科学技術委員会 第3号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/03/29
会議録
○田端委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、技術士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として科学技術庁科学技術政策局長青江茂君、科学技術庁科学技術振興局長越智謙二君、科学技術庁原子力局長興直孝君、科学技術庁原子力安全局長間宮馨君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、資源エネルギー庁長官河野博文君、建設大臣官房長小川忠男君及び建設省住宅局長那珂正君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田端委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩下栄一君。
○岩下委員 おはようございます。自由民主党の岩下栄一でございます。 技術士法改正案について、早速お尋ねをいたしたいと思います。 創造的科学技術立国は、人材は多いけれども少資源の我が国が国際貢献を果たしながら国家としての繁栄あるいは国民生活の安定を維持発展させていく上で、至上命題であるわけでございます。歴史的に見て、国民性ともいえる勤勉さで、あるいは模倣、あるいは習熟、あるいは発展というサイクルを描きながら、科学技術の発展を見てまいりました。先人のたゆまぬ努力には敬服するばかりであります。 しかし、昨年来、本委員会で何度も論議されてまいりました臨界事故、H2ロケットの失敗、新幹線のコンクリート壁の落下、地下鉄事故など、日本の技術は本当に信頼できるのかという疑問も提起されております。 技術は何よりも人であり、高い職業倫理を備え、自立した専門職としての技術者の育成が急がれなければならないわけであります。そうしたときに、この技術士法の法改正が行われます。 改めて、この法改正の意義、目的、ねらいは何か、お尋ねをいたします。
○中曽根国務大臣 おはようございます。よろしくお願いいたします。 今お話がありましたように、昨年の東海村ジェー・シー・オーの臨界事故、またロケットの打ち上げの失敗、あるいは鉄道トンネルのコンクリートの剥離、また地下鉄における脱線事故等、事故災害が連続しております。日本の技術基盤の信頼性が著しく低下をしておりますし、また、これらは国民の安全や安心の確保という観点からも大変にゆゆしき事態である、そういうふうに認識をいたしております。 当然のことながら、これらの事故等につきましては、まず原因の究明を徹底的に行い、それから、その結果を踏まえて再発防止に取り組まなければならないわけでありますが、それに加えまして、国や地方公共団体、それから各事業者、あるいは労働者、国民一般のそれぞれにおいて、安全を最優先する気風あるいはまた気質を創造し、そして、社会全体で安全に対する意識やモラルを高めること、いわゆる安全文化、これを創造して社会に定着させることが非常に重要であると思っております。 今回のこの法改正は、このような状況の中で、技術者としてトップレベルの位置にある技術士について、高等の専門的能力にとどまらずに、高い職業倫理や継続的な自己研さんを求め、あわせて質の高い十分な数の技術者の育成確保を目指したものであります。 このような技術者の活躍を通じまして、技術及び技術者全体に対する国民の信頼の回復、また我が国全体の技術基盤の強化にこれらがつながることを期待しているところでございます。
○岩下委員 ありがとうございました。 安全文化を担える職業倫理を高く持った技術者の育成を目的とするということでございます。よろしくお願いをしたいと思います。 次に、国際的な対応として、グローバルエンジニア、すなわち、一九九五年、APEC域内の技術者資格の共通化が進行する中で、我が国の技術者が不利益をこうむらないための国際的な整合性を考える上で、この法改正は時宜を得ていると思います。また、日本の技術者は二百三十七万人、しかし技術士は四万人ということでございまして、アメリカのプロフェッショナルエンジニア四十一万人、イギリスのチャータードエンジニア二十万人に比べて少ない事実がございますが、こうした事実を踏まえて、数の上でも技術士をふやそうということは一つの時の流れであろう、このように思います。 そこで、今後このAPEC技術者相互承認プロジェクトが進行していくわけでありますけれども、法改正後の見通し、我が国のこうした国際的な動きに対するスケジュールはどのようになっていくのか、お尋ねをいたします。
○斉藤政務次官 岩下委員おっしゃいましたとおり、一九九五年、APECにおきまして、域内で技術者資格相互の承認を行おうというプロジェクトがスタートをいたしました。その目的と今後のスケジュールはどうなっているのかという御質問でございますが、まず目的は、高度な専門知識を有した、また資格を持った技術者が相互に乗り入れることによって経済活動を活性化させよう、産業を活性化させようということが目的でございます。 一つには、我が国の技術者が海外においてその資格が認められて活躍する場がふえるということ、それからもう一つは、海外のそういう能力を持った技術者が日本において活躍することによって、異なった文化、感性、そして創造性等が、日本において異文化交流といいましょうか、そういう形で活用が可能となる、この二点かと思います。 こういうことで、我が国の産業の活性化を図っていくということが目的でございます。 それから、今後のスケジュールですけれども、APEC技術者資格相互承認プロジェクトがこの十月に検討を終了する段階に来ております。オーストラリア、カナダ等が積極的に取り組んでおりまして、これらの国々との二国間協定がこれから十月以降行われる、こういうスケジュールでございます。
○岩下委員 ありがとうございました。 伺いますと、斉藤総括政務次官は工学博士であって、技術士であられ、プリンストン大学の客員研究員をなさっておられるというふうに伺っておりますけれども、この国際社会の中で、我が国の技術士が十分な国際的な働きを展開できるように、高い経験と御見識からいろいろ行政の中で御活躍いただきますように、質問の場をかりてお願いを申し上げます。 それから次に、技術士の試験制度の改善についてでございますけれども、第一次試験について、より多くの若手の優秀な人材が技術士を目指すように、科学技術庁長官あるいは文部大臣が指定した大学等の教育課程を修了した者は免除できるような措置をとられるようでありますけれども、具体的にどのような大学及び学部を考えておられるのか。もし仮に、すべての工学系学部の大学が対象となれば、法改正前と変わらないような気もいたします。そしてまた、どこがこれを認定するのか。それから、第一次試験を課すことによって、高校卒業者や指定されていない大学の卒業者の中で優秀な人材が技術士を目指せないではないか、このことが広い意味での日本の技術力低下につながらないかという危惧がありますけれども、この点について、いかが思いますか。
○斉藤政務次官 第一次試験を免除する大学の課程につきましては、文部科学大臣もしくは科学技術庁長官が指定をすることになっております。しかし、その指定は、日本技術者教育認定機構、JABEEと略して称されておりますけれども、この教育認定機構の認定を参考として、文部科学大臣が判断をするということになっております。 具体的には、第一次試験の合格と同等である、そういう課程の修了はどういうものかといいますと、科学技術全般にわたる基礎的学識、また技術士の義務等の規定の遵守に関する適性、これは倫理規定でございます。そして、技術士補となるのに必要な技術部門についての専門的学識、こういったメルクマールに照らして厳正に審査した上でなされるものでございまして、現時点でどれくらいの大学の技術系の課程が指定されるかについてはちょっと申し上げる段階ではございません。今後、検討してまいります。 なお、文部科学大臣が指定する課程は、第一次試験の合格との同等性について厳正な審査を受けたすぐれた課程でございまして、その修了者に対して第一次試験を免除することが第一次試験を受験しなければならない者との関係で不公平になることはない、このように考えております。
○岩下委員 ありがとうございました。 今お話しございました中のJABEEについてでありますけれども、現場を知らない技術者がふえているということが言われています。今回の法改正は、技術者の質の低下を招かないという命題がございますし、また技術者教育を継続していくということもその目的であろうかと思います。 そこで、この具体的な方策についてお尋ねをいたします。また、日本技術者教育認定機構、今斉藤総括政務次官からお話があったJABEEが昨年十一月に発足しておりますけれども、この新しい機構の目的は何か。また、この試験を現在委託している日本技術士会との違いは主にどこなのか。それから、業務の委託を日本技術士会にできないのかという点がありますけれども、そうしたことを含めて、このJABEEの位置づけについて改めてお尋ねをしたいと思います。
○斉藤政務次官 お尋ねのJABEE、日本技術者教育認定機構でございますが、これは、今、技術者教育そのものを、また技術者教育の課程を国際的に相互に承認し合って、その課程を卒業した技術者については国際的にこれを認めていこう。そして、技術者の流動化といいましょうか、優秀な技術者が全世界で活躍できるような、そういう流動化を図っていこうという大きな流れがございます。 そういう流れの中で、日本におきましても、日本工学教育協会の吉川会長を中心といたしまして技術者教育の国際相互承認問題について対応をしてきました。そして、昨年十一月に任意団体として設立されたのがこの日本技術者教育認定機構でございます。この機構によって認定されたプログラムの修了者が一定水準の技術的能力を持つ技術者である、そういう必要な教育を受けているということを品質保証するというものが目的でございます。 したがいまして、このJABEEによって認定された課程を修了した者につきましては、基礎的な学力を有しているということで第一次試験を免除するという、これは先ほどの前問に対する答えになるわけでございますが、こういうふうにしたわけでございます。 これを技術士に係る事務を行っております日本技術士会で代行できないのか、こういう御質問でございますが、大学の課程を審査するという非常に高度な専門的知識や、大学の教育についての深い知識、素養が必要でございますので、JABEEのような専門学協会もしくはその連合組織が行う方が十分に機能するもの、このように期待をしております。 今回の法改正におきまして、より多くの若い優秀な技術者が技術士を目指すよう、JABEEによる技術者教育の評価認定結果を参考として、一定の基準を満たす大学等の課程を指定して第一次試験を免除することにしたわけでございます。これによって、先ほど申し上げましたが、より多くの若い優秀な技術者が技術士を目指すように目指したものでございます。
○岩下委員 ありがとうございました。法改正と連動して、このJABEEの機能を十分発揮されますことを期待いたしたいと思います。 次に、職業倫理の問題でありますけれども、公共の安全、環境の保全などなど公益を害することのないようにというふうにうたって、技術士が技術に携わる者として果たすべき責務に関する規定がこの法改正に盛られているわけであります。当然のことだと思います。 また、欧米では、大学との連携により、専門知識に加え、倫理面での教育について確認できる認定制度も導入されており、今お話があったJABEEがそうした役割を果たす一面を持っているのかな、このように思うのであります。 最近のいろいろな風潮をかんがみながら、技術者の方々が自分たちの技術の影響力と怖さを認識していただくことが非常に大事な局面が多くなったな、また技術の不完全さを十分わきまえた上で、国民の立場に立って、何が求められているかをいま一度考えていただくべきときが来ているな、このように思うんです。 そうした認識を持てる、そうした中で技術開発を行う技術者を育成することがこの職業倫理の教育であると考えますし、法改正がそうしたことの実効を見るように大変大きな期待を持つところでありますが、科学技術庁長官として、今後、こうした法改正を踏まえながら、行政運営の上にどのような決意で臨まれていかれるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○中曽根国務大臣 お話のように、技術が社会に及ぼす影響というのは非常に高くなってきております。昨年の東海村の臨界事故にいたしましても、その背景には倫理というような問題もあるのではないかとも思っているところでございますが、技術者は、みずからの専門とする分野の実務の担当能力を持つことは当然でありますけれども、企業活動等に取り組む前提といたしまして、社会や公益に対する責務を十分に認識をして、そして高い職業倫理を備えることが必要であると思っております。 すなわち、技術の利用に伴いまして一般社会などにどのような影響が生ずるか、そういう点をあらかじめ十分に把握するように努め、また適切な技術業務の遂行に努力することが重要であるわけでございます。 また、このような技術者の倫理というのは国際的にも今非常に求められているところでございます。 このため、今回の法律の改正におきましては、技術者資格の国際的な整合性の確保の観点をも踏まえまして、技術士等の公益確保の責務を追加することとしたところであります。 この法改正によりまして、技術士試験や継続教育、そういう機会を利用して、技術者の職業倫理が一層徹底されるよう努めてまいる所存でございます。
○岩下委員 ありがとうございました。 以上で質問を終わらせていただきますけれども、我が国の優秀な技術士が、我が国技術の発展の原動力となって、国際的にも活躍できるような条件整備としての今回の法改正が、この技術士制度を改善し、一人でも多くの若い人たちが技術士を目指して頑張るような、そういう展開になるように心から念願をして、質問を終わります。
○田端委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 それでは、きょうは非常に限られた時間でございます。斉藤総括政務次官にお伺いしたいと思います。 斉藤総括政務次官は、衆議院ではただ一人、技術士をお持ちでございます。参議院では二人の先生がいらっしゃるということを聞いておるわけでございます。 そこで、冒頭に、斉藤先生がその資格取得を目指された動機が一つ、それから受験時の感想、三番目には、取得されてからどういう利点があったか、その三点お伺いしたいと思います。
○斉藤政務次官 技術士を受験する動機でございますが、本当に正直にざっくばらんに申し上げまして、私が勤めておりました民間企業は技術系職員が同期で三百人、四百人いる、そういう企業でございました。芋の子を洗うような非常に厳しい競争社会であったわけでございますけれども、そういう中で技術者として生きていく上で、自分はこれだけの能力を持っているんだということを示す上でこの技術士資格というのは最適でございまして、そういう意味では、自分の能力を示したいという動機で技術士を受験いたしました。 試験を受けたときの感想でございますが、かなり予想問題集等が出回っておりまして、予想された問題が出たなという形で、運がよかったなというのが正直な感想でございます。 その後の利点ですが、直接的な利点は一切ございません。それで給料が上がるとか昇進が速くなるとか、そういうことは一切ないわけでございますが、やはり技術者の社会の中で、資格を持っているということで、私を認めていただきやすい環境の中で働けたということが利点かと思います。 以上です。
○近江委員 率直に政務次官の御感想をお聞きしまして、とにかく技術士というのは非常に難しい、一般にそういう見方というものが定着しております。平成十一年、第一次試験に合格した人が一六・六%、第二次試験で通った人が一五・六%、確かにこれは難関ですね。厳しい。それだけの厳しい試験をくぐり抜けて資格をお取りになった。斉藤さんも、利点につきましては、どちらかというと、それだけのステータスといいますか、そういうものを身につけたということがあるわけでございます。 そこで、資格制度というのを考えてみますと、業務独占資格がある、あるいは名称独占資格ですね。技術士の場合は名称独占資格になっておるのですね。そこで、技術士の数というものも、世界各国で比較してみますと、日本はまだ四万人程度でございますから非常に少ないわけですね。世間的にも必ずしもまだよく理解されていない面もあるんですね。 そういう点で、公的な、例えば政府の公共事業あるいは調達等、そういうところの一定規模以上については、技術士の活用といいますか、存分に働いていただける部署というものを、位置づけというものをしていく必要があるのではないかと思うんですね。今後、技術士のそういう活用のあり方についてはどのようにお考えでございますか。
○斉藤政務次官 技術士の資格が広く活用されるためには、近江委員おっしゃったような公的な機関での活用が必要かと思います。 現在では、例えば建設コンサルタントや地質調査業者の登録要件に技術士がされておりますほか、建設業法等の法律に基づくいろいろな資格の取得についても試験免除という特典が与えられておりますが、非常に幅が今のところまだ狭いと言ってもいいかと思います。 今後とも、こうした資格が公的な場で使われるように、他省庁ともいろいろ協議をしながらその努力をしていきたい、このように決意しております。
○近江委員 ぜひその点は、技術士というのが活躍していただく場は関係各省広がるわけですね。そういう点で、科学技術庁が中心となって関係各省と十分にひとつ検討されまして、存分に技術士の皆さんが活躍できる、また世間の皆さんもそれを十分に理解していく、そういう場というものをしっかり設けていただきたい。検討していただくと今も御答弁があったので結構ですけれども、重ねて要望しておきたいと思います。 今回の改正というものにつきましては、昭和五十八年に改正をして今回の改正ということになるわけでございまして、一つは外国の技術者資格を有する者の技術士の認定問題、もう一つは技術士試験制度の改善、もう一つは技術士等の責任の追加、大きく分けて三つあるのじゃないか、このように思うんですね。 そこで、私は、技術士の認定につきまして、試験制度についてお伺いしたいと思いますけれども、その前に前提として、今回はAPECを中心といたしまして、相互協定に基づいて今後活躍の場をお互いに交流していく、こういうことになるわけでございますが、さらにAPECから広がり、国際化の中で欧米先進国とも技術者の交流が当然今後考えられるわけですね。 そうなった場合、技術者の数を見ますと、カナダでは十六万人、日本は四万人ですよ。カナダもAPECに入っているわけですね。米国におきましては約四十一万人、イギリスが二十万人、フランスが三十二万人、ドイツが八十万人。欧米諸国においてはこういう数字なんです。余りにも少ないですね。ですから、そういうようなところについて、これを一体どう考えるかという問題があるのです。 そこで、試験制度でいきますと、今回の試験制度の改正という中で、今までは一次試験に合格して技術士補になる。そして、それから第二次試験に臨むわけですが、七年間の実務経験に基づきまして第二次試験を受ける、これがなくなるわけですね、今回の改正で。 そうしますと、七年間の実務経験をもとに受験した人の数が今まで多かったのですが、むしろすそ野を狭くすることになるのじゃないかと私は思うのですけれども、これにつきましてはどうですか。
○斉藤政務次官 七年間の実務経験を経て第二次試験を受けるというコースは今回なくなっておりません。第一次試験を受けて、その第一次試験も、先ほどありました、文部科学大臣が認定した課程を修了した者は第一次試験を免除されるわけでございますが、基本的には、第一次試験を受けて、その後七年間の実務経験を経て第二次試験を受けるというコースは新しい法改正におきましても残されておりますので、決して狭めることにはならない、このように考えております。
○近江委員 要するに、今回の改正というのは、第一次試験を全部受けるのですよ。今まではそうではない、取得希望者で七年以上の経験があれば第二次試験はそのまま受けられたのですよ。そこが違うのですよ。
○斉藤政務次官 今回、第一次試験を基本的に全員が受けるということにした第一の理由は、基礎的な幅広い学識を有していることということが国際相互承認の上でぜひ必要であったこと、また倫理規定につきましても、国際相互承認の中で必要な項目として挙がってまいりました。そういうものをきちっとそのシステムの中に組み入れるために第一次試験を義務づけたものでございます。 ただし、先ほど申し上げました、大臣が認可した課程を修了した者、これは具体的にはまだどういう課程が指定されるのかわかりませんけれども、基礎学力また技術者としての倫理、そういうものが教育課程の中で盛り込まれているということで、これを外すということにしたものでございます。 ですから、御質問に対するお答えは、国際相互承認の上で必要になった、そのことによって今回第一次試験を原則義務づけたということでございます。
○近江委員 それで、第一次試験の受験の中で共通の免除がありますね。例えば四年制大学の工学部を出ている人だとか、それはよくわかっておりますとおり、表記されておりますが、私が申し上げたいのは、専門高校あるいは専修学校、こういうところで学んだ人たちにもすごい優秀な人がいる。 今、例えば技術士の中でも、技能という点においてはよくわかっていない人もたくさんいらっしゃる、現場も。それはいろいろな課程があるでしょう。そういう中で、専門高校あるいは専修高校を出てきた人というのは技能もしっかりわかっておるし、コンサルタント、技術士を持ってやっておる人もたくさん知っていますけれども、大変評価が高いのですね。そういう点で、それじゃ専門高校なり専修学校を出てくる人たちが第一次試験でどれだけ免除を受けることができるか。 そうしますと、専門高校には農業、工業、商業、水産、家庭、看護とございますね。その中で、専門高校の生徒が取得できる国家資格というのは四十一種類ある、総括政務次官は御承知だと思います。その中で、第一次試験において免除される国家資格というものは、専門高校で、四十一ある中で三つしか適用されていない。専修学校で取得して免除される項目というのは十七項目ある。これは国家試験ですから、専門高校を出て、また在学中にも通っているのですけれども、非常に優秀な人たちがいる。こういう人たちが、四十一種目もあってたった三種目しか免除されていない。 これにつきましては、関係各省にまたがっていますけれども、これは十分政府全体として検討されて、この適用というもののあり方について、さらにこれを充足されて、専門高校、専修学校を出られ資格を持っておられる方々につきまして、そういう特典を持っていただいて第二次試験に臨んでいく、こういうことは非常に大事だと私は思うのです。 それにつきまして、政府全体としてどういう取り組みをされるか、お伺いしたいと思います。
○斉藤政務次官 近江委員が、日本の技術立国を立て直すための一番大きなポイントとして工業高等専門学校、工業高校の教育の充実にあるということで大変な御努力をされていることに対して、科学技術庁としても心から敬意を表しているところでございます。 この技術士の第一次試験の免除、特に基礎的な素養のところの免除につきまして、その免除になるものが工業高校また工業高等専門学校卒業生について非常に少ないのではないかという御指摘でございます。そういう工業高校また工業高等専門学校の卒業生が技術士を目指して努力をしていただけるように、今後とも関係各省庁とも連携をとりまして、どういう方策が可能か検討させていただきたいと思っています。
○近江委員 あと余り時間がございませんが、国際的なそういう相互承認に向けまして、今諸外国との協議を進めておられると思いますが、どういう状況になっておるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○斉藤政務次官 APEC技術者資格相互承認プロジェクトがずっと進んできておりまして、この十月に枠組みの検討が終了する予定でございます。この終了後、個々の国との二国間協定、政府間協定に入っていく予定でございます。 まずAPECの中、七カ国と済ませ、その後APEC全域、そしてヨーロッパ諸国とも相互承認の二国間協定を結んで、我が国の技術者が海外で幅広く活躍できる環境を整備していきたい、このように考えております。
○近江委員 それでは、時間でございますのでこれで終わりたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
○田端委員長 菅原喜重郎君。
○菅原委員 まず最初に、資源の少ない我が国が、来るべき二十一世紀に向け活力ある国家として発展していくためには、科学技術創造立国の実現を図っていくことが不可欠であります。科学技術創造立国とは、科学技術を生かし、国民が安心、安全で快適な生活ができる国づくりでありますが、さらに、グローバリゼーションへの潮流に合わせて技術士法の一部を改正して、技術士資格の主要な要件について国際的な整合性を確保する国際相互承認への対応がなされること、技術革新による産業フロンティアの創出と産業の国際競争力強化の観点から、質が高く、かつ十分な数の技術者の育成確保が目指されること、これらは時宜にかなったものとして評価できます。 それはそれで、近時、ウラン加工工場の臨界事故を初めとして、H2ロケットの打ち上げ失敗、トンネルの崩壊事故、さらに最近では地下鉄の脱線事故など、我が国が二十一世紀に向けて科学技術立国を実現していくには心もとない事故が多数発生し、国民の科学技術に対する信頼も急速に失われております。我が国の科学技術をめぐる情勢はまさに危機的な状況にあると言わざるを得ません。 このように失われている科学技術に対する国民の信頼を回復するためには、これらの事故がなぜ生じたかを究明することも重要でありますが、もちろん、個々のトラブルの要因については特有の事情があったわけで、個別に原因究明が進められるべきものであります。しかし、ここで私が一つ考えるに、技術者のモラルの欠如が共通的な背景として挙げられるのではないかと考えます。 今回の改正の基本的考え方の中に、技術者が高い職業倫理を備えることが重要であるとして、職業倫理の明示がなされました。これは、我が国の科学技術に対する信頼を揺るがす事故が近年多発している共通の背景として、技術者のモラルの欠如が挙げられると考えられるからであろうと思います。そこで、モラルの欠如ということについて、最初にまず大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。
○斉藤政務次官 技術者のモラルの欠如、これが顕著ではないか、こういう菅原委員の御指摘でございました。これに対してどういうふうに対処していくのか。 私は、確かにウラン加工施設の臨界事故、ロケットの打ち上げ失敗、鉄道、トンネルの相次ぐコンクリート剥落等、技術者の士気、モラルが低下している一つのあらわれ、氷山の一角だと思います。私は、大きく分けて、私自身も民間の技術者として働いておりまして感じますのは、一つは、自分がやっている仕事が社会の中でどの程度の位置づけにあるのかだんだん見失ってくる、自分のやっていることが非常に社会的に大きな影響を及ぼすのだという視点がだんだんなくなってきつつあることが一つ。それからもう一つは、何といいましても、組織の中で働いている技術者がほとんどでございまして、その組織の利益を優先する、社会の利益よりも組織の利益を優先する、こういうふうにどうしてもだんだんなっていってしまう。この二点が技術者モラルの欠如の大きな点ではないかと思います。 そういう意味で、今回技術士法の改正におきましては、自分がやっていることの社会的な意味、失敗すれば非常に大きな、たくさんの人に迷惑をかけ、国民の皆さんを不安に陥れるということを認知し、そして、ある意味で会社の利益よりも社会の利益、こういう姿勢で仕事をしてもらう、そういう文化をこれからつくり上げていかなくてはならない。今、日本の技術者の社会に一番欠けているのはその点ではないか。そういう文化をつくり上げていく必要があるのではないかということで、今回の法改正をお願いしているわけでございます。どうかよろしくお願いいたします。
○菅原委員 全く、国民の科学技術に対する信頼を回復するためには、個々の技術者のモラルの向上が必要不可欠であります。 諸外国に目を向けますと、技術者の倫理が非常に重視されております。例えばアメリカにおいては、プロフェッショナルエンジニアという資格を有している技術者が約四十一万もあります。企業等において活躍しているわけですが、彼らは厳格な倫理規定に基づき、業務を遂行する技術者として高い社会的評価を得ていると聞いております。このようなことから、諸外国において技術者の倫理をどのように担保しているのか、またしていると思うのか、政府の見解をお聞きしたいと思います。
○斉藤政務次官 諸外国における技術者倫理の担保の仕方ということでございますが、これは国によってさまざまでございますけれども、少なくとも日本の技術士に相当する資格を持っている、そういう国におきましては、法令等に基づいて倫理に関する規定が設けられております。 例えば、アメリカですと、これは州ごとにつくられているわけでございますが、例えばテキサス州ですと、技術者はその職務を遂行するに当たっては、公衆の健康、安全、財産、福祉を保護することをゆだねられているものとする。また、先ほど菅原委員がおっしゃいました全米プロフェッショナルエンジニア協会の倫理規定におきましては、技術者は、公衆の安全、健康及び福利を最優先する。オーストラリアのエンジニア協会の倫理規定では、メンバーは常に、一部の、または私的な、またはほかのメンバーに対する責任の前に、公共の福祉、健康、そして安全に責任を置くべきである。こういうふうな形で、各国とも倫理規定が設けられているところでございます。 いずれの場合におきましても、技術者資格を用いて業務を行うに当たり、その前提として、公共の安全、健康等の公益確保の責務について規定されております。
○菅原委員 時間もなくなってきております。 そこで、最近の技術に関係する事故等を踏まえると、我が国の技術者はこうした職業倫理を十分に重視していないのではないかと思われます。例えばウラン加工工場の臨界事故についても、現場の技術者あるいはその技術者を監督する立場にいる者が公共の安全確保に対する自覚を持って業務を行っていれば、当然以上に防げた事故であります。したがって、技術に携わる者として果たすべき職務というものを、我が国の技術者が自覚することが必要であります。 今回の技術士法改正について、技術士の倫理についていかなる処置を講じようとしているのか、お伺いします。
○斉藤政務次官 今回の法改正におきましては、先ほど菅原委員御指摘の点を踏まえまして、二点ございますけれども、まず第一点は、技術士が公共の安全や環境の保全等の公益を害さないように努めなければならないという責務を法律上明記いたしました。 それから、第一次試験においても、職業倫理に係る適性を確認することとしております。また、最終的にはかなり厳しい面接試験がございますが、そこにおいても職業倫理という面からのチェックが入ることになっております。 こういう形で、これまでになかった技術士の倫理ということについてきちっと規定をしているところでございます。
○菅原委員 今お聞きしまして、今回の改正において技術士の倫理についての手当てがなされていることがわかりました。 ところで、技術士となるためには大変難関な試験にパスしなければならないわけですが、近年の技術が急速に進歩している中で、試験に合格した時点においては高度な専門的な知識や技能を有していた者であっても、試験に合格してから何年もたった後に引き続きすぐれた技術力を有しているとは限りません。もちろん、中には技術の進歩にキャッチアップすべく日々努力されている技術士もいることと思いますが、依然として一昔前の知識や技能に頼って業務を遂行している技術士も多いのではないかと推測されます。 技術士が産業界において積極的に活用されるためには、技術士資格を取得した後においても、技術士は継続的に自己研さんに励み資質の向上を図るよう担保することが重要であると思いますので、今回の法改正において、技術士の継続的な自己研さんをどのように担保しておられるか、お伺いします。
○斉藤政務次官 今回の法改正におきまして、二点ございます。 一つは、技術士としての資質向上、研さんの責務を法律上明記いたしました。そして、それを実効あらしめるために、日本技術士会におきまして技術士の資質向上のための研修を行う、そういうことができるような法改正になっております。
○菅原委員 次に、技術士が継続的な自己研さんにより資質を高め、高い技術的能力を有していることについて対外的に示すことも必要と考えます。こういう観点から、技術士の研さんの実績を対外的に示すための方策については、どのように考え、対処しようとしておられますか。
○斉藤政務次官 外から見て、その技術士がどのように自己研さんしているか、継続教育に努力をしているか見えるような形にするというのは、非常に重要な御指摘だと思います。 先ほど日本技術士会の話をさせていただきましたけれども、例えば、この日本技術士会等におきまして、技術士が、自分はこういう研修を受けた、こういう形であるプログラムを修了してこの知識を得たというふうなことを登録して、その状況が第三者から明確にわかるようなシステムを構築したらどうかということで、その検討を今日本技術士会を中心に進めているところでございます。 こういう方法を実施していくことによりまして、継続教育の実績を登録することの意義に関する社会的認識が深まって、また、そういう形で自己研さんの努力が形になれば、登録を行う技術者もふえていくのではないかと思っております。菅原委員御指摘の点、非常に重要な点でございますので、実効あるように今後努力をしてまいります。
○菅原委員 今回の法改正で、技術士に対して倫理や継続教育を義務づけることにより、我が国の技術に対する信頼の回復に向けた措置が講じられることがわかりました。 しかしながら、それにも増して重要なことは、技術士の制度を改善するとともに、技術士資格を国民や技術者の方々に対してPRし、産業界においても技術士資格が広く活用されるということが大切であります。 率直に言って、現在、技術士資格に対する国民の認知度が低いことは、私は認めざるを得ないと思っております。そこで、科学技術庁として、技術士制度の普及に向けいかなる処置を講じてきたのか、また今後講じていくつもりか、お伺いします。
○斉藤政務次官 おっしゃるとおり、この技術士制度、ほとんど国民の皆様の間に認知されていない、知られていないということは、残念ながら事実でございます。技術者の倫理を向上し科学技術創造立国を本当につくっていくためにも、この技術士制度の拡充そして社会での認知を進めていかなければならない、このように考えております。 そういう意味で、技術士制度の魅力を増大させる、そのことによってたくさんの技術者が技術士を目指す、そういうことを目的といたしました今回の法改正でございます。技術士を持てば全世界で、アメリカのプロフェッショナルエンジニアやイギリスのチャータードエンジニアと同じような資格で活躍できるというのも、その魅力を増大させる大きな要因だと思っております。 また、産業界で使ってもらうためにも、例えば経団連等にも我々この技術士の普及についてお願いをしているところでございます。経団連からも、国際的に通用する資格制度の確立というのが今後非常に重要なので、経団連としても努力をしていきたいというコメントをいただいているところでございまして、こういういろいろな産業団体とも連携をとりながら、技術士の普及に努めてまいります。
○菅原委員 この技術士制度が広く産業界に普及すれば、我が国の技術水準の維持向上に大きく貢献し、ひいては二十一世紀に向け我が国が科学技術創造立国を実現することにつながることになると考えます。そのためには、今回の法改正を踏まえた上で制度をより一層普及させることが大変重要になってきます。 さらに、反倫理、反モラルの行為には刑法での十分な対応もできるように、法務省と緊密な連携も要望したいわけでございます。やはり、この点では、過般の東海村の事故につきましても、日本の刑法での対応の法整備が不十分であったことがはっきりしておりますので、こういうことを要望しながら、これらを踏まえ、今後科学技術庁として技術士資格の活用を一層進めることを強く求め、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○田端委員長 午前十一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十時二十九分休憩 ————◇————— 午前十一時開議
○田端委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。川内博史君。
○川内委員 大臣、参議院の本会議に引き続いての御出座をいただきまして、ありがとうございます。 民主党の川内でございます。きょうは、技術士法の一部改正に関する法律案、大体この技術士法、技術士と言いにくいところがまず第一に問題じゃないかというふうに御指摘を申し上げておきたい。言いにくい言葉というのは大体皆さんいいように言わないものでございまして、言いやすい言葉に改めることがどんなに大事なことかということをまず申し上げておきたいと思うわけでございます。その技術士法の一部改正に関する法律案というものに関して一時間十分もお時間をちょうだいいたしましたので、じっくりと質問をさせていただきます。中曽根大臣、そして斉藤総括政務次官、よろしくお願いを申し上げさせていただきます。 まず、今回のこの法案は、我が国の科学技術に従事する技術士の育成に関する法案ということでございますが、昨年九月、東海村で起こりました臨界事故、そしてまたつい最近、営団地下鉄日比谷線で五名の方がお亡くなりになるという大変痛ましい地下鉄の事故、またあるいは各地で相次いでおりますトンネルの崩落事故、国民の皆様方が日本の科学技術に対して抱いていた信頼感というものが大きく揺らぎつつある現状の中で、これを何とかしなければいけないということで、今般この法案の提出というものがなされたのであろうと思いますし、また、この法律の改正によって、日本の科学技術というものが、国民の皆様に対しても、また世界に対してもしっかりと信頼を回復していくということが望まれるわけでございます。 ことしの二月一日の日経産業新聞に、科学技術庁さんが設置をいたしました技術者資格問題連絡懇談会の座長をお務めになられた内田さんという方のインタビューの記事が出ておりまして、その中にこういうコメントがございます。「技術士という資格は国務大臣が認定する国家資格。これに対し、博士号は各大学が認定する。にもかかわらず技術士の認知度は博士号に及ばないし、社会的な評価も受けていない。制度改革により技術士という資格が、医師や弁護士、公認会計士と並ぶという位置付けを明確にしたい」というふうに、この懇談会の座長をお務めになられた内田さんという方が新聞のインタビューに答えていらっしゃるわけでございます。 そこで、中曽根大臣にまずお伺いをいたします。 私も実は、大変言いにくい技術士というこの資格に関して、恥ずかしながら今回初めてお聞きをしたわけでございまして、恐らくここにおられる科学技術委員の方の中にも、聞いたことはあるが一体何なのかというような、実態というものをおわかりになっていらっしゃらない委員も私と同様にいらっしゃったと思うんですね。懇談会の座長をお務めになっている方ですら、世間から全く認知を受けていないというふうにおっしゃるぐらいですから、本当に、この技術士という資格が全く世間に認知をされていないというのは紛れもない事実であろうと思います。 四十年前にこの技術士法という法律ができて、既に相当な期間が経過しているにもかかわらず、そしてまた大変に難しい試験である、あるいは合格するには長い年月を必要とするというふうにも聞いておりますが、なぜ認知をされてこなかったのか。そしてまた、今回、科学技術庁さんがお出しになられた、大臣がお出しになられたこの法律案によって技術士という資格が認知をされるようになるのか、されると思っていらっしゃるのかということをまず冒頭にお伺いをさせていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 技術士制度につきましては、今委員からもお話ありましたように、昭和三十二年にこの制度ができて法案が成立したわけで、四十年の歴史があるわけでありますが、お話のとおり、なかなか世間一般ではこの制度の存在さえ知られていない場合があるというような状況でございます。この間、いろいろな普及広報活動も行ってきたわけでありますが、また、建設等の部門では広く活用されているようでございますが、その他の部門ではなかなか知られていないというのが現状でございます。 御案内のとおり、お隣に座っておられる斉藤総括政務次官は応用理学の方の技術士で、私、調べましたら、科学技術庁では、斉藤総括政務次官、それから研究所の方に一名いるという、合計二名でございます。もっとも、当庁の方は政策の企画立案や開発研究部門が多いわけで、そういう事情もあるわけでありますが、なかなか技術士の制度というものについて国民の皆さんは特に御存じないわけであります。 しかし、お話ありましたように、いろいろな事故等もありましたけれども、質の高い技術者を育成して、そして日本の技術基盤を強化するということは大変重要であります。そういう観点から、この技術士制度の普及、拡大に向けた取り組みがぜひ必要だ、そういうふうにまず思っております。 最近の経済活動が非常にグローバル化してまいりまして、また、国際化しているわけでありますけれども、日本の産業競争力を強化する観点からは、国際的に通用する技術者、こういう人たちの養成というものが重要でありますし、また、この資格制度の確立が重要なわけでございます。 科学技術庁といたしましては、この技術士資格の国際的な通用を確保することを目的といたしました今回の改正というものを契機といたしまして、関係の省庁また産業界とも協力いたしまして、産業界におきましては、経団連において去る三月十四日に技術士法の一部改正に関するコメントというものが出されているわけでありますが、非常に期待もされておりますし、評価もされているわけでございまして、こういう改正を機会に、我が国の技術活動が、さらに技術士制度が充実するように、また一層活用されるように私たちとしては努めていきたい、そういうふうに思っております。
○川内委員 今大臣から、国際的に通用する技術者の資格の創設というか、そういう資格になることを通じて、技術士という資格が世間一般にもっと認知をされるようにしていきたいという御答弁をいただいたわけでございますけれども、国内で認知されていない資格が、法律を改正して国際的にも通用する資格にしましたよということで、ではその認知度が上がるのかというと、私は若干疑問を持っております。今回のこの法案の改正の中心は技術士試験の改善というものも含まれているわけでございますが、試験を改善すれば科学技術のレベルが向上する、あるいは職業倫理が向上するというふうに大臣はお考えになっていらっしゃるのか。 そもそも、優秀な技術者が試験によって発掘をされるということはないのではないかと私は思っているんですが、中曽根大臣は文部大臣も兼務をされていらっしゃいますから、例えば大学入試の制度を変えれば質の高い学生がたくさんできるとも限らないでしょうし、今回のこの制度改正に関しては、技術士審議会では、技術士のレベルがかえって下がってしまうんではないかというような御意見も出ているようでございます。 今回のこの法案の改正の目的、国際的に通用する資格にする、あるいは技術者のレベルを上げる、職業倫理を向上させるというようなこの法案の目的自体がそもそも達成できるのかということに関して、もう一度ちょっと御決意というようなものをお聞かせいただければというふうに思います。
○中曽根国務大臣 こういう制度、法改正を行うわけでありますけれども、先ほどから委員からも御指摘ありますような日本の今の技術レベルといいますか、いろいろ信頼も低下をしている、物づくりに対する心配もまたあるわけでございます。今回、さらに技術士制度というものを充実させて、今後の日本の技術力の向上に努めたいということでもございますが、私どもといたしましては、やはり国民の皆さん方にも大いにこの制度を知ってもらう努力をする必要があろうかと思いますし、またさっきも申し上げましたけれども、産業界においてもこの制度を十分に認知してもらって、そしてこの制度がより有効に活用されるように産業界あるいは行政全般で努力をしていかなきゃならないと思っています。 そういう積み重ねによりまして、また、APECを中心に今いろいろ議論もあるわけでありますけれども、国際的な面での技術士の役割というものも確立することによってさらにこの制度が充実し、また技術の向上にもつながる、そういうふうにまず思っております。 それで、今、海外との技術提携とかプラント輸出とか随分ふえているわけでありますけれども、そういうような契約締結の際、文書への署名などにおきましては、やはり技術士の資格を持った方が署名という意味では必要とされることが大変多くなっておるわけでございます。 また、雇用体制も変化しているわけでございまして、技術者の流動化も進展しているわけでありまして、非常に技術者をめぐる環境というものが大きく変わってきております。こういう中で、個々の技術者の大変高度な専門的能力あるいは職業倫理というものを保証する資格でありますこの技術士資格というものは、ますます私は重要になってくると思っております。 それから、我が国が科学技術創造立国を目指すためにも、技術士資格を有する技術者の数をふやしていくということがまた大切である、そういうふうに思っております。 このため、質の高い技術者の育成確保に向けまして、技術者教育の段階から技術士資格の付与、また継続教育までの生涯にわたり、一貫した整合性のあるシステムを構築することが重要である。そういうふうな認識のもとに、この技術士資格を国際的に通用する資格とするとともに、試験制度の改善によりまして、より多くの技術者、学生が技術士を目指すように措置しているものであります。 試験制度を変えたからといって、これがいきなりふえるとか認知されるとか、あるいは充実するということではありませんが、こういう積み重ねによりまして多くの方に知ってもらい、多くの方に受験してもらって誕生してもらえればというふうにも思っているところでございます。 それから、技術士のレベルが下がるのではないかというようなお話も今ございましたけれども、これによって、現在余り活用の進んでいない部門を中心に、全部門にわたって資格取得志望者数が拡大してくるのではないか、そういうふうに期待をしているわけであります。そういうことから、技術士の質を維持しながら数を増大することができるものと考えていまして、この法律の改正により、技術士として必要な知識や技能のレベルを下げることにはならないと思っております。
○川内委員 技術士をめぐる環境というのはだんだんよくなってきている、さらに優秀な人材に技術士という資格を取っていただくためにこのような改正をしていくんだということでございますが、先ほども申し上げたように、まず世間の人々に広く、技術士というのは大変な高い専門性を有し、プロとしての立派な仕事をされる方々だという認識を持っていただくためには、この技術士という名前をまずとにかく何か考えた方がいいというふうに強く申し上げておきたいと思うのです。 やはり人間というのは非常に単純なものですから、言いやすい言葉とか響きで格好いいなとか、あるいはいいなという言葉に関してはどんどん口にしますし、それが人々に伝わっていけば、技術士の皆さん方ももっともっと誇りが持てるようになるのではないかというふうに思うので、これは冗談ではないのですよ。絶対そのようにされた方が、技術士を取り巻く環境、そしてまた技術士の皆さんの明るい未来が待っているというふうに私は申し上げておきたい。名前を変えなければ、幾ら法律を改正しても、恐らくだめですよ。私は、これは断言しておきます。 いや、川内はそう言うかもしれぬが、技術士という名前を変えなくても、国際的に通用する資格にして、そしてまた試験も変えれば、これは立派な資格になっていくんだと大臣があくまでも言い張られるのであれば、そこでお尋ねをいたします。 それほど技術士という資格が立派な資格であるならば、科学技術庁さんの中に、斉藤総括政務次官は、もともとは政治家でいらっしゃいますから、お役人ではないわけですから、技術士の資格をたまたま持って科学技術庁に政務次官としていらっしゃるというだけの話で——科学技術庁という言い方も言いにくいです。名前を考えた方がいいと思いますが、科学技術庁の中のお役人に一人しか技術士の資格を持った人がいらっしゃらないというのも、これは科学技術庁自体が技術士の資格を今まで非常に軽視していたことのあかしではないかというふうに思うわけでございます。 他の省庁等では、技術士の資格を持った方というのはいらっしゃるのでしょうか。科学技術庁については、プロパーでは一人いるということを先ほど大臣の御答弁の中でお聞きしましたが、他の省庁の現状についても若干教えていただければというふうに思うわけでございます。
○越智政府参考人 まず科学技術庁は、斉藤総括政務次官のほかの一名は、航空宇宙技術研究所に一名おります。 また、他省庁につきまして、主な省庁について調べましたところ、建設省で百九十八名、農林水産省で三十四名、運輸省で九名の方がそれぞれ技術士として登録されております。
○川内委員 今御報告のございました建設省や運輸省等については、実際に現場で仕事を仕切っていかれる方々がいらっしゃいますから、それだけの人数いらっしゃるということになるのかもしれないですが、しかし、科学技術庁は政策の企画立案だけだから、技術士の資格を持った人がいなくても、もちろん日常の業務については問題ないのかもしれないですけれども、技術士の資格を推進していこうとするお立場の科学技術庁さんが一人しかいないというのは大変に寂しい話でございます。 そこで、斉藤総括政務次官にお尋ねを申し上げますが、技術士の資格をどのような動機でお取りになったのか。技術士の資格を持っていることで、持っていてよかった、得したなということが今までの人生の中でおありになられたかどうかということを御報告いただきたいというふうに思います。
○斉藤政務次官 技術士を受験しようと思った動機でございますが、私、民間の会社で技術職として働いておりました。その会社は、同期に技術系職員が三百人、四百人いる、そういう技術系の職場としては非常に競争の激しいところでございました。そういう競争に勝ち抜いていくためには、会社の中で認められることがまず第一でございますが、そのためには、外から見て、だれから見ても、技術者としてあいつは能力がある、こう認めてもらう資格を持つのが一番早道だということで、技術士を取ろうということで努力をいたしました。 利益を得たことがあるかということでございますが、直接的な利益は、これは全くありません。給料が上がったとか、昇進が早くなったとか、そういうことは一切なかったわけでございますが、技術者としてこの試験を受かったのだという自信といいましょうか、そういうものは私の内部にありまして、そういう自信というのは、長い期間、技術者として働いていく上でやはり大きな利益をもたらしてくれたのではないかと思っております。 本当によかったと感激するようなことは一回もございませんでした。
○川内委員 今斉藤総括政務次官から御答弁がございましたように、たくさん技術者がいる中で、自分はきちんとした資格を持った技術者であるというプライドの部分については、ないよりはあった方がいい、よかったけれども、直接的には、仕事の部分でも、あるいはお給料の面でも、昇進の面でも、それほどメリットはなかったような気がするというお話がございました。 こういう難しい試験にチャレンジする、そして資格を取得するというのは、人間というのはどうしても、せっかく何か資格を取ったならば、それで何かメリットがなければ動かない部分というのも非常に大きいのじゃないかというふうに思うわけでございます。 科学技術庁さんは、技術士の資格というものをこれから世間にどんどん広めていこう、国際的にも通用する資格にしていこうということで頑張っていらっしゃるわけですから、大臣、まず隗より始めよじゃないですけれども、技術士の資格を持つことによってさまざまな点で有利なんだ、技術士の資格というのは、高い志を持った、職業倫理を持った、そして非常に高度な技能を持った技術者が取得をできる資格である、こういう技術者は仕事の面でも大変に優遇をされるのだということを、ぜひまず世間に科学技術庁が率先垂範してお示しになる。例えば、先ほど科学技術庁は中に一人しか技術士がいないということでございましたが、まず科学技術庁の中にいらっしゃる技官の方は、技術士の資格をそれぞれの専門分野においてぜひ取得をしていただく。そして、怠けて取得をしない技官は出世できない、残念だけれども。 せっかく科学技術庁がこれから、四十年間塩漬けになっていた資格を世に出してやっていこうというときに、まず職員、役職員がしっかり技術士の資格を取得してやっていくということが、これは何よりも世間に対する大きなアピールになると思うのです。科学技術庁の中にいる技官の方たちが、よし、おれも技術士取るぞ、技術士取るぞ取るぞと、技術士を繰り返して言っていると、言いにくいなということに気づくのですよ。そこがまず大事なことなんですね。大臣、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 斉藤総括政務次官みずからの技術士取得の経緯とか、会社におけるこれをお取りになった後のいろいろな面についてのお話がありました。私が伺いましたところでは、斉藤総括政務次官は月の表面におけるエネルギー関係の施設の建設の設計の仕事をされておられたということもちょっと伺ったのですけれども、大変高度な技術をお持ちということでございますが、そういうことも余り皆さん御存じないと思います。 技術士の資格を取るということは、先ほどからお話がありますように、技術者としての一流な、人物的にも技術的にもそういうものを有しているということを証明するものでありまして、今後、まず大いにこの制度をPRしていきたい。名前が確かに言いにくうございますけれども、この制度をPRしていきたい。 そして、科学技術庁におきまして、今一名ということでございますけれども、庁内でも知っている人も知らない人もいるのではないかと思いますし、まず隗より始めよというお言葉がありましたけれども、これを契機にまた庁内でもPRに努め、また今後の選考、採用等においても、そういう方がどんどん受験してもらえるようなことも私ども努力をしていかなければならないと思っていますし、他省庁に対してもそういうような働きかけをしていかなければならない、そういうふうに思っております。
○川内委員 大臣、ぜひ役所の中でPRするだけではなくて、技術系の職員の方には技術士の資格を全員取得せよという大臣の御命令を下していただいて、そして、日本の科学技術の信頼回復が大臣のその一言から始まったのであるという、歴史に残ることをしていただきたいというふうに思っております。 次に、きょうは建設省からも大変お忙しい中を小川官房長さん、そしてまた住宅局長さんにもお運びをいただいております。これは具体的にお聞きをしたいのですけれども、技術士の資格を普及させていくためには、私は科学技術庁さんも取ってくださいよというふうに申し上げましたが、建設省さんの中には百九十八名の技術士の資格を持った方々がいらっしゃるということで、なるほどというか、さすがというふうに思うわけでございます。建設省さんなどが公共事業を発注する場合、技術士がいるのといないのとではどのような違いがあるのかということを、建設省さんの方から具体的にちょっと御説明をいただきたいというふうに思います。
○小川政府参考人 お答えいたします。 私どもの所管行政の分野では技術士をかなり積極的に位置づけておりまして、いろいろな分野で御活躍をいただいているというふうな状況でございます。 二、三御報告させていただきたいと思いますが、建設業法という法律がございます。これに基づいて建設業の許可を行っているわけでございますが、その建設業法で、営業所ごとに技術者を配置しなければならないという規定がございますが、その技術者の資格要件の一つとして技術士を位置づけております。 また、同じく建設業法でございますが、ランクづけという概念がございますが、そこで経営事項審査というふうなことを行うわけでございますが、その場合の評価項目の一つとして、建設業者が抱えております技術士の数、これを経営評価する場合の項目の一つに位置づけております。 それから、ほかの分野で二、三申し上げますと、これは運用になりますが、建設コンサルタントの登録規定ですとか、あるいは地質業者の登録規定というふうなジャンルがございます。その中でもやはり技術士を積極的に位置づけております。 また、これも運用そのものでございますが、設計業務を外部に委託発注する場合に、それなりの技術能力というふうなものが必要になるわけでございますが、設計業務の仕様書におきまして、技術士が配置されているというふうなことを位置づけた上で発注をいたしております。 御報告いたしましたように、ほかにも細かいのがいろいろあるかと思います。積極的に活用させていただいているというふうなことでございます。
○川内委員 大変にありがたいことでございまして、科学技術委員の一人としても、今後、技術士資格というものがより世の中の人々にしっかりと認知をしていただけるように、すばらしい資格であるのだということをお仕事を通じて広めていただきたい、重く用いていただきたいということを私の方からもお願いをさせていただいておきたいというふうに思うわけでございます。 次に、今回の改正の大きな項目の一つでございます技術士試験の改善に関してお伺いをいたします。 今回の改正で、一次試験を合格した後、すぐれた指導者のもとでの実務経験が四年間あれば二次試験が受験できることになるというふうになっているわけでございますが、このすぐれた指導者という表現が具体的にはちょっとわかりにくいのです。かなりあいまいなのではないかなというふうに思うわけでございます。斉藤総括政務次官みたいに、私どもだれもが認める立派な方は技術士としてすぐれた指導者であるというふうに言えると思うのですけれども、すぐれた指導者というこの表現、こういう人が技術士としてすぐれた指導者なのだということをもうちょっと具体的に御説明をいただきたいのです。
○斉藤政務次官 これまでの制度では、技術士補という制度、これは今後もございますけれども、この技術士補がその部門の技術士の指導によって四年間研さんを積んだ場合、普通は実務経験七年なのですが、それを短縮して四年で第二次試験を受けられるというものがございました。しかし、現実には、技術士そのものが大変少ないということもございまして、このコースで受験する人が非常に少なかったわけでございます。そういうことで、今回、技術士と同等の技術的能力を持った人をすぐれた指導者ということで規定をいたしまして、このすぐれた指導者の指導のもとで研さんを四年間積めば第二次試験を受けられるということにしたものでございます。 したがいまして、すぐれた指導者の具体的な内容でございますが、技術士と同等というふうなことがあるかと思いますが、具体的な内容については今後決定する文部科学省令によって詳しく規定をいたします。当該技術部門について一定の実務経験を有し、かつ指導者としてふさわしい地位にある者とすることが基本でございますが、具体的には今後省令で決めてまいります。
○川内委員 ということは、すぐれた指導者というのは、技術士の資格を持っていない方でも、文部科学省令においてすぐれた指導者であるというふうに認められる方については該当する、こういうことになるわけですね。 では次に、こういうふうにして資格をたくさんの優秀な方がお取りになるということは大変大事なことだというふうに思うわけでございます。ただ、資格というのは取ってそれでおしまいということではなくて、継続的な教育というものが、あるいは研修というものが大変重要になると思うわけでございます。今般の法律の改正の中で、そのあたりについても、継続的な教育とか研修については触れられているわけでございます。 ただ、私が思うには、科学技術の進歩というのは日進月歩でございますでしょうし、一回資格を取ったから後は研修並びに継続的な教育をするだけで十分かというと決してそうではない。こういう資格等についてはすべてそうだと思うのですけれども、医者も弁護士も全部そうだと思うのですけれども、一度取ったら生涯そのままということではなくて、我々議員も選挙があるわけでございます。 これは、大変に重要な、高い倫理観を持って行動をしなければならない人間については、我々議員は選挙ですけれども、こういう技術士なり弁護士なり、あるいはお医者さんなりは、資格をもう一度再審査する、何年かに一度もう一回試験を受けてもらうというようなことをしなければならぬのではないかというふうに思うわけでございます。研修とか継続的な教育だけで、今のところはそこまでうるさく言わぬでも十分だというふうに思っていらっしゃるのか、その辺をちょっと御答弁をいただきたいと思います。
○斉藤政務次官 継続教育は非常に重要である、特に日進月歩する技術の世界にあって、社会的責任を有する技術士として、継続教育、自己研さんは非常に重要である、御指摘のとおりだと思います。そういう意味で、今回法改正におきまして、資質向上の責務、継続教育、自己研さんを義務づけたわけでございます。 御質問の趣旨は、自己研さんを実効あらしめるために再審査をぜひ設けるべきではないかという御趣旨でございますが、現在、技術士と同等の世界のいろいろな資格を見ましても、実は再審査という項目を設けているところはございません。また、APECで相互承認のためのプロジェクトを今進めているわけでございますが、その検討においても、必要事項とはされておりません。そういうこともございまして、継続教育についての義務についてはきちんと規定をし、またそれを実効あらしめるために、日本技術士会等の研修、またその登録、いろいろなシステムを考えておりますが、再審査というところまでは考えておりません。
○川内委員 継続的な研修、教育によって、すばらしい人材がすばらしい人材であり続けられるように、ぜひしっかりとシステムづくりをしていただきたいというふうに思うわけでございます。 今回のこの法律の改正の目的の一つ、職業倫理を向上させるということでございますけれども、もともと職人の世界には職人かたぎという言葉もあるくらいでございまして、非常に独自の職業意識を持ってすばらしいお仕事をしてきていただいていたものが、ここのところ崩れつつある、あるいは崩れてしまっているのではないかという国民の皆さん方の危惧というものがあるわけでございます。職業的な倫理意識あるいは規範といったものを法律で定めなければならない、それをしっかり持ってくださいよということをわざわざ言わなければならないということに、私は今日の日本の状況というものが残念ながらあらわれているのかなというふうに思うわけでございます。 しかし、しっかりとそれを位置づけていかなければならないというのもまたいたし方のないことでございましょうが、規範として職業意識を高く持ちなさい、高く持ってくださいということを位置づけるのであれば、それができなかった人はこういう罰がありますよということも、残念ながら入れておかなければならないのではないかというふうに思ったりもするわけでございます。 大臣は、今回の法案で、これで十分だと思っていらっしゃるのかどうかということをお聞かせいただきたいですし、また、今まで、技術士の資格を持っていらっしゃる中で、技術士としてふさわしくないということでその資格を剥脱をされた方がいらっしゃったのかということに関して、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 職業倫理を向上させるということは非常に大切なことであると思います。原子力関係施設の事故を初めとする昨年来のいろいろな事故等も、やはりモラルの問題も大きくその背景にあると思いますし、また、こういうことをいろいろ議論していきますと、教育の問題にも行き当たるのではないかとも思っております。 今回の法律の改正におきましては、社会や公益に対する責任、これが企業の活動の大前提である、そういうふうに思っておりまして、技術士が公益確保の責務を有することを明確にしなければならない、そういうことで、今回、努力義務として規定をいたしました。この規定に違反した場合でありましても、罰則等のペナルティーは科さないこととしております。 諸外国におきましても、技術士に相当する資格について倫理に関する規定が設けられているわけでありますけれども、これに違反した場合に罰則を設けている例というのはないようでございます。諸外国と比較して不十分であるとは私は考えておりません。 技術士の登録が今まで取り消された例といたしましては、刑事罰を受けたことにより欠格条項に該当する、そういうことに至った事例が一件存在するのみでございます。
○川内委員 高い職業倫理を持ってお仕事に当たっていただきたい、努力義務規定を入れて、それにたとえ反していたとしても罰則規定はない、資格を剥脱されることはないということでございますけれども、私は、せっかく技術士の制度というものをさらに実効あらしめるためには、職業倫理というものを盛り込むのであれば、その規定に、そのレベルに達していない方については受験をすることはできない、あるいは、資格を持っていたとしてもその資格を剥脱されることがありますよぐらいは入れておいてもいいんじゃないかなというふうに思っておりますので、御提言を申し上げておきたいというふうに思います。 そこで、余り時間もなくなってきましたので、次に、もう一つのこの法律案の目玉でございます、国際的に通用する資格にするという分野に関してでございます。APECの技術者の資格の相互承認の制度に関してお伺いをさせていただきます。 今回の改正では、我が国において、外国の技術者資格を技術士資格と同等と認めるようにしていこうというふうになっているわけでございます。そして、相互承認でございますから、相手国においては日本の技術士資格が相手国の資格として通用するということになるわけでありましょうが、私は、たとえ資格が相手国で通用したとしても、そもそも言葉の問題があって、実態として、運用していくのはちょっと難しいんじゃないかというふうに思っているわけでございます。 そもそも、技術士資格の中に言葉の要件が資格要件に入っておりませんから、相互承認したとしても使いものにならないんじゃないかというふうに危惧をしているのですが、その辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのかということをお聞かせをいただきたいと思います。
○斉藤政務次官 APECにおける技術者資格の相互承認の検討の中におきまして、英語を初めとする語学の習得につきましては要件とはされておりません。これは、技術者が国際的に活躍する場合、コミュニケーションが可能であるということは資格以前の問題だ、こういうふうに考えられていることによるものだと思っております。 しかし、今後、日本と二国間の技術者資格の相互承認の検討を行っていくわけでございますが、その協議を行う中におきましては、言語の問題も含めて、必要に応じて明確にしていきたい。二国間協定の中で、委員御指摘の点を考えていきたいと思っております。 それから、大変申しわけございません。私の先ほどの答弁、技術者資格の更新の点に関する答弁でございますが、私ちょっと認識を誤っておりまして、世界的に見れば、技術者資格を更新している国もあるそうでございます。ただし、日本におきましては、資格更新を義務づけるのではなく、継続教育の支援体制を整備して、それによって担保しよう、このような考えでございます。前の質問についてここで答弁させていただきまして、申しわけございません。
○川内委員 今せっかく政務次官から御訂正をいただく答弁がございましたので、その更新している国というのはどこですか。それだけちょっと加えて教えていただければ。
○斉藤政務次官 アメリカのテキサス州のプロフェッショナルエンジニアが更新をしているそうでございます。
○川内委員 ありがとうございます。総括政務次官の誠実なお人柄に、さすが技術士だなというふうに今改めて感じ入っているところでございます。 今、その相互承認の件について政務次官から御答弁をいただいたわけでございますが、それぞれの国とか地域でこの資格を付与するレベルとかやり方とかいろいろあって、二国間であったとしても、それをどうやって相互に承認するのかというのは非常に難しい問題なんじゃないかな。今、言葉がしゃべれるのは資格以前のことだ、お互いの暗黙の了解があるじゃないかというようなこともあったわけですが、では、言葉をクリアしたとしても、二国間における資格のレベルというものがどういうふうに合致していくのかというようなことに関しては、非常に難しい部分なんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 そこで、我が国に二百四十万人いる技術者の方々の中で、四万人ちょっとの方が技術士の資格を持っていらっしゃるわけでございますが、今我が国の技術士のレベルというものが国際的にどのように評価を受けているのか、我が国の技術士のレベルについて若干御説明をいただきたいというふうに思います。
○斉藤政務次官 これまでは、日本の技術士のレベルについて、国際的にどうなのかということが真剣に議論された場というのは実はなかったわけでございますが、今回、APECの相互承認のプロジェクトが始まりまして、鋭意検討が進められてきました。諸外国の技術士と比べてどうなのか。いろいろな国が入った中で検討が行われたわけでございますが、その中で、諸外国の技術者制度と比べても遜色がない、十分高いレベルの資格である、こういう評価がされている、このように聞いております。 我々も技術者の仲間でよく言うことですが、日本の技術士は、レベルは高いけれども現実に社会で余り使われていない。外国の技術士制度は、知識のレベルが低いと言ったらちょっと語弊があるかもしれませんけれども、非常に広く使われて社会で認知されている。そこに差があって、どちらがいいことなのかよくわかりませんけれども、そういう意味で、今後相互乗り入れでレベルの高い、社会に認知された制度にしていかなければならないと思っておりますが、日本の技術士に対する評価は以上のような点でございます。
○川内委員 レベルは高いんだけれども、いまいち認知をされていないということのようでございます。そこは技術者同士、少し話をすればお互いにお互いのレベルというものは、勝ったとか負けたとかすぐわかることなんでしょうけれども、今政務次官から、技術士と同等の資格であると思われる他国の技術者の資格を持っている方々については、ちょっと言葉は語弊があるがとおっしゃられたけれども、自分たちの方が上だという御答弁があったわけでございます。今後、日本の技術士のレベルよりも低いレベルの、技術レベルの低い国から技術者をどんどん受け入れなければならないというようなことになるとするならば、この技術レベルを維持していくというのは大変重要な、かつ重大な問題になるのではないかというふうに思うわけでございます。 これから日本が相互認証をしようとしている相手国の技術レベルというものをどのように客観的に評価するのか、また、どのような国々と相互乗り入れでこの資格を国際的な資格にしていこうとしていくのか、若干実務的なことについて御答弁をいただきたいというふうに思います。
○中曽根国務大臣 まず、外国の技術者資格の要件でございますけれども、これは国ごとに異なるわけでございます。例えばAPECの諸国のうちで、現状におきましてはオーストラリアそれからカナダなど七つの国・地域、地域というのは香港があるのですけれども、そういう国の資格が、実務経験の期間とか試験その他の要件等から見て、日本の技術士資格に相当するものではないか、そういうふうに考えております。具体的に、相互承認の対象となる外国資格につきましては、二国間の協議で決めていくことになろうかと思います。 APECの技術者資格の相互承認プロジェクトにつきましては、今検討が行われているわけでありますけれども、ことしの十月ごろに大体その検討が終了する見込みでありまして、それが終了した以降、オーストラリアとかカナダ等の国々と具体的な交渉を進めていくことになるものと思っております。
○川内委員 今大臣から、オーストラリア、カナダ等の国と進めていくというふうにお話があったわけでございますが、それらの国々の技術士相当の資格のレベルというものをどのように評価するのかということに関して御答弁がちょっとなかったような気がするのですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○斉藤政務次官 一つは、相互承認の基準といたしまして、例えば大学のエンジニアリング課程を卒業している、もしくはそれと同等の基礎的知識を有していることでありますとか、また、先ほどお話がございました倫理規定、また継続教育の義務等基本的な基準がございます。その基本的な基準に照らして、日本の技術士と同等の資格であるということを見てまいります。 また、日本の場合は十九の部門に今分かれておりますけれども、その部門の分け方も各国によって違ってまいりますので、そのことについても具体的には協議をしていくことになるかと思います。 いずれにいたしましても、日本の技術士資格と大きくレベルが異なるというふうなことは排除をし、同等のレベルであることを確認した上で、この相互承認プロジェクトを、二国間協議を進めていくということでございます。
○川内委員 ぜひ日本の技術士の方々が、不利という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、バイでやるわけですから、しっかりと交渉をしていただきたいというふうに思うわけでございます。 最近は、グローバルスタンダードとかいろいろなことが言われて、ネットワークだとか、国際的に垣根が取り払われていくような時代になっているわけでございますが、そういう意味では、今回のこの法律の改正というのは、国際的に技術者の能力が一定レベルであるようにしていく、また人材もグローバルスタンダードみたいな基準をつくっていく時代になったのかなというふうに思うわけでございます。 ただ、現在のように、各国での技術教育のレベルも違っているし、また資格試験のレベルも違うというような状況では、先ほども申し上げましたように、この資格を国際的に通用させていく、あるいは二国間でお互いに相互乗り入れするというのも、これはなかなか口で言うほど簡単なことではないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 そこでまた、例えば資格試験の内容を思い切ってAPECの中で統一してしまったらどうかな。言葉はそれぞれの国の言葉で受験をすればいいわけでございまして、いち早くAPECの統一資格を科学技術のいろいろな分野についてつくってしまえば、その資格についてはAPECの加盟国の中ではどこの国でもある一定の水準の人材が、技術者が資格を持っているということで、これはかなり使い勝手のいい資格になるんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、そういう議論はAPECの中で出てきていないのかというようなことについて、お伺いをさせていただきたいと思います。
○斉藤政務次官 APECの中において、各国の試験内容を統一しようという具体的な議論はございませんでした。また現在もございません。 この技術士資格、また技術者資格の要件については、各国の教育システム、それから技術基準等の国情を踏まえて決められておりまして、各国の試験内容を統一するというのは、一部の学科、試験については可能かもしれませんけれども、すべての試験を統一することは適当ではない、このように考えております。
○川内委員 今回のこの相互承認については、オーストラリアが口火を切ってAPECの中で議論が始まったというふうに聞いておりますけれども、やはり我が国政府としてもみずからイニシアチブをとって、こういう国際的なグローバルスタンダードづくり、基準づくりというものには積極的に先手を打っていかれた方が、ひいては日本の商品なり製品が売れるということに必ずつながるわけでございまして、日本の国益というものを考えたときに、相手から言われて受け身で、ではこうしていきましょうかというよりは、みずから積極的に関与していく、リーダーシップを発揮していくということをされたらいかがかなというふうに申し上げておきたいと思います。 あと十分になりましたので、せっかく建設省さんにもお運びをいただいておりますので、建設省さんの方にも若干またお尋ねをさせていただきたいと思います。 今回のAPECの交渉では、技術士と同様に、建築士の皆さんに関しても相互承認の交渉が行われているというふうに聞いておりますが、建築士の交渉というものがどの程度進んでいるのか。 また、建築士の中に、建築士をサポートする役割として建築設備士という方たちがいらっしゃるわけでございます。私は、個人的には、この設備設計をおやりになる方たちこそ、国際的な交渉をしていく上では大変に重要な役割を担っていらっしゃる方だというふうに思うわけでございますが、この辺の議論について、APECでの現在の議論の進捗状況というものを教えていただきたいというふうに思います。
○那珂政府参考人 お答えいたします。 御指摘のAPECエンジニア相互承認プロジェクトにつきましては、先ほど来御議論がありましたように、土木、構造等九分野が対象分野として設定されておりまして、我が国の建築士につきましては、このうちの構造分野として参加することとしております。現在、各国間で資格レベルの同等性のすり合わせの最終局面を迎えております。そのすり合わせが済みましたならば、その同等性認定に関する協定というふうに次に進むわけでございますが、その最終的な準備状況でございます。 お尋ねの建築設備の分野につきましては、実は現在対象になっております九分野の中には直接的には含まれておりません。ただ、一部の国からこの建築設備を含む追加対象分野の問題を提起されておりまして、そういうこともこの六月に予定されている会議等でも議論が始まると思います。こういう議論の動向をしっかり見守っていきたいと思います。
○川内委員 今、設備設計の分野に関しても、一部の国から追加で交渉のテーブルにのせたいというような申し出もあるという御答弁をいただいたわけでございますが、先ほどから申し上げているとおり、私は、設備の分野こそ、我が国がそれこそイニシアチブを発揮して、相互承認をするように積極的に提案をしていくべき分野ではないか。建築の設備、つまり空調とか電気とか、そういう分野というのは日本が非常に得意な分野でございまして、IT革命が世界じゅうで進行していく中で、我が国の製品なり商品なりを売り込んでいくマーケットとしては非常に有望なマーケットであろうというふうに思うわけでございます。 今回のAPECの交渉においては、繰り返し申し上げて恐縮ですけれども、我が国の方からこの設備の分野については交渉のテーブルにのせて、どんどん世界に出ていけるように、APECのそれぞれの国々に日本の技術者が行って日本の技術をそこで売り込むということは、日本の商品を売り込むということにもつながるわけでございまして、ぜひそうしていただきたいというふうに思います。 また、そういった意味でも、ぜひ設備設計の資格を持った皆さんを、これは国家資格に早くすべきではないかというふうに思っているところでございますが、この辺については、お考えをもう一度お聞かせいただきたいというふうに思うわけでございます。
○那珂政府参考人 まず、APECエンジニアプロジェクト等におきまして、設備設計という分野についても日本がもっとイニシアチブをとって、積極的に相互承認プロジェクトにのせていくべきではないかというお考えでございますが、先ほど申し上げましたように、具体的にそういう動きもございますので、議論の動向を見守りながら、関係の職能団体とも連携して適切に対処していきたいと思います。 それから、そのためにもと先生おっしゃったのですが、建築設備士の国家資格という問題でございます。国家資格というのは、実は定義は正直あいまいでございます。法律に基づく資格という意味でありますならば、既に建築設備士というものは昭和五十八年の建築士法の改正によりまして一定の位置づけがなされておりますし、また、最近では九年の建築士法の改正におきましても、その法的位置づけを一定程度充実してきたところでございます。 さきに御指摘の相互承認プロジェクトにつなげるためにもとおっしゃったのですが、今の法的位置づけであっても、諸外国の状況から見ますと十分そういう対象になり得るんじゃないかというふうに考えておりますので、まずは建築士の相互承認の行方をよく見ながら、また、設備士をどうするかというようなことも各国の状況等をよく考えて対応していきたいと思います。
○川内委員 法律の中で位置づけられているというのは、もちろん私のような法律の素人が申し上げるべきことではないわけですが、よくわかっているわけでございまして、ただ、資格のサーティフィケートを建設大臣だれそれという名前でもらうのとそうじゃないのとでは、やはりサーティフィケートを持っている方の意識とかあるいは仕事に対するやる気とかが違うと思いますので、私が申し上げているのは、そういうごくごくささやかな気持ちでございまして、ぜひ御検討をいただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。 最後に、今まで、この一時間十分の間に技術士という言葉が恐らく何百回と出てきているわけでございますが、大臣、この技術士の制度を本当に国内において認知をさせようとすれば、これは絶対この技術士という名前を変えなければだめです。 大体、私はうちのじいさんやばあさんからよく言われてきたのですけれども、人の名前でも、同じ文字が重なっている名前はよくないんだとか、これは同じ文字がつながっていると言いにくいというのがあるのですね。言いにくいというのはよくないということを昔から言われて育ってきているわけでございまして、これは、世間に広く認知をしていただくためには、ぜひ名称を、もっと格好いい名前に、言いやすい名前に変えた方がいいというふうに思うわけでございますが、その辺についての大臣のわかったという一言を、御答弁をいただければと思うのです。
○中曽根国務大臣 いろいろ委員からこの改正につきまして貴重な御意見をいただいて、本当にありがたく思っております。 最後の御質問でございますので、全般的なことを申し上げたいと思いますが、この制度の普及それから拡充発展にこれを契機にぜひ努めていきたいと思いますし、私が感じましたことは、先ほど斉藤総括政務次官のみずからの御体験の話もありましたけれども、技術士の資格を持っている方がやはり誇りを持って世間で大いに活躍できるように、これを機会にさらに社会的な認知喚起、増進、そういう点にも努力を同時にしていかなければならない、そういうふうにも思っているところでございます。 また、待遇も何も変わらないというお話がありまして、私が企業とかそういうことの待遇を勝手に変えられるわけでもないのですけれども、そういう点もやはり社会全体の問題として考えなければいけないとも思っております。 また名称につきましては、確かに言いにくい名称であります。技術士審議会でも御議論があったようでございますし、先生の御意見、参考として承らせていただきたいと思います。
○川内委員 終わります。
○田端委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 私は最初に、技術士の方たちが分野別に見てかなり偏りがありますから、このあたりから少し質問したいと思います。 一九八六年三月卒から九九年三月卒までの中で、いわゆる土木系、これは水道や衛生工学も含めてですが、卒業者が二十五万二千三百九十四人、全部が重なるわけじゃありませんけれども、その数字と比較しての比率でいきますと、土木系分野の技術士の方の比率は九・一八%と圧倒的に高いわけですね。それから、全体の四万百四十人の中で見ても五七・五%と非常に高い。それは、逆に言えば他の分野が少ないということになりますが、建設部門が四七・二%と言われておりますけれども、企業でいうと、建設コンサルタントとかゼネコンに勤務する人が、これは七割になるのか八割になるのかその辺は定かじゃありませんが、圧倒的多数を占めている。 他の分野や企業で少なくて、なぜ土木系が多く、あるいは建設コンサルやゼネコン分野が多いのか。これは公共工事の競争入札参加資格など、こういったことが背景にあるのか、どの辺に理由があるのかを最初に伺いたいと思います。
○越智政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のように、建設部門の技術士につきましては、先ほど建設省の方からも御説明がございましたように、これら技術士が、国や地方公共団体の公共事業の発注先の選定等におきまして、建設業法に基づく経営事項審査における技術職員評価に当たっての配点でございますとか、建設コンサルタント業務において広く活用されているというような状況にございまして、他の技術部門の技術士と比較してその辺の活用の度合いが多いものというふうに認識をしております。
○吉井委員 次に、ジェー・シー・オー、昨年事故を起こしましたが、それからその親会社の住友金属鉱山、それから「もんじゅ」その他でよく事故を起こしました核燃料サイクル開発機構、この三つのところで、技術士の方がそれぞれ何人いらっしゃるのか、あるいは原子炉主任技術者が何人、核燃料取扱主任者が何人いらっしゃるのか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○越智政府参考人 まず技術士についてお答え申し上げます。 平成十一年四月現在の登録簿の記録によりますと、住友金属鉱山に十五人、ジェー・シー・オーに登録者は存在いたしません。核燃料サイクル開発機構にも存在いたしません。
○間宮政府参考人 ジェー・シー・オーの核燃料取扱主任者でございますが、事故発生当時、ジェー・シー・オーの東海事業所では七名の核燃料取扱主任者の免状を有する者がおりまして、そのうち一名が原子炉等規制法に基づく核燃料取扱主任者として選任されておりました。 それと、核燃料サイクル開発機構でございますが、三十五名の原子炉主任技術者免状を有する者がおりまして、施設ごとに一名、計四名が原子炉等規制法に基づく原子炉主任技術者として選任されております。また同機構では、百四十三名の核燃料取扱主任者の免状を有する者がおりまして、そのうち二名が法律に基づく核燃料取扱主任者として選任されております。
○吉井委員 今の数を聞いておりましても、本当に土木系はうんと多くて、この分野はジェー・シー・オーにしても核燃サイクルにしても、まず技術士そのものがいらっしゃらないということですが、ただ、技術士と同じように、原子炉主任技術者なり核燃料取扱主任者なり、やはり内容的には非常に高い倫理性が求められてくることとか、その点では責任の重さは同じように求められる分野だと思うのです。 そこで、今度の法律の中でも、第四十五条の二のところで、これからの問題としては、「公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。」ということが追加されておるわけですが、この点に照らして考えてみたときに、例えば、ジェー・シー・オー事故に至る前に、なぜ常識外れの裏マニュアルなどがまかり通ったのか。 技術士あるいは原子炉主任技術者、核燃料取扱主任者など、ジェー・シー・オーでは免状を持っている人が七人いたということですが、本当に高い倫理性が求められる立場にあるのに、なぜもっと早い段階で物が言えなかったのか。あるいは、技術士なりその他の主任者なりの方が倫理性を発揮していこうとしたときに、企業利益によって技術士の倫理が侵されてしまって物が言えない状態にあったのか。では、この倫理性を発揮できるようにするには、その保障をどのように考えていかなければいけないのか。私は、ここのところが一つ問題になってくると思うのですね。 ですから、法律を改正するとともに、高い倫理が発揮できるように、もちろん本人は高い倫理を持ってもらわなきゃ困るわけですが、本人がそう思っていても、組織人として、あるいは企業人として、なかなかそれが発揮できないとなると、やはりここは問題なので、どういうふうにその高い倫理性が発揮できるように保障していくか、あるいは保障する仕組みを考えていくかということが私は大事になるんじゃないかと思うのですが、この点は、大臣、どうですか。
○中曽根国務大臣 ジェー・シー・オーの事故に関連して申し上げれば、事故調査委員会から昨年の十二月二十四日に報告書が出ているわけでありますけれども、その中でも、原子力産業においては、技術者各人の自覚、倫理の確立が最終的に重要である、そういうことが記述されております。そのためには、倫理規定を有効に機能させる方策を確立していくこと、あるいは、高専や大学等の教育の場においても、科学技術に携わる者の専門職としての倫理教育を充実させることなどを検討していくことが重要、そういうふうに思っているわけでございます。 原子力の分野では、多くの技術者が従事しているわけでありますけれども、この技術者の方々に専門職としての倫理教育を行うことが、今回の事故、あるいは過去のいろいろな事故、事態から非常に必要である、そういうふうに認識をしておりまして、科学技術庁といたしましても、この事故調査委員会の報告の周知を通じまして、各事業者に対して、倫理の問題も含めて安全確保に遺漏なきを尽くすように指導してまいりたい、そういうふうに思っております。 また、この間の年末の国会で可決成立していただきました改正後の原子炉等規制法で、従業者に対する保安教育が義務づけられているわけでございますけれども、このような保安教育を通じましてまた倫理性の向上が図られるよう、これも努力をしていかなければ、そういうふうに思います。
○吉井委員 私、この点では、政策研究大学院大学の西野文雄教授がジェー・シー・オー事故を踏まえて書いていらっしゃったことの中で、これはなかなか大事だなと思いましたのは、この人の場合はアメリカの科学技術者の倫理というのをお引きになって倫理規定の問題とかいろいろ論じてもいらっしゃるんですが、その中で、「内部告発と言えば専門職以外の人は、一般的な倫理観のもとで暗いイメージを持つが、技術者の倫理では公衆の安全を守るために必要な行為と位置づけられる。」ということで、それを保障するものとして、確かに年末の法案の中でも、民間事業者についてはホイッスルブロアズ法の考え方というのも一部取り入れているわけです。 問題は、災害に必ずしも至ると決めつけることはできない状況であっても、あるいはその他の分野においても、アメリカなんかであるホイッスルブロアズ法、内部告発法などを、その分野を本当にどういうふうな形で、企業にある人、あるいは公務員だってそうなんですが、本当にそれを保障することによって、個人の責任を求めるだけじゃなしに、個人はもちろん倫理性が高くないと困るんですが、その倫理を発揮しようというときに、いかなる者からも圧力を受けることなく、身分が保障されて、本当に倫理性を貫いていくことができる、それをどう保障するかということが、やはりこれなしには一般的な規定に終わると思うんです。 この点で、大臣にもう一言伺っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 今委員から御紹介ございましたけれども、まず、公衆の安全を守るということは、これはもう大前提でございますので、そういうことに反するような事態が発生するおそれがあるときには、従業員なり技術者なりは最善の対応をとらなければならないのは当然であります。 そういう中の一つとして、委員おっしゃいましたような内部告発のような形も考えられるかとは思っておりますし、おっしゃいましたように、さきの国会でもこの点を議論していただいたわけでございます。そういうときは身分を保障することが大切というお話でありまして、私もそのとおりに思うわけでありまして、要は、事故あるいはそのような事件を防ぐため、個人の良識が発揮できるような環境をつくるということが重要だと思っております。
○吉井委員 私は、この点では、内部告発者に対する報復行為等に対して罰則を厳しくすることなどによって、本当に個人の良心、技術者の良心が守られるようにしていくことが必要だということを申し上げまして、次に話を進めていきたいと思います。 提案理由の説明の中で、良質の技術士の育成ということを挙げておられましたが、一般論じゃなくて、少し具体に見ていった方がわかりやすいかなと思って、少し具体的に見たいと思います。 何といっても、技術士というのはいわば一つのシンボリックな存在であって、大学や国立試験研究機関その他での基礎研究が、あるいは研究者を支援するサポーティングスタッフなども分厚い層があって、さらに民間等での開発応用研究の研究者から技術者から、物づくりの分野での非常にすぐれた技能を持った人に至るまで、そういう膨大なすぐれた技術者の層が必要であって、そういう中から本来技術士というものが養成され、生まれてくるものだと思うんです。 そういう点で見てみますと、今日、例えば問題になってまいります太陽光発電とか風力発電とか、バイオマスエネルギーの活用とか燃料電池など、こういう再生可能エネルギーなどの研究開発という分野を考えたときに、今どういう技術士が必要なのか、あるいはどういう技術士の人たちがおればこの分野がさらに発展していくものであるのか、この点、つかんでいらっしゃることがあればお聞きしたいと思います。
○斉藤政務次官 自然エネルギー等の発展のためにはどういう技術士部門が必要か、こういうお尋ねでございます。 現在、十九の部門があるわけでございまして、これは、端的に申し上げますと、大学の学科にほぼ匹敵するような、例えば機械でありますとか電気でありますとか情報でありますとか建設でありますとか、そういう形になっております。 一方、今吉井委員がおっしゃいました自然エネルギーの活用、これはある意味でいろいろな技術の総合という面を持っているわけでございまして、そういう意味では、この部門が自然エネルギーに対応するというものは確かにございません。しかし、例えば応用理学という部門もございまして、これはかなり広範な技術部門を総合した形での部門でございますので、そのような形で対応できるもの、そういう意味で、自然エネルギーを研究する人にとって特にこの技術士制度が不利になっているということはない、このように感じております。
○吉井委員 例えば燃料電池でいえば燐酸型燃料電池、あるいは太陽光発電を考えたときのアモルファスの部分なんかは、恐らく化学分野の方がかかわってくるんでしょうけれども、それぞれいろいろな分野があると思うんです。 ただ、それが結果として、その技術士がおれば済むというよりも、逆に、発展する中から多数の技術士が生まれてくるんだろう、ある意味では順序が逆かなとも思うんです。 そこで、少しエネ庁に聞いておきたいんですが、再生可能エネルギー研究開発予算の国際比較というのを、「IEA各国のエネルギー政策—九九年報告」をもとに見ていきますと、九八年度で見たときに、再生可能エネルギーのエネルギー研究開発に対する比率の方ですが、日本は三・三二%、アメリカが一二・〇九、ドイツが二六・八二、イタリアが一四・一四%で、スウェーデンが一四・七八%など、まず再生可能エネルギーの分野では、日本は三%台なのですが、ほかは大体十数%から二十数%とか、そういう状況にあるということ。 それから原子力の研究開発の予算でいいますと、これは逆に日本は、絶対額で見て、原発大国のフランスよりも四倍以上多くて、二十三億三千百二十五万ドル、大体二千五百六十四億円、比率にして七三・四七%。フランスは四分の一の五億四千四百五十万ドル。アメリカの十倍などといったように、原発に関する研究開発の予算は絶対額でも比率でもうんと高いのだが、再生可能エネルギーの分野では、アメリカ、EU各国などと比べてもかなりRアンドDの予算の比率が少ない、これが実情ではないかと思いますが、まずこの点を確認しておきたいと思います。
○河野政府参考人 御指摘のIEA統計でございますが、九八年時点で、再生可能エネルギーの研究開発予算の数字は、日米については先生御指摘のとおりでございます。日本の場合には再生可能エネルギーの割合が三・三二%。ただし、これには、IEAの定義でございますので、先ほどちょっとお触れになりました廃棄物発電あるいは燃料電池、水素等のRアンドDは、この中には日本の分として含まれておりません。 他方、原子力関係でございますが、日本の数字も比率も、また別の数字も先生御指摘のとおりでございます。日本の数字には、原子力発電のみならず、核燃料サイクル全般のRアンドDが入っているということかと思います。 ちなみに、フランスなどは原子力の比率が非常に多く、再生可能エネルギーの予算の比率は非常に小さいということもございます。
○吉井委員 フランスは、おっしゃったとおり原子力の比率は高いのですが、しかし、絶対額で見ると日本の四分の一という非常に低いものであります。そういう点では、原発偏重で、再生可能エネルギー、自然エネルギーなどの分野の研究開発が非常に低い。これはOECD各国の中で見ても異常な姿にあるということは、まず見ておかなければいけないと思います。 次に、日本の原子力と、いわゆる新エネルギーという分け方をしているその研究開発予算の推移を少し見ておきたいと思うのですが、原子力関係の予算の合計、これは一九五四年以来二〇〇〇年までの四十五年間で九兆五千六百三十四億円ということになるのではないか。それから、新エネルギー開発に本格的に乗り出して以来の研究開発予算として、現在わかっているところでカウントされているところでは、九一年から九九年までで合計が千二百四十一億三千百万円、こういうところではないかと思うのですが、まずこれ、数字の方、確認しておきたいと思います。
○興政府参考人 御説明申し上げます。 ただいま先生の方からお話しございました我が国のこれまでの原子力関係予算の総額でございますが、昭和二十九年度に初めて二億五千万円が計上されて以来、核燃料サイクルの確立であるとか原子力安全対策の推進であるとか、あるいは原子力を利用しました基礎研究、その他関係する経費を入れまして、平成十二年度予算まで含めて、四十七年間で、政府全体で一般会計あるいは電源開発促進対策特別会計を合わせまして、総額九兆五千六百三十五億円、先生の数字となってございます。 原子力関係は以上でございます。
○青江政府参考人 自然エネルギー関係のRアンドD関係の予算でございますけれども、今先生おっしゃられました平成三年度から今日までの累計ということにつきましては、大体オーダー的に百四十億から百五十億弱という形でずっと推移をしてきてございますので、累積いたしますと先生御指摘になられましたような数字というふうなことであろうかというふうに思います。 ただ一点、今の数字の中には、燃料電池関係とか、そういった新エネ関係のお金というのが、これはクラシフィケーションの問題でございますけれども、再生と新エネルギー、こういうことで入ってございませんので、念のために。
○吉井委員 予算合計で見ても、原子力に対して、新エネ関係の予算で比べると、原子力全体の一・三%、七十七分の一というこれまでの状況で、九八年度で比較しても二十二分の一。ですから、やはり原子力に非常に偏重して、新エネルギーであるとか、そういう分野の研究開発が非常におくれているというのが実情だろうと思うのです。 物理的限界潜在量というのを現実に可能なエネルギーに転化していく、近づけていくためには、どういう基礎研究なり、どういう技術開発が必要かということを考えなければいけないと思います。 そのことはまた逆に、研究開発を進めて発電効率を高めていくとか、変換効率、転換効率を高めるとか、あるいは夜間の蓄電、これは水素の形でためておいて、昼間、燃料電池で電気に変えるとか、いろいろなやり方がありますが、そういうことを進めていくと、これは実は物理的限界潜在量と言われているものも、これまでエネ庁で計算されたのは、これはあくまでも現在の到達点ですから、さらにどんどん上がっていくわけですね。それは実際的潜在量もぐんぐん上がるということであって、またそれをやれば製品コストも安くなるから普及も進むということになります。 そういうことで、どういう基礎研究なり、どういう技術開発を特に今力を入れていかなければいけないと考えておられるか、これは一言で結構ですから、簡潔に伺いたいと思います。
○河野政府参考人 御指摘のように、新エネルギーにとって技術開発は非常に重要でございます。私ども、ニューサンシャイン計画を中心に基礎研究あるいは革新的な技術開発に取り組んでいるわけですが、例えばこういう例ということで御紹介させていただきますと、太陽光発電について言いますと、変換効率が何とか三〇%以上にならないかということで、ガリウムとか燐などの新素材を活用した化合物から成る超高効率太陽電池の要素技術開発、あるいは水素関係で申しますと、高効率の水素製造及び輸送、貯蔵、利用に係る要素技術、こういった面が基礎研究として非常に重要だということで、これを推進しているところでございます。
○吉井委員 実は燃料電池を開発しているメーカーで見学もし、お聞きしたのですが、普及が進むと確実にコストは半分になるというのですね。九兆五千億余りのこれまで原発に投じてきたお金、単純計算でいくと、四千万キロワットの燃料電池による発電プラントが可能になるわけですね。それはさらに、もっとコストダウンするということですから、さらにもっと高くなるわけです。 そういう点で、エネルギー分野の研究開発の中で、研究費総額で、自然エネルギーに一体どれくらい使われ、政府系の自然エネルギーへの研究開発が比率でどれくらいか。また、研究本務者、研究者がどれくらい自然エネルギーにかかわって、中でも政府系の自然エネルギー研究にかかわっている人がどれくらいかというのを、データをいただいて見てみたのです。 驚いたのですが、研究費総額の中で、現在、これは九七年データですが、自然エネルギーへの研究投資が三・九%、その中で、政府系の機関で自然エネルギーに投ぜられている研究費は〇・四%。動燃だ何だと随分たくさんお金を投じているのですが、自然エネルギーの方は本当に少ない。研究者の数で見ても、自然エネルギーにかかわっている人は七・〇%ですが、政府系の自然エネルギーにかかわっている人たちが〇・八%。だから、研究費でも研究者数でも、自然エネルギー分野というのは極端に少ないわけですね。政府系研究機関でも非常に少ない。これはデータをいただいておりますから、このとおりなんです。 そこで、大臣、さっき斉藤次官からもお答えいただきましたけれども、完成した時点で当然その分野の技術士はふえていくんでしょうけれども、今大事なことは、こういう研究分野にうんと研究費も投ずれば、研究者、研究支援者、さまざまの人たちを本当に動員して、日本の将来のエネルギーを考えても、やはりこれがうんと進むように、そこには思い切った取り組みというものが必要になると思うんです。この点は、大臣の考えているものを聞いておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 再生可能エネルギーにつきまして、いろいろお話ございました。 これは、資源の制約が少ないこととかあるいは二酸化炭素を排出しないということで、環境にも非常にいいわけでありますから、ぜひ、エネルギーの安定供給の確保とかあるいは地球環境対策からも進めていかなければならないと思っておりますし、これは当然である、そういうふうに思っています。 また、平成七年七月に内閣総理大臣決定されましたエネルギー研究開発基本計画がございますけれども、これに基づきまして、関係省庁連携のもと、自然エネルギー、太陽光発電とか風力発電とかそういう再生可能エネルギーの研究開発、これは一層積極的に進めていくことが重要だと思っておりますし、今お話ありましたように、もちろん研究費を投入するということは必要なことでありますけれども、それにより数がふえればコストが下がるわけでありますし、そういう点をよく踏まえながら、今後の再生可能エネルギーの促進といいますか、研究開発推進、これらに取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○吉井委員 それで、物理的限界潜在量とかいろいろな言い方でエネ庁の方でも試算をしておられますが、実際に、太陽光、風力、バイオマスとか、それからコジェネとか、つまり再生可能エネルギーからエネルギーの新しい利用形態を含めて、そういう分野だけで九千億キロワットアワー、現在の発電電力量が賄えるわけですね。技術を高めるということは、その潜在量をもっと高めていくことになりますから、さらに大きな可能性が生まれてくる。太陽光と風力とバイオマスだけでも、原発の三千億キロワットアワーに相当するものがあるということですから、本当にこういう分野を進めてこそ、その分野での新しい技術士、いわばシンボリックな存在としての技術士というものがふえてくるわけです。 私は、こういう点で、技術士というものは、制度をいじくるとかそのことだけで問題が前進するんじゃなくて、本当に日本の基礎研究を初めとする科学技術全体の体系を進めていく中でこそ問題の前進というものが得られるということで、やはり出発は基礎科学、基礎研究にあるんですね。 プロジェクトにはふえるが、経常研究費はなかなかふえないということが大学でも国研でもありますので、両方の大臣を務めておられるので、基礎部分の研究費をふやすことについての大臣のお考えを最後に伺って、質問を終わるようにしたいと思います。
○中曽根国務大臣 おっしゃいますように、基礎研究というのは大変重要だと思っておりますし、国としてもこの充実に努めているところでございますが、今後とも日本の科学技術の発展のために努力をしていきたいと思います。
○吉井委員 終わります。
○田端委員長 辻元清美さん。
○辻元委員 社会民主党、社民党の辻元清美です。 技術士法の一部を改正する法律案について議論をさせていただきますが、私は、ポイントは四つあるのではないかと思っています。 一つ目が、日本の技術力の問題点は何か。日本が誇ってきた技術力がどこかおかしくなっているというように多くの人が気づいていると思いますけれども、これはどういうことが原因なのか。二つ目が、今回の改正案でも注目されている技術者の倫理の問題、これをどう掘り下げるか。そして三つ目が、人や物が地球規模で交流する時代になって、WTOやAPECで議論されている技術者の移動促進にどのように取り組んでいくのか。そして四つ目が、そのような背景での技術士制度の役割とは何か、しかし一方で、なぜ技術士制度の活用が活性化しないのかという四点がポイントではないかと思っていますので、一つ一つについて、時間の許す限り議論をさせていただきたいと思います。 まず最初に、これはちょっと総括的な話なんですが、大臣にお聞きしたいんですけれども、今の技術力の問題点ということで、先ほどからも指摘されていますけれども、東海村の臨界事故、それからH2とM5ロケット打ち上げ失敗、それから営団地下鉄日比谷線の脱線衝突、それからトンネル崩落事故と立て続けにこのところ事故が続いている、この大きな問題点というのをどのように御理解なさっているでしょうか。
○中曽根国務大臣 今委員御指摘のような事故が続いたということは大変に残念なことでありますし、また、私どもも厳しく受けとめております。 現在、調査、原因究明等が行われておるわけでございますけれども、まず徹底的な原因究明を行って、再発防止に努めなければならないわけでございます。 それに加えまして、やはり国や地方公共団体、また事業者の皆さん、また労働者の皆さん、国民一般、それぞれにおきまして安全という問題を最優先する気風、そういうものをつくり上げていく、また、社会全体で安全に対する意識、モラルを高めていく、そういうことが今の技術的な問題点に加えて非常に重要ではないか、そういうふうに思っておりまして、いわゆる安全文化を創造し、これを社会に定着させていくことが重要ではないか、そういうふうに思っております。 もちろん、物づくりを初めとする技術、技能の問題もあるわけでありまして、これらについてはしっかりと、先ほどから御議論いただいていますけれども、基礎、基盤というものを確立して、また発展させていくことが大事だと思っております。
○辻元委員 私は、かつて、ロサンゼルスの大地震があって高速道路が倒れた映像を見て、さまざまな人たち、技術者の方が解説で、日本は大丈夫ですと言われたときに、ちょっと背筋がぞっとしたのを思い出すんですけれども、その後、阪神・淡路大震災がありまして、日本の高速道路も、見事にと言ったら語弊がありますが、倒れてしまいました。 今、新しい安全の文化というか社会的な気風をつくるとおっしゃったわけですが、今まで安全神話というものがずっと言われてきた中で、安全神話がなぜ壊されていって、安全神話と言われている気風のどこに問題があったのかということを掘り下げない限り、次のステップには進めないと私は考えています。 そこで、二つ目に、今回の改正案の倫理の問題に移りたいと思いますけれども、これは大臣にお聞きしたいんですが、まず、技術者の倫理というのは何であるとお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 技術者は、その持つ専門的な能力とか経験とかそういうものをフルに活用して産業の発展に貢献をしていただくということが大きな役割でもあるわけでございますけれども、同時に、企業活動等を行う中において、社会や公益に対する責務というものも十分に認識をしていただいて、そういう観点からは安全問題等にも配慮しながら、同時に、先ほど申し上げましたような、モラル、職業倫理、そういうものも高いものを持ってもらう、そういうことが大事だ、そういうふうに思っております。
○辻元委員 そうしますと、今回の改正案の第五条の一項に、義務に関する規定の遵守に関する適性を有するかどうかを判断することという事柄が追加されることになっていますけれども、これはいわゆる倫理観の問題だと思いますが、この有無を具体的にはどのように判断するということなのでしょうか。
○斉藤政務次官 まず、第一次試験におきまして、いろいろなケーススタディーに基づいた試験を出します。具体的に言えば、こういう問題があるとき、あなたはどういうふうに対処されますか、こういうふうな質問かと思います。 また、第二次試験の最終段階で面接試験がございます。これは一人当たり三十分ほどのかなり綿密な面接試験でございますが、そういう中においてもケーススタディーに基づいたその人の持っている技術者としての倫理性を問う設問がされます。このような過程で、技術者としての倫理を持ち得る人かどうかということを判断してまいります。
○辻元委員 今、さまざまなケーススタディーについての考え方を問うという御答弁でしたけれども、そのケーススタディーの中に、大事なのは、よく言われていることなのですが、たとえ上司の指示でもおかしいと思ったら反対するとか、これはいろいろな技術関係の雑誌でもその点非常に指摘されています。 私はここに、柳田博明さんが、この方は日本の技術者の一人者と言われていますけれども、倫理教育の問題についてこういうことをおっしゃっています。「就職すると技術者個人の倫理観が会社の方針に合わない場合には、ほとんどの人は会社の方針に従うのではないか。」このとき「「技術者は会社に属するのではなく、独立した法人なんだ」というぐらいの気持ちにならないと、本当の意味での技術者の倫理観は発揮できない。」例えば、会社のコストの問題とか上司の命令だったから、おかしいと思っていても従わざるを得なかったというようなケースで事故を防げなかったことは今までの中にもあると思うのです。 私は、このような具体的な設問になるかわからないですが、このような観点の倫理観を問うケーススタディーは非常に重要だと思いますので、ぜひ入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○斉藤政務次官 技術者の倫理性というのは、まさしく今辻元委員おっしゃった点でございまして、そういう観点でのチェック、設問になるものと理解をしております。
○辻元委員 それから二つ目、これは「筆記試験のポイント」という、技術士の解説の本を私ちょっと読みまして、この中に、自分の考えを人に説明して理解させる能力が不可欠、これも倫理観を形成する意味では非常に重要だと思うのです。説明責任ということですね。 それからもう一つは、技術者みずからが、自分はどういうことを行っているかということを一般の市民にもわかるように情報公開していくということも、この倫理というものを形成していく上では非常に重要だと思いますが、その点についてはいかがお考えですか。
○斉藤政務次官 技術士が、四十年の歴史を有しながらなかなか普及しないという御指摘もございました。私は、その原因の一つですけれども、終身雇用制があって、技術者も社会ということよりも会社の中を見ていた。また、それで認められれば十分技術者として一生を送れた、こういうことで、外の資格を取ってもほとんど意味がない。これも技術士を目指す人が少なかった一つの原因ではないかと思います。 現在、御存じのように、大変技術者の世界も流動化をしてきております。その荒海の中で、一人の技術者として社会で認知されるための技術士資格でございますので、今後普及してくると思いますが、そういう中で、ほかの人にきちんと説明できる、また、自分がこういう形で社会的責務を果たしているということを情報公開という形、また説明を通してわかっていただくというのは非常に重要なことだと思っておりますので、御指摘の点を踏まえた形でこの技術士制度を運用していきたいと思っております。
○辻元委員 確かに、今までの東海村の事故その他、ロケット関係の事故のときも指摘がありましたように、自分の専門分野だけということでは技術は成り立たない。社会性を持たせること、それからもう一つは、他の分野との交流ということも非常に重要であるという指摘が多々なされました。ですから、私は、技術士という人たちがこれからさらに広がっていくためには、他分野との交流ということもプログラムに組み込んでいくことが大事ではないかと思うのです。 そこで、一つお伺いしたいのですが、日本技術者教育設定機構、JABEEと言われるものが設置されるということで、これはそういう他方面の教育にも役立てていこうという組織かと思うのですが、ちょっと説明をいただけますでしょうか。
○斉藤政務次官 JABEE、技術者教育認定機構かと思いますけれども、これは今、世界的な風潮といいますか世界的な流れといたしまして、技術者教育の課程を相互承認して、その課程を修了した技術者が幅広く世界じゅうで活躍できるようにというものでございます。そういう意味で、いろいろな他分野の交流そのものを目的としたものではございません。 今回、できるだけたくさんの技術者の人に受けてもらうという意味で、このJABEEに認定された課程を卒業した人は第一次試験を免除できるというふうにしたものでございます。
○辻元委員 私は、他の分野との交流ということも、どういう形で試験なりプログラムの中に組み込んでいただけるのか、具体的な点についても御検討いただきたいと思うのですね。 さらに、今国際交流の話が出ました。先ほどのポイントの三番目に申し上げたのですけれども、APECで一九九七年十一月までに五回運営会議が開かれて、それで九八年六月にAPEC人材養成作業部会で、APEC技術者の概念と相互承認メカニズムというのが承認されて、五つの要件とか、それからメカニズムの枠組みとか、それに対してどのようにアプローチしていくかということが決められているはずなのです。 この中の、特に業務資格を得る相互免除協定などをこれから検討していこうというようになっているわけですが、今、特にアジアの国々とどの程度、どの国とどのようにしていくかという調査それから検討が進んでいるのか、現状を教えてください。
○斉藤政務次官 さきの御質問でございます他分野との交流、これは非常に大事だと思います。今十九部門でございますけれども、さらに今度は、これを総合的に幅広い分野を見る分野、これは、ある一つの分野で資格を取って、また複数の分野で資格を取るということも今行われておりますので、一つの資格を取ってまたその次の資格は総合的な分野を見るという、他分野の交流ということを主眼に置いた一つの資格も検討しているところでございますので、今後、その趣旨に従って検討していきたいと思っております。 それから、APECの技術者資格相互承認プロジェクトについての現在までの進捗状況でございますが、日本を含む八カ国で今相互承認の検討をしております。ことし十月までにその検討を終えまして一応結論を出しまして、八つの国での具体的な相互承認のプロセス、二国間の相互承認の枠組みづくりに入ってまいります。その後、他のAPEC諸国についても進めていきたいと思っております。
○辻元委員 その際に、これは私は新聞記事で拝見したんですけれども、英語の呼称をどうするかということで、いろいろ提示したものが各国から問題を指摘されて決まっていないというような話もありましたが、それは決着はついたんですか。
○斉藤政務次官 この英語の呼称については非常に議論がございます。今までは、実は、いろいろな議論があって決まっていなくて、私自身は、名刺にはレジスタードエンジニア、登録されたエンジニアなどと書いております。 今回、技術士審議会でこの英語の呼称についても相当議論をしていただきまして、プロフェッショナルエンジニアということを一応推薦していただきました。しかし、この報告書についてパブリックコメントを求めました。そうしたところ、賛否両方ございまして、コンサルティングエンジニアとすべきだ、こういう意見もございました。 こういう賛否両論、パブリックコメントでこういう御指摘もございましたので、プロフェッショナルエンジニアもしくはコンサルティングエンジニア、そのあたりを軸にこれからもう少し検討をさせていただきたいと思っております。
○辻元委員 そうしますと、今倫理の問題であったりそれから国際的な技術交流、そのようなことを促進していく際に、ただ、私は、やはり今のままでは爆発的に数もふえないし、技術士という人たちが社会的に大きく認知されるというふうな方向にはなかなか今回変えても行きづらいんじゃないかという心配をしているわけですね。 そこで、他の委員も多々お聞きになりましたけれども、今後、やはり具体的なメリットであったり、もしくは、これだけ事故等が続いていますので、先ほどペナルティーの話もありましたけれども、ペナルティーであったり、技術士と言われる人、確かに言いづらいですね、技術士と言われる資格を持った人がいないとできない分野をつくるとか、何か具体的なことを、技術士制度というものを今後の技術者の倫理観とか事故防止に役立てていく方向で私はさらに検討を進めていくべきだと思っているんですね。それはいかがでしょうか。
○斉藤政務次官 おっしゃるとおりだと思います。今後、技術士が普及していくように我々も努力していく決意でございます。 先ほど申し上げましたように、これから一人一人の技術者の能力が問われる時代だと思います。そういう社会的なバックグラウンドもございますし、技術者の社会的倫理という面も非常に強く問われている時代でございますので、普及に向けて努力をしてまいります。
○辻元委員 時間が来ましたので、これで終わります。
○田端委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○田端委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、技術士法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田端委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○田端委員長 この際、ただいま議決いたしました本法律案に対し、山口俊一君、平野博文君、近江巳記夫君、菅原喜重郎君及び辻元清美さんから、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。平野博文君。
○平野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党及び社会民主党・市民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 技術士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に際し、技術士の制度についての国際的な整合性の確保を図るとともに、良質の技術士の一層の育成を図ることの必要性及び技術士制度の一層の普及の重要性を認識し、次の事項に関して特に配慮すべきである。 一、アジア太平洋経済協力(APEC)加盟諸国との相互承認に当たっては、各国における資格附与の基準に整合性が図られるよう十分留意すること。 一、欧米諸国との相互承認に当たっては、我が国の技術士数が、欧米諸国の有資格者数に比較して著しく少ない現状に鑑み、我が国が不利益を被ることのないよう配慮すること。 一、技術士等が公益確保の責務を十分果たすよう、試験、継続教育、日本技術士会が行う研修等あらゆる機会を活用して、その徹底に万全を期すよう努めること。 一、技術士制度の一層の普及拡大を図るため、技術士試験第一次試験の一部の試験が免除される国家資格として、専門高校、専修学校等に関連する資格の数を増やすよう努めること。 一、技術士制度について、我が国の技術活動全般にわたって活用され、技術基盤の強化が図られるよう、産業界の協力を得つつ普及拡大に努めること。 以上であります。 各事項の内容、趣旨につきましては、委員会の審査を通じ十分御理解いただけることと存じておりますので、詳細の説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○田端委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田端委員長 起立総員。よって、本法律案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。中曽根国務大臣。
○中曽根国務大臣 技術士法の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の上、御可決をいただき、まことにありがとうございました。 また、ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、政府として努力してまいる所存でございます。 ありがとうございました。 —————————————
○田端委員長 お諮りいたします。 本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田端委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時九分散会