商工委員会 第12号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/04/19
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として、吉井英勝君の質疑の際に公正取引委員会事務総局経済取引局長山田昭雄君、資源エネルギー庁から長官河野博文君及び公益事業部長大井篤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中山委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
○新藤委員 おはようございます。自由民主党の新藤義孝でございます。与えられた時間が十分でございますので、非常に難しい質問でございますが、ポイントだけ御質問させていただきたいというふうに存じます。 私どもは、自由民主党の立場として、政府とともにこの独占禁止法の改正についてさまざまな作業をやってまいりました。私も個人的な信念の中で行わせていただいたわけでございます。 この総括で申し上げることは、とにかく日本の商業環境、そして産業構造、これを直さざるを得ない、そういう時代の背景を受けて、その代表たるものが規制緩和である。これは、委員の先生方皆さんが共通認識のことだと思っております。 ただ、私どもは、この何年間かの規制緩和というものを見ておりながら、やはりそこにはある前提が必要だ。すべての規制を緩和してしまってなくなるということは、究極論は法律も要らない、何にも要らないということになりますから、規制緩和を行うについても、最低限の社会的な規制だとか、それから公正取引環境の整備、こういうものを前提とした規制緩和をやっていかなきゃならぬ、こういうふうに私は思っております。そして、そういう活動をやる大勢の仲間とともにこの作業にタッチさせていただいたわけでございます。 この中で、今回は我々の考えが盛り込まれた法律の改正案になっております。そして、基本的にこれを進めさせていただきたいという賛成の立場でやっておるわけなのでございますが、あえてここで確認という意味で、また公取の方でどういうお考えを持っているかということのために質問をさせていただきたいというふうに思っております。 特に、私どもは、規制緩和が進み過ぎた結果として大変な問題が起きているものとして、ガソリンスタンド、それからいわゆる小売の町の酒屋さん、こういった皆さん方に今いろいろ不安が出ているということを確認しております。 そういう中から出てきたものとして、今までは、公正取引委員会に申告をして、そして不正な取引が行われているかどうか、それから不当廉売だとか差別待遇、さらにはメーカーによる優越的地位の濫用、こういうものが行われていると個人的に思っていても、なかなかそれが仕事の面で立証できなかったり、業界として対応できない、こういううらみがございました。そのために、今回は、公取に申し入れをするだけではなくて、個人の立場で裁判所に訴える、差しとめ請求をするんだ、この導入をしたことが今回一番大きな成果ではないかな、我々はこういうふうに思っているのでございます。 この場合に問題になってくるのは、差しとめ請求をするのですけれども、その場合に、不正の目的の提訴の場合は原告に担保を提供させる。これは当然、差しとめ請求制度を濫用され、悪用されては困るということで歯どめが必要だと思うのだけれども、この原告に担保を提供させるということが逆に差しとめ請求をしづらくなってしまう、こういううらみがあるのではないかな、そういう心配をしている者があるのだけれども、濫用防止の精神、原告に担保を提供させるということを導入した目的というか、その部分を確認をしていきたいと思うのです。
○根來政府特別補佐人 今回提出いたしました法案には、私人の差しとめ請求の制度を入れているわけでございますが、こういう制度は光と影の部分がございまして、光の部分は非常に結構だという評価を受けるわけでございますが、やはり影の部分として、濫用といいますか、特に商売の話でございますから、商売の目的のために濫用するということもあり得るわけでございます。 そういうことをおもんぱかりまして、特に、これは被告の抗弁といいますか、被告の申し立てによりまして、かつその被告が疎明した場合に限りまして裁判所が担保の提供を求めるということになりますので、その光と影の部分がうまく調整できるのではないかというふうに思っております。
○新藤委員 もう少しわかりやすく確認させていただきたいと思うのです。要するに、言葉のとおり、不正の目的の提訴の場合は原告に担保を提供させる、だから、逆に言えば、不正の目的ではない正常な目的の提訴の場合は担保は必要ない、こういうふうに私は判断できるんだし、また、それをしていただかなければこの請求制度をつくった意味がないわけでございまして、これは大変な誤解を生じるおそれがあります。だから、当然これは正当な提訴なんだという場合には担保は必要ないんだよということをきちっとPRする必要があると思うのだけれども、どうですか。
○根來政府特別補佐人 おっしゃるとおりでございまして、正当な場合は何ら担保なしに請求ができる、こういうことでございます。法案が成立した場合に、私どもも、その点誤解のないように十分PRといいますか宣伝したい、こういうふうに思っております。
○新藤委員 ありがとうございました。そこが大切なところでございまして、これは要するに、一般の素人というか、個人的な請求、この制度を使おうと思っている人にはそこをきちんと言わないとだめなんで、法律にはそこまで書く必要はありませんから、やはり私は、ここではっきりさせていただきたいということでございます。 それで、時間がありませんので、あと、大切なことは、独禁法を緩めてさらに取引を活性化させるわけですから、いろいろな市場を開放して、新しい方々が入ってくる。当然取引がふえる。ということは、またこれに対して、取引がふえたことによって、独禁法の適用を検討しなければいけない作業がふえてくると思うのですね。 だから、その場合に、窓口を開放してどんどん市場を活性化しなさい、その結果、今度は独禁法に抵触するおそれのあるものが、ハードルが低くなったんだから、数がふえる。では、そのふえた案件を迅速に処理できなかったならば、結局またこれは意味がないということになる。ということは、この公正取引委員会の機能を強化する、それから体制を充実させる、このことが大変必要になってくるというふうに思うのです。 そういうことについて、きょう公取の委員長おいででございますから、これは決意のほどと、それから、私どもとしては、こういうものを推進させるんだから、やはり体制を充実させるための人員だとかそういうものを我々も考えていかなきゃいけないのじゃないか、こういうふうに思っておりますが、公取側の立場として、この決意というか、また要望、こういったものがあれば聞いておきたいと思います。
○根來政府特別補佐人 まず、体制の強化でございますけれども、これは国会でも、また政府部内でも大変な応援をいただきまして、小さい政府を目指しているときに、やはり年々、私どもとしては少ないと思っておりますが、増員をいただき、体制の強化を図っていただいておるところでございます。 それからもう一つは、私どもは、やはりこういう自由経済、自由競争の時代になりますと、今までの独禁法でとらえ切れない点がたくさんあると思うわけでございます。そういうことについては常々検討を怠らないという態度で、また国会等の御議論を踏まえまして、法律の改正等をお願いしているわけでございます。私が就任してからも、先ほども言っていたのですけれども、毎年この独禁法の改正をお願いしているわけでございますので、引き続きよろしくお願いしたいと思っております。 それから、最近の風潮にかんがみまして、親切な行政と言うとまたおしかりを受けるかもわかりませんけれども、やはり国民にわかりやすい独禁法の執行ということが必要であろうかと思うわけでございます。そこで、民間の方々の御協力も得、また私どももいろいろ考え方等を公表しまして、できるだけわかりやすく、かみ砕いて、理解していただくような努力を積み重ねているわけでございますので、各般にわたり御指導をお願いしたい、こういうふうに思っております。
○新藤委員 ありがとうございました。 とにかく、これはきっちり運用しないと、別に犯罪ではないんだ、犯罪行為ではないから取り締まれないんだ。ただ、要するに、日本の商環境というのは町のいわゆるコミュニティーの中で成り立っている部分がある。人間と人間のことなんだから。だから、これを壊してしまったら日本の地域コミュニティーも壊れるんだ、商業を保護するだけではないんだということから、これは厳正に執行してもらいたいというふうに思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 吉田治君。
○吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。 きょうは通産大臣においでいただいて、大臣はお時間が限られているということですので、本意ではございませんけれども、まず通産大臣の方への質問から入らせていただいて、その後、できればゆっくりと中身濃く公取の方に御質問をさせていただきたいと思っております。 まず最初に大臣、電気事業、ガス事業。 今、電気は御承知のとおり九電力体制、ガスは地域独占とはいいながら二百数十社が大手と中小に分かれてガス事業を展開している。しかしながら、基本は、私が言うまでなく、日本のエネルギーの自給率というものはほかに比べても随分違う。 私はかねがね申し上げて、おしかりもいただくのですけれども、例えば日本の食料自給率の話がいつも出てくる。五〇%か四〇%かを何%上げるのに何ぼかかるんだと。私らからすると、その問題も大事だけれども、もっと自給率の低いエネルギーの問題がある。それはどんどん自由化の方向へ持っていっているというふうな中において、本法案が改正されることによって、より電気もガスもそれぞれの自由化というものが進められる、促進の方向になるというふうに聞いておりますが、特に自給率の低いエネルギーというもの。 私はちょっとこのごろある意味で残念だなと思うのは、大臣は御経験おありと思います、私もそうなんですけれども、私が小学校五年生のときですか、第一次石油ショック。ある日突然町じゅうのネオンが消えた。紙もない。灯油はないのはわかるのですけれども、どういうわけか食用油までなくなっていった。なぜか知らないが、トイレットペーパーは家の倉庫に山盛りあった。 買い占め、売り惜しみという言葉は今は死語になりつつあるのかもしれません。しかしながら、どうも今の通産のエネルギー政策を見ておりますと、その世代ではない、私よりも年のお若い方々、これは私は、若い方々の発想でやるというのは、自分も含めてですけれども、必要だと思うのですけれども、どうもそこに、あの石油ショック、特に第一次石油ショックの経験に基づかない、理論的に見たらマーケットメカニズムのみを標榜する、そういうエネルギー政策がばっこし過ぎているのではないか。 日本というのは、基本的にはエネルギーの自給率が低い国だ。だから、その中での自由化ということが必要である中で、どうも発言を聞くと、マーケットメカニズム、アメリカ、イギリスと、最後はそれぞれ自分のところでエネルギーを持っている国と同じように扱ってしまう。農業の話とすると、何か随分進んでいるのか、わけがわかっていないのかということを感じるのですけれども、まず大臣におかれて、このエネルギー政策、特に、何度も申し上げましたように、自給率の低い我が国のエネルギー政策についてどういうふうにお考えなのか、所信をちょうだいしたいと思います。
○深谷国務大臣 吉田委員のおっしゃるとおり、我が国のエネルギーの自給率は非常に低うございます。石油もほとんど海外から依存している。ですから、過日のアラビア石油の問題でもそうでありますが、常に不安定な状況に置かれている。 そのために、海外との関係を重視しながら、その関係の友好的なかかわりをずっと維持していくような努力をしなければなりませんし、国内にあっては、新エネルギーの開発等も一生懸命やっていますけれども、省エネルギーの問題など、おっしゃるようにあの石油ショックの反省に立った状況というのが今すっかり忘れられているという形がありますから、全体的なエネルギー対策について国民が政府と一体となって考えていくという体制が非常に大事だろうというふうに考えて、一生懸命通産省としてもその形をやらせていただいております。 そういう中で、電力あるいはガス等々についてのいわゆる自由化という流れが生まれてまいりました。 この自由化の方向というのは、効率化であるとか価格の低廉化とかいうことを一方においては考えているわけでありますが、委員おっしゃるように、その場合に大事なことは、安定供給とか環境保全といったエネルギー政策上の整合性をきちっと保っていくことだというふうに考えるわけでありまして、いたずらに安くなればいい、自由化されればいいというものではないということははっきりと確認しておかなければならないと思います。 そういう意味から、今度のこの制度を実施いたしました後、三年後をめどにして再度検証するということになっておりますので、その際もこのような全体的な整合性を考える姿勢を貫いていきたいと思います。
○吉田(治)委員 今大臣、三年後の見直しということで、それがより進むのかどうかということがまたこれから注視されると思います。 大臣の答弁の中で、今アラビア石油のお話がございました。これは大臣も議員でいらっしゃいますからおわかりだと思うのですけれども、役所というのはどうも、アラビア石油の問題のときにはエネルギーの自給率が低い、電気、ガスの自由化のときにはマーケットメカニズムだと、何か使い分けをしているように感じて仕方がない。大臣をされていて、ぜひともその辺もしんしゃくをしていただかなければならない点だと私は思います。 さて、質問をかえさせていただき、電気の件については後ほどまた公取中心に御質問させていただきますけれども、本日は、この場をおかりして、昨年本委員会で成案になりまして施行が始まりました俗称産業再生法。民事再生法という中において新再建型倒産手続というものが昨年の国会で通りまして、先週の週末、東洋製鋼が民事再生法の申請をした、そして、それを受け入れた朝日工業が口頭においてこの産業再生法の申請を通産にしたとお聞きしております。 私は、まず最初に大臣に、日本のこの産業再生法、これはある意味で前大臣がつくられて、現大臣、深谷大臣がこれを実施されている。だから、つくるのとやっているのとはやはり現実問題になると随分違ってくるというふうな部分、違ってくるというか、より使い方というのをいろいろ工夫なさっているかと思うのですけれども、まず、産業再生についてということ。 それから、今申し上げた、日本において初めて民事再生法を申請した業界である鉄鋼業界の構造改革について。私は昨年予算委員をさせていただきまして、当時の総理、当時の通産大臣にも随分質問をさせていただきましたけれども、改めて、こうして現実に新しい産業再生のスキームが動き出したという中において、鉄鋼業界、とりわけ鉄鋼は、私が言うまでもなく、高炉系と普通鋼電炉業界という、超大手と俗に言う中小という形に分かれてまいりますけれども、この構造改革について、大臣としての認識というものをまずお聞かせください。
○深谷国務大臣 鉄鋼産業の構造改革についてまず触れますが、鉄鋼産業は、好調な輸出に支えられて、粗鋼生産量というのは回復されつつあります。今までは、大体一億トンのレベルを常に前後しておったわけであります。ただ、鋼材市況が低迷していますから、経営環境というのはやはり依然として厳しいと見なければならないというふうに思います。 こうした環境の中で鉄鋼各社が生き抜いていくためには、他社との連携も含めた事業の再構築に努めるということが非常に大事でありますが、特に電炉業は設備能力が過剰と言われておりますから、設備処理を行う事業の再構築で業界全体の構造改善が図られていくことが必要だろうというふうに思います。お話しの産業活力再生法などを活用いたしまして、鉄鋼業界の自助努力による構造改善というものが進んでいかなきゃなりませんし、それを支援していくことが私どもの役割だと考えております。
○吉田(治)委員 普通鋼電炉業界のお話はありましたけれども、高炉の方はいかがでしょうか。 大臣の初めの答弁の中で、好調な輸出と。普通鋼電炉業界は国内ですよね。スクラップからやる、環境に非常に優しくて、エネルギー問題からしても、夜回すということで非常に電気の負荷という部分においても貢献をしていると私は評価をしてもいいと思うんですけれども、高炉業界というのはいかがでしょうか。 現実には、大臣の答弁のことを具体的に言うと、例えば、新日鉄と日新さんがステンレス、それから新日鉄と住金さんがシームレス、川鉄さんとNKKさんが物流という形での提携を含めていかれる。しかしながら、高炉全体とすると、いろいろ物を読んでおりましたり、アナリストと言われる人たちの話を聞いておりますと、やはり二千万トンクラブというんですか、粗鋼生産量が一社で二千万トンでないとなかなかこれからの世界競争の中で生き残り得ないということもよく聞いておりますけれども、普通鋼電炉は後ほどお聞きしますけれども、高炉について、大臣、お考えはいかがでしょうか。
○深谷国務大臣 今も触れましたように、高炉業界というのは設備能力が過剰だと言われておりまして、それらの設備の処理に伴う事業の再構築というのが今非常に重要だというふうに思います。 今御指摘のありましたように、新日鉄であるとか日本鋼管であるとか、いろいろなところが、それぞれどのような再構築をしたらいいかということで、まだ具体的ではありませんが、動きが始まっていて、これらの動きの中で答えが出てまいりまして世界との対応の中で生き延びていく、そういう形で行くしかないのかなというふうに考えます。
○吉田(治)委員 そういうふうな中で、大臣も先ほど言われて、私も、重要なのは、これはもう時代が変わった。私が申すまでもなく、自助努力という言葉を言われましたけれども、多分これが先ほどの石油ショックすぐのこういう業界であれば、行政指導というんですか、価格カルテル適用除外という形をして、どんと頑張ろうじゃないかという、擬態語になってしまいますけれども、そういう時代であったのが、今はもうまさにそれぞれが、業界または各社がみずからの意識で、みずからの経営采配でしていかなければならないという中において、この東洋製鋼の民事再生法申請というもの、これについて、大臣として、この一連の流れをどうお考えなのかということが一点。 二点目は、朝日工業さんが産業活力再生法、これは正式に文書では申請はされていない、口頭で、俗に言う問い合わせという形が来たと聞いておりますけれども、それが朝日工業さんから今後正式に文書として出てきた場合に、通産としては、積極的というのか消極的というのか、それとも、どういう質問の仕方をしていいかわかりませんけれども、どういうふうな形で受けとめて申請に対応していくのか。 そして、最後の部分で大臣が、設備処理、過剰な設備だと言われましたけれども、初めてこれは鉄鋼業界において過剰設備の処理にこの国のあり方というものが使い得たという部分で、私は、よしあしは別として、問題点は後ほど労働政務次官もおいでですから質問をさせていただきたいし、さきの産業活力再生法の衆参両院における附帯決議の中でも労働問題については非常に大きく盛り込んでおり、立法化まで検討しろと要求をしておりまして、これについては後ほど質問させていただきますけれども、しかしながら、初めて過剰設備の処理というのがこれでなされるのかなということで、その辺についての大臣のお考えと対応、そして評価と言っては語弊がありますけれども、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 東洋製鋼株式会社は、四月十四日に東京地方裁判所に対して民事再生法の手続開始の申し立てを行ったわけであります。同社は、今生産を停止いたしまして、朝日工業に営業を譲渡する方針を発表しているところでございます。朝日工業の方からは、東洋製鋼から営業譲渡を受けるに当たっての産業活力再生法の活用可能性について、お話しのように今通産省と相談を始めているという状況でございます。 東洋製鋼が現在保有している生産の設備を処理するかどうか、これは現段階では未定でありますけれども、恐らく再生計画案作成の過程の中で出てくるのではないかというふうに考えます。 いずれにしても、電炉業界の現状にかんがみて、本ケースが構造改善に資するというふうに考えておりまして、産業活力再生法については、消極的、積極的と問われましたが、積極的に対応していくように私は指示をいたします。そして、その場合には、まだ正式な申請にはなっておりませんが、できる限り早く、可能な限り早く対応するということが必要ではないだろうかというふうに考えます。
○吉田(治)委員 もう一度重ねてお聞かせいただきたいんですけれども、それでは、今回のこの一連の流れというふうなもの、先ほどから過剰設備、設備処理というお話の中においては、大臣としては評価すべきものであって、できることならば業界なりそれぞれの企業なりのみずからの発意によってこういう流れというものが、加速と言っては語弊があるかもしれないけれども、一つの流れになってもらいたいというふうな思いがあるということ、そういうふうな考えだということでよろしいんでしょうか。
○深谷国務大臣 鉄鋼業界に限らず、世界の荒波の中をこれから進んでいく場合には、やはり足腰を強くしていくということがとても大事だと思います。集中とか選択というようなことで、特にこの場合には産業活力再生法等でしっかり土台をつくっていく。その当初は苦労も多うございますけれども、結果的には将来足腰の強い産業になっていく。そういう意味では、私は、今のような構造改革が進められていくというのは一つの流れであると認識しています。
○吉田(治)委員 その場合に、そういう流れがうまくいって、設備処理等がうまくいくと、ある意味で鋼材価格が、下落と先ほど言われましたけれども、安定していくと、川上、川中、川下でいうと、やはり鉄鋼の卸問屋、たしか大臣の地元にもたくさんあって、大変厳しいと聞いておりますけれども、そこにも資すると私は思うんですね。ですから、その辺からすると、大臣は一くくりで、いや、鉄鋼業界だけじゃないということですけれども、では、これは例えば鉄鋼業界に限った場合に、もう一度、くどいようですけれども、イエス、ノーという質問の仕方がいいかどうかわかりませんけれども、評価できると考えてよろしいですね。
○深谷国務大臣 いろいろなケースがありますから全体的なことは申し上げられませんけれども、前向きに評価できるのではないかと思います。
○吉田(治)委員 それで言うならば、今回は評価できるということで、大臣、あともう一度。もうお時間もあれですので、しつこい質問になってしまうかもしれませんけれども。では、高炉業界、また普通鋼電炉業界、特に普通鋼電炉業界はとりわけ設備過剰だと。私が先ほどから申し上げているように、スクラップを使っているということ、それから夜の電気を使っているという部分においては、エネルギー、また環境問題について、私は、ネガティブではなくて非常にいい産業だ、ある意味で、こういう産業がばったばった倒れるのでなくして、こういう形でどんどん進んでいく必要があると思います。 もう大臣に対する質問はこれで最後にさせていただきますので、もう一度重ねて。しかしながら、先ほど申し上げましたように、普通鋼電炉業界というのはまさに国内だけ。高炉は海外で、たしかきょうも鉄鋼課長が、まだ日米間のシロクロの問題があって鉄鋼問題でアメリカへ行かれるとも聞いておりますけれども、そういうふうな、高炉という部分でいったらそこの部分もあるけれども、普通鋼電炉業界というのは、ある意味で非常に昔の体質、意識。まだ何かあるんじゃないかとか、補助だとか指導だとかいう部分を、まあ淡い期待はもう持っていないとは思いますけれども、どこかが倒れれば次は私のところは生き残れるぐらいの意識は持っていると思うんですけれども、昔と違うので、通産の方から指導しろということは私も言えない。しかしながら、やはり意識を高めてもらうということは非常に重要だと思うので、その辺についての取り組み、もう一度大臣の認識。 それから二点目、産業活力を再生していくには、きょうは建設政務次官もおいでいただいていますけれども、土地の流動化等々のことも必要になってくる、まだ至らない部分が少し残っている。これについて通産としてどういうふうに今後取り組んでいくのか。 この二点だけお聞かせいただいて、大臣、行っていただいて結構でございますので。
○深谷国務大臣 この業界のみならず、これからというのは、先ほどもお話を申し上げたように、自助努力というのが非常に大事になってきて、役所が指導するとか、かかわりを深く持っていくという形から、それぞれが独立した産業、企業としてしっかり体制を整えていくということがとても大事だと思います。 ただ、そうは言いながら、例えば鉄鋼業界でいえば、アメリカのアンチダンピングの動きなどもございますから、そういうような環境の悪い状況の中では、日本の主張すべきものは政府が一体となって主張してお守りをしていくといったような、そういう努力が必要ではないだろうかというふうに思います。 いずれにしても、上から手を差し伸べたり過剰なお手伝いをするよりも、自助努力を見守りながら、その中で一体何ができるか、そこをきちっと見きわめていくことが政府の立場ではないかと思います。
○吉田(治)委員 ごめんなさい、大臣、もう一つだけ。お時間まだ九時四十分まで大丈夫だというので、これをちょっと大臣と、それから、きょうは労働政務次官がおいででございますので。 実はこの産業活力再生法のときの衆議院の附帯決議の中には、随分と労働問題、特に関係労働組合との協議を行うとか、雇用労働者の意見を十分聴取する、労働関係上の問題への対応について法的措置も含め検討を行う等々が附帯決議に盛り込まれた。 しかしながら、今回の東洋製鋼の一件においては、私どもの手元にある資料によると、四月十五日付で東洋製鋼の代表取締役松山さんから解雇予告通知書というものが全従業員に出されている。つまり、今大臣が言われたように産業再生という形で、民事再生法ではこれが最初の適用申請だと聞いております、等々していったら、結果として、そこへ勤めている人間はもう要らないよと。この法案は、産業を再生すると同時に、従業員の首切りと言ったらいいのか、リストラと言ったらいいのか、合理化と言ったらいいのか、そういうふうな法案の隠れた趣旨があったのではないか。 特に、この東洋製鋼、朝日工業は、工場の距離からしますと、東洋製鋼さんから営業譲渡をなさると、何人か朝日工業さんが受け取られるとしても、東洋製鋼の場所は茨城県の石岡市、朝日工業の主力工場である埼玉工場は埼玉県児玉郡神川町、距離にしておよそ百キロも離れている。だから、先ほど来、過剰設備の処理は必要だ、そしてこういうスキームも大事だ。しかしながら、実際そこへ勤めている人が結果として石岡市から神川町まで百キロなんか通えるわけはないし、では単身赴任なのか、それとも家族率いて引っ越しなのか。 しかしながら、それ以前に、全員の解雇予告通知書が出ているというふうな状況について、まず大臣、雇用というふうな問題。この問題は、特に今回のスキームの中においても大変大きなウエートを占めると思うんですけれども、それについての大臣の御見解。 それと、労働政務次官、きょうはわざわざおいでいただいております。先ほどから附帯決議のお話を申し上げておりますが、この一つの事案についてのお答えと、こういう産業再生というものの流れの中の、今後の労働省としての取り組み。とりわけ、附帯決議の四項目めにある、労働関係上の問題の対応については法的措置も含めて検討を行うという、本院商工委員会の附帯決議を受けての労働省の取り組みというのは今どうなっているのか。 それぞれ大臣、政務次官、お答えをいただきたい。
○深谷国務大臣 構造改革を通して企業が足腰を強くしていくということは、将来において雇用を確保する、そういういい点はあるのですが、当面は、ただいまのようなお話の混乱も多く起こることを大変懸念しています。つまり、会社が足腰を強くするためにはリストラはやむを得ないという、そんな安易な形でいいのかというテーマだと思いますが、私は、それは企業としては許されないことだというふうに思います。 東洋製鋼の民事再生法の申請に伴う雇用への影響については、まだ作成作業が行われる再生計画の内容がはっきりしていませんから、どのような状況になるか、今の段階では申せませんが、一般論から申しましても、構造改善への取り組みが従業員の地位を不当に害するものであってはならない、これは大前提でございまして、そういう意味では労使間の話し合いも非常に大事でございますから、私たちも注視していかなければいけないと思います。
○長勢政務次官 御指摘の事案につきましては、産業再生計画の申請が行われているという段階であると承知をいたしております。したがいまして、この再生計画を策定するに当たり、つまり裁判所が許可をするという段階では、この法律におきましても、労働組合の意見を裁判所が聞くという手続も定めておるというように、労働者保護の観点に立った措置が講ぜられるということを予定しておるわけでございます。 そういうことで、今後その成り行きを見る必要があると思いますけれども、したがって、今回、全員解雇予告がなされたということは、直接的に再生法そのものの観点ではなくて、一般論としてその解雇というものが不当であるかどうかということの議論であるのかなと思っております。 一方、前回の附帯決議等で、企業組織変更等に伴う労働者保護について十分検討するようにという附帯決議が行われていることは十分承知をいたしております。労働省におきましても、学識経験者等の方々の研究会も開きまして、十分に検討してまいった次第でございます。 一つは、合併の問題のような場合には当然包括承継ということで労働者の保護に万全が期されておりますので、不利益が生ずるということはございません。 また、営業譲渡につきましても、権利義務の個別移転という法的性格を営業譲渡は持っております。また、労働者についても、承継に当たっては労働者の同意が必要とされているというようなことから、これらについては立法の必要性はないのではないか、こういうふうに今考えております。 ただ、今新たに分割法が議論されておりますけれども、これにつきましては法案を提出いたしておりまして、労働者の保護に万全を期すという立法措置を講じているところでございます。 いずれにしても、労働者を解雇するというようなことが安易に行われてはならないことは当然のことでございますし、それについて十分指導しているところでありますし、また、解雇については、その当不当について最高裁の判例がありますので、この遵守をきちんと徹底をしていくということに今後とも万全を期していきたい、このように思っております。
○吉田(治)委員 政務次官、ちょっと整理するために答えてください。 民事再生法の、これは初めて上場企業で出されたということですから、先ほどから大臣に初めて初めてと、上場企業で初めて出されたという中において、全員への予告解雇通知は、民事再生法であるとか産業活力再生法とは全然別のもので出てきている。ですから、私の持っている資料によりますと、弁護士さんが来て民事再生法を出した、それに合わせて全員解雇の予告通知を出すからというのは、これは労働行政的に言うと別のもので考えて対応するということになるのか。それとも、本案の附帯決議にあるように、それは、民事再生法なり産業活力再生法の過程において、関係組合に聞くだとかそういうふうな中において、予告通知というものがなければそういう協議に入れないということなのか。 要件なのか、条件なのか、それとも全然別個のものなのか、その辺はどうなんですか。
○長勢政務次官 再生計画を裁判所が許可をするに当たって、労働組合等の意見を聞くという手続が定められておるわけでございます。今はまだ再生計画そのものの裁判所の審議という段階に至っていない段階での解雇予告でございますので、再生計画に基づく解雇といったようなことではないのではないかという趣旨を先ほど御答弁申し上げたところでございます。
○吉田(治)委員 ということは、これは別物で対応するというふうなことでしていくと。 今後、こういうケースが起こってくると、こういうことはいっぱい出てくると思うんですね。はっきり言って、現場サイドでもわかっているのかな。弁護士さん自身が、いやそれも使えるのと違うかと、今政務次官が言ったような詳しいことも知らないでもって。その辺のガイドラインというか周知徹底というか、そういうふうなものは労働省としてどういう努力をなさっているんですか。
○長勢政務次官 再生法に基づく申請及び今後行われるであろう再生計画の策定と、現実に今行われた解雇予告ということとは、実質的に相当関連性を持っておるということはおっしゃるとおりだろうと思いますが、今私が申し上げましたのは、再生法の法律的な効果という意味とはちょっと違うのではないかということを申し上げたわけでございまして、労働省としては、どういう事態であれ、不当な、また安易な解雇が行われないようにしなければならない、そのケア。その点で、最高裁判例が十分理解をされ、徹底されるようにしていきたいという意味では同じように考えていきたいと思っております。
○吉田(治)委員 政務次官、附帯決議の中身だとかそういうことをもう一度労働省の方もしっかりと踏まえて、こういうことはこれからいっぱい起こってくると思いますので、対応していただくことをお願い申し上げて、どうぞ出ていただいて結構でございます。 続いて、産業活力再生関係の中においてやはり一番大きく残ってきているのは、先ほど大臣の答弁にもありましたように、過剰設備というふうな形、設備がなくなってしまいますと、残った土地というふうなものの流動化策というのが大きく問題になってくる。 ちょうど、たまたま本日は、同じ時間に、建設委員会で都市計画法並びに建築基準法の改正の審議がなされているということですけれども、これは今回の産業活力再生関係とは余り関係がないというふうに聞いております。 そういう中で、きょうは建設政務次官においでいただいて、まさに土地の流動化、担保ですとか債務の整理について非常に重要であるということと同時に、やはり工業専用地域だとかいう用途規制というふうなものが、処理する方からすると非常に足かせになっている。これは通産に聞いても、自分らが言うと大企業の肩を持っていると言われるから、これは建設省さんが国土全体という中で決めていかれることだから、建設省さんによく質問をしてほしいというふうな答えが出てまいりました。 その中において、建設省として、この運用であるとか指導であるとかを含めて、とりわけ例の産業再生のときの法案審議の中において、土地の流動化というものについては後ほどという形で法案自身にも余り盛り込まれていないという中においては、今、建設省ではどういうふうな状況になっているのかということ。 それから二点目に、一部で、用途だとかなんとかまでいけないから暫定利用という言い方、例えば十年間に限って用途を工業専用地域から例えばショッピングセンターに使っていいよとか、暫定的な用途規制の変更というものの検討に入っているという話も聞いているんですけれども、その辺を含めて、いかがでしょうか。
○岸田政務次官 今先生の方から土地の流動化につきまして御質問をいただいたわけですが、昨年六月、政府の方で緊急雇用対策及び産業競争力強化対策というのをまとめたわけですが、その中に、産業再生法の制定に加えまして、再開発地区計画制度の充実ですとか、あるいは民都機構の活用ですとか、こうしたことによりまして工場跡地等の有用効用を図るようにという、そういった措置を講ずるということが盛り込まれたわけでございます。 そういった中にありまして、建設省としましては、土地の流動化、あるいは未利用、低利用地を活用して町づくりをしていくこと、この重要性を痛感しているところでありまして、具体的には、今先生の方から用途地域のお話もございましたが、昨年七月に、新しい再開発地区計画制度というのを創設いたしまして、工業専用地域等を商業地域ですとか、あるいはマンションを建てる、こういった用途を変えるということ。具体的にはなかなか難しいということがあるんですが、そういった中にありまして、用途変更先導型再開発地区計画というのを創設いたしまして、まずもって将来の用途地域の変更を実質的に宣言してしまいまして、そして個別の建築計画ごとに特例許可を積み重ねていって、その建築物の集積を踏まえまして、そして用途地域を変更していく。こうした段階的な手続を踏むことによって円滑な用途地域の変更を行う、こうした制度を昨年七月に制定しております。それが、土地の流動化として一つ具体的に進めているところでございます。 また、土地の流動化としましては、都市公団ですとかあるいは民都機構の活用、これも重要な部分だというふうに感じております。 都市公団におきましては、平成十年度補正予算で三千億、平成十一年度の予算で三百億、こうした取得枠を設けまして、現在のところ、取得額としまして二千四十六億円、百五十二件の土地を取得している。また、民都機構におきましては、総額一兆五千億、こうした取得枠を設けまして、八千六百八十億円、百八十三件の土地を取得する。こうした土地を取得する、あるいは虫食い地を整理する、こういったことによりまして民間を支援するという方策を講じているわけでありますが、こうした民都機構、都市公団、こういったものの活用に努めているところであります。 さらに、小口の資金を集めまして、不動産投資を……(吉田(治)委員「現状はよろしいんです。これからの話を聞いているんです」と呼ぶ)これは、これからの延長であります。
○吉田(治)委員 今の話を聞いていてもしようがない、みんな文章に出ているから。これからどうするかということが全然……。
○岸田政務次官 ちょっとお待ちください。これから話をしていきたいと思います。 不動産特定共同事業、この部分につきましても、規制緩和を今進めているところでございます。こうした不動産特定共同事業、あるいは民都機構、都市公団、こういった制度、さらには地区計画等の柔軟な対応におきまして、土地の流動化を進めていっているところでございます。 今、今までのところということで実績を申し上げましたが、これは、先ほどその枠を申し上げましたように、今事業を進めているところでございます。まだ半ばでございます。この枠をしっかり使いまして、土地の流動化を産業再生に絡めまして進めていかなければいけないというふうに思っております。 もとより一般的な土地利用としましては税制ですとかSPCの活用がございますが、産業再生法に絡んだ議論としましてはこのあたりをやはり最重点に考えておりまして、この枠、まだこれから十分活用する余地があると思っておりますので、この部分をしっかり活用していきたい、そのように感じておるところでございます。
○吉田(治)委員 建設省の事務方、政務次官にこんな話をさせないでくださいよ。ここは建設省の宣伝の場所じゃないんですから。商工委員会の場所ですよ。産業再生における土地の流動化について説明をしてくれ、今後についてどうするのかを説明してくれと言っているんだから。建設省の事務方、あなたたちの宣伝の場じゃないんです、ここは。商工委員会をばかにするのもいいかげんにしてほしい。 はっきりしてよ。私が聞いたのは、今言ったように、これから用途規制はどうするのか、都市計画法、建築基準法を今審議、改正しているけれども、産業再生においてはどうするのか、そして暫定利用という話が来ているけれども、これはどうなのか、三点だけじゃないの。何も民都公団がどうしたとか都市公団がどうしたというような話は聞きたくないよ。時間のむだだ、そんなものは。
○岸田政務次官 失礼いたしました。私自身が先生の質問の趣旨を産業再生法に絡んで建設省はどのような方策を考えているのかというふうにとらえましたので、今のようなお答えをしたところでございます。事務方は資料を用意したわけでありまして、私が先生の質問につきましてそのようにとらえたために、そういったお答えになりました。その点、おわびいたします。 そして、暫定利用のお話がございました。用途地域の暫定利用につきましては、今先生御指摘がありましたように、今検討中であります。これは具体的に検討しなければいけない問題としてとらえていることをつけ加えさせていただきます。
○吉田(治)委員 だから、今申し上げたあと二点は。用途規制の今後の見直しとか、都市計画法、建築基準法を今改正しているけれども、産業再生に関して合わせた形にするのかしないのか、するんだったら、いつにするのかということです。
○岸田政務次官 都市計画法等の法改正につきましては、先ほど先生おっしゃったように、この下の委員会で今議論をしているところでございます。 用途地域等の運用につきましては、より地域の実情を把握した地方自治体への権限移譲等、柔軟的な対応を考えていかなければいけない。そういった方向にあります。 そういった中にありまして、この産業再生等の議論の中で、地域においてそういったものの重要性を考えたならば、地方自治体の判断で柔軟的な対応ができる法律の仕組みになっております。これは国としての方策もあるでありましょうが、地域のそれぞれの自主性というものを勘案しながら、そのバランスの中で前向きに考えているものだと考えております。
○吉田(治)委員 では、その中で、今回の都市計画法が変わることによって、用途規制というものは基礎自治体の力によって変更ができる、だから工業地域、専用地域もそのスキームによって変えることができるということでいいのですね。
○岸田政務次官 はい、結構です。そういった自由度の増す法律の内容になっております。
○吉田(治)委員 これはもう最後に聞いていただいて政務次官は戻っていただいて結構ですけれども、私は、まさに国民感情として、企業だけが得するような土地流動化策であっては決していけない。そのことによって、例えば国民が安くいい住宅が供給されるようなことであるならば、よかったよかったとなると思いますので、その辺だけは特段配慮していただくことをお願いして、どうぞ政務次官、行っていただいて結構でございます。ありがとうございます。 そして、鉄鋼業界、最後の質問にさせていただきたいと思います。 公正取引委員会、いろいろ後ほど質問させていただきますけれども、きょうこの質問の中で私は、こういうふうに産業再生という形で、例えば、とりわけ普通鋼電炉業界というのは御承知のとおり地域に非常に根差している。地域のマーケットを、こういう形で産業再生していくと、地域における占有率というのは高くなってくる。そうしますと独禁法の規定にひっかかってくる場合があるというふうな中において、しかしながら、国際的な状況、また国内的な状況、それから企業、業界としての中においては、集約という言葉であらわしていいのかどうか、あらわすならば、集約していくと、おのずと規模の経済でマーケットは上がっていく。 それについて、ある意味での独禁法の運用というもの、これは過去にこの委員会でもたびたび質問をされて、同じ答えになるかと思いますけれども、その辺については公取としてはいかがお考えなんでしょうか。
○根來政府特別補佐人 お尋ねの点は、私どもの分野で申しますと事業の提携あるいは合併というところに至ると思いますが、当然、合併とか提携とかいうことになりますと、シェアというような平面的なことではなくて、おっしゃるような地域との関係とかユーザーとの関係、あるいは参入が簡単かどうかというようなこと、あるいは交通はどうかというような、多角的に、言うなれば立体的に考えて適正に処理しておるつもりでございますし、今後ともそういうつもりでやるつもりでございます。
○吉田(治)委員 普通鋼電炉の再編と申し上げましたけれども、高炉の再編という形になってきますと、例えば新日本製鉄が昭和四十五年にできるときに公取を含めてさまざまな議論があって、今でも委員会でそれが出てくるのですけれども、先ほど私、質問は普通鋼電炉と言いましたけれども、高炉においても公取としては同じお考えだということでよろしいのでしょうか。イエス・オア・ノーで結構でございます。
○根來政府特別補佐人 同じように立体的に考えたいと思っております。
○吉田(治)委員 それで、今回の電気、独占禁止法二十一条の廃止の問題です。 まず通産総括政務次官、一点だけで申しわけないのですけれども、今回、通産省自身が霞が関のあのビルの電力の大口需要家としての競争入札をされるということ。非常に関心が高くて、その説明会には、私の聞いている範囲では六十社ぐらいそこへ入りたいという形で来ている。 私は、このときに一つ。独禁法でも禁止をされておりますけれども、それが今回の通産の入札に当たるのかどうか、よくコピーの入札で一円の入札があるとか、そういうようなことがあると思うのです。やはり通産省という非常にシンボル的な省庁の入札において、例えばの話、一円ということはないかもしれませんけれども、そういうふうに、ほかからどう考えてもそういう値段が出るはずがないという値段で入札がされた場合には、それは安ければいいということでうんと言うのか。 そして私は、この電気事業については、総括政務次官よく御承知のとおり、いつも質問をさせていただいているように、電気というのは、供給義務だやれ何だという中において、重要なことは、環境の問題であるとか原子力の問題である。だから、よく議論としては、自由化して安くなると今度はもうどんどん使う方向になって環境に悪いのではないかというふうな形があるということの中で、一点目は、今申し上げました原価割れのような、競争相手の会社を排除するような、そういう入札というものに対してどう対応するのかということ。 二点目は、では入札の条件の中に、その会社がどれほど環境であるとかに、これは役所が国の税金で買うことですから、そこの入札してくる会社が価格だけでいくのか、それとも環境にどれだけ力を置いているとか、例えば原子力の問題、これは今九電力だけ、また卸電発もございますけれども、そこだけに負担をかぶせておりますけれども、その辺の部分の負担というのもどれだけ負担に応じているのか、そういうことも、入札条件という言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、そういうようなものは条件として考えるのかどうか。 その二点、いかがですか。
○細田政務次官 本年三月二十一日から電気の小売が自由化されたことを受けまして、競争入札を促進しようということで進めておるわけでございます。そして、通産省としても、五月ごろに告示をいたしまして、八月ごろに入札をしようという段取りで現在準備を進めているところでございます。 御質問の、一円入札のごとき不当に安い、異常に安い価格で入札してきたらどうするかということでございますが、本来、電気料金のコストについて責任を持っておる通産省でございますから、そういった観点から見てもおかしいような著しい低い対価でなされた入札というものは、独禁法上の不公正な取引方法に該当するおそれがあるとして公正取引委員会が厳重注意を行っている事例もありますので、私どもとしては、そういう入札が万一あったような場合には、公取委員会とも相談しつつ、適切な対応を図らなければならないと思っております。 それから、この五月までに今検討しております入札条件の中に、環境等への取り組み等々、そういった要素を含めるかどうかという御質問については、まだ目下のところそこまで考えておりませんが、今後検討してまいりたいと思います。
○吉田(治)委員 これは非常に象徴的な事例になると思いますので、また委員会で、報告義務はないと思うのですけれども、国会、委員会等において、どういうふうになったかという経過説明等については積極的になさるということでいいのかどうか。 それから、二点目に申し上げましたように、これから入札条件については考えられるということですけれども、では、具体的にどの条件についてこれから考えられるのか。この二点。
○細田政務次官 なかなか難しい御質問でございまして、何か特定の条件を掲げて、こういうものは入札に応じてはいけないという条件を付するということは非常に難しいと思うのですね。したがいまして、ちょっとこれから、御提案でもございますので、いろいろな長所短所をまた検討してまいりたい、今のところお答えできるのはそこまででございます。
○吉田(治)委員 大口だけが得して、最終的には結果としてそういう負担の部分は小口の方に行って、これは諸外国の事例なんかを見てもそのとおりですので、そうならないように私はぜひともお願いをさせていただいて、もう政務次官は結構でございます。ありがとうございます。 続いて、この独占禁止法第二条七項一号において、独占的状態の定義として、一事業者の市場占有率が二分の一を超え、また、二事業者の合計が四分の三を超えているということにされていますが、今回のこの二十一条の廃止をしていきますと、例えば電力会社の場合、自由化部分のすべてを新規参入者が供給すると仮定しても、一般電気事業者はその供給地域においては七割以上の占有率という、先ほどの委員長の答弁と同じことになるかもしれませんけれども、これは今申し上げた独禁法上での完全な独占状態ということになりますけれども、この辺について、独禁法においての問題という行為になるのかどうか。それとも、これは法として、先ほど委員長が言われたように、いろいろな状況をしんしゃくしての結果というふうにしていくのか。その辺、いかがですか。
○根來政府特別補佐人 このたび御審議いただいておる法案では、自然独占という部分について削除をお願いしているわけでございますが、電気事業、ガス事業、あるいは鉄道事業等につきましては特別法がございますので、特別法が適用されて、そういう問題は独占禁止法では取り上げない、こういうことに相なるわけでございます。 〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕
○吉田(治)委員 そういうふうな形で、ならないということで、これから各業界も、電気業界、ガス業界、それぞれ覚悟を決めてやられていると思いますけれども、鉄道事業者もそういうことだと思います。 その中において今回、画期的というか、本当にそんなのでいいのかな、そもそも論からすると、公正取引委員会の審査体制が一層充実強化すればそんなものはひょっとして不必要ではなかったかなと私などは思っているのが、例えば差しとめ請求訴訟であるとか損害賠償請求、こういうふうな制度を新たに取り入れていくというふうな中において、何か自己責任という言葉、競争秩序から身を守ることも自己責任だ、そのための法案整備だよと言いながら、どうもこの辺のことがあいまいもことして、本当に公正取引委員会は自分たちがやる気があるのか。 根來さんに失礼かもしれないけれども、そうじゃなくて、そんなものはもう全部裁判所に行ってくれ、うちら手いっぱいだからというふうにいきますと、これは費用面でいいますと全然違うんですね。公取にお願いしたら、これは国の費用で調べてやってくれる。しかしながら、自分で裁判所に行くといったら何十万、何百万という世界になってくる。それが果たして、被害者という形で、自己責任に基づいた秩序だという大義だけで済まされていいのかなという感じがしているんです。 まず委員長、被害者の負担軽減という部分、これについてが一つ。それから、審査体制の充実強化ということをお願いすると同時に、裁判所の体制整備、これは最高裁がここへは来れませんので、これをやはり充実していくということ。やはり根來さんも司法界に身を置かれた立場として、裁判所の体制整備というのは、民事、刑事、こういう事件を含めて、必要だと思うのです。その辺についての個人的な所信でも結構でございます、お話しいただければと思います。
○根來政府特別補佐人 御指摘はごもっともでございまして、あるマスコミの方も、公正取引委員会の審査体制がきっちりしておればこういう私的訴訟など必要ないではないかという論説を書かれた新聞もございますし、私どももそれは胸が痛いほどわかるわけでございます。 ただ、繰り言を申しますと、私どもだけではこの世の独占禁止法違反事件を防圧するということはなかなか難しいこともまた事実でございますし、また片や、おっしゃるように、自己責任ということの立場に立ちますと、やはりこういう訴訟形態を認めるということもまた必要ではなかろうか。あれこれ思いまして、まず差し当たり、不公正取引について差しとめ請求を認めるという法制をお願いしているわけであります。 私も法務省、検察庁におりまして、独占禁止法というのは司法の世界でどういうふうに扱われているかということはよく存じておりますが、私も検事でおりましたときに独占禁止法を通じて読んだことはございません。そういうことで、検察官あるいは裁判官が果たして独占禁止法に十分理解を得ておるかどうかということも、私的にはどうかなと若干疑問に思うことがございます。 ただ、現在、司法改革が進んでおりますので、当然司法改革の場でそういうことは議論されるわけでございますし、特に参審制度の導入につきましては、こういう問題が正面から取り上げられる問題だと思うわけでございます。そういうことで、おっしゃるように、司法改革の問題とこういう裁判上の請求の問題とはリンクして考えていくべき問題だと思いますし、私もそのように思っております。 したがいまして、将来、司法改革が進みまして、こういう問題が裁判所で十分取り上げられるということになりますれば、もっとこの範囲を広げるということも一つの行き方であろう、こういうふうに思っております。
○吉田(治)委員 今委員長のお話の中で、要するに公正取引行政というか、こういうのは非常に特別な、特別というか、裁判の中でも特別な一角を占めるというお話があったかと思うのです。 私は質問の最後に委員長にお願いしたいのは、これで二十一条が廃止されますよね。しかしながら、私、先ほど質問の中で申し上げました、明確に、市場占有率からすると、特別法の措置があるとはいいながら、各エネルギー関係、特に電気事業者を中心に独禁法の対象になるわけですよね、これから。しかも大きい。 今委員長のお答えはございましたけれども、しかしながら、特別法はありながら、基本法的に言うと違反というかパーセンテージは超えているというふうな中でいうと、こんなことを言ったら検事出身の委員長に大変失礼かもしれませんけれども、今までの過去の最高検の検事、部長をやられた方が公取の委員になられて、まあちょくちょくあったことというと、よしあしは別ですよ、当時の雰囲気からしてもう、委員長はおられたということは御承知かと思います。 例えば、一九九四年三月十三日付の毎日新聞の朝刊に出ておるのは、当時、埼玉土曜会の談合事件があった。そこに、ゼネコン各社の弁護士でつくる対策会議があった。その各社に、実は最高検出身の公取委員を務められた人が顧問弁護士に入っていた。当時のあの議事録をひもといてみますと、当時の公取の委員長さんは、いや、もう公取の方がおやめになられて、後は弁護士を開業されて、顧問弁護士はどうこうあっても、まあはっきり言って関係ありませんわ、その人の才覚ですわという答弁をされていますけれども、しかし、世の中的に見た場合には、どう考えても不自然ですよね。おかしい話ですよね。 また、一九九〇年には、全国農業協同組合連合会、日本最大の商社とも言われていますけれども、これに対して初めて独禁法違反で摘発した。しかし、その後すぐくらいに、公取の委員のOBの方が全農に入った。 いやしくも、公正取引委員会の委員をなさったようなお方、またそこのメンバーを務められたようなお方が、今回の二十一条の規制が終わって日もあけぬうちに、日があいたらそれでいいのかということでは決してないと私は思うのですけれども、役所的な論理からいうと、先ほど委員長が言われたように、特別な世界だからどうしても人が欲しいから来てほしいと向こうから言われて行ったという将来的には答えになるのかもしれないけれども、二十一条によって、電気、ガス、鉄道等の適用除外規定を削除することによって、結果として、公取の委員をやられた方であるとか、また公取の事務方のOBが、どんとか、ちょこっとか、ちょぼちょぼか、一人か二人かわかりませんけれども、天下りと受け取られるようなことが、今回の適用除外が削除された業界において決して起こり得てはいけないと私は思うのです。 その辺については、いやそれは第二の職や、私は関係おまへんと言うのか、いやいや、決してそんなことがあってはいけないと委員長として思うのか、その辺、いかがですか。
○根來政府特別補佐人 大変難しい問題でございますが、私も任期が決まっておりまして、やめてからどのように生きるかということは大変難しい話でございます。 お言葉は十分耳にとめて、頭にとめて、自分の身は対処したいと思いますけれども、ほかの方のことについては、ちょっと私の口から公式に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○吉田(治)委員 私も昨年の予算委員会でですか、本意ではございませんでしたが、調べたら、検事総長出身者というのは、皆さん大変すごい会社の顧問弁護士をされていた。もう委員長御承知のとおり、今厳しい時代で、なかなか、委員長のお言葉の中には多分、おれはなかなか難しいんやと思っていらっしゃる部分があるかもしれない。しかしながら、やはり公取をやられたというのは値打ちが違うと思うのですね。また、委員長だけではなくて、ほかの委員それからスタッフ全体、この辺については、いや、他の人のことだから私は言えませんわではなくて、やはりこれほど大きい法改正をなさった。 しかも、私、今でも覚えております。今から数年前に、独禁法の九条。戦後の九条は二つあったと言われます、憲法の九条と独禁法の九条。あれがなくなった。まさに日本の、例えば今金融再編であるとかすべてのものは、まさに委員長があの独禁法の九条を変えたというか、あれをこの委員会で変えることによって、今の大きな流れ、先ほどから質問している産業再生についても、金融の大きな流れも起こった。 ますます公取の持つ重みというのが大きくなる中において、いやしくも、マスコミ、国民から、やはり公取もあのインナーサークルの一員だったのかと言われることのないようにしてもらいたいと私は思うんですけれども、重ねて委員長、私は、ほかは知りませんと、そういう弱気なことを言わぬと、いや、そういうふうにならないようにおれは頑張ると一言やはり言っていただきたい。
○根來政府特別補佐人 私も気が弱いものですから、とてもそこまで言えないわけですけれども、御注意は十分この公開の委員会を通じてその御本人の耳に通じていると思いますから、御本人の良識で対処されると思います。私自身も十分念頭に置いて、耳にとめて、これから十分後ろ指の指されない生き方をしたい、こういうふうに思っております。
○吉田(治)委員 もう時間ですので、委員長、公取委員だけじゃなくて、事務方の方についてはいかがなんですか、この辺の部分については。
○根來政府特別補佐人 事務の方も、当然そういうことは現在在職している者は認識しておりますし、これも個人の生き方でございますから私自身あれこれ言うわけにはまいりませんけれども、少なくとも、公正取引委員会の職員であったということで批判を受けないようにするということは、全員自覚していると思います。
○吉田(治)委員 時間で終わりますけれども、情報公開の時代になって、私ども本意ではございませんけれども、本当にいろいろそういうことも目につくようになってまいりましたので、これからも、その問題、俗称天下りという部分についてはしっかりとこの委員会においても取り上げていかせていただきたいと思いますので、お願いいたします。 これで終わります。
○小林(興)委員長代理 樽床伸二君。
○樽床委員 民主党の樽床でございます。今回の法改正に対しまして質問をさせていただきたいと思います。 この独禁法に絡む話ということにつきまして、独禁法そのものが、日本の、日本だけではないと思いますが、資本主義経済、市場システムを基軸とする経済体制の国におきまして大変重要な実は法律であろう、また、大変重要な役割を担っているのが公正取引委員会であろう、このように認識をいたしております。 私は、以前から当委員会においてもいろいろと申し上げてきておりますが、民間の活力をいかに高めていくのかということが、日本の現段階における経済、そして、将来の我が国の経済において何よりも必要なことである、このように認識をいたしているからであります。また、資本主義の発展段階において、市場メカニズムそのものがうまく働くのか働かないのかというようなことは、いろいろその状況によって違いはあろうかと思います。 そういうような大変重要な独禁法であるという観点から、今回の改正に当たりまして、まず確認的な話になって恐縮ではありますが、独禁法そのものの理念、これにつきましていま一度確認をさせていただきたいと考えております。
○根來政府特別補佐人 独占禁止法の理念というのは第一条にありまして、詳しく申しますと、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止する、あるいは、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産等不当な制限その他の一切の事業活動の不当な拘束を排除するということになっております。いわゆる自由競争を基盤にするということを第一条でうたっておるわけであります。そして、その結果、公正かつ自由な競争を促進して、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにして、雇用及び国民の実所得の水準を高める。そして最終的には、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進するというふうに、三段階になっております。 ですから、差し当たり私どもは、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法を禁止して、事業支配力の過度の集中を防止するというところを主体に仕事をしているわけであります。
○樽床委員 一応確認をさせていただいたわけでありますが、そういう基本的な考え方のもとで昭和二十二年に我が国においては独禁法が制定をされているわけであります。 その後、時の社会情勢の変化、また政治情勢の変化、経済情勢の変化等々の中で幾たびか改正がされてきているわけでありますが、この改正について、いろいろ揺れながら、あるときにはこちらに揺れ、あるときにはこちらに揺れ、そういうような形で改正が行われて現在に至っておる、こういうふうに私自身認識をいたしておるわけでありますが、そのようなそれぞれの過去の改正の経緯というものは、今委員長がおっしゃられた基本的な考え方にきちっと沿っているものであるのかどうかということを、今回の改正の前にいま一度やはり検証してみる必要もあろうというふうに私は考えているわけであります。 どういう改正があったかというのは、これは資料を見ればあらかたわかるわけでありますけれども、それぞれのことについてのそういう整合性というのは、現段階で過去を振り返って、温故知新と言いますから、過去をしっかり振り返って、それで、いいところは継承しなきゃいけませんし、これはいかぬかったなということは反省をしてやめていくという姿勢が必要でありますから、かつての改正の経緯、いま一度振り返って、今おっしゃいましたような法の理念ということとの整合性というのはどのように現在お考えでございましょうか。
○根來政府特別補佐人 私は、公正取引委員会に本当に途中入社でございますので、割に客観的に物を言えるわけでありますが、昭和二十二年に通称独占禁止法と言われておるこの法律が制定されましたのは、やはり、連合軍、当時の占領軍の力によるものだと私は思っております。その当時は、軍閥と財閥が組んで今回の戦争を起こしたということで、やはり、財閥解体ということと並びまして経済の民主化ということが主目標になりまして、昭和二十二年にこの独占禁止法というのが制定されたと思うのであります。 その前は、我が国にはこういう談合の禁止とかいう考え方はなかったようであります。昭和十六年ごろに、刑法に談合罪というのが導入されましたけれども、これは、昔の、要するに、国の利益を害するという見地から刑法に談合罪というのが入れられまして、これも今日はございますけれども、そういう観念のないところに、占領軍、連合国軍が日本にこの独占禁止法という考え方を入れてきたと思うのであります。 そういうことで、我が国の経済とか社会とかということと必ずしも実態が合っていなかったということで昭和二十四年にまず改正が行われまして、大まかに言いますと、二十八年に大改正があった、こういうことでございます。 そして、二十八年の大改正というのは、むしろ独占禁止法の理念の実行というよりも、後ろ向きの実行といいますか、我が国の経済社会の実態に合わすような独占禁止法の改正、例えば不況カルテルの導入とか合理化カルテルの導入、そういう制度が導入されてきた。むしろ、言う人は、独占禁止法は骨抜きになったと言われているわけであります。 その次の大改正は、紆余曲折がございますが、五十二年の大改正であります。昭和五十二年の大改正というのは、先ほどお話がありましたように、石油ショックの後でございまして、いわゆる狂乱物価あるいは商社の問題とか、そういう問題がございまして、ここで課徴金の制度が導入された。これはもう画期的な大改正でありまして、むしろこれは独占禁止法の執行を高める方向で改正がされたのだと思います。 その後、平成になりまして、平成三年に課徴金の引き上げが行われ、平成四年に罰金額の引き上げが行われました。これはアメリカの要望もございましたけれども、こういう談合体質といいますか、やはりそういうことを払拭するために、課徴金の額の引き上げ、あるいは罰金の多額の引き上げということをお願いしたのだと思っております。 その後、平成八年になりまして、私どもの事務総局の設置というような体制強化をお願いし、また九年、十年と、持ち株会社あるいは合併の簡素化、それから昨年は、適用除外制度あるいは不況カルテル、合理化カルテルの廃止ということを経まして、今回の改正をお願いしているわけでございます。 ですから、平成になってからは、今の自由競争の時代に合うような法律改正をお願いしているところでありまして、それはそれなりの効果といいますか、意義があるものと考えております。
○樽床委員 今、非常に率直に委員長はお話しになられたと思うわけでありますが、今のお話からも、その経緯を見てみると、要は非常に大きな転換期といいますか、ある種のエポックメーキングな時期、社会情勢がいろいろ動いている時期にその改正が集中しているというか、そんなむちゃくちゃに改正があったわけではありませんが、つまりGHQ、連合軍に日本が実質支配をされていた時期、そしてその時期につくったものが若干合わないから、後ろ向きという表現もされましたけれども、変えた。 実は、その後、高度成長期に入って、ずっと一本調子で発展をしているときには何ら改正はされていないわけでありますね。その次の改正というのが五十二年、つまりオイルショックで初めて我が国が、戦後、朝鮮戦争以降、右肩上がりで来たものが一度大きな壁にどんとぶつかった、そのときに改正がされている。 その後の改正は平成、こういうふうにおっしゃっておりましたが、平成というのは言うまでもなく、バブルが崩壊をして厳しい経済情勢に入ってからの改正が続いておる。こういうことでいきますと、いいときにはほとんどいじられていないということが、実は振り返ると見られるわけであります。 そういうことを考えると、時が変わっていく、経済そのものの状態が変わる、つまり、あらゆるものが変わっていかなければいけないというときに集中的に独禁法の改正が行われているというこの事実は、やはり時系列的にしっかり踏まえておかなければならないだろうというふうに私は考えているわけであります。 まさに今、我が国の経済情勢は大変厳しい状況にあることはもう私が言うまでもないわけでありまして、こういうときに行われる法改正では、今後の我が国の経済、市場メカニズムを重視する自由な市場を大切にしていくというような観点から、今回の改正の整合性というのはきちっと整合されているのかどうか、いま一度委員長の口から確認をさせていただきたいと思います。
○根來政府特別補佐人 このたびの改正は、要点は二つぐらいございまして、一つは、電気事業等自然独占と言われるものについて独占禁止法の適用除外制度を外したというところでありますし、二つ目は、私人の差しとめ請求を認めたという改正案になっております。 一つ目は、私もその辺よく理解していないのでありますけれども、あの二十一条の規定は確認的規定であって、あれがなくても事業法の適用はあるから大丈夫なんだ、こういう意見がございますが、象徴的に言えば、そういう適用除外の制度が法律から消えていくということは、今の自由競争の時代に非常にマッチした改正ではなかろうかと思うのであります。 それから、二番目の私人の差しとめ請求でございますが、これは、戦後、昭和二十二年から今日まで、独占禁止法の運用というのは独占的に公正取引委員会が権限を持ってきたわけでございますが、その独占的な権限を一般私人に開放するという意味で、非常に皮肉な言い方でありますけれども、規制緩和あるいは自由競争の流れに沿ったものでありますし、先ほども御質問がありましたように、自己責任ということを強調されますと、やはり私人がいろいろの方法をもってこの独占禁止法違反と戦う手段を与える、あるいはそういう手段を与えることによって独占禁止法違反事件を防圧するという意味で、大きな意義を持っているのではなかろうかと考えております。
○樽床委員 今までお聞きしてまいりました今回の改正、それにこれまでの改正の経緯というような中で、これまでの法改正をされた目的ですね。昭和二十四年も、二十八年も、昭和五十二年、また平成に入りまして幾たびか改正があったわけなんですが、過去をもう一回振り返ってみたいのですけれども、その改正した当初の目的というのはその後きちっと果たされていたというふうにお考えなんでしょうか。また、改正してみたけれども、ちょっと違うような事態が発生したというようなことはあったのでしょうか。ちょっと教えていただけたらと思います。
○根來政府特別補佐人 改正のその都度、国会で十分御審議をいただいた結果、そういう改正がなされたわけでございますし、振り返って今考えた場合には、古いときは別としまして、最近それぞれ大きな効果を上げてきたものと思うのでございます。 例えば、持ち株会社の問題も、初め法律が成立したときには余り事例がなかったのでございますが、最近は持ち株会社ばやりといいますか、持ち株会社を利用した経営形態をとるところが非常にふえてきたわけでございますし、もちろん私どもは、国会の御審議を受けまして、持ち株会社が事業支配の過度の集中に及ばないように十分目配りをしているつもりでございますが、その改正の目的は十分遂げられたものと考えております。
○樽床委員 大体私は、行政に失敗はないという前提、神話はおかしいというふうに元来思っておりまして、行政にも必ず失敗はあるんですね。民間にも当然失敗はあります。 これまで、経済が順調に右肩上がりでずっと来て、パイがどんどん拡大していっているときには、行政の失敗もパイの拡大によってすべてわからなくなって、気にすることもないというような形で見過ごされてきただけであろうというふうに私は思っておりまして、だからといって、行政はけしからぬと言うつもりはないのですね。 これは、行政も結局は人がやっている話でありますから、同じ人がやっているのに民間は失敗があって行政は失敗がない、こう考えるのは余りにも行政が傲慢であるわけでありまして、行政にも必ず失敗というものは存在をするわけであります。失敗をしたら失敗をしたで、それを今後の糧にしていけばいいわけでありまして、それを殊さらあげつらって、責任をとらないかぬことはいかぬわけですが、それは政治の方でしっかりと責任をとっていけばいいというふうに思うんです。 そういうような観点から、全くすべて順調にうまくいってきたというお言葉は、こういう場でありますからそう言わざるを得ないのかもわかりませんが、私は若干、そういうことにつきましては、本当にそうなのかなという疑念を持たざるを得ないということは委員長に申し上げておきたいというふうに思っているわけであります。 そういうような観点から、持ち株会社の話が今出たわけでありますが、確かに、昨今、いろいろな合併、またいろいろな企業の新規事業の展開等々におきまして、持ち株会社が非常に有効に活用されているような傾向がありますが、しかし、これがどんどん進んでいきますと、またある意味でいうと独占という問題と必ずぶつかってくることも考えられるわけでありまして、しっかりにらみをきかしているとおっしゃるんだろうとは思いますが、そういうふうなことにつきまして、若干懸念をしているとか、ここはもう少し目を光らせないかぬとかいうようなこと、特にお気づきの点とかありましたら、ちょっと教えていただきたいなというふうに思っております。
○根來政府特別補佐人 先ほども申し上げましたように、私どもは、体制の強化とか、あるいは細かい行政といいますか親切な行政とか、あるいは今の法律が果たして今の経済実態に対する十分な抑止力、独占禁止法から見た抑止力があるかどうかというような点を常に研究しているわけでございます。 これは私だけの思いでございますけれども、自由競争が今非常にもてはやされるというか、自由競争の時代でございまして、ある意味ではわからないところがたくさんあるわけでございます。そういうときに、法律も継ぎを当てるような改正をお願いしているわけでございまして、これは大変恐縮に思っておりますけれども、ある意味で、自由競争というのが一段落いたしましたときには、やはり独占禁止法というのも全面改正ということも考えなければいけないのではないか。しかし、それまでのつなぎといいますかブリッジとしまして、その都度その都度改正をお願いしていくしかないのではないか、こういうふうに思っているわけであります。 それからもう一つ、体制の整備でございますが、これはやはり、六百人弱の人間で日本全部を管轄して、隅から隅まで目を光らせるというのはなかなか難しい問題でございますし、職員も、主観的には一生懸命やっていると思いますけれども、やはり客観的には抜けたところも当然あると思います。だから、そういう点も含めまして、これから資質の向上あるいは民間の協力というのをどういうふうにするかというのは大きな問題でございます。 それから、先ほど行政の失敗ということを言われましたけれども、どこの役所ということは申し上げかねますけれども、やはり民間からの申し出に対しまして十分対応していなかったという話が再々新聞に最近載っているわけでございます。ですから、私どもの方も、そういう点がないように、民間からの相談とかそういうことについては十分納得を得られるような形でやっていきたいというふうに思っております。 これも、あるいはいろいろ御指摘があるかもわかりませんけれども、今の時代の行政の失敗というのをいろいろ見まして、私どももその轍を踏まないようにやらなければならないなというふうに思っているところであります。
○樽床委員 今委員長は大変重要な話を数点されたように私はお聞きをいたしました。今は継ぎはぎ的な法改正をせざるを得ないのだけれども、経済がこの過渡期、転換期を乗り切れば、独禁法そのものも本格的な改正、抜本的な改正をせざるを得なくなるかもわからない、こういうお話でありました。私はまさにそのとおりだと思っております。 委員長のそういう将来を見通した意見というものはきちっと、先ほど私どもの吉田議員の発言に対してお答えになったときに、もうすぐやめられるみたいなお話をされたようにお聞きをいたしましたけれども、これはやめられましても、今のようなお考えはしっかりと公正取引委員会の中に根づかせていってもらわなければいかぬというふうに私は逆にお願いをしたいわけでありまして、ややもすれば、いやいや、それは前の委員長が言ったことで私とは違いますと。それもそれで一つかもわかりませんが、今おっしゃった意見というのは大変すばらしい御意見であろうと私は思っております。ですから、くれぐれもその考え方を引き継いでいただきたい、引き継ぐようにきちっと御指導をしていただきたい、このように思うわけであります。 もう一点、実は午後の官房長官に対する質問の中で関連して申し上げようとは思っておりましたが、午後も申し上げるわけでありますが、そのお言葉を受けてちょっとだけ申し上げると、確かに六百人で日本全国を見ていくというのはほとんど不可能であろうというふうに思います。 元来、私自身は小さな政府主義者であります。行政はスリムである方がいいという大前提のもとに立って物事を考えるというのが私の個人的な見解でありますが、事公正取引委員会につきましては、行政なのか司法なのか、その間の非常にグレーゾーンのような、グレーゾーンというのか、それがオーバーラップしているというのか、また全然分野が違うというのか、というような感じがいたしておりまして、公正取引委員会につきましては逆に、数が少なければ少ないほどいいというふうには思っておりません。 特に、市場メカニズムが成熟化してくればくるほど公正取引委員会の役割というのは重要になってくるだろうというふうに思っているわけでありまして、その体制の問題は、委員長から言いにくいのかもわかりませんが、数が少なければもっとふやしてほしいというようなことももっと声高に言っていただかなければ、日本の経済への目は光らせられない、このように考えているわけであります。そういう点は特にお願いをしておきたいと思っております。 それから、次の質問に移りますが、先ほどの過去の経緯の中のお話でもありましたように、当初我が国は戦前にはこのような法体系はなかった、それが連合軍、GHQの指導のもとでこういう法体系が導入をされた。しかし、それがアメリカの発想で導入したがゆえに、日本の実態とは、特に戦争で負けて疲弊していた実態とは若干合わない、こういうことで二十四年、二十八年にまた改正をした、こういうお話がありました。 そういったことでいきますと、今からまたいろいろ独禁法の問題を考えていくに当たって私は気になりますのは、日本にとっては本家本元でありますアメリカの反トラスト法との関係でありまして、不勉強で申しわけないわけでありますが、公正取引委員会から見まして、我が国の独禁法とアメリカの反トラスト法とどこが違うのか、またどこら辺は同じであるのか。これは国柄、社会風土、経済構造が違いますから違って当然でありますけれども、そこら辺の相違点というのはどのようにお考えでございましょうか。
○根來政府特別補佐人 私も外国のことまでなかなかよく知らないのですけれども、聞きかじりの話では、アメリカの独占禁止法というものは明治時代あるいは大正時代からできているということであります。そして、日本は公正取引委員会が行政措置をするという位置づけでございますけれども、アメリカは行政と司法といいますか、刑事事件も一緒にやっているところが大違いであろうと思います。 そこで、アメリカと日本はどういう点が違うかというと、ただいま御指摘のように、やはり独占禁止法に対する考え方というのが大いに違うのではないかと私は思っております。 といいますのは、こういう長話をしても仕方がありませんけれども、私が法務省におるときに、アメリカから要請を受けたときにその説明をしたのでありますけれども、日本は富が貧しいからそれをどういうふうに上手に公平に分けていくかということが主体でありまして、言うなれば談合社会が優先していたわけでございます。しかし、アメリカの場合は、西部劇を見てもわかりますように、どれぐらい金があるかわからないというときに、どうしたら公平になるかというと、やはり金をとる方法は公平でなきゃいけないということで独占禁止法というのが発達してきたのじゃないかという、国の成り立ちが違うのじゃないかということを言ったことがあるのですけれども、私は今でもそういう感じを持っております。 しかし、これから経済がグローバル化して、日本の富は世界の富であり、世界の富は日本の富であるということになると、やはり日本の談合体質というのは批判されてくる。そういう意味で、アメリカの独占禁止法、クレートン法とかシャーマン法とかというのがございますけれども、そういう法律と日本の独占禁止法というのは、やはり平仄を合わせて同じような調子で運用していかないと世界的には通用しないのではないか、こういうふうに思っております。
○樽床委員 西部劇のお話が出てくるとは思いませんでしたけれども、私も実は西部劇というのは大変好きでありまして、小さいころよく見ました。有名な映画スターもたくさん出ておりましたけれども。 西部劇というのは、日本でいうと時代劇でありますね。要するに、あのころというのは、一八九〇年に、西海岸まで開拓をしていって、最後、フロンティアラインが消滅をしたと言われるまで西部開拓というのが続いていったわけでありますけれども、まさにあの西部開拓の体質がアメリカの開拓精神というものをつくり上げたのは言うまでもないことであります。 そういう点でいうと、日本は、大昔は、歴史に残っていない時代のことは本当はどうかよくわかりませんが、余り言うと問題発言にもなりますから言いませんけれども、我々が知っている限りでは、日本という国は初めからあった。あったというところから始まっているわけですね。つくっていった国と、あったということを前提にして成り立っている国が、当然同じようにいくはずがないのはよくわかります。 また、私は、アメリカとの関係におきまして、話がちょっと横にずれるかもわかりませんが、アメリカに対して何でもかんでも追従すればいいとは思っておりません。我々は日本でありますので、アメリカではないわけでありますから、何でもかんでもアメリカに追従をすればいいという発想はもはや古い、このように私は認識をいたしております。 しかしながら、いいところは学ばなければならない、こういう謙虚さは必要であろうというふうに私は思っているわけでありまして、ちょうど私が大学生の時分にたしか「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が飛ぶように売れまして、そして日本はもう世界一だ、アメリカに学ぶものはない、こういう大変傲慢な姿勢を持ち得たのが今から大体二十年ほど前だったように思います。 しかし、それから十年間はその勢いで行きましたが、現在の状況を見てみますと、いかに我々が浅はかな考えを持っておったのかということが今明らかになっているわけでありまして、我々はもっと謙虚に、いいところは学ぶ、そういう姿勢の中で、アメリカにただ単に追従はしないけれども、いいところは学んでいくという姿勢が必要であろうというふうに私は考えているわけであります。 そういうような観点からいきますと、今回の法改正に対しましても、私は、開拓精神がベースにあるアメリカの風土、もとからあるという非常に緩やかな流れでいく我が国の風土、これは違うかもわからないけれども、今は確かにグローバル化等々の中で、グローバル化がすべていいとは私は思いません。すべていいとは思わないけれども、しかしながら、今この時代におけるフロンティアとはただ単に土地だけではないわけでありまして、心の中に我々のフロンティアというのがある時代であろうというふうに実は思っております。 そのような観点からすると、アメリカのフロンティアスピリットに根差した独禁法の考え方、先ほど平仄を合わせてというふうにおっしゃいましたけれども、そういうような思いが今回の法改正の中に生きておるのかどうか、改めてお聞きいたしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 独占禁止法の適用除外の問題は、これは今の時代の趨勢であろうと思います。問題は、私人の差しとめ請求でございますが、外国はこういう制度は十分取り入れているようであります。 私は、個人的には、もう少し整合性を持った訴訟制度というのをつくりたいなというふうに思っております。今も思っております。ただ、先ほど申しましたように、今司法改革というのが進んでいるわけでございまして、これから弁護士の数もふえる、訴訟社会にある程度傾斜していくというときでございますから、やはりそういう全体を見て考えるべきだと自分で納得したわけでございます。 差し当たり、不公正取引方法については、これは直接私人が被害を受けるわけでございますが、私人の被害回復という意味で不公正取引方法について差しとめ請求を認めるのは、今の過渡的な状況としては適当ではなかろうかということで、私自身納得したわけでございますので、そういう点で十分お考えいただければありがたい、こういうふうに思っております。 〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕
○樽床委員 先ほど、継ぎはぎだらけの改正が今はやむを得ない、そして将来的には抜本的な見直しも不可避であろうというお話と、今のお話は、かなり合っている話であります。委員長とすれば、今回のものはまだまだ十分ではない、しかししようがない、その辺で半分ある意味においては妥協しながら、本当は百歩前に進みたいけれども一歩ずつ進むしかないなというふうに判断をした、こういうお話であろうというふうに、ありていに言えば聞いたわけであります。 そういうようなことからいくと、例えば、今ここで言うといかぬということかもわかりませんが、もう一歩二歩、どんどん前へ進んでいくための何か具体的な、こういう方向にもっと行かねばならないというような委員長なりの、個人的な見解で結構でありますが、お持ちでありましょうか。
○根來政府特別補佐人 これは立法に関係する問題でございますので、各党の御意見も十分伺わなければならない話でありまして、私がここで先走ってああだこうだと言うとおしかりを受けることになりますので、余り申し上げたくないのですけれども。 一般的に申しますと、独占禁止法というのは先ほど申しましたように昭和二十二年にできた法律でございまして、人権ということも十分行き渡っていない時代であります。それから、情報の公開というのも、最近非常に大きく叫ばれておりますけれども、そういう点も余り言われていなかった時代でありまして、私は中学生でございましたけれども、あの時代を考えてみますと、あの時代にこういう立派な法律ができたということをむしろ驚嘆するぐらいでありまして、その時代に合った法律であったと思います。 しかし、今の時代では、そういういろいろの問題で少し検討しなければならない点があるのではないかということを抽象的に申し上げてお許しいただきたい、こういうふうに思っております。
○樽床委員 確かに、戦後間もなく、まさに廃墟の中から立ち上がるときにつくり上げた元来の法律でありますから、あのときと今と全く時代が一変をいたしておりまして、そのときに土台をつくったものが今の時代の土台に合うのかどうかというのは、私は甚だ疑問を感じているわけであります。これは、独禁法だけではなくて、あらゆる我が国の施策について言えることであります。 結局は、時の流れにいかに対応していくのかということが実は活力の源であろうというふうに私は思っております。我々、人間一人一人の個人においても、例えば、あいつは時代の流れによう乗らんかったとか、そういう表現がよく出ますね。これは結局、個々人のことにおいても、やはり時の流れをきちっとつかまえて、それに対して、例えば企業であれば企業の形態を変えていく、やり方を変えていく、そういうことで企業の活力というのは維持されるわけでありますし、また、世の中に絶対にこうなるという話というのはないと私は思うんですね。絶対にということは一〇〇%ということでありますから、一〇〇%こうなるということはあり得ない、何についても。 ただ、一つだけあるんですね、一〇〇%間違いないという話が。それは、物は変わっていくということであります。物は変わっていく、これは一〇〇%言えるわけでありまして、そういうことから考えますと、変化に対する対応力というのが私はやはり活力だということをしみじみと昨今考え、感じているわけであります。 そういうような観点からいきますと、この独禁法につきましても、終戦直後にできた、新しい考えとしてあの当時に初めて導入されたものが、時の流れの中で今いろいろほころびを見せ始めているというときに、ぜひとも思い切った抜本的な改正を、いろいろな外国のよい例はきっちり受け入れながら、しかし合わないところは思い切ってそれを排除しながら、我が国なりの独禁法、きちっとしたものを今後鋭意つくり上げていただきたい、心からお願いを申し上げる次第でございます。 私は本日、抽象的なお話、非常にざくっとしたお話をさせていただきました。しかし、物事、困ったときには必ず基本に返らなければならないと私は思っております。 四月からプロ野球が始まりましたけれども、プロ野球の選手は、我々からするととんでもない上手な選手であっても、必ずスランプというものにどんな人でも突き当たるわけでありまして、スランプになったときにどういうふうなことが指導されるかというと、スランプになったら基本に忠実にということを必ず我々は言われるわけであります。また、いろいろな企業でも一緒でありますが、壁にぶち当たったときに言われるのは、原点に返ろうということを常に言うわけであります。 基本を忠実にやり、そして原点に返ってやり直したところが、またきちっとした道を歩むことができる、またスランプからも脱出することができる、こういうようなことでありますから、我が国は今、国家としてスランプ状態にあるわけでありまして、こういうときこそきちっと原点に返る発想でお願いしたい。このような思いから、特にこの独禁法の問題は自由主義経済ということから考えると大変重要な法律であるという観点から、総論的な、抽象的な話に終始をさせていただいたところであります。 我が党の持ち時間は十二時まで、こういうことでありますから、残りの時間は私よりももっと頭脳明晰な渋谷議員の方から、もっと個別に、具体的に、鋭く質問をさせていただきたい、このように考えているところでございます。 以上をもちまして私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○中山委員長 渋谷修君。
○渋谷委員 民主党の渋谷修でございます。 いつも別の問題の議論をやっている間に法案審議の方が少なくなってしまうので、きょうは法案審議の方を先にしまして、後でまた残り幾つかの点を取り上げたいと思います。 まず、今回の独禁法の一部を改正する法律案についてでありますが、基本的にはもちろん、独禁政策というのは、公正な競争をいかに確保するかということでありまして、その観点で公取としてのこれまでの行政が行われてきているわけであります。私的独占あるいは不当な取引制限あるいは不公正な取引方法を用いようとする事業者に対して、ある意味では独禁法全体がもちろん抑止的な法律になっているわけですが、具体的にそれを担保するものとしては第二十五条の無過失損害賠償責任という規定があるわけでございますけれども、そうした不当な取引制限やあるいは不公正な取引方法等を用いた事業者は結果としては割に合わないということが認識されないと、これは抑止的な効果を発揮しないわけですね。 そういった点で、この二十五条が適用となったこの間の件数、具体的な事例をぜひお示しいただきたいのですが。
○根來政府特別補佐人 御承知のように、独占禁止法二十五条には、審決を前置いたしまして損害賠償請求が認められるわけでございますが、私どもがもう一つ正確でない点もございますけれども、法律ができた昭和二十二年から平成十二年の三月まで十四件ということになっております。
○渋谷委員 独禁法ができてから、その法律が適用されて、運用されてこれだけの長い経過を経ているわけでありますけれども、たったの十四件しかこの二十五条の規定というのは適用されていない。 その適用された中で、その損害賠償が認められて損害賠償をさせられたというケースは、具体的にどうなりますか。
○根來政府特別補佐人 これも御質問の趣旨からいうとはかばかしい話ではございませんで、十四件のうち請求棄却が三件、却下というのが二件、和解が四件、取り下げ一件、係属中四件ということであります。
○渋谷委員 そういたしますと、損害賠償が具体的に行われたケースはないということになりますね。
○根來政府特別補佐人 二十五条に関しては、今の調査した結果ではそういうことになっておりますが、一方、民法の七百九条による損害賠償請求というのがございます。これが認容されたのが六件。これは古いことはわかりませんので昭和五十年から平成十二年の三月末までの間ですが、調査した限りでは六件の請求認容がございます。それからもう一つ、住民訴訟がございますが、それがまだ係属中の事件が大分残っております。
○渋谷委員 民法の方は聞いていないのでありまして、そもそも本法、独禁法の方でお話を伺っているわけでありますが、委員の皆さんもお聞きになったとおりでありまして、二十五条ということで損害賠償の規定があるにもかかわらず、この規定が全く機能していない。機能していない規定というのはペナルティーにならないわけですから、抑止力としてもこれは全く効果を発揮していないということになるわけですね。 この二十五条というのはなぜこうした形で機能してこなかったかという点については、いかがですか。
○根來政府特別補佐人 おっしゃるとおりでございまして、これも私どもの方の公正取引委員会の私的研究会で、どういうふうにすればこの二十五条というのが機能するか、裏返して言えば、どういうわけで機能しないかということをいろいろ研究していただきました。 しかし、これも甲論乙駁で、結果としてはこれという妙薬はないわけでございまして、一つは、推測するところ、先ほど御質問にもございましたように、日本人の気質といいますか、余り訴訟などをして損害を取り戻したくないというような気持ちもあるのかなということを一方では思いますけれども、もう一つは、法律的に談合なり不公正取引なりとの因果関係の立証がうまくいかないという点で、逡巡している点があるのじゃないかというふうに思っております。
○渋谷委員 知識のある方々が皆さん集まっていい知恵が出なかったという話でありますけれども、委員長、この二十五条をどう生かすかということについて、それぞれの方々から当然のことながら意見があっただろうと思うんですが、その中で、こうすれば具体的にこれは機能するのではないかという点は、委員長自身はどんなふうにお考えですか。
○根來政府特別補佐人 一つは、推定規定を置くといいますか、そういう方法もあるのではないかという御意見があったように思います。しかし、これに対しましては、推定というのはいろいろ事実を積み重ねて推定するわけでございますが、独占禁止法違反というのはいろいろ態様がございまして、その態様によって事実が違うものですから、どういう事実があれば推定できるかということについて、法文上、なかなかきちっと書けないのじゃないかという問題があるわけであります。 それからもう一つは、これは積極的な意見でございますけれども、数年前に民事訴訟法が改正になりまして、裁判官が損害額を全弁論の趣旨から認定できるという規定が新しい民事訴訟法で入ったのでございます。そういうふうになりますと、今度は、その新しい民事訴訟法の規定を使いまして、裁判所は全弁論の趣旨を体して推定してやれるのじゃないか、だから、今さら推定規定を置かなくても十分適用できるのじゃないかという御意見がございまして、あれこれ考えているところであります。
○渋谷委員 今、損害額の立証という問題について触れようと思ったんですが、先に民訴法の方の経過があるというお話でございますけれども、これまでの幾つかの事件でも、損害額の立証ということが困難なために、訴訟自体が敗訴といいますか、うまくいかなかったというようなケースもあるわけですね。 公取としては、やはり法律、独禁法そのものを所管する、もちろんその上に成り立っている組織でありますから、この損害額の立証ということについて、具体的な事例はこの間もないわけでありますけれども、幾つかの事例を前提にしながら例えば損害額の立証ということについてのモデルをつくるとか、そういう努力というのは、当然のことながら公取としてこの間やってくるべきだったことじゃありませんか。
○根來政府特別補佐人 最近は、二十五条訴訟に限りませんけれども、民法の七百九条訴訟あるいは住民訴訟につきまして、裁判所から公正取引委員会に損害額の照会がございます。この場合に、我々といたしましては、抽象的に回答するのではなくて、もう少し、こういう要素でこういう認定ということを具体的に裁判所に回答することにいたしております。 そういうようなことで、一つの対処の手法としましては、こういう独占禁止法違反事件につきましては、裁判所から照会があったときに、私どもが具体的にこういう損害が発生しているのではないかという回答をすることによって裁判所の審理の参考にしていただく、こういう方法で現在のところ対処しているところでございます。 ただ、一般的に、こういう場合にこれだけの損害があるんだというのは事案によっていろいろケースが違いますので、その点はなかなか難しいことだと考えております。 先走って答弁して恐縮でございますが、最近報道された中では、奈良地裁で住民訴訟が起こされまして、これは積極的に認定されまして、四千五百七十一万円の損害があったということで、県への返還が命ぜられております。そういうようなことで、徐々に私どもの考え方も裁判上公認されていくのではないか、そういうことで期待しているわけであります。
○渋谷委員 裁判所との件については後ほど差しとめ請求権のかかわりで若干またお話を伺いますが、その前に、もう一度戻りまして、二十五条の無過失損害賠償責任、この規定について、より効果的に活用されるように、あるいは活発に活用されるようにするために、今委員長自身が御答弁なさった点もそうでありますけれども、含めて、今後さらにこれは見直しあるいは検討を重ねていき、それなりの結論を早急に得て、いずれ、これについては、その改正も含めたことを視野に置きたいということで御答弁いただけるのかどうか、お願いいたします。
○根來政府特別補佐人 これはもう当然、独占禁止法の条文が死文と化しているというようなことがあってはならない話でございますから、私どもがそうあふるわけではありませんけれども、死文と化さないで、そういう正当に権利のある者が正当な損害賠償を受けられるような仕組みが何とか考えられないかなということは、事務当局も十分検討しているところでございますし、今後そういうスタンスで研究するつもりでございます。
○渋谷委員 損害賠償が具体的に実現したということでの事例が積み重ねられていけば、そのことが抑止力として他の事業者に対しても当然効果を発揮するわけでありまして、やはりそのことは、今委員長自身がおっしゃったように、死文となるような条項ということについて、そのままほっておくというわけにはまいりませんので、事務方も含めて、早急にこのことについての検討をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 先ほど来の話もそうでありますけれども、経済犯罪に対して、日本という国はといいますか、別に日本だけに限らないんですが、非常に罪の意識が低い。例えば、会社ぐるみでやっても、組織を守るためにやったということで、個人としての罪の意識が非常に低いわけですね。このことが繰り返され、いろいろなこういう不公正な取引が常態化しているということにもなっているわけです、後ほどまた具体的な事例を申し上げますけれども。したがって、今の損害賠償制度ですが、このことについては早急に充実をさせていかなければならないというぐあいに思います。 さらに、今回、差しとめ請求権を拡充するということについては、それはそれで一つの前進だというぐあいに思うわけでありますけれども、この差しとめ請求権をやはり実効あるものにするためには、請求権自体が濫用されてはもちろん困りますけれども、しかしながら、正当な理由がある場合はこれはどんどん活用されるということにならなければならないんですが、本法を見ますと、「著しい損害を生じ、」ということが要件としてかぶさっているわけですね。「著しい損害を生じ、」ということについては、具体的にはこのことはどういうぐあいに解釈され、定義されているのでしょうか。
○根來政府特別補佐人 不公正取引というのは一般の取引の間から発生するものでございますので、何か網をかけないとその辺の境界のところがわからなくなるわけですから「著しい」という形容詞を使っているわけでありますけれども、これは具体的には裁判所が決めることになると思いますが、違法性の厳しいというような御理解で十分ではないか、こういうふうに思っております。
○渋谷委員 この差しとめ請求権の「著しい」という規定が、制限的にあるいは抑制的に運用されないようにするべきだろうというぐあいに思うのですが、そのことについて、もう一度改めて確認しておきます。
○根來政府特別補佐人 当然、この「著しい」ということが制限的に働くとは私どもは思っていませんけれども、御懸念の点は、そういうことがないように、法律が制定されたときには十分広報していきたいと考えております。
○渋谷委員 類似の法構成をとっていると言われている不正競争防止法では、営業上の利益の侵害またはおそれがあれば差しとめ請求できるということになっているのですが、こういった表現にするというような議論にはならなかったのでしょうか。
○根來政府特別補佐人 不正競争防止法と不公正取引というのとは少しニュアンスが違うわけでございまして、不正競争防止法の問題は違法性が極めて高いということでそこまで書いていないのだろう、こういう理解でございます。
○渋谷委員 いずれにせよ、先ほどの話と前後が逆になりましたけれども、この「著しい」という規定がその意味では抑制的、規制的にならないという方向に法が運用されるということを、これは強くお願いをしておきたいと思います。 そこで、差しとめ請求権をせっかく充実するわけでありますから、問題は、先ほど来ちらっと触れられましたけれども、なかなか現実問題としては当事者の情報収集の手段が非常に限られているという点があるんですね。したがって、この独禁法の中でそれをサポートしてやるということで、活用してほしい規定があります。 独禁法の五十九条に利害関係人の参加の規定があるわけですけれども、これまでの事例で、利害関係人がこうした五十九条を活用されて、「公正取引委員会は、必要があると認めるときは、職権で、審決の結果について関係のある第三者を当事者として審判手続に参加させることができる。」ということで、これが適用された事例はございますでしょうか。
○根來政府特別補佐人 これは審判手続への参加の規定だろうと思うのですけれども、最近、そういう申し出をしてきた例がございます。 これも、利害関係人というのはどういう趣旨なのか、法律的にもう少しわからない点がありまして、その辺でもう本人がギブアップして参加しなかったという例がございますけれども、私の知る限りでは、その条文を使って参加してきた者はいない、入ろうとした者はいますけれども、実際入ってきた者はいないという認識でございます。
○渋谷委員 そういたしますと、この条文もやはり、先ほど委員長自身がおっしゃられたように、死文化されているわけですか。
○根來政府特別補佐人 死文化というと語弊がございますけれども、これは、私から言わせれば、そもそも立法趣旨がもうひとつわからない。というのは、利害関係人というのは、例えば商売がたきが入ってくるのか、あるいは審判を受けている者をサポートして入ってくるのか、その辺が極めてあいまいなところがございまして、そういう点もなかなか活用されないことだと思うし、また、そういう規定のあることも余りみんな知らないのではないかと私は思います。
○渋谷委員 独禁法を所管している公取の委員長が、この五十九条の規定について立法趣旨がわからないという話になりましたら、これはえらい大ごとの話じゃないでしょうか。 ということは、これは立法府の方の責任ですか。それとも、公取自体がこれについて立法趣旨がわからないということであれば、より明確にする努力というのは必要になるでしょう。いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 それは本にはいろいろ書いております。ただ、申し上げましたように、昭和二十二年にできましたときには、独占禁止法というのは国会でほとんど議論されていないわけでございますから、国会の御意思がどういうところにあるか、私、公平に申しましてよくわからない点がございます。 それで、私の中で議論しても、いろいろ議論の立脚するところが違うわけでございますが、いずれにせよ、法律では利害関係人が参加できるということになっておりますから、どういう立場の人でも委員会が許可すれば参加することができるだろう、こういうふうに思います。 なお、重ねて申しますと、最近そういう例が一つあったように記憶しますが、今までにそういう例はずっと絶えてなかったように思います。
○渋谷委員 ここの部分はぜひ、大事な問題でございますから。私も昭和二十二年といいますと生まれておりませんので。しかしながら、この条項が設けられたということは、当然のことながらその立法の目的、趣旨というのがあっての話だと思います。それが非常にあいまいでよくわからないと委員長自身がおっしゃるのであれば、では、この問題についてはこの国会の中で初めて取り上げられたのでしょうか。御記憶はいかがですか。
○根來政府特別補佐人 私も中途入社でありますので、昔のことはよくわかりませんけれども、ここでその議論をされたのは初めてだと思います。 ただ、私も法律を少しかじりかけているものですから、よくわからないんだというのは正直なところでございまして、これはうそも隠しもするわけでございませんので、うちの事務局はきちんとした理解をしていると思います。
○渋谷委員 いや、率直な答弁をいただいて、その方がありがたいです。 そういうことで、この条項について余りこれまで問題になったことがない、あるいは立法趣旨が非常に不明確であるということであれば、またこの条項については、審決の結果について審判手続に参加させてほしいということでの申し出がつい最近具体的に一件あったということですね。そういうことで、先ほど来の話に戻りますけれども、差しとめ請求権について、よりその手段を充実するという観点でいえば、利害関係人がこれに参加することによって、その審理の経過の情報等がその中で得られるわけですね、より具体的に、迅速に。 したがって、例えば、後は裁判所の問題にもなっていきますけれども、その作業のスピードを速めることができるということにもなるわけでありますから、ぜひこの条項についてはもう一度改めて早急に検討していただいて、死んでいる条項、死文化しているということであれば、早急に生き返らせる作業をやっていただきたいというぐあいに思うのですが、いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 もちろん、ただいまの独占禁止法が先ほど申しましたように古い法律でございますので、ただいま御指摘の部分も含めていろいろ洗い直しをというと語弊がございますが、検討を事務当局の方でやっておるところでございます。お説を踏まえて、十分念頭に置いてやると思います。
○渋谷委員 さらに、その利害関係人の言ってみれば差しとめ請求権をサポートする意味で、六十九条の事件記録の閲覧あるいは審決書の謄抄本の交付という規定があるわけですけれども、この規定に基づいて関係資料を要求いたしましても、具体的な事例で必要だと思われる部分は黒塗りで謄写される、あるいは閲覧が認められるということになっているようですが、その黒塗りにするという理由は一体何でございましょうか。
○根來政府特別補佐人 御指摘の具体的な案件はよく存じませんが、多分、利害関係人の、利害関係人でございますから、当事者が、やはり企業秘密とかこれは公表されたくないとかいう主張がありまして、その関係を黒塗りにして公表を避けたということではないかと私は推測いたします。
○渋谷委員 企業秘密の定義を教えていただけませんか。
○根來政府特別補佐人 これは一般的に言われていることでありますけれども、企業が、他に知られると企業の運営が極めて難しくなるということでありまして、それが、もちろん企業だけの論理ではなくて、一般的、客観的にもそういうふうに認められるものは企業秘密になるのではないか、こういうふうに思います。
○渋谷委員 そのことは公取が判断しているのですか。出された資料について、これは企業秘密だから黒塗りにするという判断は公取がされているのか。あるいは、当事者の方からの申し出を受けて、当然もう一度公取のチェックが入ると思うのですが、そういう形になっているのか。いかがですか。
○根來政府特別補佐人 これは、私どもの方は、例えば審査事件につきますと、提出命令をかけたり、あるいは本人から審尋をしたり、あるいはいろいろ事情を聞いたりということでございまして、強制的に企業、当事者からそのものを取り上げているわけですね。ですから、私どもの一存でこれはいいんだというわけにはまいりませんので、強制的に取り上げた相手方の意見も聞いて、そしてさらに私どもの意見も突き合わせて判断しているものと思います。
○渋谷委員 一方の当事者は、先ほど来の話の経過の中でいえば、具体的な事実を積み上げていかなければならない、あるいは損害額を立証しなければならないという、非常に重い責任を負っているわけですね。 したがって、公取で得た情報というのは非常に貴重でありまして、しかもこのことは、先ほど来申し上げているように、いわば非常に重い経済犯罪にかかわっている話でありますから、もちろん企業秘密という議論は議論としてわかるのでありますが、例えば、今度裁判所に直接そういう差しとめ請求ができるということになった場合に、裁判所に出す書類も、そうしますと黒塗りの状態で出すことになるのですか。そのときの情報の提供というのは具体的にどうなるのでしょうか。
○根來政府特別補佐人 裁判所からは意見の照会があるわけでございますから、そういう黒塗りというような話にはならないと思います。 ただ、先ほど来申し上げましたように、具体的に黒塗りの状況で閲覧したかどうかということは私自身よく知らないものですから、黒塗りがあったということを前提に今まで申し上げました。
○渋谷委員 ぜひこれは後ほど事務方から聞いていただきたいのですが、現実に、戦前の、昔の検閲じゃあるまいに、あそこまで真っ黒に塗らなくてもいいだろうと思うぐらい黒塗りの状態で出されているわけであります。 これはやはり、せっかくこういう形での独禁法の改正の作業が行われているわけでありますから、一方で被害をこうむる側の当事者にせっかく差しとめ請求ができるというルートを一つつくったわけですから、それをサポートする、彼らのそういう手段をより充実させていくということで、今申し上げているのは独禁法の、いわばその他の条項ですね。死文化した条項もありましたけれども、これを生き返らせて活発にするということがなければ、その担保がなければ、せっかくの法改正の趣旨というのは生かされないのではないかというぐあいに思うのですね。 したがって、企業秘密ということについても非常に限定的にとらえなければならないというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 先ほど来申し上げましたように、ただいま、情報開示というのが一つの世の中の流れになっております。私どもの持っている情報をどの程度開示すべきかということはまた、個人の利益と絡めまして十分検討しなければならないわけでございますが、片やおっしゃるように、公益という問題もございます。その公益と私益をどこで線引きするかということは、私ども慎重に考えまして、また、世の中のそういう情報開示の考え方も含めまして、十分検討させていただきたいと思います。
○渋谷委員 これは私の方からのお願いですが、役所の中で検討するということになると、例えばこの六十九条の条項がありましても、先ほど企業秘密という話もありました。それからプライバシーにかかわる話ということもありますでしょう。もちろん公益ということもございます。その間にグレーゾーンがありまして、そのグレーゾーンの中をどう仕切るかということがどうしても必要になってくるわけですね。 したがって、何らかの指針というものをつくらないと、これは第三者がわかるような形で、つまり議会なら議会で、もちろん当たり前でありますけれども、こういう部分については無理なんだ、これ以上の部分はオープンにするよということを前提にして、例えば企業であれ団体であれ、公取が当然命令をしながら資料を出させる。資料を出させる段階から、そういう形のものは相手にきちんと周知されているという状況が必要だろうと思うのです。 そういう意味では、具体的な、わかるような意味での指針というものをぜひおつくりいただきたいというぐあいに考えますが、いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 御意見は十分承りましたので、部内でよく相談させていただきたいと思います。
○渋谷委員 具体的な話に少し入りたいと思います。 独禁法を運用しながら公正な競争条件を確保するという観点で言えば、先ほど来も幾つか取り上げられておりますけれども、中小企業者あるいは中小の小売業者が、大変横暴な大企業等の営業行為によりまして、非常に圧迫を受けているような事例もたくさんあるわけですね。 以前も、例えば不当廉売という言葉について具体的に解釈をされてきたことがあるというぐあいに私も記憶しておりますけれども、改めて、不当廉売とは何ぞやということについて、事務方の方で、多分書類はあると思いますから、お示しをいただきたいと思うのです。
○根來政府特別補佐人 これは私どもの方で、もちろん私が来る前でございますが、不当廉売についての解釈というのを公表しているわけでございます。 このうちに三要素というのがございまして、言うまでもなく、仕入れ価格を割って販売すること、それが一時的ではなくて継続すること、それから競争という要素、この三つの要素を含めまして、不当廉売か否かを判断するメルクマールというふうに考えているようであります。
○渋谷委員 その三要素の一番最初の、仕入れ価格を割ってというのは、個別の商品についての仕入れ価格でしょうか、それとも全体ということになりますか。
○根來政府特別補佐人 個別の商品でございます。 ただ、仕入れ価格を割ってというところが、もう少し正確に言うと、著しくという、先ほどのお話でまたおしかりを受けるかもわかりませんが、著しいという形容詞がついております。
○渋谷委員 いろいろな安売り店が次から次へと出てくるわけですね。もちろんそれ自体は消費者の利益ということで評価される場合が多いのですが、これは経済全体というサイクルで考えますと、安売りイコール、即、消費者の利益になるというだけではないのですね。最終的には、結局はまた消費者のところに、これは安売りによって当然のことながら社会全体がデフレ的な方向になって、例えば賃金も下がって、消費者自体の可処分所得も下がっていくということで、回り回って消費者にとっては不利益になる。 個別の商売の中では、たまたま安売りしたものを買った、そのときの、つまり買い物ということで言えば、これは得したということになるかもしれませんけれども、トータルで見れば、決してそのことが消費者の、いわば生活者と言った方がいいと思うのですが、生活者の利益になるわけではないという点なども基本的な観点としてあります。 今、全国あちこちで、当然そういう要求、要望というのは出てきているというぐあいに思うのです。こういった問題が起きたときに、公取としては、例えば口頭であれ文書であれ構わないのですが、具体的にはどんなふうな対応をされているのでしょうか。
○根來政府特別補佐人 不当廉売の点は、不公正な取引方法の一つの類型でございまして、明らかにこれは法律違反でございます。しかしながら、先ほど申しましたように、三つの要件ということが必要と言われておりますので、これを正式に調べますとなかなか時間がかかって、その間に不当廉売が終わってしまうというようなことに相なるわけでございます。 これは当委員会のみならず、いろいろの方面から不当廉売に対して厳正に対処しろという要請がございますので、まず私どもは、言葉を選んで申しますけれども、火事場ですぐ水をかけに行くというような感じで、すぐ職員を派遣して、少なくとも二カ月以内には結論を出して、注意すべきものは注意してやめていただくというふうな、ある意味では行政指導の方で対処しているところでございます。 これを正式事件に進めますと、やはり三カ月、四カ月というのがかかりまして、当事者の不満というのがあるわけでございますので、なるべく早く、そして的確に行政指導で処理するという立場で、注意処分という、一般的にですよ、全部というわけではございませんけれども、もちろん悪質なものは正式にやりますけれども、件数の大部分は注意処分ということで対処しているわけであります。
○渋谷委員 実際には、こういう不当廉売については、同じ店が反復して繰り返す。たまたまそれが事件になって、あるいは行政指導というお話がありましたけれども、注意があって、そのときにはやめる、ほとぼりが冷めるとまた始める、反復して繰り返す。そういう意味では、先ほど来申し上げていますが、この不公正な取引方法というのは私は経済犯罪だというぐあいに言っているわけですけれども、そういう認識が非常に薄い。それはなぜかといえば、やはり公取のこういった問題についての対応が非常にあいまいだから、ある意味では非常に対応が軟弱なために、そういうことの繰り返しを許しているんではないかというぐあいに思いますね。 したがって、先ほどの二十五条の損害賠償責任という問題につきましても、こうして反復して繰り返す非常に悪質な経済犯罪については積極的に二十五条を活用すべきだというぐあいに思うんですが、いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 二十五条は審決前置主義でございますので、注意の場合はこれに当たらないことであります。 だけれども、余計な話で恐縮ですけれども、注意件数というのは相当ふえているわけでございまして、平成十一年度には六百七十二件、平成九年度には二百十七件ということで、相当ふえているわけでございます。 おっしゃるように、これも言葉が悪いんですが、ブラックリストみたいなのが若干あるわけでございまして、そういう累犯的なものをどういうふうに処理するかというのが、相当頭の痛いところでございます。
○渋谷委員 先ほど来申し上げておりますように、公取委員長、注意でなくなるのであればこれは非常にありがたい話なんですけれども、実際には、私なんかは、例えば事業をやって、それはそういう意味での問題なんだということがわかれば、それをもう一度やるなんということを、例えば営業の現場あるいは店舗の現場にそういうことをやれということは言いませんけれども、完全にこれは、言ってみれば確信犯でやっている方々は、注意ぐらいで済むのであれば、どんどんこれは反復してやることになりますでしょう。 だから、悪質なケースもあるという今のお話でしょう。その悪質なケースをある意味では一罰百戒ということでやはりやらないと、抑止的な意味での効果がないわけですよ。不当廉売という規定があり、不当廉売の解釈があったって、依然として今も繰り返されている現状があるわけですから。そのことについて、これを改革、改善しようという意欲がなければ、不当廉売ということを幾ら解釈したって結果としては何の意味もないということになるんじゃありませんか、いかがですか。
○根來政府特別補佐人 もう御趣旨はよく承知しました。
○渋谷委員 それだけですか。 もう少し具体的に、例えば二十五条については、単に行政指導のレベルで、それは注意で済まさせるという話だけじゃなくて、そのことが続いているから実は公取に対する信頼がもう一つ、中小企業者も含めて、あるいは消費者もそうでありますが、上がらないのです。公取という組織がありながら、一体何のためにあるのかということになるわけですね。実は公取の存在、その根本が問われているのですよ、こういう具体的なケースで。いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 おっしゃるように、すべて注意で済まそうというさもしい気持ちを持っているわけではありません。もちろん、悪質な累犯的なものは厳格にやるつもりでございますし、これも言葉が悪いのですけれども、一罰百戒ということも当然あり得ることだと考えております。
○渋谷委員 ぜひこの不当廉売の件については、全国のたくさんの事例があろうかと思いますので、今までのような行政指導あるいは注意のレベルで処理するのではなくて、もう少し踏み込んだ対応を、全部についてやれと言っているんじゃないですよ、非常に悪質で反復してやっているというケースについては踏み込んでやりませんといけませんよ、そのことはぜひ私の方からこの場で要請をさせていただきたいというぐあいに思います。 忙しいところを経済企画庁長官に来ていただきましたので、もう少し具体的な事例はあるのですが、後ほどまたやります。 経企庁長官には、この間、DVD版「日本経済は今!」という問題についてこの委員会で取り上げまして、経企庁長官からこの問題についての答弁をいただいたんですが、ことしもやりたいということでの御答弁をいただいているんですね。それは、ことしもやりたいということは、既に作業として取り組んでいるのかどうなのか、これからの話、いかがですか。
○堺屋国務大臣 ことしにつきましては、経済白書そのものの作業が、今大変経済動向が変動しているところでございまして、ちょっと去年よりおくれておりますので、何らそういうことに具体的に着手はしておりません。
○渋谷委員 おくれているけれども、いずれ経済白書がまとまれば具体的に取り組みたいということですね。
○堺屋国務大臣 国民の税金を使っていろいろ調査、報告したものでございますから、できるだけ多くの人々にわかりやすく知っていただきたいというのは念願でございます。その一つの形態としてビジュアル化、DVD化ということもできればいいことだと考えております。
○渋谷委員 先般の御答弁で、議事録を私は手元に持ちながら、これは大臣の御答弁でありますが、「経済白書というのは、著作権法三十二条の二項によりまして、公開の、だれでも自由に無料で使用できることになっておりまして、経済企画庁が認可するとか許可するとか、そういったたぐいのものではございません。」印刷メディアその他で活用されているということを引用しながらさらに、「DVDもそれと同様でございまして、自由に出せて、私たちが選別するとか選択するとかいうものではございません。」ということで、これは事務方が用意した書類をお読みになったんだろうと思うんですが、こういう御答弁をされていますが、これはこのままでよろしいですか。
○堺屋国務大臣 DVDの内容でございますけれども、それに関して、基づいてということで、私及び担当の職員が、そのままではなしに解説、出演をしたということでございまして、その点では、おっしゃる、前の答弁のとおりでございます。
○渋谷委員 私もその答弁が気になりまして、改めて著作権法を見てみました。 実は、三十二条の二項では、国とか地方公共団体の機関がそういう印刷物を作成する、その公表された広報資料あるいは調査統計資料等、これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができるということでありまして、映像的に処理するDVDというのはこの規定の中には入っていないんですよ。 これは限定列挙です。国が発行したものについては国に著作権があるんですよ。著作権があるんですが、著作権法上のこういう規定があるから、だれでも使っていいですよ、出版社その他が活用してもいいですよ、これは限定列挙で、こういうことは活用できるけれども、実は映像的に処理するものはこの著作権法の三十二条の二項にはないんです。いかがですか。
○堺屋国務大臣 著作権法上、国または地方公共団体の機関が一般に周知させることを目的として作成、公表する報告書等については自由に使用することができるとされているので、問題はないと考えております。
○渋谷委員 役人が一生懸命答弁書を用意しているんでしょうけれども、法律のことを言っているんです。この間の公務員法のことも、あるいは経済企画庁の倫理規程の問題もそうですけれども、そういう、法律を勝手に解釈するのはだめなんですよ。著作権法の三十二条の二項では限定列挙なんです、印刷物に活用するのはいいですよと言っているんですよ。こういう映像化したものについては実は想定していないんです。だから、ここには限定列挙されていません。 私が幾ら言っても信用しないでしょう。したがって、著作権法を所管している文部省に来ていただきました。三十二条の二項について、二項だけですよ、あと余計なことは言わなくていいですから、三十二条の二項について文部省はどう解釈しておりますか。
○小此木政務次官 委員のおっしゃる著作権法第三十二条二項でございますが、今回の白書のように、国が一般に周知させることを目的として作成し、国の名義で公表した広報資料を、説明の材料として新聞紙などの刊行物に転載する場合には、著作権者である国の許諾を得なくてもよいこととしておりますが、ここで言う刊行物というのは一般に書籍などの印刷物を指すとされていまして、DVDソフトは現行法がやはり想定をしていないケースであるとも考えられ、文理上厳格に解釈をすれば、刊行物には該当しないのではないかと考えられます。
○渋谷委員 大臣、わかりましたか。この法を所管している文部省は、三十二条の二項ではこういうDVDは想定されていない、限定列挙されていないということです。この間の答弁も含めて、これは間違いなんです、その答弁は。いかがですか。
○堺屋国務大臣 まず、そのDVDの内容をごらんいただいたと思いますが、その中で、基づきとして出演している場合、これはそれの解説部分でございまして、それは著作権法の範囲には入りません。 それで、転載した部分でございますが、経済企画庁としては、従来から、この種の白書あるいは統計類については、一般に普及する目的でもって、著作権を主張する考えは持っておりません。
○渋谷委員 経済企画庁、ちょっと考えてくださいよ。この法律を所管している文部省は、これは限定列挙であって、こういうDVD、映像化されるものについては、三十二条の二項はこれは解釈されませんと明確に答弁しているんですよ。企画庁が何でこの著作権法の三十二条の二項を勝手な解釈ができるんですか、これまで対象になるという。
○堺屋国務大臣 繰り返し申し上げておりますように、今回のDVDへの転載につきましては、従来からそうでございますが、著作権を当方から主張することはございません。今までから、そういうのをいわば黙示の許諾として大いに認めてきたところでございます。
○渋谷委員 そのことが間違いだということを申し上げているんですよ。 助け船を出しましょう、申しわけないから。三十二条の二項では読めないんです。これは明確です、後ほどまた文部省の政務次官の方から答えていただいてもいいですが。ただし、抜け道はやはりあるんです。 三十二条の一項で、こういう公表された著作物については、公正な慣行に合致するものであって、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲で行われるものでなければならない。こっちの方でこれは読むことになるんですが、余り時間がありませんので結論的に言えば、それであっても引用でありまして、今度のこれのようにビジュアル化、映像化いたしまして、この中には経済白書全文が入っているんです、これは引用じゃなくて、全文というのは引用とは言いませんからね、これも読めないんです。 したがって、これは通産省も同じですよ。通産省も通商白書とか中小企業白書とか政府の印刷物を出しますが、基本的に政府には著作権はあるんです。当たり前です、国民の税金を使ってやっているんですから。これは国民の財産なんです。著作権はあるんです。ただ、それを活用するについて、こういう場合いいですよということを限定列挙していて、これについては、こういう経済白書全文を載せて映像化して見せるというものについては、残念だけれども法的に言えば時代条件についていかないという面で、実は法的にはこれは認められないんです。したがって、経済企画庁としては、国民の財産権ですからね、国民の財産権についてこれを認めるかどうかというのは許諾をしなくちゃいけないんです。認めるかどうかということをしなくちゃいけないんです。 前回やったときに、前回のこのDVDをつくったときに、堺屋長官は、この間の経過の中で、一切経企庁は関係ないという答弁をしてきたじゃないですか。一切、金銭的にもそうだし、著作権法上も問題がない、これは間違いの答弁なんです。 文部省にもう一度確認しておきましょう、私が言ったってうそだと思うかもしれません。
○小此木政務次官 委員が第三十二条の第一項についてもお述べになりましたから、その点についてはおっしゃるとおりでございまして、経済白書の全文ですね、DVDソフト、それが引用するために必要な最小限度の範囲を超えた利用である場合には引用には該当せず、著作権者の許諾が必要となる、こういうこともございます。 しかしながら、今回の場合でありますが、著作権侵害として問題とするか否かは、今回の場合は経済企画庁長官が責任者でございますから、その長官の判断によるものであるということですよね。それで、その中でも、今回は、今長官が黙示の許諾ということをおっしゃいましたけれども、そういう判断に基づいてこれを発行したものと思いまして、この部分には著作権侵害の問題は生じないと考えております。
○渋谷委員 黙示の許諾というのは法的には何らありませんし、それはまずいんですよ、長官。こういうのを議事録に残しておいちゃ困るんです。 つまり、国民の共有の財産ですから、国民の財産権の問題。少なくともこの間の一回目に出したものについては、長官みずからが、それは事務当局の責任は大きいと僕は思いますが、そういうことをきちんと調べ、あるいは文部省に確認をしてやっていればよかったんですが、そのことをやらないために、特定の会社に対してこれを認めて作成をさせてこういう映像化したことによって、まさにこれはまた知的所有権の問題になりますけれども、この会社がこの所有権を所有するんですよ。これを利用するときには当然のことながら許可を得なければならないし、金も払わなきゃいけないんです。ここが問題なんですよ。この重大性ということについて長官自身がお気づきにならないというのは、私はおかしいと思うんです。 特定の会社のいわば利益の追求のために、企画庁の、あなたも含めてですよ、職員が協力をして、休日だという話だったけれども、何社かの方々がこれはやりたいということで来て、その人たちが全部夜間、あるいは土曜日、日曜日来たなんということは考えられないわけですよ。そのことはいいです、ほっといて、もう時間が余りありませんから。 少なくとも前回のこの答弁については誤りです。これは非常に重要な部分ですから、訂正をしていただきたい。
○堺屋国務大臣 繰り返し申し上げておりますように、黙示の許諾ということでございますが、この要式行為としての許諾請求を求めなかったわけでございまして、これは特定の場合ではなしに、一般にそういう形になっております。 それから、今、特定の企業ということを強調されましたが、他の企業から来ても黙示の許諾をした、これは当然でございます。そのものについて、私及び職員の出演がその会社の製品になるということでございますが、それにはそれにふさわしいそれ相応の対価を支払っていただいておりますから、特定の会社に利益を与えたということにはならないと思います。
○渋谷委員 大臣、率直にそのあたりは対応してくださいよ。そうでないと、こんな話でまた時間をとらなければいけない。 黙示の許諾といったって、現実問題としてはそこには財産権があって、少なくとも、それは善意に基づいたものだからあえて具体的な手続を踏まなくてもという話で何とかそこは逃れようというぐあいに思うのかもしれませんが、今までの答弁の中で、一切著作権法上も問題ないし、企画庁は一切これにかかわることではないんだという答弁とは違うでしょう。 少なくとも、黙示の許諾ということであれば、それについては財産権とのかかわりにおいて関係があるじゃないですか。これ以上言い逃れするんですか。
○堺屋国務大臣 著作権法上は問題ないと思います。 ただ、委員が御指摘のように、黙示の許諾というのが行われていたことに、私が答弁のときに何ら関係していないと言ったのは少し言い過ぎだったかもしれません。むしろ、黙示の許諾ということが、行為ないこととしてあったかもしれませんね。
○渋谷委員 理事がちょうどいなかったので申しわけないのですが、委員長にはぜひお願いします。 これは、少なくとも議会の中で我々が真剣に、いろいろ調査をしながら調べたりしているわけですね。それが、大臣が前回答弁した内容とは事実関係も含めて違うわけですよ。 したがってこれは、こういう議事録をそのまま残して今のようなあいまいな答弁のままやっておけば誤解する方も当然出てきますから、私はこのことは納得いきません。ぜひこれは理事会で検討するなどして、このことについての答弁をきちんとわかりやすく訂正するか、あるいは前回の答弁については撤回していただくようにお願いをいたします。
○堺屋国務大臣 文部省を含めまして、著作権侵害としての問題になるか否かは著作権の判断によるものであって、著作権者である国、具体的には経済企画庁が経済白書の利用について了承している場合には著作権侵害の問題は生じない、こういうことで意見が一致しております。
○渋谷委員 文部省はいいですか。
○小此木政務次官 これは先ほど私もお答えしたとおりでございます。
○渋谷委員 今の件は、私の方は全く納得いきません。具体的な細かい事実を言っても、これは違うわけですから、長官自身がこの間答弁した内容ときょうの話は。私の主張はわかりますでしょう。この間の具体的な事例、そのところに一番大事な問題が含まれているわけですから。 この件は、これは委員長の方にぜひお願いをいたしますけれども、明らかに間違った大臣の答弁が前回あったわけですから、その善処方をぜひお願いを申し上げます。
○中山委員長 後ほどの理事会で検討いたします。
○渋谷委員 これはこれで大事な問題ではありますけれども、こうした問題を繰り返すたびに余計な時間をとらなければいけないのですよ、大臣。 例の公務員倫理法の問題も、改めて次回やらせていただきますけれども、この間の答弁では私は全く納得しておりません。経済企画庁の倫理規程が一方でありながら、もとの公務員倫理法に戻って、自分たちの内部の解釈だけでそれを処理しようなどという話は、これほど公務員に対する姿勢が問われているときに許される話じゃありませんよ。そのことは予告として申し上げておきます。 JRの件なんですが、済みません、公取に。 JRの、JRというよりキオスクと言った方がいいと思いますが、JRのいろいろな事業展開によって、周辺の中小小売業者あるいは中小企業者が大変大きな影響を受けているという現実があります。細々といろいろとやりたいのでありますが、ちょっとそれは、余り時間がなくなってきましたから、具体的なことで。 公取に対して、東京駅に書店がつくられる、書籍売り場がつくられるという問題について、地元の渡辺さんという本屋の社長さんが、公取に対し審査のお願いということで文書をこの一月十七日に出しております。これについての対応、処理というのはどんなふうに行われたでしょうか。
○根來政府特別補佐人 具体的な案件はここでは申し上げないことになっているのですが、もう先生が御承知のとおりだと思います。
○渋谷委員 全く処理されなかったのなら、具体的な案件云々じゃなくて、それは取り上げない、取り上げられないということであれば、取り上げられない理由を公取はきちんと示すべきじゃありませんか。
○根來政府特別補佐人 その具体的な案件を除きまして、一般的に、JRの敷地を利用して商売をしたいという方については、JRとその人の自由な契約でございますので、私ども、独占禁止法違反というわけにはまいらないということだと思います。
○渋谷委員 もちろん、たくさんの申し出が来まして、たくさんの件数で相談等が来ますから、一々全部書面で答えるなどということはなかなか難しいのかもしれませんが、しかし、独禁法をいかに活用するかということでいえば、そういう具体的な事実、事例を積み上げていく必要があるんですよ。積み上げてあればそれをもとにして、例えば、申し出する側がより具体的な事実を、どの部分を補強すればいいかとかということがわかるんですね。 ところが、さっきの行政指導じゃありませんが、こっちが文書で出しても、公取は電話一本で、これは独禁法で取り上げるわけにはいきませんでおしまいになってしまったら、次にどういう方法で手を打てばいいのですか。
○根來政府特別補佐人 ただいまの、具体的な話でございますので立ち入って申し上げかねますが、仮に、書面で申し立てがありまして、それの回答を電話一本でやったということは、多分、当事者の方が納得というか、そういう方法をとるということについて納得されたのだと思いますが、先ほど来申し上げていますように、私どもの行政のあり方というのも、もう少し親切にやらなければいけないという大原則からいうと、やはり書面で回答すべきであったかなと、今先生のお話を聞いた前提で申し上げるわけでございますが、そういう感じがいたします。
○渋谷委員 独禁政策、公取の仕事は、ほかの役所ももちろんでありますけれども、国民の理解と信頼がなければ成り立たないわけですよ。そこが、公取なんかがあっても何の役にも立たない、公取に連絡をしても直ちに調査をしてくれるわけでもない、取り上げてくれるわけでもない。文書を書いてそちらに出すということは、それなりの経験なり知識なりのある方が初めて文書を書いて出すわけでありまして、それに対する対応というものは、少なくともやはり応答義務ぐらいのところまで公取として考えてやりませんと、結局は同じところをぐるぐる回っていって先へ進まない、公取に対する信頼も高められないということになるわけですね。 このケースも含めまして、今後そういう申し出があることについてはきちんと、ある意味で義務的に、現場に指示をしまして、先ほど委員長がおっしゃった言葉を使えば親切に対応するということでなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 当然、事務当局もその話は十分承知していると思いますけれども、私も最近の社会的事象を見まして、行政のあり方というのは、相手と私どもの考え方とやはり違うのじゃないか。私どもは親切にしても、相手は必ずしも親切に思っていないという点がやはりあるのじゃないか。その辺を埋める努力をしないと、いつまでたっても行政と一般人との感覚は違うのじゃないかという感じがしますので、御指摘を受けるまでもなく、私どもの方の体制も十分整えまして、納得する行政を行いたい、こういうふうに思っております。
○渋谷委員 今の件も含めて、もう少しまた改めて、これは別の機会でもできる話でありますから、具体的に詰めてやっていきたいというぐあいに思います。 少なくとも、民営化しようという、依然として政府の側が十数%の株は持っているわけでありますけれども、その意味では特殊会社。このJRがキオスクと組みまして、九〇%出資ですから、言ってみれば子会社であり、なおかつ、ここにはJRのOBなどが天下っているわけでありますから、ほとんどもう一体となった、しかも超大規模な企業なんですね。この企業が、駅という非常に公共性の強い空間に、キヨスクと一体となった形で、それぞれのいろいろな事業展開をする。周辺の小売業者がそこに入りたいと言っても入らせてくれないわけですよ。 しかも、JRは、何度か御指摘をしてきたと思いますが、国の税法上、租税特別措置法あるいは地方税法で特例が設けられております。固定資産税も隣接する土地の評価額の三分の一に相当する額ということでありますし、あるいは地価税と特別土地保有税は鉄道施設用の土地にはかからない。いろいろな意味で特権を得ておきながら、そういったJRがいろいろな事業展開をしてくる。まさにこれは公正な競争とは言えないんです。この状況はフェアじゃないんです。 そういう意味で、こういったことも含めて、これは独禁法上の問題ではないということではなくて、それでは、公取あるいは独禁政策という観点からいえば、公正な競争というのは一体どのようにつくり上げていくのか。現実にそうではない状況があるとすれば、そのことについて検討する調査委員会なりなんなりをつくって、やはりそのことで苦しんでいる、影響を受けている方々に対して、公取というのはこういう問題についても取り組んでいるんだという姿勢を見せる必要があるのではないかというぐあいに私は思います。 時間になったんですが、あと一分だけ下さい。 最近の状況でいいますと、大変経済状況が厳しいものですから、例えばスーパー等への納入業者などもスーパーから大変な圧迫を受けている。まさに優越的地位を濫用した不公正な取引状態というのはもうあちこちにはびこっているわけであります。それこそ納入業者に、値札をつける作業も全部納入業者のコストにしたり、あるいはパッケージの詰めかえ作業や協賛金を要請したり、あるいは店舗を改装するときもいろいろ手伝わせたり、そんなことも一切合財納入業者にやらせるというのがまかり通っているんです。 こういうことも含めて、個々の納入業者、取引業者はそのことを問題にできないんですから、先ほど来、そういうところから余り上がってこないという話がありましたけれども、それは力関係の中で言えないという状況ですから、そこにまさに公取が入っていって、事実を確認しながら、そういう不公正な取引方法は絶対にスーパーの側あるいは大きな力を持っている側に割が合いませんよということでこの独禁法というのが運用されなければならない、適用されなければならないというぐあいに思うわけですね。 ぜひその点、最後に公取からの御回答をいただきまして、そのほか用意した質問、ちょっとできない部分もありますが、それはまた細田さん、茂木さん、改めて請う御期待で、ぜひよろしくお願いをいたします。
○根來政府特別補佐人 スーパーといいますか、その類似する問題につきましては、昨年、大規模小売業者と納入業者の取引に関する実態調査をいたしまして、その中でいろいろ問題点を指摘しております。なお、問題点を指摘するのみならず、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会に対して、傘下の会員に十分周知徹底するように申し渡しており、かつ、そういう協会は傘下の会員にそれを伝達いたしております。 そういうことからも、私どもは、御指摘の点は十分念頭に置いて仕事をやっていきたい、こういうふうに思っております。
○渋谷委員 ありがとうございます。
○中山委員長 久保哲司君。
○久保委員 公明党の久保哲司でございます。公明党・改革クラブを代表して、お昼を過ぎましたけれども、十分間持ち時間をいただいておりますので、しばらくおつき合いを賜りたいと思います。 この独禁法改正案は、言うならば自己責任原則と市場原理に立つ自由で公正なもの、それを日本の経済社会の原則にせぬといかぬということで、規制緩和の推進とともに競争政策の積極的な展開を図る、そういった観点からの整備がなされているという観点で、基本的に賛成すべきものだというふうに考えております。 その中で、今回、私の方からは三点ほどちょっと委員長に確認をさせていただきたい、お考えをお伺いしたいことがございます。 まず一点目は、差しとめ請求なんですけれども、今回私人による差しとめ請求制度が導入されたこと、このこと自体は私は非常にいいことだというふうに思っております。こういうことができることによって、言うならば違反行為に対しての抑止力がさらに強まる、そのことが期待されます。一方、この制度の内容について若干問題なしとしない部分もないわけではございませんので、その点を確認したいと思います。 といいますのは、まず、差しとめ請求の対象行為となる範囲でございますが、今現在は、法律でいえば第八条あるいは第十九条等々で違反行為が限定されておりますし、またその行為類型も限定されておるというのが実態であります。それはそれでいいんだろうと思います、また時代の変遷とともに見直しをかけていただければいいんだろうと思うんですけれども、諸外国の例と比べて抜け落ちていると言うべきかどうか、先ほどの議論にもありましたけれども、私的独占あるいはいわゆるカルテルと言われるもの、この部分について今回対象になっていない、そういう部分がございます。 私的独占あるいはカルテルというのは違法性が非常に強い、そういう意味では損害賠償だけでは抑止効果が不十分、このようにも思います。かというて、私人にとってはそれに対抗する有効な手段というのはないわけでありまして、過去の統計を見てみますと、カルテル等に係る分というのは統計上も申告の数は非常に少ないですし、また確かに立証が困難だということも事実であります。 しかし、先ほども申し上げましたけれども、アメリカ、イギリスなどの諸外国の立法例の中ではこれを対象にしておられるところが間々ございます。今後、日本の国内にあっても、企業の合併であるとか営業譲渡であるとか外国の企業とのドッキングであるとか、また、電子立国というようなことが言われておりますけれども、新たな経済分野の発展とか、そういったことがさまざま出てくるんだろう。 そういう意味では、将来には、今現在では予想もし得ないような行為類型、そういったこともまたあらわれてくることが考えられるわけでありますけれども、この差しとめ請求の対象行為の範囲について、状況の変化に応じて適宜適切に対応していくことが必要だというふうに私は思っておるんですけれども、委員長のお考えをお伺いできれば、このように思います。
○根來政府特別補佐人 御指摘はごもっともでございまして、先ほども申しましたように、私も、ある意味ではもう少し整合性のある制度にできないだろうかということも考えたのでございますが、いろいろの状況判断のもとで、やはり不公正取引に限ったわけでございます。アメリカあたりでも、御指摘のように、いろいろの類型について差しとめ請求ができるようでございますが、その内容を見ますと、ほとんど日本の不公正取引に当たるようなものが対象になっているようでございます。 それと、やはり私的独占とか不当な取引制限というのは非常に公益的な色彩が強い、片や不公正な取引方法というのは私益的な色彩が強いということで、差し当たり、私益的な色彩の強い不公正取引について差しとめ請求を認めるのが相当であろうということで、今回の立法をお願いしたわけでございます。 そこで、以下、先ほどの繰り返しになりますが、今、司法改革が進んでいるところでございます。そういうことからいたしまして、裁判所の体制、今、十分でないとは申しませんけれども、やはり初めての制度でございますから、私的独占なり不当な取引制限まで持ち込みますと、裁判所はある意味で困惑するところもあるのではないかというような大所高所から考えまして、不公正取引に限ったわけでございます。 将来の宿題といたしまして、当然そういう点はある時期には見直す必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
○久保委員 わかりました。今、最後に、将来にはまた見直すことも必要ではないかというお言葉がありましたけれども、適宜適切な見直し、これを我々もまた見ていきたいと思います。 今、委員長のお言葉の中に司法制度改革という言葉が出てまいりましたけれども、それに関連してもう一点申し上げますと、いわゆる団体訴権について、これが今回の場合も、あえて言うならば入っていない。 私人が差しとめ請求なりなんなりできるというのは、これは非常にありがたいことなんですけれども、個人というのは、消費者というのは、そんなにしょっちゅう反復して多数の取引をするわけではございません。だけれども、被害は受ける。こういう場合は間々あるわけで、そうなってまいりますと、これはやはりトータルとしては大きな大きなものになるわけで、そういう意味では団体訴権というのは考えられてもいいのではないのか。 せんだって当委員会で審議をしました消費者契約法の場合にも、いわゆる消費者の利益を守るという点で団体訴権ということについての議論がかなりございました。それらについても、ヨーロッパのドイツあたりではやっているではないか、こういった議論もあったわけでありますけれども、日本にあっては、もう少しまた様子を見て、あのときにも我々は附帯決議の中で、五年をめどに見直しをしましょう、と同時に司法制度改革の推移も見ながらと、このようなことを申し上げたわけで、附帯決議で決議をさせていただいたわけであります。 やはり我々法律に携わる人間、国政に携わる人間というのは、最終的には国民すなわち消費者の利益を守る、こういう観点からいいますと、やはり本法にあっても、将来的にはこういった団体訴権ということについても、司法制度改革と当然連動させぬといかぬわけでありますが、考えていくべき必要があるというふうに私は思っておるのですけれども、この点について、公取委員長の御意見、御見解をお伺いしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 団体訴権の問題は、独占禁止法だけに問題とされるものではなくて、広くいろいろの問題について十分検討すべき問題だと思うのでございます。 細かく申しますと、団体訴権を求めるときに、訴訟の効果がどういうふうに及ぶのか、その他いろいろ技術的な問題がございますので、そういう点も解明しながら、足並みをそろえると言うとまた語弊がございますけれども、ある程度横並びを見ながら検討していくべき問題だ、こういうふうに思いまして今回の場合は団体訴権の問題は見送ったわけでございますので、おっしゃるように、今後は十分その点もほかの役所と研究を積み重ねながら、またある時期には改正をお願いすることになることもあろうかと思います。
○久保委員 済みません、最後に一点。 これは先ほどの議論の中でもありました。要望にとどめたいと思いますけれども、今現在、二千件を超えるような独禁法違反に関する申告がある。ところが、審査、審決にまで行っているのは、統計上でいえば百件ないし二百件、こういった実態。あるいは、先ほどもさまざまな事例を出してのお話がございました。 私も、近くで小売の酒屋をやっているおっちゃんが、あのたたき売りをどないかせぬか、こんなことで公取委に言うていったけれども、なかなか返事もあらへんねん、こんな話をなさっている例もありました。 確かに消防署と一緒で、消防署は近くにたくさんあれば安心ですけれども、日ごろ火事がなければみんな遊んでおる、税金のむだ遣いだと。そういう意味では、投資効果も含めて考えぬといかぬわけでありますけれども、だけれども、これから、先ほども出ておりました、ますます複雑化していく中で公正取引委員会が果たすべき役割ということを考えたときに、競争秩序、これをきっちり守っていくためには、やはり公取委の迅速かつ公正な解決というのは国民から多く望まれるところだと思います。 そういった意味では、公取委員会の審査体制をより充実強化すること、またあわせて調査能力を向上すること、さらに、国民から見てその審査の透明性、公開性、こういったことをぜひ強力に委員長の指導のもと推進していただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 午後零時四十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ————◇————— 午後零時四十五分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 新聞を含めて著作物の再販制度というのは、知る権利と、それから表現の自由を物質的に支えることによって民主主義社会の発展を進めるということと、もう一つ、文化政策的見地からこれがあるわけですが、これを維持していくことは非常に重要だと考えているわけです。これに逆らって、あるいはまた、真の消費者利益を裏切って行われているのが、悪質な拡張販売、拡販と言われている問題です。 そこで最初に、新聞の不当拡販の問題、そして、独禁法、不当景品類及び不当表示防止法にかかわる問題について質問したいと思います。 新聞社が販売店に押し紙を強制していたことで、公取が調査に入って、九八年二月十八日に独禁法第四十八条第一項による勧告と審決を出したということを伺っておりますが、まず、この事例の方から伺っておきたいと思います。
○山田政府参考人 御指摘の点は、平成十年の二月に勧告審決いたしました北国新聞に対する件でございます。 北国新聞は、イーグル作戦という増紙計画をつくりまして、そして、販売目標数を決めまして、販売店にそれに合うような注文部数を契約させ、そして、いわば押し紙を行ったということでございまして、当時の特殊指定「新聞業における特定の不公正な取引方法」の第二項に該当いたしまして、独占禁止法十九条で禁止している不公正な取引方法に当たるとしまして審決した事例がございます。
○吉井委員 新聞社の方が販売店に対して押し紙等を強制して、この結果として非常に経済的に困難に追い込まれていく。正常な形で新聞の読者を、販売店もあるいは新聞社そのものも、ふやしていくということで努力するのは当たり前だと思うのですが、ただ、経済的に非常に追い込まれていって、そして無理な拡販に追い込まれる、こういうことになったらやはり大問題だと思うのですね。 ですから私は、今おっしゃったように、新聞社の方が販売事業者に対して押し紙その他をやって、現に私この間も聞いてまいりましたけれども、一五%から三〇%ぐらい常時押し紙がかなり大きい全国紙などでもやられている地域がありまして、こういうことについては、やはり地方の新聞だけではなくて、こういうことによって販売店の方が圧迫されることのないように厳しく対応していくということをやっていってもらわなければならぬと思います。 次に、新聞拡販のために、電子レンジやビデオつきテレビを長期契約者に贈ることをしていた者に対して、不当景品類及び不当表示防止法第三条に基づく公取告示違反で、排除命令を出したものがあるのではありませんか。詳しく聞いておきたいと思います。
○山田政府参考人 最初に、新聞販売発行本社が販売店に対して押し紙をしている点につきまして、ちょっとお答えさせていただきたいと思いますが、販売店の注文部数を超えて発行本社が押しつけてくるということにつきまして、注文契約書ということをつくりますものですから、発行本社の方であらかじめ決めた目標に合った販売数量を注文書に記載させるというような例もございまして、平成十二年、昨年の七月に特殊指定を改正しております。(吉井委員「それはまた後でやります」と呼ぶ) それで、御質問のもう一つの、過大な景品つき販売ということでございますが、これにつきましては、事例でございますが、ことしの三月に和歌山県の新聞販売店四社が非常に多額な、二千五百円から一万二千円くらい、四社でございます、いろいろ例がございますが、景品制限告示を大幅に超えるような多額の商品券であるとかビール券を提供いたしまして、これにつきまして排除命令を行っております。
○吉井委員 それも私伺おうと思ったのですが、商品券も大変なのです。しかし、まず驚いたのは、電子レンジやビデオつきテレビを長期契約者に贈るということをやっていて、それで景表法第三条に基づく公取告示違反で排除命令を出した、この例があるのではありませんか。だから、まずそういうふうな驚くべき姿があって、本当に私びっくりしたのですが、そのことについて伺っておきたいと思います。
○山田政府参考人 御質問の、テープレコーダーであるとか非常に大型の家電等を出したという事例でございますが、平成十年になりますが、平成九年の七月から十二月くらいまでの期間におきまして、ビデオテープレコーダーつきのテレビを提供するというような事例がございまして、これにつきましても、制限告示を大幅に超えているということで排除命令を四件出しております。
○吉井委員 九八年一月の例というのは、熊本市のことですね。朝日新聞熊本販売株式会社の代表やら読売新聞サービスセンター北熊本の代表、西日本新聞エリアセンター代表などに対して排除命令を出されたわけですが、古いもので見れば、九〇年六月八日に福岡県大野城市や太宰府市の朝日、読売、毎日、西日本各社販売店、販売会社に対して、ここでもやはり電子レンジあるいは食器乾燥機などを提供しておったということで、景表法第六条第一項の規定に基づき、排除命令を出した。ですから、本当にちょっと信じられないような事態があったということなので、それで私は確認をしておきたかったのですよ。 先ほどおっしゃった商品券の方も、これは一年契約すれば五千円、二年契約すれば一万二千円の商品券を提供しておったというのが、ことし三月十五日に和歌山県有田郡で全国紙四紙に対して排除命令が出されたものですね。 昔、洗剤を一箱置いていったというのはよくありました。洗剤でも不愉快な話でしたけれども、しかし、今公取の方が排除命令を出していらっしゃる話というのは、実態は余りに非常識といいますか、家電製品まで飛び出す、数万円規模になってくるからびっくりしたのですが、こういう排除命令を出すときの基準は今どういうことになっていますか。
○山田政府参考人 排除命令を出す基準、このような御質問でございますが、まず、景品表示法に基づきます新聞業の景品制限告示がございます。それともう一つ、業界の自主規制にゆだねた方がやはり、私どもの目に届かなくても業界の自主規制でこれをなくしていく、また公正競争規約を遵守していくというマインドが醸成されますものですから、公正競争規約の運用ということに任せております。 したがいまして、まずは公正競争規約の自主規制で、運用で、十分自主規制が機能しているというように認める場合につきましては、これは規約の自主運用に、自主規制に任せる。しかし、規約の自主的な制度ではなかなか規制できない、あるいはそれが非常に過大にエスカレートしていくというような場合につきまして、特に公正取引委員会で景品表示法に基づいて排除措置を行っているところでございます。
○吉井委員 自主規制の話がありましたが、昔の洗剤一箱の時代とは違って、家電製品とか二、三万円の商品券が配られる。これは自主規制の正常な範囲内というふうにお考えなのですか。こういうものをはみ出す場合、どこに線を引いて対処するかというのは、これは「新聞業における景品類の提供に関する事項の制限」の第一項第二号イの規定などに照らして、やはり一つの線を引いて対処していくのではないですか。
○山田政府参考人 新聞の景品制限告示につきましては、総づけ景品と申しておりますが、最高額は、購読期間に応じまして、購読料金の八%または三カ月の購読料金の八%のいずれか低い額でございますから、通常の一般全国日刊紙の例でとりますと、現在月決め購読料が三千九百二十五円でございますから、三カ月で、提供できる景品類の額というのは最高で九百四十二円ということになります。また、規約も同じ範囲で運用しておりますので、先生御指摘のような家電製品とか高額の商品券ということになりますと、当然、景品の制限額を超えているということになるわけでございます。
○吉井委員 大体、基準を甘くするに従って、実際の景品がどんどん膨らんでいっているのです。 次に伺っておきたいと思いますが、昨年七月二十一日に公正取引委員会は、独禁法第二条九項に基づく「新聞業における特定の不公正な取引方法」の全部改正を行っていますね。 一つは、発行業者が直接間接に地域または相手方により異なる定価、割引販売すること。二つ目に、販売業者が直接間接に地域または相手方により異なる定価、割引販売すること。三つ目に、発行業者が販売業者に対して、正当かつ合理的な理由がないのに、一つ、販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること、二つ、販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給すること。 こういうふうにしておりますが、これに違反する者は、独禁法第十九条「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」という、この十九条違反で排除命令を出すということになりますね。確認しておきます。
○山田政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○吉井委員 それで、私、先だって滋賀県の方へ参りまして、関係者の方たちの調査したものを見せていただいて、本当に驚きました。 これはある新聞社、あるというのは、どの新聞社もみんなやっておるから、特定の新聞の固有名詞だけ挙げると、そこだけ何か、特定のところを根っこを入れてやっているように思われてはいけませんから、ある新聞ということにしておきます。そこの販売店の管轄で、何と契約期間が三年という方は、調べたリストがここにありますけれども、契約期間三年という場合は一年間無料サービス、全部そうです。あるいは商品券三万円です。ですから、一年間無料サービスか商品券三万円ということになってくるわけです。 これが克明に調べられて全部出ているんですけれども、これはある販売店の管轄範囲の、ある新聞社ということだけじゃなしに、実はそういうエリアについて、全国紙、そして滋賀県の方で有力な地元紙、これについて見てみても、やはり三年となりますと十二カ月分のサービスチケット。つまり十二カ月間は、一年間は無料だ。二年の契約を結んだら商品券が一万とか、そういうふうなのが実態です。 それで、実は、実際にどんな商品券が使われているのかというのも私預かってきましたけれども、JCBの一万円の商品券。これが十枚入っていて、これを契約を結んでもらったら渡す。だから、こういう点では、さきに見た和歌山県有田郡、熊本、福岡県の大野城市や太宰府市などと同じ内容なんですね。 昨年七月二十一日の公取告示によっても、これは排除命令の対象になるものだと思いますが、この点は間違いございませんね。
○山田政府参考人 新聞の拡張に絡みまして景品の提供が行われるということでございますが、これにつきましては、先ほど来申しておりますように、平成十年から規約ということで自主規制をつくっているわけでございますので、私どもとしては、まずは自主規制として、新聞業界としてそれを正していく。販売の正常化と言っておりますが、販売の正常化を図るというのは、新聞業として当然行っていかなければいけないことでございます。これをまず訴えたいと思っております。 また、先生御指摘のような非常に高額なものがあるということをいろいろな機会に聞くわけでございますので、私どもといたしましても、この自主規制の運用機関とも連携をとりながら、よく事実を知り、情報を収集するということで対応していきたいと思っております。
○吉井委員 さっきから言っていますように、私も、こういうものは、自主規制というよりも、みずからこういうことはしない、当たり前のことだと思っているんです。こういう実態があること自体が論外だと思っているんですよ。 しかし現実に、今御紹介しましたような、ある新聞社のデータを見れば、大体、三年契約すると一年は無料、あるいは商品券三万円。それはある新聞社のデータだけじゃなくて、その地域では、すべての全国紙あるいは有力な地元紙、どの新聞社も、二年契約だったら半年間無料、三年契約だったら一年間無料、そういうふうな形でやったり、商品券が出回っている問題です。 さっき、和歌山県有田の場合は排除命令を出されているわけですから、当然、排除命令の対象になるものだというふうに私は思っているんですが、この点だけもう一遍確認しておきたいんです。こういう事例は、排除命令の対象になりますね。
○山田政府参考人 私ども、排除命令する際には、やはり事実調査というものを十分やるわけでございますので、先生の御指摘の点も踏まえまして、十分情報収集なり、対応ということを考えてまいりたいと思っております。
○吉井委員 私、確認しておきたいのは、私が言ったから、その言った分を、確かに排除命令を出すなんということは言えないのは私もわかっているんですよ。ですから、私が指摘したようなこういう事実は、排除命令の少なくとも対象にはなりますね。対象にはなるが、実際に排除命令を下すかどうかは調べた上でないとあなたの方はできないのは、それは私もよくわかった上で聞いております。 今のような、三年間契約すれば一年間は無料になるとか、三万円の商品券が配られるというのは、これはまず調べて、事実としてそれが確認されれば、当然、排除命令の対象になりますね。
○山田政府参考人 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、先生、今いろいろ具体的な事実をお持ちで御質問を私どもにされておりますので、そういった経緯も踏まえまして私どもとして情報収集に努めるということで御了承いただきたいと思います。
○吉井委員 私が伺っておりますのは、これは別に滋賀県の、私が挙げたような場所でなくてもいいんです。京都であれ大阪であれ、いいんです。少なくとも、三年間契約を結べば一年間は新聞代はただだ、あるいは三万円の商品券を渡す、こういうことについては、現に和歌山県の有田郡では排除命令を出していらっしゃるわけですから、だから、排除命令を出す対象にはなりますね。 実際に出すかどうかというのは調べてからでないとわかりませんから。私、出せなんということを言っているんじゃないんです。対象にはなりますね。
○山田政府参考人 事実がそのとおりであれば、そういうことかと思います。
○吉井委員 例えば、私は一カ月三千円の購読料を払っている。隣の方は三年間契約すれば一年ただということは、要するに、実態としては一カ月分の購読料二千円ということですから。私が三千円払い、隣は二千円の購読料だ。 これは改正した公取告示の一と二にも当たるわけですが、同時に、独禁法適用除外の新聞の再販売価格を新聞社がみずから崩していくという問題でもあって、これはやはり非常に大きな問題なんじゃありませんか。
○山田政府参考人 これは、先ほど来申しておりますように、再販制度の問題とは別に、景品表示法上、一定の制限額以上の景品提供というのは違反ということになっておるわけでございまして、新聞業においては特定制限告示というものがあるわけでございますから、これに違反すれば、景品表示法違反として、それ自身が非常に法律違反の行為であるということではないかと思います。
○吉井委員 公取告示の一、二に当たるわけですから、これはもちろんその分野では違反なんです。ただ、私が三千円で隣の人が二千円、少なくとも同じ地域で新聞代に差があるということは、そもそも独禁法の適用除外としている再販制度の問題、それを新聞社の方がみずから崩しているという実態になっている。 ですから、ここはもう根來委員長にお答えいただいた方がいいと思うんですが、私は、再販制度の問題というのは、確かに販売の過程でいろいろ自主規制のルールとか考えるところがありますけれども、しかしそれは売り方の問題で、自主規制も大事だけれども、何といっても著作物の再販制度を守るという点では新聞社みずからが、本社が中心になってきちんとした態度をとらなきゃいけないということだと思うんですが、これは委員長、そういうことでしょう。
○根來政府特別補佐人 先ほど来、新聞業の件についてお話がございました。 私どもは、この再販問題については来年三月ごろに最終結論を出すということにしておるわけであります。これは、もう朝から申し上げましたように、やはり自由競争の時代に独占禁止法の適用除外というのを残しておくということは、競争法の建前からいってまずいという立場であります。しかし、そうは申しましても、現在再販制度というのがあるわけですから、その再販制度の中で競争をしていただくということで、景品についても、先ほど申しましたような八%とか幾らとかいうことで認めたわけでございます。 したがいまして、その金額を超えるような景品をつけておる、あるいは特殊指定に触れるような営業をやるということになりますと、これは、私どもの立場からいいますと、いわゆる景表法の違反ということで、当然排除命令の対象になるわけでございまして、ただいま先生が御指摘になったような事案がまさにそれに当たるわけでございます。 そこで、私どももそういう件については十分目を光らせているつもりでございますが、これは新聞本社と販売店と消費者という難しい三つの問題がございます。新聞本社の方は私どもの方の趣旨は十分御了解いただいておると思うのですけれども、新聞本社と販売店との思いはまた違うわけでございまして、消費者がまたこれが違うわけであります。あるいは、非常にうがったことを言いますと、消費者は、新聞をとれば何かもらえるという気持ちでおることもまた事実でございます。 そういう難しい問題、三者が難しい中で私どもも仕事をしているわけでございますが、おっしゃるような過度の景品を与えるということになりますと、やはり、常々新聞社から聞いております、文化を販売しておるというのに、どうして文化に高い景品をつけるんだということを私どもは言いたくなるわけでございます。 そういう高額な景品については厳正に対処していきたいと思いますし、再販の問題については、まだ一年ぐらい間隔がありますので、その間十分研究いたしまして、また法律改正が必要となれば本委員会に付託することといたしたい、こういうふうに思っております。
○吉井委員 ちょっと勘違いされてはいけないので、再販制度について今研究中だとおっしゃった、来年どうするかという、その話じゃないのです。 現在は再販制度があるわけです。現在ある中で、私は三千円の購読料を払っていて、隣の人は二千円の購読料、これは再販制度の趣旨に反するわけですよ。それは、さっき、不当な不公正取引の問題とかそういう分野からの問題だけじゃなしに、現在の再販制度ということで考えていっても、こういうやり方というのはやっちゃだめなんだ。今の制度の中で、私が三千円、隣が二千円、これは再販制度の趣旨に反してくるわけですから、そこはみずからきちんと正しなさいということを言わなきゃいけないところだと思うのです。私はそこを言っているのです。
○根來政府特別補佐人 この問題は単純にお答えできない問題がございまして、再販制度というのは、あくまでも、例えば新聞でいいますと新聞と販売店の契約でございますので、今再販制度があるから再販を守らなければならないということではないわけでございまして、本でも自由販売価格というのがございますから、出版社と本屋が契約しまして、これは自由な価格で売っていいよというものは自由に売っていいわけでございます。しかし一般的に、おっしゃるような新聞について、そういうふうなことは行われていないわけでございます。 そこで、新聞について私どもがお願いしているのは、例えば、長期購読者については割引したらどうでしょうか、あるいは大量購読者については割引したらどうでしょうかというような、合理的な理由がある場合にもう少し割引したらどうでしょうかという提案もしているわけでございます。 だから、先生がおっしゃるような、単純に、私と隣の人の場合に値段が違うということは普通はあり得ないわけでございますし、そういうことになると、あるいは差別対価という不公正な取引方法ということになるかもわかりません。その辺は具体的事案に応じて判断するわけでございます。 ただ、先生のお話を全くストレートに考えた場合に、やはり不公正取引に当たる場合が多いかと思います。
○吉井委員 私、きょうは再販制度そのものについて議論をする場としては考えていなかったのですが、一言言っておかなきゃいけないのは、著作物の再販制度というのは、これは本来的に、知る権利と表現の自由というものにアクセスする、それを物質的に保障していくという、その民主社会を形成していく大事な役割と、もう一つ、これは法の立法時にきちんと趣旨は説明されておりますが、文化政策的な意味もあってつくられているものですから、私は、それを何か景品をどんどんつけて安売り競争をやればいいような発想というのは、これは公取委員長としてはとんでもない発言だというふうに思います。その上、何か単純化して、消費者の方も得するかのような話というのは、私は、そういう角度から発言されるというのは消費者に対して随分失礼な発言だと思いますよ。 そもそも、景品をつけるということ、これは形を変えた定価の値引き販売なんですから、著作物のような再販制度をとっているものの場合には、やはり間違ったやり方なんですよ。それをやめさせていくというのが本来公取として考えてもらわなきゃいけないことだと思うのです。 昔は洗剤一箱だった。逆に、景品表示法で枠をどんどん緩めることによって、新聞についても、三カ月八%以内の商品券や長期にわたる無料購読を許すものですから、この枠内だったらいい、さっきもおっしゃった九百数十円だったらいい、その枠までなら、景品をつけようが何しようがよろしいということにしてしまうものだから、今や、洗剤一箱がどんどんとめどもなく、本当に不当拡販と言われるものになっていって、社会問題になっているのですよ。 本来、こういう著作物については、質の高い紙面をつくり、そして情報の速さとか質の高さとか内容で勝負をしていくというのが新聞社の務めであるわけですから、それを狭い限定したものにしてお話しされるのはとんでもないことだということを申し上げて、次に、優越的地位の濫用の問題について聞きたいと思います。 大手コンビニの本社が、優越的地位を濫用して、納入業者に金銭を提供させたり、日用雑貨品を一円で納入させた事件で、九八年七月十六日に行った勧告というものはどういうものであったのか、これを御報告いただきたいと思います。
○山田政府参考人 株式会社ローソンに対しまして、これは平成十年の七月に、独占禁止法十九条の規定に違反するといたしまして勧告を行っております。 その違反行為の内容は二点ございまして、第一に、日用雑貨品の納入業者に対しまして、特段の算出根拠がなく、かつ納入業者にとって提供すべき合理的な理由がないのに、金銭を提供するよう要請したということ、第二点目は、これら日用雑貨品納入業者に対しまして、ローソンチェーン店に対し日用雑貨品を一円で納入するように要請したという内容でございます。
○吉井委員 今のは納入業者に対する優越的地位の濫用の問題なんですが、もう一つ問題があると思うのですね。 これは何もローソンだけに限ったことじゃありませんが、今、コンビニ経営をしているフランチャイザーが、フランチャイジーに対して、優越的地位の濫用でさまざまな問題を起こしているのが問題になってきております。コンビニフランチャイズ加盟店全国協議会というのがつくられて、シンポジウムも行われております。 例えば、その報告などを見ておりますと、同じ系列のコンビニであっても、フランチャイザー、本社の方は同じ地域にどんどん出店させる。そうすると当然一店当たりの売り上げが落ちるわけですが、しかし、フランチャイズ本社の方の売り上げと利益はどんどん伸ばしている。今まで個人で酒屋さんとか米屋さんをやっていたが、うまくいかないのでフランチャイズ契約を結んでフランチャイジーになったという方たちが、犠牲をこうむっていく。 例えば、ローソンのE契約というので見ますと、日販四十万円、月の売り上げが千二百万円になります、ロイヤルティーは四三%でよろしいから、五三%はオーナーの利益になりますよという説明をされる。それで、これならいけると思ってやり出した。最初、人件費は売上高の六%ぐらいと言われていて、それを差し引いて、経費を差し引いても、あなたは月六十万円の利益があると言われて、契約を結んでやっていた。 ところが実際は、売り上げが一千万円程度ないしは九百万円台になって、人件費は六%どころか七・五%で、利益は十五万円ぐらいにしかならない。見切りロス、棚卸しロスについては、一%を超える分は買価、これを売れたものとみなして、原価をオーナーに負担させる。そしてさらにチャージを取っていく。例えば、弁当みたいなものですと、古くなったら捨てさせて、捨てているのにその弁当代を取っている。 こういうふうなことで、しかも人件費が出てこない、大変な経営を強いられてくる。夫婦二人でやって、二十四時間営業をやれと言われるものですから、健康破壊にもなっている。やめようと思ったら、ロイヤルティーの六カ月または十カ月の損害金を払えといって、取られている。だから、進むも地獄、去るも地獄と、フランチャイジーであるコンビニ経営者が随分訴えておられます。 シンポジウムでもたくさんの例が語られ、さまざまな方たちから、中には暴力的に追い出しを食らった人の問題も起こったりしていますが、これはテレビでも紹介されました。こういうのは独禁法の優越的地位の濫用に当たるんじゃないかと思うんですね。私は、こういうものについては、公取としてやはりきちんと見ていくことが必要じゃないかと思いますが、この点はどういう見解ですか。
○山田政府参考人 コンビニストアの本部、フランチャイザーと、そこの契約加盟店でありますフランチャイジーとの間におきましては、いろいろと優越的地位の濫用行為等の問題が非常に起こりやすいということで、私どもも、独占禁止法上の考え方、ガイドラインというのを出しまして、その普及あるいは周知に力を入れているところでございます。 また、委員からも以前にも御指摘がございまして、私ども、昨年実施いたしました調査等の中にも入れまして、大規模小売業者と納入業者、あるいは加盟店との間の取引の関係というものについて、その実態等の把握にも努めているところでございます。
○吉井委員 最初に契約する段階では継続反復して業をなしていけるわけじゃなくて、例えば脱サラでコンビニを始められるとかそういう方たちも多いわけですから、この間衆議院を通って参議院で審議中の消費者契約法による不実告知、重要事項の故意の不告知、断定的情報の提供によって誤認させて契約をさせるというものに当たるから、かなり早い段階だったらこれは消費者契約法の対象になるのかもしれませんが、ただ、いずれにしても、独禁法の優越的地位の濫用に当たることは確かだと思うんですね。 今ガイドラインのお話がありましたが、それでいろいろ調べているということですが、何か公取として具体的にフランチャイジーを守る取り組みというものを進めていらっしゃることがあれば、あわせて伺っておきたいと思います。
○山田政府参考人 私どもといたしましても、フランチャイズチェーンの団体等と会合を随時設けまして、先ほど申しました、「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」という、これがガイドラインと言っておるものでございますが、その説明をし、そして会員に周知徹底をお願いし、あるいは会員から最近の状況等の情報収集というものにも努め、あるいは取引上の問題点という点についても、そういった状況について収集するということを努力しているところでございます。
○吉井委員 次に、この優越的地位という問題では、昨年十月二十八日に、総合家具小売業の大手企業が、同じように、納入業者に対して協賛金を要求するという事件で立入調査を行っておられると伺っておりますが、この報告をあわせて聞いておきたいと思います。
○山田政府参考人 個別のケースに関することでございますので、御説明は御容赦いただきたいと思います。
○吉井委員 これは新聞にも出ているんですけれども、新聞の範囲内にしても、どういう業者に対して、何が問題で調査をしているのか。私は、さらに立ち入ったことは今おっしゃったことになるかもしれないけれども、今のお話では何もわからないですね。
○根來政府特別補佐人 御理解いただいておりますように、具体的な事件、いまだ完結していない事件について御説明するといろいろ影響も大きいものですから、答弁は差し控えさせていただいておるわけでございます。 多分、この御指摘の部分は新聞に載っているので、その新聞の内容は、家具の納入業者に協賛金などを要求していた疑いが強まり、独占禁止法違反容疑、不公正な取引方法で立入検査した、こう書いておりますから、この新聞の事実を否定するわけではございません。ただし、その新聞の中には、自分の方はそういうことをした覚えがない、こう言っておるわけでございますから、まだこういう事案については多分相手方も争っていることとお考えいただいて結構だと思います。
○吉井委員 実は、この家具の輸入専門店ですが、同業他社から、別にこれはライバル企業だということで伺ったわけじゃなしに、大体実態はどういうことですかということをいろいろお聞きしたんですが、国際標準価格とか、あるいは国際同等価格という表現を使って価格表示をして、そこからうんと大幅値下げという表示をする。自分のところも同じ輸入家具も扱っているから大体わかるんだが、ある程度似たような表示もするが、あれほど大きくないということも言っておりました。 公取は、大手スーパー七社に対して、牛肉等の不当な二重価格表示を景品表示法違反事件として排除命令を出したわけですが、輸入商品の場合、適正価格は非常にわかりにくい。それを高く表示しておいて、大幅値下げセールとして売り出すと、消費者の方も真実でないことを告げられて購入し、同時に、それで周辺の家具小売業者も軒並み客を奪われていって、日本で家具といえば大川とか府中とか静岡とか、全国に大きな家具産地がありますが、国内家具産地業者も海外製品に打撃を受けていく。だから、本当に全体が落ち込んでいくという状況も生まれております。 そもそも、価格が適正かどうかの監視を強めるということは必要だと思うんですが、これはどういうふうに進めているんですか。
○山田政府参考人 消費者が購入するときに、価格情報というのは非常に重要でございますし、また、比較対照し得る価格がありますと、こういった価値のものを自分は安く買えたというようなことでも非常に手がかりになるものであると思います。 そういった場合に、今先生御指摘のように、比較対照する価格を、全く架空の価格をつけるとか全く任意につけて、そして実際に売ろうとする価格をつけて非常に安く見せかけるというようなことにつきましては、これは一般的に言えば不当な価格表示、あるいは不当な二重価格表示という問題になろうかと思います。
○吉井委員 ですから、先ほど納入業者に対し公取が調査しているという新聞に書いてある事実は否定しないということですが、あわせてそういう部分についてもきちんとよく監視をしていただきたいというふうに思います。 実は、同様の問題は家具だけじゃなくて仏壇なんかについてもあるのですね。多くの日本の国民は、仏壇というのは日本製だと思っているのです。国産だと思っているのですね。しかし今、輸入仏壇が非常にふえている。 これは伝統工芸士の方たちから伺ったのですが、たくみのわざからつくられた国産の仏壇だと思って、価格は百万円となっていたら、日本の仏壇が百万円だと思っているわけです、輸入仏壇であっても。それが百万するはずなのに二十万とか三十万という値段になっている、これは安いなということで購入するということになる。この結果、実はこの面でも家具産地と同様に、大阪仏壇とか八女福島仏壇とか川辺仏壇とか、全国各地の産地が打撃を受けています。国の方から伝統工芸士といって持ち上げてもらっても、仏壇が売れなくて仕事が減少してしまう、暮らしが大変だという状況が現に生まれているわけです。 公取は紳士服メーカーの原産国表示の不当について排除命令を出したことがありますが、仏壇などについて、消費者に誤解を与えないように、内外無差別で原産国表示なり原産地表示を行うように指導して、景品表示法違反の不当表示がなされないようにそこをきちっと監視していく、そういうことが大事ではないかと思うのですが、この点についてはどうお考えですか。
○山田政府参考人 委員もう御承知のとおりでございますが、原産国表示を義務づけるというのは、これはWTO上でもノンタリフバリアになるというような問題もございます。しかし、誤認を与えるということ、あるいは、ある日本での産地がありまして、その産地について自主的な規制をつくって、一定の条件が必要かもしれませんが、それを守っていこう、そしてここの産地でつくったものであるということをやっていくということについては可能ではないかと思っております。 また、御指摘のとおり、不当な価格表示もそうですし、原産国表示につきまして、原産国を偽るというようなことがありますれば、これは景品表示法四条に該当するものでございますので、引き続き私どもといたしましても、同法の適用につきまして、これを厳正に対処していこう、このように考えている次第でございます。
○吉井委員 現に、多くの国民の皆さんは、仏壇といえば国産だと思っているのですよ。それがよその仏壇であるということは、それ自体が原産国表示を偽っていることに本来相当するわけですね。 ですから、内外無差別で、原産国表示なりあるいは産地表示なり、そのことによって多くの消費者の皆さんが勘違いされたり誤解されることがないように、とりわけ日本の伝統工芸などに属するような中小企業分野とかあるいは地場産業分野については取り組んでいくということは何ら問題のないことだと思うし、やはりそのことによって本当の意味での消費者利益を守っていく。それ自身は、公正な取引ルールという点からしても、別にどこかの国を差別するということじゃなくて、どこかの産地を差別するということじゃなくて、内外無差別でやっていくということは何ら問題がないし、そのことによって消費者利益を守るということこそ私は公正な取引のまず土俵をつくることになると思うのです。 この点、最後に委員長に伺って、時間が来たようですから終わりにしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 本日御指摘の点は、いわゆる景表法の執行を含めまして、私どもも常に念頭に置いて厳正にやっているつもりでございますけれども、これは主観的な問題でございますので、客観的にほかの方が見られますと、何だか手ぬるいな、こう思われる点もあるかもわかりませんけれども、少ない人員で最大の効率を上げるように今後とも頑張っていきたいと思いますので、今後とも御支援、御指導のほどお願いしたい、こういうふうに思っております。
○吉井委員 時間が参りましたので終わります。
○中山委員長 塩田晋君。
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。 ただいま審議をされております私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部改正につきまして、これは自由党といたしまして連立三党の中で協議をし、閣議決定に持ち込み、国会に提出したものでございますので、その成立に対しまして責任を負うものと考えております。 自由党といたしましては、すべての政策原理といたしまして、フリー、フェア、オープンという立場でございます。この法律案が、規制撤廃あるいは規制緩和という観点から行われているものでありまして、公正かつ自由な競争を一層促進することによって我が国市場を競争的で開かれたものにするという観点から、競争政策の積極的展開を図るものとして、その観点から賛成するものでございます。 この法案の主たる内容でございますが、三点ございます。第一は、ガス、電気の適用除外規定を廃止するというものでございますし、第二は、被害者による差しとめ請求制度を新設するというものでございます。第三は、事業者団体による競争の実質的制限行為など事業者団体の違反行為等をその対象として追加するという、以上の三点でございますが、いずれも先ほど申し上げました観点から賛成をするものでございます。 そこで、具体的な内容につきまして一、二質問をしたいと思います。 第一は、独禁法の違反行為に対しまして、被害者が差しとめ請求訴訟を提起することができるようにする法律改正でございます。差しとめ請求制度を新たに設けることになった趣旨を御説明いただきます。
○根來政府特別補佐人 ただいま御質問の中で御指摘になったことは、すべて私が申し上げることに相なるわけでございますが、今、公正な自由競争が求められている我が国経済社会におきまして、私どもが公正取引委員会として独占禁止法の運用を独占的にやっているわけでございますが、それだけではやはり足らないだろう。やはり、自己責任ということで、私人が直接裁判所に差しとめを請求するということも認めなければならないだろうということ。また、そういう不公正な取引というのが日々起こっているものですから、やはり差しとめという手段でやらないと、後で損害賠償だけではなかなか足りないだろうというような点。いろいろの点を踏まえまして、諸外国の例も見まして、今度こういう差しとめ請求制度というのをお認めいただくように法案を提出したわけでございます。
○塩田委員 差しとめ請求訴訟を取り扱う裁判所の管轄についてでございますが、今回のこの法案では三通りになっておりますね。そういった点で、被害者届の便宜を図るということだと思いますけれども、錯綜したり、あるいは類似のものが一斉に三通りから出てくるとか、そういった不便さもあるんじゃないかと思いますが、このような制度を設けられた趣旨を御説明いただけますか。
○根來政府特別補佐人 御指摘のように、今回の差しとめ請求を認めるにつきましての裁判管轄につきましては、被害者、被害の発生したところ等に加えまして、高等裁判所の所在の裁判所、あるいは東京地方裁判所というふうに重畳的に裁判管轄を設定しているわけであります。 これはもっとも、こういう制度が被害者といいますか原告に使いやすくするために設けたわけでございますが、おっしゃるように日本の方々で類似の裁判が起こったときに、やはり移送ということを考えなければならない。そうしますと、やはり東京地方裁判所とか高裁所在の裁判所に同種事例の訴訟の提起がされていることも多かろうということを想定しまして、そこへ移送できるような考え方で、このような重畳的な管轄を設定したわけでございます。あくまでも、これは原告の利便を図る趣旨で設定したものでございます。
○塩田委員 次に、靴下、肌着など衣料の販売、購入につきまして、虚偽表示があるという場合にどのような命令なり措置をされるか、このことについてお伺いしたいと思います。 外国から大量に輸入品が衣料につきまして行われておるわけでございますけれども、輸入品であるにかかわらず、外国製であるという表示を取り去ったり、あるいはないものにメード・イン・ジャパンというステッカーとか表示をいろいろな形でして国産品と思わせて、すなわち虚偽の表示をして販売をしている。こういう例があるとすれば、景品表示あるいは不当表示防止法の上でどのように対処されるか、お伺いいたします。
○根來政府特別補佐人 御指摘の景品表示法は、一般消費者に誤認されるおそれのある不当表示を禁止しているのでございますが、御指摘のような商品の原産国表示については、一般消費者に誤認させるおそれのある表示として、商品の原産国に関する不当な表示を告示によって規制しております。 私ども委員会としましては、外国産品について、あたかも国産品であるように誤認されるおそれのある不当な表示については、排除命令ということで対処したいというふうに考えております。
○塩田委員 この原産地国表示というのは、国際的、世界的な動きとしては、そういった表示をすることを排除した方がいいというような動きも各国であるようでございますけれども、今、靴下あるいは肌着の業界、非常に痛手をこうむっておるということがございますが、なかなかこれを業界で自主規制するあるいは監視するといったことが難しいいろいろな状況、事情がございますので、公正取引委員会としては、これを十分に調査されて、適切な措置をとられますことを求めたいと思います。
○根來政府特別補佐人 具体的な案件はさておきまして、一般抽象的に申しますと、そういう原産国表示を偽るというような話は、ある意味では詐欺に当たるような話でございますから、厳正に対処すべきものと思っております。
○塩田委員 ありがとうございました。終わります。
○中山委員長 北沢清功君。
○北沢委員 社民党の北沢でございます。 今回のいわゆる独占禁止法の改正は、鉄道、電気・ガス事業等に固有な行為に関する適用除外規定を削除することが大きなポイントの一つになっているわけでありますが、この自由化によって消費者が不利益をこうむることのないよう、利用者への情報公開によって判断材料を提供するなど、事業者側の監視をすべきだ、私はそういうふうに考えます。 これは質問外のことですが、きょう、いろいろ御質問をお聞きする中で、不当廉売だとか、いわゆる不正常な商業活動等が非常に問題視をされておるわけでありますが、今回の独占禁止法というのは、私どもの事業なりまたは生活にかかわりが非常に多い。裁判所の救済も含めて、ますますそのことの重要さを増してきているわけでございます。 やはり、そういう問題がなるべく起きないように、特に、今まで報道されておりますガスだとか水道等の建設会社の、不当な取引等で不当な利益を得ているわけで、これはもう還元されているわけでございますが、そういうものを含めて、もっとわかりやすくPRをすることによって、国民の認識が深まれば深まるほどそういうトラブルが少なくなってくるのではないか。そうでないと、大変これからいろいろな面で取引関係のトラブルが多くなるのではないかというふうに感ずるわけでありますので、そのこともあわせてお聞きをいたしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 この独占禁止法というのはなかなか難しい法律でございまして、確かにおっしゃるように、一般の方々が法律を読んで十分に理解できるとは、私自身の経験に徴してもそう思うわけでございます。そこで委員会としましては、いろいろな考え方とか指針とかを出しまして、なるべくわかりやすくかみ砕いて理解していただくように努力しているつもりでございますが、この上ともその努力を重ねていきたい、こういうふうに考えております。 なお、国会でもいろいろ御指摘がございましたけれども、民間の方々の御協力を得るということも大事じゃないかという御意見もちょうだいしました。 そこで、今、商工会議所とか商工会とかとネットワークを結びまして、私どもの出先的な立場でいろいろの御相談に乗っていただく。あるいは、ことしからこれも予算的措置が講ぜられて喜んでいるわけでございますが、独占禁止政策協力委員というのを全国で百五十人お願いいたしまして、これも私どもの立場からいろいろ広報活動等に当たっていただくというふうに手段を講じているわけでございますから、委員御指摘のように、これまで以上に広報ということに努めていきたい、こういうふうに考えております。
○北沢委員 ぜひ、PR費も含めて、予算をひとつ十分に使っていただきたいというふうに思うわけでございます。 先ほど久保委員からも御指摘がございましたので簡潔にお尋ねをいたしますが、私ども社民党といたしましても、次の二点について強く、今後研究をされ改正をされる、先ほどの委員長の御答弁も前向きな御答弁でございますから、そのことをひとつ決意もあわせてお尋ねをいたしたいと思います。 今回の改正の大きな要素である、不公正な取引方法を用いた事業者等に対する差しとめ請求を行うことができる制度でございますが、制度的に私人による民事的救済の道が開かれたことは非常に意義が深いと考えるわけでありますが、今回の改正で差しとめ請求が認められる行為の対象から私的独占及び不当な取引制限、いわゆるカルテルが外されたのはなぜであるか。諸外国においてはカルテルを対象行為としている例が多いと聞いているわけですが、そういう国との関連でどうなるのか、国際的な面から将来的にもどうなるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 また、私的独占やカルテル自体は、他の違反行為と比較して強い違反性があると思われ、対象外とする理由は見当たらないんじゃないかというふうに私どもは考えるが、いかように考えるか、御答弁を煩わしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 先ほどお答えいたしましたけれども、理想を申しますれば、おっしゃるように、独占禁止法違反のものをすべて包含するのがあるいはいいかもわかりませんが、私ども、差し当たり不公正取引に絞った理由は、独占禁止法違反と申しましても、私的独占あるいは不当な取引制限というのは極めて公的な色彩が強い。不公正な取引方法というのは私的な色彩が強いということからしますと、不公正な取引方法に係る違反について私人が差しとめ請求するというのは一番素直ではなかろうかというのが一つの考え方でございます。 談合とかそういうものについて仮に私が訴えを出すとしましても、私人としては非常に間接的な侵害になるものですから、これを差しとめるというのは立証上も大変難しい問題があるんじゃなかろうかという問題がございます。 それから、外国との制度の相違でございますが、先ほど申しましたように、アメリカではすべて差しとめ請求の対象になっているようでございますが、実態はやはり日本でいう不公正な取引方法の件が圧倒的に多いようでございます。 そういうことからして、まず第一歩として、不公正な取引方法について差しとめ請求を認めるというのが一番妥当な方法ではなかろうかというふうに思います。 それから、以下私の個人的な見解でありますが、現在、すべて裁判所へ持っていくということは、やはり裁判所の受け手という立場からいうとやや難しい点があるのではなかろうか。それは、先ほど申しましたように、司法制度改革ということとセットにしてやはり考えていくべきではなかろうかということでございましたので、委員御指摘のような御議論を全面的に否定するわけではございませんが、将来の研究問題として十分我々は念頭に置かねばならないことだと考えております。
○北沢委員 次に、不公正な取引方法という点に関しても、将来、想定されていなかったさまざまな状況にも適切に対応できるよう一般条項を設けるべきだという指摘もあるようであります。そういう面で、今後状況の変化にどういうふうに対応していくか、お尋ねをいたしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 一般的条項を設けるというのは、なかなか構成要件的にとらえにくい点がございますので、一般的条項というのはなかなか難しいというふうに私は思っております。 ただ、先ほども申しましたように、今自由競争の時代になりまして、どういう自由競争が展開されるかというところが私どももよくわからない点がございます。ですから、自由競争の推移に応じまして、ただいまの不公正な取引方法というのが不十分であるということならば、それは当然追加することに相なろうかと思います。その点は今後私どもも十分念頭に置いて研究すべきものと考えております。
○北沢委員 また、本改正案において気になるのは、違反行為により著しい損害を生じ、または生ずるおそれがある場合、差しとめ請求権が認められるとされていることであります。その判断は個別事案ごとに裁判所においてされるもので、しかもその判断基準は具体的になっていない。ここで「著しい」というともすればあいまいなものになりかねない条件をつけたのはなぜであるかということでありますが、私どもは、著しいかどうかを、被害者にとっても、またそれぞれを判断する側に立っても、何らかの判断基準が当然必要であるというふうに思います。 一括してちょっと御質問いたしますが、その例として、消費者被害者本人の損害額なのか、それに関するすべての被害者の損害額の合計全体を総合的に判断するのかということにもなるわけでありますが、著しい損害とはどういうものを想定しているのか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
○根來政府特別補佐人 これは先ほども御質問ございましたが、なかなか答えにくい問題でございまして、一番私ども答える方としたらウイークポイントかもわかりません。 一般の取引というのは日常行われているところでございまして、その取引をオーバーしたときには不公正な取引方法ということに相なるわけでございますが、ただ、差しとめ請求を求めるからには、ただオーバーしたというだけではなかなか差しとめ請求するのはまずかろう。そういうことで、「著しい」というある意味では規範的な構成要素をつけ加えたのでございます。 ですから、非常に違法性の強いというふうに御理解いただければ、具体的案件で対処できるのではないかと思っております。
○北沢委員 では、一括してもう一問申し上げたいと思いますが、諸外国において、消費者が訴訟を起こしやすくするために一定の団体に訴権を認めて大きな成果を上げているというが、日本においては、例えば消費者団体にそれぞれ今回認められなかったのはどういうことであるか。また、一般の消費者が個人で訴訟を起こすというのは、費用の面からも、時間、労力の面からも大変な決意が必要でありますが、せっかくの制度も有効に活用されないおそれがあるのではないか。 一定の団体に対して差しとめ請求権や損害賠償請求権を認める方向で検討をすべきではないかというふうに考えるが、いかがでありますか。
○根來政府特別補佐人 私人による訴権というのは、もちろん消費者のみならず事業者も含まれているわけでございます。さらに加えて、団体について認めるかどうかというのは一つの大きな問題でございますが、ほかの法律との整合性とか、あるいは団体に認めたときにその訴訟の効力がどの程度及ぶかというような技術的な細かい検討を要する事項がございましたので、今回は見送っているわけでございます。 ただ、これは永久に団体に認めないというわけではなくて、やはりほかの法律との横並びの検討、あるいは独占禁止法独特の問題、そういうものを総合しまして、これから私どもも十分検討すべき問題だと考えております。
○北沢委員 先ほどのカルテルの問題、それからただいまの消費者の保護の問題を含めて、委員長の御答弁を前向きに私は受けとめるわけでございます。どうか、なるべく早い機会にそのような改正をされて、名実ともに立派な法律になることを心から御期待申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○中山委員長 樽床伸二君。
○樽床委員 民主党の樽床でございます。午前中の質問に引き続きまして、特に官房長官においでいただきまして、官房長官に対しまして御質問をさせていただきたいと思います。 先ほど午前中の質疑の中でも、この独禁法の問題は大変重要な問題である、そして公正取引委員会が大変重要な役目を負っているということの中で、いろいろ議論をさせていただきました。 そこで、どうしても一点気になりますのは、公正取引委員会が、現在もそうでありますが、特に今後の省庁再編の中で総務省の外局という形で位置づけられる、こういうことであります。 実は、これは一つの例でありますが、郵便番号の自動読み取り機に関する入札談合、これは談合と言っていいのかどうか、いろいろ意見があると思いますが、そのような事件がありました。 御存じのとおりだと思いますが、委員の皆さんもおられますので、私がわかっている範囲で申し上げますならば、郵便番号が七けたになったときに発生した事件でありまして、各郵便局に読み取り機を導入するに当たって機械の業者が談合を行ったのではないか、こういう話であります。これを公正取引委員会が摘発といいますか指摘をしたわけでありますが、業者側は郵政省の職員の指導のもとでやったんだみたいなことをおっしゃった、郵政省の方はそんな事実はない、こういうことになっておるわけであります。 この問題について今とやかく申し上げませんが、実は今度、総務省になりますと、郵便事業を総務省があわせて持つことになるわけであります。別に郵政関係だけをとやかく言うつもりはありませんが、たまたまこういうことが発生して、そして今度の新しい総務省の中にどちらもある、こういうことですね。 これが一つのきっかけでありますが、事ほどさように、私は、総務省の外局として公正取引委員会を位置づけて本当にいいのだろうかというのを大変強く感じておるわけであります。 まして、午前中の議論の中では、先ほど言いましたように、公正取引委員会が大変重要で、しかも行政と司法のオーバーラップしたところにあるものとして、体制の充実も図っていかなければならない。こういうときに、本当に総務省の一外局としての位置づけでその本来持っている役割が果たせるのかということに対しては甚だ疑問を感じているわけであります。 この点につきまして、長官どのようにお考えでございましょうか。
○青木国務大臣 樽床議員にお答えをいたします。 いわば公正取引委員会の位置づけの問題でございますけれども、いわゆる知恵の場としての内閣府にはできるだけ実務的な事務を置かずに身軽に、行政改革会議でのそういう基本的な考え方を踏まえたものだと私は理解をいたしておりまして、そういう考え方を踏まえて、基本法においては総務省の外局とすることとされ、昨年の通常国会において総務省設置法が成立したわけであります。 議員今おっしゃるように、確かに行政改革会議でも今のような議論がかなりあったということは私も十分承知をいたしております。しかしながら、公正取引委員会については、その中立性、独立性を確保するために、委員長及び委員の職権行為の独立性や身分保障が独占禁止法で明定されておりまして、委員長及び委員の任務は引き続き両院の同意を得て内閣総理大臣がこれを行うこととしておりますので、公正取引委員会は、その特性にふさわしく、機能を中立的かつ独立的に、たとえ外局であってもきっちり務めていただける、私はそういうふうに理解をいたしております。
○樽床委員 長官はそのようにおっしゃっておられますが、確かに一度、行革会議でいろいろ議論もあり、そして国会の中を通った話であります。しかし、やはり今回のこういった問題でも、公正取引委員会の問題また独占禁止法の改正を議論すればするほど、本当にこのままでいいんだろうかという疑念がどうしても強くわいてくるわけでありますから、特に内閣の中で大変中枢な立場を占めておられる長官のお力をもちまして、何とぞ公正取引委員会のよりよい方向への不断なき見直しをしていただきたい。 そういう中で、特に外局ということとプラス体制的な面も午前中ちょっと申し上げたのですけれども、委員長からも、六百人で日本全国の経済情勢をきちっと把握して機敏な体制にするのはなかなか厳しい、こういうお話がありました。私はそのとおりだと思います。ということになると、もっと充実をしていかなければいけない。ですから、その観点からも、外局に甘んじていていいのかということを大変強く思っておるわけであります。 それは外局の中でもきちっとできるということであるならば、公正取引委員会の数の問題、要するに多ければいいという話じゃないのですけれども、より機能が充実し、強力になるための方向性をこれからお考えであるのかどうか、改めてお聞かせいただきたいと思います。
○青木国務大臣 今議員おっしゃったように、たとえ外局であっても、しっかりした独自性、独立性を守ってやっていただけるものと私も信じております。 ただ、組織をこれからどうして充実していくかという問題は、これからますます公正取引委員会の役目が重くなっていく、仕事が多くなっていく、そういう中では、私どもはかなり大幅な定数削減ということを公約といたしておりますけれども、その中で、やはり重要なものは重要なものとして見詰めていく必要は当然あろうと考えております。 議員も御承知だと思いますけれども、平成元年から十年間におきまして、事務の職員が四百六十一人から五百六十四人と、二二%の増員を行っております。また専門部門も百二十九人から二百六十三人と、これは倍以上の増員をいたしておりまして、今後とも、仕事の量、必要性、そういうものを考えながら、組織を充実していくということは私どもが常に考えていかなければいかぬ問題でありまして、そういう対応は十分にやっていきたい、そういうふうに考えております。
○樽床委員 長官、午前中も実は申し上げたのですが、私は元来小さな政府論者であります。自分でもそこら辺の考え方は、かなり厳しいぐらいの小さい政府を追求していかなければいけないという考え方を持っておると自覚はいたしております。ただ、この部分は、自由主義、自由経済、経済のそういったルールを、また、きちっと動いているかどうかというのを確認していくという場所ですから、政府の中にほかのものと一緒くたにしてごそっとほうり込んで果たしていいものか、こういう疑念が大変強くあることを申し上げたところであります。 そういった観点から、全体の数云々の話もありますけれども、ですからなおさら本当に総務省の外局でいいのかというところで、これは堂々めぐりの議論になっていくわけでありまして、そこら辺のところは、私どもの方も公正取引委員会の充実ということは一貫して主張してきております。 どうか、我々の意見にもしっかりと耳を傾けていただきまして、我が国の国家のために、日本の経済のよりよき発展のために、公正取引委員会の充実ということに対して御尽力をいただきたい。心からお願いを申し上げまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。
○中山委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 先ほどの質問に引き続きまして、官房長官が来られたので伺いたいと思いますが、官房長官に先ほどの経過を全部圧縮してといったって時間がありませんから、そういう点で、最初に公取の委員長にまず一言伺っておきたい。 それは、消費の落ち込みで全体が売り上げ減少し、さらに不当廉売をやるところが突出してシェアを占めていく、こういうことになってきますと、地域経済とか経済全体にとって大きなマイナスが出てくるし、また現に出ているわけです。そこで、今よく問題になるのが酒屋のディスカウンターの問題などですね。公取の注意を与えたものの中で一番多いのが酒類です。 この分野で、今度の第二十四条で差しとめ請求したときに、第八十三条の二で担保を立てるということを求められると、これは大手ディスカウンターなど資金力のあるところは金の面では困らなくても、被害を受けている町の酒屋さんなどは、現に被害を受けて経営危機に陥っているわけですから、そこに担保を立てるということを求められると非常に厳しい問題になりますから、この場合、担保を求めることはありませんね。これだけまず確認しておきたいと思います。
○根來政府特別補佐人 先ほど御説明いたしましたように、不正な意図を持った場合に担保を立てることを要求されるわけでございまして、それは被告側が疎明するということになっておりますから、先生が御指摘のように、不正な意図に出ない限りは裁判所も担保を立てるということは言わないというふうに思います。
○吉井委員 それで、現に酒屋さんが今大変な状況になっていて、ディスカウンターなどの不当廉売とかこういうやり方で苦しめられておりますが、このほかにも、官房長官がいらっしゃらないときに、大型店とかあるいはコンビニなどが、フランチャイザーの方からフランチャイジーの方が痛めつけられている問題とか、いろいろなことを取り上げてやりました。 いわば優越的地位の濫用で、資金力のあるところ、力のあるところが力を持って、この世の春。しかし、そこがひとり勝ちしても、その結果、地域商店、商店街とか地域社会が崩壊していく。こういうことになりますと、地域の所得が落ち込み、それがまた消費の落ち込みで、さらに地域経済が打撃を受けるという悪循環に落ち込むわけですね。ですから、こういう点では、日本経済全体にとって、そういうひとり勝ちのようなやり方があったのでは、これは大きなマイナスになります。だからこそ、公正取引のルールの徹底が必要だというふうに思うわけです。 公取がその分野で頑張るのは当然として、国としても、消費者の真の利益とは何なのか。当面確かに値が安い方に飛びつくようでも、結局、地域社会全体が落ち込んでしまったときには、真の利益という観点からすれば大きなマイナスですから、あるいは中小企業や地域経済が正常に発展できるように不公正を是正させる、優越的地位の濫用などは厳しく対処して、やはりルールのある社会をつくっていく、このことが大事だというふうに思うわけですが、この点について官房長官のお考えを伺いたいと思います。
○青木国務大臣 吉井議員にお答えをいたします。 今議員がいろいろな、いわゆる中小業者、酒屋さん、そういうものに対する非常な不安といいますか懸念のお話をなさいましたが、本年の三月三十一日の閣議決定によりまして再改定された規制緩和推進三カ年計画にもありますとおり、規制緩和後の市場の公正な競争秩序を確保するために、公正取引委員会においては、中小企業者に不当な不利益を与える優越的地位の濫用、そして消費者の適正な選択を妨げるような不当表示等の不公正な取引については、断固としてこれに対し厳正、迅速に対応していくものと私は信じておりまして、そのための一つの今日の法改正に至った、そういうふうに理解をいたしております。
○吉井委員 次に、電気・ガス事業の適用除外規定の廃止にかかわって伺っておきたいと思います。 参入自由化ということだけではなしに、この分野で考えるならば、環境、安全、放射性廃棄物問題を生じないなどの条件を満たす電力の開発普及、いわば一面では人類史的要請というものがあるというふうに思うわけです。参入自由化というのは、そういう要請にもこたえるものになっていく必要があると思いまして、ここは最初にエネ庁の方に伺っておきます。 それで、電力料金の決定の仕組みというのは今、総括原価方式ということでやられておりますが、これはエネ庁の方の九五年版電気事業法の解説によると、営業費と事業報酬から控除額を引いたのが総括原価で、それが料金総収入に当たるという考え方です。 事業報酬の方は、これは事業報酬対象事業資産掛ける報酬率というので決まってきて、ですから、これは資本費が、つまり報酬率を掛けたものが事業報酬ですから、原発とか大きな発電所をつくればつくるほど、電力会社からすると事業報酬がふえるわけです。一方、営業費の方で考えているのは購入電力費などを含めたものです。ですから、今例えば、さっき言いました新しいエネルギー、自然エネルギーなどを買い取って、そういう分野の参入をもっと進めて、そして自然エネルギーなどをどんどん進めようということを考えたときに、自然エネルギーを買い取っても、これは事業報酬はふえないのですね。 つまり、電力会社からしますと、この総括原価方式という仕組みのもとでは、自然エネルギーの買い取り義務制度などを設けて買い取らされても、これはプラスにならない。むしろ、原発その他巨大なものをどんどん進めた方が事業報酬がふえてくる。九六年以降五・二五%というふうに報酬率が決まっています。ですから、資本費がふえればふえるほど、電力会社はよくもうかる。 こういう今日の総括原価方式があるもとでは、幾ら電力の参入自由化というのを進めていっても、そのことによって自然エネルギー等がどんどん普及され、コストが下がって、新しい時代に見合う、環境問題もクリアするし、そして同時に安全という面でもいいし、さらには放射性廃棄物問題なんかは生じない、そういう方向へ行くというのは、やはり総括原価方式を残しておいては非常に難しい課題なのです。 そこで、総括原価方式については、もう時間が大分少なくなってまいりましたので、エネ庁の方でお答えいただいて、今せっかく参入自由化を進めようというときですから、総括原価方式をやはり根本的に見直して、自然エネルギーによる電力などの買い取りが進むように、やはりそういう方向へと原価方式そのものの抜本的見直しといいますか、それが必要だということについては、官房長官の方に伺っておきたいと思うのです。
○青木国務大臣 今議員おっしゃいましたように、やはり環境に配慮をした電力を生産していくということは非常に必要なことだと私も考えております。 ただ、商業ベースで考えたときに、今すぐそれが実現できるかどうかということはまた一つの問題だろうと考えておりまして、ある意味では長い目で、そういうものを基本にしてやはり電力の問題は考えていくべきものだ、そういうふうに考えております。
○吉井委員 何か、私、この時間を含めてずっといてもらっていると思ったら、エネ庁の方がいらっしゃらないみたいなので、まあ、いいです。 それで、今申し上げましたように、電力参入自由化で、本当に自然エネルギーなんかもどんどん参入して、電力構成、エネルギー構成を変えていこうというときに、やはり電力会社からしますと、総括原価方式というこの仕組みの中で、原発などをどんどんやればやるほど事業報酬がふえていく。これはしっかりもうかるんだけれども、しかし、購入電力量、購入電力の方は営業費なんです。そうすると、こっちはもうけにつながりませんから、なかなか電力会社の方は乗っていこうとしないのですね。そして、自然エネルギーなどの電力買い取り義務制ということを考えたときに、電力会社は非常に抵抗するのです。それは、この総括原価方式というものがやはり仕組みとしてあるからなんです。 エネ庁がいなくて、官房長官直接じゃお答えにくいかもしれないけれど、ただ、根本的な見直しだけはやはり考えるべき時期だと私は思いますから、その点だけもう一度伺っておきたいと思います。
○青木国務大臣 議員の今の御意見は、貴重な御意見として伺って、検討していきたい、そういうふうに考えております。
○吉井委員 時間が参りましたので、終わります。
○中山委員長 北沢清功君。
○北沢委員 官房長官、御苦労さまです。社民党の北沢でございます。 今、若干触れている点もございますが、今回の自然独占事業に関する適用除外規定の削除は、公正なルールのもとでの自由な競争によって利用者の利益の促進を図られるというのが目的であろうというふうに思うわけでありますが、自由化の先進国においては、自由化による弊害も指摘をされております。特に、エネルギー政策や環境問題など、考えなければならない課題も多いわけでございます。 今回の改正を端緒として、事業のあり方についてまだまだ検討が必要な課題と考えておりますが、いかがでしょうか。
○青木国務大臣 北沢議員にお答えをいたします。 電気事業及びガス事業の自由化につきましては、平成九年五月に閣議決定をいたしました経済構造の変革と創造のための行動計画において、エネルギーコストを、平成十三年までに国際的に遜色のないコスト水準を達成することを目的とされたことを踏まえて、今日まで進めてきたところであります。 議員おっしゃいますように、欧米における自由化の弊害につきましては、例えば電気事業につきましても、大規模な停電が発生するといったような事態が生じていることは私も承知をいたしております。 我が国の今回の電気・ガス事業の自由化におきましては、電力・ガス会社が、送電線、導管の維持管理に必要な保守要員、設備投資コストを適正に回収することを認めることなどによりまして、安定供給や環境保全といったエネルギー政策上の課題との整合性を確保しつつ進めることといたしております。 私は、電気事業及びガス事業の自由化のあり方は、制度実施後、三年後をめどに再度検証することにいたしておりますが、その際にも、こうした課題との整合性を確保しつつ検討してまいらなければいかぬ問題だ、そのように考えております。
○北沢委員 今回のこの改正案は、独禁法違反の被害者救済の枠組みを拡充したいという意味から非常に意義深いと考えるわけでありますが、裁判所がその体制をきちんと整備する必要があると思います。 東京高等裁判所を専属所管とすることなども問題があると考えるが、それはそれとして、専門的な知識が求められるということは当然であるし、これからニーズがますます多様になることが想定をされる点から、この改正点を十分生かすという意味から、現在検討をされております司法制度改革もそういう観点を踏まえて考えるべきであろうというふうに思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
○青木国務大臣 お答えをいたします。 規制緩和等の改革が進み、社会構造が事前規制型から事後監視型に移行するとともに、自由で活力ある社会の実現が図られることなどに伴い、司法による救済の必要性は今後より一層高まってくるものと考えております。 御承知のように、今回の独占禁止法の改正におきましても、被害者がみずから裁判所に差しとめを請求することができるようになる等、司法が果たす役割は、今日、今度の法改正でも非常に大きなものになっているという認識をいたしております。 現在、御承知のように、内閣に設置されました司法制度改革審議会において、司法制度全体の改革と基盤の整備に関して必要な基本的な政策について議論をいただいているところでございまして、やはり国民がより利用しやすいような司法制度を実現するために、司法の機能の充実強化に今後とも努めてまいる考えでございます。
○北沢委員 将来にわたって、より多様化し複雑化する経済構造において、公正取引委員会の的確な対応はますます重要な意味を持つものと思うわけであります。その役割に応じた組織体制の強化は当然図らなければならないと考えておりますし、被害者救済を迅速に行うためにも、専門機関としての公正取引委員会の充実強化はますます必要となると思います。 行政府としての定員削減は大きな流れでありますが、公正取引委員会のようなこれから必要性を増す組織については、人員の面でも内容の面でもより一層の充実をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○青木国務大臣 お答えをいたします。 先ほどの樽床議員の質問にも私お答えいたしまして、同じ答えになろうと思いますけれども、確かにこれから定員削減、非常に難しいものをやっていかなければいけないわけでございますけれども、そのことと、やはり重要なところに重要な人数を配置するということは、私は考え方によって別の問題だ、そういうふうに考えておりまして、今日までも事務の職員の二二%増、そして審査部門は倍以上の増員を行っておりますので、必要に応じては当然今議員がおっしゃったようなことも配慮に入れながら、定数の削減の中でもやはり対応していかなければいかぬ問題だ、そのように考えております。
○北沢委員 重ねて強調をいたしたいと思いますが、最後に、公正取引委員会は、被害者の救済、国民が納得のできる、信頼を得られるような組織とする努力が非常にこれからは重要であると考えますが、いかがでしょうか。
○青木国務大臣 当然のことだと思っておりまして、やはり国民の皆さんから信頼していただけるような組織でなければいかぬと思っておりますし、十分その期待にこたえてやっていただけるものと私は信じております。
○北沢委員 質問を終わります。どうもありがとうございました。
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○中山委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、伊藤達也君外六名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。吉田治君。
○吉田(治)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 自然独占事業に対する独占禁止法の適用に当たっては、関係事業者及び事業者団体等に対し、独占禁止法遵守への取組みを促すため、適正な取引に関する指針の周知徹底等、積極的な情報提供に努めること。 二 電気事業及びガス事業において、不当な対価による取引等公正な競争を阻害する行為に対する厳正な法運用を期するとともに、当該事業の自由化については、新規事業者の参入状況、エネルギー政策との整合性、供給安定性及び環境政策との整合性等に十分配慮しつつ、対応すること。 三 差止請求訴訟及び損害賠償請求訴訟において、公正取引委員会は、被害者の立証責任の軽減を図る観点から、裁判所から意見を求められたときは、事業者の秘密保持の問題等に配慮しつつ、可能な限りその有する資料等の提供に努めること。 四 差止請求制度及び損害賠償請求制度については、救済を必要とする被害者が迅速かつ適切な救済を得られるよう、また、違反行為に対する抑止力としての機能にも着目しつつ、団体訴権等につき、司法制度改革に係る検討状況等を踏まえつつ、引き続き検討を行うこと。 また、差止請求制度の創設及び損害賠償請求制度の改正内容等について、制度の有効かつ適切な活用に資するよう、各般の方法による広報に努め、その周知徹底を図ること。 五 本法により裁判所に提起される差止請求訴訟に適確かつ迅速に対応し得るよう、裁判所の体制を整備するよう努めること。 六 規制緩和等の進展に伴い、自由かつ公正な競争秩序の維持が一層重要性を増大している状況にかんがみ、公正取引委員会は独占禁止法違反事件に迅速かつ適確に対応する等その執行に万全を期すること。そのため、同委員会の審査体制等の一層の充実・強化を図ること。 以上であります。 決議案の内容につきましては、委員会審査及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、青木内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。青木内閣官房長官。
○青木国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、本法律案の適切な施行、実施に努めてまいる所存でございます。 ありがとうございます。 —————————————
○中山委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○中山委員長 次に、先刻付託になりました内閣提出、再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。 ————————————— 再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○深谷国務大臣 再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国は、大量の資源を使用した経済活動を続けており、今後経済活動がさらに発展していく上で、廃棄物の最終処分場の制約、鉱物資源の枯渇など、環境面及び資源面の制約が顕在化することが懸念されております。このため、現在の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムを転換し、環境制約及び資源制約への対応を経済活動のあらゆる面に織り込むことにより、環境と経済の統合された循環型経済社会を構築することが急務となっております。 このような状況を踏まえ、これまで講じてきた使用済み物品等や副産物を再生資源として利用するためのいわゆるリサイクル対策を拡充するとともに、新たに使用済み物品等及び副産物の発生抑制対策並びに使用済みの製品から取り出した部品等の再利用対策を講ずる必要があるため、本法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、使用済み物品等の発生の抑制のため、一定の要件を満たす製品について、原材料等の省資源化や耐久性の向上等による長期間使用を図るための取り組みを事業者に義務づけるための措置を講ずることとしております。 第二に、使用済みの製品から取り出した部品等の再利用を促進するため、一定の要件を満たす業種や製品について、部品等を再利用できるように配慮した製品の設計、製造を行うことを事業者に義務づけるための措置や、使用済みの製品から取り出した部品等を新たな製品の部品として利用することを事業者に義務づけるための措置を講ずることとしております。 第三に、事業者によって自主回収や再資源化を行うことが効率的な製品については、事業者みずからがその使用済みの製品を自主回収し、再資源化することを義務づけるための措置を講ずることとしております。 第四に、産業廃棄物の最終処分量の削減に資し、資源としての再利用を図るため、一定の要件を満たす業種について、事業者が計画的に生産工程の合理化等を行うことにより、工場等で製品の製造または加工に伴って発生する副産物の発生抑制対策と発生した副産物を再生資源として利用を促進するための対策を義務づけるための措置を講ずることとしております。 これらの対策を総合的に講ずることにより、資源の有効な利用を促進し、循環型経済社会の構築を目指すこととしており、法律の名称も、資源の有効な利用の促進に関する法律と改めることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようにお願い申し上げます。
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る二十一日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十七分散会