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147回国会衆議院2000/02/24

建設委員会 第2号

発言数
214
登壇者
17
会派数
7
開催日
2000/02/24

会議録

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 これより会議を開きます。  建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  両件調査のため、本日、政府参考人として建設省建設経済局長風岡典之君及び住宅局長那珂正君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として都市基盤整備公団荒田建君及び日本道路公団小笠原常資君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桜田義孝君。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 自由民主党の桜田義孝でございます。本日は、公共事業と民主主義という観点から、幾分政治家として心配していることがありますので、御質問させていただきたいと思います。  一部の政党が、公共事業についてばらまき行政である、こういう誤った批判を吹聴するような政党がありますが、またそのほかにも、マスメディア等におきましても、公共事業批判というものは結構展開されているところが非常に多いところもあります。また、政府はキツネも通らないようなところまで道路を直していると、全く誤った指摘をするマスメディアもあることも聞きます。そうした風潮につきましては、都市部を中心とした社会風潮が政治的にも無視できないものだと考えております。  果たして我が国におきましては、公共事業はもはやその役割を終えたのか、我が国の国土はインフラは十分と言えるのだろうか、疑問に思うところであります。  具体的な指標を挙げてみれば一目瞭然でありますが、例えば、下水道の処理人口普及率を見ますと、イギリスでは九七%、ドイツでは九二%、米国では、日本の二十五倍の国土であるにもかかわらず七一%、日本では五八%であります。明らかに見劣りしているというのは明白であります。また、都市公園の計画人口、一人当たりの公園面積でありましても、ロンドンでは二六・九平米、ベルリンでは二七・四平米、ニューヨークでは二九・三平米、しかし我が日本、東京二十三区におきましては三平米、全国平均でも七・七平米と極端に低い位置であります。  住宅、都市、道路、治水等、一々数字を挙げては切りがありませんが、欧米に比べ我が国のインフラの整備状況はまだまだ見劣りしている、お粗末であると言わざるを得ないところであります。  このような不十分なインフラ整備の実態と国民の理解の間には乖離が存在するように思われます。建設当局と地域住民の間には、相互理解の明らかな欠如があるように思われてなりません。吉野川可動堰をめぐる一連の動きを見ても、住民の理解が十分進んでいるとは言えないのではないでしょうか。  したがって、建設省は、対国民説得性、すなわちアカウンタビリティーというものを重視し、事業推進に当たりましては、住民、国民というものをうまく計画自体に取り込んでいく姿勢がもっと必要ではないだろうか、そんなふうに考えています。  例えば、私の地元で計画中であります国道十六号線のバイパスの問題でありますが、パブリックインボルブメント方式という市民参加型の新しい方式も導入されるようになっております。このような方式の具体的制度化などは有効ではないかと思いますが、いかがなものでありましょうか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 御苦労さまでございます。本当に先生の御指摘のとおり、公共事業というのは、公共というその言葉の意味からも、これはもう重大な意味があると思います。  御指摘ありましたように、私、いつも例に言うのですが、一六六三年に英国では馬車用のターンパイクという高速道路が始まっておりましたようなことで、また、これもいつも申し上げて恐縮でございますが、一七〇二年に大石内蔵助が討ち入りをした、吉良上野介のところへ討ち入りをしたときには、もう既にパリでは下水ができておった。  私は大阪でございますが、大阪市はもう市内は一〇〇%の下水でございます。大阪府に広がりますと、これはまだ六割ぐらいしかいっておりませんというような形でございまして、全国的に見ても公共事業というのは——今六百四十五兆というような国債、公債の、日本は借金国と言われておりますが、これはまだ国民のいわゆる金融資産千三百三十三兆あると言われておる、郵便貯金だけでも二百六十兆あると言われておりますから、これはそういう国民から拝借をしてこの苦境を、税金を上げないように、急激な、一般の方々に迷惑をかけないようにこの借金を、日本は次の世代に、いわゆる私どもの少子高齢化の後継者に重税国家をつくらないためにも、どうしても公共投資で経済効率をよくして、そして日本のいわゆる世界の平和のために貢献をする経済力をつけるには、日本の経済力をうんとつけるためにはどうすればいいか。この狭い国土でございますけれども、磨き上げればダイヤモンドのように光を発するのが日本だと私は思っておりますし、これはアジアの責任を持っております。宮澤大蔵大臣の宮澤基金というのも、これはアジアを急激ないわゆるヘッジファンドの世界から救い出す効果があったわけでございますから。  私は、そのために、公共事業というのは日本の経済効果を高めるため、先生の今御指摘になりましたような力を入れて、地方それから都市部の均衡のとれた日本国土の、いわゆる渋滞で五十三億時間の日本は損失をしている、つまり、一人当たりにすると大体二日ぐらい車の中にとまっていただいているような格好になっておりますし、その経済のマイナス効果というのは十二兆円だと言われておりますから、それを解消するためには、道路網も非常に循環のいい道路網を築いていくためには、特に都市部、都市周辺での流通のいい交通体系というものを確立しなければならないのではないか、こんなふうに考えておりますので、全く先生の御指摘のとおりだと思っております。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 極めて力強い答弁、ありがとうございます。特に、経済対策という点からは、日本においては減税政策よりも公共事業の支出の方がより経済的効果があると指摘されているところでありまして、今後も自信を持って公共事業を進めていただきたいな、こんなふうに思っております。  そしてまた、公共事業に関することでありますが、地域が自主的に決定する公共事業のあり方についてということで御質問をさせていただきたいと思いますが、公共事業の基本は、やはり国民に喜ばれるものでなければならないという考えはもう当然でありますが、嫌がられてもつくらねばならないインフラというのは、現在ではごく少ないように思われます。  例えば、国の進めようとしている事業に対し極端な地域反対運動が起きた場合、特に必要なものを除き、県や市町村に管理権を移し、責任をとってもらうというような形はどうお考えか、伺いたいと思います。国の役割を統一的な企画や国土開発全体からの留意点についてアドバイスするにとどめるという方もあるのではないだろうかと思っております。そうすれば、今回のような吉野川可動堰のような問題も、自治体が自己責任で決定することになれば、地方分権の精神にも合致し、公共事業に関する国民の誤解も改められるのではないだろうかという考えを持っておりますが、この点、大臣の御所見をお願いしたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 今、吉野川問題でいろいろ御心配をいただいておりますこと、本当に恐縮に存じております。私もできるだけ早く、予算が通りましたら現地へ入って、現地の方々との、それこそ川の問題でございますので橋渡しをしたい、こんなふうに考えておりますが、特に、今地方に任せてはどうか、直轄河川吉野川にしましても百九十四キロ、徳島に隣接するいわゆる堤防沿いというのは十四キロしかございませんので、これは百九本の日本の直轄河川というものを自治体に任せていいかというのは、やはり高度の技術力を擁しております中央官庁がなぜ直轄かということは、これは大変意味があると思います。  自治体が、三千三百十九ほどの自治体がありますし、府県にしても四十七府県ございますし、それからまた市は六百六十四あったと思いますが、その市にもいろいろ、トップクラスを行くような大阪とか横浜とかいうようなところにはかなりの高度の技術者がおりますが、自治体におきましては、まだそういう技術力、行政力に大変大きな差があります。  そういう意味で、直轄という点から、いかに、四国の吉野川にしましても高知の本川村から水源を発しまして、吉野川が出るところは徳島でございますけれども、そういう地域に関しましては、これは一にかかって建設省の高度な技術を持っている者が自治体と協力し、特に小池正勝徳島市長さん、この方は関東地建の水政課長をしておられた方でございますから、よく何でも御存じだと思います。市長さんが住民投票に反対なんというとこれは問題が起こりますから、リコール問題になると困るので、私はあのままでいいなんて言っているのでございますが。そういう意味で、私は地方に任せるところまではまだなかなか決断ができないように思います。それはかえって住民の不安をもたらすものではないか、私はこんなふうに考えております。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 大臣の責任ある答弁については敬服する次第でありますが、現在のように財源が限られておる中で、やはり喜ばれないものは後回しをするという決断。  そして、地方自治が自己決定、自分のことは自分たちでやるという地方分権の思想を徹底するには、私はやはりこれも、大臣のおっしゃることは十分理解できますが、これもある意味では過保護につながるのではないだろうかというふうに思っております。結果については地域住民、自治体がすべて責任を持つ、そして建設省はその責任から逃れる、そういうことも今後の課題の一つとして御検討していただければありがたいなと思っております。  続きまして、先ほども大臣ちょっと触れられましたが、交通渋滞についてお伺いいたします。  先ほど大臣がお話しされましたように、交通渋滞は日本の経済的ロスということで、年間十二兆円もの損失があるということで、極めてゆゆしき問題だと考えております。  建設省も、一生懸命マルチモーダルやITSの導入、ボトルネック解消等具体的な施策を打ち出しているところでありますが、今後、運輸交通行政を担当している運輸省との連携が不可欠であるように思っております。来年一月からは国土交通省として一緒になるわけでありますので、鉄道や道路といった交通行政が一体化されることへの国民の期待は非常に大きいものと踏んでおります。  例えば、特に都市部では踏切による渋滞など致命的でありまして、東京都内の踏切のピーク時遮断時間の状況を見ますと、四十分以上も閉まっているところが二七%にも達するということは、私はこれは非常にびっくりしているような状況でありますが、これなども建設省と運輸省の連携が不可欠なものと考えております。  この点、省庁合併を前に、渋滞緩和について運輸省との協力体制はどのような形になっているか、また、目に見える形で国民的利益が期待できるのか、総括政務次官にお伺いしたいなと思っております。

加藤卓二自由民主党建設政務次官

○加藤政務次官 ただいま桜田先生から非常に大事なお話をお聞きしました。距離と時間の短縮は道路とか鉄道を充実させる以外にはあり得ないんだ、そういう観点から、今運輸省と建設省が一緒になって、それに国土庁が一緒になった省庁ができるということは非常に時を得た大きな問題だと思います。  そして、このために、運輸省等の関係省庁との連絡として、第三次渋滞対策プログラムに基づいて、渋滞対策を積極的に推進しているところでございます。  また、平成十二年度においては、運輸省と連携して、都市部の踏切対策を重点的に実施する踏切道等総合対策事業、鉄道駅の円滑な乗り入れ、乗り継ぎを確保するために交通結節点改善事業を創設することにしておりまして、国土交通省の発足に向けて、従来の垣根を越えた渋滞対策を実施しているところでございます。  先日も、東京都の方でも、一番渋滞の激しい甲州街道のところで、今、鉄道と道路と結びつけていろいろな乗り入れ、相互乗り入れができるような施設をつくるというようなことで、極力桜田先生のおっしゃっているような方向づけで一生懸命努力しておりますから、よろしくお願いします。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 ありがとうございます。  それと、次官、もう一点なんですけれども、交通渋滞になるとき、よく交差点で右折車が障害になって通行がスムーズにいかないような場合があるのです。普通、建築なんかやると、四メーター以下の狭い道だと真ん中からセットバックして家を建てなくては建築許可を出しませんよというようなことがあるのですけれども、どうか交通渋滞という面から、信号機のあるような交差点のときも、何らかの形で交差点のところだけでも道路の拡幅ができるような制度は考えられないかどうか、ちょっとお伺いしたいのです。

加藤卓二自由民主党建設政務次官

○加藤政務次官 都市の中で政治をやっておられる桜田先生、おっしゃられることもっともで、特に交通渋滞を起こしているのは、右折をする車がいろいろな意味で交通渋滞のもとにもなっておりますし、そのためには、非常に長目に右折車を誘導できる設備をつくらなきゃいかぬ。そのためには、どうしても交差点の拡充また充実を図らなきゃいかぬ。先生のおっしゃられること、ごもっともでございます。  短く申し上げますと、おっしゃられるように一生懸命努力しております、こう申し上げて、建設省の決意を申し上げます。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 ありがとうございます。大変ありがたい答弁でございました。  それと、都市基盤整備公団の事業について、引き続き質問させていただきたいと思います。  昨年十月に住宅・都市整備公団から衣がえした都市基盤整備公団の事業状況についてお伺いしますが、都市基盤整備公団については、機構改革前に先行取得した土地が絡んだ事業の取り扱いについて、一部自治体からは、新しい組織になって今後どうなるか不透明になってしまったとか、事業の大幅な見直しがあるように内々通知されているなどということで、一部には将来の帰趨を不安視する事態が起きております。  行政改革の趣旨から業務のスリム化、適正化は必要であろうが、方向性が一たん決まったものについては、査定した上でしっかりと行っていく必要があると考えます。  そこで、岸田政務次官にお伺いしたいのでありますが、現在、このような都市基盤整備公団絡みで、土地を先行取得したにもかかわらず組織見直し論の影響を受けて着手未定になっているような案件はどのくらいあるのか、そして、こういう事態につきまして、所管省庁としてどのような認識を持ち、また今後どのような指導をなされるか、お伺いしたいと思います。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 ただいま先生の方から、都市基盤整備公団が土地の先行取得を行った地区につきまして、着手未定になっているものがどのぐらいあるかという御質問をいただいたわけですが、今、公団の方で住宅用の宅地供給を主目的としまして都市整備事業を施行することとした地区のうち、現時点で事業計画の認可に至っていないもの、これは全部で二十四地区ございます。  この二十四地区の中で、十五地区につきましては既に都市計画決定がされております。あと、三地区につきましても、都市計画決定に向け手続中でございます。それぞれ、この十五地区、三地区につきましては、事業計画の認可に向けて着実に準備を進めているところでございますが、残り六地区につきまして、現在具体的な土地利用計画の検討、あるいは環境アセスに係る調査の実施、あるいは地方自治体との協議、こういったものが続いているところでありまして、引き続き努力を進めているところでございます。  こういったところが現状でありますが、建設省といたしましては、都市基盤整備公団に対しまして、事業計画認可に至っていない地区につきまして、事業内容につきましてしっかりと精査するようにとか、あるいは地方自治体としっかりと協議、検討を進めるようにというようなことでしっかりと指導していきたい、そのように感じております。  先生の御指摘、しっかりと重要性を感じているところでございます。よろしくお願いいたします。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 さらにもう一点でございますが、私の地元でも、都市基盤整備公団の事業について、賃貸の団地があるわけなんですけれども、最近建てかえた団地もありますし、さらに今後建てかえを検討しているような大規模団地もあるわけですが、こうした団地建てかえに新たな公団賃貸住宅を供給しても、需要に必ずしもマッチしないような部分があるのではないだろうかというような意見も地元では聞かれておるんです。団地の償却年数は七十年ということでありますが、現在三十五年程度で建てかえの予定が検討されているということについて、そして、新しく建てても収支の方はとんとんであるというようなことになると、必ずしも急いでやる必要はないんじゃないかという気がいたすところでありますが、その辺の所見もまた岸田政務次官にお伺いしたいなと。  中途半端な賃貸の建てかえをするなら、むしろ、既に一定の役割を終えたという認識のもとに民間市中に売却するなどをして、都市基盤整備公団のバランスシートの改善に役立てればいいんではないだろうかなということも、短絡的かもしれませんが、所感を持っていますので、ひとつ御意見を伺いたいと思います。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 公団賃貸住宅の建てかえにつきまして御質問いただきましたが、都市基盤整備公団につきましては、狭くて、そして老朽化した住宅の居住水準を上げるということから、昭和三十年代に供給した住宅を対象としまして、原則として古い順番に今順次建てかえを行っているところでございます。その建てかえに当たってでありますが、団地の立地条件ですとか、あるいは周辺の土地利用ですとか、あるいは全体の住宅需要動向、こういった要素をいろいろ総合的に勘案いたしまして戸数等を決定しているところでございます。  したがって、今先生から御指摘ありましたように、立地条件等いろいろな検討の上で、団地全部をすべて住宅として建てかえる必要がないというような場合におきましては、一部の土地を社会福祉施設とかあるいは利便施設等、まずは公の利用に供するような形で、住宅ではなくして別の形に利用するということで売却をするということ、これは検討する余地があるというふうに考えております。  いずれにしましても、良好な住宅市街地をつくるというのが目的でありますので、良好な環境整備を行う、こうした良好な住宅市街地を形成する、こういった目的のためにしっかりと有効活用に努めるようにということで公団の方を指導していきたいと考えております。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 続きまして、環境重視型都市創造のための省エネ住宅の奨励策についてお伺いしたいと思います。  今回の建設行政に係る所信表明の中には、環境重視の姿勢が極めて強く打ち出されております。こうした中、二十一世紀に向けた環境都市をつくるため、私は、太陽光発電設備を備えた環境共生住宅の普及が重要であると考えておりますが、中東にエネルギーを大きく依存する我が国では、さきの交通渋滞の問題と同様、省エネルギーという見地からも特に重要であると考えております。  政府は、平成十年、十一年度と、この件に関し、次世代省エネ基準に適合する住宅太陽光発電設備等に対する公庫による割り増し融資額の引き上げ等を行っており、極めて時期に合った措置と考えております。しかし、現在、依然関連設備が高額であることを考えれば、業者側にコストダウンを可能にするような、スケールメリットが出るような国の思い切った後押しが必要であると考えております。  そこで、大臣にお伺いいたしますが、私は、政府が官庁舎等を新築やリフォームする際に環境共生システムを取り入れるなど、みずから普及拡大の先陣を切っていくべきと考えております。大臣はどのようなお考えか、また、現在その実績があれば、その程度のことも伺わせていただきたいなと思っております。新産業の創出の拡大というところに極めて役に立つのではないかと考えております。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  環境配慮型官庁施設計画指針というのが、これはグリーン庁舎に対することでございますが、これが平成十年の三月に、環境負荷を低減して環境と共生するという形をどんなふうに推進していくか、特に、平成十年の六月でございますが、地球温暖化対策推進本部というのが決定をいたしました地球温暖化対策推進大綱においても、政府の先行実施、当然のことだと思います。私は、本来ならばこれは国土庁の方の話でございますが、昨年末に首都機能移転というのが答申が出ましたから、本当ならば、これは首都機能をどんどん移して、最初からそういうものに対応したいわゆる首都機能を育成していくことが大変効果が、経済効果にもつながると私は思うのでございます。  今のところは、グリーン庁舎として太陽光発電の自然エネルギーを利用するという積極的な方法をやっておりますのは中央合同庁舎の四号館のみでございます。膨大なストックである既存の官庁施設について、環境負荷低減対策が重要課題でございますので、太陽光発電等の環境負荷低減改修工事を試行するとともに、今年度末までにリフォームにおける環境負荷を低減する指針を作成いたしまして、積極的な環境対策に取り組んでまいりたい、建築分野における環境対策のさらなる普及促進というのが、これは政府先行で、当然政府の義務として推進していくべきではないかと思っております。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 時間がなくなったので、最後の土地収用法の運用について簡単に御質問させていただきたいと思います。  土地収用法は、昭和二十六年に制定されて既に五十年以上になるわけでありますが、特に、私は、この名称すら、土地収用法という名前はいかがなものかな、時代にマッチしていないんではないだろうか、常に公共事業優先の立場から地域環境調整法とか、仮にそういう名前に変えて、もうちょっとソフトなイメージで公共事業に敏速に適応できるようにしていただければありがたいなと思っております。特に、土地収用に時間がかかって、公共事業がおくれて金利負担と、それが収益の悪化に結びつき、いろいろな事業が推進されにくいという構造がありますので、ひとつその辺のことをお伺いしたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  先般も石原知事が私のところへ来られまして、いわゆる圏央道の問題があります。それからまた、これは共産党の岩佐先生の御紹介で、圏央道に反対している方々とも会いました。九百件が賛成で、そして十四件が反対ということでございます。その一軒の家の中に九十八人の一坪地主がおられまして、私は、今度は現場へ入りましたら、もうそのときにはその一坪地主が百十三人にふえておりました。こういうことをしておりますと、先ほど申しましたような渋滞対策にはなりませんので、収用法を適用するということを私は決断したわけでございまして、その手続を年末にとりました。  今、御指摘になりましたように、これは土地収用法というのは、昭和二十六年に制定されたものでございまして、大分社会情勢も違っておりますので、約半世紀が経過をしております。昭和四十二年に抜本的な改正はなされているところでございます、物価にスライドするというような形で。そういうことで、収用をかけましても、その後の配慮はいろいろやっているわけでございますが、社会情勢の変化で、公共事業の円滑な実施の確保等の見地から見ましても、現行土地収用法が必ずしも想定していなかったような現状に直面していると思います。今後、引き続き、起業者に対する指導、それからまた事業認定の事務処理の迅速それから円滑化を図るとともに、あわせて現行制度の問題点の検討を行ってまいりたい、かように考えておりまして、何としてもスムーズな事業の進捗を得られませんと、せっかく国民の皆さんから税金をいただいても、それが有効に、効果が短期間の間に上げられないというような、長い間何か重いおもりを背負いながらこの狭い国土の開発に取り組んでいるという、そんな現状をいかに理解していただくかという一つの方法として、皆さんに理解を得られるような法改正を考えていかなければならないんじゃないかと思っております。

桜田義孝自由民主党

○桜田委員 どうもありがとうございます。土地に対する公共性の優越というものを最優先の課題にして、二十一世紀にしっかりとした建設行政を心から期待しております。  質問を終わりにいたします。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 前原誠司君。

前原誠司民主党

○前原委員 おはようございます。  きょうは、川の問題について大臣といろいろ議論をさせていただきたいと思いますが、そのテーマになる川は、吉野川と川辺川でございます。  まず、吉野川から、質問通告をしております内容に沿って御質問をさせていただきたいと思います。  まず、大臣も目にされたことがあると思うんですけれども、いわゆる土工協、日本土木工業協会の金山副会長という方が、可動堰の住民投票のあった後にこういう発言をされております。事実誤認も著しく、民主主義に対する挑戦、税金で実施される公共事業に売上高の多くを占める土木業界は——失礼、これは私どものあれでしたね、失礼しました。ばかばっかり、感情だけで反対をしている、こういう発言をされております。そして、いわゆる若い人は感情だけで反対している、異常だ、こういうふうに述べられているわけであります。そして、先ほどちょっと引用しましたのは我が党のそれに対するコメントでありましたけれども、税金で公共事業をやっているのに、住民の方々がそれに対する判断を下されたことに対してばかとは何事だ、感情だけではなくて、かなりこういった人たちは精緻な議論に基づいて、八年間も積み立ての議論をされる中でこういう住民投票をやってこられたわけで、それに対して反発をしたわけであります。  後日、金山副会長からも謝罪の表明があったというふうには聞いておりますけれども、謝罪があったかどうかは別にして、公共事業発注官庁の建設大臣として、こういう土工協の副会長の発言をどう受けとめられるのか、まずその点についてお答えをお聞きします。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  想像するところでございますが、土工協という男らしい人たちの寄った世界でございますから、ついふだん話しているような言葉がちらっと出てしまったので、また後で取り消しておられますので、これは本当の、単なる失言ということで、ついいら立っておられる気持ちが出てしまったんじゃないかと思っておりますが、今お話がありましたように、これはいろいろ地元の方々との情報の交換が私はうまくいっていなかったんじゃないかと。  この間、愛知万博の視察で行きましたときに、木曽三川に行きました。治水神社という、昔木曽三川の大改修をやったところへ行きました。長良川の話を聞きましたら、今どなたも皆さん大変喜んでおられるという話を聞いたりいたしますので、吉野川に対しましても、後で喜んでいただけるような対応をしていくためにひとつ土工協の皆さんと、感情の問題も一つにまとめていくような方向で対処したい、かように思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 大臣はいろいろな知識がおありでございますので、今まで、議事録を読んでいましても、御質問のほかのことを答えられることがかなり多いわけでございまして、長良川の問題は、かなり水質が悪くなっているという話も聞いておりますので、その点についてはまた別の機会に質問いたします。  私が御質問したのは、土工協の副会長が、要は住民投票について否定的な発言をされた、しかも口をきわめて、ばかばっかりだ、感情だけで発言をしているとおっしゃったことについてどう思われますか、その一点だけで結構です。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  感情と感情のぶつかりだと思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 公共事業というのは我々の税金で行われるものでございまして、それを請け負う、もちろんそれはしっかりやってもらわなきゃいけないわけでありますけれども、その立場の人たちが、住民の意向というものを感情的だとかばかばっかりだと言うことは、私は余りにもおごりが多いんじゃないかというふうに思いますので、この場で改めて我々の怒りというものを表明させていただきたいと思います。  次は、大臣の御発言をちょっと時系列的に取り上げさせていただきたいと思います。住民投票に関する、大臣を含め、前任者の関谷大臣も含めて、発言がかなり試行錯誤といいますか、紆余曲折をしております。  まず、昨年の五月に関谷前建設大臣、住民の多数が反対なら計画を直ちに中止する、こうおっしゃっております。ただし直後に発言を撤回されておりますけれども、まずこういう発言をされた。そして今度は中山大臣になられてからで、住民投票の前でございますけれども、流域全体の生命財産の安全を確保しなければならない治水には専門的な判断が必要だ、一自治体の住民投票の結果で左右されるものではない。それから、一月二十一日、これは投票日の二日前ですね、この可動堰建設問題は科学的、技術的問題であり、それを住民投票で問うのは民主主義の投票行動としては誤作動だという、有名なお言葉を残された記者会見でありました。  そして、一月二十三日に投票がございました。  そして次の日の記者会見、これは定例会見でありますが、現在の国の可動堰化計画にこだわらない、これならという案、方法がほかにあれば取り入れる。それから、別のこともおっしゃっています。選挙で選ばれる政治家にとり数字は神の啓示だ、こういう発言を二十四日にされているんですね。これで住民投票をされた方々なんかは非常に喜ばれたわけでございますけれども。そしてまた同じときに、自民党の政調会長の亀井衆議院議員が、住民の意思を一切無視して進めるわけにいかないというコメントを出されている。  しかし、多分その間に河川局長なんかが一生懸命頑張られたんだと思うんですが、次の日、一月二十五日、賛成か反対かの意思表示は出たが、そんなものに判断していただく気はない、これは大臣のお言葉ですよ。それから、建設省出身の徳島市長に対して、反対表明をされた後でありますけれども、市長としての責任を捨てた人だとばっさり切られているわけですね。大衆というのは目のない怪物だ、それに目を向けてどこへ進むかを決めるのが政治だ。  二転三転しているわけでありますが、今の予算委員会からの大臣の御発言を聞いておりますと、どうやら紆余曲折の態度は定まってきたみたいで、可動堰化というのは絶対やるんだ、こういう話でございますね。  ということは、これは大臣の定例会見という公の場でされた、現在の国の可動堰化計画にこだわらない、これならという案、方法がほかにあれば取り入れるということと、選挙で選ばれる政治家にとり数字は神の啓示だとおっしゃったことというのは、これは間違いだった、取り消すんだということをやはりちゃんと言ってもらわないと、言ってみればぬか喜びをしている方々もおられるわけで、それについては自分の言葉というものは間違いであった、取り消すということを、逆にもしそうであれば言っていただきたいと思うんですが、いかがですか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  まだ何も決まっていないんですから、私ふらふらも何もしておりません。数字は神の啓示だ、こう言ったのも、これは賛成の人が九千三百六十七、だからこれはくさっちゃだめだよ、くさるなよ、クサルナと出ていますから、失望するなという意味の神の啓示というのを言ったわけでございます。  私は、政治というのは、正義に向かって一人でも戦っていく、これが正しいと思ったら一人でも戦っていくというのが指導性だと思っております。ゲティスバーグの有名なリンカーンの演説に、人民による、人民のための、人民の意志、その前にはアンダーゴッド、神の意志によってと書いてあります。神様に聞かれても恥ずかしくないことを人のためにするというのが私は政治だと思っております。  役所の中で、いわゆる起伏式とかつい立て式とかそれからゴム式とか、いろいろなことを考えている人たちが最後に結論を出すでしょう。その結論で——これはヨハネス・デ・レーケが、明治十七年以来、吉野川の固定堰というのは危ない、こういうことを言っております。大阪の淀川もヨハネス・デ・レーケがやってくれましたし、それから先ほど申しました木曽三川もヨハネス・デ・レーケが日本の明治政府の中の嘱託顧問として活躍したその中で言っておりますこと。だからこそ、先ほど桜田先生にもお答えいたしましたように、直轄事業というのは、やはり国が高度の判断をすべきであって。  私は、市長さんを否定したんじゃございませんで、もちろん市長さんはよくわかっていらっしゃるのでしょうけれども、やはり地域の自分の選挙のときの投票より倍ほど住民投票で入ったら、それを気にするのは市長さんとしては当たり前。だから、その場の市長さんに判断を任すとやはり適正な判断をしたものではない。四十七市町村が関係する、三十二万の促進決議がある、そんなものを判断しながら、私は正しいところで決定を下す。  それまでの経過の途中でございまして、東海道五十三次、日本橋より出発して大阪へ着くまでの間の話でございますから、それはまだ二十年もこれからかかる話でございますので、私なんかはそのころは死んでおりますが、今、民主党のシャドーキャビネットとしての前原先生がここへ座ったときにどんな判断をされるかということじゃないかと思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 私がその立場にいれば、一たん全く白紙に戻すということは、はっきり申し上げたいと思います。  それで、先ほどおっしゃったことで、要は、数字は神の啓示だということは、これは九千何がしの賛成の方々の数字をとって言われたんだということでありました。これはいかようにも説明は後ではできるでありましょうし、これについて私がとやかく言うことはありませんが、それこそ、要は、数字は神の啓示だったんだという数字というものは賛成の票のことをおっしゃったんだということを聞いたら、多分、全国民はどっ白けてしまうんじゃないかなという私は感じをいたしております。  また、先ほど申し上げたように、二つのことをおっしゃっているわけですね。もう一つは、可動堰化にはこだわらない、これならという案、方法がほかにあれば取り入れるということをおっしゃっているわけです。紆余曲折をしないということをおっしゃっているのであれば、この話は一たん可動堰化もゼロに戻すという意味ですよ、この発言は。つまり、現在の国の可動堰化にはこだわらないと。  確かに、この間、大臣、姫野さん初め住民投票の会の方にお会いをいただいて、そのことについては約束を果たしていただいて感謝をいたしますが、そのときに、ゼロからのスタートだということはおっしゃいましたけれども、私がそばで聞いていて思ったのは、可動堰化というものを一たん白紙にしたということは一切おっしゃらなかった。しかし、この一月二十四日の大臣発言ということを取り消されないということであれば、これは定例の記者会見ですから、マスコミ各位に聞いたらどういう発言をされたのか一字一句残っているわけでありますけれども、現在の国の可動堰化計画にこだわらないとおっしゃるのであれば、可動堰も一たん白紙にして、そしてそれも選択肢の中に入れて、いろいろなものをこれから住民の方々と相談もしながら検討するというのが筋じゃないですか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  今まで調査費で五十六億円も使っておりますから、それを白紙に戻すというのは、これはもう税金のむだ遣い、これの最たるものはないと思います。  ですから、これはこの間申し上げたように、あの方々は一月二十三日運動を一二三運動としておられますから、私は、一二三をゼロに戻してもらおう、私の考えも、白紙に戻すわけにはいかないけれども、スタートとしてはゼロにしましょう、だからゼロの地点から出発しましょうということを、仙谷先生と前原先生がお越しになりましたときに私は皆さんの前で申し上げました。  それから、先日も、ジャパンフローラ二〇〇〇の下見で淡路へ行きましたら、そのときの神戸のテレビを見ていましたら、徳島の住民運動の人たちが神戸に来て、今度は神戸の笹山市長のリコール運動で一緒に勉強会をやっていると。私は、何だろうという思いがしたのでございます。ですから、そういう全国の住民運動の、神戸の市長に、徳島の吉野川の方々が住民運動で市長をリコールする運動の指導をしている。これは一体何だろうな、そんなふうに思いますが。  とにかく、それは別として、私はそういう意味で、白紙撤回はできませんが、皆さんと大臣室で会いましたのも、建設省の方々は、今まで前代未聞のことだと。人数も二、三十人来られましたでしょうか。先生方のあっせんを私は尊重して、お話し合いに入るその決意を私なりに示したつもりでございます。私は、ずっと三十年間政治をやってまいりましたが、背中を向けたことはございませんので、困難には前向いて対応していくというのが私の政治姿勢で今日までやってまいりましたので、これからもそれを続けていきます。

前原誠司民主党

○前原委員 私が質問していますのは、現在の国の可動堰化にはこだわらないという御発言はどういう意味なのかということなんですね。  つまり、先ほど、住民の方々もゼロからスタートしてもらいたいということをおっしゃった。大臣も自分はゼロからだとおっしゃっているけれども、しかし可動堰化というものを白紙撤回されていない、白紙撤回されていないのであれば、ゼロじゃないじゃないですか。つまり、今まで建設省が地域住民、これは徳島市だけじゃないですよ、二市六町の流域のいわゆるはんらん予定地域の住民の方々に説明をしようとすればするほど、だんだん説明会に集まる人の数が少なくなっていった。これは、理由を聞いたら、何だと思われますか。つまり、可動堰化ありきだ、建設省は自分たちはこう進めたいんだということを住民に納得させるためにしか公聴会を開いていない、そんなものに出られるかという話なんですね。  つまり、今本当に大臣がゼロとゼロの話し合いというものをするんであれば、一たん建設省も今持っている計画を白紙撤回して、そしていろいろな議論をする中で、積み上げていく中で、結論としては可動堰になるかもしれない、そういうことが本当のゼロとゼロじゃないですか。もう一度お答えいただきたい。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 今、最後にお話しになったところが私の気持ちと同じでございまして、白紙というのは何も書いていないのが白紙ですが、私はゼロという字だけ書いていますので、そこからスタートということです。  ですから、計画として、五十六億円もかけて調査してきたその結果を尊重しないということは、これこそ本当に水の中にお金を捨てるような、むだ遣いということになりますから、これは私はその意味で、話し合いを一緒にスタートしましょうと。今までは、皆さんは白紙撤回ということをおっしゃって、それでなきゃ場に着かないと。これでは、これからどういう方法をとっていくのかというその話し合いにもならないから、そのスタートの地点をゼロにしましょうと。私は、空間的な問題を言っているんじゃなしに、時間的な問題を言っているわけでございまして、これからその話し合いを続けていきましょうと。  だから、おっしゃるように、選択肢は幾つもあります。その場で専門家が住民のおっしゃるとおりで結構ですよという話をなさるんならいいですけれども、投票に行かれた方々のお考えというのも、私は、徳島の意思として重視はしますけれども、全体の意思としてはそれに従うわけにはまいりません、だから白紙撤回はできませんということを申し上げております。

前原誠司民主党

○前原委員 それだったら、一月二十四日にされた定例会見、国の可動堰化計画にはこだわらないという大臣のお言葉は何ですか、それは。つまり、こだわらないということは、これは一たん白紙に戻して、そしてゼロから、もちろん可動堰化も一つのオプションだけれども、ほかのいろいろな考え方をあわせてやっていこうというのがこの大臣の定例会見じゃないですか。可動堰化にはこだわらないということは、そのとおりなのかどうなのか。イエスかノーかで結構です。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 ですから、何度も申し上げておりますように、今まで蓄積してきた研究の結果というのがあります。今、固定堰がありますから、堰上げといって、それが堤防の上を越えてしまうような可能性がありますから、それをどうするかという問題が基本問題でございますので、それを私は、現に川の中には固定堰があるわけですから、それをどうするかというところはこれは白紙に戻すわけにはまいりませんので、そういう意味で申し上げているので、話し合いの出発点をお互い、ゼロに合わせましょう、目盛りを合わせましょうということでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 今の大臣の御答弁ならばわかるんですよ。我々も、固定堰が堰上げを起こす、ピーク流量の話はまた別で、またどれぐらい堰上げが起こるかという議論は後でさせていただきますけれども、その問題意識はあるわけです。ですから、我々は、全く手つかずで、今のままでいいとは全然思っていない。ですから、堤防を強化するとか、あるいは上流の遊水地であるとか、あるいは保水能力を山で高めるとか、いろいろな総合的な対策をしていかなきゃいけないと思っていますよ。  ということは、今さっき大臣がおっしゃったのは、可動堰化計画にはこだわらない、しかし、堰上げの問題とか、そういう固定堰の問題はあるんだという認識でよろしいのですね。イエスかノーかで結構です。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 とにかく川をどうするかというのが基本的な問題でございます。私もこの間、本川村の手前の祖谷の谷までずっとヘリコプターで行ってまいりました。岩津から北へ行きますと、もう堤防もありません。植え込みがあって、それで川の勢いを制するといいますか、制水のための地域がありますが、河口では千メートル、岩津では百五十メートル、これは昔は大変な蛇行をしていた、本当に今も徳島空港のところへ行きますと非常に蛇行している川でございますが、そういう川を中央構造線に従って県庁所在地の徳島にすっと真っすぐ抜いたというのは、これは改修を明治以前にしておりますわけでございますから、その問題を、これは現実にある川、暴れ川四国三郎と言われる日本で三大暴れ川の一つである川を、そのままそんな気持ちの問題でいろいろなことを言ってはいかぬ、これは技術的に足を地につけて皆さんと話し合いをするべきことだ、そんな意味で、イエスかノーかで答えられる問題じゃないと思います。

前原誠司民主党

○前原委員 答えられる問題なんです。つまり、先ほど大臣が御答弁されたのは、私は時系列的に申し上げた、そして私は、紆余曲折、ぶれていると申し上げたら、全然ぶれていないとおっしゃった、自分の考え方は全然変わっていないんだと。だから、一つだけお答えくださいよ。一月二十四日の大臣の定例会見の御発言、現在の国の可動堰化計画にこだわらない、これならという案、方法がほかにあれば取り入れるという御発言は、そのとおりでよろしいんですね。イエスかノーかで答えてください。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 イエスかノーか、何か山下奉文を思い出すようなことを、イエスかノーかで机をたたかれるような、そういうお答えには、私は答えるのは間違うもとになると思いますので。  私はすべてに対して門戸を開いていますよ、だから、そういう住民投票が出たから、それは徳島の方々が何を考えておられるのかこだわりませんよ、そういう意味で、これから話し合いをしましょうということで、徳島の住民投票に対するいろいろな選択肢があるでしょうということを私は申し上げたわけで、それはほかの人たちを無視するわけにはいきませんから、やはり少数を、いつも皆さん、きのうもクエスチョンタイムでおっしゃっていました、少数をどう重視するんだと。それで、九千三百六十七の賛成票、反対の猛運動の中に投票に行かれた少数の意見を私は尊重したい、こういう気持ちでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 僕は何も内容についてどうのこうの聞いているわけじゃないんだ。大臣の発言をそっくりそのまま引用して、これ、おっしゃったことはそのとおりですねと聞いているんです。それについて答えられないというのはおかしいじゃないですか。そういう答弁があるんだったら、僕はもう質問を続けられませんから。何とかしてください、委員長。(発言する者あり)

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 御静粛に。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 どうしてそれがわかっていただけないんでしょうかね。  いろいろな選択肢がありますよ、だから可動堰が、起伏式か、ゴム式か、いろいろありますねということを言っているわけでございます。だから、可動堰というのはこう上げたり下げたりでしょう、ゴムというのは——そうですよ、だからいろいろな選択肢、可動堰にこだわらないということは、ゴム式もありますね、それからつい立て式もありますねということを言っているわけでございます。その選択肢を私が選んでいるのに、お若い先生がそういう何かに、私の単なる記者会見での発言にこだわって、この問題の判断を見誤らないようにしていただかないと、仮にも二大政党を目指すときの、あなたはシャドーキャビネットの建設大臣候補者でございますから、それはひとつそういうつもりで、お互いひとつ政治家としてやりとりしましょう。

前原誠司民主党

○前原委員 もう詭弁も甚だしい。  つまり私は、定例記者会見というのは、大臣の、これは公式の記者に対して、記者に対してということは、それを通じて全国民に対しておっしゃっていることですよ。そのことについて、そのままでいいのかどうかということだけを聞いているのに、それについて答えられないということはあり得ないでしょう。だから、現在の国の可動堰計画にはこだわらない、これならという案、方法がほかにあれば取り入れるという言葉は生きているんですかと聞いているんですよ。だから、イエスかノーかで答えられるでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えします。  何度も同じことを言いますけれども、可動堰にこだわらないということは、起伏型もありますね。(前原委員「それも可動堰なんだ」と呼ぶ)いやいや、だから、それもありますねと。だから、上げたり下げたりの引き上げ方式という話が、向こう側の反対運動をしている方々の問題には、何かフランスの城みたいな、間違った情報を提供するような、そびえ立つような、そして現在の固定堰は、まるで上から見たような優しい風景にして、そして、それを手に持った人が間違った印象を受けるようなものを宣伝の材料として使っておられますから、私は、そういうものに対してはそういう言い方をしたわけで、正しく情報が伝わっていない、これが最大の問題でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 要は、今おっしゃったゴム式とか起伏式とか引き上げ式、全部可動堰なんですよ。その種類を言っているんじゃないのです。  だから、私が申し上げているのは、現在の国の可動堰化計画にはこだわらない、これならという案、方法がほかにあれば取り入れるという発言はそのままなのかということを聞いているわけです。それにお答えにならないのだったら、これを前提にしてこれから質問するんですから、これ以上質問できないです。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 速記を起こしてください。

前原誠司民主党

○前原委員 今、御説明をいただきました。  要は、現在の国の可動堰化計画というものはかなり限定をしたものだ、つまり、鉄板を上げたりおろしたりする引き上げ式のものであって、それにはこだわらないと。そんな、本当に、さっきの数字は神の啓示のところは、その数字は九千何票の方だとおっしゃったり、現在の国の可動堰化計画というのは引き上げ式にのみ限定しているんだ、そんな、後づけの議論も甚だしいと私は思いますし、そういう姿勢というのは私は国民に対してはどう映るか、本当に残念でなりません。  では、そういうふうにおっしゃるなら、お伺いしましょう。  引き上げ式、それからゴム式、起伏式。吉野川は、これは大臣も相当お勉強されたと思いますし、私もこの間随分勉強させていただきましたけれども、起伏式というのは、吉野川ぐらいの流量の多い川では危険であるからだめだということになっていますよね。いや、なっていますよ。建設省の出している技術基準で禁止されていますよ、起伏式。ゴム式というのはどうなんですか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 なんでしたら、専門家がせっかく来ておられますから、そういう技術的な問題については河川局長から答えてもらいます。

前原誠司民主党

○前原委員 政府委員は結構です。  細かいところの議論は、質問通告しておりませんし、大臣もそこまではということでありますので、では質問主意書等々で、これは今度は対応させてもらいます。  つまり、建設省の中の技術基準で、起伏式は吉野川のような大きな川ではだめだということになっているということを私は伺っております。ですから、あと残るのはゴムしかない、もしこの引き上げ式にこだわらないんだったら。そういうことになりますから、ゴムもこういう吉野川のようなものに本当に対応できるのかどうなのか、これは質問主意書等でフォローさせていただきたいと思います。  それでは、先ほどから御質問しておりますけれども、要は、住民投票の結果、話し合いはするけれども、いわゆる現在政府の持っている計画というものには、引き上げ式にはこだわらないけれども可動堰化というものにはこれからもこだわっていくんだということでありました。  平成九年に新しい河川法が改正をされました。この新しい河川法の理念というのは何か。私は、これは画期的な河川法の改正だったと思うんですよ。どういう意味で河川法の画期的な改正であったかといいますと、つまり、河川環境の整備と保全というものを目的に加えた。これは百年の歴史で初めてなんですね。大きな流れの中で初めてであります。それから、河川の整備計画に住民の意見を反映させるということを盛り込まれているということで、私は、かなりこの改正河川法というのは評価ができると思っております。  それから、あわせて取り上げますけれども、私は別に建設省がだめだということを言っているわけじゃない。お互いに治水というものを考えていく中でいろいろな選択肢を考える中で、専門的な技術者の方々が建設省にいっぱいおられるわけですから、政治がある一定の決断を下せば、建設省におられるそういう専門家の方々にいろいろ知恵を絞ってもらっていいものをつくっていただくということをやってもらわなくてはいけないし、私は決して建設省の皆さん方を批判しているわけじゃない。つまり、その入り口の可動堰化、つまり川をこれからどうしていくのか、治水をどうしていくのかという考え方の中で私は大臣と議論をさせていただいていると思っています。  その中で、一月二十一日に、河川審議会が答申を出された。この答申を私は非常にすばらしいと思うんですね。二つありました。  「河川管理への市町村参画の拡充方策」、これは今国会に提出されている河川法の改正にかなり絡んできている話でございましょう。これも、さっき申し上げた、関係する市町村があるいは住民が河川の管理の計画なんかに参加をするという意味でありましょう。それから、もっとすごいなと思いましたのは、「川における伝統技術の活用はいかにあるべきか」ということで、従来のいわゆる力で抑え込む河川管理から、伝統的な河川管理技術というものをもう一度見直すべきじゃないかということが答申をされている。こういう方向を河川審議会が出されたということは、かなり画期的なことではないかというふうに私は思っております。この吉野川においても、私は、梅原猛先生という、地元の京都に立派な京都大学の名誉教授がおいででございますけれども、梅原先生のお言葉をかりますと、要はコンクリートで固めた可動堰のようなものをつくるから日本が不況になったんだ、こういう話をされているんですね。非常に多岐にわたる研究分野をされている方ですので、その背景にはいろいろな要素が入っていると思いますけれども。  やはり自然に回帰をしていく、そして古い、川の伝統的な管理技術というものにもう一度目を向けていくということ、そして河川だけで河川管理をするんではなくて、山に目を向ける、そして田んぼに目を向ける、そういう中で総合的に河川を管理していくということが非常に重要だと私は思いますし、まさにこの河川審議会の答申というものはそういうものをあらわしていると私は思っています。  そこで、お尋ねをしますけれども、新河川法の意義、つまり平成九年に改正をされた意義、私はさっき二つあると申し上げました。一つは、先ほど申し上げましたように、河川環境の整備と保全というものを目的に加えた。それから、河川の整備計画に住民の意見を反映させるということ。それから、今回の河川審議会の答申ということは、力で抑え込む河川管理ではなくて、伝統技術でいわゆるやわらかに、しなやかに川を制御していくということにも目を向けていくべきだ。この二つについて、吉野川との、これからの洪水対策とあわせてどういう方向で建設省としては取り組むお気持ちがあるのか、大臣に御答弁いただきたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 全く先生の御指摘のとおりで、川を治める者は国を治める、山を治める者は国を治めるという有名な、政治の治という字がついていますし。  私も北朝鮮に行きました。北朝鮮は山に木がありません。何でそうなったかというと、一二七四年に第一回の、文永十一年の日本にモンゴルと一緒に攻めてきたときに一隻の軍艦をつくるのに四千本の木を切らされた、それが朝鮮半島の木がなくなった理由だという話を聞きまして、本当に今それが後遺症になって食料難。  それから、中国も、万里の長城のれんがを焼いたので木を切った。それからもう一つは、兵馬俑。今北京の十三陵もまだ一陵しかあいておりませんが、まだ十二陵の下には随分焼き物があると。  瀬戸の話がこの間予算委員会でも出ておりましたが、瀬戸も瀬戸物をつくるのに全部木を切ってしまったというお話をされておられましたから、これは本当に山と一体化して川の問題というのは考えないと、日本も、今は山から材木がとれるんでなくて、海から材木が運ばれてくる時代になってしまいましたから、そのために大変山が荒れているということは現実でございます。  先生のおっしゃるように、川に対する優しい感覚というのを日本人はもう一回見直さなきゃいけないと思っております。特に、敗戦による荒廃した国土を次々と台風が襲った戦後の時期において、国民の生命とかそれから財産を洪水被害から守ることが何にも増して最優先の課題であったわけでございますが、その重要性は今も変わることはありません。  戦後の五十年余りの経過の中で、洪水時の危機管理のみならず、川の三百六十五日という言葉に象徴されるように、日常的に接する空間としての河川に対する環境や潤いといったニーズが多様化して今高まってきているところでございますので、そのようなことから、平成九年の河川法改正によりまして、第十六条の二の第四項を設けまして、具体的な施設整備の計画である河川整備計画の策定の際、公聴会の開催等の措置を講じることとしまして、幅広く関係住民の意見を反映させた河川行政を実施していくことにしております。  その意味で、先生と仙谷先生のごあっせんで私も地元へ入りまして、皆さんのお気持ちをいろいろと参酌をして、そして今、伝統技術ということをおっしゃいました。日本には川を制御する伝統的な知恵というのが確かにあるようでございます。聞きました話では、木組みで、聖牛というおもしろい名前がついている、木を組み合わせて、遠くから見ると牛の形に見えるのが河川を制御する仕組みの中にある。まさにそういう伝統技術というものは日本は蓄積されたものがございます。  そういうものもあわせて、近代技術、特に流域に住む人たちの人口も変わってきました。それによって、かつては海に近いところに、加工産業国でございますから、資源を外国から入れて早くつくって海外へ出すというので、大体海岸と河川の入り口に工場なんかも集まっていました。このごろは奥へ入るようになりましたので、工業用水の利用、それから飲料水の利用、そんなものも全部体系が変わってまいりましたから、新旧を取りまぜての対応というのが、先生の御指摘のように川に対する優しい近代的な対応ではないかと思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 山に目を向けなきゃいけないということで、北朝鮮や中国の例もとっておっしゃったわけでありますけれども、私も、吉野川の可動堰計画というのはいろいろな意味で目を覚まさせるものであったと思うんですね。つまりは、我々は可動堰がどうのこうのというその一点で議論をしがちでございますけれども、河川管理というものは一体どうあるべきなのかということをやはり根本から提示をしている問題じゃないかなというふうに思いました。  特に、今我々でも中でちょっと検討しているんですけれども、公共事業の中期計画というのは十六本あるんですね。河川もそのうちの一つですし、道路とかあるいは公園とか港湾、漁港も入っていますし、地方空港、空港、十六本計画があって、五年とか七年という計画になっている。要は、河川なら河川の予算、その中で河川を考えようとしちゃうわけですね。  しかし、さっき大臣も言及されたように、河川管理というのは極めて山が大切だということになれば、長期計画で森林が何か全く森林だけで分かれてしまっている、河川は河川だけで分かれてしまっているという、要は役所の縦割りの中で予算が決まってしまって、河川管理が川なら川だけに向いてしまっている、つまり山に向いていない、あるいは休耕田なんかの田んぼに向いていないというところに私は一つの大きな縦割り行政の弊害みたいなものがあるんじゃないかという気がするんですね。  来年の一月から国土交通省になります。国土交通省になれば今の運輸とか建設が合わさるわけですけれども、それでも山の部分の農林水産省の部分はこれから入らないんですね。そうすると、省庁再編ができたとしても、山を管理する形というものが国土交通省の中に入ってこない。つまり河川行政に反映されない。  これは、私は、もっと仕組みを変えていくと同時に、大臣なんかのリーダーシップで、農林水産省の大臣とやはり協議をして、森林の問題は川の問題だという形の中で河川の問題と山の問題を合わせて、そして統合的な河川の管理というものを考えていくという広域的な、まさに縦割り行政を横断的に見るというのは政治の一番の役割だと思うんですけれども、そういうものをぜひ私は大臣のリーダーシップで取り入れてもらいたいと思うんですが、その点いかがですか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  全く同感でございまして、省庁再編、来年の一月六日から一府十二省になるわけでございます。一府二十一省が一府十二省になるときの、いわゆる省庁再編のときの、河川局を農林省に持っていくというような話があって大混乱が起こったことは御承知のとおりでございます。結局、北海道開発庁が国土交通省の中に入ることになりましたから、北海道についてはその調整の機能はできると思いますが、国土庁という省も国土交通省の中に入ってくるわけでございますので、確かに山と川との一体、これは先ほどの大石内蔵助の討ち入りでも、山、川というのが合い言葉になっているわけですから、これは一体のものでございますから、それはひとつ国土庁で調整機能を発揮して、先生のおっしゃったような、農林水産省にしたらそれは大変大問題なのかもわかりませんけれども、これはひとつ知恵で、川というものの流域をどんなふうに限定するかということで、その辺の調整機能は国土交通省になったときにはしっかりとひとつ内閣の中で調整をしていただくような、この川のどういう流域が問題かという流域面積というのは決まっているわけでございますので、その範囲でも私はしっかりした川それから山を一体化した行政というものが必要じゃないか、全く同感でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 国土交通省になる前でも、今からでも常に農林水産大臣と連携をとられながらそういうリーダーシップを発揮してもらいたいというふうに思いますし、我々もそういう提案を続けていきたいというふうに思います。  さて、ちょっと川辺川まで行こうと思ったんですけれども行けないので、もうちょっと吉野川のお話をさせていただきますが、よく大臣が御答弁なんかで引用されることで疑問に思うことが幾つかあります。  どういうことかといいますと、一つは、徳島市の住民投票というのは徳島のことだけじゃないか、つまり流域では四十七市町村あるんだということと、可動堰計画においては徳島市も含めて二市六町、これがいわゆるはんらん想定区域となるわけであります。四十七市町村で全く関係ないところも私はあると思いますけれども、仮に二市六町に限定した場合、徳島市だけの意向で、つまり住民投票というのは軽視をしなきゃいけない、徳島市の住民投票だけを重視してはほかの一市六町の意見というものは通らないんじゃないか、こういうお話をされますが、私はそれはちょっと違うと思うんですね。  つまりは、いろいろな住民がアンケートをしたりマスコミがアンケートをしたりする中で、これは前回、予算委員会でも同じような数字が出てきておりますので繰り返し申しませんけれども、他の一市六町でも、マスコミの調査あるいは住民のアンケート等々を踏まえて考えると、住民投票をした方がいいという方は圧倒的でありますし、可動堰反対というものも七割とか、あるいは可動堰の直近の国府町佐野塚では一〇〇%の方が、つまりほぼ全員が可動堰反対ということを言われているということになれば、徳島市の住民投票だからそれは余り重視をしちゃいけないんだよ、ほかのことも考えなきゃいけないんだよという言い方をされますが、大臣はほかの一市六町の住民の方々の意向調査というものをされましたですか。その上で発言をされていますか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  そういう御意思の所在の調査というのはやっておりませんが、私は、積極的に三十二万の促進の署名簿というのを、県会の議長さんを中心にして私のところへ、これまで大臣室へ来られまして、私の前で朗々とそれを、決議文、促進決議みたいな形でお読み上げになりましたのが、徳島市以外の積極的な意思表示のような形にとりました。  それから、住民投票の方も、初めは住民投票の期日すら決まっておりませんでしたし、それからまた、五〇%で公開、非公開という議論がありましたり、いろいろ徳島市が住民投票に至りますまでの紆余曲折というのを見ておりましたら、そしてまた、公明党さんは可動堰、堰をつくること自体には賛成をしておられて、住民投票にも賛成をせられたということで住民投票になりましたので、私は、その結果として、徳島市の御意向が地域、二市六町の意思表示の中であらわれてきたものと。そういう意味で、ほかのところには積極的な調査というものはいたしておりませんし、促進決議をもって今のところの御意思の表明だ、私はかように考えております。

前原誠司民主党

○前原委員 そもそも住民投票が行われた一つの大きな理由というのは、私は議会制民主主義が機能不全に陥っているということが一つあると思うのですね。  私は、この間、人吉に行きまして、川辺川のダムに対していろいろな意見を持っておられる方々と十二時過ぎまでお話をさせていただきましたけれども、要は、民意とそれから議会がねじれているという言い方をよくされるのですね。  つまり、議会ではそういう促進決議が出される。確かに、建設省が出されているパンフレットを見させていただくと、流域の市町村あるいは徳島県議会、全部促進決議ですよ。そして、その中には徳島市も入っている。しかし、徳島市も、市議会では促進決議をしながら、住民投票ではああいう結果になったということは、本当に議会制民主主義というもの、我々もその中にいるわけで、自己否定のような話にもなるわけでありますけれども、すべて信用していいのか、あるいは八年間も時間をかけて住民投票を頑張ろうとされてきた大きなポイントは、やはり議会制民主主義に対する大きな不信感というものがあったのではないかなということは、率直に考えておかなければいけないと私は思っています。  その中で、私は、例えば中海にも行ったときに、八束町という町があるのですね、中海に浮いている島の町なんですけれども、反対とそれから賛成、署名が同じぐらい集まっているのですよ、どっちも住民の八割ぐらい。つまり、ああいう小さな町とか村に行くと、言ってみれば隣近所の関係があって、署名をしてくれませんかということになれば、反対の署名が来ようが書く、賛成の署名が来ようが書く、こういう中で、要は賛成も反対も八割ずつくらい署名が集まってしまっているわけです。つまり、小さなコミュニティー、村社会と言ったら失礼なのかもしれませんが、そういうところというのは、私は、実際問題、生活の知恵としてあるのだと思うのですね。  しかし、その結果集まってきたものが三十何万集まってきたのだから、それが推進決議全体だというふうに決めてしまうというのは、私はいささか現実から遊離したものであって、さっき申し上げたように、徳島市議会も推進決議をしている、促進決議をしている、しかし住民投票は違ったということは、私はもっと、私どもも含めて、政治の立場あるいは行政の責任ある立場の人は、その数でもって、お墨つきを得たのだからやろうという気持ちにはならない方がいいということは、私は申し上げておきたいというふうに思います。  それと、周辺の二市六町、まあ徳島市は別として、一市六町の方の御意見もぜひ聞いてみてください。そうすると、徳島だけの住民投票でこの問題を判断しちゃいけないという結論には多分ならないと私は思うのですね。ですから、可動堰がいいんだという強い意思を持っておっしゃるのはいいけれども、その理由としてこういう問題を挙げられるのはやめていただきたい、私は率直にお願いを申し上げたいと思います。  もう一つ、ヨハネス・デ・レーケの話をよく引用されます。そこに、大臣の二十五年のあれがかかっていまして、あれは淀川ですね。(中山国務大臣「大阪湾です」と呼ぶ)大阪湾ですか。淀川もヨハネス・デ・レーケだという話をされておりました。ヨハネス・デ・レーケの話もよく引用されるのですけれども、私は、やはりかなり表裏、裏と言ってはいかぬな、やはり物の見方というのは両方あるなというふうに思うわけです。  確かに、ヨハネス・デ・レーケが提案した河川改修計画の中には、吉野川については第十堰の撤去というのが書いてあるのですね。明治十七年に来られて三十六年間でしたかね、おられた方で、もう河川については知り尽くした方が書いておられますけれども、第十堰を撤去すべきだという理由と同時に、不利益があるよということも言っているのですね、ヨハネス・デ・レーケは。つまり、撤去すると旧吉野川への流出がなくなるよ。これは可動堰をつくればできるじゃないかという考えがあるかもしれません。しかし、洪水の際に吉野川の流量、流速が増加する。上流からの土砂が吉野川に流れる、あるいは第十村、そのころは第十村という村でありますけれども、近郷一体では水位と河床の低下を招きその影響が下流まで及ぶことということで、マイナス点もいろいろ挙げておられるわけです。  そして、マイナス点を挙げる中で、それにはいろいろなほかの対策が必要だよということで、例えば吉野川の流量、流速が増加するということについては護岸工事の必要があるということも書かれているし、それから、上流から土砂が吉野川に流れるということについては、水源山地の渓谷に砂防施設を設けたりということで、山に草木を茂らせて雨量を多量に保有すればその不便さを抑えることができるとか、やはりそういう総合的な見地から、ただ単に第十堰を撤去しろということではなくて、つまり不利益もありますよ、その不利益の場合はこうしなければいけませんよということの中に、やはり流速が高まるよ、流量、流速が増加するよということも書いてあるわけですね。つまり、それについては、逆に言えば、可動堰をつくったとしても同じことでありまして、可動堰ですべてオーケーだということにもならないわけであります。  つまりは、ヨハネス・デ・レーケのことをよく引用されますけれども、第十堰の撤去というのは、大きな前提とかあるいはほかの対策もとらないと、第十堰を撤去したときのマイナスの要因もあるんだよということを、ヨハネス・デ・レーケは言っているわけです。  先ほどの周辺住民、徳島市以外の一市六町の方々の意向とか、あるいはヨハネス・デ・レーケの言葉を引用されて可動堰が必要なんだとおっしゃっていますけれども、そういう部分もあるということの中で、これから私は、もし可動堰がそれでも必要ということであればおっしゃっていただきたいと思うのでありますが、これについて、大臣、御答弁いただきたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 明治十七年のことでございますが、デ・レーケが吉野川検査復命書というのを政府に提出しております。その中で、第十村堰、今、現第十堰と言っておりますが、すべて撤去する必要がある、こう書いておりまして、その撤去理由として、まず初めに治水上の問題が三つ挙げられています。堰の維持のための労力、費用等のすべてを排することができる。二つ目に、水流を阻止する堰がなければ吉野川の高騰する水流部を容易に海に疎通する、簡単に流れていくということですね。それから、別宮川上流地は、堰を越えて急落する怒濤のために川岸を破壊される憂いが減少する。  当時盛んであった川舟の利用のために通路が確保されることとか、旧吉野川の治水が容易になることの理由も挙げられていますけれども、デ・レーケの第十堰撤去の根拠は主にこの治水上の理由によるということを理解することが適当であろうと思いますので、これはあくまでも参考で、川というのはそのころから随分形も変わっておりますから、今後また皆さんと、先ほどから議論になっておりますような配慮をしながら進めてまいりたい、こんな考えでおります。

前原誠司民主党

○前原委員 直接のお答えはありませんでしたけれども、二つ指摘をいたしました。つまり、徳島市民の意向だけではだめなんだよということをよくおっしゃいますけれども、他のいろいろな調査では、可動堰があることによってはんらんするのではないかと建設省が予想されている地域についてはかなりの反対意見が多いということは、いろいろな調査結果から出ているということと、それから、さっき申し上げました、署名署名とおっしゃいますけれども、やはり小さなそういうコミュニティーにおいては署名の数だけがすべてじゃない、いろいろな意味合いの中で署名をする方もおられるということ。  それから、今のデ・レーケの話は、マイナス要因もあるんだよということで、流量、流速が増加するといういわゆる不利益もあるのだということも言われていますので、つまりは、いろいろな裏表のある話の中で我々はやはりより精緻な議論をしていかなければいけないということで、できる限りこの引用というものは、私は要望させていただきますけれども、そういうものをわかった上でおっしゃっているのだと思いますけれども、もしそういう片方だけの考え方の中からおっしゃるのであれば、お慎みをいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。  さて、具体的に、では今度、第十堰の改築の対立点をいろいろ議論していきたいというふうに思います。  二百四十五年たっております、老朽化しているのじゃないかということと、それから堰上げという、一番大きなポイントになっていると思います。つまり、固定堰があるために洪水が来たときには堰上げ現象が起きて、その部分についてはいわゆる迂回流も生じたりなんかして堤防が決壊をするおそれがある、あるいは基本高水位を超えてしまう危険性がある、こういうことですね。それから深掘れ、斜め堰でありますし、その流れの中でいわゆる固定堰の下流の深掘れが起きてしまうのじゃないか。  いろいろな理由をおっしゃっておりますけれども、私は、例えば深掘れの問題は、これは大臣もよく耳にされていると思いますけれども、要は土砂の採取というものが行われた結果起きたということも大きな理由として挙げられているわけでございます。  老朽化でありますが、確かに二百四十五年であります。しかし、今まで修理に修理を重ねてやってきたわけでありまして、それが今まで役に立っていたということは、私はそれなりの役割をこれからも果たすことができる、また、それの修理というものを考えれば、道路費用を含めて千三十億円という大きなものにはならないと思います。  また、堰上げの問題も、このごろ建設省は余り言わなくなりましたけれども、計画高水位を四十二センチオーバーするというふうなことが言われておりますけれども、果たしてそれが今までの洪水結果、推移から見て本当に正しいのかどうなのかということが、数多くの疑問が出されているわけですね。  つまりは、こういう問題点についても両面からいろいろ議論をしなくてはいけないポイントというのが私はあると思います。  大臣が、この第十堰のまさにここがとにかく変えなきゃいけないんだというところの指摘があれば、今私が申し上げた部分は、つまり堰上げ、深掘れ、老朽化というものについては違うのではないかということを申し上げましたけれども、なおかつ、しかしこの固定堰ではだめだ、可動堰だという御意見があればお示しをいただきたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 私も専門家ではございませんので、的確なお答えになるかどうかわかりませんけれども、確かに二百四十五年も前の、水路を変えたときの、変える前の曲がり方で、それに沿ってちょうど直角に固定堰ができておるようでございますので、いつも申し上げるのは、何年か前に、裁判もこの間結果が出たと思いますが、多摩川で、固定堰がありまして、そして洪水が出たときにどんどんえぐられていって、すぐそばにありました家が、新築の家が家ごと川の中へどぼどぼと入っていくのをテレビで見たりしております。  ですから、固定堰というのは、そもそもこれはそういう固定されたものがあったら、いざというときには、いわゆる堰上げ、この上に極端に水が盛り上がるわけでございますね、この固定堰の上で。それが四十二センチ。この固定堰をぼんと下げますと、一メートル二十センチぼんと水位が減る。これは有効だなと、私ども素人でも話を聞いておりますとわかるわけでございます。  ですから、そういう面に対応するための、七十年に一遍、百五十年に一遍、洪水はしょっちゅう来るものではございません。我々が生きている間に来るかどうかわかりませんが、我々が生きている間にやはり子孫のことを考えて対応をとるというのが、こういう河川行政の、あすに備えるという心が私は大切なんじゃないかと思いますので、今の第十堰というのは、河床から四メートル突き出した固定堰でございますので、洪水時には上流で堰上げ、それから堰周辺で迂回流、また、先ほどから申し上げておりますような斜め堰であることから深掘れ、今先生がおっしゃいました、そういういろいろな現象が起こりますものでございますから、洪水、治水上の洪水の妨げにならないような、利水上の取水を確実にする可動堰への改築が今のところ最善だ、こういう形になっております。  代替案の検討といたしましては、事業審議会に固定堰と堤防補強の案を含めた五つの案を示しまして審議をしていただいておりまして、また環境については、平成四年に生態や水質等を専門とする約十人の学識経験者等による第十堰環境調査委員会を設置しまして、引き続き同委員会で審議をいただいて、河川環境の整備と保全に配慮をした計画を策定したい、かように考えておる次第でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 これから、ゼロからという、さっきちょっともめた部分がありましたけれども、議論をしていただくということで、我々としては、堤防の補強、それからこの第十堰そのものの補修強化というものの中で対応できるのではないかというふうに思っておりますし、そういうことを申し上げたいと思います。  私、一つ最後に申し上げたいのは、建設省の出してくる資料というものがかなり我田引水的なものが多いんじゃないかという気がしてならないのですね。つまり、代替案を調べた、代替案の方が金がかかるというのですけれども、実際、建設省の内部から出てきている資料だとそうじゃないものもあるのですね。  例えば、昭和五十六年に建設技術研究所というところに委託をして、第十堰改築に伴う水理的影響調査業務委託というのをやっているのですけれども、その中では、今の可動堰の改築計画が道路を入れて千三十億円ですけれども、そのときが二百五十億円なんですね。だけれども、引き堤が八十八・九億円、堤防補強が九・二億円ということで、結論はどういう結論になっているかというと、工事費が最も高くつくが治水対策として堰の改築がよいと考える、こういうことになっているわけです。  しかし、我々の手元に来る資料というのは全部ほかのものは高いのですよということの中で、どこを信用していいのかということで、かなりそこら辺の議論というのがお手盛りになっているんじゃないかという気がしてならないわけです。  したがって、これからそういう議論をするときにはぜひ、専門的な数字はおれたち専門家しかわからないだろうじゃなくて、その数値のもととなる算定根拠の情報公開というものを徹底的にやっていただいて、住民活動の中には本当に技術的に詳しい方もおられますので、そういう見地を加えていかないと、我々として、どうも建設省の出しているものがまゆつばだというふうに思わざるを得ない部分が出てきているということは、最後に申し上げておかなければいけない。  それから、もう一つ。これはちょっと大臣、簡単に御答弁いただきたいのですけれども、住民投票を推進される方と大臣お会いをされて、徳島に行って話をしましょうということを言われました。それはありがたいですし、予算委員会が終わればそういう日取りをとっていただけるというふうに思いますけれども、私が一つ危惧しているのは、それは杞憂だと思いますけれども、お役所がセットして皆さん来てくださいよということではなくて、議論のあり方からやはり住民の方々とお話を、政府とされて、住民の方々がセットしたからどうぞというのも、それは大臣として、はいそうですかと行きにくいかもしれませんけれども、そういう設定そのものからぜひ役所と住民の方々が話されて、どういう形で大臣が徳島に来られて吉野川可動堰について議論をするかということについては、やはりそういう住民の方々の意向も踏まえた形でのものにしていただきたいと思うのですが、その辺、大臣、最後に御答弁いただけますか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先生の前段のお話で、考え方を正しくする方法というのは、四つの幻想にとらわれないことということわざがあります。劇場の幻想なんといいますが、これは権威。印刷物で書いてあったから、だれだれ偉い人がこう言ったからなんというのは、これは信じてはいけないこと。それから種族のイドラという、これは常識すら変わることがあるという、それにこだわらない。これが常識だというのは、地球はレコードの盤のように平らだというときに、地球は丸いと言っただけで死刑になりかけた人もいたわけでございますけれども、常識すら変わることがある。もう一つは、市場のイドラなんといいますが、これはいわゆる言葉ですね。平和とか幽霊、現実にはないのですけれども、幽霊なんと言うとあるように思うという。それからもう一つは、洞窟のイドラといいますが、自分の性癖で物事にこだわらない、洞窟の中から空を見ているような考えになる。この四つを考えの中で排除していくことが、正しい物の考え方だと思います。  私は先生の、先ほどから全く別の立場のような話になっておりますが、そういう意味でひとつ正しい物事に導いていきましょうということで、現場へ入ります意味で、それは私もこういう立場でございますから、おのずから規律があると思います。これがほかのいろいろな問題に波及をすることもありますし、私もできるだけ行政の、ある役所の長ではありますけれども、現場の方々との話はちゃんとしたい、こういう気持ちで現場へ入っていくということを決めておりますわけでございますので、これからのいいルールになりますような、そういう路線をしいてまいりたい、これが基本でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 終わります。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 田中慶秋君。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 私は民主党の立場で、先般、大臣の所信を述べられたこと、いろいろと聞かせていただきながら、あるいはまた今までの各建設大臣の所信をつぶさに見させていただきました。そういう中で感じたことは、中山大臣のキャラクターはここに何も出ていない。あわせて新鮮味といいますか、こういうものが全然感じられない、はっきり申し上げて。本来ならば、中山大臣がもっとある面ではいま少し今の厳しい経済情勢や、あるいはまたどちらかというと建設行政そのものが、ある面では非常に保守的な部分があるわけでありますから、そんなことを含めて私は期待していたわけでありますけれども、現実には、全く同じ文言のところなんというのは何カ所も出てきている。これは恐らく大臣のつくった文章ではなくして、今までの中をめぐりながらつくられたのではないかな、こんなふうに思って見させていただきました。  そういうことを感じて、実はやはり大臣が述べられている今の、二〇〇〇年、そして二十一世紀を目前にしているわけでありますから、建設大臣として何をどうやっていくのか、あるいはまた具体的に、今政治に求められているのは具体性であり、わかりやすさであり、これが求められていると私は思いますが、所信の中に、大変残念ながらそういうところが見られていなかった。そのことについて、大臣、どう思いますか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 まことに御指摘、これはやはりダムの工事でも三十年もかかりますし、道路工事でもなかなか、継続性がありますから、予算は単年度、今度八十四兆九千九百億、これも変な例えで恐縮でございますが、きゅうきゅう言っているから早うせないかぬぞというような感じで読めます八十四兆九千九百億。ですから、これは単年度で物が言えませんところが建設行政の長い長い伝統と、それから継続性の中で物を言わなければいけませんので、私が突然、大臣に就任しましたので私の考えをそこへもろに入れていきますと、これは全体の最後がどんなになるか。  終わりよければすべてよしと申しますから、そのための、私は少しでもそれを好転させるための中継ぎ役、そんな意味で、いかにそれを明るく、そして皆さんに理解していただいて、そして私が就任しております間に工事が少しでも進捗するような、逆に言えば、その間に事故が起こらないような、そんなつなぎ手でいきたいと思っておりますので、これはやはり継続の意味というのでおしかりをいただくかもわかりませんが、私はそれなりに個人的に、そういう書いていないところで努力をいたしたい、こういうふうに考えております。  先ほどからの吉野川でも、建設省がびっくりいたしましたが、大臣室に皆さんに、別に何の資格もお持ちにならない、ただ運動をしていらっしゃる方でも、私はそういう集団に敬意を表して来ていただいたというような、私なりの個性は出しているつもりでございます。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 そこで、まず大臣の考え方や、今政府が述べられている問題の中で、景気回復ということをよくおっしゃられるわけでありますが、この景気回復の中で、特に民間需要そのものが、今ある面では回復が非常に弱い、これが現実だと思っております。そういう中で、厳しい経済状態をやはり目に見える形の中で回復させるためには、公共事業あるいは公共投資、こういうものが期待されているわけであります。公共事業、公共投資あるいは住宅投資等々含めながら、景気の下支えというのが非常に重要なことだと私は思いますけれども、政策そのものがはっきり見えてこないと、その下支えにはならないと私は思っているわけであります。  ところが、所信表明も含めながら、具体的にこの平成十二年度予算の中で、公共投資あるいは住宅投資、そしてまた大臣が言われている、必要においては、戦略的、重点的投資を行うということもあなたの所信の中で述べられているわけでありますが、その意味を含めて、具体的にあなたの考えをお示しいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 大臣の御発言の前に、下支え効果について御質問がありましたので、その点につきましてちょっと認識を申し上げさせていただきます。  先生、今御指摘いただきましたように、民間需要が低迷している中にあっての公共事業あるいは住宅着工、住宅投資の存在でありますが、国民所得統計速報を見ましても、例えば公共投資は、前年同期比で平成十年十ー十二月期以降、四四半期連続でプラスでありますし、また、住宅投資の方も、平成十一年四ー六月期におきまして、前期比一二・九%のプラス、これは昭和五十年以来の高い伸び率だということでございますが、こうした数字を上げているわけであります。  一方、今先生の御指摘にありましたように、民間需要、消費の方もなかなか伸びない。あるいは設備投資につきましても、設備投資の大きなメルクマールであります機械受注統計、この間、三年半ぶりにいい数字が出てきたというようなのが新聞で話題になっておりましたが、設備投資の方も、逆を言いますと、三年半の間、低迷していたわけでありますから、こうした消費の状況あるいは設備投資の状況を考えますときに、公共投資や住宅投資が数字を、実績を上げているということ、これは間違いなく、景気の下支え効果があるのだと評価していいと考えております。  そして住宅着工の方につきましても、これから住宅ローン控除制度の延長等の施策を考えているわけでありますが、こういった施策の中で、昨年度の百十八万戸をことしは間違いなく上回ると確信しておりますし、来年度もそれに同じくするような水準を確保できるというふうに考えておりますので、こうしたことからも、この公共投資とそして住宅投資の下支え効果、これはぜひ御評価いただきたいと存じます。  以上、数字の上だけちょっと御報告申し上げさせていただきます。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 今、政務次官からいろいろお答えをいただきましたが、田中先生のいつもの御発言を聞いておりますと、非常にスケールの大きな、私は本当の政治家としての先生には敬意を表しておりますので、私も自分なりの認識を申し上げたいと思います。  一番最初、八九年のベルリンの壁が崩壊したときに、私は日本にあった短期の資金の二千億ドルぐらいがヨーロッパにシフトしたと思っております。二回目にシフトしたのが香港の返還の後。この後、いわゆるモルガン・スタンレーというヘッジファンドの会社のバートン・ビッグスという戦略部長が、アジア投資をゼロにしろという電子メールを世界に二回打っております、十月の二十日と二十三日。アジア投資が激減しまして、七百二十億ドル、半分になってしまいました。これが、いわゆる橋本行政改革、財政再建という二頭立ての馬車の馬の一頭を外さなきゃならなくなったと。  そういうことから、私は、アジアに植民地はなくなったけれども、アジアはいわゆる金融面での植民地になったんじゃないかなと心配をしておりますのは、アジアのために日本が大変貢献しなきゃならなくなったので、その間いろいろな面で、金融危機が来たり、景気が悪いときにいろいろな問題がとんざしてしまった。ちょっとここのところ、非常に日本にとって損失をこうむるような世界情勢であったと考えております。今は、インターネットで光通信を使えば一秒間に地球を七回り半するわけでございます。情報がもう簡単にどこへでも飛んでいってしまいまして、一気にお金なんかがほかへ移ってしまう。  そんなことから考えますと、私は一番、国土庁の方では、首都機能の移転というのが、これは三十兆から百兆の経済効果のある大きなプロジェクトだと、かように考えておりますので、これからは、日本経済の復興、次の時代に大重税国家をつくらないためには、私は、建設省、国土庁が頑張って、公共投資というのを皆さんに理解をしていただいて、そして一日も早く、反対運動もいろいろありますが、もう世界的な、五五年体制も、それから米ソの対立も崩れたときに、国家のためにみんなが同じ方向を向いてどう歩いていくかという時代が来た、かように考えておりますので、先生の御指摘の、いわゆる政治的な問題から見た日本のこれから、それに我々がどう対応していくか、それが先生の御質問に対するお答えとしてそぐわしいかどうかわかりませんが、そんな感覚で私は頭の中が回っております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 いずれにしても今の時代、それぞれ長たる者のリーダーシップが期待されているわけでありますから、大臣も、その辺を含めて、建設行政を含めて新しい時代にふさわしいような発想の転換もぜひしてほしいと思っております。  今、岸田政務次官の方からそれぞれデータをもって述べられたわけでありますが、政務次官、あなたのデータは、ある面では正しいかもわかりませんけれども、ある面ではいいところばかりとっている。やはりそれじゃだめよ、はっきり申し上げて。  例えば、去年の実態を見てくださいよ。去年の後半、十二月になると着工件数は前年同比でマイナスになっているんですよ。あるいはまた、住宅金融公庫の第三回の受け付けは前年に比較して四七%もダウンしているんです。やはりいいところだけじゃなく、そういうところを見てやっていかないと景気の下支えなんてならぬ、はっきり申し上げて。悪いところはどうしてそれをよくしていくかがやはりあなたたちの仕事なんですから、その下支えを少なくともどうしてやっていくのか。  例えば、住宅着工件数がこれだけ伸びたというのは、ある面での住宅ローンの減税なんでしょう。前回も私は申し上げました。そして、住宅ローン減税を、時限立法でありますから、そういう点では、日にちが来ると当然のごとくその延長の問題をしなければいけないわけで、政府が考えているのは半年ぐらいのという延長を考えているようでありますけれども、私は、そんな半年ぐらいではなくして一年ぐらいの、例えば今のあなたのような下支えを言うんであれば、一年ぐらいの延長を考えた方が、むしろ今の景気に大きく貢献するんだろう、私はこんなふうに思っております。半年なんというようなけちなことではなく、やはり一年ぐらいしたらどうだ、こんなふうに思っております。結果としてそれが住宅着工戸数が伸びるんだろうと思っておりますが、その辺どうですか。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 住宅ローン控除に対する態度につきましては大臣から申し上げさせていただくといたしまして、今、先生御指摘いただきましたように、数字の方、不安定な部分があるということ、そのとおりでございます。  しかし、申し上げたかったのは、ほかの景気を下支えする要素としまして、公共事業ですとか、あるいは住宅投資ですとか、消費ですとか、あるいは設備投資、いろいろな要素があるわけですが、その消費、設備投資、民間の方がずうっと低迷している中にあって、多少不安定の中でも少しずつ数字が上がっているということ、その比較におきまして下支え効果というのはあるんではないかなという思いを申し上げさせていただきました。  ただ、数字の解釈でありますから、先生の御指摘はしっかり受けとめさせていただきたいと存じます。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 これ、六カ月延ばしてもらうのにも大変苦労をしたわけでございまして、今、昭和六十二年ぐらいの四十七兆円から四十八兆円の税収しかありませんのでなかなか大蔵省厳しいんでございますが、今度の問題では五百八十数万円に、最大の場合減税効果があるということでございますので、これは相矛盾する形になります。  住宅を建てることが景気を支える、住宅を建ててもらうと、カーペットが売れる、机が売れる、応接セットが売れる、電器が売れる、テレビが売れる。これはもう一番すそ野の広い景気回復策というのは、いかに多くの住宅を皆さんに建てていただくか。ですから、住宅の問題でも、リフォーム、中古住宅に対するいわゆる融資その他の配慮もこれは新規住宅と同じように配慮をしようとか、そんなことをしておりますわけでございますが、そこが、減税効果のある分をいかに建設省の主張でやらせてもらうか。しかし、のんべんだらりとやっておるとまたこれは効果がどんどん減殺してきますから、それを、皆さんの注目を集めていただくようなところが六カ月の延長ということじゃないかなと解釈しております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 税収が伸び悩むという中では今のようなことも出てくるんだろうと思いますけれども、そうではないと思います。  高層建築を見てください。高層建築は、着工から許認可を含めてやると二年、三年というこういう形なんですよ。それで、一時去年が住宅の伸び悩みがあったのは、ローンが終わりかけていたからなんです、期限が切れる。そして、さらに延長するという機運が出てさらに伸び始まったわけでありますけれども、この鉄筋コンクリートや高層住宅そのものは、やはり少なくとも一年、二年というそんな範囲で建築できるわけでありますから、今、半年延長なんというようなけちなことを言わないで、あなたの発想からすると、そういう点ではむしろ後退的な発想なんですから、やはり大蔵省が何と言おうと、あなたが建築行政で住宅投資というものが景気の下支えになるんだという自信を持ってやるならば、相手をそのぐらい説得してでもやるのが中山大臣としての任務ではないんですか。  その辺、もう一遍答えてください。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先生のお言葉、肝に銘じて受けとめさせていただきたいと思いますが、いろいろな周りの状況もございますので、できるだけ最善を尽くしてやってみたいと思います。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 いずれにしても、期待を申し上げながら、小刻みに半年だとか三月だとかと言わないで、やはりそれは、確かに一年とかという形の方がその一つの景気に対する影響度というのは大きく出てくると思いますので、そういう点を申し上げておきたいと思います。  そこで、具体的な問題として、住宅金融公庫の償還の期限の延長とか、あるいはまた毎年の返済額の低減のつながりとか、こういうものが住宅取得の促進に効果がある面でのとり方として、今の住宅金融公庫の融資体系をもう少し簡素にする必要があるだろう、こんなふうに思っているわけであります。  もう一つは、この融資申し込みの手続等々の問題については、まさしくここにいらっしゃる皆さん方もそれぞれ、この住宅金融公庫の融資を受けた人もいらっしゃると思いますけれども、民間でいうならば、あんな小難しいことをやらない、むしろ利用者の立場、顧客の立場でこの問題の解決をしていかないと、もう少しこれは伸びるだろうと思いますけれども、そういう点では、現在はいろいろな難しさ等々が、あれはいけない、これはいけない、こんなことの問題が随所に見られるわけであります。まさしく役所仕事と言われるような面があるわけでありますから、やはりこれは、借りる側、利用者側、そういう立場に立って、おまえに金を貸してあげるんだよというような発想ではなくして、利用していただいているんだよ、こういう発想で僕はやるべきじゃないか。そんな改革をぜひやってほしい。どうぞ。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 先生御指摘いただきましたように、公庫融資というものが国民に広く定着している、利用されているということを考えますときに、その手続等をわかりやすく、使いやすいものにするということ、こういった認識は本当に大切なことだと思っております。そういった認識から、これまでも、割り増し融資制度の簡素合理化ですとか、オンライン化による手続の迅速化を図ってまいりましたし、また、平成十二年度におきましては、現在これは国会の方で審議をお願いしているところでありますけれども、その細分化した新築住宅の償還期限を三十五年に一本化するとか、あるいは中古住宅の購入融資とリフォーム融資の手続の一元化等々、こうした制度上の簡素化も図っているところでございます。  この使いやすく、わかりやすいものにするということでありますけれども、一つ、公庫融資の性格としまして、きめ細かな政策誘導を行わなければいけないとか、それから、こうした公庫融資の性格上、審査につきましてもしっかりと的確なものをやっていかなければいけないとか、こういう制限もありますので、そういった公庫融資の性格も考えた上で、どこまでわかりやすく、そして簡素化することができるのか。これは、これからまた一層努力しなければいけない、そういった認識で改善に努めていく所存でございます。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 いずれにしても、今の制度そのものは、はっきり申し上げて、やはりわかりにくいところがいっぱいある。今のような政務次官の答弁では、はっきり改善されませんよ。やるときははっきりやると言えばいいのですよ。顧客の立場なり利用者の立場で物事を考えていけば、相当、いま少し改善されます。今のような発想でいくと、むしろ貸す側の発想ですよ。物事はやはりそういう点で改善をしていかないと、絶対できないと思いますので、その辺をよく注意してやってほしい。  それで、大臣、あなたの所信表明の中で、少子高齢化という言葉が出てまいりましたね。まさしく私はそのとおりだと思います。あるいは、バリアフリーという問題も出てまいります。これは、今の時代のまさしく現実を明確に判断していることであろうと思いますが、住宅になってくると、大臣、その現状に合っていない。いいですか、高齢者向けの住宅の抽せん、あなた、何倍だと思いますか。十倍ですよ。障害者向けの住宅は十五倍から二十倍、これが実態ですよ。言葉では高齢者とか障害者とか、こんなことを言っておりますけれども、末端は現実にこの抽せんで、多くの皆さん方がその言葉に期待をしているわけでありますけれども、現実にはそうなっていない。  それだったらば、公営住宅の一階なら一階は思い切って高齢者とか障害者に対応するぐらいの、私は明確な方針、これは大臣、大蔵省と何も相談しなくて、あなたの考え方でできるのですから、思い切ってそのぐらいやってほしい。大臣の考え方をお伺いします。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 もう先生の御指摘のように、例えばアメリカなんかへ行きますと、本当に日本との差を感じますといいますか、ユニバーサルデザインなんという言葉までこのごろ出てきておりますから、障害者の方だけではなしに、妊婦とか高齢者とか子供とか、そういう人たちにどういうふうに対応していくかというのは、これは日本の住宅を考えるときに、本当に真剣に取り組んでいかなければならない問題だと思います。  大都市周辺では特に、先生今お話がございましたように、高齢者の住宅、障害者の住宅というのは、なかなかこれは競争率、倍率が高うございまして、思ったようになっていないのかもわかりませんが、早急にひとつ対策を立てながら、公営住宅とかそれからまた公団の賃貸住宅等については、平成三年度より新設住宅をすべてバリアフリー仕様として供給するとともに、既設住宅についてもバリアフリー化のための改善の実施をいたしたい。  それからまた、障害者向けの公営住宅につきましても、原則として一階に配置し、障害者の生活に適した設計を実施して供給をしてまいりたい。それからまた、ハーフメードといいますか、骨格だけをつくって、高齢者とか障害者の方々に設計の注文を出していただくようなものも考えていきたい。それから、高齢者それから障害者の居住の安定を図るために、公営住宅等においても優先入居を推進したい。確率を高めるということでございます。それからまた、民間の土地所有者等による高齢者向け優良賃貸住宅の整備をお手伝いして、民間の支援もしてまいりたい。  平成十二年度の予算案におきましては、公営住宅三万七千戸、それから公団賃貸住宅一万二千五百戸、それから高齢者向け優良賃貸住宅等一万五千戸、これは大臣折衝なんかにも入ったわけでございますが、大蔵大臣折衝をいたしたわけでございますが、その実施に当たっては、障害者向けの公営住宅の供給を含め、地域の実情に応じた的確な対応を図るように事業主体を指導してまいりたい、かように考えております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 大臣の今の考え方、そのとおり実行されればいいのですよ、はっきり申し上げて。大体、去年もおととしも同じような考え方が述べられておりますけれども、現実に障害者や、あるいはまた少なくとも高齢者の皆さん方はそうなっていない。だから、今あなたがおっしゃったとおりのことを実行すれば問題の解決になっているわけですから、やはりそういうことを含めて、俗に言う実体経済と合っているような形をとっていかなければいけない、こういうことであろうと思います。ぜひ、今大臣のおっしゃられたことを肝に銘じて、形ある、目に見えるようなことを実現していただきたい、こんなふうに思っております。  そこで、先ほど景気の問題も申し上げましたわけですが、建設省として、実は全体の公共投資を初めとする景気の下支え等々を考えて、発注方法の問題で、今、建設業者というのは九九%が中小企業ですね、はっきり申し上げて。そういう点で、この中小企業の人たちは、今の景気あるいは地域の景気に対する下支えについて多くの期待をしておるわけですけれども、現在は、中小企業あるいはまた中堅とも言っているこの受注、現実には受注がなかなかできない状態になっている、これが実態なんです。少なくとも、どちらかというとスーパーゼネコン型にほとんどシフトされている、こういうことであります。  かつて、平成六年、次官通達で、JVに対する通達が改正されて出てきたわけです。それは、従来はJV、すなわちジョイントベンチャーが五社まで可能だったものが今度三社に限定される、こういうことであります。だんだんそういう点では非常に受注する機会が少なくなってくる。それどころか、むしろ地方自治体では、このジョイントベンチャー方式そのものが、スーパーゼネコンをA、あるいは地方自治体のどちらかというとAクラスをB、そしてC、D、こんな形で、それぞれが地方自治体、県もあるいは横浜市あたりでもそういう方向でやっている。何で国の場合、それをやろうとしないのか。むしろ、どちらかというとスーパーゼネコンにばかりシフトするような工事の発注状況でありますし、そればかりじゃない、あるいはそこが仕事を受注されると、それに関連する業者が全部仕事を持っていってしまう。  ですから、それぞれ地方自治体といいますか、それぞれの地方の人たちは、仕事がしたくても現実にはもう孫請、ひこ請ぐらいになっておられるわけでございますから、やはりそういう点では今の建設省のやり方そのものは改善しなければいけないだろう、私はそう思って、前回もその質問をさせていただきました。  それに対する、大臣もあるいはまた政務次官も前向きに、まして今の状態を考えてみますと、そのことが大変重要であるから改善をさせます、こういう答弁があったわけですけれども、現実には何の改善もされていない、これが実態であります。  俗に、今まで行政に対して、局あって省なし、省あって国なしというような言葉がよく言われるわけであります。大臣や政務次官のことはその場で聞いておけばいいけれども、実態は、現実にそういう状態ではない、これが現実なんです。  ですから、やはり景気の下支えになる公共投資、あるいは地方の経済にとってもそれが大変重要なことなんですから、そういう前提を含めて、それこそ前大臣は、そのことに前向きに取り組んで改善をさせますと言っておられても、実行に移されていない、こんな現状でありますので、あなたはそのことについてどう考えますか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 景気も大変悪うございますし、大臣認可が一万二千社、それから地方の中小企業を全部入れまして五十八万六千社というたくさんの工事、建設関係業者がいるわけでございますが、先ほどからお話しの分離分割発注というのも、これは平成十一年度の中小企業者に関する国等の契約の方針、これが平成十一年六月二十九日閣議決定いたしておりますが、「地元建設業者、専門工事業者等の中小建設業者を活用することにより円滑かつ効率的な施工が期待できる工事については、極力分離・分割して発注を行うよう努めるものとする。」こういう閣議決定がなされております。  分離発注と申しますのは、本体工事と設備工事を分けるなど工事の種類ごとに発注すること、それから分割発注と申しますのは、同種の工事について施工箇所を分割して発注する、こういう形になっております。地域の住宅とかそれから社会資本の整備を担い、また、地域の経済、雇用を支えている中小建設業者の振興、育成を図ることは、これは景気の下支え、西日本が今特に悪いと言われているのでございますが、この方々に大いにひとつ雇用の、ここで働いていらっしゃる方も六百六十万とかいう数になるようでございますから、この方々の仕事を確保するためにも大変大事な話でございます。  公共工事の発注に当たりましても、中小企業建設業者の受注機会の確保を図るために、毎年度、中小業者に対する国等の契約の方針というのを定めていまして、中小企業向けの契約目標を設定すること、それからまた、先ほど申しました分離分割発注の推進をすること、それからまた、ランク別発注の実施及び発注標準の適切な設定をすること、それから四番目には、下位ランク業者の上位ランク工事への参入、いわゆる食い上がりというものですね、これを推進すること、それから、経常JV制度の活用をすること等の施策を講じまして、地方公共団体に対しましてもこの取り組みを強く要請しております。  しかし、今単独事業もなかなか減っております。百八十七兆ぐらいでございましょうか。東京都以下の地方自治体も全部合わせますと、公債発行残高は地方だけでも百八十七兆と言われております。私の地元のことで恐縮でございますが、大阪府が三兆六千億ぐらいの公債発行残高、大阪市が四兆七千億ぐらいになっておると思いますが、地方公共団体それぞれ大変苦しんでおりますので、この不況を早く切り抜けて、円滑な、そういう中小企業の建設業者の方々に御活躍いただくような場をいかにつくっていくかというのは私どもの使命だと思っておりますので、先生の御指摘をちょうだいいたしまして、なお一層の努力をいたしたいと思います。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 今大臣が述べられたことは、閣議決定までされて、もっともなんですけれども、現実に現場はそう動いていない、ここが問題なんですよ、大臣。総括政務次官もこのことについて、少なくとも積極的に変えていきます、こんなふうに述べられたと思います。  さらに、今のような問題を含めて、このJV方式というのは、四十八年のオイルショックからスタートされたんですよ。そして、それは中小企業の人たちに受注の機会を均等に与えようということと、もう一つは、中小企業の皆さん方がより技術の向上をさせてもらうために、Aクラス、Bクラス、Cクラス、Dクラスというところが一つの受注方式をとることによってお互いにそれぞれの技術の向上になっていく、こんなことも含めてされたんです。  ところが、今それが生かされていない、むしろスーパーゼネコン同士のジョイントベンチャーなんて、こんなばかなことはこのJVの最初の考え方から外れている。むしろ地方自治体が、今大臣が言っているように、地方自治体の方はむしろ積極的にそのことを取り入れながら地場産業の育成も含めてやっている。これが実態なんです。建設省はもうやっていない、はっきり申し上げて。  だから、皆さん方は、公共投資が本当に景気の下支えになるのか、一部のところだけそういう形でこの恩恵をこうむっているのではないかと言われているわけですから、やはりそういうことのないようにするために、今大臣が言われたことが、前回も全く同じことを言われているんです。しかし、実態は違うんですから。本当ですよ、大臣。あなたのリーダーシップでそれを明確に直すぐらいの決意を持たないとだめですよ。本当にこれは、はっきり申し上げて、与党の議員さんたちだって非常にこのことに不満を持って、いろいろな声が聞こえているわけですから、やはりそのことは皆さん方は今回の中山大臣に期待しているわけですから、再度決意を述べてください。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 特定のJVについての通達という問題で、以前は五社ぐらいでやっておりましたのですが、建設省の直轄工事では、大規模であって技術的難度の高い工事等については二社または三社という組み合わせになっていることは御指摘のとおりでございます。これは特定JVについては、構成員が多くて批判がある場合もありまして、受注機会の配分との誤解を招くものや、それからまた効率的な施工を阻害するものというような、だれかがやるからこっちがおろそかになるとか、それからまた船頭多くして船山へ登るというような形になるような問題とか、これは中央建設業審議会の建議を受けて構成員を限定したものでございまして、これについては今のそういう体制を御理解いただきたい。  高度な技術の問題とか、いろいろございますので、どういうふうにJVを組むかということは、これは大変工事の進捗状況についても影響のあるところでございます。しかしながら、技術力のある地元企業の特定のJV工事への参加機会がふえるようにすることは、確かにこれは重要な課題だと認識をいたしております。  現在、このような考え方に基づきまして、具体的な措置を検討させているところでございます。先生の御指摘のように、今後どういうふうな適切な措置をとるかというのは私の責任だ、かように考えております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 今後のことに期待をしながら、ただ、はっきり申し上げて経済は生きておりますから、やはりタイムリーにそのことをやらないといけないわけで、そういうことを含めて、あなたも政治家なんですから、やはりいかにタイムリーにそのことが実行に移されるか、こういうことだと思います。総括政務次官もそのことについては前回も答弁されているわけでありますから、やはりそういうことを含めて、ぜひ大臣のリーダーシップを期待したいと思っております。  そこで大臣、あなたからも先ほど話がありましたが、公共事業の中期計画事業が十六業種にわたっているわけでありますけれども、これはやはり将来一元化する必要があると思うんです。この機会に、来年まさしく建設省あるいはまた運輸省を初めとする国土交通省になるわけでありますけれども、先ほど農水省の問題も出ました、それを一元化することによって、その工事が適正かあるいは必要あるかどうかの判断までできるわけでありますから、そのことをやっていく必要があるだろう。  いつも一番いい例を申し上げるのですが、本州と北海道は青函トンネル一本ですよね。では、なぜ本四架橋は三本も四本も要るんでしょう。これだけ財政が厳しいときに、やはりそんなことを含めながら、もう少し徹底的にそういうことを、私はこの際、省庁再編成もさることながら、そういうことでダブりのものを、極端なことを言えば、ここの橋は建設省、上流に行くと農水省の橋がある、かけている、この道路整備は何だ、林道整備だとやっているわけです。ばらばらなことをやって、それぞれ財政支出が、確かに効果があるかもわかりませんけれども、ある面ではむだですよね。そういうことはぜひやめてもらいたいし、またそういうことを一元化できるように私はこれから努力をしていかなければいけない。公共事業の見直しという前提でやる必要があるだろう。だんだん財政が厳しいときに、そんな見直しも今までどおりのことをやっていて厳しい厳しいと言ったって、だれが信用しますか。  むだなことがいっぱいあるんですから、それはやはりこの十六業種を一元化して、そしてそれぞれの見直しを、あるいは効果なりそのものを評価することが必要だろう、私はそんなふうに思っているんです。大臣、どう思いますか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  御指摘のように、バブルが絶頂期にあったときには、いろいろなところで大盤振る舞いが行われまして、御指摘のようないろいろなところでいろいろな面から予算がついて、そういう統一性というものが余りなかったような、確かに御指摘のような感覚としてよく理解ができるわけでございますが、これからは、チェック・アンド・バランスと申しますか、BバイC、費用対効果、そういうものを考えて、どういうふうに公共事業というものを本当に公共のために役に立つ事業に進めていくかということを各省庁、一府十二省という行政改革も行われるわけでございますので、その辺で、私は、例えば鉄道と道路というのが国土交通省になりますと、これは一体化されてきて、大変いい形になってくるなと。  正直言いまして、聞いてみると、余り鉄道と道路が話し合ったことがないというような話を聞きます。そういう面での動きというのは、こういう財政の厳しいときになってきてちょうど見直しに最適の時期が来た、私はかように考えておりますので、御指摘の点で、十六あります公共事業をどんなふうに整備、配備、それから施工、それから完成、そんなふうに一体化した、ちゃんとした、総司令部みたいなものも設ける必要がある。最後まで見届けて、最初からむだがないようにいかにしていくかということは重要な御指摘だと思います。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 これからいろいろな財政出動をするときに、やはり民間企業の発想、このことを原価の問題やらあるいは費用対効果の問題を含めてやっていく必要があるだろう、私はこんなふうに思っております。ぜひ、どちらかというと建設行政は原価意識がある面では乏しいわけでありまして、この前の質問のときに、本四架橋の中で、減価償却どのぐらいかかるんだ、二百十七年などというような答えも出るぐらい。それは構造上二百十七年もつかどうかわからない。こんなことも含めて、平気で答弁が出るぐらいなんですから、やはりそういうことはもう少し全体的なバランスを見ながらやっていただきたい、こんなふうに思っております。  そこで、実は今運輸省の問題も出ましたけれども、例えば建設技術等々含めながら、これからのまちづくりの中で、例えば品川駅、あそこの線路上の空間というのは、まさしく一〇〇%あいているわけですね。ああいうものの利用をすることによって、建築技術というものはある面ではそんなに難しいことではないと私は思います。JRが借金をしている部分も含めて、借金を返すこともできるし、あるいはまた、一つのまちづくりということを考えたときに、いい町ができてくるんだろう、こんなふうに思っております。至るところにこの空間が駅前でたくさんあるわけでありますから、そういうこともこれから国土交通省という形の中でよりリーダーシップをとって、行政指導なり行う必要があるだろう、この質問は通告しておりませんけれども、私は日ごろそんなふうに考えております。  もし、大臣の考え方があれば、答弁願います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先ほど先生がお話しのございましたように、四国には三本、橋がついたという話がございます。青函トンネル、これは五十三キロありますから、これは地下トンネルでございますが、私なんかはこの間もロシアの国会議員が来ましたときに、宗谷海峡は四十六キロ、間宮海峡は八キロしかないから、北海道に新幹線を引くならば、これ大深度構想か何かでシベリア鉄道につないだら、東京駅から座ったままでロンドンまで行けるぞなんという話をしたのでございますよ。そういう効果をどう、将来の日本列島を大改造していくのにどうするか。  それから、私も、昔若いころに、よく国鉄と話し合ったころに言ったのでございますが、駅の上を全部住宅にしたらどうだ、そうしたら、駅へおりてきたらそのまま電車に乗っていける。それから、銀座とか大阪の御堂筋なんというのは十階建てで全部とまっています。私どもは、地元の大阪で、御堂筋をまたぐような、摩天楼のような、道の上を住宅にしたらどうかとか、いろいろなことを言っていたことがございます。  国鉄は隠れ借金三十兆ばかりのものがあるわけでございます。国鉄という名前も悪かったのかもしれません、国が金を失うと書いて国鉄と書いてありますから。JRとなると、何となくゼニアールと聞こえてくるような感じがしますが、隠れ借金は含んだまま。これは、もっと線路の上をまたぐような住宅、今、品川駅の上とかそういう空間を利用すること、これは狭い日本でございますから、いかにこれから、日本は高度な建築技術を持っておりますので、地震列島ではございますが、大変それを克服するような高層住宅ができる技術を持っておりますのは、そういう都心の鉄道とか道路の上とか、そんなものをどういうふうに活用してまいるか。  これが、先生の御指摘のような面で、先生も横浜、神奈川でいらっしゃいますから、本当に人口密集地にいらっしゃいますが、痛切に感じられる。そうしましたら、バリアフリーとか高齢者の問題、どんなふうに住宅政策を立てていくか。この狭い日本は空間を使うこと、本当に先生の御指摘のとおりだと思っております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 いずれにしても、これから都市政策というのは大変重要な形になってくるのだろうと思っております。やはり今のような一つのポリシーを持って取り組むことではないかな、こんなふうに思っているわけです。  例えば、実は私、今横浜ということで、横浜の戸塚というところが私の住まいでありますけれども、昭和三十八年から再開発の事業決定をして、今日に至ってまだ完成されていない。今となってみると、やはりキーテナント方式そのものに依存するということは非常に難しくなってくるのだろう、こんなふうに思っております。  そこで、発想の転換をして、前回も都市局長にも申し上げたのですけれども、国のいろいろな出先機関等々がたくさんあるわけでありまして、例えば地方自治体でいうならば区役所なりあるいは文化的な施設、そして、国の出先機関である、例えば私の今の地元だけでも、ハローワークがあり、あるいは同じ労働省でも監督署が、これはまた結構離れている。税務署が全然駅から二キロも離れている。あるいは登記所もまた全然離れたところにぽつんとある。それから、社会福祉事務所も違うところにある。こんなことを考えますと、まさしく住民サービスの立場を考えても全然なっていない。  そういうことをこれからのまちづくりなり都市政策の基本に入れたならば、私は、一つの合同庁舎じゃありませんけれども、そういうものをつくりながらその町が新たな活性化を、そうするとキーテナントも出てくるだろう、そして、なおかつこの再開発の促進もできるだろう。景気が右上がりのときには、いろいろな形で土地が高かった。今は、むしろ半値八掛けみたいに言われるぐらい安くなっているわけでありますし、いろいろなことができると思います。それは、まさしくこの都市政策の新たな発想の転換ともいうべきものではないかな。  再開発あるいは都市政策を担当される建設省として、前回もこんな提案を私は申し上げてきましたけれども、その後、横浜市やあるいはそれぞれの調整がされているのだろうと期待をしておりますが、そのことを含めて大臣の方からお話をいただきたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 全く私も大都市大阪なものですから、この間の予算委員会でちょっと、先生の今おっしゃったような大阪の阿倍野地区の再開発の問題に触れまして、バブルが膨らんでいるときには人間の欲でなかなか話がつきませんで、むしろバブルが崩壊してから話が進んでいるというような、三十年かかっているという話をしましたら、大蔵大臣が、私が座りましてから、三十年ですか、それじゃなかなか大変ですねというようなお話をされておりました。  先生の横浜についても同じようなことで、戸塚地区の再開発事業というのは、戸塚駅西口の市街地再開発事業に関して見てみましても、これは、これまでの経緯やら施行地区の条件等を踏まえまして横浜市が施行者とされたところであります。現在、もう既に横浜市が都市再開発法に基づく事業認可を得て進めていますが、なかなかキーテナントが出てこない。  そこで、建設省として、地元の状況及び要望を踏まえながら、事業に対する補助など同事業に対する適切な支援措置を考えていきたい、かように考えておるところでございます。役所があちこち点在しておりますと、これは税金も上がりませんし、私も大阪で同じようなことを言っているのですが、水道局は別のところにある、交通局は別のところにある、それを全部民間に売って一カ所に固めて高層化したらどうかなんという話もしておりますが、今御指摘のように、大都市の中ではそういう建設省の機構などを使いまして何とかそういうものが進展、進捗をしてまいりますように、またひとつお知恵をいろいろ拝借したいと思います。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 せっかく、例えば今までの住宅公団が都市基盤整備公団に変わって再開発を一生懸命やろうとしているわけですけれども、あの整備公団の職員を含めて、あれは、はっきり申し上げて日本一のゼネコンですよ。  ですから、そういうことも参入をするということを含めながら、私は、物事にはよくテストケースがあるわけですから、そんなテストケースをある面では今のようなところに持ってきて実験的にやっていく必要があるだろう、こんな提案を前回しておるわけでありますけれども、役所仕事にならないように、ぜひそのことも含めてやっていただきたいな、こんなふうに思っているところであります。  特に、今度の法律もそうでありますけれども、やはり都市計画の見直しというものが、ある面では今まで何回も言われてきておりますけれども、都計法の見直しそのものが、例えば新都市計画法に基づく市街化区域、調整区域の線引きにしても、昭和四十五年の線引き以来、本来ならば国は抜本的な見直しをするという当初の話が、見直しがなかなか進んでいない。結果としていろいろな形の制約がある。  あるいはまた、その都市計画法についてもポリシーがないわけでありますから、前回の昭和四十五年のときのその場当たり的な色塗りが今日までいろいろなところのまちづくりにも支障を来しておりますし、極端なことを言えば、駅から何キロとか幹線道路から何メーターとか、こういうことも含めながら、あるいはまた、商業地区なり準商業地区にはどれだけの戸数やいろいろなものがどういう形で集約をされているからそういう指定をするとか、そういうものが、明確にその基準になるものがない、これが今の実態なんです。  ですから、都市計画法といえば、ある面では、言葉はきれいなんですけれども、場当たり的なまちづくりにつながっていく。ですから、この際、その見直しの段階で、やはりその議論もしながら一つのポリシーをちゃんとさせる必要があるだろう、私はそう思ってずっとこのことに関心を持って取り組んできたわけでありますけれども、なかなか建設省の頭がかたくて、本当にこのことについて積極的な取り組みをされていない。  幸いにして、今度は都市計画法は地方自治体に移譲するような問題もありますので、しかし、マスターテーブル的なことは建設省がある面では打ち出す必要があるだろう、私はこんなふうに思っております。そのことを含めて考え方をお示しいただきたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 御指摘のように、もう三十年というこの都市計画法、年季が入り過ぎているようなところがございまして、随分、経済社会環境というのは安定、成熟化してきておりますから、そういう都市の効率的な利用方法という問題もございますので、経済社会の変化を踏まえた都市計画制度のあり方について、この間、都市計画中央審議会において御審議をいただいておりまして、二月の八日には、地域が主体となって地域ごとの課題に的確に対応し得る柔軟性と透明性を備えたものとなるよう、制度の大幅な見直しをすることが必要だという答申をいただきました。  答申内容を踏まえまして、線引きとか、それからまた開発許可制度の見直しを初めとする規制の緩和をなすべきものではないかと考えておりまして、緩和し、それから合理化すべきものは合理化するなどの抜本的な都市計画制度の見直しを、それに伴って所要の法律の改正も必要になってくると思いますので、今建設省で検討をいたしておるというのが現状でございます。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 今、見直しをするということでありますから、やはり今の問題点をいろいろ列記しながら、そして再開発やいろいろなところに支障のないようにする意味、あるいはまた、具体的に矛盾をしているような用途の問題がたくさんあります。本来ならば、路線住居があって二種があって一種がある、そして調整区域というのがスタンダードなんですけれども、いろいろなことが入り組んでいて、路線があって、一種があって、後ろに二種があったり、こんなところもあるわけであります。そういう一連のことを含めながら、しっかりとしたそのマスターテーブルもつくってやるべきであろう、こんなふうに思いますので、そういう点をこの際一緒にしっかりやっていただきたい、こんなふうに思っております。  次に、大臣が先ほど、交通渋滞の問題を含めながら、大体経済効果にすると年間十二兆円の損失というのは、これはもうだれしもが公表されているような形でなっているわけでありますけれども、そればかりじゃないわけです。それは時間対費用の経済効果だと思いますけれども、それによってエネルギーの損失があるわけでありますし、あるいはまたCO2の排出によって環境対策というものが出てくるわけであります。今、この交通渋滞というのは大変な、日本列島で毎年約二十兆円ぐらいの損失をしているわけでありますから、そのことにもう少し建設省は力を入れる必要があるだろう、こんなふうに私は思っておるわけです。  特に、私はいつも、けさも車で来て、途中で、余り渋滞ですから、駅のところに車を預かってもらって、間に合わないといけないから電車で来たわけであります。しかし、家を出るのはいつもよりも少し早目に出てもそうなんです。それは、何回もしつこく言っているように三ツ沢の料金所が原因になっているわけですから、そんなことを含めて、大臣、やはり行政がもう少し、先ほどあなたが言っている、スピードアップしなきゃだめですよ。  あなたも大都市に住んで、都会の交通渋滞というのはもう十年も十五年も前から全然変わっていないんです。そうでしょう。私は、はっきり申し上げて建設省がサボっているからだと。データをとる必要も何もない。毎朝の交通情報で何キロ渋滞なんというのは毎日報道されているわけですから。そこをメスを入れていかなければ、それこそ社会資本の整備とかいろいろなことを、格好を幾ら言っても解決にならない。  ですから、私は、例えば、国会議員が幾ら多くても横浜新道を通っているのは私ぐらいだと思いますから、そのことを、一日七万台通っているんですよ、七万台。そして、もうまさしく駐車場みたいな形で、現実にそれで有料。お金を返してもらいたいぐらいですよね、有料ですから。ですから、その対策をもう少し早くする。原宿の立体というところもありますけれども、こういうところも全然おくれている。そればかりじゃない。やはり、いかに交通のアクセスをよくするかということだと思います。  例えば、今まで建設省は、どちらかというと、電車といいますか踏切の立体化というのは、国道以外に余り着手をしない。しかし、今の財政事情で地方自治体にやれといったって、私鉄とか何とか無理なことですよ。結果的に交通渋滞。道路は全部つながっているわけですから、国道の渋滞もなるでしょうし、いろいろなところの交通渋滞が出てくるわけで、やはり将来新しい道路をつくること、あわせて今できること、二つに分けてやる必要があると私は思う。  現実に十二兆円が時間の損失であるということを強調するならば、やはり、人も通らないということは言いませんけれども、そんなに利用価値のないところを一生懸命力を入れてやるよりは、現実にそういう効果のあるところ。まして、極端なことを言って、都市というのはそれなりに税金をみんな納めているんです。横浜だけで年間四兆円ぐらい納めているんですよ、四兆円。そして、本当に横浜に還元されるのはせいぜい一兆四、五千億でしょう。今の税配分からすると、あとはみんな地方に持っていっているわけですから。それだったらば、こういうところに、現実にこういう整備のおくれているといいますか、もう十年も十五年も一貫して皆さん方が困ってその対策を求められているところに、もう少しめり張りのきく形で仕事をやることだと思います。どう思いますか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 全くやはり都市というものを金の卵を産む鳥だと私は思っておりますが、ですから、その金の卵を産む鳥にどんなえさを食べさせるかというのは大変重要な話だと思います。  私も、昭和三十八年、四十二年と二期、大阪市議会にいまして、指定都市に関する特例という、一般の府県が持っている権限を中核的な都市が、横浜もそうでございます、大阪市もそう、今は十二もふえました。しかし、税配分というのは、今お話しになりましたように、大阪市の場合も五兆一千億ぐらいで、一兆円近いものしか、国に五兆一千億ぐらい出していますが、還元されるものは本当に少ない。結局、三割自治といいますが、その上の、先生のところでいえば、神奈川県に二割ぐらい入って、市の方には一割ぐらいしか入ってこない。  今度は、地方交付税交付金をもらっていない東京都が外形標準課税なんというのを始めましたが、これは逆に言えば、ほかの市町村の問題は一体どうなるんだろうかと。最初あの話を聞きましたときに、私は、拍手をしたいような、おいちょっと待ってくれと言いたいようなというのが新聞に載りましたが、そんな感じで、これからの地方分権の前提としては、そういう大都市周辺の道路とかそんなものにいかに重点的な配分をしていくかというのがお言葉のとおりに重要な課題と思っております。  先生の三ツ沢料金所の渋滞対策としても、本年中に、これは料金所処理能力を向上させるためにノンストップの自動料金収受システム、いわゆるETCといっておりますが、これなどの最新の施設整備を行って、先生が早く国会に来られるように配慮をしなきゃいけないと思っております。  それからまた、ETCの整備に合わせて、現在の三ツ沢料金所の四レーンのうちの二レーンについて、料金収受施設を縦方向に二カ所、入りましたら手前で料金を取るところをもう一カ所つくるというのを二レーンつくろうということにしております。それを十二年中に終える予定を持っておりますし、それから、これらの対策を通じることによりまして、朝のピーク時に発生している三ツ沢料金所における渋滞はこれで解消されるんじゃないかと期待をしておりますが、首都圏の有料道路のボトルネック解消にもう十五カ所ぐらいと聞いておりますけれども、これも対策を講じてまいりたい。  ですから私も、この間も積極的に圏央道に反対の方々の話し合いの中へ入っていきました。それから、すぐにまた土地収用の問題も、これはやはり適切なときに対応するのが私は必要だと思いますから、土地収用をしてもいいかということでございましたので、やってくださいということを申しました。道路があいておりましても一軒だけがずっと頑張っているという形で、そのために道路全体ができない。少数の意見、少数の方の権利を守るのも必要でございますが、やはり公共の福祉というものが前提になっていますわけでございますから、その点は毅然たる態度で、本当の少数の、公共の福祉に反対している方には私はちゃんとした態度をお示しして、周辺の説得もしながら、道路なんというものは一メートル邪魔をされても全体の効用というのはなくなるわけでございますので。  この間会計検査院の院長にも、建設省にやれという会計検査院からお達しがあるならば、反対している人にも同じものを送ってくださいということを新会計検査院長に、ごあいさつにお越しになりましたので、私は申し上げました。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 条件は大臣も私も、横浜、大阪ですから変わりないわけでありますから、周辺に対する問題を含めていろいろな、経済効果を考えてもより率先して取り組む必要があるだろう、こんなふうに思っておりますので、ぜひハッパをかけてやっていただきたい、こんなふうに思っております。なかなか重い腰を上げていませんからこのことが十年一日のごとく、いろいろなことを含めてやれと言っても従来の人間関係やいろいろな、特に、どちらかというと、地方が陳情や要請にみんなで大挙して来るものですから、そちらの方にばかりお金がつくというのが心理状態でしょうから、そういうことのないようにぜひお願いをしておきたいと思います。  そこで、実は昨今の社会情勢の中で、歩道とかあるいは自転車道の整備とか、こういうことがいろいろと言われているわけでありますけれども、今、日本の場合、歩道はどのぐらいあると思いますか。歩道整備はまだ非常に少なくて、大体七百キロぐらいだと思いますよ。そしてまた自転車の場合は、今大体人口の三分の一ぐらいの保有台数、四千万以上と言われているわけであります。  しかし、それに伴う整備というものは非常におくれているのが実態ですから、障害者やお年寄りに優しい道路ということを考えても、もっともっと歩道の整備等が私は必要だろう、こんなふうに思っておりますし、今のような自転車の利用状態を考えても、いつも自転車がかわいそうなぐらい駅前に放置されて、そして何日かするとまたそれが回収されて、どこかに持っていかれてスクラップになっていく、こんな状態を時々見るわけでありますけれども、やはりこれも僕は不自然だと思っております。  それだったならば、駅前のところに大きな河川が流れていれば、河川の空間利用というものを私は前々から申し上げてまいりました。地元でありますけれども、柏尾川という川が駅前を流れている。それの空間利用というものが、河川法がどうのこうのということで長い間この利用ができない。私はやはり、もっともっと今の社会のニーズに合ったような形で空間利用というものはする必要があるだろう。先ほどの駅舎といいますか、その空間利用と同じような形で、駅前の河川というのは駐輪場やあるいは駅前広場としての有効活用というものが望まれているわけでありますから、法律がもしネックになるならば法律を直せばいいことなので、それが政治家のやることだと思いますから、大臣、その辺を御答弁いただきたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先生のお話を聞きますと、私は思い出すことがございます。藤山寛美さんという人が言っていましたが、あの方が私に、中山さん、道頓堀川にふたをしてくれと。よく大阪の道頓堀の劇場へ出て、下に流れが見えるような透明のふたをしてくれたらどうだろうかというような話をしておられたのを、先生の御質問を聞きながら思い起こしておったのでございます。  これは、昔ははんらんの可能性があるというので川の中とか上には物を置かない、そういう感覚があったようでございますが、今は先生の御指摘のように、それぞれの箇所に応じて適切な対応をする、河川全体の流水の処理の問題を考えた上で、そういう人口稠密なところの駅周辺などというのは、ますます稠密な人の動きがあるわけでございますから、そこへ駐輪場をつくりましたり、ほかの施設をつくりましたりすることは大いに、具体的な案件によりまして個別に対応してまいりたい、かように私は考えておるわけでございます。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 やはりそういうまちづくりというのはその発想によって、やる気があれば大きく変わっていくわけでありますから、長い間、あれはいけないこれはいけないと言われる時代から、ぜひ前向きに、地域の要望にそれぞれこたえて頑張っていただきたい、要請しておきます。  実はもう一つの問題として、昨今の天気そのものが非常に、集中豪雨を含めていろいろな災害が起きているわけでありますけれども、災害に強い安心で安全な国土の形成ということを今回述べられております。そういう災害の中で、例えば急傾斜もその一つではないかと私は思っているのです、がけ対策、急傾斜対策等々が。  どうしても都市というのがそういうところに、地価の問題で高いものですから、いろいろなところに家がつくられる。ところが今までは急傾斜も、五十戸あれば急傾斜対策の対象になる。それが二十戸にもなったりしておりますけれども、私は、そんな戸数よりは安全度といいますか、一戸でも二戸でも住宅があって、それが本当に危険であればその対応をするのが今の時代に合っているのじゃないかな、こんなふうに思っているわけです。  そういうことを含めながら、今の安全、安心ということを含めて、急傾斜の問題についても私はその一環として見直しをしていただきたいな、こんなふうに思っておりますが、いかがでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 平成七年度には十戸から五戸と、これは災害弱者施設を有する箇所でございますが、それから平成十二年度には入所者三人を一戸に換算をしようというような方向でございます。  急傾斜地崩壊対策事業を初めとする公共事業につきましては、保全対象が一定規模以上の公共性を持っているということが判断の基準になっておりますが、その上で、急傾斜地崩壊危険区域の指定基準は、人家戸数五戸以上、また対策事業の対象箇所は通常人家十戸以上、そんな現状でございますが、急傾斜地崩壊対策事業につきましては、従来よりも人家戸数要件の引き下げを図ってきているところでありまして、最近では災害弱者施設に関する箇所の引き下げを先ほど申しましたような基準で実施しております。  平成十二年度の予算におきましては、特に災害弱者を救済するという観点から、入所者三人を人家一戸に換算できるように事業の採択基準の緩和を予定いたしております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 これもまたの機会にさせていただきますけれども、いずれにしても、最初に法律ありきじゃなくして、もう少しフレキシブルにやる必要があるだろう、私はこんなふうに思っておりますので、何戸とか何人とか以外に、何かのファクターを検討できるようにしておいた方がいいんだろう、私はこんなふうに思っております。ぜひそのことも含めてこれからもやっていただきたい、こんなふうに思っております。  先ほど川の論議をさんざん聞かせていただきましたけれども、実は、あのような大きい川じゃなくして、私たちは小さいときにドジョウをとったりフナをとったり、ある面では小さい小川の整備も大切だと思います。二級河川等々を含めながら、あるいはそれらに伴う河川の整備、都心を流れているわけでありますから、水に親しむという、先ほどとは逆の面でもありますけれども、この二級河川等の整備に、水と親しむということを含めて、ドジョウやフナやそういうことを復元できるような形で、一部建設省も行われておりますけれども、やはりもっと積極的に取り組む必要があるんだろうと私は思っておりますが、その辺、いかがでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答え申し上げます。  ウサギ追いしあの山とか小ブナ釣りしあの川というふうに、日本人の心はそういう近くの川に対する思いというのは独特のものがあると思います。私は、最近はいわゆるコンクリートで固める川じゃなしに、自然の形でのり面に草を植えたり、それからまた飛び石をつけたりしてやっていくような、都市の周辺ではそういう日本人の心、ふるさとを思う心を思い起こさせるような対応が必要だ、先生の御指摘のとおりだと思っております。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 最後になりますけれども、建設大臣と同じように国土庁長官でもあるわけでありますが、私は、今の国土庁がもう少しいろいろな調整機能を発揮していただく必要があるだろうと思っております。  中を見てみますと、ある面では予算もなく権限もなく、こういうことになっているのだろう。こんな大変失礼な言い方でありますけれども、もう少し、極端なことを言えば百億ぐらいのお金を持って調整機能を十分に発揮できるような国土庁でなければいけないんじゃないかな。今は、単なる理想的なことをペーパーにまとめて、そしてそれが何か国土庁の仕事みたいな感じを受けてならないわけであります。予算もたった四千億ですか。そんなことで、私は、日本の国土を守り、あるいはまた、よりすばらしい形の国土計画ができるわけがない、こんなふうに思っているわけであります。  もう少し総合調整の機能を十分発揮できるようなシステムが必要だろう、そして、先ほどの農水省とかいろいろなところを含めて、国土庁が調整機能を持ってやることが日本の国土そのものの健全な発展につながっていくのだろう、私はこんなふうに思っております。  私の時間も来ましたので、これを最後の質問として、大臣の答弁を求めます。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 私は、役所にも実施行政をするところと企画行政をするところとあると思いますが、国土庁というのはそういう意味で、参謀本部、いわゆるこれからの日本列島をどう改造していくかという大きな使命を背負っていると思います。  国土総合開発事業調整費というのは三百億あります。四千六百三十六億の予算になっておりまして、今度は国土交通省、建設省とそれから運輸省という大きな名前がぼんと消えて国土交通省となる。いよいよ国土庁が主役になる時代が来た。これが全国的な総合調整をいかに果たしていくかというのが使命になると思いますので、請う御期待ということで、来年の一月六日、御期待をいただきたいと思います。  ありがとうございました。

田中慶秋民主党

○田中(慶)委員 終わります。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。上田勇君。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 中山大臣、また政務次官の先生方、本当に御苦労さまでございます。  きょうは、私の質問の方で、まず最初に、いわゆる分譲マンション対策につきましてお伺いしたいというふうに思います。  この分譲マンション、全国で三百万戸を超えるというふうに言われておりまして、しかも、近年はマンションの維持管理をめぐるトラブルが増加している、また、これからの十年間で建てかえ時期を迎えるというようなマンションも非常に多いという現状の中で、先日も、ちょっときょう持ってまいりましたけれども、週刊ダイヤモンドという雑誌の中でも「マンションスラム化の恐怖」というような記事も出ていたりして、非常に社会の関心が急速に高まっている問題であるというふうに思います。  この問題は、当委員会の大口委員長も昨年来非常に熱心に取り組んできた課題でございまして、本日は、マンションをめぐります幾つかの課題につきまして御質問させていただきたいというふうに思います。  まず、昨年の六月に、自民、公明両党のマンション問題政策協議会より、一つにはマンション管理等に関する相談体制の強化、二つ目に修繕積立金の適正管理、三つ目にマンション管理業の適正管理及び優良業者の育成、そして四点目として建てかえの支援など、合計しますと六項目にわたる申し入れが行われました。これらの申し入れにつきまして、昨年以来建設省におきましてもそれぞれ前向きに対応していただいていることでございまして、平成十二年度の予算案にも、この申し入れに含まれております多くの施策が盛り込まれているところでございます。  そこで、改めて、昨年六月の両党のマンション問題政策協議会の申し入れにつきましての対応状況、それぞれの事業の進捗状況等も含めて御報告をいただければというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先生も横浜に住んでおられる、私も大阪に住んでおりますので、マンション問題というのは本当に大変だなという、これからの将来、都市に集中しております人口、それを受け入れる環境の問題にも関係してくると思いますので。  分譲マンションのストックは、建設省の推計によりますと、平成十年末で約三百五十万戸になっております。国民の約一割が居住しているものと見込まれまして、我が国の居住形態として定着をしておりまして、マンション管理の問題は極めて重要であると思っております。  こんな観点から、昨年、自民党、公明党のマンション対策に関する申し入れというものがありまして、大口先生以下両党協力してお申し入れをいただきましたが、マンションの適正な維持管理を支援するために、平成十二年度から、住宅金融公庫の住宅債券制度を活用しまして、マンションの修繕積立金について公庫が受け入れる制度を創設いたしました。  それからまた、都道府県とか政令指定都市へのマンションの相談窓口の設置を促進する等によって相談体制を強化する、これは一定の補助金を出しております、などさまざまな施策を積極的に講じてまいっているところでございますが、必要な予算それから法改正について、現在国会で御審議をお願いしているというのが現状でございます。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 先日、建設省の方からもマンション対策への取り組みについてということでペーパーをいただきまして、その中で、今大臣の方から御答弁をいただきました内容等も含まれているわけであります。  今、大臣の方から地方公共団体の相談窓口についての御答弁があったのですが、都道府県、政令指定都市以外でも、例えば東京圏や大阪圏のような大都市地域の都市や地方の中心都市などでは、分譲マンションが多くの市民の居住の場になっているわけでありますが、そうした都市につきましても、相談窓口の設置を推進して、また、国としてもそれに必要な助成を行っていくべきではないかというふうに考えますが、その辺につきましての御見解をいただければと思います。

加藤卓二自由民主党建設政務次官

○加藤政務次官 ただいま相談窓口設置に係る国の支援についてお尋ねがありました。  地方公共団体におけるマンションの相談窓口の設置を促進するために、住宅産業構造改革事業の一環として、相談員の人件費等、窓口の設置、運営について一定の補助金を出すようにしているところでございます。また、地方公共団体において相談業務がスムーズに行えるように、相談マニュアルやガイドブック等も作成しております。  いろいろ本当にマンションのことに詳しい先生なので、簡単に書類を読ませていただくようなあれでは申しわけないのでございますが、政令指定都市までは行き届いていますが、市町村に向かっても一生懸命やれという御指示だと思いますので、そのようにいたさせていただきますから。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 もう一点、先日建設省の方からいただきました資料の中に、マンション管理研究会を設置して運営していくという対策を講じられております。この研究会は、開発業者、管理業者だけではなくていろいろ有識者の方々や居住者の代表も参加して、多様な立場の意見が反映されるというような構成になっておりますし、そこは大いに評価しているところでございます。  そこで、この研究会は、昨年の十一月に発足をいたしまして、いろいろな本当に幅広いマンションにかかわる問題を議論していくということでスタートしたわけでありますけれども、この研究会でスタートいたしまして今検討されているような内容、今後のスケジュール、またこの研究会で出た結果、そうしたものを具体的な施策の中にはどのように反映されていくというようなお考えなのか、その辺の御所見を伺いたいというふうに思います。

加藤卓二自由民主党建設政務次官

○加藤政務次官 研究会等の内容についてお尋ねでございますが、建設省は平成十一年十一月にマンション管理研究会を設置、現行法制度の問題点等を踏まえて、マンション管理の適正化を図るために必要な制度について来年度にかけて検討することにいたしております。  また、平成十一年十月から、マンション管理に携わる幅広い分野の方々からの御意見を聴取することや情報交換を目的としてマンション管理フォーラムを設置したところであります。今後、年二回程度定期的に開催することにいたしたいと思っております。  なお、本研究会及び本フォーラムでは、マンション管理組合の団体の代表者を構成員とするなどマンション住民の意向をでき得る限り反映するようにいたしたいと思っております。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 先ほど大臣からのお話もありましたように、私の地元も横浜でございまして、分譲マンションが非常に多い地域で、今なお旧来の工業地帯や商業地域では分譲マンションがどんどん建っているという地域でございます。そんな中で、地元で住民の方々からいろいろとお話を伺いますと、やはりマンションの管理業者に関するトラブルというのが相当多いということを実感いたします。  先ほどちょっと紹介させていただいた週刊誌の記事の中にもそういった事例が多く紹介されているんですけれども、これは住民の方に伺ってみますと、管理業者が提供するサービスの具体的な内容であるとか、それの対価、料金などが全く千差万別である。また、マンションを新築時に購入したときには、既にディベロッパーの方で系列の管理業者が契約しているというようなケースがほとんどでありまして、管理組合や管理業者が、ちょっと調べてみたところでは、数は相当ある。その規模も大小さまざまなようでありますが、相当あるんですが、とはいっても、なかなかそれを比較して選択するというのが、そういった管理業者の実績だとか、優劣だとか、そういったことがもともとわかりにくいということから、なかなか事実上は難しくなっている。  そんな中で、いろいろと管理業者の中で、期待していたサービスが提供してもらえないとか、料金がどうも相場と違うのではないかというような話だとか、そういうようなトラブルが出ているわけでありますが、こうした数多くあります、また規模も大小さまざまであります管理業者のそうしたサービス内容をまず建設省として実態調査をしていただくこと、そしてそれに基づきまして、そうした管理業者の内容の情報の公開、さらに一般の方々、住民の方々にもわかりやすいようなそういう客観的な評価なども行えるような形で、住民の方々が適切にまた十分な情報を持って管理業者を選択できるような体制をつくっていっていただきたいというふうに思いますけれども、その辺について御所見を伺いたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 家を建てますと、後の修繕の問題というのがなかなか大変でございまして、特にマンションのようなところでは、所有者に対するきめ細かな配慮が私は必要だろうと思います。  今マンションを管理する管理業者がありますが、これは大臣告示で、任意の届け出みたいなもので、五百三十社ございます。そういう意味で、マンション管理業者の適正化を図るために管理業者の登録制度を実施しているところでございますが、登録を受けた管理業者については、現在、学識経験者で構成する研究会を設置いたしまして、インターネットを活用した情報公開システムのあり方なんかを考えていこうではないかという話をしております。  それからまた、具体的には、管理組合からニーズの高い管理委託費や子細な財務内容等を中心的に開示項目として、検索機能を備えたシステムを本年度内に立ち上げたい。  それから、来年度は、登録を受けていない業者についても、その実態を子細に把握するための調査を実施するとともに、研究会において、標準管理委託契約書や登録規程の見直し、そんなものをして、いわゆる大臣告示で登録している者がそういうマンションのいろいろな修繕、改善に入るのと、それから全く関係のない一般の業者からの出入りを、そういう面で、いろいろ私どもの目の届くところに置かねばならないというような気持ちで注目をいたしております。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 私の住んでいる周辺も分譲マンションが非常に多い地域でありまして、今回建設省が、昨年から、いろいろな形でこのマンション問題に本腰を入れて取り組みを始めていただいたということに対して、地域の方々からもいろいろと期待が寄せられているところであります。また、これまではどちらかというと情報を、いわゆる管理業者であるとか、また今回、マンションの修繕の履歴などについても、いろいろと情報の整備、またさまざまな手段を使っての情報の開示を進めていっていただくということは、その辺は住民の方々また管理組合の方々からも相当評価をしていただいているところでありますし、また期待も寄せられているところでございます。  そこで、次に、マンションの場合に大きな課題というのが、これは年月がたってまいりますと、どうしても建てかえの問題、あるいはそれに相当するような大規模な修繕が必要なことというのが出てまいります。今大体三十年ぐらいで建てかえや大規模な修繕を行うということが一般的なようでありますけれども、そうしたマンションがこれからここ十年間で相当な数になってくる。あるところの調べでは、それが百万戸近くになるのではないかとも言われているところでありまして、これからの大きな課題であります。  国としても、こうしたマンションの建てかえや本当に大規模な修繕に必要な経費について、助成制度の導入あるいは融資制度の拡充、またマンションというのは、どうしても集合住宅という性格から、いろいろな権利関係の調整であるとかそういったこともありますので、技術的な、また法律的な、そういうアドバイスをしていっていただくような、そういった多角的な支援策を今後一層拡充していっていただきたいというふうに思うんですけれども、その辺、今後の方針につきまして御見解をいただければというふうに思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 これは先生の重大な御指摘だと思いますが、大体三十年ぐらい前に、これも大阪の例で恐縮でございます、千里ニュータウンなんというのは三十二年ぐらいになっておりましたが、あそこらあたりでも建ぺい率の問題、それから賛成してくれる方、反対される方、いろいろな問題が出ております。一般のマンションでも権利関係が特に錯綜しておりますから、そういう面で、分譲マンションにつきまして、築後、経過年数の多いストックの増加や、それからまた区分所有であることによる合意形成の困難さなどの問題点を抱え、適切な修繕やそれから建てかえは大きな課題と私どもも認識しております。  長期修繕計画の策定を促進する計画修繕マニュアルの普及の促進と、それからまた建てかえ事業に係る優良建築物等整備事業等の補助事業を実施することとか、それから大規模修繕や建てかえに際しての住宅金融公庫の活用、どんなふうにお金を使ってもらえるか。そういう問題を、今後、さらに適切な修繕等を円滑に進めるための方策について、昨年十一月に設置しましたマンション管理研究会を積極的に運営をしていきまして、あそこは安くできたのにこっちはえらい高くついたというような話で、連続した住宅形成でございますから、そういう格差も起こらないように、みんなが適正な値段で適正な修繕をしてもらえるような、そういう心の問題にも関係してくると思いますので、そういう意味で検討を加えてまいりたいと思います。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 大臣からも、国民の約一割が居住しているマンションだというようなお話がありました。これから非常に重要な課題になってくると思いますので、これまで、昨年来大変な前進をしたわけでありますが、引き続きこの問題、非常に重要な課題であるというふうに、特に都市部におきまして重大な課題であるというふうに考えておりますので、ぜひとも建設省としても一層の取り組みをお願いしたいというふうに思います。  それで、次に、いわゆる都市基盤整備公団の賃貸住宅の家賃改定の問題につきましてお伺いしたいというふうに思います。  きょうは、若干これは詳細の点にわたることもありますので、公団の方にも参考人として御出席をいただいておりますので、そちらの方にお伺いをしたいというふうに思うのですが、この公団住宅、昨年の臨時国会で法律改正が行われまして、公団住宅の家賃も、一言で言えば市場家賃に準拠する方向で改定していくということになりました。  引き下げの部分につきましてはもう既に実施されて、引き上げが今度四月、行われるということになっておるわけでございますが、この今回予定されております公団の賃貸住宅の家賃改定につきまして、その概要を、大体一戸当たりどの程度の引き上げ幅になるのか、またその引き上げによる増収はどの程度なのか、そういったことも含めまして、今回の家賃改定の概要につきまして御説明をいただければというふうに思います。

荒田建都市基盤整備公団理事

○荒田参考人 今回、昨年の新公団法の設立に伴いまして、家賃体系が、いわば原価を基準とする考え方から近傍同種家賃、いわゆる市場家賃基準にしたいということで制度が変わったわけでございます。  今、先生お話しいただきましたように、早速引き下げの方は昨年十一月から実施しておりまして、公団の賃貸住宅全体の管理戸数が大体七十四万戸ぐらいございますけれども、そのうち約十二万八千戸につきまして引き下げを行いました。  それから引き上げの方でございますが、これはことしの四月一日を予定しておりまして、昨年の十二月に居住者の方々に通知させていただいておりますけれども、ある程度期間を置いて引き上げということにしたわけでございます。  その引き上げだけの平均と、それから引き下げも含めた平均値というのがございますけれども、引き上げだけで平均を見ますと、ちなみに平均引き上げ対象戸数は約四十一万七千戸でございますけれども、一戸当たり引き上げだけの平均値でいきますと約二千九百円、それから引き下げの部分も含めて、公団七十四万戸全体のトータルの引き上げ額は約千円というような形になります。  ちなみに、全体、公団住宅の平均家賃は、全国で現在約五万八千円ぐらい、面積は五十一平米ぐらいというようなことでございます。  なお、増収額につきましては、プラスとマイナス両方ありますから、それを平均いたしまして大体約八十億ぐらいというふうに想定しております。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 今回の改定に当たりましては、昨年、当委員会でさまざまな議論が行われまして、附帯決議も付されたのですが、それらを踏まえまして公団の方で今回数々の特別措置を講じているわけでありますけれども、その特別措置につきまして、若干これは細かい点もあるのですが、概要で結構でございますので、御説明をいただければというふうに思います。

荒田建都市基盤整備公団理事

○荒田参考人 今回の家賃引き上げに伴いまして、先般の公団法の審議のときにも、国会の方で、特に改定に備えまして低所得高齢者あるいは母子世帯の方々の負担が過大にならないように十分配慮しなさいという御決議もいただきました。私どもは、それも受けまして、かつ国の財政支援もいただくわけですけれども、今回に限りまして、低所得高齢者、母子世帯あるいは生活保護世帯の方々を対象に、今回に限って家賃を上げない、現状の家賃で据え置くということにいたしたわけでございます。  推計は約五万世帯ぐらいというような形で考えておりまして、現在、その適用をするかしないか、この一月から低所得高齢者の方々を中心に申請を今受け付けておりまして、現在までのところ約三万件ぐらいの申請が寄せられております。引き続き、団地巡回等々を行いまして、できるだけ適格の方々にはこういった現状の家賃で据え置く措置が行き届くように、これからも周知に努めていきたいと思っております。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 今、特別措置について御説明をいただいたのですが、同時に今回、今私の地元なんかでも、公団住宅というのが一部やはり相当老朽化していたり、施設面でやはり大分古くなっているものもあるというようなのが実情でございます。公団住宅というのは、国としての本当に良質な住宅ストックとして今後とも維持管理していかなければいけない貴重な財産であるというふうに思いますので、そこで、私たちとしても、昨年法律改正の折に、家賃改定による増収額というのは、基本的に良質な住宅ストックを維持していくための修繕等に充当すべきであるということを主張してきたところでございます。  今回、公団の方でもそのような方針であるというふうに承知しておりますけれども、この修繕改良計画等につきまして、現段階で御説明いただける範囲、できるだけ具体的に御説明をいただければというふうに思いますが、どうかよろしくお願いします。

荒田建都市基盤整備公団理事

○荒田参考人 公団の賃貸住宅、先ほど七十四万戸あると申しましたが、これを、せっかくの国民共通の資産でございますから、長きにわたって少しでもいいストックとして維持していくということは先生おっしゃるとおりでありまして、私どももそのつもりで、常日ごろ住宅の良好なストックとしての維持ができるように努めているところでございます。  通常の経常修繕といいまして、いろいろなふぐあいが出てまいる部分についての修繕、あるいは計画修繕といいまして、例えば外壁塗装ですとか、あるいは屋上防水ですとか、計画的に躯体の維持をしていかなければいけないところもあります。また、最近のニーズの高まりによりまして、リニューアル工事、これは間取りの変更みたいな工事が中心ですが、そういったものですとか、あるいは高齢者用のバリアフリーといいまして、住戸内の段差を解消するような工事、こういったものもこれからやらなければいけないというようなことで鋭意進めておりますけれども、今回の家賃改定、これを契機にいたしまして、特に居住者の要望の強い事項、こういったものを重点に置きまして、おおむね次のような項目で今回の家賃改定を契機に修繕を実施していきたい、居住水準の向上を図っていきたいと思っております。  第一点は、住宅の基本性能といいますか、基本的なサービスの部分でございますけれども、四点ほどございまして、一つは洗濯機排水設備、これは排水がふろ場にホースをつなげてというようなことで、非常に主婦の方々から要望が強いのですけれども、こういったものを新しく実施する。あるいは電灯幹線設備ですけれども、現在ほとんどの住宅が実は三十アンペア対応という形で、ちょっといろいろな電気器具を使いますとヒューズが飛ぶといいますか、そういうような状況でありますので、これを四十アンペアにするというような工事。それから、窓サッシの部分ですけれども、ちょっと細かくなって恐縮ですが、鉄サッシ、スチールサッシのものが非常に多うございますので、これをアルミ化を急いでやる。それからもう一点は、衛星放送の設備、これも不足しております。そういった衛星放送設備の早期設置というようなこともやっていきたい。  それからもう一点は、少子化、高齢化対応ということを我々も考えまして、主として階段部分あるいは皆さんがお歩きになる共用部分の廊下、そういったものを中心に手すりを設置したい。これも実は公団の賃貸住宅では余りつくられておりませんので、そういった少子化、高齢化に対応して、できるだけストックとしていいものにするというような形で今後やっていきたい。  詳細につきましては、まだ中で詰めておる段階でございますが、これから居住者の意向も踏まえながら、できるだけ早期に具体化していきたいというふうに考えております。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 どうもありがとうございます。  今御説明いただいた内容、私も、いろいろ地域の方々から聞いている要望の高いものであるというふうに思っておりますので、ぜひとも、いろいろと予算の制約等あると思いますが、できるだけ速やかに、またできるだけ数多く改修を進めていっていただきたいというふうに御要望させていただきます。  それで、ちょっと時間がないのですが、最後に一点、ちょっと防災の観点から御質問させていただきたいのですが、これは、阪神・淡路大震災の際に、木造建造物が密集している市街地で家屋の倒壊とか火災による被害が集中をいたしました。こうした経験を踏まえまして、私どもの地元横浜市では、木造住宅の耐震診断、これは実際、既に六千戸に対して行ったというふうに聞いておりますが、行いましてその結果、倒壊のおそれのある住宅等につきましては、耐震改修のための費用の一部助成を行ってきた事業があります。  こうした耐震改修工事というのは相当に費用がかかるものであります。にもかかわらず、居住者の立場からすると、居住空間が別に広がるというわけでもありませんし、そういったメリットが必ずしもはっきりしていないのでなかなか進まないというのが現状であります。ただし、これは地域防災という観点から見れば極めて重要なことであるというふうに思いますし、また公共性が高いものではないかというふうに思うわけでございます。  したがいまして、こうした特に地震に備えての密集市街地でのこういう木造建造物について、都市防災の観点から、国としても何らかのそういう支援措置、助成措置等を導入していただけないかというふうに思うのですが、その辺につきまして御見解を伺いたいと思います。

岸田文雄自由民主党建設政務次官

○岸田政務次官 木造住宅の耐震改修につきまして御質問をいただいたわけですが、先生御指摘いただきましたように、阪神・淡路大震災で比較的古い木造住宅に大きな被害が出たということで、これらの住宅の耐震化を進めていくこと、これは認識としまして大変重要であるというふうにまず考えております。  そこで、建設省としましては、震災後施行されました耐震改修法におきまして、耐震診断そして改修の指針を策定して、これを公表しておるところでございます。  また、居住者みずから耐震診断ができるためにということでこうしたパンフレットをつくりまして、これに記入していくと簡単に耐震診断ができるような仕組み、こうしたパンフレットを地方自治体を通じまして二十二万部配布する、こういったことも行っているわけであります。まずもって木造住宅の耐震に関しましては、耐震診断につきましては補助制度を設けている、そして耐震改修工事につきましては、住宅金融公庫融資において措置している、これが国の現状であります。  そして、今先生お話がございましたように、横浜市におきましては耐震改修工事につきまして補助を行っておられるということを承知しておりますが、この工事につきましても補助を行っているということ、一歩踏み込んでおられることにつきましては大いに評価をするところでございます。  しかし、戸建ての木造住宅に対して補助を行うということに関しましては、個人財産に対する援助のあり方ですとか、あるいは住民の防災に対する自己責任のあり方等々、こういった部分で議論があるところでありまして、このあたりはまだ検討する部分かなと思っております。しかし、ぜひ検討を進めまして、できる限りこうした木造住宅に対する耐震改修を進めていかなければいけない、そのように考えております。

上田勇公明党・改革クラブ

○上田(勇)委員 ぜひよろしくお願いします。  時間ですので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 青木宏之君。

青木宏之自由党

○青木委員 自由党の青木宏之であります。  きょうは道路公団からお越しをいただいておると思いますので、初めにお尋ねをさせていただきたいのは、去る二月の十六日、十七日にかけまして、私どもの名古屋から岐阜、大変な大雪でありまして、そのときに、名神高速道路、関ケ原、愛知—一宮間ですね、大変な状況だったようにマスコミ報道等からも聞いておりますし、私ではないのですが、ある議員さんの後援会のバスが閉じ込められててんやわんやだったという話も後から聞きましたが、その辺のまず事実状況、これをひとつ簡潔に御説明をいただきたい。どのような状況だったかということをあらかたお教えをいただきたいと思います。

小笠原常資日本道路公団理事

○小笠原参考人 お答えいたします。  先般、先生御指摘のとおり、二月の十六日から十七日にかけまして、名神地区の降雪に当たりまして、多くのお客様を初め、関係の皆様方に大変御迷惑をおかけしましたことを道路公団として重く受けとめております。  積雪時の対策としては、路面の積雪を排除するための梯団除雪だとかトンネル坑口部のロードヒーティング、あるいは固定式薬液散布装置の設置等を実施いたしまして、路面凍結や積雪を防止するなど、気象や道路構造に応じた対策を実施しているところでございます。  また、気象や道路等、事前情報の提供や雪道走行にかかわる広報などにも努め、冬期交通の確保に努めておるところでございます。  先般の、二月十六日から十七日の名神関ケ原地区におきましては、新聞等でも報道がございましたが、平成七年の大雪、このときは、降雪深五十三センチ、それから時間最大降雪量が時間五・〇センチメートルということだったわけでございますが、今回のこの豪雪は約二倍、降雪深で百十六センチ、最大時間降雪量九・五センチということで、高速道路上において走行できない車両が発生いたしまして、このため、警察との協議により、やむなく通行どめをしたわけでございます。  通行どめ区間内におきましては、一般道の状況並びに高速道路の走行不能車両によりまして、一般道への流出誘導が必ずしもうまく機能せず、長時間道路に閉じ込められたという状況が発生したわけでございます。  この間、滞留車両に対しまして、おにぎり約四千食、携帯用トイレ約三千個、ガス欠車におきましてはガソリンの配布等を実施いたしましたが、何分降雪時でもあり、必ずしも十分な対応と言えない面があったと思います。  この間、約五百件近い苦情及び問い合わせがございましたが、これらのお客様の声を今後の業務に十分生かしてまいりたい、かように考えております。  今後とも、高速道路においては、お客様に対する気象、道路情報の提供を強化するとともに、除雪作業や路面凍結防止作業を精力的に行い、警察と十分協議しながら、冬期間の安全な交通確保に最大限努力してまいりたいと思っております。  よろしくお願い申し上げす。

青木宏之自由党

○青木委員 再びお尋ねしますが、報道では約六千台が缶詰状態、私の計算では十二時間強と思っておりますが、その御説明がございませんでしたので、その御確認。  それから、要は、こんな集中的な大雪というのはまれなことだとは思うのですね。しかし、まれなときに対処するのがいわゆる防災、予防ということになるわけですが、それと同時に、新幹線でもそうなんですが、関ケ原のあたりというのは特殊というか特異な地域ですね。  それで、新幹線ももういつもそうでありますし、高速道路も、名神もいつも、常時こういう状況が出てくる可能性が今までもありましたし、これからもあるわけですので、このあたりを、いずれにしても、そういう記録的な事態もそうでありますし、平常時においても対策を講じていかれるというお話ではありましたが、マスコミ報道、一部かもしれませんけれども、実際はお手上げという表現がされておるわけでありまして、本当に対策を進めていくという御答弁だけで我々了としていいのかどうか。現状考えられる対策が具体的にあるのかどうか、あるいは、マスコミ報道のようにお手上げなのか。要は、利用者がチェーンなどを装備する以外にないということなのか。  それからもう一つ、ついでにですが、やはり重要なのは通行どめの時期の問題ですね。  それで、名古屋都市高と東名阪、これは早く全面通行どめになったわけです。したがって、そこへ行く車が特にまた集中的に名神へ流入したというふうに聞いておりますので、その辺の整合性といいますか、やはり、いつ通行どめを決断するかというあたりも非常に大事な要素ではないかと思うのですね。  だから、そのあたり、先ほどの被害といいますか状況、台数と時間の御確認と、通行どめの判断のあり方の問題、それから今後の対策、これにつきまして、いま一度お答えをちょうだいしたいと思います。

小笠原常資日本道路公団理事

○小笠原参考人 お答えいたします。失礼いたしました。  まず、渋滞の状況でございますが、すべて関ケ原を中心に上り、下りが渋滞したわけでございますが、最大渋滞長は上りで六十一キロで、通過時間約八時間でございます。それから、下り、すなわち大阪方面に向かう車の渋滞でございますが、最大渋滞長は七十二キロ、これに通過を要する時間が十二時間ということでございます。通行どめ時間はもう少し、十七時間、十二時間と長かったわけでございます。  それから、閉じ込められた車の台数でございますが、先生御指摘のとおり、新聞報道によりますと二千とか六千というような数字が出ておりましたが、道路公団といたしましては、必ずしも正確な数字は確認できませんが、渋滞状況等から、四千台強ぐらい渋滞したものというふうに考えています。これらの数字のもとに、提供する食料だとか携帯のトイレを配備したわけでございます。  それから、東名阪の道路が先にとまって、それで名神の方に車がふえたのではないかという件でございますが、これも御指摘のとおりではないかというふうに思っております。先に東名阪の名古屋—名古屋西インター間が通行どめになっておりましたので、関西方面へ向かう利用者が、渋滞中ではございましたが、あえて名神を選択したことが最大の理由ではないかというふうに思っております。  通行どめの判断の時期、これは非常に難しいわけでございますが、警察と十分協議しながら、今回の場合は非常に渋滞が、かなり発生いたしまして、これ以上渋滞を増大するということは利用者の利便性、的確性を欠くおそれがあるということで、やむなく通行どめをいたした次第でございます。  今後の対策といたしましては、現在実施しておりますロードヒーティング、あるいは坂道におきまして固定式の液剤散布、これらによりましてある程度の効果は期待できます。ただ、今回みたいに時間九センチとなりますと、ちょっとこれらでは無理ではないかというふうに思っております。  雪氷については、特に関ケ原は毎年のことでございますので、道路公団としては最大限これからも努力を続けてまいりたいというふうに思っております。

青木宏之自由党

○青木委員 時間がありませんので、毎度というか毎年のことでありますから、ぜひひとつ積極的に取り組みをいただきたいと思います。  それで、ちょうど同じようなことになるわけですけれども、高速道路は非常に便利な道路なんですね。とにかく早く行ける、時間が節約できるということなんですが、今のように突然そういう自然災害があったり、あるいは今度いわゆる人為的な事故がありますと、途端によく言われるように高速道路の字が違って、閉じ込められるとか縛られるとか、拘束される道路になってしまって、逃げるわけにもいかない、後ろへも行けない、どこも行けないという状況になって、大変な事態になるわけですね。事故のないことを祈るのみということになります。  そこで、さっきは自然災害ですが、事故処理。  私、いつも思うのですけれども、事故は車がやるわけなんですが、自損もあれば車両同士もあるわけなんですけれども、障害になっている車両をいっときも早く除去する、取り除くということが、道路管理者としては当然求めるところだろうと思うのですね。それで、事故自体は交通事故ですから、事故処理、現場検証、それからその障害物、車の除去、そういったものは当然一応警察の守備範囲になることはわかるのですが、いずれにしても、管理者としてはとにかく早く平常どおりに戻す、通常の状態に戻すということがあるわけですから、警察なら警察業務でいいのですけれども、管理者としてもっと積極的な、何か名案があればいいのですが。  私はいつも思うのですが、とにかく後ろから車が来て、パトカーでも何でもですが、渋滞している後ろからパーパー鳴らして来るわけです。それから処理して、大変時間がかかってしまう。だから、空からヘリコプターでつり上げて除去すれば簡単じゃないかと思うのです。  費用等の問題もあるかもしれませんが、あるいはヘリコプターの所有台数とか、どこがそれを管理するか、警察なのか道路公団なのか、そういったこともあるでしょうけれども、いずれにしても、そういう手っ取り早い方法が考えられはしないのかなと、単純かもしれませんが思うのですが、そのあたりはいかがお考えでございましょうか。

小笠原常資日本道路公団理事

○小笠原参考人 まず、高速道路等におきます事故処理対策でございますが、これにつきましては、警察、消防等関係機関と協力しながら、救急救命にまず第一に努めるとともに、速やかな事故車の排除、路面清掃及び応急復旧工事に努めているところでございます。道路公団といたしましては、緊急車両の迅速な現場到着や搬送等を支援するために、緊急開口部の増設だとか、あるいは重交通区間の路肩拡幅の整備を推進しているところでございます。  また、事故処理の時間等でございますが、道路公団といたしましては、警察、消防等と協力いたしながら、できるだけ迅速化に努めてまいりたいと思っております。事故数はここ近年微増の傾向ではございますが、一件当たりの事故処理の時間、通行どめ時間は逆に減少している状況でございます。  それから、事故処理対策の方策については、先生、今ヘリコプターの話がございましたが、今後とも、警察、消防等と協議しながら、多角的に検討してまいりたいというふうに思っております。

青木宏之自由党

○青木委員 検討はいいのですが、お考えはいかがでしょうか。大臣、もしありましたら。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 今のヘリコプターの問題なんかは、私も常々考えておりますのですが、上からつり上げるとなると、相当大きな重量つり上げに耐えるヘリコプターが要るのではないか。しかし、こういう時代でございますから、旧ソ連なんか、ロシアなんかは戦車をつり上げたり、米軍にもそういうようなものがあります。それをどういう維持管理をするかという問題も、大問題があると思います。  とにかく、先生のおっしゃった拘束される方の拘束道路にならないように、特に雪に弱い、日本の飛行場でも高速道路でも雪に弱いという感じがいたしますので、さっきも名古屋周辺にどのぐらいの除雪車があるのかと聞いてみましたら、三十五台ばかりあるということでございますが、それが雪ですぐ飛んでこれるかどうかという問題もあります。  とにかく、高速自動車国道等における渋滞対策、事故処理の迅速化、それから雪氷対策というのは、安全かつ円滑な交通を維持するために極めて重要だと思いますので、今後とも、一層の渋滞対策、それから事故処理の迅速化に努めるとともに、今回の大雪に伴う通行どめによる課題を踏まえまして、さらなる雪氷対策強化や利用者に対します情報提供、これも図ってまいりたい、かようなふうに考えております。

青木宏之自由党

○青木委員 まだほかに用意しておりましたが、ちょっと時間がなくなりましたので、あと一つだけ。  先ほど出ましたのが料金所の円滑化、これは自動化を進めることによって解消するという、先が見えておるかなと思うのですが、これまた私常々思っておるのですけれども、都市高でも高速道路でもそうですが、順調よくすっと流れていて、今度、外へ出る。料金所ではなくして、一般道へ出るところで突然だあっと渋滞するのです。大抵のところは渋滞するのですよ。  それは、私が素人ながら思うには、外へ出るところというのは、大抵その辺の主要幹線道路の交差する近くへ、大体それは便利さを求めてだろうと思うのですが、出ているケースが多いのではないかと思うのです、違うところもあるかもしれませんが。だから、一般道路自体が主要道路で、しかも枢要な地点ですから、当然台数が多いわけです。そこへまた高速道路から出てきますから、渋滞するのもやむを得ないかな。  それは私の事実認識が誤っているのか、あるいは、私が思うには、台数が少なければ、そういうところへ出れば一番便利なんですけれども、ほとんどそれで渋滞をしているということからしますと、そういうところへ出すのではなくて、ちょっと回り道でもいいですから、車のいないところ、枢要でないところへむしろ出して、それから幹線道路へつなぐ、その方が流れは非常にいいはずなんですが、私の知る限り、どうもそうなっていないのが現状ではないかと思うのです。そのあたりはいかがでしょうか。

小笠原常資日本道路公団理事

○小笠原参考人 先生御指摘のインターチェンジ出口の渋滞でございますが、例えば名古屋におきますと、東名阪のインターチェンジの出口渋滞、おっしゃるとおり、非常に渋滞化が発生しております。  これらにつきましては、先生御指摘のとおり、やはりアクセス道路を含めた関係機関との調整が必要でございまして、その対応を進めてまいらなければならないというふうに考えております。

青木宏之自由党

○青木委員 以上で終わります。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 中島武敏君。

中島武敏日本共産党

○中島委員 私は、きょうは、吉野川可動堰問題、それからコンクリート劣化対策、マンション問題等質問をしていきたいと思っております。  最初にマンション問題をやらせてもらいたいのですが、マンションのストックは今三百五十二万戸に達し、居住者も一千万人を超えております。都市住民にとって、好むと好まざるとにかかわらず、住み方の重要な選択となっておることはもう御存じのとおりであります。また同時に、マンションは私たちの時代が蓄積した社会資産でもあり、少しでも長く延命させ、そしてそれを時代の文化にまで高めていくということが、二十一世紀の地球環境時代に強く要請されていると思うわけです。  私の住む東京都板橋区でも、木造、非木造を含めた共同住宅形式の住宅に居住する世帯は、全体の七三・一%を占めております。分譲マンションが一二・九%、賃貸マンションが二〇・二%で、両方で三分の一を占めているわけですね。このような実態は、まちづくりという点からも、マンション居住に対する行政の役割が重要であるということを大変示していると思います。  建設省は、最近、マンションの総合対策を打ち出しているわけですけれども、こういう立場に立ちまして、マンション問題について質問したいと思うのです。  いつも私は、答弁は簡潔にということを何か口癖のように言うことが多いのですけれども、きょうは傍聴の方々もいらっしゃるし、ひとつ丁寧に答えていただきたいということを最初に申し上げておきたいと思います。  それで、私がまず第一にお尋ねしたいと思うのは、マンション問題を解決していく上で何よりも必要なのは、住民にとっては、身近な自治体の相談、支援体制だと思うのですね。全国主要都市における相談窓口の体制はどうなっているか、これが一つです。  それから、私の承知している限りでは、東京都あるいは二十三区、大阪市、横浜市、こういう限られた都市にしか窓口がないように思うのです。そこで、私は、少なくとも、マンションがたくさんある、多くある、そういう都市には窓口を設置することが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうか。これが二つ目。  それから三つ目に、私の住む板橋区でも、住宅課に兼任の担当者がいるだけなんですね。だもので、人件費なんかの保証もないと進まないと思うのです。そのあたりについても、どういうふうに考えているのか、どんな手だてを打とうとしているのか。まず、この三つの点についてお尋ねしたいと思います。

那珂正建設省住宅局長

○那珂政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘のように、マンションという居住形態が大変国民の間に定着してきておりまして、日常的にも問題がいろいろ指摘されている管理等に関して、住民の方々あるいは管理組合という形でいろいろな相談がふえて、潜在的にもふえているということが実態でございます。そういう相談に対して行政的窓口が整備されていないという実態もまたしかりでございます。  現状の体制がどうなっているかというお尋ねでございますが、私どもが把握している限りにおきましても、ただいま先生御指摘のように、東京都並びに都内二十三区の何区か、それから大阪市というようなところで、現在看板を掲げて窓口を持っているところはそういうところでございます。  おっしゃるとおり、都道府県も含めまして、少なくとも政令市程度の規模の公共団体についてはやはりきちっとした窓口を設けてもらいたい、私どもも必要だと思います。  そこで、それぞれいろいろな行政改革の視点等あるいは財政的な事情等、公共団体も大変苦しいような状況でございますので、それの窓口の設置というものを促進する観点から、私どもとしては本年から特に相談員の、三番目の御質問で、相談員が兼務でやっているだけじゃないか、こういうお尋ねでございましたけれども、やはり一定の知識、法律的、技術的知識を備えた人が窓口に座ってもらわないと意味がありませんので、そういう方の人件費、あるいはそのときにいろいろ詳しく御説明するためのパンフレットの作成費、こういうものなどを対象に、都道府県ないし政令市、もちろん市町村でもよろしいんですけれども、そういう地方公共団体に対する窓口設置及び運営のための補助事業を開始したところでございます。

中島武敏日本共産党

○中島委員 板橋区では最近ようやくマンションの実態調査を行った、そういう状況なんですね。今さっきも申し上げましたけれども、専任の体制もないんです。それで、私は、支援を行う上で、一つは行政に対する支援、それからもう一つは管理組合そのものに対する支援と二つに分けて考える必要があるんじゃないかと思います。  それで、前者、つまり行政に対する支援については、何よりも行政がマンションの把握をする、実態把握ですね、これをやることが非常に大事じゃないかと思うわけです。そこで、マンションというのは一体何戸あるのか、どういう規模なのか、それから適切な管理が行われているのか、それから建てかえ計画を持っているのか、どうなっているのか、修繕計画はちゃんとしているのか、そういう問題をやはり調べるということが、調査するということが非常にポイントじゃないかなというふうに思っております。そういう点で、今お答えもありましたけれども、それに対する建設省の支援、まだつけ加えるべきことがあるならば、予算面、ソフト面あわせて御答弁をいただきたい。  それから後者、つまり管理組合そのものに対する支援という問題については、やはり何といっても修繕積立金が非常に過少だ、少な過ぎる、そういうふうに設定されているために、いざ大規模修繕のときに資金不足になる、大変だ、こういうことがしばしば起きてくるわけですね。だから、そういうことからいいますと、やはり適正な長期計画とかあるいは積立計画にするために、十分な相談に乗れるような技術者あるいは弁護士さんとか、そういう専門家の派遣ということを十分検討する必要があるんじゃないかと思うわけです。それから、さらに申しますと、建物診断とかコンクリート劣化の状況はどうなっているのか、そういうことについての調査あるいはまた支援体制、そういうものが必要じゃないかと思うんですね。  私は、総じて言えば、やはりこれらのことはまちづくりを進めるという上におきましても、行政の欠かせない課題だと思うんです。マンションに対する支援措置の必要性は本当に多様性を持っていると思います。ソフト、ハードにわたる支援が必要だと思うんですけれども、先ほどの答弁に加えてもう一度御答弁を願いたいと思います。

那珂正建設省住宅局長

○那珂政府参考人 まず、行政がマンション管理の実態について十分把握しておくべきだという御指摘は、私どもも全くそのとおり思っております。各公共団体においてそういう調査を始めつつあるところがふえてきていることは、私どもとしても大変いいことだと考えておりまして、先ほど申し上げました補助の中には、窓口の設置だけではなくて、当該地域、区域におけるマンションのあるかないかということだけではなくて、先生がおっしゃるように、管理の実態、あるいは管理組合そのものがあるかどうかとか、機能しているかどうかとか、そういうようなことも含めた実態調査に一定の補助をしていこう、こういうふうに考えております。  また、その延長といたしまして、具体的に長期の修繕計画というものがきちっとまさに長期的視点に立って立てられているかどうか、あるいはいろいろなふぐあい、構造上のふぐあいが発見されたときに、そういうような一定の診断をするような必要があるかどうかとか、そういうようなことについてはやはり専門的知識が必要だと思います。  ただ、そのマンションの管理に関しては、基本的には区分所有者、所有者の権限と責任といいますか自治といいますか、そういう問題だろうと思いますが、今申し上げましたような非常に専門的、技術的知識を必要とするような事柄については、やはり行政的に応援していくべきだろう、こう思うわけです。その点につきましても、先ほどの助成措置の中で、公共団体がそういう専門家を派遣するというようなことについては、国としても公共団体を支援していこう、こういうふうに考えております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 マンションの維持管理という問題は都市づくりの観点からも非常に大事だということは先ほども申し上げました。しかし、個々のマンション管理がどうなっているかということになりますと、これは実態が把握されていないという大きな問題点があります、これも今申し上げたとおりなんですけれども。その原因は何なのかということなんですね。原因は何なのか。これは、管理に携わっている管理組合の情報が十分に開示されていないというところにあるんじゃないかと思うわけですね。そして、そのことがまた結果として行政もそれを把握できない、そういうぐあいになっていると思うんですね。  それで、現在、登録制度を検討しているということを伺っておりますけれども、どんなことを登録制度として検討されておりますか。  私は、もう一つ、ここにかかわって言えば、ハードな情報開示だけではなくて、管理組合の運営状況なんかの、つまりソフトな状況ですね、この問題も十分にやはり把握して行政に生かしていくということは非常に必要だと思うんですけれども、この点、ちょっとダブっている点もありますが、お答えいただきたいと思います。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 お答えいたします。  まず、私どもは昭和六十年から建設大臣の告示の制度を設けまして、マンションの管理業者については登録という取り扱いをしておりまして、現在のところ五百三十社の登録がなされているところであります。また、管理業者につきましては、どのような管理が提供されるかということは当然管理組合にとって極めて関心が高いわけでございまして、その情報開示を積極的に行っていくということが非常に大きな課題である、このように考えております。  現在、登録を受けております管理業者につきましては、これは今、学識経験者を中心とします研究会を設けておりまして、どういったような情報を開示したらいいのか、そういったことについて今検討しているところであります。特に管理組合の方々は、どういうような負担でどういうようなサービスが得られるのかというようなこととか、その管理会社がどのような規模の会社なのか、あるいはどのような実績があるのかというようなことが非常に関心が高いものですから、そういったことを中心に開示項目というのをつくりまして、私どもとしましては、今年度中にそういったシステムを何とか確立したい、そういった情報提供ができるようにしたいということで努力をしているところでございます。

中島武敏日本共産党

○中島委員 次の問題ですけれども、住宅金融公庫による修繕積立金の受け入れ、これは今度予算措置をされたわけですけれども、お尋ねをしたいのは、これは既存の積立金も受け入れることができるのかどうかです。  例えば、あるマンションが一億円の修繕積立金を預金しているとして、それを全額受け入れてもらえる、こういうふうに考えてよろしいですか。

那珂正建設省住宅局長

○那珂政府参考人 修繕積立金を住宅金融公庫が受け入れるという制度につきましては、本年度予算並びに公庫法の改正案で、国会で御審議をこれからいただくことになるわけでございますが、当該制度の考え方でございますけれども、先ほど来の御質疑にもございましたけれども、計画的な積み立てを支援し促進するというような観点から、例えば、十年間にわたって定期的に定額の債券を購入してもらうというような形の受け入れ方法を現在検討しております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 それは、これからのものだけに限るのでしょうか。今までも積み立てているというもの、これも受け入れるというふうに考えてよろしいのですか、そこはどうなのですか。

那珂正建設省住宅局長

○那珂政府参考人 今ほどこの制度の目的を申し上げましたように、基本的には、これからきちっと積み立ててもらうということを念頭に置いております。したがって、先生御指摘のような、既に立派に積み立てておられるところについて、それを一どきに住宅金融公庫に受け入れるという考え方は今のところ持っておりません。

中島武敏日本共産党

○中島委員 これはなかなか問題でして、管理組合の方では大変心配している問題なんですね。ですから、そういうことについては、今のところ持っておりません、こういうえらい明快な答弁をされたのですけれども、それでは、もう一切だめ、こういう意味なんですか。よく聞いておかなければいかぬ。

那珂正建設省住宅局長

○那珂政府参考人 こういう形で債券を買ってもらって積み立ててもらうという制度、新しくこれは法律制度に基づく制度としてこれから御審議をお願いするわけでございまして、骨格については先ほど申し上げましたとおりでございます。  制度の趣旨としては、なるべく計画的な積み立てをお願いする、奨励するというような目的で考えておりますので、既に立派に積み立てて、きちっとした長期計画をお持ちの管理組合の方を対象にしているわけではございません。

中島武敏日本共産党

○中島委員 ちょっと関連もするかと思うのですけれども、ペイオフ問題ですね。これについてはどんなふうに考えられているでしょうか。  管理組合の修繕積立金の預金がペイオフによって一千万円以上は保証されない、こういう問題で、その事態に当たった場合にはどうなるのだろう、どうなるというか救済されないのではないか、そうすると大変だなという、これは物すごい心配なことなんですね。  この点について、どんな対策を講じられようとお考えになっておられるかについて伺います。

那珂正建設省住宅局長

○那珂政府参考人 いわゆるペイオフ問題については金融行政の問題だと思いますので、基本的に私がお答えする立場にはないと思いますが、どういうふうに対応されるかというのは、まずやはり管理組合自身のいろいろな御判断だと存じます。

中島武敏日本共産党

○中島委員 そうはいいますけれども、マンションをきちっとどうしなければならないかということをやろうとする建設省としても、これは大蔵省任せというふうにいく問題でしょうかね。私は、そういうことからいうと、やはりここは考えてみなければならないところではないかと思うのです。  これは、私は質問通告で建設大臣の答弁を求めることは別に予定しておりませんでした。おりませんでしたけれども、大臣の顔を見ていると、ああいう答弁になってくるので、いや、これじゃちょっと、みんなえらい心配しているぞと、これに対してちょっとそういう答弁では皆さん余り納得しにくいのじゃないかなと思うものですから、突然ですけれども、大臣の見解を伺いたい。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 これは、制度も発足したばかりでございますので、規模その他、どんなふうにそういうものが充実しているのか、民間でしっかりやっていただいているところもありますでしょうし、いろいろお話を承っておりまして、那珂局長の御答弁もこれはやむを得ぬかなと思いながら、しかし、将来そういうものも何か救済をしていく道はないのかな、そんなふうに先生の御質問とあわせて伺っておりました。

中島武敏日本共産党

○中島委員 伺っているのは結構なんだけれども、どうするかということが大事なんでありまして、その点はしかし、突然の話でもありますし、そこにとどまるのかなという気もしますので、その程度にしておきたいと思います。  それから、次の問題なんですけれども、管理会社に対する指導の問題なんです。  この点は、公然と管理費などの保管口座を管理会社名にしているところがあります。管理組合の資産である預貯金それから損害保険、修繕積立金保険、その他管理組合に対する資産の一切の名義、これを管理組合とする措置がとれないかどうか。私はそうすべきじゃないかと思うのですが、これについてお答えをいただきたい。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 御指摘の修繕積立金の口座名義の取り扱いでございます。  私どもも、この修繕積立金の適正な管理を図っていくためには、名義としましては、これは管理業者の名義ではなくて管理組合の理事長名義にする、こういったことが極めて大切であるということで、従来から業界の指導というものを行ってきたところであります。  残念ながら、昨年五月にもいろいろ調査をしてみたのですけれども、まだ二割程度がそういった形になっていないというケースがありますので、昨年来、特に力を入れてその是正ということをやっております。  特に、先ほど申し上げましたように、管理業者につきましては登録制度で登録をする、あるいは更新の場合は、五年ごとの更新というのがありますので、そういった機会をとらえまして、そういった正しい形になっていないものについては徹底的な指導というものを行っております。私どもとしましては、そういった努力をすることによりまして、正しい姿にぜひとも戻していきたい、こういった努力を傾注したいというふうに思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 指導は熱心にやっていらっしゃるようで、それは大変結構だと思うのです。思うのですけれども、にもかかわらず、今二割とおっしゃいましたかね、二割ぐらいはやはりそうでない、こういうお話を伺いますと、私は、何らかの法的な措置が必要ではないかということも考えるのですね。その辺、どうでしょうか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 先ほど二割というように申し上げましたけれども、まだ前回の調査から時間が余りたっておりませんので、私どもとして具体的な調査はまだ行っておりませんけれども、かなり強烈に指導もしておりますので、多分かなり小さい数字になってきているのじゃないかというふうに思っております。  なお、管理につきましては、これは私ども、審議会の答申をいただきまして、中高層の共同住宅の管理の標準委託契約書というものを持っております。これを徹底していくというようなことで、とりあえずは努力をさせていただきたい、このように思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 管理会社といいましても、大きいのから小さいのから中くらいのから、もう千差万別なんですね。そういう中で、管理会社が、小さいところが倒産をするという事態が生まれたというような場合には、一切、組合の資産はパアになっちゃう、こういう事態が考えられるんですね。そうなってくると、指導は非常に大切なんですけれども、そういうことにならないように、全部が管理会社名じゃなくて組合名に切りかえる、そういう措置というのはやはり必要になってくるんじゃないか。  そういう点で、私は、法的な区分所有法で決めればいいのか、あるいは何で決めればいいのか、やはり残るんじゃないかなと。大きなところがつぶれるということは余り考えられないのですけれども、小さいところはそういう問題が起きてくる。そうしたら、起きてきたら、何と自分たちの財産はなくなってしまっている。これじゃ余りにもかわいそうじゃないですか。その辺は、やはり行政の側もしっかり考えておかなきゃいかぬ問題だと思うんです。御意見を。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 重ねての答弁になりますけれども、私どもとしましては、先ほど申し上げましたような指導のほかに、この管理費等につきましては、保証制度というのも一部設けております。もちろん、先生が御指摘のように、すべての管理業者がその保証制度に参加するということではないのですけれども、保証制度というのを普及することによって、いざ倒産等になった場合においても、例えば一カ月分の管理費については保証制度の中で基金で対応するというようなこともございまして、いろいろな措置をやりながら、できるだけ徹底するように努めていきたい。もちろん、私どもも先生の御指摘の方向でやるということは行政としてぜひやっていかなければならないということを認識しておりますので、さらに総合的な努力はさせていただきたい、このように思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 その基金は必ずきちっと保証されるということになるんですか。そこをちょっともう一度。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 現在設けております管理費についての保証事業というのは、これは高層住宅管理業協会が任意の制度としてやっておりますので、そこに加入する方々については一定の保証というものが行われるわけでございます。現在、三百社弱が加入をしているところでありまして、もちろん管理業者はもっと多いわけでございますので、すべての業者が入っているわけではありませんけれども、こういったものについてのPRというようなことも積極的に行っていきたい、このように思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 大臣、お聞きのとおりなんです。私の言っていることを考え方としては受け入れていらっしゃるんです。受け入れていらっしゃるんですけれども、ではその保証があるかということになると、これはなかなか今の答弁を聞いておっても、あるとは申し上げられませんね。そういう点については、これも、大臣に聞くというふうには何も言っておりません。言っておりませんけれども、今の問答を聞いておって、ああ、中島の言うことはなかなか道理があるなというふうにお考えだったら、これはやはり検討してもらいたいと思うんですけれども、いかがですか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 中島先生のおっしゃる道理は、これは将来何とかしなきゃいけないな、それに対してどうしていくかという対応を、今即時に、それじゃ今から始めますという御答弁もしにくいなと。  これは、日本の人口の一割が住んでおりますそういうマンション対策として、これから、かつてはそこをステップにしてどこかへ出ていかれるとか、そういう感じのところが、そういう住宅の感じとしては多かったのですが、今は終身そこにおられるとか、それから定期借家制度みたいなものができてきまして、大きな家に住んでおられても、今度はそれを子供とかそんなのに渡して、外国を見ているとそういう例が多いですが、簡便な、小ぢんまりしたところへ老夫婦が移るとか、そんな問題も出てきますから、高齢化社会、それからまた定期借家制度みたいなものとのかみ合わせみたいなものも含めて、いろいろな、先生のおっしゃっている中に示唆に富んだお話があるな、さすが中島先生だなという感じで伺っておりました。

中島武敏日本共産党

○中島委員 どうもなかなか煮詰まらないので、ぜひ大臣に申し上げたいのは、やはりこれは検討していただきたいということを申し上げて、次の問題に移ります。  これは、実は一部報道によりますと、最近、大手の管理会社が、全国の管理受託物件から集めた管理費等を自社運用資金の一部に充てていたということが明らかにされております。  そこで伺いたいのは、この問題について、この業者に対してどんな指導を行いましたか、これが一つ。それから、業務上横領、不当利得の疑いが指摘されているんですけれども、これは調査したでしょうか。調査しているんでしたら、その結果を述べていただきたいと思うんです。  それから、こういうのは、何もこれはこの間発表された、一部報道された一社だけではないのですよ。大きなところでほかにもあるんです。私は、それが一概に悪質というわけではありませんけれども、調べてみて、悪質だったら管理会社に対してやはり何らかのペナルティーと申しますか、公表するとか、何かそういうようなことを、どんな方法がよいかということまで私は考えが及んでいるわけではありませんけれども、そういうことが必要じゃないかなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 先生が御指摘のケース、先日、専門紙で報道された件だと思いますけれども、私どもも、この報道がありましたので、業者の方に今状況を聞いているところでございます。  現時点では、報道されましたような方式というのは、管理費の収納だとかあるいは公共料金等の支払い代行の業務を管理組合から委託を受けて管理業者が実施をする、こういう方式であります。  この方式自身は、組合員としてのメリットもあることはあるんです。例えば、組合員にとりましては新たな銀行口座を開設する必要がないということとか、中には、例えば組合員の管理費の納入が若干おくれた場合に、管理会社の方で一時的に立てかえをするというような面もありまして、そういった意味から見ると、管理組合にとってもメリットのある面もある、こういうことが言えようかと思います。  また、私どもがお聞きしている範囲では、今報道されている機関につきましては、委託契約の内容というのは書面で管理組合の方へ説明していると。ですから、預かり金の期間中に発生しました利子については、これはお返ししませんということを明らかにしているというようにも一応お聞きをしております。しかし、この方式は、いずれにしましても、その資金が管理業者の方に一時的ではありますけれども口座に入る、こういうことになります。  私ども、いろいろ聞いております限りにおきましては、まず、管理組合にその辺をしっかり説明することがスタートだということを申し上げておりますし、また、業者の方もそういう努力を引き続きするとともに、場合によるともう少し組合員の理解が得られるようなことも幅広く検討したいというようなことも言っておりますので、私どもとしては、少しその辺の状況を伺って判断をしていきたいというように思っております。  いずれにしましても、この方式というのは、契約に当たりましてこの仕組み自身は管理組合の方に情報というか内容をお知らせしているわけですので、この問題で不当利得とか横領とか、こういったことは発生しないのではないかというように思っております。ただ、今先生御指摘のように、この一社だけではなくて、ほかのところもあるようだということでございますので、引き続きこの辺の状況につきまして、私どもとしても十分調べていきたいというふうに思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 明文でちゃんと契約されているのでしょうね、きちっと。されていなかったらどうなりますか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 具体的なまだ契約書を見ておりませんけれども、私どもが聞いている範囲では、契約で明記をしているということであります。個々にどういうような契約形態をとっているかということがわかりませんので、契約に書かれている書かれていないについて、今の時点で即断ということはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。

中島武敏日本共産党

○中島委員 原始規約の問題について伺いたいと思っています。  これは、原始規約について分譲業者による説明不足があるとか、それからまた、総会を開かないで書面総会で済ますということをやるものですから、トラブルが非常に多発しているわけですね。例えば、区分所有者に不利な一方的な義務などが原始規約に入っていることがあって、そのことが原因でトラブル発生というふうになるのですね。  例えば、私の知っているものでいえば、マンションによる電波障害があってその補償義務を組合に持たせている、そういう場合があるのです。実際に、気がついてみたら自分たちが補償義務がある、これはえらいことだ、こういう話になってしまうのですね。私は、こういうことはやはりちゃんとしていかなければならない大きな問題だと思うわけです。  それで、これは旧住都公団の例なんですけれども、この旧住都公団では、形式ではありますけれども設立総会を開いて、理事長を選任して、その場で管理規約を議決して決定している、こういうやり方なんですね。これは私は一つの理解できる、納得できる方法じゃないかなというふうに思うんですね。この方法は悪くないな、いいな、そういう感じで私は受けとめておりますけれども、建設省の方では、トラブル多発はよく御存じだと思いますので、この問題についてどんなふうにされようとしているかということについて伺いたいと思います。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 マンションの分譲時におきまして管理規約が分譲業者によって提供されるということが往々にしてあるわけでございますが、その中で、今先生御指摘のように、金銭面で区分所有者に不利になるような条項が入っている、こういったケースは確かに、実際に私どもとしても承知をしているところであります。この場合に、各区分所有者が不利な条項の存在を知っていれば、場合によりますと管理規約について承諾をしないということの選択もできるわけでございますので、私どもとしましては、分譲業者から購入者に対して不利な条項を説明することを義務づけることが必要ではないか。  具体的には、宅地建物取引業法の中で、重要事項説明の項目としまして、管理規約における不利益な条項についてはこれは重要事項として説明をしなければならない、こういったようなことを、これは宅建業法の省令改正になりますが、この省令改正について検討をしていきたい、このように思っております。  ただ、より基本的なことは、そういう不利益条項自身がなくなるということがより基本的なことであるわけでございますので、私ども、先ほど申し上げましたような標準管理委託契約書というのを持っているわけですので、その中にはもちろん不利益条項というのはないわけですので、今ありますようなもの、若干いろいろな見直しをさせていただきたいと思いますけれども、それを使っていただくということがより基本的な解決につながるということで、あわせてそういう努力もしていきたいというように思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 今のお話で、宅建業法で見直しをするというのですが、今国会に提出の予定ですか。それからもう一つは、どれぐらいいろいろ期間がかかるのですか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 重要事項に盛り込む内容につきましては、これは宅建業法の省令でございます。建設省において実施をするということになります。重要事項については若干いろいろな見直しもしたいと思っておりますので、少しお時間をいただきたいと思いますが、余り遅くならないうちにこれも含めて省令改正をしたいというように思って、六月ごろまでにはやりたいということで、今準備をしているところであります。

中島武敏日本共産党

○中島委員 その次なんですけれども、管理業務委託契約書の問題について伺いたいと思っています。  これは、管理業務委託契約が非常に長期になっている場合があるのです。五年とか十年とか、あるいはもっと長くとか、そういうようなことになっている。ところが、契約解除の制限を行う。そういうことのために、非常に管理組合にとって不利な契約を押しつけられるということが一番問題になるわけですね。建設省の方では、さっきお話が出ておったかと思いますが、標準管理業務委託書をつくって指導しているそうなんですけれども、なかなか徹底されない面があるわけです。  この点について、管理組合にとって特に不利になるような規約について管理業者に指導する必要があるのじゃないかと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 現在、私どもが標準的な契約書として定めているものの中には、相手方に債務不履行があった場合には当然契約解除ができるということになっておりまして、ただ、そういった事情がないものについては、標準約款の中では契約の解除という規定は設けておりません。  今、先生の御趣旨は、債務不履行というのは当然であって、期間が非常に長い契約の場合に、例えば管理業者をかえたいというようなときに解除ができないのかということだろうと思います。もちろん、管理契約の期間によって、余り短期のものにつきましては、途中で債務不履行等の事由がないにもかかわらず解除をするということについてはやや問題かなというふうに思いますが、逆に、契約期間が非常に長期にわたるものについては、そういった債務不履行がない場合においても、場合によると契約の一定の期間を置いて契約の解除を申し入れるというようなことは確かに必要な面もあるのかなというふうに思っておりまして、この辺につきましては標準管理契約書自体を今いろいろ総合的に見直しをしておりますので、その中でいろいろ検討させていただきたいというふうに思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 それは大変結構な話で、よく見直していただきたいと思うのですが、今見直しの最中なんですね。どんなことを見直しの項目として考えていらっしゃるのか、念のためにちょっと教えてください。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 標準管理契約書につきましては、昭和五十七年にでき上がって以降、本格的な見直しをしておりませんので、管理組合あるいは管理業者を含めていろいろな御意見をお聞きしたいというふうに思っております。  先ほど修繕積立金の名義の話がありましたけれども、それの規定を明確にするとか、あるいは、定額的に払う管理費については前払い的になっているケースもあるので、そこについては両当事者で十分協議をしてルールを決めるようにというようなこと、あるいは、先ほど申し上げましたような契約解除の取り扱いをどうしたらいいのか、あるいは、まだまだいろいろな御意見があるかと思いますけれども、例えばそういうようなことを含めて検討しているところであります。

中島武敏日本共産党

○中島委員 一部に誤解も見受けられるようでありますけれども、管理会社が経理状況を明らかにしない、あるいはまた、管理組合が管理費の収支状況やその証拠書類の提出を求めても、それをも拒否するという事例があると聞いております。このことによって経理状況や決算を管理組合が把握できない、そういう事態が生じているというのですね。これについて、建設省としてはどんな指導をなさっておられますか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 先ほど管理組合の情報開示についていろいろ今検討しているというふうに申し上げました。それは、管理水準、サービス水準がどうかということ、あるいはまた、それに伴う負担がどれぐらいになるかというようなことのほかに、管理会社自身の経営状況とかいうようなことも含めて、どういったものについて情報が求められているのかということを十分踏まえながら、具体的な項目の一つとして、そういったものについても議論をしていきたい、このように思います。

中島武敏日本共産党

○中島委員 管理業者に対する法的な問題について伺いたいのですが、今さっきから議論しておりまして、やはり標準規約みたいなものをつくるとか、いろいろ、それは非常に大事だと思うんです。思うんですけれども、考えてみると、管理会社に対する法的な定めはないのですね。建設省の告示だとか、いろいろな形で指導をしているわけなんですけれども、だけれども、なかなかそれだけではどうも悪質な業者がこの問題について悪いことをやるという、そのすきがなくならないのですね。  それで、私は、現行の区分所有法できちっと決めたらいいのか、あるいは業務を委託する管理会社についての法的な定め、例えば、言ってみれば、管理会社業法といったようなもの、そういうものを検討したらどうかなという気を持っています。これは建設省独自の問題ではありませんので、法務省なんかともぜひひとつ相談を必要としている問題だと思うんですけれども、この辺、どうでしょうか。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 マンションの管理の重要性というのは先生御指摘のとおりでありまして、私ども、先ほども申し上げましたように、まずは管理業者の登録規程というのを設けまして、その制度を通じまして、業者の財務の状況だとか必要な責任者が置かれているかどうかというようなチェックをしておりますし、また、これも先ほど申し上げましたけれども、管理会社の情報をできるだけ開示する、こういったようなことを考えております。そういうことを通じて、管理組合も適切な管理業者を選択するという可能性は非常に高まってくるのじゃないか、私はこのように思っております。  今そういった努力をさせていただくということで、現時点では法的な制度までは考えておりませんが、いずれにしましても、登録業者だけではなくて、非登録業者も含めまして、管理業者の実態というものはこれからも十分把握はしてまいりたい、このように思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 これは、マンション問題についての最後の質問なんですけれども、管理組合にとっては、大規模修繕の際などの基礎資料であるところの建築確認申請書だとか設計図書、竣工図書が管理組合に引き渡されないという問題ですね。これに対してどんなふうに対処しておられるか。最近は非常に改善されてきているという話は聞いております。ところが、古いところはなかなかうまくいかないのですね。これは頭の痛い問題でありまして、建設省として、中古のところも含めての御見解をいただきたいと思う。

風岡典之建設省建設経済局長

○風岡政府参考人 御指摘の問題につきましては、マンションの分譲時に竣工の図面を交付するということで、新しくできるマンションについては比較的それがやりやすいわけでございますが、おっしゃるように、既往のものにつきまして、中古のものについては、場合によると図面がないとか、いろいろなこともありまして、なかなか徹底できないというようなことが実態だと思います。  しかしながら、私どもとしましても、マンションの管理事務所等に竣工の図面を置くように、購入者が閲覧できるようにというような指導をしてきておりまして、先ほど先生御指摘いただいたように、かなり改善はされてきているのではないかというように思っております。  新規のものと分譲のものと、若干その実現のペースは違うと思いますけれども、引き続き、そういった図面を適正に管理組合が持つということで指導していきたいというふうに思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 最後に、建設大臣に決意のほどを伺いたいと思うんです。  大臣、今までこれだけ時間を費やして問答をしてまいりました。さまざまな問題があることを御認識いただけたかと思うんですね。このたび、建設省は総合的な対策を打ち出されたことについても私どもは一定の評価をすることにやぶさかではありません。しかし、問題は、さらに内容を充実させていくということが必要だと思うんですけれども、この辺についての大臣の御見解と決意を伺いたいと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 お答えを申し上げます。  分譲マンションのストックの問題は、これは建設省の推計で、先ほどから申しておりますように、平成十年末で三百五十万戸、国民の約一割が居住しているものと見込まれますので、我が国の居住形態として定着をしておりますし、先ほど私が申しましたような、いろいろな新しい形態も予測をできますので、これは住まいというものが人の心の問題、安心感、安定感というものに影響がありますから、その意味で、先生の御指摘を重大と受けとめまして、私どももこれからいろいろ対応をしてまいりたい。特に都市に集中しておりますので、これは都市問題でもある、かように思っております。そういう意味で、居住環境に影響しますような問題として、私どもは建設省の住宅問題の大事な大事な課題として受けとめていきたいと思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 丁寧に答えてくださいと言っておったものですから、逆に今度は時間が詰まっちゃって大変恐縮なんですが、コンクリート劣化対策について大臣に伺います。  昨年は山陽新幹線のトンネルにおけるコンクリートの劣化による剥落事故が起きましたが、これは改めて我が国のコンクリート構造物の実態を明らかにしたものだと思います。言うまでもなく、建設省の方では、道路を初めとしてコンクリート構造物、インフラを建設し、維持管理している官庁であります。建設省として、この事態にどのように対応なさってきたかということについて、まず最初に伺います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 これは、山陽新幹線で六月の二十七日に剥離事故が起こりまして、これを契機にコンクリートの建造物全般について、耐久性の維持とかそれから向上する観点で検討するために、建設省、運輸省それから農林水産省によるコンクリート構造物耐久性検討委員会というのを組織しまして、昨年の九月から検討を実施してまいりました。本委員会では、コンクリートの構造物の現状を把握した上で、今後の点検とか補修それから施工システムなどのあり方を検討いたしまして、十一年度中に中間的な取りまとめを行う、大体三月ごろではないかと思いますが、三月いっぱいぐらいをめどにいたしまして、さらに道路とかトンネルについては緊急点検を行いますとともに、道路トンネル耐久性検討委員会を組織しまして、点検、維持、補修等について今後とも検討をしてまいりたい、かように考えております。  昨年九月の、関係省庁とともに設置したそういう委員会による、これから内容、いわゆる海砂、海の砂などによる塩分の問題に対しては、一九八六年に塩分総量規制が有効であったこと、それから耐久性向上のためには、水量を厳しく管理するのも一つの方法、そういうような内容の問題も含めまして、いろいろ対応してまいりたいと思っております。

中島武敏日本共産党

○中島委員 ちょっと飛ばしますが、最後に、吉野川問題についてなんですけれども、実は吉野川可動堰の問題について、予算委員会で多くの議員によっていろいろと質問をし、また大臣の方からも答弁がありました。日本共産党も、志位書記局長も大分やりました、春名議員も大いにやったわけであります。  それで、私は一点だけちょっと伺いたいと思っております。  それは何かというと、現在の吉野川水系工事実施基本計画は、基本高水のピーク流量を二万四千トン・パー・セコンドとして、上流ダム群によって六千トンをカットする、調節する、計画高水流量を一万八千トンにする、そういう計画になっております、これは岩津の地点で。  それで、上流ダム群によって六千トンカットするということになっているんですけれども、この六千トンというのは確実にカットできるんですか。どうも私が聞いているところによると、何か半分ぐらいしか見通しがつかないという話を聞いているんですけれども、どうなんでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 これは、聞いておりません。河川局長が来ておりますから、もしよかったら河川局長から答弁をいたさせますが。技術的な問題でございますし、高度に、ちゃんと正確なお返事をしなきゃいけないと思いますから、よかったら、河川局長に。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 大臣、登録していませんので、決議をしなきゃいけないんです。  では、理事でちょっと。     —————————————

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 この際、お諮りいたします。  政府参考人として建設省竹村河川局長の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 竹村河川局長。

竹村公太郎建設省河川局長

○竹村政府参考人 お答えさせていただきます。  ただいま御質問の吉野川水系工事実施基本計画は、昭和五十七年三月に、河川審議会を経て建設大臣が策定したものでございます。  先生御指摘のように、岩津地点におきまして、この吉野川の計画する高水は二万四千トンとして、上流ダム群で六千トンを洪水調節して、残りを河道に流していこうという計画になっております。そして、現在の段階では、柳瀬ダム、早明浦ダム、池田ダム、そして新宮ダムが完成しておりまして、そして現在試験湛水をやっておりまして平成十三年ごろから効用を発揮する富郷ダムがございます。これらのダムを合わせますと、約六千トンのうちの約半分の三千トンが洪水調節で有効に働くだろうと考えております。  なお、残りの三千トンでございますが、今後、調査検討をいたしまして、実現可能なダム地点を私ども探しまして検討を進めていきたいと考えておりますが、現時点では、どこにどのようなダム候補があるということはお答えするような段階に至っていないという段階になっております。  以上でございます。

中島武敏日本共産党

○中島委員 時間もないのでなんですけれども、三千トンがどこに行くということが決まらないままにずっと何年間も来ているということになりますと、岩津地点における一万八千トンを流下させるということが不可能になる、あるいは、どうしても一万八千トンを流下させようとするならば、一言で申しますけれども、もっとでかい可動堰をつくるとか、あるいは築堤とか掘削とか護岸とか水制とかいろいろ、要するに堤防で防ぐようにするとかいうような問題が起きてくるんじゃないかと思うんですね。これは理の当然なんです。しかし、私は、そうしなさいということを言っているんじゃないんですよ。全く逆なんです。そういうことになったら重大な問題なんですよ。大変な問題であります。  だから、私は、この際、志位書記局長も指摘をしたところでありますけれども、利水問題は要らない、こうなったわけですね。だったら、やはり工事実施基本計画を見直すのが当然じゃないかという指摘をしましたけれども、このことも含め、それからさらに言えば、改正河川法では、環境重視、環境の保全と整備、これも目的に位置づけたわけですね。こういう点からいえば、一番環境破壊に激しいのは可動堰だと思います。  いろいろな形を、けさもいろいろ問答がありました。ありましたけれども、私は、やはりこれはだめだなと。これはなぜかというと、環境破壊という点では、初めて河川法に位置づけたことがうまくいかない。そうなると、率直に言うけれども、これは白紙に戻して、そして住民の要求でもあり、また先人の知恵でもある固定堰であるあの例の十堰ですよ、第十堰、これも改修するというようなことも重要な選択肢にする必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。  私は、ここでもう時間が来ちゃっているから終わりなんですけれども、ちょっと大臣、やはり最後に聞きます。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 いろいろ検討させていただきます。

中島武敏日本共産党

○中島委員 では、終わります。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 中西績介君。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 私は、先般建設行政の基本施策に関する所信表明並びに国土行政に関する所信表明、この大臣の見解をお聞きいたしまして、この中で述べられておる事柄について、解釈の仕方によってはまた大きな開きが出てくるものですから、この点について確認をする意味を含めてお聞きをしたいと思います。  まず、所信表明の中にありますように「建設行政の基本的使命」、このくだりの中に「真に豊かな国民生活と活力ある経済社会を実現することにあります。」と記述してありますけれども、「真に豊かな国民生活」、このことの、豊かさの基準と言ってはなんですけれども、この受け取り方によってそれぞれ私と大臣の場合に違いがあるんではないか、あるいはまた、共感するところがあるんではないかということがうかがえますので、人間にとって本当の豊かさというのは何だろうということからいたしまして、この点をお聞きしようと思っています。  特に、基準という問題について、従来どおりに市場経済、競争社会の効率主義を基本とするような形でこれを推しはかったときに、私は、大きな問題があるんじゃないかというような気がするものですから、この点、どのようにお受けとめになっておるか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 結局、豊かさというのは、本人の心の満足の度合いではないか。何か禅問答みたいになりますけれども、畳一畳で生きていけますし、その意味では、住まいの広さというのはその人の感覚であろうと思います。  そういうものを総合して、これからの心の豊かさというのは何だろうかという御質問でございます。  そういう意味で、多様なライフスタイルがございますし、それからその人の環境に応じたライフステージというようなものもあるでしょうし、それからまた、快適な生活とか快適な住環境というのを実現するというのは、結局その人に合った感覚でその人に選択をしてもらう、そういう選択肢が多いというのも私は豊かな国民生活というのにつながってくるんじゃないだろうか。  それから、災害に対して安全で、高齢者とか、それから妊婦とか子供さんとか、そういう方々に安心して暮らしてもらえる生活空間、それから、私ども、幸せなことに山紫水明の国に住んでおりますから、そういう快適な緑の環境とか、通学に便利なところとか教育環境がいいとかそういうもの、それから、人、物、情報の生活の連携とか人との交流の場があるとか、そういういろいろな複合的な価値で、最後はその人の心の満足、足るを知る者常に富むなどというのがありますが、我足るを知るなどと、寛永通宝みたいな形で真ん中に口と書いて、よく書いてございます。  ですから、心というのは値段がありません。チューインガム一個は百円と決まっていますけれども、心には、同じものでも一億円の心もあるでしょうし、千円の心もあるでしょうし、ですから、それをどう選択していただくかというのは、その方の心の尺度に応じた生活環境、私は日本という狭いところに住んでいますから、今それぞれ、加工産業国で海岸にいろいろな施設をつくって日本は百年間発展してまいりました。今度は、それがどんどん奥地へ入っていって生活環境というのを充実させて、環境問題とか公害問題とかを克服して、どういうふうに国土を総合的に開発して、交通の利便やら道路の渋滞の解消とかいろいろなものを総合して、その方に住んでいただく環境に、その方の満足のいただくものをどんなふうにたくさんメニューをそろえるか、それが、私は豊かな国づくりではないかと思っております。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 今大臣が言われます豊かさという問題については、幾つものそうした条件というのがあるだろうと思いますね。  ただ、私、ここ十数年を考えてみたときに、バブルの時期、特に日本のそうした面における、今多く言われた面が軽視され、そして金さえもうければとかこういう方向に向けて突っ走り、そしてその結果が、崩壊をして、今こういう事態に立ち至っておるということを考えますと、むしろやはり本当に国民の皆さんが安心できるという一つの形態としては、こういうものがちゃんと備わること自体がなしに、ただ利潤の追求、効率化というようなことだけでやられたのでは、大変な誤りを犯すのではないかということを私は感じるわけです。  ですから、そうした問題について、今言われたこと、ほとんどがそういう面、豊かさの中に入るようなことを申されましたので私は安心したのですけれども、こうしたことを考えたときに、従来型の活力ある経済社会というようなことであのバブル期のような形でやられたのでは、まさに対立する形になってしまうんじゃないかと思うものですから、この点をもう一つ加えて、私たちは本当に両立できる体制というものを、例えば高齢化あるいは少子化、こういうこと一つとってみても、これらを満たすためには、やはり何といっても経済のあり方をどのようにこれに合わせて発展させていくかということを考えなくちゃならぬわけです。こうしたことからすると、この中にも書かれてある両立ということが、私は正当性のあるものだというふうに感じるわけですけれども、そのように受けとめていってよろしいかどうか。大臣、この中に全体的に含まれている問題、どうでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先生御指摘のように、いろいろ二極化してきているような感じがありまして、一億円の株が出てくるかと思ったら、長い間伝統と歴史のある企業の株がなかなか低迷をしているというような、そういうことで、そういう企業に働いていらっしゃる方々の生活の環境も雰囲気も変わってくる。また、家に座ってコンピューターをやっているだけで大もうけする人がいる。それをどう調整していくかというのは、国家のこれからの大きな使命でもあります。  それからまた、三世代が一緒に住んでいて、心のゆとりのある、おばあちゃんの言うことをよく聞くお孫さんとかそういうのと、親と二階と下に住んでいても全く話もしないで、どこかのお嬢さんを九年間も二階に置いていたなんていう、そういう不思議な日本の雰囲気は、先生も元高校の先生をしていらしたのですから、これは教育というのは二十年しないと結果が出ません。  私は、これは建設行政だけで物を語るのじゃなくて、日本というのは、今ここで立ちどまって、先生のおっしゃるような心を充足するようないい国をつくるためには、一体日本人て何だろうかという、もう一回そこから見直していって、それで公共の福祉を考え、それから公共投資がどうあるべきかを考え、教育がどうあるべきかを考え、それから政治がそれにこたえられるような信頼性をいかに築いていくか。  先ほどから吉野川の住民投票の話がありますが、日本国憲法のいわゆる前文の最初には、正当に選挙をされた代表者を通じて日本は政治をするということを書いてありますが、私どものそういう何か信頼が崩れてきているというのは、政治の世界だけでなしに家庭も、そういうことですから、行政に対する信頼も、そういうものをすべて、何か土砂崩れ的な感覚を私も最近寂しく思っておりますものですから、そういう問題をどう築いていくかという大きな基盤が私は建設行政の中にも入ってこなければいけない。  物をつくるということは経済の繁栄の根底なのでございますから、お年寄りのお世話をして、それが経済の繁栄につながるというのは、これは余りプラス効果の方を感じませんものですから、お年寄りが幸せに世話をしてもらえるような国家を築くための経済力を養うのが、公共投資を充実して、日本国家建設というものをもう一回、新しい、心の満足を得られるような国家として形成する、そういうことが私は総合的に必要なのじゃないか。私は、先生のおっしゃっていることと同じことを言っているという気持ちで申し上げていますのですが、お互い大体年齢的にそんなことが心配になってくる時代じゃないかなと思っております。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 今までお聞きをしまして、私は、この中にございます「我が国が少子高齢化、地球規模での環境問題の深刻化など歴史的な転換期を迎える」という、この歴史的転換期というその意味、ここが一つの大きな問題指摘じゃなかったかと思っておるものですから、そうすることによって住宅・社会資本整備あるいは利用、保全を総合的に推進する、こういうことになっております。ただ、私はちょっと心配したのは、その後の「景気回復と経済新生に向けた取組」という中に、その前にもありますけれども、公共投資や住宅投資により引き続き景気を下支えするという前に、日本経済を新生させる発展基盤を築くために公共投資というようなことが言われておるものですから、この公共投資の質的なものそのものを、こういう今までの前提からいたしますと、相当これは考えなくちゃならぬということを意味しておるということがわかりました。したがって、そのように受けとめてよろしいかどうかですね。  そのことは、また一面からいいますと、今までの建設行政なり国土行政の中におけるあり方をやはりもう一度総括的なもの、反省をした上でというようなことでやっていく必要がありはしないかということを感じるものですから、この点はどうでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 先生のおっしゃること、非常に貴重だと思います。  要するに、これは学校も公共投資の中に入っているわけでございますから、昔は、明治には地方の藩がいろいろあった、そこにたくさん偉い人がいた、そこに弘道館とかいろいろな藩の師弟を育てる組織があった。それにナンバーを振って、第六高等学校とか第五高等学校とか第七高等学校、第三高、一高というような学校を、日本じゅうにナンバーを振って、あちこちに行って、地方から人材を中央に集めてきて、日本は教育をした時代がありました。それが、日本が未曾有の敗戦で、対立する両陣営のはざまにあって、日本というのは、どっちに向いてもぐあいが悪いので、何かすくんでしまったみたいなところがあった。日本独自が持っていた伝統とか歴史とかいうようなものがそこで失われてしまって、一体日本は何を目標にするんだろうかと。  山本七平先生がおっしゃっておられたことが私このごろ気になるのでございますが、戦後の十五年間、二十年から三十五年まではわだつみの時代、戦争反省の時代、その次の十五年、三十五年から五十年まで、三十五年というと、池田勇人総理大臣で、一兆円を超えたという、日本の予算が一兆四千億だったと思っておりますが、それからの十五年が上を向いて歩こう、経済繁栄の時代、それから、六十四年で昭和は終わりましたが、五十年から六十五年までが伝統見直しの時代、それを過ぎたら、日本は日本の国家の目標を失うと、私におっしゃったことがありました。  何か国家目標というものを失ってしまった日本が、ここで、新しい、先ほどから申しておりますような米ソの対立それから五五年体制の崩壊、そんなものが決まったときは、どうなんだといえば、国会の運営の方法も変わったことを私は本当にうれしいと思っております。  変な例えでございますが、サン・テグジュペリという「星の王子さま」を書いたフランスの小説家が、愛というのは何だ、愛というのは見詰め合っていることじゃない、同じ方向を向いて歩いていくこと、これが愛だと言っております。私は、そういう政治の世界で、お互いが日本を愛するという新しい愛国心みたいなもので、同じ方向を向いて与野党が歩いていくこと、お互いが本当に虚心坦懐に、心を開いて語り合って、どうしたらいいかということを最終的に国会の場で、初めは対立するかもわかりませんが、最後は国会の場に持ち寄って、それが一つの方向に向いていく。私は、そんな国が、理想の新しい愛国心を築く日本じゃないかなと、勝手な自分の私見を申しますと、そんなふうに考えております。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 愛国心問題はまた別にしますけれども、いずれにしましても、この一番最後、基本的使命の最後の方にありますように、「次世代が夢と誇りを持てる国土づくり」、ここはやはりこれから後の大きな計画を含めて、大変大事なくだりではないかという気がするのですね。  したがって、今までの国会なりあるいは行政のあり方というのは、長期計画ということを余り行政の皆さんは好きでなかったのですね。というのは、五五年体制時代のこだわりがあったものですから。それ以外にもいろいろ理由はありましたけれども。したがって、今あなたがおっしゃったようなことを含めて、長期にわたる展望と計画というものがやはりなかなかつくりにくかったことも一つの理由ではないかと私は思っています。  したがって、ぜひ、夢と誇りを持ち得るものをイメージできる、そうした計画というものを徹底的に論議してつくり上げていくということが極めて重要だ。その中で、公共事業が、今この分野はあるべきだとか、この分野はむだなんだということを、もう余りこだわらずに、切り捨てるなら切り捨てるということをやっていくようにしないと、ただ討論の中で対立するだけであって、それは依然として生き続けていくというような。  したがって、ダム問題を初めとする多くの問題が、例を挙げるとありますけれども、きょうは挙げませんが、そうした問題等についても、やはり徹底的にこれから論議を尽くすべきではないか、こう思っておりますので、この点を付言しておきたいと思います。これをやると、言葉じりをとらえるようで大変失礼なものですから、そういうつもりでやっておるわけではありませんので、この点だけはひとつお許しいただきたいと思います。  三ページに「豊かな環境の保全と創造」というところがございますけれども、ここに、地球温暖化問題を初めとする地球規模の環境問題の深刻化に対応する、こういう言葉があります。そのために、循環型の社会の構築に取り組んでまいりますというように書かれてあるのですが、この地球温暖化という、現時点における受けとめ方の違いによって、政策もうんと違ってくるんじゃないか、早めなくちゃならぬ分も、のんびりすることだってあり得るわけですから、そのことの受けとめ方を、私は極めて深刻に受けとめておる一人なんです。  この部分については、大変失礼ですけれども、大臣の場合にはどのように受けとめておられるか、お答えいただければと思います。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 私も重大に受けとめております。  本当に、数十年前といいますか、考えられもしなかったような問題が政治の中心になってきまして、これは太陽から適当な遠さにあるからこれだけの人間が生きている、ほかには、我々のような人類が生きているような、今のところ見つからない。これが太陽からもうちょっと遠かったら、これは氷の世界になってしまうという微妙なところに、この地球という位置をもらっている。その中でお互いが、工業が発展してきますと、今までエネルギーが、石油とかそんなのが見つかるまでは、木を切ったりして燃料に使っておりました。  私も、アフリカに毛布を送る運動というのをしたことがございます。百三十万枚ぐらい集めて送ったときに、そのころは、それがほとんどどうも兵舎に入ってしまうのじゃないかというようなあれがありました。木がないのですね。ですから、アフリカというところあたりが、どんどん荒涼とした大地になっていく。ちょっと灌木が生えると、それを木を切ってしまう。片一方では、どんどん石油をたく。かつてはアマゾンの周りの森林が地球の酸素の二五%を提供していたというのが、このごろは、ラニーニャとかエルニーニョとかいう地球の温暖化で、インドネシアの方に来なきゃいけない季節に雨が降らないとか、日本の周りで台風ができていくとか、そういうことです。  これは個人的なことでまことに申しわけないのでございますが、私のおやじは、戦前、三期国会議員をやっておりましたが、そのときにいつも言っておりましたのは、私は広田弘毅さんが書いた「大自然」というのを持っておりますが、うちのおやじは、陸軍の偉い人とか海軍の偉い人とか政治家の偉い人に、みんな同じ字を書かせております。「大自然」と書かせているのです。  自然に逆らったら必ず人間は滅びるぞということをあの戦前に言っておりましたから、私は、そのおやじの言っていたことをこのごろ本当に、自分のおやじの自慢みたいになって恐縮なんでございますが、そういう教育が早くなされないと、地球全体の環境の問題というのは大変な方向に向かっていくな。特に、高度に経済が発展してきたところはそういうような意識がありますけれども、そうでない地域というのは、いつも南北対立が起こりますから、これはどういうふうに解決をしていったらいいのかというのは、みんなで考えて対応していかないと、我々は本当にごみの山に埋まって、そしてそれをどう消去するかという方法でまた行き詰まって、文化が高くなればなるほど人の心が乱れて、そして行き詰まっていく。  それをどう克服するかというのは、いわゆる循環型の社会をつくるための建設行政とか、それから国土の総合開発をする国土行政とかというものの重要さは、狭いところで、山ばかりの国家の中にたくさんの人間が一緒に狭いところで住んでいて、そして急峻な川とか非常に急峻な山とか、そういうものを持っている国土の環境全体をみんなで理解して対応していくようなことをしなければならないんじゃないか、こう思っております。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 ですから、今言われましたように、深刻に考えておられるということでありますので、往々にして、技術なり科学なりが進んでまいりますと、自然に対抗して何かできるような錯覚、思い上がりみたいなものが、やはりやっておればおるほど芽生えてくる可能性があると私は思うし、また、経済発展至上主義的な理念からいたしますと、便利さを追求すれば、そのことがすべて我々人間にとって大変な豊かさをという、こういう感覚に陥ってしまうわけですね。  ですから、こういうことを考えますと、従来型の国土計画あるいは建設行政というものは、二十一世紀に向けては、今あなたがおっしゃったようなことを含んで、先ほどからの話と続けて、やはり一定の内容的なものもある程度変えていくという、根幹にかかわる問題ですから、よほどこれはやらないと、そこで育った人たちというのは、それを変えることは大変困難だと私は思うのですね。ですから、この部分はやはり相当の英断を持ってやる必要があるだろう。  今度、これから後、行政改革をやりますけれども、そうすると国土と交通関係、すべて一体的なものになっていきますね。そうなってまいりますと、なおさらこうした問題等について、先ほどから出ているコンクリ一つをとってみても問題はあるわけですから、こうした多くの問題を抱えておる現状の中では、地球温暖化に向けてさらにどのようにしてやっていくのかということが大きな課題になるだろう。  そういうことになってまいりますと、次に循環型社会の構築をうたっておりまして、沿道の騒音、あるいは大気汚染に対応して、経済社会を支える道路の役割、あるいは沿道の生活環境保全の両立を目指すなどという言葉がここにございますけれども、これまでの問題点なりこうしたものがやはり本格的に反省され、あるいは、そのイメージはやはり不鮮明な形の中ではできにくいと私は思いますね。  先般も、一月末に尼崎の公害訴訟の判決等が出たわけでありますけれども、これがあるなしにかかわらず、従来からずっと言われてきたけれどもいまだに解決していないという分野がたくさんまだ残っておるだけに、こういう問題というのは、やはり本格的にこの種問題を重要視してやるということ、そして人間のやはり生命をという、そしてそれは今度は一般の自然の場合としたときに、対立するものでなしに共生するという形にしないと、私は、人間だけが優位になるということは到底できにくい話でありますから、ぜひそうした点について、我々がイメージが持てるように、いち早い計画的なものをある程度策定するなり、大論争を起こしていただければと思うのですが、この点、どうでしょう。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 変な例えでこれも恐縮でございますが、一軒の家の中にも応接間もありますし、それからトイレもあります。人間、食べると排せつというような問題がありますが、これをいわゆる住宅環境の上では解決をしてきて、いわゆる浄化装置をどういうふうにして、下水道をどうあれしていくか。昔は、かわやという名前がついているぐらい、近くの川の上で排せつをして、東南アジアなんかへ行くとまだそういうところが残っていますが、それが、世界じゅうが交流をしない時代はその場で解決していたのかもわかりませんが、地球全体を考えていくということになりますと、そういう意味で、必要悪と不必要悪というのをどう共存させるかというのが課題だと思います。  その意味で、今度、国土庁の方でも大深度構想なんというのを出しまして、今関西電力が地下七十メートルを使っておりますが、各省庁も、先ほどから出ております運輸省と道路というのも、隣は何をする人ぞみたいな感じで余り触れ合いがなかったのですが、それが今度は、道路と交通行政が一つになる。  それから、今度は、先ほどから出ております農林省の山の問題、これは最近議員立法を非常にやっていただきますので、そういう面の調整に、国会が議員立法されることで、行政のその合間を埋めるといいますか、私はそういう機能が最近の国会に高まってきたように思っておりますから、その意味で、国会がその間をとっていただいて、一府十二省になります役所の中でのスムーズな、いわゆる高度に発展をしました国家ではありますけれども、尼崎を見ても、道路が本当に隣接して狭いところに行っておりますし、大津のあたりを見ましても、高速道路と新幹線が隣同士で走っておりますから、ああこんなところで大事故があったらどうなるのかなと、私いつもあそこを通ると思います。  それを、先生の御指摘になられるような、公共事業を環境とかそんなものでどういうふうに克服していくか。道路が全部つながりますと、平均で八十キロで走りますとCO2もNOxも解消できる。今、東京、大阪は大体十八キロから二十キロでしか自動車は走っておりませんから、これがまた公害問題を増幅していく。ですから、道路なら道路、例えば一万四千キロの高規格幹線道路、まだ七千七百三十七キロぐらい、四三%ぐらいの進捗率しかありませんから、この道路でいかにスムーズに車を動かすか。そうやっていましたときに、電気自動車みたいなもの、このごろ役所でも使っているところがありますが、そういうものが出てくると、これも調和がとれてくるのかな。  その競争だと思いますから、人間の意識がそこへしっかりと定着をして、どういうふうにこの地球環境に適合した日本国をつくり上げていくかというのが、これからの国会と行政の責務になると思います。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 それで、今言われた公害訴訟の問題でありますけれども、一定限度を超す排ガス有害物質について排出差しとめの命令まで出るぐらいになっておるわけですから、こうした問題が依然として残っておること自体が、私も、これだけ発展した日本の国でありながらまだ手がけられない、どこにその弱さがあるか。こうした問題がやはり基本になる。このような地球をどう維持するか。ここいらは基本がやはり多くの皆さんの中に、だから、企業だって大変なコストがかかるということだけで、もうこれを阻止するわけでしょう。  ですから、こうした問題等は、大合唱をどう起こすかということになるでしょうから、建設行政の中におきましても、そうしたものを受けて、きょうは建設省の皆さんもいらっしゃるので、大臣だけでなしに、皆さん十分こうした点について御理解をいただければと思います。  それから、あと余り時間がありませんが、災害に強く、安全で、安心できる国土の形成ということについて、ちょっとお聞きしたいと思うのです。  科学技術、特に道路工学だとか建築工学を含めまして、発展したということによって、昔であれば危険地域として不適地あるいは禁止をする土地に家を建てたり、あるいは自然流水量による予測を超えるもの、これを今、百年に一回、百五十年に一回だからどう克服するか。こういう自然の猛威に対して力で何とかやろう、対応しよう、こういう考え方が、今やはり依然として行政の中で施行されているわけですね。  そうなってまいりますと、先ほどから大臣も言われました異常気象の問題等からいたしますと、大変な、財政的にもそれに耐え得る状況にあるかどうかということを考えたときに、むしろ昔の皆さんが経験の中で生み出したようなこと、例えば、ある程度土手を強化しておきさえすれば、来る流量が多くなれば越えていく。そのときには、低い地域は水が停滞をする。そのときには、むしろ家が二階、いわゆるげた履き的につくっておったという地域だってあるのですね。私はこれの方が賢明じゃないかという気がするのです。ですから、そういう地域においては下は浸水したとしても大被害にならないようにするということになれば、そういう建築をやるときには例えばある程度減税措置をしてやるとか、そちらの方が私はむしろ国家財政支出からすると少なくて済むんじゃないかというような気がするのですよ。ですから、そういう無理から無理を重ねてやっていく、こうした点等については、それに耐え得る建築様式をどう考えるかということをむしろ推奨したり、いろいろな施策というものがあるのではないだろうか。ですから河川改修などについても、そのあり方をさらにそうした面から考えるということにした方が、私は結果的には、この自然の環境からいたしましてもすべてが守れる、こうしたことになってくるのではないか。  こういうことを考えますと、自然を敵対的に位置づけるのでなしに、あくまでもやはり、自然といかに共生し、そしてむしろそれをうまく活用するかということの方を、私は発想転換を求めていく必要があるのではないかと思うのですけれども、これらについてどのようにお考えですか。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 人間、衣食足って礼節を知る、国家レベルでは衣食足って公害を知るという形になってきたような気がいたします。  今のお話のような、かえってかさ上げをして、この間木曽三川を見に行きましたら、水害が来たときにちゃんと家だけが、倉のようですが、それが水の上に出るようになっている。私も淀川の北側に住んでいますけれども、私の家も二メートル初めから上げています。昔から、川はいざというときはどっちか破らなければいけない。被害の、損害の少ない方を破るというのが常識のようでございましたから、淀川は右岸を破るというような形になっておったように思います。  それを、先生のお考え自体が最近河川局で考えておりますスーパー堤防、スーパー堤防というのは、地面ごと上げてしまおう、そして下に川が流れるようなところをつくろうということでございますから。しかし、私どもの大阪の西淀川とか此花を見ていますと、天井川でございますから、もし浸水しましたら、大阪の日本一の地下街は三十分で水浸しになるだろう。この間、地下で死んだ人が二件ほど出ていますが。  これが、これからの心配になる日本の住環境、都市環境だと思いますので、その辺は先生の御指摘のとおり私どもも留意して、自然というものには逆らえません。逆らえない自然にどういうふうな行政的な、いわゆる危険信号をどう出していくか、危険信号にいかに乗っていただくかといいますか。そういう善意の行政、今まではブラックボックスみたいなところが一部ありましたが、知らしむべからず、よらしむべし、おれたちがちゃんとやるんだから黙ってついてこいみたいなところがありましたけれども、そういう時代じゃございませんから、私はその意味で、善意の行政と善意の民意とが一致する場所みたいなものをどうつくり上げていくかというのがこれからの大切な、先生のおっしゃるお心を酌んで申し上げるならばそういうことではないかと思っております。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 そうした意味で、吉野川可動堰問題等についても、どうこれから行政として追求をしていくかということになるでしょうから、そうした問題等をやはり含んでいただくと同時に、先ほど出た都市構造一つをとってみてもまた大きな問題もあるわけですから、こうしたことを含めますと、災害がある程度はあったとしても最小限に食いとめられるという、全部を阻止、とめてしまうということでなしに、その方がむしろ被害は減少されるだろうし、むしろ国家財政から考えますとそれの方が有利じゃないか。素人の考えですからまた誤りもあると思いますけれども。  最後に一つだけ。阪神・淡路地域の復興対策本部が二月二十三日、設置終了になっています。神戸市民あるいは住民の受けとめ方がどのようにこの五年間なっておるか、そのことによってまた私は、災害に対応する、これから地震国日本のあるべき姿も追求されなくてはならぬと思うのですけれども、簡単で結構ですから。

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 平成七年一月十七日に起こりました阪神・淡路大震災も、昨日で事務局も看板をおろしました。  五兆二百億円という国費を使ったわけでございますが、略奪行為も何も起こりませんで、いわゆるボランティア活動が結集しましたりして、ある意味で大変な、日本の優しさというようなものを世界に示したし、これだけの短期間の間に立派な復興をなし遂げたという技術力の高さも世界に誇り得るべきものだと私は思っております。  そうはいっても、六千四百三十二名の方々の犠牲が出ました。その方々の後の問題、心のケア、それからおけがなすってまだそのまま入院の方もいらっしゃいます。それから生活に困っていらっしゃる方もいらっしゃいます。高齢でひとりぼっちになった方々、そういう方々のお世話をするために局長クラスの協議会、それから課長クラスの幹事会みたいなものを設置して、引き続き今後の万全の対策をとってまいりたい、かようなふうに考えております。

中西績介社会民主党・市民連合

○中西(績)委員 終わりますが、神戸問題についてはまだ多くの問題があるようですから、また後日討論させていただきますが、いずれにしましても、きょう大臣からお伺いして私も安心しました。ぜひ、強力なそうした指導性を発揮していただくことを念じて、終わります。      ————◇—————

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 次に、内閣提出、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。  まず、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について趣旨の説明を聴取いたします。内閣官房長官青木幹雄君。     —————————————  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

青木幹雄自由民主党・自由国民会議内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○青木国務大臣 ただいま議題となりました明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法は、貴重な歴史的文化的遺産が残る奈良県高市郡明日香村の歴史的風土を、住民の理解と協力のもとに保存するため、土地利用の規制並びに同村における生活環境及び産業基盤の整備等に関する計画に基づく事業に対する国の財政措置の特例を規定しているところであります。  この財政措置の特例については、平成十一年度末で期限が切れることとなりますが、今後とも同村の歴史的風土を保存することは国家的課題であることから、平成十二年度以降につきましても引き続き新たな明日香村整備計画を策定し、事業を着実に推進するため、国の財政措置の特例を平成二十一年度末まで十年間延長するものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いをいたします。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 次に、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案について趣旨の説明を聴取いたします。国土庁長官中山正暉君。     —————————————  国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 ただいま議題となりました国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  国土調査は、国土の開発、利用等に資するとともに、あわせて、地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的かつ総合的に調査することを目的として行われるものであり、その成果は、不動産登記行政の基礎資料として活用されるほか、公共事業の円滑な実施や土地利用計画の策定、災害の際の円滑な復興などに必要な基礎となるものであります。  今日の土地政策の目標は、所有から利用へとの理念のもと、土地の有効利用による適正な土地利用の推進を図ることであり、これにこたえるためにも、その基礎となる国土調査の促進がぜひとも必要であります。  このような国土調査の重要性にかんがみ、その計画的実施を促進するため、政府は、国土調査促進特別措置法に基づき、平成二年度を初年度とする十カ年計画を策定して事業を進めてまいりました。  この計画は、平成十一年度をもって終了することとなっておりますが、なお、今後とも国土調査の計画的実施を促進する必要性がありますので、さらに、新たな十カ年計画を策定する必要があります。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、内閣総理大臣が新たに平成十二年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすることを内容とするものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。  ありがとうございました。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案の両案について、順次趣旨の説明を聴取いたします。建設大臣中山正暉君。     —————————————  農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案  特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

中山正暉自由民主党建設大臣・国土庁長官

○中山国務大臣 ただいま議題となりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  この臨時措置法は、居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を促進するとともに、水田の宅地化に資することを目的とするものであり、昭和四十六年の制定以来、過去六回の改正を経て、現在は平成十一年度まで適用期限が延長されております。  これまで、この臨時措置法により、農協資金等を積極的に活用した農地所有者等による賃貸住宅の供給が行われてまいりましたが、三大都市圏など都市地域においては、良質な賃貸住宅の供給の促進を図ることがなお大きな課題となっており、この臨時措置法は、今後とも、住宅政策上重要な役割を有するものであることから、その適用期限を延長する必要があると考えております。  以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を御説明いたします。  この法律案におきましては、農地の所有者がその農地を転用して行う賃貸住宅の建設等に要する資金の融通について、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる期限を六カ年延長し、原則として平成十八年三月三十一日までとすることといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願いをいたします。  次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  この臨時措置法は、三大都市圏の特定の市の市街化区域に所在する農地について固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、その宅地化を促進するために必要な事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減等の措置を講ずることを目的として、昭和四十八年に制定されたものであります。  大都市地域においては、良質な住宅宅地が依然として不足し、職住近接のゆとりのある居住へのニーズも高まっております。こうした中で、住宅宅地の計画的な供給を図っていくためには、低未利用地の有効・高度利用等とあわせて、引き続き、市街化区域農地の宅地化を促進していく必要があります。  このような状況にかんがみ、特定市街化区域農地の宅地化の促進を図るため、この臨時措置法に基づく措置について、期限の延長等の改正を内容とする本法律案を提案した次第であります。  次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。  この法律案におきましては、土地区画整理事業の施行を市に要請できる期限及び住宅金融公庫の貸付金利の特例措置の適用期限をそれぞれ六カ年延長し、平成十八年三月三十一日までとする等の改正を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。  ありがとうございました。

大口善徳公明党・改革クラブ

○大口委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十五分散会

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