよう、よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 この際、休憩いたします。     午前九時四十四分休憩      ————◇—————     午前十時四十二分開議

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小島敏男君。

小島敏男自由民主党

○小島委員 自由民主党の小島敏男です。  質問の機会を与えられましたので、ただいまから質問いたしますけれども、今、開会前にも話されていたんですが、大臣それから総括政務次官は大変に御多忙であるということと、同時に、やはり本会議においても委員会においても、答弁をされたこと、このことに責任を持たなければいけないということで、その答弁によって、こういう答弁をされたけれどもということで次の質問がありますので、非常に神経が使いっきりじゃないかと思います。心から同情すると同時に、その質問をいたします。  私が教育という分野に入ったのは、ちょうど娘が小学校一年に上がったときですから、昭和四十七年からずっと教育に携わりました。四十七年のときにPTA会長をしてくれないかということで、当時市議会議員をしていたものですから、PTA会長を小学校、中学校、高等学校ということで十八年ぐらいやったんですね。そういうことで、実践と理論というものを勉強する機会があって、私自身は、PTAというのは非常に私の人格形成にも役立ちましたし、教育の見方というのも非常に大切に見ることができたということで感謝をしているところであります。  しかし、今の教育の実態を見てみますと、どこか狂っているんじゃないか、どうしたらいいんだろうかということを、恐らく全員が感じていると思うのです。小学校現場で起こっている想像を絶するような陰湿な事件、それから教師としてあるまじき行為、経済界におきましては特に銀行の国民に背を向けた出来事、警察官の連続不祥事件、保険金殺人事件等々、私たちを取り巻く環境というものは、かつて経験をしたことがない世界に突入していると言っても過言ではないと思います。  そういうときに、どこから手をつけたらいいのか、どのようにやったらいいのかということを非常に議論を重ねているわけでありますけれども、学校教育、家庭教育、社会教育、それぞれの分野で専門家が数多くの指摘をしておりますが、一向に改善の兆しがないほど深刻化しているのではないかというふうに理解をしています。  心配しておりますのは、学級崩壊という活字が出たときに、当時は社会面でも非常に大きく取り上げられて、えらいことが起きたなということだったんですけれども、最近では新鮮味のない、過去の問題として取り上げられ、その活字を安易に受け入れてしまうという恐ろしい時代がやってきたわけであります。  今まさに悲観的にとらえるのでなくて、中曽根文部大臣を中心として教育の抜本的改革に取り組んでほしいというふうに思っています。  そこで、私が好きな言葉なんですけれども、ケネディ大統領が言った言葉の中に一つあるのです。それはレット・アス・ビギン、レッツビギンということですね。この言葉は、ともかく始めようじゃないか、ともかくやろうじゃないか、結果を気にしていたら何にもできないということで、ともかく始めるということなんです。今、教育基本法の問題など、教育界においては大きな曲がり角に来ているわけでありますけれども、まず、大きな問題として、中曽根文部大臣の教育に対する取り組みから質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 小島委員が長い間PTAの役員さん等の活動を通じて教育の問題に熱心に取り組まれてこられたことに、本当に心から敬意を表します。  教育の問題は、国民どなたもが心配をされている問題だと思いますし、また、私よく申し上げるのですが、幅も広く奥行きもあり、一日で解決できるような問題ではございません。  しかし、小渕前総理は富国有徳というお言葉を使われましたけれども、同じように私は、日本の未来を展望するときに、心豊かな人づくり、活力あふれる国づくり、これが非常に重要だと思っております。我が国が海外の諸国からも尊敬されて、また世界の発展に貢献をしていく、さらに他国と協調しながらやっていく、そういうことを考えますと、教育というものは社会のあらゆるシステムの基盤でございますから、これについての不断の改革を行っていくということは大変重要であると思っております。  次代を担う子供たちが豊かな創造性を持って、そして心豊かにたくましく生きていく、また日本人としての自覚を持って、また国際感覚も持った、そういう子供になるように、私たちは教育をこれからも続けていかなければならないと思っております。  同時に、先生おっしゃいましたように、さまざまな現場におきまして、現場といいますか、いろいろないじめとか暴力行為とか大変に痛ましい事件も多発をしておりますし、また一方、子供に限らず、お話ありましたような大人の社会でのいろいろな不祥事もあるということで、私どもとしては、こういう憂慮すべき状況を一日も早く打開をしなければならない、そして青少年の健全な育成を図らなければならない、そういうふうに思っております。  教育の問題につきましては、いろいろな方々がいろいろな行動をとっていただいておりますが、政府におきましては、総理の主導のもと、教育改革国民会議を設置いたしまして、教育の根本にまでさかのぼった幅広い議論を今始めたところでございます。私といたしましても、教育改革をやはり国民的な課題として位置づけて、また国民的な運動にまで盛り上げて、少しでも教育改革が進むように努力をしていきたい、そういうふうに思っております。

小島敏男自由民主党

○小島委員 今大臣のお話があったわけでありますけれども、我々は、文部大臣中曽根弘文という活字が出たときに、非常に大きな期待を寄せたわけです。この方ならやっていただけるだろうという期待が非常にあったわけでありまして、ぜひ国民の期待に沿うようにこれからも頑張っていただきたいと思います。  それで、今の答弁の中にあったことで、私もそうだなと思ったんですが、連続殺人事件だとかいわゆる保険金だとか、警察だとか防衛庁だとか、いろいろな形の人がテレビでみんな謝るんです。それを見ているのは国民であって、やはり子供たちも見ているんですね。日本という国は、テレビを見ていると、みんな謝る。政治家を含めてですよ。そういう形の中で果たして健全な教育を指導できるんだろうかということを非常に疑問を感じております。小渕前総理から森総理ということで移りましたけれども、ぜひこれからもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは次に、文相のいわゆる諮問機関であります中央教育審議会が、十七日、少子化と教育についての報告書を河村総括政務次官に提出したと新聞報道されました。この内容についてお伺いをしたいと思います。  幼児教育の重要性については論をまちませんが、今回の報告書の中で、幼稚園の預かり保育や幼児教育相談を実現させ、保育園、幼稚園、小学校の連携を図る幼児教育プログラムをつくるとあります。このことはすばらしいことだと私は思っています。  本件に関連して、毎日新聞の解説に書いてありましたけれども、この解説の中身というのは、私は、ああ、これはすごいなということを感じましたので、この辺についてもちょっと質問させていただきます。  文部省が、全国一万七千カ所の地域公民館を家庭学習の拠点として充実させるようにと各都道府県教育委員会に通知しているということがありますが、実態はどのようになっておるのか。  地域公民館は集落の中心に位置しているということですが、学校というのは広い面積を有するために郊外に持っていかなければいけないという、公民館と違った学校の立地があるわけです。ですから、地域公民館というのは非常に身近にあるということで、どのようなことが起こるかというと、学校まで足を運べる人というのは、元気なお年寄りです。元気のある人というのは学校まで行って、運動会に行ったり学校祭に行ったりするのですけれども、それでは小さな子供を持った人、これはもう隣のうちへ頼んだり、かぎ閉まりしたり大変な思いをして行くのです。公民館というのは、ほとんどすべてが生活の場、いわゆる集落の中心にあって、気軽に参加できるという場所になっておりますので、こういう公民館の利用というものは非常に大きいものがあると思いますけれども、この辺は、総括政務次官、いかがにお考えでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 中教審の少子化と教育についての報告書を私が受け取りました。本来大臣がお受けになるところでありますが、有珠山の方へ視察に行っておられました関係であります。  あの中では、子供は社会全体が受けとめて、そして育てていく、守っていくということを基本理念にして、この少子化の傾向が教育に弊害をもたらさないようにどうしたらいいかということを、いろいろな角度から提言、報告を受けたわけでございます。  今御指摘の公民館活動の問題については、その重要性、特に地域社会の教育力の低下ということもありまして、もっと地域が子供を守り育てていこうということで、この報告書を受けるまでもなく、中教審のこれまでの議論を踏まえて実は文部省は通達を発しております。各市町村に対して、公民館を充実する、それからいわゆる家庭教育学習の拠点として使ってもらいたいということを、通達を出して依頼をしておるところでございます。  委員御指摘のように、公民館というのは確かに近くにありますから、そこを拠点にして、生涯学習あるいは子供の家庭学習をその中で一体となってやっていくということがより重要だ、こういうふうに感じておるところでございます。  実は、今御指摘のように、公民館は全国に平成八年時点で一万七千八百十九館あるというわけですね。これは、図書館は二千三百余りでありますから、いかに多いか。特定局は二万を超えていますからもっと多いのであります、郵便局はたくさんあるわけでありますが、そのぐらいたくさんあります。  ここで、平成八年現在でも、十八万二千三百八件といういろいろな講座があります。それは、お茶もありましょう、お花もありましょう。しかし、その中で、特に家庭教育関係が八千二百八十件あるわけでございます。これを倍増したいというふうに文部省は考えておりまして、いろいろな形でひとつ活動していただく。  例えば、子育てグループが公民館を活用していただく、あるいはそういう場合には、公民館側もいろいろスケジュールはあろうが、子育て関係の講座については優先的にやるようにとか、家庭教育に対して情報収集、提供、相談をそこでやるとか、あるいはPTAの関係団体の懇親会等々にはここも使ってくださいということで、連携も深める。最近は、衛星通信システム、家庭教育講座、子供放送局なんかがございます。そういうものをそこへ設置して見ていただくというようなことを進めておるわけでございまして、これからも、家庭教育に関することについてはぜひ公民館を中心にやっていただくということをもっともっと進めていこうというのがねらいであります。

小島敏男自由民主党

○小島委員 今の総括政務次官の答弁でいいわけでありますけれども、中身の問題ということですから、恐らくその中身をずっと調べていくと、子供たちとお年寄りとかというのはまだほとんどないと思うのですよ。私は、恐らくないと思いますよ。ですから、表面の講座というのは市だとか何かの指導に基づいてやっていますけれども、自発的な、子供たちとお年寄りだとか親だとか、そういう形の会合はほとんどないのではないかと思いますので、ぜひその辺を調べながら、一番重要な場所ですので、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、中央教育審議会の方の中身については、「高校で保育体験学習」ということが一番大きく見出しに載っていました。発想としては大変ユニークでありますけれども、具体論ということになるとなかなか難しい問題を含んでいるようであります。数時間の体験で何を求め何を習得させるのか、この辺についてもお聞かせをいただきたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 最近の少子化傾向の中に、いわゆる晩婚化、未婚化ということが大きくあるわけであり、現実にそれが非常に大きく影響をしているということ。そこで、高校時代、あるいは教育現場において、もっと子供を持つことの楽しさとか喜びとか、あるいは子育ての意義というものをもっと教育の中でやっていかなければいかぬという指摘がこの報告書の中にもあるわけでございます。その一環として、高校時代に、特にいわゆる保育を体験していただいて、子供を持つすばらしさ、楽しさ、子供の汚れのない美しさとかそういうものを感じて、やはり子供を持つことはいいことだ、そして結婚して子供を持とうという思いになってもらいたいという願いが込められてこういう形になっておるわけでございます。  実は、これは既に文部省としてもその重要性を考えて、一部の学校ではそういうことを取り入れておるわけでございます。また、新しい学習指導要領におきましてもそのことを強調いたしておるわけでございまして、特に高等学校では、福岡県あたりでは実際に体験をやっております。そして、やる前と後とでアンケートをとる、例えば子供を好きかというような。最近の高校生は、少子化ですから一人っ子が多いものでありますから、下の弟だとか妹がいない、子供を抱いた体験がない高校生がたくさんいるということでございます。そこで、事前にそういうことを聞いておいて、そして何%だ。それで、その体験を終わった後にもう一回聞くと、子供が好きになったというようなことが倍増しているというような統計が出ておりますので、これは効果的ではないかということでございます。  しかし、これから進めるについては、保育所の協力とか幼稚園の協力とかそういうようなこともございますし、いろいろな難しい問題はあろうと思いますが、この高等学校における保育体験学習というのは効果が必ずあるというふうに思っておりますので、いろいろな難しい点には十分配慮しながら進めてまいりたい、このように思っております。

小島敏男自由民主党

○小島委員 大変にユニークな発想で取り組んでおられるということで、これは高く評価するわけでありますけれども、その新聞記事に、高校でやるいわゆる保育体験学習というのがあるのですけれども、その一番下の方に来ると、今度は、評論家の意見が載っているわけですよ。  それで、評論家が言うのは、そんな短い時間で、子供がかわいいとか子供が格好いいとか、そんなことでなく、子育てというのは厳しい、苦しい、汚い、非常に容易でないんだというところまで教えて、それで何かをつかみ取るという形、やはりこれがこの目的であってほしいということが載っていました。  確かに数時間だと、ちょっと子育てする中で、かわいい子ねと言って頭をなでたり、それで終わったのではどうしようもないのです。ぜひそういうことを、事前に、学習する前に、子供の、つらさとか容易でないこともやった上で、しかし私たちは子育てをするんだという形に持っていければ非常にすばらしいことではないかと思います。ぜひ前向きの取り組みを期待しています。  次に、学校教育制度の根幹でありますけれども、これは中曽根文部大臣に聞きたいんです。  戦後、六・三・三・四制がしかれて、私どももその中で教育を受けたわけでありますけれども、この六・三・三・四制というのは、我が国の教育制度に定着をして、大きな成果を上げたことは承知をしております。しかしながら、国際環境の変化や、経済、科学技術の急激な進展により、食生活を初めとして、子供たちを取り巻く環境も一変しているということも事実なわけであります。二十一世紀に向かって、果たして今の制度のままでよいのかどうか、改めて考えるべきときが来ているのではないかと思います。  私どもの自民党の朝の勉強会というのがありますけれども、その中で、文部大臣が出られた大学、慶応大学の鳥居学長さんが勉強会に参加をされて、いろいろとお話を伺ったんです。私はその中で、この六・三・三・四制というのはいかがでしょうか、将来に向かってどうあるべきかということを問い合わせたところ、私個人の考えだけれどもということで話されたのが、五・五・五・五というのですよ。これはゴーだなというので、レッツゴーではありませんけれども、そういう形で話をされました。私も、そのことは非常に傾聴に値する意見だなということを思いました。  このことは実は勉強会でもお話ししたんですけれども、六・三・三・四制になってどこに欠陥があるかということになりますと、小学校六年生というのは子供たちの教育の中で——この間も共産党の石井委員さんが小学校の先生の話を出されて、もう少し若い人を小学校の先生に置くべきだということを話されていたわけでありますけれども、今、女の生徒の場合は、私は男性だからわかりませんけれども、初潮が始まるのが小学校の四年ごろだというんですね。しかも、この間東京都の小学校を調べたら、六年生で五割というんですよ。そういうことになりますと、男性の先生がそういうところを受け持っていくと、指導したり何かするのに大変だなということを私自身も感じました。  それが一つと、中学校が三年ということになると、私の地元の話をいたしますが、中学校が統合中学なんですよ。四つの小学校から全部来るんですね。そうなりますと、一番小さな小学校から来る子は、クラス分けにすると、四十人なら四十人のうちの大体三人ぐらいなんです。一年間は友達づくりで終わってしまうんですね、全く違う子供と一緒になるわけですから。小学六年から中学に入ってくると友達づくり。それで、二年になってようやく部活で体力づくりができる。三年になると、部活をやめて受験勉強というんですよ。  我々人間の一生使う体というのは中学校でできるわけですから、そうなると、中学の二年生だけが部活に熱中できて体力づくりができるということなんですけれども、これが四年になり五年になったときには、真ん中の三年間ぐらいは体力づくりができるんじゃないかなと思うんです。  基本的な問題として、中高一貫教育等が試行されておりますけれども、学校の立地等を考えるとその制度もなかなか難しいということであります。大臣の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育の問題を考える中で、また教育改革を進めていく中で、学校制度についても常に考えて、必要とあらば見直しをしていくということは私は大切なことだと思っております。  現行の六・三・三・四制を基本とする今の学校制度というものは、私は、日本の教育の普及発展、そういうものに大変大きな役割を果たしてきた、そういうふうに思っております。また、その結果、社会の発展にも大きく貢献をしたわけであります。  御指摘の、今の五・五・五・五制については、実は詳しくは承知いたしておりません。今委員から御説明ありましたけれども。学校制度のあり方については、ほかにも、四・四・四制あるいは六・六制、また五・四・三制など、さまざまな御意見がございます。しかし、それぞれ特質もありますし、またこれによる効果というものも十分明らかではない。そういうことから、この区分を一律に変えるということについては、国民の皆さんの共通の理解がまだ得られていない、そういうふうに認識をしているところでございます。  現在の六・三・三・四制というものをやはりあくまで基本としながら、制度の弾力化を図って、そして、個性を伸ばしながら、また多様な選択ができるようにするということは重要な課題であると思っております。そういうことから、委員も御承知のとおり、中高一貫教育を実施する中等教育学校の設置を推進するなど、教育制度の改革あるいは弾力化に取り組むということが必要である、そういうふうに思っております。

小島敏男自由民主党

○小島委員 すぐにこれを変えていくということは難しいことは承知をしておりますけれども、主体が子供であるということと、やはり学校の現場を見たときに、自分たちは大人になってきたんだけれども、一番体が成長過程で、一生の体をつくるというのは小学校の後半から中学校ですよ。このときに、がっちりとした体、一生貢献ができるようなそんな体づくりをするべきだと思いますので、三年では無理じゃないかなと思います。ぜひこのことも頭の中に置いておいていただきたいと思います。  それでは、時間も迫ってまいりますので、そのまま今度は続けてまいります。  四月十四日に、本会議で消費者契約法案が全会一致で可決をされ、参議院に送付されております。この法案は、消費者と事業者との間の情報、交渉力の格差に主眼を置いてきたのでありますけれども、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するということでつくられました。何を言いたいかというと、附帯決議の中に、消費者教育をするように、このことが入っているわけです。附帯決議に入っているのは、消費者教育というものを支援して、積極的に取り組んでくださいというのが入っているのです。  文部省として、消費者教育の必要性をどのように認識しておられるか。今、小学校、中学校は携帯電話だとか、高等学校になるとオートバイに乗りたいとか、契約社会に入っていますから、そういうことについても、学習指導要領においても消費者の教育というものを取り上げるべきであると思います。  それで、平成十年の教育課程審議会答申によると、今後、総合的な学習の時間を創設するように求めておりますけれども、その時間の中にこういう問題を入れたらどうかなということを思いますけれども、いかがでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 学生につきましても、また子供につきましても、消費者としての正しい認識、また知識、態度、そういうものを身につけるということは非常に重要な課題であると思っております。  このため、従来から、小学校、中学校、高等学校を通じまして、社会科とか家庭科などの時間におきまして、児童生徒の発達段階に応じた適切な指導が行われております。  また、新しい学習指導要領におきましては、例えば中学校では、技術・家庭科において、販売方法の特徴と消費者保護について知るように、また生活に必要な物資とかサービスの適切な選択、購入及び活用ができるようにすること、また高等学校では、家庭科において、問題の発生しやすい販売方法などを具体的に扱って、消費者の権利と責任について理解をし、消費者として主体的に判断できるようにすることなどについて指導するよう充実を図っているところでございますが、今後とも、消費者教育が各学校において適切に行われるように努めてまいりたいと思っております。

小島敏男自由民主党

○小島委員 それでは、時間もありませんから最後の質問をさせていただきます。  これも自民党の勉強会の話を出して恐縮なんですが、広島大学の原田学長のお言葉を引用させていただきますと、学校教育で一番大切で肝心なのは小学校三年生までと言い切っておられました。徹底的に三年生までに教育すべしということから、教師の選任の重要性を説かれておりました。いわゆる、小学校三年までに指導力のある先生を配置しなさい、そこで人間は決まるんだ、そういう話なんですね。  私は、数日前に友人と教育に関していろいろと議論したんですけれども、その席で、学校嫌い、落ちこぼれはいつごろから始まるのかという話題になりました。彼が言うには、小学校に入って、足し算と引き算、これはみんなわかるんですって。ところが、掛け算になってわからなくなる。これが小学校三年ぐらいになるんです。そこでわからないと、ずっとわからなくなってしまうんです。足し算、引き算まではわかるけれども、掛け算になってくるとわからなくなってくる。だから、そのときに、掛け算というのは基本的には足し算だと言うんですよ。二、二が四というと、やはり足していくわけですから、頭の中ではやはり足し算。もともと掛け算という言葉は日本語にはないそうですね。  そういうことからいうと、その三年生のときあたりがちょうど掛け算に入るときだということであります。先生方にすれば、何十人という子供たちで学習指導要領に基づいて授業がずっと進んでいきますから、わからない子は、弱ったなと思いながらも、その何人かの子供をそこのところで補習だとか別の指導方法でやっていけばいいんですけれども、それができなくて、そのまま進んでしまう。宿題は一律同じ宿題を出すということで、小学校の三年あたりからだんだんわからなくなってしまうということです。この広島大学の原田学長の話というのを、私の友人と話をしている中で、なるほど、これは三年あたりまでが重要だなということで再認識したわけであります。  先ほどのお話のように、若手の先生がいない小学校の実態、それから、女性の先生がどんどんふえているわけでありますけれども、どちらかというと低学年の場合はそういうベテランの先生を配置するという形がとられているのかどうか、私は全くわかりませんけれども、その辺の、小学校三年生までの理論、実態、それから取り組みということについてお聞かせをいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 御指摘のとおり、小学校三年までの時期というのは、私は、大変重要な時期だ、そういうふうに思っております。学校教育の初期段階として、学習のみならず、生活の基礎的な能力とか態度の育成を図るのはこの時期だと思っております。  そういうところから、実は教員の長期社会体験制度というものがございますけれども、私は個人的には、できるだけ小学校低学年の先生に校外での企業とか民間の会社での経験を積んでいただきたいと。低学年の子供さんというのは、先生に対する認識というものが、ある意味では親のような気持ちでいる。特に一年生なんかはそういうこともあるのじゃないか。そういう意味で、広く社会を知っていただきたいということから、そういうことを申し上げておるのです。  一方、高学年におきましても、やはりこれはまたこれで重要でございまして、さっきおっしゃいました、子供たちの思春期の特徴とか、またそれぞれの生徒の個性があらわれる時期であります。そういう意味で、学科ということだけじゃなくて、子供の育成について非常に重要な時期だと思っております。また、中等教育に接続する前段階でもあるわけでございます。  そういうことから、大切なことは、学校の校長先生などが、学年の特性とか学校が抱える課題、そういうものを十分に認識いたしまして、また、それぞれの教員の個性とか能力もありますから、そういうものが最大限に発揮できるように適切な教員の配置を行うということが重要である、そういうふうに考えております。

小島敏男自由民主党

○小島委員 時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、渡辺博道君。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 おはようございます。自由民主党の渡辺博道でございます。  前回、三月三十一日に教育公務員特例法に関する質問をさせていただき、再度質問する機会をいただきましたことに、改めて感謝を申し上げる次第であります。  その際に、有珠山の状況について冒頭質問させていただいたわけですが、現実、新学期が始まりました。先ほども総括政務次官から、中曽根文部大臣が視察に行かれたという状況をお話がありましたので、現在の状況について若干お話をしていただきたいなというふうに思っております。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今週の月曜日、十七日でしたか、日帰りで、有珠山の噴火に伴う地域の現状について、私自身この目で見て、そしてそれによって特に学校教育の面での対応に役立てたいということから、行ってまいりました。  噴火に伴う教育面につきましては、北海道の教育委員会、地元の市町村、また市町村の教育委員会が大変な御努力をしていただいておりまして、人的な被害はどなたもありませんけれども、学校の方の校舎の状況あるいは子供の避難状況、ばらばらになっておりますから、そういうものも的確に把握をして対応していただいております。  ちょうど、伺いました十七日は、豊浦町の小学校におきまして、隣の虻田町から避難してきたお子さんたち、それから洞爺湖温泉小学校から避難してきて豊浦町におられるお子さんたちの合同の始業式があったところでございます。子供さんたちの状況は、避難の生活で大変疲れ切っているとは思いますけれども、始業式ということもあって、やっと友達に会える、学校が始まるということで、明るい元気な子供たちを見られて、私自身もある意味ではほっとしているところでございます。  大切なことは、いろいろありますが、心のケアだ、やはりそういうふうに思っております。教育委員会でもそういう点を大変配慮していただいて、医師や保健婦の派遣はもちろんのことでありますけれども、子供さんたちのために移動図書館車というんですか、そういうものを回したり、あるいはサイエンスカー、こういうもので子供の気持ちを紛らわせたり、そういうことも行っておりまして、ここで個々一々申し上げませんけれども、そういう対応は十分やっていただいている、私はそういうふうに思っておるところでございます。  こういう自然災害ですから、いつこれが終息するか、なかなかわかりません。そういうことを考えると、現地の皆さんのお気持ちというのは本当に大変でありますけれども、学校の面においては、私たちは、子供の教育面で万全の態勢がとれるようにこれからも十分に注意をしてやっていきたいと思っております。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 ありがとうございました。ぜひとも文部省としましても全面的に全力でバックアップしていただきたいな、そのように思っております。  さて、冒頭、私は大変昔の話をちょっとさせていただきます。  今から八十年前のオオカミ少女カマラということでありますけれども、これはインドで発見された少女、約八歳で発見されました。その少女は、オオカミによって育てられた。そのオオカミによって育てられた少女を牧師が発見し、そして介護をして育て上げました。発見してから九年で亡くなってしまいましたが、その発見のときは、大体推測八歳でありました。この子供に、介護して、いろいろな教育を施したそうであります。でも、とうとう人間の言葉もしゃべることなく、そしてまた、食事も物を使って食べることができなかった。ミルクは、皿にミルクを入れて、それを口を寄せて舌で、いわゆるオオカミのように食べていた、こういった現実がありました。  こういった一つの事実を見たときに、まさに教育と環境、特に就学前における幼児教育の重要性というものをまざまざと感じたと私は思います。この大事な時期にいかに教育をしていくか、どのような環境のもとで教育するか、大変重要であるというふうに思っております。  そうした中で、現在の日本の状況を翻って見てみますと、例えば、最近においては五千万円の恐喝事件がありました。そして、もっとさかのぼることにおいては、神戸の須磨区における少年殺人事件、そしてさらには山形県のマット事件、また麻薬の関係、そしてまた幼児虐待というお母さん方の例もありますね。こういったいろいろな現象がどんどん日本の至るところで発生しております。  この根本をさかのぼってみたときに、一体どこに原因があるんだろうか。私は今、事実としてオオカミ少女カマラの話をさせていただきましたけれども、その幼児期における教育がまさに不十分だったのではないかな、そのように思っております。  この幼児教育においては、当然のことながら中曽根文部大臣にも十分な御理解をいただいておりますけれども、また総括政務次官であります河村先生も、まさに幼児教育においては大変努力をしていらっしゃると思います。でも、現在の状況においては、幼児教育、本当にその辺で十分なのかなというのが私の素朴な疑問であります。  哲学者にロバート・フルガムという人がいまして、その人はこんなことを申しておりました。  人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々をおくればいいか、本当に知っていなくてはならない事を、私は全部のこらず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである。 という、この言葉であります。まさにこの言葉は幼児教育の重要性を端的に表現しているのではないか、そのように思っております。  改めて中曽根文部大臣のお考えを、ひとつ幼児教育に対するお考えをお述べいただきたい、そのように思っております。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 幼児期における教育というものは、将来にわたる人間形成の基礎を培う重要な役割を果たしていると私は思っております。また同時に、小学校段階以降の生活とか学習の基盤の育成にもつながるわけでありまして、この時期に、道徳性とかあるいは生活習慣とかまた創造的な思考方法とか、そういうものを養うということは非常に重要なことだ、そういうふうに考えております。  幼稚園におきましては、五つの領域、例えば人間関係、それから環境とか、そういうような五つの領域を通じまして、一人一人の幼児の主体的な活動としての遊びを通した総合的な指導を現在行っております。  新しい幼稚園の教育要領が四月から実施をされておりますけれども、それにおきましては、しつけなど道徳性の芽生えの重視、それから幼児の活動に応じた教師の役割の重視、さらに小学校教育との連携、こういうことを指導内容の中心として、今充実を図っているところでございます。  さらに、幼稚園が家庭や地域の教育力に貢献できるように、預かり保育とか、あるいは子育て支援などの相談を行うとか、各種の施策を講じておりまして、今後も幼稚園教育の充実に努めていきたい、そういうふうに思っております。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 幼稚園教育の充実、まさに今大臣からお話をいただきましたけれども、幼稚園教育と同時に、幼児の関係については保育所があります。保育所、そのほかに家庭という、要するに教育をしている場がありますね。  実際に、就学前の教育、保育の実施状況を見ますと、三歳、四歳、五歳児で幼稚園に通っているのが百七十九万人、同じく保育所に三歳、四歳、五歳で通っているのが百二十万人、その他でございますが六十四万人。五割が幼稚園で学んでいるという状況でありますが、こうした状況の中で、幼稚園と保育所というものを考えたときに、これはある面ではともに教育の場であることは間違いありません。  一方、福祉的な視点というのは当然、保育所の方では、保育に欠ける場合ということで福祉的な視点を重視する場ではあります。  でも、考えてみれば、幼稚園も、やはりお母さん方が一定の時間を幼稚園に預けることによって自分の時間を持つわけです。そういった意味においては、大きな意味で福祉的な視点もあるのではないかというふうに思うんです。  この幼稚園と保育園というのは、そもそもは学校教育法と児童福祉法、二つの法体系によって設置が認められておりまして、これを根本的に一致する、一元化することはなかなか難しい状況でありますが、その目的そのものはともに保育、幼児を保育するという部分は同じなんですね、その目的にある部分では。  役割、機能も、三歳から就学前の、小学校就学の始期に達するまでの幼児を対象とするというふうになっています。保育所は、ゼロ歳児から受け入れますけれども、三歳から五歳に対しては幼稚園教育に準じて教育が行われるようにしております。  またさらに、保護者の負担については、設置者の定める入園料、保育料を納めるというのが幼稚園で、保育所の場合は、市町村ごとに保育料を設定し、家庭の所得を勘案して保育料を納めるというふうになっておりますね。基本的には余り変わらないわけですけれども。  運営費の状況を見ますと、設置者が負担する、幼稚園の場合ですね。保育所の場合は、運営に要する経費のうち、保護者からの徴収金を除く額の二分の一を国が、四分の一を都道府県が、残り四分の一が市町村が負担するというふうになっております。  私は、ここの部分をとらえていくと、ともに教育をする場であるという認識を持っていながら、経費の部分においてかなりの格差があるのではないか、そのように思っております。現実に、今年度の予算で見ますと、幼稚園の経常費助成費補助は二百三億円というふうに私は報告を受けておりますが、保育所の運営費は三千七百九十六億円。この格差はいかんともしがたいと私は思います。  少なくとも教育の重要性をこれだけ認識していられる大臣であれば、やはり幼稚園の教育に対してもう少し積極的に助成すべきではないか、私はそういうふうに思うわけでありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 渡辺委員御指摘のとおり、予算面の格差というのが歴然とあることは事実であります。  委員も御承知の上で御指摘をいただいたわけでありますが、もともと幼稚園と保育所のスタート、よって来るところは違っておるわけであります。確かに、同じ教育をやるという観点に立てば、そこのところが格差があるということはかねてから御指摘があるところでございまして、最近、その問題についてはやはり考える必要があるということで、両方が相互乗り入れ的な研究も今進めておるところでございます。  今、幼稚園は文部省所管ということで、私学助成の観点から進めておるところでございまして、御案内のような形で予算をとっております。そして、特に三歳児未満についての適用拡大という形で、いわゆる私学助成の観点から助成を進めておるわけでございます。  ただ、この格差も、どちらかというと、保育所については、今、公私の問題もございますが、公立が多い。幼稚園については、園児の八割近くが私立であるというようなこともあって、公私の格差からももう一つの見方が出てきておるわけでございます。  いずれにいたしましても、これは教育という観点に立てば、お互いに協力し合わなければいけない関係でございますから、目指すところは幼保一元化という一つの方向づけというものを視野に置きながら、いろいろな角度から、行革の問題もありましょう、いろいろな角度からこの問題は取り上げていかなければいけない。  しかし、いずれにしても、教育現場がこの格差によって後退をするとか差がつくとかいうことがあってはなりませんので、そのことは十分配慮しながら、これから、私学助成の立場であるわけでございますが、今、明らかに圧倒的に私学が多いという観点からいけばそういう観点も踏まえて、幼稚園の教育の充実ということを観点に置きながら、予算をふやすことに最大の努力をしていきたい、このように思っております。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 河村総括政務次官は、幼児教育を考える会の代表でもありますし、その辺については十分御理解をいただいていることだというふうには思っておりますが、今河村総括政務次官からお話しあったんですが、公費負担の格差是正というのは、納税者の立場においても、これはきちんと公平に扱っていかなければならない、私はそのように思っております。  そうした観点からいきますと、今もう既にお話が出ておりますが、同じ幼稚園の中でも、公私間格差があります。これを現実的に数字であらわしてみますと、資料によりますと、幼稚園の現状においては、現在私立が幼稚園の数としては八千四百九十七、公立が五千九百八十一、国立が四十九という状況です。六割が私立ですね。そして、在園児数でありますが、百四十一万八百十七が私立、約八割、公立が三十六万五百五十八、二〇・三%、国立が六千九百十一、〇・四%ということで、幼稚園においてはまさに私学の役割は重大であります。これはもう数字をもって見ても明らかであります。  ところが、私立と公立における園児一人当たりに対する公費補助の割合を見ますと、私立の幼稚園においては十二万一千八百八十円、公立は七十四万七千四百五十四円、私は、この格差は大変大きいのではないかと思っております。そしてまた、保護者の負担を見てみますと、幼稚園の保育料でありますが、私立は二十一万九千九百十六円、公立は七万一千三百四十九円、国立は六万八千四百円。これを見ても、私立に通っている保護者の負担がかなり高いということは歴然であります。  こういった状況の中で、やはり教育というものは公正である、公平であるべきと私は思うのですね。この格差是正をいかに考えているかお伺いしたい、そのように思っております。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 委員御指摘のとおりの数字、格差が出ておることは事実でございます。しかも、私立幼稚園が在園児の八割を占めているということからいえば、大方の御父兄は私立幼稚園ということも考えられるわけでございます。文部省としても、私立幼稚園の経常費助成費補助をできるだけふやしたいということで努力をいたしておるわけでございますが、金額は、平成十二年の予算におきましても、前年度比二十六億円増の二百三十五億、これは伸び率一二%でございますから、文教予算全体の中を見れば非常に突出をして伸ばしてはおるわけでありますが、まだその格差からいえば十分ではないということでございます。  特に、私立幼稚園における低所得者階層の単価の改定等も行ったところでございますが、このような施策の充実といいますか、経常費助成、それから格差のために就園奨励費をさらに補助していくとか、それから、私立幼稚園の増改築については施設整備に対して補助をもっと高めるとかというようなことを進めながら、私立幼稚園の助成の充実に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。  先ほど御指摘の保育料等の格差は三倍近いものでございますが、これは大体今私立の高等学校と同じくらいの格差になっておりまして、公私の格差をいかに詰めるかということも重要な課題でございますので、さらに私学助成について努力をしてまいりたい、このように考えております。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 教育の問題については、やはり将来的においては公立幼稚園というのは必要ないのじゃないかというのが私の考え方です。私立がこれだけ一生懸命頑張っている中でありますから、私立に任せても大丈夫だというふうに私は思います。  そしてまた、各都道府県においてもこの格差というのはかなり大きいのですね。ちなみに、各都道府県の中で私立幼稚園と公立幼稚園の公費負担の比較の中で、最大は東京です。私立幼稚園は十五万八百三十七円、公立幼稚園に対しては百七万七千二百八十九円。一番格差が少ないところで沖縄県、十二万一千八百八十円、公立幼稚園に対しては五十七万八千七百二十四円。各都道府県においても、このような差が歴然としてあります。これは一番身近なところでありますから、都道府県に対してもやはり文部省がきちんとした方向性を示せば、この格差は是正していく、私はそういうふうに思いますので、ぜひともこの部分についてもしっかりと都道府県にもお伝えいただきたいな、そのように思っております。  さらに、格差是正の問題として掲げるのは、同じ私立幼稚園でありながら、一〇二条園ということで、学法化していない幼稚園の問題であります。  これはちょっと古い資料で恐縮でありますけれども、平成九年度の園数としては、学校法人が七千三十三、これは平成九年でございます。これは古いので、もし新しいのがあったらお示しいただきたいと思いますが、その当時で、七千三十三が学校法人ですね。学校法人立以外が千五百二十三、合計八千五百五十六の園数がありました。園児数としては、学校法人立の園児数が百二十五万二百六十八、学校法人立以外が十七万一千八百二十二。ともに一七%と一二%ぐらいの割合で、いわゆる一〇二条園が存在しております。  この一〇二条園の問題については、もう過去いろいろな形で対応を考えていらっしゃるというふうに思いますが、一番問題なのは、私立学校振興助成法という中に、附則第二条には、それぞれの条文の規定によって「幼稚園を設置する者を含む」と書いてあります。そしてその中に、「学校法人以外の私立の学校の設置者」も含むというような形で、附則二条では一応設置することができるというふうになっております。  ところが、その附則第二条の第五項において、「学校法人以外の私立の学校の設置者で第一項の規定に基づき第九条又は第十条の規定により補助金の交付を受けるものは、当該交付を受けることとなつた年度の翌年度の四月一日から起算して五年以内に、当該補助金に係る学校が学校法人によつて設置されるように措置しなければならない。」ということで、五年以内に学校法人化しなければならないという条項があります。  これが一つのネックになっていると思いますが、既に二十年以上たっている状況において、この一〇二条園の状況を一体どうしたらいいのかというのが正直なところですね。私はもうそろそろ——同じ教育をしているのです。同じ教育の内容、すばらしい教育をしている個人立もありますし、宗教法人立もあるのですね。それであれば、教育という視点からとれば何も形式にこだわることはないのじゃないか、私はそういうふうに思うわけであります。この点について、いかがでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 今数字をお挙げになりました。そんなに違ってはいませんが、今、学校法人立以外の御指摘の学校は千五百二十三都市で千四百五校ということになっておりまして、全体の一六・五%というのが現状でございます。  今御指摘の点は、確かにおっしゃるとおりの面があるわけでございます。しかし、これまで多くの幼稚園がそういう形で学校法人を目指して努力をされてきた。ただ、当時この法律のよって立つところ、この事態では量的な整備ということもあったと思いますね。今後は御案内のように、幼保一元化の問題等も含めてやはりこの問題は全体で考えていかなければいけない問題かな、そういうふうに思っております。  ただ、これはやはり、教育の現場が幼稚園であるというプライドを皆さん持ってずっとやってきておられるわけでございまして、そういうことから考えれば、学校法人の中でお互いに連携をとって切磋琢磨してやっていただくということをこれまでもお願いしてきておるわけでございまして、法律も助成法の規定がそういう形で進んでおるわけでございます。  ただ、これは、今後私立学校振興助成法のあり方についても検討しなければいかぬという声もございますので、文部省としても、どのような形でこの時代に合ったものにしていけばいいかということを踏まえて今後検討していく必要があるというふうな考えを持っておりますので、御指摘の点は十分考慮させていただきたいというふうに思います。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 ぜひともそのようにしていただきたいと思うわけでありますが、実は、文部省というのは意外とかたいというのは、今の答弁にもあるように、結構形式張ったことで終わってしまうことがあるんです。  実は、それに引きかえ、「保育所の設置認可等について」という三月三十日付の厚生省児童家庭局長の通達を見ますと、保育所の設置を設置基準に対して極めて弾力的に行っております。今までは社会福祉法人のみでありました。ところが、今回から社会福祉法人以外の者による設置認可申請を受け付けますということなんですね。ということは、社会福祉法人のみならず、株式会社の保育所も認めるんですね。こういう時代になってきているんです。これはある面では、保育所に対する待機児童、待機園児の解消というような部分もあるかと思います。少子化対策に対する一つの対応かもしれません。  でも、こういった基準がどんどん広がっている状況の中で、少なくとも私立幼稚園として認可を受けている幼稚園であります、それはたまたま学校法人になっているかなっていないかの問題でありますから、厚生省がこのように弾力的な運用をしていこうということでありますから、余りそういった枠にとらわれずに、ぜひとも文部省もここはもう少し弾力的な運用を図っていただきたいな、そのように思っております。この点について、いかがでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘は私も理解をいたしております。今先ほどちょっと申し上げました幼保一元化という大きな流れの中でもございますし、今、幼保両方で、教諭、保育士相互で研修を乗り入れるとかいう形で考えておりますから、全体的な中で、そして特に子供にとっていかにあるべきが理想かということを、先ほど強調されましたように、文部省としてはこれはやはり教育現場だという観点を持っておりますから、子供にとってやはり一番良好な教育環境はどういう形がいいのかということですね。  駅前保育の話もあったんですよ。あれは預かりとしてはいいかもしれぬけれども、あそこは教育現場として本当にふさわしいところかという議論はあったと思いますね。そういう観点からも考えていかなければなりませんから、規制緩和という考え方、経済効率というようなことからいけばそういうこともどんどんいいかもしれぬが、しかし、やはり教育ということを考えたときに、その観点も失ってはならぬと思っておりますから、今おっしゃったようなお話も踏まえて、広い角度で今後の重要な課題として考えてまいりたいと思います。

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 私は、どんなところであっても教育という観点は絶対忘れてはいけないと。これは、私が冒頭申し上げたオオカミ少女カマラの例を見れば明らかであります。やはり教育なしに立派な人間は絶対できないわけでありますから、仮にそれが保育所であっても教育的な視点は絶対なくしてはいけない、そのように思っております。  最後の質問になりますけれども、先ほど小島委員の方にも話がありました、中央教育審議会の方から「少子化と教育について」という答申が出たようでありますけれども、この中身に若干触れさせていただきます。  幼児教育の重要性はもう皆さん御案内だと思いますけれども、やはり今言ったように、幼稚園と保育所、幼稚園と小学校、そしてまた幼稚園と家庭、そのような相互の連携をとっていかないとこれからの幼児教育は大変難しいというふうに思います。そういった中で、幼児教育全体を見回して、総合的に体系的に環境整備をしていくことがこれから本当に必要じゃないかというふうに思うわけであります。最後の質問でありますけれども、この点について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 お話がありましたように、四月十七日の中央教育審議会の報告におきまして、各般の施策を体系的に盛り込んだ幼児教育振興プログラムの策定、それから推進についての御提言をいただいたところでございます。  文部省といたしましては、これまで、厚生省と連携を図りながら多様化する保育ニーズにこたえる観点から、先ほどからお話があります幼稚園と保育園との連携の取り組みを進めているところであります。また、本年度から新たに幼稚園と小学校の連携を研究課題とする研究開発学校の指定を行ったところでございます。  今後、さらにこの幼児教育の施策を総合的に展開する観点から、調査協力者会合におきまして御検討いただいて、その報告を受けまして、幼児教育振興プログラムの策定に取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。     〔委員長退席、栗原(裕)委員長代理着席〕

渡辺博道自由民主党

○渡辺(博)委員 大臣におかれましても、また総括政務次官におかれましても、ぜひともこの幼児教育の重要性を御認識いただき、そのさらなる推進を図っていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。

栗原裕康自由民主党

○栗原(裕)委員長代理 次に、平沢勝栄君。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 自由民主党の平沢勝栄でございます。時間が限られておりますので早速に質問に入らせていただきますけれども、大臣、総括政務次官、できるだけ簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。  御案内のとおり、昨年の八月十三日に国旗及び国歌に関する法律が公布、施行されたわけでございます。従来から学校教育の現場におきましては、法的拘束力のある学習指導要領によりまして国旗・国歌を指導するということになっていたわけでございますけれども、しかしながら、大変残念ながら、一部の人たちの反対もありまして、学校教育の現場では、不毛な対立、混乱が長年にわたり一部の地域で続いてきたわけでございます。そういう中で、国旗・国歌の法律が国会において圧倒的多数の賛成で成立したわけでございます。  もちろん法律ができたからといって、従来から法的拘束力のある学習指導要領があったわけでございますので、学校教育の現場に対する指導というのは変わらないはずでございますけれども、しかしながら、従来から繰り返されてきた不毛な対立、混乱というのが、法律ができてからも引き続き続くということはおかしいわけでございます。従来と同じように、一部の人たちが認めないというようなことが法律ができてからも引き続き続くというようなことはあってはならぬのじゃないかなという感じが私はしております。  そこで、お聞きしたいんですけれども、まず、国旗・国歌の法律ができましてから、学校教育の現場に対して文部省としてはどういう指導をされたのか。そして、君が代・日の丸、国旗・国歌の実施率といいますか、ことしの、入学式はまだですからあるいはデータがそろっていないかもしれませんけれども、卒業式については実施率のデータはどうなっているか、その辺についてお聞きしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 国旗・国歌についてのお尋ねでございます。  実施率につきましては後ほど総括政務次官から答えさせていただきたいと思いますが、学校における国旗・国歌の取り扱いにつきましては、今委員のお話にありましたように、従来から、学習指導要領にのっとった適切な指導が行われるよう、文部省といたしましては、都道府県また指定都市の教育委員会を指導してきたところでございます。  昨年の国旗・国歌に関する法律の制定に伴いまして、この国旗・国歌に対する正しい理解が一層促進されますように、昨年九月に各都道府県教育委員会等に対しまして、「学校における国旗及び国歌に関する指導について」という通知を行うとともに、指導資料の作成、配付や、文部省の各種広報誌を用いて広く周知を図ったところでございます。  引き続いて、この学習指導要領にのっとって、学校における国旗・国歌の取り扱いが正しく行われるよう、指導の充実に努めていきたいと思っております。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 ことしの春の、卒業式でございます。その実施状況でございますが、今各都道府県を通じて調査中ではございますが、今御指摘がございました、特に入学式あるいは卒業式で実施率の低かった八つの都道府県でございますが、電話等の照会等で把握した限りでは、まず、公立高等学校全日制については、国旗掲揚は八都道府県全県においてほぼ一〇〇%の実施率。国歌斉唱につきましては、神奈川県、三重県、兵庫県、広島県がほぼ一〇〇%となっておりますが、東京都、奈良県が約九〇%、北海道、大阪府が約八〇%の実施率でございます。  また、公立の小中学校については、国旗掲揚率は、奈良県が九〇%である以外は、七都道府県においてほぼ一〇〇%の実施。それから国歌斉唱につきましては、東京都、三重県、大阪府、広島県が約九〇%、神奈川県、兵庫県、奈良県が約八〇%から七〇%、北海道が六〇%台ということであります。  国旗掲揚、国歌斉唱の実施状況は全体として改善をされているということでございまして、さらに学習指導要領によって適切な指導に向けてこれが取り組まれたと思っておるわけであります。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 今のデータですけれども、例えば国旗掲揚といっても、本来なら式典会場に掲げて当然でございますけれども、今のデータの中には、式典会場にはおよそ掲げられないで、式典の外、校門だとか屋上とか、そういったところに掲げたものを含めてのデータだろうと思います。その辺も含めたきちんとしたデータ、恐らくないだろうと思いますけれども、それをちゃんと調べていずれ報告していただきたいということをお願いしたいと思います。  そこで、東京の方ではどうなっていますか。たしか、東京全体で今九〇%ですか。東京ではどうなっているのか、東京の地域別をちょっと教えていただけますか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 東京の各市町等々のはまだありませんが、国旗掲揚については、小中高ともほぼ一〇〇%。今御指摘のような屋上であったというケース、これもあるようでございますので、その点については、詳細はさらにまた御報告申し上げたいと思います。  それから、国歌斉唱については、小中高とも九〇%の実施率になっておるわけでございます。  ただ、小中学校の国歌斉唱の実施状況については一部課題が残っているという指摘も受けておりまして、例えば国立市においては、すべての小中学校の卒業式で国歌斉唱が実施されなかったというふうに受けております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 今総括政務次官から御指摘ありましたように、東京でも、例えば私の地元葛飾区、江戸川区等では国旗・国歌が整然と実施されているわけでございますけれども、同じ東京都内でも、今ありました国立市内では、公立小学校が八校、公立中学校が三校あるわけでございますけれども、例年この国立市では、一部の人たちの実力行使等が行われておりまして、式典の混乱を避ける、こういう理由のもとに国旗の掲揚、国歌の斉唱が全くと言っていいほど行われてこなかったわけでございます。昨年の場合も、卒業式、入学式で国歌斉唱の実施は一校もなかったわけでございます。国旗掲揚についても、式典会場には掲揚しないで、玄関とか校長室とかそういったところに掲揚するという形で掲揚したということにしていたわけでございます。  ことしの場合ですけれども、ことしもいろいろな反対の動きが、法律が通ったにもかかわらずあったということで、市の教育委員会それから小学校の校長先生方が、三月九日に校長会を開きまして、ことしの卒業式、入学式における国旗掲揚、国歌斉唱の対応について協議しております。そのときに決まった内容というのは、市教育委員会の通知に基づきまして国旗を掲揚する、その場所は屋上か式典会場、国歌斉唱は当初から一切行わない。こういうことを市の教育委員会と学校長との話し合いのもとで決められているわけでございます。これについて、大臣、どう思われますか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 まず、校長の職責でございますけれども、学習指導要領に基づいて、国旗掲揚、国歌斉唱に関しては、卒業式、入学式においてこれを実施しなければならない、そういうふうになっておるわけであります。  今委員おっしゃいました校長会の申し合わせにつきましては、現在、東京都教育委員会に対し調査を求めているところでございまして、仮に国歌を斉唱しないことを申し合わせていたとするならば、これは極めて不適切である、そういうふうに思います。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 これは申し合わせしていたことは間違いございませんので、では、もしそういう事実をまだ文部省が知っておられないようであれば、その事実が判明したとすれば、その申し合わせをした市の教育委員会、そしてこの各校長先生方に対して何らかの対応をとる、処置をとる、そういう指導をするということで考えてよろしいですか。大臣、お願いします。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 学校現場での国旗・国歌の取り扱いに対する処置等につきましては、教育委員会の裁量でございます。私どもは、まず調査をいたしまして実態を把握したい、そういうふうに思っております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 今のことなんかについては、もうかなり地元では十分に知れ渡っていることでございまして、それについて文部省がまだその事実関係を都の教育委員会を通じて把握できていないというのは大変残念でございまして、文部省、もっとしっかりしてもらいたいなという感じがしております。  そこで、あと具体的なケースについて幾つか質問させていただきたいと思います。  まず、新聞にもいろいろと報道されました国立第二小学校のケースでございます。今ここに、国立第二小学校の校長から国立市教育委員会の教育長にあてた「平成十一年度卒業式実施報告書」という文書があります。この文書を見てみますと、驚くべき文書でございます。そちらから説明を聞きたいのですけれども時間の関係がありますから、時間がむだになりますから、私の方からこの報告書に基づきまして簡単に説明させていただきます。  昨年十二月から八回の職員会議を持って、そして学習指導要領に基づきまして教育課程の完全実施に向け職員に協力をお願いした。しかし、職員からは、子供も保護者も教職員も一切の日の丸・君が代を望んでいない、望んでいないものを強引に入れると混乱を招く、こんな話があったというようなことが書いてあります。  そして、次にこういうことが書いてあります。「今まで実施されてこなかった経緯があり、明後日、突然会場内に国旗が掲揚され、式次第にない国歌が斉唱されれば子どもや保護者に動揺を与えることが予想されるので、本年度は屋上に国旗を掲揚するだけにしたいと提案した。しかし、職員からは、屋上に掲げることでも子どもの心は傷つく。考え直してほしいという意見が出された。」  こういう前置きのもとにこの報告書は始まっているのですけれども、この学校の対応について、大臣、どう思われますか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 学校の入学式また卒業式における国旗掲揚につきましては、一般的に、式場において出席者等の目に十分見えるところに、社会通念上、違和感がなく掲揚されていることが通常の方法であると考えておるわけであります。  学習指導要領におきましては、具体的な方法は明示はしてはございません。各学校における具体的な国旗掲揚の方法につきましては、それぞれの地域の実情等にも照らして、一般的、また今申し上げました社会通念上の方法で、設置者である教育委員会や各学校の校長が適切に判断していただくものと考えております。  御指摘の掲揚方法につきましては、必ずしも学習指導要領に違反するとまでは言えないわけではありますけれども、できるだけ、式場において、一般的社会通念に従った方法で掲揚していただきたいと思います。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 時間がありませんから、抽象論は結構ですから、具体的にお聞きしたいんです。  要するに、第二小学校で、校長先生が何とかやりたい、屋上でもいいからやりたい、日の丸を掲げたいと。それに対して教職員が、冗談じゃない、そんなのやっちゃいけない、子供の心が傷つくと言っているんです。教職員のこの対応についてどう思うかと聞いているんです。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教員は教育公務員でございます。そういう身分を有する以上は、本人の思想、信条とかそういうものにかかわらず、学習指導要領あるいは職務上の校長の命令に従って教育、指導を行う職務上の責務を有するわけであります。したがいまして、国旗掲揚を実施した校長に対して教員が抗議を行うことは、教育公務員としての職責についての自覚と認識に欠けるものでありまして、まことに遺憾なことと考えております。  このような行為が懲戒処分の対象となるかということについて申し上げますが、これは、具体的な事実関係を正確に今承知しておりませんのでコメントは差し控えたいと思います。  しかし、東京都教育委員会においては、国立市の教育委員会に対しまして、今、事実関係の詳細についてさらに調査を求めているところでありまして、私どもといたしましても、今後、東京都の教育委員会においてその結果を踏まえて適切に対処されるもの、そういうふうに考えております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 もっと詳細に言わせていただきます。  国旗を校長と教頭が屋上に掲げようとしたら、二十二名の職員がそこに押しかけて、そして、屋上に国旗を掲げることはけしからぬということで、そこで相当のやりとりが行われているわけです。しかしながら、結局国旗は式典の当日屋上には掲げられた。そして、式典が終わってから、今度は児童が校長先生、教頭先生のところに押しかけて、いろいろと校長先生、教頭先生を締め上げているわけでございます。  ここに、先生と校長先生それから教頭先生、そして、校長先生、教頭先生と児童とのやりとりの一問一答がありますので、簡単にこれを紹介させていただきますと、まず、校長が国旗を屋上に上げようとしたら、先生が、早くおろせ、早くおろせと。市教育委員会の人に守られて自分勝手なことをしていいのかということを盛んに言っているわけでございます。  そして、校庭で、卒業式が終わった後、今度は児童が校長先生、教頭先生に詰め寄っているわけでございます。  今度は児童の発言を紹介させていただきます。何で旗を掲げたのか、みんなが反対しているのに先生は何で掲げたのか、先生方が全員が反対しているのに、校長先生が一人で勝手に決めていいのか、こんなものは児童会とかでやるかやらないか決めるべきだ、戦争で多くの人が死んだりしている、だからやってほしくない、そういった児童の校長先生、教頭先生に対するやりとりがあって、そして、あとは新聞に報道されていましたとおり、児童の一人が、校長先生に対して、土下座しろと、それからまた児童が、謝れ、こう言っているわけでございます。  その場にいた先生が何て言っているか。子供たちにきちんと説明すると言ったじゃないか、それができないのならきちんと謝るべきだと。まさに子供たちを唆すような発言を現場にいた先生がやっているわけです。  そして、校長先生は、土下座はしていないけれども、生徒たちに、君たちにつらい思いをさせて悪かったと謝っているんです。同じように、児童が教頭先生に、謝れ、こう言っているわけです。そうしたら教頭先生は、国旗・国歌のことは君たちに相談することではないと思って進めてきた、しかし結果として君たちを傷つけることになってしまって申しわけないと、教頭先生も謝っているんです。まさに常識外れの異常な教育が国立第二小学校教職員によって行われているわけでございます。  児童が土下座しろとか謝れと言ったということになっていますけれども、そのとおりなんですけれども、こんなことを児童が言うはずはない。これは明らかに、教職員あるいは一部の人たちが、純粋無垢な子供たちを唆し、扇動してやらせていることは、だれが見たって明らかでございます。  学校教育の現場というのは、先生と生徒は特別な権力関係、まさに絶対的な関係にあるわけです。その立場を利用して、一部の先生が自分たちの主義主張を、子供たちを使って押しつけている。そして、校長先生に向かって児童が土下座しろというようなことまで、そういう発言が出てくる。こんな異常な教育が、一般社会の常識では考えられないような教育が、この国立第二小学校の教職員によって行われているんです。大臣、これはどう考えますか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 委員おっしゃる学校におきまして、国立市立第二小学校ですか、児童がそのような、校長に対して抗議をし謝罪を求めているということ、東京都教育委員会から報告を受けておりますが、大変に驚くべきことだと思っております。児童が自発的にそのような行動をみずからとるものかどうか、私も非常に不思議に思います。  この学校の卒業式における教員の動向や卒業式前後における校長の指示の内容、また教員の反応等、さらに児童に対する教員の指導の内容等、詳細については東京都教育委員会から国立市教育委員会に対し調査を求めているところであります。  文部省といたしましては、仮に教員において、今委員がおっしゃいましたような学習指導要領や職務上の命令に違反するような指導があったとすれば、極めてこれは問題であります。地方公務員法上の懲戒処分の対象となり得るものと考えております。  今後、国立市教育委員会の調査の結果を踏まえまして、東京都教育委員会において適切に判断されるものと思っております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 文部省は本当に対応が遅いと思うのですよ。この問題は新聞には既に報道され、新聞の社説にも出ているのです。ですから、今から調査するじゃなくて、もうこんなことはとっくにしていてもらわなければ困る。そして処分だって、当然これは処分の対象になるべきだろうと思うのです。早くに、迅速に、こんなことはやってもらわなければ困るなと思います。  繰り返しますけれども、児童がこんなことをやるはずがない。ここにいる先生方が扇動しているんです、国立第二小学校の先生方が。先ほど言いましたように、生徒が、先生方がみんな反対しているということを言っているわけですよ。ということは、おれたちが反対だということを児童に言ったということじゃないですか。これは一問一答にはっきり書いてあるんです。そうじゃないですか。  それから、現場に先生がいるんです。土下座しろと子供たちが言ったときに、その場に先生がいるんです。先ほど言いましたように、先生が、校長先生、子供たちにきちんと説明しなさいということを言っているんです。明らかに教職員が生徒を使って、扇動して、そしてこのような異常な行為をとらせているじゃないですか。子供たちは犠牲者なんです。  大臣、もう一度お願いします。これは明らかに地公法の信用失墜行為とか何かに違反しているはずでございますから、厳重な処分をしなければおかしいと思います。こんな異常な教育を許してはだめです。この国立第二小学校の現場にいた教職員、厳しく処分すべきだと思いますけれども、大臣、どうですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 新聞記事を私は詳しくは見ておりませんが、委員の御説明を伺いまして、教員が児童を通じてそのようなことをさせたとすれば、これは大変に大きな問題であります。  先ほど申し上げましたように、同時に、校長の指示に従わない、そういうような職務上の命令に違反するような指導があったとすれば、これは懲戒処分の対象となり得るものと考えておるわけであります。  対応が遅いというお話でございますけれども、やはり正確な調査が必要でありまして、その報告を十分に認識した上で私どもも対応を考えたいと思っておりますが、繰り返しになりますけれども、東京都教育委員会において適切に判断されるものと考えております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 教育の問題というのは、特に義務教育というのは、公平、公正、中立でやらなければならないわけで、文部省としてももっと強いリーダーシップを発揮してもらいたいなと。もちろん、東京都の教育委員会、国立市の教育委員会の問題でもありますけれども、たまたま国立市で、生徒たちは、親は、先生を選べないんです。そういう極めて偏向した先生のもとに指導を受けるとすれば、それはまさに生徒たちは犠牲者としか言いようがない。私のところにも国立市の父兄から、こういう偏った教育をされてかなわない、しかし私たちは学校を選べない、先生を選べないという声がいっぱい来ているんです。  ぜひ大臣、これはできるだけ迅速に調査して、厳しい対応を指導していただきたいと思います。  時間がないから次に進みたいと思いますけれども、次は、国立第五小学校の問題でございます。国立第五小学校でも、屋上に校長先生が国旗を掲揚しようとしたら、そこに先生が押しかけて、こんなものを掲げるなということでいろいろとやりとりがあったようでございます。時間がないから、これについては省略しますけれども。  この反対している教職員の人たちは、「「日の丸」についての抗議」という、要するにこれを掲げることについては反対だというチラシをつくりまして、当日の式典に集まった保護者の方々にこの抗議文を配っているわけでございます。同時に、保護者向けに配られたこの抗議文を、学校のコピー機で拡大して校門に張り出しているわけでございます。  このチラシ、抗議文の内容というのは、こういうことが書いてあります。今回は国旗を屋上のポールに掲げるのでお願いする、校長先生がそういうことを言っているけれども、私たちはそういうことを認めるわけにはいかない。「一切の話し合いを踏みにじって屋上に「日の丸」を揚げました。このことに対して私達教職員は深い憤りを感じ強く抗議します。 国立五小教職員一同」。こういうビラを保護者に配り、そしてそれをコピー機で拡大して学校に掲示しているのです。この国立第五小学校の教職員のばかげた行為、これは明らかに地公法違反だと思いますけれども、大臣、どうですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教員が抗議のビラを保護者に配付するとともに校内に張り出したということでございますが、これは、東京都教育委員会から報告を受けております。  一般論で言えば、公立学校の教員が勤務時間中にかかる行為を行うことは、地方公務員法第三十五条に規定する職務専念義務に違反いたします。さらに、ビラの内容や配付の態様によりましては、地方公務員法第三十三条で禁止する信用失墜行為に該当する可能性があるものでありまして、その場合には、地方公務員法上の懲戒処分の対象となり得るものであります。  事実関係につきましては、東京都教育委員会においてその詳細を調査中でありますが、その結果を見て適切に指導したいと思っております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 私は一般論を聞いているのじゃないのですよ。具体的な事実関係はもうつかんでいるのです。だから、しっかりした答弁をお願いしたいと思うんですけれども、答弁が一般論ですから、文部省の事務方はしっかりした答弁をつくってくださいよ。こんな一般論じゃないのですよ。私の方は事実関係をもうつかんでいるのですから、事務方は、早く事実関係をつかんで、大臣にきちんと報告していなければだめですよ。そんなのんきなことをやってどうするのですか。だから、文部省は対応が遅いと言われてしまうのです。  では次に、時間がないから、国立第二中学校のケースを質問させていただきたいと思います。  国立第二中学校では、前日まで式次第の中に国歌斉唱も入っていたのです。にもかかわらず、当日行われなかったのです。ちゃんとその準備もし、練習もしていたのです。しかし、式典当日は行われませんでした。今、この第二中学校の校長から国立市の教育委員長にあてた文書がありますので、これを見てみますと、こういうことが書いてあります。  学習指導要領に基づいて適正に実施していく予定で準備を進めてきた、しかしながら、「卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の完全実施が極めて難しい状況になりました。そのため、あらゆる状況等を総合的に考えて、卒業式当日は式場での国旗掲揚と国歌斉唱を断念せざるえないと判断し、校舎の屋上に国旗を掲揚することのみとする決断に至りました。」こういうことが書いてありまして、その次に、こういうことが書いてあるのです。「式場の式次第や学事報告に記載されている国歌斉唱については、式当日、司会担当から「国歌斉唱については、都合により省略します。」との説明をしました。」こういうふうに書いてあるわけでございます。  なぜこういう事態になったか。これは、いろいろありますけれども、ここに国立市の第二中学校のPTA会長から国立市第二中学校教職員各位にあてた文書があるのです。  この文書の骨子を読ませていただきますと、国旗・国歌の実施については、PTA運営委員会の場においても一つに集約することはできませんでした。したがって、当日の混乱を避けるため、例年どおりの式、例年どおりというのは国旗・国歌のないものです、これを行ってくださいという旨を校長に申し上げた。しかしながら、校長は私たちに、国旗・国歌の指導についてとの文書を示した。当日実施することが子供たちへの教育的な指導と言えるかどうか大変に疑問だということで、校長からはやると言われたけれども私たちは絶対反対だと、国立第二中学校PTA会長名の文書の中に書いてあるのです。そして、一番最後にこういうことが書いてある。「PTAとの合意が充分でない今、実施されるようであれば、私は会長の責任において、式場に足を踏み入れることはできません。」  こんなPTA会長は出てこなくていいじゃないですか、出てこない方がよほどいいじゃないですか。PTA会長に、学校の式次第、式典についてこんな口出しをする権限があるのですか。学校当局も極めて生ぬるいと思いますけれども、要するに、こうしたPTA会長の恫喝とも言える文書というか働きかけがあって、学校としては、前日まで準備していた君が代斉唱も含めてやめてしまったのです。これについて、大臣、どう思われますか。具体的に。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 校長が法令に基づいて決定した学校行事の方針に反対をして、そして圧力をかけるということは、PTAにあるまじき行為だと私は思います。極めて遺憾であります。先ほど委員からおしかりございましたけれども、事務当局を督励いたしまして、さらに調査をした上で、適切な指導を行っていきたいと思っております。

平沢勝栄自由民主党

○平沢委員 時間が来ましたので終わりますけれども、国立市の教職員も異常です。社会の常識とはおよそかけ離れた、異常な、偏った、偏向した教育が行われているのです。しっかりと調べてください。そして、処分すべきところは厳しく処分してください。明らかに地公法違反のケースがいっぱいあるのです。これは厳しく指導して処分しないと、だからこそこの教職員は、要するに我が物顔に振る舞って、そして犠牲者は子供たちなんです。  そして、今申し上げましたPTA会長まで、こんなPTA会長は出てこない方がよほどいいと思うんですけれども、自分たちは出ていきませんと。出てこなければいいじゃないですか。それだって、PTA会長なんか出てこなくたって、式典は行えるじゃないですか。  そういったことも含めて、これから文部省が東京都教育委員会をしっかり指導してもらいますようお願いいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

栗原裕康自由民主党

○栗原(裕)委員長代理 次に、太田昭宏君。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 大臣は参議院の方に行かなくてはいけないと思うので、時間になったら、どうぞ参議院に行ってください。  端的に聞きます。二つ聞きたいのです。一つは大学改革が急務だということ、一つは生涯学習の重要性、私はこの二点を聞きたいと思います。  日本は最近、技術力の低下ということが盛んに言われて、科学技術立国というところの反転攻勢をかけなくてはいかぬと私は常々思っております。ジェー・シー・オーの臨界事故とか、あるいはHIIロケットの失敗であるとかトンネルの崩落であるとか、考えられない医療ミスであるとか、さまざまなものがあります。  スイスの著名な研究機関であるIMDの調査によりますと、九〇年か九一年ごろは技術力も世界一であったのが、九三年とか九四年に二位になりまして、そしてついに十八位に落ちて、昨年はすっと戻したのですが、国総合としては十六位になった。アメリカが一位でシンガポールが二位である。人的資源は十二位、企業経営は二十六位、いずれも競争力が低下をした。そして、教育制度に至っては四十七カ国中三十五位、大学教育においては四十五位、こういうふうに聞くのです。  まずこのIMDの調査について、客観性があるのか。私が大学教授の方にいろいろ聞いてみますと、太田さん、これはちょっと違うんだよというようなことも聞くのですが、都合のいいことをそれぞれが言うことは事実としても、下がっていることは間違いないのですが、客観性についてはどうですか。     〔栗原(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 今の御指摘でございます。これは要するに、大学を何かの基準に当てはめて比較をしたというよりも、むしろ、日本の経営者といいますか、そういう方々が、このIMD所属の皆さん、そういうところから来たものに対して、企業の経営者等々が日本の大学、自国の大学をどのように評価しているかということが今回あらわれたというふうに思っております。  もちろん、一つの統計でありますから、経済大国と言われる日本の経営者が日本の大学のあり方というものに対してそういう目を持っておられるということは、文部省としても厳しく受けとめていかなければならぬというふうに思っておりまして、そういう観点でこのアンケート調査については理解をいたしておるところでございます。  しかし、今後みずから大学も評価する、そしてそれに対して客観的な評価もつくっていくという法律も通ったわけでありまして、そういう観点から、大学の評価というものをもっと厳しく見詰め直していく必要がある、このように考えております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 大臣、今の技術力の低下とか、これは高等教育、大学教育ということになるんでしょうが、これらの技術力の低下とか大学教育の低下という現状をどういうふうに把握し、どういうふうにされようとしているのかということについて、お答えいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 お話ありましたように、昨年来、特に私の所管する原子力関係また宇宙開発関係において事故が起き、国民の皆さんの日本の技術に対する信頼を失墜したということは大変残念でもありますし、また大変申しわけなくも思っております。  我が国が活力ある国家として発展していくためには、科学技術の振興発展は欠かせないものでありまして、そういう意味では、これは大学における教育、特に理工系の教育、また研究所等の整備、企業等における研究活動の促進等が非常に重要だと思っております。また、小学校段階から理科や科学に対する関心を持ってもらうということも重要だと思いまして、そういう意味で、教育全般の観点から私どもはこの問題に取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 教育問題の最前線、フロント、教育改革国民会議等が行われて、江崎座長等は、トップランナー、ある意味では最前線のフロントの一つとしてエリートというものをもっともっと伸ばしていかなくてはいけないということをおっしゃったり、あるいは学校崩壊というここの問題がまさにフロントであるというとらえ方もあるし、森隆夫先生などという方の少子化時代における劣子化といいますか、学力低下ということも相まって、そこがフロントであるというようなこと、さまざまな課題があろうと思います。  知力が外国に逃げるということについては、これは食いとめなくてはいけないんですが、もう少しこういうふうにすればいいというような観点があったら、示していただきたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 御指摘のとおり、頭脳流出というのは日本の国家にとっても大きな損失だというふうに思うわけでございます。もちろん、そういう方々が再び高い知識を得て日本に帰ってきてもらう、こういうことが必要であろうというふうに思っておるわけでありますが、今、大学教育で言われておりますのは、ただ単に大学で知識を学ぶというのではなくて、みずから考え、みずから課題を探求していく能力をもっとつけなければいかぬ、こう言われているわけでございます。  まず、学部教育は当然充実しなければなりません。さらに大学院レベルにおいても、そうした創造性、独創性を有したすぐれた若手研究者、さらに、研究だけではなくて社会へ出ていって、いわゆる第一線でやるビジネスマン、そういうものが専門的能力を有する人材を求めていく、その環境整備をしていくということであろうというふうに思います。  最近特に、エリート教育というとあれでございますが、要するに若いときから芽を持っている人たちはどんどん伸ばしていくことが必要であるということで、御案内のように、千葉大学が既に飛び級を取り入れておるわけでございます。早期からそうした芽を伸ばしていくルートというものをきちっとつくっていくということが、今求められていると思います。  今、大学院においても、三年生で既に大学院教育に入っていくということも可能になっておりますし、二十三歳、大学卒業年次、大学院に入ったすぐの時点で、飛び級制度を利用すれば博士課程を終えることができるということも今つくっていっておるわけでございますので、そういう形で、能力の高い人たちをできるだけ多く育て上げていくということにもっと力を入れていかなければいかぬというふうに思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 大学も非常に、政治家もそうかもしれません、一番古くなってしまっているということがあるから、これはぶち壊さなくてはいけないということだと思いますね。  そういう意味では、競争原理を導入する、そして小学校、中学校もそうですが、開かれた学校ということで学校の外からいろいろな先生方も入れるというようなことも必要なんですが、特に大学においては、そうした硬直的な体制を打ち破るということが非常に大事な気がするんです。硬直的な予算、硬直的な人事、硬直的な講座を思い切って変えるというようなことが大事だろうというふうに思います。  学校や学部を設置するときの入り口の基準や定員等による管理が非常に厳しいわけですが、そこでは、教育や研究の質をいかに確保していくのかという肝心な視点が全く抜け落ちているのではないかと私は思うわけです。やはり大学で行われる教育の質をしっかりと評価する、あるいは、これこそが重要なということになりますか、人事、予算などで大学の活動にがんじがらめに規制を加えることは時代の逆行だ、私はそう思います。大学自身の裁量をもっとふやすというようなことも必要かと思いますが、大胆な手を大臣に打っていただきたい、私はこう思いますが、いかがでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 時代がどんどん大きく変わっておりますし、そういう社会経済の変化に大学も適切に対応していかなければならない、そういうふうに思います。また同時に、大学の使命でもあります教育水準の向上やあるいは研究水準の向上、そしてすぐれた人材の養成、また独創的な学術研究を行う、役割が種々あるわけでありますが、主体的に創意工夫を行って、大学みずからがさらなる改革を行うことが大切なことであります。  今、規制をどんどん緩和してというお話がありました。大学設置基準を大綱化するなどいたしまして、諸規制の簡素化、弾力化に努めてきたところでありますが、引き続いて、大学が主体的な取り組みができるように、必要に応じて制度改正などに努めていきたい、そういうふうに思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 各学部の純血主義とか、先送りあるいは順送り人事とか、アメリカなんかでは、テニュア制などが入っていたりして、開放的なあるいは競争的なものが非常に加わっているという感じがするわけです。また、教授なんかについても五年ごとにチェックするというようなことがアメリカで行われたりしているということで、私は、そういうことをもっともっと導入するということにリーダーシップをとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 大学の研究者の流動性などを高めまして相互に刺激を与え合う、開放的でまた競争的な環境をつくり出すということは大変重要であると思っております。  文部省では、外国の動向も勘案をしながら、既に平成九年に大学教員等の任期制を導入するなど、研究者の流動性を高めるための施策の推進に努めてきたところでございます。まだ我が国社会全体としては職業間の流動性が必ずしも高くないわけでありますが、任期制を導入している国公私立大学の数は徐々に増加をしております。ことしの二月現在で四十八大学が任期制を導入しておりますけれども、大学教員の採用に当たりましての公募制も、かなりの大学で実施をされております。これは、国立大学の九五%が公募制を採用しております。  今後、こういう各大学の主体的な取り組みによりまして、学外者からの登用を初めとして研究者の流動性が一層進むように努めていきたいと思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 半分ぐらいが大学に行くという時代になりましたから、昔とは、いわゆるエリート教育というようなことの範疇の中では行われない。そうした中で、やはりお医者さんなんかでもそうなんですが、お医者さんと医者の経営というのは両方を分けなければならない、こういう時代になったと同じように、教育ということと研究ということと学校経営ということ、これはもう一人の中でやるというのはなかなか難しいんだと思いますね。  いろいろな大学の先生方と話をしたりしましても、この二年間ぐらいは学部長になって研究ができておりませんよなんということを言う方もいらっしゃったりして、私は、ここの研究機能、教育機能、マネジメント機能というものを分けていくということについて、これまたリーダーシップを発揮していただくことは大事なことではないかと思いますが、いかがでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 委員おっしゃいますように、大学における機能というのはたくさんあるわけでありまして、そういう意味では、それぞれの方が御自分の専門分野に没頭して思い切った仕事ができるということは大変重要ではないか、そういうふうに思っております。  特に今後は、学校経営の形態もさまざまな形がとられてくることとも思いますし、そういう意味では弾力的に行っていくようになる、そういうふうに思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 この間、中教審の答申ですか、ありまして、少子化という中での教育ということなんですが、私もかねがねそう思っていまして、子供の問題というのは親の問題。私は昭和二十年生まれですが、子供が非常に少なかった。それからすぐ、団塊の世代が来た。それが進んでいく。三十年代からテレビというのが入ってくる。そして、世の中が高度成長というようなことになってくる。高度成長時代、あるいはその情報、環境。  つまり、教育というのは常にそうした、子供たちから大人に至るまで、どういう社会が待ち受けていて、そこの中でどういうように展開されるか。そして教育体制、その中でどういう教育が施されたのか、そのときの親というのはどういう心象風景であったのか、社会というものがどう変化していったのかという、そういう相互的な作用の中での教育ということを展開する必要性が当然あろうと思います。  昭和二十年代に生まれた人たちを、どういう社会が待ち受けていたのか、どんな教育体制であったのか。三十年代は明確に、また待ち受けていた教育体制というものと社会というものが違う。文部省も徐々に徐々にそれは変化をさせてきたのでしょうが、特に団塊の世代の子供たちが非常に数が多いということで、あるいはタイミング的に言いますと、団塊の世代の子供たちがどういう教育を受けて日本再建というものに立ち向かうか、私は、そういうタイミングというのは非常に大事だと。この機を逸した場合には、これから親もなかなか教育がうまくいかないときかもしれない。  親が少なかった三十年代、昭和三十五年ごろは一番少なかったわけですね。それから団塊の世代の子供たちがふえた時代がある。そして、ずっと少子化傾向になってきた。教育というと、少子化というものにどう対応するかということも大事だが、団塊の世代の子供たちというのは二百万人にも及んで非常に多いわけですから、ここにどういう教育というものを、日本全体で数が多いわけですから、ここがしっかりしてもらわなくてはならない、社会学的な観点かもしれませんが、私はそういうことが必要であろうというふうに思っております。  子供というだけでなくて、親が一体どういう親なのか、いつ生まれ、どういう社会が待ち受け、どういう教育が行われ、どういう価値観が強いられたのか、こういうことの分析の中から、私は、団塊ジュニアというのをバックアップしようということが、今日本全体ということからいきますと数が多いわけですから、大事だなという気がしております。  そういう意味では、子供の問題は同時に親の問題ですから、この親の問題ということに焦点を合わせた場合に、私はその生涯教育というのはますます大事になると思います。どうも親が、大人の幼児化傾向ということがずっと言われますね。  この間、ちょっと昔の私の切り抜きなんかを見ていたら、昭和五十二年、このときの新聞の切り抜きが出てきまして、大人の幼児化傾向、雑文文化なんということが書いてあるわけです。  私はそのころ盛んに論文を書いたりしまして、一九三〇年代のファシズムの中におけるドイツのフランクフルト学派、アドルノとかベンヤミンとかそういう中で、大衆社会化状況においてどういうふうに人が幼児化傾向をもたらすかというようなことで、よくヨハン・ホイジンガなんかについて私は論じたことがあるのですが、同じように、今はもっと、ローレンツが言うような幼児性の指摘、ヘルマン・ヘッセなんかも雑文文化ということを言っているのですが、どんどん——どんどんというわけではきっとないのでしょう、上の世代から見ると非常に、ロゼッタストーンの時代から、今の若者には困ったものだなんということが書かれていたということがあるわけです。  しかし、それにしても、文化というものがヘルマン・ヘッセが言う雑文文化というようなことに現実には確かになっているでしょうし、幼児化傾向というもの、その辺のことをどういうふうにしていくかというようなことが私は非常に大事な問題ではないかと思います。  なかなかお答えにくいかもしれませんが、そうした思想的、哲学的な、大人の幼児化傾向、大人になり切れない、こういうことについてどんなふうにお考えなのかということをお聞きしたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 非常に難しいテーマを投げかけられております。  今その問題についても具体的に、例えば一昨年ですか、次代を担う青少年についての有識者会議というのがございまして、そこの報告を受けましても、この問題について議論をされておるのでありますが、結局、人間の感情を言語化して表現する力が弱まっているのではないかという指摘があります。それから、日本の教育では、ディベートとかそういうことが非常に弱いという指摘もございます。今それを取り入れなければいかぬということが盛んに言われておるわけでございますし、要するに、社会性とか自分を抑えるとか、あるいはコミュニケーションをいかにうまくやるかとか、そういう能力の低下ということが今の社会現象のいろいろな中にあらわれておる。  最新のあれではパラサイトシングル、これなんかも一つのあらわれではないか。少子化の問題にしても、結婚している夫婦はちゃんと二人、三人、あと一人欲しいという方が大多数なんでありますが、結局、結婚しない。未婚ということ、これが今の少子化の一つの大きな問題になっておるわけでございます。  そうした観点から今の日本の社会を考えていきませんと、単なる小手先だけの対応では対応できなくなっているという事実があるわけでございまして、そのことを踏まえて、これからの教育問題全般について日本の教育のあり方を考えていくということにしていかなければいけないのじゃないか。今、お話を聞きながら、そんな感想を持っておるわけであります。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 二つだけ言いますが、親が非常に孤立化している。親が親になり切れていないということの中には、親が相談相手がない。具体的には言いませんけれども、最近のいろいろな事件の中には、親の群衆の中での孤立化という現象があると思うのですね。  人間関係をどういうふうにつくっていくかという中で、生涯教育というようなもの、あるいは保育園のあり方とかいろいろなことも含めて、私は東京にいまして、学校というのはどういうものかな、こう思って——特に中央区とか文京区とかは、昔私の選挙区だったのですが、どんどん学校が閉鎖されていくというようなことがありまして、学校というのは非常にコミュニティーの中心だなという感じがするんですね。  学校が壊れていく、少なくなっていくとコミュニティーが実は壊れてしまうということがあって、学校のあり方というものは、コミュニティーという、お母さん方が話し合いをそこでできていくというような非常に大事な要素というのがまだあるように思うんです。親の孤立化という中での人間関係をつくることが一つ、そして学校というものは、コミュニケーションだけでなくてコミュニティーの非常に大事な要素であるという点、三番目に、スポーツとかそういうようなものも、生涯教育という中で、そういう意味では地域の人間関係を深めるのに非常に大事だな、私はそう思いますが、以上三点についてお答えいただいて、私は質問を終わりたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 おっしゃるとおりで、私も、山口県の地元のPTAの皆さんといろいろな話をしますと、やはり親学問ということを何かできませんかという話を聞くんですね。結局、PTA活動の第一線でやっておられる方はいいわけでありますが、それに参加できない人たちがたくさんいるということであります。そういう方々に、おっしゃったようにいかにコミュニティーの中に入ってもらうかということ、これは今から大きな課題でございます。  実は、御承知のように文部省も、少なくともこれまでは学校教育に専念していればいいということできたわけでありますが、ここ最近の状況からいって、家庭教育にも文部省はしっかり力を入れていかなければいかぬということで、最近、御案内と思いますが、家庭教育手帳とか家庭教育ノートとか、こういうものを出しまして全家庭に配る、あるいはゼロ歳児から六歳児のうちにも行くようにというようなことでやっておるわけでございます。  しかし、実際それをきちっと読んで、それを教材にしてでもやってくれるような仕組みがあればいいわけでありますが、それがそのままになっているということを、私も文部省に入りましてそのことを今、実際にこういうものを出したって、これがいかに活用されているかということの検証がなければ意味がない、何億使ったって意味がないということを言っておるわけであります。  一つのコミュニティーのあり方として、今学校を御指摘になりました。学校が当然その中心の一つにあります。もう一つは、生涯教育の中でもっと公民館を活用したらどうかということで、公民館、全国一万七千有余あるこのネットワークをもっとうまく利用して、そこに家庭教育学習のキャンプをつくっていくということも今強くこれから進めていかなければいかぬ、こう思っておるわけでございます。  今太田委員御指摘の点が、これからの日本の教育の一番もとになる家庭教育をいかに進めていくか、そしてその中に親たちがいかに入っていけるか。できるだけその間口を広げていくということ、これから文部省もその中に一緒に入っていかなければいけないというふうに思っておるわけであります。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 旭道山さんがそこにいらっしゃるが、スポーツということについては。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 スポーツについては、これが子供たちを心身ともに鍛えていく上で大きな意味がある。最近の子供たちは家庭に閉じこもって外に出ないということであります。例のスポーツ振興投票法案、スポーツくじにもいろいろ御批判もありましたけれども、一つのねらいは、やはり整備をして、できるだけ子供たちをスポーツに入れていく。  しかし、それは、やはり親も一緒に入っていかなければならぬわけであります。親が一緒に入れるかどうかということは、スポーツ少年団とかありますね、そういうものに子供たちが入っていけばもちろん必ず親が入っていきますから、私は、子供たちをできるだけスポーツに引っ張り出すような政策をとっていくことが親が一緒にスポーツに入っていく道になるのではないか。  もちろん、ママさんバレーボールであるとか卓球であるとか、身近なスポーツに最近親も、いわゆる生涯スポーツという観点から参加されるようになりました。なりましたが、そのためには、もっと参加しやすい施設をどんどんつくっていく。そして、学校をもっと開放して、その中に入っていただくという手法を思い切ってとるということが必要であろうというふうに思います。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 終わります。ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 この際、休憩いたします。     午後零時四十四分休憩      ————◇—————     午後一時四十分開議

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  政府参考人として建設省官庁営繕部長春田浩司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 質疑を続行いたします。河村たかし君。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 河村たかしでございます。  日ごろ私は野党として割と対立型の質問をしておるんですけれども、本日は、文化を守るということにつきまして、大いに文化庁並びに文部大臣が積極的にリーダーシップをとっていただいて、やはり、文化というと、産業とは若干異なりまして、時代の流れというのは、環境を守ろうというところまではどうにか来たと思いますけれども、文化を守るというのは大変な、まだこれからという格好だと思うんですね。ですから、ぜひ具体的に。  私の出身高校なので非常に申しわけないんですが、後で言いますけれども、名古屋の旭丘高校というのがありまして、昭和十三年づくり、その建物を壊すということです。非常にありがたいことに、文化庁さんの方から、申請をすれば登録有形文化財になるということを文書で示していただいたんだけれども、やはりスクラップ・アンド・ビルドの時代というのが前提としてありますから、壊してしまう、そういう流れから何とかこういうことは、この文化財保護法は国の法律ですから、地方自治の問題もありますけれども、やはり、ここだというときは文化を守るために国が発言していかないと、本当にいいものがどんどん壊されていってしまう、そんなような趣旨でございます。  まず、参考資料を皆さんにちょっと出していただいて、その中に、一枚ちょっと古い写真が入っております。きょうの資料です。これが当該旭丘高校でございます。昭和十三年づくりでございまして、同じ年につくった、愛知県庁があります。愛知県庁の方は、おかげさまで登録有形文化財となっております。この建物、今は四階を増設しておりまして、ちょっと見ばえがこれとは違うところがあるんですけれども、その部分は原状に復帰するとかいろいろな意見がありますが、私の聞いたところでは、教室として旧制中学を残していくのは全国初めてになるだろう。  こういう非常に貴重な建築文化財をどうやって守っていくのかということについて、ぜひ、質問というよりも、文部大臣並びに河村次官の方から、一歩踏み込んだ御答弁をいただきたい。やはり文化を守るというのはやらなきゃだめですよ、産業と比べて弱いですから。そんな趣旨でございます。  まず、署名簿が六千三十九名分、これはちゃんと通告もしてありますので。ぜひ壊さないで、少なくとも耐震診断をやっていこうじゃないかと。これは耐震診断をやっていないんですよ。そんなことでございます。そんな署名簿が出ておりますので、ただいまから文部大臣にちょっと御提出いたしますので、市民の声でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。  いろいろな署名があると思いますけれども、こういう、建物を守るということにつきましては、一方壊そうという流れもある中でございますので、こういう団体の方が非常に苦労して集められた貴重な国民の声でございますので、大臣、ひとつそれを重く受けとめていただいて、お考えをいただきたいと思います。  とりあえず、今御感想を一言お願いします。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 文化を守るとおっしゃいました。文化を守り、文化を振興するということは非常に重要なことでありまして、そのためには文化財の保護が大事でもあります。また、現実にその建物を所有している人のいろいろなお考え方、また利用している人の利便性、安全性等も考えなければならないと思いますけれども、基本的には、日本の重要な、貴重な文化というものは保存、維持をできるだけしていくべきだと考えております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 ありがとうございました。  それで、後で出てまいりますけれども、今のところは、要するにまず耐震診断ですね。建物の耐震診断がないんですよ。耐震診断をしてもらおうということでございますので、ぜひそれを念頭に置いてお答えをいただきたいと思います。  まず、同じく資料がございますが、これは文化庁に今度はお伺いしますけれども、日本建築学会から要望書が出ているんですね。資料の後ろの方に何枚かついております。それを見ていただきまして、例えば日本建築学会東海支部から出ておるのを見ますと、ちょっと終わりの方だけ読みますが、  なお、この建物については、すでに文化庁が「登録有形文化財の登録基準(造形の規範になっているもの)に合致する」という見解を公表しております。本委員会としては、貴職が本委員会および文化庁の見解をご理解の上、この建物を登録有形文化財として登録申請されて有効に活用される方策を講じられ、また、単に文化財保護の視点だけでなく、廃材を出さない環境負荷低減という世界的動向に合わせて、貴重な校舎として末永く利用できるように再生されることを強く希望します。 学会からこういう資料が出ておりますけれども、文化庁としてはどう受けとめられるか、御答弁をお願いいたします。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  日本建築学会等から愛知県知事へ、今先生が御指摘になりましたような要望書が出ているわけでございます。私どももそれを拝見させていただいたわけでございまして、おっしゃるように、県立旭丘高校の校舎につきましては、昭和十三年に竣工し、建築後約六十二年が経過しているそういう学校建築である、このように承知をいたしておるわけでございます。  やや制度的なことになって恐縮でございますが、文化財保護法に基づきます有形文化財の登録につきましては、その登録基準で、原則として、建築後五十年を経過し、かつ国土の歴史的景観に寄与しているもの、あるいは造形の規範となっているもの、再現することが容易でないもののいずれかの要件に該当することが必要でございます。  この旭丘高校校舎につきましては、先ほど先生が御指摘になりましたように、築後五十年に満たない増築部が存在をするわけではありますけれども、昭和初期の学校建築の特徴を備えた作品でございまして、登録有形文化財の、先ほどの登録基準に当てはめてみますならば、造形の規範となっているものに合致をするであろう、このように考えておるわけでございます。  ただ、この登録文化財の制度につきましては、やはり基本的には、その所有者の方々がそれをどういった形で保存し活用していただけるかという、その所有者の意向というものも十分に尊重していくということが大切でございます。文化庁といたしましては、所有者、この場合には愛知県が設置者でございますから、愛知県の同意が得られ、登録有形文化財の登録申請が愛知県からなされるならば、登録手続を行うことは可能であろう、このように考えておるところでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 ということは、取り壊し、新築以外の方法も検討してほしいということでございますね。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  この旭丘高等学校の校舎につきましては、愛知県におきまして、既存校舎の安全性でありますとか今後の高等学校教育施設のあり方につきまして、いろいろな観点から対応を検討してきた、このように承っているわけでございます。  愛知県におきましては、この学校の関係者などいろいろな方々の御意見等も集約しながら計画策定を行っておると。県が提案する改築計画におきましては、この既存の建物の雰囲気も踏まえた校舎の建築を目指す、こんなことでいろいろな工夫もなされている、現在このように承知をいたしておるところでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 いや、そうではなくて、そういうことだったらあえてこの登録文化財にと、こういう認定というか要件に合致すると言う意味はなくて、やはり、それはそうであるけれども、しかし、やはり国の法律なんだから、ほかの方法があるかないか検討してほしい。そういう精神があるからそうなったんじゃないですか。そういうふうにしろというんじゃないですね。検討の対象として加えてほしい、そういうことでしょう、ほかの方法があるかないか。それは御答弁いただけると思いますよ。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 私どもも、この話を承りまして、愛知県教育委員会にも、この旭丘高等学校校舎の位置づけ、価値づけと申しましょうか、今の登録基準に照らし合わせますならばそれは合致をするであろう、こういうようなこともお話はしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、現時点におきまして、愛知県教育委員会におきましては、先ほども申し上げましたような観点で検討しておる。さらにそういったいろいろなことをまた愛知県教育委員会が検討するということであれば、それはまたそれで非常に結構なことであろうと思っております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 いろいろなことを検討するということは、いろいろな方法があるということでございますね。  これは河村次官、役所の立場だとああいうようなことに、奥歯に物が挟まったことになっておりますので、ぜひ政治家としてちょっと。  やはり今までの建物というのは、古くなれば壊して新しくつくる、これはみんなそう思っていたんですよ、それしか知らなかったから。しかし、後で質問しますけれども、いろいろな工法が、特に大震災以降完成されてきて、例えば下に免震装置を入れて、コンクリートは劣化防止をやって、中は反対に全くリニューアルして新品同様のものにしていく、欧米なんかそれは非常に多いんですけれども、そういう工法が完成されてきた。しかし、時代がちょうどその境でありまして、その認識がないころにできた計画の場合は、壊していっちゃうんですね。  ですから、ぜひ政治家として、取り壊しだけではなくて、ほかもそれをやれというんじゃなくていいですが、しかし、そういう工法もやはりあり得る、検討してほしいという、ぜひ御答弁をいただけませんでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 答弁まで用意していただいておりますが、私は基本的に、今河村たかし委員言われるように、文化財をいかに守って保存していくか、これは文化庁、文部省を初めとして、一つの文化政策の大きな柱だ、こう思っております。  それがゆえに、今までのいわゆる文化財の指定制度だけでは対応できないといいますか、重要文化財等々の指定の場合には、かなり個人の財産権まで縛るような大きなものになりますから、なかなかそこまでやり切れない。しかも、建物等を活用しながら指定を受けたい、そういうことならというようなこともあってこの法律ができたわけですね。  したがって、この法律の建前からいきますと、いわゆる指定文化財と違って、強制力は持たないけれども、文化財の重要性を感じていただいて、国民のために、国民の一つの財産として残していこうということにぜひ御理解をいただく。しかし、同時に、それは活用したいんだとおっしゃるなら、その活用も認めましょう。しかし、それはできるだけ残してもらいたいということでありますからね。  今までのあり方では、全面残すケースですね。全く手を触れずに、中だけ直すケース。それから、外形は残すけれども、一部これはどうしても活用上やむを得ないので、外形を残して内側を少し変形させてもらう、しかし、それは文化財登録の対象にならないところまででは意味がありませんよというようなやり方。それから、これはどうしても維持できない、というのは、登録文化財については国の、設計とかなんとかについてのことが一部ありますが、国が全面的に制度上これを支えるだけの補助を出すとかそういうことではございませんから、財政上どうにもならない、記録としてとどめたいというようなケースも間々あるようでございます。  しかし、この法律ができたゆえんのものは、次世代の人たちのために、とうとい財産として文化財を残していきたいという基本的な認識に立っておるわけでございますので、我々文部省の方が登録文化財の対象になりますよと言うことは、お金も何もつけて全部国が見ますからということじゃありませんが、残していただきたいということがその中に含まれておるというふうに考えております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 そのためには、先ほど次官のお話もありましたけれども、さまざまな方法を考えていただくことは結構だということで、再度繰り返しますけれども、さまざまな方法をぜひ考えてほしい、それにぜひ御答弁いただきます。それだけで結構です。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 そういうことであります。  ただ、ここはたまたま学校現場であるということも、一部いろいろな考え方の中にはあるかとは思いますですね。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 文化庁としてですけれども、まず最初は、国の法律なんですから、やはり一応現場を見に行くということが一番スタートだと思うんですね。受け身だけでいいという法律ではないと思いますよ、国の法律ですから。文化庁の皆さんも税金で食べているんですから、やはり積極的に行動する務めはあると思うんですよ。  だから、向こうの御意向はあるということはわかっていますので、とりあえず、この場合ですと愛知県ですけれども、担当県に一応、こういうふうに視察に行きたいがどうだという御相談をしていただけませんか。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  本件につきましては、先生からも御指摘をいただきまして、私どもも愛知県教育委員会とも適宜連絡もとり合い、いろいろな情報もいただいておるわけでございます。文部省といたしましては、現在のところ、視察に行くということは考えてはおりませんが、なお今後、愛知県教育委員会から文部省に対しまして視察の要請がありますなれば、文化財建造物専門の調査官を現地に派遣することも含めまして検討をしてまいりたい、かように考えております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 県から要請があればということでは、まことに申しわけないけれども、大体それは、きのう言っていた話と違うじゃないですか。こんなことではまず文化財は守れませんよ、本当に。  私、これは自民党の皆さんにも言っておきたいんだけれども、別に対立の話じゃないですから。やはり文化というのは産業と違って弱いんですよ。なしでも食べられるんですよ、言ってみれば。だけれども、教育の話は、きょう午前中も出ておりましたけれども、やはり一つの社会の環境をつくるのが重要なんですよ。文化財というのはそういうものなんですよ。やはり常に何でも壊していくんじゃなくて、文化というのは人の営みですよ。こういうところにこういう人の営みがあった、そういうのに常に自分が思いをいたすようにする。そうすると、本当に、非常に思いやりのあるというか、そういう人間が形成されていくだろう。そういうのが文化財の一つの趣旨だろうと思います。  しかし、それは非常に弱いんです。ともすれば、なくてもいいものかもわかりません、そういう意味では。だけれども、それを残すことになれば、県は県です、それは認めますけれども、やはり国の法律でつくったんだから、受け身だけじゃだめですよ。だから、最低の理解を求めるように行動するとかですね。  今、署名を提出申し上げました。そういうような状況になれば、愛知県知事さんも、技術的な話し合いをするのにやぶさかではないとこの間言っております。そういう状況ですから、ぜひ、これは多分また次官の方がいいと思いますけれども、やはり単なる受け身じゃなくて、理解を求める行動はする。ちょっと時間がありませんから。そこまでやはり国としてぜひやってほしいと思います、国の文化財ですから。そう思います。どうでしょうか、河村次官。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 もちろんおっしゃるとおり、国の文化財であるとともに、その地域の誇りとなる文化財でありますから、そういう観点に立たなければいけません。  ただ、このケースについては、あなたの母校ですから一通り思い入れもあることもわかりますが、ここまでの経緯については、建築遺産として残すかどうかということも判断の上でというふうに文部省側は聞いたものでありますから、今地方分権も言われておりまして、この法律をつくるときの、できるだけ地方の意見というものを重視しながらという観点も無視できない面もあるものでありますから、そういう形で今御答弁を申し上げたと思います。  しかし、文化財を残すという大きな観点に立てば、残してほしい、登録文化財に対応するものはできるだけ残してもらいたいんだという意思は何らかの形で伝わっていかなければいけないものだ、そういうふうに思っております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 くどいですけれども、伝わっていかないといけないと。何とか意思を伝える、とりあえずそれだけで結構でございますが、御答弁お願いします。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 もちろん意思は伝えたいと思います。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 それともう一つ。  割と誤解があったのは、私、ずっといろいろ市民運動も手伝っておりまして、残すというと、古いものだと思っているんですよ。だから、例えば女子トイレが少ないけれどもどうなるんだとか、サッシがあかないけれどもどうなるんだ、そんな話なんですよ。  だから、ここをちょっと文化庁、残し方には、例えば外形は古いけれども中は全く新しくする、そういう工法はあるんだということは、ちょっとしっかり御答弁お願いします。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  おっしゃるように、文化財登録制度は、地域の活性化等のために活用を図りながら文化財を緩やかに守っていく、こういう制度でございまして、外観を大きく変えなければ、内部を改装し、利用目的に照らした用途変更等も可能でございます。  私ども、一応こういったようなパンフレット等もつくりまして、制度改正以来、各都道府県教育委員会等に周知はしているわけでございます。またいろいろな、文化庁、文部省のパンフレット等でも、あるいは雑誌等でもやっておりますが、さらにそういった制度の趣旨を周知徹底してまいりたい、こういうふうに思っております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 例えばNHKなんかでやってもいいと思いますよ、こういうのは。実際は中身は新品になるんだ、歴史の息吹だけあって、中身は新品になって機能的には何ら新築と劣るところはないんだ、そういうところをぜひアピールしていただきたいが、どうですか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 登録文化財というのはそういう使い方をお願いしながら残していただくということで、今日まで来ておるというふうに思っておりますが。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 そうしたら、次は文部省に。  この建物、余りこの建物と言うと答弁しにくいと聞いておりますけれども、実は耐震診断がされていないのですよ、壊すことが前提だったから。ですから、耐震診断について文部省として指導をされておるのかどうか、御答弁をお願いします。済みませんが、短く。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 文部省といたしましては、学校施設の耐震性能を確保いたしますために、設置者に対しまして、既存の学校施設につきまして、地域の実情や施設の実態等を考えながら耐震診断を行い、必要な場合は、適切な耐震補強を行うようこれまで指導をいたしてきているところでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 ということは、高校等においてこういう耐震診断を行うというのは、それは努力義務かもわかりませんけれども、努力義務ということで理解してよろしいですね。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 お答えいたします。  これは阪神・淡路大震災を契機といたしまして制定されました建築物の耐震改修の促進に関する法律の第二条におきまして、多数の者が利用する建物で一定規模以上のものの所有者は、一般的には、当該建物につきまして耐震診断を行い、必要に応じ、増改築を含みます耐震改修を行うよう努めなければならない、こういうふうにされているところでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 それは義務ということだろうと思いますけれども、今回、やはり最低でもこのことを伝えていただくということはよろしいですね、こういう義務がありますよということは。これは次官がいいかもわかりませんよ、ここら辺は。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 一般的にはそうでございますけれども、問題になった建物につきましては、既に設置者としまして改築することを決定しているわけでございますから、もちろんその前提といたしましては耐力度調査を行いまして、そしてそれに基づいて改築することを決定しているわけでございますから、そういう状況におきまして改めて耐震診断を行うということについては、私どもとして指導することはできないと思います。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 耐力度調査の話が出たけれども、耐力度調査は耐震性能をはかるものではありませんね。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 耐力度調査につきましては、大体三つの項目を総合的に調査しているわけでございますが、その一つに、建物の構造耐力ということで、地震等についてどれだけの耐力があるかということも調査項目に入っているわけでございます。それに、経年による耐力低下、さらに立地条件によります影響の三つの項目を総合的に調査いたしまして、建物の老朽状況を評価するものでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 耐震性能をはかるものではない、耐震性能をはかるためには耐震診断が必要である、それはこの間文書でいただいておりますから、ちょっとこれをしっかり言っておいてください。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 御指摘のように、耐力度調査は、先ほど申し上げましたように、建物の老朽状況を総合的に評価するものでございますが、これに対しまして耐震診断は、建物を継続的に使用する際に地震に対する安全性を評価するものでございまして、それぞれ評価の目的が異なっているものでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 ですから、耐震性をチェックするためには耐震診断が必要である、それを一言言ってください。文書でいただいているんだから。

矢野重典文部省教育助成局長

○矢野政府参考人 先ほど申しましたように、耐力度調査と耐震診断はそれぞれ評価の目的が異なるわけでございますが、どういう調査を行うかは、その建物をどういう形で整備をするかという方針があるわけでございます。その方針に基づきまして、設置者がどういう調査をするかということを適切に判断し実施すべきもの、こういうふうに考えているものでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 何かよくわかりませんので先に行きますけれども、とにかく言えることは、本当に文化を守るというのは、これは大変なんだよね。私も、これは皆さんもそうですけれども、物すごく苦労しますよ、こういう運動しますと。だから文化庁、法律があるんだから、やはりやるときはやらなきゃ何にもならぬですよ、本当に。弱い者を守らなきゃだめですよ、特に保守と言っておる人たちは。それはいいです。  建設省に来ていただいておりますので、時間がありませんから非常に短く、まず免震工法による場合は補助金が出るかどうかだけお答えを、一言だけで結構です。

三沢真建設大臣官房審議官

○三沢政府参考人 建設省の方で補助事業がございまして、それにつきましては、市の方で認定をいたしました耐震改修計画において、そういうやり方で耐震化を図るということが認定されている場合には補助ができる、その補助につきましては一定の要件に該当する場合は補助対象になるわけでございますが、その工法の一つとして免震工法も想定しているところでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 同じく建設省に、高校等の学校建物についても、いわゆる耐震改修促進法ですか、この適用があるということでいいですね。一言でいいです。

三沢真建設大臣官房審議官

○三沢政府参考人 対象になるということでございます。努力義務の対象になるということでございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 それから、いわゆる壊す工法も一つありますけれども、このたび、あれは何という法律かな、建築廃棄物に関する法律を出されましたけれども、その法律の趣旨からすれば、壊す方でない方、いわゆるリニューアル型というのか、外見を残して内部は新しく、そちらの方がよりその法律の趣旨に適合すると思うのですけれども、間違いございませんか。

春田浩司建設大臣官房官庁営繕部長

○春田政府参考人 お答え申し上げます。  環境の立場から考えますと、新築する方法だけでなくて再生する方法があるかということでございますが、一般的に申しますと、使用目的、安全性等の観点から、既存建築物の活用が可能であれば、新築と再生について、廃棄物対策等を含む環境、コスト等から総合的にこれを比較検討した上で、あくまでケース・バイ・ケースではありますけれども、場合によっては再生する方法を選択する場合があるというふうに思われます。  また、今国会におきまして、今お尋ねの建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案、これを審議していただくことになってございますけれども、その考え方のもとになっております、昨年十月に建設省で作成いたしました建築解体廃棄物リサイクルプログラム、これにおきまして、発生抑制を最も基本的な取り組みとしているところでございまして、御指摘の方法につきましては、この考え方に合致しているというふうに考えてございます。  なお、建設省では、官庁建物の整備を行っておりますけれども、歴史的建造物等の再生活用が必要な施設について、これまでにも、必要に応じまして免震工法等を採用いたしました耐震改修等を行ってきておるところでございます。  以上でございます。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 ありがとうございました。  やはり最後に文部大臣と次官にもお伺いしたいのですけれども、まず、今の話を聞いておられて、登録されておれば文化財でございますので、それはそれでいいということだけれども、審議のときに、審議というか、一番初め提案された五、六年前ですか、趣旨説明を読みましたら、小野次長さんでしたか、なぜ建造物だけにこの登録制度を適用したんだという質問に答えて、やはり非常に緊急性があるのだ、流れの中でどんどん壊れていってしまう、だから今こそ登録制度をつくって、いわゆる失うものに歯どめをと。  これは資料の中に入れておきましたけれども、これは非常にいいことを言っておられますよ、文化庁のパンフレットです。今カメラがやっていますから、これ、この中ですね。この中の裏表紙に篠田正浩監督が、失うことに歯どめをかけなければだめだと。こういうのをわざわざつくられてやっておるんです。  この下に「国が保護している文化財建造物の数の比較」がありまして、私もこれを見て本当にびっくりしました。大臣もこれを見ていただくといいんですけれども。イギリスで四十四万件、アメリカ五万一千件、フランス三万六千、日本は二千百件、こういう現状なんですね。要するに、文化財がないというけれども、要はそれだけの、古いものというか人間の営みを大事にする環境がないということですよ。これはびっくりしたんです。だから、こういうものに対して緊急の必要があるから登録制度をつくるんだというのは僕も非常に大賛成なので、こんな生ぬるい話じゃなくて、これはもっとがんがんやってもらいたいと思います。  やはりそういうのがあると、人間は優しくなるんです。うちの地域でも、祭りなんか大事にする人間はみんな非行をやりません。いろいろなことをやっておっても、話をすればわかる人間ばかりなんだ。それはなぜかといったら、人間のつくったものを大事にしようという気持ちがあるからだ。  だけれども、それがこの驚くべき数字なんです。だから私は、今回の旭丘高校問題が一つの突破口になって、世の中の流れはこうだからどうしても初めはこうなるんです、だから突破口になって、文化庁がもっとどんどん大きく活躍して、日本の中にこういう古いものも残って、人間の営みが残っていくようにしたいということなんです。  だから、登録されればいいけれども、その前に、やはり相談に行くとか理解を求めるとか、そういう活動までは条文には書いていませんよ、条文には書いていませんけれども、政治家としてこれはやはり大臣も大いに——それはいろいろな要件があるのはわかります。しかし、せっかく法律をつくったんだから、やはり待っておればいいということではないと思いますよ。  何でもやるということはないと思います。例えば、事前的にでも今回のように文化庁が認めたものとか、今のように署名が上がってきているものだとか、それから今同窓会でいろいろやっていますけれども、そういう緊急の幹事総会が開かれて話が出ているものだとか、一定の世論があればやはり理解を求めて、せっかくつくった制度だからそれを進めていく。  そういうことについて、大臣、ひとつどうですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 先ほど冒頭申し上げましたけれども、まず基本的な考え方は、文化財の保護というものは非常に重要であるということです。そして、委員がお話しの案件等につきましては、やはりまず法律の趣旨を尊重し、それから所有者の意見等、また地域住民の皆さん方の御意見を十分に勘案しながら判断をしていくということが大事だろうと思います。  同時に、登録文化財制度、これは基本的には届け出制で緩やかな保護措置を講じようとするものでございますから、そういう意味では、この制度の趣旨を一般の地域の方々、国民の皆さんにもよく理解していただくような日ごろからの努力も必要ではないかと思います。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 日ごろからの努力ということでございますけれども、また繰り返しになりますが、やはりこれは、本当に篠田さんの「失うことに歯止めを」なんですよね。これ、ずばりなんですよ。  それで、いろいろな地域で、これはたまたま私は一つ出しましたけれども、文化財問題というのは必ず地域問題だと思いますよ。私は、河村次官のところでもいろいろな話を伺っております。やはりみんな大変な苦労をしているんですよ。ほとんど力がないというのか、やはり壊す方が圧倒的に強いということでございますので、先ほど趣旨を伝えるというのは、次官に精いっぱいの御答弁をいただいて本当に感謝しておりますけれども、やはり何らかの説明をするとか、さらにそういうような、せっかくつくった制度ですから、ひとつこれを無にしないためにも、趣旨を伝える、説明に伺うということで、県の立場は重要視する、そういうことで結構でございます、しかし国としても一定の、やはり失うものに歯どめをかける行動は何らか起こしていく、そんなようなことで、再度お言葉をいただけませんでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 この登録文化財制度ができたことによってかなり失われるものが残されたというふうに思っておりますし、また、地域においてもそういうことが一つの大きな歯どめになってきておると思います。  本件につきましても、今御指摘があったような、この文化財登録制度の対応になるということは、そういう文化財を残してもらいたいという趣旨のものであるんだということは伝えていきたいと思いますし、これはやはり日本の文化度、またそれぞれの地域の文化度が問われている課題であろうというふうに理解をいたしております。

河村たかし民主党

○河村(た)委員 時間でございますので大体終わりますけれども、三つほど誤解がありましたかね。  結局、一つの大きいのは、先ほど言いましたように、やはり残すというと本当に古いまま残すんだという感じなんですよね。だから、二十一世紀の教育環境に対応するためには新築しかだめなんだという認識がありますので、まずそれを、これはお約束いただきましたけれども、そうでないと。リニューアル型でも十分それは対応できるんだということでしょう。  それから、耐震診断はやっていなかった、取り壊し前提の話はやはりまずいというふうに思いますね。  それからもう一つ、四階の継ぎ足し部分がありましたので実際登録には無理だという認識があったんですけれども、これは本当に感謝しております。こうやって文化庁が、要件に該当する、申請さえしてくれればいいんだというふうに言っていただいたことによって、大分変わってきました。  これで終わりますが、こういった文化を残すためには、本当に熱を入れて、NHKテレビでこういうようなことなんだということを言うぐらいのことをしてやらないと欧米との格差は埋まらないし、こういう文化を大事にしていく日本的な世論というか、風土というのは盛り上がってこないと思いますので、文部大臣、ぜひひとつ熱を入れて、河村次官も御支援をいただきたいと思います。  以上で終わります。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、松沢成文君。

松沢成文民主党

○松沢委員 民主党の松沢成文でございます。  教育問題の大臣所信に対する質問に入る前にちょっと、前小渕内閣の一員でもあった中曽根大臣に少し事実確認をさせていただきたいと思います。  本当に残念といいますか、御本人にとっては無念だと思いますけれども、小渕前総理が倒れられて、今病床にあって闘病生活を続けておられるということであります。この四月二日、小渕前総理が緊急に入院をされたということでありますけれども、中曽根大臣はこの小渕前総理の入院という事実を、いつ、どのように知ったのでしょうか。それをまずちょっとお聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 松沢委員の御質問にお答えする前に、小渕前総理があのような御病気で入院されたということを本当に残念に思います。特に教育を担当する大臣として、前総理は、教育の問題に本当に先頭に立って努力をしておられました。また、私にとりましては地元の先輩の政治家でいらっしゃるわけで、一日も早い御回復をお祈りしております。  お尋ねの、いつ御入院を知ったかということでございますが、実は四月の一日、二日と、G8の教育大臣会議が東京でございました。二日の午後から一行は沖縄に移動をいたしまして、三日に沖縄でG8教育大臣のフォーラムを予定しておりました。私は、二日の晩に沖縄のホテルで、夜テレビのニュースで、これはニュースといいますか、十一時半から官房長官の記者会見を行う、そういう報道がテレビで流れましたので、それを見て知ったところでございます。

松沢成文民主党

○松沢委員 それでは、これは官房長官からか副長官からかわかりませんが、総理官邸から中曽根大臣に対して小渕総理がこういう状況にあるという通知が来たのはいつで、だれからどのようにありましたでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 私に対しまして、首相官邸から小渕前総理のあのような事態についての連絡はございませんでした。

松沢成文民主党

○松沢委員 それでは、大臣は、ニュースで知って、これは大変なことだということで官邸なりに確認の電話をするなり、そういうことはしなかったんですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 ニュースで知ると同時に、秘書官からも、秘書官といいますか、その旨の話が、私は部屋に滞在しておりましたので、もう夜遅くなりかけておりましたので、話が入りました。  翌日は国際会議を予定しておりまして、いかがしたものかと秘書官と対応を練ったところでございますが、私自身は、そのときの官房長官の会見の御様子では十分御病気の状況がわかりませんでしたので、翌朝まで特に対応はとりませんでした。

松沢成文民主党

○松沢委員 その後、青木官房長官が総理の臨時代理になって、この臨時代理を決める閣議というものがあったと思うのですね。それには多分大臣も御参加だったと思うのですけれども、この閣議というのはいつ、どのように招集されましたでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 まず、臨時代理の指定に当たりましては、法律上、閣議の開催というのは求められてはいないと思います。青木官房長官は、あらかじめ小渕当時総理の指定を受けて臨時代理になられたものと私は承知をしております。したがいまして、青木官房長官が臨時代理に指定されるに当たりまして、閣議は開催されていません。  私自身は、先ほど申し上げましたように、四月の三日は教育大臣フォーラムを沖縄で開催中で、県民の方にも多く御参加いただいていました。海外からも各国の教育大臣がお見えでございましたので、お昼過ぎ、十二時四十分ですか、正確な時間は私は記憶しておりませんが、臨時閣議が開催されましたけれども、私自身は、そういう会議の途中でしたので、午前中の会議はやらせていただきたいということで、事務方を通じまして官邸にその旨をお話しし、午後の日程を取りやめて、午後の早い便で東京に戻りました。

松沢成文民主党

○松沢委員 総理大臣というのは日本の政治の最高リーダーであって、そういう意味では公人中の公人でありますけれども、その総理大臣の病状を主権者である国民に迅速にきちっと情報公開するというのは、民主政治国家にとっては大変重要なことだと私は思うのです。  その病状についても、医学には素人の官房長官から間接的におくれて発表があるだけで、担当医、医師団からの発表がなかったわけです。総理大臣という日本の政治の最高リーダーが今病で緊急入院されたという状況の中で、やはりこの病状については担当医から発表されるべきという意見がかなりあると思うのですけれども、大臣はどうお考えですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今回の小渕前総理の御病気のことについて申し上げれば、一般的には、総理の動向を初め、このような事態の場合には病状等をできるだけ正確に国民の皆さんにお知らせすべきと思いますが、今回の病気の状況につきましては、私自身素人ですから医療のことはわかりませんけれども、青木官房長官の御発言等からすれば、状況が、御病気の様子がまだはっきりしていない、また刻々と変化もされているのだと思います。そういう中で、医師団の方がその時々の変化している中での状況を発表されるのはいかがなものかというような御発言があったやに伺っておりまして、そういう発言があったとすれば、私もそれは十分理解するところでございます。  なお、総理がおかわりになって前総理となられた以降のことにつきましては、これはもう御家族の御意向を最大限に尊重すべきではないかと思っております。

松沢成文民主党

○松沢委員 ありがとうございました。  それでは、新たに森政権になって、大臣がまた文部大臣に就任されたということで、おめでとうございます。所信もありましたので、その所信に関連して質問させていただきたいと思います。  まず、小渕前総理の大きな思いというか、志を持って教育改革に取り組む、教育改革国民会議というものがスタートしたわけですね。小渕前総理が病床に入る直前でありました。  さてそこで、この教育改革国民会議というのは、私は前回の大臣に対する質問でも確認をしましたが、そのときはまだはっきりした設置形態は決まっていなかったわけですが、これは総理の私的諮問機関という形でスタートをしたわけですね。ですから、一九八四年から三年間あった臨教審、あれは国家行政組織法八条の機関で法的な機関であったのですが、今回は総理の私的諮問機関としてスタートをした。この設置した意思はもちろん内閣総理大臣にあるわけですが、文部大臣の中曽根大臣も一緒に協力をしてその人選なり進めてきた、こういうことだと思います。  さてここで、小渕政権から森政権にかわりました。小渕政権のときにこの教育改革国民会議ができたのは、自自公という連立政権をつくったときの政策合意に、教育改革国民会議のようなものをつくって徹底した教育改革をやっていくのだということがあったわけですね。今度政権がかわって、連立の枠組みも変わりました。連立の枠組みも変わって、当然、それを設置した主体である小渕総理から、森総理へとかわったわけですね。  ですから、この教育改革国民会議を継続して、森さんがすぐに、これを私も大事だと思うからそのままいきましょうという大義が、ある意味でなくなっていると言ってもいいと思うのです、小渕総理の私的諮問機関ですから。これが臨教審のように法的に総理のもとに設置される機関であれば、総理がかわってもそれを継続してやっていこうとなる。御自身の理念と御自身の人事で決めた私的諮問機関が、政権交代によって総理がかわったわけでありますから、そういう意味で、この教育改革国民会議を森さんのもとでも当然のように継続されるというのは、私たちにとってはちょっと理解ができないところであります。もし森さんが教育改革に自分も力を入れてやりたいとしたら、御自身の理念を示して、御自身の人事でもう一度そのような私的諮問機関をつくり直すべきだという論も、ある意味であると思うのです。  さて、大臣は、この継続の正統性についてはいかがお考えでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 確かに、この教育改革国民会議は、第八条の中教審のような、あるいは前回の臨教審のような審議会ではございません。総理の私的な懇談会でございます。  小渕前総理から森総理にかわられました。私的な懇談会ではありますが、森総理も教育の重要性については同様に認識をされておられますし、また、所信表明演説におきましても教育改革国民会議について述べられ、そしてその中で、委員も御承知のとおり、ことし夏ごろを目途に中間報告も出していただきたいということで、この会議の継続、存続についてはっきりと明言をされておられるわけでございます。そういうことでございます。  それから、第二回のこの教育改革国民会議にお出になられたときにも、引き続いて積極的な御議論を展開していただきたいということで、森総理の御意向があらわれております。私は、懇談会ではありますが、この会議の存続、継続ということについては何ら問題がないことと思っておりますし、森総理はこの会議に大いに期待をしている、そういうふうに思います。

松沢成文民主党

○松沢委員 文部省の方には中央教育審議会という、これも国家行政組織法上の八条の委員会で、これは文部大臣のもとに置かれるわけですね。そこで、教育の大きな理念だとか政策だとか、こういうものを議論していくというふうに法的位置づけでなっております。  さて、総理のもとに教育改革国民会議、これは総理の諮問機関ではなくて、今、審議機関と言いましたか、なりがある。また、この前「二十一世紀日本の構想」という提言を出したいわゆる二十一世紀懇というのもあるわけであります。これも教育についての方向性も出していますね。それと、文部省には、教育の大きな方向性を議論していく中央教育審議会というのがあるわけであります。この相関関係といいますか、幾つも教育に関する審議会なり委員会なりができて、それが、文部大臣が諮問するあるいは総理大臣が諮問する私的な機関であったり、屋上屋を重ねるというか、国民から見ていても非常にわかりにくい。  例えば委員を調べてみても、今度、教育改革国民会議は二十六名のメンバーですね。そのうちの九名が中央教育審議会の経験者であります。具体的に言うと、国民会議の、これは会議ですから、議長というのか座長というのですか、江崎玲於奈先生ですね。この江崎先生は、中央教育審議会の副会長という位置づけであります。また、中央教育審議会の副会長の河合隼雄さんは、二十一世紀懇の座長ですね。こうやって、人事が入り乱れているというか重複をしているというか、こういう状況であります。  さて、この教育改革国民会議の人事は、経験者も入れると大分ダブっていますね。もし、中央教育審議会がこれまで出してきた提言と全く違う提言を出すとすると、委員の人は困ってしまうわけですね、ある意味で。自分が今まで言ってきたこととかなり違う方向性を出すということは、あなたの教育に関する理念はどこなんですかというふうに疑われてしまう。ただ、中央教育審議会と同じような提言をこちらの総理の諮問機関である国民会議が出しても、これは全く意味がないわけであります。  それで、これだけ人事がダブっている中で、教育というものに関する大きな方向性を諮問したり、あるいは議論していただく機関、これが意見が分かれたらどうなってしまうのか。あるいは、意見が同じだったら屋上屋を重ねて、私は全くむだだと思うのですが、その辺については、文部大臣、いかがでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 まず、委員についてのお話がございました。ちょっと考えを述べさせていただきたいと思います。  確かに、おっしゃるとおり、今回の教育改革国民会議の委員二十六名の中には、中央教育審議会の委員が四名いらっしゃいます。九名というふうに松沢委員おっしゃいましたが、残りの五名の方は、委員と専門委員の経験者ということでございます。  この会議は、御案内のとおり、各界から幅広く選ばれた、いわゆる有識者と言われる方々に入っていただいてやっておるわけでございまして、現在ダブっている方がかなり大勢おられるということはかなり問題であろうかと思いますが、過去の経験者ということでありますし、また、お一人お一人がそれなりの教育に対する高い識見をお持ちということでございますので、私は、これはそんなに問題ではないというふうに思っております。  それから、中教審と教育改革国民会議で違うような結論を出した場合というお尋ねでございますけれども、教育改革国民会議につきましては、まだ始まって二回ほど開催されただけでございまして、各委員の御意見を、第一回目はお一人本当に三分ずつぐらいお聞きした程度でございました。今後、この会議がどういう方向に進むかということは、次回の会議以降はっきりしてくると思っております。ですから、どのような御審議をいただくかについてはまだ検討段階と申し上げてもよろしいのではないかと思います。  いずれにしましても、教育の問題は内閣の最重要課題でありまして、一体となって取り組んでいくべきことでございますので、中教審で御審議いただく場合には、教育改革国民会議の御議論をよく勘案しながら、必要な事項について中教審の方で御審議いただくということになろうかと思います。どちらを優先するとか、そういうようなことにはならないと考えております。

松沢成文民主党

○松沢委員 今の最後の大臣の答弁が非常に大切だと思うのですが、教育改革国民会議での議論を勘案しながら中教審でも議論を進めていく、この二つの会議の相関関係というのが、非常に理解するのが難しいと思うのです。  以前、一九八四年にできた臨教審と中教審は、両方とも国家行政組織法上の八条の委員会で、法的な機関でしたから、これを両方一緒に動かしていくとさまざまやりにくい部分もあったと思うのですね、同じ教育の問題を議論する機関ですから。ですから、臨教審が動いていた三年の間は中教審は休止をして、それで、臨教審が提案した答申というのでしょうか、これの大きな基本方向を受けて、臨教審が終わった後、中教審が提言を出していった、こういうふうに私は見るのです。  例えば臨教審での最大の課題は、画一的な中央集権の教育を、もっと個性を大事にした地方分権型の教育にしていこうというようなことでした。それを受けて中教審が、さまざまな教育の地方分権とか、あるいは生きる力とかゆとりの教育とか、こうやって答申を出していったのです。  ですから、今回の国民会議、大きな議論をするらしいです、教育基本法についてもタブーなき議論をどんどんやっていくのだということですが、では、ここでやった議論を受けて、中教審でその方向性を受けてこれから提言を出していくという方向なんでしょうか。  といいますのは、教育改革国民会議は、総理の私的機関ですから、担当は総理府であります。町村さんは首相補佐官という立場で、法的な位置づけがあって入っているわけじゃない。そういう、いわゆる補佐官ですね。中教審の方は文部省であります。ですから、国民会議の提言が出る、その提言を受けて中教審が議論をして、文部省が政策を具現化する、こういう関係であると理解していいんですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育改革国民会議と中教審との関係でありますけれども、中教審は審議会でありまして、委員が御説明くださいましたように、臨教審の答申の大きな流れの中で具体的な教育改革を進めてきたものであります。  今回、教育改革国民会議においてこれから議論が進む中で、さらに具体化に向けて検討すべきことが早急に出てきたりした場合には、場合によっては中教審に御審議をお願いすることもあり得るのではないかと思っておりますが、私は、中教審は今まで数々の答申をしていただいて、またそれらを現場でも実行に移してまいりましたので、今までの教育改革についての評価、フォローアップのようなものをやる必要があるのではないか、そういうふうにも思っておるわけでございます。  そういうことで、これは教育改革国民会議の下請機関でもありませんし、それから、中教審は中教審で検討すべきという事項があれば、それは独自にやっていくということが好ましい、そういうふうに思っております。

松沢成文民主党

○松沢委員 それでは、この国民会議の議論するテーマですね。今まで二回会議をやられたようですが、一回目は、三月でしたから、小渕総理のあいさつと、それに対して各委員が御自身の教育の改革へ向けての理念みたいなものを自由に発表された。そして、四月十四日にやって、分科会方式みたいな形でやっていくのだと。  では、その四月十四日の会議では、今後国民会議で議論をする、どうやら分科会方式でやるらしいですが、テーマというのは最終的に決まったのでしょうか。新聞ではさまざまな報道がなされていて、教育基本法の見直し、あるいは平等教育の是正とか道徳教育の充実、さまざま新聞には報道されているのですが、どういうテーマで今後教育改革国民会議が進んでいくか、そのテーマについては決まったのでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 前回の、というのは二回目でございますが、その会議の状況をちょっと御説明申し上げますと、江崎座長から今後の会議の運営ということで委員の皆さんに御相談がございました。各委員同士での意見の交換をできるだけ密にやりましょう、大勢でということじゃなくてと。そういうことで、三つ程度の分科会を設けて、各委員の方にはそれぞれどちらかの分科会に所属をしていただきたい、そしてテーマ及びメンバーの案については次回の会議までの間に、そういう委員の方々の御希望もあるでしょうから、それからどういうテーマがいいかという委員それぞれのお考えもあるでしょうから、そういう御希望をお伺いして調整した上で、次回の会議で皆さんにお諮りをしていきたい、そういうような座長の取りまとめでございました。これはそのまま申し上げます。  ということからおわかりのように、どの分科会でどれとか、だれがどの分科会とか、そういうことは現時点では決まっておりません。

松沢成文民主党

○松沢委員 それではちょっとお聞きしますけれども、教育基本法の見直しですね。これは、教育改革の中でも最も大きなというか、重要なテーマだとは思います。  教育基本法の見直しは、小渕前総理も、たしか最初の第一回目の会議のごあいさつの中で触れられているように私は記憶しています。そしてまた、町村補佐官も、そこまでしっかりとやる会議にしたいというふうに触れていると思うのですが、では、教育基本法の見直しは一つのテーマになるというふうに判断をしていいんですかということが一つ。  もう一つは、これを教育改革国民会議でやるのであれば、中教審ではこの問題はやらないんですね。両方でやって、違う答申が出たらどうするのか。これは全く困ったことになると思いますので、教育基本法については国民会議の方でやるんだという方向で判断してよろしいのでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育改革国民会議でどういうようなことを議論されるかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、まだ、細かい議題については、御審議の方向については決定していないわけであります。  前から申し上げておりますように、この会議は、やはり教育の根本にさかのぼった議論を行う、そしてそういう議論の結果というものを施策に反映させるということでございます。根本にまでさかのぼったということでありますし、新しい時代の教育はどうあるべきかというようなことを御議論いただくわけでありますから、あるいは戦後の教育についての総点検を行うということでもございますから、そういう中で教育基本法についての議論は出てくるもの、私もそういうふうに思っております。そして、最初の会合で、各委員からいろいろな御意見があったわけでありますが、そういう御意見の中でも、この見直しをすべきだというような御意見もございました。  今後のことについて、私から予測したことは申し上げるべきではないと思いますけれども、教育基本法についてはさまざまな意見があるわけでありまして、私自身も、この文教委員会でも申し上げておりますとおり、見直しについて幅広い議論をしていただくということは大切だと思っておりますので、この国民会議の中でこのような議論がされることを期待しております。

松沢成文民主党

○松沢委員 大臣のコメントで、私の調べたのとちょっと違うなと思ったのは、最初の会議で教育改革国民会議の委員が自分の考え方を述べました。そのときに、各人が述べていると思うのですが、その中で、教育基本法の見直しについて触れたのは三名の委員であったというふうに、私がインターネットで引いたのではあるのです。その三名の委員というのは、二人が政治家であります。一人は町村さんであり、もう一人は当時の自由党の戸田先生でありました。そして、一般の委員の中から、この会議に参加した問題意識を自由に述べた中で、教育基本法を見直すべきだという、具体的に教育基本法という言葉を使ったのは、勝田委員という方ですか、その方お一人なんですね。  ですから、私は、委員全体の問題意識は、教育基本法の改正をまずやりたいという問題意識でなくて、逆に、町村先生ですとか戸田先生というそこに参加されている政治家の方が、むしろそちらに持っていきたいというふうにとれる部分もあるので、これは私の調べたところですから、ちょっとコメントしておきます。  それでは、最後の問題を質問させていただきます。  大臣の見解をいただきたいのですが、教育基本法と憲法の関係についてどう考えるかという大変大きな課題なんです。憲法というのは、国の形を原理的、外形的に規定している基本法ですね。これに対して教育基本法というのは、国を根底において支えている国民、その人間の形を精神的、内面的に方向づけるものであるというふうに言われています、ちょっと難しい言葉ですけれども。  ですから、これまで日本の歴史を見ても、憲法と教育基本法というのは常に対の形で形づくられてきたのです。例えば明治憲法のときは、明治憲法ができたのは明治二十三年、このときに明治憲法発布とあわせて教育勅語というものがつくられているのです。要するに、対になって国民に提案されているのです。終戦後に新しく憲法が生まれ変わりました。昭和二十二年のことですが、そのときも、憲法と教育基本法は、ある意味で対になって、同じ年に国民にリリースされているわけなんですよ。それで、教育基本法の前文にも、「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。」云々とうたっているのです。  ですから、教育基本法というのは、国において、その国をつくっている国民、どういう国民を養成していくのかという、極めて国の基本にかかわる大きな法律なんですね。ですから、この教育基本法を見直すという大事業にもしかかるのであれば、当然、憲法のあり方もそれに合わせてきっちり議論して、もし教育基本法を大きく見直すのであれば、その母体になっている憲法もその方向で見直す、そういう方向性がなければならないという意見もかなりの識者にあるのです。私もそう思っています。  この点について、大臣はいかがお考えか、御所見をいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今の御質問にお答えする前に、第一回の教育改革国民会議での委員の御発言について委員から御発言がありました。  あのときは、座長から各委員に、基本法についてのお考えはいかがですかという質問だったわけじゃなくて、御自由に御意見をということで、短い時間の中で、委員の皆さんいろいろおっしゃりたい中で、一言ずつおっしゃったということでございます。委員のおっしゃるとおり、人数は三人であったかもしれませんけれども、そういう意味で、あの短い時間の中で委員の方々がお考えのことがすべて意思が表明されたとは私は思ってもおりません。  それから、今の憲法との関係でありますけれども、教育基本法は、確かに憲法の精神にのっとって定められた教育に関する基本法でありますけれども、しかし、法律の形式といたしましては、通常の法律と変わるものではございません。したがいまして、法律論としては、憲法の見直しと必ずしも一体となって考える必要はないと私は思っております。  ちょうど憲法については衆参の国会で議論が行われております。確かに、この前文には「日本国憲法を確定し、」ということでなっておりますけれども、私は、この今の教育の現状というものから教育基本法についての議論が、自然発生的といいますか、必要だという御意見の中で議論が行われてくる、そういうふうに考えておる次第でございます。

松沢成文民主党

○松沢委員 時間です。ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 この際、休憩いたします。     午後二時四十八分休憩      ————◇—————     午後三時五十七分開議

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 きょうは親子二代の大臣に質問をすることになりますが、一九八四年、昭和五十九年、臨時教育審議会の設置問題で、当時の森文部大臣及び中曽根総理とともに教育基本法問題で繰り返し論争したことを思い出します。  当時の森文部大臣は、文部大臣になりました以上は、今日の憲法、教育基本法を守りながら、この中で教育の制度の見直しをしていかなければならぬという考え方は、全く間違っておりません、この際はっきりと申し上げます、こういうふうに述べております。これが文部大臣就任のあいさつでございますけれども、今の中曽根文部大臣もこのお考えと一緒でしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育問題につきましては、戦後五十年以上たちまして、日本の教育水準も世界のトップレベルになりましたし、また、そういうことから経済的にも発展し、また平和で、ある意味では豊かな生活の時代になったわけであります。しかし、さまざまな教育現場あるいは社会においていろいろな問題が発生しておりまして、委員御承知のとおりでございます。  そういうことを考えますと、新しい世紀を間もなく迎えますし、また、新しい千年紀に入りました現在、戦後の教育について総点検をし、また、これからの新しい時代の教育の理念を初めとする基本的なことについて大いに議論し、そこで直すべきところがあれば直していくということは当然であろうと思っております。  そういう意味で、今回この委員会でいろいろ御議論いただいておりますけれども、森内閣においても教育改革を重要課題として掲げておりますので、あすの日本を担う子供たちが本当に立派な青年となるように、一生懸命やっていきたいと思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 大臣には、憲法と教育基本法遵守の義務があります。この点について申し上げたいと思います。  ところが、今回、森さんは総理大臣になった途端に、教育基本法の見直しについて教育改革国民会議に要請をしております。余りにも軽薄な所業だと私は思うわけです。  新聞報道では、教育基本法の見直しを含め、教育は何のためにあるか、学校は何のためにあるのかを率直に問い直し、議論すべき時期に来ている、こういうふうにあいさつをしております。これは新聞報道ですがね。文部大臣も同席しておったはずですが、文相もこの見解を肯定しているのでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 私もたびたびこの委員会で答弁をいたしておりますけれども、また、ただいまも委員の御質問にお答えいたしましたように、さまざまな問題が発生しております。いじめとか、いわゆる学級崩壊とか、暴力行為とか、あるいは学校の制度について、あるいは大学改革について、学術研究についてと、課題がたくさんあるわけであります。そういう意味で、教育の基本ともなります、教育のいわば憲法とでも言えますこの教育基本法について幅広い議論をされるということは、大変大事なことと思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 第一に、教育に関し憲法にうたってよいような事項をうたうこと。それから第二には、憲法にうたわれている教育原則を一段と具体化すること。第三には、他の教育法令を導き出す端緒を示し、それらの教育法令に規定されるべき事項について根本原則を示すこと。そして第四に、教育基本法と他の教育法令と総合一体化させて、教育法令の体系をつくり、教育基本法は、教育法規をまとめ、締めくくる法律であることを確認する。これが、教育基本法ができたときの考え方ですね。  だから、教育基本法というのは、これに手を触れるということは、相当な大問題だ。私は、この教育基本法ができたときから教育に関係しておりますから、ただのことでこれを変えるなんということは許せないのですよ。だから、その点で申し上げているのです。  教育基本法の法的性格は、憲法の附属法的地位を占め、教育法体系を構成し、教育法をまとめる地位に立っている。そうであるならば、憲法が変わり、教育法体系が変わらない限り、教育基本法は変わらない、厳然として生き続けなければならないという考え方が当時の教育界の一致した見解でございました。  教育基本法前文には、「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、」「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。」としまして、「ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。」としておりますが、さらに、第十一条におきまして、「この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。」こうなっておりますね。  そして、当時の教育刷新委員会の田中二郎さん、これは後の最高裁の判事でもありますし、原案提出者でありましたが、教育法の中の根本法、すなわち教育基本法を準憲法的性格として位置づけている。憲法と教育基本法は車の両輪であり、憲法が変わらない限り教育基本法は変えてはならぬというのが考え方でございましたが、今は変わっていますか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育基本法は、憲法の精神にのっとり定められた教育に関する基本法ではありますけれども、法形式といたしましては、通常の法律と変わるものではございません。したがいまして、法律論といたしましては、憲法の見直しと必ずしも一体として考える必要はないと思っております。  憲法につきましては、委員御承知のとおり、衆議院、参議院の調査会におきまして議論がなされているところでございます。教育基本法は教育基本法として、さまざまな議論があるわけでありまして、今後、教育基本法についての見直しを含めた幅広い議論が行われるということは、私は何ら問題ないものと思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 教育刷新委員会の委員長をしておりました南原繁さんですが、このように述べています。「新しく定められた教育理念にいささかの誤りもない。今後、いかなる反動の嵐の時代が訪れようとも、何人も、教育基本法の精神を根本的に書き換えることはできないであろう。なぜならば、それは真理であり、これを否定するのは歴史の流れをせき止めようとすることに等しい。民族の興亡にかかわると同時に、世界人類の現下の命運にかかわる問題である」、こう述べています。  これは南原さんの話ですけれども、当時の教育界はこういう考えでした。変えてはならぬと。それが、いつの間にかこうなっているでしょう。このことを心すべきであると南原さんは言っておるわけです。  しかも、重大なことがあるのです。一九八四年に設置された臨時教育審議会は法定審議会でありますが、これは、委員は国会の同意事項でありました。しかし、「教育基本法の精神に則り」と、教育基本法を変えないとの言明が付されておったのでございます。  今回の教育改革国民会議は、法律で設置したものではありませんね。だから、委員も国会で同意を与えたものではありません。いわゆる私的諮問機関である懇談会に、準憲法的性格を有している教育基本法の見直しを要請すること自体が、私は誤りだと思っています。その点について、文部大臣の見解を伺いたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 教育改革国民会議は、委員も御承知のとおり、現在この森内閣も最重要課題といたしております教育改革を進めるために、幅広く国民の皆さんの御意見を伺おう、そして御議論をいただこうということで設置されたものでございます。  確かに、臨時教育審議会のときには、教育基本法にのっとりということで、教育基本法についての議論はございませんでしたけれども、今回は、教育の根本にさかのぼった議論をぜひ行ってほしいという、森総理あるいは小渕前総理からのそういうお考えがありまして、幅広い議論が行われるもの、そういうふうに思っておるところでございます。  この教育改革国民会議は、確かに総理の私的な懇談会でございまして、法的に中教審や臨教審のような審議会として定められたものではありません。しかし、総理がこのような懇談会に議論していただくことをお願いし、それを参考にして政治に反映させていくということは、私はこれは意義のあることだ、そういうふうに思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 審議会と、私的諮問機関であるすなわち懇談会、この問題では、国会で相当な論議が行われてきたのです。今、ただ出てきているのではないのです。  そして、その論議の中で、例えば昭和三十六年の行政管理庁の「懇談会等行政上の会合の開催について」。ここのところでは、「今後、各省庁が部外者の参集を求めて開催する懇談会等行政運営上の会合は、国家行政組織法八条の機関ではないかとの疑惑をうけることをさけるために、下記の点に特に御留意願いたい」、こうなっておりまして、「国家行政組織法第八条の審議会、協議会は合議制の行政機関として委員個々の意見とは別個独立な機関意思を決定することが所掌事項としてさだめられているものであるのに対し、いわゆる懇談会等は個々の意見を聞くのみで行政機関としての意思の決定を行わないものであるというのが国会における答弁の要旨である」、こういうふうに述べております。  さらにまた、昭和三十八年の「審議会と懇談会の差異について」でも、「懇談会は、合意機関としての意思が表明されることなく、出席者の意見が表明されるにとどまるところにあります」  そして、それを今度は、夏までに中間報告を出すとは一体何事ですか、これは。総理大臣がいきなり教育基本法を、何の法律的根拠もない懇談会で、これに対しては夏までに中間報告を出せと。とんでもない話ですね。今までの法律形態から見まして、これは明らかに違法なことをやろうとしているわけで、私はそういう意味で、本当にこれは皆さんにも考えていただきたいんです。こんな無法なことがまかり通ってはどうにもならぬという気持ちで発言をしているわけですが、この点はいかがですか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 懇談会また審議会についての委員の御発言がありましたけれども、確認のため申し上げますが、いわゆる私的懇談会は、この国民会議がそうでございますが、大臣等が、当面する問題について関係各界から有識者の参集を求めて、その意見を聴取するために開催するものでございます。このような形で有識者の意見を取り入れて施策に反映することは、有益なことであると考えております。  これに対し、審議会は、今御発言ありましたけれども、国家行政組織法第八条に基づく合議制の機関として常設的に設置され、諮問に応じて基本的な政策や許認可に係る基準の作成などについて審議を行っているものであり、重要な役割をまた果たしていると考えます。  私的懇談会の意見については、各行政機関が政策決定等を行う際、その責任において活用され、施策に反映されるものでございます。したがいまして、総理の私的懇談会の意見が総理の御判断により政府の施策に反映されることは、当然あり得るものと考えております。  また、委員からは、この教育改革国民会議から、夏ごろを目途に中間報告を出していただくという総理の御発言はいかがなものかという御意見がございましたけれども、総理の所信表明演説におけるこの御発言は、そのとおりもう一回私が読みますと、「発足したばかりの教育改革国民会議から、ことし夏ごろを目途に中間報告を提出していただき、その後、広く国民の皆様の御意見を伺いながら、教育改革を推進し、国民的な運動につなげていきたいと考えております。」こういうふうに総理は述べておられるわけでありまして、具体的な制度や法律や、あるいは教育改革の具体的な施策について、夏ごろということで述べられているものではございません。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 そういう見解でこの法律が変えられていくということになりますと、本当に、今までは教育基本法に触れられなかったんですよ。臨教審も触れなかったんですよ。それが、今度いきなり懇談会でしょう。懇談会にこれを触れさせて、夏までに、結論を出せとは言っていないけれども、出してくださいというようなことになって、法律そのものの形態が変わっていくわけでしょう。  例えば今日の教育の深刻な現状というのは、教育基本法がもたらしたものじゃないんですよ。私も教育者ですから、何十年もやってきていますが、教育基本法でこの日本の教育に今日のような混乱が起こったんじゃないんです。教育基本法を形骸化し、ないがしろにしてきたことが根本原因なんですね。  だから、そういう意味で、教育基本法第十条「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。」「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」もちろん御承知の十条でございます、としているわけでございまして、教育の国家統制を強化して、さらに教育条件の整備をないがしろにしてきた責任がどこにあるかということもはっきりさせなければならぬわけですね。  今日の教育の混乱がどこにあるか、これは本当に皆さん一緒に考えなければならぬことでございまして、こういう形で安易に教育基本法に触れるなどということは、今までほとんど出てきていないんです。日本の国会で出てきていないんですよ。(発言する者あり)だからおかしいと言ったって、出てきていないんだから。要らぬこと言うな。必死でやっているときに何言っているんだ。(発言する者あり)何がおかしいか、ばか言え。  そういう状態で日本の法律が曲げられては、私はたまらぬと思っています。だから、今の教育予算の問題を見ましても、中曽根元総理大臣のもとで八〇年から始まりました臨調行革、あれでずたずたに教育予算がなっているんですよ。実際の問題として、臨調行革によって教育予算がずたずたになった。暴力事件はふえるし、登校拒否はウナギ登りに登っているわけですが、その背景に教育基本法があるなんという理論は成り立たぬですよ。私はそう思っておりますから、そういう意味におきまして、こういう形で日本の教育基本法がゆがめられるということについては、私は絶対に納得がいきません。  だから、文部省としても、きょう発表になっていますね、全国百五十の学級の分析をして、結局四十人近い学級から問題が起こっているんですよ、一番起こっているのが集中している。文部省のきょうの発表ですよ。だから、結局、子供たちをどう見るか。教育基本法に示すとおり、不当な支配に服することなく教育条件の整備をしていくというこの基本路線に立って進むならば、子供たちに対して楽しい学校にすることもできるわけですからね。もちろん、実際、今日の情勢はさまざまでございますから、それだけでは言えないと思いますけれども、本当に教育基本法を守って、そして日本の教育を本当にどうするかということを考えるということが大事ですよ。  これは、変えるなんということが頭から出てくるようなことではなかろうと私は思いますので、その点についても見解を伺っておきたい。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 昭和二十二年に制定されました教育基本法、これの果たしてきた役割は確かに大きいと私は思います。さっきもちょっと申し上げましたけれども、日本の教育水準も世界のトップレベルにもなりました。しかし、五十有余年、制定からたって、時代も大きく変わってきているわけであります。教育を取り巻く環境も状況も大きく変わっております。  よく申し上げるのですけれども、この教育基本法の中には、生涯学習というような考え方が、記述がない。当時は、終戦直後でありますから、そういうような考え方もなかったのかもしれません。そういうように、現在に合っているものかどうか議論をしようという意見が今随分多いわけでありまして、さまざまな問題が起きている今、これについての議論をするということは、私は重要なことだと思っております。  それから、確かに基本法ではありますけれども、中小企業基本法とかそれから農業基本法とか、これらについても見直しが行われました。憲法についても今議論されているわけでありまして、タブー視することなく、時代に合ったものかどうか、また、特に日本人のための教育基本法になっているかどうかということを点検するということは、私はやらなければならないことだと思っています。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 憲法の問題もありますけれども、きょうは教育基本法のことを言ったわけです。  学校が楽しゅうてたまらぬところでなけりゃいかぬですよ。私はそういう意味で今の教育を考えると、本当に学校が楽しいところになっていないですよ、今。つらいことが多いしね。でも、先生方も苦労して、生徒も一緒になって、何とか楽しい学校をつくろうということで努力しておるその姿というのは、これは本当に真摯に見なければだめだと思います。  そういう意味で、皆さんがこれから教育問題を語られる上で、制度を変えてよくなるんじゃないのですよ。制度を本当に生かすこと。バーナード・ショーの言葉がありますけれども、学校は劇場のように楽しいところでなければならぬ。私は本当にそうだと思っている。劇場のように楽しいところ、恋人に会いに行くように楽しいところ、そういう言葉がありますけれども、本当にそういう教育というものを、何か法律をつくって、いじめていじめて、そんなことで日本の教育がよくなるはずはないんです。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、松浪健四郎君。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 保守党の松浪健四郎でございます。  与えられました時間が少のうございますので、簡潔に質問をさせていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、大臣並びに総括政務次官におかれましては、朝から長時間、大変御苦労さまでございます。  そこで、総括政務次官にお尋ねをいたします。  四月十七日に、中央教育審議会は「少子化と教育について」という報告を出されました。私もこの報告を読ませていただきましたけれども、中身はほとんどないと決めつけていいぐらい寂しいものであった、私自身はそう思っておりますが、まず、総括政務次官にこの感想をお聞かせいただきたいと思います。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 厳しい御批判とともに感想を求められたわけでございます。  中教審がお出しになったこの報告は、中教審に対しましては、ふだん、ああいうものは答申という形で受けるわけでございますが、今回は、中教審の委員の皆様方が、少子化問題というのはやはり教育に大きな影響がある、これからの二十一世紀の教育を考えたときにゆるがせにできない問題だから、我々が自発的にいろいろ考えて建議しようという形で出てきたものであります。そして、明くる日の新聞では、高校生に保育実習、親にはしつけというところに焦点が当たっておりました。  しかし、子育てというのは社会全体が責任を負っていくものだということが随所に書いてありまして、そういう考え方に立っておまとめになったということで、私は、これはこれなりに受けとめて、そして、少子化の現象が教育にできるだけ悪い影響を及ぼさないように、文部省としてはやれるだけのことはやらなければいけませんし、また、少子化をどうしたら防げるかということを教育面からも考えていく。早い教育の段階で、子供を持つことの楽しさとか親子の団らんの楽しさ、そういうことを教えながら、少子化を少しでもとめていこうという努力はやはり教育現場もしなければいかぬな、こういう感想を持った次第であります。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 少子化を防がなければならない。ところが、この報告書を読んでいますと、そんなものはちっとも出てこないのです。だから、総括は少子化を防がなければいけないというふうに読み取られたのでしょうけれども、この報告書を読む限り、悲しいかな、全くそれがないわけであります。  初めにこう書いてあるのです。「今回の報告において特に強調したいのは、「子どもは社会の宝」であり、」宝であるのなら、ふやさなければいけないわけですね。では、どうしたらふえるだろうかという考えが、この報告書に全くないのです。  それで、なぜ少子化時代になったのかというと、この報告でいいますと、「未婚化・晩婚化の進行」、このように説かれているのです。ならば、早く結婚をする、結婚をするということは幸せになるのだ、そして子供を産むということは、家族の宝、国家の宝をつくることになるのだということをきちんと教育すれば、若い人たちも早く結婚をしてくれるかもしれない。そして、子供をたくさん産んでくれるかもしれない。けれども、原因はわかっているんだけれども、これをどういうふうな形で解消していくかということが、この報告書に全く書かれていないわけであります。  したがいまして、私は、中教審はそのことについてなぜ触れなかったのだろうかと。そうしますと、こう言っているのですね。「「結婚をするか、しないか」及び「子どもを産むか、産まないか」についての判断は、個人の自由な選択にゆだねるべき問題である」、そんなもの、当たり前のことです。当たり前なんだけれども、教育の仕方、教え方によって、家族をこのようにして持つべきだ、早く子供を産むべきだ、このことを私はこの報告書にきちんとまとめてあられればよかったなというふうに思うのですが、初めから終わりまで読ませていただいて、全くなかった。残念である。  私は、実は学生結婚であります。そして、アメリカの大学に留学して驚いたことは、学生結婚する者の寮が完備され、保育園、幼稚園までキャンパスの中に完備されていました。我が国の大学もそのような政策をとるということ、これが大事ではないのか、私はそう思っているのですが、総括、どうでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 確かにこの報告の中で、やはり少子化の大きな原因は未婚であり晩婚化だ、こういうことでありますから、できるだけ早く結婚してたくさん子供をということは一つの考え方だと思います。その証拠に、結婚されている方は、二人あるいは三人、そしてそれ以上と望んでおられるということからいいますと、いかに結婚させるか、してもらうか、これが非常に大きな一つの解決策になると思います。  しかし、一方では、ここの指摘にありますように、産む産まないということについては、これは産めよふやせよの時代でありませんから、政策的にこれをとるということは非常に難しいし、また、各国の政策を見ても、こういう政策をとったからといってそれが成功した例はないわけであります。  したがいまして、もちろんいろいろな整備をしていかなければならぬわけでありますが、学生結婚を奨励する、これを教育の現場でやるということよりも、むしろもっと早い段階で、結婚すること、子供を持つこと、そして家庭を持つことの楽しさ、厳しく非常に大変だけれども楽しいんだということを教えていかなければいけないし、そしてまた家族の中でも、そういう家庭教育といいますか、そういうものがとられないと、そういうものは生まれてこないのではないかというふうに私は思います。  日本の中にある、自分さえよければ、自分たちさえ楽しければというような風潮がそういうことをおくらせているということもあるんじゃないか。それから、なかなか子供が大人になり切れない。午前中にもそういう議論がありましたが、今、そういうようないろいろな要因があるわけであります。  それはもちろん、学生時代に結婚することが進めば、それだけ子供がふえるという理屈は成り立つというふうには思います。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 理屈をわかっていただけるなら、私は実行していただきたいし、諸外国ではそれは当然のことになっているわけですから、総括にも、もうちょっと勇気を出して、突っ込んだお答えを期待しましたけれども、ちょっと残念であります。  いずれにいたしましても、この報告書の中には、子供の数が少ないと、教育がやりにくいし、教育の効果を上げることができないということが書いてあるわけです。したがいまして、子供の数をふやしていかなければならない。そこで私は、学生結婚を奨励すべきだ、堂々とやればいいじゃないかというふうに思うわけです。  とりわけ、近年、みんな浪人をして大学に入るわけですから、それなりのお年を召されているということであります。それは男子学生、女子学生ともに同じでありますから、どんどん学生結婚を奨励する。そして、それは文部省ができることではないか、寮をつくればいいわけですから。そういうふうに御提言を申し上げます。  もう一つ御提言を申し上げたいのは、報告書を読んでいますと、これはほとんど、文部省と関係のないような、結構無責任な報告書なんです。いろいろな資料を集めてつくった作文でしかないと言っても過言ではないぐらい、無味乾燥とした、一言で言えば大したことのない報告書になっています。  もう一つ提言させていただきたいことは、今、文部省の御尽力によりまして奨学金を出していただいております。結婚をしたらば、奨学金の返還を免除する。どうせ払ってくれない人がいて、年間百億円徴収できないという状況なんですから、ならば、結婚をしたならば奨学金の返還はもうしなくてもよろしい、それぐらいの思い切ったことをして、晩婚化を防ぐ。そして、それは文部省がとり得る政策なんですね。それについての考え方はいかがなものでしょうか。

河村建夫自由民主党文部政務次官

○河村政務次官 奨学金を返さなくていい制度というのは、かつては教員になればという制度がございました。しかし、それは、今の現状からいってもうその時代ではないということで、なくなりました。今は、奨学生が亡くなったとか心身障害により返還ができなかった場合には免除制度がありますが、もう一つ、大学院においてその奨学生が研究職あるいは教育職に一定期間ついた、この分がまだ免除として残っておるわけでございます。  御承知のように、奨学金制度は拡大する、奨学金を希望した皆さんにはほとんどの方に差し上げられるようにしよう、そのかわり自立してもらいたいということで今進めておるわけですね。親がかりではなくて、みずから奨学金を選んで自分が後で返していく、責任を持ってやっていただくことにしようということにいたしております。  これを今御指摘の、結婚した場合には少子化対策として返還を免除するというアイデアでありますが、私としては、この制度がこういうふうな形でとり得るか、これはもう別の政策として、完全な少子化対策として国の全体の政策の中の一つとして考えていく制度だろうなと思います。今の奨学金のあり方からいうと、それは別の概念ですね。新しい少子化対策の中の一つとして、あらゆるプログラムの中の一つとして取り上げて考えていくテーマだろうというふうに思います。早婚奨励金というような、こういうことになるんだろうかと思っております。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 名前は何でもいいんですけれども、いずれにいたしましても、私たちの国は高齢化社会に対しての対応が十分に進んでいることは間違いありません。しかし、少子化対策につきましては、いろいろな省庁で真剣に取り組まれておりますけれども、子供をつくるということに対してそれほど積極的な政策がとられているというふうには私は思わないわけであります。  繰り返しますけれども、子供は社会の宝だ、ならばその宝をつくる方法を真剣に考えなければいけないし、その一端は文部省も担わなければならない、こういうふうに思うわけであります。したがいまして、文部省の中で、どのような政策が少子化対策としてとり得るのか、このことを真剣に考えていただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、笹山登生君。

笹山登生自由党

○笹山委員 自由党の笹山登生でございます。  時間もございませんので、きょうは、産業遺産の活用、保全につきまして、焦点を絞りまして、文化庁並びに大臣に御見解をお聞きしたいと思うわけでございます。  先ほど河村たかし議員からもいろいろ保存の問題が出たわけでございますけれども、二十一世紀を目前にしまして、とかくミレニアムというような感じで未来志向型の施策に重点を置きがちでございますけれども、やはり二十世紀というものは、物づくり、そしてローテクの時代、日本の近代化を築いたいわば礎の形成の時代でございます。明治の初期から、お雇い外国人というような、外国の技術を日本に承継し、そして日本の技術者が育って、そして戦前戦後のいわば産業インフラというものができてきた。温故知新といいますか、その辺の反省なり一つの総括をもとにしまして、それをジャンピングボードにして二十一世紀につなげるということが、やはり物づくり日本、技術先進国日本の一つのあるべき姿じゃないかというふうに私は思うわけでございます。  そこで、今、文化財登録制度におきます産業遺産の登録状況がどのような状況になっておるか、あるいは、例えばオーストリアのアルプス越えの鉄道、これは世界遺産に登録しているわけでございますので、日本でも例えば石見銀山等で遺産登録の動きもあるやに聞いておりますけれども、その辺の動きというものがどうなっておるのか、お聞きしたいと思います。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  平成八年に導入されました文化財登録制度は、近代の建造物を主な対象として、届け出制による緩やかな保護措置を内容とするものでございまして、産業遺産につきましては、平成十二年四月一日現在、三百八十七件が登録をされている、こういう状況でございます。  ただいま先生がお触れになりました石見銀山、これは我が国を代表する銀山遺跡でございまして、中世の銀山遺跡の全容を良好に残している、こういうことから、昭和四十四年に史跡に指定し、その保存を図っているわけでございますが、現在その史跡の指定地の拡大を進めているところでございます。また、島根県教育委員会におきましては、世界遺産登録をも視野に置きながら、史跡の一層の保存、整備を図るための調査研究を進めている、このように承知をいたしております。  こういった石見銀山遺跡を初めといたしまして、我が国の産業遺産の世界遺産への推薦でございますが、文化財としての調査、保存、整備の状況をよく見きわめながら、また一方では専門家の御意見も承りながら、文化庁としても検討してまいりたい、かように考えております。

笹山登生自由党

○笹山委員 ぜひとも産業遺産の世界遺産というものもひとつ日本から出していただきたいというふうに思うわけでございます。  そこで、文化庁のホームページというのをちょっと拝見させていただいたのでありますけれども、まことにシンプルな感じでございます。これでもって、日本の登録文化財が全部で一万二千ほどでございますか、大した数ではないわけでございますから、これをもとにしてのいわばデジタルミュージアム的なもの、国民がクリックすればその辺の文化財がデジタル画像で出るような、そういうような一つの仕組みを、大した金はかからないと思いますので、ひとつつくっていただきたいというお願いでございます。  それで、平成八年七月に、近代の文化遺産の保存・活用に関する調査研究協力者会議というものがありまして、「近代の文化遺産の保存と活用について」という報告書を出しておるようでございます。  その中で、いろいろ多いのでありますけれども、私なりのポイントは四点ほどございます。一つは文化財保護手法の多様化、二つ目は全国的調査の実施、三つ目はデジタル情報の形などでの文化財情報システムの構築及び全国ネットワーク化、そして四つ目は動態保存による対応、いろいろございますけれども、その四点がこの報告書の主なポイントだったと思うのでございます。平成八年以降もう大分たっておりますので、その辺の、この報告を受けての実施状況というのはどうなっておるのでございましょうか。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  先生御指摘のように、平成八年に近代の文化遺産の保存と活用についての報告書をいただいたわけでございまして、私ども、実はその以前からでございますけれども、全国的な調査を引き続いて実施をいたしております。  また、先ほど申し上げましたような、いわゆる文化財登録制度の法改正、こういったものもこういった流れの中で出てきておるわけでございます。  また、平成八年度からと申しましょうか、先ほど来御指摘ございますように、まだまだ文化庁の力が弱いところがございますけれども、そういった文化財の情報システムを整備していかなければいかぬ。まだまだホームページ等十分ではございませんけれども、そういったものも逐次充実をしてまいりたい、そんなようなことを今進めておるところでございます。

笹山登生自由党

○笹山委員 欧米に比べまして、日本のこういうヘリテージパークといいますか、一つの産業遺産を活用したいろいろな地域おこしというような手法とか、あるいは地域振興のための一つの手法としてのヘリテージ、遺産の利用、あるいは社会教育、生涯教育の場としての活用、あるいは学校教育の総合的学習における一つの場としての産業遺産、そういうような工夫がどうも欧米に比べて相当おくれていると思います。これは、これまでそういうような面での教育の関心がなかった。  もう一つは、やはり欧米と比べまして、日本には、郷土教育といいますか事実教育といいますか、そういう一つの教育の伝統というものがドイツに比べましてなかった。そういう教育の体質といいますか、そういうハンディがあったのじゃないかと思いますけれども、その辺の産業遺産の活用等についての御見解はいかがでございましょうか。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  文部省におきましては、産業遺産を含む近代の文化遺産につきまして、繰り返しになって恐縮でございますが、全国的な調査を実施いたしますとともに、例えば重要文化財等の指定基準の見直しでありますとか指定の促進、こういったものを図ることによりまして、その保存、活用を図っておるわけでございますし、産業遺産につきましては、学校教育、社会教育の場において地域の歴史、文化について学ぶ際に重要な教材になる、こういうふうにも考えておるわけでございます。  また、一方では、これを地域振興へ活用してはどうか、こういうことで、通商産業省でありますとか建設省等々、関係省庁でも類似の各種の施策が講じられておるわけでございます。  文部省といたしましても、そういった関係省庁とも連携を図りながら、さらにこういった近代の文化遺産、産業遺産の保存、活用に努めてまいりたい、かように考えております。

笹山登生自由党

○笹山委員 そこが問題なんですね。文化庁さんは、一応その辺の産業遺産についての各省庁の調整官庁としての役割を形の上では果たしている。しかし、実際のメニューは、例えば通産省は鉱山跡地のメニュー、あるいは運輸省は、例えば灯台のヘリテージパーク化、産業遺産化、あるいは農林水産省であれば、例えば農用水の分水工の跡地の産業遺産化、建設省は歴史的建物というふうなことでありますけれども、皆さん方が実際にその調整官庁としての役割を果たせるのですか。また、果たすつもりなんですか。

近藤信司文化庁次長

○近藤政府参考人 お答えをいたします。  文部省は、これは調整官庁ということになりますと、なかなか難しかろうかとは思っておりますが、やはり地域における文化の振興あるいは地域おこしというときに、文化財の果たす役割はこれまた大きなものがあるわけでございまして、お互いの省庁でいろいろな情報提供をし合うとか、あるいはそれぞれが知恵を出し合うとか、そういったようなことを通じまして、関係省庁ともいろいろとまた連絡協議もしていきたいと思っております。  現に、例えば建設省さんなどとも、あるいは自治省さんなどとも定期的にお話をするというような機会もございますので、そういったような場を通じまして、さらにお互いが連携をしながら、より文化の振興あるいは文化財の保存、活用に努めてまいりたい、こういう考え方でございます。

笹山登生自由党

○笹山委員 これは時間との競争なんですね。ですから、登録されているものはまだましなのでありますけれども、未登録の、しかし産業遺産としての価値のあるものは、その数倍の予備候補があるわけですね。ですから、その辺のものがどこに所在しているかということを把握して、そして、それをもとにしての一つの調整官庁としての役割はやはり果たしていかないと、これは時の経過とともに、今この一方でもどんどん減っているわけでございますから、その辺をひとつ自信を持ってやっていただきたいというふうに思うわけでございます。  最後になりますが、大臣に対しまして、その御見解でございます。  大臣の御郷里も、これは昔から繭糸、蚕糸が非常に栄えたところでございまして、前橋なんというのは本当に産業遺産の宝庫でございますね。  それとあと、私はちょっと調べたのでありますけれども、東京電力の佐久発電所というのが勢多郡の北橘村というところにありまして、これは、セメント王の浅野総一郎さんが昭和三年に東洋一の発電所をつくろうというようなことで、この佐久というのは浅野さんの奥さんの名前なのだそうでございます。そういうようなことで、これがなぜ非常にすばらしいかといいますと、これは六十三年に若返り工事をしまして、今なお動いているのです。これはまさに動態保存の典型的な一つの例ではないかというふうに思うわけでございます。  そこで、大臣にお願いなのでございますけれども、ドイツのミュンヘンなどの文化大国に行きますと、産業革命の蒸気ポンプだとか、すばらしいものが時系列的に並んでおるわけでございますね。これの日本版というものをこれから、今後十年なり二十年かけて技術大国日本としてつくる必要があるのじゃないかというふうに思うわけでございます。ごく一部の、例えば名古屋の周辺ではそのような産業技術博物館の構想というものもあるようでございますが、ひとつそのような大構想を中曽根大臣の時代に着手していただきたいということが一つ。  もう一つは、先ほどの地域おこしの関連で、産業遺産はどうかという話がございましたけれども、ドイツのルール地域、これは御承知のとおり、昔の高炉あるいはガスタンク、こういうものが化け物のごとく林立しておる。それを、エムシャーパーク構想ということで、世界的な一流の芸術家を招いて一つのパブリックアートとしてやり、そして、産業遺産ツーリズムを招くというようなこととか、そのガスタンクを壮大なディスプレーでもって飾るとか、あるいは公会堂、音楽堂にそのような産業遺産をリニューアルするとかいうようなことによって、いわば産炭地域の経済の地域おこしの大きな戦略にしているというような例もございます。  日本におきましても、今、エコタウン構想の対象市というのは恐らくほとんどが産炭地域でございます。また、北九州の方でも、このエムシャーパーク構想をまねて、ひとつそのようなものをやろうというような考えもあるようでございますので、単に産業遺産は文化庁というような狭い考えでなくて、他の省庁と連携した、いわば一つの大きな二十一世紀の戦略として再活用し、そして結果として動態保存するような、そういう一つの戦略を中曽根大臣のもとで頑張っていただきたいことをお願い申し上げます。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 産業遺産について委員からいろいろな御意見をいただきました。  今、全国の産業遺産も時代がたちまして消滅の危機にさらされているものも多いわけでありまして、保存とか活用につきまして、私ども文部省また文化庁といたしましても、これについて、何とかこれらが保存できるように、あるいは活用できるようにと、もっともっと真剣に取り組まなければならないと思っております。そういうところから、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、全国調査を実施したり、あるいは重要文化財等の指定基準の見直しを行いましたり、また重要文化財の指定の促進なども進めているところでございます。  この産業遺産は、学校教育とか社会教育の場において、地域の歴史とか文化を学ぶ非常にいい、重要な教材ともなるわけでありますし、また、その地域の発展に貢献してきたものが多いわけでありまして、地域づくりの一環として有効に活用するということが期待されております。先ほど産業遺産博物館の話もありました。そういうような形での活用も、今後、研究をしていかなければならないと思っております。  今後とも、関連施策を実施している関係省庁と連携いたしまして、先ほど連携のお話がありましたけれども、三井三池炭鉱跡などの場合も、文化庁、通産省、運輸省、建設省、農水省と連携いたしまして各種の支援策を行いましたけれども、緊密に連携を図って、今後もその保存や活用に努力をしていきたいと思っております。

笹山登生自由党

○笹山委員 二十一世紀の産業構造がどうなるかわかりませんけれども、やはり二十世紀のこういうローテクの産業構造の延長線上で新しいシーズが生まれてくると私は確信しておりますので、どうかひとつ、この辺の温故知新の精神を忘れずに、文教行政の中でもこの辺を大事にした行政に取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、濱田健一君。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 大臣には、きょうは変則的な委員会で大変お疲れのところですが、私が最後ですので、よろしくお願いいたしたいと思います。  四月七日の森総理の所信表明の中で、「心の豊かな美しい国家」というフレーズがございました。これをお聞きいたしまして、「戦後の我が国の教育を振り返れば、我が国経済の発展を支える人材の育成という観点からはすばらしい成果を上げてきたと言えます。」と、戦後の教育行政の成果を挙げておられるようでございますけれども、「他方、思いやりの心や奉仕の精神、日本の文化、伝統の尊重など、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心をはぐくむという観点からは必ずしも十分でなく、」というふうに書かれております。  この、「必ずしも十分でなく」というこの辺は、学校教育や社会教育の中で、文部省は、いろいろな時代の背景はあったかとは思うのですけれども、十分その時代的な背景の中で自信を持って対応されてきたとは思うのですけれども、なぜ、どういう観点から、どういう背景から、十分ではなかったと森総理は反省をしておられるのか。これは森総理にお伺いするのが本当は適当なのでございますけれども、文部大臣としてどのようにお考えか、まずはお聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 森内閣総理大臣は所信表明演説の中で、今委員がおっしゃいましたように、思いやりの心や奉仕の精神、日本の文化、伝統の尊重など、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心をはぐくむという観点からは必ずしも十分ではなかった、そういうふうに述べておられます。  こうしたことの背景には、物質的な豊かさというものが達成をされる一方、社会全体として、自分さえよければ他人はどうでもいいというような、一つの風潮といいますか、そういうものも広がっているのではないかと思いますし、また昨今、新聞、テレビ等で報道されておりますように、社会全体、特に大人のいろいろな不祥事等もあるわけであります。また、モラルの低下が著しいわけでありまして、そういうものを率直に認めなければならない状況が起きている、そういうふうに考えております。こういうことから、総理もこのような御発言をされたのではないかと思っております。  教育の目標というものは、この所信表明で総理もおっしゃっていますが、「学力だけがすぐれた人間を育てることではなく、」とおっしゃっていますけれども、まさにそのとおりだと思います。また、教育というものは学校だけでできるものでもございません。言わずもがなでございますが、家庭や学校や地域社会一体となってやらなければならないものでありまして、私たち自身が、大人自身が変わっていかなければならないということもあろうかと思います。そういう意味で、社会の環境も変わりましたけれども、社会全体でこの教育問題へ取り組んでいく必要があると思います。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 今大臣がおっしゃっていただきましたが、豊かな経済社会実現、もう少し世俗的な言葉で言いますと、どんなふうにして金もうけしようか、お金持ちになろうか、経済的に豊かになろうか、そういう時代背景の中で、私の親も含めて、また私も含めて、大臣がおっしゃったような大人としての生き方の部分に反省をしなければならない、社会の仕組みとして反省をしなくてはならないというふうに私自身も思うのですが、そのことは、まさにこれからの課題としても決して忘れてはならないと思うのです。  まさに今の経済状況、失業がどんどんふえてきて、大分持ち直してくるであろうということを期待しているときですけれども、普通に言われる親子の関係、社会の人間関係というのは、ますます規制緩和とか女性が社会進出をしていくという、今まで私たちが求めていた新しい時代の到来の中で補強をしなければならない点等をしっかり見詰めなければ、同じようなことの繰り返しをしてしまうという危惧感を私自身は持っております。教育は教育ではなくて、教育は経済、教育は景気、教育は雇用という面等も、やはり関係の役所と十分連携を持って、その対策に力を入れていただきたいなというふうに思うわけでございます。  もう一点は、やはり同じ項目の中に、「教育の目標は、学力だけがすぐれた人間を育てることではなく、」というふうに書かれております。  この部分だけを見ると、今までの教育行政また文部省は、かつて文部大臣をされた方の発言でございますので、教育の目標は学力のすぐれた人間を育てるものだというのが一義的に考えられていたのかなというようなことを思い起こすわけでございます。配られた刷り物では、創造性豊かなというふうに書かれて、括弧つきで「立派な人間」と書かれているんですね、「立派な人間」と。  この「立派な人間」というのは、大臣から見られてどんな人間なのでしょうか。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 「立派な人間」とはどんなものかというお尋ねですが、いろいろなものがあろうかと思います。豊かな創造性を持って、また心豊かにたくましく生きていく子供、あるいは、日本人としての自覚を持ち、また国際感覚にすぐれて、そして自立をしていける人間、また他人からも尊敬されるような人間とか、いろいろ立派な人間の条件といいますか、そういうことが言えるのではないかと思っております。  総理がおっしゃっていること、括弧書きになっておりますけれども、ここで総理がおっしゃりたいのは、学力中心ではなくてやはり人間性豊かな、心豊かな、思いやりの心を持った、さらには道徳心とか正義感、倫理観もあるような人間をということであろうかと思います。私もそのように思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 けさのトップバッターの下村委員が宗教教育の話に少し触れられたと思うのですけれども、神話の教育とかなんとか、そういうことじゃなくて、私たち人間の社会には自分というものを見詰めている本当に不思議な力があるんだというようなことなどは、やはり子供たちには、実態的に感じ取る教育の実践、自然の中でどんなにいろいろな体験を積むかとか、いろいろなところに行って、いろいろな考え方を見聞きするかというようなことが必要だ。  ここで書かれている道徳心、文部省の使う道徳心というのは私は余り好きじゃないのですけれども、本当の意味での多様な道徳というのが、いろいろなところで、いろいろな形でそれぞれ生きてきているというようなことなどを子供たちが感じ取ることの必要性というのは、この創造性豊かなという言葉とも関連しながら、大事なことだなというふうに思っているところでございます。  それで、引き続き開催されます教育改革国民会議、臨教審だ中教審だといろいろなものがあるわけですが、今日的にこの会議が設定をされ、総理としても、多分同じように大臣もお考えなんでしょうけれども、ことしの夏ごろまでに何らかの中間的なまとめというものを期待したいというふうにお話しの部分がございます。夏というのも幅がありますので、もう既に夏に近くなっておりますし、遅い夏もあるわけでございますが、この会議から、まあこの会議を縛ることは言われないとは思うんですが、特に大臣として、中身じゃなくて、今こういうことについての改革、改正の方向性というものを自分自身は出していただきたいのだがというような、希望といいますか、決意等があられましたら、お聞きしたいと思うのです。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 総理は、所信表明演説の中で、今委員がおっしゃいましたように、ことし夏ごろを目途に中間報告を提出いただきたい、そういうようなことを述べられております。  この教育改革国民会議は先月に発足したばかりでありまして、まだ本格的な審議に入っておりませんけれども、委員も御承知のとおり、教育の問題について幅広く議論をされるわけであります。教育は何のためにあるのか、学校は何のためにあるのかと率直に問い直し、議論すべき時期に来ている、そのように総理もおっしゃっておられるわけであります。  そういうことから、この会議での議論はかなり幅広くなるものと思われますし、また時間もかかるものと思われますけれども、私といたしましては、やはり現場のさまざまな問題もありますし、また、先ほどから議論があります制度の問題あるいは法律の問題もあります。夏ごろまでというのは、来年度予算というものを頭に置いたところからの中間報告ということにもなるのではないかと思っておりまして、そういう意味では、来年の予算をにらんだここの会議での一つの議論が出てくれば、早く対応できるものはさせていただきたいということでございます。  今、特に国民会議に何をと私から申し上げる、希望するような具体的なものはここではございませんけれども、長期的なものは私ももちろん幾つか考えておるところでございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 時間がなくなりました。  個性とか創造性という形の子供たちの持っている特質、やはり二十一世紀、本当に変革の時代から日本がいろいろなことを生み出し、つくり出し、技術的にも思想的にもいろいろな発展を遂げなければならないわけでございますけれども、子供たちにそういうものを見つけていくときに、かつて大学でマスプロ教育というふうに、階段教室で千人も二千人も入れて、一人の先生が古いノートを広げて授業をしていたああいう形から、本当にいろいろ個別的な指導方法を見つけていくわけでございます。  教師の側からいうと、たくさんの子供たちを一つの教室に入れるよりは、子供たちの緊張関係とか、いい意味での競争とか切磋琢磨とかというのを含めて、余りにも少ないのも問題がありますけれども、やはり今の四十人学級から三十人とか二十五人とかいうような形にしていく、財源的な、財政的な問題もあるわけですけれども。  文部省としては、当然、先生たちの丁寧な指導のできる適正な子供たちの数というものもお考えだというふうに思うわけですが、学級の定数や教職員定数の改善について大臣が当面考えていらっしゃること、中期的、長期的に考えていらっしゃること。または、教育改革国民会議の江崎会長が就任のときに三十人学級だ二十五人学級だというようなこと等を外国の例を引かれてコメントされておられるようですが、その辺を含めて、展望というものを大臣としてはいかにお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 今後の学級編制とか、それから教職員配置のあり方につきましては、委員も御承知のとおり、教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議、ここにおいて今検討を進めているところでございます。  検討に際しましては、平成十年九月の中央教育審議会答申の提言内容を基本といたしまして、また諸外国の実態も参考としながら、さらに第六次改善計画における成果をも踏まえて御審議をいただいているところでありますけれども、まだ一定の結論を得るには至っておりません。この協力者会議におけるこれからの検討も踏まえて、平成十三年度から新たな政策に着手できるよう準備を進めてまいりたいと思っております。  少人数の学級編制ということにつきましては、確かにきめの細かい指導もできるわけでありますし、また、教室内でのさまざまな問題への対応という意味でも確かに目の行き届いた授業が行われるわけでありますが、これについてはいろいろな御議論もあり、また委員もおっしゃいましたように財政的な課題もあるわけでございまして、私たちとしては引き続いて検討していきたい、そういうふうに思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 終わります。ありがとうございました。      ————◇—————

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 次に、内閣提出、独立行政法人教員研修センター法案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。中曽根文部大臣。     —————————————  独立行政法人教員研修センター法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

中曽根弘文自由民主党・保守党文部大臣・科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 このたび、政府から提出いたしました独立行政法人教員研修センター法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、教員研修等を行うことを業務とする独立行政法人教員研修センターを設立しようとするものであります。  その内容の概要は、次のとおりであります。  第一に、独立行政法人教員研修センターの名称、目的、業務の範囲に関する事項を定めております。  第二に、国が有している権利義務の一部を独立行政法人教員研修センターに承継させるとともに、そのうち土地建物等の価格に相当する額を独立行政法人教員研修センターの当初の資本金とすることとしております。  第三に、独立行政法人教員研修センターの役員につきましては、理事長、監事、理事を置くことができることとし、その定数を定めております。  その他、積立金の処分方法、国からの職員の引き継ぎ、所要の経過措置等に関する事項を定めております。  以上が、この法律案の提案理由説明及びその内容であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。

鈴木恒夫自由民主党

○鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十一日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時八分散会

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