外務委員会 第10号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/05/17
会議録
○井奥委員長 これより会議を開きます。 万国郵便連合憲章の第六追加議定書、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件及び著作権に関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各件審査のため、本日、政府参考人として、委員古堅実吉君の質疑に際し、外務大臣官房審議官小松一郎君、外務省経済局長田中均君、文化庁次長近藤信司君及び郵政省郵務局長濱田弘二君の出席を求め、それぞれ説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井奥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○井奥委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玄葉光一郎君。
○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。 ただいま委員長からお話のありました三つの協定について質問をさせていただきたいと思います。 まず、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締結についてでありますけれども、知的所有権、あるいは知的財産権と申し上げてもよいだろうというふうに思いますけれども、この知的創造の成果ともいうべき知的財産権あるいは知的所有権についての外務大臣のお考えをまずお尋ねしたいと思うんです。 というのは、問題意識の一つとして、この知的財産権、知的所有権というものに対する取り組みのおくれというのが、いわばこの国の昨今の産業競争力の低下の一因になっているのではないだろうか、そういう思いがあるからであります。 新聞報道でありましたけれども、御逝去された小渕前総理も、この知的財産権というテーマに大変関心を持っておられたという報道を読んだことがございます。恐らく、この知的財産権の問題で御自分の色をどこかで出されるおつもりだったのではないだろうか、そのようにも推測をするわけであります。 幾つもあるわけでありますけれども、例えば金融ビジネス特許というのは大変我が国はおくれていると言われております。例えばデリバティブなども、邦銀ではほとんど特許を持っていないということが現実にあるわけであります。それはなぜ持っていないんだろう。一番大きな原因は、邦銀そのものの、日本の銀行そのもののこれまでの甘えの体質といいますか、護送船団方式で守られてきた、金融商品を新たに開発をする、そういう意欲がなかったということがまずあると思います。 私も読んでなるほどと思ったんですが、これは通産の分野にもかかわる話でありますけれども、例えば我が国の特許法だと、サービス分野は特許として認めない、そういう法律になっている。つまり、そういった法体系の不備が結局のところ日本の知的財産権あるいは知的所有権全体の取り組みのおくれにつながり、またそれが産業競争力の低下の一因になってきたのではないだろうか、そう考えるわけでありますけれども、まず外務大臣、この点についていかがお考えか、お伺いをしたいと思います。
○河野国務大臣 特許権の問題はかねてから指摘をされる方が大変多くて、この問題については、弁理士を初めとして多くの団体がこの特許権の整理と申しましょうか確立と申しますか、そういう点を指摘される方が非常に多うございました。 今議員がお話しのように、知的財産権あるいは知的所有権、この問題もまた同じでございまして、こうした知的所有権がきちんと確立をされる、あるいはこれを非常に重要な問題というふうに認識をするということは、今御指摘のとおり、例えば国際競争力という問題にも関連して非常に重要な問題だというふうに私は考えております。 ただ、議員が、この知的所有権についての我が国の取り組みがおくれているではないかという御指摘をなさったと思いますが、この点につきましては、これはどこの国と比較するかということもあると思いますけれども、一般的に言いまして、我が国は、著作権の保護に関するベルヌ条約でありますとか工業所有権の保護に関するパリ条約という二つの知的所有権に関する最も基本的な条約は、もちろん締結をいたしておりますし、従来から知的所有権の保護にも配慮をしてきたところでございまして、そのことがなければ今日の我が国の経済的繁栄というものもなかったと言っていいと思いますので、この問題に対する対応が極めておくれていたかどうかということについては評価はさまざまであって、国際的に見れば一定の水準で我々は取り組んでいるというふうに思っているわけでございます。 この問題は日進月歩でございまして、デジタル化あるいはネットワーク化など新しい動きもございまして、これらに関しましても、いわゆるWIPO、世界知的所有権機関でございますが、WIPOにおける取り組みなどを通じまして積極的に対応をしてきているわけでございます。 今回御審議をいただいております条約を締結することも、こうした新たな状況に対して著作権保護を強化するという意味で重要だと考えておりまして、先ほど冒頭に申し上げました、この知的所有権の問題が産業競争力の問題とも極めて密接にかかわり合いがあるという認識を持ちまして、これから先、関係省庁とも緊密に連絡をとって対応していかなければならないというふうに考えております。
○玄葉委員 今外務大臣からお話のありました知的財産権、知的所有権に対する我が国の取り組みは、どこと比較するかによるけれども、決しておくれていたのではないのではないか、そういうお話でもありました。 確かに、どこと比較するかということはあるかと思いますけれども、特にアメリカと比較してしまうと、少なくともこの著作権の保護、特に特許、今回は著作権が議論になっているわけでありますけれども、特に特許のところで大変な差が現実に生じてしまっているということは、これは否めない事実であるというふうに思います。 先ほど申し上げた金融ビジネス特許もそうでありますし、いわば高付加価値の集積回路であるLSI、超LSIなどもまさにおくれが目立つ、その結果、今の情報通信分野の米国に対するおくれというのが現実に出てきているのではないだろうかということを考えると、私はやはり、これはまあ外務省というよりは通産省であり、もっと言えば内閣でありますけれども、我が国の知的財産権戦略ともいうべきものをしっかり立てていくということは、これはこれで極めて大切なことではないだろうか。恐らく小渕前総理も、そういう観点あるいはそういう視点をお持ちではなかったのかなと、実はそう勝手によく解釈をさせていただいているんですけれども、そのためには、これからでも遅くはないので、内閣全体として取り組みをしていくべきなんだろうというふうに私などは思っております。 よく、著作権は文化庁、文部省、あるいは特許は特許庁、通産省、こういう縦割りの壁の中で全体の戦略が立てられていないのかなという想像も勝手にいたしますけれども、いわゆる内閣全体としての知的財産権戦略ともいうべきものをこれから立てていくべきなのではないだろうか。特に二十一世紀は、IT革命等々もあって、二十世紀にまさる知的財産権、知的所有権の時代だというふうに思いますので、そのようなことも外務大臣としてもお考えをいただければというふうに思います。これは直接外務大臣の所管じゃありませんから、お尋ねはいたしませんけれども。 そこで、外務大臣に関係する、あるいはこの条約に関連することでいえば、一方、この知的所有権、知的財産権に対するいわば国際的なルールというものがどこまで確立しているのかということは、それはそれでしっかり私たちの国も認識をして行動すべきなんだろうというふうに思います。 特許制度、必ずしも一致しているわけではありません。むしろ、アメリカなどとは違う点がかなり多いわけであります。これを統一していく。俗にハーモナイゼーションと呼ぶらしいんですけれども、これを統一していくために今回提案をされている世界知的所有権機関というものがどういう役割を果たしていくのか、あるいは日本の外務省としてはどういうことをしていくおつもりなのか、その点もお伺いをしたいと思います。
○河野国務大臣 著作権でございますとかこういう知的所有権というものは、近年になって、技術の進歩と申しますか、そうした分野への大変積極的な技術の導入、そういったものがございまして、急速にその分野は重要視されるようになったわけでございます。 今議員からちょっと御指摘がございましたので、少しお答えがそれますけれども、お許しをいただいて、例えばアメリカの政策等について申し上げますと、アメリカでは一九五〇年代から七〇年代にかけて、技術などの独占を例外的に認める制度である知的所有権は余り重視されていなかった。しかし、アメリカは八〇年代に入って、自国産業の国際競争力の相対的低下に対する危機感から、産業活性化のために、特許を初めとする知的所有権の保護、強化を推進するプロパテント政策へ政策を転換した、こういうことでございます。具体的には、特許商標庁の体制の強化や多数国間交渉を通じた知的所有権の国際的保護の取り組み強化などを推進してきたわけでございます。 そこで、我が国におきましても、近時、いわゆる日本版プロパテント政策ともいうべきものを確立することにいたしまして、つまり、権利の侵害に対する救済の強化、あるいは審査、審理期間の短縮、こういったことをやってきたわけでございます。特許庁が非常に頑張られて、新たな技術と申しますか機材を導入されて期間を短縮するということなどに取り組まれたのは、目に見える進歩と言っていいかと思います。 そこで、今議員は、国際ルールづくりの重要性について御指摘をされました。確かに、その国際的なルールづくりというものがなければ、これは一国だけでやっていても意味がないわけでございます。つまり、WIPOをすべての国が認め、これを支援する、そういう体制が必要でございます。 このWIPOの活動を支援する、あるいはWIPOの活動に貢献するために、我が国といたしましては、各種の条約交渉に積極的に参加する、あるいはWIPOと協力して途上国における知的所有権保護制度の整備のための協力事業を行う、これは少し迂遠なようでございますけれども、しかし、そうしたことが最も基礎的なこととしてやらなければならないことであろうと思います。 WIPO自身は、著作権、特許権などの知的所有権の全世界にわたる保護の促進及び関連条約の管理などを目的として一九七〇年に設立された国連の専門機関でございます。そして、知的所有権分野における条約の作成、条約の管理、開発途上国における知的所有権制度の確立のための援助というものがその主な任務でございますだけに、私どもとしては、このWIPOを今申し上げたような考え方で支援してまいりたいと考えております。
○玄葉委員 外務大臣がおっしゃったように、アメリカは確かにある時点で考え方を百八十度変えたのだと私も思います。つまり、特許あるいは著作権というのが独占を認めるので、それをもって経済に悪影響を与えるのではないか、そういう側面を危惧する時代から、全く逆で、特許や著作権を大いに保護することで企業の開発意欲が高まって、その結果、産業競争力が強まるということなんだと私も思います。 したがって、何度も申し上げておりますけれども、日本も今からでも遅くはないので、私は、内閣にそういった戦略委員会のようなものを本来であればつくり上げた方がよいのではないかというふうにも思っています。あるいは、例えばアメリカなどは、憲法にも、著作権、つまり発明というものに対する保護をうたう条文があるのですね。ですから、我が国でも調査会がこの国会でもできたわけでありますから、憲法の改正論議などでもこういう問題をあわせて議論したらどうかというふうにも私は考えているところであります。 もう一つお尋ねをしたいと思いますけれども、今回のこの著作権に関する世界知的所有権機関条約というのは、いわば世界のルールづくりを請け負う一つの機関あるいはベルヌ条約を管理する機関だというふうに思っております。今まではコンピュータープログラムあるいはコンピューターソフトなどを保護の対象にしていなかった、今度、インターネット革命等々もあるので保護の対象にしようという趣旨だというふうに思いますけれども、問題は実効性だと思うんです。 つまり、この条約というか、ほとんどオーバーラップするベルヌ条約という条約で、例えばレコードにしても映画にしても既に保護の対象になっているにもかかわらず、現実には海賊版が大変出回っている。日本の中でも出回っているし、日本でつくられたものが中国とか香港等々で海賊版が大変出回っていて、恐らくアジアでは、一番損害が大きいのが日本ではないかというふうに思いますけれども、いずれにしても、そう考えると、問題は実効性だと思うんです。保護の対象に入れてもどうやって実行するんだ、その点について一点だけお聞きをしておきたいと思います。
○河野国務大臣 まさに議員おっしゃるとおりだと思います。 私どもも外国に出かけますと、よく出張先でこの海賊版の問題が話題に上ります。とにかく、日本で発売されると、ほぼ同時期、同時刻にはもう海賊版が出回ると、驚くばかりの話を聞かされることがたびたびございます。多くの国では既にこのベルヌ条約を締結しているわけでございますから、つまり、条約がないから野放しになっているのではなくて、条約があるにもかかわらずそれが実効性がないという議員の御指摘は、私も、自分自身の経験からそういうことを痛感しているわけでございます。 この問題をどういうふうに実効性を上げるかということは、我々にとって極めて重要なことでございますが、何せ、残念な方向に、技術の革新がその方向に向かっても非常に進んでまいりまして法律が追いつかない、あるいは法律があるけれども実効性がなかなか上がらないという問題がございます。 まず、とにかくやらなければなりませんことは、ベルヌ条約の締約国に対して、この問題は極めて重要な問題なのだという認識をまず持ってもらって、そのために知的所有権をどうやって守るかということが重要なのだということをいかに理解してもらうか、あるいは、知的所有権を侵害するということがどれだけ大きないわば犯罪であるかということの認識を持ってもらわなければなりません。 こうしたことで、やはりそれぞれの著作権制度の整備、充実、こういったことを支援することを目的にして研修事業をするとか、国際的なセミナーやシンポジウムを開くとか、あるいは専門家を送るとか、そういったことをするということが今考えられているわけでございますが、私自身も、そうしたことでいいのか、現状を見るにつけて、それでは極めて手ぬるいのではないかという気持ちは非常に強くいたします。 ただ、現時点では、実効性を上げるための決定的な方途、方策というものが、まだ正直、そうした国々の理解、協力というものがなければできないわけでございますから、まずは理解と協力を得る努力をするということにかかっていると申し上げる以外にないと思います。
○玄葉委員 この問題は、私にも解答が実はありません。ですからお聞きしたというところも実はあるのでありますけれども、これはやはり、どこの機関でこのことを議論するのかということを含めて、早急に取り組んでいかなくてはいけないのじゃないだろうかというふうに思います。 いずれにしても、話は戻りますけれども、世界の国際ルールをどうつくるかということはもとよりでありますけれども、私が一番関心があるのは、やはりこの国の知的財産権に対する取り組みのおくれというか、特に米国に対するおくれというのが決定的になりつつあるので、このことを一番危惧しています。 最初に例に挙げた、例えば金融ビジネス特許などでおくれていくとどうなるかというと、結局のところ、特許使用料を、日本の銀行がアメリカの銀行に対して莫大な料金を払う、そのことでまた大変な、損失というのは語弊があるかもしれませんが、いわばおくれというものが出てくるのではないだろうかと非常に危惧していますので、ぜひ外務大臣におかれましては、内閣でこういう議論を取り上げていただきたいというふうに思います。 最後に、万国郵便連合憲章第六追加議定書及び関連文書等々について、一点だけ質問をさせていただきたいと思います。 この追加議定書によって何が行われるのかというと、幾つかあるんでしょうけれども、そのうちの一つは、到着料というものが改定をされるんだというふうに読みました。 到着料というのは、例えば、日本とある国で郵便物の交換をする、そのときに、そのある国の方が日本よりも郵便物が多い場合、そのある国が日本に対していわゆる補償金を支払う、つまり日本で配達してもらう分を支払う、そういう意味だと思います。 この到着料が改定をされることだというふうに聞いているわけでありますけれども、どうもこの到着料が、いわば日本の場合は配達コストが高いものだから、到着料では足りない、その補償される額では足りないということのようであります。その到着料が改定されて、実は我が国に入る分が多くなるんだ、補償金が多くなるんだということでございます。どのぐらい多くなるのかということを、これは技術的でありますが、通告をしていましたので、できればお聞きをしたい。 と同時に、やはりこういう問題の起こる一つの要因は配達コストが高いということでありまして、これはまあ直接条約と関連するかどうかというのは私も疑問でありますけれども、せっかくですから、通告していませんが、外務大臣は日本の郵政三事業あるいは郵便制度についてどのようにお考えになっておられるか、配達コストが高いこの郵便事業をこれからどうしていけばよいのか、外務大臣としては今までどおりでよいとお考えなのか、その点についてもお伺いをしておきたいと思います。
○江崎政務次官 玄葉先生にお答えします。 初めの到着料に関してでありますが、今回の郵便条約において、従来世界一律とされていた到着料について、先進国間の郵便物については実際の配達に係る費用に基づく料率が設定されました。この結果、我が国の到着料収入は、平成十年のデータをもとに試算いたしますと、平成十三年分として約二十二億の増収といった見込みになっております。
○河野国務大臣 突然のお尋ねでございますけれども、郵政事業の中で、とりわけ郵便の配達に着目をされてのお尋ねだというふうに思います。 この問題については、民間の活動からかんがみまして、民営化という議論も一方でございます。また一方には、郵便の配達の地域性の問題、非常に山間僻地もあるし、非常に集中した人口集中地域の問題もあるということから、必ずしも民間の仕事にはなじまないのではないかという議論もございまして、そうした議論が今さまざまな場面で論議されているというふうに承知をいたしております。 いずれにしても、この郵便事業が利用者の信頼にこたえられる、そういう事業でなければならないというふうにまず思います。と同時に、これが仕事の能率化という側面に着目をされて、何らかの新しい方法を考えるという努力も当然必要になってくるかというふうに思っております。
○玄葉委員 終わります。ありがとうございました。
○井奥委員長 次に、古堅実吉君。
○古堅委員 日本共産党の古堅です。 三条約と、関連する問題についてお尋ねしたいと思います。 最初は著作権関係からです。 議題となっております著作権に関する世界知的所有権機関条約については、情報関連の技術が目まぐるしく発達してきている中で、これに応じて著作権の保護を拡大、強化していくものであり、この条約の批准には賛成であります。 きょうは、このWIPO著作権条約とは別の条約でありますけれども、映画俳優さんたち、つまり視聴覚的実演にかかわる方々の著作隣接権を確立する新たな条約の動きに関連して、幾つかお尋ねしたいと思います。 この問題は、参議院の外交・防衛委員会で日本共産党の立木議員も外務大臣にお尋ねしています。 WIPO著作権条約が採択された一九九六年十二月の外交会議では、音やレコードにかかわる実演家の権利を保障する条約があわせて採択されておりますけれども、映画俳優さんたちの権利確立は見送られ、無権利の状態がそのまま続いています。私は、改めて九七年四月三十日の新聞に投稿された俳優の森繁久彌さんの記事を見ましたけれども、森繁さんはそのことについて、現行著作権法でも国際条約でも俳優たちの権利がないがしろにされているとして厳しく指摘するとともに、その早急な整備と解決を強く訴えておられます。私も、これは来世紀に持ち越すことのできない問題だという感を改めて強くいたしました。 そこで、まずお聞きしたい。 映画俳優さんたちの権利を確立する国際的な取り決めもない中で、我が国で見た場合でも、レコードに固定された場合と映画に固定された場合との実演家の権利には大きな格差があると思うのですけれども、テレビ放送や有線放送の報酬請求権や、レンタルなどで流通する場合に伴う権利、インターネットを使っての送信を可能にする場合にかかわる権利などを見た場合、レコードと映画では実演家の方々の権利にどんな格差が残されたのか、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○近藤政府参考人 お答えをいたします。 レコードに固定されました歌手などの実演家の実演や映画に固定されました俳優などの実演家の実演は、著作権法上、著作隣接権として保護をされているところでございます。この著作隣接権につきましては、一九六一年にできました通称ローマ条約により、実演家の権利が定められておりまして、我が国の著作隣接権制度も、この国際的な規範でありますローマ条約を基本としてこれまで整備を図ってきたという経緯がございます。 そこで、格差でございますが、レコードに固定された歌手などの実演に関する具体的な権利の内容としては、録音権、放送権、有線放送権、送信可能化権、譲渡権、貸与権といった許諾権のほかに、放送二次使用料を受ける権利でありますとか貸しレコードについて報酬を受ける権利が認められておるわけでございます。 一方、俳優さんの演技など、いわゆる視聴覚的実演につきましては、映画に固定されていない場合は、録音権、録画権あるいは放送権、有線放送権、送信可能化権、譲渡権といった権利が認められておるわけでありますが、実演家の許諾を得て一たん映画の著作物に録音、録画、つまり固定された実演につきましては、その映画の円滑な利用を図る、こういった観点からいわゆるワンチャンス主義が採用されておりまして、先ほど申し上げましたこういった権利が及ばない、こういうふうになっておるわけでございます。 また、貸与権でありますとか放送二次使用料を受ける権利などにつきましては、レコードに固定された実演家にのみ現在認められておりまして、映画に固定された実演家、俳優さん等でございますが、そういった実演家には権利が認められていない、こういう差が現在あるところでございます。
○古堅委員 今御説明で明確なように、大変な格差が残されたまま続いているということであります。 先月、四月十一日からのWIPOの著作権常設委員会などの国際会議では、十二月七日から二十日の日程で外交会議が開かれることが決まっています。それだけに、外交の舞台での我が国政府の奮闘が強く求められておりますけれども、我が国は、国内での映画俳優さん方や映画製作者の方々との合意形成を踏まえて政府案を提出しています。 その日本政府案は、映画俳優さんたちにどんな権利を付与することを主張するものなのか、レコードに固定された実演に比べて、映画に固定された実演に関する権利には大きな格差が残されておりますけれども、これらは日本政府案によれば与えられることになるのかどうか、そこらあたりの御説明をお願いします。
○小松政府参考人 国際会議におきます我が国政府案の内容でございますので、私の方から事務的に御説明をさせていただきたいと存じます。 委員の御指摘のございましたように、デジタル化、ネットワーク時代における映像の利用方法の多様化などを踏まえまして、我が国といたしましても、視聴覚的実演の実演家、俳優さん等でございますが、その権利の保護は重要な課題であると認識しております。 このような基本認識に基づきまして、平成十年九月に、今委員から御指摘のございました世界知的所有権機関、WIPOでございますが、そこにおいて、我が国政府案、視聴覚実演に関する議定書の関連の具体条文の提案を行ったわけでございます。 この内容でございますが、WIPOの実演・レコード条約で音の実演家に付与するものとして規定されております許諾権の規定を基本的には準用する内容となっておりまして、やや具体的に申し上げますと、まず舞台などでの実演、これは媒体に固定化されていないものでございますけれども、そういう実演に関しましては、まず放送権、二番目に公衆への伝達権、それからビデオ等の視聴覚媒体に固定する権利というものを内容として定めてございます。 それから視聴覚著作物、これは、映画などに固定されている実演に関しましては、複製権、譲渡権、利用可能権及び商業的貸与権を実演家に与えるという内容となってございます。 このほかに、内国民待遇でございますとか、契約上の取り決めに関する規定でございますとか、実演家の報酬請求権などに関する条文も提案をしてございますが、時間の関係でここは省略させていただきます。
○古堅委員 今ありました報酬請求権についてお尋ねしますけれども、ちょっとその前に、念のため確認を求めておきたいと思います。二点です。 その一つは、政府案は、第八条で、実演家の権利としてこれらを認めるべきだとしているということ。二つ目には、第九条は、第八条を制限する旨の規定とはなっておるんだが、反対の、または特別の契約がない限りとの文言が盛り込まれているというふうに思うのですが、そのとおりですか。
○小松政府参考人 基本的には御指摘のとおりでございます。
○古堅委員 次に、映画俳優さんたちの切実な要望、報酬請求権が確立されていないという問題についてです。 日本政府案は、第十条で、締約国は、その国内法において、視聴覚固定物に固定された実演家の実演の利用に対し、当該実演家の公平な報酬を請求する権利を創設することができるとしています。実演家の無権利状態を何とか改善していく方向で検討することが必要だろうと思うのであります。 政府案としても、最良の案と考えられてその創設を国際舞台で主張していくわけでありますから、当然のことだと思いますけれども、映画俳優の無権利を何とか改善するということを基本にして努力をされるのかどうか。その点は文化庁に御説明願いたいと思います。 また、その際、テレビや有線放送の上映についても報酬請求権を確立することになるのかどうかもあわせてお答えください。
○近藤政府参考人 お答えをいたします。 視聴覚的実演に関します実演家の権利のあり方につきましては、従来から実演家の団体より、現行の制度を改正すべきではないか、こういう御意見をいただいているところでございます。 文部省では、映画のビデオ化でありますとか衛星放送など実演の利用形態が大変多様化してきている、こういう状況に対応し、また一方では、WIPO、世界知的所有権機関におきます新たな条約作成のための検討が現在なされておるわけでございまして、こういった観点から、現在、映像関係者や学識経験者らによって構成をされました映像分野の著作権等に係る諸問題に関する懇談会、こういう懇談会を文化庁に設置をいたしまして、映像分野の実演等に係る権利のあり方でありますとか映像の保護のあり方、あるいは映像の円滑な利用のための方策等につきまして、総合的に御検討をいただいておるところでございます。当然、その検討におきましては、実演家の権利として報酬請求権を与えるべきかどうか、こういう議論も現在なされておるわけでございます。 文部省といたしましては、実演家等が映画分野を担う重要な役割を果たしているものと考えておりまして、日本の映画文化の振興という観点から、国際的動向でありますとか関係者間の協議の進捗状況等を踏まえながら鋭意検討を進めてまいりたい、かように考えているところでございます。 なお、後段の御質問でございます、固定された実演をテレビや有線放送で放映する場合についても報酬請求権の対象になるかならないか、これは、今申し上げました懇談会で現在幅広く検討をいただいておるわけでありますけれども、その検討の中でも、実演をテレビや有線放送で放映する場合の報酬請求権の問題もあわせて議論がなされておるわけでございます。 ただ、現時点では、なかなかこれは複雑な問題が多岐にわたっております。いまだ議論が収れんされた、こういう段階ではないわけでございますが、引き続き適切な検討をしてまいりたい、このように考えております。
○古堅委員 検討を始められて長い時間がかかっています。御要望にこたえられるように、早目に要望の方向に解決してほしいとつけ加えて申し上げておきます。 いずれにしても、実演家の報酬請求権確立のために実演家の要望を踏まえて十分な努力をされるということが、この問題について問われる一番大事な点だろうというふうに考えております。 ところで、実演家にどんな権利が与えられるかに関連し、権利の移転という条項を国際条約として盛り込もうというアメリカの主張があります。俳優さんたちが演技をして、それが映画に固定される場合、それを複製する、あるいは譲渡する、またレンタルするなどの場合、俳優さんたちにはそれについてイエス、ノーという、つまり許諾する権利があり、これは固有の権利だと考えます。ところがアメリカ案は、俳優さんが演技を映画に固定することに同意した場合は、特段取り決めがない場合はその権利が製作者側に移転するとみなすということを国際条約で規定しようという案なのであります。 そこで端的にお聞きしたいのは、我が国政府案の中にはこのような権利の移転という文言がありますか、そういう文言は入っていませんか、明らかにしてください。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 米国案につきまして、その許諾権の権利移転条項を含んでいるということは御指摘のとおりでございます。これは、映像分野では著作隣接権者が多数存在をして、そのままでは著作物の円滑な利用が阻害されるおそれがある、こういう観点からの提案であると思いますけれども、我が国の提案では、実演家、俳優の皆さんの権利自体を移転するという条項は含んでございません。 ただ、今申しましたような権利関係が非常に複雑であるということで、この円滑な利用の確保という側面も確保しなければならないという観点から、実演家、俳優の皆さんが映画等の製作に寄与することを約束した場合には、基本的には、例えば複製を行う、譲渡する、商業的に貸与するという場合に、映画製作者が利用可能にすることに対して反対をすることができないという内容になっております。これは、権利自体は実演家の皆さんにある、ただ、その行使の態様につきまして、製作者の方の行使に対して基本的には反対することができないという内容でございます。 繰り返しになりますが、米国提案のように権利が製作者に移転するという旨を規定しているわけではございません。
○古堅委員 日本政府案の第八条、九条、十条、今も御説明がありましたが、ちょっとややこしいかかわりが持たれた条文となっております。しかし、権利はあるがその行使に制限があるということと、権利そのものを製作者に移転してしまうというのとは全く違う、そのことだけはここでも強調しておきたいというふうに思います。 この質問の最後になりましたが、大臣にお聞きしたい。 無権利のままとなっている映画俳優さんたちの権利を確立するに当たって、外交会議での検討がこれからなされるわけでありますけれども、皆さんの強い御要望も背景にしながら、外務省の役割がこれまで以上に強く求められるというふうに考えております。前のWIPO実演・レコード条約の採択の際にも、アメリカは自国のレコード事業の優位性を世界にごり押しした経緯があるだけに、それだけに我が国の映画俳優さんたちの権利の確立のために、国内ではさらに関係者の合意形成に努力しながら、その実現のために外交の舞台で大いに奮闘してもらいたいと思いますが、大臣の御決意を聞かせてください。
○河野国務大臣 十二月の会議に向けまして、国内の関係者の御意見も十分伺いながら、そして今議員がお話しになりましたように、国際的な会議におきましても、それぞれの国にはそれぞれの主張がございますので、その主張をでき得る限り一つにするべく、私どもとしても努力をしていかなければならないと思います。 いずれにいたしましても、一番の基本は、国内の関係者の話を十分に聞くということが重要であろうというふうに考えております。十二月の会議に向けて懸命の努力をいたすつもりでございます。
○古堅委員 おっしゃるように、ぜひ大きな御努力を展開していただきたいと思います。 次に、リメーリング郵便物対策についてお尋ねしたいと思います。 今回の改定では、リメーリング対策として、条約第二十八条で、リメーリング郵便物を差出人に返送する場合に、差出人から取扱料金を徴収できるということになりますし、第四十三条で、リメーリング郵便物を配達する場合に、受領する到着料が国内郵便として差し出された場合の郵便料金を下回る場合に配達義務は負わないということにもなりました。さらに、到着料の改定もリメーリング郵便物配達による損失を改善するのに役立つというふうにも思われます。 我が党も本条約に賛成でありますけれども、以下の点をお伺いしたいと思います。 最初に、外務省の方ですが、前回改定時にもリメーリング対策が問題となりました。今回の改定との違いはどこにあるか、簡単に御説明ください。
○小松政府参考人 御説明申し上げます。 リメーリングは、御指摘ございましたように、国際郵便ネットワークの健全な発展を阻害し、全体としての利用者の利便を確保する上で障害となるということで、したがいまして、万国郵便条約上も、一九二四年のストックホルム大会議以後、リメーリングを規制する方向で種々対策がとられてきております。 今、委員の御指摘のございましたように、前回、五年ほど前に御承認をいただきました現行の万国郵便条約、ここにおきましても、その前の条約に対する改正、リメーリング対策がとられているわけでございますが、これは一言で申し上げますと、リメール郵便物を引き受けた郵政庁の責任をより明確化する、そういう観点から、リメール郵便物が到着した場合に、到着郵政庁は差し出し郵政庁に対して配達費用に見合う報酬を請求できるというようなことを骨子としております。 それで、その現行の条約に対しまして、昨年の北京大会議におきまして作成されました条約を今回御承認を求めて御審議をいただいている次第でございますが、そこにおきまして新たにとられておりますリメーリング対策、これは委員が質問の中でもおっしゃいましたけれども、一つは、例えば、あて先不備等の理由によって配達ができないというようなリメール郵便物を差出人に返送するためにもとの国に返すわけでございますが、その郵政庁がその返送のための料金を差出人から徴収することができる、これが委員もおっしゃいました二十八条の七に規定されているわけでございます。こういう迷惑な行為をした場合に、これによって差出人に一定の負担が行くということが骨子でございます。 二番目でございますが、委員もおっしゃいました到着料制度の改正によりまして、従来の世界一律の料率から変更されまして、開発途上国に対する到着料は一律低いままでございますけれども、先進国からは、その国内のコストに見合う、実費に合わせるようにする、こういうことでございます。 本来ならば高い到着料を支払うべき国から低い開発途上国に運送をいたしまして、そこから送ってくるというようなリメール郵便物である場合には、その受け取り国の郵政庁が受け取ることのできる到着料が低くなるわけでございますので、そういうような本来受領すべき額を到着料の額が下回るような場合には、受け取り郵政庁はそのようなリメール郵便物を配達する義務を負わない、こういうことが規定されたわけでございます。この改正が四十三条の四項に規定されてございます。 以上でございます。
○古堅委員 前回の改定では、リメーリング郵便物が到着した場合には、まず差出人に配達料金を請求し、それが拒否されたら差し出し郵政庁に請求するということになっています。これまでの間で、差出人への請求できちんと配達料は払われているのか、それとも、拒否されて、結局差し出し郵政庁が払うということになっているのか、そこらあたりについて簡単に御説明ください。
○濱田政府参考人 簡単にお答え申し上げます。 先生御指摘のソウル条約改正後におきまして、すべて、配達する場合には差出人の方から料金をいただいておるところでございます。
○古堅委員 時間もありませんので、ちょっと前に進めさせていただきます。 一九九八年度におけるリメーリング郵便物は全体で約三十八万通だと伺っています。また、一九九四年度では約四十一万通となっておりまして、余り変化がないように思います。前回の対策が効果が余りなかったということなのか、そこらあたりの事情を簡単に御説明ください。
○濱田政府参考人 先生御案内かと思いますが、リメール郵便物、二種類ございまして、国内郵便物をまとめて外国に持ち出して、そして外国から国際で発送する、これはいわゆるABA郵便物と言っておるんですが、それと、例えば日本を例にしますと、A国から日本あてに出すべきところを、A国からB国にまとめて運ばれてB国から日本に出される、これをABCリメーリングと言っておるんですが、前者のABAリメーリングにつきましては、ソウル条約が相当効果を上げておりまして、顕著にリメール郵便物は減少しております。平成十年度で申し上げますと三万通ということで、六年度には十八万通あったわけでございます。 それから、ABCリメール郵便物については、これは件数はむしろふえておるんですが、内容的に申し上げまして、返送する郵便物が大幅に減っておりますし、それから何よりも、それ以外の郵便物については、ソウル条約によりまして配達費用を徴収できるということで実質的な中身になっておりますので、いずれの場合におきましても、それ相応の成果を得ておるものというふうに認識をいたしておるところでございます。
○古堅委員 かなり減っている、それ相当の効果を得ているという御答弁でございますが、評価の内容のいかんにかかわらず、そういう方向に進めようということでは異存のないことなわけで、ぜひさらなる努力を進めてほしいと考えています。 最後の質問ですが、郵便料金制度の盲点をついて出されるリメーリング郵便物は、各国郵政庁の財政基盤に深刻な影響を与える問題でありまして、対策をとるべきことは申すまでもないというふうに考えています。 今回とられる措置でリメーリング郵便物が規制される見通しについて、いわゆる期待される効果、そういう面から簡単にお答えください。
○濱田政府参考人 先生、冒頭の方でお話しになりましたけれども、今度の到着料制度の改正、これはやはりリメール郵便物を防ぐ意味でも非常に大きな意味を持っておると思います。 この到着料制度というのは、そもそも配達コストを賄っていないというところからきておるわけでございまして、これは日本を含めて、欧米先進国共通の悩みでございます。いずれの欧米先進国におきましても配達コストに見合った到着料を得ていないというところでございますので、これがアップすることによってリメール郵便物の抑止効果があると思われます。 ただ、今回、先生御案内のように、先進国間はこのように到着料制度が段階的に引き上げられるわけですが、開発途上国においては据え置きになっております。したがって、開発途上国を迂回した形でのリメール郵便物の発生というのは相変わらず懸念されるわけでございますので、今回の北京条約におきましてはこの点についても措置がなされておりまして、第四十九条三におきまして補償方式の調整措置というのが行われておりまして、開発途上国から例えば日本に来る郵便物の量が異常に高くなった場合には、異常に高くなった分につきまして先進国の料率を適用する、そういう規定もなされておりまして、そういう点でもリメール郵便物の抑止について配慮が払われておるというふうに理解をいたしております。
○古堅委員 ちょうど時間です。以上で終わります。
○井奥委員長 次に、伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 審議されております三件につきまして、賛成であることを前提にして、一、二質問を申し上げます。 第一は、郵便あるいは通信、こういう世界において、先進国と途上国の情報格差と言われる構造をどう改革していくのかという問題でございます。 提案されております万国郵便連合憲章及び万国郵便条約、その憲章において冒頭に、単一の郵便境域という概念を強固にするということが強調されております。それを条約にも第一部第一章第一条に明記する。これは、世界、あらゆる国、地域において生活に欠かせない大事な分野でございますから、競争その他は激しくとも、きちんとやはりそういう責任は守っていこうということだと思いますし、国際的にもそういうことが大切にされなければならないということの表現でもあろうというふうに、この単一の郵便境域という余り聞きなれない言葉を私なりに理解いたします。 そういう中で、マルチメディア社会での一つの必然性と申しましょうか、先進国と途上国の情報格差と言われるものが広がる懸念があるというわけでありまして、しかし、郵便におけるユニバーサルサービスを初め、そういう分野の努力は社会的にはますます重要になっているというわけでございます。そういう格差を解消するために、先進国の一員として我が国はどう努力をしていくのか、その辺の御認識をどう持っておられるかということが第一点であります。 第二に、報道によりますと、沖縄サミットで先進国と途上国との情報格差の解消の取り組みについて話し合いたいというのを目にいたしましたが、どういう方向になっていくのかというのが第二点でございます。 私なりの考えで言いますと、今は経済発展の物差しが、マネーと物というだけではなくて、何か情報革命への対応姿勢が重要な物差しになっているような時代でありまして、そうなりますと、ODAも含めてなんですが、教育とか技術交流とか、いろいろな意味でのより深い努力の関係があってこういうものが解消されていき、理想的にはワンワールドの時代ということになるのではないだろうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 IT革命の問題について、まず私から御答弁を申し上げたいと思います。 今次沖縄サミットにおきましても、IT革命というものが世界の一層の繁栄のかぎであろうという認識から、この問題について先進国間で議論がなされるということを私ども想定しているわけでございまして、その場合には、先進国間での議論ではございますけれども、今議員がお話しになりましたように、途上国との間のデジタルデバイド等について相当真剣に議論をする必要があるというふうに思っております。 それは、ただ単に情報格差の問題だけではなくて、例えばこうしたIT革命という全く新しい状況の中で、サイバーテロとか新しい犯罪というものをどうやって抑止するかということも極めて重要であろうと思います。 情報は、申し上げるまでもなく、できる限り広い範囲で正確に伝達されるということが何より必要だと思います。情報を手に入れる者と情報を手に入れることができない者、そういうものが存在すれば、そこには大きな格差が当然生じてくるわけでございまして、その格差をいかにして埋めるかという議論と同時に、その情報が、間違った情報、あるいは悪意によって間違った情報が振りまかれる、あるいは正しい情報が途中で悪意によってブロックされてしまうというようなことがあってはならないわけでございますから、こうした問題についても十分な議論が必要だと思います。 一つの国の中でもジェネレーションによってデジタルデバイドがあるということをおっしゃる方もございますし、国際間におけるデジタルデバイドは一層深刻なものだと思います。私ども、サミットの準備のためにいろいろな国、いろいろな方々の御意見を今伺っておりますけれども、開発途上国の方々からは、こうした問題については大変な、言ってみれば不安とか不満とか、そういった問題提起がございます。そうしたことを解消するために先進国としてどういう作業が必要であるかということについて、大いに議論をしていただかなければならないというふうに考えております。 単一の郵便境域につきましては、政務次官から御答弁させます。
○江崎政務次官 伊藤先生からお話がございました単一の郵便境域について、御指摘の単一の郵便境域は、開発途上国を含む連合加盟国のすべての領域において国境障壁がないように円滑に郵便が配達されるという環境を意味いたしております。 今般の万国郵便条約におきましては、御指摘のとおり、この単一の郵便境域という概念を強固にするため、すべての利用者が質を重視した郵便サービスを合理的な価格のもとで受けられるようにするといったことを確保するよう、加盟国に対して義務づける趣旨の規定が設けられたといったことであります。
○伊藤(茂)委員 もう一問だけ質問をさせていただきます。 河野大臣からもお話がございました、今回のサミットでのIT革命と言われるものに対します先進国の対応の問題でございます。 先ほど御答弁いただきました途上国との情報格差解消の努力というのもあるわけでございますけれども、やはり次の時代におきまして非常に大きな課題になっている。やはり後々振り返ってみても、二〇〇〇年サミットの特徴の一つとして位置づけられるテーマであろうというふうに思います。 たくさんの事件が既に発生をしているわけでありまして、アイ・ラブ・ユーの侵入が大きな問題になりました。それぞれ対応をどうするのか、各国ともまた共同して努力をしているということになっているわけであります。ただ、そういういろいろな問題が発生しておりますが、この時代の節目に当たってのサミットでございますから、もちろん、当面発生していることに共同でどう対応しようかというだけにはとどまらない、何か努力をしなければならないというふうに思います。 日常社会にも非常に大きなあれで、次世代携帯電話がどうなってとか、私はまだカラーは持っておりませんけれども、いろいろな変化が毎日の市民生活にも、あるいはトランスワールドの関係でのさまざまの仕事、活動にも、みんな日々影響しているということでございまして、それら考えますと、この際、こういうIT革命の進行、あるいは予想される大きなさまざまの技術開発や変化というものについてのお互いのプリンシプルと申しましょうか考え方、あるいはそういうものについてお互いにいい意見交換をしながら共同でやっていく仕組みとかいうふうなことの提起あるいは確認が非常に大事であろうというふうに思います。 医学の方のヒトゲノムの問題もそうでありまして、これが変な形で企業開発、特許の方だけ走ったら非常におかしなことになる。アメリカも我が国も含めまして情報公開、それから国際的なやはり公開というものを含めまして、ルールがついてリーダーが発言をされているというのは適切なことですが、同じようなことが言えるのではないだろうか。 そういうふうに考えますと、そういう大事なときの議長国、またその外務大臣ということのポジションになるわけでありまして、何かやはりそういう意味で、トランスワールドの新しいルール、仕組み、プリンシプルとかいうものを確認し合って、サミットはトップですから、そこで確認したことに基づいてさまざまの努力が共同でなされるという形がふさわしいことであろうというふうに思いますし、アイ・ラブ・ユーなど起こった問題対応は対応ですが、それだけではない次への展望を議長国としていい提起をするということが求められていることではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 私どもがまず最初に考えなければならないことは、G8という先進国、八つの先進国によって世界の国々がリードされるというほど今世界は簡単ではないというふうに思うんです。むしろG8の国々は、G8メンバーでない国々の意見をどうやって聞いていくかということについて考えなければいけないのではないか。昨今、国際会議を見ますというと、例えば、国際会議のメンバー以外にも、NGOの方々の意見というものをどうやって聞く、あるいは反映させるかということが非常に重要になってきていると思います。 世界じゅうの問題は、いわゆる政府と政府だけではなかなか解決しない、あるいは政府の作業だけではかゆいところに手が届かないと申しますか、本来、非常に重要な、そこに原因があるんだけれども、そこにはなかなか現在の政府では手が出ないというような問題も中にはあって、NGOの方々の活躍というものは非常に重要だというふうに思うんです。しかし、それではNGOは一体だれを代表して発言するのかとか、NGOの発言の責任はどこにあるかとかという議論も一方にはございます。 したがって、NGOの意見をどういうふうに聞くか、どういうふうに聞く場をつくるかというようなことはまだまだこれから研究をしなければならないというふうに思いますし、先ほど申しましたように、G8以外の国、非G8の国々の意見というものをどうやって聞いていくかということが非常に重要だろう。これは、G8の議長として心して議長職に当たらなければならない問題の一つではないかというふうに考えております。 二十一世紀を視野に入れて会議を行いますわけですから、今伊藤議員がお話しのように、目の前にある問題あるいは現在進行中の問題だけではなくて、将来、世界がといいますか国際社会が取り組まなければならなくなるであろう問題についても十分に思いをめぐらして議論をしていくということは重要なことであろうと思います。 他方、こうしたサミットは毎年行われるわけでございまして、今回のサミットだけで将来の問題すべてについて論ずるというほど欲張ることもどうかと思いますが、しかし、いずれにしても、二十一世紀を目の前にした二〇〇〇年という節目の年でございますから、少し長期的な視野に立って議論をするということは極めて重要だと思っております。
○伊藤(茂)委員 ちょうど時間になりましたので、これで終わります。
○井奥委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○井奥委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 まず、万国郵便連合憲章の第六追加議定書、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件及び郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して採決いたします。 両件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井奥委員長 起立総員。よって、両件は承認すべきものと決しました。 次に、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井奥委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井奥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○井奥委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十八分散会