農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 309 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/05/09
会議録
○松岡委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として農畜産業振興事業団理事長山本徹君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として農林水産省農産園芸局長木下寛之君、農林水産省畜産局長樋口久俊君、林野庁長官伴次雄君及び建設大臣官房審議官三沢真君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○松岡委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
○松下委員 それでは、質問を申し上げます。 牛乳関係に関する前に、林野庁にちょっとお尋ねしたいことがございますので、よろしくお願いしたいと存じます。 先般、参議院のある委員会、金融経済特別委員会でございますけれども、富士銀行の不正融資事件に関係した北海道のウラウス・リゾートの保安林解除の件について、政治的意図に満ちたと思われるような質疑が行われました。 私は、この際、本件について平等かつ公正な観点から全体の事実関係を明らかにしておきたい、そうしなきゃいかぬと考えたわけでありまして、まず林野庁長官、この保安林解除の経緯と、具体的にどのような政治家から解除についての話があったのか、その事実関係を明らかにしてもらいたい。お願いいたします。
○伴政府参考人 当該地の保安林解除につきましては、平成二年の六月にウラウス・リゾート開発公社から保安林の解除申請が提出されまして、同年の八月に保安林解除の予定の告示を進めたところでございます。 本案件につきましては、保安林の解除申請が提出される以前に、鳩山由紀夫代議士が林野庁治山課に来訪をされまして、担当課長に保安林の解除についての依頼があった次第でございます。 また、その後、保安林解除申請書が提出された後、松岡利勝代議士より、電話で本案件につきましての事務的な作業状況について照会があったと聞いておる次第でございます。 いずれにしましても、本問い合わせ等の有無が審査に何らの影響を与えるものでなく、保安林の解除に当たりましては厳正に審査をしている次第であります。
○松下委員 長官、どうもありがとうございました。 今、説明の中で松岡利勝委員長の名前が出てまいりましたけれども、これは本人としてどのように具体的に関与されたのか、どういうことなのか、ちょっと説明してもらいたい。
○松岡委員長 平成二年の初当選の後、園田博之先生から花田社長を紹介されました。そして花田社長から、当時、農林水産委員であった鳩山代議士に保安林解除の件をお願いして林野庁に働きかけてもらっているが、その作業状況がわからないだろうか、そういうことでありましたので、私は、当時、自民党は農林水産委員には一年生は最初からなれませんでしたので、委員ではございませんでしたが、担当課長の弘中課長は役所時代から存じ上げておりましたので、電話で作業状況を問い合わせました。弘中課長からは、この件は鳩山代議士から頼まれているということと作業状況の答えがありました。 その後、平成三年の秋ごろになってと思いますが、富士銀行不正事件に関連して、マスコミで花田社長のことが取りざたされるようになりました。それまで合法的に応援していただいておった献金等すべてを明らかにして、私自身の方から新聞に公表して、すべて全額を返還した、そういう事実関係でございます。したがいまして、その当時のものが今日までやみ献金的に残っているというようなことは一円もございません。 そして、そのことは、当時、平成四年の四月二十二日、衆議院の決算委員会で共産党の木島委員によって取り上げられておりまして、木島委員から当時の國松政府委員にウラウス・リゾート開発関係の問題として質疑がなされ、ただされております。 そして、そこで、捜査の関係においてこういった政治家との関係はどうであったのかという問いに対しまして、國松政府委員は、議事録によれば、いろいろと新聞等で取りざたされているところは承知しておるところでございまして、北海道警察におきましても、幅広く情報収集を行いまして必要な捜査を行ったところでございます、その過程におきまして、同社に係る農地法違反、国土法違反、横領事件、商法の特別背任事件、そういったようなものを検挙いたして検察庁に送致をいたした、警察といたしましては、このウラウス・リゾート開発をめぐる事案につきましては、刑罰法令に触れると現時点において判断される事実につきましては既に捜査を遂げていると考えておるところでございます、このようにお答えがなっております。 これが事実関係でありまして、もちろん、参議院の委員会で私のことを先般も問われたようでありますが、私に対しましての、そういった当局からの質問なり確認なり、一切そういったものはございません。 以上であります。
○松下委員 今、委員長の説明は納得いたしましたけれども、林野庁長官の先ほどの私の質問に対するお答えをお聞きしますと、当時、今の委員長の発言にもありましたけれども、農林水産委員の立場であった鳩山代議士が、役所の担当課長のところに出向いて解除を要請したということであります。 農林水産委員の立場での対応となりますと、役所もこれは大変なことだっただろう、こう思うわけですけれども、この当時、そのリゾート会社社長から多額のパーティー券を購入してもらったということも聞いておりますし、最近の新潮45ですか、三月号、これによりましても、いろいろ明らかになったことがあるわけでございまして、こういったことをこれからも、捜査当局を初めとして関係者の意見も聞いて、きちっとやはり明らかにしていく必要があるだろう、このように考えているわけであります。ここをきちっと一度我々としても対応していかなければいかぬな、こう思っている次第でありまして、以上、これに関連して御質問申し上げたわけでございます。 それではもとに戻りますけれども、総括政務次官、口蹄疫について一つお尋ねしたいことがございます。 九十二年ぶりという、初めてと思われるような、こういう大きな有蹄類についての法定伝染病が日本に発生したわけですけれども、この発生源、これは原因、どこだったのか、そして、どのようなふうに対応をされて今後の展望を開こうとしておるのか、そこについての御説明をお願いします。
○谷津政務次官 この発生源につきましての御質問でありますが、この侵入源及び感染経路はいまだ判明をしておりませんが、今後とも原因究明に向けた情報の収集、分析に鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。 また、今回の口蹄疫の発生後、我が国の重要な畜産地域である宮崎、鹿児島、熊本における畜産経営等が円滑に継続できるように、これまで被害を最小限にとどめるための蔓延防止対策、また、宮崎県畜産物の安全性のPR等の消費対策、一定期間出荷できないことに伴う畜産経営の影響緩和対策等を行ってきたところであります。 また、韓国、台湾等からの輸入が停止された稲わらの安定供給対策、移動制限の解除に伴う家畜市場再開後の価格安定対策等を講じたところでありまして、これから一層口蹄疫発生に関する総合的な対策が処置されるものと考えております。
○松下委員 我が鹿児島県にも相当の緊張感をもたらした口蹄疫でありますから、畜産局長もお見えでございますけれども、この後の展望がきちっと開けるようにしっかりと対応してもらいたい、そのようにお願いを申し上げます。 時間がなくなりましたので、これは要望でございますが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案、これは不足払いをやめて新しい仕組みにつくりかえていくということでございますけれども、生産者が継続して再生産できるような、きちっとした展望の開けるようなものでなければいけない、このように考えて自由民主党でもしっかり議論してまいりました。後で附帯決議にもありますけれども、しっかりと、中身の濃い、生産者がこのことによって不当な不利益をこうむることのないような仕組みでぜひ運営していってもらいたいということをお願い申し上げまして、私の質問といたします。 以上です。
○松岡委員長 次に、鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 民主党の鉢呂吉雄でございます。 大臣、大型連休、私どもも、選挙を控えているということもありまして地元を回らせていただきました。きょうは、農水委員会でありますから、多くの委員の皆さんは農業関係も回ったことだろうというふうに思っております。 新しい農業基本法ができたのでありますけれども、農村の活気といいますか、農業に対する取り組みといいますか、私は北海道でありますけれども、今まさにいろいろな農作業が始まって大変な忙しさの中であります。回りまして、その活気が余り見られないといいますか、北海道でも、後でいろいろお話ししますけれども、後継者もいないというせいもありますけれども、この五年、十年のうちに離農せざるを得ない、やめざるを得ないというふうに思っていらっしゃる方が相当いる。 あるいはWTOについても、前回の状況もありますけれども、次期交渉についても必ずしも先が見えない。一番の基本である新たな法律ができたわけでありますけれども、価格政策と所得確保政策の関係が必ずしも具体的に見えてこない。北海道は顕著でありますけれども、稲作の経営安定対策というのが既に二年を経過したのですけれども、稲作専業大型経営は大変な打撃を受けている。これは小平理事からも盛んに質問があったところであります。 自民党の皆さんもこの点については、今いらっしゃいます松岡自民党の農業基本問題委員長さんあたりは大変強く訴えておりますから、私は、この基本的な問題についてこれから一時間十五分、午後もありますから、大臣のお考えを聞きたいと思います。 大臣も岩手県選出でありますから、昨年の通常国会で新たな基本法ができた時点、一番の大きな点は、国会で三つの修正がなされた。日本の食料の安定供給は国内の農業生産の増大を基本として行っていく、これが一つでしたね。二つ目は、これに伴って自給率というものが基本計画に明記をされるということは農水省の原案ではなっておったのですけれども、これを自給率の向上と、この文言を入れておると同時に、この基本計画については国会に報告をする、字句は非常に短い条文ですけれども、三つの修正をいたしました。 しかし、現在、このことを踏まえた農水省の施策になっておるのかどうか。この点について、私は後で具体的に触れますけれども、特に北海道のてん菜あたりは国内の農業生産の増大という文言とは一致はしない現状維持的な作付面積になっておるわけであります。こういうものを含めて、この二時間半質問させていただきたいと思います。 まず最初に、最近の農業者、農家の皆さんがどういった感じで現状を見ていらっしゃるのか、大臣としての、選挙区でもあるいはお会いした方々からでも、実感として受けとめられておるその感想をまずお聞きいたしたい、このように思います。
○玉沢国務大臣 春とともに耕作時期が参りまして、農村におきましてはみんな一生懸命に耕作活動に入る、こういう光景を目の当たりにしてきたところでございます。 基本計画で明らかにされましたように、やはり今後、食料自給率を向上せしめながら食料自給力を確保して、食料自給率を高めていく、そういう基本的な政策をそれぞれ実施していくということでございます。現在、確かに、例えば米をめぐる情勢におきましては、千三百万トン生産できる状況にありますけれども、実際の消費は九百五十万トンにとどまっておる、そういう中におきまして、自主流通米の価格等も低迷しておるということで非常に厳しいものを感じております。 したがいまして、一つは、実際の生産の力と実際に消費されておるところの差三百五十万トンの分は転作、減反をお願いいたしておるわけでございますけれども、しかし、その部分におきまして、今回の基本計画におきましては、麦、大豆、飼料作物等、精力的に本格的な生産を行っていく、こういうことで転換を行う、それによって自給率の向上も図っていく、施策の展開を図っていくということが一つあるわけでございます。 さらにはまた、米の価格等におきましても、ここ数年、過剰状態が続いてきておるわけでございますので、その過剰をできるだけ速やかに解消いたしまして、安定的な価格に戻していくことが稲作農家の皆さんに対する重要な施策の一つではないか、こう考えておるわけでございます。 やはりこの基本計画にのっとりまして、今までの経過を踏まえて積極的に各施策を展開していく、こういう中におきまして、持続的な農業を展開することができますように一生懸命取り組んでまいりたい、こう考えておるところでございます。
○鉢呂委員 私は、今回の質問は、農家の現状での新しい基本法に対する受けとめ方、また、それに対する農家の意欲といいますか、そういうものをお聞きしたわけでありますけれども、大臣から直接のお言葉はなかったわけであります。私が回った感じでは、一つは、この基本法に対する、農家自体がそれに従ってまともに意欲的にやっていこうというところまでには至っていない。 例えば、基本計画上における十年後の自給率四五%の目標についても、必ずしも、そこに行けるのだ、そういう道筋として農水省も出したのだというふうにはとらえておらない、あるいは農水省のこの間の不祥事についても、いつまでもだらだらという形では、なかなか、農家にそのまままともに受けとめていただくものになっておらない、ですから、こういうものについても、きちんと大臣としての決着を図って、新たな気持ちで農水省として臨む。あるいは政策の大きな柱としても、特にWTOが始まって以来のこの五年間、六年間の総括をきちんとして、特に私は、稲作経営安定対策はその大きな実践としてなされてきたわけでありますし、皆さんも新たな取り組みを変更することについてはやっていくということをうたっておるわけでありますから、こういったものにきちんと取り組む必要がある。選挙が近いから大変でしょうけれども、来年度、十三年度の概算要求に向けて、やはり大胆な具体的な施策をきちんと打ち出す必要がある、私はこういうふうに思います。 我々与野党、いろいろ対立して議論をしていきますけれども、現状の農家の受けとめ方は農水省が考えるような意欲的な方向に必ずしもなっておらない。確かに農業白書は、さまざまな意欲的な農業形態が全国あちらこちらで出てきておるということを示す事例を出しておりますけれども、決してそういったことが簡単に日本全体を覆うような状態ではないと私は思いますから、単にいい点があるからといって、そういう環境条件が整うような方向にまだ至っていない。こういう視点で、もっと骨太の政策を具体化する方向を大臣として出しておくことが必要だろう、私はこういうふうに思います。 そういう面では、あの昭和三十六年の前回の農業基本法のときとはまさにさま変わりして、農家自体がどういった方向にやろうとしているのかというのがなかなか見えない。私は、そこに一番大きな問題があるというふうに思いますから、その点よろしくお願いいたしたいと思っております。
○玉沢国務大臣 委員のおっしゃられることはもっともでございますが、基本計画の実施はこれからでございます。したがいまして、食料・農業・農村基本法としたことは、やはり食料の多様なニーズにこたえていくということにおいての農業政策、それからまた、農業を持続的に展開していくためには農村がしっかりしなきゃいかぬ、こういう趣旨が込められておる基本法であると考えるわけでございます。 そのもとにおける基本計画がなされたわけでございますから、生産から流通、消費まで各般の施策を展開して、御理解をいただいて、御協力をいただいていくということが一番大事だと思うわけでございます。 私も、今回は地元に帰りまして、岩手県の市町村会の町村長方にもそういう趣旨を御理解いただくように努力しましたし、また、生産者の皆さんに対しましても、今後の生産施策につきまして理解を求める。また、一般の国民の皆さんに対しましても、消費というものはどういう方向で大事にしていくべきであるか、日本型食生活というものはどういうものであるかと。こういうものをやはり理解していただかなければ、どんなに基本計画その他が打ち立てられましても、抜本的な政策の展開にはならないと考えるわけでございます。 したがいまして、できるだけ多くの国民の皆さんの御理解と御協力を得て、政策の実現を図っていくということが最も大事なことであると考えております。
○鉢呂委員 WTOの次期交渉といいますか、まさに今農業交渉が行われておるわけでありますけれども、今回の加工原料乳暫定措置法との関係で、指定乳製品について個別に御質問をいたします。 まず、バター、脱粉の指定乳製品、カレントアクセスを認めたわけでありますけれども、これを今後どういう方向に日本政府として持っていくのか、これが一点。 それから二つ目でありますけれども、きょうの朝日新聞にもハイファットチーズの関係が出ております。指定乳製品、バター、脱粉でカレントアクセス量を求められておるわけでありますけれども、乳製品にはさまざまな乳製品があります、偽装乳製品ですとか調製品、こういうふうに言われておりまして、むしろ乳製品全体としてこのカレントアクセス量というものを、乳製品セクターとして考える、そういう分類の調整ができないかどうか、これが二つ目。 それから、関税相当量、TEが張られておるわけでありますけれども、現状はこれが高水準ということで輸入が阻止されておる状況でありますけれども、これについても具体的に日本政府としてどんな考えで臨んでいくのか。 まず、その三つについて具体的に質問いたします。
○玉沢国務大臣 委員も御承知のとおりでございますが、農業委員会における交渉は始まりました。始まりましたけれども、昨日でございますか、議長と副議長が選任をされまして、議長にはペルーの代表の方、副議長には我が国の代表が決まりました。そこで、これからの交渉がどういうように行われていくかということを、まずその委員会でやっていくということでございます。それで、年内の間におきまして、各国のこの交渉に対する提案の内容をそれぞれ提出するという趣旨になっております。多分これは年内になるかと考えるわけでございます。 したがいまして、従来からの我が国の主張、つまり、農業の多面的機能や食料安全保障の重要性への配慮、あるいは輸出国と輸入国との間の権利義務バランスの確保、それから、農業貿易といいますのは工業品の貿易とはやはり違うんだというような観点を盛り込んだ提案を積極的に行っていきたい、こういうのが一般的な方向でございます。 そういう中におきまして、今お尋ねの乳製品のカレントアクセスの数量をどうするか、関税の問題をどうするか、あるいは偽装乳製品というものをどのようにとらえてやるかということにつきましては、これからの交渉であるわけでございますけれども、国境措置を確保し、国家貿易のもとに、我が国酪農、乳業の持続的な発展を確保するように最善の努力を払うというのが現在の立場でございます。個々具体的に、数量をどうするとかこうするとかいうことについては、これから三年、交渉がかかるわけでございますので、それに向けて検討をいたし、皆さんとも御相談をして、具体的な点につきましてはさらに検討してやっていきたい、こう考えているところでございます。
○鉢呂委員 ハイファットチーズの取り扱いについてであります。 これは、この三月に、世界税関機構のうちの分類委員会で、日本の主張する、いわゆるハイファットチーズがバターとしての分類という形の採決があったというふうに農水省からもお聞きをいたしております。これに対する異議申し立てが約二カ月間のうちに行われるということで、きょうの新聞にもありますように、豪州、オーストラリアがこれに異議申し立てをするのではないかということであります。 今回お聞きをいたしたいのは、この異議申し立てがあって、さらに、次のHS委員会で異議申し立てについての審議を行い、留保等の関係で審議が継続をする、このように言われておるわけでありますけれども、何回も異議申し立ての繰り返しをすることができるのかどうか、最終的な採決に向かって、政府として、農水省として、オーストラリアとどのような交渉をしていく考えにあるのか、この点についてお聞きをいたしたい、このように思います。
○玉沢国務大臣 御指摘のように、ハイファットクリームチーズは、チーズでなくバター類似の乳製品であるデイリースプレッドに分類すべきとのHS委員会の判断がなされたところであります。この判断に対しまして、二カ月間の異議申し立て期間がありますので、当事者である豪州あるいはニュージーランドから異議申し立てがなされる可能性は極めて高いと考えております。したがいまして、本年秋に予定されているHS委員会に議論が持ち越される可能性が強いと思うわけでございます。 我が国としましては、委員会の判断が早期に確定されるよう、二国間協議の場を通じまして、引き続き豪州側あるいはニュージーランド側に精力的に働きかけていく所存であるわけでございます。二国間で話がつけば、それはそれでいいわけでございますけれども、あるいはこの委員会等でさらに審議等が続けられるということも想定されるわけでございます。我々としましては、我が国の方に有利に裁定をされたわけでございますから、これができるだけ早く確定されるように最善の努力を払っていくことが大事であると思います。
○鉢呂委員 今回の法改正に伴う加工原料乳の生産者補給金、これはWTOの農業協定上、黄色の政策、いわゆる削減対象の黄色の政策ということについて、農水省側から確認をいたしたいと思います。
○玉沢国務大臣 この黄色の政策は、現行WTO農業協定上におきましては、削減約束の範囲内で存続が許されたものであり、価格支持制度、生産量に基づく直接支払いなどが該当いたします。新たな補給金制度は、現行WTO協定上、黄の政策に該当するのではないかと考えております。 また、加工原料乳価格の需要変動等による低落の影響を緩和するためのいわゆる経営安定対策につきましても、個別品目を対象とすること、生産に影響を与える可能性があることなどから、協定上は必ずしも緑とはならないと考えられます。 しかし、今後の農政の展開におきまして、国際規律との整合、政策の安定性等を考慮した場合に、可能な限り、WTO協定上、緑政策にしていくことが重要と考えておりまして、この観点から、協定上黄の政策に該当している我が国の価格政策について、できるだけこれを緑としていく努力が必要である、こう考えておるところでございます。
○鉢呂委員 今大臣、ちょっとあれだったのですけれども、今回の補給金は黄色政策確定的、こういうふうに受けとめていいですね。あるいは、経営安定対策については、現状では黄色であるけれども、やりようによっては緑になっていく、そういうふうに理解をしていいのではないですか。最初も緑にできますか。
○玉沢国務大臣 これは各国ともそれぞれの解釈があるわけでございますけれども、我々としましては、やはり経営安定対策というのは極めて重要な施策の一つと位置づけておるわけでございますから、できるだけこれは協定上も理解が得られるような主張を行いまして今後対処していきたい、こう思います。 各国とも、やはり緑であるか黄色であるかというような点につきましては、それぞれ見解があるし、それぞれの政策もあるわけでございます。こういうこともやはり交渉の中におきまして明確にしていくという努力が必要であるという趣旨でございます。
○鉢呂委員 大臣が、個別品目でありますから、前半の補給金、交付金は黄色政策そのものであります、そして、経営安定対策は生産者も拠出をしながらのいわゆる価格安定対策でありますから、これは品目個別でなくて全体経営の中で考えた場合には緑にもなり得る、このように私は理解をしておりますから、その前提で次の質問をさせていただきます。
○玉沢国務大臣 簡単に言いますが、黄色であっても別に否定されるものではございませんので、その範囲の中でやっていくということは当然のことです。
○鉢呂委員 現状は否定されておりません。二〇%、八六、八八年に比較をして削減、これはクリアをしている。三〇%内外に行っていることは皆さんの資料でわかるとおりであります。 問題は、各国は、もっと各国のポジションを強化するためにこの削減を大幅にやっておるという世界の流れに対して、日本がこういった補給金制度、皆さんの法案は、すべて横並びでこういう感じの制度になっておるんですけれども、こういうポジションで果たしていいのかどうか。日本としてはさまざまな段階で黄色の政策を緑になるように、あるいは生産を促すような方向についてのものを認められるというような形の交渉ポジションをとろうとしているのかもわかりませんけれども、農業協定二十条は、削減の過程は続行するということがそのまま今現在も通っておるわけでありますから、そういう中で果たしてこれが通るのかどうか、その辺を大臣からお聞きいたしますけれども、きちんとした交渉ポジションというものを明らかにしていただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 非常に重要な御指摘であると思います。つまり、削減をしながら、あるいは一つの自由化の方向というような形を一応示しておるわけでございますけれども、例えば、今までの五年間のWTOの協定上における、実際に政策をやってみた場合における反省点というものもよく精査して、今後の協定の中に組み込むべきだという趣旨も第二十条の中に入っておるわけでございますから、そういう観点からいえば、アメリカ等におきましても、昨年は八十七億ドル、また、ことしはそれにさらに追加してやっておる。所得補償みたいな形の、これも経営安定対策といえばそういうことだと思いますが、そういうようなものを果たしてWTO上どういうようなところに位置づけるか、これはまことに不明確なところがあるんです。 ですから、そうしたものもやはり俎上にのせまして、農業政策をやっていく上におきましては、やはり再生産を旨として、持続的な農業をやっていくためには政府の支出も必要であるというようなことも、お互いに経験を出し合って議論をしていくということが、今後の交渉において大事であると考えておるところでございます。
○鉢呂委員 今委員長をやっています、自民党の農業基本政策委員会の委員長松岡さんは、昨年の三月ぐらいに発行した基本法の課題という農林統計協会の書物で、今回の新基本法の最大の柱は所得政策にある、所得がなければ人は仕事につかない、条件整備がいろいろ言われるけれども、結局は所得があれば解決をする、今世界の流れは価格支持から所得支持へと変わってきておる、調査会の、調査会というのは基本問題調査会ですけれども、この議論は、中山間地域のデカップリングの協議は終わっておるけれども、中途半端に終わっておる。 したがって、農業の多面的な機能というものを日本は訴えておるんですけれども、これは松岡委員長の話ではありません、私の話ですけれども、農業の多面的機能についても、その多面的機能の対価としての所得補償というものは日本は弱い、多面的機能というものを盛んに日本は大きな柱としてEUとの形で訴えておりますけれども、日本自体は、この多面的な機能についてどういった国内政策をしていくのかというものが現状もあやふや、単に外に向かって、大臣が今言われたように、最終的には生産を刺激して、農業の国際貿易等が紛糾するような材料としてしかアメリカ等には見られないような形で多面的機能を言っておるのでないか、こういうふうに指摘をされるわけでありますけれども、しっかりとした価格政策にかわる所得補償政策というものを今こそ訴えていく必要があるのではないか、このように考えますけれども、どのように考えますか。
○玉沢国務大臣 農業における多面的機能といいますのは、農業が果たしておる積極的な役割を評価するというものでございまして、そうした多面的機能、役割というものは、例えばなくなった場合におきましては、どのような損害や犠牲が国民の上に降りかかるかということをよく考えておかなければいかぬと思うのです。 端的に申し上げますと、非貿易的関心事項、あるいは多面的機能と言ってよろしいと思うわけでございますが、食料の安全保障というものがございます。つまり、みずからの国で生産を確保することができない、貿易上の観点に立ってやれば、日本の相当の部分は外国にすべて依存しなければならぬ。ところが、病害虫とか戦争とか紛争が起きた場合、外国から農産物が入ってこないような事態になった場合においては、まことに食料の安全保障を損なうことになるわけでありますから、そういう意味におきまして、この農業の多面的機能といいますのは、農業を持続することによりましてもたらされる公益的な役割だ、こういうふうに評価するわけでございます。 したがいまして、農業を持続的に発展せしめていくということをするためには、どのような施策が必要であるか、こういうことと結びついてくると思うわけでございます。そういう点におきまして、例えば、経営安定対策を講ずるとか、あるいは、食料自給率を上げるために農地を有効に利用すると同時に麦、大豆、飼料作物を生産する。その場合におきましては、生産に応じまして一反歩当たり七万三千円のものを確保するというような施策を講じまして所得も同時に向上せしめていく、こういうようにいろいろな施策をやっておる。中山間地域についても、今回初めてでございますけれども、七百億円の事業規模ではありますけれども、耕作がなかなか困難な地域に対しまして直接支払い制度をやることによって、農業が持続できるような形に持っていく。こういうような点をお考えいただきたいと思います。 したがいまして、営農を通じて所得を向上せしめるという制度を導入することによりまして、多面的機能にもこたえていくということになるわけでございますから、委員がおっしゃられるように、直接的に所得補償をすべて各戸にやるべきだという考えではなくて、我々の方としましては、制度を通じて、営農に意欲を持って取り組める所得を確保できるような政策を推進していくというふうに考えておるところでございます。
○鉢呂委員 いろいろな施策について言いますとぼやけますから、私の質問の意味をきちっととらえていただきたい。 私が言っていますのは、今回の補給金、あるいは個別の経営安定対策におけるいわゆる市場価格と連動した補てん金については、いろいろな国際交渉があろうとも、価格政策であると。この交付金、補給金あるいは経営安定対策における補てん金、これらは全部、言ってみれば生産を刺激する価格支持政策であります。それで、こういった方向を、国際交渉におけるリスクを負いながら、主張するのはよろしいです。しかし、各国とももっと大胆にこれを削減している中で、果たして日本の、大臣の主張が受け入れられる余地があるのかどうか、そこのところを主張することはいいですけれども。そう口をとがらさずに聞いてください。 私が言いたいのは、問題は、何も直接所得補償ということを言っているわけではありません。多面的な機能と言っている割には、その内容は甚だ今のところ貧弱であります。中山間についてはやっております。 今回の基本問題調査会の実質的なイデオローグだと私は思いますけれども、東大の生源寺教授はこういうふうに述べております。ちょっと聞いていただきたいのですが、稲作地帯の専業農家の経済は米価の低迷によって極めて深刻な状態にある、これはこの間のガット・ウルグアイ・ラウンド以降の状況を言っております。これら日本農業を支える専業的担い手に対して思い切って集中的に所得確保対策を打つべきである、確かに価格変動に対する施策はスタートしたが、担い手農家にはそれでは全く不十分である、農業を中心に生計を立てる農家に所得確保対策を講ずることは必要な政策であり、農業に意欲的な生産者の成長を支援すれば、中長期的には生産性の向上と農産物価格の引き下げに結びつき、消費者にも最終的な利益になる、こう述べておるわけであります。 いわゆる市場に連動させる。これは米が一番顕著であります。今回の加工原料乳も市場に連動させる。原料として農家が生産したものは、指定団体を通じて指定団体と乳業メーカーとの自由な価格交渉にゆだねるという形になるわけであります。今のようにバターが二倍以上に余っている段階では、バターの価格は、一方で乳製品と実需の関係は自由な取引になるわけでありますから、バターは今のところパイロット市場でも不落札、全然落札ができないという状態で、まさに、どういう価格になっているかわからない状態であります。 今までは、需給関係以上に価格帯に押しとどめようという形で、安定したバターの下限価格を提示してきました。しかし、これからは自由でありますから、幾ら需給をきっちりやると、皆さんの御答弁はそうでありましょうけれども、実態的にはバターの価格は非常に低価格になっていく。それを反映して生乳の取引の価格交渉は極めて不安定なものになる可能性も大きいというふうな形であります。そういった場合に、米と同じような状態が、この酪農の状態にも反映する可能性が私は強いと思います。そういった意味で、今の価格支持政策では極めて不十分である、この生源寺教授のお考えはどうですか。
○玉沢国務大臣 需給関係から申し上げますと、過剰な場合は価格が下がる傾向にある。しかし、品物が少なくなれば、需要が高まってくれば価格は高くなってくる。 しかしながら、農産物、農業の場合におきましては、持続的な農業を確保するという観点から、余りにも価格の乱高下によりまして不安定な状態にならないように、米におきましても経営安定対策等を生産者の皆さんの御協力もいただきながら進めてきておるところであるわけでございます。 それからまた、乳製品等におきましても、今委員は交渉の能力が低いというふうなことを言われましたけれども、例えば、今までは各県の指定団体であったものがブロックごとに統合されまして交渉していく、価格の交渉も行う。価格交渉力が大きくなりまして、計画生産等につきましても、お互いに申し合わせをしながら需要に見合ったものを生産していくということを続けることによりまして、安定した価格を確保することができるのではないか、そういうことを一つねらいといたしておるところでございます。
○鉢呂委員 経営安定対策を講ずることで農家経営の安定を図れるというのが、今の大臣の御答弁だったと思いますけれども、現状の経営安定対策は、先ほども言いました三年なりの、移動三カ年という表現をしておりますけれども、その市場での取引の変化率でいくということでありますから、稲作の場合をごらんになったとおりでございます。ああいう、基準が全くなくて、後から、補てんされたものを含めて補てん基準価格を設定する場合の算定の基礎に入れざるを得ないというような、超法規的なものにせざるを得ないということになるわけであります。 ですから、経営安定対策というのは、ある面ではもう少し長期的に、あるいは補てん基準価格というものを固定的に見なければ、これが市場に連動するという形をとりますと、極めて市場の影響は強い。こちらの補給金も市場の影響を受ける、五〇%でありますけれども。そして、この経営安定対策も市場の影響を受けるというのでは、今の稲作経営が、北海道は特殊かもわかりませんけれども、全国的な形で、自主流通米は三割近く下がって、経営に与える影響は大変な影響になってきているということを回避することはできない。 ですから、生源寺教授も言っております、経営安定対策のフレームワークに担い手層を配慮した傾斜的、選別的な要素を組み込むことは、この経営安定対策では容易ではない、むしろ、これとは別に、担い手の農業所得を確保するための政策が用意されるべきと考えると。 ですから、今の経営安定対策は総花的で、これは希望者が加入をすれば、だれでも個別に、自分の積み立てによって補てんできるわけでありますけれども、しかし、これではやはり問題ありと。稲作は九割補てんとか、担い手層に限ってとかという形をしていますけれども、生源寺教授は、経営安定対策、現状のものでは担い手層を全部壊滅的なものにしてしまう、こう述べておるわけであります。 自民党さんの中でも、このことについて松岡委員会でも検討されておると思いますけれども、農水省は必ずしも積極的かどうか疑問視せざるを得ない。この点について、やはり大臣としてきちんとした指導性を発揮していただきたい、私はこのように考えるところであります。 例えば、高木農水省事務次官はこう述べております。農産物の価格政策について市場原理を一層活用すべきである、価格変動は需給の変動とともに起こるが、担い手層に打撃を与えるのでは今後の農業生産の担い手を失うので、価格低落時の影響を緩和するための所得確保対策を講ずる必要ありと、これは同じ本で述べております。これは率直な意見として述べたんですが、私は何も批判するつもりで言っておりません。 同時に、この同じ座談の中で、高木事務次官は、予算について、今の組織を前提では、局長の行動様式は明らかで、自分の局の予算をみずから減らす発想はない、なぜかといえば、組織内の反発を受け、さらに今ある関係団体から総スカンを食らうことになるからである、したがって、組織再編する時期にやらなければならないというのが、来年の一月から始まる新たな局制になることを言っておるんですけれども、チャンスはそのときしかないと思うけれども、どこまでやれるか自信がない、非常に難しい話だ、こう率直に述べておるわけであります。 枝葉をとるのではなくて、まさに今、公共事業が五割以上になっております。公共事業がすべて悪いというわけでは絶対ありませんけれども、今、世界の流れも日本の流れも、生源寺教授は、先ほど言ったことがまさに構造改革だ、こうまで彼は述べておるわけです。担い手層に集中して所得政策を行うこと、集中的にサポートし、国民全体に利益がこれで還元されることが構造改革型の所得政策である、こうまで言っているわけです。 ですから、この点について、農水省の予算についても、あるいは農水省の基本的な考え方も、やはり大きく見直すのは今の時期しかない。このままこういうような価格支持政策と経営安定対策というものをずるずるやって、私は前回の大豆のときにも言いました、畑作経営全体についての経営安定対策をまず最初に考える、こう農政改革大綱で農水省みずから述べておるのに、まさに具体化の方向が全く見られない。個別の経営安定対策、法律をつくってそれから考えるというふうに、皆さんの御答弁はなっておるんですけれども、そんなものではないと。農業共済も含めて、価格補てんに伴う所得補償対策をどうやって講ずるのか。これは平成十三年度の大きな一つの目玉にしていく必要があるというのに、この行き先がまだ見えないというのはやはり問題がある、このように考えざるを得ないんです。 ですから、大臣としても、単に直接所得補償をするということではありません。単に農産物の量目に対してこれだけの補てんをするというのは、あくまでも価格支持政策でしかありません。牛乳一キロに対してこれだけの経営安定対策を講ずるというのは、価格支持政策の最たるものであります。個別では黄色政策そのものであります。経営全体をやったときに、果たして緑の政策になれるかどうかというところにあるんです。 いずれにしても、そういうものも含めて、農水省の基本的な方向というものをやはり見定める時期に今来ておる、このことを大胆に検討を実施していただきたいというふうに思います。
○玉沢国務大臣 まず、自主流通米の場合におきましては、需要と供給の関係から価格が決まっておるというのは、委員も御承知のとおりであります、これはやはり市場経済の原則でありますから。したがいまして、仮にこの過剰状態が解消をされてまいりますならば、価格が今以上に上がっていくということは想定されるわけでございます。したがいまして、所得政策を云々するというよりも、過剰な状態をどうやって解消して正常な価格と思われるものに戻していくか、こういうこともやはり積極的に考えるべきではないか。 そして、価格支持政策と言いましたけれども、政策としましては、誘導政策ということにウエートを置いて、必ずしも一定の価格を保障するということだけにとらわれずに、やはりしかるべく努力をして政策の方向に進んでいきますならば、こういうような所得が得られるというようなこととも連動し合ってやっていくことが大事ではないか、これがやはり国際的にも整合性があるのではないかと私は考えるわけでございます。 この所得政策のあり方についてすべてを否定するわけではございませんが、持続的な農業を今度展開していくという上において、あらゆる観点から検討をしていくということは大事なことだと思います。
○鉢呂委員 それでは、指定乳製品の市場の特性というものを若干述べさせていただきます。バター、脱粉のことであります。 一つは、農水省もお話をしておりますけれども、バター、脱粉についての製品としての品質格差というのは国内にはないということでございます。ですから、北海道でとれたバターも九州で生産されたバターも品質上の違いはない。したがって、市場にゆだねるといった場合には、おおむね量的なところの需給操作、需給調整というものが市場の最たる意味合いになる、これは大臣も御認識いただいておると思います。 米等については、新潟の米が、品質というよりも、これだけで価格が高いとかいうことがあるのですけれども、バター、脱粉の場合はそういうものがない。外国との場合は格差があるようでありますけれども、国内ではない。したがって、今回、市場に移行するという大きな意味合いは、需給、量的な調整というものにいかざるを得ないというふうに思います。そういう中で、今回、市場に移行するわけでありますけれども、これは、全体の需給調整をすると言いながら、いろいろ限界がございます。 ですから、先ほどから繰り返しになりますけれども、端的にあらわれている例が、バターが通常の在庫の二倍以上になっておるということで、パイロット市場は機能しない。今までであれば、私は盛んに言っておったのですけれども、安定基準帯に押し込めるための、ほぼそういう形でいろいろな作業が行われて、そういう形になっておったのですけれども、これからはそれが取っ払われることになりますから、極端に言えばバターは非常に下がる。 大臣も御案内のとおり、牛は、バターとしてのものを出すわけではありません。生乳という牛乳を一緒に出す。いわゆるバターと脱粉の跛行性、生産する量の違いというものが常に問題になるわけであります。同時に、大臣も御案内のとおり、一年ですぐ生産できない。子牛から飼って、三年近くかかってやっと生乳を生産するということでありますから、過剰状態になった場合には、この調整はなかなか難しい。過去には生乳を捨てた場合もあったことは、御承知のとおりです。そういう中で、この指定乳製品の市場性というものを、どのように大臣として基本的に考えておるのか。私は、今回のパイロット市場の例を見ても、あるいはさまざまな例を見ても、いろいろ問題があると。 ちょっと長くなりますけれども、大臣、例えば、生乳を加工する乳業メーカー、これは非常に限られております。特に乳業メーカーは、四大乳業メーカーとか言われまして、不特定多数ではありません。まあ、飲む牛乳の方は小さい飲用乳業者はいっぱいいますけれども、加工メーカーというのは非常に限られております。府県の加工はいわゆる農協系プラント。北海道でも一社、農業生産団体系の乳業メーカー。いわゆる生産者関係と乳業メーカーが重なる部分があるのです。公正透明な市場を確保する、これはなかなか難しい面があります。 取引は年何回やるのか、こう聞きましたら、年一回だそうです。値決めは、年度の初めに一回やるのだそうです。そうすると、一方で経営安定対策がこっちにある。これは国も助成しておるものが用意されておる。これも一年一回、補てん基準価格を決める。そうすると、補てん基準価格を、もらうのを前提として生乳の取引価格を設定されるおそれもなきにしもあらず、公正な市場を立てるのには、そういうなかなか難しい面があります。 それから一方、乳業メーカーと乳製品を使う実需者も重なっておることも、大臣御案内のとおりです。例えば雪印乳業は、乳業メーカーであると同時に、お菓子等にこれを使うという、雪印食品とかそういうものもあるわけであります。実需者の方は多数が存在していることは事実でありますけれども、重なる部分もあることも事実であります。米のようにあらゆる人が使うというものではありません。その辺の公正さを保つ。ですから、パイロット市場は、いまだ、余ったものは全然取引がないというのが四回とも続いておるわけであります。 そういう中で、大臣として、この指定乳製品の市場について基本的にどういった方向をとるのか、この考え、今の私の、こういった特殊性を踏まえて、お答え願えればと思います。
○玉沢国務大臣 まず、加工する乳製品はバターばかりではないわけですね。クリームもありますし、チーズもありますし、今までも過剰になってきた場合は、いろいろな乳製品をつくろうということで、それぞれの施策を講じてきたところでございます。 したがって、牛乳をできるだけ有効に使っていくという大きな観点から、これもどのような生産をしたらいいかということも、生産組織も広域的なブロックということになって十分考えていくと同時に、またメーカーの方も、今まで固定した価格のもとで、稼働率を上げなくてもやっていけるというような面もあったわけです。 ですから、やはりせっかくの施設、またメーカーも、経営でありますから、稼働率を上げまして、そして流通、生産コストも下げていくという努力をしていかなければ、これはなかなかどちらもいかない。また、余っているものを幾らつくったって売れないわけですから、不足しているものを、クリームであるとかチーズ、そういうような乳製品をつくっていくという努力もやっていただきまして、この状況に対処していくということが大事ではないかと思います。
○鉢呂委員 それでは、個別の条文に即して若干質問いたします。 法案の第十一条二項、補給金の単価の算出の方法についてであります。この補給金の単価は「生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域」、その「地域における生乳の再生産を確保する」ということで条文化されておるわけであります。これは現行も同じであります。 「生産される生乳の相当部分」とは、具体的に五〇%以上が指定乳製品、いわゆるバター、脱粉のための原料乳を生産する地帯、現状は北海道のみであります。大臣の御出身の岩手県はもう五十年代の初めに卒業されたわけでございます。北海道も今、例えば平成十年度は五二・九%、十一年度は五一%。近々五〇%を割るようなことが予想されるわけであります。 基本的にこういった条文がまさに使えなくなってしまう、加工原料乳のいわゆる補給金単価を出す際の、その地域がなくなってしまうというおそれがあるわけであります。私はやはりこの改正案を出す場合にもっと工夫してしかるべきであろうというふうに思いますけれども、御答弁願います。
○玉沢国務大臣 改正法案第十一条第二項に言う「相当部分」につきましては、改正前の第十一条第一項第一号に同様の趣旨の規定が置かれております。この規定ではこれまで五〇%を上回る割合と解してきたところでありまして、実際には、飲用比率が一定期間を平均して五〇%を上回った場合には加工原料乳地域から除外するという取り扱いをしてきたところでございます。 今委員が御指摘されました私の岩手県でございますが、北海道に次いでの酪農地帯でございます。そこでは、例えば五〇%を超えました四十九年から五十三年まで五年間にわたりましては、除外するという取り扱いは受けずにやってきたところでございます。したがって、今後、仮に単年で北海道の加工比率が五〇%を下回ったとしましても、直ちに生産者補給金制度の存在自体が問題となるものではないと考えております。 本制度の存否をめぐる取り扱いにつきましては、飲用仕向けの定着状況等、北海道の生乳をめぐる需給動向、生産構造等を十分見きわめながら、慎重に判断する必要があると考えておるところでございます。
○鉢呂委員 法案の第十一条の再生産の確保ということは、従来どおりといいますか、表現でございます。 先ほどからお話ししましたように、現行と改正法案ではその再生産確保の観点が著しく異なってくるわけであります。 現行法は、保証価格という形で農家手取り価格というものを生産費を勘案しながら算出するわけであります。しかし、今度の改正案については、先ほど言いましたように、生産者団体と乳業メーカーの実需の市場実勢に基づく取引価格、これはもう自由であります。それにプラス補給金、これは政府が定めるわけであります。 そうしますと、先ほど言いましたように、価格交渉力というよりも、バター等の特殊性から、貯蔵性を持ちながら、跛行性であってなかなかそれが簡単に需給取引の中で消化できない。ずっと長くもつことができる。それで品質が劣化しないというようなときに、この指定乳製品の市場価格が急低下することによって、いわゆる乳業メーカーも生乳の取引価格はそんなには出せない。ずうっと対前年比一〇%も二〇%も下がる場合が出てくると思います。これは従来の需給計画に基づく価格交渉力によって行うのじゃなくて、まさに市場によってこの価格が出てくるわけでありますから。こうなった場合に、いわゆる再生産を確保するという条文は、従前の保証価格に比べて全く質的に変わってくるというふうに言わざるを得ません。この点について御答弁を願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 生産者補給金の単価につきましては、生乳の再生産の確保を旨として算定を行うことといたしております。 この具体的な算定方法等につきましては、これは総括政務次官の方から答弁をさせていただきます。
○谷津政務次官 先生が御指摘の新制度のもとでは、加工原料乳の取引価格は、指定生産者団体と乳業メーカーとの交渉によって決定されることになっておりますが、生産者にとって対等な立場で価格交渉ができるように、生乳の需給調整の強化、指定生産者団体の広域化等、いわゆる強化することによりまして条件整備を推進していかなければならないというふうに考えているところであります。このようにして決定された取引価格のみではまだ再生産の確保が困難なことから、一定の単価による新たな生産者補給金を交付することとしております。先生も御案内のとおりであります。 この場合の補給金単価の算定に当たりましては、生乳の生産費その他の生産条件、生乳及び乳製品の需給事情並びに物価その他の経済事情を考慮しまして、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として定めることとされておるところでありまして、その趣旨に従って算定を行おうとするところであります。 なお、あらかじめ需給変動等による価格低落に備えるための生産者による積立金を造成することとしておりまして、国としても一定の助成を行っていきたいと思っております。
○鉢呂委員 今、一番最後に経営安定対策のことを言っているのですけれども、これは基本的な法律の条文化をされておりません。そういう契約のあるところについてのみ対象ということだけ言っております。私は、生乳の再生産を確保するということをこの法律に明記をしている観点では、今、政務次官が言われたそのことを単に法律の枠外で政府の施策として述べるのは、この条文の趣旨をすべてきちっと言い尽くしたことにならないというふうに思います。 そういう意味では、経営安定対策についてもきちんと法律化をすべきである、私どもはこのように強く主張させていただいております。これは中山間の所得補償についても同様であります。あれも法律なしでやっておりますけれども、国民の理解を得るという観点から、きちんと法律条文化をすべきである。あるいは、この問題についても、再生産を確保すると言いながら、市場が大きく動く中で、今、政務次官が言われたように、経営安定対策でそれを補てんするんだ。するんだという意味合いはいいですけれども、法律条文上は一切それはないわけでありますから、そのことなしに再生産を確保するという表現を使うこと自体は、法律条文としてはやはり欠陥条文にならざるを得ない、私はこのことを申し上げておきたい、このように思います。 さらに、今回の補給金の単価を算出する方法が出されております。市場に連動して五〇%、生産コストに連動して五〇%。生産コストの場合は、一頭当たりの推定生産費の変化率、それから、一頭当たりの乳量の変化率、これを移動三年で見ているということで、農水省の事務局は緩和をする方向にあるのですということを盛んに言うのですけれども、基本的に、生乳の生産費のみしか入っておらないわけであります。 先ほど政務次官が言われました、第十一条の二項の「その他の生産条件、生乳及び乳製品の需給事情並びに物価その他の経済事情を考慮」してというのは、算定の中に入るのか入らないのか、この辺の御答弁を願いたいと思います。
○谷津政務次官 算式に取り込んでいるのかどうかということでございますけれども、生産者補給金の単価につきましては、改正法案第十一条第二項におきまして、「生乳の生産費その他の生産条件、生乳及び乳製品の需給事情並びに物価その他の経済事情を考慮」してということを定めているところであります。 一方、実際の補給金単価の算定におきましては、初年度の助成単価につきましては、加工原料乳の取引価格のみでは加工原料乳地域の再生産が確保されることが困難であるということを考慮しながら、制度の円滑な、適正な移行に配慮することといたしまして、適切に設定したものであります。 次年度以降の助成単価につきましては、前年度の助成単価に一頭当たりの生産費、乳量等の変動率を乗ずる方式により算定していきたいというふうに考えているところであります。 〔委員長退席、金田(英)委員長代理着席〕
○鉢呂委員 今の政務次官の言葉では、考慮をするというのがどこにも入ってこれない。これは自民党さんの議員からも大変な指摘を受けると思います。 例えば、女性の労働評価の問題、現状もいろいろ問題になっています。酪農労働の周年拘束性の問題、さまざまな大きな課題をどういうふうに来年度の乳価の算定のときに入れ込むのか。皆さんから示されたのは、先ほど言ったように、二つの点だけですね。それはきちっと、やはり当面する課題ですから、入れるのか入れないのか、お答え願いたいと思います。
○谷津政務次官 今、先生のおっしゃった場合においては、ちょっと言葉足らずでありましたけれども、生乳の生産費その他の生産条件につきましては、生産費、乳量等の変動率として単価に反映させていくということであります。また、生乳及び乳製品の需給事情につきましては、これらが端的に取引価格に反映されることを前提に、加工原料乳の不利性を補給金単価に適切に反映できるように考慮することとしております。さらに、物価その他の経済事情につきましても、変動率を算出する際に物価の動向等が織り込まれることとなっておるところであります。
○鉢呂委員 時間がなくなりましたので、次に進みます。 最近、畜産審議会で個別酪農畜産の優良農家の生乳の補給金については除外をすべきでないかという意見が出ておるという声を聞くのですけれども、これは法律上、私はこのようなことはできないと思うわけでありますけれども、御答弁願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 酪農経営における優良経営者に対する生産者補給金の交付につきましては、本年三月の畜産振興審議会において議論が行われまして、その建議の中で、効果的に酪農経営の安定と生乳の再生産の確保を図る観点から、酪農家の所得、経営の状況等を踏まえつつ生産者補給金の交付のあり方について検討することとされたところであります。 この建議につきましては、指定生乳生産者団体による一元集荷、多元販売、乳価プールという制度の基本的枠組みにかかわる問題でありますが、今後、酪農家の所得、経営の状況等を十分精査の上、新制度の運用状況を見きわめながら検討してまいりたいと考えているところです。
○鉢呂委員 法律上できるかできないのか、そこだけお答え願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 基本的枠組みにかかわることでございますので、今後十分検討するというところでございます。
○鉢呂委員 これは指定生産者団体とやるわけでありますから、法律上はできない、農水省当局からもそのように伺っているわけですから、きちんと答えていただきたい。検討すべき問題ではありません。
○玉沢国務大臣 せっかくの委員の御質問でございますが、これは断定的なことまではまだ踏み込めないということで、御了承を賜りたいと思います。
○鉢呂委員 それでは、個別農家に補給金を減額できる、その法的な根拠を示してください。
○玉沢国務大臣 これは、結論についてはもう少し検討をさせていただきたい。
○鉢呂委員 経営安定対策を講ずるということになっていますけれども、この補てんの割合、取引実勢価格と補てん基準価格との間の何割を補てんするのか、それから、資金造成のための生産者拠出と国の助成割合、このことについての検討の結果をお知らせ願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 補てん割合は八割でございまして、生産者一、政府三、こういうところです。
○鉢呂委員 暫定措置法の十六条関係で、指定乳製品の売り渡しに関しまして、乳製品の価格が著しく騰貴し、またはそのおそれがあると認められる場合は、農水大臣の承認を受けてこれを発動することになっております。 しかし、これは、従来は安定基準帯があったわけでありまして、一〇%、四%、それを飛び越えたときに発動できることになっておりました。今度はその基準がないという中で、農水省の考え一つで決まっていく。そういう面では、従前同様の一定の基準をつくるべきである。時間がありませんので、簡潔にお答え願いたいと思います、もう一問、建設省にありますので。
○玉沢国務大臣 指定乳製品等の事業団の売り渡しにつきましては、国内の乳製品の需給安定にとって重要な事項であると認識しております。 具体的な売り渡しの基準につきましては、総括政務次官から答弁をすることといたします。
○谷津政務次官 今般の法律改正では、乳製品の需給状況を反映した価格形成を促進するという観点から、安定指標価格の廃止を予定しております。 安定指標価格の廃止後は、乳製品の過去の価格変動、在庫状況等の需給動向を勘案いたしまして、輸入乳製品放出の是非を判断することとしておるところであります。 その具体的な基準につきましては現在、検討中でございますが、考慮すべき事項といたしまして、過去の一定期間の価格動向、価格変動の許容範囲、生乳生産の動向、需給事情、これは在庫ですね、乳製品需要の見通し等が挙がっておりまして、これらを総合的に勘案した上で、価格の高騰が相当期間継続すると認められた場合に放出することといたしたいと思っております。 以上の検討におきましては、多くのデータを使用しての統計的処理をも要することでありますので、なお検討に時間を要しているものでありますが、早急に取りまとめていきたいと考えております。
○鉢呂委員 最後の質問ですけれども、建設省にお伺いいたします。 昨年、家畜排せつ物の法案が出たときに、私の質問に対して、堆肥舎の建築基準法上の緩和措置について、人の出入り、あるいは構造上、気象上の問題等で、この適用の適用外ないしは適用緩和について、建設省の住宅局長から御答弁をいただいたところでございます。その検討結果について、建設省の方から御答弁願いたいと思います。
○三沢政府参考人 堆肥舎を含む畜舎全般につきましては、御承知のとおり、平成九年度、それから一部十年度に規制緩和をしております。 先生の御指摘は、堆肥舎について、その実態に即してさらなる緩和をすべきではないかという御質問でございます。これにつきましては、学識経験者とか畜産業界の代表者の方々も入った委員会におきまして、農林水産省とも十分連携をとりながら検討を行っております。その結果といたしまして、例えば、北海道の非常に雪が多い地域につきましては、一定以上の屋根勾配を有するというような堆肥舎につきましては、いわゆる積雪荷重でございますが、その場合の積雪深を現在一メートルなのを三十センチに緩和する、こういった規制緩和を実施するということにしておりまして、これにつきましては、今月中にも措置する予定でございます。
○鉢呂委員 終わります。
○金田(英)委員長代理 次に、宮地正介君。
○宮地委員 きょうは時間が十五分と限られておりますので、大臣並びに、参考人として農畜産業事業団の山本理事長にもお越しいただいておりますので、御質問をさせていただきたいと思います。 今国会、特に農水省の関連法案の特徴として、いわゆる価格政策に市場原理導入、新しい農業基本法の制定に伴いまして、新しい時代の流れとして、今までの農林水産省を中心とした不足払い制度という行政価格の制度から、市場原理を導入した、いわゆる自由化の一つの価格政策に大きく転換をしている。これが今国会の農林水産価格の大きな転換の状況ではなかろうか。午前中はこの加工原料乳の価格の問題、午後から砂糖類の価格の問題等について議論をしていくわけでございます。 そこで、まず端的にお伺いいたしますが、この背景として、WTO交渉に向けて、不足払い制度ではもうもたない、むしろ、新しいこうした時代の流れを見たときに、市場原理を導入した自由価格制度というものが時代の一つのニーズではなかろうか、これが大きな背景に一つはあるのではなかろうか。 〔金田(英)委員長代理退席、松下委員長代理着席〕 もう一つは、やはり生産者の皆さんもいつまでも国のそうした不足払いの制度に頼っているだけでなくして、新しい時代をにらんで、自分たちの自助努力によって、その努力の成果が得られる、そういう市場原理を導入することによって、希望なり生きがいなりがやはり求められてくる、こういう大きなバックグラウンドもあるのではなかろうか。 ただ、もう一つ大事な点は、工業製品の自動車だとか家電、こういうものとは違って、やはり食料の価格政策というものは、農業の持つ多面的な機能、食料の安全保障あるいは国民、人類の食の保障、こうした問題を考えたときには、おのずから、通産省マターの工業製品の価格政策とは本質的に明らかに違いがある。ましてや、我が国は、農業の基本的な耕作面積にしても酪農面積にしても、宿命的に非常に狭いというハンディをしょっているわけであります。このハンディについては、やはりおのずから国がそれなりのきちっとしたフォローアップをしていく政策的視点というものをきちっと明確にしていく哲学を持っておくべきであろう、私はこう考えているわけでございますが、今回の価格政策の大きな改革について、大臣はどのように考えて行おうとされているのか、まず、この点について確認をしておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 委員の御指摘をされたことに対しまして、まずもって私も全く同じ考えであるということを、前段のお考えですね、そう思います。 それで、市場原理を導入していくということは、より柔軟性を追求していく、こういうことだと思います。余りにも固定した価格だけを持っていくということになりますと、やはり生産あるいは需要という点でバランスが崩れる可能性がございます。したがいまして、消費者に好まれるような農産物を生産していくという上におきまして、市場性の果たす役割といいますのは非常に大きいものがあると思うわけでございます。 ただし、工業製品と違いまして、日々、毎日生産するものではございません。年間に一回という場合もあるわけでございますし、多様な農産物があるわけでございますし、やはり自然を相手にしてやっていくわけでございますから、その生産等におきましても、必ずしも安定的に生産することができない。病害虫とかそういうものが発生すれば、生産は減少する、あるいは自然災害によって減少するというようなこともあるわけでございますから、やはり持続的に農業というものを形成していく場合におきましては、その点について工業製品とは極めて大きな違いがある。 したがって、持続的にやっていく場合におきましては、そうした場合においてどのような処置を講ずるか、やはりそこに経営安定対策の重要性というものが出てくるものと考えるわけでございます。 また、同時に、これも農業の持続的なことをやっていく、営農をやっていくということにおいて、いろいろと農業の果たす機能、つまり、多面的機能と言っているわけでございますけれども、これは、国土を保全する、環境の保全をする、農村の景観を保っていく、あるいは食料の安全を確保するというような公益的な役割を果たしておる。こういうところにも十分配慮いたしまして、そして、そうしたところにも配慮をするためには、やはり農業政策におきましては国が公益的な役割をさらに助長するように支援していく、こういうことを進めていくことが大事ではないかな、こう思うわけでございまして、委員のおっしゃられることは、まことに適切な御指摘であると思います。
○宮地委員 それでは、山本理事長にお伺いをしたいと思います。農畜産業振興事業団というのは大変多くの業務をされておるわけでございますが、特にその中の畜産業務というのは最も重要な事業団の中の業務の一つではなかろうか。午後から議論します砂糖類の関係あるいは蚕糸の関係、大変に多くの業務をされております。その中で、畜産業務の中でも価格安定業務はまさに今回の法改正に伴う非常に重要な業務の一つではなかろうか。 その中で、特に今回は、加工原料乳の生産者補給金の交付の問題についても、十三年度からは大きな改革になるわけでございます。この法改正に伴って、事業団として、十三年度から新たな改革に向けてどのような御努力をされようとしているか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○山本参考人 先生ただいま御指摘のとおり、今回の法律の改正案におきましては、市場原理の導入という点を大きな柱としながら、あわせて農業の持続的経営が可能となるような、農家の経営の安定にも配慮した内容であると理解いたしております。この中で、特に畜産につきましては、加工原料乳の補給金について、直接、一定の単価で補助するという方式に改められることとなったわけでございます。これに伴いまして、この業務が適切に実施できるように、必要な情報の収集やまた調査等に力を注いで、法案に定められた業務の実施機関としてその役割をさらに効率的に、また公正、的確に果たしてまいりたいと考えております。
○宮地委員 理事長にもう一点、私は、提言を含めて御質問させていただきたいと思います。 農畜産業振興事業団の業務の中で、四つ目の重要な業務として情報業務というのが、あなたのところで発行しているパンフレットにも明確にされておるわけであります。これは、二十一世紀の非常に重要な業務にしていかなくてはならない。まさにIT革命が今、行われているわけでございます。 そういう点で、世界にネットワークを持っているわけでございますから、この情報業務とIT革命の関係をしっかり勉強していただいて、私は、四つ目の情報業務というところを今後、非常に拡充をして、人的資源の確保も非常に重要ではなかろうか、こう思いますので、重要な、農畜産業事業団の業務の四つ目の情報業務の拡充について、特にIT革命との関連について、理事長は今後、積極的にどう取り組んでいくお考えなのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。 念のため、委員の方は皆さん御存じと思いますが、大きな業務の一つが畜産業務、第二番目の業務が蚕糸業務、三つ目の業務が砂糖類業務、四つ目が情報業務、この四つあるわけでございます。私は、この四番目のIT革命と情報業務の拡充の問題について、理事長に今後の御決意なり抱負を伺っておきたいと思います。
○山本参考人 先生ただいま御指摘のとおり、国際的にIT革命が急速に進展する中で、私どもの情報収集、提供業務という課題は一層重要になってまいると考えております。 この業務の目的といたしまして、農畜産業の生産者にとって生産の一層の振興につながるように、流通、加工業界にとってその一層の合理化、発展につながるように、また、消費者の方々にとって、食料、農産物の正確で豊富な情報が得られるように、これらを目的といたしまして、具体的な情報の収集、提供の内容といたしまして、国内、海外の事務所の機能も十分活用しながら、価格、また需給、生産、それから技術、経営、また農産物の品質、安全性等のさまざまなかつ正確な情報を迅速に、農業の生産者、また消費者、流通、加工業者等に提供するように、今後、組織を挙げて努力してまいりたいと考えております。
○宮地委員 時間が参りましたから、大臣に最後に一問、やはり、畜産事業あるいは酪農事業の問題の非常に重要なポイントは、私は環境政策だと思います。その環境政策とリンクするのが、リサイクル型社会への対応の問題であろうと、特に、酪農とか畜産の事業というのは環境問題が非常に大事でございます。 そういう点で、十一年度予算でもリース方式による環境政策が非常に拡充いたしましたが、十二年度においても増額をしております。今後、日本の畜産業あるいは酪農、こうしたものをさらにフォローアップしていく重要なポイントは、国がやるべきフォローアップは、環境政策ではなかろうか。 それから、農業との関連を、私も全国を回っておりまして、有機肥料にリサイクルして非常に効果を上げている農業もあります。そういう点で、このリサイクルを、もっと積極的に有機肥料等に転換をして、一石二鳥、三鳥の効果を上げるような、積極的な政府としての取り組みが必要ではなかろうか、こう考えているわけでございますが、この環境政策とリサイクルの拡充について大臣はどのような御決意を持っておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 畜産環境の保全や資源の有効利用の観点から、家畜排せつ物等につきましては、これを適切に処理し、堆肥として農地に還元することを基本といたしまして、その利用を一層促進していく必要があると存じます。このため、公共、非公共の補助事業、補助つきリース事業、制度融資等のそれぞれの支援措置を講じまして、個々の畜産農家や地域の実情を十分踏まえつつ、堆肥化施設等の計画的整備を推進しますとともに、畜産と耕種の連携による堆肥の有効利用を促進していくことといたしておるわけでございます。 したがいまして、平成十二年度におきましては、予算も六十億円ふやしまして二百十億円、こういうことで補助つきリース事業のリース枠を大幅に拡大いたしたところでございます。こうした畜産環境対策の取り組みの強化を図ることによりまして、リサイクル、循環型社会の構築が図られるように努力していきたいと考えておるところでございます。
○宮地委員 時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。 山本理事長には、御多忙の中、大変ありがとうございました。また午後の部でもお越しいただくことになっておりますが、よろしくお願いしたいと思います。終わります。
○松下委員長代理 次に、中林よし子君。
○中林委員 まず、酪農家の置かれている現状から大臣にお尋ねしたいと思います。 今、日本の酪農は大変な危機に陥っています。前回、価格決定時に、私の質問に対して、大臣も、負債がふえて離農する農家がふえている現状をお認めになりました。 日本の酪農農家は、八九年から昨年までの十年間で六万七千戸から三万五千戸に激減しております。これまで我が国の生乳生産は、酪農家戸数の継続的減少にもかかわらず、残された農家の血のにじむような経営努力によって生産量を増加させてまいりました。しかし、年間三千時間を超すような労働時間の中で、もはや増頭も限界に達し、飼養頭数も九六年から減少、北海道でも九八年から減少に転じ、生乳生産も前年水準を維持できないという状況になっております。相次ぐ離農が農家の経営努力と増頭を上回っている、そういう現状で、今ぎりぎりのところで頑張ってきた酪農家は、もう限界点を超え始めているのではないか、このように思います。 離農を食いとめなければ日本の酪農生産基盤自体が危うくなってしまうのではないか、こう思うんですけれども、大臣は現状をどのように認識していらっしゃるでしょうか。
○玉沢国務大臣 現在の酪農経営の現状をどう認識しているかという御質問でございます。 お答えいたします。 我が国の酪農は、経営者や関係者の御努力によりまして短期間で著しい発展と構造変化を遂げ、我が国農業の基幹的部門に成長したところでございます。 一方、酪農経営は、毎日の搾乳作業等のために年間を通じて拘束されること等を背景としまして、高齢化、後継者不足により飼養戸数は減少傾向にありますが、規模拡大の進展、一頭当たりの乳量の増加によりまして、全体の生乳生産量は安定的に拡大し、その中で一戸当たりの所得はおおむね安定的に推移してきたところであります。 しかしながら、同時に、規模拡大等に伴う環境問題の顕在化や労働時間の増加等の課題も生じているところであります。 このため、規模拡大だけでなく、多様な経営展開を図っていくこととして、まず第一に、飼養管理技術の向上や家畜改良の推進等による経営内容の充実、ヘルパー等の畜産支援組織の活用による労働の軽減、また、自給飼料基盤の強化、さらには、家畜排せつ物の適切な管理と有効利用等について関係者と一体となって取り組み、ゆとりのある生産性の高い経営の実現を図ることが重要であると考えておるところでございます。
○中林委員 ゆとりがなくて、そして、労働時間も非常に多い、離農もふえているというのは前回お認めになったんですけれども、今回はなかなか素直にはそのことを述べられませんでした。しかし、現実は離農が相次いでいるということです。 なぜ離農するのかということで、北海道農政部が九八年に、北海道離農実態調査というものを行っております。北海道では離農が相次いでいるということで、これは酪農だけではなくて、稲作も畑作もあるわけですけれども、なぜ離農するのかという実態調査を行っております。酪農家の離農理由、その第一は後継者問題が三九・七%、負債問題が三三・三%、将来不安が一〇%となっております。ほかの作物のそれぞれの離農理由、将来不安、ここを見ると、酪農が一番多くて、ほかのところは数字的には少ないんです。 こういう結果がありますし、もう一つ、ことしの二月二十八日付の農林経済の中に九州大学の関係者の論文がありまして、この中で、全国の指定生乳出荷団体に協力依頼したアンケートの結果が出ています。回答があったのは二十七団体なんですけれども、この中で、規模縮小の原因は何なのか、こう尋ねたら、酪農情勢に不安を感じているというのが二十七団体中二十一団体に及んでいる、約八割近い状況になっております。それから、後継者がいないというのも十八団体あるという状況です。 まだいろいろなアンケートの結果があるんですが、例えば、全国市町村の中で農業所得としては六番目の高い位置を占めている北海道の浜中町、そこでも調査を行ったところ、将来不安を感じている人が約五割、四九・三%、こういう状況の数字も出ているわけですよ。つまり、離農だとか規模を縮小する圧倒的多数は、経営不振の中で将来に不安があるというのが非常に大きいということがアンケートの結果はっきりしています。 乳価がこの二十年間で二割下がりました。二十五年前の水準になっているという状況です。それからさらに、牛肉の輸入自由化によって、これまで酪農の副収入の柱になっていたぬれ子だとか廃用牛の価格が大暴落をいたしました。その結果、酪農家一戸当たりの負債額が千四百万円、北海道では三千百四十万円と膨大な数字に上っております。政府がこれまで行ってきた価格引き下げが再生産も保証できない、だから農家の展望を失わせている、こういう状況だと思います。 ことしの価格決定では、保証価格が一円二十三銭引き下げられました。私は、こういうことが結局、酪農家を経営困難に陥れたということで、政府の責任は重大だというふうに思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 確かに我が国の酪農におきましては、先ほども申し上げましたように、短期間で規模拡大等を図ってまいりまして、大変な御努力をいただいてまいったわけでございます。そういう中におきまして、例えば、外国からの自由化要求とか圧力、そういうことによって将来に不安を感じておるという面もあると思うわけでございますし、また、副産物として生産してきたぬれ子あるいは廃用牛等も価格が下がるというようなことで経営を圧迫してきたということもあるかと思います。 しかしながら、全体としまして、規模拡大等が進んでまいった結果、乳価が二割下がったとは言われましたけれども、その中において、生産性向上等を図りまして、そのメリットも農家の皆さんも共有する、こういうこともあるわけでございます。 後継者不足で離農していく方もあるということでございましたが、後継者の育成等も今後もしっかりとやらなければならぬと思うわけでございますけれども、酪農産業におきましては、特に日本の農業の基幹でございます、そういう観点からいいますならば、今後とも政策を推進しながら、安定した生産が確保できるように努力をしていかなければならぬ、こう思うわけでございます。 加工原料乳の価格が一円二十三銭下がったということを委員が御指摘をされたわけでございますが、しかし、そういう中におきましても、いろいろな施策をこの中に組み合わせまして、農家の実質手取りはキロ当たり三十四銭上がっているという点も見ていただきまして、この厳しい中において決してすべてがマイナスの面ばかりではないのだと、積極的な面もお考えをいただきまして、今後、負債対策等についても積極的に取り組んで、農家の皆様の不安を解消するように努力していきたいと思っております。
○中林委員 価格の下落そのものは、事実が何よりも物語っていると思います。 私も北海道の酪農家の方々と会って、今後の価格がどうなるのかということが、さらに将来不安をかき立てておりました。 今回、政府が導入しようとしている不足払い制度の廃止の問題なんですが、乳価は政府によって下げ続けられて今日まで来たわけです。この中で、不十分とはいえ、農家に年間通じて乳価を保証する、それが不足払い制度であった。これは酪農家の人たちが口をそろえておっしゃっておりました。だから、今ぎりぎりのところで酪農の崩壊をこの不足払い制度が食いとめてきているんだ、特に加工原料乳の生産の八割を占める北海道の酪農家にとってはまさに生命線だ、こういうふうにおっしゃっておりました。この不足払い法、正式名称は加工原料乳生産者補給金暫定措置法で、暫定法と言いながら三十数年経過して、深く定着した法律だったというふうに思います。 このことは、あなた方の出しておられる新たな酪農・乳業対策大綱でも、この間、現行農業基本法、つまり、旧基本法の話ですけれども、に基づいて農業生産の選択的拡大を図る中で、加工原料乳生産者補給金等を活用し、我が国酪農は零細な構造を脱却して著しく発展してきた、このように不足払い制度そのものを評価していらっしゃいます。 今回、あなた方は、価格の硬直を招いたとしてこの制度をなくし、市場原理を導入しようとされているわけですけれども、少なくとも現在までこの不足払い制度が我が国の酪農発展に大きく寄与してきた、この点についてはお認めになりますか。
○玉沢国務大臣 十分認めるところでございます。 この不足払い制度は、我が自由民主党がつくりまして三十数年やってまいったわけでございます。要するに、生産者にもメーカーにも不足払いという制度を導入することによりまして、それと相連携して、生産も安定をする、メーカーも安定生産をする、こういうような形でやってきたわけでありますから、暫定といいましても、どこまで暫定かというような御意見もあるかもしれませんが、大変な役割を果たしてきた、こういうふうに思います。 ですから、この趣旨は、今後とも補給金等を通じましてメーカーにも生産者にもプラスになるように基本的にはやっていくわけでございますけれども、市場性というものを強調することによりまして、より合理的な方向を目指していくということでありますならば、現在の不足払い制度よりもさらに発展が見込まれるというふうに考えるわけでございまして、すべて反対の共産党さんのお考えとは違うということだけ申し上げておきます。
○中林委員 大臣、お言葉を返すようですけれども、私どもは、農民にとって国民にとってよりよい法律であれば、すべて賛成をしてまいりました。この国会でも、政府提出の法案に賛成しているものもあるわけですから、すべて反対と、このような事実に基づかない発言は撤回していただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 この加工原料乳の不足払い制度に賛成したかどうかはわかりませんが、大体反対してきたのではないか、そういうふうに考えましたので、そのような発言をいたしたわけでございます。 〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
○中林委員 事実に基づかない発言、推測による発言、それは、大臣ともあろう方は慎んでいただきたい、厳重に抗議しておきます。 そこで、この大事な生命線を、今、大臣も十分役割を担ってきているんだと評価をされました。自由民主党がつくってきたんだ、その自由民主党がつくってきたものを、今、自分たちの手で外そうとしていること、これは酪農経営に展望を失って離農しようかどうしようかと今、迷っている人たちに引導を渡す、そういう結果になりはしないかと大変心配をしております。 この大綱では、価格に市場実勢を反映させた場合、当事者間で形成される加工原料乳の価格は、現状では加工原料乳地域の再生産を確保し得る水準に達することは困難と考えられる、あなた方でさえも、はっきりと再生産確保は困難だ、こういうふうに書いてあるわけですね。その上で対策を講じて、新たな補給金の導入で再生産を確保する、こういうふうに言っているんですが、その補給金が大問題だ、私はこのように思っております。この補給金はどういうふうに決められるのでしょうか。
○樋口政府参考人 お答えを申し上げます。 生産者補給金の単価につきましては、既に御承知だと思いますが、改正法案の第十一条第二項に規定がございます。生乳の生産費その他の生産条件、生乳及び乳製品の需給事情並びに物価その他の経済事情を考慮し定めるとされておりまして、具体的な算定では、現在のところ、初年度の助成単価につきましては、お話がございましたけれども、加工原料乳の取引価格だけでは加工原料乳地域の再生産の確保が困難であるということを考慮し、片方でまたこれが制度改正をされるということで、制度の円滑かつ適正な移行に配慮をすることとして、適切に設定する計算をすることにしております。 さらに、次年度以降の助成単価につきましては、そうやって定まりました前年度の助成単価に生産費、乳量等の変動率を乗ずる方式により、安定的に算定をしていくことを考えているところでございます。
○中林委員 実際はまだ決まっていないんですよね。そうですね。今うなずいておられて、実際はまだ決まっていない、これからだという話で、前年度が一つの基準になるということは、前年度とは、今年度の加工原料乳の価格になるわけですよね。 そうすると、今年度が下がっているんですよ。だからそれを基準として、この大綱では、新たな措置の単価は、市場実勢が生産者サイドまで適正に伝達されるよう毎年度設定する、こういうふうに言って、農水省は、三年間の生産コスト変動率で決定するというふうにおっしゃっております。 このコスト変動率ということになると、今、酪農家はコストの削減の努力もぎりぎりいっぱいやっているわけですね。さらに、今言われたように、コスト削減に努力をしないと、とてもではないけれども、経営が安定しないということになると、この補給金はずっと下がる傾向になるんじゃないか、そういう仕組みをあなた方は考えているんではないかというふうに思うんですけれども、下がらない、そういう保証があるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○樋口政府参考人 一点、先ほどの答弁で、説明不足かもしれませんので、もう一度詳しく申し上げておきます。初年度と申し上げましたのは十三年度でございまして、次年度がつまりその次になるわけでございまして、十三年度を計算するときに今年度をもとに計算するというふうにもし御理解をいただくならば、そこは実は説明不足かもしれませんが、そういうことではございませんで、次年度と申し上げましたのは、十四年度からになるということを御理解いただきたいと思います。 それから、この生産費、乳量の変動率を乗ずることが一定の方向だけを示しているのかというお話でございますが、それはまさに生産費、乳量の動きによるわけでございまして、私どもとしては、その方向なり数値なりに決して予断を持って臨んでいるということではございません。
○中林委員 今農家の方々はぎりぎりのところをやっている、不足払い制度よりもこの補給金制度の方がよくなるんだと、あなた方はおっしゃっているわけですね。しかし、このコスト変動率を掛けるということは、少なくとも今農家の人たちはコスト削減の経営努力をやらないと、とてもじゃないけれどもやっていけない、そういうところに追い込まれているのですから、理論的にいくと、どうしても私は、この補給金というのは永遠に下がり続けていくのではないかというふうに思われてなりません。 市場実勢が反映されるということになると、市場価格が下がれば、これは現実的に下がっていきますよね。だから、今の酪農家の人たちの手取りというものは、ずっとまた下がっていくのではないかというふうに思うのですけれども、農家の手取りは激減しないという保証はありますか。もう一度お願いします。
○谷津政務次官 新制度のもとでは、加工原料乳の再生産を確保する観点から、一定の単価による新たな生産者補給金を交付することとしておるところであります。また、加工原料乳の取引価格は、新制度では指定生乳生産者団体と乳業メーカーとの交渉により決定されることとなっておりますけれども、生産者にとって対等な立場で価格交渉ができるように、生乳の需給調整の強化あるいは指定生産者団体の広域化等を図り、条件整備を推進することとしておりまして、新たな生産者補給金の交付と相まって生産者の手取りは確保できるものと考えているところであります。 なお、あらかじめ需給変動等による価格低落に備えるための生産者による積立金を造成することとしており、国としても一定の助成を行うこととしておるところであります。
○中林委員 メーカーと相対取引の話は後で質問させていただきたいと思うのですが、今言われたように、激変緩和措置というものは稲作経営安定対策と同じようにとっていくんだという方向性は、私も説明を受けているのですね。でも、稲作経営安定対策そのものが、実は稲作経営を安定させていない。八割補てんということになっていて、これも実は自主流通米の農家の方々が今、大変な減収になっております。 だから私は、今度の加工乳も、稲作経営対策と同じようなものをお考えになっているようですけれども、農家も拠出しなければいけない、もちろん、政府も出すとはおっしゃるんだけれども、これをやるということ自体が、やはり下がるということが政府自身の念頭になかったら、こういう制度はつくらないはずだというふうに思うのですね。 私は、稲作経営安定対策の問題で、なぜ八割補てんなのかというのをずっとこれまでも、これでは農家の方々の経営対策にはならないと思ってきました。今回、価格安定措置を仮にとることになった場合、私は、やはり八割補てんではなくて十割補てん、そして、暴落時の不足分は、基金に不足が生じた場合は国が責任を持って全額補てんする、このぐらいの決意を持っていただきたいと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○樋口政府参考人 全額補てん、一言で言いますと、同じ図柄を描いているかどうかではございますけれども、そういうことが仮に行われたといたしますと、事実上その水準で保証されるということになりまして、一つは、市場評価なりが生産者のところへ伝わっていかない。つまり、どんな価格になっても一定水準で保証するということでございますので、今回の法律案を御提案申し上げております趣旨にそぐわないものになってしまうということもございますし、そういうことはないと思いますけれども、仮に双方で、幾らになっても同じ価格だからいいじゃないかというので、市場評価を前提としない価格交渉になる可能性なしとしないということではなかろうかと思っております。
○中林委員 今まで繰り返し私が質問しても、下落しないという保証をあなた方からは言明を受けておりません。 私は、これまでの説明で、米のときもそうだったのですけれども、この加工乳のときも、いいものをつくって需給調整すれば価格が上がっていく、こういう説明をされるわけですね。幾らプレミアつきの商品をつくったって、価格交渉はブロック単位でやるわけですね。そこでのメリットは、今までの枠組みでしか行われない。ましてや、生乳の需給調整を短期的に操作することは不可能だというふうに思いますね。 重大なことは、この不足払い制度の廃止が、農家の側から要求は出ていないと思います。乳業メーカーの値下げ要求は、毎年出てきております。むしろ、大手乳業メーカーの加工原料乳の基準取引価格の値下げ要求に政府がこたえているんじゃないかというふうに思えてなりません。 ことし、十二年の二月に社団法人日本乳製品協会の方から引き下げの要望も出ていますね。私は乳業団体の方に直接伺ったのですよ。安くしてくれと、プレミアがつけば乳業メーカーだって高く買うよと畜産局の方はおっしゃるものですから。乳業メーカーの方に直接伺ったら、安くしてくれと言うのが当然であって、経営する側の企業が高くしてくれなんて、そんなことはあり得ないことだ、こういうふうに率直におっしゃいました。 つまり、今回の法改正がこうした乳業メーカーの立場を一層加速して、農家にとっては耐えがたい状況になってくるんじゃないか、こう思わざるを得ないわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○谷津政務次官 先生は、乳業メーカーの乳価引き下げ要求にこたえるのではないかというふうな意味のおっしゃり方をしたのですが、そんなことは断じてございません。 今般の不足払い法の改正につきましては、消費者、乳業者等のニーズを生産者に伝達して、需要の動向に応じた加工原料乳の生産を促進することを通じまして、我が国酪農及びその関連産業のさらなる発展を確保するために、市場評価が生産者手取りに的確に反映されるような生産者補給金を見直すものでありますから、そういう誤解のないように、ひとつお願いをいたします。
○中林委員 聞いてはいないとおっしゃっても、結果的には引き下げの方向に私は向かうと思うのですね。特に、ブロック単位とメーカーの間の相対取引だ、これで対等の関係で乳価が上がるようなこともおっしゃったわけですけれども、もう既に飲用乳は相対取引になっております。この飲用乳の価格というのは下落の一途をたどっているわけですよ。だから、ここで相対取引になれば、上がるどころか、下がるということを既に証明しているというふうに思います。 今政府がやろうとしている不足払い制度を廃止して導入しようとしている仕組みは、まさに際限のない乳価下落の条件整備を引き起こす、そういう仕組みになりかねない。乳価が下がれば離農が加速していく。私は、酪農家は今一番政府による価格保証が必要なときに来ているというふうに思います。 WTO協定があって、そのために価格保証はなくすんだと政府はおっしゃるわけですけれども、先般も私はアメリカの例を出しました。アメリカも実は加工乳に対する補助金を用意しております。だから、そういうことをやっているんだから、政府が本当に今酪農家の経営を安定させていくためには、乳価を引き上げる、今回のような法改正はしない、こういう立場に踏み切るべきだということをまず主張しておきたいと思います。乳価が上がらなければ、農水省が国家的課題として第一義的に推進しなければならない自給率向上の施策に、私は水を差すことになりかねないというふうに思います。 政府は、飼料自給率を引き上げることこそ、自給率向上の課題の中でも、それを引き上げることを重視しているわけですが、酪農家には、そのために費やす余裕が実は今ないと思います。乳価が下がり続け、乳量をふやす膨大な設備投資をして規模拡大してきた。その結果が、北海道では八十頭以上で年間三千二百時間という過酷な長時間労働。先日の私の質問でも、大臣も、労働時間は長過ぎる、ゆとりある経営の実現を図り、労働時間の短縮に努めていくことが大事だ、こう答弁をされております。 しかし、今のように搾乳に追われ、堆肥の草地還元もしなきゃならないとかいろいろ言われているのだけれども、そういうゆとりはないとおっしゃっております。だから、輸入濃厚飼料に頼らざるを得ないんだ。こうなったら、飼料自給率向上、これを十年間で二五%から三五%へ引き上げる基本計画をお立てになっているのですけれども、それはできないというふうに思うのですね。だから、農家に経営のゆとりを取り戻す、そのことが第一だというふうに思います。 そのためには、今までの不足払い制度、不十分だけれども、それが酪農家の経営を支えてきたと大臣はおっしゃったわけですから、こういうゆとりある酪農経営に切りかえていくべきではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 まず、この制度を今後進めていく上におきまして大事なことは、やはり生産者の努力と同時に、メーカーも努力してもらわなきゃいかぬ。ここが先ほどからの議論の中に欠落しているところであると思います。 今回、指定団体がブロックごとになることによりまして、確かに相対取引ではありますけれども、ブロック対メーカーということになりますと、かなりの交渉能力が出てくるわけでございまして、委員がおっしゃるように、そうそう価格をすべて下げる方向にだけ行くというような否定的な考え方だけではないわけでございます。 つまり、ある一定の価格の中で、やはりメーカーも努力していただきまして、すべての施設をフル稼働していただく、あるいは統合再編をして合理化をしていただく、こういうようなことを通じまして、生産性のメリットが農家にも行くようにする、こういうことをもくろんでおるわけでございまして、決して委員の言われるように否定的な面ばかりではないということでございます。 それから同時に、先ほど以来申し上げられたわけでございますが、八十頭もやっておられる農家の方、この御努力に敬意を表するわけでございますけれども、つまり、ある一定の規模というものでゆとりのある経営をやっていけるような価格体系というものも維持できるように、全力を挙げて努力をしていかなければならぬ。価格が下がることだけを考えておるわけでございますが、価格が安定的に維持されまして、その中で所要の改善が図られていくということを通じまして、自給率も上がっていくものと考えておるわけでございます。
○中林委員 私は、そのとおりにはならないというふうに思います。 それから、もう一方で、酪農家がゆとりある経営をしようと思ったならば、ヘルパー制度の充実、これはやはりどうしてもやらなければならないことだというふうに思います。 今回の価格決定で、今まで実質、乳価の一部になっていた環境・ヘルパー加算が価格から取られて、横積みの対策となりました。この総額が七億六千八百万円で、北海道の場合だと、従前利用分だということで、試算すると六千円です。北海道の場合に、ヘルパーを利用しようと思ったら、従前利用分、実績は六千円、増加分については一日一万円の助成をする、こういうふうになっているわけですが、こうした助成自体、私はもっと充実させなければならないというふうに思います。 農畜産事業団の指定助成対象として、その繰越金から予算をつけると伺っているのですが、これまでの私の質問でも繰越金が千三百億円以上あるということになっているので、農家の所得を今まで保証していたものから、横積み、その分取って、わざわざヘルパー制度という新しいものをつくっていくのですから、もっと私は充実すべきだというふうに思いますけれども、簡単にお答えいただきたいと思います。いかがですか。
○樋口政府参考人 前回お答えしたのと実は同じになるので恐縮でございますけれども、事業団に残っております金、先生がおっしゃっていますのは、肉用子牛対策費等のため、特定の財源のために用意をされている金でございまして、いわば畜産対策に何でも使えるというようなことではございません。特定用途のために用意されている財源だということは、御承知をいただきたいと思います。
○中林委員 そこは使えないのなら、しかし、あそこは非常に不明朗になっていて、まだまだ余裕があるということで、この改善の要求、拡充の要求を私はさらにしておきます。 最後に、豚コレラの問題で質問したいというふうに思います。 豚コレラの生ワクチン接種中止の問題で、先日、日本養豚経営者連絡協議会の代表の方がこの問題で要請に来られました。農水省は九六年の畜産局通達でこの生ワクチン接種中止に向けた事業を開始して、ことし十月一日にも接種中止を決定しようと今検討中だと伺っております。しかし、養豚家や獣医の方々は、一たび発生すれば、発生場所から半径三キロ域が四十日間移動禁止になり、死亡豚の焼却処理は想像を絶する、口蹄疫の状況が再現されるだろうと非常に強く反対をしておられます。 畜産局は、国内の豚コレラは九三年以降発生がなく撲滅した、中止すれば四十億円の予算が削減になるし、接種の手間も省ける、こういうことを言っております。しかし、豚コレラは、七〇年以降、接種率が低下するたびに一件から七十七件の発生を繰り返しており、撲滅したとはとても言えないと思います。今回の口蹄疫も、九十二年ぶりの発生なんですね。こうした伝染病は、一たび発生したら農家に大変な打撃を与える、だからこそ、行政の責任で未然防止策をとることが非常に重要で、ワクチンを接種すれば防げるわけですから、私は中止の方向の方針を撤回されることを求めたいと思います。
○樋口政府参考人 豚コレラについての御質問でございますが、先生たまたま口蹄疫のことも御質問の中でお話をされましたので、御理解をちょうだいいただきたいと思いますのは、そういう悪性の伝染病が発生すること、大変これは私どもとしては避けなきゃならないということでございますけれども、ワクチンを打つことも実は大変なことであるということも御理解いただきたいと思います。 現在、口蹄疫が終息をいたしておりませんが、私どもが生産者の皆さんの御協力を得ながら大変努力をしておりますのは、ワクチンを打たないで何とかして終息をしたいというふうに考えているからでございます。ワクチンを打つということは、ワクチンを打っている国に対して清浄国であることを主張できないということでございまして、私どもとして、例えば口蹄疫ではワクチンを打たないで清浄化するということを最大の眼目にしているわけでございます。豚コレラにつきましても、ワクチンを打っているということになりますと、ワクチンを打っている国について、清浄国であることを主張できないということでございます。 現在、私どもの調査では国内は清浄性が確保できているだろうということでございますし、既に本年の四月で三十二の道府県がワクチンの接種を中止いたしております等々を背景にしながら、私どもとしては、当初の予定のことを念頭に置きながら、細心の努力を続けていきたいと思っております。
○中林委員 アメリカだとかEUだとか、接種を中止しているというのは知っていますけれども、これらの国は輸出国ですよ。ですから、私どものは、ワクチンというのは菌を植えつけるんですから、それはわかりますよ。わかるけれども、それを打っていなければ、発生した場合、大変な事態になるということですから、農家の皆さんの現状、切実な声をしっかりと受けとめて、私は、この方針を撤回されるよう重ねて要求して、質問を終わります。
○松岡委員長 次に、井上喜一君。
○井上(喜)委員 私は、きょうは、加工原料乳に関する法律の改正案でありますけれども、口蹄疫につきましての質問を中心にさせていただきたい、こんなふうに考えます。 農林省の仕事には何種類かのカテゴリーがあると思うんです。試験研究でありますとか調査というような分野もあれば、補助金であるとか、あるいはその他の支援策によりまして一定の方向に誘導していく指導奨励事業もございます。きょう問題にいたします口蹄疫に関する法律は家畜伝染病予防法でありまして、これはまさに行政的にきっちりと処分をしないといけない、厳密に処分をしていかないといけない、そういう対応が必要な分野のものと考えるわけであります。 御承知のとおり、口蹄疫というのは、事運用を間違えますと、日本の大家畜の経営に大変大きな影響があることはもちろんであります。同時に、こういうような病気を国際的に抑制していこうという国際条約がありますけれども、そういう国際条約を背景にいたしました家畜伝染病予防法だと思うのでありまして、ある意味では国際的なコンセンサスを得ているルールだというふうに思うのであります。いいかげんな運用をいたしますと、国際的にかなえの軽重を問われるということにもなろう、こんなふうに思います。 きょうは、時間が余りありませんので、質問に対しましては簡潔にかつ明快にお答えをいただきたい、こんなふうに思います。事務当局の方に質問をいたしまして、最後の一、二問を大臣にして終わりにしよう、こんなふうに考えております。 まず、宮崎県で口蹄疫が三カ所で発生をしたというふうに聞いておりますけれども、これらの発生状況と、これらの発生に対してとられた措置の説明を願います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。 お話がございましたように、宮崎県で、三月の二十五日、四月の三日、それから四月の九日に口蹄疫が発生したということがあったわけでございます。三月二十五日の発生確認後、直ちに、お話がございました家畜伝染病予防法に基づきまして、四つほどの措置を講じております。 一つは疑似患畜の殺処分、埋却でございます。一つは発生農場や車両等の消毒、移動制限地域の設定、それから搬出制限地域の設定などの措置を講じたほか、海外からの侵入防止対策を強化するという措置をとっているわけでございます。四月の十日以降、新たな患畜あるいは疑似患畜が確認をされておりませんので、移動制限地域については順次その範囲を縮小しておりまして、五月の二日をもって解除してございます。 これらの措置と並行をしまして、周辺農家及び関連の農家等への立入検査を実施するとともに、移動制限地域を初め、全国を対象に血液検査による浸潤の状況の調査を実施しておりまして、現在、清浄性の確認をするため、必要な農場、私たちが承知しておりますのは十四戸でございますが、これにつきまして、農場隔離検査プログラムということで必要な検査を実施しております。
○井上(喜)委員 この口蹄疫のウイルス自身が発見されていないというように伺っているのでありますけれども、いずれにしても、陽性の反応が出たということであります。ということは、すなわち、ウイルスに感染をしたということだと思いますが、疑似患畜が発生をする原因、どう考えておられるのか、あるいはそのための調査をどの程度されたのか。
○樋口政府参考人 私ども、これまで感染経路の解明にできるだけの力を注いでいるわけでございますが、家畜の導入されました導入元の農場、近接地の農場、人や車の交流がありました農場、そして、最初に確認された農場と同一の粗飼料を使用している農場、これらにつきまして重点的に調査を行っていることが一つでございます。 それから、実は三例目につきましてはウイルスが検出されておりますので、検出されたウイルス遺伝子の解析とか、分離されたウイルスの分析等々を行っております。 しかしながら、現在までの調査の結果では、どこから入ってきたか、あるいは感染経路はどうかということが判明をしておりませんけれども、今後とも原因究明に向けた情報の収集、分析に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○井上(喜)委員 口蹄疫はこれまで日本の国内に存在をしないということが言われていたのであります。仮にそうだといたしますと、外国からウイルスが入ってきた、こういうことになろうと思うのでありまして、その感染源になるところの調査をどの程度徹底して行われたのか、これが問題として残るんじゃないか、こんなふうに思います。 先に進みまして、稲わらの輸入ですね。輸入した稲わらが感染源の一つじゃないか、そういう疑いが持たれておりまして、口蹄疫の発生国からの稲わら輸入について規制が行われているようでありますけれども、この家畜伝染病予防法上の規制としてどんな規制をしているのかということ、具体的には家畜伝染病予防法の何条に基づいたどんな処分なのか、はっきりさせていただきたい。
○樋口政府参考人 家畜伝染病予防法四十条の規定に基づきまして、輸入される場合に検疫の対象といたしております。
○井上(喜)委員 家畜伝染病予防法四十条はどう書いてありますか。
○樋口政府参考人 条文についての御質問でございますので、読ませていただきたいと思います。四十条の第二項という規定がございまして、「家畜防疫官は、指定検疫物以外の物が監視伝染病」これは今回の病気でございますが、「病原体により汚染し、又は汚染しているおそれがあるときは、輸入後遅滞なくその物につき、検査を行うことができる。」という規定によって行っております。
○井上(喜)委員 そうしたら、検査だけで、輸入禁止処分はしていないということですね。
○樋口政府参考人 検査の結果に従いまして、所要の措置をとっております。
○井上(喜)委員 では、具体的にどんな検査をしているんですか。
○樋口政府参考人 現物を確認した上で、例えばホルマリンの消毒をするというような措置を講じております。
○井上(喜)委員 家畜伝染病予防法には、御承知のとおり、三十七条に輸入禁止処分ができる根拠規定がありますし、第三十八条に検疫証明を出さないといけない、そういう規定があるんです。本来でありますと、輸入規制というのはこの二つの条文を使ってやられるのでありますけれども、四十条でそんなことが勝手にできるのか。きちんとした根拠があって、その根拠規定に基づいて防疫官がそういった検査をする、あるいは処分をするということじゃないかと思うんです。私は、そこはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○樋口政府参考人 すべてを対象にするわけではございませんで、輸出国が判明をいたしますので、申告をされたときに、汚染をされている国から出てきたものであるということがわかりますと、その場合に検疫の対象にするということでございます。 したがって、例えば、具体的な国名を挙げると失礼ですので、某国が、そういう口蹄疫が発生している、その国から輸出されてきたものであるということになりますと、それは検査の対象にしているということでございます。
○井上(喜)委員 言うまでもないのでありますけれども、輸入したものを処分するんですから、ある意味でこれは財産権を侵すわけですから、ある一定のものについてはしかじかの処分をするよということを、告示なり省令なりをつくって広く知らしめないと、勝手に防疫官ができないと私は思うんですね。今のお話でおわかりのように、かなりずさんな対応じゃないかと私は思います。 時間がありませんので、その次に行きます。 中国からの稲わらの輸入がありますが、私が聞くところによりますと、輸出業者が十数人おりまして、それぞれが熱処理をする施設を持っている。それで、日本から派遣された防疫官が常時三名ぐらいの体制で検査をしているといいますか監督をしている、こういう状況だと思うのでありますが、果たして所定の温度処理がされているのか。熱処理された稲わらと、これからされようとする稲わらなどが本当にきちっと区分をされてやられているのか。こういうことについて生産者内で大変な疑問があるのでありますけれども、その点はどうなっておりますか。
○木下政府参考人 稲わらの検疫の問題について、まず私の方から御答弁させていただきたいというふうに思います。 中国産稲わらの蒸熱処理状況でございますけれども、まず第一に、日中両国の植物防疫官によりまして、蒸熱処理の開始に当たりましては、蒸熱処理施設への稲わらの搬入、蒸熱処理中の稲わらの温度を測定するための温度センサーの設置、蒸熱処理の開始が適切に行われたこと、それから、終了時点におきましては、蒸熱処理中の稲わらの温度記録によりまして、蒸熱処理が的確に行われたことを確認しているところでございます。 また、これらにつきましては、日本に輸出されるすべての中国の稲わらについて行われているという状況でございます。 また、これらの施設につきましては、現在十二社が所有する計四十五台の蒸熱処理庫が存在しているところでございまして、いずれも大連市甘井子区に存在し、それぞれが車で十分以内の距離にあるところから、私ども常駐三名でやっておるところでございます。
○井上(喜)委員 これは大臣に、私の地元でこういう稲わらを中国から輸入している者がおりますし、それを使っている大家畜の農家もありますので、一度これ、実態をお聞きいただきたいと思うんです。建前と現実というのは大分違うと、こういうように私、伺っておりまして、ぜひ一度機会をおつくりいただきたいと思います。 次に、稲わらの製品があります。例えば畳の台というんですか、これなども中国とか台湾、韓国などから輸入されていると思うのでありますが、どの程度の輸入でありますか。去年とかおととし、数字を挙げていただきたい。
○木下政府参考人 畳床の輸入検査実績について御説明申し上げます。 平成十年で五千百トン、平成十一年で四千八百トンでございます。そのうち、中国でございますけれども、平成十年が三百二十トン、平成十一年が三百七十トンでございます。台湾でございますけれども、平成十年が三千八百トン、平成十一年が三千六百トンでございます。
○井上(喜)委員 稲わらの製品は、稲わらと同じように、口蹄疫のウイルスが付着しているおそれがあるのじゃないかと私は思うんです。これは、前の口蹄疫の発生の原因調査のときに、輸入畳などの調査は全くしなかったんですか、どうなんですか。
○樋口政府参考人 お話がございましたように、稲わらあるいは麦わらが原因になっている可能性は、私どもは否定をし切っていないわけでございまして、いろいろな情報、お話をもとに調査をいたしております。 例えば、今お話がございました畳床が敷き料あるいはえさとして使用されていたら大変だということで、まず三戸の畜産農家を中心に調査をしておりますが、三戸の畜産農家については、全くそのようなものを利用されていないということは確認をいたしました。
○井上(喜)委員 畳の台については、私は、通常の稲わら、えさなんかにする稲わら、あるいは敷き料にする稲わらと同じような口蹄疫のウイルス付着の可能性があると思うのですが、これはどうして輸入禁止の対象にしなかったのですか。
○樋口政府参考人 まず一つは、我が国に入ってきますもの、主として中国から入ってくる稲わらにつきましては、一定の蒸熱処理がされているということはございます。それから、それ以外の稲わらについては……(井上(喜)委員「いや、畳」と呼ぶ)畳につきましても、中国から来ますものにつきましては蒸熱処理されております。それ以外につきましては、もともと規制がかかっていなかったということと、その形態から、えさに使用されるということは考えられないだろうということで、採取の対象にはしていなかったということはございます。
○井上(喜)委員 私は、畳に使う場合は熱処理すると、もう使い物にならないと聞いているのだけれども、そうじゃないんですね。熱処理をしたものが畳の台として使われている、こういう答弁と理解してよろしいのですか。
○木下政府参考人 中国から輸入される畳床に対する検疫上の内容について御説明申し上げますと、中国産畳床の輸入については、乾熱処理施設において、八十度以上、二時間以上の消毒を実施しているというところでございます。また、同じように、蒸熱処理施設においても、八十六度以上、四分間以上の消毒というのもありますけれども、蒸熱処理施設でやりますと、品質低下の問題があるということでございまして、実質的には乾熱処理施設において、先ほど申し上げたような八十度以上、二時間というような処理をしているところでございます。
○井上(喜)委員 私が生産者の方から聞いた、あるいは輸入業者から聞いたこととちょっと違うのでありまして、いずれ、これは確認をさせていただきたいと思うのです。 次に、指定検疫物という制度がありますね。これは家畜伝染病予防法第三十八条なんです。これは口蹄疫のウイルスが付着をしている可能性のあるものなどが含まれているのでありますが、これを輸入します場合は、そういう病原体を広げるおそれのないということを確かめている、あるいはそう信じるというような証明書を添付するといいますか、それを同時に日本の検疫所に提出するようになっております。 畳のこれを指定検疫物の対象にすらしなかった理由ですね、これはどうしてなんですか。
○樋口政府参考人 率直に申し上げまして、その時点での私どもの知見なり情報を整理しまして、そういうリスクが畳床についてあるというふうには考えていなかったということでございます。
○井上(喜)委員 口蹄疫というのはまさに専門家の間では大変恐れられている怖い病気でありまして、その被害も大変大きくなるものであります。口蹄疫に対しましてはいろいろな角度から、ウイルスが付着しているおそれのあることについては徹底的に調査をする、あるいは、それに対する輸入の禁止処分等をしていくということが必要だと思うのであります。今までの局長の答弁を聞いておりますと、私は、必ずしもこれは十分ではないのではないか、こんな感じがいたします。法律にはそれなりの手だてがあるわけですね。ただ、その規定を援用いたしまして、やっていない、こういうことでありますので、よく検討して落ち度のないようにやっていただきたい、こんなふうに考えるわけであります。 そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、今の私と局長とのやりとりをお聞きになりまして、調査その他の原因究明なり、あるいは家畜伝染病予防法上の措置が本当に十分であったのかどうか、御感想を伺いたいのと同時に、私は、原因がはっきりするまで中国からの稲わらとか、その製品の輸入の即時禁止をすべきだ、こんなふうに思います。これら二点につきましての大臣の御所見を伺います。
○玉沢国務大臣 まず、口蹄疫の発生源につきましては今、随時調査しておるわけでございまして、どのようなところのウイルスと近いかというようなことが特定をされてまいりますと、感染源等も明確になってくると考えております。 また、中国からの稲わら製品につきましては、植物防疫上の理由によりまして、我が国の植物防疫官の立ち会いのもとで一定の加熱処理がなされているもののみを輸入している、こういうことでございまして、口蹄疫のウイルスを死滅するのに十分な加熱処理がなされていることを確認した上で入れるということを徹底していきたいと思っております。
○井上(喜)委員 確認といいましても、目に見えるものではないものですから、非常に難しいと思うのであります。したがいまして、今の家畜伝染病予防法の法律の体系からいいますと、そういうおそれのあるものについては禁止の処分をするわけですね、できるような規定になっておりまして、本当にこれは勇断をもってやっていただきたいと思うのであります。 これが国際的な常識なんですね。口蹄疫が発生をする、あるいは発生しているおそれがあるというような場合に、それらの付着物が入ってくる、あるいは付着して入ってくるおそれがあるというのに対して、厳格な処分をするということは国際的に認められていることであります。私は決して日本が突出したようなことにならないと思いますので、その辺はひとつ勇断をもってお願いをいたしたいと思います。 今、共産党の質問でワクチンで対応せいなんというのは、これは常識以前の話だと私は思うのですね。口蹄疫をワクチンでやるなんというのは、非常な負担を農家にかけるし、日本の畜産を、日本というのはそんな国なんだ、大家畜の口蹄疫をワクチンでやっているんだみたいな、そういうことを内外に宣明することでありますから、断固としてそういう措置はとってもらいたくない。そういうことが発生しないような、根っこのところをきちっと押さえていただきたい、こういうことを要望します。 まだ一分ほどありますので、要望だけ申し上げておきます。 加工原料乳の生産費の発表の仕方なんですけれども、今は三・五%の脂肪率を基準にして発表しているんですよ。普通、生産費といいますのは、しかじかの生産量があったということ、これを生産するのにどれだけの費用を費やしたかということ、それを生産量で割りまして一キログラム当たり幾らというのが生産費なんですよ。ところが、加工原料乳の場合は、脂肪率が三・五より多いと、その多い部分だけ何%か生産費を下げる、コストを下げているんですよ。これは、私は生産費ではないと思うんですよね。 だから、私は、発表自身はきっちりと生産費、つまり、本当の生産費を発表すべきだと要望だけしておきます。 以上であります。
○松岡委員長 次に、一川保夫君。
○一川委員 私の方から、今、口蹄疫の話題が出ておりましたけれども、ちょっと一点、農水省の見解をお伺いしたいと思います。 今のお話の中にも出ておりましたけれども、感染源とかいろいろなルート関係もまだ明確にされていないという状況下でございますけれども、口蹄疫の問題というのは、家畜農家にとっては大変な課題であろうと思います。今回も宮崎を中心にこういう話があるわけですけれども、口蹄疫で大変な被害を受けた農家の方々に対する一種の補償みたいな話を、どういう対策をとっていくかということも、これを機会にいろいろと考えておくことも大事なことではないかというふうに思うわけです。 ヨーロッパ等では、海外から輸入した飼料等によって家畜が口蹄疫などに感染したような場合には、当該地域の対象となる家畜をすべて国が買い取るというような形で、実質、その被害を補償するというような制度が動いているというふうにも聞いているわけでございます。我が国ではこういった補償制度的なものを今後つくる必要があるというふうに思うわけでございますけれども、この点について農水省の見解をお伺いしたい、そのように思います。
○樋口政府参考人 お答えを申し上げます。 私どもの国では、家畜伝染病予防法という法律がございまして、この中で、ちょっと法律用語で申しわけないんですが、患畜あるいは疑似患畜ということに確認をされまして所要の処分をされた場合には、法律の規定に基づいて補償を行うという明文の規定がございます。したがいまして、制度としては、各国、態様は違うと思いますが、恐らくそういうものはあるのじゃないかと思います。 先生がおっしゃっているヨーロッパの国というところも、恐らくそういう補償の制度を持っているということではなかろうかと思っております。私どもの制度としては、一定の処分を強制的にされた場合には補償を行うという明文の規定を持っております。
○一川委員 法制度的にそういうことが予定されているということであれば、その運用につきまして的確な対応をお願いしておきたい、そのように思っております。 それでは、加工原料乳法案に関連しての問題について、幾つかお尋ねしたいと思います。 もう既に何回か話題に出ていることもあろうかと思いますけれども、今回の改正案、牛乳、乳製品に関する自給率をしっかりと向上させていくということも一つの大きなねらいでもございますし、また、酪農なり乳業に関係する健全な育成ということも当然のねらいになっているわけでございます。 この三月に、食料・農業・農村基本計画において、自給率の向上を図るという一つの生産努力目標というものを設定しているわけです。その達成に向けて、当然ながら、関係者一丸となって取り組む必要があるわけでございますけれども、その中で、牛乳、乳製品の自給率目標というのは七五%というふうにセットされておりますね。平成十年度現在では七一%だというふうに聞いておりますけれども、平成二十二年度の目標は七五%に置いているわけでございます。この食料自給率目標あるいは生産努力目標といったようなものを具体的にどうしていくかということがポイントになるわけですけれども、その具体策の基本的なところについてお聞きしたい、そのように思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。 お話にございましたように、三月の閣議決定で、平成二十二年度の牛乳、乳製品の食料自給率目標は七五%とされております。この中で、牛乳、乳製品の消費につきましては、まず趨勢をベースといたしまして、そこから栄養バランスを適正に回復しようということが一つ、考量事項になります。それから、食べ残しや廃棄の量を減らそうということで、それらを考慮に入れました望ましい食料消費の姿を描きまして、千三百十八万トンが消費量にされております。 他方、生乳の国内生産につきましては、品質や生産性の向上など関係者が取り組むべき課題、例えば、乳量をアップするとかそういうことを課題と掲げて、その到達可能な水準でございます生産努力目標として、九百九十三万トンということにされているところでございます。こういう生産努力目標を実現するためには、我が国の畜産が抱えておりますコスト面での問題や、規模拡大を図る上で、先ほどからも議論になっておりますが、長時間の労働あるいは家畜排せつ物の処理の問題等々を解消する必要があると考えております。 具体的な数値で申し上げますと、飼養、搾乳技術の高度化ということで、一頭当たりの乳量増大等によりまして二割程度の生産コストを低減する、あるいは酪農ヘルパー等支援組織を活用して労働を軽減していく、それから、家畜排せつ物の適正な管理、有効利用等について関係者が一体となって取り組んでいく、こういうことが必要ではなかろうかと思っております。
○一川委員 次に、加工原料乳の生産者の補給金制度の問題について、若干お伺いしたいと思います。 今回の改正では、これまでの不足払いによる算定方式を改めまして、先ほど来、話題に出ていますような、市場実勢が生産者サイドに的確に伝達される、そういう仕組みを導入しようとしているわけでございます。当然ながら、こういった制度の改正に伴って、生産者の努力が報われるような制度に持っていくべきであるというふうに思いますし、また、意欲が喚起されるような制度にもしなければならないわけでございます。一方では、生産者の所得の変動というものが余り大きくあってはまずいという感じもいたします。そういう面では、円滑にそういう制度に切りかえていくということが非常に大事なことであろうと思っております。 そこで、今回の新しい改正でいった場合、生産費等の動向を基本にしまして、毎年度あらかじめ算定される補給金単価による助成方式に切りかえていくわけでございますけれども、現行の生産者の手取りというものが大幅に変動していくことに対する心配というのが先ほど来いろいろと出ております。初年度の単価について、政府の方でどのような基本的な考え方で取り組もうとしておられるのか、そのあたりのところをまずお聞かせ願いたいと思います。
○樋口政府参考人 基本的な考え方という御質問でございましたので、二つお話をしておきたいと思います。 一つは、法律の規定にもございますが、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域、具体的には北海道でございますけれども、これの生乳の再生産を確保することを旨として定める。その場合に、加工原料乳の取引価格のみではそういう地域での生乳再生産の確保は困難だということを前提に、一定の単価による補給金を交付する。つまり、再生産の確保を前提に一定の単価を決定するということが一点でございます。 それから、今回、制度改正があるわけでございますが、基本的な法律の趣旨なりについては変わらない部分もございます。したがいまして、単価による設定をする場合に、制度が円滑に移行することを配慮しつつ設定をする、この二点を基本的な考え方に据えて決定をしていくということを考えております。
○一川委員 その場合、補給金の単価の問題、一応、基本的には毎年度決定することになっているわけでございますけれども、先ほどちょっと指摘しましたように、生産者側にとっては、経営をしっかりと安定させながら経営構造の改善をしていきたいというのは当然あるわけですけれども、毎年余りころころと変わるというような雰囲気ではなかなか意欲も出てこないということにもなりますので、ある一定期間そういった単価みたいなものをある程度固定的に持っていくというようなことが、ある程度目安を示してあげるということが非常に大事なことではないかと思うのです。そのあたりに対する考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。 お話がございましたとおり、生産者のサイドからは、ころころ変わるかどうかは別といたしまして、要するに、安定的に、先の見通しがつくということが希望されることでございますので、生産コストの変動はもうある程度わかるわけでございまして、それを踏まえつつ、一定期間における生産者の経営判断の目安になるように設定してくれないか、そういう希望がございます。 片方、今度は、消費者あるいは納税者と言ってよろしかろうかと思いますが、それは、生産性が向上した場合にはやはり的確に反映させないといけないのではないか、こういう要求はあるわけでございまして、その二つの観点から、相互を勘案したらどういう方式がよかろうかということで検討が行われております。 乳製品・加工原料乳制度等検討委員会というところでこれは検討されたわけでございまして、その検討の結果が、前年度の助成単価に生乳の生産条件、生産費、乳量等の変動率を乗じる、しかも、その変動率を一定の期間とりまして、平均的な形で計算をしていって安定的なものにする、そういう移動三年平均方式をとるということで安定的な変化といいますか、推移を考えているということでございます。
○一川委員 それで、当然、新しい制度に切りかえていくということになれば、これからのフォローアップということが、これまた一つの課題であろうと思うのですね。こういった補給金制度への移行の状況なり、生産農家等のいろいろな経営状況の変化、また、その価格の形成の動向なりを見きわめながら、制度の見直し、改善ということも当然必要になってこようかと思います。フォローアップをするための体制整備といったようなことについて、現時点でどのようなことを考えておられるのか、説明を願いたいと思います。
○樋口政府参考人 これは大変大事なといいますか、重要な地位を占める仕組みだと思っておりまして、その点につきましても、お話がございましたような御意見はございました。 先ほど御紹介をいたしました検討委員会で取りまとめられました乳製品・加工原料乳制度の改革骨子というのがございますが、その中で、この新しい制度を実施する場合に、その時々の酪農、乳業をめぐる情勢に的確に対応し得るようきちっとフォローアップをしなさい、その体制もつくる必要があるのじゃないかということがございます。私どもとしましては、現在まだ御審議いただいていますので、すぐこの形で置くということはできませんが、成立直後に、畜産局の中に、補給金制度の運用状況、あるいはこの制度の一つの役割を担っていただきます指定生乳生産者団体を広域化する、それがちゃんといっているだろうか等々、新たな酪農・乳業対策の実施状況についてフォローアップを行うということで、これにつきましては、私どもももちろんでございますが、民間団体も入っていただいた推進本部というものを畜産局の中に置くということを現在考えておりまして、民間団体からもおおむね了解をちょうだいしているところでございます。
○一川委員 最後に、WTOの絡みでちょっとお聞きしたいわけです。 これはどなたの答弁が適当か、場合によっては大臣にお願いしたいわけですけれども、WTOの次期交渉、これから本格的に開始されようとしております。当然ながら、今各国ともその対応でいろいろと対策をとっている時期でございまして、特に今回の乳製品の問題でございますけれども、関税化に伴いまして導入されました関税相当量につきましては、平成十二年度までのものが一応これまで合意されてきておるわけでございますが、平成十三年度以降の水準をどうするかといったようなことは、次期のWTOの交渉の段階でいろいろと議論されるというふうにお聞きしているわけです。 こういった輸入乳製品の関税相当量を適正に確保していくということが、当然、輸入乳製品価格を適正な形で維持していくということが、ある面では一つの大きな課題でもありますし、余り価格が低落していくことは問題があろうかというふうに思いますけれども、今後の交渉に向けての農林水産大臣のお考えをお聞きしたい、そのように思います。
○玉沢国務大臣 委員も御承知のとおりでございますが、農業交渉は、協定に従いまして、農業協定第二十条によりまして三月からスタートしたわけでございますが、今後三年以上は交渉にかかるものと思われます。 そういう中で、つい最近、議長、副議長が選出されたばかりでございまして、そのもとで、つまり、一般的な提案等について本年は各国からの提案が行われると思うわけでございますが、具体的な品目ごとの交渉といいますのは、まだ時間がかかるものと思われます。そういうところでございますが、協定上は本年まででございますので、要するに、交渉期間中は現在のままのものがそのまま継続されるということになっておるわけでございます。 したがいまして、新しい協定をつくる際におきましては、我々としましては、引き続き乳製品におきましては、所要の国境措置と国家貿易のもと、我が国酪農、乳業の持続的な発展を確保するよう最善の努力を図る、こういう考え方で臨んでまいりたいと思っております。 個別にはこれから具体化しますけれども、今申し上げた方針によって対処していく、こういう考えでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○一川委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○松岡委員長 次に、菊地董君。
○菊地委員 社民党・市民連合の菊地でございます。 最初にお尋ねしたいことは、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法が昭和四十年に制定されましてから三十五年が経過をいたしまして、今日その法案の骨格を見直す改正を行おうとしているのでありますけれども、引き続き暫定措置法とする理由は何かということでございます。 食料・農業・農村基本法に基づく基本計画では、牛乳、乳製品の自給率の向上を掲げており、当然、乳製品向けについても国内の供給量をふやしていくことを目標としているわけであります。このためには、むしろ暫定措置法ではなく恒久法として位置づけを図るべきではないかと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
○玉沢国務大臣 三十四年も暫定措置法でございましたけれども、それはそれなりに大きな役割を果たしてきた、こう思っておるわけでございます。 今回の法律に基づく措置は、酪農の生産性向上や乳業の合理化の進展等によりまして加工原料乳の不利を補正する必要がなくなり、また、乳製品の国際競争力が強化され、輸入についての調整措置を必要としなくなるまでの間の暫定的なものと位置づけられております。 現状では、加工原料乳の不利を補正し、かつ乳製品の輸入調整措置を講ずることが必要であると考えられることから、改正法案におきましては、引き続き加工原料乳の生産者補給金の交付、農畜産業振興事業団による指定乳製品等の一元的な輸入等の措置を暫定的に講ずることといたしているところでございます。
○菊地委員 次に、乳製品の過剰在庫の解消の問題についてお尋ねしたいと思います。 現行法を市場実勢を反映した制度へと改革するに当たりまして、牛乳、乳製品の需給の安定は最重要の課題でございます。既に先行しております米の市場取引に見られるように、過剰在庫を抱えたままでの市場取引への移行では、取引価格の低下を招き、不安定な取引となるおそれがあるわけであります。 特に乳製品のうち脱脂粉乳は、需給は逼迫して推移し、バターは適正在庫水準を上回り増大傾向にあります。去る四月十九日に行われたパイロット市場での入札状況では、脱脂粉乳は高値で落札されましたが、バターは応札ゼロという結果と聞いております。このままの状態が続いていくとすれば、新制度のもとでの加工原料乳の取引価格の低下を招く要因となるのではないかと、生産現場では大きな不安を持っているわけであります。 乳製品の在庫状況はどのようになっているのか、このことについて政府としてどのように認識し、バター在庫の緩和対策を講じようとしているのか、お伺いしたいと思います。 また、新制度のもとでの取引価格交渉において乳製品の在庫状況などが大きく影響を与えるとすれば、適正かつ公正な在庫状況の把握ということは重要な課題になってくるわけでありますが、政府としてどのような措置を講じようとしているのか、その役割について、農畜産振興事業団の任務として調査権を強化すべきと考えるわけでありますが、あわせて御見解をお伺いしたいと思います。
○樋口政府参考人 二つお答えを申し上げます。 一つはまずバターにつきましてですが、お話がございましたように、平成十年度以降、生産の方が堅調に推移をする一方で、需要の方は業務用を中心として低下をしていきました。これによりまして、既に御承知のとおり、在庫は増加傾向で推移をしております。私どもとしても、これは解決をしないといけない課題の一つでなかろうかと思っております。 このため、まず生産段階におきましては、需要がこのところ増加をしてきております生クリームの生産を拡大するということで、バターの方の生産を小さくしていくということでございます。それから、生乳につきまして、広域需給調整をきちっとやることで余乳が出てくることを避けられるわけでございますので、このところをきちっとやっていただくということで、余乳に由来するバターが、生産者団体に在庫がふえることを防止しよう、これが生産段階でございます。 それから、片方、消費の方は、現にたまっているものがございますので、消費の方を緊急に拡大する必要があろうかということで、乳業者と生産者が一体になりまして、自主的にそういう取り組みをしようじゃないかということでございます。この中でバターの需要拡大あるいは特別販売活動、新しい商品開発等々につきまして、私どもとしても支援をしていくということで、これらの対策が相まって早期にバターの過剰在庫が解消されるよう、私どもとしてもこれを推進していきたいと思っております。 それからもう一つは、事業団の調査権限でございますが、既に事業団は、先ほども御紹介ございました調査の権限を持っておりますので、むしろ、お話がございました、いろいろな情報をきちっと把握して正確に伝えるためには、必要があれば調査内容の見直しはやろうじゃないかということで、そこは念頭に置いております。
○菊地委員 我が国の牛乳、乳製品の自給率は、一九六五年に八六%あったものが、一九九七年には七一%までに低下し、基本計画では、二〇一〇年度の目標を七五%としているわけであります。牛乳、乳製品の自給率の向上を図るには、輸入飼料である濃厚飼料への過度の依存という我が国酪農の現状のもとでは、飼料自給率の向上と結びつけて行わないと実現できないわけであります。 そこで、基本計画では、日本型の草地酪農の推進や転作田などにおける飼料作物の作付拡大による飼料自給率の向上を目指しておるわけでありますが、現状の我が国酪農が濃厚飼料多消費型となっている状況のもとで、これをどのように位置づけ、どのように実現していこうとしているのか、お伺いいたしたいと思います。
○樋口政府参考人 自給飼料の増産ということでございますが、これは、飼料自給率を向上するということはもちろんでございますけれども、飼料費の低減や畜産環境問題の解決という観点からも、還元用草地の確保が可能となるということで、農家の経営上大変なメリットになるんじゃないかと思っております。 したがいまして、私どもとしては、本年四月に飼料増産推進計画というのを公表いたしておりまして、この中で、一つは転作田等既耕地の活用等々というのが一点、それから優良品種の開発、普及等による単収の向上、あるいは中山間地域の耕作放棄地や野草地の活用等々の取り組みということで、草資源に立脚した酪農を振興しようじゃないかということで取り組むことになって、今、各県あるいは市町村の地方段階でも、こういうことを踏まえた飼料増産推進計画を策定してもらうということでお願いをしております。 ただ、これは計画をつくっただけではだめでございまして、具体的に推進しないといけないということで、近日中に行政、農業団体関係者にこぞって集まっていただき、飼料増産戦略会議を開催いたしまして、自給飼料増産のメリットとか重要性を本当に知ってもらって増産に向けた機運を盛り上げよう、あるいは、関係部局と団体と連携して、どうしたら畜産農家へ土地利用集積できるかという具体的な作付拡大の促進、それから、普及センターとか試験研究機関等が一体となって地域の実情に応じた飼料増産のためのきめ細かな指導を行う、そういう具体的な方策をとっていくことで今、展開をしようということになっているところでございます。
○菊地委員 我が国の酪農は、旧農基法以来の長年の努力で、専業かつ規模の大きい酪農家が大宗を占める農業構造の実現という意味では、既にヨーロッパをしのいでいると言われているわけであります。しかし、その反面、担い手の育成、確保、畜産環境の深刻化、輸入飼料への過度の依存、乳業の再編合理化のおくれ、価格が硬直的であることなどに伴う問題が指摘されているわけでございます。 そこで、担い手対策、経営継承の問題についてお伺いしたいと思います。 酪農からの経営離脱農家は年々減少してきており、平成八年、九六年の数字では、千七百戸になっておると聞いております。しかし、小規模飼養層を中心に、今なお離脱が続いているわけでございます。牛乳生産量の確保や地域振興、また後継者不在の優良農地や施設の活用という視点から、その円滑な継承を図るということが極めて重要な課題であると思います。 そこで、我が国の実情に即した新たな継承システムが検討され、昨年一月、日本型畜産経営継承システム検討委員会が設置されて、八月にはその報告書がまとめられたと聞いております。その結果、本年度予算に九億五千四百万円が計上されているわけでありますが、つきましては、この日本型畜産経営継承システム確立のための予算措置の具体的な内容と今後の取り組みについて、お聞かせ願いたいと思います。 また、関連してお伺いいたしますが、酪農ヘルパー制度は新規就農者確保にとっても適切な、オン・ザ・ジョブ・トレーニングといいますか、そういう場であって、今後も有益な制度であると思うわけであります。しかしながら、現状は、酪農の長時間労働の軽減、周年拘束性の解消にとってもよい制度でありながら、その利用率は、月一回程度と聞いているわけであります。もっと利用しやすい制度にしていくべきと思いますが、いかがでしょうか。あわせてお尋ねしたいと思います。
○谷津政務次官 酪農経営は、比較的担い手が確保されている部門でございまして、今後の生乳生産の安定的拡大のためには、希望を持って酪農経営に取り組める条件整備が重要と考えているところであります。 このため、従来から、経営管理技術や、飼い方あるいは飼料のくれ方等の管理技術の改善、あるいは新生産方式や新技術の導入、労働時間の削減対策、経営継承対策等、各般の施策を実施しているところでもございます。特に、専業的な経営が主となりました酪農におきましては、経営の円滑な継承が非常に重要となっているところでありまして、後継者への継承を基本に、新規就農希望者への継承を図ることが重要となっております。 このため、平成十二年度から、就農希望の酪農ヘルパー等と、従来の離農跡地に加え、後継者不在の健全な酪農経営とを円滑に結びつけるなど、先ほど先生が御指摘なされました我が国の実態に合った経営システム、いわゆる日本型畜産経営システムの構築を図っていきたい。 日本型酪農畜産経営システムとはどういうことかということをちなみに申し上げますと、酪農ヘルパー等の新規就農希望者の増加等を踏まえまして、関係機関が連携をいたしまして、従来の離農跡地に加え、後継者不在農家と全国の新規就農希望者を結びつけることによりまして、新規就農の拡大及び円滑な経営継承を図っていこうというものであります。 また、予算でありますけれども、経営活性化対策事業等、新規で予算が盛り込まれておりまして、これは、担い手育成のための実践研修あるいは新規就農者に対する就農支援等で、九億五千四百万円が盛り込まれております。今後も、こうした施策の積極的な展開を図りながら、より一層酪農の担い手確保を推進していきたいというふうに考えております。
○菊地委員 最後に、飲用乳の表示の問題についてお伺いしたいと思います。 新しい飲用乳表示規約が昨年十一月二十日、公正取引委員会で認定、承認されました。しかしながら、新しい表示規約においても、乳製品などが五〇%未満で生乳が五〇%以上使用されておれば○○牛乳という表示が依然として可能で、成分未調整の生乳一〇〇%の牛乳との区別が消費者には紛らわしいわけであります。本来、牛乳でないのでありますから、牛乳という表示はおかしいわけでありまして、調整乳とでも表示すべきものであろうと思います。 また、加工乳、乳飲料では、生乳を一切使わずに乳製品から還元したものと、生乳を五〇%未満使用したものとの両建てになるわけでありますが、生乳についての使用割合が明記されるようになるのは前進でありますけれども、乳製品から還元したものはあくまでも還元乳であるということを明記すべきでありまして、今度の改正規約も消費者から見れば不十分ではないかと思うわけであります。 このようなこそくな手段で表示をとり続けるということは、賢い消費者を育てることができないだけでなく、乳飲料の生産や消費拡大にとっても、結局は障害になると思うわけでありますが、いかがでありますか。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。 それまでは生乳を使用しない還元乳でも一定の要件を満たせば牛乳表示ができていたわけでございますが、お話のとおり、昨年の公正競争規約の改正によりまして、生乳使用の割合が過半であるものに限り商品名のところに牛乳表示ができる、これは御承知のとおりでございます。 私どもとしては、これはいろいろな経緯でこういう話がまとまりましたものですから、国産生乳の利用拡大を進めるという観点からは有意義なものであろうと考えております。 先生からお話がございましたように、さらに進めて一〇〇%にしろという話はございますが、昨年、こういうものがまとまりましたばかりでございますので、とりあえずはこれの定着を図っていく。その結果、消費者がそういう表示にやはり関心を持ち、かつ信頼を高めていただくということが重要ではなかろうかと思っております。 なお、農林水産省としましては、現在、こういう表示の定着とあわせて、場合によってはといいますか、任意の表示ということで、例えば、私どもは生乳一〇〇%ですよと書いてもいいという指導はしておりまして、そのためのいろいろな推進もいたしておりますので、そういうことがあれば、それなりのお力になろうかと思っております。 なお、先ほどヘルパーについて一つだけ御質問がございましたので、簡単にお話をしておきますと、本年度からヘルパー利用農家に対しまして新しい事業をやっております。 一つは、利用日数に応じまして利用料金の一部を助成するという事業がございます。 それから二つ目は、都道府県でヘルパー組合を運営しておられますけれども、昨今の利子の状況でございますので、運用費が減少するという場合には、無利子資金を貸し付けるということにいたしております。 それから、新人のヘルパーを採用された場合には、実務研修ということで、事実上、養成のための助成を行うという新しい事業を本年度からやっておりますので、御紹介をいたしておきます。
○菊地委員 ありがとうございました。終わります。
○松岡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十五分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○松岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として農畜産業振興事業団理事長山本徹君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として農林水産省構造改善局長渡辺好明君、農林水産省農産園芸局長木下寛之君、農林水産省畜産局長樋口久俊君及び農林水産省食品流通局長福島啓史郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○松岡委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 午前中に引き続きまして質問をさせていただきます。 まず、午前中にもお話しをさせていただきましたけれども、昨年、法制化をいたしました新しい基本法の国会審議過程におきまして、三つの修正が超党派で成立をいたしました。 国内の食料の安定供給のために、国内の農業生産の増大を基本としてこれを行っていくということでございました。まず、これに対する大臣の御認識なり評価をいただきたい、このように思います。
○玉沢国務大臣 基本計画におきましては、食料・農業・農村基本法の理念に基づきまして、我が国の食料生産が安定的に供給できるように、消費者の皆さんにも安心して安全な食事をしていただく、こういうことを目標としまして、自給力を向上せしめ、自給率を十年後には四五%まで上げる、こういう目標を立てまして、その目標達成のために各般の施策を進めていく、これが最も大事なことであると思います。
○鉢呂委員 大臣も御案内のとおり、当初は国内の農業生産を基本とし、いってみれば非常に抽象的でした。中川前農水大臣も、現実的なものとして自給率を大きく向上させることはなかなか難しいというような御答弁、あるいは、農業生産を基本とするという中に、当然、増大をさせるという意味合いが入っておるのだ、このように再三答弁をしてまいりました。 しかし、やはり具体的に明記をすべきであるということで、国内農業生産を増大ということを入れたわけであります。増大といった場合には、個々の農産物についてそれが増大できる要素を持つということであれば、当然それは増大をさせていくという考え方でよろしいかどうか、まず、そこをお聞きいたしたいと思います。
○玉沢国務大臣 農業の生産を増大させるという上におきましては、いろいろな課題を解決しながら進んでいかなければならない、このように思います。例えば、生産の基盤である農地もこれ以上減少することがないようにしなければならぬ、こう思うわけでございますし、また、技術が開発をされまして反当収量も伸びていかなければいかぬ、それから、担い手も確保されていかなければならない、また、多面的機能が農業において十分に発揮されまして、農業の基盤であるところの農村がしっかりと建設をされていくといいますか、整備されていく、そういう形で継続的な営農ができるような体制がつくられていくというようなことが最も大事なことであると考えております。
○鉢呂委員 今大臣は、農業の生産をするための基盤として、農地の確保、担い手、技術、多面的な機能を含む農村全体の基盤というものに言及されました。今回、甘味資源作物、いわゆる砂糖の原料となる作物についてであります。私は北海道でありますから、てん菜に絞ってお話をさせていただきます。てん菜の北海道における位置づけは、大臣も御案内のとおり、昔はてん菜の葉っぱを見てホウレンソウかと言った人もいたのでありますけれども、極めて北海道に限定をされております。しかしながら、安定した寒冷地作物として定着をしております。 数字的にお話をさせていただきますけれども、畑作農業でありますから、これは畑作の輪作体系にのっとって作付をする。北海道では、昭和四十年代は五万三千ヘクタール、てん菜です、昭和五十年代、六万四千ヘクタール程度、昭和六十年代は七万ヘクタールと非常に順調に伸びてきて、また安定をしておる。昭和六十年代から平成九年まで見ますと、昭和六十年には七万二千ヘクタールまで行ったんですけれども、今日、六万八千ヘクタールと若干漸減のような状態であります。 一方、大臣も御案内のとおり、北海道の広大な普通畑作面積は四十一万五千ヘクタールありまして、てん菜の七万ヘクタールというのは普通畑のほぼ一七%程度ということでございます。北海道のいろいろな調査がありますけれども、純粋な生産力からいけば七万ヘクタール以上作付できる。いわゆる輪作作物ですから、豆類あるいはバレイショ類、小麦類、麦類、そしてこのビート、てん菜、この四つないし五つが輪作体系に乗っておるんですけれども、その意味からいったら、この一七%というのは低い。北海道ではこの七万ヘクタールをさらに一万ヘクタール程度ふやすことができる、このように言われておる作物でございます。そういう意味では作付増が可能である。 ところで、今回、大臣も御案内のとおりの基本計画、これは、平成二十二年、十年後についても現状維持的な七万ヘクタールという目標を定めておるわけでありますけれども、私は、先ほど前段の、生産力を伸ばせる、伸ばす余地が十分あるものについてはこれを最大限追求していくという方向だろう、それが昨年の新しい基本法の最も核心的な意味合いだろうというふうに思います。 この実際の基本計画、先ほど大臣が言いました農地の確保、担い手あるいは技術革新、さまざまな問題がありますけれども、これのどれをとってもてん菜はきちっとクリアをしておる、ないしは現実的にクリアできる作物である。この中で、こういった目標をとったということの意味合いはどういったものにあるのか、大臣に御答弁を願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 てん菜が北海道における非常に重要な作物であるということは十分認識をいたしておるわけでございます。しかしながら、最近における砂糖の消費が、加糖調製品との差もございまして余り伸びていない、これが一つ。 それから、やはりユーザーの方からは、外国との価格差がかなりありますので、これを下げてもらわなければ消費が拡大しない、こういうような要望等があるわけでございます。今回の法改正は、少なくとも加糖調製品と同じぐらいのところまでは持っていきまして、消費の拡大を図るということを目標といたしておるわけでございますが、やはり消費が拡大をしなければ、幾ら生産面において面積で可能性があるとしましても、これは過剰になっていくだけでございまして、極めて硬直的なことになっていくのではないか、こういうふうに認識をいたしておるわけでございます。 ちなみに、平均輸入価格は、キロ当たりにおきまして、外国から入ってくる場合は二十一円である、我が国におきまして、売り戻し価格は、例えばてん菜の場合は九十二円である、こういうようなことを見てまいりましても、相当の格差があるわけでございますから、十年後、七万ヘクタールでほとんど変わっていないのじゃないかという御指摘でございましたが、趨勢からいいますと、現在のままでいけばもっともっと消費が減って七万ヘクタール以下になる、こういうような状況にもあるということも加味しまして、今後の努力によって現状維持、こういうような数字を出したものと思われます。
○鉢呂委員 大臣が思われますではちょっと困るんですけれども、砂糖の消費の減少を言われました。全体としても砂糖の消費はなかなか問題があるというのは、この基本計画の「望ましい食料消費の姿」というところにも出ております。例えば、現状、平成九年度二百六十六万トンを、平成二十二年は二百五十五万トンでございます。しかし、その内訳として、加糖調製品を除けば、二百三十六万トンから二百五十万トン、むしろ増加をさせていくという計画をつくっておるのであります。 大臣、今、砂糖の消費の減退、あるいは国内産てん菜糖の消費の姿、こういうものを勘案しても、需給の動向、あるいは砂糖自体の絶対的な減少を勘案しても、これで米のように国内自給が一〇〇%になっておる、あるいは一〇〇%を超えるような事態であるということであればわかりますけれども、たかだか三〇%程度という中で、需給の状況等を勘案しても伸びる、生産力を持っておる北海道の基幹的な作物、世界的にもてん菜はいわゆる寒冷地の主要な砂糖の原料になっておるわけであります。この伸びる余地の十分あるものについて国内生産を増大させる、これによって国内の食料の消費を賄っていくんだ、この基本精神からいけば、農水省としての最大の目標値を定める場合のやはり真剣な中の議論があって、そこで定める余地は私は十分あったと。 確かに、農水省の事務当局は盛んにそれを言ってまいりました。大臣が言いますように、五年ごとに砂糖の生産目標面積、目標生産費を定める、これは九月にやられるんですけれども、この時点では七万ヘクタールを六万八千ヘクタールに、これは五年後でありますけれども、そう昨年の九月に位置づけたわけであります。私は、基本法のあの国内農業生産の増大というものを国会で修正した、その修正した大きな、重要な位置づけをきちんと踏まえておらないのではないかと去年も盛んに農水省さんに言わさせていただきました。 私は、今回の基本計画の七万ヘクタール現状維持、国内農業生産を増大させるという大きな基本法の意味合いからいったら、やはり安易過ぎるのではないか。何も私は言葉じりで言うわけではありません。需給の問題の難しさもよくわかります。しかし、その中においても、これをどのように増大させていくのか、この真剣な議論といいますか、そういうものがないのではないか。この点について、大臣の御答弁を願います。
○玉沢国務大臣 生産を上げていくという積極的な観点から、先ほどは、技術的に可能であるものは反当収量を上げる、こういうことを申し上げたつもりでございますが、例えば、このてん菜糖等におきましても、糖質を現在よりも例えば一上げるというようなことになってまいりますと、これは砂糖の生産増につながるわけでございます。十年後に七万ヘクタールであっても、糖質を上げるということが、可能性が出てまいりますならば生産量は上がっていく、私はこういうように認識をいたしておるわけでございまして、面積だけでは判断できないものがあると思います。
○鉢呂委員 私は、面積とか糖分とかということでなくて、基本的な問題として、現状は自給率は、三四%は十分クリアしています。平成九年ですから三二%の砂糖の自給率になっていますけれども、将来も、ですから三四%、十年後ですね。この自給率というものが七割、八割行っているのであれば、それはもう飽和状態だということで、現状の面積の中で糖度を上げるという、品種改良等の努力の中で持っていくということはあろうと思います。 しかし、この三二ないし三四というものの自給率を、全体としてでも四五%上げなければならない。さらに、将来は五割は達成しなければならないと、基本法の前文に高らかに書いてある。そういう中で、本当に国内で生産力のある、潜在的にはもう、輪作面積が飽和状態であればいいのですけれども、十分に輪作体系にも面積の余力はある。そういう中で、やはりこれはきちっとした、もっと血の出るような議論が重ねられて、そこから出てきた問題ではないのではないか。もっと自給率を上げるための、全体の、糖度を上げるといったそんな矮小化されたことではなくて、三四をさらに三五なり四〇にも上げていくという余力はある、そういう議論がなされておらないのではないか、こう思わざるを得ないわけであります。大臣、どうでしょうか。
○玉沢国務大臣 自給率が三四%であって、これを八〇%まで上げるためには、どういうような問題をクリアしなければならぬか。これは、国際価格と我が国のてん菜糖が少なくとも同等、ないしは多少それよりも多いというようなところまで行かなければ、とてもそれは無理である。 現在は、御承知のとおり、安い砂糖を輸入しまして、その中から調整金を取って、その調整金をもっててん菜糖あるいは甘蔗糖に回して、再生産を可能ならしめるような価格にして国内で売っておるわけですから、もしそういう制度がなくなってしまえば、とても現在七万ヘクタールその他の生産も確保できないということは、委員も御承知であると私は思うわけでございます。私は、そういう面において、やはり反当のいわゆる生産性を上げまして、少なくとも国際価格に近づくような努力というものがなされない限りは、外国から相当の砂糖を輸入して、その中の差益で国内の砂糖生産を確保しているという状況の中におきましては、三四%を八〇%にするということは余りにも無謀な計画だと言わざるを得ないと思います。
○鉢呂委員 大臣、むきにならなくてもよろしいのです。大臣、問題は、内外価格差をもって、これがなかなか国内産を使えないということを前提とするならば、去年の基本計画の、国内生産の増大をして国内の食料の安定供給を図る、この大前提が崩れるわけであります。もちろん、大変な努力が必要だということはわかります。しかし、国内で生産力のあるものについて、これを少しでも増大させながら、その自給率を高めるということの必要性をうたっておるわけです。 内外価格差を言うのであれば、日本の国内で農業生産をする者はほとんどゼロになってしまうと言わなければなりません。あるいは、今の輸入した砂糖によって、それに関税をかけて、その調整金で国内の農業生産の価格が維持されておる。そのことを言うのであれば、これまた、まさにそのことがあるから、なかなか伸ばせない。いわゆる輸入砂糖に調整金、その調整金を財源として国内の農業生産の価格を維持する。こういうリンクした中でなかなかそれを増大させることができない。これが農水省事務当局の本音なんですよ、後から質問していきますけれども。 ですから、こういうリンクした状態を乗り越えて、あるいは内外価格差というものの問題点を乗り越えて、国内の農業生産力、自給力のある作物について、これをいかに伸ばしていくのかという観点で、やはり今回の自給率というものを設定してほしい。このことを申し上げておく次第でございます。 次に、最低生産者価格、この制度についてでございます。大臣、私もこの価格制度については、大豆交付金、そして、午前中の加工原料乳の関係をやってまいりました。今回のてん菜、ビートについてはいわゆるげた履かし、そして、生産者と乳業メーカーあるいは糖業メーカーとは市場価格で自由な価格構成をする、こういう形を今度のこの甘味資源作物についてはとっておりません。従前どおり最低生産者価格という形で、自由な市場価格に任せない方法をとっています。これは、どうしてそういう形をとったのでしょうか。
○玉沢国務大臣 牛乳との比較からいいますならば、牛乳は、九州から沖縄まで全国一律に生産できるわけでございまして、そういう中におきまして、それぞれブロックごとに、生産者とメーカーとの間の価格の相対ということで取引ができるということになるわけでございます。 しかしながら、砂糖の場合は、やはりてん菜糖は北海道に限定されておるわけでございますし、甘蔗糖の方は九州から沖縄まで、それぞれある程度地域的に限定をされておるわけでございますので、その中で、いわゆる相対で価格を決めるというような形にはなかなかならないのじゃないか。したがって、やはり安定的な生産をするという観点からいいますならば、最低価格を設定しまして、それ以下にならないようにしていくということが安定した生産につながっていくのではないか。こういう判断でございます。
○鉢呂委員 今大臣は、相対価格で生乳等は決めると言いましたけれども、生乳等は市場価格に移行するということですね。(玉沢国務大臣「市場です」と呼ぶ)今そういうふうに答弁されましたから、そうではなくて市場でやるのですね。(玉沢国務大臣「そうです」と呼ぶ) 今回、この甘味資源作物については、政府が、国が最低生産者価格を決める。農水省の農政改革大綱で、大きな柱で畑作について、価格が激変したときの緩和措置として経営安定対策というものを、品目ごとでなくて畑作全体としてとっていく、その検討を始めたい、このように農水省としての考え方を述べられているだけに、この甘味作物について、地域が限定しておるからということでこういう従来どおりの方式をとるというのは、畑作全体のことを考えてもやはり問題がある。もっと違う理由があるのではないですか。地域が限定しているからとれないということですか。
○玉沢国務大臣 地域が限定されていると同時に、やはり市場というものがなかなか形成しがたいと思います。いろいろと議論はあるかと思いますけれども、それよりも最低価格をきちっと決めておいた方が砂糖の生産においてはよりメリットがある、こう考えておるところであります。
○鉢呂委員 生産者においては、何も限定されておるということではなくて、むしろ、輸入調整金との関係で、それとリンクした形で生産者にその調整金がいわゆる奨励金として支給される、その問題が極めて大きいという形で市場に移行できない。大臣がうなずいてもらったら困るのですけれども、私はそういうふうに理解をしております。しかしながら、生産者と糖業メーカーとの関係は、市場制に移行するのであれば、市場原理に移行するのであればやはり移行する、その中で、それに対するどういった価格支持政策を考えるのか、そういう形で横並びの方式をとるべきである、このように考えております。 そこで、算定方式の方に移ります。最低生産者価格については、「現行価格を基に、国産糖の価格の変動率や生産コスト等の変動率を反映しつつ、生産者の所得確保に十分留意して算定すること」、こう書いてあるわけであります。皆さんが、農水省が新たな砂糖・甘味資源作物大綱を昨年の九月に打ち出しておるわけでありますけれども、ここでは「甘味資源作物生産者の所得の確保」という形で、「甘味資源作物の生産者が安心してその生産活動に従事できるように最低生産者価格制度を維持することとする。」ということで「生産者の所得確保に十分留意して算定すること」、こういう書きぶりであります。 これは法律の条文といささか異なるのではないでしょうか。
○玉沢国務大臣 最低生産者価格の算定につきましては、甘味資源作物の再生産と生産者の所得確保に十分留意していきたいと考えておるわけでございます。 算定方法につきましては、具体的には総括政務次官からお答えをさせていただきたいと思います。
○鉢呂委員 算定方式は私の方から言います。 国産糖価格の変動率を五〇%、そして、生産コストについて五割見るということになっておるのですけれども、この政策大綱にも述べられておりますが、生産者の所得確保に十分留意することというのは、この算定方式の中で、どこで見ることになるのですか。そこをお答え願いたいと思います。 特に、国産糖の価格の変動率を五割見ることによって、これは午前中の加工原料乳も同じなんですけれども、非常に不安定なものになってきます。そこで、所得確保というものを十分考える、安心して生産活動に従事できるようにと、これはほかの作物の大綱とは違って、非常に甘味資源に対する環境を考えてこういう表現をとっておるのですけれども、どういったふうに具体的にこの算定の中に入れ込むことができるのか、お答え願えればと思います。
○谷津政務次官 最低生産者価格の算定につきまして、これまでの農業パリティー指数を基準とした方式を改めまして、前年産価格に国内産糖価格の変動率と生産コスト等の変動率を乗じて求めることとしております。 その際、生産者の所得と再生産を確保するために、制度の運用に当たりましては、まず、前年産価格は基準糖度帯における現行の最低生産者価格と農家に直接交付されている対策費相当を加えた額とし、いわゆる発射台を上げるということですが、現行の農家手取り額とするとともに、国内産糖価格の変動率と生産コスト等の変動率の算定に当たりましては、移動三カ年平均を用いることにより変動を緩和するとともに、為替や輸入糖価格の変動といった外的な変動要因を除いて算定する。 さらに、これはてん菜糖もありますが、サトウキビもちょっと申し上げますと、家族労働費が生産費の大きな部分を占めているという実態を考慮いたしまして、生産コスト等の変動率を緩和して算定いたします。 また、算定の状況によりましては激変緩和措置を講ずることができることとしておるところであります。
○鉢呂委員 申しわけないのですけれども、それは私も掌握している、皆さんの、農水省から出ている具体化の中で書いてあるところであります。 問題は、生産者の所得確保を十分行う、これはどの部分で入ることができるのか、そう聞いているのです。例えば、数字的な算定の後に、さまざまな要因によって一定の価格というものを考慮してはじき出すのか、あるいは別途の算定方式はあるのかどうか、その辺、お答え願えればと思います。
○谷津政務次官 その点は先ほど申し上げましたとおり、まず最低生産者価格と農家に直接、交付されている対策費相当を加えた額とするということで、いわゆる発射台を上げまして、それを基準にしてやりますから、そこで確保していきたいというふうに考えているわけです。
○鉢呂委員 そうではなくて、これは初年度目のことを言っているのでしょうけれども、発射台を高くしたところで、次年度以降いろいろな要素が加わると思います。一番懸念されるのは国内糖価の変動であります。国内糖価が急激に下がった、それがきちっと算式になれば生産者最低価格というのは五%も下がってしまう、一割も下がってしまうということが仮に起きた場合に、発射台が幾ら高くても、それは下げに転ずる場合が大きいわけであります。 こういうものを配慮してこういう文言になっておるのだろうというふうに推測いたしますけれども、では、どこでやるのか、このことをお聞きしておるのです。
○谷津政務次官 移動三年平均を用いることによって変動を緩和するということが一つであります。それ以上にまた変わってくるということになれば、激変緩和措置を講じるということでございます。
○鉢呂委員 その激変緩和措置についてであります。 大綱の具体化の中でさらに、新制度への円滑な移行、生産者の所得と再生産を確保するため、算定の状況で激変緩和措置を講ずることができると。これはほかの作物も同じように、このように言っておるのですけれども、なぜかこの甘味資源作物だけは経営安定対策がいまだ具体化をされておりません。どう具体化をする考えがあるのか、どういった制度を考えておるのか、詳しくお述べ願いたいと思います。
○谷津政務次官 それは先生、最低生産者価格がありますから、そこで保証されているということです。
○鉢呂委員 そうしますと、この大綱の具体化で述べておるいわゆる激変緩和措置というのは最低生産者価格での措置ということで理解をしていいのかどうか。
○谷津政務次官 その御理解で結構でございます。
○鉢呂委員 国際糖価の平準化、円滑な価格形成の状況に配慮する、こうも述べておるのですけれども、これはどの部分で価格に反映をするのか、これを御答弁願いたいと思います。
○谷津政務次官 それでは、私の方からお答えいたします。 国内産糖価格の変動率につきましては、算定期間中の為替や海外の粗糖価格の変動による粗糖の輸入価格の変動による影響、それから、関税率の引き下げ及び調整金の人為的な引き下げの影響を除く形で国内産糖価格を算出いたしまして、その変動率を適用することなどを考えているところであります。
○鉢呂委員 新たな政策大綱では、生産者の所得確保の(2)として、価格算定について、生産者の生産性向上、品質向上の努力を促進し、かつ努力が報われる仕組みをつくる、こう述べておりますけれども、これはてん菜の糖度別価格体系の改善を図る、そのように理解をしていいのか、また、その中身について御答弁願いたいと思います。
○谷津政務次官 甘味資源作物の生産者価格につきましては、最低生産者価格制度を維持するとともに、算定式につきましては、農産物の需給事情等が価格に適切に反映されるように、これまでの農業パリティー指数を基準とした方式を改めまして、前年産価格に国内産糖価格の変動率と生産コスト等の変動率を乗じて求めることになっております。 その際、制度の運用に当たりましては、生産者の努力が報われるような仕組みとなるように、具体的には、国内産糖価格の変動率と生産コスト等の変動率のウエートを〇・五ずつとして、生産コスト低減の二分の一は生産者に還元するという形をとりたいと思っております。糖度が高くなれば生産者価格が高くなるようにすることも考えておるわけであります。
○鉢呂委員 大臣にちょっとこの価格政策の関係で、先ほどの件ですけれども、てん菜、サトウキビも同じですけれども、別体系をとりました。これは従来の、要するに、不足払い的な制度といいますか調整金に基づいて行うのですけれども、農家の手取りの最低生産者価格を決めるという形であります。ほかのものは、一定の固定的な、もちろん変動率は設けておりますけれども、あとは市場価格に連動させるという方法であります。 現状から変えていく方法でやむを得なかったのかもわかりませんけれども、畑作全体のことを考えたときに、やはり同じような価格制度というものをつくるべきである、こう思うわけであります。この点についての所感があれば、お答え願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 砂糖は、沖縄とか離島の状況を考えますと、やはりあの地域でなければできない要素があるわけでございます。その地域地域の特産物を大事にしていくということが地域経済にも大きな役割を果たすものだと思います。 したがいまして、全国平均とはいいますけれども、どこでも砂糖ができるわけではございませんから、やはり地域特産的なものとしまして、それに対する価格体系というものを考慮して政策を打ち立てるということを御理解いただければと思います。
○鉢呂委員 先ほどの繰り返しになりますけれども、農政改革大綱で、経営全体をとらえて畑作経営の経営安定対策というものを、個別作物ごとでなくて経営全体をとらえた経営安定対策を検討していく、先行的に畑作で検討していく、こう農水省は一昨年の十二月に書類にして我々にも提示をしたわけであります。 このこととの整合性で、大臣は何か沖縄等の地域、北海道の地域だからこういう形を、それでは最終ラウンドまでずっとこういう制度をとっていくということですか。あるいは、経営全体に照らした経営安定対策というものは、今後ともこの甘味資源作物は除かれるというふうにとらえてよろしいでしょうか。
○玉沢国務大臣 経営全体の対策はできるだけ全国同じような形のものを考えながらこれを進めていくという点については、もう既にお示しをしたとおりでございます。しかしながら、地理的に困難な地域に対しましては、それにはやはり格差がある。そういうところに対しましては、中山間地域における直接支払い制度等も設けながらやっていかなければいかぬのではないか。したがって、沖縄の場合におきましても、非常に遠く離れた離島等で農産物を生産していく場合におきましては、それぞれやはり戦略的な作物というものを見ておかなければならぬのではないか。 したがいまして、全般的に適用できる経営対策と、それからやはり地理的に困難なところだとか、いろいろなところを加味したものも含めて、経営を安定せしめるということを進めていくことが大事であると思います。
○鉢呂委員 私の質問に的確に答えていただきたいのですけれども、経営安定対策というのは、今どういう検討の状態にあるのでしょうか。早急に実施をすべきである、こう思いますけれども、お答え願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 農政改革大綱におきましては、農業経営全体をとらえた経営安定対策につきまして、品目別の価格政策の見直し状況、経営安定措置の実施状況等を勘案しつつ、その導入を検討することとされております。 現在の検討状況につきましては、本日、関連二法案を御審議いただいておりますように、まさに個々の品目ごとの価格政策の見直しが進められているところであります。また、農業経営全体をとらえた経営安定対策につきましては、これまで諸外国の事例の収集、研究、育成すべき農業経営の実態把握を行ってきたところでございます。 今後、品目別の価格政策の見直しや経営安定対策の実施の状況、農業災害補償制度との関係等を勘案しつつ、農業経営を単位としてとらえ、価格変動に伴う農業収入または所得の変動を緩和する経営安定対策につきまして検討を行っていきたいと考えておるところでございます。
○鉢呂委員 今回こういう法案を提出しておりますけれども、今、大臣から少しお話がありましたように、農災制度もこれと非常に関係してくる。これまでは一定の価格保証でした。これからは市場連動ですから、災害を受けて収量は下がったけれども、結果として単位当たりの収入はふえたという例も出てこないとは限りません。あるいは、経営全体をとらえなければ、大豆の方では大変補てんもあったり、経営的に非常にプラスになった、こちらの方ではマイナスになった、しかし、経営全体としてはやはりプラスだったというような場合も出てきます。これは非常に関係があります。沖縄等のサトウキビについては単作経営が多いでしょう、しかし、北海道の畑作経営は先ほども言ったように輪作でありますから、こういったものについてはもっと的確に迅速に見直しをすべきである。 あのおととし十二月の時点で、農水省みずからが畑作経営については先行的に検討させていただくという中で、どうも各省庁が、今度の作物別の法案も全部省庁ごと別々です。私は午前中も話しましたけれども、もっと統一した姿で、果たして今回のような個別の法案を出すのがいいのか、大臣としてきちっとした方向性を持って対応していただきたい。それは、事務当局から次から次に出ればもうところてん的に作業が事務的にいくのもいいですけれども、ああいう基本方針を出している中で、こういった統一的な姿でもない、一方には所得確保という点で大規模専業経営に対して大変な事態になっておる、一刻の猶予もならない、これはもう稲作の経営安定対策を見ればだれでもわかるわけでありますから、そういったものを来年十三年度からきちっと農水省の施策として提示をする、そういうものがなければ、本当の意味での基本法に基づいた新しい姿が出てこないのではないか。 どう思いますか。これはここの委員長だってそう思っているのですよ。我々もそう思っている。こんな個別のことをやって、この甘味資源の施策なんか何ですか、これは。はっきり言えば、統一した施策からいっても、市場原理にゆだねると言いながら、生産ビート、生産サトウキビの段階では生産原理にならないわけですね。間接的に、その最低価格に、価格算定の基礎には織り込まれますけれども、どうですか。
○玉沢国務大臣 基本法に基づきまして基本計画を出したわけでございますから、それは一つ一つ計画達成を目指して改革をしていくという趣旨で今進めておるわけでございまして、やはりそうした姿が全体として見えてくれば、委員にも十分御理解をいただけると思いますが、今後、鋭意精力的に取り組んでいきたいと思います。
○鉢呂委員 糖価安定資金の関係に移ります。 糖価安定資金は、現在、一千七百七十億円、この資金の積み立て基礎は、いわゆる製糖企業が消費砂糖の価格乱高下に対処して積み立てをしておる、基本的には消費者が積み立てをしておる、このように理解をしてもよろしいかどうか、お聞きをいたしたいと思います。 〔委員長退席、松下委員長代理着席〕
○玉沢国務大臣 ユーザー並びに消費者の皆さんの御努力があるわけでございます。
○鉢呂委員 そこで、今回、法改正では、この糖価安定資金を廃止して砂糖生産振興基金を設置しました。この基金の財源を活用して、国内糖価の引き下げ及び原料作物生産の振興に関する業務に出資をするという形になっております。 農水省からは、輸入糖の調整金を三カ年程度充てる、あるいは精製糖企業の再編合理化に対する支援、三番目として国産糖企業の再編合理化及び甘味資源作物の生産性向上対策、そして四つ目に、従前持っておりました輸入糖価の高騰時の引き下げ対策に充てるというふうに聞いておりますけれども、それぞれ具体的にどのような金額を想定しておるのか、お答え願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 輸入糖調整金の時限的引き下げに対しましては約八百億円、その他合理化対策等について五百億円、輸入糖価高騰時の価格低減対策として五百億円、大体そういうところでございます。
○鉢呂委員 今の企業等の再編合理化等に対して五百億ということでありますけれども、この内訳、精製糖企業、国産糖企業、また国内の作物の生産対策、それぞれお答え願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 これはまだ具体的には決まっておりませんが、法律を上げていただきまして具体的にやっていく、こういうことになります。
○鉢呂委員 国産糖企業、精製糖企業の再編合理化の支援として具体的にどのようなことを考えておるのか、お答え願いたいと思います。
○谷津政務次官 製糖企業の合理化を支援する観点から、産業活力再生特別措置法による金融、税制上の支援措置のほか、砂糖生産振興資金を財源としまして、操業率の向上等に必要な機械、施設、それから共同生産等に伴う工場の廃棄、退職金等の融資などに関して助成を行うことは考えております。
○鉢呂委員 精製糖、国産糖企業の再編合理化はさまざまな例が出てきております。工場の統廃合あるいは工場の共同化という形で、地域経済問題あるいは雇用問題が出てきておるわけであります。今年、例えば、大日本明治製糖傘下の西日本製糖と日本甜菜製糖下関工場、あるいはまた大日本明治製糖傘下の東日本製糖と日新製糖という形で、国の支援策もあるという形で具体化をしてきておるのが実態でございます。 その場合に、大変地域経済に及ぼす影響も大きい、あるいはまた、雇用についてもこれは極めて大きな影響があるわけでございます。これらの実態について、大臣としてどのようにとらえておるのか、御答弁願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 これは個別企業の取り組みについてのお尋ねでありますので、詳しく総括政務次官からお答えをさせていただきます。
○谷津政務次官 例えば、西日本製糖と日本甜菜製糖は平成十三年の四月から、東日本製糖と日新製糖は平成十四年の七月から、製造コスト引き下げのためにそれぞれ共同生産を行うこととしたというふうに報告を受けております。 また、沖縄の本島南部の翔南製糖におきまして、工場の集約に伴う従業員の解雇について、これも進められているということでありますが、特に沖縄の北部製糖と県経済連の統合、これもやられておりまして、平成四年十二月に沖縄県本島地域における製糖企業の合併合理化の基本構想が提示されまして、それに沿って、沖縄県経済連と北部製糖は、平成十年七月に、共同出資によりまして、本島中北部の経済連具志川工場及び北部製糖羽地工場を一社に集約するとしておりまして、球陽製糖というのを新たに設立いたしまして、その合理化を図っております。 また、北海道でございますけれども、北海道におけるてん菜糖企業三社はこれまでも製造コストの削減に努めておりますが、砂糖の価格競争力の強化と需要の維持増大を図っていくために一層の合理化に取り組むことが必要であるということでございます。そして、企業の合理化は企業の自主的な判断を基本としてやらせておるということで、現在、三社八工場体制の見直しにつきましても、企業の自主的な判断を基本としましてやられておるというところでございます。
○鉢呂委員 私が質問する前に御答弁をいただいたわけでありますけれども、今既に、サトウキビあたりは、沖縄本島の翔南製糖が一昨年、サトウキビの減少から操業度悪化を招いて、二工場を一工場にするという会社側の提案でございました。従業員の雇用の確保を前提とするといいながらも、全従業員百三十一名を六十名体制にしたい、七十一名は希望退職の募集を行った。しかし、そういう地域でありますから、応募は非常に少なくて、予定人員、ほとんど応じなかったということで、この応じなかった五十二名に対して会社側が指名解雇の予告通知をしたということでございました。これにも応じない組合員に対しては、八名に対して通告どおり指名解雇を強行したということで、地位保全の仮処分の申請を従業員の方はされまして、一年後に裁判で全面勝利という形で、会社側はこれを不服として提訴をしておるようでありますけれども、現在、控訴審で争っておる実態にあるわけであります。こういうふうに非常に雇用問題というのは深刻な状態であるわけでございます。 こういう雇用問題について、農水省は基金を使って、しかも、退職金資金を貸し付ける、利子助成をするというような形をとって奨励をするわけでありますけれども、この労使の雇用問題について農水省としてはどういう基本的な対応をしておるのか。先ほど大臣からは民間企業という形をとりましたけれども、基本的に農水省として、この雇用問題についての対応を、指導というか、どういう形にするのか、御答弁願いたいと思います。
○谷津政務次官 価格引き下げによる砂糖の価格競争力の強化と需要の維持増大を図っていくために、時限的な輸入糖助成金の引き下げ等にあわせまして、製糖企業は共同生産会社の導入等の合理化を初めとして製造販売経費の削減を進める必要がありまして、国としてもその支援を行おうとしておるところであります。 製糖企業の合理化は、各企業の自主的判断を基本としまして、労使協議を十分に尽くして進められるものと考えておりますが、国の支援に当たりましても適切に配慮していきたいというふうに思っております。
○鉢呂委員 こういう地域でありますから、なかなか解雇後の新たな雇用というのは難しい状況です。何よりも労使で十分協議をして労使における合意というものを図るように、政府としても万全の指導をしていただきたい。もう一度、総括政務次官に、その配慮といいますか、その辺の御答弁をお願いいたしたいと思います。
○谷津政務次官 製糖企業の合理化は、各企業の自主的な判断を基本としておりまして、労使協議を十分に尽くして進められるものと考えておりますが、国の支援に当たりましても適切に配慮して対処していきたいというふうに思っております。
○鉢呂委員 先ほども言いましたけれども、退職金資金の借り入れの利子助成もこの基金制度で国が考えておるという状況でありますから、政府としても雇用問題について傍観をするという態度ではならない。もちろん、企業内の労使の問題でありますから一定の限界はありますけれども、そこは非常に協議を尽くして雇用解決を果たしていただきたい。 大臣、今も、合理化をする場合の残存資産の廃棄についての支援をするとか、農水省としての考えが示されたわけでありますけれども、ただ問題は、単に合併するといっても近間の合併じゃないわけです。極端に言えば、下関と北海道というような合併になるだけに、ほとんど解雇に等しい形になりかねない。下関に就職した人は、数十年もいて、今北海道に行けと言ってもなかなか面倒な時期がございます。 ですから、地域経済のことも考えたときに、やはり新たな雇用をきちっとつないでいく、新たな分野にその企業が進出をしていけるようなそういう形でなければ、失業なき労働移動とよく言われるんですけれども、言葉は簡単でありますけれども、本当の意味での失業なき労働移動というものをつくり出すことは難しい。午前中の乳業も、合理化再編ということを農水省が支援してさらに数年間延長してやるという政策であります。こういったものは、単にやめてしまうものの資産等について支援をするということではなくて、むしろ食品関連のような新たに生み出すものに支援をするという形でなければならない、大臣。 ところが、食品流通局の砂糖類課では、砂糖に関しての政策だから違う分野に対する政策はできないんだというような、狭い意味での形というのはやはりよくないのではないか。むしろ、もっと大きな形で、できれば食品関連の新たな業種に参入するということに対して、思い切って支援をするというような形をぜひとっていただきたい、このように考えます。
○玉沢国務大臣 これは前にも答弁をしたところでございますけれども、砂糖企業が砂糖部門の合理化のため、砂糖以外の分野への投資を行うことにつきましては、産業活力再生特別措置法に基づく事業革新に該当する場合には金融、税制上の支援措置が受けられます。また、砂糖生産振興資金を財源として砂糖部門に関して助成を行うことを考えておりますが、砂糖以外の部門に関しましては慎重に検討してまいります。 しかしながら、労使の話し合いを十分していただきまして、円満に解決ができるよう、また申し上げたように、砂糖以外の分野にも投資をする、こういうことを通じて雇用機会を図っていただければ、こういうふうに考えて今見守っているところでございます。
○鉢呂委員 きょうの新聞にも出ていましたけれども、労働省の緊急雇用対策、地方自治体の施策はほぼ順調といいますか、計画どおり予算措置を使っていくという方向にあるようでありますけれども、企業の方はどんどん再編整備をしていく状況にあります。しかし、逆に、雇用と地域経済というものに必ずしも十分な配慮を加えない形で日本のリストラ等が今行われておると言っても過言でないと思います。 農水省は、このような形で乳業あるいは糖業に対しての再編合理化というものを重点的にやるのであれば、むしろ、その地域で生き残るための新たな業種に対する支援、これは食品関連に限ってでもいいですから、単に税制、金融上のというようなことではほとんどやれない状況になっておるんですね、大臣。大臣も大体わかるでしょう。税制、金融と言いましたけれども、ほとんど、今の低金利の時代にそういった施策でいっても、なかなか値のある施策になり得ておりません。ですから、その点は農水省としてもっと深みを持った政策を検討していただきたい。 例えば、先ほど言われましたけれども、沖縄の県経済連、農協の経済連ですけれども、それと北部製糖という二つの再編統合が平成六年に浮上したんですけれども、その地域の生産者あるいは地方自治体からも、何も聞いておらない、新聞報道で初めて知ったということで、地域において大変な猛反発を受けた、最終的には三年後に初めて何とか合意形成がなされたということでありますけれども、地域経済にとっても極めて大きいわけであります。 ですから、その辺についても、地域経済に対してよく理解をしていただけるように、また、そういった統合再編に伴う、休止してしまう工場を持つ地域は大変な事態になるわけでありますから、そこに対する支援といったものについても、農水省として具体的な施策というものをやはり十分用意しておく必要があるのではないか、そうでなければ、なかなかこの問題は農水省が言っているような形では再編されていかない面もあろうと私は思いますので、よろしくお願いをいたしたい。地域経済に与える影響についての大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 午前中から乳製品、午後は砂糖、こういうことで議論してきたわけでございますが、先般も食品流通構造改善促進法等も検討したわけでございます。やはり食品に関しましてはまだまだ可能性があるのじゃないか、そういう面におきましては、新しい分野において企業が進出をするというようなことになりますならば、雇用機会もふえてくる、こういうふうにも考えるわけでございますので、特定の分野だけにこだわらずに、もっと食品産業全体へ視野を広げまして、新しい事業が展開できるようにしていけば、今委員がおっしゃられたことも克服することができるのじゃないか、こういうふうに考えているところであります。
○鉢呂委員 大臣、ありがとうございました。大変よい答弁で、ありがとうございました。 そこで、別の方に移りますけれども、砂糖の調整金の関係でございます。先ほどもお話ししましたけれども、年間七百億円程度、これが輸入粗糖に対して調整金がかけられ、これを国内の甘味資源作物の振興のために価格にオンされるという状態でございます。 大臣、米なんかを見ますと、これは午前中の東大の生源寺さんの言葉によっても、自主流通米という全くの市場価格になったわけでありますから、消費者に極めて大きな恩恵がございます。これは安い価格で求めることができる。そういう意味では、従来の消費者負担方式から財政負担方式に変えていくというのが、これはEU等の大きな流れです。日本もそういう形になりつつあるのですね。 お米については、これは一定のところで政府が価格を支持し、そして、消費者がその高い米を買うというところから、もちろん、国境措置がありますから、国境措置を取っ払った場合はどんともっと下がるという形は言えますけれども、しかし、国内だけを見たときには消費者負担型から変わってきておる。先ほども言いましたように、それは消費者が恩恵を受けておることになります。 ところが同時に、今、大規模専業経営を中心として、生産者価格は下げがあっても上げはないという姿ですね。急速に上がることがあれば、野菜のように上げ下げでちょうど経営は成り立つのですけれども、上げたらすぐ政府は米を輸入します。言わないかもわからないけれども、輸入しますね、普通。乳製品も、少し上がればこれはもうカレントアクセス以上のものを脱粉として輸入してきます。そういう意味では、急激な上げというのは、価格の上昇というのは、もうない姿になってきておるのであります。ですから、そういう価格の高い、低いがあって初めて経営が成り立つという姿をなかなかとり得ない状況になっておる。 そうであれば、大臣、消費者にそういう形で低い農産物を供給できる形になってきました。松岡委員長も言っておるように、やはり財政がそこを負担する。もちろん、こういう時代ですから、農水省の予算をその分として別枠でとるというのはなかなか難しい時代になりました。農水省の中で何とかそれを生み出すという作業が必要になってきておるわけですけれども、消費者負担型から財政負担型に移行する、その関係については、大臣はどのように御判断いたしますか。
○玉沢国務大臣 財政改革を通じての議論からいきますと、余り財政だけに頼っての政策というのは限界があると私は思います。 今委員が、例えば米の問題について、国内の価格が上がれば外国から米を輸入する、こう言われましたけれども、ウルグアイ・ラウンドの決着のときから、つまり、細川内閣でこれを決定したわけでありますけれども、村山内閣から一部自由化した米につきましては、国内に参入させないんだ、こういうことでやってきておるわけでございまして、恣意的に、米が高くなったから外国から入れて冷やす、こういうようなことは基本的にはやっていないということなんです。 ですから、現在の米の価格が低い水準でありますことは、基本的には、国内の生産が過剰であるという認識を私どもは持っておるわけでございまして、これが数年続いておるわけでございます。したがいまして、今までもやってまいったわけでございますけれども、国内の在庫をできるだけ速やかに解消しながら、自主流通米等も安定価格になるように今努力をいたしておるわけでございます。 価格が下がったから財政ですべて賄うべきだという考え方は、余りにも安易なものだと考えるわけでございます。市場経済をやっていく場合におきましては、需要と供給というものが常にバランスをとれて、そして、それの価格によって再生産が可能になるように持っていくということが一番大事なことではないかと考えております。
○鉢呂委員 大臣、消費者負担型から財政負担型という大きな流れで日本の農政も動いておる、このことは間違いのない流れであります。 大臣、言葉の内容として、農産物の価格に関する従前の、いわゆる消費者に高いところの恣意的に張った価格で物を売る、買うという姿でなくて、そこは市場に任せるという形で、消費者の負担はそこには発生をしておらない。需給から出る、市場で出る価格そのものを享受する。消費者が何か負担をして、そこで価格が成立をしているという姿をとらない方向で、今、農水省は提示をしているわけであります。その点はいいですね、その基本線は。
○玉沢国務大臣 農業の場合におきましては、午前中からも申し上げてきておるわけでございますが、その持っておる多面的機能、役割というものがあるわけでございます。この役割は、農業が持続されることによって維持される。農業が維持されることによって国土の保全も行われますし、あるいは環境の保全も行われる。食料の安全保障も確保される。 ところが、そうした機能が損なわれて、農業が持続的に展開することができないというような状況になった場合におきましては、御承知のとおり、例えば、共済制度等もあるわけでございますし、激変緩和措置もあるわけでございますし、今回の基本法におきましては、中山間地域の営農がなかなか厳しいところにおきましては直接支払い制度等もありますよ。あるいはまた、政策的に、生産を上げていくという上におきまして、農地を従前どおり大いに役立てる。水田を放置するのではなくして、これを生産に役立てる。そして自給率を上げる。こういう観点から、麦、大豆、飼料作物等の本格的な生産に打ち込んでいく。 こういうような点におきまして、多面的な機能というものを、それぞれ役割を果たすという面におきましては、市場原理ばかりに頼るのではなくして、公益的な観点から、財政的な措置も加味して、農業が発展するようにやっていくということが我が国の政策の基本である、こう考えております。
○鉢呂委員 ソルビトール調製品の問題に移ります。 砂糖の大綱の中でも、加糖調製品問題で、関税の問題を含めて関係機関において検討するということが明記をされております。関係機関においてどのような検討をなされたのか。関税率の引き上げというものが可能であるのか。 私の聞いている範囲では、相手国からそれ相当の、それに見合う日本としての対応をすればできる、あとは農水省の考え方、あるいは外務省、外交当局の考え方というふうに聞いておりますけれども、農水省として、このように大綱に明記した限りにおいてはこれを実施していくという形で、その決意なり、今の検討の状況についてお伝えを願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 ソルビトール調製品の輸入の増加が競合する国内産糖の需要に影響を与えると考えられておりますことから、ソルビトール調製品への対応につきましては積極的に取り組む必要があると考えます。 このため、今回の改正により、砂糖の卸売価格をキログラム当たり二十円から三十円程度引き下げることによって砂糖の需要の拡大を図ることとしているところであります。これはつまり、下げることによりましてソルビトールと競争が十分できる、消費拡大を図る、こういう意味であります。また、当面の対策として、国内においててん菜糖とソルビトールを混合した国産の調製品を供給することとしております。 このほかのソルビトール調製品の対策につきましては引き続き検討することとしておりますけれども、今委員から御質問がありました関税の引き上げにつきましては、関税はWTO上譲許しておるものでございまして、利害関係国である米国、韓国、タイ、EU等から、もしこれを上げた場合、代償として当該国の関心品目について関税引き下げが求められることになることから、単純に関税を今すぐ上げる、こういうふうにはならないということは御理解をいただきたいと思います。
○鉢呂委員 時間が来ました。終わります。
○松下委員長代理 次に、宮地正介君。
○宮地委員 大臣に最初に伺います。今回の法律改正によりまして、まず題名が改正されますよね。砂糖の価格安定等に関する法律から砂糖の価格調整に関する法律、安定が調整に名称変更されるわけですが、まず、これはどういうふうに考えておるんですか。
○玉沢国務大臣 砂糖は、一人当たり十九キロも消費をしているという国民的な食料であります。かつて私どもは、戦前戦後、どんなに甘いものが欲しくても得られなかった。そういう中におきまして、戦後はやはり日本の国内の砂糖を安定的に生産しよう、こういうことでこの法律ができたものであると思います。つまり、その趣旨は、外国からの安い砂糖も入ってきた、それを国内では高く売ることによりまして、その差益を国内の生産に回していって安定的な生産を確保する、こういう趣旨で安定という言葉を使ったと思うんです。 ところが、その後、ソルビトール等、今お話がありますように、いろいろな形で甘味の製品が出てきた、そういうことにおいてはなかなか安定的な生産というものも脅かされている。したがって、そうしたソルビトール等との、要するに調整を図りながら共存を図っていこう、こういうような趣旨に変えたものと考えます。
○宮地委員 今の大臣の答弁では、国民はなかなか納得、わかりづらい答弁です、きょうはあえてお役人は後ろに呼んでおりませんが。 やはり内外価格差が非常に大きくなっておる。特に平成二砂糖年度では、てん菜が二、三倍、甘蔗糖で六倍から九倍と大変な内外価格差が出ておる。そして、国際価格が低位に安定をしておる。粗糖の平均輸入価格も、平成十二年二月上期でございますが、キログラム当たり二十一円三十銭、そういうような状況と、問題はやはり消費の需要が非常に落ち込んでおる、これが私は最大の原因ではなかろうか。平成二砂糖年度では二百六十四万トンであったのが平成十砂糖年度で二百三十一万トンと、マイナス三十三万トン、マイナス約一三%の消費が落ち込んでおる。それを今回、価格を調整して、安くすることによって消費の需要を拡大しようというのがこの法案の改正のねらいであろう、こう私は見ているわけです。 ただ、価格的なそうした面だけが下落すれば、それで本当に消費が拡大するのだろうか。やはりこの点の分析をもっと精査する必要があるのではないか。 きょうは時間がありませんから、私から申し上げますけれども、やはり砂糖まがいの、いろいろな甘味が国民の間にまかり通っているわけですね。我々が小さいころは、大臣も御存じのようにサッカリンというのがありましたよね。最近は、本当に砂糖まがいのものがスーパーに行ってもたくさん出回っておる。そういうものに対する対策、PRというもの、これも非常に大事な視点ではなかろうか。 最近は、大変に間違った、学者の間には、何か砂糖を食べると毒物のような、そういう危険な発言をしている学者もいるのは、大臣、御存じのとおりです。国民はそういうものを聞きますと、大変に砂糖についてやはり敬遠せざるを得ない。間違ったそうした知識の普及というものもあるわけです。 私が申し上げたいのは、価格の調整によって需要の増大を図るというのではなくして、もっと総合的な、そういう間違った見解に対しては農水省が国民にきちっとした意見を申し上げる。それから、まがいものと砂糖との違いをはっきりする。むしろ、砂糖というのは非常に健康的なんだという意識、勉強というものを国民にしっかりとPRしていく必要がある。何か、糖尿病になるのは砂糖を食べるとなるんだなんという間違った誤解が普及している面もなきにしもあらず、これは非常に怖いことなんですね。 ですから、私は、価格政策による需要の増大を図るだけでなくして、そうした総合的な戦略をしっかりともっと踏まえて、これを機会に農水省は汗をかくべきではなかろうかと思いますが、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 大変有意義な御質問であると思います。やはりこういう国会のところで砂糖の効用というものを明確に申し上げるということが、国民の皆さんの理解を深めることになると思います。 そこで、申し上げます。砂糖の効用は、砂糖は疲労回復に即効性がある。砂糖は脳のエネルギー源であります。さらに、砂糖は肥満や糖尿病の原因ではない。具体的に申し上げていきますと時間がかかりますので、とりあえず三つの効用についてだけ申し上げさせていただきます。
○宮地委員 そういうことをがんがんこの委員会なり、大臣もテレビ出演のとき等にどんどんおっしゃっていただいて、それが結果的に製糖メーカーあるいは生産農家に対する大きなフォローアップになっていく、こう私は思うんですね。そういう点はまた時間があれば議論したいんですが、そうした総合的な砂糖戦略を考えて今後しっかり頑張っていただきたい、こういうふうに要請をしておきたいと思います。 そこで、きょうはまた農畜産業振興事業団の山本理事長にもお越しいただいておりますので、時間がありませんが、端的に申し上げます。 今回、事業団法の改正がこの法案改正に伴って行われるわけでございますが、新たに今回は交付金制度というものを導入されるわけで、この改正に伴いまして、事業団は一歩前進の砂糖戦略が組めるようになるのか、ならないのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
○山本参考人 ただいま御指摘いただきましたように、農畜産業振興事業団の改正案もこの法案に盛り込まれておりますが、その大きな柱が、これまで国内産糖については価格安定のための買い入れ、売り戻しという業務を、定額の交付金の交付の業務に切りかえました。これは、いわば市場原理の導入といった性格のものでございますが、これとあわせて、現在の糖価安定資金を廃止し、新しく砂糖生産振興資金を設置することとされたところでございます。 先生、先ほど来御指摘のように、砂糖はかつて一人三十キロ程度消費しておりましたけれども、二十キロを割る水準に落ち込んでおります。市場原理を導入しながら砂糖の価格を引き下げるとともに、サトウキビ、てん菜という砂糖の農業を振興し、また砂糖関連業界の合理化、近代化、経営安定を図る。さらに、砂糖に対する正しい知識の普及啓発が必要でございますし、また市場原理の導入とあわせて、砂糖の生産振興資金を活用しながら砂糖の価格のできるだけの引き下げを行い、消費を拡大するというような事業を内容とした振興資金が設けられることになりました。 私どもは、この交付金制度、また生産振興資金制度を十分に事業団として活用させていただきながら、てん菜、サトウキビを初めとする農業、また関連産業の振興、合理化、これを通じたコストダウンを図り、さらに、砂糖に対する正しい知識を国民に提供して、砂糖の消費拡大に努力してまいりたいと思っております。
○宮地委員 大臣、先ほども出ておりましたが、今回、この糖価安定資金の千七百七十一億円が廃止をされて、新たに砂糖生産振興資金の財源として、いわゆる価格の引き下げともう一つは製糖メーカーの再編合理化に五百億使うわけですね。これについて、雇用不安の問題は先ほどもいろいろお話がありましたから、きょうは私は省きますが、やはり中小製糖メーカーに対する配慮が非常に大事であろう。 御存じのように、精製糖の企業、国内産糖企業の再編合理化対策として、精製糖企業としては二十二社二十一工場、てん菜糖企業としては三社八工場、甘蔗糖企業、これが十六社二十工場、これを再編合理化するわけでございます。その中で、特に中小の製糖メーカーから強い要請が既に農水省に行っておると思いますが、検討されておると思います。問題は、シェアの再配分の問題、これについてはやはりきちっとした中小製糖メーカーの実績を踏まえた上で、大手の製糖メーカー、これはある意味では自助努力でそれなりの経営能力というのは持っているわけですから、問題は中小製糖メーカーに対するフォローアップですね。これを、特にシェアの再配分の問題とかあるいは新しい二次枠における課徴金の額の問題、こうした問題についてどのように検討されておるのか。これは総括政務次官かもしれませんが、ちょっと確認しておきたいと思います。
○谷津政務次官 これは具体的に今進めているところでございますけれども、今先生がおっしゃいますように、十分それを踏まえてやっていかなければならぬというふうに考えております。
○宮地委員 政務次官も余り、そこにいる食品流通局長にお任せのようですが、これはしかと、私も流通局長にはよく言ってありますから、再編合理化のときに、弱い立場のところにきちっと政府がフォローアップしていく。生産農家の問題も同じです。やはり北海道、鹿児島、沖縄、特に沖縄なんかは非常に規模も小さいし、弱い。こういうところの製糖メーカーなり生産農家のフォローアップをどうするか、ここのところがやはり政府のやるべき仕事であろう、私はこう思うのですね。 時間がありませんから、大臣、最後に、こうした中小製糖メーカーに対する対策あるいは生産農家に対する配慮、こうしたものについて、弱い立場を重視した角度からの重点的なフォローアップをするんだということだけ確認しておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 砂糖生産におきましては、先ほど来申し上げておりますように、非常に地理的に困難な地域で生産をしておられるわけでございます。そういう困難なところで努力をされておられる中小製糖の方々も含めまして、我々といたしましては、今後とも、その営農及び営業が確保されるように適切に対処してまいりたいと考えております。
○宮地委員 きょうは、午前午後と価格二法について議論してまいりました。時代の要請に伴って、いわゆる不足払い制度から市場原理を導入した新しい価格制度の導入、これはもう待ったなしだと思います。こうした一つの新しい仕掛け、システムの導入によって、今後、生産農家あるいは製糖メーカー、ともどもに共存共栄で大きく再生され活性化され、それが結果として国民のニーズを新たに生み出すような、私は、そういう戦略を考えた法改正にしてもらいたい。単なる価格の政策だけで終わってはならない、こう考えておりますので、このことを強く要請して、質問を終わりたいと思います。
○松下委員長代理 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、質問に入ります前に、委員長に一つ要請をしておきたいと思います。 午前中の中林議員の質問に対して、大臣は、何でも反対の共産党と発言をされました。この発言は事実に反するものであって、取り消しをすべきであります。現に先ほどの本会議でも、三本の法案の中で二本は賛成をいたしております。 私ども日本共産党は、少しでも国民の利益につながるものであればこれに賛成をし、利益に反するものは反対を堂々と貫いてまいりました。 大臣の発言に対する取り扱いについて、理事会で協議を求めたいと思います。いかがでしょうか。
○松下委員長代理 理事会で協議します。
○藤田(ス)委員 それでは質問に入ります。 私は、法案の質疑に入る前に、先月の中林議員の質問で指摘された北海道での農業公共事業をめぐる談合問題について質問をしておきたいと思います。 農水省からいただいた資料を見ますと、農林水産省から北海道農政部次長へ転出した人たちは、水産庁長官をしていた川合氏、事務次官であった高橋氏、畜産局長であった本田氏など、そうそうたるメンバーであるわけであります。報道では、北海道農政部次長ポストは農林水産省の出世コースの一つにされていると言われておりますが、それが事実として裏づけられていると思います。問題は、これらの人が談合を知っていたのではないかということであります。 昨年の十二月八日の北海道議会の農政委員会で、我が党の萩原道議の追及に対して、道の福田農政部長は、北海道庁側のねらいである談合企業への職員の天下りに関して、その天下りの覚書の署名、つまり覚書というのは天下った先に行った人の待遇の保証書であるわけですが、その署名に農政部次長も立ち会ったケースもあるということを明らかにしているわけであります。何の目的で立ち会うのかもわからず立ち会うなどということはあり得ないわけであります。まして、その覚書自身が極秘の扱いだったわけですから、それに立ち会うこと自身が秘密の立ち会いなわけであります。当然すべてを知っていなければできない代物であります。 国家公務員法九十九条では、たとえ地方自治体に転出していても、違法行為に加担していた場合は、信用失墜行為として懲戒処分の対象とするということになっております。農水省として、これらの農水省から北海道農政部次長に転出した人たちに、談合に加わったか、あるいは知っていたかについて調査をされたのでしょうか。したとしたら、その結果はどうであったか、明らかにしていただきたいわけであります。
○渡辺政府参考人 北海道における入札談合疑惑の問題でありますが、この件につきましては、北海道みずからが設置をいたしました調査委員会において取りまとめが行われ、しかるべき改革が行われたと承知をいたしております。 事柄は、北海道におきまして、そうした厳正な処置、それから改善措置、それに加えまして、公正取引委員会における調査、その結果を得ました、これは排除命令になるのでしょうか、課徴金になるのでしょうか、そういった措置がこれからとられることと考えておりますので、本省といたしまして、地方公共団体のそうした調査に、特段私どもの方が関与をするということはございません。 なお、北海道庁の報告書の中におきまして、本庁農政部において業者の受注目標額を設定する際に、OBの在籍状況を配慮していたが、詳細については不明という報告がございます。
○藤田(ス)委員 その御答弁は大変無責任ではないでしょうか。国家公務員法の九十九条というのは、これは人事院の回答として、地方自治体に転出していても、違法行為に加担していた場合はというふうにしておりますので、それはもう道の問題ではなしに省の問題であります。 入札手続等調査委員会の入札手続等調査第二次報告では、受注調整については、つまり、談合については、農政部長には技監から適宜報告を行っていたと記載されています。その農政部長は、談合システムをすべて知り、その最終責任者であることを明らかにしているわけでありますが、昭和五十九年四月から六十年四月まで、北海道農政部長を歴任した高橋元事務次官は、当然その談合システムを知り、それに直接かかわった可能性が極めて高いと思われるのですが、もしそうであるならば、農水省の職員が談合に直接手を下し、なおかつ農水省の事務次官にまで上り詰めたという大変な事態になるわけであります。これも調査はされていらっしゃらないわけですか。 〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺政府参考人 先ほど申し上げましたように、談合疑惑につきましては、既に公正取引委員会によって調査が開始をされ、この調査結果を待ってしかるべき措置がとられるものと承知をいたしております。談合はもとより独禁法その他に基づきまして違法行為でありますから、そういったものにつきましては当該法律においてしかるべき措置がとられるものと考えております。 なお、先生が国家公務員法を引用されましたが、国家公務員が都道府県等に出向している期間に信用失墜行為を行った場合、これは一般論でございますが、当該職員の身分が地方公務員であり、処分権は当該地方公共団体に属することから、国家公務員法上の処分は原則としてできないということになっております。これまた一般論でありますが、地方公務員時代の非違行為が国に復帰した後に発覚した場合には、本人に対し事実を確認し、その行為が国家公務員法上の信用失墜行為に該当することになれば、国としてその行為に対し処分することができるということでございます。私どもといたしましては、本件につきましては、談合疑惑に係る公正取引委員会の調査の結果を見守りたいと考えております。
○藤田(ス)委員 この調査を見守りたいと。自身の問題なのです。今御答弁があったように、九十九条の問題は、北海道庁の問題ではなしに、農水省の問題なのです。北海道庁での談合のひどさというのは、報道でも、道庁の幹部職員が政治家や道庁OBなどから口ききが殺到していることを認め、メモをとらないと忘れてしまうほどだったと証言し、さらに、こうした現状を元官僚は、北海道はひど過ぎる、それは道庁が一〇〇%談合を仕切っていることをみんなが知っていて、官に圧力をかければ仕事はとれると思っているからだ、腐敗の根は道の官製談合システムにあると見るとされているわけであります。 農水省から道庁農政部次長として転出した職員が、それらの実態を全く知らないというようなことはあり得ないわけでありまして、調査中と言いますが、もう既に北海道庁から相当の報告書、文書も出ております。したがって、私は、省として調査をやるのが当然ではないか、徹底的な調査を行う、そういうことが今求められていると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 北海道の問題につきましては、先ほどお話がありましたように、今、公取が入りまして調査をしておるということでございますので、これを見てまいりたいと思います。 また、いろいろ言われたわけでございますけれども、農林水産省の中におきましても、調査委員会等を設置しまして、現在、調査をいたしておるところでございます。
○藤田(ス)委員 念を押しますが、現在、大臣官房企画室長、農産園芸局企画課長も、現に今まだ省内にいらっしゃるわけです。そういう方にいろいろ聞いてみるのも調査の一つです。したがって、そういう問題については、農水省として責任を持って調査をする、そういうことは、大臣、当然のこととして約束していただけますね。
○玉沢国務大臣 繰り返すようで申しわけございませんが、現在、調査、捜査中のものは私どもといたしましては、これをとりたてて行うということはせずに、やはり結論を見てから我々としての態度を決めていくということといたしたいと思います。
○藤田(ス)委員 これ以上この問題をやりとりする時間がありませんけれども、そんな御答弁で、今、国民の前にさらされている、農水省自身もかかわっているこの談合問題について、本当に国民がよくわかったというふうな状態に持っていけないではありませんか。私は、その点、極めて遺憾であるということを申し上げて、砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 サトウキビ生産が島の基幹産業となっている沖縄県と奄美地方では、多くのサトウキビ農家が、糖価に市場原理を導入する今回の法案に大変強い不安を表明しているわけであります。今回の法改正に伴って、最低生産者価格の算定方式を、これまでのパリティー指数を基準にしたものから、国産糖の価格の変動率や生産コスト等の変動率を反映させる方式に変えることになるわけであります。 そこで、私たちは具体的に、あなた方が示した算定方式に基づいて計算をしてみました。そうすると、現行価格二万四百三十円の二〇〇〇年度産と二〇〇一年度産の最低キビ価格は、二万二十四円になり、今の価格よりは四百五円程度下がることが予測されるわけであります。また、国産糖の入札価格が下がれば、さらに年々下落していくことになり、さらに単収変動率を採用されているために、単収が上がれば値が下がり、生産費が下がれば価格が下がる、こういう仕組みになっているわけであります。これはまさに、新しい算定方式は値下げの方程式というべきものではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○福島政府参考人 今先生の御発言にありましたように、甘味資源作物の最低生産者価格の算定につきましては、これまでの農業パリティー指数を基準とした方式を改めまして、前年産の価格に国内産糖価格の変動率と生産コスト等の変動率を乗じて求めるというふうにしているわけでございます。 その際に、生産者の所得と再生産を確保するために、この制度の運用に当たりましては、一つは、前年産価格といいますのは、先ほど総括政務次官の答弁にありましたように、発射台として、現行の最低生産者価格に直接、農家に交付されます対策費分を加えた額を現行の農家手取り額とするということが一点。 また二点目に、国内産糖価格の変動率なり、あるいは生産コスト等の変動率の算定に当たりましては、移動三年平均を用いるということによりまして変動を緩和する。またその際に、為替や輸入糖価格の変動といった外的な変動要因を除いて算定するということ、また収量の変動につきましても、米の平年収量に準じたような考え方で変動率を緩和するというふうな考え方もとっております。 サトウキビにつきましては、家族労働費が生産費の大きな部分を占めているという実態を考慮いたしまして、生産コスト等の変動率を緩和して算定する。最後には、算定の状況によっては激変緩和措置を講ずるというようなことで、生産者の所得と再生産を確保するために、運用に当たりまして配慮してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○藤田(ス)委員 単収が上がれば価格は下がるのでしょう。生産費が下がれば、これもまた価格に反映されたら下がるのでしょう。だから、直接反映させないようにということで皆さんは〇・五掛けるということで、半分生産者に返すのだなんて弁解をされておりますけれども、いずれにしても、この算定方式を導入したら、台風や干ばつの常襲地帯である沖縄県や南西諸島で厳しい経営を続けてきた生産農家から生産意欲を奪うものになります。そうならないという保証はありますか。 あわせて聞きますが、激変緩和措置というものは一体どういうときに発動されるのか、基準を持っているのか、教えてください。
○福島政府参考人 単収の変動率につきましては、今、先生の御発言がありましたように、災害等の影響があるわけでございますので、それを除く必要があるわけでございます。そのために、米の平年収量に準じまして単収を算定した上で変動率を算定することとしているわけでございまして、そうしたことから、生産者の土づくりなり病害虫防除、あるいは適切な施肥等に努めた結果、平年収量を上回る単収が実現されたとしましても、直ちにそれが生産者価格の引き下げに反映されるというふうには考えていないわけでございます。 また、激変緩和措置につきましては、算定に当たりましての運用方針を先ほど御答弁したわけでございますけれども、そうした算定の状況によって、生産者の所得と再生産を確保するために、必要がある場合には激変緩和措置を講じまして、生産者所得と再生産を確保するということでございまして、それはまさにその算定の結果、状況によるというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 結局、その年ごとの振れは少なくするということですが、今の御答弁でも、平年収量を上回ったことが直ちに生産者に響かないようにという措置をとっているのだということで、これは逆に言うと、やはり単収が上がれば価格が下がる、こういうことが反映される算定方式になっているということになるわけです。激変緩和措置といっても、二万円が一万円になれば確かに激変ですよ。しかし、その時々の状況によって判断する、そして、生産者の所得を戻す措置をとるという大変あいまいな言い方なのですね。だから、二万円から百円下がった、それを激変というでしょうか。しかし、生産者にとってそれは死活問題であるわけでありまして、価格問題はそんないいかげんな、激変緩和措置をとるから大丈夫というような言い方は、私はとても納得ができません。本来、生産者が安心して、意欲を持って取り組めるようにしていくためには、やはりサトウキビの価格というのは、てん菜等もそうですが、再生産可能な生産費所得補償方式を進めていくことが必要なのだということを申し上げておきたいと思います。 国産糖価格についても、入札制度の導入に伴って、市価の変動率によって値が決められ、外国からの安い輸入糖との兼ね合いで価格が下がっていくことになるわけであります。国産糖企業は今でもぎりぎりの経営を強いられておりまして、国産糖価格が下落すれば、国産糖企業の経営を危機に追い込むことになるわけであります。 私、奄美大島をずっと歩いたり、沖縄にも調査を派遣したりしましたけれども、沖縄でも南西諸島でも、一つの島に最低でも一つの国産糖企業があることによって、その島のサトウキビ生産が成り立つわけです。仮に、国産糖企業の経営が成り立たなくなって、その島から撤退してしまったら、サトウキビ生産者は別の島の国産糖企業の方にサトウキビを船で運ばなければならなくなりまして、その船賃だけでも大変な出費になって、とてもサトウキビ生産を続けることなどできないわけであります。 国産糖価格を市場原理にゆだねておいて、そうならないという保証は一体あるのでしょうか。
○福島政府参考人 国内産糖に対します助成につきましては、従来、事業団によります売買を通じて行われているわけでございますけれども、この方式は、国産糖企業の主体的なコスト削減に向けてのインセンティブが働きがたい状況にありますし、また、事業団の売り戻し価格が基準となって、国内産糖の価格水準が一律的に形成されるという問題もあるわけでございます。そうしたことから、今回の改正によりまして、国内産糖への助成につきましては、事業団によります売買方式を改めまして、一定額の交付金を交付する方式に改めることとしておるわけでございます。 その際の交付金の単価でございますが、現行の事業団買い入れ価格をもとに原料の買い入れ価格や国内産糖の集荷製造経費の変動率、それらを参酌いたしまして算定した額から、前年度の国内産糖の価格を差し引くということでございますので、現行の制度におきます助成水準と比べて低下することにはならないというふうに考えております。 また仮に、輸入糖価格や国内の砂糖価格の著しい変動等があれば、交付金単価をその際に改定するという措置もあるわけでございまして、国内産糖企業の経営安定に十分配慮して運営してまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 どうもそれで、ああそうですかと言うわけにはいかないわけですよ。 交付金が交付されることも知っていますし、輸入価格等の引き下げ、市場価格の値下がりで、全体に影響が出てきたら、交付金で手当てを講じていくということも、価格制度としてはわかりますけれども、しかし、そうではあっても、市場原理にゆだねていくということで、今もうぎりぎりいっぱいの経営になっているところの国産糖の経営というものが、一体、本当に維持できるのか、そういう点で、私は大臣に聞きたいのです。 国産糖企業は決してつぶさない、その保証をもっとわかりやすく具体的に、明確に御答弁ください。
○玉沢国務大臣 この法律を改正するわけでありますけれども、やはり内外の価格差の中におきまして、外国から入ってまいりました砂糖から調整金を取りまして、それを国内の砂糖に回しまして、価格を維持するというシステムは変わらないわけでございます。しかしながら、ソルビトールとの競争等におきまして、やはり価格を下げるということによりまして消費拡大を図っていく、こういう趣旨でございますので、決してこの改正をしたからといって大もとが変わるわけではございません。 沖縄の島々で砂糖を生産しておる工場等におきましても、臨糖費も例えば十三億円も確保しておるわけでございます。そういう中におきまして、地理的に不利なところにも生産が継続できるように配慮しておるわけでございますので、こうしたことを見ていけば、今までよりも大きく変わって農家が困っていくというようなことはないものと考えております。
○藤田(ス)委員 価格が下がるということを大臣も今お認めになったわけですけれども、価格が下がれば、もう国産糖の経営というのはぎりぎりのところまで来ておりますので、それが成り立たなくなってしまう。しかし、それはサトウキビ生産も成り立たなくするという点では、もう島の経済と暮らしをつぶしてしまう深刻な問題だという島の人々の不安というものに、大臣はまだ十分こたえたものになっていないと思います。 今求められているのは、国産糖の需要を圧迫している大もとである加糖調製品の輸入を抑えることではないか。加糖調製品の輸入量というのは九〇年から九八年の間に三・二倍もふえ、ソルビトール混合調製品は十六倍以上にふえています。これを野放しにして、国産糖の需要拡大などあり得ないということを申し上げておきたいわけであります。 さらに、続けますから、聞いておいてください。 法案は、国内糖価の引き下げによる需要拡大を図るということで、糖価安定資金を廃止し、それを財源として輸入調整金の時限的引き下げ、具体的には三年間一キロ当たり十円の引き下げを図る、こういうことになっています。それ以外に、ことしの四月から粗糖輸入関税を撤廃し、卸値を約七円引き下げ、さらに、砂糖メーカー各社のコスト削減で三円を引き下げ、結局、ことしの十月から上白糖の卸値を二十円下げようというわけであります。 さっきから出ておりますが、このことから製糖メーカーの再編合理化のあらしが引き起こされてきているわけであります。特に、砂糖メーカー各社のコスト削減による三円の引き下げ、さらに、三年後に切れる輸入調整金の時限的引き下げに向けた三年間で十円のコストの引き下げになるということが、製糖メーカーを激しく揺さぶっているわけでありまして、先ほどから問題になっているように、これによって糖業労働者の雇用と労働条件が切り崩されてしまうのじゃないか。そういうようなことは決してあってはならないわけでありますが、その点、国内糖価を引き下げることを推進した責任者である農水省として、万全の保障をするべきだというふうに考えますが、御答弁ください。
○玉沢国務大臣 よく見ていただきたいと思うわけでございますけれども、まず、卸売価格の方について価格を下げていく努力をいたしてまいります。そして、ソルビトールと十分競争ができるようにしてまいります。同時に、農家の所得につきまして、そちらの方の価格は現行を維持していくことを旨としてやってまいりますという趣旨であるわけでございます。 仮にこうした卸売価格を下げる、これは例えば、関税等十円をゼロにすることによって七円ぐらいの下げが可能になってくるわけでございます。それから、メーカーの合理化等もお願いしながら、流通経費、製造経費、そういうものも削減していく。こういう努力をして、やはり目標は、ソルビトールをどんどん消費をしていくにもかかわらず、砂糖の方は小売価格の観点からなかなか競争ができない、そうなってまいりますと、消費が減ってまいりますから、消費が減ってまいりますと、砂糖だけが過剰になって、再生産が不可能になってくる。こういう点を考えれば、今回の改正といいますのは、むしろ積極的に打って出て、ソルビトールとも消費面での競争をやりながら砂糖の有用性を大いに図っていく、こういう趣旨であるということを御理解を賜りたいと思います。
○藤田(ス)委員 今の私の質問に大臣はお答えにならないで、もう一度先ほどの質問にどうも重ねた説得をしていらっしゃるように伺っているわけでありますけれども、しかし、現実、大臣がお考えのような、そんな組み立てではうまくいかないのですよ。 もともと、なぜ需要が圧迫されているのかというのは、もちろん価格の問題というような側面があったとしても、やはり基本的には、ソルビトールが八年で十六倍もふえた、ここのところにあるわけですから、そこの屋台骨、その組み立てをしっかり見て、どこに手を加えていくか、メスを入れていくべきかということを考えるのが常套であります。 しかも、大臣のおっしゃっている今度の新しい、生産者に対する価格制度も、国産糖に対する価格制度の切りかえも、それが本当に生産者の生産経営を安定させるものになるのか、ならない。激変緩和措置さえも、あなた方は振りかざしておっしゃっても、その基準というものは、その時々の状況を見ていて大変あいまいじゃありませんか。そうでしょう。国産糖だって、まさに市場価格に交付金がついたとしても、もうその市場価格によって吹きさらしに遭っていくわけです。しかし、それほど強くないよ、国産糖という会社は、企業は、非常に小さくて弱いものなんだ、しかし、そこをつぶすわけにはいかないんだということを私は申し上げているわけです。 私が今、質問をいたしましたのは、問題は、これによって糖業労働者の雇用と労働条件が切り崩されるようなことがあっては決してならない、だから、国産糖価格引き下げを推進した責任者、農水省として万全の保障をするべきだと思うがどうかということをお聞きしているわけでありまして、もう一度御答弁を願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 保障保障と言いますけれども、いつも、損害が起きた場合、補償するということは簡単な答えでございます。しかしながら、問題は、やはり砂糖業界がしっかりとその生業を行っていく中におきまして繁栄していくということが大事でありまして、砂糖の消費が減ってまいりますと、生産も減らざるを得ないわけですから、糖業メーカーもつぶれていくということになります。 ですから、ユーザーの言葉をよく聞いていただきたいと思うのですよ。例えば、日本のお菓子業界、ビスケット業界等、外国と競争する。非常に高い小麦を使って、また砂糖も高い砂糖を使って、なおかつ製品は外国から安いものがどんどん入ってくる。こういう中において、少しでもやはり原料が安くなるという工夫をしていただければ競争力もつくし、需要も拡大する。需要が拡大していけば生産者にも大きなプラスになっていくわけでございますから、そういう観点から我々は政策を進めていっているわけでございまして、保障がどうだとかこうだとか、そんなことばかりを言っておりますと、大体にして政策の遂行にはならない。それは、保障を全部否定しているわけではございませんよ、先ほどのように極端に受けとめられては困りますので。そういうことでございます。 細かくは局長の方から答えさせていただきます。
○福島政府参考人 砂糖政策の基本的な方向は今、大臣から御答弁があったとおりでございます。 先生から御質問のありました製糖企業の合理化を進める際どうするのかということでございますけれども、基本的には、各企業の自主的判断が基本でございますし、また、その際には労使協議を十分尽くして進められるものというふうに考えておるわけでございますので、国が合理化等を支援する際にも、そうした点を適切に配慮していきたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 保障のとり方が違うのです、大臣の御答弁にもう一々言いませんが。 今の局長の御答弁を聞いておりまして、これは労使間の問題だとおっしゃるわけですが、しかし、先ほど来の御答弁の中でも、産業再生法、糖価安定法の活用はもちろんですが、産業再生法も活用していくということなんでしょう。そういうことですよね。うなずかれましたので、もう結構です。 そういうことで、結局、この産業再生法自身もリストラ支援なんですよ。だから、こういうものを使って、結局、政府自身が製糖メーカーの再編合理化を奨励しようということではないかということを私は申し上げているのです。 そして、報道によれば、日新製糖の豊洲工場の閉鎖や日本甜菜糖下関工場の閉鎖が明らかになっていて、これは業界再編のほんの一ページにすぎないということで、さらなる工場閉鎖があり得ることを示唆しています。地域の雇用問題さえ引き起こしかねないわけであります。そうならない保証はあるのかということを明らかにしていただきたいわけでありますが、簡単に言えますか、局長。
○福島政府参考人 先ほど申し上げましたように、価格を引き下げて需要を拡大していくということが基本的な考え方でございます。 ただ、その際には、時限的に輸入糖の調整金を引き下げる、それに合わせまして、製糖企業も共同生産方式の導入など合理化を進める必要があるわけでございまして、国としてもそれを支援していくということを先ほど申し上げたわけでございます。 そうした合理化は各企業の自主的な判断が基本でございますし、その際には労使協議を十分尽くして進められるものというふうに考えておりますので、国の支援も適切にそうした点を配慮していきたいということを申し上げているわけでございます。
○藤田(ス)委員 私は、もうとにかく、あなた方の支援は再編合理化を奨励するものであって、労働者の、そこで働く人たちの雇用や労働条件を切り崩されないようにするための支援じゃないということを申し上げると同時に、やはり糖業労働者の雇用と職場の確保、労働条件の安全に万全を期すべきであるということを重ねて申し上げておきたいと思います。 次に、生産地現場で起こっているハーベスターの導入の問題であります。つまり、収穫時にハーベスターを使いますと、トラッシュ、不純物が混入するわけで、そのために大変品質が落ちたり、歩どまりが低下したりしていろいろな弊害が出てきます。だから、それを防ぐために集中脱葉機を導入するという島もあるわけですが、さて、その経費が大変にかかるわけで、零細な国産糖会社と生産者のどちらかが持つとしても、どちらもぎりぎりの経営の中で大変困っています。 私は、機械化を促進する農水省として、こういう集中脱葉機の導入費用及び運転経費については国としてきちんと面倒を見る、それぐらいのことは当然やっていただきたい。極めて具体的なことでありますし、大臣、ひとつここはにこにこと。
○玉沢国務大臣 委員の熱心な御意見でございます。 この法律の改正によりまして、決して労働者の方々を、無残に首を切るとか、そういうことはないわけでございまして、できるだけ労使の話し合いと、それからまた、新しい産業を起こすことによって雇用も確保するようなことを希望しておるわけでございます。 そういう観点から、集中脱葉施設も、圃場における脱葉等の作業を省略できることから農家の省力化が図られますとともに、ハーベスターによる機械刈りの場合に、トラッシュが混入することによる製糖歩どまりの低下の問題がありますが、これが改善される等の利点を有しておりまして、サトウキビ作における省力化、コスト低減に有効なものであると承知しております。 これまで二十五のサトウキビ製糖工場のうち、八工場に十二施設を設置しております。平成十二年度は地元から要望のあった一工場について助成する予定であり、今後ともその整備を支援していくことといたしておるところでございます。
○藤田(ス)委員 ぜひ国として、この集中脱葉機の導入費用、運転経費について応援をしていくというふうにお願いをしたい。今の御答弁は、そういうお立場で御答弁されたというふうに理解をしてよろしゅうございますか。はいとおっしゃってて……(玉沢国務大臣「よろしい、はい」と呼ぶ)よろしいとおっしゃいました。 最後に、口蹄疫の問題について一言だけ聞いておきます。 五月二日に移動制限が解除されて、大変よかったと思っておりますけれども、二度と口蹄疫を日本に侵入させないという体制をこれからどうつくり上げていくかということが、重要な課題であるというふうに思います。 私は、前回の質問のときに、口蹄疫の発生国から飼料として使われる稲わらの輸入は全面的にストップするべきだというのに対して、あなた方の方は、蒸熱処理をきっちりされているから大丈夫なんだという御答弁でありましたが、しかし実際には、輸入稲わらで蒸熱処理が適切に行われていなかったという事例が発見されました。大変残念であります。一〇〇%安全ではなかったわけであります、もちろん、それは輸入されませんでしたけれども。 検疫というのは、本当に厳格に過ぎても厳格過ぎるということはない。大臣、私はそう思うのです。それが検疫の精神ではないかと。したがって、厳しく今回の問題を反省し、二度と口蹄疫を日本に侵入させない検疫体制の確立を再度図るべきでありますが、私は、大臣の決意のほどを伺って、終わりたいと思います。
○玉沢国務大臣 我が国は、家畜伝染病予防法に基づきまして、口蹄疫等の悪性家畜伝染病の侵入防止を図るため、輸入禁止等の所要の措置を講じてきております。また、これらの措置を的確に実施するため、行政組織の定員が縮減傾向にある中、農林水産省動物検疫所は、過去十年間に七十四名の増員を行うなど、その体制整備に努めてきたところであります。 口蹄疫の再発防止のためには、水際における侵入防止の徹底を図るとともに、今般の発生原因を究明することが重要と考えており、引き続き関係各方面とも連携しつつ、最大限の努力を注いでまいる決意であります。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、これで終わります。
○松岡委員長 次に、一川保夫君。
○一川委員 では、私の方から砂糖価格の安定法に関する質問をさせていただきます。 今までに大分質疑の中でいろいろな問題点が出尽くしていると思いますが、私の方からは逆に素朴な質問になるかもしれませんけれども、基本的なところを幾つかお尋ねしたい、そのように思っています。 この砂糖に関する作物、てん菜は、御案内のとおり、北海道で作付されているわけでございまして、北海道の畑作の中では基幹的な作物でもございますし、そういう面では、北海道にとっては大変重要な作物であることは間違いないわけでございます。 また一方、サトウキビは、御案内のとおり、沖縄県あるいは鹿児島県の南西諸島で作付されておるということでございまして、我が国にとっても、ある面では非常に地域が特定された作物でありますし、いろいろな立地条件、自然条件等から見れば、相当厳しい地域でこういったものが作付されているわけです。特に、沖縄、鹿児島なんというのは台風の常襲地帯でもございますし、また、水源的にもそう安定している地域でもございません。そういう面では、こういう作物を作付されている生産者の皆さん方というのは、いろいろな面で不安感を抱いていらっしゃるのではないかというふうに私は思っております。 私たち、直接こういう作物を作付していない地域の者にとっては、若干素人っぽい質問になるかもしれませんけれども、てん菜なりサトウキビというのは、北海道あるいは沖縄県、鹿児島県の地域の関係の皆様にとっては地域経済を支える重要な作物であり、またそこで生産されたものを製糖されているいろいろな企業の関係の方々にとっても、大変重要な法案であろうというふうに思っております。 そこで、総括政務次官に、先ほど来いろいろ質疑が出ていると思いますけれども、甘味資源作物に対する生産といったものを、今後どういった基本的な考え方で作付振興策を樹立されていかれようとしているのか、そのあたりをまずお伺いしたいと思います。
○谷津政務次官 甘味資源作物でありますてん菜あるいはサトウキビは、北海道、鹿児島県南西諸島また沖縄県の地域農業における、先生おっしゃるとおり、基幹作物であるとともに、それを原料として生産されるてん菜糖、甘蔗糖は、地域経済において重要な位置づけをされているものというふうに思っております。 また、砂糖は食品産業における基礎的な素材であり、国民の食生活に欠くことのできない食料であることから、国内における甘味資源作物と国内産糖の生産は、食料の安定供給の観点からも重要な位置づけにあると思います。 このため、食料・農業・農村基本計画におきまして、甘味資源作物と国内産糖の生産拡大を目指しますとともに、今回の法改正によりまして、砂糖の価格の引き下げにより、砂糖の需要の維持、拡大を図りますとともに、輸入糖と国内産糖の適切な価格調整と市場原理の円滑な活用を図りながら、甘味資源作物生産者の経営の安定及び砂糖製造事業の健全な発展を図っていかなければならないと考えておるところであります。
○一川委員 今ほども砂糖に関する需要供給の話題もちょっと触れられましたが、砂糖というものは大変重要な食品であることは当然でございますけれども、いろいろな統計によりますと、我が国の砂糖の消費量というのは確実に減ってきておるわけです。これは、今、消費者、国民の中における一種のダイエットブームというのですか、そういう一つの風潮の中で、砂糖類的なものは余り口にしない方がいいというような風潮があるような感じもいたします。しかし、ほかの先進国のいろいろなデータの中では、逆に日本に比べると、相当一人当たりの砂糖の消費量というのは多いわけですね。しかも、国によっては最近だんだんふえてきているというようなデータもあるわけです。 それが、日本が相当けた外れに一人当たりの消費量が少ない、今は一人当たり十八キロから十九キロぐらいだと思いますけれども、アメリカ等では三十キロ台だということですね。EUも四十キロ弱だというふうに言われております。オーストラリアでは五十キロ台だというふうにも言われております。こういった需要をもっとふやしていく、当然、健康面に十分留意しながらのことではありますけれども、そういうことに対する対応は、どのような取り組み方を現在しているのか、また、これから需要を拡大するためにどういう方針でいろいろな施策を展開しようとしておられるのか、そのあたりがちょっとわかりづらいんですけれども、もう一回、そのあたりを整理して御説明をお願いしたいと思うんです。
○福島政府参考人 砂糖の需要の拡大につきましては、二つの方策で増大を図っていこうというふうに考えているわけでございます。 一つは、価格を引き下げることによって需要を回復していこうということでございまして、大幅な内外価格差のもとで加糖調製品なり菓子等の製品を輸入しているわけでございますが、その分が砂糖の需要を食っているわけでございますので、砂糖の価格の引き下げがあれば需要は回復し得るというのがユーザーを含めた関係者の共通した意見であるわけでございます。 このために、砂糖の価格につきまして、当面、キログラム当たり二十円程度の引き下げを実現する、中長期的にさらにキログラム当たり十円程度引き下げを目指すことによりまして、砂糖需要の維持増大を図っていこうというのが一つでございます。 もう一つは、先生の御指摘にありましたように、砂糖の摂取が糖尿病なり肥満の原因であるというような誤解があるわけでございまして、それを解く必要があるわけでございます。 砂糖の摂取が肥満の原因であるということは決してないわけでございます。肥満というものは、消費カロリー以上を摂取すれば脂肪として蓄積されるということでございますので、砂糖と直接関係があるわけではないわけでございます。逆に、砂糖はむしろ、吸収が速いために疲労回復に役立つということでもありますし、また、砂糖を構成するブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であるという効用があるわけでございます。 そうした砂糖に関する誤解を解きまして、砂糖の効用を広く知ってもらうことが重要であります。テレビ、ラジオあるいはシンポジウム等を通じまして、消費者に対しまして砂糖に対する誤解を解くと同時に、消費を拡大するための関係者、業界、行政の取り組みを積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○一川委員 砂糖の価格安定制度といいますのは、今ほどの話の中にも触れられておりますけれども、要するに、輸入糖からのそういった調整金で国内産糖の価格の支持を行っているというのが基本的な仕組みになっております。要するに、需要をふやさないと、当然ながら輸入量もふえていかないわけでございますけれども、そういう中で仕組みができ上がっておるわけですから、この制度をしっかりと動かしていくためにも、やはり確実に需要をふやしていくということが大変大事な課題であろうというふうに私は思います。 確かに、価格が下がれば需要がふえていくということは当然想定されるわけですけれども、それとプラスして、今ほどのお話のように、国民の皆さん方に砂糖という食品をしっかりとまた正しく理解していただくということも、一方では大変大事な問題ではないかというふうに思いますので、ひとつよろしく取り組んでいただきたい、そのように思います。 それから次に、今の価格の引き下げ問題に関連するわけでございますけれども、当然、価格引き下げということになれば、もろもろの、砂糖に関連する生産側、国産糖の関係する企業、それから精製糖の関係する企業の、それに要するコストをいかにして低減していくかということが、これまた一つの大きな課題であろうと思うのですね。当然ながら、そのコストを下げていくという中には、精製糖企業の再編成というのですか、それがまた重要な一つの課題でもあろうと思うのです。 最近、日本の経済社会の中では、御案内のとおり、大手の金融機関等もじゃんじゃん合併するような時代でもございますし、我々が想像もしなかったような大企業が統合していくというような時代でもあるわけですね。そういう流れの中で、精製糖業界においても、企業の再編成ということが非常に大事な課題になりつつあると思いますけれども、農水省として、再編に対する対策をどのようにサポートしていこうとされているのか、そのあたりの基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○福島政府参考人 先ほど述べましたように、砂糖の需要が最近減っているわけでございまして、そのために、精製糖企業の方も合理化には努めておりますけれども、工場の稼働率は平均六割程度まで低下しているわけでございます。 価格を引き下げて砂糖の需要を拡大していくためには、時限的な輸入糖の調整金の引き下げに合わせまして、砂糖の製造コストの相当部分を占めます精製糖の製造販売経費を削減することが必要であるわけでございます。このために、精製糖企業、もちろん、各企業の自主的判断を基本に、共同生産会社の導入等いろいろ合理化策を検討しているわけでございます。 それに対しまして、国といたしましても、砂糖生産振興資金を財源といたしまして、また産業活力再生特別措置法などを活用いたしまして、そうした合理化策を支援していきたいというふうに考えておるところでございます。
○一川委員 それでは、最後に、農林水産大臣にお尋ねというか、基本的なところの決意をお聞かせ願いたいわけでございますけれども、もうある程度質問は出尽くしておりますので、私もこの質問で最後にしたいというふうに思います。 甘味資源作物を生産して、それぞれの地元で国内産糖を製造しているわけでございますし、国内産の原料糖と輸入粗糖をまぜての精製糖を製造するといった一つの流れを経て、消費者、ユーザーに供給をされていっているわけでございます。また、輸入糖と国内産糖の価格の調整を通じまして価格と需給の安定が図られているというのが、この制度であろうかというふうに私は思います。 したがいまして、こういった砂糖の制度におきましては、価格の引き下げということが一つのねらいになっておりますけれども、やはり、甘味資源作物の生産者、国産糖の企業、それから精製糖の企業の三者がしっかりと連携を図りながら、それぞれのコストの引き下げに努力していくということが大変重要な課題であろうというふうに思っております。 そういう面では、農林水産省の砂糖に関する施策がしっかりとまた裏打ちされていかないと、関係の皆さん方もいろいろな不安感があろうかと思いますけれども、こういった問題に対する農林水産省としての取り組みを、大臣の方から決意のほどをお聞かせ願いたい、そのように思います。
○玉沢国務大臣 今回の法改正におきまして、輸入糖と国内産糖の適切な価格調整を行うとともに、市場原理の円滑な活用を図りつつ、甘味資源作物生産者の経営安定、国産糖企業及び精製糖企業の健全な発展を図っていくとともに、砂糖の価格の引き下げによる砂糖需要の維持、増大を目指して必要な措置を講ずることといたしておるところでございます。 砂糖の価格の引き下げは、関係者のコスト引き下げ努力が基本でありますが、政府といたしましても、これを支援するため、粗糖関税を本年四月から撤廃したほか、輸入糖調整金の時限的引き下げ、これはキログラム当たり十円でありますが、これによりまして国内糖価を引き下げますとともに、砂糖生産振興資金を財源として、甘味資源作物生産者、国産糖企業、精製糖企業の合理化努力に対する支援を講じて、万全を期して努力していきたいと考えておるところでございます。
○一川委員 どうもありがとうございました。終わります。
○松岡委員長 次に、菊地董君。
○菊地委員 社民党・市民連合の菊地でございます。 今回の法改正の目的の一つは、突き詰めていけば、砂糖価格を下げて砂糖需要の拡大を図ろうとするものであり、そのための必要な措置を講じようとするものであります。具体的には、砂糖の卸売価格の引き下げの目標はキログラム当たり当面二十円、中長期的には三十円を目指すとされており、それによって、価格が砂糖より安いために砂糖の代替品のように使われている加糖調製品やコーンスターチを原料とする異性化糖の輸入増加に対抗し、砂糖の需要の維持拡大を図ろうとするものであると思います。 このことは、農業者や砂糖製造事業者にとっては必要で有益であると理解いたしますけれども、消費者、国民にはどのような利益につながるのか、消費者、国民の視点から見ましてどのようなメリットがあるのか、まずお伺いしたいと思います。
○谷津政務次官 砂糖の卸売価格につきましては、先生御指摘のとおり、当面キログラム当たり二十円程度の引き下げを実現するとともに、中長期的にはキログラム当たり三十円程度の引き下げを目指しているところであります。 このような砂糖の卸売価格の引き下げによりまして、消費者が直接購入する砂糖の小売価格の引き下げが図られるものと思います。また、砂糖消費の八五%を占める食品の原料コストが低下することにより、消費者、国民の利益につながるものと考えております。
○菊地委員 砂糖は肥満や糖尿病の原因とも言われ、砂糖のとり過ぎは注意すべきだと言われてきました。実は、私もずっとそう思ってきたわけでありますが、先ほど来の他の委員の質問に対しまして、いや、決して肥満や糖尿病の原因ではない、砂糖の効用が高いということを大臣からはっきり御答弁があったわけであります。そうであるならば、それを積極的にPR活動しないと、今日は飽食かつダイエットブームの時代でありますから、価格を下げるというだけでは需要拡大には不十分ではないかと思います。したがって、砂糖の効用についての正しい、適切なPR活動とともに、砂糖需要拡大につながる総合的な対策というものを私からも強く要望しておきたいと思います。 ということで、次に質問を進めまして、今度の法改正によれば、糖価安定資金千七百七十億円を財源として輸入糖調整金の三年間の時限的な引き下げを行うとともに、精製糖企業、国内産糖企業の再編合理化対策、甘味資源作物生産コストの削減対策などを講ずることにより、国内糖価、砂糖価格を引き下げ、砂糖需要の維持拡大を図ろうとするものであります。 また、それに加えまして、関税をゼロにするなどその他の施策、努力を通じて、当面二十円の砂糖価格の引き下げを目指すわけでありますけれども、輸入糖調整金を三カ年にわたってキログラム当たり十円の引き下げ見合い分約七百億から八百億円と見られているようでありますが、これを使用することによって国内糖価はその期間内にその幅で引き下げは可能であると思うわけでありますけれども、しかし、この三年間が経過した後の財源というのはどういうふうなものになるか、お尋ねしたいと思います。
○福島政府参考人 今先生の御発言にありましたように、砂糖の価格を引き下げるために現行の糖価安定資金を引き継ぎます砂糖生産振興資金を財源といたしまして、三年間輸入糖の調整金をキログラム当たり十円引き下げることとしているわけでございます。 四年目以降は法律の本則どおりに算定されるわけでございまして、輸入糖の調整金は国内産糖合理化目標価格を下回る部分の国内産糖の支持に必要な金額を賄うことになるわけでございます。 具体的に、では、その段階での砂糖の価格水準はどうかということでございますが、先ほど先生の御質問にもありましたように、粗糖関税の撤廃や、今申し上げました輸入糖の調整金の引き下げによりまして、砂糖の価格を一挙にキログラム当たり二十円程度引き下げることになりますので、相当程度の粗糖の需要拡大が見込まれるということ、また、砂糖の生産振興資金を活用した企業合理化対策によりまして、三年のうちには相当程度精製糖企業や国内産糖企業の合理化が進むというふうに考えられることから、三年間の経過後におきましては、国際糖価等の状況が現状と同程度とすれば、キログラム当たり二十円程度下がった価格での砂糖の供給が可能というふうに考えているわけでございます。
○菊地委員 今度の法改正は糖価安定資金を精製糖、国産糖企業の再編合理化にも使えるようにしようとするものでありますが、そのことで製造コストを下げ、そのことが消費者、国民に安く砂糖を提供できるということであります。しかしながら、この企業の再編合理化を進めるということは、工場の統廃合あるいは共同生産化、集中生産を図ることであり、こうした動きが出てくれば製糖工場が幾つか不要になるわけで、廃棄工場となる地域の地域経済に与える影響や糖業労働者の雇用問題も当然引き起こされるわけでございます。 労働者の首切りにつながりかねない内容に糖価安定資金を使うということは、本来の目的から見ていかがかということもありますが、他の委員も指摘されましたけれども、既にこうした動きを踏まえて、ことしに入ってから二件、製糖工場の共同生産化の動きが新聞で発表されているわけでございます。こうした動きはコスト競争をあおる結果となることから、今後さらに加速されると言われております。 糖価安定資金を企業の再編合理化に使うのであれば、地域経済に及ぼす影響に十分配慮する、また、退職者不補充で対処するなどのソフトランディングに最重点を置くなど雇用問題には万全を期す、そういった強い行政指導が必要であると考えるわけでありますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
○福島政府参考人 製糖企業におきまして、価格引き下げによります砂糖の価格競争力の強化と需要の維持、拡大を図っていくために、共同生産会社の導入等の合理化を初めといたしまして、製造販売経費の削減を進める必要があるわけでございます。 国といたしましても、産業活力再生特別措置法の活用や砂糖生産振興資金を通じまして、こうした業界の主体的な取り組みを支援してまいりたいというふうに考えているわけでございます。その際、そうした製糖企業の合理化は、各企業の自主的判断を基本といたしまして、また、労使協議を十分尽くして進められるものというふうに考えておりまして、国の支援に当たりましても適切に配慮して対応してまいりたいというふうに考えております。 特に、産業活力再生特別措置法などにおきましては、いわゆる新商品あるいは新分野への進出等もあるわけでございますので、そうした点も踏まえながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○菊地委員 製糖工場の統廃合問題は地域経済にも大きな影響を与えるものでありますから、地元の関係者、労働者、経営者など、関係者の合意形成が極めて重要であります。雇用の問題につきましても、行政としても当然責任を持つ。労使間の問題であると先ほど御答弁があったわけでありますけれども、そういう逃げ腰になってはいけないのでありまして、企業に対しても雇用確保の強い行政的指導を行うべきであると思います。関係者の合意形成が重要であるという点について、このことを強く重ねて要望しておきたいと思うわけであります。 そこで、質問を次に進めます。一連の価格政策の見直しで、糖価におきましても、輸入糖と国内産糖との価格調整を行う仕組みを維持しつつではありますが、国内糖価引き下げの制約となっている安定上下限価格制度を廃止しようとしているわけでありますけれども、国内糖価を下げるという意味では評価するにしても、法案の名称が価格安定法から砂糖の価格調整に関する法律と改められることに象徴されるように、価格を安定させるという役割から見て、安定上下限価格制度を廃止することに問題はないか、御見解をお伺いしたいと思います。
○福島政府参考人 先生御案内のように、現行制度は国際糖価が著しく暴騰、暴落を繰り返すということを前提にしているわけでございまして、その際に、輸入糖の価格を適正な水準に安定させるための指標といたしまして安定上下限価格を定めているところでございます。 しかしながら、近年、国際的に見まして、砂糖の在庫が五割にも達するなど、国際的に砂糖需給が大幅に緩和しているということ、また、異性化糖といった砂糖代替品の製品化などによりまして、国際糖価が暴騰、暴落を繰り返すという事態は想定されなくなってきているわけでございます。一方、安定下限価格の方は、国際糖価が低位で推移する中で国内の糖価の引き下げの制約になっているという事情もあるわけでございます。 そうしたことから、今回、安定上下限価格制度を廃止するというふうにしているわけでございます。仮に、万一輸入糖価格が著しく高騰した場合には、糖価安定資金を引き継ぎます砂糖生産振興資金の使途といたしまして価格引き下げ対策が講じられるように、今回手当てをしているところでございます。
○菊地委員 最後に大臣にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。 砂糖政策は、甘味資源作物生産の振興という農業政策の面と、国産糖企業や精製糖企業に対する産業政策の面と、消費者や食品産業への安定供給という消費者政策の面と、三つの大きな側面があるわけであります。その上に、労働者の雇用や生活の面、地域経済の面も忘れてはならない重要な側面であります。 どのような考えのもとに砂糖政策を行うおつもりなのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○玉沢国務大臣 砂糖政策は、北海道、鹿児島県、南西諸島及び沖縄県における基幹作物であります甘味資源作物の生産にかかわりますとともに、国産糖企業、精製糖企業等の産業政策、さらには、合理的な価格で安定的に砂糖を供給するという消費者政策にかかわっております。 こうした砂糖政策の推進に当たりましては、甘味資源作物が地域農業に占める役割及び国産糖企業が地域経済に占める役割に十分配慮しますとともに、消費者に対して砂糖の価格の引き下げと砂糖の安定供給の確保を図るほか、国産糖企業及び精製糖企業の合理化につきましては、企業の自主的判断を基本としまして労使協議を十分に尽くして進められるものであると考えておりますが、国産糖企業や精製糖企業に働く労働者の雇用、生活の面にも十分配慮して進めてまいりたいと考えております。
○菊地委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○松岡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○松岡委員長 この際、先刻質疑を終局いたしております加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。中林よし子君。
○中林委員 私は、日本共産党を代表して、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案に反対の立場で討論を行います。 本法案は、加工原料乳の不足払い制度と指定乳製品の価格安定制度という価格支持の制度を廃止し、加工原料乳と指定乳製品の価格を市場原理にゆだねるものです。両制度とも、不十分とはいえ、生乳再生産の確保や酪農経営の安定、乳製品の価格安定などに一定の役割を果たしています。価格支持制度を廃止することは、危機にある酪農にさらに打撃を与え、法律の目的である「酪農及びその関連産業の健全な発達を促進し、あわせて国民の食生活の改善に資すること」とは相入れないものとなることは明らかであります。 一方、加工原料乳の保証価格は、最高時の一キロ九十円七銭から、今年度は一キロ七十二円十三銭となり、二十五年前の水準です。 規模拡大と乳価の下落によって、酪農家の負債額は全国平均で千四百万円、北海道は三千百四十万円まで増加し、経営不振と将来展望をなくしての離農が後を絶たず、一九九一年には六十万戸あった酪農家が九九年度には三万五千戸まで激減しています。 このような現状を見れば、価格支持制度を廃止し、加工原料乳と指定乳製品の価格を市場原理にゆだねるのではなく、本当に再生産が確保できる価格支持制度の充実こそ求められているということを申し述べ、反対討論といたします。
○松岡委員長 これにて本案に対する討論は終局いたしました。 —————————————
○松岡委員長 これより採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○松岡委員長 この際、本案に対し、松下忠洋君外五名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。加藤六月君。
○加藤(六)委員 私は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合を代表して、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、牛乳・乳製品の自給率の向上と我が国の酪農・乳業の健全で持続的な発展に万全を期すべきである。 記 一 新たな生産者補給金制度の運用に当たっては、生産者の努力が報われ、意欲とゆとりを持って再生産に取り組めるよう、その経営の安定と所得の確保に十分配慮すること。 二 加工原料乳の販売価格の低落がその生産者の経営に及ぼす影響を緩和する措置の導入に当たっては、生産者の所得の変動の緩和に資するよう、その仕組みと運用に十分配慮するとともに、適宜必要な見直し・改善を図ること。 三 農畜産業振興事業団による外国産乳製品の輸入・放出及び乳業者等が行う調整保管については、国内における乳製品の需給の安定を図る観点から、客観的かつ適切に行われるよう措置すること。 四 生乳の需給及び価格の安定を図るため、生産者団体の自主的な取組みによる需要に応じた計画生産のより効果的な実施を支援するとともに、全国レベルでの需給調整システムの確立や各ブロック内での需給調整体制の整備と価格交渉の条件整備が図られるよう指定生乳生産者団体の広域化の推進及び機能の強化を図ること。 五 乳製品取引及び加工原料乳等の生乳取引について、透明性の高い公正かつ適正な価格形成を推進すること。 六 効率的な乳業の確立と良質で安全な牛乳・乳製品の安定供給の確保を図るため、地域の実態に配慮しつつ乳業の再編・合理化を推進するとともに、生産から消費に至る各段階における衛生・品質管理対策の徹底・充実を図ること。 七 牛乳・乳製品の有する優れた機能や商品に関する情報を的確に消費者に提供するとともに、牛乳類の表示の適正化を推進し、国産牛乳・乳製品の消費の一層の拡大を図ること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○松岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松岡委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣玉沢徳一郎君。
○玉沢国務大臣 ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。 —————————————
○松岡委員長 次に、砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入ります。討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、日本共産党を代表して、砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。 反対の理由の第一は、本法案が、砂糖価格を引き下げるために、国産糖価格の決定に市場原理を持ち込み、価格支持制度を解消することです。 今回の改正に伴い、国産糖に入札制度が導入されるとともに、最低生産者価格の算定は国産糖価格や生産コストの変動率が反映されることになります。これは、国産糖の入札価格の下落、生産コストの低減に合わせて生産者価格が下がり、てん菜、サトウキビ生産の維持を困難にするものであります。 また、事業団売買の廃止、定額助成への変更は、これまでの国産糖企業の経営を支えてきた価格支持制度を解消するもので、国産糖企業の手取りが段階的に下落していくことは避けられず、それが現在でも非常に厳しい経営を迫られている国産糖企業を窮地に追いやることは明らかであります。 甘味資源作物であるてん菜は、北海道の畑作経営の安定と輪作体系の維持のために欠かすことのできない基幹作物です。サトウキビもまた、台風、干ばつの常襲地帯である沖縄県及び鹿児島県南西諸島地域において唯一安定した収穫が期待できる作物であり、それを加工する国産糖企業とともに、地域経済に極めて重要な役割を持っています。その生産を保障してきた価格支持制度の解消は、地域の農業と地域経済に重大な打撃を与えるものと言わざるを得ません。 第二に、糖価安定資金を廃止し、それを財源に砂糖価格を引き下げることです。 これにより砂糖の需要拡大を図るとしていますが、加糖調製品の輸入を野放しにしたままで、その保障はありません。また、輸入調整金の時限的引き下げは、粗糖関税の撤廃とあわせ輸入糖価を引き下げることになり、国産糖の入札価格の引き下げ材料となることは明らかであり、最低生産者価格の引き下げ、国産糖企業の経営圧迫につながるものです。 最後に、改正案が砂糖価格引き下げのため精製糖企業の再編合理化を推進することです。 製糖業界では既に生産統合、工場閉鎖の動きが始まっており、この動きが加速されれば、地域の雇用問題を引き起こすことになりかねません。 以上、反対の理由を述べて、討論といたします。
○松岡委員長 これにて本案に対する討論は終局いたしました。 —————————————
○松岡委員長 これより採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○松岡委員長 この際、本案に対し、松下忠洋君外五名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。菊地董君。
○菊地委員 私は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合を代表して、砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 砂糖の価格安定等に関する法律及び農畜産業振興事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、砂糖需要の維持・増大、甘味資源作物の生産の振興と砂糖の自給率の向上、農業所得の確保に万全を期すべきである。 記 一 新たな最低生産者価格制度の運用に当たっては、農業者が意欲を持って生産に取り組めるよう、甘味資源作物の地域農業の振興に果たす役割を踏まえ、生産の実態等を勘案し、農業者の所得と再生産が確保されるよう、十分配慮すること。 二 国内産糖に対する交付金については、国産糖企業の経営安定が図られる助成水準を確保すること。 三 国内産糖について入札の仕組みを導入するに当たっては、需給事情、品質等を適切に反映し、透明かつ適正な価格形成が図られるよう、制度の円滑な運営を確保すること。 四 砂糖の価格競争力の強化と需要の維持・増大が図られるよう、国内糖価の引下げ目標の達成に向け、制度の適確な運用と併せ、甘味資源作物生産者、国産糖企業、精製糖企業等の協同した取組を支援すること。 五 国産糖企業・精製糖企業の再編に当たっては、国民に対する砂糖の安定的供給及び地域経済におけるその役割に十分配慮し、関係各位の合意を図るとともに、糖業労働者の雇用と労働条件の安定に万全を期すこと。 六 望ましい食料消費の実現に向け、砂糖の摂取に係る誤解を払拭するとともに、砂糖の効用に係る消費者の理解を広め、その消費拡大に積極的に取り組むこと。また、砂糖の需要拡大を図るため、加糖調製品対策に取り組むこと。 七 甘味資源作物の生産振興を図るため、高糖分・良品質・安定収量品種の開発、病虫害対策及び機械化等による省力化対策等の促進を図ること。 また、砂糖生産振興資金の活用に当たっては、こうした生産振興対策の強化に資するよう十分配慮すること。 八 品目別の価格政策の見直し状況、経営安定措置の実施状況等を勘案しつつ、意欲ある担い手の経営全体を捉え、農業収入又は所得の変動を緩和する経営安定措置の導入について早急に検討すること。 九 WTO農業交渉に当たっては、甘味資源作物生産の振興を図る環境を整備する観点からも、食料安全保障、多面的機能の発揮等についての我が国の主張を堅持すること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○松岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松岡委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣玉沢徳一郎君。
○玉沢国務大臣 ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。 —————————————
○松岡委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○松岡委員長 次回は、明十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四分散会