厚生委員会 第11号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/04/26
会議録
○江口委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告申し上げます。 去る二月二十九日、議長より本委員会に送付されました、議員中川智子君外五十三名からの医原性クロイツフェルト・ヤコブ病に関する予備的調査の要請につきましては、理事会の協議により、一部を除き、衆議院規則第五十六条の三第三項によって、去る二十一日、調査局長に対し、私から、予備的調査を命じましたので、御報告いたします。 ————◇—————
○江口委員長 内閣提出、社会福祉の増進のための社会福祉事業法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として大蔵大臣官房審議官福田進君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省保健医療局長篠崎英夫君、社会・援護局長炭谷茂君、老人保健福祉局長大塚義治君、児童家庭局長真野章君及び労働省職業安定局高齢・障害者対策部長長谷川真一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○江口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。
○土肥委員 民主党の土肥隆一でございます。 きょうは一時間いただいておりますので、今回の福祉法の中身について、細かい点は省きまして、大枠、この法案の持っている意味は何なのか、これが国民に与える影響はどういうものかということについて質問をしたいというふうに思います。 介護保険というのも大法案でございまして、これが四月一日からスタートされた。大法案という意味は、従来の措置というふうな考え方を脱却いたしまして、国民の選択やその利用に大いに任せようということでございました。これが老人の世界でございましたけれども、今回の法案は、障害者の世界にもそういう選択や、自分の行きたいあるいは受けたいサービスを買うといいましょうか利用するというふうな制度に変えようということでございまして、そういう意味では、戦後五十年続いてまいりました日本の福祉の枠構造を根っこから変えようというもののように考えております。 私は、社会福祉基礎構造改革という言葉を聞いたときに、これは何事ですかというような感じがいたしました。基礎構造から改革するのだということでございます。 そこで、今回の法案提出に当たりましてまず大臣にお聞きしたいのは、このように根本から社会福祉の構造を変えよう、しかも、今度は障害者の部分についてもそうしようという、その発想の原点は何なのかということからお答えいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 委員御案内のように、これまでの社会福祉制度というものを振り返ってみますと、戦後の焼け野原の中において、貧困者の方々であるとか身体障害者の方々、さらに戦災孤児、こういった方々に対して行政の方からサービスをする、どちらかというと施すという発想であったわけでございます。今回の改正法案、社会福祉構造改革のそもそもは、行政と事業者、利用者、こういうものがある意味では対等な立場に立って、利用者がサービスを選択できるように改めていって、これまでの行政措置から選択をし契約をする、こういうようなことがそもそもの基本的な考え方ではないか、こう考えているような次第でございます。 既に介護保険においては、これは委員も御案内のように、こういうような具体的なことがなされておるわけでございますけれども、今回の法案では、特に障害者サービスについて措置制度から利用制度に改正をする、それから、利用者を保護する仕組みを制度化するとともに時代の要請にこたえるために福祉サービスを充実させなければならない、こういうことから、これまでは福祉法人に位置づけされておらなかった例えば盲導犬の訓練施設であるとか手話通訳事業などを社会福祉事業に追加をしたということでございます。また、通所の授産施設につきましても、より身近で住民の方々が利用し、さまざまな形で皆さん方が社会に参画できるように規模要件の引き下げなど、こういうことを明らかにいたしました。 今回の社会福祉構造の改革というものは、これまでの福祉サービスというものはある意味においてこれまではこれまでとしての役割を十分果たしてきた、しかし、時代とともにこういった利用者の権利意識というものを十分に配慮してこのような内容にさせていただいたような次第でございます。
○土肥委員 理念としては大変結構なものだと思うのでありますが、何しろ戦後五十年間、措置になれ切ってまいりました国民でありますから、障害者も、あるいはその親御さんも、あるいは社会福祉事業をやっている施設側も、その理念はいいとしても、実際にどうなるのだろうということではみんな非常に自信がないように私には感じられます。 その証拠に、介護保険を導入したときに、これは政党の側から出たのでありますけれども、保険料の徴収を見送ったりあるいは緩和策をとるというのは、政府としてはいかがなものだろうか。つまり、保険というのはリスクをカバーするわけです。リスクを何とか防ごうというわけで、リスクカバーというところの視点を厚生省もあるいは与党も十分理解しなくて、そして腰が引けてしまいまして、当面ただでサービスを提供して、一割負担というのはございますけれども、そこから生まれてくる何かを——何であるかはまだはっきり結論は出ませんけれども、それを次の政策に生かしていこうというふうな、いわば逃げというふうな気がしてならないわけでございまして、私は、この措置については政府を挙げて責任をきっちりと自覚しなきゃいけない、こういうふうに思っているわけであります。 財源論もありますけれども、こういう選択をしたということは、本来持っているお年寄りの介護、看護にまつわるリスクカバーを十分認識していなかったのではないのか、国民はそれを受け入れる準備ができていないという判断によるとするならば、それは政策の誤りだというふうに思うのですが、その辺のところはどうでしょうか。
○大塚政府参考人 ただいまお話のございました介護保険に関します特別措置でございますが、経緯は御承知のとおりでございます。昨年秋に、与党三党でさまざまな御議論をいただきまして、その申し入れを政府としては重く受けとめまして、制度スタートが円滑にいくようにということで御案内のような諸般の措置を講じたわけでございます。 特に介護保険制度は、ただいまおっしゃいましたように措置から契約へという大きな考え方の変更、理念の変更もございますけれども、そのほかに、要介護認定でありますとかケアプランの作成でありますとか、これまた新しい手続も必要でございます。さまざまな観点で大きな新しい制度でございますから、利用者の方々も、あるいは事業者も含めまして、これになれていただく期間が必要だろうということで、保険料につきましては、御案内のように、半年間はこれを徴収しないで済むような措置、その後の一年間も半額で済むような措置を講じたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この措置は、介護保険制度の理念あるいは基本的枠組みを少しも変えるものではないと考えております。 また、介護保険制度の理念、考え方、その実態などにつきましては、制度施行までに市町村が繰り返し説明会その他を住民に対して開催するなど最大限の努力を行ってまいってきております。その結果、理解も進んでおるというふうに考えておりますが、引き続き、私どもといたしましては、こうした新しい制度の趣旨、考え方、その運用につきまして、御理解を賜りますように最大限努力してまいりたいと考えております。
○土肥委員 そういう言いわけもできるかと思います。だけれども、この介護保険法の制定に携わった者としては、相当な決意を持って臨んだはずであります。 私が率直に印象を申し上げますと、今介護保険の理念は変わらないというふうにおっしゃいましたが、理念そのものがいわば国民的な理解を得ていない、あるいは、この理念をしっかりと国民に受けとめてもらうような努力はなさったんでしょうけれども、そこまでいかないままに介護保険がスタートしたということでございます。恐らく、今後、この理念をめぐって、あと残された問題でありますところの現物給付と現金給付の選択だとか、お見舞い金で十万円出すというのですが、そういうものをどうするのかとか、あるいは、またもや税か保険かという論議に舞い戻ってくるのではないかというふうに心配しているのであります。 したがって、何か国民が、介護リスクを回避する、カバーする意味で介護保険制度を導入したんだということがわからないままにサービスを利用していくうちに、保険料も取られる段階になったときに、果たしてこの理念が揺らぐのではないか、保険料徴収を初めとするさまざまな問題がもう一度再燃するのではないかというふうに思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
○大塚政府参考人 ただいま例に挙げられました事項の相当部分は、制度の立案過程でもいろいろな議論がございましたのは御承知のとおりでございます。もちろん国会でも相当の時間をかけまして御議論を賜りまして、現在の制度ができているわけでございます。 私どもは、今後、介護サービスに対するニーズ、需要が高齢化に伴ってどんどん大きくなるという見通しを踏まえ、また、国民全体で必要なコストもサービスの量も賄っていくということを考えますと、おっしゃいましたようにリスクの分散、別の言葉で申しますと国民全体でこれを支えるという仕組みでございますが、こういう制度が最も適した制度であろうということで今日の制度ができているわけでございますし、私どもも今日現在もまさしくそのように思っております。 残る課題はさまざまございますけれども、やはりその趣旨、理念、基本的なところを利用者に理解していただく、これは実際にサービスを利用していただくことを通じてもその理解が進むという面もございますが、あわせて、行政としてできる範囲での御説明なり普及啓蒙に関する努力は引き続き実施をしていきたいと考えております。
○土肥委員 私は、理念を否定するものではございません。大変理想の高い、理念性のある福祉制度というものを厚生省はお考えになったわけでございまして、改めて私は厚生省を評価しているのでございます。 しかし、理念を打ち出すときに具体性というものが伴っていないと、つまり、私が言うのは、お年寄りの介護、看護のリスクを回避するためにみんな保険料は払いましょうと言うんですが、そこまでいかないのじゃないかということを懸念しているわけです。 今、ただですから、一割負担があっても保険料を払わないで利用しますけれども、そして、二百万人を超えたとかいうお話でございまして、大変結構なことだと私は思うのでありますが、半年後、いろいろなことが起こるだろうなということを言っているわけであります。 今回の法案の基礎構造改革にいたしましても、これは障害者福祉に対する理念性の非常に高い法案だと私は思うのであります。 私は、障害者のことを思うとき、なるべく早く措置から解放してあげたいと思うのですね。措置の持っている硬直性や、妥協の余地のない、相談の余地のない措置事業の問題性というものは百も承知しているわけでありまして、解放してあげたい。障害者を措置から解放するという意味では、今回の基礎構造改革もすばらしいものだと思うのであります。 これも非常に理念的なわけですね。この理念を今度は障害者の世界にどう伝達していくかということが極めて重要になるということを思うとき、戦後一貫してやってきました社会福祉事業を根本的に改革するんですよ、この法文によれば、強化も図る、あるいは、利用者の選択や市場原理、その特性に留意しつつ幅広く活用するなどというふうに、理想、理念は大変結構でございますけれども、今までの措置から利用契約という形に移行していくわけでありますが、これもまた余りにも理念的で、福祉の現場、障害者の福祉の現場ではなかなかこれが定着しないだろう。 もちろん、二年前ぐらいから、社会福祉関係者にはるる説明をしておられますし、また、障害者の団体にもいろいろ説明していらっしゃるようですけれども、余りにも長い間措置になじんできた国民、社会福祉の世界が、この理念に太刀打ちできるだろうか。この理念をしっかり心にとめて新しい時代に入っていけるかどうかということでございますが、その疑問に対してどうお答えになるでしょうか。
○炭谷政府参考人 今回の基礎構造改革の中の措置から利用へということにつきましては、私ども、この理念を達成させるために、いろいろと先生も御指摘いただきましたように、関係団体といわば一緒につくってきたところがございます。また、周知徹底もこれまで十分努力をしてまいったわけでございます。また、今回の法案の中には、このような制度を補完する意味で、制度を確実なものにするために、権利擁護制度や苦情解決制度などを法律の中に位置づけているわけでございます。 また、このような法律をつくっただけではまだ不十分でございまして、この理念をできるだけ国民や関係者の方々に幅広く理解していただくように私どもとして努力してまいりたいというふうに考えております。
○土肥委員 この理念を打ち出してこられた当局の皆さんの熱意のようなものは何か余り伝わってこないんですけれども、将来のことを思うと、障害者の世界も、介護保険というものを既に導入されてそっちの方向に行くのかなと。しかし、いわゆるリスクカバーリングということで障害者の世界が完了しないわけでございますので、どうするのかな、理念はいいですが、そこへ至る道筋が正直言って私は見えてきません。これも現場で相当な混乱が起こるだろうというふうに考えておる次第でございます。 この理念やよし、厚生省の改革の意思や大変評価するわけでありますけれども、そして、これがうまく滑り出し、日本の福祉社会が構造的に変わることを願っておるわけでありますけれども、これから相当な苦労が待っているということを思うわけでございます。 そこで、私はいつも、介護保険についてもあるいは基礎構造改革についても、理念が変わってくると、一体これは日本国憲法的に言うとどういうことになるのかということでございます。 御承知のように、八十九条がございます。この八十九条というのはまさに日本の福祉を規定したものでありまして、この八十九条をめぐっていろいろと、例えば社会福祉事業法でありますとか、それぞれ障害別の福祉法ができているわけでありますけれども、この際、八十九条をちゃんと押さえておかないと。一体何なのか、公に服するものであればすべて許されるのか、公金が出るのかということも含めて若干押さえておきたいというふうに思っております。 この八十九条は、実におもしろいというか特異な内容になっておりまして、宗教上の組織と団体の使用というものと、公の支配に属しない慈善、教育、博愛。つまり、宗教団体、教育事業、そして福祉事業、三つのものがこの八十九条に規定されて押し込められているわけでありますね。私も憲法調査会に時々出ますけれども、いつも、憲法を変えようと言う皆さんは、八十九条は問題じゃないですか、学校にも補助金を出し民間の福祉事業にもどんどん補助金を出しているわけだから、そういうものはいいのかと、そういう意味ではもっと公金を出しやすいように憲法を変えたらどうかという議論に使われるわけであります。 そういう問題でございますけれども、この八十九条について、今、厚生省に聞くのもどうかと思いますけれども、厚生行政をやる上に当たっていつもどういう理解で、どういうことを念頭に置いてやっていらっしゃるのか、その根本的なところをお聞きしたいと思います。
○炭谷政府参考人 先生おっしゃられましたように、八十九条の問題は、憲法学者または私ども社会福祉関係者の間ではいろいろと議論されているわけでございます。ただ、今回の法案の作成にいたしましてもそうでございますけれども、私どもとしては、憲法の規定を前提としてこの検討を行ってきたところでございます。 もちろん、今回の法案の検討を行うに当たりましては、中央社会福祉審議会の中でも憲法八十九条のことに論及する、問題にする委員もいらっしゃいました。ただ、その論議の仕方にいたしましても、八十九条を一応前提にするという論議の仕方で、これが社会福祉法人の硬直化の原因になっているんじゃないかというような議論もございました。 また、私ども事務的にも、今回検討するに当たりまして、この問題に詳しい学識経験者の方に来ていただきまして、当時の経緯等も勉強したところでございます。 ただ、いずれにしろ、この憲法上の規定を前提としてこの法案の作成の作業に当たったわけでございます。
○土肥委員 それじゃ、お聞きしますけれども、介護保険が導入されまして、介護保険事業者は法人格さえあればだれでもいい、ボランティアグループでもNPO法人でも、あるいは有限会社でも、法人格さえあればだれでも参加できるということで、今全国的に事業者が参加しているわけでございます。この事業者には、税金半分、保険料半分の財源に基づいて、給付がなされるわけでございます。 私は、八十九条というものを余り狭く考えるのもどうかと思いますけれども、従来、私どもの社会福祉に対する理解で、公に服するというところでは、社会福祉法人でありますとかそれに準ずるような公益法人はいいだろうが、介護保険の世界で介護保険事業者も公の支配に服するということになりますと、例えばトップ三事業などが全国展開をいたしまして増資しますと、百億単位で出資金が集まってくる。この社長とお会いしたんですけれども、日本の介護保険の世界を当初四分の一ぐらい支配するんだ、そして、これに基づいて会社としての収益も上げていくと。 何も私は介護保険事業者の中で大企業が悪いと言っているんじゃないんです。だけれども、こうやって株式会社が参入してくるときに、果たして八十九条で公金や保険料を払うのはどうも無理があるんじゃないかなというふうに思うのでありますが、厚生省、その辺の理解はどうしていらっしゃるんでしょうか。
○大塚政府参考人 おっしゃいますように、介護保険における在宅サービスにつきましては、株式会社などを含む営利会社の事業者としての参入も可能でございます。ただ、私どもといたしましては、これから申し上げますけれども、現在の介護保険制度に伴います一連の仕組みが憲法八十九条の規定に触れるものとは考えておらないわけでございます。 もちろん、株式会社などは公の支配に属する団体ではございませんけれども、介護保険制度の仕組みそのものは、本来は、利用者が介護サービスを受けました場合にその対価として利用料、一定の金額を事業者にお支払いになる、そういうサービスに対する対価を保険という形で支給をするというのが基本的な枠組み、仕組みでございます。 ただ、利用者の利便性ということも勘案をいたしまして、現実には一割の御負担をお願いし、残り九割は直接保険者から事業者に支払いをする、こういう仕組みをとっているわけでございまして、言ってみますれば、この介護保険といいますのは、基本的には利用者に対する給付であり、事業者にとりましては一種の対価としてその報酬を受けるということでございますから、憲法八十九条が定めております一連の規定に触れるもの、反するものというものではないという整理をいたしております。
○土肥委員 大変重要な発言をなさったと思うんですね。団体はいいんだ、何でもいいんだと。だけれども、それが、事業、つまり介護保険事業をやるならば、その事業というものに着目すればこれは公の支配に服していることになるんだと。 そういいますと、例えば、この前NPOに税金をかけるという話がございました。NPOは公益法人であって、公益法人と横並びに考えれば収益事業に対しては税金をかけますよと。そうすると、NPOは公益法人ですけれども、介護保険事業だけをやるNPOならばどうなのかという議論があるわけでございまして、その質問はしておりませんが、今お答えになれるんだったら答えてください。事業に着目したと言うんだったらいいんじゃないでしょうか。
○大塚政府参考人 あるいは私の御説明が少し舌足らずだったかもしれませんが、介護保険事業を担う事業者が、それゆえをもって公の支配に属するというふうには考えておりません。例えば株式会社であれば、これは公の支配に属する団体とは言えませんので、これは私どもそう考えておりません。 むしろ、介護給付、介護保険制度によります給付は、保険給付でございますので、基本的には本人に対する給付であり、現実には事業者に支払われますけれども、これは一種の便宜的な支払い方式であり、一方、事業者にとっては一連のサービスに対する対価としてこれを受けるわけでございますから、公の支配に属する云々とは別に、憲法八十九条の問題に触れることはない、こういう趣旨で申し上げたところでございます。
○土肥委員 一応そこで抑えておきましょう。 今度の法改正で、社会福祉協議会に多大の仕事をしてもらおう、そういう意味では法的に位置づけた権限を持った事業をしてもらおうということでございまして、私どもが従来社会福祉協議会に持っておりましたイメージをはるかに超えて、相当な指導力を持たせるものというふうに感じているわけでございまして、ある人に言わせると、独占禁止法に触れるんじゃないかと言う人もいるくらいでございます。そこまでは私は考えませんけれども。 どうも大変言葉は悪いですけれども、措置から利用、契約に変えましたと、そうすると、措置権者でありました行政は手を引きます。障害者の場合は手を引くわけじゃございませんけれども。介護保険でいえば、ケアマネジャー及び事業者のコーディネーターなりと個人との契約によって仕事はどんどんやってくださいと。その後はどうなるか、行政としては何をするかということはよく私はわからないんですけれども、これから考えようということだろうというふうに思います。 今度の事業法の改正では、今まで行政がやっていたようなことを社協にいわば丸投げするものというふうに言わざるを得ない。つまり、措置権者である市町村の役割が後退して、社協への依存度が非常に高くなっているのではないか。 私は、実は八十九条の勉強をしておりまして、厚生省の元役人の北場さんという方の論文を読んでおるわけでありますけれども、おもしろい事実がございました。 戦後、日本が敗戦によりましてGHQが入ってくる、そして、社会福祉、社会保障をどうするかということが問題になったときに、日本の救済事業というのは御下賜金を基礎として、財界が募金し、一般募金も受けて官民一体となって福祉事業、救済事業をやってきた。それが恩賜財団済生会であり、恩賜財団軍人援護会であり、昭和二十年に入りましても恩賜財団戦災援護会というのができた。この北場さんの言葉、厚生省のお役人さんだったんですけれども、国から巨額な助成金を一括つかみ金として得、経済界からも民間からも膨大な寄附金があり、これを統合させて恩賜財団同胞援護会というのを戦後つくって、外郭団体と政府が表裏一体となって初めて行政の妙味が発揮できるという官民一体の考えに従ったものだったと書いてあるんですね。 これを見たときに、ちょっと読み込み過ぎかもしれませんけれども、何か社協に丸投げするという言い方は大変申しわけないんですけれども、またもや四十七都道府県津々浦々に組織されている社会福祉協議会に、措置から契約になりましたからどうかひとつ民間で障害者の世話をしてくれませんかというふうに読まざるを得ないという印象を持つわけでございます。こういう理解というのは間違っているんでしょうか。 今度の社協の参加、従来から参加はあるわけでありますけれども、措置から契約に変わることによって今後社協が一体どうするのかということについて、当局のお考えをお聞きしたいと思います。
○炭谷政府参考人 今回の改正におきましては、国、地方公共団体の役割をまず明確化しているわけでございます。法文の条文をそのまま読みますと、事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう、福祉サービスの提供体制の確保や福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他必要な各般の施策を講ずる責務がある旨をまず大前提に明確にいたしております。したがって、公のやっている仕事を社会福祉協議会などに丸投げするというようなことはございませんで、むしろ今回の法案において現行法よりも公の責任を明確に規定し、うたっているというふうに考えております。 そこで、社会福祉協議会にある程度今回の法案でお願いする仕事は、例えば権利擁護事業とか苦情解決制度についてお願いいたしますけれども、これは、社会福祉協議会が地域の各種の福祉関係者の参加する組織でございますし、また、民間における地域福祉の推進のために中心的な役割を担うことが期待されておりますので、このような事業をお願いすることにいたしたわけでございます。 もちろん、権利擁護事業などにつきましては、これは社協だけが行うわけじゃなくて、他の障害者の団体、障害者の親の会という団体もこのような事業をやっていただくことを期待いたしております。
○土肥委員 それはそうだと思いますが、従来の社協というのは、福祉関係者にとってはある種仲間でもあるし、いろいろな問題がそれぞれの個別の事業所で起きたときには経営協などというのが経営相談やトラブル防止あるいはトラブったときのいろいろな手当てなども指導してこられて、いわば共存共栄といいましょうか、そういう関係だったように思います。 もう一つ問題点を挙げるならば、余りにも都道府県の行政の下請をしてきたというか代理事業をやってきたために、行政の色彩をなかなか抜け切れない。最近ではデイサービスセンターでありますとか、民間もやっているようなところに事業所を開設して社協がやるということがございますけれども、そういった意味では、ある意味では仲間であり、競争相手でもあるわけですね。そういう社協の姿がある。 そしてもう一つは、県行政と深く結びついておりますから、県の政治的な、県のというのは県議会と言ってもいいのでありますけれども、そういうところの力にどことなく頼り切っている、頼っているというふうな風情が見えないでもない。だから、非常にパブリックなものでありながら県行政に深くかかわって、県から予算をとってくるためにはやはり議員が必要で、政党名は挙げませんけれども、与党の御意向を伺うというようなこともありまして、私ども野党は入る余地がないという実態でございます。 そうした中で、今後、社協が一体どうするのか。これだけ多くの仕事をして、ある意味ではその仕事の内容に応じて自主財源としての補助金がおりるのでありましょう、それも半端なお金じゃないというふうに思いますが、そうした分野を懸念しながら申し上げているわけでございまして、これはまた参考人がおいでのときにいろいろとお聞きしてみたいというふうにも思っております。 私は、介護保険制度にいたしましても、あるいは今回のこの社会福祉事業法の改正にいたしましても、積極的に考えているのです。この理念もすばらしいというふうに思います。これが定着して、障害者が本当にあの措置の世界から解放される、親御さんたちもあの措置の世界から解放されて、自分の求めるサービスを自由に選択できるような世界をつくらなければいけない。そういう意味では、この法案がそういう世界を導入する第一歩になる、前進になるというふうに思っておりまして、社協をはなから批判しているのではございません。 いずれにしましても、この傾向、流れというものは、介護保険にいたしましてもこの福祉法にいたしましても、もう避けることのできない傾向、流れだというふうに思います。これだけ豊かな社会を築いた私たちは、それにふさわしい福祉サービスを受けてもいいわけでございます。 では、今後、この福祉法をどう展開していくかということになりますと、介護保険の世界に入るのか、あるいは権利擁護なども含めながら、権利というものを障害者が主張するとすれば、従来の個人負担ではなくて一種の障害者のリスク管理、リスクカバーということであれば、幾ばくかの参加費というか参加料を、保険という形になるかどうかは別にして、自分もお金を出しかつサービスも自由に受ける時代が望ましいというふうに思っておりまして、介護保険の世界と同じような時代が来るのかなというふうに思っている次第でございます。 もし答弁いただけるならば、介護保険と同じような世界に入るのか、それとも障害者の世界はどこかで踏みとどまるのか、つまり、半分措置、半分自由選択というか、そういうものになるのか、その辺の先行きをお答えいただきたいと思います。
○今田政府参考人 障害者に対します福祉サービスに対しまして、今、介護保険では保険制度という形で機能をしていくわけでございますけれども、これを障害者の施策の中であるいは障害者の福祉を推進する方式の中でどう取り組めばいいかという点につきましては、いろいろな意見があろうかと思います。 私ども、これについて現在どちらの方向でという考えは持ち合わせておりませんけれども、この問題については、介護保険の見直しの時点あるいは障害者施策の見直しをして考えなければならない時点で、いずれは議論されなければならない課題ではあろうかというふうに認識をいたしております。
○土肥委員 よくわかりました。それが今回の法案の柱だというふうに思いますね。 私は、弱者だとか保護だとか更生だとか、そういうことはもう言うのをやめようじゃないかということです。生活の実態はいろいろ違うでありましょうけれども、やはり人格を持つ一人の人間としてしっかり見詰めていくためには、保護の世界ではなくて、やはり権利——権利擁護というのですから、権利をただ主張するだけでは済まないだろう。 ただ、保険というものが、パイが少のうございますから保険という世界になるのかどうか。私は、将来的には介護保険に含めてしまいまして、介護保険の給付の中に障害者介護というものを入れればパイは大きくなるわけですし、障害ということからいえば、二十から保険金を払ってもらうような制度に変えて、在宅福祉サービスの壮大な全国的な展開、それはお年寄りだけではなくて、障害者も含めた在宅サービスの世界を築くべきだというふうに考えておる次第でございます。 それで、今度は措置から選択へというふうになるわけでありまして、措置費というのがございまして、今までは社会福祉事業者は措置費をもらって社会福祉事業を運営してきたわけでございますけれども、今後これが支援費ということになるわけですね。 従来、施設関係の場合は、措置費というのは、施設職員の人件費でありますとか事務費だとか事業費というようなことでそのパイが決まっていて、職員の定数もそこで決まっておりまして、その総額が出て、それを利用者あるいは障害者の頭数で割ると一人分の措置費が決まってくるわけですが、そういうやり方でやってきたのです。 今度支援費となりますと、いろいろな選択が可能になり、契約に入りますからいろいろサービスが変わってくる、多様なサービスを利用するようになる。そういうことになったときに、どういうふうにこの支援費とサービスがくっついてくるのか、その世界が私にはまだ見えておりませんので、御説明いただきたいと思います。
○今田政府参考人 御指摘のように、措置費につきましては、施設における利用者の処遇に必要な職員の人件費、あるいは利用者の生活諸費、それから施設の維持管理費を積算して算定をいたしております。 今度支援費を定めなければならないわけでありますが、この支援費の算定方法については、法律上は施設の種類ごとにサービスを提供するのに通常要する費用、このように規定をいたしているわけでございます。したがいまして、具体的な額の算定に当たりましては、施設の種類ごとにその要する費用を詳細に検討した上で定めることになろうかというふうに思っております。
○土肥委員 それはやはり福祉施設に着目しているわけでありまして、個人に着目していないのでしょう。個人がどんなサービスを受けたいのかとか、サービスの種類、また障害の程度によっても違うでしょう。個人に着目しないで、全体の職員とか施設の維持運営に必要なもの、生活費というようなものを——生活費だけが個人に着目しているわけですけれども、一日に給食代が八百円とか八百五十円だとか、そういうことにすぎないわけであります。 介護保険が導入されて、特養は全部一人一人のケアプランを立てて、全体のパイが決まるわけですね。それを決めてから、職員に給料をどう払おうかとか、維持管理費はどうしようかということになるわけですね。その世界には入らないのですね。ちょっと答弁してください。
○今田政府参考人 御指摘は、施設を運営する場合にかかる諸経費を入所者で割ってしまうということであれば、個人の特性というものが埋没してしまう、こういう御指摘かと思います。 もちろん、施設入所の場合と在宅の場合では多少状況は変わろうかと思います。 例えば施設入所でございますと、入所者の状態が重度であるとか軽度であるとかといった度合いをある程度評価する形で、つまり、一律に支援費を決めるのではなくて、その状態に合わせて一定のランクづけをして定めるということによって、できるだけ個別のニーズに対応できるような仕組みが可能ではないかと思います。 また、在宅の場合でございますと、例えばホームヘルパーさんの力をかりるのがいいのか、あるいは通所授産に通うのがいいのか、こういったことについては、相談機能あるいは市町村のあっせん等によって、適切なサービスがそれぞれ工夫されて提供されるという意味において、個別的にできるだけ配慮するような対応ができるのではないか、このように考えております。
○土肥委員 そうなりますと、これはケースワーカーがやると思うのですが、かなり複雑な認定とか査定とかいうことをしなければいけないことになるわけでありまして、ホームヘルプ事業などというのは、種々雑多、それこそランクづけや分類ができないくらいたくさんの多様なサービスが期待されるわけでございます。そうすると、ケースワーカーの皆さんは一人一人の生活に着目して、この人は一人頭これだけのサービスをしてくださいと、ちょうど介護保険の世界の介護認定というようなことをしなければならないのですね。そうしないと、客観的な基準は出ませんから。 そうすると、どうなのでしょうか、今まで例えば施設には加算費などというのがございました。措置の世界では加算費があったり、あるいは地方行政においてもいろいろな加算があったりしました。例えば重度加算というものもございました。そういう加算なども含めていわば支援費を決めていくとすれば、これは相当な労力と複雑な介護プランをつくらなければいけないわけですが、そういうことをなさる、それも施設においてもあるいはホームヘルプ事業についてもなさろうというふうに考えていいのでありましょうか。 そして、例えば介護保険にあるような住宅改造などもございますけれども、そういうことも支援費に含まれていると理解していいのでしょうか、お答えください。
○今田政府参考人 介護保険の場合はいわば一定のパイがあって、その人の度合いによって一定の総量を決められて、その総量の枠の中で適切なサービスをレイアウトしていく、こういう考え方ではないかと思いますが、障害者施策におきましては、基本的には税をもってこれに充てるという意味からいたしますと、その構造が若干違おうかと思います。 従来もそれぞれの障害者にどのようなサービスを提供すべきかという意味においては市町村長の御判断でこれを行ってまいったわけでありますし、そういう意味では、障害者自身が必要とされるニーズに対してその総枠を定めるというのではなくて、真に必要だと判断される方々に対してそのサービスをできるだけ市町村の力で提供していこうではないか、こういう仕組みで運用をするという意味で若干介護と同じ仕組みではないというふうに私ども理解しております。 そういう意味では、今後、このサービスを受けたいというニーズに対応するために、その施設基盤あるいは在宅サービス基盤というものを充実することによってできるだけより多くのニーズに対応できるような体制づくりが必要ではないか、このような考え方を持っております。 それから、住宅改造の件でございますが、これは支援費とは別の制度でございまして、今年度から住宅改造につきまして日常生活用具の補助において現実に機能させようとしておりますので、支援費とはまた別の考え方で今後も運用していくつもりでございます。
○土肥委員 お聞きしておりますと、大変だなと思います。むしろ介護保険の認定制度の方がわかりやすい。そして、だれが見てもはっきりした支援費とサービスがくっついている、支援費の裏にはサービスがある、こういう理解をする上では、介護保険制度の方がすぐれているというふうに思いますね。 こうなると、やはりケースワーカーの査定とかケースワーカーさんたちの認識あるいは障害者に対する見方によって大分違ってくるのではなかろうかなというふうに思いまして、これは今後の課題だろうというふうにも思いますけれども、支援費なのですから、なるべく求めるサービスの裏にきっちりお金が支援されるということをしておかないと、非常にちぐはぐな福祉サービスが行われるのではないかというふうに思う次第でございます。 大臣に対する質問が余りないのですけれども、最後に大臣も答えていただきたいと思います。 措置費の時代でしたら、これは役所が決めればいいわけでありまして、この役所の措置はいつも経営の中身を心配しながらケースワーカーは障害者を措置するわけですね。今度は利用ですから、利用したいと言ってこられたらそれにこたえなければいけない。そのときに、事業者の側は、この人が幾らのクライアントであるかというようなことを想定できませんから、要するに行政が措置したものをそのまま受け入れる、措置という言葉が残ってしまいますけれども、そういうことになってしまいまして、余り変わらないなというふうに思うわけであります。 その典型的な例が、四月十三日の読売に載ったのですけれども、特養入所待機者が急増している、直接申し込みで利用拡大、重複希望、施設側は順位の公平性に苦労というふうに出ておりまして、厚生省の老人保健福祉局計画課の話として、施設が運営面から介護報酬の高い人ばかり集めることのないように都道府県を通じて指導していくと書いてあります。 私、介護保険の世界でこういう言い方はおかしいと思うのですよ。つまり、施設側が、事業者側がこういう経営をしたいと思ったら、全部重介護を受け入れてもいいはずですね。そして、この介護保険の世界は、重介護の人がなるべく施設の世話になれるようにいわば移動が行われるわけですよ。私は、これは当然あっていいと思うのです。そして、某施設は、いや、私どもはそんな実力はないから、職員に配る給料は安いかもしれないけれども、中程度でやらせていただきますとかいうのもあっていいわけであります。 私は、障害者の世界、特に知的障害者の世界でいうと、重度の障害者の皆さんのことです、特に私は超重度と言っておりますが、超重度の方はほとんど在宅なのです。それは、先ほど言いましたように、施設には頭割りでしか措置費が来ませんから、重い人も軽い人もみんな同じなのです。そうすると、施設の側は、いわば発展を考えたい、もっと工夫したい、もっと経営を豊かにしたいというふうなこと、あるいは、もうこのぐらいでいいや、この程度のサービスで措置費がおりてくるのだからこれでいいやというのと、要するに押しなべて社会福祉事業というのは平板化しまして改善や改良をしないということになるのです。 今回のものは、今までずっとお聞きしましたけれども、結局はどうやら従来の措置と余り変わらないということになりますと、これは、支援費とか利用とか契約とか言いながら本当に重介護の人や重度の知的障害者が入れるのか、やはり施設側の選択になってしまっているのではないか。そういう意味で、私が介護保険的な認定制度の方がいいですよと言うのは、そこなのですよ。 やはり、より重い人が優先的に施設サービスを受けるのは当然でしょう。ところが、何か平板的な福祉をやりますから、重い人も何人かいていいけれども、軽い人が何人もいて、そして、この職員定数ではやれますねというふうな、そういうことしかバランスがとれないということは重大な問題だというふうに思うのですね。 ですから、今度の支援費で、希望した重度の介護者が入れるのかどうか、そういう保証はあるのかどうか、最後に大臣にちょっと念を押しておきたいと思うのですけれども、まず今田さんの方から。
○今田政府参考人 先ほども御説明申し上げましたけれども、ある施設に係る費用を全部入所定員で割り算をして一律決めていくという、これまでの措置費の決め方を改めまして、一律に額を定めるのではなくて、障害の程度に応じた額をつくる必要があると考えております。したがって、重度の方には重度のような支援費の設定をどうするかということについては、これから具体的に考えていかなければならないことだと思っております。 と同時に、自分が選んだ行きたい施設に行ったときに、その施設は正当な理由がない場合にはこれを拒否することがないようにということも法律上明記をされておりますので、そういった法律上の趣旨も施設の方々に十分御理解いただくような形で御指導申し上げたい、このように思っております。
○土肥委員 大臣、私の追加質問の後で。ちょっと待ってください。 それでもだめですよ。超重度加算——重度加算を相当つけないと、これは受け入れませんよ。ですから、重度も受け入れるんだという意気に感じた施設がたくさん出ることを期待します。 だけれども、どうもその判定がまだあいまいですね。まだ決まっておりませんし、支援費の額も決定していないわけでありまして、ここはこの法律で、本当に支援費ならば重度加算を、だれもがこれだったらやってみたいと思われるような額を出すべきだというふうに思いますが、最後に大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○丹羽国務大臣 土肥委員におかれましては、本会議で大変盛りだくさん細目にわたって御質問を賜りました。私も誠心誠意答えさせていただいた次第であります。 まず、介護の問題と絡めまして、障害者の問題につきまして、基本的な考え方といたしましては、私はこの委員会でも申し上げておるわけでございますが、できるだけ軽度と申しますか症状の軽い方は在宅でサービスを受けるようにする。そして、どうしても在宅サービスの中で限界があるとかさまざまな理由のある方については施設でやるという方向が望ましいのではないか、こう個人的に考えているような次第でございます。 問題は、一つは、今委員からお話がございましたように、措置制度からこのような制度に今度変わることによりまして重度の障害者が施設から敬遠されることがないように当然私どもは十分に配慮していかなければならないと思っております。 また、今回、措置制度から支援費を支給する制度に改めるわけでございますけれども、在宅の重度障害者の負担を軽減するために、これまでも支給をいたしておりました特別障害者手当、月に二万六千八百六十円だったと思いますが、これについてはこれまでどおり手厚くして、御懸念のような、この制度を導入することによって身体的に重度の方々がこの影響を受けないよう、その取り組みに当たっては十分に配慮していかなければならない。 先ほどから政府参考人からもお話がございましたように、基本的には、こういうことを取り入れていく中において、当然のことながら重度におきましては、例えば痴呆性のお年寄りで判断能力がない方については措置制度の道も残されておるということでありまして、要は体の不自由な方々の立場に立って、基本的な流れとしては先ほど申し上げたようなことでございますけれども、今後運営の面において十分に配慮していかなければならない、こういうものだと考えておるような次第でございます。
○土肥委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○江口委員長 五島正規君。
○五島委員 民主党の五島です。 今、土肥議員が議論しておりましたが、その続きについて私からもさせていただきたいと思います。 今回の法律改正案では、身体障害者の福祉サービスについて、行政が内容を決定する制度から利用者が選択して利用する制度へ改めるとともに、直接利用者に対して支援費を支給する方式を導入する、こうなっています。 いわゆる措置制度から契約制度へというふうに言われているわけでございますが、措置制度というのは予算主義による公的サービスの提供ということだろうと思います。この場合、サービスの提供量とその資金に限界があれば、当然、障害者のニーズは行政処分として措置されることは避けられません。しかし、こうした措置制度というものを契約制度に変えるに当たって、障害者のニーズに対応しただけのサービス量が確保できず、また予算で限定されたサービスの範囲内において契約制度を断行する、移行するということになった場合は、当然そのサービスを獲得するための競争が発生する、これは避けられないだろうと思うわけでございます。 その結果として、いわゆる弱者にしわ寄せがされるということは避けられないのではないか。結果的に、施設サービスあるいは在宅サービスともに、先ほども土肥議員が議論しておりましたが、重度の知的障害者等、そうした重度の障害者がサービス提供業者から排除されていくということにならないのか、その心配がございます。 そういう意味におきまして、こうした障害者のニーズに施設あるいは在宅のサービス量というのが現行において十分対応できるのか、すなわち、契約制に移行したとしても、そうしたハンディキャップの重さによって排除されるということは起こらないだけの量が整備されているとお考えかどうか、まずそこからお伺いしたいと思います。
○今田政府参考人 御指摘のように、今回支援費として支給する仕組みに変わる場合においても、サービスを必要とする方々に適切なサービスが提供されることはどうしても不可欠であるというふうに認識をいたしております。とりわけ、重度の障害者がその必要性に応じて適切な施設に入所できるようにしなければならない、これも私ども重要な課題だと思っております。 受け入れる側から申し上げますと、一つは、先ほど申し上げました支援費につきまして、一律な定め方をするのではなくて、その状態に応じた支援費の額の設定ということで、施設に対しても十分配慮していきたいと思っております。 また、今回の改正では、市町村は、利用を受けたいという障害者の方に対しまして、そのあっせん、調整、それから利用の要請、こういったことを行う仕組みにもなっております。 最後に、それでもって数は十分足りるのかという御指摘でございます。 この新たな利用制度につきましては平成十五年から移行するわけでございますけれども、その意味で、平成十四年度を目途といたしております障害者プランを確実に進めていく、そして、この十五年を迎えていくということにおいて、安定的にあるいは円滑な利用の確保が図られるように努力していきたいと考えております。
○五島委員 その障害者プランでございますが、私の質問している内容、少し舌足らずであったかもわかりませんが、この障害者プランができ上がった段階において、本当に必要な施設あるいは在宅サービスのインフラ整備ができ上がっているとお考えなのかどうかということを聞いているわけでございます。 私どもの周辺においても、重度の知的障害者が、結局、施設療養、施設介護から締め出されて在宅に置かれざるを得ないという状況は現在もなお非常にたくさんございます。そして、その入所希望者は、若年者においてもなおかつ数年間待機期間を経ないとなかなか入れないというのが現状である。これが平成十五年までに解決し得るという見通しを持ってこの法案をお出しになっているかどうか、今田部長、お答え願います。
○今田政府参考人 現在施設に入っていらっしゃる方よりもむしろ重度な方が、実は在宅でいらしているという御指摘もございました。 現在、私ども、例えば入所施設という面で申し上げますけれども、本来施設でケアを受けていただくべき人たちが在宅でいる方々に対しても、当然必要な施設サービスは確保しなければならないと思いますし、一方で、障害者の方々は、最終的には地域で自立した生活ができるようにという形で処遇されていく必要があろうかと思います。つまり、施設の中にいらっしゃる方々も積極的に地域に出ていただけるよう取り組む必要がある、その意味では在宅福祉サービスもあわせて充実を図っていかなければならない、こういう考え方でございます。 十五年の実施に向けて現在の障害者プランをぜひとも達成させなければならないと思いますし、十五年度には円滑な制度の運用が始められるように私ども精いっぱいの努力をしなければならない、このように思っております。
○五島委員 現状においてそうしたインフラの整備が未成熟のままで契約制に移行するとするならば、現在起こっている重度の障害者が放置されている状況は、改善されるどころかますます問題を大きくしていく。それをどう解決するかということが、この法案の趣旨を生かすためにはどうしても必要であるということをまず指摘しておきたいと思います。 次に、これもまた土肥議員の議論の中にあった内容でございますが、障害者が社会参加していくのを保障するということに対して必要なケアをどのような形でどのように提供していくかという問題です。 障害者というのは非常に幅の広い概念でございます。そして、高齢者の介護と違うことは、障害が比較的軽い人であってもより一層社会参加を進める、障害が重度の人であっても人として何らかの形で社会に参加する、そのためのさまざまなケアが必要でございます。そうしたケアを、先ほど今田部長はケースワーカーの仕事として対応していくというふうなお話でございましたけれども、そうした部分に対してどのようなケアを必要とするのか。 あるいは、これもまた土肥議員の議論の中にあったわけでございますが、現実問題として、障害者施設としては重度加算があったとしても重度の障害者を入れることは大変負担になるということで望まない、これは現状はっきりしている。これは後ほどまた具体的にお伺いしますが。 しかし、先ほど大臣も御指摘になったように、施設介護が必要である重度の障害者から施設利用を考えていただくということ等々を考えた場合に、どうしてもケアマネジャーの存在というものが必要になってくるだろう。このケアマネジャーの役割は、老人介護保険におけるところのケアマネジャーよりも、それぞれの持つ障害のハンディキャップを十分に理解し、必要なヘルプをどう与えていくかということが判断できるケアマネジャーでないといけない。こうしたケアマネジャーというものをどのようにお考えになるのか。おつくりになる必要性を感じておられるのか。契約制になったとしても、現在個々の施設にいるワーカーさんの仕事において十分対応できるとお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○今田政府参考人 障害者施策に対する福祉サービスというのは、身体介護の部分だけではなく、必ず身体介護の部分とあわせて社会参加を推進していくためのサービスも提供する必要があるという御指摘は、おっしゃるとおりでございますし、私どももそのような考え方で福祉サービスの充実を図らなければならないと思っております。 そこで、例えば重度な方々に対して必要な施設の確保を図るとか、そういったある一定のことをマネジメントしていただく方が必要ではないかという御指摘でございます。 ケアマネジャーという固有名詞がいいのかどうか、私も即答しかねるわけでありますが、一つは、新たに法制化をいたします障害者の相談支援事業において、障害者からの相談、その中にあるニーズを調整して市町村あるいは関係機関と連絡調整を行う役割が法定化されているわけでございます。それから、もちろん市町村に来れば、障害者からの求めに対して、必要なサービスの利用のあっせん、調整、それから事業者への利用の要請といったことを行う。 いずれにいたしましても、その人にとって最もふさわしいという意味でケアマネジメントの手法についての重要性は、私ども十分認識しているつもりでございます。 ただ、仕組みとして、ケアマネジャーという一種の資格をお持ちの方をどう取り扱うかについては、介護保険とは制度の仕組みが違うということで想定しておりませんけれども、しかし、いわゆるケアマネジメント、その人にふさわしい、適切に対応できるということにおいて、どういった研修なり、備えておくべき知識なりを提供するかという点については、現在施行しております中である程度の方向性は出さなければならない、このように考えております。
○五島委員 ケアマネジャーという言葉を使うかどうかは別として、先ほどから述べておりますように、限定されたサービスの提供量、言いかえれば予算の範囲の中において公的サービスを提供していく絶対量とのミスマッチというものがどうしても起こることから、行政処分としての措置という問題が起こってきています。 しかし、これを契約制に変えていくということであれば、こうした行政処分としてきたところの問題点を何らかの形で変えていく、そこの軸になるものがないと……。大幅に予算をふやし、施設をふやしていけば、この問題はかなり解決されていく。しかし、それにも限界があるとするならば、制度の仕組みの中においてこれをどうしていくのか。 介護保険は、間違いなく保険制度ですし契約制度です、にもかかわらず、行政処分にかわるところの介護判定、ケアプランの作成というものが設定されました。より落差が大きいと思われるこの障害者の社会参加に伴うところの一連の問題について、そうした役割をどこにどのような形でやっていくのか。それが相談事業としてやっていけるのかどうか。それにしては、相談事業についてどういう役割をするのか、どういうふうな形でケアプラン等をつくらせていくのかということの記載が余りにもない。一体、そこのところはどうお考えになっているのか、もう一度お答えいただきたいと思います。
○今田政府参考人 私が申し上げましたケアマネジメントとして役割を担うであろう仕組みとして、法律上はどこに明確にしてあるのかという御指摘かと思いますが、一つは、先ほど申し上げました相談支援事業そのものを法定化していくということ。それから、そもそも市町村にはそういうことを調整しなければならない義務があるということ。 したがいまして、その義務を果たすべき市町村あるいはその相談を受けるべき相談支援事業を実施する人たちに、そのケアマネジメントを行う上でのノウハウというものをきちっと質的に担保するという意味においては、私ども、これからその制度の実行に当たって最大限努力しなければならない課題だというふうに認識をいたしております。
○五島委員 そういう認識をお持ちになるということを確認して、次の問題へ移ります。 実は、先ほどからも話しておりますように、重度の障害を持っている人、とりわけ知的障害等の重度の障害者が施設からも締め出されているということが多い。 もう一つは御両親とのつながりの中において、御両親の介護によって、やむなく、あるいは非常に心理的な側面も含めて在宅で療養しておられる方が多うございます。そして、今日、高齢化の時代の中において御両親が後期高齢期に入っていて、障害を持つ子供さん、子供さんといってももう五十を超えているような方々ですが、そういう方々に対して介護をしていくエネルギーが失われてしまっている、あるいは、御両親が介護してきたんだけれどもお亡くなりになったというケースがかなり発生しております。また、そういうことに至ることを現在障害者をお持ちの御両親が大変心配されている、御承知のとおりだと思います。 すなわち、両親の高齢化あるいは障害者の高齢化に伴うところの介護の欠如という問題、これは今の時代において新しい障害者問題での課題でございます。 こうした方々を、もし介護に欠けた場合に現在の障害者施設の中に入れていけばいいというのは、大変乱暴な意見だ。現実には、各障害者施設は比較的若年障害者において埋められていき、そして、非常に環境順応性の悪いそうした障害者をその時点において受け入れる施設がほとんどないという現実を無視した意見だろう。 そういう意味においては、御両親が高齢化していくならば、そこでその障害者が通所サービス等々をお受けになりながら、次第に入所という方向に移行でき得るような対応が必要だろうと思うわけですが、残念ながら、一部の例外を除くと、こうした形でのサービス施設は非常に少ない。こうしたものについてどのようにお考えになっているのか、お伺いします。
○今田政府参考人 障害者とともに生活を支えていただいている御両親の御苦労におこたえしなければならないわけでありますが、とりわけ家族がその介護するべき力をどんどん脆弱化させてきている状況に対して、今どういう対応が可能なのかという点で幾つかの御指摘がございました。 そもそも、そういう障害者の方に本当の意味で手助けをしあるいは代弁をしてあげられることが全くできないような状況になれば、そのときには、それを乗り越えていくあるいはその人たちを助力していくための仕組みとして、まず一つは、今年度から地域福祉権利擁護事業を実施しており、これは、福祉サービス利用援助事業として法定化しております。少なくともそういった方々の意思あるいはニードを的確に現実のものとしていただく役割を演じていく。さらには、もっと厳しい状況になれば、あるいはもっと経済的な問題を抱えていらっしゃるということであれば、この四月から実施されております成年後見制度を活用することになるだろう。 それはそれとして、一方で、現実に親御さんなりが急に世話をすることができないとき、とっさのときどうしたらいいんだ、一々そこで契約を結ばせるのか、こういう不安もあろうかと思います。これにつきましては、急に病気になられたりお亡くなりになったりして緊急を要する場合には、今御提案申し上げている利用制度に移行する後でも措置制度を残しているわけでございまして、そういった意味ではその措置制度によって優先的に施設に入所できるように努めていきたい、このように思っております。
○五島委員 今、今田部長の確認された内容、今の御答弁を含めまして、幾つかの問題が明らかになっております。 この次の問題は大臣にお伺いします。 実は、現在養護老人ホームというのは約九万床ぐらいございます。これは介護保険の適用から離れた施設でございます。しかも、圧倒的な過半数以上が地方自治体の手において運営されている。現状においては、いわゆる五年間の、特別養護老人ホームに入っておられたお年寄りで要介護度の支援以下、すなわち、軽度の方々をこの養護老人ホームで扱っていくという方向で厚生省はお考えだというふうにお聞きしました。 確かに、五年間のあれがございますので、そうした側面というものが一部あることは理解します。しかし、私は、結論的に言いますと、介護コストが非常にかかる地方自治体が、軽度といいますか介護度の非常に低いあるいは自立のお年寄りを自分たちの手で処理をしていくというのは何となく問題があるように思います。全部とは言いませんが、この養護老人ホーム等を積極的にこうした重度の障害者施設として、しかも、通所、デイサービスを含めた施設としてこれをやっていくということについてどう考えるか、これを大臣にお伺いしたいと思います。 あわせまして、大臣に。今、今田部長もお答えになっておりましたが、措置から契約に、そして、ここに掲げている個別の内容については、基本的に我々も同意する内容はたくさんございますが、幾つかの大きな問題点がある。この問題点を解決しながら新しい制度を実際上機能させていくとする場合に、現在ある障害者プラン、平成十五年の段階で解決が可能とお考えなのか、それとも、新障害者プランというようなものをもう一つつくり上げて、障害者の社会参加をより促進していく体制をつくらなければいけないとお考えなのか、その点について大臣にお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず最初の養護老人ホームについてのお尋ねでございます。 これは、五島委員も御案内のように、いわゆる低所得者で在宅が難しい方に限られておるわけでございます。したがいまして、現実問題といたしましては、寮母の数も少なく、いわゆる重度のケアは難しいというのが現実でございます。また、そういう中で、率直に申し上げて、委員もこういう視点から御指摘になったと思いますけれども、だんだんニーズが低下しておりまして、この養護老人ホームのあり方そのものも検討しなければならない、私はこう思っておるような次第でございます。 いずれにいたしましても、ある程度自立できる人を対象にしてこのようなホームができ上がっておるわけでございますので、今直ちに、考え方としては十分に私も私なりに理解はできますけれども、現実問題として重度の障害者に対応できるということはなかなか難しいのではないか、こう考えています。 それから、もう一点の障害者プランでございます。 七年度からスタートいたしまして、平成十四年度の目標値を定めておるわけでございます。私どもは、例えば身体障害者の療護施設におきましても、これは達成率が、十年度現在では一〇〇%を超えて一〇二・四%となっておるわけでございますし、また、平成十四年度におきましては二万五千人分を目標にしておるわけでございます。さまざまな見方もあると思いますけれども、まずはこの障害者プランというものを着実に実行に移すことが、障害者の皆様方のさまざまな不安であるとか御期待にこたえることになるのではないか、このように考えているような次第でございます。
○五島委員 この福祉事業に関しても、契約制、民間に任せて問題のない部分と、それから先ほど今田部長が措置の制度も当然残すとおっしゃっておられましたように、政策的福祉事業というものと両面あるだろう。そして、今大臣が言われたように、低所得者に対する問題として養護というものは今当面は残さざるを得ない。 同じように、重度の障害者、あるいは、先ほど申しましたように、御本人は特別養護老人ホームに入る年齢には達していないけれどもその介護者である御両親が後期高齢期になってそれができなくなった、そういう方々に対してはどうするのか。これについては、くしくも今大臣言われたように、養護老人ホームで、現在の自治体の施設の中でやっていくとしても、そのマンパワーではとてもようしないだろう。これは、言いかえれば、民間でも大変そうした問題は排除されるということです。 したがって、こうしたケースについてはやはり政策的な福祉事業として対応が必要だろうし、そうした問題を盛り込んだ新障害者プランというものをぜひ御検討いただきたいというふうに思います。 次に、これもまた大臣にお伺いしますが、この障害者の社会参加を進めるためのバリアフリー、このバリアの解消なしに契約制を導入しても、今言ったような障害その他の問題だけでなく、地方自治体の役割だと言ってみても、どうしても地理的条件による利用の格差というものが生まれてくる。そのことは、結果において利用コストに格差が拡大するだろうというように思います。住宅についてはお伺いしておりますが、そのほか、町全体、社会参加する上においてさまざまあるところのバリアフリーに向けてのインフラ整備についてはどのようにお進めになるおつもりか、お伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 まさに委員が御指摘のように、障害のある方も障害のない方もお互いに助け合い補い合って、ノーマライゼーションの社会を実現するためにも、バリアフリー化の問題というものは大変重要な問題である、こういうことでございます。 さまざまな面におきましてこの問題が関心を呼んで、そして国会の中でもたびたび議論をされまして、着実にバリアフリー化のインフラ整備というものが進められているということは、私は大変喜ばしいことだと思っております。 現在、障害者の方々が、例えばデイサービスや授産施設などの施設へ通所する場合の送迎の費用につきましては、当然のことながら公費負担の対象になっておるわけでございます。 先ほどから委員も大変御懸念のことでございますけれども、選択をして契約をするというような新たな利用制度のもとにおきましても、こうした費用については支援費の支給対象となる費用に含むことにいたしておるわけでございますし、障害者がさまざまな地理的な条件などにかかわらず必要なサービスというものを利用できるように配慮していかなければならないと思っております。 いずれにいたしましても、障害者の自立と社会参加の促進のためのバリアフリー化につきましては、昨日も実は参議院の予算委員会の中でも取り上げられた問題でございます、政府全体として取り組んでおるわけでございますが、厚生省といたしましても、厚生省の立場から当然のことながら積極的にこの問題について取り組んでいく決意でございますし、今回の一つの大きな流れの中でこういったものが置き去りにされないように最善の努力をする決意でございます。
○五島委員 今回の法案に関連して、もう一つ、極めて重要な障害者の雇用の問題について、きょうは長勢労働総括政務次官においでいただいておりますので、お伺いしたいと思います。 障害者の就労を進めるためにどのような方法を今後積極的に進めていくのか、これは非常に重要な問題だろうと思います。 日本と外国とは違いますので、これはあくまで参考にしかならないということは理解した上で、例えばスウェーデンのサムハルという大きな企業がございます、国営の企業でございます。そこでは、一部の健常者を含めまして、各種の障害者がそれぞれ仕事をしておられる。障害者年金と、そこで就労して働いた所得とによって、障害の程度の軽い人は年金は少ないけれども就労によって得られる収入が大きいということで、足すと結果的にスウェーデンの平均賃金の大体八五%ぐらいになるようになっているというお話でございました。 問題は、このサムハルという企業が、あれだけ大きな企業として経営的に成り立っている最大の理由は何なのか。それは、一つはこの障害者の工場に対する業務の発注量が豊富であるということに尽きるわけでございます。我が国の場合も障害者の雇用というものを企業に対して求めているわけではございますが、しかし、どうしても障害者の雇用ができないところ、あるいはしていないところに対しては、ペナルティーとしてお金でもって拠出をさせています。お金でもって拠出させているこの我が国のやり方とは違いまして、スウェーデンの場合は、必要な障害者の雇用に至らない事業所に対して、アウトソーシングとでもいいますか、業務の一部を障害者の作業所あるいは障害者工場に委託させる、そのことによって一種の障害者に対するワークシェアを行う。そして、そこの企業の直接雇用ではないけれども、作業所なり障害者工場において、その就労の場といいますか、業務の量を広げていくというやり方をとっているわけでございます。 直接雇用ということを可能な限り企業に求めていくとしても、それでもどうしても不可能な部分については、それぞれの企業からの業務委託あるいはアウトソーシング、そうしたものを障害者の作業所に対して求めていく、そのことで障害者の就労の場というものを拡大していく、そういうふうなことを整備していくことができないものだろうかというふうに考えているわけでございますが、長勢政務次官は労働行政の専門であると同時に長く厚生委員会でもやってこられた方でございますので、それについてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○長勢政務次官 御指摘のスウェーデンのサムハル社の実情は、御案内のとおりでございます。お話のありましたように、国営、国所有の有限会社ということで法律に基づいて設立され、国から四、五〇%の補助を受けているようでございますが、八百の事業所、二十五社の子会社を持って、従業員の約九割が障害者ということで、受注生産とか各種サービス事業等を行っておるというふうに聞いております。 日本では、障害者の雇用の促進のためには、今お話しの障害者雇用率制度に基づきましてすべての事業主に対しまして一定以上の障害者の雇用を義務づける、雇用納付金制度で担保する、こういう仕掛けでやっておるわけであります。これは、働く希望と能力のある障害者が一般企業の中で健常者とともに働くことができるような社会をつくっていきたい、こういう考え方でございまして、この基本的方向は今後とも堅持をし、また進めていかなければならぬ、このように思っております。 今のお話は、作業所においてもやるべきことがあるのではないかという御指摘で、特に直接雇用できない企業がそういうところにいろいろな仕事を発注を進める努力をしていけばどうかという御指摘でございます。 作業所の運営そのものもいろいろ困難な事情もあるというふうに伺っておるわけでありまして、厚生省におかれましてもそういう運営の確保に御努力をされておると思いますし、労働省でもやるべきことがあれば厚生省とまた相談をしてまいりたいと思いますが、ただ、今御指摘のように業務の一部発注ということは当然あってしかるべきことでございますけれども、特にこれを義務づけるようなことになるとすれば、現在基本的な政策であります雇用率制度、納付金制度との関係をどういうふうにしていくのかということは相当研究しなきゃならぬ問題だと思います。 また、作業所に発注をすればいいという安易な考え方がもしこれから生ずるようなことがあれば、直接雇用するという雰囲気が薄められる、後退するおそれも出るのではないかという心配もありますし、作業所への発注ということが企業の経営上どういう影響を与えるかというようなことも少し考えなきゃならぬのかな。そういう意味で、特に義務づけということになれば、まだまだ慎重に考えなきゃならぬ問題があると思いますが、発注をできるだけ促進するというようなことで考える部分があれば今後研究していきたい、このように思います。
○五島委員 ありがとうございます。 問題は、一般企業の中で障害者の就労をふやしていくことが大事でございますが、どうしてもその場合には軽度の障害者に偏って、中等以上の障害者に対する就労という形での社会参加の場というものは非常に困難になってくる。そういう意味からいいますと、やはり障害者施設、特に作業所等に対する業務の一定の発注、とりわけ障害者雇用の要請に応じ切れていない企業に対して求めていくということを具体的に御検討いただきたい。そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○江口委員長 山本孝史君。
○山本(孝)委員 山本でございます。 何点か質問をさせていただきたいと思います。若干順番が入れかわりまして、申しわけありません。 まず最初に、今回の改正に当たっての考え方ということですが、端的に御質問申し上げれば、福祉サービスの基本的理念ということについて御説明をいただきたいというふうに思います。 新しい社会福祉法の第三条、「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、」というふうになっているわけですけれども、この個人の尊厳の保持を旨とするとはどのようなことを意味しておられるのか、また、その文言が今度の改正案にどのような形で反映をされているのか、その点をまずお聞きをしたいと思います。
○炭谷政府参考人 私ども、第三条で用いております「個人の尊厳の保持」の趣旨でございますけれども、この趣旨は、世界の人権の歴史の中で形成されてまいったものだろうと思います。同じような表現は国際人権規約に書かれておりますし、また日本国憲法の人権の基本に流れている考えだろうというふうに思っております。また、世界の福祉の考え方を見ましても、この個人の尊厳というものが基礎になっておるのではないだろうかと思っております。 あえてその意味を私なりに理解いたしますと、一人の人間として尊重されるということではないのかなというふうに思っております。この趣旨が第三条に書かれているわけでございますが、これは、個人の選択が認められておらない現在の措置制度のもとでは、個人の尊厳という観点から考えますといかがかなというようなところがございます。 そこで、今回の改正では、利用者がサービスをみずから選択して利用できる制度にするところに個人の尊厳が最大限に尊重されるところもございますし、利用者の利益を保護する仕組みとして地域福祉権利擁護制度とか苦情解決制度というものもこの理念を具体化したものでございますし、一方、福祉サービスの提供に当たっての配慮事項、また質の評価の場合においても、その基準になるのがこの個人の尊厳ということではないだろうかという形で具体化しているわけでございます。
○山本(孝)委員 個人の尊厳の保持とは、そのまま人権の重視である、あるいはそれは憲法の底流にもなっている考え方である、今回、措置というところでは個人の尊厳はなくて、契約にすることで個人は選択できるのだからその尊厳がある、こういう御答弁なんですね。 恐れ入りますが、大臣にお伺いします。質問は二つです。 今現在、日本の社会福祉各法律が行われている中で、個人の尊厳の保持は保障されているのか、あるいは保障されていないのか、この現状をどうお考えになっておられるのか。そして、今御答弁にあったように、措置制度から契約制度に変わることで個人の尊厳の保持という福祉サービスの基本的理念は実現できるというふうにお考えなのか。この二点についてお考えをお聞かせください。
○丹羽国務大臣 今回の法改正の大きな目的の一つになると思いますけれども、先ほどの土肥委員の御質問に対しましても答弁をさせていただいたわけでございますけれども、これまで社会保障におきます給付サービスというのは、どちらかといいますと限られた特定の人にあったわけでございます。そういう中において、措置制度というのは行政措置でございまして、あくまでも行政の方から特定の人々に対して給付サービスを施すというような発想がなきにしもあらず、こういったようなことがあったのではないか、こう考えているような次第でございます。 それから、今回、この四月から実施をいたしております介護保険制度を追認した形にもなるわけでございますけれども、これからは利用者が選択をしてみずからの意思によって契約をする、こういうような方向を求めていくということでございます。 そういう過程において、先ほど来御質問がございますさまざまな問題が、まだまだ私どもが十分にクリアをしなければならない問題、配慮しなければならない問題がありますけれども、今回の法改正を通じて、そしてこの四月からスタートしております介護保険制度、こういうさまざまな動きの中において、もちろんのことながら、住民のニーズあるいは社会の環境の変化に伴うものでございますけれども、私は、個人の権利の擁護といいますかこういった問題というものは、私どもが社会生活を営む上において、社会保障全般の中において確実に着実に推進されている、こういうふうに考えているような次第でございます。
○山本(孝)委員 憲法の規定を申し上げるまでもなく基本的人権は尊重されなければならないとなっていて、それが措置制度をとっていたがために実は実現していなかったのだ、今大臣の御答弁なり厚生省の御答弁を聞いていると、そういう流れになるのですね。措置制度であったがゆえに個人の尊厳の保持はできなかったのだ、だから、契約制度に変えればそこは個人の尊厳が保持される、こういう答弁の流れに聞こえるわけですが、違いますか。
○丹羽国務大臣 私は、そうは申し上げておりません。必ずしもとかというように申し上げておるわけでございます。 基本的に、措置制度の中においても当然のことながらそれぞれの個人の人権であるとか権利であるとか、こういうものは尊重して行われてきているわけでございますが、どちらかと申しますと、例えば老人ホームなんかに入っている場合、これまで入居している中には、言いたくても言えないんだ、私どもは、例えば特別養護——すべての方がそうとは申しませんけれども、老人ホームに入れていただいているのだというような意識があって言いたいことも言えない、こういうようなことがなきにしもあらずだ。 私どもは、先ほどから申し上げましたように、社会の環境の変化とともに、さらに、新しい社会事業法の中で、社会福祉の改正の中において、こういったものを強めていくということが何よりも求められていることではないか、こういう認識でございますし、措置制度のもとにおいてそういったものがすべて守られているというようなところに立つものではございません。
○山本(孝)委員 これは介護保険のときも議論になりました。今高齢者のことをおっしゃいましたけれども、高齢者に対する介護サービスが措置制度から契約制度に変わることで、従来の高齢者の人権が損なわれてきたところがなくなるのだというお話ですが、そうではないのです。 もともと、措置制度であろうが契約制度であろうが、人権を守るなり個人の尊厳を保持するということは、それなりの手だてが講じられていないと実現しないことであって、これは措置だから施しであったので、したがって、個人の尊厳は守られなかったのだという説明は全く説明にならない。従来やってきたことを、きっちりと検証していないということだと私は思うのですね。 今、選択制になったからあるいは高齢者も言いたいことが言えないから大変に厳しい立場に置かれているのだとおっしゃいましたけれども、言いたいことが言えない状態は、介護保険制度という形で措置から契約制度に変わっても何ら状況は変わっていません。なぜか。それは、サービスの量が少ないからです。サービスの量が少ない中では、絶対に権利を主張することはできません。要らないことを言えばそこから追い出されてしまうという思いは、常に入居者の側は持っています。 したがって、この話は契約であろうが措置であろうが、そういった制度の変更にはかかわりのない話だと私は理解しています。そう思われませんか。
○丹羽国務大臣 四月から変わったからといって、すぐにくるっと変わるようなものではないことは、委員も十分に御理解いただけると思います。 しかし、今回の社会事業法の中においてこういった理念を高く掲げることによってこうした流れの中に進んでいくのではないか、私はこう思っているような次第でございますし、また、そういうふうにしていかなければならない。これが、何よりも今回の法改正の目的でございます。 確かに、例えば措置制度のもとにおいては、なかなか言い出しにくい面があるのではないか、そういうような面があったことも事実でございます。現に、まだまだ代理受領であるとかさまざまな形はございますけれども、基本的には、今度の改正によりまして例えば施設にお金が行くのではなくてあくまでも利用者である個人に行くのだ、こういうような形によって個人の権利というものがより守られる方向に流れていく、私はこのように考えているような次第でございます。
○山本(孝)委員 大変青臭い議論をしているように聞こえるかもしれませんけれども、ここは、措置制度から契約制度というか今回の法律をつくられたときの現状の認識と、今後どういう社会保障、社会福祉制度を日本の社会の中に構築していこうかというときの基本的な考え方の部分だと思うのですね。 何回も申し上げているように、措置制度であったから施しになっていたのだというのは、それは措置制度というか日本の社会保障制度、福祉制度の中に施しという理念をずっと持ってこられたからであって、基本的にそれが間違いであったのだという認識の上に立たないと、これからの制度はよくなっていかないと私は思う。そういう目で見て、今度の法律は書かれているのだろうか。そうでもないような気がところどころするわけですね。 例えば同じ法律の中の第四条「地域福祉の推進」というところで、「福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならない。」こうなっています。与えられるようにという表現は、私が個人的にひっかかるのかもしれませんけれども、これは明らかに施しをする、与えられるというのは上から下にという意味合いの表現にしかとれないわけですね。 先ほど大臣がおっしゃったように、行政の措置というのは施しである、そのことが間違いであったと。そうではない、個人の尊厳あるいは個人の人権、自立を、それぞれ一人一人を見ていくのだということを考えたときに、これは言葉の上でのひっかかりを持っている私が心が狭いのかもしれませんけれども、「機会が与えられるように、」と書かれますと、基本的な理念でおっしゃった、個人の尊厳の保持を旨とするというところと話は必ずしも一致しないのではないか。そんなふうに思うのは、私の心が狭いのでしょうか。
○炭谷政府参考人 第四条におきまして「機会が与えられる」というような表現を使われておりますのは、現行の障害者基本法の基本的な理念とか身体障害者福祉法などの規定ぶりを参考にしたものでございます。 その意味するところは、障害者の方々などが、障害のない方々と同様、あらゆる活動に参加する機会を均等に有するという趣旨をあらわしたものでございます。
○山本(孝)委員 機会を均等にするというのであれば、例えば、あらゆる分野の活動に参加する機会が保障されるとか、機会が均等でなければならないとか、機会が得られるようにとかという書き方があると思うんですね。確かに、改正前の法律の「基本理念」のところでは、今回も使われているように「参加する機会を与えられるとともに、」と書いてあります。 今御説明のとおり、旧法のその条項をそのまま使ったんだということですけれども、これだけ抜本的な法律改正をするときに、基本理念のところに「個人の尊厳の保持を旨とし、」というふうに入れ込んだのに、なぜ昔の法律の文章をそのまま使う形になってしまうのか、そういうチェックの目は働いていないんでしょうかと私は思います。(大野(由)政務次官「旧法は措置法です」と呼ぶ)そうです。旧法は措置法ですから、旧法の措置法の部分の表現をそのまま持ってきたのでは、前の精神はそのまま残ってしまうじゃないですか。 だから、私は、言葉じりをとらえるようで恐縮ですが、そういったところにこの理念はしっかりと反映されているのだろうかと思うわけです。今の御答弁だと、参加の機会は均等に保障するとおっしゃいましたので。 私も、二十一世紀の日本社会はバリアフリー社会という形で、単に工学上の問題、建設上の問題じゃなくて、社会の制度やさまざまなところで今障壁、障害が高くありますから、とりわけ障害者の方たちあるいは弱い立場の方たちに対して、そういう参加の機会を均等に保障していくための制度の見直しをすべきだと思いますけれども、この「与えられる」という言葉が私はひっかかりを持ちます。ぜひ、こういう大改正をされる折ですので、もう一度見直せるところは見直していただきたいなと思います。 次の質問に移りたいと思います。 今の御説明を聞いておりまして、行政の措置が施しであるから措置はだめなんだということで契約制度に変えるんだというふうにおっしゃいましたので、であるならば、なぜ児童の部分については契約ではなく措置の制度が残るんでしょうか。大臣、なぜここは残ってしまうのでしょうか。
○真野政府参考人 私どもも、今回の構造改革、先ほど社会・援護局長から答弁しましたような観点で児童福祉法によります各施設の入所方式につきましても見直しを行いました。ただ、成人と異なりまして、未成熟な児童ということでございます。また、児童福祉法にも、国や地方公共団体も保護者とともに健全育成の責任を有するというようなこともございまして、それぞれの施設の機能、現状を踏まえまして検討を行ったところでございます。 その結果、助産施設、母子生活支援施設については行政との契約方式に移行をいたしますが、残ります児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設、乳児院、それから児童養護施設、この四施設につきましては、親の死亡や養育放棄など親権者が存在しない場合がある、また、親権者が存在いたしましても、逆に児童虐待を行っているとか施設入所に反対をする、いわば親権者の意見と児童の利益が必ずしも一致しない、場合によっては相反するというようなケースがある、そういう場合に親権者に契約という形でお任せをすることが本当に児童の保護にとっていいのかということでございまして、そういう意味で行政が児童の保護に当たるという現行の措置制度を残すことにしたわけでございます。
○山本(孝)委員 児童家庭局長とは、ずっと児童虐待の問題で、何とか対応せよ、法律をつくろうという我々と、いや、必要ないという立場のあなたとの間で随分もめているわけですけれども、ここの部分も、児童の権利を守るために措置で行政が出ていくんだということですけれども、私は、基本的に、児童の権利を守る立場になる人、アドボカシーをちゃんと持っている人がだれになるのかということが一番重要なんじゃないかと思うんですね。 そのときに行政の措置ということも今御答弁の中にありますけれども、先進国の例を見ていましても、きっちりと裁判所が後見人を定めていたり、あるいは児童相談所なりソーシャルワーカーなりがしっかりと子供の立場に立って権利を擁護するということで行動していますので、その人たちが本来はきっちりとサービスを選択し、契約をしていくという形であってもいいのではないかと思うわけです。 そういう意味で、措置から契約にというふうに大上段に振りかざしておきながら、ある一定の部分だけ措置制度が残る、それは、あたかも児童にその能力がないというようなことで残るというのは、全体の整合性を欠いているのではないかなと私は思うので、そこもぜひ検討していただきたいというふうに思います。 いずれにしても、言いたいことも言えないというふうにおっしゃいましたけれども、サービスの質の問題というのは大変に大きな問題で、施設内にいる利用者が苦情を申し立てることができないというのは、あの千葉の恩寵園のケースにありますように、全くそのとおりですね。各地の障害者施設あるいは知的障害者の施設では、外に出てきませんけれども、人権侵害事犯がいっぱい起こっている。 そういうことを考えますと、どうやってその中に入っていってサービスを評価して、現状を変えていく形にするのか。それが単に措置制度から選択制度になれば、今言っているような問題がすべて解決すると私には全く思えないので、そういった手だてを講じていただきたい。 それで問題は、私は、職員数の少ない中でサービスを提供していたり、あるいは大変に古い施設設置基準の中でサービスが提供されている中で、そうした人権侵犯も起こるんじゃないかと思うわけですね。そういう意味で、大臣、今回法律がこれだけ大きく変わりながら、職員の配置基準あるいは施設の最低基準の部分は手つかずで残っておりまして、それは現状のサービス水準をそのままにしていくことにしかならないと思う。こういった人員配置基準あるいは施設の設置基準を今後大幅に見直しをしていくおつもりはないのかどうか、ぜひそこをお聞かせいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 当然のことながら、私どもは、こういった高い理念を掲げて利用者の権利というものを擁護する立場に立つわけでございます。こういった問題につきましては、さまざまな問題があると思いますけれども、当然、私どもは今後の検討課題にさせていただきたいと思っております。
○山本(孝)委員 検討課題というのは何もしないということと同じように聞こえますので、実際に検討して、その結果をまたこの国会の中にお示しをしていただきたいというふうに思います。 時間が短いので、済みません、淡々とお聞きしますのでお答えをいただければと思いますが、先般名古屋で起こりました五千万円の恐喝事件、あるいはその前後の事件を見ておりまして、子供が犠牲になるケースを見ておりますと、学校の先生、児童相談所あるいは警察、それぞれに何が起こっているか知っていながら適切な措置を講じていないと私は思います。とりわけ児童相談所の顔が全く見えないというのは、どういうことなんだろうと思うわけですね。 今度も児童相談所に通報するというか、児童相談所という言葉がこの法律改正の中にたくさん出てきますけれども、そういう意味では児童相談所はどうかなと思うんですが、それはまた別の機会にさせていただくとして、あの五千万円の恐喝事件で結局あの子が救われたのは、病院に入ったときに、同じ入院患者さんたちがこの子おかしいんじゃないということでいろいろと状況を聞いてあげて、ようやく事件が表に出てきたわけですね。 そういう意味で考えますと、私は、病院という大変弱い立場にいる人たちのいるところには、治療する、キュアをするだけじゃなくて、やはりケアをする人たちも同時に配置していくべきじゃないか、そういう意味で、メディカルソーシャルワーカーという立場の人たちもおられますけれども、こうした専門職をぜひ配置していくべきではないかと思っているのですけれども、その点についてどういう取り組みをしていただけますでしょうか。
○篠崎政府参考人 今先生御指摘のMSWのことでございますが、御案内のとおりでございますけれども、我が国の医療ソーシャルワーカー、MSWというのは、戦後GHQの方から紹介された職種でございまして、当初保健所において配置をされておりましたが、その後医療機関においても配置されるようになりまして、現在は、一般病院等で五千六百人ほどが職場で働いておられるという調査がございます。そして、患者の抱える経済的あるいは心理的、社会的問題の解決などで活躍をしているということはよく承知をいたしております。 したがいまして、病院の実情あるいは規模等に応じまして、医療ソーシャルワーカー等を病院に配置することは必要なことであるというふうには考えております。
○山本(孝)委員 GHQ云々で押しつけられたかのような感じがしますが、いい制度はいい制度としてぜひ広めていっていただきたいと思うのです。これは資格化ということは別にして、別にしてというか、これは議論があることは知っておりますけれども、病院の中にそうした福祉職の人たちを配置していくという考え方について厚生省は賛成するのか。どうなんですか。
○篠崎政府参考人 今申し上げましたように、病院におきまして、医療チームの一員としてその職種が必要であるという認識は持っておりまして、病院の実情等に応じてそういう職種を配置することは必要なことであるというふうに考えております。
○山本(孝)委員 質問通告がないので申しわけない。もう一点。 今度、篠崎さんのところのお答えになるのかどうか知りませんが、いわゆる俸給表の中で福祉職の俸給表をつくったわけですね。今、国立の施設ではこの福祉職俸給表を使っているわけですけれども、あれは地方自治体等々でも福祉にかかわっている方たちは今後福祉職の俸給表を使っていくという理解をしてよろしいですか。
○炭谷政府参考人 福祉職俸給表につきましては、国につきましてはことしの一月から導入されております。そして、四月からは地方自治体でそれぞれ条例をつくりまして、順次地方の実情に応じて導入が図られつつあるというふうに承知しております。
○山本(孝)委員 今回の改正の中にありますが、これも質問通告がなくてごめんなさい、児童委員あるいは民生委員の位置づけが明確になってきているわけですが、これはどちらの法律の中にも、「児童委員は、児童及び妊産婦につき、その生活及び取り巻く環境の状況を適切に把握し、」とありますし、民生委員の職務の一は、「住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。」こういうふうになっているわけですけれども、それはそれとして、この方策ですね、適切に把握する手だてなりあるいはそのための方法なりを明示されるのかどうか、この辺はどういう整理をされておられますか。
○炭谷政府参考人 民生委員、児童委員が地域の実情に精通する手だてにつきましては、それぞれ一種の経験的もしくはこれまでの先輩方の、民生委員の活動の事例を学ぶというようなところで研修を行って技術なり能力を磨いていくという形で努力をしていくということになろうかと思います。
○山本(孝)委員 今、民生委員、児童委員を兼任されておられる方たちが多くて、今度は兼任でない方がいいということになるわけですね。名誉職じゃなくて、しかも給料は出さない、こうなるわけで、市町村なりがどういう形でその民生委員なり児童委員の活動を支援するのか。これは大臣に後でお伺いをしたいのですが、コミュニティーで人のつながりが非常に薄くなってきている中で、この民生委員、児童委員の活動を市町村がどうサポートして、「適切に把握しておくこと。」と言われているお仕事をなし遂げていくことになっていくのか。そこはどういう考え方の整理でしょうか。
○炭谷政府参考人 現在、民生委員、児童委員の方は全国で二十一万人余りいらっしゃいまして、いわば第一線の、一番きめの細かい公的な組織と言ってもいいのじゃないのかなというふうに私どもは思っております。それに対する市町村のバックアップでございますが、一つは民生委員、児童委員に対する研修を行うということ、これはかなり頻繁にやっております。二番目には、民生委員さんが必要としているようないろいろな情報、新しい情報を逐次提供するというようなところでバックアップをいたしております。
○山本(孝)委員 情報の提供とおっしゃったのですが、そうすると、市町村の側は福祉サービスを提供している、あるいはさまざまなルートで、個々の人たちの生活ぶり、お一人で生活しておられる高齢者であったり、障害者がおられたりというような情報を各民生委員なり児童委員に提供するということですか。
○炭谷政府参考人 この点でただいま私が申しましたのは、いわば一般的な情報、例えば今回の法律がこういうふうに変わりましたとか、介護保険制度がこうなりましたというような情報については全国どこでもやっているだろうと思っております。しかし、ただいま先生が指摘されましたような各個別の援護を必要とするような人の情報というものにつきましては、必ずしも全市町村、そのようにやっているところはむしろそう多くないのではないのかなというふうに思います。 ただ、中には、民生委員さんみずからが、このような援護を必要とする人を一人も漏らさないでいこうというような覚悟で市町村単位の民生委員協議会が取り組んでいるというような、非常に立派な、また活発な活動をされているところもございますが、市町村からこのような情報が行くというのは割合少ないだろう。むしろこれから市町村と民生委員さんとの活動の連携ということが重要になってまいりますので、先生のおっしゃられたこともこれからの非常に重要な検討課題になろうかというふうに思います。
○山本(孝)委員 そこで大臣にお伺いしたいのですが、地域福祉を推進していこうということでいっていまして、今その地域福祉を推進するための一つの方策が社協であったり、あるいは今御答弁にあるような民生委員、児童委員の活動に期待するということなんだと思いますけれども、地域福祉を進めていくときの地域をもう一遍まとめていくといいましょうか、受け皿をつくっていく方策としてどんなことがあり得ると大臣はお考えになりますか。
○丹羽国務大臣 地域福祉というのは、今回の介護保険制度導入に当たりまして、改めてこれはそれぞれの市町村の地方分権の試金石でもあり、それぞれの自治体の姿勢、取り組み、情熱、こういうものによるところが現実問題として非常に大きいのではないか、こう思っておるような次第でございます。 と申しますのは、委員も御指摘のように、市町村によって、こういった地域福祉に対して非常に熱心に取り組んでいらっしゃるところと、どちらかというと、こういう言葉が適当かどうかわかりませんけれども、余り関心のないところということで、非常に開きがあることも紛れもない事実でございます。 現実問題としては、やはり住民の間からこういうような問題が起きてきて、地域をみんなで支え合っていくんだ、でないとこれからの時代は真の意味できめの細かな福祉の充実はできないんだということを十分に御理解いただかなければならないわけでございます。 現実問題として、私どもは今回の介護保険制度の導入を通じまして痛感をいたしましたことは、その地域におけるリーダーなり首長さんなり、こういった方々の福祉にかける情熱というものが大変大きいということは紛れもない事実でありまして、それに呼応して、例えば、今申し上げているような児童委員であるとか民生委員の活発な連携であるとか、さまざまなネットワークなんかをつくっているところを私も存じております。 そういう中において、例えば宇都宮事件にあったような問題も、そういうことがないように例えば岩手県の宮古などではそういうものも実際やっておるわけでございます。要するに、例えばガスのメーターがとまっているかどうか点検して調べるとか、そういうようなさまざまな工夫というものがこれからの地域福祉の中には生まれてくるのではないか、こう思っておるわけでございます。実際問題として、私は、ある程度そういう先進的な取り組みをしているところが引っ張っていくということが全体的な底上げにつながっていくのではないか、このように考えているような次第でございます。 いずれにいたしましても、先ほど委員が御指摘になった虐待の問題であるとか、そういったさまざまな問題、だんだん都市化が進み、核家族化が進み、隣のうちは何をしているかわからない、こういう中において、やはりお互いに地域コミュニティーと申しますか、こういうものを通じまして連携をとりながら地域福祉の向上を図っていくことが望ましい姿ではないか、このように私は考えているような次第でございます。 〔委員長退席、安倍(晋)委員長代理着席〕
○山本(孝)委員 先進的な地域のモデルを示すということをおっしゃいました。厚生白書の中でも、この介護保険の導入に当たって、鳥取県の西伯町であったり、あるいは秋田の鷹巣であったり、さまざまないわゆる福祉先進自治体と呼ばれているところの御紹介をされて、それがほかの自治体への刺激になっているのだろうと思います。 これは時間がありませんのでお願いですけれども、今度市町村の地域福祉計画をつくることになっていますけれども、市町村の努力義務になっていて義務規定にはなっておりません。したがって、今、障害者の福祉計画が市町村段階で策定されているのはまだ半分だと思います。努力規定の限りにおいては、各自治体がこういった福祉計画を策定するというのは、大臣がおっしゃったようにそれは能力がないのかあるいは怠けているのか私にはわかりませんけれども、なかなか計画はつくられないのですね。 それで、今度市町村の福祉計画をつくる中で、従来ありますエンゼルプランにしてもあるいは高齢者介護事業計画にしても、今回のこうした障害者福祉計画にしても、全部一つに統合したような形で市町村福祉計画をつくることになるんだと思いますけれども、それはやらない市町村にとっては何もないという形になってしまうと思うので、モデルを示してつくらせるというのであれば、やはりモデルとなるような自治体をできるだけたくさんつくって、当初のところでは作成のための事業費の補助をしながらでもこういう形でつくっていけという形のものをつくらないと、なかなか計画はつくられないのではないかと思います。そういう意味で、モデルの提示と、早くそのモデルを提示できるような形で先行して計画をつくっていけるようにしていただきたいと思います。 それから、二、三詰めておきたい部分がありますので、お伺いします。 施設の転用等々の問題ですけれども、私の地元なんかでも、公営住宅でグループホームができないだろうかという声があるわけですね。それは障害者にも使えるのだろうか、あるいは、今度新しくできました特定非営利活動法人等々がこうした住宅を使ってその地域の高齢者あるいは障害者のためのサービスの提供ができないだろうかという声があるわけですけれども、こういった要望についてはどのように御対応いただいているのでしょうか。
○今田政府参考人 まず、公営住宅をグループホームに利用できるかという点でありますが、平成八年度の公営住宅法の改正によりまして、知的障害者のグループホームとして使用ができることになりました。現在、四十カ所の公営住宅が知的障害者のグループホームに利用されております。 それから、いわゆるNPOのことでありますが、このグループホームにつきましては、都道府県知事が必要と判断されればNPOであってもグループホームの事業を行うことはできます。
○山本(孝)委員 それからもう一点。今回、社会福祉法人の認可基準という形で、これは通所とホームヘルプのサービスを提供する場合に、従来は一億円ほど要ると言われていたものが一千万円でもいいという形で設置基準が大幅に引き下げられるわけですけれども、こういうことになった経過の中で、他の公益法人、民法三十四条にあるところの公益法人の法人格の付与という問題と、一千万円で社会福祉法人格がとれるということとの調整はどのようにされたのか、お伺いをしたいと思います。
○炭谷政府参考人 今回一億円から一千万円に引き下げる予定でございますが、小規模通所授産施設とホームヘルプ事業につきましては、それぞれの事業の特性、また、これまでの事業の実績を勘案して、この引き下げという点を考えているわけでございます。したがいまして、他の公益法人とは、その法人の趣旨とか目的がそれぞれあるわけでございますから、直ちに比較することは難しいのではないのかなというふうに思っております。 今回の引き下げは、それぞれの施設の特性というものを勘案いたしまして考えていることでございます。
○山本(孝)委員 同じ社会福祉法人でもいろいろな社会福祉法人としての事業の提供があると思いますが、その中で、この小規模の授産施設とホームヘルプ事業についてのみ一千万円にしたというのは何ですか。
○炭谷政府参考人 なぜ社会福祉法人に基本財産としての資金を要求しているかということになりますと、やはり社会福祉事業として安定的に行うことの必要な資産、これは、安定性、継続性、また社会的な信用力というようなところからおのずとそれぞれの額が決まってくるものだろうというふうに考えております。 このように考えた場合、小規模通所授産施設、またホームヘルプ事業というのは、どちらかといえば小規模で地域に密着したきめの細かいサービスを展開されているというようなことから、比較的、相対的に小規模な資産でも支障はないというようなところで考えているわけでございます。
○山本(孝)委員 質問時間が短くなってしまったので、まずは、大蔵省に来ていただいているのでお伺いしますが、この一千万円で認可された社会福祉法人は、いわゆる特定公益増進法人としての寄附の恩典を受けることができるというふうに理解をしてよろしいですか。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。 社会福祉法人につきましては、現在の社会福祉事業法におきまして、社会福祉という一般的に公益性が高いと認識されている事業を営むことを目的として設立される法人であること、また、適正な運営を確保する観点から、法律上、設立、管理及び監督に関しまして民法法人と比べましてより厳格な内容の規定が設けられていますことから、公益の増進に著しく寄与する法人、いわゆる特定公益増進法人とされているところでございます。 今回の社会福祉事業法の改正がなされた後も、社会福祉法人につきましては、今申し上げましたような法律上の位置づけに変更がなく、また、社会福祉事業の性質にも基本的に変更がございませんことから、今回の改正に伴いまして、社会福祉事業の実態等を見きわめる必要はあろうかと思いますけれども、基本的には、引き続きいわゆる特定公益増進法人として取り扱われることになるものと認識しております。
○山本(孝)委員 したがって、この設立要件としての資産条件が大幅に緩和される中で、しかし、これは社会福祉法人であるので、そういうことを考えれば税法上は同じ扱いになるというお答えだと思います。 今回の社会福祉法人のあり方を考えたとき、今いみじくも一般の公益法人よりも厳格で基準はしっかり守られているとおっしゃったわけですけれども、今回の社会福祉法人の改正のきっかけになっているのは、彩グループの社会福祉法人、福祉はもうかるんだという話があって、その後行政監察が入ったりしてずっとある中で今回の改正につながっていっていると私は理解をしているんですね。 そういったときに、基本的に、社会福祉法人のあり方というものが、今、会計基準を厳しくされたりあるいは監査をされたりということでしておられますけれども、そういう方策だけではないのではないかと思うわけです。こうやって社会福祉法人の設置の基準がどんどん緩和されていく、いろいろな団体が出てくる、そういう中で、やはりもう一度全体的な見直しが必要で、とりわけ、時間になりますのであと御意見だけ申し上げますけれども、今やるべきことは、情報公開だとか社会福祉法人が提供しているサービスの評価システムをしっかりとつくることであって、その設置基準を緩めていくことは私は歓迎ですけれども、会計基準だとか監査をきつくするとかということだけの話ではないのではないかと思うわけです。 先般も、こういった関係の方とお話ししていて、まずやるべきは、例えばレストラン等々で一番重要なのは味であってそこの材料費が幾らであるかという話ではない、すなわち、サービスのチェックが一番重要であって、そこの中の会計基準云々という話ではないんじゃないかという御指摘があって、全くそのとおりだと私は思います。 そういう意味で、社会福祉法人のあり方、今回できました特定非営利活動法人との整合性の問題、あるいは全体の公益法人、三十四条法人との絡みの問題、その中で、寄附金のあり方あるいは会計基準のあり方、そして、もともとの社会福祉法人、社会福祉事業のサービスの評価システムをどうつくるのかというところが、今回のこの法律の中では抜けていると私は思います。 外だけつくったけれども、中のチェックはできていない。そういう意味で、まだまだ議論を、この短い時間ですのでできませんけれども、私は、この法律を見て、一歩前進だけれども肝心なところは抜けているなというふうに思いました。引き続きまた議論できるときがあれば質問させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○安倍(晋)委員長代理 瀬古由起子さん。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。 最初に、憲法二十五条、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定しております。社会福祉事業法の基本理念は、この憲法規定を踏まえて国や自治体が公的に社会事業を実施する責任を明らかにしています。 ところが、今回の提案は、この法律の一番重要な理念を地域住民や営利を目的とする企業も含めた民間事業の実施に置きかえ、公的責任に伴って措置費を負担し福祉の権利を保障してきたものを契約によるサービスに変えて、福祉分野における公的責任を大幅に後退させてしまっております。 大臣、この改正は、憲法の一番大切な精神を抜き去り、長い間関係者によって積み上げられてきました福祉分野の関係者の努力を水の泡にする、冷水を浴びせるものになってしまうんじゃないかという不安がありますけれども、その点、いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 今回の法改正でございますけれども、先ほど来申し上げておるわけでございますが、国、地方自治体が福祉サービス提供の確保を図る、それから、福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策を行わなければならない、こういうような責務が明らかになっているところでございまして、まさに委員の御指摘のような、憲法第二十五条の生存権の精神を踏まえたものであるわけでございます。 委員は、いわゆる措置制度のもとにおいて国が果たすべき役割を放棄するものではないか、こういうような御指摘があったように思います。 私は先ほど来申し上げておりますように、時代の変遷とともに、もし国あるいは地方自治体が福祉サービスを行う場合にはどうしても画一的なものになるわけでございますけれども、そうじゃなくて、私どもは公的なサービスの果たすべき役割をどこに求めていけるものか、そして、それだけではおのずと限界があるとかそれぞれの選択にゆだねたいとかという意味にあって、むしろ今回こういうような高い理念のもとに福祉サービスを充実する方向に持っていくべきであって、どうもお話を聞いておりますと、大きな政府を常に求めて、ややもすると何かこれまでのような国や地方自治体にすべてをやっていただくというお考え方に立脚するような感じがしないでもないわけでございますが、そういう時代ではなくなってきているんじゃないか。 現に、少子高齢化社会を迎えまして、今後社会保障給付のサービスというものを確保していくためには、当然のことながら、負担と給付の関係の問題であるとか財源の問題であるとか、こういうことを含めて総合的にどう考えていくべきか。 そういう中において、私どもは、先ほども申し上げましたけれども、例えば障害者の部分においても残すべきものは残すし、あるいは判断ができない方々に対しましては措置制度の部分も残す、こういうようなことでありまして、今回の法改正を通じまして、よりよい、新しい、二十一世紀に向けて利用者の権利というものを保障した改正である、このように確信をいたしておるような次第でございます。
○瀬古委員 本当に利用者の権利が守られるような、より福祉が充実する方向でこの法案が提案されているのかどうか。今言われましたように、本当に選択ができ、憲法の精神が生かされるような内容になっているのかどうか、私は具体的な事例で見てみたいと思うんです。 きょうは、炭谷社会・援護局長に来ていただいているんですが、局長にお伺いします。 あなたは「ノーマライゼーション」九九年五月号でこのように書いています。「利用者の選択の確保を実効あらしめるためには、サービスの量を増やすことが不可欠です。」こういうふうに言っておられますが、この立場は今も変わっていませんでしょうか。
○炭谷政府参考人 確かに、このたび、措置制度から利用制度へと変更するということを現在御提案しているわけでございますが、その前提となるのは、特に障害者の場合は施設、サービスによってはいまだ不十分な施設やサービスがございます、そういうものもあわせて充実していくということは当然必要であろうというふうに考えております。
○瀬古委員 選択する場合でも、障害者にとって地域の中で自立するために必要なのは、何といっても施設の拡充が不可欠になってくると思います。 そこで厚生省に伺いますけれども、身体障害者の更生施設、療護施設、授産施設、知的障害者の更生施設、授産施設、通勤寮の待機者というのは一体どれぐらいになっておりますでしょうか。
○今田政府参考人 必要な施設整備については、各都道府県がそれぞれの地域の実情に照らして計画を策定し実施をされているということから、国として待機者の現状について把握はいたしておりません。 ただ、障害者プランの作成に当たりましては、今後の目標値の設定という観点から、当時の待機者数あるいは新たに生ずるニーズを見込んで目標数を設定した次第でございます。
○瀬古委員 これから福祉サービスは障害者にとって充実する方向でいくというのに、一体それぞれの施設における待機者は現在どれだけかというのは、それぞれの都道府県任せなんですか。なぜ国がそれをつかめないんですか。
○今田政府参考人 それぞれの都道府県が必要な施設整備について年次計画を持って、私どものところに計画書が参るわけでありますので、当然それに含まれているものというふうに理解をいたしているために、私どもとしては、直接それぞれの個々の待機者数を把握するということはいたしておりません。
○瀬古委員 それぞれの都道府県が、一体どれだけ待機者が今いるのかということをつかんでこそ、では今の障害者プランはこれでいいのかということを国だって考えるわけでしょう。そういうことが全然なしに、さあ、施設やサービスをどうするか、これから充実しますよなんて言ったって、もう待機者が山ほどいるのに、実際にはサービスの充実のしようがない、選択のしようがないような状況だということだってあり得るわけでしょう。それを全然国がつかまないで都道府県任せ、こんな無責任なことはないと思うんですよね。実際に待機者なんか調査するほどのこともないぐらいいっぱい施設があるのならともかく、そんなことはないですよ。 今言われたお話で、厚生省としても、例えば障害者プランをつくる際に一定の施設の整備目標を決めるときに待機者などは若干想定してつくっておられるんですね。 私、これを見せていただいてびっくりしたんですよ。なぜかというと、「障害者プランの施設整備目標設定の考え方」の中に出ていますけれども、本当にずさんなんです。身体障害者の療護施設の待機者は平成三年に四千三百人、これをもとにしてつくる。身体障害者の通所授産施設は平成七年度で四千六百人。三年度と七年度と全然基準が違うのを一緒くたにして、年度もまちまち。それから、知的障害者の通所授産施設、知的障害者の更生施設は、待機者と需要見込みを合わせた全くの大ざっぱな推計で組み立てられております。 私が住んでおります名古屋市で調べてみますと、身体障害者の療護施設で七十三人、知的障害者更生施設で二百四人、知的障害者の授産施設で二百二十四人、はっきり言ってかなりの数の障害者が待機されているわけですね。 厚生省だってその気になれば調べることができるんだけれども、全然調査されないまま放置されているのか、待機者がどれだけいるのか調べたくないというのか、その点、待機者がどうなっているのかというのは調べられないんでしょうか。大臣、いかがですか。大臣、わかりますか。なぜ待機者を調べないのか。
○今田政府参考人 現在、先ほども申し上げましたように、障害者プランを平成七年に作成をして八年度から実施をしているわけですが、その中で待機者数とそれからの伸びを勘案して目標値を設定した、今やその計画の最中でもございますので、その達成について今全力を挙げるという考え方で施策を進めております。 今後、どういう形で計画を立てるかという時点に至れば、当然またいろいろな調査は必要であろうかと思いますが、今はともかくこのプランの達成こそ私どもに課せられた最大の責務というつもりで、現在努力をしているつもりでございます。
○瀬古委員 少なくとも最初のプランが、私が見ましても大変大ざっぱになっている。しかし、毎年毎年これをどうするかということで積み上げていくわけですよ、障害者プランの実施に向けて。それなのに、その到達点がどこにあるのか、どれだけの障害者が今困っていて、どういう施設が足りないのかというのは、それは毎年毎年見直していくということが必要でしょう。それは都道府県に任せていいということじゃないです。都道府県はもちろんやらなきゃいけませんよ。しかし、少なくとも国はそれを見た上で、順調だ、いや、この障害者プランでは見直さなあかん、一気に上げなあかんとか、いろいろあってこそ全体の障害者の計画がどう引き上がるか。今度法律を出しました、皆さん、本当にこれで充実しますよなんて言っているのに、実際にどうなっているのかもつかんでいない。こんなこと、まさに絵にかいたもちそのものだと思うんですね。 そこでお聞きしましょう。今四十種類ぐらいの障害者施設があるんですけれども、成人期の障害者の法定施設が全くない町村は全体で何割を占めていますか。
○今田政府参考人 平成九年に関係団体が調査した結果によりますと、御指摘の成人期の障害者を対象とした法定施設がない市町村は、全体の約六割となっているところでございます。 なお、私ども厚生省といたしましては、障害者の施設については、原則として、複数の市町村を含む障害保健福祉圏域を単位として、関係市町村が連携をしながら整備を進めていく必要がある、このように考えております。
○瀬古委員 障害者の施設の場合は、もちろん小さい村、市町村もあるかもしれませんけれども、しかし、身近なところに施設があるということも障害者の場合は必要なんですよね。それにしても、幾つかの合併で一つの施設を使うという場合でも、法定施設が全くないのが六割なんというのは異常そのものなんですよ。そういう自覚をぜひしていただきたいと思うんです。 介護保険も大変問題で、その基盤整備がおくれているんですが、障害者の施設の絶対的な不足というのは介護保険の比ではありません。障害者プラン七カ年計画はあと二年で終わることになっておりますが、現在の自治体別のプランの策定状況はどうなっているでしょうか。数値目標のある自治体はどういうようになっていますか。
○今田政府参考人 障害者プランの達成の中で障害者計画を策定している都道府県及び市町村に関しましては、総理府がこれを調べております。平成十年度末で、都道府県、指定都市の障害者計画についてはすべての自治体が計画策定済みとなっておりますが、そのうち、数値目標が設定されておりますのが五十四自治体となっております。 また、市町村障害者計画の策定状況でありますが、三千二百四十三市町村ございますけれども、四九・四%に当たります千六百三市区町村が策定済みでございます。そのうち、数値目標が設定されておりますのが六百六市区町村で、三七・八%となっております。
○瀬古委員 県と政令市で一応計画はつくっているけれども、まだ数値目標のないところを県、政令市レベルに残している。もちろん、これは私は厚生省だけの責任だと思いませんよ。全体の、政府自身の責任だと思うのですよ、これだけ進んでいないというのは。何で県レベルや政令市で数値目標が出ないのかということについて、あなたたちが見ていておかしいと思いませんか。もう障害者計画の最終段階に来ているのですよ。 実際に、二二%の自治体がまだ計画すらもできていない。数値目標のあるのは自治体全体で三七・八%。しかも、市町村の障害者生活支援事業、地域療育等支援事業、精神障害者の地域生活支援事業は、三十万人に二カ所という目標なんですよ。このプランが全部達成しても、施設は障害者にとって見えないような、そのぐらい貧弱な状態でしかないという事態なんですね。 特に、数値目標を明確にした市町村のプランがないということは、そこの地域に施設ができる見通しだって本当に立っていないわけですよ。これで障害者の皆さんが生活できるのか。全施設を対象に一体待機者がどのようにあるのか、どの自治体がおくれているのかということも含めて、きちっとプランを策定することが必要ではないかというふうに思うのです。 そしてプランについても、さっき大臣が言われたように、本当にこれで将来福祉が十分充実する方向に行けるのかどうか。この障害者プランの全面的な見直しも必要ではないかと思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 まず御理解をいただきたいのは、昨年制定されました地方分権一括法の趣旨に基づきまして、基本的には、国は地方公共団体について、あくまでも地方公共団体の自主性というものを私どもは期待をいたしておるわけでございます。 この地域福祉計画でございますけれども、確かに委員が御指摘のように、大変御熱心な市町村においてはこういうものができ上がっておるわけでございますし、私どもも再三にわたって、例えばモデル計画の提示であるとか計画策定の状況の公表であるとか、さらに、計画を策定する公共団体に対しまして予算措置をしますよということを通じまして、それぞれの市町村がいち早く計画の策定がなされますように、私どもはお願いをいたしておるところでございます。 私どもといたしましては、今後もこの姿勢には変わりはないわけでございますけれども、これはあくまでもそれぞれの地域におけるそれぞれの考え方というものをこれからの時代は尊重していかなければならないということでございまして、早くこの地域福祉計画というものをつくっていただくように精いっぱいお願いを申し上げたいということでございますし、そういうところがおくれていることは、私、担当大臣として大変遺憾に存じておるような次第でございます。 ただ、障害者プランでございますけれども、これは十年度でございますけれども、例えば、地域生活援助事業、グループホームであるとか、身体障害者の療護施設であるとか、あるいは知的障害者の更生施設であるとか、こういったものは全体的にはすべて目標を達成しておるわけでございますし、平成十四年度までまだあと二年ございますけれども、それまでに私どもの目標というものは達成していきたい、このように考えているような次第でございます。
○瀬古委員 二年あると言うのだけれども、二年しかないという面もありますからね。 地方分権の時代だと言うものの、もちろん、地方自治体、地方公共団体の自主性はありますよ、しかし、計画の数値目標まで県レベル、政令市レベルでつくってないなどというのは異常な事態ですよ、はっきり言って。 ある意味では、施設も、プランができたって三十万人に二カ所ぐらいの施設しかないなんというのは、大臣が先ほど言われたように、一体選べるような施設、選べるようなサービスが障害者にとって提供されるのかというと、本当にお寒い限りだというふうに思うのです。 さらに聞きたいのですけれども、例えば在宅障害者のデイサービスセンターは千カ所の目標になっております。九八年十月段階の福祉施設調査では二百二十カ所。一カ所もない県が十四県もありますよ。在宅障害者のデイサービスセンターですよ。一カ所もない、こういう事態です。 そして、六十五歳未満の成人在宅身体障害者は全国で百三十五万人いらっしゃいますけれども、肢体更生施設は三十七カ所、ゼロの県が十三県。県レベルでもないのですね。視覚障害者の更生施設は全国で十四カ所、聴覚・言語は三カ所、内部疾患更生施設は六カ所しかない。福祉工場や福祉ホームも全く同様の状態で、成人施設は絶対的に不足しております。 選択もできない、そして在宅サービスもない。施設を利用できなければ、幾ら個人が自分でいろいろ選択し契約して決めていくんだといったって、支援費だって施設の利用がなければ支給されないわけですから、これでは意味のない法律になってしまうのじゃないでしょうか。 施設を計画的に増設する責任を国はちゃんと持つべきだと思うのですけれども、大臣、いかがでしょう。 〔安倍(晋)委員長代理退席、委員長着席〕
○丹羽国務大臣 障害者プランの進捗状況の中には、先ほど私が申し上げましたような目標を既に達成しておるところと、確かにまだ不十分なところがございます。 委員が御指摘のデイサービスセンターでございますか、これにつきましては、平成十年度で九六・四%になっておるわけでございますが、平成十四年度の目標は千十カ所でございます。 いずれにいたしましても、それぞれの市町村の御理解をいただきながら、私どもは障害者プランの達成に向けて全力を尽くしていきたい、このように考えているような次第でございます。
○瀬古委員 私が最初に指摘しましたように、もともと障害者プランそのものが本当に現状にふさわしいものになっているのかどうかということをもう一回きちっと見直しをしなければ……。目標がありますから、ここまでいきましたといったって、それが全然現状に合ってない。実際にどういう人たちが今どこで施設に入れないで困っておられるのか、自分の周りに全くそういう施設がなくてサービスが受けられないのかということも、あなたたち自身は待機者も調べてないという状態ですから、数だけおって大丈夫ですなんということにもならないわけですね。 この点では、本当にもっと障害者の問題は地に足をつけて、障害者の現場のところまで見詰めて施策を進めるべきだというふうに私は思います。 成人施設の整備のおくれは特にひどいということを言いましたけれども、この中でこのすき間を埋め、行政の不足を補って、本当に血のにじむような努力をして、今ある五千二百を超える施設で七万五千人もの重度障害者の就労と生活の場を保障し、その家族を支えてきたのが実は小規模作業所ではないかというふうに思うのですけれども、この作業所の果たしてきた役割について大臣はどのように評価されていますでしょうか。
○丹羽国務大臣 今回の法案をまとめるに当たりまして、障害者福祉の関係者の皆様方と十分に意見を交換いたしました。それをもとにこのような改正案を作成したものでございます。 特に、今委員が御指摘の小規模授産施設につきましては、今後、具体的な検討を行っていくに当たりましても、私はこれはまさに地域福祉の非常に象徴的なものであるというふうに認識をいたしておるわけでございますので、十分に関係者の皆さん方の御意見を聞きながら、これが有効的に十分に働くように努めていきたいと思っております。
○瀬古委員 小規模作業所にいる七万五千人の重度の人たちも含む高位障害者は、行政が放置してきた障害者だったと言っても過言ではありません、今まで本当に光が当たってこなかったわけですから。そして、先ほど私が待機者と言いましたけれども、本来なら、こういう人たちがある意味で待機者に当たるような人たちなんです。 今回、十人以上の施設について、福祉事業として認めながら、特定という枠をつけて支援費支給対象の授産施設から除外をする。小規模作業所に通所する障害者をなぜ差別的に処遇するのか。特別の措置をとって、きちんと施設面でも必要な基準を満たせるように支援をすべきだと思うのです。 運営費の面でも、これはこれから決められるそうですけれども、基準も規制もないと言っていい営利企業に一〇〇%支援費をこれから出していくわけですから、そういうことを考えれば、小規模作業所を現行法人並みに引き上げることは当然じゃありませんか。今までこの改定を小規模作業所に関係する皆さんが本当に期待をされていたわけですね。ところが、今までの現行法人ではないような扱いを受けるというのはどういうことですか。いかがですか。
○今田政府参考人 御指摘のように、今回の改正におきまして、小規模作業所については、運営の安定化という観点も含めまして、社会福祉法人になりやすいよう二十人以上から十人以上に規模要件を引き下げるなどの緩和措置をもって法人化を推進する考え方に立って改正をしているわけでございます。 もちろん、これにはそれに係る資金的要件、施設的要件というものも緩和するわけでありますが、その主体たる小規模通所授産施設の施設基準につきましては、これまで地域の中で自主的に、また、非常に創意工夫を凝らしてさまざまな形で取り組みをされてきた、まさにその現行の措置施設に比べまして小規模作業所のよさというものを大いに発揮されてこられたのだと思います。そういった意味でも、その基準を設定するに当たりましては、一般の措置施設、一般の通所授産施設に比べまして施設基準については緩やかなものとしたい、このように考えております。 そういう意味で、この施設基準を緩やかにする整備のあり方というものについてどういう助成をしていくかという点につきましては、その施設の特性、施設基準を踏まえて今後検討していきたいと考えております。
○瀬古委員 今まで私も幾つかの小規模作業所に行きましたけれども、別に甘んじてひどいところで障害者の皆さんが生活し働いているわけじゃないのです。この障害者の作業所の運営も、何とか国がきちんと本当に人間にふさわしい運営費を出してもらいたいし、施設だって法定施設にふさわしいものを出してもらいたい、みんなそれを願っているわけです。 運営の安定化というものがあると言うのだけれども、安定化させていなかったのは国の施策が原因なんです。この点は、先ほど私が言いましたように、全国を探しても障害者の施設が全然ない、それを小規模作業所がきちっと穴埋めして、何とか必死で頑張って、この作業所は今どんどんふえているわけでしょう。本当にやむを得ず、皆さんが苦労に苦労を重ねてつくっているわけです。この点でも、私は、ぜひきちっと法定施設並みの運営費や施設基準にふさわしい援助をするべきだというふうに思います。 特に、今回、療育施設などは五人以上からの補助が行われています。そして、人数が少なければ少ないほどその運営費に、一応お金がかかるわけですから、それに見合った高い単価で設定されているものもあります。 ですから、今回、法定施設の整備のおくれというのがあるわけですから、少なくとも十人以下の施設で五人以上の規模の施設も何らかの補助対象とすることが私は必要だと思うのです。これは切り捨てていいというわけではないと思うのですね。とりわけ障害者の場合、一つの市町村で二十人、三十人集められない場合も幾らでもあると思うのです。一人だって二人だって、どうやって援助するべきかということは本当に考えるべきだと思うのです。五人以上といった小さい規模の施設についても何らかの補助対象とすべきではないかと思うのですけれども、その点、いかがでしょうか。
○炭谷政府参考人 小規模授産施設の対象人員十人以上については、今回、社会福祉法人になれる道があり、また、これに対して財政援助措置がついてくるわけでございます。これを仮に、例えば先生おっしゃいましたように、十人以下五人以上とすべきということになった場合の社会福祉事業法上の考え方ですけれども、社会福祉事業の考え方は、内容的に同じような社会福祉事業を行っていらっしゃる場合であっても、小規模な事業についてはその経営を自由にやっていただくという観点から、入所保護施設については利用者が五人未満、それ以外の事業については現行法では利用者が二十人未満のものについては社会福祉事業に含めないことにいたしているわけでございます。 今回、地域に密着した福祉サービスの充実を図ることが重要と考えており、障害者の通所授産施設については利用人員の要件を二十人から十人に引き下げることとしております。 そこで、この考え方でございますけれども、社会福祉法人には、その安定性または継続性、広域性というものが要求されるわけでございます。このような観点から一定の規模以上であることが求められるわけでございます。 私ども、その規模の要件を含めるに当たりまして考えました要素としては、現在、小規模作業所は全国で五千二百程度ございまして、その定員が十名以上の施設が約七五%になっている、大半が十名以上である。また、実際にどんな数値にするかについては、やはり現場に精通された方の御意見が重要だろうということで、小規模作業所を経営されている方々と何度にもわたりましてこの数値についての御意見、御判断を求めました。その結果は、大体十人以上が適当ではないだろうかというようなお考えが大半でございました。また、入所施設と異なりまして、通所施設の場合には日々の利用人数が変動いたしますことなどを考慮いたしまして十人以上としているわけでございます。
○瀬古委員 その関係者の皆さんも、十人以上という場合に、では十人未満はどうでもいいかというと、そうではないと思うのです。ある意味では、公的に施設がない中で頑張ってきたところについてはきちっと私は対応すべきだと思います。とりわけこの事業は二〇〇一年からの事業になりますので、これまでの苦労に報いるためにも、小規模作業所の関係者が十分納得できるよう、厚生省は誠意を持って今後話し合っていくべきだ、その上で運営のあり方、施設の援助の仕方をきちっと決めていくべきだと思うのですけれども、大臣に伺いたいと思います。
○今田政府参考人 これまでの経緯がございますので……。 今回の法案を取りまとめるのに当たりましては、御承知のように、障害者福祉の関係の団体の方々と何度も繰り返し十分な意見交換をして、それに基づいて法案を作成したところであります。 今後、小規模授産施設につきまして具体的な検討を行っていくわけでありますが、関係団体などの意見を十分お聞きしていきたいと考えております。
○瀬古委員 次に、負担の問題について伺います。 支援費を必要とする障害者に応能負担というのは鉄則だと思うのですね。将来とも、重度ほど負担が重くなるような応益負担にすることは私は認められないというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○今田政府参考人 今回の改正によりまして、新たに支援費支給制度によりまして利用者負担の制度ができるわけでありますが、従来の措置制度と同様に、所得水準に応じた負担を求めます応能負担とすることにしております。 今後でありますけれども、利用者負担のあり方を含めまして、障害者福祉サービスのあり方全般について、必要に応じて検討を行っていく必要があろうかと思います。
○瀬古委員 応能負担という場合に、今障害者の皆さん、御家族の皆さんの願いは、やはり本人の所得に限定してほしいという問題なんですね。諸外国で三親等まで負担を求めている国はないと思うのです。だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が求められている、そのための法改正だというふうに大臣も説明されています。障害者は、生涯家族の負担になり、成人しても一人前扱いされない、地域でも家庭の中でも人間の尊厳を持てないと涙を流して訴えられているわけです。これは、法の提案理由説明にも反すると思うのです。 審議会の企画分科会の意見具申の中でも、障害者の自立の立場からのこうした費用徴収基準の見直しが提案されていますし、二十歳以上の身体、知的障害者のホームヘルプサービスの利用者負担の見直しということも提案されています。この点からやはり本人の所得に限定するように負担のあり方も検討すべきだと思うのですけれども、その点、いかがでしょうか。
○今田政府参考人 まず、現行の措置制度におきまして、施設サービスにつきましては、入所時に本人と同一世帯、同一生計にあった配偶者及び子という、いわゆる財布を同じくする者に対しまして、その負担能力に応じて費用徴収を行っている、こういう仕組みでございます。 この考え方そのものは、仮に同一世帯の者が障害者本人に係る費用負担を免れるということになれば、配偶者等に多額の収入がある場合に公平性に問題がある、特に、公費で賄われている障害者サービスにおいては適当ではないのではないか、こんな考え方に基づいているわけであります。 今回御提案申し上げております支援費支給制度におきましても、措置制度と同じように公費負担といたしておりますし、また、利用料についても応能負担としていることから、負担能力の判断におきましても、従来と同様、本人及び同一生計にある一定の扶養義務者の負担能力を含めて判断するということにいたした次第でございます。
○瀬古委員 今、審議会の意見具申の内容を踏まえて、いかがですか。それは検討されているのでしょうか。ホームヘルプサービスについても言ってください。
○今田政府参考人 審議会の利用者負担のあり方につきましては、その意見の中で、「本人のみの収入を基準とした利用者負担に改めることが適当との意見があるが、配偶者等に多額の収入がある場合との均衡等の問題があり、引き続き慎重に検討する必要がある。」このような御意見が出ております。さらに、「なお、二十歳以上の身体障害者又は知的障害者に対するホームヘルプサービスの利用者負担については、生計中心者の範囲を検討する必要がある。」要は、審議会としてもこういった問題について検討を要するという御意見をいただいております。この御意見を真摯に受けとめて対応するつもりでございます。
○瀬古委員 今の審議を聞いていただいても、本当に、今の障害者をめぐるサービスが実際には貧弱で選択できない事態だと思うのですよ。こういうものをそのまま放置したままで、国や自治体の責任を放棄したら一体どういうことになるのか、こういう点でさらに慎重な審議を求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○江口委員長 武山百合子さん。
○武山委員 自由党の武山百合子でございます。 実は、きのうの夜からきょうにかけて、私は胸の痛くなる思いがいたしました。 我が自由党は、政策を掲げて、立法府ですから、国会で政治家が議論をして、政治主導の国会にしようということで改革に取り組んでまいりました。政府委員制度廃止、定数削減。 そしてまた、委員会も、現実に与野党対決なわけですから、法案も、これは賛成というものが与党から上がってきて、その前に与党というのは議論して、ほとんど決まっているものがこのように委員会に出てくるわけですね。それで、考えてみましたら、こういう委員会というのは何なのかなと思うのですよね。ほとんど議論が与党の方は終わっているわけなんですね。もう賛否も決まっているわけなんですね。野党にとっては野党の意見を言う。それで、委員会自体も、五十年ぶりに改正される法案なのに、実際に本当にこれだけしか国会議員が参加していない。では、委員会というのは何だろうと、私はきのうからきょうにかけて大変胸の痛い思いをいたしました。 それで、もっと胸の痛い思いをしましたのは、我が党は、政治主導ということで政府委員制度を廃止したわけなんですね。国会議員同士で議論をして、国会議員というのは、国の大きな、すなわち青写真を示す。後、実際に細かい部分で執行するという、そこにきちっと行政の役割というものがあるわけなんですね。 そういう意味で、政治主導の政治に変えていこうということで我が自由党はやってきたわけなんですけれども、私のところにいろいろときのうからきょうにかけて働きかけがあった事実は、ぜひ局長クラスを呼んでくれというわけなんですね。 そこで、私自身は、この法律の大きな部分について国会議員として青写真を聞くので局長クラスは要りません、政治家同士で議論するんだからということでお答えしたのですけれども、やはり官僚の皆さんは、局長クラスを呼んでくれ、すなわち、政府参考人という形で呼んでくれと。私にすら、きのうからきょうにかけていろいろと働きかけがありました。私の党は、本当にいろいろな意味で、政府委員制度を廃止して政治主導の政治に変えたい、政策で議論するなどということできちっと説明いたしました。 そうすると、ここの委員会でいろいろ議論されてきて、では、厚生大臣というのはどんな役割を果たすんだろうと本当に思いまして、きょう、まず第一に厚生大臣の役割をお聞きしたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、私の方からもお聞きしたいのですが、国会改革について、特に御党の小沢党首が、政治家同士の議論をする、そういう中において大きな政策的な議論をやっていこうではないかと。そして、私どもは政治家でございます。先生はこの分野は大変お詳しいかもしれませんけれども、率直に申し上げまして、今十本の法案を抱えている中において、どうしても不確かな部分というものがあるわけでございますから、こういった部分については政府参考人というものを活用して、補うところは補うというのが本来のあるべき姿ではないか。 特に私が申し上げたいのは、委員も御指摘のように、大臣及び政務次官との政策論争をするということになっておるわけでございますし、特に御党がお力を入れましたのは、政務次官というものがややもするとこれまで国会審議に参加しなかった、こういうことに関しまして、政務次官が積極的に答弁に立って行っていくべきである、こういうような御主張をなさったわけでございますので、大きな政策論議については私も十分に討論させていただく決意でございます。ただ、余り技術的な細かいことにつきましては、不確かなものについては、これは率直に申し上げて、当然のことながら、その専門分野において知識のある政府参考人といいますかそういう方の話も十分に聞きながら、そういう中において議論するのが本来のあるべき姿ではないかな。 何か私がすべて答えるということでございますけれども、正直申し上げて、私も生身でございます、私はもうほとんど休んでいません、その私に対する、要するに、よく言われますが、さっきも言われましたが、厚生大臣の健康というのはどうなっているのかということについて、参議院の理事会ではもうちょっと考えてみたらどうかという御指摘も受けたわけでございます。また、当然のことながら、政策論争をするならば、私も政策はたくさんあっても知らないことは多いんです、一方的じゃなくて、自由党さんが御主張になったように、あらかじめ二日前にきちんと報告をして、私どもも十分に勉強して、その上で大いに政策論議をするということでございますので、十分に御理解を賜りたいと思っています。
○武山委員 私は、今先生のおっしゃったとおり、二日前に実はお知らせいたしました、先週の金曜日にお知らせいたしました。そこはちゃんと心遣いしたつもりでございます。 それで、細かい部分というのは、私の質問には余りないと思います。その細かい部分は、当然大臣たりとも拒否できると思うんですね。それは、細かい部分というのは私の範囲じゃなくて、大きな部分では、恐らく国会議員であれば常に青写真を示すというのはおなれになっていらっしゃると思うんですね、ある程度の年月をかけて相当やっていらしているわけですから。それこそ針の穴のようなことを聞くのは、それは意地悪な質問で、基本的な議論のやり方としては、本当にそういう議論をしていたらもったいない話なんですね。 本当に、委員会というのは、大臣と国会議員が議論するのは、大きな骨格で議論するということだと思うんですね。ですから……(「政務次官」と呼ぶ者あり)政務次官ももちろん結構なんですけれども、大きな議論というのは大臣に聞きたいわけです。それで、私は、今おっしゃったように二日前にもちろん御連絡いたしましたので……。そういう意味で、政府委員制度を廃止して政務次官を活用するというのは我が党ですけれども、私もそういう形で説明を求めるかもしれません。 今、大臣というのはどういうことをこういう委員会でするんでしょうかという質問だったんですけれども、厚生大臣というのはどういうリーダーシップをとるんでしょうか。
○丹羽国務大臣 これは、要するに、大臣というのは行政の最高責任者でございますので、最終決定は私にあるわけでございます。 しかし、その途中の過程においてさまざまな御意見とかいろいろなことにつきまして、私がすべてに熟知しているというものではございません。そういう点におきまして、足りない分については当然のことながら政府参考人とかさまざまな形で補いながら議論を高めていくことがまさに民主主義のあり方ではないか、このように考えているような次第でございます。
○武山委員 それでは、本論に入りたいと思います。 本当に数十年ぶり、それこそ五十年ぶりの大改正だというこの基礎構造改革ですが、今回の法案は私たちは議論を去年のうちに実際は終わっているわけなんですけれども、本当に大きな基礎構造改革ということで、まず、今回の法律で今後どのような方向に進んでいくのか、すなわち、これからの大きな将来像、青写真を大臣として国民にわかりやすい説明で描いていただきたいと思います。 大きな基礎構造改革の、五十年ぶりに改正されて、将来こういうふうになるんだという青写真を御説明いただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 これまでの福祉制度というものは、御案内のように、どちらかというと限られた方々を対象にして戦後この基盤というものが確立されてきたわけでございます。例えば孤児であるとか戦傷病者であるとか、あるいはひとり身の大変お気の毒な方々でございますけれども。戦後、我が国が大変豊かになってきた中において、社会保障の給付といいますか、福祉制度そのものもこれまでと違ってすべて国民が画一的に受けるような社会的な環境変化というものがなされてきておるわけでございます。そういう中において、これまではどちらかというと措置制度のもとにおいて施しの給付というものがなされてきた嫌いがあるのではないか。 これからの時代を考えてみた場合、そういうことではなくて、やはり選択をして、それで、あくまでも利用者というものが対等の立場に立たなくちゃいけない、こういう中においてより福祉サービスの充実を図っていく、これが今回の法改正の立場でなければならない、私はこう思っております。 そして、これを契機にいたしまして、先ほど来御質問もございますけれども、国が何かを押しつけるのではなくて、それぞれの地方において地域福祉というものが地域の住民の皆さん方のニーズに応じてさまざまな形で充実していくことが望ましいのではないか、こう考えているような次第でございます。 確かに、今回の法改正はある意味において将来の方向性を示したものでございまして、先ほど来さまざまな形で違った形の御意見もございました、いや、それよりも措置制度の方がいいじゃないかというような御意見もありました。なかなかこれは難しい問題でございますけれども。 いずれにいたしましても、私どもが常に心がけなければならないことは、利用者の立場に立って将来の福祉の充実を考えなければいけない。しかも、少子高齢化社会という中において、私どもは、現在の福祉というものを維持し、堅持し、さらに発展させていかなければならない、こういう立場に立つものでございます。
○武山委員 選択肢が多くできて、対象となる人が、その中でこれを選びたい、あれを選びたいという形に方向性としてなっていくんだということだと思います。 そうしますと、自分がそれを選ぶ、これがいい、あれがいいと選ぶ力、もちろん相談員の方やいろいろ支援してくださる方々が、こういうよさがありますよ、こういう利点がありますよということで説明はしてくれますけれども、最終的には本人が何を選ぶかということになると思うんですね。本人が何を選ぶかということは、本人がきちっと自分の考えを持って選ぶ、無意識にしろ意識的にしろ、やはりそれは選ぶ力を養っていかなきゃいけないと思うんですね。やはり国民は自立していかないと、福祉サービス利用者の自立ですが、これはまさに強調されておるとおりだと思います。 それで、今回の法案について、やはり一人一人の国民が国や社会に依存することなく独立して生活していくということは本当にすばらしいことだ、自分で自分の方向を決め、自分で選択して、そして自分で責任を持つ、こういうふうな自立に向かっていくということだと思いますけれども、今の時点では、この法律が施行されるまではまだ措置が続くわけですよね。この法律が施行されてから、今大臣のおっしゃったような方向に向かっていくわけですね。 では、この自立について、国民が今後どんなことをして、そしてどんな方向に行くのかという、本当に子供から教育する場合は今から教育していくわけですが、大人は急にその意識を変えていかなければならない、この自立ということについてどう思われるか。私は、これは大きな問題ですのでやはり大臣に聞きたいと思います。
○大野(由)政務次官 障害者のノーマライゼーションの重要性が指摘をされているわけでございます。 今委員から自立ということについて御質問があったわけでございますが、私は、自立というのは、障害のある人もない人も、家庭や地域の中でそれぞれの能力や個性を生かしながら、その人らしく自己実現をしながら、安心して生活を送っていくことができるということだと思っております。 そしてまた、重度の障害を持って福祉サービスを利用する障害者であっても、できるだけ御本人の意向、選択というものを尊重していこうというのが今回の改正の考え方でございまして、福祉サービス利用者の自立とか尊厳、精神の独立というものを大切にしていこうという委員の考え方は、私も共感を覚えるものでございます。
○武山委員 今、私は大臣にと指示しましたのに、政務次官が出てくるというのは失礼な話だと思うんですね。 質問をそちらで割り振る感じに受け取れましたけれども、やはり指示された者が答えていただきたいと思います。国民の負託を受けて国会議員としてここで質問しているわけですから、それは失礼な話だと思いますよ。武山百合子は政務次官に答弁させないから、勝手にこっちで割り振るんだというふうにとられても仕方がないと思うんですよね。私自身は大きな骨格について聞くわけですから、そういうものはもう既に通知してあるわけですから、それはやはり私に対して大臣が答えるべきだと思いますよ。それは私に対して本当に失礼な話だと思います。それを一言つけ加えておきます。 自立ということで今お考えを聞いたんですけれども、国民の自立を考えるとき、だれの何からの自立なのかということをきちんと整理しておくことが必要だと思います。 これは大野政務次官にお聞きしますが、だれの何からの自立なのかという点についてぜひ御説明いただきたいと思います。
○大野(由)政務次官 役不足ではありますが、政務次官は大臣の補佐役ということでございますので、答弁に立たせていただいていることを御理解いただきたい、このように思います。 それで、何からの自立かということでございますが、今までの障害者の福祉措置とか国民の皆さんの社会依存とかそういうものからの自立、委員が御指摘のように、障害者の方も可能な限り自分でできることは自分でするということが大切であろう、多くの障害者の方もそのような思いでいらっしゃる、このように私は思っております。 与えられた受け身のものから、自分で選択をしていく。しかし、大事なことは、障害者について必要な福祉サービスが十分に確保、提供されることが前提でございます。その福祉サービスが十分提供されるという前提の上に立って、障害者みずからがその障害を克服して、その持っている能力を活用することによって社会生活に参加できるように努力をしていただくということが大切であり、そのことが自立なのではないか、このように思っております。
○武山委員 これは大きく変わる原点だと思うんですね。国民の意識が自立という方向に向かっていく第一歩の議論を今しているわけですから、私は本当に全体的な考え方の基本を聞いているわけなんですね。 それで、この自立についての考え方が今後浸透して、子供から大人まで本当の意味の自立になっていく。そういう社会の中で、こういう法律が、きちっと魂が入って運用されて、そしてきちっと施行されていくということが大事なわけですよね。 私は、むしろ障害者の福祉措置からの自立であり、国民全体の社会への依存からの自立であると思っているわけですけれども。いわゆる業界の行政、政治からの自立、頼らないで生きていく、この意味では、障害者も手とり足とりの福祉措置への依存から脱却していくということで、自分でできることは自分でする。今後、そういう基本的な考え方に基づいて社会全体にこの基礎構造改革という改革の中身が浸透していくんだと思いますけれども、こうした考え方について大野政務次官はどう思いますか。
○大野(由)政務次官 先ほど答弁させていただきましたが、委員の御指摘のとおりだと思います。 ただし、ただしがつくのですが、障害者の方々に対する必要な福祉サービスが十分に確保、提供された上で、障害者の方々が福祉措置から自立をし、一方的に依存しなくていいように、選択の自由、選択の権利、そして人として尊厳のある生き方ができる、そういうことが可能なことが自立であろう、このように思っております。
○武山委員 障害者が堂々と活躍できる社会づくりというものが基本になると思いますけれども、障害者に対する介護サービスについて、利用者の選択を可能とするだけではなく、障害者がいろいろな形で社会参加できる仕組みの構築が本当に大事だということは、ほとんどの国民が認識しているわけでして、障害者の社会参加の仕組みという意味で、今の現状、それからその課題についてちょっと大野政務次官に御説明いただきたいと思います。
○大野(由)政務次官 障害者が生活の質を高めて、社会、経済、文化、あらゆる分野の活動に参加できるようにするために、就業や町づくりなどさまざまな分野で政府全体として取り組むことが大変重要である、このように思っております。 厚生省といたしましては、授産施設などでの就業に向けた訓練とか、手話通訳などのコミュニケーション手段の確保、盲導犬の育成などの移動の確保や障害者スポーツ大会の開催など参加の場の提供などを進めているところでございます。また、介助犬につきましても、五月じゅうに厚生省に検討会を設置することとしたところでございます。 これからは、障害者の方々の社会参加の意欲を受けとめられる社会づくりが必要であり、このため、社会参加のための環境整備を引き続き進めるとともに、障害のある人もない人もともに力を合わせて助け合って暮らしていける社会の実現に向けて、国民の皆様の理解と協力が得られるように努めてまいる所存でございます。
○武山委員 もう一つ、大野政務次官に伺います。 まず、措置という制度から今度利用という制度に変わるわけですけれども、一般の国民にその理想とするところ、理念が伝わるのに相当時間がかかると思うんですね。ですから、これはどのようにこの意味を徹底していくのか、この辺について説明をお願いいたします。
○大野(由)政務次官 委員が御指摘のとおり、今回の法改正の趣旨を生かすためにも、関係行政庁、事業者、利用者など、福祉サービスに関係するすべての人について、利用者の立場に立った福祉サービスを実施しなければならないという意識改革が進むように、機会あるごとに措置から利用に変わったんだという法改正の趣旨の徹底を図っていきたい、このように考えております。
○武山委員 本当に、何か大野政務次官には御苦労さまと言いたいところでございます。自分の言葉で語るというよりも、やはり書いた紙をどうしてもそういうふうにして読まざるを得ないという、お心はお察しいたします。ぜひ自分の言葉で語れるような制度に本当になっていただきたいと思います。 最後に大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今回の法案を通じて国民に何を訴えたいのかということをお聞きいたしまして、最後の質問にいたします。
○丹羽国務大臣 今回のいわゆる福祉事業法の改正を通じまして最も大切なことは、国民全体を対象にして、先ほどから委員も御主張なさっておりますけれども、まず自立があって、その上に社会的連帯がある、こういうような考え方に立ちまして、障害のある方も障害のない方もお互いに補い合って、真の意味でのノーマライゼーションの実現というものを目指していかなければならない、こう考えているような次第でございます。何よりも大切なことは、私どもは障害のある方に対するいたわりの気持ちを持たなければならない、こう思っております。 実は、先日、私の地元でかすみがうらマラソンというのが行われました。私自身も、もう三年前か四年前か、ちょっと記憶が定かでございませんけれども、参加しました。これは、障害のある方も、いわゆる目の不自由な方々も参加する大変大きな行事でございます。これに、かの有森裕子さんも伴走者として出場したわけでございます。 私自身、率直に申し上げまして非常に運動不足でございますので、目の不自由な方に随分抜かれた記憶がありますけれども、あのとき、真の意味でのノーマライゼーションというものはこういうものを通じて一つ一つ積み上げていくのではないか。そして、障害のある方に対する真の意味でのいたわりの気持ちが持てるように、一人の人間として尊厳を持って地域社会の中で安心して生活が送れるような環境づくりを進めていくことが何よりも大切なことではないか。 そして、今回の法改正を通じまして、その第一歩として、今までのような、これもこれとして大変大きな役割を持ったわけでございますけれども、私どもは、障害のある方に対するいたわりの気持ちを、何か誤解されることなく、いわゆる権利というものを十分に生かせるような方向の中において今回の法改正というものをお願いいたしておるような次第でございます。
○武山委員 以上です。ありがとうございました。
○江口委員長 中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。 質問に入ります前に、先ほど大野政務次官から厚生省の中に介助犬の検討会を五月じゅうに設置するというお話がありまして、大変うれしく思っております。ありがとうございます。中身が充実して、早く障害者の方たちの社会参加、経済的自立のための大きな一歩になるように願ってやみません。よろしくお願いいたします。 それでは、今回の社会福祉事業法の改正案について質問をしたいんですが、今回のこの改正案は、措置から契約へ、利用者の選択権の保障、利用者と提供者の対等な関係などといった基本的な考え方、その考え方自体はとても評価できますが、一方で福祉に関する公的な責任や障害当事者の権利性などの点でやはり不安な点が残ります。また、能力に応じた自立論が日常生活能力を基本としているならば、利用者の多様な生活を保障するものにならないという危惧も一方ではございます。 そこで、社民党といたしましては、障害者プランを前倒しをして早く完全達成をしていただきたいし、また、目標を大幅に引き上げた新障害者プランを策定することが大事だと考えておりますので、これは要望として強く冒頭に申し上げておきます。 最初に大臣に御質問したいんですけれども、私の友人なども、親が先に死んでしまったらこの子はどうなるんだろうかとか、親がこの子を残して死ねないという声をよく聞きます。それはオーバーではなくて、それほど障害者施策がこの国でおくれてきたと思いますし、もっともっと障害者の方たちが安心して暮らせる社会、それがだれにとっても本当に安心して住める優しい国づくりの基本だと思います。 今の障害者の方たちの所得に関してでございますけれども、もっと充実を図っていただきたいと思います。一人一人がサービスをきっちり購入できるだけの所得を確保するということがまず前提になければならないと考えているんです。さきの年金法案のときも、何度も無年金障害者の方たちにきっちりとした救いの手を差し伸べてほしいということを強く訴えましたが、これについての施策もなされませんでした。目的も達成できませんでした。ですから、障害者年金の基本的な所得の水準というのは、今、一級で約八万円、二級で六万円。それに重度の特別障害者手当を二、三万円加算しましても十一万円前後という所得になっています。障害者が自立して生活していける所得保障とは決して言えないと思うので、抜本的に充実すべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○丹羽国務大臣 障害者の方々に対しましては、障害年金の給付によりまして、障害によって十分な所得を得られない面を補っていかなければならない。特に重度の障害のある方に対しましては、委員が今御指摘のような給付というものが行われているわけでございますが、障害によってどうしても発生いたします負担を軽減をしなければならない、こういう問題もございまして特別障害者手当を給付いたしておるわけでございますが、いずれの給付も、当然のことながら、これまで消費水準に見合って引き上げてきたわけでございます。 そして、生活保護の仕組みによりまして最低限度の生活を当然のことながら確保していかなければならない、こう考えているような次第でございます。いずれにいたしましても、社会で連帯して障害者の生活を支えていかなければならないと思っております。 私自身も、随分、障害者を持つ父母の会の皆様方から切実なる訴えを聞いておるわけでございますが、こういったような経済的な側面もさることながら、障害者の方々に対する——年をとった場合にどうなのかとか、こういったような問題に対して障害者プランの中で私どもは充実を図ってこういった方々の不安の解消にこたえていかなければならない、こう考えているような次第でございます。
○中川(智)委員 ぜひとも所得の保障、そして向上に対して積極的に施策を講じていただきたい、強くお願いいたします。 それに関連しますが、障害を持った方たちは、作業所などもたくさん生まれてきまして、さまざまな努力の中で、働く場、そして友達づくり、ともに生きていくという形で、地域では、私のそばにも作業所が幾つもございまして、私も、作業所の仕事づくりということもありまして、以前やっていました事業をずっと作業所の方たちにお願いしてきたということもあるのですが、もっと地域に出ていきたい、普通の企業に勤めて、ともに生きていきたいという思いが切実です。でも、こういう雇用不安のときには、障害を持っていない方の失業率も五%近くになってきたわけなのですが、それとは別に、切実に働きたいということに対して、もっと企業に対して厳しく就労に対しての積極的な働きかけをしていかなきゃいけないと思うのですが、事業所の法定雇用率がまだ半分ぐらいしか達成していません。 また、アメリカなどではジョブコーチ制度というものを活用しています。そして、市町村単位での就労支援や職業訓練の充実をおやりにはなっているでしょうけれども、まだまだ現実的にはこの程度かというぐらいのものです。何人も、一たんは就職したのだけれどもとても孤立したりその中でいじめに遭ったり、そんなことでせっかく就職しても雇用が長続きしないという現実がたくさんあって、養護学校の先生とか作業所の指導員の方たちの話を聞くと、頑張ったんだけれども無理だったんだと本当につらそうな声をたくさん聞きます。もう少し就労支援の拡充ということを積極的にやっていくべきだと思うのですが、まず、法定雇用率がまだ達成が半ばということとかそれに対する具体的な施策、それに対しての労働省の見解を求めたいと思います。
○長谷川政府参考人 障害者雇用についてのお尋ねでございます。 先生おっしゃいますように、障害者雇用は大変厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。平成十一年六月現在の民間企業におきます障害者の実雇用率は、法定雇用率は一・八%でございますが、実雇用率は一・四九%、障害者の法定雇用率未達成企業の割合は五五・三%ということでございます。 こういった状況でございますので、労働省といたしましては、障害者雇用促進法に基づく雇い入れ計画の作成命令等の指導のほかに、今年度におきましては障害者雇用率の未達成割合の高い中堅や大手企業を対象にして障害者雇用セミナーの開催などを行うことによりまして、雇用率達成指導を強化することといたしております。 また、障害者の重度化や高齢化に対応するために、障害者雇用納付金制度の運用あるいはその制度に基づきます各種の助成金の活用、公共職業安定所におきますきめ細かな職業相談や職業紹介、職場定着指導の実施などの対策につきまして、的確な実施に努めてまいりたいと考えております。 それから、先生がお触れになりましたジョブコーチ制度、これはアメリカではかなり障害者雇用の促進のために役に立っておるというふうに聞いております。私どもも、本年度から、知的障害者や精神障害者など他者との円滑なコミュニケーションが困難である障害者を対象といたしまして、職場適応援助者、いわゆるジョブコーチによる就職後の人的支援のパイロット事業を行うことにいたしております。これは、二年間の事業として日本障害者雇用促進協会や地域障害者職業センターが社会福祉施設等と連携をしましてジョブコーチによる支援の技法等につきまして、実際の現場を活用しながら検討したいというふうに考えております。 今後とも、労働省としましては、雇用対策と福祉対策の連携を図りつつ、障害者雇用の一層の促進に努めてまいりたいと考えております。
○中川(智)委員 ありがとうございます。大臣、障害者の人の雇用が本当に深刻なんですけれども、やはり厚生省と労働省が連携してやっていくべきだと思いますが、いかがでしょう。
○丹羽国務大臣 今、労働省の方から民間の方の法定雇用率につきまして、一・八のところが一・四九であるということでございます。それから、当然のことながら、官公庁といいますか国、地方、これも法定雇用率というものが出されておるわけでございます。これについては発表はなかったようでございますが、これは二・一、こういうふうになっておるわけでございます。 当然のことながら、私どもといたしましては、障害者の皆さん方が可能な限り就業できるような社会をつくるということは大変重要なことである、このように認識をいたしておるような次第でございます。 いずれにいたしましても、労働省と十分に連携をとりながら、障害者の皆様でも十分に就労できるようなお仕事を私どもが積極的に見出していく中において、積極的に、例えば在宅就労であるとかさまざまな形があると思いますけれども、こういった形で障害者の皆さん方の雇用の確保に努力をしていく決意でございます。
○中川(智)委員 次に、今回の法改正の中で、運営適正化委員会、苦情処理の第三者機関をつくることになっていますけれども、やはり大きな不安といいますのは、都道府県に一カ所ということで、きっちり利用者の苦情処理というのがそこまで届くのかどうか。そして、そこの機関の中にその声を吸い上げるような委員がきっちり入るのかどうか。手続の確立などがちょっと不安なのですけれども、第三者委員会の委員を選任するときの選考委員会などがあればいいのですが、そのようなことは今のところ考えていらっしゃらないのかどうかということと、どういう方法でそれを選考するのか。そこの情報公開なりなんなりということがあるのかどうか。その中にきっちりと利用者代表とかNPOの代表を入れるべきだと思っているのですけれども、そのようなお考えがあるかどうか。いろいろ質問を盛りだくさんにつけ加えてしまいましたが、よろしくお願いします。
○炭谷政府参考人 運営適正化委員会は、事業者段階での解決が困難な苦情等を適切に解決するために、先生御指摘のように、県の社会福祉協議会に設置するわけでございますけれども、その運営は、中立性、公正性が求められるわけでございます。その委員については、人格が高潔であって、社会福祉に関する識見を有し、かつ、社会福祉、法律または医療に関し学識経験を有する者と規定いたしております。 問題は、この委員の選任でございます。これにつきましては、透明性というものに十分配慮いたしまして、幅広い関係者の意見を反映し、手続の透明性が確保できますように、まず選考委員会に関する規定を整備することとしております。そして、選考委員会の委員につきましては、広く関係団体の意見をお聞きした上で、先生御指摘の福祉サービスの利用者を初めとする多様な分野から選任をし、また、運営適正化委員会の委員の選任に当たっては、選考委員会の同意を必要とすることとしまして、運営適正化委員会の委員の選考に幅広い関係者の意見を反映し、また、透明性の確保に努めてまいりたいと思っております。
○中川(智)委員 人格が高潔というのがちょっと……。高潔な人がいろいろ悪いことをしたりする世の中ですので、やはり当事者とかNPOとかそういう人たちを入れていただきたい。 質問の中で、県に一カ所というのは少ない、それで対応できるのかということについては、援護局としてはどうなんでしょう。
○炭谷政府参考人 確かに、福祉の苦情についてはたくさん出てくるだろうと思います。 私どもといたしましては、まず第一段階は事業者段階で、第三者の立ち会いのもとでまず解決していただこう。そこで解決できないもの、もちろん、利用者によっては事業者段階に言いにくいものについては直接県段階に言っていただいても結構なわけでございますけれども、大半の苦情については事業者段階で解決できるものが多いんじゃないだろうかというように考えております。このようなことで、県に一カ所あればまず対応できるのではないのかなというふうに思っております。
○中川(智)委員 続きまして、今回、契約制度に移行するわけなんですけれども、やはり知的障害の方たちへの対応というのは万全を期すべきだと思っております。その方たちへのケアは大丈夫でしょうか。
○炭谷政府参考人 知的障害者のサービスにつきましても選択制度へと移るわけでございますけれども、この利益を保護いたすために、地域福祉権利擁護制度というものを法律上明確に位置づけているわけでございます。 また、障害者福祉サービスの利用制度化に伴いまして、指定事業者制度を導入いたしますが、事業者は、利用の申し込みがあった場合には、正当な理由がない限り拒んではならないことを指定基準に盛り込むことといたしております。これとともに、市町村は、障害者の求めに応じ、必要なサービスの利用についてのあっせん、調整や、事業者への利用の要請を行うこととしております。 さらに、サービスを必要とする障害者の方がやむを得ない事情で契約によるサービス利用ができないような緊急の場合に備えて、措置制度もセーフティーネットとして残すことといたしております。 これらの方策によりまして、知的障害者の方々が必要なサービスが受けられないという事態が生じないよう、万全を期してまいりたいと考えております。
○中川(智)委員 それでは、最後になりましたが、扶養義務の部分と見直し規定のことで大臣に質問をしたいと思います。 生活保護受給の際は、民法の扶養義務から親族の承諾が必要で、障害者はいつまでも家族の一員に位置づけられています。措置から契約へという今改正で個人の利用が焦点になっているのですから、特例として扶養義務を外すことを検討すべきじゃないかと思います。個人として、やはり家族の中の一員として、所得もそのような形で個人の自立ということを一歩促進していくならば、利用者負担についてもきっちり扶養義務という部分を考えなければいけないと思いますが、それが一点。 そしてもう一つは、今回五十年ぶりの改正になるわけですが、介護保険なんかと同様に混乱やこんなはずではなかったという、障害者の人にとってマイナスの部分が多ければ、見直しはやはりもう少し早い時点でやるべきだと思いますが、五年後ぐらいの見直し規定をきっちりと置いていただきたいと思います。見直し規定を置くべきだということへの質問です。よろしくお願いします。
○丹羽国務大臣 まず、利用制度におきます自己負担でございますが、現在の負担水準を変えない、変更しないというような観点から、従来と同じように、所得水準に応じました負担、つまり、いわゆる応能負担という考え方によるものでございます。この応能負担による場合の負担能力につきましても、これまでと同様に、負担の公平という観点から、本人と同一生計にある扶養義務者を含めて判断することが最も現実的ではないか、こう考えているような次第でございます。 それから、見直しでございますが、この法案につきましては、施行後十年を経過した場合において、施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされておるわけでございますが、確かに委員のような御指摘もあるわけでございます。施行後十年ということは、施行後十年たたないと見直しを行わないということではなくて、当然のことながら、必要に応じて前倒しも行うということも検討しなければならない、こう考えているような次第でございます。
○中川(智)委員 どうもありがとうございました。
○江口委員長 次回は、明二十七日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時七分散会