決算行政監視委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 329 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/04/20
会議録
○坂上主査 これより決算行政監視委員会第三分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願いいたします。 本分科会は、総理府所管中警察庁、経済企画庁、環境庁、農林水産省所管、農林漁業金融公庫、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、自治省所管及び公営企業金融公庫についての審査を行うこととなっております。 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。 平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件中、本日は、総理府所管中警察庁、経済企画庁、環境庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。 これより総理府所管中経済企画庁について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。堺屋経済企画庁長官。
○堺屋国務大臣 平成八年度及び九年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成八年度の当初歳出予算額は二百七十五億九千五百一万円余でありましたが、予算補正修正減少額四億六千十一万円余、予算移しかえ減少額五億七千七百十四万円余を減少いたしますと、平成八年度歳出予算現額は二百六十五億五千七百七十四万円余となります。 これに対しまして、支出済み歳出額は二百六十二億三千七百四十一万円余であり、歳出予算現額との差額三億二千三十三万円余は不用となった額であります。 次に、平成九年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成九年度の当初歳出予算額は二百二十六億三千六百二十万円余でありましたが、予算補正修正減少額四億七千二百七十七万円余、予算移しかえ減少額五億五千六百四十五万円余を減少いたしますと、平成九年度歳出予算現額は二百十六億六百九十七万円余となります。 これに対しまして、支出済み歳出額は二百九億二千七十万円余であり、歳出予算現額との差額六億八千六百二十七万円余は不用となった額であります。 以上、平成八年度及び九年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。 何とぞよろしく御審査のほどお願いいたします。
○坂上主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院石野審議官。
○石野会計検査院当局者 平成八年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○坂上主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂上主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂上主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、経済企画庁については終了いたしました。 —————————————
○坂上主査 これより通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。
○深谷国務大臣 おはようございます。 平成八年度及び平成九年度通商産業省所管の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 初めに、平成八年度の決算の概要でありますが、まず、一般会計歳入歳出決算につきまして、御説明いたします。 通商産業省主管の歳入でありますが、歳入予算額百六十六億円余に対し、収納済み歳入額は百九十七億円余であり、差し引き三十一億円余の増加となっております。 次に、通商産業省所管の歳出でありますが、歳出予算現額一兆九十八億円余に対し、支出済み歳出額は九千七百五十一億円余でありまして、その差額三百四十六億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は百九十八億円余であり、不用となりました額は百四十八億円余であります。 次に、特別会計について申し上げます。 第一に、電源開発促進対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は五千七百三十六億円余であり、支出済み歳出額は三千六百二億円余でありまして、その差額二千百三十四億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は三百七十三億円余であり、剰余金は一千七百六十一億円余であります。 第二に、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は九千七百九十八億円余であり、支出済み歳出額は五千五百二十億円余でありまして、その差額四千二百七十七億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は一千七百八十二億円余であり、剰余金は二千四百九十五億円余であります。 第三に、アルコール専売事業特別会計でありますが、収納済み歳入額は四百八十六億円余であり、支出済み歳出額は三百二十二億円余であります。 第四に、貿易保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は六千九十八億円余であり、支出済み歳出額は五千九百九十七億円余であります。 第五に、特許特別会計でありますが、収納済み歳入額は一千二百九十七億円余であり、支出済み歳出額は七百二十二億円余でありまして、その差額五百七十五億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は三億円余であり、剰余金は五百七十一億円余であります。 次に、平成九年度の決算の概要でありますが、まず、一般会計歳入歳出決算につきまして御説明いたします。 通商産業省主管の歳入でありますが、歳入予算額百九十九億円余に対し、収納済み歳入額は二百五十八億円余であり、差し引き五十八億円余の増加となっております。 次に、通商産業省所管の歳出でありますが、歳出予算現額九千七百八十三億円余に対し、支出済み歳出額は九千五百三十九億円余でありまして、その差額二百四十三億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は百十一億円余であり、不用となりました額は百三十二億円余であります。 次に、特別会計について申し上げます。 第一に、電源開発促進対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は五千七百二十四億円余であり、支出済み歳出額は三千四百八十三億円余でありまして、その差額二千二百四十億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は四百六十九億円余であり、剰余金は一千七百七十億円余であります。 第二に、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は一兆三百四十五億円余であり、支出済み歳出額は五千七百五十八億円余でありまして、その差額四千五百八十七億円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は一千七百八十二億円余であり、剰余金は二千八百四億円余であります。 第三に、アルコール専売事業特別会計でありますが、収納済み歳入額は五百十七億円余であり、支出済み歳出額は三百三十一億円余であります。 第四に、貿易保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は四千五百四十九億円余であり、支出済み歳出額は四千五百十三億円余であります。 第五に、特許特別会計でありますが、収納済み歳入額は一千五百七十一億円余であり、支出済み歳出額は八百十一億円余でありまして、その差額七百五十九億円余は全額剰余金であります。 以上をもちまして、平成八年度及び平成九年度における通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算の概要に関する御説明を終わります。
○坂上主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院諸田第五局長。
○諸田会計検査院当局者 平成八年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしたものは、不当事項十件であります。 検査報告番号二二一号から二三〇号までは、いずれも国庫補助金を原資とする中小企業設備近代化資金の貸し付けにおいて、借り主が、設備を無断で売却したり、貸付対象事業費より低額で設置したり、設備を設置していなかったりなどしていて、補助の目的に沿わない結果になっていたものでございます。 平成九年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項九件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、不当事項について御説明いたします。 検査報告番号二三〇号から二三八号までの九件は、国庫補助金を原資とする中小企業設備近代化資金の貸し付けにおいて、借り主が、設備の設置に必要な長期資金を金融機関から借り入れた後に重複して貸し付けを受けたり、設備を貸付対象事業費より低額で設置したり、みずからの事業の用に供していなかったりなどしていて、補助の目的に沿わない結果になっていたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、中小企業設備貸与事業の財源調達に関するものであります。 中小企業設備貸与事業の財源調達に当たり、都道府県の特別会計において、中小企業者に貸し付ける直貸し資金に多額の資金余剰を生じている一方、設備貸与事業を行う貸与機関に貸し付ける貸与資金に資金不足を生じているものがあるのに、資金を相互に融通するなどしておらず、国からの補助金等により資金を追加造成しておりました。また、貸与機関において、多額の内部資金を保有しているのに、貸与財源に充当できる自己資金の範囲が内部資金の一部に限定されていることから、貸与財源の大半を中小企業金融公庫等からの借入金で調達しており、内部資金は当面使用する見込みのない資金余剰となっている状況でありました。 このため、特別会計の資金の有効活用が図られておらず、また、貸与機関において、同公庫等からの有利子の借入金の削減が図られておりませんでした。これについて指摘したところ改善の処置がとられたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 次に、平成八年度中小企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度中小企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成八年度中小企業信用保険公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度中小企業信用保険公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 以上でございます。
○坂上主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。
○深谷国務大臣 平成八年度及び平成九年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じております。 これらの指摘事項につきましては、直ちにその是正の措置を講じたところであり、今後このような御指摘を受けることのないよう一層努力をいたしたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○坂上主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂上主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂上主査 以上をもちまして通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の説明は終わりました。 —————————————
○坂上主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。達増拓也君。
○達増分科員 自由党の達増拓也でございます。 私は、まず、中心市街地活性化の問題について質問をさせていただきたいと思います。 二年前、通常国会で中心市街地活性化法が成立いたしました。これは、シャッターが閉まったままになっている店ばかりの商店街がふえている、また、郊外型大型店がどんどん進出するんですけれども、その大型店同士の過当競争で町全体のバランスが非常におかしくなる、そういう問題。これは、我が国のみならず、一足先にそういう郊外型大型店が発展した欧米でも同様の問題が生じ、そして、一足先にこういう中心市街地活性化ということを欧米においても進めている。そういうことも参考にいたしまして、やはり、その町で昔からある中心地、昔からあるその町の商店街を中心とした町づくりをやっていかなければだめだ、そういう基本的認識に基づいて中心市街地活性化法が成立したわけであります。 それから二年たつわけでありますが、その運用状況について伺いたいわけであります。特に、この中心市街地活性化法のもとでは、市町村やあるいは商店街といった地域地域のイニシアチブ、主導権が重視されているわけでありまして、市町村ごとに基本計画を策定し、また、タウン・マネジメント・オーガニゼーション、そういう町づくり機構のようなものを官民一体となってつくって、役所主導だけではない、民間、商店街あるいは地域住民のイニシアチブ、主導権も尊重してやっていこうということなわけでありますけれども、その辺の状況、いかがでしょうか。
○杉山政府参考人 ただいま御質問のございました中心市街地活性化法でございますが、平成十年の七月に施行されました。現在までに二百二十六の基本計画が市町村において策定をされております。また、いわゆるTMOにつきましても、四十一件のTMO構想が市町村によって認定をされているという状況でございます。 政府といたしましては、関係十三省庁の統一窓口をつくりまして、そこで市町村等からの相談に対応しておるわけでございますが、現在までのところ、四千七百件を超える問い合わせ、相談に応じているという報告を受けております。また、関係省庁の連絡協議会をつくりまして、各省庁が連携をして具体的な事業に対して重点的な支援を行うということで運用をしているわけでございます。 通産省といたしましては、例えば駐車場とか多目的ホールといったようないわゆる商業施設、あるいは店舗等の整備、あるいはタウンマネジメント手法による活性化といったようなことを柱にいたしまして支援措置を確保しているところでございます。 先生御指摘がありましたように、今後、基本計画あるいはTMO構想に定められました事業が本格化するというふうに思われるわけでございまして、こういった市町村の取り組みに対しまして、関係省庁ともよく連携をとりながら積極的な支援を引き続き図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○達増分科員 法律ができたとき、中心市街地活性化元年というああいう盛り上がりからいたしますと、基本計画策定市町村二百二十六、TMOがまだ四十一件というのはちょっとまだ少ないかなという気もいたします。ただ、もちろん地域のイニシアチブでやる話でありますから、余り国の方が助長して変に曲げてしまうわけにもいかないので難しいところなんでしょうけれども。 例えば、いち早く立ち上げたところ、こんなにうまくいっているというような、そういう情報の交換ですね。中心市街地活性化問題の前でありますけれども、通産省中小企業庁の監修で「元気のある商店街一〇〇」などという本が出まして、私の地元の盛岡の肴町商店街とか材木町商店街もそこで紹介されたりして、切磋琢磨でお互いさらに頑張ろうという効果は非常に大きいものがあったと思いますので、そういう情報の提供なども含めて、一層どんどんスピーディーに回転していくように、その辺うまくやっていただきたいと思います。 中心市街地活性化、法律に従った動きはまだまだこれからというか、各市町村でも今年度に基本計画策定がどんどんできるというような話も聞いておりますから、まさに今その最中ということなんでしょう。 そういう意味では、従来から行われているような商店街対策、駐車場、歩道、アーケード整備等、こうした地道な施策がやはり引き続き重要と考えるわけでありますけれども、最近の実績はどのようになっているでしょうか。
○岩田政府参考人 御指摘の件でございますが、中小企業庁では、商店街振興組合などが行われますアーケードですとか駐車場といった、いわゆる商業基盤施設と申しておりますが、こうしたものを整備する事業に対しまして支援を行ってきております。最近の補助実績を申し上げますと、平成八年度が百三十件でございまして、金額にして五十五億円、平成九年度が百二十八件で、金額で約四十九億円、平成十年度が百四十五件で約七十二億円の補助を行っている状況にございます。
○達増分科員 いわゆる貸し渋り問題がここ数年中小企業を悩ませてきていたわけでありますけれども、それに対する対策といたしまして、一昨年から昨年にかけて信用保証制度の充実等対策が行われたわけでありますけれども、その後どのようにそれが生きているのか、伺いたいと思います。
○岩田政府参考人 御指摘のいわゆる特別保証制度でございますが、当初本年の三月末を期限といたしまして二十兆円の保証枠でスタートいたしましたが、現下の金融経済情勢を踏まえまして、期限を一年間延長して、保証枠を十兆円追加いたしまして三十兆円の枠で参ってきております。本年四月の十四日までの特別保証の保証実績は、承諾件数百二十四万件、金額にいたしまして約二十一兆円となっておる状況にございます。 また、そのほか、特別保証以外に、政府系金融機関におきましても、貸し渋りを受けている中小企業者に対する特別貸付制度を充実させるといったような対策を講じてきております。平成十年度から本年二月までの期間の政府系三機関の融資実績、合計で十四兆五千億円となっております。 このような信用保証あるいは政府系金融機関の直接の貸し付けというようなことによりまして中小企業の金融の円滑化に対応をさせていただいている、このような状況にございます。
○達増分科員 今答弁いただいたような施策によりまして倒産を免れた、年を越すことができたというような生の声を本当にたくさん聞いております。 ただ一方では、昨年盛んに報道もされまして注目された商工ローン問題のように、まだまだ中小企業の資金難という問題が依然としてあって、それが大きな社会問題になったりする。そういう実情がまだあるというふうに思われるわけですけれども、この点、現状はどうなっているんでしょうか。
○岩田政府参考人 金融の資金繰り関係につきましていろいろなデータはございますが、日本銀行のいわゆる短観によりますと、ことしの一月から三月にかけましての中小企業の資金繰りDI、すなわち資金繰りが楽であると感じる企業と苦しいと感じる企業との比較でございますが、マイナス一四ということになっておりまして、一昨年末、貸し渋りが大変な時期に比べますとマイナス二五から一一ポイント改善をしておるという状況にございます。 しかし一方で、当省が行っております実態調査によりますと、いわゆる貸し渋りを受けている中小企業の割合は、一昨年十一月以降減少はしてきておりますけれども、その割合はまだ全体の約四分の一あるということでございます。中小企業への貸し渋りはなお厳しい状況が続いているのではないかと私ども認識をいたしておるところでございます。
○達増分科員 日本経済の再生そして景気回復の一つの重要な突破口がやはり中小企業なんだと思います。全国の地域地域の中小企業が元気になって、それが国民経済全体を回復させる、そういう牽引役になることが期待されていると思います。一つには、ベンチャーといった新しい産業にどんどん進出する中小企業があるわけですけれども、地場で伝統的な産業なり商店街なりで頑張っているところも、たまたま時代の経済的な逆風の中で、そこを乗り切りさえすれば普通に頑張ってやっていける。本当に地域事情や個々の企業のいろいろな事情があって難しい問題もあると思うんですけれども、きめ細かい施策でやっていただきたいと思います。 さて、経済回復、経済再生のための経済の構造改革でありますけれども、これについて橋本内閣のときに経済構造改革のためのビジョンそして行動計画というのが策定されまして、あのころ財政再建が優先とか景気回復優先とかいろいろな議論がある中で、ちょっと消化不良のままで終わっていたのではないかなというふうに思います。 しかし、その後、小渕内閣になってから、財政再建は景気の回復がなければあり得ない、経済再建なくして財政再建ないという考え方でそこを整理しまして、経済構造改革についても思い切ってやりやすい環境になったんだとは思います。 そういう意味で、あれから二年、三年とたっているわけでありますけれども、橋本内閣時代に議論が深まって、また行動計画も策定された、その経済構造改革、その後のフォローアップ状況について伺いたいと思います。
○茂木政務次官 達増議員の方から経済構造改革についての御質問をいただいたわけでありますが、我が国の経済を活性化しまして、中長期的に強靱な経済基盤を確立するためには、どうしても経済構造改革の推進が、委員御指摘のように大変重要でございます。 これまでも、例えば御指摘いただきましたように、平成九年の五月に経済構造の変革と創造のための行動計画を作成するなど、積極的に政府としてもこの問題に取り組んできたところであります。それから二年以上がたっている。どういう進展をしているか。具体的な施策のレベルで一つ一つ行動計画を進めている、こういう御理解をいただければと思うのです。 具体的に申し上げますと、例えば産業再生法の制定であったりとか株式交換制度の創設等、企業関連の諸制度の改革。さらに申し上げますと、昨年の臨時国会におきまして、中小企業基本法を三十六年ぶりに改正する等、中小企業やベンチャー企業の振興。さらには、ミレニアムプロジェクトの推進や、この国会で御議論いただきました産業技術力強化法の制定によります技術開発の活性化。そして、電力分野における大口需要家への小売供給の自由化等、規制緩和の問題、さらに金融システムの改革など、諸施策を一つ一つ着実に実行してきているところでございます。 今後も、例えば商法の改正によります会社分割制度の創設、そして連結納税制度の導入等、経済構造改革に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○達増分科員 ことしは特に日本が議長国になってサミットをやるわけでありまして、日本の経済構造改革が非常に進み、これからも大胆に進めて、日本の経済も回復し、アジアと連動してアジアの経済もよくなって、世界経済もよくなる。やはり議長国としてかなり前向きのメッセージを出していくためにも、国内の経済構造改革というのは非常に重要であると思いますので、国内の経済界あるいは働く人たちのマインドを思い切り盛り上げるような形をつくり、さらには国際的にもアピールするような形で今後持っていっていただきたいと思います。 さて、経済構造改革の関連なんですけれども、いわゆるSOHOというものがございます。スモールオフィス・ホームオフィス、小規模在宅事業所です。最近、特にSOHOと呼ばれているものは、インターネットを利用しまして、小規模でありながら、かつ在宅でありながら、新規産業、ニュービジネス、そういう高度情報通信社会にふさわしいビジネスを展開してどんどん成長が期待されているということで、特にSOHOという言葉で注目されているわけであります。 これは、経済構造改革や景気回復の牽引車として大いに期待できると思うのでありますけれども、一方では、我が国の経済社会的雰囲気が必ずしも好意的でなく、具体的に言えば、サラリーマンと比べますと、どうしても福利厚生的な面でありますとか社会保障的な面でハンディがある。また、そこもあえて独立して事業をやるんだからしようがないと言われればそうなんでありますが、事業者、経営者としても、普通の会社などに比べますと、商取引上の話をなかなか聞いてもらえない、役所においても窓口でまともに相手にされない、そういうことを聞くわけであります。 しかしながら、日本経済を本当に活性化させていくための起爆剤ともなり得るSOHOだと思います。ですから、政府がきちんとSOHOを日本経済の中で位置づけて、適切な施策をとることが非常に重要だと考えるのでありますけれども、その点いかがでしょうか。
○茂木政務次官 情報技術の革新が進んでいく中で、このSOHO、スモールオフィス・ホームオフィス、大変これから新規開業そして新規雇用の受け皿としても重要な意味合いを持ってくるな、私も委員と同じ気持ちでございます。 ただ、日本の場合、例えば新しいビジネスを起こしたりとかベンチャーに対する社会全体としての認識が残念ながらまだまだ低いな、こういう部分もあると思います、正直申し上げて。そういった中で、このSOHOですが、典型的な小規模企業ということでございまして、資金の確保の問題、それから経営ノウハウの問題、さらには営業とか販売先を確保していく、こういう意味で、大企業と比べてもいろいろな課題を抱えているわけでありまして、政策金融それから信用保証そして経営支援、こういった意味でも、我々としても重点的に取り組んでいく必要があるな、こういうふうに考えております。 大きく分けますと、金融支援と、そういったSOHOが企業とどういう関係を持っていくか、ここに対する支援ということになってくると思うのですが、通産省におきましては、従来より、中小企業向けの政策金融や保証、例えばマル経の融資制度でありましたりとか、今度新しく改革をいたしました小規模企業向けの一千億円程度のいわゆる無利子貸し付け、それから担保がない場合はリースをする、こういう制度を含めまして、こういったSOHOが資金面でも困らない、経営基盤という意味でも困らないような支援策をとってまいりたいと考えております。 同時に、本年度より、企業とSOHOの間で仕事の受発注が円滑に進むためのシステムの開発への支援、それからSOHO支援のための施設の整備、促進等を進めることといたしたところでございます。さらに、郵政省、それから労働省、関係省庁出てまいりますので、そういったところとも連携しながら総合的な支援を今後とも進めてまいりたいと考えております。
○達増分科員 中心市街地活性化の話、あるいは経済構造改革の話と同じで、やはりマインドを変えていくような、そういう施策が重要なんだと思うのですね。確かに通産ジャーナルを毎月毎月きちんと読んでいれば、世の中大きく変わっているんだな、こんなに立派な施策がいっぱいあるんだなということはわかると思うのですけれども、必ずしもすべての国民が毎月通産ジャーナルを読んでいるわけでもありませんので、その辺をどうやっていくのかというところが問われるのだと思います。 おっしゃるとおり、日本の社会では、何か新しいことを始めるとかいうことに対する、やる方も受ける方も抵抗感があって、それで、今回自由党はまさにそういうベンチャーを始めたようなものでありまして、あえて野党になって、時代の要請にマッチする理念、政策を国民に訴えていく。これは、そういうマーケットが確実にあるというふうに思ってやっているわけでありますけれども、なかなか理解が得られないようなところもあって、そういう意味で、私たちのベンチャーポリティックス、ベンチャー政治というものを成功させることが日本の経済社会のベンチャースピリットを刺激することにもつながると思って、頑張っていこうと思っているわけであります。 我々は、そういう高度情報通信社会でありますから、インターネットなども駆使しまして、ホームページとか電子メールとかも使った、そういう国民と一体となった政治をやっていかなければならない、E政治の時代だと思っているのです。 経済の現場では、既にもうEビジネス、Eコマースが広まっているわけであります。いわゆる電子商取引であります。これは、SOHOが伸びていく基盤にもなるわけでありますし、また、経済社会全体の構造改革のまさに起爆剤になることだと思うのですけれども、このEコマース、電子商取引について、政府は日本経済の中でどのように位置づけ、いかなる施策を講じているのでしょうか。
○茂木政務次官 達増委員の方からイー政治と最初お言葉が出ましたので、正しい政治とかそういうお話かと思ったら、アルファベットのEということでありました。 ビジネスの方ではEコマースの普及が進んでいるわけでありますが、こういった電子商取引の普及は、産業の生産性の向上であったりとか、企業組織の改革を通じまして、我が国の産業の競争力を向上させていく上で大変重要であると考えております。 また、電子商取引に携わる新規の開業がふえていく、さらには雇用創出が見込まれる、経済全体としても投資がふえる。つまり、いわゆる産業の情報化、こういったものが進んでいく、これによりまして経済全体が活性化する、こういった大きな効果が期待できるわけであります。 通産省といたしましては、情報化施策の中核を担います官庁といたしまして、これまでも電子商取引の推進に向けて積極的に取り組んできたところでありますが、今後とも、電子商取引のさらなる拡大に向けまして、特に何点かあるわけですけれども、まずこの国会に提出をしております電子署名及び認証業務に関する法律を初めとした電子商取引の制度環境の整備ということを進めていくのが大変重要であろう。 それから、中小企業、ベンチャー企業の電子商取引への取り組みの支援、技術共通基盤の整備、そして小渕前総理が提唱されましたミレニアムプロジェクト、平成十二年度で約百億円計上させていただいておりますが、こういったことを推進する等、電子商取引の環境整備や具体的に企業が電子商取引を行っていく上での支援、こういった問題に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○達増分科員 本当に、ぜひこれは力を入れてやっていただきたいと思います。先ほどE政治という話をしましたが、政府自体も電子政府の推進ということでE政府宣言をいわばしているわけでありまして、そういうEビジネス、E政府そしてE政治、同じインフラ基盤を使ってやるわけでありますから、まさに政治、経済、社会全体の改革につながっていく話だと思います。 ニューズウイークの英語版の最新号が、森内閣発足の特集をしているんですけれども、その中で、若い人がコンピューターに向かってネット上で政治的な意見交換をしているところが大きく取り上げられていまして、そういうE政治、これが、E政府とEコマースと一体になって日本社会を変えていくようになればいいんだと思っております。 ただやはり、どうしても、通信料金の問題とかそういうインフラ整備ということで、内閣全体として取り組まなきゃならない問題も出てくると思います。Eコマースということをさらに大きく見て、IT革命、情報技術革命ということです。報道によりますと、ことしの九州・沖縄サミットでもメーンテーマの一つに取り上げられるのではないかと言われております。 確かに全世界的にも今非常に重要なこのIT革命、うまくやれば新しい産業構造のもとで成長の軌道に乗れる、しかし、うまくそれができなければいつまでたっても成長の軌道に乗れない。ここ十年間の日本経済の低迷、停滞、いろいろな金融関係の問題もあるんでしょうけれども、やはりIT革命というものが十分日本で起こっていないんじゃないかと思うのであります。 そのためには、やはり規制緩和と自由化、これは本当に徹底してやらなければならないと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○茂木政務次官 私も、今年の一月にスイスのダボスで開かれました世界経済フォーラムに行ってまいったんですが、ここでも議論の一番中心はIT革命の問題でありまして、そこの中では、規制の問題、さらにはデジタルデバイドの問題等々が非常に脚光を集めていたな、こんなふうに思っております。 そして、先ほど委員の方から御指摘いただきましたように、日本とアメリカを比べてみますと、電子商取引でも市場の規模というのが既にかなり違ってきているわけでございます。例えばBツーBでいいますと、日本が、おととし九八年、八兆六千億円の市場なのに対しまして、アメリカはその二倍以上の十九兆五千億円。BツーCでいいますともっとその差は開いている、こういう形でございます。 そして、その背景の一つに、アメリカが八〇年代から進めてきた諸般の規制緩和が日本でまだ進んでいない、こういう問題がある、こんなふうに考えております。 例えばインターネット料金、これが高いと常々言われているわけでありますが、この通信料金につきまして、郵政省において精力的に取り組んできていることと考えておりますけれども、これも後押ししていかなきゃならない、こんなふうに考えております。 また、幾つか私の方でも調べてみたんですが、IT革命の進展を阻む規制ということで、たくさんあるわけですけれども、例えば、旅行業法の第十二条の五、これがございます。インターネットを利用してチケットの予約とか売買をしようと思いましても、最終的には対面もしくは郵送によって日程などの契約内容を書面交付しなきゃならない。インターネットだけでは取引がすべて完了するわけではない、こういう問題もありますし、学校教育法の第三条、職業安定法の第三十条等々、今後見直しが必要な規制というものもあると考えております。 ただ、その一方で、IT革命の進展に伴いまして、いわゆるリアルの世界とは違ったサイバースペースというものが生まれていく。ここにおきましては、現行の制度では十分に対応できない、こういうことがございまして、規制緩和を進めるということは大変重要でありますけれども、同時に、こういうサイバースペースに対応した新たな制度を構築していく、こういうことがあわせて重要なんだ、こんなふうに考えております。 通産省といたしましても、先ほども申し上げましたが、電子的な取引の法的な安定性を確保する、こういった観点から、電子署名について、従来の署名や捺印と同様の法的効果を与えるような電子署名及び認証業務に関する法律案を法務省、郵政省と共同でこの国会に提出させていただいているところでございます。 今後、IT革命の進展に伴いまして、多くの分野で既存の諸制度の見直しが必要になってくる。同時に、新しいサイバースペースに対応した制度構築、こういった問題も出てまいると思います。達増委員、国際問題そして新しいビジネスについては大変お詳しい方でありますので、今後とも御指導いただければと思っております。
○達増分科員 懇切丁寧な御答弁、ありがとうございました。特に後段でおっしゃられていたサイバースペース特有の新しいルールづくり、あとはセキュリティーの問題というのもあるんだと思います。そういったところはやはり国がきちっと責任を持ってつくっていかなければならないと思いますので、そこはきちっとやっていかなきゃならないと思います。 また、たくさん例を挙げていただいて、規制を撤廃、緩和していかなきゃならないものがまだまだ残っている。できればサミット前にそれをやって、ITサミットとやれば非常に格好いいと思うのでありまして、ぜひぜひそういう方向で努力いただきたいと思います。 情報通信の世界は、三カ月たつと、技術革新で全然違う製品とかテクノロジーが出てくるわけでありますから、ここを変えればいいとわかっていることは本当に一日も早く変えていただきたいと思います。 また、デジタルデバイドの問題、これは確かにあるんだと思いますけれども、我が国での議論を聞いておりますと、どうもそれが保護主義的な文脈とか箱物行政的な文脈に引きつけられてしまうところがあって懸念しております。 例えば、パソコンを使えない人がいるとかわいそう、近くにアクセスポイントがなかったりパソコンショップがなかったりするとかわいそう、だから全国津々浦々までサービスをやっているような大きい会社が大事だということになったりとか、それを守らなきゃならないという議論になってみたり、あるいは、村にたくさんパソコンを買ってあげればそれでいいと。それがまた、今の法律だと、行政上、何か箱物を建てないと、パソコンだけを出すわけにはいかないとかいう話で、デジタルデバイドの解消というのがかえって規制緩和や自由化に逆行するような文脈になりがちなので、そこは気をつけなければならないと思います。 むしろ、徹底した自由化、規制緩和で競争が激しくなって、価格が下がることによって飛躍的な需要の増、それによって関連の産業、ハードですとかそれの工作機械ですとか、これはアジアも含めた形で、そういう経済の底上げ、向上、雇用もふえるでありましょうし所得もふえて、そしてまたさらに新しい情報関連のものを買って、やることができる。今失業しているような人たちにとっては、世界の美術館めぐりがインターネットでできるとか、役所への届け出が電子メールでできるとかいうことは二の次であって、まず雇用、そして所得でありましょうから、そのためにもやはり本当に規制緩和、自由化で引っ張られていくIT革命というのを現実化させなきゃならないと思いますので、特にサミットもありますから、頑張っていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○坂上主査 これにて達増拓也君の質疑は終了いたしました。 次に、栗原博久君。
○栗原(博)分科員 自民党の栗原でございます。質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 バブル経済がはじけまして、そのためにまた不良債権などが出た、中小企業などに対しまして、大手銀行を初めとする、あるいまた中小の銀行が貸し渋りをやるということで、私どもはそれに対して、何としても貸し渋りを回避するということで種々の措置をとってまいり、特に保証協会などについては、特別保証二十兆、また十追加して三十兆にするなど、あるいはまた先般の臨時国会では、中小企業国会ということで、中小企業の改正に向けてのもろもろの法案をつくらせていただいておるところであります。 日本経済が今日こうして、戦後驚異的な発展を遂げた原動力は、私は、やはり物をつくるという中小企業であったと思っております。我が国の企業の九八%近い数字が中小企業でありますし、また、国内の全従業員の七八%の方々が中小企業に勤務されているわけであります。ですから、当然、今公共事業をいろいろやっておりますが、やはり民需の拡大が景気の本当の拡大のもとでありますから、それに、中小企業に働く方々がちゃんとした雇用が確保されて、かつまた、所得の保障があるということが必要と思います。 中小企業は小回りがききますから、新製品の開発というものについても容易であると思いますし、また、今こうして産業が低迷しておりますので、新しい雇用の創出のためにも、新しい市場形成をすることを中小企業に期待せねばならぬと私は思うのであります。そのために、自民党は、他の党の御協力を得ながら、それに対します金融あるいは財政面における決定をいたしてまいりました。 きょう、一つお聞きしたいことは、そういう中におきまして、特に中小企業への貸し渋りを初めとする、あるいはまた資金詰まりを防ぐために特別保証枠を設定するということで、金融安定化特別保証というものを設けてあるわけでありますが、それがどの程度進捗しているかということをお聞きしたいと思います。 実は、きのうですか、金融再生委員会あるいはまた監督庁が大手十五行に対しまして、中小企業に対する貸し出しが適正に行われているか、ことしの三月末の各大手銀行十五行の損益計算書を見ましたら、どうも疑念があるというようなことも言われております。 と申しますのは、上期では貸し出しが、増加率が二割だったのが、下期になったら四兆円ですか、大変多い貸し出しが出ている。上期と下期でこんなに違ってはおかしいと私は思うんであります。そしてまた、思うには、中小企業に金を貸すいうことで、歩積みとかあるいはまた両建て、そういう何か足かせになるような措置も大手が求めているんじゃなかろうか、私自身そう思っております。 そういうことを踏まえて、私どもが多大な保証を裏づけで出しましたこの金融安定化特別保証の進捗状況についてお聞きしたいと思います。
○岩田政府参考人 ただいま先生から御指摘いただきましたように、この金融安定化特別保証制度、平成十年の十月から始めまして、当初二十兆でございますが、三十兆に拡大をして、現在この執行に努めているところでございます。 四月の十四日現在で、百二十四万件、約二十一兆円と大変多くの中小企業に御利用いただいておるわけであります。百二十四万件と申しますと、中小企業の数は企業ベースで五百九万企業でございますので、そのような中から、すべてが企業数でないにしても、百二十四万件というのは相当な比率に上る、多くの中小企業に御活用をいただいたものと理解をいたしております。
○栗原(博)分科員 長官、今の数字は大体皆さん御納得できる数字ですか。
○岩田政府参考人 百二十四万件の数字というのは、本当に二割を超える中小企業の方々が御利用いただいているということでございますので、かつまた、この間のもろもろの、先生御指摘のように、雇用の維持、その前提としての例えば最悪の事態を想定した倒産の回避というような形で、昨年一年間の倒産動向などを見ましても、この特別保証によりまして、そうしたもろもろの効果をもたらし得たのではないかというふうに考えております。
○栗原(博)分科員 ぜひまた、今後ともその適正な中で、保証がまだ残っておるわけですから、それが行われるように、ひとつお願いします。 ただ、保証を受けても、既存の今までの一般貸し付けの分を銀行が取るようなことがないように、実は見ておりますと、これは別枠であるけれども、一般貸し付けの残債分を天引きするというケースが多いように見受けられます。私どもも選挙区の方々といろいろ話をすると、借りる方は常に弱いわけですから、そういうことについて、ぜひひとつ窓口の方々に十二分に御指導してください。 また、当然、保証協会は、万が一債務を弁済しない場合の代位弁済ということになるわけでありまして、保証協会、中小企業保険法の中では、大体一般の保証に対してどの程度事故率を想定しているか、あるいはまた、今回特別保証については思いっ切りこれだけの金を用意しておるわけですから、あってはならないことだけれども、それは覚悟の上で実はやっている点もあると思いますので、その点について、事故率について想定するものをちょっとお答えください。
○岩田政府参考人 信用保証協会が行います保証につきます事故率、いわゆる代位弁済の率でございますが、これまでの経験では大体二%から三%程度の事故率というのが一般的な傾向でございます。 もちろん、特定の年度に高くなったケースはあるわけでございますけれども、しかしながら、今回の特別保証制度につきましては、御案内のとおりのあの未曾有の金融貸し渋り状況の中で、まさに臨時異例の措置として、いわゆるネガティブリストに該当しない方にはすべて保証をするという方針で臨みましたものでございまして、そのために通常の一般保証の場合の事故率の数倍ということで、一〇%程度の事故はやむを得ないものということで覚悟をいたしまして、そうした制度設計をし、それに必要な予算措置をすべて講じまして、現在その制度の運用に当たっておるところでございます。
○栗原(博)分科員 一〇%を想定しているということでありますが、なるべくそういうふうにならないように願うわけであります。 しかも、私、東京近辺の保証協会の幹部といろいろ話をすると、なかなか大変だ、実際これは大変なことになりますよというようなことを漏らす方もおられるわけです。しかし、企業の倒産などを防ぐためには、それはいたし方ない措置だと思います。 しかしながら、悪質なものに対してそういうような保証がないように、しかしまた、余りにもそれをチェックすることによって、本当に助け船を求めている企業に対してその保証がならないようになっては大変なわけであります。その点の境目というものはなかなか難しいかもわかりませんが、そこはやはり我が国の中小企業を守るというにしきの旗を掲げてひとつやっていただきたいと思うのであります。 今、長官からも事故率の問題がございましたが、では、現時点で特別保証の貸し出しの量、先ほどもお聞きしましたけれども、事故の件数とか、要するに代位弁済に至っている特別保証の現状の事故の数字を具体的にひとつお聞きしたいと思います。また、あわせて、一般保証の方もわかりましたらお答えください。
○岩田政府参考人 特別保証につきましては、本年の三月末までの十八カ月間、一年半になるわけでございますが、この代位弁済の合計、二千八十九億円でございます。保証承諾総額が約二十兆九千億に対しますので、ちょうど一%ということになっております。 一方、一般保証のお問い合わせでございますが、一般保証の場合には率という形でお示しすることはできないわけでございますが、一般保証の代位弁済額は、平成十年度に六千九百五十七億円、平成十一年度が五千九百四十八億円というようなことになっておるわけでございます。 なお、これは特別保証制度に限りませず、一般保証の場合につきましても、大体、保証をしてから二、三年目に代位弁済率というのはピークに達するという傾向がございます。したがいまして、現在、十八カ月で一%ということになっておるわけでございますけれども、これがさらに数字として高まっていくのは、むしろ覚悟の上と申しましょうか、そういうものであるというふうに私ども理解をいたしております。 しかしながら、過去に最悪の事態、一般保証の形でなったケース、昭和五十四年度に保証いたしましたものが四・五一%という数値があるわけでございますが、これとの対応などを見ましても、今の状況でございますれば、最終的にも一〇%というような事故率になるというものではないのではないか、そういうふうに期待ができるのではないかというふうに考えております。 逆に言いますと、中小企業者の皆様、非常に真摯に一生懸命努力をして返済に努めていただいているというふうに私どもは認識をいたしておるところでございます。
○栗原(博)分科員 一般保証、特別保証を見ますと、特別保証の方の事故の一件当たりの額は約二倍ぐらいだと思うんですが、問題は、保証を実行してから間もなく代位弁済に至るという事例もあると思うんですね。そういう点については把握されておりますか。一度も返済しないで、それは極端でございますけれども、それに近い中での代位弁済というものは把握されているかどうか。
○岩田政府参考人 ただいま手元に資料がございませんが、私の記憶では極めて少ない、一度も返済もしないでというケースは極めて少ないというふうに考えております。 今回、事故率一%という状況にあるわけでございますが、今回の特別保証で保証をつけてお金を借りられたうちの八割までは、その次の月からすぐに返済を開始されております。 したがいまして、その意味で、もう十八カ月を経過しているわけでございますので、そうした一度も返済をしないままに代位弁済に至るケースが、皆無であるとは申しませんけれども、たしか極めて少ない例にとどまっているのではないかと考えております。
○栗原(博)分科員 再度申し上げますが、この特別保証は、中小企業を死に至らしめないという、要するに倒産を防止するのに大変役立っていますので、問題は、これから返済するには大変でございます。金を借りるのは簡単ですけれども、返済が大変でございまして、当然中小企業庁あるいは通産省はそれに対します施策というものは十二分に用意していると思いますが、ぜひひとつ、その点についてよろしくお願いしたいと思います。 それで、もう一度お願いですが、金を借りる側は弱い立場ですから、金融機関が保証の手続をとって、さてその銀行に金が送られてきたら、そっくり自分のところの、今自己資本とかいろいろ問題が出ておりますから、何せ自分のところの貸出分だけはおかしなものは回収しようという、そういうことが、やってはならないことでありますが、やっている銀行が多いわけであります。きょうは実は金融監督庁はお越しでないと思いますが、ぜひひとつ、そういうことについて厳しい監督をして、そういうものの違反事項があったら公表するようなことまでやっていただきたいと思うんです。 次に、保証協会の関係でお聞きしたいのであります。 農協系統、実はこれも中小企業庁の皆さんの御理解をいただいて、たしか平成十年に私は提案させていただいて、保証協会の枠を今度農業協同組合にまで拡大する、あるいはまた農業協同組合の県単位の連合会にも拡大する。 農協は今七十兆円近い金を有しておりますけれども、自分の単協で金を貸し付けするというのはなかなか難しい。それは、農家の方々が金を借りるのも少ないかもわかりません。七十兆円近い中で、四十から五十兆円の金が県信連あるいはその上部団体の農林中金に吸い上げられていって、そこから手数料を若干もらって農協経営をやっているんです。 農協は、今、信用事業が命でございます。ですから、貯貸率、農家の方々から、あるいはまた農業関係の方々からお金を預かって、それをまたもう一度貸す、貯貸率ですが、やはり三〇%そこそこでは農協経営がうまくない。私ども、地方においては、農家の方々が、農業をしながら商売、商いをやっている。そういう方に対してはやはり農協の金を貸すべきだと私は思っておるんですが、これは農協法の員外貸し付けに抵触して、なかなか難しい。指定農協という大きい農協については員外貸し付けの枠が大きいようでありますが。 そこで、地元の企業と地元の農協が連携をするという中で、中小企業保険法の保証枠を今度農協にあるいはまた県信連にやるということで、中小企業庁の皆さん、また農協の皆さんによって平成十年にその制度をつくっていただいて、本当に私もありがたい限りなんです。 しかし、つくりましたけれども、果たしてこれが作用しているか。私も、各農協に聞いてみたり、あるいは保証協会に、これは、保証協会と農協との契約が成り立って、みんな受託契約やっているようですが、どうもそれが円滑に進んでいないというように実は思うわけなんですよ。 この点について、中小企業庁ではどのように御指導、せっかくつくっていただいた制度でありますから、私は無理して、本当に中小企業庁へ何回も通ってこれをつくっていただいた。資金需要はあるわけなんですよ。なぜこれが稼働していないかということを中小企業庁の方にお聞きしたい。 きょう、農協の方来ておりますか。——農林省も、つくったら、これは単協にちゃんと指導しなきゃだめですよ。あなたたち農林省は、農林中金のことばかり考えてちゃだめですからね。単協を育成することを、あるいはまた指定農協という枠ももう少し柔軟性ある方法でやらねばならぬと思うのです。 まず中小企業庁からお聞きして、次に農協に対してどのようにこれを周知徹底するか。それからもう一つは、今、農協経営が厳しい中に信用事業に依存するわけですから、単協で信用事業での利益を得ることが当然必策の策でありますから、それに対して農林省がどのように対処しながらまたこれを徹底するか。これについて、両省庁からひとつその決意のほどをお聞きしたいと思います。
○岩田政府参考人 先生の御意見、御提案、御指導によりまして、こうした農協系の金融機関から、員外貸し付けという形ではございますけれども、中小企業者にお金が回ると申しましょうか、こういうことは、中小企業政策という意味からいきましても、原資を幅広く確保するという意味で、私ども、大変重要なことであろうと思っております。 御指摘のとおり、平成十年度から始めさせていただいておりまして、平成十年度は百六十七件の二十四億八百万円ということでございましたが、平成十一年度、二百七十四件の三十億五千四百万円というようなことで、増加の傾向にはございます。 私ども、農業協同組合と信用保証協会の間のもろもろの約定と申しましょうか、こうしたものがより多く促進されるということも望ましいと考えておりますし、そういうことでさらに取り組んでまいりたいと考えております。
○中川(坦)政府参考人 平成十年の四月から発足いたしましたこの制度は、農協融資のリスク負担を軽減するということで、農協信用事業の発展に大いに資するものというふうに考えております。それで、農協系統金融機関は、この制度が創設をされまして以来、各都道府県の保証協会と順次基本契約を締結してきておりまして、本年三月末時点で、四十五の都道府県の信連、それから四百七のJAで保証協会の債務保証の制度を受けられる体制になっております。 具体的な数字で申し上げますと、債務保証の残高でございますが、昨年の七月末時点では、二百十件の二十九億円でございました。また、昨年の十二月、五カ月後でございますが、四百四十六の貸出先に対しまして四十八億円の残高ということで、次第にふえてはきておりますが、率直に申し上げまして、JAの中には貸し出し審査体制が脆弱である、あるいはまた、中小企業向けの員外貸し出しよりは、系統上部団体への資金預託による安定的な収益還元の方を志向するというふうな傾向にございます。 本制度の活用が必ずしも十分でないというのは御指摘のとおりかと思います。そこで、私ども農林水産省といたしましては、まずは農協合併の推進によりまして、貸し出し審査体制を初めといたします業務体制の強化の指導を行いたいと思いますし、また、本制度の趣旨及び内容につきましてさらに周知徹底を図りたいと思います。例えば、局長名でちゃんとした文書を出してその趣旨を御理解いただくというふうな、そういう努力をいたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○栗原(博)分科員 中川審議官、だからリスクを回避することでこれがあるわけですし、今あなたの答弁だと、員外貸し付けをやるより、もっと安定的な上部の方に金を回してというようなことをあなたはおっしゃったけれども、そういうことをしないために保証協会の保証をつけたわけだから、あなたたちはもう少しこれを徹底するように努力してほしいと思うのですよ。まだ四百ちょっとの農協しかしていないということは、これはやはり農林省の怠慢ですよ。 単協に行って、わからないのはたくさんいるんだから。それは信連とか中金もその金を欲しがっていますからわかりますよ。わかるけれども、農協経営を見た場合、いかに単協の体質を強化するかということが、これは今の最大の課題なわけですね。ですから、むしろ農協の方は、自分の近くの事業主はよく顔を知っているわけですから、そこに保証協会の保証をつけていただくなら最もいい話なんですよ。 農協の組合長は、こんないい話があるんですかと言うけれども、やはり周知徹底されていない。あなたは、たしか今通達を出すとおっしゃったから、この席でお約束してほしいんだけれども、この保証制度について、経済局長かあるいは事務次官通達をちゃんと単協に出してくれるかどうか、ひとつお答えください。
○中川(坦)政府参考人 経済局長名できちっとした文書を発出いたしたいと思います。
○栗原(博)分科員 今の中川審議官の御回答を重いものと受けとめまして、一刻も早い通達を御期待しております。 次に、こうして金融の面で、中小企業庁あるいは通産省、一生懸命いつも御努力されていることについては、重ねて敬意を表する次第です。 ついては、さきの臨時国会で、私どもは、中小企業の対策として、先ほど言った金融面のほかに、財政面でもひとつそれを支援しようということで、中小企業が発行します私募債につきまして、保証協会が債務保証を行うなどということでの中小企業信用保険法とか、あるいはまた信用保証協会法の改正を行っていただいたり、あるいはまた、担保の乏しい高い成長が見込まれます新事業を行おうとする中小企業に対しまして、中小企業金融公庫が無担保で新株の引き受けを行うというような中小企業金融公庫法の改正をやっていただいたり、あるいはまた、中小企業の設備の近代化を行うために、中小企業に対しまして無利子の資金を直接貸し付けるとか、あるいはまた設備をリースなどによって供与するなどということでの小規模企業者に対します資金助成法などもつくったり、あるいはまた、中小企業に関しましての組合が幾つもございますが、そういう協同組合が株式会社に組織変更できるというような形の中小企業団体組織法の改正など、こういういろいろ法律改正あるいはまた財政支援の根拠法をつくっておるわけであります。 あるいはまた、補正予算でも、先ほどの融資の面におきます十兆円の追加保証なども行っていますし、あるいはまた、企業支援センターとかいうものをつくって、情報の交換とか、あるいは技術のいろいろな教育などをやるということで、そういう対策を講じておりますが、中小企業は一刻も早い景気の回復を求めているわけです。 こういう中で、こういう施策をとって半年あるいは一年たっておるのもあるわけですから、そういう政策の効果を、どのように出ているかということについて、ひとつ長官からお聞きしたいと思います。
○岩田政府参考人 今先生から御指摘をいただきましたもろもろの政策をさきの臨時国会におきまして組み立てていただきまして、感謝を申し上げます。 御指摘のものにつきまして、幾つかについて進捗状況を御報告申し上げますが、まず、私募債発行に対します信用保証の付与の件でございますけれども、現在、各信用保証協会、全国五十二あるわけでございますけれども、定款の変更等の手続中ではございます。全体としてまだそういう状況にありますが、本格的な保証承諾というのは今後になりますけれども、東京信用保証協会におきまして約四十件の申し込みがございます。本日の日経新聞にもちょっと書かれておったところでございますが、間もなく具体的な案件として、東京信用保証協会の傘下の企業から私募債発行が行われるのではないかというふうに考えます。 それから、無担保の引受権つき社債の活用、いわゆるワラント債の融資制度でございますけれども、これまでに二件、一・四億円の引き受けが行われております。 それから、組合から会社への組織変更をするという点についてでございますけれども、これは五月上旬の会社化に向けまして進行中の組合が一件あるほかに、今現在手続を進めている組合が数件あると理解をいたしております。 そのほか、小規模企業対策として、抜本的に拡充をしていただきました設備導入の促進のための無利子融資ないしはリース制度というものがあるわけでございますけれども、この点につきましては、現在四月から始まっているところでございまして、今鋭意全国的な進捗状況の把握に努めているところでございます。 さらに、今国会で先般成立をさせていただきました旧中小企業指導法、新しい中小企業支援法に基づきますナショナルセンター、都道府県中小企業支援センターあるいは地域の中小企業支援センターにつきましては、補正予算をいただきまして、モデル事業としてある種の準備運動と申しましょうか、そういうことをさせていただきましたおかげで、特に都道府県センターにつきましては年度当初から順調に事業を進めておりまして、相談事業あるいはもろもろの専門家の御紹介の事業とか、そういうことを始めさせていただいているところであります。 いずれにいたしましても、このセンター事業につきましては、中小企業者の資金以外の問題について、もろもろのソフトの事業について支援をする仕組みでございますので、中小企業者のニーズに十分に、本当に助かったと言っていただけるぐらい、支援センターの中にもろもろの提供できる情報、もろもろの材料をそろえるということを引き続き努力をしていかなければならない、その体制を今充実させているところでございます。
○栗原(博)分科員 今岩田長官からお答えがございましたけれども、こういう事業あるいは助成策、あるいはまたこれからも、今商工委員会などでいろいろ審議している強化法などがあるわけですが、こういうことを中小企業の方々にわかりやすく、皆さんからもひとつ努力していただきたいと思います。 三分だけ、もう一つお願いしたいのでありますが、今委員長席にお座りの坂上先生も私と同じ選挙区で、特に坂上先生は地元の企業について思いは大きいわけでありますが、私ども三条周辺におきます政府系金融機関の貸し出しは的確に行われているかということについてお聞きしたい。 もう一つは、この地域におきます倒産事例などがあると思うんですが、倒産事例についての把握があったらかいつまんで御答弁いただいて、倒産が起きないように、特に私ども三条は全国きっての中小企業、地場産業地帯でありますので、そういう伝統ある地場産業地帯に対する通産省中小企業庁の思いをひとつ御答弁願いたいと思います。
○岩田政府参考人 三条地区におきます政府系中小企業の金融三機関の貸出残高は、平成十二年三月現在で八百九十八億円となっております。平成九年度末が八百九十六億、平成十年度末九百八億というような状況で、残高ベースでは若干減少をしているというような状況にございます。今三条地区と申しましたのは、三条市、加茂市等々の十三市町村のデータでございます。 それから、倒産関係でございますが、三条地区の倒産につきましては、民間の信用調査機関の調査によりますと、平成十一年度倒産件数は十二件でございまして、前年より十三件の減少になっております。負債総額は三十七億八千万円でございまして、前年より七十二億四千万円の減少となっております。 こうした倒産の背景でございますけれども、三条地区だけのデータというものがないわけでございますが、新潟県全体のデータから推計いたしますと、やはり販売不振というようないわゆる不況型倒産と言われるものが、これは全国的にもそういう傾向があるわけでございますが、こういうものが多いということでございますし、全国的にもそうでございますが、やはり件数として業種別に見れば建設業というようなものが多いというようなことでございます。 御指摘のとおり、三条地区というのはもろもろの非常に貴重な産業集積の地域でございます。これまで私ども、産地対策あるいは地域産業対策、もろもろのことをやってまいりました。今先生から御説明がございましたような新しい対策もまたこれに十分活用させていただけるのではないかと思います。都道府県の支援センターあるいは地域の支援センターともどもあわせまして、ぜひこの地域の中小企業者の集積の発展がよりなされますことを私どもも大いに応援をさせていただきたい、このように考えております。
○栗原(博)分科員 ありがとうございました。ぜひ中小企業に対します適切な支援をひとつよろしくお願いします。
○坂上主査 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○坂上主査 これより総理府所管中環境庁について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。清水環境庁長官。
○清水国務大臣 環境庁の平成八年度及び平成九年度歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成八年度の当初予算額は七百五十六億三千六百三十四万円余でありましたが、これに、予算補正追加額二十四億九千三百五十九万円、予算補正修正減少額十九億二千六百七十九万円余、予算移しかえ増加額六億七千四百二十九万円余、予算移しかえ減少額二十七億五千六百四十六万円、前年度からの繰越額八十三億四百四十四万円余、予備費使用額六十四億九百万円を増減いたしますと、平成八年度歳出予算現額は八百八十八億三千四百四十一万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額八百十四億二千九百十八万円余、翌年度への繰越額六十九億七千五百六十三万円余、不用額四億二千九百五十九万円余となっております。 次に、平成九年度の当初予算額は七百九十三億三百八十四万円余でありましたが、これに、予算補正追加額四十億六千百八十九万円余、予算補正修正減少額十七億四千七百九十五万円余、予算移しかえ増加額五億六千七百九十五万円、予算移しかえ減少額二十七億三千九百三万円余、前年度からの繰越額七十億千五百六十三万円余を増減いたしますと、平成九年度歳出予算現額は八百六十四億六千二百三十三万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額八百十一億千七百二十八万円余、翌年度への繰越額四十五億九千六百八十六万円余、不用額七億四千八百十七万円余となっております。 以上、簡単ではありますが、平成八年度及び平成九年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○坂上主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院関本第二局長。
○関本会計検査院当局者 平成八年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○坂上主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂上主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂上主査 以上をもちまして環境庁についての説明は終わりました。 —————————————
○坂上主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。大森猛君。
○大森分科員 日本共産党の大森猛でございます。 環境庁の決算に関連しまして、先日来大問題になっております荏原製作所のダイオキシン垂れ流し問題と最終処分場問題について、環境庁等の見解を伺いたいと思います。 先月、環境関連技術の開発に力を入れております荏原製作所の藤沢工場が環境基準の八千百倍にもなるダイオキシンで汚染された工場排水を七年近くにわたって垂れ流しをしていたことが明らかになりました。長官も早速現地を視察されたようであります。藤沢市では、きょうも朝日新聞の一面トップで、最終処分場の大変な高濃度のダイオキシンが検出されると報道されておりますけれども、荏原製作所自身が設置した石名坂環境事業所の焼却炉から大気中に高濃度のダイオキシンが検出されたということで市民の皆さんが大変強い不安を持っておられる、そういう中で今回の事件があったわけですね。廃プラスチック類などを焼却する際、有害物質を含んだ排煙を大気中に放出するのを削減するために水で洗浄して、そのダイオキシンを含んだ汚水が雨水管を通じて七年間、一日約八トンと言われておりますが、そういうふうに垂れ流しされたわけです。 それで、市民の皆さんが一番今知りたいのは、一体どれだけ流されたんだろうかという点で、この点が皆さんが知りたい第一の点だと思うんです。長官も、現地視察をされた後、これは新聞報道でありますけれども、まさかと思われるような間違い、どうしてこうなったか原因を調べ、ダイオキシンの総量を測定するのは難しいが努力したい、こう述べたと報道されておるわけなんです。そういう点、ぜひ長官として、どれだけこの七年間に流されたのかという点を調べるための努力をしていただきたいと思うんですが、まずその点をお聞きしたいと思います。
○清水国務大臣 私も、本件の重大さにかんがみまして、三月三十一日にこの荏原製作所の藤沢工場に赴きまして現地を見せていただきました。率直に申しまして、非常に単純とは言えないと思いますけれども、事が七年間そうなっていたということに対して、大変驚きを持ったわけでございます。 あのときに、全貌解明の一環といたしまして、過去七年間、どれだけのダイオキシンが本当に環境中に排出されたのだろうかということに対して、やはり総量を把握することが必要であるというふうに思ったわけでございまして、担当課長に指示をいたしまして、荏原側に対しまして、その資料を提出するようにということを求めたところでございます。実際問題、過去にさかのぼりまして正確な算定を行うというのは困難なことであるというふうに思いますけれども、いろいろな専門的な知見とか資料を集約していけばある程度のことが出てくると思います。 しかし、それをするにもしばらく時間を要するという担当者からの報告も受けておりますので、いずれにいたしましても、重要な基礎数字でございますので、ぜひその解明に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○大森分科員 ぜひ御努力いただきたいと思います。 私なども、こういう問題は決して専門的でもないわけですが、とりわけそういう面から見た場合、なぜ七年間も垂れ流しが続いたのか、これはだれしも第一の疑問として出てくると思うのですが、その点は環境庁としてはどのようにお考えになっているのでしょうか。
○柳本政務次官 これまでの調査の結果、廃棄物焼却炉からの排ガスを洗浄いたしました排水を通す配管が雨水管へ誤って接続されたことによりまして、排水が未処理で排出されていることが判明いたしております。これが今般のダイオキシン類による水質汚濁事件の直接的な原因であると考えるところであります。 荏原製作所が七年間にわたり、どうしてこの誤った接続が見つけられなかったのかにつきましては、現在、環境庁、神奈川県及び藤沢市による引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議におきまして進めている原因究明のための作業を待たなければならないところでございます。しかしながら、いずれにせよ、荏原製作所の管理の不行き届きがあったことは否めないところでございます。 私どもといたしましては、今回の事件の原因究明を急ぐとともに、こうした事件の再発を防止するために必要で有効な措置についても検討していきたいと考えております。
○大森分科員 直接的な原因についてはおっしゃったような面があるかもわかりませんが、私は、この問題、国として何を教訓とすべきかということについて言えば、やはりダイオキシンに対する国としての対策が非常におくれてきた、このことをきちんと真剣に受けとめてほしいと思います。 かつてジェー・シー・オーの事故の際にも、私どもは、直接の原因という以外に、その背景に重大な安全神話の問題等があるということも指摘をしたわけでありますけれども、このダイオキシン類に対して、ヨーロッパでは、七〇年代の後半に、ごみを燃やせばダイオキシンが出るということが発見されて、八〇年代を通じて、現在の日本の基準よりもはるかに厳しい基準がつくられてきた。ところが、二十年たってやっと日本ではこの一月にダイオキシン類に関する特別措置法ができる。そういう面で、ヨーロッパと比べても世界から比べても、日本のダイオキシン対策が極めておくれているという点をやはり教訓として受けとめる必要があると思うのです。 この点を、私は改めて長官の方に、直接の原因以外に、そうした点での国として教訓をどう受けとめるかという点をお伺いしたいと思います。
○清水国務大臣 ダイオキシンに関しましては、廃棄物処理場の問題からいろいろ出てまいりまして、日本でも大きな問題になったわけでございまして、こうした点から、昨年、ダイオキシン対策特別措置法ができて、そして具体的にこの一月からそれぞれの環境基準がつくられ、そしてこれからきちんとした整備をされていくということでございます。 私どもは、この法律がきちんと施行されて、そしてダイオキシンに対する心配がなくなりますような施策をきちんとしていきたいというふうに考えておりますので、ぜひそのことにつきましても、先生におかれましても御関心をお持ちいただきまして、見守っていただきたいというふうに思っております。
○大森分科員 具体的にちょっと幾つかお聞きをしたいと思うのですが、配管ミスが直接の原因だということになったわけなんですが、仮に配管ミスがなかった場合、最終処理場を経て引地川に放流されるわけなんです。しかし、ではこの最終排水処理場にダイオキシンを除去する機能があったのかという点については、会社側は明確な回答をしていないわけであり、その点は環境庁の方はどういうふうに掌握されているのでしょうか。
○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の排水処理施設につきまして、現在この施設からの排水中のダイオキシン類の濃度の点についての調査を進めておりますし、かつまた、施設の設計とか構造あるいは運転管理上の問題なんかにつきましても、全面的に洗い直しを進めているということでございます。 したがいまして、このような調査を進めまして、なぜこういう問題が生じたのかということを洗い出しまして、以上の結果に基づきまして厳正に判断していきたい、こう思っております。
○大森分科員 この荏原製作所という会社は、環境関連のさまざまな事業をやっているわけなんですが、最近では、これは荏原製作所のインターネットで取り寄せたものでありますけれども、ダイオキシン類除去用特殊粒状反応剤、こういうものの開発もやっているわけですね。ですから、ダイオキシン問題については熟知した企業である、こう見なければならないと思うのですね。 こういう企業が、廃プラスチック材を燃やしたら一体どうなるのか、この焼却場を使ったら一体どうなるのか、当然この企業としてそれは知り得ていたはずじゃないか。排水処理場がそういうダイオキシンの除去の機能があったかどうか確定できないような施設を使って、しかも、配管ミスもない場合でもそれは垂れ流しをされていたわけでありますから、そういう前提に立って調査を行うべきじゃないかと思うのですが、その点、いかがですか。
○遠藤政府参考人 この焼却施設、さらには排水処理施設につきまして、先ほど申しましたように、施設の設計あるいは構造あるいは管理上の問題、そういうさまざまな観点からいろいろ問題点を洗い出しまして、そして今後の糧にするためにもきちんと調査し、そして本件の問題について厳正に対処していきたい、こう思っております。
○大森分科員 これは環境庁の所管になるかどうかわかりませんが、この焼却施設について、実際にそういう機能があったのかどうかの掌握は、まだされていないのですか。
○遠藤政府参考人 この焼却施設につきましては、先生御指摘のように、燃やした後の煙にダイオキシンが多く含まれるわけでございますけれども、それにつきまして、水をかけまして、洗煙排水を下に流しまして、本来ならば汚水管に流して、そして汚水処理施設でもって浄化していく、こういう構図で運転が期待されておった。それが汚水管に流れないで雨水管に流れておった、そこが問題なわけでございます。 したがいまして、その点につきまして、なぜそういうふうな事態が七年間も放置されておったのか、そこをきちんと調べる必要がある。その関連で、もっといろいろな対応、こういう事態を招かないような対応というのが取り得るのじゃないかというような教訓があれば、そういうものも洗い出して今後の対応に資していきたい、こう考えております。
○大森分科員 いや、その点は先ほど長官の方からもお聞きしたわけです。ですから、焼却施設は、仮にミスがなかった場合に本当に大丈夫だったかという問題です。その点は、同型の焼却炉が全国でも百五十ですか、施設があるわけですから、この施設も含めてきちんとこれは点検をしていただきたいと思います。 あわせて、ダイオキシン除去機能があるという御回答はなかったわけなんですが、考えられるのは、そこで沈殿等によって一定のものが汚泥の中にまざるとなるわけなんですが、では、その汚泥は一体どう処理されていたのか、それについての調査は現在どこまで来ているのか。これは厚生省ですか。
○岡澤政府参考人 これにつきましては、神奈川県が立入検査を行っているわけでございますけれども、荏原製作所では、過去、自社の排水処理施設から生じました汚泥につきまして、自社の敷地内で処分をしていたということがあるようでございます。このために、神奈川県は荏原製作所に対しまして、埋め立てられた汚泥に有害な重金属とかダイオキシンは含まれていないかどうか、それから地下水への影響がないかどうかということについて直ちに調査するように指示しておるところでございまして、既にサンプルが採取されまして、分析中だということでございます。 その結果を見まして、厚生省といたしましても、生活環境保全上の観点から、神奈川県が荏原製作所に対して適切な措置をとらせるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○大森分科員 冒頭にも申し上げましたように、藤沢市ではさまざま、このダイオキシンに関しては、高濃度のダイオキシンで汚染されているということが報告をされております。例えば、九一年、焼却場の排ガスから排出基準値の二倍の値が検出されたり、九六年にはクロマツの葉から二十三・一ピコグラムの数値が示された。九八年には大気一般環境調査で、これは御所見小学校付近なんですが、大気環境指針値を上回る〇・八九ピコグラムが検出された。さらに、九九年には、厚生省の母乳中のダイオキシン類に関する調査の結果が、脂肪一グラム当たり二十五・六ピコグラムと全国平均よりもかなり高い値が検出をされているわけですね。先ほども言いましたように、きょうは一面に大きく、処分場のダイオキシン類が二千六百倍というような報告がされたわけです。 どうして藤沢でこういう高濃度のダイオキシンがさまざま報告されるかというと、これは単に荏原製作所の問題と限定するのは早いかもわかりませんが、いずれにしろ、これは総合的に調査を進める必要があると思うわけであります。 そこで、この問題に返りまして、環境庁は、九八年にダイオキシン類緊急全国一斉調査を行い、その結果、環境基準を超えるダイオキシン類が引地川から検出されたわけですが、これを九八年に行われて、結果を得て、藤沢市への連絡はどのような形でやられたんでしょうか。
○遠藤政府参考人 御指摘の緊急全国一斉調査でございますけれども、環境庁が、ダイオキシンによる全国的な環境汚染の実態を明らかにすべく、平成十年度に補正予算を計上させていただきまして実施いたしました。 これは、御理解いただきたいのでございますけれども、世界でも例がないほどの大規模なものでございました。具体的に申しますと、本調査における延べ検体総数は約二千に及びます。そして、調査対象も、大気、降下ばいじん、水質、地下水、土壌、水生生物といった多くの環境媒体にわたって行われた総合調査でございます。このために、試料の採取から検体の前処理、分析、さらには慎重さを要する測定精度の管理、あるいは得られた結果の評価づけ、こういうものにつきまして、あらゆるプロセスにおいて時間を要したということでございます。したがいまして、公表は平成十一年九月二十四日になりました。おおむね一年を要しております。 なお、先生御質問の藤沢市への連絡の件でございますけれども、公表に至るまでの途中段階で、必要に応じまして、関係地方公共団体との間で、データの信頼性について確認すべく、情報交換を行っております。具体的に、環境庁から神奈川県を通じましてそのデータを藤沢市に伝えたのは、昨年九月の初旬でございます。
○大森分科員 世界に例のない調査とおっしゃったわけなんですが、大体日本が既に世界に例がないようなダイオキシンの汚染の状況なわけですね。ですから、それをそういう形でおっしゃっても、遅きに失する。例えば、母乳のダイオキシン汚染度にしても、全国平均がWHOの基準の二十七・五倍とか、大気においては、やはりヨーロッパなどと比べて約十倍の開きがある、汚染されている。世界に類例がないのは、汚染の方が類例がないような今の日本だ。 それで、確かに時間はかかるわけでありますけれども、私が藤沢市にも直接伺って、実際、今おっしゃったように一年後しか報告がなかったというわけですね。九八年八月二十四日に採水をされて、それで引地川の濃度が非常に高いということがあれば、一日も早く、一刻も早く、関係自治体に連絡をすべきじゃないか。私は、もしそういうことがやられていたら、もっと早くダイオキシンの排出がとめられる、そういう可能性もあったんじゃないかと思うんです。 そういう点で、こういう国が行う調査と地方自治体への情報の提供とを改めてこの機会に考え直す必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○遠藤政府参考人 先生御指摘のように、調査を実施しましたならば、今後、可及的速やかに調査解析いたしまして、対応を図ってまいりたいと思っております。 ただ、このダイオキシンというのは非常に微量汚染物質であるということで、調査、その前処理、解析のいかんによっては非常にデータが振れるという側面もあることもぜひ御理解を賜りたいと思います。 いずれにしましても、御指摘の趣旨を踏まえまして、今後、種々対応に努めてまいりたいと思います。
○大森分科員 先ほども言いましたように、荏原製作所というのは、この種の問題ではそれこそ第一線にある企業なんですが、そういう企業において、長官自身まさかと思うようなことが行われていたというわけなんです。この荏原製作所の藤村会長は、政府の中央環境審議会の委員も務められている、廃棄物部会委員も務められているわけですが、そういう意味でも、先ほどのダイオキシン類の調査についても、そういう結果についても、審議会委員としてより早く知り得る立場もあったんじゃないかと思うのです。そういう点で、そういう調査結果が出されたのであれば、自社の環境対策を率先して行うというようなことがまず必要じゃなかったか。 今回の事件が明るみに出て以降、例えばこの社長が、住民の皆さんの前でおわびをしながらも、一方では、ダイオキシンのことを気にし過ぎたら、ダイオキシンが嫌だというなら何も食べられないというような、原因者と思われないような発言もされているわけですね。 そういうこの間の経過をかんがみて、こういう日本でも最悪の濃度のダイオキシンを垂れ流した企業の会長が、中央環境審議会にそのまま勤めておられてもよいだろうかと素朴な疑問も出てくるわけなんですが、この点、長官はいかがお考えでしょうか。
○清水国務大臣 実は、この事件が起きましてから、藤村会長の方からは、直ちに中央環境審議会の委員を辞任したいという申し出がございまして、既に手続中でございます。
○大森分科員 この問題で、最後といいますか、この荏原製作所の引地川のダイオキシン流出事故以来、住民の皆さんの健康に対する心配の声が起こるのは当然なんですが、とりわけ、ここは相模湾一円の沿岸で、地びき網やらさまざまな漁も行われているわけであります。これも今さまざまな被害、風評被害という面も含めて、実際に大きな影響が出ているわけですね。 これは、市が漁協から聞き取り調査した概要で、四月の七日までの時点なんですが、例えばシラス関係でいえば、四月一日から四月七日まで、シラスの水揚げ約五百キログラム、それが三分の一ぐらいしか売れないとか、定置網の場合は、これは朝市、通常二百人ぐらいが、四月二日は百三十人ぐらいですね。価格の方も二〇%ぐらい下がってしまった。刺し網の場合も、キス、メゴチ等を水揚げしたが買い取ってもらえなかった。四月一日から四月七日の間でいえば、七百キログラム水揚げされたけれども取引が中止になった。さらに、地びき網、これは、私もつい近所に住んでいるものですから何度かここに行ったこともあるわけなんですが、特に四月末から連休のゴールデン期間の予約がキャンセルが相次いでいるという状況があるわけです。 こういう点で、荏原製作所に対して、何とか補償してほしいという声が上がるのは当然であるわけなんです。荏原製作所として、こういう声にやはり誠実にこたえるべきじゃないかということを私は強く思うわけなんですが、環境庁として、そういう点、どのようにお考えになっているのかお聞きをしたいと思います。
○清水国務大臣 今先生御指摘のような、風評被害に対しまして住民の方々から補償要求が出された場合には、やはり民事上の問題として解決すべきものだというふうに考えます。 私といたしましては、そうした問題については、やはり当事者同士のお話し合いが進められて、そして円満な解決がされることを期待するところでございます。
○大森分科員 企業に対しても円満な解決がされるよう希望されたということですね。そういうぐあいに受けとめたいと思います。 この藤沢市に関連して、きょう新聞報道されたダイオキシン基準の二千六百倍、これは排水の方でありますけれども、処分場から流出していた。これは住民の委託調査でありました。これについても、当然、市なり県なりも調査すると思うんですが、環境庁としても、これは質問通告をしておりませんけれども、関心を持って必要な連携、調査などもぜひ行っていただきたいと思う。よろしいですか。ちょっと一言だけ。
○遠藤政府参考人 本日、朝日新聞で報道されました藤沢市の処分場のダイオキシン問題でございますけれども、これにつきましては、現在、県、市と連絡をとりまして事態の解明を進めたい、こう思っております。
○大森分科員 次に、横浜市にあります最終処分場についてお聞きをしたいと思います。 横浜市の泉区、旭区に、一般ごみの最終処分場である神明台処分場というのがあるわけなんですが、ここは焼却灰と不燃ごみを埋め立てする施設であります。しかし、一番大きな問題は、周辺が、緑園というような地名にも象徴されるように、非常に閑静な住宅地のど真ん中にこの処分場があるわけですね。 横浜市の計画では、二〇〇四年から全市の焼却灰の一〇〇%がこの神明台に持ち込まれる。この処分場、一九七三年から一般廃棄物の最終処分場として利用され、埋立面積は九六年までで約三十三万七千ヘクタール。横浜市の従前の計画では、九五年で埋め立て終了予定。ところが、第七次計画というのが九六年から始まって、引き続き十五・八ヘクタール、一次、三次、四次の処分場の上に標高八十メートル、住宅地よりも高くなるわけなんですが、そういう八十メートルの高さに焼却灰と不燃ごみを積み上げるということになるわけです。 住宅密集地のど真ん中に三十年、これだけ大規模な量の最終処分場があるということは、こういう住宅地のど真ん中で非常に長期にわたるという点では大都市に例を見ないような状況に今なっていると思うんです。 こういう状況が今この神明台処分場についてはあるわけですが、今国会で政府の方としては、廃棄物処理法の中でこういうごみ焼却施設や最終処分場などの設置要件について厳しくする、適合基準をより強化するという方向で提案されたというぐあいに聞いておりますけれども、その点、どういうような内容になっているでしょうか。
○岡澤政府参考人 廃棄物の処理施設につきましては、平成九年に法律改正を行いましたときに、全国一律の基準では対応できない部分につきまして、個々の施設ごとに、その施設の立地される地域の生活環境条件というものに応じて施設の構造や維持管理の方法等を採用していくことが適当だろうという観点から、施設の設置及び維持管理の計画が周辺地域の生活環境の保全に適正な配慮がなされたものであることということを許可の要件としております。 今回改正を予定しておりますことは、こうした考え方を基本といたしまして、特に廃棄物処理施設の周辺に人の利用する施設がある場合には、その施設の利用者の特性に応じた生活環境の配慮を図ることができるように、許可の要件を入念的に明確化したものでございます。 厚生省で定める施設については現在検討中でございますけれども、人の利用する施設ということですので、一般の住宅はこれには含まれないというふうに今考えております。 いずれにしても、しかし、厚生省令でどういう施設を定めるかにはよらず、施設の設営に当たって、周辺地域の生活環境に対して十分な配慮がなされるということは当然必要なことだというふうに考えております。
○大森分科員 具体的には、病院や学校等々については配慮するという点で、そういう面からの立地規制の強化というぐあいに受けとめていいと思うんですが、この神明台処分場の場合、すぐ隣接して緑園西小学校、善部小学校、さちが丘小学校、三つの小学校と、病院もこれまたすぐ隣接して、湘南泉病院あるいは新中川病院と大きな病院があるわけですね。 この処分場は、既設とはいえ、こういう既に完全に埋め立てられたその上にまた新たな最終処分場をつくっていくということで、事実上新しい処分場として見てもおかしくない、そういう状況になっているわけですね。 しかも、一たん九五年に終了予定のものを延長して行うということで、こうした中で、一九九六年に、つまり延長が決定された、四十年以上にもわたるというようなことが決定されたその直後に、三十年も処分が続くのは受忍限度を超えているということで、横浜市長を相手取った公害調停を住民の方が申し立てられて、当初は六十七名からスタートしたのが現在は三千七百六十名と、非常に大規模なものになっているわけですね。 そこで、横浜市が住民に相談を十分しないまま十二年間も延長する、情報についても十分に公開しないままこういうことを行う。横浜市自体の行政にも非常に問題があるわけなんですが、その背景に、大都市における最終処分場の確保の困難さ、こういう共通の問題がやはりあると思うんですね。こういう点で、自治体も頭を抱えている、住民もこういう訴えを起こしているという中で、今政府はどういうことを、基本的な点だけお聞きをしたいと思うんです。 時間も来ましたので、加えましてもう一点。これは、最終処分場周辺で周辺住民の方が独自に土壌のダイオキシン類濃度を調査されて、最高濃度が一グラム当たり二百六十八ピコグラムを記録した。横浜市の公表している同じ地点の最高濃度と十三倍ぐらいに開きがあることがわかったわけですね。これは神奈川県内、今、米軍厚木基地が問題になっておりますけれども、この米軍厚木基地の、日米合同調査でわかった三百三十ピコグラムに次ぐ高濃度の汚染ということになっているわけであります。 今、環境を守る、こういう面で、住民の皆さんの協力あるいは住民の皆さんの力というのが、私は実際には大きな役割を果たすと思うわけなんです。冒頭に紹介した藤沢の最終処分場の濃度が二千六百倍という、これは民間の住民の皆さんの委託調査であるわけですが、環境庁なり政府なりが、こういう最終処分場なり焼却施設なんかの基準が本当に守られているか検証する上で、あるいはその基準の見直しを行う上で、こういう住民の皆さんの調査ということをやはり十分に反映させていく、そういう姿勢が私は非常に重要じゃないかと思うんです。この二点をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○岡澤政府参考人 廃棄物処分場対策について、私の方からお答えしたいと思います。 今後の廃棄物対策は、当然、今処分場の逼迫等の問題もございますので、処分場の確保対策ということが非常に重要な柱でございますけれども、それと同時に、廃棄物の排出抑制、それから再生利用の促進によりまして廃棄物の減量化を図っていくということが必要ではないかというふうに考えております。減量化、再生利用の点に関しましては、平成十一年、昨年の九月でございますが、ダイオキシン対策関係閣僚会議におきまして廃棄物の減量化の目標量を決定したところでございまして、こうしたものに即して対策を講じていきたいというふうに考えております。 しかし、まだ一方では、減量化の努力を行っても最終処分せざるを得ない廃棄物が生じるという事実がございますので、これらの適切な処分を確保していくことが当然に必要でございます。このため、廃棄物処理法に基づく基準の徹底を図って、しっかりとした施設を整備する、同時に、施設の維持管理データを公開するなど情報公開を積極的に進めまして、住民の理解を得るような形に持っていくことが必要だというふうに考えております。
○清水国務大臣 最終処分場での適正な処分についての御指摘でございましたけれども、先生御指摘のように、NGOの方々、一般の方々がお調べになったデータで非常に高い濃度が出たというふうなことにつきましても、こういったデータが得られた場合には、その測定場所でありますとか測定方法等が適切であるということを確認した上で、原因の究明とか対策の検討に当然反映させるということが必要であるというふうに考えております。 一つ申し上げれば、最終処分場につきましては、埋め立てられるばいじんの飛散だとか流出といったような周辺環境への影響が一般的に懸念されることもございまして、環境庁といたしまして、昨年夏に全国八カ所で、最終処分場の表面表土のダイオキシン類の調査をいたしたわけでございまして、この結果を踏まえて、昨年の十二月に、ばいじん等の飛散、流出防止策を規定する埋め立て処分基準の改定を行ったところでございます。 今後、最終処分場の管理保全につきましては、これらの基準が厳格に運用され、適切な処分が行われることが肝心であるというふうに考えております。
○大森分科員 時間が来ましたので、終わります。
○坂上主査 これにて大森猛君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして環境庁についての質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二分休憩 ————◇————— 午後三時二十一分開議
○坂上主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。保利自治大臣。
○保利国務大臣 自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 まず、平成八年度でございます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額十三兆七千九十五億七千八百十七万円余、予算補正追加額三千四百二十六億一千八百六万円、予算補正修正減少額七億五千百三十六万円余、総理府所管から移しかえを受けた額一億百五十六万円余、前年度繰越額百四十一億一千八十万円余、予備費使用額七百四億五千五百二十五万円余、合計十四兆一千三百六十一億一千二百四十八万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は十四兆一千二百三十三億三千四百八十二万円余で、差額百二十七億七千七百六十五万円余を生じましたが、この差額のうち、翌年度繰越額は四十六億五千五百五十五万円余、不用額は八十一億二千二百十万円余であります。 次に、平成八年度の特別会計決算につきまして御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計がありますが、この特別会計には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、歳入予算額は三十一兆九千七百三十七億八千七十万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は三十二兆一千億五千九百二十二万円余となっております。 また、歳出予算現額は三十一兆三千六百八十五億三千八百六十九万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は三十兆九千七百四十億七千四百十七万円余、翌年度繰越額は二千九百三十億七千二百十七万円余、不用額は一千十三億九千二百三十四万円余であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、歳入予算額は九百六十二億九千二十二万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は九百七十九億六千百九十六万円余となっております。 また、歳出予算現額は九百三億五千百三十八万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は八百九十九億三千四百三十二万円余、不用額は四億一千七百六万円余であります。 続きまして、平成九年度でございます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額十五兆五千八百六十一億二千二百十七万円余、予算補正追加額三千七百八億四百七十四万円余、予算補正修正減少額三千七百二十八億五千四百十万円余、総理府所管から移しかえを受けた額六千八百五十一万円余、前年度繰越額四十六億五千五百五十五万円余、予備費使用額十八億六千三百六十七万円余、合計十五兆五千九百六億六千五十六万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は十五兆五千八百九十四億八千八十九万円余で、差額十一億七千九百六十六万円余を生じましたが、この差額のうち、翌年度繰越額は三億二千五百六十四万円余、不用額は八億五千四百一万円余であります。 次に、平成九年度の特別会計決算につきまして御説明を申し上げます。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、歳入予算額は三十三兆九千四百七十二億四千二百六万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は三十四兆三千四百十三億一千三十四万円余となっております。 また、歳出予算現額は三十四兆一千三百四億八千百五十四万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は三十三兆九千七百十七億一千五百九十万円余、不用額は千五百八十七億六千五百六十三万円余であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、歳入予算額は九百九十一億百八十五万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は九百九十億五千二百八十八万円余となっております。 また、歳出予算現額は九百十三億八千九百二十九万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は九百十億百八十二万円余、不用額は三億八千七百四十六万円余であります。 支出済み歳出額の主な事項は、お手元に配付してあります資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして御説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○坂上主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 これは、消防防災施設整備費補助金による画像伝送システムの整備に関するものであります。 この補助事業において、画像伝送システムの整備契約に当たり、契約の内容に適合した履行の確保のために必要か否かを十分検討することなく、土木工事等の建設工事と同様に最低制限価格を設定したため競争の利益が十分生かされず、国庫補助金が過大に交付されていました。 そこで、消防庁において、事業主体が最低制限価格を設定するに際し、整備契約の内容、契約相手方等の状況を考慮することについて指導する要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、消防庁では、平成九年十一月に都道府県に対して通達を発するなどして、事業主体に対して、画像伝送システムの整備契約を行うに際しては、最低制限価格を設定する必要性の有無について検討し、競争の利益を十分生かした適切な契約を締結させる処置を講じたものであります。 次に、平成九年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件であります。 これは、消防防災施設整備事業の実施に当たり、設計が適切でなかったなどのため耐震性貯水槽の所要の安全度が確保されていない状態になっているものであります。 この補助事業において、山梨県西八代郡三珠町では、平成七年度に、容量百立方メートル型の耐震性貯水槽を築造していますが、貯水槽の設計に当たっては、常時と地震時の荷重を考慮した応力計算を行うこととされているのに、同町では、これらの応力計算を行っていませんでした。このため、底版等の主鉄筋に生じる引っ張り応力度が常時、地震時とも許容引っ張り応力度を大幅に上回っていたり、底版のコンクリートに生じる曲げ圧縮応力度が常時、地震時とも許容曲げ圧縮応力度を大幅に上回っていたりして、応力計算上安全な範囲を超えていたものであります。 以上、簡単でございますが、御説明を終わります。 次に、平成八年度公営企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度公営企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○坂上主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。保利自治大臣。
○保利国務大臣 ただいま説明がありました決算検査報告につきましては、まず、平成八年度において掲記されております処置済み事項につきましては、会計検査院の御指摘に基づき、平成九年十一月に都道府県に通達を発するなどして、最低制限価格を設定する必要性の有無について検討し、競争利益を十分生かした適切な契約を締結させる処置を講じたところであります。 次に、平成九年度において掲記されております耐震性貯水槽に係る不当事項の御指摘につきましては、まことに遺憾に存じます。 耐震性貯水槽の整備に当たりましては、これまで種々努力を重ねているところでありますが、このたびの御指摘を受け、その整備に当たっての施工管理における検査等の徹底を図るよう平成十年十一月に都道府県に通達を発するなど所要の処置を講じたところであります。 今後は、このようなことのないよう、予算の効率的かつ適正な執行について万全を期す所存であります。 以上でございます。
○坂上主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付しております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂上主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂上主査 以上をもちまして自治省所管及び公営企業金融公庫の説明は終わりました。 —————————————
○坂上主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原博久君。
○栗原(博)分科員 地方自治あるいは市町村合併、また地方行政の中での競馬等についてちょっとお聞きしたいと思っております。 合併促進法はこの十七年の三月三十一日までの時限立法で、昭和四十年に発足しましてから幾多の改正を見ながら、市町村の合併促進によって多様な住民サービス、あるいはまた機敏な行政サービスを行うとか、あるいは国際性のある行政もまた求められておりますし、特にまた情報公開など、国民、市民からわかりやすい行政が求められる中において、いかに行政がスリム化するかということもあると思っています。 その中できょう私はお聞きをしたいのでございますが、先般、地方分権法が成立しまして、中央集権の従来のシステムから、新しい、個性の豊かな社会をつくるという点、あるいはまた、先ほど私が申しました変動する国際社会に対応するという中で、あるいはまた、この四月一日から、少子高齢化の中での介護保険法がスタートしたわけです。そういうものについての新しいニーズにこたえる、あるいはまた逆に、私ども地方でございますが、東京一極集中、これを正すなど、そういうことを目的としていると思っておるわけであります。 そこで、きょうは保利大臣がお越しでございますのでひとつお聞きしたいのでございますが、今後、今私が申し上げたような点を踏まえながら市町村合併の促進を図らねばならぬと思うのでございますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 地方分権一括法がこの四月一日から施行されまして、分権改革がいよいよ現実の歩みを始めたところでございます。今後とも、真の分権社会実現のために全力を尽くしてまいりたいと思っております。 地方分権の成果を十分に生かしていくためには地方公共団体の行政対応能力を高めるということが必要でございまして、また、地方分権の推進によって地方公共団体の組織が膨張して、その結果、国民負担の増をもたらすことがあってはならない、こういうふうに考えております。そのために、市町村合併の推進というのが、この地方分権と相まって、重要不可欠なものであると認識をいたしております。 自治省といたしましては、合併推進のための地方財政措置の拡充とあわせまして、平成十二年度の予算におきまして市町村合併推進補助金を確保するなど、幅広い支援措置を講ずることといたしておりまして、市町村合併特例法の期限でございます平成十七年三月までに十分な成果が上げられるよう、市町村合併を総合的に支援してまいりたいと思います。 市町村合併で重要なことは、市町村の自主的な取り組みを期待するということでございまして、各県においてそれぞれいろいろなケーススタディーをしていただいております。さらにまた、地方分権推進委員会を一年延長することについても閣議で決定しておりますし、そういったものと相まって、私は、地方分権の実が上がるように、そして市町村合併の実が上がるように努力を重ねてまいりたいと思っております。
○栗原(博)分科員 今、各自治体をいろいろ見ますと、箱物を競ってつくっているような点が私は見えるんですね。こういうものは効率ある使用をせねばならぬと思うので、市町村合併あるいはそれに類するような形で、いいものをつくったら、それをお互いに共有し合う。そしてまた、その維持管理、物をつくりましても、今度は補助金がないわけですから、つくるときは国の補助金があるかもわかりませんが、その維持管理に必ず多大な財政負担をこうむると思うので、そういうことも考えながら、市町村合併の促進とあわせながら、市町村合併に至らない場合は、そういう箱物等についても各市町村で共有し合って、効率よく使いながら、またその維持管理に経費をかけないような、そういうこともひとつ自治省の方で御指導賜ればと思っております。 今まで都道府県知事や市町村長は、国の機関として、構成員として国の事務を処理する、要するに機関委任事務ということで、上から仕事を与えられ、義務化されておりましたが、今回の改正によってそれが廃止されて、今度はそれにかわりまして、おわかりのとおり、自治事務と法定受託事務に大きく変わるということを伺っております。 そこで、お聞きしたいんでございますが、今介護保険などを目途にいたしまして、広域連合、従来全国で約六十五あるやに伺っておりますが、この広域連合の進め方ですね。市町村の一部事務組合、あるいはまた広域市町村圏におきます事務の共有化などもあると思うのでございますが、きょう私がお聞きいたしますことは、その中で、市町村合併の前段階の一つの目安としての、市町村の従来の枠組みの変更を伴わない広域連合の活用などが一つ考えられると思います。その点につきまして、この広域連合の法的な根拠、あるいはまたそこにおいてどのような事務を処理するか、あるいはまた広域連合においては固有の議決機関も持てるやに伺っておるのでありますが、そういうことについて、一部事務組合と比較しながら、広域連合のあり方についてひとつ御答弁いただきたいと思います。
○中川(浩)政府参考人 広域連合は、多様化した広域行政需要に対応いたしますとともに、国からの権限移譲の受け入れ体制を整備する、こういう趣旨で、平成六年の地方自治法の改正によりまして新たに創設されたものでございます。構成団体の事務の一部を共同処理するために設置されます一部事務組合とその点は同じ性格を持つわけでございますが、一部事務組合に比べまして、その運用、制度全般にわたって弾力的な取り扱いができることとされているところでございます。 この制度は、平成七年の六月から施行されておりますが、本年四月一日現在で、先生おっしゃいましたように、六十五の広域連合が既に設置をされております。この六十五の広域連合が処理しております事務でございますが、御指摘のように、介護保険に関する事務が最も多くて、そのうち五十九がこの介護保険に関する事務でございます。そのほか、広域市町村圏計画の策定、あるいは公立大学の設置、運営、職員研修など、事務の内容も広範多岐にわたっているところでございます。 広域連合の執行機関は広域連合の長、広域連合長でございまして、また議決機関として議会が置かれることになっております。これらの長、議会議員の選出は、直接選挙または間接選挙とされておりますが、現在の広域連合の中では、すべてが間接選挙によっているものと承知をいたしております。 また、広域連合は、一部事務組合と異なりまして、国等の権限に属する事務を直接処理することができる、あるいは直接請求が広域連合においては十分可能になっている、このような制度上の違いがございます。 以上でございます。
○栗原(博)分科員 法的根拠とその運営について、特に議決権を有するというふうなお話もあったわけでありますが、かつまた住民の直接請求権があるということはなかなか強い縛りのあるものだと思っております。 それで、六十五の広域連合があると言いましたが、今、議会については全部間接ですか。
○中川(浩)政府参考人 ただいま設置されております広域連合は、いずれも構成市町村の議会によります選挙によるという間接の選挙で議員が選出されていると承知いたしております。
○栗原(博)分科員 広域連合の維持等につきまして、例えば財政的な支援というのはどうなっているのでしょうか。
○中川(浩)政府参考人 広域連合は、法律等に定めます事務を共同処理をする、こういう措置がとられますと、広域連合で処理します事務に係る経費につきましては、それぞれの地方公共団体において交付税措置をされましたものが負担金という形で広域連合に集められるということでございます。また、そのほか、特別交付税あるいはまちづくり特別対策事業等によりましても財政支援を行っているところでございます。
○栗原(博)分科員 各市町村で、構成団体の負担金と別途また交付税があるというふうに解釈してよろしいのですか。
○中川(浩)政府参考人 交付税上の措置といいますのは、それぞれ構成いたしております市町村に対して行われるというものでございまして、それを原資として、広域連合の運営等に当たって構成団体がそれぞれ支援をするということになろうかと思います。
○栗原(博)分科員 では、別途、広域連合に対して国から直接財政的な支出があるということはないのですか。
○中川(浩)政府参考人 広域連合は、一部事務組合と同様、それぞれの市町村、都道府県が共同して設立するということでございまして、その設置主体はあくまでも普通地方公共団体でございます都道府県、市町村でございますので、現在の財政制度の上から申しますと、それぞれの構成市町村に対して財政上の措置をして、それをもとに広域連合の運営が行われるというのが原則ではなかろうかと思っております。
○栗原(博)分科員 間違いありませんね、その点。 それで、きょうお聞きしたいことは、今、広域市町村と一部事務組合との関係でも御答弁がありましたので、私の質問をちょっと飛ばさせていただきます。 四月一日から始まりました介護保険、これは本来ブロック化してやるべきものだと思うのですが、その市町村長の考えによって単独でやって、大変財政負担が大きいところも私はあると思うのですよ。ですから、できるならば保険料を均一化して軽減化したり、あるいはまた、交通の利便の悪いところといいところもありますが、過疎においては在宅のサービスは、とてもこれは距離が遠くて業者が採算が合わぬというところもあると思う。そうなれば、広くして、そこでお互いに補完し合って埋め合うということでないと、介護保険の制度が円滑に推進しないと私は思っておるわけなんです。 そこで、今お聞きしたいことは、介護保険は広域化を私は求めると思いますし、自治省もそのような中での御指導もされているかと思うのでありますが、市町村間における保険料の格差を是正するためにも、広域連合のような形が私は必要だと思います。あるいはまた、まだスタートしたばかりでございますが、これから思わぬことも私は予測されると思うのですよ。そのためにも、保険事業計画などに無理がないようにするためにも、広域といった立場で介護保険を推進するべきだと思うのであります。 この介護保険を契機といたしまして、市町村合併という機運も、広域連合的な中から、それを一歩踏み越えて、市町村合併というものもこれから芽生えてくるというよりも、そういうふうに進行せざるを得ないと私は思うのでありますが、このことについて、自治省はどのようにとらえながら、あるいはまた、介護保険を契機として市町村合併に対する推進方をされるかということについてお聞きしたいと思います。
○平林政務次官 おっしゃいますように、広域連合が介護保険というような事務に果たします役割というのは、確かに認め得ると思います。現に平成十一年度以降に四十三広域連合が設置をされておりますし、平成十二年四月一日現在で全国に六十五という広域連合の数になりましたが、このうち、介護保険に関する事務を処理するのは五十九に上っております。さようなことで、広域連合が果たす役割というのは、介護保険等の新しい仕事におきまして非常に大きく期待されると思います。 市町村合併との関係でございますが、ただいま大臣が申し上げましたように、あくまで自主的な市町村の合併を我々は期待いたしておるわけでございますが、人材を確保するとか地域の課題を総合的に解決するというような観点に立ちますと、市町村合併によって、意思決定や事業実施など、単一の地方公共団体で行うという方がよりうまくいくわけでございますから、広域連合をやっていただくのはもちろん結構でありますけれども、そのようなことを契機にしながら市町村の合併ということについて考えていただきたいもの、さように思っております。
○栗原(博)分科員 私の主観的な間違いかどうかわかりませんが、過疎債とか山村振興とかいろいろの中で地方交付税が決定されておりますが、中には地方交付税に余りにも依存し過ぎて自己改革を忘れている市町村もあると私は思うのですよ。そういう点について、これは私の主観ですよ、私が間違っているかどうかわかりませんが。 ただ、先ほど、広域連合について、国が独自に広域連合に対して直接財政的な支出をしているかということを聞いたら、ないとおっしゃったので、私は、こういう介護保険などを通じて、一部事務組合であれば個々の市町村の持ち出しであるし、今広域連合は同じような形だと思うのですが、そこに議決権とか直接請求権があると、前と違うと思うのです。ぜひひとつ、広域連合というものを十二分に生かしながら、介護保険制度を契機として、各市町村の自主性でありますが、その自主性がそちらに行くような方向で御指導いただければという私の意見でございます。
○平林政務次官 仰せまことにごもっともだと存じますので、これからの市町村のあり方につきましてさらによく研究をして、効率的な力強い地方自治が行われるように努力をしてまいりたいと考えております。
○栗原(博)分科員 地方財政の現状、なかなか厳しい。国の財政と同様に、地方財政の地方債依存度は一二・五%でございますし、あるいはまた公債負担比率が一五%以上の、危険シグナルまでいくかどうかわかりませんが、そこまでいく市町村が約六割、六〇・二%あるというこの現状を見ますると、なかなか地方財政の立て直しには努力が要ると私は思っているのです。 そこで、ひとつお聞きしたいのでありますが、今全国に地方競馬がございます。地方競馬は、かつては、畜産の振興とか国民の健康、いろいろ目的としながら、本来的には地方財政に寄与するということを目的としてあります。 地方競馬と同じように中央競馬もございますが、本来、地方財政を潤すという中の地方競馬が、最近はむしろ地方財政の足かせになっているという点があると私は思っておりまして、この点について、自治省は、地方競馬の運営に対しまして、どのように財政の面から地方競馬を見ているか、またそれに対して、今後、関係市町村あるいは構成団体の市町村に対してどのような指導をされるかということについてお聞きしたいと思います。
○平林政務次官 地方競馬を施行しております地方公共団体の団体の規模とか財政力は、これはさまざまであります。地方財政全体の状況が悪化する中で、競馬をやっております団体の財政状況も、全体の状況と似たような傾向にあると見ております。 また、平成十年度における地方競馬の売上高は約六千六百億円であります。ピーク時の平成三年度の三分の二程度に減少いたしております。地方競馬全体の収益額は、平成五年度以降赤字が連続しておりまして、経営状態は全般的に悪化をいたしております。 地方の公営競技は、地域の関連産業の振興とかあるいは公益事業の振興とともに、収益によりまして地方財政の健全化を図るために実施されているということでありますので、そのためには、健全経営の確保を図るということは何よりも大切なことでございます。 このため、公営競技を行います団体には、今申しましたような状況にかんがみまして、経営改善計画の策定を求めて、施設の改善やファンサービスの向上等によって売り上げの増加を図るとともに、開催経費の節減等により経営の合理化を徹底して、経営の改善を図るように指導をしておるところでございます。 今後におきましても、よく注意をして、健全経営がやれるように、どうしてもやれないというときには、撤退というようなことも考えられるわけでありますが、さようなことを含めまして、よく経営の指導をしてまいりたいと思っております。
○栗原(博)分科員 今、政務次官の御回答で、ちょっと数字の間違いを、私の勉強不足かもわかりませんが、平成三年度がピークで、たしか売り上げが三分の一と今おっしゃいましたか。
○平林政務次官 平成三年度の三分の二程度になっておるということでございます。
○栗原(博)分科員 今政務次官からお話がございましたが、問題は、各自治体、もうかっているところもございますが、大半がもうかっていない。市町村の足かせになっている。できたら競馬はやめたいんだけれども、やめれば莫大もない決済負担金を求められるから、ちょうど高利貸しから金を借りて毎日利息を払って走り回っているのと同じような形で、今、地方競馬はあると思っています。 農林省、きょうお越しいただいていると思いますが、私は先ほど資料をちょっと見たのでありますが、この十年間を見ましても、、今から十年前、中央競馬は約一千三十八万人入っていた。最近ちょっと落ち込みはありましたけれども、平成九年ごろには千二百六十八万人だ。 では、地方競馬は、十年前は、中央が一千三十八万人に対して、一千三百八十七万人だ。十年たちまして、今は約一千二百二十四万人に落ちましたけれども、中央競馬、地方競馬の馬場での観客動員は大体同じなんですね。 同じだけれども、では売り上げはどうかといいますと、べらぼうに差があるわけですね。片や四兆円近い、片や七千億だ。この十年間で約二千四百億、地方競馬は落ちておるわけであります。 また、地方競馬、中央競馬の売り上げの内容を見てみますと、中央も地方も、競馬場での売り上げは大体同じ額なんですね、売上額は。問題は、中央の場合は約二兆六千億ほど場外競馬場で売っている。そしてまた、電話の売り上げも、地方競馬での売り上げ以上に、全体で七千億ですから、それ以上に電話でも売り上げがあるわけですね。 私は、地方競馬の財政の悪化というものは、中央競馬があちこちに場外競馬場をつくりまして、そしてまた中央が、国際化あるいはまた情報化に乗りながら華々しく運営をやっている。今まで、地方財政あるいは国家財政を潤すのに一番下積みの立場だった地方競馬を蚕食と言おうか、それ以上に犠牲にしながら中央競馬が成り立っていると思うのですよ。 その中で、問題は、幾ら自治体がいろいろ手配しましても、根本は、中央競馬と地方競馬の運営の抜本的な改革をやらなければならぬと私は思うのです。私は何もギャンブルを推奨する立場ではありませんが、事実、財政的にその処理に困っている。現在の競馬法というものは、競馬場の馬場があるところが構成員というふうに定まっております。ですから、今まで馬場があったところはどうしても、いつまでも借金の穴埋めをどうするかということで、この前も宇都宮のことがテレビに出ておりましたね。 そういうことで、地方財政としては、これは解決しなければならない状況だと思うので、地方競馬会だけではこれは解決できないはずです。私は、競馬法というものを改正しながら、競馬全体の共存の中で、地方競馬開催団体の市町村に迷惑がかからないように、そういうことの処理が必要だと思うんですよ。 あるいはまた、今北海道の農家が大変困っている。年間一万頭生産するわけですが、地方競馬がだめになりますと、地方競馬は中央競馬の二倍以上の馬を、いい馬は中央へ行くけれども悪い馬は地方だ、その地方の悪い馬というものがあって初めて中央のいい馬が出るわけですから、馬の生産農家も今大変な状況です。 それを踏まえながら、地方競馬をどうするかというかたい決意をお聞きしながら、きょうの質問が足りなければまたこの次させていただきますから、ひとつよろしくお願いします。
○永村政府参考人 地方競馬の財政状況につきましては、自治省と全く同じ認識を持っておるところでございます。 ただ、地方競馬の振興につきまして、基本的には、やはりそれぞれの主催者みずからがどうやって魅力ある競馬番組を提供していくか、あるいはまた運営コストをどのように低減していくかということがまず基本であろうかと考えております。 ただ、一部試みとして行われておりますが、今、地域のブロック内で、例えば南関東四場、大井、船橋、川崎、浦和、こういったところでは、お互いに連携をいたしまして、競合を避けながら開催日程を調整したり相互に馬券を売る、こういった試みを講じておるところでございまして、こういった運動がいろいろなブロックにも少しでも早く波及することが大きなポイントであろうかというふうに考えております。 さらに、先生御指摘でございましたが、中央競馬と地方競馬、これはあくまでも共存していくべき関係にあると私ども認識をしております。この間、中央競馬と地方競馬のいろいろな連係プレー、たくさんやっておりますが、例えば、平成七年と十一年の比較をさせていただきますけれども、中央競馬の方から馬、騎手が地方の競馬場に行く交流レースが、平成七年には三十九レースであったものが、十一年には三百三十八、また、このうち賞金の半分は中央競馬が出す、こういったこと。あるいはまた、地方の馬が中央競馬で走る、このレースが六十八から五百八十五というふうな拡大を見せておりますし、あるいは、地方の優秀な馬が中央で走ることができる、認定競走と称しておりますけれども、これも平成七年の百四十から六百八十というふうに拡大をしてきておるところでございます。 さらに、先生御承知のとおり、平成三年の競馬法の改正に伴いまして、中央競馬の益金の中から地方競馬の施設整備のために、例えば、平成三年から七年まで、一年間に約三十億、合計百五十億円も助成を出すなど、いろいろな形で地方競馬の繁栄のために、底支えといいましょうか、中央競馬も協力をさせていただいておるところでございます。 いずれにいたしましても、中央競馬、地方競馬、それぞれが共存しなければ日本の競馬産業自体成り立つわけはないわけでございまして、今後とも、従来にも増して、それぞれの振興のために頑張っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○栗原(博)分科員 あなたたちは努力しているけれども、現実には赤字が続いているわけですよ。だから、抜本的な改革をしなければならぬと思います。 それから、地方競馬の方からの要請もいろいろあると思うのですよ。上部団体に対する納付金というのは高い、売り上げが落ちているのに、召し上げるというか、ショバ代だけは高いというふうに伺っておりますが、そういう点もよく検討していただきたいと思います。きょうの回答ではまだ足りませんから、後日またひとつよろしくお願いします。 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○坂上主査 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして自治省所管及び公営企業金融公庫の質疑は終了いたしました。 —————————————
○坂上主査 これより総理府所管中警察庁について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。保利国家公安委員会委員長。
○保利国務大臣 平成八年度及び平成九年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成八年度の歳出予算現額は二千五百二十億五千八百十四万円余でありまして、支出済み歳出額は二千四百三十八億九千七百七十一万円余であります。 この差額八十一億六千四十二万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は五十二億二千五百二十万円余であります。 また、不用となった額は二十九億三千五百二十二万円余であります。 続きまして、平成九年度の歳出予算現額は二千五百七十億七千九百六十万円余でありまして、支出済み歳出額は二千五百十五億三千八百三万円余であります。 この差額五十五億四千百五十六万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は二十五億九千三百七十四万円余であります。 また、不用となった額は二十九億四千七百八十二万円余であります。 以上、警察庁関係の歳出決算につきまして御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○坂上主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○坂上主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂上主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂上主査 以上をもちまして警察庁についての説明は終わりました。 —————————————
○坂上主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川正春君。
○中川(正)分科員 民主党の中川正春でございます。持ち時間が三十分ということでございますので、実質的に質問に入っていきたい、こんなふうに思います。 これはちょっと申しわけないんですが、事前に通告をしていない問題なんですけれども、また静岡で、ストーカーといいますか、つけ回しの殺人事件が起こっております。一つの連鎖のような形でこういう事件が頻発をしながら、非常に社会的にも不安要素というのが強くなってくるわけなんですが、二つほど確認をさせていただきたいんです。 今回の事件は、警察が事前にどうかかわっていたかということ。これは新聞報道だとかテレビだと、無言電話が頻繁であったという程度で、事前のそうした動きというのはそう問題にはなっていないんですが、ここのところ、警察として、事前にどういうかかわりがあったかということです。 それからもう一つは、前回の地行でもちょっと指摘をさせていただいたんですが、こうしたストーカーという定義です。警察として、今現場に対してどういう指示をしておられるか、ここのところをまずお聞かせをいただきたいと思います。ちょっと、事前に通告をしていなかったものですから、申しわけないことですが。
○田中政府参考人 突然の御質問で、準備も十分ではないわけでございますが、委員御指摘の事案は、昨日沼津駅で発生いたしました女子高校生に係る殺人事件だと思います。これにつきまして、目下捜査中でございますので、詳細については把握してないところがございますけれども、二つお尋ねがございました。 一つは、この事件に係りますところの警察とのかかわり方ということでございますけれども、今までのところ、事前に、例えば被害者の方から御相談があったとかあるいは被害者の御両親から御相談があったというようなことにつきましては、現段階では把握はしておりません。 それから、二つ目のストーカーの定義という問題でございますが、これは、御承知かと思いますけれども、既に幾つかの県におきましてストーカーに関するところの条例ができております。それにつきまして、中身を見ましても必ずしも同一ではございませんし、私どもといたしましては、統一した考え方というものは持ち合わせておりません。 ただ、私ども、この種の事案につきまして都道府県警察を指導する場合に、どういう行為が人に不安を覚えさせるような行為かということについて申します場合に、一つの考え方でございます、これは確定した考え方ではございませんけれども、特定の者に対し、殊さらに自己に関心を向けさせ、または相手方が自己に関心を示さないことに報復する目的で、反復または継続してするものとして人に不安を覚えさせるような行為。 例えば、不安を覚えさせる方法で進路に立ちふさがって立ち退こうとせず、つきまとい、相手方の住居を訪問するというような行為。さらには、電話その他の電気通信の手段により不安を覚えさせるような方法で相手方に送信を行う行為。それからまた、文書とか図面、写真、そういうようなものを掲示したりまたは配布したりの方法によりまして不安を覚えさせるような情報を伝達したり、また相手方がそういうものを知り得る状態に置くような行為。さらには、不安を覚えさせる方法で物を送ったり、あるいは相手が知り得る場所に物を置いたり、そういうような行為がいわゆるストーカー行為というものに当たるのではないかというふうに考えております。 条例の制定等につきまして、いろいろ現在検討している都道府県警察がございますけれども、その場合には、今申し上げましたような考え方のもとに、条例の整備等につきましても適宜適切に指導しておるところでございます。
○中川(正)分科員 条例という考え方もありますが、これは前回も申し上げたとおり、民主党としてもストーカー防止法という法案を提出させていただいていまして、こういうことによって、少なくとも、国民が本当の不安の中にある、それを、本来は警察が一つの相談窓口としてあって、そこへ相談に行ったら何とかしてもらえるんだ、そういう糸口にしていくということ。 さらに言えば、警察の現場の方も、それを定義してあることによって、動くのか動かないのか、そこの判断が、個々人の判断じゃなくてシステムとして、全体としてはっきりとできるんだ、しなきゃいけないんだということ。そういう定義をはっきりさせるということにつながっていくということでありますので、これはぜひ政府の方も前向きに我々の法案を評価していただいて、一刻も早く通していただく、そんな方向でぜひ検討していただきたい。これは大臣も含めて、ひとつお願いをしたいと思うんです。 その上に立って、現在の、こうした重なってくる事象を見ていると、一つの社会現象というんですか、いわばうねりみたいな形であらわれてくるということですから、これに対して警察サイドのしかるべき処置があっていいと思うんです。それは、警察の方から国民に対して、どうぞ相談に来てください、どんな事象でもいいから、こうした相談窓口をとりあえずつくりましたので相談に来てください、こういう、危機感といいますか、社会に対するアピールといいますか、そんなものが即あっていいんだろうと思うんですよ。 今警察の検討委員会でいろいろ議論はされているようですが、これは、最終的にまとまってくるのが六月とかあるいは選挙が終わってからとかというふうな話であります。これはこれで、警察改革も含めて長期の一つの議論としていいだろうと思うんですが、喫緊の課題は、こうしたことが重なってきておるときだけに、また愛知県名古屋での少年恐喝事犯等々も含めて、あるいはまた統計によりますと、ストーカーだけで、電話がかかってきて、相談件数というのが半年で二千七百を超えているんだというような統計も出ているようです。そんな現状から見ると、早くそういうメッセージを長官の方から具体的に出していただくべきだと思うんですが、それについてのお考えをまずいただきたいと思います。
○田中政府参考人 今議員御指摘の、国民のいわゆる声と申しますか、そういうものに的確に対応することの必要性につきましては私ども十分承知をしております。したがいまして、犯罪等による被害の未然防止という観点から、国民の声を的確に受けとめるということで、実は本年の三月四日に本部長会議を開きました。その際に、県警への通達で、犯罪等による被害の未然防止策の徹底についてということを指示いたしました。困りごと相談員を各警察署に置くとか、あるいは専任の者を置くというような具体的な措置につきまして指導いたしましたけれども、これがまだ、今委員御指摘のように、アピール効果といいますか、警察がそういうふうに受けとめてきちんと対応をとっておるということにつきまして、必ずしも国民の皆様に十分に届いてないというところもあろうかと思います。 私どもといたしましては、そういうことも含めて、さらに体制充実強化に努めるとともに、窓口の存在等につきましても国民の皆様にきちんと伝えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○中川(正)分科員 それは長官、あなた自身が前に出ることだと思うんですよ。国民に対して、テレビを通じてあるいは新聞紙上を通じて、具体的に、こうした形で窓口ができましたのでどうぞ心配しないで相談してくださいというその一言でいいんです。間接的に、それぞれのいわゆる自治体警察へおろして、ああだこうだと役人的なことを言っているから危機管理ができないので、この危機管理というのは、やはり長官みずからが前に出ていってそのメッセージを発するということだと思うんです。ぜひやってください。
○田中政府参考人 私どもの対応ぶりをどのようにして国民に伝えるかということについて、今委員から具体的な御提案があったわけでございますけれども、委員の御提案も踏まえて積極的に検討してまいりたい、かように考えております。
○中川(正)分科員 次に、今、名古屋の少年の恐喝事犯について、これもせっかくさまざまな形で窓口に相談があって、一つの事件を未然にといいますか、こんな高額な、極端な形になる前に防ぐチャンスがあったにもかかわらず、うまくいかなかったということの中で、改めて県警の監察官室による監察というのが入っているんだ、こういうことだと思うんです。 これの途中経過といいますか、今その中身、どんなふうな形でそれぞれの問題が出てきているかということ、これをお聞かせいただきたいと思います。
○黒澤政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の名古屋での不良少年グループによる多額恐喝等事件に関する警察の対応につきましては、現在詳細調査中でございますが、これまでの報告によりましても、昨年の七月、被害少年等から相談があったわけでございますが、結果として、被害の拡大を防止できませんでした。さらに、本年三月でございますが、今度は加害少年側から相談がございまして、恐喝事件の概要というものを把握したわけでございますけれども、直ちに関係者からの事情聴取等を行っていなかったこと、それから、これら不良グループの少年らによる別の被害者に対する恐喝事件等がございまして、それらにつきまして、捜査を遂げず未処理のままとなっておるということが確認されておりまして、不適切な対応が見られたところでございます。
○田中政府参考人 今黒澤生活安全局長から御答弁申し上げたとおりでございまして、これは現在捜査中の事案でございますので、全体像がわかるまでにはまだ時間がかかると思いますけれども、今申し上げたようなことが現段階でも確認されております。その点につきましては、適切な対応がなされたという確認がされておるところでございます。
○中川(正)分科員 この事犯に限らず、これまでたびたび問題になってきた窓口対応、いわゆる初期作動というんですか、これのおくれというものがたびたび指摘をされてきていますね。 改めてお伺いをしたいんですが、さっきのような、愛知県の例で、適切に対応しなかった、こういう一言でおさめられていますね。この中身というのは何なんですか。何が問題でさっと動かないのか。この原因をしっかりつかんでいかないと次の対応が出てこないんですよ。その原因が何なのかというのは案外議論の中で出てこないんです、警察としての。これはどういうふうに分析し、そして問題解決の糸口、これからの警察の組み立ての糸口にされようとされておるのか。これはみんな共通したことですね。この少年事犯だけじゃない。これまで頭でおくれたというのは共通項があるように思うんですが、それはどうお考えですか。
○田中政府参考人 今委員御指摘の愛知の事案、あるいは桶川の事案等々を見ましても、それぞれ事案が異なっておりますので、初動の段階といいますか、最初の段階で適切な対応が行われなかったその背景等につきましては、これはまだ愛知の方につきましては詳しく調べなければいけないところがございますけれども、例えば桶川の事件等で考えてみますと、被害者の切実な訴えを理解しないで、告訴事件捜査の業務負担を回避するために消極的な対応になった、そういうことが指摘されております。個々具体的にいろいろ事情は違うと思いますけれども、その中から具体的に調査をして、その問題点を抽出して、その解決についてさらに我々としては努力を重ねなければいけないと思っております。 したがいまして、愛知県の問題につきましても、最初に訴えがあったときにどうして具体的に一歩踏み込んで捜査をすることができなかったのかということにつきましては、これは現在捜査中でございますけれども、ある程度段階が来ましたときには、その辺の背景、動機等につきましても詳細な調査をする必要がある、その中からまた、先ほど申し上げましたように、問題点と対応を考えていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○中川(正)分科員 これまでの事件の監察結果を私も見せていただいて、例えば桶川のストーカーに例があったようなことで見てみますと、さっきの、簡単に言えば怠けていた、こういうことだけじゃ済まされないような中身が指摘されているんですね。 一つは、忙し過ぎたということ、これはしょっちゅう出てくるんですよ。次から次へと出てくる事件の中で、例えば調書なりあるいは告訴状なりというのを机の中へほうり込んだまま忘れていたという、そんな例が一つ出ていましたね。これは本当に現場がそういう状況になっているのかどうか。なっているんだったら、これは人数なりその中身の体制なりを全体の組織として当然考えていかなきゃいけないじゃないかという議論に結びついていくんだろうというふうに思うんです。 それからもう一つは、これは新しい社会病理ですから、少年事犯にしたってあるいはドメスティックバイオレンスにしたって、あるいはまたストーカーにしたって、以前であれば、前に申し上げたとおり、これは犯罪としての定義がないんですね。だから、新聞紙上でも、あるいは、それこそ週刊誌でも騒がれましたけれども、男と女の問題だからおまえら適当にやっておけよ、相手の男に別の女を紹介すればそれで大丈夫だよというような、そういうマインドでこれを処理するというか、自分の頭の中で整理をしてしまうということ。これは現場のそれぞれの捜査官の資質に頼っているわけですね。 ちゃんとした、プロ的なといいますか、訓練を受けた人間で、ちゃんと定義がされていて、そんなバックの中でたまたまその人が対応すれば適正な対応になっていくだろうけれども、そうでない場合には、これはだめなんですよ。これは、人の資質による場合があるでしょうし、もう一つは、そういうことに対して体系的に警察として教育しているかどうかということだと思うんです。 それと、もう一つ言えば、さっきの話に戻るんですが、法制上民事不介入という言いわけに対して、そうじゃないんですよ、これは介入しなきゃいけないんですよ、家庭の大きな壁を突き破っていくときにはいかなきゃいけないんだ、あるいは学校の壁を突き破っていかなきゃいけないんだ、そういうところの整理というのを警察全体としてもやらなきゃいけないところなんだろうと思うんです。そういう問題がこの中に隠されていると思うんですね。 そんなこと、あんなことと指摘していくと、警察はこれまで、済みません、悪うございました、もうこれからは起こさないようにします、それだけ言っているだけで、こうした具体的な後の話が出てこない。この間、私、警察学校あるいは警察大学校にも行ったんですが、話題が、そんなもの一つも出てこないんですよ、校長からも。普通、これだけ世間が大変なことになっているのに、うちの学校はそれに対してこんな教育をしていますよという説明が出てくるのが当然だと思うんですが、それが全くないんですね。そういうような問題意識の整理が警察全体として全くできていないんじゃないかということ。 これは、恐らく警察法の改正について、私たちも今議論していますし、成案ができてきましたけれども、あるいは今の検討委員会でやっていますけれども、外からチェックするとか規律をぴしっと持っていくとかいうふうなこと以前の問題といいますか、その話では解決ができない。このままでいくと、同じ話がやはりまた繰り返し起こるんじゃないかという気がする。どうもちょっと改革の方向性が違うような感じがするんですね。 その点についてどうお考えですか。
○田中政府参考人 今委員からいろいろ具体的な問題の御指摘がございました。 最初に、忙し過ぎるんではないかというお話がございました。確かに、最近の警察署を見てみますと、一一〇番の受理件数あるいは刑法犯の認知件数、それから困り事の相談件数を見ましても、急激にふえてきております。そのような業務の量の増加に対して私どもの体制が十分であるかどうかということにつきますと、必ずしも私は十分ではない。 また、犯罪の内容を見まして、国際組織犯罪とかいうことになりますと、一つの事案について大変多くの人間が大変な時間をかけなければ解決できないというような事案もございます。そういたしますと、体制的に万全であるかと言われますと、必ずしも万全ではないということは言えるわけでございます。 もちろん、内部でいろいろな努力をしております、あるいは機械化とかということをやっておりますけれども、必ずしも十分ではない。そういう点につきましては、私どもも、これは今後真剣に検討していかなければならない問題だと思います。 それからまた、資質とかあるいは教育の問題の御指摘がございました。これにつきましても、例えば困り事相談とかあるいはストーカーにつきましての御相談があった場合に、それをどのような形で受けとめるかということにつきましては、第一線は相当に悩んでいるのだろうというふうに思います。一歩踏み込んでいいものか、あるいはそれをしっかりと受けとめるべきものかということにつきまして、私前にも申し上げましたような、非常に悩んでいる状態があろうかと思います。そこに対して、私どもが、きちんとした施策と申しますか、基準と申しますか、そういうものを必ずしも十分に示してやっていないというところもあるのではないかという感じを私は持っております。 そういうことを含めまして、資質の問題、体制の問題、いろいろな問題がありますけれども、法制も含めてでありましょうけれども、やはり全体として問題を整理して、そして国民の皆様方のいろいろな困り事とか御相談に第一線が自信を持って対応できるというような形に持っていく必要があろうかと思います。 そういう意味で、私ども警察庁といたしましては、従来ともいろいろな努力をしてまいりましたけれども、私ども自身の手でそういう面についてもっともっと努力を重ねていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○中川(正)分科員 今の答弁だと前と変わらないのですよ、これから頑張っていきますよというだけで。だから、早いところ今できることを具体的にやってください。そういう指令出したらいいではないですか、提示したらいいではないですか。こういうふうにコミットしていきなさいよという話をしたらいいではないですか。そういうことが具体的に出てこないと、これは一つの社会病理みたいな形でだんだんエスカレートしていく気配がありますから、それに対して危機感をひとつ持っていただきたい、こんなふうに思います。 限られた時間なので、もう一つテーマをずらしていきたいと思うのです。 監察制度なんです。監察というのは一体どんな形でいくのかというのは、私ちょっと疑問になりまして、もう大分前の話なんですが、保土ヶ谷で起きた交通事故に対していろいろ問題があって、最近になってその判決が出た事件。これは中身を言っていると時間がないので、もう知っていただいておるものとして議論をさせていただきたいというふうに思います。 これは監察が入っているはずなんですね。監察の結果を見ていると、一番これに対して疑問を持ったのは遺族なんですよ。特に、亡くなられた方の夫人なんです。夫人はいろいろなことを指摘している。 例えば、車の窓ガラスが割れていたけれども、これについては全然調書の中で警察は触れていないではないかということであるとか、あるいは、一たん警察が現場に深夜行った、それを聞かされたのは、警察から聞かされたのではなくて、周りの目撃者から、実は一たんあそこに警察来ていたんだよということを初めて聞かされて私は愕然としたというような話であるとか、あるいは、監察医がちゃんと見た、心臓だ、こう言っている調書に対して、この夫人は、遺体に傷は全然なかった、そうではなくて、どうもあれは見ていないのではないか、捏造されたものではないか、そういう疑問を一つ一つ提示しているわけです。 ところが、裁判は裁判としてあって、もう一つ、それぞれの警察官の処分というのは、別個監察を入れてやりますよと言って処分を出したわけですね。この中に、そうした実際に答えてもらいたい部分というものが全くあらわれてきていないんですよ。 だから、私たちがこれを見ていると、話が完全に平行線で、夫人が出してきているものに対して、警察が否定しているのか、そうでなくて認めているのか、これもわからない。そういうことの疑念というものがあるから、どうも警察自体が、みんなではかって、みんなでたくらんで、自分たちのミスというものをしっかり捏造してしまっているんではないかという疑惑はとれないんだということで、マスコミにも取り上げられるというようなことになってしまう。これは真正面からそういうものに対して向かっていないからそうなるのですよ、逃げるから、そういう印象を得たのですけれども。 この監察結果を見て、さっきの話、これから先、夫人のそうした疑念に科学的に、もし根拠があるのであれば、こうした調査をした結果こうだったという話に持っていかないのか。また、そうすべきだと思うのですよ、これから先もまだ疑念を晴らそうと思ったら。その方向で、感想といいますか、感想以上に、長官としての評価といいますか、この監察そのものの評価というものを一つ聞きたいと思うのです。
○田中政府参考人 委員御指摘の横浜での保土ヶ谷警察署管内で発生した事案でございます。これにつきましては、今御遺族の方が警察の取り扱いあるいは解剖等につきまして疑念を持っておられるという御指摘がございまして、また、それに対する監察の対応はどうであったかというお話がございました。 私どもで、神奈川県警でも監察を入れて厳格に調査したわけでございますけれども、若干御遺族の誤解もございました。例えば、その取り扱いをした、パトカーで行って、現実に亡くなられた男性も発見しているわけでございますけれども、その点につきましても、これは解剖の際に立ち会った警察官が知らなくて、そこで奥様に申し上げなかったということがございました。 そういうことで、そこにおりました警察官がたまたま知らなかったということでございまして、それは後ほど保土ヶ谷署の副署長がきちんと説明をしているわけでございますし、また、解剖につきましても、これは司法解剖を行っております。 そういうことで、神奈川県警におきますところの御説明が必ずしも十分ではなかったということはございますけれども、いずれにいたしましても、そういうことを事実として確認しておりまして、また、取り扱いに従事いたしました警察官に対しても厳正な処分を行っておりますし、刑事告訴につきましても、横浜地検におきまして御判断をいただきまして、不起訴処分となっておるところでございます。 改めて調査ということでございます。私どもといたしましては、今申し上げましたような経過で、若干その御説明に不十分な点があったかもしれませんけれども、監察は厳正に行われており、改めて調査を行う必要はないというふうに考えておるところでございます。
○中川(正)分科員 いろいろなところで指摘されていますけれども、常識的に考えて、深夜に道路の真ん中にああして車がとまって人があおむいていた、それに対して、窓ガラスが割れ、前のフェンダーがへっこみ、この前のフェンダーがへっこみという話は調書にも出ていました。だけれども、窓ガラスが割れたという話は調書に出ていないのですね。そういう状況の中で、これは酒に酔ったからだといって放置をしていくかと、現場の警察官が、そういう状況の中で、これは酔ったのだからほっといたら大丈夫だろうといってほっとくかという、本当に常識的な疑念から来ているんですよ。そんなばかなことはないだろうと、普通は。例えば、それはもっと調べて、おかしかったら病院へ連れていくか、あるいは、酔っているのだったら一たん交番へ引っ張っていって説教でもするか、そういうことが普通なんだろうというふうに、我々の前提条件があるわけです。 それが不自然な形で放置されたという話だから、これはどうも納得できないというところからすべてが始まっているんですね。そこに対するメスが入っていない、監察結果の中に。どう見てもこれは私は十分な調査をしたという納得はできないわけであります。 それと同時に、その監察医がちゃんと死体を調べました、こういうことですが、それに対する根拠、ちゃんとやりました、ちゃんとやりましただけで相手を説得できるはずはないので、いろいろな意味で、物的な根拠も含めて、やはり遺族にも示すべきだというふうに思うんですね。それも納得していないんです、夫人の方は。 そんなことからさまざま考えていくと、これはもう一回しっかり警察庁の監察を入れるべきだ、こんなふうに私は思っています。そういうことでないと、恐らくまた第三者的にいろいろな話が出てきて、この話はおさまらなくなるだろうというふうに思うんです。それよりも何よりも、やはりちゃんと根拠の持った説明ができるような体制をしくというのが今の警察の姿だというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○田中政府参考人 繰り返しで恐縮でございますけれども、神奈川県警におきましては、監察官室が主体となりまして厳正に監察を行い、また関係者の刑事処分につきましても、横浜地検におきまして不起訴の結果を得ております。 私どもは、御遺族がなかなか私どもの説明で十分納得はされていないというような御指摘でございますけれども、改めて私どもからその監察といいますか調査をするという考えは持っておらないところでございます。
○中川(正)分科員 時間が来ましたので、最後にしますが、御迷惑かけています。 国家公安委員長、これはちょっとみずから目を通していただいて、委員長の判断の中で、もう一回この問題についてそれなりの国家公安委員会としての見識を見せていただければありがたい、こんなふうに思っております。
○保利国務大臣 今のお話は、私も詳しく存じておりませんが、事故が関係しているものかどうかというようなこととか、なぜガラスが割れていたんだとか、そういった点でややわかりにくい点があるかもしれません。そういった点は、長官の答弁は答弁といたしまして、私自身警察庁からよく事情を聞いてみたいと思っています。 さらにまた、先ほど言われました、警察庁側の答弁がどうも一般論で終わっちゃっているという点については、国家公安委員会の中でも同じ意見が出ておりまして、そうではなくて、やはり細かい細部にわたる反省をしていただいて、それから分析をしていただいて、そしてこういう点が悪かったんだからこの点を直していかなきゃいけないというような形で全国の警察に示してあげなきゃいけないということは、公安委員会の中でも議論をしております。 したがいまして、私は警察庁を督励して、そういうやり方、今先生言われたような、具体的にここのところが悪いんだということを指摘するようなことを努めていきたいと思っております。
○中川(正)分科員 以上、終わります。ありがとうございました。
○坂上主査 これにて中川正春君の質疑は終了いたしました。 次に、桧田仁君。
○桧田分科員 自由民主党の桧田仁でございますが、私、これから重大な質問をいたします。委員長と警察庁長官ときょう満場おられます皆様に、私がしますこの国会議員としての質問が、私を初めとして、この質問をすることで万が一にも組織的犯罪者の危害が加わることがないように、本当に異例の要望をした上で、この質問を始めさせていただきたいと思います。 そのような重大な質問をさせていただく私、本日までいろいろな思いがございました。きょうのこの質問をするに当たっては、私ごとで恐縮でございますけれども、自分の周辺はもちろんでございますが、家族すらも迷いに迷った上での質問でございますので、国会議員としての名誉をかけて質問いたしますので、どうぞ警察庁長官は、万一組織的に拉致監禁する者たちが、あるいは組織的暴力を行う者たちが、私桧田衆議院議員はもちろんでございますけれども、私の家族や周辺やあるいは政治的なあるいは大きな組織が行われない、この前提をもって命運をかけた質問を、きょう、私桧田、させていただきます。どうぞ、お聞きになる方々にとっても、この私の意味がどれだけ大きな意味かを、ちょっと大先輩の金大中さんと比較するのは恐縮でございますが、笑い物になるかもしれませんが、命運をかけた質問であることはぜひ警察庁に御理解いただきたい、こういうことでございます。 大変恐縮な、大時代的なことでございますけれども、過去二十年間にわたってこの組織的拉致監禁集団に警察は何ら対応しないままに来たきょうでございます。多くの方々が苦しみ、悩みながら、この国会の場でだれ一人発言することのできなかった現実を思いやりますときに、人権あるいは信教の自由、さらには法のもとの平等ということを改めてきょう皆様とともに問いたい、こういう気持ちでございます。 まず、警察庁長官に、捜査権を行使する警察のトップとして、大変失礼でございますが確認したいことがございます。 捜査権というのは、憲法第十四条のもとにあります、何人といえども法のもとに平等、並びに憲法第二十条の信教の自由ということを何ら侵すものでもないという形と判断いたしておりますが、いかがでございましょうか。
○田中政府参考人 私ども警察が日本国憲法を遵守することは当然のことでございます。私を含めましてすべての警察職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党かつ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行っております。 したがいまして、今御指摘の憲法二十条の信教の自由及び憲法十四条の法のもとの平等につきましても、警察活動がこの憲法の規定を損なうようなことが決してあってはならないわけでございまして、具体的な活動が信教の自由を侵害せず、また法のもとの平等が損なわれないように行われることは当然のことであると考えているところでございます。
○桧田分科員 ありがたい御答弁でございます。この御答弁をいただくのに二十年かかりました。 今から具体的な事件を述べますけれども、もう一度確認したいと思います。 拉致、監禁、暴行、傷害罪など刑事罰行為に触れる行為は、罪に問われないという例外がございますか。例えば、親子や夫婦なら問われないということがございますか。
○田中政府参考人 刑罰法令に触れる行為がありましても罪に問われないケースというのは、委員御承知と思いますけれども、正当行為とかあるいは正当防衛とか緊急避難に当たる場合、さらには十四歳未満の者や心神喪失者のように責任能力を欠く者の行為である場合のほか、親告罪において告訴がなされないために公訴できない場合等が挙げられます。 また、具体的な捜査の過程におきまして、捜査を尽くしても有罪を認定するに足る証拠が得られないということも、これは結果として罪に問われないということになるわけでございまして、今委員御指摘のように、親子あるいは親族でありましても、すべての国民は法のもとに平等でございまして、警察の責務の遂行に当たりましては不偏不党かつ公平中正を旨とし、刑罰に触れる行為があれば、何人に対しても法と証拠に照らし厳正に対処しているところでございます。
○桧田分科員 大変ありがたい御答弁です。 先ほどからしつこいようでございますが、この当たり前のことが行われないのがまさか日本とは思えません。 なぜかといいますと、昨年のアメリカ国務省国際人権報告書一九九九年版に、警察が組織的に拉致、監禁、暴行等傷害事件を何ら救済をとらないばかりか、取り締まりをしないという報告がされて、日本のこの例が報告されて、日本の警察が国際社会からも信用を失墜しかねない、極めて重大な事態になっております。また、多少古くございますけれども、一九九二年には全米警察署長会議が、世界じゅうのたとえ何人といえども拉致監禁は違法とし、犯罪抑止を世界じゅうに努力するというものの決定もいたしております。 この二つの決定を長官は御存じでしょうか。報告は御存じでしょうか。
○田中政府参考人 委員御指摘の、警察署長会議のことは私はちょっと存じておりませんけれども、米国国務省が報告発表したものはもちろん知っております。 具体的に申し上げますと、統一教会の会員から、警察は統一教会信者に対する強制改宗問題に対して何ら救済措置をとらないとの訴えがあり、また、統一教会信者が親族によって拉致監禁された場合、警察がそれを取り締まらないため、被害者に対する恣意的監禁の期間が長引く結果となっていると主張している旨の記載があることは承知しておりますが、私ども警察といたしましては、いかなる事案であろうとも、刑罰法令に触れる行為があれば、法と証拠に照らし厳正に対処しておりますし、今後とも同様の考え方で対処する所存でございます。
○桧田分科員 いわば自分たちで、法はともかくとして、私刑、リンチに当たるものを行って、みずからの判断で罰したり、拉致したり、監禁したり、傷害を起こしたりする、これは今の日本の法治国家では絶対許されないことだと私は思いますが、いかがでしょうか。
○田中政府参考人 委員御指摘のように、ある目的を達成するために刑罰法令に触れる行為を行うこと、これは法治国家においては許されないことでございます。警察といたしましては、そうした行為があれば、繰り返しで恐縮でございますけれども、法と証拠に照らしまして厳正に対処しておりますし、今後とも同様に対処する所存でございます。
○桧田分科員 警察庁長官、実は、私はなぜこの質問をするかといいますと、拉致監禁に警察が関与し、また了解しているという証拠をきょう皆様方に御提示したいと思います。 平成十年五月十六日に拉致監禁をした犯罪者は、計画書をつくっております。しかも自筆のものを持っております。そこで、このいろいろな計画書、何月何日どうする、こうすると書いてあるし、また本人が騒いだ場合どうするとかということが皆詳細に書いてある。しかも、この書類を、これは昭島警察でございますけれども、平成十年五月十六日に行うやり方を、五月十四日に、この石川某という者が昭島警察へ事前連絡して了承をもらうような書類をつくっているのです。しかも実際に行っているのです。警察庁長官、こんなことが行われて、警察が承知の上で拉致監禁をしたということがございますが、いかがでしょうか。
○田中政府参考人 警察が承知をしてと申しますか、警察が具体的に関与をして犯罪行為が行われるということにつきましては、私どもは承知をしておらないところでございます。
○桧田分科員 そういう中から、平成九年六月七日に、鳥取市で、鳥取県警部補、退職した後ではございますが、四十年間鳥取警察署に勤めた者が、現職の税務署職員と一緒になって、もちろん元警察官も五名程度加わって、約二十名でスタンガン、鉄パイプ、チェーン等で武装し、教会を襲撃して四名に暴行傷害罪を起こしている。 この事件について、警察庁長官にここまで細かいことは恐縮ですから、刑事局長にお伺いしますけれども、この者たちが何ら逮捕も捜査もされていないというのは、私、意地が悪いかもしれませんが、四十年も勤めた警察官が武装襲撃をした事件だから見て見ぬふりをしたのではないかと勘ぐっていますが、いかがでしょうか。
○林政府参考人 お尋ねの事案につきましては、統一教会に入信しておった女性を同教会から脱会させようということで、その両親と複数の者が同教会の鳥取教会へ不法に侵入し、関係者を負傷させるなどしたという事案であると承知しておりますが、委員御指摘の、スタンガン、鉄パイプ、チェーン等を用いたという点につきましては、鳥取県警の捜査ではそうした事実は認められず、また本件に係る民事訴訟においてもそのような事実は認められなかったと承知いたしております。 いずれにいたしましても、多数人により犯罪が行われたことは看過できないものでありまして、鳥取県警察におきましては、所要の捜査を行い、関係被疑者六名について、建造物侵入や傷害罪で鳥取地方検察庁へ書類送致をしたというふうに承知しております。
○桧田分科員 これは議論があるところですから、今から、きょうのこの国会質問の後にいろいろと調査をいただきたいと思います。 被害者の側がそのように申しておりますから、それが本当かどうかは捜査の結果を待たなければいけません。でも、既に三年たっております。一年間は何の捜査もされず、そして本人を拉致して、姫路へ行く国道のルートを何ら緊急配備もせずに行う。先ほどちょっと言いました、警察に事前連絡するということが行われたのではないかと疑っておりますが、いかがでしょうか。
○林政府参考人 この事件で現場に臨場した警察官は、対応としましては、被害を受けた方々から事情を聴取するとともに、その現場の実況見分を行うということをやっております。それから、鳥取県警察におきましては、発生時には一一〇番通報で本件を認知した後、約二時間にわたって緊急配備を実施するなどして、被疑者や女性信者等の発見に努めたというふうに承知しております。
○桧田分科員 これは元警察官及び、まだ未確認、六人しか出ていないので、あと十四人は捜査しないままですから、わからないままなんです。元警察官が何人も加わっている、それを鳥取警察署が調べるのですから、それはなかなか難しいでしょうね、いわば一緒の仲間ですから。仲間内だからよく調べなかったという気がどうしてもしてならぬのですが、いかがですか。
○林政府参考人 本件につきましては、関係者が多数存在する、それで供述内容等に食い違いもある、事実関係や犯行状況の特定に非常に時間を要したということ、それから一番事情を聴取しなければいけない女性信者を拉致したというその両親、両親の方もずっと行方が、三者ともわからなかったわけでありまして、この人たちから事情を聞かないと、果たしてどういう者が加わっておったのかというのが明確に出てこないということで時間を非常に要しておるということでございます。
○桧田分科員 このことはいろいろと詳しく議論したいのですが、まだまだ後がありますから次へ行きます。 先ほど説明しましたように、現職の税務職員がこの犯罪に加わって、襲撃に加わっているということです。国税庁の次長に、現職の税務職員が、さっき言ったように、拉致、監禁、傷害罪、こういうことを起こして、税務署というのはそれでいいですということなんですね。
○大武政府参考人 当該事件、職務外の問題であり、かつ、まだ司法当局の刑事上の判断がない以上、機関としての処分は難しいということでございます。
○桧田分科員 昨今の事件は、ささいな事件でも職を辞するような者もたくさんおります。 それでは、この事件が民事では既に確定しているわけですから、本人も加わったことを認めて、民事上の結審もついているんです。すなわち、そういう犯罪を犯したことは民事上は納得しているし、控訴もしていないです。そこまで確定している事件でも、税務署というものは、ああ、どうぞという状況なんですね。
○大武政府参考人 容疑事実を本人はなお全面的には認めておらず、かつ刑事責任についての司法当局の判断がないわけでございますから、それを待って対応していきたいと考えているところでございます。
○桧田分科員 もう一点問題があります。 この方は、その後行方不明のまま、それは一年三カ月拉致監禁されているんですからわからないままです。その後、東淀川警察署に助けを求めて相談に行っている。ところが、これを警察庁に相談しますと、被害届が出ていないという御報告なんですが、被害届は本当に出ていないんでしょうか。
○林政府参考人 本件につきましては、女性信者の代理人である弁護士さんから被害の相談がなされております。大阪府警察の方へ出ておるわけでございますが、これについては、女性信者からの被害申告の意思でありますとか被害状況を確認しました上で適切な対応を行っているというふうに承知しております。
○桧田分科員 ここに、平成十一年六月十四日付の被害届の写しをお見せします。警察庁に問い合わせたら、東淀川警察署は被害届が出ていないというような御返事でございました。私、被害届をここに持ってまいりましたが、刑事局長、いかがでございますか。これはにせものですか。
○林政府参考人 恐縮でございます。私自身、提示されました被害届について確認はいたしておりませんが、今お答え申し上げましたように、被害相談がなされており、被害申告の意思や何かを東淀川警察署で確認をしておるというふうに承知しております。
○桧田分科員 この問題について前もって警察庁に問い合わせますと、こういう返事です。被害届が提出されず、被害者本人からの直接の説明がなかったという答弁でございますが、被害届をここに、刑事局長にお届けします。どうぞ、正本かにせものか、あなたが見てください。被害届をお届けします。 このように、警察庁がこの事件を東淀川署に聞いても、東淀川署は慌てふためいて、警察庁に急いで答えたことがこんな状況なんです。管理監督は大丈夫ですか。東淀川署が急いで大慌てになって、わからない、わからない、被害届が出たということで、調べていないんじゃ大ごとだということで、被害届は出ておりませんと報告したんじゃないですか。
○林政府参考人 鳥取において発生しました事案と一連の事案でありますので、大阪東淀川警察署の方としましては、それが判明したということで、継続犯でございますから、一連の事案としてこの上申書、被害届を検討してほしいということでありましたが、私どもが承知しておるものとしましては、被害届としては提出はされていない、被害者本人から直接の説明がなかった。現在、そういうことで、本人の意思を確認するため、弁護士さんと連絡をとって話をしておるという状況だと聞いております。
○桧田分科員 私はわざわざ警察庁長官にこのことをお見せして、警察庁の返事すらも、被害届は出ていない、つまり、何とかこちらのことはわからぬだろう、うまく糊塗しようとしたんじゃないかと思うぐらいに、被害届も出ていないんですという答えをしているわけです。そんなことで大丈夫ですか。その書類はにせものですか。被害届が出ておると認めますか。
○林政府参考人 被害届として受理をしておるかどうかということについてはちょっと申し上げられません。というのは、先ほども申し上げましたように、一連の継続犯ということでありましたならば、大阪で受理するのがいいのか、それから鳥取の方と一連のものとして受理する方がいいのかということの検討もあったんだろうというふうに思っております。
○桧田分科員 平成十一年というのは、今、何年何月何日ですか。とんでもない話ですよ。私どもがお願いしたから、急いで大騒動になった。しかも、うまいこと言えばわからないだろうと思って、被害届も出ていないという報告をした。だから、被害届は出ましたという訂正をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○林政府参考人 もう少し詳細に申し上げますと、この弁護士さんというのは、当事者の富澤さんという方から委任状をもらっておいでになって、即被害届ということではなくて、書類を置いていくので、監禁事件として検討してもらいたいということで、明確な意思を示されなかったわけであります。それで、相談者の方からその後何にも連絡もないということで、平成十一年十一月一日に至って、突然、配達証明郵便で平成九年六月七日事件の民事損害賠償請求事件の鳥取事件での判決資料を送付してこられたということであります。 そういうことで、被害者を含む関係者の明確な意思表示を待って対応しようということで、先ほど来申し上げておるとおりの状況であったわけです。
○桧田分科員 被害届は確かにそうでしょう。でも、拉致監禁事件は被害者の意思表示やそういうことを確認が要るんですか。親告罪ですか。助けてくれと言っている者を、申告するまで見ないんですか。しかも、本人は一年三カ月も拉致監禁されているんですよ。それでも要るんですか。
○林政府参考人 おっしゃるとおり親告罪ではございません。本件の関係につきましては、鳥取事件から継続するものとして鳥取県警において捜査を継続しておるというふうに承知しております。
○桧田分科員 そこで、どうしても確認したいことがあるんですよ。実は、もちろん既に鳥取事件というのは鳥取地検に送致されております。しかし、担当検事はこんなものは逮捕しないと言っているんです。ちょっと待ってほしい、あらゆる調査をしてこれこれこうだと言うのならわかるけれども、こんなものは絶対に逮捕しないと検事が答えていると私は聞いております。 法務省の刑事局長、こんな検事というのは本当にいいんですか。本当に国民を守る、法のもとの平等の審査をしていますか。
○古田政府参考人 ただいまお尋ねの件につきましては、本年の二月三日、担当検事が被害者側代理人の弁護士から面談を求められてお話をしたわけでございますが、そのとき担当検事からは、本件につきましては被疑者の逃亡のおそれなどが考えられる事件ではないと思うので逮捕は現在のところ考えていない、これは種々の問題が絡む微妙な事件であるので慎重に捜査、判断する、できるだけ速やかに処理したいというお答えをしたというふうに承知しております。
○桧田分科員 最初に警察庁長官が言ったことと違うんですね。長官はそうおっしゃったけれども、鳥取県警察署と鳥取地検は違う判断をしているんですね。いかがですか。
○古田政府参考人 もとより、いかなる事件でありましても、検察当局におきましては、法律と証拠に照らして厳正公平に対応するものでございます。そこで、個別の事件について、その事件の内容、事情に応じて、検察官として種々の検討をして、当時の時点で考えたあるいは判断したことについて申し上げているものだと考えております。
○桧田分科員 これは伝え聞いたことですから、私はじきじき聞いたわけじゃありません。あくまでもその前提ですが、担当検事は、住居侵入、業務妨害、器物破損、暴行傷害の被害を受けていても絶対に逮捕しないと言っているように聞いておりますが、いかがですか。これでも刑法第二百二十条の特別公務員職権濫用罪にこの検事はなりませんか。
○古田政府参考人 この担当検事が被害者側代理人である弁護士さんに申し上げたことは、先ほど御説明したように承知しております。
○桧田分科員 承知しているんじゃない。刑法第二百二十条の特別公務員職権濫用罪にはならないのですか。それとも、こういう検事は、正しい法のもとの平等の判断をしていると考えていいのですか。
○古田政府参考人 一般論として申し上げますと、公務員職権濫用罪が成立するためには、職権を乱用して、義務のないことを行わせるか、あるいは行うべき権利を妨害したということが必要でございます。 さて、この当該検事の問題につきましては、先ほどから繰り返しの御答弁になりますけれども、その検事の発言というのは、先ほどから繰り返しておりますとおり、被疑者の逃亡等のおそれが考えられる事件ではないと思うので、逮捕は現在のところ考えていないというふうな趣旨のことを申し上げたということであると承知しております。
○桧田分科員 時間がありませんから、この問題はひとつ警察庁長官、最後にどうしても質問したい。あなたは、ちゃんとこの日本の警察は法のもとに平等に審査をし、法務省刑事局長は返事しておりませんけれども、やはりともに法のもとに平等に行われている。 実は、私はなぜこの問題をきょうここで問題にしているかというのは、宗教の問題でやっているのじゃありません。米国が気にしておりますように、日本で警察権を法のもとに平等に行われているということを非常に危惧している点が第一。第二番目は、この問題は、実は二十年来、一年間約三百人程度が組織的に、親の気持ちとは別に、拉致監禁している集団があるからなのです。 私は、最初に大変際どい話をいたして恐縮でございますが、私がきょうこの質問をするに当たっては、きょう報道はどの程度おられるかわかりませんけれども、過去に、こういう動きをした者に反撃する集団が日本に組織的にあって、組織的に計画書をつくり、そして先ほど言ったように、個々の拉致監禁計画書をつくって事前に警察に連絡して了承を求める文書まで出している、こういうことが日本で行われていいのかどうか。これは警察庁長官、国家の法体系と警察権と法のもとの平等と、先ほどの検事が絶対逮捕しないなんということを言っているような、そんな国家で日本の国民は安心して過ごせましょうか。 私は、危惧ということで恐縮でございますが、桧田仁衆議院議員がこの質問をすることが、これからの私、家族、どんな運命になるか。きょうここで、満座の前で、私や私の家族やこの主義主張を生きる者に、ただの一歩でも、危害や拉致監禁が触れるときにも、逃亡のおそれがないと言って取り締まらないのですか。それとも、危険が起きても、日本の国会議員への何の危険が来ても、その者は、拉致監禁は三年間、私が一年三カ月行方不明になっても、調査をしないのですか。警察庁長官、この組織的拉致監禁集団は、一部の牧師、一部の元警察官、しかも組織的に全国でやっている。こんなことを日本で許していいのか。 もう一回、最後に警察庁長官にどうしてもこの答弁を、組織的犯罪、ある意味では、国家に対する、警察に対する重大な挑戦と思いますが、いかがでしょうか。
○田中政府参考人 委員御指摘がございましたけれども、全国の幾つかの県警察におきまして、統一教会の信者から被害申告あるいは相談がなされたということは承知をしております。 国民の生命、身体、財産の保護に任ずる警察といたしましては、今後とも刑罰法令に触れる行為があれば、法と証拠に照らし、厳正に対処してまいる所存でございます。
○桧田分科員 時間が来ましたからこれで終えますけれども、実はこの二十年間、親子、宗教の問題、きょうお聞きになる方もいろいろな思いがございましょう。ただし、私は、日本国民は、どんな者といえども、何人といえども法のもとに平等で、身の安全を守られていると信じてきょうまで参りました。一宗教の問題とかそういう問題じゃありません。国民の人権が侵されるのにもかかわらず、警察が見て見ぬふりをしたり、あるいは拉致監禁されてもそれを追わなかったり、ましてや警察関係者が莫大にいることを放置しているということは大変重大なことと、国家に対する重大な挑戦と思いますので、あえてこの事件が起きて二十年、そして被害を受けた者約四千名、だれ一人その身の危険を感じて国会質問いたしておりません。 どうぞ、この桧田の質問の意味の大きさを何とぞ御理解いただき、何人といえども日本国民は法のもとに平等で、身の安全を守られ、信教の自由で、しかも子供じゃありませんよ、皆大人でございますから、そのことの上でみずから日々生きられるように重ねて要望いたして、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○坂上主査 これにて桧田仁君の質疑は終了いたしました。 次に、若松謙維君。
○若松分科員 若松謙維でございます。 私は、埼玉六区、大変今話題となっております上尾警察署、そしてあの桶川事件の両方とも選挙区でございます。そういうことで、ずっとこの問題を関心を持って見てきたわけですけれども、大変痛ましい事件、特に地元でもありますので、いろいろな情報が実は飛び交っております。そういう中で、この桶川の女子大生の被害者の方、御家族の方には、本当に弔意を申し上げたいわけです。 今回、基本的に、上尾警察署の担当課長が全く調書をつくっていないとか、さまざまな、いわゆる書類改ざんとか、全くあってはいけないことが次から次へと露呈した。あわせて、ちょうどきのうでしょうか、同じく、これは一九八八年、十二年前の事件ですけれども、生後八カ月の女児が御主人に虐待されて亡くなられた、こういったところの書類もロッカーにたなざらし、こんな状況が相次いで起きたわけです。 そこで、実は人事院にお聞きしたいわけですけれども、今回の県警の十二名の処分、これについて、当然警察庁はその処分がいいかどうかというのは答える立場にありませんので、人事院から見てこの処分が適正だったかどうか、これについてお答えいただけますか。
○坂上主査 先生、人事院は呼ばれているのですか。——来ていないようですから、すぐ呼びます。大変済みません。
○若松分科員 では、大至急お願いします。こうやって質問項目で人事院と書いてありますので。 では、次の問題に移ります。 それで、まず警察官のいわゆる使命という観点から、今回の桶川の事件の問題、特に上尾警察署、さらには新潟警察署、いずれにしても任務懈怠、職務怠慢というのでしょうか、それが非難されて当然だと思うわけです。結局、今の警察官としての、行政でも特殊な国家の治安維持、生活の安全確保という観点から大変重要な使命がある警察官としての使命感の欠如から、ここ近年にわたるこういうさまざまな不祥事が起きているのではないかと思いますけれども、これについて、国家公安委員長の見解を伺いたいと思います。
○保利国務大臣 御指摘のように、全国で不祥事が続発をいたしておりまして、国民の信頼が大きく揺らいでいるということは国家公安委員長として極めて残念でありますし、また、厳しく、重く受けとめているところでございます。 こうした不祥事案のいろいろな姿を見ていますと、さまざまな様相があるのでございますけれども、その原因について、一口で申し上げることは非常に難しゅうございますけれども、基本的には、不祥事を起こした個々の職員の職務倫理意識あるいは幹部の指揮監督能力や管理能力というのが欠如しているのではないかという感じを私は持っております。 国家公安委員長といたしましては、国民のための警察という原点に立ち返って、個々の職員が旺盛な使命感を持って職務に邁進するとともに、一人一人の警察職員にまで職務倫理意識が徹底されるように、警察庁を指導してまいりたいと思っております。 私どもとしては、犯罪がちまたで起きますれば、駆け込むところは警察だということでございますので、その警察がきちんとした姿で作動をしていないということになれば国家としての大きな問題でありますので、そういう点を十分にわきまえて、警察庁を督励してまいりたい、このように思っております。
○若松分科員 この上尾警察署ですけれども、私も実は告訴を提出したんです。 きょうまでですか、政治活動ポスターが当然今張られているわけですけれども、私のポスターがくりぬかれたり、実際に壁に張っているのを二回燃やされました。去年の十一月十六日、被疑者不明で告訴状を出しております。せっかく支持者の方が一生懸命な思いをして張っていただいたポスターを破られたり、落書きされたり、スプレーをかけられたり、かつ、燃やされたりと火事につながるようなことまで起きているということで、本当に警戒してこういう告訴状を出しました。 そして、その間何の音さたもありませんでした。最近になって、ぜひ、これから調書をつくりたいので、これからお伺いして、それで私も含めて聞きたいと。調書づくりに焦ったわけですけれども、この半年間ほったらかされている。その受け付けた担当者が、実はあの懲戒処分になった課長なんですね。 これは何というのか、私が運が悪かったのか、本人は、やります、やりますと何もしない。推して知るべしなんです。その結果として、先ほどの女子大生のまさに悲しい事件、こういったのも連続してあるわけです。 これは感情論になってもしようがないですから、結局、国民がさまざまな要望、また助けを求めているわけです、警察署に。それに対して、その課だけで処理してしまうと、いわゆる不透明な、さっきの課長の判断で、調書として作成して、本来の手続に進めなくちゃいけないものがされていない。それに対してほかの部なり課からのチェックもない。こういったところが、今回の上尾警察署だけじゃなくて、全国に蔓延して起きたさまざまな事件の本質じゃないかと思うんですけれども、委員長としてはどういう認識をされておりますでしょうか。 これからどうしたらこういった問題、本来やるべきことをやらない、かつその課だけで処理してしまって、結局、受け付けたものを、本来一〇〇%手続に従ってやるべきことがやられなくても済んでしまう現状、これは変えていかなくてはいけないと思うんですけれども、委員長としてはどう対処されようとされるのか。もしお考えなり、これは非常に本質的な問題でもありますし、またテクニカルな問題でもあります、御意見があれば、別に官僚の方でもどちらでも結構ですけれども、お願いします。
○保利国務大臣 詳細な部分につきましては後ほど官房長からお答えをさせたいと思いますけれども、今委員御指摘のようないわゆる窓口の不親切さといいますか、ある意味でいえば、言葉はちょっと激しいですけれども、怠慢というようなものは市民に対して大変御迷惑をおかけするということで、私、国家公安委員長に就任いたしましてから、窓口がきちんと親切に対応するということは大きな改善目標の一つに私も挙げているわけでございます。 今委員から、たまたま御自身でそういう問題を提起されながら、そういう不適切な処理にお遭いになったということでありますので、後ほどでも結構でございますが、よくまた私にもお聞かせをいただいて、こういうことがあったんだ、取り扱いが非常に不適切であるというようなことをきちんと警察庁に言って、そして、具体的に窓口でこういうことがあって、そういうことはまことに不適切だという一つの事例として全国の窓口に示してやらなきゃいけないだろう。そういうことがあって、こういうことで私どもは批判を浴びているんだということを一人一人の窓口の業務担当者が認識を深くしてもらうように、私自身、国家公安委員会を通じて努力をしてまいりたい、このように思っております。
○石川政府参考人 今委員御指摘のように、警察職員が本来果たすべき職務を怠るといったようなことがあってはならないわけでございまして、警察庁といたしましては、警察職員が果たすべき職務を確実にかつ適正に実施するように、第一線の各部門の幹部によるきめ細かな業務管理、チェックについてさらに具体的な指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。 その具体的なということにつきましては、例えば被害届や告訴や告発の受理が適切に行われているかどうか、それがその後どういう形で捜査が進展し、その捜査の管理をされておるかどうか、あるいは、引き継ぎのところでいろいろな問題が生じているということもございます、確実な引き継ぎがなされているかどうか、幹部による具体的な捜査指揮が行われているか等々、こういった問題についてきちっとしたチェックをやっていく必要がある、こういうふうに考えております。 それから、そうしたチェックの一つの端緒となりますものに、今大臣から御答弁がございました、被害者を初めとする国民の方々からの警察の職務執行についてのいろいろな御要望とか苦情とかいうものがあるわけでございますが、この受理あるいは処理に関しましては、苦情処理の実態というものを的確に把握して業務の改善等に反映させるように、きちっとした苦情処理体制というものをつくるべきである、それを取り込むということで先般の管区局長会議でも長官から指示をしたところでございまして、いろいろな御議論を踏まえまして、こうしたものに的確に対応する体制を、取り組んでいく必要がある、このように考えている次第でございます。
○若松分科員 委員長、今官房長から具体的にという話がありましたけれども、結局、内部牽制制度というのが確立されなきゃだめなんですよ。というのも、私は公認会計士ですから、会社を監査する。そのときに、監査の、インターナルコントロールと英語で言っていますけれども、内部統制機能ということで、どういうことかといいますと、例えば、国民がいろいろな苦情、要望なりを警察に届ける。そこで受け付けます。それが、その場合には捜査二課なんですね。受け付けたものは必ず、その課じゃなくてほかの課もしくは部のところに移って、そこの課が、受け付けた二課がしっかりと必要な調書をとり必要な手続をやっているかというのをいわゆる相互チェックする、こういう内部牽制制度というものがないと、いろいろ口で具体的にとか言っても無理なんですよ。 例えば金融機関ですと、銀行ですと、お金を預かりますから、お金を入金して、行員が使い込みをしないようにということで、入金したらその事実をすぐ伝票でやって、それをほかの課に、ほかの人に渡すんです。ほかの課は、伝票だけを合計して、あるべき現金これだけ、実際にカウントしたらこれだけ現金がある、それでマッチしてオーケー。こういう形の内部牽制制度というものを導入して初めて、そういう不正を起こさない、かつ適正に所定の手続を行う、こういった形をやって初めて具体的にやれるということだとしか私の経験じゃ言えないんです。 ところが、行政というのは、従来、あくまでも、行政としてのオーソリティー、権威もありましたし、あとは行政に任せれば、本来行政はちゃんとやってくれる、そういう信頼のもとになってきたわけですけれども、結果的に、こういう事件が多発して、やはり行政も、民間がやっているように、必ず国民のニーズに対してはしっかりとサービスを提供する、行政評価法ですよね。そういった観点から、内部牽制制度、こういったものをしっかりと導入していただきたいんです。委員長、いかがですか。
○保利国務大臣 お仕事柄からの御指摘でございます。私も会社勤めを二十一年やっておりまして、そういった会計処理その他が厳正であることについて、またダブルチェックの必要性、それから私ども若いころは、最後の一銭まで合うまでそろばんと対峙をしておったというようなこともありまして、適正に処理をされる、いわゆる握りつぶされないような格好の業務のあり方というのは、これは、警察というのは一般の仕事とちょっと違うところもありますので、なかなか私ども素人が考えてこれがいいだろうというのは、少し研究をしなきゃなりませんけれども、仕事の流れをうまく組み立てることによってそういった仕事上の漏れがないようにしていくということは非常に大切な考え方だと思いますので、御指摘の点を踏まえて、警察庁をよく督励してまいりたいと思います。
○若松分科員 この内部牽制機能、これはちょうど先ほど決算分科会で総務庁長官にお伺いしましたけれども、行政評価法の制定が今志向されておりますけれども、これは全省庁、基本的には行政も内部牽制制度というものを導入しなくちゃいけないということで、総務庁も検討していくということになったわけで、特に警察に関してはいわゆる機密保持とかそういう観点はあろうかと思うが、これは行政の仕事は全部そうなんですよ。銀行だって民間だって同じなんですね。 ですから、受け付けた情報を必ず他のチェックできる立場の人に同じ情報を与えて、それがチェックするという形、このチェックする立場の人は情報を漏えいしてはいけないわけです、これは当たり前ですから。そういった厳格な対応をぜひ検討していただいて、御返事をいただきたいんですけれども、それについてはいかがですか。
○保利国務大臣 いわゆるクロスチェックみたいな形のものだろうと思いますが、どういう方法が考えられるのか、私自身まだ想像がつきませんけれども、仕事が漏れなく行われるというシステムのあり方については、私自身、問題を提起して、警察庁に準備をさせてみたい、こんな気持ちでおります。
○若松分科員 ですから、もう一度イメージをはっきりするために、例えば、国民の困っている方が捜査二課なりに行きます。その受け付けした事実がそのまま即、監視できる、チェックできる他の部局なり課に行きます。当然、その課が、最初に受けた捜査二課なりが一つ一つ受け付けたか、要望をやっているかどうかをチェックする。当然、国民側としてもそれがチェックできる体制が必要ですから、そこで、ほかの部局に対して、こういうことをちゃんと記録されていますか、捜査二課が受けたのをちゃんとやっているかどうか見ていますかと。これもちゃんとできるような、そういった形にならないと、国民の側から見て、まさに内部牽制制度が導入されているということは言えませんので、そういった意味合いからの具体的な検討をしていただきたいということですので、よろしくお願いいたします。
○保利国務大臣 一番プリミティブなやり方として、私どもが会社時代にやっておりましたことは、事件に対して一連番号を付して、その一連番号に対して、そのとおり書けるかどうかは別として件名を付して、そして件名の一覧表を、例えば警察署長でありますとかそういった方々が持っておられて、この案件どうした、この案件どうしたということで、いわゆる消し込みを完全に行っていくというようなシステムというのが、私は思いつきでふっと頭に浮かんだんでありますが、例えば、プリミティブに言えば、そういうようなことを御要求なさっているんじゃないだろうかというように私は想像いたしますので、そんなことができるかどうか、検討させてみたいと思います。
○若松分科員 恐らく長官の今の答弁では、内部牽制制度というのが本質的にちょっとわかっていらっしゃらないようでありますので、この場で議論してもしようがありませんから、ぜひ引き続き検討をお願いいたします。 人事院はまだですか。
○坂上主査 間もなく来ます。来たら連絡します。
○若松分科員 それでは、この際、いわゆるスピード違反とか飲酒運転とか、この前も本会議でありましたけれども、私のところにやはり有権者から問い合わせがあります。恐らく、ないと言ったらうそになると思うんですね。 タクシーの方が免停になった、しようがないから、どうかしてくれと来るわけです。そのときに、こっちもこっちで、どうしたらいいかわからないから、じゃとにかく警察に言いますよと言います。警察は、これは、お話ししてもお伺いしても、何ら配慮されません。当たり前なんですね。 ですから、要はそういうことで、私ども政治家が依頼者から、いろいろな講習とか出頭とかに対してどうしたらいいんですかと問い合わせがあって、それについて、警察側のいわゆる裁量行政というのはあるのかないのか、この際はっきりしたいんですけれども、これは官房長ですか。
○坂東政府参考人 交通違反等に対しましての行政処分などを行う場合におきましては、これは法律、政令で決められた基準に従いまして行政処分をやっているというところでございますので、基本的には裁量的なものはないということでございます。
○若松分科員 いわゆるルール化されたものがあって、それは公開されているものであって、かつそのとおり行われている、単純に言えばそういうことですね。
○坂東政府参考人 基本的には、法令等でございますのでオープンにされているということでございます。
○若松分科員 それで、この際ちょっと埼玉の事情を、これは今回の事件はやはり事件として猛省していただいて、今後ないようにしていただきたいわけですけれども、特に埼玉の、警察官一人当たりの主要警察事象の負担状況という言葉がありますけれども、要は、警察官一人当たりに対して埼玉県はどれだけ事件があるのかという一つのデータがあるんですね。 要は、警察官が不足しているか、余っているかという一つの比較ですけれども、ちょうど四つの項目があるんですね。人口基準、そして刑法犯認知件数、三つ目が重要犯罪認知件数、四つ目が一一〇番受理件数。このうち重要犯罪認知件数、これは全国で、警察官百人当たり十・七九件ということで、二位。それ以外は全部一位なんですよ。それだけ埼玉県警としての人員は、どう考えたって不足しているんです。 なぜこういう事態になるかというと、埼玉県というのは全国一の人口急増県ですから、もう七百万になろうとしています。それに対して、やはり行政の配分というか、これは国家公安委員会の仕事かどうかわかりませんけれども、やはりどう考えても埼玉県の警察官の数というのは、こういう客観的な数字を見ても少ないと思うんですね。ですから、それに対してもやはり改善の措置をしていただかないと、結果的に警察官が事件に追われちゃって、同じような事件がまた起きる、これは絶対あってはならないと思いますので、委員長、ぜひこの点は検討していただきたいと思います。
○保利国務大臣 御質問の御趣旨につきましては、埼玉県の知事からも強い要請を受けておりますし、またその実態等についてもいろいろお聞かせをいただいております。また、委員も今御指摘のとおりでございまして、埼玉県が全国で一番警察官の数が少ない、あるいは、逆に言えば担当人口が多いという姿になっておるわけでございますけれども、平成九年度で全国で合わせて約五千人ふやしたのでありますが、そのうちの一割以上に当たります五百七十六人を埼玉県警に配分しているという事実も過去にはございます。 その後、行政改革の関係がございまして、ずっと増員というのは抑えてまいっておるわけでございますけれども、埼玉県でも大変御苦心をいただいて、例えば警察の中の、内部における適正配置というようなことで配置がえをしたりなんかしながら、あるいは交番相談員というような制度を設けて、現在で百二十一人の交番相談員を設けるなどして、随分御苦労なさっているわけです。 その御苦労に報いていかなければならないという意味で、これは国家公安委員長として自治大臣に陳情しなきゃならぬということでありますけれども、よく自治省の中でもこの問題は論議をしたいと思いますし、日本の治安維持全体ということを考えれば、政府の中でも、行政改革はあるけれども、治安が乱れては行政改革あるいは経済発展もできないということを考えれば、努力をしていくべきことであるというふうに私認識しておりますので、御質問の御趣旨を体してまいりたいと思っております。
○若松分科員 ぜひそこはよろしくお願いいたします。 本当に、埼玉、人口急増で、いまだにふえておりますので、他県も同じ意見でしょうけれども、結果的に数字が、指標四つのうち、三つが悪い意味での一位で、もう一つが二位ということでは、これはどうしようもないので、少なくとも五位でも十位でも結構ですから、何とか人員増をお願いしたいということを要望して、公安委員長……
○坂上主査 ちょっと申し上げたいと思います。 人事院については、手違いにより、先生の質問事項が通告されていないのでございますが、先生からの要請でもございますので、今、人事院の局長がこちらに参る予定になっておりまして、もうそろそろ到着されると思っておりますので、時間は、余裕はとりますから、御質問をしていただいても結構でありますが、それはどうぞ御判断をいただきたいと思います。——どうぞ、御質問、時間とりますから。 人事院の方であるいは質問通告について準備がないかもしれませんが、もし御質問がありまして、お答えができるならば、お答えをいただきたい、こう思います。 若松君、どうぞ。
○若松分科員 何か手違いがあって人事院の御出場がちょっとおくれましたけれども、これは言い合ってもしようがありませんから、質問の趣旨に入らせていただきます。 今回の埼玉県警十二名の処分がありましたけれども、特に上尾警察署等含めて、人事院の観点から見てこの処分が適正だったのかどうか、これについてお伺いしますけれども、いかがですか。
○中橋政府参考人 大変申しわけありません。 私ども、今初めて御質問を受けたわけでございまして、埼玉県警及び上尾警察署の警察官の処分、いわゆる具体的な事例に即して判断せざるを得ないというふうに思うわけでございますが、正直に申しまして、現時点においてそのことを十分に承知しておりません。 また、この職員が恐らく地方公務員ではないかというふうに思いますので、また、人事院として見解が述べられるかどうかという問題もございますので、きょうのところはそういうことで御了解を賜りたいというふうに思っております。
○若松分科員 では、ちょっと手続的なものを確認したいんですけれども、こういう処分はまずそれぞれの担当省庁がやるわけですね、担当大臣なり。それを人事院に報告する……(保利国務大臣「県警」と呼ぶ)この場合には県警ですね。県警で、かつ当然国家公安委員会にも報告されますね。あわせて、処分した事実は、県警処理ということだから人事院には行かないということですか。
○石川政府参考人 警視以下の地方警察官につきましては、任命権者、処分権者はともに警察本部長でございまして、これはその都道府県の公安委員会に御報告をいたしまして、それからまた県の人事委員会との関係は報告関係にございますが、警察本部長が所定の手続によって処分をする、こういう関係になってございます。 ただ、地方警務官と申しまして、警視正以上の地方警務官につきましては、これは国家公安委員会が任命権者でございますし、懲戒処分についてもお決めになる、こういうことでございます。
○若松分科員 地方警視補……
○石川政府参考人 地方警務官と申しまして、警視正以上の階級にある、地方で勤務しておる警察官でございます。
○若松分科員 今回のこの刑事二課長ですか、懲戒免職になった人、この方はそれより下なわけなんですね。
○石川政府参考人 例の時効になった事件のことについてお尋ねだろうと思いますが、これにつきましては、署の刑事課長でございますから、警部の階級にあったというふうに承知をいたしております。
○若松分科員 それで、では人事院に、もう時間ですからこれでやめますけれども、一応宿題としてこの上尾警察署のいわゆる、何でしたか、さっきの警視正、人事院に報告される対象ですね、それがもし対象としてあれば、例えば署長がそうなのか副署長がそうなのかわかりませんけれども、そのときの処分が人事院から見て適切だったかどうかということのコメント。 並びに、その場合に、当然そういった処分に対しては国会に報告して、国会側としてもちゃんと、こういう行政の不始末に対して、どういった事件が起きているのか、どう処分されているのか、やはり国会で検討されるべき情報は提供されるべきだと思いますので、それをぜひお願いしたい。そうなっていれば、なっているでいいわけですけれども。 その二点を要求して、私の質問を終わります。では、人事院、いいですね。
○中橋政府参考人 御案内かと存じますけれども、人事院が所管しておりますのは、国家公務員についての懲戒関係につきまして、各省庁からの連絡を受けたり、あるいはそれに基づいて、場合によって指導を申し上げるということになっているわけでございまして、ここの職員が国家公務員なのかどうか、ちょっと私、現時点では存じておりませんが、それであれば報告があろうかというふうに思いますが、地方公務員の場合については我々の方では報告が上がってまいりませんし、また、それについてちょっと見解を述べるというのは適切ではないというふうに思っております。
○石川政府参考人 いろいろな不祥事案に対してどういう処分がなされているかということの国会への御報告の関係でございますが、いろいろな御審議を通じていろいろ御報告をしているところでございます。私どもも、職務に関連していろいろな問題があったというときについては、きちっとした御報告をしているところでございます。
○若松分科員 本当に最後になりますけれども、まさに処分の問題というのは国民も関心がありますし、まず特に家族の方が何ともしようがないものだと思うんですね。ですから、この処分も厳正に行われているかどうか、ぜひこの決算委員会で証明したいと思いますので、そういった趣旨で質問しましたので、後のフォローはよろしくお願いいたします。 では、以上で質問を終わります。
○坂上主査 これにて若松謙維君の質疑は終了いたしました。 次に、松崎公昭君。
○松崎分科員 民主党の松崎公昭でございます。 きょうは、警察に関係する問題を質問させていただきます。 私たち民主党では、昨年の十一月に石井一会長を中心として娯楽産業健全育成研究会というのをつくりました。これはどんなことをやるかといいますと、国民に根差している娯楽産業を国民の立場から民主党としてしっかりチェックしよう、そういう研究会でございまして、実は、その最初に、国民に最も根づいている娯楽であり産業でもありますパチンコの業界を今回取り上げました。幾つかの研究をしながら提言させていただき、ことしの四月の五日に、保利国家公安委員長と黒澤局長に緊急の提言を申し上げました。 このパチンコ業界、我々国民にとりましても、今二十一兆円ということでありますけれども、ピーク時は二十六兆円もあった。これは歴史も古いのですね。七十年前に名古屋で第一号ができた。そして、現在は二十一兆円の大変膨大な売り上げを占めております。従業員が三十万人、そしてまた、これに関係するお客様、国民が二千万人もいる。そういう大変な産業の中でさまざまな問題点があるではないかということで、今回幾つかの提言を差し上げました。 そのとき公安委員長は、次の公安委員会でいろいろ報告をしたり説明をしてみましょう、そういうお話でしたが、提言を受けてからの公安委員会を含めた扱いといいましょうか、どんなふうになりましたでしょうか。
○保利国務大臣 先日、石井先生が会長をしておられるグループでおいでをいただきまして、六項目にわたる御丁重な御陳情をちょうだいいたしております。そこで、国家公安委員会に対しては、こういう御陳情がありましたということについては御報告を申し上げております。 そこで、それの対応については生活安全局でよく調査をして御回答するように準備をいたしておりますという御報告があって、では、その御報告を国家公安委員会としてもしばらくお待ちしましょうということになっておるのが現況でございます。国家公安委員会の先生方にはきちんと御報告をしてございます。
○松崎分科員 確かにこの業界のすそ野が大変広く、関連する業者あるいは国民が多い。娯楽の中でも大変一般的なものですね。しかしながら、これが意外といろいろ問題点があったということが我々の研究会の中でわかってきたということで、この前、その中でも重立ったものだけを六項目提言した。きょうは全部やってられませんので、その中から幾つか指摘をしたいと思っております。 まず、何せ警察がしっかりこの業界を管理といいましょうか、風適法ですから、いろいろそういう理由はわかるのでありますけれども、がんじがらめでしっかりと、警察行政の中にどっぷりとつかっているというのが現状ですね。 業界の皆さんの御意見を聞いてみましても、営業時間の規制から、ちょっと物を動かしてもその届け出をしなきゃならないとか承認をもらわなきゃならぬ。特に、風適法の第九条の一項、構造及び設備の変更、こんなことも公安委員会に対してしっかりと承認をもらったりする、これも非常に規制が強過ぎるのではないか。今の時代は規制緩和、なるべく自由にやっていきましょうということでありますので、風適法の適合があるにしても、その辺はもう少し弾力的にやるべきではないか、また、その方が我々としても大変やりやすいんだ、そういう業界の方の御意見もありました。 また、条例を中心として動かしているわけですから、県警によってまた非常に違う。しかも、一つの県でも所轄署によってまた違う。いろいろ、柔軟といいましょうか、大変対応が違う、温度差があり過ぎる。いわゆる裁量権があり過ぎるのではないか、そういうことでありますけれども、これに関して、今までの歴史を踏まえて、どうしてこんなにまでがんじがらめにしなきゃならないのか、長官にお尋ねをいたします。
○田中政府参考人 風適法に基づきますところのパチンコ営業に対する規制でございますけれども、パチンコの業種というものを射幸心との関係でどのように規制していくか、いろいろ考え方がございますけれども、そういうところに着目した場合に、かなりの規制をかけなければいけないというところから出てきていると思います。また、本来、風適法の中でいろいろな業種がございますけれども、特に、今委員御指摘のように多くの皆さんに関係している業態であるだけに、それ相応の規制をかけてきたということでございます。しかしながら、やはり時代の変化とともに見直すべきところはあるのではないかというふうに考えておるところでございます。 詳細はまた、生活安全局長の方から答弁させます。
○黒澤政府参考人 御案内のとおり、風俗営業等の規制及び業務の適性化に関する法律でございますけれども、この法の目的といたしますところは、善良の風俗、清浄な風俗環境の保持、そして少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、そしてまた、風俗営業の健全化に資するため、こういう法の目的があるわけでございます。 こういったことで、パチンコ競技というのは本来国民が自由に行える娯楽ではございますけれども、やはりこの種の営業というのは、営業方法いかんによっては過度に射幸心をそそる、あるいは社会の善良の風俗等を害するおそれがあるため、風俗営業の一つとして規制の対象といたしておるところでございます。特に、パチンコでございますけれども、今申し上げましたような風俗営業一般と同じ目的、理由で規制が行われておるのに加えまして、許可の基準として遊技機の基準が設けられております点におきまして、他の風俗営業一般とは異なっておるわけでございます。 こういったことでございまして、パチンコの規制につきましては、委員御指摘のようないろいろな御意見があるわけでございまして、このたび御提示をいただきました六項目につきましても、私ども、今それぞれ実態をよく掌握いたしまして、検討を進めておるところでございます。 なお、今御指摘のように、府県の実態につきまして温度差がある、警察の対応が県によって違う、署の間で違う、このような実態について、不適切な点があれば警察庁として適切に指導してまいりたいと思いますし、余りにも取り扱いが府県間で異なる、こういうことで不適切だと認めるようなものがございますれば適切に指導してまいりたいと存じております。
○松崎分科員 風俗営業というのは、よく私もわかりませんけれども、一般の人から見ると、楽しくやることは、確かに最近は女性がたくさん進出したり明るくなったりしてはいますけれども、どうも私みたいに門外漢の人間から見ましても、伏魔殿じゃないんですけれども、換金の問題がありましたり、一般的に見ても、どういうことになっているのかなと。警察が関与している割には、ある意味では陰湿な部分もあり過ぎるんじゃないかという印象があるわけですね。ですから、私たちは、国民の側に立って、一番手ごろでより健全な娯楽にするために、これはよほど警察を、ほとんどが警察の管理下にあるわけでありますので、少しこれを徹底的にうみを出さないといけないんじゃないか。これは最近の警察行政のさまざまな問題にもある意味では通じる問題があるんではないか、そんなふうに思っております。 ですからこれは、指摘していることは、正直言いまして警察の方は日常やっていらっしゃることですから、今に始まった話じゃないので、たまたま我々が指摘したので、これから検討するということでありますけれども、よく承知されていることですから、これはよほどしっかりと短い時間で対応をしていただきたい。 その中でも特に代表的なものが、いわゆる保通協というんですね。私も最初聞いたときに何が何だかわからなかったんですけれども、財団法人保安電子通信技術協会というのがあるんですけれども、これがいわばパチンコの台の機種を決定したりしながら、ここでいろいろいい意味でコントロールしていく。ここを通らないとすべてのパチンコ台は世の中に流通しないわけでありまして、びっくりしたんですけれども、これは一カ所しかないんです。風適法の二十条の五項、指定機関がたったの一カ所しかないということに、これはやはり今の警察行政のいろいろな問題点と重なってくるような、そういうおかしさを感じたのは私一人じゃなかったのでありますけれどもね。 私は、その保通協というのは、今ここで詳しく説明しませんけれども、何せ、天下りの皆さんがほとんどである。例えば、職員百一名のうち、プロパーは五十三名で、あとは四十三名が天下りの方々。これは別にキャリアというわけじゃありません。もちろんキャリアの方々は、会長さんの山本さん、梅沢さん、それぞれ、警察庁長官をされたり東北の局長をされたり、そういうキャリアの方々がしっかりといらっしゃいます。もちろん、会長、専務、常務、監事、部長、参与、ずっといらっしゃるわけですね。ですから、役員だけでも六名が天下っている、職員が四三%でしょうか、それだけ天下りをしている。 もちろん、これは私企業じゃありませんから、国家公務員法の百三条のいわゆる天下り規制にはひっかかりません。しかし、私ども見ておりますと、やはりこの辺に、パチンコ業界とそれをしっかりと握っていらっしゃる警察との関係というのがまさにはっきりと出てくるわけでありまして、この辺にまたいわゆる風通しの悪い問題が幾つもあるわけであります。 それで、御質問をさせてもらいますけれども、先ほど言いましたように、私企業じゃないから問題はないという答えになると思いますけれども、しかし、余りにも多い。この天下りに関して、やはり国民の感情、特に今の時代、警察に対するいろいろ御批判やら冷静な目が入っているこの時代に、この保通協というところがこのままで果たしてよろしいんでしょうか。ひとつ長官の御意見を、天下りに関しまして、このままでよろしいかどうかをお聞きいたします。
○田中政府参考人 一般的に、警察行政に関係のある団体等に、警察職員が退職いたしまして就職しているケースがございます。これは、職員の在職中に培った専門分野におきますところの経験と知識、それがその団体等の健全な運営に貢献できるものということで、団体でも判断して就職を請われたものでございまして、就職した職員は、その知識と経験を十分に生かして、その団体等の健全な運営に大きく貢献しているものと理解をしております。 ただ、近時、公益法人等につきますところの役員等につきましての基準と申しますか、いわゆる天下り規制というものがございまして、それに準拠いたしまして、この保通協にいたしましても、いわゆる天下りと言われる警察職員と申しますか、元公務員だった者についての就職の規制というのは行われてきておりまして、現在のところ、保通協につきましては、その規制に沿った形で行われておるところでございます。 ただ、今申し上げましたように、警察職員が警察関係の団体に就職しているということによりまして警察行政が影響を受けるということがあってはいけませんし、また、外から見ましていかにも問題があるというような指摘を受けることのないように、これは、私どもといたしましても強力に指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○松崎分科員 そのほかにも、この関連業界では、日本レジャーカードシステムですとか、日本ゲームカード、アドバンスカードシステム、これはみんな、各商社、関係していますね。プリペイドカード関係でしょうか。あと、日本遊技関連事業協会、日本遊技事業協同組合連合会、それぞれ、名前は言いませんけれども、全部キャリアの方々がしっかりと、専務理事だとか顧問だとか代表取締役会長、これは精査しますとどうなるかわかりませんけれども。 どちらにしても、今長官のおっしゃったように、専門分野の能力をそれぞれ生かすということでは、国民の側から見ても決してむだではない。また、それは決して悪いことじゃない。しかし、そこにいろいろ問題点がたくさん含まれながら進行していくとこれは問題なんだというふうに私は思いますので、これはまた後でしっかりやらせてもらいますけれども、そういう天下りの皆さんがいろいろ業界を取り巻いて、しかも、保通協というポイントのところ、このパチンコ業界のいろいろな意味のポイントを握っている、ここにまたしっかりと入っている、これが業界と警察のいわゆる癒着構造という点で、いい点もあると思いますよ、しかし問題点も相当あるんだ、それをひとつ認識しなきゃいかぬと思います。 特に、この保通協は情報公開が少ないんですね。例えば検定料なんというのは、ひどいときは一五〇%ぐらい上げちゃっているんですね。私もびっくりしました。一台検定するんですけれども、これは今は一台の機種に対して百五十万円ぐらいの検定料、要するに、ここで検査をしてオーケーを出さないとすべてこれはパチンコの機械に生産できないということですけれども、平成四年なんというのは、一年間に四十二万円も検定料を上げているんですね。一五〇%上げている。ですから、要するに、業界の方は、これは高いか安いかは別として、そういう値上げの理由だとか、それから検定、もう一つ、認定というのもありますね、こういう基準もよくわからない。こういうことではやはり問題ではないかなというふうに思うんです。 この業界を健全にしていく、そして将来は上場もしたいという方々もいらっしゃるわけですね。庶民の一番健全な娯楽であれば、もっとオープンにしていくべきだ。そういう意味で、そのポイントになっております保通協がこういう不明瞭で、非常に明確ではない。来年の四月からは情報公開法も始まります。この辺の情報公開、保通協の情報公開に関して、いかがでしょうか、局長さん。
○黒澤政府参考人 お尋ねの情報公開の件でございますけれども、型式試験の試験基準でありますとか手数料の標準額、なお、手数料につきましては、一定の積算根拠に基づきまして、物価等の上昇を勘案しまして積算いたしておるわけですが、ことしの四月からは政令の方で定められることになっておるわけです。こういった手数料の標準額それから型式試験に係る所要の事項は風営適正化法以下の法令において定められておるわけでございまして、保通協におきましても、型式試験の結果につきましては月ごとに公表するなど努力をいたしておるところでございまして、今後とも情報公開を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○松崎分科員 この辺の一番の中枢部分であります。何せ一カ所しかないというのはどうも私は納得いかないんですね、そんなに難しいことかどうかわかりませんけれども。ここで型式の手数料だけでも五億八千万上げていますね。全体の売り上げは十四億ぐらいになるんでしょうけれども。こういうことで、ここを通らないと何にも、日本にある機械が多分全部動かないというわけですね。ですから、その辺のことをオープンにしていく、これも、警察行政そのものをオープンにしていくという一つの意味もあるわけでありますので、ぜひその辺はしっかりとやっていただきたい、そんなふうに思います。 大変駆け足で申しわけないのでありますけれども、次に幽霊診療所。これもまた私はよくわからなかったんですね。この前、公安委員長さんも初めて聞いたという顔をしていましたけれども。私も、それは何ですかと言ったんですけれども、これもまた大変なことなんです。幽霊診療所問題があります。 これは、要するに、パチンコ屋さんが建築確認をとって、その前に一応内々のオーケーをとって、それで建築を始めた、いざ全部でき上がって営業をしよう、その前にいわゆる許可をもらうわけですね。その許可をもらう間に、ライバルの業者なのか、住民はそんなお金のかかることはできませんからやらないと思うんですけれども、ライバルの会社か何かがぱっと診療所をつくっちゃう、そうすると営業できなくなっちゃう。これはなかなか巧妙で、随分頭のいい人が考えたなというふうに思うくらいすさまじいやり方なんですね。それを私も聞きまして、やはりどうも不健全な部分があるな、まあこれは業界同士の戦いだからいろいろやり方があるかもしれませんけれども、法律的に見ても、どうもおかしな点があるように私は思いました。 この幽霊診療所、この問題は業界ではある程度もうよくわかっている話なんですね。わかっている話なんですけれども、やはりこの風適法の法律と医療法とをうまくかみ合わせて妨害をする。これは余り健全ではないな。つまり、そこに暴力団でありますとかいろいろな力が左右しているというのが現実なんですね。 実は、出店妨害というのは、最近の話でも、熊本でも一年ほど前に、建設予定地の近くに診療所がぱっとできちゃった。開店できないで、集めた従業員が失業してしまった。これはテレビでもやったそうですね。 それから京都でも、今二条城の近くで出店計画をやってつくった。そうしたら、すぐ目の前の民家が突然診療所に変わっちゃった。それで、開業の直前になっていたんですけれども、許可をされないで倒産をした。それで、今別の業者がそれを交渉している。 それから大阪の例も、これもひどい話ですね。もう適合通知を受けて、建築確認を受理して、着工して、できるちょっと前に、すぐ目の前の飲食店をやはり診療所に変えちゃったんですね。ところが、この飲食店の二階には風俗営業の許可された店があるんですよ。だから、おかしな話で、風俗営業の許可を受けた、風営法に適合しているものがあっても診療所はできる。しかし、診療所があるところにはもちろん風営法の適用のものはできない、何か妙な法の解釈なんですけれども。そういうことで、その大阪では今もできないんですよ。十一年の三月に九億円もかけて完成している。そうしたら、結局その間に入って、では診療所を買えや、五億から十億だよということで、もちろん暴力団が関与しているということであります。結局これは、ことしの二月に公安委員会からパチンコ店の不許可になっちゃった、そういうところで開店できない。その診療所は、先ほど言った京都の場合もそうですけれども、この大阪の場合も、お医者さんは七十ぐらいですね、ほとんど診療の能力がない、看護婦も八十歳、お客さんがいるのかいないのかわからない。こういうばかなことが行われている。 こういう例を今挙げましたけれども、これがいわゆる幽霊診療所ということであります。 こんなことがあるわけでありますけれども、これはどうも法の網の目をくぐったというか、こんなことを、大臣はきっと知らないのかもしれませんけれども、どう思われますか、大臣。
○保利国務大臣 せんだって皆さんでおいでをいただいて、幽霊診療所という言葉を聞いて私はびっくりしたのでありますが、今考えてみますと、パチンコの業界というのは随分競争が激しいんだなということをつくづく思いましたし、その中には、営業妨害をしようということで意識的に診療所をつくってしまうということ、そういう事実があるんだなということはよく認識をいたしました。 これに対してどういうふうな適正措置がとられるのかどうかということについては、事務局によく検討をさせたい、またしておりますが、させたいと思っております。 そんな中で、京都、大阪でも訴訟も起こっていると伺っておりますが、こうした不公正なことがあるということはまずいと思いますし、もう一つは、パチンコ業界の営業許可をするのにえらい時間がかかっているということもあり、しかも、パチンコ店ができてから営業許可の申請を出さなきゃならぬというような制約もある。片や、診療所の方は割と短期間に許可をしてしまうというような行政の若干ちぐはぐした面もありまして、そういった面もあわせ考えながら、今後の課題として早急に検討させたい、こう思っております。
○松崎分科員 まさに大臣も大分認識されてきていただいたようでありますけれども、やはり、健全な自由競争がまず原則だと思います。戦いは戦いで結構なので、しかし、それはフェアに戦わせることが必要。それから、もちろん風適法の関連ですから、そういう保護対象施設をやはりきちっと除外しなきゃいけない、これも原則だと思います。ただ、こういうこそくなやり方をやっている、しかもそれが法の間隙をうまく組み合わせてできてしまう、これはやはり早く正すべきだろうと思います。 法を正せるかどうかは別としても、こういうものを、例えば医療法の方でベッド数をもっと上げるとか、五床とか十床とか、今は一床でもできちゃうわけですから、なかなかできにくくするとか、あるいは仮認可というのですか許可というのですか、そんなものも先に、建築確認がおりたときに仮許可を出していく、こういうようなことで少しでもできないのか。 それからもう一つは、医療法も風適法も両方とも多分知事が扱っていると思うんですね。ですから、その辺で、やはり高い次元で本来は法の整備をするとか、あるいは県レベルでも現実面でも調整するとか、そういう具体的な調整方法というのは、局長さん何か考えていらっしゃいますか。
○黒澤政府参考人 ただいま委員から具体的な案の提示もございました。私どもこの問題点は認識しておるわけでございまして、委員も御案内かと思いますけれども、平成十年の法の改正の際に、これは御案内のように、保護対象施設につきましては、具体的対象は各都道府県の条例において定めることとされているわけですが、条例の基準を規定しております風適法の施行令、平成十年に改正をいたしたわけでございます。これは、施設の公共性の程度はもちろんのことでございますけれども、利用者の年齢でありますとか利用の態様、あるいは頻度等の状況を考慮することを促すようにということで、政令を改正いたしたわけでございます。 やや細かくなりますが、数県におきまして、有床という条例がございましたのを削除したり、あるいは有床であったものを一定の数以上の有床というふうに改正したところも数県ございますが、しかしながら、その後もいわゆる出店妨害の疑いのある事案の報告がございますことは私どもも承知いたしておりまして、その解決方策につきまして、風適法全体の枠組みを踏まえまして、また、世論の動向も踏まえまして、検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○松崎分科員 時間でございます。本当にありがとうございました。 ただ、今後、我々は研究会をやっておりまして、この業界、大きな問題があります。換金を合法化できるかどうかという問題、それからプリペイドカード、非常にこれはまたダブルスタンダードの問題がありましたり、それから、先ほど言いました、株式の公開をして健全な業界にしたい、そういう意見、それから、お気の毒ですけれども、風適法の関係で公的な資金が借りられない、そういう多くの問題がありますので、これから警察行政を正すということと同時に、皆さんの警察そのものが健全化されていく、そしてまた、この業界も国民のために健全化していく、そういうことでこれからも引き続きまして検討させていただきますので、よろしくどうぞ。ありがとうございました。
○坂上主査 これにて松崎公昭君の質疑は終了いたしました。 次に、生方幸夫君。
○生方分科員 公安委員長それから警察庁長官は、遅くまで大変御苦労さまでございます。きょうは、警察の信頼を回復しなければいけない、こうした観点から、実際に起きました事件で警察の信頼を失わせるような事案がある、それに基づいて幾点か質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初は、九七年の十一月に起こった事件についてお伺いしたいと思います。 これは、当時も新聞で大きく取り上げられたんですが、神奈川県警の横浜の戸部署で、容疑者が取り調べ中にけん銃で自殺をしたという事案でございます。その容疑者は、いわゆる暴力団の関係者で、銃刀法違反それから殺人未遂の疑いで逮捕されていた。その人間を取り調べている最中に、取り調べ室の中にけん銃と実弾を持ち込んでいる。その実弾とけん銃を、被疑者がけん銃の中に実弾を込めて、これは警察の発表によればですが、事もあろうに取り調べ室の内部で自殺をしたという事件が起きました。 これはこれとしても大事件なわけでございますが、その後、この遺族の方が警察に対して、どうして自分の父親はこういうことになってしまったんだろうということをいろいろお調べになった。そのお調べになっている過程で、不自然な点が多々浮かび上がってきた。それに基づきまして、その容疑者の遺族の方は、ことしに入りまして、その戸部署の取り調べに当たった署員を含めた方たちに対して、特別公務員暴行陵虐致死並びに過失致死事件として横浜地検に告訴をした、告訴が受理されたというのが現在の状況でございます。 田中長官、この事件については御存じでございますか。
○田中政府参考人 委員御指摘の事案は、平成九年十一月八日に、御指摘のとおり、神奈川県の戸部警察署の署の中で起きた事件でございまして、銃刀法違反等で通常逮捕いたしました被疑者が、取り調べ室におきまして、その事犯に係るけん銃で自殺をした事案であるというふうに考えております。
○生方分科員 これで、警察の発表とそれから事実が食い違っているということが、これは今もいっぱいそういう事件が起きて大きく取り上げられておりますが、この事案についてもそうなんですね。 まず最初に、私は非常に大きな疑問だと思うのは、この新聞にございますが、けん銃をどのようにして自殺ないしは亡くなった方が手にしたかという問題について、当初の警察の発表では、別の捜査員が一たん取り調べ室からけん銃と実弾を運び出したが、この容疑者がけん銃をもう一度見たいと言ったために再び取り調べ室に持ち込んだ、さらに、けん銃のつやが見たいと言ったために渡した途端、容疑者がけん銃を撃ったというふうになっていて、最初の発表では、警察官が容疑者に対してけん銃を渡したというふうになっているわけです。 ところが、その後証言が変わりまして、取り調べ官が目を離したすきに容疑者が自分でもってけん銃を手にして撃ったんだというふうに変わったわけでございますが、これはどうして当初の発表とその後の発表が違ってきたんですか。
○田中政府参考人 委員御指摘のこの自殺に用いたけん銃がどうやって被疑者の手に入ったかという過程のことでございますけれども、当初、委員御指摘のように、けん銃を手渡したというような報道が流れたというのは事実でございます。しかし、神奈川県警におきましては、この事案につきましては、こういうビニール袋、けん銃入りビニール袋を個々に被疑者に対して提示はしておりますけれども、手渡したことは一切ない、それからまた、報道につきまして、今申し上げましたような報道が流れたことにつきましては、情報が錯綜する事案発生の初期の段階で誤った情報が流れたものである、これは発表したものではないという報告を受けております。 ただ、いずれも、この点につきましては、現在、委員先ほど御指摘のように、御遺族から訴訟が提起されておりまして、訴訟係属中でございますので、この点につきましては、公判におきまして、神奈川県警においても資料を付して立証していくというふうに考えているところでございます。
○生方分科員 当時の新聞では、みんなこぞって、警察官が手渡したというふうになっているんですが、今長官がおっしゃったのでは、記者会見では、では手渡したというふうに言っていないんですか。
○田中政府参考人 この神奈川県警の調査によりますと、神奈川県警といたしましては、当初から、被疑者が取り調べ官のすきを見てけん銃を手にしてというふうに報告しております。それが、最初の段階で、手渡して、こういうふうになったのではないかというふうに思われますが、そういう意味で、広報で手渡したと言うことは一切ございません。承知をしておらないところでございます。
○生方分科員 記者は複数人数がいるわけですよ。複数の人数が複数の新聞に対して、手渡したというふうに書いているということは、少なくともそういうことを発表しない限り、手渡したというふうに書きようがないでしょう。本来、我々の常識から考えて、被疑者に対してけん銃を警察官が手渡すなんということはあり得ないわけですから、そんなことを言わないでそんなことを書くはずはないわけですからね。では、どうしてそういう発表になったんですか。それはちゃんとお調べになりましたか。
○田中政府参考人 恐縮でございますけれども、手渡してという発表はしていないということでございまして……(生方分科員「だから、いないんなら何でこう書かれているの」と呼ぶ)それは、先ほど申し上げましたように、この事案発生の段階でいろいろな情報が現場で流れたんだろうと思います。それを報道関係者の方が聞かれて、それが手渡したという記事になったのではないかというふうに推測されます。
○生方分科員 要するに、警察の信頼というのは、警察を信頼しているから我々は捜査権を任しているわけですね。 取り調べ室という密室の中で、これは、容疑者と取り調べ官しかいないわけですよ。片っ方の容疑者は自殺して、自殺か事故か他殺か、それは後から聞きますけれども、わからない状態で亡くなってしまった。あとはその取り調べをした警察官しかいないわけですよ。今おっしゃったように情報は錯綜しようがないんですよ、一人ですから。一人の取り調べ官が今事実を見ていた、その方が発表したのを受けて広報が多分記者発表したわけでしょう。どこで情報が錯綜するんですか。錯綜のしようがないと私は思うんですけれども。
○田中政府参考人 委員も御承知と思いますけれども、大きな事案が発生いたしました場合には、報道関係者が多数その事案の発生した場所に集合してくることがございます。その過程で、だれに取材したかはわかりませんけれども、少なくとも、私どもの広報の発表におきましては、今申し上げましたように手にしてという広報をしておりますので、手渡してという広報につきましては、恐らく、報道の方々が現場におきましていろいろな方から取材をされている、その中でそのような判断をし、そのような報道になったのではないかというふうにも考えているところでございます。
○生方分科員 手短にお答えいただきたいんです、時間がないので。 では、これが例えば、手にとったが手渡したというふうになっていた。誤報ですね、警察から見れば。どのような措置をとりましたか。誤報だ、間違えているというのは記者会見やったんですか。
○田中政府参考人 私どもは手渡したという発表をしておりませんので、いわゆる、私どもとしては誤報ということではございませんで、先ほどから何回も申し上げて恐縮でございますけれども、手にしてという広報をしておりますので、誤報ということで我々が訂正をするということは、それはございません。
○生方分科員 だから、実際に警察が発表したことと違ったことを新聞が書いているのならば、当然、これは違いますよ、我々は手渡したと言っていません、容疑者が手にしたんですという、訂正を申し入れる記者会見をやるのが当たり前じゃないですか、どうなんですか。
○田中政府参考人 広報でいろいろなケースがあると思いますけれども、私どもといたしましては手にしてというふうに既にもう広報しておりますので……(生方分科員「同じことを繰り返さなくていいです。訂正はしたのかという」と呼ぶ)ですから、訂正ということでございますけれども、私どもが最初から手にしてということを言っていますので、それに対しては訂正ということは考えられないところでございます。
○生方分科員 繰り返して言っているでしょう。これの事実は新聞にはこう書いてある、これが警察が言っている事実と違うのであれば、当然警察として、これは事実と違うよということを記者発表するのが当たり前でしょうと私は聞いているんです。その点だけ答えてください。
○田中政府参考人 いろいろな立場で新聞が報道されますけれども、新聞の報道が事実と異なるとき、私どもがそれにつきまして、逐一その報道は間違っているというふうに記者会見するということは、必ずしもそういう場合だけではございません。
○生方分科員 それはないでしょう。事実と違っていることが報道されたら、違っていると言うのは当たり前じゃないですか。しかも、これは警察の過失にかかわるかもしれない重要な事件ですよ。密室の中で、それは、容疑者が自分で手にとれば自殺したという可能性がありますが、自分で手にとっていなければ自殺じゃないという可能性もあるわけですよ。 もう一点伺いますけれども、最初の発表のときには、けん銃がジッパー式のポリ袋に入れられていたというふうに発表されています。それが裁判の過程では単なるポリ袋に変わっている。これはどうして変わったんですか。
○田中政府参考人 この点につきましても、これは新聞の一部でございますけれども、ファスナーのついたビニール袋あるいはジッパー式のビニール袋という報道がなされているのは承知しております。しかし、これも、けん銃も実包も普通のビニール袋に入っていたものでございまして、今委員御指摘のように、一部の報道でそのような誤った報道がなされたことにつきましては、これも恐縮でございますけれども、情報が錯綜する段階、事案発生の初期段階で誤った情報が流れたというふうに考えておるところでございます。
○生方分科員 証拠品ですよね、これは。けん銃それから銃弾、証拠品ですね。証拠品の保管というのは厳重にやらなきゃいかぬですよね。ジッパー式のビニール袋というのであれば、私も見たことがあります、かなり厳重なものですね。普通のビニール袋だったら、ぱっとあければけん銃を手にとれるじゃないですか。普通、けん銃なんかをそんな扱いしているんですか。
○田中政府参考人 この場合も、証拠品の管理の問題でございますけれども、一般的に、いろいろな形で証拠品の管理というのはありますが、これは厳正に管理するというのが基本でございます。 ただ、今回のこの神奈川県のケースにつきましてはビニール袋に入っていたというのが事実でございます。
○生方分科員 これは、今さっきも言いましたように、取り調べ室というのは取り調べ官と被疑者しかいないわけですよ。このときは二人が、一人は出たり入ったりしていたらしいですけれども。だから、その中で発表されたこと以外に記者は書きようがないんですよ。記者は警察官に取材するしかないんですから。それでビニール袋というのが出るはずないじゃないですか、記者が書くときに、どこか警察の方からそういう話が出ない限り。普通で考えたらそうじゃないですか。いないんですから、そこに。 例えば、どこかで火事が起きたとか交通事故とかというんならほかの目撃者がいますよ、たくさん。当然、新聞記者はいろいろな人に取材しますよ。だけれども、この事案については二人しかいないんですよ。それで一人が死亡しているんですよ。その時点でビニール袋という言葉がここに出ているとすれば、ビニール袋ということをだれかが言ったとしか考えられないでしょう。そうじゃないんですか。
○田中政府参考人 大変恐縮でございますけれども、こういう場合に、報道関係者の方がいろいろな方から現場で、例えば戸部警察署でありますと戸部警察署の警察官多くの方から取材をするのが実情でございます。したがいまして、委員御指摘のように、当該警察官から、取り調べ室にいた警察官が取材に応じるというようなことはまずこれはありませんで、いろいろな方から取材をする、その結果こういう報道になったんだろうと思います。
○生方分科員 私はそんなこと言ってませんよ。そんなのは、直接そこの被疑者になるのか、それと、関係者に、警察官に取材なんかできるわけないじゃないですか。そんなこと言ってませんよ。 では、どうしてビニール袋が出てきたのか、ジッパーつきのが出てきたのか。記者が聞くのはほかの警察官しかいないんですよ、警察署の。 私は今何でこれにこだわっているかというと、銃を持って自殺をしたというふうに言われている、それは何でかというと、民事訴訟の経過を見ると、最初にビニール袋を破いてそこの中から実弾を取り出した、そこに今度はほかの取り調べ官が入ってきて、そのときに実弾を一発彼が手にしていた、それを警察官が気づかなかった、それで次に警察官がまたけん銃を置いたとき、それもビニール袋だから破いて自分が手にとって、それで実弾を込めて自殺したとなっているんですよ。 これはどう考えても不自然なんですよ。これがジッパーつきの袋であれば、そう簡単にけん銃、実弾を取り出せるはずがない。だから、ビニール袋というふうに、最初にジッパーつきのとしていたのに、それは警察にとっては不利だから変えたんじゃないかと疑われる。それは、事実この遺族の方は疑っているわけですよ。だから今聞いているんですよ。こういう一つ一つの疑問が警察に対する疑惑になっているんですよ。 長官、今おっしゃいましたけれども、我々がニュースソースとしているのは、この事件に関して言えば警察しかないんですよ。警察しかない中で、最初に手渡したという情報があった、それからジッパーつきのビニール袋だというふうに言っていた、それが途中で変わるわけですね。変わることによって、これはやむを得ない事件だったというふうにしようとしているわけですね、現実に。 だけれども、実際問題においては、遺族が言っているのは、警察官の方が、これは遺族が言っていることですから、取り調べ官が、被告の態度が悪かったから、当時神奈川県警では、例の交通機動隊の中でロシアンルーレットがはやっていた、それと同じようなことをやったんじゃないかという疑問を持っているわけですね。これはもちろん立証のしようもないしわかりようもないことです。 ただ、実際の問題として、自殺をしたという説明の中にも、例えば、遺体の中の、弾が入った角度が、これは私これを見ただけですから、こういう非常に上の角度から入っている。普通に自殺をするのであれば、その方左ききだったらしいんですけれども、左ききの方が銃を引くので左手で撃つのは非常に難しいから、普通であれば頭を撃つだろう、もし自殺するんなら。それを、こういう非常に不自然な角度で、しかも警察の発表によれば、銃身を握って撃ったというようなことを言っているわけですね。 だから、そういう疑問がいっぱいわいてくるわけですよ。今おっしゃったようなことを言ったって、現実にそうじゃなかったかもしれぬ。この事件については処分はなされておりますけれども、実際、事実関係というものをきっちりとお調べになったんですか。
○田中政府参考人 事実関係につきましては神奈川県警におきまして調査し、またその関係につきまして御遺族の方にも十分御説明をしているわけでございますけれども、御了解が得られなかった、それが民事訴訟あるいは刑事の告訴という形になってきたんだろうと思います。 ですから、今係争中でございますので、詳しくは申し上げることはできませんけれども、今申し上げましたいろいろな疑問とされた点につきましては、神奈川県の方で詳細な主張、立証をこの訴訟の中でしているものというふうに思っております。
○生方分科員 警察庁としてこの事件について調査をなさったんですか。
○田中政府参考人 警察庁として直接に出向いて調査したことはございませんけれども、これは、神奈川県で十分な調査をし、そしてその結果につきましては、私ども了としているところでございます。
○生方分科員 公安委員長にお伺いしたいんですけれども、公安委員長はこの事件は多分そんなに存じてはいないと思うんですけれども、今のやりとりを聞いて、私もこの事件、別に詳しく知っていたわけじゃなくて、今回こういうことがありますよというのを知って調べたんですけれども、とにかく、最初の中で、大体、取り調べ官が被疑者に対して、しかも銃刀法違反、殺人未遂で逮捕されている人に対して銃をとらせるということ自体があり得ないことだと思うんですね、そういう状況をつくるということが。 それは、その最初の記者発表の中では、これは新聞によると、同署によると、通常、取り調べは一人の警察官が行い、短銃などの証拠品は、容疑者にもっとよく見せてくれなどと言われれば手にとらせる場合もあるというふうに説明しているというんですよ。こんなことがあり得ていいというふうにお思いになりますか。
○保利国務大臣 取り調べ室という非常に密室の中でございますから、どういうことがありましても、後ではわけがわからなくなってしまうというのは想像がつきます。ただ、取り調べ室の中で、けん銃を被疑者に、渡したのかとったのか、とにかく手に渡るというような事態というのは、常識ではちょっと想像しにくい、私はそう思います。
○生方分科員 これは、被疑者が自殺をしたという不幸なことになったんですけれども、自殺をしないで、仮に、取り調べ官に向けられて、取り調べ官が撃たれるということだってあり得るわけですよね。取り調べ官が撃たれるということは、そのけん銃を持って下におりていって、一般の人たちがまた被害を受けるということだってあり得るわけですよ。そうした深刻な事案だったという認識はおありですか、長官。
○田中政府参考人 この事案につきまして、なぜそのような事故が起きたか、これにつきましては、これは深刻に受けとめております。被疑者の動静監視がおろそかになっていたこと、つまり、取り調べ室に関しての密室性の問題であります。あるいは、けん銃及び実包を提示した際に、実包入りのビニール袋を直接手にさせたりというようなことでございますので、極めて不適切な取り調べであったということでございまして、この事態につきましては、深刻に受けとめておるところでございます。
○生方分科員 不適切と言っても、非常識というふうに言ってもいいですね。非常識な人が取り調べに当たっていたわけですよ。そうすると、それが本当に自殺だったかどうだかというのは、遺族からしてみれば疑問を持つのも当然ですよね。それで、発表が当初の発表と違っていた。つまり、いかに自分たちの過失を過失じゃなくするか、あるいは未必の故意だったんだか事故だったんだか知りませんけれども、そういうような形に、どうしても、当初の発表と違えた発表にしているんじゃないかという疑問を遺族が持つわけですよ。 そうであるとすれば、もちろんこれは今検察庁に告訴されていますので、告訴状が受理されていますけれども、告訴状が受理される前に、これは普通で考えれば非常識な警察官ですから、非常識なことをやったっておかしくはないということを考えれば、あらゆる事態を想定して調査するべきでしょう。自殺だったのか、事故だったのか、あるいは極端な話、他殺だったのかも含めて、あらゆる可能性を含めて調査をして明らかにする、それが事故防止にもつながるし、そういうことをやるのが警察庁の務めじゃないんですか。いかがですか。
○田中政府参考人 この事態につきましては、今申し上げましたように、大変重く受けとめておるところでございます。したがいまして、この事案につきまして調査をいたしまして、具体的にその再発防止対策につきましては、県に指導をしたところでございます。
○生方分科員 何ですか。その再発防止策について出したんですか。
○田中政府参考人 警察庁といたしまして、取り調べ時の被疑者の動静監視、証拠物件の確認の徹底、それから、神奈川県警察におきましても、証拠物件の提示の際の事故を防止する観点から、証拠物件の管理のあり方等につきまして具体的な措置を講じておるところでございます。
○生方分科員 私が言っているのは、自殺、事故、他殺を含めて、あらゆる面から調査をしたのかということを聞いているんです。
○田中政府参考人 これにつきましては、先ほど申し上げておりますように、警察庁としては、神奈川県警察から詳細な報告を受けておりまして、県警におきましては適切に事実関係の確認がなされたというふうに考えておるところでございます。
○生方分科員 だから、警察に対して全面的な信頼が置けているときならいいんですよ。それは、みんな我々は信頼していたわけですよ、当然。警察官は逮捕権もあるし、留置する権利もあるし、捜査権もあるんですから。ところが、今まで起こってきたことが警察の信頼をすべて失墜させるようなことばかりだったわけでしょう。 その中でこうした事件も明るみに出て、それで、どう考えてもいろいろ不自然な点が多いというのが明らかになれば、それは警察庁みずからがきっちりと調査をする。どっちにしろ、二人しかいないで一人亡くなっているんですからね。その方の言うことを信用するのか、客観的に信用できる十分な証拠があるんであればそれはいいですけれども、今言っていた発表も、それからそのけん銃の弾が四十五度で入っているという不自然さも見て、どうしてもこれは、腰ひもをつけられて座っていた被疑者が四十五度の角度でこうやって、左ききの人間が右手でこうやって撃つというのは不自然だという遺族の主張を私は自然だと思うんですよ。不自然だと言うのが自然だと思うんですよ。 そういう不自然な状況があって亡くなっちゃった、そういうものに対して疑問を持っているんであれば、まずもって警察がきっちりと事実関係そのものを最初から洗い直す必要があるんじゃないですか。
○田中政府参考人 この事案は、取り調べ室におきまして被疑者が自殺をするという極めて重大な事案でございましたので、当初から神奈川県警におきましては慎重な調査をしたわけでございまして、その結果、事実関係の確認ができたということでございます。 ただ、本件につきましては、委員も御指摘のように、御遺族の方からその旨につきましての御了解が得られないところから、現在訴訟係属中でございまして、またその中でいろいろなことを私どもとしては主張してまいるということになろうかと思います。
○生方分科員 その事実関係がどうであったかはここで論じてもしようがない話ですから、もう一回最初に戻りますけれども、事実が錯綜していてこういう発表になったというんであれば、だれがどこでどういうふうに言って、どうしてこういう発表に至ったのか。もし本当にけん銃を手渡したというふうに言っていないんだとすれば、手渡したという報道がなされる、それからジッパーつきのビニール袋というふうに言っていないにもかかわらずジッパーつきのビニール袋というふうに出たとするならば、だれがどういう情報を流して、どうしてこういう間違えた情報、それは間違えたんだかあるいは事実を曲げて報道したか知りませんけれども、そういうふうになったのかということは、最低限お調べになる必要があるんじゃないですか。
○田中政府参考人 これは委員も御承知と思いますけれども、報道関係につきまして、その報道関係……(生方分科員「いや、報道関係者を調べろと言っているんじゃないんです」と呼ぶ)報道関係者がだれから聞いたということを我々に明確にしていただけない限りは、これはわからない話でございまして、ただ、経緯につきましては……(生方分科員「経緯、いいです、もう時間がないからいいですから」と呼ぶ)手にしたということで広報しておりますので、そのように考えておるところでございます。
○生方分科員 だけれども、どう考えてもニュースソースというのは一つしかない事案ですから。大きい事案でいろいろな人が見ていれば、いろいろな人から記者がいろいろなことを聞いていろいろなことを書きますよ。私も新聞記者が書いている原稿が全部一〇〇%本当だなんて全然思っていません。だけれども、この件に関して言えば、極めてこれが誤報で流れる確率は少ないんですよ、知っている人は一人しかいないんですから。それにもかかわらずこういう情報が流れて、もしそれが間違えているんであれば、当然訂正をまずするでしょう。違います、手渡してなんかいませんよと。言うのは当たり前の話でしょう。 警察は、報道が発表したら、うそだって、それは報道がやることだからうそはうそのままいくんだ、そういう態度でいいんですか。これからもそういう態度でいくんですか。間違えて報道がなされたとしても、それは報道が間違えているんだからほうっておくという態度でいくんですか、これからも。
○田中政府参考人 報道のしぶりと私どもの公表といいますか、具体的な発表のしぶりに差があることは時々ございますけれども、それにつきまして、改めてまた報道のしぶりにつきまして、それが間違っているというふうに記者会見をするというようなことは、これは必ずしも行われなければならないというものではないと思います。
○生方分科員 公安委員長にお伺いしたいんですけれども、どうなんですか。事実、これは手渡したということととられたということは全然違うわけですね。それが発表されて、新聞でこれは次の日みんな、多分この戸部署の人は見ているはずですよ。もし本当に違うんだというんであれば、違うと発表する方が普通じゃないですか。 今長官がおっしゃったように、新聞がいろいろな報道をするのはほっとけという態度でいいと思いますか。それで警察の信頼が保たれると思いますか。
○保利国務大臣 報道のあり方とその対応については、そのケース、ケースがありますから一概にはこうだということは言い切れませんけれども、今のことは、各社が全部そういうふうに書いているのだとすれば一つの共通項というのはあるわけですから、そういったことはやはり考えて対応すべきことではないだろうかと思います。しかし、ケース、ケースでやはり判断しなければならぬことだと思います。
○生方分科員 長官、これはどうしたっておかしいのですよ。例えば、長官について間違えた情報を出されたら、長官が次の日訂正するでしょう、その場でも。こんな重要な事実を間違えて報道されて、それは報道の問題だなんということが何で言えるのですか。そういう態度が警察全体の信頼にかかわるのですよ。 とったのか、とられたのか、手渡したのか、それをまた、ビニール袋か、ビニール袋ではないかも含めて、我々は、密室ですから、警察を信頼する人はそれはそのまま信じるけれども、警察の信頼が揺るいでいるときに、こんなものをそのまま放置しておいていいはずがないではないですか。こんな誤報が流れたのなら、少なくとも警察サイドが、どういう情報を流してどういうふうになったのだということを徹底的に調べなければいけないのではないですか。何もないところにジッパーつきのビニール袋なんて出るはずがないのですよ、発想自体が。 最低、それはどういう取り調べ官からだれが最初に聞いて、何を聞いて、どういうふうになって、どうなったというところまで調べなければいけないのではないですか。それが警察の信頼を取り戻すまず第一歩ではないですか。そう思わないのですか。
○田中政府参考人 繰り返して恐縮でございますけれども……(生方分科員「短くでいいですから。思わないのなら思わない、思うか思わないかでいいです」と呼ぶ)報道の方がどのような形で取材をされたということにつきましては、私どもは承知をしないところでございます。(生方分科員「だから、そんなことは聞いていません。報道のことは聞いていません、そんなものは」と呼ぶ) したがいまして、私どもが発表した内容、あるいは発表していないことが書かれた場合につきまして、それは具体的にどのような形で報道の方が取材をされたかということにつきましては、なかなか難しいところがございます。
○生方分科員 私が聞いているのは、事実と違うものが発表されたときに、それを訂正しなくていいのか、それが当たり前か、これからもそういう態度でいくのかどうか、その一点だけ聞きます、こういう事案に関してですよ。
○田中政府参考人 今回のこの事案につきましては、私どもは、先ほど来申し上げておりますように、手にしてという発表をしておるわけでございますので、それを訂正ということはないだろうということでございます。
○生方分科員 だから長官、今あなたが置かれている立場というのは、警察全体に対する信頼が全部失われているのですよ。 ほかにもいっぱいあるではないですか。何か事件をやって、取り調べをして、そのままロッカーに置き忘れて時効になったとか。これは信じられないですよ。ある警察官の不祥事という問題ではなくて、警察官が日常的にきちんと業務をこなしているのか、こなしていないのかという問題、そこまで来ているのですよ。 それから、鷹巣署ですか。署長と次長がどこかの飲み屋に行って、そのバーのかみさんに絡んだか何かして、その後すぐに、その日のうちに調査に入る。さっき私もこれは聞きましたけれども、前の調査は百十何軒やっていて、それは零時三十分からやったと。それで、今度の調査は何軒もなくて、そのときたまたま閉まっていた店だったから十二時五分からやったというのですよ。十二時までお店をやっていて十二時五分まで営業するというのは、例えば、お客さんがいれば、それがお金を払ったりなんかするので五分ぐらいというのはどうしようもないですよね、いたって。それを、おまえのところは五分余計に営業やったからといって始末書を書かせるというのは報復以外の何物でもないではないですか。こういうことが横行しているわけですよ。 ほかのときは十二時半までやっていれば、それは明らかに営業時間無視で深夜営業をやっていたのだというふうにとらえられるけれども、この店に関して言うと、十二時五分に行ったというのですよ。そのお店で、その人たちがお店から何時に出たか知りませんけれども、九時か十時にトラブルを起こして、その二時間後に警察官が入って、五分営業オーバーしているから始末書書けという、これは報復だと思いませんか。
○田中政府参考人 委員御指摘の件につきましては、秋田県の鷹巣警察署の事案に係る問題だと思います。これは、立ち入りにつきましては、計画的な立ち入りが行われまして、そのときにできなかった店舗についてであります。(生方分科員「それは聞いている、今言ったからいいです」と呼ぶ)したがいまして、今お話しのように、それは報復としてやったということではございませんで、これは計画的にやりまして、それに漏れたところをやったということでございます。
○生方分科員 だから、そのように身内をずっとかばっていれば、常識的に考えて、今私が言ったみたいに、半までやっていたのなら深夜営業をやるという、範囲が仮にあったとしますよ、十二時五分というのは、そんなことまで全部やっていたらどこのお店だって営業できないですよ。十一時半にやめなければいけないですよ、十二時までに全部きちんと閉めるといったら。その十二時五分というのが不自然だと思わないのですか。
○田中政府参考人 この件の具体的な事案のお尋ねでございますけれども、これは、零時五分に立ち入りを行っております。時間外営業につきまして、誓約書といいますか始末書を出させたのは……(生方分科員「だからそれはもう言った。知っているからいいですよ」と呼ぶ)立ち入った際に三人の客がおりまして、速やかに帰宅できる状況になかった、このままその状況が続くというふうに考えましたので、時間外営業を慢性化させるおそれがあるということで誓約書の措置をとったという報告を受けておるところであります。
○生方分科員 時間が参りましたのでやめますけれども、その前にそこで警察署長が暴れているのですよ。考えようによっては、暴れているからお客さんが十二時に帰れなかったということだってあり得るじゃないですか。だから、あなたがおっしゃっていることはみんな身内をかばおうかばおうと。かばえばかばうほど警察に対する信頼は失われるのですよ。 この際きちんと明らかにして、うみが出るものはうみを全部出さないと、これは本当に重要な問題ですよ。警察官が取り調べをして、その調書をそのままロッカーに置いて退職してしまったなんというのが二件もあるなんて、とんでもないことなのですから。あなたにその自覚があると私は全然思えませんよ。いや、もう答えなくていいですから。そんなことでは警察に対する信頼というのは取り戻せないですよ。それだけ言って私の質問を終わります。
○田中政府参考人 今御指摘の問題につきましては、いろいろなケースがございます。また、それにつきましては、私どもは一つ一つを反省材料として再発防止対策に取り組んでいかなければならないと存じております。ただ、いろいろな行為につきまして、国民の皆様から疑惑を招かないような行動はとるべきだというのは当然でございます。 したがいまして、この鷹巣警察署の問題につきましても、署長等の言動にかんがみますと、この具体的な立ち入りがやはり誤解を招きかねないというところは御指摘のとおりでございますので、このようなことはないようにこれは指導を徹底してまいりたい、かように考えているところでございます。
○坂上主査 これにて生方幸夫君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして警察庁についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○坂上主査 午前中に引き続き通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫について審査を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。竹本直一君。
○竹本分科員 きょうは、通産大臣も政務次官もそれぞれお忙しいようで、参考人の方の御出席ということでございますが、専門家でおられるはずですから、私のふだんいろいろ思っております中小企業対策、特に大きい流れの中における中小企業対策ということで、大いに論じてみたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。 日本の経済は、やっと緩やかな改善が続いているとか、いろいろな表現で今言われておりますけれども、実際庶民生活の中に入りますと全く不景気そのものというのが今の実感であります。そういう中で、一体中小企業対策としてどういうことをしていけば早急にこの苦境を脱せられるのかということが一番問題であるわけです。 身近なところで言いますと、例えばガソリンスタンドなんかは、大企業がどんどん出てきて、価格競争に負け、後へ追いやられる。全国にあるガソリンスタンドの約半分はいずれつぶれるだろう、こう言われておる。また、町の酒屋さんなんかも、規制緩和がどんどん進むので、安売りショップにどんどん負かされてしまって立ち行かなくなっている。そのほか、お米屋さんもそうだと思いますけれども、いろいろ伝統的な産業で、しかも地域社会に根差した、しかもそれが中小企業である、そういったところがどんどん苦境に瀕しているわけでございますが、一体何でこんなことになったのかということを改めて考えてみたいなというふうに思うわけであります。 私、昨年、三月だったと思いますけれども、超党派の議員ミッションで、額賀官房副長官なんかも御一緒だったんですが、ワシントンに行きました。帰りにニューヨークへ寄ったわけでございますが、その日が、ちょうどたまたまですけれども、ダウ平均が一万ドルを突破した記念すべき日であったわけです、その翌日だったわけでございますけれども。 そこで、ウォール街にたむろしております投資顧問会社等々の代表から三時間ほど我々はいろいろ経済問題についての意見を聞いたわけでございますが、非常にアメリカの人たちは強気でありました。次の目標は何か、それは、日経平均が当時一万五千円だったんですけれども、次は日経平均がターゲットだ、つまり一万五千ドルがターゲットだ、近い将来に十万ドルもあり得るというようなことを口をそろえて言っておったのを非常に印象強く思っておるわけでございます。 そういうことを考えますと、その結果、約一年たちましてどうなったか。一万五千ドルには届いておりませんが、一万三千ドル近くに行ったことがございますが、最近のIT関連の崩壊によって株価がまた一万ドルのラインの前後にまで下がってきておる。 そういうことの中で、直影響を受けるのが日本の株式市場であり、また、その株価の乱高下の中で、経営難に陥っている中小企業が大変な塗炭の苦しみを味わうわけでございます。一体こういうような世界的な経済動向の中で中小企業が荒波にもまれる木の葉のように扱われるのを何とか阻止できないだろうか。 何でこういうことになったのかということを改めて考えますと、どうも、橋本政権のときにいろいろな改革を打ち上げました。その中の一つにグローバリズムということがございました。世界は一つのルールに従って公明正大にやるのが経済活動の基本であるという概念のもとに、日本の経済活動そのものをも含めまして、オープンに、そしてフェアに、そしてグローバルにということでやってきたわけでございますが、それに対応できる、日本でいえば大手のトヨタ等の自動車メーカー、あるいはソニーといったような最先端を行く世界的企業、こういったところはいいわけでございますけれども、ドメスティックな、そして小規模な、こういう事業形態をとっている中小企業にとっては大変な大き過ぎる荒波であったわけでありまして、したがいまして、今思うに、こういった規制緩和というものはもう少し段階を追ってやった方がいいのではなかったかなというふうに思うわけでございます。 特に、二年前のアジアの経済パニックのときに、マハティールがヘッジファンドのことについて、彼らはワルだ、彼らがいなければこのアジアの経済混乱は起こらなかったということを強く主張し、かつ、国として規制をやりましたけれども、あのように、ヘッジファンド等いろいろなものが入り込めない領域を日本の経済構造の中に設けておくべきではなかったかな、そういう感じを非常に強くするわけでございます。そのうちの一つがこの中小企業なんです。 したがいまして、余りにも規制緩和を急ぎ、余りにも統一ルールでの対処ということを急ぎ過ぎたために今日の混乱が来ているのではないかというのが私のそもそもの思いでございます。 そこで、具体的な中小企業施策について聞いてまいりたいわけでございますが、昨年の秋に中小企業国会で中小企業基本法を改正いたしました。この中で、従来は大企業との格差是正というのが中小企業法の基本理念であったわけでございますけれども、人、金、物、情報、すべての経営基盤において劣る中小企業にもう少し夢のある道を考え出してはどうかということで、いろいろな多様なニーズに対応できる個性ある中小企業の育成ということで、ベンチャーの育成等を基本とした中小企業基本法を改正したわけでございますけれども、実際、このベンチャーの育成等をとりましても、現実に苦しんでいる現場の中小企業にとっては、そんなのは夢のまた夢だ、現実にきょう職員に払う給料がないんだ、こういう声が圧倒的であります。 したがいまして、中小企業の目指すあり得べき姿はもとより、もちろんこれは大事であり、私はその法案の作成作業にはそれなりに関係した者でございますけれども、同時に、現実に苦しむ中小企業に対してどのような中小企業施策を講じていくのが今一番肝要であると考えておられるか、中小企業庁長官にお聞きしたいと思います。
○岩田政府参考人 中小企業は、大企業に比べまして、規模の小ささということからきます、人や金や物や情報や、経営資源と呼ぶものでございますが、そういうものが乏しい、あるいはそれを外部から調達することにいろいろな困難に直面する、こういう特色と申しましょうか、ある意味で弱点を持っているわけであります。つまり、そうした弱点を補完するということが中小企業政策の基本であるということと考えております。 今、先生、いろいろな具体的なケースを御指摘でございますが、まさにそうした中小企業を取り巻く環境、事業環境のようなもの、あるいは競争相手といったようなものがいろいろな形で変わる、その変化に対応するに当たって、この経営資源の不足という問題がいろいろな対応に困難を来すという事態になる、総論的に申し上げればそういうことかと存じます。 その意味で、今御指摘のとおり、旧基本法におきましては、中小企業をむしろ非近代的な存在として画一的にとらえまして、施策も、そういうところから出てくる見合いにおきまして一律的な施策を講ずるというのが基本にあったわけでございますけれども、新しい中小企業政策におきましては、今ベンチャー企業というお話がございましたけれども、創業というようなものも視野に入れ、あるいは上場を目指すような中小企業もいるかもしれない、あるいは研究開発を一生懸命やる企業もいるかもしれない、あるいは生活密着型の小規模企業もいる、そうしたもろもろの多様性というものを頭に置いて、また、その人たちが抱えるいろいろなそれぞれに異なった問題、課題、そういうものにできる限りきめ細かく対応できるような政策体系に再構築をし直すことが必要だというのが新しい基本法の理念だと考えております。 その意味におきまして、旧来に比べましてさらにそうした多様性を頭に置いたような政策体系をつくるということで、さきの臨時国会におきましては、基本法を改正すると同時に、既に幾つかの政策体系をつくり上げていただいた、打ち立てていただいたわけでございまして、まだこれで終わったわけではございませんけれども、そうした意味合いで、もろもろの多様性に対応した金融的な措置、そういうようなものを中心に臨時国会ではお願いをしたわけでございます。 今後ともそうした観点に立って、新しい基本法の理念に立って、かつ、これからの時代は、中小企業にとりましてもますます事業環境は目まぐるしく変わる、その状況にどう対応していただけるか、それをどう応援できるか、そういう観点で私ども対応していきたいというのが基本的な立場でございます。
○竹本分科員 さて、より具体的にお聞きしたいと思いますけれども、私は選挙区が大阪なんですけれども、どうも今全国で、四十七の都道府県ございますけれども、大阪とそれから有珠山の北海道が飛び抜けて景気が悪い。 具体に有効求人倍率で見ますと、この二月で、全国平均が〇・五二にもかかわらず、大阪の方は〇・四三と報告されておるわけであります。なぜ大阪と北海道、特に大阪がこんなに失業率が高いのか。近畿全体で見ると、最近のだと六%という完全失業率が報告されておるわけでございまして、一体どうしてこのような失業率の高さをもたらしているのか、その原因についてお聞きしたいわけですけれども、まず先に、その原因について思われる点をちょっとお聞きしたいと思います。
○岩田政府参考人 突然の御質問で、大変難しい御質問でございますが、私、数年前に近畿通産局長をやっておりました。その当時の記憶を思い起こしてみますと、当時から関西の経済界の皆様方も言っておられたことでございますけれども、やはり基本的には産業構造に起因する。いわゆる一割経済とかつて言われていたものが既に一割経済でなくなってきているという、そこの背景には、やはり基本的に産業構造の問題の転換というものがなお十分に円滑に進められていないというようなところにあるというふうに、一言で言えば申されていたのではないか、このように考えております。
○竹本分科員 さて、そういう理由があるにしろ、現実に非常に大変な失業率の高さでございます。 そこで、労働省ではこういった大阪の雇用拡大のために具体的にはどういうことをやっておられるのか、お聞きしたいと思います。労働省、お願いします。
○渡邊政府参考人 今委員が申されましたように、大阪府の雇用失業情勢は、全国の有効求人倍率が二月で〇・五二のところ、大阪は〇・四三倍であるとか、これはブロック別にしか出ないのですが、昨年の十から十二月期の近畿ブロックの完全失業率は五・四%で、全国平均の四・四%を一%上回ったというふうな状況でございまして、全国的に大変厳しい状況ですが、特に大阪府の雇用失業情勢は、厳しい地域の一つであるというふうに私どもも認識をしているところであります。 そこで、雇用対策でございますけれども、まず、雇用の創出を図るための対策といたしまして、昨年の一月から実施しておりますが、中小企業労働力確保法という法律に基づきまして、新たに事業を立ち上げるときに、雇い入れました労働者の六人まで賃金の二分の一を助成するという制度を実施しておりますが、大阪府について見てみますと、昨年の一月からこの二月まででおよそ九千人の方が雇用予定。全国的には合計で八万人でございますが、そのうち九千人が大阪府で雇用予定ということで、これは順調に助成が伸びておるかと思います。 それから、地域の実情に応じまして、これは昨年の夏の補正で組んでいただきましたが、府や市町村が事業を実施する場合、これは短期の雇用ですけれども、緊急地域雇用特別交付金制度というのを実施しておりますが、大阪府には約百四十五億円を交付したところでありまして、これに基づきまして府と府下の市町村が事業を始めておられますが、これによる雇用創出見込みは、平成十三年度末までで約二万人。全国は三十万人規模ということですが、約二万人の計画を提出していただいているところであります。 次に、雇用の維持安定を図るための施策といたしまして、障害者や高齢者等の就職の困難な方に対して雇い入れの賃金助成というものがありますが、これは対象を拡大しました昨年六月から本年の二月までで、大阪府では対象となる方が約五万人というふうになっております。 さらに、特に雇用の厳しいブロックにおいて賃金助成の制度がございますが、これは昨年の七月から四月末まで適用することにしております。大阪府におきましては、これはまだ申請件数六百件というふうに少ないのですが、いずれにいたしましても、こういった対策が一定の雇用の下支えをしているというふうに考えておりまして、今後ともこういった施策をフル動員していきたいというふうに思っているところであります。
○竹本分科員 そういう努力はしていただいているわけですけれども、私は、雇用の拡大において政府が助成金を出してやるというのはいいのですけれども、よく申し上げるのですけれども、働いていない人が働いている人と同じように、余り変わらない収入を得るようなことだけは、幾ら不況のときとはいえやめていただきたい。働いて努力した人にはより多くの報酬がある、働かない人の方はより少ない報酬しかないという基本、これは生活できないようになるのでは困るけれども、その基本だけは忘れずにやっていただきたいなという希望でございます。 特に介護労働者等については、今度、三月でしたか、法律ができて予算がついて、そして人材確保のための、例えば一年間は二分の一の助成をするとか、これは非常にいいことだと思いますけれども、能力開発について、四分の三まで政府がお金を出すとかいうようないろいろなことが考えられました。 いずれにしましても、私今申し上げましたように、努力した人が報われる社会、努力しない人はより少ない報酬しか受けられない、そういう意味において、努力することがいいのだよということを社会全体で教えるような、その基本だけは忘れずに雇用調整とかあるいは雇用の促進とかいうことの施策を図っていただきたい。それは、特に私の要望でございます。ありがとうございました。 それから次に、いよいよ中小企業の金融の話でございます。 我々、地元で中小企業対策についてお話をする場合が多いわけでございますが、いろいろ細かいことがいっぱいあるのですけれども、言っているうちに、一般の人が聞いておって、では一体何があるのだ、どうしてもこういうような感じになってしまう。一番手っ取り早いのがやはり金融なんですよね。 そこで、二十兆円の特別信用保証制度ができまして、これはほぼ全額借りられたようでございますが、これは最近にないヒットであったと思います。現実の需要のあるときに、あるところに供給がなされたという意味では非常にいい制度であった。国民的評判も非常によい。そこで、さらに十兆円伸ばして三十兆円にし、しかも期間も一年延ばしたということでございますけれども、現時点における実施状況、どこまで使われておるかということをまず一つお聞きしたいと思います。
○岩田政府参考人 御指摘の特別保証制度でございますが、ただいま御指摘にもございましたように、制度発足から二月末に、ちょうど当初ございました二十兆円を消化し切りました。四月十四日現在で、百二十四万件、二十一兆円と、大変多くの中小企業に御利用をいただいておるところでございます。
○竹本分科員 大阪府の実情がわかりましたら。
○岩田政府参考人 大阪府保証協会におきます実績は、件数九万二千件、金額にいたしまして一兆六千九百億円でございます。また、大阪市保証協会もございますが、こちらは二万八千件、四千五百億円となっております。
○竹本分科員 それは両方重なっていないのですね。大阪全体となれば両方足せばいいのですね。
○岩田政府参考人 さようでございます。
○竹本分科員 それでは、特別信用保証制度ですけれども、当初一年間は据置期間がありますから、五千万円借りても最初の一年間は支払わなくてもいい、翌年から払わなきゃいけない。ちょうど去年の十月からそういうものが始まったわけでございますが、そのために、既にお金を使ってしまっておって、返すときに返せない、こういう相談が結構あります。もう一回借りられないか、しかし、あなたは限度枠いっぱい使ったからだめですよ、こういうことで相談に乗ったことが何回もあるのでございますが、結局、払えない人あるいは代位弁済をした人、そういう率はどの程度あるのか、通産省の方、お答えください。
○岩田政府参考人 代位弁済は、金額で、三月末で一%でございます。 据え置きとの関係で今お話ございましたけれども、現在、この特別保証制度の実績を見ておりますと、一年間の据え置きをお使いになっている方というのは一割でございます。八割の方々というのは翌月から返済を開始されておる実態にございまして、先ほど百二十四万件と申し上げましたが、こういう状態にございます。(竹本分科員「残る一割はどうなる。八割がそうでしょう、一割が一年後でしょう」と呼ぶ)あと、選択で三カ月据え置き、六カ月据え置きというようなものがございます。 いずれにいたしましても、翌月からお払いをいただいていて、既に一年半が経過をいたしておるわけでございますが、その中で代位弁済に至ったものは一%、件数においても〇・九幾つ、一%弱でございます。その意味では、中小企業者の方々全体として見ましたときに、本当に真摯に、真剣に努力をしてお返しいただいている、このように考えております。
○竹本分科員 お金を借りるということなんですけれども、現実に銀行はなかなかお金を貸さない。我々としては、銀行が貸し渋りをしないようにということで六十兆円のお金を用意し、既に十兆円近くのお金を銀行に貸しているにもかかわらず、なお都市銀行というのは余り金を貸さない。そこで、信用組合とか、中小企業金融公庫とかあるいは国民金融公庫とか政府系の金融機関を含めて、より貸していただけそうなところへ中小企業は走るわけですけれども、それもなかなか思うようにならない。 金融監督庁、来ておられますか。これはそちらにお聞きしたいのですけれども、そういう中で、今、金融監督庁が監査をしておられますね。都市銀行と、いわゆる信用組合、信用金庫と同じ基準で監査しておられるのかどうかということについて一つお答えいただきたい。 もう一つは、私の提案でございますけれども、アメリカあたりでは割合ポピュラーにあるわけですけれども、要するに、ある種のリスクマネー的な考え方でもって、信用組合は、担保はないけれども、一定限度、例えば三百万なら三百万、一千万なら一千万、それは貸しましょう。ただし、担保がないし、ひょっとしたら中小企業はつぶれるかもしれない。だから、金利は高く取りますよ。例えば、三億円のものを三千万円ずつ分けて十件貸した。そのうちの三件がつぶれた、倒産してしまった、返済してくれない。それを後を追いかけたって返してくれない。だから、残った七つのところからより高い金利のもので皆返してもらう。したがって、信用組合としては全然損はないというふうにすればいいのではないか。 そういうことをするところが今、実際ないわけですよ。これ以上、一歩いきますと、商工ローンとかあるいは消費者ローンとか、何十%とかいう金利を取られて、実際返せない金利をつけられて、大変な社会問題になる。 そこへいくまでに、信用組合あたりが、担保はなくても、いろいろな地域の有力者がやっているケースが非常に多いわけですから、大体、あそこの家はお金はないけれども信用があるとか、あそこの家はもとは庄屋さんの家でなかなかそんな変なことはしない、まず大丈夫だろうというような社会的信用を一つの担保として貸す。しかし、つぶれるかもしれない、だからつぶれたときの担保のためにより高い金利を使っておく。いわゆるリスクマネー的な感覚で、信用組合の融資の基準を普通の都市銀行とは違う形でできないものかと思っておるのですが、いかがですか。この私の考えについて御意見ください。
○西原政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、第一点目でございます。いわゆる都市銀行やなんか、そういうようないわゆる主要行に対する検査、それと信用金庫、信用組合、こういったところに対する検査、これで同じようにやっているのか、それともちゃんと違えてやっているのか、こういう御質問でございました。 この点につきましては、現在、十二年三月期からは金融検査マニュアルという形でこれが適用されていくわけですが、そこにもうたわれておりますが、その適用に当たっては、「金融機関の規模や特性を十分踏まえ、機械的・画一的な運用に陥らないよう配慮する必要がある。」こういうことが多々書かれております。 具体的には、マニュアルにおきまして、各金融機関においてマニュアルの字義どおりに対応がなされていない場合であっても、業務の健全性、それから適切性の観点から見て、金融機関の行っている対応が合理的なものであり、金融機関の規模や特性に応じた十分なものであるというふうに認められるのであれば、それをわざわざ不適切であるというような形で指摘したりはしないということで、そういった面では、いわゆる地域において中小零細企業を主な取引先としております信用金庫、信用組合、こういったものに配慮した形の記載がなされておるところでございます。 また、信用リスクの管理に関するものといたしましては、いわゆる引き当ての前提となります債務者区分の検証、いわゆる資産査定を行う際の配慮でございますが、特に、中小零細企業等については、当該企業の財務状況のみならず、当該企業の技術力、販売力、成長性、それから先ほど申されたように、代表者の資産といいますか、裏にあります資産内容とか保証状況とか保証能力、そういったものを総合的に勘案して、当該企業の経営実態を踏まえて判断するんだ、こういうようなことで、まさしく中小あるいは零細等に対する資金供給の円滑化に配慮した形にさせていただいております。そのような形で運営をさせていただくということでございます。 それから、第二点目でございますが、いわゆるリスクマネーといったものがきちっと供給できるような仕組みを信用組合なんかに設けてはどうかというお話でございました。大変興味のある考え方だと思います。 おっしゃられますとおり、金融というのはいわば経済活動の動脈たるものでございます。必要な資金が安定的に供給されるということが非常に国民経済にとって重要なわけですが、そういう意味で、本来金融機関たるものは、まさに適切なリスク管理を前提としてではございますが、必要なリスクテークをしていく、こういったことが非常に重要である。すなわち、資金の仲介者として経済活動に必要な資金を安定的に供給していく、リスクをとっていく、これは非常に大切なことだというふうに思っております。 ただし、そのリスクテークができるかどうかというそこの問題なんですが、これはやはり適切なリスク管理が自信を持ってなされているかどうか、こういうことにかかってくるということだと思っております。 すなわち、債務者の財務内容や業況、こういったことを的確につかまえていくということがまず大前提にあると思います。そういう意味では、先生おっしゃられましたように、信用組合の場合は、地場に根差して、それから個々人の、一人一人についてよく実態をわかって、その上で判断して融資をされる御決断をされるということは、これは大変立派なことであるというふうに思います。その際も、やはりきめ細かな審査能力というのが必要になってこようかと思いますが、その上で、どれだけ貸し倒れ率が発生するか、そういった倒産確率的なコスト計算、これもまた踏まえていかなければいけないということになろうかと思います。 その上で対応していくということでございますが、やはり信用組合におかれましても、相手がどれだけ成長性を持っているかとか、あるいは資産的な面でどうか、企業だけではなくて、その代表者の資産内容はどうかということも含めてもちろん総合的に御判断いただくということですが、単なる財産だけを目当てにして保全をする、そういう観点ではなくて、先生おっしゃられますように、総合的ないろいろなことを加味して判断して、その信用リスクに見合った貸し出し条件、すなわちリスクがこれは若干高いなと思えば、それに見合った金利を取っていく、こういうことは判断として大いにやっていただきたいというふうには思います。 しかしながら、一つ言えますのは、個々の金融機関では、実を言いますと、融資に関するいろいろな情報というのは限られております。これは、融資情報あるいは財務情報といったものが非常に個々の金融機関では限られておりますので、そこで判断していくというには、かなり思い切った判断をしないといけないというリスクがかなり大きくなってしまう。そういうことがございますので、実際は、中小企業の信用情報をできれば共有していくというようなことが工夫されてしかるべきではないかということで、現に、例えば地銀なんかが中心になって、みんなの信用情報を集めて、共有したデータベースを持って、いわゆる審査精度を上げていくというようなことも工夫としては行われております。 また、全国信用金庫連合会、これは信用金庫の集まりであるところの上部団体になるわけですが、そこなんかにおきましても、いわゆる中小企業の信用格付を行っていくというようなことも、そのシステム開発を今後やっていってサービス提供もしていこう、その情報が各信用金庫が使えるというようなことにもしていこうということで、いろいろな角度から検討がされて、それがうまく結びついていきますと、先生のおっしゃったような、かなりのリスクテークをしながら、少々金利が高くても貸せるというような状況に結びついていこうかと思います。
○竹本分科員 時間が来ておりますけれども、非常に詳しく答弁していただいたのですが、ぜひ私の提案を御研究いただきたいなと思います。 といいますのは、アメリカのある州の話として聞いたのですけれども、本屋の経済学という言葉がありまして、書店には必ず万引きがある、五%は絶対あるんだ、だから、購入金額五%を引いて、そこでそれを原資として税金をかけていくんだ、こういう話を聞いたことがあるのです。 同じような考え方をとって、信用組合は地域の人たちを助けなきゃいけない、そのためには融資をしてあげなきゃいけない。しかし、中には失敗する人がいる。失敗する人がいても、信用組合としては収支採算がとれていますよというような、要するに、リスクをのみ込んだ信用供与の方法をぜひこれは考えていただかないと、今おっしゃったように安全確実なものばかりやっていますと、全然実情に合わない。それで結局、商工ローンに走ってしまう、こういうことになるんではないか。特に、中小企業の現下の大変な苦況を見ますと、そういったやわらかい知恵、ソフトな知恵が必要なんではないかとつくづく思いますので、ぜひ御研究をお願いしたい。 もう時間がありません。最後に、先ほど来、中小企業庁長官からもいろいろな中小企業施策について聞いてまいったわけでございますけれども、全国に五百四万もある中小企業の中で、大阪が四十・五万企業と言われておりまして、東京に次いで第二番目の中小企業の多い町でございます。この中小企業を支援するために、基本法の改正とか、あるいは、今度はナショナルセンター、ローカルセンター等をつくって相談に応じる、こういうことをやっているわけでございますけれども、通産省のいろいろなこういったきめ細かな施策、それもどんどん変わっていくわけでございますが、そういったものが末端に全然届いていない、それが実態だ。 だから、もっともっと末端に崇高な理念が、一般の現実に苦しんでいる中小企業に、もっとアクセスの距離を短くして、すぐそこで相談に乗っていただけるような、そういう体制をやはり組まないといけない。そういう意味で、いろいろなセンターの組織とか、あるいは商工会、商工会議所等の組織についても、もっとシンプルに、より中小企業に近い距離になるような行政運営をやっていただきたい。それが希望でございますが、私の意見に対して、最後に中小企業庁長官の所感を聞いて、この質問を終わりたいと思います。
○岩田政府参考人 臨時国会を中心として、さまざまな施策を打ち立てていただいたわけでございますから、これを中小企業者の皆様に浸透し、普及をしていくということは極めて重要でございます。その意味で、私ども、この一月—三月にかけて、大臣を先頭にしてPR活動をやらせていただきましたが、まだこれで十分と思っているわけではございません。 また、今センターにもお触れでございますが、このセンターはもろもろの相談に乗りますが、その中の一つの事業として、具体的に悩みを持つ中小企業者に対して、施策の面から、どういう施策があるのかということを親身になって相談に乗るというのもこのセンターの仕事でございます。 御指摘のように、もろもろの中小企業関係支援機関あるいは団体がございます。今回のセンターではワンストップサービスをやるということで、そこの窓口に行けばもろもろの情報提供が受けられる、あるいは相談に乗ってもらえるというような場所をつくりたいということでございます。背後に既存の支援機関、支援団体との連携、ネットワーク、あるいは、場合によっては組織の統合というようなものも図りながら、全体として、中小企業者の目から見れば、あの窓口に行けばいろいろな相談に乗ってもらえるんだという体制を早急につくりたい、このように考えております。
○竹本分科員 終わります。
○坂上主査 これにて竹本直一君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫についての質疑は終了いたしました。 次回は、明二十一日午前九時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十二分散会