商工委員会 第7号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/04/04
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、消費者契約法案及び第百四十六回国会、菅直人君外三名提出、消費者契約法案の両案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として、竹本直一君の質疑の際に経済企画庁国民生活局長金子孝文君、中桐伸五君の質疑の際に警察庁生活安全局長黒澤正和君、吉井英勝君の質疑の際に経済企画庁国民生活局長金子孝文君、知久馬二三子君の質疑の際に経済企画庁国民生活局長金子孝文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中山委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹本直一君。
○竹本委員 おはようございます。自由民主党の竹本直一でございます。党を代表いたしまして、消費者契約法案について御質問いたしたいと思います。 政策運営の基本が、従来の市場規制から市場ルールの整備へと転換が進められておるわけでございますが、消費者と事業をやっておられます事業者との間の情報、交渉力の格差が非常に大きい。そのために、消費者契約に関するトラブルが絶えません。国民生活センターの統計によりますと、平成十年度でこれに関するトラブルの相談件数が約四十万件あった、こういうことでございます。そのうち、販売方法とか契約あるいは解約をめぐるトラブルが約八割に上っております。 去る四月一日からスタートいたしました介護保険制度は、福祉を行政による措置から契約へと転換させていく契機となるものでございます。また、金融の世界におきましても、日本型の金融ビッグバンが来年には完成しよう、こういう動きになっておるわけでございます。こうした転換期において、契約に関するトラブルがどんどん増加するわけでございまして、それに対する対処がぜひとも必要とされるわけでございます。 我が党におきましては、この問題にいち早く着目いたしまして、一昨年七月には、国民の消費生活の安定、向上のための消費者契約に関する法制の整備を早期に図りますと参議院公約を掲げました。また、昨年四月の統一地方選挙においては、消費者契約法の制定に向けて努力します、こういう公約を掲げたわけであります。 さらに、こうした公約を実現するために、一昨年秋より、経済・物価問題調査会に委員長中山成彬先生を座長とします消費者契約制度に関するワーキングチームを設置いたしまして、各界からのヒアリングも含め、計十一回にわたる精力的な検討を行ってまいったわけでございます。また、昨年末、このワーキングチームは、政府に対して早期の法案作成を要請いたしました。さらに、友党であります公明党、自由党における検討結果も踏まえまして、与党の総意のもとに提出されましたのがこの政府案でございます。 この政府案は、トラブルの現状を踏まえ、また事業者と消費者とのバランスに配慮しながら作成されております。しかも、事業活動が阻害されることのないよう、できる限り明確なルールを設定することを基本的な考え方としております。さらに、消費者契約のすべてに適用される包括的な民事ルールとして作成されたものでございます。平成六年には本委員会の審議を経て製造物責任法を制定いたしましたが、消費者契約法は、製造物責任法と並んで、消費者契約の車の両輪として機能する極めて意義のある民事ルールであると認識いたしております。 規制緩和を進めることで弱肉強食の社会をつくり上げてはいけません。オオカミの前に羊を投げ出すような社会を目指してはならないのであります。小渕総理が施政方針演説において表明されました、生き生きと安心して暮らせる社会を構築するため、本法の早期成立は不可欠と考えるものでございます。 この法案に関しまして、私も随分こういったはがきをたくさんいただいております。一部をお持ちしただけでございますけれども、それぞれ、現場においてこういう消費者問題、特に契約問題に関するトラブルの相談を受けられた弁護士さん、あるいはその他一般の消費者からも直接、こういったことで困っておる、何とかしてもらいたいというような手紙をたくさんいただいておるわけでございまして、二十世紀の最後の年にこういった問題について公的な対処ができるということは、ある意味では政治家としての一つの緊張を覚えるターニングポイントに位置したという責任感も感ずるわけでございます。 そういう立場におきまして、この法律の中身について、具体的な解釈においてそごを来しては何にもならない。そういう意味で、明確な認識の一致ということを来しておかなければいけない。そういう目でこの消費者契約法を見ますと、幾つかやはりこの場で質問をさせていただいて、きっちりとした回答をいただきながら、市民生活の中の確定したルールとして定着させる必要があるのではないか、そういう意味におきまして今回質問に立たせていただいたわけでございます。 それでは、本法案について御質問いたします。 この法律ができますことによって、社会経済にどのような効果がもたらされるのか。活力ある日本経済の発展に資するものなのかどうか。そういう意味で、日本経済のかじ取り役を務めておられます堺屋経済企画庁長官に、基本的な効果とそのもたらす便益等についてお伺いいたしたいと思います。
○堺屋国務大臣 ただいま竹本委員御指摘のとおり、日本経済が官僚統制の時代からだんだんと市場経済の時代に変わってまいりました。 官僚統制がかなり強かった時代には、官僚がそれぞれの商品、サービスについて統制をし、規格、基準を定め、ガイドラインをつくり、いろいろなことをしておったのでございますけれども、市場経済の時代になってまいりますと、やはり消費者と事業者との相対の取引が中心になってまいります。しかも、世の中が複雑になりまして、いろいろな商品、サービスがどんどん開発されるということになりますと、消費者と事業者との情報力あるいは交渉力に格差が出てまいります。 これを埋めるためにこの間に適正なルールをつくろう、これが消費者契約法の基本でございまして、消費者の方々にも大いに学んでもらえば、供給者、事業者の側には情報をできるだけ提供してもらう、こういうことで円滑な取引ができるようにしよう。双方の利益を図り、特に消費者の利益を図っていきたいという期待を持っております。 また、このルールによりましては、消費者、事業者の契約当事者としての自己責任に基づいて、紛争が生じることを事前に防止するというようなことも期待されております。さらに、他の民事ルール、民法その他にかかわります民事ルールや、各個別法制度とこの法律との補完関係がございまして、全体として消費者契約にかかわる紛争を解決していく、特に裁判外においても解決できるようにしていきたい、こういう救済の役割が大きいのではないかと考えております。 消費者、事業者双方の取引上の信頼関係がこれによって一段と盛り上がることになりまして、両者の間に良好な関係ができ、また日本に新しい業態が生まれやすい条件ができるのではないか。いわば我が国が目指す市場メカニズムを重視した社会の重要なインフラになるものだ、こういう意味で、一定のルールによって事業者と消費者との取引を見詰めるようにしていきたい、監督、監視するようにしていきたい、こういう趣旨から生まれたものでございます。
○竹本委員 ありがとうございました。 いずれにいたしましても、大量消費社会になり、その中で、個人が自己の意思のもとに期待した効果を契約上もたらされる、そういうある種の安心のシステムといいますか、ネットワークが構築されませんと消費生活の安全が確保されない、そのように考えるわけでございまして、ぜひ長官のただいまの御答弁のような方針で、この契約法が定着し、本来のあるべき姿をもたらすのに大きく役立つことを期待するものでございます。 ところで、やはりより具体的に詳しいことについて確認をする意味で、政府参考人に対して質問させていただきます。 まず第一点は、対等な当事者を前提といたしました現在の民法と比較いたしますと、消費者契約法の新たな法的意義はどのようになるのか。一般法に対する特別法だということなのか、それだけなのかどうか。それからまた、個別の業法、例えば私の専門でいきますと宅建業法等ございますけれども、こういった個別の業法とこの消費者契約法との関係はどのような位置関係に立つのか。その点、詳しく御説明をお願いしたいと思います。
○金子政府参考人 お答えをいたします。 本法案は、消費者と事業者の間の情報、交渉力の格差が、消費者と事業者の間で締結される契約である消費者トラブルの背景になっていることが少なくないということを前提にいたしまして、消費者契約に係る意思表示の取り消しについては、民法における詐欺、強迫といった厳格な要件の緩和を図るとともに、抽象的な要件を具体化、客観化したものであります。これによりまして、事業者の不当な勧誘によって締結いたしました契約から消費者が離脱することを容易にするとともに、消費者の立証負担を軽くするといった意義があると考えております。 また民法では、消費者の利益を不当に害する契約条項を無効にするかどうかは、信義則違反あるいは公序良俗違反という抽象的な要件で判断されておりましたが、本法案では、無効とすべき条項をより具体的に規定し、不当な条項の効果を否定することをより容易なものとしているわけであります。 このように、個別法が主として個別分野におけるトラブルの発生防止をねらいとしているのに対しまして、消費者契約法は、消費者契約に係る広範な分野のトラブルについて、公正かつ円滑な解決に資することをねらいとしたものであります。 このような意味で、消費者契約法と個別の業法は補完的な関係にありまして、両者相まって、消費者契約に関し十分な消費者保護が図られるものである、こう考えているわけであります。
○竹本委員 宅建業との関係を聞いたのですけれども。
○金子政府参考人 宅地建物業法の分野も消費者契約法が該当します。しかしながら、宅建業法、例えば解約の違約金につきましては十分の二という条項がありますけれども、そういうものにつきましては、消費者契約法よりも優先的に適用されるという関係になっております。
○竹本委員 つまり、消費者契約法に対しては、特別法の立場に立つという理解でよろしいでしょうか。
○金子政府参考人 そのようなことでございます。
○竹本委員 それでは、条文に沿って幾つか質問させていただきます。 まず、消費者契約法の四条一項に定めております「誤認」という事項がございます。重要事項について事実と異なることを告げること、そのことによって当該告げられた内容が真実であるとの誤認が生じた場合、これを取り消すことができると第四条に書いてあるわけでございますけれども、取り消した場合の清算の仕方をどうするのか。それについて御説明をお願いしたいと思います。
○堺屋国務大臣 消費者契約法第四条一項によりまして、誤認によって契約が結ばれた、それで、誤認であったから契約を取り消した。そういたしますと、本来この取り消しはさかのぼって取り消されることになりますが、その際に、何らかのサービスなり事業なりが一方で既に進んでおる。具体的には、不当利得という法理が働きます。 つまり、契約は取り消されましたけれども、ある人のところに家が半分できておる。それを撤去すればいいのですが、撤去するとなりますと事業者はまた撤去費用がかかる。それで、ほっておくと、契約した消費者の方が、なかったものがあるわけですから、そこで利得が得られるというようなことがございますので、不当利得の法理というのが一般的には使われます。当事者の一方は、他方に対して、既に履行した債務につき、その給付利益の返還義務を負うことになる。例えば、建物が半分できていたら半分の不当利得の返還義務を負う、未履行の債務については履行する必要がない、半分だったらあとは建てる必要がない、こういうことになります。 消費者契約法が取り消された場合におきましても、典型的には、消費者は当事者に対して当初給付されたもの自体、例えば原物を返済し、一方、事業者は消費者に対して支払い済みの対価を返還することになる。 例えば、こういう机みたいなものでございますと、錯誤で買った、誤解で買ったら、これを持って帰ってくれというのでお金が返ってくるわけでございます。ところが、そういうものではございませんで、なかなか返せない、役務であるとか、あるいは今の建物であるとかというようなものが起こってまいりますと、返してくれと言っても、もうお医者さんに診てもらってしまったとか、掃除してしまったとか、返せない場合、そういう場合には、消費者は事業者に対して、その客観的価値を金銭でお払いするということになります。 消費者の事業者に対する支払い済みの対価が社会的に相当な金額である限り、両者は相殺される。手付金を払ってここまでできていたら相殺されるので、相殺に実際にお金が必要でなくなるというような場合がございますが、決して一方が利得することのないように、これは民法規定に戻って解決されるようになっております。
○竹本委員 参考人に確認したいと思いますが、今長官から御答弁いただいたわけでございますけれども、私の専門でいいますと、建築請負契約なんですけれども、要は、これが取り消された場合でも撤去義務が当然に生ずるものではない、お金で処理をするものだ、こういう理解でよろしいかどうか、お答え願いたいと思います。
○金子政府参考人 建築請負契約が取り消された場合には、請負業者側に代金返済債務が発生する一方、消費者側に完成した建築物を金銭に評価して相当額を支払う義務が発生します。これが相殺されるということになります。こうした回復義務から、建築物の取り壊し、撤去義務が請負業者に生じることはないと思います。
○竹本委員 参考人に引き続き聞きますが、四条一項一号の「事実と異なることを告げること。」この解釈なんですけれども、どういったケースがこの場合に該当するのか、少し具体的に御説明していただきたい。契約の内容が実現されなくて債務不履行責任に該当する場合、この事実と異なることを告げる行為に当たるのかどうか。こういったことも含めて御回答をお願いします。
○金子政府参考人 「事実と異なること」でありますけれども、事実と異なることを告げるということは、真実、真正でないことを言ったということを意味するわけであります。この際、その真実または真正でないことにつきまして事業者が必ずしも主観的認識を有していることは必要としませんで、告知の内容自体が客観的に真実、真正でなければ、真実と異なることを告げたことになります。すなわち、事業者が真実または真正でないことを知っているかどうか、これは問わないということであります。ですから、うっかり言ってしまったということでも、それが不実であれば、これは不実の告知ということになるわけであります。 また、その評価の言説、客観的な事実によってこれが真実または真正であるかを判断することが不能なようなもの、こういうことを告げた場合には、事実と異なることを告げたということになりません。 なお、債務不履行の問題があるわけですけれども、債務不履行の問題につきましては、本法案における事実と異なることを告げる行為には当たりません。
○竹本委員 現実の建築請負契約におきましては、私も実は経験があるんですけれども、家を建てますと、東側に縁側をつくってくれと言っておいたのに、図面もそうなっているのに、実際、施工されたら西側についておった、こういうことが現実にあるわけであります。あるいは、震度七の想定で家を建ててもらったのにもかかわらず、実際でき上がったものが震度五であったとか、ツーバイフォーで頼んだのに在来工法でやっておったとか、図面と実際とのいろいろな食い違いがあり得るわけであります。 こういった場合、物によるんですけれども、修理によって対応が可能な瑕疵といった場合は、それが事前の説明と異なっているから、本法による事実と異なることを告げることに該当するのかどうか。そして、それによって契約を取り消されることがあるのかどうか。その辺の具体的な例を前提に、ちょっと御説明をお願いしたいと思います。参考人に。
○金子政府参考人 お答えいたします。 完成された仕事が、図面、見積書、あるいは当事者の了解事項にあらわれた契約によって定められた仕事の具体的内容でない場合には、これは債務不履行ということに基本的になると思います。それはどういうことかといいますと、請負工事の場合には、例えば窓のつけ方が言ったのと違っていたということになれば、それは言ったとおりに窓を直してもらえばいいわけですから、そういう面で、そういう問題については債務不履行の問題として、事業者が約束したとおり行えばいいということになりまして、それは不実ではないということになります。 ただし、今おっしゃったように、基本的な工法が、例えば極端な例かもしれませんけれども、鉄筋工法だと言ったのを木造工法にしてしまったというようなことになれば、それは瑕疵修補で直すわけにはいきませんから、それ自体につきましては、ここに言う不実、事実と異なることを告げたということで、この法における取り消しの対象になるということかと思います。
○竹本委員 引き続きまして、四条一項二号の方の問題について質問いたしたいと思います。 ここでは、「金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。」こういうことを書いてございますけれども、恐らくは株とか為替レートのようなことを言っているんだと思います。 例えば建築請負契約において、事業者が、当社の住宅は雨漏りしません、こう説明しておった。しかし、実際使ってみると雨漏りがした。こういった場合は、一体これに該当するのかどうか。その辺の説明を参考人にお願いします。
○金子政府参考人 四条第一項第二号に、「将来における変動が不確実な事項」ということになっておりますけれども、この対象というのは、将来において、消費者が財産上、つまり株の値段だとかあるいは金利だとか、そうした財産上の利得を得るか否かを見通すことが非常に難しいような、つまり変動することを見通すことができないようなものについて事業者が断定的な判断をした場合について、取り消しの対象とするということにしております。 したがいまして、雨漏りするか否かという住宅の性能自体は、そもそもこうした事項に当たりませんので、事業者が当社の住宅は雨漏りしませんと仮に説明したとしても、これは断定的判断の提供には該当しないと思います。
○竹本委員 今度は、四条四項の「重要事項」の内容について質問いたしたいと思います。 この重要事項というのは、消費者の主観によって変わる場合があるんじゃないかなというふうに思います。例えば、ピアニストが自分のピアノを弾くのに、周辺の住宅に迷惑をかけないような家をつくりたいと思って家を建ててもらった。ところが、音が外部に漏れる、近所から迷惑だといって苦情を食らった。これは重要事項に反するんじゃないか、そんな感じがしますが、そういったことを気にしない人もまたいるのではないか。 そういう意味で、この重要事項に消費者の主観がどのように入るのか入らないのか、そこについてお聞きしたいと思います。参考人にお願いします。
○金子政府参考人 その重要事項といいますのは、ここにも書いてありますけれども、当該消費者契約の目的となるものの内容または取引条件であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすものということになっております。 それで、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすものというものは、契約締結の時点の社会的通念に照らしまして、当該消費者契約を締結しようとする一般平均的な消費者が当該消費者契約を締結するか否かについて、その判断を左右すると客観的に考えられるような、当該消費者契約についての基本的な事項を言います。したがいまして、瑣末な事項は重要事項には当たらないということだと思います。
○竹本委員 つまり、主観が入らないという意味に解釈しておきます。 次にお聞きいたします。政府参考人で結構です。 建築請負契約におきまして、完成した建築物が事前の説明内容や設計図面等と一部違っていた場合に、それが重要事項に該当する可能性はあるのかどうかということでございます。 つまり、重要事項の範囲があいまいであったり、あるいは頻繁に取り消しが消費者から主張されますと、業として建築をやっている業者はたまらない、こういうことになるわけでございまして、そういうことは経済活動の安定性を損なうことになるんじゃないか。そういう意味で、業者を別に弁護するわけじゃないけれども、業者に余りにも極端に多大な損害を生ずるようなことになっては、やはり経済生活上非常におかしいことになるのではないか。そういう危惧の念を抱くんですが、いかがでしょうか。
○金子政府参考人 先ほど申し上げたとおり、重要事項、これは建築請負契約においても、その建築請負契約を締結する一般平均的な消費者が建築請負契約を締結するか否か、これを左右すると客観的に考えられるもののみに限定されているわけであります。 したがいまして、先ほども説明しましたけれども、仮に、言ったことが、瑕疵修補によって当該契約を維持しつつ目的を達成できる、そういう事項は対象にはならない、こう考えております。
○竹本委員 幾つかの点について条文に沿って質問させていただきましたけれども、こういった条文を基本としたこの消費者契約でございますけれども、現代社会においてこの消費者契約法が今後の消費者政策の中でどのような位置づけになるのか、この点についてより広い立場から政務次官にお聞きいたしたいと思います。
○小池政務次官 御承知のように、平成六年にPL法、製造物責任法ができております。これによりまして、消費者の安全を守るという民事ルールとして整備がされております。今回、消費者の取引ということでこの消費者契約法を御審議いただいているわけでございますので、安全と取引、製造物責任法と消費者契約法、この二つで車の両輪をなすものというふうに考えております。
○竹本委員 車の両輪でもって、何とか円滑な、そして不満の少ない、トラブルの少ない消費生活がもたらされれば幸いだと思います。 いずれにいたしましても、今回の立法を踏まえまして、消費者の保護ということが現下の一番大きい要請でございます。そういう意味におきまして、最後に締めといたしまして堺屋大臣の決意を伺いたいわけでございます。 私は、要望として申し上げますと、このルールを全国民にいかに徹底するかということが非常に大きい課題だと思うわけでありまして、幾ら法律ができたって、そういう救済手段がある、法律ではこうなっているということを一般庶民が十分わかっていない、あるいはそれを活用するのに非常に不便を来すのでは全然効果がないわけでございまして、そういった周知徹底策をも含めて、長官はどのようにこの法律を位置づけ、そして活用していこうとしておられるのかを御質問いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○堺屋国務大臣 今回の立法を踏まえまして、消費者契約法は、消費者と事業者の間で締結される契約にかかわるトラブルから消費者を実質的に保護するために、消費者、事業者双方の自己責任を踏まえて、トラブルの公正かつ円滑な解決に資するルールを整備しようというものでございます。このルールが十分に機能するためには、各施策が適切に講じられることが必要でございます。 こうした観点から申しますと、消費者教育というものも必要でございますし、社会全般の情報提供ということも必要でございます。特に、各県各市にございます消費者センターの充実というのも重要な課題でございまして、そういった環境整備をすることによって消費者保護に努めていきたい。 消費者の、便利で楽しくて、そして安全かつ安定した国民生活を実現するために、今後とも一層の努力を推進していきたいと考えております。
○竹本委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 吉田治君。
○吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。 法案審議に入る前に、大臣、私は大臣に一つお聞きしたい。 この法案ができる過程、私ども民主党は昨年十二月に出しました。その後、経企庁の方からこの法案が出てまいりました。その経企庁が法案を作成する過程において、これは一部の不心得者だと思うのですけれども、いろいろな意見を言われる方、消費者団体、弁護士の皆さん、それらに対して経企庁の担当者が、あんたたちがそんなことを言ったらこの法案はできない、それでいいのかというおどしをかけた、いろいろな公開の場でそういうことをやった。うそだと思うのだったら、私は全部証拠を持っている。 そういうふうなことについて、大臣として、大臣がそれを指図したのか、はたまた一部の不心得者がそういうふうなことをしたのか。もしもそれが事実であるならば、あなたはどうするのか。まず最初、それをお聞きしたい。
○堺屋国務大臣 私は、そういうような指示をしたこともございませんし、そういうような不心得な話があったということも、まことに寡聞にして聞いておりません。 私どもといたしましては、決して、この法案でなければ通らないとかそれでいいのかというようなおどしをかけるような職員は経企庁の中にはまさかおらないと思っておりますけれども、万一そういうことがございましたら、これはやはり行政官として大変な過ちであったと心得ております。 私たちは、与党の先生、野党の先生、国会の方々、そして消費者団体の方々にも事業者の方々にも、御理解をいただいてこの法律をつくらなければ実際に実行できないものだと思っておりまして、ぜひ御審議をいただいて最善のものをつくりたいと考えております。もしそういうことがございましたら、よく調査いたしまして善処をさせていただきたいと思います。
○吉田(治)委員 私は、こういう場ですから、あえて固有名詞は出しません。しかしながら、大臣、今そこまで言われたならば、もしもその固有名詞が出て現実にそれをやっているということが出たときに、大臣としてはどう対応されるのですか。今大臣は、私はそんなことは知らない、そういう一部不心得者がおるのだったら善処すると言う、その善処の中身というのは何なのですか。どういうことをお考えなのですか。
○堺屋国務大臣 その状況によりまして、いろいろランクがございますから、事実を調べてみないと、仮定で、ちょっとどういうことかわかりませんが、その事実に従いまして適切な方法をとらせていただきたいと思います。
○吉田(治)委員 大臣、理解を賜るためにしたと先ほどおっしゃられました。理解のさせ方。してもらうんじゃなくて、させている。ほとんどのいろいろな団体、いろいろな方に、この法律について、あしたも参考人でおいでいただきますけれども、いろいろな方々のお話を聞くと、理解をしたのではなくて、させられたという思いが残るこの法案、こういうふうなものを大臣、あなたがつくったということになるのですよ、このことは。それを私は一番最初に大臣に御理解をしていただきたい、知っていただきたい。 大臣になると見えなくなるものがいろいろあるというふうに言われております。ですから、ぜひとも私は野党の立場でそれは強く大臣に、かたがた、そういうことが今後ないように、そして、与党案はそういうふうなことでいろいろ皆さんが意見を持ったまま、できた法律案だということを御理解いただいて、まず最初に民主党提出法案につきまして、提出者に質問をさせていただきたいと思います。 まず、民主党案を提出した背景というふうなもの、そして民主党が目指すべき社会、消費者、産業政策に対する基本的な考え方にこの法案はどのようにかかわっているのかということを提出者から答弁をいただきたい。
○北村(哲)議員 提出者の北村哲男でございます。 民主党は、結党時の基本理念では、生活者そして納税者、消費者の立場を代表する政党とみずからを位置づけました。昨年十月に私たちがつくったネクストキャビネットでも、消費者・産業部門に大臣を置くことにいたしました。ともすれば、これまで国の政策が産業、生産者優先に偏りがちであったところがあり、消費者、生活者の視点が欠落していたと思います。消費者の視点を大事にする経済産業政策を実施することに、民主党は全力を尽くしていきたいと考えております。 今、喫緊に求められている政策は、消費者と事業者との間に存在する情報力や交渉力の格差を是正し、実質的な公平、公正を確保するためのルールづくりであると判断し、今般の法案提出に至った次第でございます。 民主党の消費者契約法が成立すれば、私たちの目指す、市場万能主義と福祉至上主義の対立概念を乗り越えて、自立した個人が共生する社会に一歩近づくものだと考えております。 以上でございます。
○吉田(治)委員 その中で、先ほどからの議論にもありますように、消費者に情報提供すべき重要事項の範囲というふうなものがございますけれども、その範囲について、民主党案と政府案での違い、これについて御説明をいただきたいと思います。
○北村(哲)議員 お答えします。 民主党案は「当該消費者契約の締結に係る消費者の判断に影響を及ぼす重要な事項」というふうに言って、幅広い定義をしております。さらに、一般消費者の判断に影響を及ぼすと考えられる事項のほか、当該消費者の判断に影響を及ぼすことを当該事業者が知り、または知り得たはずである事項を含む。すなわち、例えば一般の人よりも判断能力が劣っている人のような場合は個別事情としてそういうものを含むとしております。すなわち、個別消費者の個別事情にも配慮しているという内容でございます。 政府案は、重要事項を消費者契約の契約対象と契約条件に限定しておるという意味で、極めて狭いものと言えるわけです。そうなると、購入動機あるいは購入目的が含まれない可能性があるという点で問題がある。私どもの方が広い範囲で保護をしておるという規定になっております。
○吉田(治)委員 そういうふうな場合に、契約取り消しの対象となる悪質な契約締結過程についても、それぞれ、両案において違いがあります。どういうふうな違いがあるのかということと、法律的な効力、特にこの法律的効力については随分違いがあるように思いますけれども、どのような違いが出てくるのでしょうか。
○北村(哲)議員 お答えします。 契約締結過程についての問題でございますが、民主党案は、重要事項について消費者が理解できる程度の情報の不提供、あるいは不実告知、威迫、消費者の私生活の平穏を害し困惑させるその他消費者が合理的に判断することを妨げること、あるいは消費者の判断力が不足している状況に乗じて勧誘することというふうに、幅広い規定を設けております。 他方、政府案は、誤認類型については、不利益事実の不告知を故意にするとしたり、あるいは消費者が通常考えるべきものに限るなどと限定して、事柄を狭めております。また、困惑類型という類型がありますが、これについては、不退去、監禁に限定しておって、例えば電話によるしつこい勧誘とか霊感商法とかが除外されるおそれがあります。 法律の効力は、民主党案に比べると、政府案はやや中途半端なものであるのではないかと考えております。
○吉田(治)委員 それぞれ違いがあると思うのですけれども、もう一つ大きな違いとして、不当条項に関する一般条項というふうなものについて両案に違いがある。その辺についてはどういうふうな違いがあるのでしょうか。
○北村(哲)議員 やはりその点にも違いがございます。 いわゆる不当条項という問題でありますが、民主党案は、信義誠実の要請に反して消費者に不当に不利益な条項は無効というふうに、一般的な規定をしております。さらに、一般消費者の理解を基準とした客観的解釈によっても疑義が生ずる場合は、消費者にとって有利な解釈を優先するというふうに明記しておるわけです。 ところが、政府案は、損害賠償や違約金を制限することというところに八項目を規定している。八項目だけしか、かなり多いのですけれども、八項目だけというふうに対象を絞っております。不当条項は八項目どころかさらに何十項目にわたるものでありまして、これを多様に認められていない、限定的に認められている政府案の書き方は問題があろうと考えております。落ちこぼれがあります。
○吉田(治)委員 それぞれ、民主党案また政府案に盛り込まれた中で、大きな違いのものについて今御質問させていただきました。 あとは、民主党案に盛り込まれているが政府案にない、また政府案にあるけれども民主党案の中には盛り込まれていないことについて質問させていただきます。 民主党案に盛り込まれております、不意打ち条項を無効にしているということ、これについては例えばどういうふうな意味合いがあるのでしょうか。
○北村(哲)議員 不意打ち条項というのは、ドイツの例がありますように、この法律をつくるためには入れるべき項目だと思っておりますが、政府案にないのです。民主党案は、「当該消費者契約の類型及び交渉の経緯等に照らしその内容が社会通念上異常であるためその存在を一般消費者が予測できないと認められる条項は、無効とする。」という規定がございます。これは政府案にはないのです。 今述べた点が不意打ち条項というふうに一般的に言われているのですけれども、将来にわたる条項についての予測ではなくて、契約条項が、パンフレットなどを消費者が見ただけで思いつかないようなものがあったり、勧誘のときに聞いていた話と違うようなケースを想定したものであります。 不意打ち条項については、情報提供義務が十分に果たされれば基本的には問題になりませんけれども、規定を設けておれば、契約の中身の異常な点を部分的かつ事後的に取り除くことができるという効果があるものと確信しております。
○吉田(治)委員 その中において、時効というふうなもの、契約取り消しの時効、これはいろいろ質問させていただきたいと思いますけれども、政府案よりも民主党案は長くとっている。これには特別何か意味があるのか、そしてまた、それであるならば政府案は短過ぎる、そういうふうに理解していいのでしょうか。
○北村(哲)議員 私どももこれは非常に大事な視点だと思っております。 まず、政府案についてコメントしたいと思うのですけれども、取り消し権の行使期間が追認可能なときから六カ月に制限されておりますけれども、これは余りにも短いというふうに思います。消費者センターなどに相談するまでに時間がなくなってしまうおそれもあります。その意味で、また私自身も弁護士をしておりましていろいろな相談を受けるのですけれども、いろいろ悩んでいるうちに半年なんかすぐにたってしまうという状況がございます。それで、相談に来たときにはもう半年ははるかに過ぎているということもありますので、民主党案のように三年、不法行為と同じように三年は取り消し可能とすべきであると思います。 また、長期の継続契約も多いことにかんがみて、契約締結時からの消滅期間も、政府案の五年ではやはり短い。民主党案は十年としておりますので、その程度、単発的なものではなくて長い契約なんかもあるわけですから、十年ということにした方がよろしいかと思っております。
○吉田(治)委員 時効の部分はよく理解いたしました。 民主党案では、政府案にある消費者の努力という項目が盛り込まれておりませんけれども、それはどういう理由なのか。そして、政府案にはわざわざ消費者の努力ということを盛り込んでいますけれども、それについてどういうふうに考え、特に答弁者は弁護士さんでいらっしゃいます。裁判などで、これを盛り込むことによって消費者に不利になるなどのおそれというふうなものが私はあるのではないかと思うのですけれども、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
○北村(哲)議員 お答えします。 民主党案も政府案も、消費者の立場の不利な状況に配慮して、消費者にげたを履かせて事業者と対等な契約ができるようにすることを目指しておるわけでございます。それゆえに、消費者の理解努力規定を設けることは、法案の目的そのものを否定することにも通じてしまうのではないか。その意味で、民主党案は理にかなっておるけれども、政府案は逆に矛盾を抱えた法案ではないかと思うわけです。 裁判はもちろんのこと、そのほかの紛争の場面においても、この条文があるために、消費者が努力をしなかったからだと言われたら、消費者がどんな場合でも不利になるおそれがございます。この条項を私たちは削除すべきと言っている、また、多くの有識者の方もこれはおかしいぞと言っている。その声は聞いて、消費者の努力義務はなくすべきだと考えております。その点を、提案された政府もはっきりと認識されるべきだと思っております。
○吉田(治)委員 まさに、本当に削除すべきものではないかなと思うのですけれども、そういうふうにいろいろ民主党案また政府案等を民主党のお立場で、提出者のお立場でお話を聞かせていただきますと、もちろん民主党案の方がすぐれているというふうに考えられますけれども、一部産業界等々には、民主党案は少し厳し過ぎるのではないか、経済活動を萎縮させるというふうな受けとめ方があるというふうに聞いております。このような不安に対しては提出者としてどういうふうに御説明をされているのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○北村(哲)議員 私たちの提出した法律案は、非常に幅広く消費者を保護したいという気持ちが多く出ておるものでございます。確かに、一方を広く保護すれば、逆に言うと保護されない人たちも出てくる。物の見方によっては民主党案が厳し過ぎるという言い方はできるかもしれません。 しかし、そもそも消費者契約法は包括的な民事ルールの立法化であって、初めから経済活動を抑制させるためのものではございません。法律の性格にかんがみれば、あくまでも経済取引の一形態のルールを定めるものであって、利害調整を優先させたり、あるいは各方面の言い分を機械的に足して割って落としどころを決めるような手法をとるべきではないと思っております。 政府案のようなある意味では甘い法律案の方が、かえって消費者の不信を招き、消費活動を抑制し、経済活動の足を引っ張る可能性が高いのではないかと思います。民主党案は、公正な経済取引の確立に資するものであって、日本経済に対する信頼性を高め、むしろ経済にはプラスになるものだと自負をしております。 以上でございます。
○吉田(治)委員 続いて、政府案について逐条的に御質問させていただきたいと思います。 まず、第三条関係は非常に問題点が多い。第一項の事業者の情報提供義務というものに対しては、単なる努力規定ではなく、法的効力を持たすものにすべきではなかったかというふうなことが強く言われております。消費者センターに持ち込まれる苦情も、事業者の説明不足というものを原因とするものはかなりあると聞いております。これに対して、経企庁の事前の説明においては、むっつり大工ということを言って私たちを煙に巻こうという、とんでもない言い方をしたと思いますけれども、なぜここの部分で効力規定にできなかったのか、これについてまず御答弁いただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 消費者の努力規定でございますけれども、市場経済の中で円滑に取引が行われていくためには、事業者はもちろんのこと、消費者の方にもやはり商品知識を正確に伝えていただきたいと思っております。それで、この努力規定をここに……
○吉田(治)委員 いや、私は努力規定を質問していないですよ。私が質問を申し上げたのは、第一項の事業者の情報提供義務について。今大臣が答弁されたのは消費者の努力についてで、これは事前には出していませんけれども大事なことで、効力規定にできなかった理由はどうなのかというのは必ずだれでも質問することですから、どういうことかということです。
○堺屋国務大臣 どうも済みません、ちょっと、通告の方とずれておりましたので。 これを義務規定にいたしますと、どの範囲が義務であるかが、非常に範囲が難しくなってまいります。したがって、事業者の方の提供も、可能な限り善意を持って広い範囲を提供する。 もし、一つこれが漏れていたから義務違反で契約が取り消されるということになりますと、例えば少額の取引、極端なことを言いますと、小売店舗の前であるとかキヨスクの前であるとかいうようなことまでこれを入れなきゃいけない。そういうことになってまいりますと非常に取引の安定を欠きますので、それぞれの取引の状況に応じて、これはこの程度の義務のものである、そういうような努力規定にした方がはるかにすぐれているんじゃないか。消費者と事業者との相互の努力規定にした方がいいんじゃないか、そして重要事項を定めていく、これが市場経済として一番いいところじゃないかと考えておるところです。
○吉田(治)委員 大臣、いろいろな物を書いたりされていて、やはり賢い消費者という言葉が随分このごろ出てきている。実際、私は消費者というものは賢くなったと思うのです。それに対して、今大臣の答弁の中で小規模事業者の話をなさいました。しかしながら、事業者をされる方は、必ずこれからは丁寧に情報を提供し、消費者の意向というものを確認する必要がある。それには、情報提供を、努力じゃなくてやはり義務にすべき必要があるのではないか。 きょうの私の質問は、後ほど各同僚議員がいろいろ細かく質問しますので、大ぐくりの質問をさせていただきたいと思います。 この三条の二項、消費者の努力というふうなもの。努力規定になっておりますけれども、この規定というのは本当に必要なのかどうか。 例えば、今裁判の中においては、だから司法制度改革審議会がやられているのでしょうけれども、小さな文字でこちゃこちゃといっぱい資料を書かれて、それが消費者にどさっと渡って、消費者が契約内容やリスクを理解したとみなされているという風潮が実はある。残念ながら裁判所でも、そんな難解な資料であっても、読めばわかるでしょうというふうに言ってしまう裁判官が多数いる。 私は、まず一点目、専門家である事業者が渡す難解な情報を素人である消費者に活用するよう努めよ、理解するよう努めよ、まさにこれは消費者に酷ではないか。難解な情報を活用せよ、理解せよということは、不当な過失相殺を助長することになるのじゃないか。 政府案の消費者の努力という規定は、大臣、何度も申されていますけれども、本当に必要なのか。これを削除した場合何か不都合があるのか。今申し上げました一つ目の弊害を考えた場合、消費者の努力というふうなものは、事業者からの情報が明確かつ平易な場合に限定する必要があるのではないか、こう考えるのですけれども、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 事業者から提供される情報が平易かつ安易な場合、簡単な場合というのは、どの辺で切ったらいいかという問題ももちろんあるのでございますけれども、この市場経済において、市場メカニズムにおいて双方が満足できる取引、契約に近づくためには、やはり双方が最大限の努力をする。もちろん、この法案の根拠にございますのは、事業者と消費者との間には情報格差があり、交渉力の格差があることを認めての話でございますが、それはそれなりに消費者にも努力をしていただく。そして、この条項は消費者の私法的な権利を阻害するものでございませんから、消費者の方々の利益に悪影響を与えることはございません。 そういう意味で、消費者の方々も円滑な取引をつくるために、契約をつくるために御努力いただきたい、これに対して供給者も情報提供義務を行う、これが一番理想的な姿だろうと思っております。
○吉田(治)委員 大臣の答弁をお聞きしておりますと、何か足して二で割ったような、そういうふうな法案なのかなという感じがしているということだけを申し上げたいと思います。 続きまして第四条、消費者契約の取り消しに関して、第二項めのところの、不告知の場合におきまして、事業者の故意の立証責任というふうなものは消費者にある。いかがでしょう。
○堺屋国務大臣 第四条二項の「故意」の立証責任でございますけれども、これは消費者の側にございます。 しかし、ここで申します故意というのは、民法における詐欺の場合と違いまして、相手方を欺こうという意思があって、それによって利益を得ようという二重の意思を証明するものではございません。相手に故意があった、欺こうというところよりも、隠そうという故意があったということでございますので、消費者にとって、これを立証することは民法の詐欺に比べますとかなり容易にできる。これがこの法律の一番大きなみそでございます。 いわゆる民法の詐欺というのは、これを欺いて自分の利益を得るという、二つの、二重の意思を証明しなきゃいけませんが、ここはそういう意味で故意の証明が非常に楽になっている、やりやすくなっている。これが重要なポイントだろうと心得ております。
○吉田(治)委員 そのポイントの部分で言いますと、立証責任というのを消費者に持っていく。その場合において、三項にある不退去、監禁という場合に、俗に言うカルト的な雰囲気で行われる勧誘、それから恋人商法等、そういうふうなものが実は消費者契約の中において非常に大きな議論になっているのですけれども、その辺がどうも政府案はカバーされていないんじゃないか。カルト的な雰囲気で行われる勧誘のカバーをできていないんじゃないか。 それから、威迫、困惑行為による契約の取り消しが第三項に限定されてしまうと、業者というのは賢いものですから、これは先ほど大臣が市場という言葉を使われましたが、消費者と事業者と、知恵の出しっこでしょうね。そうしますと、業者は、威迫、困惑行為をしつつ、帰ってください、あるいは帰りたいと言えない雰囲気の中で消費者に契約をさせてしまう戦法に出てくる。やり方はその場にいないとわからないと思いますけれども、取り締まり規定ではなく民事ルールの部分であるならば、これをストレートに、威迫、困惑による契約の取り消しという規定にすべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 威迫、困惑の意味が大臣の答弁の中で未確定というのであれば、これは既に訪販法の規定で条項化されている用語であって、無限定の用語でもないし、訪販法においては威迫、困惑という言葉が現実に使われているということをまず私はお話を申し上げて、取り消す規定ではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 そして、威迫、困惑行為を禁止されて困る業者を保護する必要があるのか。この法案が通りますと、反対に言うと、そういう業者を保護することになるのではないかということですけれども、大臣いかがですか。
○堺屋国務大臣 この消費者契約法というのは、例外なく、例えば労働契約は例外になっておりますが、それ以外は例外なくずっとカバーしているものなんですね。したがいまして、あらゆる状況を考えなければなりません。 事業者と消費者といいましても、小売店さんもございますれば、いろいろな事業者、小さな工務店もあれば小売業者もございますれば、零細なサービス業者もございます。そういうようなものを全部カバーした一般法として考えられているわけですね。 訪販法の場合は、非常に限られた四業種でございまして、これは内容が限定されておりますので、こういうこと、こういうことと、非常に言いやすい。それから、少額商品の取引ということも、全部をカバーしている消費者契約法では考えていかなければいけない。さらに重要なことは、これからEコマースが出てくる、いろいろな商法が出てまいります。これに対して、後追いではなしに、全般的に対応するような方策を考えておかなきゃならない。 そうなりますと、やはりここに書いてあります困惑、こういうような状態で消費者が意思決定の条件を失ったということは明確にしておかなければならない。それがあいまいでございますと、どこまでがそれなのかというのが、業種によって、状況によって、いろいろになってまいりますし、説明する余裕もないということじゃないかと思います。 それで、ここで書いてございますのは、不退去、監禁という非常に明確な対象に行っておりまして、これがやはり全体の取引として見ますと一番重要な部分であり、この形態をまずはっきりさせる。それ以外のことでございますと、例えば、民法の強迫の概念になるとか詐欺の概念になるとか、この消費者契約法だけではなしに、民法もあり特別法もあり、そういう法体系として市場ルールを全うしようとしているわけですから、ここにいろいろなことを入れますと今度は逆に、こういう業界は抜かなきゃいけない、こういう業界は例外だというのが出てまいりますので、ここはひとつ消費者契約の一番広範な法律として御理解いただきたいと思っております。
○吉田(治)委員 先ほど大臣の与党議員への答弁の中で、要するに、消費者相談員だとかそういう方々に、消費者の問題があったらまずこたえてもらえるようにしてもらいたいと。しかし、大臣が言われているように、これがだめなら強迫だ、詐欺だと、みんなそこまで行きたくないわけですよね。早く手近な、自分のところの町にある、また県の県庁所在地にあるそういう消費生活センターで全部処理してもらいたいんですよね。大臣が言われているように、強迫だ、詐欺に持っていったらそれでいいじゃないかということは、弁護士を雇って裁判所へ訴えてと、そんな大げさなことまでしろというのだから。 例えば、私が申し上げているのは、この三項でなぜ威迫という言葉が入れられないのか。単に困惑だけで終わってしまうのか。威迫というのは、例えば私みたいな人間が、体がでかいですよね、これが怖い格好をして怖い顔になって行ったときに、出ていってくださいと言えるか。理屈的に言う人は、それは言わないやつが悪いんだということになりますでしょう。まさに業者というのはそこをついてくるわけじゃないですか。法律ができたらそこをついてきて、それを、大臣が言われるように、いや、これでだめなら次は強迫だ、詐欺だ、それでやってくれ、そうしていると時効が追いつかなくなってしまうというのがこれからの事例じゃないんですか。 ここのところにおいて、私は、威迫というふうなものについての答弁、考え方というものを経企庁としてしっかりもうひとつ、ここの文章では書けないけれども、どういう意味で威迫というものにどう対応していくのかということをしっかり御答弁いただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 威迫、困惑行為あるいは状況の濫用型の行為について取り消しを認めるといたしますと、いろいろな問題、少なくとも次の三つの問題が生じます。 第一は、威迫、困惑行為や状況の濫用型の行為の意義が必ずしも明確でなくなってまいりまして、事業者にとって客観的にどのような行為をすれば取り消しの対象になるのか不明確になってまいります。取引が著しく不安定なもの、この消費者契約法は取り消しという非常に強い罰則をかけておるものですから、後ほどこれが取り消しだということになりますと、単にその業者だけではなしに社会的混乱もありますので、この点を御理解いただきたいと思います。 第二番目に、威迫については、民法の強迫との相違がなかなか明確ではございません。したがって、強迫なのか威迫なのかということで、威迫という言葉がここへ入ってまいりますと、どういうことが威迫なのか。先生、体格がよろしゅうございますから、先生がお見えになったら威迫と思う人もあれば、よく来てくれたと思う人もおられるのじゃないかと思うのでございますけれども、そういう相手の主観にかかわるところがございます。 第三に、民法において意思表示の取り消しが認められているのは、意思表示に瑕疵がある場合、意思表示に欠点がある場合でございます。しかるに、困惑行為とか状況の濫用型の行為に関しては、必ずしも消費者に当該消費契約を結びます意思表示の瑕疵があるとは言えないということがございます。このため、これらの行為について取り消しを認めるといたしますと、大変大きな混乱を引き起こしてしまう点があるんじゃないか。事業者の側に過大な負担を行い、そしてこれが六カ月、あるいは発見されてから六カ月ということになりますと、バランスを失するのではないかという点がございます。 以上の点を踏まえまして、本法律では、消費者トラブルの実態、消費者の要保護性、取引の安全の保護というようなことをいろいろとバランスをとりまして、不退去、監禁というものにしたわけでございます。 また、カルト的な雰囲気というのもちょっと出ましたけれども、カルト的な雰囲気で行われる勧誘、霊感商法などにつきましては、勧誘において不実告知等があれば、これは本法における取り消し、不実告知の方で取り消しが可能になると思います。また、それが訪販法でございますとクーリングオフという、訪販法の方で解決できるというように考えております。 消費者体系全体として、民法の上にこの消費者契約法があってそこに個別法がくいのように立っている、そういう全体体系として見ますと、このあたりが一番良好なところではないか、こう愚慮するものでございます。
○吉田(治)委員 ほかに質問も申し上げたいので、あとは同僚議員の質問に譲りますけれども、やはりこの法案ができる基本は、先ほど申し上げました、消費生活相談員の人たちが有効に使える武器というものをある意味で提供するということからすると、果たしてこういうふうな困惑だけでいいのかなという感じを受けとめる。 そして、第四項の「重要事項」ということについて御質問させていただきますけれども、まず、この重要事項というのは、ここに書かれているのは限定列挙というふうに理解していいのか。 重要事項の範囲が、消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容や取引条件に限定をされている。これでは、いわゆる恋人商法等々の動機に不実告知があった場合の先ほど大臣が言いました救済というのができなくなってしまうんじゃないですか。ほかの法案でやれと言われても、それはほかの法案でできないからこれを使うという、先ほど言いましたように生活相談員の人たちに使える武器を出すということではなかったでしょうか。そして、先ほど大臣が、詐欺、取り消しということを言われましたけれども、その立証が困難だからこの消費者契約法で救済するという必要があってこれをつくったんじゃないですか。 大臣としては、この辺の答弁がひょっとしたら聞きようによっては矛盾しているのではないかと私は思うんですけれども、この辺いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 この契約事項に関する重要事項、不実告知の対象となる重要事項の範囲なのでございますけれども、これは、その契約しようとしている品物なら品物、売ろうとしているその品物、あるいはサービスならサービス、そういうものについての内容でございまして、ここに書いてございますように「物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容」または「物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件」というようなものを決めておりまして、それが消費者の契約の意図に影響するかどうか、こういう範囲なのでございます。 これは確かに、委員おっしゃるように、常識で言いますと、このものではうそを言わなくて、ほかのもののところでいろいろと話をするとそれが影響を与えるんじゃないかというような議論があるかもしれませんが、例えば、中小のお菓子屋さんが、うちのお菓子は日本一だ、うちよりうまいお菓子はありませんよ、こういうふうなことを言ったら、ではほかに本当にうまい菓子はないのか調べろというようなことになりましても、これはまた、日本の商習慣といいますか世界の商習慣からいって、そういうぐらいのいわゆるあきんどの人のことは通常行われていることでございますから……(発言する者あり)いや、東京でも、うちの近所に日本一のイチゴ大福なんというのがありまして、そういうのはよくあることで、事業者の中にも大小さまざまございますし、商品の中にもさまざまございます。 そういうことを考えますと、やはりこの条項ははっきりこの範囲に絞っておいた方がよろしいのじゃございませんでしょうか。
○吉田(治)委員 では、俗に言う恋人商法とかでいった場合には、先ほど言いましたように、大臣、詐欺等の民法的な形で不実告知という部分があれば取り消すというふうなことをしたらいいんじゃないかというお考えですね。
○堺屋国務大臣 恋人商法、私余り詳しくないのでございますけれども、先ほど申しましたように、契約物、物であれサービスであれその契約物を対象にして、その重要事項、価格であるとか性格であるとか取引条件であるとかいうことでございますから、それを契約させるための周辺条項としてのデート商法ということになりますと、このような例を取り消しの事由とすることはなかなか難しいんじゃないかという気がしますね。
○吉田(治)委員 大臣、それでしたら、大臣が言われるように小さな町のお菓子屋さんだとか町の小さな小売業だとか、そういうのが問題になっているんじゃないでしょう、もともとこの法案が出てきたのは。組織的に大きな形でだまされたかもしれない、そういうようなことにどう対応するかということでこの法案が出ているのであれば、最後にはそれは民法ですよというんだったら、この法案は何のためにつくったのかということになるんじゃないでしょうか。 それであるならば大臣、先ほど個別の法案のことを言われましたね、その場合だと訪販法があります、やれ何がありますというのであれば、この包括的な法案ができた後に、さまざまな悪質な商法に対しては個別立法で被害救済していく、そういう用意があるというふうに理解していいんでしょうか。
○堺屋国務大臣 必要な場合に応じまして、これからどんどんと商売の方法も変わってくるでしょうし、電子取引みたいなものも出てくるでしょうし、そういうもので個別法で必要なものが出てくるということになりますれば、やはりそれはそれとして対応するときがあるんではないかと思います。
○吉田(治)委員 包括の法案だとお聞きしておりますので、それであるならどんどんそういうふうな部分は被害救済の法案を出していただきたいということを、この四条関係では最後に申し上げておきたいと思います。 第七条の関係ですけれども、取り消し権の行使期間。 先ほどの民主党提出案に対する質問でも申し上げましたけれども、本当に六カ月という期間は、例えば問題が起こって消費者が相談員に相談している間にたってしまう、短過ぎると思いますし、時効全体が五年ということになりますと、例えば今問題になっておりますゴルフ会員権の預託金、保険契約、一定の条件や期限が経過しないと問題点が明らかにならない場合が多い。これらの場合にはほとんど十年ぐらいかかっているということになると、自然と契約から五年経過したら一律に時効が消滅するというのはある意味で不当ではないかと考えるんですけれども、まず消滅時効についてはどうお考えなのか。 そして、先ほど大臣の答弁の中で出ておりましたEコマース、新しい電子商取引、また金融サービスというふうなものとこの法案のかかわり。そして、医療というふうな、これは消費者という考え方をとるのかどうかはいろいろあるかと思いますけれども、医療の現場において、医療が対象になるとするのであれば非常に混乱も予想されていると言われておりますが、この辺についてはいかがお考えなんでしょうか。
○堺屋国務大臣 まず、五年でございますけれども、これはその他の、例えば税金の問題とか、そういう金銭権利の問題につきましてほかと比較いたしますと、決して短くないと思います。 まず、この瑕疵、自分が契約したことが何らかの関係でこの法律によって取り消せるとわかったときから六カ月の間に、これははがきを出しても電話してもいいんですが、通知をしていただく。そして、そのわかるまでの間が五年でございます。五年たちますと、普通のことでございますれば大抵わかりますし、またそれ以上長くいたしますと、税務書類から始まりまして幾つもの問題でこれが困難になってまいりますから、五年ぐらいで発見してというのは取引を安定させるために、何年も、十年も十五年も先に取り消されたとしたら、これは大変不安定なものを起こすのではないか、こういうように考えております。 こうしたことを踏まえまして、取り消し権の行使期間を具体的にどのようにすべきかは国民生活審議会におきましても検討されまして、学識経験者、消費者、さまざまな業種の業界代表の方々から幅広い意見を聞いた結果、コンセンサスとして、当該消費者契約法では五年という形にさせていただきました。 一方、医療関係の御質問がございましたが、この消費者契約法は先ほど申しました労働契約関係を除いてはすべて包括しておりますので、医療についてももちろんこれを対象としております。この件につきまして日本医師会等からも異論は出ておりません。 それから、Eコマースの件でございますけれども、Eコマースは今始まったばかりでございまして、通産省を初めとしていろいろなところで研究中でございます。したがって、このEコマースが現在の規定のほかにどんなことが必要になってくるか、それはまだわかりません。現在やっておりますEコマースでございますと、これは紙が電子になっただけでございまして、現在の規定で十分だと心得ております。
○吉田(治)委員 大臣の答弁に前後矛盾があるんですね。先ほどの大臣の答弁では、Eコマースについては、そういうことが起こるからその前提としてこの消費者契約法をつくったんだ、そういうことを含めてと。速記で調べてみたらわかります。今の答弁は、Eコマースはこれからわからない。どっちが正しいんですか。
○堺屋国務大臣 先ほども申しましたように、Eコマースは現在発展中でございまして、そのルール、やり方、範囲等につきましては、世界各国、日本の通産省も含めまして研究中でございます。この発展途上の現在で見れば、これで十分だと思います。 しかし、これからどのように増殖していくか、どのような範囲になっていくか、どのような商品が入ってくるか、それがわかりませんので、これからの問題についてはいろいろと研究が必要だ、また新しい方策も必要になってくるのではないかと申し上げておるのでございます。
○吉田(治)委員 大臣のこの七条に関する答弁で初めて、国民生活審議会でコンセンサスを得たという言葉が出てきたんですね。それ以前の問題については一切、コンセンサスがどうこうだという話はなかった。それは、前提としてコンセンサスがあるからこの法案が出せたというんですけれども、今の答弁を聞いておりましたら、五年間という期間は税務関係がすべてそうであるからだと言われる。では、この法案は税務署のために五年間になったということ、そういうふうにとらえていいわけですか。
○堺屋国務大臣 五年間といたしましたのは、取り消し権の長期の行使期間について、商取引の安定化という点から、本法案と同様の趣旨を持つ商法において商事債権にかかわる消滅時効を五年と定めている、これが商法の五百二十二条でございます。そのほか、会計法の三十条等にも同様の規定がございます。税法にも五年間というのがございます。五年間で行われているものが金銭関係、経済関係にはかなりたくさんございます。
○吉田(治)委員 私は、消費者契約だから金銭だ、そういうふうなとらえ方で今回よかったのかなと。消費者契約というのは、大臣が一番最初に法案をおろすときのお話の中でも、今の質問の中でも一番最初はそうじゃなかったじゃないですか。お金のことばかりじゃないですか。それだったら消費者契約ということではないんじゃないか。 特に、あと八条、九条の不当条項についてですけれども、果たして、これは国際競争力という言葉がいいのかどうかは別にして、競争条件としての消費者契約法を考えた場合に、こういう質問の仕方はいいのかどうかわかりません、例えば通商交渉でそういうことは議題としてこれから出てこないと私は思うんですけれども、例えばアメリカという国を考えた場合に、通商問題で何をひっかけてくるかわからない、これはもう大臣が一番よく御承知だと思いますけれども。そういう場合において、この不当条項、八条、九条が、欧米の他の国の消費者契約法と比べて、見劣りするしないという言い方はよくないかもしれません、万が一通商交渉になったときに競争条件の中で、日本はあんなゆるゆるの消費者契約法を出しているから不公正だというふうに言われるのか言われないのか、それについてはどう自信を持って答えられるのか、ちょっとそれだけお答えください。
○堺屋国務大臣 国際競争の時代におきまして、競争条件として消費者契約法を考えますと、欧米諸国において、総じて消費者契約の適正化のための民事ルールが整備されていると認識しておりますが、各国の置かれている状況によってそれぞれ違います。 例えば、欧米におきましても、本法案の第八条、第九条のように、事業者の損害賠償の責任を免除する条項や消費者に不当に高額な損害賠償を求める条項を一般的に無効にしている、この点は非常に似ております。したがって、本法の八条、九条は、通商上の交渉の上で問題になることはないと考えております。 日本の法律は、締結のところと条項のところと一体として非常に体系的にできているというところで高く評価できると考えております。
○吉田(治)委員 再度確認しますけれども、欧米でも消費者契約法がある、欧米の条項に比べて、それとは見劣りしないとお考えですね。
○堺屋国務大臣 見劣りはしていないと思っております。
○吉田(治)委員 政府提出法案について大ぐくりの質問をさせていただきました。同僚議員がそれぞれ細かい質問をなさると思います。私は、あと、この法案が成った後の質問をさせていただきたいと思います。 まず一点目。先ほどから大臣は何度も、町のお菓子屋さんであるとか、町の工務店がとか、小売業がというお話をされましたけれども、それでしたら、町のそういう方々までどういうふうに周知徹底をなさるのか。その方法、そしてその期間はどれぐらいの期間で、集中的にどんとするのか、その時期はいつするのかということをまず一点。 そして二点目は、省庁再編後、経済企画庁というふうなものがなくなってまいりますと、この法案についてはその後どこがフォローをしていくのかということを、まとめてお答えいただきたい。 それともう一点、先ほどから大臣も答弁の中で、消費生活相談員の話、では、この法律をどういうふうに相談員が使っていけるのか。そして、特に問題なのは、大臣が先ほど使え使えと言いましたけれども、地方自治体では予算がどんどん削減されている。地方自治体の財政の悪さもあるでしょうけれども、これができるんだったらもういいじゃないかという形で消費者予算がどんどん削減されている。そういうふうになっていきますと、せっかくのこの法律の実効性が下がっていくのではないかという大変な危惧があります。 この三点、この法案が成った後、どういうふうにお考えなんでしょうか。
○小池政務次官 まとめまして、私の方からお答えをさせていただきます。 法案成立後でございますけれども、まず業界への周知徹底、それをどのようにして行っていくのか。大体、法案ができますと、一般的にコンメンタールという逐条解説書を作成することになっておりますが、当然これを行ってまいります。それから、いろいろな形、地域で説明会の実施を行ってまいりますし、またいろいろな業界もございます。そこに参加しておられる方、大企業もありますし小企業もある、さまざまな形で関係業界との連携体制の充実ということを成立後速やかに行ってまいりたいと考えております。 それから、二番目はたしか省庁再編後でございますが、御承知のように、経済企画庁は省庁再編によりまして内閣府に移るわけでございますけれども、内閣府において引き続いてこの消費者契約法をフォローしてまいることと考えております。 それから三番目が、相談員の方々ですが、私、先日も東京都の消費者センターの方に参りまして、相談員の皆様方にお目にかかってまいりました。一刻も早くこの法律を通してほしいという陳情を受ける一方で、この法律ができました後は、この法律の内容を正しく御理解いただき、そして相談、あっせんなどで活用していただくということで、包括的なものでございますからいろいろな分野にこれを活用できるというふうに思っております。そういうことで、これまでの民法による解決事例に比べて、紛争解決基準が明確になるものと考えております。その結果、交渉の争点が単純化そして明確化されまして、容易かつ迅速に一定の結論が出せるようにということを期待いたしております。 四番目が、地方自治体の消費生活センターなどの予算ですね。消費者生活関連予算が、地方自治体の財政難もよく御承知の上でのお話だと思いますが、現在全国で約四百カ所の消費生活センターがございます。そこの予算も残念ながら全体とすれば減少傾向にあることは事実でございます。 では、国としてどうするのか、経済企画庁としてどうするのかということでございますが、交付金の交付を通じまして、全国の消費生活センターと国民生活センターを結ぶPIO—NETというオンラインネットワークがございます、こちらを充実すること、それから国民生活センターにおける研修を行う、相談業務に関する情報提供など、地方自治体の消費者行政をさらに支援していきたいというふうに考えております。
○吉田(治)委員 私は、オンラインだとかネットワークも大事だと思うのですけれども、これはぜひとも大臣、政務次官、都道府県単位の生活センターをしっかりしてもらいたいのですよ。 これは多分、この法案ができたら、地方分権だとかいうことで市町村になりますけれども、私ら大阪市内は別でしょうけれども、ちょっと地方へ行きますと、市役所といったら近所の知り合いがみんな勤めているのですよ。そんなところへ、だまされたとか、どうも詐欺に遭ったとか、えらい目に遭わされたというふうな相談というのは行きづらいし、行った場合にその人たちが、それは守秘義務があるかもしれないけれども、あの人こんなんやったんやで、だまされたみたいやで、あほちゃうかというふうなことになりやしないかというと、行きづらくなる。 そうすると、やはり都道府県単位というものがしっかりとする必要があると思うのですけれども、その辺はいかがお考えでしょうか。
○堺屋国務大臣 本質的には都道府県自身のお考え、これは地方自治でございますから、どういうぐあいに市町村と都道府県が分担されるかというのは地方自治の問題だと思いますけれども、私たちとしてはできるだけ、この消費者行政というのは他に先駆けて重要なことでございまして、一方で指導行政を縮小していく中で、ぜひこういう消費者行政の面は力を入れていただきたいとお願いする立場でございます。 なお、先ほど五年のとき、発見してからと言ったかもしれませんが、契約してから五年でしたから、ちょっと速記の方改めておいてください。
○吉田(治)委員 大臣、そこの最後のそういう重要な時効消滅のところを間違っていただくのはいかがかと思います。 そして、文部政務次官、申しわけございません、随分お待たせしました。 私は、こういう消費者問題について最後に重要なことは、いかに国民一人一人が、消費者教育という形で、いい、悪いというのをよしあしできる目を養うか。堺屋大臣は商売、文部政務次官のお宅も商売の家の出というふうになると、親から言われることは、判こは絶対つくな、友達でも判こはつくなというのが徹底的に仕込まれたはずです。今、それができなくなってきた。やはり、学校教育なり、いろいろな俗に言う消費者教育というものを、ゆとり、豊かさの中で入れていく必要があると思うのです。 きょうは文部政務次官おいででございます。この消費者教育というものについての現状、課題、そして今後文部省としてどういうふうに取り組んでいくのか。私は、教育の現場でこれを入れていく必要がある。例えば、経企庁がやられている消費者教育支援センターなんというのも、予算がなくてあっぷあっぷしている。それであるならば、消費者というのは業界に任せるのではなくて国の施策としてやっていく必要があると思うのですけれども、その辺、いかがでしょうか。 そして、もう時間がございませんので、最後に大臣、この法案は出たら後内閣府にフォローされていくと言われました。この法案の見直しというふうなものは今後どういうふうな、例えば年限を何年以内にするとか、絶えずやるとか、そういうのがあると思いますけれども、期間的なものはどれぐらいを目安に担当大臣として考えられているのか。 申しわけございません。最後、お二人、よろしくお願いします。
○小此木政務次官 こんにちは。 委員が御指摘のように、就学時から消費者としての正しい認識あるいは態度というものを身につけることは非常に重要なことだというふうに私も認識をしておりまして、そのために、これまでも小中高を通じまして、生徒の発達段階に応じて教育をしているところであります。 学校の社会科、公民あるいは家庭科、技術科という中で、クレジットカードの仕組みですとか計画的な利用の重要性、あるいは悪徳商法などの例やクーリングオフ制度などを具体的に教えるとともに、これは経済企画庁との共管でありますが、いろいろな財団を通じて、教師側のマニュアルを作成してさまざまな教え方を工夫している。 私も現場視察に行く中で、これは私立の女子校の例でありますが、私の知り合いに司法書士の方々がおりまして、司法書士も、例えば先ほど申し上げた悪徳商法ですとかあるいは詐欺まがいの行為がふえているために、中学生や高校生の段階から、社会に出てからだまされないようにする知識も覚えておいた方がいい。つまり、その中で、司法書士がみずから無報酬で学校に赴いて、生徒たちに現場のことを教える。特に、ある事例を引き出して、それに脚本を書きながら、生徒たちにもその事例を演じさせながら覚えさせていくということもございますので、こういった教師からでなくて外からの、一般の社会の方々が学校に赴いて教育していただく機会をさらにふやすということも、あわせて重要ではないかとは考えております。
○堺屋国務大臣 法律というものは世の中の変化に応じていろいろと変わるというのは一応大原則でございますが、この見直しを法律の規定に特段に入れるというような必要はないと考えております。私どもとしては、現状において最良の案を出させていただいておるつもりでございますので、見直し規定などを入れますとこの案に対する信頼というものが欠けますので、時代の変化に応じていろいろと考えていくことは必要でございますが、今これを特に、どういうような見直しを予定するというようなことは必要ないと考えております。
○吉田(治)委員 もう時間で終わりますけれども、大臣、一番最初に言われたように、必要なことはどんどん見直していただきたい。そして、文部政務次官、教育で守るということを私たちは子供時分に教えられました。しかしながら、変な約束は守らなくていいという、これはやはり消費者教育で大事なことと思いますので、よろしくお願いします。 以上で終わります。
○中山委員長 石毛えい子君。
○石毛委員 民主党衆議院議員の石毛えい子でございます。 委員長、恐縮でございますが、君ではなくてさんで呼称をしていただきたいと存じますが、よろしゅうございますか。
○中山委員長 石毛えい子さん。
○石毛委員 よろしくお願いいたします。 民主党の石毛えい子でございます。消費者契約法につきまして、主として政府案に関連して質問をさせていただきたいと思います。 大臣、恐縮でございますが、通告させていただきました質問に入る前に、大臣に、何といいますか、御覚悟のほどをといいますか、そういう観点でお尋ねしたいんです。 私は今、吉田委員がされました質問に対しまして大臣の御答弁を伺っていまして、不安に思う点がところどころございました。例えば、取り消し期間に関しまして契約後五年後、これを言い直されたという点もさることながら、事例に挙げられましたのが、商法とか会計法とかそうしたところでというようなお答えをいただきましたけれども、消費者契約法は、いろいろな消費分野に関しまして、今まで消費者はどちらかといいますと保護行政のもとにあった、それが、経済の規制緩和、それに伴って消費も消費者の自己責任が問われるようになった時代に、消費者と事業者の契約行為における対等性を確保していくためにつくる法律でありまして、その対等性をなぜ確保しなければならないかということの前提の認識には、当然、政府法案の目的にもございます「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、」という、この認識が決定的に大事な点で、こここそが消費者契約法を制定するベーシックな基盤といいますか、客観的な状況を示しているんだと思います。 そうしますと、この格差を是正し、対等性を確保していくためには、やはり消費者にとってこの法律がより有効に働くようにつくるということが、この法律を制定していく本旨であるはずではないかというふうに私は理解をしているわけでございます。 ちょっと抽象的な質問ではございますけれども、この対等性の確保ということに関しまして、私は大臣にも御同意をいただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○堺屋国務大臣 お説のとおり、世の中が複雑になり大規模になってまいりますと、事業者と消費者との間の情報力や交渉力に格差が出てくる。これをいかに縮めていくか、そしてその格差が余りに大きくて取引の公正を失われないようにしていくか、これが消費者契約法の大きなねらいでございます。その意味において、委員御指摘のように、事業者と消費者の間に情報力や交渉力の格差が存在し、それをなるべく縮めていくような方策をとるべきだということは、この趣旨の根本でございます。 しかしながら同時に、経済社会の運用が、いろいろな場面で、いろいろな人々、いろいろな方法で行われているということを考えますと、この消費者契約法というのは非常に広い範囲を例外なくカバーしている法律といたしまして、いろいろなケースを考えた最善の道をとらなきゃいけない。そういう意味では、中庸といいますか、一番実現のしやすいところをとらなきゃいけないと思っています。 また、消費者契約法ができましたから、これが事業者と消費者とのすべての関係を規制するわけではございませんで、もともとの民法体系というのがございまして、その上に消費者契約法というのがある。そして、特定のもので特に重要なものにつきましては特別法というものもつくられている。そういうような事業者と消費者、あるいは社会の価値の流通についての民法体系全体としてお考えいただきたいと思います。 そういう中で、消費者契約法はすべて漏れなく、労働契約は漏れておりますが、それ以外はすべて漏れなく包括していく法案として最善のところをねらった。特定の例示を挙げますと、いかなる法律でもそういうようなのは気の毒だという例は残るのでございますが、一方で、それを加えると大きな不便が出てくる、大きな抑制が出てくるというところがございます。そういうバランスの上で全体としてつくられた法律だ、こういうことを委員にぜひ御理解いただきたいと思っています。
○石毛委員 私は法律を専門としているわけではございませんので、大臣が今御発言された表現の中にどのようなことが含意されているのかということを深く推察する力量がございませんけれども、ただ、この法律によって、事業者の方に、もし対等性の確保という視点で法の筋を通したときにさまざまな課題が出てくるのであれば、それは大臣、先ほど来の御答弁でおっしゃられておりますように、民法に基づいて、対等性の原則に基づいて問うていけばいいことであると思いますので、私は、あくまでもこの法律は、対等性をベースにしている民法と個別法の間に立って、消費者の対等性の獲得を支援していく法律であるということの筋を通すべきであるというふうに考えておりますということだけ申し上げまして、具体的な質問に入らせていただきます。 まず、消費者の定義、第二条一項ということに関してでございますが、政府案では「「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。」という括弧書きがございます。「事業として」「事業のために」ということはどういう意味であるのか、括弧書きを含めているという意味をお尋ねいたします。
○堺屋国務大臣 この世の中では、個人でございましても、消費者だけではなくして事業をやっておられる方はたくさんございます。したがいまして、消費者と定義するときには、この第二条第一項の括弧書きにございますように、事業者として契約の当事者となる場合は消費者の定義から外す。 例えば、個人でもお商売をやっておられる方、あるいはさまざまな専門的な事業をやっておられる方、そういう方がたくさんございます。一例を挙げますと、八百屋さんを営んでおられる。八百屋さんというのは、これは事業なんですね、個人でも事業です。この方が野菜を販売される場合は、八百屋さんという事業のために野菜の輸送をトラックで行われ、購入され、そして販売される。この八百屋さんが事業のために野菜の輸送用のトラックを購入する場合は、消費者にはなりません。これは明らかに八百屋という事業を営んでおられる、こういうことになるわけですね。 同様に、例えば、私は今こういう職業をしておりますけれども、私が作家だったときは、作家として毎日文章を書いているときは作家としての事業者でございますから、作家のために買うワープロはやはり事業用だったと認識しております。
○石毛委員 私は、事業というものの一番ポイントのところは、物やサービスや権利を販売していくという過程が反復行為としてなされるというところがポイントかというふうに思いますけれども、具体的に少しお尋ねいたします。 例えば、内職商法などに関連してパソコンを買う。本人はそこのあたりが必ずしも明確に整理されているわけではなくて、自分が消費者として消費するつもりでパソコンを買ったのだけれども、買ってみたらばそれは内職商法の中に巻き込まれていたというようなことがあると思います。こういう事例は、おなべにしろ下着にしろ、いろいろな事例であると思いますし、それから、最近ではフランチャイズ商法などというのもあるというふうに聞いておりますけれども、ある取引のプロセスの中に位置づけられた個人が消費者であるか事業者であるかということを明確に区分けをしていく基準というのは、どういうふうに考えたらよろしいのでしょうか。
○堺屋国務大臣 いわゆる内職商法というものですね。内職商法というのは、簡単な作業で高収入が得られるという条件で、いい内職だというのでダイレクトメールなどを広く出しまして、希望者を集めて内職の道具や材料をかなり高い金額で売る。購入者はその材料や機械を使って仕事をしても、技術不足であったり、できが悪いとかあるいは売れないとかいうことで、引き取ってもらえない。 内職をさせていただくというので機械や材料を買って、ずっとそれで納品をしていまして収入があれば、これは事業者になります。ところが、買わされたけれども、そこから先はなかなか自分が仕事をして継続的に収入が得られないということになりますと、内職商法で買った人の方は、これは結局、消費者で終わりということになりますね。 同様なことは、マルチ商法、いろいろあるのでございますけれども、結局、その道具なり材料を買った人が反復してそれを仕事にして収益を上げているかどうか、そこによって収益をずっと上げておられれば形態は同じようでもこれは事業者になる。一回限りで、反復してできない、材料が来ない、発注が来ないという状態でございましたら消費者になる。そういうことだと思います。
○石毛委員 そうしましたら、反復行為として事業者としての展開をその後続けていかなくて、一回限りで終わって、その一回限りの取引行為の中に消費者契約法に該当するような、例えば重要事項の提示がなかったというような場合でしたら、これは当然、消費者として、消費者契約法に基づいて契約の取り消しができたりというふうに理解してよろしいわけですね。
○堺屋国務大臣 例えば、ある業者が毛糸編み機を持ってきて、これで毛糸を編んでこういうシャツをつくったら何ぼ何ぼで引き取ってやるといいながら、機械を売っただけで全然引き取ってくれないということになりますと、これは重要な不実でございますから契約解除になると思います。
○石毛委員 それでは、次の質問に進ませていただきます。 ちょっと法文の内容から離れまして、この消費者契約法の実効性を担保するという意味で、裁判外の紛争処理機関、機能を充実していくということが大変重要だというふうに考えるわけです。この点は恐らくどなたも異論がないと思います。 時間が大分超過をしておりますので簡単に御説明いただきたいのですけれども、国としまして、これまでこの苦情の相談や処理に関しましてどのような施策、あるいはどのように予算規模を実現してまいりましたでしょうか、御説明いただきたいと思います。
○小池政務次官 数字を申し上げたいと思います。予算関係でございますが、実効性を確保するためにまず消費者及び事業者に趣旨の理解をしていただかなければいけないということで、啓発、情報提供を行うために、これはいわゆる消費者契約適正化事業に入るわけでございますが、平成十一年度に新たな予算措置を行いまして三千五十四万円、また平成十二年度でございますが、この予算額を八千二百三十五万円に大幅に拡充をさせていただきました。 そしてまた、経済企画庁といたしましては、マスメディアを通じました消費者契約に関する啓発、そしてホームページの拡充等の情報の提供システムの整備、それから消費生活センターを初めといたします消費者契約被害救済のための連携体制を組むということで、この構築などを図ってまいりたいと思っております。
○石毛委員 同じことを都道府県の消費者行政についてもお伺いしたいと思いますけれども、この間、実際に都道府県の消費者行政に携わっている方、あるいは新聞報道等に接しておりますと、都道府県の消費者行政といたしまして、消費生活センターのいわば廃止ですとか縮小というようなことが大変起こっているということが報告をされております。 例えば、神奈川県は一九九九年度の消費者行政予算を前年度比で四八%減、ほぼ半分に減らしていて、五カ所あるセンターを次々に政令指定市等々に移していくというようなこと。愛知県も三一%減、東京、埼玉も減、四十都道府県が予算を減らしているという報告に報道で接しておりますけれども、この事実について確認ができますかということと、恐らく確認していただけることだと思いますので、消費者行政を所管している省庁といたしまして、都道府県の消費者行政の後退ということについてどのようにお受けとめになられていらっしゃるかということをお尋ねいたします。
○小池政務次官 地方自治体におきます消費者行政のさまざまなサービスの縮小ということについては、当庁といたしましても確認をいたしておりますし、また新聞などにも報じられていることも承知をいたしております。 御承知のように、地方自治体の財政というのも大変厳しい中にあって、また、地方の消費者行政についての予算をどれぐらいにするのかというのは、まさに地方自治体のそれぞれのお考えに沿うものというふうには思っております。 しかしながら、経済企画庁としては、先ほどもちょっとお答えしたのですけれども、やはり消費者行政というのは大変重要なものですから、交付金の交付を通じて、全国にあります消費生活センターと国民生活センターを結びますオンラインの充実など、さまざまなバックアップもしてまいりたいというふうに考えております。
○石毛委員 大臣にお尋ねしたいのですけれども、一番最初に大臣の御発言の中で、吉田委員に対する御答弁で伺ったと思いますが、この消費者契約法は、民事ルールとして当然訴訟等々に機能するということのほかに、裁判外についても非常に有効に作用するものと認識しているというふうに御答弁なられたと思います。 この消費者契約法を裁判外で機能させていく上に、都道府県の消費生活センターがこれまで果たしてきた役割というのにかんがみれば、この都道府県の消費生活センターに注目をして、消費者契約法を実効性ある法律として社会に定着していけるように経済企画庁としても努力をされるべきだと私は考えるわけでございますけれども、大臣、いかがお考えになりますでしょうか。
○堺屋国務大臣 お説のとおりでございまして、今、司法改革の問題も出ておりますが、日本では裁判に持ち込むということはなかなか大変なことでございます。したがいまして、裁判外解決ということが重要な意味を持ちますし、その中で消費者センターの活躍も重要なポイントだと思っております。 今、政務次官が答弁いたしましたように、さまざまな方法で自治体の消費者センターを振興しておりますし、また消費者相談員の研修、充実等にも心がけております。人と組織と情報と、この三つの面から裁判外で解決できるような人材、組織、チャンス、そういったものを広げていきたいと思っています。また、PRの面、学校教育の面、そういった面でも大いに広げていきたいと思います。 さらに、弁護士会などがやっていただいておりますようなボランティア活動も重要なものとして考えておりまして、将来、広い範囲でこういった消費者運動の教育と裁判外解決の方法が広げられることを一生懸命やっていきたいと考えています。
○石毛委員 大臣、今御答弁いただきましたけれども、私は、都道府県の消費生活センターに対して、消費者契約法を定着させていく上で、どのように評価をなさいますでしょうかという質問をさせていただきました。そして、先ほど政務次官の御答弁では、基本的には地方自治体の考え方であるけれども、地方交付金の交付などを通じて、オンラインを通じてという、これはPIO—NETのことだと思いますけれども。今、私の質問の焦点は、都道府県の消費生活センターが大変、箇所数としても縮小をしていますし、予算規模としても減らしているという、このことに対してどのようにお受けとめになっていらっしゃいますでしょうかという質問をさせていただきました。 そして、今のことに続けてそれでは申し述べたいと思いますけれども、消費者保護基本法第十五条は「苦情処理体制の整備等」となっております。この第十五条の第二項が「市町村は、事業者と消費者との間の取引に関して生じた苦情の処理のあつせん等に努めなければならない。」ということで、三項が「国及び都道府県は、事業者と消費者との間の取引に関して生じた苦情が適切かつ迅速に処理されるようにするために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」と、市町村とそれから国及び都道府県、二項、三項を書き分けてございます。 この第十五条の書き分けにも関連いたしまして、都道府県の消費生活センターが今縮小になっているこういう状況の中で、果たして消費者契約法を実効ある法律として消費者との信頼性の関係に基づいて運営していくというこの体制を実現できるのだろうか、こういう質問でございますので、もう一度御答弁をお願いいたします。
○小池政務次官 先ほどからお答えいたしておりますように、残念ながら、地方の財政事情により、消費者センターなどが縮小されている。では、その部分をどのようにしてバックアップをしていくのかということについても、交付金、お金の部分と、そして情報を提供するといった総合的な形での国としてのバックアップ、サポートをしていきたいということで、先ほどお答えしたとおりでございます。 そして、やはり国があって都道府県があって市町村があるということで、それぞれ直接、電話相談がもう圧倒的でございますので余り距離的なものは関係ないのかもしれませんけれども、やはりそれぞれの消費者により身近な部分として市町村があり、それをもっと拡大した部分で都道府県、そしてそれらの情報を得て私ども経済企画庁、政府全体という形になってくるんだろうと思います。ということで、それぞれの、お互いの範囲の中でそれぞれの情報を活用していくということ。 また、私は思うのですけれども、消費者契約法という今回の民事ルールを包括的に明確化していくということができますならば、実際に相談に当たっておられる相談員の皆様方にとりましての御負担は、また御判断は、これまでよりもより明確になってくるであろうということを期待いたしております。
○石毛委員 相談を受けるということは、当然、紛争を処理していく前提の事実になるわけですから、相談を受けるということとバックアップ体制は一致していた方が望ましいのは当然のことだと思います。都道府県に紛争処理件数がたくさん上がってきて、どういうたぐいの紛争がどういう内容でどれぐらいふえているかということだけでは解決つかない問題がいっぱいあるのではないか。先ほど吉田委員も言われましたように、市町村は身近ではあるかもしれないけれども、身近であるがゆえに行きにくいというのも、これも日常生活上の事実であると私は思います。 それで、先ほど来政務次官が御答弁いただいたということになるとは私は思っていないのですけれども、それでは都道府県の役割というのは、国と市町村との間をオンラインで結んだり、研修をしたり、消費者契約法に関してのルールをきちっと提示をしたり、そういういわば外延的なインフラになるわけでしょうか。 そして、私は地方交付税の積算の単価の内訳を拝見いたしておりまして、確かに、市には報酬といたしまして消費者苦情相談員報酬というのが計上されております。これは地方交付税の積算に入れられているものですから、これを一般財源化するかしないかというのは自治体の意思決定としてあるわけですけれども、ここに計上しているということは、やはり政府の意思表明ではあるというふうに思うわけです。市には今申し上げましたように消費者苦情相談員報酬が計上されていて、実はこれが市町村に相談業務を移していく理由に使われているという大きな動きがあると思います。 そして、県には需用費として、苦情処理体制整備事業というのがかなりの金額で計上されていると思います。全体の県の金額の中ではかなり大きなウエートを占めております。そうしますと、この苦情処理体制整備事業というのは、苦情処理を文字どおりしていく予算としてきちっと県は使って、相談を受け、苦情処理をしていくべきだ、こういう理解にならないのでしょうか。 ある県が、相談は市の方だからということで、これを論拠に消費者行政を振り分けているという動きが出てきている。これが大きな広がりを持っていくということに私は懸念を持っているわけですけれども、県の方の苦情処理体制整備事業というのはどういう中身になるのでしょうか。その点も含めて、役割分担についてもう一度お答えください。
○小池政務次官 先ほど消費者保護基本法第十五条の点についてお述べになりました。第二項が市町村、そして第三項が国及び都道府県の役割ということで、ここの法律におきまして明確にその役割が記されていると思います。 そして、市町村というのは、先ほど申し上げましたように、より身近な自治体であるわけでございますから、地域の消費者の苦情相談に応ずる。そして、都道府県は、市町村を包括する広域的な自治体として、域内で生じている苦情に対応するということと、市町村における苦情相談が適切かつ迅速に処理されるように啓発資料を作成したり、市町村を含めた相談員の研修等を行うというような役割を持っているわけでございます。そういう役割を踏まえた上で、密接な連携を取り合って、お互いに苦情処理を適切に行っていくということが一番ベースになろうというふうに考えております。 そして、地方公共団体における苦情処理体制の整備でございますけれども、基本的な考え方といたしまして、苦情処理というのは、住民に最も身近な行政主体である市町村の手によって行われることが最も効果的ということを基本のベースに置いております。
○石毛委員 政務次官の今の御答弁ですけれども、住民に最も身近な市町村で苦情処理というふうに言われましたでしょうか、を行うことが適切というのは、根拠は何に基づいてそういうことになっておるのですか。それだけ確認させていただきまして、きょうの質問は終わります。
○小池政務次官 その根拠でございますが、昭和四十五年、ちょっと古い話でございますが、四十五年に国民生活局長からの通知ということで、今申し上げた認識がされているところでございます。
○中山委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時十三分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中桐伸五君。
○中桐委員 民主党の中桐です。 まず、私、冒頭の質問は、消費者が商品を購入したりあるいはサービスを購入するという場合に、一番重要な点は、情報がちゃんと処理をできてサービスなり商品を購入するかどうかという問題だろうというふうに思うわけであります。 例えば、これまでにさまざまな悪徳商法が問題になり、例えば訪問販売法のような法律がそれぞれ必要に応じて強化されるという歴史があったと思うわけであります。今回の消費者契約法のこの内容を見てみますと、今日までいろいろな悪徳商法などによって情報がきちんと消費者に伝わらないまま問題が発生した、そういったことを十分念頭に置いた情報提供に関する、情報の処理の問題に関する法律の規定になっているのかどうかという問題が、私としてはまず第一に疑問なわけであります。 例えば、商品あるいはサービス、特にサービスのようなものになってまいりますと、完全な情報の伝達がしにくいサービスというのは多々あるわけですね。私も消費者特別委員会で、かつて特別委員会がありましたが今はありませんが、この委員会でも質問したことがあるのですが、エステティックという問題、つまり健康に関するような問題ですね。健康食品なんかでも非常に多くのトラブルが起こっておりますが、そういったサービスになってきますと、非常に消費者が、役務の提供という概念になっておりますが、これの契約を結ぶ際の、契約するに当たっての情報処理が、完全に対等なものに近づきにくいという性質を持ったものから、非常に簡単に業者と消費者の間に処理できるものまで幅広くあると思うのですよ。 その場合、消費者契約法というのは、一体どういうレベルの人たちを、どういう消費者、どういう内容のものを消費者として契約を結ぶときの焦点としているのかということであります。 つまり、訪問販売法では情報の告知義務というのがありまして、法律でいいますと、この訪問販売法の五条の二とか九条の九、あるいは十二条というところに、禁止項目として、情報の告知義務というのを逆に言えば規定をしているわけであります。そして、罰則規定も設けてあるわけであります。 こういうものを含んだ消費者契約法であるはずなんだと私は思うのですが、今回の消費者契約法は、業者と消費者の対等な、つまり努力義務という形で、それぞれに努力義務を課しているというふうに理解をするのですが、この点非常に、今日までの消費者が契約をする上でのさまざまなトラブルを前提にして処理してつくられた法律とは言えないのではないかということが一つの最初の疑問でありますが、これについて、大臣、いかがですか。
○堺屋国務大臣 委員御存じのとおり、この消費者契約法は民法の特別規定でございまして、消費者と事業者とのあらゆる取引を対象にしておりまして、極めて幅広いものでございます。したがいまして、委員御指摘のような特定の悪徳商法、いろいろ問題を起こした取引を法律で取り締まろうという行政法ではございません。民法の一般的ルールを定めております。 御指摘のように、訪問販売法でございますと、四業種、あるいは五十三ほどあるのでしょうか、商品などを限定いたしまして、例えば今例にお出しいただきましたエステでございますが、エステにはこういうような問題で継続してやる、それから、消費者の知り得ないようなマッサージとか薬品を使う、そういうことがございますので、こういうものはむしろ特別法で規定している。 この消費者契約法は、民法の特例としてあらゆる契約を含んでいる。その中には、少額契約もございますれば、善良な中小企業業者の活動もございますれば、さらに、将来出てくるであろうものにも備えなきゃいけない。そういう意味で、どういう情報を提供したらいいのか、この情報提供の幅も非常に幅広うございまして、相手によって、場所によって非常に変わってまいります。したがって、こういうような情報の努力をする、それでできるだけ消費者と事業者との情報格差、交渉力格差を詰めていって、なおそれでもあからさまなときは取り消しという行為に持っていく、こういう仕組みでございます。 だから、行政法でございませんので、その点、義務ではなくして努力、こういう形になって、あらゆる状況に対応できるようにしてある、こうお考えいただきたいと思うのです。
○中桐委員 形式論理で、これは行政法ではなくて民法の特別のルールだ、そういう議論を私はここでしたくないんです。つまり、実効性がある法律をつくっていこうとしているのかどうかというのを議論したいのであります。 したがいまして、情報処理能力が、消費者がどの程度対等なものに近づいていけるのかということについては、先ほど私も申し上げましたように、非常にバラエティーがありますから、多様性があって、完璧とは言えなくてもほとんど的確な判断ができる商品なりサービスから、業者と消費者の間に情報処理能力において非常に格差の大きい、そういうものまであるわけです。そのときに、これまで訪問販売法とか個別の業法で措置がされていた、つまり消費者の保護がなされていた、そういうものから消費者契約法という一般ルールの話の世界へ行ったときに、では一体それがどうなるんだという不安があるわけであります。 つまり、わざわざ悪徳商法に対して一つ一つ手当てをしてきたものを一般ルールにしたときに、一般ルールの方が優先してというふうな問題になってくるかもしれませんし、そういう問題について一つ一つ整理をしていかないと、この法律の審議というのは軽々にやってはいけないんではないかと思うものですから、質問させていただいておるわけです。 つまり、消費者契約法というのは一体どういう状況の業者と消費者の関係の中で処理をしようとし、何を実効性を持たせようとしているのか、そこをまずお聞かせいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 この一般ルールができましたから、これによって、訪販法でありますとか宅建法でありますとか金融商品、金融商品販売法は今この国会に上程しておりますが、そういう特別法でなされております規定が、本法第三条第一項の事業者の努力規定を置いたからといって、影響を受けることはございません。それはそれで、各個別法の方はそのルールが優先的に適用されまして、この努力規定を置いたからといって、個別法に規定されております業者の義務が緩められるようなことはいささかもございません。
○中桐委員 そうすると、まず、訪問販売法で悪徳商法の分類がありますが、そういったものに規定されている情報告知義務というのは、これは何ら、いささかもこの消費者契約法に基づく影響を受けないというふうに理解をしてよろしいんですね。
○堺屋国務大臣 本消費者契約法は、行政規定によるものでございませんで、民事ルールで定めたものでございまして、当事者間の紛争を公正かつ円滑に解決することを通じて消費者の利益を擁護しようというものでございまして、罰則規定ではございません。 したがいまして、トラブルの防止、個別法に基づく行政の特定分野における取り締まり規定というようなものがございますと、民事ルールだけでは不十分だというようなところがございますればそういう規定がございますから、おっしゃるように、訪販法その他の法律の規定は、これによって緩められることは全くございません。
○中桐委員 その点はわかりました。 しかし問題は、二つ目ですが、この消費者契約法を民法に関係する特別ルールとして導入をされるという意図、この意図が、先ほど私冒頭申し上げましたが、何を実効性を担保しようとしてこれを今必要とされたのかということなんです。 つまり、情報処理能力が、完璧にパーフェクトノリッジを得られないで消費者が契約をしてしまう、そういう人たちを、一方では規制緩和でさまざまな業界の中における市場競争が活性化するということを担保すると同時に、一方でパーフェクトノリッジが得られない消費者の保護のための規制というものを導入するということが私は必要だと思うんですね。個別業法だけではなくて、普遍的な契約の世界でも、やはりそこは配慮する必要があると私は思っているんです。 特に、トラブルが非常に起こっているのは、健康食品だとかエステだとか、つまりサービスの評価をちゃんとし切れない分野、そこにそごがいっぱい起こっているわけですから、そういうことを前提にして消費者契約法というのが導入されたとはとても考えられない。一般ルールの話として導入されるという意味が、私はまだいま一つよくわからないわけです。 ですからその点で、今、一方で規制緩和をする、これは必要なことであると。私もそう思うんですが、一方で消費者をきちんと保護する、規制をきちんとすべきところはする、その中に情報の告知義務というのがあると私は思うんですね。その告知義務は、既に、これまでの悪徳商法等に対する経験の中で到達した幾つかの業法の中にあるわけです。それをなぜここに持ってこないのかという問題であります。その点についてお聞きします。
○堺屋国務大臣 先ほども申し上げましたように、これは、あらゆる事業者と消費者の状況を、取引を規定しております。 今まで、訪販法であるとか宅建法であるとか今度の金融商品販売法とかいうようなのは非常に特定された分野でございますから、これなら、例えば訪販でございますと四つのサービス、五十三ほどの商品があるのでございますが、そういうものならこういう条件を言えばいいだろうということはかなりわかってまいります。ところが、お菓子屋さんから旅行代理店からずっと全部入れて、どういうことを言ったらいいのかということになると、大変難しい。 そうなりますと、やはりここは一歩前進の民法ルールをつくりまして、そして、特定のうそ、虚偽を言っちゃいけないとか、あるいはいいことだけ言って悪いことをあえて言わないとか、あるいは不退去、監禁というようなことで困惑させちゃいけないとか、そういうことをきちんと定めて限界を明らかにする。そういたしますと、あらゆる人々が、一応、これが法で認められたところ、そういう合理的判断ができてまいります。 さらに、この業界は難しいこういう問題があるよ、こういう新しいものが出てきて、これはこういう消費者に対して保護する、そのときはまたそのときで個別法をつくらなきゃいけないかもしれませんが、まず今は一歩前進といたしまして、こういう全般的な、予見可能性の高いルールをつくっておくことによって消費者の保護はできる。そして、その中で、そういうときは取り消されるという事実がございますことで、事業者に対しても、そういうことをしちゃいけない、得にならないという圧力を加える。 そういうことから、一方で悪徳な業者を抑える、そして他方では、新しいことをやってもその範囲ならできるんだというので新商法、新業態というものを活発にしていく。消費者と事業者との信頼関係を高める、その一歩の前進になるんではないかと考えております。
○中桐委員 ちょっとよくわからないんですね。 消費者が業者との間で契約をするときに、いろいろ重要な問題はあると思うんですが、一番重要なのは情報の処理ですよ。つまり、契約をするに当たっての情報の処理だと思うんですよ。そこを、一般的なものを、たくさんあるから、いろいろなものがあるから最低のところできちんと担保するということをやらないで、たくさんあるから特定規定はなかなか難しいというのが、今の大臣のおっしゃられていることだと思うのです。 それは個別業法にあるのじゃないですか。個別にいろいろ手当てをしてきたものは、別の法律であるわけでしょう。その中で、契約にとって、いろいろなものはあるけれども、私はやはり情報処理のところが最重要ポイントだと思うのですね。 そこで、例えば平成十年一月に報告が出されております国民生活審議会消費者政策部会中間報告、これは「消費者契約法の具体的内容について」という、名前が仮称になっておりますが、国民生活審議会が中間報告を出しております。 その中間報告の資料には、大臣、この「参考資料」のところに、地方消費者行政部局からヒアリングしているのです。つまり、消費者のいろいろな問題をアクセスして処理するという地方消費者行政部局、これからヒアリングしているのですね。地方行政担当者からヒアリングしているのです。それからその次に、消費者契約に関するヒアリングにおける事業者の所見、つまり、事業者からもヒアリングしているのですよ。 消費者団体からのヒアリングの内容はないものですから、ちょっとよくわかりませんが、消費者行政を担当している地方の行政の担当者からヒアリングをした内容と、業者のヒアリングの内容と、明らかに違うのです。 行政の担当者は、情報提供義務というのは非常に重要だと。重要事項に関する説明義務を課すことが必要だ、この資料では「説明義務は必要」と書いてあるのですけれどもね。つまり、重要事項に関しては説明の義務を必要とするよというのを、地方でいろいろ消費者行政に携わっている人の意見は、それをまず一番最初に指摘しているのですよ。 それに対して業者はどうか。業者は「正常な販売活動を行う業界に過度なリスク・負担を強いる。」こう情報提供義務のまず第一項目で言っているわけですよ。 つまりこれは、お互いの立場が違うということでしょう、大臣。明らかに違うということなんですよ。消費者行政でいろいろ苦情を聞いたりアドバイスをしたりする地方行政の担当者からいえば、情報提供義務というのはやはりどうしても要るよ、こう判断している。ところが、事業者は、余りにもそれを義務化されては大変だ、過度なリスク、負担を強いることになると言う。ここに意見の違いがある。 そこで、いろいろあったのだと思うのですよ、この法律をつくるとき。だけれども、そこで政策判断、政治の判断が必要になってくると思うのですよ。その点を考慮してもなおやはり一般ルールで、個別業法はもうあるのですから、それで規制しているのをもう一歩進んで普遍的なルールのときに、情報の告知義務というのを、まあ、罰則をつけるかどうかはまた次の段階の議論かもしれません。訪問販売法では罰則がついていますね、悪徳商法について。そこまでいくかどうかは次のステップですけれども。 ただ、事業者に情報提供の努力規定があり、消費者にも努力規定があるというのでいいのかという問題があって、そこは、ほかのものと一緒に一般ルールの世界で話をする中の、その他の規定とは違う政治的配慮をすべきだと私は思うのですが、大臣、どうお考えですか。 〔委員長退席、河本委員長代理着席〕
○堺屋国務大臣 確かにその点の議論はおありであろうかと思いますが、この消費者契約法をつくりますに当たりまして、国民生活審議会でいろいろ議論をいたしました。消費者契約法の内容について平成十年一月に取りまとめられました第十六回消費者政策部会の中間報告書というのが、先生御指摘のとおりございます。この内容を尊重いたしまして、そして昨年の十二月の第十七次消費者政策部会報告の内容に、十分尊重して加えたところであります。 取引の実態、トラブルの実態、あるいは我が国の法体系の整合性等を十分に考慮いたしまして、日本に、我が国の立法としてふさわしいもののコンセンサスを求めるということでつくり上げましたのが、現状の法律でございます。 これはいろいろの場合がございまして、委員御指摘のように、訪販法とか宅建法とかいうことになりますと非常に限られておりますから、提供すべき情報の範囲とかそれの義務とかいうことも可能なのでございますが、これが一般的になりますと、確かに消費者にはできるだけ多くの情報を提供すればいいということになりますが、例えば少額の取引で全部情報を提供せないかぬだろうかというような問題も出てまいります。 それから、消費者と面と向かう一番の断面にいる事業者というのは、大企業じゃございませんで、大部分は小売屋さんあるいは飲食屋さん、あるいはそれぞれの店員さん、従業員というような形になってまいります。そういう方が間違いなく多くの情報を提供するとなりますと、大変な手間もかかりますし、買い物をするときに延々と言わなければいけないというようなことが起こらないとも限らない。また、大工さんとかお仕事をされる方でも、なかなか口下手な方もおられまして、必ずしも、それが全部義務になると果たして世の中が円滑にいくのだろうか。 さらに、それを理由にして取り消しが来るということになりますと、世の中が、いつ何どき、あのときあれを言ってなかったから取り消しだということになりますと、非常に難しい問題だ。この消費者契約法というのは、民事法規として取り消しという大変厳しい効果を加えておりますから、世の中の取引の安定性という問題も出てまいります。 そういうようなことが国民生活審議会でもいろいろと出まして、消費者の方々の中からも事業者の方々も法律家の方々もいろいろな意見を出して、それでコンセンサスとして、やはりこのあたりがいいだろうと。これでさらに何か大変不都合なものが出てくれば、それはそれで特別法をまたつくることになるだろう、こういうような議論を経て、今日の成案を得ているというのが現状でございます。
○中桐委員 何かちょっとやはり意見の一致が見られないのですが、どうも抽象的で。 私は、今さっき大臣は個別業法が何ら抵触を受けないというお話がありましたが、しかし、やはり先ほどのお話からお聞きしていますと、基本ルールということになりますので、そういういろいろな普遍性を持ったものにしようとして、結局、消費者保護というものにおいて後退をしてしまうのではないか。 つまり、この基本ルールの解釈が、例えばいろいろな訴訟までいったときに、個別業法のレベルではない、基本ルールのところの解釈がなされたりなんかしますと、そこまで情報提供義務はないんだというふうな話になってしまうと大変ピンチなことになるのではないかと私は今でも思っておるので、その点は、何か大臣おっしゃりたいようですから、どうぞ。
○堺屋国務大臣 このルールができたから、従来あります法律の情報提供義務のついているものがこれで緩和されるということは絶対ございません。過去の同種のものを見ても、一般ルールに特別ルールがついているときにはそのような判決になっておりますから、これは、委員御心配いただかなくとも大丈夫だと思います。
○中桐委員 この議論をやっておると時間がどんどんたちますが、その大臣のはっきりした御答弁を踏まえて、私は、消費者のパーフェクトノリッジを得るための条件というのは、やはりまだまだ対等な契約ということになりにくいという問題があると思います。これからますます新しい分野の商法が出てくる可能性もありますし、情報化社会というふうなことになってくると、ますます情報の提供というのが、それこそ、この契約において重要な核心的情報は何なのかというふうなものを提供しなきゃいけないということは、これからまだ前向きに進めていかなきゃいけない問題だというふうに考えているんですが、この議論はまた別の機会にさらに深めていきたいというふうに考えておりまして、次の質問に移らせていただきます。 先ほどから議論してもそうですが、基本ルールということですね。例えば、個別業法で訪問販売のこういうマルチ商法のようなものにはこういう義務がありますよと言って啓発、宣伝をしても、たくさん苦情がふえてきているわけですよね。もちろんその苦情はすべて処理する段階に行ったという苦情だけではなくて、電話で相談があったというふうなものも全部入れての話ですけれども、非常にたくさん苦情が出ている。 そういう中で、一体、この法律ができて、消費者が、これはいい法律ができた、では自分たちはこの法律を大いに消費者のセーフティーネットとして活用しよう、そういうふうになるのかどうか。先ほどのいわゆる大臣の基本ルール、基本ルールという、この基本ルールが果たして消費者にどの程度徹底するんだろうか。何か、悪徳商法に対してはこうやりますよとかいう、クーリング期間はこうですよとか、こういうふうなことは、それなりにまた世間の話題になっているときには一定の影響が、啓発の効果が出ると思うんですが、こういう消費者契約法という基本ルールというものをつくって、一体どういうふうに消費者に、この法律の周知徹底というんですか、そういったものをされようとしていますか。 予算の措置やら、どういうキャンペーンをどういうところで精力的にやるとか、そういうことはどういうふうにお考えでしょうか。
○小池政務次官 この消費者契約法、今消費者の面もおっしゃいましたが、事業者にとりましてもよく御理解いただきたいということで、双方に対しての理解を深めるために啓発、情報提供を行ってまいりたいというふうに考えております。 予算的には、先ほど石毛委員にもお答えしたとおりでございますが、平成十一年度に比べますとさらに拡充をいたしまして、平成十二年度予算額ですね、これは全体でございますけれども、消費者契約適正化事業と呼んでいるくくりでございますが、これで八千二百三十五万円ということで、前年度よりも二倍以上というふうになっております。 では何をするかということでございますが、先ほどから委員も御指摘のように、マスメディアなどを通じたPRでございますね、それから、消費者契約教育への支援、インターネットなどの拡充ということで情報提供のツールなどもふやしてまいりたいと考えております。ですから、啓発、教育充実への支援、情報提供体制の整備、さらには、消費者契約被害救済のための連携体制の構築ということで、幾つかの分野におきまして、ぜひともこの法律を知ってもらいたいという努力は重ねてまいりたいと思っております。
○中桐委員 精力的にこれを、法律を制定されたらぜひやってもらいたいと思うんです。 そこで、きょう午前中の議論でも各質問者が全部取り上げていたと思いますが、政府が、こういう消費者の契約、つまり業者と消費者の間の契約のちゃんとしたルール化を図り、トラブルを起こさないで消費者契約ができるようにするということをやるためには、人材のマンパワーの充実、配置と、それから、啓発したり、あるいはトラブルが起こったときにそのトラブルを通じて、実はこういう消費者の契約というものがあるんですよということを、きちんとその苦情が発生した時点で理解を深めてもらう。そのためのシステムといいますか、政府、国の機関とそれから地方の機関というものが公的なところでどういう役割を果たすのかという問題があろうかと思うんですね。 一つ人材の問題も重要なんですが、午前中から生活センターの問題がたくさん出ておりました。消費生活センターがリストラでという話がもうそれぞれ質問者から出ておりましたが、さて、こういった新しい法律を啓発していくのに重要なのは、もちろん全部の都道府県であり市町村であると思うんですが、もちろん国の機関も率先してやるわけですけれども、そのときに、やはり、まずトラブルが起こる前にこういうものを知ってもらうというのが一番いいわけですよね。その次に、やはりトラブルが起こったときによく理解をしてもらう、それで、その理解をした人がまたさらにその理解を広げていく、こういうことになろうかと思うんですね。 やはり、全部予防で完璧にやれないということがあるので、そこで、消費生活センターというのは、そこを通じて情報が消費者に提供がされる、あるいは処理をする、あるいは場合によっては商品のテストをする、そういった機能を持つセンターというのが私はやはり非常に重要だと思うんですよ。経企庁が一生懸命頑張っても、国民生活センターがあっても、やはり、全国に生活している消費者に幅広く啓発をすることは不可能だと思うんですね。 そこで考えてみますと、この消費生活センター、私は岡山なんですが、隣の広島県では全廃をするという方針のもとに、二月の議会でこれは決定したらしいです。それで、この消費生活センターというものが一体どのぐらいあるか。これは経企庁の国民生活局の資料で見てみますと、平成十年四月一日現在で、都道府県が百三十五センターあるんですね。政令指定都市が十四ある。その他の市や特別区に二百三ある。そして町に七カ所ある。全部で三百五十九センターある。こうなっておるわけです。町というのは、人口が二万とか、あるいはもっと少ないところもあると思うんですが、そういうところでは七カ所しかないわけですね、平成十年四月一日現在ですが。 こういう状況で果たして先ほどの消費者に対する情報提供などもうまくいくんだろうか、あるいは苦情処理ができるんだろうか、こう心配になるわけです。都道府県が、リストラで消費生活センターをやめようというようなところがちらほら出ているというふうな状況になってまいりますと、一方でこういう消費者契約法という基本ルールを決める法律ができても、一方で、そのことが十分伝達をされて、あるいは問題が起こったときの苦情処理が十分対応できるという状況になっていかない状況が出てきつつあるのではないのかという心配がある。 そこで、端的にお伺いしますけれども、今小池政務次官が、るる予算をしっかりつけてやりますよとおっしゃったのですが、町は七カ所しかないのですから、この七カ所がどういう機能状態になっているのかというのも知りたいところなんですが、果たして本当に、人口が二万前後の市町村で、都道府県の生活センターが苦情処理をしていた、あるいは情報提供をしていた、そういう機能が移していけるのかどうか。その点を、率直なところ、御意見をいただきたいと思う。
○小池政務次官 今、消費生活センターの問題が御指摘ございました。また、委員の方から数字を幾つかお出しいただいたわけでございます。出版物といたしましてお手元の数字をお出しになったわけですが、現在のところ、平成十一年度でございますが、合計いたしますと四百十二カ所、そして、都道府県立ということでは百五十九カ所、あとは政令指定都市、市町村立の消費生活センターということで、ざっくり言っておよそ四百という数字になっているところでございます。 それで、やはり地方の財政も今大変困難な状況にあるということで、苦渋の決断で縮小再編されているところも数多く出てきているわけでございます。また一方で、経済企画庁とすれば、苦情処理等における地方自治体の果たす役割は大変重要であるという認識があるわけでございまして、その意味で、消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように、地方自治体に要請を行ってきているところでございます。 ただ、基本的な部分は、この四月から地方分権、一括ということで、ますます地方分権の流れになってきているわけでございまして、それぞれの地方が何に重きを置いて行政を行っていくのかということは、むしろ地方がお決めいただく。それをしっかりと、バックアップできるところはしていくというのが大きな流れではなかろうかと私は感じているところでございます。 また、今回の消費者契約法というのも、規制緩和という大きな流れに伴っての、いわゆる安全ネットのような形でつくっていくものでございますし、ですから、そういう大きな流れで申しますと、それぞれの地方の優先権の問題ということも言えなくはないかというふうに思います。 また、効率的な情報というのを、お互いに国、地方その他、せっかくの情報を生かしていくということも苦情処理の適切かつ迅速な処理にも資するわけでございまして、消費生活センター、各地にあるところから上がってくる情報をうまくオンラインという形にいたしまして、PIO—NETという全国消費生活情報ネットワークシステムを構築するなど、経済企画庁といたしましても、いろいろなサポートも行っていきたい、そういう考えでおります。
○中桐委員 地方自治の時代というのはもうそのとおりで、全く異論はありません。そのことを踏まえた上でも、午前中も小池政務次官が、昭和四十五年国民生活局長通知なんというのがあってやっているんだという話があったのですが、その結果が町で七カ所のセンターしかできていないということですから。 私は、やはりこれは地方自治という形で市町村がきちんとやるということ、しかし市町村も、今の市町村でいいのかという問題もある、いろいろある。基本は小池政務次官の今おっしゃったとおりで結構なんですが、しかし政府としては、それはそれで、そういう方向で行ってくださいよということと同時に、必要な、例えば地域生活圏に何か都道府県センターのようなものがサポート体制としてあって、そこにおんぶに抱っこじゃなくて、さらに市町村がどんどん特色を出してやれるような形に持っていくというふうな、何か基本的な方向性は必要だろうと思うのです。 そうしないと、何か知らないけれども、紋切り型の答えが返ってきて、実態に合わないじゃないかということがある。いや、そんなことはもう地方の問題ですし、地方が考えればいいんだということで終わってしまう理解では困るのではないかと思うのですが、その点で、もうちょっと前向きな方向は出せないものでしょうか。
○小池政務次官 私は、もう地方分権の時代なんだから地方が責任を持ってやるべきだと別に突っぱねているわけではございませんで、基本的な大きな時代の流れ、そしてそれぞれの責任分担の仕分けということを申し上げたので、そこは御理解いただきたいと思っております。 先ほど来申し上げておりますように、今回の消費者契約法の実効性確保のためにも、消費生活センターの役割はますます重要なものというふうに考えておりますし、また、今後とも十分な支援を行ってまいりたいと考えていることについては依存はございません。
○中桐委員 それでは、ぜひ今の政務次官のお答えの方向で、全廃をしようというふうなところもあるようですけれども、市町村が基本になってやる方向ですよということは大前提にしながら、そういう問題についての対処もそれなりにしていただかないと、だんだんそういうのがふえてくるような気配もございますので、そこは都道府県のセンターの役割と市町村の役割はそれぞれが違った役割として有効に機能するということが重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 最後に、警察庁の方、通産省の方もお呼びしているので、ちょっとお聞きしたいのです。 先ほどの消費者契約法からちょっと話が個別の話になってしまいますが、マルチ商法とか、最近ではモニター商法などといって、いろいろな悪徳商法業者が後から後からいろいろな形で出てくるのですが、こういったものについて今どういう状況になっているのか、国民生活センターや消費生活センターにおける被害、苦情の訴えなんかはどういうふうになっているのか、こういった点について、簡単で結構ですから、経企庁の実態把握をちょっとお聞かせください。
○小池政務次官 数字を挙げてよろしゅうございますでしょうか。 国民生活センター等に寄せられておりますマルチもしくはマルチまがい商法に係る苦情件数でございますが、平成七年度で六千二百七十五件、八年度で九千五百十七件、九年度で一万三千三百四十八件、十年度で一万五千百五十二件、十一年度一万五千二十一件。 また、モニター商法に係る苦情件数ですが、平成七年度が七百七十件、八年度千八十四件、九年度千四百八十八件、十年度二千九十四件、十一年度四千三百五十七件。スピードが速かったので、後でまたお渡しします。
○中桐委員 どうもありがとうございます。非常にふえていますね。平成七年度から見ますと、倍増ですね。 こういった状況がある中で、私は、事業者の自主的な努力でいい事業をする、事業者団体の自主努力というのが一番いいと思うのですよ。しかし、この実態を見ていますと、どうもアウトサイダーの人たちがたくさん徘回をして、トラブルを起こしているという実態があるのですが、こういった商法に対する主務官庁としての通産省は、この実態に対してどういう認識をされているのでしょうか。
○茂木政務次官 今、小池政務次官の方からもありましたように、最近、国民生活センター等に寄せられているいわゆるマルチ商法に関する苦情の相談件数が増加している、これは大変厳しい状況だなと思っております。 通産省といたしましては、平成八年に訪問販売法を改正いたしまして、例えばクーリングオフの期間を従来の十四日から二十日に延長する等の規制強化の措置を講じて、これまでの法の厳正な運用に努めてきたわけでありますが、それでもふえている、こういうことがございましたので、昨年、再度訪問販売法の改正を行いまして、違反行為に対する罰則の強化を行ったところでございます。 今後とも、悪質な商法に対しましては、警察庁等関係機関と連携を図りつつ、法の厳正な運用に努めてまいりたいと思っておりますが、同時に、例えばテレビ番組であったりとかパンフレットの作成、配布等によりまして消費者の啓発を推進いたしまして、被害の未然防止のための努力もしてまいりたい、このように考えております。
○中桐委員 法律を改正して罰則も強化する、クーリングオフ期間も広げる、そういうことでもやはりふえるということになりますと、一体どういう措置がいいのか、なかなか難しくなるのですが、これは一体、景気とは関係あるのでしょうか。通産省、どうですか。今の景気とこういう悪徳商法のトラブルの増大というのは、関係あるのでしょうか。大臣、あるのですか。
○堺屋国務大臣 景気の下降局面には多少関係があるという説もございますけれども、むしろ、新しい商法がふえたことと、それから消費者自身が目覚められたということが、PIO—NETに寄せられる苦情の内容を見ていますと、消費者自身がかなりいろいろ相談してみようという目覚められた点がございまして、その意味では、各地の消費者センターあるいは我々の国民生活センターなどがやっておることもむだではなく、消費者に受け入れられているというようにも思っております。
○中桐委員 なかなか難しくて、その辺は御見識の高い堺屋長官の御意見、大変貴重な御意見なんですが、目覚めてきたということなんですが、しかし一方で、そういう目覚めた人たちが、欲求不満に陥らないでちゃんと処理ができたかどうかという問題がこれからの問題になってこようと思うのです。 その場合、こういう非常に悪徳な商法に対しては、最近警察は非常に評判が悪いですけれども、こういうときに警察がやはりひとつ、いや私どもは一生懸命やっていますよというのを示すのに、これだけ苦情がふえている悪徳商法に対する、私は自主努力で業者がよりよい事業をするというのが一番いいと思いますけれども、しかし、どうしても悪質のものについてはペナルティーをきちんとやらなければいけない。 そういうときに、警察は、こういう苦情がふえてきている、それは堺屋長官の言う消費者の目覚めもあるでしょう、しかしそれだけと言えるのかというぐらいに物すごい勢いでふえているので、こういった問題に対して警察は一体どういう認識で、これからどういう対応をしようとされているのか、その点についてお聞きしたいのです。
○黒澤政府参考人 お答えいたします。 ただいま統計数字も出ておりましたが、こういった数字は消費者とのトラブルが増加しているということをうかがわせるものであると考えておるところでございます。 警察といたしましては、悪質な商法による消費者被害やその拡大を防止するためには、関係機関の諸施策ももちろん大事でございますが、やはり警察の厳正な取り締まりが有効であると考えておるところでございます。 訪問販売等に関する法律あるいは刑法等の刑罰法令に違反する行為につきましては、積極的にその取り締まりを推進するよう、警察庁におきまして各都道府県警察を指導してまいったところでございまして、今後とも、各地の消費生活センターを初めとする関係機関との連携の上、悪質商法の実態把握に努めまして、刑罰法令に触れる行為につきましては厳正に対処してまいる所存でございます。
○中桐委員 警察が一生懸命まじめにやっているよということを示すためにも、こういった消費者のトラブルをできるだけ少なくするために、ぜひ積極的な対策を講じていただきたいと思います。 時間があと一分ぐらいになりましたので、最後にまとめを申し上げて終わりたいと思います。 冒頭議論いたしましたように、私は、消費者の契約に関する決定的に最重要なポイントはやはり情報処理だと思います。情報処理の場合に、まだまだ業者と消費者が対等なところに行くにはほど遠い分野がたくさんあって、契約の中できちんと消費者を保護するということは非常に重要なポイントだと思っております。ぜひ、情報告知の、基本的なエッセンスの情報というものについてはどういうものをきちんと業者に義務づけたらいいのかという点については、今後の課題として私は十分検討しなければいけないところだろうと思います。 それからもう一つは、消費者保護基本法というものの中に、国の役割、市町村、都道府県の役割が明記されているのですが、これは午前中の質疑の中でも出てきていたところなんですが、この法律についても少し、地方分権、地方自治の推進というものと、国が消費者保護というものについてどういう役割を持ったらいいか、都道府県の役割をどうするか。人材の問題、システムの問題、この点については検討の余地があるのではないかということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○河本委員長代理 枝野幸男君。
○枝野委員 民主党の枝野でございます。 それでは、経済企画庁以外にも政務次官においでをいただいておりますので、そちらに関連する方から、ちょっと論理的な順番からすると違うかなとも思うのですが、そちらから先に質問をさせていただこうというふうに思います。 金融商品については、この消費者契約法とほぼ同時並行で金融商品販売法の議論がなされて、大蔵省から国会に法案が提出されているようでございますが、これについて、いわゆる商品先物取引が除外をされている。しかも、通産省が抵抗して対象から外されたというような新聞記事、例えば私の手元には三月三十日付の産経新聞がございますが、金融商品についての金融審議会の部会長さんの話として出たりしております。 この金融商品販売法から商品先物取引が除外をされたということ、しかも、それが通産省の抵抗で除外されたということについて、大蔵省と通産省それぞれのお立場から、理由といいますか、御説明をいただきたいと思います。 〔河本委員長代理退席、委員長着席〕
○林政務次官 お答えを申し上げます。 委員からは、金融商品販売法の対象に商品先物がなぜ入らないのかという御質問だったと思います。 御存じのとおり、この販売法案は、金融商品の販売について販売業者に説明を義務づける、よって、説明しなかったことによって生じた損害を要するに不法行為として構成いたしまして、民法の特例として定めておるということで、このことによって金融サービスの利用者の保護を図るという法案でございますが、今申し上げましたように、金融商品の定義ということになるわけでございまして、この商品先物取引が金融商品に入るかという判断をどうするかという問題になろうかと思います。 商品先物取引については、本質は、商品という実物、物を取引する、その先物ということでございまして、金融商品には当たらないという解釈をしておるわけでございます。 我々の方の法案の対象は、金融商品として預金、保険、有価証券等幅広く列挙しておりまして、ただ、審議会の中ではなかなか一概に、これが金融商品でこれが金融商品でないという、難しい事例も出てこようということでございますから、今後登場する新しい商品については政令で定めるということになっておるわけでございます。 そうした理由で入っておらないということでございます。
○茂木政務次官 審議会の中では当然活発な議論が行われて最終的な整理がなされたということであると思うんですが、今林次官の方からもございましたように、金融商品の販売等に関する法律案、これは説明不足によるトラブルの防止を一つの眼目にしているわけでありますが、商品先物取引について申し上げますと、そういった説明不足によるトラブルの実態というのはほとんどございません。同時に、単なるお金のやりとりとは違いまして、商品という実物、物の売買取引であるということから、この金融商品の販売等に関する法律案の対象にはならない、こういう整理がなされていると理解をいたしております。 なお、商品先物取引につきましては、それ以前から、一般投資家の保護の観点に立ちまして、商品取引所法によりまして、金融商品の販売等に関する法律案の規制内容である説明義務や勧誘方針の策定、公表について、御指摘のありました法律以上に厳格な規制を既に行っているところでございます。
○枝野委員 商品先物が現物だからということで、いわゆる金融とは違うという理屈は非常によくわかります。非常によくわかりますが、それは業界を規制する側の立場というか、あるいはまさに理屈の世界の話でありまして、今通産次官からお話がありましたが、いわゆる消費者被害的な側面で、商品先物取引に関してはさまざまな問題が指摘をされている。 そして、一般投資家といいますか、そういう立場から、少なくとも素人の投資家の立場からすれば、対象が株の先物であろうが商品の先物であろうが、一番典型的に言えば、これをやったらもうかるよと、リスクについて説明がなく、もうかるよということで勧誘をされてそこに入っていった場合には、対象が株式の先物か現物の先物かということは、基本的には消費者の側からは関係ないんですよね。 そういう中で、実はこれをこの委員会の質疑でお出しをいたしましたのは、先ほど来、民法の特別法として今回の消費者契約法がある、さらに、いろいろな業種があるからそれについてはそれぞれにいろいろな法律があって、こういうような方向での話がなされております。では、どこまでがいわゆる消費者契約法を所管している経済企画庁、来年の四月からは内閣府がやるべき話なのであって、どこからがいわゆる各業界を所管する大蔵省なり通産省なりが所管をする話であるのかということの線引きが、かなりこれから大事じゃないかなというふうに思っております。 今、お二人の政務次官からお話がありました話で、あくまでもそれぞれの商品とか取引の性格から見たときにはおっしゃったとおりの話でありますが、しかし、一般の投資家というか消費者という立場から見れば、金融先物であろうと現物の先物であろうと、基本的には大差がない。そこが、違った役所が所管をし、しかも違った法律でコントロールされている。 もちろん違った法律でコントロールされる側面があってもいいんですが、投資家保護という側面からは、むしろ共通、横並びで、経済企画庁なら経済企画庁がやるべき種類ではないだろうかと私は思うんですが、これは経済企画庁、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 私どもが今審議をお願いしております消費者契約法では、金融商品あるいは商品先物であっても、消費者と事業者との間に締結される契約である限り、対象になります。 ただ、こちらの法律は非常に広い範囲で構えておりますので、商品、金融商品なりあるいは商品先物なりの特性に合った部門というのがもしございますれば、それは特別法の方、つまり金融商品販売法の方で処理していただくのが適切だ。 私たちの方は、包括的にそういうものも含めて、この消費者と事業者との間の契約を見ているというような立場でございます。
○枝野委員 それはそれでよろしいんです。つまり、一般的に、消費者契約全般について消費者契約法でやる。その特別法として、それぞれの取引の特性に応じて特別法がさらにできる。それはそれで結構なんですが、その特別法についてはだれが所管するのか、どこが所管をするのかという話を申し上げているんです。 金融サービスについては金融サービス法という形で消費者契約法の特別法はあるべきだ、それでいいんです。しかし、今例えば現実にこれについて、先物取引については、金融先物という種類であれば個別の金融商品販売法の範囲に入るといって、大蔵省が所管をされる。でも、現物の先物については入らないということになっているわけです。それで両政務次官においでいただいたわけです。 それはあくまでも、業やサービスそのものをコントロールしようという役所の縦割りの理屈としてはわからないではないんですが、消費者の立場からすれば、対象が株であろうと金であろうと、先物取引を勧誘される消費者の立場とすれば一緒だろう。それがたまたま所管官庁が分かれているから、そういうところをまたがっているから、そこにはいろいろ理屈があるのはよくわかるけれども、消費者、一般投資家ということの立場からは、省庁横断的に見る従来の経済企画庁、来年の四月からは内閣府というものが本来所管するべきで、それを大蔵省にお預けをしてお任せをして、大蔵省と通産省、あるいは厳密には農水省でしょうけれども、そこでやってくださいじゃなくて、順番はあるでしょうが、本来は、消費者契約法ができたら、金融サービスについてどうするかということは経済企画庁が所管をしないと、消費者の立場ということとずれた視点になってしまうんじゃないかということを申し上げたんです。
○堺屋国務大臣 役所の所管を考えるときに、金融なら金融という系列で考えるか、消費者という系列で考えるか、これはいつも非常に難しい問題でございまして、ずっと経緯その他さかのぼっていきますといろいろとおもしろい例が出てきて、私も役人をしているときには、ハトがなぜ郵政省かとか、犬はなぜ農林省かとか、一生懸命調べたこともあるのでございますけれども。 この消費者という観点からは、消費者契約法では決してこれを外しておりません。だから、消費者と事業者という観点では我々は所管しておりますけれども、これが金融商品という特性を持ちましたときには金融関係の大蔵省になる、こういうことでございます。 だから、もし消費者契約法に基づいて救済を求めようということでございますれば、つまり取り消しを求めようということでございますれば、これは必ずしも排除するものではございません。
○枝野委員 消費者政策というのは何なのかということなんですよ。 先ほど来ずっと出てきておりますとおり、事業者と消費者とでは、そもそも契約に直面したところから、情報量などについて実質的な格差が大きい、だから消費者契約法で実質的な対等性を確保しなきゃならないんだということでありますね。まさにこれが消費者行政ということだと私は思うんです。 そういうことを考えたときに、例えば金融商品販売法などの考え方というのも、少なくとも基本的な考え方にあるのは全くそこと共通をしている。つまり、金融商品などについて、非常に専門性が高い。これは、物を売る金融業者、広く言えば先物取引などを含めて業者の側の持っている情報量などと比べて、一般の素人の取引に加わる個人との間では情報量その他の格差が大きいから、そこについて業者との間の実質的な対等性を確保しようというところに本質があるんだと思うんです。という視点は、経済企画庁が今やっている消費者契約法と金融商品販売法との間の共通性が非常に大きいというふうに思います。 確かに、金融という側面から見れば大蔵省の方が流れはあるんだ、わかりやすいんだ、あるいは現物の先物取引だったら通産省や農水省だというのはわからないじゃないですが、あくまでも業を行う側、事業者から見たときには、これは金融について扱っている業だから大蔵省の所管ですねとか、これは現物を扱っているんだから通産省の所管ですね、これは農産物を扱っているんだから農林省の所管ですね、売る側から考えれば非常にその理屈でいいんですけれども、消費者行政という立場から見たときには、消費者契約をやるのと同じ理屈の中でそれぞれ具体的なケースはどうしようかという特別法の世界に入っていくので、私は、本来は経済企画庁が所管をするような形にした方が、そして、これからは内閣府という形でさらに役所全体をまたがる形で物を見ていくわけですから。 個別の省庁が非常に業種別に分かれているという実態の中で、経済企画庁、これからの内閣府の役割というのは、まさに各業種が業界の縦割りになっているという弊害を除いて、消費者という、あるいは情報量等の実質的な格差があり弱い側の立場に立って物事を横断的に見てみるという役所の立場から見れば、経済企画庁がむしろ積極的にこういうのはうちがやりますということでおやりになった方がいいのではないかというふうに思うんです。 役所の所管の話なので、大臣や政務次官限りではお答えになれないことが多いのはわかっていますが、恐縮ですが、大臣と、せっかく待っていただいている大蔵と通産のそれぞれの政務次官、いかがでありましょう。
○堺屋国務大臣 お説もっともなところもございますけれども、金融商品と限定いたしますと、消費者と事業者、この間には、より一般的に言う以上に重要な問題、情報があろうかと思います。 この金融商品の販売等に関する法律は、これから二十一世紀を展望した金融サービスに関する基盤整備を定めたようなものでございまして、このような必要性の高い分野におきましては、対象を限定してその情報を提供する。我々の消費者契約法は一般的でございますから非常に限定しにくい部分がございますけれども、こちらの方は金融商品に限定しておりますので、限定して情報の提供を、項目を具体化して、そして予見可能性の高い形で説明義務を課し、それに違反したときの損害賠償の責任等々、金融であるがゆえに特別の消費者保護の観点をとっております。 同じようなことを全部の業界に広げますと、とてもじゃないけれども、小売店はどうだ、旅行店はどうだ、工務店はどうだということになりまして、これがかないません。それで、金融商品販売法は、金融商品の販売にかかわる顧客の保護を図るという点において、立法目的としては私たちが消費者を守ろうというのと共通の点はございますけれども、消費者契約法と要件や効果を異にしております。このため、消費者契約法案との相互補完的な役割としてこの新たなシステムを提供している、こう考えていただいたらいいのではないかと思います。 具体的なトラブルに応じましても、消費者契約法、金融商品の販売等に関する法律、それから民法の中にございますトラブルの内容に相応する法律等が相まちまして、全体を円滑にしていくのではないか。一つの商品に限られたものをここへ取り入れてまいりますと、消費者全般の保護とその商品の特性にかかわる問題とが分断しにくくなるんじゃないか、こう考える次第でございます。
○茂木政務次官 枝野議員御指摘の省庁間の縦割りの問題につきましては、傾聴に値するな、今後とも議論が必要なテーマだ、こんなふうに思っておりますが、例えば一つの商取引を見ましても、見る観点によっていろいろな政府としてのチェックというものが必要なんだと思っております。基本的な消費者に対する保護という観点から見るか、例えば商品の売買が適切に行われているか、私どもが所管しております商品取引所法、これでいいますと、例えば鉱工物、それから農産物の生産流通の円滑化、こういう視点も出てくるわけでありまして、そういった視点からのチェックというものも同時にかかわってくるのかな。 いずれにしましても、通産省それから経企庁を含め、省庁間の連携をもっとよくしていく、こういうことが必要だと思っております。
○林政務次官 お答え申し上げます。 委員の御指摘も非常に興味深く拝聴させていただきましたし、なるほどなと一方で思いながら聞かせていただきました。今、長官、また次官よりお話がありましたとおり、金融の世界では消費者であると同時に投資家という概念がございまして、投資家としていろいろな金融の中に入ってこられるという方にその金融独自のルールを課そう。それよりもっと広い概念でもちろん投資家は一方で消費者である場合が多いわけでございますから、金融のこちらの方で適用されるからもう消費者保護法は適用されないというわけではなくて、契約類型によっては重なって適用される場合もあるわけでございまして、そういう頭の整理かなというふうに思っております。
○枝野委員 これ以上はこの話にこだわりませんが、若干。 大臣、私は、消費者契約法の中に金融のことを考えて何か規定を入れ込めということではなくて、消費者契約法とは別に特別法で、金融サービスについての特別法、投資家保護のための法律をつくるのはむしろ経済企画庁であって、そして、それとは別に、今茂木次官がおっしゃられたとおり、業を、業界を所管する役所として必要な法整備はそれぞれの所管庁でやってという役割分担の方がいいのではないかということを申し上げているのであります。 では、両政務次官、もしほかの御予定があれば結構であります。 これも順番からいくともっと後かなと思うんですが、法務政務次官においでいただいておりますので。 今回の法案をつくっていく過程においても、団体訴権、いわゆる消費者団体等に違法な約款等の差しとめの訴訟を起こす権限を与えるべきではないかということが議論になりました。実は、これは民主党案にも残念ながら入れることができなかった。そう簡単にクリアできる問題ではないと思いますが、しかし、遠からず何とかこれを実現しなければいけないという立場から、もし、団体訴権、差しとめ訴訟というものを今後採用しようとしたときに、今何がひっかかっているのか、何が問題だからここに踏み込んでいけないということであるのか、法務省の立場からの御見解をお示しください。
○山本(有)政務次官 先生御指摘の消費者団体等による差しとめ請求権、団体訴権と言いますが、その制度を採用するに当たりましては、一つには、差しとめ請求権を認める団体の資格要件、二つには、団体訴訟の判決の効力などの問題をクリアする必要がございます。また、三点目に、乱訴のおそれ、これを指摘する意見もあり、これらの問題点を十分に検討した上で採用の可否を決する必要があると考えております。
○枝野委員 民事裁判は国によってシステムが基本的に違っていたりしますので、外国でやっているから単純に引っ張ってこられるわけではないのはよくわかっておりますが、諸外国でこうした制度を取り入れている国があるのかどうか、そのことについて法務省としてはどれぐらい把握をされているのか。把握をされているとすれば、どういった国で、どういうふうな感じで今の問題点をクリアしていらっしゃるのか。わかる範囲で結構ですので、お願いいたします。
○山本(有)政務次官 団体訴権を採用している代表的な例はドイツでございます。平成五年、一九九三年、EC閣僚理事会におきましてEC不公正条項指令が採択されたことから、EU加盟国におきましては国内法の改正を進めておりまして、現在ではドイツ、フランス、ギリシャ等が団体訴権を採用しているものと承知しております。 法務省におきましては、逐次これらに関連する資料を入手し、その動向の把握に努めているところでございます。
○枝野委員 ここで民事訴訟法の理論の話をがちゃがちゃやってもあれですので、これぐらいでとめておきますが、ちょうど司法制度改革審議もなされております。民事訴訟全体の基本構造にかかわる問題だとは理解しておりますが、非常に重要性の大きい話でありますので、これは所管が経済企画庁であるべきなのか法務省であるべきなのか若干悩ましいんですが、非常に民事裁判理論の根本にかかわる問題ですので法務省がリードしていかざるを得ないと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたい。 法務委員会も開かれていると思いますので、もしあれでしたら結構でございます。ありがとうございます。 それでは、本体の方で幾つか確認をしていきたいところがございますが、まず一つ目に目的の規定であります。 目的の規定のところで幾つか問題点がありまして、一つには、事業者と消費者との格差まで書いてあるのに、格差の是正と明示をしていないということ、これは本会議でもお尋ねをしました。それも聞きたかったのですが時間がないと思いますので、もう一つ、目的の中が非常に細かく書いてございます。 つまり、第一条のところで、「一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとする」あるいは「事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより、」非常に細かく具体的に、法律の中身まで書き込んで目的としております。 先ほど来のお話のとおり、この法律は民法の特別法として、その面では特別法という側面なんでありますが、いわゆる消費者を保護する立場から民事裁判ルールを規定するという意味では、各個別のさまざまな取引類型からすると一般法であるというふうに思います。 ということであるならば、もっと端的に、一般法として不当な取引を防ぐというようなことをお書きになった方が、長官はどこまでお考えになっているかわかりませんが、今の法律は、少なくとも長官の午前中の御答弁の仕方でも、今現在はベストだと思うけれどもこれからいろいろな商取引の形態もコンピューター化の中で変わっていくということ、そしてその場合にはいろいろ変わっていくだろうということはお認めになっているわけで、一般法としての法律の目的が、例えば商取引の形態がいろいろ時代の変化に応じて変化してきたときに、この目的まで変える、変えなきゃならなくなるということであるとすると、僕は法律のつくり方としてちょっと違うんじゃないか。 ここは我々と政府で考え方が違うわけですが、たまたま今の時代的背景の中ではこの二条以下に書いてあるルールはこのルールだけれどもということは、それはそれで意見の違いでわかりますが、それにしても、第一条に書く目的はもっと普遍的にお書きにならないと、消費者取引一般についての一般法的な性格を持っているということにはならないじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 通常、目的規定は、その法律の立法目的を簡潔に表現したもので、その法令の達成しようとしている目的の理解を容易ならしめるもの、その法令の他の条文の解釈に役立つものというような趣旨で設けられておると思いますが、本法の目的規定は、消費者と事業者との間に存在する情報の質と量並びに交渉力の格差に着目いたしまして、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合についての契約の申し込みまたはその承諾の意思の表示の取り消しができること、これは第二章の趣旨をそのまま書いております。それから、消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部または一部を無効にすること、これは第三章の趣旨をそのまま書いております。そのことによって消費者の利益を擁護する。この法律の仕組みといいますか、段階を三つに分けまして、それの目的を書いている。 こういう書き方は、本法案の主な内容に即して立法目的を簡潔、この簡潔かどうかというところはちょっと委員と意見が違いますが、簡潔な表現として、目的等の書きぶりとして我々は適切なものだと考えております。
○枝野委員 ちなみに、私どもが出している法案ではこう書いてあるわけです。消費者契約の効力等に関し必要な事項を定めることによりと。つまりこれであれば、どういう類型のものを、例えば取り消しは無効の対象にするのか、これは時代の変化に応じて変わってくるだろう、あるいはその処理の仕方として無効や取り消しだけでいいのか、ほかの方法もあるかもしれないということについても、効力等に関し必要な事項を定めるということで、いわゆる民法の特別法であるということはここできちんと示しますが、どういう行為を対象にし、どういう効力を認めるのかということについては具体的に書き込んでいない、だから一般法なんだ、消費者契約に関しての一般法なんだということだと思います。 逆に言うと、これだけ具体的に目的を書いてしまいますと、つまり、今この法律に書いてある類型以外には消費者契約一般法として取り上げるであろう契約類型やあるいは効果というものは将来にわたってないんだということをおっしゃるんであるならば、こういう目的なのかもしれません。ここは今現在でも考え方は我々とは違うわけですが、しかし、将来の契約あるいは時代の変化に応じてさまざま多様な、今予想していない契約類型が考えられるわけですから、例えば「事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他」ということに限らずに、いろいろな形で消費者の利益を不当に害するようなものが問題になって、これも一般法として対応しなきゃならないなという時代が来る可能性は十分ある。そのことを一般的に否定をしてしまっていいのかどうか。 そうだとすると、一般的に否定してしまうとすると、私はむしろタイトルを変えるべきだと思う。消費者契約法ではなくて、これこれこういった消費者契約についての法律と細かく書いていただかないと、一般法ではないと思うんです、こういう目的だとすると。
○堺屋国務大臣 この目的条項に書いてある部分は、それぞれの事業者の一定の行為により消費者が誤認しとか、それぞれの具体的事実じゃなしにその経路を書いてあるのでございまして、恐らく今後Eコマースが出てきても、こういうような、例えば業者の一定の行為により消費者が誤認し、困惑しというのは変わらないだろう、こういうことは相当一般的に言えることだろうと考えて、こういう目的にいたしました。 目的条項というのはこの法律の目指すところ、これから特別法、個別法が出てくることもございますので、そういう意味でこの程度の書き方が適切ではないかと私たちは判断しておるわけでございます。
○枝野委員 これは、大臣や政務次官と議論するよりも、むしろ法制局と議論した方がいい話かもしれないんですが、要するに、どうもいわゆる一般的な行政取り締まり規定の目的のつくり方をそっくり持ってきてしまったんだと思うんです。もし民法にこういうふうな目的規定があったら、明らかにおかしくなりますね。民法について、いいですよ、物すごい、五ページぐらいの目的を書けば書けますよ。でも、民法は一般法ですからそんな細かい具体的なことは書かない。まして、時代の変化に応じていろいろと解釈から変えていかなきゃいけないわけです。 これはあくまでも裁判法規で、しかも一般法ですから、どうしても消費者契約のうちのこの類型の取引についてだけやりますということの法律であるならば私はわかりますが、本来は、もしこの目的であるならば、法律の目的は、一定の行為により消費者に誤認または困惑せしめる行為及び事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他消費者の利益を不当に害することとなる条項を規制する法律ということで書くべきで、将来にわたって消費者契約についての一般法をこういう目的で縛ってしまうというのは明らかにおかしいし、特に後段の方ですね、「事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項」という「その他」の前の例示だなんというのは明らかに縛り過ぎであって、法律の中身で縛り過ぎているということについても不満はありますが、少なくとも目的のところはもっと一般的に、これは消費者契約についての一般条項です、一般法規ですということをお示しにならないと、ここは実体に影響しませんので、理屈の世界の問題ですのでこれ以上は追及しませんが、私はおかしいということを指摘しておきたいと思います。 もう一点だけ、目的についてお尋ねをさせていただきます。 実は、これもお役所が好きでいつも最後につけるのですが、「もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」この二つが究極の目的だということなんだろうと思いますね、その日本語としては。その前が「消費者の利益の擁護を図り、もって」ですね、「もって」の後が究極の目的です。 そもそも、消費者行政とは何なのか、政治とは何なのか、経済政策とは何なのかという話なんですが、私は、これは論理が違う。国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展というのは並列ではない。国民経済の健全な発展を政治が行うのは大事な仕事ですけれども、まさに国民生活の安定向上が究極の目的で、そのための手段として国民経済の健全な発展というのがあるのだと思うのです。目的と手段を並列にするのは明らかに論理矛盾だと私は思いますが、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 さっきの目的論でございますけれども、民法は目的項目がありましたでしょうか。(枝野委員「ありません」と呼ぶ)ないですね。だから、民法で書くということはないと思うのですが、この書き方は、前につくりましたPL法、いわゆる製造物責任法、あれと同じような書き方をしておりまして、その踏襲をしているというのが一つあると思います。 それから、今のところでございます「もって」というのは手段と読むのか、それとも前置的目的と後置的目的と読むのかという議論が、かつてからずっとございます。これは我々の、我々のといいますか、一般的に書かれているときには、消費者の利益の擁護を図り国民経済の健全な発展に寄与するというのは、先に消費者の健全な擁護を図り、それが決して手段ではなくして最初の、手前の目的で、次の目的として国民経済の健全な発展に寄与する、こういうふうに使うときもかなりあろうかと思っております。
○枝野委員 いいですか、ちょっと正確に聞いてください。私が問題にしているのは、国民生活の安定向上、これが私は政治の究極の目的だと思います。このことと、国民経済の健全な発展という目的、これは明らかに次元が違うのではないかと私は申し上げているのです。 よく経済政策は大切だということを言います。私も大切だと思います。でも、経済政策が大切なのは、国民生活の安定向上のための手段として経済が大事なんであって、経済が幾ら発展をしようが国民生活が安定向上しなければ何の意味もない。したがって、経済の健全な発展というのは明らかに国民生活の安定向上という究極目的と次元が違うというふうに思うのですが、いかがですか。
○堺屋国務大臣 なかなか哲学的、経済学的議論でございますが、普通に我々が言いますときに、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展と言う場合は、国民経済は全体として長期的発展を指しております。したがって、国民生活、それぞれの人々の生活の安定と、それから投資、循環あるいは長期成長、経済構造の転換、そういったものを含めて国民経済の長期的、趨勢的、健全な発展、こういうものでございますので、これはやはり並列に置いてよろしいのではないかと思います。
○枝野委員 本来はここでやる話じゃなくて予算委員会あたりでやるべき話かもしれませんが、なぜこれをお尋ねしているのかといいますと、まさに今、自自公三党と民主党との間の物の考え方の違いがここに出ているのですよ。 つまり、経済対策、景気対策のときに、我々は、もちろんGDPも大切だし株価も大切だけれども、それは目的じゃなくて手段だ。株が幾ら上がろうが、幾らGDPがプラスになろうが、そんなことは問題じゃない、手段なんだ。そこがどんなに悪くても、ここに住んでいる一億三千万の国民の生活が安定し向上すれば、たとえGDPがマイナス何十%だろうと株価が下がろうと、そのことは問題ではない。ただ、あくまでも我が国の一億三千万の国民生活の安定向上のためには、GDPが余りばかでかいマイナスではだめだし、きっとプラスの方がやりやすいだろうし、株価もプラスの方がやりやすいケースが多いから、そこを問題にしているのであって、そんなものはあくまでも手段にすぎないんだ。 ところが残念ながら、今の経済対策、景気対策というのは、GDPの、しかも実質の数字を大事にされておられます。ここで経済論争をこれ以上しませんのでこれは質問はしませんが。それから、株価が上がったといって喜んだりしています。その一方では失業率が上がっていて、しかもその失業率の中身というものが、どちらかというと、そのこと自体が男女共同参画の見地から問題ですが、中高年を中心とする男性の失業が多くなって、その分パートなどはふえているのでまだこのぐらいの数字でとまっていると言われていたりする。あるいはサラリーマンの給料が下がっている。むしろこの失業率やサラリーマンの給料というのが基本的には政治の目的であって、株価やGDPはそのための手段でしかない、私はそう思っています。 まさにそこの、国民生活の安定向上と経済の健全な育成発展というものとは次元が違う、段階が違うということが今問われているのじゃないかということを私は申し上げたいということです。
○堺屋国務大臣 国民経済の発展が、GDPや株式の値段だとは思っておりません。株式の値段とかGDPとかいうのはそれをあらわすための指標でございまして、GDPを上げること、あるいは株価を上げることが目的ではございません。ここの場合の国民経済というのは、長期的、全体的な国民経済の姿、構造を申し上げているのでございます。それで、この国民生活の向上と全く同様に並列に並べておりますのは、国民生活の向上は極めて重要でございますが、それが長期的にかつ構造的に発展するということも極めて重要です。 今、失業率の話がございましたけれども、残念ながら雇用というのは遅行指数でございまして、景気がよくなってから雇用がふえてくるまで、日本は今まで終身雇用をやっておりましたからそれほどはっきり出ませんが、アメリカやヨーロッパの例を見ますと、大体早いところで数カ月、長いときには二年ぐらいの遅行性がございます。現在、ようやく自律的発展の動きが広がってまいりまして、いろいろな指標が向上しております。この雇用でも、失業率が高くなったことは二月の指標であらわれておりますけれども、残業手当がふえている、あるいは求人数がふえている等がございまして、ようやく間もなくこちらにも影響があるのじゃないか。 私たち政府といたしましては、国民生活の向上に全力を挙げ、もって将来の国民経済全体の健全な発展をして、二十一世紀の日本にも立派な国を残したいと考えている次第でございます。その目的をここへ書かせていただいたということでございます。
○枝野委員 これ以上はやめますが、国民生活の安定向上のために中期的、長期的な構造問題はあるのだ、あくまでも究極は国民生活の安定向上という一点に収束されるのだ、私はそう思います。将来の国民の生活の安定向上という意味では、やはり次元が違う、段階が違うということを私は最後に申し上げたいと思います。 それでは、個別具体的なことをお伺いいたします。 まず、契約締結過程の部分のところで、裁判所で次のようなことが事実として認定された場合取り消しの対象になるのかどうかということでお答えくださいということで、通告をいたしております。 消費者契約であるということは認定をされている。その上で、販売に当たりまして、家の修繕契約といたしましょう、セールスマンがやってきて、家をぐるぐる見回って検査をしてくれた。検査をしてくれたら、シロアリで大変ですよ、今すぐ補修をしないと家が崩れますよということを言われた。今だったらすぐに手を打てば大丈夫ですから、うちでやりましょうといって、わかりましたと、それを信じて契約をした。ところが実は、シロアリだなんというのは大きなうそっぱちだった。それだったら何とか契約を取り消したいと思っている。 ここまでの事実が認定されている場合、契約の取り消しは本法でできますでしょうか。
○堺屋国務大臣 シロアリがわいていたということが虚偽でございまして、今の委員の話でいうとうそでございまして、それで契約をして自分が利益を得ようといたしますと、これは、明らかにうそをついたことと利益を得ようという二重の意思が働きますから、詐欺になると思います。本法は、シロアリの駆除というサービス自体に言及していないとすれば、そのサービスが云々と限定していないとすれば、これは取り消しになりませんが、その前に民法一般の詐欺になると思います。 仮に、シロアリの駆除をこういう仕方でしたら家が二倍もつぞとか、行為自身、売ろうとしている行為、商品そのものにうそがあれば本法にかかわりますけれども、シロアリという、自分のしようとしている行為以外でうそをついて大金を契約したとなれば、これはむしろ詐欺の方じゃないかと思います。
○枝野委員 そうなんです。まさに、これまでもこれが詐欺だという立証が実際にできればそんなに難しくない、あるいは、ある意味では消費者契約法は要らないんです。多くの場合は、実は実態は詐欺なんです。今、わかりやすくお答えいただこうと思いましたから、非常にわかりやすく言いました。しかも、認定された事実としてお答えくださいと言いました。 ところが現実には、つまり、シロアリで腐ってだめですよと言いましただなんということを、裁判所へ行って、はいわかりましたなどと言う売り手はいないわけです。現実には、いや、シロアリの話はしましたけれども、そんな確定的に、やらなきゃだめですよだなんということは言いませんでしたよ、それは勝手に誤解をされたんでしょうという話になるんです。 だから、例えばいろいろなケースでこういう点検商法の話が問題にされて、そして消費者契約法が必要だという流れになってきたんですが、詐欺でできるからいいじゃないかということだとすると、実は解決にはならない。むしろこういうケース、つまり、二重の故意をまさに立証するのは大変だという部分のところをクリアするような形をつくらないと消費者の被害を防げないんじゃないかということが、本法をつくらなきゃということになってきた出発点なんだということを指摘しておきたいと思います。 もう一点、多分同じようなお答えになるのかなというふうに思いますが、よくあります住宅ローンを低利なものに借りかえてあげますよということで契約をした場合。 もちろん、消費者契約であるということは立証されている。例えば修繕行為。補修工事の販売員がやってきて、住宅ローンの借りかえ手続を私がしてあげる。金利が下がるから、金利が下がって浮いた分で屋根を直したらいいじゃないですかというふうに持ちかけられた。それはいいことだと思って、ではローンの借りかえをしてくれ、屋根の工事をしてくれということで、屋根の工事の契約を結んで工事をしてもらったんだけれども、ローンを借りかえて金利を下げてくれるということはしてくれない、これはどういうことだという話になる。 これは本法で救済の対象になるんでしょうか、ならないんでしょうか。
○堺屋国務大臣 これも大変難しい問題でございまして、住宅ローンを借りてやろうということと、屋根を修繕してやろうということとの間に、これは別々な話でございまして、住宅ローンを借りてやろうということで消費者契約法が適用されて取り消しにはならないと思います。この場合も、先生のお挙げになりましたように、ローンを借りて、それでお金があるから高い修理をしろ、その修理が本来の目的に合っていなかったら、これもやはり詐欺罪の方にかかる可能性が結構高いんじゃないかという気がいたします。 むしろ逆に、例えば屋根の上に自分のところのこういう換気扇をつけたらいいんだ、この換気扇が云々という、自分のところの商品について言い出したとしますね。ローンではなしに、この商品が特別にいいんだ、事実、非常にいい効果があって、これをつけておけば家が千年もつというような話をしたとすれば、この商品に対するうその話になりますから、これは取り消しの対象になってくるだろうと思うんです。 その商品について、今取引の対象となっている商品、役務について、その契約が、消費者、契約者が意思を曲げられるような重大な事項であったかどうか、ここがポイントでございますから、周辺の事情等でうそを言ったらむしろそれは詐欺の方、そしてその物でいえば契約の解除、そういう形になるんじゃないでしょうか。
○枝野委員 政府案の消費者契約法の対象になっている重要事項についても、二重の故意があって、事実じゃなくてということの場合には、詐欺の取り消しの対象になりますよね。ということは、その外の場合の部分とも同じなわけですよ。つまり、従来の民法とも一緒なわけです。だけれども、民法の詐欺ではなかなか二重の故意の立証が難しいということがあるから、消費者契約法が必要なんだということになってきたのではないのかということなわけです。 そこはよろしいですよね。この重要事項についての不実告知についても詐欺の取り消しの対象になっているわけです。場合によっては政府参考人でもいいですよ、これはかぶさっているということでいいですよね。
○堺屋国務大臣 詐欺の場合は完全に二重の意思、まずだましてやろうというのと、それからもうけてやろう、こういう二重の意思が必要でございます。本法の場合は、事業者の行為として一定のうそがございまして、そして因果関係があればいい。詐欺の違法性というところがなくてもいいんですね。二重の故意と詐欺の違法性がなくていい。一つのうそがあって、それと契約との因果関係があればいい、その意味でかなり立証しやすい部分があります。 ただ問題は、今委員のお挙げになった例は、物が消毒であって、こっちはシロアリ、あるいは物が屋根であって、こっちがローン。こういう場合にはかからない。そこが違うところですね。
○枝野委員 それは、法律の解釈としてそういうことになるでしょう。 そこで、従来も二重の故意があれば詐欺だったものの中で、いずれにしても、二重の故意が立証できれば簡単なわけですよ、消費者契約法は要らないわけですよ。政府案の消費者契約の対象になっている範囲であっても、二重の故意の立証ができないから、だから少なくとも、害を与えよう、つまり経済的利益を得ようという故意については立証しなくても消費者契約法で救われるようになる。 だけれども、二重の故意を立証するのは大変だという事情については、契約の内容になっている部分以外の私が今挙げた例のケースであっても、契約の内容になっている、政府案の対象になっている部分であっても、基本的には構造は変わらないんですよね。なぜ問題になっているところの一部だけを対象にするのかということは、私にはちょっと理解ができない。従来も詐欺の二重の故意がなかなか立証できないで大変だということで言われていた部分全部にかぶせたって、そこは問題ないんじゃないかなと思うんですけれども。
○堺屋国務大臣 この行為は、取り消しという行為、私法的行為でございまして、したがって、比較的立証しやすい、おまえうそをついたなというところでできるという利点があるんですね。それで、二重の故意それから詐欺の違法性というところまでいきますとこれはやはり裁判所に係るような話になりますが、例えば、先ほどから議論になっております、消費者センターあたりで話をして、裁判外的仲裁が、予見可能性が高くできるという意味ではかなり効果があるのじゃないかと思っております。
○枝野委員 効果があることはそのとおりなので、効果があることについて何でそんなに対象を絞ってしまったのかという話なんです。 経済企画庁長官、民主党案をどれぐらいごらんになっていただいているかよくわかりませんが、午前中、大臣御自身はこういう例をお出しになりました。つまり、町のお菓子屋さんで、うちのお菓子は日本一だと言って売っている。こういうのが日本一かどうかは立証できない、逆に言えばうそなわけですから、うちのお菓子は日本一だと町のお菓子屋さんが言って売っているのを規制の対象にしてしまったら大変なことだということをおっしゃいました。民主党案でもそんなものは取り消しの対象にならないのですが、そういうことは御存じですか。
○堺屋国務大臣 もちろん民主党案も熟読玩味させていただきました。その部分で私は民主党案に反対しているわけでも批判しているわけでもございません。 むしろ、民主党案ではたくさんの項目が政令に落ちているようなところがございますね。だから予見可能性が政令にならないとわからない、これは総理大臣の権限に相当大きく任されている。そこを政府案はできるだけはっきりと予見可能性で書かせていただいた、そういうことでございまして、民主党さんの案をどんどん詰めて総理大臣が書いていったらどうなるかな、ここのところはやはり立法府で、国民の代表の皆さん方にできるだけ法案として審議していただく方がいいのじゃないか。 それで、民主党さんの案とそんなに趣旨の大きく違ったものではございませんが、そういう点をきちんと法案に書かせていただいたと心得ております。
○枝野委員 お言葉ですが、民主党案をちゃんと読んでいただくと、政府案の法律に書かれている事項とほぼ同じ予見可能性がある程度の具体的な書き込み方を我々はしております。ただ、従来から事業者の皆さんから予見可能性がないと困るんだという強い声が上がりましたので、法律だけでも政府案と同じぐらいの予見可能性がとれるような条文になっていますが、さらに、事業者の皆さんに不安がないように政令で細かいことを、いろいろ具体的なことを書いてあげて、できるだけ事業者の方が不安を持たないようにというような中身にしている、こういうふうな理解なのです。 ぜひその辺のところは、もし何だったら我々政令委任事項を全部外しても、それで政府が民主党案の方がいいと言っていただくのだったらそう修正するのはやぶさかではございませんので、そのことを申し上げて、時間ですので終わらせていただきます。ありがとうございます。
○中山委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 私は最初に、さまざまな消費者の皆さんの運動の中からこういうふうな消費者契約法ということに至った、これまでの問題を少し整理して考えてみたいというふうに思うわけです。 森永砒素ミルクとかカネミ油症とか薬害エイズとか、それは一般市民であったり乳幼児であったり患者さんとか、そういうさまざまな消費者が被害に遭った。それから、被害の受け方ですが、内容の面でも、朝鮮ニンジン茶や印鑑や多宝塔などの霊感商法から、豊田商事事件、あるいはこの数年来問題になっております英会話教材であるとか、あるいは三万円ぐらいのものが八十万円とか百数十万円とかの絵画販売、あるいはエステなど、被害の生まれる形態というものは随分さまざまなものがあると思うのです。 そういう中で、長期にわたって消費者運動にかかわっている皆さん方、あるいは弁護士の方たちの中でも特に消費者運動にかかわっている方たちとか、それから消費生活センターなどの相談員の皆さんとか、そういう皆さんの頑張り、取り組みがあったり、あるいは裁判などを通じて被害者の救済とか悪徳な事業者に対する懲罰とか、あるいはまたそういう中で消費者契約のルール化などへ、こういう一連の発展があったと思うのですね。 昨年三月の訪問販売法、割賦販売法改正案の審議のときにも、私は消費者契約法についても質問をしたわけですが、特別悪質なものに対するピンポイント攻撃で取り締まる個別の法律と、それから、消費者契約の適正化のために民事ルールの整備を図り、いわば重層的組み合わせで消費者保護と市民社会とか市民の暮らしを守る基本法をつくっていく、その基本ルールをつくっていく、こういう観点で消費者契約法の準備を進めているというのが当時の経済企画庁の考え方なり答弁のスタンスであったというふうに思います。 次々悪質なものが出るたびに法律を考えるだけじゃなしに、普通の消費者が民法を使って裁判で争うというのはなかなか大変ですから、もめごとが起こらないような消費者契約のルールを示し、それでももめごとになったときは裁判になる前に解決の道筋というものをつけてほしい、しかし、裁判になっても消費者保護が実現されるようにしておく。これが消費者契約法に至る一つの大事な流れではないかと思うのですが、この点について、最初に大臣にまずお考えというものを聞いておきたいと思うのです。
○堺屋国務大臣 お説のように、さまざまな消費者と事業者の被害がございました。もともと日本は、そういう被害の起こらないように規格、基準を定めて役所がそれを取り締まる。今挙げられましたミルク事件とか油事件とかいうのは、そういう監督の目が届かなくて起こった事件でございました。それが、だんだんと自由化して競争原理になってまいりますと、そういう規格、基準を一々チェックできないというので、一方ではPL法、製造物責任法をつくった、一方ではこの消費者契約法によって消費者の保護、権利を守ろう、こういうのが基本体系でございまして、その中にまた訪販法でございますとか、先ほどから話題になっております金融商品取引法でございますとか、そういうような法律を使っていこうということでございます。 こうした中で、政策の最も基本的な原則、事前規制から市場参加を遵守するルールを整備しようということで、消費者のための新しいシステムづくりというのが大きな課題になってまいりました。一方、消費者取引の分野におきましても、消費者、事業者間の情報力の格差が、だんだん商品が高度化し早く展開するのでなかなか消費者の方は情報に追いつかないということもございますし、それから交渉力にもいろいろ差が出てくる。そういうようなことを背景にいたしまして、消費者契約法をつくって消費者と事業者にかかわるトラブルをなくそう、こういう認識で進んでまいりました。 こうした認識のもとで、消費者契約のあり方につきまして、国民生活審議会で数次にわたり相当長い間議論をいたしまして審議を行ってきたところですが、消費者契約法のあり方について、平成六年から議論しております。 これらの調査審議を受けて、第十六次国民生活審議会消費者政策部会では、「消費者契約法の具体的内容について」という中間報告、これは平成十年、一昨年の一月でございますが、出ました。それに続きまして、「消費者契約法の制定に向けて」と題する報告書が、昨年、十一年の一月にまとまりました。消費者契約法をできる限り早く制定しようということになりました。 それを本部会の方に上げまして、平成十二年の四月に発足した第十七次国民生活審議会で、この第十六次の部会報告を踏まえて、消費者契約法の具体的内容について、国民的合意の早急な形成を目指し、早期の立法化を実現するために、幅広い関係者によって構成された消費者契約法検討委員会を設けました。ここによって立法措置をとってきたわけでございます。 そこでさまざまな観点から検討を加えまして、同委員会で、消費者契約法を制定するに当たっての基本的な考え方を、平成十一年の十一月三十日に、「消費者契約法の具体的内容について」と題する報告書をまとめていただきました。消費者政策部会としても同委員会報告を了承して、消費者契約法の法制化を急ぐことになったわけであります。 こうした検討を踏まえまして、各方面との意見調整も行いまして、公正で予見可能性の高いルールを作成するという観点から、法律の規定の仕方について検討し、取りまとめたのが今出させていただいているこの法案、こういうことでございまして、委員御指摘のように、さまざまな試行錯誤、そして自由化、それから情報格差、そういったものを踏まえてこの法案を出させていただいている次第でございます。
○吉井委員 情報格差などについては、これから順番に質問していこうと思うのですが。 消費者が民法を使って裁判で争うというのはなかなか大変だ。ですから、もめごとが起こらないような消費者契約のルールをまずつくっておこう。それでももめごとが起こったときには、裁判になる前にも解決の道筋をつけておこう。それでも裁判になったときには、消費者保護が実現されるようにつくろう。まとめて言えば、こういう点が基本的な観点だ、こういうことでいいですね。
○堺屋国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございまして、できるだけ消費者が簡便に、かつ予見可能性のある形で保護されるようにしようという目的を持っております。
○吉井委員 それから、午前中の議論の中にもありましたけれども、規制緩和の中でというお話ですね。明治以来の古くなった、実態に合わない規制、これを緩和するのは当たり前の話です。しかし、人間の知恵として、必要なルールとしてつくってきたいわゆる規制と言われているもので、これを何もかも全部取っ払って緩和すれば万能だ、そういうものじゃありませんから。私は、そういう中で、やはり安全に関するルール、規制というもの、これは食品であれ何であれ必要だし、もう一つやはり大事なのは独占禁止、公正取引のルール、こういうものをきちっとつくっていくということがこういうときに必要だと思うのです。 そのときに、事業者と消費者の間には、今、大臣もおっしゃったように、これは情報や知識やあるいは交渉力とか、圧倒的な格差がある。そのときに、普通の善意の事業者の方の場合、これは一般に余り問題が出てこないですよね。それから、社会通念上、一々書面交付などを要しない町の魚屋さんであるとか八百屋さんであるとかおまんじゅう屋さんとか、そういうところは余り問題じゃない。 結局、この間の問題というのは、悪徳業者と言われるもの、それが圧倒的に情報、交渉力その他、知恵もたけていて、普通の消費者からすると思いも及ばないようなところを考え出していろいろやって問題を起こしてくる。そういう交渉力の優位に立っている。この格差をやはりきちっとしたものにしてやっていくという点では、悪徳業者から消費者を守るということと、そういうものも含めて一般的に消費者契約についてのルールはルールとしてきちっと示しておく、これが今度一応示されていることが、これまた別な面から見たときのこの消費者契約法の意味かなと思うのですが、この点、大臣、どうですか。
○堺屋国務大臣 本日御審議いただいております消費者契約法は、例外なく、労働契約は例外でございますが、それ以外はもう例外なくすべてを包括しております。したがって、委員が御指摘のように悪徳業者を取り締まるのが目的でございますが、同じ条文が他のところにも適用される。そうすると、こう言うと語弊がありますが、消費者の中にも難しい方がおられまして、そういう方々が逆に、善良な事業者、特にこれは中小企業の方々にいろいろと問題がある。 どこに限界を引くかというのが大変難しい問題でございまして、それで、訪販法のような、非常に消費者に迷惑のかかりやすいようなものは別途定めておりまして、一番一般的なところをこの消費者契約法で定める、こういう法律の体系を我々考えておるわけでございます。
○吉井委員 一般契約のルールを定めながら、同時に悪徳業者などについては、やはりそこから本当に消費者を守ることができるという、この仕組みというものは大事なところだと思うのです。 私たちは、消費者契約法を制定するからには、まず目的としては、今も大臣がおっしゃった、物品等を販売する事業者とそれを購入する消費者との間にある情報や知識や交渉力の歴然とした格差を是正して、消費者契約における契約の過程や契約の内容を適正なものにさせることにより、消費者の利益を守り、国民の消費生活の安定や向上に役立つものにしていく、ここがやはり目的として一番大事なところだと思うのです。 この点で政府の方は、消費者と事業者との間に存在する取引に関する構造的な情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目したという認識はずっと示してこられているわけです。ですから、ここで伺っておきたいのですけれども、法文上は目的に格差是正は入っていないんだけれども、しかし、法律の目指す目的には当然格差是正という考えはきちっと入っているんだ、こういうふうに解していいですね。
○堺屋国務大臣 先生の御指摘のように、消費者が契約前に十分な情報を得て理解するということが大変重要でございます。それがなかなか難しいということもございまして、この目的として、消費者と事業者の情報力の格差、交渉力の格差をできるだけ縮めたい、そういう努力目標を定めておるところでございます。
○吉井委員 ですから、法律上の文言としては格差是正というのは入っていないんだけれども、しかし、法の目的とするところには格差是正というはっきりした明確な意図というものは入っているんだ、こう理解していいですね。
○堺屋国務大臣 全く仰せのとおりでございまして、そういう努力規定として、消費者もできるだけ情報を理解していただきたいし、事業者の方も情報を与えるように努力しろという努力規定を明確に入れております。
○吉井委員 消費者の方はもちろん、ちょっと余り丁寧にやり過ぎるとややこしくなるから端的に、要するに、意図に格差是正というものが含まれているならば、本来目的に明記した方が非常にすっきりするわけなんです。だけれども、政府案では目的に格差是正というのは文言としては入っていないわけですが、しかし、格差是正という意図はあるんだ。つまり、法の目的に入れなくても目的に格差是正というのは入っているんだ、そういう法律としての解釈をしてもいいんだなということを聞いております。もう端的にお答えいただいたら結構ですから。
○堺屋国務大臣 本法の目的については、消費者と事業者との間に存在する取引に関する構造的な情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、消費者に自己責任を求めることが適切でない場合のうち、消費者が契約の全部または一部の効力を否定することができるようにする場合を新たに法律によって定めることにより、消費者の利益の保護を図ることとしております。 このように、情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、消費者の利益の擁護を図ろうとする方向性において、本法の目的は議員の御理解とそれほど違ったものでない、同じだということでございます。
○吉井委員 次に、消費者契約の定義として、主として事業目的でない目的で購入された商品を個人事業者が契約しても、それは消費者と事業者との消費者契約の範疇に入るということになるのかどうなのか、この点で幾つか具体の例でお聞きしておきたいと思うのです。 例えば、今は不況につけ込んだ商法が随分多いわけです。それで、けさほど来も幾つか御紹介ありましたが、私が大阪のそういう消費者相談なんかに乗っていらっしゃる方たちから幾つかお聞きした中で、例えば、軽貨物の事業が始められます。フランチャイズ契約を結ぶようになさい。それで、契約金その他を取るわけですね。トラックも購入しなさい。軽トラックを買わせる。しかし、仕事が来ない。継続反復がないと普通は事業者にはならないと思うのですね。ですから、最初から買わせるだけ買わせておいて仕事が回ってこないということになると、これは消費者ということで考えることができると思うのですが、どうなんですか。
○堺屋国務大臣 先ほどの内職商法のときもそうなんですけれども、トラックを買わせた、トラックはいかにも事業者のもののようですが、それを使って反復して収益を得るとか、そういう仕事がなかったとすれば、このトラックを買った方は消費者でございます。
○吉井委員 あわせて少し聞いておきますが、反復継続の反復ですね。二、三回だけ一応仕事を回して事業者だということにしてしまって、それでこの消費者契約の対象にしないように、そういう新たなことをまた考えてきたときに、これはやはり消費者に被害が生まれるわけですね。大体どの辺をめどに、つまり、数年間とか、きちっと仕事が本当に入ってくるものなのか、それとも、二、三回は回した、もうこれで一応継続反復です、あなたは消費者じゃありません、こういうふうなことが許されるのかどうか。これも聞いておきたいと思います。
○堺屋国務大臣 それは相手の、トラックを売って仕事を回した人の意図にもよるのですが、初めから二回か三回しか仕事がないよとわかりながら事業者にする、あるいはトラックを売るためにしたら、これはやはり詐欺の方にひっかかると思いますが、本当に回そうと思っていたけれども不況でなかったというようなときはどうかというのは、これまたちょっと判断が難しい。ケース・バイ・ケースになることもあろうかと思いますが、概して言えば、大体二回か三回で大して収入にもならなかったといえば、やはり消費者でしょうね。
○吉井委員 次に、消火器のいわゆる点検商法がよくありますが、この場合、大阪など、大臣もよく御存じのところですが、一階が工場で二階が居宅とか、町工場ですね。この二階の居宅へまずやってきて、そして、あわせて下の工場も全部消火器の点検と称して薬液をかえてしまって、そのときに、入り口におった若い工員さんに点検に来たとか適当なことを言って判こをつかせて、いつも出入りの維持管理を頼んでいる業者かと思ったら全然違うのが薬液をかえて、気がついて、こんなのはおかしい、キャンセルだと言ったら、全部消火器引き揚げますと言い出したり。それをやられますと、消防法の関係が出てきますから困るわけですね。そういうふうな場合、これは個人事業者であっても消費者としての対象となるのかどうか、この点はどうなのでしょうか。
○堺屋国務大臣 その人が事業者であっても、その人のやっている事業、それが例えば小売店であれば、その店を建築するのは別ですし、その人がたまたま趣味でパソコンを買っていて、それで店のチラシもつくったというようなところは、主として消費者であれば消費者です。 だから、今の委員のケースでいいますと、一度限りでございますから、住宅兼工場は事業用のものでございましても、やったこと自体は消費者として売られたわけでございますから、それは消費者契約であると思います。
○吉井委員 居宅と工場とが少し離れている場合、少しといってもうんと近いですけれども、そういう場合も大阪の町工場ではうんと多いわけですが、まず居宅へやってきて、あそこはお宅の工場ですねというようなことで同じことをやった場合、この工場の方は事業者と扱われるのか、あるいはやはり消費者という扱いになるのか、この辺の場合はどうなんでしょうか。
○堺屋国務大臣 だんだんケース・バイ・ケースで難しいところへ入ってくるようでございますけれども、やはり反復して業としてという、業としてというこのところがございますから、単に工場に使っていたからどうだということではなしに、それが、その工場を運転するために必要な業として何回かやっておられるかどうか、そういうところが一つの判断になるのではないのでしょうか。
○吉井委員 実は私、この二例を挙げましたのは、要するに個人事業者であっても消費者としての対象になるのですねということを、ここはやはりきちっとしておかないと、これが定義で非常にあいまいさを持っているというふうに思うのですね。ですから、今私が紹介したようなこれに類するもの、これはすべて個人事業者であっても消費者として対象となる、こういうふうに考えていいですね。
○堺屋国務大臣 繰り返して申しますけれども、反復して業としてなす人が事業者でございまして、そうでない人は消費者でございます。
○吉井委員 消火器の点検商法の扱いについてはまだあいまいさを残していると思うのですが、要するに、居宅へ来た場合は明確にこれは消費者なのですから、居宅へ来てあわせて下の事業所なり近くの工場へ行った場合、それは、やはりはっきり消費者、点検の仕方が反復するしないにかかわらず、これははっきり消費者ということに、大工場じゃありませんから、普通にある個人の事業なんですから、こういう場合ははっきり消費者だ、これに類するものは消費者だというふうに私ははっきりさせておいた方がいいと思うのですが、これはこれでいいですね。
○金子政府参考人 お答えします。 まず、はっきりさせていく例として八百屋さんの例、これは午前中に大臣がその例を出しました。八百屋さんが野菜を買うというのは、当然それは事業のためですね。事業の定義というのは、一定の目的を持って同種のことを反復して……(吉井委員「八百屋さんの場合はパソコンの例でしょう」と呼ぶ)はい、ちょっとそこのところで理解をしていただくために。 八百屋さんが野菜を購入する、あるいは野菜を売るというのは、これは業としての行為ですから、事業者としての、個人ですが事業者であります。それで、八百屋さんが例えば業のために、税金の計算のためにパソコンを買おうということでお買いになった場合には、それは事業者としてパソコンを買うということになります。 しかしながら、その八百屋さんも当然のことながらゲームを楽しみたいということがあるでしょうから、八百屋さんが自分の楽しみのためにパソコンを買えば、それは事業者ではなくて消費者としてパソコンを買うということになりますから、パソコンを事業者から買ったその契約は消費者契約になるということであります。 したがいまして、先ほど大臣が申しましたけれども、結局、購入したものが何の目的で使われるのか。事業のために使われるのか、あるいは、消火器であるならば、工場の安全を確保するためにその消火器が買われたのか、あるいは住んでいらっしゃるお宅の安全のために消火器が買われたのかという違いでありまして、後者の場合には当然のことながら消費者としてその個人は消火器を買っているわけですから、その契約は消費者契約になるということであります。
○吉井委員 一階が工場の場合、下の工場が火事になったら居宅も燃えるわけです。ですから、これは広く、消費者契約法で消費者が救われるときには消費者としてきちんととらえる。やはり、さまざまな法律を解釈したり運用していく上で、いかに国民や消費者を守っていくのかという観点で進めていくということで、きちんとした見方というものを示していくことが大事だというふうに思います。 次に、現実に消費生活センターなどで相談を解決していらっしゃるものの中には、業者の約款の中の一文を活用して、契約の取り消しとか、支払い義務の解除とか、支払った金の返還を実現するケースが随分多いわけですが、善意の業者と消費者の場合は大体問題は起こらないわけですよ。しかし、問題を起こした業者の場合は、契約内容について書面を交付していなかった場合に、通例やあるいは類似例に準拠して契約取り消しと支払い義務の解除、返還などを進めていく消費生活センターなどの活動を支持していくには、どういうふうに進めていこうというお考えなのか。 つまり、一つは、消費者が内容をよく理解してから契約するためには、私は、社会通念上一々書面交付するには及ばないというものを除いて、八百屋さん、魚屋さんなどを除いて、事業者が消費者に対して契約の締結前に原則としてその内容をきちんと示して、それを書面で交付することが当然のこととして必要だと思うのですね。この書面を交付することを義務として法律に明記をしておく。 通常の場合、善意でやっている者の間で、悪徳業者その他でない場合、必ずしもそこまでいかなくてもというのは、これは通例の範囲であって、大体問題になりそうなものはこういう書面の交付があればはっきりするわけです。しかし、仮に書面交付がなかったとしても、書面交付している場合の消費生活センターなどで解決している通例なり類似例に準拠して扱っていくということを、国としてもきちっと見解を示して、この活動がしやすいようにしておくということが法律をつくる時点で大事だと思うのですが、この点はどういうふうに臨まれますか。
○堺屋国務大臣 事業者の書面交付義務につきましては、本法が消費者と事業者との間で締結される契約すべてを対象とするため、特に消費者と契約するあらゆる業種を対象としておりますから、ちょっと無理だろうということで、事業者に対して一律に書面交付を義務づける規定は入れておりません。 しかし、社会通念といたしまして書面を交付する必要があるもの、あるいは逆に社会通念として書面を交付するには及ばないというものもございますが、普通、書面を交付するのが必要なものでありますれば、そういうことが行われるかと思います。 事業者等から消費者に対して契約の内容について書面で交付すべきことを規定することが適切な契約もあると考えられますが、その場合には、当該契約を対象とした個別法、例えば旅行の規定とか住宅建設とかということで定めておりまして、当該契約を対象とした個別法の中で書面交付で提供すべきことが具体的に規定されているというのが普通だと思っております。
○吉井委員 書面交付していないのだが、そこにトラブルが発生して相談センターなどで相談を受けられたとき、いきなり裁判にならずに、通常、消費生活センターなどで解決していらっしゃるのですが、そのときには、書面交付をしている類似例などに準拠して、交付している場合だったらこうだということで解決を図っていく。それを支持するという立場で国としても考えていく、そういう理解でいいですか。
○金子政府参考人 書面の交付義務というのは情報提供義務と同じように考えるべき問題ではないか、こう考えているわけです。 それで、情報提供義務を義務化したらいいという議論が随分行われているわけですけれども、もう一つ、不実告知というものを今回の法律の要件の一つにしているわけです。 うそをつかないようにする努力というのは、大した努力なくできるわけですね、うそをつかないということですから。ところが、重要な情報を提供するようにするというのは、それは相当な努力をしなければならない。というのは、相手がどういう情報を必要としているのかということがはっきりわからないと、どういう情報を提供したらいいかわからないわけですから。したがって、必要とする情報をすべて提供しようというのは相当なエネルギーが必要であるということで、不実の告知と情報の不告知では、その間に、それを守るためのエネルギーに相当大きな違いがあるのではないかということであります。 そういう大きなエネルギーの違いというのが、やはり事業の活動にとって当然コストになるわけですから、そのコストがいろいろなバランスからしてやむを得ないということになれば情報提供義務として入ってくると思うのですけれども、やはりいろいろ考えますと、そのコストが余りにも過大であり、仮に情報提供義務を法定化した場合には円滑な事業活動にとって大きなマイナスになるだろうというようなことで、情報提供義務というものが義務としてはこの法律に入っていないということであります。 同様のことは書面交付も、それはした方がいいと私も思いますが、しかし、それをすべての、すべてというか、先生は必要なところだけだよとおっしゃるのでしょうけれども、そういうところに義務づけるならば、それはやはり訪問販売法なり宅建業法なり、そういう個別な業法の中で情報提供を義務づけるということが適当なのではないか、こう考えます。 この消費者契約法の中で情報提供義務を義務づけ、仮にそういうことをしない場合にはそれで契約を取り消しにするというのは、やはり事業者にとって非常に酷であり、それは結局経済全体の活動にマイナスになり、ひいては消費者にとっても望ましくないのではないかという判断をしているわけであります。
○吉井委員 余り、経済全体にマイナスといっておどかすような話をしたら、私はそれはうまくないと思うのですが。 書面交付は通常全部は必要じゃないのです、通例の範囲で。しかし、書面交付がなくてトラブった場合に、重要事項の不告知であったということにもなるわけですから、そのときにはやはり類似例の、そのときの書面を交付してある場合の内容に準拠して、きちっとあらかじめの解決が図れるように、私はそれを国としても支援するということを考えていくことがやはり大事だろう。それが非常にあいまいで逆に不都合だということになれば、それはやはり書面交付ということをきっちりやるのが本来の筋だということを申し上げたいと思います。 次に、情報提供についてですが、一つは、契約内容に関して、事業者は、消費者契約を結ぶ前に、消費者が契約内容についてよく理解できるように、親切に、必要で十分な情報を提供するべきだということがまず大前提だと思うのですが、第三条第一項の規定は、これによって事業者の説明義務に関するこれまでの法理を否定したり後退させるものではないというのも、堺屋長官の本会議の答弁の中でもそのことが示されております。 そこで、業者が情報提供の努力を怠ったときに、では契約を取り消す、解除するということができるようになるのか。これは、できないのだったらやはり情報提供義務をきちっと規定するべきだと思うのですが、長官の答弁にあったように、事業者の説明義務に関するこれまでの法理を否定したり後退させることはないということであれば、業者が情報提供の努力、親切で十分な情報を伝えなかった、そういう場合には契約を取り消すということもできるのだというふうに、そう理解していいですね。
○堺屋国務大臣 情報提供は、義務ではなしに努力規定でございますから、それが直ちに契約取り消しになるかどうかはわかりません。 それで、どれほど重要な情報であったか、それが非常に問題になるところであろうと思いますけれども、少なくとも、はっきりうそをついて、虚偽を言って、消費者の意思を変えさせるような重要なうそを当該商品、当該役務について言った場合は、虚偽でございますから取り消しになります。ただ、情報提供しなかったというだけでは取り消しにはならないと思います。
○吉井委員 私はそこがやはり、十分な努力をしなかった、情報提供の十分な努力を尽くしていないというときに、トラブルがあったときに、これは本来重要な内容で、きっちり聞かせてもらったら契約を結ばなかったのに、しかし、そこが非常にあいまいで消費者の方が困ってしまう。そういうときには、できないのだったら、情報提供義務を義務としてきっちり規定した方が本来筋としてきっちり通ると私は思うのですが、情報提供義務を義務規定にしないというのであれば、それは、情報提供の努力ということであっても、十分な努力を尽くしていないというときには契約を解除することもできる、やはりそういうふうにしないと消費者にとって不利なことになると思うのですね。この点はどうですか。
○堺屋国務大臣 この情報提供の努力でございますけれども、それが極めて著しく提供しなかったといいますと、十条の信義誠実の原則に戻りまして、民法の信義誠実の原則に反するというようなところまで、例えば、ある旅行契約をしてどこへ行くのか国も教えないというようなことになりますと、金さえ払えばいいのだよというようなことになると、信義誠実の原則の方にかかわるかもしれません。しかし、本法においては、情報提供義務はございませんで、情報提供の努力という形で、やはり信義則の範囲内で考えていただきたいと思っております。
○吉井委員 情報提供の努力という、政府案はそういう規定なんですよ。努力なんだが、努力を尽くしていない、それが消費者にとって大きな誤解を生み出したりした場合、それは信義誠実の原則に反するということで扱うなりどういう扱い方をするにしても、やはり十分な努力を尽くすべきだ。その努力が尽くされていないというときには、これは契約を取り消すということも可能である。全部が可能になる場合、ならない場合、それはいろいろなケースによって違ってくると思うのですけれども、可能性というものは開かれる、こういうふうに考えていいですね。
○金子政府参考人 ちょっと大臣のコメントに対してやや私の観測が入りますが、大臣が申し上げたのは、民法の信義誠実ということを申し上げたので、条項そのものからそれが無効になるとか、そういうことを言っているのではないのではないかと思います。 それから、一言ちょっとつけ加えさせていただきますけれども、先生御指摘の、情報提供義務を明記すべきであるということでございますけれども、この法律の第四条第二項、これはある意味で情報の不提供を盛り込んでいるわけであります。 ですから、私が申しましたように、何でもかんでも情報不提供の場合には契約を取り消すということではなくて、ここで書いてあります、これは有利な情報、有利なことを言ったけれどもあとは言わなかった、ところが、有利なことを言ったことと非常に密接なものとして非常に不利益なものがあった、それを言わなかったというときには、ここには入っていますけれども、それで誤認したときには取り消しになるということを言っています。 ですから、全く情報提供義務を入れているわけじゃなくて、やはりそれは、さっきのように、うそをつかないようなことをするにはそんなに大きな努力は要らないわけですけれども、この場合も、こうだぞと非常に有利なことを言うわけですけれども、それだったら、事業者がその反面としての不利益があるということは大体知っているわけですから、それをしっかり言いなさい、言わない場合には、それで消費者が誤認した場合には取り消しにしますということを言っています。 ですから、事業者にとっても、物すごい努力をしなくても、ある程度の努力をすればそういうことができるというようなことについてしなかった場合には、それで誤認した場合には取り消しにできるというようなことにしていますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。
○吉井委員 次に、消費者の側の努力を求める部分ですね。法案では、消費者に契約内容について理解するよう努めることを求めているわけですが、これでは事業者の情報提供に対する責任を非常にあいまいにしてしまうという問題があると思うのです。 これは、本会議での堺屋長官の答弁の中では、第三条は努力規定、訓示規定だ、この規定を根拠に消費者が新たな法的義務を負うことはありませんという答弁でした。法的義務を負うことはないが、努力義務を果たしていないとして消費者が契約を解除できないことになると、これはやはりマイナスになるわけですね。 特に高齢者の方などが、理解するよう努めるというのですが、その理解する努力が非常に難しい場合、努力義務を果たしていないとして消費者契約を解除できないということになっては、これはやはりうまくないと思うわけで、この点については、「理解するよう努める」とは書いているんだけれども、しかし、高齢者その他努力が難しい場合は、それを理由にして取り消しできないということにはならないんだ、それははっきり理解していいですね。
○堺屋国務大臣 仰せのとおりでございまして、例えば、事業者の側がこの条項のどこかの取り消しに当たることをした。ところが、自分はそういうことをしたけれども、消費者の方も努力が足りなかったからおれは免責だ、これは言えません。 努力義務でございますから、先ほどの情報提供の方も、それから情報を理解する方も、私法的な権利を発生するものでもございません。また、ほかの法律を持ってきて、ここで努力してなかったからこっちの詐欺罪がなくなるとかいうようなことはできません。だから、このことが法的に何らか消費者を制限する、損をさせるような規定ではございません。
○吉井委員 私、実は消費生活センターなんかの方といろいろお話を伺っていますと、なかなかやはり悪徳業者の場合本当に知恵を使うのですね。 今、私、高齢者という表現をしましたけれども、では若者の場合は、若いですから、吸収力旺盛ですから学習効果がどんどん生まれるかといったら、実は、相手の方は年齢別に商品とか商法を変えてくるわけですね。だから、幾つか経験して、一遍失敗したから学習効果が生まれるというふうになかなかいかなくて、あるいは、経企庁などがPRしていらっしゃるものを読んで、これですっと学習効果が生まれてくるというふうにはいかなくて、学習効果の蓄積ということはなかなか難しい、だから被害がどんどん広がっているのだということも伺っているわけです。 そうすると、やはり消費者に努力義務を求めるということ、理解するよう努める、これはやはり本来不要だ、不要なものという扱いで外した方がすっきりするのではないですか。
○堺屋国務大臣 委員のお説のように、若いから努力するかと思うと、かえって衝動買いとか仲間買いとかいうのがありまして、若い人の方がつかまされるということも結構あるようでございます。 消費者がこれから自由競争の世の中で生きていくために、この買い物、契約に関する情報というのは、できるだけ努力して賢い消費者になっていただくことが必要でございます。だから、消費者の側でもそういう情報を収集し理解する努力、これはやはり、これからの自由経済の中で日本人が、また世界に飛躍するよう日本人が生きていく中では大変重要なことだと思いますから、この条項は大事なものだと考えております。
○吉井委員 私は、当然皆勉強しなければいけないと思っております。それが大前提なのです。 しかし、相手もさるもので、通常の消費者契約については結構いろいろわかっているつもりであっても、相手もなかなかうまいもので、例えば、絵がお好きですかということで、すっと地下の画廊へ連れていく。入り口は狭いところで、事実上監禁されたような形なのだが、監禁じゃないわけですね。六時間、七時間と随分話をされる、とうとう終電車がなくなってしまった。疲れ果てて、それで、うんと言ってとにかく帰ろうと思って契約を結んで、これはもう取り消さなきゃと思って翌日慌てて行ったら、また別の若い娘さんが、販売員の方が登場して、絵の前で、絵そのものはお好きでしょうとか言って、写真を撮りましょうとか言って、ピースというような写真を撮って、それで本人は拒否する意図がなかったのだとか、本当になかなか手の込んだことを相手もやってくるわけですよ。 店頭の前で話をするということ、これはキャッチセールスということには当たってこないし、画廊というのも、これは二、三日そこで開いていると店舗とみなされるわけですね。そうすると、クーリングオフの対象ということになるのがなかなか難しくなってきたりとか、なかなか相手の方もよく研究してかかってくるわけです。もちろん私は、それにしてもそんな画廊で簡単に三万や四万のシルクスクリーンの絵を八十万、百万出して買うようなことにひっかかっちゃいかぬと思います。しかし、言葉も結構巧みなら、相手もなかなかうまいわけですから、全部普通の若い人たちなりなんなりに、消費者もよく学習しなさい、努力しなさいと言ったって、これはなかなか難しいところがあります。 ですから、ここには二つの問題があって、学習という部分、努力という部分、それともう一つ、やはり不当勧誘という別な面から見たときに、脅迫、監禁に近い不退去などに狭く限定しない。大体、不当勧誘行為というのは、よく理解し、努力し、わかっておればひっかからないというぐらいのものを含めてたくさんあるわけですから、広く不当勧誘行為というものをきちっとしておくということが大事だと思うのです。この点について聞いておきたいと思います。
○堺屋国務大臣 さっきの画廊の例でいいますと、七時間もかかってということになると、多分そのお客さんはもうそろそろ帰りたいという意思表示をされたと思うのですが、意思表示をされるとこれは監禁の方に入りますから、取り消しの事由になります。この取り消し事由を限定いたしましたのは、やはりどういうことかはっきりしないと、あいまいになると、いつ何をしたかということで非常に問題になります。 それから、先ほど情報提供でも、逆の例もございまして、例えば、駐車場で、大きな外車を入れまして、きちんと入れとかぬと傷つくよと言わなかったからといって、少しこすったぐらいでえらい損害をとってくるというのも一時はやったことがございます。 そうすると、一人ずつにここへきちんと入れなきゃというようなこともございますので、そういうバランス、事業者の側と消費者の側のバランスの問題として、やはり明確なものとして、先生御指摘になったような例でございましたら、消費者の方がもう三時間、四時間たったら帰りたいとおっしゃっていただくと、もうそれで取り消し事由が出てくると考えておりますので、ここら辺が全体を見る消費者契約法としてはいいところではないかと考える次第です。
○吉井委員 車が少しはみ出しているからというので怖いお兄さんが言うような、やくざ、暴力団のたぐいというのはないことはありません。しかし、これは論外の方であって、普通の消費者が相当いろいろ見ておってもなかなかうまく、それも経験を得て賢くなっていくといったらそういうこともあるでしょう、しかし、相手はまた次々と新しい手口を、年齢別、商品別、手口別といろいろやってくるわけですから、それについて私は、やはり消費者の努力ということで、努力が欠けておったからということには絶対しないということがまず必要だと思います。 それから、不当勧誘のやり方も本当にいろいろあります。例えば、アロマセラピーのアンケートだといって、それから試供品を渡して、アロマエステティックにどうぞいらっしゃいということで、行って無料でエステやりましょうと。これが、エステへ行ったら、今度はその化粧品を買わされる。二回目が効果が出るのなんのということでチケットをもらって、行ったら今度は下着を買わされ、三回目はバッグを買わされ、四回目は宝石を買わされるとか、断りにくくなる。そういうので、二週間で二百万円取られるとか、全部これはローンを組んでだからというので、何とはなしに乗せられてしまう。そういういろいろな勧誘の手口がありますから、これを本当に、脅迫、監禁に近い不退去などに狭く限定しているだけでは、消費者の被害を食いとめて守っていく、正常な契約のルールに乗せていくということ、これは私は非常に難しいと思うのです。 だから、被害の実態に即して、威迫、困惑など消費者の判断を誤らせるものを広く不当勧誘行為として、そういう場合は消費者が契約を取り消すことができるのだ、やはりそのことはきっちりするべきだと思うのですよ。それを文字どおり不退去などだけなのですということでやっちゃうか、文言はこうだが法の運用の中ではもっと広く、威迫、困惑など消費者の判断を誤らせるものを不当勧誘行為だというふうに考えるのだという立場に立って臨むのか、そこのところは大事なところだと思うんですが、大臣、どうですか。
○堺屋国務大臣 委員おっしゃること、まことによくわかるんです。 善良な事業者と善良な消費者なら、余り問題ないんですね。悪質な事業者、悪質な消費者と持ってくると、どっちもえらい極端な話があるんです。この法律はやはり全体をまとめておりますので、例えば、困惑といってもどういう状態か、強迫、威迫といってもどんな状態か。だから、民法で言う強迫に入る、あるいは刑法の脅迫に入る、そういうのは完全にそちらで取り消されます。それで全体を見ますとこのあたりで、そして極端な場合には詐欺にいくか強迫にいくか、そういう形にならざるを得ないんですね。 一方でそういうのを認めますと、今度はそれを利用して他方というのも出てきますので、広く網をかけまして、消費者を予見可能性の範囲で裁判外で守るということになりますと、このあたりが一番いいところじゃないかと考えておる次第です。
○吉井委員 現場の方では、今のような実例などはなかなか大変だけれども、しかし、実際に都道府県なりあるいは市町村の消費生活センターなどで消費生活相談員の方が随分御努力いただいて、相手の業者に話をしたりして、そしてかなり不当勧誘行為で取り消しをさせる。努力されて積み上げてきているものは随分あるわけです。あるいは、中には裁判によって到達したものとか。 それで、不当勧誘行為について、大臣は政府案を提案していらっしゃるからそういう言い方しかできないとは思うんだけれども、しかし、実際の現場での実績の積み上げ、実例とかさまざま生まれておりますから、これを後退させるということは、この法律によってこれを後退させるということはありませんね。
○金子政府参考人 消費生活センターなどの苦情処理というのは、必ずしも法に基づいてやるものではなくて、両者の合意にあればそれで解決ができるわけですから、そういう面で、そういう方向で行われているものもかなり多いのではないかと理解しております。
○吉井委員 時間が参りましたので、きょうの質問はこれで終わりたいと思いますが、最後に一言。 これまでも確かに、法によってすべてが、話し合いで解決とか、相談員の方が努力されて解決に至ったものじゃなくて、法律外のものもあれば、法律をうんとうまく運用したり解釈して頑張ってきたものがあるわけです。 ですから、そういう到達点の上に立って、この不当勧誘行為という問題についても、今度の法律によってうんと狭く限定してしまうと、法律ができたことによって逆に業者がそこにつけ込んで、悪徳業者の方が大手を振るようなことになっては大変ですから、これまでの積み上げてきたものは当然不当勧誘行為の運用の中ではちゃんと考えてやっていくんだという、この立場だけ貫いてやってもらいたいと思うんです。 この点だけ大臣に伺って、質問を終わるようにしたいと思います。
○堺屋国務大臣 法律の問題と現実の問題とあると思います。現実では、いろいろな方々が、弁護士の方々も相談員の方々もいろいろ努力されて気の毒な方の救済に当たっておられる。この態度は我々も大いに支援していきたいと思っております。
○吉井委員 質問を終わります。
○中山委員長 知久馬二三子君。
○知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬二三子でございます。 私は、最初に、この法案の目的規定であります一条と、それから二条、それと十条について、確認のためにお尋ねしたいと思います。 まず、目的規定であります第一条なんですけれども、先がたもたくさんの方の論争点があったと思うんですが、委員会の「消費者契約法の具体的内容について」でも制定の背景として言及されており、法制化に当たっては、情報力や交渉力で劣る消費者を守るための契約ルールであることを明記すべきであるとしてあります。 そこで、この法案は、消費者と事業者との間の情報、交渉力の格差を前提に規定されたと考えてよいのでしょうか。この点、お願いします。先がたもたくさんあったと思いますけれども、私自身、もう一度確認のために、よろしくお願いします。
○堺屋国務大臣 委員御指摘のとおり、第一条の目的規定は、消費者と事業者の間に存在する契約の締結、取引に関する構造的な情報の質及び量並びに交渉力の格差を前提として、これをなるべく詰めようということから生まれたものでございます。
○知久馬委員 次に、法第二条の適用範囲の定義になるわけなんですけれども、契約トラブルを公正円滑に解決するために消費者契約の一般的なルールを定めることが最大の眼目であり、これを骨抜きにするような適用除外を認めてはなりません。 それで、適用されない消費者契約は全くないと考えてよいのでしょうか。その点につきましてお願いします。
○堺屋国務大臣 本法においては、労働契約以外の消費者契約はすべて適用されております。
○知久馬委員 では、次に第十条でございますけれども、これは消費者の利益を一方的に害する条項の無効についてでございますが、一般条項であったとしても、消費者の利益が確実に守られるためにも、法文案はできる限りクリアにすべきだと考えます。 そこで、消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする規定、いわゆる一般条項は法案に盛り込まれたと考えてよいのでしょうか。そこを確認したいと思います。
○堺屋国務大臣 いわゆる一般条項は、本法案の第十条に盛り込まれております。
○知久馬委員 一応確認をいたしました。 続きましては、消費者契約法の内容は、この法律が現実に全国にいる普通の消費者にとってどのような意味を持つのかということを考えずには評価することはできないと思います。そこで、地方消費者行政の現況、特に苦情処理委員会、消費生活センターの各活動の現状及び消費生活相談員の役割について質問いたしたいと思います。 契約に係る消費者紛争は、契約を締結した消費者の利益が直接害されるという側面を持つと同時に、個別の被害の背景には無数の同種の被害が隠れていることが通例であるという意味においても、その公正な解決を図ることの必要性が高いと考えます。裁判外紛争処理の充実の必要性は言うまでもないのですが、消費者の生活の本拠が全国津々浦々にあることを考えれば、その整備のポイントは、全国各地の消費者が利用しやすいものでなければならないと思います。そうした意味においても、地方消費者行政の役割は極めて重いものがあります。国としても、そうした努力を促し、支援する政策をとる必要があると考えます。 そこで、地方消費者行政の予算はどのような推移にあるのか、減少しているとすれば問題があるのではないかと思うのですが、その点について、局長さんにお願いします。
○金子政府参考人 まず、地方消費者行政予算の推移でございますけれども、前年度の増加率を見てみますと、八年度は前年度に比べて四・五%、九年度が前年度に比べて六・七%、十年度が五・八%、それぞれ減少です。それから十一年度は七・九%という減少であります。 こうした消費者行政関連予算の減少というのは、単に消費者行政だけではなくて全体的な地方自治体の財政状況の悪化を背景としているものでありますから、他の部面においても見られることだと思います。そういう中で、地方自治体の消費者行政予算をどうするかというのは、先ほどの議論も随分ありましたけれども、地方自治体が自主的に決定される事項であると思います。 しかしながら、この消費者契約法が立法された際には、先生御指摘のような裁判外紛争処理の役割、特に消費生活センターの役割というのは非常に大きくなるわけですから、全国四百カ所にある消費者センターが、苦情相談、消費者契約を初めとする消費者行政の拠点としてこれまでに増して十分機能していくことが非常に重要であり、そういう面で、地方消費者行政の役割というのは非常に大きいものだと思っております。 経済企画庁としては、PIO—NETという、全国の消費生活センターを結びまして、そこでの苦情相談のデータを収集する仕組みがあるわけですけれども、それに対して交付金を交付しておりますし、その交付金を今後ともしっかり行っていくということ。さらには、消費生活センターにおける苦情相談がしっかり行われるためには、そこで働いております消費生活相談員、そういう人々がしっかりした能力を持つことが必要でありますから、その研修の実施、さらには相談業務に対する情報提供、こうしたことをこれまでも行っていますけれども、今後ともそれを一層しっかりやっていきたい、こう考えております。
○知久馬委員 政務次官からもありましたけれども、私は、地方分権を実施するに当たって、何かしら地方自治体の独自性を独自性をという形の中で、何か押しつけられたような形がつくられているのではないかなという思いがしてならないところでございます。 行政の設置している横断的な紛争処理機関としては、各地方公共団体に置かれています消費生活センター及び苦情処理委員会があります。弁護人を代理人に選任して訴訟を追行すると経済的なメリットがないが、本人がみずから手続を行うことは困難であるような少額紛争については、行政による低廉な紛争解決手続、あっせんとか調停を有効に活用する必要があると思います。 消費生活センターは、都道府県、政令都市のすべてに設置されており、単に消費者からの相談に回答するだけでなく、事業者との間に立って苦情処理のあっせんを行ってもいると思います。このような機関は、身近なところに包括的な窓口があるということであり、消費者は苦情を申し出る際にどこに行けばよいか迷うことはなく、また、紛争処理のために遠隔地に出かける必要が少ないということであり、消費生活センターの充実が必要だと思います。 新聞等でも報道がありましたように、午前中の質問の中にもありましたけれども、だんだんと消費生活センターも規模が小さくなっていくという点があります。そのことについてもう一度お伺いしたいと思います。
○金子政府参考人 お答えいたします。 先ほども政務次官がお答えさせていただきましたけれども、例えば消費生活センターの設置数は昭和四十年には全国でわずか二つしかなかった、それも県立が二つだったのですけれども、平成十一年度にはそれが全国で四百十二という形で、相当身近なところに、確かに先ほども議論がありましたけれども、町には八件しかないのではないかということはあると思いますけれども、相当な数のセンターができてきたということだと思います。 そういう中で、都道府県といたしましては、市町村の消費生活センターが相当充実してきたので、市町村立の消費生活センターと都道府県立の消費生活センターの均衡というか、そういうことをもう少し考えていったらいいのではないかということが、最近一部の都道府県による消費生活センターの縮小ということに見られるのではないかと思います。 非常に大きな赤字を抱えているわけですから、財政の効率化、行政の効率化という基本的な流れは都道府県で考えていただくことになると思いますけれども、先ほど申しましたように、この消費者契約法ができますと裁判外紛争処理機関としての消費生活センターの役割というのはこれまで以上に高まるわけですから、ただ、市町村も充実してきているわけですからそのあたりである程度の整理というのはしていくのかもしれませんけれども、そういう縮小の動きが適切な苦情処理にマイナスにならないようにしてほしいということは私どもが関係都道府県にもお願いしておりますし、また、現在いろいろ起こっていることが一体どういう問題を起こしているのかなということについても私どもとしては研究してまいりたい、こう思っております。
○知久馬委員 確かに四十年前には二つしかなかった、相当昔の話ですからそのころはまだ苦情の相談も少なかったと思いますが、今はだんだんと、十年前に比べれば苦情の相談というのは倍以上になっているという現状がございます。 もう一度お聞きしますけれども、都道府県、政令指定都市における苦情処理委員会とか消費者被害救済委員会の設置の趣旨と設置状況、その開催状況等はどうなっておりましょうか。この辺、ちょっと事務的なことなんですけれども、お願いします。
○金子政府参考人 苦情処理委員会の役割ですけれども、消費者から寄せられる苦情相談は消費生活センターの方に寄せられるわけですけれども、その場において非常に解決が難しい案件があります。そういう案件についてさらにあっせん、調停を行う第三者機関として、地方公共団体によって設定している機関が苦情処理委員会であります。現在、五十九の都道府県、政令指定都市のうち、五十六の自治体で設置をされております。 それから、その開催状況ですけれども、例えば東京都のように、総会、部会を合わせまして平成九年度に十一回、平成十年度に十八回というかなりの回を開催しまして、あっせんに一定の成果を上げている自治体もありますけれども、かなりの県は実際には余り開催がないというのが実情だと思います。
○知久馬委員 今お聞きしましたけれども、多くの地方公共団体には、条例によっていわゆる苦情処理委員会あるいは消費者被害救済委員会が設置されていると思いますけれども、実質的に本当に機能している地方公共団体は、九七年七月一日現在で五十というようなことがございますので、実質的に機能している地方公共団体というのは本当に少ないなということを思います。 そして、次にお聞きしますけれども、苦情処理委員会の構成はどうなっているのでしょうか、事業者から見ても中立性は期待できるのでしょうか。この点につきましてお願いします。
○金子政府参考人 先ほど申しましたように、苦情処理委員会、これは条例によって規定されておりまして、その内容は自治体によってやや異なるものの、委員の構成ですけれども、おおむね学識経験者、消費者を代表する者及び事業者を代表する者などから構成されているということだと思います。 それで、中立性のことですけれども、そういう形で三者から成り立っていますし、また、苦情処理委員会は、あっせん、調停のために当事者あるいはその他の関係者に対して説明を求め、また必要な資料の提供を求めることができるとされていますし、紛争の事実関係について調査を行う、また両当事者に申し立ての機会を与えているというようなことであります。 そういうことから、苦情処理委員会というのは、紛争当事者から独立した行政による第三者機関として、中立的な立場から苦情のあっせん、調停に当たっているものと思っております。
○知久馬委員 やはり、この苦情処理委員会というのは大変大切な委員会だろうと思いますので、中立公正の判断を期待するところでございます。 次に、手続費用はどうなっているのでしょうか。少額被害者の場合、高額の費用を課すことで使われない制度になるのかどうか、その点についてお願いします。
○金子政府参考人 苦情処理委員会は自治体が条例として設置していますので、紛争当事者の手続費用はかからないものだということを聞いております。
○知久馬委員 無料ということなんですか。
○金子政府参考人 無料だと聞いております。
○知久馬委員 次に、細かいことばかり聞くようですけれども、消費生活相談員の待遇などはどの程度になっているのか。また、その担っている役割、今後期待される役割を考えれば、相談員としての身分保障で生活していける程度、つまり自治体の正規職員並み、専門性の高い相談員はそれ以上に待遇を改善すべきではないかと思うのでありますが、この辺の見解はどうでしょうか。
○金子政府参考人 お答えします。 平成十年度の経済企画庁の調査でございますけれども、これによりますと、各地の消費生活センター等において消費者からの苦情処理に当たっている消費生活相談員、これは全国で約二千四百人いると聞いております。その雇用形態は全体の約九五%が非常勤ということであります。 それで、どのぐらいの給与をもらっているのかということなんですけれども、最低では、大体月十四万から十六万円程度の自治体が最も多く、約三割以上を占めているということであります。ただ、この場合も、日給とか月給とかいろいろな支払い方法、あるいは一カ月当たりの勤務日数等の勤務態様が異なっているために、単純な比較は困難でありまして、この結果については十分幅を持って見る必要があるんじゃないかと思います。 それから、待遇につきましては、これも消費生活センターの予算と同じなんですけれども、各自治体が自主的にお決めになる事項である、こう考えております。 ただ、経済企画庁は、こうした自治体の参考にするため、毎年、消費生活相談員の現状、給与も含め、今申し上げたようなことも含めて、各地の消費生活センターの状況について調査を行って、各自治体にその結果を示しているということをしているところであります。
○知久馬委員 やはり、相談員であろうとも各地方では本当にボランティア的な人たちが多いと思うのです。そうした中で、相談員の専門性、それと、本当に生活できる、そういうことも大切な要素になろうと思います。 そこで、法律的な知識とその高度な運用能力が不可欠でありますし、消費生活相談員の専門性を向上するために、国、経済企画庁としての養成研修を充実すべきではないかと思うのであります。例えば、国民生活センターだけでなく、全国で相談員が日常的に研修を受けられるような仕組みなどに取り組むべきではないかと思うのですが、これについていかがでしょうか。
○金子政府参考人 特に消費者契約法が立法されますと、その実効確保のためには、先ほど申しましたように、消費生活センターの苦情処理相談、これが適切に行えるかどうかということが非常に重要になってまいります。そういう面で、消費者契約法に関する生活相談員の理解を深めていくということが非常に重要であると認識しております。 そういうことで、経済企画庁としても、消費者契約に係る最新の苦情処理相談事例の情報提供に努めるとともに、今おっしゃいましたように、各地の消費生活センターの国民生活センターを通じた契約法に係る研修等を一層充実させてまいりたいと思っております。 それから、都道府県においてもこうした相談員の研修を行っているようでありますので、その都道府県に対して、消費者契約法についての知識を深めるような研修をしてもらうということと、それから、経済企画庁は、要請があればこうした都道府県の研修に講師を派遣するということもこれまでしていますので、こういうことを積極的に行い、さまざまな消費生活相談員の資質を高める努力に支援をしてまいりたい、こう考えております。
○知久馬委員 今いろいろな問題がある中で、やはり高度な知識をある程度深めていくということが大切だろう。相談を受ける側も、やはりそうした知識を持っている方に相談を受けるということが、ある程度の安心感があると思うのです。特別に法律の専門家とか弁護士さんに相談する場合には、今大変な高い費用がかかる。地方の本当にちょっとした被害があったというようなときでも簡単に受けられるような仕組みにしなければならないという思いがございます。 それで、消費生活相談員の制度につきまして、一定の資格を持つ者を雇用した場合には国としても財政的な支援をすべきでないかと思うのですが、この点について考え方をお伺いしたいと思います。
○金子政府参考人 先ほど申しましたように、消費生活相談員の雇用をどうするかということにつきましては、それぞれの自治体が住民の消費生活の安定と向上のために自主的に考えていくべきものだと思います。しかし、先ほども何回も言っていますけれども、経済企画庁としては、国民生活センターの研修などを通じまして、消費生活相談員養成講座の開催、消費生活専門相談員の資格認定などによりまして、相談業務に従事する人材の供給、これに努めているところであります。
○知久馬委員 苦情処理委員会は既にほとんどの地方公共団体に存在しています。また、消費者にとっても身近な存在である消費生活センターとの手続的な連続性を有しています。したがって、消費生活センターを苦情処理委員会の実質的な前置き機関として、紛争の概要を整理し、ある程度の事実を確認することにより、紛争の処理はより簡易に迅速に低廉化すると考えられるのではないかと思います。その点について、同じようなあれになるのかもしれないのですけれども、もう一言お願いします。
○金子政府参考人 都道府県にあります消費生活センターそれから苦情処理委員会、これが適正な役割分担によって裁判外紛争処理の効率的運用を図っていくことが非常に重要である、こう認識しております。 それから、苦情処理委員会によるあっせん、調停に付せられる案件というものは、先ほども申しましたように、消費生活センターにおいて解決が困難であるということですから、そういう面で、要するに、苦情処理委員会に付される前に消費生活センターで議論されるということだと思います。そういうことで、消費生活センターは、苦情処理委員会でのその紛争の概要あるいは事実関係の確認を行うという役割を果たしているんではないか、こう考えている次第です。
○知久馬委員 何にいたしましても、それの処理に当たるためには簡単でなければいけないし、物事が速く進まなければならないと思うのです。消費者契約に係る紛争の適切な解決のために、自治体の苦情処理委員会や消費生活センターをもっと消費者紛争のために活用すべきだと考えます。そしてまた、先がたも言ったと思いますけれども、最近、消費生活センターが統合されるというニュースがあるわけなんですけれども、これは地方消費者行政の後退につながることではないかと思うのであります。ここでひとつ経済企画庁、大臣の認識をもう一度お伺いしたいと思いますので、お願いします。
○堺屋国務大臣 消費者行政はこれから非常に大きく変わる問題だと思っております。従来は国が安全基準を定めて監督管理をしていたものが、これからは自由競争の世の中になりますので、事業者と消費者、あるいは事業者相互の取引というのが自由な立場で行われるようになる。この中で、消費者の利益を守るシステム、制度をつくっていかなければいけない。それに実効あるものとしていく上では、消費者行政というのが重要な問題だと思います。 来年からはこれは内閣府の中に移動いたしまして、国としても大変重要な行政として取り扱っていく必要があると思いますが、実際の現場の行政ということになりますと、やはり自治体の問題になります。そこで、自治体の方々、これは都道府県も市町村もあるんですが、できるだけ多くの方々に御理解をいただいてこの充実には努めたい。特に人材の養成、その他重要なことがたくさんあると思います。あわせて、弁護士会とかボランティアの方々にもいろいろとこういう意味で協力していただきたいし、私たちも、この消費者契約法等ができましたら、いろいろ書籍その他でこれからの消費者行政のあり方についてできるだけ説明をしていきたいと考えております。
○知久馬委員 そこで、地方財政が逼迫する中で消費者行政は縮小傾向にあると先がた言いましたように、苦情処理委員会や消費生活センターの専門性の確保、向上のために国としての積極的な支援を講じなければならないと今おっしゃったんですけれども、例えば金融や住宅など、取引分野の専門家を必要に応じて国から地方に派遣するというようなことはどうでしょうか。やはり、消費生活相談員の専門性の向上を図るためには、そのようなことがあってもいいんじゃないかなと思うんですけれども、そこのあたりを局長さんに。
○金子政府参考人 先ほどお答えしましたように、経済企画庁が地方で行われている消費生活相談員などの研修に講師を派遣している、その講師は専門家を派遣しているということであります。 それからあとは、消費生活センターの中の専門性ということがあると思います。それで、確かに、相談員というのは、余り専門的過ぎてもいけないのかもしれませんけれども、非常に広い見識を持って、にこやかに対応するというのが非常に重要だと思うんですけれども、ただ、かなりの専門知識も必要だ。しかし、非常に専門的なことはやはり弁護士さんなりなんなり、そういう方が必要だと思いますので、私が伺っている限りは、地方公共団体の消費生活センターは、そういう専門家の方々の御協力も得ながら苦情の解決を図っていくということで聞いております。
○知久馬委員 やはり、地方自治体任せにしないで、先がたも大臣おっしゃったんですけれども、国としての最大限の努力をしていただきたいと思います。 次に質問させていただきたいのは、契約締結の過程についてでございますが、誤認の不告知について、これは法案の第四条第二項になると思いますが、消費者に対してうっかり説明し忘れたという事態を定義できるはずがなく、消費者救済を第一義とするなら、取り消せる事業者の行為を幅広に規定しなくてはならないと思うんです。 そこで、故意であるか否かを消費者が立証することは困難であり、「故意」は削除すべきではないかと思うことなんです。そこの点についてお伺いしたいと思います。
○堺屋国務大臣 不実告知あるいは断定的判断の提供につきましては、それ自体として事業者の不適切な行為という評価が可能でございます。これに対し、不利益事実の不告知は事業者に積極的、作為的な行為を要求する規範であるため、取引の安定性を配慮して、より行為の悪性の程度が高いものを契約取り消しの対象にすることが適当だと考えております。「故意」というのは、事業者の主観的な態様を要件としたものです。 この場合、故意とは、民法の詐欺において相手方を欺こうとする意思よりも程度の弱いものでございまして、消費者にとって、これを立証することは、民法の詐欺に比べるとはるかに容易だろうと考えております。
○知久馬委員 民法でのその立証、でも、消費者自体が本当にそれをどのように立証するか、そこのあたりがちょっと理解できないので、もう一度お願いしたいんですけれども。
○堺屋国務大臣 この第四条第二項の「故意に」というのは、当該事業者が、当該事実がその消費者の不利益になるものであることを知っており、かつ当該消費者がこの事実を認識していないことを知っていながらあえて、というような意味なんですね。だから、相手側がこの事実が不利益であるということを、これは言ったら不利益になるということを知っておりながら、かつその事業者が、事実を認識していない、この人知らないなと思いながら言わなかったということでございます。 民法の詐欺というのは、相手方を明らかにだまそうという意思があるんですが、この場合は、相手側が、これはこの人にとって不利なことで、知らないなという程度でいい。こういう、少し民法よりは緩いものでございますので、立証しやすい面が多いと思います。
○知久馬委員 次の点についてお伺いしたいと思います。 困惑の行為類型について、これは四条の三になると思いますが、困惑行為に関しては、委員会報告においても、設問の趣旨と相当程度合致する部分が多いと思われます。ただし、私生活等の平穏を害するというところまで読み取れるか定かでないため、国会審議等を通じて明らかにすべきだと思うのであります。不退去や監禁だけでなく、販売目的を隠して近づき勧誘する行為、事業者が消費者を圧迫するような行為、消費者の私生活、業務の平穏を害する行為なども困惑行為に含めるべきではないでしょうか。その点についてお願いします。
○堺屋国務大臣 この「困惑」というのは何をいうかということをはっきりさせているわけでございまして、消費者の私生活、業務の平穏を害するような行為などについて取り消しを認めるとすれば、次のような疑問が出てまいります。 第一に、消費者の私生活、業務の平穏を害する行為の定義が必ずしも明らかでないことでございます。事業者にとって、客観的にどのような行為をすれば取り消しになるのかわからなくなってしまう。どの程度何をすれば相手の平穏を害しているのか、これはなかなか一律にわかりません。したがって、その程度をはっきりしておかないと、後であのときあなたがこうしたからということになると非常に取引の安定性を欠いてまいります。 第二に、民法において意思表示の取り消しが認められているのは、意思表示に瑕疵がある場合でございます。しかるに、消費者の私生活、業務の平穏を害する行為に関しては、必ずしも消費者の当該消費契約を行おうという意思に瑕疵があったとは申しかねる点がございます。 このため、これらの行為について取り消しを認めますと、事業者は、何をやったら取り消されるのか、それからどういうことが取り消しの原因になるのかよくわからなくなる。例えば売り声が平穏を害するのかというようなことも起こるわけですね。そういうような範囲を明確にしておかないと、やはり取り消しという民法上最も厳しい行為をやるわけですから、ここは明確にしておく必要があるんじゃないかと思います。
○知久馬委員 一般の消費者というのはなかなか理解ができないという点がございます。 そこで、時間が二分前になりましたので、次の質問をしたいと思います。 契約条項、内容、これは法第八条、九条になると思いますけれども、無効とする不当条項は、消費者保護の本旨からすれば、より具体化、明確化することが必要ではないでしょうか。この観点から、不当条項を充実するとともに、契約条項が不明確な場合、消費者に有利な解釈優先の原則、消費者が予測できない不意打ち条項の無効などを明記すべきではないかと考えますが、この点についていかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 これは包括的な民事ルールでございますので、幅広い分野における契約について定めることを想定して不当条項をつくっております。事業者による消費者の利益の侵害としては、現実に消費者に対し不当な金銭的な負担を強いる場合が多く、トラブルも発生しております。 以上のような点にかんがみますと、トラブルの実態に照らして必要性が高く、取引に無用な混乱を起こさせるおそれのないものとして、国民生活審議会でいただいたコンセンサスを踏まえまして、無効とすべき契約条項を本法の八条から十条に列記しておるわけです。 なお、消費者にとって不当な条項について、第十条の一般規定を入れておりまして、任意規定に反する条項で民法の原則に反し消費者の利益を一方的に害するようなものは無効にすることができるため、この八項目で十分ではないかと考えている次第でございます。 また、消費者有利解釈につきましては、国民生活審議会においても検討課題になりました。特定の解釈原則が法定されるとなりますと、裁判官の解釈に拘束を加えることになり、安易にその解釈原則に依存した判決が行われ、真実から遠ざかるおそれがございます。特に裁判外において、一部の消費者が自己に都合のよい偏った解釈を押しつけたり、悪質な消費者からの要求が際限なく広がるという可能性もございます。 そういったことから、消費者有利原則などを法定化するのはよろしくないという意見が審議会で強く出、それを採用したわけでございます。
○知久馬委員 時間が参りましたので、最後になりますけれども、この法案を実効性のあるものにするためにはやはり相当の努力をしていただかなければならないと思いますので、その点を十分配慮していただきたいということで、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中山委員長 次回は、明五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会