厚生委員会 第6号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2000/04/12
会議録
○江口委員長 これより会議を開きます。 この際、去る七日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事吉田幸弘君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江口委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に児玉健次君を指名いたします。 ————◇—————
○江口委員長 内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。 ————————————— 児童手当法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○丹羽国務大臣 まず、森内閣の発足後、最初の衆議院厚生委員会での御審議に先立ち、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、森内閣の発足に伴い、引き続き厚生大臣に就任いたしました。今後とも、厚生行政の推進に全力で取り組んでまいる決意でございますので、厚生委員会の委員の皆様方におかれましては、御理解と御指導のほど、心からお願いを申し上げる次第でございます。(拍手) 引き続きまして、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の合計特殊出生率は、一・三八と過去最低の水準になっており、このような少子化の傾向は、我が国にとって大きな社会問題になりつつあります。 このため、政府といたしましては、少子化への対応として、仕事と子育ての両立の負担感などを緩和し、安心して子育てができるような環境の整備を進める観点に立って、昨年末、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランを策定し、幅広い分野にわたる施策を推進しております。 今回の改正は、こうした総合的な少子化対策を推進する一環として行うものであります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、当分の間、三歳以上義務教育就学前の児童を養育する父母などに対し、現行制度の給付に相当する給付を行うことにしております。 第二に、三歳以上義務教育就学前の児童に対する給付の額及び所得制限などは、現行制度と同様にしております。 第三に、三歳以上義務教育就学前の児童に対する給付の費用負担は、被用者及び自営業者などにつきましては、国が六分の四、都道府県が六分の一、市町村が六分の一を負担することとし、公務員につきましては、所属庁が全額負担することにしております。 最後に、この法律の施行期日は、平成十二年六月一日といたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○江口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○江口委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として大蔵大臣官房審議官福田進君、大蔵省主計局次長藤井秀人君、文部大臣官房総務審議官本間政雄君、文部省生涯学習局長富岡賢治君、初等中等教育局長御手洗康君、厚生大臣官房総務審議官宮島彰君、厚生省生活衛生局長西本至君及び児童家庭局長真野章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○江口委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本純君。
○松本(純)委員 自民党の松本純でございます。 ただいま丹羽厚生大臣より説明のありました児童手当法の一部を改正する法律案につきまして、少子化対策の一環として重要な施策と認識をする中で質問をさせていただきたいと思います。 近年、少子化が急速に進行しております。我が国の合計特殊出生率は一九九八年には一・三八と史上最低を記録していますが、現状を放置していればどんどん下がっていきかねないと思われます。二十一世紀の我が国は、超高齢社会であると同時に、人口減少社会に突入すると予想されております。労働力確保の問題など経済への影響あるいは将来の社会保障負担の増大など、社会、経済、国民生活に深刻な影響を及ぼす少子化という問題に対して、積極的に取り組むべきことは改めて言うまでもありません。 そこで、まず、政府はこのような少子化の進行についてどのように認識していらっしゃるのか、お尋ねをします。
○丹羽国務大臣 近年の急速な少子化の進展は、社会を支える働き手の減少であるとかあるいは市場規模の縮小など、我が国の社会経済はもとより、社会保障など幅広く影響を与えることが懸念されているわけでございますし、まず、基本的には社会全体で取り組むべき重要な課題だ、このように認識いたしておるような次第でございます。 このような急速な出生率の低下の大きな要因といたしましては、いわゆる未婚率の上昇であるとか、最近は晩婚化の傾向というものが指摘されておるわけでございます。その背景には、結婚に対する意識の変化とともに、人生観、さまざまな個人個人の問題であるとか、あるいは仕事場におきます男女の役割分担、こういったような考え方も一つの原因と言われておるわけでございます。と同時に、核家族化や都市化の進行などによる子育てと仕事の両立の負担感の増大などがある、このように考えているような次第でございます。 結婚や出産というのは、あくまでも個人の自由な選択にゆだねるものでございます。私といたしましては、女性が子供を産み育てながら、一方で働ける環境というものを整備していく、実現していくことにより、二十一世紀において我が国を家庭や子育てにもっと夢が持てるような社会にしていく、このことが何よりも肝要である、このように考えているような次第でございます。
○松本(純)委員 ただいまの御答弁の中にもありましたように、少子化にはさまざまな要因が絡んでいることからすれば、少子化対策は総合的でなければならないと思います。 例えば若い夫婦が仕事と子育てを両立できるよう育児休業制度や保育サービスを充実するなど、福祉、雇用、教育などの幅広い分野で施策を展開し、また、官民を挙げて少子化問題について取り組むような環境を整備していくことも重要であります。 既に昨年末には新エンゼルプランが策定されるなどの取り組みが始まっているところであると思いますが、厚生省が今後進めようとしている少子化対策の具体的な内容について御説明をいただきたいと存じます。
○大野(由)政務次官 委員御指摘のように、政府といたしましては、昨年末に少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランを策定をいたしまして、保育とか雇用、教育、住宅などの分野におきます少子化対策の環境整備を進めているところでございます。 厚生省といたしましては、新エンゼルプランにおいて、平成十六年度の目標値を設定いたしまして、保育サービスについては、ゼロ歳から二歳児の低年齢児の受け入れを五十八万人から六十八万人に拡大をいたしますとともに、延長保育とか休日保育などを推進いたしまして、働くお母さんの働き方も今多様化しておりますので、多様な保育需要にこたえられるようにしてまいりたい、このように思います。 それから、核家族化に伴いまして、母親の孤立化とか、地域や家庭の子育て機能が大変低下をしている、こういう状況でございまして、家庭も含めた子育てへの社会的支援の必要性が増しているということもあって、働くお母さんだけではなくて、在宅児も含めた育児の相談支援体制の整備を柱といたしまして、全国三千カ所の地域子育て支援センターの整備を初めといたしまして、子育て相談や一時保育、一時預かりなど多様な需要に対応できるよう子育て支援の拠点を地域に整備してまいりたいと思います。 また、リスクの高い妊産婦や新生児に医療を提供するための周産期医療ネットワークの全都道府県における整備を初めとする母子保健医療体制の整備を推進してまいります。 さらに、児童手当につきましても、支給対象年齢の就学前の児童まで拡大するというような総合的な少子化対策を実施することとしております。
○松本(純)委員 今回の児童手当制度改正についてでありますが、私は、ただいま御説明をいただいた総合的な少子化対策の一環としてこれを評価したいと考えております。 具体的な改正内容に入る前に、まず、この児童手当の役割について厚生省はどのように考えているのか、あるいは、児童手当に対して何が期待されているのか、見解をお尋ねしたいと存じます。
○大野(由)政務次官 児童手当法の第一条には、児童手当制度の目的といたしまして、児童を養育する家庭の生活の安定と児童の健全育成に資することが挙げられております。 また、子育ての環境整備についてどのような対策が必要か、さまざまな調査がございますが、仕事と育児の両立ができるように、保育所の充実、そしてまた育児休業制度の充実などの両立支援策に加えて、子育てに対する経済的支援を求める声が大変高いという状況でございます。 児童手当については、子育てに対する経済的支援を行うものとして、総合的な少子化対策の一つになるものと考えております。
○松本(純)委員 アメリカには児童手当制度はないそうでありますが、ヨーロッパ諸国には児童手当あるいは家族手当制度があると伺っております。これはどのような状況になっているのか、各国の取り組みの状況について御説明をいただきたいと思います。
○真野政府参考人 今御質問にありましたように、アメリカには児童手当制度がございません。しかしながら、ヨーロッパのイギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの四カ国について見てまいりますと、支給対象児童は、イギリス、ドイツ、スウェーデンはそれぞれ第一子から対象となっておりますが、フランスの家族手当は第二子以降を対象といたしております。 また、支給対象年齢でございますが、イギリス、フランス、スウェーデンが一応十六歳未満または以下、ドイツは十八歳未満ということでございますが、それぞれ学生その他につきまして期間の延長ということが認められております。 また、支給額でございますが、一人当たりおおむね月一万円を上回る程度ということになっておりまして、イギリスは第二子は低減という格好になっておりますが、その他の国は、二子、三子と、それぞれ子供がふえるに従って額がふえるという状況もございます。 また、所得制限につきましては、基本的には設けられておりません。 また、この手当の財源でございますが、フランスでは事業主、自営業者などから徴収をいたしました保険料等を財源といたしておりますが、その他の国は公費を財源としているという状況でございます。
○松本(純)委員 我が国の児童手当制度は、現在、三歳未満に対して月額五千円ないし一万円を支給しており、所得制限もあるわけですが、児童手当がないアメリカを除けば、ただいま御説明があった諸外国と比べ、支給額、支給対象年齢などの点でかなり見劣りがするという指摘もあります。厚生省はこの点についてどのようにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○大野(由)政務次官 諸外国の児童手当制度との国際比較についてでございますが、年功序列賃金とか扶養控除の有無といった、賃金体系のあり方や税制との関係などの諸条件が各国で違っておりますので、児童手当だけ単純に比較するというのはなかなか難しい面もあろうか、このように思っております。 しかしながら、そうした点も踏まえながら児童手当制度について比較をいたしますと、ヨーロッパの国と我が国の児童手当を比較しますと、支給対象年齢とか金額の面で委員が御指摘のような面もあるのではないか、このように思っております。
○松本(純)委員 それでは、以下、今回の改正ポイントについてお伺いをしたいと思います。 まず、児童手当の支給対象年齢を、現行の三歳未満から六歳到達後最初の年度末、すなわち、義務教育就学前まで拡大するということですが、どのような考え方に立って義務教育就学前までとされたのか、厚生省の見解をお尋ねしたいと思います。
○真野政府参考人 児童手当につきましては、支給対象年齢と支給対象児童というところにつきまして二度ほど改正が行われてまいっております。 当初は、義務教育終了までということで支給期間が決められておりましたけれども、対象児童は第三子以降ということでございました。昭和六十年に改正をいたしました際に、対象児童は第二子までというふうに対象を拡大いたしましたが、その際、支給対象年齢は義務教育就学前までに重点化をするということでございました。さらに、平成三年の改正によりまして、支給対象児童は第一子まで拡大することとされましたが、現在のように支給期間は三歳未満ということで重点化をしてきたものでございます。 今回、拡大をするということに関しましては、昭和六十年の改正の際に義務教育終了から就学前に重点化をいたしましたときとほぼ同様の理由、当時の説明では、児童の人格形成に最も重要な時期が児童発達学的には乳幼児期である、また、サラリーマン世帯、自営業者世帯とも可処分所得の絶対額が低い世帯であるというような状況から、生活上の制約が強く、経済的な負担も重いということで、義務教育就学前というふうに昭和六十年に改正をいたしました。今回、支給対象を拡大する場合、財源との見合いももちろんございますが、平成三年の改正で三歳に重点化する前の、義務教育就学前に拡大をするということで考えたものでございます。
○松本(純)委員 この拡充に要する財源は全額公費で、国が三分の二、地方が三分の一を負担するということですが、現行の児童手当では事業主負担が総給付費の三分の二をカバーしています。 財源構成についての基本的考え方、及び今回三歳以上と三歳未満で財源構成が異なることとした理由はどういうことなのか、御答弁を賜りたいと思います。
○真野政府参考人 現在の児童手当制度につきましては、先生御案内のとおり、今おっしゃられましたように、総給付費約一千八百億円のうちの約三分の二を事業主拠出金によって賄っているところでございますが、これも、昭和五十七年に所得制限を強化いたしました際に、全額事業主拠出金によります特例給付を行うというようなこともありまして、こういう状況になっております。 また、当初から、被用者層に対します給付の財源といたしましては、十分の七を事業主の拠出によるということでございまして、これは児童手当制度が将来の労働力確保に資するということなどを踏まえて事業主負担をお願いしているものでございます。 今回の児童手当の拡充に当たりましては、先ほど来、大臣、政務次官からも御説明申し上げましたように、少子化対策の充実ということが我が国にとって重要かつ喫緊の課題であるという状況のもとで、ただしかし、大変厳しい経済財政状況を踏まえまして、現実に所要財源が確保できる範囲内で措置をする。また、こういう経済情勢でございますので、なかなか事業主拠出金をお願いする状況にもないということから、今回、必要財源を公費で賄うということにしたものでございます。
○松本(純)委員 次に、所得制限についてですが、まず、所得制限の仕組みが現在どのようになっているのか、お尋ねします。
○真野政府参考人 現在の児童手当制度におきます所得制限は、自営業者と被用者とで二段階の所得制限を設けております。 具体的には、自営業者の場合は、夫婦と子供二人の世帯を例にとりますと、年収額で四百三十二万五千円以上になりますと児童手当の支給停止ということになります。被用者の場合には、それを超えましても、年収額が六百七十万円までは特例給付という形で給付を受けられることになっております。
○松本(純)委員 今の答弁にもあったように、所得制限は自営業者とサラリーマンとで二段階の限度額が設定されておりますが、このような仕組みは他の制度にはありません。今回の改正でも現在の仕組みを踏襲していますが、どのような理由でこのように自営業者とサラリーマンを分けているのか、その考え方をお尋ねします。
○真野政府参考人 サラリーマンと自営業者などで所得制限の限度額が異なっておりますのは、当初は一緒でございました、昭和五十七年に行財政改革の観点から所得制限を福祉年金並みに大幅に強化をいたしました。その結果、サラリーマンの相当部分が児童手当を受けられなくなるという状況になりました。したがいまして、サラリーマン層と自営業者層で児童手当の支給率に著しい格差が生ずる結果を来すということになりましたために、これをいわば補う形で特例給付を設けることによりまして両者の支給率を同程度に保つということにしたものでございます。 このような経過を踏まえまして、これまでも所得制限の限度額につきましては、サラリーマンと自営業者との間で支給率がほぼ同程度となるように、約七割程度でございますが、額を設定してきております。このような所得制限の仕組みを今回も踏襲をするということでございます。
○松本(純)委員 今回の改正を行った場合の効果についてお尋ねをしたいと思います。 厚生省は、今回の改正の結果、出生率が上昇するとお考えでしょうか、見解をお尋ねしたいと思います。
○真野政府参考人 正直申し上げまして、今回の改正でストレートに出生率が上昇するかということにつきましては、家族手当制度、児童手当制度が出生率を引き上げるかどうかということについては、出生率についてはいろいろな要素が絡んでおりますので、この制度との因果関係ということにつきましては、海外の調査研究を見ましても、効果があるという研究もございますし、効果がないという研究もございまして、なかなか一概にはお答えをしにくいところでございます。 ただ、先ほど政務次官からもお答えを申し上げましたように、いわば子育て家庭の経済的な負担ということから、本来持ちたい子供の数が実際持てないというようなことであるといたしますれば、そういう部分に対しまして、今回児童手当制度の改正によりまして、従来約二百五十六万人程度でございました対象児童数が五百六十五万人に増加をする、また給付総額も、十一年度は千八百億でございましたけれども、十二年度には三千二百億に増加するということでございまして、手当の対象となる児童は一気に倍増をするということでございます。そういう意味では、経済的負担に対しての対策という意味で十分意義があるというふうに考えております。
○松本(純)委員 平成十一年の二月の総理府の少子化に関する世論調査、これは子育ての経済的負担に対し社会的支援を行うことについての世論調査が行われましたが、これに対して、行うべきだと答えた者の割合が七五・五%。男性三十歳代から四十歳代の方に多く御意見があったようであります。また、女性につきましては、十八歳から四十歳代の方々にこの御意見が多かったようであります。一方、行うべきではないと答えた者の割合でありますが、これは九・四%。男性では五十歳代の方が多く、女性では六十歳代の方が多かったとのことであります。また、どちらとも言えないという方が一一・三%というような数字になっておるところでありまして、世代間の受けとめ方に多少の違いがありますが、現実には行うべきだとの御意見を持った方が多数となっております。 そして、子育て中の夫婦がともに大いに働けるような環境の整備、あるいは子育て世帯の税負担の軽減、あるいは児童手当など現金給付の充実などがその方々から求められていると言われておりますが、これらの要望にこたえていくことは大変重要なことでありますが、少子高齢社会により起こる経済社会の活力低下、社会保障制度の破綻に対する心配を取り除いていくためには、既に多くの方々から指摘されているように、将来に向けた我が国の経済のあり方や生活のあり方に対するビジョンを早く示していく必要もあります。 厚生省を初め政府におかれましても、安心して暮らせる社会づくりにさらに御尽力をいただきますよう心から御期待を申し上げる次第でありますが、これまでの厚生省の答弁をお聞きしておりましても、今回の改正は当面の対策であると言わざるを得ない部分もあるように思われます。また、今回の改正は、法律上も経過措置として位置づけられております。今後一層の少子化対策の充実が求められる中で、児童手当制度についてはどのように取り組んでいかれるお考えか、最後に厚生大臣の御見解をお尋ねしたいと存じます。
○丹羽国務大臣 児童手当制度のあり方につきましては、昨年末の与党合意におきまして、社会保障制度全般の改革の方向との整合性や扶養控除の見直しなど税制のあり方との関連に留意しながら、財源や費用負担のあり方についても総合的に検討する、こういうふうにされておるわけでございます。今後、与党におきまして、こうした趣旨を踏まえて検討が行われるものと考えております。 厚生省といたしましては、今後の与党間の協議を踏まえながら、先ほど来御議論になっております少子化対策としての効果、税制などほかの施策との関連、具体的財源確保の方策などにつきまして、さまざまな意見があることも事実でございまして、こういった問題につきまして、国民の皆さん方の理解と合意を得ながら適切に進めていきたい、このように考えておるような次第でございます。
○松本(純)委員 繰り返しになりますが、二十一世紀に向けての社会保障制度、さまざまな分野がありますが、この整合性を保ちつつ、本当に安心して暮らせる、生活ができる、そんな二十一世紀の日本を築き上げるために大いなる御尽力を賜りますよう御期待を申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。
○江口委員長 戸井田徹君。
○戸井田委員 自由民主党の戸井田徹であります。引き続いて、児童手当法の一部を改正する法律案について御質問させていただきます。 私は、社会保障制度の基本理念は、生涯を通じた自立支援にあると思います。生涯を通じて、個人が人の世話にならないで、一人の人間として自立して生活していけるように、人生のそれぞれのステージで必要な社会的支援を行うのが社会保障制度であり、自立支援はすべての社会保障制度に共通する基本理念である、そういうふうに思うわけであります。 例えば、子供時代は、人間は一人では生きていけないわけであります。子供を親が養育するのは高等動物に共通した自然の姿であり、ツバメでも、親は卵を産むとその卵を温め、かえってからは毎日ひなにえさを与えるわけであります。そして、ひなは、いつの間にか成長して、冬を待たずして、一人前になると巣立っていきます。今度は、自分でえさをとって生きていくわけであります。そして、その後、自分がまた親となって巣をつくり、それが繰り返されていく。 人間の子育ても同じであると思うわけであります。一人の人間を自立させ、ひとり立ちできるようにしていくのが子育てであり、それを支えていくのが社会だと思うわけであります。児童手当はそのような子供の自立のための給付であり、そのように考えていけば、決してばらまきにはならないのではないかと思えるわけであります。 橋本内閣のときに、社会保障構造改革の議論が盛んに行われました。官邸でも有識者懇談会がありますし、与党三党でも社会保障プロジェクトチームが置かれております。社会保障制度の基本的あり方についての議論が進められているわけでありますけれども、しかしながら、ややもすれば、少子高齢社会の到来で制度が行き詰まってくるとか、将来年金が財政的に破綻しそうだとか、制度をどうやって維持していくか、財源をどうするのか、負担が大変だなどといった議論が先行しがちでありまして、そもそも社会保障とは何なのかといった基本理念の議論がなかなか聞こえてこないように思えるわけであります。 そこで、まず、我が自由民主党の大先輩であり、社会保障の専門家であります厚生大臣にお伺いしたいと思います。社会保障制度の基本理念、社会保障構造改革のあるべき方向についての大臣の基本的見解をお聞かせいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 戸井田委員におかれましては、日ごろから、社会保障の問題につきまして、大変御熱心に、そして勇気のある発言をなさり、一つの見識をお持ちになって御発言なさっていることに対しまして心から敬意を表する次第でございます。 社会保障に関する考え方でございますけれども、我が国の社会保障というのは、どちらかというと、御案内のように、終戦後は生活保護などのいわゆる低所得者を対象とする救貧施策というものが中心になってまいりました。その後、国民全体、社会全体が豊かになっていく中において、個人の自己責任のもとで、個人ではいかんともしがたい、対応しがたい不測の事態に社会連帯を基礎として支え合う、こういうような基本的な考え方に立ちまして、広く国民全般を対象にいたしまして、例えば年金であるとか医療であるとか、こういった問題におきまして社会保険方式を採用いたしまして、ここまで我が国の社会保障というものは充実してきたわけでございます。 今後の社会保障のあり方を考えるに当たりましても、委員が御指摘のように、自立した個人、つまり、自助を中心にしながら、個人がお互いに支え合い助け合って、共助、互助、あるいは公的な仕組みによります公助をどのように組み合わせて社会保障を構成していくかということが大変重要な考え方である、こう考えておるような次第でございます。 そういう中におきまして、今後、私どもが検討しなければならないことは、給付と負担のあり方をどこまで求めていくのか。それから、当然のことながら、委員御指摘のように、自助を中心としながらも、公的な給付の範囲をどこに求めていくのか。それから、私は常々申し上げておりますが、どちらかというと、これまでお年寄りはいわゆる社会的な弱者であって、社会的弱者イコール一律経済的弱者だ、こういうような扱い方がされてきたわけでございますが、こういったような高齢者像というものをどう考えるのか。こういう中において、国民の皆さん方の理解と合意を得ながら、今後の社会保障の充実に当たっていかなければならない。そして、今後、例えば介護保険の問題におきましても、基本的には、自立を中心にしていかにサポートしていくか、そういう考え方においては全く同じ認識でございます。 この委員会で御審議を賜っております児童手当制度につきましては、少子化対策が進む中において、これまではどちらかというと、事業主の負担が七で公費の負担が三、これに見られますように、昭和四十六年にこれが本格的にスタートしたわけでございますけれども、従業員の福利厚生的な色彩がややもすると事業主の負担の割合から見て大きかったのではないか。そういう中におきまして、今回の改正においては、要するに思い切って公費をふやして事業主と公費の負担の割合をまさに逆転をさせたわけでございまして、今後の少子化対策の重要な柱の一つになる、こう考えているような次第でございます。
○戸井田委員 どうもありがとうございます。まるっきり方向が違うわけではないので非常に安心するわけですけれども、先ほど申し上げましたように、社会保障の目指すものは、自立した個人を育て、そして支えることにあるというふうに思うわけですね。未成年のときには保育や児童手当、病気になると医療保険、失業したときには雇用保険、さらに、定年後は年金、そして介護保険と。生涯の中で必要なときに個人を支えるのが社会保障であり、逆に、成人した大人は可能な限り社会や他人の世話になることなく、自立した個人として税や社会保険料を納め、支える側に立って社会に貢献してもらう、これこそが健全な日本の社会の姿だ、私はそういうふうに思うわけであります。 その意味では、個人は社会保障制度からどのような給付を受けているのか、自立支援のために社会や大人たちがどれだけの給付をしてくれているのかを明らかにすることは非常に重要なことだと思うわけであります。このことを常に意識することが、自分もまた支える側に立ったときには必要な負担をしていくという、支え合い、助け合いというか、自立した大人の意識を醸成することになるのではないか、そういうふうに思うわけであります。 そこで質問なのですけれども、個人単位で見た場合、個人の自立支援のために生涯を通じて社会保障の各制度がどのくらいの給付を行っているのか、その金額を教えていただきたい。また、そのうち税で賄われている部分がどのくらいになるのか、わかったらお教えいただきたい。
○宮島政府参考人 個人の生涯におきますところの社会保障各制度からの主な給付につきまして、平均的な受給実績など一定の仮定に基づき、利用者自己負担もあわせた額を推計いたしました。 まず、幼児期におきましては、児童手当が三歳未満までに十七万五千円給付されます。さらに、ゼロ歳児から入学前まで保育サービスを利用しますと、約五百五十万円の給付に相当いたします。 それから、医療費につきましては、これは生涯全般にわたるものでありますけれども、全年齢平均で年間約二十三万円になります。特に、老人医療費だけに着目いたしますと、年間約七十六万円という給付になっております。 それから、高齢期になってまいりますと年金が給付されるわけでございますが、厚生年金の老齢年金で見てみますと、これは男女の平均でありますが、年間約二百万円が給付されるということになっております。 なお、個人単位での各制度別財源内訳については推計を行っておりませんけれども、社会保障全体の財源内訳から見ますと、平成九年度におきまして、その約四分の一が公費負担になっているというふうに考えております。
○戸井田委員 ありがとうございます。できたら、また後で資料をいただきたいと思います。 また同様に、教育費についても、例えば義務教育なんかの場合でしたら、これも考え方によっては一つの自立支援になると思うのですね。学齢期前、幼稚園と、学齢期、小中学校、義務教育の個々の子供たちが国から受けている教育サービスについて、個人ベースでの金額がどのくらいになるのか、教えていただきたいと思います。
○本間政府参考人 義務教育の段階におきます一人当たりの教育費の財政負担についてのお尋ねでございます。 平成九年度で見た場合でございますが、小学校段階でございますと、ほとんどの子供たちが公立の小学校に行っておりますけれども、国と地方から出ております財政負担ということで見ますと、年額でございますが、八十五万八千八百三十一円になっております。また、公立中学校で見てみますと、九十三万五千八百六円、こういう数字になっております。
○戸井田委員 きょうは、児童手当制度について議論する場ですから、児童手当制度の意義、目的についてちょっとお聞きしたいと思います。 まず、児童手当制度の趣旨、目的、それをお尋ねしたいと思います。児童手当はだれに対して支給しているのか、また、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○真野政府参考人 児童手当制度は、その法一条に「目的」ということで、児童を養育している者に手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成と資質の向上に資することを目的とするということになっております。 この目的のために、児童手当制度におきましては、支給対象児童を監護し、かつ、これと生計を同じくする父母などに対しまして手当を支給するということになっております。
○戸井田委員 児童手当は親に対して支給する現金給付ということでありますけれども、私は、児童手当も社会保障制度なのでありますから、基本はあくまで子供の自立支援のための給付である以上、子供に対して支給すべきものではないかなと思うわけですね。児童手当は子供に対して支給し、子供一人一人に口座を持たせて、そして、自分が生育の過程で国や社会からどんな支援をしてもらったのかがわかるようにすることが重要なのではないかな、そう思うわけであります。 また、子供に対する給付であることを明確にすることで、手当の使い道もおのずから明らかになり、真に子供のために使われるようになってくるんじゃないか。一説によると、親が勝手に子供のためでなしに自分の生活費に使ってしまうとか、もっとひどい例ではパチンコにとかいう、そんなことも聞かれることがあるわけですから、そういう意味で、親に支給するというよりも子供の自立支援なんだというところに観点を置くことによって変わってくるんじゃないか。 そして、今申し上げたように、銀行口座でもいいし、郵便貯金の口座でもいいし、そこに記録しておくことによって、将来、自分自身が、子供の時代に、自分の知らないときに、そういう支援を受けていたということを後で知ることも可能なんじゃないかな。できればそうした口座を生涯使っていく、そうすると、自分の協力することと受けることとがそこで一目瞭然になってくるんじゃないかな、そういうふうに思うわけですね。 そこでお伺いしたいんですけれども、児童手当は子供に対して支給すべきである、私はそう思うわけですけれども、個々の子供の口座を設けて、子供が制度から幾らお金をもらったのかトータルで明らかになることが重要で、今申し上げたとおり、児童手当が真に子供のために使われるようになると思うわけですけれども、それに対してどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○真野政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、児童手当は、児童を養育する家庭におきます生活の安定と児童の健全育成に資することを目的とするものでございまして、児童を養育する父母などに対しまして手当を支給いたしております。 先生御指摘の使用目的という議論でございますが、児童手当法ではそういうことも懸念をいたしまして、手当の支給を受けた者は、これをその目的の趣旨に従って用いなければならないということになっております。 先生御指摘の、いわば小さい間に国からどういう給付を受けたか、そして、それがまた成人になったときに負担の意欲というものにつながる、そしてまた、生涯を通じてそういう社会保障口座のような口座ができれば、自分の負担と給付についての意識というものも非常にはっきりするという御指摘は、大変示唆に富む御指摘でございますが、実際問題といたしまして、どういう格好で管理をだれがしていくのか、それから、児童手当で申しますと、大変恐縮でございますが、一子、二子は五千円でございますし、三子は一万円でありますので、この金額が同額であればあれなんですが、三子目からは額が異なっているというようなこともございまして、現在のところ、大変御示唆に富む議論ではございますが、直ちに児童手当だけでそういう格好にするということにつきましては、なかなか難しい面があるということでございます。
○戸井田委員 そんなのは考え方によっては簡単でして、子供は全部五千円ずつで、最後に、一万円というのは、お母さん、御苦労さんでもいいじゃないかというふうに思うわけですね。 児童手当については、まだ所得制限というのもあるわけですね。これももっともみたいな感じもするわけですけれども、公費による現金給付であることや、子育て世帯の経済負担を軽減するという現在の制度の目的からすれば、一定程度の所得制限があるのは仕方ないのかな。また、他の公費による現金給付制度、例えば児童扶養手当と比較して、所得制限が比較的緩く、おおむね七割程度の家庭が受給しているということからすれば、殊さらに議論するまでもないという考え方もあるかもわかりません。 しかし、社会が生育過程にある子供に対してその自立を支援するために行う給付であるという考え方に立てば、親の所得によって給付の有無があるというのは問題があるのではないか。子供に対する給付として制度を考えれば、本来、児童手当は所得制限なしで給付するという考え方も成り立つのではないか、私はそういうふうに思うわけですね。 そこでお伺いしたいんですけれども、改正後の児童手当の支給総額は幾らになるのか、また、所得制限を撤廃した場合には給付総額は幾らになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○真野政府参考人 今回の改正によりまして、対象児童数は、平成十一年度の約二百六十万人から平成十二年度には約五百七十万人、新たに支給対象となる三歳以上の児童数は約三百万人というふうに見込んでおります。 また、給付総額でございますが、平成十一年度は約千八百億でございますが、十二年度には約三千二百億。初年度でございますので、満年度ベースに換算いたしますと、約三千九百億に増加するというふうに予想をいたしております。 今回の改正で仮に所得制限を撤廃した場合ということでございますが、対象児童数は約七百八十万人、それから給付総額は満年度ベースで約五千二百億になるものというふうに考えております。
○戸井田委員 子供の自立支援のための制度と考えると、本来、児童手当は所得制限なしに支給してもよい制度ではないかというふうに思うんですが、これについてはどう思われますか。
○真野政府参考人 先ほど先生も御質問の中で御指摘になりましたように、現在の我が国の公費による給付制度につきましては、いわば給付の重点化といいますか、そういう対象を絞るということで所得制限を設けられるのが一般的でございまして、今回の児童手当におきましてもそういうような形で所得制限が行われているところでございます。 所得制限の議論につきましては、当初、この児童手当制度創設以来いろいろ御意見がございますが、今の考え方はそういうことでございますけれども、先ほど御説明を申し上げましたように、諸外国においては所得制限のない制度をとっている国もございます。そういう問題につきましては与党でも御議論をいただけるというふうに考えておりますので、与党の御協議も踏まえながら対処したいというふうに考えております。
○戸井田委員 私が最初に申し上げた考え方、生涯自立、自立した一人の個人をつくっていく、そして、その個人が社会に出て、一生懸命自分一人で生きていけるように頑張る、それで、その個人が一生懸命自分で働こうと思っても働けなくなったとき、一人で生きていこうと思っても生きていけなくなったとき、そのときに社会保障制度としてのいろいろな制度があるんだ、そういう理念の上に立ってこうした制度をつくり上げていくことによって、そして一時期の、児童手当だけ、医療保険だけ、年金だけ、そういう区切られた考え方でなしに、一生涯を通しての社会保障制度という考え方が成り立ってくるんじゃないか。 今までのこうした日本の制度を見ていくと、結果的にはある程度自立支援制度になっている。今回の児童手当にしても、考え方によれば確かに自立支援であることは間違いない。だけれども、それが親に給付されるということになると、少しずれてくるんじゃないかな。 本来であれば、一人の個人としてとらえたときに、生まれてから死ぬまでの間、自立した個人にするためにみんなで育てていき、そして自立していったら、その人も一緒になって社会を支えてもらう、そういう考え方に制度がなっていかなきゃいけないんじゃないかな。そうしないと、年金制度においても医療保険制度にしても、国民年金なんかでも自分たちが将来もらうときになったら払ったほどもらえないんじゃないかとか、そういう意見が出てくるというのは、まさにそういうところに原因があるんじゃないかなという気が僕はするんですね。 ですから、この児童手当というものを考えるときに、その児童手当だけを考えるのではなしに、生涯を貫いた社会保障制度の中の一つの制度なんだ、国の制度の中の一つの制度なんだ、それは全部つながっているんだ、根底には一つの理念が貫いているんだ、そういう考え方のもとにやっていく必要があるんじゃないかなというふうに思うんですね。 そういう意味で、大臣と政務次官の方にも、今私が申し上げた考え方について御感想で結構ですので、ぜひ最後にお聞かせいただけたらありがたいなと思っております。
○丹羽国務大臣 先ほどからの戸井田委員のお話をお聞きいたしておりまして、一つの考え方であるということは私も十分承知いたしておりますけれども、先ほど来局長からも御答弁を申し上げておりますけれども、児童手当というのは、少子化対策として、家庭の負担の軽減に少しでもお役立ていただきたい、どれだけ役に立つか、効果ということは別といたしまして、そういう観点から申し上げて、お子様にお渡しをするのではなくて御両親に交付するものでございます。 将来にわたって自立の心を育成するという観点からお子さんに差し上げるという考え方も、一つの考え方であるということは十分に私もそれなりの理解は示すわけでございます。これまではゼロ歳から三歳でありますが、もしこの法案を通していただければゼロ歳から就学前になるわけでございますけれども、そのお子さん方に五千円なり一万円なりをお渡しをして、将来子供さんに対する自立するための支援ということに結びつけることは、一つの考え方としては私も理解しないではないわけでございますけれども、基本的には、先ほど来申し上げておりますように、児童手当というのは、少子化対策の考え方から申し上げますと、直ちにお子様の口座に振り込んでどうのこうのするとかということはなじまないものではないかな、私は個人的にはこう考えているような次第でございます。 今後は、十分そういったような御議論もしていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
○大野(由)政務次官 委員が今いろいろおっしゃいました、自立した人間をどう確立していくか、こういう視点からの御意見だったと思いますし、私も一個の人間として、自立した人間をしっかり確立していくということは非常に大事な視点だと思います。 しかし、自立したくても自立できない子供のころとか介護が必要になったとき、こういう意味で子育てと介護に関しては社会で支え合っていこうという、社会保障の一環としての——自分のことは自分で責任を持つというちょうど中間の時期と、自分で育てたくても自分でできないその時期と介護の時期、それとは同じ社会保障でもちょっと角度が違うんじゃないかなというふうに感じております。
○戸井田委員 時間が来ましたので、終わりたいと思いますけれども、大臣もちょっと誤解しているのかな。私の今申し上げたことが理解していただけないのかな。 当然、ゼロ歳児とか一歳、二歳、三歳といった子供は自分で考えるわけにいかないわけです。それは、当然保護者である親が子供のことを考えてやっていく。生まれてから母子手帳があるように、国の制度として国からそういうお金の支援をもらいましたよということを残しておく——それを当然使ってしまうでしょう、使ってしまった後にも、母子手帳をひっくり返して昔のことを親子で話をするのと同じように、その通帳をひっくり返して、ゼロになったそのお金をどういうふうに使ったかということを親が子供に話せなきゃならないし、また、子供が親からその話を聞くところにその意義がある。 そのつながりがあるからこそ、将来、介護保険だろうが年金だろうが医療保険であろうが、自分が一人前になって自立したときにそれを率先して背負おうという気持ちになるんだ。そこに家庭におけるつながりができるということを考えたときに、この口座をつくることは意味があると僕は言いたいわけであります。 以上、終わります。
○江口委員長 福島豊君。
○福島委員 本日は、私は、まず、扶養控除と児童手当制度の関係につきまして、大蔵省の方にもおいでいただいておりますので、基本的なことを確認をさせていただきたいと思っております。そして、その次に、現代の子供の育ち方が変わってきたのではないかということにつきまして、私が感じておりますことを、何点か文部省の方また厚生省の方にお尋ねをしたいというふうに思っております。 まず初めに、扶養控除と児童手当の関係でございますが、一体どちらを選択するのか、子育ての社会的支援としてどちらが適切なのか、これはさまざまな議論があるところでございます。昨年末、予算編成に当たりまして、私どもも扶養控除をどういうふうに見直すのかということでさまざまな議論を重ねてまいりました。 今回の児童手当法の改正につきまして、さまざまな御意見がございますけれども、要するに根っこのところは、扶養控除と児童手当の関係をどうするのかということについてまだ国民的な合意がなかなかなされていない、そこのところにあるのではないかというふうに私は思っております。それを論じるに当たりまして、この委員会でもその客観的な事実というものを委員の皆様方にも御理解をいただくということが大切だろうと思いまして、何点か確認的な質問をさせていただきたいと思います。 諸外国と比べる場合に、さまざまな比べ方がございますけれども、より広く見るという意味では、OECD二十九カ国においてどのような施策がとられているのかということは、一つの客観的な参考になるのではないかというふうに私は思っております。 まず第一点目としまして、このOECD二十九カ国において児童手当制度を選択している国はどのくらいあるのか、その実態について厚生省から御報告をいただきたいと思います。
○真野政府参考人 OECDの資料によりますと、OECD加盟二十九カ国のうち、一九九五年の調査時点で、児童手当または家族手当がある国は二十七カ国でございまして、児童手当制度がない国はアメリカとメキシコだということでございます。
○福島委員 まあ、アメリカというのは世界の中でもある意味では特異な国でございます。ですから、アメリカを引き合いに出して児童手当云々というのは余りなじまない議論だということを、この二十九カ国のうち二十七カ国が児童手当を選択をしているという事実からは受け取ることができるのではないかと私は思っております。 一方で、この二十九カ国の中で税制によって子育ての支援をしているところ、これは児童扶養控除と児童税額控除の二つの制度があるわけでございますけれども、その実態はどうなっているのかということについて大蔵省からお答えをいただきたいと思います。
○福田政府参考人 お答えを申し上げます。 児童の扶養に係ります税制上の措置につきましては、所得控除、税額控除のほかにも、例えばフランスにおきましては世帯単位課税、いわゆるN分N乗方式による課税を行うことによりまして配慮をしております。こういったところがございまして、各国において実はさまざまな制度がとられているところでございます。 そうした中で、今先生から御指摘の控除制度に限って申し上げますと、所得課税に関しますOECDの一九九九年の公表資料、それから、当方で、限界がございますけれども、把握している限りの各国の資料等によって見ますと、扶養に係る児童につきまして所得控除あるいは税額控除のいずれかの控除制度が確認できる国は、現在やっているところは、OECD加盟国二十九カ国中十八カ国と承知しているところでございます。 このうち、所得控除の制度が確認できる国は、日本、アメリカ、ドイツ、チェコ、韓国、スペイン、スイスの七カ国でございます。それから、税額控除の制度が確認できます国は、アメリカ、ドイツ、イタリア、カナダ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、ハンガリー、ルクセンブルク、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、二十九カ国のうちの十三カ国であると承知しております。 なお、この十八カ国以外の国でございますが、イギリスにつきましては、児童税額控除を二〇〇一年度から導入する予定というふうに聞いております。その他の十カ国につきましては、正直申し上げまして、資料がなくて中身がわからないという部分もございます。 いずれにいたしましても、これらの制度は互いにまたは児童手当との間で選択制になっている場合がございまして、家族構成や収入等に応じ有利な制度の選択等が異なりますことから、一概に所得控除、税額控除を選択している国の数が何カ国あるということを申し上げることは困難であること、また、各国の控除制度の比較を行います場合には、給付と負担に係る他の諸制度の相違等も勘案する必要があるということだけは御理解願いたいと存じます。 以上でございます。
○福島委員 児童扶養控除が七カ国、そして児童税額控除が十三カ国ということでございますが、児童税額控除というのが基本的には児童手当にむしろ近い税制上の措置であるということを考えますと、我が国のような扶養控除を選択している国は、OECD二十九カ国のうちわずか七カ国ということで、言ってみれば少数派だということではないかというふうに思います。今、イギリスで二〇〇一年から税額控除を導入する見通しということでございますが、扶養控除ではないというところを着目するべきであると私は思っております。 今イギリスの話が出ましたが、スウェーデン、イギリス、この両国におきましては、児童手当と扶養控除の統合が行われて、扶養控除制度そのものが廃止をされたと伺っておりますが、この間の経緯について厚生省より御説明をいただきたいと思います。
○真野政府参考人 まず、スウェーデンでございますが、税制上の児童扶養控除は一九二〇年に導入されたということでございますが、現在の児童手当制度は一九四八年に導入されまして、その際、児童扶養控除が廃止されたというふうに聞いております。 また、イギリスにつきましては、一九四六年に第二子以降の子供を対象とする家族手当制度が創設されまして、その後、一九七七年に児童給付制度に改められまして、支給対象を第一子まで拡大するということになりましたが、その際、児童給付の実施と同時に、税制上の扶養控除を一九七九年までかけまして段階的に廃止したというふうに承知をいたしております。
○福島委員 このような実態というものを踏まえますと、政策として、扶養控除よりも児童手当を選択することに恐らくメリットを見出したということなのではないかというふうに私は思います。 児童手当制度と扶養控除、それぞれ長所、短所があるというふうに言えるかと思いますけれども、この点について大蔵省としてはどのような認識をお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。 児童手当制度につきましては、児童を養育する家庭の生活の安定、あわせて児童の健全育成に資することを目的としているわけでございます。これに対しまして、扶養控除制度は、個人所得課税におきまして、所得の多寡にかかわらず、世帯構成に応じて基礎的な人的控除を差し引くことによりまして、担税力に応じた税負担の調整を行うことを目的としているということは御案内のとおりだと思います。 したがいまして、両者はおのずから異なった目的を有しているわけでございますけれども、あえて児童養育家庭の経済的負担の軽減という機能の面から見た場合、まず児童手当につきましては、非課税世帯を含めまして中低所得者を対象とした定額給付となっているということ、あわせて事業主拠出等の特定財源も仕組み得る制度になっているということかと思います。これに対しまして、扶養控除につきましては、他の年齢層の扶養親族や配偶者等に係りますところの控除等とのバランスを確保しつつ、所得に応じた税負担の調整を図ることができる制度であるという特徴を有していると思います。 他方、その裏返しとして言いますと、この現行の児童手当制度で言えば、所得制限がある、したがいまして高所得者は対象外になっているという点がございますし、他方、扶養控除につきましては、低所得者は対象とはならない、所得額が高いほど減税効果が段階的に大きくなるというような諸点を抱えているということが言えるのではないかというように思っております。
○福島委員 今の御説明を承りますと、要するに、日本の子育ての経済的支援というのは扶養控除の方が主体でございますから、高所得の人ほど手厚い支援を受ける、低所得の人ほど支援が逆に少ないんじゃないかというような指摘もできるわけですね、相対として見た場合ですけれども。 よくこの児童手当が少子化対策になるのかという議論があります。私は、すべての人に関して、児童手当が支給されたから子供がふえるという話にはならないだろうというふうに思います。しかし、実際に、経済的な負担を考えて、もう一人子供が欲しいんだけれどもあきらめている家庭があるということも事実なんですね。 ですから、こういう経済的支援を行う場合には、一体どの家庭に手厚く支援が行われるのかということを考えなければいけない。それはおのずと明らかなように、所得の低い層に関しましてきちっとした手厚い支援が行われるべきであろう、そういう結論が簡単に出てくるのではないか。であるならば、扶養控除の制度において子育ての経済的支援をするというのは余り適切な政策選択ではない。税制の世界の中ではそれで理屈が通るかもしれませんけれども、その社会的な効果ということを考えた場合には余り適切な選択ではない、私はそのように思います。 社会保障制度審議会の九五年勧告では「我が国の児童手当制度は、制度自体やその具体的仕組みについてしばしば見直しが求められるなど、いまだ必ずしも十分我が国に定着しているとはいい難い。今後育児環境の整備の一環として児童手当制度の充実を図っていく必要があるが、その際児童手当と税制の児童扶養控除や企業による家族手当との調整に考慮が払われなければならない。」という勧告がなされております、五年前のことでございますけれども。 この勧告を受けて、例えば政府税調において、扶養控除、児童手当の関係はいかにあるべきかということについて議論がなされてきたのかどうか。その点について、私は、これは政府の社会保障制度審議会の勧告ですから、当然検討がなされてしかるべきであるというふうに思っておりますけれども、大蔵省の御報告を求めたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 児童手当につきましては、各方面において種々の議論が行われていると承知しておりますが、昨年十二月の私どもの財政制度審議会の報告におきまして、その要点を申し上げますと、最近の出生率低下の原因は未婚率の上昇であり、むしろ仕事と育児の両立を図る施策を優先すべきとの意見があることに留意する必要がある。その上で、具体的には、少子化対策につきましては、固定的な男女の役割分業あるいは雇用慣行の是正による男女共同参画の促進、育児と仕事の両立に向けた子育て支援を初めとして、雇用、福祉、教育、住宅等さまざまな施策を総合的に推進していく必要がある。少子化対策全体のあり方あるいは税制上の扶養控除との関係を踏まえて検討する必要がある。さらには、給付費規模に見合う具体的な財源の確保が必要であるというような指摘がなされております。 それから、先生今お話がございました昨年十二月の政府税制調査会の答申におきましては、児童手当のあり方等との関連で、個人所得課税の扶養控除を整理してはどうかとの議論につきましては、基本的には個人所得課税の抜本的な見直しの中で、引き続き検討すべき課題とされているということでございます。 平成十二年度の予算におきましては、こうした御指摘を踏まえますとともに、与党間での合意というものを受け、財政、税制を通じて少子化対策の重点化を図る観点から、年少扶養親族に係る扶養控除の割り増しの特例の廃止によりまして確保されました財源を中心といたしまして、児童手当の支給対象年齢を引き上げる等の拡充を図ったということは、既に御案内のとおりでございます。その法案が提出されているということでございます。
○福島委員 今の大蔵省の説明は、私は承服できないところがありまして、要するに、財源論の話だということになってしまっているわけです。財源論の話ではなくて、政策の選択として、扶養控除を選択するのか児童手当を選択するのかというその問いに対して、私は真正面から答えていただきたいと思いますし、昨年になりましてこういう答申が出たということですけれども、九五年から五年間の間、一体どのような議論がなされてきたのかということについて御説明がなかったことは甚だ残念であるというふうに思っております。 来年度の予算編成に向かいまして議論を継続するということになっております。今改めて扶養控除なのか児童手当なのかということについて、きちっと真正面から検討を私は進めていただきたいと思います。 次にお尋ねをしたいことは、先ほども言いましたように、子供の育ちの問題でございます。 少子化ということで子供の数が減るということが問題になっておりますけれども、私は、それだけではなくて、子供の質という言い方は余りいい言い方ではないと思っておりますけれども、子供のあり方そのものが変わっているのではないか、そういう思いがいたしております。 一九九八年に、NHKが、「学校——荒れる心とどう向き合うか」で「広がる学級崩壊」ということで学級崩壊の姿を報道いたしました。私もそれを見まして、これは大変なことが起こっているんだなということを率直に感じました。びっくりいたしました。 また、九八年には黒磯事件がございました。バタフライナイフで教師を刺し殺した、それも、突然子供が切れて、刺し殺したというような事件が起こったわけでございます。 その番組の中でこんな報告がなされておりました。授業中立ち歩くというような行動が「よくあった」、「あった」と答えた教師が三四%、注意するとかっとなって切れる状態の子が「いた」と答えた教師が三五%、そしてまた、学級崩壊を体験したと答えた教師が八%いるという数字が報告された。これは大変なことだと思います。 少子化ということと同時に、いかにして健やかな子供を育てるのかということについて、政府はもっともっと力を注がなければいけないというふうに私は思っております。 河上亮一さんという中学校の先生がおられます。「学校崩壊」という本を書かれました。その中で、このような指摘を同じようにしております。 「この十数年のあいだに、それまでの子どもとはまったく異質の、新しい子どもたちが登場してきたからではないか」「校内暴力の嵐がおさまったあと、学校はとりあえずは静かになった。しかし、そのころから、私たちだけでなく、全国あちこちの教師のあいだで、どうも生徒がよくわからなくなってきた、ひょっとすると生徒たちが大きく変わってきたのではないかということが言われはじめた」。そして、「ごく基本的な生活動作ができなくなった」「ひじょうにひ弱になった」「生活もひどくだらしなくなっている。」「時間どおりにうまく動けない」、「すぐ疲れたと言って床にべたっと座り込んでしまう。」ジベタリアンという言葉があるようでございますけれども、そういう姿が見られる。そしてまた、切れるということにつながるわけですけれども、「ひ弱になった反面、ひじょうに頑固でわがままになった」。 こういうことがなぜ起こったのか。これは学校教育だけにとどまらずに、私は、幼児期の教育というものが恐らく大きく影響しているのではないかというふうに思います。この点について所管の文部省はどのように認識しておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○富岡政府参考人 いわゆる学級崩壊でございますけれども、いろいろな複合的な要因が積み重なって起こるものだと思っておりますけれども、特に家庭、地域社会の教育力の低下ということが一つの大きな原因ではなかろうかと思っておるわけでございます。 家庭教育ということでございますけれども、すべての教育の出発点ということで、例えば今先生御指摘のような自制心とかあるいは自立心とか豊かな情操とか思いやり、いろいろな倫理観とかマナーなどの基礎を育成していく場でございますけれども、近年の都市化とか核家族化、あるいは少子化等の影響によりまして、家庭の教育力の低下が指摘されていることは事実でございます。 例えば、昨年文部省が行いました子供の体験活動の国際比較調査がございますけれども、日本の子供たちが、生活規律とか社会のルールとか道徳心に関しまして、諸外国に比べまして親から余りしつけられていないというようなことが既に浮き彫りになっているわけでございます。 非常に大事な問題だと考えておりまして、なかなか難しい問題でございますけれども、文部省といたしましては、具体的な施策で各家庭への働きかけが必要だということで、しつけのあり方というようなことにつきまして問題提起をいたします家庭教育手帳とか家庭教育ノートを作成、配布いたしましたり、子育てに関しましての親の悩みの相談とかいうようなことで、家庭教育の相談体制を整備したり父親の家庭教育参加の促進とか、いろいろな施策を進めているところでございます。 また、今年度でございますけれども、新たに、子育て、しつけに関しましていろいろな相談に乗ったりする子育てサポーターというようなものの全国配置というようなことを考えておりまして、地域の子育て支援ネットワークの形成を促進しているところでございます。 今後とも、そういう面での施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島委員 福島章さんという精神科医の先生がおります。上智大学の教授ですが、最近その先生が「子どもの脳が危ない」という本を出されました。その中で、ADHD、注意欠陥多動性障害ということでございますが、厚生省でも九六年度に研究班が研究を行いまして、子供の七・八%がADHDである疑いがあったと。この注意欠陥多動性障害というのは、落ちつかない、なかなか勉強ができない、ある意味ではLD児に重なる概念でもあろうというふうに思うのですけれども、そういう子供がふえているのではないか。そしてまた、そういう子供が学級崩壊の一因にもなっているのではないかというような指摘をこの中でなされております。 今、文部省からるる御説明がございましたが、こういう観点から見た場合に学級崩壊というのはどうとらえられるのかということについて、文部省の御認識をお伺いしたいと思います。
○御手洗政府参考人 学級崩壊につきましては、まず、具体的に担任の指導力の問題が大きくかかわっているケースが多いわけでございますけれども、その背景といたしまして、現実に子供の生活の変化や家庭教育の問題等も挙げられるところでございます。 文部省といたしましても、この状況につきまして、昨年、国立教育研究所の研究チームを中心に事例の調査をさせていただきました。百二の事例を子細に、その要因あるいは対応、さらにはその正否等々につきまして個別に分析いたしまして、その結果を一つの参考資料という形で、中間報告という形でお示ししたところでございます。その事例調査におきましても、今先生の御指摘にございましたように、いわゆる注意欠陥多動性障害と診断される子供がいたということによりまして、その子供への対応はなかなか難しいということで、他の子供たちがそれに連動して学級崩壊の状態になったという事例も実は報告をされております。 私どもといたしましては、こういった子供につきましては、まず心身の状況を適切に把握するということが、大変難しゅうございますけれども大事だろうと思いますし、また、必要に応じまして医療機関と保護者が相談していただくということも大事でございますし、指導経験豊かな教師を配置する、さらには特別に支援の教員を学校全体として配置するというような工夫も必要だと思っておりますけれども、何よりも、こういった特別な支援を要する子供を学級全体として互いに支え合い励まし合う環境をつくり上げていく、そういった学級経営が必要だろうということで、今後ともまた具体的な状況を通じながら指導に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○福島委員 文部省の立場ですから、教育的なかかわりをどうするかというところに力点が置かれるのは自然なことでございますけれども、単にそういう教育的なアプローチだけではなくて、より精神医学的なアプローチも必要なのではないか。 例えば、これはいい面も悪い面もありまして、ヒラリーさんが、アメリカではADHDに対してリタリンという薬が非常にたくさん使われている、こういう状態でいいのかということを指摘しておりますけれども、逆に言うと、日本はむしろ精神医学的な評価というのが余り行われていない、教育だけに重みを置いているということでなかなか物が変わらないということもあるかもしれませんし、事態の実際というのがなかなかよくつかめていないということもあるのじゃないかと私は思います。 できれば、事例の解析ということもありますけれども、ADHDがどのような状況なのか、疫学的な調査というものを文部省としても私はぜひ行っていただきたい、そんなふうにも思います。 時間もありませんので、次に、もう一つこの関係で言いますと、最近のお母さん方の子育てを見ていますと、テレビ、ビデオを見せておくと子供は静かにしている。幼児ですけれども。それで見せておくということが結構あるのですね、母親がわりということで。それが実は非常に大きな影響を心に与えているんじゃないかという指摘が、先日もマスコミでなされました。 テレビ、ビデオばかりに向かっていた子供が、例えば自我の形成というようなことで影響を受けることがあるのじゃないかと私は思いますし、そしてまた、ADHDと同じような行動をするようになるのじゃないかという指摘もあります。この点については文部省はどのように御認識なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○富岡政府参考人 例えば、テレビ、ビデオにおきまして、性、暴力等のシーンが青少年にどういう影響を与えるかということにつきましては、なかなか難しい問題でございますけれども、総務庁の調査で、テレビの暴力シーンの接触量が多くなれば、暴力行為を経験している者の割合が多いというような相関関係が調査結果に出たりしております。 私どもも大事な問題だと考えておるわけでございまして、従前から、メディア上の有害情報等の問題につきまして、関係省庁あるいは関係業界に対しまして自主規制ということをお願いしてきたわけでございます。 特に、昨年十二月から文部省と経済団体との懇談会を幾つか開催してまいりましたけれども、特に青少年に悪影響を与えるような番組づくりの是正ということにつきまして、文部大臣から各経済団体に対しまして、特にそのスポンサーとなるというようなことにつきまして、いろいろな格段の御理解、御協力をお願いしてまいったところでございます。 また同時に、親の立場といたしまして、PTAが全国的に取り組みまして、そういうテレビの番組のモニタリング調査を実施いたしまして、例えば、放送局だけではなくて、スポンサー企業に保護者として働きかけるというふうな試みも始まってまいったわけでございます。 そういうような活動を進めると同時に、今先生御指摘のように、基本的には、家庭で小さな幼児の段階から露骨な性描写の番組とか暴力的な番組を親の判断で見せないということが大事でございますし、それから、テレビ、ビデオにばかりのめり込んでいるようなことがないようなルールづくりが家庭で必要でございまして、こういうことについての働きかけは、先ほど御紹介いたしました家庭教育手帳などで各家庭に問題提起をしているのが実情でございます。 なかなか難しい問題と思いますので、今後ともいろいろな働きかけを進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○福島委員 ちょっと質問と答弁がずれてしまいましたが、単に暴力的なシーンということだけではなくて、例えば、人間が言語を獲得する過程というのは、母親との間で言葉のやりとり、そしてまた動作のやりとりがあって、言語というのは獲得されてくるわけですね。 テレビやビデオを見るというのは、一方的に情報がシャワーのように入ってくる。そういう中で、人間の脳の中に、人間の脳のオペレーティングシステムというのは後天的にできるわけですから、そこのところが影響されるのじゃないかというのが今の精神医学者の指摘なんです。単に暴力的だというだけではなくて、例えば発語が遅くなるとか、そういうようなこともあるようにお聞きしております。ここのところも体系立った研究をぜひともすべきだろうなというふうに私は実は思っております。 時間も限られておりますので、最後に一つだけ大臣にお尋ねをしたいと思います。 私も子育てをしながら思いますのは、専業主婦の子育てというのは、やはりいろいろな課題というか大きな困難が伴う時代になってきている。家の中でひとりで子供を育てておりますと、子供が泣きやまないとテレビを見せる、ビデオを見せるというようなこともあるし、そしてまた、母子のきずな、依存関係といいますか、それが非常に強くなるというようなこともある。 ですから、私は、介護の社会化をするということが言われましたが、子育ての社会化を実はすべき時期に来ているのだろうと思うのですね。それは、地域社会が昔と違ってつながりが薄くなった、核家族になった、そういう状況の中では子育ても社会化をする必要があるのじゃないか。 そのためには、保育所の機能をもうちょっと外に開かれて、いつでも使える、先ほど子育て支援センターという話がありましたけれども、もっともっと使いよく、例えば一時的に預かっていただける、そして預かった上で、保育ということに非常にトレーニングを積んだ方からいろいろなアドバイスをいただくとか、そういうやりとりができるような仕組みを地域の中にたくさんつくってほしいというふうに思っております。そこのところの大臣のお考えを最後にお聞きをしたいと思います。
○丹羽国務大臣 福島委員御指摘のように、核家族化に伴いまして母親の相談相手がいない、最近よく言われております母親の孤立化という問題がございまして、家庭や地域の子育て機能が大変低下をしているのではないか、こういうことが指摘されておるわけでございます。こういうような児童や家庭を取り巻く環境の大きな変化に対応して、子育てを今委員が御指摘のように社会全体で支援をしていくことは大変重要である、このように考えているような次第でございます。 昨年の十二月に策定いたしました新エンゼルプランにおきましては、先生にも大変御尽力をいただいたわけでございますが、必要なときに保育サービスが利用できるよう、低年齢児の受け入れ枠の拡大であるとか、延長保育であるとか、あるいは休日保育の推進など、保育所入所児童へのサービスの充実を図る一方で、今御指摘のような自宅で子育てをしていく、いわゆる在宅児という言葉が最近盛んに言われておるわけでございますが、この在宅児を含めました子育てを支援していくためには、子供を短期間預かる一時保育の充実であるとか、これも委員御指摘の、育児不安についての相談指導を行う地域子育て支援センターの整備、こういうものを柱の一つにいたしまして、平成十六年度には三千カ所に拡大するということになっております。 当然のことながら、現在ある、今申し上げたような保育所のあり方と、これはあくまでも保育に欠けるということが基本になっておりまして、働く母親などのためにこういうものが置かれておるわけでございますが、同時に、今申し上げたような在宅児に対するさまざまな施策ということが今後大変大きな問題であろう、このように考えているような次第でございます。 地域子育て支援センター、先ほど申し上げましたように三千カ所に拡大することになっておるわけでございますけれども、この着実な推進であるとか、また、今後、こういった問題を検討課題として十分に受けとめていく必要があるのではないか、このように考えているような次第でございます。
○福島委員 以上で質問を終わります。大蔵省、文部省の皆様、大変ありがとうございました。
○江口委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私は、この児童手当法案そのものは、国会に提出される前に十分に審議をさせていただいておりますから、余り細かいお話は一切いたしません。きょうは、政治家として、厚生大臣並びに総括政務次官にお伺いします。 児童手当というのはそもそも何だろうか、それから、日本の国の少子化という問題はどうとらえなければいけないのか、あるいは、日本の行政の中で、政治の中で、児童手当というのはどう位置づけるべきなのか、また、今後どうあるべきなのか、そういう基本的な問題に絞りましてお話をお伺いしたいと思います。 今、世間で、今回の児童手当の拡大に対しまして、一部でございますけれども、ばらまきであるという批判があります。これは、私は大変憂うべき風潮だと思うんです。ばらまきという言葉の定義をしないで、ばらまきという言葉を何か中傷する手段のように使う、これはとんでもないおかしい話だと思うんですね。 それで、丹羽厚生大臣に聞きたいんです。俗に言うばらまきというのは、一体、定義をすれば何だろう。その定義に従って考えれば、今度の児童手当法案はばらまきじゃないと明言できるのかどうか、それを政治家としてお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ばらまきの定義というのは非常に難しい問題でございまして、その目的であるとか効果であるとか内容であるとか、あるいは財源確保の有無、こういったような要素のほかに、さまざまな主観的な要素も含めまして、ばらまきに当たるかどうかということを判断しなければならないと思いますけれども、率直に申し上げて、一部にばらまきだという意見があることも事実でございます。特にマスコミの一部にそういうことがあるということは、私は大変残念に思っております。 ちなみに、ばらまきというのは何かという定義でございますが、余計なことかもしれませんが、広辞苑でばらまきとは何かということを調べますと、「金銭などを多くの人に見さかいなく与える。」ということなんですね。「見さかいなく与える。」ということであります。 今回の児童手当の改正につきましては、施策の優先順位というものを十分に考慮いたしまして、総合的な少子化対策の一環として拡充を図るものでございます。また、今回の児童手当の拡充のための財源につきましては、特例公債、赤字公債の増発によることなく、所得税の年少扶養控除の見直しにより財源確保をすることにいたしております。また、これは公明党さんにはいろいろ御意見があると思いますが、所得制限というのを設けておりまして、先ほど局長からも答弁が自民党の松本委員にございましたけれども、そういう意味においては、あまねく広く何でもまくというのとはちょっとわけが違う。 どちらかというと重点化をして、扶養控除とばらまきの——要するに児童手当のことが出ておりますけれども、重点的に、どちらかというと低所得者の皆さん方に手厚くしていくという考えから、少子化対策の中で、経済的な理由によってなかなか子供さんを産み育てることが難しいという方々も少なくないわけでございますので、多かれ少なかれ、その精神というものは、十分に国民の皆さん方の理解は得られるものと私は考えておりますし、また、私どもといたしましては、こういった問題につきまして国民の皆さん方にあまねく理解と合意を得られるように努めていくことが今後の拡充につながっていく、このように考えているような次第でございます。
○遠藤(和)委員 今の大臣のお言葉を私なりに整理すると、予算はお金を配分する話なんですけれども、これを見境なくばらまくことをばらまきと言うのであって、政策をきちっと決めて重点的に有効に予算を配分するということは、予算の当たり前の話でございますね。これをばらまきだと表現する方がどうかしている。そういうことを言えば、予算は全部ばらまきであるという話になってしまうわけでございまして、私は、このばらまきという言葉を定義しないで、そういうイメージだけで政治を評価するという、このあり方は気をつけていかなければいけないし、私どももきちんとそれは説明をする必要がある、このように認識をいたしている次第でございます。 それで、少子化対策なんですけれども、少子化対策というのは福祉政策なんだろうかという疑問を私は持っているわけでございます。単なる福祉政策でいいのかという問題でございます。 単なる福祉政策というものから考えてばらまきだという議論が出てくるんじゃないかなという気がするものですから言っているんですが、少子化という問題は社会保障制度の根幹にかかわる話ですね。次の世代がいないわけですから、年金制度だって崩壊せざるを得ない、医療保険制度だって危うくなる、あるいは雇用保険制度だって大変です。それから、社会の仕組みそのものがやはり成り立っていかなくなる。経済状況も大変でございます。あるいは、労働力の確保という面からいっても大変な問題です。 そういう面からいうと、この少子化対策というのはまさに国の存亡にかかわる話でございますから、これは単なる福祉政策のレベルで議論をすべき問題ではない。もっと大きい、国のあり方あるいは国の行方、そういうものを議論して行う話ではないのか、そこにお金を使うということは大変大事な選択ではないのか、こういうふうに基本的な認識をしておりますが、いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 まず、近年の急速な少子化の進展というものは、社会保障のみならず、さまざまな影響を社会全体に与えることが懸念されておるわけでございます。そういう中で、社会全体で取り組むべき重要な課題だと考えております。 政府におきましても、少子化対策につきまして会議を設けておるわけでございますけれども、今委員が御指摘のように、単に福祉政策だけでこの問題が解決できるというような考え方は持っておりません。 当然のことながら、そういう中において、例えば住宅であるとか教育であるとか雇用であるとか、それから、先ほども申し上げましたけれども、それぞれの価値観であるとか人生観であるとか、こういったさまざまな問題が少子化の要因になっているのではないかな、こう思っておるわけでございます。それだけに、率直に申し上げて、これをすればすべて少子化対策になるんだということを見出すことはなかなか困難なものがあるわけでございますが、私どもは、社会全体の中で——あくまでも子供を産み育てるということはそれぞれの方々の選択にゆだねるという基本的な考え方は持ちながらも、二十一世紀の我が国において安心して子供を産んで、子育てができるような環境を整備することが何よりも大切なことではないかな、こう考えているような次第でございます。 私どもの分野におきましては、昨年の末に策定をいたしました少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランに基づきまして、働きながらも十分に子育てができるような環境づくりということで、保育対策であるとか、今御議論をいただいております児童手当の拡充など、さまざまな問題を総合的に進めていく中において国民の皆さん方の理解を得て、そしてやがて——そう急速に効果が出るとかいうものではなくて、国民の皆さん方の理解の中においておのずと……。さまざまな国において、例えばフランスなんかでもそうでございますけれども、こういったものが、あくまでも個人の自由でございますけれども、大変重要な問題になってくるのではないか、こう認識をいたしておるような次第でございます。
○遠藤(和)委員 では、大野総括政務次官にお聞きします。 今度、少子化対策の総合プランとして新エンゼルプランをつくられたわけですね。その中で、たくさんあるんですけれども、国民の皆さんにこれが目玉ですよと自信を持ってお訴えができるものは何なのか。もう一つは、新エンゼルプランの中で児童手当というものはどういう位置になるのか、この問題をあわせて御認識をお聞きしたいと思います。
○大野(由)政務次官 新エンゼルプランの目玉は何かという御質問だったかと思いますが、従来の緊急保育対策等五か年事業が保育に絞られたものであったのに対しまして、新エンゼルプランは、保育だけじゃなくて、働き方とか、相談支援体制、母子保健、教育、住宅等の幅広い少子化対策の重点施策の具体的な実施計画を策定している次第でございます。 厚生省的には、先ほどの大臣の答弁にもございましたので詳しい説明は省略いたしますが、うんと低年齢児の保育を拡大したこととか、多様な保育、休日保育とか延長保育を拡大したこととか、また、在宅児も含め一時保育、地域子育て支援センター、在宅のお母さんに対する支援体制を整備したというようなこと、それから、リスクの高い妊産婦や新生児に医療を提供するための周産期医療ネットワークを全都道府県に広げる、こういうふうなことが大きなメーンとしてございます。 それからまた、新エンゼルプランの中には、仕事と子育てを両立させるための雇用環境の整備の一環といたしまして、明年一月から育児休業給付の給付水準を、現行二五%でございますが、それを四〇%に引き上げまして、育児休業をとりやすくする。そして、育児休業をとり終わったお母さんが再び職場に復帰しやすいように、育児休業明けの年度途中に保育所入所が円滑にできるような定員の弾力化などを積極的にしている次第でございます。 そのほか、厚生省以外にも、教育に伴う経済的負担の軽減で奨学資金の事業の拡大だとか、ゆとりある住生活の実現だとか、さまざまなことをやっておりまして、この児童手当制度の改正も新エンゼルプランの具体的な実施計画の中の一つとして位置づけられている次第でございます。
○遠藤(和)委員 今、児童手当をどういう位置で考えるかという問題について少し認識を示してほしかったわけですが、児童手当というこの政策を全体のパッケージの中でどう位置づけるのか、この位置をどう認識しているのか、この話をぜひ聞かせてください。
○大野(由)政務次官 済みません。先ほどの発言を少し訂正させていただきます。 昨年の十二月十七日に、閣僚会議で少子化対策推進基本方針というものが定められました。その中に児童手当制度の改正も入っております。そして、その具体的な実施計画として新エンゼルプランが設けられまして、その新エンゼルプランの具体的実施計画には、先ほどちょっと説明いたしましたが、保育サービスの充実とか雇用環境の整備とか教育環境の整備とか、住まいづくり、まちづくり、また、母子保健医療体制の整備等々が盛り込まれているわけでございまして、児童手当制度の改正というのは、幅広い総合的少子化対策の施策の一環ではございますが、新エンゼルプランの具体的実施計画の中には入っていないという状況でございます。
○遠藤(和)委員 施策の説明を聞いているのではなくて、政治家として、児童手当というものを少子化対策の方でどういう位置で考えているのか。大変大きな柱と考えているとか、その一部であると考えているとか、その認識を聞いているのでございます。
○大野(由)政務次官 少子化対策にはさまざまな総合的な取り組みが必要だ、このように思っておりますが、この児童手当も、今子育ての負担感というものが大変増している中で、子育ての経済的な負担感を和らげるためにも、この児童手当というのは少子化対策の中の大変重要な柱の一つである、このように認識をしております。
○遠藤(和)委員 重要な柱の一つであるというふうな認識を示されたわけですけれども、大変大切な、中核になる政策の一つではないかなと私は認識しています。 したがって、これを、例えば十六歳未満までに拡大するとかあるいは所得制限を撤廃するとか、そういう形ですべての児童を対象にすべきだ、そして、十六歳以上の方々は、これは奨学金制度というのがあるわけですけれども、これを希望者全員に与えるべきだ、こういうふうなつながりを持たせますと、大学を卒業するまで何らかの形で国がサポートするというパッケージができるわけですね。そういうふうな政策展開というものを私は考えるべきだと思うんです。 丹羽厚生大臣は、私どもの考え方、今後十六歳未満まで拡大する、あるいは所得制限を撤廃する、こうした形で児童手当というものを少子化対策の重要な柱としてさらに推進をしていく、こういうことに対して賛成か反対か、理解しているか、その辺の感触を教えてください。
○丹羽国務大臣 私も、実は厚生大臣に就任する前は、与党三党の少子化対策検討会の座長をいたしておりました。その席におきましても、御党から児童手当の拡充について大変御熱心に御主張、御提案をいただいていることは、十分承知をいたしておるような次第でございます。 この児童手当のあり方については、その経緯につきましては委員も十分に御案内のことと存じますけれども、昨年末の与党合意におきまして、財源や費用負担のあり方について総合的に検討する、こういうことで決着を見たわけでございます。今後、与党におきまして、こうした趣旨を踏まえまして検討が行われるものと考えているような次第でございます。 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますけれども、これまでどちらかというと児童手当というのは事業主の負担によって賄われていた、公費が三割で事業主が七割であったわけでございますが、今度は、三歳未満から就学前まで延ばすことによりまして、しかも、すべて公費によって賄うということによりまして、いろいろな御意見がありますけれども、この限られた財源の中においてそういった方針を打ち出したということは、大変意義のあることではないか、私はこう考えているような次第でございます。 この対象人員が拡大したこともさることながら、今申し上げたように、これまでどちらかというとすべて事業主にお任せをしていたものを、例えば三歳から六歳についてはすべて公費によって賄っていく、こういうような方針を打ち出されたということでございますけれども、先ほど来お話がございましたように、少子化対策としての効果であるとか、あるいは税制などほかの施策との関連、それから財源のあり方やその具体的な確保の方策などについて、いろいろこれからクリアをしなければならない問題があるわけでございます。 私は、率直に申し上げて、この児童手当というものが少子化対策のまさに中核だと思うし、象徴的な問題だ、こう考えておるわけでございます。額そのものは、率直に申し上げて、すべての御家庭がこれによって大変助かるということも、一概に……。要するに所得制限がございますので、大変大きなウエートは占めておりますけれども、すべてこれによって賄えるというようなことでもないわけでございますけれども、一つの象徴的な、あるいは今委員が御指摘のような中核的なものとして考えていかなければならない。 こういったような観点からこの問題について取り組んでいかなければならないと考えておりますけれども、何よりも国民の皆様方の中に、まだまだ一部に否定的な意見があることも紛れもない事実であります。私どもは、こういったものを粘り強く御説明を申し上げて、今申し上げたようなさまざまな問題点を総合的に勘案する中で、このさらなる拡充を目指していくということが基本的な方向ではないかな、こう考えているような次第でございます。
○遠藤(和)委員 大変重要な認識を示していただいたと思います。 私は、額ではない、国がそういうことに関心を持っているというメッセージを発する話だと思うんですね。ですから、これは十六歳未満まで拡大する方向で議論をするべきだと思います。 拡大の具体的なやり方としては、やはり国債を使っちゃいけないと思うんですね。国債を使わないでやる方法、それは、一つは年少扶養控除の縮減あるいは撤廃ということがあるでしょう。それは税制との関連ですね。 それともう一点、私は、児童手当に自己責任の原則というんですか、自分が何か出しているというものが入ると意味合いが濃くなるかなと考えるんです。事業主と国が全部負担しているんじゃなくて、自分も出していると。 その一つのアイデアとして、例えば年金保険ですね、年金制度の中で児童に対する手当を支給する。年金制度というのは、今は老齢年金と障害年金で、若い人に魅力がないわけですね。ですから、年金の被保険者の子供さんには年金の財源からそれを支給するというアイデアもあっていいのではないか。 これは、年金に保険料を掛けているわけですから、ある意味では自己責任の世界で、その果実として児童手当を支給されるということもあっていいのではないかと思っています。年金制度というものが、若い世代に魅力のあるものになるという意味もあると思いますね。あるいは、自己責任という世界の中で、社会保険制度の中でそれを行っていくという方法もあると思います。年金制度の中でやるといっても、今の積立金をむやみに使うのは私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますね。いろいろな方法が考えられるわけですけれども、例えば三号被保険者を一号被保険者にすると二兆円ぐらい入ってきますよね。そういう中から、そういう工夫も考えられないか。何かそういう枠組みというものも考えてよいのではないか。 これは私の個人的な考え方なんですけれども、そういうことに対するお考えもお伺いしたいと思います。
○大野(由)政務次官 年金制度におきましては、少子化対策の一環として、平成七年度から育児休業期間中の保険料のうち、本人負担分は免除をしてきたところでございます。 さらに少子化が進む中で、先般成立をいたしました年金改革法の原案策定に当たりましても、例えば保険料のさらなる免除制度の導入とか一時金の創設など、さまざまな施策について検討を行ってまいりました。 その結果、育児を行う労働者への支援の必要性や将来世代の負担への影響などを勘案いたしまして、育児休業期間中の年金保険料分事業主負担を今回免除にいたしまして、育児休業をとりやすい環境を整えた次第でございます。 少子化対策として、委員御指摘の年金制度からさらなる現金給付を行うことにつきましては、今回の年金法の改正の中でも種々議論があったわけでございますが、新たな給付を創設することによって、このための財源として将来世代にさらなる負担増を求めることとならないか、なるのではないかといったような問題もあって、慎重に検討をする必要があるのではないか。 第三号被保険者の問題もしっかり検討を始めることにしておりますが、この第三号被保険者も、所得のない人にそのまま負担を求めるということはいかがなものかというような御議論もございますし、あわせて、この問題については十分慎重に検討を要する問題である、このように思っております。
○遠藤(和)委員 ですから、私は最初に政治家としての見識を聞きたいと言ったのは、そこにあるのでして、厚生省が今やっている行政については、あるいは検討している状況については私もよく知っております。 そういうことを超えて、将来国債を使わないで、この児童手当というものを少子化対策の中の非常に重要な中核に据える、さらに育成していく知恵というものを出していかなければいけないわけですね、政治家というのは。その一つの方向性のようなものを私自身の私見として述べたわけでございます。 これは、いろいろな方法はあるにしても、選択肢はいっぱいあるわけではないです。国の税制を変えてどうするかという話か、あるいは、年金制度なり社会保険政策全体の中でそういうものを考えていくか、ほかにもあるかもわかりませんけれども、そういうところにある程度集約されるのではないかと思うものですからちょっとお聞きしたわけでございます。できるだけそういうものを私は与党の中でも煮詰めたいと思っているのですけれども、厚生省としても御協力を願いたい、こういうことを申し上げたいと思います。 最後に、今回の改正案にちょっと触れるのですけれども、十六歳未満の年少扶養控除を四十八万円から三十八万円に圧縮しましたよね。その結果、児童手当の対象とならない人たちは結果的にその部分は増税になっていますね、このことについてどう考えるのか。それから、このことによりまして財源が四百億円出まして、子育て支援基金に出すことができました。この基金の活用の点につきまして、初めて今回の法案の部分の質問をするのですけれども、そこの話を聞きまして、私の最後の質問にさせていただきます。
○丹羽国務大臣 まず、先ほど外国の例で、扶養控除と児童手当、扶養控除もやっておれば児童手当もやっている数というのは少なくて、むしろどちらかだというようなことであります。 さまざまな議論があったわけでございますけれども、扶養控除と児童手当というのは、もともと制度の位置づけというのは性格的に異にしているのではないか、私はこう考えておるわけでございます。ただ、子育ての経済的な負担の軽減という観点から見れば、この扶養控除と児童手当というものは、同じような性格、重複した機能を持っているということも紛れもない事実であります。 扶養控除というものは、所得の多寡に関係なく、どちらかというと高所得者に対してより大きな効果が得られるということでございますし、当然のことながら、所得の低い方でいわゆる非課税世帯というのは扶養控除の対象にならないわけでございます。一方、児童手当というのは定額でございまして、先ほど来御答弁を申し上げておるわけでございますけれども、サラリーマンと自営業者との間では所得制限があるわけでございますので、そういう意味におきましては高額所得者には所得制限があるといったような違いがあって、どちらかというと、児童手当というのは低所得者に対して手厚いと申しますか有利と申しますか、そういった点があるものではないか、こう思っておるような次第でございます。 今回の児童手当の拡充は、こうした両制度の違いを踏まえまして、財政、税制を通じて少子化対策のまさに重点化を図っていくのだ、こういったような中で行われたわけでございます。 今御指摘のありましたような、就学前はいいけれどもその上の方はどうなのか、こういったような問題があることも紛れもない事実でございます。また、赤字国債を発行しないのだ、子孫にこれ以上の借金を残さないのだ、こういうような御党の御主張もございました。厚生省といたしましては、総合的な少子化対策全体の中におきまして、今年度におきましては、先ほど申し上げましたように、これまで基金といたしましては九百億円が子育て支援基金として現存しておるわけでございますけれども、四百億円上乗せをいたしまして千三百億円に、要するに出資金にしたわけでございます。 これの利用方法でございますが、少子化社会に対応した子育てに必要な各種の事業、特に、民間やボランティアといったようなものがやっているものに対する御支援であるとか、青少年の非行防止など民間団体が取り組むべき相談、普及、啓発、こういったようなものに行っていくわけでございまして、私どもといたしましては、今先生の御指摘の点も大変気がかりな面であることは紛れもない事実でございますが、小中学生を対象とした事業の拡充などに重点的に配分をいたしまして、今回税負担増になる方々に対しても十分に配慮を行っていくべきだ、こう考えているような次第でございます。
○遠藤(和)委員 ありがとうございました。終わります。
○江口委員長 次回は、明後十四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十六分散会