決算行政監視委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 521 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/04/20
会議録
○谷口主査 これより決算行政監視委員会第一分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました谷口隆義でございます。よろしくお願いいたします。 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(本府、総務庁、沖縄開発庁)、法務省、大蔵省所管、沖縄振興開発金融公庫、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行並びに他の分科会所管以外の国の会計についての審査を行うことになっております。 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に、決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。 平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件中、本日は、皇室費、総理府所管中本府、沖縄開発庁、沖縄振興開発金融公庫、内閣、法務省、総理府所管中総務庁、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査を行います。 これより皇室費について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。湯浅宮内庁次長。
○湯浅政府参考人 平成八年度及び平成九年度における皇室費歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、皇室費の平成八年度歳出予算現額は、六十三億八千百四万円余でありまして、支出済み歳出額は、六十一億三千八百四十一万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、二億四千二百六十二万円余の差額がありますが、これは国際親善に必要な経費等を要することが少なかったため、不用となった額であります。 以上が、平成八年度皇室費歳出決算の説明でございます。 引き続きまして、平成九年度の皇室費歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 皇室費の平成九年度歳出予算現額は、六十七億二千五百十三万円余でありまして、支出済み歳出額は、六十六億八千七百四十七万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、三千七百六十五万円余の差額がありますが、これは国際親善に必要な経費等を要することが少なかったため、不用となった額であります。 以上をもちまして平成八年度及び平成九年度皇室費歳出決算の説明を終わります。 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○谷口主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度皇室費の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度皇室費の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○谷口主査 以上をもちまして皇室費についての説明は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、皇室費については終了いたしました。 —————————————
○谷口主査 これより総理府所管中総理本府について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。青木内閣官房長官。
○青木国務大臣 平成八年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府主管の歳入について、歳入予算額は四百三十七億二千六百五十八万円余でありまして、これを収納済み歳入額四百九十一億四千二百四十五万円余に比較いたしますと、五十四億一千五百八十七万円余の増加となっております。 次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は八兆七千三百七十八億五千五十万円余でありまして、支出済み歳出額は八兆五千二百八十四億一千六百七十万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、二千九十四億三千三百八十万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は一千九百二億七百八十九万円余であり、不用額は百九十二億二千五百九十一万円余であります。 総理府所管の歳出決算のうち、警察庁、総務庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁及び国土庁については、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、総理府本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係について申し上げますと、歳出予算現額は六百三十三億二千六百五十九万円余でありまして、これを支出済み歳出額五百五十億五千三百九十四万円余に比較いたしますと、八十二億七千二百六十五万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は五十九億四千四十六万円余であり、不用額は二十三億三千二百十八万円余でありますが、これは敷地造成計画の変更により施設整備費を要することが少なかったこと等のため、不用となったものであります。 引き続き、平成九年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府主管の歳入につきまして、歳入予算額は四百五十九億一千四百五十四万円余でありまして、これを収納済み歳入額四百九十四億四千二百二万円余に比較いたしますと、三十五億二千七百四十八万円余の増加となっております。 次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は八兆七千九百四十四億四千百十八万円余でありまして、支出済み歳出額は八兆六千百九十一億四千九百九十九万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、千七百五十二億九千百十八万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は千五百三十七億四千九百九十八万円余であり、不用額は二百十五億四千百十九万円余であります。 総理府所管の歳出決算のうち、警察庁、総務庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁及び国土庁につきましては、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、総理府本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係について申し上げますと、歳出予算現額は五百五十五億七百六十一万円余でありまして、これを支出済み歳出額五百六億九千百二十七万円余に比較いたしますと、四十八億一千六百三十三万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は四十三億三千六百七十万円余であり、不用額は四億七千九百六十二万円余でありますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。 何とぞ、よろしく御審議のほどお願いいたします。
○谷口主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度総理府の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度総理府の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○谷口主査 以上をもちまして総理本府についての説明は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、総理本府については終了いたしました。 —————————————
○谷口主査 これより総理府所管中沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。青木沖縄開発庁長官。
○青木国務大臣 平成八年度における沖縄開発庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成八年度の当初歳出予算額は三千二百七十五億二千三十万円余でありましたが、これに予算補正追加額百四十七億六千九百八十四万円余、予算補正修正減少額二億七千五百七十五万円余、予算移しかえ増加額八十三万円余、予算移しかえ減少額千四百三十一億五千六百七十四万円余、前年度繰越額百二十五億七千百二十二万円を増減いたしますと、平成八年度歳出予算現額は二千百十四億二千九百七十一万円余となります。 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は二千二十八億五千二百三十万円余、翌年度へ繰り越した額は八十二億二千五百七万円余、不用となった額は三億五千二百三十三万円余であります。 次に、平成九年度における沖縄開発庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成九年度の当初歳出予算額は三千三百三十二億三千五十二万円余でありましたが、これに予算補正追加額十四億八千九百五十一万円余、予算補正修正減少額二億二千二百四十五万円余、予算移しかえ増加額七十万円余、予算移しかえ減少額千四百一億七千七十六万円余、前年度繰越額八十六億七百六十万円余を増減いたしますと、平成九年度歳出予算現額は二千二十九億三千五百十二万円余となります。 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は千八百九十七億四千百三十五万円余、翌年度へ繰り越した額は百二十五億六千百四十三万円余、不用となった額は六億三千二百三十四万円余であります。 以上をもちまして平成八年度及び平成九年度沖縄開発庁の決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしくお願いいたします。
○谷口主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院岡部審議官。
○岡部会計検査院当局者 平成八年度沖縄開発庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度沖縄開発庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成八年度沖縄振興開発金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度沖縄振興開発金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○谷口主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷口主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○谷口主査 以上をもちまして総理府所管中沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫についての説明は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫については終了いたしました。 —————————————
○谷口主査 これより内閣所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。青木内閣官房長官。
○青木国務大臣 平成八年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣主管の歳入につきまして、歳入予算額は三千百九十二万円余でありまして、これを収納済み歳入額九千百二十万円余と比較いたしますと、五千九百二十八万円余の増加となっております。 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は百六十四億六千四百三十六万円余でありまして、これを支出済み歳出額百六十一億八百三十九万円余と比較いたしますと、三億五千五百九十六万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 引き続き、平成九年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣主管の歳入につきまして、歳入予算額は六百五十六万円でありまして、これを収納済み歳入額七千四百三十一万円余と比較いたしますと、六千七百七十五万円余の増加となっております。 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は百七十五億三千百三十六万円余でありまして、これを支出済み歳出額百六十九億六百九十八万円余と比較いたしますと、六億二千四百三十七万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。 何とぞ、よろしく御審議のほどお願いいたします。
○谷口主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成九年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○谷口主査 以上をもちまして内閣所管についての説明は終わりました。 —————————————
○谷口主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。枝野幸男君。
○枝野分科員 民主党の枝野でございます。 青木官房長官に幾つかお尋ねをしていきたいというふうに思います。 先日、十日の本会議で長官が御説明になった、二日から三日あたりにかけてのことについてお尋ねしていきます。 一個ずつお尋ねします。前総理が入院をされたという情報は、二日の午前二時ごろ、古川政務秘書官から第一報を聞いたというふうな御答弁をされております。どういう形で連絡を受けたのでしょうか。電話でしょうか、それとも直接伺ってきたのでしょうか。
○青木国務大臣 私が二時過ぎに古川副長官から連絡を受けましたのは、電話の連絡でございます。
○枝野分科員 今、副長官とおっしゃいましたか。副長官でしょうか、政務秘書官でしょうか。
○青木国務大臣 古川政務秘書官から私が連絡を受けたのは、電話の連絡でございます。
○枝野分科員 それは、宿舎にいらっしゃるときでよろしいでしょうか。
○青木国務大臣 はい、私は宿舎にそのときはおりました。
○枝野分科員 それに対して、どういう対応、あるいは指示とか、そういったことはいたしましたか。
○青木国務大臣 古川秘書官からの私に対する電話は、過労のため入院、検査をいたします、心配するほどのことはありませんということでありましたので、私は、ちょうど二時過ぎでございましたので、もし何か変わったことがあれば連絡をしてくださいということを申し上げました。
○枝野分科員 次の連絡はどの連絡でしょうか。
○青木国務大臣 その後の連絡は、午前六時ごろ、主治医より私が直接連絡を受けました。 その内容は、検査の結果は、正式には本日、二日でございます、午後十一時ごろにはっきりしてくると思われるということでございました。
○枝野分科員 それは、直接ですか、電話ですか。電話なら、どこで受けましたか。
○青木国務大臣 六時過ぎに、古川秘書官と主治医の先生が私の宿舎へ来られて、そういう報告をされました。
○枝野分科員 二日の朝方、この六時より前か後かはよくわかりませんが、同じ宿舎の村上正邦参議院議員の部屋に行ったという報道がなされていますが、事実でしょうか。
○青木国務大臣 そういう事実は全くございません。
○枝野分科員 当日の朝、村上参議院議員と連絡をとってはいないという理解でよろしいですか。
○青木国務大臣 こういう早朝の連絡は一切いたしておりませんが、議員も御承知のように、前日の夜、自自公連立が実質的に解消いたしましたので、その日は朝からいろいろな人とその対策についての連絡はとっておりましたが、このことで特別連絡をとったということではありません。
○枝野分科員 では、四月二日の一番早い段階で、この件についてかどうかは別として、村上参議院議員と一番最初の接触は何時ごろですか。
○青木国務大臣 正確な時間は覚えておりませんが、たしかその日の昼ごろに、村上さん、森さん、野中さん、いろいろな人と集まることにしておりましたので、そのときが最初じゃないか、そういうふうに記憶をいたしております。
○枝野分科員 集まることになっていたというのは、いつの段階で決まっていたのですか。
○青木国務大臣 それは、今申し上げましたように、前日の夜、自自公連立が事実上解消いたしましたので、その対策等について集まろうやということでありまして、その時点ではこういう病気の状態などはわかっておりません。
○枝野分科員 では、前日の夜に、集まろうやということで話をしていたということでよろしいですか。
○青木国務大臣 前日の夜からの話でありますが、正確には当日、たしか、野中さん、森さんはテレビに恐らく出演しておったと思いますので、実際に時間を決めて集まったのは二日の当日だと思いますが、それはこの入院があったから集まるというような会合ではありませんでした。
○枝野分科員 それでは、その昼前後に集まられる前の段階で、青木官房長官は小渕総理の入院についてどなたかにお話をされましたか。
○青木国務大臣 十二時に時間を決めて集まることをお話しした時点で、私は、古川政務秘書官からのこういう、過労のために入院した、大したことはないようですよということは申し上げたと思います。
○枝野分科員 そのおっしゃった相手というのはどなたとどなたですか。
○青木国務大臣 恐らく、昼に集まったメンバーの皆さんだと思っております。一々私もその時点でどなたにどういう連絡をしたかという細かいことは覚えておりませんが、主体は前夜から続いた自自公の問題でありましたので、はっきりした記憶は覚えておりません。
○枝野分科員 確認をしますが、昼に集まったメンバーというのは、村上参議院議員、当時の森幹事長、野中幹事長代理、それから青木官房長官御自身、それから亀井政調会長、この五人というメンバーでよろしいですか。
○青木国務大臣 そのとおりでございます。
○枝野分科員 どこでお集まりになりましたか。
○青木国務大臣 プリンスホテルでございます。
○枝野分科員 赤坂プリンスホテルの部屋ということでよろしいですか。 ちょっと戻りますが、午前六時ごろ、古川政務秘書官と主治医から、これは直接宿舎に来られて説明があったということですね。検査の結果は十一時ごろはっきりするということのようですが、現在、その当時の現在、小渕総理はどういう状況であるかということは当然伺ったと思うのですが、どういうふうな御報告でしたか。
○青木国務大臣 検査を行っておって、まだ変化は何もない、正常だという報告でございました。
○枝野分科員 正常であるかどうかではなくて、どういう状態、例えば寝ておられるのかとか、意識がおありになるのかとか、当然お聞きになると思うのですが。
○青木国務大臣 当然、入院していますから寝ていると思いますけれども、意識は非常にはっきりしているということでございました。
○枝野分科員 本当は御説明された主治医のお名前を聞きたいのですが、お答えいただけるならお聞かせいただきたいし、お名前をお聞かせいただけないのでしたら、何人でいらっしゃいましたか。
○青木国務大臣 私もここでお名前を申し上げる必要はありませんが、調べて後ほどはっきりお答えをいたします。
○枝野分科員 では、何人でいらっしゃいましたか。秘書官とお二人ですか。
○青木国務大臣 二人でございます。
○枝野分科員 昼ごろに五人でお集まりになられたときのお話を伺います。 そこでも当然小渕前総理が入院をされているということは話題になっているというふうに思いますので、そのことについてどういった話がなされましたか。
○青木国務大臣 私が皆さんにお話し申し上げたのは、古川秘書官から受けた報告をお話ししたわけでありまして、その十二時に集まった時点では、病状がこういう形になるというような感覚は、皆さんにも私にもありませんで、当然、恐らく疲れだろうなという話でございました。
○枝野分科員 その会は、何時間ぐらい行われて、何時ごろ別れましたか。
○青木国務大臣 正確には覚えておりませんが、一時間程度じゃなかったかな、もっと短かったかなという感じがいたしております。
○枝野分科員 官房長官は、その会が終わられた後、どこへ向かわれましたか。
○青木国務大臣 古川秘書官からいつ連絡があるかわかりませんので、私は宿舎へ帰りました。
○枝野分科員 済みません、時間的に後ろに戻りますが、赤坂プリンスホテルへは宿舎から行った、つまり、その日の朝一番最初の外出先は赤坂プリンスホテルでよろしいのでしょうか。
○青木国務大臣 そうです。そのとおりです。
○枝野分科員 さて、その集まられた五人以外に、青木官房長官は、総理が入院されていますよという話は、当日の例えば夕方までの間にどなたかにお話しになりましたか。
○青木国務大臣 これは私もちょっと本会議で触れたのですが、実は総理はその日に二つの結婚式に夫婦で出席をする約束をいたしておりました。それは私も一緒に招かれておりました。総理が入院して夫婦が結婚式に出なくて、私も出なくて、せっかくおめでたい結婚式でそういう話が出るとまずいなという感じがいたしましたので、その結婚式にお出かけになることがわかっておった橋本前総理に私が電話をいたしまして、総理が疲労のために入院をいたしましたので、結婚式でそういうことが話題になると非常に結婚式の雰囲気もおかしくなるでしょうし、その辺はひとつ心得て対応していただけませんかと、私が直接お願いいたしました。
○枝野分科員 結婚式はもう一件あったと思うのです。二件あったと思うのですが、二つとも橋本前総理への伝言という形でよろしいですか。
○青木国務大臣 一つは橋本前総理にお願いしましたが、一つは私も呼ばれておりませんで、メンバーが詳しくわかりませんので、それはいたしませんでした。
○枝野分科員 それ以外には、青木官房長官御自身または青木官房長官の指示で、どなたかに入院していることをお伝えになったことはございませんか。
○青木国務大臣 今申し上げた橋本前総理に連絡をしまして、もう一つは私も全然呼ばれていない結婚式でしたので、調べてみたら綿貫さんが呼ばれておられましたので、綿貫さんに簡単に、ちょっと疲労のため休んでおりますのでということを申し上げました。それ以外にはほとんど連絡はとっていないと思っております。
○枝野分科員 綿貫さんにお伝えしたのは青木官房長官が直接ですか、だれかを通じてですか。
○青木国務大臣 私が直接電話をしましたら、実は、こういうことを申し上げていいかどうかわかりませんが、たしか綿貫さんはもうゴルフか何かにお出かけになっておりまして、その足で恐らく結婚式へ行かれる予定だったと思います。僕は綿貫さんに途中から電話をくださいと言って、たしか綿貫さんは途中から電話をされて、そのときに私は、きょうちょっと疲れで結婚式に出られませんのでよろしくということを申し上げたように覚えております。
○枝野分科員 では、まず綿貫さんについてお尋ねします。 最初に電話を入れたのは、正確にはもちろんわからないのはわかっていますが、何時ごろですか。つまり、十二時の会の前なのか後なのか、終わった直後ぐらいなのか、何時ごろ最初の電話を入れましたか。
○青木国務大臣 橋本前総理にも綿貫さんにも、十二時の前でございます。
○枝野分科員 綿貫さんからコールバックがあったのは何時ごろですか。
○青木国務大臣 恐らく昼ごろだったと思います。私も正確にそこまで時間は覚えておりませんが、恐らく現地へ着かれた後だと思います。
○枝野分科員 では、次の時間的な流れですが、赤坂プリンスホテルから宿舎に戻られて、次に外出をされたのはどこですか。
○青木国務大臣 同じくプリンスホテルでございます。
○枝野分科員 何時ごろのことでしょうか。
○青木国務大臣 正確には覚えておりませんが、いろいろな会議が当日ありましたので、恐らく四時か五時ごろだったのかなと記憶しております。
○枝野分科員 それは、目的あるいはメンバーは昼の会と一緒ですか。
○青木国務大臣 いろいろなメンバーがありましたが、今申し上げましたように、前日に引き続いてのいろいろな会合がありましたので、これは一々この場で御報告する必要はないと思います。この病気の問題とは何ら関係のない会合でございます。
○枝野分科員 では、五人以外の方とも夕方までの間にお会いをしているという理解でよろしいですね。先ほどの、青木官房長官本人を除く四人以外の方ともお会いになっているということでいいですね。
○青木国務大臣 会っていると思いますが、病気の話はしたつもりはありません。
○枝野分科員 つまり、四人の方と橋本元総理と綿貫さん以外には、夕方までの間、どなたにも病気の話はしていない、こういうことでいいですか。
○青木国務大臣 私の今の記憶ではそうだと思っております。
○枝野分科員 夕方までの間に、先ほどの昼に集まった五人以外の方とお会いになった中に、閣僚または公党の幹部は含まれておりますか。
○青木国務大臣 一々覚えておりません。
○枝野分科員 覚えていないということはないんじゃないですか。だって、会ったかどうかという話ですから。
○青木国務大臣 閣僚は恐らくいなかったと思います、私の記憶では。
○枝野分科員 公党の幹部、党首とか幹事長とか、そういうクラスの方はいらっしゃいましたか。
○青木国務大臣 いろいろな人に会っておりますので、私は一々この場で先生の問いに対して、だれと会ってどういう話をしたということを報告する必要はないと思いますが。そこまで込み入ったことを一々報告する必要があるでしょうか。
○枝野分科員 総理が入院をしているということは、私のことではありません、公のことであります。そのことについて、少なくとも閣僚以外の国会議員に官房長官は先に御報告になっております。そして、それ以外の方で、閣僚とかあるいは公党の幹部のような方とお会いになっていて、お会いにはなっているけれども、たまたま最初の四人しかお話しになっていなくて、ほかの方にはお話しになっていないとしたら、それは官房長官の判断としてどうであったのかということは国民の批判にさらされなければなりません。 したがいまして、どなたとお会いになったのかとお答えいただく義務があると思います。
○青木国務大臣 いろいろな人に当日お会いをいたしておりますので、私は、この場で一々だれと会ってどんな話をしたかということを申し上げる必要はないという判断をいたしております。
○枝野分科員 いいですか。民間とかプライベートで、例えばどなたの結婚式でしたかなんということを聞くつもりはありません。それはまさにプライベートのことですし、公とは直接はかかわりのないことだと思います。しかしながら、つまり政治家とお会いになっていて、なおかつお話しになった相手は四人だけだとおっしゃっている。あるいは橋本さんと綿貫さんを入れて六人だけだとおっしゃっている。それ以外の方で、会っているのに話していないという方がいたら、それは物すごく問題であるのか問題でないのかという判断は要ると思います。どなたとお会いになっているんですか。
○青木国務大臣 小渕総理の入院と何ら関係のない形でいろいろな人とお会いをして、私が一々その小渕総理の入院について報告をしなきゃいかぬ責任は私はその時点では一切ないと考えておりますので、私はほとんどほかの人にはそういう入院については話した記憶は今のところありません。
○枝野分科員 では、逆に言えば、何で四人にはお話しになったんですか。
○青木国務大臣 たまたま四人と一緒に会いましたから、私はそのときに、朝こういうことでしたよというお話をいたしました。
○枝野分科員 たまたま同じ日に会って、総理が入院したというようなことについて話題にならない方がおかしいんじゃないですか、ほかの方についても。
○青木国務大臣 それは議員の判断でありまして、私は、そう、ほかの人にどんどん、総理が入院したというような話をした覚えはございません。
○枝野分科員 時間がもったいないので、どなたとお会いになったかということ、それから政治家についてどなたとお会いになったかということは明らかにしていただきたいということを正式に要請をした上で前へ進みます。 赤坂プリンスホテルは夕方入られたということですが、そこからどこかに行きましたか。それとも宿舎に戻られましたか。
○青木国務大臣 その時点で、たしか、正確には覚えておりませんが、古川秘書官から、ある程度状態がわかったのでということでありましたので、私は、プリンスホテルから直接病院へ行きました。
○枝野分科員 その電話というのは、どういう形で来るんですか。プリンスホテルの部屋に内線を通じてかかってきているんですか。それとも、官房長官は携帯電話をお持ちなんですか、あるいは秘書がお持ちなんですか。
○青木国務大臣 私がプリンスホテルにいる部屋は、古川副長官、副長官じゃない、再三間違えて済みませんが、政務秘書官に連絡をしております、宿舎の番号と部屋の番号は。ですから、プリンスホテルの部屋へ電話がありましたので、私はプリンスホテルから病院へ出かけました。
○枝野分科員 その電話は何時ごろのことか、そしてどういうふうに連絡が来た、どういう中身であったのか、できるだけ正確にお答えください。
○青木国務大臣 時間は恐らく六時半ごろだったと思います。正確には覚えておりません。六時半ごろだったと思います。 それから、私がホテルから車で病院へ行ったのが七時前後だと思います。それで、病院で奥さんともお会いし、それから医師団の話を聞いて、私が総理の部屋へ行って総理にお会いして帰ったときにちょうど、今でも覚えておりますが、テレビがNHKの大河ドラマが始まったところでありましたので、私が病院へ行って総理にお会いをしてホテルに帰ったのは八時ちょっと過ぎでした。正確な時間は覚えておりませんが、大体そういうことでございます。
○枝野分科員 ごめんなさい。六時半ころの古川秘書官からの電話の内容をできるだけ、覚えている範囲で正確に詳しくお話しください。
○青木国務大臣 そんな詳しい電話じゃありませんでした。いろいろな検査の結果があるので来てくれないかということだったから、私も、じゃあ行くよと言って行きました。そう詳しい話は聞いておりません。
○枝野分科員 病院に到着をいたしまして、一番最初にどなたにどこでお会いになりましたか。
○青木国務大臣 病院へ着きましてからは、医師団、三人くらいおられたと思いますね。それから奥さん、それから古川秘書官、一緒に会っていろいろな話を聞きました。
○枝野分科員 その方とはどこでお会いになったんでしょうか。
○青木国務大臣 病院でございます。
○枝野分科員 いやいや、病院のどこですか。小渕総理の病室なんですか、それとも何か応接室みたいなところですか。
○青木国務大臣 応接室でした。机があって、応接室というよりも病院の何かそういう部屋でした。小渕総理の病室ではございません。
○枝野分科員 その部屋に直接、病院に行かれたらそこにまず最初に案内されたでよろしいですか。
○青木国務大臣 私が病院へ行きますときに、小渕総理の、これは私設秘書官だと思いますが、私も初めてその病院へ行くものですから、どこから入っていいかもわからぬし、私設秘書官が車が着くところまで出ておりましたので、秘書官に案内されてその部屋へ行きました。
○枝野分科員 医師団とか総理の奥様とか古川秘書官はお待ちになっていたんですか。それとも、青木官房長官が入られたところに後から入ってこられたんですか。
○青木国務大臣 私が行ったときは、奥さんは部屋におられました。お医者の方は、一人はおられたように思いますが、後から二人ほどたしか来られて、奥さんも交えていろいろな話を聞きました。
○枝野分科員 その時点で医師団から受けた説明、小渕総理の病状についての説明について、記憶されている限り詳しく話してください。
○青木国務大臣 私も専門的なことはよくわかりませんので、病状についていろいろ説明を受けましたが、いわゆる詳しいことは、この場でそういう知識がない者がいろいろな話をして誤解を招いてはいけませんので、ただ、入院されてからそれまでのいろいろな病状についてお話を伺いました。その後で、それじゃお会いになってお帰りになりますかということでしたので、総理にお会いをして、帰ったのが八時過ぎだったということです。
○枝野分科員 二つお伺いしたいのです。 一つは、総理にお会いになっていきますかとおっしゃったのはどなたか。 そしてもう一つは、今の病状の詳しい医学的なことは確かになかなか記憶できないでしょうが、少なくとも官房長官として、いつ総理が復帰できるのか、その見通しについては最重要事項だと思いますのでお尋ねになったと思うんですが、それについてどういうお答えだったのか。 この二点、お伺いいたします。
○青木国務大臣 私が行った時点では、そうまだせっぱ詰まった状態じゃありませんで、これはまだお聞きになっていませんから答えることはどうかと思いますが、私が帰って、帰った後かなりしてから非常に事態が急変をしたという連絡を受けておりまして、私が行った時点ではまだそう深刻な状態じゃありませんでした。
○枝野分科員 いや、深刻な事態ではなかったからこそ、実際に検査などを受けて入院をされているわけですから、あしたの朝には出られるのかとか、それとも二、三日は入院していなきゃいけないのかとか、そういうことは一番官房長官として把握をしなきゃならないことだと思いますので、お聞きになったはずですし、記憶されていると思うんですがいかがですかとお尋ねしているんです。
○青木国務大臣 私もそのときの詳しい会話まで一々覚えておりませんが、私が受ける感じは、かなり大変だけれども、まだ、二、三日すれば退院ができるかどうかなというような感じであったように覚えておりますが、詳しい専門的なことは私もよくわかりません。
○枝野分科員 総理にお会いになっていきますかと声をかけられたのは、医者からですか、それとも奥様からですか。
○青木国務大臣 恐らく奥さんからじゃなかったかと思います。お会いになっていってくださいと言われたように覚えております。
○枝野分科員 総理の病室に行かれたわけですね。
○青木国務大臣 もちろん、見舞うつもりで行ったんですから、当然でございます。
○枝野分科員 なかなか記憶が正確ではないだろうと思いますので、記憶できているに違いないことの聞き方をしますが、その医師団から説明を受けた部屋から総理の病室まで当然移動をされたわけだと思いますが、エレベーターに乗ったりしましたか、それとも長い通路を渡ったりしましたか。どうでしょうか。
○青木国務大臣 説明を受けた部屋からエレベーターに乗りました。 私も、これは正確な記憶は覚えていません。今になってみれば覚えておけばよかったなと思いますけれども、その当時ですから、それは議員も理解できると思いますが、エレベーターに乗って移動をしました。エレベーターでおりて、何カ所か曲がったような記憶があります。 それで、突き当たりの部屋でした、総理が寝ておられる部屋は。エレベーターに乗って、おりて、二、三回曲がったところの突き当たりの部屋だったということははっきり覚えております。
○枝野分科員 では、病室でのことをお尋ねしたいと思いますが、病室には青木官房長官とどなたか、奥様などが御一緒に伺われたんですか。それとも、一人で行ったわけではないですよね。
○青木国務大臣 奥さんとはお別れをしました。それで、恐らく古川秘書官がついていってくれたと思います。それで、部屋へ入りまして、たしか、はっきりは覚えていませんよ、入ったところが応接みたいなところでした。その向こうが病室でして、それで私は病室へ入りました。恐らく古川秘書官初め遠慮して、そこの応接みたいなところで待っていたように覚えております。
○枝野分科員 そうすると、病室の中では総理と官房長官とお二人だけになられたという理解でよろしいですか。
○青木国務大臣 そのとおりでございます。
○枝野分科員 そのとき、遠慮をされたであろうと。まあそうでしょうね、普通は。入っていったときには、中には医者なり看護婦なりがついていたのが外に出たという理解でよろしいのでしょうか。それとも、初めからどなたもいらっしゃらなかったんでしょうか。
○青木国務大臣 私が入りましたから、同じ部屋みたいなところに応接セットが置いてある、そこが入り口でしたから、恐らく皆さんそこで、私が総理に会っている間、お待ちになっていたと思います。
○枝野分科員 総理は寝ておられた、つまり横になっておられたという理解でよろしいんでしょうか。それとも、体を起こされてお話しになったんでしょうか。
○青木国務大臣 寝ておられました。
○枝野分科員 体に例えば点滴のチューブとか、私も医学のことはよくわかりませんが、御病気の場合だと鼻にチューブとか、いろいろな入院されている方がありますが、そういった顕著な外から見えるような状況はございましたか。
○青木国務大臣 私が会った時点では、そういうことはありませんでした。
○枝野分科員 およそ何分ぐらいお会いになっておりましたか。
○青木国務大臣 私はそのことは記者会見でも聞かれまして、約十分くらいかなと言いましたが、これは正確な時間は私もわかりません。恐らく五分から七、八分くらいの間だったと思います。
○枝野分科員 ホテルに戻られたとおっしゃいましたが、ホテルを出るときには、なぜ出るかということをお話しにならないと、六時半の段階ですね、六時半の段階でホテルを出るときに、古川秘書官から電話があって、それで出かけていったわけですから、なぜ、どこに行くのかということを大体普通はおっしゃるでしょう。そのときにはどなたがおられた、つまり先ほどの四人がおられたという理解でしょうか。
○青木国務大臣 いや、ホテルで私が待機をしておって、それから帰った部屋、私が借りている部屋でございますので、私が帰ったときはだれもおりませんでした。それで、私がテレビをつけたらちょうど大河ドラマが始まったところでありましたので、それで大体、私がホテルへ帰ったのが八時ちょっと過ぎだなということを、これは正確に記憶いたしております。
○枝野分科員 逆に言いますと、七時前後に病院に向かわれてということについては、知っておられるのは、いわゆる政治家という意味ではどなたも御存じでなかった、それともどなたかは御存じだったんですか。
○青木国務大臣 恐らく正確なことは知っていなかったと思います。私が帰ったときもだれもおりませんでした、私が借りている部屋ですから。
○枝野分科員 十日の本会議での御答弁では、午後九時前に医師より次の報告があったというふうな御答弁をされています。その九時ごろまで、つまり八時ごろ、大河ドラマが始まる時間に部屋に戻られて、それで九時までの間というのは何をされておったのでしょうか。
○青木国務大臣 部屋におりました。 何かちょっと誤解があるといけませんが、その部屋は私が常時借りている部屋でございます。だから、私は部屋へ帰って、また何か連絡があれば、部屋か、または議員宿舎か、どっちかに連絡がありますので、部屋におりました。
○枝野分科員 すると、一人で食事でもされていたのか大河ドラマを見ておられたのか、そういう理解でよろしいのでしょうか。
○青木国務大臣 私の運転手と秘書が一緒だったと思います。
○枝野分科員 それで、九時前後に医師から次の連絡があったということのようですが、これは同じように、その赤坂プリンスの官房長官がとっていらっしゃった部屋に電話が入ったという理解でよろしいのでしょうか。
○青木国務大臣 はい、それで結構です。そのとおりです。
○枝野分科員 この電話は、直接医者から入ったのでしょうか。それとも、古川秘書官から電話が来て、医者にかわったのでしょうか。
○青木国務大臣 秘書官からありました。
○枝野分科員 その上で医者とかわったのですか、それとも全部間接ですか。
○青木国務大臣 かわっておりません。急変したという連絡でありましたので、お医者さんはそういう場合に恐らく患者につききりだったと思いますので、私が連絡を受けたのは古川秘書官でございます。
○枝野分科員 できるだけ正確にお答えください。そのときの古川秘書官からの報告の内容を、できるだけ今の時点で記憶をしている限り正確にお答えください。
○青木国務大臣 正確には私も一々記憶はしておりませんが、私が帰った後で事態が急変をして集中治療室へ入ることになったという報告を受けました。
○枝野分科員 九時前ということの記憶の根拠、先ほどの大河ドラマというのは非常にわかりやすかったのですが、大河ドラマが終わるとニュースをやっていますが、そういったことの印象で何か九時前という記憶があるのでしょうか。
○青木国務大臣 だから、そういうことを総合して、連絡があったのが大体九時前後だった、九時過ぎごろだった、そういうふうに記憶をいたしております。
○枝野分科員 では、この報告を受けて官房長官のとられた対応、行動というのはどういう行動でしょうか。
○青木国務大臣 確かに、正確な時間を覚えておりませんが、万一緊急な事態があることが集中治療室へ入ったということで予想をされますので、私は、古川官房副長官に、そういう場合の対応について、法的にどういう問題が生ずるのか、どういう問題が生じたときにはどういう対応があるのか、法的にいろいろなことを調べておくように、すぐに指示をいたしました。
○枝野分科員 先ほどの問題の五人のメンバーなんですが、村上さんなどが講演で、公の場で御発言をされていることによると、この日の夜、この前後のころにお集まりになっていたというようなことをおっしゃっていますが、そういうことになったのですか。
○青木国務大臣 そのために集まったわけではありません。その当日、私が再三申し上げますように、自自公が事実上解消した翌日でありますので、いろいろな場所でいろいろな人が集まっていろいろな会合をなされておりましたので、私は、一々どこでどういう会合があってどういうメンバーであるか、そういうことまでは存じておりません。
○枝野分科員 この日の夜、先ほどの五人で集まった場面はあったんですか、なかったんですか。
○青木国務大臣 いろいろな人とその日はお会いしておりますので、五人がきっちり会ったのか、ばらばらで会ったのか、一々そういうことは覚えておりません。
○枝野分科員 では、例えば村上さんなどには、病状に急激な変化があり、集中治療室に入ったという古川秘書官からの連絡を伝達いたしましたか。
○青木国務大臣 そういうメンバーに会ったときには、これはなかなか大変な状態だよということは、恐らく個々には話しているんじゃないかと思います。
○枝野分科員 つまり、この午後九時の報告を受けた後の段階で、それはもともと自由党の連立離脱というようなテーマがあったのでしょうけれども、そういった政局的なさまざまな会合がそういうときにあるのはよくわかりますが、そういった会合に青木官房長官も、赤坂プリンスのホテルの部屋を移ったりとかして出ていたという理解でよろしいんですね。
○青木国務大臣 私はほとんど出ておりません。いろいろな部屋でいろいろな人が集まっておりましたから、いろいろな連絡をとり合っておりましたから、私は、総理が入院し、病院に行き、それから九時過ぎに総理の容体がそういうふうな状態だということを聞きましたので、いろいろな会合があることは知っておりましたが、会合中心じゃなくて、後の対応に対する対策の方が私にとっては頭の中がいっぱいでございますので、どこの部屋でだれがだれと会ってどんな話をしておったか、そういうことは一々私の関知するところではありませんでした。
○枝野分科員 では、こういう聞き方をします。 午後九時ごろ、集中治療室に入ったという報告が入った。それが入ったときは赤坂プリンスホテルの御自身のお部屋だ。それから、十一時半に官邸で記者会見を行いました。その間、どういう行動をどこでとっておられましたか。つまり、連絡をやりとりしたりとか、そういったことはあるんでしょうけれども。
○青木国務大臣 今申し上げたように、九時過ぎに連絡を受けてから、その後の容体がどうなるか、これは注目する必要もありますし、それから古川官房副長官に、いろいろな事態が生じたときに法的にどういう対応をしたらいいか、今になってみるとみんないろいろなことを言われますけれども、当時の状態では、私自身もそういう場合に法的にどういう対応のあり方があるかということは十分に承知しておりませんし、万一間違った対応をしてはいけませんので、古川副長官にそういうことを十分調べるように指示をして、それに対する対応を考えておりました。
○枝野分科員 では、一個ずつ聞きましょう。 古川副長官に対する御連絡は、だれが、どういうふうな手段でなさいましたか。
○青木国務大臣 私が直接、古川副長官に電話でいたしました。
○枝野分科員 古川副長官は、どこにおられた副長官に御連絡したんでしょうか。
○青木国務大臣 自宅におられました。
○枝野分科員 では次に、赤坂プリンスホテルを官房長官が出たのは何時ごろでしょうか。
○青木国務大臣 ですから、指示をして、私が官邸へ入ったのは十時半過ぎか十一時ごろ、十一時半に記者会見をするために官邸に入ったと思っております。正確な時間は恐らく官邸でお調べになればわかると思いますが、大体、私の記憶ではそういう時間でございます。
○枝野分科員 記者会見をすることを決めたのは、何時ごろ、どこにいるときに決められましたか。
○青木国務大臣 それは、プリンスにいるときに、記者会見する必要があるなという決断をいたしました。
○枝野分科員 プリンスから官邸に直接向かわれたという理解でよろしいでしょうか。
○青木国務大臣 そのとおりです。真っすぐ行きました。
○枝野分科員 プリンスで、九時ごろに集中治療室に入ったという電話を受けられてから官邸に出かけられるまでの間というのは、部屋を出入りされましたか。
○青木国務大臣 恐らく、出入りは一切していないと思います。
○枝野分科員 では、どなたか政治家の来客はございましたか。
○青木国務大臣 そこまで一々覚えておりません。みんないろいろな部屋でいろいろな会議をしておりましたから、いろいろな情報が飛び交ったりしておりましたから、私も、だれがいつ来て、だれがいつ部屋を出たとか、そこまでは一々覚えておりませんが、私がとった行動は、帰ってから部屋でそういう対応をしておったということでございます。
○枝野分科員 一般的には今のお答えというのはわからないではないんですが、九時の段階で、総理が集中治療室に入ったということは大変なことですね。その報告を受けられて官房長官としては、官房長官の御答弁が全部正しかったとしてですよ、大変なことになった、さあ、記者会見もしなければならない、法的にどうなるんだろうということをやらなければならないという状況になって以降にどなたか政治家が訪ねてきたりすれば、それは物すごい邪魔だと思うのか、これは相談相手ができてよかったと思うのか、いろいろなことで必ず印象に残っているのではないんですか。
○青木国務大臣 確かに議員おっしゃるとおりでございまして、いろいろな人が出入りをしておりましたから、出入りした人には、こういう事態になったよということは話したような記憶がございます。しかし、一々、だれに何時にどういう連絡をとった、そういうことは、部屋におりましたから、一切いたしておりません。
○枝野分科員 つまり、部屋にいろいろな方が、そういう総理の集中治療室入りということがなくても、出入りをするような状態だったからこそ赤プリにいらっしゃっていたんでしょうから、そういう意味では、九時の前も後もいろいろな人が出入りをしていたことは間違いない。
○青木国務大臣 どんどん出入りというものじゃありません。ただ、総理の病気でありますので、私もできるだけ外へ出ないように、病状もわからぬ時点にいろいろな人に話しちゃいかぬなという基本的な私の考え方がありましたので、そう、来られる人に一々病状を報告したようなことは記憶にございません。
○枝野分科員 宮澤大蔵大臣に記者会見の前に電話をしたというふうに本会議でお答えになっています。何時ごろ、つまり、赤プリからでしょうか、それとも官邸からでしょうか。
○青木国務大臣 宮澤大臣に電話したのは、官邸から、記者会見の前でございます。私が直接電話をいたしました。
○枝野分科員 宮澤大蔵大臣以外の閣僚について同じような対応はしていないんでしょうか。
○青木国務大臣 ほかの閣僚の皆さんには一切私は連絡をとっておりません。
○枝野分科員 十一時半の記者会見の前に、つまり、集中治療室に入ったという報告は午後九時ごろ、九時過ぎ……(青木国務大臣「正確な時間はわかりませんよ。九時前か後か、その辺は正確に覚えておりません」と呼ぶ)九時前後でよろしいですね。九時前後、そして記者会見が十一時三十分。私もテレビで見ておりました。二時間半ほど間があいております。当然、記者会見の直前に古川秘書官などに御連絡をとって、その後の病状はどうかということを確認されていると思うんですが、いかがでしょうか。
○青木国務大臣 常時、それから後は連絡を密にするようにいたしましたが、集中治療室に入ってからの病状については、古川秘書官自体も、これは素人でございますので、集中治療室に入って一生懸命全力を挙げて医師団があれしているという以外は、詳しい状態は私もわかりません。
○枝野分科員 そして、十一時半の記者会見。少なくとも集中治療室に入られた、つまり、朝の段階でのお話が正しかったとしても、朝の段階で過労、入院、検査中ということであって、官房長官の御答弁が正しかったとしても、午後九時の段階で、病状に急激な変化があり、集中治療室に入ったという情報は官房長官は御存じであったわけであります。 しかしながら、あの記者会見を私も見ておりましたが、要するに、過労で入院、検査中だという朝の段階での情報しかおっしゃらず、その後の容体の急変について一切おっしゃらなかった。しかも、意識的なのか何かよく知りませんが、正直に話しますということを繰り返し官房長官がおっしゃっている中で、集中治療室に入って治療を受けているというようなことはおくびにも出さなかった。これは意図的な情報操作だという批判は免れないのではないですか。
○青木国務大臣 これはいろいろなとり方があるでしょうが、私が基本的に考えたのは、一国の総理の病気でありますので、それが夜、夜中にいろいろな報道をなされることはできるだけ避けるべきだ、そういう判断から出発をいたしておりますので、その記者会見のやり方、記者会見での報告の仕方、そういうものについてはいろいろ議論があることは私も承知いたしておりますが、私は、集中治療室に総理が入られても、次の日またもとに返って復帰ができるような態勢を常時望んでおりましたので、できるだけ穏便に静かに対応すべきだ、そういう前提に立っておりましたので、その間の発表等についてはいろいろ問題があったことは、それは私の判断に支障はないことだと考えております。
○枝野分科員 何で十一時半に記者会見をやったんですか。
○青木国務大臣 やはり、入院をし、緊急に治療室に入ったということだけははっきりしておく必要がある、そういうふうに考えたからであります。
○枝野分科員 そうでしょう。集中治療室に入ったことだけははっきりさせておいた方がいいんでしょう。
○青木国務大臣 集中治療室に入られたような状態でありましたから、入院されたという事実だけははっきりさせるべきだと考えたということでございます。
○枝野分科員 ということは、集中治療室に入った後で会見をやることを決めたという理解でよろしいですね。
○青木国務大臣 そのときの会見はそういう判断でありますが、たとえ疲労であっても過労であっても、長引けばいずれかの時点でそういう判断はしなきゃいけないな、そういうことは考えておりました。
○枝野分科員 記者会見を行うことについて、どなたかと相談をされましたか。
○青木国務大臣 副長官とも相談しました。副長官もすぐ官邸へ行きました。
○枝野分科員 全然話題を変えます。 青木官房長官は、小渕総理の臨時代理になられました。臨時代理に就任をしたのはいつの時点ですか。
○青木国務大臣 今申し上げたように、総理とお会いしたときに、総理から、有珠山の問題等もあり、何かあったらよろしく頼むよということでございましたので、それを私は、緊急の事態があれば総理大臣代理としてよろしく頼む、そういう受け取り方をしたわけでございます。 ただ、会っている時点では、そういう万一のときの話なんかは、当然、これは病人相手ですから、できるだけ早く全快してくださいよ、疲れでしょうからと言って帰っただけでございます。
○枝野分科員 その水かけ論になりそうなところを聞いているのではなくて、法的に、青木官房長官が日本国の内閣総理大臣臨時代理として、例えば自衛隊の長としての権限を行使することができることになった時点というのはいつですかとお尋ねしているのです。
○青木国務大臣 正式になった時点は、翌朝十一時の記者会見で、九時に私が就任しましたということを申し上げましたので、その時点であります。 ただ、それ以前にも万一のことがあれば、総理とそういう話をいたしておりますので、いつの時点でも対応できる準備だけはしておりました。
○枝野分科員 先日法務委員会で、内閣法制局に確認をしておいたのですが、あらかじめ指定を受けた内閣総理大臣臨時代理がその職につくのは、何らかの行為を要さずに、内閣総理大臣に事故あるとき、あるいは欠けたとき、その瞬間から自動的に臨時代理の職につくのであります。そういう理解からすると、翌日の午前九時というのは明らかに間違いではないですか。
○青木国務大臣 それは判断の問題だと思います。総理の病状というのは非常に大事なことでありますので、私がその時点で直ちに総理大臣代理になれば、総理は大変な病気だなということを、これは国民の皆さんにも世界じゅうにも発信することになりますので、できるだけ全快を祈っている立場といたしましては、総理大臣代理にいつでも就任できる態勢さえ整っておれば、発表はその時点ではなくても対応はきっちりできる、そういうふうに考えたからであります。
○枝野分科員 発表を問題にしているのではないのです。法的にいつその地位につかれたかと聞いているのです。発表のときのことを問題にしているのではありません。いつつかれたのかということを問題にしているのです。 つかれた時点はいつなんですか。九時なんですか、それとも昏睡状態になったときなんですか。
○青木国務大臣 実質的についた時点は九時でありますが、私の心構え、気構えとしては総理からそれを受けた時点であろう、そういうふうに考えております。
○枝野分科員 法制局、いいんですか。この場合、青木官房長官が臨時代理になった、事故あるときという事故というのはどういう事故ですか、法制局。
○阪田政府参考人 先日も申し上げましたけれども、指定はあらかじめ行われる必要があるということでありますが、指定を受けて臨時代理たる地位につき得る国務大臣は、事故があったと判断されたときに総理としての職務を始める。すなわち、臨時代理が総理としての仕事をする必要が生じたときに、その状況を見て、現に事故である、あるいは場合によっては欠けたというふうに判断をされたときに初めてそれは総理としての執務をなさるということでありますので、何も総理として執務をする必要がない時点で事故があったとか欠けたとかいう判断をするということは、そもそも意味がないことだというふうに思います。
○枝野分科員 法務委員会での答弁とちょっと意味が違うと思うのですけれども。 法務委員会で法制局は、事故の発生あるいは欠けたという状態の発生をもって自動的に始まるというふうに理解されておりますと明確に答えているのです。自動的に始まるのではないのですか。
○阪田政府参考人 自動的に始まるとは思います。ただ、事故であるかどうかというのは、これは例えば、海外出張であれば成田を飛び立つというような事実で客観的に明らかでありますけれども、病気であるとか行方不明であるとかいうような状況のときには、そういう事実が事故に当たるのかどうかということの見きわめというのが必要になりますから、見きわめた時点で初めて自動的に始まるということであります。全く判断要素が入らないということではあり得ないと思います。
○枝野分科員 それでいいのです。判断要素が入りますが、事故あるときということの定義、もう一回確認をしたいです。内閣総理大臣に事故あるときということの定義はどういうことですか。
○阪田政府参考人 内閣法第九条の事故あるときとは、一般的には、内閣総理大臣が総理としての職務を全般的に行うことができないような状態が一時的に生じたときを指すのであって、例えば海外出張、病気入院などがこれに当たると考えられるということであります。
○枝野分科員 官房長官に事実関係をお尋ねします。 夜の十一時半ごろの記者会見が終わった後に昏睡状態になったということの連絡を受けたというふうに本会議でお答えになっているようですが、この連絡は、何時ごろ、だれから、どういう手段で連絡があったのでしょうか。
○青木国務大臣 古川秘書官から、恐らく、記者会見が終わった後ですから、記者会見を十一時半にやっておりますから、十二時前後だろうと思います。
○枝野分科員 昏睡状態になられたと聞いたらよろしいのですね。
○青木国務大臣 そういう報告を受けましたのはそれくらいな時間だと思います。正確な時間は覚えておりませんが、記者会見後でございます。
○枝野分科員 つまり、連絡があったのはいつかではなくて、その十二時前後に受けた連絡の中で、いつ昏睡状態になられたという連絡を受けましたか。
○青木国務大臣 私もそこまで詳しいことはその当時聞いておりません。恐らく、連絡があったから、連絡がある、急いで連絡をしたでしょうから、その十分とか十五分前だろう、そういうふうに推測はできます。
○枝野分科員 先ほどの、ちょっと前の、欠けたときの議論を聞いていていただいたと思うのですが、当然病気になられて、集中治療室に入られて、古川副長官に法的な指示を出した、調べるようにと指示を出した。今のような欠けたときとか事故あるときとかの解釈については、当然調べさせたと思うのですが、どの時点で官房長官は今のような法制局の公式見解のようなことの情報を古川副長官から聞きましたか、あるいは古川副長官の判断を聞きましたか。
○青木国務大臣 副長官の判断がいわゆる法制局といろいろな連絡をとった上での正式な判断であるかどうか、そこまでは私は責任を持って答えるわけにはいきませんが、私は、総理が私に後をよろしく頼むと言われたことを、私自身の責任のある判断で、万一のときには臨時代理をせよという受けとめ方をしておりますので、総理がいわゆる執務ができなくなった、そういう状態のときには私は必然的に総理の臨時代理に就任をする、そういう腹を決めておりましたので、その時点から私はそういう対応がいつでもできる態勢をとっておった、そういうふうに御理解いただければ幸いです。
○枝野分科員 そのことを言っているのではなくて、いつ臨時代理の立場につかれたかということを今問題にしているのです、法的に。今のように欠けたときということや事故あるときというときの定義とかあるわけでしょう。
○青木国務大臣 私が十一時の記者会見で申し上げたのは、九時に就任をしました、当日の朝ですね、就任しましたということを申し上げております。 ですから、私の発言は九時ということになっておりますが、万一のことがあれば、それ以前に当然私は総理大臣代理としての任務を務める十分な用意は既に、総理の病状に合わせてやっておったというように御理解いただければいいと思います。
○枝野分科員 前夜、二日の夜あるいは三日の午前零時前後に昏睡状態になられたということを古川秘書官からお聞きになってから、九時の、臨時代理につきましたという記者会見ですか発表ですか、までの間、病状についてどなたかから御報告を受けましたか。
○青木国務大臣 古川秘書官とは常時連絡をとっておりました。
○枝野分科員 九時に就任をされる前の段階で、医師団から御報告などは受けましたか。
○青木国務大臣 委員は結果を見ていろいろ御質問されますが、私の立場からすれば、専門家でもありませんので、一々医師団と連絡をとるということよりも、総理の政務秘書官と直接電話をとって、それを一つのいわゆる事実として対応するのが正しい方法であった、そういうふうに考えております。
○枝野分科員 私はきょうの質問の中でほとんど評価は与えていないと思うのです。評価の発言をしていないので、いろいろおっしゃいますがということにならないのですよ。今僕は事実関係全部、一個ずつ聞いているだけですから、だから、その点は別に、きょうの質問の中では、だめだったとかよかったとかいう評価を私はしていませんから、部分的には何カ所か言いましたけれども、そこはお間違えにならないでください。 では、古川秘書官から夜中の零時前後に報告を受けてから、古川秘書官との連絡は、病状についての連絡はあったけれども、九時の臨時代理就任までの間に、医師団から改めて説明を聞くとか説明を求めるとかということはしていないという理解でいいですね。
○青木国務大臣 それで結構です。
○枝野分科員 何でその時点で就任をされようと思ったのですか。 つまり、ここからがまさに評価の問題なんですが、内閣総理大臣に事故あるときに臨時代理ということです。青木さんの御答弁を前提にすれば、夕方の七時前後のところで、いざ何かあったら臨時代理はおまえ頼むぞということを、少なくとも青木さんは、自分はそういう指名を受けたという認識をされておって、そして夜九時に集中治療室に入られた。 私は、集中治療室に入るということ自体が内閣総理大臣に事故あるときということであろうと思います。集中治療室に入っている段階で何か起こっても、総理に判断を求めることはできないわけですから。ましてや、夜中の十一時半ですか、過ぎの段階で、時間は正確に言っていない、十二時の段階で昏睡状態に入られたということがおわかりになったんだとすれば、そこの段階で、昏睡状態になって、それが突然元気に起き出すなんてことは常識的には考えられないわけですから、これは事故あるときという状況になるんではないか。 そして、何かあったので、初めて、ではやはり臨時代理だということならともかくとして、翌日の午前九時の段階というのは別に何もないじゃないですか。だから、なぜその九時の段階が臨時代理就任なのかというのはよくわからないのです。臨時代理に就任をするということは、発表は九時でもわかりますが、昏睡状態に入られたという夜中の零時前後のところで臨時代理の地位についたけれども、発表は、夜中だったから朝九時にしたということであるのか、それとも、何か事態が起こったりとか、あるいは閣僚がみんなそろったのでということなのか。どういうことで午前九時なんですか。
○青木国務大臣 私が申し上げましたように、私は、七時過ぎの段階で総理からそういうお言葉をいただいておりますので、万一のことが総理にあれば直ちに臨時代理に就任し、我が国にとって危機的な状態があれば直ちに対応する準備をいたしておりました。 ただ、議員が疑問に考えておられるのは、それをなぜその時点で発表しないで翌日まで持ち越したかということでありますが、私は、翌日になれば、たとえ集中治療室に入っても、意識が不明になっても、もとに返るということは、私は素人ですから断定はできませんが、当然これはありますので、できるだけそういう形の総理を望んでおりましたので、私さえ緊急の場合に対応できる準備さえできておれば、発表するのは夜中じゃなくても、夜中に発表すればまたいろいろな混乱も起きるでしょうし、いろいろな誤解も生じるでしょうから、私は次の朝まで待ったわけでございまして、その判断がどうであったかということは、いろいろ意見が分かれるところだろうと思います。
○枝野分科員 青木官房長官、政府として、あるいは官房長官として、国民にできるだけ誤解や誤った事実関係が知られたくない、そういう認識をお持ちであるのは間違いないですね。 一般的に、内閣としては、あるいは官房長官としては、例えば内閣がうそをついているとか官房長官がうそをついているとか、たとえ誤解であったとしてもそういう感覚は持たれたくない、持たれることはよくないことだというふうに思っていらっしゃいますね。
○青木国務大臣 それは当然のことでございます。
○枝野分科員 さてそこで、村上さんという方は、青木さんなどとも臨時代理はだれがいいかということを相談したと講演で堂々とおっしゃっておられますし、宮澤大蔵大臣に、宮澤さん、総理経験者だからあなたがいいんじゃないかという電話を青木さんがしたということを認知している、村上さんは、そう知っているということを講演で堂々とおっしゃっているのですね。 青木官房長官のお話が事実だとすれば、村上さんはうそをついているということになる。村上さんは自由民主党の参議院の会長さんですか、つまり、政府を支える与党の最高幹部のお一人でいらっしゃるわけですね。もし青木さんがおっしゃっていることが本当だとして、そして内閣としては、国民からうそをついているんじゃないかと誤解をされたくないということであるならば、村上さんを当然処分するべきじゃないですか。
○青木国務大臣 私は、村上さんがどういう場でどういう発言をされたか知りませんけれども、少なくとも、私が宮澤大蔵大臣に電話したのは記者会見の前であります。しかも、宮澤大蔵大臣に私が電話をしたのは、相談の電話は一切しておりません。だけれども、村上さんがいろいろなところでそういう発言をされたことは私は知らないし、私が申し上げていることが真実でありますので、これは村上さんに問いただしてください。私は、一切そういうことは知りません。
○枝野分科員 村上さんが民主党の議員だったら、私が問いただします。青木官房長官と同じ自由民主党の、しかも最高幹部のお一人でいらっしゃるのです。その方が、テレビカメラなどもあるところで、新聞記者のいるところで堂々とお話しになっているんです。それはむしろ政府や自由民主党として、どういう発言をされたのか確認をして、事実と違うんだったら、そんな世間を惑わす、内閣の信頼を失わせるような人間を与党の幹部につけておくだなんというばかなことは許されるはずないじゃないですか。調べるべきですよ。
○青木国務大臣 いろいろな意見はあろうと思いますが、この問題が起きてから、村上会長は、私に電話をして、私も本当にいろいろな間違ったアナウンスをして御迷惑をかけている、そういうことでございましたので、いわゆる自自公が事実上分解をした、それから総理が病気になった、いろいろな状態の中で、皆さんがいろいろな混乱の中で、物が終わった後でいろいろなものを組み合わせてそれぞれの発言をしておられることは私もよく知っておりますが、私がとった行動が一番正しい、一番間違いのないことを私は申し上げておりますので、私は、一々人のおっしゃる間違った報道について反論をしたりすることはこの機会に差し控えたいと思って、静かにしているところでございます。
○枝野分科員 そこがおかしいのですよ。つまり、政府が、あるいは引き続き青木さんが留任をされている以上は、小渕内閣の当時の官房長官として国民にうそをついた、かもしれないと誤解をされるような発言を村上さんは堂々とされているんですよ。そして、政府としては官房長官がうそつきだなんということを世間に誤解されていたら困る立場で、それは政府として困るだけではない。野党としても困りますよ、官房長官はうそつきかもしれないと国民が思っている状態というのは。それはもう政府の責任として、うそだったらうそだと、うそをつくような人間を自由民主党は参議院の議員会長にする、うそつきを参議院のトップにする政党だ、こういう理解でいいんですね。
○青木国務大臣 事実とは違った報道がいろいろな人からなされていることは、私も議員仲間の一人として非常に残念なことだと考えておりますけれども、私がこういう問題に一々反論をしたりするよりも、私は、私が今日まで三日間、二、三、四とやってきたことを国民の皆さんに御理解をいただくことが一番正しい方法じゃないかな、そういうふうに考えております。
○枝野分科員 時間ですので終わりますが、国民に誤解をされていることについて、ほかの人がやっていることなので、ほかの人の発言とかマスコミが悪いからということで、みずからが事実であるということを証明する努力を怠っていらっしゃるということは、やはりそのこと自体が、つまり、うそをついているかどうかということではなくて、うそを晴らす努力、うそだということについて違うんだということを証明する努力をされないこと自体が、私は政府として問題があるというふうに思いますし、このことについては、この後同僚議員からも引き続きお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 終わります。
○青木国務大臣 今の議員の発言で、マスコミがうそをついているというようなことを私は一言も申し上げたことはありません。
○谷口主査 これにて枝野幸男君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○谷口主査 これより法務省所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
○臼井国務大臣 平成八年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の決算についてであります。 歳入につきましては、歳入予算額は九百九十三億九千八十一万円余であります。 これに対しまして、収納済み歳入額は九百七十二億四千百七十五万円余であり、歳入予算額に比べると二十一億四千九百五万円余の減少となっております。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額は五千七百六億一千九百五十三万円余であります。 これに対しまして、支出済み歳出額は五千五百九十一億八千六百三十二万円余であり、翌年度へ繰り越した額は五十一億八千三十八万円余であり、不用額は六十二億五千二百八十二万円余であります。 次に、登記特別会計の決算についてであります。 収納済み歳入額は一千八百九十九億九千五百五十八万円余であり、支出済み歳出額は一千五百九十三億八千七百九十六万円余で、差し引き三百六億七百六十二万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 次に、歳入につきましては、歳入予算額は一千七百二十八億四千八百五十九万円であります。 これに対しまして、収納済み歳入額は一千八百九十九億九千五百五十八万円余であり、歳入予算額に比べると百七十一億四千六百九十九万円余の増加となっております。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額は一千六百七十九億一千七万円であります。 これに対しまして、支出済み歳出額は一千五百九十三億八千七百九十六万円余であり、翌年度へ繰り越した額は十億六千六百七十万円余であり、不用額は七十四億五千五百四十万円余であります。 以上をもちまして、平成八年度決算の概要説明を終わります。 引き続きまして、平成九年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の決算についてであります。 歳入につきましては、歳入予算額は九百九十二億七千四百九十六万円余であります。 これに対しまして、収納済み歳入額は九百八十億七千三百四十六万円余であり、歳入予算額に比べると十二億百四十九万円余の減少となっております。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額は五千七百九十一億五千百七十一万円余であります。 これに対しまして、支出済み歳出額は五千七百十二億二千六百十五万円余であり、翌年度へ繰り越した額は四十五億九千二百九十五万円余であり、不用額は三十三億三千二百五十九万円余であります。 次に、登記特別会計の決算についてであります。 収納済み歳入額は一千九百二十四億一千四百六十三万円余であり、支出済み歳出額は一千七百二十二億四千四百八十四万円余で、差し引き二百一億六千九百七十九万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 次に、歳入につきましては、歳入予算額は一千八百三十二億一千九百二万円余であります。 これに対しまして、収納済み歳入額は一千九百二十四億一千四百六十三万円余であり、歳入予算額に比べると九十一億九千五百六十一万円余の増加となっております。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額は一千八百十億四千六百七十七万円余であります。 これに対しまして、支出済み歳出額は一千七百二十二億四千四百八十四万円余であり、翌年度へ繰り越した額は二十三億五千五百六十三万円余であり、不用額は六十四億四千六百二十九万円余であります。 以上をもちまして、平成九年度決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○谷口主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、不当事項について御説明いたします。これらはいずれも、職員の不正行為による損害が生じたものであります。 検査報告番号三号は、神戸地方検察庁において、総務部の職員が、事件の処理、庁舎管理等のための宿直勤務に従事中、当直事務室からかぎを持ち出して証拠品倉庫に侵入し、同倉庫内の特殊証拠品金庫に刑事事件の証拠品として保管していた現金を領得したものであります。 また、検査報告番号四号は、佐賀地方検察庁武雄支部において、事務課の職員が、罰金等の徴収事務及び分任収入官吏の補助者としての収納事務に従事中、納付義務者から罰金等を受領した後、その収納手続をとらずにそのまま領得したものであります。 なお、これら二件の損害額は、いずれも全額が補てんされております。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、携帯電話等の料金種別の選択に関するものであります。法務省における携帯電話等の利用に当たり、発信量が少なくダイヤル通話料が少額であることが見込まれるものについて、経済的な料金種別の選択に対する配慮が十分でなく、標準的な料金種別を選択しておりました。しかし、このような場合には、標準的な料金種別に比べて、基本使用料を安くダイヤル通話料を高く設定した料金種別を選択した方が経済的となります。このため、二百五十六官署において電話料金が不経済となっていたと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、法務省では、八年十一月に各官署に対して通知を発し、料金種別の見直しを行うなどの措置をとるよう指示し、各官署では、使用実態を勘案して経済的な料金種別を選択する処置を講じたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 次に、平成九年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○谷口主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
○臼井国務大臣 平成八年度に関し、ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、法務省のとった措置等について御説明申し上げます。 まず、職員の不正行為の防止につきましては、従来から配慮してきたところでありますが、御指摘のような不祥事が生じましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。事件発生後は、管理者及び一般職員に対し、あらゆる機会をとらえて綱紀粛正の一層の徹底を図るとともに、内部監査の充実強化等により、この種の不正行為の再発防止に努めているところであります。 次に、携帯電話等の料金の節減につきましては、平成八年十一月に当省所管の各庁に対し通知を発し、料金種別の見直しを行うなど、料金制度の改変に対応した措置をとるように指示し、各官署では、使用実態を勘案して経済的な料金種別を選択する処置を講じたところであります。
○谷口主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷口主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○谷口主査 以上をもちまして法務省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○谷口主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。
○仙谷分科員 きょうは法務大臣に、主として、波元路伊という方でしょうか、帰化をする前の名前はデルフォ・ゾルジという方のようでありますが、この件についてお伺いをしたいと思います。先般、社民党の保坂議員が聞かれたようでございますので、なるべく重複をしないようにお伺いをしたいと思っております。 まず外務省のようでありますが、このデルフォ・ゾルジの犯罪について、あるいは波元路伊という名前で日本に帰化をしているという件について、イタリアのノーベル文学賞受賞者のダリオ・フォという方、あるいはフォンターナ爆破事件遺族の会会長ルイジ・パッセラという方から、アピール文あるいは手紙というもの、要請文というふうなものが当時の小渕恵三総理大臣に出されたという事実があるようでありますが、それは確認をしていらっしゃるのでしょうか。
○東郷政府参考人 お答え申し上げます。 三月の二十日付で、御指摘のダリオ・フォ氏から小渕総理あてのアピール文が発出されたこと、及び同じく三月二十日付で犠牲者遺族の会からのアピール文が発出されたこと、これは私ども内容を承知し、確認しております。
○仙谷分科員 これは総理大臣のもとに届けられたのかということと、もう一つは、ここに記載されていることが事実であるかどうかということで随分事情が変わってくる、こう思われるわけですが、法務省当局の方にこの手紙あるいはアピール文というふうなものを回付したというふうなことがおありになりますでしょうか。
○東郷政府参考人 この二つのアピール文につきましては、ダリオ・フォ氏のアピール文は、三月の二十二日付で、在イタリアの日本大使館あてにこの書簡の写しがファクスにて送付されております。それから、犠牲者遺族の会からのアピール文につきましては、三月の二十三日に、在イタリアの日本大使館あてにこの書簡の写しが郵送されております。 いずれも、その翌日に官邸及び関係方面に外務省よりこの写しを送付しております。(仙谷分科員「法務省も入るのですね」と呼ぶ)法務省の方にも官邸とあわせて送付したと承知しております。
○仙谷分科員 この手紙の中身を見ますと、イタリアでは日本政府がゾルジ氏をかくまっているという報道が相当されておるんだ、それから、ゾルジ氏が日本国籍を取得したということについて、いわば何らかの不正があったのではないか、現在も不法な援助とお目こぼしを受けているというふうなことが報道をされているということが書かれております。 その前提は、今イタリア当局は、ピアッツァ・フォンターナ爆破事件という右翼テロの事件の主犯格であるというふうに認定をして、同氏を被告としてつい最近裁判がミラノの裁判所で始まったという事実があって、それで日本がかくまっているとかなんとかという話を報道はしておるようでありますが、結局のところ、この問題は、一九八九年でございますか、このゾルジ氏が日本国籍を取得した、帰化の許可が与えられたということに焦点が絞られてくるんじゃないかと思うのですね。 その前提として、この手紙の中にもございますが、一九七三年に、ベニスの地方裁判所より武器及び爆発物不法所持により求刑を受けている。あるいは、別の情報でございますと、有罪判決を銃砲の不法所持等によって受けておるとかという情報もございます。 そういう前歴、前科がある人物の可能性があるといいましょうか、そういう認識は今外務省としてはお持ちなんでしょうか。
○東郷政府参考人 御指摘のゾルジ氏に関連いたしまして、イタリアの方から一九八〇年代に犯罪人の引き渡しの請求がございましたけれども、それはその時点での判断として引き渡しはしないという結論を出したこと、それから、その後におきまして、現在判明しておりますところ、日本国籍が付与されたこと、こういう事実は承知しております。
○仙谷分科員 今八〇年代の話をされましたので、その点についてお伺いをしたいのですが、一度、当時はゾルジですね、ゾルジ氏に対して、イタリア政府の方から日本政府に逃亡犯罪人として引き渡しの要請があったという事実はあるのですか。その場合は、もしあったとすれば、その容疑といいましょうか、被疑事実はどうであったのか。断ったかのようなことをおっしゃいましたが、その時点での断った理由は何だったのか、これをお答えいただきたいと思います。
○兼元政府参考人 お答えをいたします。 このミラノの爆弾事件に関して、警察庁では、平成九年、一九九七年にICPOのルートで手配をイタリア当局から受けております。ただ、ICPOの手配の場合は、これを部外の、一般的な発表をいたしませんで、こういう手配を受けた場合に、一般論としてどういうことをしたかと申し上げますと、警察においては、こういう外国からの手配を受理した場合に、手配の種別によりまして必要な措置をとっております。可能な限り外国の要請にこたえられるように努力をしております。 なお、お尋ねの逃亡犯罪人引き渡しということでございますが、我が国の現行法上、ICPOの手配で逃亡犯罪人の引き渡しのための各種の措置はできませんで、外交ルートによる請求がなされることが必要であると承知しておりますので、一般的に、外国からICPOルートによる身柄拘束等の要請を受けた場合は、外交ルートで要請するよう相手国に教示をするというふうにしております。(仙谷分科員「外務省、八〇年代、被疑事実」と呼ぶ)
○東郷政府参考人 今のゾルジ氏に関する個別の事案に関しましては、今警察庁の方からお答えしたとおりでございます。
○仙谷分科員 いやいや、警察庁はICPOのお話をされたのですよ。先ほど東郷さんは、そうじゃなくて、八〇年代の話をされたでしょう。だから、その中身をおっしゃってくださいと言っているわけです。つまり、今ICPOの話は九七年の話なんですよね。八〇年代の話は、あなたがせっかくされたから僕が言っているんじゃないですか。
○東郷政府参考人 八〇年代の事実に関しまして、もう一度確認した上でお答え申し上げたいと思います。
○仙谷分科員 私の調査では、銃砲の密輸で引き渡し要請があって、重罪でないという理由で引き渡せないというふうに、これは八六年ですか、拒否をしたというふうに聞いておるんですが、そういう事実ではありませんか。
○東郷政府参考人 調査の上、確認して、もう一度お答え申し上げたいと思います。
○仙谷分科員 今回は、三月三十日ですか、改めて正式の逃亡犯罪人の引き渡しの要請がイタリア政府からあった、こういうふうに前回保坂委員の質問に答えられていますよね。 さて、問題はここからなんですが、そうしますと、逃亡犯罪人引渡法の二条でございましたか、日本人である者については引き渡しはできない、一応外形的にはこういうことになるわけですよね。 そこで、今度は法務省の問題になるんだろうと思いますが、帰化の申請といいましょうか、国籍の取得をしようとする場合に、外国で行った犯罪のうち、麻薬とか銃砲関係とか、そういうものの前歴というふうなものがはっきりしている場合に、そういう刑を受けたとか裁判中であるという者である場合は、これは帰化の許可というのが認められるんでしょうか、いかがですか。 〔主査退席、森(英)主査代理着席〕
○細川政府参考人 国籍法上、帰化の要件として、申請者が「素行が善良であること。」という要件がございます。したがいまして、素行善良であるかどうかの判断の上で、かつて前科があるかどうかということは重要な判断要素になるわけでございます。
○仙谷分科員 それは、つまり、ずっと戦後一貫して生活している在日の方とかなんとかだと、帰化申請が出てきた場合にも、別に外国政府に問い合わせをしないでも、容易であるかどうかは別にしまして、素行善良についての調査というのもそれほど困難をきわめるということはないわけでしょうが、こういうヨーロッパの方々とか、あるいは中南米の方々というのも相当この間永住の許可なり帰化の申請というのはふえてきているんじゃないかと推測をするのでありますが、これは基本的には問い合わせということで行っているということなんですか。素行が善良であるかどうか、つまり犯歴、犯罪の前歴、前科があるかないかというその調査はということですが。
○細川政府参考人 帰化許可事件の審査に当たりましては、それぞれの事案に応じて、国籍法所定の帰化条件を満たしているかどうかについて必要な調査を行っているわけです。 それで、具体的にどういう調査をしているかということは、申請者本人や関係者のプライバシーの問題とか外国との関係とかいろいろありまして、それから今後の調査が円滑にいくかどうかということもございまして、一般的には実は差し控えさせていただいていますので、よろしくお願いいたします。
○仙谷分科員 本件の場合、今私がお伺いしましたことでわかってきましたのは、八九年に帰化が許可されたときには、その前段階である、八六年だと私は聞いておるんですが、八六年に既にICPOの手配を受けた、あるいは逃亡犯罪人の引き渡しの要請を受けた、そういう事実があったんじゃないかということが今わかってきているんですね。帰化の許可を行う前に情報が、法務省に届いていたかどうか知りませんよ、しかし、日本のどこかの役所にはその種の情報が届いていた、こういうことが一方であるわけですね。 その時点では調査が行われなかったのかどうかわかりませんけれども、さあ帰化の許可を与えたという後に、実はどうもそうらしいなということが本件のようにだんだん明らかになってきた場合には、調査のやり直しといいましょうか、本格的な調査を行うというようなことがあり得るのかどうか、それはむしろあり得べしということなのかどうかということをお答えいただきたいんです。
○細川政府参考人 この方に対する犯罪人引き渡し請求につきましては、法務省としましては、本年の四月六日に外務省からイタリア政府の請求書の送付を受けたところであります。現在、引き渡し請求の理由となっているテロ事件の内容や証拠関係を現時点において入手した資料に基づいて慎重に検討する一方、さらに、帰化許可の見直しに必要と思われる所要の調査及び資料の収集を行おうとしているところでございます。ですから、御指摘のような問題もこの過程でしっかり調査いたしたいと思っております。
○仙谷分科員 これは、こちらから調査担当の検察官なのか検察事務官なのか知りませんけれども、そういう人を派遣して調査するのか、あるいはイタリアにおける日本の大使館のしかるべき人に依頼をして調査するということなのか、それはいかがですか。
○細川政府参考人 これは、外国の政府との関係もございますから、外国政府の御了解もないと具体的にどういうことをするかというのもできませんし、お話もできないということになりますので、今の時点ではちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○仙谷分科員 この問題は、一つは外国政府との関係ということはもちろんおありになるんでしょうけれども、むしろ外国政府の方が、つまりイタリア政府の方が非常に熱心だというケースですよね。だから、日本政府の方がその気になれば、その種の調査、つまり犯罪歴があるのかないのか、どのような事件で判決を受けたのか、もしくは裁判中なのかということはもう極めて簡単に、現地で大使館員がその作業を行うのか、こちらが派遣をするかは別にして、これは容易に判明する、私はこういうことになるんじゃないかと思って、そういうふうに想像といいましょうか推論を立てているわけなんです。 この点は、私は、イタリアの下院議長までが口にするということでありますれば、日本政府は、過去の行きがかりについてはさておいて、帰化の申請時点で帰化の許可を与えることが妥当な事案であったのかどうなのか、これをやはり白紙の状態で検討をすべきじゃないか、そしてまた、そのための厳正な調査をしなければいけないんじゃないかと思っておるんですが、いかがでございますか。
○細川政府参考人 一般論で申しますと、爆弾テロ事件で多数の死傷者を出すということは非常に重大な犯罪でございます。したがいまして、この帰化の処分が本当に正しかったかどうかというのは真剣に調査検討しなければならないと思っております。その過程では、外国との関係もございますので、外務省と密接に連絡をとりながら積極的に進めてまいりたいと考えております。
○仙谷分科員 今、積極的に進めてまいりたいというお話がございましたので、期待をしたいわけでございます。 さっき九七年の話が出ましたが、九七年は、兼元さんとおっしゃるんですか、ICPOの総裁、これは日本から出ていらっしゃるわけでありますが、国連のアナン事務総長と会談して、ICPOと国連が国際犯罪対策に関して相互に協力することを定める協定に署名をしたという、たまたまそういう年であったようでございますし、そのころのデンバー・サミットではテロ対策というものに先進国が協力しようじゃないかということが大いにうたわれておったときなんですね。 これは、フォンターナ事件について、この波元路伊、ゾルジ氏という人が関与していたかどうかということは、多分、イタリアの政権交代後これは四、五年たっておりますか、そういう中で出てきた問題、新たな事態であるとは思いますけれども、そういう中で、要するにイタリアの現在の報道にございますように、日本がわざわざあえて不正に入国をさせて帰化の許可まで与えてかくまっている、こういう疑いを持たれないようにこの問題にひとつ対処をしていただきたいと思いますけれども、法務大臣、いかがでございますか。
○臼井国務大臣 ただいま政府参考人の方からお答えを申し上げましたとおり、不特定多数の方々に対して大きな影響を与えるテロというものは、国際協力のもとで対処していかなければならない重大な問題でございます。したがいまして、私どもといたしましては、この引き渡し請求に関する内容や証拠関係を現在慎重に検討いたしているところでございます。 委員御指摘をいただきました中で確認をしなければならない問題がございますが、今後、しっかりと対処をするように努力をいたしてまいりたいと思います。
○仙谷分科員 では、最後に、もう一点だけ確認的にお伺いするわけですが、国籍法には帰化の取り消しについての条項というものが見当たらないわけでございますが、これは、取り消し申請をだれかがするというふうなことなくして、何らかの方法で、帰化を許可をしたことが間違いであった、あるいは後に判明した事実によればこれは帰化を与えるべき事案ではなかったというふうなことを判断することができるのか、あるいは判断をして取り消しすることができるのか。これは手続上、人権に関することでありますから、どうなっておるのか、その点をお答えください。
○細川政府参考人 国籍法中には帰化許可処分の取り消しに関する規定はございませんし、また、かつてそういうことをした例もございません。しかし、行政法の一般的な理論といたしましては、帰化許可処分も行政行為でございますが、行政行為に違法の瑕疵があれば、一定の要件のもとに正当な権限を有する行政庁が当該行為を職権で取り消すことができることと解されておりまして、これについては、他の事案でございますが、同趣旨の考えを述べた最高裁の判例もあるわけでございます。
○仙谷分科員 それでは、通常は、人権に関することでありますから、職権で許可をしたり取り消したりというようなことになりますと、どこにその基準があるのかないのかというのが疑いの目をもって疑義が提起されるというふうな事態もなきにしもあらず、これは一般論でありますが、そういうこともあり得るわけでありますが、本件の場合には非常に事は重大だと私は思っております。 したがいまして、フォンターナ事件あるいはフォンターナ事件以前の、以後か以前かわかりませんが、要するにフォンターナ事件発覚以前の日本の国籍取得、つまり帰化申請をする前段階でどういう事件に関与をし、どういう裁判を受け、どういう判決を受けていたのかということが、帰化の申請時には不分明であったけれども、現時点で調べてみると非常に重大な犯罪を犯したと疑うに足る相当の理由があるか、あるいは判決を受けているかというふうな事態がもし判明したときには、ちゅうちょなく職権を発動して、テロ対策の国際協調の実を上げるようにひとつよろしくお願いを申し上げたい。 私の質問は終わりますが、御答弁をいただけるのでしたら、どうぞひとつ御答弁ください。
○細川政府参考人 問題となっている事件が三十年前のものでございます。それから、帰化許可処分も十年以上前のものですので、捜査は相当慎重にしなければならないし、簡単に結論が出るとは思いませんけれども、一般論で申し上げれば、先ほど大臣からも御指摘がありましたけれども、爆弾テロの事件というのは重大、悪質な犯罪でありまして、国籍法の素行要件に反するということが明らかであると思うのです。したがいまして、爆弾テロの犯人であることが当局において明確になったということになれば、先ほどの帰化許可の取り消しの一般法理に照らして最終的な判断をするということになろうかと思っております。
○仙谷分科員 終わります。
○森(英)主査代理 これにて仙谷由人君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君。
○木島分科員 日本共産党の木島日出夫です。 私は、定期借家契約についてお聞きしたいと思うのです。 昨年の第百四十六臨時国会で、自民、自由、公明の与党三党の議員提出と民主党の賛成によりまして借地借家法の一部改正法案が成立し、ことしの三月一日から施行されています。正当事由による解約制限のない定期借家契約が新しい契約類型として我が国に導入されたわけです。 我が党は、定期借家制度は、借家人の居住と営業の権利を奪うものとしてこれに反対しましたが、法案の審議で指摘したいろいろな問題が早くも出てきておりますので、以下、幾つかの問題についてお聞きをしたいと思うのです。 まず法務省にお聞きしますが、定期借家人の中途解約権と家賃支払い義務についてです。改正された借地借家法第三十八条第五項によりまして、定期借家人からの中途解約権が認められるのは、二百平米未満の居住用建物の借家で、かつ転勤等のやむを得ない場合だけであります。 昨年の第百四十六国会の参議院国土・環境委員会で、法案審議の中で次のような議論が提案者と質問者との間で大変激しく交わされておりました。それは、要約をいたしますとこういう論議です。中途解約権の認められない借家人は、契約期間全部について、定期借家ですからその契約で決められた期間全部について家賃支払い義務がある。一方、家主は、定期借家人が勝手にといいましょうか、退去した建物を新しい借家人を探してこれに賃貸して新しい借家人から家賃を取ることができるんだということ。要するに、その結果、家主はこういう場合には二重に家賃を取ることができるんだ、こんな論戦が延々と参議院の委員会で続けられていたんです。議事録に全部載っています。 法務省にまずお聞きします。これは法律的に見て、誤りですね。
○細川政府参考人 まず、借家人が退去した後、貸すことができるかということですが、賃貸借契約は債権の発生を目的とする契約でございますから、同一の目的物について複数の契約を締結することは、理論的には可能でございます。したがって、定期借家の借家人が期間満了前に借家から勝手に退去した場合には、その家主が借家を第三者に賃貸する契約をすることも可能でございます。 次の問題、今度は家賃の問題でございますが、そのように、定期借家の借家人が期間の満了前に借家から退去した後、家主がその借家について第三者との間で賃貸借契約を締結してこれを引き渡したという場合でございますが、こういった場合には、判例通説によれば、従前の借家人に対する家主の債務、すなわち借家を使用させる債務が履行不能になりますので、従前の賃貸借契約は当然に終了するというふうに解されていると思います。 また、家主が第三者との賃貸借契約を締結してその借家を引き渡した後は、従前の借家人との賃貸借契約は当然終了することになるのでありますので、従前の借家人がそれ以後賃料支払い義務を負うことはないというのが一般的な考え方であろうと私は考えております。
○木島分科員 私は今、従前の定期借家人が勝手に明け渡したという言葉を使いましたが、実際には勝手ではなくて、倒産したり転勤したり、いろいろなやむにやまれぬ事情で退去するということは大いにあるわけです。法律がその場合に中途解約権を認めているのは、転勤、病気、その他一定の特段の事情がある場合だけであり、かつ居住用の場合だけなんですね。 わかりました。今のお話ですと、参議院の論議は間違いだと。定期借家人が退去し、その後家主側が新しい借家人を探してこれに貸し渡し占有させたときには、従前の契約は当然解消する。ですから、それ以後のもとの定期借家人の賃料支払い義務はないと。大事なところですから、改めて確認してよろしいですね。
○細川政府参考人 今木島先生が言われたのは通説的な解釈だと思います。私も、少数説があるかどうかは知りませんが、今申し上げたのが一般にとられている解釈だと思っております。
○木島分科員 借地借家法の所管は法務省ですね。だから、法務省民事局長の今の答弁が一応政府としての公権解釈であるとお伺いします。 そうしますと、次の質問なんですが、それでは、そういう場合に、定期借家人が既に自分が賃借していない期間の部分についても、前払いとかいろいろな理由で家賃を家主に払い渡してしまっている場合、既払いの家賃あるいは既払いの敷金、それは取り戻すことができるのでしょうか。 今のような例です。家主が新たな第三者に貸し渡してしまった場合、そして、しかもその貸し渡した期間について既に前定期借家人から既払いの家賃や敷金が払い込まれてしまった場合。私は当然に不当利得返還請求権が発生すると考えているのですが、法務省の見解をお聞きします。
○細川政府参考人 まず、前払いされた賃料でございますが、先ほど申し上げました考え方をとりますと、契約終了後期間満了までに相当する部分については、法律上の原因を欠くことになりますので、家主の不当利得になると解されます。したがいまして、従前の借家人は家主に対してこの返還を請求することができるというふうに解されるわけでございます。 次に、敷金は、一般的には、借家契約が終了するときに支払いの滞っている賃料債務や建物に関する損害賠償債務を担保する目的で、契約締結時に借家人から家主に交付される金銭であります。したがいまして、敷金については、家主が第三者に借家を賃貸して引き渡したことで従前の借家契約が当然に終了した場合には、家主は、その時点までの延滞賃料や損害賠償を控除して残額を借家人に返還するということになろうかと考えております。
○木島分科員 そうしますと、確認しますが、敷金についても、その時点までに旧定期借家人側から家主に対する債務不履行その他による損害賠償支払い義務がなかったりした場合には、これは保証金たる性格ですから、当然借家人に返還されるべきものだ、そういう場合には当然返還請求権が発生すると確認してよろしいですね。
○細川政府参考人 敷金は借家人の債務履行の担保でございますので、その借家人に何ら債務不履行等がない場合には、当然返還されるということになるわけでございます。
○木島分科員 大事な点が確認をされました。 しかし、昨年の参議院の委員会での論議は、全く法律的に間違った論議が提出者側と質疑者との間で行われて、それが現に議事録として残っております。こんなことが国内に広く流布されますと、本当に間違った法律解釈の状況に置かれて、はた迷惑をするわけですから、ぜひ法務省としては、そういうことのないように、広く正しい法的解釈を啓蒙、啓発していただきたいとお願い申し上げておきます。 次に、定期借家契約の期間満了後、引き続き建物に関する賃貸借関係が何事もなく続いている場合の家主と借家人の法的関係がどうなるかについてお聞きをいたします。 定期借家契約が定められた期間満了後、家主から契約終了の通知がなく、引き続き賃貸関係が継続され、家賃の授受も平穏にされていた、そういう場合に、その契約関係というのは何なのでしょうか。定期借家契約が引き続き更新されたと見るのでしょうか、それとも、特段の約定がないのだから、その段階では家主と借家人の間は正当事由制度によって規制される通常借家契約になったと考えるべきなのでしょうか。法務省の見解をお聞きします。
○細川政府参考人 改正後の借地借家法第三十八条第四項により、家主が期間満了後も借家人に対して終了通告をしない場合には、家主は賃貸借の終了を借家人に対抗することはできないこととされております。他方、借家人は、期間満了後、契約が終了したことを主張して借家を明け渡すことができると解されています。 このことから、借家人が家主に対して賃貸借の終了を主張しない限り、借家人と家主の間では従前の賃貸借契約、すなわち定期借家契約が継続している状態になるものと解されると思います。したがいまして、このような法律関係を認める場合に、正当事由制度が適用される普通借家契約になったと解釈することは、それはちょっと無理ではないかというふうに考えております。
○木島分科員 それはちょっとおかしいんじゃないのですか。確かに、三十八条四項ただし書きで、今答弁されたように、通知期間が経過後通知があった場合には、その通知の日から六カ月後に契約終了になる、そう書かれています。しかし、法定の通知期間というのは、期間満了からさかのぼること一年から六カ月、その間ですね。その期間が経過した後で、かつ本来の定期借家契約の期間満了前であれば、六カ月たってから契約は終了するんだという理屈はまさに法律解釈から当然に出てくることですから、それで結構だと思うんです。 しかし、最初の定期借家契約で家主と借家人の間で決めた法定期間、この期間満了の時点まで家主の方が定期借家契約終了の通知をすることを怠ってしまった、忘れてしまった、あるいは、どういう思惑かわかりませんが、しなかった。しないまま当初の定期借家契約の期間が満了してしまった。にもかかわらず、特段の更新手続というものをとらない場合ですよ。民事局長、よく聞いてください。その期間満了時に、両者で従前と同じ定期借家契約を取り結ぶんですよという特段の更新手続をきちっととらないまま、何にもしないままその期間が終わって、引き続きずうっと平穏な形で借家契約関係に入っていた、家賃も平常に払われて、領収書も何月分家賃として発行されていた、そういう状態が続いている。場合によっては二年も三年も続いているかもしらぬ。最初の契約は、仮に定期借家の期間は二年だったとしますが、満了後も平穏な形で二年も三年もそういう間柄の状況になった。そんな契約状況まで何で定期借家契約だというふうにみなさなければならないんでしょうか。それは私は間違いだと。 なぜかというと、特段の更新手続等で、これからもう一回貸し借り関係を結ぶけれども、あくまでもこれは定期借家関係なんですよということが明示的に家主の側から出されないんですから、ですからこれは、民事局長の答弁は、借地借家法三十八条一項と二項、この基本原則の解釈からして無理ではないんですか。どうですか。
○細川政府参考人 この借地借家法の文理解釈から見れば、やはり、当初定期借家としたものですから、単に解約の通知がないということだけでそれが当然に普通借家に転換するというのは、ちょっとこの条文からは読めないと思います。 先生の言われたのは、事情変更の原則とか一般法理の問題を言われているんじゃないかと。だから、おっしゃったような事態が、長く使っていて、長く続いていて、それでもういつでも解約できるんだというのは、権利乱用だとか、そういうふうに一般法理でつながるには理解はできないことはないんですが、この条文の解釈として当然そうなるというのは、私どもとしてはそう読めないと思います。
○木島分科員 それはもう全然間違いなんですよ。借地借家法三十八条の第一項基本原則によれば、その契約が定期借家契約であるということを認定できる場合は、公正証書による等書面によってきちっと契約されること、これが必要なんです。それから、修正によって新たに第二項が加わって、定期借家契約として認められるためには、その旨きちっと書面を交付して説明しなきゃならぬと。そういう非常に厳格な要件がなされたときにのみ、その契約は定期借家契約として認められるんですよ。 ところが、期間が過ぎて、その後もずるずると契約関係があった。しかし、その期間契約更新のときにきちっとそういう様式を整えないまま契約関係に入っているわけですから、そんな場合には厳格な様式がないわけですから、そういう場合には、もうその契約関係は定期借家契約なんかじゃなくて、もとに戻って、正当事由制度によって規定される通常借家契約と見るべき方が正しい法の解釈だと私は思うんです。 そういう点は、全くそこまできちっと法律に書いていないのは法の不備だと私は思うんですよ。法の不備であれば、やはり、定期借家契約の成立には大変厳格な要件がかかっているわけですから、そういう厳格な要件がない契約関係は当然借家人に有利に文理解釈するのが必要だと思います。 これは論争になるところだと思いますので、きょうはここだけでとめておきますが、後で必ずやこの問題は裁判で争われることになると私は思います。 次に、定期借家人の支払った敷金についてお聞きをいたします。 建設省住宅局が、「定期借家制度の創設に際して」と題して定期賃貸住宅標準契約書なるものをつくっております。私、今手元に持っています。この標準契約書によりますと、敷金を記入する欄をわざわざ入れているんです。そして、標準契約第六条によりますと、借り主は、本契約から生じる債務の担保として、頭書(3)に記載する敷金を貸し主に預け入れるものとする、こんなことも書かれているんです。建物賃貸借契約において敷金を預け入れることは賃借人の義務ではありませんし、賃貸借契約成立の要件ではさらさらないわけでありますから、これは余計なことだと思います。 建設省は、定期賃貸住宅標準契約書なるものをつくるのは結構ですが、こんな余計な、定期借家人に不利なことをすることはやめるべきではないか、この敷金の欄は削除したものをつくるべきではないかと厳しく求めたいと思うんですが、なぜこんなものを入れたんですか。建設省にお伺いします。
○那珂政府参考人 敷金につきましては、先ほどもお話がありましたけれども、借り主の債務の担保として提供されるものであり、全国的な習慣となっております。 そういうことから、今回の定期賃貸住宅標準契約書にもその旨定めたところでございます。
○木島分科員 建設省は、全国的な習慣になっているから入れたんだとおっしゃいます。しかし、現実に、敷金の差し入れが契約解消時に家主と借家人の間で大変な争いの種をつくり出しているというのがこれまた厳然たる現実の姿であります。私はそれを直視してもらいたいと思うんです。 要するに、家主は、本来返さなきゃいかぬ敷金を自分の手元にもう預かっているわけです。何十万、何百万という金額にもなりますよ。それを返したくないんですわ。ですから、賃貸借契約終了のときに借家人にいろいろ要求するんです。大体要求する理屈は、原状回復義務がある、畳が傷んだじゃないか、壁が傷んだじゃないか、そういういろいろな理屈をつけまして原状回復請求をして過大な請求をする、そして、その請求と手元にある敷金を相殺してしまうということで返さない、こういう争いなんですよ。借家人の方から見たら、特別に壊したわけじゃなくて、二年間ぐらい使っていれば、当然畳は汚れるし壁は汚れるのは当たり前なんで、そんなものは原状回復義務はないわけでありまして、そこで本当のシビアな争いになっちゃうわけですね。 私、全国借地借家人組合から話を聞きますと、借家人からの相談の三分の一は敷金返還をめぐる争いだと言うんですよ。これは、契約関係が終了しますから、本当に争いになっちゃうんですね。 それから、私は、ちょっと古い新聞ですが、ここに一九九四年七月十三日の日本経済新聞夕刊を持ってきました。「借家の退去 敷金、賢く取り戻す」という問題で、やはり見出しの最初に「「敷金・保証金が戻らないばかりか多額の追徴金を要求された」。賃貸アパート・マンションが供給過剰といわれるにもかかわらず、こんなトラブルが急増している。」という記事があります。 同じく九四年八月二十三日の朝日新聞の記事ですが、見出しには「賃貸マンション・アパート 敷金などのトラブル増える」「敷金返ってこない」「解約時に五十万円請求された」「手付金戻らない」そして「横浜市消費者センター 「不当な請求は断って」」こういうことが出ていたわけです。 今こういう問題がさらに高じているんですよ。そうしますと、もうトラブルの種、しかも借家契約成立の要件でないものを何でわざわざ建設省が標準契約書の中に書き込むんだ、そんな余計なことはやめたらどうかと思うのです。 そして、私は、定期借家権についてはこう皆さんに要求します。 定期借家契約というのは期間が短いのです。しかも期間が決まって、正当事由による解約拒絶もできないのですね。こうなると非常に借家人に不利な契約でしょう。そういう場合に、建設省がわざわざ書く必要もないような敷金を標準契約に書き込んで、家主の側に肩入れすることはやめるべきではないか、それでなくとも定期借家契約の賃借人に不利な慣行はやめさせるというのが公正な建設省のとるべき態度ではないかと私は思います。もう一回答弁してください。 〔森(英)主査代理退席、林田主査代理着席〕
○那珂政府参考人 私どもとしては、先生今御指摘のように、退去時における原状回復義務とか敷金返還をめぐるさまざまなトラブルがずっと多発しているというような現状にかんがみまして、平成十年でございますが、原状回復に関するガイドラインを作成して、退去をする借り主の債務不履行が、具体的にはその原状回復でございますが、原状回復の範囲が過大な負担とならないように、例えば畳の日やけと今先生おっしゃいましたけれども、こういうものは原状回復義務に入らないんだ、こういうようなことを明示したガイドラインを示しまして、家主等の関係団体を通じて指導しているところでございます。
○木島分科員 そういう指導をしておるようですが、現実には原状回復請求権を過大に行使して、それがトラブルのもとなんですよ。何でそんな過大な請求をするかというと、家主の方は手元に過大な金額の敷金を預かって持っているからそういうことをしたくなるんですよ。人間の本性として当然じゃないですか。 だから、敷金を払え払えというようなことを殊さら建設省があおるようなことはやめてもらいたい、そんなことを殊さらに標準契約に書かなくたって立派な契約は成立するわけですから、そんな欄を設けないで、むしろ解消のために努力してもらいたい、要求だけしておきます。 では次に、礼金と権利金について聞きます。 定期借家契約について、礼金、権利金の授受に関しては、建設省は基本的にどんな考えなんでしょうか。
○那珂政府参考人 定期賃貸住宅契約の場合におきましては、賃料あるいは契約期間が従来型の契約に比べますとはるかに明確になるというようなことから、礼金というものが従来型の借家契約が持つ不確実性を担保するというような性格のものだ、こういう理解をするならば、その場合は、定期賃貸住宅契約には一般的にこの礼金はなじまないのではないかというふうに考えまして、今御指摘の標準契約書にはその条項は定めていないところでございます。
○木島分科員 そうなんですね。ただ建設省はこの問題でも本当に腰が据わっていないと私は思うのです。 ただいま答弁のように、あなた方がつくった標準契約書には今のような言葉がちゃんと書いてあります。しかし、建設省住宅局民間住宅課が監修をした、民間賃貸住宅契約研究会編著の「QアンドA わかりやすい定期賃貸住宅標準契約書」御存じでしょう、これの六十八ページには、そういうことも一部触れながらも、最後のところになりますと、合意があればそれは有効なんということが書き込まれていますね。それからもう一つ、私の手元にある、定期借家推進協議会が発行、建設省住宅局が編集協力してつくられた「定期借家QアンドA」こちらの方には、確かに、礼金、権利金といった一時金は、授受は避けるべきであると考えます、これはなかなか立派な文章なんです。 要するに、腰が定まっていない。こういう態度なら、もっと毅然と、定期借家契約で礼金とか権利金というのはふさわしくない、そういう授受はやめるべきだと、もっときちっとしたスタンスで、広く借家人や借地人あるいは不動産業界、その他地方自治体に普及することが必要ではないか、それを求めておきたいと思います。 なぜかといいますと、建設省の腰がもう一つ定まりませんから、どういう状況が起きているかというと、私、ここに東京のある地域の借地借家人組合が調べた一覧表を持っています。「週刊住宅情報賃貸版」今年の三月十五日号からの東京都分の定期借家物件の一覧表があるのですよ。どこの物件で、家賃が幾らで、礼金の支払い状況幾ら、面積、定期借家の期間、これは六十件調べ上げたのです。そうしたら、六十件のうち何と四十八件、八割です。建設省はふさわしくないと今答弁されましたが、八〇%は礼金をきちんと払いなさい、一カ月、二カ月ですね、こういう現状が目の前にある。 こんなのは法的に正しくないと私は思うので、こういうことをなくすように、定期借家においては礼金、権利金等、家主が取ってしまって賃貸借関係が終了したときに借家人に返らない性質のものはやはり授受すべきでない、徹底した啓発が必要だと思うのです。 これは建設省と、最後に法務大臣、この定期借家契約、借地借家法の所管は法務省なんですから、法務大臣がそういう啓発をきちっとやるということを最後に決意を述べていただきまして、時間ですから、質問は終わりにしたいと思うのです。
○那珂政府参考人 繰り返しになりますけれども、礼金という金銭の性格がもう一つあいまいだというものについては、今回、私どもとしては定期借家制度にはなじまないのではないかということで、標準契約書には定めていないということでございますが、契約自由の原則ということから考えれば、これを例えば賃料の前払い等の明確な性格づけをした上で徴収するというようなことが仮にあるとすれば、そういうものまで強行的に排除することはない、こういうふうに理解しております。 ただ、いずれにしても、現状のまま、あいまいなままではこの制度にはなじまないということで、私どももそういう考え方で今回の標準約款の解説書にもそういう旨を記しておりますので、その旨また徹底していきたいと思います。
○臼井国務大臣 法務省といたしましても、この新しい定期借家制度の内容とか、御指摘をいただきましたいろいろな問題点、一般の国民の方々にも十分御理解をしていただく必要があるというふうに考えておりまして、既にポスターあるいはリーフレット等を作成いたしまして配布をし、周知徹底を図っているところでございますが、今後ともさらにそうした広報には努力をいたしてまいりたいと考えております。
○木島分科員 終わります。ありがとうございました。
○林田主査代理 これにて木島日出夫君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして法務省所管についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○林田主査代理 内閣所管について先刻に引き続き質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。仙谷由人君。
○仙谷分科員 官房長官、私も小渕前総理の現在の病状については大変残念なことで、御家族の御苦労、御心労も含めて、いかばかりかとお察しをするわけであります。 といいますのは、私も、両親ともに脳血栓、脳梗塞で闘病生活を送った結果、幽明境を異にするという経験を持っておりますので、この病気の持っておるむごさといいましょうか、そういうものについてある程度の想像力が働くからでございます。 したがいまして、余り病状をとやかく申し上げるようなことは、できる限りしたくないと思っておったわけでありますが、しかし、事は一国の総理大臣の意思能力、判断能力がどこから減少して、あるいはどこから執務が期待できなくなったのかというのは、やはり大変重要な問題だと思います。 それと、官房長官の総理を補佐するお立場、こういう状況になれば非常に大変だっただろうなとお察しを申し上げるわけでありますが、私どもにとりましては、非常に不明な点が多過ぎる。特に当日、土曜日の深夜から日曜日の午前中で、プレス各社もほとんど、夜の記者会見をされようというところまではノーマークであったような状態で、非常にその辺がわかりづらい、揣摩憶測を生むと思っておりまして、これはやはりはっきりさせていただいた方がいいのじゃないかということを考えておりまして、青木長官のお答えをいただきたい。 できるだけ、事実に即してお聞きいたしますので、評価の方は後で、私の方からお伺いすることがあるかもわかりませんけれども、そのときで結構ですから、事実をお答えいただきたいと思います。 先ほど枝野委員の質問にお答えになったときも、もう少し、不分明といいますか、よくわからないところがあったわけでありますが、まず、当日といいましょうか、四月の二日でございますか、この日、いわゆる巷間言われております、野中さん、亀井さん、それから森当時の幹事長、それから村上さん、そして青木官房長官、この五人が赤坂プリンスホテルでお会いになったのは、結局何回あったのでしょうか。五人で一堂に会したという趣旨ですが。
○青木国務大臣 五人がきっちり顔をそろえて会ったのは、当日の昼ごろでございます。正確な時間は覚えておりませんが、十二時前であったと思います。といいますのは、昼に会おうやということで連絡をとり合いましたので、大体十二時前であったと思います。 そのほか、今お尋ねありましたが、その日に五人が一堂に会したことは、点々といろいろな情報交換はいたしましたが、ほとんどなかったように私は記憶をいたしております。
○仙谷分科員 昼ごろ、赤坂プリンスホテルで五人がお会いになった。その席には、いわゆるバッジ族といいましょうか、事務担当者を除いて、政治家はどなたもいらっしゃらなかったのでしょうか。
○青木国務大臣 一人もおりませんでした。
○仙谷分科員 九時ごろに、やはりその五名の方で赤坂プリンスホテルで再会合をされておるのではありませんか。
○青木国務大臣 議員も御承知のように、当日は四月の二日でございます。一日の夜、実は三党首会談をやりまして、事実上の自自公、これは連立を解消したわけでありまして、二日の日は、自由党との問題でどういう対応をするかということで、恐らく各議員とも全力を挙げていろいろな会合をし、いろいろな方とお会いをしておりましたので、私も、病状は病状として、その中の一員でありましたので、いろいろな方とお会いはいたしましたが、五人が九時ごろに一堂に会して相談をしたというようなことは、私の記憶にはございません。
○仙谷分科員 そうしますと、これは七時ごろに青木長官が順天堂病院に行かれて、医師の方から説明を受けられて、CTスキャンの写真をごらんになって、小渕さんと十分ぐらい話をされて、その後の時間帯のことを聞いておるのですが、それについては、五人でお会いになって青木長官の見聞を報告し、そして話し合いをするという場はなかったのでしょうか。
○青木国務大臣 私は、正式な形でそういう場は設けた覚えはありません。 ただ、皆さん、いろいろな部屋を行ったり来たりしておりましたので、行った様子はどうだというようなことはあったかもしれませんが、五人でそのことに関しての相談をした覚えは、私は一切ありません。
○仙谷分科員 そうすると、青木長官を除く四人の方は、当日やはり赤坂プリンスホテルにみずからの部屋を構えるとともに、何らかの話し合いをするような場所もあって、ホテルの中を行ったり来たりしておった、今のはそういう趣旨ですね。
○青木国務大臣 ホテルの中を行ったり来たりしておられたのか、外へ出てまたホテルへ帰られたのか、その辺は私は十分に承知いたしておりませんが、私がおりました部屋は私が常時借りておる部屋でございますので、そこで五人が昼には集まったのですが、五人が改めてこの病状等について一堂に集まった覚えは私はないと申し上げております。
○仙谷分科員 午後十一時半に記者会見をされました。その後、この五人が一堂に会する、あるいは五人以外の方が加わっておってもいいのですが、あるいは五人じゃなくても、申し上げた五名の方のどなたかと会ったということはあったのでしょうか、ないのでしょうか。
○青木国務大臣 記者会見が終わって、私はもう一度ホテルに帰りましたので、ホテルに帰った後、いろいろな人と会っておりますが、五人で相談をしたとか五人で集まったとかいうことは一切ないと記憶しております。
○仙谷分科員 いろいろな人と会っておりますがと、こうおっしゃいますのですが、どういう方と会ったのですか。まず、その四名の方と会ったのですか、会わなかったのですか。
○青木国務大臣 これは、この問題とは関係が直接ない今申し上げましたような自自公の、いわゆる解消した後の対策で、皆さん一生懸命おやりになっておりましたので、そのことと一緒に考えると非常にこれは複雑になるのですが、私は、病状の問題があって記者会見して帰った後は、別に五人の方と直接このことでお会いしたことは記憶にはございません。
○仙谷分科員 四月三日の記者会見で、官房長官はこういうふうにおっしゃっています。現在集中治療室で治療中だ、現状は意識レベルは昏睡状態で、人工呼吸による呼吸管理を二日午後九時五十分から行っておる、こういうふうに言っているのですね。 意識レベルは昏睡状態で人工呼吸による呼吸管理を二日午後九時五十分から行っているという、このくだりを官房長官がお聞きになったのはいつですか。
○青木国務大臣 正確には覚えておりませんが、恐らく、記者会見後に古川秘書官から聞いたと思っております。正確な時間はわかりません。
○仙谷分科員 この日の記者会見で、常時連絡は主治医ととっているというお答えがあるのです。 先ほどの枝野議員に対するお答えを聞いていますと、何か、古川秘書官とは連絡をとっているけれども、主治医と連絡とったという形跡がほとんど感じられなかったのです、私には。 この四月三日の午後四時の、常時連絡は主治医ととっているということになりますと、私であれば、多分脳梗塞の疑いというのを午後一時に連絡を受けているわけでしょう。受けていないのですか。(青木国務大臣「一時ですか」と呼ぶ)はい。昼ごろに、二時なのかもわかりませんが、受けているのだと思いますよ。 あるいは、緊急入院されてから、それは夜が明けてからの話になるかもわかりませんが、多分、主治医と常時連絡をとっておるというのは、一時間か二時間か、そのぐらいの間隔を置いて主治医と青木長官が連絡をとっておったのだろうなというふうに私は読んだのでありますが、これは、主治医とは連絡をとっているというふうに記者会見でおっしゃっているけれども、実は直接主治医と連絡はとったことはないという趣旨ですか。
○青木国務大臣 私が主治医と連絡を常時とっていると申し上げましたのは、恐らく主治医は、総理の病状の関係等で常時私ときっちりした時間に連絡がとれませんので、きっちり主治医を通して、古川秘書官と常時、今でも連絡をとるようにいたしております。 ですから、古川秘書官と私がとる連絡は、主治医と連絡をとったと同じように解釈をしていただいて私は間違いないと思いますし、古川秘書官も主治医に病状を聞いたことを私に正直に連絡をしている、そういうふうに解釈いたしております。
○仙谷分科員 同日の四月三日の記者会見、午後四時の記者会見でありますが、午後二時に再度MRI検査を行い脳梗塞と判断したということを長官が記者団に、正式の記者会見でおっしゃっているのですよ。これは、いつどのような手段で長官がお聞きになったのですか。
○青木国務大臣 正確には私も覚えておりませんが、古川副長官も素人、私も素人でありますので、病名とかそういうふうなものについては、恐らく主治医の了解を得て、ファクスで恐らく送ってもらって、それを私がそのまま病名等、また病気の進行状態については記者会見で申し上げているのが現状でございます。
○仙谷分科員 そうしますと、この午後二時の脳梗塞の判断、医師団の判断でしょうが、これを手に入れられたのは、この二時からそれほど時間を置かずという時間帯に青木長官はそれをお知りになったということですか。
○青木国務大臣 午後二時というのは私はよくわかりませんが、私が古川秘書官から連絡を受けたのは夜中の二時、それから主治医から連絡を受けたのが朝の六時ごろ、それから後は、私は連絡を受けたのは、午後の六時ごろに連絡を受けて病院へ行っておりまして、午後の二時というのはどういうことでしょうか。
○仙谷分科員 いやいや、長官がおっしゃっているから僕は聞いているのです。午後二時に脳梗塞の判断が出たということをおっしゃっているのですよ、長官が。 それで、その判断を六時まであなたが聞かされていなかったということならば、それはそれでいいのです。そんなでたらめなことがあるのかということになりますけれども、あなたが四時間も脳梗塞の判断を聞いていなかったとおっしゃるのだったら、そうおっしゃってください。
○青木国務大臣 これは、私が午後二時と申し上げたのは、私が二時に聞いたのじゃなくて、私が病院に行ったときにお医者さんからそういう報告を受けたということでございます。
○仙谷分科員 そうすると、正式の、MRI検査に基づく午後二時の脳梗塞という病名判断を聞かされたのは、二時に判断をした分が青木長官が行かれた七時、つまり五時間はあなたの耳に入っていなかった、こういうことですね。
○青木国務大臣 はい。私は聞いておりません。
○仙谷分科員 では、そこでお伺いします。 あなたは、記者会見の後だ、こうおっしゃっているのだけれども、九時五十分から呼吸管理に入った。集中治療室に入ったのは、一番最初の長官の記者会見などを総合しますと、七時半ごろとか八時ごろとか、つまり長官が退出された後すぐに入ったというふうな表現になっていますね。 そうしますと、この午後九時五十分という時間は、昏睡状態になったのも午後九時五十分ですか、それとも人工呼吸による呼吸管理だけが午後九時五十分なんですか、いかがですか。
○青木国務大臣 私も、今急にそうお聞きになっても、一々正確なお答えをしなきゃいけませんので、この場ではっきり時間を申し上げるわけにいきませんが、少なくとも、病気が急変したのは、私が帰った後で急変をしたという報告を受けておりまして、私がホテルに帰った時間は、きょうの午前中の質問でもお答え申し上げましたが、私が帰ったときにテレビでNHKの大河ドラマが始まった直後でございましたので、私がホテルへ帰ったのは八時過ぎ、これだけは私は非常に覚えておりますが、事態が変わったのは恐らくその後、私が帰った後急に激変をしたという報告を受けております。
○仙谷分科員 だから、医師団から、つまり私どもが申し上げているのは、入院をされてから、つまり現職の総理大臣であったときから青木さんが臨時代理になられるまでの、この間の要するに前総理の意思能力や判断能力がどこで、専門家によるとこれはちょっと困難になったという判断になるのか、それから、我々素人が見て、いつどこの時点がそうなのかということが最も重要だからお聞きしているのですよ。 それで、そのことについて今長官が一番詳しいはずなんですが、長官のお答えですら今のようなお答えになってしまう。記憶があいまいとかなんとかおっしゃる。そんな問題で済まされない問題だということを申し上げているのです。 だから、昏睡状態になったのは、青木長官はいつだというふうに知らされたのですか。つまり、十一時三十分の記者会見が終わった後以降に知らされたということをさっきからおっしゃっていますね。知らされたときに、前総理が昏睡状態に入ったと。まあ呼吸管理に入っても、これはもう物は言えません。それは、私は病人をよく、ずっと付き添って見ておりますから、二回もやっていますからわかっておるのですが、集中治療室へ入っても外との連絡が基本的にとれないということですから、これは非常に執務不能状態に近いと思いますよ。これは執務不能状態と考えてもいいのかもわかりません。そのことをお聞きしたいのです。 昏睡状態に入った時刻というのは、何時だというふうに聞いているのですか。
○青木国務大臣 私も専門家じゃありませんので、よくわかりませんが、私が八時過ぎにホテルに帰ったことは間違いなく覚えております。そして、その後で受けた連絡で、私が帰った後で事態が急変したので集中治療室に入られましたという報告を受けておりまして、集中治療室にお入りになって、いつ昏睡状態に正確な時間おなりになったかということは、これは私が正確な時間を今ここできっちり申し上げる、それだけのことはできないと思いますが。
○仙谷分科員 これは大変重要なことであります。 私は、この記者会見の官房長官の一問一答を聞いていて、九時五十分に意識が昏睡状態で人工呼吸による呼吸管理を開始した、血圧は保たれている、しかし予断は許さないということをおっしゃられておるので、九時五十分にはそういう状態になられたという報告が、ある時点で官房長官に入ったんだろう、こう読んだんです。その報告を受けたのは、官房長官は十一時半以降というふうに、つまり記者会見以降と言いますから、これまた重大な事態ですよね。 昏睡状態に入ったとかいうことが、二時間も三時間もタイムラグを置いてしか知らされないというようなことがあり得るんだろうかと私は考えておるんでありますが、本当に今の時点で、昏睡状態に入った、あるいは集中管理室に入った、あるいは人工呼吸による呼吸管理が始まったという時刻が、官房長官は記憶ないんですか。聞かなかったんですか、聞かされてないんですか、いかがですか。
○青木国務大臣 ですから、私は、八時過ぎに帰って、その後事態が急変をしたということを聞きましたので、万一に備えていろいろな対応をしなきゃいけませんので、その後、古川官房副長官に、いろいろな場合が想定されるけれども、法的にどういう対応があるのかということをすぐに調べるように指示をいたしました。 それから、十一時半に記者会見いたしておりますが、私は、それから官邸へ入ったのは恐らく十一時前だろうと思います。十一時前に官邸に入りまして、それから宮澤大蔵大臣に電話をいたしておりますので、その間、私もばたばたしておりますので、実際、正式な連絡を受けたのは記者会見後でございます。
○仙谷分科員 私、これは大問題だと思うんですね。 つまり、今私が申し上げた、集中管理室、それから昏睡状態、呼吸管理というのは二日の九時五十分にそうなったということを官房長官が発表したのは、次の日の四月三日の四時の記者会見なんですよ。十一時の記者会見で全然そのことをおっしゃっていない。 あるいは、今のお話を総合すると、古川秘書官から事態急変の話が入ってきたのは、どうも記者会見の前、つまり、あなたが退出して、テレビで大河ドラマか何かやっているころに入ってきたとすれば、これは十一時の前ですよ。そのときに事態急変、集中管理室入りというのが入って、もしあなたのところに報告が届いていなければこれはまたけしからぬ話だし、届いていたとすれば、そのことを十一時の記者会見でしゃべっていない。次の日の午前九時の記者会見でも全く話されていない。これは、国民はキツネにつままれたような感じだったと思うんですね。 ところが、臨時代理就任だけ決意された。臨時代理に就任しなければいけないような事態、つまり、集中管理室に入ったとか昏睡状態になったとか呼吸管理があるとかということが公式に発表されれば、臨時代理、当然のことながら、これは小渕さんが指名をあらかじめしていようがしていまいが、緊急避難みたいな話だという理解もできますけれども、この話は、本当は十一時前にこういう九時五十分に重篤な状態に陥ったということがわかっていたのに、十一時の記者会見で発表せず、さらには、翌朝の午前十一時の記者会見でも発表をしなかったという事実関係になるんじゃないですか。いかがですか。
○青木国務大臣 私が当時考えたことは、私も専門家ではありませんので、集中治療室に入られようと昏睡状態になられようと、一日たてば、二日たてばまたもとの状態に回復をしていただけるということを心から願っておりましたので、できるだけ、夜の間にいろいろなところへ連絡したり、いろいろな発表をして混乱が起き、いろいろな誤解が生ずることを私は一番恐れたわけでございまして、決して他意があってそういうことを隠したわけではありません。
○仙谷分科員 これは、他意があったら大変です、他意があったら。 しかし、常識的には、事態の推移と官房長官のところへ入ってきたニュースがこんなにタイムラグがあるかのような説明というのは、私は信じられない。常時主治医と連絡をとっていたという話とも、極めて大きなそごをします。 私が申し上げているような話は、ひとつきちっと時系列に客観的な事実として整理して、もう一度記者団にも発表される、そして記者団にも、官房長官の発表の仕方としてまずかったということがあれば、それはそれで端的にお認めになるということをされませんか。そうしませんと、さっきから申し上げているように、事態の推移から私の計算だと十何時間、あるいは、甚だしいのは二十七時間三十分かかっているのですよ。あなたが退出された後、三日の午後四時の記者会見まで二十七時間。事態は実は昏睡状態に入っていたのに、それをお認めになったのが四月三日の午後四時、こういうことになるのですよ。 こんなことは、例えばクリントン大統領は二時間の麻酔をかけるときでも、よく言われていますけれども、後で非難ごうごうだったという話がありますよね。 これは、ちゃんとあなた方の方でお医者さんから聞くか、お医者さんの公式の文書で、何時にどうだった、つまり、あなたが代理になる前ですよ。代理につく前ですよ。これを明らかにする義務があるのではないですか。いかがですか。
○青木国務大臣 今申し上げましたように、私は専門家ではありませんので、一日も早く総理がもとの体に回復し、続けて政権を担当していただくことをただひたすら願っておりましたので、そういう願いが余りにも、夜の夜中にいろいろな報道をされたり混乱が起きたり、そういうことは避けたいという私の気持ちからこういうふうな形の発表になったことでございまして、決して医師団が悪かったわけでも連絡が悪かったわけでも、そういうことじゃないと。私がそういう、いわゆるこういう事態になったときには、やはり誤解が生じないように静かに対応すべきだという判断をしたということでございます。
○仙谷分科員 静かに対応するのはもちろんいいんですが、非常に空白のといいましょうか、鉄のカーテンで覆われて、執務不能状態になった総理が、私がさっき言っているのだったら、二十七時間半は執務不能状態のまま日本国は浮遊していたみたいな話になるんですよ。つまり、あなたがお見舞いから帰られた後、集中管理室に入ってから二十七時間か二十六時間たっていますよ。そうでしょう。その間、最高責任者がいないことになるじゃないですか。執務不能じゃないですか。 時間がありませんので、もう一つだけ聞きます。 十一時半の記者会見以降、亀井さん、野中さん、村上さん、それから森さん、これはやはり赤プリでお会いになったんでしょう。つまり、あなたの姿は、一時四十分に赤坂プリンスホテルを出るところまでは確認されているんですね。記者会見を終えられてから赤坂プリンスホテルに行ったわけですよね。ここで、当然あなたはこの四人と、病状はこうだ、どうしようかという相談をしたんじゃないんですか。
○青木国務大臣 病状は恐らく本人たちに話したと思いますが、どうしようかという相談は私は一切いたしておりません。
○仙谷分科員 もう一点だけお伺いします。 森さんが、じゃ、おれが総理大臣をやるわ、あるいは首班候補になるわというのは、青木さんはお聞きになったことないんですか。
○青木国務大臣 恐らく私が一番後じゃないかと思います。 総理が病床で伏しておる間に後任の話なんか私が考えるはずもないし、また周囲の人もやはり私に対して、後どうしようかというような非常識な話は私は一回も聞いておりません。
○仙谷分科員 終わります。
○林田主査代理 これにて仙谷由人君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして内閣所管についての質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後三時十四分開議
○生方主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより総理府所管中総務庁について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。続総務庁長官。
○続国務大臣 平成八年度及び平成九年度総務庁関係歳出決算の概要につきまして御説明申し上げます。 まず、平成八年度における総務庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成八年度の歳出予算現額は一兆六千六百三十億四千二百九十七万円余でありまして、支出済み歳出額は一兆六千九十二億四百七十五万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、五百三十八億三千八百二十一万円余の差額を生じます。 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は五百二十三億千三百二十八万円余であります。これは、恩給費でありまして、旧軍人遺族等恩給の請求が遅延したこと及び支給事務の処理に当たっての調査確認に不測の日数を要したことにより、年度内に支出を終わらなかったためであります。 また、不用となった額は十五億二千四百九十二万円余であります。これは、人件費を要することが少なかったこと等のためであります。 次に、平成九年度における総務庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成九年度の歳出予算現額は一兆六千六十七億四千三百四十九万円余でありまして、支出済み歳出額は一兆五千五百六十三億九十万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、五百四億四千二百五十八万円余の差額を生じます。 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は四百九十六億千八百二十九万円余であります。これは、恩給費等でありまして、旧軍人遺族等恩給の請求が遅延したこと及び支給事務の処理に当たっての調査確認に不測の日数を要したこと等により、年度内に支出を終わらなかったためであります。 また、不用となった額は八億二千四百二十八万円余であります。これは、人件費を要することが少なかったこと等のためであります。 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○生方主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院石野審議官。
○石野会計検査院当局者 平成八年度総務庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度総務庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○生方主査代理 以上をもちまして総務庁についての説明は終わりました。 —————————————
○生方主査代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島武敏君。
○中島分科員 日本共産党の中島武敏でございます。 まず最初に長官に伺いたいと思うのですけれども、医薬品の規制緩和についてきょうは質問したい。 まず、去る三月三十一日に、規制緩和三カ年計画再改定、これを閣議決定されたようでありますが、その要点を簡潔に明らかにしていただきたい。また、その中で、医薬品の規制緩和がどのように措置され、実施されようとしているのかをお聞きしたいと思うわけです。
○続国務大臣 中島議員の御質問にお答えいたします。 規制緩和は、我が国経済社会の抜本的な構造改革を進めていくために極めて重要なものであると認識しております。政府といたしましては、去る三月三十一日、規制緩和推進三カ年計画の再改定を行ったところでございまして、今後これを着実に実施していくなど、規制緩和の一層の推進に努めていくこととしております。 同計画におきましては、千二百六十八事項に上る個別措置が盛り込まれており、このうち、お尋ねの流通分野は、医薬品販売や食品営業に係る規制緩和など七十一事項であり、基準・規格・認証・輸入分野は、政府の直接的な規制を必要最小限とするとの観点から、検査・検定のあり方を見直すなど、二百二事項が盛り込まれているところでございます。 今後とも、さらなる規制緩和の推進に向け、引き続き努力していく所存でございます。
○中島分科員 厚生省に伺いたいと思います。 医薬品は、消費者である国民の健康に重大な影響を及ぼすとともに、処方を誤ると死に至ることにもなります。良薬は口に苦しなどと言いますけれども、もともと薬は毒であり、成分一つ一つに毒性がある、それを安全で効果あるように科学的に処方して飲めるようにしたのが薬である、このように専門家は言っております。それだけに、医薬品販売についての規制緩和を行って、一般店で安易に入手できるようにすることは、危険を伴うものではないでしょうか。 そこで、お尋ねをいたしますが、一九九七年三月に閣議決定された規制緩和推進計画で、「医薬品のうち人体に対する作用が比較的緩和で、販売業者による情報提供の努力義務を課すまでもないものについて、一般小売店においても販売できるよう、医薬品のカテゴリーを見直す。」とされて、そして、翌年の一九九八年には、中央薬事審議会医薬品販売規制特別部会でその具体化が議論されたわけですけれども、その内容について伺いたいと思います。
○高山政府参考人 医薬品の販売規制緩和につきましては、先生御指摘のとおり、平成九年三月二十八日の規制緩和推進計画におきまして、「医薬品のうち人体に対する作用が比較的緩和で、販売業者による情報提供の努力義務を課すまでもないものについて、一般小売店においても販売できるよう、医薬品のカテゴリーを見直す。」という決定をされたところでございますが、この規制緩和推進計画の決定を受けまして、平成九年六月に、中央薬事審議会に医薬品販売規制特別部会というものを設置いたしまして、議論をしたわけでございまして、平成十年の三月に、その審議会より、ビタミン含有保健剤、健胃清涼剤、あるいは外皮消毒剤等の十五の製品群につきまして、現行の医薬品のカテゴリーから医薬部外品のカテゴリーに移行することが可能であるという報告書が取りまとめられたところでございます。 これに基づきまして、厚生省といたしまして、昨年の三月、必要な政令、省令等の改正を行い、告示を改正し、そのような報告をいただいたとおり施行したところでございます。
○中島分科員 今のお話で、風邪薬とか解熱鎮痛剤についてはどうだったんですか。
○高山政府参考人 その特別部会におきましては、いろいろな角度から専門家の方々に御検討いただいたわけでございますけれども、風邪薬あるいは解熱鎮痛剤につきましては、中枢神経に作用する成分が主体である、したがって、副作用も重篤なものが知られていることから、販売規制の緩和は適当ではないということとされたところでございます。
○中島分科員 風邪薬それから解熱鎮痛剤については、規制緩和は適当でない、こうされたわけですね。 では、その次にちょっと伺いたいんですけれども、この十五製品群について、医薬部外品にしたこと自体が私は大変重大だと思っております。そもそも、販売業者による情報提供の努力義務を課すまでもないという医薬品が果たして存在するのかという気持ちを持つわけですね。 今回規制緩和されたものの一つにドリンク剤がありますけれども、例えばコンビニで売られているあるドリンク剤、アリナミンダイナミックですけれども、文字を読んでみますと、書いてある。大変小さい文字なんですけれども、服用上の注意を見ますと、「本剤の服用により胃部不快感、下痢、発疹等の症状が現れた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること」、こういうふうに書いてあるんですね。 それで、これはある薬剤師さんなんですけれども、これは随分怒っているんですよ。何を怒っているかというと、これはどう考えても医薬品の表示じゃないか。それで、ほかの薬剤師さんからも、これをどう理解したらよいのかという問い合わせもたくさん来るというんですね。どこで、どのような経過で買ったのかわからない商品に、何で我々が相談を受けなければならないのか、こういうこと自体に非常に疑問を感じる、こう私なんかにも言うわけですよ。 それで、またこうも言うんですね。ビタミン剤でも、AやDはとり過ぎると、AやDは油にしか溶けないので、それでビタミン過剰症になる場合もある、こういうふうに言われるわけですよ。 ですから、私は、この十五製品群の販売規制緩和そのものが問題でないか、これ自身を再検討すべきじゃないかと思うんですけれども、厚生省としてはいかがですか。
○高山政府参考人 先ほどの部会の御審議でございますけれども、医薬部外品への移行が可能な医薬品の範囲につきましては、副作用の発生等の安全性の問題に十分配慮して、医学的、薬学的な見地から十分な議論が行われた上で決定されたものでございます。 具体的には、薬理作用等から見て適正使用が確保できないおそれがあり、消費者からの情報提供の求めが予想されるものとか、副作用に関する注意喚起がなされた成分を含有するもの、もちろんこの中では配合量が非常に少ないというようなものは除きますけれども、こういうもの。あるいは、特に副作用に関しまして、アレルギーを発現しやすいものとか、長期間連用された場合に習慣性を生ずるおそれがあるものとか、あるいは、不適正使用等により中毒等を発現するおそれがあるものとか、あるいは、他の医薬品、食品、嗜好品と相互作用を発現しやすいもの、日常の生活行動、例えば車の運転をされるときに悪い影響を及ぼすもの。こういった特に注意すべき点が認められるものにつきましては医薬部外品には移行しないということとされたところでございまして、今般、医薬部外品に移行された製品群につきましては、特に健康への影響を考慮する必要は少ないというぐあいに考えておるところでございます。
○中島分科員 それはそういうことにしたんでしょうけれども、ただ、薬剤師さんに聞きますと、さっきも私申し上げたんだけれども、いろいろな売っているもの、アリナミンダイナミック、これですよ、ここに「本剤の服用により胃部不快感、下痢、発疹等の症状が現れた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること」、医師または薬剤師に相談しろと言っているのです。あらわれないということが、あなたが答弁しておられるように、そこの部会の結論だったんだと思うのですけれども、ではあらわれた場合にはどうするのかというこの点については、医師あるいは薬剤師に相談せい。これはどうしてこんなことが書かれなきゃいけないんですか。これは自分が販売したわけでもないんですよね。なかなか責任持てない、だけれども、そういって、そっちへ相談に行け、これは一体どう思いますか。
○高山政府参考人 ちょっと具体的なケースについて申し述べるあれはありませんけれども、例えば、そういう症状があらわれたということにつきまして、その使ったものとの因果関係ははっきりしませんけれどもそういう症状があらわれたということであれば、通常の場合、近くのお医者さんとか、あるいは懇意にしている薬局の薬剤師さんに御相談するというのは、それほどおかしなことではないというぐあいに考えております。
○中島分科員 私はおかしいと思うね。自分が売ったんじゃないんですよ。売っているのはこの製品なんですよね。それを買ったところがあると思うんですよ。そうしたら、売ったところとか会社とかそういうところに相談せいというなら話はわかるんだけれども、何とも筋違いな話が出てきているな。私は、ここにも、この十五製品群を規制緩和したということの中に持っている矛盾点があるということを指摘しておきたいと思うんです。 それから、そもそも、平成十年、一九九八年、中央薬事審議会医薬品販売規制特別部会で審議したときは、風邪薬、解熱鎮痛剤もこの審議対象に入っていたわけですよね。当面は一般商店で販売することはしないとされましたけれども、将来は販売規制緩和されるということがあるんじゃないかとやはり非常に心配しているんです、懸念されているんです。これは規制緩和しない、そういうふうにはっきり断言できますか。
○高山政府参考人 私どもといたしましては、中央薬事審議会においていろいろな角度から専門的に議論していただいておるわけでございますので、現時点におきましては、それを見直すということでは考えておらないところでございます。
○中島分科員 現時点においてというのは私はひっかかるんだね。さっきあなたも答弁したように、非常にはっきりとこの問題について、風邪薬それから解熱鎮痛剤、中枢神経に作用する成分が主体であり、副作用も重篤なものが知られていることなどから、販売規制の緩和は適当ではない、こうなったんでしょう。そうしたら、何年かして、この次、規制緩和問題が検討されるというときが来たとする、そのときには、こんなふうに非常にはっきりとした結論が出ているものもやはり規制緩和対象になるんですか。もう一度聞きます。
○高山政府参考人 中央薬事審議会において十分議論されたものでありまして、私どもは当然それを尊重して現在のような措置をとったわけでございまして、これにつきましては、現時点におきましては見直すつもりはございません。
○中島分科員 現在においてはというただし書きがついてはいますけれども、見直す気持ちはないというわけですね。 では、もう一つ聞きます。 経団連なんですけれども、経団連は、薬剤師の関与が必要とされた医薬品の範囲の見直しを進め、解熱鎮痛剤、総合感冒薬、胃腸薬、乗り物酔いどめ薬、それから傷薬、目薬等を含め、医薬部外品の扱いにすべきだ、こういうふうに要望しているんですね。これに対して厚生省のスタンスを聞きたいと思うんです。これまた経団連の言っているように大幅に規制緩和、こんな方向を考えていらっしゃるのかどうか、そこを伺いたい。
○高山政府参考人 昨年でございますけれども、経団連からそういう要望が来ておるということは承知しております。私どもとしては、先ほどここで申し上げたとおり、経団連の方が引用されている例えば風邪薬や解熱鎮痛剤につきましては、先ほど申し上げたような報告を、明確に否定をされるということをいただいておりますので、これらにつきましては、私どもとしては、やはり規制緩和を行うことは適当ではないのではないかというぐあいにお答えをしておるところでございます。
○中島分科員 風邪薬とか解熱鎮痛剤だけじゃなくて、経団連が挙げているもの、これ全部について伺いたいんです。
○高山政府参考人 それらも含めまして、医薬部外品への移行が可能な医薬品の範囲につきまして、中央審議会におきまして医学的、薬学的観点から十分な審議が行われた上で決定されております。したがいまして、現時点におきましてこれを見直すということは考えておりません。
○中島分科員 風邪薬の大量服用による恐ろしさということは、埼玉県本庄の保険金疑惑、風邪薬、アセトアミノフェンの大量購入による保険金殺人疑惑事件でも非常にはっきりと示されているんじゃないかと思うんですね。ある新聞は、風邪薬の凶器、こういう表現までしているわけです。この背景には、やはり、最近急速に店舗を全国に展開し、販売を拡大しているチェーンドラッグストアだとか、あるいはスーパーでの販売という問題があります。つまり、実態として、薬剤師との対面販売がされずに医薬品が大量購入される、そういうことがあるんじゃありませんか。 それで、薬の販売については薬事法で厳格な規定があって、常時、薬剤師の管理のもとになければならないとされておりますけれども、チェーンドラッグストアなどでは薬剤師が不在のまま販売していることが明らかになっています。 厚生省は、九八年十月に首都圏において薬剤師に勤務実態に関する立入検査を行ったようでありますけれども、その結果、どうでありましたか。また、その結果を受けてどのような措置をとられましたか。
○高山政府参考人 チェーンドラッグストア等についての御質問でございますけれども、経緯を申し上げますと、平成十年の十月に、首都圏におきまして、これは首都圏の東京都ほかの各県がチェーン店の一般販売業を中心としたところに立入検査を行ったわけでございますけれども、その結果、約三割の施設において立ち入ったときに薬剤師が不在であったという報告がございました。 この報告を受けまして、厚生省では、平成十年の十二月でございますけれども、薬局、一般販売業等に対しまして、薬剤師による管理、それから情報提供等の徹底ということにつきまして、都道府県等を通じて指導を行ったところでございます。それからさらに、平成十一年の二月には、薬局等に対する監視指導の留意事項について、都道府県等に対しまして、改めてまた指導を行ったところでございます。 その後、平成十一年度に実施された、これは全国で一斉に監視指導を行ったところでございますけれども、立ち入り時点で薬剤師が不在であったという指摘がなされた施設は、薬局では三・四%、一般販売業では二二・八%という御報告がございました。 いずれにいたしましても、このような報告を受け、今後、このような実態を踏まえて、引き続き都道府県等におきまして必要な薬事監視が行われるように適切に対応してまいりたい、こういうぐあいに考えておるところでございます。
○中島分科員 この問題というのは、世間でもこの疑惑事件というのは大変衝撃を与えたわけですね。このことについて報道しておる新聞によりますと、これは大型ドラッグストアの店員さんなんですけれども、友達に配るからたくさん必要などと言われると販売を拒否することはできない、こう言っているんですね。 薬剤師のいないもとで購入できるということは、スーパーでバスケットで買い物をする感覚で医薬品を購入できるということですよね。私も参考のために幾つか入ってみましたよ。バスケットだ、かご、これを持ってこういうことをやっているわけだね。それで、集めてきてレジへどんと出すわけですよ、ほかの雑貨も一緒に。そうすると、レジが計算して、お金を払って出ていく、こういう格好なんですよ。だから、対面販売じゃありませんから、これは本当にああいう事件が起きるのも無理からない面があるのですよ。 そういう点では、二二・八%ですか、多少は改善されたように見えるけれども、やはり二割、三割というところが薬剤師をちゃんと置いていないということは、私自身としては大変問題だと思います。だから、二度調査されたようですけれども、もっと調査を厳格にきちっとやるというふうにしてもらわないと、みんな安心してお店へ入れないんじゃないかね、僕はそう思いますよ。そういう点では厚生省の姿勢が問われているというふうに思うのですけれども、もう一回その辺、これからどうするかということについて、根絶するまでやる、これぐらいの決意をひとつ示してもらいたいものだと思うのです。
○高山政府参考人 医薬品の販売につきまして、先生が何度かおっしゃられておりますように、やはりきちっとした服薬指導が行われるということが大変大事だと思います。また、医薬品を使った後のいろいろな副作用情報、こういうものも、病院のほか薬局でも集めていただくということは大変重要なことだと考えております。 そういう意味では、薬局、薬店におきまして、これは薬事法において薬剤師を配置するということになっております。その目的は、先ほど申しました服薬指導の重要性ということでありますので、その点、きちっと徹底するように私どもも努力させていただきたいと考えております。
○中島分科員 指導も徹底してもらいたいが、点検もやってもらいたい。これはきちっとやらないと、事は人命にかかわる問題でもありますから、そこはひとつしっかりやってもらいたい。いいですね。答弁としていただきましょうか。
○高山政府参考人 そのように努力したいと考えております。
○中島分科員 次の問題なんですけれども、H2ブロッカーという胃の薬の副作用が問題になって、薬剤師不在問題がマスコミで大きく報道された時期に、薬剤師会内部でも自主規制が行われました。 一九九八年十一月二十五日付で日本薬剤師会が出した全国の薬剤師会会長あての依頼文書では、こうなっております。「一般販売業・薬局を開店(局)中は必ず管理薬剤師が管理すること。なお、薬局等を開局(店)中、管理薬剤師が不在になる場合は、閉局(店)するか、他の薬剤師を確保し、管理にあたらせること。」と厳しく自己規制をしているわけですね。これは、医薬品の販売は対面販売によって、相手の顔色を見て、そして体調を聞きながら行うべきだという当然の立場からのものだと思うのです。 ところが一方、日本チェーンドラッグストア協会はこう言っています。「薬剤師不在指導問題は、H2ブロッカーやNHK報道に端を発した、余りにも場当たり的な性急なことであると考えざるを得ない」「一般用医薬品における情報提供は、直接、会話を通じて行わなければならないのか。このメディアの発達した時代に、時代錯誤も甚だしいものと言える。もっとも身近となった(携帯)電話で連絡は可能であるし、チェーン展開している企業であれば、本部がその役割を果たすことが可能である」、こう言っているのですね。 私はこれを聞いて、本当にびっくりしちゃった。薬剤師会は非常に厳しい自粛、自己規制をやっているのですね。ところが逆に、チェーンドラッグストア協会、こっちの方はこう言ってやっているわけですよ。そして薬剤師配置についての規制緩和を具体的に要求しているわけですね、チェーンストア協会の方は。 これに対して、ことし三月三十一日の閣議決定では管理薬剤師の兼務規制の見直しを検討するとしておりますけれども、これはどうするつもりでありますか。そこを答えてください。
○高山政府参考人 薬事法におきまして、薬局の従業員の監督あるいは物品の管理、薬局を管理する管理薬剤師というのを置きなさいということになっております。 この管理薬剤師の方につきましては、同じ薬事法で、ほかの業務を兼務することを非常に制限しております。兼務できる範囲というのは、現在のところ、例えば学校薬剤師、これはそれぞれの地区の学校の薬剤師をやられる、あるいは最近ではケアマネジャー、こういうものを兼務して、そのときにそういう必要な仕事をされるということがございます。こういう特定のものに兼務されておるわけでございますけれども、こういう兼務につきまして、規制緩和の三カ年計画につきましては、その見直しを検討してはどうかという御提議がされておるところでございます。
○中島分科員 さらに私が聞いておるところによりますと、卸をやるときなどに必ず管理薬剤師がその場にいなければならないかということについては、こん包されているものを右から左へ動かすというようなときには管理薬剤師は必要ないという考え方のようですけれども、それはどうかということを具体的に聞きたい。 それからもう一つ聞きたい。それは、さっき私が紹介いたしましたように、チェーン協会で、電話で連絡は可能だし、チェーン展開をしている企業であればその役割を本部が果たすことができる、これについて厚生省の見解を聞きたいのです。
○高山政府参考人 卸の場合の兼務規制、管理薬剤師の方の兼務規制の緩和につきましては、これは先生今おっしゃられましたように、要するに、小分けをして、その中身についてある程度きちっとした管理をする必要がある、こういう場合を除きましては専任である必要はないのではないかということで、規制を緩和するのが適当ではないかということでございます。それが一点でございます。 それから、先ほどお話がございましたような、どこか一つの本部に薬剤師さんがいて、それでいろいろ、末端の支店において薬剤師を配置せずに、何かあればそういうところに連絡をとって対応する、こういう形のことをお指しになっておられると思うのですけれども、これについては、各薬局に薬剤師あるいは一般販売業に薬剤師を置いている趣旨というのは、お客さんごとにいろいろ状況を見ながら服薬を指導していくということで、現時点では、私どもとしては、そういう方法は薬事法の趣旨から見て問題ではないか、こう考えております。
○中島分科員 率直に言いますけれども、へっぴり腰にならないで、現時点で現時点でと言わないで、そんなことはできませんよと、すぱっと本当は答えていただきたい。 時間が来ましたので、私、これで終わりにさせていただきます。
○生方主査代理 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。 次に、若松謙維君。
○若松分科員 若松謙維でございます。 総務庁長官、御苦労さまでございます。 まず、国、特殊法人、独立行政法人の決算制度についてお伺いしますので、端的にお答えいただきたいと思います。これは大蔵省かと思います。 まず、独立行政法人の会計基準は見せていただきました。それで、特殊法人の会計基準について、今たしか進んでいると思うのですけれども、簡潔に答えてください。
○津田政府参考人 まず、独立行政法人の会計基準でございますが、これは、総務庁の方の研究会におきましていろいろ研究をなさった上で会計基準というのが取りまとめられていると思います。今後、この基準に沿って各法人が個別に規定を取りまとめていくのではないかというふうに思います。 それから、特殊法人の会計基準につきましては、随分昔はそれぞれ区々のものがあったわけでありますけれども、昭和六十二年度から、企業会計原則に沿った財務諸表の作成に関する統一的な基準といたしまして、特殊法人等会計処理基準というものが設けられまして、現在この基準に沿って処理が行われていると思います。 特殊法人でございますから企業会計と全く同じものではないと思いますけれども、例えば、補助金なり補給金なりを使っていろいろな事業もやっておりますから、そういったものは区分して経理するとかといった違いはありますが、原則としては企業会計原則にのっとった処理をするというのがこの会計基準の趣旨でございます。
○若松分科員 特殊法人会計基準は、たしか今のは昭和六十二年、古いものですから、新しいもので改正しているという理解でいいわけですね。ですから、それがいつごろ出てくるのか、ちょっとそういったテーブルを端的に答えてください。
○津田政府参考人 新しいというのが例えば今企業会計でいろいろ行われております時価会計とかそういうものであるとすれば、確かに先生おっしゃったようにいろいろなことが今進んでおりまして、時価会計の件でありますとか退職給付の話、それから税効果会計とかいろいろあるわけでございまして、そういったものについてはまず動きを今いろいろウオッチしているというところでございます。 一方で、特殊法人につきましては、やはり企業会計とは目的がもともと違っているということもございまして、企業の方は収益力表示というものが多分中心になって決められていると思いますし、特殊法人の方では経営の自主性なり弾力性を持たせて能率的な運営をするという目的でできているという違いもございますから、その辺も勘案した上で今後考えていく必要があるのではないかと思っております。
○若松分科員 今週中に資金運用部改正の法律案が通る予定になっていますね。そうしますと、これから特殊法人はまさにマーケットに資金調達面でさらされるわけであって、まさに情報開示が必要となってくるんですね。せっかく大野政務次官がいらっしゃるので、やはりこれは政治判断なので、早く特殊法人も、まさにマーケットで資金調達というのが今回の改正趣旨ですから、証券取引法までいかないでも、少なくともやはりそのくらいの厳しいディスクロージャー、さらに、そこにはいわゆる特殊法人にぶら下がるさまざまな認可団体、許認可団体、そういったところも含めた連結。そういったものをはっきりとして、では経済実態としてどうなのかというところを把握するような会計基準というのをやはり早急につくる、そしてさらに、それについての外部監査も制度化する、これが早急に必要だと思うんですけれども、次官のお考え方をお願いします。 〔生方主査代理退席、御法川主査代理着席〕
○大野(功)政務次官 今回の財投改革につきましては、若松先生御存じのとおり、まず第一に市場に問う、市場原則に問うてやるということで、まずとにかく財投機関債を出してもらうということでございます。 市場原理、市場に問うということは、すなわち、財投機関、特殊法人などが、その中身がはっきりしていないと市場の評価は得られないわけでございますから、先生がおっしゃったことは大変大事なことでございます。また、将来の国民負担がどのぐらいになるのか、これは行政コスト分析としてきちっと出しておかないと、政策手段として果たして特殊法人を通じて、財政融資資金特別会計でやることがいいのかどうなのか、こういう問題が出てまいりますので、私はディスクロージャーは大変大事な問題だと思って、その方向でやっていきたいと思っております。 外部監査は、全体の中で、公認会計士を外部監査として入れていくというふうな方向で考えております。
○若松分科員 これはぜひ財投改革とあわせて早急に整備をお願いしたいと思います。 それで、国の決算制度について、私どもは何度も取り上げましたけれども、貸借対照表の公開がことしの夏に行われるということで、かなりマスコミも関心を持って、いろいろな情報が飛び交っているわけですけれども、やはり貸借対照表をつくるには発生主義、そしてどこまで国の機関をいわゆる連結の範囲にするか、それも含めて、今貸借対照表の作成状況がどういう状況になっているのか、これを簡潔に言ってください。
○津田政府参考人 まず、現在の進捗状況でございますが、これは現行の会計制度のもとで存在する各種の計数を前提にしてやらざるを得ませんものですから、またそういった計数が各省庁にばらばらに存在しているということもありまして、今各省の協力を得ながら試作品の作成に取り組んでおりまして、問題点についても勉強しているという段階でございます。 時期的には、先ほど先生がお述べになりましたように、一応夏ごろまでというのをめどにして試作品をお出しできないかということで作業をしております。今まで取り組んでいなかった問題でありますものですから新しい問題が相当いろいろあるということや、膨大なものでありますので手間が非常にかかるということもありまして、かなり苦労をしているところでございます。
○若松分科員 お気持ちはわかりますけれども、少人数でやっていらっしゃるのもわかるんですが、そういった意味で予算化をしっかりしてくれと私なりにもちょっと応援はさせていただいたつもりです。 いずれにしても、発生主義と連結という発想をしっかり持って、これはほかの国でもかなりディスクロージャーされておりまして、それ自体が国のいわゆる信用力の評価基準にもなっておりますので、ぜひ早急にこの作業を進めていただきたい、それを強く要望して、時間がありませんので行政評価の方に移らせていただきたいと思います。またその問題はいずれにしてもほかの機会でしっかり、選挙後でもやらせていただきます。何かありますか。
○津田政府参考人 ちょっと一つお答えするのを忘れましたので、お答えいたします。 バランスシートの試作品の範囲についてでございますけれども、これは国を対象にいたしまして、国の一般会計と特別会計を合わせたものを今作業しておるところでございます。
○若松分科員 最初はそうでいいでしょうけれども、独立行政法人はまさに国の機関でもありますし、その連結も早急に進めて、作業をお願いしたいということを要望して、行政評価に移らせていただきます。 これは総務庁長官にお聞きしたいんですけれども、現在の行政評価制度の導入、ちょうどきょうですか、たしか中央省庁等改革推進本部の顧問会議にこの経過報告をなされましたことをお聞きしております。大事なのは、行政評価を早急にやっていただきたいということで前々からお願いしておりまして、あわせて法制化につきましても、去年私が長官にお聞きしたときに、法制化の時期はなるべく早い時期にということで、とにかく前倒しでやってこられる、そういうお約束もいただいておりますので、今、行政評価制度の進捗状況について大ざっぱに、かつ、その法制化を、私どもとしてはやはり年内にやっていただきたい。そうしないと、来年一月六日からの中央省庁新出発に際しての大きな行政評価の手法がない、担保がないということでそれを要求しているわけですけれども、あわせて大臣の答弁をお願いします。
○続国務大臣 若松議員の御質問にお答えします。 まず、行政評価制度の導入に向けた取り組みの進捗状況いかん、こういう御質問でございました。 昨年八月以来、政策評価に関する基本的な考え方と評価方法等につきまして、有識者七名をメンバーとする研究会を開催し、精力的に検討を進めていただいている中で、この二月に、研究会の議論を中間的に整理し、公表したところでございます。 これらの成果をも参考にしつつ、総務庁が政策評価に関する標準的ガイドラインの試案を、ただいまお述べになりましたように、本日、中央省庁等改革推進本部の顧問会議において御報告申し上げたところであります。 今後、各省庁との連携のもと、七月を目途にガイドラインの案を策定することとしております。このような準備作業を通じて、総務庁として、全政府的な政策評価システムが円滑にスタートできるよう、今後とも着実に努力していくつもりであります。 第二の質問は、行政評価の法制化についてその進捗状況いかん、こういう御質問でございました。 行政評価制度の法制化の検討に当たりましては、政策評価に関する基本的な考え方や評価方法等を検討することが必要であり、ただいま申し上げたように、昨年八月以来、有識者七名をメンバーとする政策評価の手法等に関する研究会を開催し、精力的に研究を進めているところであります。また、政府全体としての政策評価に関する標準的ガイドラインの策定に向け、総務庁が試案を取りまとめたところであり、この七月にはガイドライン案を策定し、国民の皆様に公表し、意見を求めていくことを考えております。 これらの検討作業を通じて、何回も若松委員から御質問がございました、早く法制化すべきだ、こういうことに対しまして、法制化すべき事項の検討を急ぎ、法制化の時期の前倒しに努力していきたい、このように考えております。
○若松分科員 今回、このガイドラインを見させていただきまして、いずれにしても、この行政評価の中身として、事業評価、施策実績評価、そして政策体系評価、こういう三点で整理されたというのは非常に評価されるわけですけれども、評価の観点ということで、必要性、効率性、有効性、公平性、優先性という言葉があります。ちょうどグリーン調達法、これがいよいよ委員長提出という形で来週にも、今までなかった行政にグリーン調達を義務づけるという法律ができまして、行政評価の中にも、例えば環境保全性とか環境重視性とか、そういった観点をやはり盛り込むべきではないかと思いますけれども、それについて長官のお考えはいかがですか。
○続国務大臣 行政評価の法案を急ぐべしという御質問ですか、済みません。
○若松分科員 要は、グリーン調達、いわゆる行政と環境の一体ということが今時代の流れになって、その一環としてグリーン調達法、いわゆる行政がまさに環境に優しい、環境に負荷を与えないものを購入しなくちゃいけない、これが今度法律ができます。来週あたりに環境委員会で委員長提出という形で採択されるでしょう。それがすぐ参議院に行くわけですけれども、そうしますと、まさに行政評価の中には、環境配慮ということで、先ほどの評価の観点、五つあるわけですけれども、この五つにさらにもう一つプラスするなりして、環境保全性とか環境重視性とかそういった言葉を明言すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○続国務大臣 大変失礼しました。そういう議員立法ができているということは承知しておりませんでしたものですから、大変申しわけございません。 今お述べになりましたような環境の問題というのは、大変重要なファクターだと存じます。したがいまして、これからそういう具体的な法案が整備され、そして現実のものになりました暁には、当然のことながら我々の評価の中に反映されなければならない、こんなふうに思います。
○若松分科員 ぜひそれはよろしくお願いいたします。 それで、きょう出されたガイドラインですけれども、政策評価という言葉ですけれども、私は、行政評価という大きなくくりの中に先ほどの三つの評価の観点があろうかと思うのですね。三つの目的というのですか、事業評価、施策実績評価、そして政策体系評価。ですから、行政の人は、政策評価、政策評価と言葉的にすごく狭くやろうとしているわけですけれども、ぜひこれは行政評価という形を法律の名称に使っていただきたいのですけれども、長官、お考えはいかがですか。
○続国務大臣 政府が中央省庁等改革の中で導入を進めております政策評価は、国家行政組織法、総務省設置法におきまして用いている用語でございまして、各府省が所掌する政策について、必要性、優先性、有効性などの観点から改廃等の評価を行うものでございます。 また、政府において、行政評価等の用語を、総務省設置法において、このような政策評価に加え、従来の行政監察の概念も含む用語として使用しているものであります。 このように、政府としては政策評価と行政評価等の用語は使い分けはしておりますが、全体として見れば、委員御指摘のように行政評価と意味合いはほとんど変わらない、こういうことでございます。
○若松分科員 これはまた引き続き議論いたしますけれども、いずれにしても、政策評価という言葉の定義があろうかと思います。たしか設置法の中に、第四条十六号に政策評価とありますけれども、いずれにしても、この趣旨をしっかり踏まえた立法化をお願いしたいと思っております。 そこで、夏に、七月に公表ということですので、それをもって恐らく法制化への具体的な作業が始まる、そういう理解でよろしいわけですね。
○続国務大臣 これは何回も御質問がございます。とにかく法制化を急ぐべし、こういうことでございますので、いわば七月を目途にガイドラインを、各省庁と協議をしながら一定の結論を得るわけでありますけれども、その結論を踏まえて、行政として確かに行政評価ができるような仕組みを考える必要がある、そして、そのもとで法制化を急ぐ、こういう段取りで今進めさせていただきたいと思います。
○若松分科員 これはまた引き続き催促していきます。 最後に、ちょっとこれは質問通知していないのですけれども、例えば、今回の警察の、特に上尾警察署、これは私のちょうど選挙区の地元なんです。それで、女子大生の殺害事件、大変痛ましい事件なんですけれども、そこで気づいたのは、いわゆる国民の困っている方が警察に行く、一応受け付けはするんですけれども、受け付けする方の自由裁量で調書をとる、調書をとらないという、いわゆる本来の手続をする、しないが非常に個人の判断に左右されて、結果的には任務懈怠、職務怠慢。こういった結果、適正な処分がされていなかった。隣の川越署で同じ事件に関してちゃんとやったわけで、ですからそこは抑止された。ところが、まさに被害者の管轄の上尾署が非常に受け付けが怠慢だった。 ですから、いわゆる内部牽制制度というのがあります。例えば金融機関ですと、入金する人は入金用のお金を勘定します。入金しましたら入金伝票を書くわけです。それをほかの部署にやって、ほかの部署がその入金金額を合計して、実際の入金の現金と帳簿の金額と一致して初めてチェックする。ですから、入金を受け取った人が例えばどこかに使い込んじゃうとか、そういうのができないように内部牽制制度というのが必要なんです。 私は、これからの行政評価にも、先ほどの警察なんかも、受け付けたら必ず記帳させる、そして、その受け付けた事実をきちんとやっているかどうかというのを、コピーをそのまま他の人にチェックさせて、それはちゃんと調書をつくっているかつくっていないか、そういう内部牽制制度、これも行政組織の中に、行政サービスの中にしっかりと盛り込まなくちゃいけないと思うんですね。 ぜひそうしていただきたいと思うんですけれども、長官のお考えはいかがでしょうか。
○続国務大臣 私も随分長い間行政経験を持っております。今御指摘のことは、まさにそういう仕組みを行政の中にしておかないと、先ほど御指摘のございましたように、上尾警察のような事例が生ずる懸念がございます。そういう意味では、やはりしっかりした、いわばそういう仕組みをつくるべきだと存じます。 そこで、今、警察自体が、従来の反省の上に立って、いろいろなやり方に対するやり直しといいますか見直しをしておられますので、そういう点につきましては新生警察として生まれ変わるものだと存じますし、私どもの行政監察もそういう視点からアドバイスをさせていただきたい、このように考えております。
○若松分科員 ぜひ長官、この内部牽制制度、いわゆる内部統制組織とか言われるわけですけれども、それは別に警察だけではなくてすべての行政、国民との接点があるところでは必ず国民のニーズをしっかり所定の手続に従ってやる、それをほかの人がチェックする、この内部牽制制度のシステムがしっかり入っているかどうかという観点からの行政評価もこれからしっかりやっていただくということを要望いたしまして、残りの時間、チェックオフについての質問に移らせていただきたいと思います。 労働省と内閣法制局、来られていますね。まず労働省にお伺いしますけれども、今回、与党の一部から、チェックオフ制度についての廃止のための法律改正の動きがありますけれども、このチェックオフは何が問題なのか、私は全くそういう法改正の動きが理解できないんですけれども、それについて労働省としてどういうお考えですか。
○澤田政府参考人 チェックオフにつきまして、今先生の御質問は、多分、労働組合費のチェックオフの問題に限定されていると思いますが、チェックオフ自身は、労働基準法二十四条第一項ただし書きの後段で、労使が協定を結べば、使用者は賃金の一部を協定の限度で控除して労働者に支払うことができるという制度でございます。 私どもは、賃金の全額払いの原則に対します一種の例外、これが設けられました趣旨につきましては、このように考えております。賃金の一部を控除する場合に、事業主と個々の労働者との契約にゆだねた場合はいわば弱者である労働者の権利を保護できないおそれがある、しかしながら、労働組合あるいは労働者代表という集団であれば使用者との間で労働者の権利の保護を図ることができると考えられる、こういう趣旨でこの例外規定ができている。これは、言いかえますと、労使自治を基本に置いているというふうに考えております。 チェックオフにつきましては、そうした制度でございますので、組合費だけではなくて、社宅の費用だとか購入代金の支払いだとか、あるいは社内預金の納付とかいうものが組合費と同じように同列で認められているというふうに考えております。 したがいまして、御指摘の、自民党におきまして議論されておるということは私どもも承知しておりますが、直接呼ばれて意見を聞かれている状況にございませんので、どういう観点からの御議論かは新聞紙上で仄聞するだけでございますので、ちょっとお答えはしかねると思います。
○若松分科員 これは内閣法制局なんでしょうかね。特に、ILO結社の自由委員会というところで、チェックオフの規制につきまして、チェックオフ便宜の撤回は回避すべきであるという結論を出されているようなんですね。ですから、労使間での協定で組合費のチェックオフを行うことは国際的にも承認されている慣行、あえて禁止しているのはフランスだけ、それ以外はほぼオーケーとなっておりますので、我が国がチェックオフをだめとするような法律改正というのは全く諸外国からもずれているし、チェックオフがいけないということの考え方が、さっき言ったように、自民党が考えているようなものは、まず憲法の観点から、または他の法律との整合性から何が問題なのかな。かえってチェックオフを禁止するという発想の方が私は憲法の精神から反しているのじゃないかなと思うんですけれども、内閣法制局の見解をいただけますか。
○阪田政府参考人 今、労働省の方からもお話があったかと思いますけれども、一部与党で組合費のチェックオフについて制限を設けるような労働基準法の改正を検討されているということは仄聞しておりますけれども、いかんせんその詳細を承知しておりませんし、また、内閣で御提案申し上げるときには、憲法はもとよりでありますが、他の法律との整合性等を十分に検討して、我々、審査をして立法合理性を判断するわけでございますけれども、議員立法ということになりますと、多分同じような作業が議院法制局で行われるのかというふうに思っておりますので、私どもの立場としては意見を申し上げることは差し控えたいと思います。
○若松分科員 私は、続長官と同じように公明党に所属しております。まさに公明党は与党に入っても反権力の精神は私は永遠に続けるべきだと思っておりますし、このチェックオフに関しては全く許せない。私も、一部の与党の党が強行採決されるのだったら我が党は反対せざるを得ない、こういうことをやはりはっきり申さざるを得ないし、私は主査代理の御法川先生も恐らく同意されるのではないかなと期待しておりまして、そのことを強く主張して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○御法川主査代理 これにて若松謙維君の質疑は終了いたしました。 次に、栗原博久君の質疑に入ります。
○栗原(博)分科員 きょうは、大臣もおられますので、恩給の件についてお聞きしたいと思います。また、在日外国人の弔慰金の問題、そしてまた平和祈念事業、慰藉事業について、また遺骨収集についてお聞きしたいと思います。 恩給制度は、身命をなげうって国家のために尽くした方、そういう方に対して、その労苦にこたえてある一定限度、そういうふうに公務に携わった方、戦地で傷病に遭われた方、あるいはまた戦争で亡くなられた方、そういう方に国家が国家補償としてそれを支払うというのが恩給制度であるというふうに私は理解しているわけです。 明治八年の四月にこの恩給制度が、佐賀の乱、そしてまた台湾出兵などを契機に、陸軍の軍人を対象として出発したというふうに理解をいたしております。大正十二年には現行の恩給法が制定されておりますし、また、敗戦の後、昭和二十一年には、連合国司令官の指示によって、傷病の重症の方を除く方の恩給は廃止という措置がとられました。二十八年にこれが復活して、四十一年には最低保障制度などが創設されまして、今日に至っているというふうに考えているわけであります。 今、恩給の対象者は約百五十一万人、そのうち九七%が旧軍人関係の方であると承っておりまして、本年度の予算を見ますと、恩給関係には一兆三千三百六十億円の恩給が支給されております。 きょうお聞きしたいことは、今日こうして恩給を受けている方々、あるいはまた、従軍年数が足りなくて恩給を受けていない方々、シベリアに抑留の方々とか、戦地に住んでいらっしゃって引き揚げた方々、こういう方にもやはり恩給が支給されてもしかるべきだ。しかし、財政的な問題もありましょうし、制度的な問題もあるということで、支給に至っていない方もおられるわけなんであります。 そういう点を加味しながら私が質問することは、恩給の国家予算に占めます比率ですね、大まかでよろしゅうございますが、過去から今日まで大体どのような中でこの恩給制度があるかということについて、お聞きしたいと思います。
○持永政務次官 戦後、軍人恩給が今お話しのとおり二十八年に復活をしたわけでありますけれども、一般会計歳出予算に占める割合というところを見てみますと、二十八年度五・九%であります。ピークが昭和三十一年度、これが八・七%というピークでありますが、以降漸減をいたしております。これは御案内のとおり、恩給受給者は大変高齢の方が多いわけでありますから、そういう意味で失権者が多いということで漸減をいたしております。 平成十二年度を見てみますと、一般会計歳出予算額に対して、今恩給費は委員がおっしゃったとおり一兆三千三百六十億で、一・六%というような状況でございます。
○栗原(博)分科員 そういうふうにいろいろ今日まで制度改正で改善措置をされて、恩給をもらっている方々に対する改善策はとられておりますが、あわせて、やはり御高齢になりまして、お年を召されて亡くなっていくという方々がふえておるわけなんで、当然、恩給の国家予算に占めます率は下がっていくと思うのでございます。 そういう中におきまして、恩給受給の各団体の方々から、今日に至りましてもまだまだ恩給改善の要望があるわけでございます。特に、日本遺族会の方々、日本傷痍軍人会あるいは妻の会の方々、あるいはまた軍人恩給連盟の方々などがありまして、今回の改正では、遺族加算を寡婦加算と同じようにするとか、あるいはまた、戦傷病者につきましては傷病者遺族特別年金の改善を行っている、あるいは、最低保障の適用を受ける低額の普通恩給及び普通扶助料の基本的な改善を図るということで、特に短期在職者の仮定俸給の是正を行うなどを行っております。 まだまだ将来的には、軍人恩給につきましては、普通恩給それから普通扶助料の算出率の特例措置の改善を図っていただきたいとか、旧軍人一時恩給を受けた者に対しまして、一時恩給控除を撤廃して普通恩給及び普通扶助料の改善を図っていただきたい、あるいはまた、加算率等についても見直しをして普通恩給あるいは普通扶助料の改善を図っていただきたい、こういう将来に残された課題もまだまだあるわけでございます。 そういう中におきまして、この恩給団体のいろいろの要望事項は、もう本当に皆さん耳の痛いほどおわかりだと思うのですが、この要望事項をどのようにお受けしているかということについて、お聞きしたいと思います。
○持永政務次官 恩給の平成十二年度のベアは、委員も御承知のとおり、〇・二五%ベアを行ったところであります。これは、総合勘案方式という中で、公務員の給与が極めて厳しい折、そしてまた、普通の年金なんかも据え置きというような形になっておりますけれども、恩給については、今おっしゃいましたようにこれはあくまで国家補償だというような観点もありまして、そういうベアを実施させていただいておったところであります。 それで、各団体からそれぞれ御要望がありました。日本遺族会、傷痍軍人会、軍恩連盟、そういう恩給関係の主な団体からの御要望について、今回の恩給制度の改善で主要なことを申し上げますと、日本遺族会の御要望の中では、遺族加算の引き上げ、これは非常に大きな御要望でございましたので、二千五百円アップいたしております。日本傷痍軍人会の方の遺族加算の引き上げ、これは二千円アップをいたしておりますし、それから傷遺特の基本年金額の増額ということで、ベアを二千円アップいたしております。軍恩連盟、軍人恩給関係の方々につきましては、御指摘もありましたが、短期仮定俸給の引き上げ、一号俸アップをやっております。 また、寡婦加算については据え置きという形になっておりますが、六年未満普通扶助料の最低保障額の増額ということで、できるだけ低額の恩給を引き上げるというような形でベア・プラス千円のアップをいたしております。 私ども政府としては、恩給受給者がこれから高齢化される、特に遺族の方々も高齢化が進む中で、やはりそういう方々に対する国家補償という立場から、できるだけこういった人たちの御要望にこたえながら改善をしていく。特に低額の恩給について、なるべくそういったものを中心に、また、私の気持ちとしては、やはりこういった国家補償というのは、亡くなった方々、傷痍軍人の方々、そして生きている方々、そういうような立場を十分考えながらやっていかなければいかぬと思っておりますので、今後とも、また改善に努力をさせてまいりたいと思っておりますから、どうかひとつ、また各委員の御協力、御支援を心からお願い申し上げたいと思います。
○栗原(博)分科員 政務次官からも低額の方々の加算とかというお話がございました。後ほどまた私も、恩給欠格の方々も取り上げさせていただきますが、こうして今、国家予算に占めます率がピークの八・七から今日ずっと下がっておるわけであります。 恩給というものは、戦争に従軍した方々に対する国家補償もさることながら、戦争をやったら国家は甚大な被害をこうむるし、また未来永劫にわたってその補償をせねばならぬという、そういうものを国民に示すためにも、私は恩給というものは一つの意義のあるものだと思っているんですよ。だから、絶対に戦争をしてはならない、戦争を行ったらいつまでもこのような国家補償が続くんだということの一つの示しを示すために、私はこれは大変大切なものだと思っておるわけであります。 そういう中で、最近、議員立法でございますが、四月十八日に三党で合意いたしております、在日韓国人の旧軍人等に対します弔慰金のことについて、ちょっとお聞きしたいと思うのでございます。 昭和六十二年に台湾特定弔慰金制度というものがございまして、台湾住民であって戦没者の遺族に対して弔慰金を支払うという法律が施行されました。当時、台湾出身の日本の旧軍人あるいは軍属は約二十一万人でありまして、そのうち約三万人の方々がその対象となって、戦没者あるいはまた重度の戦傷病者に対しましては、お一人二百万の国債などが支払われたという事例がございます。これは、日本赤十字社が代理受領しまして、台湾の方の赤十字の方を通じて払ったわけであります。 これと同じように、今度は、さきの大戦におきまして、約二十四万人を超える朝鮮半島の出身者が日本の旧軍人軍属として軍務に服して、多くの方々が戦死されたり、あるいはまた戦傷病を負っているということです。しかしながら、これらの者につきましては、かつて戦後、サンフランシスコ平和条約の発効に伴いまして、要するにサンフランシスコ条約にちゃんとそれは明記してあるわけですが、日本の国籍を離脱したために、恩給法とかあるいはまた戦傷病者戦没者遺族等援護法等が適用になっていない、日本の国内法の適用外なわけであります。 そういう中で、国籍の関係でそうなったと思うんですが、この議員立法を私ども計画しておりますが、これに対しまして担当所管官庁としてどのようなお取り組みをお考えになっているかについて、これは回答できない範囲もあると思いますが、前の台湾の特定弔慰金のこともございますから、それを見習って、御回答できる範囲でひとつ御回答いただけますか。
○高田政府参考人 本件につきましては、今先生御指摘のとおり、現在の恩給法あるいは援護法等の範囲を超える問題であります。また、韓国の方々にかかわる財産請求権の問題につきましては、昭和四十年の日韓請求権・経済協力協定によりまして、在日韓国人の方々にかかわるものを含めて、日韓両国間では法的には完全かつ最終的に解決済みであります。 しかし、これらの方々の置かれた状況にかんがみ、野中前官房長官の御指示を契機といたしまして、内閣の外政審議室におきまして、関係省庁の協力も得て、戦後処理の枠組みとの関係ですとか、あるいはこの問題に対処するに当たっての種々の問題点につき調査検討を行ってきたところでございます。 本件、係属中の訴訟を含めて種々経緯のある難しい問題であると認識をしております。今まさに先生御発言ありましたように、議員立法を前提として、人道的観点からの検討が与党内でまさに鋭意進められていると承知をしておりまして、政府といたしましては、目下その検討状況を見守っておるところでございます。
○栗原(博)分科員 サンフランシスコ条約の発効、並びに日本とこれらの関係国との間に昭和四十年にきっちりとこの補償問題は片がついておりますが、しかし、今日に至ってそれがまたもう一度ぶり返してまいっておるわけであります。 私は、実は、質問を申し上げたことは、別に在日韓国人あるいは中国人に対するものに反対であるというようなことではないんですよ。申し上げるのは、一たん国際間において取り決めが終わっている、それをもう一度ぶり返す。そうしますと、国内に恩給支給年限に達しない多くの方々、戦地で激烈な戦いをいたしまして、戦友の多くの方々を眼前に亡くしながら、そして悲惨な戦いを戦い抜いてまいりまして、また、引き揚げてきて人生ががらっと変わった方々がおられる。約二百五十三万人の恩欠の方々がおられるわけであります。 あるいはまた、たしか昭和二十年の九月ごろですか、旧ソ連、モンゴルに、本人の意思を無視されまして、もう戦争は終わっているのにもかかわらず、軍などの権力者に有無を言わさず連れていかれた。それによって過酷な労働を強いられながら、引き揚げてまいりましてからも、私どもの先輩も多くの方々がおられますが、亡くなった方もたくさんおられます、私のお世話になった方々が。本当に、体にあるいは内蔵に疾患を伴って亡くなっている方々がおられました。帰還者が四十七万三千人。現地で無念の死を遂げた方々が五万五千人おられる。あるいは、そのほか引揚者の方々が約二百六万人。 こういう方々に対して、本来、恩給措置をやはりされるべきだ。引き揚げた方が民間であったときには恩給対象とならない。軍人とかあるいはまた国家機関に勤めた方は、恩給としてちゃんと引き揚げてきてからも加算されているけれども、民間であったゆえに、それも国家の意思に基づいて外国に赴任したわけですが、そういう方に何ら、恩給支給年限が達していないということで支給されていないわけですね。 私は、台湾の方々あるいはまた在日の方々、特に台湾の場合もその軍歴票なんか恐らくないと思いますから、あっても——今恩欠の方々とかそういう方が、恩給制度の方へいろいろ申請しましても、軍歴の関係で証明するものがないということで却下になる例もたくさんあるわけですね。しかし、こういう台湾の方々については、割合と、私はゆったりした審査であると思うんですよ。 ただ、私は、やはり日本の国民に対して、ずっと今まで運動を展開してまいりましてもうそろそろ八十歳、九十歳になる方々、今でも、ほんのわずかの差で恩給がもらえなかった、私どもは金だけじゃないんだ、国家に身を挺して、戦友の死を眼前にしながら戦ってきた、これに対して書状とか何か銀杯だけでは済ませられないと言う。 だから、こうしてピークで八・七%、今は一・六%ですか、国家予算に恩給の占める割合。こういうとき、こういう制度をもうやるんだ。在日韓国、在日の方々についてやる、それはいいことだ。あわせて、こういう恩欠の方々を初めとする方々にもっと真剣に、やはり同じようなまなざしでこの問題の解決を行うことがまさしく法治国家であり、また、今後とも国民に未来永劫にわたって平和を誓う国家であると私は思うのであります。 そういうことで、長官おられますから、ぜひひとつこのことについての御所見を、個人的な見解で結構でございます、それは別に御発言されましたからそれを私が云々とは申しませんが、御答弁賜れればと思うのでございます。
○続国務大臣 ただいま栗原委員が、関係者の御苦労に思いをはせながらるるお述べになりました心情、よく理解できます。しかるがゆえに、前官房長官のこの問題についてぜひ解決をすべしとの配慮のもとに、三党、与党の関係者がいろいろ御議論をしていただいて、一定の結論が出されるということを伺っております。 政府といたしましては、そういう御議論の結果、議員立法として提出され、それが可決されることを見守って、適切な対処をしたい、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
○栗原(博)分科員 長官、今の御答弁、それはもう野中前官房長官の御発言の中でわかるんです。今長官、ごもっともなんです。私も同感でございます。 もう一つ、私が突っ込んで申し上げたいことは、こういう恩給欠格の方々、シベリア抑留の方々、こういう方に、在日の方々にそのような手当てをするんであるならば、その思いをずっと戦後訴えてまいりました恩給欠格者の方々に対しても、やはりそろそろ手当てをすべきじゃないかということで、私は、今、長官の個人的な所見でいいからひとつお聞かせ願いたいということでございましたが、もう一度、ひとつその点を踏まえて御答弁いただければと思います。
○続国務大臣 今、恩給受給者に対する配慮の点を御質問されたと存じますけれども、先ほど総括政務次官がお答え申し上げましたように、それぞれの関係者の御要望が予算の時期に参ります。私は、それらを真剣に受けとめながら、大蔵に対して折衝申し上げて、そして一定の前進を図っていくところでございますし、これからもぜひ、そういう運動していただいている人たちの力もかりながら、改善に努めていきたいと存じます。御理解を賜りたいと思います。 〔御法川主査代理退席、古賀(正)主査代理着席〕
○栗原(博)分科員 長官、ありがとうございました。その御決意で、今後の取り組みについてひとつ御配慮ください。 次に、恩給欠格者などを含めての平和祈念慰藉事業を行っているわけですが、今基金が四百億程度たまっている。銀杯とかいろいろお配りになっております。しかしながら、現在、四百億円の基金が積まれてある。今年度は、十五億円の補助金と四百億円の基金の運用益十億円で、十億プラス十五億、合計二十五億円でこの慰謝事業等をやっているというふうに伺っておるのです。 恩給欠格の方々が言うには、同じような慰謝事業のようなものは、別の方で、今九段会館の前に戦没者の祈念館もできておりますが、なるべく私が元気なうちに、こういう四百億を取り崩してもいいから分けてほしいという素朴な願いなんですね、これは。そういう要望もあります。 これは別問題といたしまして、この慰謝事業が今どの程度進捗しておるかということ、それから、あと積み残しはどの程度あるかということについて、お聞きしたいと思います。
○丸岡政府参考人 先生お尋ねの事業が行っております贈呈事業の進捗状況ということでございます。 先生おっしゃいましたように、恩給欠格者二百五十三万人、これはトータルでございますが、平成元年調査ということでございます。そのうち、当方が行っておりますのは、それぞれ年数が足りないということですが、外地勤務があって、加算年を含む在職年三年以上の者、これは平成元年の調査で、大体百八万人おられる。それから、外地等の勤務経験があって、加算年を含む在職年三年未満のうち実在職が一年以上の者、同じく平成元年調査でございますが、これが大体七万人。それからもう一つ、内地勤務経験のみで、加算年を含む在職年が三年以上の者、これが二十万人。同じくすべて平成元年調査でございますが、そのような方々がおられるということでございます。 このほかに、来年度から、内地勤務のみで、実在職一年以上の者、それから、今申しました贈呈事業の対象の該当者でございますが、それが死亡したりして出なかった御遺族にも書状を贈呈するというような事業をしております。 現在、どのぐらいの進捗状況かということでございますが、恩給欠格者の方々につきまして、平成十二年の三月末現在で、四十二万九千件の方々が請求なされまして、このうち、書状が約三十九万四千件、それから銀杯が三十八万四千件、慰労の品、これは外地の加算年を含む在職年三年以上の者でございますが、これについては三十四万七千件の贈呈を行ったということでございます。 それから、戦後強制抑留者ということでございます。 これも、先生がおっしゃいましたように、抑留された者というのが大体六十万人というふうに言われておりますが、本邦に帰還した者というのは、これは厚生省調査で四十七万三千人、それから現地でお亡くなりになった方というのも、同じく厚生省の調査で五万五千人ということでございます。 戦後強制抑留者につきましては、恩給を受給していない者につきましては、書状、銀杯、それから慰労金十万円、それから恩給を受給している者につきましては、書状、銀杯を贈呈するということでございます。 これにつきましては、これは同じく十二年の三月末現在、恩給を受給してない者十八万七千件、それから恩給を受給している者は十二万八千件の請求があったということでございます。これに対しまして、認定されたのが、恩給を受給していない者が十八万件、それから恩給を受給している者が十二万五千件ということでございます。 それから、現地死亡した者につきましては書状、銀杯を贈呈しているわけでございますが、これは同じく十二年三月末現在で一万六千件の方々が請求されて、そのうち一万五千件の方に贈呈をしたというところでございます。 それから最後に、引揚者についてでございますが、これにつきましては、これは平成三年からでございますが、内閣総理大臣名の書状を贈呈しておるということでございます。これまでに、請求件数が六万一千件、認定されたのが五万八千件ということでございます。 なお、戦後強制抑留者の方についての措置につきましては、請求期限が五年三月三十一日で終わっておるというようなことでございます。 以上でございます。
○栗原(博)分科員 対象の方々がお年を召されて、また亡くなっている方も多いと思いますから、まだ残っている分は、ひとつ早目にやってください。 次に、遺骨収集についてひとつお聞きしたいと思います。 今、戦争が終わって半世紀を超えまして、戦没者のみたまも、遺骨も徐々に土に返りつつあると思いまして、一刻も早期にお返しせねばならないと私は思うのですよ。 特に、玉砕されました南方の硫黄島などではまだその収集も余り進んでいないと聞いておりますし、また、東西冷戦の終結によって、ロシアあるいはまたモンゴルなどにおきます遺骨収集も、約五万五千から六万人の方々のうち、一万人もまだ収集されていない。この極寒の寒いところにおられますみたまを一日も早く日本にお招きすることについて、ひとつ御精励を賜りたいと思っておるのです。 昭和二十七年から、政府主催の遺骨収集、あるいはまた昭和四十八年からは、国が三分の二を出しまして、戦友団体とかあるいはまた青年団体などに大任をお願いしてきているというふうに伺っております。平成四年からは、これらの三分の二の補助では大変だということで、それを考えながら、遺骨収集応急派遣事業というものもあるらしいですが、それによって、ある程度、収集する方に対する派遣の助成金をもっと高めているというふうに伺っていまして、今後、これらの遺骨、英霊のみたまに対して、国はどのような形で日本にお持ち帰りされるかということについて、その決意をひとつお聞きしたいと思います。
○炭谷政府参考人 今先生がおっしゃられましたように、遺骨収集につきましては、昭和二十七年度からスタートいたしております。特に、平成三年度、本格化いたしましたのは平成四年度でございますけれども、旧ソ連地域における抑留者の死亡者の方々についての新たな遺骨の収集を開始したところでございます。 これまで、政府としては、遺族会や戦友団体または抑留者団体の御協力も得ながら、四十八年間にわたり約三百回の遺骨収集団を派遣して、約三十万柱を日本へお迎えしているわけでございます。これと、陸海軍の部隊や一般の邦人の方々が引き揚げのときに持ち帰られたものを含めますと、海外戦没者、亡くなられた方が約二百四十万人いらっしゃるわけでございますが、約百二十三万人、いわば半分でございますけれども、日本に送還したところでございます。 これからの予定でございますけれども、私どもといたしましては、南方の地域につきましては、硫黄島などの自然条件等の困難な地域を除きまして、遺骨収集がおおむね終了いたしております。残存遺骨についての情報があれば、その情報を確認の上、速やかに収集を行い、日本にお迎えしたいと思っております。 一方、旧ソ連地域につきましては、平成十年度から五年間で遺骨収集をおおむね終えようという形で、計画的に実施いたしております。ちなみに、平成十一年度までは、約九千五百柱の遺骨を収集したわけでございます。 なお、モンゴルにつきましては、昨年度でおおむね終了いたしまして、千五百一柱の遺骨をお迎えいたしております。 先生御指摘されましたように、関係遺族の方、高齢化しております。今後とも、一柱でも多く御遺骨を早期に収集して日本にお迎えしたいという形で努力をさせていただきたいと思います。
○栗原(博)分科員 どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
○古賀(正)主査代理 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総務庁についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○古賀(正)主査代理 これより大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。大野大蔵政務次官。
○大野(功)政務次官 まず、宮澤大蔵大臣がスケジュールの関係で出席できませんことをおわび申し上げます。かわりまして、私の方から、平成八年度、平成九年度の決算の概要説明をさせていただきます。 まず、平成八年度でございますが、大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入決算についてでございますが、収納済み歳入額は七十九兆三千五百九億一千三百五万円余となっております。 このうち、租税及び印紙収入は五十兆四千六百八十三億八千六百五十九万円余でございます。 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は十八兆四千三百九十九億九千五百四十五万円余でございまして、支出済み歳出額は十八兆四千百億六千四十六万円余、翌年度繰越額は百十九億六百二十八万円余でございます。差し引き、不用額は百八十億二千八百七十万円余となっております。 歳出決算のうち、国債費は十六兆八百三十八億五千九十九万円余を支出いたしました。 次に、各特別会計の歳入歳出決算の概要を申し上げます。 造幣局特別会計におきまして、収納済み歳入額は三百十六億五千四百四十二万円余、支出済み歳出額は三百十六億九千四百六十五万円余でありまして、損益計算上の利益は一千二百二十万円余でございます。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出決算につきましては、決算書等によって御了承願いたいと存じます。 最後に、各政府関係機関の収入支出決算の概要を申し上げます。 まず、国民金融公庫におきまして、収入済み額は四千百三十六億二千四百四十万円余、支出済み額は四千三百十億二千百七十一万円余でありまして、損益計算上の損益はございません。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出決算につきましては、決算書によって御了承いただきたいと存じます。 以上が平成八年度における大蔵省関係の決算の概要でございます。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 次に、平成九年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入決算について申し上げます。 収納済み歳入額は七十八兆三十億二百五十八万円余となっております。 このうち、租税及び印紙収入は五十二兆六千百五十三億三千八百八十二万円余、決算調整資金受け入れは一兆六千百七十四億一千三百二十四万円余となっております。 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は十八兆七百五十億二千四十八万円余でありまして、支出済み歳出額は十七兆五千八百二十六億七千七百八十九万円余、翌年度繰越額は八十七億五千五十七万円余でありまして、差し引き、不用額は四千八百三十五億九千二百一万円余となっております。 歳出決算のうち、国債費は十五兆九千二百五十八億一千四百六十五万円余を支出いたしました。 次に、各特別会計の歳入歳出決算の概要を申し上げます。 造幣局特別会計におきまして、収納済み歳入額は三百三十六億一千五百五十八万円余、支出済み歳出額は三百三十三億九千三百二十七万円余でありまして、損益計算上の利益は五百三十六万円余であります。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出決算につきましては、決算書等によって御了承願いたいと存じます。 最後に、各政府関係機関の収入支出決算の概要を申し上げます。 国民金融公庫におきまして、収入済み額は三千九百億百五十二万円余、支出済み額は三千七百八十三億八百二十三万円余でありまして、損益計算上の損益はありません。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出決算につきましては、決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が平成九年度におきます大蔵省関係の決算の概要であります。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○古賀(正)主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院増田第一局長。
○増田会計検査院当局者 平成八年度大蔵省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項四件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、不当事項について御説明いたします。 検査報告番号五号は、租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもので、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、課税資料の収集・活用が的確でなかったり、法令等の適用の検討が十分でなかったり、これを見過ごしたりして、誤ったままにしていたことなどにより生じていたものであります。 検査報告番号六号及び七号の二件は、法人税等の過誤納金の還付に当たり、還付加算金を過大に支払っていたもので、法令の適用を誤り還付加算金の対象となる期間の日数を誤ったことによるものであります。 検査報告番号八号は、職員の不正行為による損害が生じたもので、不正行為者が国税資金支払委託官の代行機関の補助者として、国税の還付事務に従事中、架空の納税者名義の還付金関係書類を作成し、知人に受領させるなどして還付金を領得したものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、輸入パルプの運送経費の積算に関するものであります。 日本銀行券用紙等を製造するための原材料である輸入パルプの購入契約を行っている印刷局において、小田原工場における輸入パルプの蔵入れ作業の実態を十分に把握しないまま、運送経費の蔵入れ料の積算を行っていたため、蔵入れ料が小田原工場で契約した蔵入れ作業の請負契約と重複して積算されていました。そこで、印刷局において、小田原工場に係る輸入パルプの運送経費の積算を、作業の実態に適合するよう改める要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、印刷局では、九年六月以降に締結する購入契約から、小田原工場に係る輸入パルプの運送経費の積算において蔵入れ料を含めないこととし、積算を作業の実態に適合したものに改める処置を講じたものであります。 次に、平成九年度大蔵省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、不当事項について御説明いたします。 これは租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもので、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、課税資料の収集・活用が的確でなかったり、法令等の適用の検討が十分でなかったり、これを見過ごしたりして、誤ったままにしていたことなどにより生じていたものであります。 次に、本院の指摘に基づき、当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、工場等での業務の請負契約における社会保険料等の事業主負担額の積算に関するものであります。 工場等での請負作業に従事する作業員の中には、各保険の加入要件に該当しないなどの高年齢者や短時間就労者が多数従事しているにもかかわらず、印刷局において、雇用の実態を十分に把握することなく、これらの者を加入要件に該当するものなどとして社会保険料等の事業主負担額の積算を行っていました。そこで、当局の見解をただしましたところ、印刷局では、十年十月に、本局及び工場等に対して指示文書を発し、請負作業に従事する作業員の各保険への加入状況等を把握し、雇用の実態を社会保険料等の事業主負担額の積算に反映させることとする処置を講じたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。
○古賀(正)主査代理 次に、諸田第五局長。
○諸田会計検査院当局者 平成八年度国民金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度国民金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成八年度日本開発銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度日本開発銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成八年度日本輸出入銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成九年度日本輸出入銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 以上でございます。
○古賀(正)主査代理 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。大野大蔵政務次官。
○大野(功)政務次官 平成八年度及び平成九年度に関し、ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして大蔵省のとった措置等について御説明申し上げます。 会計検査院の検査の結果、不当事項として、税務署における租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったこと等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。これらにつきましては、すべて徴収決定等適切な措置を講じましたが、今後一層事務の合理化と改善に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。ありがとうございます。
○古賀(正)主査代理 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀(正)主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○古賀(正)主査代理 以上をもちまして大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行についての説明は終わりました。 —————————————
○古賀(正)主査代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗原博久君。
○栗原(博)分科員 自民党の栗原でございます。 きょうは、信用組合の問題についてひとつお聞きしたいと思います。 今、大蔵委員会でも預金保険法等の改正などについての審議がされておったわけでありますが、要するに、セーフティーネットでもって金融機関を守るということだと思っています。 信用組合は、私が申すまでもなく、組合員の相互扶助を目的といたしておりまして、中小企業やあるいは勤労者の方々のための組合である、非営利法人であるわけでありますが、その組合は、地域組合、あるいはまた業域組合、あるいはまた職域組合などによって三つに大別されながら、十年前はたしか四百十二の信用組合がございまして、それが現在、平成十一年度では二百九十一の組合である。こうして、近年、特にこの信用組合の数が減っておるようでございます。 総預金高は二十兆円でございます。農協の総預金が約七十兆近いわけでありまして、また、貸出金が十五兆有余、預貸率も農協に比べたら大変高いと思うのであります。この信用組合に対しまして、従来、その監督官庁は都道府県知事であった。今度の法改正によりまして、この信用組合の監督検査権が金融監督庁に来るということであるわけであります。その中で、今、その地場の、地元の企業のためには、お互い助け合いながら、相互扶助ということで、やはり地域の金融機関として私は大きな貢献をしてきたと思うのでございます。 しかしながら、バブルのはじけたあのころ、土地の神話が崩れて、土地担保オンリーの中での貸し出しをやはり一部の信用組合がやっていた。二信組あるいはまたコスモ信用組合などの破綻はそこにも原因があったと思うのでありますが、この間、平成四年には三百九十三組合があったのが、先ほど申したとおり、今、二百九十一の組合に減っておりまして、その約二〇%が破綻をしてしまった。特に二信組関係なんというのは大変世の批判を受けましたし、また、それに対しましてもやはり預金保険機構のてこ入れも大変だったと思うんですね。今まで見ますと、七十八信組が破綻して、今、五十四の信用組合が処理済みでありますが、約三兆三千億円の金がこの破綻のために使われた。ですから、預金保険機構の掛金も、八倍ぐらいの大変高額な掛金を伴っていると思うのであります。 その中で一つお聞きしたいことは、近年特に多くなっております信用組合の破綻について、どのような見地から金融監督庁が見ていらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。
○村井政務次官 ただいま栗原先生御指摘のように、信用組合は、地域の協同金融組織といたしまして大変重要な役割を果たしているわけでございますが、御指摘のように、確かにいろいろな破綻事例が出てきている。その破綻に至る原因等々は、これはそれぞれさまざまでございますけれども、一つ本質的な問題としては、いわゆる利用分量に応ずる配当というような形で、余り自己資本の蓄積ができなかったというような問題も制度的にはあるんだろうと思っております。 それはそれといたしまして、私どもといたしましては、そういう協同組織金融機関であっても、本質的にはやはり金融機関として機能を十分果たせるだけの体力をつけてもらわなきゃいかぬ。そういう意味で、もちろん大手行並みの自己資本比率を実現しろとかいうようなことを言うつもりは全くございませんけれども、やはりその地域地域できちんとした役割を果たせるだけの体力を持てるように、これからきちんとした検査などをやりまして、これを確認していかなきゃいけないと思っております。 これまでも都道府県を通じましてそういう方針を示して、私どもが四月一日から移管を受ける前にそういう体制にできるだけ持っていってほしい、こういうようなことはお願いしてまいりましたけれども、これはどの程度までできておりますか。これは三月の末に締めまして、この決算が大体六月くらいに出てまいりましょうか、その段階から検査に入りまして確認をしてまいりたいということでございまして、その過程で適切な監督もやってまいりたいというふうに思っております。
○栗原(博)分科員 私は、やはり信用組合は地域に密着した貸出金融機関でございますから、自己資本比率とかいろいろ難しいことを言って、本当にその信用組合の本来の姿を超えて都市銀行と同じような形でやられますと、私は、やはり信用組合の本来の業務が不可能だと思うんですよ。しかし、さりとて破綻してはならぬわけでありますから、その点のやはり接点をどこに置くかだというふうに思っておるんです。 実は、きのうの新聞に、韓国系信用組合が新銀行として出発する、全国で二十九の組合が統合して、これは統合しますと地銀の中位並みの資金量を持つということで、それは大変結構なことだと思うんですね。これは今度は金融監督庁が各信用組合を監督しますから、どうせ金融監督庁が監督するんだったらいっそもう銀行にしてしまおうじゃないか、そういうメリットも考えながらやったと思うんです。問題は、今、国内の信用組合、特に北朝鮮系の信用組合、あるいはまた韓国系の信用組合、見るとなかなか破綻が頻繁に目にとまるんですね。新潟県においても新潟市の朝銀が破綻をしております。 特にまた、平成七年から、岐阜の信用組合、破綻をして二十五億円の金銭贈与がされている。あるいはまた、平成十一年には静岡が百六十二億の金銭贈与とRCCで二十二億円だと。平成十一年の二月には山口が二百三億円の金銭贈与、RCCが百十二億。平成十一年二月、島根が九億円でRCCが二億円だ。こういうことで、まだまだどんどん続いておるわけなんですね。 こういうことで、実は、また不明朗な会計処理もされているようなことが一部の報道機関からも言われておるのでありますが、当然、それに対しては預金保険機構のお金も使うし、あるいは国によっては自治体のお金もやはり出ざるを得ないところもあったと思うんでありますが、この朝鮮系の二信用組合の破綻についてどのようにとらえているかということについてお聞きしたいんです。
○村井政務次官 個別の金融機関の問題につきましては、まことに申しわけございませんが、私ども、事態が完全に解明されるまではコメントを差し控えさせていただきたいと思っております。 一般的に申し上げますと、御案内のとおりでございますが、いわゆる朝銀と呼ばれる朝銀信組でございますね、これは全国で十三ほどが破綻をいたしまして、これが四つに再編されるということになっておるわけでございます。いずれにいたしましても、来年三月の末までに、私どもとしましても、この実態をよく把握するということをしなければいけないと思っております。 それから、先ほど御指摘のございました韓国系の信用組合でございますが、現在二十九組合ございますのを一本化しようという話が出てまいっておりまして、つい最近発表されたばかりの話でございます。経営基盤の強化でございますとか、あるいは在日韓国人社会全体に金融サービス等、資金供給能力の拡充を図るというような目標を立てて新銀行の設立を図ろうとしていらっしゃるようでございますので、これは韓信協というところでいろいろな御協議があるようでございますが、私どもといたしましては、これら作業の進捗状況を見守ってまいりたいと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、これらがどういう経営形態をとるか存じませんが、もし信用組合という形態であるならば、それなりに私ども、きちんとした方策、手段によりましてチェックも入れてまいりたいと思っております。 念のために申し上げておきますけれども、信用組合が地域密着型で、それでそれなりに地域の中小企業に対しまして大変大きな貢献をしていることは事実でございまして、私どもはそれを大事にしなきゃいけないのでございますが、あくまで金融機関としては、先ほどの栗原先生の御指摘のように、体力がしっかりしていなきゃならない、倒れちゃいけないわけでございますから、そういう意味で、その金融機関の体力という点に着目して、これはしっかり見ていかなきゃいけない。しかし、貸し出す先が中小企業、零細企業でございますから、そこを余り機械的に見るようなことはしない。例えば、企業を経営している経営者の個人資産がどのくらいあるかとか、そういうところまで丁寧に見ながらチェックをしてまいりたい、そういうふうに思っております。
○栗原(博)分科員 やはり破綻に至るにはいろいろな原因があり、また、経営者の放漫経営とか、あるいはまた刑事事件に相当する行為をしていることもあると思います。国内信用組合の破綻については、やはり厳しい行政処分あるいはまた刑事処分というものも必要だと思いますので、私は、国内法にのっとりまして、たとえ朝鮮系信用組合であっても、国内のほかの信用組合と同じような厳しい監督といいましょうか、そしてまた厳しい処置をぜひひとつ求めていきたいと思います。 次に、信用組合の合併でございますが、今政務次官仰せのとおり、体力をつけるためには合併をせざるを得ないということだと思うんですね。これから預金保険機構のセーフティーネットをいろいろ用意して、特にペイオフにつきましては、信用組合の状況はまだまだわからないということで一年間の延長を行っているわけでありますが、それと合わせながら、やはり体力をつけるために合併というものも余儀なくされると思います。 こういう信用組合の合併についてはどのようにお考え、あるいはまたその方向づけをされているかについてお聞きしたいと思うんです。
○乾政府参考人 信用組合につきましては、比較的狭い地域を営業基盤としておりますことから、その資本基盤の強化というのが大きな課題でございます。 そうしたことから、今回国会に御審議をお願いしております法案の中で、優先出資法の改正により優先出資による資本増強の道を開くとともに、早期健全化法において、信用組合等が公的資本増強を受けることが容易となるような内容を盛り込んでいるところでございます。 金融当局といたしましては、信用組合が資本増強を通じまして再編強化を図ることによりまして、体力をつけ、不良債権の抜本的処理や金融システム改革に伴う環境変化等の課題に対応できるように努めているところでございまして、合併自体は各信用組合の経営者の方々の経営判断にまたねばならないわけでございますけれども、今申しました法的な整備、環境整備を通じまして、そうしたことが円滑に行われるような基盤の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○栗原(博)分科員 次に、信用組合の検査についてお聞きしたいんですが、要するに、破綻に伴いまして三兆以上の預金保険機構からの支払いがあるわけでありますね。強いてよく言えば、回り回っていけば国民の負担になるわけであります。その中で、従来は県の監督、検査でございましたが、金融監督庁にこの四月から移ったわけですから、当然今後は皆さんの方で検査される。そういう中で、今までの県の検査が果たして的確に行われてきただろうかということを私は大変懸念しておったんですよ。 実は、私もかつて県の職員をしておりまして、二十五、六年前の話ですが、農協事業、これは貸し付けやいろいろやっておりますし、共済事業とか購買事業とか販売事業とか、農協は信用組合に比べて大変複雑なんです。私も二年半ほど検査をやっておったんですが、私のような能力のないのが検査しておったわけですから、県もほかの、商工の関係の方が検査していると思います。 すると、やはり検査について国からの適切な指導というものも、農協の場合は農林省から常に厳しい指導が来ておったのでありますが、どうも信用組合を所管する部局に対しては余り国がタッチを、したんだと思うんだけれども、こういう状況になったから余りしていなかったと言って責任逃れするのかわかりませんが、実際、県の指導、検査というものが果たして適切に行われていたんだろうかということを感じるのですよ。 これはやはり破綻の、実際問題検査をやれば、その検査によっていわゆる指摘事項を公表して、それからまた改善命令を出して、改善命令に従わなければ当然その組合の解散命令までいくかどうかわかりませんが、そういう強い措置がとられるべきものがとられていなかった、なあなあであったという点もあるかと思うのですが、そういうことについて、県が今までしておった検査に対してどのように国が見ていたかということについて、お答えできる範囲であればお答えしてください。
○五味政府参考人 お話がありましたように、ことしの四月から、つまり今月からでございますが、都道府県から国に信用組合の監督が移管をしておりまして、今、都道府県で行われました検査に関連する資料がこちらへ移管をされておりますので、これを私ども財務局を動員いたしまして分析を進めております。その過程で、どういったような指摘事項が都道府県の検査で出ているのかというような点についても、今調べを進めておるところでございます。 ざっと見ましたところ、幾つか例示をいたしますと、やはり資産査定などの内部の査定基準に問題がある、あるいは自己査定そのものあるいは償却引き当てが適切にあるいは正確に行われていない、さらには大口融資規制、いわゆる同一人に対する信用供与等の限度額、これを超えるような法令違反の融資が行われているといったような事例が出てきておりまして、今、こういったものの取りまとめをいたしております。 県におかれましても、それぞれ人材をそろえて検査を進めておられたというふうに認識はしております。その中で、私どもも、今月移管される以前におきまして、例えば検査で申しますと、金融監督庁あるいはかつての大蔵省検査部が使用いたしております資産査定通達など、国の検査で適用されますさまざまな基準あるいはノウハウ、こういったようなものを都道府県知事に送付をいたしまして、こういったものに沿った検査を行っていただいて、国と地方とで運用の統一を図ろうというようなことで大分努力もしておりましたし、また、都道府県から検査について御協力の要請をいただくこともございまして、そういうものには積極的にこたえてまいりました。 したがいまして、これからいろいろ分析をいたしますけれども、一概に都道府県の検査が能力不足であったというようなことでは必ずしもないとは思いますが、この辺はもう少し勉強してみたいと考えております。 〔古賀(正)主査代理退席、主査着席〕
○栗原(博)分科員 そのように認識していただければ大変ありがたいと思っておるわけです。機関委任事務でもって地方自治体がこういう検査をしてまいったと思うのであります。今お話を承りますと、国も検査についてはやはり相当関与してまいったというようなお話を聞いて、私も実は安心しております。 そこで、四月一日から金融監督庁にこの検査監督部門が移ったわけでありますが、その際、当然都道府県から金融監督庁に検査報告書たるものが渡されていると思うのですね。どこどこの信用組合はこうだとか、それはそういう守秘義務はあると思うのですが、そういうことについて、具体的に県が今まで把握してきたことをちゃんと的確にとらえて、金融監督庁にそういう検査報告書たるものできっちりとそれを報告しているかどうか。そういうことをちょっと、御報告できる範囲で、ひとつお答えしてください。
○五味政府参考人 この四月に、関連いたします資料、特に検査の、例えば通知書でございますとか、あるいはその根拠になりましたさまざまな資料を金融監督庁が都道府県から引き継ぎを受けております。 何分、膨大なものでもありますし、ただいまそれらすべてについて内容を精査するということで、今後の検査の方針策定にも役立てる必要があるということでやっておりますが、何分まだ、今月の一日に移管を受けたばかりでございます。もうしばらく時間をかけてチェックをする必要があると思います。 いずれにいたしましても、都道府県が行いました検査に関連する資料は、私どもの方へきちんと引き継ぎをいただいております。
○栗原(博)分科員 金融監督庁に信用組合についての検査を移管するということとあわせまして、その関連でお聞きしたいのですが、農協も、これは実は大蔵省と共管で検査もしておるのですが、現実的には県が検査をしておると思うのですね。 かつて、確かに財務局が法制度上農協の上部団体、県信連に対して検査権があったと思うのですが、何らしていなかったというような指摘もあったと思うのですね。 今後、金融監督庁がどのような範囲で、農協、農協は都道府県の管轄ですが、あるいはまた県の農業信用組合連合会、県信連について、どのような形で検査あるいは指導に関与するかということについてお聞きしたいと思います。
○五味政府参考人 お話ありましたように、県信連、これにつきましては、権限上は農林水産省と大蔵省、あるいは金融監督庁ができました後は金融監督庁とが共管をしておりますので、監督責任は両者にあるわけでございますが、かつては一種の検査のすみ分けができておりまして、県信連については農林省がこれを検査し、さらにその上部団体であります農林中央金庫につきましては、これは逆に大蔵省が検査をするといったような分担が行われておりました。 ただ、金融監督庁を設立されますときに、法案審議の過程で、金融機関の検査監督については金融監督庁への一元化を図るという議論が行われまして、その旨の国会の附帯決議もちょうだいをいたしましたので、監督庁になりましてからは、農林省と連携をして県信連についてあるいは農林中金について検査を実施していくという方針をとっております。 農林中央金庫につきましては、先般初めて農林水産省と共同で検査に立ち入りをいたしました。まだ結論は出ておりませんが、そうしたことを行いました。 また、県信連につきましては、私どもの方が金融再生トータルプランに基づきます銀行の集中検査の方に大分手をとられておりましたので、実は今事務年度に初めて一件農林省と共同で県信連の検査をさせていただいたというだけの実績でございますが、今後、私ども、大体人員の方もいろいろお認めいただいておりますし、農林省とよく御相談をして、連携のもとに、県信連についての共同検査ということも積極的に進めてまいりたいと考えております。 まだ現時点で具体的な計画はございません。
○栗原(博)分科員 金融監督庁が今後指導されるということであって、それはありがたいことだと思うのです。 ただ、やはり金融というものは生き物でございます。特に、大手金融機関、あるいはまた中堅の金融機関、あるいは地銀、あるいはまた信用金庫、信用組合、こうなるわけでありまして、信用組合が破綻してはなりません。それには全力を尽くして、やはりこうやって預金保険機構あるいはまたペイオフなどいろいろな中で、セーフティーネットの中で防御しなければならぬと思うのです。 問題は、大手銀行と同じような解釈で信用組合をやりますと、震え上がってしまってもう貸し出しなんかいたしません。だから、信用組合の地域性、相互扶助、やはり信用組合はお互いに助け合っていますから、どこの企業はどうだと、そんな大きな貸し付けはしないわけですから、そういう実態を把握していただいて、全部一律同じ尺度で検査というようなことにならないように、そのために、国がセーフティーネットで万が一の場合やってやればいいわけですから、その点を踏まえながら、ぜひひとつ適切な指導、検査が行われますことを最後にお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○谷口主査 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。 次に、林義郎君。
○林(義)分科員 きょうは、会計検査院の会計検査報告八年版、九年版、それから十年版がもう出ておりますから、そのことにも関連しましてお話をさせていただきたいと思います。 毎年のように税の徴収額の過不足に関するものが項目として出ているんです。先ほど大野政務次官からは、これはしかと受けとめて改善をしていかなくちゃならない、こういうふうな話がありましたが、実際問題として、私は、所得金額や計算はなかなか大変なことだと思いますし、それから税の徴収の資料がない、またそれがなかなか収集できなかったという指摘もありますが、これも職員がやる話でありますから、全知全能の神様がやるわけじゃないんだから、時には手落ちがあってもしようがないことだと思います。もちろん、国税庁として、そんなものを見落としてやっていいということじゃありませんし、また役所の方も十分に注意はしてやっておられると思いますが、やはりこうした事態が起こるということについてはいろいろなことを考えていかなくちゃならない。会計検査院が二重のチェックをする、こういうふうなことは一つの方向としていい方向だ、私はこう思っておるところでございます。 きょうは、実は、その中で消費税の問題に絞っていろいろとお話を聞かせていただきたい、こう思っておるところであります。 昭和六十三年に抜本的税制改革議論がありまして、国民的な議論を経て消費税が導入されました。以前から自民党の税調で立案に参画した者として、消費税の創設及びその後の経緯を見ますと、いかに国民の信頼を得ることが大切かというのを本当に痛感しているところであります。 消費税はまさにこれからの高齢化社会を支える重要な税制でありますし、その増税というのが各方面から今言われてきています。しかしながら、私は、ここでその話をしようとは思いません。しかし、一番税制で大切なのは国民に信頼を受けるということだ、こう思いますので、まず最初に、消費税の中小企業者に対する特例措置というのがありました、その問題についてお話を聞いてみたいと思います。 消費税というか付加価値税でございますけれども、これも長い歴史があって、昭和五十三年には一般消費税ということで導入が検討された。その後、昭和六十二年に、最終的には廃案となったものの、売上税法案が国会に提出されました。しかし、なかなか問題がたくさんあった。一方では、間接税でありますから大衆課税だ、だから、国民一般からは、そんな大衆課税をやるのは困る、所得税は金持ちから取るんだからそれから取ったらいい、法人税は法人で事業をやっているんだからそこから取ったらいい、一般大衆から取るのはという反発が非常にあったことも事実でありますし、産業界からは、事業者の事務負担や適切な転嫁などについての懸念があった。特に中小企業者からそういったような問題がありまして、なかなか大変だったということであります。 その当時の財政需要に対応していくために、やはり従来の個別間接税制度、例えば、今でもまだありますけれどもゴルフ施設利用税であるとか、ガス税であるとか電気税であるとか、そういった個別の間接税制度がありました。しかしながら、そういったものを一括してやはり世界的な潮流でもあった付加価値税に改めていくということについて合意をして、消費税が導入されたのであります。そのときに考えておったのは、やはり中小企業者の団体の意見を踏まえて、事務負担を配慮してやらなくちゃいかぬだろうと。 いわゆる中小企業者の特例制度といいますと、中小企業者に対しての益税ではないか、こういうふうなことまで言われたような制度をやったわけです。それまでしてでもやはりこの税を全体としては導入すべきだろうということでやったわけです。 三つありまして、一つは事業者免税点制度です。これは、消費税ではすべて原則として事業者が納税義務者になりますけれども、事務処理能力の乏しい小規模事業者については、三千万円以下の事業者については納税義務を免除することとした。 二つ目が簡易課税制度です。これは、消費税の仕入れ税額の計算において、さまざまな仕入れについて課税仕入れか否かの区分が必要となりますけれども、こうした事務負担に配慮しまして、課税売上高五億円以下の事業者については、事業者の選択によって、売り上げに係る税額に業種ごとに法定されたみなし仕入れ率を乗ずることによって簡易に仕入れ控除税額の計算ができる制度を一つつくりました。そのときのみなし仕入れ率については、卸業者は九〇%、その他の事業者は八〇%という、二つの区分になっておりました。 三つ目が限界控除制度でありまして、これは、三千万円の免税点を境に納税義務の有無が異なるということに伴う課税の影響を緩和する観点から、課税売上高六千万円までの事業者について、本来納付すべき税額の一部を軽減するという制度をつくったわけであります。これは、最初に申しました事業者免税点制度の上のところの段階について、比例的にいくところの免税制度をつくろう、こういうことであります。 この三つをやったんですが、消費税を実際に実行してみるとなかなかはっきりいかない。特に主婦層を中心に、今申し上げた中小企業特例というのによって、自分たちが消費税を払っているにもかかわらず、その部分が国庫に入っていない、税金ですから国庫に入るのが当たり前です、入っていないで、むしろそういった途中の業者のところへ行っているという批判が非常に強くなった。中小企業者に対してサービスをしようと思えば一般の消費者から怒られるし、どういった制度をつくるかねというのが当時の我々の偽らざる気持ちでありました。しかしながら、そういった形で不信感というものが、益税という言葉で今でもまだ残っているんじゃないかなと私は正直言って思っているところであります。 導入時には事業者の事務負担についてやる、その後、公平性という観点から大幅な見直しをしてきたところであります。平成三年には、簡易課税制度の適用上限を五億円から四億円にし、また、みなし仕入れ率を、従来の区分が九〇%、八〇%というようにありましたのを、四区分にした。卸が九〇、小売が八〇、製造業が七〇、その他事業を六〇に細分したほか、限界控除制度の適用上限を、改正前の六千万円を五千万円に引き下げるようなことを行ってきたのであります。 さらに、平成六年の改革におきましては、限界控除制度を廃止した。それから、簡易課税制度の上限をさらに、五億円、四億円に下げたものを二億円に下げた。サービス事業等のみなし仕入れ率を五〇%とする見直しをしました。資本金一千万円以上の新設法人に対する免税点制度の不適用というような形で、特例措置全般にわたって大改革を行った。 これは、やはり国民の間に、消費税というものは国民皆さんが最終的には負担をするんだということが出てきたから、そういうことがやられたんだ、できたんだろうと私は思う。確かに中小企業にも配慮しなくちゃならない、中小企業の方からはいろいろな反発がありましたが、一般大衆、納める人からすれば、やはりそういった形でやる方が正しいんだ、こういうふうなことでやってきたところであります。まだまだその辺の理解等をやはり考えていかなくちゃならない。 私たちは、六十三年に消費税をつくったときから考えると、一体なぜあんな免税点制度をつくったのかね。しかし、その当時の最初のことから考えると、免税点制度でもつくらなかったら国民全部の反発を受けてとても通らなかった。せめてそこぐらいやって、うまくやれるようなことを考えてということでやったわけであります。そのやった趣旨がこういうふうな形で、益税といって、これは税を取らないむだだ、こういうふうに言われたということがありますから、税法をやるのはなかなか難しいものだなということを私は改めて実感をしておるところでございます。 そこで、議論を整理する意味も込めまして、政府の見解をちょっとお伺いしておきたいと思っております。 限界控除制度の廃止につきましては、益税は完全に解消したことになっていますが、小規模事業者には定着していた制度であって、こうした事業者にとっては痛みを伴う改正だけあって相当思い切った措置であったものと思いますが、この限界控除制度を廃止した理由を改めてお伺いしたいし、また、この制度の廃止によって増収額は一体どの程度になったのか、過去のことですが、お答えいただきたいと思います。 政務次官来ておられますが、細かな話ですから——やってもらえればやってください。足りないところは事務局の方からやってもらって、また別に、こんな事務的な話ですから、わざわざ大政務次官に御答弁を全部細かくやっていただくこともないと思いますが、よろしくお願いします。
○大野(功)政務次官 林先生はかつて大蔵大臣、しかも名大臣と言われた方でございますし、ただいまも自由民主党の税制調査会の会長をなさっていらっしゃるわけでございますので、私の今の心境というのは、権威あるプロフェッサーから口頭試問をちょうだいしている、こんな心境でございますけれども、あえて答えさせていただきたいと思います。 その前に、御質問のあったポイントの前に、林先生から、会計検査院の指摘事項で税の徴収の過不足があった、少々はしようがないのかな、やむを得ないのかなという御指摘がございました。大変温かい御支援だとは思いますけれども、先生御自身おっしゃっておられますように、税というのはやはり国民の理解と国民の支援がなければいけません、信頼がなければいけません。そういう意味で、我々はいささかなりともこういうことが起こらないように頑張ってまいりますので、これからもよろしく御指導のほどをお願いします。 さて、限界控除制度でございますけれども、一つの問題はやはり、お答えしているうちに、何だか先生の御質問の中に全部お答えがあるのじゃないかというふうな気がいたしますけれども、まず第一に、小規模事業者の事務負担の問題がございます。これは、限界控除と免税事業者とどういうふうに考えを分けていくかという問題はありますし、それは免税点の問題もありましょうが、まず事務負担の問題がある。 それからもう一つは、いきなり非課税、免税事業者と課税業者といたしますと、その境界は一体どうなるのだろうか。こういう課税の影響を緩和するということで設けられたことは今おっしゃったとおりでございますけれども、第一に、これはやはり経過的な措置ではなかろうか、こういう問題がございます。それから第二に、やはり消費税というのはきちっと納めていただく。いささかも、預かり金でございますから、手元に残す仕組みはありますけれども、手元に残りっ放しになってはいけない、やはりいわゆる益税を発生させてはならない、こういう考え方があります。 そういうことで、国民の皆様の御理解、御信頼を得る上では、やはりこういう制度は本来の姿に戻していくべきではなかろうか、こういう観点から、平成六年秋の税制改革において廃止することとなった次第でございます。 なお、御質問の、本制度の廃止によりまして増収額はどのぐらいか、これは一千八百五十億円、平成六年度ベースでございますけれども、そういうことで見込んでいたところでございます。
○林(義)分科員 次に、簡易課税制度についてどういうことをやったのかということでございます。 先ほど来お話を若干申し上げましたから、くどくなりますから申し上げませんが、簡易課税制度によりましてできるだけ中小企業の事務負担の軽減に資するという点で、私は、制度としての意義はあったのだろうと思います。 特例措置の範囲はできるだけ縮小していくことが望ましい。みなし仕入れ率の区分や水準いかんによっては益税の問題も出てくる。例えば利益が五〇%ぐらいしかないところに七〇%も八〇%もあるような率をとるということになったならば、おかしいことになるんじゃないかな、こういうことで、その適用上限を順次引き下げるとともに、みなし仕入れ率について、実態を踏まえながら細分化をしてきた。 しかし、細分化をするといっても、最後まで細分化しちゃったら一体どういうことになるのかなということだろうと思います。相当複雑な計算を、五区分になってやっておりますから、もはやこれからさらに区分をするのはかえって複雑な税制になるんじゃないかなという御指摘も専門家の中からは出ておるようでございます。その辺のことについてどう考えるのか。 それからもう一つは、最後に、事業者免税点制度については、前回の改正で新設法人に対する手当てがなされ一歩の前進が見られましたが、免税点の水準自体、三千万円は維持されました。もちろんこの問題をめぐっていろいろな議論があり、最終的には免税事業者の実態や転嫁の状況を踏まえてぎりぎりの判断をしていかなければならないが、こうした点について、さらに言うと免税点の水準を引き下げたらどうだという意見が強いように思われますが、この辺につきまして率直な御意見を伺いたいと思います。
○大野(功)政務次官 簡易課税制度と免税点の問題、二つでございますが、まず簡易課税制度でございます。 これは、消費税のあり方から見て、本来、だんだんなれていただきましたらうまくいくことになるわけでございます。つまり、中小事業者の事務負担の問題に配慮いたしまして、仕入れ控除税額の計算を簡単にしているわけでございますけれども、消費税制度の定着あるいは事業者の納税事務への習熟、だんだんなれてくるということになりますと、できるだけ多くの事業者に本則の方でやっていただきたい、これが本来の姿でございます。 そういうことで、これまでの改正におきましてもいろいろと見直しが行われておりますけれども、引き続き事業者の実務の実態等を踏まえて、見直しが必要なものを見直していく、こういう考え方でやっていく必要があろうと思います。 それから、税率と区分と二つ問題がございますが、私どもは、やはり区分の方はそう細分化してもなかなか複雑になるだけでどうだろうかと思っておりますけれども、みなし仕入れ率につきましては、実態に即してやっていくということが一番大事なことだと思っておりますので、特にみなし仕入れ率については、今後とも実態に即すように検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。 それから、免税点制度でございます。この問題は大変難しい問題でございまして、第一には、事務処理能力をどう考えるのだろうか、こういう問題がございます。それから第二の問題として、一体売り上げ規模の小さい事業者というのは仕入れ段階の税金を、消費税を次に転嫁できるのだろうか、それだけの競争力があるのだろうか、こういう問題があるわけでございます。 しかしながら、本来の姿で考えますと、やはり先生御指摘のように、益税という議論が出てまいるわけでございます。大変難しい問題でございますけれども、この免税点の水準のあり方につきましては、免税事業者の事務処理能力の問題、それからもう一つは、競争力といいましょうか転嫁の能力の問題といいましょうか、その点もやはり公平、公正という観点からも考えていかなければいけない問題じゃないか、そういうことで今後とも真剣に検討させていただきたい、このように思っております。
○林(義)分科員 以上の話は、今まであった話で、方向としてはまさにおっしゃるところだと思いますが、昨今の状況では別の問題が出ている。 それは、滞納の問題。何カ月か分を一緒に払うという形で消費税部分をためておいて、このごろの景気が悪いですから、消費税分だけでもちょいと運用して、回そうかというようなことも業界としては当然にある話なんです。それは、税金を払う期限がそのぐらいになればある話ですが。実はその金額がだんだん上がってきている。特に、消費税率を三%から五%にしたというようなことがある。また、昨今の話だと、消費税をまた五%から上げようという話が方々から出てきている。上がってくれば、当然に、それだけの太い金額を自分のところで持って、できるだけ自分のところで使って、払うのは払うがという話が出てくるだろうと私は思うのです。 そうしたような話で、昨今の状況を見ますと、滞納額が、平成八年度では四千三百億円、平成九年度では五千四百億円、十年度では七千二百億円となっている。こういった点が、きょうの話ではありませんけれども、平成十年度の決算報告の中でも出ているから、新しい問題としてまたこれは国民の関心を呼んでいる。 先ほどのように、一つ一つ、中小企業者だからどうだとかというのじゃなくて、何でもみんな税金をちょいとためておいて後で払うぞ、こういうふうな話が国民の間に不信感を生む。この辺についてどういうふうにこれから取り組んでいったらいいのか。税金を納めないというわけじゃないですからいいのですが、国民の間では、何か税金を猫ばばしてやっているというような意見も出てくるので、やはり、税は公正、公平だというような観点からして、いろいろなことを考えておかなくちゃいかぬのじゃないかな、こう思いますし、この辺、どういうふうに国税当局は考えておられるのか。
○大野(功)政務次官 消費税を預かりっ放し、先生のお言葉をかりれば猫ばばしているというようなことで、これはあってはならないことでございます。 そこでまず、実態について御理解をいただきたいと思いますので、数字で恐縮でございますけれども申し上げたいと思います。 今現在は、期限内にきちっと消費税を納めていただいておりますのは九四%から九五%でございます。それから、年度内に納めていただいておりますのが九八%でございます。それから、翌年度末までに納めていただきますのが、累計いたしまして九九%。したがいまして、それ以降滞納になっておりますのが〇・九%ということでございます。一%未満でございます。 この一%未満、〇・九%というのは、国際的に見ましても、消費税、付加価値税を取っている国の事例と比較いたしましても遜色のない数字であります。そういうことから考えまして、国税当局、国税庁も税務署も大変努力をしているということは御理解いただきたい。 どういう努力をやっているか。これは、まず事前には、一生懸命PRをやっております。納期限前には電話をかけて、納期限が来ましたよと、こういうこともやっておりますし、それから、公共機関の入札資格審査に当たって納税証明書をちゃんとつけてください、こういうこともやっております。それから納税資金の備蓄の推進、こういうこともやっておるところでございます。それから、滞納が発生いたしますと、いろいろな税目の滞納があるわけでございますが、消費税の滞納というのは本来あってはならないことでございますから、まず優先的にやっている、場合によっては担保をとる、こういうようなことで一生懸命頑張っております。 そういうことも含めまして、会計検査院の検査を受けた後の数字になって恐縮なんでございますが、平成十一年四月から十二月におきます消費税の新規発生滞納額は、対前年同期比で一五・四%の減、こういうふうになっております。全体の姿といたしましても、先ほど申し上げましたように、九九・一%は翌年度までに納入されている、こういう状態でございますので、益税はそんなに発生していないんだ、こういうことを御理解いただきたい。 これもすべて、国民の皆様の御理解と信頼、そして国税当局の皆様の努力のおかげだ、私はこのように考えております。
○林(義)分科員 今お話がありましたので、いろいろとやっておられることは本当によく理解できるのですが、やはり常に、税というのは本当に国民のためにあるんです。払っているのが間違いなく納められているんだということは十分に説明をしていかないと、国民的な合意が得られない。その合意を得た上で、やはり消費税の税率の引き上げとかなんとかということを考えていかなくちゃならないんだろうと思っているところであります。 言うまでもありませんけれども、この滞納の問題は、先ほどもお話ししました、最初にやった益税の問題とはこれは全然違う話でありまして、もしも益税ということであるならば、何カ月間か置いていたときの利息分ぐらいがなるのかなというぐらいのことだと思いますし、益税の問題とは全く次元の異なる問題だということはやはりはっきり言っていいんじゃないかなと思います。 こうした話になりますけれども、国際的に見ても、また日本の国内においても、超高齢化社会になってきておりますし、根本的な税制の見直しは避けて通ることができない問題だろうと思います。そうした中で、やはり、しっかりした税制、信頼されるところの税制等を考えていくためには、消費税というのは非常に大切なものだろう、こう思います。そうした意味で、政府の取り組みが一層求められているところだと思います。先ほど政務次官からお話がありましたように、政府の方もそういった気持ちで一生懸命やっているということは大変評価していいところだろうと思います。 最後に、消費税に関してもう少しいろいろな形で資料をつくったりなんかして説明をする、言っちゃ悪いけれども、宣伝ということもやはり私はこの際必要なことではないかな、こういうふうに思いますので、政務次官の御所見をもう一度お伺いしたいと思います。
○大野(功)政務次官 益税の問題は制度の問題でございますし、滞納の問題は実行上の問題である、こういうふうなことでございますので、税制調査会の会長といたしまして、益税の問題、よろしくどうぞお願い申し上げます。 それから、執行面の問題は、先ほども申し上げました。まず、国民の御理解と信頼の上に税務行政というのは成り立っておることを十分認識して、その上でPR活動に努めるところは努めていく、そしてなお一層深い御理解と信頼を獲得していきたい。御指導いただきながら頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
○林(義)分科員 どうもありがとうございました。これで終わります。
○谷口主査 これにて林義郎君の質疑は終了いたしました。 次に、目片信君。
○目片分科員 自由民主党の目片信でございます。 ただいまは、大野総括政務次官から、たびたび、納税は国民の理解とそして納得、信頼関係が大切である、このようなお言葉が林先生に対する御答弁であったわけですが、私も、まさに納税は国民の義務でありますと同時に、その責任を果たすことも国民としての役割である、このように理解をいたしております。したがいまして、税は、それぞれが納得をして、理解をして、そして納めることが望ましいものであるわけであります。 しかし、国民の多くの方々、もう私も含めて少なからずとも九九%の方々には、税の仕組みということについてなかなか理解というのか、わかっていただいている方は少ないんじゃなかろうか、このように思います。私も実はその一人でございますから、その点についてお尋ねを申し上げたい、このように思っております。 まずお尋ねしたいことは、譲渡所得税であります。この税につきましては、物件、すなわち不動産なら不動産の売買をしたときに、その利益が生じた場合、その税率によって税を納めなければならぬ、これはもう十分理解をしておりますし、納得をしているわけであります。その物件の取得価格が幾らであったのか、そして、そのために必要とした経費が取得原価というふうに私は思っております。その原価がありまして、譲渡価格からその原価を差し引いた分が利益になる。そして、それが先ほど申し上げた税率によって税が課せられるわけであります。 そこの取得価格、いわゆる原価でありますけれども、私が相続を受けました、その相続を受けた土地を譲渡して、そしてその税を払うことになるわけでありますけれども、そのときの取得した原価はわからないとするならば、それは、その譲渡した価格に五%を乗じたものが取得価格、原価というようなことになるように聞いております。その五%でもって税が計算されるわけであります。 ところが、相続を受けたときの路線価格あるいは公示価格等によってその土地の価値、すなわち価格が出てきます。その出てきたものに対して相続税、いわゆる税を払うわけでありますから、払ったその土地の価格が取得原価になるものである、私は実はこういう解釈をしておったわけでありますが、いろいろお聞きしますとそうではないのだと。したがって、先ほど申し上げましたように、相続を受けて税を納めたとしても、それは原価にならない、こういうことであります。 そういうことからいきますと、前段申し上げましたように、理解と納得がされて税を納める、これが国民の義務だと私は思っておったわけですが、そういう仕組みなりあるいは制度というものがなかなか我々が理解しがたい。一遍税金を納めているのだから、その納めたそのものは取得したときの原価に算入されるべきじゃなかろうか、こんなことを実は思っておったわけでありますけれども、そうすると、譲渡したときの譲渡の税と合わせると、実は二重に払ったような気がしてならないわけであります。 それは、法律というのか税法で決められていることでありますからやむを得ないとしながらも、そのときにお聞きしますと、相続を受けて税を払うときに一年間だけ、その一年以内であればそれは認められる、そういうようなお話がありました。それから、後には三年までいわゆる延長された、こういうふうに聞いたわけでありますが、五年、十年経過しますとその対象にならない。したがって、それはそれ、これはこれ、こういうことで、実は譲渡所得税を払うことになったわけであります。 こういうケースは、私は、先ほど申し上げましたように、多くの国民の皆さんは税の仕組みがわかりませんから、恐らく同じような経験をされている方、あるいはまた理解しがたいなと思っていらっしゃる方が大変多くおいでになるのではないかな。したがって、こういうような税の仕組みというものはもっとやはり国としてPRをせなければならぬのと違うかなという気がいたしました。 今お尋ね申し上げたいことは、私が今そういう経験をさせていただきました。したがって、これから先、そういう多くの国民の人たちのことを考えますと、そのことを、例えば一年が三年になったわけですから、それが五年なり十年なり、そのときの相続税を納めたら、それはもう原価に入れるのだというようなことにお考えを改めていただくことはできないものなのか。 そして、つけ加えて申し上げますけれども、今から十年前ですと、バブルで土地が非常に高いときに相続税を負担したわけであります。そして、今譲渡したら値段がどおんと下がってしまっているものですから、何かしら損をしたというのか、相続税で払った税金と今売ったお金が同じぐらいになってしまって、それに上乗せしてまた税を払う、こういうような結果になっているわけであります。土地の下落がまた大きな要因になっているわけですけれども、そういうようなことを踏まえて今後の税の仕組みをお考えいただくことはできないだろうか、こういうことで質問をさせていただきたいと思います。
○福田政府参考人 先生の方から幾つか御質問がございましたので、順次お答えさせていただきます。 まず、譲渡所得でございますが、この譲渡所得税におきましては、保有資産の価値の増加益、いわゆるキャピタルゲインと言われておりますが、まさに先生今おっしゃいましたように、取得したときの価格と譲渡したときの価格の差について課税をする。しかも、その資産が保有者の手を離れるのを機会に課税することとされております。 したがいまして、相続の場合について申し上げますと、相続による資産の移転があった場合には、その移転時に、つまり相続時に、被相続人の所有期間に応じて、被相続人が取得されていて相続されるまでの間に仮に増加益があったといたしますと、その相続の時点で譲渡所得課税を行うことが実は理論的でございます。 したがいまして、昭和二十五年のシャウプ勧告に基づいて所得税ができたわけでございますけれども、このような課税方式が採用されておりました。当時は、相続時にこの譲渡所得税が課税されたわけです。そういたしますと、相続時に相続税が課税されるほかに、資産の増加益が実は現実に現金化されていない、それなのに譲渡所得税、所得税も課税されるということになりまして、なかなか一般の理解が得られなかったわけでございまして、実はこの制度は昭和二十七年に廃止されまして、長くなりましたけれども、現行のような方式に改められたわけでございます。 それはどういうことかといいますと、現行税制におきましては、相続時に譲渡所得課税を行わないで、相続人が相続財産を譲渡したときに、被相続人が持っていたときのキャピタルゲイン、値上がり益と、相続人が相続をした後のキャピタルゲインと両方合わせたところで課税する方式、これをいわゆる取得価額の引き継ぎ、取得価額をそのまま引き継ぐ、こういう方式がとられているところでございます。これによりまして、相続財産を相続したときには相続税を御負担いただく、そして今度その財産を譲渡されたときには所得税がかかる、こういうことになるわけでございます。 これもちょっとかた苦しいことで恐縮でございますが、理論的には、譲渡所得に対する所得税は、さっきから申し上げておりますように、資産の値上がりによる所得に対して課税するいわゆる所得課税でございます。これに対して相続税は、相続を契機として、相続財産の価値に対して課税されますいわゆる財産課税、資産課税でございます。所得、消費、資産といったところの資産課税でございまして、その課税体系は別個のものでございまして、俗に言われます二重課税というようなことは生じていないものと考えられるところでございます。 ただ、そうは申し上げましても、相続財産の処分が相続の直後に行われる場合には、相続税も払わなきゃいけない、譲渡所得税も払わなきゃいけないということで、いわば納付が重なることになります。そういうこと等で税負担がかさむ。 その税負担を緩和する観点から、相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後三年を、これはその経過は先生がおっしゃったとおりでございますが、現在は三年を経過する日までの間の譲渡につきましては、相続財産でございます土地等の一部を譲渡した場合には、その者が相続したすべての土地等に対応する相続税相当額、これは実は、これも釈迦に説法かもわかりませんが、相続財産の中に占める土地等のウエートが非常に高い、したがって、それに相当する相続税相当額を譲渡所得の金額の計算上取得費に加算するということをやっておるわけでございます。それで、土地等以外の相続財産を譲渡した場合には、その譲渡した相続財産に対応する相続税相当額は、これも同じように譲渡所得の金額の計算上取得費に加算して控除する。こういった、いわば税負担の緩和の特例措置が講じられているところでございます。 それから、その適用期間ということで、最初申し上げましたが両者は全く別でございますけれども、相続税納付のために相続直後に相続財産の一部を処分しなきゃならない、そういう事情等に配慮して設けられておりまして、この適用期間にはおのずと限度があるということはぜひ御理解願いたいと存じます。 もう一つ、取得価格の概算取得控除制度、譲渡収入金額の五%相当額の件でございます。 これは、納税者の税務署への照会等の手数に配慮いたしまして、概算による取得費を算定することとされているわけでございますが、これはあくまでも昭和二十七年十二月三十一日以前に取得したものについて、これについては五%でやるということでございます。実は、昭和二十七年の十二月三十一日以前の土地といいますと、むしろ今の時価からいいますと、五%よりも低いものが私は圧倒的に多かろうと思いますが、それは別にいたしまして、そういった取得費を五%と見るというふうな措置でございます。 ただし、二十七年十二月三十一日以前であればいかなる場合でもこの方法によるものではなしに、実際に五%ではない、実際の取得費が概算取得費を超えることがわかりますと、実際の取得、五%よりも低い場合にはその低いものについて譲渡所得を計算することが可能でございます。したがって、いつぐらいの時点かとわかりますと、大体近い時期であれば取得費はわかろうかと思いますので、仮に五%が有利であれば五%をお使いになることはあっても、いかなる場合にもこの条項が適用されるというものではございません。
○目片分科員 いずれにしても、税はいろいろあると思いますけれども、支払うのは同じ人間が納めるわけでありますから、今後ぜひそういう方向で検討をいただきたい、このように思います。 次に、租税特別措置法、いわゆる住宅ローン減税についてお尋ねをいたしたい、このように思います。 景気回復の一環として住宅ローン減税が打ち出されました。広く国民各位に活用をされているわけでありまして、いろいろ聞いておりますと、住宅金融公庫も前向きにお取り組みをいただき、そしてまた、近々の情報を得ますと、マンションの売れ行きも非常にいいということであります。これはやはり景気対策の一環として非常に大切な部分であります。 この四月一日から、御承知のとおり介護保険制度が導入をされました。そして今、多くの国民の中でという言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、核家族が非常に多くなっているわけであります。しかし、外へ出ていた方々がやはり親と一緒に同居したい、あるいは同居することがこれからの生活の上にもプラスになろう、こういうようなお考えの人もたくさんおいでになるわけであります。同居することによって、生活あるいはまた文化であるとか、その家の歴史であるとか、これからの対応、対策についてもプラス面もたくさんあるわけであります。 そういうことから、同居するに当たっては今の住宅では手狭である、したがって、息子夫婦がその建物に増築をして、あるいは改修をして同居することになったわけであります。その工事代金を銀行から借り入れて、そして同居を始めたわけでありますが、税務署の方からはがきが来ました。そのはがきの内容は、住宅ローン減税の対象にならない、概要こういうような話であります。 本人、その息子からいえば、自分が銀行からお金を借りて、そして親の建物ではあるけれどもそこに増築をし、あるいは改修をしたのだから、自分が返済をしていかねばならぬ。そうすると、その増築した部分、あるいはまた改修した部分は自分たちが供する部分であるから、これは住宅ローン減税が受けられるもの、そういう考え方をしていたわけであります。しかし、所轄の税務署の、私も聞きに行きましたら、いや、それは親の建物がゆえにローン減税が適用されないんだ、こういう説明でありました。 私は、やはりこれも恐らく、御存じの方はそれはおいでになるかもわかりませんが、すべての人が認識をしているということではないというふうに思います。住宅ローン減税といえば、自分がお金を借りて住宅を新築で、まさに下から上まで自分のものであれば問題ないわけでありますが、そういうケース、すなわちそういうケースというのは、親の名義のところに足したり積み上げたりするような行為については対象にならないということであるそうでございますけれども、さりとて、親が年金暮らしをしているのに息子のために増築したり改修したりということは、実はとても無理な部分があるわけであります。 これもやはり広く認識がされていない一つのあらわれであろうというふうに思うわけですが、そこで、自分の所有以外、いわゆる親の所有のところで同居する者が、同一家族になる者が住宅を増築したり改修したりしたものがどうして対象にならないのか、その辺をちょっとお尋ねさせていただきたい、このように思います。
○福田政府参考人 住宅ローン税額控除の対象となります家屋の増改築等につきましては、もともとこの住宅ローン減税と申しますのは、自分の持ち家を取得するのを促進しようという意味合いがあったのも一つの要因でございます。そして、住宅建設が景気に及ぼす影響等も考慮して、この景気状況に配意して今回拡大措置を講じさせていただいたわけでございますけれども、増改築等につきましても、自己の居住の用に供している自己の所有している家屋について行う増築、改築、一定の大規模修繕、模様がえ等の工事とされております。 今申し上げましたように、住宅ローン税額控除は、住宅ローン負担の軽減を通じて、持ち家の取得の促進、居住水準の向上を図る政策税制として位置づけられているわけでございます。したがいまして、借家住まいをしている、そして借家住まいをしていてその借家に増改築を加えるといったような、いわば自己が居住するために増改築等を行う場合であっても、自己の所有していない家屋についてまで、今申し上げましたような制度の趣旨から適用されていないということでございます。
○目片分科員 ちょっと納得ができませんけれども、そういう説明もいただきました。しかし、同一家族ということを、やはりその辺のところを今後考慮していただきたいな、そんなふうに実は思っております。 次に、貸し渋りと金融機関、いわゆる指導監督について金融監督庁にお尋ねをしたい、このように思います。 金融監督庁は、精力的に金融機関に対して指導監督を強化され、そしてまた厳しく検査をいただいている、このように認識をいたしております。ところが、その金融監督庁さんが頑張って指導監督をいただくことが、結果は地元の中小零細の企業の皆さん方が非常に困っておられるというのか、苦慮されている部分がございます。 それはどういうことかというと、いわゆる都市銀行や大手銀行は別にいたしまして、地元の地方あるいは第二地方あるいは信金あたりからいえば、自己資本比率を上げなきゃいかぬという大きな目標を持っておりますし、また持たなければならぬ。そうすると、むしろ貸し付けをするよりも回収にかかって、貸し出しがいわゆる鈍化しているというのか、うまくいかない。その辺で、大変地元の中小零細企業が資金繰りに困っておられるわけでございまして、そういうことを考えますと、むしろ、頑張って指導監督はいただかなければなりませんけれども、企業側からいえば大変融資が受けにくくなっているのが実態でございます。 そういうことから、これからの取り組みの中でどう変わるかわかりませんけれども、一方で言われておりますのが、いわゆる公的資金を注入した銀行が、一方で大手のゼネコンの債権を放棄するとか、そういう新聞報道がありますとなかなか理解が得られにくい、こういう実態がございます。したがって、どのようにしてくれと言うたって、それは大変難しいと思いますけれども、その辺のところ、監督庁として、特にそういう地方の銀行に対して、中小企業の育成の見地からも適切な指導をあるいは監督を、厳しく締め上げるばかりじゃなくて、多少やはりゆとりのある部分もお願いを申し上げたい、このように思うわけでありますが、その辺のことについてお話しいただければありがたいと思います。
○木下政府参考人 今お尋ねの件について御説明申し上げます。 私ども、地域金融機関の検査監督に当たりまして、今先生御指摘の融資でございますけれども、地域経済の健全な発展に貢献していくという役割からしまして、こうした融資対応力を強化していく、これは極めて重要であると認識いたしておるところでございます。 この点に関連いたしまして、自己資本比率についてお尋ねがございました。私ども、早期是正措置ということで、確かに、自己資本比率に基づいて透明な行政を行っていく、こういう仕組みのもとにおるわけでございますけれども、一方で、自己資本比率あるいは自己資本の充実と融資対応力の強化は必ずしも矛盾するものではないというふうに考えております。 すなわち、地域金融機関におきましては、自己資本が経営の基盤でもありますけれども、きちんとしたリスク管理、審査をしまして、健全な先にお貸しすることによって収益を得て、自己資本の充実に結果としてつなげていく、こういう側面もございます。そういうことから、私ども常々、地域金融機関に対しましては、リスク管理、審査能力をきちんと磨くことによって融資対応力を強化していくべきである、このように求めているところでございます。 また、検査の関係におきましても、検査マニュアルということで透明な行政に努めておるわけですけれども、その際にも、金融機関の規模、状況に応じて、決して機械的、画一的にならないようにというようなことで定めておりまして、そのように努めてまいりたいと考えております。
○目片分科員 ありがとうございました。終わります。
○谷口主査 これにて目片信君の質疑は終了いたしました。 次に、原口一博君。
○原口分科員 民主党の原口一博でございます。 きょうは、八、九年度決算の中から二点について御質問申し上げたいと思います。 一つは、八、九年の大蔵行政を見る上で欠かせないものが、やはり財政の構造改革、この問題であると思います。 目の前にいらっしゃいます谷口委員長に御指導いただきまして、真の財政構造改革とは何かということをつらつら勉強させていただきました。また、きょうは、自由民主党のエースであります林政務次官に御質問させていただく機会を得ましたことを、心から光栄に思います。 その中で、中期財政試算なるものを、当時大蔵省、主計を中心にお出しになって、そして我々国会に対して、どういう税収の弾性値を置き、あるいはどういう経済成長率であればどれぐらいの税収の見込みがあるんだ、あるいは要調整額はどのようになるんだということをしっかりとお示しになっていました。私は、このような資料は、政府の財政への取り組みをしっかりと説明する、そして国民の、国会も含めて多くの皆さんにその姿勢を御理解いただくということで、大変評価をしておるところでございます。 政務次官にお尋ねしますが、こういう取り組みについて、今は財政の中期展望という形でお示しをいただいておりますが、大変重要であると考えておりますが、政務次官の基本認識をお尋ねしたいと思います。
○林政務次官 御指名をいただきまして光栄に存じております。 原口委員とは、大変昔から御指導いただいているわけでございまして、こうして討論できるのも大変に意義深いものだと思っておるところでございますが、まさに御指摘のように、財政の中期展望というのは、大変お褒めにあずかって恐縮なんですが、原口先生のように重要だと言ってくださる方もいらっしゃる一方で、余りに機械的じゃないかという御指摘もあるわけでございまして、もうちょっと政策意図がこれに入ったようなものをつくってはどうか。 実は私も、この職になる前に、私が委員のときはそういうことを宮澤大臣に申し上げたこともあったわけでございますが、やはりいろいろとその後勉強したり調べたりしてみますと、財政の民主主義、要するに、では今五年間の予算を決めてしまったら、その後に選ばれてくる国会議員の皆さんの意思がどうなるのか、こういう問題がありまして、一年三百六十五日と決まっちゃっているわけで、一年ずつやるということでございますから、この一年が長いか短いかという議論はあるのでしょうけれども、どこかでやはり線を引かなければならないという意味で、そういう財政民主主義というのがあるのかな。 その上で、機械的に、今委員がまさにおっしゃったように、いろいろな弾性値を置きまして、こういう仮定でやればこういう数字になりますということを、アカウンタビリティーの一環として国民の皆様に広く議論の材料として見ていただく、その上で、ではこうしよう、ああしようということを広く議論していただく上でいろいろなコンセンサスが生まれてくる、そういう意味で大変重要な資料だと私も思っておるところでございます。
○原口分科員 前向きなお答えをいただいたと思います。政務次官も、次官になられる前に同じような御質問を院の中でなさっていたということを私も伺っています。 また、現在、いわゆる財政構造改革法は停止をされている状況、凍結をされている状況にございますが、今、大蔵省は、この法律における財政再建方策をどのように評価されているのか。 私どもは、その当時、まだマクロ経済的に見ても大変日本経済が立ち直りの時期にある、病気で言うと予後の時期にある、一挙に、今お話しになりましたように、機械的にキャップをかぶせて景気を冷やすべきではない、アジアの金融危機の問題もこれあり、本当に必要なものは不透明な政府歳出の排除であって、単なる歳出削減ではないんだということで、重ねて申しますが、谷口委員長を中心に私たちはやってきたわけでございます。 そこで、大蔵省は、この旧の財政構造改革法における財政再建方策をどう評価されておられるのか。そして、やはり一定の景気軌道に乗ったときには、これは一つの再建方策を出していかなければいけない、今でも一つのめどを出さなきゃいかぬというふうに思っておるわけでございますが、政務次官の基本的な御認識をお尋ね申し上げます。
○林政務次官 まことに重大かつ難しい問題の御指摘だったというふうに思っております。 まず、この財政構造改革法は今停止という状況でございますが、特にアメリカなんかの例を見ますと、最初、グラム・ラドマンという、日本で言うとシーリングみたいなことをやって、なかなかできない、その過程の中でCBOなんかもつくったりして、その成果が今度はOBRAという形で生きてきているというふうに私は認識をしております。そういう意味では、この旧財政構造改革法はOBRAに近い手法をとっておるということでございまして、具体的には、当面の目標で特例公債を脱却するのは何年だということに加えて、財政赤字の対GDP比三%、こういう数値目標を設定したというところが非常に新しいところでございます。 それから、まさにOBRAのように、主要経費ごと、例えばODAは幾らとか公共事業は幾ら、七%だったと思いますが、そういう主要経費ごとのめり張りをきかす、シーリングでは一律になりますから、そこをめり張りのきいたキャップにした。それから、同時に社会保障制度等いろいろな、こういうポイントについて構造改革をやりましょう、具体的なことは書いておるわけじゃないんですが、ここをポイントとしてやっていきましょうというようなことを規定してある点で、従来のいわゆるシーリングというよりも非常に効果的な取り組みだったんだろう、こういうふうに思っております。 そして、OBRAとかなかなかうまくいかなかったんですが、日本はまじめにやるものですからきき過ぎちゃいまして、ちょっと脱線しますけれども、実は、平成七年、平成八年と、フィスカルイヤーで三・〇、四・四と、委員も御承知のように経済が上向いてきたものですから、そろそろやはりダイエットをやらなきゃいかぬなということで、実は九七年にこれを出して、九月の二十九日に提出をして十一月の二十八日に成立しておりますが、その九七年はもう既にマイナスの〇・一%だったということでございまして、皮肉なことに、ちょうど審議をしているころに実は経済がもう一度ダウンターンに入っておる。そういうことがございまして、まじめにやってきき過ぎたということがあるわけでございまして、この手法自体はやはり非常に効果のあるものだと今でも認識をしておるところでございます。
○原口分科員 私も全く同じ認識を持っております。間違いではないんだけれども、タイミングの悪いことをまじめに突き進んでいった。ですから、この反省に立って次なる財政構造改革を考えておかなければいけない。 一つは、経済に対するセンシティブな感覚をその中にどう入れ込むか。それからもう一つは、私は、今の予算委員会での審議をする中で、最も揺らしてはならない部分というのがやはりあるんだろうというふうに思います。 それは、社会の中のセーフティーネット、年金であるとか、あるいは賃金であるとか、医療であるとか、当時の小泉厚生大臣ともこの財政構造改革法、かんかんがくがくの議論をさせていただきましたけれども、最もそこで不安に思った人たちが消費をとめてしまっている。ここだけは揺らしませんよ、改革は、ここは変えるけれども、しかしそのほかは変わらないよというメッセージも大事なんではないか。つまり、変えるべきところについては大胆に切り込む、しかし、変わらないところについてはどうぞ安心してください、特に医療の分野。 当時を思い起こしますと、難病対策費なんというものも、重点化ということでめり張りのきいたということを厚生省は当時おっしゃっていましたが、実は五%に重点化して、残りの九五%の難病の方々の医療費の補助については厳しい状況になっている。これではやはり、なかなか改革というのは進まないんだろうというふうに思います。 先ほど、お父様の林大蔵大臣、前の大蔵大臣のお話を伺っておりましても、やはり、あるべき姿と、そこに向かう現実的な道筋をしっかりと埋めることが私たち政治の役割ではないかというふうに思います。 もう一つ、当時の反省としてあるのは、やはり教育も同じように下げてしまっている。世界の先進各国でこういう転換点において教育費を削るということは、やはり非常に厳しい。今、国と地方で六百四十七兆の借金があると言われておりますが、資産は九百兆ある。そのうちの知的な財産は幾らですかと大蔵省にお尋ねすると、八十六億ぐらいと言われているんですね。実際に、本当に国の力を、あるいは国民の力を注げばもっともっと進む分野があるにもかかわらず、それを少し損ねてしまったということは、与党、野党含めて謙虚に反省をしなきゃいかぬ。 そこで、それではこれからどうするんですかということでございますが、財政再建にどのような手法で取り組んでいかれるのか。財政構造改革法の凍結を解除して財政再建をしていくのか、それとも別の手段をお考えなのか。これは大変難しい質問になって恐縮なんですが、エースの意見を伺っておきたいと思います。
○林政務次官 エースではなくてショートホープにならないように頑張ってまいりたいと思っておりますが、大変難しい御質問だと思いますし、我々、すべて考えていかなければならない問題だと思います。 そこで、もう委員御承知のように、今の財政、いろいろな数字を見ると、財政の立て直しというのは避けて通れないということでありますが、他方、先ほどちょっと私脱線しましたように、時期を間違えるとツケがかえってふえてしまうということでありますから、まずはやはり民需中心の本格的な回復にきちっと乗せていって、それから考えるということが原則としてあると思います。 大臣も、いつも、国と地方の関係をどうするのか。それから、社会保障を今おっしゃいましたけれども、どういう考えでいくのか。これはもうほとんど公共事業を抜くほどの勢いでございますから、一番大きい支出項目でございます。それから、負担と給付という問題をどう考えるのかということ等いろいろ考えて、単に歳出歳入をどう合わせるかということではなくて、システム全体を見ていくということが必要であろうということで、私もそのとおりだと思っております。 そこで、大臣の私案といつもおっしゃるんですが、マクロモデルをつくって、互いに今おっしゃったように影響を及ぼすというふうに考えられますから、単に単純計算して立ち上げるというんではなくて、マクロモデルみたいなものがやはり要るんではないかなというふうに私も思っております。 最近読んだ新聞記事だったでしょうか、新しい経済学の理論として、いかに今給付をふやしても、将来的に財政がだめになって、それに備えなきゃいけないんじゃないかという認識を国民の皆さんというか消費者の方がされると、それで消費が冷え込むというようなモデルを唱えていらっしゃる学者の方もいらっしゃるようでございますから、おっしゃったように、セーフティーネットのところをどうやってやっていくか。セーフティーネット、いや大丈夫ですと言うだけでは、むしろ本当に大丈夫なのかな。今つらいですけれども、これだけ負担をお願いして、給付をこれだけ将来の伸びを抑えるということにすればもちます、はっきりそういうふうに申し上げた方が、私はかえって将来に対する不安というものは安らぐのではないかな、それが我々の仕事ではないかな、こういうふうに思っております。 そういった意味では、先ほど来委員が御指摘のように、早くそういう問題に取り組むように景気を回復させて、そして、中期見通し等いろいろ出しておりますけれども、何よりも国民のコンセンサス、このコンセンサスの中には不安を取り除くということがもちろん入るわけでございますが、そういったことをやっていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○原口分科員 今、政務次官がお話しになりましたようなマクロモデル、特に、教育に対する政府の支出を一ドル減らすと、カナダの例だったと思いますが、七ドル分の社会不安として返ってくる。結果的には、ショートで見ると幾らか歳出削減になっているけれども、マクロで見ると、その分、警察の費用であるとかさまざまな福祉の費用がふえてしまう。やはり、時系列とそれからすべてのファンクション、これをマクロでとらえて、もう一回財政構造改革の基本に立ち返って提出し直す必要があるということを申し上げたいというふうに思います。 さて、そこでもう一つ、不安を解除するということと、もう一つ大きな材料は、不公正感を国民の中からぬぐい去っていくということで、税の問題については大変大きな問題でございますので、税の問題について、細かいところは政府参考人で結構でございますので、お尋ねをしていきたいというふうに思います。 平成八年度及び平成九年度の先ほどの会計検査院からの国税に対する指摘、特に不当事項、どういうものがあったのか、参考人の方からで結構でございますので、数点御紹介いただきたいと思います。
○大武政府参考人 それでは、お答えさせていただきます。 不当事項として指摘されたもの、平成八年度の決算検査報告では、租税の徴収に当たって過不足があったもの四百四十九件、十三億九千九百万円、それから還付加算金を過大に支払っていたもの二件、二千七百万円、職員の不正行為による損害が生じたもの一件、三千百万円の指摘を受けております。 また、九年度の決算検査報告では、租税の徴収に当たり過不足があったもの四百四十九件、十三億七千二百万円の指摘を受けているところでございます。
○原口分科員 税務署の職員が税金の不正還付を行ってみたり、あるいは、同じく税務署職員がわいろを税務署内でもらって課税資料を抜き取って捨てるという事案も、これは当該年度というわけではございませんが、過去、散見をされています。ただし、これだけ莫大な徴税の任務に当たっておられて、そしてその中で、やはり圧倒的なマンパワーの不足の中でやっておられるということは、私たち立法府としてもきっちり認識をしておかなければいけない。 そこで、私が御指摘を申し上げたいのは、今、徴税あるいは査察、さまざまな税にかかわる職務が非常に危険を伴う、実際に警察官を伴うこともできますが。しかし、私も今、国会Gメンというものをやりまして、そうすると、あなたの子供さん、何々小学校に通っていますよねなんという、それは何々小学校に通っているのですよ。それが別におどしだとは思いませんけれども、やはりいい気持ちはしない。あるいは、さまざまな不正事案をお調べになる中で、暴力団だけではなくて、職員の皆様の安全、危機管理についてもしっかりと考慮をしていく必要があるのではないか、あるいは、そのことに真正面から取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思います。 警察や検察と同じように、大変厳しい中で御活動をなさっている、そこに深甚なる敬意を表するわけでございますが、システムとして、徴税の安全性、危機管理について御提言を申し上げたいと思うのですが、このことについてお考えを伺いたいと思います。
○大武政府参考人 どうもありがとうございます。 ただいま御指摘がありましたセキュリティーという点に関して申しますと、まず、調査の際、調査対象者からの暴言などによりまして調査の継続が困難になるというような場合、あるいは職員が身の危険を感じた場合などは、速やかに調査の中断をするとともに、場合によりましては警察の協力を得まして、改めて調査を行うということを指導しております。 それからまた、査察調査におきましては、調査を受ける者が暴行、脅迫に出るおそれがあるというような場合、それは警察官の実力行使の必要があると認められる場合、そのような場合には、国税犯則取締法第五条に基づきまして、援助要請をお願いしているところでございます。 これらに加えまして、先生御主張のとおり、職員のためのセキュリティー対策を講じることは極めて大切だと思っておりまして、今後とも、どのようなことができるか検討していきたいと考えているところでございます。
○原口分科員 私ごとで恐縮なんですが、心理学を専門にしておりますと、今非常に社会が厳しい状況にあって、皆さんの心がささくれ立って、大体百人に一人くらい境界性人格障害、攻撃性を中に内包して、自分を導く自分というのを持たずに、ある突発的な事案によって攻撃性が外に出るという、俗に言う切れる、そういう障害を散見いたします。今、検討をするということでございましたが、やはり特に厳しいお仕事でございますので、職員の皆様の危機管理ということを真剣にお考えいただきたい。 そして、一方で、国税の信頼を確保するために、一生懸命そうやって活動をされておられる皆さんにとってはやるせのない事案も、この間衆議院の予算委員会で報告をされました。大臣の元秘書もかかわっているといういわゆる脱税コンサルタントの問題について、私たちは、衆議院の予算委員会で多岐にわたって議論をしてきたわけでございます。 国民の国税に対する疑念を払拭するためにも、脱税事件の調査、特に、院が必要と認めた場合は、国税職員にはより強固な守秘義務が課されています。昭和四十年代に、守秘義務と国政調査権の関係で活発な議論がされていた。それから随分いろいろな議論がされていることは知っていますが、諸外国の事案を見ると、非常にオープンになってきています。 これは、今回の事案のような政治家の名をかりた、あるいはそれを見せびらかした、そういったものから税の公正性を守るためにも、とても大事なことだ。やはりブラックボックスになっていると、そこにはカビが生える、チェックが中だけであると、そこではうんでしまう。アメリカなどは、納税者憲章をつくって、そして議会に対して大変厳しい報告の義務を課しています。 私は、個別の事案についてきょうお伺いする気はございませんが、こういう国税庁の職員さんの名前をかたったような本当にけしからぬ事案。これは、二月の二十一日に当局はわざわざ記者会見をされて、当該職員の名前はイニシアルでしたから、どなたなのか私たちも知りませんけれども、その方の名誉を守るとともに、国税に対する信頼も同時に記者会見をして守るということまでされている。 こういう凶悪な事案については、やはりしっかりと国会に報告をすべきだというふうに思うのでございますが、基本的な認識を、政府参考人で結構でございますので、お伺いしたいと思います。
○大武政府参考人 ただいま先生から、プライバシーの問題、それに対する国税の守秘義務あるいは税制上の守秘義務、そのあたりをどう考えるかという御指摘でございます。 やはり、私ども調査に関する事務に従事します税務職員というのは、その過程で納税者の財産上あるいは一身上の秘密を知り得る立場にあります。したがって、税務職員にその秘密を他に知らせないように義務づけることが、納税者等の秘密を保護する、そういう点から極めて必要性が高いという点があるかと思います。 その上、実は、申告納税制度のもとで税務の執行を円滑に行うためには、やはり納税者の信頼と協力を得ることが必要でございまして、もし税務職員が職務上知り得た秘密を漏らすとなりますと、やはり納税者と国税当局の信頼関係が損なわれる。実は、これは一つの側面としては、情報が税務当局へ入ってこなくなる。これはある意味では、申告納税制度を基本とする税務行政に致命的な支障を起こす可能性がある。 したがって、ただいま先生が御指摘いただいたような職員の身分にかかわるような場合、それが調査に関係なければ、身分の保護のために、今回の一連の話でもそれなりの記者会見なり我々の抗議もさせていただいていますが、やはり調査に関係することは、我々はそこは慎まなければならないのではないのかなというふうに思っているということでございます。 なお、それに関連して、実はこれも、先ほど先生が言われたセキュリティー対策に非常に近い点を持っているように思っています。要するに、暴力だけではなくて、そういう意味でのセキュリティーを我々当局としても検討していかなければならない、そんなことを思っている現実でございます。
○原口分科員 それは、一般に個別の案件をすべて国会に報告してくださいということを申し上げているのではありません。 そうではなくて、国政調査権と守秘義務との関係であれば、国会において国政調査権を行使して、これはハウスが行使をして、国政調査権というのは当然ハウスが行使するわけですが、秘密を出してくれと決定した段階において、国政調査権の行使によって得られるべき利益と守秘義務によって守られるべき公益との比較考量がもうそこでなされているわけでありまして、私どもは、あの大蔵省の検査示達書、何でも一緒にやっていますね、それも御一緒にさせていただいたんですが、あのときも同じようなことが言えたんです。 検査示達書をオープンに見たかというと、そうではなくて、秘密会議で見ました。ですから、私たちはその中身を絶対外には出さない。あれは大蔵委員会と予算委員会で拝見をして、あの検査示達書、思い出すのもいまいましいんですが、何とかしゃぶしゃぶに行った検査官が手心を加えたということでございましたが、実際に四銀行に対する検査示達書を見てみると、まじめに書いてありましたよ、接待を受けたところ以外は。接待を受けたところは律儀に外しておられた。 私たちは、やはり三権分立の基本の考え方の中から、これは国税に対する信頼を高めるためにも、一般の人にそれを個別に言ってくださいということをここで申し上げているのではありません、しっかりと開示ができ、そして説明責任を果たせる制度をつくらないと、恣意によって、あるいはだれかの政治的な圧力によって今回のようなことを間違える人が出てきてはならぬ、これは国の根幹を揺るがすということを申し上げたくて、きょうこういう質問をしたわけでございます。 政務次官はアメリカの制度にもお詳しくございますが、ぜひ納税者、主権者の立場に立った公開、それはハウスに対して特定の事案と限るわけでございまして、あるいは、特定の職員の名前を出せなんということを僕らは言う気はありません。そんなことではなくて、余りにも国税の信頼を損なうような事案についてハウスが決議をした場合については、しっかりと説明責任を果たしていくということは、これは当然のことであるというふうに思うんですが、御所見をお伺いしたいと思います。
○林政務次官 大変お詳しい先生がまたいろいろな御経験を既にされての御質問でありますから、今から我々も考えていかなければいけない問題じゃないかと思っております。 先ほど委員から御指摘がありました昭和四十年代、いろいろ議論があって、これは昭和四十九年の十二月、参議院予算委員会で政府の統一見解というのが出されておりまして、私どもが大体中学校ぐらいのときの話でございます。 国政調査権が憲法六十二条、全部読みません、それから行政権に属する国家公務員の守秘義務というのが六十五条であって、この六十二条と六十五条の比較考量をケース・バイ・ケースでやるというのが政府の統一見解であります。学説等にはまた異なったところもあるというふうに私も承知をしておりますが、これでずっと来ておるというのが今までの政府の統一見解ということでございます。 李下に冠を正さずという言葉がございますから、余りそこを比較考量して、いつもいつも出さないと言っていると、やはり最終的には、民主主義の中でおかしいねということになって、もうちょっと出しなさいというところが多数になれば、それは当然、院の意思として出ていくものになるだろう。しかしながら、やはり憲法上の二つの権利の比較考量ですから、一方が全く意味のない利益で、一方が常に重んじられなければいけない利益ということにもならないと思いますので、究極なことを申し上げましたけれども、やはりケース・バイ・ケースでやっていく。 その中で、本当にブラックボックスだと思ってもらわないように、中もきちっとやっている、その上でケース・バイ・ケースで判断しているということをするために、我が省といたしましても、また国税庁に対してもきっちりといろいろなことを勉強してもらうように、これからもお願いしてまいりたいと思っておるところでございます。
○原口分科員 終わります。ありがとうございます。
○谷口主査 これにて原口一博君の質疑は終了いたしました。 次に、富田茂之君。
○富田分科員 公明党・改革クラブの富田茂之でございます。よろしくお願いいたします。 私の方からは、まず国有財産の売却及び管理について何点かお尋ねしまして、また後にNPO法人に対する課税について何点か御質問をさせていただきたいと思います。 まず国有財産に関してですが、平成十年の七月三十一日、小渕第一次内閣の初閣議におきまして、小渕総理の方から、国有財産は、各省庁の公館公舎等を含めて各種施設は徹底した情報公開をし、資産の売却及び転用について早急に検討を行うという旨の発言がなされております。この小渕総理の発言を受けて、大蔵省としてはどのように取り組まれたのか、教えていただきたいと思います。
○村井政府参考人 お答え申し上げます。 今先生御質問のとおり、平成十年七月に当時の小渕内閣総理大臣から御指示があったわけでございます。 これを受けまして、同年八月、内閣に国有財産情報公開・売却等促進連絡会議というものが設置をされました。各省庁が所管する行政財産等につきましての徹底した見直しと情報公開の推進についての検討が行われたわけでございます。 また九月には、国有財産中央審議会におきまして国有財産の売却等に関する小委員会が設置されまして、今後の国有財産の管理処分のあり方につきまして審議が行われたところでございます。 これを受けまして、最初に申し上げました国有財産情報公開・売却等促進連絡会議におきましては、同年十二月に取りまとめが行われ、事務次官会議におきましても同内容の申し合わせが行われたところでございます。現在、各省各庁におきまして、これに沿った取り組みがなされておるところでございます。 また、ただいま申し上げました申し合わせの内容につきましては、毎年、連絡会議におきましてフォローアップがなされることとされているところでございます。 さらに、国有財産中央審議会におきましては、近年の国有財産を取り巻く環境の変化の中で、今後の国有地の管理処分のあり方について審議が行われまして、平成十一年六月に、行政財産のより効率的な管理のあり方、国有地の売却等をめぐる諸問題、国有財産に関する情報公開のあり方について提言がなされたところでございます。 大蔵省といたしましては、この提言の具体化に努めているところでありまして、今後とも、引き続き国有財産行政に反映させてまいりたいと考えております。 また、情報公開の話につきましても総理から御指示があったわけでございます。国有財産の情報公開の一層の充実及び資産の売却と転用を推進いたしますため、行政財産等の使用状況実態調査さらには未利用国有地等の総点検というものを大蔵省において実施をいたしました。結果につきましては、平成十一年九月、平成十年度分の結果を取りまとめまして一件別の処理計画等を公表したところでございます。 さらに、情報公開につきまして、一層タイムリーかつ利用者の方々のニーズに合った情報提供を行ってまいりますため、現在、インターネットを活用した国有財産情報公開システムの開発に取り組んでおるところでございまして、本年四月からは行政財産全件につきまして、所在地並びに使用状況等の一件別情報をインターネット上で公表をしておるところでございます。 大蔵省といたしましては、今後とも、国有財産の有効活用及び適切な管理処分に努めてまいりたいと考えております。
○富田分科員 今次長の方から、十一年六月に情報公開も決まり、また処理計画も現在公表されていると、一件ごとに。それもまたインターネット上に載せているんだというお話でしたけれども、実際に国有財産のそれぞれの物件について、どの物件を売却するんだ、あるいは転用していくのだということについては、どういった基準で判断されているのでしょうか。
○村井政府参考人 国有地は国民共有の貴重な財産でございますことから、その有効活用を図ってまいるということが基本であると考えております。 国が現在使用中の国有地につきましては集約立体化等の効率的な利用に努めますとともに、利用していない土地、いわゆる未利用国有地につきましては、公用、公共用優先の原則のもと、重点的、計画的活用を図りますとともに、公用、公共用の利用が見込まれないものにつきましては、原則として民間に売却することとしておるところでございます。
○富田分科員 公用、公共用優先の原則だと。 例えば、都道府県とか市町村の方で、自分たちの計画でこういったものが必要なのだという場合には、そちらといろいろ具体的な協議をして売却していくようになると思うんですが、売却予定で公表されている物件について、実際に売却あるいは転用に至るまでの間、特に未利用の土地はそれなりの管理とか、また運用というものが現実問題として必要になると思うんですけれども、実際に売却されるまでの間の管理について、未利用地の国有地について何か管理基準みたいなものは大蔵省としてはお持ちなんでしょうか。
○村井政府参考人 ただいまの御質問の売却及び転用に至るまでの資産管理という点でございますけれども、この点につきましては、財政法第九条に、国の財産は、適正な対価なくして貸し付けてはならない、また、国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理しなければならないと規定をされているところでございます。この趣旨を踏まえまして、将来の売却や転用に支障のない範囲内で、適切に対処をしているところでございます。 より具体的に申し上げますと、将来の売却や転用に支障が生じない範囲で、一時的な貸し付けを行うなど、個別具体的な利用要望にも即しまして、暫定的な活用などを図ることとしておるところでございます。
○富田分科員 今次長の方からお話がありました財政法の第九条に基づいて、将来の売却に支障がない、こういう観点から一時的に貸し付けたりしているというお話でしたが、実際に、私の住んでおります習志野市にも、そういった形で今一時的な貸し付けを受けている土地がございます。 千葉県の習志野市なんですが、合同宿舎がありまして、その横に三千坪程度の自然の森が残っております。習志野の森というふうに地元では呼んでいるのですが、この習志野の森の管理について何点かお尋ねをしたいと思います。 この森は、一九九〇年の二月に、それまでは千葉大の腐敗研究所があって、その跡地としてそのまま放置されていたようであります。文部省から大蔵省にこの土地が移管されて、公務員宿舎大久保住宅の建設計画が発表されました。それと前後しまして、習志野に珍しく残った大型の緑地ですので、緑地保全の運動がいろいろな形で起こったようであります。 そういった運動の中で、また大蔵省の方がその運動をされている方々といろいろ協議をし、いろいろやりとりはあったと思うんですが、現在、年四回程度、この習志野の森の敷地の中に市民の皆さんが入ることができまして、地元では習志野の森の開放日というふうに呼んでいるのですが、春夏秋冬、冬になる前という形で、年四回、自由に出入りできるように大蔵省の方で配慮していただいているようであります。また、その年四回の開放日に向けて、地元の皆さんは、お掃除をしたり下草を刈ったりして、森を生き生きと残せるようにということで、いろいろ御苦労もされているようなんです。 今次長が言われた、将来の売却に支障がない、そういう範囲で多分この年四回の森の開放というのもされてきたと思うんですが、約十年近くそういった形でこの習志野の森が市民に利用されているわけですけれども、大蔵省の方としては、この森の開放日のあり方といったものについて、これまで十年近くずっと定着してきたことについて、今どのように認識されていますでしょうか。
○村井政府参考人 今御質問をいただきました習志野の国有地でございますけれども、この土地につきましては、既に習志野市当局から公園用地として購入をしたいという意向が示されているところでございます。先生今御質問をいただきました、周辺住民の方々からも立ち入りの要望というふうなものがあったわけでございます。私どもといたしましては、財産の管理上支障のない範囲内で立ち入りを許容、立ち入りをしていただいてきたという経緯があるところでございます。
○富田分科員 私も、昨年の十一月に、市民の方たちに勧められて、私は三人子供がいるのですが、私的なところにわたって申しわけございませんが、一番下の子供、まだ幼稚園の年長だった子と初めてこの森に行きまして半日遊ばせていただいたのです。ちょっと都市部にはないなというぐらいの本当に自然が残っておりまして、子供たちの間でトトロというビデオが人気があるのですが、トトロの森という、物すごい高い木に囲まれて、子供がその中で遊べるというような森も残っていまして、私の子供など大喜びしていたのです。 そういったことが、この習志野の森と称されている土地、今次長の方から、習志野市の方で公園として購入したいという話があって、話が進んでいるというふうにおっしゃっていましたけれども、現実問題として、習志野市の財政は非常に厳しくて、すぐ購入できるのかというと、なかなかそういった財源はございません。 この習志野の森も、平成十四年度末までに売却可能な土地ということで、先ほどの公表されている中の物件に入っているというふうにお聞きしています。十四年度末までに習志野市の方で購入できなかった場合、この土地がどうなってしまうのか。習志野市としては、付近のことも考えて、何とか公園用地として取得したいというふうに考えているようですけれども、十四年度末というふうに期限が区切られると、財政的になかなか厳しいな。それができなかった場合にどうするのか。習志野市の方で何とか購入したいという希望をきちんと表明して、ある程度の余裕を下さいというような表明があった場合には、それに応じられるのかどうか、それが一点。 また、先ほどの質問とダブるのですが、この習志野の森という土地が現実に習志野市に売却されるまでの間、現在利用しているような状態で市民が利用することが可能なのか、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○村井政府参考人 今御質問にもございましたとおり、先ほど御答弁を申し上げました、内閣に設置をされました連絡会議において公表、取りまとめをいたしました平成十四年度末までに処分を進める財産にこの土地は含まれておるわけでございます。 習志野市御当局から、公園用地として取得をしたいという意向、これはもうかなり古い、平成二年ごろであったかと思いますが、そのころからお示しをいただいておるところでございます。また、最近に至りましてもそのような動きが出てきておるというふうに承知をいたしております。したがいまして、基本的には、習志野市におきまして速やかに取得をしていただき、公園とした上で市民に開放していただく、これが望ましいのではないかと考えておるところでございます。 さらに、先生から、仮にそれが延びる場合、取得するまでの間開放することはできないかという御質問がございました。この点につきましては、先ほど来たびたび申し上げております平成十四年度末に売却に努める財産とされておるわけでございます。今後とも、習志野市当局と協議をしながら、早期に売却すべく手続を進めてまいりたいと考えておるところでございますけれども、処分が決定をいたしますれば、売却等の支障とならない範囲でどのようなことが可能であるか、法令を踏まえまして、地元の御要望というふうなものも伺いながら検討してまいりたいと考えております。
○富田分科員 ぜひ地元の要望を聞いていただきたいと思うのですが、千葉財務事務所の方で、習志野市を窓口として、習志野の市民のいろいろな方たちがこの森を利用したいというふうに言われているようですので、習志野市とうまく打ち合わせをしていただきたいと思うのですが、現実問題として、先ほど次長が言われた財政法第九条に無償では貸し付けられないというような規定があります。これまでは、実際に支障がないということで、現実問題として大過なく森を利用させていただいていたようですけれども、財政法九条に基づいて適正な対価を払ってくださいというようなお話が市当局の方にあったというふうに聞いております。 これは法律に基づいたことですので、当然そういうふうになるのもやむを得ないのかなと思うのですが、この習志野の森の利用形態によっては、もう少し考慮していただいてもいいのではないかなというふうに私自身考えております。 事前に大蔵省の方といろいろお話をさせていただきまして、財政法第九条を弾力的に運用できないのかというふうに申し上げましたら、適正な対価が幾つもあったらおかしいじゃないかというふうにお話しいただいて、それは本当にそのとおりだな、適正な対価というのは確かに一つ決まってくるものだと思いますので、この法文どおりにいけば、適正な対価を決めたらそれで使用してくださいというふうになっていくと思うのですけれども、実際に、環境の勉強とか森の自然を勉強するといった意味でも、物すごく意味のある土地だと思うのですね。 近くの小学校の子供たちがみんなで行って、一日利用して、初めてそういった自然に触れたというようなこともこれまで何度もあったようですし、これから小中学校の方で総合的な学習の時間ということで地域に入っていく、また、こういった自然のものに子供たちが触れる時間を学校の教科課程の中で求めていこうというような流れになっていく中で、すぐ近くにこういった自然があるということでそこを利用するというときに、一般の市民が利用するのと同じように、適正な対価だからということで、例えば同じ金額が決まって同じように利用していくというのは、ちょっと子供たちにとっては酷だな。全部習志野市が払えばいいんだということなのかもしれませんけれども、そのあたりは、本来国民のものなわけですから、国民に利用してもらえば何の問題もないと思いますので、何らかの配慮ができないのか。 財政法九条を弾力的に運用というのはちょっと無理なようですので、このあたり、適正な対価で貸すという場合の現場での何らかの配慮というのが可能かどうか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○村井政府参考人 ただいまの御質問でございますけれども、先生からもお話がございました財政法第九条において、国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、適正な対価なくしてこれを貸し付けてはならないという規定になっておるわけでございます。その場合の適正な対価と申しますのは、いわゆる時価であるということになっております。 したがいまして、先ほど来申し上げております一時使用という場合でございましても、時価とならざるを得ないということを御理解いただきたいと存じます。
○富田分科員 使用料ですので、時価の評価というのは、周りに同じような形態がなければ、なかなか自然の土地の使用料というのはすぐ出てこないと思いますので、そのあたりは、現場でのいろいろな調整の中でぜひ御配慮していただきたいなというふうに御要望しておきたいと思います。 もう一件、地元のことばかり話して申しわけないのですが、同じように、習志野市谷津に公務員宿舎跡地が今未利用になっておりまして、ございます。ここの部分についても、習志野市の方で市道に利用したいというような要請があって、その点についてお話が始まったというふうにも伺っているのですが、実際に、習志野市がこの習志野市谷津にある未利用地を全部購入するというのは、財政的に不可能だと思います。 実は、地域の住民の皆さんから習志野市の当局に対して、ここの国有地が売却される場合には、一部でもいいから市の方で取得していただいて、付近はもうマンション街ですので駐車場用地に困っております。また、消防が入れないんじゃないかというような不安もあって、できる限り市の方で国と交渉して取得するようにというような要望が市当局にされております。 付近の住民の皆さんのお話を聞きますと、一体としては習志野市当局が購入できなくても、分割売却が可能であれば取得することが可能なんじゃないかということでこういった要望をされたようなんですが、実際にこの国有地が売却になる場合に、ある程度そういった配慮もされて、市の方でここの部分は利用したいというようなことがあった場合には、分割して売却というのが可能なんでしょうか。その点だけお尋ねしたいと思います。
○村井政府参考人 ただいまの御質問でございますが、結論的には可能でございます。この財産につきましても、全体として平成十四年度までに処分に努める財産ということで既に公表されておるわけでございます。 通常、処分をいたしますときには、国有地につきましては、公用、公共用優先という原則で行っておるわけでございます。したがいまして、地元公共団体、この場合でございますと習志野市でございますが、まず習志野市に情報提供をさせていただきまして、取得の意向を確認させていただきます。仮に全く取得の意向がないということでございますと、一般競争入札によりまして民間に処分をするということでございますが、ただいま御質問のように、一部お使いになりたいとして取得をしたいというときには、そういう御要望というふうなものも十分踏まえた上で、適正に対応してまいりたいと考えております。
○富田分科員 ありがとうございました。 次に、NPO法人に対する課税について何点かお尋ねをしたいと思います。 実は、四月十九日、昨日付の日刊紙に何紙か、大蔵省の方で、NPO法人が提供する介護サービスについて、これを法人税の課税対象とする方針を固めたというような報道がなされております。これは事実なんでしょうか。
○大野(功)政務次官 そういう判断をしていることは事実でございます。 ただし、今回の判断というのは、NPOに対する課税という切り口ではなくて、要するに、NPOを含めまして、公益法人が特掲されております三十三の収益事業を行った場合にどういう課税関係が生ずるか、こういう切り口でございます。言いかえますと、NPOが介護サービスをした場合に、その介護サービスなるものが三十三の収益事業に該当すれば課税関係が生じますよ、こういう判断でございます。 四月から介護サービスが始まっておりますので、それまでにも随分と厚生省と相談いたしております。一体どういうサービスを行うのか、どういう契約関係になるのか、こういうことを十分説明も受けましたし、いろいろ検討した結果の判断であることは言うまでもございません。 今回の介護サービスでございますが、先ほど申し上げました法人税法施行令の中に特掲されております例えば医療保健業、物品貸付業、物品販売業または請負業に該当する、こういう判断でございます。したがいまして、原則として収益事業に該当する、こういうことでございます。 いずれにしましても、本件の介護サービス事業に対する法人税法の適用関係の判断につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現時点での典型的なサービス、こういうことを念頭に置いておるわけでございます。個々の公益法人、もちろんNPOを含むわけでございますけれども、このNPOが個々の事業を行う場合に一体法人税法上の収益事業に該当するのかどうか、これは個別に、今度はNPOとしての切り口でございますが、個々にこれから判断していく、介護サービスについては先ほど申し上げたような判断である、こういうことでございます。
○富田分科員 大野政務次官の言われることはよくわかるのですが、NPO法人に対してだけ課税しているのではないよ、公益法人の収益事業として判断した場合に課税対象になったのだという御説明ですけれども、報道の方はやはりそういうふうなとらえ方をしていないのですね。社会福祉法人と比べて、社会福祉法人の方は非課税なのに、同じことをやっているNPO法人がなぜ課税されるのだというような報道の仕方をしております。 それは、なぜそうなったのかというのは、やはり介護の現場でNPO法人に対する役割に物すごい期待が大きいのですね。また、介護保険法でもNPO法人に対して介護事業に参入できるようにというような規定もきちんと予定されているわけですから、そうしますと、やはり公益法人全般を考えて課税対象としたのだという御説明は、それは理屈はそうなんでしょうけれどもと、どうしても言わざるを得ないと思うのですね。 また、実は、宮澤大蔵大臣が三月の二日でしたか、参議院の予算委員会で、NPO法人に対する優遇税制に関する質問について、このように答えられております。我が党の山本議員が「全国のたくさんの方から、NPO税制についての優遇措置をお願いするという署名もいただいております。どうお考えでしょうか。」というふうな尋ね方をしたのに対して、宮澤大蔵大臣は「私はしかし、この一年間、世の中のNPOについての感じが大分評価が積極的になってきていますので、できるだけ税制上の特典を差し上げたいと思っておりますが、ほぼ六月に書類が出てまいりますから、そのあたりで判断を進めてまいりたいと思います。」というふうに答弁されております。 これは、一昨年の十二月からNPO法人の認証が始まって、一年間ずっとやってきて、多分税務当局の方で三月で一たん締めたものが六月あたりに全国の書類が集計されてきて、まあNPOといってもいろいろなものがありますから、きちんと活動しているのかどうか、いろいろな方たちからきちんと寄附を集め、またその集めた寄附についてきちんと情報公開をして、ちゃんとした運営がされているのだろうか、いろいろなNPO法人があると思います。 そこを踏まえて、多分大蔵大臣は、そういった書類を全部見てみて、税制上の優遇措置を与えるに値するかどうかという判断をされるというふうに表現されたとは思うのですが、NPO法人に対してやはり優遇していかなければいけないのだという判断を大臣がされているのに、公益法人一般で全部くくって、しかも期待の大きい介護事業について課税していくのだというのは、ちょっと大蔵大臣の発言とも矛盾すると思いますし、方向が逆なのではないかなというふうに感じるのですが、そのあたりはどうなんでしょうか。
○福田政府参考人 今回の国税庁の判断は、今政務次官から御答弁申し上げましたように、広く介護サービス事業を行う公益法人等一般に対する収益事業の課税関係を判断したものでございまして、NPO法人に対する課税方針を決定したものではございません。これはもう、先生今おっしゃるとおりでございます。 三月二日、参議院予算委員会におきまして、大蔵大臣、先生今まさにおっしゃいましたように、NPO法人に対する税制上の優遇措置については、今後、法人格を取得するNPO法人の実態を見きわめた上で、例えば公益性の基準やそれを確保するための仕組みをどのようにするか等、幅広い観点から検討していきたいという趣旨でまさに答弁されてございまして、今回の判断とは観点を異にしているのではないかというふうに考えております。 実際問題として、では、大臣が御答弁申し上げました、税制上の優遇措置をどうするのかということが端的なことであろうかと思いますが、これは今先生お話ございましたように、ことしの十一月末までに税制を含めて見直して結論を得て、二〇〇一年十一月末までに必要な措置を講じる、こういうふうに附帯決議をいただいているのも私ども十分認識しております。 昨年二月以降、NPO法人の認証が始められておりまして、どのような団体がNPO法人としての資格を取得して、どのような活動が展開されているのか、今後、事業報告書あるいは収支計算書等が提出されまして明らかになっていくと考えられますので、まずはその実態を見きわめる必要があろうか考えております。 NPO法人の難しいところは、これはもう釈迦に説法でございますが、公の関与からなるべく自由を確保するという制度になっているわけでございますが、一方で、国税について優遇措置を講ずる場合には、御案内のように、全国的な見地で公益性を判断する基準、あるいはその公益性が確保される仕組みが必要となってまいります。 公益性を担保するための基準、仕組みについて、NPO法人と国との関係をどういうふうに考えるのかという、NPO法人制度の基本に触れる問題も実は存在するわけでございまして、いずれにいたしましても、このNPO法人に対する税制上の優遇措置につきましては、今後、与党並びに政府の税制調査会の場におきまして、法人格を取得しているNPO法人の実態を見きわめられた上で、公益性の基準やそれを確保するための仕組みをどのようにするのか、公益法人課税のあり方、それから各種の法人や団体に対する課税とのバランス等、幅広い観点から検討していただくことになろうかと考えております。
○富田分科員 観点、切り口は違うとは思わないのですね。こういったふうに、公益法人一般と同じように課税するのであれば、課税のときにやはり優遇税制措置というのもパックであるべきだと思うのですよね。 今審議官が言われたのはよくわかります、これまでNPO法をずっとやってまいりましたので。平成七年に新進党としてNPO法案を提出したときに、大蔵省の皆さんから、もうけちょんけちょんに言われたことを考えると、今のように言っていただくというのは非常にありがたいなと思います。 ただ、今回のこの報道を見ていて、NPOに対する優遇措置、確かに、公益性をどう担保するのだ、そこの部分が一番問題だと思うのですけれども、実は、昨年の十二月一日に超党派でNPO議連として提言をさせていただきました。加藤紘一先生を会長とする超党派の議連ですが、その中でも、認定法人という概念を使いまして、政府のある公共な機関がきちんと認定した法人については、寄附金税制、寄附金も所得控除とか税額控除させて優遇していいのではないか、あるいは所得の中のみなし寄附ですか、このNPO法人に対してみなし寄附を認めるべきだという提言もさせていただきました。 公益法人一般と同じように、今回のように介護事業について課税するのであれば、せめてみなし寄附の部分程度、NPO法人が生き生きと生きていけるように、我々の提言では、二〇%程度みなし寄附を認めたらどうだというふうに提言させていただいたのですが、そのあたりもやはり大蔵省の方で配慮して、きちんと頑張っているNPOに対してはそれなりの評価をあわせてやっていくというふうにしないと、課税が先にあって、その後ちゃんと考えて、後で優遇してあげますよということでは、せっかく立ち上がったNPOが今後生き生きと活動するのはかなり苦しいと思いますので、こう言ったからといってすぐなるとは思いませんが、今審議官がお話しされたように、今後与党三党あるいは政府税調の方とよく協議していただいて、大蔵大臣も積極的な答弁をされておりますので、そのあたりをぜひ配慮していただきたいということを要望しまして、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○谷口主査 これにて富田茂之君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行についての質疑は終了いたしました。 次回は、明二十一日午前九時三十分から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十九分散会