大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/05/19
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 信用金庫法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。 まず、本起草案の趣旨及び概要を御説明申し上げます。 本起草案は、全国を地区とする信用金庫連合会の事業の実態等にかんがみ、次の措置を講じようとするものであります。 第一に、全国を地区とする信用金庫連合会は、その名称中に「信金中央金庫」の文字を用いなければならないことといたしております。 第二に、全国を地区とする信用金庫連合会は、全国を通じて一個とすることといたしております。 以上が、本起草案の趣旨及び概要であります。 ————————————— 信用金庫法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子委員長 お諮りいたします。 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出法律案とするに決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○金子委員長 次に、内閣提出、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の各案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。大蔵大臣宮澤喜一君。 ————————————— 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案 金融商品の販売等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○宮澤国務大臣 ただいま議題となりました証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、二十一世紀を展望した金融サービスに関する基盤整備として、資産やリスクが効率的に配分される市場の構築と金融サービスの利用者保護の環境の整備等を進めるため、これらの法律案を提出した次第であります。 まず、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、証券取引所及び金融先物取引所の株式会社化を可能とするとともに、証券取引所等が公共的機能を適切に発揮できるよう、何人も発行済み株式総数の百分の五を超えて証券取引所等の株式を保有してはならない旨の制限を設けるほか、取引参加者にルールを遵守させる自主規制機能の一層の明確化を図る等の措置を講じることとしております。 第二に、現在紙媒体で行われている有価証券報告書等の提出、受理という一連の企業内容等の開示手続を原則として電子的方法により行うこととするほか、目論見書等についても電子的方法による交付等を認めることとしております。 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、資産の流動化のための仕組みである特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律につきまして、これまで不動産及び指名金銭債権等に限定されていた流動化対象資産を財産権一般に拡大するとともに、流動化の器として信託も利用可能とするほか、特定目的会社を登録制から届け出制に改める等の措置を講ずることとしております。 第二に、資金運用のための仕組みである証券投資信託及び証券投資法人に関する法律につきまして、従来、主として有価証券とされていた運用対象資産を不動産等にも拡大することとしております。 また、この運用対象の拡大に伴い、投資信託委託業者について利益相反行為の防止措置、投資者に対する忠実義務及び損害賠償責任を定める等必要な措置を講ずることとしております。 第三に、これらの法律改正に伴い必要となる措置といたしまして、特定目的会社及び投資法人に対する法人課税に関し、投資者への支払い配当の損金算入を認める等所要の措置を講ずることとしております。 次に、金融商品の販売等に関する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、金融商品販売業者等は、預貯金、保険、有価証券等の金融商品の販売等に際し、顧客に対して元本欠損が生ずるおそれがある旨及びその原因となる事由等の重要事項について説明をしなければならないこととしております。 第二に、不法行為に関する民法の特則として、金融商品販売業者等は、重要事項について説明をしなかったときは、これによって生じた顧客の損害を賠償する責めに任ずることとしております。 また、顧客が損害賠償を請求する場合には、元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったことによって顧客に生じた損害の額と推定することにより、原告たる顧客の立証負担の軽減が図られることとしております。 第三に、金融商品販売業者等は、金融商品の販売等に関する勧誘の適正の確保に努めなければならないこととするとともに、勧誘の適正の確保に関する勧誘方針の策定、公表を義務づけ、これに違反した場合には過料に処することとしております。 以上が、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○金子委員長 この際、ただいま議題となっております各案中、金融商品の販売等に関する法律案に対し、岡田克也君外一名から、民主党提案による修正案が、また、佐々木憲昭君外一名から、日本共産党提案による修正案がそれぞれ提出されております。 提出者から順次趣旨の説明を求めます。北橋健治君。 ————————————— 金融商品の販売等に関する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○北橋委員 金融商品の販売等に関する法律案に対する修正案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 金融ビッグバンの進展に伴い、さまざまな金融商品が開発、販売されている現在、顧客の保護を図るための法整備は喫緊の課題であり、民主党は、いわゆる金融サービス法の制定を強く主張してまいりました。しかし、本法律案は、さまざまな問題点が指摘されているところであり、金融サービス法の第一歩と位置づけるのであれば、それは余りにも小さな第一歩であると言わざるを得ません。そのため、今般、民主党は、政府提案の金融商品の販売等に関する法律案に対し、修正案を提出するものであります。 以下、修正案の概要の内容を御説明いたします。 第一に、金融取引を幅広く対象とし、縦割り規制から機能別規制に転換することを目指した金融審議会の方針に沿って、本法律の適用対象となる金融商品に商品先物取引等を加えることとします。また、バブル期に問題となった銀行による変額保険やワラントの販売をめぐるトラブルを繰り返さないためにも、金融商品の販売と実質的に一体とみなされる一定の資金の貸し付けについても金融商品の販売行為に含めることとします。 第二に、説明義務の内容を拡大し、金融商品の仕組みを追加するとともに、説明に際しては書面を交付することを義務づけることとします。 第三に、顧客が金融商品の販売等に際し重要事項について説明を受けなかったことを理由として損害賠償請求をする場合においては、金融商品販売業者等に当該重要事項に係る説明を行ったことの立証責任を負わせることとします。 第四に、金融商品販売業者等は、金融商品の販売等の業務の適正化その他の顧客等の保護を図ることを目的として、金融商品消費者センターを設立させることができることとします。その業務は、金融商品販売業者等と顧客との間の紛争についての相談、和解のあっせん等、金融商品の販売等に係る説明義務の範囲、勧誘方針等に関する指針の策定、金融商品販売業者等に対する指導監督、金融商品の販売等に関する広報、消費者の啓発等の活動とします。 以上が、修正案の内容の概要であります。 各会派の御賛同をお願い申し上げます。
○金子委員長 次に、矢島恒夫君。 ————————————— 金融商品の販売等に関する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○矢島委員 ただいま議題となりました日本共産党提出、金融商品の販売等に関する法律案に対する修正案の趣旨及び内容を御説明いたします。 金融分野での消費者保護法制の整備は、融資一体型変額保険などバブル期以降の金融商品をめぐる被害の続発と、金融ビッグバンの進行の中で強く要請されております。 金融商品の販売において、消費者は商品情報の量、質ともに一方的に不利な立場に置かれており、勧誘、販売に当たる業者に厳格な説明義務、遵守義務を課すとともに、被害が速やかに救済される法制度を整えることが消費者保護を図る上で不可欠です。 ところが、政府提出の金融商品販売法案は、説明義務の範囲を限定的に規定し、不適切勧誘の禁止を業者の自主規制に任せるなど、この間の金融被害の教訓にこたえないばかりか、金融被害をめぐる判例の到達さえ引き下げるものとなっております。 我が党提出の修正案は、このような政府提出の金融商品販売法案の欠陥を是正するものであり、以下の四つの柱で構成されております。 第一は、金融販売業者に求める説明義務の強化であります。法律の適用対象に、商品先物取引及び銀行等が金融商品等の販売と一体で行う融資を含め、説明義務の対象に、商品特性、仕組み、追加金等の徴収など予想される損害全体の説明などを加えております。 また、金融販売業者に対し、顧客の理解と納得を得る説明を行うことや、重要事項や契約内容を記載した書面の交付、商品販売広告への重要事項の表示、業務・財産状況等の開示などを義務づけております。 第二に、政府案が業界の自主ルールとしている不適切勧誘について、適合性原則の遵守及び顧客の依頼に基づかない電話、訪問等での勧誘行為の禁止を法律で定め、これらに違反した場合には損害賠償責任を課すこととしております。 第三に、断定的判断の提供、不実告知、顧客に不利益となる事実の隠ぺい等の詐欺的勧誘を禁止し、違反した場合には顧客は契約の取り消しをできることとしております。 第四に、損害賠償請求裁判における立証責任を全面的に業者に課し、重要事項に係る説明をしたことを業者側が立証しなければならないこととしております。 また、裁判において、顧客は取引をめぐるすべての損害の賠償を請求することができることとしております。 以上、修正案の趣旨及び主な内容について申し上げました。 これらは金融商品販売法案を実効性あるものとするものであり、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○金子委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○金子委員長 この際、お諮りいたします。 各案審査のため、本日、政府参考人として国税庁次長大武健一郎君、大蔵省金融企画局長福田誠君、農林水産省食品流通局長福島啓史郎君、金融再生委員会事務局長森昭治君、金融監督庁監督部長乾文男君、証券取引等監視委員会事務局長舩橋晴雄君、経済企画庁国民生活局長金子孝文君、厚生省年金局長矢野朝水君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 これより各案及び両修正案に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。 まず、冒頭でございますけれども、宮澤大臣に、ある意味では宮澤大臣の真の出番が来たのではないか、そういうことをお話ししたいと思うのです。 私ども民主党で近いうちに政権をとるのでございますけれども、自民党もかつては確かにいいところがあったと思いますね。今は全然だめです。かつては確かに、社会主義といいますか全体主義といいますか、そういう勢力に対抗して、あのときにたしか自民党、特に宮澤大臣のころ、吉田さん、池田さん、あのころの方が非常に聡明で頑張られた、それによって日本が社会主義化するのをストップした、全体主義化するのをストップした、真のリベラリズムを守ったということは私は認めます。しかし、今やその自民党が、何と言ったらいいのですか、社会主義政党になってしまったのではないか。特に、人間に番号をつけるようなとんでもないことをやって、一体何を考えておるのか、全く情けない、そう思っております。 その一環としまして、これは森総理の話もありますけれども、同じような脈絡でございますが、いわゆる神の国というような話は、一つの全体主義的な、要はそういうことなんですね。宗教というよりもそういうことなんですよ。これは宮澤大臣、今までの日本の政治をつくってこられて日本経済を支えてこられた、大貢献をされたと思うのです。それは宮澤大臣もそうですし、今言いましたような吉田さんを初めとする、本当の真のリベラリズムを守られたかつての自民党、今は全然だめだ、かつての自民党の立場からして、やはりこういうような森総理の発言に対して、閣議で堂々と、それはあなたは間違っているよ、絶対やってはいけないことなんだということをおっしゃったかどうか、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 我が国は、神の国ではなく国民主権の国と考えております。この点では、森首相も同じお考えであろうと私は考えております。
○河村(た)委員 いや、そんなことではなくて、僕は、今までの真のリベラリズムを守られたその姿勢からいうと、いや、それはだめだよということをやはり閣議で言ってもらわなければ、これは国の最高機関として、こんな全体主義の国家をつくりますと言っているようなときに、それは大臣、国民を代表するというのですか、大臣でもありますけれども政治家として、今までの大臣の政治姿勢からすれば、やはりこれはどうしても言わなければならぬのではないですか。どうですか。
○宮澤国務大臣 直接首相のお考えを伺っておりませんけれども、私としては、森さんも同じように考えておられるものだと信じております。
○河村(た)委員 向こうが信じておるかどうかという話じゃないんで、政治というのは発言しなければ、こんなことはまことに先輩に申しわけないんですけれども、やはりそれは発言しなければ政治にならぬのじゃないですか。どうですか。
○宮澤国務大臣 いろいろな環境の中でいろいろなことを言われたというふうに承知しておりますけれども、基本的なお考えは主権在民ということは、これは疑う余地のないことでございますので、首相としてもその点は同じように考えておられるものと私は信じております。
○河村(た)委員 そういうことを私は言っておるのじゃなくて、宮澤さんとして、大臣として発言をされたかと。向こうがこういうふうだからいいのだろうと、それだったら議員にならぬじゃないですか。これはぜひ今度おっしゃってくださいよ、次のチャンスに。どうですか。
○宮澤国務大臣 しかし、主権在民ということは余りにも明白でございますので、これと違うことを総理大臣が考えておられるとは私には思えませんので、別段何も申し上げていないということです。(発言する者あり)
○河村(た)委員 今の同僚の発言をそのままとってはいかぬですけれども、では、なぜ総理大臣は陳謝されたのかということですね。もし主権在民をそのまま言われたんだったら、何も、私は当たり前のことを言ったんですよと言えばいいじゃないですか。やはり謝られた以上は、そうでないことを言われたんじゃないですか。
○宮澤国務大臣 そのお尋ねはもっともですけれども、私は総理にかわってお答えをするわけにはまいりません。
○河村(た)委員 先の質問に進まにゃいけませんので、とにかく大臣、ひとつここはリベラリズムの立場から、ぜひ次の閣議で堂々と一言言ってください。お願いします。どうですか。
○宮澤国務大臣 そういう御質問のありましたことは伝えておきます。
○河村(た)委員 本当はもっと怒り狂わにゃいかぬのですけれども、これで一応やめておきます。自民党にしっかりしてもらわぬと、本当にやはり全体主義というか、共産主義と言いますと共産党が怒るといけませんので言いませんが、全体主義、社会主義に対抗するということを忘れてもらっちゃ困りますよ。 そういう立場でもう一つ。 今回の法律も、証取法の関係があります。いろいろな財産を把握するということで、どういう番号をつけるのかという問題が一つあります。 それで、去年の八月、日本史上最悪の法律が通りました。全くばかげた法律でございまして、人間を奴隷にするという、囚人にするという、人間に番号をつけるという、全く信じられない、世界の潮流と全く逆流している。それも、四情報だけ流すと言って自治省が大うそをついて、大臣まで間違った答弁をしている。 こういう状況の中で、いわゆる住民基本台帳コードというんですけれども、はっきり言えば背番号そのものです。皆さんが生まれてから、赤ちゃんと生まれてから亡くなられて、亡くなられた後もついておると思いますけれども、十一けたの番号を付番するという、これは嫌と言えません。いわゆる背番号そのもの。こういうのが通ったんですけれども、私はこれ自体とんでもない法律だと思っておりますが、一方、納税者番号につきましてどういう番号を使うか、こういう議論も同時にあるわけでございます。 それで、今の政府税調では、納税者番号にどういう番号を使っていくか、この背番号を使うということを議論されているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○大野(功)政務次官 納税者番号制度は、納税者に広く番号を付与し、各種の取引を行う際に取引の相手方に番号を告知することが一つ、それからもう一つ、納税者及び取引の相手方が税務当局に提出すべき各種書類に納税者の番号を記載する、これが二つでございます。それで、納税者に関する課税資料をその番号に従って集中的に整理し管理する方式であるために、民間における一定の番号利用を前提といたしております。 また、住民基本台帳法の一部を改正する法律でございますけれども、住民票コードによる本人確認情報の利用につきましては、民間機関は対象外、公的部門も限定され、税務当局は対象外となっているために、住民票コード導入後も、これをこのまま納税者番号制度に用いることはできません。 いずれにしましても、住民票コードを用いた住民基本台帳ネットワークシステムが導入されるのは今後の問題でございます。国民を広くカバーする一連の番号として現在ある基礎年金番号、これが一つございますが、及び新しく加わる住民票コードの今後の状況等も踏まえつつ、付番のあり方、番号の付し方のあり方も含め引き続き検討を進めていく、こういう方向でございます。
○河村(た)委員 とにかく、住民票コード、背番号を対象として考えておるということですね。
○大野(功)政務次官 今申し上げましたように、今後の検討課題である、こういうことでございます。
○河村(た)委員 しかし、一方、政府税調の会長がこの間ある会合で、住民台帳制が入ったから、したがって我々としても、それと違った形で、あるいはその力をかりながらやることができるということになってきました、こういうふうにしゃべっておられます。これは間違いないですね。これは大蔵省からもらった記者会見のメモですから、そのとおりですと答えてください。
○大野(功)政務次官 私自身は存じておりませんが、そのとおりと伺っております。
○河村(た)委員 それから、今度は自治省に聞きましょう。 要するに、この番号は、去年お通しになられた史上最悪の法律、この番号は民間は使ってはいけませんね。そのようにきちっと答弁されていますね。どうですか。
○平林政務次官 住民基本台帳法の改正の際に、民間利用制限という規定がきっちり入っております。
○河村(た)委員 大野さんに、先ほど答弁がありましたけれども、一方、納番については、納税者番号については民間での利用を前提としている、間違いないですね。
○金子委員長 平林政務次官。(河村(た)委員「いや、それは納番の方です。大野さんです。あなたは関係ない」と呼ぶ)
○平林政務次官 私から便宜申し上げますが、納税者番号をこれから検討なさる場合には、民間利用を前提として検討なさるものと考えております。
○河村(た)委員 あれですか、自治省は大蔵省にそういうことを言えるんですか。 大野さんでいいですよ。納税者番号は民間利用を前提としているのか。
○大野(功)政務次官 民間利用を前提としております。
○河村(た)委員 ということは、これは何ですか、大蔵省は違法な行為を検討しておるんですか、違法な行為を。 もしいわゆる背番号を民間利用したときは罰則がありますね。後、どうなりますか、民間利用したときには。
○平林政務次官 罰則の具体性は余り私、記憶しておりませんが、しかるべき規定はあるものと思っております。
○河村(た)委員 あるんですよ、罰則が。そんな罰則のあるものを、何ということですか、国家が罪になるようなことを研究してどうするんですか。大蔵省は、税調は、一体何を考えておるんですか。そんなことで、では、民間の人たちにこんなことをしちゃいけないなんて言えるんですか。大臣、どうですか、これは。
○宮澤国務大臣 御質問の御趣旨は、そういう住民コードというものを大蔵省が納税者のために納税者番号に転用するということを研究している、考えているとすれば、それは法律違反である、そういう御指摘であります。そのとおりでありまして、大蔵省はそういうことを検討しておりません。
○河村(た)委員 さすが大臣だと思いますけれども、これはまた調べさせていただきます。税調の会長まで言っているんですから。やっていたら大変ですよ。法律違反だと今大臣ははっきり言われましたから、責任をとっていただきます。この問題はここで終わります。 それから、もう一つ宮澤大臣にお伺いしたいのは、先ほど言いました話と共通するんですけれども、ぜひここは、日本人民を救うというのはちょっと大きいかわからないけれども、大臣の今までやってこられた政治の軌跡の中で、やはり背番号の問題については、正直言って四情報だとみんな思っていたんですよ、住所、氏名、生年月日、性別。これプラス、番号だと。自治省はだましたんだから、本当は虚偽公文書作成だ。とんでもないことですよ。全マスコミも間違えた。そういう状況で導入されてしまった。しかし一方、政府税調の会長は、法律を変えて入れればいいではないかとか、そういう状況でございます。ですから、世界の潮流からいって、人間に番号をつけて管理していく、こういうことをどう思われるか。 それと、大臣が前に答弁で、二月二十四日の会議録にございますけれども、宮澤大臣の御答弁の中で番号の話があって、「最近になりまして、またプライバシーというものが今までと違った意味で国民の間に考えられるようになっておるように見えます。少しこれについての支持のあり方が変わってきておるのではないかというふうに思います。」ということで、私は、これはさすがだと思いました。私は、自民党だからみんな悪いとは言いません。いいときもあるんです、自民党も。そんな意味で、さすがやはり宮澤さんはわかっておられるなと。 やはり番号をつけることについては、最近のアメリカのいわゆるネット犯罪でも、こういうものを集計して大変な犯罪が起きているわけですよ。だから、世界の潮流は全く逆ですからね、完全にだまされたんですよ、これは。高度情報化社会というのは背番号をつけない方向に行くんです。いろいろな限定番号でいくのが世界の潮流なんですよ。 ですから、この宮澤大臣の御感想というのは全くもっともでございまして、やはりここは、間違ったことは、ぜひ自民党は勇気を出して、本当に四情報だけだったらという議論はあるかもしれない、私はそれでも反対ですけれども。しかし、こういう国民に全部番号をつけて包括していくようなことはやめようではないかということを、ひとつ勇気を出して言っていただきたいということで、それをベースにしまして、世界の潮流との考え方、そして今のプライバシーの考え方が変わってきた、そういうところをひとつ宮澤大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 この問題は随分以前から賛否がございまして、かつては徴兵制につながるというような、そういう古い時代からいろいろ議論がございまして、税調でも今日なお議論しておられますが、税調会長が所見を述べられたということが新聞にあるそうでございますが、それは税調の委員が皆さんそう思っていらっしゃるという意味ではないと思います。 それで、私自身がどうも納得をしていない、正直を申しまして。いろいろ理由がございますけれども、やはりコンピューター、インターネットがここまで発達いたしますと、管理社会というものが非常に簡単にでき上がりやすいということは疑いを入れないことでございまして、管理社会というものが、どうも今の我が国ももとより、世界の新しい物の考え方と合わないということは私は明らかだと思っておりますものですから、それに資するような物の考え方というのは、納税は納税で別だという議論は幾らもございましょうけれども、私は税調から正式にそういう答申も受けておりませんし、私自身は納得をしていないというのが正直のことであります。
○河村(た)委員 ですから、ここまでちょっと大先輩に発言を強制するようで申しわけないのですけれども、私も野党の一員として本当に情けない、自分で限度がありますから情けない気持ちでおりますので、ぜひ宮澤大臣、背番号はやはりつけないようにしていくという御答弁をひとついただけませんでしょうか。どうでしょうか。
○宮澤国務大臣 私が大臣であります限り、自分の納得していないものは国会にお願いをするつもりはありません。
○河村(た)委員 わかりました。またお願いをいろいろしたいと思いますけれども……
○金子委員長 連合は賛成なんでしょう。
○河村(た)委員 いや、連合は、納税者番号をもし入れる場合は、納税者に限定した番号で入れても、本当はなかなか苦しいのです、実は経済取引には使えませんけれども。けれども、もしやるんだったら、背番号はだめなんです。ここは区別をはっきりしないと。 人間に番号をつけるなんて、自民党、だめですよ、こんなの。後、二、三年したら、とんでもない失敗を犯したと思いますよ、これは。思いますでは済まないんだ、そういうふうに自治省は動いてしまっているから。その辺のところを、ひとつ宮澤大臣にぜひ御期待を申し上げておきます。 次は国税庁になりますから、大野さんになると思いますけれども、優良申告法人というのがありますね、優良法人。これは、私も実は小さい企業を経営しておりましたというのか、中小企業出身というのはなかなか今は珍しいのですけれども、そういう中では、優良法人になるというのは、ささやかなと言ってはなんですけれども、一つの名誉でございまして、努力の成果ということでございますけれども。 その優良法人になるときに、優良法人にするからということはないと思いますけれども、税務署の職員さんが、そのかわりというか、顧問税理士になっていく、こういうような話をいろいろなところで聞くのですよね。関西の方では、ある新聞に大々的に出たこともあります。そして私も、この首都圏でも聞いたこともあります。そんなことで、よもやこんなことはありませんでしょうね。
○大野(功)政務次官 まず法律がございます。国家公務員法並びに税理士法でございます。退職後二年間あるいは一年間は関係する企業には就職できない、あるいは顧問になれない、こういう問題があります。 しかし、税務行政というのは、法律だけ守っていればいいというものではありません。やはりタックスペイヤーの信任、信頼が一番大事でございます。 したがいまして、今、河村先生がおっしゃったような、調査に入る入らないは別として、優良法人にするからおたくで顧問税理士をひとつ採用してくれ、このようなことがもしあったら、それはタックスペイヤーにとっては税務署というのは信頼できない、こういう問題になります。したがいまして、そんなことは絶対ございません。
○河村(た)委員 絶対なしと言いますが、それでは、優良法人になっている方は、大体こんなふうに顧問を引き受けさせられているのが通常ですがと、そんなことを言われたというような話も聞いたことはありませんか。そういうことも一切ありませんか。
○大野(功)政務次官 私は聞いたことはございません。
○河村(た)委員 私はということは、申しわけないけれども、国税庁の発言ととっていいですね。国税庁として絶対ないということですね。
○大野(功)政務次官 これは、全般を私も調査して聞いたわけではございません。したがって、私が聞き及ぶ範囲では、ありません、こういう意味でございます。 そのように聞いておりますし、先ほど申し上げましたのは、そんなことは絶対あってはいけないことであります。そして現実も、あったという話は聞いておりません。
○河村(た)委員 全然話が違いましたね、今。絶対ないと言いながら、私の聞いた範囲ではないということだったら、そういうのを絶対ないとは言わないんですよ。とんでもない話ですよ、これは。では、あるんですね、あり得るんですね。
○大野(功)政務次官 言葉の問題になってしまいましたけれども、私が申し上げたいのは、あってはならないこと、つまり、税務行政というのは国民の皆様の信頼をベースに成り立っているわけでありますから、そういう意味で、そういうことがもしあれば信頼を失いますので、あってはならないこと、そしてまた、私も政務次官をやって、十月からでございますから、そう全部知っているわけではございませんが、あったということは聞いたことはありません、こういうことでございます。
○河村(た)委員 そういうことは調べたこともないですか。各税務署に、そういうことをしたことはあるかないか、調べたことはありませんか。大武さんが手を挙げておりますので、それでは一遍大武さんに、せっかく来ていただいたので。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。 ただいま総括政務次官が申しましたように、そういうことは決してあってはならないことでございます。 ただ、それでは過去においてなかったかといえば、あったことはございます。ただ、それはあくまでも厳正な処分をしております。そういうような自分あるいは退職予定者等のために独自に税理士関与先をあっせんすることを禁じた部内の指導にも違反するものでございますので、それらは厳正な処分をしたということでございまして、したがって、我々としては、絶対にあってはならないことだというふうに思っております。
○河村(た)委員 厳正な処分をどこでされましたか。
○大武政府参考人 先ほど河村先生が申されました事案というのは、大阪局内で、毎日新聞に載った例だろうと存じます。そのような例につきまして、我々として、いわゆる厳正な処分、訓告処分等をさせていただいておるところでございます。
○河村(た)委員 ということは、それ以降はしっかりやられて、もう全部のところを調査されて、一切ありませんね。
○大武政府参考人 改めて、全国の国税局長会議の場でも厳しくそのようなことのないように発言をさせていただきましたし、我々としても全力でそういうことのないよう努めているところでございます。
○河村(た)委員 努めているのは結構ですけれども、税務署員のいろいろなことについては国税庁監察官というのがありますね、そういうところへ依頼したりとかしたことはあるんですか。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。 監察官制度自体、こういう事案のみならず、広く我々いわゆる国税職員のそうした不正事案等を捜すために全力でやらせていただいております。したがいまして、その以後、このような案件については私のところには一切上がっておりませんけれども、他方、監察官制度だけではなく、我々いわゆる国税職員に対しては警察の捜査というのも独自にございますので、その辺のところは我々はわかりません。ただ、我々として知る限り、全力で内部調査にも努めてもらっておりまして、以後そのようなことは報告として上がっておりません。
○河村(た)委員 厳正な処分をされたのはいつですか。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。 処分は平成十一年の四月でございます。
○河村(た)委員 そうすると、もう一年たっているわけですね。では、その間にほかの地方で、厳しくそういうことをしないようにということを指導されて、また、やはり指導されただけじゃだめですよね、例えば優良法人なりそういうところを回られた、そういう事実もありますか。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。 それ以後、私ども厳しく監察を行っておりまして、そのような事実は聞いておりません。
○河村(た)委員 監察を行ったというのは、一体だれにどういう調査をしたんですか。
○大武政府参考人 それぞれ優良法人につきまして、新たな優良法人の設定等に当たってそのような事実が、いわゆる顧問税理士として入っている事実がないということを確認しているということでございます。
○河村(た)委員 それは会社を回りましたか、税務署員に聞いただけですか、どちらですか。
○大武政府参考人 あくまでも内部の監察でございますから、逆に言えば私どもも監察を受ける側でございますので、はっきり言いますと、どこまで調査されているか私も存じません。しかし、厳正な、我々としてできる限りの内部調査を監察官制度としてやっているというふうに思っております。
○河村(た)委員 内部だけですね。税務署内で調査しただけですね。
○大武政府参考人 あくまでも監察官制度というのは内部の組織を監察するためでございますけれども、その結果、相手の法人にも接触することがあるというふうに聞いております。
○河村(た)委員 とにかく、そんなことで大体調査になりますかね、まず。内部の人に聞けば、そんなものやらないと言うに決まっているじゃないですか。外を回って、毎日大変苦労されておる、特に赤字法人も多い、優良法人はほとんど赤字はありませんけれども、そういうところを回って、御迷惑をかけておりませんですか、そういうのが調査じゃないですか。それをやっていないんですか。
○大武政府参考人 それぞれ関係の法人についても、個別ではあると思いますが、調査に行っているというふうに聞いております。
○河村(た)委員 そうすると、優良法人に限らず、そういうことで顧問になられますと、月に顧問料を幾らぐらいもらっておるんですか、そういう税理士さん、国税OBは。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。 あくまでもいわゆる納税者側からの要望に基づいてそれぞれの顧問契約を結びますので、一件当たり幾らということを決めているわけではないというふうに聞いております。
○河村(た)委員 税務署の中でそういうような、どなたがこちらへ行くかということをあっせんしている窓口はありませんか。
○大武政府参考人 あくまでも税務署ではあっせんする窓口はつくっておりません。ただし、早期退職勧奨をする者に対していわゆるあっせんというのを一元的に、あくまでも欲しいと言われる企業に対してあっせんするという行為をやらせていただいております。ただ、それは、先ほど大野総括政務次官もお答えになりましたとおり、国家公務員法あるいは税理士法に違反しない、いわゆる公正な立場でそれぞれ一元的な管理をさせていただいているということだと思います。
○河村(た)委員 そういって退職された方、私も、税務署をやめられて全部、めちゃくちゃ努力されておる方のことを言うわけじゃないですけれども、それはしかし、中小企業なんか、どこかやめたらもう今再就職先はありませんよ。あっせんしてくれるところもどこもありませんよ。 僕が聞いた話で、顧問料は大体月に五万ぐらい、二年間、それで一年間に全然出席せず、そういう実態があると聞いておりますけれども、事実でしょうか。
○大武政府参考人 ただいま申しましたように、一件当たり幾らというふうに確約、いわゆる設定されているものではないと存じておりますけれども、その程度の額が払われている場合もあるかと存じます。
○河村(た)委員 払われている場合もじゃなくて、それが相場に近いのではないですか、ほとんどそういう状況ではないですか。もしくは、そういって再就職された税理士さんたちはほとんど会社に出ないということが事実なんではないですか。
○大武政府参考人 いわゆる顧問税理士にもいろいろな立場がございまして、個々の経理をやる場合、それから、まさに納税相談の、個別のいわゆる税務の難しいケースなどを相談する場合等、いろいろな契約があるやに聞いております。したがいまして、個別の、例えば減価償却の仕方ですとか非常に難しい税法解釈、そのあたりの御相談をするときに行くということになっているケースもあるかとは存じます。
○河村(た)委員 そこの実態を今度調べていただけますか。申しわけないけれども、調査を要求しておきます。どのぐらいの方がOBで入られて、年にどのぐらい会社に出られてということを、選挙がありますので、選挙過ぎになってもう一回質問すると思いますけれども、ぜひそのときにまたお願いします。 それから、優良法人に関しては、あっせん税理士の数と優良法人の数ということをぜひ調べてもらいたい。三年か五年ぐらいで結構ですよ、その推移。非常に大変だというのだったら東京、大阪、名古屋ぐらいでも調べていただきたいと思いますが、これは無理はないと思いますけれども、委員長、これはいいでしょう。
○大武政府参考人 優良法人に対する顧問税理士のあっせんにつきまして、どこまでできるかわかりませんが、一応やってみたいと思っております。
○河村(た)委員 ちょっと同僚に五分ほど時間をもらいまして、これで最後にしますけれども、要するに、そういって優良法人との関係があったところがある、それを厳正に処分したのは平成十一年四月。それから、非常に厳正に対処されたということでございますので、それ以降同じような事態がどこでも同じように生じていた場合、これは責任をとってくださいよ。いいですか。
○大野(功)政務次官 もしそのような事態が発生しましたら、厳重に処理いたします。
○河村(た)委員 それでは、また総選挙後にもう一回質問しますので、しっかりした資料の提出をお願いいたします。 以上です。
○金子委員長 次に、末松義規君。
○末松委員 民主党の末松義規でございます。 きょうは大野政務次官の方に幾つかの質問をさせていただきたいと思いますが、まず金融商品の販売等に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。 先ほど民主党の案の説明の際にもございましたけれども、顧客が金融商品の販売等に関して重要事項について説明を受けなかったことを理由として損害賠償請求をする場合において、政府案では立証の責任が顧客、一般消費者の方になっている。そういう場合、一般消費者に説明を受けていないということを立証させるというのは酷じゃないかと思うのですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
○大野(功)政務次官 先生御指摘のとおり、今回の法案では、一般的には、民法の原則によりますと、利益を受ける者、つまり原告側がすべて立証責任を負うわけでございますけれども、それを原告側に軽減しているという形になっております。 どういうふうに軽減しているか。つまり、説明がなかったことさえはっきりすれば因果関係については立証しなくていい、これがポイントかと思います。そういうことでございますから、言ってみれば、立証責任が原告側にあることは民法の一般原則でありますけれども、それについての特例を設けている、こういうことでございます。 そこで、先生の御指摘は、原告側の立証責任をもう少し軽減できないか、つまり、被告側に立証責任を全くすべて負わせたらどうか、こういうことになろうかと思いますけれども、そうなりますと、問題は、何か起きて立証ができない場合には、仮に原告サイドに過失があったとしても、いろいろな問題があったとしても、すべて損害賠償責任が生ずるとなると、これは原告側のモラルハザードにもなってくるのではないか、こういう問題がございます。 市場経済というのは、いわばすべて透明な社会、情報がきちっと入る中で自己責任を貫く、これが市場原則だと思います。その中で、なぜ原告側に民法の一般原則より立証責任について軽い負担としたか。これはやはり、金融商品というのは大変複雑になってきた、専門的になってきた、そうしますと、プロが素人をだますような形ができてくるかもしれない、それでは困ります。ですから私は、市場原理ということを確立するための前提条件が、今回の金融商品の販売法における、いわゆる原告サイドに説明がなかったというだけで損害賠償ができる、もし元本欠損のおそれがあるという説明がなかったときには元本は保証されるという損害賠償責任を生ずるようにした、こういうふうに理解いたしております。 〔委員長退席、渡辺(喜)委員長代理着席〕
○末松委員 今の御説明で、企業側に対してあるいはプロに対して責任を負わしめると原告の方のモラルハザードが起きるということも言われたのですけれども、もともとは、一般消費者が、結局いつもプロに素人がだまされるような形になって被害が続出しているわけなんです。そして、自分でそれを立証できないということから逆に泣き寝入りをしていたケースがほとんどだったということだろうと思うのですね。ですから、本当を言えば、一般消費者が泣き寝入りをするケースが多過ぎたから、今度はこれをきちんとプロの側が説明をするようなことに変えるべきではないかというのが私の立場ではあるのです。 とにかく、今政務次官が言われたように、金融商品は非常に複雑でよくわからない、そして欠陥についてもよくわからない。ただプロは説明がうまいですから、いろいろな情報を持っていますから、そこで逆に素人の一般消費者を言いくるめるみたいな形になってくるのだろうと思うのです。 そこまでになりますと、この金融商品については、やはりプロに立証責任を負わせた方が、つまり、原告、一般消費者の立証責任の負担を軽減させるという発想ではなくて、プロに負わせた中である程度のことをきちんとやらせる方が原則としてはよろしいのではないかと私は思うし、それが逆に業界が発展する一つの大きな契機になるのではないかと思うのですけれども、その点についてはいかがですか。
○大野(功)政務次官 二つのことを申し上げたいと思います。 第一は、今までの紛争の実例、裁判上の実例で考えてみますと、第一に、被告側がそんなことを説明する義務はないよということで逃げてしまう、説明義務の問題が争点になってしまう、これを今回はきちっと説明義務はあるのですよ、こういうふうにしているところが一つございます。それは私は非常に大きな第一歩だと思っております。 それから第二点の問題は、これは論議があろうかと思いますけれども、先ほども申し上げました、どこまで説明するか、商品の性格はどのように説明するのだ、あるいは投資目的はどうなんだということまでプロは理解して説明しろ、こういうようないろいろな問題が出てくると思います。 そこまでいきますと、私はやはり、先ほども申し上げたように、投資者の方からいえば自己責任原則であり、それから販売業の方からいえば、それはそういうところをまさに競争してその商品を売り込んでいく、この両面があると思います。そこまで法律で決めることがいいのか悪いのか。私はやはり、説明義務をはっきりした上で、あとは、販売業者はお互いに自由競争でこういう説明の仕方で売り込んでいくということが一つ、それから投資家の方は、やはり自己責任、自分が知りたいと思ったことはどんどん聞いていく、そういう姿勢が市場原理にふさわしいやり方だ、このように思います。
○末松委員 その論理を推し進めていくと、例えば、やはりこれも非常に複雑でよくわからないと言われております商品先物取引、こういったことについてはこの法案の対象外となっているわけなんですけれども、金融商品だけでなくて、商品先物を含めた一般の取引についても、消費者保護の観点から説明義務を付していくというふうなことが非常に必要になってくるんだと思うのです。これにつきまして大蔵省の方の見解をいただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 まず、どういうものを今回の金融商品販売法の対象にするのか、こういう問題が一つあります。これは金融商品というふうに限らせていただいております。しからば、今末松先生御指摘の商品取引は一体どういう位置づけになるのか。 金融商品につきましては、これはやはりキャッシュフローの移動とかリスクの転換とか、こういうことが原則になると思いますけれども、やはり物ではない、サービスだけではない、こういうような物差しが一つできると思います。 商品の場合、例えば商品を対象として商品に投資する商品ファンド、これは金融商品で間違いございませんが、商品取引だけについては、やはり物の世界であるが、物の世界の投機であれば入れてもいいんじゃないかという議論が一つあろうかと思います。そうなってきますと、例えば絵について投機をする、あるいは土地について投機をする、こういうこととの境目が描けなくなってきます。そこで我々は、この金融商品販売法につきましては、やはり物の世界は別ですよ、金融商品だけに限っていきましょう、こういう仕切りをまずいたしております。 それでは、商品取引の方はそういう保護があるのかないのか、こういうことでございますけれども、そちらの方はそちらの方として、従来から商品取引所法におきまして、例えば書面交付を義務づけている、あるいは勧誘時の断定的判断、これを買ったら絶対もうかりますよというような断定的判断の提供を禁止している、迷惑な勧誘の禁止をしている、こういうことをやっておりますし、さらに、平成十年の法改正によりましても、商品取引員や自主規制団体に対する規制の強化を十分やっておると聞いております。 したがいまして、こういう措置によりまして、商品取引の世界はそれとしてきちっと投資家が保護されている、そして公正な取引が確保されている、このように思っております。 それで、しからば、もとへ戻りまして、どのようなものが金融商品であるか。これはきちっと法律第二条で限定列挙して書いてあります。もし将来、こういう時代ですからどういう商品が生まれてくるかもわからない。そういう場合には、十三号で新しく政令で決めます。ですから、これもきちっと書いていって疑いがない、そういうことで論争が起きないように措置してございます。 以上です。
○末松委員 線引きを金融商品にされた理由を述べられましたけれども、いろいろな被害が出ている。その被害の大きさ、あるいは絵画の販売なんかはそんなに被害がないかもしれない、そういう訴訟の件数も少ないかもしれない。そういうふうな大きなところについてはきちんとした対応が必要だと思うのですが、今言われた、例えば紛争が起こったとき、この処理制度について、政府案では、迅速な処理をするという観点からいったら、その仕組みが必ずしも十全でないような気が私はするのですが、その辺についてはいかがですか。
○大野(功)政務次官 今回の法律につきましては、一つの目的は、やはり裁判にかけておりますと、非常に裁判に要する時間がかかります。また、それに応じて費用もかかります。したがいまして、このように立証責任につきまして軽減いたしておきますと、裁判にかかる時間が恐らく短くなっていくんじゃないかという問題が一つありますけれども、先生お尋ねの点は、そういう裁判以外の紛争処理手続はどうなっているんだ、こういう問題かと思います。 裁判外の、例えば苦情処理あるいは紛争処理を中立、公正、そして簡易、迅速に行っていく、これも大事なことでございます。したがいまして、そのことにつきましては、それぞれ今までも、全部申し上げると時間がかかりますので一例で申し上げますと、銀行協会でもよろず相談所というのをつくっておりますし、それから、これは特別の法律に基づいておりませんが、信託も信用金庫もそれぞれつくっております。特別の法律に基づいてつくっておりますのは証券会社あるいは投資信託委託会社等でございますけれども、これはきちっと苦情処理機関をつくっております。 そういう苦情処理機関で問題をなるべく早く解決していこう、こういうことで、例えば、昨年の十月以降でございますけれども、全銀協や信託協会が、弁護士会仲裁センターと提携いたしまして、あっせん、仲裁を開始しておりますし、また、それに類するような民間の自主努力もございます。 こういう問題をどういうふうに考えていけばいいのか、今後の将来の問題でありますけれども、将来の問題としては、例えばイギリスのオンブズマンあたりの例が参考になるかと思います。しかしながら、オンブズマンの例でいいますと、一遍オンブズマンが決定をいたしますと、被告サイドはそれでもう最終決定として考えなきゃいけない、司法制度に進めない、こういうことをどう考えていけばいいのか。つまり、司法制度に基づく裁判を受ける権利との関係をどう考えていくか、こういう問題がございますし、それから、一体、裁判外の紛争処理機関をつくっていく場合に、それを運営する主体はだれなのか、その運営を財政的にだれが支えるのか、こういう問題がやはり出てくるわけでございます。 したがいまして、今申し上げましたような、一つは裁判を受ける権利との関係、もう一つはだれが主体となって運営するのか、こういうことが問題点の中心になるかと思いますが、そういうことを頭の中に置きながら、今後とも金融審議会において真剣に検討していくんだ、こういうふうに私は伺っております。
○末松委員 金融審議会の報告を私も読みましたけれども、それは早急に、その主体と裁判との整合性、その権利をきちんと発揮できるような形で早く結論を出していただいて、それを全うしていただきたいと思います。 話をちょっと変えますけれども、証券取引法の方の関係なんですが、どうも政府の方を見ていると、今の取引所にどういうふうなイメージを将来持ってやっていられるのか、よくわからない。例えば新規の取引所をどんどんふやす方向なのか、あるいは株式会社化だけして、あとはほとんどないのか、あるいは専門銘柄だけ扱うような取引所、そういうふうなことをも考えておられるのか。 ちょっと、ざっくばらんに、十年後の日本の取引所の関係、この法律は基本的には株式会社化の方に中心が置かれていますけれども、その絵姿はどういうふうなものなのか、ぜひお示しいただきたいと思います。 〔渡辺(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○大野(功)政務次官 大変難しい御質問でございますけれども、証券取引というのは、まず取引が公正でなきゃいけないということが一つあると思います。それから、投資家がきちっと保護されていなきゃいけない、こういうことがあると思います。 そういうのが片側にありまして、もう一方においては、やはり効率性を大事にしていく。ですから、なるべくなら取引にかかるお金を安くしていく、それがひいてはまた投資家に還元されていく、こういうイメージが一つあると思います。 第二点で申し上げたいのは、やはり大蔵省なり政府なりが指導していっていいものかどうか。つまり、市場原則に任せて、民間の力でどんどんと工夫を凝らしていい市場をつくってもらいたい、こういう問題が一つあると私は思います。 それから、三番目に申し上げたいのは、さはさりとて、これからいわゆる電子取引の世界に入っていくだろうし、それから証券市場の株式会社化、つまり会員の組織、大蔵大臣のお言葉をかりればゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ、こういうような会員組織から一般経済に合うような組織に変えていく、こういう問題がいろいろあると思いますから、そういう意味では、大蔵省としても真剣に検討しているところでございます。 もう一つ、検討しなければいけないという背景にありますのは、日本一国だけの問題ではなくなってきている。グローバルな観点、これはきちっと勉強していかなければいけない問題だと思います。 以上、原則ばかり申し上げて、具体的な話がなくて申しわけないのでありますけれども、具体的な話といたしましては、先般の金融システム改革において、各証券取引所の対応を円滑にするために取引システムの見直しを促進する、こういう観点から、複数市場の設立を認めている。だから、複数市場であっていいのですよという方向が一つ出ました。 そしてもう一つは、上場手続の簡素化の観点から、株式の上場承認を事前の届け出制とする、こういうような簡易な方法でやっていける、こういうことでありまして、今回も、法律でお願いしております証券取引所の株式会社化、こういう方向は打ち出しているわけでございます。 このような状況のもとで、我が国の証券取引所においては、証券取引市場の活性化をしていくという観点から、新興企業等の上場の促進をするために、新しい市場、新市場を創設する。例えばJネットとかマザーズとかナスダック・ジャパンとか、こういう問題でありますが、こういう新市場の創設。あるいは、立ち会い場の廃止によってシステム売買への移行をやっていく、電子システム市場の創設をやっていく、こういうような取引のシステム化という方向も打ち出してきております。 さらに、地方証券取引所においても地域企業の資金調達等を考えながらやっていっておる、こういう方向性も出しているわけでございます。 そういう意味で、法律という側面からも新しい動きを応援しているということは明らかに言えるわけでございます。 今後、新しい証券取引所等がどうなっていくのかという問題でございますが、これは、先ほども原則論で申し上げましたが、民間の創意工夫に任せるべきではなかろうか、こういう問題があろうかと思います。 いずれにいたしましても、市場を活性化していく、市場が投資家にとって魅力あるものになっていく、こういうことの応援団として、主役は、プレーヤーはやはり民間である、我々は応援団としてその体制づくりを考えていかなければいけない。十年先どうなっているのかという御質問には直接答えられなくて申しわけありませんが、将来の方向としてはそういう方向で頑張っていく、こういうことでございます。
○末松委員 確かに今おっしゃったように、プレーヤーが民間で、あと黒子役といいますか、体制の整備については基礎的なものを、そういう民間がプレーしやすいような状況をつくっていくという意味で、それは基本的な立場はいいのですけれども、先ほど政務次官も言われましたように、電子証券取引ネットワーク、エレクトリック・コミュニケーションズ・ネットワークとか、そういうふうないろいろな進展で市場がどういうふうに動いていくのか、ある意味では、十年後なら十年後というものを前提として研究していくというのも、民間だけでやるというのじゃなくて、やはり官もイメージを持ちながら一緒になってやっていくということが必要ですから、ぜひそういった作業を世界の流れを見ながらやっていっていただきたい。日本にお金が流れ、また日本からお金が流れ出ていく、そういうふうな一番スムーズなやり方を考えていっていただきたいと思います。 最後に、株式会社化された場合に、取引所の株式を持つ五%ルールというのがあります。五%以上持ってはだめだということなんですが、例えばアメリカのナスダックなんかでは五%ルールをとってもいない。 それで、だれが取引所の運営に当たるかというところもあるのですけれども、五%で、だれもメーンな責任も持たない。逆に、例えば四割、五割持って、そこで支配をしていくようなのも確かに好ましくないけれども、みんな五%で、だれがどういうふうにやっているかよくわからない。そういうふうなことは、本当の意味でいけば、専門家を育てる、自分はこうやりたいんだというふうに責任を持ってきちんとやるようなことも、逆に無責任になってしまって、そういう理念があるような取引所というものが育ちにくいのじゃないかという懸念もあるのですが、その辺について、最後にちょっと御質問させていただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 先生御指摘の点は、大変基本的な、大事な点だと思います。 金融審議会第一部会報告書、これは平成十二年二月二十二日に出ておりますけれども、その報告書でも、株主構成が極度に分散的である場合には、経営に対する株主からのチェック機能が低下する可能性がある、このことに留意する必要があるというふうに指摘されております。 問題は、先ほども原則論として申し上げましたが、証券市場というのは、一方においてやはり公平な取引をやっていかなければいけない。したがいまして、そういう観点からいたしますと、利益相反するような、その市場を支配するような勢力が出てきてはいけないという要請が一方においてあります。そのことがやはり投資家の保護にもつながっていくわけでございます。 ところが、一方において、先生おっしゃるとおり、まさにその市場を効率的に、本当に魅力あるものにしていく。そのためには、市場にあるいは株式取引に相当の関心を持っている、相当の専門的知識を持っている、こういう人も大事でございます。 その兼ね合いがいわゆる今回のこの五%になったのかな、私はそのように理解しております。両方の要請をやはり考えていかなければいけない、私は、これが今後の株式市場のあり方であると。 いずれにいたしましても、今日の証券取引所を取り巻く環境を見ますと、国内的にも国際的にも物すごい競争が激化しているわけでありますから、先生のおっしゃるようなことも念頭に置きながら、やはり各証券取引所において、低コストで、コストが安い、それはまさに関心を持っている人……
○金子委員長 時間が来ておりますので、簡潔に願います。
○大野(功)政務次官 簡潔に申し上げますと、低コストで、魅力的な市場をつくっていくことが大事でございます。
○末松委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○金子委員長 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 私は、きょうは、まず冒頭、大阪証券取引所の理事長人事につきましてお伺いをしたいと思います。 今回の金融三法の中でも、証券取引所を株式会社化する、そういった中で証券取引所の公平性をどう確保するのか、こういう点も問題になっているわけであります。 この大阪証券取引所の理事長、副理事長が交代をする方向である、背信行為で事実上解任される、そういう報道がございますけれども、この事実関係についてまず確認をさせていただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 大阪証券取引所の理事長等役員につきましては、六月末に最終的に理事会、総会の承認を得て決定される運びになっておりますけれども、既に大阪証券取引所の関係三団体、つまり日本証券業協会大阪地区協会、大証正会員協会、大証理事会の役員の集まりにおいて新しい理事長などの候補が決定されていることは承知いたしております。 御存じのとおり、理事長は、定款の定めるところによりまして、会員理事及び公益代表理事により選挙され、全正会員の三分の二以上の同意を得て選出されるものでございます。また、副理事長についても大阪証券取引所が自主的に決定するものでございます。したがいまして、大蔵省としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○石井(啓)委員 それでは、新たな理事長の候補の方が証券会社の社長さんだというふうに聞いておりますけれども、証券会社の役員が証券取引所の理事長をするということについては何か問題というのはないのでしょうか。
○大野(功)政務次官 証券取引法につきましては、証券取引所の役員が証券会社の役員を兼ねることにつきましては、これを禁止したり、あるいはこれを証券取引所の役員の欠格事由にする、こういう規定はございません。これは証取法の世界でございます。一般論としては、証券会社の役員が証券取引所の役員を兼ねるということにつきましては問題はない、このように考えております。 しかしながら、大阪証券取引所の定款においては、理事長は、その在任中、証券業に従事することはできない、こういう定款がございます。したがいまして、証券会社の役員がその職についたまま大阪証券取引所の理事長に就任することはないということでございます。
○石井(啓)委員 そうすると、定款上は、理事長に選任されるまではいいけれども、理事長に選任された途端に役員をやめなければいけない、こういうことでしょうか。
○大野(功)政務次官 そのとおりでございます。
○石井(啓)委員 それでは、若干議論のあるところなんですが、今政務次官の方から、一般論として兼務することは問題ないという御発言がたしかあったと思いますけれども、私は逆に一般論として問題があるのじゃないのかなと思いますね。 といいますのは、当然のことながら、証券会社の役員をやっていて、あるいは直近まで役員をやっていたような方が証券取引所の理事長あるいは副理事長、こういう役をやるということになると、証券取引所の業務の公平性に疑念を持たれるようなことがあるのじゃないのかな。当該証券会社に有利ないろいろな取り計らいが行われるのじゃないか、一般投資家からそういった疑いが持たれるということは、証券取引を健全に発展させるという意味からも、私はそれは逆にちょっと問題なんじゃないかなというふうに心配をするわけでありますが、いかがでございましょうか。
○大野(功)政務次官 先ほども議論いたしましたけれども、一方において低コストの効率的な市場をつくる、これはやはり証券業に精通した経験も、それから関心もある人でなきゃいけない、それともう一つは、一方において公正な取引、投資家保護をしなきゃいけない、利益相反をするような役員を置いていいのかどうか、こういう両方の要請があると思います。 証取法の方では兼任を禁じておりませんが、私も心の底では先生と同じような気持ちはあるのです。ですから、何らかの段階でもう一度検討してみなきゃいけないのかな、こんなふうには思っておりますけれども、今の立て方は、両方の問題を考えた上で、証取法としてはいいが、自主規制で、大阪証券取引所という場で、自分たちの手でそういうことを疑いがないようにやってくれているという姿で、一番理想的な姿かなというふうに思っております。
○石井(啓)委員 誤解のないように申し上げておきますけれども、私は、今の理事長さんの方に何か支持をしている、あるいは次の新しい理事長候補の方の方に支持をしている、そういうどちらかに偏った立場ではありませんで、あくまでも中立な立場で申し上げたいと思いますけれども、証券取引所といういわば金融の基礎的、基盤的なインフラ、この証券取引所の理事長の人事がこういうふうにスキャンダル的に取り上げられるということ自体が、私は大変憂慮すべき事態なのではないかという意識を持っておりまして、これはやはり大蔵省としても重大な関心を持って見守るべきことなのではないかというふうに思います。この点について伺いたいと思います。
○金子委員長 大野政務次官、しっかり答弁してください。
○大野(功)政務次官 証券取引所というのは、国民経済上極めて重要な役割を背負っておりますし、非常に高い公共性を持ったところでございます。こういう観点から、その運営につきましては引き続きもちろん大蔵省としても注目、注視していくのは当然でございますけれども、理事長人事につきましては、定款の定めるところにより、会員理事、これは御存じのとおり十三人いらっしゃいます、それから公益代表の理事、これは出資いたしておりませんけれども、こちらが六人いらっしゃいます、によりまして選挙される、これが一番。そして二番目は、全会員の三分の二以上の同意を得て選出する、こういう手続がございます。 そういう会員組織である証券取引所が、先ほどから何回か申し上げましたとおり、自主的に決定しているということでございますので、先生の御質問には直接お答えしておりませんが、大蔵省としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○石井(啓)委員 いずれにいたしましても、全く見逃すというか見過ごすというか、そういうたぐいの問題ではないだろう、私としても非常に大きな関心を持っているということを申し上げておきたいと思います。 続きまして、金融商品販売法案につきまして伺いたいと思いますけれども、参議院の方の財政・金融委員会で詳細な質疑が行われておりまして、そこで大分この法案の趣旨については明らかになっているところでございますが、再度、重要な点について私の方から何点か確認をいたしたいと存じます。 特に、金融商品販売法でポイントになります説明という点について、幾つかの切り口で確認をいたしたいわけでありますが、まず、説明をする内容でございますけれども、今回の法案で説明義務を負っている内容については、重要事項ということで、元本欠損を生じるおそれとその要因、これを説明しなければならない義務を負っておるわけでありますが、参議院の方の委員会で、取引手数料、税金、商品の仕組み、中途解約時の注意事項も説明されるのか、こういうふうな質問に対しまして、これは局長の答弁でありますが、重要事項の説明を行う際に、重要事項に密接に関連する部分については当然説明することになると考えている、法律上明定されていないが、重要事項に係るその他の事柄も説明の際には当然含まれてくると考えている、こういう答弁がございまして、私はこれは非常に重要な答弁だなというふうに認識をいたしました。 法律的には、この義務を負わせているのは重要事項に限るわけでありますが、立法の趣旨としては、重要事項を説明するために当然関連する事柄は説明されると考えている。これは恐らく、今後この法案が成立した以降、さまざまな裁判事例が出てきた折に、この立法者の趣旨というのは当然踏まえて裁判が行われるだろうということを考えますと、私は非常に重要な答弁であるというふうに考えるわけであります。 そこで、重ねて確認をいたしたいわけでありますけれども、これは恐らく商品の仕組みにかかわる話になってくるかと思いますが、元本欠損を生じるおそれ、これを説明する際に一番重要なのは、そのおそれ、すなわちそのリスクがどういうふうに生まれてくるのか、そのリスクの発生の仕組み、これが恐らく一番重要なポイントであろう。これについては、やはり密接に関連する事項として当然説明されるというふうに私は思いますけれども、その点について確認をいたしたいと思います。 また、苦情の事例では、リスクの程度ということでありますけれども、こんなにリスクが発生するとは思わなかったということで、いろいろな苦情の事例があるわけでございますけれども、こういうリスクの程度ということについてはどう説明で対応されるのか、この点について確認をいたしたいと思います。
○福田政府参考人 お答えいたします。 まず第一の点でございますが、本法案における説明義務の位置づけについて申し上げますと、この説明義務を怠りますと、本法では直ちに不法行為があったものと認められ、元本割れが生じていればそれが賠償すべき損害と推定されるという、大変強力な民事効果を持つものでございます。そういうことで、立法上は説明義務の範囲は元本割れと因果関係を持つ一定の範囲に限定する必要がございまして、およそ金融商品の仕組みすべてについてそのような強力な民事効を付与することは、やや均衡を失するということが考え方でございます。 しかしながら、今委員御指摘のように、現実の本法案の運用場面におきましては、元本欠損が生ずるおそれがある旨あるいはその原因となる事由等の重要事項を説明する際に、それに関連いたします部分については、例えばリスクがなぜ発生するかなど、商品の仕組みについて当然説明されることになると考えております。また、本法案における説明すべき重要事項に該当しなくても、民法の一般原則によりまして説明すべきであると判断される事項は存在し得るわけでございます。 それから次に、リスクの程度でございますが、本法案におきましては、リスクの程度についてまで説明を義務づけておりません。 その理由としましては、各金融商品それぞれにつきましてリスクの程度を正確に見通すことは、実は販売業者にとりましても難しい問題でございまして、このような予見が必ずしも容易でない将来の可能性についてまで説明を義務づけることは、本法の性格上なじまないのではないかということ、それから、将来の予測に関する説明ということになりますと、ややもすれば不実告知とかあるいは断定的判断を伴ってきてしまう危険性もございますので、適切な義務履行がなされるという確証がなかなか得られがたいという理由でございます。 ただ、リスクの程度につきましては、必要に応じまして、顧客の方から業者に対して、発生するおそれのある損失がどの程度かというようなことを適宜質問していただくなど、いろいろなことを参考にして、基本的には顧客側の自己責任で判断していただけることではないかと思っております。 いずれにしましても、本法案で一般の顧客が自己責任に基づいて安心して投資を行えるような環境の整備が図られることを期待しているわけでございます。
○石井(啓)委員 大体わかりました。 それから、説明をどの程度やるかということで、参議院での質疑では、顧客の理解ということが非常に大きなポイントになっておりました。 参議院での質疑を確認いたしますと、例えば宮澤大臣の答弁では、本法案において規定する説明義務は、一般的な大多数の顧客にとってリスクを理解できる程度というふうにされておりますし、また、局長の答弁では、「顧客が本当に理解したかどうかを業者が確認するということは顧客の内心の立証の問題でもありまして、それを業者に求めることはできない」、こういうふうにされております。 したがいまして、立法の趣旨としては、この説明の義務というのは、一般的な大多数の顧客が理解できる程度までは説明をしなさい、こういうことである、ただし、理解したかどうかを確認するのは、そこまで求めるのはなかなかできない、こういうことであると思います。 私もその点についてはそのとおりであろうと思いますけれども、ただ、逆に、顧客が理解したかどうかにかかわらず、一定の事項を述べておけばよい、こういう趣旨ではないはずであろう、そういうふうに思いまして、これは確認でありますけれども、やはりあくまでも顧客の理解を目的として説明を行い、逆に申し上げれば、理解するのに十分丁寧な説明を求めるのがこの法案の趣旨であるということを確認いたしたいと存じます。
○福田政府参考人 ただいま御指摘のとおりでございます。例えば、一般人に理解できないような説明を一方的に行ったような場合には、説明義務が履行されたとはみなされないわけでございます。したがって、本法案におきましては、実質的にその説明義務が全うされることとなる程度の説明がなされている必要があるというふうに考えております。 また、一般的でない方々、例えば知識、経験等の乏しい顧客の方もおられるわけですが、そういう方々につきましては、もちろん、より丁寧な説明が必要となることが考えられるわけでございます。この点につきましては、例えば知識や経験に適合した勧誘を行うといったことでございますので、この法律の先ほどの規定ではなく、一般的な業者のコンプライアンス面での対応、あるいは、それでも足らなければ、民法の信義則等で業者の責任追及を行っていただくということで顧客の保護が図られることとなると思っております。
○石井(啓)委員 それともう一つ、説明につきましての三点目になりますが、説明の方法でございます。どういう方法で説明をするのか。 これについては、参議院でのやりとりでは、説明方法を法定すると、法律で定めると、逆に形式的な要件のみを満たしていれば説明を行ったとみなされて違法性が認定されないという可能性があり、結果的に顧客にとって不利益になるおそれがある、したがって説明が実質的に行われることが必要である、書面交付も大変有用であるが、交付をすれば重要事項の説明義務を果たしたことには必ずしもならないとされております。これはそのとおりであろうと思います。 説明方法を規定すると、それを何か形式的にやった、例えば書面だけ渡しておけばそれで済むということでは、逆にかえって顧客の保護にはならない、こういう趣旨であろうかと思いますけれども、私は、ちょっと逆の面で確認をしたいと思うのです。書面を渡しただけでは説明義務を果たしたことにならないのは、それは私はそのとおりだと思うのですけれども、ただ、書面なくして理解をするのが難しい面もありますね。 例えば、先ほど言いました、リスクがどういうふうに生まれて、どういう程度のリスクがあるのか、こういったことは口頭だけではなかなか十分理解できにくいこともあろう、こういうふうに考えられます。したがいまして、義務づけはされていないのですけれども、書面を交付した上で口頭によりその事項を丁寧に説明する、こういうふうなことがこの法律の趣旨からすると望まれるのだろうな、私はこういうふうに考えますけれども、いかがでございますか。
○福田政府参考人 この点についても的確な御指摘をいただいておりますが、確かに、説明方法自体は法定しておりませんが、法案におきましては、説明が実質的に行われることが必要でございます。 ですから、この場合、この法案で求められておりますリスク要因の説明とか、その発生のメカニズム等の派生的、付随的な説明を実際にお客さんに行う場合には、やはり書面を交付した上で、かつ口頭でも丁寧に説明するということは十分考えられるわけでございまして、それはやはり金融商品ごとに、その内容、複雑性に応じて個別に判断されるべきことではございますが、一般論としては、もちろん書面での業者の説明が伴うということは望ましいことではないかと考えております。
○石井(啓)委員 大分、やりとりで立法者の趣旨が明らかになってまいりましたので、説明のところはそこで一段落をいたします。 次に、今度は、この法律で業者が勧誘方針を定め、それを公表することの義務を課しております。まず、この勧誘方針のうち、「勧誘の対象となる者の知識、経験及び財産の状況に照らし配慮すべき事項」、いわばこれは適合性原則というふうに一般的には言われていると思いますけれども、これについて勧誘方針を定め、公表義務を課しているわけでありますが、証取法に、抽象的ではございますけれども、適合性原則があるわけでございますが、今回、勧誘方針として顧客の適合性を定め、公表することとした意図あるいは背景について確認をいたしたいと存じます。 あわせて、苦情の事例といたしまして、以前にハイリスクの商品に投資をして失敗をした方のところに業者が行って、以前に損した分を取り返してやるからということで言われてやったら、また多額の損失をこうむってしまった、こんな苦情の事例がございました。以前にハイリスク商品や為替リスク商品の購入経験があれば、直ちに、投資経験があるというふうにして適合性に合うとするのは適当じゃないのだろう、私はそう思っておりまして、やはりその顧客の投資の目的とか投資の意向を十分尊重して勧誘をすべきであろう、こういうふうに考えるわけでありますが、この点についてはいかがでありますか。
○大野(功)政務次官 法八条第二項第一号、適合性の原則の背景、並びにもう少し拡大すべきではないか、このような御質問だと思います。 まず、背景としましては、金融商品が大変複雑化しておりますから、やはり説明をしていかなければいけない、しかしながら一方において、だれにでも同じような説明をする場合にはコストがかかる、この両面の問題があると思います。 したがいまして、例えば知識とか経験とか年齢とか保有している資産とか、いろいろな背景がありまして、それに応じた説明をしなさい、こういうことだと思います。しかしながら、そういう勧誘方法を策定するということを法律で義務づけている、その勧誘方法を公表するということを法律で義務づけているわけでありまして、どのような形で勧誘方法をつくりなさい、勧誘方法がどうであろうともそれは構わないという法律の建前になっております。 なぜそういう法律の建前になっているか。それは、そういうことは販売業者の間で争っていく、争ってみずからがいい勧誘方法を見出していく、それが今の市場原則に照らして一番いい方法ではないか、こういう考え方に立脚しているわけでございます。 したがいまして、先生がおっしゃいましたような、例えばお客さんの投資目的が何なんだろうか、どういうものに投資したいという意向をお持ちなんだろうか、投資意向の問題でありますが、こういうことについてはすべて販売業者の自主的な判断に任せていく、そのことによってお客様側の評価が出てまいります。そうすると、その評価の上に立って業者間の競争が促されてきて、そこでいい勧誘方法が生まれてくる、こういうような背景で立法しておる次第でございます。
○石井(啓)委員 今の次官の説明で、こういう勧誘方針を公にすれば、それを顧客あるいは消費者側が判断できるわけですから、どういう会社がどういう勧誘方針を定めているかを、例えば消費者団体等がきちんとチェックをして、おのずからそこに顧客側で、ランクづけと言ったらおかしいですけれども、きちんとディスクロージャーされたことによってその評価ができる。こういうことによって、おのずからそこに勧誘方針をめぐっての会社間での、お互いにいい勧誘方針を定めようというような方向に働いていくであろう、そういったメカニズムを使ってのことであるというふうに理解をさせていただきました。 そこで、時間的に最後になるかもしれませんけれども、消費者契約法との関連でお尋ねを申し上げたいと思いますが、苦情の事例の中でこういう事例がございます。リスク、リターンの仕組みを十分理解できないのだけれども、ただ、外務員、販売員の方の、これは大丈夫ですよという言葉を信じて購入した、でも結果的に大変な損をこうむった、こういう事例もやはり寄せられております。このような場合、将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供し、顧客を誤認させたとして、消費者契約法の契約取り消しの対象になり得るのかどうか。これは必ずしも大蔵省の答弁ではないかもしれませんけれども、確認をいたしたいと思います。
○大野(功)政務次官 金融商品販売法におきましては、販売業者は説明義務を負うわけでございます。どういう説明義務かというのは、元本欠損の生ずるおそれがある、こういうことでございます。 それから、消費者契約法の方でございますが、第四条第一項第二号で、「物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。」ときちっと明記してあります。ですから、法律的な要件としては、今申し上げたような、事実と異なることを告げること、あるいは不利益な事実を故意に告げないこと等が消費者契約法の要件でございます。 したがいまして、両法の関係からいいますと、金融商品販売法の方は損害賠償、それから消費者契約法の方は御存じのとおり契約の取り消しということでございますが、今のような例の場合は裁判所で両方の法律の適用を受けられる、こういう形になると思います。ただし、結論はどっちか一方でございますが、両法を適用される、こういう形になります。
○石井(啓)委員 では、最後に一点だけ確認。今の最後の方は非常に大切な御答弁だったと思いますので。 ですから、事例によって、金融商品販売法それから消費者契約法、両方適用されるというか、どちらを適用するかの自由度も顧客の側にあるということでよろしいのでしょうか。ちょっと確認をしたいと思います。
○大野(功)政務次官 おっしゃるとおりでございます。
○石井(啓)委員 ありがとうございました。時間が参りましたので、以上で終わります。
○金子委員長 次に、岩國哲人君。
○岩國委員 おはようございます。民主党を代表いたしまして、現在審議中の金融商品の販売等に関する法律、政府提出案について質問させていただきたいと思います。 まず最初に、こうした法律が必要になった背景、つまり、最近のいわゆる金融バブルの中で、非常に多数の金融商品の販売に関してのトラブルが発生し、今なお訴訟がふえておる、こういった環境であることは私もよく認識しておりますし、私もそうした金融の世界におりましたけれども、こうした金融商品の販売に関する苦情件数というのはどのように捕捉され、把握され、公表されているのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○大野(功)政務次官 失礼をいたしました。 苦情受け付け件数でございますが、これは業態別になっておりまして、申しわけございません、ちょっと時間がかかります。 平成十一年度でございますと、都銀で三百一件、信託で三十件、長銀で十八件、地銀で七百九十六件、第二地銀で七百二十六件、生保で八百十五件、損保で七百四十六件でございます。以上は、各財務局で受け付けたものでございます。
○岩國委員 各財務局での集計ということでありますけれども、この財務局以外にいろいろな民間団体を通じての苦情等も多数寄せられているでしょう。それを大蔵省は知らないということはないと私は思います。そうした財務局以外の苦情処理あるいは苦情を受け付けた、それこそ大切なアンテナじゃありませんか。財務局というのはむしろ敬遠されて、もっと相談しやすいところへ行っている件数の方が多いのじゃありませんか。そういった実態がよくわかるように説明していただきたいと思います。 それから、今の財務局につきましても、全部で三千五百件ぐらいありますけれども、この業態の中に証券というのが入っていないというのは、証券関係の金融商品には苦情は一切なかったということですか。
○大野(功)政務次官 第一点が、役所外、財務局外で、各民間の苦情処理機関等における苦情受け付け件数でございますが、これもちょっと業態別になっておりますので、一、二例でよろしゅうございますか。それとも全体を申し上げますか。(岩國委員「なぜ証券が入っていないのか。なぜ商品先物が入っていないのか」と呼ぶ)それは第二番目の問題でございますが。 二番目の問題でございます。 証券のトラブルにはいろいろな態様がありまして、一律に捕捉することが大変難しいという状態でございます。そういうことで、この証券関係、金融関係につきましてはトラブルを公式で捕捉するということが難しいわけでございますけれども、消費者問題につきまして最も広範な情報が集まってくる、こういうことが言われておりますのが国民生活センターのネットワークでございます。ここに登録されております件数は三万八千件弱でございます。 それから、ちょっと今のところ手持ちで証券の苦情件数がありませんので、まことに申しわけございませんが、これは民間の方の苦情ということで申し上げたいと思いますが、証券会社が証取法に基づいてつくっております証券苦情相談室、全国で十一カ所あるそうでございます。そこの苦情処理件数でございますが、平成十年度で四千六百六件でございます。 それから、第一の問題は、各業態別に民間でもそれぞれ苦情を受け付けておりまして、そのデータは先生のところへ後ほどお届けさせていただきたいと思います。
○岩國委員 一番最初にお答えいただきました財務局で受け付けたものというのを業態別に都銀の三百一件から始まって御説明いただきましたけれども、これはわずか三千五百件の回答にしかすぎなかったわけです。私が質問を繰り返すことによってやっとその十倍の数字が出てきたり、証券が出てきたり、こういうふうなディスクロージャーの実態では、本当に金融商品の販売によってそういうトラブルを防ごう、あるいは気の毒な投資家を救おうという目的が達せられるような体制じゃないじゃないですか。あるいはその精神にさえも欠けていると言わざるを得ないかもしれません。 役所へ来た件数だけを集計して私のところへ持ってきていただいて、証券は抜けておるわ、先物は抜けておるわ、民間の方の窓口で受け付けたものはどさっと落ちているわ、こんな体制で本当に金融商品の販売等に関する法律が責任持って実行できるのですか。法律だけつくって体制が全然フォローしていない、やる気がない、こんなことでは、この法律をつくる意味が非常に欠けていると私は思うのです。 まだまだほかにも欠点を指摘しなきゃならないところはありますけれども、苦情が的確に受け付けられること、処理されること、みんなが相談しやすい体制ができているかどうか、そういった体制をまずきちっとつくって臨むことが必要ではないかと私は思います。 そして、民間の一つの例をということで国民生活センター、これ以外にも幾つかありますか。そういう金融トラブルに関して活発に活動しているところというのはほかにありますか。国民生活センターというのは、もう一つの全国消費生活相談員協会、こういうところから私は資料もいただいておりますけれども、これと全くイコールなんですか。三万八千件、件数が全く一致しておりますけれども。 それからもう一つ、金融相談に関するコンサルタント協会というものもございますが、ほかに二、三の例があれば、それも御紹介いただけませんか。
○大野(功)政務次官 現在きちっと答えられる自信がございません。 それともう一つ申し上げたいのは、本件は金融監督庁の所管事項でございまして、先ほどは私うっかり大蔵省政務次官としてお答えいたしましたけれども、それはどうでもいいこととおっしゃっていただければどうでもいいことでございますが。 それと、一つ御指摘の、やはりもう少し苦情についてきちっと真剣に対応しなさい、全くおっしゃるとおりだと思います。今後その点は十分に注意を払って対処してまいりたい。 ただ一つだけ、やる気がないという言葉がございましたけれども、やる気がないということだけはちょっと否定させていただきたいと思います。
○岩國委員 やる気がないというのは主観的な判断かもしれませんけれども、やはりこういった苦情受け付け件数の中に証券関係のものが大蔵省、金融監督庁の役人の皆さんがおつくりになったときにすぽんと抜けておったり、それから、世上伝えられる金融トラブルというものはこれだけに限定されていないというのは、一般人の常識ですよ。そしてこういう法律を審議するに当たっていろいろ汗をかかれた役人の皆さんの常識でもあるはずでしょう。そうしたものについて集めてみようとする努力がないとすれば、それはやる気がないと世間では言うわけです。 そうした苦情の受け付け体制はどのようになっているのか。そして、過去十年間、業態別にどのようになっておるのか、それはどのように処理されたのか。それから、私も市長を務めておった時期がありますけれども、地域の人は市役所へ来る人も結構多いのです。こうした全国三千三百の自治体の窓口で、相談係でどの程度の件数が寄せられているのか、こういうものは掌握しておられますか。お答えいただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 総合的に苦情処理の体制をきちっとしなさい、全国的な、ローカルなネットワークでもやりなさい、御趣旨はよくわかります。 ただし、現在のところ、例えば地方公共団体の窓口でそういう苦情を吸い上げて、それを大蔵省なり金融監督庁できちっと把握しているという事態ではないことを、残念ながら申し上げたいと思います。
○岩國委員 我々民主党の方からも、そうした金融相談センターというものを設置すべきではないかという提案をしております。そういう提案があるならば、なおさら、まず、今の実態はどうなっているのか、今の体制で十分なのか、非常に不足なのか、そういった担当の皆さんは自治体にも問い合わせてみるなり——民間にも行かない、そして財務局にも行かない、しかし三千三百の自治体ではもっともっとふえている、これは大変なことだという事態の深刻さを認識する意味でも、そういった調査というのをまずやってみるべきじゃないかと私は思います。 我々もそうした実態というものを踏まえて、官民ともに、与党、野党ともにそういった実態というものを、数字をよく見た上で、どの程度のセンターをつくればいいのか、あるいは要らないのかを議論するためのデータがまずないではありませんか。どういう体制になっておるのか、どれだけの件数で、激増しているのかほとんど横ばいなのか、まず早急にそうした調査を、この法案の成否にかかわらずやるべきだと私は思いますが、大蔵大臣、どういう御意見ですか。
○宮澤国務大臣 違法であるとか違法でないとかいうことになりますと、情報をとり、処理する機能はございますけれども、国民生活の中で初歩的なと申しますか、生活そのものからくる不平、苦情は国民生活センター等々でかなりもう、歴史もございますし、処理しておりますけれども、今度、経済生活の中における不平あるいは係争ということになりますと、行政が的確に情報をとらえるというところまで実はいっておりません。 ですから、おっしゃいますことはまことにごもっともなことでありますし、今後恐らく、国民生活といっても、その経済面あるいは経済取引面というものは当然大きくなってまいると思いますから、それに対処して、その不平というものを的確に取り上げる、そういうことに対する関心、あるいはそういうことについての対応は大変必要になってくると思いますことは、岩國委員の御指摘のとおりと考えます。
○岩國委員 そうした体制の調査、それから実態の把握にぜひ努めていただいて、早急にそれを公表していただきたいと思います、この法案の成否にかかわらず。 この法案をどのように運営していくかということについては、我々みんなで責任を持たなきゃならないことですから、そうした実態の把握というものが不十分であるということをもし認識されるのであれば、早急にそれを完了していただきたいということをお願いしまして、次の質問に移らせていただきます。
○大野(功)政務次官 私の印象が間違っていたらおわびをしなきゃいけないんですけれども、実態把握が不十分だというお話でございますが、先ほども若干触れましたとおり、実態把握は財務局においてやっております。それから、各苦情処理機関、金融機関、銀行、それから信託、信用金庫、生命保険会社、損害保険会社、証券会社、投資信託委託会社、それぞれ業態別に、苦情処理件数、受け付け件数等の把握はきちっとしておりますことを御認識いただきたいと思います。足らざる分はさらに努力してまいります。
○岩國委員 実態把握が十分であるとか、非常にそういう御弁解をされますけれども、それでは、一般に言われている金融トラブルの中に商品先物に関するものが非常に多いということは、これは大野政務次官も御存じだと思います、新聞でもしょっちゅう出ることですから。にもかかわらず、証券は入っていないわ、それから金融先物の苦情受け付け件数も、日本の財務局には金融先物の苦情の受け付けはゼロであった、証券の受け付けもゼロであった、これは実態とはかなり外れているんじゃないかと私は思います。その点、いかがですか。
○大野(功)政務次官 事前に監督庁の方から出させていただきました資料には証券関係が入っておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、証券会社は法に基づきまして苦情処理相談室を設けております。全国十一カ所でございます。平成十年度におきましては四千六百六件の受け付けをいたしております。 したがいまして、この問題、不十分で、もっともっと我々は真剣に取り組まなきゃいけないと思っておりますけれども、今申し上げましたようなことをやっておりますということは御認識いただきたいと思います。
○岩國委員 金融監督庁にかわっていろいろ御答弁いただいてありがたいと思っておりますけれども、それでは、いわゆる商品取引の中で、通産省に関する商品取引の苦情件数、これはどれぐらいあると政務次官は把握しておられますか。 要するに、一般にそのような先物取引のトラブルというものがあるとすれば、今紙が移ったようですけれども、その前に当然その苦情件数というものは、こうした金融商品の販売等に関する法律案というものをつくり、そして国会に上程する以上は、狭い意味の金融商品に関してはどれぐらいトラブルがあったのか、世間の人が一般に言っている金融商品という広い意味ではどれぐらいあったのか、狭い意味、広い意味、それぞれにどれぐらい苦情件数があったかということは調査しなきゃいかぬでしょう。今になって通産省の方から紙が回ってきてそれを読んでみよう、そういうことではだめだと私は思うのです。 それでは、農水省関係の商品取引に関してはどれぐらいあったか、それを大蔵省の方からお答えいただきたいと思います。
○谷津政務次官 農林省関係の話が出ましたから、私の方からお答えさせていただきます。 農林省関係では、十年ぐらいずっと見ていますが、平成元年度から見ますと、百六十四件で、大体百台が多いと思います。そして七年度以降、二百台に入りまして、八年、九年、十年、八年が三百七十件、九年が五百件、平成十年度が三百四十四件。この八年度から急にふえたということは、これは先生も御承知かと思いますが、八年度より各県の消費生活センターに寄せられた苦情相談を当方へ紹介していただくということで苦情がふえてきているということでありますが、特に、商品先物取引に対する苦情相談等の担当者会議を、消費生活センターにいる職員と話し合いまして、しっかりとその辺の受け答えはできるように体制を整えておるということでございます。
○岩國委員 いわゆる商品先物取引というものの中には、通産省所管のものと農水省所管のものと、今共同で所管しておられるわけですけれども、小豆、大豆のような農水省関係のものと、あるいは金とか石油のように通産関係のものと、大きく分けて二つあるということは御承知のとおりです。今農水省のお立場でお答えいただきましたけれども、通産関係と農水関係で共管しておられますけれども、どちらの苦情件数が多かったか、農水省としてお答えいただけませんか。
○谷津政務次官 これは、通産の方はわかりませんけれども、私の推測で申し上げれば、農水省の方が多いと思います。
○岩國委員 共管しながら情報は共管しない、これが見事な縦割りになっているわけですね。例えば、農水省の立場で、これだけふえてきているけれども、向こうの、通産省の方はもっとふえているのかもっと減っているのか、それぐらいの関心は持つべきだと私は思うのです。 通産省、農水省からそれぞれ苦情件数を私はもらいました。比べてみますと、最初は通産省が上回っておった。ついに最近、農水省が追いついて、逆転しております。農水関係の方が非常に多くなっている。これが何を物語っているのか、あるいは販売方法に何か一つの特徴的な、傾向的なものがあらわれているのかどうか、本当は、そういうことを両省で共管しながらずっと見るべきだと私は思うのです、商品先物の実態を。 商品先物といっても、こっちだけは農水省、こっちだけは通産省、そして今、情報さえも共有しておられないという実態です。私は、これは非常に大きな欠陥があると思います。商品先物の販売取り締まりあるいはトラブル処理に関して、お互いの苦情件数がどういうふえ方をしているのか、それぐらいは情報交換を密接にしながら、共管であれば共同して本当はこういうことに対処しなければならないと思います。 金融商品のジャンルそのものの中になぜ商品先物が入っていないのかという素朴な質問に対して、通産省としてどういう見解を持っていらっしゃいますか。
○茂木政務次官 まず、商品先物取引につきまして、通産省、農水省の間で連絡とか相談が不十分ではないか、また、通産省として農水省の状況をつかんでいないんじゃないかと御指摘いただきましたが、謙虚に受けとめさせていただきたいと思います。我々としましては、農水省ではどれくらいの苦情件数が出ているか、これにつきましてはしっかりと把握しているつもりであります。また同時に、通産関係の苦情件数そしてその内容についてもつかみながら、対応策を考えております。 先ほど委員の方から御指摘ございましたように、年間二百件ぐらい通産省の方に苦情相談が寄せられておりますが、それ以外でも、例えば日本商品先物取引協会の調べによりますと、その内容を詳しく分析されております。勧誘時におけるトラブルと契約後の個別取引におけるトラブル、全体で大体五百件程度でありますが、四割が勧誘時におけるトラブルであって、そして契約後の個別取引におけるトラブルが六割ぐらいを占める。そこの中で特に多いのが返還の遅延、それから仕切り回避、こういう問題でございます。 こういったものをこれからは防止をしていかなければならない。こういう観点からさまざまな規制を今までもやってきておりますし、御案内のとおり、先般の商品取引所法改正におきましては、商品取引に対しまして、顧客に対する誠実かつ公正な業務遂行の義務づけを行い、また、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして……(岩國委員「私の質問に答えてください。なぜ商品先物が金融商品の中へ入らないのか」と呼ぶ)
○金子委員長 ポイントを整理してください。
○茂木政務次官 前段の御質問がありましたので、それに答えた上でと思っておりまして……(岩國委員「前段の答弁はもう結構です」と呼ぶ)
○金子委員長 それでは、ポイントに入ってください。
○茂木政務次官 はい。 商品先物取引につきましては、商品という実物の売買取引であること、また、今回の金融商品の販売等に関する法律案が眼目といたしている説明不足によるトラブルや訴訟の実態がほとんどないことから、本法案の対象とはならないことと整理するものと承知をいたしております。 なお、商品先物取引につきましては、さまざまなトラブルの発生を防止し、一般投資家を保護する観点から、本法案に盛り込まれております説明義務や勧誘方針の策定、公表のほか、不当な勧誘の禁止などにつきまして、本法案以上に厳格な規制を従前から行っているところでございます。
○岩國委員 こうした商品先物が金融商品の中に入っていないということは、各新聞等でも欠陥ではないかと指摘されております。また、一般の投資家から見た場合に、今茂木政務次官は、実物である、実物でない、そこにその区別があるかのごとくおっしゃいましたけれども、商品先物というのは、先物という性格から見て、大豆にさわってみたり油にさわってみたりする人はだれもおらないわけです。先物というのは、物を金融の世界に投げ込む一つの手法であります。明らかにこれは金融商品として取引され、金融商品として利益を生んでいるわけですから、実物云々という説明は、もうこれは十八世紀か十九世紀の話じゃないかと私は思います。 こういう金融商品の販売等に関する法律というものが出たときに、私は、多くの投資家の期待があったと思います。ああ、これで商品先物という、いい業者も悪い業者も非常に不透明な、そういうどちらかといえばおくれておった分野が新しく進んで、こうした農水関係もあるいは通産関係の商品取引も非常に近代的になって、一つの法律のもとに統一的に規制され、あるいは投資家の保護というものが行われていくんだと。そういう期待感からいうと、商品先物が落ちているということは、私は個人的にも残念に思いますし、また、そういう意見を非常に多く聞くわけです。 大野政務次官、この商品先物というものをなぜ金融商品の中に入れることはできなかったのか、入れないことのメリットは何なのか、入れられない根拠は何なのか、この二つをお答えいただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 まず、茂木通産政務次官からもお答えがありましたけれども、金融商品の定義づけでございます。その中で、もう言うまでもないことですけれども、商品投資を目的とした金融的な投資ファンドを組む、いわゆる商品ファンドでございますが、これは当然金融商品に入ります。 ただ、実物というところで仕分けをした意味は何だ、こういう問題が一つ出てくるわけでございますけれども、一つは、実物としたら、将来、例えば土地投機あるいは絵画投機、いろいろな物を投機とするものをどう考えていくかという問題が出てくる可能性もあります。そういう意味で、私どもは、まず金融商品といった場合、物への投資を目的とした金融的な仕組みまでに限ろう、そこは茂木政務次官からきちっと説明があったとおりでございます。 それからもう一つは、これも説明がありましたけれども、やはり商品取引所法におきまして、書面交付の義務づけ、勧誘時の断定的判断を禁止する、迷惑な勧誘の禁止といって、そちらの商品取引の方は従来から保護体制、保護のシステムがきちっと決まっている、こういう問題がございます。それからさらに、もう先生御存じのことでございますからこれ以上言いませんが、平成十年の改正の問題もございます。 しかも、今数字でおわかりいただきましたとおり、苦情件数も極めて少ない、こんなことがございまして、そこは仕切りをつけましょう、金融商品と商品投資は区別をつけましょうと。ただし、金融商品につきましては、この世の中に存在するすべてのものはきちっと個別列挙して、そしてトラブルが起こらないようにしていこう、将来新しい商品が出てきたら、それは新しく商品として書いていきましょう、こういう思想でつくっております。
○岩國委員 古い話ですけれども、今から二十五年前、私はアメリカの会社の役員をしておりました。そこの朝の役員会でいつもやっているのは、二十一世紀の辞書にはもう銀行の言葉もない、証券という言葉もなくなっている。二十一世紀の辞書を見たら、総合金融サービス会社という言葉しか載っていないのだ、彼らは二十五年前からそういう経営戦略で、前提で世界戦略を進めておったわけです。今、日本にもそのような事態がようやく起きようとしています。つまり、銀行と証券の垣根がなくなる。そして、一つのグループに入っていくけれども、それは三つに分化する。メガハウス、地球的規模でやるところ、スペシャリティーハウス、専門的なことを少数精鋭でやるところ、そしてローカルハウス、地方金融機関、地域に密着していく、その三つに分化していくだろう、そのような世界戦略をやっておりました。 確かにもう銀行と証券の垣根もなくなってきました。保険との垣根もなくなってきた。そしてこうした商品の世界でも、このように垣根がなくなる時期を今迎えつつあるのじゃないでしょうか。これは世界的な流れと言わざるを得ないのです。銀行の世界にも異業種から参入が行われてこようとしている。以前は銀行は銀行、投資家は投資家だったものが、今は銀行が投資家になったり投資家が銀行になってみたり、銀行と投資家の境目もなくなってきた、これが異業種参入の一つの特徴だと思います。そして、取引の対象にも国籍がなくなる、取引の場所にも国籍がなくなる、そして取引する業者も国境を越えた存在になる。すべてに国境が失われているときに、なぜ日本のこの霞が関の大蔵、通産、農水の垣根だけが厳然としてこうした金融商品の販売に関する法律のところに残っておるのか。私は不思議でならないわけです。 そうした三省の垣根をなくして、商品の世界でもボーダーレス、まさに垣根のないそうした規制あるいは保護というものができるような方向に持っていっていただきたいと思います。 通産省所管の金、石油だから通産省がかんでなきゃならないとか、農林省所管だから大豆、小豆は農林省が所管しなきゃならないという時代ではないと思います。現に、そういうものを扱っている外務員がどういう人たちかといえば、何も大豆や小豆の専門家だから農学部を出た人がやっているわけじゃないのです。あるいは、金や石油の専門家である工学部出身の人がそういう商品先物をやっているわけでは全然ないわけです。投資家の皆さんも推して知るべし。 消費者、投資家の立場から見れば、最小のコスト、最少の資金、最少の期間で最大の利益を上げたいという、これにはすべて、金融商品も商品先物も、全部全く共通しているわけです。ただ、対象として扱われるものが、通貨であるか、あるいは金利であるか、大豆であるか、石油であるか、違っているだけのことであって、消費者の立場、投資家の立場から見れば、これは早急に一元化して、そして苦情の受け付け体制も一元化すべきだ、私はそのように思います。 ぜひそういう方向で再検討が行われることを強く希望しまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 —————————————
○金子委員長 この際、お諮りいたします。 各案審査のため、政府参考人として警察庁刑事局暴力団対策部長五十嵐忠行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 次に、上田清司君。
○上田(清)委員 民主党の上田でございます。 それでは、幾つか、ちょっと宿題になっておりました部分をお尋ねしたいと思います。 まず、北鮮系の、いわゆる総連系の信組の資金投入について、実は私、奇異なことを総連の財務局の元最高級の幹部からじかに聞いたのですが、総連関係者の間で、既に一兆円の投入が決まった、こんなことを言われるもので、電話で浜中次長の方にそういうお話はあるかとお聞きしたところ、ないということでありますが、一応念のために確認をさせていただきたいのです。 少なくとも金融監督庁やあるいは大蔵大臣級の方から、何らかの形で総連のトップに、許宗萬氏にそういうことをお伝えしたことがあるかないか、その一点だけ確認したいと思いますが、まず金融担当大臣からお尋ねしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今上田委員がおっしゃった、一兆円の金を、いわゆるアサギンと申しますか、朝銀に資金援助するといいますか、そういうことは、最近も私はある週刊誌でそのような記事を拝見して、そういう報道があることは承知しているわけでございますけれども、今委員がおっしゃったような事実は一切承知しておりません。
○上田(清)委員 それでは結構でございます。そうした話が幹部級のところで流れているということですので、一応念のためにお聞きしましたが、貴重な国民の税金でございますので、正しい調査をなさった上で、そして日本の金融システムの安定のためにそれぞれのしかるべき使途、理由をはっきりさせながら破綻信組の救済等々に当たっていただきたい、こんなふうに思うところであります。引き続き、慎重なる調査をお願いしたいところであります。 それでは、これまたちょっと論題から外れますが、トピックでございますのでお尋ねしたいと思いますが、宮澤大蔵大臣の案件でございます。 先般、元建設大臣の中村喜四郎氏が、当時、総理の在職時代に現金三百万を官邸で受け取った、そういうことを法廷で述べておられますが、その後、閣議後の記者会見で、そういう記憶がないと大臣はおっしゃっておられます。また参議院の方の委員会の中では、一切ないと。記憶にないと一切ないというのは違いがあるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 その当時、独禁法の罰則を強化するという問題につきまして、日米間のかなり長い懸案がございまして、この処理につきまして、私としては公取委員長の報告を受けておりました。 なお、その同じころに埼玉県の土建業者の何か談合事件があったということがあったようでありまして、これは公取委員長の専管事項でございますから、総理大臣として全くかかわる必要がありませんし、特に報告は受けておりませんでした。 中村喜四郎議員は、当時、国会対策の副委員長ですか、大事な役目をしておられましたので、その報告のため時々総理官邸に来訪されましたけれども、その際、これら独禁法関係に関して話し合ったり、金を渡したというようなことは一切ございません。 報道されました後、私は記憶にないというふうに申しまして、実際記憶にございません、十年近く前でございますので、そうお答えいたしましたが、記憶をたどりましても、そういうことは一切ない、こう考えましたので、参議院でそのようにお答えいたしました。
○上田(清)委員 一応、十五日の控訴審で中村元建設大臣は、九一年の十二月、首相官邸に呼ばれ、宮澤氏から独占禁止法の法人罰金引き上げに協力するよう要請を受け、紙袋に入った現金を渡された、このように供述をされておられますが、これは、宮澤大蔵大臣からすれば事実無根だ、このように理解してよろしいのでしょうか。
○宮澤国務大臣 そのとおりであります。中村さんは国会対策関係のことで時々おいでになりましたけれども、このような問題について、一切二人で話し合ったことはありません。現金を渡したということもありません。
○上田(清)委員 ありがとうございました。この問題はとりあえずこの辺で。 それでは、本題の法案についてお伺いをしたいと思いますが、せっかく前の方に佐々木憲昭議員が座っておられますので、早目にこちらから片づけをさせていただきたいと思います。 私どもも修正案を出しているところでございますし、多くの部分で共通している部分もございますが、いささか違う部分もありますので、正確に文言を読みながら確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 共産党案では、金融商品販売業者等と顧客との間に生じた紛争の裁判外における迅速な処理のための制度を確立するものとしているが、具体的なイメージはどのようなものか、これを伺いたい。 また、民主党の修正案では、金融商品消費者センターを設立し、裁判外紛争処理のほか、金融商品の販売等に係る説明義務の範囲、勧誘方針等に関する指針の策定、そしてまた、会員である金融商品販売業者等に対する指導、勧告等、金融商品の販売等に関する広報その他の必要な業務の三つの業務を行うものとしているが、この点について若干の疑念があるというようなことも伺っておりますので、まずこの二点からお伺いしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 お答えいたします。 金融をめぐる消費者被害の救済体制というのが現在未整備であるために、被害者は実際には泣き寝入りをするか裁判で争うか、これしかないわけであります。しかし、裁判は大変な時間と費用を必要といたします。情報の格差もございまして、被害の立証も甚だ困難である。したがって、裁判外の救済制度をつくるということは、我々も急務だというふうに考えております。 裁判外紛争処理機構をつくる上でかなめになるのは何かということでありますが、私どもは、業界からの独立それから消費者代表の運営への参加、これが保証されるということが非常に重要だと考えております。迅速な処理それから権限、つまり、機構が金融業者に対する資料徴求権や調査権限を持つということ、それから、その裁定が業者に対して拘束力を持つ、こういうことが大変重要だというふうに思います。 民主党案にある金融商品消費者センター、これが、顧客保護とあわせて販売業務の適正化を目的に掲げたということは、私は大変積極的なことだというふうに思います。民主党案は、イギリス型のオンブズマンを念頭に置いてこの制度を金融販売業者が設立する公益法人としておられるのだと思いますけれども、今の我が国の金融機関には消費者保護の見地は極めて弱いわけであります。したがいまして、民主党提案のこの組織が、センターの掲げる目的に真に沿った活動がなされるように、運営面の保証ということが大変重要になるのではないかというふうに考えております。 以上です。
○上田(清)委員 ありがとうございます。 私ども、海江田議員を中心に、貸し手責任を問うさまざまな勉強会をやってまいりまして、その中で、決算行政監視委員会でつくられましたところの予備的調査を行いましたところ、大手銀行が肝心のさまざまなトラブルについての資料を提出しないというような状況が起きておりまして、とかくさまざまな金融商品についてトラブルが多いという実態があるということを含めて私どもさまざまな提案をしておりますので、改めてちょっと申し上げます。 まず、銀行と保険会社が組んで変額保険とローンを一体化して販売したこと、また、銀行と証券会社が組んでワラントとローンを同時に同様に販売したこと、このとき、銀行とか保険会社あるいは証券会社は、元本割れのリスクがあることを十分顧客に説明せずに、バブルが崩壊した後、多数の損害が起き、訴訟が起こっているという現実があります。 そこで、私たちは、金融商品の販売と一体となった資金の貸し付けも含めて本法律の対象にした方がいいのではなかろうか、こんなふうに考えているところですが、政府原案にはこの点がありません。この点についてはどのようにお考えか、お答えをしていただければありがたいと思います。 〔委員長退席、根本委員長代理着席〕
○佐々木(憲)委員 予備的調査に対する都銀の回答が大変悪いという点について、私どもも同じ考えでありまして、早急に全面的な資料の提供を要請したいというふうに考えております。 それから、上田議員のお話のように、政府案の場合には銀行融資を対象としていないということであります。しかし、バブル期の金融被害の大変大きな特徴の一つは、不動産担保による大型フリーローンを使った銀行の提案型融資、過剰融資でありまして、御指摘の変額保険はその典型的な例であります。 銀行が、相続税対策になりますよということで提案をして、訪問販売を繰り広げ、年金暮らしの高齢者に自宅を担保にした億単位の過大な融資をした。銀行は、融資を拡大するためにさまざまな商品を勧誘したわけでありまして、それは、変額保険にとどまらず、不動産共同投資商品であったり、株であったり、不動産投資であったり、さまざまでありますが、共通しておりますのは、投資や商品購入の提案とセットで、自宅などを担保に返済能力を度外視した過剰な融資を行う、こういうところにあったわけでございます。このようなバブル期の銀行の行動を踏まえれば、融資を法案の対象とするのは当然必要なことだというふうに思います。 私どもの案では、一定の商品販売と一体で行われる融資を法案の対象としております。我が党案では、説明義務の強化とあわせて適合性原則違反も損害賠償責任を伴う違反行為としております。したがって、バブル期のような提案型融資、過剰融資が行われれば、これらの規定に触れることになります。そういう意味で、被害の防止、救済につながるものというふうに確信しております。 さらに、バブル期の過剰融資、提案型融資をめぐっては、銀行が自宅を競売して資金回収を図る事例が今相次いでおります。そういう意味では銀行の貸し手責任が問われておりまして、融資に対しては、本法案に引き続き、取り立て行為規制などを含む消費者信用保護法の制定に進むべきだというふうに私どもは考えているところであります。
○上田(清)委員 ありがとうございます。 極めて発展的な考え方を述べていただきましたが、せっかくですので、私どもが提案しました金融商品の販売と一体となった銀行の資金の貸し付けも本法案の中身の対象にすべきではないかという議論について、政府側の御答弁を聞きたいのですが、いかがでしょうか。
○大野(功)政務次官 金融商品の販売と融資というのは基本的に異なるものでございます。どこが異なるか、キャッシュフローがあるということは事実でございますが、もう一つの問題点、リスクをだれがとるかという問題を考えますと、リスクのとり手がお金を出した方、融資の場合はお金を出した方がリスクをとるわけでございます。そして、銀行側がリスクをとる場合と、それから、金融商品の場合は金融商品を買った方がリスクをとる、こういうことでございます。それが第一点。 それから第二点は、金融、融資の世界というのは、言ってみれば、金利とか根担保とか取り立て行為とか、こういう問題が議論になるわけでございまして、その議論のなり方としては、いわば経済行為が社会的な問題につながってきている、こういう問題点であります。つまり、例えば商工ローンのときに問題になりましたけれども、目ん玉を売れとか腎臓を売れとか、こういう話はすべて金利が高いからなるんだというふうに直接つながってしまう。そこはきちっと区別して考えるのが融資の世界であろうと思います。そこは、金利を制限するとか、取り立て行為をきちっと整備していくとか、そういう社会問題に発展するならば刑法の世界で処理する、こういうことでございます。 この二つの問題を考えた場合に、特に第一点のリスクをだれがとるんだということを考えた場合に、私は、これは全く別の世界として処理すべき問題だと思っております。
○上田(清)委員 ちょっと、余りにもしゃくし定規に分けておられますが、御承知のとおり、現実の商品はそういうふうに分かれておりません。だからたくさんの損害賠償等々の訴訟が起きているわけでありまして、その辺の実態についてもそれぞれ各省庁が把握しておられる、そのことを先ほど岩國議員が極めて丁寧に追及をなされて、御説明をいただいておられます。 そこで、私どもが問題にしているのは、結局、そういう抱き合わせ商品的なものを厳密に分けることが非常にしにくい、そういう認識に立っているのですけれども、それでは、大野政務次官は、これまでにありました変額保険とローンの組み合わせあるいはワラントとローンの組み合わせ、そうしたものの、被害者からすれば被害、加害者からすればいろいろ食い違いだというようなことで言っておりますけれども、どれほどそういう訴訟が起きているかということについては御存じでしょうね、先ほど岩國議員が説明をされましたので。 大変な量ですよ。予備的調査でも相当明らかになったわけですけれども、半端じゃない量が全国各地で起きているわけですから、これについて、では、なぜそういう事件が起き、その問題解決はどうすればいいのかということに関して説明をいただかないと、何か、分かれていますという話じゃちょっと納得ができないんですね。なぜこういう事件が起きてしまっているのか、それについて説明をしていただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 まず、変額保険の問題でございます。 変額保険の問題は、一番目に、商品のリスクに関する説明が十分でなかった、これはもう確実に言えることだと思います。それから二番目に、融資業者等が販売業者である保険会社と一体となってしまった。一体となって事実上勧誘販売行為を行っている。ですから、融資と金融商品の販売業者が一体となっている、そこに融資と金融商品の販売行為が一つになった、こういう二つの問題があろうと思います。 第一の商品リスクに関する説明が十分でないということでございますけれども、今回は、この法律によりまして、その点については、元本欠損のおそれがあるんだ、これは説明責任としてきちっと第三条で書いてございます。そういうふうに環境は整備されていくものと思います。 問題は第二点であります。第二点は、業法上の免許等があるなしにかかわりませず、融資業者等が事実上販売の代理、媒介、このようなこととしてみなされる行為を行った場合には、本法案の販売業者等としての変額保険に関するリスクの説明義務が課されることになるわけでございます。したがいまして、違反に対する損害賠償責任を負わなきゃいけない、こういう問題の立て方でございます。 このように、変額保険の問題につきましては、私どもは、本法案により、お客様の保護という点では充実されたものと考えます。
○上田(清)委員 もとより、説明義務の問題について、これまでの法体系の中で相当前に進んだ部分は認めるところでありますが、抱き合わせ商品等についての物の考え方についていま一つ納得ができない部分がありますが、後でまたそれはさせていただきたいと思います。 それでは、佐々木議員に最後にお伺いします。 ここは共産党の修正案で際立ったところかなと思われますが、顧客に対して重要事項を説明する際に、重要事項を記載した書面の交付を義務化するという点について、ある意味では相当厳しいと思われますが、どのような理由からこのような修正案を出されたのか、お伺いしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 お答えいたします。 金融商品の販売の中で、業者と顧客の関係というのはいわばプロとアマの関係と言われております。したがって、顧客を保護するためには、リスクがあるということを形式的に説明すればよいとするのではなくて、業者に対しては、リスクの内容、どんな内容なのか、それからその程度はどうか、こういうものを含めて顧客がよく理解するまで説明する、そういう義務を課す必要があると考えております。 その中で、顧客の十分な理解を得るためには、重要事項について記載した書面を併用するということが大事で、書面を併用した説明というのが我々の考えであります。過去の被害事例でも、電話勧誘による口頭説明で、有利だということを強調するといった実態がありましたし、そういう意味でも書面交付の義務というのは大変重要だというふうに考えます。 大蔵省の答弁等をお聞きいたしますと、書面交付義務を課すと、書面交付をもって説明義務を果たしたというケースが生まれかねないというふうに言われていますけれども、これは我々からいえば、言い逃れにすぎないと思うのであります。 我が党案は、書面を交付して、そしてまた説明するということを義務づけ、書面交付がなければ、口頭のみでは説明義務を果たしたことにならないというふうに規定しているわけであります。このように規定すれば、大蔵省の言うような懸念は生まれないわけでございます。 なお、我が党は、契約前の勧誘時のこのような書面交付とあわせまして、契約締結後に遅滞なく契約内容の書面を交付する、契約書の交付ということを義務づけております。これは、過去の被害実例の中で、契約書面が業者の手元にだけ残って顧客には残らないという実態がありまして、損害賠償請求裁判が、契約書の提出を請求するというところから始めなければならないという実情があるということで、そういう点を踏まえて我々は提起しているわけでございます。契約前と契約後の二つの書面交付の義務ということが必要だというのが日本共産党の提案の内容でございます。
○上田(清)委員 ありがとうございました。 それでは、修正案についての御説明は結構でございます。ありがとうございました。 それでは、幾つも疑問点はあるのですが、一点だけ。 私は、リスクの説明についての立証義務は、やはり金融商品の販売業者が負うべきだというふうに考えております。それはなぜかということについては、突然ですけれども、今御出席の方々に幾つかお尋ねしようと思います。 宮澤大蔵大臣は、本当に政界の中枢でずっと御活躍ですので、家事に関して、私的な部門に関してはほとんどないと思われますのでお聞きしませんが、きょう政府参考人で来ておられる森事務局長、乾監督部長あるいは福田金融企画局長、せっかく出てきておられますので出番をつくってあげますけれども、家庭生活の中では結構それなりに、ああだこうだというお話もあるかと思います。 例えば、生命保険なら生命保険の契約をされたとき、日債銀の奉加帳のときみたいに、日生みたいにしっかり応接録をとったりしませんね。契約書の部分で、どんなリスクがあるかというようなことを聞かれるかもしれませんが、メモをとって説明者にサインをさせたりはしませんね。何かそういうしつこい対応をされたことはございますか。まず、森事務局長。 〔根本委員長代理退席、委員長着席〕
○森政府参考人 お答え申し上げます。 過去を振り返ってみますと、一回生命保険に加入したことがございます。定期つき終身保険だったと思うのでございますが、この定期つきについての説明を受けた記憶がございますし、その定期つきについてのリスクとリターンの関係については十分に説明を求めたことがございますけれども、先生がおっしゃるとおり、メモをしたとか、そのメモにサインをさせたとか、そういうことはした覚えはございません。
○上田(清)委員 福田金融企画局長は、保険部長もなされて、この道のプロでございます。私どももそうですが、いろいろな保証書だとか契約書をどこになおしたかも、その当時はそれなりにきちっとなおしたつもりなんですが、いざ探し出すとなると、なかなか見つからない。したがって、契約当時のお話や書類も、消費者がきちんと保管して、いざトラブったときにそれを証拠の材料として戦うすべというのは、ちょっと持てないような気がします。 その点、やはり企業、会社は、きちっとそういうことを管理することに関してはたけておられる。そういうことでございますから、日債銀で、応接メモをちゃんととって、裏をとるというんでしょうか、そういうことはやはり上手ですね。したがって、取りっぱぐれがないようにしようとしていらっしゃるわけですから、保険部長時代のことを思い起こしていただきまして、法案の担当局長として、個人に返ったときに、立証責任を本当に消費者ができるか、私は非常に疑問を持っております。率直に、福田企画局長として、個人としてさまざまな契約書、保証書等々を御自宅で保管を丁寧に丁寧になさっているかどうか、これだけを答えてください。
○福田政府参考人 余りリスクのある金融商品に投資したことがございませんが、保険とか預金とか、そういうものにつきましては、一応分けて、封筒か何かに入れて管理はしてございます。あと、勧誘を受けたときに、先方のパンフレットにつきまして疑義があるときは、メモ書きなんかはしてございますけれども、御指摘のように、将来訴えるかもしれないというところまで考えているわけではございません。
○上田(清)委員 どうもありがとうございます。 実は、簡易保険の問題で、若干予算委員会で質疑をさせていただいた経緯がございます。もちろん、国営事業でございましてリスクがないということで皆さんが加入しておられるのですが、実は平成四年以降のニューナイスプランなどは、払込額の方が多くなって、満期のときの受取額の方が少なくなるのですね。十五年物で満期が来ると五百万を受け取るわけです。ところが、払込額が五百四十万円。そんなことはだれも知らないわけですね。 もちろん、五万円ぐらいしかまだ払っていないときにぽっくり死んだら得ですけれども、しかし、これは十万人で五人ぐらいしか死なない話ですから、五十五歳で対象外になってしまうわけですから、死亡率の確定なんということを言えば、十万人で五人ぐらいしか死なないわけですから、まず途中でもらえることはない。したがって、貯蓄性の高い満期型の保険だというようなことも強調されている。 だから、みんなもうかるものだと思っていたら、実は油紙に包んで庭に埋めておくとか、水がめの中に沈めておいた方がまだ得だということになるのですね。みんな知らないのですよ。どこにも書いていない。それで私は、書けと言ったら嫌だと言ったもので、では、今度はテレビに映るときにやるぞと言ったら、勘弁してくれということで、各郵政局が全部回収しまして、今度は小さく、私が思うほどはでかく書いていませんけれども、払込額よりも受取額が少なくなる場合がありますと今度はちゃんと簡保に書いてあります。 そんなことですから、消費者というのはそういうものだということを前提に考えれば、やはりリスクの責任義務というのは業者でないと無理だ。したがって、この法案に関しては、徹底的にここの部分は改めるべきだと思いますが、大蔵大臣もにやにやしながら聞いておられましたけれども、どうでしょうか、担当大臣として、思い切ってここのところは立証責任の義務は業者にあると一気に書きかえる必要はありませんか。
○宮澤国務大臣 いつぞやその話を行革委員会でなさいまして、ああ、そういうものかと思って承っていました。相手が女性大臣でいらしたから大変優しくおっしゃいましたけれども、ああ、そういうものかと思いました。 ですから、やはり消費者というものが、何としても提供者、業者とは知識に差がありますし、それに日本は、先ほどからお尋ねがありましたが、やはりもともと訴訟社会でないものですから、契約社会でないものですから、何となく相手を信用してしまうみたいなところがございますけれども、これからだんだんそういうわけにまいりませんから、少なくとも提供者の方が重い負担を負うということ、それから、消費者にも利口になってもらわなければなりませんけれども、行政がそのためにやはりいろいろ配慮をすべきだ、こう考えております。
○上田(清)委員 お立場の中で、撤回するというようなお話はとても聞けるとは夢にも思っておりませんが、ぜひ、我々も多勢に無勢みたいなところがありまして、これは絶対必要なことだと思っても通らない部分もありますが、実態が進む中でまたしっかり検討を加えていただきたいということを申し上げておきます。 それでは、まだまだこの問題については、一番専門家の海江田議員が控えておりますので、若干私は視点を変えて、株価と実体経済の問題やら、若干の暴力団絡みの問題だとかを御指摘させていただきたいと思っております。 宮澤大蔵大臣に聞きますが、株価というのは実体経済を反映するときもあれば、反映しないときもあるような気が私はいたします。例えば、野村証券の植草チーフエコノミストなどは、株価は八カ月先の経済を予測しているというようなことを言われたりしています。通常、株価というのは実体経済を反映しているのか、それとも反映していないのか、あるいは、反映しているときもあれば反映していないときもある、この論点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 ちょっとそれは私の知識に余るお尋ねでございますけれども、平凡なお答えになりますが、やはり一国の経済が興隆期に入るときには株価が上がっていく、その反対のときは反対である、これはもうまず間違いないところであると思います。 さて、その間に、しかし、いろいろ仕手関係とか、あるいは全然違う事情、国際関係もございます、そういうことで、必ずしも短期的な思惑のとおりには動かないということはしばしばあるように思います。しかし、長期のグラフをとりましたら、恐らくやはり経済の実勢というものを反映する傾向にあるのではないか。しかし、これはちょっと私の知識には余る難しい問題と思います。
○上田(清)委員 大臣の知識をもって難しいと言われたら我々質問する中身がなくなってしまいますが。 最近二万円台まで来たやさきから、また下降しまして一万七千円台で上下しておりますけれども、これは日本経済の先行きについての何か少しシグナルが出ているのでしょうか。
○宮澤国務大臣 長く申し上げますといけませんが、四月十四日ごろだったと思いますけれども、いわゆる日経ダウの入れかえという問題がありまして、それは四月二十四日にまでたしか及んだのでございましたが、簡単に申しますと、結局二百二十五種の銘柄を三十外しまして新しいものを三十入れたわけですが、外しました銘柄の時価総額は、たしか九千億円ぐらいでございますが、投入しました三十銘柄の時価総額は八十何兆でございますので、全くその間のバランスがとれておらなかったように思います。 しかも、これは何年ぶり、十年近くでそういうことをやった。普通ですと一年、二年ごとに少しずつ入れかえるということで継続性を保たせるわけでございますが、今回の場合には、結果として明らかに継続性が保たれませんで、不幸なことに、その間に、四月十七日でございましたか、ウォールストリートの異変がございました。各国にその余波があって、しかしその次の週からは回復しましたが、ちょうどそのときが今申しました時期であったこともあって、それからほぼ一週間、TOPIX、すべての銘柄の平均株価は上昇を続けましたが、ダウは下降を続けたというところから、この継続性というものが疑われることになったという事情がございます。 これは商品のことでございますので、普通でしたら大蔵大臣が申すことではありませんけれども、上田委員も言われますように、株価によって日本の経済のよしあしを占う、国内でも国外でもそういうことがございましたので、そうなりますと、これは個々の商品の問題ではないと考えまして、私が銘柄入れかえによって継続性が失われたと申しました。そう言われる方の方が多いようでございますが、俗には、今の新しいダウは旧ダウのほぼ二割低い、一九%ぐらい掛けると旧ダウの水準に達するということをおっしゃる方が多いようでございます。 この問題は、これから先どうするかということにならざるを得ないのかと思っていますが、それはまた開発された方々がお考えになることであるかもしれません。 その後、最近のことで申しますと、この間の火曜日にアメリカの公定歩合を〇・五引き上げるということがございまして、それをめぐりまして、その前、市場はかなり緊張しました。その後、あたかもそれは克服したように見えますが、ここでもまたナスダックとダウの分かれがございまして、ナスダックが下げていきますと、我が国の株価が、やはりそういう情報関連、新しい株のかなりの派手な動きがございましたので、それを逆に受けているというようなことであろうかと思います。本日、また一万六千円台に下がっておる。 でございますけれども、長くなりまして申しわけありませんでした、私は、我が国の経済というものは確かにはっきりもう回復期に入っておると思いますし、法人統計なんかを見ましても、企業の当期利益、あるいは設備投資への意欲等々は相当はっきりいたしておりますので、今のこの四月以降今日までの株価の動きは余り一喜一憂しなくてもいいということと、かつて二万円の水準に達したということは、先ほど申しました事由で申しますと、新しい水準ではそれよりかなり低いところになるわけでございます。それで、今申しましたことをそのとおりとして申しますと、きょうの前場の引けは一万六千六百十四円だそうでございますが、これを旧のダウに直しますと一万九千七百七十円という試算をいたしております。 これは、絶対に正しいということを申し上げているのではございませんけれども、今お尋ねがございましたので、思っておることを申し上げました。
○上田(清)委員 率直な御意見、よしといたします。 最後になりますが、東京証券取引所の存在もいささか気になるところであります。と申しますのは、昨年の末に開設しました新市場のマザーズの中身に、ベンチャーといいながらも、暴力団絡みの関連企業がたくさん来ているのではないか、こういう指摘がさる雑誌で、これは「選択」という雑誌なんですが、指摘をされておりまして、なかなかいい表現がありまして、入れ墨オーケーのサウナぶろを開店したようなものだ、こういう表現をしております。 まず警察庁に聞きますが、そのような話が事前に漏れていたのかどうか知りませんが、昨年の四月ごろ、担当者が、証券各社の引き受け担当者を前に、暴力団関係企業の上場阻止に向けた協力を訴える行脚をやられたかどうか、お聞きしたいと思います。
○五十嵐政府参考人 証券市場に暴力団が介入することによりまして証券取引の適正が害されるというようなことがあってはならないわけでありまして、警察といたしましても、暴力団の資金源対策といった観点から、暴力団の市場からの排除ということに非常に大きな関心を持っているわけであります。 委員御指摘の件につきましては、昨年十一月に、警視庁から東京証券取引所に対しまして、証券市場への暴力団の不当な介入の排除について要請を行っておるわけであります。それで、本年四月に、証券新市場、いわゆるマザーズの上場審査において、暴力団が経営に関与等をしている場合には上場から排除することとしたという旨の回答を得ているところでございます。
○上田(清)委員 実は、皆さんにお渡ししておりませんが、警察の関連の方にお渡ししておりますが、リキッドオーディオ・ジャパンのいわば親会社というのでしょうか、投資会社みたいなものもございまして、その関連図がマル秘で各界にずっと出回っておりまして、それとの関係でいくと、さまざまな暴力団絡みの関係者と非常につながっているというところが明らかになっております。 もちろん、この真偽についてはまだ定かではありません。ぜひ警察関係の中でもこれを調べていただきたいと思いますし、何よりも、大蔵当局におかれて、このマザーズの上場のときの基準、こうした点について甘さがあったのではないかという指摘を今言われているところでありますが、そのときのことも含めて、そうした懸念について断固たる措置をとられているかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○大野(功)政務次官 まず、上場の基準でございます。 上場の基準におきましては、公益または投資者保護の観点から必要と認める事項について審査することといたしております。それで、もちろん、事業目的や事業内容が公序良俗に反する場合、法律に違反する場合、これは投資対象物件として投資者に提供することは適当でないとしております。具体的にきちっと上場基準が決まっております。 また、東証マザーズガイドブックでも、平成十二年四月十三日実施という文書でございますが、例えば、 申請会社、申請会社の特別利害関係者又は主な株主及び取引先等が暴力団、暴力団員又はこれらに準ずる者である場合は言うまでもなく、暴力団等が申請会社の経営に関与している場合や申請会社、申請会社の特別利害関係者又は主な株主及び取引先等が資金提供その他の行為を行うことを通じて暴力団等の維持、運営に協力若しくは関与している場合、申請会社、申請会社の特別利害関係者又は主な株主及び取引先等が意図して暴力団等と交流を持っている場合なども新規上場物件として不適当と考えられます。 こういうふうに細かく規定しているところでございます。基準としてはこういうことがあることを、まず御認識いただきたいと思います。 このような観点からいいまして、暴力団等と関係のある企業の上場はもちろん不適当であります。したがいまして、上場申請会社から暴力団と関係がない旨の確認書を徴求するということをやっておりますし、株主の属性等につきましても上場申請会社からヒアリングを行う、もちろん行っているのは東京証券取引所でございますが、そのようなやり方でもってチェックをいたしております。
○上田(清)委員 日本の実体経済と株価の関係も含めて、とかく株価が上がればいいというような発想が、政界首脳にもおられまして、政調会長室にボードがありまして、株価、株価と、そういう部分もこのマザーズの周辺にも影響を与えたのではなかろうか。 あるいは、先ほど石井議員が言われましたように、文字どおり株屋中の株屋という方が大阪証券取引所の理事長になって、それでもよしというような空気が株式の世界の中に満ちあふれているということに関しても、やはり行政当局として、そうしたまさにモラルなき株式取引の状況をつくらないような仕組みを、きちっとシグナルを発信していただきたいということを申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
○金子委員長 次に、海江田万里君。
○海江田委員 民主党の海江田でございます。 何点か質問をさせていただきたいと思いますが、まず、大蔵大臣にお尋ねをいたします。 私、いわゆる金融サービス法あるいは金融消費者保護法を制定すべきだということを何度も主張してまいりましたら、大蔵大臣、たしか前の小渕内閣で大蔵大臣になられて最初の予算委員会だったと思いますけれども、製造物責任法、いわゆるPL法があると同じような考え方で、金融サービスの面でもそういった法律は必要なのではないだろうかというような答弁をいただいたということを私はしっかりと記憶をしているわけでございますけれども。その後、去年の七月に金融審議会の第一部会の第一次答申が出て、そしてその後、昨年の十二月に第二次答申が出たということで、そしてことしの六月に最終答申が出るということですが、そういう流れの中で、今回、この金融商品の販売等に関する法律案が出てきたわけでございますけれども、私の見るところ、この金融商品の販売等に関する法律案というのは、本来の金融サービス法というような考え方からいうと、そのごく一部ではないだろうか、これだけでもっていわゆる金融サービス法、恐らく大臣もお考えになっておられたような金融サービス法というものがすべて終わるのではないというふうに思っているのですが、もしそういうふうにお考えであるのならば、では、これから、最終答申もこの六月に出るということですから、どういう部分をあと補完をすれば、一般に言われているような金融サービス法というようなものが全体的に完成をするのかということについて、まずお尋ねをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 御指摘のように、金融商品がたくさんになりましたし、取引も複雑になりまして、したがって今まで金融取引を商品別といいますか、機能別、縦割りの規制をしておりましたけれども、そうでなくて、金融取引を幅広く対象とする、例えば日本版金融サービス法のようなものがやはりできるのが本当だろうということを私も海江田委員と同じように思っておりまして、以前にそう申し上げたこともございます。 今御審議いただいておりますのは、集団投資スキームを整備する観点から、SPC法の改正、あるいは利用者保護に必要な販売業者の説明義務等の民事上の効果等について、これは昨年取りまとめられました中間整理第二次を受けまして御提出をいたしました。 ところで、おっしゃいますように、金融審議会では、今基本的に申しました日本版金融サービス法といったようなアプローチで結論の出なかった問題がいろいろございまして、それにさらに取り組んでいただいておるわけですが、やはり中核になりますのは、裁判外の紛争処理ということであろうと思います。裁判に持っていけばいいというのでは、それでは答えにはもうならないわけでございますから——ならないと申してはいけませんが、時間もかかる、大変に複雑になるということですから、そうでない、裁判の外での処理というやり方がないか。イギリスにはあると言われておりまして、我々としても、何かそういうものはできないかということを金融審議会にお願いしております。 しかし、ここまで専門家の方々が議論されてなかなかその答申が出なかったといういきさつがございますけれども、どうもしかし、この部分をやっていただきませんと画竜点睛を欠くということは否定できませんので、そういう部分が残っておる、こう認識しております。
○海江田委員 それは大変大事な点でございますので、先ほど来の質問にも出ておりますが、裁判外の紛争処理のシステム、機構づくりというものは、ぜひこれからお願いをしたいということでございます。 それと同時に、今回当然盛り込まれるべきで盛り込まれていなかった点も幾つかあると思います。先ほど上田委員からもお話がございましたけれども、融資に関する部分でございます。 大野総括政務次官は、何か融資は金融商品になじまないようなお話がございましたけれども、これは全くの誤解でございまして、融資は、はっきりと申し上げまして、これは金融商品そのものでございます。それは間違いございませんね、政務次官。
○大野(功)政務次官 当然でございます。
○海江田委員 いや、どうしてそんなにさっき上田さんに言ったことと違うのですかね。これは聞いている方もびっくりしただろうと思いますけれども。
○大野(功)政務次官 先ほど申し上げましたのは、問題点はリスクの問題であるということでございます。金融商品につきましては、内在するリスクをどう考えていくか、金融商品が複雑、技術的になっていく中で、いわばプロが素人をだますようなことになってはいけない、ですからそこに説明義務をつけましょう、こういうことでございます。リスクをどうするかということで今回法制をとったところでございます。 融資につきましては、いわゆるキャッシュフローの方向が販売の場合と逆になってくる。したがいまして、貸し手となる業者側がいわゆるリスクを引き受けるということになります。したがいまして、これをいわゆる説明の義務づけという法律の体系の中で説明できるかどうか、この二点の問題を先ほど御説明したつもりでございます。
○海江田委員 幾つか論点はございますけれども、貸し手になる業者側がリスクをとるということであれば本来いいのですけれども、いわゆる変額保険ですとかその他の、共同投資事業もそうですけれども、実は金融機関がリスクをとっていないのですよ。自宅まで担保にとってしまって、リスクなしでもって業務をやっているのですね。 それから先ほどの、総括政務次官ですからもうとっくにお読みだろうと思いますけれども、金融審議会の第一次の中間答申の中ではっきりと、「キャッシュフローの移転を実現しているかどうか、」金融商品のメルクマールを考えていく場合。それから二番目で、「リスク負担の変更を行っているかどうかを基礎として判断することが適切である。」本来ならば。しかし、この多様化の中で、「この二つの機能をともに満たすことを金融商品の条件とすると、」かえって「かなりの部分が対象として除外されてしまうことにもなりかねない。したがって、キャッシュフローの移転とリスク負担の変更という二つの基礎概念のうち、少なくともどちらか一つを満たすものについては、金融商品として幅広く検討対象としていくことが適当である。」とはっきり書いてあるのですよ。 そんなことを、上田委員の質問に対して、恐らく上田委員は、初めて聞いたような用語が出てきたので若干混乱したのかもしれませんけれども、そういう答え方というのは不誠実きわまりない話でありまして、ちゃんとこの第一次答申、七月の答申のところでは、「金融を横断的に捉えるいわゆる「金融サービス法」の趣旨に照らせば、株券や公社債券といった証券取引法上の有価証券はもとより、信託の受益権、預貯金、保険、融資といった伝統的な金融商品」と書いてあるのですよ、これは。 だから、当然融資も金融商品に入れられてしかるべきであって、だけれども、何で今回落ちたのかということに大変な疑義がある。それをさっき、貸し手側だけがリスクをとるようなことをおっしゃっていましたけれども、それも違うと私は思うのですよ、事実に照らして。そうしたら、一体何の理由で融資が落ちたのですか。教えてください、納得のいくように。
○大野(功)政務次官 まず、貸し手の方がリスクをとるということは一つあると思います。そこは違う。それは違うのだというふうに海江田先生はおっしゃるわけでございます。そこが議論のポイントだと思います。 例えば、融資の場合に、先ほども上田先生にお答え申し上げましたけれども、問題は、社会問題と経済問題と二つあると思います。金利が高いから、あるいは根保証がわけのわからないものが積み上がっていくから、あるいは取り立て行為が非社会的だから、こういう問題があると思うのですね。そこのところは、環境整備を今だんだんとやってきたと思います。 しかしながら、例えば取り立て行為がひど過ぎるじゃないか、これは経済という法律の世界ではなくて、刑法とか社会規範に反するという世界で対応すべき問題である。 したがって、そういう問題が、経済問題と社会問題がつながるから、融資も金融商品販売法の対象にしろというのはちょっと納得できないと私は思います。
○海江田委員 この問題は、実はまさに個人ローンというのが——これは総括政務次官だけでなくて皆さんから、あるいは大蔵大臣から答弁をいただいてもいいのですが、そもそも個人ローン、いわゆる個人への融資というのは、一九七〇年代、八〇年代の前半までほとんどありませんで、一九七〇年代くらいから、住宅ローンから道が開きましたけれども、住宅ローン以外のローンはなくて、一九八〇年代の後半ですね、八六年、八七年になって初めて、大型のフリーローンというのが出てきたわけですよ。極端なのは三億円なんていう話もあるわけですよ、東海銀行なんて。五百万円から三億円まで。担保に不動産が入るわけですけれども。 だけれども、このときの個人ローンができた時代の新聞記事なんかもありますけれども、それを見ますと、さっき言った貸し手のリスクというのは、まさに、例えば不動産担保で、購入をした物件を担保にとる、これは自宅以外の場合ですね。だけれども、それと同時に自宅も担保にとる。だけれども、担保にとった自宅というのは、これはなかなか競売なんかで処理できないから、だから実際には金融機関にとってなかなかリスクの多いローンですよ、そういうものを許していいんですかということで、実はスタートしたんですよ。だけれども、現実に見てみると、その担保にとった不動産についても、実は競売なんかにどんどんかけていって、文字どおりこれは金融機関がリスクを全くとらない商売をやっておるわけですよ。 だから、この問題は大変大きな問題で、当初からそういう流れがあって、最後に抱えたリスクについてもリスクをとっていないわけですから、これだったらいわゆる金融商品としてこの金融商品販売法の中に入れるか、あるいはそうやって貸し手も当然リスクをとるべきだから、生活にかかわってくる自宅までを担保の競売だとかそういうものにかけるべきでないというような指導をするのが当然だろうと思う。この二つの道のどっちかをとらなければ、それは無責任と言われても仕方ないですよ。いかがですか、大蔵大臣。
○宮澤国務大臣 なるほどと思って伺っているのですが、恐らく銀行等々の金融業というのは大体免許業務でございますから、そういう銀行法等の法規があって、そしてまた、あるべき姿についても第一条等に定めてあります。 したがって、そういう意味で、非道徳的な行為というものは自然にそういうことはしない約束、あるいはそういう意味での条件で認可を受けているということが基本の思想にあるんだろうと私は思います、振り返ってみますと。しかし、それが必ずしもそうなっていないよということも、どうもしばしば本当らしく思われますね。 ですから、そっちの方はほっておいてもいいんだという論理は、なかなかそれは難しいかもしれないなという思いは私もいたしますけれども、それならば、監督者の立場として、これは監督庁の大臣がいらっしゃるので、私の申すことじゃないかもしれませんが、そういうことについて、あるいは監督、検査、いろいろございますけれども、違法であればこれは問題はございません。違法であれば問題はありませんが、そうでない力関係とかいろいろなことから、いかにも借り方が弱い立場に立っているということは現実にはございますよね。 ですから、そこはまた専門家に考えてもらうのか私どもが考えるのか、問題があるだろうとおっしゃれば、私はやはりそうかもしれないなという思いで御質問は伺っておりました。今、的確なお答えはできませんけれども。
○海江田委員 私の考え方というか、それに御理解を示していただいて本当に感謝しておりますが、御理解を示していただいて、あともう一歩やはり前に出ていただかなければいけないかなと思うのです。 それから、専門家の方も本当はなかなか、実は私どもが出しました予備的調査の一つの成果というのは、特に、変額保険を導入するときの保険審議会の記録がやっと出てきたのです。 それをずっとつぶさに読んでみたのですけれども、これは最終答申に盛り込まれているわけですが、変額保険そのものについて、例えば、「変額保険が従来の保険商品とは多くの点で性格を異にする面を有することを考慮すると、消費者との間においてトラブルが生ずるおそれがなくはない。」という指摘はあるのです。ただ、この中の速記録なんかをずっと読んでおっても、融資と結びついたときどうなるかという発想は、これは専門家の方がみんないるわけですが、どこからも出てきていないのですよ。 だから、その意味では、ただ専門家に投げて、専門家の意見を聞いてというよりも、やはり現実に商売をしている人たちの方がはるかにそこは利にさといわけで、いろいろなことを考え出すわけです。現実にここまで、そういうような被害の実例が出ているわけですから、そういう実例が出た上で今回の立法措置になっているわけです。やはり、そこで何らかの手当てを講じる必要があるんじゃないかと私は思うわけです。 それから、日本だけじゃありませんで、海外に例をとってみますと、これは私よりむしろ、大蔵大臣その他の大臣、政務次官の方がはるかにお詳しいと思うのですけれども、アメリカなんかですと、レギュレーションTというのですか、変額保険は、あれは実は有価証券というとらえ方をするわけですけれども、証券取引業の、第七条ですか、ここでやはり融資の制限をしておるわけですよね。 それから、変額保険だけじゃありませんで、そもそもこれは、有名なグラス・スティーガル法というのですか、一九三〇年代の法律ですけれども、あれはやはり、融資と投資とをかなり截然と区別しなきゃいけないよ、投資の資金の場合は、せいぜいそれの五〇%ぐらいまでですよという一つの大きな枠組みがあるわけですよ。ところが、日本はそういうものが全くない。 さっきもお話をしましたけれども、いわゆる大型のフリーローン、大型というからどれくらいかなと思ってみましたら、限度が三億円なんですよ。それではどういうふうに使い道は自由かというと、ほとんど使い道は自由なんですよ。 これはまさに投資にも大いに使われるわけで、やはりそこは何らかの形で、融資に対するそういう量的な規制をするのか、あるいは融資の際のまさに使い道についての限定をするのかとか、やはりそういう形で何か必要なんじゃないですかね。私は、そういう時期に来ているんじゃないだろうかという気がしておるのですけれども、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 今は、借りる方、あるいは消費者の立場からお話があっておりますから私がお答えをいたしておりますけれども、実際には今度は貸す方についての問題になってまいりますので、金融監督庁にもいろいろ御意見があろうかと思いますが、問題がありますことは私もわかるような気がいたしますので、皆さんで検討をしてもらいたいと思っております。
○海江田委員 では、金融監督庁、どうでしょうか、御見解を。
○村井政務次官 私どもは、金融機関の経営の健全性という観点から主に監督をしているということでございます。現在御審議中の法律案が成立いたしましたら、これに違反することがないように、そういう意味でのコンプライアンスと申しましょうか、そういう観点からの監督はいたしてまいる、そういういわば執行の立場でございますから、今、立法政策論という点では、ちょっとお答えをする立場にはないということを申し上げざるを得ないということでございます。
○海江田委員 繰り返しになりますけれども、融資の部分がもう立派な金融商品なんですから、本来だったら今回盛り込まれるべきであったのですが、それが不幸にして今回盛り込まれなかったということであれば、先ほどもお話ありましたけれども、まだ最終答申はこれから出てくるわけですから、そこのところでやはりきちっと手当てをすべきではないだろうか。 若干難しい問題もあるのです。さっき大野総括政務次官がおっしゃったような難しい面もあるので、その辺のところに少し焦点を当ててというのですか、それこそ、審議会に投げる場合でも、審議をお願いする場合でも、実は、先ほど読み上げましたように、去年七月の第一次の答申のところでははっきりと金融商品という定義づけの中に入っているんですよ、旧来の金融商品と。ところが、第二次の、去年の年末の答申の中から抜け落ちちゃっているんですよ。だから、そこはまさに難しい点があるんだけれども。 ただ、これは種々のこの間の経緯などを踏まえてみると、やはりここを何とかしないとまたいろいろな問題が起きるよということで、むしろ、政治家の側が、大臣や政務次官の側がもう一回審議会に投げて、ここをしっかり議論して、何とか前向きな答申を出してもらって、それを我々でもって立法化しようじゃないか、そういう積極的な姿勢を持っていただいてちっともおかしいことないんじゃないですか。これは大蔵大臣、いかがですか。
○宮澤国務大臣 問題はさっき申し上げたことに尽きるのですけれども、事務的には、先ほど総括政務次官も言っておられましたが、融資ということは、それはむしろ逆の方向の話ですと。それまではそれで、説明としてはそうなんだろうと思います。しかし、そういう状況の中でいろいろなことが起こっているじゃないかということを言っていらっしゃるわけですから、そういう現実というものをどういうふうに考えるのか。立法の問題でないというお話もあるでしょうし、しかし、そういうことが間々起こっているということは、また事実でもありますから。 だから、それは知りませんというわけにもいかないなというのが私の感じなのでございますけれども、今までの説明では話は済んでいるということで仕切っておりますけれども、そうでもないかもしれないなということを私は申し上げたので、その辺をみんなでまたよく考えてもらいたいと思います。
○海江田委員 ぜひ、そこはよく考えて、よく議論をしていただきたいと思います。 それから、もう一つやはり今回抜け落ちておりますのは、不当勧誘の問題、あるいは金融審議会では「不適切な勧誘」とかいう言い方をしておりますが、これは先ほども質問に出ましたけれども、この不適切な勧誘あるいは不当勧誘の問題とあわせて、広告ルールの問題も実は大変大きな問題があるんじゃないだろうかというふうに思うわけであります。 先ほどお手元にお配りをしましたけれども、これは新聞広告が出まして、それは原寸大でございますけれども、つい最近の五月十三日の日経新聞に出ました。これは、実はテレビ広告もかなり頻繁にやっておるんですね。「とびきり安心、毎年あんしん。」「元本確保型国債ファンド」、こうずっと大きく書いてあるわけですけれども、これはファンドですから、当然のことながらいわゆる元本割れはあるわけですよ。それがどこに書いてあるか、おわかりになりましたか、その元本割れの危険性というのは。ちょっと、発見した方、言ってください。(発言する者あり) 総括政務次官、委員長、ありますね、これは。ただ、本当にここに安心だとか何だとかが大きく書いてある。これですよ。印刷のポイントでいうとどれくらいですかね。私なんか老眼になりましたから、こんなに小さいわけですよ。これで本当にいいんですかね。 それで、しかも、ここでは「満期金、今までどおりでいいの?」と、満期金というのは郵便貯金の満期金を指しておるわけですよ。安心、安心と何度も書いて、しかも元本確保だ。元本確保ということと、ここに書いてある「元金が保証された商品ではありません。」ということはどういうことなんですか。矛盾するんですか、しないんですか。どなたかわかる人があったら教えていただきたいのですが。
○村井政務次官 この広告をお示しになられまして御指摘の点でございますけれども、私どもは各金融機関に対しまして、金融商品を販売するに当たりまして、顧客に対して法令上義務づけられている商品の内容を記載した書面を交付しろとか、あるいはリスクについて適切な説明をやれとかいうことをきちんと言っておりまして、法令を適切に執行するという観点から、各業法に従って監督に努めているわけでございますけれども、もし証券会社が広告等におきまして投資者に虚偽の表示等を行うということになりましたら、これは証取法で禁止されていることでございますから、法令に照らしてきちんと処理をするということなのでございますが、これは虚偽表示とはちょっと言いにくい、それからリスクについても一応書いてある、そういう意味では、法律違反だとはちょっと言いにくいことだと思います。 ただ、私どもとしましても、こういう「元本確保型」、これは元本を確保しようというような趣旨にとれるのかもしれませんが、読む人は元本は保証されているというふうに誤認する可能性はある。それから、安心だ、安心だと言っている。実際は、御指摘のように元本割れの可能性があるということは、それはそのとおりでございますから、そういう意味で、実は、四月の二十日でございますが、自主規制団体でもございます日本証券業協会等から各証券会社に対しまして、証券投資信託の広告を投資者にわかりやすく、それから内容が十分理解されるものになるようにきっちりやれという通知を出したという事実がございます。 私どもとしましては、ただいま委員から御指摘もございましたような点もございますので、再度自主規制機関である日本証券業協会に対しまして注意喚起をしてまいりたい、こんなふうに思う次第でございます。
○海江田委員 確かに、これは本当に小さな字で書いてあるから、これはここで書きましたよと、これが通っちゃうんだったら、今審議しておりますこの法案の中に、リスク説明をしなさいよというところも、まさにこれと同じだと思うのですよ。ちょっと一言リスクがありますよとか何か言って、元本割れの可能性があります、それでもうリスク説明は終わったよということで、それで済んでしまうとか、そういうような全体の姿勢というのですか、そういうものがやはりあるんじゃないかなと私はどうしても思えて仕方がないのですね。 アメリカなんかの場合、これもまた恐縮ですけれども、変額保険なんかも、これくらい契約書があっても、その一番初めのところに、やはりまずリスクから入っていくわけですよ。リスクから入っていって、その後、こういうメリットもありますよということで。そこのところがどうしても、ただリスクさえ言えばいい、しかもそういうリスクについての、どういうシステムでもってリスクが出てくるかということは別に説明しなくていい、これは難しいからということになっているんですけれども。だけれども、果たして本当にそれでいいのかどうなのか。 やはりどういうリスクが内在するのか、つまりそのリスクの中身を説明することによって商品全体の像を説明する。本当に聞いて、一生懸命になって説明して、それでわからなかったら、その場合は買わない人だってあるわけですよ、買う人だってあるわけですよ。だけれども、そういう形での、そこのところの部分は難しいから省略をしていいよという話になったら、単にリスクはありますよということになったら、その点でいけば、一千万円を超える銀行預金をした人だって、これはリスクはあるわけですよ。それと何ら変わらなくなっちゃう。 破綻をした場合のリスクと同じになってしまうというようなこともありますから、やはりリスクの中身がどういうところから来ているのかという、商品説明とセットになった説明というのは、それは聞いてわからない人もいますよ。だけれども、わからない人は、わからないからやめよう、何度聞いてもわからないからやめようという人もやはりいるはずなんですよ。何度聞いてもわからないから、ではこの人の言うことを聞いて買おうという人もいるだろうし。だけれども、そこは最低限その商品についての内容の、仕組みの説明というものは当然のことながら入れるべきですけれども、それをネグレクトしている。 そういうところがあるから、安心を何度も書いて、ここに本当に小さな字で、米粒に書くような字でこれを書いて、それでもって事足れり、何ら法律に違反をしていないということであれば、恐らくこの新しい法律ができたって、今後こういうCMは、コマーシャルは続くでしょうし、それでいいんですかね、本当にこれは。大蔵大臣、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 今これを拝見して、私、読めますので読んでいますが、日本人は字が読めるものですから、それは識字率が一〇〇%なものですから、書いてあります、書いてあるじゃないですかというと何となく済んじゃうので、それはよくありませんね。 書いてあるといったって、この広告のことを私は言う立場にないのですが、これは本当に、自由の社会になって、競争の社会になって消費者が選択するというときに、書いてありますよというだけでは不親切ですね。それはそう思います。
○海江田委員 だから、そう思っていただければ、やはりそれを、私ら別に市井の人じゃなくて、市井の人が、いや本当にこれでいいのかね、そう思うという話じゃないわけですから、これはまさに国会の場なわけですから、やはり大蔵大臣がそう思ったら、これはやはりそういう形の法律にして国会に提出をしませんとね。その意味では、我々の法案の方がその点を書いてある、すぐれているわけですよ。そうしたら、やはり与党の皆さん方だって賛成してくれなきゃおかしいんですよ。大蔵大臣自身が、今度本会議ありますから、そのとき我々の法案に、やはりそう思うんだったら賛成をしていただかないと、これはおかしいんですよ。 本当に我々が市井の人であって、こう思う、ああ思うというような話をしているんならいいのだけれども、やはり私らが思ったら、私らにそれだけの権限が与えられているんですから、もうあと何日もないですけれども、やはりそういう意気込みというか、だから、本当のことを言うと、この法案だってたったの一日、きょうだけですから、こんなばかな話はないんですよ、これは本当は。しかも、法律は、きょうだってほかにもSPC法だとか証取法の改正だとかいろいろあるけれども、もう時間がないからほとんど質問もできないのですけれども。 やはりそれを、ただ今回もう出してしまったというのだったら、この後、一番いいのは我が党の案に賛成をすることですけれども、それができないというのなら、僕はおかしいと思うんだけれども、やはりもう一回出し直しを新規にこれから、六月になったら、先ほど来話をしておりますように最終答申が出てくるわけですから、この広告ルールというのは、これも第一次のところでは書かれているわけですから、これは非常に大事ですよ。 それから、あともう一つ。最近、いわゆるネット取引というのですか、インターネットを通じた取引が非常に盛んですが、これについては、証券監視委員会がホームページを調べたら、世界で約一千件、日本の国内で二十五件の不正な証券取引行為の疑いのあるホームページが見つかった、その二十五件のうち、半分の十二件は金融商品に関係するものだという新聞記事があるんですよ。特にこの十二件の金融商品に関するものについてどういう中身だったか、ちょっと教えてください。
○舩橋政府参考人 お答え申し上げます。 インターネットの急速な普及、これが証券取引におきましても大変大きな影響を与えております。投資者にとっては豊富な情報をより容易に入手できるなどのメリットがある一方で、市場の不正行為に新しい手段を与えている。文明の利器ですから、逆に凶器にもなり得るということで、私ども監視当局といたしましても非常に懸念を持っております。 そこで、今般、証券監督者国際機構、IOSCOと言っておりますけれども、IOSCOに所属する十八カ国、二十一の証券規制当局が三月二十八日に一斉に全世界で、インターネットサーフデイと称しまして、いろいろなネット上の不正行為の実態の把握に努めたわけでございます。 このことが先般、十六日だったと思いますけれども、IOSCOの方でも公表され、また、私の方でも、我が国の証券監視委員会の方でも公表いたしました。そして、委員御指摘のとおり、私ども、三百三十六のサイトをサーチいたしましたけれども、その中の二十五のサイトが今後フォローすべきサイトとしてIOSCOの方に報告をしております。そして、そのうちの十二件でございますけれども、オフショアファンドを含めた高利回り商品でありますとか、元利保証商品の勧誘に関するものでありますとか、そういうものが含まれております。 これらについては、私どもで今後さらに実態把握を行いまして、仮に証取法違反等の事実が認められた場合には厳正に対処していきたいというふうに考えております。
○海江田委員 今の御説明でいいのですが、新聞なんかは結構具体例が書いてあるんですよ、二十何%保証するとか。具体的に何かそういうのはお手元にありますか。
○舩橋政府参考人 お答え申し上げます。 具体的には、例えば、年利一五%以上で最高で二・五倍になるというような高利率ファンドを勧誘しておりましたり、あるいは絶対安全確実な情報だということで年利三〇%以上の運用方法がある、あるいは預託金一〇〇%保証、リターン年間一〇%保証等のファンドを勧誘している、そういったものが見受けられております。
○海江田委員 ネット取引の場合も、当然、この法律で一応概念上はカバーされるということなんでしょうけれども、一般の物品販売でも、例えば無店舗の販売、通信販売でありますとか、こういうのは当然のことながらいわゆるクーリングオフなんかがあるわけですよ、現物を見ていないということもあるわけですけれども。 その点から考えると、やはりこのネット取引について、一般のいわゆる窓口での販売とはかなり違う何らかの形の規制というものがあっても私は構わないんじゃないだろうかというふうに思うわけですけれども、その考え方に対してどうかということと、それから、そういうことについては今回の法案には全く触れられていませんねということの確認、その二点をお願いしたいと思います。
○舩橋政府参考人 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、証券取引法の条項に違反するかどうかということが関心事項でございますが、重要な事項についての虚偽の表示のある文書等を出して、そして有価証券の売買等をする場合には、証取法百五十七条の不正取引行為ということで禁止になっております。 それから、最近の例では、南証券という証券会社に関する事例でございますけれども、私どもの検査におきまして、これは証取法百五十八条の偽計というのを使いましたけれども、安心確実な確定利回りで六・八%とか、発行会社が一切の負債を負っていないとか、こういうことの誤解を与える勧誘資料を作成して募集を行ったことについて、証取法百五十八条の偽計に該当するということで、監督庁に対して勧告を行った事例もございます。
○金子委員長 福田金融企画局長から一言。
○福田政府参考人 若干補足させていただきますが、御指摘のとおり、今回の法案では、販売業者は、インターネット等を通じて販売を行う場合であっても説明義務が課され、重要事項についての説明が実質的に行われることが必要でございます。 具体的にどのような方法でインターネット上における説明義務を確保するかにつきましては、現在この法案の趣旨にのっとりまして実務的に検討されているところでございますが、例えば、説明内容を画面に表示させて顧客の返信メール、契約のときには返信メールがあるわけですから、そのところで説明を受けたという確認、クリックということでございましょうか、あるいは画面上において問い合わせ窓口、メールアドレスを設定するなり、照会頻度の高いQアンドAの掲載等が考えられるわけでございます。 ただ、御指摘のように、それではこれで万全か否かという問題は最後まで残るわけでございまして、この辺は日々知恵を出して工夫をしていただくということでございますが、最終的にもし争いになれば、この点について実質的な説明義務が果たせたかどうか、法廷での判定にゆだねられざるを得ない場合もあろうかと思います。
○海江田委員 さっきの識字率の問題もありますけれども、これは本当にもろに音声でやりとりをするわけじゃないわけですから、しかも、御案内のように、私なんかもコンピューターで結構いろいろな契約をやりますが、ばあっと流して全体はとてもじゃないけれども読まないとかいうことがあるわけです、現実問題として。大蔵大臣はああいう契約をおやりになっているかどうかわかりませんけれども。だから、ここはやはり、本来の窓口での販売と何らかの違うルールがあるということはちっともおかしなことでも何でもないと思うのですね。 しかも、これももう有名になりましたけれども、ネット取引で証券会社がたくさんできましたから、信用取引をやった。あれは信用取引も簡単にできますからね。ところが、まさに追い証なんという言葉自体も知らなかったと。信用取引をやる人は、追い証、これは追加証拠金ですけれども、みんな知っているわけです。少なくともこれまで窓口へ行けば、追い証だとかなんだとか、これが下がったら追い証になりますよ、では追い証は幾らぐらいかとかのやりとりをやるわけだけれども、ネット販売だと、追い証の存在自体知らなかったと。だから、買いを入れた場合に、下がったとき追加証拠金を出せなくて、そこでもうお手上げになってしまったとか、つい最近そういう例がたくさんあるわけですよ。 だから、そういうことを考えてみると、やはりネット取引については何らかの形で、この金融商品販売法の中に本来だったら当然盛り込むべきですよ。今まさにネットがこれだけ隆盛しておるときですから、今まさに少し先回りをしてやるくらいの気持ちがあっていいんだけれども、だけれども今回全然入っていませんから、これは我が党の中にも残念ながら入っていないわけですけれども。 だけれども、やはり何らかの形でそういうこともこれからまさに一つの大きな課題として考えていかなきゃいけないんじゃないですか。知恵を出すとかなんとか、そういうようなお話は聞いたんですけれども、やはり立法化の措置とか、あるいは直ちに検討に入ってどうするこうするとか、そういう覚悟、そういう姿勢というのは必要なんじゃないですか。いかがですか。
○福田政府参考人 お答えいたします。 説明方法につきましては、確かに法律上、その具体的な内容を規定してございません。説明方法につきましては、いろいろな方法がございますし、形式的に流れてもならないということで、法令上そうなっているわけでございまして、とりあえずこの法律を成立させていただいたあげく、その後でどのような影響が出てくるか、その辺も見きわめたいと存じております。
○海江田委員 これはもう不足をしている部分なんですよ。この法律が施行されてから見守るとかいうような話ではないというふうに私は考えているわけでございます。これはぜひ今後の問題として可及的速やかにやっていただきたいというふうに私は思います。やはりこれは違うんですから、従来の取引とネット取引というのは。そういう認識を持ってやっていただきたいということがございます。 それから、もう本当に時間がなくなってしまって、こんな短い時間で大変残念ですけれども、いわゆる重要事項を説明しなかったときの立証責任の問題について、融資型変額保険被害者の会の代表の方からこういう陳情を私どもは受けておりますので、この声というのはぜひ聞いていただきたいと思うのですね。 「法案の特徴とする「顧客が重要事項を説明されなかったことを立証すれば金融機関が損害賠償責任を負う」という点は、一見消費者保護が果たされているように見えますが、金融機関側が“説明しなかったことの証拠”を書面で残すはずはなく、」私は説明しなかったですよなんという話がさっき上田委員からもありましたけれども、渡して帰ったりするはずもないですね、これは。だから、その意味では、「それどころか「口頭でリスクを説明した」と言い張り、裁判所が大手金融機関の従業員の証言は信頼できるとしてこれを認め、原告が敗訴となった事例は数知れません。」と。 「この点は何としても「重要事項説明の立証は金融機関、立証できなければ損害賠償責任を負う」でなければなりません。いわば金融PL法ともいうべき、「原告がその商品によって損害が発生したという事実のみ証明すればよい」としなければ、社会的に立場が弱い消費者は常に苦しい状況に追い込まれます。」と。 「私たちがこのようなまでに当法案に厳格な修正を求めるのは、今までの数少ない勝訴判決において、真実を見究めた裁判官が上に述べたような厳しい解釈のもとで説明義務の不履行と断定し、現行の民法第七百九条の不法行為による損害賠償を金融機関側に命じている例があるからであります。」裁判官の判断で、そういう例があるのですよ。 だけれども、「いま当法案が安易に審議され、あるいは拙速が重んじられて無修正のまま通ってしまうと、実績のある現行の水準よりも後退した法の運用が進められるようになります。」ということを指摘をしているのですね。 だから、こういうことをやはり慎重に考えて、私は、できましたらこの点だけでもの修正というものをぜひお願いをしたいと思うわけでございますが、それが無理な場合でも、例えば附帯決議の中にしっかりとそういう点を書き込んでいただくとか、この人たちの声というものを無視するわけにはいかないのじゃないだろうか、私はかように思いますが、御答弁をいただいて、最後にしたいと思います。
○大野(功)政務次官 裁判になった場合のケースでございますが、今海江田先生おっしゃったことは実によくわかる話でございます。 大体、あるという証明は易しいのですけれども、ないという証明はなかなか難しいのでございます。そういう意味で、裁判になったときに、あるんだ、ないんだという争いが必ず起こってくると思います。それはすべて、今の法制では裁判官の心証に任せられているという建前になっております。 しかしながら、御理解いただきたいのは、一番大切なことだと思いますけれども、先ほど大臣は識字率が高いから読む人が多い、こうおっしゃって、まあそれもそうだろうなと思うのでありますけれども、大体、書いてあっても読まない人が多い、説明を受けて初めて理解する人が多い、こういうこともありまして、今までは、パンフレットに書いてあるけれども説明がない、それで投資家の方、消費者の方が全然わからない、こういうケースがあるわけでございます。そこへ、説明は必ずしなさい、こういうことを加えるわけですから……(海江田委員「インターネットは除外ですよ」と呼ぶ)インターネットは別になります。そこがインターネットの極めて悩ましいところでございますが、そういう意味で、これは大変な進歩であり、消費者の保護になるということでございます。 長く話させていただくと、もう少し言えるのでありますが……。
○金子委員長 時間が来ております。
○大野(功)政務次官 はい、それではここで終わります。
○金子委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十五分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 私は、最初に、政府が提案されました金融商品販売法案を中心にお聞きをし、最後のところで民主党修正案についてもお尋ねをしたいと思います。 政府提案の法案では、販売業者の説明義務を明示し、これに違反した場合には損害賠償責任を課すものだという説明がありましたけれども、この法案で消費者保護が本当にできるのかどうか、実効性はどうか、この点をただしたいと思います。 最初に確かめておきたいのは、金融商品の販売に関連してどんな苦情が寄せられているかという点であります。 ここに、国民生活センターが調査をし、ことしの三月に提出をいたしました金融商品に係る消費者トラブル問題調査報告書というのがございます。このはしがきによりますと、金融商品に関する苦情が各地消費生活センターに多数寄せられているということが指摘をされております。そこで、所管の経済企画庁にお聞きをしたいのですけれども、この苦情の中で、一番多いのはどういう苦情でしょうか。分類しますと、どのような苦情が一番多いか。
○金子政府参考人 お答えいたします。 今委員御指摘の調査ですけれども、これは、全国に消費生活センターが多数あるわけですけれども、そこでいろいろな苦情を受け付けています。そのうち九八年度から九九年十一月までに入力された金融商品に関する苦情、その分析をしたものであります。 それで、どういう苦情が多いのかということですけれども、これは証券会社、銀行、生命保険ごとによって違うと思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。そういうことでお答えします。 証券会社に関する苦情ですけれども、そのうち一番多い苦情というのが元本保証等の不実告知、これが全体の一五・四%を占めております。その次が、リスクの説明がなかったというのが一四・八%ということで、どうも説明に関する苦情が多いようであります。 それから、銀行に関する苦情でありますけれども、銀行に関しましては、商品の説明がなかったというのが二八%、それから、解約をしようとしたのだけれども銀行の方がそれを拒絶したというのが一六%、さらには、説明の内容がよく理解できなかったという理解不能、あるいは、事業者にいろいろ苦情処理を訴えたわけですけれども、どうも誠意が見られないとか、返すべき金をなかなか返さないといった事業者の苦情処理自体への苦情、これが各一二%というようなことになっています。 それから最後に生命保険会社、この対象としては変額保険だけを扱っているわけですけれども、その変額保険に関しましては、失業しているとか金がないと言ったら、それでは借金をしろとか、あるいは資金を捻出するためにローンを組んだらどうかというようなことで組んだ、それでトラブルが多いというのが二八・八%、次に、リスクの説明がなかったというのが二三・一%、そういうような状況になっております。
○佐々木(憲)委員 今の御説明でも、やはり説明に関する苦情というのが大変多いということであります。商品の説明がきちんとなされていない、あるいはリスクの説明がない、事実と違う説明をした、こういうような苦情が比較的多いわけであります。 そこで、大蔵大臣にお聞きをします。 基本的なことですけれども、証券会社や銀行などの業者はいわばプロであります。プロがプロに商品を売る場合には、お互いに商品内容を熟知しているという点で、これは説明義務をわざわざ課す必要もないと思います。しかし、プロがアマに対して、一般投資家に対して金融商品を販売する場合には、もともと情報の格差は歴然としております。ですから、きちんと説明を義務づけなければならない。説明をきちんと行わないような業者には当然ペナルティーを課さなければならない。この法案の提出の前提としての考え方というのは、こういう考えでつくられているというふうに考えてよろしいですね。
○宮澤国務大臣 基本認識で、そのとおりでございます。 もっと競争が進みまして、消費者も少しずつ利口になりますと、消費者が結果として欺かれるような商品を売っておる人たちに対する批判というものが高くなって、そういう故意の、詐害とは申しませんが、説明不十分な行為がだんだんに少なくなっていくことを期待いたしますけれども、すぐにそういうわけではございませんので、基本認識は今佐々木委員の言われたとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 そこで、具体的にお聞きをしますけれども、昨年十二月二十一日に出されました、金融審議会第一部会の第二次中間整理であります。 ここにありますが、ここでは、「業者の説明義務は、金融技術の革新、金融サービスの多様化が進展するなかで、今後、ますます重要になる」というふうに述べておりまして、説明の方法、内容について次のように提案をしております。 「説明を義務付けるべき事項は、顧客のリスク判断にとって重要な事項とすべきである。この場合のリスクとは、将来「不利益な状態」が生じる可能性をいうものと考えられ、重要事項の説明内容としては、商品の基本的な性格、仕組みにリスクが内在するときには、そのリスクをもたらす主要な要因に則して説明することが適当である。」というふうに書いてあります。これは十四ページであります。 それから、この中に、「別紙 論点整理」というものがあります。この中には、「具体的には、商品の性格、仕組みの中で、契約締結後において、金融商品の売却による損失の発生等、「顧客に不利益な状態」が生じる可能性をもたらす「主要な要因」が存在する場合には、その旨と当該要因を、商品の性格、仕組みに沿いつつ説明することが必要である。」このように述べているわけでありますね。 これを受けてつくられた法案でありますから、当然これは書き込まれるものだというふうに我々は思っておりましたが、残念ながら、この法案を見ますと、第三条一項の一号、二号、三号で、元本欠損が生ずるおそれについての説明があればいいと。つまり、肝心の商品の基本的な性格、仕組み、これが外されてしまっているわけであります。これは明らかに中間整理から後退していると言わざるを得ない。なぜその点の説明義務が外されたのか、その理由をお聞かせいただきたい。
○福田政府参考人 お答えいたします。 委員が今引用されました部分をもう一度申し上げますと、「商品の基本的な性格、仕組みにリスクが内在するときには、そのリスクをもたらす主要な要因に則して説明することが適当である。」というふうに審議会で書かれてございまして、私ども、それに沿った条文と考えてございます。 すなわち、御指摘の箇所は、リスクの存在する場合にはその旨と当該要因を商品の性格や仕組みに沿って説明するということで、大多数の一般人に理解できるようなわかりやすい方法で行うことが適当であるという趣旨でございまして、商品の性格、仕組みそのものを、すべてといいますか、全般を説明義務の対象とすべきとしているわけでは必ずしもないわけでございます。 午前中の繰り返しでございますが、本法案におきます説明義務は、この義務を怠りますと、直ちに不法行為があったということで、元本割れが生じていれば、賠償すべき損害と推定される強力な民事効を伴うものでございますので、そのような観点から、説明義務の範囲は元本割れと因果関係を持つ一定の範囲のものに限定されるわけでございます。 しかし、一般的に大多数の顧客に理解できる程度のものということでございますので、現実の適用場面におきましては、元本欠損が生ずるおそれがあるという重要事項を説明する際に、それに関連する部分につきましては商品の仕組みなど当然説明されることになるということで、審議会の答申とは必ずしも矛盾していないというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 私がお聞きしたのは、この審議会の答申で書かれている商品の基本的な性格、仕組みについての説明という言葉自体も落ちているわけでありますから、その点を質問したわけであります。 元本欠損が生まれる場合は、当然商品の基本的な性格、仕組みの説明があって初めてそれがわかるわけであります、なぜその元本欠損が生まれるのか。その説明もするんだというふうに今おっしゃいました。具体的に、どのような性格の商品で、仕組みがどうなっているか、それとの関連でどのようなリスクの発生があり得るのか、そしてまた、そのリスクの程度はどうか、こういうふうに説明されて初めて元本欠損のおそれについての説明義務があったというふうに理解されなければならない。 ですから、通り一遍の元本欠損のおそれがあるという言葉を聞くだけでは、これは商品の仕組みもリスクもわからないわけでありますから、性格、仕組み、そしてその関連でどのような規模のリスクが発生するかという点についてきちっと説明をするのは当然のことだというふうに思うのです。 したがって、例えば最高裁の平成八年十月二十八日の判決でも支持されました、東京高裁の平成八年一月三十日の変額保険の説明義務についての判決では、パンフレットの記載内容を概観しただけの通り一遍の説明をしただけでは説明義務を果たしたとは到底言えないとされているわけで、ことし三月十五日の東京高裁の判決でも同様であります。 この中間整理で、商品の基本的な性格、仕組み、これを盛り込むべきだというふうに書かれていたのに、法案ではそれ自体が外された。今、関連では説明するとおっしゃいましたが、そういうふうな法案上の明文規定になっていない。これはなぜそうなっているのか、当然書くべきだというふうに思うのですが、いかがですか。
○福田政府参考人 これは多分に法制的な面でそうならざるを得ないわけでございまして、先ほど申し上げましたように、消費者にとって一番重要なのは元本割れするかもしれないというリスクである。したがいまして、そのリスクをきちっと説明しなさいというのがこの説明義務でございますから、先ほど実例を挙げられました、パンフレットに基づいておざなりな説明をしたような場合はこれに当たらないわけでございまして、例えば外国の証券に投資する場合に、金利が名目上高くても、それは為替リスクもあればデフォルトのリスクもあるとか、いろいろあるわけでございますから、その商品の性格や仕組みに沿ってリスクの存在をきちっと説明しなければならないということでございますので、御指摘の点とそれほど実際に違うというふうには必ずしも思っておらないわけでございます。
○佐々木(憲)委員 それなら明確に書けばいいわけでありますが、そうなっていないわけですね。 ここに金融審議会第一部会中間整理に対する主なパブリックコメントというのがございます。各階層から寄せられた意見を金融審で整理した文書でありますが、この中に「説明すべき事項・内容」という項目があります。 それを見ますと、消費者団体あるいは金融被害を扱っている弁護士などは、商品の仕組みや全体像の説明をすべきだという主張をしておりますし、あるいは、金融商品の特徴、仕組み等の説明だけでなく、デメリット情報も欠かすことはできないなどの意見を寄せております。商品の基本的な性格、仕組み、これを盛り込むのは当然のことだという意見であります。 これに対して、業界側はどんな意見を出しているかといいますと、例えば全銀協は、元本毀損の可能性などにとどめるべきだ、リスクとその因果関係にまでは及ばないことを明確にすべきである、こういう意見を出しております。信託協会、生保協会などは、現場に過度の負担を強いることがないように配慮すべきであるというようなことを言って、固有の仕組みは対象とすべきでない、こういう意見を載せているわけですね。この業界の意見は、明らかに商品の基本的な性格、仕組み、この規定を外すべきだという主張をしているのですね。 したがって、政府提出の法案を見ますと、客観的に見て、消費者側の意見と業界側の意見がありましたが、業界側の意見は取り入れた、書き込まないという形で取り入れた、しかし、消費者や弁護士の意見は聞かない、あるいは切り捨てていると言わざるを得ない。なぜこういう二つの意見があるのに一方の意見だけ選択したのか、その理由を説明していただきたい。
○福田政府参考人 ただいま御紹介ありましたうちで、業界の意見そのものに従ったということは、毛頭そういうつもりはございません。 やや繰り返しになりますが、もし商品のすべてといいますか、商品性すべてを説明義務の対象といたしますと、そのまた範囲は何ぞやということになるわけでございまして、今具体的に実例はございませんけれども、この法案では、説明義務を怠れば、それをもとに損害賠償ということで強い民事効果がございますので、また、金融商品の商品性一般を説明させるということになりますと、大変その辺の問題がまたあいまいになりかねないということでございまして、実際にも必ずしもリスクの判断に直接関係ない説明の分野もあるのではないかと思うわけでございます。
○佐々木(憲)委員 ですから、リスクの判断にかかわる商品の性格、仕組み、その関係で説明をしなければならないということを私は言っているわけであります。にもかかわらず、その性格、仕組みは明記していない、ここに問題があるというふうに私は指摘をしているわけです。 ですから、四月二十一日の参議院の参考人質疑で桜井参考人はこう言っているのですね。 今日の判例のもとでは、かような低レベルの説明義務は実際の被害救済に関してさしたる意味を持ちません。むしろ、判例と比べてすらはるかに低レベルの説明義務の立法化は、販売業者がいかなる顧客、いかなる商品についてもこの程度の説明さえ行えば足りると誤解し、あるいは殊さらに同法を免罪符のごとく用いるときにはかえって被害救済に有害となるおそれがあります。 こう述べているのですね。 今まで認められてきたような判例をこの法律によって引き下げることになってはならぬと思うのですけれども、そういうふうにならないという保証はありますか。
○福田政府参考人 そのようなことはないと存じます。 本法案は、この説明義務を怠りますと損害賠償責任を問われるということが明示されているわけでございまして、従来は、被害者の方は民法の信義誠実の原則などの一般則を頼りに訴訟を起こしてこられたわけでございまして、この点にかんがみますと、損害賠償という説明義務を初めて明定してございますし、そのほかにも民法の不法行為の特則を幾つか定めております。 例えば、民法上は、不法行為の要件として故意または過失が要求されておりますが、本法案では、説明義務違反について過失の有無は問わないというようなこと、それから、金融被害の典型事例は元本割れということでございますが、説明義務違反と顧客の損害との間の因果関係の存在及び損害額につきまして推定規定を置いているという点、そのほかにも幾つも民法上の特例がございまして、こういうことを踏まえますと、今までの裁判実務や判例におきまして認められつつあるものもございますが、顧客保護をより確実なものとするために新法を制定することとしたものでございますので、民法の不法行為の特則でございます以上、従来の請求等を排除したり、あるいは蓄積されてきております判例を否定する趣旨ではございません。
○佐々木(憲)委員 次に、リスクの説明範囲についてお聞きをしたいのですけれども、政府提出法案では、元本欠損が生ずるおそれについて説明するというふうになっておりますが、その範囲はどのようなものかということで、中間整理の「別紙 論点整理」ではこういうふうに言っているのですね。「具体的には、商品の性格、仕組みの中で、契約締結後において、金融商品の売却による損失の発生等、「顧客に不利益な状態」が生じる可能性をもたらす「主要な要因」が存在する場合には、その旨と当該要因を、商品の性格、仕組みに沿いつつ説明することが必要である。」 そこで、聞きたいのは、ここで言う「顧客に不利益な状態」というのは基本的にどのような状態をいうのか、このことを確認したいと思います。
○福田政府参考人 お答えいたします。 審議会の整理におきましては、以下のものということで、「収益が変動すること」、それから「出捐額の一部又は全部が毀損すること」、三番目に「出捐額を超える損失が発生すること」、すなわち「追加的な支出の負担」ということが顧客に不利益な状態というふうに書かれてございます。
○佐々木(憲)委員 ここで三点言われましたが、大事なのは、この顧客に不利益な状態ということの内容として、出捐額を超える損失が発生すること、追加的な支出の負担、これが含まれているということであります。 ところが、法案を見ますと、これは極めて限定されたものになっておりまして、元本欠損が生ずるおそれというのは、要するに、商品購入の際に顧客の支払った金額、これが商品の販売で手にする金額を上回ることになるおそれとされているわけですね。つまり、出捐額の一部または全部が毀損するということを説明すればよいというふうになっているわけであります。 しかし、現実には、今説明のあった三番目の、支払った金額だけでなくて、それ以上の追加的な負担を求められるというケースがあるわけです。この中間整理の論点整理で言われた出捐額を超える損失の発生、追加的な支出の負担、この要素を法案ではなぜ落としたのか。この理由は何ですか。
○福田政府参考人 御指摘の点でございますが、立法過程でいろいろ議論をさせていただきましたが、結論的には、これは二つとも統合してございます。本法案における元本欠損とは、今申し上げた中間整理で示されております当初の出捐金、それから、足らなくなって支払った追加的な部分もあわせた概念でございます。 すなわち、法案条文におきますと、元本欠損とは、顧客が受け取った、あるいは受け取るべき額から、金融商品購入時に支払ったか、事後追加的に支払いを求められたかにかかわらず、顧客の支払った、あるいは支払い義務の生じた額を差し引いた額がマイナスとなるということでございますので、御指摘のような、当初出捐額を超えた追加支出が必要になる場合も含まれてございます。
○佐々木(憲)委員 それが含まれているということであります。 さて、その次に、適合性原則についてお聞きをしたいと思います。 まず、大蔵大臣に最初にお聞きをしますけれども、金融商品を販売する場合には、当然、顧客のそれまでの取引の経験ですとか、あるいは顧客の財産状況、そういうものに合ったものを売るべきだし、顧客の意向に沿って販売する、これは当然のことだと思いますけれども、まずこれを確認したいと思います。
○宮澤国務大臣 その限りにおいて、そうだろうと思います。
○佐々木(憲)委員 ところが、実際にはこれに反する金融商品の販売の仕方というのが大変多いわけであります。 経済企画庁にお聞きしますけれども、国民生活センターのトラブル問題調査報告書に具体例が載っております。二つの具体例をここでちょっと紹介をしていただきたいのですけれども、どんな事実があるかお聞きをしたいと思います。たくさん載っておりますけれども、最初のところのものだけでも御紹介いただきたいと思います。
○金子政府参考人 二つとおっしゃるので、まず、その一つは、リスクの高い商品を好まず、投資経験の浅い五十一歳の主婦に対しまして、目論見書には、当ファンドへの投資は、性質上長期的なものと考えるべきであり、内在するリスクを理解している内外市場の動向に精通した投資家のみにふさわしいものであると書かれているドル建ての会社型ファンド、これを購入させてトラブルが起きたという例が一つかと思います。 もう一つは、目が不自由で障害者手帳を持つ六十五歳の主婦の例でありますけれども、リスクを伴うものは嫌だと言ったにもかかわらず、外国投資信託を勧誘されたということで、目の障害から、売買について書いたものを読んで自分で判断できる状態にないので、外務員が運用状況の報告を必ずするという約束のもとで購入したのだけれども、それが守られなかったということでトラブルが出ているというようなことかと思います。
○佐々木(憲)委員 今挙げられた二つの事例もそうですし、それ以外にもたくさん事例がありますが、主に女性で高齢者の方の被害が多いわけであります。 それで、経済企画庁に重ねてお聞きしますけれども、この報告書の分類の中に高齢者の取引というのがありますね。これは、高齢者の取引という分類の概念はどういうものなのか、その内容について説明していただきたい。それから、高齢者取引で苦情の多い商品、これを二つ挙げていただきたい。
○金子政府参考人 まず、高齢者の定義でありますけれども、これは七十歳以上の消費者ということであります。 それで、取引を大きく分けると二つありまして、一つは、国内商品と申しますか、それは信用取引、株式投資信託、金融先物取引、ワラント、オプション取引等、リスクが高いということでリスク・リターンレベル三以上という分類をされているようですけれども、そのような商品が一つの分野です。それからもう一つは、外国の商品、これは外国債券、外国投資信託等、当然のことながら為替リスクの伴う商品、大きく分けてその二つ、それが細かいものになっていると思います。 それで、一体どういう苦情が高齢者について多いのかということですけれども、大きな分野は、一つは外国債券・社債に関するものが一六・八%、次に外国投資信託に関するものが一五・一%ということで、外国の証券関係のこの二つが非常に上位を占めているということが言えると思います。
○佐々木(憲)委員 今、結果についての御説明がありましたが、高齢者に外国債券・社債あるいは外国投資信託を販売するというのは、大変問題が起こりやすいわけであります。なかなかこれは理解しにくい。そういう方々に余りリスクの説明もせず販売するという事例が大変多いわけであります。それで苦情が多いということなんですね。 そこで、国際金融商品については、国民生活センターが九八年の八月二十五日に行った調査がありますね。この国際金融商品の相談件数で、五十歳以上の比率、それから六十歳以上の比率、それぞれどういうふうになっておりますか。
○金子政府参考人 この調査は、先ほどの調査とはまた別途、九八年八月に国民生活センターが、これも同様に全国の消費生活センターを結ぶPIO—NETというところに蓄積されたデータを分析したものでありまして、対象は、九六年度、九七年度、それから九八年六月十四日までに入力された四百八十一件、これの苦情を分析した結果であります。 それを見ますと、国際金融商品に関しての年代別ですけれども、五十歳代が二一・二%、六十歳代が二九・八%、七十歳代が一九・六%ということで、五十歳代以上が占める比率は全体の七〇・六%ということになっております。
○佐々木(憲)委員 そのように高齢者の比率が大変多いわけであります。 それで、ことし三月の調査報告書を見ますと、「「商品の仕組みを理解できなかった」「投資目的を尊重しない」など、適合性に関する苦情が証券会社、銀行、生命保険会社に共通して見られた。」このように書かれているわけであります。 つまり、適合性原則違反というのが金融商品販売においては極めて重要な問題点になっているということなんですが、大蔵省もそういう認識をお持ちだと思うのですが、そういう認識をきちっと持っていますか。
○大野(功)政務次官 大変難しい問題だと思います。 適合性といいますと、年齢、知識、経験、財産の有無、そういう問題をどういうふうに商取引と結びつけていくかということでございますが、基本的には、我々が目指している社会というのは、全く透明な世界、情報が阻害されないで入る世界、そこで自己責任で競争が行われる世界でございます。しかしながら、そういう世界に至っていないものですから今回の法律がぜひとも必要だ。それはなぜかといいますと、佐々木先生も冒頭おっしゃいましたように、プロが素人をだますような事態がたびたび起こるからでございます。したがいまして、我々はこの法律を、新しいそういう透明な世界をつくるための前提条件、このように考えております。 しかしながら、適合性という問題を考えてみますと、書き方が非常に難しい。つまり、例えば六十五歳以上の方にはデリバティブを売ってはならない、このようなことを書かなきゃいけないんだろうか、それから、このような知識といった場合、非常に主観的な書き方になりはしないだろうか、経験については、ではどういう経験を重んじていくのだろうか、こういう問題が出てくるわけでございます。しかも、そうなってきますと、法律が一体どういうことを予見してつくられているのか、これがちょっとぼやけてくる可能性も出てくるわけでございまして、それが一つの問題点。 もう一つの問題点は、やはり、あなたはどういう経験を持っていますか、あなたの財産は幾らですかというところまで踏み込んでいきますと、プライバシーの問題に踏み込んでしまうのではないか、こういう問題も出てくるわけでございます。 さらに、もう一つ申し上げるならば、適合性原則に違反したことのみをもって、例えば販売業者に損害賠償責任を負わせる、このような立法になっていこうかと思いますけれども、何か事が起こりますと、裁判にかかって、そういう法律構成でございますと、すべての場合にとは言いませんが、なりがちなのは、やはり責任がないところに責任をつくってしまう可能性が出てくる、こういう問題も出てこようかと思います。 さらに、そういうことになりますと、先ほど自己責任原則ということを申し上げましたけれども、自己責任原則がやや緩んでしまって、何だかそこにおかしな問題が出てくるんじゃないか、こういう問題がございます。 したがいまして、法律の構成は、民法の一般法、つまり故意、過失、法律違反という一つの問題と、立証責任というもう一つの問題、この二つの問題について、特例的に違法性は問わない、それから立証責任も、説明をした、しないというところだけに限っておりまして、因果関係については立証責任をとらない、そこをきちっと定めている、こういう物の考え方でございます。
○佐々木(憲)委員 今の大野政務次官の答弁は、かなり後ろ向きの答弁に聞こえますね。 適合性原則については、既に証券取引法、投資信託法などでは明定されているわけです。政府自身も、金融取引の中で適合性原則が重要だとおっしゃってきた。先ほども宮澤大蔵大臣は基本的な考え方をお述べになりました。 今問題なのは、今までも議論がありましたが、この原則が、証券など個別の商品だけでなくて、銀行融資や商品先物取引など幅広い分野でますます必要になっているということでありますから、当然、この原則を前向きに適用していく、そういう法律にするというのが本来の姿勢でなければならないのですが、どうも今の答弁は、何かやりたくない、やりたくないみたいな話で、これはもう全然方向が違っているのじゃありませんか。
○大野(功)政務次官 法律的側面を御説明申し上げましたので、やや後ろ向きに響いたのかもしれませんが、一つ御確認申し上げたいのは、まず、そのような場合でも、適合性の原則というのは、裁判にかかれば、これは今度民法の信義誠実の原則の側面からきちっと裁判官は判定してくれる。ただし、初めから法律にはそこを書きにくいなという御説明を申し上げているわけです。 適合性という問題を裁判所で取り上げれば、いろいろな問題があると思いますが、それは民法上の信義誠実に反する、こういう裁判官の心証であれば、それは損害賠償の対象になる、このことはもう当然のことでございますので申し上げなかったのでありますが、法律的側面からいえば、適合性というのは非常に書きにくいものである、このことを御理解いただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 民法の信義誠実の原則で業者の損害賠償責任を問えるというのは、今までもあったことであります。 この金融商品販売法というものを提案する以上、その内容をどのように法律の中に形づくっていくか、ここが大事なわけで、それが難しいからやめましたというのでは、何のためにこの法律を出したのかということになるわけです。 例えば、この間、消費者保護のないもとで、八六年からスタートした変額保険がトラブルを激増させてきた。そのため、業界も、自主ルールをつくり、販売資格をつくったりしてやらざるを得ない。大蔵省も、ハイリスク商品だということで、募集上の留意事項を通達で定める、こういうことをやった。さらに大蔵省は、ローン一体ではだめと二回にわたって口頭指導をした。ところが、こういうことをやっても、それでも被害が続出をしたわけです。多くの被害者はいまだに救済されない。非常に長い裁判で苦労している。 ところが、今度の法案によりますと、この点については全く前進がないわけで、自主ルールでやりますということになっているわけですね。これでは今までと事態は変わらないと思いますね。ルール違反があっても社内処分だという程度になりますし、この法律で損害賠償を直接問うということにならないわけで、これはこの法律による被害の救済につながらないわけです。 適合性の原則を法案に明確に書き込む、違反したときは損害賠償の対象にする、こうすべきではありませんか。
○大野(功)政務次官 まず、法律上書いてございます、適合性の原則を全然無視しているわけではありません。これを決めなさい、策定しなさい、それからそれを公表しなさい、それに違反した場合は過料でございますと。あとどういうふうにするのかが、自主ルールというか、販売業者のコンプライアンスに任されているわけでございます。 そういう問題と、もう一つはやはり民間の苦情処理の問題、これを少し考えていかなきゃいけないということは午前の議論でも申し上げた次第でございますけれども、その民間の苦情処理の形につきましては、例えば、午前中にも申し上げましたけれども、イギリスのオンブズマンの例等もございます。これから金融審議会でその辺は真剣に考えていかなければいけない問題だと思います。
○佐々木(憲)委員 全国証券問題研究会の調査では、適合性原則違反を違法要素の一つとして証券会社の損害賠償責任を肯定した判例は二十件に達していると言われておりますし、最近は、京都地裁、平成十一年九月十三日の判決、岡山地裁、平成十一年九月三十日の判決など、適合性原則違反で証券会社に損害賠償を命じる判決が相次いでおります。 ですから、当然、法案でもその点を踏まえて適合性原則を明確に書き込むということが私は極めて大事だと思っておりまして、そういう点で、日本共産党の修正案にはその点を書き込んでおりますので、ぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。 それから次に、立証責任の問題についてお聞きをしたいのですけれども、これまでの例では、顧客が説明を受けないということを立証することになると非常に困難だ、大変重い負担になっておりまして、裁判が長期化する原因にもなっております。それで政府にお聞きしますが、今度の法案ではこの立証責任というのは解決されるんでしょうか。
○大野(功)政務次官 民法の一般原則というのは立証責任は必ず原告側ということでございますが、今回は、説明がなかったという立証責任を原告に負わせておりますから、この点では民法の立証責任、一般原則どおりでございます。 しかし、先ほどもちょっと触れましたけれども、新たに民法、つまり不法行為でございますが、その特則として販売業者の説明義務を類型化、明示している、こういうことでございますので、実質的に説明義務をきちっと履行したことを反証する販売業者の責任が重くなっている、ここが問題でございます。販売業者が反証する責任が重くなっている、こういうことでございますので、説明がなかったという原告側の立証負担は軽減されている、このように思います。さらに、因果関係の立証責任もないわけでございます。 もう一つ、説明がなかったかどうかの立証責任を仮に原告側から被告側、つまり販売業者の方に転換した場合、移した場合、業者が必ずきちっと説明したことを立証しなければならないことになりますけれども、その場合は、消費者の購入した金融商品に元本欠損が起これば、原則として業者に損害賠償責任が生ずるような法律構成になってしまいます。したがいまして、そこはちょっとバランスを欠くのじゃないかなというふうに感じます。 さらに、個々の事案ごとの事情を問わずに、法律上一律に説明の不存在、これを推定することを根拠づけるだけの普遍的な経験則というのはまだまだ存在しないのではないか。そういうふうな推定規定を設けた場合に、お客様、消費者の立証負担の軽減という目的を超えまして、第一の問題は、本来責任のないところに責任をつくり出してしまうおそれがある。第二の問題として、消費者、購入者の方のモラルハザードを助長する可能性もある。こういう問題がいろいろあると思います。 午前中も申し上げましたが、裁判で、ないということを立証するのは極めて難しいことは事実でございますので、それは裁判上、先ほどの適合性の原則も含めて裁判官の心証にお任せする、こういう形でございます。
○佐々木(憲)委員 バランスを欠くとか責任のないところに責任を求めるのは無理だとか、そういう立場が実際に業界寄りだと言われる理由になるのですよ。 業界側の、例えば日本生命保険調査部の課長が「金融財政事情」の四月十七日付に書いていますけれども、従来と同じだと。ですから、業界側のリスクが相当程度回避可能だ、この法律では全然痛みを感じませんよ、そういうことを当事者が言っているわけですからね。そこで、私どもは販売業者に立証責任を求めるというのは大変必要だと思っております。 そこで、民主党の修正案についてお聞きしますが、民主党の修正案は、販売業者に重要事項の説明を行ったことの立証責任を負わせていますね。これは私は大変内容がよろしいというふうに賛成をするわけでありますが、修正案に立証責任の転換を盛り込んだ考え方について御説明をいただきたいと思います。
○北橋委員 お時間が迫っているようでございますので簡潔に申し上げますが、委員が御評価をいただいたことにまず感謝を申し上げたいと思います。 いずれにしましても、政府原案によりますと、顧客の方が説明を受けなかったということを立証しなければならないわけですが、そもそも、ないことを直接証明するというのは事実上極めて困難、不可能に近いことでございまして、あることを証明できないことがないことを間接的に証明することになるわけです。 そのような観点から申し上げますと、顧客に立証責任を負わせることは、顧客にとって著しく不利であると言わざるを得ないと思います。また、そもそも一般的に顧客の方は、金融商品の取引について素人であられる場合が多く、書類などもきちんと手元に保管していない場合も少なくないと聞いております。 政府の今回の立案の過程において、民法の特則を設け、立証の軽減に努力をした跡はわかるわけでございますが、しかし、私どもは、消費者を保護する見地からいたしまして、御党の御指摘のように、立証責任はプロである金融業者の方が負うのが筋ではないかと考えております。
○佐々木(憲)委員 最後にもう一点だけ、民主党にお伺いします。 この民主党の修正案は、金融商品消費者センターを設立するということにしているようであります。被害者が紛争の解決を裁判に頼ってもなかなか難しいという現状のもとで、顧客保護を目的に掲げるこのような組織をつくることは大変積極的な面があると私は思います。 このセンターの設立に当たって大事な点は、業界からの独立、それから消費者代表の運営への参加というのが大変重要だと思うのですね。この点で、提案者としての御見解を伺いたいと思います。
○北橋委員 佐々木先生御指摘のとおり、私どもが考えております金融商品消費者センター、この性格は、金融販売業者のいわゆる業界互助団体のようなものであっては意味がないと考えます。その意味で、金融販売業者からの独立性が担保されたものでなければならない。 その点、イギリスを見ますと、金融ビッグバンの本場イギリスにおきましては、顧客と金融機関の紛争処理があった場合に、オンブズマンの制度が機能いたしております。金融機関は、強制加入のもとでその団体に入り、そのオンブズマンの決定に従うという、極めて消費者保護が徹底された制度が機能しておりますが、そのオンブズマンに係るコストも、イギリスでは金融機関が負担をしている、このように聞いております。 そこで、私ども民主党が立案する中におきましては、この消費者センターが、紛争解決のあっせんの申し立てを受けた場合に、学識経験を有する者であって、その申し立てに係る争いの当事者と特別の利害関係のない者をあっせん委員として選任する、そして当該あっせん委員によるあっせんに付するということにいたしております。また、あっせん委員については、参考人から広く意見を聴取するということを念頭に置いております。その中で、先生御指摘のような、消費者団体の御意見を十分反映していくことが極めて重要と考えております。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○金子委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私の質問時間はわずかでございますので、まず金融問題の中の、年金を受給している高齢者の年金担保融資問題について若干お尋ねしたいと思います。 厚生省年金局長、いらしていると思います。 厚生年金だとか、あるいは船員保険、あるいは国民年金などの受給権者が、この受給権を担保に小口資金を借り受けることができるようになっておるわけですけれども、現在その融資はどの程度認められているのかという点。それから、貸し出し状況は、過去三年ぐらいで結構ですけれども、どういう状況にあり、その趨勢はどうなっているかということ。それから、貸し出し理由についても述べていただきたいと思います。
○矢野政府参考人 年金担保融資事業でございますけれども、これは、年金受給者が一時的にまとまった資金が必要な場合に、低利で資金を融資する事業でございまして、年金年額の一・五倍、最大で二百五十万円を限度に融資を行う、そして月々の年金の支給金により返済していただく、こういう制度でございます。 実績でございますけれども、平成八年度、十万三千件、一千二百九十億円、平成九年度、十万五千件、千三百二十億円、平成十年度、十三万件、一千六百五十九億円となっておりまして、ここ数年、件数、金額とも大きく伸びております。 それから、借り入れの使途でございますけれども、一番多いのが生業資金、これは生活費でございます、これが四〇%弱。二番目が、敷金とか礼金といった住居資金でございまして、これが二〇%強。それから冠婚葬祭が一〇%強。医療費が八%。こういった理由になっております。 〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
○矢島委員 今局長に答弁いただいたわけですけれども、お話にもありましたように、融資額は年々増大しているのですね。使途については、生業資金が一番多い、四〇%弱。この年金担保融資というのは、小口融資であります。この融資が伸びている現状というのは、やはり不況の影響だとか、あるいはリストラで失業者が増大しているとか、国民生活が苦しい状況、とりわけ高齢者の生活が厳しい状況にあることを示しているんじゃないかと私は思うのです。 こういう年金担保資金の貸付制度というのは一定の役割を果たしていると私は思います。しかし、問題点といいますか、難点が二つあるのではないか。 その一つは、返金の問題であります。借りたお金を返すのに、これは全額返済まで年金受給額全額を天引きしてしまう、こういうやり方をとっているわけです。つまり、利子やあるいは保証料も含めて全額返済するまでは、いわゆる年金支給停止というような状態になるわけです。これでは年金受給者は、借り入れた金額が全部なくなるまでは一体何で生活するだろう、こういう問題が起こってくるのではないか。借りた年金受給者の生活、これはどうやって見るんだということが私は非常に問題だと思うのですが、なぜこのようになっているか、局長、お願いいたします。
○矢野政府参考人 現在の仕組みは、返すときは年金全額をもって返していただく、こういう仕組みにしているわけでございます。これは、できるだけ早く返していただこう、こういう趣旨からこういう制度にしておるわけでございます。ただ、これにつきましては、年金を全額返済に充てますので、生活ができないということで、生活保護を申請するとか、あるいは別なところからまた借りる、こういった問題点が指摘されておるわけでございます。 したがいまして、もっと使い勝手をよくする、こういう観点から、ことしの十月からでございますけれども、月々の年金の半額を返済に充てていただく、残りの半分は本人の方に支給して生活費などに使っていただく、こういうふうに方法を改めたいということで、今準備を進めておるところでございます。
○矢島委員 ことしの十月から、半額は返済に充て、半額は年金として生活に充てる、こういう方向で検討しているということですが、たしか、年金に関する行政監察結果報告書というのが平成十年九月に出ていると思うのですが、その中でその問題について触れているのですね。 本事業においては、貸付決定に際し借入者の生計状況等を勘案する仕組みとなっていない一方で、借入金の返済は、借入金額に達するまで、年金支給額の全額が年福事業団に払い込まれる方式になっている。借入者は借入金を返済するまで、年金を受け取ることができない仕組み。このため、借入金の返済期間中に生活が破綻し、借入者が生活保護を受ける例がある。 これを指摘されたのは一年八カ月も前のことなんですね。今局長も言われたように、ほかからまた借りてしまうとか、あるいは生活保護だとか、そういうふうなことになっているのもありますということですが、一年八カ月も前に指摘されたのですから、もっとすぐ改善したらよかったんじゃないかと私は思うのです。もちろん半額返済も可能にするというのは私は前進だと思います。しかし、半額返済で大丈夫かという点も、やはりいろいろ実情を考えていかなきゃならないんじゃないか。 そういうことからいきますと、借りた高齢者の生活状況、こういうものを勘案した上で、もう少し弾力的にいかないか。つまり、半額は返済ですよ、半額で生活しなさいというのではなくて、これは法改正を必要としない問題ですから、例えば返済額が三分の一というのもあっていいんじゃないか。そういうような方向での弾力的な運用を検討すべきだと思うのですが、局長、こういうことについてはいかがですか。
○矢野政府参考人 私どもとしましては、まず半額返済の道をきちっとつくるということで、その後の運営状況を見まして、これでもまだ使い勝手が悪い、例えば三分の一返済、こういうふうにしてくれ、そういう声が上がれば、さらなる弾力化については十分検討してまいりたいと思っております。
○矢島委員 ぜひ実態をよく見ながら、実態に合わせて検討もしていただきたいと思います。 もう一つの年金担保融資の問題点、難点というのは、これは申し込んでから融資を受けるまでに大体一カ月あるいは一カ月半かかっている、こういう状況なんですね。 そこで、この融資はどうして申し込んでから融資を受けるまでこんなに長い期間がかかるのかという点。結局、申し込んでから融資を受けるまでの期間が長いために、この制度を利用しないで高金利の貸金業者から融資を受けるという人が少なくない、こういう話も聞いているわけです。もっと早く融資できるようにすべきだと思うのですが、この点については、局長、いかがお考えですか。
○矢野政府参考人 現在、申し込んでから一月半から二月ぐらい時間がかかっているわけでございます。これは、年金受給権をちゃんと持っておられるか、こういった点を確認する必要があるということである程度の事務的な時間がかかる、こういうことでございます。 ただ、この問題につきましてもできるだけ早く対応できるようにしようということで、これもまたことしの十月からでございますけれども、申し込んでから貸し付けを実施するまでの期間を一月程度に短縮するということで、今準備を進めております。 総務庁の方から勧告を受けまして、非常に取り組みがおくれておる、こういう御指摘をいただいたわけですけれども、これは、こういった期間を短縮する、それから半分返済の道を開くということを総合的にあわせて実施しようということでシステムの変更等をやっておるものですから、若干おくれてしまったということでございます。
○矢島委員 改善するということですので結構だと思いますが、法改正を要しないことですから、できるだけ早く借りられるような方向への改善をお願いしたいと思います。 私がなぜ今問題点二つを挙げながらこの問題を取り上げたかといいますと、一つには、年金受給者である高齢者の生活を守るためには、すぐ借りられる低利の融資制度、これがぜひ必要だという点を強く感じているからです。なかなか使い勝手が悪い点が、改善される方向ですけれども、今まであったわけです。これにつけ込んだいろいろな貸金業者の問題が起こっているわけですね。厚生年金や国民年金を事実上担保にして即日融資する、年金屋と呼ばれておりますけれども、こういう貸金業者がはびこっているわけですよ。 例えばこういう例があるのです。私のところへ寄せられました。大阪の事例です。 昨年夏、高齢で体を弱くした。生活費のため、スポーツ新聞の広告を見て貸金業者に電話をした。そうすると、年金証書、年金受取口座通帳、そのキャッシュカード、これを持ってくるように言われた。この人をAさんとしておきます、Aさんがそれを持って貸金業者を訪ねた。そうすると、貸金業者は年金証書、年金受取口座通帳、それからキャッシュカード、これを受け取った。そして、実際に融資する金額は七十五万です、返済する金額は二カ月後に百十万でありますと、これを約束させて借用証書を書かせたのです。ただし、この借用証書をこのAさんという人に交付していないのです。そして、その上重大な問題は、この人に年金福祉事業団の公的融資を申し込むように強要したのです。そして、後日この貸金業者とAさんは、銀行で年金福祉事業団の融資手続を行うために一緒に行ったのです。それで年金受取口座へ振り込みがあるように手続を完了させた。 まさにこれは、大体三〇%から四〇%、あるいは四〇%以上ですよ、利息が。それを、低利の年金福祉事業団という公的な年金担保融資を悪用しているんじゃないか。それで高利を稼いでいく。これは全く悪質だと思うのですね。 年金屋というのは大体三〇%から四〇%の金利を取っています。年金だけで暮らしているような人がこのような金利を払うことはなかなか難しい。そこでまた借りに行く。雪だるま式ですよ、本当に。こうして高齢者を大変な生活に追い込んでいく。一方では高金利をむさぼる悪質な金融業者、関西や九州が中心だという話も聞いておりますけれども、多分厚生省も知っていると思うのです。これは年金屋または年金立てかえ屋とも言っておりますが。 これは年金を担保にする手続やあるいは差し押さえの手続はしていません。ですから、法に直接触れるというようなことをやっていないのです。しかし、実際にいろいろな事例を調べてみますと、結局のところ、事実上は年金受給権を差し押さえているのと同じようなやり方をとっているのです。まさにこれは、年金受給権を譲り渡し、あるいは担保にしたり差し押さえることはできないと厚生年金保険法や国民年金法に明記してあるのですが、これに違反する行為だと私は思うのです。 そこで厚生省に聞きますが、こういう実態が全国至るところにあるのですよ。こういう実態調査をしたことがあるかどうか、そして、もしないならすぐに調査して、ぜひこういう悪徳業者をなくしていって年金受給者を守っていく、そういう方向のことをやるべきだと私は思うのですが、その辺どうですか。 〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
○矢野政府参考人 今お話にありました貸金業者、年金屋と呼ばれているそうでございますけれども、私ども、いろいろなマスコミ報道を通じてそういう実態があるということは承知しておりますけれども、調査をやったとかそういうことはございませんし、その詳しい実態については把握しておらないわけでございます。 ただ、この調査をやるかどうかということでございますけれども、これは私どもの立場としましては、年金受給者という立場に立っておるわけでございまして、こういった貸金業者を厚生省が調査するというのはいささかどうなのかな、こういう疑問を持っております。
○矢島委員 どうもそういう答弁ですと年金者を守っていけないのですよ。法律で罰則がないからそういうことができない、調査ぐらいはできますよ、実態を。年金を支給して、高齢者の方々がどういう年金の使い方をしているかなんということは厚生省としてきちんと把握する。それが貸金業者に担保みたいにとられちゃっているというような状況、年金証書を預かっちゃうと返還が終わっても返してくれないなんという、とんでもない事例も起きているのですから、そういう実態をひとつぜひ調査して、これは罰則を設けることを含めて、生活を守る立場から厚生省がぜひ検討していただきたいと思うのです。 次に、金融監督庁に聞いていきたいのですが、国民生活センターに寄せられているいろいろな苦情や相談、あるいは年金屋、貸金業の問題について取り組んでいる弁護士さんの話によりますと、苦情や相談が非常にふえているのですよ。国民生活センターに寄せられる苦情もふえております。 なぜこういう年金融資に関する苦情がふえているのかといいますと、もちろん年金受給者の生活が深刻になっているということ、それからもう一つは、制度として年金融資制度が国民に十分知られていないという面もある。それともう一つは使い勝手も悪い。いわゆる年金屋と言われる業者の宣伝が相当なされているのです。そこから借りる年金受給者が今ふえているのですね。 例えば、今お配りした資料がそれぞれ年金屋のいろいろな広告です。一番上にあるのは、私が住んでいる川越市で現在使われている電話帳の広告です。左側の上の方に、「年金の方へご融資」という広告が載っております。それから二枚目にあるのは、これは「サラダ」という最近埼玉で配布された新聞折り込みです。そのコピーですが、右上の方に、「年金立替 ハッピー年金立替」というのがございます。これもお年寄りの目にすぐ入ってくるわけですね。三枚目にありますのは、これは大阪市内の電話帳の広告であります。年金支給日までの資金繰りに困難な方はぜひおいでくださいという広告なんですね。 私、この広告についていろいろと調べてみました。しかし、貸金業規制法の第十五条の「貸付条件の広告」、あるいは十六条の「誇大広告の禁止」というのもありますが、どうもこれには当てはまらないんですね。確かにこれによって罰するというような広告ではないのです。 それから、事務ガイドラインを見ましても、「社会的に過剰宣伝であると批判を浴びるような過度の広告をしてはならない」というのがあります。それから、「貸金業協会に対する監督」、この項にも、「広告に関する規制のための機関を設置しているか。また、法第十六条の趣旨に沿って、広告の自主規制基準を作成し、各貸金業者の広告を当該基準に照らし審査しているか。」こういうようなのがあるだけで、私が今お示しした三枚の広告というのは、法の盲点を考えて巧みにつくられているんですよ。 しかし、これは法令にもあるいは事務ガイドラインにも触れないので問題ないとして放置していっていいだろうか。監督庁、こういう貸金業者の広告を規制することに取り組むべきだと思うのですが、乾部長、いかがでしょうか。
○乾政府参考人 先生、詳細に法令、ガイドライン等を検討なさって、現行法の中でなかなか対応困難なのではないかというお尋ねでございますけれども、私どもも、この貸金業規制法の十五条ないしは十六条、あるいは私どものガイドラインから見まして、この広告に関する部分につきましては、法令上の観点からの措置はなかなか困難であるのかな、違法であるというふうに決めつけることは困難であるのかなと考えているわけでございます。 ただ、貸金業者の業界団体であります全国貸金業協会連合会、全金連というのがあるわけでございますけれども、この全金連が自主規制基準というのをつくっておりまして、その中に、例えば、年金担保であるとか、年金立てかえであるとか、年金信用融資であるとか、そういった返済能力との関連で問題が生ずるような広告は行わない旨の自主規制基準を策定していることは承知をしております。 では、しからば、今お示しになったような広告は何で可能なのかということになるわけでございますけれども、この全金連というのはあくまでも自主団体でございまして、参加が強制ということにはなっておらないことから組織率が必ずしも高くないということもありまして、恐らくそこに入っていない人たちがこういう広告を出しているのかもしれませんけれども、私ども、法を執行する立場の監督庁といたしましては、現行法の中ではなかなか難しい問題がございますので、こうした業界団体への指導等を通じて、業界に加入している方あるいは加入していない方も含めて、何とかそうした広報ができないかということをこの全金連を通じてできる限り働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。
○矢島委員 電話帳の年金融資の広告については、全国クレジット・サラ金問題対策協議会の方々が掲載中止を求める要請をやりましたら、NTTの番号情報株式会社が順次改善を行っていくと聞いております。まだ実際にはほとんど改善されていませんけれども、これから発行する電話帳については改善すると言っています。 私がお聞きしたいのは、事務ガイドラインによりますと、「取引関係の正常化」という項目に、「次に掲げる行為を行ってはならないこと。」ということで、印鑑だとか預貯金通帳・証書、キャッシュカード、運転免許証、それから健康保険証、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書を徴求すること、こう書かれております。 私は、金融監督庁に一つぜひお願いしたいのは、全国の財務局にもいろいろ通達を出していらっしゃいますよ。それぞれ事務通達ということで、こういう社会生活上必要な証明書などを徴求しないことというような通達を出しております。ぜひ、全国の財務局に協力を求めて、実態調査をしてもらいたい、事実上、年金証書の差し押さえのようなものなんですから。そして、どういう対策をとったらいいかこれからぜひ検討してもらいたいと思うのですが、部長、いかがでしょうか。
○乾政府参考人 御案内のように、貸金業者の登録件数が約三万件ございまして、財務局に登録しておりますのが一千二百件と、比較的大手が財務局に登録しているわけでございます。都道府県の所管のものが二万九千件あるわけでございまして、財務局に聞いてみましたところ、財務局レベルではこの苦情というのは極めて少ないというふうに聞いているわけでございます。 他方、何年か前から、例えば大阪府等においてこうしたことの苦情が目立つことから、積極的に取り組んでおられる都道府県もあるわけでございますけれども、先ほど先生御指摘になりましたように、監督庁の事務ガイドラインにおきまして、年金受給証でありますとか、預金通帳でございますとか、キャッシュカードでございますとか生活に必要不可欠なものを担保にとるとか、そういうことを行ってはならないというガイドラインで都道府県とともに仕事を進めてまいったわけでございます。 ことしの四月一日から地方分権法ができまして、自治事務ということになってしまったわけでありますけれども、それはそれといたしまして、今後とも、財務局、都道府県と連携をとりながら、そうした年金受給者等の社会生活上必要な証明書等を徴求して生活に支障を生ずることのないよう適切な業務の運用を確保するよう、都道府県等を通じて要請をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○矢島委員 時間になってしまいました。大蔵大臣に質問通告しておりましたけれども、これらをまとめて要望だけしておきます。 非常に高齢者の生活というのが苦しい状況というのは、例えば働く場所がないとか、あるいは病気で働けない。こういう高齢者の大事な生活資金源である年金、これを守るために、これは大蔵省とか、あるいは金融監督庁もそうかもしれません、さらに厚生省とのかかわりもあると思いますが、そういう関係省庁でこの年金を守るという方向での検討をしていただきたいということだけ御要望申し上げまして、質問を終わります。
○金子委員長 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。 私が最後の質問でございます。よろしくお願いいたします。 今回のこの金融サービス法、これは消費者の皆様方が長きにわたって求めていたといいますか、待ち望んでいた法案でございます。金融機関が金融商品を販売、勧誘するときには説明義務を課す、そして、違反した場合は損害賠償の責任が生じるという、私は大変大きな前進だと思っております。正直申しまして、この法案がなぜもっと早く提出されなかったのか、そういったところではちょっと残念な気もするわけでございますが、それでも大きな前進である。 そして、これをさらに確実に実効性あるものにしていかなければならないわけですが、このサービス法案に関する質問は、各委員と疑問点は大体同じところにどうしても集中するんですね。そういった意味で重複するところはあろうかと思いますが、確認の意味でよろしくお願いいたしたいと思います。 消費者のトラブルで一番多いのは、先ほど申し上げましたように、勧誘あるいは販売のときの説明不足なんですね。とりわけリスクに関する説明不足、これが最大のトラブルの原因になっているというのが現実でもございます。そこで、この第三条では金融商品の販売に際して重要事項の説明義務について定めておりますが、しかし、先ほどから各委員から質問されておりますように、どの程度の説明をしたら説明義務を果たしたことになるのか、これが非常に定かではないんですね。どうしても、説明義務を課したからといっても、説明したあるいは説明を受けなかったということがこれからも起こり得るんじゃないかという気がしてならないわけでございます。 そうしますと、例えば、資料を説明している場合に、当然のごとくリスクの部分も資料には書かれていたとしても、その説明をしなかった場合、そして説明を受けなかったということでトラブルとなって裁判になった場合、いわゆる自由心証主義ということで裁判官の判断にゆだねられる。そうすると、その資料の中にリスクというものが書かれているわけですから、当然説明したと、裁判官はそういった心証を持つんですね。これがこれまでの裁判の通例だと思うのです。 そこで、私、いわゆる顧客が本当に理解し納得できた旨という、その確認書を何らかの形で制度化できないものかという気がいたしておりますが、このことについてお考えをお聞かせください。
○福田政府参考人 御指摘の本法案において規定されております説明義務でございますが、やはりこれは金融商品の特性に応じまして、一般論として言えば、一般的な大多数の顧客にとってリスクを理解できる程度ということでございまして、なかなか具体的に申し上げにくいわけでございます。 いずれにしましても、本案におきましては、説明が実質的に行われることが必要でございますので、例えば、わかりにくい資料を渡しただけとか、あるいはわかりやすい資料でも説明がなかったとか、そのようなケースでは重要事項の説明義務を果たしたことにはならないと思われるわけでございます。 その意味でも、大変難しい問題でございますが、説明の方法として、資料を渡せばよいということにならないように、説明方法を具体的に列挙することはしておりませんし、また、今御指摘の確認書、サインのようなものももちろん一つの有効な方法ではございますが、それをとれば説明義務が完全に果たされたということにならないケースもまたあり得るかと存じますので、その辺については総合的に実務の方でも検討していただきたいと思っているわけでございます。
○横光委員 その確認書というものを制度化すれば、それだけで説明義務を果たしたということになりかねないという危惧があるということを今お話しされましたが、確かにそれもあるでしょう。しかし、確認書を取り交わしながら、それに沿って同時に説明をさせていけば、確認書だけどさくさに紛れてサインさせるとか、そういったことも私はなくなると思いますし、やはりこういった方向がこれから求められていく、それこそがいわゆる説明義務の、どこまでやったかやらないかというトラブルを解消できる唯一の道ではなかろうかという思いがいたしております。 その次に、先ほど海江田委員から質問がございましたが、テレビの広告と同時にインターネット、この日興証券の広告を見ますと、これは虚偽事項には確かに当たらないでしょう。当たらないでしょうが、どこから見てもこれは虫眼鏡が要りますし、拡大鏡がなきゃ読めないようなところに、「元金が保証された商品ではありません。」というのは確かに書かれております。こういった姿勢ではやはり問題は解消されないであろうという気がしてならないわけでございます。 インターネット、これは、これから金融商品がインターネットを通じて販売されるケースが物すごく増大することは予測されるわけでございますが、インターネットの場合においても説明義務というのは当然規定として適用されるというお話が先ほどございました。これは当然のことでしょう。 当然のことなんですが、先ほども質問がございましたが、窓口や訪問という形とは違うんですね、このネットの契約というのは。そうした場合、やはり契約を結ぶまでの間に、当然、重要事項、第三条の第一項の一号から四号ですね、これが画面に見える形で顧客に説明されるということが義務づけられるわけですね。
○福田政府参考人 お答えいたします。 本法案はインターネットを通じた販売についても適用されるわけでございます。念のため申し上げれば、先ほどの広告の当否とは直接関係ない、別の問題でございます。 今御指摘のように、法案の第三条の本文におきまして、重要事項については当該金融商品を販売するまでの間に説明しなければならないと規定しておりますので、御指摘のように、顧客が注文を出すまでの間にインターネットにおきましてもその画面等において重要事項の説明が実質的に行われることが重要であると考えております。 ただ、実質的に説明するためにどのような画面をどのように供給すればよろしいかというようなことは、新しい問題として対処する必要があろうかと思います。
○横光委員 今、こういった重要事項を説明するということが実質的に必要だということを言われましたが、この重要事項の文言は、「当該金融商品の販売について」とか、非常に難解な言葉で普通の方たちがわかりにくいような感じの文言なんですが、この文章はこのままを載せなきゃいけないということですか。
○福田政府参考人 今御指摘の点は、販売業者に対する義務づけの法令上の規定でございまして、実際にお客様、顧客に説明する内容は、重要事項に係る金融商品の説明でございますので、いわゆる法律の条文とは直接関係ないものと思います。
○横光委員 ということは、こういった「元本欠損が生ずるおそれがある」というような、趣旨のあいまいな形で載せるということはあり得ないのでしょうか。
○福田政府参考人 おっしゃるとおり、商品ごとに、その商品が金利で元本欠損のおそれがあるのか、あるいは通貨なのか、株式指標であるのか等々、そのような具体的な説明を商品に即して示すということでございます。
○横光委員 こうした義務規定になりますと、販売業者としては、一番私が心配するのは、画面に載せればいい、形式だけになってしまうおそれが多分にあると思うのですね、実質的な問題でございますが。 ですから、これも先ほど質問が出ましたが、では、確かに説明が画面には出たけれども、それが本当に説明義務として成り立つのかということは、顧客がそれを確認したということがどうしても必要になってくると思うのですね。いわゆるクリックして返信するというような、確認したということまでこれからは必要になってくるんではないか、それをしなければ、実際的な効果というのは薄れるんじゃないかという気がするんですが、これは先ほども今後の問題であるというお話でございましたが、問題であると同時に、見直しということで、そういった確認をして返信するというようなことまで踏み込んでいくお考えはおありでしょうか。
○福田政府参考人 いろいろ実務界で検討中のことでございますが、今御指摘のように、インターネットの場合は相対で説明がなされておりませんから、例えば、顧客が申し込む際に、単なる合意だけでなくて、返信メールで、説明条項については確かに聞きました、疑問はもう残っておりませんとか、いろいろな意味の返信メールにおける確認というようなことは考えられます。それから、できるだけ親切にという意味で申し上げれば、やはり照会頻度の高い質問についてQアンドAをわかりやすく大きな字で表示するとか、いろいろな工夫が可能ではないかと考えます。 なかなか切りのない問題でございますが、そういう意味でいいますと、これからこの法律が施行された暁には日々改善の努力をしていくことになるのではないかと思います。
○横光委員 どうか本当に、これだけいろいろな技術が進歩している中では、先ほどいわゆる不正行為の新しい手段を与えるような危険性もあるのだというお話もされましたし、そういったことから、事前に事前に、むしろ先取りで、問題点があればすぐさま対応できるような状況を今から考えておいていただきたいという気持ちでいっぱいでございます。 次に、いわゆる第三条第三項では、複数の業者が説明義務を負う場合でも、そのうちの一つが説明をしていれば他の業者は説明義務を免れるとされております。そうしますと、例えば、損害保険を代理店が販売する場合には代理店のみが説明義務を果たせばよいことになります。これは、通常であるならそれでいいわけです。 しかし、仮に代理店による説明が十分でなかったときには、やはりこの説明義務の免除という規定は適用を停止されなくちゃならないと思うのですね。この場合においては、代理店に対する委託関係があるわけでございますので、そういったことを踏まえても、損保会社の説明義務にかかわる責任も同時に問われるべきであり、したがって、損保会社も代理店と同様に説明義務違反に対する応分の損害賠償責任を負うことになると私は考えますが、そのとおりでよろしいのでしょうか。
○福田政府参考人 お答えいたします。 本法案におきましては、金融商品の販売につきまして、従来ですと契約の当事者だけでございましたが、当事者はもちろん、それ以外に代理、媒介を業として行う者もすべて重要事項についての説明義務を課すことといたしまして、拡充したわけでございます。 ただ、そのいずれかが適切な説明を果たした場合にまでほかの業者に説明義務が残るということは不合理でございますので、いずれか一の業者の説明があれば足りるということにいたしております。したがいまして、代理店がきちんと説明していればよろしいわけでございます。 御指摘のように、ただ、仮に代理店における重要事項の説明が不十分であった、そのほかも説明がなされていない場合には、当該代理店またはその本体の販売業者の説明義務は全うされていないことになりますので、もし顧客に損害が生ずれば、代理店のみならず、例えば保険会社ですとその当該保険会社に対しても、応分でなくて直接顧客に対して損害賠償責任を負うということになります。
○横光委員 わかりました。応分より直接な責任があるわけですね。 次に、これもまた重複いたしますが、この適用範囲なのですが、先ほど簡易保険の事例等も説明がございましたし、とりわけ商品先物取引が適用範囲に入っていないわけですが、これのトラブルが非常に多いのですね。そして、確かに高額なものである、そしてまた各省庁にまたがる問題ではございますが、やはりこの次の見直しに当たっては、このような課題の克服に向けて、列挙を添えて政令指定方式にかわるものとして包括規定の採用を検討すべきではないかという思いを持っているのですが、いかがでしょうか。
○福田政府参考人 お答えいたします。 御趣旨はよく存じ上げておりまして、包括という意味で言えば、できるだけ広く取り込むという考えは間違いございません。 本法案におきましては、民事上の責任を負わせるということで、もし抽象的、包括的な定義で、個々の金融商品に本法案が適用されるかどうか全く不明確ということは適切でございませんので、法律の書き方としましては、対象となる商品の範囲が明確になるよう個別列挙という形をとらせていただいております。包括ですと、入るか入らないかあいまいなものが出てきては困るということでございます。 そういうことで、本法案におきましては、できる限り幅広く個別列挙することといたしておりまして、いろいろ商品先物の御議論とかいただいておりますが、私どもとしては、既存の金融商品につきましては網羅されると考えております。また、今後、金融技術の革新等によりまして、もし本法案の対象とすべき金融商品が新しく開発されたような場合には、政令で追加指定をして迅速に消費者保護ができるように対応したいと考えております。
○横光委員 次に、第三条第四項第二号では「重要事項について説明を要しない旨の顧客の意思の表明があった場合」、説明義務を免れるとされております。これはもう通常の定期預金あるいは定型的で内容がわかりやすいものについて契約のたびに説明義務を課すことは、確かに現実的ではなかろうと思います。しかし一方で、この条項が安易に適用されますと、いわゆる説明義務を潜脱する目的で使われかねない、つまり、故意に悪用されかねないということも考えられるわけです。 こういった点に対する防止策を含めた具体的な対応について、お考えをお示しいただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 法律第三条第四項で、説明義務を免除いたしておりますが、一つはプロでございます。もう一つは、本人が、説明は要らない、こう言った場合でございます。その法の趣旨は、まず第一に円滑な取引をやる、それからもう一つはコストの低減であることは、先生御存じのとおりでございます。 ただし、問題となりますのは、裁判上、二番目のケース、本人が説明要りませんよと本当に言ったのかどうかという問題でございます。例えば、金融業者が私のところへやってまいりまして、あなたは大蔵政務次官をやっているのだからこのぐらいのことは知っているでしょうと言われましたら、私も、ひょっとしたら見えを張って黙っているかもしれません。そういう場合に、説明を要しない旨の意思表明については、本当にお客さんがリスクをきちっと認識しているかどうか、それから、認識した上で自主的に説明が要りませんよと言っているのかどうか、これは裁判上実質的に争っていくべきものだと思います。
○横光委員 いわゆる故意にこういったことを利用するということだって起こりかねないので、こういう質問をしたわけでございます。 次に、これも先ほどから多くの議員が質問しておりますが、また、大臣も非常に大事な問題だという御見解を示されました、裁判外の紛争処理機関の件でございますが、この紛争処理機関の整備が喫緊の課題であるということは議論の余地はないところだと思うのですね。これは金融審議会においても言及されております。 そういった意味で、こういった整備を早期に達成していくためには現実的な判断が優先されるべきであろう。つまり、そのとき考えられるのが、国民生活センター、消費生活センター、これらの有効活用。消費生活センターは約三百カ所ぐらいあるわけですので、消費者がいろいろなトラブルに巻き込まれた場合、まずこういうところに相談に行くわけですが、それと同時に、業界が自主的に設けております紛争処理機関、この両方がございます。 やはりこういった消費生活センター等は、今回の法案の施行が始まりますと、この機能あるいはマンパワーの充実というものがさらに私は必要になってくると思うのですね。また、金融商品にかかわる苦情処理というのは、非常に高度な知識、専門性が必要になってきます。ですから、これまでのような状況では到底対応できなくなるのではなかろうか。こういった分野を、本当にこの法案に魂を入れるといいますか、実効性を確保していくためには、国がやはり何らかの形で積極的に対応できないものか。自治体の問題ではありますが、これもこの法案を成立させる国の責任の果たす分野ではなかろうかという気がいたしておりますが、この点について、大臣、いかがお考えでしょうか。
○宮澤国務大臣 国民生活センターも、随分長いこと経験も積み、人材もできてまいりまして、これはおっしゃるように、議員立法、亡くなられました、砂田議員の御親戚の砂田さんが大変尽力されてできたものですが、もう大変長く実績ができました。 それから、消費生活センターは地方によって違いますけれども、これも有用な役割をしてもらっておりますから、きょうの御議論の中でもその統計なりなんなりを随分御引用になって御質問をされましたように、こういう行政の中で積極的に加勢をしてもらうということは大事なことだろうと思っております。 金融審議会なんかでもそういうことについて御検討のようでございますけれども、我々行政としても積極的にひとつ利用するというか、力になってもらいたい、そういう有力な機関だと私は思っております。
○横光委員 民主党案の修正案に、金融商品消費者センターを設立させることができるという項目がございますが、私はこれは消費者保護という観点からも非常に効果を発揮するのではなかろうかという気がするんですが、こういった案につきまして大臣はどのようにお考えですか。
○宮澤国務大臣 どういう案ですか。
○横光委員 民主党の修正案では、金融商品消費者センターといって、業界等が公益法人をつくっていろいろなトラブルに対応するというのをつくることができるという案があるのですが、この案につきましてはどのようにお考えですかということをお聞きしているのです。
○宮澤国務大臣 国民生活センターができましたときに、そういうことも一つの課題であったわけですが、当時、家庭における金融取引というのは非常に少なかったものでございますから、当時は本当に電熱器ぐらいなところから始まったのでございますけれども、今随分国民生活センターもいろいろな種類の、しかも各般にわたっての仕事をしておられます。いろいろ苦情の処理なんかにも手を染めてもらっておりまして、私は、ああいうものを育てていくということがいいのではないか、別途に金融商品だけでつくられるのも一つのお考えかと思いますけれども、せっかくああいうものがございますので、それの力をつけていくことも大事なことかと思っております。
○横光委員 終わります。どうもありがとうございました。
○金子委員長 これにて各案及び両修正案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○金子委員長 これより各案及び両修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。西田猛君。
○西田(猛)委員 保守党の西田猛でございます。 私は、自由民主党、公明党・改革クラブ、保守党を代表して、ただいま議題となっております証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案について、賛成の討論を行うものであります。 今後の高齢化社会において我が国が活力を保っていくためには、千三百兆円を超える国民の金融資産の有効な活用と、次代を担う新規産業への円滑な資金供給が必須の課題であります。そのために、効率的な市場の構築を進める一方、利用者保護を充実し、国民の市場への信頼を確保することが求められております。政府提出の三法案は、このような課題にこたえ、二十一世紀の金融サービスのインフラストラクチャーの整備を図るものであり、まことに時宜を得たものであります。 以下、三法案に賛成する理由を申し上げます。 まず、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案に賛成する理由を申し上げます。 第一に、証券取引所及び金融先物取引所について、株式の保有制限を設ける等その公共的機能の確保にも十分配慮しつつ、株式会社化を可能とし、内外で激化する市場間競争への対応を図っていることであります。 第二に、企業内容等のディスクロージャー情報の提出、提供についてオンラインで行うなど、情報通信技術の発展に適切に対応し、証券市場の効率性に資することであります。 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成する理由を申し上げます。 第一に、特定目的会社について、対象となる資産を財産権一般に拡大するとともに、信託方式による流動化も整備する等格段に自由度を増すことによって、今後の金融の主流となる資産流動化の促進を図っていることであります。 第二に、投資信託について、不動産投資ファンド等魅力ある投資運用商品が提供され得る枠組みを整備していることであります。 次に、金融商品の販売等に関する法律案に賛成する理由を申し上げます。 第一に、金融商品横断的に業者の説明義務と損害賠償責任を法律上明定することによって、利用者保護を前進させると同時に、業者にとっても果たすべき義務を明確化し、取引の円滑化に資することであります。 第二に、損害額の推定規定により顧客の立証負担を軽減しており、裁判の場にまで目を向けた利用者保護を貫徹していることであります。 第三に、業者に勧誘方針の策定、公表を義務づけ、民間の自主努力と市場のチェックを通じて勧誘の適正化を図るという、これまでにない画期的な手法を採用していることであります。 なお、民主党提出の修正案及び共産党提出の修正案については、いずれも金融商品の仕組みの説明や書面の交付を法律上義務づけておりますが、これはかえって形式的な説明により利用者保護を形骸化させるおそれがあります。また、民主党案では金融商品消費者センターについて提案していますが、費用負担や実効性確保の問題等必要な検討もないまま法律に規定することは、混乱を招くおそれがあります。このように、両修正案はかえって利用者保護を損なうものであり、反対いたします。 以上、政府提出の三法案に賛成し、民主党及び共産党提出の修正案に反対する理由を申し述べ、討論を終わります。(拍手)
○金子委員長 次に、末松義規君。
○末松委員 ただいま議題となりました金融商品の販売等に関する法律案につきまして、原案及び共産党提案の修正案に反対の立場から、民主党提案の修正案に賛成の立場から討論を行います。 金融ビッグバンが進展する一方で、民主党がいわゆる金融サービス法の制定を強く主張してきたにもかかわらず、顧客の保護を図るための法整備は置き去りにされてきました。今般、ようやく政府は金融サービス法の第一歩と位置づける本法律案を提出しましたが、その内容は顧客の保護を図るには全く不十分なものであり、金融サービス法と言うには値しません。 以下、原案に反対する理由を申し述べます。 第一に、対象となる金融商品の範囲として、商品先物取引などを除外していることであります。これは、金融取引を幅広く対象とし、縦割り規制から機能別規制に転換することを目指した金融審議会の方針からは大きく後退しております。 第二に、顧客に対し説明しなければならない重要事項の範囲が不十分であることです。顧客保護という目的を実効性あるものにするためには、元本欠損が生ずる旨だけでなく、商品の仕組み自体を説明させることが必要不可欠です。 第三に、顧客に対する説明の方法について何ら手当てがなされていないことであります。ここは、少なくとも貸金業規制法のように書面の交付義務を課し、顧客に商品内容を十分理解させるような措置を講ずべきであります。 第四に、勧誘方針の策定について、金融商品販売業者の自主ルールに任せるだけではトラブルが続出するおそれがあることです。ルールの策定に当たってのガイドラインがなければ、公表義務を課したところで意味はありません。 第五に、金融審議会でも大きな論点となった裁判外紛争処理制度の創設が先送りされたことであります。紛争があるたびに裁判で解決しなければならないということでは、利用者の立場に立った法律とは到底言えません。しかも、この問題が先送りされた背景には、公的な紛争処理機関を設けると、バブル期に問題となった変額保険やワラントの販売をめぐる訴訟が不利になると、金融業界が強く抵抗したことがあると言われています。金融業界に手心を加えるかのような誤解を招くことがあってはなりません。 民主党提出の修正案は、以上の問題点を修正したものであり、顧客の保護を図るという点で大きく前進しているものと考えます。 なお、共産党提出の修正案については、我々と見解を異にする点があるため、賛成できないことを申し添えます。 以上申し述べ、討論を終わります。(拍手)
○金子委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の金融商品販売法案、証券取引法等改正案、SPC法等改正案及び民主党提出の金融商品販売法案に対する修正案に反対、日本共産党提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。 金融商品販売法案に反対する理由は、説明義務を元本欠損のおそれ等に限定し、適合性原則や不招請勧誘の禁止を業者の自主ルールにとどめていることであります。これは、これまでの金融被害の教訓にこたえないばかりか、判例の到達点を掘り崩すおそれを持つものであります。また、法案は、損害賠償請求裁判における説明の有無の立証責任を顧客に求めていますが、これは裁判の実態を踏まえない、顧客の負担軽減につながらない措置であります。 日本共産党提出の修正案は、金融被害の実態を踏まえ、政府案の欠陥を抜本的に是正するものであり、その実現こそ法案に実効性を持たせるものであります。 民主党提出の修正案は、政府案の一定の是正を図るものではありますが、不適切勧誘を法的禁止事項としていないなど、我が党の修正案の内容に照らして賛成できないことを申し上げます。 次に、証券取引法等改正案に反対する理由は、証券取引所を株式会社化することが、公正な価格形成機能や不公正取引の監視など、証券取引所の公共性を弱めるものだからであります。法案は公共性確保策を盛り込んでいるものの、実効性に乏しく、投資家保護策が不十分なもとで取引所の自主規制機能が損なわれれば、一般投資家にまで被害が及びかねません。さらに、証券取引所の株式会社化は、労働者の解雇を含む合理化を促進し、東証などによる地方証券取引所の吸収合併の動きを加速するものであります。株主の利益追求のために、労働者や地方経済の発展を犠牲としかねない株式会社化には反対であります。 最後に、SPC法等改正案は、不動産投資信託の解禁によって、不動産会社、ゼネコンの負債を個人投資家の資金によって肩がわりさせ、不動産価格の下落リスクを個人投資家に押しつけるものであります。また、大量の投機資金が不動産市場に流入し、不動産価格の乱高下を招きかねません。さらに法案は、SPCの届け出制への変更など、投資家保護に逆行する規制緩和措置を盛り込んでおり、反対であります。 以上で、日本共産党を代表しての討論といたします。(拍手)
○金子委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○金子委員長 これより採決に入ります。 まず、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、金融商品の販売等に関する法律案について採決いたします。 まず、佐々木憲昭君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、岡田克也君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○金子委員長 この際、金融商品の販売等に関する法律案に対し、鴨下一郎君外六名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。横光克彦君。
○横光委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 金融商品の販売等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 金融サービスの利用者の保護を図り、金融サービスに対する信頼を確保しようとする本法の趣旨について、金融商品販売業者等に十分な周知徹底を図るとともに、不適切な勧誘が行われないよう、指導・監督を行うこと。 一 本法の適用対象となる金融商品の範囲については、今後の社会・経済情勢の動向等に即して、除外商品を設けない方向で、適時適切に見直しを行うこと。 一 金融商品の販売に際しての説明内容及び説明方法については、利用者の理解を深めることに配意し、一層の充実に向けた業者等の自主的な取組みを促すこと。 一 中立かつ公平で簡易・迅速な裁判外紛争処理制度については、利用者保護を第一義とし、業者等に対し自主的な取組みを強く促すとともに、金融審議会の審議結果も踏まえつつ、早急に結論を得るよう、努めること。 以上であります。 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえ、配意してまいりたいと存じます。 —————————————
○金子委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○金子委員長 次回は、来る二十三日火曜日午前九時理事会、午前九時五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会