農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/02/24
会議録
○松岡委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産大臣官房長竹中美晴君及び農林水産省畜産局長樋口久俊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、会計検査院事務総局第四局長渡辺孝至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○松岡委員長 農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
○松下委員 おはようございます。自由民主党の松下忠洋でございます。自由民主党の農林部会長もしておりますので、そういう立場も含めて、農林水産大臣に所信表明を受けての御質問をさせていただくことにいたします。よろしくお願いをいたします。 けさも、自由民主党は、八時から食料自給率の問題を一時間半ほど議論をしてこちらに参りました。新しくつくりました、いわゆる新農業基本法、それに基づくそれぞれの政策の策定に向けて必要な作業を現在進めております。この中で、国内農業生産及び食料消費に関する指針として、食料自給率目標を定めること、こうなっておりました。これは国会にも諮るということになっております。 申し上げるまでもありませんけれども、我が国の食料自給率は主要先進国の中で極めて低い水準であります。また、中長期的には、世界の食料需給が逼迫する可能性もあるという中で、国民は我が国の将来の食料事情に不安を抱いているわけであります。こうした中で、国民に対してわかりやすい指標である食料自給率目標を示すことは極めて大切だし、また必要なことだ、こう思っております。 そこで、この食料自給率目標をどのような考えに基づいて策定しようとしておられるのか、党の方でも議論をしておりますけれども、改めて大臣のお考えをお聞きしたい。お願いいたします。
○玉沢国務大臣 食料自給率の目標につきましては、現在、食料・農業・農村政策審議会において御検討をいただいておりまして、本年度中に政府として策定をし国会にも御報告する、こういうことになっております。 自給率の目標につきましては、前提なしに、単に何%という数字を挙げるのではなくして、生産、消費、両面での課題を明らかにし、それらの課題に向けまして、国はもとより、農業者、食品産業事業者、消費者等が一体となって努力する結果、達成されるものとして策定されるべき数値であり、現在そのための具体的な作業を進めてまいりたいと考えておるところであります。 いずれにしましても、食料自給率の向上を目指して取り組み、国民に対する食料の安定供給を確保することは極めて重要な課題でありますので、実現可能な範囲で、できるだけ高い目標とすることを目指しつつ、生産、消費、両面における課題を十分踏まえて検討してまいる考えであります。
○松下委員 今、大臣の基本的な考え方をお聞きいたしましたけれども、食料自給率向上ということで、食料・農業・農村基本法にもうたわれておりますけれども、これは消費者と一体になって、国民総ぐるみで取り組んでいかないと、農業生産サイドだけでの政策では進んでいかないというふうに考えております。これは、自由民主党の農林部会、松岡委員長が小委員長をしておられます、農業基本問題の委員会で議論しておりますけれども、あらゆる政策はやはり農家の所得確保が大切だというふうに我々は認識をしておりますし、そういう視点で農業政策を進めていかなきゃいけません。また、食料自給率の向上という面での、水田あるいは畑、こういった農耕地の再配分等も行われるわけでございますけれども、その点でのきめ細かな政策を実現していくことが大事だ、こういうふうに考えております。 そこで、二つお伺いいたします。 まず、生産対策でございますけれども、食料自給率の向上を図るために、現在、自給率の低い品目であります麦、大豆、そして飼料作物等の生産を振興していくことがどうしても必要だと考えております。そのための水田や畑作の転換でありますとか、農地の作付配分を転換していくということもこれから考えていかなきゃいかぬというふうに思うわけでありますけれども、農林水産省は、昨年、水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱を取りまとめました。それによって、水田における麦、大豆、飼料作物の本格的生産の推進を図るとしております。これらの作物の生産振興は、もとより農業者の理解と協力が必要欠くべからざることであります。 そこで、水田を中心とした土地利用型農業活性化対策を、どのようなふうに推進しようとしておられるのか、総括政務次官にお伺いをいたします。
○谷津政務次官 水田を中心とした土地利用型農業活性化対策は、需要に応じた米の計画的生産と、自給率の低い麦、大豆、飼料作物等の本格的生産を推進するための五カ年間の対策であります。本対策の実効ある取り組みを進めるためには、農業者を初めとする現場の関係者の十分な理解が不可欠であると考えております。 このため、昨年十二月の十七日に農林水産大臣を先頭とした水田農業経営確立運動を発足させ、市町村、都道府県、全国の各段階で、行政、研究機関、普及組織、生産者団体、実需者団体等から成る推進体制を整備するなど、対策の普及、浸透を図っているところであります。 特に、現在は今年の営農計画の策定等の重要な時期であり、本運動を集中的に実施することといたしまして、農林水産省の職員、これは課長級を直接現場に派遣するいわゆるキャラバン派遣をして本対策の趣旨の徹底を図り、また、先進的な取り組み事例の提供等を通じて地域の水田農業振興計画策定の促進を図るとともに、ブロック単位ごとに、水田農業経営のあり方に関するシンポジウムを生産者団体とともに開催しまして、地域全体としての本対策の取り組みの推進に努めているところでもございます。 今後とも、あらゆる機会をとらえまして、生産現場への周知徹底や地域の取り組みへの支援に努め、農業者の理解と協力を得ながら、新しい対策を着実に推進していきたいと思っております。
○松下委員 現在の、置かれている水田を新しい政策に合わせたような形である面ではつくりかえていかなきゃいけないということもあるわけですから、これは、一たん決めた政策が途中で変更することがないような緻密な推進策が必要だというふうに考えます。 消費対策についてお伺いいたしますけれども、一方では生産者の努力にもよるところがあるわけですけれども、消費者に対する警告もある面では必要だというふうに考えております。 現在の食生活は油のとり過ぎだ、栄養バランスが崩れている、また一方では、食べ残しや物を捨てるといったむだの問題、これが極めて表面化してきているということで、健全な食生活を送っているとは言えない状況にあると考えます。 こうした状況の中で、国民に対して警笛を鳴らす、あるいは健全な食生活に対する理解を深めていくということがどうしても必要であると考えます。党の方でもいろいろなキャンペーン活動もしておりますけれども、農林水産省として、関係省庁と連携して、厚生省等も含めて、健全な食生活に関する指針の策定に向けて取り組んでいる、努力していると聞いていますけれども、この食生活指針の検討状況について、総括政務次官にお伺いしたい。 その中で、けさも議論になりましたけれども、健全な食生活を国民に指針として示していくという中で、油のとり過ぎということが言われました。そうすると、きょうの農林省の話にもありましたけれども、畜産産業の分野において、国内畜産産業に重大な影響を及ぼすというような表現をしておりましたけれども、これはそういうことだけで終わらせてはいけないと思っているわけであります。食肉の輸入についていいますれば、牛肉は、海外からの輸入が日本の国内生産の倍以上あるわけですから、そういうものを減らしていきながら、国内の生産は増大させていくという農業基本法の本来の趣旨に沿ったやり方が必要になってくるわけです。油のとり過ぎだから、それがすぐ国内の畜産業に重大な影響を及ぼして、そちらの方に大きな打撃を与えていくということにならないようにしなければいかぬということですから、そういうことも含めて、総括政務次官にお聞かせいただきたい。
○谷津政務次官 現在の我が国の食生活の状況を見ますと、食料の相当部分を海外に依存する中で、先生の御指摘のとおり、脂質の摂取割合が適正範囲を上回る世代が見られるなど、栄養バランスが崩れておりまして、食べ残しや食品の廃棄などの資源の浪費などの諸問題が顕在化していると思います。 このような食生活の状況を踏まえまして、食料・農業・農村基本法においては、食料消費の改善及び農業資源の有効利用に資する観点から、健全な食生活に関する指針の策定、食料の消費に関する知識の普及や情報提供等の推進などの施策の基本的な方向が明らかにされているところであります。 これを受けて、農林水産省といたしましては、昨年九月に食生活指針検討委員会を設置いたしまして、厚生省や文部省とも連携しつつ、健康で活動的な長寿社会の実現を図るため、食生活の見直し、改善を促すことを内容とした健全な食生活に関する指針を検討しているところであります。これまで四回検討委員会を開催しておりまして、三月までに、厚生省とともに、健全な食生活に関する指針を策定することとしております。 今先生が御指摘のように、脂質のとり過ぎということから、これをバランスよくするために、国内の畜産物、畜産の方に影響を与えるということがあってはならぬと私は思うのです。やはりそういう面では、これからの食生活を健全な方向に持っていく一つの指針と同時に、国内の自給率を今上げようとしているわけでありますから、そういう点を十分に踏まえながら輸入とのバランスも考えていかなきゃならぬというふうに思っているところであります。
○松下委員 厚生省が健康21という指針を今取りまとめているわけでありますけれども、我々もそれに重大な関心を持ちながらいろいろ意見を申し上げているわけです。その中で十分、食生活についてもきちっとした連携をとってもらいたい、これをお願いいたします。 それから、循環型社会の構築に向けた取り組みについてお伺いをいたします。 循環型社会基本法というものを今検討しております。そういう中で、先ほども申し上げましたけれども、現在の食生活においては、家庭内のみならず、レストラン等の外食産業から非常に大量の食品廃棄物が出ておりまして、資源の有効利用という点から、極めて大きな問題になっております。特に、一般廃棄物の約三割が食品廃棄物だと言われておりまして、この対策は、循環型社会を構築する上で極めて重要であります。 我が国の食品廃棄物対策をどのように講じていくお考えなのか。今自由民主党の中でも、議員連盟の中で、農林部会と連携をとりながらこの問題を真剣に議論して、法案化しようという努力をしておりますけれども、総括政務次官、これについての取り組みをどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたい。
○谷津政務次官 事業系の一般廃棄物と産業廃棄物の合計が年間で約一千万トンというふうに言われておりますが、先生の御指摘のとおり、食品廃棄物が一般廃棄物の約三割を占めておるのが実態であります。再資源化が進んでおりませんで、そのリサイクルの推進のための具体的な方策を検討することが強く要請されているところであります。 この問題は、循環型社会を構築する上で極めて重要であるとともに、食品産業にとっても重要な課題であることから、農林水産省といたしましては、食品産業によるリサイクルの取り組みを助長するための各種施策を講じているところであります。特に現在、飼料や肥料等へのリサイクルを念頭に置いた新たなシステムの構築について、法制度を含めまして、幅広い角度から検討を行っているところであります。
○松下委員 この循環型社会の構築に当たって、農林水産省、そして我々も取り組んでいかなければいけないことはやはり家畜ふん尿処理対策、これは極めて大事だと考えております。 これは、我が自由民主党の中でも相当議論をしながらいろいろ法案の努力をしてまいりましたけれども、昨年、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律ということで、野積みを撲滅する、そしてまた、屋根つきの、あるいは適正な管理をしていく、素掘りもやめていくという目標をつくっていきましたけれども、本法の制定によりまして、このふん尿処理対策はどのようなふうに進捗しているのか。あわせて、この循環型社会の構築の中でどのようにこれを巻き込みながら耕種農家に返していく、あるいは別途の利用を考えていくというふうにしておられるのか、それについてのお考えを、総括政務次官、お願いします。
○谷津政務次官 平成十一年の通常国会で家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律が成立をいたしまして、同年十一月一日から施行されております。 施行後三カ月が経過したところでありますけれども、現在、都道府県において、国の基本方針に即し、今後五年間の施設整備の目標や畜産と耕種の連携による堆肥の利用促進等を内容とする計画を策定中でありまして、国としても、施設整備の目標については、本年度内にその内容を把握することとしております。 平成十二年度におきましては、都道府県計画に基づいた施設の計画的な整備や堆肥の円滑な流通を図るため、畜産環境対策予算の充実を図るほか、補助つきリース事業、融資、税制等、地域の実情に合った支援措置を講ずることとしておるところであります。 今後、こうした農業生産面からの取り組みの強化を図ることによりまして、循環型社会の構築が図られるよう努めてまいりますので、先生の御指導もよろしくお願いいたします。
○松下委員 二分の一のリース事業も含めて、いろいろなメニューが出ておりますので、これを一層推進して、循環型社会の大きな柱を構築していくように努力してもらいたい、これをお願いいたします。 林業、水産業政策についてお伺いいたします。 ダイナミズムが足りない、こう考えております。躍動感あふれる政策をつくって、そして、隅々までこの政策が行き渡って、それぞれの生産に携わる人たちの活力を引き出していくことが大事だ、こう考えておりますけれども、そういうところのダイナミックな運動が足りないんじゃないかという気がしております。 今上天皇がこういう御歌、歌をつくっておられますけれども、森林に関する歌です。 いにしへの人も守り来し日の本の森の栄えを共に願はむ これはそのとおりだと考えます。この「森の栄えを共に願はむ」という気持ちを実現させるための政策が林業政策の中であるのかということをきちっと点検、検証する必要があると考えております。 特に、新農業基本法をつくり上げました。それによって、今それぞれの農業政策の大転換を図りながら、政策を見直し、そして予算の配分も見直していこうというふうにしておるわけでございまして、これは、今党の方でも、松岡委員長を中心にして議論をしております。同じように、林業においても、そしてまた水産業においても、思い切った、将来を展望した基本法をつくっていかなければいけないんじゃないか、こう考えます。 林業基本法についても、四十年前の状況であります。その状況をもとにして、四十年間林業を進めてきた。四十年たって、森林・林業を取り巻く環境はがらりと百八十度転換してきておりますから、これは一刻も早くつくり上げていかなきゃいかぬ、こう考えておりますし、それを裏づけとして、現在の森林や林業、木材産業に対する予算の配分は適正に行われておるのかどうか、規制のいろいろなしがらみの中から脱皮できないで、新しい政策を打ち出せないんじゃないかという気持ちも持っておりますから、そこのところの思い切った転換も図りながらやっていく必要があると考えております。 あわせて、水産業についても、同じように基本法をつくり、大臣があした中国に行かれますけれども、漁業の問題の本当の前進を図るためにも、根本のところをつくり上げなきゃいかぬ。 ダイナミズムが林業、水産業には必要だと考えておりますけれども、この辺についての基本的なお考え、これを大臣にお伺いしたい。
○玉沢国務大臣 まず、林野の基本政策の見直しにつきましては、昨年七月、森林・林業・木材産業基本政策検討会の報告を踏まえまして、その基本的な考え方を、木材生産を主体としたものから森林の多様な機能を持続的に発揮することを主体としたものに転換する、そういう方向で具体的に検討を急いでいるところであります。 今後、幅広く国民の皆さんの声を聞きまして、平成十二年中をめどに政策大綱を取りまとめ、関連する主要な法案等は平成十三年の国会に向けましてさらに検討を進めてまいりたい、このように考えておるところであります。 また、水産基本政策でございますけれども、法制的な整備は、平成十三年の通常国会に向けまして基本法を取りまとめる、こういう方向で検討いたしておるわけでございます。 水産政策のあり方につきましては、国民生活に密着した課題でありますから、現在、漁業関係者はもとより、消費者も対象としまして、全国各地で政策大綱の内容についての現地説明会を開催しているところであります。水産基本法案の取りまとめを含め、水産政策の改革が国民全体の十分な理解のもとに円滑に行われますよう万全を期する考えであります。
○松下委員 農林水産業全体のダイナミックな動きを推進するためにも、新しい農業基本法とあわせて、この二つの基本法も早急に取り組んでつくり上げて、一体として回転していくような仕組みをぜひつくっていただきたい、そのようにお願いいたします。 次は、日中漁業交渉についてお伺いをいたします。 今北京で、長官、局長級レベルで会談を行っております。もう長い間この議論もしてまいりました。署名から二年以上がたっているにもかかわらず、いまだに合意が得られておりません。自由民主党としても、このような状況を重く受けとめて、昨年十一月に、野中幹事長代理、そして太田水産部会長が訪中いたしまして、早期発効に向け要請を行ってきたところであります。 大臣におかれましても、今週末から、あすでしょうか、中国に出向いて交渉に臨むと聞いております。日中中間線では、海洋資源、そして油田の開発の問題も絡む重要な国際間の問題が出てきておりまして、日本の主張をきちっと貫いていただきたいというふうに考えておりますけれども、この交渉に臨む大臣の決意をお伺いしたい。
○玉沢国務大臣 委員御指摘のとおり、日中漁業協定につきましては、協定署名後二年以上過ぎても発効していないという異常な状態が続いております。この打開のために、私は、就任以来、中国側に対しましても再三、交渉を行うべく呼びかけてまいったところでございますが、局長、長官クラスの交渉は既に二回以上行われておるわけでございまして、これ以上はどうしても、打開のためには閣僚レベルで行うことが必要である、こういうふうに考えまして、国会のお許しをいただきましたならば、明日から参りまして、土日をかけて中国側の農業部長と交渉をいたしまして、何としても条約発効ができるような状態になるように全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○松下委員 カウンターパートの陳農業部長、私、昨年五月にも会談して、食事もしてまいりましたけれども、なかなか手ごわい相手ですから、しっかりと対応していただきたいとお願いをいたします。 最後でございますけれども、農林水産政策全般について大臣に決意をお伺いいたします。 一つは、前回の委員会のときもお尋ねいたしましたけれども、WTO対策、これについて、シアトル以降どのような努力をされ、そしてまた、今後どのような展望を持ってやっていかれるか、これをまず大臣にお伺いしたい、これが一つです。 それからもう一つは、いよいよ来年の一月から中央省庁再編に従いまして新しい仕組みで農林水産業を推進していくことになります。そういう新しい器、そこに人を入れて仕事をしていくわけですけれども、抜本的な改革の中でめり張りのついた予算をつくり、めり張りのついた人事をして、活性化した新しい農林水産業に取り組んでいかなければいけない、このように考えております。 新しい体制のもとで、どのような政策を推進し、どのように職員を叱咤激励してやっていかれようとしておられるのか、ここのところをひとつきちっとお聞かせいただきたい。 もう一つは、今懸案になっております、これは非常に大事なことですけれども、農業者年金。いろいろな議論を党でもしてまいりましたけれども、これは今重大な局面に立ち至っております。ぜひ、新しい農業基本法のもとで、農業を継続してやっていこう、また、新しく農業に取り組んでいこうとする人たちが減っていかないように、この農業者年金の中に、よし入っていこう、農業をやるんだというような仕組みをつくり上げていくということが、最初に申しましたけれども、農業者の所得を全体として確保していく、農業者の生涯の所得を確保していくという観点からも、視点を変えてこの農業者の不安を取り除く、新しい後継者がきちっと入ってきて、農業を継続していくような仕組みにしていくということを、どうしても我々はしていかなければいかぬと考えておるんですけれども、このことについて、三点、大臣にお伺いしたい。お願いいたします。
○玉沢国務大臣 まず、WTOの交渉でございますが、シアトルの閣僚会議が延期をされたわけでございますが、農業交渉におきましては、農業協定第二十条によりまして、先行して行われるということになりまして、三月の二十四、二十五にジュネーブの一般理事会の農業委員会、これが前後しまして開催をされまして、その前後に、今後の方向等についての交渉をどうするかという観点から会議が開かれることになっておるわけであります。 そういう中におきまして、今後三年間を交渉期間とするわけでございますけれども、何としましても、我が国は、従来から申し上げておりますように、農業と工業との貿易は同一ではない、そういう観点、あるいは農業の多面的機能、各国の農業の特質を十分相互理解をした上で、共存できるような貿易ルールを確立をする、こうした目的を達成するために、できるだけ多くの国々の理解を求めてこの交渉を進めていくということが大事だと思いますので、その方向に向けて全力を尽くしていきたいと考えております。 組織の改革につきましても、新しい時代に対応した農林水産省の確立を図る、こういう観点から努力をしてまいりたいと存じます。 また、所得の向上につきましても、食料・農業・農村基本法の趣旨に基づきまして、意欲を持って取り組む農業者の努力が報いられるような農業政策を進めまして、御期待にこたえることができますように、万全を期して努力をしていきたい、このように考えております。
○松下委員 これで終わりますけれども、農業者年金の問題は極めて重要ですから、そこは、政務次官、十分この点については政務次官もきちっと中心になって議論をされてこられたわけですから、後継者がきちっと入ってこれる、そういうような仕組みにつくり上げていくということで努力していただきたい、そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○松岡委員長 次に、小平忠正君。
○小平委員 おはようございます。民主党の小平であります。 きょうは、先般の大臣の所信表明を受けましての質疑ということで、私から、大臣の所信表明に沿って、基本的な問題を含めて質問をしたいと思います。 まず最初に、私は、ここ数年間、農業を取り巻く環境、これらを振り返ってみますと、非常に激動のさなかに今あると思います。特に、外交的にはウルグアイ・ラウンドという大きなところがありましたが、国内においても、新食糧法という、米を中心にしたものを市場経済に投げ出す、そういう大きな変化のもとに、そして、いよいよ懸案の新しい基本法が、昨年の通常国会で一部修正をして成立をいたしました。それを受けて、政府のいわゆる基本大綱、ことしは個別法に入っていく、そういう状況にあります。 別に、西暦二〇〇〇年、数字がそろったわけでもありませんけれども、この二十世紀の最後の年に、農業、林業、水産業を含めてでありますが、この方向が正しく決まっていくならば二十一世紀の農林水産業は展望が開ける、私はこのように期待いたしております。したがって、大事な一年になっていくと思いますので、ひとつその点、御健闘を心から期待申し上げます。 それでは、大臣の所信に沿って質問させていただきますが、大臣は、所信の中で、平成十二年度における施策をいろいろと述べられましたが、その冒頭に食料の安定供給の確保に関する施策を掲げ、これによりますと、昨年十月末に取りまとめた水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱、これに基づき、我が国農業の基幹である水田農業の活性化と食料自給率の向上を図る観点から、従来の米の生産調整対策を抜本的に見直しをし、需要に応じて米の計画的生産を推進するとともに、水田における麦、大豆、飼料作物等を積極的に生産することを柱とする総合的施策を講じてまいる、こう述べられております。 私は、これを拝見いたしまして、率直に申し上げまして、稲作に対するトーンが弱い、こういう印象を持ちました。言うまでもなく、米は我が国の基幹的作物中の基幹というべき作物であり、我が国の食文化の中核であります。米抜きでは我が国の農業の問題も語れない、こう認識すれば、もっと稲作に対して踏み込んだ所信があってしかるべきと考えますが、まずこの点について、基幹の米というものに対しての基本認識を、この際伺っておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 所信の中で、従来より印象が弱いというようなお話でございますが、決してそういう気持ちはございません。米は国民の主食である、こういう観点から申し上げておるわけでございまして、今後、消費者に適正な価格で安定的に供給していくため、米の需給と価格の安定を図ることが基本的に重要と考えております。 このため、過剰基調で推移している米の需給状況について、需要に応じた米の計画的生産の実施を通じて、需給バランスの回復を図るとともに、水田における麦、大豆、飼料作物等を積極的に振興していくということを主張したわけであります。 また、米の需給の安定を確保する上で、稲作経営の安定を図っていくことが重要でありまして、価格の下落の悪影響を緩和するための稲作経営安定対策を適切に実施する必要があると考えております。 以上のような基本的な方向のもとで、需要に応じた米の計画的生産の徹底、稲作経営安定対策の充実、麦、大豆等の振興策を内容とする大綱を取りまとめたのでありますが、これを積極的に推進をしていくということが一番大事なことであると考えております。
○小平委員 需給対策、それから稲作経営対策も含めて、今そういう抽象的な御答弁がありましたが、これについて、もう少し踏み込んでお伺いをしていきたいと思います。 まず、今指摘されました自給率、この目標における米の位置づけなのでありますが、現在、新農業基本法に基づいて、食料・農業・農村基本計画の策定作業が進行中であり、大臣は、今年度中に策定する、そういうお考えを述べられました。この中に定めている自給率の目標については、この向上を図ることを旨として定める、こう基本法にございます。これは、国内生産における努力の指針だけでなく、消費面の取り組みの指針としての意味もあるところであると思います。農業のみならず、国民の食生活にとって極めて重要なものであると私は考えております。 そこで、我が国の平成十年度の食料自給率はカロリーベースで四〇%、穀物ベースで二七%と、前年度よりそれぞれ一ポイント落ち込んでおります。この要因としては、米の消費が減少する一方、畜産物や油脂を含めて、ほかの消費が増加した、すなわち、食生活の変化が指摘をされているところであります。 しかし、平成十年度の食料自給率には低下幅を抑えるからくりがあったのではないか、このように思えるわけであります。それは、米の自給率の計算方式であります。私も、その資料を見ますと、国内生産量に国産米在庫取り崩し量を加え、これを国産供給量として国内消費仕向け量で割る、そういう方法に変更されているのであります。 従来の国内生産量を国内消費仕向け量で単純に割る方式では、九十六万三千ヘクタールという過去最大の生産調整によって米の自給率が急減し、全体のカロリーベースの自給率も、これでは三九%まで、いわゆる四〇%を切る数値になってしまうと思います。米の生産、消費におけるウエートの低下が全体の自給率の引き下げに大きな影響を与えているということは明らかであります。 つまり、私がここで言いたいことは、自給率を考えるにおいて、米というものは基幹に置かれている、中心であるということ、これは御承知でありましょうけれども、そのことを特に指摘をしたい。国内で唯一自給をできる米は、我が国、日本人の供給熱量の四分の一を占めておりますが、その消費量は平成十年度では、前年度よりも二・二%の減少をいたしております。 私は、自給率目標を設定するに当たっては、米の消費の減退に応じた生産調整面積の拡大という受動的な対応をとるのではなく、米についても生産、消費について積極的な見通しと能動的な対策を示すべきであると考えますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 委員のおっしゃられるとおり、米は自給できるものでありまして、国民の主食であります。その自給率が、自給率といいますか、全体としての自給率が下がってきた原因の中に、米の消費が減少しているのではないかという御指摘はそのとおりであると思います。 したがいまして、自給率を向上させ、同時に食料の安全保障を確保するという観点からいいますならば、地産地消という言葉もありますが、国内で十分できる主食である米を十分活用していくということが大事であると考えるわけであります。したがいまして、自然の傾向からいいますならば、消費の傾向が減少していく状況は決して好ましいものではないと考えるわけでありまして、国民の皆さんの御理解と、消費者の皆さんの御理解をいただきまして、米の消費拡大のために努力をしていくということが今一番大事なことである、このように考えております。
○小平委員 大臣の御発言に対し、一々確認なり、また反論すると、用意した質問ができませんので、きょうは入り口でありますので、私の方で準備をしましたことに沿ってお聞きをしていきたいと思います。自給率の問題、要はその設定の五〇%というものを我々は基本に置いておりますけれども、そこについては、政府も少しく見解が違うようでありますが、それは後日に譲るといたしまして、次の点は農家所得の問題であります。 これも同じく、大臣は所信の中で、価格政策と経営安定対策に触れて、「消費者ニーズに即した農業生産を推進するため、市場の評価や需給事情を適切に反映した価格が形成されるよう価格政策を見直すとともに、価格の著しい変動が担い手の経営に与える影響を緩和するための経営安定対策を講じて」まいりたい、このように述べられております。これは、別途これから提出をしてきます大豆なたね交付金暫定措置法改正案や、これからさらに提出をしようと予定されております加工原料乳生産者補給金等暫定措置法改正案、さらに糖価安定法改正案、これらを意識しての所信と思われますが、経営安定対策を講じることについては、米についても私は同様であると思います。 これも私の重ねての主張でありますが、特に気になるのは、農家所得の確保という文言が所信のどこを拝見しても見当たらないということであります。平成十年十二月、新基本法に先立って策定をされた農政改革大綱では、はっきりと価格政策の見直しに伴う所得確保、経営安定の実施、こうなっておりましたが、所信ではこの所得確保という文言が抜けております。新基本法の制定に先立って、平成四年に策定されたいわゆる新政策、これは名前だけになってしまいましたが、この新政策においても、農業を職業として選択し得る魅力あるものとするため云々、主たる従事者の一人当たりの生涯所得も地域の他産業従事者と遜色ない水準とすることを目標、こうされております。 大臣所信においても、はっきりとこれらの経緯を踏まえて、所得確保をうたい上げるべきだったと私は思いますが、これが欠落していることは、農林水産省の農業経営の安定と発展に向けた取り組みが一歩も二歩も後退した印象を与える、そう思います。今後の農業所得の確保について、所信ではありませんでしたけれども、大臣の、その目標、対策、これらについてのお考えをお聞きしておきます。
○玉沢国務大臣 平成四年に公表いたしました新政策におきましては、農業を職業として選択し得る魅力あるものとするという観点から、他産業並みの労働時間で、地域の他産業従事者と遜色ない生涯所得が得られる経営の姿を示したところでありますが、この基本的考え方は現時点でも変わってはおりません。 食料・農業・農村基本法におきまして、効率的かつ安定的な農業経営を広範に育成することを目指して、基本計画を決定する際におきましては、このような農業経営の姿を具体的に示すものとして、農業経営の展望をあわせて示すこととしているところでありまして、稲作農家の望ましい姿につきましても、経営規模や生産性、所得水準を含め、この中で明らかにしてまいる考えであります。 我が国稲作の体質強化を図る上では、望ましい経営の育成を図ることが重要であると考えまして、これまで、農地流動化対策による担い手の規模拡大や土地基盤の整備等を推進してきたところでありますが、今後は、このような取り組みに加え、農政改革大綱、水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱等に沿いまして、稲、麦、大豆体系や高収益部門を組み合わせた複合経営の導入、直播栽培等の低コスト化技術の導入による生産性の高い営農の展開、需給動向に即した良質米の生産、良質な国産米を安定的に供給するための産地の物流体制の整備等を重点的に推進することにより、稲作農業の健全な発展と意欲ある担い手の育成に努めてまいる考えであります。
○小平委員 大臣の意気込み、お考えはわかりますが、であるならば、ぜひこの所信表明にもそれを根っこに盛り込んでいただきたい、これが私の願いでありました。今のお考えを基本にしてさらに進めていっていただきたい、こう思います。 次に、稲作経営安定対策についてでありますが、やはり昨年の秋、米価についてのこの農林水産委員会でも私はこれを取り上げた経緯がありますが、稲作経営安定対策の運用については、活性化大綱によって、平成十二年産補てん基準価格の激変緩和措置が設けられました。これは、平成十一年産価格が低迷をしていることから、平成十一年産価格に補てん金を加味した水準を十一年産の価格とみなして、十二年産の補てん基準価格を算出することとしたものであります。これについては一定の効果はあると思います。 しかし、これが一年限りのものであれば農家は安心して営農計画を推進できない、こう質問したところ、大臣はこう答弁しておられる。「来年これをやるかどうかということにおきましては、まだ判断はできないと思いますし、とりあえず、やった処置は本年限りであるということを申し上げておきたい」、いかにも玉沢大臣らしい答弁でありますが、やはりその先のことについて触れていただきたかったが、そういう答弁でありました。 私は、米という主要食料においては、需給事情を反映しただけの価格では、米価が急落、低迷したときに農家経営を守り切れないのではないかということを、新食糧法に移行したときから指摘をし続けてまいりました。そういう中で、農水省の対応が農家の不安を助長している、こういうふうに思えるのであります。 我が国の稲作地帯、米の生産基地には、もう一工夫、経営安定に資する手だてが必要と考えますが、大臣のこれについての御見解をお聞きしておきます。
○玉沢国務大臣 稲作経営安定対策につきましては、最近の米の需給、価格をめぐる状況を踏まえ、臨時応急的措置として、十二年産米から改善を図ることといたしました。 その具体的な内容としましては、相当の繰越資金がある者へのメリット措置として特別支払いの実施と、翌年産の生産者拠出の軽減、十二年産補てん基準価格について、算出方法の特例による激変緩和、稲作への依存度の高い認定農業者に対する補てん割合の引き上げ、生産調整を行っている人が出荷する計画外流通米を新たに対象として追加する、十一年産米については、特別支払いの実施による補てんの充実を行うこととしたところであります。 こうした措置によりまして、稲作経営の安定、特に大規模専業農家の経営安定に資するものと考えまして、十一年産米の大幅な価格下落が稲作経営に与える影響に対し、十分な効果を発揮していくものと期待をいたしておるところでございます。 この補てん基準価格につきましては、一応、十二年産限りの措置として講じたものでありますけれども、今後、需給動向や消費者の評価が生産現場まで伝わり、生産調整の円滑な実施や品種転換が促進されるようなものとすることが重要であります。 このような制度の趣旨から見て、需給動向等にかかわりなく特例措置を講ずることは行いがたいものと考えておるところであります。
○小平委員 大臣、今最後、行いがたいですか、最後に言われことは。
○玉沢国務大臣 特例措置についてはですね。
○小平委員 行いがたいですね。 私は、政府として、起きた事象に対し対策を講ずる、そういう後ろ向きの施策であると思うんです。 今回、経営安定対策の一環として、麦、大豆に大きくシフトをする、そういうことを、しかも五年間というスパンも設けてという、そういう方向を打ち出すならば、その根底にある、基本となっている米についても、生産農家が安心して取り組んでいけるためのそういう方向性を、いわゆる安心の担保を与えてあげることが私は必要と思って従来から強く指摘をしているのでありますが、はっきり申し上げて、今の大臣の御答弁は、私は大いに不満であります。これはまた後で、いろいろと機会を見てお聞きをしたいと思いますが、そのことを申し上げておきます。 さて、これは少しく視点が違うのでありますが、基本法におきましても、中山間への直接所得補償についてもありましたし、まあ大臣も触れられておりますが、これまでも私が主張してまいりましたように、米を初め、次々と市場経済へ農産物が投げ出されているときに、農家の経営安定ということがこれまで以上に重要になってまいりますね。 ところが、今申し上げましたように、価格の急落また低迷、そのことによる経営の圧迫、そして重なる負債、離農、こうしたことが、私が今まで述べてきたように、まさに今農家を直撃いたしております。稲作経営をとってみても、先ほど述べたとおり、農家が安心して営農に励むことができる状態にありません。 中山間に限定して検討されている所得補償制度というものを、この際、平地も含めた農家経営の安定という目的のために、その対象枠を拡大していくことが私は必要だと思います。 とにかく、今回は緒についたというか、ああいう形で中山間の所得補償というものが打ち出されましたが、私はこれではまだまだ不十分である。北海道の農業も含めてございますが、日本のこの特殊な農業のあり方を見るときに、これからの国際競争力が激しくなる中において、この所得補償政策というものはもっともっと、中山間のみならず平地も含めて拡大をし、強化することが、すなわち我が国農業を守っていく、それが基本法の精神にある、こう私は考えますが、大臣、この直接所得補償についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 中山間地域は我が国農地の四〇%を占める、しかも条件不利地域であります。したがいまして、基本法におきましては、条件不利地域でありますけれども、多面的機能を確保する、こういう施策の一環としまして、平地に比べまして生産コストが中山間地域は高くならざるを得ない、高齢化が進展する中で、耕作放棄の増加等により、特に多面的機能の低下が指摘をされておる、そういう観点から、その格差を直接支払い制度で支援していく、こういう観点に立っておるわけでございます。直接支払いは中山間地域等を対象とし、平地との生産条件の格差の範囲内で実施することが適当である、こういう考えに基づいて行うわけでございます。 委員のおっしゃられるとおり、平地も含めてやるべきではないかというお考えがありますが、とりあえずは、やはり条件的に不利な地域であるここを支援していくという考えに立って行うものでありまして、平地に対しましては特に今のところは考えておりません。
○小平委員 考えてないということなんですが、そこを、条件不利地域は何であるか、そこの議論をもう少し深めていって、その対象なり考え方を、我が国の農業、いろいろと各地域、条件が違います。その中でまた何が条件不利地域なのかということを今後検討していく、これはペンディングとして私はとらえていただきたい。 今の時点で大臣がそういう答弁を、これは役所からも政府からもしっかりそういうことで押さえがかかっていると思うのでありますけれども、私はまだまだ不十分であると思いますので、ひとつ今後の課題として考えていただきたいと思います。 次に、少しく数字の問題になるのでありますけれども、これは谷津総括政務次官ですか、ちょっとお伺いしたいと思うのであります。今の米価の低迷の一因には備蓄米の過剰がありまして、昨年十月末の主食用の政府米持ち越し在庫は二百三十三万トンですか、これがいわゆる米価の引き下げの大きな圧力になっている、こう言えると思います。特にMA米については、昨年四月から関税措置、その移行がなされた。これによりましてミニマムアクセス数量は平成十二年度は七十七万トン、こうなります。 この持ち越し在庫水準は、八米穀年度末は三十一万トン、それから九米穀年度末は三十九万トン、十年米穀年度末は四十二万トン、そしてこの平成十一年米穀年度末は四十四万トン、その内訳は、備蓄用が十万トン、援助用が十五万トン、それから飼料用備蓄が十九万トン。こう年々増加をいたしております。そして、MA米のうちSBS米については、平成十一年度は、契約ベースで十二万トン、そのうち一般米は約九万八千トンで、破砕米は約二万二千トン、こういう落札の結果でありました。 米の基本契約においては、SBS米を含むMA米全体について加工用等とされておりますが、実際に輸入されたSBS米の最終仕向け先まで政府は把握をしておられるのでしょうか。 また、平成十一年度の入札結果を見ますと、最もシェアの大きい中国産ウルチ精米短粒種で、マークアップは、キロ当たり、最大限度二百九十二円に対し百六十三円から二百九円、こうなっております。そして、売り渡し価格は、六十キログラムで一万三千三百三十一円から一万六千四百五十三円、こうなっております。例えばこういった米がどのくらいの量どこへ流れているのか、それを押さえられておりますか。こうしたSBS米の価格が国産米の定価下落に対し影響を与えているのではないかと私は思うのであります。 一方、世界には約八億四千万の栄養不足人口があり、こうした人のいる国への食糧援助ということも重要であると思います。 そして、大臣、ちょっとこれもお伺いしたいのでありますけれども、本委員会で私は何度も申し上げていることでありますが、我が国の水田の有効利用と生産水準の維持を行い、備蓄米の運営方法を現在の回転備蓄から棚上げ備蓄へ変更し、MA米を含め備蓄米を援助用等に利用する必要がある。また、そのことが将来にわたって我が国の水田の維持管理、二十一世紀は世界的に、国際的に食料が不足し、人口が爆発的にふえてきます。そういうことを考えると、我が国は米を基軸にした備蓄米の援助用等の国際貢献策、このスキームをつくっていかなければ、こう思います。 さらに、昨年九月に決定された米の緊急需給安定対策、これについては、平成十一年産の生産オーバー分については、十七万トンを飼料用、えさに回す、こうなっておりますが、私は、これは邪道だと思います。結果的に古くなって食用に適しなくてえさに回すことはあり得るでしょうけれども、前にも私、指摘いたしました、このことについても。でも、大事ですから重ねて申し上げているのでありますけれども、こういうことを含めてどういうふうにお考えいただいているか、御答弁をいただきたいと思います。政務次官からひとつよろしく。
○谷津政務次官 まず、先生御指摘のSBSについてですが、流通の実態がどうかということでございますけれども、SBS制度によって輸入されました米につきましては、ウルチ米は卸業者を通しまして主として主食用に、それから破砕精米は加工用にそれぞれ用途別に供給されております。その主食用として供給された輸入米につきましては、その大半が業務用でありまして、しかもブレンド原料として主食用に供給されているところであります。 先生御案内のとおり、ミニマムアクセス米についてでございますけれども、これは、主食用に供給された場合は、それと同量以上の国産米を主食用以外に振り向けるということになっておりまして、国産米の需給に影響を与えないようにしておるということでございます。 そこで、先ほどお話がございました輸入数量の合計、十一年度で十二万トンということでありますが、この内訳は、中国が六万三千トン、米国が三万七千トン、欧州が一万四千トン、その他六千トンということになっておりますが、これも、実際問題としまして、毎年、卸業者や小売業者に対しましてこの用途を、どういうふうに使っているかという調査をアンケートでしておるんですが、業務用として大体七割、消費者用として一割、それから加工用等で二割となっております。 そして、MA米の流通実態につきましては、現在、情報収集、調査を実施しているところでありまして、より正確な把握に努めているところでございます。 また、先生、MA米の援助用の問題でありますけれども、政府米を活用した食糧援助につきましては、被援助国等からの要請を踏まえまして、WTO協定等国際ルールとの整合性と財政負担等に留意をしながら、関係省庁と連携を図りながら適切に実施することを基本としております。 特に、ミニマムアクセス米を援助用に仕向ける場合には、国際ルールとの整合性を見ながら、外国産米を市場に流通させ、消費者から正当な評価を受ける機会を与える必要があること、それからもう一つは、国内産米と同様な扱いを与える観点から、外国産米のみを援助輸出することは問題があること等に留意する必要があります。 このような考え方に基づきまして、平成八年度以降、ミニマムアクセス米を含む政府米を利用した食糧援助を実施しております。 なお、平成十年度は十五万トン程度を実施することとし、そのうち十一万トンについてはミニマムアクセス米を使用することとしておるところであります。 今後とも、政府米を活用した援助については、基本的な考えを踏まえながら適切に実施していきたいというふうに考えております。
○玉沢国務大臣 米の備蓄について、回転備蓄か棚上げ備蓄か、これはいつも論議をされているところでございますが、私は、食料の安全保障ということを考えた場合におきましては、一年ぐらいは棚上げ備蓄ということも必要だと思います。 しかしながら、その場合におきまして、一年備蓄したものがその次にどのように消費されるかということをよく考えておきませんと、かえって米の過剰の状態を惹起していくことになる。言うなれば、古々米から古々々米に移るような事態にもなり得るわけです。 委員のおっしゃられるように、海外に対してその分を経済援助を行えばいいんじゃないかという考え方もあるかと思います。しかし、一年分の棚上げ備蓄ということになりますと、一千万トン備蓄をするということになります。ところが、海外に対して食糧援助を行う場合におきましても、先ほど話がありましたように、例えば平成十一米穀年度におきましては四十二万トンの食糧援助と。少なくとも、こういうものがもっと大きい形にならないと、棚上げ備蓄した大量の米がいつまでも余ってしまう、こういう状態を惹起して、財政的に破綻してしまう。 したがって、そういう観点からいいますならば、最大二百万トンをめどに回転備蓄を行っていくということが、現在とっておる制度として適当ではないか、こういうことになるわけでございます。米を、本来食料としてつくったものを飼料に回さざるを得ないということも、これも過剰の対策をとるために、需給のバランスをとる、こういう観点からやむを得ない処置としてとったものであるということを御理解を賜ればと思います。
○小平委員 大臣、これについて反論しましたら切りがないのですけれども、どうしてもやはり反論せざるを得ないんですけれども、米を単なる商品として見た場合には、おっしゃるとおりであります。 しかし、安全保障というか、国を守るという観点でいうと、そういう考えで、単なる財政論だけでいいのかなという、確かに負担はかかります。そこは私も、選挙区に帰ったり、あるいはいろいろな団体等の皆さんとも接触しますと、皆さんが本当に不条理に思っていますことは、言うなれば、住専のあれから始まって、いわゆるバブルに踊り狂っている我が国の拝金主義の中において、銀行のああいう放漫経営のあげくの破綻、それに向かっての公金のあの大量投入、現在もそれが綿々と続いている、今回、東京都の石原知事はああいう外形標準課税という方法を発表しましたけれども、一方では、地方でしっかり頑張っている中小零細企業、これらに依然として貸し渋りが続いている。 そういう状況の中で、政府は、平成十二年度のこの八十二兆円という予算編成の中で三十二兆円もの赤字国債、この借金を、財政放漫経営というか財政の悪化、こういうことを一方でしていて、何で人間が生きていくために必要欠くべからざる米というもの、特に日本においてですよ、これについてそういうことが軽んじられていいのか、こういう質問、指摘に対して、私は答えることができないんですよ、政治家として。だから、その気持ちを今こうやって大臣にぶつけるしかないんですね。 私は、そこを思うときに、やはり政治の選択、判断というものはもっと大きく構えていくこと、これは時間が非常に切迫しましたので、この後、WTOのことでも申し上げようと思っているんですけれども、我が国はこれからWTOに向かっていわゆる新しい交渉に入っていくんですけれども、もちろんアメリカを初め、諸外国との大事な国際交渉はありますが、私は、あのときのウルグアイ・ラウンドと同じように、今回ももう一つの大きな交渉相手は国内の世論だと思います。 あのウルグアイ・ラウンドのときも、自由化を軽々に論じる、そういう動きは結構ありましたよね。今回も国内のコンセンサス、合意形成、これも私は大きな問題だと思うんですね。そういうようなことも、農水省はこれから先頭に立ってやっていかないといかぬと思う。そんなことを含めて話をしたら次に進めませんので、このことを概略申し上げて、私は、大臣の答弁には大いに不満であります。 そこで、もう一点。 私は、質問に立つたびにどうしても指摘をせざるを得ない問題でありますので、さきの臨時国会でも質問で触れましたし、今回も重ねて質問いたしますが、農家の負債対策であります。 今まで質問してきた経緯、また大臣が答弁されたことと重複をする点もあると思いますが、負債対策、解消、この点に的を置いてひとつお聞きをしたいと思います。少しく長くなると思いますが、まず質問いたします。 大臣の所信表明では、新基本法に基づいて自給率の向上を初めとした各般の施策を展開するということが提起されております、抽象的に。しかし、これで、大臣の言われるように、二十一世紀における我が国農林水産業及び農山漁村が希望にあふれ、活力に満ちたものとなるかについては、根本的な疑義があると言わざるを得ません。 といいますことは、これら各般の施策が、農業経営の現に置かれている生々しい窮状から出発をし、その解決を真剣に考えているかどうかという点からすると、極めて不足をしていることがあると私は大いに感じます。 端的にそのことをあらわしているのが、政府の施策に沿って規模拡大や土地改良投資、機械化投資を積極的に行ってきた意欲的な農業者が多額で過重な負債を抱えるに至っていること、これについての現状認識と、その緊急の解決のための方策が大臣の所信表明においては一言も触れられていない、まずこのことであります。これでは、新基本法の趣旨に沿って前向きに経営を展開していこうとする意欲的な農業者であっても、一縷の望みをつなぐどころか、離農へ向かう決意をせざるを得ない、こう思うのであります。 私の地元であります北海道の農業をとってみても、稲作、畑作、酪農、畜産、大きくこの分野に分かれ、それらの分野ごとに産地を形成いたしております。そして、北海道の農業は、基本法の路線に沿った努力の結果、これは前の基本法ですよ、各分野とも専業比率が高く、経営規模も大きなものとなっております。農業基本法の優等生であると言われており、もっと言うならば、農水省を守っているのが、支えているのが北海道農業である、私は、こう言っても過言でないと思います。いわゆる農業基本法の優等生であると言っても過言でない、こう思いますが、本来ならば、農業経営の発展と農家経済の安定が同時に図られてきたはずであります、また、べきでありました。 しかし実態は、これらに反し、どの分野でも一方で離農が続出し、他方で多くの存続農家は多額の負債を抱え、農畜産物の輸入の増加、生産者価格の下落ないし低迷によって、農家経済の再生産が困難な状況に陥っているのであります。とりわけ、北海道農業の基幹である稲作は、長年にわたる過大な減反と新食糧法施行以来の生産者米価の暴落と低迷によって、現在危機的な局面に直面をいたしておる。特に、規模の大きな専業農家ほど、さらに、後継者があり、そのために頑張っている農家ほど苦しいというのが実情であります。 大臣の所信表明では、水田における麦、大豆等の積極的生産に言及しております。ここは重複しましたところでありますけれども、水田で麦、大豆等をつくる場合、作業体系も違い、現に抱えている多額の負債に加え、機械や施設の整備に対しても重ねて新たな大きな出費がかかります。こうした農家の負債対策をしっかりやることなくして、麦、大豆等の本格的生産などはとてもおぼつかない。さらに、あの発表された七万三千円、これは例外の最高値であって、いろいろと検討した結果、この春に向かって転作配分している各農協や現場の実態の声を聞きますと、とても麦、大豆等の本格的生産はおぼつかない、こういう厳しい現場の声が聞こえてきております。 であるならば、何らかの所得補償対策、例えば国営、道営事業の受益者負担を全額国庫負担に切りかえるとか、政府等が負債を抱えている農家の農地を一時的に買い上げ、これを農家の生産手段として貸し付ける、これらのための各種制度資金の金利を凍結するなど抜本的な対策を講じなければ、展望ある農業経営の確立は、入り口でこの基本大綱は挫折をすることになると考えます。まず、これについてお答えいただきたい。 私は、昨年十一月の米審に関する一般質疑の中でも、この専業地帯の稲作農業の実態について、現代版の農民一揆が起こるかもしれないとまで申し上げました。大臣からは、そのときに、「今後、そういう点でもっと実態につきまして調査をさせていただければ、このように思います。」とお答えをいただいております。また、特にM資金、農家負担軽減支援特別対策資金、これについても、対策の強化あるいはこの制度資金の不備を指摘し、大臣に御意見を求めたところ、大臣は、「これらの資金の融資の実態等を踏まえて、運用面も含めて検討してまいりたいと思います。」こう御答弁をいただきましたが、これらにつきまして、あれ以来今日までどのような検討がなされてきたのか、どう具体的な対応をしようとされているのか、まだ決まっていないでしょうから途中経過で結構ですので、これについてのお答えをいただきたい。 長々と申し上げましたが、私は、今、米の生産を促進するために土地改良を進めてきた地域において麦、大豆、飼料作物の本格的生産を行うことになるとすれば、土地改良負担金の償還についてもどう考えておられるのか、これもお答えいただきたいと思います。畑という扱いになるならば、水利費の負担については、これは地目が水田ですから、これについてはやはり負担増という問題があると思いますけれども、これについてもどうお考えになっているのか。これらもあわせて、今るる指摘をし、御質問したことに対しての御答弁をいただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 まず、所信表明におきましては、積極的な政策の展開を通じて所得の向上等を図ることによりまして、これは間接的には負債対策にもなる、こういうことを申し上げたいと思います。今委員が言いましたように、例えば麦、大豆、飼料作物でございますけれども、十アール当たり七万三千円は特殊な例だ、こう言いましたけれども、しかしながら、例えば共補償と経営安定対策の資金を合わせれば六万円であります。このほかにも、六十キロ当たり八千三百五十円の資金も出すことにしておるわけでありますから、そういうことを考えていけば、この政策が積極的な、所得も確保できる政策であるということは御理解いただけると私は思います。 また、北海道におきましても、大豆、飼料あるいは麦作等につきましては最も先進的なところでありまして、技術とかそういう点につきましても非常に大きな経験を有しておるところでありますから、むしろ積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げたい、私はこう思うわけでございます。 それで、負債対策のことについて、委員から、昨年お話をいただいております。私がお答えをしたのも全くそのとおりでございますが、まず負債対策を申し上げますと、農協系統からの借入金などにつき、長期低利で一括借りかえを行う農家負担軽減支援特別資金、さらに、制度資金の毎年の返済資金を長期低利で融通するリリーフ資金、また、認定農業者に対して、負債整理のための資金も含めて総合的に長期低利で融通するスーパーL資金などを設け、経営実態に応じて償還負担の軽減を図っているところであります。 このような対策により負債整理に取り組んでいる農家の実態調査によれば、年の償還額が四分の一程度に軽減されるとともに、借入金利が平均で三%強低下するなどの結果が得られており、農家経済の改善に大きく寄与していくものと分析しております。 これに加えまして、農林水産省は、北海道庁に働きかけまして、昨年の十二月以降、農協等に対しまして、負債対策資金の周知徹底と借り受け者の実情に応じた適切な融通を指導していただくとともに、現在、農家経済の実態を把握すべく調査を行っていただいているところであります。まず、三月中にまとまるということでございますので、これらの調査結果を踏まえながら、運用面も含めて分析、検討し、負債対策の円滑な推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 それから、水田を畑地として利用した場合の水利費負担の考え方ということで御質問があったと思いますが、畑利用している水田につきましても、一般的には、圃場整備事業により区画が整形された利益、排水条件が改良された利益、畑作物へのかんがいによる利益等、土地改良事業の利益を享受し得る状態にある限り、土地改良制度上、負担金を徴収できることとされております。 他方、仮に用水利用の程度が他の土地と著しく異なるような場合には、土地改良区の組合員の方々の話し合いの中で、定款を変更して負担金に差を設けるなどの調整を図ることも可能であります。
○小平委員 今、三月中にということを、年度内ですと言われましたが、対策資金の今後のありようを含めて、言うならば生産者が借りやすい、使いやすい資金の形をつくっていく、そういうことだと受けとめてよろしいのですね。従来の、M資金を含めて非常に使いづらいという不満が蔓延いたしております。せっかく用意した資金ならば、有効に機能するように改善方を進めていただきたいと思います。 実は、用意した質問、まだ多々あるのですが、時間がもう迫ってきまして五分以内となりましたので、大分カットいたしましたのですが、最後に、まとめて林業、水産業について、大臣の所信表明がございますので、質問をいたします。 大臣は林業政策について、昭和三十九年に制定された現行基本法、これから森林・林業・木材産業を取り巻く情勢が大きく変化をしてきておる、そういう中で、森林の管理水準の低下はもとより、林業、木材産業の現況は、私も山に入って、間伐等森林整備の必要性を痛感いたしております。また、地元の林業、木材産業、これらを見ましても、その振興の必要性についても思いを強くしているところであります。 森林・林業・木材産業基本政策検討会の報告にあるとおり、諸情勢の変化に対応して、政策の基本的考え方を森林の多様な機能を持続的に発揮することを主体としたものに転換する、こう言われております。このことはもちろんでありますが、また大臣は、平成十二年中に基本法制のあり方を含め政策大綱を取りまとめる、こうあります。この際、多面的とも言える森林の機能を持続的に発揮するための森林整備を林政の目的とし、国の責務をさらに明確にしていくことが肝要と思いますが、これについての考えを聞きたいと思います。 続きまして、水産施策であります。今質問もありましたが、私からも重ねてお聞きいたします。 新たな海洋秩序を定めた国連海洋法条約によりまして、二百海里、排他的経済水域の設定、これにおきまして、隣接国を中心とした、特に韓国、中国でありますね、外交交渉と域内水産資源の適切な管理が必要な時代に今入ってきております。所信にもありましたように、日韓漁業交渉、これは発効もし、動いております。まだ不安もありますが、ようやく走り出すことができました。 しかし問題は、日中漁業交渉であります。大臣は、この状況にあって、平成九年十一月の署名後、二年以上たってもいまだにめどがついていない、そういう中でおりましたら、このまま先行しています日韓の関係にも悪い影響を与える、こう危惧をされていることはひとしく同じでありますが、そういう中で、明日、大臣は中国に出向かれる、そういうふうにお伺いしております。ぜひ行っていただきたいと思います。そこで、この事態の打開に向けての交渉を展開されたい。 特に、中国は二百海里を主張していますね、我が国は中間線を主張している。大きな隔たりがありますけれども、やはり今のままでは、あの貴重な漁場がこのまま放置すれば荒らされてしまう。それを一日も早く正常な状況に戻すために、このところは大事な交渉でありますので、精力的にこの事態打開に向けての交渉をされていただきたい。このことも含めて要請いたしますので、これらについて所感をお伺いして、終わりたいと思います。
○玉沢国務大臣 森林の方から申し上げますが、やはり今回の予算におきまして、十二年度の間伐対象面積を二十万町歩から三十万町歩に伸ばしました。これはやはり、政府が主体となって、国が主体となって間伐政策を進めなければ、現在の森林の資源が枯渇していく、こういう考えに基づくものでございます。 したがいまして、森林の資源を守り、有効に活用していくという観点からいいますならば、今一番大事なことは森林に対する手入れをいかにするか。今まで林家が行ってきたものでありますけれども、しかし、これはなかなか林家だけでは期待できないところがありますので、そういう公益的な観点を重視して、森林の多様な機能を持続的に発揮せしめるために、国が主体となって予算その他を確保し、森林の育成を図っていく、資源を確保する、こういう考えに基づいて政策を展開することが大事ではないか、こう考えております。 また、日中の漁業交渉につきましては先ほども申し上げたところでございますけれども、現在の協定におきましては十二海里の先まで来て操業しているわけです。北海道の襟裳岬の沖から、我々の青森、岩手の三陸沿岸のところまで、例えばイカ釣り漁船でも何百隻も来ているという状況です。東シナ海も同じような状況でございますから、こういう状況でありますと、資源が枯渇してしまうわけでありますから、これは非常に憂慮すべき事態であると思います。せっかく日中漁業協定が結ばれたわけでありますから、その趣旨とするところは、お互いに減船をしてでも、つまり、資源を大事にして共存共栄を図っていこうという趣旨であるわけでありますから、中国側に対しましても決断を促しまして、ともどもに両国が資源を大事にして持続的に漁業を遂行することができるような条約の発効に向けまして、このたび中国に参りましたならば全力を挙げて努力してまいりたい、このように考えております。
○小平委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
○松岡委員長 次に、佐藤謙一郎君。
○佐藤(謙)委員 民主党の佐藤謙一郎でございます。 私は、我が党が農林水産政策と環境政策とを連携して、それを党の政策の一つの柱にする、そういう趣旨に沿ってその責任者をやっております関係で、きょうは玉沢大臣に環境と農林水産政策について質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 私は、例えば、ついこの間採択されました生物多様性条約のもとのカタルヘナのバイオセーフティー議定書、あのEUやアメリカの激しいやりとり、その中に発展途上国やNGOがそれこそ真剣に議論に加わっている、そうしたやりとりを見るにつけ、とりわけアメリカとEUに国家戦略と強い意思が感じられました。 同時に、時代が突きつける価値観に非常に敏感なんだ。例えばアメリカは、このたびのバイオセーフティー議定書に対してもそうでありますし、遺伝子組み換え作物に対しても、非常に柔軟な対応をクリントン大統領のリーダーシップのもとで発揮している、そういうふうに考えております。まさに、人間の生存にかかわる環境について真剣勝負をしているなというふうに考えるわけでありますが、残念ながら、遺伝子組み換え作物の問題につきましてもそうでありますし、WTOを含め、一連の行動の中で、まだ日本の国家戦略というものが環境というレベルでは全く見えてきていない、私は残念でならないわけであります。 一方、例えば国内では、愛知万博がついこの間国際事務局から再考を促されると。日本が考えている自然との共生を訴える環境万博が、それはにせものではないか、新住宅市街地事業などという、住宅をつくるということが、まさに地雷の上に乗っているとまでやゆをされてしまったわけであります。 そんな時代背景の中で、私は、環境保全型農業や生物多様性に対する取り組みというものが我が国にとって非常に大事であるにもかかわらず、残念ながら、腰の据わった、そうした一本柱の通ったものになっていないのではないかということを憂えている者の一人であります。 特に、昨年成立しました食料・農業・農村基本法では、自然循環機能の維持増進をうたっておりますけれども、その内容の中には、例えば、農薬及び肥料の適切な使用の確保といった、読み方によっては農薬を減らすのかふやすのかもわからないあやふやな表現があるわけであります。また一方では、基本法関係で成立した去年の環境三法、それも結局は、例えば自走式の何とかという機械、そうした装置を買わせるといった、低利や無利子の融資などで誘導するという消極的なもので、やりたければどうぞというような感をぬぐえないのであります。 ここで、政府として、本当に環境保全型農業、持続農業といつの間にかすりかわっているわけでありますけれども、この環境保全型農業というのを一体どのように位置づけておられるのか。とにかくその方向にハンドルを切って大胆に転換をされたいのか、それとも、数ある農業政策のワン・オブ・ゼムとして環境保全を言っているのか、その辺の大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○玉沢国務大臣 農業ばかりでなく、農林水産業は、自然の恵みを得まして、営みを行っていくというものであると思います。 したがいまして、いつも我々が主張しておるわけでありますけれども、農業の持っておる多面的機能というものが大事である、環境の保全、また国土の保全、食料の安全保障、そういう機能を果たしておる、こういう機能を大事にしながら進めていくということが大事である、こう思うわけでございまして、環境に対しましても十分配慮した農業政策を展開していくということが重要であると認識しております。
○佐藤(謙)委員 その十分配慮という官僚的な言い方の中に、私は少しも意欲が感じられない。今度の一連の、例えば持続型農業促進法についても、心ある農家の方々は、本当にこんなもので魂が入るんだろうかと。現実に、農業改良普及センターもそれほど積極的にそういうことを言っているわけでもないし、都道府県の説明会を受けても、ぜひこういう方向をとにかく推進しようという意欲がほとんど感じられないというようなことを言われています。 私は十年ほど前に、当時自民党の参議院議員であった中西一郎先生を中心に、有機農業議連というものに入れていただいて、それ以来、有機農業というものの推進に、及ばずながら力をかしてまいった一人でありますけれども、こうした有機農業というものが日本でほとんど進んでいない。なぜ有機農業が進まないのかということも含めて、環境保全型農業、持続型農業の中で有機農業というのはどういう位置づけをされようとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○玉沢国務大臣 有機農業は極めて大事であると考えます。しかしながら、農業をやっていく場合におきまして、必ずしも一般化されていない面もあるわけです。また、有機農業を展開していくということにおきましては、生産者が非常な努力をしていかなきゃならぬ、こういう点もあるわけでございます。 しかしながら、自然に優しい農業ということを掲げたわけでございますので、やはり有機農業の重要性を今後とも普及を図っていくということが大事であると思います。
○佐藤(謙)委員 私は、自然に優しいとかそういう情緒的な言い方というのはまがいものだというふうに感じる者の一人で、確かに聞こえはいいけれども、実は実態は全くないというふうに考えます。 有機農業は一般化されていないという言い方、これは今の現状をそのまま言い当てられたにすぎないことであって、今の農水大臣からは、本当に有機農業というのが究極の持続型農業であるというような、そうした意思を感じられないわけでありますけれども、究極的な持続型農業としての有機農業というのは、そういう位置づけでよろしいんですね。
○玉沢国務大臣 耕作する場合におきましては、いろいろな形態があるわけでございますけれども、必ずしも有機農業だけが究極というふうには考えておりません。安定的に食料を生産していく、そういう中におきまして、自然に優しい、人間の健康によろしい、そういう農業というのは大事なものである、こう考えております。
○佐藤(謙)委員 必ずしも有機農業だけが究極とは考えていないとおっしゃられましたけれども、それでは、ほかにどういうものが究極的なんでしょうか。
○玉沢国務大臣 やはり、食料を安定的に供給するということが究極の農業であると思います。
○佐藤(謙)委員 まさに馬脚をあらわしたというか、環境保全型農業というものを大きな柱に据えていながら、一つの価値だけを主張されるというのは、私は、今の時代に合わないことだろうと。人間にとって大事な価値と価値とをどうやって葛藤の中から統合していくか、そういう時代が来るんだろうというふうに思います。 平成十年の農業白書では、日本の有機農業は、水稲、果樹で五%、野菜、根菜類等で一%という非常に低レベルで推移をしているわけでありますけれども、こうした現状というものが一体どこに原因があるのかということが、先ほど来御質問してもお返事をいただけていない、非常に残念なことであります。 私は、例えばヨーロッパやアメリカ、つまり、環境保全型農業の先進国であるそうした国々から我々はヒントを得られるのではないかなというふうに考えます。 例えばアメリカでは、昭和六十年代に、農薬や化学肥料の大量使用によって農薬危害というものが深刻になりました。そうした反省から、IPMという農薬危害に対する総合防除の推進という運動が高らかにうたい上げられて、実は、このIPMの理念こそがこれからの日本にとって非常に大きなヒントを与えてくれるものだろうというふうに私は信じております。 私は、WTOで玉沢大臣が、ある分野では非常にイニシアチブを発揮したところがあったと思うんですね。バシェフスキー議長に対して議長、議長を連発して、これでもか、これでもかといった、ああした一連のやりとりは、ああ、さすが玉沢大臣だという評価をしている人はたくさんおられるわけです。ですから、この環境問題も、やはりこれは一般化されていないからと、そういう客観的な物の言い方ではなくて、まさに農水大臣という、日本の食料、そして環境の責任者のお一人である農水大臣が意欲を示し、情熱を持てば、それは前に進んでいくものだというふうに思うんですね。 現に玉沢農水大臣と同じようにイニシアチブをとっておられるアメリカのクリントン大統領は、九三年に全米の耕地面積の七五%をIPMにするということを国家目標として高らかにうたい上げられて、二〇〇〇年を前にしてカリフォルニアでは既に九八年に七五%を実現している。あるいは、テキサス州では綿花は六八%をIPMで実現している、そういう状態があります。 したがって、これは農水大臣の意欲次第で、国家目標をしっかりと掲げ、前進させていくことこそが、人類の、我々日本においては日本人の安全につながっていく。先ほど安定供給というお話がありましたけれども、危険な食品を幾らつくって大量にそれを流通させても、我々にとっては何の意味もないどころか、それを我々は拒否していかなければいけないという現実があるわけですが、そうした私の考え方についてはどうお考えですか。 〔委員長退席、松下委員長代理着席〕
○玉沢国務大臣 安定的にかつ安全な食品をと、したがいまして、安全という言葉もつけ加えさせていただきたいと思います。 そこで、この有機農業をする場合におきまして何が困難であるかと申しますと、生産者の方が、例えば、農薬を使わない場合におきましては、要するに、虫が来ましてもこれを一つ一つ虫をとる、それから、雑草が生えてもそれを一つ一つ引き抜く、こういう非常に大きな労力が必要であるわけでございます。それを究極のということに切りかえると、全部の農家がそれを本当にやれるのか、なかなかそこまではいかない、これが現状です。 そうして努力して有機農業をやった農作物が、しからば市場において二倍も三倍もかけた労力に応じた評価を得られて消費者の皆さんが買ってくれるのかどうか、こういうところも十分検証していかなければ、有機農業だけですべてやっていけば安全だということは、確かにそうではありますが、生産の面とかそういうことを考えてまいりますと、大きな隘路がありますよ、こういうことを解決をしなければ、簡単に有機農業だけで全部究極だというようなことは言えないということを言っているわけですよ。 ですから、今委員がおっしゃったように、IPMの問題等もおっしゃられたわけでございますけれども、例えば、病害虫等の駆除等におきましても、減農薬といいますか、低農薬といいますか、できるだけそういうものを使う、あるいは天敵を使って病害虫を駆除するとか、こういうことを今我々も研究しておるわけでございまして、そうしたものを一般的に技術として展開をできればさらに安全な食品の生産が可能になってくる、これは我々も追求している課題であります。
○佐藤(謙)委員 学校の先生の話を僕は聞いているわけではなくて、どう具体的にそういう究極の、今、安定で安全なというところまでやっと一歩前進していただいたわけでありますけれども、まさにそういう体制をつくるために、魂を入れていかないと、国民はやはりそうしたもののうそを見破ってしまうのですね。 例えば、スイスがこういうことをやっております。有機農業の農地面積の割合が六%でありますけれども、IP農業、つまり減農薬、減化学肥料をとにかく中心にということで、そうしたIP農業が七三%にも達している。観光農業は二一%に落とし込められているということですね。この六%というのは、ヨーロッパでも、スウェーデンの八・九%やオーストリアの八・六%、有機農業からいけばともに高い比率が出ているわけですけれども、今まさに玉沢大臣が言われたように、有機農業は、究極であったとしても、そこにたどり着くまでにやはり我々はやらなければいけないことがたくさんあるんだろうと思います。そのやらなければいけないたくさんあるものを、きっちりと時系列で国民に説明をしなければ、国民がついてこないだろうと思うのですね。 私は、ここで提案をさせていただきたいのは、このヨーロッパのある種の進行形の成功の原点にあるのは、やはり一九九二年のEUのCAP改革の中で、農業への環境支払いの導入というのがあったわけですね。これは、一九八五年に、ESA制度というものの中で、環境保護ですとか景観保全と両立する農業生産方法の導入を目的にして奨励金を支払おうということ、それが、一九九二年の、地域を指定しないで、セットアサイド方式とともにこの環境デカップリングにつながっていくわけです。 こういうものが一つのインセンティブとして働いて、スイスの場合はEUに入っていないわけですけれども、例えば、二一%の観光農業は、一切そうしたデカップリングを与えないということで、少しでもIP農業や有機農業にインセンティブをつけていくという、これは明確な国家の意思が働いているわけですよ。 それで、究極に我々は何を目指すかということがない限り、ああでもないこうでもない、安定だ、安全だなんと言っていても、私は、こうした食料政策というものは全く前に進んでいかない、そういうふうに考えるわけですけれども、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○玉沢国務大臣 委員は先ほど評価しないと言ったわけでございますけれども、我々は、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律を昨年の十月の二十五日に施行したところであります。これをもととしまして今いろいろ検討をいたしておるわけでございまして、これを評価しないというよりも、評価して一歩進めていくということがより大事ではないか、私はそう考えます。 それで、EUの場合におきましては、確かに、環境負荷を軽減する農法を初め、景観の保護等に関する農法、耕作放棄地の維持管理等を行う農家に対するいわゆるデカップリング制度が導入されておるわけでございます。 我が国におきましても、中山間地域に対しまして、直接支払い制度等を導入するということで、デカップリングの一部をやっておるわけでございますが、環境の問題等におきましては、まず第一に、先ほども申し上げました持続的農業の法律、これをもとにしまして一歩一歩進めていきたい、このように思います。
○佐藤(謙)委員 いや、私は、法律云々よりも、今その法律ができてもほとんど魂が入っていないじゃないかと。今まで大量に化学肥料や農薬というものを使っていた時代から百八十度方向を転換していくというのは、並大抵のことではないと思うのですね。やはりそうした意識を変えていく、そういう努力というものが、法律ができても魂が入っていなければ何もならないということを僕は申し上げたかったわけです。 そこで、国会といいますか、我々政治家にとって、説明者責任、国民に対してつらいことでも常に説明をしていく、そういう努力が、我々政治家や政党あるいは国会にとって僕は一番大事なことの一つだろうというふうに考えていますけれども、残念ながら、今度の直接支払いが、三百三十億円というものが予算措置だけでまかり通ってしまう。国民に真剣に、これはこういうことで必要なんだということを訴えて説明していくことが、まさに所信で、早い時期に「消費者との共生」というものを訴えられた農水大臣が成功する私は必要十分条件ではないかと思うのですが、残念ながら、予算措置で潜り込ませて、ほとんど都市住民や消費者の合意というものを得ようとしないで、問題を先送りしていくようなことになりはしないかと私は心配しています。 そこで、こうした条件不利地域対策として直接支払いを前進させていくよりも、今こうして環境問題というものが非常に大きなテーマになっていて、環境便益という、そうした手法というものが国民の中に徐々に浸透しているときに、やはり環境デカップリング、そういう手法によって消費者や都市住民との共生というものを図っていくべきではないかなというふうに私は考えております。 残念ながら、そうした説明もないままにすり抜けていかれようとする姿勢に対しては、私は大変大きな不安を持っておりますけれども、中山間地域等直接支払制度検討委員会の報告というものが出されているわけでありますけれども、その中で、もちろん農業生産活動をしっかりやることが必須条件だというふうにはなっておりますけれども、オプションとして、国土保全機能を高める取り組みですとか幾つかある中で、自然生態系の保全というようなオプションが小さく、ちょこっとある程度なんですね。 本当にこういうオプションを農家が選ぶだろうか、私は、そういうことを考えると、必ずしもこうした中山間地域等の直接支払いが環境保全に対するインセンティブはなかなか働かないのではないかなというふうに考えますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 具体的な点がない、ないと委員は言うのですが、自然循環機能の増進を図るという趣旨から先ほど言った法律ができておるわけですね。 そこで、つまり、土づくりをやりまして、堆肥等を用いてやっていくということをできるだけ普及するように今努力をしておるということと、それから改正JAS法に基づきまして、有機農産物の問題等につきましては、生産基準に適合した実証圃場の整備とか、それから、そういうものをつくっている団体に対する認証制度を明確にして消費者の皆さんにもよく理解できるような形を推進しておるということでございます。 同時にまた、畜産関係におきましても、ふん尿の処理をこれから五年間にわたりましてできるだけ環境を保持するためにやっていくわけでございますけれども、そういうふん尿の処理等におきましても、できるだけこれを堆肥に転換をして使っていく、こういうところにおきましては、中山間地域は非常に環境に優しい農業を展開していくという場所としましては最も適切ではないか、こういうふうに考えています。
○佐藤(謙)委員 私の別の質問に対する御答弁のように私は聞かせていただきました。私は、環境支払いと消費者との共生ということをテーマにお聞きしたつもりですが、いいでしょう。今の、やや前向きなお話がありましたので、それで多としたいと思います。 そこで、私どもの環境問題でもう一つの大きな柱は、生物多様性の保全ということなんだろうと思います。平成七年でしたか、生物多様性国家戦略というものを、関係十一省庁、もちろん農水省も入っておられるわけでありますけれども、閣議で決定をされているわけであります。これは一九九二年の地球サミットに端を発して、平成七年に生物多様性条約というものができ上がったわけであります。 ここで一つ、私が提案をさせていただきたいのは、農業、農村の公益的機能の重要性ということを盛んに農水大臣は言っておられます。果たして農業、農村の果たす価値というのは幾らなんだろうか。これは、ちょうど平成十年に農水省の農業総合研究所が貨幣価値を試算しているわけです。 その中で、評価額として、全体で農業の果たす価値として六兆八千七百八十八億円、これはまさに農業の純生産額の五兆二千二百億円を上回っている、そうした評価額を出されています。これはまさに農家を中心とした生産者が社会全体に対する貢献ととらえるべきことだろうと思いますが、そこには洪水防止機能ですとか、水資源涵養機能、土壌侵食防止機能、土砂崩壊防止機能、保健休養・やすらぎの機能というものはそれぞれ貨幣価値に換算をされているわけでありますけれども、例えば、産卵環境提供機能というようなものやえさ供給機能といった、生物多様性保全にかかわる機能というものが、残念ながら換算、試算されていない。 なるほどそれを換算するというのは大変難しいことだというのはわかるわけでありますけれども、これから私どもが生物多様性というものに力を入れていけばいくほど、また環境便益という手法、つまり、環境のプラスの価値というものをどうやって評価をしていくか。そういう時代を迎えるに当たって、そうした手法、そうした指標というものを我々はつくっていかなければいけないのではないか。 農業環境に生息する野生生物の保護というものがこれから大変大きな意味を持つわけであります。それが生物多様性保全効果、つまり、野生生物を初めとした生物資源が、恐らく非生物資源がこの五十年の中で、地下金属にしても、あるいは石油にしても枯渇していくだろうという中で、我々が頼っていくのは生物資源なんだということを考えれば、まさに生物多様性というものがいかに重要な価値であるかということは、農水大臣もよくおわかりだと考えております。こうした最大の公益的機能である生物多様性保全機能というものを何とかして評価していこう、そういうお考え、経済評価手法を確立して試算すべきだというふうに思いますが、その辺はどうお考えですか。
○玉沢国務大臣 今委員が指摘した中に、大気浄化というのが入っていなかったのですが、大気の浄化は環境に大きな影響を与えるわけですから、そういう役割を農業、森林がやっているということを指摘しておきたいと思います。それから同時に、生物多様性保全機能につきましては、確かに評価を見送っているところでございますが、これは機能をどのように数値化して経済的価値に換算するか、そういうところが問題でございますので、要するに、今までなかなか数値化できなかったという面があります。 しかしながら、公益的な機能の評価につきましては、今後とも生物多様性保全機能を評価していくということは大事なことではあると思いますので、我々もそのことは決して見逃すことなく検討していきたいと思っております。
○佐藤(謙)委員 ありがとうございました。 大気浄化というものも大事なものだと思っております。ただ数字的に、九十九億円ということで、今挙げたものに比べるとやや小さな評価であったために割愛をさせていただきましたが、もちろん数量を超えて大事な機能だというふうに私も考えております。どうか、農業環境政策の柱として、生物多様性ということを考えると、まさにこれから農業、農政政策をいろいろとやっていって、それが自然環境に負荷を与えるか、与えないかということも含めると、その辺の評価の仕方というものをぜひともお考えいただきたい。今検討して努力をしていただけるということでありますけれども、その辺を強くお願いをさせていただきたいと思います。 そこで、生物多様性戦略に絡んで、新基本法の二十四条の土地改良事業についてでありますが、これは去年同僚議員が新基本法の議論の中で環境との調和云々について質問をさせていただいているところでありますし、構造改善局長が、ミチゲーション、例えば回避というものも含めたそうした考え方を答弁でなされてきたわけでありますけれども、今まで土地改良事業について十分な生態系の議論がされていなかったように私は考えられます。 農業生産の基盤の整備というのは大事でありますけれども、環境保全という言葉が、これは環境庁との関係であろうと私は考えるのですけれども、「環境との調和に配慮しつつ」、残念ながらそういう書きぶりになってしまったわけですが、これが今度の基本計画の中でどういうふうに具体的に書かれていくのだろうか。これからの話でありますけれども、ここは非常に大きなポイントだと私は思いますので、その辺、大臣にお答えいただければと思います。
○玉沢国務大臣 食料・農業・農村基本法におきましては、農業生産基盤の整備について、環境との調和に配慮すべきことが規定されましたが、土地改良制度検討会におきましても、事業実施に当たっての環境との調和が論点の一つとなっております。今後、検討会としての中間的な取りまとめに向けてさらに検討を深めてまいりたい、こう考えておるところでございます。 土地改良事業の実施に当たりましては、今後とも、施設の構造や材料及び工事施工上で生物の生息環境や景観を含む環境面に配慮した整備を進めてまいりたいと考えているところであります。
○佐藤(謙)委員 今回からの国会は、やはり政治家と政治家がとにかく本音でぶつかり合おう、そういう場を確保しようということであって、今のは官僚の答弁の典型だと私は考えます。もう少し本音で、自分はこういうことを考えているんだということをお答えいただけないものですか。再度質問させていただきます。
○玉沢国務大臣 環境の大事なことは先ほどから主張しているとおりでございます。 しかし、委員も御承知のとおり、本日、農林水産大臣が答弁するのは多岐にわたることがたくさんあるわけでございまして、やはりそれを前向きにお話しをいただきまして答弁をするわけでありますから、こちらの方も、一生懸命勉強しましても、自分の考えというところにおいて間違ってはいかぬと思いますので、正確を期して答弁をいたしておるわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。 もし、今後、さらに深めて論争をし、さらに意義のある話し合いをするというのであれば、少なくとも一週間ぐらい前からお話しをいただきまして、明確なる討論ができるようにしていただければ大変ありがたいと思います。
○佐藤(謙)委員 それでは、日ごろの本音や持論はお持ちではない、勉強によってそれは表明されるべきものなんだということだと思います。僕は、ほかならぬ玉沢大臣ですから、今御謙遜であろうかと思いますし、御自身の率直なお気持ちを出していただくところから委員会審議の活性化が始まる。一週間前の通告がなければきちっとした審議はできないよというような国会だったら、私は国民が笑うと思うのですね。
○玉沢国務大臣 私の提案でございますから、聞き流していただいてもよろしいのでございますが、先ほどから申し上げておりますように、いかに答弁書があっても、考え方が同じであればそれでいいのじゃないですか。 土地改良の実施に当たりまして、生物その他の環境に配慮する、志向するということを申し上げたわけでございますから、これは私の本音でもあり、私の考えでもあるということです。
○佐藤(謙)委員 そこで一致したのは大変私も幸せなことだと思いますが、私の質問は、具体的にどういうふうに書かれようとしているのかという、すべてはもちろんここで発表していただけないことは我々も嫌というほどわかっているわけですが、そのさわりだけでも具体的にと思いましたが、時間がないので、これからまた、より、きっちりと一週間前に通告をするような努力をさせていただきたいと思います。 そこで、もう一つ関係者が非常に心配しているのは、この土地改良法の改正に向けて、昨年の八月からかんがい排水審議会の土地改良制度検討会というところ、これは大体三月に中間報告ということでありますけれども、環境に関する負担がだれにかかってくるのか非常に心配されている。これは農家ではなくて、やはり国や地方自治体の責務として確立されていくべきことだろうというふうに思うんですが、その辺だけでも本音でお答えいただければと思います。
○玉沢国務大臣 これはこれからの課題だということで、先ほどお話をしたわけでございますが、今後検討させていただきたいと思います。
○佐藤(謙)委員 どうもありがとうございました。 それから、土地改良のこの問題、環境に対して悪影響が出る場合というところを私は非常に心配をしているわけでありまして、自然環境に関する調査の仕組みを、先ほど申し上げたように、きっちりと開発する必要があるというふうに考えているわけですけれども、一つ具体的なケースから質問をさせていただきたいと思います。 それは沖縄の西表島の農地開発問題であります。 これは御承知かと思いますが、ついこの間も、二月の十六日に、西表島の開発を沖縄県が一転推進をして二〇〇一年度着工という、そうした県方針を出されて、これに対する大臣の御見解が新聞に載っていたわけであります。これは、西表島の、離島で農業以外の産業が乏しくて、一方若者のUターンで後継者が漸増している、何とか島おこしの機運を高めたいんだけれども、農耕地が不足していて優良な農地を島内につくらなければいけないということで、二工区五十八ヘクタールがサトウキビ畑として既に整備をされた。残りの一地区が、一九九九年、つまり去年の十一月十日に竹富町長から沖縄開発政務次官に着工要請があったということであります。 実は、これは平成七年、この環境影響調査結果というものが、当座は隠されていたわけですけれども、その後こういう調査結果が出されていたことがわかったわけであります。西工区は、西表島固有種を含む多くの希少動植物の重要な生息地となっている、したがって、最も望ましいことは現状のまま保存することであるというような結果が出ていたわけです。 ここには、世界でこの島にしかすんでいないイリオモテヤマネコ、これはまさに特別天然記念物でありますし、種の保存法でも保護対象種に指定されている。絶滅危惧種に分類されていて、百匹と推測されているイリオモテヤマネコの絶滅を招くおそれがあるわけであります。 一方、そのほかにも、カンムリワシですとかセマルハコガメとかキンバトだとか、四十七種類の希少動植物が見つかっているわけであります。 去年、渡辺構造改善局長もミチゲーションとかということを盛んに言われました。ああ、前進だな、やっと農水省の中にもそうしたことをわかっていただける方が出てきたな、そんな思いでいるわけでありますけれども、残念ながら、十分な代替地の検討がなされないままに、一転してこういう推進が決まってしまったという報道がありました。 これは、代替地がなかったということで、当座二十八・五ヘクタールを十三・一ヘクタールに縮小計画をする、これは常套手段で、とにかく小さくしたからいいだろう、そういうようなところなのだろうと思いますけれども、一方、島内には四十ヘクタールの耕作放棄地があるというのですね。これは諫早の干拓事業と全く同じで、周りに耕作放棄地が山ほどあるのに、優良な農地をつくろうという全く同じ価値観でやられるものではないかなというふうに思いますが、この県営農地開発事業について、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○玉沢国務大臣 今委員がおっしゃられましたように、西表島における農地開発といいますのは、やはり働く場を求める、有効利用していく、こういう観点が一つあります。 しかし同時に、この土地改良を進めて畑地その他をつくっていくということになりますと、今言われましたように、イリオモテヤマネコを初めとしまして希少な種類の動植物を排除するというような問題もありまして、地元におきましては、沖縄県が事業主体となっておるわけでございますけれども、今そこで話し合いをして、それで事業内容等に変更があれば、国としましてもそれに応じてやっていく、こういうことでございまして、すべて国がやれやれ、こう言っているわけではございませんで、地元と県が話し合いをやってその結果を見ておる、こういうことです。
○佐藤(謙)委員 ということは、地元を尊重されるということですね。
○玉沢国務大臣 もちろん、地元の皆さん、それから県との話し合い、それを尊重していく、こういうことです。
○佐藤(謙)委員 それで実は安心したのですけれども、これは、地元自然保護団体と農家の代表と竹富町と沖縄県の四者による協議が調わなければ進めないという協定が結ばれています。そうした協定をぜひとも遵守してもらいたいと思います。 ここで、これは非常につらい話だなと思うのは、確かに島を振興しなければいけない、実は、私はそれは多様な考え方がいろいろあるんだろうというふうに思っています。ところが、この農地開発事業は、たった十五人の農家のために十三・一ヘクタールを伐採、開発する、国有林を払い下げて伐採をする。世界にここしかいない、そういう希少動物がどうなろうとも、その十五人のためにやるんだ、そうした考え方が、全くあっていけないということではありませんけれども、代替案をどこまで考えているのかというのは、この問題を扱っている新聞社の方々や周辺の方々の一致した、代替案はもっとあるんだというような議論が強いわけであります。 そこで、地元の自然保護団体というのは実は四人おられるのですけれども、他の協議メンバー、先ほど協議会と言いましたけれども、協議メンバーはすべて推進の立場ということであります。世界でたった一カ所しか存在しないイリオモテヤマネコを保護するかしないか、保護できるかできないかをこの四人の保護団体の責任にしてしまっていいんだろうか。そんな重い決定をそういう方々に覆いかぶせてしまっていいんだろうかというふうに私は考えるのですけれども、大臣の率直なお気持ちはいかがですか。
○玉沢国務大臣 これも現地に行ってみなければわからないこともありますが、イリオモテヤマネコも大事でありますし、農家の皆さんの熱望も大事であると思います。 そこで、両者をどういうふうに調整するかということでございますが、要するに、イリオモテヤマネコの生息地がどのように侵食されるのか。農地を開発することによりまして、イリオモテヤマネコが絶滅するというような大打撃をこうむるのかどうか、こういうところもよく判断をしなければならぬという問題があると認識しております。
○佐藤(謙)委員 僕は、これはチキンゲームじゃないと思うのですね。やはりどっちかが我慢してぶつかるまでではなくて、イリオモテヤマネコはどう見ても、それではその百匹がよそに移るということはできないものです。でも、この十五人の方々の農業機会はほかの形で実現するかもしれないし、その島の振興策というのはまだまだいろいろとあるんじゃないかというふうに考えるわけです。 特に、土地改良法に基づくこの県営事業は、国が七九・九%、これは区画整理があるので〇・一%低い七九・九%、国が出すのですね。ですから、確かにこれは県営とはいっても、国が大きなリーダーシップをとれる事業なんだろうというふうに僕は思っております。県が一六・五%、町が三・五%、農家はわずか〇・三%。五億円からいけば、十五人で割ると一人百万円足らずのそういうものになるわけでありますけれども、こういうことを国が積極的に、県が進行しようとするのを抑えるのではなくて、一緒にほかの手だてを考えよう、そういう姿勢を示すことによって、このイリオモテヤマネコの保全が、農業は実は環境破壊じゃないんだ、環境保全型なんだということを、まさに方向転換したこの新基本法を世に問う非常に象徴的な事例になるのではないかなと思って私は期待しておりますので、もう一度決意をお願いします。
○玉沢国務大臣 我々としましては、農業を否定することもできませんし、環境を大事にするということも大事なことでありますから、県として自然団体等との話し合いもしておるようでございますから、そういうところを十分注目しながら今後結論が出た場合は御支援をしていく、こういうことでございます。
○佐藤(謙)委員 ひとつ愛情を持ってよろしくいい方法を模索していただきたいというふうに思います。 最後に、ちょっと今までの議論と違いますが、再生可能エネルギーの問題を最後にひとつお聞きをしたいと思います。 今、超党派の国会議員で自然エネルギー促進議員連盟というのができております。これは、今国会での議員立法を目指して、再生エネルギー、例えば太陽光とか風力を柱として、そのインセンティブをつける仕組みづくりに今当たっているわけでありますけれども、私もその一員として、例えば、ドイツやデンマークやスウェーデンを初めとしたヨーロッパに学べば学ぶほど、一つ理解できないテーマにぶつかりました。それは、バイオマスエネルギーの存在なんですね。 これは、例えばEUのホワイトペーパーは、一九九九年、つまり去年から二〇〇三年の間に約四兆円の投資をして、自然エネルギー戦略三倍増計画というのを出されています。今、自然エネルギー、つまり再生可能エネルギーが四・八%だった、これは一九九六年の数字ですけれども、二〇一〇年までにそれを一二%にしようと。つまり、一次エネルギー供給分の再生可能エネルギーという数字を一二%にしよう、そうした意欲的な取り組みをされています。 残念ながら、日本は、これは通産省の所管でありますけれども、こうした自然エネルギーに対する取り組みは、先ほどEU全体で四兆円と言いましたけれども、平成七年の四百三十三億円から平成十一年になっても八百七十五億円という大変低いレベルで終わっております。 ここで問題なのは、通産省の新エネルギー政策というのは、主に太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、それから温度差エネルギー、そうしたエネルギーを中核に据えて再生可能エネルギーをスタートさせようとしておりますけれども、実は、EUのホワイトペーパーでは、そうした三倍増計画の半分をバイオマスが占めている。 バイオマスコジェネが熱換算で一千万キロワット、これは原発まさに十基分。それから、バイオマス暖房住宅が百万戸、バイオガスプラント百万キロワット、液体バイオ燃料が五百万トンというように、もちろん、太陽電池システムの百万基ですとか、太陽熱温水器の千五百万立方メーターとか、風力一千万キロワットというものと並列して、バイオマスというものを非常に重要視しているわけでありますけれども、このバイオマス発電について、大臣、何か御見解がおありであれば。
○玉沢国務大臣 極めて重要な課題だと認識しております。クリーンなエネルギーをいかに確保できるかという観点から、そういう認識を持っております。
○佐藤(謙)委員 随分あっさりとした答弁なのでちょっと残念なんですが、これもやはり、我々は中身について議論しなければいけないと思っているんです。 重要なエネルギーだという御認識だけを示されたにとどまったわけですが、これも、アメリカのクリントン大統領が去年の八月十二日に大統領令を出して、アメリカも、とにかくバイオマス三倍増を発表されています。極めて重要だと言っている国と、それを実行に移している国との違いが、将来どういう違いになって出てくるのかを我々は危惧しているところでございます。 現実のところ、日本は縦割り行政、農業は農水省、林業は林野庁、エネルギーは通産省、持続可能な社会といえば環境庁、建築、建設廃材といえば建設省、廃棄物といえば厚生省というように、縦割り行政、これのよかった時代もあったわけですけれども、まさにこのバイオマスが、新エネルギーを策定しようとしている通産省からは、余り意欲的に取り組むものではないというような認識を今持たれているのではないかというふうに心配しているところであります。 省庁の枠を超えて、バイオマスエネルギー、例えば、日本は利用可能林面積というのがスウェーデンを上回っているぐらい非常に豊かであります。しかし、木材生産量は温帯地域の先進国の中では最も低いというように、まだまだ潜在的な可能性があるわけでありますし、バイオマスにも、木材、つまり間伐材だけじゃなくて、畜産を源としたり、わらなどの農業あるいは休耕田畑というものを源とするような、そうした多方面の展開が可能になるわけですけれども、縦割り行政の中で、農水大臣がひとつ積極的に他省庁をまとめてバイオマスを推進しよう、そういうようなお気持ちをお持ちかどうか、もう一度お願いいたします。
○玉沢国務大臣 私はかねてから、間伐政策を推進していく場合におきまして、一番大事なことは、間伐材をどう利用するかと。現在、五〇%しか利用されていないですね。これを、例えば、木質の発電等に利用できれば非常にすばらしいことだといつも考えております。これも検討しておるわけでございます。日本の中でも、一カ所か二カ所は木材発電をやっているようでございますけれども、もっと効率のいい方法があるかどうか、こういうところはぜひ研究してみたい、こう思います。
○佐藤(謙)委員 僕は、認識はそのとおりだろうと思いますし、同意をするところです。いつも考えておられるという、そうした学習意欲にも敬意を表しますが、やはり責任者であるわけですから、よし、おれがやろうと言えばやれるんですよ。バイオマスエネルギー、本当に僕は、玉沢大臣にとってはポイントを稼ぐ非常にいいアイデアだと思うんですね。 そこで、EUが推進している一つ、エネルギー作物を植えて休耕田畑を利用しているわけですね。エネルギー作物、柳ですとかそうしたものを休耕している畑に植えて、それをバイオマスの材料にしていこうという考え方がEUで非常に今推進されているというふうに聞きますが、その辺について、エネルギー作物という発想を農水大臣はどうおとらえになるか、御見解をお伺いします。
○玉沢国務大臣 せっかく御指摘をいただきましたので、バイオマスのエネルギーの利用技術の開発に木材等を使うということで、技術の開発、これに八千八百万の予算を計上しております。まず検討するということはそういう意味だということを御認識いただきたい。ただ頭の中で考えているわけじゃありませんから、具体的に言うと。 それから、今御指摘がありました農地におけるエネルギー源の作物の生産は、食料生産と競合する関係にあります。食料自給率の高い米国やEUにおきましては、食料の過剰生産から、休耕地において、菜種、大豆、ヒマワリ等を生産し、バイオディーゼル油として利用しております。 しかし、食料自給率がカロリーベースで四〇%である我が国におきましては、耕作放棄地を解消し、また、耕地利用率を向上させることなどにより食料自給率の向上を図ることが、エネルギー源作物の生産よりも優先する課題と考えております。
○佐藤(謙)委員 初めて明快なお答えを出していただきました。私の考え方と違っても、そうしたお答えには説得力があるなというふうに私も感じました。 そこで、エネルギー問題はエネルギー問題として、最後に一つ、時間がありますので、化学肥料の問題で、硝酸態窒素のことについてお聞きをしたいと思います。 これはもうかなり前になりますけれども、ドイツのドルトムントでブルーベリーの問題が指摘されたことがございました。大変過密な牛の、牧場といいますか、過密なために、その牛のふん尿が地下水に入って、それが人体に重大な影響を及ぼしたのだろうというふうに推定されているわけであります。 化学肥料を多量にとった、密度濃く飼っているそうした環境の中で、硝酸態窒素の汚染の問題がヨーロッパで指摘されたのは過去のことでありますけれども、今この日本でもそうしたものが亜硝酸に転化する、これは一〇ppmを超えると飲料水不適ということになるわけでありますけれども、汚染が進んでいるのではないかという指摘をする方がおられます。とりわけ、単作で化学肥料を多投している地域にその傾向が強いというような、そうした研究の成果を出されている方もおられると聞いておりますけれども、人体、とりわけ腎臓や糖尿病等に影響がある、これは厚生省の所管だろうと思いますが、汚染の実態について、何かデータがおありであればお示しいただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 硝酸性窒素等につきましては、環境庁の調査結果で、地下水、公共用水域で一リットル中に十ミリグラムという検出事例が多く見られたことから、平成十一年に環境基準に移行したところでありますが、特に地下水においては土壌中の動態が複雑であること、硝酸性窒素等の排出源が工場、事業場のみならず生活排水、家畜ふん尿、農地への施肥等広範にわたっていることなどから、農業に起因する硝酸性窒素の汚染の実態を正確に把握することは困難であると認識をいたしております。 いずれにしましても、過剰な施肥等、農業側からの窒素負荷の軽減を図る必要があるため、これまでも、施肥基準の見直しや土壌診断に基づく適正な施肥指導の推進、肥効調節型肥料の活用などによる環境保全型農業の推進、家畜ふん尿の適切な処理等に努めてきたところであります。今後とも、これらの対策を引き続き実施することによりまして、窒素負荷の軽減を図ることといたしております。
○佐藤(謙)委員 持ち時間が参りましたので終わります。本当にありがとうございました。
○松下委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○松岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。宮地正介君。
○宮地委員 公明党・改革クラブを代表いたしまして、大臣の所信表明に対しまして質問をさせていただきたいと思います。 最初に日中漁業交渉について、大臣が二十六、二十七日北京に参りまして、いよいよ大詰めになってきている漁業交渉について今回初めて閣僚級レベルの交渉に入るわけでございますが、私は大変重要な局面であると理解をしております。既に協定が結ばれて二年三カ月が経過をして、いまだに発効していない、こういうことで我が国の漁民も大変に不安を抱いているわけでございまして、やはり早急な発効に向けての努力が必要であろう。 そのポイントは、今までの交渉を見ておりますと、一つは操業区域の問題、暫定水域から以北のところの問題が大変重要な問題である。もう一つは操業のやり方。また、船隻の問題、日本側の方に入ってきたときの、いわゆる船隻数と言われておりますが、それをさらに押し込むような形でこれから交渉すると思いますが、当初四千隻などとも言われておりましたが、この問題が一つ。 最も重要なのが発効の時期の問題だ、私はこう理解しておりますが、大臣、二十六、二十七日、この二日間北京に行く、この重要課題について、まずどのような意気込み、政府代表としての姿勢、また、今まで二年三カ月間交渉してきたが、なかなか解決しなかった、これをどういうふうに総括をして立ち向かおうとしているのか、この点について確認したいと思います。
○玉沢国務大臣 日中漁業協定につきましては、協定署名後二年以上を過ぎても発効しないという異常な状況が続いております。 したがいまして、今まで局長あるいは長官レベルのところで折衝をしてまいったわけでございますが、今委員がおっしゃられましたような隻数の問題であるとか暫定水域その他につきまして、線をどこに引くとか、そういうような点につきまして、かなり話し合いの結果詰まってきておりますけれども、しかし最終的なところまで行っておりません。現在の、今続いている協定におきましては、中国の漁船が日本の海域におきましてどこででも操業できる、そういうことになっておりまして、かなりの隻数があるわけでございます。 仮に条約の発効ということになってまいりますと、隻数その他を明確に明示する、こういうことになりますと、やはり相当の犠牲を払わなきゃいかぬ。韓国との間におきましても、難航しましたけれども、昨年の十二月の末に暫定水域における話し合いがまとまったわけでございますが、韓国はその結果、七百隻を超える減船をしなきゃいかぬ、こういう状況でもあると聞いております。我が国もそれなりに減船もいたしますし、いろいろな犠牲も払っておるわけでございますが、やはりそういうようなことが背景にありまして今日まで二年間来たのではないかと思っております。 したがいまして、今回の場合におきましては、昨日来、水産庁長官が既に訪中しておりまして、長官、局長レベルで話し合いを行っておるわけでございます。厳しい交渉が続いておるという報告がございますが、私が参りますことは、最終的には政治的な判断ということでお互いに決断をするという時期が迫っておる、こう考えるわけでございまして、やはり限られた海域の中で両国が平和共存のもとに共通の漁業資源を永続的に利用していく、こういう観点からぜひこの交渉を、取りまとめをするために全力を尽くしてまいりたい、こう考えておるところであります。
○宮地委員 北京政府の陳大臣は、聞くところによりますと、江沢民主席の直系の大臣である、こういうふうにも伺っておるわけでございますので、私は、玉沢大臣の器量も大変に重要なポイントであろうと思いますので、ぜひ陳農業部長との大臣、閣僚レベルで決着をつけるように、どうか執念の闘いをしてきていただきたい、こう思うわけであります。 そういう中で、全漁連を初め日本の漁民の皆さんが、この北緯三十度四十分以北の中におけるところの、東経百二十七度なのか、あるいは百二十八度まで押し込まれるのか、これは大変な大きな問題であるわけです。 百二十八度まで押し込まれたときには、私は、交渉の結果次第でございますが、今後、日本政府としてもそれなりの対応を考えなきゃいかぬと。しかし、そういうことはきょうの段階では言えませんから私は申し上げませんが、いずれにしても、百二十七度、ここで踏ん張っていただきたいということを私は特に申し上げておきたいと思うわけでございます。 〔委員長退席、松下委員長代理着席〕 それからもう一つは、先ほどから大臣は、資源管理時代、いわゆるお互いの資源を守る、こういうレベル、これは当然のことなんですね。我々、先進国としては、この日本海の地球規模的な資源を守るということで、新しい二百海里時代におけるこの交渉をやっているわけです。 しかし、中国は位置づけからすると、まだ発展途上国という立場にある。そうなりますと、漁民の皆さんに対する生活権の保障の問題を果たして北京政府がしっかりとするのかどうか、ここのところが全く見えてこない。そういうところから、やはり中国の漁民の反発も相当強いのではなかろうか、こういうことも我々は想像ができるわけであります。そういう点も腹蔵なく、我が国は中国に対しましても経済協力も積極的にやっているわけですから、やはり高い次元の資源管理時代に沿うように、北京政府としても中国漁民に対してのそれ相応のフォローアップ対策をやるべきではないのかということも、私は、堂々と主張してきていただきたい、こう思うわけでございますが、この点について御意見を伺っておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 仮に条約が発効した場合に、漁民に対する処置、これを我が方が申し上げていいかどうか、これはやはり内政にかかわることでございますから、我々は条約の発効におきましては、お互いに決意をした以上、つまり、両国で資源を大事にしてやっていくといった話がついた場合、中国側がどのような処置をとるかについてまでは言及する必要はないと思います。 あくまでも、日本は日本なりにまた事情があるわけでありますから、とにかく条約は結んだ、しかし、発効しないというのはおかしい、こういう観点から、この条約の発効をぜひ行うべきである、これは何も不当なことじゃないんです、この主張は。委員がせっかくおっしゃられることでございますけれども、向こう側が処置をどうとるべきかということについては、私の方からは申し上げないつもりであります。
○宮地委員 この点については、今後とも当委員会で継続して状況を見ながら私は大臣にいろいろと御意見を申し上げていきたい。ともあれ、二十六、二十七の二日間は大変重要な局面であるし、政府を代表して、発効決着の決意でぜひ頑張ってきていただきたい。私は心から期待を申し上げておきたいと思います。 そこできょうは、時間がありませんが、具体的な問題として、大変重要な問題でございますので、私から少し秋田県の八郎潟干拓に伴う八郎湖の水質汚濁問題について御質問をさせていただきたい、こう思うわけでございます。 大臣御存じのように、八郎潟の干拓事業というのは国策として行われました。昭和三十二年から五十二年にかけまして、約二十年の経過を受けてこの事業が行われたわけであります。この事業のいわゆる目的というのは、日本農業のモデルとなる生産性、所得水準の高い農業経営を確立する、こういうことで行われたわけであります。そしてこの間、事業費として、国営干拓事業費約五百二十八億円、事業団事業費が二百九十七億円、合わせて八百二十五億円が投じられたわけでございます。その結果、中央干拓地として農地面積約一万八百六十二ヘクタール、周辺干拓地として約千四十七ヘクタール、全体として約一万一千九百九ヘクタールの農地面積が干拓されたわけであります。八郎潟干拓事業は、大体八〇%と言われております。そしてその後、中央干拓入植農家が約五百八十戸。現在は約五百五十戸のようでございます。こうした国策としての事業が行われてきたわけでございますが、今日、大変大きな問題が起きているわけであります。 それは、この残存湖という八郎湖、約四十五ヘクタールでございますが、この残存湖の八郎湖とそこに流れ込むところの、つくった承水路、東部承水路と西部承水路、これが大変な水質汚濁になっているわけであります。御存じのように、環境基準としては、農業用水は一リットル当たり六ミリグラムであります。環境庁の湖沼法による環境基準では三ミリグラムであります。ところが、湖の湖心でさえも六でございます。環境基準からすれば、湖沼法からすれば倍の大変な水質汚濁になっている。西部承水路に至っては、もう六を超えまして十一までになっているところもある。東部承水路のところでも六を超えているところがある。こういう大変な今水質汚濁状況があります。 ここの水は、御存じのように、リサイクル方式を使っているわけであります。循環型に活用している。それは、農業用水としても活用しておりますが、いわゆる生活用水、飲用水としても活用している。これは、国策が今日、三十三年たって、排水機場が老朽化したり、いろいろありますが、今大変な危機に瀕している。この点については、昨年十二月十四日、私ども、秋田県の代表の皆さんとともに大臣のところにも要請に行ったところでございます。今、この実態をどのようにまず大臣は認識をされているのか。また、今後この危機的な状況を解決するためにどう努力をされようとするのか。この対策と現状認識。 また、残念ながら、農林水産省はいまだに直接ここの八郎湖の水質汚濁調査をしておりません。秋田県とか専門機関、環境庁とか農水省は、農業用水池を持っていながら、みずからはやっておりません。今後、早急に調査、点検をやる用意があるのかどうか、あわせてこの点を確認しておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 八郎湖におきましては、近年水質の悪化が進みつつあり、その対策の検討に当たりましては徹底した原因究明が不可欠と考えております。 秋田県におきましては、副知事を会長といたしまして八郎湖水質保全対策委員会を設置し、水質保全の総合的な調査、検討を行い、下水道や集落排水施設等の整備、環境保全型農業の推進など対策を進めていると聞いております。 御指摘の点につきまして、農林水産省としましては、八郎湖の水質が農業用水基準より悪くなっている状況であることから、秋田県と連携しつつ、早急に必要な調査、検討を行っていきたいと考えております。
○宮地委員 必要な調査、点検を行う、こういうことですが、具体的に、もうこれは大臣、ペーパーを余り見ないで、ここは政治家として私はちょっとやりたい、時間もないけれども。今は農水省のお役人さんのペーパーにおいて、早急に調査、点検すると。大臣、十二年度予算からやろうじゃないですか。どうですか。
○玉沢国務大臣 調査、検討するということは、新年度からやるということです。
○宮地委員 十二年度の新年度予算から調査、検討、点検を着手する、こういうことはわかりました。 問題は、やはり、この調査、点検をした結果、これからどういう対策を講じるか。それから、その対策の示唆については、もう既に環境庁がきちっと方向をアドバイスしているんですね。例えば、いわゆる農業用水の汚染化の問題についても、やはり肥料の施肥の問題等についても改善をする必要があるとか、環境庁なりに窒素や燐の含有の状況も既にもうデータを出しているわけです。あるいは、雪解けの水をすくうために、東部承水路は山ですから、この山の森林に広葉樹を植えて、そのきれいな水を落とせるようにしよう。あるいは、もう既に農水省は、今までの下水道の問題で、集落排水の問題でも予算をつけながら一生懸命頑張ってきた、これもさらに拡充をしよう。あるいは、一般の公共下水道もさらに普及をしよう。この地域は非常に普及率もいいのです。それをさらに拡充をして、流入するところの生活雑排水とかそうしたものに対しての対策も拡充しよう。こういうことは既に考えられることなのです、調査点検をする前から。 むしろ、調査点検をしてその汚濁の原因を解明すると同時に、もう既に、大体ここは淡水化の湖であると同時に閉鎖式なのですね。水が外に流れ出るようになっていない。ですから、当然よどむわけです。そういうところで水量の問題も非常に大きな問題になっているわけです。やはり水量をふやすためにそこに何らかの手を打たなきゃいけない。 そういう点で、総合的な対策、例えば西部承水路が大変汚濁しておる、しゅんせつ作業をする、これも一つの方法です。ところが、この承水路というのは、大臣、二級河川扱いになっているのですよ。要するに、これは秋田県知事の管理河川扱いなのです。ところが、これは大変な農業用水との関連があるわけです。そこから全部農業用水をリサイクルして使っているわけです。 ですから、ここはやはり農林水産省がきちっと、どういうような実態なのか、農業用水を管理するのは農林水産省ですから、これは秋田県の管理であるけれども、莫大な予算が必要なのですから、やはり国がきちっとフォローアップをして浄化対策を講じていく。こういう総合的な対策を講じますと、相当な予算措置が必要である、こういうことについて、私は、十二年度中に調査点検をすると同時に、十二年度に今後の浄化対策についての計画をしっかり農林水産省がつくって、十三年度以降、予算と施策が同時進行でいける、そういう取り組みをしてもらいたい、こう思いますが、大臣、いかがでございますか。
○玉沢国務大臣 水質汚濁の原因が、周辺の流れ込んでくる水にあるのか、あるいは、委員がさっき申し上げられましたように、農業用水とも連関して循環して使っておる、こういうようなところにもあるのか、あるいは排水が、要するに流れるのがよどんでおって、水質が悪化してくるのか、こういうところをもう少し明確に位置づけて、その上で対策をとることが大事ではないかと思います。
○宮地委員 ここの大潟村においては、大臣、肥料の窒素とか燐が承水路に流入していく、そして八郎湖の方に入っていく、こういうことも大変に農家の方も心配されまして、そうしたことのないような、今三十ヘクタールぐらいですけれども、一つは不耕起栽培、いわゆる代かきをやらなくてもいいような栽培を既に研究されて、そういうものを実施されている農家もあるのですよ。あるいは、米ぬかとかそうしたものを利用して有機栽培を非常に研究してやっている農家もふえているのですよ。 そういうふうに、できるだけ農薬を使わない、低農薬にしようとか有機栽培にしようとか不耕起栽培にしよう、そういう努力をされているのですよ、農家の皆さん自身も。そういう中で生産性を上げて頑張っているんだ、あきたこまちの米もつくっているのです。 そういうところには、むしろこの際、思い切って農水省は助成措置をやるぐらいの腹があっていいんじゃないか。あなた方がこれから点検して対策をする前に、そうした崇高な生産農家はみずからが努力してやっておる。そういう方に対しては積極的に先手を打って、農水省がこれから自給率の向上もして、基本計画をつくって新しい日本の農業再生に頑張るんだ、こういうのであれば、こうした農家に対しての激励があってしかるべきではないか、私はこう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 今委員がおっしゃられた農法を行いまして、環境保全型農業の取り組みをやっておる農家の方々に対しましては、いろいろな方法で支援をするということはやっておるわけであります。 例えば、不耕起栽培技術等を実証するための展示圃場の設置に必要となる圃場借り上げ費とか資材費を援助する、あるいは技術研修会の開催に要する経費であるとか、取り組みを推進する集落において開催する会議に要する経費であるとか、それから御承知のとおりに、堆肥化をするための施設を整備していく、こういうところにつきましては今後力を入れて御支援をしていく、こういうことになりまして、やはりいつも言われておるわけでございますけれども、環境保全型の農業の推進は今後大事なことでありますから、そういう点におきましては、我々としましてもできるだけ地域のお役に立つように御支援を申し上げていきたい、こう思っております。
○宮地委員 大臣、やはりこの問題を解決するために一番大事なのは、秋田県がみずから調査も実施して、秋田県もそれなりの財政の厳しい中で御努力していますから、主体は、最初に申し上げたように、国策としてやった事業ですから、最後まで国が責任を持つ、この気概を持って、秋田県を指導監督しながら財政的に国がきちっと責任を持っていくという基本的なスタンスはぜひ明確にしてもらいたい。 それから、大潟村には秋田県立の短期大学もございまして、先生方も、環境保全型農業あるいは八郎湖の水質汚濁対策にはいろいろな角度から専門家が研究もしております。県立の大学でございますから所管は文部省でございましょうが、やはりそうしたところの研究調査費等についても、私は、内閣の一員として文部省と連携をとりながらフォローアップもしていくべきであろうと。 ともあれ、そうした総合的な対策の中で、中心は、農水省が、おれたちが国営としてやったこの事業についてはきちっと当初の目標どおり最後まで責任を持つんだ、この気概で私は対策を講じてもらいたい。この点について大臣の決意を伺っておきたいと思います。
○玉沢国務大臣 国がすべての責任を持つということよりは、地域の皆さんが土地改良その他におきましてもみずからの意思を決定いたしまして、それに対して国、県が支援をして行う、こういう事業でありますから、その結果起きたいろいろな事案につきましても、やはり国も大事でありますけれども、地元でどう対処するかという方向を決めて、方向づけをして、それに対して国が支援を行うということが一番大事なことだと思います。
○宮地委員 実は、この八郎湖の水質汚濁、環境保全、この問題につきまして、昨年十二月十四日に大臣のところに御要請申し上げて以来、我が公明党の秋田県本部の若き青年党員が、これはやはり大変な問題である、単なる大潟村の地域の問題だけではない、秋田県全県、なかんずく、日本の環境保全型農業の一つの重要な、国策の中の一環としてこれは重要な問題だ、早急に八郎湖の水質汚濁問題を解決しなきゃならぬということで立ち上がりまして、本年、わずかな期間でございましたが、署名運動をやったんです。何と六万三千人ですよ、この地域で。大潟村の人口は三千三百人です。これだけ重大な意識を今秋田県民が持っているという一つのあかしなんです。 これをやはり私は、大臣、認識をしっかりと持ってはいらっしゃると思いますが、国策事業の結果、今このような危機的な状況にあるんだ、そして秋田県民が大変な重大な関心を持って期待をしているんだ、環境保全、水質汚濁防止、早く水質を浄化してもらいたい、それで飲む水も安心、つくられるお米も安心な、安全なお米、そしておいしいお米をつくってもらいたいという願いが私は込められて署名にされたと思っております。 どうかこういう点を十分認識の上、今後農林水産省として、大臣の任期中にきちっと明確な方向がつけられるよう私は期待をしたいと思っております。もう一度この点について御確認をして、質問を終わりたいと思います。
○玉沢国務大臣 委員は秋田選出の国会議員であります。この委員会の中にもそういう議員の方がおられるわけであります。(宮地委員「私は秋田じゃない」と呼ぶ)失礼しました、秋田の公明党と言いましたから。選出は別にしまして、地域を代表しての御意見と。 やはり、地域でしっかりとした方向づけをしていただきたい。それに対して、我々としましては明確なる御支援を申し上げていきたい、この一点であります。
○宮地委員 きょうはわずかな時間でしたから、私の方でできるだけデータを出しながら質問しましたが、これは単なる秋田県の大潟村の地域だけの小さな問題ではない、私は、日本の農林行政の施策の一つとして大変重要な課題であるということできょうは取り上げさせていただきました。今後の農林水産省の対応を見守りながら引き続き今後とも検討してみたい、こう思いますので、農林水産大臣を先頭として、この問題に誠意ある積極的な、そしてスピーディーな対応を期待して質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○松下委員長代理 次に、佐々木洋平君。
○佐々木(洋)委員 質問いたします。 まず最初に、WTOの農業交渉についてお伺いいたします。シアトル会議以来足踏み状況だったんですが、先般、農業交渉については、二月七日のWTOの一般理事会で、三月二十三日から始まる農業委員会の特別会合で開始をするという決定がなされたようでございます。この特別会合における議論の見通し、あるいは大臣の決意のほどをまずお伺いしたいと思います。
○玉沢国務大臣 WTOの農業交渉につきましては、来月の、三月二十三、二十四日に、WTO農業委員会に合わせて、その委員会とまた別に、特別会合としてこの第一回の協議が行われることになっております。 この協議におきまして、現在、加盟国間で非公式に行われている協議を踏まえ、特別会合における議事の運営方法、各国からの提案の提出時期についてこれから議論が行われるものと考えておるわけでありますが、従来から我が国が主張してまいりました主張点を大事にしまして、今後各国との連携を図りながら、目的実現のために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○佐々木(洋)委員 ぜひ強い意思でひとつ頑張っていただきたいと思いますが、先般のシアトルでの会議が決裂した要因、要因といいますかいろいろなことがあると思いますけれども、その一つに、やはり途上国といいますか、その優遇措置、全体の優遇措置、この辺に問題があったのではないかというふうに思います。 先進国においては、包括的なラウンドを急速に立ち上げよう、これは当然基本的なスタンスとして一致をしているわけですが、途上国に対する優遇ということになりますと、意見が分かれるところであります。途上国もやはりニューラウンドに対して大変期待をしながら、そしてまた、メリットを要求するわけでございますので、この辺の、日本としての主張といいますか立場といいますか、そういうものを大臣からお伺いしたいと思います。
○玉沢国務大臣 委員の言われましたとおり、やはり、WTOを中心とした多角的貿易体制が先進国のみならず、途上国にもメリットをもたらすということが今後の重要な課題である、そのような方向に努力していくということが大事だと思うんです。 そこで、一月に行われました日・EUの閣僚会議におきまして、経済開発が極めておくれている後発開発途上国を原産地とする実質的にすべての品目に対して無関税、無枠の待遇を供与し、実施することを他の先進加盟国とともに推進することに合意をしたところでございまして、さらにこれを会議の中におきましても主張しながら、できるだけ多くの国がメリットを受けられるような貿易ルールにすべきことを主張してまいりたい、このように思います。
○佐々木(洋)委員 わかりました。 次に、そのシアトルでの結果、いろいろと指摘をされた事項がございます、これは途上国からでございますけれども。どうも運営自体がよく見えない、透明性がないんだということで、先進国同士がいろいろ話し合って勝手に決めておるんだというような話がよく出ました。あるいはまた、効率性が非常に悪いという意見もございました。 そういうことで、交渉の進め方なり、あるいはまた農業交渉の議長という立場は非常に重要になってくると思うんです。ですからその辺も、まとめていくためには私は非常に大事だろうというふうに思います。その辺について再度お伺いします。
○玉沢国務大臣 シアトルの閣僚会議におきましては参加国は百三十四カ国と、かつてない参加国が得られたところでありまして、その意思の決定機関としまして、今まで、グリーンルームといいまして、主要国の国々が三十カ国ぐらい集まりまして会議の方向を決定するという手続があったわけでございますが、しかし三十カ国以外の国々は全く会議の進展を知らされてないというようなこともありまして、極めて手続が不透明である、こういう指摘がなされたわけでございます。特に、この百三十四カ国のうちの四分の三が開発途上国であるわけでございますので、これらの国々の不満が大きかった、こう思います。 したがいまして、今後のことでございますけれども、やはり意思決定のプロセスの透明性、それから効率性、これを改善していくということが一番大事なことだと思いますし、また、議長にだれが就任するか、中立公平な人材を議長に推薦をする、こういうことも大事だと思いますので、今後とも、我々としましても、積極的な意見を表明しまして、できるだけこれが効果的にまとまることができるように、手続の問題あるいは運営の問題等も含めて会議において主張していくということが大事だと思います。
○佐々木(洋)委員 ひとつ成功に向けて御努力を御祈念いたします。 次に、総括政務次官にお伺いしますが、米の緊急需給安定対策についてでございます。 御案内のとおり、米が関税化になりまして、以来、米生産農家、不安と期待と入り乱れておるわけでございますが、いよいよもう農作業も始まりまして、農家に行きますと米の価格の問題が話題になります。ことしはどのぐらいになるのかなということをすぐ言われますが、御案内のとおり、平成五年以降、米の価格についてはもうとめどもなく下がってきておるわけでございます。 そういう中で、昨年九月に米の緊急安定対策を打ち出して、何としても米の価格の低下をとめようと努力されたわけでございますけれども、市場の反応は御案内のとおりで、なおいまだに下がっておるという状況なわけでございます。 なぜそうなるか、その辺をひとつお伺いしたいと思いますが、私なりにこれを考えてみますと、消費の動向といいますか、消費バランスといいますか、そういうものは本当に、一千万トンと言われておりますけれども、それだけあるのかどうか、私は非常に疑問に思っております。市場でもその辺は非常にチェックしているんじゃないかなという感じがします。それと、計画流通米に限定をしたというところにも問題があるのかな、あるいはまた作況にこだわり過ぎたという部分も私はあると思います。 そういった面で、今回のこの対策は、非常に私は効果的だと思ったんですが、その結果が出なかった、市場がそれに反応しなかったということは、やはりその辺は反省すべき点もあるのかなと思いますが、その辺についてお伺いします。 〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
○谷津政務次官 昨年の九月に、十一年産米の作柄による供給過剰及び消費減退による需要の減少等を踏まえまして、先生の御指摘のとおり、米の需給バランスを早期に回復を図る観点から、米の緊急需給安定策の実施を決定したところであります。 第一点目の、先生おっしゃった、主食用過剰のみを切り口にする対策を立てたとの御指摘がありましたけれども、今回の対策は、作柄が豊作になった上に、主食用の需要が、御指摘のように九百三十万トンと二十五万トンほど減少をしておりまして、主食用についてこの分の供給過剰を解消するための対策を講じることとしたものでございます。 一方、加工原料用の需要については大幅な変動がなくて安定的な水準にあるために、今回の対策を実施する上で加工原料米用の需給を考慮はしなかったということであります。 なお、ミニマムアクセス米については、主食用に供給された場合にはそれと同量以上の政府国産米を主食用以外に振り向けるなどして、国産米の需給に影響を与えないように運用しているところであります。このため、ミニマムアクセス米の国内における販売が国産米の主食用の供給や加工用供給の過剰を招いているということはないというふうに考えております。 また、先生御指摘の第二点の、緊急対策の対象を計画流通米に限定したとのお話がただいまありましたけれども、今回の対策は、計画流通米、計画外流通米を合わせてトータルの主食用需給のバランスを図るものでありまして、一部の計画流通米のみを対象として対策を講じているということではございません。 第三点目の、作況指数にこだわり過ぎたのではないかというような御指摘がございましたが、生産オーバー分の主食用以外への処理は、そもそも作柄により生産量が計画を上回った分について実施するものでありまして、最終的な作況指数が一〇一となった以上、当然にこれに応じて主食用以外への処理数量も十七万トンとするべきものです。したがって、作況指数により処理数量を変更するというふうな問題はなかったというふうに思います。 このような緊急需給安定対策によりましてトータルの需給バランスを図ったとしても、短期的な需給変動により価格が下落した場合には、これに対処して稲作経営安定対策による補てん金を交付しているところでございます。 この稲作安定対策につきましては、相当の繰越金がある者についての補てんの充実と翌年産の生産者拠出の軽減、十一年産の補てん金を加味した十二年産の補てん基準価格の算出等の対策を講じているところでございまして、これらの対策を適切に実施することによりまして、需給の安定と農家の所得の確保を図っていきたいというふうに考えているところであります。
○佐々木(洋)委員 米農家の皆さん方が作付を前にして大変心配をしておりますので、その辺の価格の安定といいますか、そういうものに対してしっかりと対策を立てていただきたいと要望申し上げます。 次に、水産関係についてお伺いしたいと思います。 水産庁が昨年十二月に、水産基本大綱、そしてまた改革プログラムを発表されました。その中で、平成十三年度通常国会までに水産基本法を策定する、そして漁業法の改正もあわせて行おうということでございます。 この中身については私もまだよくわかっておりませんけれども、今まで沿岸漁業振興法というものがあったわけですが、今回の大綱との相違点、特にこういったところが違うんだよというところをひとつお示しいただきたいと思う。 また、前は、私が知っておる範囲では、漁業基本法という名前で、大体そういう方向でいくんだということだったんですが、先般の検討会の報告によりますと、水産基本法ということに変わったわけでございます。その辺の変わった理由、あるいはまた政策が、今までは対象が漁業ということだったんですが、水産基本法ということになりますと、流通、加工それから遊漁等々大変幅広い方向にいくわけですので、その個別の施策、あるいは利害が非常にぶつかる部分も私は出てくるんじゃないかと思うんですが、その辺の問題についてどのようにお考えになるか、大臣、お伺いします。
○玉沢国務大臣 昭和三十八年に制定された沿岸漁業等振興法と、これから行おうとしておる水産基本法、どういう点で違いを明確にするかという御質問でございます。 具体的に申し上げますと、沿岸漁業等振興法は沿岸漁業と中小漁業を施策対象としておりますけれども、新たな政策では、これを水産加工、流通業等の関連産業や遊漁にまで広げることとするというのが一点であります。 政策目的につきましても、これまでは生産性の向上や生産の増大を主眼に置いておりましたが、これを二百海里体制という新たな海洋秩序のもとで周辺水域の水産資源の適切な保存管理と持続的利用を基本とする枠組みに再構築するという点、こういう点が大きな違いである、こういうことでございます。 これによりまして、漁業のみならず、水産加工、流通業も含めた水産業全体の発展を図り、国民に対する水産物の安定供給や漁業地域の活性化にも対応し得る政策を講じてまいりたいと考えております。
○佐々木(洋)委員 ひとつしっかりとすばらしい法律をつくっていただきたいと思います。 次に、先ほど以来話がございました日中漁業交渉の問題でございますけれども、大臣が行かれると。我が国の主張をしっかりとひとつ主張していただきたいと思うし、合意に向けて努力をしていただきたいと思います。 万が一という話を言っては大変恐縮なんですが、もし仮に合意に至らなかった、多分厳しい状況になると思うんですが、漁業者がよく言っておりますけれども、私もちょっとそういう感じがするんですが、現行協定を終了通告するんだ、してもいいというぐらいの、その辺の考え方というのはどういうものなんですか。そのぐらいの腹で交渉に向かうのかどうか、大臣。
○玉沢国務大臣 自由民主党の水産部会におきましては、これ以上の延期を行うような場合におきましては、現協定を破棄することもあり得べしという御決議等、申し入れも受けておるところでございますが、私としましては、この限られた海域での資源を大事にしながら、両国が共存共栄を図って、持続的にこれを利用していくということがより重要ではないか、こういう観点から、交渉に当たりましては、決裂することを予想しないで、何としても条約の発効に向けての話し合いを成功させたい、こう考えておりますので、委員の御支援、御協力もお願い申し上げたいと存じます。
○佐々木(洋)委員 大変な交渉になると思いますけれども、大臣、ひとつ頑張って、日本の漁業を守るためにもしっかりとお願いしたいと思います。 最後になりますけれども、森林・林業・木材産業にかかわる問題でございます。 大臣の所信表明の中で、森林・林業・木材産業について、政策の基本的な考え方は今までは木材生産を主体としておった、しかし、これからは違うと。森林の多様な機能を持続的に発揮することを主体としたものに転換するんだ、こういう所信の表明がなされたわけでございます。それも、十二年度中に、その辺を目途として基本法のあり方を、大綱を取りまとめたい、こういうことでございますが、今の検討の状況、進捗状況、あるいはまた今後のスケジュールもお伺いしたいと思いますし、この報告の中で、基本課題について可能なものについては早急に、十二年度ですから、早急にとにかく具体化するんだ、こういうお話でございましたけれども、今年、平成十二年度はどのような取り組みをされるのか、お伺いしたいと思います。
○玉沢国務大臣 お話しのとおり、林野の基本政策の見直しにつきましては、昨年七月の森林・林業・木材産業基本政策検討会の報告を踏まえ、その基本的な考え方を、木材生産を主体としたものから、森林の多様な機能を持続的に発揮することを主体としたものに転換する、こういう方向が明らかにされ、具体的な施策の検討に入る、こういうことでありますが、まずその前に、前倒しをといいますか、そういう形で十二年度からどのような施策を講ずるかということでございましたので、具体的な当面対応すべき課題につきましては、次の三点を政策として展開をしていきたい、こう思います。 第一点は、森林の多様な機能の発揮のために、間伐を従来の約一・五倍に拡大をして実施する緊急間伐五カ年対策であります。これは、従来二十万町歩を対象としてきたものを三十万町歩まで拡大をしまして、予算も大幅に拡大をしたところでございます。 二番目としましては、林業構造改善事業の見直しでございまして、これを充実させ、新規林業就業者等の確保、育成対策の強化という点でございます。 三番目は、木材産業の構造改革や地域材の利用促進等を平成十二年度政府予算案に反映をさせたところであります。川上において間伐をする、川下においてその利用を図っていく、こういうことで、これも川下対策としまして八十億の予算を計上いたしておるところでございます。 こうした政策を展開しつつ、さらに、国民の皆様の御意見を十分お聞きしまして政策大綱等を取りまとめてまいりたい、こう考えております。
○佐々木(洋)委員 今大臣からるる説明がございました。まさに森林というのは国土保全あるいは防災の面からも非常に大事なことだろうというふうに思っております。今よく、山が死んでいるという話も聞きますが、いろいろな項目が出ましたけれども、林野庁やあるいは個人、県だけじゃなくて、災害が今起きた場合、集中的に一時間何百ミリもというような、大変な災害になるわけですね。それが今度は、間伐材が、間伐されたものがそのまま放置されておりますから、それが流れ出して二次災害が起きたり、そういうような状況、あるいはまた、間伐していない山は今度は崩壊をするというようなこともございまして、私は、国土保全上も非常に大事な問題だなと。そしてまた、これは真剣に考えていかないと、ただ単に林野庁や農林省のみならず、国土庁も建設省も一緒になって、この間伐問題も含めて森林の管理運営というものもしていくべきだというふうに私は思っておるわけでございます。 今、木材産業自体も大変でございますけれども、本当に山が今死んでおる状況でございます。ひとつしっかりと、いろいろな御意見を聞きながら立派な基本法をつくっていただきたい、これを御要望申し上げまして、質問を終わります。
○松岡委員長 次に、中林よし子君。
○中林委員 まず最初に、大臣所信そのものについてお伺いしたいというふうに思うんですが、私は、玉沢大臣の所信表明を聞きながら耳を疑いました。それは、昨年、そしてまた、ことしにかけてですけれども、農水省の構造改善事業にまつわるあれだけの大きな癒着の疑惑問題、不正問題、そして、農水省始まって以来とも言えるような大量の処分が出たにもかかわらず、それについては一言も言及をされませんでした。これは、大臣の政治姿勢にかかわる基本の問題だというふうに私は思います。 今回の問題は、農水省の予算執行に際して、農水省の職員と天下り公益法人、そして受注業者の間の構造的な癒着の問題の中で予算そのものがねじ曲げられた、そういう疑いがある重大な問題です。それについてなぜ所信で一言もお触れにならなかったのか、その点についてお伺いいたします。
○玉沢国務大臣 確かに、この点については触れておりませんけれども、しかしながら、既に、所信表明演説を行う前に、一月二十五日、この委員会におきまして、このような事態を招いたことはまことに遺憾でありまして、二度とこのようなことが起こらないよう、全省挙げて綱紀の粛正と事業実施の改善に取り組んでまいりますと、私の考えを明らかにしているところであります。このように、私としましては重要な問題であると受けとめておるわけでございます。 所信におきまして本件に触れなかったのは、所信表明におきましては政策展開の内容にわたることを中心に述べたからでありまして、この事案を軽視しているということにはならないと考えております。 〔委員長退席、松下委員長代理着席〕
○中林委員 政策執行の面における一番の出発点、それは綱紀粛正であり、公正な行政だというふうに思うのですね。そうであるならば、やはりそういう処分をし、調査もしてやった一番最初の所信でございますから、当然、私は大臣として述べられるべきであったろうということを最初に申し上げておきたいというふうに思います。 さて、まず最初に、自給率の問題で質問させていただきます。 日本共産党の代表質問で不破委員長が明らかにいたしましたように、サミット諸国の中での日本の農業の衰退ぶりというのは大変顕著です。その原因を明確にして、その上に立った対策を立てること、これは日本の国の政治の責任だというふうに思います。 自給率の問題なのですけれども、農水省がFAOのデータに基づいて試算した主要先進国のカロリーベースの食料自給率、今皆さんのお手元に資料としてお配りしております。これを見ていただくと、一番上の表ですけれども、おわかりになるように、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、スイスそして日本の八カ国で、日本を除くすべての国が一九七〇年から一九九七年の二十七年間で食料自給率を引き上げ、特にイギリス、スイスに至っては、一九七〇年、このときは日本よりも自給率が低かったにもかかわらず、その後、食料自給率の引き上げに努めて、現在は日本の食料自給率を大きく上回っております。 日本は、食料自給率低落傾向に全く歯どめがきかず、九八年には三九%に下落をいたしました。国際的にもその異常さを露呈しているわけです。まず、この事実確認から行いたいと思いますけれども、この事実はお認めになりますね。
○玉沢国務大臣 各国における農業の事情あるいは消費の性向、こういうようなものも十分踏まえた上で議論をすることが大事であると思います。
○中林委員 この事実はお認めになりますね。
○玉沢国務大臣 私が申し上げたことを前提として、それらの要素を勘案した上で、このパーセンテージは認めるにやぶさかではございません。
○中林委員 昨年の新しい農業基本法の審議の際に、自給率一%上げるのにも大変な努力が要るんだ、このようにおっしゃっておりました。この各国の自給率の推移を見ると、一%どころかかなりの比率で上がってまいりました。 では、大臣、今各国はいろいろ事情が違うんだ、このようにおっしゃいました。日本よりほかの国はなぜ自給率を引き上げることができたのか。そして、日本はなぜ自給率が下がったとお考えでしょうか。
○玉沢国務大臣 食生活の面から一つ取り上げてみますと、日本型食生活から欧米型食生活に変わる、変わりつつあるということがよく指摘をされます。 例えば、日本の畜産の場合におきましては、飼料穀物を約千五百万トン輸入しておる、それによって維持しておるという面がございます。千五百万トンの飼料穀物を日本の国内で生産をするということになりますと、面積ベースでいいますと、農地面積が千二百万町歩必要である、こういうことになります。 一方において、我が国の耕地面積は徐々に減少してまいりまして、六百万ヘクタールから今四百九十万ヘクタールぐらいだと思いますけれども、そこまで減少してきている。こういうことを考えれば大体の検討がつくかと思うわけでございますけれども、やはり日本型の食生活が変わらず、さらに国内におきまして米を中心とする自国で生産するものが多く消費されるということになってまいりますと、自給率が向上するということは言えると思います。
○中林委員 もう一点答えられていないのですが、よその国はなぜ食料自給率が上がったとお考えでしょうか。
○玉沢国務大臣 まず、上がっているところといいますと、例えばイギリス等におきましては、かなり耕地面積が遊休地化しておったのが相当あって、歴史的に見ますと、かつてはイギリスの主要農産物はオーストラリア、ニュージーランドから入れておりました。イギリスは、七つの海を支配する海軍国でありますから、海上交通路を完全に支配しておった。そういうところから大英帝国ということになるわけでありますが、今、名前は大英帝国でありましても、EUに加盟して、国としましてはヨーロッパ中心ということになってまいったわけでございますし、また軍事力も、かつて七つの海を支配したときよりも少なくなってきた、その海軍力が。そういうことから方向転換をされまして、やはり自国の食料生産を中心としていかなければ食料の安全保障上の問題があるというふうに考えて方向転換をされて、国内の自給率を上げるということに努力したものと思われます。
○中林委員 これまで繰り返し政府は、日本の食料自給率が下がったのは、国民が日本型食生活から肉などをたくさん食べるようになって、食味が変わったからだ、こういう説明をしてまいりました。 今、イギリスの例を挙げられましたけれども、イギリスは、一八〇〇年代の後半に穀物法の廃止で自由化路線をずっと通っていくわけですね。それから、第一次世界大戦直後ぐらいは自給率はかなり低下をしていたという中で、自由化路線というものがやはり国内の自給率を低めるものだということで、第一次世界大戦後、第二次世界大戦後、国内の自給率をどう高めていくかということで、国内の補償政策をうんととっていくという歴史的経過があったというふうに思うのですね。 今大臣はくしくも、飼料用作物の大変な輸入がある、国内の耕地面積が減少したからだというもう一方の側面もおっしゃいました。だから、このもう一方、大臣が作物の輸入をあえておっしゃって、今まで政府は、輸入が自給率が下がった原因だということをなかなかお認めにならなかったのですけれども、今回、それも一つの例だというふうに私は大臣の御答弁から受けとめたわけですね。 食生活はイギリスなどは全く変わらないで今回まで来ているのに、自由化路線、それから国内の価格の補償を初めとする保護政策、そういうことでの自給率の変化があったのだろうというふうに思うのですね。だから、私は、国民の食生活の変化に自給率の低下を求めたら、自給率を引き上げる抜本的対策というのは出てこないのじゃないかというふうに思うのですね。 だからこそ、私は、前の農業基本法に基づいて、選択的拡大ということで大豆や麦の生産をやめてしまった、それが結局輸入の麦だとか輸入の大豆に置きかえられて、日本での食料の自給率が下がってきたというふうに思うんですね。 今、遅まきながら、麦や大豆をつくりましょう、こういう転作の方向が打ち出された。それはやはり、選択的拡大ということで麦や大豆の国内生産をやめて輸入に頼った、そういうところから今の対策が出ているんじゃないですか、麦、大豆に転作しましょうというのは。
○玉沢国務大臣 大豆の自給率は三%でありますが、これも、大豆が食用ばかりではなくして食用油に使われているというところまで着目しますと、大変な量が日本に入ってきておるわけです。これも食用油まで使っているところまで考えますと、何百万トンか、今ちょっと数字はあれしませんが、これを完全に自給するということになりますと、ほとんど不可能だ。なぜならば、やはり農地面積の制約がありますから。 したがって、今我々が追求しなければなりませんのは、やはり大豆、飼料作物あるいは麦でございますけれども、減反、転作をやっておる中におきまして、ある程度の農地の余裕ができておる。したがって、少なくとも、国内の消費者が求めておる、例えば非遺伝子の大豆であるとか、健康に有用なもの、あるいは日本の国内でつくったものは非常に品質がいい、味がいい、そういうことで、家庭で食する食品としましては国内のものを求めているという一つの傾向があります。そうした傾向にこたえていくということも大事なことだと思うわけでございまして、大豆を全部、一〇〇%自給するというようなことは今のところは考えていないということです。
○中林委員 一〇〇%自給しなさいなんてことは言っていないんですよ。一九七〇年代あるいは一九六〇年代の大豆や麦の自給率、今よりも高かったわけですから、少なくともそれぐらいはできるというふうに思うんですけれども、大臣は問題をすりかえてもらっては困る。私ども日本共産党は、日本で一〇〇%とれないものを一〇〇%やれというようなことは言っていないんです。(玉沢国務大臣「では何%」と呼ぶ)いや、後からその話は、ちゃんと資料も提起しながら差し上げたいと思いますけれども、そう言っているんです。 今大臣はかなり農地の減少の話をされました。農地も減少して、耕地が減少してきているということが自給率の低下につながっているというようなことをおっしゃったわけですけれども、私は、畜産や酪農の規模拡大を強引に進めながら、飼料の国内供給についても真剣に本来取り組まなかった、安易に輸入濃厚飼料に依存していった、これもやはり食料自給率を下げた原因であったというふうに思うんですよ。それによって、農業者に農業展望を失わせ、農業後継者をどんどんそこから退けさせていった、そして日本農業の担い手の高齢化を促進させたというふうに思います。農業生産基盤を破壊しているわけですが、その農地の減少率、これもやはり国際比較を私は見ていただきたいというふうに思います。 二番目の表に、農地面積の推移をここにあらわしております。同じ年でずっと比較をいたしました。これも、ドイツ、フランス、英国、米国、日本の比較なんですけれども、一九八〇年から一九九七年にかけての農地面積の減少率、ドイツでは四%、フランスで二%、イギリスで二%、アメリカで六%、日本は一〇%という減少率です。そうすると、ほかの先進国に比べて二倍から五倍の減少率になっております。 ちなみに、日本の農地の減少、大臣も今盛んにおっしゃっておりましたけれども、農業基本法成立の一九六一年から一九九八年の間に、日本の農地の減少面積は何と百十八万千ヘクタール、その面積は、北海道の全耕作面積に匹敵いたします。北海道は明治以来、屯田兵を初めとして大変な開拓によって農地を切り開いてきた、その開拓耕地面積に相当する農地がわずか三十七年間で消えうせる、こういう事態になりました。また、耕作放棄地は、実に四国全体の耕地面積に相当する十六万二千ヘクタールにも及んでおります。先進国の中で、このように農地面積の減少をしているのはまさに日本だけだというふうに思うんです。 小渕総理は、なぜ耕地面積が減少したのかということをただしたのに対して、うちの質問に対して、担い手が少なくなったからだ、ここに原因をおっしゃっているんですけれども、大臣も、この小渕首相と同じお考えなのか。なぜ耕地が減少していったとお考えになるのか、お答えいただきたいと思います。
○玉沢国務大臣 委員も御承知だと思っておるわけでございますが、日本の経済情勢が変化してまいりますと、やはり有限の土地はどうやって有効利用するかということが追求されるわけでありまして、例えば工場用地であるとか教育施設、病院の施設あるいは新しい市街地になるとか、どうしても公益的な観点から農地を転用して使わざるを得なかったという情勢が背景にあるというふうに考えておるわけでございます。 担い手だけが減少したというふうな、それも一つの要因かもしれませんが、私は、経済社会情勢が変化し、それに伴って農地転用が行われてきたという側面があることが主な点であると思います。
○中林委員 大臣は、首相の答弁に加えて、社会的な情勢の変化だ、農地を転用、公益的な、国民の全体の福利といいましょうか、それに資するために農地が提供されたんだというようなことをおっしゃいますけれども、私はやはり、担い手がそこにしっかりいて、農業をやる人がいれば農地は減らなかっただろうというふうに思うんですよ。だから、小渕総理がそういうふうに答弁されたのも当を得ているというふうに思っているんです。では、なぜその担い手が減少していったのか、ここが私は問題なのではないかというふうに思っております。 そこで、私は、やはり農家の一戸当たりの農業所得、これが大きく、担い手がそこにとどまるかとどまらないかのかぎだろうというふうに思い、これもまた国際比較をしてみました。これは一番下の表です。農家一戸当たりの農業所得、実額ベースで載せております。 ドイツ、フランス、イギリス、アメリカと日本と比較しているわけですが、一九八〇年から一九九七年にかけての農業所得の増加率、ドイツが二・一一倍、フランスが二・二一倍、イギリスは、これは九五年までしかありませんれども、二・一一倍、アメリカが三・五七倍。それに対して、何と、実に日本は一・二六倍と、先進国の約半分の伸び率ということになっているんです。 そればかりか、この表を見ていただければわかりますけれども、よその国はずっと伸びているんですが、日本の場合は一九九五年をピークにして、それ以降は農業所得が下がっている。これでは担い手が育たない、むしろ離れていく。新食糧法の導入で米価が市場原理にさらされて下落の一途をたどっているというのも、この農業所得が下がっている原因だろうというふうに思います。 稲作農家の所得がどれだけ下落したかというのは、米価を審議するとき、昨年当委員会でも、私は、これで本当に生活できるのかと大臣に聞きましたけれども、十ヘクタール以上という農家が平成七年から平成十年の間に百七十万円も年間の収入が大変減る、それから、平均的な二ヘクタールから三ヘクタールのところは四年間で四十万円減ると。やはり、この下落が担い手を減少させる、そういう原因だと思うんですね。 だから、私は、日本の中だけじゃなくて国際比較、よそは二倍とか三倍に収入が上がっているにもかかわらず、日本は本当に伸び率が悪い、こういう点から見て、やはり日本の農業、農業者は冷遇されているとしか思えないわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 数字を挙げての御説明でございますが、よくWTOで交渉する場合に各国の競争力の議論をすることがあります。 そのときに、今所得の面から御説明されましたから、その点についてはあえて私の方からは反論はしませんが、一番大事なことは、一戸当たりの耕作面積の比較がこの中には出ていない。 例えば、アメリカの場合は百七十七ヘクタールが一戸当たりの平均耕作面積だ。EUの場合におきましては十七ヘクタールである。日本の場合は一・七ヘクタール。これは農用地全体、全部合わせてやった場合のことでございます。だから、この比較をある程度頭に入れた上で話し合いをしなければ、なかなか正確な議論にならないのではないかと思います。 今、十町歩と言われましたけれども、かつて日本には地主というのがありまして、農地地主がありました。それは五十町歩も六十町歩も持っておったわけでございますけれども、戦後の農地改革によりまして自作農としまして、田んぼの、水田の場合は一戸当たり一ヘクタールが平均という形になってまいりました。 だから、そういうような歴史的な経過を経て、やはり耕作面積が少ないと、どうしても意欲のある農業を展開していく場合におきまして限界がある、こういうことも考えないと。農地改革を支持した共産党さんはどういうふうに考えるのか、そういうところはむしろこちらから聞きたいくらいです。
○中林委員 大臣はとんでもないことをおっしゃっている。 そうしたら、地主がいて、小作農家がたくさんいる、そういうかつての時代の方が大臣はいいとお考えなのでしょうか。
○玉沢国務大臣 私は、歴史的に見まして耕作面積の一戸当たりの変遷というものを何ら顧慮しないで、ただこの数字が外国と比べまして落ちているからだめだ、こういうような言い方は一方に偏している、そういう議論だということです。
○中林委員 私は、比較にならない比較をしているわけではありません。一戸当たりの農家の所得、これがこの間どのぐらい伸び、国際比較してみたら、アメリカは三倍以上伸びていますよ、日本の場合はわずか一・二倍にしかなっておりませんよと。これではやはり担い手が育たない。 やはり農業所得があれば農業に意欲が出てくるのは当たり前のことでしょう。そういう政策をとらないでおいて、日本は、何か明治時代の、大地主があって小作の人たちが大変苦労した、そういう時代がさもよかったかのような発言をされるなんてとんでもないことだ、このように思います。(玉沢国務大臣「委員長」と呼ぶ)私、答弁求めておりません。(玉沢国務大臣「いや、大事なことですから」と呼ぶ)答弁求めていないですよ。何言うんですか。議論の邪魔をしないでください。
○玉沢国務大臣 私もあなたに対して、ここは討論の場なんです。質問とかなんとかじゃないんですよ。正確なる議論をするためにあえて申し上げているわけでございまして、かつてのことをいいとは一言も言っていませんよ。議事録を調べてみればわかるとおりですよ。 ただ、歴史的な変遷というのがあって、一戸当たりの農家というのはどのくらいの耕作面積であるか、耕作面積が広ければ、それはいろいろな農業の展開を意欲を持って行うことができる、こういうことなんですね。 だから、例えば統計上の問題についても、日本の場合は十アール以上を農家として統計上ありますが、ドイツの場合は一ヘクタール以上を農家としている、要するに、こういうような統計上のポイントを全く抜きにして議論をするというところに問題があると私は思いますよ。
○中林委員 統計上、私たちは、極めて冷静に、本当に同じレベルで比較ができるもので判断したいということで出しております。 それから、これまで農政というのは、規模拡大すれば所得が上がってよくなるんだということで新農政というのをしかれて、随分規模拡大もやってまいりました。しかし、規模拡大すればするほど、米価の下落の中でこれだけもう減少をしているんだ、そういう数字もお示ししながら、私どもはだからこそ、農業所得が引き上がればもっともっと日本農業に向かっていく人たちが多くなるだろう、そのことが自給率を高めていく道だろう、こういう積極的な提起をしているわけなんですよ。何で……(発言する者あり) 失礼します。もう次に行かないと、私、時間がありませんので次に行きますが、実は、食料・農業・農村政策審議会の第八回企画部会で示された二〇一〇年の品目別自給率の見通し、これを明らかにしてください。 〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中政府参考人 二月の十四日に開催されました食料・農業・農村政策審議会企画部会にお示しした資料でございますが、「消費と生産のすう勢試算値」でございまして、各品目ごとに、近年の消費や生産の動向がこのまま継続したとした場合の平成二十二年度におきます消費量なり生産量、これを踏まえました品目別自給率を試算したものでございます。 この結果を示せというお話でございますが、主要品目について申し上げますと、米について見ますと、一人当たり消費が緩やかになりながらも減少しまして、六十二キログラムまで落ちるということ……(中林委員「消費量はいいです」と呼ぶ)よろしいですか。(中林委員「はい、自給率だけで」と呼ぶ) それでは、自給率だけ申し上げますと、これに伴って生産も減少するという結果、自給率は平成九年度の九九%から二十二年度には九六%に低下するという姿でございます。 それから小麦につきまして、これまた消費、生産の動向を反映しまして、自給率は現状どおり九%、大豆につきましても、これは変わらずに三%、カンショ、バレイショにつきましては、カンショが九九%から九二%に若干低下する、バレイショが八三%から八〇%という姿でございます。 野菜につきましては、全体の生産が落ち込む、あるいは消費も減少するということで、自給率が八六%から八〇%に低下する。 果実につきましては、五三%から四四%に低下する。 肉類につきましては、牛肉は、消費が伸びますものの、生産はやや増加にとどまるために、自給率は三六%から二九%。豚肉、鶏肉につきましても、豚肉が六二%から五八%、鶏肉が六八%から五九%に低下するということで、肉類全体としましては、自給率が五六%から四九%に低下するといったような姿を見込んでいるところでございます。
○中林委員 今示されたように、二〇一〇年では、カンショも大幅ダウン、野菜で四%ダウン、果物で五%ダウン、牛肉で六%、豚肉が三%、鶏肉が八%、それぞれ下がってまいります。それから魚介類も七%下がる。飼料作物は、作付面積が四万ヘクタールも減って、生産量が十万トン減るということで、これは品目別自給率ではあるんですけれども、上がるのは本当にわずかで、あとは横ばいということで、どうしてもこれは、カロリーベースの自給率を考えれば、今のままの政策が続くとすれば、二〇一〇年は九八年の三九%からさらに下がり続けていくのではないか、このように思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 今は消費と生産の趨勢の試算値でありまして、各品目ごとに、近年の消費や生産の動向がそのまま継続した場合の平成二十二年度の姿を試算したものでありまして、昨年七月に成立した食料・農業・農村基本法等に基づく農政改革の効果を織り込んだものではございません。 この試算結果を総合した場合の供給熱量自給率につきましては、米や野菜などの消費が減少する一方、他の品目の消費が増加する中、国内生産は引き続き減少傾向にあり、三八%程度に低下するものと見込んでおるわけでございます。 このため、食料自給率の向上に向けまして、食料消費や国内生産それぞれの面における課題の解決に向け関係者が一体となって取り組んでいく必要があり、これらの課題が解決された場合の望ましい消費の姿や生産努力目標につきましては、今後お示しすることとしたいと考えております。
○中林委員 関係者たちと連携しながら上げるよう努力をしていくというふうにおっしゃったんですが、関係者の中でも一番大きいのは農協だろうというふうに私は思うんですね。 一月一日の日本農業新聞に、全国の農協組合長に対するアンケートが載っておりました。これを見ますと、今大臣は新農業基本法でやっていけば上がるというふうにおっしゃったんですけれども、この新農業基本法農政で何を一番期待するか、全国の組合長の中で一番多かったのはやはり食料自給率、この引き上げを一番望むというふうにおっしゃっているんです。ところが、それならばこの新しい農業基本法のもとで食料自給率は向上すると思いますか、こういう問いに対して、向上すると答えたのは、何とわずか五%しかいらっしゃらないという、大変シビアに見ている結果が出ております。だから、農水省のやり方、すなわち、食料自給率目標を生産者だとか消費者の努力目標、こういうやり方では食料自給率は上がらないんじゃないか、こういうふうに全国の農協の組合長は見ているんだというふうに私は思います。 昨年の新しい農業基本法の審議のときに明らかにいたしましたけれども、食料自給率目標を生産者や消費者の努力目標とするんじゃなくて、国が断固として食料自給率を引き上げる、そのためには、先ほど大臣もおっしゃったイギリスを初め食料自給率を引き上げた国々の歴史的に試され済みの政策、これをやはり教訓として生かした農業政策への転換が必要なんじゃないか、こう思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 これは非常に論争を招くところでございますが、要するに、イギリスに置きかえて、イギリスのとった政策、日本がこれからとる政策、あえて言いますなら、どこが違うかといいますと、イギリスの場合は、かなり遊休地がありまして、平地も国土の九〇%ぐらいまではあるんじゃないかと思いますね。ところが、日本の場合は、七割近くが山岳地帯でありまして、それでも、なおかつ中山間地域の農地が全農地の四〇%を占めるというような、地理的に非常に困難なところであるということもよく認識をした上でこの問題を論じなければならないんじゃないかと思います。 したがいまして、具体的な目標の数値については、まず本日は本題ではございませんので申し上げませんが、やはり、日本の国土及び農業の条件、そういうところにおきましてどのような施策を展開すればさらに生産が伸びるかという観点からの議論と、それから、消費者の方々の、やはり国内の主食を特に消費拡大をしていくというような一つの傾向、これが大事じゃないか。地産地消という言葉もありますが、みずからのところでつくったものをみずから、つまり、地域においても生産していくという考え方が非常に大事になってくるんじゃないか、こう思います。 したがいまして、穀物の自給率という点におきましても、もう少し明確な議論が必要なんじゃないか。例えば、飼料穀物の場合は、穀物全体として議論しておるわけでございますけれども、主食としてやっていく場合におきましては、もう少しパーセンテージが上がるんじゃないか、こう思います。つまり、飼料として使っている穀物も、主食として使っている穀物も一緒に合わせて自給率という考えでございます。私は、食料の安全保障という観点から考えますならば、要するに、主食としてどれほど、食料の危機が来た場合に生産または自給できるか、こういうような考え方ももう少し追求する必要があるのではないか、こう考えます。
○中林委員 イギリスは九〇%が平野というか平地で、日本とは国土の条件が違うんだとおっしゃった、これは中川前大臣も同じようなことをおっしゃったんですね。しかし、私は、率直に、一九七〇年代、日本より自給率が低かったイギリスにしてもスイスにしても、今ずっと上がってきている、そこはやはり、どこが日本と違うところなのか、ただ国土の条件だけじゃないだろうと、もう少し謙虚にそういう国々から学ぶ必要があるんじゃないかというふうに思います。 そこで、私は、国土の条件が違うとおっしゃるので、六割が山岳地帯という国土の条件を持っている、しかも、農業は日本とよく似ている零細性を持っている、そして経済的には発達した資本主義という、日本とよく似た国スイスと比較してみたいというふうに思います。 スイスは、一九七〇年には四七%のカロリーベースの自給率、これが九七年には、先ほどもお示ししましたように、五九%まで引き上がりました。大臣は、どうしてスイスは引き上がることができた、このように見ておられるでしょうか。
○玉沢国務大臣 スイスの場合は、詳細な検討が必要でありますけれども、確かに、日本と同じような立場に立っておるわけでありますが、ガットに加入する場合も、みずからの農業についてはかなり制限された条項を持って加入したというふうに伺っておるわけでございます。 それで、今手元にあります資料によりますと、一九五一年十月に農業法が制定をされまして、これに基づいて価格支持、輸出補助金、輸入課徴金等の農業保護のための措置が講じられてきております。しかしながら、このような措置にもかかわらず、穀物自給率は、一九八〇年代に入るまで三〇%台の低い水準で推移してきております。その後、一九八〇年代以降は穀物自給率が飛躍的に向上し、六〇%台の水準となっておりますが、これは、この期間に実現された、小麦を初めとした単収の大幅な向上によるところが大きいものと考えられます。
○中林委員 言われましたように、ほぼやっているのです。スイスでは、憲法に、パン用小麦の食料自給を連邦の政策として明記されております。その憲法二十三条の二では、一、パン用小麦の備蓄、二、その生産を可能にする水準での連邦による価格支持、三、パン用穀物の輸入関税収入の国内穀物供給費用への充当、四番、穀物価格についての山岳地帯での特別措置などが規定されております。さらに、農業法で、主要な食料の自給、備蓄体制を確立して、酪農や食肉に関する価格補償制度を多数制定してまいりました。 これらの法律のもとで、厳しい国境措置を講じての輸入管理とその輸入差益を活用した連邦政府による価格支持、そして作物の重要度に応じた政府の農産物管理、農民に対しては、一般企業就職者と同水準の所得を保障することを基準とした生産者価格を貫いてまいりました。 私は、やはりここに食料自給率を引き上げた原動力があるというふうに思うのですけれども、大臣、こういう政策を貫いたらいかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 スイスの場合におきましては、もう少し精査してみなければならぬと思います。今委員がおっしゃられたような点については、自給率について、もしそれがすべて実行されているとすれば、確かに自給率の向上には役に立っていると思います。
○中林委員 非常に長い歴史を持っているのですが、これを研究し、日本の農政にもぜひ生かしていただきたいというふうに思います。 そこで、私は、自民党が基本政策小委員会というところで自給率問題を論議されているというふうに思うのですが、ここにその小委員会の速報版というのを持っているのですね。これでどういうやりとりがされているのかというのを見たら、昨年の通常国会のときに、政府からは、一%自給率を上げるにも相当の生産増が必要であり難しいという説明を受けた、ところが、社民党、共産党などはかなり高い自給率を目標にすべきと言っている、これら野党は、根拠があってそのような数字を言っているのか、それとも単なる農民向けのPRなのか、役所の方はどう受けとめているか。こういうことを聞かれて官房長が、根拠があるとは承っていない、こう答えておられて、結局、選挙向けの無責任な売名行為だということだと。私は、本当に言いたい放題言っていらっしゃるというふうに思ったのですが、日本共産党について、無責任な売名行為だ、このように言われたのでは、私どもは黙っておくわけにもいきません。 そこで、資料として、一九九二年に出しました「家族経営の発展で食料自給率の向上を」、こういう政策を打ち出しております。ここで全部私は皆さんに御披露することはできませんけれども、科学的な根拠をきちっと出しております。必要な農地面積、耕地利用率、自給率引き上げの手だて、これは価格補償を初め、後継青年に対する助成の問題などなどきめ細かくやって、数値的にも表として明らかにしているわけです。 私どもは、真剣に食料自給率引き上げに全力を挙げているわけですけれども、官房長、あなたはこんな基本的な政党の政策も見ないで行政をおやりになっているのか。余りにも不勉強だと言わざるを得ないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○竹中政府参考人 申しわけございませんが、この記事は読んでございませんでした。
○中林委員 記事じゃなくて、政策なんです。これは赤旗で発表しましたけれども、パンフレットになったり、政策集としても出しております。日本共産党の農業政策をしっかり見ていただかないで、自民党の中の小委員会ではありますけれども、それについて、根拠があるとは承っていないなどと無責任なことはおっしゃらないでいただきたい。ちゃんと勉強していただきたい、このように思いますし、少し前にはなりますけれども、根拠を持って私たちの自給率目標をちゃんと政策化しているので、大臣もぜひ御参考にしていただきたいというふうに思います。 私は、食料自給率引き上げというのは、まさに国家的な事業だというふうに思います。世界で七億九千万人もの飢餓人口を出して、世界の人口の二%しか占めていない日本が世界の輸入食料の約一割を輸入している。こういうときに日本の食料自給率を抜本的に引き上げること、これは、日本国民の生存とともに、世界の食料の確保に大きく貢献するものだというふうに思います。これこそが二十一世紀の食料問題で日本が果たさなければならない役割だというふうに思います。 タイムリーにですけれども、委員長も御参加になり、十六人の日本の超党派の衆参国会議員が参加をしました国際農林水産業議員連盟設立総会も四十一カ国の参加で行われました。私はこのとき、この議員連盟の顧問に推された桜井衆議院議員のごあいさつを聞いて、大変感銘を受けました。 このごあいさつの中には、戦後のガット、WTO体制のもとで進められてきた貿易自由化至上の流れに、あの去年のシアトルの閣僚会議は一石を投じるものだった、こう語りながら、農業の多面的機能の重要性への配慮を貿易ルール上認めさせなければなりません、こういうふうにもおっしゃり、各国の農業は、その歴史的経緯、自然的条件の違い等により生産環境に差が生じるものであり、その差についてはハンディキャップとして貿易ルール上の配慮を認めさせなければならないと思います、いろいろ語っておられて、規制なき競争は強者が弱者を倒すまで攻め続ける戦争のようなものだと思います。ここまで踏み込んだごあいさつをされて、日本共産党が言っていることと一緒だな、超党派で行ってきたあれがあったなということで、私は心から拍手を送りました。 私は、各国の事情、国境措置、そのためには、そこの農業が食料自給が向上できるように価格補償制度をとる、所得補償制度をとる、そういうことをやっていくならば、WTO体制そのものを改定させなければそこまで行き着かないだろうというふうに思うのですけれども、大臣、食料自給率向上についての日本国としての役割は、この桜井衆議院議員のごあいさつと同じように思っていらっしゃるのか、その決意をお伺いしたいと思います。
○玉沢国務大臣 桜井議員の発言は、私も支持するところであります。
○中林委員 支持されるのならば、アメリカを中心とした輸出国体制を世界のルールにしようとしているWTO体制そのものを改定すべきだと日本共産党が一貫して主張してまいりましたけれども、その方向に向かって、四十一カ国といわず、ぜひ多くの国々と共同して進んでいかれることを私は強く要望しておきます。 次に、農畜産振興事業団の問題についてお伺いいたします。 九一年から九八年度にかけて、農畜産振興事業団に国から交付された総額七千二百六十二億円の肉用子牛等対策費のうち、未使用分として同事業団に繰り越されている金額は幾らでしょうか。
○樋口政府参考人 お答えを申し上げます。 牛肉等関税財源を原資としまして、お話がございましたように、農畜産業振興事業団へ交付された、肉用子牛生産安定等特別措置法第十四条の規定に基づきます交付金、これらは生産者補給金と食肉に係る指定助成対象事業等の経費として使用されることになっておりますけれども、制度発足から平成十年度まで、この間、黒毛和種等の価格が堅調に推移したこと等によりまして、肉用子牛生産者補給交付金等の交付実績が予算を下回った等々の理由がございまして、使用していない額、先生御質問ございましたいわゆる未使用の額は、全体で千三百五十三億円となっております。
○中林委員 千三百五十三億円というのはもう膨大なお金だというふうに思います。 問題は、なぜこのような繰越額が生じたのか、適切に畜産、酪農に対して支援がなされているか、こういう問題に係る重要問題だというふうに思います。畜産、酪農の現状、このように千三百億円を超える予算が余るという状況なのか、そういうことではないというふうに思います。 酪農家は九〇年の六万三千戸から九八年には三万七千戸に激減しました。肉用牛の農家は、同様に二十三万戸から十三万戸に、養豚農家は四万戸から一万戸に激減しております。さらに、一戸当たりの負債額も、酪農経営で、九〇年から九七年に、千八十四万円から千四百六十九万円に増加し、肥育牛経営で八百八十万円から実に二千百五十四万円に、養豚経営では千三十五万円から千四百一万円に負債がふえているわけです。経営に行き詰まって離農する農家が続出しています。それに加えて、家畜排せつ物のふん尿処理対策など、経営を圧迫する条件がさらに続いているのが現状なんです。にもかかわらず、農畜産事業団に千三百億円を超える予算が繰り越されているというのは、私は、やはり考えてみる必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。 そこで、私たちはいろいろな角度から調べてみましたが、そこでわかったことは、いろいろ改善されるべき問題があるというふうに思うんです。 畜産局予算が約二千億円、そのうち千二百億円が肉用子牛対策費で、そのうち一千億円が農畜産振興事業団に交付されているわけです。ですから、畜産局予算の二分の一が農畜産振興事業団で処理されるわけです。まさに第二の畜産予算と言える、そういう内容を持っております。 しかし、本来の予算であるならば、概算要求予算として公表され、その予算として妥当性をチェックすることができるわけです。それから年末の大蔵原案、そして予算委員会での審議と、さまざまな段階で、立法府としてその妥当性をただすことができるわけです。 しかし、農畜産事業団に交付されて指定事業になると、九八年では約九百億円の規模にもなっているんですが、その中は全くブラックボックスになってしまう。どういう指定事業にするのか、そこは畜産局と農畜産事業団との、言葉は悪いですけれども、さじかげんにゆだねられている。国会ではそこには関与をすることができなくなってしまう。だから、畜産価格の決定時に、こういう指定助成ができましたよと公表されるだけでも私どもはいいと思うんです。ましてや、前年の指定助成事業がどうなったのか、こういう報告も国会にはされておりません。 国民のお金なんですから、財政民主主義の立場からも、こういうわけのわからないブラックボックスみたいなところで処理されるやり方を改善するお考えはあるのでしょうか。
○樋口政府参考人 お答えを申し上げます。二つほどお答えをしたいと思います。 一つは、この資金は、お話を申し上げましたように、特定の財源でございまして、特別の法律に基づきまして、一定の目的に使うと、目的が制限をされております。明らかにはっきりと法律の規定に書かれてございまして、その趣旨に従いまして使っていくということでございますので、だれかとだれかが適宜使うということではないので、その趣旨に従いまして私どもは整理をしているということは御理解をいただきたいと思います。 それから、この事業を実施するに際しましては農林水産大臣は予算を認可しておりまして、これまでも、三月に予算認可をいたしまして、その内容はいろいろな資料その他できちっと公表させていただいておりますし、事業団の事業の実施につきましても、事業団法の三十四条の規定というのがございまして、これに従って財務諸表等を公開をし、閲覧ができるようにしているところでございます。 私どもは、決してそれを隠すとか見せないとかというつもりはございませんで、今後ともそういうPRとか周知徹底には努めてまいりたいと思っております。
○中林委員 法律に基づいてということは、それはそうなんですよ。ただ、法律に基づいてだけれども、事業団に交付したお金、それから事業が計画されていくわけですけれども、その指定事業の中身の予算については国会では触れることができない、そういうことになっているわけですよ。 だから、今の酪農や畜産の経営実態からいえば、千三百億円を超えるお金が未使用になっているというのはやはりどうも解せない。それは多少、いろいろな時勢の変化によって使われない部分というのは出てくるでしょうけれども、千三百億円を超えるというのは、一億、二億の話じゃないわけですから。しかも、私は、重要な問題としては、今酪農の農家や畜産農家が求めていることがあるわけですよ。そういうところに当然使われるべきだというふうに思います。 時間がありませんので、財政の民主化の改善の検討は次の機会にもう一度要求したいということで課題を残したいと思いますが、大臣に、私は具体的に、今農家の人たちが求めている問題についてぜひ取り組んでいただきたい点を申し上げたいというふうに思います。 それは、肉用子牛等対策事業団交付金に占める肉用子牛生産者補給金交付実績、これが低迷しているわけです。ここ数年は百億円台から二百億円台なんですが、二〇〇〇年度からは制度改善され、乳用種と交雑種を区別することになっているわけです。現在の繰越額と交付実績を見るならば、これまで対象としてこなかったぬれ子、これについても当然交付対象にすべきだ、これは酪農経営を支援する上で非常に今求められていることだというふうに思います。 それからもう一つは、酪農ヘルパーに対する支援の抜本的強化です。さらには、九九年度から始まりました畜産環境緊急特別対策事業百七十三億円の予算規模、初めて組んでいるわけですけれども、これは五年間で義務づけられるわけですから、非常に不足しております。こういう予算を抜本的に強化する、その検討をしていただけますでしょうか。
○玉沢国務大臣 お答えします。 牛肉等関税財源を原資とした農畜産業振興事業団交付金の交付額と肉用子牛等対策費の実績の差額、いわゆる未使用額千三百五十三億円については、肉用子牛生産安定等特別措置法第十六条の規定により、平成十一年度以降の肉用子牛等対策費に充当することとしているところであります。 なお、ぬれ子対策、畜産環境対策等については、十一年度予算において、畜産環境リース事業の拡充を図るなど、その推進に努めているところでありますが、来年度予算につきましては、平成十二年度の畜産物価格の決定とあわせて検討してまいりたいと存じております。
○中林委員 非常に強い要望でございますので、千三百億円を超える未使用金があるわけですので、これは当然農民に還元されるべきお金だというふうに私は思います。 私、時間が来ているんですが、会計検査院の方に来ていただいておりますので、最後に質問させてください。済みません。 会計検査院が国会に提出した平成十年度の決算検査報告の農畜産事業団の項目に、この千三百五十三億円でしたかの繰越額の問題が記載されているのかどうなのか。記載されていないというふうに私は見ているんですけれども、今後、これはどのように取り扱われるのか。ぜひ検査院としても関心を持って取り扱ってほしいということで、御答弁いただきたいと思います。
○渡辺会計検査院当局者 会計検査院では、検査報告におきまして、特別会計、公庫、公団、事業団等の決算等の概要を記述いたしております。この記述に当たりましては、さまざまな会計について統一をとった記述とするようにいたしております。 具体的に申し上げますと、これらの団体等の決算のうち、収入支出決算、損益、積立金、借入金及び主な業務実績について記述してきているところでありまして、御指摘の農畜産業振興事業団の調整資金につきましては、これまで記述いたしておりません。 なお、ただいま申し上げましたような理由で記述いたしておりませんが、御指摘の点につきましては、今後検討させていただきたいと思います。
○中林委員 以上で終わります。
○松岡委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二分散会