厚生委員会 第2号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2000/02/25
会議録
○江口委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生大臣官房審議官堺宣道君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、保健医療局長篠崎英夫君、保健医療局国立病院部長河村博江君、生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、医薬安全局長丸田和夫君、社会・援護局長炭谷茂君、老人保健福祉局長大塚義治君、保険局長近藤純五郎君及び年金局長矢野朝水君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○江口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桧田仁君。
○桧田委員 自由民主党の桧田でございます。 厚生大臣の先ほどの所信表明を受けて、いよいよきょうから厚生委員会でも質疑が始まるところです。トップバッターでございますので、細かいことは後に譲るとして、できるだけ総括的、総論的なことを総括政務次官にお伺いしますので、的確な御答弁をお願いしたいと思います。 まず、ずばりお伺いしますが、平成十二年度の厚生省予算、厚生省としても、大臣、総括政務次官としても、ずばりこれだと、いわば目玉というと恐縮ですが、これが私たち厚生省としても、政府としても、ぜひ国民にと言われるものがあると思います。どんなものでしょうか。
○大野(由)政務次官 来年度の厚生予算の目玉という御質問でございます。厚生省の施策、たくさんございますが、代表的なものを三点ほど御紹介をさせていただきたい、こう思います。 まず第一は、介護保険法の円滑な実施のために万全を期すとともに、新たに策定をいたしましたゴールドプラン21を推進してまいります。 第二は、昨年末に策定した新エンゼルプランに基づき、保育サービスや母子保健医療など総合的な少子化対策の一層の推進に取り組むとともに、児童手当を拡充してまいります。 第三に、廃棄物処理対策といたしまして、ごみ焼却施設や産業廃棄物処理施設の整備に対する財政支援を拡充してまいります。 そのほか、ミレニアムプロジェクトとして、痴呆などの疾患の遺伝子の解明による病気の治療法の研究などの施策を推進してまいります。
○桧田委員 大野総括政務次官の大変ありがたい御答弁でございますので、ぜひ国民に、これからはばらまきということもいかがかと思います、また、重点化ということが大事な施策ですから、よろしくお願いします。 そこで、やはり大議論になっております診療報酬改定、来年度予算は〇・二%アップということで一たん決着は見たわけですが、これからの少子高齢化で、医療費も何といってもふえていく現実もございます。今までは薬価差を縮小しながら、あるいはR幅を縮小しながらいわば財源をつくってきたわけですが、これからはそういう方式もほとんどなくなってくるということです。ずばり、これから診療報酬の改定への財源、来年度ということでなくて、これから将来にわたってどのようなお考えでしょうか。
○大野(由)政務次官 これまで診療報酬の改定は薬価改定と同時に行われてきた、こういう経緯がございまして、薬価差を縮小することで生じた財源を診療報酬の改定財源に充当してまいりました。 しかし、こうした診療報酬改定のあり方について、今後、人件費がどう変わるかといった経済変動の状況、それから小児医療だとか新しい技術の充実等の医療の質の向上、そしてまた公的医療保険制度の安定の確保、また資源配分の効率性等の観点から、診療報酬の問題については検討をする必要がある、このように考えているところでございます。
○桧田委員 中の見直し、あるいはむだを省き、また国民に納得できる診療報酬にしていかなきゃならないということは議論をまたないところでございますけれども、そうはいいましても、自然にふえていくこと、あるいはまた高度の医療をやっていくこと、また国民の多岐にわたるニーズでございますから、今までのような考えではとても診療報酬財源というのは、各団体がどう言っているという問題じゃなくて、大きな曲がり角、岐路にも立っていると思うのです。 そこで、私たちだけではありません、皆さんの議論の中に、消費税をどうするか、目的税化するということがどうしても議論になっています。ずばり、総括政務次官としてはお気持ちはいかがでございましょうか。消費税ということに関してはいかがでしょうか。
○大野(由)政務次官 我が国の医療保険制度は社会保険方式を中心にやってまいりまして、診療報酬財源につきましても、保険料を中心として、公費の補助、そしてまた患者負担によって賄ってきたところでございます。 今、医療費について、消費税を財源に目的税化してというお話でございましたが、我が国では社会保険方式を採用してきたことでもあり、また消費税の引き上げにつながるような問題にもなってくるわけでございますので、現実問題として大変難しい課題だな、このように思っております。 いずれにいたしましても、診療報酬の改定財源のあり方については、高齢者医療のあり方も含めて今後の大変重要な検討課題である、このように認識をしております。
○桧田委員 診療報酬の改定は、今大議論でもございますので、ここでこれ以上突っ込んでもどうかと思います。本当に国民的な議論が必要な大事な問題ですから、ぜひいろいろなことを幅広く御検討いただきたいと思います。 診療報酬の関連ということではどうかと思うのですが、先ほど言いましたように、国民にとっては医療に対するニーズはますます広がってきています。 多岐にわたりますので、一つ一つ取り上げるというのは時間もありませんので、私としては、この機会にぜひ少子高齢化の一番最初の部分と最後の部分、すなわち、母子保健、つまり子供が生まれるとき、そして、本当に人生の終末を迎えるとき、この二つを何とかきっちりしたいというのは国民の大きな思いでもあると思うのです。そこで、このたびの予算の中で周産期医療とか小児医療、さらには緩和ケアという問題の終末期医療に関して、お気持ち、お考えがあると思うのですが、どのようなお考えでしょうか。
○大野(由)政務次官 周産期医療や小児医療は、安心して子供を産み健やかに子供を育てる基礎、基盤になるということから大変重要である、このように認識をしております。 我が国の乳児死亡率は、世界で冠たる、今最も低い水準にあるわけですが、妊産婦の死亡率はまだまだ改善の余地があるなど、さまざまな課題があろうか、このように思っております。 こうしたことから、昨年末に策定をいたしました新エンゼルプランの中で、一般の産科医院などから高度な医療機関に母体や赤ちゃんを搬送して適切な医療を提供する体制であります周産期医療ネットワークをつくっていく、また、小児専門の救急医療体制を全国的に整備をしていく、このようにしたところでございまして、診療報酬につきましても、現在、中央社会保険医療協議会におきまして、小児医療の充実、救急医療の充実の観点から検討をお願いしているところでございます。 さらに、妊娠、出産の安全性の確保や子供の心身の健やかな発達などに関するさまざまな課題について整理をいたしまして、母子保健医療の二十一世紀に向けた国民運動計画ともいうべき健やか親子21を本年中に策定をして取り組んでいきたい、このように思っております。 また、緩和ケアについてお話がございましたが、国民や医療従事者の末期医療に対する考え方を見ますと、大半の方は、単なる延命治療じゃなくて、痛みなどの症状を和らげることに重点を置くいわゆる緩和ケアを望んでいらっしゃる。こういう状況が見られますので、望ましい末期医療のあり方について、考え方もいろいろあろうかと思いますが、今後とも緩和ケアを充実させていくことが大変重要な課題であろう、このように思っております。
○桧田委員 国民にとっては、目に見えない部分ではあるんですが、この小児、母子医療ということと緩和ケアというのは非常に大事なところです。これは今まで、ともすれば十分な対応がとれていないという御意見もございますし、特に小児の救急に関しては、小児科医が減っているものですから、大変危機的な現状でございます。 診療報酬改定はもちろんですが、やはり制度、設備、さらには教育、そして政府としての積極的な応援が要ると思いますし、地域では地域の周産期母子総合センターとかいろいろな政策をやっておりますので、政府としても地域にぜひ応援いただきたい。また、小児科医がふえるようぜひこれは抜本的な施策をやりませんと、このままでは、子供たちが病気になっても、いざ診てもらいたい小児科医はいないということになりますので、ぜひこの点も要望しておきたいと思います。 次に行きたいと思います。 ちょっと視点を変えて、きょうは、皆様にぜひ御披露したいことがございます。それは、今まで私たちは、確かに、生きる死ぬ、人の命は地球より重たいということでございました、事実でもあります。しかしながら、私たちが生きていくに当たっては、やはり個人の自立と尊厳、特に社会的な場でうまく生きられるかということも大事な要素です。今までは、例えば頭の病気だとか生命にかかわる重病ということが非常に注目されて、研究もされていますし、医療も集中的にそこにつぎ込んできました。しかし、私たちゆっくり考えてみますと、どんなに元気であっても寝たきりになるとか、あるいは、どんなに元気でも家の中で閉じこもってしまって動きがとれない、さらには、自分の身の回り一つできないという疾患もたくさんございます。 御承知のように、六十五歳以上の高齢者は、その慢性疾患の半分は骨や関節の疾患でございます。ついつい腰が痛い、関節が悪い、その程度はどうということはない、そういう御意見もございますけれども、この十年間で骨粗鬆症の患者は二倍にふえております。それが骨折の原因にもなり、寝たきりにもなる。しかも、このたびの介護保険の寝たきりになっている方の約三〇%は、この骨・関節疾患の骨折や疾病や後遺症のために寝たきりになっています。大部分の国民は脳卒中とか脳の疾患や重病で寝たきりになっていると錯覚していますが、現実は違いまして、本当にそこの畳の上でちょっと転んだという単純なことで一生寝たきりになっていることも多うございます。 この問題は、これからの医療費の中でも、あるいは医療の中で苦しい苦しみを救っていくのは何も頭の病気だけではない、やはり骨・関節疾患も重要なことでございますし、特に費用という問題では、実は莫大な費用がここに含まれております。 その上、御存じと思いますけれども、皆さんが同じような御家族をお持ちになったらわかるんですが、本人にとってはまさに個人の尊厳をつぶしてしまうほどです。今まで自分はこんなことができたのにできなくなった、それは全くぼけたり頭の病気になって寝たきりになればともかく、自分は気持ちはしっかりしているのに動けない、外へ出られない、友人に会えない、ただテレビだけ、こういうことになっています。 そこで、私たち非常に関心を持っておりますのは、最近新しい提案をこの一月の十三日にWHOで、世界の三百もの団体が集まって、骨と関節のキャンペーンを始めようという式典がありました。これはどういうことかというと、スウェーデンの先生の御提案で、今までは脳とか難病をやったけれども、これからの十年間は骨と関節の十年にしよう、そして、WHOを中心に、国際赤十字社を中心として、新しいキャンペーンをしようということでいよいよ始まりました。 私ごとで恐縮ですが、先般も、日本のそのキャンペーンの指揮をとる関係者と小渕総理にお願いに参りましたところ、総理は、大変大事なところだ、特に介護保険のいろいろな問題もあるのでぜひ骨と関節のことも頑張ってほしいというありがたいお言葉をいただきましたので、このことを受けて、私たちもこれからは骨と関節についてももっと関心を持ち、研究もし、医療の設備も頑張り、医師や医学研究者も頑張り、そしてこの制度も頑張りたい、こういう気持ちでおります。 したがって、私としては、これからの十年間、ぜひ国民的なキャンペーンをして、骨と関節の十年というのを世界じゅうでやりますので、日本も一緒にやりたい、こういう気持ちでおりますが、大野総括政務次官、何かこの問題についてのお気持ちがございますれば、よろしくお願いします。
○大野(由)政務次官 委員御指摘のように、WHOは二〇〇〇年から十年を骨と関節の十年と決定をしておりまして、このような決定も踏まえて、我が国におきましても、寝たきり予防のためにも骨と関節疾患にしっかり取り組んでいくということは非常に重要な課題であろう、このように思っております。 平成十二年度予算案におきましては、厚生科学総合研究補助金の中の長寿科学総合研究事業において、骨・関節分野を新たに重要課題として位置づけたところでございます。 また、こうした研究費の活用によりまして、まず、骨・関節分野の研究がさらに推進をされ、ひいては国際的な取り組みにも貢献できるような研究成果を上げてまいりたい。そして、諸外国の研究成果も踏まえて、今後、厚生省としてはどのように取り組むかについて引き続き検討をしてまいりたい、このように思っております。 また、骨や関節に関する医療の内容につきましては、疼痛管理から骨折の手術まで幅広いわけでございますが、高齢者の自立が図られ、その生活の質を向上させる観点から、高齢者の特性に応じた適切な医療が図られるよう一層努力をしてまいりたい、このように思います。
○桧田委員 非常に大事な骨と関節の十年ですから、ぜひよろしくお願いします。 ちょっと雑談のようなことで恐縮ですが、私、国会議員になってまだ三年半でございますが、この間、国会の先生方がギブスを巻いたり、松葉づえをついたり、骨が折れたり、アキレス腱が切れたり、整形外科的な骨と関節の疾患の方が十二名ほどおられました。人ごとと思わず、みんないつかは年をとっていきますし、骨と関節の病気になるわけでございますので、ぜひ委員の先生方も同じように御関心を持っていただきたい、このように思います。 次へ行きます。 介護保険のことについて総括的なことを二、三お伺いしたいと思うんです。 まず一つは介護療養型病床群、当初鳴り物入りで、みんなわっと希望者が出ました。これは大変なことになるという御意見もありましたが、いざ近づいてみると、ちょっと待てよということで、どうやら当初の目標の十九万床に行っていないということも聞いております。 ずばり、最近のデータでどのぐらいの数字になりどんな特徴があるのか、あるいはまた都道府県とか、あるいはできれば理由も。その少ないというのは、このたび発表された介護報酬に何か問題があるのか、それとも、あと十日先に発表される予定の診療報酬との兼ね合いに問題があるのか。国民の側から見ますと、せっかくちゃんと用意いただいたのに申請がないということはどういうことなのか。いかがでしょうか。
○大野(由)政務次官 療養型病床群の申請につきましては、これまで申請が始まって間もないということもございまして、現在のところ十万床以上の申請がなされてはおりますが、委員が御指摘のようにまだ当初の目標まではとても行っていない、こういう現状でございますが、今後、四月以降も各都道府県におきましては申請を受け付けるという状況でございますので、徐々に増加をしてくる、このように思っております。
○桧田委員 総括政務次官として、そのわけというのはどうでしょうか。やはり理由もあるんじゃないですか。どんなでしょうか、どうして少ないのか。十九万床の予定がえらく少ないんですが、いかがでしょうか。
○大野(由)政務次官 どうして少ないのか、ちょっとよくわからないところがあるんですが、療養型病床群は介護保険の適用と医療保険の適用に分ける、こういうふうになっているわけでございまして、介護保険の対象になる病床につきましては介護報酬をどうするかということは、医療保険福祉審議会で決定をし設定されたものでございますので適切なものである、このように思っております。医療機関も、今、新しい制度の導入でもあり、どちらを選択するかというふうなことを種々検討しながら、徐々に判断をし決定をしていらっしゃるような状況ではなかろうかと思っております。
○桧田委員 中におります桧田としましては、いろいろ問題点があると思います。これは、医療というのが、すぐ経営ということではありませんけれども、やはり厳しい。例えば療養型病床群にするためには、当たり前のことですが部屋も広げなきゃいけない、廊下も広げる、人もふやす。これに見合ういい形での介護報酬、さらには医療との、どこを区別したら介護保険の側に行っていいのか、どこなら医療保険でいけるのか、あるいは、療養型病床群にいても病気になったときに簡単に医療保険が適用できないとか、今厚生政務次官にお答えいただいたんですが、どうやら、中が限定し過ぎているものですからみんなが引っ込み思案になっている。 医療というのは、福祉とか介護とか療養とか、きちっと分けるということは大変難しいんです。やはり柔軟な運営をいたしませんと、結局困るのが患者さんや国民ですから、ぜひいい形で前向きに御検討いただきたいと思います。 最後の質問に行きたいと思います、時間も迫っていますので。 今私たちが一番関心ある、いよいよ四月から始まる介護保険、先に進めたドイツが赤字だという記事が、国が違うんだし制度も違う、システムも違う、もちろん保険という問題も違うわけです、しかし、どうも嫌な報道です。日本とは違うと思いますが、介護保険を始めるものにとりましては財源の問題もあり、また市町村の思いもあり、日本とは違うのかもしれませんが、ドイツの赤字というのは無関心ではおられません。大野総括政務次官としては、このドイツの赤字という方向に関してはどのようなお気持ちでしょうか。
○大野(由)政務次官 マスコミ等の報道によるもので、ドイツ政府として正式に発表したものではないわけですが、ドイツは、デイケアとかナイトケアに係る利用限度額を引き上げた、給付を引き上げたというようなこととか、それからまた、失業補助受給者に係る介護保険料は、失業補助支給額掛ける一・七%ということで計算されているわけですが、この失業補助支給額そのものがちょっと引き下げられたというような制度改正があって、昨年度はとんとんというような状況、来年度は若干の赤字も出るんじゃないか、数年間の赤字は出るんじゃないかというような予測もあるようでございます。 一応、我が国におきましては、市町村で給付費を見込んだ上で保険料を設定しているというような状況があるものですから、それから、財政安定化基金による貸し付けとか交付等々もありますので、直ちに赤字になるようなことはないのじゃないのかな、このように思っております。
○桧田委員 ありがとうございます。 つまり、どうも私たちは、ドイツが赤字とか何かがどうだと聞くとすぐ振り回されるところがあるように思います。この問題は、厚生省が、国民にも市町村にも、もちろん保険者にも、しっかり説明していただきたいと思います。 私は、自信を持って、日本は赤字になると思いません。それから、いい制度、システムをやっていただいていると思います。何よりも、今やっております保険と税といういいシステム、しかも、保険料をうまく連動させるシステム、その上、国民が常に負担をきっちりするといういいシステムで、非常にいい形で介護保険を始めていただいていますので、私は、厚生省が自信を持って運営はきっちりできると胸を張っていただきたい。ちゃんとその説明をしませんと、また、保険料を納めてもだめになるんじゃないか、年金とか何かみたいに赤字になるんじゃないかという大きな不安を生みますので、厚生省には積極的に日本の介護保険は大丈夫だときっちり言っていただきたい、こういうふうに思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○江口委員長 松本純君。
○松本(純)委員 自民党の松本純です。 間もなく二十一世紀でありますが、極めて大切な時期を迎えていると存じます。大臣所信にあるようなさまざまな改革を早期にまとめ上げ、二十一世紀の我が国の国民の皆さんが安心して暮らしていける自己責任と平等のバランスを踏まえた社会づくりに努力をしていかなければならないと思っております。 まず初めに、重大な課題と認識をしておりますが、廃棄物対策についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 現在、政府においては、これまでのように廃棄物を焼却し埋め立てる社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに再生可能な資源としてできる限り利用する社会への転換、すなわち、循環型社会の構築に向けた具体的な施策について検討中であると聞いております。また、廃棄物の減量化については、昨年九月、ダイオキシン対策関係閣僚会議において廃棄物の減量化の目標量を決定していますが、この目標の達成に向け、政府一体となった施策の推進が必要であり、ぜひとも頑張っていただきたいと思うところであります。 しかしながら、仮にこの目標が達成され、廃棄物の埋め立て処分量が二〇一〇年には現在の約半分、六千万トンが三千万トンになったとしても、廃棄物の側から見ると、依然として適正に処理しなければならない廃棄物は残るわけでございます。 現在の産業廃棄物の処理については、非常に深刻な状況にあると聞いておりますが、処理施設の設置に対する住民の反対が激化しており、焼却施設や最終処分場は新たにつくれなくなっている状況にあり、最終処分場に至っては、あと一・六年で満杯であるという状況にあるそうであります。このままでは、不法投棄等不適正処理の横行による生活環境上の問題、さらには我が国の産業活動への悪影響も容易に想像し得る状況であります。 産業廃棄物を適正に処理する体制を構築することが現下における喫緊の課題ではないかと思いますが、こうした危機的な状況を解決するためには、まず産業廃棄物の適正な処理に不可欠な受け皿づくりを急ぐ必要があると思いますが、政府としてはどういう方針で臨んでいかれるのか、まずお尋ねをしたいと存じます。
○大野(由)政務次官 廃棄物処理に関しましては、まず廃棄物の発生抑制、リサイクルの促進、そしてできるだけ廃棄物を減らして、なおかつ出てくる廃棄物に関しましては、適正に安全に処理をする、こういう体制を確保するということが大変重要であろう、このように思っております。 また、委員御指摘のように、不法投棄が最近大変ふえてきたり、最終処分場が逼迫をしてきたりということで課題も大変多い、こういう現状でございまして、厚生省としては、廃棄物処理法の改正法案を今国会に提出する予定になっております。 また、受け皿づくりでございますが、この廃棄物処理の施設というのが迷惑施設ということで住民の方の御理解も得にくい、なかなか難航しているというようなこともございまして、都道府県の役割を強化するとともに、都道府県が関与をする廃棄物処理センターによる安全で適切な施設整備をしっかりと推進してまいりたい、このように思っております。
○松本(純)委員 また、先ほど申し上げたような危機的状況を招いている問題の根幹は、現在、全国各地で起こっている不法投棄等不適正処理にあるのではないかというような気がします。 不法投棄については、その数が年々急増するとともに、悪質化しているとも聞いております。都道府県等においては、こうした不法投棄の実行者に資金がないことや、投棄者が行方不明等の理由から、その対応に苦慮していると聞いているところであり、多くの不法投棄はそのまま原状回復がなされずに放置されている現状にあると聞いております。 その結果、国民の産業廃棄物に対する不信感が増大し、処理施設の設置もますます困難になるという悪循環が起こっているのではないかと思うのでありますが、こうした不法投棄等の不適正処理を撲滅し、産業廃棄物を適正に処理する体制を構築するために、政府としてどのような施策を講じていくつもりなのか、お尋ねをしたいと思います。
○大野(由)政務次官 御指摘のように、不法投棄が大変増加をしている、こういう状況がありまして、今国会で廃棄物処理法の改正法案を提出する予定になっております。 まず一つは、排出事業者責任の徹底とそのための規制を強化する、こういう内容にする予定になっております。具体的には、マニフェスト、産業廃棄物の管理票を活用いたしまして、排出事業者が最後まで、中間処理業者、最終処理業者というふうに処理をしていく過程を全部追いかけて、最終的に産業廃棄物の処理がきちっと行われたかどうかを確認する、こういう体制にしてまいりたい。 また、不法投棄が行われたときの原状回復を命ずる措置命令についてですが、投棄した処理業者だけじゃなくて、不法投棄に関与いたしました土地の所有者とかブローカーとかも対象にするとともに、また、きちんと処理されていないことを認識しながら排出事業者がその処理業者に委託をした、こういう排出事業者の責任も問うことができるという内容にしておりまして、不法投棄の不適正処理というものをしっかり防止してまいりたい。 それからまた、産業廃棄物の不法投棄対策といたしまして、各都道府県で、警察OBを活用したり、ボランティアによる不法投棄連絡員を設置して監視を行うなどによって、不法投棄対策の充実強化を図ってまいりたい。 また、受け皿として、公共関与による廃棄物処理施設の確保の推進を図りまして、産業廃棄物を適正に処理していく体制をしっかりと構築をしてまいりたい、このように思っております。
○松本(純)委員 我が国におきましては、循環型社会づくりを目指していく中で、拡大生産者責任のあり方も検討されていくことになると伺っておりますが、これは、国内にとどまらず、輸出入に頼る貿易立国である我が国は、自国の問題としてとらえるだけでは解決できないことも今後数多く出てくるのではないかと心配をしております。 さらに、国際社会の中にあっても、各国が知恵と力を出し合って、特異な能力を十分に発揮をして地球環境を守るということも大切なことだと思います。当局の今後の取り組みに御期待を申し上げるところでございます。 次に、介護についてお尋ねをしたいと思います。一次判定に使用されている要介護認定ソフトについてお尋ねをします。 この判定ソフトの作成に当たって、特別養護老人ホームの施設で調査したデータが基本となってつくられているとお伺いしておりますが、昨年十二月六日、医療保険福祉審議会合同部会に提出された平成十一年十月三十一日現在の要介護認定における審査判定結果によりますと、在宅、施設別の要介護度の人数と割合を見てみると、在宅の場合は要支援や要介護一など軽度なものにウエートが高く、一方、施設では、要介護度四あるいは要介護度五など、重度な方のウエートが高くなっております。 居宅介護をされている方から聞くところでは、痴呆がひどい状況にあっても要介護度が三程度になってしまっていると聞いております。その原因は、ソフトに取り入れるデータベースに問題があるのではないか。今までの取り組み、並びに、より実態にあったものに早急に修正すべきと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねをいたします。
○大野(由)政務次官 要介護認定につきましては、コンピューターが判定をいたします一次判定結果に主治医の意見書とか調査員による特記事項の内容を加味して、その上で介護認定審査会で判定をする、こういうことで決定をしているわけでございます。 在宅の方、また痴呆性の方についても、実際の一次判定をもとに主治医の意見書や特記事項に基づいていろいろ修正を加えている、こういう現状でございまして、そういう修正を加えながら適切な判定が行われている、このように考えております。 また、その要介護認定の方法につきましては、今後、介護方法の変化、介護技術の進歩に伴って検討を加えていくことは当然のことではないか、このように思っております。 まず、来年度におきましては、現時点における介護の実態をより正確に把握するため、必要な調査検討を行うこととしております。
○松本(純)委員 続きまして、介護インフラの未整備問題についてでありますが、現状のままでは、施設、特に特別養護老人ホームでは入所待ちが四万七千人もいるとされ、居宅の方ではホームヘルパーが少ないなど、未整備部分が多い状況になっております。既に決まっている一号被保険者の保険料はやむを得ないとしても、新しい財源というものを用意をし、早急に整備を進めていくことが大切ではないかと思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。
○大野(由)政務次官 介護保険法を円滑に実施していくためにも、介護サービスの提供量の確保、また質の向上というのは大変大事なことである、基盤整備が大変重要な課題である、このように認識をしておりまして、十一年度の補正予算で特別養護老人ホーム五千人分を前倒しをして措置をするなどの手当てをいたしましたし、昨年末にはゴールドプラン21を策定をいたしました。 このゴールドプラン21におきましては、各地方自治体における介護保険事業計画によって見込んだ整備量を積み上げたものを基礎にしておりまして、例えば、特別養護老人ホームは五年間に六万人分の整備を、ホームヘルパーにつきましては、新ゴールドプランで十七万人であったものを五年間で三十五万人に引き上げることを見込んでおります。 こうしたことから需要増に対応できるものと考えておりまして、一部で言われるような保険あって介護なしといった事態にならないように、今後とも、地方公共団体初め関係者の皆様と協力をしながら、ゴールドプラン21の実現に向けてしっかり支援をしてまいりたいと思います。
○松本(純)委員 要介護認定については、施設入所者の要支援者、自立者などが居宅側に比べ極端に少なくなっているということについては先ほど述べさせていただいたところでありますが、聞くところによりますと、施設の調査は施設所属の専門員が行うということになっており、このことは、施設に都合のいいようなことが人為的に行われている可能性が強いというようなことが考えられないかどうか。このことは保険財政にも影響を及ぼすということも考えられるわけであり、このことについて改めて調査するなどのお考えがあるかないか、お尋ねをしたいと思います。
○大塚政府参考人 ただいま御指摘がございましたように、介護保険施設における要介護認定のこれまでの実績を見ますと、当初想定しておりました要介護度の分布に比べまして、要介護度が高目に分布しておるというような実態にございます。それから、これもお話ございましたように、認定調査は、市町村の職員のほかに、市町村が委託をした事業者の職員も認定調査に携わることが可能でございます。 そうしたところからただいまのような御質問があるというふうに存じますけれども、一方では、認定調査は当然審査委員会というのも経るわけでございまして、今後、私どもといたしましては、こうした要介護認定度の分布の当初予想とのずれというものがどういうようなところによって来る原因があるのか、認定調査の事例の集積も大分高まってまいりましたので、分析をしていく必要があるというふうに考えております。 また、いずれにいたしましても、現在も進行中の認定調査でございますが、これが厳正にあるいは公平に行われることは大変重要なことでございますので、先月に開催をいたしました全国の課長会議におきましても、例えば委託を受けております事業者等に対しましていわゆる抜き打ち検査をするといったようなことも含めまして、さまざまな具体的な対応もお願いをいたしました。今後とも、実施状況も踏まえつつ、厳正、中立、公平な認定調査のための一層の工夫、改善に努めてまいりたいと考えております。
○松本(純)委員 介護保険法第二条第四項において「可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。」とされており、在宅重視が介護保険の一つの理念になっています。 現在、在宅で介護を続けている家庭では、定期的にショートステイサービスを利用することにより、家族もリフレッシュし、そのことによって在宅生活を続けることが可能になっている場合が多く見られ、在宅重視の理念を実現するためにもショートステイサービスが非常に重要なものと考えております。 ところで、介護保険制度でのショートステイの利用限度は、最重度の要介護度五では六カ月で六週間、要介護四では六カ月で三週間となっており、現在の利用実態がこの利用限度を上回っている例が多く見られております。 在宅生活を続けていくためにショートステイサービスの利用限度をふやしてほしいという声をよく聞くのでありますが、訪問通所系サービスの利用が一定程度以下の場合はショートステイの枠が拡大されるということになっておりますが、当初の認定期間中はこの枠の拡大が使えないということのほか、現在考えられている枠の拡大ではまだ実態と比較して不十分な面があると思います。そこで、訪問通所系の区分支給限度額を、一定要件のもとでショートステイの利用限度上乗せに流用することができるようにするなど、実態に即した運用を考えるべきだと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○大野(由)政務次官 ショートステイの利用状況は地域によって大変さまざまでございまして、今回のショートステイの利用限度日数は、できるだけ多くの人に幅広く利用していただく、こういう観点から設定したものでございます。 一般的にはほぼ需要を満たすことができるものと考えておりますし、また、家族が介護をしているなどによってホームヘルプサービスを六割未満しか利用しない場合にはショートステイの利用日数を原則として二倍に拡大するなど、大変柔軟な利用に配慮している状況でございます。 さらにまた、ショートステイの利用について、ホームヘルプサービスの使い残し分をショートステイに振りかえられないかというようなことについて各地方公共団体からいろいろ要望も出ておりますし、当委員会におきましても、たしか石毛委員からそういう御指摘もあったことを記憶をしております。市町村の実態をよく調べて、前向きに検討をさせていただきたい、このように思います。
○松本(純)委員 現在、ケアプランの作成が急ピッチで進められておりますが、介護支援専門員の確保にはどの市町村も苦労していると聞いております。また、居宅介護支援の介護報酬が独立して事業を営むことを考えると必ずしも十分なものとは言えず、実態として、介護支援専門員のほとんどはサービス提供を行う法人に属していると見られます。公正中立な介護支援専門員を必要数確保するためには何らかの対策が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大塚政府参考人 介護支援専門員につきましては、試験に合格された方が既に十六万人ございます。私ども、ざっと必要数を概算いたしますと四万人程度ということですので、単純な数の観点からいいますと相当数の人員が確保されているということになるわけでございますが、現実には市町村によるばらつきもございますし、また、実際に介護支援専門員として従事される方がすべてということではございませんので、来年度におきましても、実務研修あるいは試験を実施いたすことといたしております。また、市町村と連絡をとりながら、必要なバックアップがございますれば、私どももしてまいりたいと考えております。 また、御指摘の中で公正中立の確保という点がございました。 私どもも、今後介護保険制度を適正に運営していく上で、ケアマネジャーの公正中立性の確保というのは、制度の信頼を得るために極めて重要なポイントだと思っております。そうした観点から運営基準を定めておりますし、仮に不適切な事例がございますれば、これに対しては厳正に対処するというような方針で臨みたいと考えておりますし、また、現実には研修というような形でその質を向上するという点も肝心でございますので、来年度も、今年度に引き続きまして実務研修を行うほか、現任研修なども取り入れまして、その質の確保に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○松本(純)委員 先ほど桧田委員からも御質問のあったことと関連いたしますが、介護療養型医療施設の指定状況は、特に都市部では芳しくないと聞いております。これは、発表された介護報酬を見て、まだ様子をうかがっている医療機関が多いことによると思われるのでありますが、介護療養型医療施設の指定申請が十分に進んでいない地域については、その促進のために何らかの対策が必要なのではないかと思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。
○大塚政府参考人 先ほど桧田先生の御質問に対して政務次官から御答弁申し上げましたように、既に十万床程度には達しておるわけでございますが、当初の見込みからいたしますと、まだそこまでは達していないという状況がございます。 今後、増加の傾向も見られますので、私どもとしましては、おおむね当初の見込みに近いところまでは達するというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても、介護保険施設と医療施設とのバランスというのが非常に重要なポイントになりますので、都道府県を通じ、医療関係者に対しまして本制度の趣旨、現状などにつきまして十分お話を繰り返し申し上げるというようなことも通じまして御理解を得たいというふうに考えております。
○松本(純)委員 質問時間が終了いたしましたので、これで終わりますが、質問通告をさせていただいた、残ってしまいました質問につきましては、また改めて御質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○江口委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私、久しぶりに厚生委員会に帰ってまいりまして質問をさせていただきます。 最初に、質問通告外で大変恐縮ですけれども、けさの読売新聞の一面トップ記事に出ておりましたが、厚生省は老齢基礎年金の前倒し支給の減額率の緩和を決定した、六十歳の場合は四二%減を三〇%程度にする、それから、それは二〇〇一年度から適用する、この方針を決めたという報道が出ておりますが、このことについてお伺いします。
○矢野政府参考人 結論を申し上げますと、まだ決めておるわけではございません。 この問題は、昨年の年金法案の審議で、この衆議院の厚生委員会で、坂口先生の質問に対しまして、大臣の方から、減額率については非常に古い生命表を使っておる、だから、これを新しい生命表に置きかえて新たな減額率を設定したい、そしてまた、来年の四月からそれを適用したい、あらあら計算すると三五%程度になる、こういう答弁をいたしたわけでございます。 私どもは、この答弁を受けまして具体的な検討作業を内部で行っておる、こういう段階でございまして、具体的な中身を、方針を固めたとかそういうことではございません。
○遠藤(和)委員 これは、手続としては政令の改正が必要ですね。来年、二〇〇一年度から適用するとすると、ことしの秋ごろに政令を改正して、財政負担も含めて検討して、予算編成の中でも議論がある、こういう話でありますから、決めたというのはちょっと早過ぎるのではないかという認識を私は持ったものですから、確認をさせていただきました。 ただ、方向性としては、私はこれは歓迎すべき方向だと思いますので、精力的に検討を進めていただきまして、できるだけ早く決定をする方向で進めてもらいたい、こういう要望だけ申し上げておきたいと思います。 ところで、我が国に国民皆年金制度ができましてから四十年たちます。その間、厚生省を初めいろいろなところで大変努力をしていただいたわけでございますが、結果的に、まだ無年金の方がおります。これはどうしてそうなっているのか、この関係をどういうふうに厚生省は認識をしているのか、それをお聞きしたいと思います。
○矢野政府参考人 御案内のとおり、我が国の公的年金制度は社会保険方式によって行われているわけでございまして、制度に加入し、保険料を納めるということが年金受給の要件になっているわけでございます。ところが、いろいろな事情で制度に加入しなかった、あるいは加入できなかった方がいらっしゃるわけでございます。 例えば外国人の場合ですと、昭和五十六年十二月までは国籍条項がございまして、外国人の方は国民年金に加入できなかったということでございます。そういう昭和五十六年十二月まで加入できなかった外国人の方、その間に障害になられたりした方は年金が受給できない、こういうことになるわけでございます。 あるいはサラリーマンの妻、第三号被保険者、あるいは学生、こういった方もかつては任意加入だったわけでございまして、サラリーマンの妻でいいますと昭和六十一年四月から、学生ですと平成三年四月から強制適用になった。したがいまして、それ以前に任意加入されてなかった間に障害になられた、こういう方は障害年金が受給できない、こういうことでございます。 あるいはまた、在外邦人の方につきましても、昭和六十一年の三月までは外国にいらっしゃる日本人の方は国民年金の任意加入の道が開かれていなかったということでございまして、その間外国で障害になられた方は年金が受給できないということでございます。 これは、我が国の年金制度は社会保険方式をとっておりますので、どうしても制度に加入して保険料を納めていない方は年金が受給できないということで、非常にお気の毒でありますけれども、これは制度の根幹にかかわる問題ですので、非常に難しい問題だと思っております。
○遠藤(和)委員 社会保険方式であるということは、私にもわかります。国民年金制度を導入した折に、社会保険方式の国民年金制度を導入したわけですが、適用除外になる方がいらっしゃったわけですね。 まず、日本国民の話をします。この方には、要するに全額国庫が支出をした福祉年金を導入しました。それから、四十年前に国民年金制度をつくったときの整理としては、任意加入の話は別にしまして、適用除外になる人、あるいは制度上入る意味がない、そのときにもう六十歳を超えていたとか、あるいは入っても期間が大変短いから受給権が生じない、こういう人は整理をいたしまして、いわゆる福祉年金制度をつくったわけでございますから、これは全額国庫負担、本人は無拠出の年金ですね。ですから、この時点では、要するに日本国民はどちらかの保険制度で救済される、こういう仕組みでスタートしたはずなんですけれども、今のような結果になっている。ここの頭の整理をどうするかという問題が一つあると思います。 それから、自分の責任で保険料を納めていない、任意加入のときに加入していなかった、これが原因で無年金になった人というのは、これは自己責任の社会の話になるわけですからちょっと横に置いておきまして、制度をつくったんだけれども適用除外にならざるを得なかった人たち、これは何かやはり制度上、欠陥とまでは言いませんけれども、毎年毎年埋め合わせていく努力を国として行っていくのが当然ではないのか。そうすると、自己の責任に伴わない無年金の人はなくなるのではないか、こう思うんですけれども、そういう手当ては十分にできたと思いますか。
○大野(由)政務次官 年金制度は、まず制度に加入をしていただいて、保険料を納めていただいた方が高齢になったり事故に遭ったりという状況になったときに給付を受ける、こういうのが社会保険制度でございますので、今委員が御指摘のように、自分から加入をしていない人は事故に遭っても給付を受けることができない、これは明らかである。事故に救済措置を講じると、保険料を納めた人との公平性を欠く。しかし、御指摘のように、もともと入れなかった人に対してはどうなのか、こういうことだと思うんです。 ある時点から将来に向かって保険の適用を開始した場合に、それ以前に発生した事故に対してさかのぼって給付を行う、いわゆる救済措置を講じることとするかどうかについてなんですが、委員の御指摘のように、これは何とかしてあげるべきじゃないか、こういう気持ちはわからないわけじゃない、理解はできるんですが、これもやはり社会保険という制度の原則にはなじまないものではないか。これは個別の事例に即して慎重に考えなければいけないし、こういう問題に対して対処するとすれば、社会保険制度以外のことをいろいろ考えなきゃいけない問題ではないかな、このように思います。
○遠藤(和)委員 社会保険制度になじまないと切り捨てるのは、私はいかがかと思うんですね。社会保険制度が適用を除外しているわけですから、それはやはり適用を除外した方に責任があるわけですから、それはきちっと議論をすべきだ。 なおかつ、そういうふうなものではなくて、これは社会保険制度以外の保険といえば福祉年金のことを指すのでしょうけれども、そちらの方で何らかの手当てをする。二つの方法があると思いますね。一つは、今の国民年金制度の中で、例えば保険料をさかのぼって納めることによって権利を生じさせる仕組みができないかどうか。それからもう一つは、どうしてもというのは、やはり制度がスタートしたときに整理したように、毎年毎年福祉年金制度というものでどういうふうに手当てをしていくか、この双方をしていくことによってこのすき間がなくなると思います。 自分の責任でもって無年金になった人はやむを得ないけれども、自分の責任によらないで、社会保険に入りたくても法的に入れなかった人、この人たちに対してやはりきちっと整理をしていくというのは重要な課題だと思いますから、総括政務次官、その辺をもう一回確認の答弁をお願いしたいと思います。
○矢野政府参考人 今御指摘になった事例で一番問題になるのは、外国人の障害無年金の方ではないかと思います。外国人の方は従来国民年金の適用からは除かれておったわけでございますけれども、昭和五十七年の一月から外国人も適用がなされるようになったわけでございます。 これはどういう事情かといいますと、ちょうどこれの二、三年前でございますけれども、インドシナ難民が大量に発生したということで、我が国も難民条約に加入をするという決定をしたわけでございます。その際、難民には内国民待遇をしなきゃいけないということが条約の義務であったわけでございます。そうした場合に、難民には内国民と同じ待遇をして、従来からいらっしゃる外国人はその対象としないというのは非常にアンバランスでございますので、この機会に在日の外国人に対しましても国民年金を適用することにいたしたわけでございます。 その場合に、例えばさかのぼって過去期間分を納付していただいてその受給権を確保する、こういったこともいろいろ考えられたわけでございますけれども、この際の結論といたしまして、この問題は難民条約の要請に基づきまして将来に向かってその適用範囲の拡大を行うものでございまして、もともと外国人に対しては、社会保障制度できちんと面倒を見るといいますか、社会保障制度の責任というのはその母国の政府にあるということもございまして、将来に向けて被保険者としての適用拡大を行う、こういうことで行ったということが一つ。それからもう一つは、国民年金が発足いたしまして既に二十年たっておったわけでございまして、同じ日本人でも長期間納付をして初めて年金の受給に結びつく、こういうことでございますので、外国人に対して特例措置を講ずるあるいは保険料の拠出を求めることなく福祉年金を支給するということになりますと、日本人との間でバランスを失する。こういうこともございまして特別な措置は講じなかった、こういう経緯があるわけでございます。
○遠藤(和)委員 ちょっと事実関係を申し上げますと、一九五九年に日本の国に国民皆年金制度が導入されました。そのときは、国民年金に加入できない人には、日本国民には老齢福祉年金、障害福祉年金を支給している。だけれども、そのときは国籍条項がありましたから、外国人は年金も福祉年金の方も一切支給がありません。 一九八二年に国籍条項が撤廃されました。このときに外国人にどうしたかというと、国民年金に加入することはできた、しかし、加入できない人には老齢福祉年金とか障害福祉年金を支給していれば問題なかったんですけれども、外国人にはそれを適用してないんですね。ですから、ちょっと差が生じているんじゃないかと思うんですね。日本人と外国人の扱いにそこで差があったんですね。 ですから、現在から見ると、今老齢福祉年金とか障害福祉年金制度がありながら、結果的には定住外国人には支給されていません。国籍条項が撤廃されているにもかかわらず、日本人との間に差が生じています。これは、国籍条項を撤廃した一九八二年にさかのぼるということはなかなか難しいかもわかりませんから、現時点でその整理をするべきではないのか、これが私の考えです。 あるいは、一九八二年にそういうふうな措置をとらなかったわけですから、現時点で考えられる措置をとる、あるいは現時点でさかのぼって年金制度に入れるような措置をとるとか、あるいは現時点で福祉年金を支給するとかいう整理をしないと、国籍条項は撤廃されたにもかかわらず差異を生じている、この問題をどうするのかということを聞いているんです。
○矢野政府参考人 繰り返しになりますけれども、国籍要件を撤廃いたしましたのは、難民条約の締結に伴う要請ということで国籍要件を撤廃いたしまして、将来に向けて国民年金への加入の道を開いたということでございます。 そしてまた、福祉年金を現時点で支給する、あるいは今の時点でさかのぼって受給できるような道を開くべきではないか、こういった問題につきましては、これは社会保険制度という制度の根幹に触れる問題でございますし、それからまた、福祉年金をつくったというのは、昭和三十六年から国民年金がスタートしたわけでございますけれども、そのときの特例としまして、当時五十歳以上の方に対して老齢福祉年金を支給したり、既に障害になっている方について障害福祉年金を支給するということで、国民皆年金ということを制度がうたっておったわけでございますので、それを実現するために特例措置としてそういうことをやったわけでございます。 それからさらに四十年たっておるわけでございまして、現時点におきましてこういった制度を設けるということについては、これは非常に慎重に考えなきゃいけない問題だと思っております。
○遠藤(和)委員 ですから、日本人に対する特例措置はあった、だけれども、定住外国人は国籍条項がなくなったけれども特例措置はとらない、こういうふうな差をつけるという意味ですね。
○矢野政府参考人 これは社会保険制度をとっておりますので、後になってからさかのぼって支給をするというようなことは、これはよくよく慎重に考えなければ制度の根幹に触れるわけですし、もしそういうことをやれば、制度に入っていなくても、いざとなったら年金をもらえるんじゃないか、こういう安易な考えを国民が抱くということになりますと、未納、未加入がさらにふえる、こういう問題もあるわけでございます。 それからまた、外国人につきましては、基本的には、その母国の政府が社会保障の責任を負うというのが世界的な一般的な考え方でございまして、これはやはり日本人と外国人につきまして社会保障の面で若干の差があるというのはいたし方のない問題ではないかと思っております。
○遠藤(和)委員 そういう答弁があるとますます質問したくなるんだけれども、老齢福祉年金という制度は社会保険制度なんですか。
○矢野政府参考人 これは社会保険制度ではございません。全額国庫負担でございます。 ただ、昭和三十六年に国民年金制度をスタートする際に、国民皆年金を実現しなければいけない、それからまた、当時、この国民年金に対しましては反対運動も非常に強かったわけでございます。そういう中で、年金のありがたみといいますか、よさといいますか、こういうのをわかっていただいて、国民年金を日本に定着させる、そういう考え方もこの根底にはあったのじゃないかと思います。そういうことで、制度が発足するときには非常に手厚い措置を講じてこういう福祉年金の道を開いた、そういう措置を講じたということでございます。
○遠藤(和)委員 ですから、社会保険の国民年金制度に国籍条項が撤廃されたから入りたい、しかし、もう年齢が過ぎているから入れない、適用除外になる、こういう定住外国人がいる、それを何で福祉年金で措置しないんですかという話なんですよ。日本人にはそれをしたじゃありませんか。同じ扱いにすべきじゃないんですかという素朴な質問でございます。
○矢野政府参考人 外国人に対しまして国籍条項を撤廃して国民年金への道を開いたというのは、これは既に国民年金制度が発足して二十年を経過しておったわけでございます。そういう段階におきまして福祉年金制度をさらに新たにつくるということは、なかなかこれは難しい問題であった。それからまた、既に二十年を経過して、その期間未納、未加入の日本人の方もたくさんいらっしゃったわけでございまして、外国人についてそういう制度を新たに設けるということになりますと、日本人の方とのバランスの問題も出てくる。 いろいろ考えまして、難民条約加入に伴います国民年金の国籍条項を撤廃したときには、特段の措置は講ぜずに、将来に向けて加入の道を開いたということでございます。
○遠藤(和)委員 これは政治的な問題だと思いますから、大野さんに答えてもらいたい。 老齢福祉年金には当然国籍条項は残っていないんですよ、国民年金法の中にあるんですから。ですから、日本人には老齢福祉年金を支給しているんだけれども、国籍条項がないにもかかわらず定住外国人には老齢福祉年金が支給されないというのは矛盾なんです。これはきちっと整理をしてもらいたい。 だから、入りたくても入れない適用除外の人を制度としてどう救うか。制度で救えないのであれば、政治的にはこれは救わなきゃいけないわけですね。自分の怠慢で入れないとか自分の責任で入らないという人は、これはまた別の話ですから、これはしようがないんだ。これは今後検討するということをきちっと政府として考えてもらいたい。大野さん、どうぞ。
○大野(由)政務次官 繰り返しの答弁になりますが、まず、年金制度においては保険料の負担に応じて給付を行う、この年金制度の根幹にかかわる問題でございますので、現在の年金制度の枠組みの中ではなかなか難しい問題がある。しかし、無年金障害者の方々の御苦労を思うとほっておくわけにいかないという委員の御指摘もこれまたもっともであろう、このように思います。 解決に向けて関係者の皆様の意見を十分伺いながら、これは厚生省だけで決定できる問題でもない、幅広い観点から検討を進めていく必要がある課題である、このように思いますので、今後の大きな課題として検討してまいりたい、このように思います。
○遠藤(和)委員 これは政府部内全部で検討しなくても、厚生省の中で検討すればすぐ結論が出る話なんですよ。決断すればいい話ですから、ぜひ決断をしてほしい、これを強く要望します。 ちょっと別な話に入りますけれども、介護保険制度が四月一日からスタートします。この介護保険制度に対しては国籍条項はありませんから全く差が生じない、こう理解していいと思いますけれども、特に在日の外国人、定住外国人、いろいろな国の方がいらっしゃるわけですけれども、その方々に対して適切なPR活動をしなきゃいけないと思うんですね。それから、介護認定時の言葉の障害等もありますし、あるいはヘルパーの派遣についても、外国の方々の言葉の壁だとかあるいは生活習慣の壁とかそういうのがありますから、より適切に対応するためには、そうした定住外国人の団体の皆さんと連携を取り合う、厚生省が直接取り合う、あるいは各自治体の皆さんが連携を取り合う。こういう形で介護保険の制度自身の周知徹底、広報活動はそれぞれの言語でやるとか、あるいはビデオを使ってやるとかいう方法もありますでしょうし、運用についてもきちっと連携をとって、これは日本人と定住外国人の間に全く差別のない制度ですから、それがきちっと運営されるような工夫をすべきだ、このように考えますが、厚生省はどう考えておりますか。
○大野(由)政務次官 御指摘のように、介護保険制度は、国内にいらっしゃる定住、永住の外国人の方も対象になるわけでございますので、これらの方々に十分な効果的な広報を図るとともに、要介護認定の際の訪問調査等においてもきめ細やかな対応を図るということが重要であろう、このように思います。 厚生省におきましても、ハングル語を初めといたします外国人向けのパンフレットを作成して、各自治体に配布して積極的な広報をお願いしているところでございますが、さらに円滑な施行のために広報の充実を進めてまいりたい。 また、多くの在日外国人が加入していらっしゃる主要な団体に御協力をいただきながら広報活動を行うことも大変重要なことであろう、このように思っております。地方公共団体において、地域実情に応じて積極的に取り組んでいただくことが大変重要であろう、委員の御指摘のとおりである、このように思っておりますので、その方向で推進をさせていただきたい、このように思います。
○遠藤(和)委員 それから、定住外国人が、サービスを受ける側にもいらっしゃいますが、サービスを提供する側、例えばサービス提供事業者になるケースも考えられるわけですね。それで、社会福祉法人を設立するとか株式会社をつくるとか、あるいはそういう提供事業者は県知事の指定が要るわけですが、この指定要件の中で、特別、定住外国人に対しては日本人と違う要件は何かあるのでしょうか。
○大塚政府参考人 お尋ねでございますけれども、結論的に申し上げますと、例えば社会福祉法人あるいは株式会社の設立あるいは介護サービス事業者の指定を受けるための条件として国籍要件はございませんので、それぞれの必要な条件を満たせば、指定なり認可なりを受けることは可能でございます。
○遠藤(和)委員 これはまた私の頭の中で考える話なのですが、例えば定住外国人が定住外国人専門のサービス事業を行うということは可能なのですか。対象者を限定するのは、これは許可要件に該当するんじゃないかと思うのですが、やる以上は、定住外国人の人にもするし日本人にもするし、選択の自由があるわけですが、だれにでもするということなのですか。お得意さんを限定したサービス事業者というのは、指定の対象としてあり得るのでしょうか。
○大塚政府参考人 指定事業者は介護保険制度に基づきます一種公的な役割を担うわけでございますから、そのサービスの相手方を事業者の方が選択をするということは、制度の趣旨からいいまして適当でございませんので、運営基準の中でもその点は明記しております。 したがいまして、特定の方を対象にした事業者というのは結果的には認められない、また、認めるべきでないと考えております。
○遠藤(和)委員 よくわかりました。外国人がサービスをやる場合は、だれにでも来ていただける。お客さんが選ぶわけですから、事業者が指定はできない、限定はできない、こういうふうに理解してよろしいですね。わかりました。 それから、さっき少し無年金の話をしたのですけれども、長く日本に住んでいる無年金の定住外国人の皆さんは、かなり高齢の方もいらっしゃいますし、いわゆる生活保護ぎりぎりの生活をしている方がいらっしゃるかもしれません。その場合、介護保険料の話ですが、生活保護の受給者は基準額の〇・五%の保険料となると書いてあるのですけれども、生活保護は受けていないのだけれども、保険料を払うと生活保護の水準になってしまう人の保険料はどうするのでしょうか。
○大塚政府参考人 お尋ねの件でございますが、原則的にはその方の所得に応じて保険料の段階が決まるわけでございますが、その保険料を納めていただきますと生活保護の対象になってしまうというケースにつきましては、本来適用すべき所得段階を一段下げる、より一段低い保険料の段階を適用することによりまして生活保護の必要がないという場合には、低い所得段階の保険料を適用するということでカバーすることになっております。
○遠藤(和)委員 よくわかりました。 次に、新しい話、別な話にしますが、在日の旧植民地の出身者、韓半島の人とか台湾の人に対する戦後補償の問題についてお伺いしたいと思います。 かつて日本の軍人軍属として徴用されていながら、戦後は国籍があったために何の補償も受けることができないでいる在日の旧植民地出身者がおります。その方々が日本人と同等の年金とか恩給の給付を求める訴訟が続いているわけですけれども、これについて厚生省はどのように認識をしておりますか。
○炭谷政府参考人 現在、援護法においては国籍要件というものが設けられているわけでございます。これは、法制定のときに、同様に国籍要件を設けております恩給法に準拠して制定されたということが一つございます。また、昭和二十七年にサンフランシスコ平和条約において、朝鮮半島や台湾との関係については、軍人軍属等の補償などを含めた請求権の問題は、我が国とおのおのの国との外交交渉による特別取り決めによって解決するということが明文で定められているわけでございます。 そこで、韓国との関係についてだけ申しますと、昭和四十年に日韓請求権・経済協力協定が締結され、軍人軍属等の補償問題も含めて法的に既に完全かつ最終的に解決済みのものというふうに協定に明記されているわけでございます。こうしたことで、援護法の適用が受けられないという事態が生じているわけでございます。
○遠藤(和)委員 今、歴史的な経過の説明があったのですが、私は、今訴訟が起こっているのだけれども、そのことについてどう理解をしているかということを聞きました。時間がないので、自分で答えます。 大阪高裁で判決が出まして、判決文そのものではありませんが、その骨子を、三点あります、若干申し上げますと、援護法に国籍要件を設けたことには、立法当時、在日韓国人の賠償問題が日韓の特別取り決めの対象とされていた等の事情があり、直ちに憲法十四条違反とは言えない。ですから、これはこのままでいいですという判断ですね。 しかし、日韓協定締結により、在日韓国人軍属等に日韓いずれからも補償がされないことが明らかとなった後には、国籍要件の根拠に事情変化があったものであり、憲法十四条及び国際人権規約に違反する疑いがある、したがって、国(国会)には、できるだけ速やかに憲法や人権規約に適合するよう是正することが要請されている、こういう司法判断が出ています。ですから、この問題は国会あるいは国がやはりきちんと解決しなければならないという話ですね。 それからもう一つ、三点目ですが、しかし、国会には広範な立法裁量権があること等から、現段階においては、立法不作為に基づく国家賠償請求は容認されない、また厚生大臣の援護法に基づく障害年金請求の却下処分それ自体は無効とは言えないということでございますから、直ちに違憲ではないけれども国にはそういうことを考え、実行する責務が生じているということですよね。 ですから、国会にはそれを法律で立法して救済することがあるでしょうし、内閣にはそれをきちっと議論をして閣法として提出をする、こういうふうなことが司法から要請されていると私は受けとめているわけですね。 それで、前の野中広務官房長官の時代に、二十世紀に起こったことは二十世紀に解決しなければならない、こういうふうなお話がありまして、この問題についても、在日の外国人と遺族に何らかの補償をしなければいけないということで政府部内で検討をしているということになっていると思います。 二十世紀中に解決すべきというのは、もうあと一年ないわけですから、これを早く結論を出さなければいけない。与党の方も、自民党では議員立法を考えていらっしゃるようですし、私たちもこの検討を始めているわけですが、内閣の中ではどういうふうな検討がどの程度進んでいるのか、閣法を出してきちっと解決する考え方でいるのかどうか、この辺の準備状況、検討状況をちょっと教えてもらいたいと思います。
○炭谷政府参考人 ただいま先生が御指摘されましたように、現在、政府において、野中前官房長官の時代の指示に基づきまして、在日韓国人の旧軍人軍属等の問題に対する検討が行われております。現在中心になっております内閣外政審議室において、本件に対処するに当たっての種々の問題点、具体的に申しますと、現在の法制や制度の問題、また戦後処理の枠組みとの関係、また韓国における処理状況などの諸問題につきまして調査検討が行われております。 まだ具体的な結論には至っておりませんが、これに対して厚生省としても必要に応じ協力をして、検討に参画しているところでございます。
○遠藤(和)委員 質問の時間が終了しましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○江口委員長 吉田幸弘君。
○吉田(幸)委員 自由党の吉田幸弘でございます。 早速質問に入らせていただきますが、さきの大臣所信にもございましたように、我が国においては急速に少子高齢化が進展する中で、経済についてはいまだ厳しい状況を脱していません。その中において、医療、年金、福祉、介護等の社会保障制度は堅持していくことが絶対である、これは私の考えでもあり、ほとんどの方々のお考えであるかと思うわけであります。 そこで質問でありますが、今後の社会保障に対する考え方及びその裏づけとなる財源問題についていかにお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。
○大野(由)政務次官 言うまでもなく、社会保障は、二十一世紀に安心して暮らしていける、そういう社会を実現するために、安定した、また継続した社会保障ができるということが非常に重要なことであろう、このように思っております。 社会保障給付の財源は、国、地方によります公費負担、そして社会連帯の考え方に立ちまして、本人、事業主が納める社会保険料が主な財源になっております。 社会保障給付を行う財源といたしまして、平成九年度においては全体で約九十兆円、その財源の構成を見ると、保険料負担が約五十五兆円、公費負担が約二十二兆円であり、保険料負担が全体の約六一%、公費負担が全体の約二四%を占めております。今後、さらに少子高齢化が進展をしていく中で、国民が安心して老後を暮らせるように、どこに負担を求めていくか、どのように負担をすべきかということについて国民みんなで考えていく大変重要な課題であろう、このように思っております。 総理のもとに置かれました社会保障構造の在り方について考える有識者会議におきましても、社会保障の基本的なあり方について、年金、医療、介護を制度横断的に総合的に議論をする中で、少子高齢化の中で将来にわたって安定して効率のいい社会保障制度を構築していこうということで努力をしてまいりたい、このように思います。
○吉田(幸)委員 ぜひ安定した財源を、自由党の主張でもございます税方式に早く移行していただきたいというふうに思っております。 次に、医療制度の改善についてお伺いをしていきたいと思います。 健康第一という言葉にもございますように、この医療というもの、極めて重要な制度であるということは御承知のとおりだと思いますが、社会保障の概念、また年金に対する概念は、当初の、これらが制定されたとき、また制度が発足したときと考え方が大きく変わってきたのではないかというふうに思っております。医療制度においても、やはり基本的な考え方を変えていく必要があるのではないか。 従来、疾病になって初めて病院や診療所にかかることができる制度から、今後は医療の概念、これは未病者を対象とするところまで拡大をするのか、あるいは予防まで含めてこれを医療というように考えていくべきではないかということも、最近多くの文献等で述べられている方々もいるようであります。健康日本21政策を含めて、この予防行為に対しての考え方、予防行為を保険給付の対象とする可能性があるのかどうか、あるいは考え方を多少拡大していく可能性があるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○近藤政府参考人 先生のお尋ねは医療保険制度に予防給付を入れないかということでございますけれども、現在の医療保険制度は、御承知のように、疾病とか負傷とかいいました定型的な保険事故に対しまして給付をいたしているわけでございまして、ただ、各保険者におきましては、健康の保持増進でございますとか、あるいは疾病予防の観点から、健康相談とか健康診査、人間ドック、こんなような保健事業を行っているわけでございますし、また、一般的には、老人保健法に基づきまして、市町村におきまして、公費によりましてこうした保健事業が行われているわけでございます。 医療保険に予防給付を入れるかどうかということでございますけれども、確かに、一部は取り入れる可能性はあろうかと思うわけでございますけれども、日本の今までのやり方といいますのは、一般的に、市町村を中心といたしまして、そこで保健事業をやっていただく、こういうふうな形で進んできておりますし、そういう面で、一部だけ保険に取り入れてそのほかはまた別の形でやる、こういう形がいいのかどうかという問題もございますので、私どもとしましては、これまでどおり市町村を中心といたしますヘルス事業に、各保険者の保健事業、それから職域におきます保健事業、こういったものを総合いたしまして、健康日本21が目指すような健康寿命を延ばす、こういうことで統合していったらどうかな、こんなような感じを持っている次第でございます。
○吉田(幸)委員 すべての疾病について予防から面倒を見てくれというようなことではなくて、もちろん受益者負担ということも十分考慮しながら、ただ現実、少し前に、例えば風邪のかかりかけの状態のときに病院へ行った場合どうなるのか。これは、恐らく風邪として診断がついていると思うんです。ですから、制度的に多少、グレーという言葉が適切かどうかはわからないんですが、的確な診断のもとに診療行為をスタートしたい、こういう思いでお話をさせていただいております。 次に、また医療制度の問題になりますが、我が国の医療制度は近代西洋医学中心に発展をしてきたわけであります。これは、ここ最近、この数十年、近代西洋医学が中心となったわけでありますが、有効な東洋医学の施術というものも否定することはできないわけでございます。 そこで、代替医療や統合医療、補完医療、このような言葉を最近よく耳にするわけでありますが、現行の診療報酬のレセプトに上がってくる点数、これは近代西洋医学に基づいた施術に対してしか支払いが今行われていないように、あるいは東洋医学の範囲が非常に軽視されているような気がいたします。そこで、近代西洋医学中心の医療の中で、あんま、はり、きゅうなどのいわゆる代替医療に対しての厚生省としての認識、そして今後の方針についてお伺いをしたいと思います。 また、特に、これは医療類似行為であるのか医療行為であるのか、このことについての御見解と、仮に医療行為でなければ、医療行為として今後認めていく可能性があるのか、方向性があるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○伊藤政府参考人 近年、東洋医学でございますとか代替医療ということが非常に関心を集めるようになってきております。今いろいろ議論されておりますが、代替医療という概念でどういうことまでが具体的に包括されるかというのはいろいろ議論のあるところでございますが、今先生御指摘のように、具体的には漢方薬治療でございますとか、我が国におきましては、あんま、はり、きゅう、マッサージ、これらのものが具体的には代替医療の範囲に含まれるものと理解をしております。 これらにつきましては、西洋医学が中心の我が国におきましても、国民の間にかなり普及している医療の一部分であるというふうに考えられると思います。現に、具体的にこれらの一部につきましては医療保険の適用もあるわけでございまして、そのような扱いをしておりまして、医療類似行為として整理をしているところでございます。 今後、これをどのようにしていくかということでございますが、現在、法律的には、あんま、マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律により資格制度が設けられておりますし、また、私どもといたしましても、これらの資格制度を通じまして資質の向上策に努めていきたいと考えております。 今後、これらを医療として拡大していくかどうかということでございますが、その点につきましては、これらのいわゆる代替医療につきましては、その効果につきまして科学的な解明を待たなければならない部分も大きいというふうに考えておりまして、そうした点に関する調査研究が進められていくことによりまして医学全体の発展に資することが重要であるというふうに認識しているところでございます。
○吉田(幸)委員 科学的なデータの解明さえできれば極めて速いスピードで御検討いただけるということなんですが、質問はいたしませんが、それに対する支援体制というものも十分とっていただきたいというふうに思います。 次に、お年寄りの一部負担について、月額上限つき定率一割負担制を導入する意義についてお伺いをしたいと思います。 さらに、受診抑制が必ず発生することになると思いますが、このことについての御懸念、またその受診抑制がどの程度の期間で回復をするのか、できれば医科と歯科に分けて数字をお示しいただきたいと思います。
○大塚政府参考人 先生御案内のように、現在の高齢者の一部負担の制度につきましては、入院、外来ともにいわゆる定額制をとっておりまして、これとは別に、薬剤につきましても定額の負担制度をとっているわけでございます。 こうした制度につきましては、関係審議会などからさまざまな御議論がございます。例えば医療費に応じた負担という面からどうだろうか、あるいはコスト意識という意味でどうだろうか、あるいは、薬剤につきましては事務的あるいは制度的に複雑ではなかろうかといったようなさまざまな御指摘がございました。 今回、高齢者医療制度の見直しの一環として、また第一歩といたしまして、高齢者の一部負担のあり方を見直すことといたしまして、関連法案を提出しているわけでございますが、そうした観点に立ちまして、薬剤の定額負担につきましてはこれを廃止するとともに、月額の定額上限を設けた上で定率の一割制というものを新たに導入しようということにいたしております。 高齢者に過度な負担とならないような配慮を加えておりますので、基本的にはお年寄りの受診抑制というような懸念は生じないものと思っております。 後段の御質問に関連いたしまして、一部負担が大きく変わりますと、いわゆる受診行動に変化が出るわけでございます。これはさまざまな統計から明らかでございますが、この影響がどの程度の期間見られるかというのはなかなか難しゅうございますけれども、現在の我々の認識としては、ケースにもよろうと思いますけれども、おおむね一年というようなところが大体のこれまでの経過かなという感触を持っております。 今回の制度につきましては、繰り返しになりますけれども、高齢者に過度な負担とならないような配慮を種々加えておりますので、いわゆる受診抑制といったような懸念は生じないというふうに私どもは考えております。
○吉田(幸)委員 受診抑制が生じなければそれでよろしいんですが、イメージ的な部分もございます。現に、私の関連の病院、歯科医院に対しても、そういうような相談というか、来にくくなる、かかりにくくなるなというような声も届いているというふうに承知していますので、今の御答弁にありましたように、ぜひとも受診抑制が起こらないということで進めていただきたいと思っております。 さらに、次の質問をさせていただきます。 院内感染、各種感染症対策の件に関しても、所信において積極的に取り組まれるという御決意がございました。 最近、医科、歯科においてどんな院内感染が発生しているのか。例えば私ども、以前、患者さんの歯を削るときは、非常に速いスピードでタービンが回るわけです、そうすると、水をかけながら削らないと歯が焦げるわけです。その水は一体どこから来ているのかというと、水道を経由して、そして歯科のユニット、その中に非常に高い圧力をかけて、削る器具の先に水を噴霧するわけです。それをやめたときに一回逆流をするわけです。ですから、こういうようなことに対してそうそう衛生的ではないなと私自身も非常に懸念をし、これは話すと長くなるんですけれども、要は、そうそう清潔に保たれているとは思えない。 最近、海外においても歯科の方の院内感染、もちろん肝炎等の問題が一番大きな問題としてクローズアップされてはいるんですけれども、特に、今まで考えられなかったような場所で、あるいは考えられなかったような経路で細菌感染が起こっているのではないか、院内感染が起こっているのではないかというように思うわけでございます。その点についての対策及び支援体制、この点についてどのような御見解なのか、お示しをいただきたいと思います。
○丸田政府参考人 先生御承知のように、院内感染対策で主として問題となる原因微生物につきましては、MRSA、肝炎、HIV、緑膿菌などがありまして、特に近年は、これらに加えまして、薬剤耐性菌であるバンコマイシン耐性腸球菌が問題となってきております。 これらは主に接触により感染するものでございますから、医療機関における院内感染対策といたしましては、手洗いの励行とか、清掃等院内の環境整備、また院内感染に関する医療従事者の方への教育が基本となると考えております。 これまでも、B型肝炎ウイルス、HIV等の個別疾患に関しますガイドラインを作成しまして、医療機関への周知徹底を図ってきております。また、院内感染を防止するための設備整備の支援などの取り組みを進めてきましたほか、日本感染症学会の御協力のもとに、医療従事者の方が院内感染対策に関する理解を深めるための講習会の開催や相談窓口の開設などを行ってきているわけでございます。 平成十二年度からは、最新の科学的知見をもとにした院内感染に関します総合的ガイドラインの策定に着手いたしますとともに、薬剤耐性菌感染症の発生動向を把握した上で、医療機関におきまして活用される情報を提供いたします院内感染対策サーベイランスシステムの運用を開始することとしておりまして、今後とも院内感染対策の推進に万全を期してまいりたいと考えております。
○吉田(幸)委員 もう一回説明します。管の部分が汚れていると言っているんです、管の部分。それは、水道から来る部分が汚れていると言っているわけじゃないんです。圧力をかけて、削って、そのスイッチをオフにすると逆流するわけです、ここに対しての対策はどうなっているんですかという話です。 ですから、例えば施術者の手についたものがどうだこうだということではなくて、これはごくごく当然であって、今まで考えられなかったような場所の汚染によって院内感染が起こっていることに対してどのような御見解であるのかというような質問をさせていただきました。説明が不十分だった点もあるかと思うんですが、そのような趣旨での質問であるということで御理解をいただきたい。よろしいですか。
○丸田政府参考人 そういった個別の問題の中で、滅菌の実施方法につきましては、今後とも感染症予防講習会を日本医師会に委託する、そういったことなどで取り組んでまいりたいと思っております。また、私どもでは、いろいろな医療用具、医療機器の安全性の面もありますので、そういう点で対応できるものがあれば考えてまいりたいと思っております。
○吉田(幸)委員 ありがとうございます。 最後の質問ですが、遺伝子関係について質問させていただきたいと思います。 遺伝子といえば遺伝子組み換え食品の方がイメージが先行しているように思われるんですが、ミレニアムプロジェクトの一環として遺伝子解明、さらにはたんぱく質の研究などを含めて疾病の治療法の確立など、今後急速に発展させていかなきゃならない、また国民にとっても極めて重要なプロジェクトが開始されるわけでございますが、この遺伝子データの解読がよい方向に使われれば人類にとっても極めて有意義であり、結構なことだと思うわけです。ところが、悪い方向に使われれば、人権問題に発展したり、あるいは、飛躍し過ぎていると言われますが、例えば遺伝子兵器に使われたり、いろいろな問題が懸念されるわけでございます。 当委員会においては医療関係についての御答弁で構いませんが、遺伝子に対する考え方、活用を含めて、今後の方針について少し詳しくお伺いをしたいと思います。
○堺政府参考人 平成十二年度政府予算案の編成に際しまして、内閣総理大臣が決定されましたミレニアムプロジェクトとして、厚生省では、今後高齢化が進展するということを踏まえまして、高齢者の主要な疾患である痴呆、がん、高血圧、糖尿病などの疾患について遺伝子解析研究を行うことにしております。また、これらの疾患の治療薬の効果に違いがあるということも判明しておりまして、その違いと遺伝子の関係についても研究を行うことにしているわけでございます。 この研究では、これらの疾患や治療薬の効果に関する遺伝子を見つけ出しまして、その遺伝子の構造や機能を調べることによりまして、病気の予防あるいは新たな治療方法の確立に結びつけるとともに、患者一人一人に対する治療薬の効果や副作用の強さの違いというのもあるわけでございまして、これを科学的に明らかにして、その違いに応じた医療の提供、医薬品の適正使用あるいは画期的な新薬の開発を通じて、人々の福祉に貢献するということを目標としておるわけでございます。 一方、先ほど人権の保護とかということで御指摘ございましたが、まさに、遺伝子解析研究を行うに当たりまして、研究に協力した患者さんあるいは家族の個人情報の保護、その患者の研究協力への同意、それから患者や家族が感じる不安あるいは悩みへの対応ということなど、さまざまな問題を招く可能性があるということは十分承知してございます。 このために、この研究を進めるに当たりまして生じ得る、患者など研究へ協力する方やその家族などの人権を保護するために、研究に参加する研究機関それから研究者が遵守すべき指針として、遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針というものを定めることとしておりまして、現在、厚生科学審議会で御審議をいただいているところでございます。 その指針案というのは既に厚生省のホームページにも掲載してございまして、国民の皆様方の御意見、いわゆるパブリックコメントというものを募っているところでもございます。その御意見も踏まえ、さらに厚生科学審議会で御議論いただいた上で、来月末を目途に厚生省の指針として取りまとめたいというふうに考えております。 また、この指針を適用して明らかになる新たな問題についても引き続き厚生科学審議会で御審議いただきまして、指針の見直しなど必要な措置をとり、ミレニアムプロジェクトの遺伝子解析研究が適切に行われるよう関係機関の指導に努めてまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○吉田(幸)委員 動植物においては、これは無秩序にというか勝手にとって解析を進めているのが現状なわけです。これは、現在、人間、人類にとっても同じようなことが報道されております。したがって、これはできる限り早くその指針、また法制化をしていただいて、ある意味では国民を守るんだという、非常に大げさな言い方になりますが、それほど重要なことであるという御認識を持って対応をしていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
○江口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三分散会