外務委員会 第3号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2000/03/24
会議録
○井奥委員長 これより会議を開きます。 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として、委員藤田幸久君の質疑に際し、法務省入国管理局長町田幸雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井奥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○井奥委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田幸久君。
○藤田(幸)委員 外務大臣におかれましては、沖縄北方特別委員会、外務委員会、そしてまた北方委員会にお戻りという、大変お忙しい中、ありがとうございます。ちょうど正午になりましたので、ちょっと失礼になる質問かもしれませんが、単刀直入にお伺いをしたいと思います。 人事等昇任制度に関することでございますが、今回、政府委員制度の廃止に伴いまして、大変経験の深い東祥三、それから山本一太両政務次官をお抱えになっておりますが、例えば、東政務次官あるいは山本政務次官を、アメリカ大使とかドイツ大使とか中国大使、この両政務次官が議員である間、あるいは何らかの事情で議員がおやめになった後、そういうポストに、大変外交経験の豊かな方でございますけれども、任命をされるおつもりがないか、河野外務大臣に、済みません、東次官の前で恐縮ですが、お答えをいただきたいと思います。
○河野国務大臣 私は、かねてから、国会議員経験者が大使になるということがあってもちっともおかしくないというふうに思っておりました。ただ、恐らく議員の頭の中には、アメリカでは随分そういうことがあるではないかと。日本でも、マンスフィールド大使がおられましたし、またモンデール大使もそうでございました。そういうことを考えれば、日本でもそういう人がいてもおかしくないではないかということが議員の頭の中にあるいはおありかと思います。 ただ、いわゆるポリティカルアポインティーの制度というものは、そう一般的な制度ではない。アメリカは非常にこれを積極的にやっておられますけれども、世界的に見ますと、こういうことをやっている国はそう多くはないのでございます。いや、よそでやっていないから日本もやらないというほど私は内向きではないつもりでおりますが、それは、その国の社会の仕組みというものがやはり影響している。つまり、大使で出ていかれて、では何年大使を務めるか、それで、務め終わって戻ってきて、行く先はあるかということなどを考えますと、なかなか東政務次官も、今からそれじゃ数年間行ってきましょうというお気持ちになられるかどうか。まだ聞いたことはありませんけれども、これはそれなりにいろいろ、つまり、社会制度、社会の仕組み自体とも相談をしなければならないことなのだろうというふうに思っております。 それで、少しいろいろなことを申し上げて申しわけありませんが、私ども外務省としては、民間から大使を登用する、あるいは他の役所から大使になる、そういうことはできるだけやったらいいというふうに思っておりまして、御承知のとおり、今プロ野球のコミッショナーでございますか、高原須美子さんにも大使をお務めいただきましたし、例えば文部省の遠山さんにも大使をお願いしたこともございます。現在でも、純粋の民間からの大使もたしか二人おられると思います。他省庁から大使になられている方もまた何人かおられるということで、私は、その点は柔軟なつもりでございます。 固有名詞を挙げてのお尋ねでございますが、これはちょっと、御本人のお考えもございましょうから、この際ここで申し上げることは控えさせていただきますが、そういう気持ちでおることだけは……。
○藤田(幸)委員 確かにアメリカの仕組みということは一つ要因にあると思います。ただ、私はちょっと認識を変えていただきたいと思っておりますのは、例えば、フランスの国境なき医師団の代表を務められたクシュネールさんが閣僚になられて、現在は国連のコソボの暫定統治機構の代表をされておられる。この間日本にいらっしゃった。それから、アラファトPLO議長とラビンさんの仲介をしたラーセンというノルウェーのもともとはシンクタンクの方がノルウェー政府の顧問になって、それから国連の事務次長になっている。それから、オーストラリアも、外務省の方で調べておられませんけれども、かなり議員の方も実は大使になっておられる。 ですから、それぞれの国の人事の仕組み以上にこういう方々が実は政府あるいは国際機関の要職を占めて外交の多元化に役立っているという理由を考えてみますと、一つは、冷戦時代と違いまして外交の柱の中に違った状況が出てきている。例えばクシュネールさんの場合とか、あるいは緒方貞子さんでも結構ですが、やはり人道主義ということが、人道性ということが一つの外交のファクターになってきたので人道の専門家が出てきている。それから、ラーセン氏の場合には予防外交という、ある意味ではオフィシャルなチャンネルではどうも手足が縛られてしまう、むしろ手足が自由なNGOの方が出てこられている。それから、例えばもう一つ、イギリスはポリティカルアポインティーがないというふうにおっしゃいますが、香港総督パッテンさんは、これは私は大変な政治的任用だったと思います。 ですから、国の人事体系の仕組みというよりも、例えば人道性の問題、予防外交の面、それから香港の場合には、極めて政治的意思が必要な場合にはこういうアポイントメントがあった。 そういう意味からしますと、先ほど外務省のお考えを述べられましたけれども、そういう従来の考え方を超えた外交の選択肢を広げる、つまり、他省庁から人をふやせばいいという発想ではなくて、こういう任地に、あるいはこういう任務に対してはこういう人が必要だ、たまたまそれが議員であるかもしらないという発想に転換をしていただきたい。 そのことといわゆる昇進制度、今ほかの、防衛庁あるいは警察庁も含めてございますけれども、例えば年次逆転をするのかどうか、それから専門知識等についても生かした人事制度にする、そういったことの延長上に、ではどういった方を大使、公使に任命するかというふうに積み上げるものではないかというふうに思っております。 そういう私なりの見解を申し上げましたが、それについて外務大臣のお考えをいただければ幸いです。
○河野国務大臣 人事というのはやはり相当慎重に考える必要もあると思います。確かに、議員御指摘のように、どういう問題が今重要な問題か、あるいはこの任地にはどういうタイプの人がふさわしいかということをよく考えるということが重要だと思いますが、一方で、その任に当たる方がそれだけの外交的な知識、あるいは一定の経験というものもまた必要ではないかというふうに思ってもいるわけでございます。 先ほども申し上げましたように、私は決して外務官僚だけが大使として適性があるというふうに思っているわけではございません。つまり、適材適所ということが一番大事なのであって、いかに適材を探し、そして適所にそれを配置するかということを考えるということに人事の重点が置かれなければならないというふうに思っております。
○藤田(幸)委員 大分懇切なお答えをいただいておりますので、ちょっと質問を一つはしょりまして、在外公館の問題について移ってまいりたいと思います。 ことしの二月でございますけれども、根室にロシア人の船員が入港してきた。これは不法上陸ということで逮捕されたわけですけれども、結局、入国管理局の方では強制退去処分を見送ってしまった。というのは、不法上陸ということをしてしまうと北方領土が日本の固有の領土でないということを認めることになってしまうのでということになったようでございますけれども。 いろいろ法律関係を見てみますと、関税法とか検疫法というのは例外規定のようなものがある。つまり、北方領土は日本に属する島から当分の間除外するというふうにしておるようでございます。ところが、入管法に関して言えばそういった例外規定を持たない、したがって、結局不法上陸であったけれども処分保留で釈放してしまったということでございますけれども、なぜ入管法だけが除外規定がないのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○町田政府参考人 お答えいたします。 御質問のもとになった新聞記事がございますが、ここに書いてあるいろいろな見解等につきましては、私どもの見解を反映しているものではなくて、この記事を書いた方の主観的な考え方あるいは感想、そういったものを報道したものと私は理解いたしております。 入管法のもとにおきましても、委員御指摘のような例外規定といいましょうか、そういったものがない状態でありましても、一般論といたしましては、入管法において、本邦に上陸しようとする外国人は原則として有効な旅券及び査証、乗員であれば有効な乗員手帳を所持し、入国審査官による上陸手続を受ける必要がありまして、このような正規の手続を経ないで我が国に上陸した外国人は退去強制手続の対象となるわけです。 ところで、北方領土は我が国固有の領土でありますが、ロシアがこれらの島々を占拠しているという実情を踏まえまして、北方領土から北海道等に渡航しようとするロシア人船員につきましては、花咲港等において上陸の申請があった時点で乗員上陸許可を与える取り扱いをいたしておりまして、許可を受けずに上陸した者は退去強制手続の対象となると考えております。 したがいまして、そのような者に対しましては退去強制手続をとるのは原則でありまして、従前からそのようにしているわけでありますが、その者が乗り組んでいた船舶の出港までの時間あるいは事案の態様等を総合的に判断しまして、事案によっては退去強制手続というような手続をとらなくても、出国させることで足りる場合もありますので、そのような場合にはそのような措置をすることもあり、御指摘の事案もそのような措置をとったものであります。
○藤田(幸)委員 確認しておきますが、つまり例外規定はないわけですか。
○町田政府参考人 例外規定はございません。
○藤田(幸)委員 ということは、先ほどの手続を経ないで不法に上陸をした場合には逮捕するということでしょうか。それから、そういう事例が今まであったかどうか、お答えいただきたい。
○町田政府参考人 入管としては逮捕権限はない、司法権限を持っておりませんので、行政権限しかありませんので入管局が逮捕するということはできないんですが、立派に入管法違反という刑事犯罪は成立いたしておりますので、権限がある当局であれば逮捕することができます。 また、そのような事例があったのかという御質問ですが、実際にございまして、何件かについて、現実に刑事処分をされた例もございます。
○藤田(幸)委員 同じように、北方領土の現状についての関係する質問でございますけれども、昨年、モスクワの連邦政府の方で、北方領土の国後島の地域をロシアの世界文化遺産としてユネスコに登録する準備をしている。ところが一方で、そのユネスコに登録する準備をしている地域において、金の採掘事業を州知事が認可をしてしまった。それで、いろいろな環境団体等からその知事に対しても非常に抗議が出ているということでございます。 これは我が国といたしますと、そもそもそういう世界遺産に登録する準備をしているということも我が国にとっては本当は芳しくないことでございますし、ましてや、その中に金の採鉱事業を知事が認可してしまうということは非常にゆゆしい事態ではないかと思いますが、この問題について、大臣、外務省の方として、日本政府としてどういうふうに対応されるつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。
○河野国務大臣 世界遺産登録という話は新聞記事で承知をしております。しかし、いずれにせよ、我が国としては、ロシアによる北方四島の不法占拠を前提とした行為を認めることは当然ながらできないわけでございます。政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結することが何よりも重要でございます。この問題に全力を挙げたいと思っております。
○藤田(幸)委員 全力を挙げておられるわけですが、一方で、例えばビザなし交流の関係をしてみたりとか、実態の中でできることをされている。そういう観点からしますと、例えばこの金の採掘事業を認める、それだけ世界遺産として大変有力なところを、ということであれば、そういう平和条約への努力を進める一方で、こういう具体的な事例についてはやはり対応をしていく。つまり、これは国際的な団体も要請をしていることでございますので、そういった意味では、逆に言いますと、領土問題とは別の次元からも日本が取り組める事例ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 いずれにいたしましても、これがロシア政府の行為ということであれば、我々としては認めるわけにはいかないのでございます。四島はあくまでもロシアによって不法占拠されているわけでございまして、その不法占拠をしているものが行政行為を行っていく、それをこちらが認めるということは、我々としてはとらないのでございます。
○藤田(幸)委員 最後に、ちょっと時間がありますから、やはり人事制度等にかかわることについて一つ質問したいと思います。 昨年報道されたことですけれども、海外の日本人学校に派遣されている日本の先生方、いわゆる在外職員に関する手当というものが、例えばタンザニアに行っている校長先生の場合ですと、一番高いのですが、百八万円も海外の在勤手当が支給をされる。それから、ニューヨークの方ですと六十九万円とか、つまり、日本国内で生活する場合の平均二倍ぐらいの実は在勤手当が出ている。民間企業の場合の統計によると、大体国内にいるのに比べて一・六倍とかいう数字が出ておりますが、これは今こういう時世の中でも余り芳しくないことではないかと思いますけれども、それについてお答えをいただきたいと思います。
○河野国務大臣 在勤手当につきましては、民間で働かれる方々とのバランスということには、我々は意を用いているつもりでございます。それぞれの地域の民間の方々とも累次お話し合いをしておりまして、大体どのぐらいのレベルであるかということを我々としても把握をしながら決定するということを考えておりまして、今議員御指摘のように、タンザニアの場合には、やはり相当厳しい環境の中で仕事をなさるということもございます。そうしたことを考え、さらには、民間企業の方々には、在勤手当以外にもいろいろな配慮がなされている部分もございますし、それらをお話し合いの中からよく我々として受けとめて、そしゃくをして在勤手当の決定に参考にしていくということでございまして、私自身は、そんなに大きな開きがあるというふうには聞いておりません。
○藤田(幸)委員 開きがございますが、これで質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○井奥委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 今回の在外公館法の一部改正法案には、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の問題が含まれておるのです。我が党は、昨年の人事院のマイナス勧告に反対をいたしました。在勤手当についても、この影響を若干受けるということで問題がありますが、この法律は、サハリンスクの総領事館の新設など、我が国の外交活動上必要であると判断できる内容を中心とするものでありますので、法案には賛成するという考えでございます。 そこで聞きたいのは、サハリンに新しく総領事館を新設して業務上かかわることもあると思われますので、北方四島周辺水域での漁船の操業問題について伺いたいと思います。 御存じのように、我が党は、北千島まで含めて日本に返還をさすべきだという考えでありますけれども、それはそれとしてこの問題を伺いたいのであります。この水域での操業を扱う九八年の日ロ間の漁業協定の第一条では、当該水域での生物資源の保存、合理的利用及び再生産のため、両国政府が協力するということになっております。 ところが今、ロシアのトロール船によるスケソウダラの乱獲が非常に深刻な問題になっていて、協定でもうたっておりますし、それから、今、人類の漁業資源についての資源保護というのは非常に重要な課題になっている。それを根こそぎとるようなトロール船漁業というものを、やはり国際的に規制するようにしなければならぬと思うのですが、その点について、外務大臣、どうお考えになっているか。
○河野国務大臣 海洋生物資源の保護は極めて重要な問題だというふうに私も認識をいたしております。そして今議員が御指摘の、北方四島周辺水域におきますロシアのトロール船による乱獲が、この貴重な海洋生物資源に大きな影響を与えているということもまた事実であろうと思います。 ということになれば、これを取り締まるべきではないかという議員の御指摘はそのとおりでございますが、実態としては、議員も十分御承知のとおり、北方四島の周辺水域は日本の領海でありますけれども、現在北方四島はロシアによって不法占拠されているわけでございまして、現実の問題として、まことに残念ながら日本は、北方四島周辺水域においてロシア漁船の取り締まりを実態として行うことができない状況にございます。 したがいまして、我が国としては、このような状況を踏まえまして、ロシア側に対して北方四島周辺水域からのトロール船の退去を求める、そして漁業資源の保護の重要性を十分考慮するよう、これは、当該担当者あるいはもう少し高いレベルで話し合いによって先方にその旨を伝えているというのが現状でございます。
○松本(善)委員 領土についての争いが両国の間にあるわけですから、直ちに取り締まりというようなことがそう簡単にできるものではありませんけれども、外交交渉で、こういうのは世界の大勢にも反するわけですから、やはりきちっとやるような外交努力がなされるべきだ、もっともっと強くなされるべきだというふうに思います。 さらに、同じような問題ですが、日本のスケソウダラ漁は刺し網によるものでありますが、これに使われる網だとかロープなど、漁具が壊されるという被害がこれまた深刻であります。日ロ双方の操業が行われる水域というのは協定に基づく安全水域とされているはずなんですね。漁具を壊すなどという無法行為の禁止は、それはもう日ロそれぞれの行政による指導の範囲で徹底されなければならぬはずの問題であります。 トロール船をやめさせるとかあるいは日本のような刺し網にするとか、具体的な措置をとるように、そして日本の漁民の安全操業が保障されるように、やはりロシアに提起をすべきだ、そのための外交交渉を直ちに始めるべきではないかと思いますが、外務大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○河野国務大臣 本年二月にイワノフ・ロシア外相が訪日をされまして、私もかなり長時間にわたってロシア外相との間で外相会談を行いましたが、そのときにも、私の方から、北方四島周辺水域操業枠組み協定に関して、ロシアのトロール船の操業により日本漁船に被害が生じている、この被害は非常に深刻だというふうに我々は受けとめている、このことは操業協定存続の危機でもあるという認識を持って再発防止に取り組んでほしいということをしっかりと外相には伝えてございます。なお、刺し網の被害等についても、我が方から先方にこれもまた伝えてございます。 ロシア側は、日本側からのこうした話に十分耳を傾けて、そういう御指摘があったことを踏まえて適切な措置をとります、こういうことを述べております。
○松本(善)委員 公海上でも漁業資源を人類の共同の財産として保護をするということ、そして乱獲をしないということはもう当然のことで、これからの各国の考えなければならぬ大きな問題でありますけれども、ここは本当に歯舞、色丹や国後のすぐそばですよ。そこでトロール船で根こそぎとるとか日本の刺し網が壊されるとか、そういうのはいつまでもいつまでもほっておくわけにいかないと思うんですよ。もっと強力に、断固たる外交姿勢を示さないと、北方領土の問題、千島の返還問題、きょうは時間がありませんからやりませんけれども、そんな弱腰外交ではだめだと思うんですよ。やはり、日本の権益を本当に守るという観点からも、世界の漁業資源を守るという観点からも、今のような政府の態度は非常に弱腰で、それではだめだと思うんです。強力な外交をやられるように要求をいたします。 続けまして、この協定の二条三では、操業や資源保護に関して、日本側だけが協力金や機材供与の名目で一方的にお金を支払うことになっている。操業と資源保護の問題というのは双方に係る問題です。これは本当に国後とすぐそばですよ、地図を見ると。歯舞、色丹、すぐそばの問題です。これを日本だけが費用を負担するというのはおかしいと思う。当然にロシアと平等に負担をするというふうに変えなければならないと思う。外務大臣、どうお考えですか。
○河野国務大臣 当然そうだと思います。 松本議員がおっしゃるように断固たる態度で臨めというのは、どういう態度をすればいいのか、一遍教えていただきたいと思います。どういうふうにやればそれは断固たる外交態度なのかということを具体的に教えていただければ、私も勉強したいと思いますが、私としては、日ロ外相会談でも我が方の主張というものをきちっと述べています。それで先方の答えを聞くという態度はとっているわけでございまして、これ以上断固たる措置、断固たる態度で臨めという断固という態度はどういう態度なのか、一度教えていただきたいというふうに私はまず申し上げておきたいと思います。 ただ、今議員が後段おっしゃった、ロシア側が少しも金を出さないのはおかしいではないかという御主張は、私もそのとおりだと思います。これも、我々としては、日ロ双方がきちんと、しかるべき金も出し合い、知恵も出し合い、そしてお互いに協力し合って生物資源保護をすべきものが当然だと思います。 当然だと思いますが、なかなかその当然が現在の状況で通用しないという状況にあることを、私は甚だ遺憾だと言う以外にはありません。まことに残念ながら、現状ではそういう当然の理屈がなかなか通らないという状況にあることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○松本(善)委員 これは、千島の返還にかかわるいわば論立ての問題にもかかわるので、ちょっと時間がかかりますのできょうはできませんけれども、しかし、私どもが思っているのは、この交渉経過が国際正義の観点から見てロシア側がおかしい、そのことが世界の世論やロシアの世論に対しても、やはりロシアの外交のやり方はおかしいじゃないかとわかるような、そういう外交をやらないといけない、私はそういうことを申し上げたつもりでございます。 これはちょっとまだ時間がかかります。これ以上詳しくは時間的にできませんが、また改めて千島の問題でやりたいと思います。 問題は、この協定が九八年に結ばれたということでありますが、内容は、今申しましたように、政治的に非常に重要なものです。本来、国会審議にかけて当然のものだと思うんですよ。そして、各党の議員の皆さんがこの問題についてどう考えるか、それがロシアにも影響していくと思うんですよ。なぜこれを国会承認を求めなかったのか、お聞きしたいと思います。
○河野国務大臣 従来からの、国会承認を経るべき国際約束についての考え方は、その国際約束が法律事項を含む国際約束である、あるいは財政事項を含む国際約束である、あるいは、これらの事項を含まなくとも、我が国と相手国との間あるいは国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束である、それゆえに発効のために批准が要件とされている、この三つのカテゴリーのいずれかに該当するものを政府としては国会承認を得る、そういう統一見解を持って臨んできているわけでございます。 四島周辺操業枠組み協定は、四島周辺水域における我が国漁船の操業の態様並びに生物資源の保存及び再生産等の態様を定める技術的かつ暫定的な性格のものであって、また、法律事項も財政事項も含まれていないという判断をしたために、今申し上げました三つのカテゴリーのいずれにも入らないという判断をしているわけでございます。 したがって、本協定については、憲法第七十三条二号に言う外交関係処理の一環として行政取り決めとして締結するということにしたわけでございます。
○松本(善)委員 政府がそういう判断をしたということはわかりますけれども、大臣、どう思われますか。これだけ重大な、世界の資源保護という観点から見ても、我が国の国益という観点から見ても、これは政府だけで処理すべきものではないのではないか。やはり国会にかけて各党の意見を聞き、そして世界の世論に訴えて解決をしていくという態度をとるべきではないか。 私は、このロシア外交について抜本的な改善を要求したいと思いますけれども、最後に大臣の決意といいますか、考えを聞きたいと思います。
○河野国務大臣 日ロ関係に横たわる領土問題を解決して一日も早く平和条約を締結する、これは長年にわたる我が国国民の悲願であり、我が国政府の一貫した方針でございます。そのために、これからも全力を挙げなければなりません。しかし、そのためにも国民の理解あるいは協力というものが必要であるということは、松本議員がもしそういう意味でおっしゃっているとすれば、私は全く同感でございます。 しかし、両国の交渉ということになると、これはどこまで透明度が上げられるかということになると、問題なしとしないと思います。しかし、国民の理解と協力を得る、そういう観点に立って、私どもとしては、日ロ関係にございます諸問題について、できる限り国民とともにこの問題解決に当たるという姿勢をとりたい、こう考えております。
○松本(善)委員 終わります。
○井奥委員長 次に、伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 このすぐ後、私どもの審議の案が本会議に緊急上程ということのようでございますので、一点だけ申し上げまして、大臣の御見解を伺うことにさせていただきたいと思います。 なお、今提案されている法案の中身につきましては、それぞれ適切なものと考えますし、また、給与についての若干の変更などあるわけでございますけれども、外務省、在外公館職員の皆さんのさらなる活発な活動を望みたいというふうに思っております。賛成であります。 一つ伺いたいのは、在外公館のさまざまな活動の中で、日本と諸外国との交流、観光、人的往来に関する問題でございます。 最近、私ども、超党派で草の根交流と相互理解を促進するための国会議員委員会というものをつくりまして、外務大臣も特別顧問に御就任をいただきまして、運輸大臣などとやっているわけであります。なるべく幅広くみんなでやっていきたいなというふうに思っております。趣旨は、私から詳しく言うまでもないと思います。 今、訪日外国人は年間約四百万人程度、日本人の海外旅行者数は約千六百万、四分の一、一対四というふうな構造になっております。また、これから先を考えますと、国際観光旅行の促進は平和へのパスポートというのが書いてありましたが、これから二十一世紀は世界的に大交流時代を迎えるであろうというふうに思います。 残念ながら、統計を見てみますと、日本に外国の方が来られる数は世界で三十二位、アジア諸国の中でも第八位、そのほとんどがビジネスで東京、大阪あるいは京都などに来られる。関係の業界あるいは団体などの話を伺いましたら、いろいろアンケート調査をしてみますと、日本に魅力がないというのが高い数字になるそうであります。依然としてフジヤマ、ゲイシャというイメージで見ているというのも多い。 やはりいろいろな意味での努力をしなければならないと思いますし、日本に来られた外国人のアンケート調査がございますが、それを見ましたら、訪日者の対日イメージ、一遍来られた後伺いますと、日本は非常に親切で好感の持てるいい国だというのが第一位になっている。私は、もっと世界に誇り得る、そしてまたたくさんの皆さんと交流する国でありたい、何も世界第一位であるかどうかは別にして、やはりもっと改善をしていきたいというふうに思います。 在外公館、外務省の活動は大変ですけれども、特にこれを担当するのは政府では運輸省になるわけですから、私もちょっと担当させていただきましたが、また、私の先輩、後輩がおりますけれども、こういうことについて、やはりいい意味での世界の中の日本という状況をつくる、あるいは国際国家としてのいい日本をつくるという意味での御努力をやる必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○河野国務大臣 知人に、日本から外国へ出る人は千六百万人いて、外国から日本を訪問する人は四百万人しかいないのだと言うと、なかなかすぐには信用してくれない、うそでしょうと言われるような数字だと私は思います。 日本を訪問される外国観光客の数が少ないのにはそれなりのいろいろな理由がきっとあると思います。例えば、やはり旅費が高いとか、あるいは日本におけるホテル代、食事代その他が相当高いとか、そういったことも理由の一つとしてあると思うのです。しかし、もう一つは、別の角度で言えば、今伊藤議員がお話しになりましたように、日本がどういう国であるか、日本にはどういう魅力的なものが存在するかということを、もっと親切に丁寧に広報する、教えるということの努力がもう少し必要なのではないかということも、また指摘を受けるところでございます。 現在、運輸省は、運輸大臣を初めとして、観光客を倍増でしたか、しようとおっしゃって大変な力を入れておられる。そのためには、ひとつ運輸省と外務省はタイアップをしてやろうではないかということを言っておられるわけで、今、運輸省がウェルカムプラン21という政策を打ち上げまして、そして大変な努力をしておられる。外務省としてもできるだけの御協力をしようと考えておりますが、その御協力のまず第一は、在外公館がそれぞれの地域に日本の広報を徹底するということが大事だろうというふうに思っております。 現在、これはどこでもやっていることでございますけれども、ホームページなどを活用してこれを国際的にどこでもアクセスができる、それがしかも日本語ではなくて、英語でもフランス語でもスペイン語でもアクセスしてすぐに見ることができるというような努力をしているわけでございますが、さらに一段とこの手の努力をしていかなければならないだろうと思います。一度に手のひら返すようにというわけにはなかなかいかないと思いますが、地道な努力を積み重ねてまいりたい、こう考えております。
○伊藤(茂)委員 ぜひ御努力をお願いしたいと思いますし、また、議員交流などの面でも、みんなでいろいろと研究して、できることはやったらというふうに思います。 特に、これはもう時間ですから答弁を求めませんが、サミットがございます。沖縄、九州、恐らく二千人を超える外国のマスコミの人などなどお見えになるんだと思います。沖縄は、基地の中の沖縄でない風景が展望できればいいなというふうにも思います。また、間もなくサッカーのワールドカップがございます。これは大変な人数の方が来られるというようなことになるわけでありまして、幸いにして我が地元横浜が決勝戦の場というようなことでございますが、やはり何かそういう大きな場をとらえて、これを契機にして、大臣のおっしゃったようないい変化が起きてくるということをしていただきたいと御要望申し上げまして、質問を終わります。
○井奥委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○井奥委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井奥委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井奥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○井奥委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十一分散会