大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2000/03/31
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、来る四月四日火曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、政府参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として大蔵省金融企画局長福田誠君、金融再生委員会事務局長森昭治君、金融監督庁検査部長五味廣文君、金融監督庁監督部長乾文男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。
○海江田委員 民主党の海江田でございます。おはようございます。ただいまから二時間、質問をさせていただきます。 まず最初に、これは実はけさになって質問の通告をしたわけでございますが、大蔵大臣に、昨日、東京都議会で、いわゆる石原新税あるいは石原銀行税などと言われておりますけれども、金融機関、銀行に対する外形標準課税の条例が可決成立をした、いよいよあしたから施行になるということでございますが、それを受けての見解を披瀝いただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 この問題につきましての政府の考え方は、二月に閣議の口頭了解として発表いたしましたので、私にもいろいろ意見はございますが、それに追加して申し上げることは差し控えたいと思います。 石原都知事は、無論、国政にも参画され、世界の情勢もよく御存じの方でいらっしゃいますので、東京都というのは、もちろん日本の首都ではあるけれども、さらにそれを超えて、世界における経済の一つの大きな中心、いわば世界のマーケットの一つで現にありますし、また、それとしてさらに成長していかなければならない使命を持っておると思います。 したがいまして、世界から見まして、何か予期しないことが起こった、何が起こるかわからない、プレディクタブルでないとでも申しますか、そういう印象を与えることは、世界のためにも東京の将来のためにも注意しなければならないことでございますから、その点、特に知事に御留意を願いたいという感想を持っております。
○海江田委員 きのう、大蔵省の薄井事務次官あるいは自治省の二橋事務次官がそれぞれ会見をしまして、薄井事務次官の場合は、これは新聞報道でございますけれども、都議会で採択をされたことが、条例が通ったことが外形標準課税の議論にプラスの影響があると。あるいは自治省の二橋次官も、銀行に限らない外形標準課税の導入につながるよう期待し、努力したいということで、それぞれ、いわば都議会で石原新税が通ったことを一つのきっかけにしまして、特に薄井次官の場合は議論にプラスの影響があるということをおっしゃっているわけでございますね。 薄井さんはもともと主税の畑で、特に国税の、消費税の導入などにも大変力のあった方でありますが、こういう発言が出てきて、それこそもう一気呵成にといいますか、これからいよいよ銀行だけでない外形標準課税につながっていくんだよ、これで弾みがついたんだよみたいな発言があるように私は受け取れるのですが、この種の発言というのはそのまま放置しておいていいのか、改めて、二月に行われた閣議の口頭了解との違いというものはないのかどうなのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 法人事業税につきましては、これはかなり以前からでございますが、全国の法人の六割以上が赤字であるという状況でございますので、そのことをそのまま放置していいのかどうかという議論は、御承知のようにかなり前からございますし、税制調査会でも議論のあるところでございます。 それを解決する方策として、外形標準、何によるかは別として、所得がゼロの場合の外形標準は何かという議論はずっとございました。が、何をとるにしても、現に赤字の法人は納めていない税金でございますから、何をとるにしてもネット増税になるには間違いない。そうしますと、そういう人たちにとっては全くネットの増税でございますから、仮に地方の商工会議所あるいは商工会あたりで議論になりますと、地方では殊にそうだと思いますが、半分以上の人は賛成するはずがない、そういう背景を持っております。 したがいまして、理屈はともかくとして、そういう人たちも納得するような何かを考えなければならないわけでございますが、最近まで、最近までというのは東京都のこのことまで、何となく国としても、国と言うのはちょっと適当でないかもしれませんが、殊に地方税を主管しておられます自治省としては推進をしたいんだが、なかなかそういう状況があるということにかんがみて、税制調査会なんかでもそういう背景があるということで、いわば進みかねていた、こう申し上げたらいいのでしょうか。 それに、今、業を煮やしてという言葉は適当でありませんけれども、石原さんがぽんとおやりになったということで、応じる府県もいるのかもしれない、いないのかもしれない。が、今まで停とんしておりました事態の進行に一つの拍車をかけることには恐らくなるのであろう。多くの皆さんが見ていらして、なかなか石原さんやるじゃないの、ホームスチールみたいな話もあるわけで、国は、何省は一体何をしていたんだろうというような背景が生まれましたから、そういう話の展開の契機になりそうだというふうに思いますけれども。ただ、そこで展開したところで、問題は、実はもともとの問題が変わっているわけではないということかと思います。 ですから、もう少し建設的に申し上げることができるとすれば、やはりこれは何かしないといけないな、反対のお方はそれはいらっしゃるだろうが、そのまま黙っているわけにもいかないじゃないの、どうしたらいいんだろうという方へ一歩踏み出せる契機になれば、それは私は建設的なことだろうというふうに思います。
○海江田委員 今、大蔵大臣からホームスチールというお話もありましたけれども、石原さんの外形標準の課税の問題は、まさに銀行だけに絞ったというところと結びついて、この時期の実施といいますか、この問題が成り立っているわけですね。そうしますと、地方税法の第七十二条でありましたか、所得の課税の方と外形標準課税の方とのバランスの問題でありますとか、種々そういうような問題がありまして、もし議論をするのならば、そこのところの議論をしっかりしなければいけない。 それから、先ほど来、赤字法人の数が六〇%を超えておるというような話もありましたが、これは昔から超えておったわけですが、ただ、昔の時期というのは法人税の最高税率と所得税の最高税率が違ったりしまして、必要もないのに法人成りというようなこともあって、そこで有名なのが、当時、現役のピッチャーだった江川さんが江川企画という会社をつくって、その企画会社が野球をやるわけでもないのに、なぜか最初そっちに行きそうになった、だが、これはだめだという形で報酬の方はきちっと個人の方に課税をしたとか、これはもう言うまでもなく大臣が一番よく御存じなわけでございますが、そういう経緯があった。 だけれども、そういう経緯の時点と、今、実際に赤字法人の数というのは十年前とか十五年前とそんなに変わっていませんけれども、今の時点の赤字というのは、まさに本当に利益が出なくて赤字になっているという現実もたくさんあるわけですよ。そういうものを見ないで、何か、機に乗じて、さあ、一気に議論を進めようというようなことでいいのかどうなのか。 それからもう一つ、石原さんが提起をした問題というのは財政再建の問題なわけでございますね。この財政再建に東京都が四苦八苦をしておって、そして、どこかから何とか財源をひねり出す方法はないだろうかということでそういうような方策も考え出したということでございますから、私は、やはりそこのところできちっと問題提起を受けて議論しなければいけないというのは、むしろ、ここでもって一気に外形標準課税へ持っていこうということではなくて、一つには、繰り返しになりますけれども、財政再建の問題であるということ。 それからもう一つは、地方と国との財源の問題といいますか、地方の財源の問題。しかも、もしこの外形標準課税を議論するのならば、やはり本当に、例えば、石原さんはこれは粗利益に対してかけているわけでございますが、課税対象にしているわけでございますが、この課税対象の問題だってきちっと議論をしなければいけない話でありまして、その辺の問題がどうなっておるのかなという気がするわけでございます。 私の見解でございますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 いわゆる著しく権衡を失してはならないという地方税法の規定をどう解釈するかということは閣内でもいろいろ議論がございまして、私も議論をいたしましたが、それは、先ほど申しましたように、政府の口頭了解というものに尽きておりますので、それについて私は何か加えようという気持ちはございません。したがいまして、その点は、もし訴訟になりましたら、法の解釈として裁判所が決定をされることがあるかもしれないということであろうと思います。 今おっしゃいましたように、諸点は閣議でもいろいろ議論になりました。が、結論だけ申しますれば、これによって、従来いろいろな便益を受けていながら、それに対応する税金を赤字であるがゆえに払っていないということの不合理と申しますか、これについての議論をどういうふうに解決していくのかということは、再び税制調査会その他のところで新たに議論になるだろうと、先ほど申し上げたとおりです。そういう契機を与えたということ、停とんしておりましたこの問題の行方に一つの議論の契機を与えたということ、それはそのとおりだろうと私は思っています。 さて、その結果どういう解決があるであろうか。事態は以前と同じでございますから、世間が問題をよく知ったということが違います。何か、関係者がみんな満足といいますか、辛抱できるような結果が、さあ、これから議論の末に出ていくかどうかというところが大事なところだろうと思います。
○海江田委員 この問題は、本当に、むしろ国の政治の側がこの問題について議論をするのを怠っていたとか、そういうような意見は出てきているわけですから、私どもも、野党ではありますけれども、この問題についての議論をこれから大いにやらなければいけないということは全く同じでございます。 ただ、私どもは、野党の立場から見ておりますと、大蔵大臣、今もお言葉の中に出ましたけれども、税制調査会があるということで、どうも税制調査会の方に投げてしまわれるような傾向があるのではないだろうか。 むしろ、ここは本当に、場合によっては痛みを伴う判断をしなければいけないケースも出てくるわけですから、私、先ほど、六〇%の赤字の中身というのは今の景気の後退を受けて本当に厳しいものがあるよということはお伝えをしましたけれども、にもかかわらずやらなければいけないのかというような議論もあるわけですから、それは政治家があえて泥をかぶるというか、政治家がやはり指導力を発揮しなければいけないということでありますので、私は、確かに税制調査会という組織もありまして、ずっとこの問題では議論をしてきて、毎年毎年の税制調査会の答申の中にも、年々、外形標準課税に対する実施に向けての表現というのは強い表現になっているわけですね、十年、十一年、十二年ですか、それぞれ出ておりますけれども。そういうことも踏まえて、そろそろ、やはり政治家がこの問題で指導力、リーダーシップをとって議論をしていくときではないだろうか。 だから、その意味では、むしろ税制調査会に対しても、こういう方向でやりたいんだけれどもというようなことを率直におっしゃっていいのではないだろうか、そのように考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 現実の問題としましては、例えば自治省は地方団体の実情を一番、殊に財政関連はよく知っておられますから、やはり何かの手当てが要ると考えられるのは当然のことでありますし、また、産業を主管する役所、例えば通産省でございますが、殊に赤字の中小企業をたくさん抱えている立場から、突然そういういわば増税が起こるということはにわかには賛成できない、こう考えられることももっともなことだろうと思います。 それが今までこの問題がなかなか進展しない基本的な直接の原因だと思いますけれども、そういうときには、やはり税制調査会の専門家たちが、その間でどういう道があるかということを、そういう道を考えてくれるのが税制調査会の仕事であろう。しかし、最終的に決断をするのは政治であることはおっしゃるとおりであると思いますが、やはり税制調査会の専門家たちが、関係者の利害をよくつぶさに検討して、この辺のところが解決ではありませんかと言ってくれますならば、政治が決断をしやすいということであろうかと思います。
○海江田委員 この問題は、今後も本当に議論を深めていかなければいけないと思いますので、また次の機会にいろいろ議論をさせていただきますが、きょうは政府参考人にもお越しをいただいておりますので、次のお尋ねをさせていただきます。 九九年七月六日の当委員会で私は質問をしまして、三和銀行の銀行法違反の疑いがあるのではないだろうか、銀行法違反というのは他業の禁止でございますが、その違反の疑いがあるのではないだろうかということで質問をさせていただきまして、そのときは日野長官が答弁をしてくださいまして、よく検討してみましょうということだろうと思いますが、その後、この問題につきまして資料が出てまいりましたので、その資料を持って、ことしに入って、三月七日に私が金融監督庁にお邪魔をして、こういう具体的な例があるんだけれども、あるいはこういう私どもの主張の裏づけをする資料があるんだけれども、一体どういう判断をされるんですかというお尋ねをしたわけでございますが、その結果というのはまだお聞かせいただいておりませんので、この場でお聞かせをいただけないだろうかということでございます。
○乾政府参考人 昨年の七月六日の当委員会で、海江田先生から、三和銀行が行いました個別の融資に関しまして御指摘がありまして、私どもの日野長官からお答えしたところでございますが、そしてまた、三月七日に先生が当庁にお見えになりましてお話がございました。 昨年の国会における答弁、あるいは三月七日にお見えになったときにも申し上げた点でございますけれども、私ども、銀行の個別の取引に関します問題につきましては、基本的にコメントを差し控えさせていただきたいということでお答えをしているわけでございます。 ただ、一般論で申し上げますと、銀行につきまして、銀行法の第十二条におきまして他業を行ってはならないという禁止規定がございます。銀行が組織として営利目的で不動産の仲介等の他業を反復継続して行う場合には、銀行法の他業禁止規定に抵触し得ると考えておるわけでございますけれども、私ども、一般論といたしまして、そうしたことについての御指摘がありました場合には、銀行から事実関係等につきましてヒアリングを行い、その過程で仮に業務運営の適切性や健全性に疑義が生じた場合には、適切な措置をとることとしております。 いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように、本件のような個別の取引についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと考えているところでございます。
○海江田委員 個別の問題の議論が全くできない、個別の取引についてはコメントできないというのは前回もそうだったのですが、そのときにも私は言いましたけれども、個別の積み重ねで銀行の仕事というのは成り立っているわけでございますから、個別について全く議論できないというのは、これは私は納得できないことでありますから、これからもまだ時間がありますから、個別の問題を質問させていただきます。 では、事実関係として、私どもが資料を持ち込みまして、三和銀行に対する事情聴取というのは行ったわけでございますね。事情聴取を行って、全然問題なしということであったのかどうなのか、教えていただきたいと思います。
○乾政府参考人 一般論としてのお答えになって恐縮でございますけれども、個別の銀行の個別の取引につきまして、いろいろな御指摘を国会の場あるいはマスコミ等から受けました場合には、その内容を検討いたしまして、必要に応じまして事実関係等についてヒアリングを行うことといたしております。
○海江田委員 一般論で言うとそうだけれども、私がお尋ねをしたことについては一般論じゃないからお答えできないよということになると、これはもう本当に話のしようがないわけでありますね。 では、ここで言えないけれども、後で何か電話でもかけてきてくれて、こうなんだよということを言っていただけるのですか、どうなんですか。
○乾政府参考人 今の答弁からお酌み取りいただきたいわけでございますけれども、事実関係等について疑問があるということで、そういう御指摘を受けました場合に、私どももそう判断いたしました場合には、銀行からヒアリングを行うこととしております。
○海江田委員 きょうはこの問題、本当にさらっとというか、ごく簡単にと思っておりましたが、閣議で決定をしましたいわゆる金融サービス法ですか、これは大蔵大臣もかなり以前から、早く法制化をしなければいけないというような御答弁も私も何度かいただいたことがありますので、その中の議論でやはりきちっとやらせていただきたいと実は思っているわけでございます。 ただ、これは、もともとは三和銀行から、不動産の小口化商品なんですけれども、それのいわば仲介というかセールスを受けて、ハワイの物件を小口化したものを買いまして、三和銀行からもちろん融資を受けてそれを買いましたところが、昨今のような不動産の下落でもってこれは大変な赤字が出たということでありました。 赤字が出たのはいいわけでございますけれども、その赤字の負担というものを現地のハワイの三和銀行の支店もローンをつけておった。それからもちろん日本でもローンをつけていて、ハワイで借りた分は大体相殺ができたわけでございますが、日本の分がやはり何千万とひとり残ってしまったということなわけでございます。普通の取引であればこれは、当然不動産の売り買いでございますから、そういうリスクも含んだものとして考えなければいけないわけでございますが、この事例の場合は、乾部長もおっしゃいましたけれども、不動産の仲介業務を銀行が組織として行ったのではないだろうかという疑いが大変ございます。 不動産屋さんがそういう話を持ちかけてくれば、これは買う側もよく考えなければいけないということで慎重になるわけでございますが、やはり銀行の側が持ちかけてきたということで、その持ちかけてきたということの証拠の書類が、これはもう全部そちらにはお示しをしてあるわけでございますけれども、最初のそういうアイデアをつくったホノルルクラブ小口化インディケーティブプロポーザルといいますけれども、株式会社三和銀行の国際金融部というところが不動産の会社に対してそういう持ちかけをした。日付からいうと三月の八日から、もうこれはちゃんとお渡しをしてございますけれども、今お話をしたプロポーザル、提案書という形で起草をして、どういうスキームにすればどのくらいもうかって、そしてそれぞれの取り分は幾らだよ、間に入っている不動産会社の取り分などはむしろ少なくて二%ぐらいで、三和銀行が一番、取り分が三・三%で、この三・三%というのはまさに、一般の不動産の取引で言う仲介手数料が三・三%なんですよ。その仲介手数料を表向きはそういう形で、不動産の仲介手数料という形では取れませんものですから、いわばアドバイザリーフィーというような形で取るというようなことを言っているわけでございますけれども、この三・三%が一番多いわけでございますね。 しかも、まず最初が三月の八日に三和銀行の国際金融部が提案をして、それからその次に三月の十九日にまた提案をして、それから六月の十五日に提案をして、全部同じあれですけれども、それから八月の二十一日にまた提案をして、それぞれこういうことではどうですか、こういうことではどうですかということを提案して、最後に不動産会社との間で、八月の三十一日の段階で、ホノルルクラブ小口化に関する確認事項覚書というものをつくった。 そして、実際の実動部隊としては、そういうものを買った人は決して一人ではないわけですから、たくさんいるわけですから、しかもその人たちの話を聞いてみると、全部、三和銀行の人が来て、こういう商品がありますよということを言われて買ったということを言っているわけですよ。間に入っている不動産会社の人なんかは全くそういうところに行っていないということで、これまで、口頭ではありましたけれどもそういう話があって、そういう話を裏づける資料が出てきた。 この資料が出てきたというのは、この不動産会社が倒産をしそうになったので、やはりその証拠の保全をするということで、裁判所にお願いをしてそういう資料を集めたら、そういう資料が全部出てきたということで、そういうものをお示しして、これでも業法違反ではないのですかということをお尋ねしたわけでございますから、決して個別の、一件の例だけではなしに、かなりそういう意味では反復して、しかも銀行が、国際部というしっかりとした部署が提案をして、実際に実動をしておりますのはそれぞれの支店でございますけれども、それぞれの支店が実動をして、そして繰り返しやっているということになると、これはやはりだれが考えても業法違反に当たるのではないですかというお尋ねをしたわけでございますね。そういうお尋ねに対しても、やはりこれは個別のケースだからコメントするわけにはいかないということになるのですか、どうなのですか。
○乾政府参考人 引き続き、一般論というお答えになるわけでございますけれども、銀行が、例えば顧客が不動産を購入されるときにファイナンスをつけるというのは、これは本業であるわけでございますけれども、銀行ないしは銀行員が自己の顧客等に対しまして、一般的に投資情報というものを提供するということは、これ自体はあり得ることでございまして、そのことが銀行法で禁止されているものではないわけでございます。他方、先ほど申しましたように、不動産の仲介等の他業を反復継続して営利目的で行えば、他業禁止規定に違反するということになるわけでございます。 そうしたことから、一般論で申しますと、個別の事案が出てまいりました場合に、そうした事案を具体的事実に即して判断をしなければならないというふうに考えているところでございまして、そうした観点から、そうしたことについての御指摘、特に詳細な資料を添えての御指摘をいただきました場合には、銀行等から必要なヒアリングを行うこととしているところでございます。
○海江田委員 恐らくヒアリングは行ったのだろうと私は思いますけれども、そのヒアリングの結果がどうであったのかということをやはりお話しになってもいいのではないだろうかなというふうに思うわけでございます。はっきり言ってその後何の、銀行側に対する、銀行側の動きも、これは銀行法違反ということになれば業務停止もあるわけですが、そういう業務停止なんかということが出ていないということですから、恐らく不問に付そうということになったのだろうと思います。 ただ、先ほど来話のあります、銀行が組織として営利目的で——営利目的ではない一般的なサービスだけでお話をしたのなら、これはおっしゃったようなアドバイスもあるでしょう。営利目的と、それから不動産の仲介等の他業を反復継続して行った場合、銀行法の違反だということになるわけでありまして、今回の場合は営利目的だということは、先ほど来お話をしておりますように、三・三%という大変高い、あるいはまさに不動産業法で言うところの不動産の仲介の手数料に当たる金額を、ちょうど三・三%なのですよ。これがもっと低いとか、二%とか、〇・何%とか、そういう話であれば、これは確かにそういうアドバイザリーのフィーかなというふうに思ったりもするわけでございますが、ただそれも、仮に低いところであってもいろいろな営利目的だということであれば、これは問題になるわけでございますが、今回の場合はまさに三・三%という、不動産の仲介手数料と同じ金額を取って、しかも不動産の仲介等の他業をまさに反復継続して、一回限りでなしに、多くの人にそういう業務を業務として、何も夜の時間に、自分の勤務外でそういう銀行の方がお得意さんのところを訪ねていっているのではなくて、まさに銀行の勤務時間の中で銀行の人が訪ねていって、不動産会社の人は行っていないわけですよ。契約の最後のところまで不動産会社の人にはついに会わなかったとか、たまたま一人か二人、不動産会社の人が来たよということを言う人もいます。これは全く皆無ではありません。全く皆無ではありませんけれども、少なくとも私が聞き取りをやりました十数人という話の中では、来たよと言う人はたしか二人くらいだったはずであります。九人以上の方が、一度も銀行以外の方は来たことがないよということを言っている、証言をしているわけですよ。 最初は話だけでしたけれども、そういう話を裏打ちする資料が出てきたわけでございますから、やはりここはかなり真剣に、過去の時点でありますけれども、平成二年という時点ではありますけれども、やはりそのときはそういうことがあったのだということをはっきり認めませんと、これから前に向かって、新しい金融サービス法、金融商品の販売に対する規制なんかもやっていくわけでございますけれども、過去の問題にふたをしたところから本当に新しい規制なんかが出てこないのではないだろうかというふうに思っておりますから、これはかなり疑義があるとか、かなりそういうことをやっていた事例もあるとか、やはりそういうことをおっしゃらなければいけないのではないだろうかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○乾政府参考人 銀行法の他業の禁止規定の解釈等につきまして、海江田先生と私どもとの間で見解はほぼ一致しているというふうに考えているわけでございますけれども、要するに問題は、個別の事実関係の認定ということにだんだんなってくるのだろうと思います。 そういうことになりますと、私ども、御指摘いただきました事柄あるいはいただきました資料等に基づきまして、銀行からヒアリング等をすること等をしているわけでございまして、そこで一般論といたしまして他業禁止に当たるという事実があれば、それは厳正に対処することとしている、これは一般論のお答えで恐縮でございますけれども、そういうことでございます。
○海江田委員 これはまさにさっきの、石原さんが何で銀行だけに課税をしたのかというところとも、実は根っこにおいて関係があるのです。法律の公平さだとか、あるいは場合によっては憲法の問題も絡んでくると思うのですが、そういうところからいえば、やはり銀行に対して、今銀行だけをねらい撃ちにした課税というものはすべきでないというふうに考えるわけでございますが、ただ、では実際に銀行がこれまでやってきたこととか、それからこれまでやってきたことの後始末のところでどういうことをやっているか、確かに幾つかいろいろな間違いもあったわけでございますから。 個人の場合は、やはりそれに対して、自分自身の失敗があって、それなりの痛みを当然自分でも受けるわけでございますが、そういうときに、すぐに銀行は、担保で自宅をとっているわけでございますから、その自宅を売却してしまうという形で、やはり銀行だけが、この問題の後始末の点でも、いわゆる痛みを伴う処理というものをしていないわけですよ。確かに担保を競売に付せば、それは当時の金額から担保割れというのは起きますけれども、だけれども、それは家をとられた人たちから見れば、銀行が痛みを伴ったということにはならないわけです。銀行が痛みを伴った処置をしているというようなことをやはりどこかで見せなければいけないということを私は思うわけでございます。 そういうときに、これまでは証拠というかそういうようなはっきりした資料がなかったわけでございますが、その資料がたまたま、その不動産会社の方から出てきたわけでございますから、やはりこの資料というものは十分に生かしていただいて、そして銀行の側も非を認めるようなことをさせなければいけないのではないだろうか、そういう姿勢で金融監督庁が臨んでいただけないものだろうか、そういうふうに考えているわけでございますが、もう一回、金融監督庁乾監督部長、おっしゃりにくいことはあるかもしれないけれども、やはり金融監督庁として、銀行のこれまでのそういう姿勢というものに対する監督庁なりの見解というものはおっしゃっていただいて結構ではないだろうかというふうに思うわけでございます。いかがでしょうか。
○乾政府参考人 私ども監督庁といたしましては、銀行法によって与えられました権限によりまして、銀行業務の健全性、適切性等を確保するためにいろいろな監督を行っているところでございますけれども、銀行の行動におきまして、もしも、例えば他業禁止違反というふうな法令に反するようなことが判断をされました場合には、この点につきましては厳正に対処したいと考えております。 ただ、こうした事案につきましては、個別の事実認定というところによるところが大きいということは、一般論として御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○海江田委員 先ほどもお話ししましたけれども、この問題はいずれ金融商品販売法の方で、また当委員会の方で議論するそうでございますから、その場で議論を引き続きさせていただきたいと思います。 次に、保険の問題、これは預金保険法と絡んでくる問題でございますけれども、最近、生命保険金を目当てにしました殺人事件が大変頻発といいますか、有名なところでは一昨年の和歌山の事件、それから、今回の埼玉県の問題はまだ疑義というところでございます、ただ被疑者が逮捕されているということでございますが。それから、たしか九州の方でもあったと思いますが、最近だけでもそういうふうに立て続けに、保険金取得を目的として殺人事件を起こすということが起きているわけでございます。 たしか一昨日の大蔵委員会でも、生命保険会社の方でこういう保険金を目当てとした殺人事件をこれ以上起こさないために何か手当てができないだろうかというようなことを、これも金融監督庁の方がガイドラインを設けるというようなお話があったのですが、それがどんな中身になるのかということをもう一度お尋ねしたいと思います。
○乾政府参考人 今御指摘になりました、平成十年に和歌山で保険金詐欺事件が発生したわけでございます。その後、長崎の事件も起こっているわけでございますけれども、そうしたことを一つの契機といたしまして、金融監督庁といたしまして、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保いたします観点から、保険業法施行規則等を昨年四月に改正いたしまして、保険契約の締結に当たっては、被保険者の同意をとっていることをきちっと確認すること、それから医師の関与の適正化、そして多重契約のチェック制度を強化する措置を講じたところでございます。 今回の本庄の事案につきましては、現在捜査当局の強制捜査が始まったところでございまして、当庁といたしましては、引き続き事態の推移を見守っているところでございますけれども、平成十一年四月に改正をいたしました措置と、この本庄事件等が起きた、多額の契約が掛けられているわけでございますけれども、それの前後関係等といったものも見なければならないと考えておるわけでございます。 そうした中で、従来からあります契約内容登録制度でございますとか、確認制度でございますとか、そうしたものをかいくぐるような動きがあったのかどうか。また、生保会社の側にも、保険契約の段階あるいは保険金支払いの段階で問題がなかったのかどうか、保険会社から今後ヒアリングをしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 ただ、しかしながら、今回の事案を見ますと、高額な保険契約が重複して掛けられているということは現在までの報道等でも明らかでございまして、そういうことから、金融監督庁といたしましては、一昨日、生命保険契約に係るモラルリスク、道徳的なハザードの問題でございますけれども、そうしたことを排除、抑制する観点から、保険金額の妥当性の判断、確認を適正に行うための社内規制の見直し及び業務運営体制の整備を求める事務ガイドラインを定めることといたしまして、現在その準備作業に着手したところでございます。 また、契約内容登録制度、これは生命保険協会において運営されている制度でございますけれども、これが、多重契約のチェックのために今回のような事案に対して有効に機能しているかどうかということの検討を求めました結果、生命保険協会におきましても、この契約内容登録制度に登録する保険金額の基準引き下げ等の強化を、来週四月二日から行うこととしたところでございます。 〔委員長退席、根本委員長代理着席〕
○海江田委員 幾つか手は打っているということだろうと思いますけれども、ただ、やはり今度の本庄の事案でも、まあこれはまだ捜査段階でありますし、しかも逮捕の容疑というのは保険金殺人というよりその一歩手前の前の段階でございますが、伝えられております報道などによりますと、例えば、いわゆる基準額というのがあって、それぞれの生命保険会社にわたって契約を結ぶわけですから、ある程度で基準を決めておいて、その基準を上回るのだけを集めましょうよというやり方であります。その基準額というのが、最初は一億円であった。それを五千万円にした。あれは五千万円超なんですね。そうすると五千万円ちょうどにすれば、これはまさにひっかからないわけです。ただ、五千万円とか一億円とか、今度実は今五千万円が二千万円になっていて、二千万円を今度さらに下げようかという話なわけでございますが。 ただ、この五千万円とか二千万円とかという金額自体は、実は、こういうところでも絶対にそういう金額は出てこないわけですよ。今、過去の数字ですから、私も五千万とか二千万ということを言っております。あるいは新聞なんかにも出ていますから言っておりますが。 だけれども、ちゃんと、そういう犯罪をやる人間はわかっているということ。それはどういうことかというと、そういう知識を持った人が、あるいは別な表現をすれば、内部の手引きをするというか、和歌山の事件では、まさに真須美被告が生命保険会社の外務員をやっていたというようなことがありますし、今度の本庄の事件でも、これはまだ捜査の段階でございますけれども、やはりそういう五千万円超であると——新聞なんかによると、はっきり言って、五千万円以上なんという書き方をしているわけですよ。以上と超というのは、御案内のように、以上だったら五千万円が入っちゃう、五千万円の契約をやったら、いわゆる名寄せがやられてしまって、多額の契約をしていないかどうかチェックされるわけでございますけれども、まさに五千万円超ですよ、五千万円ちょうどの契約なら何ら名寄せがされないのでありますよということを本当にやはり知っているわけですよ。 そういう人がアドバイスをして、そういう人のアドバイスというか入れ知恵のもとでそういう契約を結んでいるということですから、私は、これは単に名寄せをする基準額というものを引き下げをすればいいという話ではなくて、これまでのやり方でない、抜本的なといいますか、あるいは角度を変えた規制が必要なんではないだろうか、そういうふうに思うわけでございます。 生命保険の保険金目当ての殺人事件には、いつもそういう形で生命保険の関係者も何らかの形で絡んでくるということに対する認識というのですか、今度の事件についてということではありませんけれども、これまでの事件についてはそういうケースが多かった。だから、これは生命保険会社の外務員に対する教育の問題とか、そういう問題にも関係してくるのじゃないだろうかというような認識はおありかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○乾政府参考人 今先生も御指摘になりましたように、契約内容登録制度に登録する金額につきましては、これに言及することはまさに適切でないわけでございますけれども、それは別といたしまして、そうしたものを引き下げたといたしましても、保険会社の教育あるいは研修システム等に問題があれば実効性が確保されないのではないかという先生の御指摘、私どもも全くそのとおりだと考えているわけでございます。 今回の事案につきましても、そうした意味で、保険会社の側におきまして、いろいろな点について問題がなかったかどうかということも含めまして、今後の実態解明を待ちたいというふうに考えているわけでございます。
○海江田委員 あともう一つ、一番わかりやすいというか簡単な方法というのは、本人の告知義務の中に、自分はこれまでに何社と幾ら契約をしましたよということを書き込む、しかもそれを告知義務とするということが、わかりやすくて、しかも簡単なんじゃないだろうか。病歴なんかは告知義務になっていますから、それを告知しないで保険契約をしますと、実際に死亡したりした場合などは、告知義務違反という形で保険金が支払われないということもあるわけでございますから。 ですから、自分で、今までに幾つ幾つの会社と総額で幾らの契約をしたよということを告知させて、その告知を義務にして、告知義務違反でそういう事件が起きた場合は、これは保険金を支払わないでいいということにするというようなアイデアもあるわけでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
○乾政府参考人 保険会社ないしはその外務員が契約を締結いたします場合には、本人から、他の保険会社に入っておられますか、幾らぐらい入っておられますかということを聴取することになっているわけでございます。 ただ、被保険者となる方が仮に虚偽の答弁をされましても、告知義務がないことから、対応がなかなか難しいという問題が現実問題としてあるわけでございますけれども、義務を課するかどうか、これはあくまでも保険会社の方の話でございます。 例えば、病歴があるかどうかということは、これは同一のリスクの保険集団のものに対して保険を掛けるという観点から、リスクのある方を入れるということは難しいことから、当然保険の論理からは出てくるわけでございます。他方、ある方が、こちらに一千万、他に二千万ということがあるわけでございますけれども、それはその方の資産の状況、収入の状況等から、多額のものを掛けるニーズあるいは資力があるかもしれませんし、個々の被保険者の方の事情によるわけでございまして、そのことを義務を課してということはなかなか難しいというふうに考えられているところでございます。 そうした観点から、先ほども御指摘になりました、むしろ契約内容登録制度の方で、保険会社間で情報を共有することにより対応しようということに現在ではなっていると承知しているわけでございます。
○海江田委員 この問題は本当にぜひ、そういう保険のいわば盲点をついて、しかもそういう知識が十分にある人間が絡んで事件を起こすということのないように、できるだけのことを、あらん限りのことを対応策として考えていっていただきたいと思います。 それでは、預金保険法の一部を改正する法律案本体について幾つかお尋ねをさせていただきます。 預金保険法というのは、いわゆるペイオフでありますとか金融機関の破綻だとか、そういうことが言われ出したのはここ数年前からの話でございますが、この預金保険法というもの自体は古くから、たしか昭和四十七年、一九七二年ぐらいからあったと思っておりますが、これがこのたび抜本的な改正を行われるということでございます。 これまでの預金保険法というのも、金融機関の破綻のときのいろいろな処理方策をめぐっては確かに大きく抜け落ちている部分もあったわけでございますけれども、ただ、例えばペイオフだとか何だとかの金額の問題だとか、あるいは保護の対象でありますとか、そういうものについてはそれなりの考え方がずっと積み重なってきていたわけでございますね。そういうものがここへ来て大変大きく変わっていくということ、その大きく変わっていく背景に一体どんなような考え方の変化があるのか。もちろん、金融機関を取り巻く情勢というのは大変大きく変化をしているわけでございますけれども、その中でも、どういうような考え方の違いによって中身を変えなければいけないのかということを幾つか具体的にお尋ねをしたいと思います。 まず最初が、いわゆる流動性預金の保護でございます。これは、全体にペイオフを一年延期するということがまず決まっておる。もちろん私どもはそれに対して大変な反対をしているわけでございますが、その全体に対して一年先送りをしているということにさらに加えて、流動性の預金についてはさらにもう一年延期をするというようなことがこの預金保険法の改正案に盛り込まれているわけでございます。 流動性預金、あるいは決済性預金と言っても構わないと思います。ただ、厳密に言うと若干違うのですけれども、決済性の預金と言った方が正確かもしれません。決済性の預金については、何もきのうきょう出てきた話ではありませんで、ずっと昔からあったわけであります。ところが、当初の預金保険法では、決済性預金だけを保護しようとかいう話は全く出ていなかったわけですね。しかも、一千万円という金額も、今度上がるのかなと思ったら、実際には上がらなかった。これは最初はたしか三百万から始まっていったわけでございますから、一千万円もかれこれ十年ぐらいたしか続いているはずでございますね、上限の限度額が。それで、同じ制度でありながら、何でここへ来て決済性の預金だけ、ただでさえも一年延ばすところへ持っていって、その先さらに一年延ばすのか。しかも、一年先に延ばした後の話というのは全然触れられていないわけですよ。 決済性預金の問題を問題にしなきゃいけないというのはこの金融審の答申でも出ているわけでございますが、従来あった預金保険制度の中で、決済性の預金については全部、いわゆる資産性の預金あるいは流動性のない預金と一緒に、平たく言うと定期預金だとかそういうものと一緒のところでもって考えられていたのが、なぜ殊さら今回に限ってこれが取り出されたのかということ、この点、非常に素朴な疑問ですが、ぜひわかりやすくお話をいただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 海江田先生、中身は十分御存じの上の御質問でございますので、基本的な考え方だけにとどめさせていただきます。 まず、これまでの預金保険機構で保護しよう、これは少額預金者の保護、こういう観点が非常に強くあったと思います。しかし、金融というのは世の中の血液でございますから、破綻した場合の他に及ぼす影響、つまり決済性預金をどうするんだ、借り手保護をどうするんだ、こういう問題が当然出てくるわけでございまして、そういう流れが一つございます。 その流れの上に立って、これは破綻処理が迅速にできましたら、決済性預金の問題も起こりません、借り手保護の問題も起こりません。したがいまして、PアンドAを早急にやっていく、これが一番の問題だろうと思います。 そのためにどういうことをやらなきゃいけないか。これは預金者の名寄せの問題でございます。預金者の名寄せをきちっとやっていこうということは、御存じのとおり、十三年の四月から義務づけになっていく、そしてそのデータを預金保険機構に提供すれば、それは預金保険機構の方できちっと名寄せをしましょう。しかし、それが十分であるかどうか、そういうことが十分できていくのかどうか、やはり一年間様子を見まして、もう一年ぐらい必要なんじゃないか。だから、そういう準備体制、迅速な破綻処理に対する準備として、一つは名寄せの問題、もう一つは、アメリカなんかであるようでございますけれども、その間に民間の決済システムが何らか発展してくるのではないか、こういうことで、もう一年延長させていただいているわけでございます。 しかし、それができましたら、もうそういう観点からの流動性の問題はなくなってくるわけでございますから、そういう意味で、それ以上はもう流動性預金をさらに延長して保護していく必要は全くなくなっていくんじゃないか、こういう観点から、二年間、正確に言いますと、全額青天井保護から数えて一年間だけ保護していく。だけれども、その場合に、やはり流動性を特に保護するわけでございますから、保険料については少し考えなきゃいけないな、こういう方向でございます。
○海江田委員 今御案内のように、定期性預金も金利が非常に、〇・〇コンマで、流動性ともほとんど変わらなくなっているわけですね。そうしますと、ここで青天井に設けますと、流動性に流れていく可能性だって幾らだってあるわけですよ、これは。そうすると、事実上ペイオフだということで、しかも、それを一年先送りするけれども、実際のところを言うと、この制度を残してしまうと、二年間ペイオフを先送りしたということになりはしないだろうかという非常に根本的な疑問があるわけです。今のお答えでは、大変残念ですけれども、私はやはり納得がいかなかった。 私はいろいろな資料を読んでおりまして、資料を読んで納得がいかないからお尋ねをしているのでありまして、先ほどお話をした、決済の制度がこれからどんどん変わっていくだろうというふうな話は、これはいろいろな資料に書いてありました。 それから、名寄せの問題、ちょっと後でやらせていただきますけれども、私は、わかっていて野党だから時間つぶしに質問しているのじゃなくて、本当にこれは、申しわけないけれども、僕はちょっとびっくりしたのですけれども、総括政務次官ともあろうお方が、わかっておるけれども質問するんだろうなんてことをおっしゃっていましたけれども、わからないから質問するのであります。 そのわからないという点は、この預金保険という制度は、機構とかおっしゃっていますが、そうじゃない、預金保険という制度は、実は、たしか昭和四十七年ぐらいだと思います、一九七二年ぐらいだろう、そのときからずっとあって、だけれども、抜かない伝家の宝刀だったわけですよ。だけれども、それはそれなりに昭和四十七年という段階で考えられて、そして保護をする対象はこれこれにしましょうということを、それこそ本当に当時の英知を集めてそういう法律をつくったわけですよ。しかし途中で、限度額というものは、ペイオフをするときの払い戻しの金額というのは、これはやはりその時々の預金の量なんかも見ながらふやしていかなければいけないのじゃないか、そういう手直しというのは行われてきたのですよ。だけれども、流動性預金について、あるいは決済性預金について、これを定期性の預金と別枠でもって保護をしようというのは初めて出てきた話なんですよ。 だから、それは前のときの議論のどこが不足をしていて、それで何で出てきたんですかということをお尋ねをしているので、ここをやはり得心のいくようにお話をしていただかないと、本当に、何でだろうというこの気持ちはいつまでたったって消え去らないわけですよ。そこをぜひ納得のいくようにお話をしていただきたいわけでございます。
○大野(功)政務次官 まず、なぜ流動性かということにつきましては、繰り返しになって恐縮でございますけれども、少額預金者の保護という観点、これはもう昭和四十六年からの考え方でございます。しかし、金融機関というのは、あくまでもやはり、例えば破綻をしてしまいますと、そこで決済口座を持っている企業の方々、これは一体どこで決済されるんだろう、大変な不安でございます。したがいまして、決済機能ということを考えていかなきゃいけない。 それから、やはり借り手の問題が出てまいります。ある銀行がつぶれて、そこで借りている方、では一体、次に別の銀行から直ちに貸してくれるのか、一から出直していかなきゃいけない。そういう面が非常に大きいわけでございますから、やはり決済とか借り手とか、幅広い視野で考えていくことが必要じゃないか、こういうことでございます。 その場合に、先生御指摘のとおり、では一体、この低金利時代に、定期性預金から流動性預金へシフトしていくじゃないか、その問題は一体どうするんだというお尋ねでございますけれども、その問題につきましては、流動性預金というのは金利を何%以下ですよ、こういうふうに決めざるを得ないと思います。そういうことによって流動性預金の範囲をきちっとしていかなきゃいけない、このように考えております。
○海江田委員 今のお話を聞いてもわからないので、宮澤大蔵大臣、当時からずっと御存じのはずでございますから。 決済機能を守らなきゃいけないとか、あるいは借り手の方を守らなきゃいけないなんて話は何もきょうに始まった話じゃないので、何で四十七年ですとか、ちょっと四十七年というのは私、うろ覚えなんで、もし間違いがあったら訂正をしていただきたいのですが、当初のときからのずっと議論の積み重ねの中で、その決済性の議論というのはこれまで全然なかったのですか、やはりどこかから出てきていたのですか、どうなんですか。それを教えていただきたいのですが。
○宮澤国務大臣 今総括政務次官が説明された以上に、どうもそれ以上、ちょっと私も別の言葉を使いましても同じことを申し上げることになるのだろうと思いますが、現実にそういうペイオフの解除が行われるということになりますと、頭を切られるということがありますから、そういう現実の問題になりますと、決済性の預金が、そうなれば及ぼす影響は非常に大きい、本来、資産性のものでないので。ごくごく、そうなってみたら、なるほどどうもそういうことだなということではないかと思いますが、これ以上うまい言葉はどうもちょっと見つかりませんが。
○大野(功)政務次官 大臣のおっしゃるとおりでございますけれども、ちょっと振り返って歴史的に考えさせていただきたいと思います。 昭和四十六年に始まった制度でございますけれども、四十六年に始まったときには限度額百万円ということでございました。それで、昭和六十一年に一千万円になっているわけでございますけれども、これが実際に問題になったのは平成四年でございます。それまでの間、本当に無事平穏に進んできておりまして、保険料率も大変低かったわけでございます。保険料率については、今、当初発足時に比べれば相当何倍もになっているわけでございます。平成四年に初めてこういう銀行の破綻、金融機関の破綻ということが起こってまいりました。その間、本当に無事平穏で何も起こらない。起こらない中で、ですから、決済とかそれから借り手保護とかそういうこともなしに、さらに、ちょっと言葉として私も言いたくないのですが、護送船団方式ということがありまして、絶対に金融機関というのはつぶれないんだ、こういうような神話がございました。その神話の中で、流動性預金というものが全く念頭にないような感じであったと思います。 その後、やはり破綻してみますと、先ほど来るる御説明しておりますとおり、一体、決済をどうするんだ、借り手をどうするんだ、こういう問題が出てきた。そういうことで、今回の金融審議会で随分と議論をしていただきまして、流動性預金については二年間延長するのが妥当であろう、こういう結論を金融審議会からちょうだいいたしております。この金融審議会の報告に基づきまして今回の改正措置をさせていただいている、これが歴史的な流れでございます。
○海江田委員 まだそれでも納得——それは経緯の話でありまして、確かに破綻がなかったからその瑕疵に気がつかなかったんだ、まあ瑕疵と言っていいかどうか、その当時は瑕疵という問題認識もなかったのかもしれませんけれども、そういうような考え方が一つあると思うのですよ。 だけれども、実はこれは流動性預金の問題だけじゃなくて、今度は例えば利子も入れるという話になっているでしょう。これは、基本的な考え方からいけば、これまではずっと元本だけだったわけですよ。何でかなといろいろ私なりに考えてみたのですが、郵便貯金法が法令の中で元本と利子という書き方、だから、強いて言うと、そことのにらみで今度入ったのかなというふうに思うわけでございますが、幾つかやはりかなり根本的なところで違っているのですよ。考え方の違いが出てきているのですよ。 だから、その考え方の違いというのは一体何なのか。特に銀行の占める決済の役割の重さというのは、どちらかといえば、例えば昭和六十一年に大きな改正があったというけれども、そのときの方が今よりさらに大きいわけですよ。これからだんだん銀行の占める決済の役割というのを低減していこうという流れでしょう。それで、この間も幾つかインターネットの取引なんかも出てきて、大分低減されていることもあるわけですよ。だから、そういうことでいうと、何度かこれまでの見直しがありながら、そこでそういうような問題について見直しがなくて、今回出てきた一番大きな考え方というのは何なのかなということ。 一つの考え方は、とにかく何でもいいからできるだけ安心をさせるために、今まではまさに神話があったから、あるいは護送船団があったから、つぶさないから、多少瑕疵があってもいいよ、だけれども、今度は実際につぶれるんだから、そこのところは徹底的に守っていかなければいけないのじゃないだろうかという考え方なのかどうなのか。これまでは、どちらかというと、そういうことではつぶれる可能性がないからそういうことで来たんだけれども、いざつぶれてみて、いろいろ不都合が起きてくるからこういうことにしたんだとか。 だけれども、これは当然のことながら、それだけふえてくれば金融機関の負担というものは重くなるのですよ。その金融機関の負担というものは、とりもなおさず預金者の負担に全部なっていっちゃうわけですよ。だから、その辺のことも考えると、よほどこの中身というのは精査をして、緻密な論理立てをやって、どうしてこうなんだということをおっしゃっていただかないといけないのです。利子を今度加入したということ、これはどうしてなんですか。
○大野(功)政務次官 先生御案内のとおり、現在の制度のもとでは利子は付保されておりません。その理由というのは、やはり利子を付保対象にいたしますと、金融機関なり預金者のいわばモラルハザードにつながっていくのかな、あるいは破綻処理のときに事務手続が複雑になるんだろうかな、これが理由だろうと思います。 それから、今回金融審議会でこの点も十分御議論いただいた次第でございますけれども、先生今御指摘なさったとおり、やはり金融機関というのは安心感がなければいけない。少額預金者にとりまして、やはり利子が入っていること、付保されていること、これは大変な安心感を与えるわけでございます。また、利子も安心なんだなということになれば、資金シフトも起こっていかなくなる、このような問題があろうかと思います。 それから、御指摘のとおり、当然郵便貯金でございますけれども、郵便貯金は限度額一千万、それにもし一千万の限度額目いっぱい貯金されている方には別途また利子も保証される、こういう郵便貯金とのバランスの問題。 そしてまた、破綻処理の迅速化という観点から考えても、そう事務処理が複雑にならないのではないか。コンピューター時代ですし、先ほど申し上げましたような名寄せの問題もございます。 したがいまして、そういう観点から金融審議会でいろいろ御議論いただいた結果、今回は報告の中で、利子も付保の対象にしたらどうか、この答申を踏まえて、預金利息を付保対象とする次第でございます。なお、御存じのとおりでございますが、付保対象となります利息につきましては別枠で考えていく、このような方向でございます。 したがいまして、これをもう少し大きな流れでとらえていけば、今までは安心であった、しかし、もう事前調整から事後監視の時代へ入っていくんだ、その事後監視の中でいろいろな問題が起きてくる、それをきちっとルールづけて処理していかなきゃいけない、こういうことであろうと思います。
○海江田委員 委員長、これ、ちょっと数が足りないのじゃないですか。数足りているの。
○根本委員長代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕 〔根本委員長代理退席、委員長着席〕
○金子委員長 速記を起こして。 宮澤大蔵大臣。
○宮澤国務大臣 先ほどから、何が変わったんだというお尋ねがあって、私も何が変わったのかと思っていましたけれども、自分の経験で、私は実は恥ずかしいのですがカードというものを持っていないのですが、カード決済ということがもうこのごろは普通でございますね。それから、女房なんかを見ていますと、電気料金やなんかをみんなどこかでやっているわけです、銀行で。それも昔はなかったし、それから、さすがにこのごろ給与は袋でくれないということは私も知っていますけれども、そういうファクターというのが、かつてはみんな普通預金をおろしてやったりしていたことが全部その決済ができるということが、四十六年以降、最近になって出てきた大きな変化、それではないか、企業決済だけでなく。そういう決済機能というものを持つに至ったのが大きな理由ではないかなと、お尋ねがあって自分は今思うわけでございます。
○海江田委員 それでは、利子の場合はどうなんですか。
○宮澤国務大臣 これは私は、おっしゃいますように郵便貯金とのバランスだろうと思います。
○海江田委員 郵便貯金とのバランスだけはわかるわけで、これは私が一生懸命考えてわかったわけで、ただ、利子を含むという場合は、一種の金融機関のモラルハザードといいますか、特に破綻間際になってたくさん高利でつって集めるケースもあるわけですよ。 今回のこの預金保険法の改正案ですけれども、実は例の東京の二信組の破綻がこれで処理をされることになるわけですね。特例資産譲受人等の資産の買い取りで、結局最終的な始末はこの法律でやるわけですけれども、私、あの二信組のときの利息の内容をずっと見ていましたら、本当に七%、八%、九%とか、めちゃくちゃな金利をつけておったわけですよ。 ある人などは、預金者のネームリストも出ましたけれども、実は一人で十一億円預金している人がいたのですよ。その方というのは、国会議員ならみんな知っている方なんです。議員じゃないのですよ。議員じゃないけれども、ある有名な方の政治団体の金庫番と言われる人が、ちゃんと名前が出てきたわけですよ。非常に珍しい名前ですけれども、名字は珍しくないけれども、名前の方が珍しいのですけれども。それで十一億円なんて出てきたりしているわけですよ。そういうのも全部利息を付保するのかということを、果たしてあっていいものなんだろうか、どうなんだろうかという話なんですよ。 先ほども言いましたけれども、実は、決済性を守るということは、二年間守ることにもつながるし、それから、この二年先延ばし、最初の先延ばしの一年、それからもう一年先延ばしをしたところで、そのほかの、では決済のシステムが本当に、ただあと二年ぐらいの間に出てくるかといったら、これはなかなか出てこないのですよ。もう本当にこの決済性の預金は、もうこれでもって、あと一年延ばして、それにプラス一年でもってぴたっとやめちゃうのかどうなのか、そこのところもひとつお答えをいただきたい。 それから、利子も守ると言ったけれども、その利子を守ることによる、そういう意味でのもう一つのモラルハザードだとか、そういう問題は一体どうするおつもりなんですか。
○宮澤国務大臣 前半だけ申し上げますけれども、もうそれでやめると。やめるという考え方の中に、いわゆる破綻なり事故の処理ができるだけ、まあ金曜から月曜といかないかもしれませんけれども、いろいろ迅速に行われるようになるであろうということと、その決済性預金というものについての金融機関なりなんなりの新しい制度なり商品ができて、今こうやっていることのもう少しはっきりした制度化ができる、こう思いますから、もうそこで二年たったらやめる。むしろ、それによってそういうことを促進していくことがいいのではないかと思います。
○海江田委員 それは、一年延期をして、先延ばしをしてまた一年ということでの話で、もう一つ、利子をつけることのやはり意味合いということ。片一方では確かに郵便貯金を意識してということはわかるのですが、それにしては、やはり本当に、もう片一方の、私が指摘をしたようなモラルハザードだとか、そういうことはどうなんでしょうかということです。
○大野(功)政務次官 十一億円についての背景の、たちの悪いというような評価の預金に対して利息を保護するのはおかしいじゃないかという質問と理解して答えさせていただきますが、いずれにしましても、利息が付保されますのは、限度一千万までの金利でございます。そして、その預金がどういうことで発生したか、資金源がどういうことで発生したかとか、そういうことは考えないわけでございますから、預金者の一千万の限度で、その一千万についての金利だけは保護します。 しからば、いろいろな預金があった場合、どうするのだ。それは、やはり期限が来たものから考えていく。一千万の預金が同じ銀行で二つあったという場合、利息が五%、二%あった、こういう場合、同時に来れば、それは安い方の金利を保護する。それから、期限の到来時期が違った場合は、到来期の早いものを保護する。こういう組み立てになっております。
○海江田委員 ちょっとお断りしておきますが、私は、たちの悪いなんて一言も言っていませんよ、これは。むしろそちらがおっしゃった話で、たちがいいかどうかはわかりません。そんなことはわからないわけで、ただ総額として十一億円もあって、しかも高金利で集めましたから。 これはもちろん、しかも今の時点の話ですよ、これからは一千万円だよとわかっていますけれども、むしろ私が言いたいのは、そもそものこの預金保険では、そういう利子についての扱いは除外をしていましたよということ。しかもそれが、そういう預金保険があったにもかかわらず、この間そういうことを取っ払ってしまって、臨時的にいろいろなことをやりましたよ。これは、まだ人々がペイオフになれていないからとか、そんなようなこともあって、全部やりましたよ。やった結果、そういう十一億円のある人、しかも高金利の人も全部保護されちゃいましたよということですから、むしろ流れからいけば、もともとなかったものに新規に利子を加えるのじゃなくて、むしろ、今特異特例的にそういう利子を加えておるけれども、これはやはりやるべきでないなというような結論に達するのが一つの本筋ではないだろうかというふうに私は考えるのですよ。 だから、そうしないであえて、そういう事例があったにもかかわらず、そういう形で利子まで入れてしまったことの意味合いというのは、一体どこにあるのですかということをお尋ねしているわけです。それはどうなんですか。
○大野(功)政務次官 これは、先ほど来大臣からもお答えがございました。私の方からも若干の御説明を申し上げております。 一つは、やはり郵便貯金とのバランスの問題がございます。それから、やはり安心感の問題がございます。それからもう一つ、こういう時代ですから、シフトの問題がございます。そういうことの上に、さらに外国の例、外国がこうしているからこうしているという話でもございませんけれども、外国の例でいいましても、やはり付保対象にしている。こういうことも勘案した上での御議論があってこのような答申が出てきている、私はこのように思っております。
○海江田委員 私は、やはりできるだけこの保険料の負担というものは少なくしなければいけないと思っている。それは、結果的に銀行が全部預金者にしわ寄せをかぶせてくるからにほかならないからですけれども、やはりそういうことになったら、一つ一つかなり慎重に、前提にとにかく何でもありだみたいな形で、これもやろう、あれもやろうというような話ではなしに、だから、そもそも本当に一年延ばすのも大いに問題があると思うのですけれども、ここを一つのゴールにして、そこへ向かって一刻も早く健全な金融機関、金融システムというものをつくっていかなければいけないということで、その意味ではかなり、やはり一回禁欲的にならざるを得ないのじゃないだろうかなというふうな考え方をしているわけです。 それに対して、やはり今回の問題は、禁欲的にならずにかなり、どん欲というのですか、あるいは何でもありというのですか、これまでも禁じてきたところにどんどん穴をあけていって、そして保護を厚くしている。これは一体どうしてかな。それで出てくるのが、やはり金融債の問題もそうなんですよ。 金融債をどういうふうな形で保護するのか。これも、確かに金融審議会でもいろいろな議論がありますけれども、これも金融審議会は結論に、これについては「付保対象とすることが適当である。」というような書き方をしているわけですけれども、では、本当にほかの社債とどこが違ってくるのか。金融機関が発行するから金融債ですが、しかも個人の名前がはっきりするものだということなんですが、これは保護預かりだけという考え方になるのですか。それとも保護預かりとは関係ないのですか。
○大野(功)政務次官 これは、転々流通しますと全く把握できませんので、発行体が完全に掌握しているもの、転々流通していないもの、こういうことでございますから、先生のおっしゃるとおりでございます。
○海江田委員 保護預けの場合でも、まさにこれは預金保険なわけでございますから、やはり預金と金融債券というのは、これは違うわけですよ。抜本的に違うのですよ、考え方が。だから、これも、先ほど来話をしているように従来の預金保険では入ってこなかった。預金等の保険じゃないのですよ。しかも、預金だって、外貨建ての預金なんかというのは、これは外しているわけですから、非常に預金というものに限定をしてこの預金保険法という法律はつくっているわけですよ。 それを、金融債ということを入れてしまうことによって、本当だったら、厳密に言えばやはり預金等保険にしなければいけないくらいの私は問題だろうと思うのですね、これは。だから、金融債も預金と認めてしまうことになるのですか。
○大野(功)政務次官 従来から、どういうものを付保対象にするかということで物差しがございます。その物差しの第一は、やはり基本的な貯蓄手段として国民の間に定着していること。二番目に、元本保証がきちっとされていること。三番目に、債権者が特定されており転々流通しないこと、こういうような物差しがございます。 そこで、金融債について言いますと、金融債というのは今申し上げました三つの条件というか基準を満たしている、実質的に定期性の預金と同じような役割を果たしているのではないか。もちろん、転々流通すればこれは別でございます。そういたしますと、その上に、通常個人向け貯蓄手段として販売されているものということに限定すれば、付保対象にすることが適当である、これが金融審議会の答申でございます。したがいまして、金融債全体で、金融債全体でというよりもむしろ、正確に言いますと長銀、日債銀、興銀の三社の金融債でございますが、大体五十七、八兆円ございます。六十兆円。その中の三兆円ぐらいがきちっと、転々流通しないで管理されている。こういうものを付保対象にしていこう。 流れとしましては、金融破綻という大変な厳しい時代、不安な時代にあってやはり安心感を与えましょう、私はこういう流れの中のことじゃないかと。先ほど大臣が、決済も、個人の目から見てももうカード時代だ、決済というのは大変大事だということをおっしゃった。時代の流れとともに安心感、こういうものがやはり必要なんだな、こういうふうに思います。したがいまして、どん欲なのか禁欲なのか、この辺の議論はあろうかと思いますけれども、流れとしては安心感を与えていこう、こういうことではなかろうかと思います。 〔委員長退席、根本委員長代理着席〕
○海江田委員 安心感でいえば今みたいに、幾らでもいいですよという話にすれば一番安心でありまして、あるいは、あらゆる金融商品いいですよというような話になれば一番安心なわけでございまして、そこはやはりおのずから、安心とはいっても、本来の法律の趣旨に基づくものであって、そこを余り大幅に逸脱するわけにはいかないと思うわけでございます。 ただ、この金融債については今、個人がはっきりとしておるものは、保護預かりが大体三兆円ぐらいだというお話がありましたけれども、個人の金融資産は全体で千二百兆円あるわけですから、本当にここの三つの要件は、一つは「基本的な貯蓄手段として国民の間に定着していること」ということで、基本的な貯蓄手段ですよ。外貨預金なんて入っていません、あれは元本の保証がないということもあるのですが。 割引債が基本的な貯蓄手段ですか。あるいは利付の金融債でもいいですけれども。利用者のパーセンテージはどのくらいあるのですか、金融債を利用している人は。
○大野(功)政務次官 手元に数字がございませんので、直ちに調べまして、後ほど御報告させていただきます。
○海江田委員 そんなのおかしいですよ。そこまではあれしていないけれども、基本的な貯蓄手段として国民の間に定着しているとおっしゃったんだから。おっしゃらないならいいけれども、おっしゃったんだから。 ちょっと時間をとめてください。早く持ってきてください、データを。
○根本委員長代理 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○根本委員長代理 速記を起こしてください。 大野大蔵政務次官。
○大野(功)政務次官 保有者数の統計というものはございませんので、これはちょっとお答え不可能でございます。 それから割引債につきましては、これは対象になっておりません。これは払い出しがいつでも可能でございますので、対象になっていないということでございます。 その他の統計については、ちょっと手元にございません。
○海江田委員 いや、今総括政務次官は、基本的な貯蓄手段として国民の間に定着しているとおっしゃったわけでしょう。そのおっしゃった根拠は、何をもって根拠なんですか。御自分が持っているからなんですか。それとも、では、ここにいるうちのだれが金融債を持っているのですか。それを教えてくださいよ。何をもって、何を根拠にして国民の間に定着をしている、あるいは基本的な貯蓄手段だということをおっしゃったのですか。
○大野(功)政務次官 金融債というのはこのほかに、商中金とかそれから農中金、全信連がございます。先ほど申し上げましたのはそれ以外の三つの機関でございます。 これが定着しているというのは、統計的に見まして、例えば先ほど申し上げました五十七兆というのはかなり大きな数字かと思います。それを個人が持っているのか法人が持っているのか、その統計が今ないものですから直ちにお答えできない。しかし、世の中でよく聞く話でございますけれども、例えば金融債を持っていらっしゃる方はかなりおる、これは私どもよく聞く話でございますし、金融債が無記名であることがたびたび、例えば税務執行上問題になっている、こういう問題も事実あるわけでございます。 したがいまして、金融債自体の役割というのは別問題としてあろうかと思いますが、金融債自体が国民の間に定期性の貯蓄としてかなり保持されておる、このことは私どもは、数字でちょっとあらわせないのは申しわけございません、数字で出せないのは申しわけございませんけれども、感覚的な言い方でおわびを申し上げますが、肌で感じる問題じゃないか、このように思います。
○海江田委員 その肌で感じる皮膚感覚は、一般の庶民と随分違いますよ。 今五十七兆と言ったけれども、さっき最初におっしゃったのは三兆円ですからね。一千二百兆の中の、今は一千三百兆と言われている、その意味ではたった三兆円ですよ。これはぜひ調べていただきたいのですけれどもね。 しかも、これは割引債は抜くのでしょう。割引債はだめなんでしょう。それは本当ですね。そうしたら、金融債を利用している人というのはまず割引金融債なんですよ。利付金融債なんてごく少ないのですよ、本当のところ。ちょっとそれはいいの、割引債を抜いて。いいのね。平気ね。 では、割引債を抜いたら、割引債を利用している人は結構たくさん、まあ、たくさんでもないけれども、利付の金融債といったらまず割引債なんですよ。それはどうしてかといったら、匿名性があるからなんですよ。しかも、あとの利付の金融債というのは、東京銀行のリットーなどというのは三年物だから比較的いいのだけれども、あとは五年物でそれほど利回りもよくないから買わないのですよ。それで、割引債は税金の割引もあるわけだから。 だから、利付の金融債で三兆円だと言って、これはそんなに定着なんかしていませんよ。それから基本的な貯蓄手段でも何でもないですよ。これは絶対おかしい。もし本当に基本的な貯蓄手段で国民の間に定着をしているということがあるのだったら、やはりそれは国民の三割だとか四割だとか、それくらいの人が利用していなければそういうことは言えないわけですよ。 一千二百兆で三兆円といったら何%ですか。〇・何%の世界でしょう。これを入れるのはどう考えたって無理がありますよ。どうですか、それは。本当に納得のいくように、身の回りの皮膚感覚だとか肌の感覚だだけじゃなくて、それは政務次官は周りがお金持ちばかりかもしれないけれども、日本の国民全体はそうじゃないのだから。だから、おっしゃったこの三項目にどうして根拠があるのか。 だめだよ、そんなことを言っては。人の質問を聞いていないじゃないか。そんなにうるさいことを言うのだったら後ろのお役人が、あなたが出てきて答弁しなさいよ。あなたでもいいよ。だめだよ、それは。聞いていないじゃないか。じゃ、どうしてなのか、納得のいくように教えてくださいよ。基本的な貯蓄手段で、国民の間に定着しているという根拠はどこにあるのか。これは皮膚感覚だけじゃだめですよ。どこにあるのですか。
○大野(功)政務次官 まず、割引債、これは付保対象になりません。そして三兆円の外枠でございます。したがいまして、三兆円あるだろう。その三兆円は転々流通していませんから、それは法人と個人に分けて、統計はわかりませんけれども、ほとんどは転々流通しないものですから個人向けである、このように推定していいと私は思います。三兆円全部がそうだとは私は申し上げません、それは法人でも保護預かりしているケースもあろうかと思います。しかし、ほとんどは個人のものだろう。 その三兆円が、匿名性があるから金持ちばかりやっているんじゃないか、こういう批判もあるかもしれません。しかし、そうでないかもしれない。そこのところはわかりません。したがいまして、三兆円というものが金融債として貯蓄性を持ってある程度定着しているだろう、これは十分言えることではないでしょうか。
○海江田委員 では、例えば、今回外れている外貨建ての定期性の預金がどのくらいあるのですか。それから貸付信託がどのくらいあるのですか。金銭信託はどのくらいあるのですか。その中で三兆円というのはどういう位置を持っているのですか。これはマキシマムで三兆円ですよ。そんなのが国民の間に定着をして、基本的な貯蓄手段になっていますか。貸付信託は幾らあるのですか、金銭信託は幾らあるのですか、教えてくださいよ。
○大野(功)政務次官 残念でございますけれども、ちょっと統計を手元に持っておりませんので直ちにお答えできません。後に調べまして、御報告をさせていただきます。
○海江田委員 今持ってきてください、そんなの簡単だから、聞けばいいんだから。それまでちょっととめますよ、これはしようがないもの。
○根本委員長代理 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○根本委員長代理 速記を起こしてください。 大野大蔵政務次官。
○大野(功)政務次官 事務的な計数の問題ですから、事務局から答弁させてよろしゅうございますか。
○根本委員長代理 福田金融企画局長。
○福田政府参考人 信託でございますが、金銭信託の残高が八十四兆五千億、貸付信託が二十七兆円でございます。これは平成十一年三月末の計数でございます。
○海江田委員 外貨預金は。
○福田政府参考人 外貨預金は二十一兆三千億でございます。
○海江田委員 今の数字を聞いてどうですか。金銭信託が八十四兆ですよ、貸付信託が二十七兆ですよ。外貨預金幾らなんですか、ちょっと僕、聞いていなかったから。
○福田政府参考人 外貨預金は二十一兆でございます。
○海江田委員 二十一兆ですよね。それと比べてどうですか、金融債が三兆円だという数字は。これは随分少ないんじゃないですか。しかも、基本的な貯蓄手段ですよ。利付金融債を基本的な貯蓄手段にしている人がどこの世界にいますか。本当に僕は聞いたことないよ。本当に一人でもいますか。利付の金融債なら持っているけれども、リッチョーなら持っているけれども、もうリッチョーはなくなりますけれども、興業銀行のなら持っているけれども、リッショーでもいいです、リッショーなら持っているけれども、銀行の定期預金は持っていないとか、そういう人は本当にいるのですか、教えてくださいよ。
○大野(功)政務次官 大きいから貯蓄手段だ、小さいから貯蓄手段でない、こういう議論ではなかろうかと思います。 やはり、例えば量が三兆円であっても、それがかなりの人が貯蓄性資産として持っておればそれは貯蓄性のもの。その貯蓄性のものはどういうものか。先ほど申し上げましたような三つの物差しではかって、それにパスすればいいのではないか、このように思います。金融審議会でそういう御議論をしていただいた上で、その答申に基づいてやっておりますことを再度申し上げたいと思います。
○海江田委員 量が小さくても、三兆円という、ほかの二十何兆とか四十何兆とかと比べて小さくても、多くの人が持っていればいいですよ、それも確かに一つの理屈ですが、では本当に、さっき冒頭に言ったけれども、利付の金融債を持っている人がどれだけいるの。これはまさに普通の銀行預金なんかと違って、銀行預金はロットは小さくったって持っている人が多いんですよ。この利付金融債なんというのは、まさにロットは大きくたって持っている人の数が少ないんですよ。それが金融債の特徴でしょう。今言ったことと全然違うじゃないですか。そこのところ、どうなっているのですか。
○大野(功)政務次官 付保されますのはあくまでも一千万円の限度でございますから、例えば一億円持っている人であっても一千万円までということになりますので、保有者が少ない、しかし、持っているものが三原則に照らして定期性な資産である、転々流通しないということであれば一千万円まで付保しましょう、こういう考え方でございます。
○海江田委員 そんなことを言っているのじゃなくて、もうわかっているはずです。それこそわかっていておかしな答弁をしているわけでございますが、これは全然違うのですよ。これはどう考えたっておかしいですよ、金融債を入れ込むというのは。しかもこの三原則に当てはまるということを言って。当てはまらないですよ、はっきり言って。 だから、当てはまると言うのだったら、本当に全部、金融商品ごとの保有率と残金、それから利用率、これも含めて、これは一番少ないですよ。どう考えたって一番少ないですよ。だけれども、一番少ないけれども、何かの理由があって、おれは自分の知り合いが全部持っているからとか、先ほどの話を聞けば、皮膚感覚では皆さん、総括政務次官のお知り合いの皆さんはお持ちになっているからかもしれないけれども、それならそれでいいですが、そういうことをやはりおっしゃっていただかなきゃ、これはどう考えたっておかしいから、やはり可及的速やかに資料を出してくださいよ、これを利用しているのが一体どのくらいいるんだということを。理屈からいって、本当にこの三原則の、しかも第一原則の「基本的な貯蓄手段として国民の間に定着している」ということを裏づける資料を出してくださいよ。それはお願いしますよ。お願いできますか。
○福田政府参考人 収集できる計数については取りまとめさせていただきますが、今申し上げております金融債につきましては、合わせて三兆円というふうに申し上げております中に、商品名で申しますとワイドとか財形債、財形債ワイドというようなものがございまして、特に後の二つにつきましては、一般財形、住宅財形、年金財形というように、まさに勤労者向けの商品としてあまねく普及している商品であるということでございまして、必ずしも金額の規模のみで判断されたのではないということを申し上げたいと存じます。
○海江田委員 またそういうことを言うのだったら、では、財形で金融債を買っているのは何人いるのですか。その三兆円のうちどれだけあるのですか。それは一兆もありはしないですよ。数千億もないですよ、はっきり言うけれども。数百億あるかないかの世界ですよ。それを言ってくださいよ。
○福田政府参考人 財形だけ取り出しましても一兆三千億くらいございます。
○海江田委員 では、もう一度聞くけれども、財形の内訳を言ってくださいよ。利付の金融債で一兆何千億あるの。
○福田政府参考人 先ほど三兆と申し上げましたが、そのうち、財形でない、よく言われておりますワイドという商品が一兆七千億、それから財形が、今申しましたように財形債、財形債ワイドを合わせまして一兆三千億というところでございます。
○海江田委員 ワイドというのは貸付信託のワイドのことですか、ビッグのことですか。ビッグは貸付信託じゃないですか。
○福田政府参考人 ワイドというのは金融債の商品名でございます。信託が出しておりますのがビッグでございます。
○海江田委員 財形でもって、だから、今までの長銀だとか興銀だとか、それからあと商工中金なんかも入るわけでしょう。いわゆる発券銀行の出している財形をやっている人たちというのが一兆三千億円いて、それは全部利付金融債でやっているということですね。ちょっとここは大事だから。全部利付金融債でやっているのですね。ワイドとか名前は何でもいいんだけれども、利付金融債をそれだけ持っているということですね。それだけちょっと確認します。
○福田政府参考人 まず、先ほどの計数は長信三行でございます、商中とかは入っておりません。それから、御指摘のとおり全部利付金融債でございます。
○海江田委員 では、そのうち、悪いけれども、長銀と日債銀は幾らあるのか、それを教えてよ。
○福田政府参考人 申しわけございません、銀行別の残高は手元にございませんので、また調べさせていただきます。
○海江田委員 どうしてそういうことを言うかというと、勤労者の財形はきちっと守らなければいけませんよ、一つの考え方として。それは一兆三千億あるかもしれないけれども、残りの二兆円がこのワイドだというけれども、それでいえばますます、勤労者の財形を守る手法というのは考えて構いませんよ、それだからといって、残りの二兆何千億かの金融債を利用している人はさらに少ないわけでしょう。では、そこは何人いるのですか、本当にそこでもって保護される人の人数は。それを教えてくださいよ、少なくとも基本的な貯蓄手段で国民の間に定着をしているということを言うのなら。
○福田政府参考人 利用者数につきましては、手元にございませんので調べさせていただきます。 補足させていただきますと、金融審議会でもかなりここはいろいろな意見が出ました。金融債を対象とすべきでないという御議論もありました。これはその性格上預金でない、まさにそういう御指摘もありました。したがいまして、かなり微妙なところでございましたが、最終的に、審議会の答申では対象とすることが適当であるという御見解をいただいたわけでございます。
○海江田委員 審議会は審議会でそれは読んでいますけれども、やはり政府原案で出してきたわけだから、しかもこの三原則があって基本的な貯蓄手段で国民の間に定着をしているということを言い張るんだから、では、本当に基本的な貯蓄手段になっているのかどうなのか、それからあと、国民の間に定着をしているのかどうなのか、この二つの要素に当てはまるのかどうなのかということを、万人が納得のいくような資料として出してくださいよ、当委員会に。そうでなければ、これは議論できないじゃないですか。いろいろあるけれども何だかんだとかいう話じゃなくて、この二つが理由だと言うのだから、それを証明するものを出してください。 それから、悪いけれども、その場合、今のは利付の金融債だから、そのほかの金融商品、全部ありますけれども、その残高がどのくらいあって、利用者数がおおよそどのくらいあってということを出してくださいよ。それは最低の資料としてお願いします。
○大野(功)政務次官 資料を十分検討いたしまして、先生の御要望に沿えるような形で努力させていただきます。
○海江田委員 こればかりやるわけにはいきませんので、生命保険の話もさせていただきます。 ソルベンシーマージン、これがいわば財務内容というか生命保険会社の総合力、総合体力を図る一つの目安だというのですけれども、確かに三月決算のところでは数字が出るのですが、去年の十一月に発表になった九月の中間決算のところではこのソルベンシーマージン率が出なかったのですね。一体何で九月の中間決算のところで出なかったのか。それとも、出すのが難しいとかいろいろな話はあるのですが、これはずっと出さないままでこれからもいくのですよ、三月の決算では出すけれども九月の中間では出さないのですよというような方向でいくのかどうなのか。それはお教えいただきたいと思います。
○乾政府参考人 お答えいたします。 保険会社は年一回決算でございまして、したがいまして、ソルベンシーマージンの計算には資産、負債ということが必要になりますけれども、その数字が三月末しか出ないということに基づくものでございます。
○海江田委員 一回しか出さないということだろうと思いますが、九月の中間でも出せないことはないわけで、厳密なものにはならないかもしれないけれども、おおよその数字、概算のような数字は出るわけでございますから、この比率を出しておいて、これが今のところ一番、それをディスクローズすることによって保険契約者なんかも非常にわかりやすいわけですから。 それから、例えば大手と言われる生命保険会社の中にもやはり三月で三百何十とかいうような生命保険会社だってあるわけですから、それから大手以下の中小になると、ここのところがいわゆる早期是正の二〇〇になるかならないかという、二〇〇を超えてちょっとというところがあるわけですから。 そうすると、一年に一回ではやはりこれは不信感だとか不安感、そういうものも残るわけですから、これは中間の決算を出すのだから、その中間の決算をもとにした数字というものを、暫定的な数字だということは当然断った上でございますけれども、そういうものを出しておいてもいいんじゃないかなというふうに私は思うわけでございますが、それはいかがでしょうか。とにかく年一度だけでいいんだよ、あとは要らないんだよというような話になるのでしょうか、どうなんでしょうか。
○乾政府参考人 先ほどもお答えいたしましたように、保険会社には中間決算という制度がございませんので、ソルベンシーマージンの計算に必要な資産、負債等の数字が出てこないということに基づくものでございます。
○海江田委員 これはしようがありませんけれども。 第百生命がまさにソルベンシーマージン比率をかさ上げをしていた、劣後ローンかなんかをやったというようなことでございますが、業務改善命令を出したということでありますが、そういう意味では、ソルベンシーマージン比率をかさ上げをするなんというようなことは、生命保険会社の実態がわからなくなるわけでございますから、これは本当にここだけの、第百生命だけの問題なのか、ほかにそういうようなところがないのか、金融監督庁が検査をおやりになってもう絶対にないんだ、ここだけなんだということが言い切れるのかどうなのか、お答えいただきたいと思います。
○乾政府参考人 ソルベンシーマージン比率は保険会社が自己責任に基づきまして、関係法令に従いまして適正に算定するものでございます。またそれは、御指摘ありましたように、早期是正措置の発動の根拠ともなっているものでございまして、したがいまして、このソルベンシーマージン比率につきまして、虚偽の報告、発表が行われるということは、基本的に想定されていないところでございます。 当庁といたしましては、万一検査等で虚偽の事実が確認されました場合には、厳正に対処することとしているところでございます。
○海江田委員 数字をかさ上げするというようなことがあったら、本来だったら業務停止とかそういうところに結びついてもいいくらいの事態だというふうに私は思っておるわけでございますから、今回業務改善命令ということでそこにとどまっておりますが、はっきりとした責任のある数字を出させるということは大変大事だろうと思いますので、この問題は今後も非常に厳しく検査をやって、そして、この数字だけはやはりきちっとした信頼性の置けるものにするということをぜひお願いをしたいと思います。 それから、今生保がいろいろな問題を抱えておりますけれども、やはり一番大きな問題は逆ざやの解消の問題だろうと思います。 金利が高かったときの予定利率がそのままになって今もずっと引っ張ってきているということで、本来だったら、いわゆる逆ざやによる損がどのくらいあるのかということも情報開示をすればいいのでございますが、これもなかなか十分にでき切れていないということでございます。大蔵省はこれからどういう方向でこの逆ざやを解消させるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。 〔根本委員長代理退席、委員長着席〕
○村井政務次官 生保の監督の問題でございますので、私の方からお答えさせていただきたいと存じます。 逆ざやの問題、これは確かに大変な問題でございまして、生保協会が出しております数字でも、平成四年から十年までで合わせて十兆というような規模の数字もございましたり、私どもも大変真剣にこの問題をとらえているつもりでございます。 ただ、そうはいいながら、長期にわたる保証をするという観点から、ある時期に高い予定利率というものを設定したことからきたものでございますので、歴史的に、だんだん運用環境が悪化したということでこんな事態になったわけでございますが、結局、今やらなければならないことは、何とかコストをできるだけ軽減する、そのためにリストラに努力する、あるいはさまざまの資産運用のやり方を変えるとかいうようなことで、それぞれの会社が経営努力していくということで対応せざるを得ない。そのあたりのところを私どもとしましても注意深く見てまいるということでいきたい。 そういうことで、今御指摘の点は、私ども、一番重点的に今後とも監督をしていくポイントだと思っております。
○海江田委員 村井政務次官の御答弁でございますが、はっきり申し上げまして、本当の解決策というのは何にも提案をされていないということだろうと思うのです。 生命保険の側に言わせると、この逆ざやの問題というのは、いっとき銀行の救済の方が先に来ましたから、しかも、銀行の救済の手法として、今は枠組みがいろいろできましたけれども、例えば資本注入なんかのもっと前の話で、とにかく国債を買ってもらって、国債をだんだん金利を低くしていって、その国債を売った利益でもって業務純益を上げて不良債権を償却していくというのが何年か続きましたから、表向きそういうことをやったということは言わないでしょうけれども、確かにそういう手法で業務純益が上がったという経緯はあるわけでございます。 だけれども、反面、そうやって金利がどんどん下がっていきましたから、まさに五%だとか六%近い金利で予定利率を組んでしまったものが、ずっとそのままその高い予定利率を引っ張っておるわけでございますから、今回も、預金保険法と絡みの法案の改正の中で、当然、予定利率の引き下げということは議論になったと思うのですよ。 一つは、かなり乱暴な意見ですけれども、これは法律でやるしかないから、既契約分の予定利率というものを下げてしまえということ、これができれば一番いいわけですよ。 それからもう一つは、何ぼ何でもそうやって既契約分すべてを下げるということは無理だから、それならば、例えば早期是正措置が発動になった保険の既契約分については、予定利率を下げるというような案文を盛り込んでもいいんじゃないだろうか。それについて言えば、日産生命だとか東邦生命の破綻のところで実際に予定利率が大幅に引き下げられているわけですよ。 だから、生保の契約者の側から言えば、銀行の場合は、先ほどからずっと議論をしておるように、ペイオフというのはありませんよ、法律はあるけれどもそれは発動しませんよ、しかも今度また一年延ばしますよ、決済性についてはさらに延ばしますよと、ペイオフはどんどん先送りをしている。だけれども、予定利率の引き下げというのは、破綻をしてしまった生命保険会社の契約者にとってみれば、いわば一種のペイオフなんですよ。だから、金融機関、銀行に預けた預金の方はそうやってペイオフなしでずっと守られているけれども、自分たちのやった保険契約というのはペイオフがあったのと同じようなことだということを言っている人もいるわけですよ。 そういう形であって、そこでもって出てきた既に破綻をした生命保険会社については、そういう形で、事実上のペイオフと同じような予定利率の引き下げをやっている。だから、予定利率の引き下げということ、せめて早期是正措置が発動になったところでもって予定利率の引き下げはあってもいいんじゃないだろうかというような意見が当然あったはずなんですが、その意見というものに対してどういうようなお考えを持っておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大野(功)政務次官 まず、保険会社として予定利率を任意に引き下げていく、これは現行の法律上はできないということでございます。 しからば、先生御指摘のように、早期是正措置のときどうか、こういう問題でございますけれども、これは今回、会社更生法というものを適用することによりまして、早期発見、早期治療、この場合に予定利率を下げていく。本当はみんなでやればいいのですけれども、みんなで話し合ってやるということがあろうかとは思いますが、それは憲法上保障されている財産権という問題と矛盾してまいりますので、やはり法律のもとできちっとやっていく、こういう考え方であります。
○海江田委員 この問題は非常に大きな問題がありますので、いずれまた議論させていただきたいと思います。 私、さっきの預金保険のところで、可変料率の問題、ちょっと戻っちゃいますけれども、可変料率は本当に公平公正に導入できるのかという話と、それから、アメリカは確かに可変料率を導入していますけれども、アメリカの場合は、可変料率を導入する前に、この金融機関は健全かどうかという査定をやるわけですから、健全になれば、これは何も保険料を払わないでいいという話になっているわけですよ。可変料率の導入という話は、かなり多くの部分のいわゆる健全銀行というものに対する、保険料を取らない仕掛けとつながってくると私は理解しているのです。アメリカは九割ですからね、取っていないのが。 そういうような、今みたいに全部の金融機関が保険料負担をしている、しかも預金量の多いところがたくさん負担をしているのと、九割もそういう預金量の大きい健全銀行が保険料の負担から抜けちゃうわけですよ。だから、こんな可変料率ができるのですか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○大野(功)政務次官 可変料率というのは将来の望ましい姿であろうかと思います。しかし、現状を見ますと、一般勘定におきましても一兆三千億円の借金となっております。しかも、今後どういうふうな展開になっていくかわからない。したがいまして、我々としましては、将来そのようなことができるように今回法律改正だけはやっておる次第でございます。 しかしながら、一般勘定で借金がきちっと返済され、そして金融システムが安定していく、こういうときこそ、また将来議論して可変料率のことを考えなきゃいけない、私はこのように思っております。
○海江田委員 どうもありがとうございました。
○金子委員長 次に、北橋健治君。
○北橋委員 民主党の北橋健治でございます。 きょうは、私は、保険業法並びに関連法案の質問に絞って以下質問をいたしますが、与野党の理事会におきましても、預金保険法も政府側にとりましては大事なんでしょうが、極めて重大な問題点がございますし、そしてまた一方、最近、保険三社に対しまして資本増強を要請したというような報道もございまして、やはりセーフティーネットの再構築が急務ではないか、そういった意味におきまして、保険業法につきましては先行して審議、採決が望ましいのではないかと思ってまいりました。そういった意味で、今回そうならなかったことは大変遺憾である、こう思っております。 さて、この問題に入りますときに、私はやはり、大蔵行政、かつての護送船団方式のときから今は修正をしつつあるわけでございますが、今回新たに財源措置を講じて種々の法改正をするということには、大蔵省当局のこれまでの指導について非常に大きな問題があったのではないか、そこからまず始めさせていただきたいのです。 御案内のとおり、日産生命に続いて、東邦生命という中堅、大手の生保会社が破綻をいたしまして、その破綻の実態が明るみに出るに従って、驚くべき巨額の不良債権その他の問題があることがだんだんわかってきたわけでございます。これは、全世界的に見ても、このような大きな破綻というのは例を見ないのではないか。それによって、安心といいますか、生保に対する信頼度が我が国において非常に揺らいだということは重大なことだと思うのですね。 これまでも、保険業法等を通じまして、各生保会社の健全な運営、発展のためには、大蔵省もいろいろと指導をしたり、あるいは政策や税制を通じて誘導してきたはずでございますが、まず、このような大きな破綻が相次いだということに対して大蔵省の監督責任をどうお感じになっていらっしゃるか、そこからお伺いをしたいと思います。
○村井政務次官 私ども金融監督庁が当時の大蔵省の監督業務を継承している、こういう立場からお答えを申し上げたいと存じます。 日産生命それから東邦生命、この二つが破綻した、これは確かに大変な規模のものでございまして、私どもとしましても大変深刻に受けとめておるわけでございます。 日産生命の場合は、非常に特徴的でございますのは、平成九年に、当時の大蔵大臣談話でも触れられておりますけれども、大変高い予定利率、五・五%中心でございますが、個人年金保険を他の会社に比べても特に大量に販売するというようなことがございまして、これが日産生命の場合体力を非常にむしばんだ、こういう現実があるように思えます。 それからまた、一方で東邦生命でございますが、この場合も、昭和五十九年ごろをベースにいたしまして、平成三年ごろまでの経過を見てみますと、非常に資産が急拡大しているわけでございます。そして当時予定利率が非常に高かったというようなことがございまして、これが、その後の予定利率の急激な低下、それから、当然のことでございますけれども、資産運用が非常に不適切だったというようなことから、結局のところ破綻に陥ったということでございます。 ただ、これに対しまして、私ども、こういう事態がある程度はっきりしてまいりましてからは、破綻前の両社に対しまして、経営改善につきまして相当強い指導を行ったところでございまして、監督当局としては当時できる限りの努力はしたわけでございますけれども、私どもがつかんだ段階では、既に回復不可能な段階にまでなっていたという非常に残念な状況であったということを申し上げざるを得ないと思います。 これからの私どもの態度でございますけれども、保険会社の財務内容の実態把握のために検査をともかくしっかりやりまして、既に第五弾までやっておりますけれども、こういう実態把握によりまして、また、必要があれば早期是正措置などを打つということで対応をしてまいりたい、これが私どもの深刻な反省に基づく今後の方針ということに御理解をいただきたいと存じます。
○北橋委員 今の説明の中で、予定利率が非常に高い商品がいっぱいあったということですが、これは商品は認可制になっているわけで、そういった意味でこれまでも保険業法に基づいていろいろと指導監督はできたわけでございまして、反省の弁としては、私どもは、本当に深刻に監督責任を感じていらっしゃるのだろうかということを感じるわけです。これは後ほど、いろいろとるる質問する中でまた触れさせていただきます。 今回の新たな法改正が提起されたときに、マスコミ報道の受けとめ方というのは、大臣、結構厳しいものがありますね。結局何のためにこういう保護措置を新たに講ずるのかとか、与党内にもいろいろな賛否両論があって議論は腰砕けである。したがいまして、今回新たな補助金の準備をするわけでございますが、空手形に終わるのではないかとか、非常に議論が中途半端である。また、外資系から言われていることは、十日間ぐらいでばたばたで決まってしまった、そしてまた新たに負担を迫られる、これでは株主に対して到底説明がつかない、日本の金融行政は一体どうなっているのか、こういう批判もあるわけです。 質問をさせていただきますが、大臣は、提案理由説明の中で非常にそっけなく今回の提案理由を述べていらっしゃるわけです。普通は、これだけのことを、公的資金を用意するわけでございますから、納税者の皆様に十分納得がいくように、その政策の効果も含めてきっちりと説明義務を負っていると私は思うのですけれども、非常にそっけないものであります。 そこで、まず聞きますけれども、最初に大臣は、「我が国の保険業を取り巻く環境は厳しいものとなっており、」云々とあります。環境は厳しい、まず、何が原因でこうなっていると分析されているのでしょうか。
○大野(功)政務次官 厳しい経営環境の原因はどういうことかというお尋ねでございます。 これは、生命保険会社の経営状況につきましては金融監督庁の所管でございますけれども、生命保険会社というのは、まず、先ほども議論になりましたけれども、保険契約者に保証した利回り、いわば予定利率を運用利回りで賄えない、いわゆる逆ざやの問題があるわけでございます。この逆ざや問題が大変経営を圧迫しているわけでございます。それからもう一つは、新規の契約等が減少してまいっておりまして保有契約高が減少しているところでございます。そういう意味で大変厳しい経営環境ということを申し上げております。
○北橋委員 二番目に言われた新規契約が減少してきたというのは、この二年間、戦後初めてのことだというふうに聞いているわけなんです。これはやはり、日産生命、東邦生命の破綻に伴って、いざ破綻すると自分の期待していた契約がカットされる、それによって生保への信頼が揺らいでいたということだと思うのですが、やはり、逆ざやという問題が一番深刻な背景にあるということですね。 それで今、超低金利政策がこの間続けられていることによって一兆六千億円ぐらいの規模の逆ざやが出ているということです。大変な規模の逆ざやに苦しんでいるわけでございまして、別に私は破綻した会社の肩を持つわけではございませんが、その逆ざやのプレッシャーに耐えかねて、かなりリスクの高いことを承知でいろいろなことに手を出して、ますます傷を深めて破綻額をあのように巨大にしてしまった。だから、基本的には、逆ざやという大変大きな問題をこの際解決しない限り、私は、基本的な生保に対する信頼の再構築は困難ではないか、このように考えております。 そこで、超低金利政策を一体いつまで続けるのかということについては、それぞれいろいろなところで質疑がございまして、基本的には日銀の決めることであるということではありますが、しかし、今や財政その他政策を論ずるときに、大蔵大臣としても、低金利政策の今後の扱いについては非常に深い関心もあるし、いろいろの席でも御発言をされていると思うのですね。 やはり私は、もう限界が来ているのではないか。改めて生保の問題を考えるときに、生保だけではない。これは、企業における企業年金の積み立てだとかそういったところにも大変に深刻な問題がありますし、あるいは個人の家計におきまして利子所得が物すごく減っている。これについてもいろいろやりとりがあって、なかなか具体的な数字が確定はしていない。大きく見れば本当に大変な利子収入の減というものがある。こういうことによって、もはや、生保の経営は氷山の一角でありまして、とにかく家計においても消費が凍りついてなかなか解けない、あるいは年金、退職金の積み立て、これはもう通産省の試算でも巨額の数字に上っているわけでございまして、いろいろなところに矛盾があふれ出している。そういう中において超低金利政策を継続する意義がどこにあるのだろうか。これはこの際転換すべきときではないか。それを質問するわけですが、大蔵大臣、御答弁をお願いいたします。
○宮澤国務大臣 前段にお述べになりましたことは、私は基本的にそのとおりだというふうに思っております。 つまり、今の保険会社の現状というものが、いわゆる超低利政策の結果逆ざやという現象、これが基本にあるということは否定することは私はできないと思います。ですからそれは、いわゆる低金利政策のもたらした一つの結果である。一つの弊害である。また、これは保険会社ですから計算ができますけれども、国民経済全体、家計まで含めました損失と申しますか影響は、恐らく非常に大きな金額である。それも私は御認識と一致いたしております。 ただしかし、今度はそのような低金利政策がもたらしましたプラスのメリットというもの、これもまたよく御存じのとおりであって、金額的にこれを計算することはこの場合も難しいと思いますけれども、日本銀行としては、プラスマイナス、計算をいたしました上で、将来の展望も考えながら、昨年の二月でございましたか、以来こういう政策を堅持してきている。 日本経済におけるメリット、デメリットを考えますと、総合的には日本銀行の金利政策を私は支持いたしております。私の口を入れることではないかもしれませんが、しかし結果として、そのことのメリットは大きいというふうに私は考えておりますし、国際的にも、日本の置かれた経済状態、日本がこれから志向しなければならない不況脱出について、この政策のメリットは恐らく評価を受けておるのではないか、非常に異常な政策ではありますけれども、と判断をしております。 これがいつまで続けられるかは、今委員のおっしゃいましたようなメリット、デメリットを考えながら、日本銀行の政策委員会の諸兄がお考えになることだと思いますけれども、恐らく日本経済、景気回復のある段階において民間の資金需要というものは必ず出てくるはずでございますから、それに即応したような形でまた日本銀行としていろいろ考えられるのではないか。専ら中央銀行当局の考えられることではありますけれども、恐らくこれからの我が国の景気回復、なかんずく民間の資金需要の見通しによってその将来をさらに検討していかれるということになるのではないかと思っております。
○北橋委員 ということで、結局この問題は、今後の景気回復の状況、それに伴う資金需要というのがかぎであるということなんですが、それにしましても、デメリットとおっしゃいましたけれども、通産省の試算で、一部、二部上場の企業において企業年金の積み立て不足が約四十兆円になる、これが新会計基準に移行されるに伴いまして、今、各企業は大変な苦痛にさいなまれているわけでございまして、企業の、職場における年金、退職金の積み立て不足というのは極めて深刻な問題だと思うのですね。 それから千二百兆円を超える個人の金融資産といいましても、半分以上は高齢者の大事にしている預貯金だ、こう聞いているわけで、これだけ生保が逆ざやで苦しみ、そのために破綻が出てくると、大事に思っていた生保というものが安心できなくなった。そしてまた今回の年金改悪で、将来はまたまた厳しくなる。そして利子収入は全く凍りついたままだ。こういう状況の中で、GDPの六割を占める個人消費が果たして解けていくのだろうか、そういったことを考えますと、この超低金利政策におけるゆがみというものは、たまたまきょうは生保の問題ではありますけれども、非常に大きな、国民経済的に見たデメリットを招来している、こう考えるわけです。 そこで、今の大臣のお答えにもございましたように、今後の低金利政策を続けるかどうかの判断の基準は景気動向にあるわけですけれども、大臣がこれまで、当委員会におきましても、あるいはマスコミでお答えになっているところを見ましても、日本の景気回復については非常な自信をお持ちのようだ、そのように受けとめるわけです。今後新たな財政の追加が必要かどうか、公共事業の前倒しは大蔵大臣は必要ないのではないかというふうに伝えられておりますし、そしてまた補正予算の追加につきましても消極的であるかのように伝えられております。政府の中におきましても、堺屋長官との間に、今後の景気認識についてはいろいろと意見があるようでございますけれども、大臣は一貫して、景気は着実に回復基調に向かっているという趣旨のことを言ってこられました。そうなりますと、低金利政策の転換も時期は熟してきているようにもなるわけなのですが。 お伺いいたしますけれども、民主党の考えとしては、景気の自律的回復にはほど遠いという認識を持っております。それは、企業でリストラが続いて失業の不安がある、将来に対する、年金や生保に対する不安もある、したがって個人消費は全く凍りついた状況から解けていかない、そういう中で、若干ながら設備投資に明るさがあるといっても、それは一部の業種でございますし、そしてまた企業は、収益を回復してきて設備投資へ回すといっても、その分関連協力企業に対する単価切り下げ等による大変な負担のしわ寄せもあるわけです。そういった状況の中で、企業の設備投資に果たしてどれだけ大きな力強さを感じていいのだろうか、そういうことをもろもろ考えますと、景気の自律的回復にはほど遠いという状況なんですが、大臣にお伺いします。景気は自律的回復に向かっているのでしょうか。
○宮澤国務大臣 私は結論としてそう考えておりますが、今おっしゃいましたことは、いわゆる景気論争の最も基本的な部分に触れていらっしゃるわけです。 このたびの経済変動というものが恐らく日本経済全体、二十一世紀に向けてのあり方を基本的に変えるような性格のものであると私も思っておりますので、その中における雇用の問題、失業の問題あるいは消費、給与の問題は非常に大きな部分であることは違いありません。現に、十—十二月のQEにおきましても、消費、所得の非常な不調というものは報道されました。一—三月においてそれがどうなりますかでありますが、今の雇用を考えますと、やはり雇用というのは基本的には遅行指数でございますから、リストラが進行していきますと、雇用の状況はもう少し悪くなる可能性は私は否定いたしません。ただ、政府は、一昨年からそういうことはわかっておりますから、いろいろな雇用対策を講じてまいりましたし、今もいたしておりますので。ここへ来まして、いわゆる学卒の問題、あるいは中小企業にまでいきましたリストラクチャーの問題が、雇用について非常に難しい問題を投げかけておることは私は疑いません。それは遅行指数であることもあって、もうちょっと雇用指数は悪くなる可能性があるように思います。 ただ、しかしながら、有効求人倍率というものは悪くなっておらないところを見ますと、例えばかなりミスマッチのような問題もあるのだろう。それは政治がいろいろ工夫しなければならないところでございますが、そういう問題もございますし、他方で、十—十二月でも設備投資はプラス四・六。これは長いこと待っていた、ようやく設備投資が水面上に顔を出したということでございますから、この将来には期待がかけられる。雇用情勢が遅行指数として最後に悪くなってきたときに設備投資の方がようやく間に合ってきたかという、大まかに言いますと、そういう感じを持っております。 もちろんおっしゃいますように、雇用が新しい日本経済あるいは経済社会に完全にマッチするのには、アメリカのようなことを我々はいたしませんし、また、していいことでもありませんから、時間がかかることではあろうと思います。思いますが、明らかに設備投資はそっちの方を志向しておると思われますから、これから後、非常に目を見張るような回復があるというふうには私は別に思っておりませんけれども、少なくとも、年率にして一%とか、あるいは二%とかいうような成長軌道に回復していくことは可能だし、また恐らくそういうふうになるのではないか。そのテンポが非常に緩やかでありますから、余り目を見張るような期待をしておるという意味ではありませんけれども、過去のように、マイナス成長のサイクルからは明らかに脱却していくであろうというふうに考えております。
○北橋委員 そうしますと、大臣の景気認識によると、報道されているように、公共事業の前倒しは必要がない、そして新たに補正予算を組む必要もない、このように考えていらっしゃるわけでしょうか。
○宮澤国務大臣 必要があれば必要なことはいたさなければならないのはもちろんでありますけれども、ただいまのところ、私はそういう必要は見えていないと判断しております。
○北橋委員 非常に明るい展望を語っていただいているわけですが、設備投資につきましてはともかく、個人消費について、一、二%の成長に乗るような雰囲気というのは、我々には全く見えない。本当に凍りついた状況でしかない。 その最大の原因は、将来に対する先行き不透明、いわゆる不安というものが次から次へとこの間、いろいろなことを通して消費者の中に、マインドに組み込まれているからだと思うのですが、GDPの六割を占める個人消費について、果たしてその回復の兆しというのはあるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 簡単に申しますと、十—十二なんというのを見ますと悪過ぎるという感じでございます。確かに、家計調査を見ましても、所得も消費もあるいは消費性向も、余り大きな期待を家計調査は示しておりませんけれども、それにしても悪過ぎるわけでございますから、これに多少の改善があっても別に不思議はない。しかし、おっしゃいますように、消費が中心になってGDPがどんどん上がっていくといったような姿ではないということは私も憂いを同じくしていますけれども、これがさらに下がって足を引っ張るというような状況でもまたなさそうだ、この程度のところでございます。
○北橋委員 景気認識は民主党との間にかなり開きがあるわけなんですが、それでも、今るるお伺いしてきましたのは、やはり超低金利政策によるさまざまなひずみ、ゆがみという問題が、もうそのデメリットは看過し得ない状況をはるかに超えてきている、したがってこれは軌道修正すべきときに来ている、こう考えるわけです。 日銀の御判断は、デフレ懸念が払拭できるような環境ということをおっしゃっているわけなんですが、最近の速水総裁の三月二十一日における講演の中でも、それについていろいろと触れておられます。その中で、決め手は、民間需要中心に自律的に回復していくという見通しがしっかりしてくることが大切だ、民間需要という場合、基本的には個人消費、設備投資だ、どちらが欠けても好循環は続かない、そういうことがあるわけでございますが、大臣のお話を聞いておりますと、これはもうデフレ懸念は払拭できるような環境になっているのじゃないでしょうか。超低金利政策を見直す環境が整っていると、大臣の景気認識を聞いておりましてそう感じるのですが、いかがでしょうか。それでも日銀の超低金利政策の継続を支持されるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 設備投資は大体これでよろしいんだろうと思いますけれども、先ほども申しましたように、雇用状況は、遅行指数であることもありますが、なお一月ですか二月ですか、あるいはもう少しですか、なおちょっと急な改善は見られない、むしろ一遍、もう一つ少し悪くなるかもしれないと思いますが、大局的には、設備投資が回復してまいりますとそれもそれ以上落ち込むということはないであろうと思いますので、あわせまして一%やそこらの成長は可能だろう。その間にあって、確かに今の低金利政策というのは、成長にプラスになる面と実は非常にそうでない面とがございますから、日本銀行においてまたそういう状況で判断をされることになるのではないだろうかというふうに思います。
○北橋委員 きょうは日銀総裁にお越しいただいておりませんので、また別の機会に引き続きお願いしようと思っておりますが、いずれにしても、銀行については、低金利政策で一九九五年以降極めて高水準の業務純益を確保している。ところが、生保については、この七年間で十兆円ぐらいの逆ざやという問題に悩まされている。しかも、いろいろなところでさまざまなゆがみも出ているということで、デメリットにつきましては、これは相当突っ込んで議論をすべき問題であると思っております。別の機会に、日銀の方を交えて議論させていただきたいと思っております。 さて、今回、破綻した会社が出てまいりまして、新たなセーフティーネットを再構築するわけでございますが、これまでも各委員から御指摘もございましたが、言うならば、銀行でいうと不良債権に当たるようなものが、いわゆる高利回りの、予定利率の非常に高い商品だと思います。これを、既に契約しているそれぞれの商品について予定利率を引き下げるという方法をとらなかったのは、財産権の侵害だという御指摘が政府側から答弁があったわけでございますが、それだけでしょうか。
○大野(功)政務次官 まず第一に、社員お一人お一人と話し合って予定利率を引き下げる、これは言うまでもないことですけれども、大きい生命保険会社でございますと一千万人以上の社員がおりますから、到底不可能である。それから、もう一つ考えられますのは、総代会で決めたらどうか、こういう話でございますけれども、これも、平成七年の法改正まではできたわけでございますが、財産権の侵害ということでできない。 今の行政手続の中で予定利率が変更できるのは、やはりきちっとした司法手続のもとである。ただし、相互会社に会社更生法を適用できませんので、今回、相互会社にも会社更生法を適用するようになった、そんなことでございますけれども、考え方といたしまして、やはりきちっとした司法手続の中でやっていく以外に方法はない、こういうことではないかと思います。
○北橋委員 財産権の侵害という憲法上の大原則を出されますと議論はとまっちゃうのですけれども、公共の福祉にしましてもそれがすべてでないわけで、いろいろな知恵を使えば、憲法の許容する範囲内でいろいろなポリシーは考えられると思うのですが、私は、それ以上に、実態的に、現実的に非常に難しいという事情があるのではないかと思うのです。 ある生命保険の評論家によりますと、言うなれば、既契約部分を全部下げるというのは徳政令のようなものでございますが、もしそれをやりますと、生保に対する深刻な生保不信が生じる、総資産の数%が一挙に流出する可能性は否定できない、九八年度の解約返戻金が生保全体で約七兆四千億円だったことを考えると、この評論家は、二年分以上の解約返戻金の流出は必至である、生保はパニック状態になる、こういうことを指摘しているわけです。 何人かの評論家の言い分を聞いてきましたが、やはり規約の利率の引き下げについては、非常に危険なかけになって、とても当局としてはとり得ないというような議論があったやにも聞くのですけれども、そういう議論はされましたでしょうか。そしてまた、もしもそれをやった場合に重大な生保不信が生じてしまう、それが生保の経営、存続にはかり知れない、怖い問題が発生する、そういう認識に対して、支持されますか。
○大野(功)政務次官 先生御指摘のとおりでございます。 契約者に対して約束を破る、こういう保険会社はもはや信頼できません。信用できません。安心感を全く失ってしまうわけでございます。したがいまして、契約者の信用を失って、そういうことになりますと解約が殺到するのじゃないか、結局、保険会社自体が破綻してしまうのではないか。したがいまして、そういうことを考えてみましても、現実的には機能しないのじゃないか、こういう議論はございますし、私もそうだと思います。
○北橋委員 それで、今回いろいろな措置を講ずるわけでございますが、この予定利率の問題については、当局は全くその責任がないわけではないのではないかと思うわけでございます、予定利率は当局の認可制でありますし。そういったことについて、その責任をどうお感じになっていらっしゃるでしょうか。
○村井政務次官 御指摘のように、生保の予定利率でございますが、これにつきましては、資産運用実績等を踏まえまして、予定利率引き上げの認可申請というのが行われたのに対しまして、当局として、当時における資産運用利回りの状況ですとか保険会社の経営状況、こういったところを勘案しまして認可したという例が、近年でございますと昭和五十一年、それから昭和六十年、この二回ございます。 その当時の実態を申しますと、運用の現実の利回りが八%を超えるような水準であったとかあるいは七%程度の水準であったとかいうようなところで引き上げを認めたわけでございまして、当時は含み益も十分ございましたし、そういう意味では、当時の判断としては十分に正当化できるものではないか、私はこんなふうに思っているところでございます。 ただ、そうはいいながら、ここ近年の実情を踏まえますと、私どもといたしましても、こういう経済、金融環境が大きく変化してきているという事態を考えまして、適正な予定利率の設定を行いまして、また、資産構成につきましてもできるだけ適切な対応をとるように、いろいろ監督、検査の面でも努力をしてまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。
○北橋委員 かつて引き上げについてかかわったことがある、お話を聞いておりますと、当時としてはそれはよかったんだと言われているのですけれども、これは当局の認可によって予定利率も定まっているわけで、それを下げるということができない商品である。そして、高い予定利率を抱えているために逆ざやで苦しんでいる。こういうことでございまして、そして、政府は公的資金をあえてまた用意するわけでございますから、当時の判断として正しかったと言われますと、これは果たしてそのような整理でよいのであろうか。 改めて、昭和五十年六月の保険審議会の答申をちょっと読ませていただきましょう。当時の政府は一体どういうことを考えておられたのか。この審議会の答申に基づいて政府は行動されたと思うのですが、予定利率についてこういう答申を出していますね。「安全性を過度に見込み、予定利率を低く抑えて保険料を設定することには問題がある。」「昨年十一月簡易保険が予定利率を五%に引上げたこと等からみても、現在の四%中心の予定利率については、その引上げを検討することが必要である。特に、保険期間が十年以下の契約については、」「更に高い予定利率を用いるべきである。」 手足を縛ってきたんじゃないでしょうか。この責任は大きいと思うのです。
○村井政務次官 もう一点申し上げなければなりませんのは、先ほども申し上げましたように、私ども、確かに、引き上げの認可申請が出てきたのを認可したわけでございますが、一方で、それにつきまして、今度引き下げの認可申請というのは出てこないわけでございますね。私どもの方から引き下げろとは、これはなかなか言える話ではない。これは今まで御議論のあったところでも十分御理解いただけるところかと思います。 それからもう一つ、当時の問題としましては、簡保の方で引き上げがあった、そういう意味では、それと競争状態にございます生保のサイドでもやはり引き上げなければならないような競争環境にもあったし、またそれが当時の時点では十分可能な運用利回りを実現していた。これはやはり一つの事実として、私、再度申し上げざるを得ない点だと思っております。
○北橋委員 今、簡保のお話を例にとられまして、当時はいい判断であったという御説明なんですが、それはそれとしまして、ちょっと簡保の御指摘があったので、今回の法改正で簡保の存在というものについて理論的にどう整理をされたか、それについてお伺いをいたしましょう。 今回はいろいろなところから要請が出て、それの議論を尽くされて今回の結論に至っていると思うのですけれども、在日の米国商工会議所の方から、今回、「簡易保険の事業拡大にかかる郵政省の新たな意図に関する意見書」というのが出されております。つまり、「民間の商品と競合し、保険業界の規制緩和を逆行させ、かつ行革・ビッグバンを阻害する「kampoの拡大」を計画している。この拡大は、日米保険合意の目的である「市場アクセス」に反するものである。」という意見書がそちらにも届いていると思うのでございます。 簡保のことを例にとられましたので、これからもいろいろ保険業法について指導するときに簡保の問題はついて回ると思うのですが、こういった問題についてはどのように回答をされているのでしょうか。
○大野(功)政務次官 具体的に書簡の内容、その応答ぶりを私は見ておりませんので、お許しをいただきまして、事務局から答弁させていただきたいと思います。
○福田政府参考人 先ほど御指摘の米国との関係につきましては、簡保の問題でございますので、米国の当局と郵政省当局との間で協議が行われたと承知しておりますが、詳細については存じておりません。
○北橋委員 質問通告しておりませんでしたので、今ここでその問題はあえて取り上げませんが、いずれにしても、いろいろと理由を述べられるのですけれども、保険業界に対して上げろと言ったことは間違いないわけで、そういった意味で、私は、やはりその点の責任も感じてほしいと思います。ここでやりとりしましても前に進まないでしょうから。 私は、そういった意味で、今後、当局が商品認可にする場合、届け出制にせよという議論も審議会で出ていると思いますけれども、やはり弾力的に届け出制的なものに向けて踏み切っていくべきではないか。こういう形で審議会で縛って一つの方向性を出す、何か問題が起こったときには、その当時は正しい判断だったし、簡保の動きもあったし、引き下げを言うこともできなかったしと、そういう認可であるのならば、届け出制にした方がいいことはないですか。
○村井政務次官 保険というのが、非常に長期的な期間の保障を与えるということでございますので、そういう意味では、その当時、その時点において予見可能な諸要素を勘案いたしまして一定の判断をしていく。一方で、保険契約者の保護を図らなければならないという要請がございますから、単純に届け出というわけにも一般論として——私はこれは監督官庁としての立場がございますから発言にちょっと限度がございますけれども、やはりそのような届け出というような形で処理することはいかがかという感じがいたします。
○北橋委員 これについては審議会でも今るる議論がされております。また、銀行や損保との関係も含めて議論があるところでございますので、別の機会に譲りますが、いずれにしましても、長期にわたる運用でございますから、昭和五十年、五十一年に当局がとった対応、これについての責任は重大である、このように指摘しておきたい、こう思っております。 さて、今回、生命保険契約者保護機構の財源問題、そしてセーフティーネットを再構築するという問題について以下質問するわけでございます。 この問題については、国内の各方面からいろいろな要請があったことも事実でしょうが、今やボーダーレス、グローバルな時代になっておりまして、外資系の企業もたくさん日本国内で営業しております。私は別に外資系を大事にしろとかいうことでは決してございませんが、いわゆる自由主義経済、規制緩和が進む中で、株主に対して常に説明義務を負いながら営業を続けている。日本の自由主義経済、表向きはそうなんでございますが、非常にディスクロージャーも不十分ですし、そういったことについては大変な不信感を持っている。だから、日本の経済を、外からの涼しい風を当てて、世界の競争にたえ得るようなものにしていくという意味におきましては、たまたま外資系の生保がああだこうだということでは決してなくて、非常に参考になるところが多いのではないか、こう思うわけです。 今回、政府が昨年にこのセーフティーネット再構築を決めたときに、アメリカのロス議員、アーチャー議員、いずれも上院、下院における有力なリーダーでございますが、この方々が日本政府の方法について意見書といいますか書簡を送ってきたと聞いているのですが、そのポイントは何でございましょうか。
○大野(功)政務次官 金融の世界というのは、御指摘のとおり、グローバリズムの中でやっていかなきゃいけない、そういう意味で外国の指摘も参考にしろ、こういう御指摘だと思います。そのとおりだと思います。 そこで、ロス、アーチャー両議員の書簡の概要でございますけれども、日本政府に対しまして、昨年十二月十七日付で送られてきております。外国保険会社には今回の生命保険契約者保護機構の財源対策にかかわる議論に参加する機会が与えられなかったのではないか、これがポイントでございます。 これに対しまして、政府の方からは、保護機構の臨時総会等の場において、当局より、外国保険会社を含む加入会社全体に対して質疑応答を含めた説明を行った。それからもう一つは、業界負担一千億円の追加につきましては、外国保険会社を含む保護機構の総会決議において方針が決められたものであり、政府が強制したものではないという旨の回答を行っております。
○北橋委員 要するに、外資系の生保の企業の声もぜひ聞いてくれ、そういうことだと思うのですけれども、基本的に、アメリカの議員が言ってきたことも、あるいはアメリカにおける保険業界の立場も考えますと、なぜそもそも一千億円という民間の負担を今回するんだ、何で一部の破綻した企業の分まで、お客様と株主を抱えている、健全な運営をしているところまでが負担を迫られるのか、なぜなんだという、民間負担に対して反対をしているのじゃないでしょうか。これについてはどのようにお答えになられたのでしょうか。
○大野(功)政務次官 私、書簡を読みますと、ディスクリミナトリーという言葉があります。それは、考えてみますと、一つは、外国、アメリカの保険会社は逆ざやになっていない、逆ざやになっていないものまでが、仮にいろいろなことが起こった場合に、保険料負担をさらにふやされる、こういうことが一つ。 それからもう一つは、先生先ほどおっしゃったように、株主に対して説明をしていかなきゃいけない。やはりアメリカの保険会社、ほとんど株式会社構成のようでございますので、株主に明快に説明していかなきゃいけない。こういうことからこういう書簡が来ているのだ、このように思っております。
○北橋委員 今回、この法案が成立をいたしますと、不幸にしてまた新たな破綻があった場合には、足りなくなれば補助金ということになるのでしょうけれども、その場合、外資系の企業が指摘して、私も、法律で通るわけでございますから、その一千億円の財源というものは保証されると思うのですけれども、そういう説明では株主には説明がつかないんだということを彼らは言ってきています。 どういうことかというと、補助金ということが今回決まりましても、それの支出が必要な状況が仮に不幸にして生まれた場合には、また新たに国会の議決が必要である。そのときに大蔵省の方から、また公的資金を投入するに当たってさまざまな世論の動きもあるでしょうから、また新たな負担ということを言ってくる可能性がある。要するに、民間生保の負担はこれでおしまいだよ、そして、間違いなくそのときには政府の補助金というものが交付されるんだ、そういう説明が、なかなか不十分で、つかないんだと。結局、何回も何回も陳情に行って、御説明を聞いて、納得して帰るのだけれども、でも、そういうやり方では、もうグローバルな時代に、株主に対して説明ができなくなるということは、たまたまアメリカ系の企業から言ってきているけれども、私はこれは非常に重要な指摘だと思うのですね。 そういった意味で聞きますけれども、なぜ交付国債としなかったのでしょうか。そしてまた、この法案成立の暁には、国庫補助は迅速かつ確実に行われる、そういうふうに確認をさせていただきたいのですが。
○宮澤国務大臣 交付公債にいたしませんでしたのは、銀行の場合と違いまして、保険会社にも過去に一、二事件はありましたけれども、これからの見通しというものは必ずしも明確でなかった。そういう意味で違う形のコミットメントをいたしましたが、そのコミットメントそのものは、もし必要があれば政府としては支援をしなければならない、そういう決心のもとになされております。
○北橋委員 そうすると、この国庫補助につきましては、迅速、確実に行われる、そこでまた新たな問題が発生するという心配はない、このように考えておいてよろしいでしょうか。
○宮澤国務大臣 アメリカの人たちの考え方というのは、必ずしも我が国のお互いがなじんでいる考え方と一緒ではありませんから、もっともな心配だとまで私は別に思いませんけれども、それはそれといたしまして、しかし、今の業界の負担の状況から見ますと、業務利益の六%を超える負担だ、銀行の場合とほぼ同じぐらいになっておるということを聞いておりますし、今回一千億という問題もございました。 いろいろ考えますと、これは政府が、そういう状況に万一なりましたときには、政府自身の行動をとらなければならないのではないか。そのときあれこれいろいろ条件をつけるつけないということは、その状況にもよりますけれども、場合によって政府自身の行動をもって完結しなければならないということは十分考えられることだと私は思っています。
○北橋委員 私は、このセーフティーネットは、国民の個人金融資産の四分の一が生保でありますし、アンケート調査を見ましても、老後の生活を考えるときに、一番頼りにしているのはこの生命保険であるわけです。そういった意味で、ほとんどの国民が加入していることでもございますし、これは金融に対する、銀行に対する公的資金の問題とは別に、国民の財産を守る、そして将来の不安に対する先行きの不透明感、不安感、これを払拭することが一番大きな課題だと思っておりますので、私はセーフティーネットを再構築することについては賛同であります。 ただ、今回、十日間でばたばたで決まったことを、そしてマスコミの報道を見ても、本当になぜこれが必要なんだということを力強く説明をされていないのではないか。提案理由説明がそっけないだけじゃなしに、その辺で、やはりこの先々、この運用についてまた不安の声が上がってくるところだと思うのですね。 それで、お伺いいたしますけれども、今回、五千億円の資金枠をつくるわけでございますが、これでもう絶対大丈夫なんでしょうか。現在の民間生保の体力からすると、この逆ざやが続いていく限り、もうこの負担というのはほぼ限界に来ていると思うのでございますが、今回の措置で財源は足りる、このようにお考えでしょうか。
○宮澤国務大臣 もう少しはっきり言ったらいいではないかという御主張には両面がありまして、ああ、そんなに危ないのですかと思ってもらう必要も実はございませんから。そのかわり、しかし、先ほどのお尋ねに対して、何かがあったときに政府はきちんとするのかというお尋ねでしたから、私があのようにお答えいたしましたのは、万一、今の準備が十分でないときにはという政府の考え方を申し上げたつもりであります。
○北橋委員 今回の法改正の中には、破綻する前に早期発見、早期是正、それによって破綻に伴う社会的コストを削減する、場合によっては責任準備金が削減されるような不幸な事態を少しでも緩和する、こういう前向きの新たな手法が取り入れられているわけでございますが、いわゆるリスク管理のあり方について審議会でも答申を得て、一つの方向性は出ているのでございますが、この法案を見ますと、ほとんどが具体的なことは書いていないと思います。 そして、これからの省令でしょうか、いろいろな施行令、そういったものでやるんだと思いますけれども、例えば、ソルベンシーマージン比率の算出方法についても、例えば破綻した生保の会社を見ておりましても、そこそこのものは持っていても、中身はもうめちゃくちゃひどかったわけでございまして、そういった意味で不良債権だとか株式の含み益・損の取り扱いをどうするのかとか、あるいは責任準備金の確認の仕方についても相当、責任準備金九〇%を確保するためにかなり正確なものを求めていくという、そしてまた、将来の収支分析の方向についても改良の方向を出しておりますが、そういった最も核心にかかわることについて法律案に書き込み、この国会の審議にしないというのはなぜなのでしょうか。
○村井政務次官 今の御指摘の点でございますけれども、これはいずれもかなり具体的な、私どもの監督あるいは検査にかかわることでございますので、私どもの姿勢を申し上げたいと存じますけれども、ある意味では非常に技術的な問題になってまいりますので、例えば、金融審議会の第二部会の保険基本問題ワーキンググループの中間取りまとめにおきまして、将来の収支分析などにつきまして、保険計理人による将来収支分析に基づく責任準備金の十分性の確認、監督当局による保険会社の財務状況等のきめ細かなモニタリングにより、逆ざや等を原因として事業継続困難となる保険会社をより早期にとらえることができれば、保険会社の損失が小さい段階での対応が可能になるというような指摘が行われておりますのを踏まえまして、私どもとしましては、保険会社に対しまして順次検査を行うというようなことで対応していく、そういう性質の問題ではないか。 それから、ソルベンシーマージンの算出技術でございますが、これもまた大変技術的な問題でございますけれども、具体的な問題としましては、私ども劣後債務の算入限度額につきましてこれを非常に厳格に取り扱うとか、あるいは生命保険会社、損害保険会社の間のいわゆるダブルギアリングの否認でございますとか、あるいはデリバティブを用いましたソルベンシーマージン比率のかさ上げの否認というようなこと、これを私どもとしましては既に、ことしの二月でございますけれども、改正措置をとって対応しておるというようなこともございます。 それから、含み損の取り扱い等でございますけれども、これにつきましても、それぞれ償却、引き当てにつきまして、保険会社がみずからの責任において適切な自己査定をやるということを、監督上あるいは検査上きっちりと処理をさせていく。 それから、これはもう既に両三度御報告申し上げておりますけれども、債務者区分を基礎にした金融再生法方式に基づく開示と同様の開示を保険会社にも義務づける、こんなような措置を講じる予定である。 あるいは、最後の収支分析の具体的な方法でございますけれども、これにつきましては、日本アクチュアリー会におきましていろいろ自主基準を御検討中でございますので、これの基準の明確化あるいは精緻化というような実務基準の見直しを検討していただいておりますので、こういったところで対応をしてまいりたい。 そういうことで特に法律の中で明示的な規定が入っていない、こんなふうに理解をいたしておるところでございます。
○北橋委員 要するに、早期発見早期治療といいますか、具体的に審議会におきまして方向性が出されました。これは全部やるということですね。この法律が成立して、三カ月間施行期間をとっておりますけれども、それまでに全部きちんとやるということですか。この審議会の答申で、かなり踏み込んでいろいろなことが書かれているのですけれども、これは全部やると理解してよろしいですか。
○村井政務次官 基本的にはそのように御理解いただいてよろしいと存じます。
○北橋委員 審議会では引き続き検討課題というのを幾つか残していますね。その中で、保険会社のディスクロージャーを充実させるということにつきましては、これまで相互会社であったために財務の健全性について株式市場の厳しいチェックを受けてこなかったという指摘のもとに、かなり近年その充実が図られているけれども、さらに一層の充実策が必要だと。これは引き続き検討課題なんですけれども、これからできるだけセーフティーネットによりかからないで健全に立ち直っていくことを期待する立場からすると、ディスクロージャーの充実は極めて重要なポイントですけれども、これについて煮詰まらなかったのはなぜですか。そしてまた、これを三カ月以内に、施行までにきっちり一つの方向性を出されるのでしょうか。
○福田政府参考人 お答えいたします。 ディスクロージャーと申しましても、かなり広い、いろいろなものが含まれております。今回の法律に伴う関係では、監督庁の方でまた御議論いただくと思いますが、より大きな問題としてまだ今後時間がかかると思われますのは、保険会社会計のあり方そのものについて、国際会計基準との関係でいろいろな問題が残っておりまして、その辺についてはもう少し時間をちょうだいすることになると思います。
○北橋委員 谷垣大臣に最後に質問して終わりますが、この法律が数年前に施行されておったら、日産生命、東邦生命の破綻は防げたでしょうか。
○谷垣国務大臣 いろいろな状況がございますから、イフというのにはなかなかお答えがしがたいのですが、やはり早期発見早期是正という処置が十分に行われていたら、随分事情は変わっていたのではないか、こう思っております。
○北橋委員 保険業法につきましては、銀行における窓口販売の問題、そしてまた構成員契約ルールの問題、その他今後の生保の経営形態のあり方について質問がございましたけれども、時間が来たので、きょうはこれで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○金子委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 大蔵大臣がこちらへ到着されましたので、始めさせていただきます。 預金保険法の一部改正案について、前回の質問で私は、銀行への巨額の公的資金投入の問題点についてお聞きをいたしました。それに引き続きまして、きょうは、その公的資金の投入が財政にどのような影響を及ぼすかについてお尋ねをしていきたいと思います。 交付国債が六兆円、その償還財源として、二〇〇〇年度予算では四・五兆円を一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れました。二〇〇〇年度予算での赤字国債の額は、当初予算では史上最高の二十三兆円という大変巨額なものとなっております。四・五兆円というのはその約二割に当たります。 まず、数字を確かめたいのですが、大蔵省にお聞きをしますけれども、二〇〇〇年度予算の公債依存度、これは三八・四%でありますが、仮に交付国債償還のための四・五兆円がなかった場合、依存度は幾らにおさまったでしょうか。
○大野(功)政務次官 三四・九%になります。 この計算ベースは、歳出面で国債費を四・五兆減額します、そして歳入面で公債金収入を四・五兆円減額する、その上での計算でございます。
○佐々木(憲)委員 今の御答弁でも、三四・九%、そういうことでありますが、交付国債の増額がなければ、昨年度予算の三七・九%を超えて三八・四%と史上第二位になることはなかったということになるわけですね。 過去の予算を振り返りますと、交付国債の償還金が初めて計上されたのは、九八年十二月の、九八年度第三次補正予算でありました。拓銀などの処理のために一兆円を超える償還財源が計上されたわけであります。このとき以来、当初予算ベースの公債依存度が三〇%を超える、こういう状況になりました。 宮澤大蔵大臣は、昨年十二月二十日の臨時閣議後の記者会見で、二〇〇〇年度予算案についてこのようにおっしゃっております。金融安定化関連の予算は、他とはけた違いの大きな金を今度の予算でも食うと述べておられます。 一般会計から支出されるのは四・五兆円だけれども、NTT株の売却益一・五兆円も、本来は国債の元利償還に充てられるべきものでございます。今回の六兆円の交付国債の増額というのは、深刻な我が国の財政に一層の拍車をかけるということになるわけであります。公的資金を受けてきた金融業界は確かに体力はつくかもしれないけれども、そのために国の財政は破綻の道を進むというのでは、国民の生活の安定もないということになるわけであります。 大蔵大臣は、公的資金の拡大が財政に与える影響、その深刻さ、これをどのように受けとめておられるか、お聞きをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 ただいま佐々木委員が仰せられましたような結果になるわけでございますが、私としては、いわゆる金融危機に関する一連の政府措置を平成十二年度をもって全部終了したい、また、その見通しもぼつぼつ立っておると考えましたので、これに必要な財源を一挙に十二年度予算に計上することにいたしました。 その結果として、御指摘のような国債増発あるいは国債整理基金特別会計に向かっての繰り入れ等々、大きな財政負担を負うことになりましたが、これはある意味では選択のできない、法律による政府に課せられた義務的な経費である。すなわち、去るいわゆる金融国会において立法が行われまして、その結果として、現実に大きな金融機関また大小の金融機関の破綻が生じましたわけでございますから、この法律によるところの経費は、これは支弁しなければならない、選択の余地のないものであります。 したがいまして、財政的には非常にきつうございますけれども、むしろ、十二年度に全部計上することによって将来にこのような負担が残らないようにすることがしかるべき策であると考えましたので、そういう措置をとりました。これは、そのような法制が整備され、また現実に幾つかの破綻が生じました結果、政府が背負わなければならない経費の負担をした、こういうことであると存じます。 したがいまして、今後、そのような大きな破綻が目先、予想されることはございませんので、このような措置は十二年度をもって終了することができると考えております。 〔委員長退席、根本委員長代理着席〕
○佐々木(憲)委員 今、選択の余地のない義務的経費である、このようにおっしゃいましたが、私は、選択されて、結果としてこのような予算を組まれたんだと思うのですね。ことしこれだけ組むという意思を持って組まれたわけでありまして、これを組まないという選択の余地もあったわけでありまして、しかし、選択をしてこのような六兆円という金額を積まれたわけであります。ですから、何か法律で既に予算が確定してもうほかの道はないというような御答弁をされましたが、それは私は違うと思います。 破綻金融機関への十七兆円の公的資金枠をつくりました九八年二月の国会審議で、当時の橋本総理は、交付国債の償還についてこう答弁をされております。 その財源としてはその時々の状況を踏まえながら歳入歳出全般にわたる努力を行い、その中で適切な確保を図ろうとすることになるわけでありまして、必ずしも特例国債の発行に直結するとは考えておりません。 いずれにいたしましても、償還に当たりまして金融システム安定化の実を上げながら、同時に国民の新たな負担ができる限り少なくて済むように適切な運用に努めてまいりたい これは、九八年二月十三日、参議院財政・金融委員会で、我が党の笠井亮議員への答弁であります。 つまり、当時、こういうシステムをつくって公的資金を入れるということをお決めになったときでも、赤字国債の発行に直結するとは考えておりません。できる限り国民に新たな負担が少ない、そういう運用に努めてまいりたいとおっしゃっておられました。 ですから、今、宮澤大蔵大臣は、そうではなくて、もうこれは法律で決められたものであった、それ以外の選択はないというふうにおっしゃいましたが、それは事実と違うのじゃありませんか。
○宮澤国務大臣 橋本内閣の後に小渕内閣が発足をいたしまして、九八年の夏から国会が開かれました。その国会におかれましていわゆる金融関係の立法がなされまして、初めて金融破綻等の場合における政府のとるべき措置、あるいは負うべき任務等々について具体的な決定がございました。 そういう決定と並行して、例えば長期信用銀行の破綻が起こった、あるいは日債銀の破綻が起こった、かなり大きな破綻が二つございました。当時を顧みますと、長期信用銀行はある信託銀行と合併をするというようなことも考えられておったわけでございましたが、そういうことには相なりませんで、両行とも破綻ということになりましたので、したがって、政府は、法律の定めるところに従いその破綻の処理をし、法律の定めるところに従い預金の全額保護、この場合は金融債でございましたけれども、それのための支出をし、また、法律の定めるところにより、国家管理になりました両銀行についてのその後の処理をしてまいった。 これらはすべて、法律の定める手続を踏んだ結果でございまして、政府はそういう義務をこの立法によって負ったことはもとより明らかでございます。そのうち預金の全額保護という規定は、これは以前からございましたけれども、いわゆる金融立法によってそれらのことが全部完備されまして、その道を政府は歩んだわけでございます。 それが公債発行による必要はなかったかどうかということにつきましては、これは、政府の財政の事情からいいますと、公債発行をしなければそれらの措置を完了することができない、そういう財政側の事情によるものではございますけれども、そういうプロセスそのものは、橋本内閣後に定められました法律によって具体的に規定されていたところを政府がそのとおりいたしましたわけで、長銀と日債銀の破綻ということがもとよりございませんければ、そういう立法がありましても、それを適用してこれだけの負担を負うということはなかったはずでございますけれども、現実にはそういうことでございました。 今の時点に立ちますと、長銀についての金銭的な、予算的な処理はほぼ終わっておりますが、あと、日債銀等々の六銀行、それから幾つかのより小さい金融機関、三十ぐらいあると思いますが、その処理をこれから財政的にもすることになるわけでございますが、今、将来に向かって、長銀とか日債銀というような大きな破綻が生じるものとは考えられませんので、おっしゃいましたように、この十二年度予算に追加計上いたしました六兆円をもってこれらの処理は完了することができる、追加の必要はないという見通しを持っております。
○佐々木(憲)委員 法律の定めるところにより行ったというふうに言われましたが、法律以外のことはもちろんできないわけでありますから、それは余り御説明にならないと思うのです。 結局のところ、銀行業界の自己負担、自己責任ということをやらずに、公的資金の枠組みをつくってしまった。まあ、法律そのものがそういうものでありますが。そうしますと、どうしてもその費用というのは、赤字国債で賄わなければならないほど膨れていくわけです。巨額なものとなって、国民負担も結果的に膨大なものになっていく。この間の経過で明らかになったことは、一たん公的資金の蛇口を開くと果てしなく国民負担が広がっていく、私はそういう事実だと思うのです。 それで、公的資金の投入の問題で、今回この新しい法律で一年延長されたと言われましたが、それだけではなくて、さらに、恒久化されるという問題もございます。 確かに、今の金融早期健全化法による資本注入あるいは金融再生法による特別公的管理というのは、二〇〇一年三月末までの時限的立法として創設されたものであります。協同組織金融機関に対する資本注入策を除きまして、予定どおり来年三月で廃止されることになっております。ところが、今回提案されている法案では、特別資金援助あるいは資本増強、特別危機管理、こういう名目で、来年三月には一度廃止されるものが、もう一度別な名前で復活する、そういうことになっているのではありませんか。復活するだけではなくて、これは恒久化するという仕組みになっていると思いますが、大蔵大臣、なぜこういう仕組みをつくる必要があるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 前段の問題については、一昨年、金融国会で、国会の御意思によりまして法律が成立したことを実行してまいりましたわけでありますから、仮に長期信用銀行が他行との合併によって、新しい銀行として吸収合併され発足した場合を考えますれば、このような財政負担は恐らく生じなかったであろう。 これは、もしというだけの話でございますし、国会の御意思でああいう立法がされておりますから、そのことを今申し上げようとしているわけではありませんが、先般、谷垣国務大臣が御質問に対して、もしそういうことが可能であれば合併による処理が一番国民負担は少なくて済んだろうと言われましたことは、私も同感でございます。ただこれは、このことをもって過去をかれこれ申すつもりはございません。 それから後段のお尋ねは、確かに一年延長になりますが、それによっていわゆる公的資金の導入が一年続いて行われるわけではございません。これは規定どおり終了をいたします。 また、破綻がございましたときにということでございますが、今から展望しておりますと、そのエキストラの一年の間にそんなに大きな破綻が発生するようには思えません。金融監督庁におかれても、それは恐らく同じように考えておられると思いますが、信用組合等々のことはわかりませんけれども、これは総体の金額がそう大きくなるものでは性質上ないと思いますので、その点での一年延長ということについては、特に財政的な負担がそれだけふえるという状況ではないと考えております。
○佐々木(憲)委員 前段のお話で、長銀が合併によって処理されればこれほどの負担はなかっただろうというふうにおっしゃいました。私どもも、民間同士の合併というのはあり得るし、大いにやったらよろしいと思っておりました。しかし、そこに公的資金を投入するという必要はないじゃないかという主張をしたわけで、したがって、ああいうやり方に反対だったわけです。 今、一年延長で公的資金はそれほど使われることはないだろうとおっしゃいました。しかし、私がお尋ねしましたのは、来年三月で一度終わった後に、危機対応策という形で新しい仕組みがつくられて、そこに公的資金の新たな投入の枠組みができるという点を質問させていただいたわけであります。 法案では、金融危機への対応ということで三つの仕組みが用意されておりまして、一つは、ペイオフコストを超える資金援助を行う特別資金援助という仕組みですね。二つ目に、預金保険機構による株式等の引き受けによる資本の増強、三つ目は、今の特別公的管理と同様、預金保険機構が破綻金融機関の株式を取得して管理下に置く特別危機管理というものであります。いずれの措置も、内閣総理大臣が金融危機対応会議の議と認定を経て行う特別措置であります。そのため、法案では、一般勘定とは別に危機対応勘定をつくる、こうなっていますね。 そこで、この三つの仕組みの一つであります資本増強について伺いたいと思います。 まず大蔵省に確認をしたいのですが、資本増強の対象になる金融機関というのはどのような金融機関ですか。
○福田政府参考人 お答えいたします。 お尋ねの公的資本増強の対象となる金融機関は、改正法の百二条の第一項第一号、第二号をあわせていただきますと、「破綻金融機関又はその財産をもつて債務を完済することができない金融機関」のいずれでもない金融機関でございます。
○佐々木(憲)委員 破綻でもない、債務超過でもない金融機関、こういうことですね。 現在の資本注入の仕組みは、ジャパン・プレミアムやアジア通貨危機などのように金融情勢が危機的な状況にあることを理由にして、健全な銀行でも、申請があれば、それを審査して資本注入を行うというものであります。昨年は十五行が申請を行い、注入を受けました。七兆四千六百億円の資本増強が行われました。したがって、現在の制度では、すべての金融機関が対象になっております。 しかし、今回提案されている資本注入、これはそういうやり方をするのでしょうか。それとも別な扱いになるのでしょうか。その点を確かめたいと思います。
○福田政府参考人 お答えいたします。 早期健全化法と今般の改正預金保険法とでは大分異なっております。 まず、資本増強の申し込みでございますが、今御指摘のように、早期健全化法によりますと、期限、平成十二年度末までを限りまして、すべての金融機関が申し込むことができることになっておりますが、預金保険法改正法案では、金融危機対応会議の議を経て内閣総理大臣の認定を受けた金融機関のみが定められた期間内に申し込むことができるということで、あくまでシステミックリスクの措置ということになっております。 また、資本増強を実際に行うかどうかの決定につきましては、早期健全化法では金融再生委員会が承認することになっておりますが、預金保険法改正法案では内閣総理大臣が決定することとなっております。 また、趣旨が異なりますので早期健全化法におきましては国会への報告規定はございませんが、預金保険法改正法案では、個々のケースごとに認定の内容を国会に報告することになっております。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、資本注入の対象となるのは、破綻したり債務超過になったりしてはいないけれども、その金融機関の資本増強がなければ、「我が国又は当該金融機関が業務を行つている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがある」と認められる特定の金融機関が対象になるということでありますね。つまり、システミックリスクを引き起こす危険性があると認定された、そういう特定の金融機関が対象になるということであります。 そこで、このシステミックリスクの問題でありますが、日銀などの解説によりますと、金融機関相互間の網の目の与信、授信の関係を通じて、一金融機関の債務不履行が次々と連鎖的に他の金融機関の債務不履行を誘発して金融システムが混乱に陥る、そういうリスクのことをシステミックリスクというふうに説明をされております。こういうとらえ方というのは当然だと思うのですけれども、大蔵省に確認をしたいのですが、システミックリスクというのは大体こういう状況を言うのでしょうか。
○福田政府参考人 システミックリスクの態様にはさまざまな局面が想定されるわけでございますので、なかなか定義のようなものを明記するわけにはまいらないわけでございますが、今御指摘のように例えばということで申し上げれば、ある金融機関の破綻または経営悪化によりまして連鎖的にほかの金融機関の資金繰りが困難となる場合がやはり該当すると思いますし、あるいは、ほかの金融機関の連鎖的な破綻あるいは大規模な貸し出し抑制、回収等、資産の圧縮を進める動きが生じるおそれがある場合というようなことが想定されるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、一つの金融機関で債務不履行が生まれていくという場合には、日銀の説明によりますと三つのケースが考えられると言っているわけですが、一つは債務超過に陥った場合ですね、今も御説明ありましたように。二つ目に、その金融機関の信認が低下し資金ショートが起こるという場合、それから三つ目に、コンピューターダウンとか事務的なミスによって支払い遅延を引き起こすというような場合、大体この三つに大枠整理されると思うわけですけれども、コンピューターダウンのような技術的問題を別にいたしますと、債務超過に陥った場合、それから、信認が低下して資金ショートを起こす、資金繰りがうまくいかない、大体この二つだと思うのですけれども、こういう理解でよろしいですか。
○福田政府参考人 御指摘のとおりかと存じます。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、今回提案されている資本注入の対象となる銀行は、破綻したり債務超過に陥った金融機関以外の銀行でありますから、二つ目の、資金繰りでうまくいかない、資金ショートを引き起こす、そういう銀行に当たるというふうに理解してよろしいですね。
○福田政府参考人 お答えいたします。 債務超過に陥っておりますとこの措置は講じられないわけでございますので、今おっしゃったような、信認が低下して資金ショートが起こったような場合が典型的な例だと存じます。
○佐々木(憲)委員 そうしますと問題になりますのは、その資金ショートが起こった場合にどのような手だてが打てるかということであります。 日本銀行は、システミックリスクの際に最後の貸し手としての役割を持っております。この日銀の役割をどのように考えているかということが問題になるわけであります。今回の法案ではその点は一切捨象されておりますが、日銀の役割というのは、これはどのように視野に入っているのでしょうか。
○福田政府参考人 いわゆる日銀特融が行われる原則がございますが、日銀の四原則と申しておりますが、システミックリスクが顕現化するおそれがあること、日本銀行の関与が必要不可欠であること、モラルハザード防止の観点から関係者の責任が十分追及されること、日本銀行自身の財務の健全性維持に配慮することというようなものがございますが、今その点に即して申し上げれば、金融機関の支払い不能やあるいは信認の低下が、ほかの金融機関における流動性不足、資金の流出に幅広く波及し、あるいは市場流動性の著しい低下を引き起こすような場合、要するに、金融システム全体を混乱させる可能性がある場合に状況に応じて日銀特融が行われ、金融機関に対して担保の差し入れを条件とすることなく必要な資金を供給するということが、一つの日銀の役割だと存じます。
○佐々木(憲)委員 そういう日銀の役割があるわけでありますね。そうしますと、私は、一昨年九月四日の金融問題特別委員会で日銀総裁に伺いました。債務超過でない銀行が仮に一時的な資金ショートを起こした場合、それを防ぐことができるかというふうにお聞きをしました。そうしましたら、日銀総裁はこのように答弁されました。債務超過ではない銀行で、「資金不足が生じて破綻の危険があるという場合には、いろいろそれを支援する方法は、必ずしも政府の資金でなくても、例えば日銀特融という形で一時的な資金補給をすることはできます。」こう答弁されているのですね。つまり、日銀特融によってシステミックリスクを抑えることができる、これが答弁であります。 そうしますと、システミックリスクが発生したときに、日銀が十分対応できるにもかかわらずなぜ資本注入をする必要があるのか、これが問題になるわけです。なぜ資本注入をする必要があるのですか。大蔵大臣、これはどういう理由ですか。
○宮澤国務大臣 いろいろな態様がございますから、日銀が特融をやればそれで済む場合、そういう場合はもうたくさんあると思いますし、また、それは、何も法律に書きませんでも日本銀行が特融ということはできるわけですし、多分、大蔵大臣も要請することが今の法律でもできる。しかし、なかなかそれだけではうまくいかなくて、この第七章に書いてありますような事態になることもある。それは、こっちでなければいけない、あっちでなければいけないということはございませんで、わざわざ百二条を援用しなくても済めば、それだけのことかと思います。
○佐々木(憲)委員 そうなりますと、日銀特融で十分対応できるケースがあるという御答弁でしたけれども、日銀総裁の答弁は、システミックリスクを瞬時にして抑えるという対応は日銀の役割である、政府資金が必ずしもなくてもこれはできるんだ、こういう答弁をされていたわけであります。 ですから、結果的に何もこういう財政投入の仕組みをわざわざつくる必要はないのじゃありませんか。こういう対応をしなくても十分にシステミックリスクを抑えることができるという、日銀の役割は本来そういう役割なんですから、税金を使ってつくる必要はありません。これは税金のむだ遣いだというふうに言わざるを得ないわけであります。
○宮澤国務大臣 日銀が一般に特融をいたします場合には、当該銀行について預金の払い戻しについて預金者が疑問を持って、そして押しかける、あるいは、一言で言えば流動性が欠ける場合でございますけれども、金融機関が過少資本になりつつあるといったような場合には、これは、特融をしましてもその問題を救う方法はございません。 ですから、特融ということは、あくまで金融的な措置によって金融的なピンチを救うことはできると思いますけれども、その銀行の体質そのものがそれによって直るというわけにはいかないことと思います。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、システミックリスクは日銀によって抑えることはできる、しかし銀行の体力をつけることはできないので、そこで国民の税金を使って体力をつけてやる、こういう御答弁ですね。 私は、今の銀行をそういう破綻に近い状況にまで追い込んでいく、それは経営者自身の責任、あるいは投機的な資金の運用をやって、焦げついて、不良債権がたくさん生まれてしまう、そういう問題にメスを入れて解明して、早目に是正させていくというのが政府の役割だと思うのですけれども、それをやらずに、あるいは不十分な段階で、体力がないから国民の税金を使うんだ、これはやはり銀行の丸抱えであって、護送船団方式そのものだと思いますよ。私はこれは絶対に許せることではないと思います。そういう仕組みがあるから銀行のモラルハザードを助長するわけであります。 したがって、私は、このようなシステムは必要がないということをここではっきり申し上げたい。
○宮澤国務大臣 それは、失礼でございますけれども、このシステムの、この制度の意図するところは、いわゆる百二条の意図するところは、十年、二十年あるいは三十年に一遍でも起こっては困るような、そういうことを言っておるわけでありまして、その場合にしかし、ということを言っておるわけでありまして、銀行そのものは金融監督庁によって絶えざる監督を受け、検査を受けておるわけでございますから、そういう常時的における銀行の経営の不適切さというものは、今の日本の普通の行政の上で監督し、また是正されるようにできておる、そういうことの前提の上に立ってのお話と思います。
○佐々木(憲)委員 十年、二十年に一度あるかないかということへの対応だとおっしゃいましたが、こういう仕組みがつくられますと、それをいわば利用しまして常時使おう、そういう傾向も必ず出てくると私は思いますね。それが法律によって歯どめがかけられるかどうか。 この第百二条は、「内閣総理大臣は、次の各号に掲げる金融機関について当該各号に定める措置が講ぜられなければ、我が国又は当該金融機関が業務を行つている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときは、金融危機対応会議の議を経て、当該措置を講ずる必要がある旨の認定を行うことができる。」とされております。ここで私が大事だと思いますのは、「おそれがあると認めるときは、」と書かれている点であります。 大蔵大臣は、この規定に関連して、三月二十三日の衆議院本会議でこう答弁されました。「信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときに、金融危機対応会議の議を経て内閣総理大臣が判断する、かなり重い規定になっておりますから、そうしょっちゅう発動することはできません」、こうおっしゃっています。 また、小渕総理は、「個々のケースごとに金融危機対応会議の議を経た上で内閣総理大臣が判断をするという厳格な手続を踏むこととしておりまして、御指摘のように安易に財政資金の投入につながるということにはならず、したがって、金融機関のモラルハザードを助長するものではない」と、今おっしゃったこととほぼ同じ趣旨の御答弁をされていますね。 さて、それで本当にこの百二条が厳格な規定になっているのかどうか、歯どめになるのかどうかということであります。 そこで、お聞きしたいのですけれども、「重大な支障が生ずるおそれがあると認めるとき」という場合の「おそれ」というのはどういうことを言うのでしょうか。重大な支障がまだ発生していないけれども、重大な支障が起きそうだということだろうと思いますね。それは何を基準に判断するのか、客観的な基準を示していただきたい。
○宮澤国務大臣 ちょっと御無理、難しいお尋ねをしていらっしゃると思いますけれども、「おそれ」というのは恐らく、蓋然性が高いということであると思います。 それで、何をもってそういう状況を行政側が、あるいは政治側がとらえるかということになりますと、これは千差万別であると申し上げるしかありませんけれども、何となくその地域の人が、あの銀行はどうとかだ、それまではいいのですが、それが銀行に行列をなしたりし始めますと、これはもう明らかに警戒しなきゃならない状況でございますね、例えて申しますと。 あるいは、これは余りないと思いますけれども、金融監督庁が検査をしておられて、どうもその内容が極めてよろしくない、普通であれば是正をしてもらうわけですけれども、何かの理由でその是正がそう簡単ではないとか。 しかし、これは口で申しましてもなかなか現実にはカバーできませんが、普通に考えて、非常な危機があるときに、クライシスマネジメントをしなければならない、危機の管理をしなければならないということは、常識的にいろいろな世界にあることでございますから、そういう意味での危機管理ということ。ほとんど通常考え得るような事態ではない、しかしそのおそれが高い、こういうことというふうに、完全ではございませんけれども、お考えいただいたらと思います。
○佐々木(憲)委員 結局、客観的基準がないということでありまして、普通に考えて、何となくそういう状況ではないのかというような、これは極めて主観的な要素の入った基準であります。基準といいますか、基準があるのかないのか、よくわかりませんけれども。 例えば、百二十五条で、公的資金を投入する、金融機関から負担金は取るけれども、対応できないと判断した場合、公的資金を投入するとなりますね。百二十五条では、「政府は、負担金のみで危機対応業務に係る費用を賄うとしたならば、金融機関の財務の状況を著しく悪化させ、我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認められるときに限り、予算で定める金額の範囲内において、」「補助することができる。」と規定しておりますね。 ここにも、「おそれがあると認められるとき」と規定されておりますが、この「おそれ」も、先ほど言われたような、大体、普通に考えて、怪しいなというような程度のものなんでしょうか。
○宮澤国務大臣 私は法律の専門家でございませんけれども、今おっしゃったような声音の怪しいな程度では本当に怪しいなと。もう少しこう、本当にその危険があるということじゃないでしょうか。
○佐々木(憲)委員 どうも怪しい答弁でありまして、要するに、どうも発動の客観基準が明確でないと思いますね。 つまり、おそれがあるという状況は、正常な状態が一方である、他方、危機の発生がある、その中間はすべておそれがあるということになるわけでありまして、こういう規定は、全く厳格でもありませんし、何の歯どめにもなっておりません。 内閣総理大臣の入った会議の議を経るということでありますが、おそれがあるという理由でどんどん税金を投入するということだって可能なんです。そういう規定になっているのです。 厳格な判断をしたかどうかというのを、国民が見て、あっ、これは厳格な判断をしたなということを確かめるためには、当然、どういう会議の中の検討があったか、詳しい検討内容、それから決定の内容、あるいは議事録、これは、金融危機対応会議の記録としてそれを公表するというのは当然だと思うのですが、大臣も、財務大臣となりますとメンバーの一員でありますから、この危機対応会議の詳細な決定内容や議事録を公表する、当然そういう意思があると思いますけれども、明確に答えていただきたい。
○宮澤国務大臣 百二条六項によりますと、「内閣総理大臣は、認定を行つたときは、当該認定の内容を国会に報告しなければならない。」とございまして、この報告は当然に、極めて具体的な認定に至る経緯、内容を申し上げなければならないもので、ただこうしましたというだけでは、もちろんございません。
○佐々木(憲)委員 議事録も同時に公表されますか。
○宮澤国務大臣 それは、金融危機対応会議というものの運営についてまだ何も決まっておりません。そういうわけでございますね。まだ会議は生まれておりませんので、その会議をどういうふうに運営するか、そういう運営の方針というものが恐らく私はできるのだろうと思います。したがって、だれが何を言ったというようなことまで報告の中に入るか入らないかということは、ちょっと私つまびらかに、会議ができておりませんので、会議の運営について申し上げることができません。その点は御了解いただきたいと思います。 ただ、認定に至る内容について、国会の御審議を受けるわけでございますから、これはもちろんできるだけ具体的でなければならないとは思っております。
○大野(功)政務次官 若干補足させていただきます。 ただいま大蔵大臣から説明があったとおりでございますけれども、まず、認定の結果については国会に報告されます。これは間違いございません。しかし、危機対応会議の中でどういう議論があったか、これは、大臣おっしゃったとおり、今からその運営については決められるわけでございます。 しかし、そこで大切な原則、それはディスクロージャー、公開の原則、これが一つございます。それからもう一つ、絶対に忘れてはならないのは、公開することによって、かえって信用秩序を破壊するような場合がある。つまり、何銀行、何銀行という固有名詞で出てまいりますと、無用の混乱を招くおそれがございます。したがいまして、そういう場合をどう考えていくか、これは大変重要なポイントであります。 普通の審議会と違いまして、これは、将来の姿を学者の知恵をかりながらやっていくわけではありません。現実の厳しい話を政治家が判断していく、こういう会議でございますから、今後の運営の方法についてはこれから決めていくことでございますけれども、これは一つの例、考え方としては、決まっているわけではございませんが、考え方としては、議長である総理が、そのケース、ケースごとに議員と相談しながらやっていく、こういうことも考えられるのではなかろうか。 なぜこういうことを申し上げるかというと、やはり、ディスクロージャーの原則というのは重んじていかなければいけない、こういうことだろうと思います。 若干補足させていただきました。
○佐々木(憲)委員 資本注入を行った佐々波委員会などの議事録は、一定の年限を経た後で公表されるというふうになっていますね。少なくともその程度の議事録の公表はしていただきたいと思います。 これまで議論をしてまいりましたが、私は、公的資金を投入する、つまり国民の負担になる、国民の税金を投入するという仕組み自身が、銀行の側にとって安易な経営を生み出す、モラルハザードを助長する大変重大な要因になっているというふうに思っております。 アメリカでは、SアンドLの処理に莫大な財政資金を必要としました。しかし、それが財政悪化を招いたという反省から、銀行の破綻処理については公的資金は使わない、預金保険料で賄うという原則を確立したわけであります。私どもは、繰り返しこのアメリカの教訓に学ぶべきだという主張をしておりますが、改めてこの点を強調したいと思います。 次に、今回の預金保険法の改正で新たな税金投入の仕組みを決める前にどうしてもしておかなければならないことがございます。これまでに実際に公的資金を入れた銀行がどういう経営をやっているのか、確かめる必要があると思います。 昨年は十五行に資本注入をいたしました。我々は反対しましたけれども、七兆四千六百億円の注入が行われました。その際、経営健全化計画を提出させて中小企業への貸し出し目標を出させましたね。それは、この三月末、つまりきょうであります、きょうまでに中小企業向けに新たに三兆円近い貸し出しの増加を達成するということが掲げられていたわけであります。 半年たった九月時点の達成状況を見ますと、目標に対して六千八百七十三億円にとどまっております。目標の二三%にしかすぎません。しかも、銀行によっては三月末と比べて減らしているところもあるわけです。私は、これは極めて重大な事態だと思うのですね。この点については、当委員会でも繰り返し指摘をされているところであります。 では、具体的にお聞きしますけれども、三月の目標は達成されたのでしょうか。現時点での推計で結構ですから、お答えいただきたい。
○谷垣国務大臣 今佐々木委員がおっしゃいましたように、主要十五行、平成十一年四月から本年の三月三十一日、すなわちきょうまでの一年間に三兆円を増加目標としているわけでありますが、九月の、上半期では約七千億円増加している、それは目標の二三%にとどまるという御指摘でございまして、それは佐々木委員のおっしゃるとおりでございます。 それで、特に九月期以降、各金融機関におきましても、例えば中小企業向けファンドというようなものを設けたりして、私どもも二三%というのはいささかシャビーではないかというのでねじも巻いたわけでございますけれども、各行それぞれ、そういう施策を講じて最大限努力をしていただいていると聞いているわけでありますが、現時点で、三月末の中小企業向け貸し出しが幾らになっているか、この数字は私どもまだ持っておりません。
○佐々木(憲)委員 では、三月までというのはきょうですから、物理的に困難だろうと思いますから、例えば一月あるいは二月、この時点の数字は出せますでしょうか。
○村井政務次官 私ども金融監督庁におきまして、昨年の六月二十九日に金融再生委員会がお決めになりましたことでございますけれども、ただいまの早期健全化法により資本増強を受けた金融機関のフォローアップというルールがございまして、これに基づきまして、フォローアップの一環として、経営健全化計画の履行のための施策につきまして四半期ごとに定性的なヒアリングは行っております。 そういう意味で、毎月ということではございませんが、四半期単位では定性的なヒアリングをやっておるということを申し上げておきます。 〔根本委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木(憲)委員 定性的ということは、数字は聞いていないということですか。
○村井政務次官 これは、御案内のとおり、健全化法によりまして、半期ごとの数字というのはきちんと公表するということでございますけれども、例えば十二月末という時点のものはどうしても数字がきちんと入ったものにならないものでございまして、経営合理化のための方策や信用円滑化のための方策などにつきまして一体どういうことをしているのか、そして、先ほどの御指摘でございますけれども、中小企業向け貸し出しにつきましても、貸し出しを増加させるために今どういうことをやっているんだというようなことはしっかり聞いておりますが、現実問題として、その時点での数字というのは残念ながらとれていないということでございます。
○佐々木(憲)委員 数字をとらないと、具体的にどこまで進んでいるのかということがわからないじゃないですか。具体的に、ここまで来ている、あとこれだけあるからこれをどのような手順で達成するのかということを聞くのが本来の政府の役割じゃありませんか。 では具体的に、三月に目標が達成されると見ていますか。今の定性的なヒアリングの中でどのような感触を持っているか具体的に、達成されるのかされないのか、答弁してください。
○村井政務次官 私どもといたしましては、それぞれ各行がお立てになった計画、これをできる限り実行していただきたいということを慫慂し、また、九月の時点で、先ほど佐々木委員御指摘のように、二三%というような達成率である、これについての非常な社会的な批判もあるということも十分指摘しながら、この計画の実行を強く求めているところであります。
○佐々木(憲)委員 全然そういう答弁じゃだめですね。達成される可能性があるのかないのかということをはっきりしてもらわないと、資本注入の枠を決めて、具体的な数値目標を出して注入したわけです。そして、それが達成されていなければ、資本注入した結果失敗だったということになるわけです。同じ失敗を繰り返さないためには、事実がどうだったかということを明確にしてもらわなければ困りますよ。具体的に言ってください。
○村井政務次官 私どもは、あくまでこれは、定量的なヒアリングではございませんで定性的なヒアリングであるということでやっておりますので、申しわけございませんが、そのような数字を持っていないということでございます。
○佐々木(憲)委員 それがだめだと言うのですよ。昨年は約七兆五千億円の巨額の税金を投入したわけでしょう。にもかかわらず、それによって中小企業向けの貸し出しが目標達成しているかどうかさえわからない。こんな状況では、新たな資本注入、公的資金投入の仕組みのこの法律を通せと言われたって、はいどうぞと言うわけにはいきませんよ。その結果を確かめた上でなければ審議はできません。 少なくとも、資本注入した十五行、今政府の金融監督庁は数字をつかむ努力さえしていないわけです。定性的なことしかやっていない、定量的にやっていない。それならば、十五行の頭取を参考人として呼んで、具体的にそれぞれの銀行がどのような数字になっているか、私は、この大蔵委員会できちっと参考人質疑をやるべきだと思うのです。 委員長に要望したいのですけれども、十五行の参考人質疑をやるように理事会で検討してください。
○金子委員長 村井政務次官、答弁ください。
○村井政務次官 私どもの立場では、定性的ヒアリングということで御説明申し上げましたが、先ほど谷垣大臣からもお答え申し上げましたことでございますけれども、それぞれの資本増強行がどういう努力をしているかということにつきましては、例えば、それぞれがビジネスローンセンターを新たに設置いたしまして新規顧客の開拓をいたしましたり、あるいは、融資審査の迅速化を図り、あるいは簡素化を図るというような形で中小企業向けの貸し付けを増大させようという努力をしている実態でございますとか、あるいは中小企業向けファンドというものを設立して、中小企業も新規の需要の掘り起こしに努力しているとか、そういうような実態をいろいろ聞き出しまして、そしてそのような方向でそれぞれが、私どもに当初の計画で申し出ました中小企業向けの貸し出しの増加ということを実現できるように一生懸命努力をしているというところでございます。
○佐々木(憲)委員 努力をしたって、きょうしかないじゃないですか。今までどの程度まで行っているのかということを確認しないと、今から努力のしようがないでしょう。つまり、もう既にきょうで終わりなんですよ。実態がどうかということを示してもらわぬといかぬです。定性的にやりました、こういう努力しましたじゃだめなんです。結果的にここまで到達しました、その数字を出しますと。 それが出せないのだったら直接各銀行の頭取に聞くしかない。だから私は委員長に、参考人として十五人の頭取に来ていただいて、それぞれどうなっているかここで発表していただきたいということをお願いしているわけです。いかがですか。
○谷垣国務大臣 もう努力がきょうしかないではないかとおっしゃるのは、確かに、本年度末までの数字が達成されているかどうかという意味での努力はきょうが最後であることは、これはおっしゃるとおりでございます。 しかし、今、村井政務次官が答弁いたしましたように、確かに定性的ではございますけれども、私どもも状況を掌握するように努めまして、事実、その中で中小企業向けのファンドを設けるとか、いろいろな努力を各行がしていることも事実でございます。そして、これは私も全部正確に把握しているわけではありませんけれども、今申し上げたような中小企業向けのファンドをつくるというのはおおむね昨年九月期以降の努力でございますので、私としては、この努力が相当効果を発することを期待しているわけでございます。 今現在、きょう締まるわけでございますけれども、数字で出してくれとおっしゃられても、なかなか腹の中にない数字をすぐ吐き出すわけにもまいらないわけでございまして、私たちとしては、これからできるだけ早く、数字も掌握して、そして達成しているところは結構でありますが、達成していないところはどういうところにそこに原因があるのかも分析も加え、きちっと御報告をいたしたい、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 先ほどの委員長への参考人招致の要請、検討していただけますか。
○金子委員長 佐々木委員に申し上げます。 既に同様の要請が民主党の上田議員から出ておりまして理事会協議事項になっておりますことは、佐々木委員も御存じのとおりでありますので、理事会でつけ加えさせていただくということで取り扱いさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 はい。 終わります。
○金子委員長 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。 私もきょうは預金保険法の改正案について質問をさせていただきたいのですが、各委員からこの法案についてもかなりいろいろと厳しい質問が相次いでいるわけですが、私も、冒頭、宮澤大蔵大臣にちょっと厳しい質問をさせていただこうと思っているのです。 ペイオフの凍結、これは実は一九九五年、自社さ政権のときに方向を決定して、九六年にそのような形に始まったわけですが、当時は、信用組合あるいは第二地銀の破綻が相次いだ状況が始まった。そういったときにペイオフの延期をせざるを得なかった状況というのは、これは当時のほとんどの政党も理解してくれたというような記憶がございます。あのような状況のときには、預金者に対して、直ちにペイオフという形で経営破綻による損失の分担を求めることは困難である、そういった認識からやむを得ない選択であった、そしてまた、ある意味では緊急避難的な措置であった、こういう形で凍結がスタートしたわけです。 そのかわり、五年間という猶予期間の中で、何とかして預金者についても自己責任を問い得る環境整備をなるだけ図っていく、そしてまた金融機関においても、金融自由化以降にふさわしい透明で安定的な金融システムをいかにして構築していくか、これがこの五年間の、つまり二〇〇一年の三月までの政府の公約であった、いわゆる政府の課題であったわけですね。その課題に向けてやはり関係の人たちは全力で取り組んできたと私は思っているのです。 それが、今回こういうことになった。 例えば、非常に国民の批判が厳しかった住専処理、また金融機関に対して初めて公的資金の注入を可能とする金融機能安定化法、これは九八年でしたか、そういった法案にも取り組んだわけですね。これは、ある意味では、国民から見ると一番風当たりの強い場所に私たちはいたわけです。ですから、それだけに、今回のペイオフの一年の延期ということは私は非常に強い怒りというものを感じざるを得ないのです、いろいろな関係者も努力してきただけに。 とりわけ宮澤大蔵大臣は、やはり金融問題のオーソリティーでございますし、いわばプロ中のプロでございます。ですから、そういった当初の予定どおりのペイオフの解禁の重要性を認識するがゆえのこれらの取り組みであったということは、重々御存じのはずだと思っているのです。ところが、その宮澤大蔵大臣が、大蔵大臣として在職中にこの延期法案を論議するという事態になってしまった。これは恐らく大臣もそんなつもりではなかったとお思いじゃないかと思うのですよ。私も、まさに、こういう法案を審議しなきゃならないのは、信じがたいような思いが今しているわけでございます。 実は、昨年の暮れに一年の延期というのが与党三党の皆さん方の御協議で決定されました。そのときのマスコミの各大手の新聞の見出し、すさまじいものがあったのです、次の日の各マスコミの見出しが。例えば、「倫理観の荒廃きわまれり」「展望なき“癒し”政策」「金融改革の生命線断つ」「国際公約ほごに」「政治主導の愚行」「連立に負けた公約」「失政十年の締めくくり」、数え上げれば切りがないけれども、非常に厳しい見出しが踊ったわけです。 これは、恐らく今私が列挙したことは、かなり大蔵省も金融監督庁も日銀も耳が痛いだろうと私は思うのです。なぜ耳が痛いか。当たっているからです。かなり耳が痛いだろうと思う。それほどまでに当時の国民もあるいは金融関係も経済もすべて、一年延期に対しては猛反対という論陣を張ったわけです。そして、大蔵省も監督庁も日銀も、予定どおり二〇〇一年三月でペイオフは解禁します、予定どおり実行しますと直前まで言っていたのです。それがああいった形で、いわゆる政治主導以外の何物でもない、どこかの新聞ではこれを「政治主導の愚行」と書いておりますが。 それも、与党三党全党挙げての決定でない、要するに、与党三党の一部の人たちの意向で方向性がねじ曲げられたとしか私には思えないのですね。自民党の方々も、やはりこれは約束どおり五年後には凍結解除して解禁しなければならないという思いを持っている人たちがいっぱいいたはずです、それが公約だったのですから。そして、公明党の方々もそういう思いであった。ところが、一部の政治家によって強引にこれだけの大きな方向性がねじ曲げられた、そう言ってもいいと思うのです。 私は、これは大臣として、大変自分の思いと違った形になってしまったと思っていると思うのですね。ですから、やはりここは、本当を言えば昨年の暮れに、財政金融を預かる長としては、大臣という職を賭してもあの政治主導の流れに立ちはだかるべきであったのではないか、私はそういう気がしてならないわけでございます。 そのことについて大臣の御見解をお聞かせください。
○宮澤国務大臣 以前にも横光委員からそういう御批判をいただきまして、反省をいたしておりますけれども、私は、実は、前からお約束をしておりましたことですからそのとおりやることがよかろうとずっと思ってきておりましたけれども、結果としてこういうことになりました。 私は、こういうことになったのについては、十分の理由があったし、特に失うものはないと思っておりますので、大変御批判はいただいておりますけれども、自分としてはそれなりに御説明のできることだと当時から思っておりますし、また、記者会見でも、これはそんなに重大なことではない、国際的な信用にかかわることとも思わないということを当時から申しております。 それは、これを予定どおりやろうということで金融審議会が春ごろからずっと審議をしていただきまして、そうして夏休みに一度中断をされる、夏休みをされるというときに、私としては、いや、これはどうしてもやはり暮れには結論を出さなきゃならないので、それには幾つか審議会としてだめを押しておいていただきたい問題がある、したがって、恐縮ですが、夏休みを返上してというのは申しわけないけれども御審議をお願いしたいと申し上げたのは、私でございます。 そのときから、信用組合というのが法律がいよいよ改まりまして、翌年の四月には政府の監督下に入るということがそのときに決まりましたので、それならば、やはり信用組合まで行政に入れて考えることがあるいは本当かな、しかし、それだけの時間があるかなというふうなことを私自身も考えておりました。口に出しませんけれども、考えておりました。 金融審議会の御議論が大分進みまして、かなりいろいろな点を整理していただいたわけですが、その段階になりまして、信用組合だけは外に置くかということについて、私どもの党内にも、また与党の党内にも御議論がありまして、どっちみち四月から政府の監督下に入るのであれば、地方の機関ではあるけれども、やはり国全体の金融で抱いていった方がいいのではないだろうかという御意見。 それにしては、四月から、ことしの四月でございますが、監督下に入ると言っても、やはり現実に決算書類がそろうのは六月だろうから、六月から次の年の三月までに検査をやり、そして退場すべきものはリタイアさせ、改善すべきものは改善させ、また必要ならば資金を援助もする、そういう決断を、いかに金融監督庁が、確かに精鋭がそろっておるし人員もふやしてもらっているけれども、六月からそれだけの仕事を、検査だけならともかく、三月までにするのはそれは難しいだろうな。いや、やると、一生懸命やってくれると言われたのは知っていたのですが、そういう御意見も、そうだな、もともと信用組合だけだったらシステミックリスクというようなことにはよもやなるまいし、一人当たりの預金高も千万円という人は少ないのだからと思いましたけれども、しかし、国の金融機関として監督を受けるということになれば、ならば、それは一緒にした方がいいじゃないか。 あやふやなままでするのはどうかなという、まあ信用組合は、当時といいますか、今でも三百近くあって、近くというのは、合併話がありましたり吸収話なんかで、必ずしもしっかりしたステータスがつかめないものがありますわけですが、それだけのものがあって、二十やそこらは毎年破綻してくる歴史がありましたから、そういうことも今回もあるかもしれない。となれば、やはりそこは、万全を期すのなら、もう一年延ばして監督庁にもちゃんと検査をしてもらい、そしてその後をどう処置していくか、場合によっては資金援助もする、あるいはリタイアするものはする、そういうことをした方がやはりいいのではないか。 というのは、私は、一年延ばすことによって失うところがあるとすれば、それは考慮しなければならないことでありますけれども、私が考えてみて、失うところというのはどうも特に見当たることはない。国際的に、一年延ばしたということが大変に批判を受けるかといえば、受けないだろうと思いましたが、現実に受けませんでした。ということから、失うところはないのならば、やはり完全な行政をしたいと思いまして、いたしました。 そのことについて何度も御批判をいただいておりますことは私もよく存じておりますけれども、私自身は、何かの力に押されて心ならずもやったという立場ではございません。
○横光委員 今懇切丁寧に大臣のこれまでのお気持ち、お考えを聞かせていただきましたが、私は、ちょっと違うのではないかと。いわゆる行政主導でこういった方向が決まったと言えますか。 そういった今言われたことを、去年のこういった決定をする前から言われていれば、恐らく国民は納得するのです。しかし、その前は大臣は、言われておりますこの信用組合の経営実態については、予定どおりに、予定どおりということは二〇〇一年三月、予定どおりに解禁しても心配はないだろうと思うと言われておる、秋に。しかも、金融監督庁も四月から国の管轄外に入るから検査がおくれるというお話もございましたが、金融監督庁はその当時から、解禁予定日までに検査と破綻処理などの措置を十分に終えることができると主張している。これはもう、たとえ都道府県の管轄であろうと、都道府県に指令を出していて、変わると同時に、バトンタッチすると同時に、すぐそれに即応できるような体制ができているということなのです。努力してきた。大臣だって、恐らく信組のことを心配されていながらも、予定どおりやっても心配ないだろうと言われている。 それが今のお話では、ちょっと逆のことをおっしゃるから、今おっしゃったようなことをこの当時から言っていれば、やはり大蔵行政の考えとしてこれはやむを得ないのかなと我々も納得できる部分が出てくるかもしれませんけれども、そうではなくて、急転直下こういうことになっただけに、あれだけ多くのマスコミがあれだけ激しい見出しを連ねたということになるわけでしょう。 ですから、私は、もう一つ心配されるのは、あれだけ大臣やいろいろな関係者が予定どおりということを言いながらも、これだけ変わったという現実を見せられた以上、このことがまたあるのではないか。これはもう本当にこんなことを考えたくないのですが、そういった懸念を持たざるを得ないわけですよ。 これは、今度は二〇〇二年の四月が近づくと、また同じように政治判断によってなし崩し的に再延期という事態になるのではないかという懸念も生じてくるわけですが、与党三党のペイオフ延期の合意を受けた当初、昨年の暮れからことし初めにかけて、宮澤大蔵相は、ペイオフ解禁の再延期はあり得ない、法律にそう書く、そのようにおっしゃっておりました。 しかし、実際の改正案を見ますと、単に預金保険法の附則に規定されておるペイオフコストを超えた資金援助などの期限を、二〇〇一年三月末までから二〇〇二年三月末までと書きかえたにすぎないわけですね。これが、再延期はないと法律に明記するとおっしゃったことにつながるのかどうか。この程度の条文改正では再延期の可能性を完全に否定することができないという思いを抱くわけです。 それはなぜかというと、今回同じようなことが直前にあっただけに非常に心配をするわけですが、この再延期の問題に関して、改めまして大臣の強い決意をお聞かせください。
○宮澤国務大臣 というのが、大体私のこれについての考え方でございましたので、したがって、昨年の暮れに、確かに、金融監督庁は、財務局を含めて六月からでもこの仕事は自分たちでやってみせるという御意見であったことは確かです。それは私は多としていますけれども、そうではあっても、ですから、もちろん党内にもいろいろ意見もありました。 だから、私が無理押ししてできないこともないが、それだけのことをする理由があるかなと。これはやはり完全に時間を使ってやった方がいいという御意見にも無理もないところもあるわけですから。殊に、検査だけではなくて、事後の処置も、将来信用組合というものを大事にしていくために必要なこともやりたいというのは無理もないことでございますから、国のナショナルリスクになるというふうには、私は今でももとより考えませんし、しますけれども、まあそれでも各地方においてはそれなりの存在であるし、殊に国の監督を受けるということになれば、やはりそこまできちんとやっておいた方がいいかもしれぬな、別にそれで失うことがない、失うことがありましたら私も考えますけれども、というのが素直な気持ちであったわけでございます。御理解をお願いしたいと思いますが。 なお、もう一遍延ばすことというのは全く考えておりません。法律にそう書きましても、延ばすつもりならまた法律を変えればいいだけのことでございますから、今法律に書いておりますことは、ここでおしまいという政府の意思を国会に申し上げておる。これを延ばすということには、別にその理由が考えられませんので、あり得ないことと思います。
○横光委員 大臣は、私にだけでなくて、いろいろな議員の質問にお答えする場合、失うものがないという言葉を口癖のようにおっしゃっておられます。後からこの問題点を私もちょっと挙げたいと思うのですが、失うものはない、今は何も起きていないと実際おっしゃいましたね。失うものはないというのは、目に見えるもの、目に見えないもの、いろいろあるのです。そしてこれから、このことによって、そのことにつながることだってあり得るのです。 目に見えないもの、例えば信頼性、国際的な信用の失墜、これは形としてすぐあらわれるものじゃありませんよ。しかし、これは国内外に向けての公約だったわけでしょう。その日本の公約が結局実施目前にしてついえたということは、国際間の信用の失墜というのは著しいものがあると私は思いますよ。それは、実際そういったものがまだ噴き上げてきているわけではありませんけれども、例えば、ことしの一月に行われました、ペイオフの延期が合意された後に東京で開催されたG7において、延期にしたということが決まった後ですので、そのことを報告したときにどのような各国の反応があったか、ちょっとお聞かせいただけますか。
○宮澤国務大臣 私は、その会議の議長でございましたが、議事の間にも、食事などして雑談をしておる間にも、この問題というのは一切問題にされたことがありません。
○横光委員 それは、恐らく言葉ではそういうことかもしれませんが、それぞれ各国の蔵相、関係の担当者は、やはり日本の金融行政はまだまだ護送船団方式から脱し切れていないなという印象を持った、私はこのように思うわけです。これは、失うものはないとおっしゃいますが、どこかでそういったものはあるのだということをやはり大臣にも認識してもらわないと、余りにも失うものがないから大丈夫だという考えでは困ることだという気が私はするわけです。 今度の法改正で、いわゆる信組等が地域経済振興やあるいは中小企業等の創出、育成に果たしてきた役割にかんがみて、早期健全化勘定による資本注入の新たな対象にいわゆる協同組織金融機関を実質的に組み入れる、また、この分野にのみ二〇〇二年三月までという延長期間を設ける、これだけで私は、こういう措置が講じられるならば、これで信組対策というのは十分前向きに進むと思うのです。これで十分ではないか、この措置だけで。ペイオフ延期をしなくてもこれで十分ではないかという気がするのですが、そのあたりの御感想はいかがですか。
○宮澤国務大臣 ちょっと御質問の意味がわからないのですが、私の考えでは、ことしの四月、移管になりますと、金融監督庁、財務局が検査をして、対象は恐らく三百近いと思いますが、そして、破綻するものはやむを得ない、破綻する、それからいろいろ是正措置をするものはする、それから資金援助をした方がいいものはする、そういう仕分けをして、それだけの行政にはかなり時間がかかるというのが私の判断でございますが、それによって、信用組合もいわば大丈夫だ、恐らく幾つかの破綻は、これは毎年そうですから、やむを得ないとしても、残ったものは、今度はそういう信用ある検査とそれから国の援助を受けるわけでございますから、それで大丈夫だということになってくれるのだろうと期待をいたしております。それは確かにいいことでございますが、しかし、その過程において、破綻するものはどうもやむを得ない、破綻をするということであろうと思われますので、それはどうもやむを得ないということではないか。 要するに、信用組合が、今後は十分な検査を受け、資産内容もディスクローズされる金融機関に育っていくということが、私はこの成果ではないかと思っておるわけです。
○横光委員 今度の再生法の終了後も当然維持されてよいと思う機能、こういったものが継承したり、あるいは講じられているということがございます。金融整理管財人による管理、あるいは公的ブリッジバンクや一時国有化や資本の注入、こういったことが引き継がれ、あるいは講じられているということは、私は評価に値する中身だと思っているのですよ。しかし、そういったプラスがありながら、ただペイオフの延期の一点をもってして、重大な傷を負わざるを得ないことになってしまったなという気も私はしているわけでございます。 いわゆる預金保険機構の負担の増大につながる可能性、これは金融機関からの保険料だけでなく、いわゆる政府や日銀からの借り入れで成り立っているわけですから、つまり国民負担につながる可能性が強くなるわけなんですよ。ですから、そうなりますし、また、ペイオフ解禁を前提にして国民の要請にこたえるべく頑張ってきた事務方の皆様方の取り組みの経過や苦労のほどを、私もいろいろ聞いたりしているのです。それだけに、返す返すも残念でならないというのが今の気持ちなんです。 いわゆる今度の政府・与党にとってこのペイオフ延長の必要性とは、先ほどから何度も申しますが、要するに信用組合が危ない、信用組合だけを外すのは公平を欠く、ぐあいが悪い、だから全部一緒に延期する、そういった理屈に尽きるのではないかという気がします。 確かに、一部の地方金融機関には、財務基盤が弱い、厳しいところがあるのは事実です。しかし、そういった対策は、先ほどのいわゆる協同組織を金融機関の早期健全化勘定に組み入れることもやるわけですし、私は、それとペイオフとはやはり対応の仕方が違うという気がしてならないわけでございます。 いわゆる弱いところに足並みをそろえるという、先ほどからしばしば言われております、もとの護送船団方式に復活してしまった瞬間であった、そう言っても過言ではないような気がするのですが、そこはどうですか、大臣。
○大野(功)政務次官 護送船団方式に逆戻りじゃないか、こういう御指摘でございます。 私どもはそうは思っておりません。なぜならば、金融再生法で処理するものは処理している、それから早期健全化法で体質強化するものは体質強化している、こういう中で、信用組合だけは、都道府県の検査監督から国の検査監督へ変わってきて、選別ができていないという状態でございます。護送船団方式というのは、いわば何隻かの船で旅をしておりまして、その一隻が船底に穴があいた、穴があいてどんどん水が入ってくる、みんなでその水をかい出しながら進んでいく、こういうことでございますけれども、今回の措置では、破綻すべきものはきちっと破綻させていく、こういう措置が盛り込まれておるわけでございますから、護送船団方式ということではないのではないか、このように思うわけでございます。 特に信用組合に限ってこういう特例措置を延期することにつきましては、言うまでもないことでありますけれども、そこだけ船団から切り離してやるとすれば、やはり金融機関の業態間で不公平を生じてしまうというような問題、さらに、場合によっては資金シフトが、どういう格好で起こるのかわかりませんが、資金シフトが必ず出てくるのではなかろうか、こういう問題がありますし、では負担をどうするんだ、今、特別保険料、一般保険料で賄っておりますけれども、その特別保険料の上に信用組合だけまた特別保険料を取るのかどうか、こういう複雑な問題が起こってまいりますので、全体で特例措置を一年延長した、こういうことでございます。
○横光委員 今、そういった説明がございましたが、護送船団方式ではないというお話でございましたが、護送船団方式でないということは言えないと思いますよ。いわゆる大手、第二地銀、信金、信組、こういったことからすると、一番弱いところに船足を合わせたわけでしょう。これはいろいろな説明があったにしても、こういうことを護送船団方式というのですよ。 ですから、その意識をまず政務次官も変えていただかないことには、それはいろいろ理屈をつけても、これは私たちからすると、むしろへ理屈にしか聞こえない。むしろそれを認めた上で、しかしその中で信組の足腰を強くしていくんだというような御意見ならまだわかるのですが、頭ごとそういうことじゃないと言ったら、これはなかなか納得できない部分がどうしても出てくる、そういう気がいたします。
○谷垣国務大臣 大野政務次官と同じことをお答えすることになるかもしれませんが、護送船団方式への逆戻りではないかという御意見でございますが、この数年、御承知のように金融をめぐる行政組織というのは、大きく、あるいは目まぐるしく変化してきたと言ってよいかと思います。 私、今金融再生委員長をしておりまして、実は一番ある意味で気を使わなきゃならないと思っておりますのは、しょっちゅう行政組織が変わりますから、その変わっている間に、うっかりしていると、ボールが飛んできたのがぽとんとどこかおっこちていたということがないように、やはり行政の継続性も維持しなきゃならないというのが私の今ここで仕事をしていく上での一つの関心事ではございますけれども、しかし、こういうふうに大きく行政組織が変わっていくことは、護送船団方式から決別して明確なルールのもとで新しい行政をつくっていく、こういうことでございますから、委員に護送船団方式に戻った戻ったというふうにおっしゃられますと、甚だせつないわけでございます。 私としては、今回法改正もお願いしておりますし、こういうものをしっかり使い、そして残された期限の間にきちっとやって、後から顧みて護送船団方式に後戻りをしたと言われないように全力を尽くすつもりでございます。よろしくお願いいたします。
○横光委員 とにかく、ぬるま湯に逆戻りしたという印象だけは与えないようにお願いしたいと思うわけでございます。 今度のは、ある意味では善意の押しつけといいますか、そういった気が私はしないでもないのですね。信組は押しなべて経営基盤が脆弱だ、そういった意識を国民の中にいたずらに助長してしまう可能性がある。そうしてしまうと、金融機関の選別基準をどうしても規模の大小に置かざるを得ないという、要するに預金者の大資本や大銀行信仰に拍車をかけかねない可能性もあるわけですね。 ですから、信組からの預金のシフト、こういうこともどういう形になるかまだわからないというお話もございましたが、信組からの預金の引き出し、シフトが常態化するということがもし起きるようなことになったら、真剣にペイオフの解禁に備えてきた信組にとっては泣きっ面にハチなわけですよ。善意がむしろあだになるということだってあるわけですね。痛みを先送りすることにより、結局は国民に高いコストを払わせることになるのではないかということも心配されるわけでございます。 預金者に、中小金融機関、いわゆる信組が危ないということがもしいたずらに広がれば、中小金融機関離れが進んで、それに追い打ちをかけて破綻に追い込まれるといった悪い方の連鎖を誘発する危険性もはらんでいる、そういった今回の一年間の延長措置ではないかという気が私はするのですが、その点はいかがですか、そんなことはあり得ませんか。
○宮澤国務大臣 いろいろなことを皆さんが議論していらっしゃいました過程で、わかった、では信用組合だけ特例を与えようか、その他のものは予定どおり一年で打ち切り、信用組合はまだ検査も途中であるから二年にしよう、そういう議論をされた方がございましたけれども、信用組合がそれは困るということを言われました。自分たちだけが一年余計に保護を受けるということは、自分たちの内容が怪しいのではないかと預金者に言われますから、それはぜひやめてほしい、こういう議論をされました。そういう心理はあったようです。
○横光委員 次に、生保等といった機関投資家が買った金融債あるいは銀行間取引、こういったことも全額保護になるわけでございます。本来自己責任が問われるべき金融のプロ筋までもがこういった国民負担で守られてしまう。つまりは、少額預金者を守るという預金保険制度の理念にはっきりと反する状況が、これから一年余り長く続くことになるのではないかという気が私はするわけです。 これは私、本会議での代表質問でもちょっと触れたのですが、個人預金者の大半は、現在一千万円以下の預け入れ額とも言われておるのです。予定どおりこの凍結解除が行われたとしても、ほぼ全額保護されるという現実があったわけなんです。ですから、いわゆる富裕層やプロを保護するために国民大衆が税金をむしり取られる、そういったことは容認しがたいという思いを持っているのですが、このような実態を国民はやはり正確に見抜いている。それゆえに、延期に関してかなり大きな反発があるのではないかという気が私はするわけです。 ですから、この一年延期の間に生じたペイオフ関連の公的支出に関しては国民に負担を求めることは一切しないんだ、国民がこの延期を求めたわけでも何でもないのですから、負担を求めることはしないんだというぐらいのことを、法案の策定に当たった大臣としては、せめてそれぐらいの見識を持ってしかるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○大野(功)政務次官 いわゆる高額所得者優遇になるのではないか、こういうお話でございます。 全体の全国銀行統計、去年の三月末でまことに申しわけございませんが、金額で見ますと一千万超が三分の一、それから口数で見ますと約一%、こういうことでございます。ですから、そういうところについては負担を求める、一千万超の部分について一部負担を求めるというような考え方をとるとすれば、それはいわばペイオフの解禁と同じことになってしまうわけでございます。したがって、右か左か、そこははっきりしないといけなくなるのではなかろうか。 ペイオフの解禁を一年延長するということにつきましては、大蔵大臣から懇切丁寧な説明があったわけでございますけれども、我々としましては、十四年三月末までの間に与えられた枠組みの中であらゆることをやらせていただいて、あらゆることという意味の中には、先ほども御説明申し上げましたが、整理すべきものは整理していく、健全になってもらうものは健全になってもらう、合併してもらうものは合併してもらう。極めて元気のいい、競争力のある、そして二十一世紀の経済を支えてくれるような金融システムを確立していきたい、そのために一生懸命頑張っていきたいと思っております。
○横光委員 今回の改正案で、協同組織金融機関は優先出資証券を発行できることになりました。公的資金の注入が可能となったこととあわせて自力での資本調達ができるという選択肢が広がったことで、信金、信組業界等が求めてきた資本増強策の整備はかなり前進した、私はこのように受けとめております。 ただし、取引先などを対象とした優先出資証券発行による資本増強に対して、私はそんなに大きな期待はかけられないのではないかという気がするのですね。 それは、優先出資法には、投資家保護の観点から、優先出資による総口数は普通出資の総口数の半分を超えてはならない、こういった枠、総口数の制限があるわけでございます。ですから、自力による資本増強においても、こういった物理的な制約がどうしても生じてしまう。そういった意味から、苦境に立たされた信金や信組を資本増強だけで再生するのはやはりかなり難しいであろう。融資や預金とも小口に徹して、限られたエリアで取引先数を積み上げてきた、このような時間と労力を要する地道な努力こそが問われる、言うならば試験期間が二年間用意されただけだと理解すべきではないかという気がするわけでございます。つまり、この資本の増強はそのための時間的な支援でしかない。 ですから、資本注入の際に健全性の基準を緩めても、これまた結局は業界の首を絞めることにもなりかねない。したがって、今お話ございましたように、退場させるべきは退場させ、いわゆる健全化勘定を有効に活用しながら、地道な努力を行っております、意思と意欲がはっきりと見える、強くそういった意識を持っている信組等には支援をし得るんだという明確な投入基準といいますか、これを欠かすことはできないという思いがするわけでございます。その線引きが甘くなれば、どうしても健全な信組に対する評価までもが問題信組に引きずられてしまうだけでなく、地域金融機関の役割自体に対する預金者の信頼を再び築き上げるのは非常に難しい状況になってくるのではないか、そう思うわけでございます。 信組等に対する公的資金の投入基準、これがどのように整備されるのか。現時点において、最大限ここまではやろうとしているというようなお考えがございましたら、投入基準について御説明をいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今回お願いしております法改正で、協同組織の金融機関にも資本増強のいろいろな手だてが講じられるようになるわけでございますが、その際にどういう考えで臨んでいくかということは、改正法に基づいて告示というものをつくっていかなければならない、こう思っているわけでございます。ただ、今改正をお願いして、国会の御意思もまだ確定しておりません前に、余り告示の作業だけ進めるわけにはいきませんので、公式にはその議論はまだいたしておりません。 しかし、今横光委員のおっしゃったような御質問もいただきますので、私も事務方とそろそろいろいろなブレーンストーミングは始めつつございまして、その際考えておくべきことは二つあるのではないかと思っております。 一つは、確かにずぶずぶの基準ではいけないのですが、やはりマネーセンターバンクなどと違いまして、今おっしゃいましたけれども、それぞれの地域地域に密着していろいろ営業活動を続けてきた、そうすると、やはり地域地域の特殊性というものがあるだろう。そういうものをどこまで考えに入れ得るかというのが一つの問題点でございます。 それからもう一つは、健全化勘定というのは、これは全額保護に伴ってロスを埋めるなどと違いまして、健全化勘定の中から使って注入したものは、毀損しないでやはり戻ってくるということが何をおいても大前提だろうと思いますので、そういう健全化勘定へ戻ってこなきゃならない公的資金であるという前提を立てますと、その前提のもとにどういう要件が必要か。今申し上げました地域の特殊性というのと、毀損させてはならないという、その二つを柱にしていろいろな要件を詰めていかなければならないなと思っておりまして、現時点で申し上げられるのは、まだこのぐらいまでしか私たちも議論を進めておりませんが、大体柱はそういうことだと思っております。
○横光委員 はい、よくわかりました。 次に、もう一点お聞きいたしたいと思います。 預金保険制度でございますが、保険というのは、これは申すまでもございません、適正な保険料率のもとで保険料が支払われる仕組みでございますが、しかし、これまでも預金保険は、ありとあらゆる金融商品やあるいは金融取引を保護しまくった結果、制度的には保険という名称ではくくれないような状況になってしまったのではないかという気がいたしております。つまりは、守るべき預金がふえるのだから、金融機関の支払う預金保険料の負担も当然増大するということですよね。 繰り返しになりますが、元来預金保険制度は健全な金融機関の上に成り立っていると言えるものでございまして、それゆえ、結果的にはペイオフ解禁に伴う新預金保険制度、これがそれらの健全な経営を逆に圧迫していく作用も働くのじゃないか、それも否定することはできないのじゃないかという気がするわけでございます。わかりやすく言えば悪貨が良貨を駆逐する、そういった構図が見えてくるのではないかという気がいたしますが、そのことに対してはいかがお考えでしょうか。
○福田政府参考人 今後の金融機関に支払う保険料負担の問題でございますが、今後の各年度の預金保険料につきましては、一般勘定の借入金の早期返済等の事情がございますので、やはり各年度の保険料でいただく総額については現在の保険料の水準をベースとして検討せざるを得ないと存じます。いずれにしても、金融機関に過大な負担にならないように配慮する必要があると考えております。
○横光委員 特別保険料の徴収も来年三月で終了するわけですね。この後もやはり、今お話ございました、一般勘定の借入金の返済のためには、また新たな形での保険料の積み上げが必要になってくるのではなかろうか。そのときに、そういうことは要するに預金保険機構の決済事項でございます。しかし、何らかの見直し、いわゆる一律負担でいいのか、これまでの形でいいのかとか、いろいろな形は、やはり政府側としても預金保険機構と積極的に話し合う必要があるのではないかという気がいたしておりますが、この点はいかがでしょうか。
○福田政府参考人 保険料の体系自体が、確かにこれから年度によって少し変わってまいります。 十三年度につきましては、全額保護が行われることになりましたので、現行どおり一般保険料と特別保険料の負担が継続するわけでございますが、十四年度になりますと、流動性預金のみ保護が続くわけでございますので、その年度には特別保険料はなくなるわけでございますが、そのかわりに、付保対象預金のうち流動性預金に対する一般保険料と、流動性預金以外の預金等に対する一般保険料の二本立てで考えることになろうかと思います。それから、十五年度以降は完全に経過措置がなくなりますので、すべて一般保険料に一本化されるわけでございます。 ただ、重ねて申し上げれば、各年度の保険料負担の総額については、一般勘定の借入金早期返済という意味で、現在の水準をベースにして検討されることになるのではないかと思います。
○横光委員 これは、住専処理のときに私たち与党内で、当時の与党内ですが、強く求めてきたのがいわゆる可変料率制ですね。今回の改正案では初めて、まあ将来的にですが、その導入を図り得る規定が準備されております。大変私たちは高く評価いたしたいと思っております。 いわゆる保険料率は「長期的に機構の財政が均衡するように、かつ、特定の金融機関に対し差別的取扱いをしないように定められなければならない。」この間に、丸括弧つきで「金融機関の経営の健全性に応じてするものを除く。」これが入ったわけでございます。そういった意味では大変高く評価しているわけですが、今、一般勘定の借入金の返済完了までの間はなかなか可変料率制の導入は無理だという御意見が多かろうと思いますが、できるだけこれも前向きにどんどん進めていっていただきたい。 お答えは難しいでしょうが、一般勘定の借入金の返済が終了するのが、例えば五年、あるいはその終了した時点で可変料率の導入も考えられるというぐらいのお言葉は出ますでしょうか。
○福田政府参考人 御指摘のとおりでございまして、今現在は一般勘定に多額の借入金が存在いたしますので、そのような状況のもとで直ちに可変保険料率を導入いたしますと、財務内容の弱い金融機関に対する保険料率が極めて高い水準になるというような問題がございます。したがいまして、今御指摘のような一般勘定の借入金が解消されるくらいになりましたら、その時点で検討されると思いますが、当面は慎重に対応すべきだろうと思います。
○横光委員 よろしくお願いいたします。 終わります。ありがとうございました。
○金子委員長 次回は、来る四月四日火曜日午前八時五十分理会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十分散会