建設委員会 第13号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/04/28
会議録
○大口委員長 これより会議を開きます。 本日付託になりました内閣提出、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。建設大臣中山正暉君。 ————————————— 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、 地方整備局の設置に関し承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○中山国務大臣 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中央省庁等改革の一環といたしまして、国土交通省の地方支分部局として、東北地方整備局、関東地方整備局、北陸地方整備局、中部地方整備局、近畿地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局及び九州地方整備局を、それぞれ設置する必要があります。このため、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものでございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○大口委員長 これより質疑に入るのでありますが、質疑の申し出がありませんので、本件を討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件についてでありますが、反対の立場から討論を行います。 反対の第一の理由は、この案件にて設置が予定されている地方整備局が、余りにも多くの所管事務、権限を有しているため、これまで以上に絶大な影響力を地方自治体に対して行使するのではないかという懸念があります。 政府は、昨年の中央省庁等改革関連法案の審議に際し、国土交通省の権限、財源については、地方分権を推進する観点から、地方整備局に大幅に委譲すると説明してきました。しかし、地方整備局といえども国の機関であることは変わりありません。地方自治体にとっては、国の関与の度合いが強まりこそすれ、減らされるということはないのであります。 しかも、これは、今まで地方整備局では行ってこなかった都市の行政、住宅行政、さらには公共事業の箇所づけ等についても地方整備局が行うこととされております。これは、地方自治体にとってみれば、あらゆる業務について、より身近な立場から監視し、口出しをされる体制が形づくられるという意味でもあります。これが地方分権に逆行すると言わざるを得ません。地方分権において必要なのは、中央から地方への分権であって、省庁の内部の分権とは全く違う意味であります。 特に皆さんも御承知のように、昨年、地方分権法が通りました。権限が地方にゆだねられたわけでありますけれども、やはりこれからの行政改革というのは、権限と財源がワンパッケージになって初めて権限が地方に移譲されることになるわけであります。 ところが、今回の場合においては、この地方整備局というものは、分権という名のもとに、それぞれ中央の省庁の権限を地方にゆだねる、こういうことでありますから、私たちは、大変そのことは行革の精神に逆行しているということを明確に申し上げたいと存じます。 第二の理由でありますけれども、地方整備局の事務及び権限について、これをチェックするシステムが欠落をしているわけであります。 今回の地方整備局の設置に際して、所要の予算額を一括して整備局ごとに配分をされるわけであります。それゆえに、地方整備局の予算が適切に執行されたかどうか、あるいは不透明な、チェックを要すると言われていても、しかし現実にはそのチェックができない、これが現実であります。 例えば、建設大臣が従来まで所管をされていたもの、あるいは建設大臣がそれぞれ予算に対するいろいろな箇所づけの問題等々行ってきたものが、今度は地方でありますから、目の届かないところで予算の箇所づけがされる、目の届かないところで業務が行われる。こういうことであっては、やはり今日までの、私たちが申し上げてきました、時代の流れにおける行政改革のあり方、よりスムーズに、より透明度の高い、より簡素にという、この立場からも逆行しているのではないか、このように考えているわけであります。 三つ目は、やはり何といっても、今回、この地方整備局を設置するに当たって、例えば港湾整備局は従来まで五つであったものを八つに、整備局と合わせて統合される。場所によっては新たに庁舎を借り上げする、こういう形で説明をされているわけであります。 今、むしろそれぞれの財政を節約をしなければいけない。新たに地方整備局を設置することによって逆に予算が肥大化をしたり、あるいは、それぞれの事務所を借り上げをするのに歳出がさらに多くなるという、これは、今全体的に国も地方も財政削減なり、むだな財政はできるだけ削減しようという立場からしても、五つの港湾整備局が八つになって、そしてさらにそれが事務所を新しく設置するということは、現時点においても余り支障のないものがさらに拡大されるということは、それだけ財政が、より歳出が多くなるわけであります。 以上のような三点申し上げました観点から、今回の承認案件については民主党として反対であります。 以上でございます。(拍手)
○大口委員長 中島武敏君。
○中島委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件について反対討論を行うものであります。 反対する第一の理由は、そもそも昨年の国会での中央省庁改革関連法の成立による、いわゆる中央省庁再編の理念や目的が、福祉、教育、労働、農業、中小企業などの保護行政の機能、機構を地方へ移管したり民営化し、できるだけ縮小するものであり、一方、軍事や外交、治安など重要な役割を重点的に担う機構を強化、温存しようとするものであるからであります。この再編は、医療や介護、年金の拡充など、国民の労働と生活全般の安心を確保するという国民が求める国づくりとは正反対に、財界、大企業の要求を全面的に推進するための再編であります。 この省庁再編による国土交通省は、公共事業の約八割を占める巨大公共事業官庁として、対米公約である十三年間で六百三十兆円の公共事業を執行する官庁の誕生にほかなりません。年間五十兆円という、むだと浪費の多い公共事業の執行は、六百四十五兆円に及ぶ国、地方を合わせた借金の元凶であることが指摘され、今や国民の共通認識になっています。しかし、巨大公共事業官庁である国土交通省への再編は、その財政構造に手をつけず、さらに大型公共事業を推進し、利権と浪費構造を増幅するものだからであります。 第二の反対理由は、地方整備局の設置は、癒着構造を温存し、利権をはびこらせるものだからであります。 この地方整備局の設置は、国土交通省に巨額の公共事業や予算の配分権が集中し、利権腐敗を一層激しくするものであるとの批判に対して、予算配分や事業決定などの権限を地方のブロック機関、すなわちこの案による地方整備局に委任、移行することによって防止するとしています。しかし、現在の公共事業にまつわる政官財の癒着構造を温存したまま権限を移譲しても、腐敗や浪費を地方にばらまくだけであります。 反対する第三の理由は、八カ所の地方整備局がそれぞれのブロックの地方自治体の上に君臨する巨大公共事業官庁になることであります。これは、最も住民に身近な地方自治体が公共事業を企画立案し、住民の要望を基礎にした住民参加の公共事業を行うという本来の地方自治や公共事業のあり方にも反するものであります。 第四の反対理由は、スリムな政府といいながら、新しくできる地方整備局の幹部のポストは局長のもとに副局長を置くなどの新たなポストをつくって確保する一方、国民生活に直結する事務所や出張所などに働く職員のリストラを行おうとしていることであります。しかも、現在の運輸省港湾建設局と地方建設局を統合することによって新たに官舎が必要になることも予想されるなど、これではスリムどころか肥大化になるのではないかと指摘する声さえあるのであります。 今、国民が求めているのは、このような地方整備局を設置することではなく、むだや浪費をなくし、国民が必要とする公共事業をどう行うかであります。そのためには、地方自治体に権限や財源を移譲し、地方自治体が主体となって、公共事業の計画段階から住民の要求を組み入れ、住民参加のもとで計画をつくり、公共事業の執行を行うことであります。今回の地方整備局の設置はそれにはおよそほど遠いものであることを指摘し、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
○大口委員長 中西績介君。
○中西(績)委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件について、反対討論を行います。 社会民主党は、二十一世紀を目前として、明治以来の中央集権、官主導型のお上の行政から、主権在民にふさわしい、透明で公正な行政に組みかえていくところに今回の行政改革の目標があると考えています。そこで、橋本内閣の省庁再編においても、時代の要請である分権自治の推進と、業界擁護の不透明な規制の改革を踏まえて、中央政府の役割自体を見直した上でそれを遂行するにはどういう省庁体制がよいのかという姿勢で論議してまいりました。しかし、改革会議では、初めに一府十二省庁という組織機構の枠組みが先行してしまい、中央省庁の事務自体の見直し論は極めて不十分に終わってしまいました。 社会民主党は、与党時代に協議に参画した経緯もあり、問題点を指摘しつつも、中央省庁等改革基本法や国土交通省の設置自体については認めてきたところです。しかし、今回の地方整備局の設置については、以下の懸念を払拭できないことから反対いたします。 第一に、地方整備局は、依然として官の手に公共事業の決定権を握らせたままにし、公共事業の見直しの障害になるおそれがあることです。 公共事業は、確かに経済の発展のための基盤整備や市民生活の向上のために貢献しています。しかし一方、これまで中央省庁主導で行われてきた公共事業が、シェアの固定化、類似した事業の重複、補助事業の申請・交付手続のむだ、社会経済情勢の変化に対応できない大規模プロジェクトといったさまざまな問題を生んでいることも事実です。省庁、官僚の権限拡大、縦割りの弊害も公共事業に象徴的にあらわれており、計画から実施まで徹頭徹尾、官の支配のもとに置かれ、政官財の鉄のトライアングルの象徴であり、環境と財政に大きな破壊的影響を与えるまでになっている公共事業をどう改革していくのかが現代の日本の行政の大きな改革の課題となっているのです。 しかし、地方整備局は、議会によるコントロールもなく、公共事業に対する民主的な統制がきくのかどうか、また政治のリーダーシップが求められているにもかかわらず、今以上に強大な官僚機構となるのではないかという心配があります。多くの問題点を抱える公共事業を改革するどころか、暴走すら促すものになるのではないかという懸念も払拭できません。 第二に、地方分権との関係です。 国土交通省という余りにも巨大な官庁の出現に対して、行政改革会議が国の肥大化を防ぐことを理由として最終報告で急遽強調したものがブロック機関の強化でした。最終報告では、「ブロック別の地方支分部局が、直轄事業及び補助事業を含めた事業の実質的な決定・執行機能を有するような仕組み、即ち公共事業ブロック単位執行制度ともいうべきものを確立すべきである。」とされています。しかし、国の肥大化に対処するには本来の意味での地方分権を進めるべきであり、国の出先機関であるブロック機関の強化は論理のすりかえであります。 社民党は、地方分権の推進と、権限が一挙に巨大化する国土交通省への不安も解消できる一石二鳥の案として、公共事業の権限移譲を地方分権推進委員会の第五次勧告の課題として取り上げられることを強く求めてきました。また、橋本総理も、余りにも巨大となる国土交通省を懸念し、公共事業の地方分権の検討を指示したのです。地方分権推進委員会も、当初は、一つの都道府県で完結する一級河川や百番以上の国道は自治体が管理するというガイドラインを示しました。しかし、各省庁の壁は厚く、結局、推進委員会の第五次勧告の内容が大きく後退してしまったという経過があります。 人々の生活に的確にこたえた政策や事業の立案は、中央省庁より自治体にふさわしく、財源の最適配分の観点からも、自治体が主体となる方が有効利用につながります。自治体が住民とともにどの事業をやるのかを決定していくシステムをつくっていくことが分権型社会の基本につながっていきます。しかも、国が補助する公共事業を自治体が主体性を持つ地方単独事業に移すことによって、各自治体がやりたい事業を自主的に決めることができるようになり、事業ごとに固定化されたシェアもおのずから変わっていくことになることが期待されています。 ところが、地方整備局は、本省において所掌していた都市行政、住宅行政、補助金の配分・交付決定等に関する事務も行うなどの権限強化もなされており、地方分権の推進どころか、国の巨大な出先機関となっています。地方整備局が本省との二重行政にならないのか、自治体に対して新たな上部機関として働くことはないのか、運輸省の港湾建設局と建設省の地方建設局の一体性はどう確保されるのか、地域住民の声がどのように反映されるのかなどについても明らかではありません。しかも、将来、ブロック機関を軸にした道州制につながる可能性もないとは言えず、大きな問題をはらんだものとなっています。 最後に、本日の委員会審議のあり方についても問題提起をしたいと思います。 本案件は、本日閣議決定され、国会に提出されたばかりです。来年一月の省庁再編のスケジュールに間に合わせなければならないとして、即日委員会で討論、採決しようという運営は極端過ぎるものです。行政府の都合で立法府の審議日程を云々されることは、国会軽視以外の何物でもありません。今回は認めることといたしましたけれども、このような審議方式を前例とすることのないよう政府・与党に強く求めて反対討論を終わります。(拍手)
○大口委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○大口委員長 これより採決に入ります。 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大口委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十一分散会