商工委員会 第2号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/02/24
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、渋谷修君の質疑の際に会計検査院事務総局第五局長諸田敏朗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として、中野清君の質疑の際に中小企業庁長官岩田満泰君、塩田晋君の質疑の際に通商産業大臣官房審議官揖斐敏夫君及び資源エネルギー庁長官河野博文君、吉井英勝君の質疑の際に通商産業大臣官房審議官揖斐敏夫君、工業技術院長梶村皓二君、資源エネルギー庁から長官河野博文君及び長官官房審議官藤冨正晴君並びに中小企業庁長官岩田満泰君、北沢清功君の質疑の際に通商産業省環境立地局長中島一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び中小企業庁長官岩田満泰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野清君。
○中野(清)委員 自民党の中野清でございます。私は、中小企業者の一人といたしまして、中小企業を今日の危機的な状況から脱却させまして、再び成長発展させようという熱い思いから質問をいたします。 中小企業にとって重要な問題は、まず税制であります。 平成十二年度税制改正大綱では、中小企業の事業承継の円滑化や留保金課税の問題など、これまで私自身が重大な問題であると考えていた課題について一定の前進がありました。これは評価いたします。しかし、事業承継税制のさらなる改善や、また相続税率の根本的見直し、留保金課税の全廃の問題については、今後とも引き続き前向きに検討していただきたいと思います。 税といえば、外形標準課税の問題があります。東京都の外形標準課税導入の発表を契機に、全業種への外形標準課税導入の動きが見られます。高利益を上げながら納税をしない銀行に対する課税は感情的に理解はできますが、一般の産業界、特に経済活力の源たる中小企業に対する外形標準課税には重大な懸念を表明したいと思います。 外形標準課税は、我が国企業の競争力を害し、投資や雇用を縮小させるという重大な欠陥を有しており、小渕内閣の最重点課題である中小・ベンチャー企業育成に真っ向から対立すると私は考えます。ドイツ、フランス等で一たん導入されながら次々と廃止されているこの時代おくれの外形標準課税を今我が国が全業種に導入することは、まさに百害あって一利なしと私は考えます。大臣の所見をお伺いいたします。 言い方をかえますと、いわゆる外形標準課税の導入が、安定した財源確保という名のもとに、全国一律に広く浅く、赤字法人まで全業種適用の導入に向けた議論が検討されていると聞いておりますが、このような税制が実施されたとした場合の中小企業に与える影響をどう考えているか。また、亀井政調会長は、零細企業や赤字業種にはかけるわけにいかないと発言されたと報道されていますが、この発言についてどのような見解を大臣はお持ちか、お伺いいたします。 さらに別の角度からお伺いいたしますが、中小企業への配慮といろいろと言われながら、現実には中小企業は五千億円の法人住民税均等割、一兆八千億の償却資産の固定資産税等、実に二兆三千億円の外形標準課税とも言えるような納税をしております。これ以上の負担を中小企業に求めるということは慎重に対処すべきであります。都道府県の税制安定化に関しまして、住民税など税のあり方を全体的に見直す中で、第三の道を含めて幅広い検討や議論が必要じゃないか、この点について大臣の御見解をお伺いいたします。
○深谷国務大臣 原則として、まず基本的に中野委員の御意見に私は賛成であります。 私は大臣になる前から、かねてより外形標準課税導入には反対の立場をとってきました。それは、すそ野を広く税を集めるという、聞こえはいいのですけれども、結果において中小企業にかなりの負担を与えることになると考えたからであります。 通産大臣になりましてからも、御案内のように、中小企業問題に皆さんとともに全力を挙げて取り組んでまいったわけでありますが、新たな税の負担を課するような、そういう状況になることは最も懸念されるべきことでありまして、極めて慎重な姿勢であり、閣議の中でもそのような発言を既にいたしておるところでございます。
○中野(清)委員 大臣の力強い御発言をいただきまして、ぜひそのようにお願いしたいと思うのです。特に外形標準課税というのは、制度上の問題点、今おっしゃったような中小企業や赤字法人の問題点、応益課税の問題点といろいろございますし、また、いわゆる基準のとり方とか課税の影響等を考えますとさらに大きくなりますし、雇用や景気にも影響がある。 そういうことを考えますと、日商を初めとした中小企業団体がこぞって反対しているのは私は当然だと思いますので、ぜひ今大臣のお考えのとおり頑張っていただきたいとお願いをしまして、この質問は終わります。 次に、中小企業対策であります。 大臣は昨年、中小企業基本法の三十六年ぶりの改正をされまして、新しい観点に立った中小企業政策を打ち出されました。このこと自体は、時代の潮流や社会経済構造の変化を踏まえた、時宜に適した見直しでありまして、小規模企業、株式公開を目指す企業、新規開業企業、ベンチャー企業という、企業の発展段階別にはきめの細かい対応が示されていると私は考えています。 しかし、我が国の経済社会というものは、工業社会からネットワーク社会へと急速に進展しております。昨年までのインターネットの利用というものは千八百五十万人、移動電話は四千六百三十万台、PHSが五百六十五万台という驚異的な変化を見せております。これに伴って、業種、業界の垣根、国境が崩壊して、他業界、ベンチャー企業の参入などによって新しいビジネスモデルが生まれようとしております。このような革命的な業界転換に対して中小企業が対応していくためには、インフラ整備が必要と考えますが、これについての御見解をいただきたい。 一方、製造業の各分野はもちろん、商業においても業種別のアプローチが求められておりまして、いわばこれは縦軸と横軸という関係での極めてきめの細かい政策展開というものが必要なはずでございます。今申しましたように、時代が大きく変わり、業種の垣根が取り払われたり、新しい業態の変化が起きております。こうした中で、特に規模の小さい小規模企業に対してきめ細かい施策が必要と思いますが、いかがでしょうか。 また、今申し上げた横軸としての業種別の政策対応につきましては、今必ずしも明らかになっておりません。私は、昔の業界的な指導をしろと言っているのではございませんから、その点も含めまして、大臣は中小企業について御専門でございますので、ぜひその点の御答弁を願いたいと思います。
○深谷国務大臣 御指摘のように、経済のグローバル化であるとか情報通信技術の発展、普及などということが非常に大きく今進んでいるわけでありますが、そういう意味では、小規模企業の環境は極めて大きく変化しつつあるというふうに思っております。そういう中で小規模企業が一層多様化していかなければならないというのは、私は、時代の流れとして当然のことであろうと思います。 小規模企業の場合には、個人の創造性の発揮、こういうことには非常に適しているわけでございます。また、積極的な事業活動を行うという点でも役割としては小規模企業の皆さんに大変適しているわけでありまして、そういう意味で、我が国の経済の活性化を考えますと、さらに大きな役割が期待されていくのではないかと思います。 一方で、そういう小規模企業の経営基盤というのは極めて脆弱でございますから、資金調達の面その他多くの困難性を持っていることに関しまして、国としては重大な関心を払っていかなければならないと思っています。 このために、経営資源の確保の円滑化であるとか、競争条件の整備とか、経営革新に向けた自助努力の支援など、きめ細かな対策を通産省、国は図っていかなければならないと考えております。
○中野(清)委員 今御答弁いただいたのは後の方の質問でございまして、前の方の、新しい時代の、いわゆる工業社会からネットワーク社会へと転換、そういう御認識についてはどういうお考えか、中小企業庁長官で結構ですから。
○岩田政府参考人 先生御指摘のように、ただいままさにIT革命と言われるように、世の中はこれからますます情報化が進んでまいると思います。その意味で、中小企業につきましても、情報化あるいは情報技術というものを、事務処理の合理化でございますとか省力化というような活用にとどめず、さらに経営向上に取り組む、そういう手段として使っていくことが極めて重要であると考えております。 私ども中小企業庁といたしましても、中小企業の情報化の促進のために、商工会、商工会議所あるいは中央会等々を通じて、中小企業向けのコンピューターに関連する研修会の開催でございますとか、パソコンの導入のための税額控除の施策でございますとか、政府系金融機関による低利融資あるいは情報機器の低廉なリースというような施策を講じてまいりました。 さらに、今回、全国各地域に中小企業の支援センターを整備するという構想を展開させていただきたいと考えておるわけでございますが、この中におきましても、情報化あるいは情報技術の活用、中小企業の経営への取り組みにつきまして、もろもろの研修を初め専門家の派遣、あるいは情報化設備の導入についてのもろもろのコンサルタントと申しましょうか、助言と申しましょうか、そうした面について、施策の拡充を十一年度補正予算あるいは十二年度予算において行っておりまして、このようなことで中小企業者の情報化の努力について支援をしてまいりたいと考えております。
○中野(清)委員 商店街の問題については前々からいろいろと言われておりますけれども、厳しい状況であるということは御承知のとおりでございます。 今年六月に施行されるところの大店立地法や、一昨年から既に施行されておりますところの中心市街地活性化法及び都市計画法の改正をにらんで、既に各地で、大型店の駆け込み出店や、大型ディスカウント店が閉店時間等をめぐり地域住民と紛争を引き起こしていると報じられております。これらのいわゆる政治を先取りした動きが急であります。このような状況を踏まえまして、商店街の現状と大店立地法という新法が動き始めた場合の将来像について、大臣の御見解をお伺いしたいと思うのです。 あわせまして、私は、中心市街地活性化法、これは地域にとっては非常に有益ないい法律だと思いますし、これが施行されたことについては感謝をしておりますし、私の地元でも行われております。しかし、この進捗状況というものが必ずしも十分じゃないということについて、一つ取り上げたいと思うのです。 その原因の一つが、地方公共団体のいわゆる財政負担が厳しくて、せっかくのプランというものが、財源難といいますか、財源確保といいましょうか、そのために生かされていない、そういう点についてお伺いしたいと思うのです。私は、そういう意味では、今最高の補助率が二分の一でございますけれども、この補助率の見直しを含めた検討が今必要と思われますが、この点について御所見をお伺いしたいと思います。 あわせまして、TMOにつきましても、専任スタッフの充実とか、いろいろ人材の点で問題があります。人材への配慮というのを私は特に予算面から支援すべきと考えておりますが、御見解を承りたいと思います。
○岩田政府参考人 お答え申し上げます。 中心市街地活性化法に関連することでございますが、確かに地方の財政事情は厳しい状況でございますが、これはもともと地域の振興のための施策ということで、私どもとしては、今申されましたような補助率等々につきまして、最大限の努力をさせていただいてきているところでございます。 また、補助金の交付等々、その煩雑性を避けるという意味においても、関係の十三省庁で連携をし、統一の窓口をつくり、もろもろの御相談に乗って、できるだけ使いやすい補助金制度ということに努力をいたしておるところでございます。 また、町づくり機関、TMOに関してでございますが、人材面につきましては、中小企業総合事業団を活用いたしまして、そこから町づくりの専門家の派遣あるいは町づくり人材の研修というような事業を行っております。町づくりの専門家の派遣につきましては、中小企業総合事業団がすべてのコストを負担するという形で、地域に負担のないような形の制度として構築をいたしておるところでございます。
○深谷国務大臣 今長官がお答えしたとおりですが、そのあとの問題について私申し上げます。 地域経済社会で重要な役割を果たしているのは商店街でございます。この商店街がいろいろな苦境にあるということを認識した上で、私たちは一昨年、国会で町づくり三法というのをつくり上げました。これからは、地域社会と調和のとれた大型店の出店規制、それから地域振興策を講ずるということで、商店街の活性化を図っていきたいというふうに思います。 また、先ほど御質問がありました駆け込み出店ということでありますが、私調べてみましたが、駆け込み出店に関しては統計上はふえておりません。ただ、時間の延長の届け出というのが若干ふえているようでございまして、ここらはよく注目しなければならないことだというふうに思います。 そういうような状況を踏まえまして、先月の末に、通産局長及び知事に対しまして、ここが直接担当いたしますから、法の運用方針、趣旨を踏まえて大店法の適正な運用を行うように通達を出したところでございます。
○中野(清)委員 今大臣の御答弁をいただきまして、ぜひこれは、町づくり三法というものが前の大店法よりもむしろ地元にとってはよかったのじゃないかという声もございますので、その適用に向けましては、むしろ今申し上げましたように、前の大店法を利用してのいろいろな動きがあるというわけでございますので、ぜひお願いしたいと思うのです。 それから、先ほど長官から御答弁がございました中心市街地活性化でございますけれども、現実に県の段階では予算が余りないものですから、せっかく国が予算をつけてもそれに対して対応できないというので、私なんかも関係したところが幾つかございましたけれども、逆に県の段階で予算を切られてしまう。そういうことでございますので、これについてはぜひ、せっかくのいい施策でございますから、何とかこれを生かすような、地元の声に対して御配慮願いたい。 それから、TMOについては予算面からの配慮を、特に、先ほどいろいろな人的なことはお話がございましたけれども、実際に人数が幾人もいないということだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、時間もありませんからもう一問だけさせていただきますけれども、中小企業指導法の改正案に基づくところの新たな中小企業支援事業の実施体制として、御承知と思いますけれども、国レベルの支援機関としてナショナル支援センターが八カ所、それから都道府県、政令都市レベルの支援機関として六十カ所、それから広域市町村レベルの支援機関として地域中小企業支援センターが三百カ所程度設置されると伺っております。 さまざまな小規模企業にとって、ワンストップタイプの相談所の窓口を設定しようとのこの試みについては、私は基本的にはいいと思っております。これは十分理解しておりまして、その前提で議論をさせていただきたいと思いますけれども、他方で、実際に事業を行う小規模企業者にとってみますと、三百カ所の支援センターということについては、やはり遠い存在ではないだろうかということについて、いろいろ議論がございます。 そういう意味で、これはもちろんつくって結構なのですけれども、むしろ、これと一緒に、今まで全国三千の市町村にあるところの商工会や商工会議所の機能というものをもう一回見直す必要があるのではないだろうか。そのことも重要だと考えますが、その点についてどうお考えになっているか、まずお伺いをしたいと思います。それから、三百カ所のセンターとそれ以外の商工会や会議所との連携とか関係はどうなっているか。 そうしますと、いろいろ見ていきますと、いわゆる中小企業支援機関、その中には政府系金融機関とか、いろいろなものの中の一つとしてこれが取り上げられている。私はむしろ、そういう意味での意味づけももっと明確にした方がいいと思いますので、この点も含めてお伺いしたいと思います。
○深谷国務大臣 中小企業の経営にとって一番必要なものというのは、いろいろありますけれども、資金、人材、ノウハウでございます。だけれども、中小企業が置かれている脆弱な基盤を考えますと、単独でこれを確保するということは非常に難しい。そこで、それを支援するために、全国に三百カ所の支援センターを設けようということでスタートさせるわけでございます。 センターには、企業経営について熟知したコーディネーターを配置いたしまして、そこで中小企業の方々の質問にお答えする。必要なら専門家を御紹介するというようなことをやります。同時に、インターネットのネットワークを活用していきまして、ボタン一つで、コーディネーターの前で、パソコンのモニターにあらわれるような、そんなやり方など、そこで万事さまざまな要請に応じられるようなワンストップサービスという形をしていきたいというふうに思っています。 それから、事業の実施に際しましては、お話がありましたように、今日まで商工会議所であるとか商工会とか都道府県のさまざまな団体が協力してくれておりますので、この方たちの力というのを十分におかりするということは大事なことでありまして、そういう意味では、この協力体制を整備していくということは委員御指摘のとおりで、我々もそれを進めていきたいと思っております。
○中野(清)委員 時間が来ましたので、一つ要望だけさせていただいて終わりたいと思います。 冒頭に外形標準課税について私は申し上げまして、大臣の力強い対応策についてはいただいたわけでございますけれども、私は、それを含めまして、今までいわゆる中小企業政策の中に、規制緩和とか、市場原理とか、行財政改革とか、効率とか、そういう面がどうしても出やすい。ですから、私はそういう意味では、基本法では画一的な施策というのが変わりましたけれども、いわゆる中小企業を保護するという考え方についてはやはり大事なものがあると考えております。 ですから、強い企業は残すけれども弱い企業はつぶれてもいいのだとか、例えば年寄りだけの商店はもう存在価値がない、そういうようないろいろな風潮、流れが変わる危険性というものを十分に感じておりますけれども、今度の法律改正の中でも、通産省が、指導から支援だ、そういう発想の転換をなさったということは、私は結構だと思うのですよ。そういう中で、今大臣がおっしゃったような、中小企業に対する温かい血の通った政治というものを、ぜひ大臣を中心にやっていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 渋谷修君。
○渋谷委員 民主党の渋谷修でございます。 京セラの事件が新聞で報じられておりましたが、京セラの補助金の不正受給の事件について、通産省としての対応を、これは細かくだと時間がかかりますから、概略御説明をいただけますか。
○深谷国務大臣 まず、京セラによる補助金の不正受給について、まことに遺憾でございまして、残念きわまりないと思っています。 当省といたしましては、補助金適正化法に従いまして、京セラに対して、補助金の過大請求額六百六十七万五千円の返還及びこれに伴う加算金約六百万円、これの納付を命じました。あわせて、同社に対しまして、今後三年間、補助金等を交付しない等の措置を講じたところでございます。 このような事態が再び起こらぬように、再発防止に努めていく覚悟であります。
○渋谷委員 補助金のこういう問題について調査に入るというのは非常に異例のことだと思うのですが、今回、京セラについて調査に入りましたきっかけはどういうことだったでしょうか。
○細田政務次官 昨年十一月に本が出版されまして、これは題名は「京セラ悪の経営術」という、瀧本さんという京セラの社員だった、しかもその担当の部門に勤めておられた方が、退職後に本を書かれまして、そこで、通産省の補助金につきまして京セラが不正な行為を行っているという指摘が、そのことだけではなくていろいろな経営の内容その他が書いてあるわけですが、その中にそのような記述がございまして、我が省としては、これは事実かどうかということで、補助金適正化法にのっとりまして、京セラに対しまして五回のヒアリング、立入検査を実施いたしました。 その結果、必ずしもすべてそのとおりであったわけではございませんが、確かにそのような不正行為があったということを確認いたしましたので、先ほど大臣が申し上げましたような厳正な対処を行ったところでございます。
○渋谷委員 ということは、内部調査を行って初めてこの不正がわかったということですね。通産省としては、私の事前の聞き取りでは、その以前十五回にわたっての検査を行ってきたというぐあいに報告をいただいていますが、その十五回の検査では、通産省自身の検査では、こうした不正を見抜くことはできなかった。今回の内部からの告発によって、初めてこうした事実が明らかになったということですか。
○細田政務次官 今回の補助金の不正受給事件におきましては、極めて内容的に見ますと発見しにくいような対応をとっておりまして、と申しますのは、京セラから第三者であります取引先の商社に要請しまして、本来の部品や材料の額があるわけでございますが、それを上回るような請求書を提出させておく。そして、それを払って、それをまた還流するような、伝票類と経理帳簿の数字が一致しておるけれども実態は不正なことを行うというような操作をやっております。したがって、実際の補助金の調査というのは、やはり検査対象書類の中身がどうかということを実態調査いたしますものですから、その実態を見抜くことができなかったということでございます。 それから、労務費等につきましては、調べましたところ、水増し要求があるということでございますが、今回、個人の勤務状況の明細表と、それぞれ本の中にも書いてありますような実態との乖離があるというような部分も見受けられましたので、過大請求額があったというふうに認定しておりますが、基本的には、出勤簿の一部が既に廃棄されておる等の問題もございましたことをあわせて申し上げたいと思います。
○渋谷委員 そうしますと、会社側が記者会見で一部弁明しておりますが、いわゆる単純な記載ミスとか、意図したものではないとか、そういうことではありませんね。つまり、第三者、商社等を通じていわば過大請求をさせて例えば裏金をつくるとか、こういうことが事実として認められたということであれば、これは意図的な補助金のいわば不正使用ということになるわけでありますが、そのとおりに理解してよろしいですか。
○細田政務次官 どの程度悪意があったかとか、中での通謀その他があったかということはなかなか挙証できませんけれども、明らかに補助金適正化法の観点から見て不正があったということは確認しております。
○渋谷委員 今回その告発をいたしました、その本を書いた瀧本さんですね、大臣あてに内容証明で、この問題についてはぜひ協力をいたしますよということで書面を送っているのでありますが、大臣はその書面はごらんになっていますか。
○深谷国務大臣 瀧本氏から協力の申し出があったという中身は聞いておりますが、書面そのものは見ておりませんが、その申し出がございましたので、近畿通産局から、本で記述されている内容以外に伺うべき意見等があれば書面で拝見したい、そういう旨の返答を行ったのでありますが、今現在、その点についての回答はございません。
○渋谷委員 本人から、ぜひ協力をしたい、これは本にすべて書けないものも当然あるわけでありまして、何かほかに情報があったら文書でよこせなどという失礼な対応ではなくて、直接本人と連絡をとるなり担当者が会いに行くなり、事情を聞いた上で、それで京セラのいわば調査にその情報を生かすという姿勢があって最低限当然の話じゃありませんか。いかがですか。
○細田政務次官 私どもとしては、このような通報をいただいた著者には感謝しているわけでございます。つまり、補助金が適正に交付をされているかどうかということについて、どうしても限界的なところもございますから、そういったことを通報していただいたことはまことにありがたかったわけでございますが、その実態が役所から見てどういうものであるかということは、我々独自にやはり判断させていただくのが筋であると思います。 大いに著書等は参考にさせていただきましたが、お越しいただいて一つ一つ細かくお伺いする必要がないほど実態が明らかになったということでございますので、処分もいたしたわけでございますので、この著者の御要望の内容は達成されたと考えております。
○渋谷委員 瀧本さんの指摘は実はけたが違うのでありますよ。 今回確認された今通産省の方の金額は、この補助金の総額は二億二千万ほどなんですが、そのうち六百万円ぐらい、加算金を六百万加えて千二百万、これを返還させるという話なんですが、瀧本さんの方の指摘は、実はこの不正流用というのはけたが違うというぐあいに言っているわけですね。そうなれば当然、これは貴重な税金の話でありますから、瀧本さんの情報を得るなどしてもっと厳しい調査が行われてしかるべきだったのではないですかということを伺っているんです。
○細田政務次官 さまざま調べてみますと、若干の差があるわけでございます。 例えば、補助事業費で製作したモーターを当局に無断で東大に売却したとか、補助事業費で製作したソーラーカーを当局に無断で大学に貸し出した等の指摘がありましたけれども、調べてみましたところ、それらは事実ではなかったということで処分対象としておらない。また、補助事業の一部であるソーラーカー用エアコンの改造・製作費を外注先に過大見積もりさせ、差額を他事業であるヒートポンプ型給湯器の開発に充当した、あるいは、ほとんど補助事業に従事していない研究者についても補助金申請の対象にしていた等の指摘については、調べましたが、そのような事実が確認されておらないというようなことがございます。 したがいまして、指摘された事項については、一つ一つ綿密に調べまして、事実であった部分と事実でなかった部分がございましたので、それによって差が出たということは事実でございます。
○渋谷委員 通産省が十五回の検査をやりながら全くこうした事実を見抜くことができなかった。たまたま、瀧本さんの著書によって調査をしてみて、その中の一部が事実だということがわかったということですから、実は、京セラのこの操作というのは非常に巧妙だから、一般的な検査ではわからなかったということなんですね。 先ほど細田さんから、瀧本さんにはこういう情報を提供していただいて感謝をしているというお話がありましたけれども、大臣、もちろん金額はけたが違うとは言っておりますが、その二億二千万のうち一千二百万ですから、割合でいえば少ないということになりますが、しかし、貴重な国民の税金であります。これを不正に使用されることなく国庫に戻すことができるということは、これは瀧本さんに、そういう協力の申し出に対してきちんと誠意を持って対応しなかったということはありますけれども、政府としてはきちんと感謝をすべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 瀧本さんの出された本が一つのきっかけになったということは事実でありますが、一方において、当省が綿密な捜査をいたして結論を出したわけでございます。そういう意味では、瀧本さんがそのきっかけをつくっていただいたということは、今総括政務次官が言われたように、感謝すべきことだというふうには思っています。 また、せっかく申し出がありましたのに、文書でと言ったことについて、それが失礼に当たるかどうかはそれぞれの見方でありますけれども、それらの御依頼に対しての回答は今日ないという状態に今あるわけであります。 いずれにしても、我々としては、何がきっかけにせよ、正確な国民の税金がきちっと使われているかどうかを見守るということは当然のことでありまして、これから一層きちんとした対応をしなければならぬと考えております。
○渋谷委員 適正化法に基づいて一定の処分をしたということでありますが、適正化法では罰則の二十九条、三十条というのが予定されているんです。今回、悪質であれば告発も辞さないという一部新聞報道もありましたけれども、そういったことでの対応にはなっていない。なぜ二十九条、三十条が適用されないのか。 先ほど来お話を伺いますと、例えば第三者、商社等を使って、そういうまさに巧妙に、通産省が十五回も検査をしながら見抜けないような、例えば労務費の水増しや、あるいは他の装置、実際には研究に必要ない装置を買ったりするのが頻繁に行われていたという瀧本さんの指摘などもあるわけでありますが、これは単純なミスではない。明らかに意図的な、意識的な、そういう京セラ側のごまかしであるわけでありますけれども、現実、実際に調査をしてそういう実態がありながら、なぜ二十九条、三十条という適正化法に予定されている罰則の適用はなされていないのか。そのことの御説明をお願いいたします。
○細田政務次官 補助金適正化法の第二十九条、三十条につきましては、当然、このような悪質な事案につきましてでありますと本来告発を行うべき事案ではないかと思いますけれども、残念ながら、二十九条については公訴時効の五年、三十条については公訴時効の三年が既に経過しており、時効が成立しておりますので、刑事告発を行わないとの判断をいたしたわけでございます。
○渋谷委員 ということは、これは告発の対象となる事案であったということはもう一回確認してよろしいですか。
○細田政務次官 本来、当然そういう事案ではないかと思っております。
○渋谷委員 告発者の先ほどの瀧本さんの話によれば、平成四年だと思いますが、労務費の水増しについて、休日の日に研究者が出勤をしたということに実は記載をしてありまして、そのことを通産省の検査官が確認をし、その訂正を求めたというようなお話を伺っています。 こうした事実はありますか。
○細田政務次官 私どもが今承知しておりますのは、労務費に関して、ほとんど補助事業に従事していない研究者についても補助金申請の対象にしていたという御指摘については、そのような事実は確認されてはおりません。
○渋谷委員 その検査の中で、実際には記載に不明といいますか問題のある、そういう労務費の水増し等の事実があった。そのときにきちんとした指導なりが行われていれば、その後の労務費の水増しや不正使用というものは、あるいは未然に防げたかもしれないのですね。そうした検査の途中で、十五回にわたる検査ですが、平成四年の検査のときには私が言った話は事実としてあったかどうかということをお聞きしているのです。
○細田政務次官 聞いてみますと、補助金の申請があったときに、その対象としてこういうふうに労務費がかかるというような中身がございまして、よく聞いてみると、そういったものは直接補助事業と関係ないではないかということで削らせたような経緯はあるそうでございます。
○渋谷委員 そういう事実があったのですよ。ですから、その時点で通産省がきちんとした検査を行って指導を行っていれば、こうしたことについては、実はもっと早く未然に防ぐことができたということが言えるのでありますが、ところが、事務次官が記者会見で発表しておられますように、通産の検査官が京セラ側から接待を受けていたということなども報告をされています。この接待の件について、御報告していただけますか。
○細田政務次官 御指摘のとおりでございまして、調査をいたしましたところ、当省の職員が飲食の供応を受けたという事実がございましたので、我が省といたしましては処分をいたしたわけでございます。 接待の内容というのは、事業所近隣の駅前のレストランなどにおきまして夕食をともにしたという内容でございます。
○渋谷委員 その接待の回数は何回で、何人の担当者がその接待を受けていますか。
○細田政務次官 五年間で十五回検査をやっておりますが、そのうち三回でございまして、平成四年、平成六年、平成七年に各二名でございますが、一人重なっておりますので合計で五名、三回にわたって受けておるわけでございます。
○渋谷委員 言ってみれば、検査に手心を加えてもらうために検査官を接待する、そして、既に調査の中で明らかになっておりますが、保存すべき帳簿、伝票類を破棄していた。保存すべき帳簿、伝票類がなければ、先ほど明らかになりましたそういう不正の流用された金額、これが正確であるかどうかはわかりませんね。
○細田政務次官 そのことが補助金の検査に大きな影響を与えたとは考えておりませんが、このような接待を受けたことについては厳しく処分をしたところでございます。
○渋谷委員 先ほど申し上げましたように、瀧本さんの告発によって初めてこうしたことが明らかになり、一部でありますけれども、貴重な税金を取り戻すことができた。大臣もそのことについては瀧本さんの協力に感謝をしているということでありますが、一方で京セラ側は、言ってみれば単純な記載ミスということでの会社の弁明をしておりまして、これは会社側から改めて聞かなきゃならぬ話でありますけれども、本来であれば、こうしたことをきっかけにして会社側は、こうしたことが常態、いつも繰り返されている会社の体質があるとすればそれを改善をする、改革をする。そういうきっかけをつくったわけだから、会社側としても、瀧本さんに感謝をすることはあっても、これに文句を言ったり圧力をかけたりということがあってはならないのは当たり前の話であります。 ところが、弁護士を通じまして、今月ですよ、二月の十一日付で警告書なる文書を瀧本さんに京セラ側は送っておりまして、瀧本さんが本に書いたようなこと、これらについて刑事、民事を含む処置をとらざるを得ない、以上の点を警告するということで、京セラが瀧本さんに対して警告書を発しているのです。大臣、いかが思いますか。
○細田政務次官 補助金問題というのはこの本の中で第四章「政府補助金の不正請求」ということでございますけれども、全体は十三章にわたりまして、「稲盛魔術のたね明かし」とか「利益は人命に優先するのか」「「技術の京セラ」の呆れた正体」「保険金詐欺に加担してしまった!」とかさまざまな社内の問題を取り上げておりますから、これは推測にすぎませんけれども、その部分とその他の部分というものがかなり多いわけでございますから、その辺について会社が言っておることと思料しますけれども、我々は関知いたしません。
○渋谷委員 本になれば、当然、会社をやめるに当たってのいろいろなあつれきもあったり、それは情緒的な表現の部分もあるでしょう。しかしながら、事実として明らかになった部分。もちろんその中でも、通産省が調査をいたしましたらそれとの一部食い違いもあったにしても、通産省はそれをきっかけにして今度の補助金の不正流用というのがわかったということで、これは大臣自身も感謝を申し上げているところでありますから、京セラ側の姿勢というのはいかにも、警告書を発してもう黙れと言わんばかりの姿勢というのは、私は大いに問題があるというぐあいに考えるわけであります。 一方、大臣も御承知のように、京セラの実質責任者である稲盛氏は、政府の幾つかの審議会の委員をやっております。通産省関係では産業技術審議会の臨時委員、科学技術庁関係では原子力長期計画策定会議の委員、そのほかにも、総務庁、国土庁、あるいは内閣官房等にかかわる審議会の委員をやっているわけであります。 先ほど来の御指摘もありましたように、告発するためには時効という制限があってできなかった。その意味では、悪質な税金の不正流用であるということがわかっているわけでありますから、そうした会社のいってみれば最高責任者である稲盛氏が政府の委員としていろいろと御意見をお話しなさるというのは、果たして、その資格が問われてしかるべきだというぐあいに私は思いますが、大臣はどのように考えますか。
○深谷国務大臣 私が先ほど瀧本氏に感謝していると申し上げたのは、これがきっかけでいわば審査するということに相なったわけで、そして通産省としては独自に調査の結果、適切な処置をしたという意味において申し上げたのであって、彼が発言していることすべてが正しいという、そんな判断をしていることではないことだけは申し上げるまでもないことだと思います。したがいまして、会社と瀧本さんとのかかわりにおいてのやりとりは私どもの関知するところではない、こう政務次官が答えたことでございます。 それから、今お話しの稲盛和夫名誉会長は、昭和五十二年に産業技術審議会の臨時委員に就任をしていただいております。これは、稲盛会長が太陽光発電等の新エネルギー技術及びその実用化等に関して高い見識を持っておられるということから、ニューサンシャイン計画等のエネルギー、環境技術開発の基本的な方向にかかわる審議の議論の中に参画していただいておるというわけでございます。
○渋谷委員 稲盛さんともあろう方であれば、自分が責任を持っている会社において国民の貴重な税金をこういう形で流用している、しかも、たまたま偶然起こった事件ではない、その態様がいかにも悪質であるということになれば、みずからその責任というのを自覚しながら、みずからの職分については決断をするということが当然なければ、以前から商工委員会で申し上げておりますように、我々が政治の現場、いわば国の中枢の中にいて仕事をしていく上で、みずからを律するという姿勢がなければ、これは、社会というものが当然安定をいたしませんし、国民がそれに対する大きな不信を持つということになるわけであります。 私は、稲盛さんに対しては、やはり今度の事件は単純にこの事件だけで終わる話ではなく、もっと根が深いものだという気がいたしますので、当然大臣としては稲盛さんに自重を促すとか、あるいは今回、会社体制をもう少しそういう問題が起こらないように改革するために、それに専念したらどうですかというぐらいのアドバイスをしてもいいと思うんですが、いかがですか。
○深谷国務大臣 渋谷委員の前半言われた、みずから態度を明らかにするという考え方は、全く同感でございます。ただ、審議会では適格条項というのが格別あるということではなくて、それともう一つは、任期が八月であるということ等を含めて、私の方からやめてくださいと申し上げるという立場ではないと思っております。 また、会社の、これらの不正の再び起こらないようにということにつきましては、過日も、会長、社長以下私どものところへおいでになったものでありますから、私からは厳重に、今後の体制をきちんとするようにという指示は出しております。
○渋谷委員 実は瀧本さんだけではなくて、社内からの内部告発はほかにもあるんですよ。今度の事件だけではないのであります。 私の方の手元に来ている事実では、この本に登場する各取引会社に対しては、事実を封印して、口裏合わせを一月の初旬にも既に終えているということでの指摘がありますし、あるいは、これは多分時効にはかからないでしょう、今月で研究が終わる壁面用建材一体型ACモジュールというのがあります。 技術的な専門用語でありますから、ちょっとわかりにくいので簡単に申し上げますと、ビルの壁に太陽電池を取りつけて発電をするのでありますが、黒いパネルみたいなものですね、モジュールといいますが、これを複数で直列に接続して、ガラスなどでサンドイッチにして一定の大きさのものをつくって、それをそのままビルの外壁にして使える代物でありまして、そこに、太陽光で起こる電気は直流ですから、これを一般で使うためには交流に変えなければならないんですが、その装置のことをインバーターというんですね。 このインバーターの開発等をしているわけでありますが、そのモジュールに内蔵するインバーターを、品物が完成していないにもかかわらず一月に既に検収をしている。通産省からの研究費を今年度に計画どおりに受給するためであります。今月の二十日までに、ということは二月です、今月の二十日までに研究の報告書をまとめることになっているけれども、実はまだ何にも形になっているものはない。しかし、報告書、品物は、研究費が受給できるように、通産省の職員を欺くようなでっち上げで取り繕ったもので処理する計画である。 また、人件費算出のもととなる研究時間についても、以前と同様に、事実に基づかない捏造した日報を提出することになっている。人件費水増しに関連して、こういった水増しは、過去にさかのぼって調べたところ、事業部発足当時から行われていたことが判明した。事業部発足当初というのは一九八〇年ごろのことであります。 さらに、日付を変えて、先ほど言いましたインバーターの購入先は、これは取引先の会社ですからあえて名前はきょうは言わないでおきましょう、A社という企業ですが、これは通産省からの委託研究ですから、本来であれば自分のところで研究をする、あるいは共同研究の会社名は事前に通産省には報告しておかなければならないでありましょうけれども、ほとんど丸投げでありまして、外部から完成品を安価で購入して、通産省に対しては水増しした研究費を請求することになっている。 このインバーターについては、通産省には百台完成させるシナリオで報告しているけれども、とても百台はできない。そこで、何でもいいから、作動しなくても百台用意するか、あるいは、二十台程度作製して百台の一部として提示して請求するか、どっちにしても、現在事業部を挙げていろいろな記録の改ざん、捏造、でっち上げに奔走している。これは今行われているものですよ。通産省はこれから調査に入る、検査に入る件であります。 勤務記録が通産省への報告と一致していないので大変だと。社内の勤怠記録というのがあります。これも、今回調査した中で、そのこととの照らし合わせでわかってきたんですが、勤怠記録や出張報告書を差し押さえられたら一巻の終わりだと。 非常に詳しい内容でしょう。これは、全く内部のことを知らない人間からの内部告発ではないのであります。先ほどは今回通産省が調査をして明らかにしたというケース、これは全く別の補助事業にかかわるものであります。 このことは、通産省の方でこの研究が行われている補助事業は何かということは、もちろん確認してあります。私は、質問取りに来たときに、これは通産省でやっているということは確認をしてあります。いかがですか。
○細田政務次官 おっしゃいました壁面用建材一体型ACモジュールにかかわる補助金については、概略おっしゃったとおりでございまして、研究開発者、京セラ株式会社に対する補助でございます。 このプロジェクトは、昨年の二月二十五日に交付決定を受けて技術開発を始め、また、本年二月末までの予定で実施中でありますので、検査は実施いたしておりません。本日そういう情報もいただきましたので、これは事業終了後に検査を実施いたしますが、厳密に検査をしてまいりたいと思いますし、その勤怠記録その他の記録につきましても、前の事件につきましても十分調査をしておりますが、当然これも調べていくことになると思っております。
○渋谷委員 先ほど来の通産省が既に調査したことについても、簡単にはなかなか事実はわからないんですよ。これまで繰り返された検査の中でも、これは明らかにすることはできない。ほかの補助事業でも同じなんです、実は。そういう構図になっているんです。よほどこうした内部告発がない限り、こうしたことの事実というのは出てきません。 きょうこうして商工委員会で取り上げれば、当然その内容はあっという間に伝わりますから、もう既にそういう書類等の捏造、改ざんが行われているという内部告発の内容でありますから、早急にこれについての調査を行わなければ、全くわからないということになりかねないのであります。これまで既に、この京セラには九億円を超す政府の助成事業による支援が行われています。すべてがと断定して物を言うことはできませんけれども、少なくとも今行われている研究活動について、こうした内部告発がある以上直ちに調査に入るべきだと思いますが、いかがですか。
○細田政務次官 もう間もなく事業が終了する予定でございますので、できるだけ早く全体的な調査をするつもりでございます。
○渋谷委員 会計検査院を呼んでいますが、会計検査院は、これまで京セラに何回か検査に入ったことがあると思いますが、その件数、そしてそのときの内容について御報告ください。
○諸田会計検査院当局者 お答えいたします。 過去、平成二年から平成十年までに四回の京セラに対する検査を実施しております。最近では、平成九年の二月に、京セラ、鹿児島でございますけれども、総合研究所、平成十年の二月には、京セラ、京都府でございますけれども、中央研究所の検査を行っております。 検査の結果、特に指摘した事態はございません。
○渋谷委員 やはり瀧本さんの指摘でありますけれども、この瀧本さんの方の研究を行っている間に会計検査院の検査が入るという情報があって、それに対応するということで社内でてんやわんやの動きがあって、ところが最終的には会計検査院は調査に入らなかった、みんなが安堵したという話があるんですが、そうした、例えば入ろうとして何らかの理由でやめた、そういう経過はありますか。
○諸田会計検査院当局者 この告発本といいますか、瀧本さんの本にそのようなことが書いてあることは承知しておりますけれども、予定した検査を取りやめたという事実は全くございません。
○渋谷委員 会計検査院のOBの方で土井さんという方、京セラの東京本部次長でいらっしゃいますね。これは事実ですか。
○諸田会計検査院当局者 確認したわけではございませんけれども、OBの土井さんが京セラに行っていることは事実でございます。
○渋谷委員 その土井さんから、例えば、近畿圏での会計検査院の検査があるときに、京セラを外してくれといったような趣旨での申し出や要望あるいは電話での問い合わせ――きょうは会計検査院の平林さんという方は来られていますか。平林さんという方がいらっしゃるでしょう、課の中に、会計検査院の中に。まあ、いいです。 あるいは、そういうところなのかもしれません。私の方にいろいろな形でのお話が入ってまいりますが、そのOBから京セラを外してくれということでの要望があったなどという話、これはないですね。
○諸田会計検査院当局者 本院OBが就職しているからといいまして、そのために検査に遠慮をするとか、あるいはOBからそのようなことが、申し出があるということはございません。現に、京セラに対しましては、先ほど御答弁いたしましたように、過去四回の検査を実施しております。
○渋谷委員 四回の調査をやっても何も出てこなかったわけでしょう。それで今回、通産省が調査をしましたら、一定の金額の不正流用が見つかった。会計検査院としては、当然のことながら、貴重な税金は返ってくるのでありますけれども、その税金が果たして正確なものかどうか、ほかにはさらにそうした不正流用はないのかどうか。通産省と、行政とは全く違った立場で、第三者の独立した組織として会計検査院があるわけでありますから、早急にこの検査を行うべきだと思いますが、いかがですか。
○諸田会計検査院当局者 御指摘の補助金の件につきましては、当該補助金に係る不正経理の経緯と事実関係及び補助金適化法に基づきます交付決定の取り消し、返還請求等の措置について、当局から概要の説明を受けているところでございます。 会計検査院といたしましては、今後、通産省あるいは新エネルギー・産業技術総合開発機構が補助金委託費の件について引き続き実施している詳細な事実関係の調査解明、新たな措置などを待って、今回のとった措置等とあわせ検証するなど、ただいまの議論も参考といたしまして、十分な検査を行う所存でございます。
○渋谷委員 少なくとも通産省は当事者ですから、補助金を出している側の。 さらに、京セラに通産省からのOBの方が天下りしていますね。お名前と、かつての職分と、現在京セラの中でどういう立場にいるか、教えてください。
○細田政務次官 幅広く天下りという言葉を使われておりますが、厳密には、人事院の規定によりまして、離職後二年間に人事院の承認を得て企業に就職する、そして退職時十級以上、そして役員で就職した者ということで公表が行われておるわけでございます。厳密にはその場合に当たりませんけれども、元通産省の職員が、平成三年に京セラに入社されまして、常務取締役を経て、現在常任監査役になっておられる方が一人おられます。
○渋谷委員 今御指摘をしてきましたように、会社には通産省からのそういう職員が行っておられる、さらに会社の最高責任者が政府の各種の委員をやっている。独立した組織ということで当然会計検査院に対して私も大いに期待をしているわけでありますが、ところが、会計検査院からのOBも京セラの東京本部に入社されている。 ただの偶然なのか、あるいは疑惑を持って考えようとすればいろいろ考えられる話でありますけれども、こういう疑惑、持たれてはならない疑惑、これを晴らすためにも、会計検査院については通産省とはまた別の独立した形での検査をするわけでありますから、私がこうして取り上げた途端に、この間の調査の中でも当然証拠書類の隠滅も既に行っているわけですね、そうした記録の改ざん等も行われる可能性があるわけであります。間髪を入れず、すぐにこれをやらなければいけないというぐあいに考えるのですが、もう一度検査院の考え方、決意を聞いておきます。
○諸田会計検査院当局者 十分検討した上、結論を出したいと思います。
○渋谷委員 大臣、氷山の一角という話じゃないのですよ。私は、氷山の先の、本当に小指の先ぐらいが今回出たにすぎないと思います。そういう意味での、幾つかの方々から報告を受けている内容でいえば、このことは組織的、構造的、そして常態化している。 私どもは、公共事業について、その構造的なところを民主党としては御指摘をし、これを改めるべきだという主張をそれぞれの場でさせていただいています。本当の意味での必要な社会資本、基盤整備だとか、あるいは都市においても必要なものはありますけれども、これまでのような惰性でそういう公共事業のばらまきのようなことが行われてはならない。これほどの厳しい財政事情の中では当たり前の話でありますが、実は、この補助金による支援というのも、ある意味では一つの公共事業化している可能性があるのです。大して必要でない研究事業にこうした貴重な国民の税金が使われている。 今度の京セラの事件は、今私が指摘したことだけでも、大臣、印象はいかがですか。これは、絶対にほっておくことはできない、許してはならない悪質なものでしょう。その印象から伺って、補助金行政のあり方ですね。まだ本委員会では審議しておりませんけれども、これから産業技術力強化法案というのがかかってきます。当然それもまた、新たに日本の技術力を強化するためにいろいろな補助金を用意して支援をしていこうということになるわけですね。この問題についての徹底した調査と、通産省としてのこれに対する対策ということがなければ、次の法案の審議というのは簡単にするわけにはいきませんよ。 大臣、まずはこの京セラの事件についての印象と、これについて一体今後どう対応していくのか。会計検査院だけではなくて、通産省としても直ちに調査をしなければいけない事件なんですよ。つまり、新たな疑惑のことを私は内部告発者の話に基づいて申し上げているわけですから。いかがですか。
○深谷国務大臣 京セラのこのたびの事件はまことにけしからぬことで、遺憾であるということは、冒頭申し上げたとおりであります。 その他の問題については、総括政務次官からお答えしたように、早急に調査を行うということになっております。 補助金のあり方につきましては、これはいろいろな議論のあるところでありまして、今回の場合もその目的とするところは間違っているわけではありませんで、新しいエネルギーをどうやって開発するか、それをそれぞれの専門的な法人、会社等々に依頼して開発してもらう。これは、これからもやるべきところはきちっとやっていかなければならぬだろうと私は思っておりますから、一律に、補助金のあり方について、それは問題があるというふうな見方は私どもはとっておりません。 ただ、このような事態が起こったことは確かでございますから、このような事態が再び起こらないような、補助金等にかかわる予算執行の一層の適正化を図っていくということは当然のことだろうというふうに思います。私どもは、このために、適正な交付先の決定とかあるいは厳正な検査に一層努める。 今回のも、細かいことになりますけれども、例えば作業日誌と出勤簿などを照らし合わせていくといったような、そういうことを重ねていきますと、かなりわかる問題ということがございましたから、ここらにはきちんと対応していくようにしていかなければならないと思います。 また、法人等、補助金を出すところに対しては、万が一不正な行為を行った場合にはどのようなことが処分として講じられるのかということを相手にきちんと指導する、あるいは通知するということも必要なことだろうと思いますし、省内各部局がこれからの補助金等についての不正経理の防止に万全を期すような指導と、あわせて、例えば都道府県とか関係団体を通してという、再交付と普通言われていますが、そういう仕組みもありますから、この関係に対しても周知徹底して、誤りなきような対応をするように指示していかなければならないというふうに思っています。 また、今回の経験を踏まえながら、通産省としては、統一の検査マニュアルを整備いたしまして、検査担当職員の教育なども徹底して行う、研修などもしっかり行うというようなこと、反省をもとにいたしましていろいろ今まとめておりますが、これらを通して再発防止に全力を挙げていきたいと考えています。
○渋谷委員 本当は幾つかの点で指摘をしなければならないことがあるのですが、いずれ、先ほど言いました産業技術力強化法案、この審議のときに改めて。 実は、瀧本さんからの非常に貴重な指摘もあるのです。なぜ天下の京セラにこんなにたくさんの補助金をつぎ込まなければいけないのか。本当に必要な、いわば、もちろん京セラもベンチャーでありましたけれども、今新たに企業を起こす、そういう中小のベンチャー企業に対してもっと使いやすい支援体制があってもいいのではないか。 もちろん、補助事業全般を私が一般的な議論で否定しているわけではないわけであります。ところが、惰性で続いてきた。もう既に九億ですからね、言ってみれば京セラに対してつぎ込んできた、補助事業に関する金額でいえば。そういうものは、惰性になっていたり、あるいはOBが行ったりしてそういうつながりの中で、つまり、ともかく使ってくださいよ式の形で貴重な国民の税金が使われているとすれば、これは問題でしょうということを実は私は指摘をしているわけです。 したがって、貴重な税金ですから、その意味では有効に活用されなければならないという観点でありまして、この議論は改めて別のその法案のときにやらせていただきますけれども、いずれにせよ、大臣、通産省が調査したその事件は時効にかかっていて、通産省は、悪質であれば告発するという、これは一部新聞記事にもありましたけれども、ところが、調べてみたら時効にかかっているから告発はできない。これはもう一回改めて、細田さん、本当にそういう時効という期限の制約があって告発はできない、もしそれがなければ告発できたということですか。
○細田政務次官 そのように考えております。
○渋谷委員 ということであれば、新たに私が別の内部からの告発者による指摘をしました内容、これを直ちに調査をしていただいて、これは時効は関係ありませんからね、今現在行われていることでありますから、この調査を行って、先ほどの内容と同じような形での事実が明らかになれば、当然告発も視野に入れることになりますね。いかがですか。
○細田政務次官 この事業はまだ終了しておりませんので、終了するや否や、どれだけ全体の経費がかかったのか、それを立証する書類とともにこれが決定されるものでございますから、それを十分見きわめた上で判断したいと思いますが、考え方としては同じでございます。
○渋谷委員 もうこの事件がこうして取り上げられたら、それこそ徹夜で書類のいわば捏造、改ざんあるいは破棄ということが行われる可能性があるわけですよ、それは会社にとっては大変な話ですから、告発などという話になったら。これは直ちにやらなければいけないじゃないですか。私が少なくとも国政の場で、衆議院の商工委員会という場でこの問題を取り上げているわけでありますから、直ちにあしたからでもやるべきというぐあいに思いますが、いかがですか。
○細田政務次官 事業は二月に終わるわけですから、二月もあと五日でございますので、直ちに調査に入りますことをお約束を申し上げます。
○渋谷委員 大臣、告発ということは非常に難しいことなんですね。ましてや組織にいた人間が内部からこういう不正について告発をするということは、当然会社にはいられなくなりますし、社会的にも非常に悪いイメージでとられがちであります。ところが、そういう告発がなければ、国民の貴重な税金のいわば不正使用ということに歯どめをかけることができない。 たまたま、昨年の話でありますけれども、一部新聞に、内部告発者を守る法というのが、これはイギリスのケースでありますが、企業とか官庁の不正を内部告発した従業員の権利を守る法律がこのほど英国で発効したということでありまして、経営者や組織のトップに立つ者が部下の告発を握りつぶすのは違法になった。部下に解雇や左遷などの処分をした場合は膨大な賠償金を支払わされる。不正のもみ消しが結果的に深刻なスキャンダルに結びついた反省から生まれた法律である。日本語の翻訳では公益開示法というぐあいに言われていますが、こういう告発した方のいわば人権が守られるような形での特別の立法なども他の国では行っているわけですね。 私も今度の件をやってみまして、官庁の中にも企業の中にも私に連絡してくる方が結構いるわけです。瀧本さんだけじゃないのですね。そういう意味でいいますと、そういう方々のいわば内部告発というのがつぶされると、組織の腐敗というものを実は防止することができないのです。このことについて大臣の御評価はいかがですか。
○深谷国務大臣 そのような法律を持っている国がございますが、我が国では目下そういう状態にはありません。 また、先ほどいろいろ議論がありましたけれども、これからの検査で問題があったら告発するかという問いかけに対して、今総括政務次官が答えましたけれども、捜査をするに当たってそれを前提にしてやるわけではありませんで、法に触れる場合には当然告発するということでありますから、あらかじめ予断を持ってということではないことだけ申し添えておきます。
○渋谷委員 あえて今の件、それではつけ加えて申し上げますと、先ほど来私も申し上げているように、一応それは内部の告発の話でありますが、改めてそれは調査をいたしまして、同じような形での悪質なケースということでわかったならば告発をするかということを申し上げているわけでありまして、何でもかんでも告発を前提にして調査をしろなどということは言っているわけではないわけであります。せっかくでありますから、もう一度。
○深谷国務大臣 今のあなたのお言葉はよくわかりました。
○渋谷委員 やはりこれは、行政官庁がこういう形で疑惑を持たれてはいけないというぐあいに思います。 確かに制度上は通産省からのOBの天下り、もちろんその制限が解かれての話だということはありましょうけれども、京セラに雇ってもらっている。かつては、大蔵省で問題があった方が京セラに雇っていただいたということもありますね。さらに、現場に行く検査官がその会社から接待を受ける、当然検査は甘くなりますね。さらに、その最高責任者が政府の審議会の委員等に入っている。その会社にはみんなが手をつけられない。しかも、あろうことに検査院のOBがまたその会社に天下っている。 こういう構造の中で、たった一人で会社の中でこういう事実を明らかにするなどということは、これは大変なことですよ。この瀧本さんの勇気、そしてこういう本という形にたまたまなりましたけれども、もちろんそれを明らかにする手段というものが瀧本さん自身にはなかったわけでありますから本の中でそれを主張されたわけでありますけれども、こういう瀧本さんのような立場の方がほかにもたくさんおられると思うのです。そういう方々の人権というものが守られるような新たな法律が必要だというぐあいに私は思いますし、そのための議員立法といったことも将来視野に入れていかなければならないと思います。 それにしましても、ぜひ大臣に改めて最後に見解を伺っておきたいのですが、実は、あちこちの事件にこれは共通しているんですね。神奈川県警の事件も、京都の事件も、あるいは新潟県警の事件もそうであります。 つまり、先日、山田方谷さんという方の本の紹介をいたしましたけれども、その中にも出てきます。別にその方の言葉というわけではありません。どうも、ともすれば私どもは小信を守って大信を失うということを平気で繰り返しているんですね。つまり、小さな信義を守って大きな信義を失う。 今度のことでもそうでありますけれども、みずからの身内、これをかばう。みずからの組織、これをかばう。そのことによって、より大きな大事なものを失ってしまう。私どもの仕事でいえば、通産省の調査、検査が甘くなる。それは、お互いのたまたまあった人間関係その他、OBも行っているということから甘くなる。その意味では、お互いの仲間同士の信義を守ったということにはなりましょう。ところが、そのことによって、国民の税金を扱っているわけでありますから、国民に対する信義、納税者に対する信義というものを失うのであります。それでは通産の行政そのものが成り立ちません。 今度のことは、通産省に言わせれば、たまたま生じたほんの一つの事件にすぎないというぐあいに御認識かもしれませんけれども、実はそうではない。私は、こうした事実については徹底的に調査をして、国民に対する信義というものを守る、そういう姿勢がなければいけないというぐあいに思いますが、大臣、いかがですか。 〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕
○深谷国務大臣 おっしゃるとおり、補助金を出して、もちろん国家的な目的のために出すわけでありますけれども、それが適正に使われているか、有効に使われているか、効率的であるか等も含めて、我々は責任を持って監視していかなければならないと思っています。
○渋谷委員 ぜひそういった観点から今後も通産行政に取り組んでもらわなければならない。 非常に具体的な話で、大臣の所信表明に対する質問ということではあるいは議論があるのかもしれませんが、しかし、これは行政の根本にかかわる話でありますから、あえてこの場で取り上げさせていただきました。早急にこの問題については通産省として新たな調査を行うということで取り組んでいただきたいと思います。 新たな疑惑については、通産省が告発をしないということであれば、これは第三者でも告発ができる話でありますし、私自身でもちろんできます。私も告発の準備を今させていただいているところであります。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
○小林(興)委員長代理 中山義活君。
○中山(義)委員 皆様、おはようございます。民主党の中山義活でございます。 このたび、アラ石の問題が大変新聞をにぎわしておりますが、どうも新聞記事というものが、もう結論が出ているような記事が出ているわけですが、私ども、ちょっと、まだ交渉中でありまして、何でこういう結論じみた話がすぐここで出ているんだろう、やはり交渉ですから、ぎりぎりまでもっと熱心に、これは日本のエネルギーの将来の問題にかかわるわけですから、最後まで取り組んでもらいたい、こう思うわけでございます。 そういう意味では、政府が、サウジの提案したいわゆる鉄道の問題ですね、これを固辞した理由というのは、民間企業だから、民間企業のゆえに、二千億円の国費は投入できない、こういうような意味合いだというふうに思いますが、これで間違いないでしょうか。
○深谷国務大臣 今度の問題で、鉄道を敷いてプレゼントしてくれという申し出は、サウジアラビアからあったことでございます。 しかし、私どもは、いろいろな角度から考えまして、それは国税を使うわけでございますから、一体可能性があるのかとか、仮にお貸しした場合には返してもらえるのかとか、いろいろな条件を考えなければなりません。既に調査の結果では、千四百キロ先の、いわばここから鹿児島までぐらいの距離の場所から砂漠を通って鉄鉱石を運んでくる鉄道は、なかなか採算性のとれるものではない。したがって、我が国はこれを引き受けるわけにもいかないし、また、民間で投資をするというところを探したんですが、それもない。そうなれば、サウジアラビアがおやりになるならできる限りの協力をしましょう、こういう話し合いとして進んできた。そういう経緯でございます。
○中山(義)委員 どうも政府の方は、もう向こうへ、現地に行く前から、これは断るんだというような意思を新聞に表明して、それが記事として向こうへ伝わった、こんな話を聞くんですが、この事実はどうですか。
○深谷国務大臣 交渉に行くのに、決裂を最初に前提に置いて行くはずがありません。全く違います。
○中山(義)委員 大臣はよく、私は下町の大臣だから、そういう理不尽な要求はだめといって断った、このように公言してはばからないわけですが、この交渉というのは、イエスとかノーの問題じゃなくて、どうやってうまく妥協案、または日本の将来のためにうまく結びつけるかということが大事だと思うんです。これはイエス、ノーの問題じゃないと思うんですよ。 そういう面で、下町の大臣、それは心意気を示したんでしょうけれども、その辺はどういう意味があるのか、ちょっと聞かせてください。
○深谷国務大臣 この問題は、イエスかノーかだけで処理した問題では全くございません。新聞の経緯等も詳細をごらんいただくともっと御理解いただけると思うのですが、あえて申し上げますと、まず第一は、アラビア石油というのは確かに日の丸石油でありますが、一つの企業でございます。サウジアラビアとの契約において、四十年たったら撤収をする、こういう約束になっていました。しかし、私どもにとりましては、できる限りこれを残したいというので、それならば、企業に直接国のお金を使うということは困難であるけれども、日サの環境を整備していこう、そういう形なら相談に乗れるのではないかというので、交渉はずっと続けられていたわけでございます。そして、その交渉の中には、投資を促進するために融資をこのぐらい出そうではないかとか、金利をどうしようとかいろいろあるわけです。いろいろある中で、先方が特に強調して一歩も引けないというのが鉄道であった。 そこで、鉄道についても、今あなたがイエスかノーかとおっしゃったが、そんな議論ではなくて、例えば、鉄道をサウジアラビアがやってくれるならば、我々はその二千億円のうちの千四百億円ぐらいは銀行から借りる手助けをし、金利もできるだけ抑えてお手伝いしましょう、こういう交渉などずっとやっておったわけです。 ところが、鉄道に関してだんだんに集約されて、それが通らなければだめだということの一点張りでございましたので、現地において、私は、鉄道を敷いてプレゼントするということは、我が国の税金を納めている方々の思いや、あるいは返還されるかどうかの見通しも含めて、とても無理だ、したがって、中断をする。決裂するということを言わずに、中断をすると言って帰ってきたというのがありのままの姿であります。
○中山(義)委員 はっきり言えば、そうはいっても、イエスかノーか、私はノーと言ってきたというような御発言が、では誤解を与えた、こういうことになるわけでございます。 ある意味では、鉄道のプレゼントをしろと言われたといいますが、今ちょっと融資の話がありましたけれども、大体、サウジアラビアという国は国是で対外債務は持たない、こうなっているわけですよ。だから、もともと融資なんかの話を持っていったって、そんなものは話にならないことはわかっているわけで、もうちょっとサウジアラビアのことをよく研究しておやりにならないと、やはり外交というものはうまくいかないんじゃないかと私は思うわけです。 確かにアラ石は私企業です。しかし、だったら、なぜ私企業なのに通産大臣が向こうへ行ってやったり、過去に総理大臣または前総理大臣までサウジに赴いていろいろ話をしたり、いろいろやってきたわけですよ。そういう面では、単に私企業だからという断り方、私企業には税金は投入しない。だったら、銀行に六十兆、七十兆というお金を投入している、そういうことから見れば、エネルギーという大きな問題の中で余りにも単純過ぎやしないか、私どもはこのように思うのですが、いかがですか。
○深谷国務大臣 制度や法律の上で一企業であるということは、これは紛れもない事実なんです。だけれども、あなたもおっしゃるように、エネルギー事情その他を考えれば、このアラビア石油が存続することが最も望ましい、ならば国として何ができるか。やれることは、サウジと日本との関係を改善する、そういうテーマの中でサウジの理解を求めていくというのが道筋だと私は思っています。 あなたのお話を聞いていると、それでは税金を使って鉄道をプレゼントしろということなんですか。私はそれは無理だと思います。
○中山(義)委員 鉄道が二千億円というような話をしていましたが、これはどういう根拠に基づいて鉄道が二千億円なのか。だれがそれを調査したんですか。日本の国が、政府が行って調査したという、そういう予算書や何かに載っていますか。鉄道に本当に二千億円かかるのかどうか。 それから、その二千億円だって、テーブルに二千億円出して、ぱっとそのときから二千億円出してやれ、そういう話ではないでしょう。それ、どうなんですか。その辺ちょっと私よくわからないんだけれども、二千億円の話も、それだけが話に出ていますが、どういう根拠でその鉄道が二千億円なのか。
○深谷国務大臣 JARTSというところが専門的に調べておりまして、そして、二千億と今申し上げましたけれども、私は限りなく二千億以上かかると見ています。現にサウジアラビア側がおっしゃることには、年間一億ドルの費用がかかるだろう、それもノーコストでやってくれということでありましたから、私は、二千億どころかもっともっと広がっていくだろうというふうに思っているくらいです。
○中山(義)委員 ですから、それは調査をしたのですか。(深谷国務大臣「もちろんです」と呼ぶ)いや、ちょっと待って。さっきの会社名、これはどういう会社ですか。
○深谷国務大臣 JARTSという会社でありますが、細かい話になりましたら、よろしかったら長官から御報告させます。
○中山(義)委員 いや、私から言います。その会社は、元国鉄のOBのつくっている会社でしょう。――私は今あなたを指名した覚えはないのですよ。今、大臣が発言したということで我慢しましょう。 でも、その会社が本当に調査をして、その金額が正しいかということは、ちょっと私、わからないのですよ。大体、旧国鉄の人たちが今まで予算でいろいろな、新幹線やなんかでもやったけれども、何かそんなものはちょっと合わないんだね、いつも。 もっと本当に、あの砂漠のところで鉄道やると毎日砂の嵐でとんでもないメンテがかかると簡単に言うけれども、現実にそうなのかどうか。アラビアの町というのは、聞いたところによると、いや、毎日砂嵐なんか来ませんよ、ちゃんとした町ですよと。だから、メンテなんというのは毎年かかるんじゃなくて、ちゃんとやればそんなことはないんじゃないか。 細かいことと言うけれども、どこが調査をしたのかというのは大事な問題だよ、これは。本当にそれだけの調査をして、それだけかかるのかどうか。どうも砂漠の国というと、何か砂嵐が毎日あって、そこは大変な日本とは違った環境と言うかもしれないけれども、もう二十世紀もいよいよ終わりに近づいて、砂漠の国だから昔のラクダが、月の砂漠みたいなことを考えてもらっては困るわけですよ。時代は変わっている。そういう面では、新しい科学の中で鉄道事業というものがそんなにメンテがかかるものかどうかは、しっかりした調査をしたのかどうか、そこが私ども心配なわけですよ。 どういう根拠で二千億円というお金が出てきたのかもうちょっとやはり調査が欲しいし、さっきから言っているように、二千億円をテーブルへ載っけろというわけじゃないわけでしょう。何年かかけて鉄道事業をやるのだから、つくっているうちにそれは五、六年かかるかもしれないし、一遍にかかる金じゃないし、私の企業にお金をかけろと私は言っているんじゃないですよ。そういういろいろな方法論や調査が私は欲しいということを言っているので、今簡単にそれは国鉄OBの会社がやりましたということだったのですけれども、本当にちゃんとした調査をしてほしいし、現地をやはり通産大臣が実際に見てほしいと私は思うのですよ。
○深谷国務大臣 私は、サウジアラビア・リヤドに滞在して交渉に立ち会いました。それから今、毎日砂嵐が起こるとかそんなこと私は一言も言ってないので、あなたが御自身でおっしゃったことであります。ただ言えることは、ナイミ石油大臣も申しておりましたが、砂というのは動くのだ、この話は私は非常に印象的に聞いてまいりました。 それから、今のJARTSについては、細かいことというか技術的なことなので長官に答えさせようとしただけでございますが、海外鉄道技術協会、鉄道のOB、国鉄のOBもJRのOBもいるかもしれませんが、やはり技術力は世界的水準だというふうに一応私ども認めていますから、そこでの調査というのは私は尊重しなければいけないと思うのです。 それから、もっと申し上げると、千四百キロというと東京から鹿児島ぐらいなんですよ。その間の鉄道を敷くというのは、これは大変な作業だそうでございます。それから、現地で鉱石がとれるといいますが、今とっているわけでもなし、そういう場所にただ埋蔵されているというだけでございますから、それやこれやを考えますと、あなたがおっしゃるようになかなか容易なことでない。そこにやみくもに国民の税金を注ぎ込むということは、私のとらざるところでございます。
○中山(義)委員 いろいろ費用がかかるという意味合いのことについてはわかります。しかし、石油政策というものが、今まで国策であったのか、それとも私企業にゆだねていたのかということを論ずるとすると、いわゆるアラビア太郎さん、山下太郎さんは、資源のなさが戦争にまで結びついたと、過去のいろいろなことに心を痛めて、では何とか石油事業をやっていこう、それも閣議決定で、日本がそれを支援していこうという形でこのアラビア石油というのは成り立ってきたわけです、初めのうちは。 だから、ごらんなさい、もう通産省の天下り先と言ったら悪いけれども、まさにそういう役人さんがうんと行っているじゃありませんか。それはまさに国策でやろうとしたからこそいるんでしょう。私企業にどんどん、さっきの京セラの問題じゃないけれども、どんどん天下りをやったら、その私企業は本当に私企業なのか、こういうことになるわけですよ。国策でやってきたということを考えるのであれば、私は、もうちょっと違った方法論を考えなきゃいかぬ。 例えば、アメリカの国は世界第二の産油国ですよ。しかし、ベネズエラからカナダ、メキシコ、そしてもちろんサウジアラビア、五一%輸入しているわけですよ。しかも、石炭の埋蔵量からいえば二百年はもつと。そういう、エネルギー政策に対して真剣に取り組んでいるのです。日本の国はどうですか。原子力発電だって、きのうの北川知事の発言のように、芦浜のように、ああやっているとだんだんエネルギーの政策というのはおかしな方向に行ってしまうのです。 だから、やはり石油というエネルギーが本当に大切であるならば、国策として物を考えていくのか、または、民間企業は民間企業として、アラ石の社長の首は悪いけれども切ってもらって、ここは完全な民間企業だということで対応するのか。中途半端じゃありませんか、あるときは国策、通産省の人たちが天下りするときは国策だ、こういうときには国策じゃない、民間企業だ。これは私は、ちょっと整合性がないし、日本のエネルギー政策は将来どうなるのかな、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 はるか昔、アラビア太郎さんがサウジの砂を掘って石油を出した、日の丸石油ということで歓迎されて、その誇りは私は今でも持っているわけなんです。四十年という長い歩みの中で、いろいろな角度から政府も応援してきましたよ。今だって応援しようと思うから、日サの環境整備という形で体制を整えようとしてやっているわけでありますから。 そういう意味では、エネルギー政策を真剣に考えれば考えるほど、何とか残したい、しかし一方において、その残し方が国民の税金を使うということで、将来の禍根を残さないようにしなければならない。現状でこの鉄道というものを考えてみると、やはり私は禍根を残すと思っています。
○中山(義)委員 まあ、日本はまさかサウジアラビアに兵器を売ることはできませんよ。アメリカと例えばサウジの軍事提携であるとかいろいろなことを、よその国も兵器を売れる国がある。だけれども日本はあくまでも平和外交をしていく、絶対そういうことはしない、これは国是ですよ。だけれども、何らかの形でやはりサウジとお互いの心が通じ合える、こういうような政策が必要だと思うのですね。 だから私は、この際はっきりしておきたいことがあるわけですね。今までの石油政策は、私は日本の国策としてやったと思いますよ。絶対やったと思う。だからこそ、石油公団やアラ石に天下りがいるんだ、こう思うわけですよ。じゃ、ここではっきり、天下りの人数と、全部資料を出してください。一回この辺をはっきりしないとこれから困ると思うのです。 僕は、今まで国策だという、言わないなら天下りはいないでしょう。だけれども相当な天下りの人がいるわけなんですよ。この資料をちょっと全部、委員長、ちょっと申しわけないのですが、この資料をぜひ提出してもらいたい。今後の大きな問題として、私はこれは論議の一番大きな根幹にかかわる問題だと思うのですよ。委員長、ちょっとそれをお願いしたいのですが。
○深谷国務大臣 資料を出すことについて別に反対はありませんで、そのような準備はさせます。
○中山(義)委員 天下りはうんといるわけですね。いることだけはちょっと確認を今この場でしたいのですが、アラ石も。
○深谷国務大臣 天下りというのをどの範囲でおっしゃっているのかよくわかりませんが、例えば役員という数で言えというなら、わかっております。 アラビア石油の役員数は全部で二十一名でございますが、そのうちの取締役は十八名でございます。日本人の取締役はそのうち十二名おります。その中で、通産省のOBは二名でございます。 それから、石油公団でございますと、役員は全体で十一名、理事が十名、通産省のOBは三名、そういう数です。
○中山(義)委員 後ではっきり、もうちょっとちゃんと見せてもらいたいと思うのですが、それは今、大臣が出すと言いましたから受け取りたいと思うのですが、今の話だけだって、ある意味では、第三セクターといいますか、そんな感じすらしますよ。地方自治体とか国のやっている普通の第三セクターというのは大体そのくらいの役員さんがいるのですよ。大体そういうのは、むしろ名前からいえば、私企業なんて言わない、第三セクターというような名前になるのですが、いわゆる国策として考えてやっていることだから、多くの方たちが、許される、こう思っているのだと思うのです。だから、仮に私企業で出すのはまずいとするならば、やはりアラ石の社長さんだってある意味では民間の方にかわってもらいたいですね、そういう発言をするならば。 国の石油政策が今回のことによって失敗したというような結論になる可能性だってなきにしもあらずですよ。今石油がだんだんじわじわ上がっていく、円は下がってくる。 これについて堺屋長官がコメントを述べていましたけれども、ここに「油断!」という本があります。これは長官の書いた本で、私も再度読みました。これによりますと、石油が日本に何%入ってこないと人が何人死ぬとか具体的な数字までいろいろこう、その当時の、載っているわけですね。私は、この本によって、石油というものがいかに日本に大切なものか。これは経済だけじゃない、人が死ぬのですから。 よくばかなことを言っている人がいるわけですよ。石油ストーブがなくなったって、そんなものいいじゃないか、電気ストーブに当たればいいと。電気は何ですか、ほとんどこれは石油でできるわけですよ。だから、この石油という問題は、単純に輸入輸出の問題、経済の問題ではないわけですね。国がこれからやっていけるかやっていけないか、安保みたいな問題ですよ。 そういう問題では、ちょっとこの間、堺屋長官の話が、こういう本を書いたにしては非常に楽観的な論議だったのですが、余りにも長官らしからぬ楽観的なコメントだったので、堺屋長官からこの今の現状、石油が上がっているような状況を見たり、アラ石の問題がおかしくなった、完全に決裂した、どんなことが起こり得るか。
○堺屋国務大臣 アラビア石油は四十年でございますが、私が通産省に入りました一九六〇年、まさにアラビア石油が発足した直後でございまして、その経緯はずっとよく存じております。 当時、日本は経済が成長する途上でございまして、エネルギー政策では石炭保護ということをやっておりました。そして、石油は決して不足していたわけではございませんが、外貨の方が不足しておりましたから、できるだけ国産エネルギーとしての石炭を使おうというので、重油ボイラー規制法などというのがございまして、石油はたかないで、東京都内のこの辺のビル、霞が関のビルでもおふろ屋さんでも皆石炭をたかなければいかぬというような法律ができていた時代であります。 そういう時代でございますから、まだ石油の一滴は血の一滴と言われたような感じが強うございまして、日本として最初に海外で石油を掘るという山下太郎さんの大変な努力と勇気を感激いたしまして、日本政府としても全力を挙げてこのアラビア石油というのを開発し、日本にその石油をプロラタですべて持ってくるというような政策をとりました。 その後、この「油断!」という本を書きましたのは七〇年代でございますが、このときまさに一番石油の問題が窮屈になりまして、日本としてもどんどん石炭がなくなって、エネルギー多消費型の産業がはやりまして、石油の比重が非常に大きくなった。そういうときに石油がなくなったらどうなるかというのをシミュレーションしたのがこの「油断!」という本でございまして、これは大変なことになるぞという事態でございました。 ところが、その「油断!」という本を書きましたときにちょうど本当に石油ショックが起こり、第二次石油危機が起こりまして、日本国内でも、エネルギーの多様化、特に天然ガスや石炭の発電あるいは原子力発電等を進めて、石油の比重がだんだんと下がってまいります。 日本といたしましても、いろいろなところから石油を買わなきゃいけない、それから、石油備蓄を大いに進めるというような安全対策をどんどんとりまして、今日におきましては、省エネルギーと産業構造の改革、それからエネルギーの多様化の結果、石油の占める比重、石油が日本経済に占める比重が相当に下がっております。 具体的に数字を挙げさせてもらいますと、従来は、例えば価格で申しますと、石油価格が一〇%、原油価格が一〇%日本円で上昇いたしますと、国内の卸売物価が、一九八〇年モデルでございますと一・二%上昇いたしました。ところが、九五年のモデルでございますと〇・二%しか上昇しない、六分の一になっております。消費者物価も同様でございます。この価格変動にあらわれておりますように、石油の比重は減ってまいりました。 さはさりながら、やはり石油が入ってこないとなれば日本経済が大変なことになるのは当然でございますから、このアラビア石油の問題につきましても、通産大臣初め関係者がアラビアに足を運ばれて、いろいろとこの継続のために努力されたわけでございますけれども、鉄道というものを外国で、日本がお金を貸して外国がやるのならともかくといたしまして、日本自身が運営するということは、技術的、経済的に困難のみならず、やはりそこに一つの存在感が出てくる。いろいろと、満州鉄道以来、鉄道というものにつきまして、それを日本がつくって運営するということには大変な無理があるのじゃなかろうか。私もそういう気がいたします。 だから、サウジアラビア側が、日本の事情、また御自分の、燐鉱石とボーキサイトだそうでございますけれども、これを開発して経済の多様化を進めるということを重視されて、石油の利権、あるいは日本側の提案しております貸借、お金を貸すことですね、円借款等によってお考えいただくのならまだ考慮の余地があるでしょうけれども、これを日本自身がつくれというのは、石油政策の重要性を考えてもちょっと無理じゃないかと私も考えております。
○中山(義)委員 石油のことについて、長官、今お話がありましたけれども、もっとやはり安全保障的な感覚で、例えば、では石油というのは、だれかがおなかが減ったらコンビニですぐ物を買う、便利だ、何でもある、家に冷蔵庫なんか必要ない、何でもコンビニに行けば買えるんだ、いわゆる商品ですね。しかし、一たん地震があったとかなんとかというときに、そういうものが買えなくなってしまうということがあり得るわけですよ。 完全に商品として石油というものを考えるんならば、確かに事情は随分変わってきたと思うのですね。それは、市場も変わってきたし、産油国だけじゃなくて、OPECだけじゃなくて消費国もいろいろな論議に加わっているということで。しかしながら、一昨年から比べると三倍ぐらいに石油が上がっている現実があるわけですね。こういうのを見ますと、先ほど一〇%上がったらという話がありましたけれども、三倍ですから、何%になりますかね、こういう実態にあるわけですよ。 これは、日本が自分の国に何の自主開発もしていないということになると非常に私どもは危険だと思うし、今言った鉄道の問題は一つの問題なんだけれども、過去にも総理大臣にアブドラ皇太子が会ったりしているのですよ。そのときも大した要求はしていないし、私が東京新聞で見たのは、遠回しに採掘権の延長をお願いした、この程度なんですね。だから、何かエネルギーに対する日本の安全保障、こういうものの意識がちょっと低いような気がするんですが、長官どうですか、その辺。
○堺屋国務大臣 エネルギーの安全政策というのは非常に重要なことでございまして、エネルギーが来なくなりますと、農業もできなくなりますし、国民生活が破綻するという問題がございます。それに対応いたしまして、政府としても、七〇年代の二度の石油危機の経験を踏まえて、さまざまな手を打っております。 一つは、原子力のような国産エネルギーといいますか、長期に保てるものをつくるということも一つでございますし、また、輸入相手を拡大する。これは、最近また中東一極集中になりまして、危機感を私は持っております。もっといろいろな国々から入れるべきだという感じもしております。それからもう一つは、備蓄政策。これもかなり進んでおりまして、石油ショックのときに比べますと数十日分備蓄がふえている。これが安全の手がかりになっているかと思います。 御説のように、最近石油がバレル当たり三十ドルを超えるほどに値上がりしてまいりました。これは、OPECの減産だと言っておりますが、減産がきくこと自体、需給がタイトになっていることのしるしでもございますし、そういう点ではそう手放しの楽観はできないという感じがいたします。 ただ、安全保障の問題と今のアラビア石油の問題とを考えますと、あの二回の石油危機のときに、日本が掘っていたから安全な供給であったかどうか。向こうが、つまりアラビアなりクウェートの政府が輸出制限をしたり、あるいはペルシャ湾が戦火にまみれたりしたときに、必ずしも、これは安全保障だ、日本資本が掘っているからどうだということ、外国が掘っているからどうだということではなしに、もっと石油というのはグローバルに資本系列も輸出の動きもございます。だから、単純に、これは安全保障政策だから相当税金を使っていいじゃないか、乗り込めというのは、どうもちょっと短絡なような気がするんです。 〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕
○細田政務次官 通産省として、やや細かくお答えしたいと思うんですが、いざというときのためにどういうことをしているかというので、堺屋長官がお答えしました備蓄、これは今は、民間備蓄八十日分以上、国家備蓄八十日分以上、石油公団と関係会社、備蓄会社が保有しておりますけれども、これで百六十日以上あります。堺屋長官が「油断!」を書かれましたときには、民間備蓄を合わせても一月分もない、一月たてば全く何もできない、漁業の人がイカ釣りの船も出すこともできなければ、農業の人が肥料やその他の必要なものを調達することもできない、石油化学もとまる、そういう状況でした。電力もとまる。 現在、電力について申しますと、もはや原子力発電がトップでございまして、三五%ですね、昨年の実績で。約三五%になりまして、それからLNG、これは余り中東産油国に頼らないでアジア諸国その他からとっておりますけれども、LNG発電がその次、また、石炭火力もふやしてまいりましてその次、そして、その後石油火力、水力と続くわけでございますが、そこまで電力における構成も変えたわけでございます。 ただ、その後自動車が爆発的に伸びておりますから、自動車用のガソリンはどうだとかいろいろなことがございますけれども、相当石油における安全保障問題というのは変質をしてきておるということは事実でございます。 ただ、先生おっしゃったように、石油公団がこれまでも続けておりますような探鉱とか開発、世界においていろいろなところで石油を探して自主開発というものは進めなければならないという国策は依然変えておりませんので、我々政府としても、こういった努力は続けていかなければならない。そうしなければ石油資源はいずれ枯渇するということは目に見えておるわけでございますから、その政策もいささかも変わるものではない、そういう全体の中での位置づけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○中山(義)委員 堺屋長官、たまたま中国も産油国から輸入国になりましたね。 それで、二、三年前からアジアの景気がおかしくなった、ヘッジファンドのことか何かわかりませんけれども、通貨危機があった。アジアが今静かにしているわけですよ。人口もどんどんふえつつありますし、人口がふえれば石油は必ず使用量はふえていく。しかも、アジアの景気がもう一度変わってきた、さらにまた工業国として急に二、三年前の元気を取り戻してきた、こういうことになると、石油の需要は急に変わる可能性があるんじゃないですか。 特に私は、中東は、アジア大会に彼ら出ていますね。サウジアラビアはアジア大会に出ていますよ、だからアジアでしょう。仲間ですよ。この地域でまた産業がばんばん活性化してきた、輸出が伸びてきた、こういうことになったときに、石油の状況というのは一気におかしな方向に動く可能性がありませんか。
○堺屋国務大臣 仰せのとおり、アジアの国々が石油の巨大な輸入国になっております。例えば、ことしあたりを見ますと、お説の中国は、生産量が一日当たり三百二十万バレルに比べまして、消費量の方が四百五十万バレルになる。だから百三十万バレル足りない。それから、その他のアジアでございますが、これはその他のアジアといっても東南アジアでございまして中東は除かれておりますが、その他のアジアで供給されるのが二百二十万バレル、そして使われるのが何と七百五十万バレルと、非常にアジアの石油輸入に占める比重が大きくなっています。 これを長期的に見ますと、やはり、石油はまたタイトな時代が来る、大体三十年に一回ずつぐらいそういう回転がございますから、その可能性は十分あると思うんです。 そういう意味で、日本の石油政策、原子力を含めましたエネルギー政策というのは、十分時間をかけて長期的な計画を立てていかなきゃいけない。これは事実だろうと思います。したがいまして、日本も幅広く石油公団等で探鉱しておりますが、それほどいい成績とは申せませんけれども、そういう努力は続けているわけでございます。 そのことと今のアラビア石油の話と関係ないわけではございませんけれども、やはり、石油という事業も世界じゅうのグローバル商品ですから、一定のコストの範囲内で行われなければならない。それを超えて、幾らでもいいからというような物資ではございませんので、その点を御理解いただきたいと思っております。
○中山(義)委員 長官、私言っているのはアラビア石油のことだけではないんですよ。サウジアラビアと日本の関係を強化するためにしっかり考えておかないと大変な問題が起きてくるぞ。中東にやはり八七%も石油依存をしている日本の国ですから、特にサウジアラビアを一番主体的に考える必要があると思うんですね。 サウジアラビアはよく日本の方に、アジア大会で一緒にやっている国は日本で、アメリカは遠い国だ、こう思っているわけですから。宗教もいろいろなこともあるし。だから、日本に親近感を持っていることは非常にありがたいことですし、この辺のことを考えた上で、ではどういうことでサウジアラビアに対して協力をしてきたのかというと、今回の問題でも、これは決裂だ、または初めに決裂ありき、ノーありきでもしやったとすれば、これは大変な問題になると思う。それはないというけれども、結果としてそうなるわけです、結果として間違いなく。 だから、今の二十七日の期限をまだ迎えていないにもかかわらず決裂と書いてある、そのこと自身が私、新聞社にどういうふうに通産省は報道させているんですか。今の時点で何で決裂なんかやっちゃうんですか。おかしいじゃないですか。これまだ日にちがあるじゃないですか。そんなことやったら国と国との信頼感というのはなくなりますよ。
○深谷国務大臣 マスコミがどんどん先走って書いていて、まことにけしからぬと言ってしばしば怒っています。まさか通産省がマスコミに対して決裂だと報道しろなんて、そんなことは言った覚えもないどころか、二十七日の期限ぎりぎりまで頑張るという点では、あのような報道は迷惑しております。
○細田政務次官 誤解のないように申し上げておきますが、この間サウジの石油大臣も来られて、日本の石油精製業界とかあらゆるエネルギー関係者、もちろん通産大臣もお会いになりましたけれども、そのときに彼らが言っていることは、サウジアラビアにとって日本は最大のお得意さんである、したがって、このアラビア石油の問題は問題として我々解決しましょう、しかし、日本が永遠の石油を通じての友人でもあり、また販売先であるということを重ねて何度も言っているわけでございます。 それだけの実績もこれまで積み重ねておりますから、これからも、いわゆる産消対話というようなことも言います、産油国と消費国、最大の消費国である日本ですね、輸入国としては最大の国でございますから。日本はそういった非常に大きな地位を占めておりますので、さらに友好親善関係を深めることは当然でございます。しかもそういう実態がございますので、念のため申し添えます。
○中山(義)委員 報道によると、そういうふうに書いてないんだよな。やはり皆さん報道の方は心配して、朝日新聞の船橋さんなんというのはもう、石油政策が完全に失敗したとか書いてある。それが正しいとかマスコミの意見がどうだというのじゃないのだけれども、やはりそういう危惧があるということは事実ですよ。 だから私は、この「油断!」に出ているとおり、あるときあるものがなくなる、また、日本にないものがあるのはわかっているのですね。そういうものはちゃんと手当てをしておかないとえらいことになるよと。それは地震と同じで、忘れたころにやってくる。急に三十ドルへぼっと上がってみたり、いろいろなことが現実にあるわけですよ。だからこそ我々は心配して質問しているわけで、今回のこのアラ石のことが大きな問題になりやしないかと危惧しているのは当たり前で、これは国民の声ですよ。どの商売だってあの石油ショックの学習をしているのですから、みんな。 だから、日本人があのときと同じようにまさかトイレットペーパーを買い集めたり、この間の米不足のときのように米を買い集めたり、そんなことはしないと思いますよ。しないと思うけれども、今までそういうことが起こっていたことは事実ですから、やはり石油というものは、ここで何らかの形でぼんと高騰する。 原子力発電は一番だと言うけれども、今の状況を見ているともうなかなか、都道府県がああやって知事が何か言った、これが地方分権の時代だ、やはりそうやって提言すべきだ、こう新聞でやっているということは、そのうち区市町村だって反対する可能性ありますよ。市町村だって、住民投票だ何だかんだ。だからやはり原子力発電というのだってなかなか難しい。 エネルギー政策全体をやはりもうちょっとしっかり表へ出してもらって今回のことを理解させないと、単純に石油が大変だといってまたぽこんと上がるような可能性はあるし、日本が弱みにつけ込まれてどこかの商社が高く売りつけてくることだってあり得るし、それは商売の常道ですから。だから日本が、ちゃんと石油政策がしっかりしている、こういうところを見せなければいけないわけですね。 ですから、鉄道の問題だって、日本の国がやることはないわけでしょう。アラ石がやったっていいわけでしょう。信用保証協会じゃないけれども、十兆円もあるんだったら、少し信用保証か何かのことで日本がある程度保証するとか。 私は、鉄道の問題だって単純に考えているけれども、さっきから言っているように、サウジアラビアというのは対外債務を持たない、借金は嫌だと言っているのだから。そういうことを国是にしているのだからこれはできないわけですよ、幾ら融資すると言ったって。だとすれば何でやってあげるかという形になったわけだ。だから、鉄道の問題だってもっと工夫がありませんかと。何か余りにもイエスかノーじゃないのかな、そんな感じがするのですよ。 だから、ほかにやらせるという方法だってあるんじゃないですか。そのかわり、確かに国民の皆さんは、もしアラ石が鉄道をやっていわゆる保証をするとなると、何だ民間企業にとなったら、やはり通産省の事務次官からなった人が今社長にいるからだという判断をするかもしれない。だから、やはり民間なら民間らしく、それらしい会社になってもらって、そこに補助をしたらどうですか。またはそれを国がある程度保証していくとか、そういう方向だって考えられませんかね。 さっきからどうも質問のあれが、私が言っているのは、サウジアラビアに対して、アメリカは軍事協定を結んで、しかも八十幾つの合弁企業まであるのですよ、向こうに。日本はサウジアラビアと五つぐらいの合弁企業しかないのです。これで信頼関係がアメリカと日本で随分違うでしょう。エネルギーを大切にする国はやはり、自分のところに石油が産出されて石炭が二百年あったってそうやってやっているんだけれども、そういう工夫がなかったのかと聞いているのです。
○深谷国務大臣 先ほども申し上げましたように、いろいろな工夫をしまして、今あなたがおっしゃった投資の問題でも、六千億円という枠をつくって、投資を促進するための提案をしているのです。そのあたりは別に向こうは反対はしていない。だけれども、それとは別個に鉄道を敷いてプレゼントとこうおっしゃるから、それは今日の状態で可能性も含めてできないと。できますか、実際の話が。できないという答えしかないと私は思っています。 それからもう一つ、アラビア石油に会社を持たせてそこで鉄道をやれ、そこへ貸し出せというお話でありますが、実はそれは、アラビア石油の一部の人のおっしゃっているのと同じことなんです。だけれども、この場合はアラビア石油が新しい会社を起こすわけです。別個に新しい会社を起こすわけです。全く経験も何にもない形で新しい会社を起こす、そこに二千億でも三千億でも金を出すということは全然不可能なことで、保証協会で保証をつくるという制度もありませんし、できない話なんですね。 だから、私たちができる話は、繰り返し申しますが、今あなたがおっしゃったとおりなんですよ。サウジアラビアにアメリカも企業を投資している、日本も投資したい、そういう会社もありますから。そういう会社ができるような後押しのための応援を、六千億という枠をつくって先方に提示して、金利についても軽減しますよというような、あらゆることは申し上げているわけなんですね。ただ、残念ながら、鉄道のことが解決しないとだめなんだということなものですから、これで話が進まないというのが今日の状態になっています。 それから石油の問題について、あなたがおっしゃった石油安保というのは、おっしゃるとおりですよ。私は中山さんのそういう考え方に全く反対しているわけじゃないのです。だから、日本も百六十日分の備蓄を備えたり、あるいは今度でも石油の価格が上がっていますけれども、あの石油ショックの時代と比べますと、物価にそのまま直接今影響してないのですよ。なぜかというと、当時は石油の依存率が七〇%だったから。今は五〇%まで抑えてきた。これは原子力も含めたいろいろなエネルギー政策全体を考えてきた一つの答えだろうと私は思っているのです。 これから石油の値段がこれ以上上がるかどうかというのは容易なことではありません。ありませんから、OPECの話も、あるいはこれからの動きも注目していかなければならないのですが、それらについてはエネルギー政策全体で、国を挙げて、これはもう与野党を問わず一緒に考えていく必要があるのではないかと思っております。
○中山(義)委員 そうすると、このアラ石の問題というのは、今の答弁によると、やることをやったけれども結局だめだったと。やることはやった、全部言うべきことは言ったと。 しかしながら、僕は、来た新聞の端々からすると、例えばこの人が言ったことは鉄道だけだと言っている、またこの人はと、新聞によるといろいろな人の名前が現実に出てきているわけです。サルマン知事の息子さんであるとか、またはアブドラ・アジズ石油次官とか、または今来ているいろいろな方、いろいろな名前が出ているけれども、それぞれの言っていることが若干違うようなニュアンスもあると思うのですよ。本当に向こうのトップと将来のことを話し合ったのかどうか。 私どもはやはり、はっきり言って石油の、エネルギーの問題というのは、失敗すれば小渕総理だってエネルギーの問題については大した見識がなかったということになりますよ。この問題は今後のサウジアラビアと日本の問題として我々は考えているわけでございまして、本当に信頼関係があるのか、その辺が私ども心配なわけですよ。今までの新聞を見ると、何か非常に感情的に、あれはだめだとかなんだとかなっているような気がするのです。その辺だけちょっと確認をしておきます。
○深谷国務大臣 去年だけでも通産省から審議官が七回にわたって現地で交渉をいたしました。そして最後に通産大臣みずからという話が先方からあったものでありますから、私は現地に行きました。 その間、例えば対決をする、そして机をたたいてやり合う、そんな場面は全くありませんで、粛々とお話をしたのでございます。そしてその中で、我々としては、先ほど申した投資に関する推進のための六千億円は準備をしますよとか、金利はこうしますとか、あるいはその投資に関して日本だけが判断するのではなくて、向こうの要求どおり双方の委員会をこしらえて意見も聞きますよといった話もいろいろしたわけです。 そこで、先ほど申したように鉄道の問題がネックになってまいったものですから、鉄道に関しては二千億かかる、これはサウジ側も言っている金額です。そのうちの千四百億は、我々が、サウジが国でおやりならば協力をいたしてお貸しします、その場合の金利はこれこれこうでございます、そんなことをずっと繰り返してきたのでありますけれども、それは残念ながら相手が応じてくれなかった。 新聞等の報道ということでございましたが、サルマンの息子さんというのがアブドラ・アジズさんという殿下でございまして、この人が担当の窓口でありました。そして、私は専らナイミ石油大臣と交渉を重ねているというのが今日までの状態であります。 そして、政府としては、そういうわけで決裂というよりも中断で一たん帰るという形にしたのでありますが、もうわずか、日にちはありません。ありませんけれども、今アラビア石油とサウジアラビアの交渉が続いておるわけでありますから、我々としては、それをしっかり見守っていくということ以外に今新たな提案を持っているというわけではありません。 それから、サウジと日本の関係であなたが心配するのはむしろ当然だし、大勢の方も、私も含めてみんな心配しております。だけれども、そういう中で、どうやって両国が友好関係を永続にできるかということ、いろいろやっております。先ほどの、総理大臣が現地に行ったこともそうだし、今まではしばしばそういう産油国に日本の大臣が行かないという批判もあったのですが、毎年通産大臣は行っているという状況もございます。 それから、アブドラ皇太子等も日本においでになって交流を続けて、過日の太平洋エネルギー協力会議というのがありまして、たまたまナイミ石油大臣がおいでになったのですけれども、このときも、私とナイミさんとは会談を設けまして、公の場で、たとえアラビア石油の問題がどのような形になったにせよ、サウジアラビアと日本の関係にはいささかの傷もつけない、そう明言してくれておりましたし、私もそのことをお誓い申し上げた。 かの国は、一日百万バレルの原油を我が国に輸出してくれているわけであります。しかし、逆に言えば私たちも百万バレル買っているお客でもありますから、双方の利益も一致しているわけで、この関係をこれからも一層大切にしていこう、本当にそう考えて、その点はあなたと全く同感なんです。
○中山(義)委員 私らは単純に考えて、鉄道というものが既にあれば、あれは日本の企業がやった鉄道だからということで一生その国に存在感があって、日本との関係を保てるという単純な考え方もあるし、もう一つは、やはりアラ石という会社がそこにあれば、何百人の駐在員がいるわけです、あそこに。そうすれば、サウジアラビアとの人間関係というのもあるし、今後とも日本との関係を持ちやすい。そういう会社が、今度これで採掘権がなくなっていなくなっちゃった、そこに日本人が何百人いるかわかりませんけれども、いなくなっちゃった、こういうことも信頼関係において結構心配なことなんですよ。アラ石は要するにつぶれていいんだ、そういうことになるわけでしょう。別に、私企業だから、この際これでアラ石はお払い箱という形に、一応私企業だからね。 私が考えているのは、天下りの人たちはみんなやめてもらって、新しくきれいになって、それで少しでも援助して何とか、石油というエネルギーを日本の安保として考えた場合に、やはりそういう採掘権、クウェートに持っているわけですから。だけれども、今度のことによって大変危険な状況になることは間違いないですよね。それは私企業のことだから関係ないと答弁されるかもしれないけれども、そういうことはどうですか、この問題の中で。
○深谷国務大臣 先ほどから何回も申し上げているように、私企業だから関係ない、つぶしていいんだなんという思いは毛頭ない。だから、日サの環境を整備するということで結果的には応援ができる限りできるのではないか、こう考えて頑張ってきたわけでありまして、そういう意味では、私企業だからつぶしてしまえというように思ったことも言ったことも行動したこともございませんから、そこはどうぞ誤解のないようにしていただきたいと思います。 また、アラビア石油の問題については、御案内と思いますが、クウェートと半分、権限がまだあるんですね。サウジアラビアとクウェートで半分ずつの権限でございまして、クウェートは三年後が契約切れでございます。だから、まだ二十七日にならないとわかりませんけれども、どのような形にせよ、即アラビア石油が消えるという状態ではないわけであります。 いずれにしても、二十七日が期限でありますから、これで今アラ石も一生懸命協議しているようですから、協議の状況をしっかり見守っていきたいと考えております。
○中山(義)委員 ちょっとここで、自主開発を今後やるときに、これは国策としてやるのかやらないのか。例えば、アラ石が今までやってきたわけですが、石油公団などという会社がありますが、ちっとも新しいものは開発されていないようだし、今後、今のままで自主開発はもうやらない、あくまでも石油は商品だ、どこでも買えるんだ、こういう考えでいくのか、自主開発というものを国是として、国の取り決めとして自主開発をふやそうとしているのか、この辺ははっきりしてください。
○深谷国務大臣 石油公団を中心として自主開発をねらっていろいろやっているのですけれども、先ほど堺屋長官が言われたように、余りいい実績はない。それはなぜかというと、地下に埋蔵しているものですから、アラビア石油が成功したのは一発で掘り当てたのですね。そういう意味で、相当なリスクがありますけれども、そして、そのために石油公団も時には批判されます、だけれども、やはり資源のない日本としては、新しい場所を探して自主油田が開発できればという願いを込めて、石油公団の活動は今後とも続けていくつもりであります。
○中山(義)委員 今のは、自主開発をするということは、国策として今後もやっていくという意味合いにとらえていいわけですね。 石油公団という会社の体質なんですが、これもかなり天下りが多くて、いろいろ融資したりなんかしているわけですが、何とか石油とかそういうところに、社長がまたそこからさらに飛ばしで行っているとか、わたりとか飛ばしとか何だかでどんどんそういうふうに行っていて、結果的には大した事業はやっていない。しかも、今までやってきたことはなかなか深いところにあるものですからうまくいきません。うまくいかなきゃやはり困るわけですよね。結果としてうまくいかなかったからこれでいいんだというのじゃなくて、累積債務はもう一兆円を超えているのでしょう。しかもそれで焦げついて、銀行でいえば第二類だとか第三類だとか言われているような焦げついたものだって相当あるはずなんですよ。 この石油公団について、国民は信頼していないと思いますね。随分、テレビだとか新聞でも報道されました。この辺は本当に、もし今言ったように自主開発をやるというような決意があるのだったら、今のこの石油公団なんかとんでもないでしょう、はっきり言って。本当に、もっと結果が出る、よその国は結果が出ているわけですから、競争しても日本の国は負けていないという自信のある会社にしてもらいたいと思うのですが、その辺はいかがですか。
○深谷国務大臣 たびたび申し上げておりますけれども、石油開発事業というものはアラビア石油のように民間企業主導のもとで進められるというのが一応原則なのですよ。だけれども、政府としても、我が国の企業による石油の自主開発が石油安定供給確保の上で必要であるという観点から、今申したような石油公団の投融資等を通じて支援をしているというわけでございます。 今、石油公団の問題について触れられましたけれども、いろいろな御意見があります。私ももちろん関心を持って、大臣になる前から石油公団を呼んだりしていろいろ聞きました。投資とその結果のプラスマイナスどうなのかというと、おっしゃるとおり、大変きついですね。それは、先ほど申したように、石油を掘るということ自体がかなり運に左右されたり、今科学的調査をしていても、それでも当たり外れが全くある。将来、トータルで一体どうなるのかということを目安にしながら石油公団の仕事を続けさせていくというのが現状でございます。 ただ、石油公団に対する不信感というのがありますので、一昨年の九月に石油公団再建検討委員会の議論を踏まえた報告書、それから去年二月には石油公団開発事業委員会報告書等で、石油公団の業務の運営のあり方等々に関してさまざまな提言を受けているところでございます。 私どもとしましては、これらの提言を受けながら、今後とも石油公団の事業運営の効率化、透明化を図っていきたいと考えているところです。
○中山(義)委員 今ちょっと話をした、大体よく意気込みはわかりましたけれども、実態としては今、累積債務一兆三千億円ぐらいあるというのは間違いない事実ですか。 それと、石油公団とアラ石の関係はどうなっていますか。
○細田政務次官 アラビア石油につきましては、石油公団と直接出資等の関係はございません。 それから、探鉱資金は、累積債務というお話がございましたけれども、基本的に石油特別会計、通称ですがいわゆる特別会計によりまして、公団には出資金を出すことによって運用しておりますので、本来、当たらなかったものは償却するという基本原則でございますけれども、それを今、中間的な段階で、当たらなかったものの最終処理がおくれておったことは事実でございますが、御批判もございましたので逐次進めているところでございます。
○中山(義)委員 もうちょっと具体的に。今、金額の部分ももうちょっと。
○細田政務次官 石油公団は、一昨年九月の石油公団再建検討委員会の報告書を受けまして、将来の損益見通しを公表し、毎年度その見直しを行うこととしておるわけでございますが、これに基づいて、平成十年度決算にあわせて公表した損益見通しでは、石油公団は二〇二〇年時点で、油価、為替レートの動向によりまして、四千六百八十億円の利益から六千九百六十億円の損失を計上すると見込まれておりまして、長期的に見ると、油価とかあるいはこれからの動向によりまして大きくこの見通しが分かれておるわけでございますので、まだはっきり申し上げられません。 油価が二十ドルの場合、そして為替が百四十円ぐらいの場合を前提にしますと四千六百八十億円の利益が上がりますし、油価が十一ドル台で為替が九十三円という前提を置きますと七千億円の赤字が生ずるということで、今後の経済状況、石油価格の情勢によってこれだけの差があるということは御理解いただきたいと思います。
○中山(義)委員 やはり大変な債務というか、負担を国民がしているわけですね。だから、やはり私は、石油政策において、一つは、新しい開発をちゃんと本当にしっかりやってもらいたい、それも効果の、実の上がるものをやってもらいたい。もう一つは、サウジアラビアに対しても、やはり中東依存が強い以上は、しっかりした役割を日本も果たした方がいいんじゃないか。 例えば、サウジアラビアは、人口の半分が十五歳以下だというんですね。これも、いいですか、雇用というか、サウジアラビアはどういう国になりたいかということもしっかり通産省では勉強してもらいたいわけですよ。やはり工業というものを立てて、今石油依存から国を変えていこうという気持ちがある。しかも子供がすごく多い、小さな子供が多い。こういう実情をもうちょっと、理解しているかどうか。ちょっとそれを通産省の皆さんにお聞きしたいんです。
○深谷国務大臣 このたびの交渉の過程の中で、今あなたが言われたような発言が数々聞かれました。例えば、石油依存でサウジアラビアは今日になっている、そのために、石油で国が運営されていくために、国民の、とりわけ若い人たちがだんだんに怠惰になりつつある。これはナイミさん自身が言っていました。こういうような状態の中で、これからしっかり国を興していくためには、鉱山を開発して、そして鉄道を敷いて、そういう分野に広げていくことがとても大事だということをおっしゃっておった。これは私も全く同感で、それはそのとおりですねと申し上げたんですが、だからその鉄道を敷けという議論になってくるものですから、そこに来ると、なかなかそうはいきませんという話になっていたわけです。現在人口もかなりふえておりますから、サウジアラビアもサウジアラビアとして非常に苦労しておられると思います。 そういう中で、何が一体我々として協力ができるのか。例えば、企業の投資等があればそれは積極的に促進していく、それで日本の企業が現地の人を採用していくということで一層人的交流が図られるということは、それはもうそのとおりだと思いますから、あなたの御意見のように一層努力していきたいと考えます。
○中山(義)委員 とにかく、いろいろ相手の国をよく知って、相手の国の一番喜ぶ方法でお互いにどんどん交流を深めていくということが大事だし、文化とかそういうものも当然大事だと思うんですね。ですから、相手がどういう国なのか、今何を望んでいるのか、これは、一つは鉄道ということではっきり表に出てきたわけなんで、これもぎりぎりまでいろいろな交渉をしながら、鉄道にかわるものはないのか、または、鉄道だったらば何かうまい方法はないか、もうそこまでやっていかないと、二十七日まで期限があるわけでございまして、これは、断念とかなんとか書かれていては、本当に、私どもはちょっと困るわけですね。悲観論強まる。アラ石は最後まで交渉すると書いてあるんですが、政府の方はもう悲観論が強まっていて、断念だとかですね。これは日経ですよ。いろいろ新聞なんかを見ますと、かなりそういうふうに書いてある。 やはり交渉ですから、本来ぎりぎりまでやって、イエス、ノーの話じゃなくて、徹底的に何とか妥協点を探っていくということが必要だと思うんですね。先ほどからお話ししているように、雇用というような部分もあって鉄道という問題が出てきたのかなということもあったわけですね。それから、相手の、十五歳以下が人口の半分だなんて、とんでもない、日本とは違う状況なわけですよ。日本と同じ物の考え方ができない、こう思うんです。 全体的な石油像として石油が上がっていく中で、何かアメリカの話なんですけれども、この間ちょっと見たら、大分いわゆる希金属が売買されて金属も同時に上がっているとか、いろいろ意図的に何かやっているような話も聞こえるわけですね。石油が上がると大体金がいつもずっと上がっていくわけですよ。何かいろいろな動きを見ていても、世界の国々が、石油によって経済がまたちょっと変わってくる。例えばアメリカに行っているお金が、やはり株式やなんかの不安で急に石油に流れないとも限らないわけですよね。そんな懸念もしているんですよ、現実に。これも日経だとかなんとかに書いてあります。 堺屋長官、こういうドルの動き、またはお金の動きが石油の動きに何か連動して起こったときに、もっと石油が上がった、ああ、やはりあのときに何とかうまく、鉄道を敷いても採掘権があった方がよかったとかなんだとか、または、それはないというならないでいいんですが、そういうことがあり得る、または日本が足元を見られる、そんなこともちょっと心配なんですが、その辺どうでしょうか。
○堺屋国務大臣 お説のように、石油が一昨年からじりじり上がって三十ドルになりました。去年の暮れから希少金属が値上がりしてまいりました。ことしになりましてから、トウモロコシなどもブッシェル五ドルを超えるというようなので、やや国際物価が、ずっと下がり続けてきたんですが、ここへ参りまして強気に転換しております。 これが、お説のようにアメリカの資金が株式、証券市場からコモディティーの方に流れているというような現象なのか、あるいは需給関係でかなりタイトになってきたのか。これは、価格が下がりますと必ず生産量が減りますから、そのためにつり上がるという、いわゆるピッグサイクルという現象を起こします。そういうような需給関係のものなのか。あるいはもっと、石油危機のときのように、長年沈んでいた価格の安さがあらわれてきた、これでございますとかなり全般的な物価上昇が起こります。特に、石油が値上がりするというのは、石油が値上がりしますと、当然化学肥料が値上がりする、燃料が値上がりする、そうしますと農産物の生産が悪くなって、それで農産物価格が値上がりする、そういうような波及効果があります。 そういう意味で、国際経済に対して、日本も、我々も非常に今注目をしておりまして、いろいろな統計、いろいろな情報を集めております。現在のところ、これが特別に大きな、七〇年代のような大きな波になるとは考えておりませんけれども、用心は怠らないで、用心深く見張っているというような状況でございます。 日本の場合、あらゆるものを輸入に頼る。したがって、国際市場に対して非常にシビアな見方をしていかないかぬというのは事実でございますし、民間の方々もまたそういうことを十分やっておられますが、一時、七〇年代に比べますと、何といっても産業構造がソフト化しておりますし、多様化しております。そういう意味で、日本もかなり抵抗力を持ってきておるということもあろうかと思います。 そういうこともさまざま考えながら、今、景気の回復とともに構造改革、そして世界への貢献、これを大きな小渕内閣の三つの旗印としてやっているところでございます。
○中山(義)委員 簡単に答えてもらいたいのですが、堺屋長官、石油は要するに商品なんだ、日本の政策の中で、石油をあくまでも商品として考える、だからコンビニで物を買うようなのと一緒だというように考えるのか、やはりこれからも石油は備蓄を含めて省エネ、何か省エネだって昨今は忘れたような感じもするのですよ、あの石油ショックのころは石油の使い方についてだって随分論じ合って、何とかむだをなくそうとやったけれども、今になってみるともうそんなことは忘れちゃっている。どうも最近の風潮になってくると、あくまでも自由市場で石油は供給されるというようなことを言い切っちゃっているような感じまでする。この辺は長官、どうですか。あの「油断!」を書いたころの御心境と今の心境、どうですか、その辺。
○堺屋国務大臣 先ほどから申し上げていますように、経済構造も変わりました、世界の情勢も変わりました。「油断!」のころにはまだ冷戦構造もあり、いろいろそういう世界の事情も変わりました。日本の産業構造も大いに変わりました。そして、コンピューターが発達し、情報がどんどん発達いたしましたから、世界のマーケットも大いに変わってまいりました。 そういう意味で申しますと、国際商品が商品化しつつあることは大きいと思いますが、最後のハードコアの部分で、やはりエネルギーの問題というのは安全保障につながるし、重大な問題だと思っています。したがって、一方においては国家備蓄、各企業の備蓄というような対策もとっておりますし、それから、エネルギー源の分散というので、原子力も日本にとっては不可欠なものだと考えております。 それから、三番目の問題といたしましては、やはり国際的にグローバルな安全貿易、貿易の自由、多角的な発展、これも非常に大事なことであります。そして、そのためにやはり為替の安定というのも必要だ。そういう総合的な経済政策、国際政策として、世界にどのように貢献していくか。日本のエネルギー政策、産業構造政策をどのように見ていくか。 省エネルギーにつきましては、あの石油ショックの後はテレビを消したり、ネオンを消したりしたのでございますけれども、どんどんと技術が進みまして、同じような機器でも相当エネルギーを使わなくなってきました。これは環境問題とあわせて非常に重要な技術開発でございまして、ミレニアムプロジェクトの中でも幾つかのテーマを取り上げております。 そういう点で、十分かどうかは人によって判断が違うと思いますけれども、おさおさ怠りなくやっているとお考えていただいて結構かと思います。
○中山(義)委員 最後に通産大臣に、災害は忘れたころにやってくる。地震にうんとお金をかけるのは、いや、地震なんか起こらないよと言う人もいるかもしれないけれども、起こるという前提でお金をかけたり、また国策としていろいろやってきているわけですよ。そういう面でも、エネルギーというものがやはり、石油みたいなものは特にこれは安全保障だというような視点から物を考えていかないと大変だと思うのですが、一方、商品だというような考え方も同時にあると思うのですね。そういう面では、効率のいいエネルギー対策をしなければいけないのですが、最後に、石油というエネルギーに対する安全保障という観点からどういう御決意をお持ちで、今後、サウジアラビアとも、それから今度の問題について総括をするのか。 それと、最後に、石油公団とアラ石という会社に天下りをしていますが、その辺の総括もひとつぜひお願いします。
○深谷国務大臣 資源のない日本ですから、石油がとまるということになれば死活問題になります。そういう意味では、常にこれが確保されるということは大前提で、あなたのおっしゃったように、石油というのはある種の安保と考えていくということは正しいことだと思います。 そこで、産油国との交流をこれからも一層増進させていく。アラビア石油だけに限らず、さまざまな企業がかの国に進出していくということがその信頼関係を一層増していくということなど、通産省としてできる限りのことはやっていかなければならないと思います。 それから、アラビア石油と石油公団の天下りの話でございますけれども、後で書類でお出しいたしますが、役員の数だけでいえばそんなに極端なことではないと思っているのでありますが、それはアラビア石油であれば、企業が必要とした人材を求めていくということでありますから。しかし、人事院の規則、法律、制度に基づいてやっていることでなければなりませんから、そこはきちっと見詰めていかなきゃいけないと思います。 石油公団のありようについては、これからも国民の期待にこたえられるような状況をつくり出すために、私たちも一層きちんとした対応を図っていきたいと思っています。
○中山(義)委員 どうも長い間ありがとうございました。 とにかく、石油という問題、今度のアラ石の問題を契機に、やはりもう一度しっかり石油公団やそれからアラ石の問題を総括して、新しい時代に入っていただきたい、このように思う次第です。 以上で質問を終わります。
○中山委員長 この際、申し上げます。 先ほどの河野資源エネルギー庁長官の発言は、質疑者中山義活君から政府参考人の出席要求が出されておりませんので、削除いたします。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ――――◇――――― 午後一時六分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。久保哲司君。
○久保委員 公明党・改革クラブの久保哲司でございます。 きょうは、大臣所信に対してといいますか、そこをメーンにして、通産大臣に何点かお伺いをしたいと思います。経企庁長官もお見えでございますけれども、きょうは深谷大臣を中心にお伺いをさせていただきたいと思っています。 大臣の先日の所信の中で、総理が施政方針演説で強調されたように、「立ち向かう楽観主義を大切にしつつ、」こういう言葉を引用なさっておられます。この立ち向かう楽観主義というのは、一月十八日に、総理の諮問機関であります二十一世紀日本の構想という懇談会がまとめて出された報告書の中に書かれていることでございます。 確かに、こういった懇談会の報告書というのはさまざまあるのですけれども、この二十一世紀日本の構想というのは、見させていただくと、結構おもしろい角度のことをさまざま言っておられます。日本のフロンティアは日本の中にあるというような言葉を使いながら、外に求めるのじゃなくて、日本の潜在能力をもっともっと引き出そうじゃないか。そしてキーワードは、統治からむしろ協治、協同しておさめていく、そういう時代をつくらなければならぬ、こんな物の言い方。あるいは、それは言葉をかえれば、トップダウンからボトムアップ、こういうものをきっちりと位置づけていかぬといかぬ、このような物の言い方をなさっておられます。 総理は、それを受けて、記者会見等で、何とか日本の社会の中にこういう形のものを実現していきたい、このようなことをおっしゃっておられるのですけれども、これは確かに、今後の我が国政治、政府が取り組むべき将来像として非常に大事なことだな、このように思っております。 いろいろなことに関して、例えば十八歳以上を有権者にすべきだ、今後世代間の負担がさまざまなところで問題になる限り、若い層の声を聞くためにも十八歳ぐらいから有権者にしてはどうかとか、そういったこともさまざま書かれておるわけであります。 その中の経済政策の部分で見ますと、何よりも財政をめぐる制度の改革が必要であり、財政基盤なしに政策はおよそ成り立たない、このような前提を置いて、財政赤字を招かないような制度の仕組みを早急に築き上げる必要があるというような指摘もなされておるところであります。 そこで、二十一世紀に向けて、立ち向かう楽観主義あるいは実務的な想像力で日本の将来展望を開いていこう、このように言っておるわけでありますけれども、総理ももちろん、総理筆頭に内閣は取り組んでいただかなければならないわけでありますけれども、通産大臣がこの日本の構想をベースに置いた場合、大臣の所管の中で、また所管を超えてでも結構でございますけれども、どのようなお考えを今お持ちか、そしてまたどのような気持ちでこれを見られたのか、そういったことについてお伺いできればと思っております。
○深谷国務大臣 総理の立ち向かう楽観主義という考え方は、私は非常に共鳴しています。昨今の経済情勢その他、日本全体の状況を背景にして、どちらかというと悲観論が横行しているという感じがなきにしもあらずです。やはり心配しながら、正確な道のりを歩くということは大事ですけれども、後ろ向きで、ただ悲観するだけでは前進がないと思います。かといって、楽観主義だけではそれはもう当然足らないわけでありますから、そういう意味では、新しい時代にふさわしい政治、政策その他もろもろ、積極的に果敢に立ち向かっていく、そうすれば必ず日本の将来の展望は開けていくという、まさに立ち向かう楽観主義こそ今必要なことではないかというふうに思います。 「二十一世紀日本の構想」懇談会の報告は、個人と国家のかかわりまでさかのぼって、一方では、教育、外交、安全保障といったような中心的なテーマについてさまざまな課題に踏み込んでいるわけで、おっしゃるとおり、まことに長期的な視野に立った日本のフロンティアを論じていて、極めて興味深いし示唆に富んでいることだというふうに受けとめます。 私どもとしましては、特に経済のあり方等についてこの示唆を受けて検討し、当省の目標にしていかなきゃならないと思うのですが、二十一世紀経済産業政策の課題と展望を産業構造審議会の場で早速検討していこうというので、ただいまこれをやっている最中でございます。 私どもといたしましては、この報告に盛られた考え方にのっとりまして、日本全体に対する長期的な構想、あるいは経済、産業に対する具体的な政策をしっかり立てて推進していきたいと思っております。
○久保委員 確かに、今も大臣おっしゃったように、日本人の持っておられる、あるいはその報告書が書いておられる日本人のさまざまな意味での潜在能力というのはすごいものがあると思いますし、それを信頼する限りにおいては、ある意味で楽観主義でいこうということも十分可能なのだろうと思います。長期的なものでありますけれども、そういうものをベースにした国づくりをぜひお願いしたい、そんなふうに思います。 そこで、先ほどもちょっと触れましたけれども、先ほどの懇談会報告の中にも財政基盤の改革が必要だということが書かれております。 その財政基盤の改革ということに関連して申し上げますと、午前も話題になりました、今まさに話題になっている外形標準課税というものが急にライトを浴びるような現実もそうでありますし、これから本当に真剣に考えていかなければならぬ問題かなと思います。二十二日に閣議口頭了解ということでありまして、そのときの閣議でまとめられた書面を読みますと、まさにさまざまな意味で悩ましい問題を抱えながら口頭了解ということに至ったのかな、そんな感想を持ちながら見させていただいたのです。 ただ、ことしの四月からいわゆる地方分権一括法が施行されますし、将来の日本の国の姿を分権国家にするのかどうか。中央集権でやってきた、これから将来を考えれば基本的には分権国家なのだろうと思いますが、その分権も、本来考えますと、そこに税財源というものがついていって初めて分権が実りあるものになる。そんなことを考えますと、その税財源の確保という観点からは、地方自治体の判断というのは尊重しなければならぬ部分というのは出てまいります。かというて、今回の東京都の実施されるのは銀行業等という特定の事業、しかも一定の金額で切るという、ある種特殊な形をとっておられる。 大臣の地元も中小企業の町だというふうに思います。私の地元も、東京の大田と並んで言われる東大阪を含んだ非常に中小零細企業の多い町でありますし、午前もお答えになっていましたように、中小企業にとっては、ある意味で消費税が金持ちも貧乏人も同じようにかかるやないかという、これと同じような格好でこの外形標準課税というのが取り入れられた場合には、やはり一般的に言えば、中小企業に非常にきついものになるのだろう。 そのことと、いわゆる地方分権を進めていかなければならないという兼ね合いの中で、中小企業を指導していただく立場にある大臣、けさもその立場からは反対だというお答えをおっしゃっておられたように耳に残っていますけれども、改めてそこらあたりのことについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○深谷国務大臣 私、元自治大臣でございまして、地方分権運動を推進した一人でございます。その際に、地方分権というのは仕事だけ回すのではなくて、財政的な問題についてもきちんと地方の分担に合うだけの用意をしなきゃならぬということを盛んに言っていたのですけれども、しかし、それは今後十分国全体で考えていかなきゃならない問題でありますが、だからといって、外形標準課税が銀行なら銀行という一部のところにだけ課せられるという、そんな簡単なものではないような、そういう気持ちもいたします。 私は、地方の自治体の安定的な税収という点から東京都がこれを選んだということはわからないわけではありませんが、そこから起こってくるさまざまな問題をやはり国家的角度から考えていく必要があるのではないか。そういう意味では、この間の閣議口頭了解の方向に沿うた考え方を私どもは持っております。 しかし、一方において、これをきっかけにしてすそ野を広く課税していくんだという声がぐっと強まってきたような感じがするのですが、それは一方において、景気回復についてようやく明るさが見えてきた今日、かえって、とりわけ中小企業等に水を差すことになりはしないか。ここらはよほど慎重な対応が必要ではないか、そんなふうに思っています。
○久保委員 当委員会の所管ではございませんが、分権ということに関しまして、かつての、この春施行される法案が通ったときに、市町村長さんと話をしていますと、大体文句を言わはりました。財源ついてきていないやないか、こんなもの地方分権と呼べるかと。そのときに実は、それなら何もかもきっちり渡しましょうか、渡したら今後は二度と金足らぬからくれなんて言うていくところおまへんで。あんたのやり方間違うたら、あんたの町村は、市は会社で言うたらつぶれまんねんで。それでよろしゅうおまんのかと言うたら、市長も困った顔をされたことがありました。 ある意味で、いろいろなところで甘えの構造みたいなのがどうしても残っている部分、これはお互いに、先ほどの立ち向かう楽観主義じゃないですが、そういう部分というのは切り捨てながら、本当に前を向いての議論をきっちり積み重ねなければ安心できる社会というのは築き上げられないのかな、そんな思いを今強くしております。 次に、中小企業対策についてお伺いをしたいのですが、中小企業はまさに日本の屋台骨でありますし、事業所数でいえばそれこそ九九%を超えているような実態、従業員の数でいうても七割をはるかに超えている。この中小企業の皆さんが、今日非常にさまざまな面で困っておられて、商工ローンに手を出さざるを得ない。商工ローンに手を出さざるを得ないというのは、一方で銀行の貸し渋りが始まった九七年ごろから広く大きくなって、この間うちからの商工ローンの問題になっておるわけでありますけれども、これも、何で、そんなところで借りたやつが悪いねんと言えばそれまでかしりませんが、中小企業のオーナーにとっては、背に腹はかえられぬ、こういう側面もあったんだろうと思います。 先国会は、総理の思い入れもあって、中小企業国会というふうな名のもとに、さまざまな施策を打ち立てていただきました。中小企業基本法及び関連法等々ができ上がったわけでありますけれども、それと相連動するように、ちょっとデータを見させていただきますと、通産省所管の中小企業対策関係の経費というのは、過去大体千数百億オーダーで来ていたのが、平成七年に一回だけ突出して約四千億近い金額が計上されておるのですけれども、平成九年には千五百億になり、平成十年は千八百億、今年度は一次、二次補正合わせて約四千三百億という、相当な力を入れていただいておるわけであります。 そんな中で、こういうふうに法の整備もし、お金の面でもさまざまやっていただき、そして貸し渋り対策としては十兆円の追加をしていただいて期限も延長していただいた。それらが今、通産大臣の目から見てどのような形で効果をあらわしてきているとお考えか。あるいはまだちょっと出ていないなと思われるか、あるいはこれから必ずこうなるよ、こういったことについての評価なり見通しなりを持っておられれば、それをお聞かせいただきたい。
○深谷国務大臣 先生おっしゃるように、日本の経済を考える場合に、事業所において九九%、従業員で七一%という中小企業の皆さんが元気を出さない限りはとても支えていけないということから、昨年、皆様の御協力をいただいて、各般の政策をまとめていただきました。 特に基本法の改正は、中小企業のあり方というものをもっと多面的にとらえて、そこにきめ細かい対策を立てていこうという点では、三十数年ぶりという大きな、画期的な変更であったというふうに思っているわけであります。そして、それに基づいて種々の政策予算、税制も含む問題を議論していただきまして、まず、方向性はきちっと決まった。 また、貸し渋り対策にいたしましても、二十兆をさらに十兆増して一年延長する、間もなくこれは二十兆も目いっぱい出そうでございます。つまり、五件に一件は借りていて、その成果をと言われれば、簡単には言えませんけれども、貸し渋りでいえば、倒産を相当抑えることができたということは言えるだろうと思うわけであります。 いずれにしても、ことしは昨年決めていただいた諸般の政策や予算を実践、実行する年だ。私は、ややもすると今まで、政策は立て終わったんだけれどもその実践、実行のところでもう力は弱まってしまう。それではだめで、通産省を叱咤激励して、先頭に立って、ことしはこの政策を国民の皆さんに知っていただいて、具体的に活用していただいて、活力ある時代をつくるんだということで、今全力を挙げているところでございます。 恐らく、景気回復等々、これからの動きの中で、中小企業の皆さんが徐々にこれらを活用して元気になっていただけるのではないかと考えますが、そうなるように一層努力したいと思います。
○久保委員 どんな場合もそうであります。日本の国全体を考えれば、一人一人の個人個人、あるいはそれの一番小単位である各家庭が元気になることが全体が元気になること。そういう意味では、企業という点でいえば、まさに下支えをしてくださっている中小企業の皆さんが元気になること、これが日本が元気になることの源だと思いますので、ぜひ引き続いての御努力をお願いしたいと思います。 次に、これも昨今話題になっておる話でありますけれども、いわゆるハッカーと言われるものですね。 大臣の所信の中で、第三の課題はということで、ミレニアムプロジェクトの中から引き出されて情報化分野のことについて触れていただいておりますけれども、我が党も今電子政府の実現ということで法案を作成しております。この法案ができ上がりましたならば、自民党、自由党さんとも御相談を申し上げて、一日も早い電子政府の実現に積極的に取り組んでまいりたい、こんなふうに思っておるのですけれども、そのためにも情報化社会に対応した情報経済のインフラ整備、これは極めて重要ですし、一方で、不正アクセスの禁止法等々が施行されておるのですけれども、ここに至って各省庁の持っておられるホームページにわけのわからぬハッカーが侵入しておるという、こういう事件が引き起こされております。 通産省では、ファイアウオールの強化を初めとしてさまざまな対策を立てていただいておるようでございますけれども、今後の産業、また日本の国のあり方を考えたときに、いわゆるコンピューターというのは抜きには考えられません。そんなところで、このハッカー対策というのをどのように考えておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思うのです。
○深谷国務大臣 高度情報通信社会の実現のために、情報セキュリティーの確保というのは欠かせないことでございます。二〇〇三年までに電子政府を構築する、そういう方向に向けて御党も含めて努力をしていますときに、政府間の一連のホームページにこのような問題が生じたということは大変なことでございますし、同時に大きな警鐘であると私どもは受けとめます。 通産省といたしましては、従来から、情報セキュリティーについてはサイバーテロ対策等積極的に取り組んでまいりました。今度、さらにこれを内部の体制として強化したいと思いまして、セキュリティー共通基盤の確立のための政策実行プログラムというのを今つくりつつあります。ここには、通産省の中のこれを専門に扱うメンバーと外部のいわば専門家をあわせて構成をさせて、これに対する具体的な手だて、そしてその実行を図っていきたいというふうに思います。 セキュリティー推進会議というのが今度改めてできまして、各省庁にまたがる、担当局長、官房長クラスが集まって相当協議をすると思いますけれども、また、それ全体を扱っている高度情報通信社会推進本部、私、副本部長でございますから、これらと有機的につながりを持たせて、このセキュリティーについての完全な状況をつくり上げるために頑張っていきたいというふうに思います。
○久保委員 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思いますけれども、先日、通産省の方とお話をしていましたら、私も改めて認識をさせていただいたのですけれども、かつての通産省というのは、物づくり、それをある意味で指導し支援するという、それが通産省の仕事であったのが、今日は、物づくりから、むしろ消費分野あるいは経済取引一般にまでかかわるような形になってきた、このようなことをおっしゃっておいででございました。まさにそのとおりでございまして、それを裏返して言いますと、日本の国民生活の上下左右にわたっての非常に広い分野に通産省の仕事というのはかかわりを持っていただいている。 そういう意味では、まさに大臣を初め通産省の皆さんの御努力によって、まずは中小企業を元気にし、そこから多くの国民にその元気さが伝わっていく、そういう施策を何としても推進をしていただきたいことを、そして本当に安心して安全な社会の構築に資していただける、立ち向かう楽観主義が見事実現できる、そのことを要望し、念願して、質問を終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 塩田晋君。
○塩田委員 堺屋太一大臣並びに小池総括政務次官におかれましては、現下の最大の政治問題でもあり、我が国の最大の問題であります経済の安定的成長への切りかえ、景気の回復、これに日夜積極的に取り組んでおられます。また、いわゆる国民へのアカウンタビリティーも、なかなか大臣、政務次官ともにすぐれていらっしゃることに敬意を表します。 現下の日本の経済、これがこのような状態で横ばいで推移しておるということについては、何とかしてこれを上昇軌道に持っていくということが大事でございますが、経済企画庁の月例経済報告を見ますと、ここ四カ月間ほとんど同じような表現で、緩やかな改善が続いておるという表現でございます。 経済は生き物でございますから、政府、また財界、国民挙げてこれに取り組んでおるとしましても、なかなか思うようにいかない難しさがあると思いますが、実際のところ、この日本の経済が明るさが見え、また光がちょっと差してきたかなと思いながらも、どうもそうもいかないという状況、これが続いているのが実態かと思うのです。この辺は経済企画庁としてどのように見ておられるか、実際のところをひとつ御説明をいただきたいと思います。
○小池政務次官 ただいまの御質問で、月例経済報告、ここ数カ月間、緩やかな改善が続いているということで続けているが、実際はどうなのかという御質問でございました。 おっしゃるように、全体といたしましては、景気は緩やかな改善が続いているという判断をこのところ続けているところでございますが、実際には民間需要の回復力が弱く、厳しい状況をなお脱していない。また、年末には需要がやや低迷したというような事情もございました。しかしながら、各種の政策効果も出ておりますし、また、アジア経済の回復などの影響もございます。そういったことで、企業行動にも前向きな動きが見られているところでございます。 民需と公需と分けて簡単に御説明いたしますと、個人消費でございますけれども、足元ではまだまだ足踏み状態と言わざるを得ない状況でございます。また、特に昨年十二月でございますが、ボーナスが減少したというようなことから所得が低迷した、またコンピューターのY2K問題などもございまして、これら個人消費、まだまだ足元では足踏み状態ではございます。しかしながら、平成十一年度は一・六%程度、そして十二年度は一・〇%程度と、緩やかな伸びを見込んでいるところでございます。 また、民間企業の設備の方でございますが、減少幅が縮小し、下げどまりの気配を見せております。特に先行指標でございます機械受注は、昨年の十―十二月期に前年の同期比で増加に転じていることなどから、十二年度におきましては緩やかな増加、特に後半においては増加するものと見込んでいるところでございます。
○塩田委員 景気の一番主導力になります個人消費が余り伸びないというところ、これはいろいろ事情が、問題があろうかと思いますが、これをどうすれば上げられるかということ。それから、設備投資が本格的に動き出したのか、今後どうなるのか、これはまた深谷通産大臣に後ほどお聞きするつもりでございますが、設備投資の動き。それから、在庫投資につきましては調整がかなり進んでおるし、経営の見通しについてもかなり明るい面が出てきておる。そういったいろいろな明るい面がありますが、基本的には景気を持ち上げていくような力がなかなか生まれてこないという状況が現在の状況ではないかと思います。 政府としては、あらゆる手段を講じてこれに集中して政策を実施しているところで、財政も金融もすべてを動員して取りかかっておるわけですが、なかなか実効が出ない。本当にもっともっと掘り下げて、いろいろな有効な手段を果敢に取り上げて、適時適切にひとつ実施をしていただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 ただいま小池政務次官が申し上げたとおりの経済状況でございますけれども、なお、昨年一年間の動きをつぶさに見てみますと、企業面での改善はかなり進んでおります。一時、企業の経営状態が非常に悪うございましたけれども、去年一年間で過剰雇用、過剰設備、過剰負債というあたりがかなり解消され、在庫も減少し、在庫率も下がってまいりました。そういうことから、消費に回るべき個人所得の伸びよりも企業の改善の方がやや先行しているのかなという感じを最近は持っております。 特に、先ほど政務次官も申しましたように、去年十二月のボーナスは、去年の三月、春闘の時期に大体決まっておりまして、それが十二月に調整して出される。したがって、企業の最悪期を反映して、今、去年の十二月の消費水準、ボーナスの水準が低かった、それがもろに消費にかぶってきた。 それに比べまして、設備投資の方は下げ幅がだんだん縮まってまいりまして、先行指標であります機械受注は十―十二月にはプラスに転じました。大体、機械受注が発現いたしまして設備投資になるまでに六カ月ないし九カ月の期間がございます。したがって、ことしの後半になると設備投資もプラスになってくる。 設備投資の場合は、過剰な部分ではなくして、新しい情報技術でありますとかそういった面に集中的に投下されるので、産業構造あるいは各業態の仕事の仕方の変化を生みながらやってくるものだと思います。そうなりますと、かなり日本の経済も、新しい局面を迎えて本格的な回復軌道に乗ってくれるんじゃないかと期待している次第でございます。
○塩田委員 経済政策につきまして世間ではいろいろと議論がされておりますが、先ほど、我々の経済政策についての基本的態度はまず景気回復である、経済を安定的成長の軌道に乗せるということに集中すべきだということでありまして、財政も金融もこれに集中するわけでございますが、財政につきまして、危機的な状況にあるから、この際、景気回復とともにか、あるいはそれよりも優先して財政の再建をすべきだという議論があることは御存じのとおりでございます。 ところで、そういう基本的態度で今まで来ておると思っておりましたところ、せんだっての閣議報告ですか、大蔵省から出された中期財政展望の試算が出ております。これはいろいろな前提がありまして、それの組みかえによってはどうにでもなるというものであるかもわかりませんが、そういったことを前提に置きましても、どう読んでも、景気が少々回復しても財政の再建は難しい、国債依存度は横ばいないしはますます上がっていくんだというように読める試算が出ておりますね。 このことについて、堺屋経済企画庁長官はどうお考えでございますか。
○堺屋国務大臣 御指摘のとおり、日本の財政は今極めて深刻な状況でございまして、平成十二年度の末には、国、地方合わせた長期債務残高が六百四十五兆円、GDPの一三〇%ぐらいになります。健全な状態というのは大体六〇%までだという説もございますから、かなり危機的だということは言えると思います。しかしながら、現在の状況を見ますと、やはり経済を健全化することが先決でございまして、経済の健全化なくして財政の健全化はあり得ないと考えています。 御指摘の大蔵省が毎国会出しております財政の中期展望でございますけれども、これには幾つか前提条件がありまして、機械的に計算されております。 一番重要なところは、まず第一に名目成長率。これが今マイナスでございます、物価が下がっておりますから。実質は〇・六%のプラスと見ておりますが、名目はマイナスになっておりますが、この名目が三・五%ぐらいで成長したとして、そのときに、長期利子率、長期金利がそれより一%高い四・五%、こういう前提を置いております。 それからもう一つは、税収弾性値。経済が成長したときにどれくらい税収が伸びるのかというのを、一・一と置いております。これは、過去の例を長期的に見まして、特に八〇年代から後の水準を見ますと、決しておかしな数字ではございません。しかし、現在の日本は大変不況でございまして、税収が大きく落ち込んでおります。平成二年に比べまして現在の税収は約十兆円ほど落ち込んでいる。その中に減税分と不景気分と両方ありますし、また増税分もありまして、差し引きはなかなか難しいのでございますけれども、そういうような状況でございますが、そこからスタートして、通常の長期的なもので一・一を引き伸ばしている。 景気が回復いたしますと、ある段階で税収がかなりはね上がる時期がある。これはアメリカの例を見ましても、日本の過去を見てもそういう時期があるわけでございますが、まずそういう問題が一つございます。それからもう一つ、名目成長率より長期金利が一%高いということでございますけれども、これも必ずしもそうではございませんで、七〇年代には逆転したことがございました。 そういうもろもろの状況を見ますと、現在のように、日本の総資本利益率が三%ぐらい、アメリカが六%でございますからちょうど半分ぐらい。そういう前提の状態で、財政をそのまま引き伸ばして申し上げるのはやや早計ではないか。だから、まず景気を立て直して、日本の経済が元気になったとき、そういう状態から財政再建を考えていくべきだと思います。 過去の例を見ますと、アメリカなんかも、八〇年代、レーガン時代には双子の赤字と言われて、これはもうどうしようもないといったものが、今や大変黒字になっておりますから、経済が健全になれば、財政再建についても、そのときの状況に応じた策が必ず見出せるものだと思っております。
○塩田委員 堺屋大臣の非常に率直な御発言、御回答をいただきました。ありがとうございました。 今の試算につきましてはいろいろな問題点があることは、私は長官の言われるとおりと思っております。弾性値の一・一にしましても、過去十年間の平均だといいますけれども、時にはマイナスになったこともあるし、これは上がるとなれば二、三となる場合もなきにしもあらずということで、非常に不安定な計数なんですね。それから四・五の金利といったこと、いろいろな前提がありますから、それは組み合わせようによってはもっといろいろな解答が出るところですが、これはこれとしておきます。非常に大胆、率直な御回答をいただきまして、ありがとうございます。 やはり我々は、経済を安定成長への軌道に乗せ、経済を拡大することによって、そこから税収がおのずと増加するということを将来期待できるわけでございます。その中で、その過程で財政再建の検討を本格的にやるべきだ、このように考えておりまして、目下のところは景気回復に集中してあらゆる施策を実施すべきだ、このように考えておるところでございます。 それから次に、巷間、これもまたいろいろな議論がなされる中で、緩やかなインフレーションを起こすような政策はどうか。いわゆるインフレーション・ターゲティング・ポリシーというようなことで、諸外国でも行われているから我が国でもどうかという御議論がなされておることは御承知のとおりでございますが、これについてちょっと堺屋大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○堺屋国務大臣 インフレターゲットは諸外国でも行われておりますが、大部分はインフレを抑える方、所得政策を初めとして、インフレを抑えて何%以内にするというのがほとんどでございまして、物価を上げてこの範囲にしようというターゲットというのはまことに珍しいのですね。これはアメリカの学者あたりがそういうことを言いまして、貨幣供給をふやすと物価を押し上げることができるというような説もありますけれども、現在の状況で貨幣供給をふやしただけで果たして物価が思いどおりに上がるかどうか、大変疑問だと私は思います。 そうなりますと、インフレターゲットを設定しますと、デマンドプルで需要が増加して物価を引き上げるというのはなかなか難しい状況でございますから、コストプッシュインフレを起こそうという話になりかねません。コストプッシュインフレを起こしますと、悪循環が起こるということも警戒しなければなりませんし、一時的にしろかなりのしわ寄せが、なかなか物価が上げられないところに一部上げやすいところから上げていきますから、しわ寄せが来る。そういうこともございまして、インフレターゲットを無理に設定するというのは、これはやはり間違ったことではないか。 むしろ、現在小渕内閣がやっておりますような景気振興と構造改革、この二つをもとにして需要を喚起していく、そういったことが財政、経済の正道ではないかと考えております。
○塩田委員 私も大臣が言われました考えに立っておるわけでございます。緩やかなインフレというのは、ある面では期待を持たせることができる。また、経済的にも将来の利潤等について期待ができるということで、一つの手ではありますけれども、おっしゃるように、インフレは本当に、一たん始まりますと非常に怖いものでございますし、とめるのもまた容易でない。各国が非常に困って、また所得政策をやらざるを得なかったという状況等もございますので、これは慎重にやらなければならぬし、そのための手段として何をやるか。貨幣の供給だけでそういうことができるわけでもないし、有効な手段というのは本当にあるのかどうか非常に私も疑問に思っておるところでございますので、これぐらいにしておきます。 それから、通産大臣にお伺いいたします。 今、原油価格が国際情勢の中で上がってきておりますね。これは、我が国の場合に、GNPのマイナスにも影響するのではないかということを考えます。これについて対策と見通しをお伺いいたしますとともに、天然ガスとか原油の、さっきもアラビア石油の話が出ておりましたが、世界じゅう、南米、中米とか、あるいはパプアニューギニアとか、そういった代替すべき輸入先、これをどう当たっておられるか、お聞きしたいと思います。 もう時間が参りましたので、もう一つだけお伺いします。 昨年、この商工委員会で靴下業の関係をいろいろと私は質問いたしました。その際に、大蔵の関税の統計の、ミスでもないのですが、変更によって、輸入が急激に増大したということで価格が物すごく下がった。この影響はまだ続いているわけです。 これにつきまして、関税の統計を早く直してもらいたいと思うのですが、できるだけ早い時期にこれを訂正していただきたい。それとともに、統計上の操作でこういう事態が起こったということを、小売関係あるいは百貨店、チェーンストア等に周知徹底をしてもらう、そして早く直してもらうということが重要だと思います。 この二点につきまして、申しわけございませんが、最後にお願いします。
○深谷国務大臣 御質問は三点あったと思いますけれども、三番目は総括政務次官からお答えします。 一つは、産油国の追加協調減産が行われたために、原油価格が大幅に上昇している。これは、寒波といったような、そんな環境の状態もあったようであります。この原油価格の上昇が日本に与えるものは、物価の上昇とか購買力の低下による消費の減少、原油、石油製品輸入額の増加等々が考えられますが、これは午前中に申し上げましたけれども、原油輸入額のGDPに占める比率が石油危機の時代と大幅に改善されておるものでありますから、目下のところ、国内の物価に直接影響しているというような状況ではありません。 今後の原油価格の動向につきましては、世界全体として、これは石油が不需要期に入るわけですから、これらのこととか、三月二十七日のOPECの総会で減産継続の可能性が議論されますが、どういう方向になるのか、十分諸要因を考慮しながら、引き続き注視していきたいというふうに思います。 もう一つは、中東以外の原油輸入先の多様化についての取り組みでございますが、おっしゃるとおり、中東依存度が依然として高い水準にございます。 我々としましては、石油安定供給確保の観点から、中東依存度を低下するべく、今後引き続いて中東地域以外における自主開発を推進していくことが大事だと考えます。しかし、いずれにしても、現実は中東地域に頼っておるわけでありますから、ここらの地域の国とのつながり、交流というものを一層綿密に考えながら、いい関係を続けられるような状態をつくっていきたいと思います。
○細田政務次官 委員御質問の靴下の輸入の統計でございますが、先般、先国会で委員から御質問がありましたように、靴下は左右で一足と数えるべきものでありますが、統計上は左も右も一つずつ数えて、一足を二個と計算した関係で、輸入が急増したのではないかという混乱が起こったわけでございます。 これではいけないということで再度検討をいたしまして、できるだけ早くその集計方法を従前と同様の方法に改善するというように現在取り組んでおるところでございますので、間もなく改善いたす方針でございます。
○塩田委員 ありがとうございました。
○中山委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。私は、せんだっての衆議院予算委員会で取り上げました、二十一世紀を展望したエネルギー政策について、いま少し議論をしたいと思います。その後、不況打開と中小企業支援策ということで質問をしていきたいというふうに思います。 まず最初に、中部電力の三重県芦浜原発計画の断念という問題です。巻原発も、既に住民投票では反対だということになっております。東北電力はまだ断念ということは言っていないようでありますが。 一九七七年、二十三年前に要対策重要電源として芦浜原発が閣議決定されて、二十三年間経過してきたわけでありますが、今各地で原発問題について、さまざまな皆さんの御意見もちろんありますけれども、しかし、やったらいいじゃないか、賛成だ、推進だという方も含めて、今日、原子力、原発というものには非常に危険な問題がある、この原発の危険から安全を守らなきゃいけないという点では、どの世論調査でも九割前後するのであります。 ですから、そういう点では、今回の芦浜原発計画の断念に見られるようなこういう事態を見たときに、今政府が言っている二十基増設というこのめどはもう立たないということを、まず率直に現実問題として通産大臣としてもお認めになって、その上に立ってのエネルギー政策というものを考えていかなきゃいけない、そういうときだと思いますが、まず、大臣はこの点をどのようにお考えかを伺いたいと思います。
○深谷国務大臣 エネルギー資源の大部分を外国からの輸入に頼らなければならない、エネルギー供給構造が脆弱なそういう日本で、環境保全とか効率化の要請に対応しながらエネルギーの安定供給を図っていくということになってまいりますと、地球温暖化問題も含めて、原子力政策を着実に推進していくことが依然として必要だと私は考えております。 このたびの芦浜原子力発電所計画に対する北川知事の発言、三十数年解決できていないという状態の中で知事がこのような判断をしたそのお気持ちはよくわかるのでありますが、その知事の発言を見ますと、白紙にするけれども、一方においては原子力発電所の必要性ということもおっしゃっているわけでございます。 現在、中部電力浜岡五号など四基が建設中であったり、また、電力会社が早期の電源開発調整審議会上程を目指している電源が複数基存在したり、さらに、日本原子力発電の敦賀の三号、四号のように、二月二十二日に地元に対して増設の申し入れがなされた電源もあるなど、建設に向けて着実に進展の見られる地域もございます。 いずれにいたしましても、各計画地点の状況を踏まえながら、地元の御理解を得て、一歩一歩着実に原子力立地の実現を図っていくという姿勢を進めていかなければならぬと思っています。
○吉井委員 もともと、一九六〇年には日本のエネルギー自給率は五六・六%であったんです。それで、可採埋蔵量二百数十年という石炭も現実にあるわけですが、それはエネルギーというものをどう考えるかということを含めて長期的に検討しなきゃいけない課題なんですが、また同時に、石炭を燃やしたときの炭酸ガスの固定化技術をどう確立していくかとか当然さまざまな問題がありますが、それらについての研究開発投資なども含めて、自国の資源を数十年の単位とか比較的長期にわたってきちっと見ていくという大事なそのときに、日本の場合は、エネルギー自給率をもう低くなっても仕方ないという選択をしているわけでありますから、その結果として出てきた自給率の問題を前提にしての原発増設というこの道筋で今進むということは、私は考え直さなきゃならないことだというふうに考えます。 それで、原電の場合だって簡単にいくものとは必ずしも言えないと思いますが、この二十基増設のめどですね、二〇一〇年までに通産大臣は本当にこれはめどがあるとお考えですか。このめどだけもう一遍聞いておきます。
○深谷国務大臣 今もお話がありましたけれども、例えば地球温暖化防止京都会議、COP3、ここでは、CO2の排出量の削減目標というものを達成するために、二〇一〇年度において原子力による総発電電力量は四千八百億キロワットアワーを確保する必要がある。そういうために長期エネルギー需要見通し等が示されているわけであります。また、設備容量として六千六百万キロワットから七千万キロワットが目標となっていて、これは、十六基から二十基の増設を必要とするものであります。 現在いろいろな問題がありまして、例えば、原子力電力だけに頼らずに新エネルギーを開発しなければならぬとか、いろいろな政策を立ててまいりますけれども、今日の状況の中で十六基から二十基を今見直すという思いは持っておりません。
○吉井委員 大臣は見直す気がないということなんですが、現実には、世界は八八年から九八年までの十年間に四百二十基の原発が四百二十二基と、プラス二基なんですね。特に欧米諸国では、全部減少という方向なんです。日本だけが三十六基から五十二基へとプラス十六基で、一・四四倍。これは非常に突出した、国際的に見ても異常な姿を今示しているわけです。 そして、原子力政策、核燃料政策そのものは現実にはどうなっているのか。多くは繰り返しませんが、軽水炉技術そのものがまだ未成熟なわけです。昨日も、これは東海の方で冷却水の漏えい事故、ギロチン破断というのが起こっているわけですが、核燃料サイクルのすべての段階でもそれぞれに大きな事故をやって、今行き詰まりを来しているんです。同時に、重要なデータの捏造、偽造、改ざんというもので国民の信頼というものは失われてきているときなんです。 つまり、そういう行き詰まってしまっている中で、しかも、再生可能エネルギーというものについて、あるいは現在のエネルギーの転換効率をうんと上げていく、コジェネシステムなんかもそうですが、そういう中で、これは現実に太陽光発電、風力、廃棄物、バイオマス、燃料電池、コジェネ等さまざまな条件を置いても、再生可能エネルギー、リサイクルエネルギー、効率的利用などの新しい利用形態で総発電電力量を計算すると、物理的限界潜在量としては現在の総発電電力量の九千億キロワットアワーに匹敵するものがある。 私は、もちろん今一遍にきょうからあしたへ実現できるというそういう単純なことを言っているわけじゃありませんが、しかし、立命館大学の和田教授など、エネルギー分野あるいは環境問題に取り組んでいらっしゃる学者の方たちの間でも、日本にもエネルギー消費の大部分を賄えるほどの再生可能エネルギー資源量は豊富に存在するという指摘もあります。 いずれにしても、原発に仮に頼ったとしても未来永劫いけるわけではないのです。結局これは、再生可能エネルギーというものを人類が実際に現実のものにしていくということをやらない限り、人類社会の長い将来を展望したときに、これは気が遠過ぎるとおっしゃるかもしれないが、仮に高速増殖炉がうまくいったとしても、大体使える年数というのは一千年そこそこなんですよ。人類社会というのはもっと長い将来の展望を持っているわけであって、鹿児島県の上野原遺跡から見たって、まだたかだか一万年という段階ですから。 ですから本当に、もう少し一千年が長くいくという人も学者の中にはもちろんいらっしゃることはわかっていますが、いずれにしても、そういうエネルギーに頼っておったのでは人類社会の将来というのはないわけです。ですから、当面の問題として、長期的に将来を展望しても、やはり再生可能エネルギーなどを含めたそういう方向へ本当に取り組んでいかないとだめだというときに、依然として何が何でも原発二十基だ、変えるつもりはないという、私はこの発想は本当にもう行き詰まってきているということを言わなきゃならぬと思います。 先ほどの再生可能エネルギーにしても、太陽光と風力とバイオマスだけで、物理的限界潜在量というのは三千百四十三億キロワットアワーですから、これは現在の原発三千億キロワットアワーに匹敵するわけですよ。ですから、再生可能エネルギーでもって、今お考えの原発二十基、それに見合う達成時期をどうするかとか、その数値目標の方は掲げないで、原発の方だけはこの数値目標を崩さない。私は、その大臣の考え方というものは本当に今切りかえをしていくべきときだと思いますよ。どうですか。
○深谷国務大臣 とにかく世界から石油エネルギー、石油資源を輸入している、これをさらに安定的に輸入が可能なような状況をつくっていくということが大きな仕事の一つ。もう一つは、地球温暖化の問題も含めて、クリーンであるとか、あるいは継続的に供給できるとか、経済性等々考えた場合の原子力エネルギーという考え方が一つ。さらに、それだけで、またそれをただ拡大することが必ずしもいいことではありませんから、新エネルギー、再生可能エネルギーの開発を一生懸命やっていく。場合によっては、というよりはむしろ当然でありましょうが、省エネルギーということももっと徹底してやっていく。エネルギー政策は各般にわたってやっていかなければならないことだ、こう思っているのです。 そこで、太陽光発電とか風力発電など自然エネルギー等、現況では、いろいろお話がございました潜在能力はともかくとして、現状では一般的な電源に比較して発電コストが高いとか、あるいは出力が自然条件に左右される不安定なものであるとか、立地であるとか、いろいろな問題があります。しかし、これに力を入れて、これからどう拡大していくかということは全力を挙げていくわけでありまして、その状況の全体像の中で当然これからのエネルギー供給の見通しというものも変えていく可能性はあると思いますが、現状では残念ながら原子力エネルギーにかえられるという状況ではないものでありますので、その推進を続けていくという考えです。
○吉井委員 まず、立地の面で既に行き詰まりを来しているということを率直に、大臣、認めなければいけないと私は思いますよ。 それから、今のやり方を続けておったらどうなるかといいますと、軽水炉をどんどん増設して進めていくと、当然使用済み燃料がどんどんふえてきます。貯蔵するところがないということで、今、鹿児島の遠くの方の島に中間貯蔵ということが出てきたりとかいろいろしておりますが、しかし、既にもう貯蔵すること自身が大変になってきている。 これを再処理すれば、当然プルトニウムが出てきます。プルトニウムを使わなければ国際的不信を食らいます。日本は核大国だということになってきます。これを使うにしても、高速増殖炉の道はうまくいっていないわけです。プルサーマル自身がまださまざまな問題を抱えていて簡単にいかない上に、プルサーマルをやってしまうとダーティープルトニウムという非常に放射能の扱いの厄介なものがどんどんふえてきますし、それの再処理技術は今十分いっていない。つまり、問題を先送り先送りしてやってきたこれまでの原発推進政策は、行き詰まりを来しているわけなんですから、ここでやはりきちっと立ちどまって考え直す。 私自身は、原子力は基礎研究に立ち返って、安全技術の確立とか、それから炉材料の完全な確立とか、高レベル放射性廃棄物の消滅処理の技術の確立とか、そういう技術の確立した段階で将来の選択肢の一つにはなり得ると思っていますが、しかし、現時点では一つ一つが行き詰まりを来しているのです。そういう中で、私は今、これまでどおりのそれ行けどんどんのやり方ではなしに、本当に見直しをするときだと思います。 毎日新聞の社説の方でも「二十基増設の修正迫る決断」、朝日は「増設時代に幕引くNO」というのを掲げたりとか、マスコミもそういう論調で見ておりますが、私は、ただマスコミの皆さんがノーと言うだけじゃなしに、やはりエネルギーそのものをどうするのかについて、ここで立ちどまって英知を結集して考えていくべきだ。原発推進が唯一という考え方ではなしに、複数の選択肢も持って国民的議論をするべきだ。 私はそういう点では、やはり政府が、三重県の芦浜原発計画中止ということの時点に立って、原発推進政策に終止符を打って、原発依存から再生可能エネルギーなどへの転換が世界の流れになっているわけですが、やはりそういう新しいエネルギー政策体系を構築していくというところへ政策そのものを根本的に見直す、そういう立場に立つべきだと思いますが、改めて大臣に伺いたいと思います。
○深谷国務大臣 委員がおっしゃっていることについては私なりに理解しているつもりでいます。私は、原子力エネルギーにすべて頼るとは全く申しておりませんで、先ほど申したように、いろいろな面での、例えば石油の輸入その他、それから新エネルギー。だから、新エネルギーというものの開発研究を大いに急ぐという点では全く同じ思いでございます。 そして、それが補えるような状態になるということが一番望ましいのですが、目下のところそういう状況ではありませんので、今の時期に考え方を変えていくというわけにはいかないということを申し上げているのであります。
○吉井委員 この点は、この期に及んで、まだ変えるというわけにいかないということではなしに、今は本当にこれまでのような原発推進政策にはやはり終止符を打って、そして原発依存から、そうでない、これはエネルギーはもとよりそうですが、経済社会構造を含めた省エネ、省資源、循環型、そういう根本的な転換こそ今必要だということを指摘をしておきまして、次に、原発の検査の問題についても伺っておきたいと思います。 先日も取り上げましたが、関電美浜三号機で、しゃぶしゃぶの生コンクリート、いわゆるシャブコンと言われる加水したもの、それからテストピースのすりかえでコンクリート強度データが偽造されていたという問題とか、MOX燃料のデータの偽造の問題などですが、当初、関電の数度の調査でも、MOX燃料データ改ざんについていえば、問題なしとしてきたデータにも捏造があったということが明らかになったわけです。 これは、通産省の検査で何か問題が明らかになったというもの、つまり内部告発なりあるいはイギリスからの通報ではなくて、通産省自身が検査をして、今回のシャブコンの問題なりあるいはデータ偽造について事前につかんでおられたということはありますか。
○河野政府参考人 お尋ねのBNFLの関係のMOX燃料のデータ改ざん問題でございます。これは、BNFL社の内部調査の結果、昨年たしか九月だったと思いますけれども、データの改ざんありという連絡を受けたということでございまして、私どもが発見したということではございません。 それから、もう一つ御指摘のございました関電の美浜の生コンクリートの問題でございますけれども、二十数年前の事業者の方からの証言ということで新聞報道が行われたのはそのとおりでございます。先日も申し上げましたように、現在、関西電力に当時の事情を聴取するようにという指示をしたところでございまして、まだ報告には接しておりません。これは、その事実を私どもが検査の段階で発見したということではございません。
○吉井委員 これは原子力の安全性にかかわる問題ですから、なぜ通産省の検査では明らかにならなかったのか、そこが非常に深刻な問題だと私は思うんですよ。だから、データの間違いをなぜ通産省の検査では発見できないのか。これは書類チェックだけだからなんですか。なぜ見つからないんですか、この点を伺っておきたいと思います。
○揖斐政府参考人 御説明いたします。 美浜の生コンの件につきましては、原子力発電所の安全上重要な施設に対しましては、建設時のコンクリートの打設工事について、電気事業法に基づきまして電気工作物検査官が検査を行っております。電気工作物検査官はコンクリートの検査のみを行うわけではありませんが、本省では過去十年間におおむね五十人から六十人強で推移しておりまして、また、このほかに通産局にも電気工作物検査官が配置されております。この人たちにつきましては、原子力発電所以外の発電所の検査も行いますが、過去十年間、おおむね百二十人となっております。 先生御指摘の、もし仮にあるとすればなぜ通産省の検査でそういうものが発見できないのかというお尋ねでございますけれども、悪意を持ってデータを改ざんした場合には、書類の確認のみではそれを見抜くことは困難であります。しかしながら、今回の件につきましては、施工時やサンプル採取時などにおいて電気事業者や建設会社の社員が常時立ち会っておるわけでございます。その記録が実際のものと異なるとは私どもは思っておりません。
○吉井委員 要するに結論は、通産省の検査ではわからないということなんですよ。特に、悪意を持ってデータが改ざんされればわからないと。 私自身、悪意を持ってデータ改ざん、けしからぬと思っているんですよ。しかし、仮にそういうことが行われておったとしても、例えば送られてきたMOX燃料についてサンプリングして、幾つかについてはきちっと通産省自身が検査仕様を決めて抜き打ち検査をすれば、確認することもできるわけですね。その中にデータ改ざんされておれば、当然突き合わせてみれば違いがすぐわかるわけだし、やはり何らかの形できちっと検査をしないことには、現在のやり方じゃわかりませんということであれば、検査検査と言うけれども通産省の検査そのものが信頼されないということになるんじゃありませんか。
○河野政府参考人 BNFL社の件に関して申し上げさせていただきますが、確かにBNFL社という英国の燃料公社の内部調査によりまして、データの改ざんがその会社みずからの通報によって私どもにもたらされた、それはそのとおりでございます。 その後、関西電力に指示をいたしまして調査をいたしました。さらに最終的には私どもは、燃料装荷の前の段階で輸入燃料体検査において結論を出すということでございましたけれども、最終段階に至りまして、私どもの職員を英国に派遣するというようなことで、最終的に英国の規制当局NIIと協力をし、また関西電力に対しましても再度BNFL社とよくチェックをするようにということを申しました。 そういった経緯の中で、昨年の十二月の十六日にBNFL社から高浜四号用の燃料につきましても改ざんがあったという通報を受けたというようなことでございまして、私どもも英国の規制当局と協力をしながら、事実究明、そういった努力をしてきたということを申し上げさせていただきたいと思います。
○吉井委員 今のお話も、要するに書類チェックをしたということだけなんですよ。 では、どういう検査をやれば通産省としてデータ偽造の発見とか安全性の確認ができるようになるのか、この点はどのようにお考えですか。
○藤冨政府参考人 御説明します。 美浜三号機のコンクリートにつきましては、幸い、近年、蒸気発生器が高経年化したということで取りかえの工事を行いました。そのほか、配管の工事も平成十一年に行っております。当初、この建設時には、コンクリートのサンプルをとって、先生がおっしゃっています規定の強度があるかどうかということを書類で確認しておるわけでございますが、その後の蒸気発生器の取りかえの工事とか機器の改良工事におきまして、原子炉建屋の実際の開口部をあけたときに、そこで出てきたコンクリートを用いまして実際に強度を確認しております。 これは設計時の強度は二百十キロ・スクエアセンチメートルでございますが、そのときにあけましたコンクリートでサンプルをとって、実際に構造物の強度をとりました。その平均は三百三十キロ・パー・スクエアセンチでございまして、設計強度を十分上回っていることを確認しております。 したがいまして、私どもとしましては、当初の書類検査の結果が実際の原子炉の安全には影響を及ぼしていないと確信しております。
○吉井委員 二つの問題がありまして、MOX燃料の方と、それからいわゆるシャブコンという問題ですが、シャブコンということだけじゃなしに、テストピースそのもののすりかえ等がよくやられているというのを生コン業界の方から私は聞いております。ですから、今おっしゃったのはあくまでも書類チェックなんです。書類チェックだけではそれは確認できないということなんです。 たまたま、美浜二号であれば、蒸気発生器細管の取りかえのために壊したから、その壊した部分でそこだけはわかった。ではそのほかの部分は大丈夫だったのかといったら、これは何ら検査できていないわけなんです。ですから、私が言っているのは、この部分はこうでした、ああでしたの話じゃなしに、どのようにして、書類チェックじゃなくて本当にきちんと検査仕様を設けてそして検査を行って、安全を確認することができるのかということが今問われていると思うんです。 ですから、過去がどうだったかじゃなしに、では今後どういう検査をやっていこうというお考えなのか、そういうことが何かあれば、それだけ伺っておきます。
○河野政府参考人 検査の態様でございますけれども、例えば今般の関電の美浜のような国内の建設事業等の場合でございますが、これは電力会社の要員も立ち会うあるいは建設会社の要員も立ち会うということで、さらにその下請の生コン業者の方々が仕事をなさる場合についても、さらにその上部の責任者が十分立ち会うという体制のもとで、確認された書類を私どもはチェックするという仕組みにしているわけでございますけれども、こういった体制をさらに徹底させるということかというふうに思います。 また、海外で製造されます燃料でございますけれども、これは今回の場合ですと英国の規制当局NIIとの協力というのが一つ私どもとしては参考になった事例だというふうに思っておりますけれども、今後、輸入燃料体の場合には、輸入した後に私どもの手元に届くわけでございますので、こういった手法をどうして考えていくかということを検討していきたいと思っております。
○吉井委員 これから検討ということです。 いずれにしても、生コンにしても燃料にしても、品質保証は政府責任だということが、この間も御紹介しましたが、条約上の義務でもあるわけです。そのことを申し上げておきたいと思います。 では、生コンの品質保証をどう進めるかという点では、JIS規格認定工場というのがありますが、これと別にアウト業者がおります。ですから、JIS規格が守られているかどうかのチェックというのは通産省の検査官がやっているということになりますが、大体九〇年代の最近の出荷高は年間一兆四千億立米、生コン業者は四千八百社に上りますが、そのうちJIS工場が八割台と最近なっていますね。 問題は、検査官の方がJIS表示工場を検査されるわけですが、その通産省の立入検査を行っている検査官の方、各通産局にいらっしゃいますが、十年間で十五人減っている。三二・六%の減員。つまり、三分の一減っているのですね。まず、減っていることは事実ですね。
○梶村政府参考人 検査官の人数に関してでございますが……(吉井委員「もうみんな資料をもらっていますから、細かなことはわかっていますから」と呼ぶ)はい。二百人強の検査官について、担当しておりますが、他の業務とも兼務しておりますので、このトータル人数に関して資料のとおりでございます。
○吉井委員 各通産局の立入検査をやっていらっしゃる方は、九〇年の四十六人が九九年三十一人、ちょうど十年の間に十五人減って、三分の一減ってしまった。ですから、非常に検査体制が弱くなっているということがまず一つあります。なお、通産省の原子力発電所の電気工作物検査官の方も、九四年から九九年の間で六十八名から五十九名。これは五年間で九名、一三%減というふうに、やはり検査体制が全体としては少なくなっている。このことは、事実の問題としてあります。 それで、私はいろいろ伺っていると、規制緩和、需給調整撤廃という中で、また、アウトの業者の参入などで、この業界は非常にダンピング競争と品質の低下なんかがやはり心配される分野があります。その中で、競争が激しくなると、セメント量を減らす、あるいは加水、いわゆるシャブコンですね。テストピースのすりかえ、伝票のすりかえ。それから過積載、それによるコンクリートミキサー車の横転事故などが今多発をしてきております。 このコンクリートの問題というのは、特に昨年問題になったJRのトンネル、高架橋、高速道路、橋梁など、コンクリート事故が随分ふえておりますが、阪神大震災のときにも、高架橋や高速道路のコンクリートは随分ひどいものでした。私も、現場へ行って本当にひどいのにびっくりしました。そこで大臣、この事業者の監督強化、これは事業者の監督を強めるのは当たり前だ、当然やらなければならない。しかし同時に、国の検査も強化をしなければいけないと思うのですよ。ところが、現実には検査官の数が後退している。 そして、私は、建設省の分野で、これは建設の議論をきょうはやるつもりはありませんから、調べるだけ調べておきましたけれども、例えば九八年に、土木工事共通仕様書、あるいは土木工事監督検査基準、これらが、規制緩和、行革という名のもとに検査が随分削減されている。あるいは、検査というのは監督職員が行うのではなくて、やるのは完成検査だけだ。つまり、それは書類検査、書類チェックが中心になってくる、こういうふうになってきているのですよ。 私は、こういうことがあると、美浜三号機の問題、これから調べるというお話ではありますが、こういうことでは、国民の安全が非常に危ういことになってしまう。私は、検査官などは減少ではなくて、検査官の増員とか、やはりきちっとした、監督の体制も検査の体制も強化して基本的なところでは国民の安全を守るために全力を尽くすということが、これは本当に通産省としてやっていかなければいけないことだと思うのですが、この点は大臣に伺いたいと思います。
○深谷国務大臣 JISマーク表示工場の検査員は、工事検査を行う検査員と立入検査を行う検査員から成っております。 工事検査に関しましては、通産大臣が工事検査を行う機関として指定する指定検査機関に所属する検査員、これは数で約二百人。一方、立入検査に関して申しますと、通産省の職員及び製品評価技術センターの職員が検査員を務めていますが、通商産業局の検査員は、検査専業で三十人。製品評価技術センターの職員は、その他業務と兼務しておりますが約二百人。合計で四百五十人程度となっておりまして、これらの検査員の数は、この十年、多少の増減はあるけれども、大体変化なく推移していると私どもに報告がございます。 JIS工場の検査は、従来から行われている工事検査あるいは立入検査、これに加えて試買検査の実施を検討する。実際に買って試すというやり方であります。そして、JIS工場の品質管理責任者に対しては、生コンの品質管理をさらに徹底するように、委員言われますように指導を強めていきたいというふうに思います。 さらに、生コン業界においても、全国統一品質管理監査制度、これは平成七年十二月につくりまして、生コンの品質の向上を図るために独自の努力を進めていると承知しております。
○吉井委員 まず、立入検査に関しては、いただいた資料では、通産局の検査員と、今おっしゃった製品評価技術センターを合わせますと、一九九〇年の二百八十六人が、今日九九年で二百二十八人、五十八人減っているわけです。非常に大きな減り方です。五分の一ぐらい減っているのですかね。ですから、そういう点では、明らかに体制は後退しているわけです。特に、規制緩和だ、需給調整撤廃だという中で、本当に安全がゆるがせにされるという事態が今進行しているのは事実ですから、私は、監督検査、こういうものはきちっと強化をする、こういう立場で臨んでもらわなければいけないというふうに思います。 この点では規制緩和という問題が今大きな問題としてあるわけですが、この点は、せんだっての予算委員会で、我が党の佐々木憲昭議員が幾つかの角度から取り上げておりますので、私はきょうはその部分は省略しますが、ただ、酒の小売販売の規制緩和で、子供の飲酒の問題とかさまざまな問題が出ています。それから、タクシー規制緩和で、タクシーの交通事故比率の増加の問題とか、理美容分野の規制緩和ということが今また出ていますが、公衆衛生の面でも無視できない問題が出てきています。 それから、大店法規制緩和と廃止で、中小商店がつぶれて、商店街が消えていき、地域社会の崩壊というのが現に進行しています。それから、これは以前のこの委員会でも紹介しましたが、ドン・キホーテのような二十四時間営業のディスカウント店による地域環境の破壊、これは随分東京とかで住宅地でもトラブルを起こしています。 こうして基本的なインフラの安全性が失われたり、国民生活の安全や健康や環境の破壊が進んでくる。私は、こういう点では、今規制緩和といっている問題については考え直さないといけないと思うのですよ。私たちは、当然、明治以来の実態に合わない規制というのは緩和するのは当たり前だ、あるいは撤廃するのは当たり前だと思っていますが、維持したり強化すべき規制もあるわけです。いわば規制緩和万能の信仰にとりつかれたように、ちょうどオウム真理教の信者がマインドコントロールにかかってしまったように、規制緩和、規制緩和という、この侵された状態というのは、私は非常に大変だと思っている者です。 ですから、この規制緩和万能と称するヘッドギアを外して、やはりさめた目できちっと評価をしていく、そういう点では大臣、国民生活の安全や健康や環境が破壊されていくような、壊されていくような規制緩和というのを続けてはならない、規制緩和万能のやり方というのはやはり改めるべきだと私は思いますが、ほかの問題に移っていく前に、規制緩和ということについて通産大臣のお考えを一言伺っておきたいと思います。
○深谷国務大臣 自由経済の大原則というのは、それぞれが独自に努力をしながら、価格にいたしましても、その他にいたしましても、正当な競争をしていく。その場合に、規制というものがその妨げになっているという状況の中から、今日では規制緩和というのが特に主張されて、それが新しい時代をつくるものという判断に立っております。 しかし、ただいまお話がありましたように、中小、小規模企業にそのことが著しく影響を及ぼすような問題、これらについては、ただいま申し上げましたような規制緩和の状態及び消費者ニーズ等々もあわせながら総合的に考えていくべきものだとは思っております。
○吉井委員 さて、この規制緩和、新規参入と言っている問題の一つをきょうは大臣もお聞きいただきたいと思いますが、NTTの電話帳の配送まで大手企業が参入して、中小業者を閉め出すという問題が今起こっております。 電話帳の配送の請負仕事をしていた中小企業が、NTTの関連会社の方から、だから実質的にはNTTの意思でもあるわけですが、設備投資をやれと言われて、五千万円かけてこれ用の倉庫の建設とかフォークリフトの購入、さらにまたNTTテルウェルというところから言われて、メールのやりとりのためのパソコン等の設備も整備。それで、設備投資したら、電話帳、タウンページ配送業務の直接の発注企業であるNTTテルウェルの方からは、業務を今度はNTTロジスコに引き揚げていったからということで、全国で数十ないし数百の中小業者がやってきた仕事を日通など大企業に持っていってしまうということになってしまっています。 新規参入というのは、私は、大企業の皆さんは当然新規参入を考えたらいいんだが、それは中小企業の事業分野を取り上げることじゃなくて、力があるわけですから、大企業はもっと別な世界で新しいビジネスを起こして新規参入をやっていったらいいと思うのですよ。 大臣は、この間の広告でも、あなたのやる気を確かな自信にと全国紙で訴えておられたわけですが、やる気を起こしてNTTの言うとおり設備投資したら、NTTから仕事を切られてしまった。これでは確かな自信は生まれてこないんです。中小企業事業分野を守ることとか、下請取引を守っていくこととか、必要な支援を行うこととか、大企業の優越的地位や資本力に物を言わせた中小企業の圧迫や不公正取引を規制することとか、あらゆる知恵を使って中小企業の支援を行うということが、私は中小企業担当大臣としてなすべきことじゃないかというふうに思います。 実は、以前の電電公社の時代だったら、官公需の中小企業発注率を高めるという国の政策に合わせて対処できたわけですね。民営化となると中小企業対策は後退していく。 大臣、私、この件については具体の話はまた改めて事務方の方によくお話ししておきますから、一言、郵政大臣も務められた方として、やはりこういうことについてはよく調査研究をしていただいて、どうすれば中小企業の仕事が確保できるのか、こういう取り組み。現実に、規制緩和だ、新規参入だと言って、本当にふたをあけてみれば中小企業の事業分野が脅かされる、侵されてしまうだけで、大企業はそんなところまで入ってくる、そんなところまで日通など大企業はやらなくてもいいところまで入って。中小企業同士にもっと競争させるんだと言うんだったらまだ話はわかるんです、そうじゃないんですね。 これは、NTTやNTTテルウェルとかロジスコとか、そこの実際の配送部門をやってきた全国の中小業者の皆さんの問題を今御紹介したわけですが、私は、こういう点で、やはり本当にどうしたら中小企業の仕事が確保できるのか、そのことを大臣としてよく調査し研究をしていただきたいと思うんですが、この点だけ一言伺っておきたいと思います。
○深谷国務大臣 吉井委員の御指摘は大変傾聴に値すると私は思っています。 ただ、振り返ってみますと、国の政治、政策、行政の方向というのは本当に難しいなと思いますが、民営化というのは、国民全体の期待、希望の流れの中で実現していったわけであります。本来、国の機関でありますれば、私たちの立場、力がかなり及んでいろいろな対応ができるのに、民営化であるがゆえに、独立しておりますから手を加えることができない、そのために数々の苦労も生まれている。そういうことを考えますと、本当に政治や行政は難しいものだと改めて思うわけであります。 大企業と中小企業のかかわりについて分野の紛争が起こりました場合には、分野調整法ということで現状打開を図っていくということになっているわけでありますが、分野調整法ではいわゆる中小企業団体が対象でございまして、個々の中小企業が直接この法律を生かすということができないという欠点がございます。 いずれにしましても、自由主義経済のもとでは、大企業と中小企業がそれぞれの特色を生かして最善を尽くして事業活動を行う、相互に健全な刺激をし合うということで、そしてできる限り共存していくということでございまして、本来、紛争当事者間で自主的に解決を図ることが望ましいわけでありますが、今のような御指摘を踏まえて、中小企業を一体どうやって守るのか、この非常に難しい状態はありますけれども、その方途を見つけ出すために研究や調査を私たちが真剣にやらなきゃならぬという点についてはそのとおりだと思いまして、その努力はいたしたいと思います。
○吉井委員 九三年十月の商工委員会で、私、実は、三洋電機がラジカセ部門をつくっておった三立電機というのを海外移転ということで空洞化していく中で切り捨ててしまうという問題を取り上げましたときにも、当時の通産大臣の方から、個々の民民の話なんですけれども、しかし、大企業については社会的責任もあり、友情ある説得をしたいということを国会でも答弁なさって、その努力もしていただきました。 私は、今大臣がおっしゃったようになかなか難しい問題がいろいろあると思います、個々には。しかしその中で、中小企業事業分野を確保していく問題とか、それから、資本力に物を言わせて中小企業をつぶしていくようなやり方については、どこでどうすみ分けを考えるのかとか、大企業の圧迫から中小企業がやはり存続できるようにすることについて、あるいは、大企業の社会的責任の問題とか商道徳や社会倫理をどういうふうな形で進めていくのか。ここのところを、大企業の側にもこれはよく考えてもらわなきゃいけないことがありますし、国のルールとして、私たちは民主的ルールが必要だと言っておりますが、考えていかなきゃいけないもの、あるいはこれまでの仕組みを最大限生かしてやっていくこともある。 これは本当に調査研究の分野だと思います。私は、これは一つの例にすぎませんが、ぜひこれは大臣の方で調査研究をよくやっていただきたい。もう一度重ねて伺っておきます。
○深谷国務大臣 調査研究をして、中小企業、とりわけ小規模企業等が健全な競争ができるような環境をつくるために努力をいたします。
○吉井委員 次に、官公需の問題に移りたいと思います。 三木内閣のときには、国の官公需の中小企業発注の比率を五〇%に高めるという国会答弁もあり、それに基づく努力もされた時代がありました。それで、一九七五年の三二・六%が一九八〇年には三六・三%、八五年には三九・四%、大体八五年ぐらいで四〇%ぐらいに来ました。ところが、九八年でもこれが四〇・九%と、この十五年間は四〇%でとまっちゃっているんです、横ばいで。これを一%引き上げると中小企業に千二百億円の仕事が回るということになるわけです。単純計算でいけば、一〇%発注率を高めれば、一兆二千億の仕事が、これは今の予算の枠の中でも中小企業の仕事がふえるということになります。 そこで私は、その点で、やはり今の不況の中で、本当に官公需を積極的に中小企業発注率を高めて、そういう角度からも中小企業支援を行うということを、通産省がやはり旗振りをやってもらって、国の官公需をもっと中小企業へという、これはもっと力を入れてもらう必要があると思うのですが、大臣、この点はどうでしょうか。
○深谷国務大臣 国といたしましては、従来から、官公需確保法という法律に基づいて国の契約の方針というのを毎年度閣議決定するなど、中小企業者の受注の機会の拡大に努めてきたところでございます。 そして、平成十年度の国等における官公需の中小企業向け発注実績は、五兆五千八百九十七億円、官公需の総額に占める比率は、お話しのように過去最高の四一・五%を達成しました。平成十一年度については、国等における官公需の中小企業向け発注目標額を五兆百五十億円、これは、官公需総額に占める比率を四一・六%と設定しているところであります。 目標達成のための具体的な措置といたしましては、国等の契約の方針において、予算の適正な執行に留意しながら、発注情報の積極的な提供、あるいは分離分割発注の推進、そういうことなどを定めて、閣議決定後に速やかに各省庁の長等に対しまして、最大限の努力を払うようにというように通知したところでございます。近年の中小企業者の厳しい環境の中で、各省庁と協力をしながら、今後とも中小企業の受注機会の増大に全力を挙げてみたいと思います。
○吉井委員 これで最後にしたいと思いますが、実は、事前に運輸省の方に伺ったのです。運輸省は極端に率が低いわけです。なぜかと。そうすると、運輸省の方は、それは関西空港、神戸沖、愛知空港など海上空港と巨大港湾づくりの大型公共事業中心だから、うちは仕方がないと。昔、国鉄中心にやっていたときはもっと率は高かったということなんですが、いずれにしても、大型公共事業のやり方では雇用が、雇用吸収率が非常に落ちてきているということは、この間予算委員会で大臣に聞いていただいたとおりです。同時に、中小企業の発注率が非常に低いわけです。ここは、やはり大型公共事業のやり方では本当の意味で中小企業に仕事の回る景気回復の道になりませんから、生活密着型に切りかえるとこれはまた逆になるわけです。 私は、そういう国の全体としての大型公共事業のばらまきから、やはりそういう方向へ政策の転換を図るということも進めていかれることを求め、なお、EUの方では今、中小企業については、不利是正に制度的な介入と経営資源面でのサポートが必要だということで、さまざまな中小企業の置かれた立場に配慮した法制や施策で本来の競争を促進し、不公正を是正する、そのための必要な規制を進めるということが進められているということが「公正取引」のことしの二月号でも紹介されております。三井さんの論文です。 私は、これも一つの世界の流れとして、官公需の中小企業への発注とか、また圧迫から守る、その支援策を強化するということを求めて、時間が参りましたので質問を終わります。
○中山委員長 北沢清功君。
○北沢委員 社民党の北沢でございます。所信に絞り御質問をいたします。 大臣も所信の中で、中小企業は我が国の経済の牽引力であると評価されました。その成長が我が国の経済新生のかぎとなると述べておられ、私もそのとおりであろうと考えております。こうしたお考えは、再三にわたり通産省としても認識を示されているし、これまでもさまざまな施策がとられてまいりましたが、そうした施策によりどんな効果があったか、お尋ねをいたしたいと思います。
○岩田政府参考人 お答えを申し上げます。 中小企業対策でございますが、基本的に中小企業対策と申しますのは、市場機能の不十分な面を補完する、あるいは中小企業というものが持っているもろもろの不足する部分、これを補完するようなことによりまして、健全な中小企業の成長発展を支援しよう、こういう趣旨のものでございます。 そういう観点から、これまでも、御案内のとおり予算、金融、税制、あるいは法的な措置というようなもろもろのことによりまして、中小企業の経営基盤を強化する、あるいは時代の変化に応じてより前向きな対応をしていただく、あるいは取引上の不利を補正する、こういったさまざまな観点からの施策が講じられてきたわけでございます。そのことによりまして、先生も御案内のとおり、それなりの効果を上げてきたものと考えております。 例えば金融でございますが、政府系金融機関の融資制度は、まさに民業を補完するということで制度も確立されておるわけでございますが、過去の実績を見ましても、金融引き締め時に民間金融機関が貸出量が後退をしていく中で、逆に政府系の、例えば中小企業の金融三機関の貸し出しが増加をするというような形が繰り返し見られているところでございますし、近年のことで申し上げれば、最近の貸し渋りの状況の中にも、まさにこういう民間金融機関を補完する機能というものが果たされてきていると申し上げられると思います。
○北沢委員 ただいまの答弁ですが、幾つかあると思うのですけれども、まだまだ問題点があろうかと思います。 次に、政策の二点について若干お尋ねをいたしたいと思います。 第一として、政府の目玉としていた中小企業の身近な相談窓口、地域中小企業支援センターは、予定の三百カ所すべて整備が進んでいるのか。どういったところ、団体に設置をされる予定なのか、お尋ねをしたいと思います。 第二点として、大企業のMアンドA、合併と買収が進む中で、下請中小企業の対策は緊急の課題であろうと思いますが、取引の適正化、下請いじめの解消に向けて、通産省は具体的にどういった取り組みを行っているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○岩田政府参考人 最初の中小企業支援センターでございますが、三百カ所と申されましたのは、身近な、ローカルな中小企業支援センターでございますが、このことにつきましては、先般の臨時国会で通していただきました十一年度の第二次補正予算におきまして、全国にモデル事業として百程度の開設が可能な予算をちょうだいいたしたところでございまして、今日までのところで、モデル事業として、全国に九十一カ所で地域中小企業支援センターが開設をされたところでございます。 また、三百カ所ということとの関連で申し上げますと、もし百程度のものが今年度内に開設ができるといたしまして、残り二百程度のものがあるわけでございますけれども、これは平成十二年度以降に設置をすることとして、平成十二年度予算の中に所要の予算を計上していただいておるところでございます。 それから、下請関係のお話でございますが、先生既に御案内のとおり、下請の取引問題につきましては、下請代金法に基づきまして、もろもろの調査、あるいは問題がある場合における対処、立入調査等々の措置をとってきたことは御案内のとおりでございますし、また、日ごろから中小企業者の苦情あるいは紛争について、積極的に相談に応じるという体制を講じてきたところでございますが、ただいま申し上げました三百カ所の支援センターあるいは県のレベルの支援センターにおきましても、さらにこういう場においても、下請取引についての取引問題、もろもろの問題について対応ができるような機能を付与したい、このように考えております。 また同時に、ただいま申されますように、国の内外の企業の行動にいろいろな環境の変化があるわけでございまして、その中で、下請中小企業の新たな受注開拓という前向きの取り組みとして、これまで、各都道府県の下請企業振興協会を通じまして、取引のあっせんというようなことをやってきたわけでございますが、私ども、こういうものをさらに、情報技術を活用して、情報システムを全国的に整備をするというようなことを通じまして、既に幾つかの下請企業同士が連携をして、パートナーとなって仕事の開拓をするというような成功例が見られております。 こういうものがより広く我が国の中に広がるように、そういう意味で、究極的にはさらに大企業に対して自主的な提案を行っているというようなグループも発生をいたしておりまして、そうしたあっせんのネットワークをさらに拡充することによりまして、可能であれば自主的な提案ができるぐらいの下請企業あるいはそのグループというようなものができていくことを期待いたしたいと思いますし、同時に、平成十二年度の予算におきましては、こうした下請企業が、これまでの下請受注にとどまらず、新たな新製品を、アイデアを出し、それを試作するような場合についても支援ができるような予算措置を講じていただいております。ぜひこれも活用を図りたいと考えております。
○北沢委員 下請の場合は、海外の企業との合併、いわゆる多国籍企業というようなものが日本にふえてまいりまして、外国の下請に対する慣例だとか、またはその合理化を含めて、末端では私は相当苦悩されているというふうに理解をしておりますので、これらについては十二分にひとつ指導を徹底していただきたい。そして、中小企業を守っていただきたいということを強く要望申し上げたいと思います。 若干具体的な点についてお尋ねしたわけでありますが、大臣としては、こうした過去の施策またはこれから行おうとする施策で中小企業対策は十分であるという御認識でしょうか、どうでしょうか。 私どもは、末端におりまして、個人商店や中小企業の倒産、個人商店が次々と閉店をし、いわゆるシャッター街に追い込まれているという現実もございます。私は、そういう面で、これからインターネットを中心とした新たな商取引の中において、商店街の存在というものがまさに根本的な危機の状況に追い込まれるのではないかというふうに思います。 前向きの企業に対する指導の取り組みもさることながら、いわゆる破綻に追い込まれた皆さんに対する就職の機会も閉ざされているわけでありますから、そういう者に対するケアといいますか、そういう者に対する相談も、またある面では金融的な措置も、かつての機織り等の助成等も含めて過去にもあったわけでありますから、そういう状況が私は出ておりはしないかという実は心配をしております。 これらを含めて、御認識についてお尋ねをいたしたいと思います。
○深谷国務大臣 中小企業対策は今までも各般にわたって行われてまいりました。 旧来の基本法に基づく中小企業対策は、生産性向上その他の成果を上げてまいりましたけれども、今日の多面性を持つ中小企業対策としては時代が違うという認識のもとで、昨年、先生にも御協力いただいて基本法の改正及び政策、予算等々を成立させていただいたのであります。これを積極的に具体化していくということで、中小企業に元気を持っていただこう、まさにこれから実現をしていく課題というのはたくさんあるわけでございます。 そういうようなことを展開していってかなりの成果は上げられるにせよ、これで十分だという状況をつくり出すということはなかなか容易なことではないと思います。 ただ、中小企業の足らざるところ、それは、例えば融資であるとか人材であるとかノウハウであるとか、いろいろあるわけでありますけれども、こういうような事柄に対応してきちっとさまざまなニーズに応じた答えを出していける、そういう構えを例の三百カ所の支援センターで設けようとしているわけでありまして、これらにつきましては、仕事のあっせんであるとかあるいは新しい仕事を起こす場合のノウハウだとか、そこへ行けばいろいろなことがワンストップサービスで知らされるという状況などをしっかり駆使してまいりますれば、かなりの期待ができるのではないかと考えています。 しかし、いずれにいたしましても、中小企業の対策をどのように細かくつくりましても、経済全体が景気回復の軌道に乗っていかなければなりませんので、そういう意味で、一層景気回復のための手だてを政府全体で講じていかなければならないと思っています。
○北沢委員 ぜひ、センターがつくられるわけでありますから、きめ細かくかつ幅広い対応をその内容においてされることを特に強く要望を申し上げたいと思います。 次に、先ほどもちょっとお話がございましたが、地球温暖化対策について、京都議定書の早期発効の条件整備に向けて私ども議論を進めてまいりましたとまたおっしゃっております。 地球環境の悪化は大問題でございまして、大臣が意欲を示されていることは当然と考えますが、具体的にはどのようにされるか、お聞かせをいただきたいと思います。 特に、二十一世紀に向けて、環境問題、温暖化問題というのは非常に重要になるわけでありまして、そのことが即原発の二〇一〇年の十八ないし二十基の増設というのは、今日のあらゆる原発に対する不信といいますか、そういうもので非常に困難になっておると私は思いますが、二十基をふやすというのは私は現実離れをした方針ではないかと思うわけでありまして、地球環境の目標の達成のために通産省の積極的な役割が重要であるというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 先生の御指摘あるいは御質問は二つに分けられると思います。 一つは、京都議定書の批准あるいはそのための具体的な進みぐあいはどうかということでございます。 地球温暖化問題については世界全体で取り組んでいくということが大事で、九七年の十二月に京都で、気候変動枠組み条約第三回締約国会議が採択したのが京都議定書でございます。この速やかな発効が極めて重要でございます。各国が批准し発効させるためには、いわゆる京都メカニズム、あるいはきちっと守っていくといった京都議定書の主要項目について具体的な内容を決定することが不可欠であります。具体的なそれらの制度はまさに今から決めていく過程にございます。 本年十一月にオランダのハーグで開催されます第六回締約国会議では、これらの主要項目の内容についての合意を目指して国際的な議論を鋭意詰めていきたいというふうに今思っております。通産省としては、外務省、環境庁等と協力しながら、京都議定書の制度を完成させ、地球温暖化問題の解決が進展できるように最大の努力をいたしてまいりたいと考えます。 二番目の問題は、エネルギー政策の問題でございます。 先ほども既に数々申し上げたことでありますが、私どもは資源のない日本でございますので、世界から石油を安定供給できるような状態をつくり出すということ、それから、原子力発電についてはその安全性を高めながら所定の目的に向かってこれを進めていくということ、一方においては新エネルギーの開発に全力を上げるということ、さらには省エネルギーを含めた国民的な協力を仰ぐこと、いろいろな広範にわたる対策をもってこの問題をクリアしていかなければならないと考えています。
○北沢委員 最近の異常気象も、また今後出る異常気象というものが予測されているわけですが、これらはすべて、後では取り返しがつかないわけでありますから、これらについては、ひとつ早急に計画を策定し進めることを御要望申し上げたいと思います。 若干、エネルギー問題について。 私ども社民党は、当初から、今回のいわゆる東海村の臨界異常事故等、原子力発電については、このよって来る事故における損害というものははかり知れないものがあるということで、このことについては相当慎重に進めるべきであるということを実は唱えてまいりました。今日、三重の芦浜原発が計画断念に追い込まれたのを見ても、国民の原子力への不信感は非常に大きいというふうに私は思います。 大臣が、環境保全、市場効率化の要請に対応し、エネルギーの安定供給を確保すると言われましたけれども、原子力は、一たん事故ある場合は膨大な経費を必要とするエネルギー源でございます。 原子力に頼るのは間尺に合わない方策であると気づいている欧米は、脱原発が主流になっているというふうに私どもは聞いております。特に、BS放送等で、南ドイツの都市が、独自の都市開発の中で七〇%自然エネルギーを使っているということ。スウェーデンも脱原発である。またアメリカも、やはりこの前の事故に基づいて、もうその後増設計画はない。あるのは日本の三基とロシアの七基であるというふうに言われております。 どうかひとつ、根本的に発想を転換して、やはり風力、水力、太陽光等の新エネルギー、自然エネルギーの研究開発にもっともっと力を注ぐことが大事である。そればかりではなくて、エネルギーの政策としても、自然エネルギーの充実に向けて、発電をされた自然エネルギーに対する買い取り制度を創設して、自然エネルギー開発をバックアップする必要があるというふうに思いますが、通産省の考えはどうであるか。 それから、放射性廃棄物は安全に管理、処理されることが重要でありまして、安全性の確立しない最終処分ではなく、管理し続けるべきである。私も六ケ所の施設を見てまいりましたけれども、まだまだ大変な問題点があるというふうに思います。 東海の臨界事故や昨日の芦浜原発計画断念を見るまでもなく、廃棄物の処分地を受け入れる住民がいるとは私は思えないわけでありますから、処分地等は住民参加の姿勢といいますか、その面についてはもっと、後の段階で住民が参画をして知るということではなくて、当初から参画をする、そして後は理解の中で政策を進めていただくということを強く実は要望申し上げたいと思いますが、御答弁を煩わせたいと思います。
○河野政府参考人 まず、お尋ねの、自然エネルギーによります電力の買い取りの状況について御説明をさせていただきたいと思います。 電気事業審議会に設置をされました小委員会の提言を受けた形で、電気事業者の自然エネルギー買い取りが自主的な余剰電力購入制度として行われているところでございます。 この余剰電力購入制度は、いわゆる分散型電源の導入促進の観点から、電気事業者以外の方々がこうした分散型電源を導入するに際しまして、余剰電力が生じれば、電気事業者以外の方々にとってのいわゆる予測可能性、あるいは取引の透明性、こういったものを高める観点から、それぞれの一般電気事業者が購入条件をあらかじめ自主的に設定をいたしまして、これをメニューの形で示すという仕組みでございます。 特に、この中でも風力発電につきましては、その発電コストが近年比較的商業ベースに近づいているということを踏まえまして、電力各社は、昨年度から長期的な、十年、十五年といった長期間のコミットをする買い取りを可能とするような購入メニューも設定しているところでございます。 こういった制度を通じまして、平成十年度におきます自然エネルギーの購入実績を御紹介させていただきますと、電力十社合計で、風力発電につきましては、契約件数三十七件、出力にいたしまして二万二千八百二十六キロワット、購入電力量にいたしますと二千三百八十五万キロワットアワーということになるのでございます。また、太陽光発電につきましては、契約件数が一万四千五百二十六件、出力にいたしまして五万七千二百三キロワット、購入電力量にいたしまして一千七百四十五万キロワットアワーという実績でございます。 また、私ども政府といたしましても、これまでも、民間事業者の方々あるいは地方公共団体が行われます新エネルギー設備の初期投資に対しまして、設置費の二分の一から三分の一程度の補助をさせていただいているということでございまして、これと電力会社の余剰電力購入制度とが相まちまして、新エネルギーの導入が進展をしているという状況にあろうかというふうに考えております。 また、こうした電力会社の自主的な取り組みをさらに制度化するべきではないかという御指摘でございます。 この自然エネルギーは、一方で現時点では、御指摘のように非常に有益なものでございますけれども、一般的な電源に比較いたしますとコストあるいは出力が自然条件に左右されるといったような課題も抱えております。電源といたしましては補完的な位置づけという状況にあるわけでございますので、今御紹介いたしましたような制度を活用いたしまして、いかにコストダウンを図り、あるいは不安定性の解消を行うかということについて、私どもは努力をさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。 買い取り義務化につきましては、確かに、欧州諸国で導入拡大に貢献したということも伺っております。我が国におきましては、この電源を固定価格で買い取る、その義務をつけるということにつきましては、やはり、電力分野についても今まさに競争原理を導入して市場競争の活性化を図ろうとしているといった国の政策との一体性の確保等々、考えるべき点も多いということでございまして、これは慎重に対応すべきものというふうに考えております。 ただ、いずれにいたしましても、現在、総合エネルギー調査会に新エネルギー部会を立ち上げまして、海外の導入政策の動向も調査するなど、さまざまな論点について検討を行っているということでございますので、その検討結果を踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。 次にお尋ねの、高レベル放射性廃棄物の最終処分の件でございます。 高レベル放射性廃棄物の処分に向けての基本的な考え方につきましては、平成十年の五月に、原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書が取りまとめられております。また、同年六月の原子力委員会決定におきまして、この結論が妥当だという判断に至っているのでございます。 この報告書によりますと、高レベル放射性廃棄物は、地表において超長期にわたって管理するよりも、地層処分をすることが、我が国も含めまして国際的に最も好ましい方策としての共通の考え方になっているのであるというふうにされております。また、実際、諸外国におきましては、地層処分を実施するために、既に処分費用の確保、あるいは処分実施主体の設立といった準備を進めているところでございます。 こうした状況を踏まえまして、現在私ども通商産業省におきましては、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を、これは仮称でございますが、今次通常国会に提出させていただくよう鋭意作業をさせていただいているという状況にございます。 また、この最終処分の制度化に際して、処分場の選定等において地元の方々の御意見を配慮すべきであるという先生の御指摘でございますけれども、確かに、高レベル放射性廃棄物の処分場の選定等におきましては、国民の皆様あるいは地元自治体の方々の御理解と協力が不可欠でございます。こうした観点から、現在私どもで策定作業を進めております、先ほど御紹介を申し上げました法律案におきましては、処分地選定のさまざまな段階に応じて、所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を伺うということを念頭に置いて策定をさせていただいております。 いずれにいたしましても、国民あるいは地元の皆様の御理解を得て、この高レベル放射性廃棄物処分対策を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
○北沢委員 最後に、リサイクル促進法案についてお尋ねをしたいわけですが、現在、PETボトル等のリサイクルが非常に急増しております。私もかつての小泉厚生大臣にこのことについてお尋ねをしたときも、これはこれから問題としてはまだ解決に向けて大変なことだというふうに言われましたけれども、事業者が引き取らず自治体が保管に苦慮している、今にごみの山になるのではないか、そういう状況であるということが報ぜられております。 したがって、拡大生産者責任、EPRで生産や廃棄、再生などすべての段階で生産者が責任を負うということについて、通産省はどういうふうに認識をされているか。 また、リサイクル促進法案ではEPRが明確にされているのかどうか。 三点として、リサイクル促進法案は、リサイクル、リデュース、リユースを事業者に義務づけるというふうにされておるわけですが、どういう義務の内容なのか。または、強制力はどのようにあるのかないのか。罰則は設けられるかどうか。この点について基本的にお尋ねをいたしたいと思います。
○中島政府参考人 お答え申し上げます。 まず、最初にお尋ねのありましたPETボトルのリサイクルでございますが、御承知のように、容器包装リサイクル法に基づきまして、分別収集、再商品化に取り組んでおるところでございます。 PETボトルのリサイクル量は、平成九年度の法の施行以降、大変大幅に拡大しております。今年度、市町村によっては分別収集されたPETボトルの一部が引き取られない事態が生じているということは私どもも承知いたしております。これは、法によりましてあらかじめ分別収集をする量を予定しましてその処理を進めておるわけでございますが、法の施行以来、市町村による分別収集の機運は大変高まりまして、当初の計画量を上回りまして集まってまいったということも背景にございます。 しかしながら、こういう事態を解決するために、私どもも、関係の事業者等に指導を繰り返してまいりまして、最終的には現在約五千トンが来年度に繰り越す予定ではございますものの、来年度早期の時点でこれも処理をいたすという格好で進めてまいる予定になってございます。 また、再生資源利用促進法、現在、通称リサイクル法と呼んでおりますが、その中での取り扱いでございますけれども、再生資源利用促進法は、リサイクルを中心に考えて約九年前につくり上げられました法律でございますけれども、今後、リサイクルだけではなくて、もともと廃棄物になるものを少なくしようではないか、あるいは一たん廃棄物になったものもそのまま再使用はできないかといったような観点も加えた新しい法案の準備を進めさせていただいておるわけでございます。 また、それが実効あるかというお話でございますが、現在の再生資源利用促進法の中で、私どもに、義務づけの対象になります事業者に対して、必要に応じて国が指導助言、勧告、命令等の措置をとることができるようになってございます。また、命令に従わない事業者に対しましては罰金を科すというような措置もございまして、新しく今検討させていただいております再生資源利用促進法の中でも同様の措置を考えて、実効あらしめるようにしていきたいと思っております。 最後に拡大生産者責任でございますが、拡大生産者責任は、まず廃棄物につきましては、出した人が一番最初の責任を持つというPPPの原則があるわけでございますけれども、生産者におきましても、製品の設計、製造段階から知見を持っているというところから、社会全体で考えればそうした事業者の知恵を十分に活用するようにしていこうではないか、そういう原則でございます。そういうものを反映いたしましたのが現在の容器包装リサイクル法あるいは家電リサイクル法でございまして、今度考えております再生資源利用促進法の新しい法案の中でもそういうものを取り入れてまいりたいというふうに考えてございます。
○北沢委員 ひとつ万全を期して取り組んでいただきたいと思います。 以上で終わります。御苦労さまです。
○中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十五分散会