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147回国会衆議院2000/04/21

運輸委員会 第11号

発言数
168
登壇者
13
会派数
5
開催日
2000/04/21

会議録

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として運輸省自動車交通局長縄野克彦君、厚生省保険局長近藤純五郎君、労働省労働基準局長野寺康幸君及び職業安定局長渡邊信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野正志君。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 おはようございます。自由民主党の中野正志でございます。  私たちは、この道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律案、今日まで党内的にもいろいろ議論をさせていただいております。とりわけ、自民党二百十八名の国会議員で構成をいたします日本経済を活性化し中小企業を育てる会、私もその一人であります。  規制緩和の必要性あるいは構造改革の重要性は十分に認識をいたしておるのでありますけれども、完全な自由競争あるいは市場原理最優先の経済運営が果たして日本経済の健全な発展につながるのであろうか。一生懸命努力をしている、汗をかいている中小企業がどんどんつぶれるような行き過ぎた規制緩和であるなら是正すべきではないのかというのが考え方の基本にあります。優勝劣敗だと言う人もありますけれども、私たちは、弱肉強食だ、いつまでもそういうことがあってはならないと考える一人でもあります。とりわけタクシー事業と酒類販売については多くの議論があったところでもありますし、最終的に、政府側にもいろいろな提言、提案もさせていただいております。  正直、マスコミから、自民党は選挙目当てだ、あるいは守旧派だ、こういうふうなたたかれ方もありますけれども、とんでもないことでありまして、冗談ではない、そんなちゃちなことを考えるかい、そんな気持ちもあります。  私たちは、たとえタクシーであれあるいは酒類販売であれ、自助努力を求めながら、日本経済の土台を支えておりますのは中小企業だ、その考え方で中小企業をしっかり守り抜いていきたい、それを活動の基本にしながらこれからも頑張っていきたいなと思っておるところであります。  そこで、大臣に、タクシー事業についてまずお伺いをいたしてまいりたいと存じます。  もう私から言うまでもなく、この景気低迷によります営業収入の激減、それに伴うタクシー労働者の皆さんの給料の安さ、私たちがいただく資料によりますと、年収はもう平均で四百万円以下だという厳しい実態も報告されております。町のそこかしこにあふれる空車タクシーの群れ、あるいはそれが引き起こす交通渋滞と排気ガスによる環境破壊、タクシーを取り巻く現実は大変厳しいという認識もいたしております。そういう中で、規制緩和推進三カ年計画に盛り込まれておったとはいうものの、ここで需給調整規制をあえて廃止する理由は何なのであろうか。  同時に、今回の制度改正によってタクシーサービスが向上するということでお話をいただくのでありますけれども、どのように向上すると考えておられるのか。  まず初めにそこをお伺いいたしたいと存じます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 中野議員にお答えをいたします。  まず、規制緩和につきましては、これは私の記憶によりますと、自由民主党単独政権のときにこの御方針をお決めになりまして、そして推進してこられたもので、それを私が引き継いで今法案として御審議を願う、こういうことになったわけでございます。中小企業を守るということは当然のことでありますし、私は、そのことを指して守旧派などという言葉で攻撃を加えることは適当ではないと基本的に考えておるわけでございます。  タクシーにおきましても、近年の景気の低迷とともに、一方、公共交通機関の発展ということも大きな原因をなしておるのではないかとさえ私は思っておるわけであります。いずれにしましても、需要が減少し、厳しい経営の状況にあることは委員御指摘のとおりでございまして、私も同じような認識を持っております。  一方、このように需要の増加が見られない状況の中で需給調整規制を続けていると、事業遂行の能力と意欲のある者の新たな参入や事業拡大が認められず、事業全体の活性化を阻害するとともに、旅客サービスの改善が図られにくくなる状態となるのではないかとも考えております。  このため、需給調整規制を廃止しまして、業界内で適正な競争が行われ、経営努力をする事業者が残っていくような制度を構築し、タクシー事業の活性化と将来の発展を期することを決断した次第であります。  また、サービスの面でも、制度改正により事業者の創意工夫を生かした事業運営が促進され、タクシーサービスの質の向上が図られるものと期待をいたしておるところであります。そのことは、当然利用者側からも期待をされ、また歓迎をされるものと考えておる次第であります。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 大臣でありますから、当然ながらそういう御認識、お考えで今回法案を出されたと承知いたしております。  需給調整規制を廃止するということになりますと、今大臣の御説明は重々承知をいたしますけれども、ただですら多いタクシー車両数を激増させる、結果的には過当競争をさらに激化させる、そういう意味で、安全輸送あるいは利用者保護というタクシーの本来的な社会的な使命、そこに問題が生ずるのではないかという大きな懸念も考えられるところでありますけれども、いかがでしょうか。

中馬弘毅自由民主党運輸政務次官

○中馬政務次官 先ほどお話がありましたが、中野委員は行き過ぎた規制緩和を少し是正していこうという中小企業を育てる会の中で、私もメンバーでございますが、中心的な役割を果たされていることは十分に承知いたしております。その趣旨からの御質問と思いますが、需給調整規制を廃止することによってタクシー車両数が激増し競争が激化する、本当にその不安、御心配はよくわかります。  しかし、お話がありましたように、タクシー事業が冬の時代を迎えている中で、ここで規制緩和したから急に法人企業がどんどんと参入してくるかどうかは、ちょっとまだ不安な点もありますが、そういうことも懸念されるわけでございます。そうした場合にこの法律はどうなっているかということでございますが、やはり輸送の安全の確保や利用者利便の確保は需給調整規制廃止後においても重要な行政課題でありまして、事業の参入時や事後のチェックにおいても十分な措置を講ずること、この必要性は十分認識し、法案においてもそのような仕組みになっております。  事業参入時に、運行の拠点となる営業所の設置、また運行管理体制の整備、運行管理者の選任等につきまして十分な審査をいたすことにいたしております。参入後におきましても、法令違反の問題がある場合には、指導、取り締まり、こういったことで是正させることにいたしております。  さらに、タクシーにつきましては、運転者の賃金形態が基本的に歩合制でありますので、この特性から、供給過剰になりますと、いわゆる神風タクシーじゃございませんが、事故や利用者からの苦情が増加する傾向にあります。そこで、著しい供給過剰となりまして、輸送の安全や利用者の利便の確保が困難となるおそれが生ずる場合には、新規参入と増車を停止する緊急調整措置、これが発動できることにいたしております。  これらの措置によりまして、需給調整規制の廃止後においても引き続き輸送の安全と利用者の利便を確保していく、そのようなことになっておることを申し添えておきます。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 大臣にも総括政務次官にも、タクシーの現状について十二分な御認識をいただいておることは大変幸いだと思います。  私から申し上げるまでもなく、タクシーは年間約二十五億人が利用されている、まさに機動的、個別的な、大臣がおっしゃるように公共交通機関であります。ただ、事業スタートが比較的容易だということもありますから、そこがほかの交通手段の場合と違う。  今もちょっと触れられましたけれども、タクシー事業の新規参入について、許可申請の資格要件チェックはやはり厳正に行われるべきだ。譲渡譲受、あるいは役員変更ということについても厳重なチェックをしてまいりまして、いやしくも暴力団あるいはその他それに近い関係の方々が介入するということにはならないようにしなければならない。  そういう意味で、審査の具体的な内容というのが大きく問われるんだろうと思うんです。そこについてお伺いをいたしたいと思いますし、万一また許可されたということでありましても、その後のチェックについて、それはやはり厳重にチェックをしていただくのでなければならないなと思うのでありますが、御見解をお伺いしておきたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答えいたします。  今、タクシーの許可申請の審査についてお話がございました。  許可の欠格事由に一定のものを規定された場合には、一律に事業に参入することが認められなくなります。新たに事業参入への欠格条項を規定するということにつきましては、憲法上保障されている職業選択の自由という観点からも、慎重に判断することが必要であろうと考えております。  今お話がございました、欠格事由として暴力団の排除ということを規定するという議論は、実はございます。ただ、そのためには、暴力団がタクシーにおいて現実に問題を発生させているというような具体的な事実関係が必要ではないかという認識でございます。現状におきましては、暴力団によりましてタクシーが現実に問題を発生させているという事実を把握するところまでの状況ではございません。今回の法律改正におきましては、そういう意味で、欠格事由に暴力団の排除条項を明定するということはしなかったわけでございます。  一方、欠格条項の中に、一年以上の懲役または禁錮の刑に処せられた者につきましては二年間は事業に参入できないということは現在の欠格条項にも規定されておりまして、今後、この点の確認を関係機関とも連携して徹底してまいりたいというふうに思っております。  それから、需給調整の廃止後におきましても、許可の審査の際には安全対策や法令遵守に関する資格条件を十分にチェックいたしますけれども、許可後、事業を始めた後、監査等を通じまして、あるいは、実際にトラブル、事故を起こしましたときに、悪質事業者に対しては厳正にペナルティーとしての行政処分、事業取り消しなり事業の停止なりの厳正な処分を今まで以上にしてまいる所存でございます。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 ぜひ警察当局初め関係機関としっかりその辺は連携をしていただきたいと思います。  緊急調整措置の導入についてお伺いをいたしたいと思います。  タクシーは、不景気で需要が低迷をしているという場合でも、事業者は、どうしても売り上げ確保という視点から増車を行う傾向は否めません。そういう意味で、常に供給過剰の特性を持つわけであります。そういう意味で、著しい供給過剰となった場合は緊急調整措置でやりますよということで今回の導入となったと思うのでありますが、私たちは、そういう意味で、大変妥当だと考えております。  それにつけましても、緊急調整措置でありますから、適時適切に発動されるということが大変肝要だと思っております。それを発動する際の具体的な要件はどういうことになるのかなということをお聞きいたしたいと思いますし、この緊急調整措置には、新規参入あるいは増車の停止とともに、減車のための措置も講じることができることとすべきではないか、そういう声も強いのでありますけれども、いかがでございましょうか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  緊急調整措置は、著しい供給過剰状態になったときに、取り締まり、指導では安全や利便の確保が困難となるおそれがある場合に、参入とか増車を停止するということによりまして、事態がさらに悪化することを防止するために発動するものと考えております。  そういう意味で、その発動要件ということにつきましては、私どもとしては以下のように考えております。  まず、著しい供給過剰状態であるかどうかの判断につきまして、実車走行キロ、実車率、実働率、一日一車当たりの売上高、これらにつきまして、絶対値のみならずその経年変化にも着目してまいりたいと思っております。その上で、輸送の安全、利用者の利便の確保が困難となるか否かにつきまして、例えば事業者の法令違反件数、利用者からの苦情件数等に基づきまして判断してまいりたいというふうに思っております。これらの指標は当然地域ごとに異なってまいりますから、地域ごとの実情を十分勘案した上で、新しい制度の実施までに、緊急調整措置の具体的な発動要件を、この国会の御審議、関係者の御意見を十分承りながら決めてまいりたいというふうに思っております。  もう一点、現に保有する車両を事業者が減車するための措置を講ずることにつきましては、これは憲法で保障されている財産権という問題との兼ね合いになります。タクシーの車両あるいは事業の実態、そういうものから考えて、減車させるということまで、財産権の権利との調整をしてまでそれを行うということについては、極めて慎重に考えるべきではないかというふうに考えた次第でございます。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 ぜひタイムリーな発動ということで、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  タクシーの運賃についてお伺いをいたしますけれども、政府の規制緩和委員会は許可制にすべきだということで大分強い姿勢がございました。そんな中で、今回の法案は引き続き認可制にするということでありますけれども、私は大変妥当だなと思っております。タクシーの運賃については、利用者利便の確保の観点から、同一地域同一運賃とすべきではないかという声が強いことも事実であります。また、コストの八割を人件費が占めるタクシー事業の特性にかんがみれば、せめて運賃の下限を規制すべきではないかという声も強いのであります。どのように考えられますか、お伺いをいたします。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 運賃につきましては、どのような商売でございましても価格の設定というのは事業経営上の最も基本的な事項でございまして、できる限り今経営者の自主性や創意工夫が尊重される制度とすべきではないかということが私どもの考え方でございます。そのことが事業の活性化を図ることにつながるのではないかというふうに思っております。  タクシーにおきましても、これまでも、基本となると考えられる運賃よりも一〇%下回る運賃や、初乗り距離を短縮したような運賃設定を認めてきておるところでございます。今後とも、そういう意味で、ニーズに対応した多様な創意工夫を凝らした運賃が設定されることを期待しております。  ただ、今おっしゃられましたように、タクシーにおいては、人件費がコストの約八割を占めておりますので、また運転者の賃金が基本的に歩合制であるということもおっしゃるとおりでございまして、ダンピング競争が起こった場合には、過労運転の常態化、輸送の安全の確保の困難ということに結びつくおそれがございます。  そういう意味で、私どもとしましては、この法案において、タクシーにつきましては引き続き運賃を認可制としましたけれども、その中で、不当な競争を引き起こすようなダンピング運賃につきましては認可をしないことにしてまいりたいというふうに考えております。ダンピング運賃につきましての具体的な基準につきましても、施行までに明らかにしてまいりたいというふうに思っております。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 ぜひしっかりと御対応をお願い申し上げたいと思います。  運行管理者の問題について、資格試験制度を新たに導入されるということは結構なことだと思います。ただ、既存の運行管理者については、法施行後すぐに資格を取得することが困難な場合も当然推定をされると思うのでありますね。そういう意味では経過措置も必要だと思いますけれども、いかがでございましょうか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  既存の事業者につきましては、法施行の日から三年間は、現行の要件を備えた者が引き続き運行管理者として選任できるように法規定として提案をさせていただいているところでございます。経過措置の期間につきましては、輸送の安全の確保の必要性と事業者への負担というものを勘案して設定したものでございます。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 今までの質疑の中で、今回の改正の内容がつまびらかにされたのでありますけれども、タクシー業界、ましてそこで働かれる人たちの、そういう意味では特性あるいは実態を最小限加味されたものだなと私は思っております。ただしかし、タクシー業界のトータルの実態をそれなりに承知しております立場からは、悩ましいところもあるなという気持ちもあります。ぜひ質疑の中身、私の要望についても、これからの運用に当たって十分にしんしゃくされることを要望いたしておきたいと思います。また同時に、タクシー事業者、あるいはそこで働かれる皆さんともども、やはり利用者のためのという営業努力がなおさらに求められると思いますし、一部で介護タクシーだ、あるいは福祉タクシーだという新しい試みもありますけれども、もう一段も二段も頑張っていただきたいと期待もいたしております。  また、きょうは議論はあえて控えますけれども、運転代行車の白タク行為の問題、全国各地でその実態が明らかとなっておりまして、私たちにも大変厳しい御注文をいただくわけであります。運輸省も、警察当局を初め、関係当局と連携の上でしっかりと対処、対応されることを望んでおきたいなと思うのであります。  続いて、せっかくの機会でありますから、許される時間、乗り合いバスの方についてもお伺いをいたしたいと思います。  乗り合いバスも、需給調整規制の廃止によって、競争原理ということだけで経営されたら、地方の路線バスは立ち行かなくなることは必定であります。まして、不採算路線撤退という現実が加速されることになるわけであります。お年寄りあるいは学校に通う子供たち、そういう自家用車を持たない人たちの交通手段の確保ということが大変に困難になるわけであります。生活交通の確保のために、国そして地方政府を含めての総合的支援が必要となりますけれども、どう考えておられますか。お伺いをいたしておきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 今後、地域住民の足となる生活交通の確保を確立すること、これが極めて重要であるということは、今中野委員が御指摘になったとおりでありまして、私も同じような思いを持っております。特に、過疎地域等におきまして、このことは大変重要な問題でありまして、関係者の間に常に重くのしかかっておる問題だというふうに認識をいたしております。  今後の対策といたしましては、地域協議会におきまして関係者が協議をした上で、生活交通の確保のために必要な具体的な措置を検討していくこと、その協議結果を踏まえ、地方公共団体を中心に、国もこれに協力して必要な公的補助を行っていくことが必要だと思っております。このような考え方のもとに、関係省庁とも十分調整を図りながら、必要な対策、措置を講じていくつもりでございます。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  運転代行というサービスの中で、いわゆる白タク、違法なタクシー運送事業が行われるということについて、私どもとしては、タクシー事業が健全にいい意味での競争をしながら、必要な規制を受けてサービスをしていくということの中で、不適切なものであり、警察庁とともども、早急に、どのような対策が必要であるかということについて結論を取りまとめ、また国会にもお諮りしたいというふうに考えております。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 ぜひそのようにいたしたいと思います。また、大臣の、乗り合いバスの関係、本当に心強い限りでございまして、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。  ちなみに、そのバスの新規参入についてでありますけれども、ラッシュのときという特定時間帯だけの事業参入、いわゆるいいとこ取りとでもいうのでありましょうか、それは認めるべきではないのではないかと考えておりますけれども、いかがでございましょうか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 特定の時間帯のみに参入が行われますと、逆に需要の少ない時間帯が結果的に行われなくなるというような問題が生じ、旅客の利便が阻害されるおそれがございます。  そういう観点から、必要な場合に、そのラッシュ時間帯以外の時間帯におきましても運行を行うように運行計画の変更を命ずることも含めまして、必要な措置を講じたいというふうに思っております。  そういう観点から、この改正法案におきましては、事業計画だけではなくて、運行計画の変更も事業改善命令の対象にしているところでございます。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 さっき申し上げましたように、とりわけ都市部においては交通渋滞が相変わらずひどいものがありますし、自動車からの排気ガスが環境にも悪い影響を与えておりますことはもう御承知のとおりであります。また、交通量がふえるということは、当然交通事故がふえるという懸念があります。  バス、タクシーなど公共交通機関の利用促進、あるいは優先措置を通じまして自動車交通量を抑える、抑制をすることによって、自動車交通の安全性の向上あるいは交通渋滞の解消あるいは環境の改善を図る、これがこれから、とりわけ都市交通については求められるところでありますけれども、次官、最後でありますけれども、どのように考えておられるか、お伺いをいたしておきたいと存じます。

中馬弘毅自由民主党運輸政務次官

○中馬政務次官 中野委員御指摘のとおり、自動車交通量の抑制、また交通の円滑化を図り、安全性の向上、事故防止、大気汚染防止、渋滞の解消、こういったことを図っていく上で、鉄道もさることながら、バスやタクシーの公共交通機関の重要性、その果たす役割、これにつきましては大変重要だ、このように考えております。この認識も現在広がってきておりまして、各自治体ごとに、バスやタクシー等の公共交通機関の利用の促進や優先措置を図るための取り組みがなされております。  バスを中心とした町づくりを行うオムニバスタウン構想、これは地域密着型の、利便性の高いバスをずっと回すことでございますが、こういった事業だとか、あるいはパーク・アンド・ライド・システムといいますが、車に乗ってきて、都心部に入ってくるところでは、ある一定のところから公共交通機関に乗りかえるという方法でございます。それから、コミュニティーバス等の交通システム等の整備、こういった事業、それからバス・ロケーション・システムと申しますが、バスがどこまで来ているかという運行表示が整備されたり、あるいは、さらに進んで、衛星を利用したタクシーの配車、運行管理システム等の情報化の促進、こういったこと等がかなり進んでおりますし、バスレーンやバス優先信号の設置、こういった取り組みがなされていることは御承知のとおりでございます。こういったことも、運輸省だけではなくて道路管理者、建設省ですが、また警察等との連携を図りながらこの支援を行っていっているところでもございます。  今後とも、より一層の連携を深めて、積極的にこれらの施策に取り組んでまいりたいと考えております。

中野正志自由民主党

○中野(正)委員 私ども仙台市も取り組みをさせていただいておりますけれども、関係機関連携してぜひ頑張っていただきたいと思います。  時間でございますので、以上で終了いたします。ありがとうございました。

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 次に、今田保典君。

今田保典民主党

○今田委員 連日御苦労さまでございます。民主党の今田保典でございます。乗り合いバスとタクシーの規制緩和問題について質問させていただきます。  総論と各論に分けて御質問をさせていただきます。  まず最初に総論関係なんですが、激しい規制緩和で知られたイギリスのことでございますけれども、一九九八年七月に新交通政策を発表いたしました。これは、ブレア政権が発足してほぼ一年後でありますけれども、交通政策の抜本的改革が必要だということで打ち出したものでございます。この新交通政策については、我が国としても参考にしてみる必要があると思います。私もこの発表されたものについて十分見させていただいたわけでありますが、それは今後、いろいろな機会を見つけて議論をしたい、こういうふうに思っておるところであります。  今ここで申し上げたいことは、その新交通政策の中で、イギリスとして、これまでの規制緩和に対する厳しい反省を行っていることでありまして、私は非常に注目をしているところでございます。その反省は、この十年のキーワードであった公共交通の民営化と規制緩和は、公共交通網を破壊し、公共の利害を無視することによって乗客を失ったとしております。規制緩和が失敗であった、つまりそういうことを言っているわけであります。  そして、その考え方の中で競争そのものについても言及し、競争は利益をある種の顧客には与えますけども、一方で、より広い公共の利益が常に考慮されるべきであるというようなことを申しておるわけでございます。これまでの競争政策を厳しく批判しています。また、政府の戦略的責任が、規制緩和の名のもとに、民間部門に余りにもシフトしてしまったと強く反省をしておるところでございます。  また、バスの規制緩和についても、規制緩和は地方におけるバス利用者減少の悪循環を断ち切れなかったということで反省し、規制された市場のロンドンでは利用が持続しているというものがありますけれども、対照的にその他の地域では、一九八六年以降、バス利用はおよそ四分の一に落ち込み、一年に十億人程度の乗客を減らしているということを言われているようでございます。  このようなイギリスの反省をどのように受けとめるかですが、私としては、規制の改革は必要でありますけれども、ネットワークと公共の利益を無視してはならないだろうということを教えているのじゃないかなというふうに理解をしているところであります。  そこで、まず最初の質問ですが、我が国の運輸事業規制は、イギリスとアメリカの法体系、つまり英米法を模範としてきたものであります。英米のそれと同一ではありませんが、法体系の主要な概念は共通している部分が多いのではないかと思うわけであります。  このような我が国の事業規制の実態を踏まえた上で、このイギリスの規制緩和の反省について運輸大臣はどのように受けとめておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思っております。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 今田委員にお答えをいたします。  委員は、運輸交通業界におきまして、また労働者の立場を常に踏まえて御活躍、御発言をいただいているわけであります。ただいま御提起がありましたイギリスにおける新交通政策についてでありますが、それまでも大部分が公有であったバス事業を民営化するとともに、参入や運賃規制等について規制緩和の実施がなされたものと考えております。  一九九八年七月に出された、御指摘のブレア政権の新交通政策は、実施された民営化及び規制緩和の結果を踏まえて、共通乗車券制度の導入等必要な施策を提言したものと伺っております。  イギリスの民営化及び規制緩和については、補助金の削減や事業の活性化が図られたという評価がある一方、運賃が自由化された結果、独占路線を中心に運賃が上昇し、利用者離れを招いたなどの評価もあると伺っております。  一方、また我が国では、需給調整規制のもとで、基本的に民営事業が担ってきた経緯があることから、今田委員の御指摘等も十分念頭に置きつつも、英国の例と単純に比較することは困難なことである。同時に、我が国の実情に合った規制の見直しを行うことが重要であると認識をいたしております。

今田保典民主党

○今田委員 とらえ方については、それぞれの立場でそれぞれのとらえ方があろうかと思います。  次の質問に入らせていただきたいと思います。  今回の法改正が政策目的の変更か、あるいは政策手段の変更かという点についてお尋ねをしたいと思います。  運輸政策の目的を一言で言うのは大変難しいのですが、あえて申し上げると、安全かつ良質な運輸サービスの安定的な供給ということになるのではないかというふうに思います。  今、運輸省は需給調整規制を廃止しようとしているわけでありますけれども、それは、運輸政策の目的そのものに大きな変化があったということであろうかというのが私の疑問点であります。これの確認と、運輸政策の目的そのものについてお答えをいただきたいということであります。  それから、運輸事業の規制緩和について、これまでの動きを注意深く見守ってきましたけれども、運輸政策の目的を変更するということはなかったと理解をしています。もし、目的そのものの変更があるとするならば、まずそれから議論をすべきではないのかということを指摘したいわけであります。  申し上げるまでもありませんが、需給調整規制は、運輸政策の目的を達成するための手段であるわけであります。需給調整規制そのものが目的ではありません。この手段が時代の変化に対応できなくなったとするならば、これを変更しなければならないのは当然ではないかというふうに思うわけであります。  今回、運輸省は、需給調整規制を廃止することになりましたけれども、それにかわる新たな政策手段が示されたわけではありません。そして、競争のみが強調され、これからの公共交通をどうするのかという方針がないことから、私から言わせれば、まず廃止ありきだとか、あるいは理念なき規制緩和と批判せざるを得ない状況だということでございます。  そこで、確認させていただきたいのですが、今回の規制緩和は政策目的の変更ではなく、あくまでも政策手段の変更であると思うのですが、その点についてお答えをいただきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党運輸政務次官

○中馬政務次官 基本的な御質問でございますが、運輸政策の目的、これは、人や物を円滑に効率的に、より速く、また大量に運ぶ、そのための手段を整備し、社会的なシステムをどうつくっていくかということが主目的ではございます。その前提といたしまして、輸送の安全確保や利用者利便の確保、そして最近では環境への配慮までも入っておりますが、こういったことがいずれも運輸行政の基本的な課題であると認識いたしております。運輸行政を行っていく上で、これらの課題の重要性は、今回の法改正によって何ら変わるものでないと認識いたしております。  今回の法案は、乗り合いバス事業やタクシー事業をめぐる環境の変化、と申しますのは、従来のように右肩上がりの高度成長、そしてどんどん人口もふえていくという中では、新たないろいろな目的を持って、また需要に対応しながら新規参入される方も多うございましたけれども、そうではなくて、一つの成熟社会になってきております。もう人口もこれ以上ふえないといった中で、従来どおりの政策をとっておりますと、事業経営者が固定化してしまって、一つの枠の中で、余り利用者利便も考えずに物が行われる可能性もありますし、また、世間的にも、利用者のニーズが非常に多様化してきております。これに対応した形での今回の法案でございまして、創意工夫を凝らした経営努力を行う事業者がみずからの経営判断に基づいて、より積極的な事業展開ができるよう、需給調整規制を廃止して、事業の活性化と利用者の多様な需要に対しまして利便の向上を図ることを主眼としたものでございます。  一方で、輸送の安全性の確保を図るための運行管理者試験制度を創設いたしますとともに、法の施行にあわせて、内部補助の仕組みが限界に達している乗り合いバス事業につきまして、新たな生活交通の確保のための仕組み、これにはかなり地方自治体に責任を持ってもらう形をとっておりますが、こうした仕組みをつくるなどしまして、全体としましての、安全で良質なサービスの提供を確保していくこととしておるものでございます。  したがって、今回の法案によって、運輸政策の目的そのものが変わるものではないことを申し添えたいと思います。

今田保典民主党

○今田委員 今のお答えの中で、需給調整の一つの考え方あるいは内部補助の点についても出ました。  そこでお伺いしますけれども、需給調整規制そのものについて、これを評価しておくことも必要かと思うわけであります。バスとタクシー事業にとって、需給調整規制は大きな役割を今日まで果たしてきました。これによって過当競争に歯どめをかけ、また、先ほど出ましたように、内部補助を容易にすることができました。そのことによってバスのネットワークというものを守ってきたわけでございます。  しかし、厳しく評価しますと、需要の実態が、供給にリンクするほどのレベルで把握されていなかったことであります。その判断が運輸行政の裁量として行われるなどの問題点があり、さらに、実際には免許という形で供給されますので、一たん供給されたものは、マイナスの調整をしようにもできませんでした。つまり、これまでの需給調整規制は、需要の伸びを前提として、その追加供給分を配分するという機能であり、需要の減少には全く対応できない規制でありました。そして、免許という形をとりましたので、これが利権化するという弊害もありました。  したがって、高度成長期には一定の役割を果たしてきましたが、需給調整というほどの、必ずしもすぐれた政策手段ではなかったのであります。これが実態だと思っておりますけれども、これについて、具体的にお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 需給調整規制の評価、役割でございますが、今おっしゃられましたように、成長が続く中で需要が右肩上がりに増加していた時代には、安定的なサービスを提供するということについて一定の役割を果たしてきたところでございます。  さらに、おっしゃられましたように、結果的に地域の独占、寡占を前提とした運用ということになりまして、赤字路線を同一会社の黒字路線によって補い、内部補助によって維持する、こういう手段としても機能してきたということも事実でございます。  そういう中で、輸送需要が増加をしないという中での需給調整を続けていることの問題点でございます。これは、先ほども御答弁申し上げたところでございます。  そういう意味で、今、今田委員から、適切にそういう状況の中での需給調整の機能が発揮されていないということでございますが、私どもとしましては、やはり需要があるかないか、参入すべきかどうか、需要規模をどのように増減すべきかということについては、基本的には経営者の判断によることが望ましい、そういう中で意欲のある参入や事業拡大というものが行われるのではないかということでございます。  そういう観点から、今回需給調整につきましては、基本的にこれを廃止いたしまして、タクシーの緊急調整措置のように、非常時、一定の著しい状態の場合に行政が措置を行うということにとどめるということが好ましいのではないかというふうに考えたわけでございます。

今田保典民主党

○今田委員 需給調整規制の評価については、私なりの考えを先ほど申し上げましたけれども、だからといって、これを廃止すればいいという考えではありません。廃止そのものではなく、今後の事業規制をどうするのかということを明確に示すべきだと申し上げたいわけでございます。  確かに、運輸省は、廃止に伴う措置としていろいろな問題点を示されています。それらは、これからの事業規制をどうするのだという答えにはなっていないのではないかというふうに思います。また、運輸省は、これまで影の部分という表現で問題点を指しておりましたけれども、その影にどのような方針で対応するのか、私から言わせれば全く不明であります。  これらのことを考えますと、イギリスは反省の上に立って政府の戦略的責任云々とあります。これは広い意味での公共性に対する政府の責任を指しているというふうに私は理解をしておるのですが、イギリスはこの責任が果たせなかったと反省している点についても注目をしているところでございます。我が国も、このまま進みますとイギリスと同じことになるのではないかという心配を私は持っているところでございます。  運輸政策の目的、とりわけ、広い意味での公共性を踏まえた上で、今後の公共交通のあり方、事業規制のあり方を明確に示すべきだと考えますが、運輸大臣、この点についてどうお考えでしょうか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 イギリスの轍を踏むな、こういう御助言をいただいておるわけでありますが、私は、安全、環境など自動車交通に関する課題を解決していく上で、バス、タクシー等の公共交通機関の果たす役割は極めて大きいとまず考えております。その役割を十分発揮するためには、できる限り多くの方々に御利用していただけるような環境をつくっていくことがまず重要だと思っております。  このため、今回の法案では、サービスの内容についてはできる限り事業者の皆さんの創意工夫にゆだねることにして、利用者の方々のニーズに沿ったサービスが提供できるようにし、かつ、安全や利用者利便の確保がしっかり図られるように、事業規制のあり方を変えようとするものであります。  こうした動きを先取りして、福祉タクシー等におきましての各地域から寄せられる情報を伺っておりましても、さまざまな工夫が、もう既に経営者やあるいは運転に携わる従業員の方々、さらにまた、利用者の声が直接経営にも影響しているというふうな姿が芽生えつつあるということを、私は今後大いに期待をしたいと思っております。  事業者だけでは対応できない課題につきましては、行政がしっかりと支えていくように、事業規制だけではなく、オムニバスタウンの整備のような地域と一体となった公共交通機関の利用促進のための取り組みの推進や、生活交通の確保のための新たな枠組みの構築についても万全を期してまいりたいと考えております。

今田保典民主党

○今田委員 今大臣の方からお答えをいただいたわけですけれども、確かに大臣の言われていることも一部分にはあろうかと思いますけれども、決して利用者にとって最近便利がよくなったというような環境にはなっていない。需給調整は廃止されるのだという、企業側から言わせればいわゆる恐怖感といいますか、そういったものがあって、早目に手を打たなきゃならぬというようなことに、もう既にもうからぬ路線はその地域の皆さんの考えを無視して廃止をしているというのが実態なわけであります。  後ほどそれらについては議論することにいたしまして、新たな規制の構築についてお伺いをしたい、このように思うわけであります。  今後の事業規制を考えた場合、その中心は公正な競争のルールということになるのではないかというふうに思います。ルールのない競争は、競争ではなく破壊以外の何物でもないというふうに私は思うわけであります。この公正競争ルールを念頭に置き、今後の事業規制を資格規制として再構築すべきではないのかということを申し上げたい。この場合の資格には、事業者や運転者の属人的な資格はもとより、設備、資金、保険などの事業運営上の要件も資格要件として整備し、さらに、事業計画も資格要件として組み立てるわけであります。  今後の事業規制として、新たな資格規制を構築すべきだということを私は思っているのですが、運輸大臣はこの点どのようにお考えなのか、お聞かせください。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 需給調整規制廃止後におきましても、乗り合いバスやタクシーについては、輸送の安全と利用者の利便の確保は極めて重要なことであります。これらに関する資格要件は厳しく審査することが必要だと考えております。  このため、事業参入の許可に当たっては、運行管理の体制、車庫等の施設の確保状況、保険の加入等について厳正に審査することといたしております。その際の具体的審査基準につきましては、施行までに明らかにしてまいる所存であります。

今田保典民主党

○今田委員 せんだって、私ども民主党で、自賠責関係の勉強会をやりました。いろいろな方々の意見等を聞きますと、特に保険について、任意保険に入っている事業者、あるいは、全く入っていないで、企業内で何か事故があったときにカバーする方式等をとっている企業が数多くあるわけであります。  そういったことを考えますと、これらをきちっとしないと、今後さらに社会的不安といいますか、そういった事故があった場合の補償制度について心配される面があるわけでありまして、これらはいずれ違うところで議論させていただきますけれども、そういった問題点もあるんだということをぜひ御認識いただきたい、このように思うわけであります。  次に、今回、法の目的を改正することになっておりますけれども、この点についてお尋ねをしたいと思います。  道路運送の目的は、これまでは事業の適正運営と公正競争の確保及び秩序の確立がポイントでありました。これが、改正案では、事業運営を適正かつ合理的とし、それに利用者利益の保護を加えるという形になっております。つまり、これまでの公正競争の確保、秩序の確立というものが取り除かれているわけでありますが、この二つのポイントは大変私は重要なものではないかというふうに思っております。そう簡単に削除してよいものかどうかというふうに思えるわけであります。  公正競争の確保については、競争を促進する立場においても最も重要視しなければならないのではないでしょうか。私としても、こうした質問の機会を通じて、このことを再三にわたって強調しているところであります。秩序の確立についても、事業法としての性格を考えたとき、これを外すことについての意味が私は全くわかりません。  こうした改正案を考えますと、運輸省は本当に、大変失礼ですけれども、何を考えているのかとますます疑心暗鬼になるばかりでございます。この法の目的を改正するということについて、どういうお考えなのかお聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。

中馬弘毅自由民主党運輸政務次官

○中馬政務次官 今田委員の御指摘は、法案の第一条のことだと思います。  現行におきましては、「適正な運営及び公正な競争を確保するとともに、道路運送に関する秩序を確立することにより、道路運送の総合的な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。」こういたしております。これと何ら変わっているところはございませんが、少し時代に合わせて、利用者の利便の向上ということを特記させていただいたようなことでございます。  今回の法改正におきましては、需給調整規制を廃止することにしまして、事業者間の競争を促進することによって、事業者の創意工夫を生かした多様なサービスが提供される、このことに若干ウエートを高くしておりますから、こういう文言になっております。  これまでは、やはり一つの基準をつくりまして、画一的な、義務的なサービスということでございましたが、これからは、先ほども答弁申しましたように、利用者の需要のニーズも多様化されておりますから、これに適合したようなサービスも提供できるように、こうした利用者の利便の向上を図るということに少しウエートを置いた形で文言を変えておりますけれども、公共の福祉の増進を図ることを目的とする、この目的そのものに全然変更はない、このように御認識いただきたいと思います。  このような制度改正の趣旨に対応しまして、目的規定の一部を「道路運送事業の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、道路運送の利用者の利益を保護する」、こうした文言に改正したものでございます。

今田保典民主党

○今田委員 私が特に申し上げたいのは、今の法の中で、秩序の確立という面に非常に重要なポイントがあったのではないかなということです。このことがあることによって、ある一定の秩序が守られてきたのではないかというふうに思うのですよね。これを削除するといいますか、入れないということになりますと、業者によっては、こんなものはどうでもいいんだというような感覚になりはしないかという点が一点。  それからもう一点、この新しい法案の中で利用者利益の保護という言葉が入っております。私はこれは、利用者の利益の保護ということに一部分はなるかと思いますけれども、需給規制を廃止することによって、決してそういう方向にはならないのではないかなというように思うのですよね。ということは、特にバスについて、先ほども言いましたけれども、やはりこういう需給調整廃止というふうになれば、当然もうからない路線は廃止せざるを得ないということになるわけですよ。そうした場合に、利用者にとって本当に利便性を確保できたのかということになれば、そうも言えない部分があるわけです。  しかし、一部規制緩和によって、これまた言われるとおりの部分もあろうかと思うわけですが、この点について、ちょっと何かお考えがあればといいますか、検討されていたことがあれば。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 補足してお答え申し上げます。  現行の目的規定につきまして、公正な競争を確保する、秩序を確立するということを明記してございます。需給調整の規制というのは、先ほどの御質疑にもございましたように、需要に見合った供給力を設定するということで、いわば秩序ある安定的なサービスを確保する、その事業の発展を促すということに重きを置いた、そういう政策のあらわれが現行の目的規定にあったのではないかというふうに考えております。  決して、今回の改正におきましても、公正な競争、秩序ということを否定するわけではありませんで、私どもが再々お答え申し上げておりますように、いい意味での競争、需給調整の廃止によって、利用者の利便を保護する、利便の向上に寄与するのだということにより重点を置きたいという観点から、目的規定の中で特にこれを特記したものというふうに考えております。

今田保典民主党

○今田委員 次に、旅客運送事業の定義の見直しについてお伺いをしたいというふうに思います。新たに有償という言葉が加えられています。これは私は大変重要な問題だということで、御質問させていただきたいと思っております。  有償というのは、つまり有料ということなんでしょうが、この有償については、これまでは定義にはなかったものの、自家用車の規定において有償運送の禁止というものを定めていたことから、実際にはこれが営業用と自家用の判定をする大きな基準となっていました。しかし、この有償の判断基準が明確でなかったため、営業用と自家用の境界をめぐる問題が絶えず発生していたのでございます。  先ほど中野委員の方からもお話しありましたが、代行車の白タク行為なども発生している部分がこの部分だろうというふうに思います。また、これまでは他人の需要に応じるものであれば、有償無償にかかわりなく旅客運送事業という定義づけになっております。この有償を定義に加えることによって、これまでの無償運送が除外され、規制の対象が有償運送に限定されることになり、無償運送に目が届かなくなるのではないかという心配があります。このようなことから、この定義の見直しには、営業用と自家用の境界がますます不明確になるという大きな問題があります。  そして、この境界問題は業界秩序をかき乱す違法運送の発生源であり、トラックも含めた自動車運送業界の最大の問題なのでございます。業界はもとよりですが、運輸行政においても悩みの種になっていたはずでございます。  これらを考えますと、この定義の見直しはよほど慎重にしなければならないのではないかというふうに思うわけであります。少なくともこの有償ということの判断基準を明確にしておくことが不可欠ではないのか。これを、目に見える狭い範囲ではなく、もっと的確にとらえた判断基準を確立すべきであります。これをぜひこれから検討すべきではないかと思いますけれども、いかがなものでしょうか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お尋ねの有償という点につきまして、私どもとしまして、現行法におきましても、何が有償であるかどうかということについて一定の解釈をお示しし、明らかにしてきたところでございます。例えば、金銭と他の財物であるとを問わず、あるいは直接間接たるを問わず、例えばガソリン代というようなことで実費を収受する場合も有償であるということで、この考え方をお示ししてきたところでございます。  そういう意味で、自家用輸送そのものに近い全くの無償運送事業について規制を行う必要性は少なくなっているのではないか。それから、今御心配のお尋ねがございましたけれども、逆に意図的に無償の運送事業を届け出ることによりまして、現行法では無償の運送事業も営業用の青ナンバーが取得できますので、有償運送を行う隠れみのになりやすいという懸念もございます。そういう意味で、今回、無償運送事業については規制を廃止したわけであります。  その新しい制度のもとにおきましても、現実に有償であれば、それの許可を受けないでやっておれば法違反でございますので、現実に有償であるかどうかの取り扱いにつきましては、先ほど申し上げましたような基準を示してございますけれども、混乱の生じないようにきちんと考え方を整理し、明らかにしてまいりたいというふうに思っております。

今田保典民主党

○今田委員 そこで、先ほど中野委員からも質問があったようでありますけれども、心配されるのは、代行車、いわゆる白タク行為という問題点があります。  先ほどの回答の中で、この代行車業についての一つの規制といいますか、それを新たに考えているというようなお話がありましたけれども、もっと具体的に、この代行車は特に地方で大変なものなんですね。しかも、大変失礼ですが、反社会人がやっている。  私も実は、もう大分になるんですけれども、十数年になりますか、代行車の調査をしたことがあります。白タク行為をやっているかやっていないかというようなことで県内を回って、私は先頭に立ってやった経緯があるんですが、違法行為が結構見つかった。このことをマスコミに指摘をしたところ、私のうちに、夜中に、いわゆるそういう人物が嫌がらせの電話を何回もよこしたという苦い経験があります。やはりこれは、地元でいかに関係者がいろいろなことを言っても、そういう方々がやっているものですから、なかなか行動を起こせないというのが実態なんですね。  したがって、私は代行業そのものが悪いということではなくて、代行業はこういったことをやりなさいというものをやはりきちっと早く確立すべきではないのかということを指摘したいわけです。  何か御計画があるそうですけれども、もう一回御回答いただければと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 運転代行につきましては、ただいま委員からお話がございましたように、その運転代行業務そのものが不適正だということではなくて、これが適正に行われれば、御存じのように、飲酒運転というものの防止につながるわけでございまして、地方都市を中心に、いわば一定のサービス産業として成り立っているものと理解をしております。  ただ、その運転代行に名をかりてタクシーの類似行為が頻発するということは、私どもとしても看過できないところでございます。  先ほども申し上げましたが、一方において、適正なサービス、安全の確保のために、今回の法案におきましても、一定の規制の強化を含めて、きちんとした事業規制を行うというふうに考えているところに対しまして、全く無規制でそのような類似行為が行われるということは不適切でございますし、今お尋ねのように、どのような事業者がそれを経営しているかということについて、私どもとしましても、関係機関と協力をいたしまして、まず実態を把握し、必要な規制というものが何であるか、行政措置というものが何であるかということについて議論をし、案をまとめて、できるだけ早く国会にもお諮りしたいというふうに考えておるところでございます。

今田保典民主党

○今田委員 大きな問題でございますので、ぜひひとつ取り組んでいただきたい、このように思います。  そこで、先ほど総論的なものをいろいろ質問させていただきましたけれども、各論に入らせていただきたい、このように思います。  まず、乗り合いバスの問題に移りますけれども、初めに幾つかのはっきりさせておきたい問題があります。  その一つは、ネットワークに対する問題であります。  私はこれまで、乗り合いバスの最大の問題は、ネットワークの問題だと申し上げてきました。現在約四万系統のバス路線がありますが、このうちで、採算がとれるのは約三割であります。この採算路線だけへの参入が可能となりますと、バスのネットワークは崩壊をいたします。この場合、残る七割の赤字路線をすべて生活路線とするならば話は別ですけれども、もしそういう考えであるのなら後ほどお聞かせをいただきたいわけですが、ここで申し上げたいのは、これまでの議論を見ましても、生活路線にかかわる部分を除けば、ネットワークをどうするかということが全く見えないわけであります。  生活路線の部分を除くのは、別の枠組みで対応することになっているからだというふうに理解をしているんですが、そこで運輸大臣にお尋ねをしますけれども、生活路線を別とすれば、今後においてはネットワークを維持するための政策を考えていない、そういうことだと私は理解をするわけですが、それでよろしいんでございますか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 乗り合いバスの路線につきましては、これまで需給調整規制を前提とした内部補助により赤字路線もネットワークとして維持してきたところであります。  しかし、乗り合いバス事業が、輸送人員の減少等により厳しい経営状況にありますことは御承知のとおりでありまして、これまでの需給調整規制を前提とした内部補助では、赤字バス路線の維持は既に限界を超えているという状況であります。これはもう、委員既に御承知のとおりでございます。  このため、地域住民の日常生活に必要な路線については、生活交通の確保に関する新たな制度を確立することが必要であると考えております。  したがいまして、今後のネットワークのあり方につきましては、良質なサービスを提供する複数の事業者が担い手となって、多様な輸送手段によりネットワークが形成されるようなケースが増加してくるものと期待をいたしております。

今田保典民主党

○今田委員 次に、内部補助の考え方の整理についてちょっとお伺いをしたいと思うわけであります。  これまでの議論において、この内部補助ということについて、乗り合いバス政策上の見解を示すべきだと申し上げてきました。いまだにこの見解が示されていません。この問題についてもここでやはり整理しておくことだと考えますが、今後は、バス事業を進める上で、基本的に内部補助を考える必要はなく、それは各社の営業政策の範囲内で考えればよい、こういうことだと理解をしておるんですが、これでよろしいのでございますか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 御指摘のように、これまで、バス事業につきましても、内部補助によって赤字路線もネットワークとして維持をしてきたという現状にございます。そういう中で、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、内部補助で赤字路線を維持するということにつきましては、数字的にも既に限界を超えている状況であることは御承知のとおりでございます。  私どもとしましては、基本的に、内部補助をして赤字路線を維持するかどうかという点は、今委員からもお話ございましたように、事業者が経営判断として判断をするということが基本ではないかと考えております。そういう意味で、規制によって、この黒字路線が経営できるんだから赤字路線を経営しろということを強いることは適切ではないというふうに考えております。  私どもは、今回需給調整を廃止して、どういう路線に参入をするか、経営をするかということについて、事業者の判断ということを基本とするというふうに考えておるわけでございますけれども、そういう中で、内部補助についてもそういうふうに考えるべきという結論に至ったところでございます。  特に、維持が困難となる赤字路線で、必要なものにつきましては、生活交通の確保方策について、維持に万全を期する所存でございます。

今田保典民主党

○今田委員 次に、バス関係の方にとっては、非常に心配をし、果たしてどうなるんだろうかということで悩んでいる問題点についてお尋ねをしたいと思います。  クリームスキミングの問題であります。これについては、特定の時間帯のみへの参入などで、それに問題がある場合においては事業改善命令で措置するとしていますが、これはちょっと、私から言わせれば、筋道が違うのではないかというふうに思うわけであります。  それは、そもそもの考え方が、クリームスキミングを基本的に認めた上で、問題がある場合には措置しますよ、このような組み立てになっているからであります。クリームスキミングという問題を、私から言わせれば、大変失礼ですが、軽視をしていると言わざるを得ないわけであります。あるいは、競争のためにむしろ歓迎しているというふうにも感じ取られるわけでございます。  私としては、まずクリームスキミングは公正競争でないことを明確にし、その上で、これに反する行為については断固として対処するというのが本来の姿勢ではないのかというふうに思うわけでございます。  また、新規参入は採算路線に限られると思いますけれども、ネットワークということを考えますと、これ自体がクリームスキミングとは言えないわけでございます。  そこで、申し上げたいのは、クリームスキミングを認めないという断固たる方針を示すとともに、参入許可の段階で厳しく対応すべきだというふうに考えますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 委員おっしゃられますように、クリームスキミング自身が不公正な競争であるかどうか、防止すべきものであるかどうかということは非常に難しい問題でございます。  申し上げますと、事業に参入をして、いい意味での競争をして、いいサービスを提供するための事業としての活性化、そういうものを引き出すためには、どこに参入するかということにつきましては、先ほどから申し上げてございますように、経営者の判断にゆだねることが基本であるべきだと私どもとしては考えております。  そういう意味で、今回の法律改正におきましては、どういう路線、どういう運行計画を持って参入するかということにつきましては一定の審査をした上で認めますけれども、その参入の許可とあわせて、運行計画というもので審査を別にさせていただきまして、先ほどお話がありましたように、ラッシュ時間帯だけで運行する、結果としてそれ以外の時間帯の運行が行われなくなる、そういうことによって利便が阻害されるというおそれがある場合に、私どもとして、必要な変更命令を含めた措置を講じたいというふうに考えておるところでございます。  そういう意味で、クリームスキミング自身が悪かどうかという点のお答えにはならないかもしれませんが、いわゆるクリームスキミングと言われるものによって利用者利便の阻害というものが出てくれば、それは是正させるという考え方でございます。

今田保典民主党

○今田委員 この問題についてはぜひ慎重に取り組んでいただきたい、私はこのように思います。法は法としてでありますが、今後の対応として、具体的な問題については十分関係者とお話をしていただいて対応していただきたい、このことを御注文申し上げます。  次に、運賃制度の問題についてでございます。特に乗り合いバスなんですが、上限認可の事前届け出制ということですが、実質的には事前届け出制ということであります。乗り合いバスとタクシーの運賃制度については、その公共性から、認可制を堅持するとともに、上限と下限を定めた幅運賃制が自由化の限界であると考えております。  基本的には、運賃で競争させるべきではなく、ましてや航空のような運賃競争は、利用者と公共交通にとってはよい結果にならないというふうに私は思っています。また、乗り合いバスの不当な運賃については変更命令で対応するとしていますが、この発動基準が問題だと思います。その基準は客観性と透明性が重要であり、行政の裁量で行うものではないということを明確にすべきではないのかというふうに思います。  もう一つは、同一地域内あるいは同一路線内において、均一制、対距離制、区間制などの異なった運賃制度が混在しないようにすべきであります。これらについてどうお考えなのか、お聞かせをいただきたい。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 乗り合いバス、タクシーの運賃の問題でございますが、繰り返し申し上げますけれども、参入とあわせて、経営の基本でございます価格の設定、運賃につきましては、事業者の創意工夫が発揮できるような制度にすることが必要であるというふうに考えております。  それを基本といたしましても、ただ、不当に安い運賃をダンピング競争ということで設定するということは、結果的には利用者の利便を損なうことになることは委員御指摘のとおりでございまして、そういう観点から、運賃の変更命令を発動して是正措置を講ずることとしております。  その具体的な基準につきましては、交通機関につきまして、あるいは他の制度につきましても例があることでございまして、乗り合いバスあるいはタクシーの特性に即しまして、具体的な基準を設けまして今後明らかにしてまいりたいというふうに考えております。  それから、同一地域あるいは同一路線で異なった運賃を設定することをどういうふうに考えるべきかということでございますが、私どもとしましては、利用者にいたずらに混乱を生じさせるか否かという観点から慎重に判断をしてまいりたいと考えております。

今田保典民主党

○今田委員 ぜひひとつ慎重に対応をお願いしたい、このように思います。  次に、生活交通の確保についてですが、私は、新たな枠組みをつくって対応することについては基本的には賛成するものでございます。  この件に関していろいろな角度からの具体的な要望が出されていると思いますけれども、それらに真剣に対応、対処していただきたいというふうに思うわけであります。  ところで、この実際の活動の推進は地域協議会になるわけですが、この地域協議会の位置づけ、あるいは生活交通をどうするかということでもよろしいのですが、これが道路運送法の中に全くありません。この生活交通の問題は、これからの活動推進が財源問題などを含めて大変な活動になると思うのですが、こうした大事業を行うに当たっての根拠が法律に全くない、これはどういうことなのかというふうに思うわけであります。道路運送法に明記するか、あるいは特別措置を設けるべきかという問題があるわけですが、これについて大臣はどういうふうにお考えがあるのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 生活交通の確保に関する事項を関係者間で検討する地域協議会の構成、運営等につきまして法令上定めることにつきましては、地域の実情に応じて協議会を設置し関係者間で必要な検討を行うという考え方に必ずしも合致するものではありませんので、適当ではないという認識を持っております。  ただし、今御指摘のようなことを念頭に置きながら、新しい制度の移行に当たって混乱が生じないように、協議会の運営等のあり方について、これに関するモデル的な考え方を関係行政機関と十分調整、協議の上、改正法の成立後できるだけ早い時期に示していきたいと考えております。

今田保典民主党

○今田委員 まさしく今言われたとおりだと思うのですが、モデル的なものをきちっとつくって、やはり早く示さないと、どうなるのだということで、私もいろいろなところで聞かれるわけでありまして、ぜひひとつ早急にモデル的なものをつくっていただきたい、このようにお願いを申し上げたい。この問題についてはもうちょっといろいろな問題があるわけですけれども、後ほど機会があればいろいろなところで議論をさせていただきたい、このように思います。  次に、タクシーの問題に移りたいと思います。  まず、タクシー労働者の評価ということについてお尋ねをします。  先ほどもお話が出ておったようでありますが、タクシーは、御承知のように運転者がすべてという事業であります。この運転者がどのような実態にあるかについて、まずこれを認識していただくことが必要ではないかというふうに思うわけであります。このため、データを幾つか申し上げたいと思います。  まず一つは、一時間当たりの賃金を見た方がわかりやすいと私としては思っております。一時間当たりの賃金は、全産業の男子平均が二千五百八十九円であるのに対して、タクシー運転者は千四百四十円であります。その差は実に千百四十九円となり、半額とはいきませんけれども、約五五%であります。  そして、このタクシー関係は、長時間労働の実態にあり、全産業の平均よりも年間二百十六時間も長いわけでございます。この長い労働時間を別といたしまして計算してみても、賃金の差額は年間二百十八万円。ちなみに、タクシー運転者の年間賃金は三百四十四万円だそうでございます。これらの数字は労働省の賃金構造基本統計調査による十一年度の数字でございます。これがタクシー運転者の実態であり、私としては、単に厳しいだけではなく、これはまさしく異常であるというふうに思わざるを得ないわけであります。  そこでお尋ねしますけれども、まず、運輸行政は、タクシー労働というものをどのように評価されているのだろうか、また、こうした実態に対して、担当行政として政策上の責任を感じられておるのかどうか、さらに、タクシーの施策を進める場合にはこうした実態を念頭に置いて考えるべきだと思うわけでありますけれども、こういう厳しい情勢について、運輸大臣はどうお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。     〔委員長退席、実川委員長代理着席〕

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 私は、運輸大臣就任後、タクシー業界の皆様やあるいは労働組合の代表の皆様から、今回の法律改正に関係しまして、その営業の実態あるいは労働者の実態等につきまして、たびたびお話を伺ってまいりました。また、それぞれの地域からおいでになります地方の経営者の代表等のお話を伺っておりましても、タクシー労働者の賃金制度等から、今後の生活等に対して大変厳しいものがあるというふうな状況についても十分お伺いをいたしております。  このような状況の中で、ダンピング等の過度な競争が生ずるようなことになれば、輸送の安全確保の観点からも問題であるわけでありますから、今回の法改正においても、運賃を引き続き認可制とし、ダンピングを防止するなどの措置を講じているところであります。当然、タクシーの経営と同時に、そこに従事される労働者の皆さんの生活等のことも運輸省としては念頭に入れて対応しているところであります。  輸送の安全確保のため、運行管理体制や事後チェックの充実等を図るとともに、私は、労働省とも十分連携して、今後適切に対処してまいるつもりであります。

今田保典民主党

○今田委員 次に、供給過剰の問題であります。  先ほども問題になっておりましたけれども、タクシーについてはまさしくふえ続けているわけでありますが、台数問題が最大の問題と申し上げておきたいと思います。  タクシーにおいては、歩合制賃金であるなどの事業特性によって、事業者の増車意欲が極めて強いわけであります。競争の一般的な原則は当てはまらないというのが現実であります。御案内のように、どこの町でも空車のタクシーがあふれておるわけでございます。この台数問題についての方策、こういった問題点についてどうすればよいのかというような問題について、イギリスのロンドンタクシーあるいはアメリカのニューヨークタクシーなどが最大台数制限というものを設けておるわけであります。それはアメリカとイギリスのいろいろな特殊事情もあろうかと思いますけれども、いろいろな知恵があってしかるべきではないのかというふうに思うわけでありますけれども、この点についてお考えがあればお聞かせをいただきたいというふうに思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  タクシーにおいて、事業者の増車意欲が極めて強く供給過剰になりやすい特性を有しているということ、それから、著しい供給過剰になりました場合に、安全、それから利用者とのトラブル、そういうことで、利用者の利便の低下が生じる可能性があることは、私どもとしても認識をしております。  そのため、この法案では、著しい供給過剰となった場合に、輸送の安全、旅客の利便を確保することが困難であるというおそれがある場合に、新規参入と増車を停止する緊急調整措置を設けることとしております。委員御指摘のように、そうではなくて、あらかじめ最大の台数を決めておく、それを規制するという方法の例は、確かに外国にございます。  ただ、私どもとしましては、先ほどから申し上げてございますように、意欲のある事業者の積極的な事業展開によって、利便の向上、活性化が図られないか、そういうことをねらいとしてこの法案を提案しておることでございまして、そういう観点から、あらかじめ台数を制限するのではなくて、著しい供給過剰の結果、具体的な問題の発生のおそれがある場合に、新規参入、増車を停止するという措置が好ましいのではないかというふうに考えたところでございます。

今田保典民主党

○今田委員 そういうことで緊急調整措置を設けたということでありますけれども、緊急調整措置について、私は私なりに大きな矛盾を感じておるわけであります。それは、既に現状が供給過剰、東京は特にそうなんですよね。東京だけではないんですが、至るところで、もう既に現状は供給過剰という状態にあるわけであります。さらにふえ続けることがだれの目にも明らかである、だとすれば、それに対する緊急措置というのはどう考えてもおかしいのではないかという疑問点であります。  例えば、これを東京に当てはめますと、既に供給過剰の状態にあるわけでありまして、さらにふえ続けていくものと思われています。したがって、緊急調整措置を即座に適用するようになるわけですが、こうした状況ですので適用のしっ放しということになるわけであります。  果たして、これで緊急調整措置、セーフティーネットだということが言えるのだろうかと思わざるを得ない。つまり、現状が既に緊急状態なわけであります。そしてこれがずっと続いていくことになるのではないかということを考えれば、いささか矛盾点があるのではないかということを申し上げたいわけでありますが、これについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お尋ねのように、例えば、東京において、実際、特定の場所において空車が列をなすという状態が見られることは御指摘のとおりでございます。ただ、これは語弊があるかもしれませんが、一方において、利用者の声として、例えばバブル期などに比較してタクシーが利用しやすくなったのではないか、あるいは逆に、東京駅などでは列をなしているけれども、住宅地ではまだまだタクシーをすぐ利用するということはそんなにたやすいことではないというふうな声も聞かれるわけでございます。  それから、私どもが御提案申し上げております法案を施行した場合に、経営者の判断によって、新たな新規参入あるいは増車というものが、今委員御指摘のような状態の中で続々と続くものであるのかどうか。あるいは、そのような状況の中で、経営者の方が規模の縮小あるいは撤退というものをするのかしないのか、そういうものは私ども一定の推測はできますが、なかなか見きわめは難しいというふうに考えております。  そういう観点から、私どもとしましては、著しい供給過剰になって、その結果、安全あるいは利用者の利便にふぐあいが生ずるというおそれがある場合に、緊急調整措置を発動することが適切であるというふうに考えた次第でございます。

今田保典民主党

○今田委員 その緊急調整措置についてでありますが、この措置を、例えば過剰だというときに、発動するときの要件、その点についてお伺いをしたいと思います。  その一つは、新規参入や増車を停止するだけではなく、過剰状態そのものに対応できるようにすることではないかということであります。減車あるいは車両の一時使用停止などがあるわけですけれども、これを考えなければ問題の本質的な解決にはつながらないというふうに思うわけであります。この緊急調整措置を発動する基準ですが、改正法案では、著しい過剰状態、輸送の安全確保、旅客の利便確保となっています。  この三条件ですが、客観性と透明性をもとにした具体的な基準を私は示すべきではないのかというふうに思うわけであります。このうちで、著しい過剰状態は何となくわかる気がしますが、輸送の安全確保と旅客の利便確保についてはどのような基準になっているのか、私には皆目想像がつかないわけであります。こうした措置については、状況に応じて、流動的に、あるいは機動的に運用されなければならないということになるわけでありますけれども、この件についてお考えをいただきたいと思います。     〔実川委員長代理退席、委員長着席〕

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お尋ねの方、まず減車についての措置でございますが、一定の事業規制のもとで事業者が現に保有する資産、この場合にはタクシー車両でございますけれども、これを行政が強制的に減少させるということにつきましては、憲法で保障されております財産権の侵害に当たるおそれがございますので、極めて慎重に考えなければならないというふうに思っております。  それから、緊急調整措置の具体的な発動要件でございますけれども、まず著しい供給過剰状態かどうかの判断基準としての指標でございますが、実車走行キロ、実車率、実働率、一日一車当たりの売上高などを私どもとしては指標として考えておりますし、それらの現時点での絶対値だけではなくて、経年変化にも着目したいというふうに考えております。  もう一つは、その上で、輸送の安全、利用者の利便の確保に影響を及ぼすということにつきましての指標でございますが、事故の件数、事業者の法令違反件数、それから利用者からの苦情の件数などに基づきまして判断をしたいというふうに考えております。これらにつきましても、絶対値だけではなくて、経年変化にも着目したいというふうに考えております。  さらに、これらは当然地域ごとに事情が異なっております。都市の立地規模、そういう立地状況、あるいは規模、展開、そういうものによって異なってまいりますので、地域ごとの事情にも十分勘案した上で、新しい制度の実施までに発動要件を具体的に定め、明らかにしてまいりたいというふうに思っておりますし、私どもの出先であります地方運輸局と連絡を密にしまして、地域の実情に機動的に対応してこれを発動できるようにしてまいりたいというふうに考えております。

今田保典民主党

○今田委員 この問題はトラック関係にもあるんですが、これまで発動した経緯はないということでありまして、関係者から言わせればあってないようなものだというような心配もされております。私は決してそうなってはならぬというふうに思いますので、やはり透明性を持った措置というものを適用させていただきたい、このように思うわけでございます。  次に、タクシー運転手の資格制度について、関係者の皆さんから言わせればこういったものをつくっていただきたいということの要望があるわけでございます。先ほど申し上げましたように、タクシー事業は運転者がすべてだというふうに申し上げても過言ではない。  こうした事業特性を考えた場合、さらには今後のタクシー規制のあり方を考えた場合、タクシー運転者の資格制度というものは不可欠なものだと私は考えておるわけであります。  この制度について、新しくそういう制度をぜひつくっていただきたいといういろいろな関係者の声もありますけれども、この点についてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたい。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 御指摘のように、タクシーサービスといいますものは運転乗務員の方の資質によるところが非常に大きいわけでございます。そのために、事業者に対しまして、関係法令や地理知識に対する指導監督を義務づけております。指導監督が徹底しないと考えられる日雇い等の短期雇用者は運転乗務員として選任できないというふうにしているところでございます。  また、先ほど申し上げました事業者の運転者に対する指導監督の具体的なあり方につきましては、今後検討して、具体的にどういう指導監督をするべきかということについても明らかにしてまいりたいというふうに思っております。  さらに、当然でございますが、運転乗務員には道路交通法上の第二種免許が義務づけられております。それに加えまして、現在、タク臨法によりまして、東京、大阪においては運転者の登録制度が実施されておるところでございます。  私どもとしましては、このような制度によって、タクシーサービスに必要な運転乗務員の資質を確保できるのではないかというふうに考えておるところでございます。

今田保典民主党

○今田委員 次に、適正化事業についてでございます。  この近代化センターという組織は、タクシーの事業特性から考えてもどうしても必要だというふうに関係の皆さんが言われております。今回、臨時措置法から特別措置法へといわば恒久化されるわけでありますけれども、やや遅きに失した感がありますけれども、基本的には賛成をするところであります。  しかし、問題点を申し上げますと、現在、東京と大阪だけの設置となっております。せめて政令都市ぐらいには設置すべきではないのかということを関係の皆さんは強く申しておるようでございます。  また、この適正化事業として効率的、効果的な運営を図るために、新たにバスの関係にできます地域協議会というものがあるわけですけれども、そのような組織を設置することも必要なのではないか。何も箱物を建てなきゃならぬという問題ではなくて、そういう協議会をつくればより効率的になるのではないかというふうに思います。  このようなタクシー適正化事業のさらなる発展というものについて運輸省はどのようにお考えなのかお聞かせをいただきたい、このように思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 タクシー近代化センターが行う業務適正化事業につきましては、御承知のように、事業者の負担金によってその経費が賄われているものでもございます。したがいまして、その事業の必要性につきましては適宜検討しなければならないわけでありまして、必要性が薄れたものにつきましてはこれを廃止する、存続させるものについても業務の効率化に努めるということは必要であると考えております。  今回の改正におきましても、このような観点から、例えば、休憩、食事施設等の設置などの運営につきましては、もう必要性が薄れたということで、適正化事業から除いたところでございます。今後とも、適正化事業のあり方につきましては、必要性につきまして適宜検討しまして、効率化に努めてまいりたいと思います。  それから、現在、東京、大阪が指定地域でございますが、それ以外の地域への拡大については、今、その地域における運送引き受けの実態でありますとか、この法律による要件となっております業務の適正化が行われているかどうかということを勘案しながら、関係者の御意見も聞いて判断してまいりたいというふうに思います。  そのような意味で、このことも含めまして、タクシー業務の適正化につきましての施策を推進するに当たりましては、関係者の協力を得ながら行わなければならないことは当然でありまして、関係者が話し合いの場を持つということについて検討してまいりたいと思っております。

今田保典民主党

○今田委員 時間が参りましたけれども、最後にちょっと、次の同志の前原さんのお許しを得まして、一問だけ質問させていただきます。  これまでタクシー事業のあり方については私なりの意見を申し上げてきましたけれども、今回の道路運送法改正案は、非常に厳しい言い方でありますけれども、残念ながらこれからの新しいタクシーを展望できるようなものではないということであります。  タクシーの現状ですけれども、今まさにもがき苦しんでおるわけであります。不景気ということもありますけれども、タクシーが悪いのではなく、悪いのはタクシー政策ではないでしょうかと言わざるを得ないわけであります。これからのタクシーのことを考えた場合に、現状の手直し、もはやそういう状況ではなく、やはり抜本的な改革が必要なんではないかというふうに思うわけでございます。  タクシーの構造そのものを見直す構造改革というものも検討すべきではないかというふうに私なりに思っているわけでありますけれども、運輸大臣の忌憚のない御意見を最後にお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 タクシーは、御承知のとおり、個別の利用者の需要に対応したきめ細やかな運送サービスを提供することができる機動的でしかも個別的な公共輸送機関だということであります。したがいまして、私は、この重要性は深く認識をしておるつもりであります。  実際、近年の高齢化社会の中におきまして、車いすのまま乗車ができるリフトつきの福祉タクシーや、介護サービスをあわせて提供する介護タクシーといったサービスが広がりを見せるなど、利用者の立場に立った多様なサービスの提供を図る動きも見られております。  同時に、経営者の皆さんも、さらに乗務員の皆さんも、高齢社会や福祉社会に積極的に貢献をされているという認識を持つことによってまた新たな創意工夫にそれぞれ御努力をいただいている、そういう状況も伺っております。  私は、今後のタクシー行政いかにあるべきかということで、先般も何人かの運転手の皆さんからも直接お話をお伺いしました。そして、実態を改めて確認をしておくといいますか、私自身が勉強しておく必要もあるという観点から、助手席に乗せていただきまして、一時間四十分ぐらい都内のいろいろな方面にお伺いをし、いわゆるタクシーで流すというか、その間ずっと運転手さんからタクシーの実情等についてのいろいろなお話を伺いました。私も、非常に参考にさせていただいたところであります。  今後、この法律が成立の後に、いわゆる事業の運営上の創意工夫がしやすくなるわけでありますから、タクシーサービスの質の向上と事業の活性化や発展が図られることを期待し、またそれらについて運輸省としても積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  一方、輸送の安全及び利用者利便の確保は、需給調整規制の廃止後もなお一層重要な課題であることから、今後とも、このために必要な措置を講じてまいる考えであります。

今田保典民主党

○今田委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 次に、前原誠司君。

前原誠司民主党

○前原委員 民主党の前原でございます。法律の議論をさせていただきます前に、大臣に有珠山の件について一言お願いをし、またお答えをいただきたいと思います。  災害という問題については与党、野党関係ございませんで、私は、今までの政府の取り組み、また運輸大臣あるいは北海道開発庁長官としての二階大臣の取り組みについては高く評価をさせていただいております。その上で、さらにという要望の中でお話をさせていただきたいと思いますし、この間も、我が党の要望をわざわざお時間をいただいてお受け取りいただきまして、ありがとうございました。  きのう北海道の堀知事が来られまして、要望をいろいろとされまして、かなり絞った点で議論をさせていただきました。  一つは、北海道全体の影響というものについてお話をされておりまして、特に、北海道は観光というものが一つの大きな産業の柱でございます。きのう、知事がおっしゃっておりましたのは、大体お決まりの観光コースがあるんだ、それは、主に道南に限ってでありますけれども、札幌、登別、洞爺それから函館、この四つの地域を一つのパックとしながら道南の観光ルートができていて、その一つが欠けることによって、かなり洞爺以外の地域においての影響が強いんだ、こういう話をされておりました。  これを、どういうふうに安全宣言をして、観光をつかさどられる運輸大臣として、北海道の観光客を呼び戻していくのかということ、この点についてまず一点。  それから二点目には、これは復旧の問題でございますけれども、大臣にも御努力いただき、ようやく動脈であります室蘭線の復旧というものにめどが立って、国道三十七号線と同等に、昼間の通行、運行というもの、これを努力いただいているということで、これについては感謝を申し上げますけれども、これをどのように確保して、またそれを広げていくのかということ。  それから、今は、長万部から倶知安、小樽を通って、札幌の方に代替のルートを見出しているわけでありますけれども、単線でございますし、駅が少ないということで、今、目名という駅に、離合の新たなものをつくっていただいているということでございますが、そういったところを含めて、簡単で結構でございますから、観光それから動脈である室蘭線、あるいは代替である函館本線、運輸大臣として、どのようにこれから、北海道知事のさらなる要望というものを受けとめて、御努力されようとしておられるのか、答弁をいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 民主党の運輸大臣であります前原委員からの大変的確な御指摘でございますが、私はまさに、今回の有珠山の噴火に際しまして、災害の復旧、その前には住民の皆さんの安全を確保するということがあることは申すまでもないことでありますが、同時に、観光関係あるいはまた産業全体に影響を及ぼす北海道の動脈が切断されておるわけでありますから、このことの回復が極めて重要だという認識を持っております。  順番に、観光から申し上げますと、先般、私は、有珠山噴火に伴う北海道観光対策連絡会議というものを、関係者の皆さんに呼びかけまして、お集まりをいただきました。  それは、旅行業者、航空、鉄道、交通事業者、またマスコミ関係、旅行雑誌の事業者、それから社団法人の日本旅行業協会、これはJATAと呼んでおる大きい方の旅行業協会であります。また、五千九百を擁する社団法人全国旅行業協会、さらに、修学旅行も極めて重要な役割を果たすわけでありますから、社団法人の日本修学旅行協会、また船も大切でありますから、社団法人の日本旅客船協会、その他宿泊関係団体等、代表者五十名の皆さんにお集まりをいただきました。  また、地元からは、北海道庁はもとよりでありますが、北海道観光連盟、北海道観光プロモーション協議会、登別観光協会、洞爺湖温泉観光協会、日本観光協会、国際観光振興会、こういう方々に緊急にお集まりをいただきまして、北海道で、確かに有珠山の周辺は危険を伴うところがあるかもしれない、この予想というのはまだなかなかつきかねる、しかし、その周辺あるいはそれ以外の北海道、これは全然安全で、まさにベストシーズンを迎えようとしているときでありますから、風評被害とか、北海道は危険だとか、あるいは火山灰がずっと空を覆っていると思い込んでしまって、旅行、観光のキャンセルが相次ぐというこの状況は憂慮すべきことだ。したがいまして、今こそ北に向かって旅をしよう、そのキャッチフレーズのもとに、関係者、一層奮起をお願いしたい。  そして、私は、阪神・淡路地震のときのこと、あるいは、私みずからの経験で、中国で天安門事件の後でございましたが、百五十人の関係者を引率して中国にお伺いする。今の民主党の奥田議員の御尊父奥田敬和先生が団長で、私が幹事長役で関係者を御案内したことがあります。半分は、安全かなということを私自身大変気をもんだところでありますが、この際やはり予定どおり実行しようと。海外からのお客様はあなた方が初めてだということで、大変喜んでくれました。十年後、先般私が中国へ参りましたら、その当時の方々、既に重要なポストについておられる方に、あのとき来てくれた、こういうことをおっしゃっていただきました。  私は、その経験も交えて、こういうときこそみんなで北海道へ行っていただくように、関係者の皆さんの御協力をお願いしたいということを申し上げました。  また、阪神・淡路の例でございますが、あの当時、いろいろな団体の皆さんがよく会議をなさいますが、その会議を阪神地域、神戸で開いてくれませんかということを私ども呼びかけたことがございます。  また、私自身が当時関係しておりました団体の常務理事会などというものを現地でやらせていただいたことがあります。早速私はそうした方々に、今度は北海道でやろう、北海道開発庁の会議とか運輸省の会議などで、北海道でやれるものは、まず先陣を切って、できるだけ、噴火の周辺でかつ安全なところを選んで、そして地元の皆さんにも元気を出していただくように、そういう配慮をしていきたい。  そして、これは何ほどの数量になるかはわかりませんが、北海道の産物を買っていただくようにということで、先日、閣僚懇談会でも発言をさせていただきまして、いろいろな閣僚から協力をしようというお話がございまして、今、政府側の連絡会議のようなものを既につくってございますし、今、北海道のあらゆる産物を扱っております。知事とも相談して、北海道経済局かなということを考えておりますが、何せあちらは災害でごった返しているところへもう一つそういうことを投げかけるということは容易なことではないのですが、私は、これはまさに、元気を出してください北海道の皆さん、そういう呼びかけのもとにこうした対応をしていきたいと思っておるところでございます。  また、今御指摘にありました、室蘭線あるいはまた国道の問題でございますが、今まさに御指摘にありましたように、すれ違い線だとかあるいは新たにコンテナターミナルをつくることによって自動車運行の距離を縮めることができますから、早く物資を運ぶことができる、こうしたことなどに対応いたしますと、大体通常の八割ぐらいまで物流が確保できるのではないかという見通しが出てまいりました。  JR北海道の社長あるいはJR貨物の社長と、先般、私、二度目に北海道に参りました際に、お目にかかりたいということで現地で協議をいたしました。双方の会社ともども経営が豊かであり余っておるというふうな状況ではありませんが、この際はどうか、北海道の物流あるいは人流の上において、この打ちひしがれたような状況に対してやはりJR貨物の役割、JR北海道の役割というのは極めて大きいということを私は激励すると同時に、政府としても必要な助成はやらせていただくからあなた方も奮起をしてもらいたいということをお願いしました。こうした期待にこたえて両社ともしっかり頑張っていただいております。  北海道知事からも大変喜んでそのことに対する連絡がありましたが、私は、まだまだ長期戦を構えなくてはならないかもしれないこの有珠山の噴火に対して、やれる手だて、考えられる範囲において、もちろん費用対効果の問題もありますが、なし得ることのすべてを実行して、関係の皆さんに早く気持ちの上でも立ち直っていただけるような対応をしてまいりたいと思いますので、御党におきましても一層の御協力をお願い申し上げる次第であります。

前原誠司民主党

○前原委員 引き続き御努力いただきたいと思いますし、私もきょうは本会議が終わりましたら北海道に行きまして、また現地の方々とお話をさせていただく中で違った視点でさらなる要望がございましたら、運輸大臣に対して申し入れをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  さて、法案の審査に入りたいと思うわけでありますが、私が初めて民主党のネクストキャビネットの運輸担当にならせていただいたときに大臣と御議論したのが、この需給調整の問題でございました。規制緩和というのは、必要なものと、それからあるいはむしろ社会的な規制というのは強化をしなきゃいけないものもあって、単なる規制緩和というものが絶対だということではないんではないか。もっとめり張りを持って個別具体的な規制の内容というものを見きわめる中で対応していかなくてはいけない問題で、その中でもこの乗り合いバス、またタクシーの問題については私はかなり慎重に扱わなければいけない問題だということをお訴えし、また議論させていただきました。  いよいよこの法案が国会に提出をされて議論をすることになりましたので、かなり細かい議論もさせていただきながら、できる限り大きな流れとしての需給調整規制の緩和、と同時に、労働者の方々あるいはその事業そのものをいかに守っていくのか、あるいは公営というものの意義と同時に、その経営基盤というものをいかに守っていくのか、そういう観点からも議論をさせていただきたいと思います。  まず、タクシーから議論をさせていただきたいと思います。今田議員と余りダブらないところで個別の質問をさせていただきたいと思います。  タクシーにつきましては、現在、一部の地域に限りまして乗務距離の最高限度というものが決められておりますけれども、交通安全の確保とかあるいは労働条件改善という観点から、こういう乗務距離の最高限度というものを定める地域というのは、今の一部の地域だけではなくて、ある程度やはり拡大をしていくべきではないかというふうに我が党は考えておりますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 私も、前原委員から就任早々規制緩和等の問題について御議論をいただいたことを記憶いたしております。  私も規制緩和がすべてだという考えではありません。しかし、大きな時代の流れであることもこれまた認識をしなくてはならないことだと思っております。そうした中で、委員もその当時も申し述べられましたが、慎重にということでありました。私も慎重の上にも慎重にということで、いろいろな角度からこの問題について検討したりあるいはまた御意見を拝聴したり、いろいろなタクシーの関連の雑誌なども読ませていただいたりいたしました。  その中で、いわゆる経営を守っていくということもこれまた運輸省として大事な仕事だと思っております。そして、これに従事する方々、つまりタクシー運転手の皆さん、先ほど今田委員の御質問にもありましたが、タクシーの場合は運転手さんがほとんどすべてだ、私もそのとおりだと思っております。それだけにこの両面をきちっと考えていかなくちゃならない。  ですから、私は業の安定も守っていかなくてはならないということを記者会見で申し上げて、ある新聞に漫画を書かれました。しかし、私は、少々のことにはひるまずにこのことは何が大事かということをやはり考えながら頑張っていこうということを、運輸省の事務当局にもそのような指導をしておるところであります。  今委員各位からずっと御意見を聞いておりましても、これでも運輸省はまだ生ぬるいということで、まだ新聞の社説に何か書かれそうな状況でありますが、私は新聞の社説を見るだけの政治ではなくて、我々は、やはり国民を代表する国会議員の皆さんの衆参両院におけるそれぞれの御議論を拝聴しながら、単に法律だけではなくて、その法律と法律の行間にある国民の皆さんの声、国会議員の皆さんの声を十分肝に銘じてこのタクシー行政を今後進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。  ただいまのお尋ねの乗務距離の最高限度の問題でありますが、私は、先ほど冒頭にも申し上げましたように、乗務員の皆さんがすべてであるこの事業からいたしますと、過労運転の防止は輸送の安全確保の観点からも極めて重要だというふうに認識をいたしております。  現在、タクシーにつきましては、交通の状況を考慮して地方運輸局長が指定する地域においては、過労運転を防止する観点から事業者に対し運転者の乗務距離の最高限度を定めるように義務づけておりますことは、委員も御承知のとおりでございます。  需給調整規制廃止後も輸送の安全の確保は私たちにとりましても最重要の課題であるという考えから、地域ごとに交通の状況の推移等を十分勘案しながら、指定地域の拡大が必要かどうかということにつきまして、地元の実情を念頭に適時判断をしてまいりたいと考えております。

前原誠司民主党

○前原委員 実態をぜひごらんいただき、また調べていただく中で、今検討していただくということでございますので、必要であれば大臣のリーダーシップでもってその点は果断に行っていただきたいというふうに要望をさせていただきたいと思います。  旅客自動車運送事業等運輸規則というものがございます。その中の二十六条、これはどういう内容かということでございますけれども、運行記録の保管等、またその記録の義務づけ、こういうものが書かれているわけでございます。  タクシーについてでございますけれども、現在は、運行時間などを自動的に記録します運行記録計の装着義務づけというものが、これまた一部の地域のみに限られております。安全確保とか労働条件の改善を図るためには、一部の地域ではあっても、装着というものが本当に適正に行われているかどうかというものの監督を厳しくすべきであると思いますし、また、先ほどと同じような観点から、この運行記録計の装着すべき地域の拡大というものもあわせて見直しをすべきではないかというふうに我が党は考えておりますけれども、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 現在、タクシーにつきましては、交通の状況を考慮して、先ほども申し上げましたとおり、地方運輸局長が指定する地域において、過労運転の防止等輸送の安全確保の観点から、適正に運行管理が行われるよう、事業者に対し運行時間等を自動的に記録する運行記録計の装着を義務づけしており、今後とも立入検査の際に厳正なチェックを行っていくつもりであります。  需給調整規制廃止後も輸送の安全の確保は最重要の課題であることは当然でありますから、先ほど乗務距離の最高限度の検討につきまして申し上げたとおり、これも同様に指定地域の拡大について必要な検討を今後してまいりたいと思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 労働省、来ていただいておりますでしょうか。労働省に二、三お伺いをしたいと思うわけであります。  「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」ということが平成元年に発令をされております。これは労働基準局長から発令をされておりまして、平成九年にそれが改正をされておりますけれども、その中に累進歩合制度というものについての項目がございます。  この累進歩合制度についてどう書かれているかといいますと、「歩合給制度のうち累進歩合制度は廃止するものとする」。これが労働基準局長から出されているわけでありますけれども、この累進歩合制度というのは、そもそもどういうものが累進歩合なんですか。その基準というか、明確な定義をちょっとこの際お示しをいただきたいと思います。

野寺康幸労働省労働基準局長

○野寺政府参考人 今御指摘の通達を平成元年に出してございますけれども、その中で累進歩合制度につきまして言及いたしております。  具体的には、累進歩合制度はいわば累進制の中でも特に段階的に上がっていく累進制度でございますので、これは、端っこからその次のレベルに上がりますと極端に賃金が上がる、こういう構造になりますので、つい上の段階に上がるために過重な労働をする、こういう形になるわけでございます。  この累進歩合制度につきましては、今の通達の中で、そういう意味で極端に走行意欲を刺激する、つまり過重な労働になりやすいということで、廃止すべきであるということで指導をいたしているわけでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 という御答弁なんですが、実態はどうかということが問題でございます。  私もそんな、すべてをお聞きしているわけではございませんけれども、タクシー業界の中では、この労働省が禁止をすべきという通達をされている累進歩合制度というものが相当広がっているのではないかという声をよく聞きますが、その点の実態把握と、またその上での対処、これを労働省としてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

野寺康幸労働省労働基準局長

○野寺政府参考人 実態でございますけれども、ちょっと古いんですが、古い中でも一番新しい調査が五十九年でございます。  これによりますと、賃金制度の中で、歩合給のみでやっております企業というのは七・七%。固定給と歩合給を組み合わせている企業が九一・一%ということになります。それ以外の、固定給だけでやっている企業というのは実に一・二%にすぎないということになるわけでございます。  この中で累進制度がどのくらいあるかということですが、その前の調査、四十三年の段階では一四・七%ございました。この調査の時点では、これが二・九%に減っております。  ただ、今後も、この問題は先生御指摘のとおり大きな問題でございますので、監督指導の中で、通達に合ったような方向で指導してまいりたいというふうに思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 済みません。ちょっと聞き逃したんですけれども、何年ですか、最新のは。

野寺康幸労働省労働基準局長

○野寺政府参考人 昭和五十九年でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 それはちょっと古過ぎるんじゃないですかね。昭和五十九年といったら、私、まだ大学生ですから。相当古いものが最新ということは、最近の実態というものがとらえられていないということであります。では、最近の実態というものは労働省として把握していないということですか。  それと同時に、もう一つ。済みません、時間を短縮するために。  その固定と歩合というものを二つ合わせたものというのは、この労働省の通達には抵触するのかしないのか、どちらですか。

野寺康幸労働省労働基準局長

○野寺政府参考人 タクシー業界だけをとらえたこういった賃金制度の調査をやったのは、先ほど申し上げたように四十三年、五十九年ということでございますが、賃金制度全体につきましては、これは毎年調査をしております。賃金構造基本調査等々、賃金制度については調査をしておりまして、そういった中ではある程度の実態を把握しているというふうに考えております。  また、後の方でお尋ねの、固定給制度と歩合制度を組み合わせた場合はどうかということでございますが、そもそもこの累進制度が問題であるということでございますので、組み合わせであろうが何であろうが、累進制度をとっていることについて着目して、それをなくすように指導してまいるということでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 実態からすると、かなり労働省が出されている通達に反した形がとられているということでございますけれども、指導をしていくということの中で、では具体的に実が上がるようなやり方というのはどういうやり方をされているのか。  あと、運輸大臣にお伺いをしたいのでありますけれども、やはりこういう累進歩合とかノルマというものの強要を排していくためには、監督官庁である運輸省が労働省と一緒になってそれについての指導というものをしっかりやっていく必要性があると私は思っておりますが、労働省と運輸大臣、それぞれお答えをいただきたいと思います。

野寺康幸労働省労働基準局長

○野寺政府参考人 タクシードライバーの方々の労働条件、単に賃金制度だけの問題ではないわけでございまして、労働時間の問題等々いろいろございます。そういった意味で、労働基準法等々が適用される事業所の一つとして、労働基準監督官が定期的に、または訴えがあれば不定期に監督をするということでございます。  そういった中で、特に賃金制度については、今申しました通達に沿いました指導をしているということでございまして、こういった意味で、問題があろうとなかろうと、監督を実施して、改善されますように努力してまいりたいと思っております。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 ただいま大変重要な御指摘であったと思っておりますが、私ども運輸省が調べております状況からいたしますと、これは平成九年末のものでありますが、今労働省から答弁がありました、賞与、退職金制度があって、月例賃金は固定給プラス歩合給、これをA型としております。B型は、賞与がなく退職金制度もほとんどない完全歩合的形態。そしてAB型、A型とB型との中間的な形態、こういうことでございます。また後ほど表をお示ししたいと思います。  全国で見ますと、いわゆる固定給プラス歩合給が四九・八%でありまして、B型の賞与がなく退職金制度もほとんどない完全歩合的な形態が一九・一%、そしてそれを組み合わせる形のいわゆるAB型が二九・八%となっておりますが、大都市あるいは中核都市、さらに地方都市、町村地域におきまして、その形態は、おおむね同じような流れでありますが、多少それぞれの地域によって変わっておるようであります。  そこで、これらのいわゆる累進歩合制度や運転者にその運送収入が一定の基準に達するように乗務を強制することは、委員御指摘のとおり過労運転につながるだけではなくて、やがてこれが交通事故にもつながる、そうしたことを考えますと、輸送の安全を確保するという観点からも問題があるという認識を私は持っております。  運輸省としましては、需給調整規制廃止後におきましても輸送の安全確保は最重要であるという認識のもとに、累進歩合制度の問題については、労働省とも相協力し、連携して事業者の監督指導に努めてまいるつもりでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 その点は、本当に二つの役所が協力し合ってさらなる努力をしていただかないと、通達ではだめだといいながら、実態ではかなりそれが広まっているということでは、一体行政は何をしているのか、またその行政に対してハッパをかける政治は何をしているのかということになってしまいますので、ぜひ通達に即した実態になるように、両省に対して、特に監督官庁である運輸省に対しては御努力をいただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、厚生省の方に来ていただいていますね、お話を伺いたいと思うわけでありますが、健保それから厚生年金についての話でございます。  労働時間が通常の労働者の四分の三未満の就労者につきましては、健康保険それから厚生年金保険の被保険者としなくてもよいという通達が厚生省から出されていますね。そのために、事業者は負担をしなければいけないというものですから、それを回避するために、定時制の乗務員と称して通常の運転者よりも一カ月の乗務日数を少なくしている、そういう例があるということを聞くわけであります。  定年後の嘱託雇用とかあるいはパートとかそういうことであればともかく、いやしくも正規雇用をそういうものに代替させていくということは問題だと思いますし、そしてまた、厚生省が考えておられた、意図していたものとはまた違うものになってきているのではないかというふうに思うわけでありますが、その点の実態把握と、それでどういうふうにされようとしているのかということについて、御答弁をいただきたいと思います。

近藤純五郎厚生省保険局長

○近藤政府参考人 先生御承知のとおりだと思いますけれども、我が国は国民皆保険制度をとっているわけでございます。そのときに大別して二つに分けているわけでございまして、常用雇用という方を対象にしました健康保険とかそれから厚生年金等の被用者保険、それからそのほかの方を対象にいたしました国民健康保険それから国民年金制度があるわけでございます。  この常用雇用というのをどうとらえるかということでございまして、この常用雇用の方につきましては事業主負担がつく、こういう形になっているわけでございます。従来から、パートタイマーとか嘱託とかいろいろな名目はあるわけでございますけれども、この名目を問わないで、就労者の労働の日数でございますとか就労の時間、それから職務の内容、これを総合的に勘案して常用雇用かどうかということを判定してほしい、こういうことで現場にもお願いしているわけでございます。先生御指摘のように、労働日数それから就労の時間というものが、平均的にといいますか、通常の同業の方に比べまして四分の三以上というのを目安にして適用をするということになっているわけでございます。  必ずしもタクシー業界について私ども十分通暁しているわけではございませんけれども、先生御指摘のような事例もあろうかと思うわけでございます。私どもは、今申し上げましたような原則に基づいて総合的に勘案して適用する、こういうことでございますので、この制度を前提にして、四分の三を緩めるかどうかというのはなかなか実際問題として難しいのかな、こんなような感じを持っているわけでございます。そういう常用雇用でない方についてこれを被用者保険の方で強制的に適用するというのは実際問題として難しい、こういうふうに私ども考えているわけでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 運輸大臣、問題は、健康保険とか厚生年金の掛金というものの事業者負担というものを回避するために要は日雇い的な形の人をふやして、そして正規雇用という形を減らしてきている、こういう状況があるわけです。  私が申し上げるまでもなく、大臣もよく認識をされているように、確かに労働者のみならず経営者を取り巻く状況も大変厳しいものがありますので、そういう方向に行くということは、これはよしあしは別として、理解できないわけではないわけでございます。  しかし、先ほどから大臣も何度も御答弁されているように、タクシーというものは非常に公共交通手段として重要だ、そしてまた一人一人の運転手さんというものがそれの屋台骨になっておられる。こういうことを考えると、やはり労働者の方々の日雇い的な扱いというものをできる限り排除していって、将来的な安定、つまり退職金でありますとか今のような健康保険とか厚生年金とか、そういうものがしっかりと担保されるような仕組みに指導をされるということが本来あるべき姿ではないかと思いますが、実態把握というのも含めて、その点について御答弁をいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 日雇いその他の短期間雇用、いわゆるアルバイトのような形で身分が不安定な労働者の皆さんは、事業者の運転者に対する指導監督が徹底されないおそれがあると思っております。このため、道路運送法に基づく運輸省令により、このような者を運転者に選任することは認められていないところであります。  通常の運転者より乗務日数の少ないいわゆる定時制乗務員についても、その勤務形態によっては、同様に事業者の監督指導が徹底されない可能性があると認識しております。  したがいまして、優良な運転手の皆さん、まじめに働いておられる運転手の皆さんも外から見ておるとこうした形の運転手の皆さんと何ら変わりはないわけでありまして、そういう人たちがいわゆる事業者の運転者に対する指導監督等に服さないで勝手な行動をとった場合でも、これは全部タクシーの運転手さんだ、こうなるわけですね。一時乗車拒否等をよく言われましたが、これは、ごく一部の人がそういうことをされてもタクシーの運転手さんみんながしているようなそういう風潮になってしまうわけであります。  まじめな運転手の皆さんが誇りを持ってこの仕事に従事していく、そういう姿を築いていくためには、私は、今前原委員御指摘のとおり、労働省とも十分連携をとりながら、こうした関係の皆さんが常に安定し、そしてかつこの仕事に従事しておるということに対する大きな期待と誇りを抱けるような、そういう産業、業界にしていかなくてはならないと思っております。  私は、冒頭北海道のお話が出ましたので今思い起こしておるわけでありますが、かつて観光の問題につきまして北海道の網走にお伺いしたことがございます。タクシーがずっと並んでおるわけです。十台ばかり並んでおりましたか。市長さんがつかつかとおいでになって、黒い役所の車をお借りして十台ぐらい集めるのは、これは何でもないことなんです、しかしそれよりも、お乗りになった人たちが何を聞かれても答えることができるようにベテランの運転手さんをみんなそろえました、どうぞきょうの運転手さんには何を聞いていただいても結構です、胸を張って市長がそう申された日のことを私はいつも思い起こすわけです。  そしてまた、私たちの友人の中にも、タクシーの運転手さんと契約して年に一回必ず北海道に遊びに行く。今度はどんなところへ行ったらいいかと相談したら、今度はこの辺へ行きなさい、このホテルがいいですよ、土産物屋はこういうところがいいですよといつも親切にしてくれて、空港まで送り届けてくれて、滞在中に飛行機の切符もとってくれる、そうした方々といつも仲間になって北海道へ行っているのですよと言う。これは今度の問題とも全く何の関係もない人でございますが、そんなことを耳にしますと、私は、やはりそういうことに誇りを持って従事している方々の日ごろの活動、また熱心な取り組みに対してうれしく思うわけでございます。  ですから、できるだけ、今前原委員の御指摘にありましたような問題につきまして、私たち自身、また経営者の皆さん、また労働組合の皆さん等とも相協力し合いながら、こうしたことに関してきちっとした対応ができるように、さらに労働省等とも十分な連携をとって対応してまいりたい、こう思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 時間が参りましたので、簡単に一点だけ御質問して、それで終わらせていただきたいと思います。  同僚の今田議員が乗り合いバスについては相当御質問をされましたので、私からは一つのポイントだけ質問をして、それで終わりたいと思うわけでございますけれども、この一般乗り合い旅客自動車運送事業の許可に当たりましては、安全確保とかあるいは安定供給の観点から、適切な事業計画、事業遂行能力などにかかわる資格要件について、厳格、厳正な審査を行うべきであると我が党は考えておりますし、またそれを確保するために、やはり最低保有車両台数について、一般貸し切り旅客自動車運送事業の例、これを、我々としては、上回るべきではないか、貸し切りは五台だと聞いておりますけれども、やはり最低でも十台ぐらいの保有台数というものを要件にすべきではないかというふうに思います。  これについて御答弁をいただきたいのと、それから先ほどのクリームスキミング、これは今田議員もおっしゃっておりますけれども、事業改善命令の発動基準というもの、これを、先ほど局長が、善悪の判断はしかねるという話をされておりましたけれども、少なくとも、事業改善命令の発動基準というものは明確化して、そしてその運用は厳格に行うべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、その点について御答弁を運輸大臣にいただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 需給調整規制廃止後におきまして、輸送の安全と利用者の利便の確保は重要な行政課題だと考えております。このため、事業の許可をするに当たっては、事業計画や事業遂行能力について厳正な審査を行うつもりであります。  また、御指摘の乗り合いバスの参入に当たっては、最低でどの程度の事業規模を必要とするかについて、今後十分検討の上、基準として公表してまいりたいと思っております。  また、クリームスキミングの問題につきまして、朝夕のラッシュのときなど特定の時間帯のみの新規参入が行われる場合、需要の少ない時間帯の運行が行われなくなるという問題が生じ、旅客の利便を阻害するおそれがあると考えております。  したがいまして、旅客の利便を確保する観点から、必要性の高い場合には、当該時間帯以外の時間帯についても運行を行うよう運行計画の変更を命ずることも含め、必要な措置を講ずる所存であります。  また、安全確保等のために事業改善命令の発動が必要な場合には、厳正に、しかも果敢に運用してまいる決意であります。

前原誠司民主党

○前原委員 このように、運輸省がこれから、法律改正後も果たされる役割というのはかなり大きいということがこの審議でわかったと思いますので、ぜひともリーダーシップをとっていただく中で御努力をいただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時十五分休憩      ————◇—————     午後一時五十三分開議

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。赤羽一嘉君。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。  タクシーまたバスの需給調整規制を初めとする規制緩和についての法案に臨むに当たりまして、経済の規制緩和は基本的には進めていくべきだ、これは私たちの党の考えでございますが、実は、午前中指摘もありましたように、すべてを規制緩和の名のもとに実行することが正しいかどうかというのはよく検討しなければいけない、社会的な規制ということの概念も同様にあわせて考えて、適切な手が打たれなければいけないということが大前提であります。  私、実は神戸市の長田区、兵庫区、北区というところが選出選挙区でございまして、この三区の中でも長田区と兵庫区というところにタクシー事業者が実は四十社ございます。逆に言いますと、あの狭いところで四十社ということでございますので、一社当たりの保有台数大体四十台前後のところが大半でありまして、震災の影響、またそれ以降の景気低迷の中で、大変厳しい経営を強いられているような状況でございます。  そんなわけで、この法案審議に入るまでに、地元の四十社、大半のところに訪問をいたしまして、一軒一軒御意見を聞いてきたようなところでございますが、そんな中で、率直に申し上げて、いろいろな意見がありました。経済の規制緩和、競争原理が導入されることは大変だけれどもやむを得ない、こういうふうに御意見を言われる経営者の方もいらっしゃいましたし、新規参入に伴う種々の危険性ということを非常に懸念される方もいらっしゃいましたし、いろいろな意見があったわけでございます。その中で、代表的なことをきょうは質問させていただきたいと思います。  その前に、とりあえずタクシーのことについてまず聞かせていただきたいと思います。  タクシーについて、参入規制とか、また、価格規制というのを長年とってきたわけでありますけれども、その規制をとってきた論拠について、これはもう政府参考人の方で結構でございますが、まず議論の最初として確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  需給調整をとってまいりました理由、論拠でございますが、タクシーにつきまして、過当競争を防止いたしまして、それぞれの企業が安全でかつ適切なサービスを安定的に供給することを期待することが目的であったというふうに思っております。  それに伴いまして、一定の競争制限を行いますから、それによって、特に割高な運賃、適切でない高い運賃が収受されることのないように、価格規制を行ってきたのはそういう理由であるというふうに考えております。  それから、結果としてでございますが、そういう需給調整をやってきた結果、バスにつきましては、特に路線で運営をいたしますので、先ほど御議論もございましたが、需給調整の結果として地域独占を前提とした内部補助というものが期待されたことも事実であろうと思います。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 そういった規制が一定の役割を果たしてきた。その規制を、今回の国会で、この法案を提出することによって緩和を行う。今まで効果があった、役割を果たしてきた規制を緩和するといった判断に至った論拠を御答弁願います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  先ほどの論拠は、輸送需要が右肩上がりに増加していた場合には安定的なサービスの提供に役割があったということでございます。ただ、その一方におきまして、近年のように需要の増加が見られない状況のもとでございますと、事業の遂行の能力と意欲のある事業者の参入、事業拡大などが制限を受けまして、事業全体の活性化を阻害するというマイナス面がございます。そういうことで、旅客サービスの改善が図られにくくなったという点を私どもとして認識してございます。  そういう観点から、需給調整を廃止いたしまして、業界の中で、基本的には経営判断に基づいて、参入、経営規模の拡大等によって適正な競争が行われる、経営努力をする事業者が残っていくような制度として事業の活性化と発展を期待したいということが、今回の判断でございます。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 今回この法案が成立した暁に、今御答弁がありましたように、需給調整の規制を廃止する、その中で、タクシー業界で適正な競争が行われ、経営努力をする事業者が残っていくような制度を構築して、タクシー事業の活性化と将来の発展を期するのだ、こういう目的が確認されたわけでございます。  その中で、午前中も若干出ておりましたし、地元のタクシー事業者の皆さんも一様に一番心配されていることは、免許制から許可制にすることによる新規参入が予想されること。運輸省として、どういった業種からの新規参入を予想しているのですか。そういった予測があればお答え願いたいと思います。  その質問の背景は、規制緩和が行われる、しかし、今これだけ経営状況が厳しいこの業界に、だれでもかれでも参入してくるということは予想しにくいわけであります。しかし、それでは余り規制緩和の意味もありませんし、どういったところが新規参入してくると予想しているのでしょうか、お答え願いたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 行政の方で軽々に予測をすることは差し控えたいと思いますが、私が予測し得る範囲で申し上げますと、議論にもございましたように、一定の運行管理、それから当然必要な車両、車庫、そういうものを整えて必要な乗務員を確保した上での参入でございます。  そういう観点からいたしますと、私どもがあり得るなと思うのは、当然、他の地域で既にタクシーを営業している事業者、あるいは同種の自動車運送事業、例えばバス、トラック、あるいはこれは運送事業ではございませんが、施設を保有しているレンタカー事業者、そういうものが地域を超えての新規参入について検討をしているのかなというふうには思っております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 それで、午前中の質問にもありましたが、暴力団の参入をどれだけ規制できるか、こういう心配をされているところが多いのですね。  午前中の局長の御答弁ですと、暴力団がタクシー業界において問題を発生させているという具体的な事実関係が必要になる、こういった御答弁がございましたね。ですから、これは基本的には暴力団の新規参入というのを阻むことは法律上では難しい、こういう御了解なのかどうか、確認したいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 暴力団を許可の欠格事由に指定するということは、私どもの検討の中でもちろん考えられなくはないわけでございますけれども、基本的に、職業選択の自由を奪う、一定の者を一定の職業につかせることを禁止するということについては、極めて慎重な検討が必要でございます。  午前中申し上げたことも、一定の事業につきましては、もともと暴力団がその事業の発展にかかわっていたとか、暴力団がその事業に現に携わっている、そういう事実が認められる場合には、暴力団対策法あるいはそれぞれの事業法によって参入を明定する場合がございますが、タクシーにつきましては、そのような事実はないのではないかというふうに考えておるところでございます。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 この通常国会に提出されております港湾運送事業法の一部を改正する法律案、これからこの法案も審議するわけですけれども、「港湾運送事業の免許又は許可の欠格事由の見直し」という欄に「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定」云々ということが入っているわけですけれども、タクシーの方にはこの部分を入れずに港湾運送事業法の方には入れる、この辺の違いというか、整合性はどう理解したらよろしいのですか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 先ほど申し上げましたが、港湾運送事業、そういう一定の事業につきましては、その事業の発生、発展、そういう中で暴力団とのかかわりがあったという経緯の中でそういうような規制がとられたというふうに私どもとしては承知しております。たまたま同じ時期にこの法制を検討いたしましたので、港湾運送事業あるいはタクシーについて、それぞれ政府部内において、そういう明らかな規定を置くべきかどうかについて十分に検討しましたけれども、港湾運送事業には必要であり、タクシーについてはその必要はないという結論になったわけでございます。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 今の局長の御答弁で、これまでの経緯の中で、今回タクシーの中にはそういったことは盛り込まないということであります。  大臣に一言お願いしたいのですが、地元の事業者というか、全国のタクシー事業者は、この点については一様に心配をされております。ただ、暴力団だといって、冠を出して参入してくるところは当然ないわけで、阻止すること自体非常に難しいというのは、これはよくわかることでありますので、参入した後、問題が出てきたときに、適正な、または厳格な対応を運輸省としてもとっていくということをこの委員会でぜひ御明言いただきたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 そういう事実が生じました場合に、社会正義に照らし、徹底的に対応したいと思っております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 次は増車、減車のことについて確認したいのですが、今この業界にはいわゆる預かり減車というのですか、私もこれを聞いて何のことかなというふうに思いましたが、減車をする際、一回減車をしてしまうとさらに再び増車をすることは非常に難しくなるということで、とりあえず預かるという形をとって、形の上では減車にはしない、こういった暗黙のルールがあるようでございますけれども、今回の法律が成立するとこういった制度は実質上廃止される、増減車は自由化されるということを確認しておきたいのですが、御答弁をお願いします。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 預かり減車の趣旨につきましては、今委員お話しのとおりでございます。需給調整を行っております場合には、輸送需要と供給輸送力を対比して需要が上回っている場合にのみ増車が認められますものですから、そういう場合でない場合には増車が認められない、そのために預かり減車というような制度が出たわけでございます。  今回私どもが提案しております制度の趣旨は、基本的には、必要な運行管理の制度あるいは必要な車庫、そういうものが確保されている限り、増車というものは経営判断によって行うことができるということでございますので、預かり減車というような制度の必要性がなくなるものというふうに考えております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 そうしますと、総台数の増減というのはどのように予想されていますか。地元の神戸の地域だけかもしれませんが、実態としては増車するところが多くなるのではないか、四十台ぐらいのところというのはもうちょっと台数をふやして営業した方が経営効率が上がる、こう考えておるところが大半だったと思います。その点、総数はどうなると予想されているのか、ぜひお答えください。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お話しのように、タクシーにつきましては、増車に伴う固定費が小さいこと、それから歩合制賃金のもとで増車を行えば事業者の収入も幾らかは増加をいたしますので、事業者の増車の意欲が強いという特性はございます。特に、今のような経済状況のもとでも、事業者は売り上げを確保するために、むしろ増車を行えば少しは収入増を期待できるのではないかという考えがあることも事実でございます。  ただ、一方、私ども考えますに、需要が低迷する中で、運転者、乗務員の収入が下がってまいりますと、運転者を確保するということが容易である状況がそう続くのかどうかという点がございます。そういう意味で、もちろん増車の意欲が事業者にあっても、運転者の確保がどこまでされるのか、運転者の確保がされなければ増車というものはできないわけでございまして、際限なく増車が続いていくのかどうかということについては、私どもとしては疑問も持っております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 確かに、今水揚げが非常に厳しい状況の中で、東京なんかとは違い、神戸の場合なんかは運転手の確保はなかなか難しい。これはどこの事業者の皆さんに聞いても、そのようなお話が再三あることは事実であります。  ですから、総数、いわゆる需給バランス、今でも車は多い状況であろうというふうに私たちは感じておりますが、それがさらに多くなることに対する懸念と、もう一つは、運転手の数がふえればその質はどうしたって、これは一般論として何でもそうですが、量がふえれば質は一般的には下がる、こういったことをどう解決していくかということが非常に問題だというふうに思っております。  この参入規制も含めた需給調整規制を緩和することによって、運輸サービスを低下させないということでこれまで種々の規制をしてきたという冒頭の御答弁もあったわけですけれども、今回の規制緩和によって、運輸サービスの低下につながる懸念というのはないのかどうか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 一つは、運転者の資質の低下が懸念されるという点でございますけれども、私どもとしましては、午前中の審議にもございましたように、運転者に対する必要な事業者の指導監督、あるいは一定の地域における資格試験、登録、そういうものを通じて一定の運転者の資質というものを確保してまいりたいと思いますし、それによって、利用者の利便が損なわれるような運転者を排除できるものというふうに考えております。さらに、事後的にも、利用者にとってふぐあいな対応をする運転者に対して、事業者を通じてペナルティーを科するということも制度としてございますし、私どもとしましては、そのような事後的なチェックにつきましても十分対処してまいりたいというふうに思っております。  一方におきまして、そういう一定の資質を私どもとして事業者を通じて確保するという努力の中で、繰り返しますけれども、いい意味での競争によりまして、いい資質の運転者の方を確保した意欲のある事業者の方がいいサービスを展開して、単なる同じサービスではなくて、お客さんがサービスの差異を、違いを見出してタクシーを選んでいくということによってよりよいサービスが展開していくということを期待しているわけでございます。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 まさに今、タクシーの難しさというのは、いいタクシー会社を選んで乗ることがなかなか難しいといった状況があると思うんです。午前中の質問にも出ていましたが、いわゆるタクシー適正化センターというんですか、今はまさに近代化センターが東京と大阪にあるわけですけれども、これは、政令都市ぐらいにまずふやした方がいいんじゃないか。それも、国、地方公共団体も関与するような形で、法律上の関与だけではなくて、もうちょっと関与するような形で、このタクシー会社は上質だとか、そういったことが認定をされることが、今局長の御答弁にもありました、そういった一生懸命やっているサービスのいいところがそれなりの結果を得るというようなことにもつながるんではないかというふうに思います。  タクシー適正化センターと組合の方は呼んでいるわけですけれども、そういったものの機関の設置なんというのは展望されているのかどうか、お答え願いたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 先ほど申し上げましたように、いいサービス、安全なサービス、そういうものを選べるようにするためには、行政の役割の一つとして、そういうサービスを行っている企業をできるだけ広く紹介をしていくということが私どもの仕事の一つであろうかというふうに思っております。そういう意味で、運輸省直接といたしましても、大臣の指示もありまして、これはバスも一緒でございますが、全国津々浦々で一生懸命前向きの努力をしていいサービスを展開しようとしている事業者を私どもとして収集いたしまして、これからでありますけれども、広く世の中にお示しをしていきたいというふうに考えております。  今委員おっしゃられましたように、もちろんマイナスの面、プラスの面、両方あるわけでございますが、この事業者は例えばこういういいサービスを行っております、事故もこれだけ続いてございませんというようなこと、あるいは逆に、ここはなかなか難しいわけでございますが、この事業者の方は事故が最近ふえております、ワースト何とかでございます、そういうようなことにつきまして情報公開をしていくということが行政の役割であり、行政直接でなくても、そういうことについて私どもとして検討してまいりたいというふうに考えております。そのことによって利用者がよりよい選択ができるということを私どもとして目的としてまいりたいというふうに思っております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 わかりました。  そういった法案の内容となっている中で、今回、緊急調整措置の項目を設けて、行き過ぎた状況をつくらない、そういった、ある意味ではストッパーの措置がされるということになっておりますが、午前中、この緊急調整措置の発動要件という御質問が各委員から出ておりました。その指標について御説明があったわけでありますが、まず、いわゆる著しく過剰となっているというふうな文言になっておりますが、現在の状況、例えば東京はこの著しい供給過剰というふうな判断にあるのかどうか、その辺がまず食い違っていると話が難しくなる。東京のことは私よくわかりませんが、神戸の事業者の皆さんに聞きますと、実車率はほとんど四〇%から四二%ぐらい、基本的にはこれではとても経営できないというような状況です。当然、運転手の水揚げも、生業ではやっていけない、副業で、昔乗っていた人が定年退職をして、年金をもらいながらの乗車というか、そういったことでなければとてもじゃないけれどもやっていけない、こう言われるところが多かったわけです。  そういう意味で、実車率でどのぐらいということでもよろしいのでありますが、著しい供給過剰状態かどうかということ、現状はそういった中でどう認識、判断されているのか、お答えを願いたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 午前中申し上げました緊急調整措置の発動に私どもとして考えております要件、実車走行キロ、実車率、実働率、売上高、そういうものにつきまして、例えば実車率で申し上げますと、今申し上げましたように、東京は四五・一%という状況でございます。一〇〇のうち、お客を乗せている率が四五%だということでございます。私どもとしましては、この状況が著しい供給過剰かどうか、それから、もう一つの要件として、輸送の安全、利用者の利便の確保に困難となるか否かにつきまして、判断基準、要件として定めたいということを申し上げたわけでございます。  東京のこのような状況、平均して四五%の実車率であることが、一つは、供給過剰として輸送の安全や利用者の利便の確保が困難となっているのかどうかということについては、いろいろな御意見があると思うわけでございます。一定の盛り場あるいは駅前等にはタクシーが並んでおります。そのことの評価につきましても、非常に利用しやすくていいという利用者の御意見もあり、運転手さんから見れば、お客さんが少ない、苦しいという評価がございます。それから、周辺部の住宅地におきましては、まだまだタクシーはなかなかつかまえにくいという状況も皆無ではありません。  そういう観点から、一つ一つの地域の都市構造なり利用者の利用の実態によって、地域によって違うと思いますので、私どもとしましては、それぞれの地域の、先ほど申し上げましたいろいろな指標のこれまでの推移、現状、経年変化、そういうものと、それからトラブル、安全についてのそういう指標の経緯、現状につきまして総合的に判断をしてこれを決めなければならないというふうに考えておりまして、国会での御議論、これはいろいろな御意見があると思いますが、関係者の御意見を引き続きよくお聞きしまして、具体的な発動要件を決めたいというふうに考えております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 その具体的な発動要件の絞り込みというのは、どの単位で決定されるんですか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 地域の単位につきましては、余り狭く設定いたしますと、例えば、緊急調整措置に隣接する地域において、対象の地域では新規参入や増車が禁止されるわけですけれども、隣接地域で新規参入を活発に行いまして、片足主義といいますか、その地域から隣接する対象となった地域に旅客を運送してくるというようなことになりますと、緊急調整地域を指定した趣旨が没却されるわけでございます。そういう意味で、今度は、余り広過ぎますと、先ほど申し上げましたような具体的なその指標というものが薄まってしまいまして、意味をなさなくなるのではないか。  そういうことで、旅客の流動でありますとか経済圏でありますとか、一つはもちろんタクシーの営業区域、これは全国に八百というある意味ではかなり狭い地域でございます。そういうものをよくにらみまして、どのような単位で発動すべきか検討したいというふうに考えております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 これは質問ではないんですが、その件に関しまして、例えば、実車率五〇から五五%の部分を維持されているのが事業者もまた利用者も一番いいのではないかという意見が多かったということをここで報告しておきたいと思います。事業者の皆さんも、五五%を超えれば、それは経営上はいいんでしょうけれども、そうすると、やはり乗車拒否とかそういった問題がどうしても出てくるので、五〇から五五ぐらいが適正なのではないか。今の四五を下回るような状況というのは極めて厳しい状況だということを御報告しておきたいと思います。  また、今回の規制緩和について種々意見がありまして、一つは、新規参入ということについてはちょっと待ってほしい、その前に、この業界の中での増減車を自由にするというようなことでやっていただいた方がより混乱しないのではないかという意見もありました。これも御報告にとどめさせていただきます。  また、もう一方では、ある意味で壮大な実験をするのであれば、年限を区切って、運賃も含めてすべて自由にしたらどうだ、こういった意見を言われている事業者の方もいらっしゃいました。その中で問題点を見つけて、かなり荒っぽいやり方かもしれませんが、そういったことをやるべきではないか。規制緩和といいながら、運賃について手が入らないというのはどうなのかなという疑問を呈していた事業者もいたということを報告させていただきます。  最後に、経営状況が厳しいこの業界の中で、前回の交通バリアフリーで、この委員会でもいろいろ議論がありました。まさに附帯決議にもありましたが、高齢者社会を迎えるに当たって、このスペシャル・トランスポート・サービスの重要性というのが出てくるだろうということの中で、タクシー業界の皆さんに期待する役割というものは当然大きくなるわけであります。  そういったことを感じながら、福祉タクシーに進出をしようとしている方が結構多かったんですが、これは前回の委員会でもちょっと言いましたが、一台の改良費も二百万円ということで、今の経営状況の中で、やりたくてもなかなか経済的に難しいといった声も多かったわけでありまして、これは、運輸省の財布が限られている中で大変厳しいと思いますけれども、そういった福祉タクシーというものに進出できるような補助事業というか、これは運輸省に言うよりも本当は大蔵省に言わなければいけないかもしれませんが、運輸省としても、ぜひ省を挙げて支援をしていくという形をとっていただきたいというふうに思いますので、最後にその点についての大臣の御答弁をいただいて、終了したいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 高齢者、身体障害者を個別にあるいはこれに近い形で輸送するサービス、いわゆるSTSの重要性につきましては、本会議におきましてもたびたび御質問をいただいておりますし、また当委員会におきましてもいろいろと御意見がございました。  地域の高齢者、障害者の輸送サービスとして、リフトつきで車いすや寝台のまま乗車できる福祉タクシー事業の役割等も大変重要だと認識をいたしております。  現在、福祉タクシー事業に使用するリフトつき車両の導入に当たっては、税の軽減措置を講じているところであります。  また、平成十一年度第二次補正予算におきまして、先駆的福祉タクシー車両の購入費の一部を地方公共団体を通じて補助する福祉輸送促進対策事業を行ったところであります。  今後とも、福祉タクシーサービスの充実のために、地域の福祉行政と協力、連携を行うことが重要であると認識をいたしております。  なお、赤羽委員もタクシー事業者の皆さんのところにみずから足を運ばれていろいろ御調査をいただいたようでございまして、敬意を表したいと思います。  実は、名古屋では実際に、つばめタクシーといいまして、お年寄りで徘回をしておられるような人があればすぐ連絡がとれるような装置をつけていただいておりますので、タクシーが最寄りのところから駆けつけて、そしてそのお年寄りをお乗せしてまた御自宅まで送り届けるというふうなことを制度として導入して頑張っておられるようでございます。  私はそれを見た瞬間に、これは全国各地においてこうしたことが行われているはずだ、それをひとつ運輸省の出先の運輸局で調べてもらうことがよかろうと思って、北海道から九州まで、自分で局長に手紙を書きまして、その実情等、地域の福祉タクシー等の芽をよく見定めて報告を願いたいということを申し上げました。  今ここに、北海道から九州まで、きょうはここで御披露する時間はございませんが、いろいろな工夫を凝らして、そしてまた規制緩和の後の対応として、既にそれぞれタクシー事業を営んでおる方々が、新しい感覚を持ってこれからの時代に対応できるように工夫をしよう、そういう息吹が察せられるわけでございます。  私ども、これに対しまして、ただいま赤羽委員が御指摘になりましたようなことを十分踏まえて、運輸省として、いかにして奨励していくことができるか考えてみたいと思っております。

赤羽一嘉公明党・改革クラブ

○赤羽委員 ありがとうございます。終わります。

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 次に、平賀高成君。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 日本共産党の平賀高成でございます。  私は、道路運送法及びタクシー業務の適正化臨時措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。  九七年度におけるハイヤー、タクシーの利用者は年間二十六億一千五百万人で、国民一人当たりの利用回数も二十・八回ということで、タクシーは、公共輸送機関として国民生活に密着をしております。  公共輸送機関の最大の社会的使命というのは、人命を安全に目的地まで送り届けることだと思います。その安全輸送を初め、利用者へのサービスは、タクシー労働者の労働条件の改善と良質な労働力の確保ということが密接不可分の関係にあります。  私は、タクシーの社会的公共性の確保のためにも、適正な車両規制というのは必要だと思っております。  運輸省は、九三年十二月二十二日に、「一般乗用旅客自動車運送事業の期間限定減車に関する取扱いについて」という減車の指導通達文書を関東運輸局長の名前で出しております。これは、この関東運輸局だけじゃなくて、ここを初めとして、全国的にこの減車の通達が出されたわけです。  タクシーの供給過剰の状況にあることをこの時点で運輸省は認識していたと思うのですが、これはそのとおりなんですね。局長に質問をします。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答えを申し上げます。  平成五年のこのような措置につきましては、需給調整措置の需給調整規制のもとで、タクシーの供給と需要を調整する具体的な取り扱いとして行われたものでございます。  この期間限定減車というものにつきましては、先ほど申し上げましたように、需給調整のもとでは、通常、一たん減車をしますと増車がなかなか難しくなっていく、そういう中で需要と供給を調整するために期間限定という形で調整をしたものというふうに考えております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今の答弁で、確かに期間限定ではあっても、その時点ではタクシーが供給過剰だというふうに認識をされていたのかどうかについて、明確に答えてください。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 需給調整を行っている制度のもとで、需要と供給につきましては、供給過剰であるという認識のもとで行ったものというふうに考えております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 ところが、タクシーが供給過剰にあるというふうに認識をしながら、九七年には、平成九年度以降の当面の規制緩和措置ということでそれを実施しまして、タクシーの慢性的な供給過剰状態を一層深刻化させてきたわけです。  東京都内の法人タクシーは、消費不況が長期化をしている中で、過去五年間で約二千五百台もタクシーを増加させてきました。それから、全国ではこの三年間で五千六百台も増車をしました。運輸省は、九七年に新しい規制緩和の方針をつくって、この基準でタクシーをふやしてきましたけれども、この新しい基準によりまして全国的にタクシーが供給過剰になって、九九年度には全国でわずか一台しかタクシーの増車枠が認められなかった、こういうことになっているわけですが、この点は間違いありませんか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 平成九年度におきまして全国で四千百三十九台、平成十年度におきまして千四百二十七台の増車があったということは事実でございます。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 もう一回確認ですけれども、これは全国で新しい規制緩和の基準によってずっとふやしてきまして、しかし、九九年度にはわずか一台しか増車ができなかった、こういうことになったんですかということを私は聞いているのです。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 平成九年度は、先ほど委員のお話のように、一・一、平成十年度、十一年度は一・二の増車枠というものを設定いたしました。その結果として、平成十一年度は、増車の台数としては一台であったということでございます。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今答弁があったように、この間、一回目は、今までの需給調整によってやってきましたけれども、タクシーがふえて減車の指導をやった、これが九三年の十二月です。それから二回目は、九九年度には、これはもう全国でふえ過ぎて一台しかふえなかったということ、にもかかわらず、今度規制緩和で、大臣、まだふやそうとしているわけです。  それで、この供給過剰がどれぐらいひどいものか、北は札幌の交通圏から南は鹿児島の交通圏まで、全国主要な十八カ所の交通圏を私はちょっと調べてみました。大体、交通圏といいますと、全国で一千カ所ぐらい交通圏がありますけれども、主要な十八カ所のものだけちょっと私は調べました。とにかく、すべての交通圏で供給過剰になっているわけです。  例えば東京では、過剰率が二七・四%で、過剰台数が五千五百五十八台です。それから大阪でも、過剰率は六三・六%、過剰台数が五千百十台というように、本当に大変なタクシーが余っている、こういう状況に今なっているわけです。  そこで、大臣に質問しますが、こうした実態というのは、政府の規制緩和によって政策的につくられた供給過剰だと私は思うのですが、どのようにお考えですか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 事業の活性化のためには、事業への参入や事業規模の拡大等について、事業者みずからが経営判断に基づいて決定することにより、よりよい意味での競争を行うことが基本だと考えております。  このような考え方に立って、平成九年三月の規制緩和推進計画に基づき、平成九年度以降、タクシーの需給調整規制の弾力化措置を行ったところであります。  この弾力化措置に基づいて、事業者は、それぞれの経営判断によって増車等を行ったところでありますが、その後の輸送需要の低迷により、今日の厳しい経営状況等があらわれているものと考えております。  しかし、あくまでもこれは経営者の判断の余地を広めたものでありまして、運輸省が何か政策的にそういうことに導いたというふうな意味の今のお話でございましたが、私たちは、あくまでも経営者の判断に基づく、このように考えております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 それは明確な間違いだと私は思います。  私もいろいろなタクシーの経営者の皆さんともお話をしましたけれども、確かに、規制緩和が行われて、タクシーへの参入が自由になるということになりまして、これはあくまでも競争をやっていますから、確かに、減車をすることも可能ではあるかもしれません。しかし、競争をやっているからには、タクシーの台数を減らしたら、これは収益が減るわけですから、企業全体としてはどんどんしぼんでいくということになります。  ですから、事業者の方のお話を伺いますと、規制緩和されたら、当然、競争の原理に基づいて、タクシーの台数をふやさざるを得ないということを言っておられました。  今大臣、事業者がいわば事業者の判断でふやしたんだと言いましたけれども、そういうふうな政策を進めていったのは運輸省の責任じゃないのですか。この点、どうですか。大臣に伺います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 いっときは、タクシーに乗るといっても、なかなか思うような時間にタクシーはやってまいりませんし、雨の日などはほとんどタクシーに乗ることができないというような状況が続いた時期もあります。  また、タクシーの権利が随分売買の対象となって、私はその当時は外から見ておったわけでございますが、やはりもう少しタクシーを自由にそれぞれの経営者が増車できるような状況が望ましいということを考えたことも、率直な事実として、私はみずから記憶をいたしております。  この供給過剰の状態というものについては、今日の経済状況もありますが、今後、規制緩和によって、経営者みずからの責任において、おのずから減車されるものは減車されていきますし、そしてまた新たな利益を求めて、自動車の車体そのものが広告の媒体として活用されたり、先ほども申し上げましたが、福祉タクシー等いろいろな活路を求めて自由競争の中でそれぞれ工夫を凝らしていくわけでありますから、私ども、今度の規制緩和を行うことによって、タクシー業界そのものは今御心配いただいているようなことにはならないものと判断をいたしております。  今回のこの法律の提出に際しましても、事務当局はもとより、私どもも再三にわたって、全国のタクシー業者の皆さんあるいは労働者の皆さんから御要望や陳情等もございましたが、早くこの法案を通してもらって、そして規制緩和をしっかりやってもらいたいという声の方が多いというふうに判断をいたしております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 もう一度伺いますけれども、私が聞いているのは、そもそも九七年に、平成九年度以降の当面の規制緩和措置というものを運輸省としても出しているわけでしょう。そういうふうなものに従って事業者が判断をしているかもしれませんけれども、少なくとも、今日のこういうふうな状況をつくった、そういう規制緩和をやったということ、それ自身もお認めにならないんですか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 補足して申し上げます。  平成九年に、規制緩和推進計画に基づきまして需給調整規制の弾力化措置を行ったところでございます。これは、今回御提案をしております需給調整の廃止に向けて、段階的に規制緩和、需給調整規制の緩和をしていくことによって、事業者の経営判断によって経営規模を決めていく、需給調整のもとでない経営規模をみずからが決めていくということについてのいわば移行的な措置として私どもは講じたものというふうに考えております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 そういうふうな責任逃れということでしたら、今回の法案だってどうなることかさっぱり私は責任持てないと思いますよ。  それで、そうした過剰状態によって、実際の問題としてどういうことが起きているのか。特に、今回の法改正で免許制から許可制に変わります。それで新規参入の増加によって、慢性的な供給過剰な状態が一層深刻になっていくと思います。各事業者は運賃の値引き競争をこれで余儀なくされて、しかし実際には営業費の八割が人件費というのがタクシー業界の実態ですから、どんな状況になっても、会社は、これは確実に収益が上がる、そういう賃金体系に移行せざるを得ない、そういうことになっていくと私は思います。  私も実際に聞いた話なんですけれども、会社は、償却費、タクシー一台について最低でも二十万どうしても取りたい。ですから、あるタクシードライバーの方が、頑張って一カ月に六十万の売り上げを取った、そうしたら会社は大体四割ぐらい取って、六十万の四割ですから二十四万ぐらい、六〇%はその運転者のものだ。五十五万の売り上げのものに対しては、大体四割ですから二十万ですから、六割、これもタクシーの運転者の収入になっていくというふうにして、リース制だとか累進歩合制だとか、どんな賃金体系になろうが、会社の一台当たりの収益がちゃんと上がればあとはどうなってもいいんだ。こういうふうなことが実際の現場ではやられているわけですよ。  それで、例えば、タクシーの労働者の年間平均労働時間というのは、九七年度で二千五百十五時間です。それから平均年収は、九八年度で三百二十七万二千円です。最高時の九一年の三百八十二万二千円から約五十五万円も年収が下がっているわけです。十一年前の水準です。その一方で、タクシーにかかわる人身事故が、最低時の九一年より四千件もふえて、今やもう二万件も突破をする、こういう最悪の事態になっています。  それぞれのこうした実態を、運輸省、承知しているんでしょうか。各数字をちょっと言ってもらいたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 今委員がおっしゃった数字と少し違うのかもしれませんが、平成十一年におけるタクシーの運転者の年間労働時間は二千三百八十八時間というふうに承知をしております。  年間賃金でございますが、タクシー運転者は十一年度におきまして三百四十四万円というふうに承知をしております。  それから、事故率でございますが、平成十年の数字がございますが、二万八百七十二件というふうに承知をしております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 実車率はどうなっていますか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 実車率につきましては、平成十年度、全国平均で四六・九%というふうに承知をしております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今回の規制緩和で需給調整をなくして許可事業になるわけですが、このことによって新規の参入や車両が増加することになると思いますが、これに間違いありませんね。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  タクシーにつきましては、増車に伴う固定費が小さいことや、先ほどお話ございました、歩合制賃金のもとで増車を行えば事業者の収入も増加するということから、増車意欲が強いという特性はございます。特に、近年のような経済状況のもとで需要が低迷した場合においても、事業者は、売り上げを確保するために、需給調整のもとでございますので、減車は考えず、むしろ増車を行う傾向もございます。  ただ、一方、需要が低迷する中で、運転者の賃金が、先ほど委員からも御指摘がございましたように低下傾向にございます。近年では運転者の確保が困難となりつつある状況にもなっておりまして、このため、私どもとしましては、増車意欲が強いという特性、しかし運転者の確保は容易でないという状況、そのことを両方考えれば、増車が際限なく行われるということはないのかなというふうに認識をしております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 増車する可能性が高いといいながらも、限りなくにはならないんだというふうに言っていましたけれども、では、今回この法案の中に緊急調整措置を入れた理由は何ですか。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 今回私どもが提案をしております制度は、基本的には経営規模、新規参入というものが経営判断によって行われる、市場を見て経営者が決めるということに基本的にゆだねるべきであろうということでございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、二つのことがございましたが、タクシーについては、その特性から増車意欲が強い、著しい供給過剰になって、かつ利用者の利便、安全を損なうようなことがあるおそれがある、そういう場合に、いわばそのときの特別の措置、非常時の措置として、増車、新規参入を停止する措置を講じておくことが法制度として好ましいと考えたわけでございます。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 やはり増車する可能性があるからこそそういうふうな体制をとらざるを得ないということですから、これはふえていく可能性が極めて高いわけです。それで、現在でも供給過剰という異常な状況が続いていくわけで、規制緩和により一層タクシーの台数がふえていくわけです。  そうすると、一台当たりの水揚げが下がって、タクシーの運転手の方々はそれをカバーするために一層長時間の労働を余儀なくされる、これが今の状況になっていると思います。そうしますと、これは安全をいよいよ脅かすような状況に進んでいくのではないかと思いますが、大臣、この点についてどのように考えていますか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 タクシーのみならず、およそ公共交通機関において、安全を守るということは何よりも第一でありますから、労働省等とも十分連携をとって、安全を損なうようなことのないように、雇用対策におきまして十分配慮してまいりたいと思っております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 配慮すると言われましたけれども、タクシーの台数がふえればふえるほど過当競争になっていくわけです。  例えば運転手の方に聞きますと、何とかお客さんを確保するために、お客さんが乗った場合は、少しでも早くこのお客さんの目的地まで行って、なるべくたくさんのお客さんに当たるチャンスをつくりたいということで、お客さんを乗せたときはスピードアップ、お客さんがいないときには、なるべくちゃんとお客さんをつかまえることができるようにということでスピードを落とすという状況になっているわけです。  規制緩和によってタクシーの台数がふえて、いよいよ水揚げが下がるような状況になってきたら、これはますます安全問題が危うい状況になるんだというのが今のタクシー業界の実態じゃないでしょうか。  それで、私は、全国乗用自動車連合会の交通事故防止委員会の調査結果がありますので見ましたけれども、これによりますと、東京都内の法人タクシーの九〇年の事故発生件数は二千八百三十件で、特別区、武蔵野、三鷹地区の実車率は五五・四%でありましたが、これが七年後の九七年には、事故件数が四千八百十三件、実車率は四六・八%。この八年間の中で事故件数が一・七倍となる一方で実車率が八・六%も減少した、こういう状況になっているわけですね。  ですから、規制緩和をやって、タクシーの台数がふえて、実車率がどんどん下がれば下がるほど事故の件数は上がるのだ、これが今のタクシーの実態です。  大臣、所信表明演説からずっと聞いてきましたけれども、タクシーの安全問題というのはまさにこういう問題が一番中心問題なのだということは多分御存じだと思いますけれども、この点について大臣の見解を私は聞いてみたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 あらゆる施策を講ずる場合におきましても、私どもは、安全は絶対おろそかにしてはならないという方針のもとに、タクシー業界におきましても、規制緩和の後において、ただいま委員御指摘のような状態にならないように厳重に指導してまいりたいと思っております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 そういうふうな明確なデータに基づいて労働組合や関係する方々が言っているわけですから、この安全問題に対してはぜひ一層厳格な態度で臨んでもらいたいということを改めて私は要請しておきたいと思います。  それから次に、緊急調整措置について質問をいたします。  政府は、需給調整の廃止のかわりにこの緊急調整措置をとるということになっておりまして、特定の地域において供給輸送力が輸送需要量に対して著しく過剰となり、当該地域における輸送の安全及び旅客の利便を確保することが困難となるおそれがあると認められるときは、期間を定めて新規参入及び増車を認めないこととする緊急調整措置を講ずることができる、こういうふうになっております。  この緊急調整措置というのはトラックの緊急調整措置を参考にして書いたというふうな説明を私は受けましたが、トラックの緊急調整措置の発動基準、要件は一体どういうふうなものになっているのか。それから、今までトラックの緊急調整措置が発動されたことはあるのかどうなのかについて聞きたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 貨物自動車運送事業法につきましては、緊急調整措置について、特定の地域において供給輸送力が輸送需要量に対し著しく過剰となっている場合であって、当該供給輸送力がさらに増加することにより、貨物運送事業者のうち、当該特定の地域にその営業区域の全部または大部分が含まれるものの相当部分について、事業の継続が困難となると認められるときに、当該特定の地域を期間を定めて緊急調整地域として指定し、新たな参入の規制等を行うものであります。  この制度につきましては、実働率、実車率、実働日車当たりの輸送トン数等の基本的な数値を把握した上で、経済、産業活動の動向も踏まえて総合的に判断してその発動を決めることとしております。  トラック運送事業法にこの措置を規定いたしまして以来、これまで発動したことはございません。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 トラックの緊急調整措置ができたのが八九年の十二月十九日、ですから、その緊急調整措置ができて十年以上たっておりますが、いまだかつて一回も発動したことがない、これがトラックの緊急調整措置の実態だと私は思います。  それで、トラック業界は構造不況業種として現在雇用調整助成金をもらっておりますが、どういう場合にこの雇用調整助成金の対象になるのか、いつから対象になっているのか、これについて労働省に伺います。

渡邊信労働省職業安定局長

○渡邊政府参考人 雇用調整助成金の指定業種の指定基準でございますけれども、直近三カ月の生産量、売上高が前年または二年前と比べて五%以上減少していること、及び直近三カ月の雇用量が前年と比べて増加していないことということになっておりまして、トラック業界は、現在、一般貨物自動車運送業としてこの雇用調整助成金の指定業種になっておりますが、その期間は、本年の二月一日から来年一月三十一日までの一年間となっております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今のお話にあったとおり、前年それからまた二年前に少なくとも五%の減があった場合に雇用調整助成金の対象になるというふうなことをお話しされました。少なくともそれぐらいの大変な状況にあるわけで、しかも、この雇用調整助成金というのは、業界が要請をするということになっているわけです。しかし、業界によっては、雇用調整助成金などをもらうような大変な状況になっているということを、いわば知られるのはマイナスイメージになって困るのだということから、雇用調整助成金を申請しない、そういう業界も現在あるわけです。  しかし、そういうふうなことがありながらも、トラック業界というのは、本当に大変な中で何とかせざるを得ないということで、言ってみれば、やむにやまれず雇用調整助成金を要請せざるを得ないという実態だと思うのですね。  ところが、これだけトラック業界の人たちが本当に大変な状況の中で、しかも、発動基準があるにもかかわらず発動もされていない。トラックのこうした深刻な状況を見るにつけ、今度タクシーの規制緩和によって需給調整が撤廃されて緊急調整措置ということが入る、だからこれでいけばちゃんと台数も制限できるのだというふうにこれまでいろいろ議論されてきましたけれども、この緊急調整措置というのは実際発動されないのじゃないかと私は思わざるを得ないのですけれども、大臣、この点についてどのように考えておられますか。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 著しい供給過剰となり、輸送の安全及び旅客の利便を確保することが困難となるおそれがある場合には、新規参入及び増車を停止する非常手段を考えております。  実車率、稼働率、売り上げ等を個別に検討の上、実際に緊急調整措置を発動するか否かについては、地域ごとの実情も十分勘案した上で、法の施行までにその具体的要件を定めることとしておりまして、その結果を踏まえて判断するつもりであります。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今の答弁は、明確に大臣が緊急調整措置を発動するというふうに言われたわけですね。  私は、もう一つ大臣に聞きますけれども、緊急調整措置で今の過剰状態が解決できると考えてみえるのか、その点について聞きます。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 需給調整規制におきまして、著しい供給過剰となり、そして、安全及び旅客の利便を確保することが困難となるおそれがある場合に、新規参入及び増車を停止する、これは非常手段でありますから、それはしょっちゅうしょっちゅう発動するものではありませんが、時に応じてこのことに対してはしっかりした歯どめを考えていかなくてはならないと認識をいたしております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今の答弁で、もう一つ私は伺いたい。緊急調整措置というのはこれ以上増車はしないという調整措置でしょう。しかし、そういうふうな調整措置をやらなければならないほど今タクシーはふえてしまっているわけです。ですから、もうこれ以上参入はだめだという調整をかけたとしても、いわばめちゃくちゃにふえている、こういうふうな状況を維持するだけであって、これは減車ということにはならないのじゃないですか、大臣。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  緊急調整措置の内容として、減車というものも措置として加えるべきではないか、こういう御質問に対しては、先ほども、財産権の侵害という観点から慎重に考えるべき問題であるということも申し上げました。  それからもう一点。トラックにも関係するわけでございますけれども、需給調整規制を行っているもとでは、これはトラックもタクシーも同じでございますが、かつて、減車をいたしますとなかなか増車ができないということから、なかなか減車が行われにくいという事情もございます。  ちなみに、トラックにつきまして、私ども緊急調整措置を発動していないということを申し上げましたが、売り上げその他の要素の中で、例えば、実車率はこの数年ほぼ同じ水準で推移をしているところでございます。  タクシーとトラックを全く同列に議論することはできないかもしれませんが、需給調整を廃止しまして、増車というものを経営者の判断によって行うことができるという中で、減車というものがどのように行われるかということにつきましては、いろいろな見方があるのではないかというふうに考えております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今の財産権の問題についても、今まできちっと行政指導もやって、タクシーの台数そのものについてはいろいろ調整してこられたわけでしょう。ところが、そういうふうなまともな調整をやらないで、逆に、減車指導をやりながら、片方では、それが終わったら直ちに増車だというふうなめちゃくちゃな対応をしてきたことが今回のこういう異常な状況をつくっているわけであって、その点について、さっきから聞いておりますけれども、これは全部事業者の判断なんだということで、運輸省として責任を感じていないというのは大問題だと今議論していて私は思いましたよ。  それで、私は、今まで減車の問題について言っても財産権の問題を言われましたからちょっと言いたいと思いますが、これは、不況カルテルというのをかつてやってきたことがありましたよ。公正取引委員会などでもこれは自由な競争を阻むものだということで、今政府がそういうふうな態度をとらないということだから、財産権の問題ということを言われていると思いますけれども。しかし、かつてそういったことだって政府が判断すればやってきたわけですから、私は、今こそ政府の責任を果たすべきだということをこの際強く要請しておきたいと思います。  それから、タクシーの規制緩和の問題で、諸外国で実際にこういうタクシーの分野で規制緩和をやっているところがあるかといろいろ調べました。例えばアメリカのニューヨークやフランスのパリやイタリアのローマ、それからドイツのフランクフルト、韓国のソウル、こういうところはきちっと台数の規制をやっていますよね。それで、実際にアメリカなどでは、これは規制緩和だということで日本に盛んにその要請をかけてきているわけなんです。  しかし、当のアメリカのアトランタとかシアトルとかそういったところでは、かつて規制緩和をやって台数が一気にふえて、しかし、実際にタクシーのドライバーの質がどんどん落ちて、場合によっては犯罪が起きたり、乱暴な言葉遣いやらその対応やらで、タクシーの規制緩和はまずかったのだということで改めて規制をかける、こういうことを現にやっているわけです。  タクシーの分野に限って言えば、規制緩和ではなくて、きちっと規制をかけて、質のいい、安全なタクシーをつくっていくというのが世界の流れだと私は思いますから、まさに、こういうタクシーの規制緩和をこれからどんどん進めていくというのは中止をするべきだということをこの際改めて私は要請しまして、次のバスの問題に移らせていただきます。  今回、運輸政策審議会の自動車交通部会の答申で「乗合バスの利用状況、乗合バス事業の経営状況等が大きく変化している中、乗合バスの活性化、発展を図るには、乗合バス事業に対する規制の枠組み等も適切に見直すことが必要である。」としていますが、乗り合いバスの利用や経営状況等の変化した背景にどういうふうな問題があるのかということが大きな問題だと私は思うんですね。  それで、その背景には、我が国の首都圏への一極集中の問題、それから都市の過密化の問題や、その一方で、地方に行きますと農村の過疎化の問題とか、それからモータリゼーションなどの推進に政府としても随分お金を投入してその発展を図ってきたというふうな問題があって、そういうふうないろいろな行政のゆがみが今のバス問題に出ていると私は思うわけなんです。  ですから私は、地域の路線バスの問題を見た場合に、現状でいいますと、山間部などのバスの状況などを見ていましたら、これを維持するためにも、後は政府がお金を出す以外にない、それで支える以外にないというように思わざるを得ないのです。  私は、今回こういうふうな問題を考えるに当たって、今の一極集中の町づくりのあり方や、それから農業や林業の問題などを大きな問題として検討するべきだというふうに思うわけなんですが、この点について、大臣はこういうふうな問題を、今回の路線バスの問題で検討されてきたのかどうかについて聞きたいと思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 乗り合いバス、タクシーともに、最近は自家用車の普及あるいは高齢化の進展等社会の変化を背景として、輸送ニーズの多様化に適切に対応していく必要が高まっていることは御承知のとおりだと思います。  しかしながら、現行の制度のもとでは、近年の輸送需要の低迷の中で、事業遂行の能力と意欲のある者の参入等が認められず、事業全体の活性化や輸送サービスの改善が図られにくい状況にあるわけであります。このため、今回の法改正では、需給調整規制の廃止など規制を抜本的に見直すことにより、事業者の創意工夫を生かした多様なサービスの提供や事業の活性化を図ることとしたものであります。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 今回の路線バスの需給調整の撤廃の問題では、本当に地方の大切な生活の足となっている路線バスが赤字路線だということで、今度は撤退が自由にできることになっていく、参入も自由だということになるのです。しかし、撤退するようなところに新たに参入することはなかなか考えづらいということもありますし、同時に、撤退してしまったら、後は地方自治体かもしくは第三セクターがお金を投入してそれを何とか維持せざるを得ないというような状況にならざるを得ないわけですから、こういうふうなやり方ではなくて、もっと国が責任を持った支援のあり方を考えるべきだということを私は改めて最後にお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、残した問題はまた次の機会にやらせていただくということで、終わらせていただきます。

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 次に、松浪健四郎君。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 朝早くからの御審議に、大臣並びに総括政務次官、本当に御苦労さまでございます。  一般乗り合いバス及び一般タクシー運送事業について需給調整規制を廃止して競争を促進する、そして輸送の安全や利用者利便の確保に関する措置を講じることによって、利便性が高くなる、安全で安心なサービスの提供を図ることができる、そして事業の活性化と発展を図る、これらの目的を持って道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正するということでございますけれども、バスに関する事業規制として、事業参入規制の見直しであるとか運賃規制、あるいは退出規制、そしてタクシーに関する事業の規制として、事業参入規制の見直し、また緊急調整措置の導入、運賃規制、そしてバス及びタクシーの運行管理者については資格試験制度を導入するということで、輸送の安全の確保のための措置がとられております。  そして、タクシー業務適正化臨時措置法の恒久化を目指すということであると思いますけれども、この改正の目的というのがバス、タクシー事業の活性化と発展を目指しているということは十分に認識できるわけでありますけれども、新しい時代がやってきております。となりますと、新しい時代を先取りして、もう少し自分たちで創意工夫を凝らさなければ事業展開が難しいのではないのか、こういうふうに私は認識するわけであります。  そこで、縄野局長にお尋ねいたしますけれども、運輸省としては、このような新しい創意工夫を凝らした事業展開をしている事業者がいるのかどうか、それをどの程度把握されているのか、お尋ねしたいと思います。

縄野克彦運輸省自動車交通局長

○縄野政府参考人 お答え申し上げます。  乗り合いバス、路線バス関係では、御承知かと思いますが、武蔵野市のムーバス、金沢市のふらっとバスのように、行政とバス事業者がタイアップして、中型、小型のバスで市街地を小まめに循環しながら運行する、いわゆるコミュニティーバスのようなサービス、それから浜松の遠州鉄道や福岡の西日本鉄道が運行しております百円バス、これは運賃を百円にすることとあわせて、これも特に近間のお客さんを徒歩や自転車から獲得しようという試み、こういう試みのように、運行ダイヤ、路線の設定、価格等について、きめ細かい創意工夫を行うことによって新たな事業開拓を図っている事例があると承知しております。  また、タクシー関係では、福祉タクシー、介護タクシーのように、今後の高齢化社会をにらんで付加価値の高いサービスを提供している事例、それから一方で、衛星を利用した配車、運行管理システムのように、GPS—AVMの導入で、迅速、効率的な配車によって、お客さんにできるだけ素早くアクセスをして、利便の向上を図ろうというような試みなどがあるというふうに承知をしております。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 結局は、バスあるいはタクシーの事業者、そこで働かれている人たちが工夫をしなきゃいけないということだと思うわけであります。  それで、今回の法律改正は、きょうの審議をお聞きしていてもいろいろな議論がありました。これは、規制緩和との調和であるとか、あるいは利用者、労働組合の皆さん、経営者の皆さん等との調整をうまくまとめられたと私は評価させていただくものでありますけれども、この法律案に対する大臣の御決意をお伺いさせていただきたい、こういうふうに思います。

二階俊博保守党運輸大臣・北海道開発庁長官

○二階国務大臣 先ほど来、松浪委員の御質問を伺っておりまして、だんだんとこの法律案に対しても御理解が深まってきたような気がするわけでありますが、乗り合いバス、タクシー事業の利便の向上、そしてその発展を願うという気持ちは、私はたとえ、それが経営者であれ、あるいはそこに従事する労働者の皆さんであれ、同じような思いを持っておられるというふうに認識をいたしております。  現在の与えられた状況の中で、私どもは、関係者の意見を調整しまして最善の法律案をお諮りしているものと考えておるわけでありますが、ぜひ、この後も慎重御審議をいただいた上に、速やかに本法律案を成立させていただきたいと願っておるものであります。法律が成立したからそれですべてというわけではありません。引き続き関係者の御意見をしっかり伺いながら、国民の皆さんの足として極めて重要な役割を果たしておりますバス、タクシー事業につきまして、円滑な施行ができますように、私どもも今後ともしっかり努力をしてまいる決意でございます。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 私のところにも、各方面からこの法律を一日も早く成立させてほしいという要望が届いております。大臣の心強い決意をお伺いいたしました。  時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

仲村正治自由民主党

○仲村委員長 次回は、来る二十六日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十四分散会

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