運輸委員会 第8号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/04/07
会議録
○仲村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案及び玉置一弥君外二名提出、高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案審査のため、参考人として小田原市長小澤良明君、鳥取市長西尾迢富君、東日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長松田昌士君、日本民営鉄道協会副会長清水仁君、日本バス協会都市交通委員会委員長上條克之君、財団法人全国福祉輸送サービス協会会長川村巌君、以上六名の方々に御出席いただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。 次に、議事の順序について申し上げます。 小澤参考人、西尾参考人、松田参考人、清水参考人、上條参考人、川村参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 それでは、小澤参考人にお願いいたします。
○小澤参考人 小田原市長の小澤と申します。 きょうは、光栄ある運輸委員会にお招きをいただきまして本当に感激をいたしております。しばらく私見を述べさせていただきたいと思います。 私ども小田原市でございますが、神奈川県の西端にございまして、ちょうど首都圏の西の縁辺、そして富士箱根伊豆国立公園の東縁、両方がリンクしたところにございます町でございまして、人口二十万人でございます。 平成十年度には新総合計画「ビジョン21おだわら」を策定いたしまして、町づくりの基本理念を「世界にきらめく明日の千年都市おだわら」と、大変大きな旗印を掲げまして、今町づくりに邁進をしているところでございます。 市内には、小さな町でございますが鉄道はたくさんございまして、五路線入っております。JR東海道線、東海道新幹線、小田急線、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道大雄山線と、五路線が走っておりまして、駅もこの小田原の町の中だけで十八駅もございます。その中心に小田原駅があるということでございます。この小田原駅は、さきに述べました鉄道五社がすべて乗り入れておりまして、一日の乗降客数は約二十万人、神奈川県西部地域の拠点駅でございます。 小田原市では、神奈川、静岡、山梨の三県にまたがる広域交流拠点として、バリアフリーにも対応した小田原駅とするために、昭和六十三年から関係鉄道事業者と小田原駅整備について交渉を本格的に開始いたしまして、今日に至っております。 交渉開始から十年以上経過をいたしまして、昨年の三月に鉄道五社と駅整備に関します協定を締結いたしまして、おかげさまで、ことしの三月に、安全祈願祭、小田原駅東西自由通路の再整備事業がここに今着手されたということでございます。 こうした十年以上にもわたる鉄道事業者等との交渉経験を踏まえまして私見を述べさせていただきますが、現在のように、高齢化が進展し、また身体障害者等の社会参加が強く求められている時代に、公共交通機関のバリアフリー化を促進するための法律が制定されますことは極めて重要と認識をいたしているところでございます。 以下、三点につきましてお話をさせていただきます。 まず一点目でございますが、市町村が主体となってバリアフリー化を推進すべきであるということでございます。 これまでの市町村と鉄道事業者との調整は、小田原市側から提出した要望に対しまして、鉄道事業者サイドで会社内での整備方針等を勘案されまして、その要望を採用するか否かを判断する、こういう状況でございまして、鉄道事業者主体の調整になっておりました。したがいまして、駅を含めました地域の町づくりを市町村が進めようといたしましても、まず鉄道事業者の了解を得なければ、その点では進められなかったということがございます。 しかしながら、私どもは、町づくりの主体は市町村であると思っておりまして、町の中での主要な施設であります鉄道駅を中心とした町づくりにつきましては、市町村が主体となって計画を策定して推進するという仕組みがどうしても必要だと考えているところでございます。 したがいまして、市町村が地域の実情に応じ必要な地区について整備構想を策定する、関係する事業者は整備構想の策定に協力をされる、整備構想に従って鉄道事業者等々の関係者が事業を実施することを担保する措置を講ずるという制度の創設をぜひ望みたいと考えているところでございます。 二点目でございますが、市町村と関係事業者とが事前に十分調整をし、一体となって事業を推進すべきであるということでございます。 市町村が事業を推進しようとする場合、当然のことながら関係する事業者との調整を行っているわけでありますが、必ずしもその調整がうまく機能したとは言えず、多大な時間を要しました。調整制度がないために、各事業者が、民間会社でございますから、自己の利益を強く、当然のことながら主張する傾向にございます。例えば、隣接する鉄道同士の問題でございましても、小田原市が間に入らない限り調整は行われない、そういう状況でございました。 また、鉄道、バス、道路等の各事業者が、それぞれの事業者ごとの計画に基づいて相互の調整なくバリアフリー化を進めるのでは、事業の実施効果が薄れてしまうことが懸念されます。 このため、市町村と関係事業者とが事前に調整し、市町村主導で一つの整備構想を策定し、それに基づき事業実施をするという制度の創設を望みたいと思うところでございます。 なお、鉄道事業者やバス事業者は、一方では民間企業として利潤の追求をすべきことは十分理解をしているわけでありますが、一方では公共公益的な業務を担当しておりますことから、今後、町づくりの主体としての市町村と十分な連絡調整、協力体制を築くことをぜひともお願いしたいと思うところでございます。 最後に三つ目でございますが、公共団体に対して法律により一律に義務づけるのではなく、地域の実情に応じて対応できる制度とすべきであるということでございます。 現在の市町村の置かれている財政状況は非常に厳しい、御承知のとおりでございまして、その中で各種の施策の優先順位を総合的に判断して事務事業を実施しているわけであります。 このような状況の中で、鉄道施設や道路などのバリアフリー化を進めることは、今後の市町村にとりまして大変重要な課題でありますことはよく認識いたしているところであります。 しかし、それらの施設整備について市町村の財政負担が必要となる以上、整備につきましては国の法律に基づいて一律に義務づける、こういうことではなくて、市町村がそれぞれの施設の状況等を判断した上で整備構想を策定し、それに基づき事業を実施する制度とすべきではなかろうかと考えます。 また、鉄道事業者に対する国の支援のみならず、市町村が実施するバリアフリー化事業に対する国の支援制度の拡充も要望したいと思うところであります。 以上のような、るる述べました立場から、政府が提出をされております法律案に、私どもの今までの小田原駅東西自由連絡通路、あるいは小田原駅再整備事業の経験を通じて、お願いというか賛成の陳述とさせていただいたところでございます。よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
○仲村委員長 ありがとうございました。 次に、西尾参考人にお願いいたします。
○西尾参考人 私は鳥取市長の西尾迢富でございます。 鳥取市は、日本一の鳥取砂丘や白兎海岸など風光明媚な自然景観に恵まれた、人口約十四万九千人の山陰の中核都市でございますし、県庁所在都市でもございます。 交通面では、鳥取県の東部圏域十五市町村の行政、産業、医療、文化等の機能が本市に集積していることを背景に、鳥取駅、空港、さらには主要道路の結節点などを有し、圏域の交通拠点となっているところでございます。また、福祉面では、平成元年に福祉都市宣言を行い、私自身、毎年障害者と語る会を開催し、障害者の意見を聞きながら心の通う福祉のまちづくりを目指しているところでございます。 本日は、衆議院運輸常任委員会におきまして、交通バリアフリー化の推進方策に関連をし、地方公共団体の首長として意見を述べさせていただく機会をいただき、まことに光栄に存じます。また、委員会の先生方におかれましては、日ごろよりさまざまな交通政策、運輸政策の立案に御尽力をいただいているところでございまして、国の諸制度を活用して施策を推進している地方公共団体として、この場をおかりいたしまして厚くお礼を申し上げたいと思います。 それでは初めに、鳥取市におきますところの交通バリアフリー化の取り組みについて御紹介をさせていただきます。 まず、法的な枠組みでございますが、我が鳥取県内におきましては、平成八年十月から、道路、公園、鉄道駅、空港等の公共的施設のバリアフリー化を目指す鳥取県福祉のまちづくり条例が施行されているところでございます。この条例により、公共的な施設の新設に当たりましては、すべての市民が利用できる方向で整備が行われ、バリアフリー化された施設が年々増加してきております。 次に、本市が中心となり、障害者、関係行政機関一体となって行っている現場の取り組み事例を御紹介させていただきます。 鳥取市では、昭和五十二年以来毎年、鳥取市障害者福祉週間事業として、障害者の立場から、道路交通安全施設の点検を行っているところでございます。 この点検事業には、障害者の立場から、視覚障害者、車いすを利用する肢体不自由者、身体障害者協会事務局の方に参加をいただき、また行政の立場で、主催者でありますところの鳥取市のほか、国道を管理する建設省、県道を管理する鳥取県、交通安全施設を管理する鳥取警察署にも参加をしていただき、半日をかけまして、あらかじめ設定したルートを障害者の声を聞きながら歩き、歩道の幅員、段差、信号機などについて点検をしているところでございます。 点検後には、参加者である障害者と行政で協議を行い、点検結果を取りまとめ、関係各機関に改善をしていただくなど、障害者の立場から、利用しやすい道路交通安全施設整備に努めているところでございます。 さらに、もう一点は、昨年十二月、JR鳥取駅に、市民の長年の念願でありましたバリアフリー化対応のエスカレーターが完成をいたしましたことでございます。 JR鳥取駅は、昭和五十三年度に連続立体交差事業によりまして高架となりました。しかし、エスカレーターは設置されませんでした。しかし、ホームの地上高が、一般の建物でいいますと四階に相当する約九メートルございます。五十八段の階段がございます。一日約一万五千人の乗降客の皆様、とりわけ高齢者、障害者の方々に不便をかけていたところでございます。 そこで、鳥取市では、平成三年からJR西日本に対しまして、エスカレーターの設置の要望を再三にわたり行ってまいりました。しかし、山陰本線は採算性の問題もございまして、エスカレーターを設置しても収益につながらないことや、乗降客数から見ますと、JR西日本管内でも相当低い順位ということが回答でございました。要望いたしましても実現につながらないという状態が続いてきたわけでありますけれども、平成十年に大きな転機があらわれました。 一点目は、市民の方から大きな声が上がったことでございます。鳥取駅近くの医師が、ひざが悪い患者さんの話を聞いたのをきっかけに、一万人を超える方々の署名が集まったことでございます。 二点目は、鉄道事業者の収益につながらないバリアフリー化投資に対して、国や地方公共団体が費用を補助する交通バリアフリー化設備整備費補助金制度が平成十年度第三次補正予算で創設をされたことでございます。私も全国市長会を通じまして運輸省に要望したところでございますが、この制度の創設は、財源問題の解決という視点のみならずに、地方財政再建特別措置法により原則禁止をされている地方公共団体からJR各社に対する寄附についてのルールが確立されるという大きな前進があったもの、このように考えるわけでございます。 これらの大きな変化によりまして、JR西日本、運輸省、自治省等と協議を行いまして、中国地方で唯一この補助金制度の採択をいただき、バリアフリー化対応エスカレーターが設置されたところでございます。お礼を申し上げたいと思います。 次に、今までの交通バリアフリー化への取り組みを振り返って感じている点を数点申し上げたいと思います。 第一点は、交通バリアフリー化の進め方でございます。 理想論を申し上げれば、旅客施設や道路等の交通関係施設だけでなしに、都市全体がバリアフリー化されるということが一番いいわけでございます。乗降客数の多寡にかかわらず、全駅がバリアフリー化になればよいし、道路改良とあわせて踏切も幅を広くしていただいて、車いすも安全に通れればいいわけでございます。 しかしながら、日々市民と対話し、直面する問題を処理しなければならない市町村の立場からいたしますと、理想論だけでは処理できない仕事が多いのも事実でございます。したがいまして、市町村行政といたしましては、理想は理想として持ちつつも、直面する課題に取り組んでいくというのが現実的な対応となるわけであります。優先順位をつけてバリアフリー化を実施するという考え方で、鳥取市におきましても、まず鳥取駅にバリアフリー化対応のエスカレーターを設置したということでございます。 今回のバリアフリー法案におきまして、市民の多くが集まる駅周辺の空間について、市町村がバリアフリー化構想を策定し、重点的に事業化していくということは、バリアフリー化を効率的に実施していく面から、さらには、バリアフリー化のモデルを住民に見ていただき、歩いていただき、理解をしていただくという啓発の面からも評価できるのではないか、このように考えるものでございます。 第二点は、大都市部と地方都市部という点についてでございます。 鳥取駅のエスカレーターの設置につきましては、運輸省、自治省、JR西日本、鳥取県との間で真摯に建設的な議論を積み重ねました結果、三分の一ずつという標準的な負担割合ではなしに、国が三分の一、地方公共団体が九分の四、JR西日本九分の二という負担割合で事業を実施することになったわけでございます。三分の一ずつという負担割合からいたしますと、九分の一分を地方公共団体が多く負担をいたしたわけでございます。 これは、地方公共団体といたしましては、鳥取県東部圏域全体として、高齢化率が約二〇%と全国平均よりも高く、総合病院や身体障害者関係施設が鳥取駅周辺に集中していることなどから、一般的な場合に比べてバリアフリー化に対するニーズが高く、地方公共団体が受ける受益が大きいもの、このようになりますし、一方、JR西日本さんといたされましては、山陰線の沿線人口が少なく採算性がよくないので設備投資を行うことが困難であるという鳥取駅の実態を踏まえた結果の配分ということでございます。 この議論から感じますことは、バリアフリー化のニーズというものを、高齢化率を指標とすれば、大都市部よりも地方部の方が高齢化率が高く、地方部の必要性の方が高いわけでございます。しかし一方で、その財源というものを考えますと、行政、民間事業者とも、人口集積のある大都市部の方が比較的容易なものとなるわけでございます。したがいまして、国の何らかの関与がなければ、地方部のバリアフリー化は、住民の潜在的なニーズは高いものの、人口が多い大都市部よりも相当遅い速度になり、新たな地域間格差が発生してしまう可能性があることを懸念するものでございます。 このような状況の中、今般、全国共通の課題である交通バリアフリー化について法案が提出され、市町村の役割が明確に位置づけられ、国が基本方針や補助制度により全国的なバランスを見ながら関与する仕組みができるということは、地方都市部の地方公共団体としては大変ありがたいものだ、このように考えるわけでございます。 また、その際、地方分権の観点から、国が一律に地方公共団体にバリアフリー化の義務づけを行うという方式ではなく、国が一定の関与を行う枠組みの中で、地域の特性を熟知し、住民に一番近い町づくりの主体である市町村が中心となりまして、総合的な判断の上に交通バリアフリー化構想を策定していく方式が望ましいと思います。 最後に、去る三月十五日に行われました鳥取市議会本会議におきますところの議論を紹介させていただきます。 議員から、政府提出のいわゆる交通バリアフリー化法案は評価すべき法案であり、法案に基づく市町村基本構想、駅周辺のバリアフリー化構想を策定すべきと思うがどうか、こういう趣旨の質問をいただきました。私は、これに対しまして、現在国会に政府から提出されているいわゆる交通バリアフリー法案は、二十一世紀の福祉の時代に合った法案であり、鳥取市としては、従来の取り組みを含め、鳥取市における交通バリアフリー化施策を総合的に推進していくため、法律が施行となれば、法律に基づく基本構想の策定に全庁的な体制をつくり取り組んでいきたいと考えている、このような趣旨の答弁をさせていただいたところでございます。 以上で、私の意見陳述を終了いたします。大変ありがとうございました。(拍手)
○仲村委員長 ありがとうございました。 次に、松田参考人にお願いいたします。
○松田参考人 お招きをあずかりました、JR東日本の松田でございます。 今、世界にも例を見ませんような高齢化の社会が到来しておりますし、ノーマライゼーションの推進ということも踏まえまして、このバリアフリー法案が今ここに出されたということは、基本的には、私は、非常に時宜を得た法案であるということを結論的にまず申し上げておきたいと思います。その上で、今当社がどういう形でエスカレーターなりエレベーターなりバリアフリー化に取り組んでいるかということを一言申し上げ、そのほか若干の意見をつけ加えさせていただこうと思っております。 まず、私どものところは、JRになりましてからですが、平成三年ころから人に優しい駅づくりという観点から、運輸省の乗降客が五千人以上の駅をまず対象に整備をした方がいいという一つの基準がございまして、それに従ってやりますと、身障者用のトイレが大体九〇%くらい、それから点字の運賃表は一〇〇%、それから車いす用の通路というのも一〇〇%もう既に設置をしているわけであります。 しかし、高齢化が進み、かつ身障者の方が日常生活において自由に行動できるような設備というものを充実すべきであるという観点から、平成十年から平成十四年までの間に私どもの会社は三百億円の投資をいたしまして、大体東京を中心にまずやりますけれども、申し上げますと、東京五十キロ圏では、それまでエスカレーターの設置率が約四〇%であったものを八〇%に持ち上げる、既に現在七〇%まで各ホームに上り下りのエスカレーターをつけつつございます。それから、二十三区内は、各ホームに一〇〇%エスカレーターをできる限り上り下りをつけて対応するということで進んでおります。既に現時点で八〇%を超えてオープンしておりますから、東京都内の駅に行かれますと、至るところで今工事が始まっているということであります。 ただ、そうはいいましても、新幹線の駅はもちろん設備されていますが、徐々にこれを地方の中小の駅まで広げていくつもりではありますが、これには大変時間と構造上の問題がかかります。何しろ百三十年前からの駅というものもあるわけでありますから、構造上の問題から、新駅をつくったり駅の大改造をやるときにはバリアフリー設備の設置を完全に今もいたしております。 この辺でいいますと、先般終わりました赤羽でありますとか、恵比寿でありますとか、今度四月にオープンいたしました大宮の新都心駅でありますとか、先般も運輸大臣あるいは郵政大臣にごらんをいただきまして、いろいろな御指摘を賜ったところでありますが、かなりの程度高い評価をいただいたところであります。 問題は、こういうふうにどんどんエスカレーターをつけていきますが、やはり車いす用という場合には非常にエスカレーターでは問題があります。エスカレーターの横に一つの台をつけて持ち上げるという装置を一応は持っているのでありますが、それでもなかなか不安感を与えるということから、エスカレーターをつけている間にエレベーターの開発に取り組んだわけであります。 というのは、日本のエレベーターは非常にお値段が高いものであります。ロープでつり上げる方式でありますから、それではちょっとやりにくいということで、実はスウェーデンの会社と共同開発をやりまして、大体工事費は半分、それから工期は三分の一でできるという新型のエレベーターを実は開発いたしました。今、常磐線のある駅で試行しておりますが、その結果、非常に良好でありますから、これからエレベーターを主要なところにどんどんつけていこうというふうに私は考えています。やはり、エレベーターでないとどうしても車いすの場合には問題かと思っております。 そういう形で、今度の法案の中で、国及び自治体からの補助をいただけるということになっておりますのは非常にありがたい話であります。補助があってもなくても進めるということで今進めておりますから、補助はできるだけ多い方がいいわけでありますが、ある年限を限ってでも加速して全部やらせるような補助の仕方というのをお考えいただければ非常に幸いだと私は思います。エンドレスに何%というよりは、むしろ、先ほどのお話にもありましたように、何年間か限ってこういうものは一斉にやらないと、ちぐはぐに、中途半端にやったのでは効果が出ませんから、三年なり五年なり、この補助率を高くしていただければありがたいと思います。 それから、もう一つ私どもから難点を申し上げますと、たしか、いただきました資料で、政府の案ではありませんが、全国津々浦々のすべての無人駅にまで設置しろとおっしゃるのは、これは私は無理だと思います。無人駅ですと、つけますと、その設備を、破壊されるとかいたずらされるとか、保守をするのに一体どうするんだといういろいろな問題が起こってまいります。ある基準をもって、私どもは、優先順位をもってどんどんつけていくということであれば賛成であります。 それからもう一つ、今二十三区内の駅、ホームにすべてできると言いましたけれども、できるのでありますが、駅によって、三千万くらいでエスカレーターがつく駅と、十億くらいかかる駅とあるということを御理解いただきたいと思います。 今一番悩み抜いていますのが高田馬場の駅でありまして、これは構造を変える大工事がかかりますから、どうやっても十億を超えるのではないかと思います。そういうふうに、駅の場合には非常に幅があるということを頭の隅に置いていただきたいと思います。 結論的には、私は、今回のバリアフリー法案というものを御提出になった皆さん、国会議員の方々に非常に敬意を表しますと同時に、できるだけ私どもの意見を入れていただきまして、早期に成立をし、早くバリアフリーができるように御尽力を賜れれば、私どももできる事柄については全力を挙げてやらせていただくということを申し上げて、私の陳述にいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○仲村委員長 ありがとうございました。 次に、清水参考人にお願いいたします。
○清水参考人 日本民営鉄道協会の副会長を務めております東京急行電鉄の清水仁でございます。 本日は、バリアフリー法案の審議に当たりまして、私どもの取り組みを説明させていただく機会をちょうだいいたしまして、まことにありがとうございます。 私ども民鉄事業は、改めて申し上げるまでもなく、地域社会を支える基幹的な公共交通機関として重要な役割を担っているという自負を持っておりますが、それと同時に、安全で快適な輸送サービスの提供を目指して、日夜努力を続けております。 その中でも、従来、特に力を入れて取り組んでまいりましたのが輸送力の増強による通勤通学時のラッシュ緩和対策でございます。 大手民鉄におきましては、これまで数次にわたりまして、輸送力増強等五カ年計画を策定し、毎年計画的に輸送力を増強してまいったところであります。このために民鉄各社におきましては、運賃収入の三割強に及ぶ高水準の設備投資を毎年継続して行っているところであります。 このような多額の設備投資によりまして、昭和四十年当時には二三八%にも達しておりました混雑率が、平成十年度では、大手民鉄十五社平均で一五八%まで低下いたしました。整備目標とされます混雑率一五〇%、東京圏につきましては当面一八〇%という目標は、一部を除き既に達成されているところでありまして、今後とも引き続き、目標を達成すべく着実に取り組んでまいる所存でございます。 一方、量的な輸送力整備と相まちまして、快適な輸送サービスも大きなテーマでありまして、車両の冷房化や駅におけるエレベーター、エスカレーターの設置等諸般の取り組みを進めているところであります。その中でも、人に優しい鉄道を目指しました利便性の向上とバリアフリー化の推進が大きな課題と考えておるわけであります。 鉄道利用における利便性の向上のために、例えば駅において円滑な乗りかえを実現するため、駅施設を改良したり、各社共通の乗車カードを導入する等積極的に投資をしてきております。 一方、バリアフリー化の推進につきましては、駅におけるエレベーターやエスカレーターの設置等に鋭意取り組んでいるところであります。私ども民鉄事業者は、このバリアフリー化の推進という課題は公共交通機関としての鉄道が二十一世紀においても引き続きその使命を果たすために不可欠なものと位置づけまして、それを推進しているところであります。 すなわち、今後の経済社会の変革に対応し、鉄道を高齢者や障害者等の移動制約者にとってさらに利用しやすいものとしていくことは、今後の公共交通機関としての存在意義であり、使命であると考えております。私どもは、その使命を達成すべく、今後とも精力的に取り組んでまいる所存でございます。 このような時期に、国におかれましても、既にバリアフリー化を推進するための補助制度を創設されたほか、このたびこの法律案が提出され、さらに体系的、計画的に私どもの事業に援助いただけるようになれば、大変ありがたいことだと考えております。 ここで、民鉄におきますバリアフリー化の状況について申し上げますと、大手民鉄では、平成十一年度末で、運輸省から示されております設置基準の対象となる駅について見ますと、エレベーターについては対象駅の約三割、エスカレーターについては対象駅の五割強の駅に設置しているところでありますが、まだ十分とは言えない状況であると考えており、今後努力してまいりたいと考えております。 ただいま述べましたように、私ども民鉄事業者は、人に優しい鉄道を目指し、鉄道のバリアフリー化に取り組んでいく所存でありますが、私どもを取り巻く経営環境は昨今の輸送需要の減少傾向等から極めて厳しいものがあります。 大手民鉄におきまして、平成三年度までは輸送人員は毎年増加傾向で推移しておりましたが、平成四年度より八年連続して減少傾向でありまして、平成十年度における輸送人員はピークである平成三年度の九一%の水準まで低下しております。これは、人口の都市集中の停滞とか、バブルの崩壊後の景気の低迷による出控えとか、あるいはリストラによる雇用調整等の影響もありましょうが、やはり少子化や高齢化等による構造的な要因も大きく影響しているものと認識しております。 このように輸送人員が大幅に減少している状況から、人件費や減価償却費等の固定的な費用が大半を占めております鉄道事業の経営は大きく圧迫されているのが実情でありまして、民鉄事業をめぐる昨今の経営環境には極めて厳しいものがあります。 しかしながら、私どもは、このバリアフリー化の推進を二十一世紀に向けた使命と位置づけて取り組んでいるところであり、その決意は経営環境のいかんによって揺らぐことはありませんが、しかし同時に、民鉄業界を取り巻く経営環境が極めて厳しい状況にありますことも御理解いただきたいと願う次第でございます。 以上のように、私ども民鉄事業者は、引き続きバリアフリー化を推進し、精力的に取り組んでいるところですが、私どものみの努力にはおのずと限界がございます。バリアフリー化を推進するに際しまして、国、地方自治体を初めとする各方面の御支援が不可欠でありまして、私ども民鉄事業者として、国、地方自治体等に要望したいことなどをここに申し上げさせていただきます。 第一点は、所要の予算額の継続的な確保及び税制措置の拡充であります。 バリアフリー法案に先立ち、平成十年度以降、国の予算や税制上の支援措置が整備拡充されましたことは、バリアフリー社会への推進に向けた非常に大きな第一ステップとして、まことに喜ばしいものと受けとめております。 すなわち、バリアフリー化のための予算補助については、平成十年度の国の補正予算において五十億円の予算措置がとられ、また、平成十二年度当初予算においても約八十億円の予算措置がなされるなど、従来とは比較にならない大幅な予算が計上されております。また、税制につきましても、平成十二年度の税制改正において、バリアフリー化のための駅の改良工事に係る施設についての固定資産税の軽減など、特例措置が設けられたところでありまして、バリアフリー化の推進に向けた施策として大いに勇気づけられるものであり、感謝している次第であります。 バリアフリー化を今後とも計画的に推進するためには、国及び地方自治体の連携した一層の予算、税制措置の整備拡充をお願いするものでありまして、補助制度につきましては、計画的な実施を図る観点から、予算額の拡充とあわせて、必要な予算額が継続して確保されることをお願いするものでございます。 また、現在、支援措置は、エレベーター、エスカレーターの設置に係る費用がその対象となっておりますが、エレベーター、エスカレーター等の増加に伴って、その更新費用や維持管理等の保守費用についても将来かなりの負担となることが懸念されるところでありまして、今後に向けましては、この維持費用などにつきましても御配慮をお願いするものであります。 第二点は、駅周辺も含めた一体的なバリアフリー化の推進に当たっての地元自治体等による協力と御支援についてであります。 既存の駅における改良工事となりますと、日常の業務を継続しながらの工事となりますから、エレベーター、エスカレーター等を設置するだけでも大幅な工事費が必要となります。また、一部の駅の中には、その構造上、駅舎を建てかえなければエレベーター、エスカレーター等を設置することが極めて困難なところもございます。 さらに、バリアフリー化のための施設を設置するスペースの確保の問題がございます。民鉄の駅は、もともとぎりぎりの用地しか有していないのが通例でありまして、エレベーター、エスカレーター等を設置するためには、そのための用地やスペースを新たに確保することから始めなければならないわけであります。しかしながら、既に開発の進んだ市街地の駅周辺におきましては、それはコストだけの問題にとどまらず、非常に困難なものがあることを容易に御理解いただけるものと思います。 また、バリアフリー化の推進は、都市だけの問題ではなくて、高齢化が進む地方においても重要な課題でありますが、地方民鉄の経営状態は極めて厳しいものがありますから、地方都市においては、関係自治体のさらなる深いかかわりが不可欠であります。 このため、鉄道駅におけるバリアフリー化の推進は、私ども鉄道事業者だけの取り組みでは不可能であり、地元自治体を中心とする関係者の協力と積極的な御支援をお願いするものでございます。 私どもとしましては、今回の法案に基づき、地元自治体を初めとする関係者と協力しつつ、また国、自治体からの支援を賜りつつ、可能な限りバリアフリー化の推進に努力する所存でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 以上で、私の陳述を終わらせていただきます。 本日は、貴重な機会をいただき、まことにありがとうございました。(拍手)
○仲村委員長 ありがとうございました。 次に、上條参考人にお願いいたします。
○上條参考人 日本バス協の都市交通委員会の委員長を務めております、東急バスの上條でございます。本日は、いわゆる交通バリアフリー化法案の審議に当たりまして、私どもバス事業者のバリアフリーに対する考え方等を申し述べさせていただく機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 先生方御承知のとおり、乗り合いバス事業は、輸送人員が一貫して減少する中で、大変に厳しい経営状況が続いてきております。私どもバス事業者といたしましても、利用者の方々の日常生活を支える公共交通機関といたしましての役割を果たすべく、さまざまな努力をしてきているところであります。 バス車両に関するバリアフリー化につきましても、二十一世紀には国民の四人に一人が高齢者になり、バスを利用される方々もますます高齢者の方々が中心になっていく、こういった状況の中で、また、身体障害者の方々の御利用の促進という面からも積極的に取り組んでいかなければならない課題である、かように考えているわけでございます。 バス車両のバリアフリー化につきましては、バリアフリーというふうな言葉が使われる以前から、私どもバス事業者としても、行政あるいは自動車メーカーの方々と手を携えながら努力してまいったところでございます。 当初は、昭和五十年代の前半に、高齢者の方々を中心といたしました利用者の方々に乗りおりがしやすいバスというふうなことで、一般のバス車両よりも床の低いバスの導入を始めました。平成の時代に入りますと、通常は二段とされております乗降口の階段を一段としてワンステップバスが開発されまして、より利用者の方々の乗りおりのしやすい形でサービスの向上に努めてきたわけでございます。その後、車いすの方々にも乗りおりしやすいバスというふうなことから、リフトつきのバス、さらには、より安価な低床のスロープつきのバスが開発されまして、導入が進んでいったところでございます。 さらに、平成八年には、我が国でも現在のスタイルのノンステップバスが開発され、導入が開始されたわけであります。このノンステップバスは、通常のバスと比べますと非常に高価なものでございますが、国が助成措置を新設されたこともありまして、まだ全国の乗り合いバスの台数、約六万台あるわけですが、それに比べますとわずかな台数ではございますけれども、着実に台数も増加してきているところでございます。 昨年三月末のデータでございますが、リフトつきのバス、スロープつきのバス、ノンステップバスを合わせまして、全国の導入台数は約千七百台で、うちノンステップバスは四百三十三台となっております。このうち、私ども東急バスでも平成九年度から導入を始めておりまして、台数は三十四台と、手前みそではございますが、東京都の交通局さんに次いで二番目、民鉄関係では最多の導入台数と心得ておりますが、十一年度でもさらに七台を導入しておりますので、現在の我が社のノンステップバスの導入台数は四十一台、こういうことになっております。 このように、私どもバス車両のバリアフリー化については最大限の努力をしてまいったところでございますが、このたび、交通のバリアフリー化に関する法律案というものが、政府並びに民主党からそれぞれ御提出されているということでございますので、実際のバス事業の運営に携わっている立場から、全国のバス事業者のお仲間などからも伺っているお話等々も含めまして、私どもとしての考え方を述べさせていただきたいと思います。 初めに、車両のバリアフリー化に関する義務づけの内容でございますが、私どもでも、先ほど申し上げたとおり、ノンステップバスの導入については積極的に進めているところでございますが、義務づけということになりますと、いろいろと問題点もございます。 まず、車両の価格でございますが、通常のバス車両の価格は約一千五百万円でございますが、ノンステップバスについては、約二千三百万円から、物によっては二千五百万円ほどといったところでございます。通常のバス車両の価格の約五割増しということが定説でして、バス事業者の唯一不可欠な設備の価格というものが五割増しということになってしまいますと、バス事業者にとりましては大変な負担になってくるわけでございます。 このため、私ども、国や地方自治体に補助をお願いしながら何とか導入しているわけでございます。今後の高齢化社会をにらんで国も自治体も積極的に対応し、予算の増額などの措置を講じていただいていると考えておりますが、何分にも国、自治体とも財政状況が逼迫しておる折でございまして、ノンステップバスを義務づけるということにしてしまった場合には、それに見合った補助というものがなかなか難しいのではないか、かように考えているわけでございます。 また、ノンステップバスは、人間でいえばまだ赤ん坊のようなバスでございまして、乗りおりは大変便利にはなったわけですが、車内を見ますと段差あるいはスロープができ、スペースや座席数が若干少なくなっているというようなことで、かえって高齢者や身障者の方々には不便をおかけする場合や、例えば混雑時の対応上問題が出てくる場合もあろうかと思います。 実は、昭和六十年ごろにノンステップバスというものが一部の事業者によって導入されたことがあるわけですが、こういった問題から増備が見送られたという経緯がございます。今のノンステップバスは当時よりはよくなっているとはいうものの、無理に大人扱いをするということではなく、もう少し改良を重ねながら立派な成人に育て上げていくということが必要であり、現時点の義務づけといたしましては、ワンステップバス並み以下の床高でスロープのついた車両というところが妥当ではなかろうかと考えております。 なお、この点につきましては現在、運輸省で音頭をとられてノンステップバスの仕様の標準化ということに取りかかられているところでありますので、安くて使い勝手のいいノンステップバスが一日も早く普及されることを願っているわけでございます。 さらに、バスは床が低くなればなるほど急な坂道あるいは雪道などで走りづらくなります。ワンステップバスぐらいの床の高さですとそのような場合は限られていますが、ノンステップバスになってきますと山間部などでは対応が大変難しいのではないかというふうに考えております。そういった箇所が多くなるんじゃないかということでございます。 このほか、運輸省の通達の改正によりまして、車いすの方々について介護人の同伴については一律には必要としないということとなりましたけれども、スロープ板の出し入れや車いすスペースへの御移動にどうしても時間がかかる場合もございますし、また、道路の状況によってはノンステップバスを導入しても乗務員以外の人手をおかりしなければならない場合もございます。 私ども、公共交通事業者の責務として、乗務員教育を徹底し、適切な対応に努めてまいりたいとは考えておりますが、やはりほかの利用者の方々の御理解、御協力も必要でございますので、この交通バリアフリー法の制定をきっかけといたしまして、車内のお客様、地域の方々あるいは通行人の方々などの御協力が積極的に得られるような、国民の共助と社会的な連帯の精神について積極的に啓発活動などを行っていただきたく、関係閣僚会議なども設置されたと伺っておりますので、交通だけではなく各分野にわたるバリアフリーに関する国民的なコンセンサスの形成に努めていただくよう切にお願い申し上げます。 次に、バリアフリー化の進め方についてでございます。 私ども、バス車両のバリアフリー化を進めていく場合には、高齢者の方々や身体障害者の方々の御利用の多い路線を優先的にかつ計画的に整備していくことを考えております。 しかしながら、バス事業者の取り組みだけでは効果が上がらないこともあります。すなわち、せっかくバリアフリー化をしたバスを駅に乗り入れても、駅のバリアフリー化が行われていない、あるいはノンステップバスで直接あるいはスロープ板を利用して乗りおりのできるような歩道が整備されていない、あるいは違法駐車、違法駐輪がされているといった状況ですと、せっかくバス車両はバリアフリー化してもその投資がむだになってしまうわけでございます。また、道路の縁石の配置、交差点、歩道の構造などちょっとした手直しをするだけでも、あるいは雪の降るところでは除雪を優先的にしていただく、そういった工夫をしていただくだけでもノンステップバスが走れるようになる場合があるわけでございます。 これらの点について、鉄道事業者、道路管理者、警察といった方々にいろいろお願いしなければならないことも多々あるわけでございますが、私どもバス事業者におきましても民間事業者としての投資計画に基づいて車両を整備していかなければならないのと同じように、鉄道事業者の方々にもそれぞれの投資計画というものがありますし、また、道路整備その他行政の取り組みについても優先順位といったさまざまな事情があろうかと思いますから、このあたりをうまく交通整理していかないとバリアフリー化について効果が半減してしまうのではないか、かように思っております。つまり、バリアフリー化というものは総合的にコーディネートされたものでなければ効果を発揮しないだろうということでございます。 したがいまして、国にバリアフリー化について一定の方向づけをしていただきながら、あとは地元の自治体に旗を振っていただいて、関係者がそれぞれ納得いくような形で整備の順番などについて整合性のある計画をつくっていただき、効果的な助成措置を講じていただく、こういうことが効果的なバリアフリー化のためにはぜひとも必要であると思いますし、私ども、民間事業者としてできる限りの協力はしていきたいと思っております。 以上、私どもバス事業者のバリアフリーに関する考え方の一端を申し述べさせていただきました。 私ども、バリアフリー化については、公共交通の一翼を担う者として積極的に取り組んでいく所存でございますが、現場にはさまざまな事情がございますので、この辺御賢察の上、法律をおまとめいただければと思っております。 最後に、繰り返しになりますが、本日はこのような機会を設けていただきまして、大変ありがとうございました。(拍手)
○仲村委員長 ありがとうございました。 次に、川村参考人にお願いいたします。
○川村参考人 全国福祉輸送サービス協会会長及びタクシーの協会でございます東京乗用旅客自動車協会の副会長を務めております川村でございます。なお、タクシー、ハイヤー、そして福祉の車両、全部で三百八十台ほどの会社も東京で経営しておる者でもございます。 このたびは、いわゆる交通バリアフリー法案の審議に当たりまして、私どもタクシー事業者の交通バリアフリーに関する考え方をお話しさせていただく機会を設けていただきまして、まことにありがたいことだと考えております。 私が会長を務めております全国福祉輸送サービス協会は、福祉輸送を営む事業者が集まりまして、福祉輸送の充実発展のための諸事業を行う団体といたしまして平成十年十月に設立をされました。昭和五十二年から任意団体として二十年余にわたりまして活動を行って、一昨年、公益法人といたしまして運輸大臣から設立許可をいただきまして、これを機会にさらに一層積極的に活動を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 まず、タクシーの現状について御説明いたします。 タクシーは、ドア・ツー・ドアのいわゆる機動的な個別的な公共輸送機関として年間約二十六億人のお客様に御利用いただいております。現在、法人タクシーが七千事業者、車両数は二十一万台、それに個人タクシーの四万六千七百台余を加えますと、車両数は全国で二十六万台ということになります。また、経営しております会社につきましては、資本金が一億円を超えるという事業者は一%に満たない五十二事業者にすぎません。そのほかはほとんどが零細の事業者ということになっております。このため、長引く不況のために大変輸送量も減少している、こういった中で、総じて経営状況は極めて厳しいものになっておるわけでございます。 このような中で、国の規制緩和推進の三カ年計画に基づきまして、タクシーにつきましてもこれまでの需給調整規制が平成十三年度には廃止が予定されておりまして、関係の道路運送法等の改正案が現在国会にも提出されておるようでございます。これによりまして、今後、事業者はこれまで以上により創意工夫を発揮いたしまして、そして事業の展開を図るということが求められておるということになってございます。 次に、福祉輸送等につきまして、タクシー業界の現状、取り組みを御説明申し上げます。 高齢化社会の到来と身体障害者等の社会参加の機会増大に伴いまして、高齢者や身体障害者の方が自由に社会に参加できるといったノーマライゼーションのために、交通施設及び交通手段の提供がこれまで以上に求められるということでございます。ドア・ツー・ドアの機動的な、個別的公共輸送機関であるタクシーは、こうした社会的な要請に的確に対応いたしまして、その使命を果たしていくということが今後ますます重要になってくるものと考えております。 タクシーにおきましては、これまでに、運賃は身体障害者の割引制度を導入いたしまして、障害者の方々の利用促進に努めてもまいったわけでございます。 また、車いすを折り畳んで車両のトランクに収容でき、また、お客様が乗りおりしやすいように、車のいわゆる室内を高くしたり、あるいはドアを大きくするといったようなタクシー専用車両の開発、導入に努めてまいりまして、現在、タクシー車両二十六万台のうちの約四割の十万台がタクシー専用車両ということになっております。 さらに、車いすのまま御利用いただけるといったリフトつきの車両や寝台車両の導入も進めておりまして、昨年三月末現在では、このような車両を保有する事業者は全国で七百四十五事業者、車両数では寝台の専用車が三百六十九両、車いすの専用車が百六十五両、そして車いすと寝台の兼用のできる車が八百九十七両、合計いたしまして千四百三十一両と現在なっておりまして、これは前年度に比較いたしますと、事業者数では七%、車両数では八%の増加をしてございます。 最近では、これらに加えまして、通常のタクシー車両でも助手席または後部客席が回転をいたしまして、より乗降しやすい回転式シート仕様、そして、さらにドアを大きくし、ステップも低くするといったような車両の導入も進められておるという現状でもございます。 一方、高齢者や身体障害者の方々の移動を考えた場合、ソフト面のいわゆるサービス、この充実が必要と考えておりまして、近年、乗務員がホームヘルパーの二級の資格を取得するといったような、介護タクシーサービスも提供する事業者も大変増加をしてまいりました。タクシー事業者としても、こういった介護の問題につきましてマニュアルをつくり、そしてカリキュラムに基づいて乗務員の教育をしようということで、これを今積極的に進めてまいっておる状況でもございます。 最後に、今回のバリアフリー法案と福祉輸送の課題について申し上げたいと思います。 高齢者や身体障害者の方がタクシーを利用する際には、利用者の方々によって利用形態は大変多様になっておる現状でございます。私どもは、乗務員が適切に介助を行うことによりまして、現在の通常のタクシー車両でも対応が可能な部分が相当あると考えております。これを、仮にリフトつきの車両や車いすを折り畳まずに収容できるような車両の導入を義務づけるということになりますと、タクシーのいわゆる汎用性、そしてコストの面から、これは直ちに対応するということは大変困難と言わざるを得ないと思います。 このような点を御考慮いただきまして、政府の法案につきましても、タクシーは対象から外されておるというふうに理解をしておるところでもございます。 しかしながら、現在、高齢者や身体障害者の方のニーズに十分対応できておるかというと、残念ながら十分とも思えないわけでございます。これは、リフトつきの車両の価格が通常の車に対しまして倍近い高価なものということ、そして、二十四時間対応するということが必要になりまして、乗務員には介護技術を含めました接客接遇の教育を実施する必要等がございますから、コストの問題で非常に問題があるわけでございまして、いわゆる輸送効率が悪い上にコストが高いというのが、この問題の困難性でもございます。 現在、一部の都市では、事業者に対しまして、車両購入費や運行の費用につきまして助成措置が講ぜられてはおりますが、福祉輸送は地域の福祉行政と密接な関係がございますから、地方公共団体によるこういった助成措置の充実や税制面の支援がさらに進むということを要望しておきたいと思います。 以上、私ども事業者の福祉輸送に対する考え方について御説明をさせていただきました。 私ども事業者も公共交通の一翼を担っておる者として、今後とも福祉輸送の充実拡大には積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 繰り返しではございますけれども、本日、このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。 以上をもちまして、私の陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○仲村委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○仲村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田六左エ門君。
○吉田(六)委員 自由民主党を代表いたしまして、石破筆頭理事あるいは理事各位、委員の皆さんのおかげをもちまして質問する機会を授かりましたこと、まずありがたく感謝申し上げます。 桜が満開であります。高齢者やあるいは身体の不自由な方々、この桜をどんなふうにしてめでたり、あるいは香りを感じるための努力をされるのかな、こんな思いが募ります折に、バリアフリー化の法案について質問させていただける、このことに何かえにしを思います。 きょうは、参考人とされまして、大変それぞれに御公務煩多なお立場でいながら参考人の皆さんに御出席をいただいて、そして財政的負担を覚悟された上で、しかし、よき法案だ、また時宜を得た提案だと強く賛意をいただきましたことは、このことにかかわる私たちとして、大変意を強くし、自信を持って法案成立のために努力をしたいな、そんな気持ちでございます。 また、先んじて、小田原市も鳥取市も、またJRも民鉄もバスもタクシーもこれに向かって進んでおられて、そうした経験の中からのよい御意見をいただけたことも、よき参考になるな、このように思っています。 私は、新潟を選挙区といたします新潟市の出身であります。三年と半年ほど前に当選をさせていただきまして、余り当選したことがうれしかったせいか、アキレス腱を切ってしまいまして、早々に、車いすで新潟から国会へ通う、こんな経験をさせていただきました。 その折のことを思い浮かべますと、駅の構造は、先ほど松田社長から意見陳述がありましたとおり、百年も前のもあるんだ、こうしたものではありますけれども、これを随分と工夫されて、何とか車いすに乗った者をスムーズに移動させてやろう、この努力がよく感じられました。 東京駅に着きましても、三年半前ですから大構造改造中の折でありましたけれども、シャフトを使い、あるいはそこから古い、多分あの様子ですと国鉄逓送をやっておられたころの隧道でなかろうかと思いますけれども、あんなところを迂回しまして押していただいた。新潟駅の場合などでも、いろいろな資材を運ぶ道路が新幹線ホームの真下にありまして、その真下のエレベーターを使って真っすぐに新幹線のホームへ上げていただくことができた。 そんなお取り扱いをいただいて、何とか難なく議員としての責めを負うことができたわけです。そのことを私が仲間や知り合いに話しますと、六左エ門、それはおまえがバッジをつけているからだよ、こういう言い方をよくされたんですね。私よく調べてみますと、東京駅にもちゃんとしたブースがありまして、そこへ電話さえかければ、だれだれと言って行けばどなたでも、時間になると担当の者が制服を着て車どめのところに待っておって、そこから車いすでなにしてくださる。ただ、今思うに、そうしたことを本当に電話一本で簡単にやってくれるんだ、このことの周知徹底がいま少しだったから、国会議員だからそんなにいい取り扱いをしてもらったんだろうというような声があったのではないかな、そのように思います。 これらのことを感じたものですから、少しこの辺のことについて伺ってみたいな、そのように思います。 それと、これも私が直接感じたことなんですが、八十二歳で元気な母がいます。二人で娘の卒業式に、シカゴのオヘアの飛行場で乗りかえてインディアナへ行ったときのことですが、アメリカでは、日本もそうなのかもしれません、飛行場ではと言った方がいいかもしれませんが、団体で移動する中でも、ちょっと足の弱いお年寄りなどをすぐに乗せておくれたところへサポートしてくれるゴルフ場のカートのようなものがぐるぐる走っているのですね。そして私は、余り大きな飛行場で乗りかえも大変だから、お母さん、車いすじゃなくてあれに乗せてもらってよ、そうすれば僕も隣へ乗せてもらう、荷物もみんな積んで乗りかえのところまで運んでくれるそうだからと言ったら、日本人の年寄りは元気で頑固ですね、二つの足で歩かれるうちはあんなものの厄介になりません、そもそも乗ることが恥ずかしいじゃないか、六ちゃん、こう言われたのです。 これは一つの例でありまして、まるっきり車いすのお世話にならなければならない人たちとか、あるいは重度の方々に対する対応というのはどんどんとスピードアップして整備されていくと思うのですね。ですけれども、高齢者の、少し足が弱い、こうした方々のサポートを、飛行場そして駅も考えていかなければならないのではないかな、そんな時代に来ているんだろうと私は感じます。 駅というのは御存じのとおり、縦のシャフトとそれから横もまた考えなければならぬ。縦に四、五階、横は数キロという移動をクリアしていかなければならない。そんなところを、飛行場のように割と平面につくられたものと同じようなサービスをする、これは大変なことだろうと思いますけれども、努力目標としていかがなものかな、こんなことをお聞きしたいと思います。 まず、松田社長、この二点で御意見を聞かせていただきたいと思います。
○松田参考人 大変私どもにとって大事な御指摘をいただいたと受けとめております。 時刻表等には、実は、車いすを利用される方の対応であるとか、どこにお電話をいただきたいとかということは書いてあるのでありますが、一般的にまだそういうお知らせが徹底していないということは私自身も感じているところでありまして、今月から私ども、インターネットを使って鉄道の情報であるとか、ホームページをこの八日から開始いたしますし、それから、今までも我が社のホームページを立ち上げておりますから、そういうもの及び各駅の表示等を使いまして、おっしゃるように周知徹底を図っていきたい、こういうふうに思います。 それから二つ目の、横の問題。 私どものところも、例えば東京駅の埼京線でありますとか、それから恵比寿でありますとか、非常に長いところにはいわゆる歩く歩道をつくっておりますけれども、概して、例外的につくられているというのが今までの状況であります。したがいまして、これも御指摘のように、私どもできるだけこれからの高齢化社会に備えた駅づくりということを意識しておりますから、実施をしていきたいと思っています。 まずはエレベーター、エスカレーター、そしてそういう設備を徐々に整えていくということにさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○吉田(六)委員 三百億の大きな投資をされて、しかし駅によってそれぞれだ、四十年も前に学ぶために通わせていただいた高田馬場の駅はたくさんお金がかかるんだなんてお話もきょうは聞かせていただいて、大変かと思いますけれども、ぜひひとつその方向で御努力いただきたいと思います。 きょうは小田原の市長さん、それから鳥取の市長さんお見えいただいて、小田原の場合は大都市に近い駅としての御意見、ともにしかし財政についてのことを強く御主張いただいたわけであります。鳥取の場合には、私たち新潟と同じ日本海側の遠隔地ということで大変な努力をしておられる、こういうことでありますが、御説明、まさにごもっともだと思っています。 ただ、エスカレーターを設置される折に、三分の一それから九分の四、九分の二という、スタンダードから若干崩れた負担を余儀なくされたと申し上げたらいいのか、あるいは責任を感じて一歩前へ出て負担をされたということなのかはともかく、大変御難儀な財政の中からこれらを支出されたというところに少し思いがおありなのではないかなという感じもしました。 短くで結構ですから、ここのところをちょっと御説明いただくと今後の我々の参考になろうかと思いますので、お願いをいたします。
○西尾参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。 これまで、鳥取駅のバリアフリー化、先ほど申し上げましたように周辺の市町村も多く集まってくる、高齢化率が高い、こういうことで一生懸命お願いをしてきたわけであります。 しかし、今回、先ほど申し上げましたけれども、大変うれしかったのは、地方財政再建特別措置法により原則禁止されておるJRへの寄附。場合によっては、寄附でもさせていただきますから何とかしてほしいというような趣旨の陳情もさせていただいたことがございます。しかし、それは法律で禁じられておる。こういうようなこともございましたけれども、先ほど申し上げましたように、原則禁止のものがいわば国の措置によりまして解除できたということが大きな前進策であった、このように思います。 それから、最終的には九分の四のうちの九分の二、これを県の方で見ていただく、それから九分の二を鳥取市が負担をする。結局、JRさん九分の二、県御当局九分の二、鳥取市九分の二ということで、三者九分の二ずつの分け合い。こういうことで、県御当局には、先ほど申し上げましたように、周辺市町村の関係にある程度の御理解をいただいて支出をしていただいた。 こういうように、お願いもし、三者でいろいろなお話をしながら、高齢化率の問題なりいろいろなことで話し合いをしながら進めてきたということで、ぜひとにかくつくりたい、何はともあれつくりたい、こういう趣旨でお願いをしてきたものでございます。 ありがとうございました。
○吉田(六)委員 ぜひつくりたい、何が何としてもいろいろ不自由のある方々に優しい駅にしたい、この情熱あってのことだろうと思います。 それから、小田原の市長さんからも、何でもかんでも市町村に一律はよく気をつけてやってもらいたいという、このこともまさにおっしゃるとおりだと思います。思いは一つです。何でもしてさしあげたい、そしてよき駅にしたい、よき地域にしたい。ですけれども、それぞれにやはり財布の大きさも中身も違うわけですから、このことは十分配慮していきたい、そのように思っています。 最後に、いろいろとお話を聞かせていただいて、バリアフリー化というのは大変にお金がかかる、このことについて財政的なことをまず国が中心になって考えていかなければならないのだな、これがきょうの参考人の皆さんからの意見を聞いた私の思いであります。 と同時に、もう一つ進めまして、私、かつてマッサージにかかったときの、その若い女性のマッサージさんとのやりとりの中の話なんですが、大変はきはきとお話をされる方だったので、外国の話やなんかいろいろしていましたら、どうも外国で暮らされた経験があるような感じなものですから、どこか外国におられたことがおありなのですかと聞きました。そうしたら、視覚障害者のグループの中から派遣されてアメリカでいっとき暮らしたことがあります、こういうお話だったのですね。 いろいろ話をしていまして、アメリカは大変だったろうという話からなにしましたら、日本は道路を渡るときとか、あるいは道路を歩くときとか、いわゆるぼつぼつの道路のブロックとか、あるいは信号がピコピコ音を出して赤になったよとか、あるいは横断歩道橋を渡ると手すりにこれから行く先のいわゆるサインまで点字である。大変親切にできているのだけれども、アメリカはそういった細かいところまで余り道路に工夫はしていないんだ。だけれども、全然不自由がなかった。 それはどうしてかというと、白いつえをついて信号待ちをしていると必ず、アー・ユー・ロスト、道がわからないのか、あるいはメイ・アイ・ヘルプ・ユー、何か手助けしましょうか、あるいはドゥー・ユー・ニード・ディレクション・オア・サムシング、何か私がしてやれることはないか、こうした声がどんどん飛んできて、何もそうしたものがなくとも、片言の英語でこうだ、ああだで手を引いてもらったり、あるいは親切に車にまで乗せて近くへ送ってくれたこともあった。日本のきめの細かいことも大事だけれども、立ちどまり、困っている者がいたらすぐに一声かけて、どうだと言ってやるような、そんなことがこれにもっと上乗せされたとしたならばもっと私たちは暮らしやすくなるし、それから、万が一の場合にはそちらの方でもし補完されたならばもっと有効な方向に向けてポイントを絞った財政支出ができるのじゃないか。こんな話をやりとりしたことを思い出しました。 最終的には、国民挙げてバリアフリーに向けて、今ほど陳述あられた両市長さんの熱き思いがごときものをみんなが持ったならば、どうしてもつけなければならない大きなエレベーターとか、どうしてもやらなければだめな長い歩道用のエスカレーターとか、そういったことにまとめてお金をつぎ込むことができるのじゃないかな。 その思いさえあれば、簡単な段差なんかは、若い男の子が四人もいたら、車いすを持ち上げて五メートルや十メートルぐらい走ることだってできる、そんなことを最近感じておりますものですから、この折自分の思いも一言吐露させていただいて、再度、授かったありがたい機会に感謝を申し上げて、参考人各位の皆様、ますますひとつ御研さんいただきますようにお願いをして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○仲村委員長 次に、奥田建君。
○奥田(建)委員 民主党の奥田建でございます。 きょうは、参考人の方々、お忙しい中お出ましいただきまして、また貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。 また、当運輸委員会の、一昨日、公共施設、羽田空港そして京浜急行から品川駅を通じての見学にも参加させていただきました。新しい設備が導入されているところを歩いてまいりましたけれども、それでもやはり車いすあるいは点字ブロックといった移動制約を持った中で動くということが大変時間もかかり手間のかかることだということを改めて痛感させられた次第でございます。 また、いろいろな情報関係の方、聴覚あるいは視覚に障害を持った方のそういった設備も見せていただきましたけれども、こればかりは技術革新とともにまた新しい方法もできてくるのかなと。 例えば、券売機の点字表示。一生懸命取り組んでいるけれども、技術革新とともに、券売機が不要とは言いませんけれども、いろいろなプリペイドカードあるいはICカードの進展とともに、障害、制約を持った方々が券を買わずに電車に乗れるあるいはバスに乗れる、そういった時代が来るのではないかな。 あるいは、いろいろな情報提供にしましても、携帯電話の進歩といったものによって、ある拠点といいますか、ある地点に来て自分が、iモードでも何でもいいのですけれども、そういったものを見ればそこの関連情報が手に入る、それは文字であるかもしれないし音声であるかもしれない、そういった時代のサービスが早く実現化しないかなということを感じた次第でございます。 また、そういった見学をしている中で、私は石川県金沢市出身ですけれども、平成三年のころに、町の公共施設のバリアフリーのチェックというものに参加したことがございました。もちろん政治の世界にはおりませんし、建築屋のあんちゃんであったときに、市の依頼を受けて、バリアフリー推進公共施設改良調査特別委員会というものに入って、施設を見て回ったわけでございます。幾つかのチェックシートを持って、ここの階段が障害になっている、あるいはここのドアの幅が車いすでは通れない、トイレがどうだといったようなことで、ホールやあるいは庁舎、駅舎を見て回ったことを記憶しております。 そして、私ども建築屋でございましたので、設計事務所の方が幾つかの改善設計案を出して、そして私どもはその概算見積もりをする、そしてそれを市の方に提供して、これからの市の改善計画に役立ててもらうという事業でございました。平成三年と申しますと、たしかバリアフリーという言葉が一般の方の耳に浸透し始めたころなのかなと思いますけれども、ハートビル法などの施行のまだ前でございますので、町としてもいち早い取り組みであったのかなとも思っておる次第でございます。 そのときの結論としましては、改修工事というのはいかに高くつくものか、そしてまた手間がかかるものかということを思い知った次第で、市の方にも、結論として、新設のものにはバリアフリーの思想と設備を必ず導入しなければいけない、そして、改修というものがあったときにはそういったことをやっていこうと。そのときには、すぐにそういった設備改善というものを実行しようというところまでは結論にならなかったと思う次第です。 そして、もう一つ、運輸省の皆様にもお礼と御報告を申し上げたいんですけれども、金沢市の方では、オムニバスタウンの指定を受けて、町の中心市街地活性あるいは交通改善といった中で、小さな小さな町の路地を走れるようなノンステップバスを導入させていただいております。つい最近、二路線目が開通いたしまして、順調に運行しております。確かに、雪国という中でのノンステップバスがどんな問題を抱えているか、実証的なものもありますけれども、一回り四十分のコースを三台のバスで、十五分間隔でバス停にバスが来るという形で、いろいろな商店街、あるいは路地とまでは言いませんけれども、大型のバスが走れない部分をカバーするつもりでやっておる施策が本当に中心地の高齢の方に大好評でありまして、また、そういった意味でのバリアフリーと活性化に役立っておるということを御報告させていただきたいと思います。 さて、質問の方になりますけれども、私どもの案あるいは政府案、バリアフリーの積極的推進ということを前提にしております。その中で、参考人の御意見の中にも、義務という言葉はちょっと困るんだということがありましたけれども、私どもは、各自治体あるいは事業者が協力してバリアフリーに関する改善計画というものを作成してほしいんだ、そればかりは例外なしに取り組んでいただきたいというつもりで義務という言葉を使わせていただいておるつもりでございます。 こういった観点、バリアフリーの積極推進に関して、国が自治体あるいは事業者に与えるインセンティブというもの、補助、あるいは義務という言葉もかかわりますけれども、どういったインセンティブのあり方であるべきかということを、小澤小田原市長さん、そして上條委員長さんの方にお尋ねしたいと思います。
○小澤参考人 お答えをさせていただきます。 今、国が私ども自治体に与えられるインセンティブと申しますと、いろいろな解釈のしようがあると思います。先ほど陳述で述べさせていただきましたように、まずは、鉄道事業者は、民間の営利企業ということで主張されます。しかし、私どもから見ますと、公共輸送機関という見方で見るわけでございまして、どうしてもどこかでバッティングする場合がある。私どもの立場でいいますと、公共輸送機関ということになりますと、町づくりの中で大変大事な都市施設、最もコアとなるべき都市施設でございますから、そこのところを抜きにして町づくりはできない。 そんな意味から、やはり私どもとして一番お願いしたいことは、自治体の主体を明確にしていただくというような意味で、自治体が構想をつくらせていただくということが非常にありがたいことでございます。先ほどもお話しいたしましたように、長い間いろいろそうした仕事に携わってまいりましたけれども、旅客サービスと市民サービス、それが即一体にならないでお互いがお互いを主張し合うみたいな話で、結果的にバリアフリー化が遅くなってしまうというようなことがいろいろな面で見受けられます。そんなことで、自治体の主体を担保していただく、こんなことをぜひお願いしたい。 それからもう一つは、お話もございましたように、もちろん、きめの細かいしっかりとした財政支援をお願いしたいということでございます。 以上でございます。
○上條参考人 先ほど申し述べたわけなんですけれども、ノンステップバスというのは値段が相当高い。一台大体八百万から一千万ぐらい高くなるということですので、現在、国と地方公共団体の方から補助金をいただいて導入しているような状況ですけれども、引き続きまして導入に必要な補助予算というものを確保していただきたいと思っております。 また、それとあわせて、仕様の標準化によって安くて使い勝手のよいバスが普及できるような施策を打っていただきたい、かように考えております。 どうぞよろしくお願いいたします。
○奥田(建)委員 次に、民営鉄道協会の清水副会長の方にお尋ねしたいと思います。 政府案、そして民主党案の違いの中で、補助率というものが出ております。もちろん、予算が絡んだ中で根拠のない数字を出すわけにはいかないんですけれども、こういった補助率といったものについて御意見がございましたら、ぜひお伺いしたいと思います。
○清水参考人 清水でございます。 このバリアフリー、特にエレベーター、エスカレーターの設置、あるいは道路から駅に至る誘導のマークとか、そういうことにつきましては、事業者だけではなくて、地方の自治体あるいは国の関与を期待する面が相当ございます。また、国がより次元の高いところで格差のないように見ていただくとか、あるいは地方の自治体で駅周辺の住民の意見を吸い上げて我々に伝えていただく、また、駅周辺の住民の御協力をいただくというようなことなどを勘案いたしますと、国並びに地方自治体と我々事業者、三者一体ということがこの仕事を推進する上において一番適切だろうというふうに考えます。そして、政府案ですと、地方自治体の基本構想に基づいてというようなことだと思います。 負担の割合でございますけれども、そういうふうに三者一体ということで、三分の一ずつというところが妥当な基準ではないかというふうに思います。 鳥取市さんの実際の例ですと、自治体が九分の四負担されたということがございます。これは、先ほども申し上げましたように、地方の鉄道というのは非常に厳しい、都市と比べてさらに厳しい状況でございますので、そのような割合が決められたかと思いますけれども、やはり基準をしっかり決めていただかないとずるずるといってしまうのではないか。基準をしっかり決めていただいた上で、例外措置を検討いただくということが一番よろしいのではないか。それがバリアフリーを推進するために一番適切ではないかと考えております。 三者一体で、三分の一ずつの負担ということを大原則としていただきたいというふうにお願いいたします。
○奥田(建)委員 次に、もう一つ、違いの中で、タクシーあるいはスペシャル・トランスポート・サービスというものを整備対象の中に含むかという点がございます。この点について、川村参考人の方から御意見をいただければと思います。 また、事業者として、福祉関係の事業というものと重なり合う部分があるかと思いますけれども、その点についても一言御意見をいただければと思います。
○川村参考人 先生がおっしゃられましたSTS、いわゆるスペシャル・トランスポート・サービスですが、これはまだ確立した概念というものが定まっていないのではないかなというふうにも考えております。 しかし、高齢者、身体障害者等を個別に輸送するサービスといったものの重要性はますます高くなっていくんだろうというふうに考えております。そして、このような交通不自由者に対する輸送サービスの担い手として、私どもはプロの事業者でございますから、今後ともに福祉輸送の充実拡大には業界を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。 先ほども申し上げましたように、道路運送法の改正法案、その他の改正、そして高齢化社会ということで、業界としても逐次これは、皆参加意識が高まっておるという状況を御報告させていただきたいと思っております。
○奥田(建)委員 補助事業というものの中に、バスあるいはタクシーといった民間事業の投資に補助を出すのはいかがかというような御意見があることも存じております。 しかしながら、清水参考人おっしゃいますように、事業者あるいは自治体、そして移動制約を持った方々、そういった方々が一体となって、自分たちの次のあるべき姿を追い求めて提案し、計画をつくり、それを市あるいは都道府県がまとめて、求める事業計画として提出して、それを認めるといった形は当然あってもいいものと思います。タクシー自身が個別の事業者に対するというよりも、その町が、住んでいる方たちに対して、どういったサービスを求めていくのかという中で、提案していくものをぜひとも国も取り上げるといった形にしていただければとお願いする次第でございます。 最後の質問にさせていただきたいと思いますけれども、東日本の松田社長さんにお尋ねしたいと思います。 先ほど、エレベーターの技術改善という中で、金額にして二分の一、工期にして三分の一で済む、そういった技術革新があるというお話がございました。私どもも、四ツ谷駅の四ツ谷型あるいは上野駅であった上野型、今のお話によると赤羽の駅にもすばらしいエレベーターがあるということでございましたけれども、工費が二分の一になるといえば画期的なことで、補助率がどうのこうのという話が吹っ飛んでしまうようなことになるかと思います。 技術革新にも大いに期待したいところでございますけれども、その最新型のエレベーターということについて、もう少し詳しくお話を伺えればと思います。
○松田参考人 その前に、エレベーターというのは、本体のお金と、それから、それをつけるために全く構造を変えなきゃいけないとか、構造を変えずにすとんと穴をあければいいとか、駅によって全く違いますから、全体の工事費は、何億かかるものもあれば何千万で済むものもある。駅ごとに全く違うとまずお考えいただきたいと思います。 その上で、新型のエレベーターを開発した理由は二つありまして、日本のエレベーターはお値段が高いというのが一つであります。それからもう一つは、ホームにエレベーターを上げてきますと、今のロープでつり上げる方式は、相当広いエレベーターをつくらないと車いすの方は中で回転できないんですね。 今度つくり上げたものは、ヨーロッパによくありますように、こっち側から入って向こう側のドアから出ていけばいいわけですから、そういう双方向で通れるという形、それをねらいにしてつくったわけです。我々はスクリュー型と言っていますが、壁に鉄のスクリューみたいなものを一つ置きまして、それに沿って両側に出られる箱を張りつけるわけですね。ロープじゃなくてスクリュー型で上がり下がりするという形にしますから、双方向に出ることができるし、工事費も安いし、それから補修費も非常にかからない、こういうことであります。 先ほど申し上げましたように、ある常磐線の駅で実験していまして、結果は非常に良好であるという技術陣営の判断が出ておりますので、これを多用してこれから各駅のホームにつけていきたい、こういうふうに思っております。
○奥田(建)委員 以上で質問を終わらせていただきます。またこれからもいろいろと施設の改善に向けて皆さんの努力をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○仲村委員長 次に、赤羽一嘉君。
○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。 まず、本日は、参考人の皆様方、大変御多忙の中、また遠方より国会にお出ましいただきまして、また貴重な御意見を賜りましたことを心から感謝申し上げる次第でございます。 時間も限られておりますので、早速端的に質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 まず、地方自治体の代表の市長さんに御質問させていただきたいと思います。 先ほど鳥取市長さんからお話がございました。運輸省のガイドライン、乗降客が五千人以上、高低差が五メートル、こういった中では、なかなか地方都市でその対象になる駅は少ない。その中で、非常にJR西日本の、多分順位もそんな上位のリストではなかった中で、地元の皆さんの署名を集められ、そしてまた補助率も地方自治体が若干多く持つというようなことをされて今回バリアフリー化の施設を整えられたという話を聞いて、非常に感銘をしたところでございます。 この事例でもわかるように、バリアフリーの施設整備を進める中では、旗を振る、コーディネートするところが恐らく非常に大事になるのではないかというふうに思っております。 駅舎だけの整備であれば、JRさんや民間鉄道さんの中で話が事足りるのかもしれません。しかし、それも財源の問題がありますから、地方自治体との交渉の話になるのでありましょうし、今回は駅を中心とした面的な整備、こういう話になるわけでありまして、そういった場合には、恐らく、駅前広場だけでも、国道がありますし、県道がありますし、市道がありますし、また、先ほど民鉄のお代表の方がお話しされましたが、用地スペースの確保、こういった意味では地方自治体の御協力なしではなかなかできない。 また、バス乗り場、タクシー乗り場について上屋をつけるというような話になりますと、それぞれの業者さんの御協力がないといけないというふうなことを考えると、まさに地方自治体の皆さんの御苦労というか御努力次第で、この法案ができ上がったとしても、そのものが進むかどうかということになるのではないかというふうに思うんです。 そういった意味で、鳥取市長さん、先ほどお話を伺いましたが、今回のこのバリアフリー施設整備に関しまして、コーディネーターとしての御苦労、どんなことが大変だったか。また、今後進める上で、面的整備ということで、国道、県道、市道といった部分の調整なんかも出てくると思うんですが、その辺について予想される困難な点というものを端的にお話をいただければと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
○西尾参考人 お答えをさせていただきます。 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、ともあれ鳥取駅にエスカレーターがないということで、高齢者の方々、障害者の方々がお困りだという声はこれまで大変強かったわけでありまして、長年JRさんにお願いをしてきた。その場合に、ある程度の負担は覚悟したい、こういうような気持ちは当初からあったわけであります。しかし、先ほど申し上げましたように、財政再建法の関係で、どうしてもJRさんに補助するというような道は開かれていなかったということが一点、大変困ったことでございました。 それから、さらに財源の問題で、JRさんからいいますれば、西日本で鳥取駅は百十何番目、乗降客数、お客さんの数からいって。だから順位からいえばずっと低いのですよ、こういうことであります。 地方都市としては、広域圏がこれから進んでくる、高速道路時代が進んでくる、いろいろな広域圏交流が進む中で、都会からエスカレーターを使って帰られた方々が、またはおいでになった方々が、鳥取駅に着いた途端に重たい荷物を持ってお年寄りが移動しなきゃならぬ、これは何とかして解消したいということで県御当局とも話をしながら来たわけであります。 そういうようなことの経験があるわけでありますけれども、先ほど御指摘がありました駅前周辺、さらには県庁でありますとか市役所でありますとか公共施設あたり全体になりますれば、国道あり県道あり市道あり、さらには商店街の方々のいろいろな施設も並んでくる、アーケード等々も出てくる、こういうようなことがあるわけでありまして、やはり皆さんがそれぞれ話し合いをしながらバリアフリー社会に向かって進めていくということが必要になってくるわけであります。 その場合にだれが中心になるかということになりますれば、その地方を、行政を進めておる地方自治体がやはり中心となって進めていかなきゃならぬ、これは当然だろうと思うんですけれども、いろいろな施設そのものをつくっていくという合意をいただく場合に、予算措置が一体どうなるのか、だれが負担するのか、この辺が協議で大変困るところでありまして、国から施策を打ち出していただき、場合によったら、いろいろな事業者の方々も含めて考えていただかなきゃできぬことではないかなと思います。 ともあれ、財源問題で各関係者が話し合う場は持つわけでありますけれども、財源問題で合意に至るという辺がなかなか難しいのではないかなと一般論として申し上げさせていただいたところであります。
○赤羽委員 小田原市長さんにも同様の質問として。面的整備において、先ほど言いましたが、道の問題にしても国道や県道や市道がある。そういった中で、今後予想される困難に対して、当委員会に要望しておきたいことがあれば、ぜひ御開陳いただきたいというふうに思います。
○小澤参考人 お答えいたします。 実はことしの二月に小田原市障害者福祉計画というのを策定したばかりでございますが、この策定に当たりましては、市民各界各層の皆様方あるいはハンディをお持ちの皆様方にも御参画をいただきましてつくってまいりました。そして、計画策定市民百人委員会というものをつくったのですけれども、幅広い分野の市民の方々の助言もいただいてまいったところでございます。 私ども、小田原駅の自由通路と申しますのは、東口と西口が百四十円払わないと行ったり来たりできない、鉄道五社がありますから、延長も百七十メーターもございます。そういう駅に、駅務施設も全部橋上に載るということで、このたびも国の方のユニバーサルデザインの研究駅というような形で御指定もいただきました。小田原駅と、たしか熊本駅さんだったと思いますけれども、二駅だけ御指定もいただきました。このユニバーサルデザイン、駅構内のデザイン関係につきましても、鋭意これから関係の皆様方と一緒に御相談しながら進めてまいりたい。 それから、面的な整備におきましても、これは従来から国や県と、あるいは道路、警察の関係の皆さんと御相談を申し上げながら、セーフティーロード作戦等々、しっかりとこれは着実に進めてきております。 こうしたことに、今回のこの法案が、政府案の方でございますが、自治体が町づくりの責任をしっかりと持って、鉄道側にもある程度御相談をしながら関与できるということになりますと大変うまく進んでいく、あるいは財政的支援もいただけるということはありがたいことでございます。 以上でございます。
○赤羽委員 どうもありがとうございます。 続きまして、鉄道事業者の皆さんにお伺いしたいと思うのですが、鉄道事業は、高齢少子社会に向かう中で、事業そのものが大変厳しい経営を強いられている状況があるというふうに思います。その中で、一方では公共交通機関、こういう公共性の役割がある。非常に経営が苦しい中で、率直に申し上げて、こういうバリアフリーの施設をつくったとしても、それが経営実態に大きくはね返るということは、若干の増はあったとしても、明確ではないような状況があると思います。 その中で、先ほどJRの松田社長さんからお話がありましたが、年限を区切ってもインセンティブを高めていただいてやるべきものはすべてやる、こう強い御決意が披瀝されたわけでございます。そして、私たちの政府案では、既存の駅については努力義務、こういうふうに申し上げております。ただ、思いは、社長さんが言われたような思いと異なっていないというふうに思うのです。できるものはすべてやっていくんだと。 しかし、現実の中でどう進めていくのか、また、新設の駅は、設計からそういう構造をつくるのと、もう既に古い駅の中でつくりかえる、建て直すことの方が安くつくような状況も多いと思いますので、そんな中でどう考えていくのか。私たちは、努力義務、こう設定をしたのですが、どうも努力義務ということは何もしない話につながるのではないか、こういうふうにとらえられているところがあって、非常に御理解をいただいていない政党もあるのですけれども、そういう思いはない。ただ、非常に困難なことを進めていかなければいけないという中で、この法案が成立したときに、今おっしゃられているようなものを進めていく上で、どのようなインセンティブを提示するということがこの事業を進めていく上でフォローウインドになるのか。あればアイデアを聞かせていただきたいと思います。
○松田参考人 先ほど来申し上げますように、私ども、この四年間で三百億の投資をして、バリアフリー化、特にエスカレーターを中心として今整えつつあるわけであります。ことし私どもが予定しているのが八十億円であります。先ほどJR西日本の鳥取の話がございましたけれども、そのうち、補助金として私どもが恐らくいただけるだろうと予想しているのは二十億円であります。あとは私どもの会社の投資資金で行うつもりであります。 といいますのは、幾つかの理由があります。今の社会の流れというものを考えてみますと、確かに鉄道というのはそんなに利益の上がる事業ではありませんし、経営は苦しいわけであります。特に私どものところ、民間会社になって十四年目を迎えておりますけれども、まだ完全民営化ができておりませんから、普通の会社以上にいろいろな規制を受けているわけであります。それだけ会社経営が敏速性を欠くという事態がありますから、なお苦しいわけであります。 しかし、少子化で鉄道の人は減っていくかもしれませんけれども、やはり高齢化ということを考えたら、私どもの最大の競争相手はマイカーでありますから、鉄道を利用しやすくし、鉄道をできるだけ安心して高齢社会の中に対応できるように持っていくということによって、私は鉄道のお客様をふやすことができると実は考えています。したがって、一定の負担は私どもは覚悟してでも、急いでそういう体制をつくる必要があるというふうに思っているわけであります。 ですから、何%をいただきたいとは申し上げませんけれども、ただ、今のようなやり方ですと、先ほどある方がおっしゃったように、一つのところの町はできてももう一つのところはできていないとか、アンバランスの状態でいるとバリアフリーの効果がなかなか上がらないわけでありますから、私は、この法案をおつくりになるときに、やはり三年とか五年とか形を切って、あるいは補助率を高めるなりいろいろなことでもって促進をするインセンティブをお考えいただければと思うんです。あるいは、何年間か税的な措置をとるというのでもいいかもしれません。要するに、加速をするということをやらないと、十年がかりでやったのでは私は虫食い的になってなかなか効果が出ないんじゃないかということを恐れているわけであります。そういう意味でございます。
○赤羽委員 貴重な意見、本当にありがとうございます。社会の問題としてこれに国を挙げて取り組むということがやはり大事なんではないかなというふうに思います。 民鉄の清水さんにちょっとお話を伺いたいと思いますが、先日の参考人質疑で視覚障害者の代表の方が来られまして、その中で、全盲の方の大半の方がホームから転落した経験がある、こういうような話がありました。ホームからの転落防止策についてそのとき御意見を伺ったわけでございますが、民間鉄道業者として現状考えられているホームからの転落防止策があれば御開陳いただけたらと思いますが、よろしいでしょうか。
○清水参考人 清水でございます。 全盲者のホームからの転落防止につきましては、誘導・警告ブロックの設置を進めると同時に、車両と車両の間の転落防止についてこれから有効な方策をいろいろととっていきたいというふうに考えておりまして、今徐々に進めているところであります。車両の連結部分があいているわけでして、視覚障害者の方はそこがドアではないかというふうな錯覚をされるケースがあるわけです。そこに壁を設けるということで、視覚障害者の方にもそれはドアではなくて連結の間の部分であるということがわかるような装置を鋭意つけるべく努力しているところであります。 転落防止については、そのほかにもいろいろと不備な面があるかと思いますが、御意見を伺いながら努力していきたいというふうに考えております。 それから、民鉄がどんどん輸送力増強工事を行う上において、従来は直線のホームで車両が間に合っていたものが、輸送力増強で車両の編成を長大化させるために曲線部分のホームが新たにできてしまっている、その辺で車両とホームの間隔が開いている、あるいは段差が普通よりもちょっと高くなっているというような面もあります。そういうようなところについてもいろいろと工夫をして、障害者の方に危険が及ばないような工夫を凝らしていきたいというふうに考えております。
○赤羽委員 先日の全盲の方の代表の御意見としては、もちろんさくなんかが設置できれば理想的であるけれどもなかなか難しいでしょう、それから、今の警告ブロックに加え音響効果というものを考えていただけないでしょうか、こういった御意見がありましたので、ぜひ御参考にしていただきたいというふうに思います。 また、ちょっときょう時間がないんで聞けないんですが、私は、身障者の皆さんも普通の生活ができる状況をつくる、そういう意味では通勤時間、ラッシュ時も使えるような工夫というのを考えていただくことが大事なのではないかと思います。きょうはお答えを求めませんが、今シルバーシートというものがあるように、身障者の皆さんが安心してホームに上がることができ、そしてそこで安心して車両に乗ることができるようなこともぜひ御検討いただきたいというふうに思っております。 最後に、タクシーの関係で伺います。民主党の法案では二十六万両のタクシーをすべて義務化するべきだ、こういうふうな話がございます。私は、それは理想論であるかもしれませんが、タクシー業界の現状を考え、またそういった利用者というのは家に呼ぶことも非常に多いわけですから、二十六万両一〇〇%そういったことを求める必要はないのではないか、こういうふうに思いますが、その辺についての御感想。 あと、私たちはどうも車両というのは非常に高価、費用が大変かかるのではないかということを想定しているんですが、民主党さんの方では一台につき二十万から三十万の改造でそういったものが十分カバーできるということのようなのですが、その辺について現場を預かられている川村会長さんのお立場で現状を御開陳いただければと思います。
○川村参考人 先ほども申し上げましたとおり、現在全国では九九%以上が中小零細の企業、タクシー会社であるということでございまして、バリアフリーに対する車両価格の高騰には経営上これは耐えられないのではないかなと考えております。 そして、なお、タクシーについては大型から小型までございます。お客様は、いわゆる高いタクシーとしての大型車、より安いタクシー料金の小型車まで、広いニーズといいましょうか、要望があるわけでございますから、これらに全部つけるということが、一般のお客様に対して、バリアフリーのために要した価格といいましょうか、経費を転嫁するということが果たして妥当であるかどうか、そこの点も考えなくちゃいけないのかなというふうに思っております。 しかし、いずれにしましても、普通のタクシーを改造いたしましても、例えば折り畳みの車いすをトランクに収容するということまではできるんですが、最近の電動車いすとか、重度の交通不自由者、こういう人たちに対してはやはりリフトつきの車、あるいはまた寝台が自動的といいましょうか、より容易に乗せられるようなそういった車が必要であろう。 まあパラリンピックに出られるような立派な、我々以上に活躍できる身体の障害のある方もいらっしゃるわけですが、そういう方であればもう本当に、先ほど吉田先生も述べられておりましたし、議員の皆様方御高承のとおり、やはりハート・ツー・ハートといいましょうか、乗務員が接客接遇を十分にすれば、今視覚障害者の話もございましたけれども、乗降についても頭をぶつけないように手をちょっと添えてやるとか、手のここら辺をさわって乗降を手伝うというようなことで、十分現在のタクシーでできると思いますので、そういった二種類のものがあるのかなというふうに考えております。 なお、リフトつきの車につきましては、リフトに乗ったままということになると、天井が非常に高くなりますので、いわゆるハイルーフの車ということになります。既存の、私どもの改造で五十ミリ、六十ミリ程度天井は高くしたんですけれども、そういう車では対応できないということで、この改造費は大体二百万円ぐらいリフトその他を含めてかかるということで、二、三十万円の改造費ではとても対応できないというふうに考えております。
○赤羽委員 大変に貴重な御意見、どうもありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○仲村委員長 次に、平賀高成君。
○平賀委員 日本共産党の平賀高成でございます。 きょうは、参考人の皆さんには大変お忙しい中をわざわざお出かけいただきまして、心からのお礼を最初に述べたいと思います。 私は、バリアフリー法案について、これは一層充実したものにしていくためには何点かの不十分さがあると思っております。例えば、障害者の定義の問題についても、これは身体障害者ということで、身体障害者だけに限定をしておりますし、それから、事業者責任の問題につきましても、これは努力義務ということで責任が書いてあります。 そういうことになりますと、例えば、地方の駅についても、既存の駅についてこれでどこまで整備ができていくのだろうかという心配がありますし、さらに障害者の皆さんや高齢者の皆さんの声が反映される場があるかどうかも私は不明だと思っておりますし、さらに、今お話もありました、タクシーの事業者が交通事業者の中に含まれていない、こういうふうな何点かの不十分さがあるということを最初に申し上げて、質問をしたいと思います。 最初に西尾参考人に伺いたいと思いますが、このバリアフリー法案が成立をいたしますと、例えば、地方の駅でありましても、一日の乗降客が五千人以上の駅については重点的に整備をしていくということになっていくと思うのですが、それ以下の駅については対象から外れてしまうと思うのですね。せんだってのこの委員会の中でも我が党の寺前議員が、運輸大臣の地元の和歌山県で、JR西日本の駅が八十カ所ありますけれども、そのうち一日の乗降客が五千人以上、この対象となる駅が一体幾つあるのかといった場合、七つしかないのですね。 ですから、私は、バリアフリー法という場合、こういう地方の駅であっても対象にして整備をするべきだと思っているわけなのですが、その点について、西尾参考人の御意見をまず最初に伺いたいと思います。
○西尾参考人 お答えをさせていただきます。 五千人以上という制約はいかがなものかという御質問であったかと思いますけれども、地方の立場からしますれば、すべての駅をバリアフリー化していただくというのはまことにありがたいことだ、このように思うわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、市町村にはそれぞれの政策課題が山積みをしておるわけでございまして、それぞれの順位があるわけでございます。 したがいまして、JR自身でおやりいただくというのはまことに結構でありますけれども、そのような小さい市町村のところもすべて三分の一の例えば負担をするということになりますれば、むしろ福祉の観点でありますとか観光の観点の方を政策順位として上位に持っていくような市町村がある場合にはどうするかという問題が出てくるのではないかな、このように思っておるところでございます。 したがいまして、ある程度自主的に市町村の判断、当然JRさんなり関係の周辺の方々との協議が要りますけれども、やはり町づくりを進めていく市町村の責任においてやっていくのがいいのではないかな、私はそのように思います。 以上でございます。
○平賀委員 わかりました。 次に小澤参考人に伺いたいと思いますが、直接的には意見陳述の中では言われていなかったと思います。 先日、四月五日、運輸委員会としてもバリアフリーの実態の調査に行きまして、その中で、私も車いすに乗る体験もしました。それから、車道と歩道の区別をなぜつけなければいけないかというふうなことも実際に調査をしてみまして、二センチの段差をつける、この二センチの段差というのは、視覚障害者については段差がないと車道との区別ができないから必要なんだ、これは車いすの皆さんと視覚障害者の皆さんのいわば話し合いの中で共通した一致点だというふうなこともいろいろわかりました。特に、地下鉄の駅の調査に行きましたら、ホームのところにずっと警告ブロックがあるのですけれども、ドアの位置を示す印がないのですね。 ですから、そういうふうな非常に不十分なところもありましたし、実際にそういう問題というのは障害者でないとわからないという部分がたくさんあると思うのです。 せんだっての当委員会で参考人の陳述を伺ったとき、阪急の伊丹駅で実際に当事者の障害者を加えて駅の基本計画をつくってその整備をした、駅の構造からいいましても、非常にわかりやすくて使いやすい、そういう駅になったんだという経験なども話されておりました。 私は、このバリアフリー化をするに当たって駅の基本構想をつくる場合、障害者の皆さんの意見を組み入れる、そういうふうな整備の仕方を考えていらっしゃるのかどうなのかをちょっと伺いたいと思います。
○小澤参考人 お答えいたします。 先ほどもちょっと御紹介いたしましたけれども、国や県と協力して、歩道の段差解消のことにつきましても、セーフティーロード作戦ということで進めているところでございます。まさにお話がございましたように、目にハンディをお持ちの方と車いすの方と主張が違うわけですね。その際にも、それぞれのハンディの種類によって立場も違う、考え方も違う皆さんに集まっていただいて、市の連中それから自治会、周辺組織だとか、いろいろ集まって、相談の上、どういうふうにしたらいいか、一つ一つ考えながらやってまいりました。 あるいは小田原市総合計画市民百人委員会、百人を公募いたしまして、小田原市の町づくりの根幹でございます総合計画も、百人の皆さんと市の職員がたたき台からちょうちょうはっしやりながらつくってきて現在の総合計画がございます。 そういう市民参加の歴史みたいなものがございまして、今回の政府案に盛られております自治体がつくる基本構想案につきましても当然市民参加、そして、特にハンディをお持ちの皆さんの御意見はしっかりとお聞きして、できるだけ生かすようにしてまいりたいというふうに思うところでございます。 以上でございます。
○平賀委員 阪急伊丹の駅のあり方についても、運輸省も参加をしてやった、今後の基本方向だというふうなことも言われておりますので、ぜひそういう方向で頑張っていただきたいと思います。 それから三点目に、今度は松田参考人にお話を伺いたいと思いますが、私は事業者責任について質問をしたいと思うのです。 先ほど意見陳述のときに、首都圏では随分いろいろ努力をされている、こういう御意見がありました。運輸省からいただいた資料を見ますと、確かに首都圏ではかなり整備が進んできているわけなんです。ただ、駅の数が全国的な規模でいきますと多くなるものですから、整備率でいいますと、例えばエレベーターでいいますと四・四%という状況でありますし、エスカレーターでいいますと七・一%、こういう状況があるわけです。 それで、私は高齢者や障害者の移動の自由と安全を図るというのは事業者の皆さんの責任だと思うのです。ただ、このバリアフリー法を実際に成立させてこれを整備していくに当たって、やはりJRの皆さんや大手民鉄の皆さんのあり方、これはバリアフリー化を左右するような大変大きな問題だと思うわけです。この点の役割について、認識を伺いたいと思います。
○松田参考人 先ほど来申し上げておりますように、東京を中心にして設備を今増強中であります。まだまだ足りない分があります。エスカレーターでいえば全体で六六%であります。それから、エレベーターでいえば二一%でありますから、今一生懸命それを増強していこうと思っています。 バリアフリーの問題について、私どもは、先ほど申し上げましたように、一定の負担をして進めていく、御協力をして進めていくということには、私は何にも反対でもありませんし、その率によりますけれども、異議を唱えるつもりはありません。私どもも負担をいたします。 しかし、先ほど来御議論がありますように、全部を義務化してしまうということになりますと、先ほど言いましたように千差万別の駅がございますから、巨大なお金のかかるもの、あるいは駅を壊さないとできないもの、そういうものまでありますので、余り法律的に強制をするという形になると私どもは事実上困ってしまうと思っております。 ですから、そこのところを、だからといって協力義務で私どもがこの事態を放置しようとは思っていないわけでありますから、ある一定期間を限って、ひとつみんなで力を合わせてやれるような促進剤というものを私は考えたらいいのではないかと先ほど来申し上げているわけであります。 この事態は、都市だけでも、それから私どもだけでも、あるいはほかの利用する方々だけでもできない話でありまして、みんなの意見が寄り添って一つの都市改造をする、都市計画をするという意識で私どもも取り組んでいきたいというふうに思っております。
○平賀委員 すべて義務化をする、その辺は非常に意見があるところなんですが、私も意見を伺っていまして、義務化をするにしましてもいろいろなやり方があるし、状況に応じてやり方はあるんだなというふうなことも一方では考えているわけです。 さらに続けて、事業者責任の問題について伺いたいと思うのです。 今度バリアフリー法が成立しますと、一日の乗降客が五千人以上いるところを中心にして、いろいろな官公庁の施設や福祉施設などがあるところは重点整備地区ということで整備がされていくわけなんです。ただ、格差五メートル以上、それから一日の乗降客が五千人以上、こういう指導指針でこれまで整備がされてきたと思うのです。今回このバリアフリー法が成立しますと努力義務が課せられるということになるのですが、今までとその努力義務との違いといいますか、その辺はどのように認識をされてみえるのか、松田参考人とそれから清水参考人、両方に意見を伺いたいと思います。
○松田参考人 私どもは、今、千七百八の駅を持っております。そのうちの六百駅は無人駅でございます。したがいまして、残りました有人の駅というのは約一千百駅であるとお考えいただけばいいかと思います。 その中で、毎日一千六百万人のお客様が利用しておりますが、そのうちの五百駅で千五百五十万人の方が利用しているわけであります。つまり、九六%の方々が五百駅に集中しているというのが今の実態でございます。したがって、ほぼ、運輸省の基準であります五千人というのは、私どもの考えでいえばこの五百駅に当たるわけでございまして、御利用される方の九六%の方々をまず今のバリアフリーで自由に通行できる形にするというふうに考えています。 それ以外の駅についてどうするか、これは全くその地域の個別の問題になろうかというふうに考えています。
○清水参考人 今、松田社長からJR東日本の例で御説明がありましたが、私は、大手民鉄十五社の例で御説明したいと思います。 大手民鉄十五社、駅の数は千七百七十三ございますけれども、先ほどの基準駅と申しますか、一日乗降五千人以上、それで五メートル以上の格差、これが七百七十六でございまして、総駅数の大体四割ぐらいでございます。ただ、乗降客をとってみれば、これは九割ぐらいがこの駅を利用しているということかと思います。 従来のエスカレーターの設置につきましては、七百七十六の基準駅については四百二十一で五四%、これはことしの三月末の統計でございます。四百二十一で五四%。総駅数に対してのエスカレーターの設置は四百四十七でございまして、四百二十一と四百四十七、この差の二十六は、基準以下の駅に設置されているエスカレーターの数ということになりまして、従来も基準以下の駅にも少しずつエスカレーターの設置をやってきたということかと思います。これが総駅数の比率にしますと二五%になっております。 エレベーターの設置につきましても、大体同じような傾向であるかと思います。 今後、どういうふうに進めていくかということになりますと、やはり乗降客の多い駅を中心に重点的にやっていきたい。 これも松田参考人が何回か言われておりましたけれども、機械の費用と設置費だけですと一台当たり二千万から三千万、あるいは五千万ぐらい、これはエレベーター、エスカレーター平均しての話ですけれども、それぐらいの費用でできるのですけれども、その他附帯のいろいろな費用、例えば、駅の乗降の人間の流動を阻害しないために新たにコンコースを広げる、コンコースを広げるためには人工地盤をつくらなければいけないとか、いろいろな附帯の費用がかかります。私どもの会社の最近やりました例でいきますと、エレベーター三基とエスカレーター六基をつくるために約九億近い金がかかった、つまり一基当たり一億円平均の金がかかるというように、非常な負担になっております。 ただ、従来は、民鉄は安全確保を第一に設備投資をやってまいりまして、今後もその方向には変わりないわけですけれども、これからはそれに加えて、バリアフリー、環境問題、これを義務ではなくて使命であるというふうに認識してやってまいりたいと思いますので、それとこの過大な負担との兼ね合いで、ぜひとも先ほど来申し上げております補助などについて十分な手当てをしていただきたい、それによってバリアフリーの設備投資を促進していきたいというふうな思いでおりますので、よろしくお願いします。
○平賀委員 時間もなくなってきましたので、最後に、このバリアフリー法が成立をしましてバリアフリー化を進めていくということになった場合、私は、公共交通網にアクセスできない人のために、タクシーなどのスペシャル・トランスポートといいますか、STSの問題が非常に重要だと思っているわけです。 この点で、今回その位置づけがないわけでありますが、私は、それをしっかり位置づけるという場合に、国や事業者が具体的にどういう施策や方針を持つべきなのか、この点についてお考えがあれば、川村参考人に最後に伺いたいと思います。
○川村参考人 私どももこの問題については、経営上といいましょうか、収支の問題で大変苦慮しておるわけでございます。 しかし、先ほども申し上げましたように、これからの社会、高齢化でそういったニーズがだんだん広がるということも事実ですし、業界が、民間活力といいましょうか、競争を通じて、志のある企業がどんどん導入を図っておるというのが実態でもございます。私どもの福祉サービス協会でも年率にして七、八%はふえておりますし、まだ加入していない業者も相当おるわけですから、相当程度これは普及していくのかなというふうに考えております。 ただ、昨年、先ほどもお話がございました、改造費につきましては地方公共団体の方から助成もございました。大変ありがたいことだなと思っております。これが一時的でなくて今後も続けられていくことをぜひ希望したいと思いますし、あるいは償却その他、特に消費税などの問題がいろいろ絡んでまいりますので、そういった税制問題についても何らかの措置がとられれば、なお普及が加速されるのではないかなというふうに考えておるものでございます。
○平賀委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○仲村委員長 次に、松浪健四郎君。
○松浪委員 保守党の松浪健四郎でございます。 できてほやほやの党でございまして、まだバリアフリー化の問題について十分に議論はされておりませんけれども、かつて所属しておりました自由党では、バリアフリー化の問題につきまして我々は十分に議論をさせていただいて、そして、近代国家として恥ずかしくないような施策をとっていかなければならないということを十分に議論させていただきました。 きょうは、お忙しい中、六人の参考人の皆様方にお出ましをいただいて、極めて貴重な御意見を賜りましたことを、まず心から謹んで御礼を申し上げたいと思います。 私はかつてスポーツ人類学者でありました。世界じゅうのあちらこちら、辺境、秘境と呼ばれるようなところにフィールドワークに出かけたことがございますけれども、ちょうど我が国の交通機関にシルバーシートが定着しようとしていたころ、私は、パキスタンの山中にあります長寿村のフンザというところへ、なぜこの地域に住む人々が長生きをするのかというような調査に行きました。 そして、乗り合いバスに乗りました。私は、空席があったので座ろうと思いましたけれども、目の前にお年寄りの方が立っておられました。それで、私はそのお年寄りにどうぞ座ってくださいと勧めましたところ、若い人は仕事をしなきゃいけない、だからここで休養をとれ、我々は仕事がないから立っている、このようにおっしゃられました。そして、よく見ますと、おおむねお年を召された人がきちっと立っているわけでありまして、若い人たちが座っている。これは、宗教が異なれば考え方が違ってくる、健康観が異なれば日常の生活の行動も変わってくるということを教えられたわけであります。 そして、お話をお聞きしていて、なぜ近年私たちはバリアフリー化についてこうも真剣に考えなければならないのか。それは単に高齢化社会を迎えたからそうなのか、それとも私たち日本人は、吉田委員からもお話がありましたけれども、公共心や道徳心というものを喪失してしまった結果、このような予算的措置を講じてバリアフリー化を急がなければならないのか、いろいろな問題があろうかと思います。もちろん、人が人に優しくするためには宗教心というようなものも不可欠であるかもしれません。 私は、きょう六人の参考人の皆さん方の御意見をお聞きしていて、まず、民主党案をよろしくないと思われているんだなというふうな印象を持たせていただきました。それは、予算的な問題もありましょう、また税制の問題もあるでしょうけれども、急いでやらなければならない問題だけれども、いろいろな障壁、障害があってなかなか急ぐことができないんだということを御理解していただけているんだな、こういうふうに思いました。 そこでまず最初に、小田原の小澤市長にお尋ねをしたいわけであります。 十年も交渉を持って、そしてやっとバリアフリー化を達成することができた。恐らくいろいろな問題があったであろう、私はそのように想像するわけでありますけれども、その交渉のプロセス、どういうようなことが問題であったのか。 もちろん、各企業は事業者として採算というものを考慮しなければならないわけであります。また、自治体は自治体としての考え方、市民の皆さん方の考え方、いろいろ錯綜されて大変であったろうことは想像にかたくございませんけれども、まず、その交渉プロセスの中での苦労話、これをお聞かせいただければと思います。
○小澤参考人 お答えいたします。 小田原駅東西自由連絡通路が十年かかった。しかし、実際は十年どころでなくて、もう半世紀近くということになっておりまして、本腰を入れ始めてから十年。ただ、その前の段階ではやはり財政的な面でございます。 なぜ財政的な面かといいますと、原因者負担、言い出しっぺがお金を出すのが当たり前だ、こういうルールが鉄道事業者と国との間である、こんなようなことでございまして、こういう形になってまいりました。 そして特に、この十年間でございましたけれども、長期化した理由でございますが、小田原駅は、先ほどもお話をいたしましたが、鉄道が五社も乗り入れている大ターミナル駅でございまして、各鉄道事業者の小田原駅整備に対する考え方が異なっているということでございます。それらの意見調整に非常に時間がかかりました。 それから、事業費が相当規模となる。現実に百五十二億円の巨費がかかります。この中で、鉄道事業者との費用負担協議がなかなか進展しなかった。自由通路部分と駅務部分も原因者負担ということで、市が言い出しっぺ負担という形の中で大部分の負担をせざるを得ない。そういうことで、なかなか協議が、押し問答が続いてきたということでございます。 そして、小田原市が負担する事業費も当然そういうことで相当の額となることが予想されたわけであります。特に、自由通路部分はいろいろな補助措置があるわけでございますが、駅務部分につきましては財政支援が当時はなかった。今回、いろいろ御配慮いただきまして、平成十年度に新設をされました国庫補助制度の対象として採択をしていただきました。また、地方債につきましてもめどが立ちました。鉄道会社の方も本当に協力的に、長い間でございましたけれども、市の言うことをよく聞いていただきまして、おかげさまで当初の計画よりは市の一般財源を減らすことができて、過日、安全祈願祭を迎えられたということでございます。 大変ありがとうございました。
○松浪委員 ありがとうございました。 次に、西尾鳥取市長に端的にお尋ねいたします。 市長さんのお話をお聞きしておりますと、どうも民主党案に反対だということが鮮明に浮き彫りにされているような気がするわけですけれども、どういうふうなお考えか、お尋ねしたいと思います。政府案がいいというふうにおっしゃられるのか、それとも民主党案にということなのか、ちょっとお尋ねします。
○西尾参考人 お答えをさせていただきます。 先ほどから申し上げておりますけれども、例えば補助率は高い方がいいし、理想論は理想論といたしますけれども、現実論として、どうしても早くやっていかなければならぬ。特に、地方の方からいいますと、人口の多いところ、経済性の高いところが優先される、そういう懸念もあるということを申し上げたいわけであります。 そういうような趣旨からいいまして、現実に速やかに対応できる市町村の立場で発言ができて、市町村の立場で契約ができて、そういうことでやっていく方がより現実的なことではないかと申し上げておるわけでありまして、理想論としてはまことにありがたいことである、このように認識をいたしておるところであります。 以上であります。
○松浪委員 ありがとうございました。 次に、松田JR東日本社長にお尋ねをしたいと思います。 人に優しい駅づくりをする。それで、五千人以上が使う駅、これが基準駅になっているわけでありますけれども、無人駅がたくさんある。そして、それはどのようにすればバリアフリー化できるんだろうか。それは地方自治体の問題として考えるのか、あるいはJRはどのような形で手を差し伸べることができるのか、それについてお尋ねしたいと思います。
○松田参考人 先ほど、無人駅約六百、私どものところにあると申し上げました。今、そういうところの例を挙げますと、トイレをどうするかとか、いろいろな事柄を沿線の町と相談をして、私どもの方でつくる場合もありますし、町で持っていただく場合もありますし、お互いに協議しながら一つずつ決めていっているわけであります。 でありますから、このバリアフリーの問題も、先ほどの五百駅を対象に今一生懸命やっているところでありますから、六百の無人駅をどうするかというところまではまだ検討が行っておりませんけれども、どういう扱いをすることがその町にとって一番いいのかというのを、これから議論をさせていただく中で決めていきたい、こう思っております。
○松浪委員 引き続き、松田JR東日本社長にお尋ねしたいのですけれども、十二年度予算の中には、JR、民鉄に対する補助、非公共と公共合わせまして四十七億円が計上されてあります。そしてまた、公営地下鉄等に対する補助が三十億八千万円、このように計上されていまして、平成八年度予算を一としたときの指数でまいりますと、十二年度予算は一二・六というふうになっております。もちろん、この法案という問題もありますけれども。 このようなバリアフリー化を行う、急ぐという政府の姿勢に対して、どのような感想をお持ちであるか、お尋ねしたいと思います。
○松田参考人 先ほど申し上げましたように、四十数億という数字は私つかんでおりませんけれども、今年度は私ども、八十億のうち二十億は補助金でいただけるだろうと想像しております。残りは私どもが出して、進めようと思っています。 しかし、年々、国あるいは市町村からいろいろな協力をいただいていることは事実でありますし、その補助金がふえていることも事実であります。私は、この姿勢というのを非常に高く評価したいと思っています。国を評価するというのは非常に失礼な話ですけれども、政策を高く評価したいと思います。 理想論はたくさんあるのですけれども、現実には、新幹線に見られますように、財源をどうするかということになると行き詰まってしまって、全然具体論として動かないという例が多いわけであります。このバリアフリーだけは、私どもも先ほど申しました一定の負担は覚悟して進めますから、ぜひ国におかれても、市町村におかれましても一緒に財政負担をしていただいて、一刻も早く実現できるように、私は、国がぜひ強いリーダーシップをとって進めていただきたいと思っております。
○松浪委員 ありがとうございました。 次に、民鉄の清水副会長にお尋ねをしたいのです。 実は、私は清水副会長の沿線に住んでおりまして、ほとんど毎日利用させていただいておるものであります。人に優しい鉄道ということで、階段の幅も十分にとり、手すりもつけてあって、エレベーターもエスカレーターもないんですけれども、非常に優しいということはよくわかるわけであります。しかし、横浜の市営の地下鉄と連結をしているところになりますと、エスカレーターもついておるし、エレベーターもついておるわけであります。もちろん、それは後でついてそのようにバリアフリー化されたということはよくわかりますけれども、まあ人に優しいのは確かであります。だけれども、それほどエスカレーターやエレベーターでお金をかけているというふうには思わないのですが、駅員さんが非常に優しいのであります。これは、駅員さんに教育を特別にされているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○清水参考人 駅員の教育につきましては、入社時、それから五年後あるいは十年後というような一定の段階ごと、また本人の職種がかわるごとに教育制度を持っておりまして、教育には十分留意しております。 ただ、そういうふうな教育をやっておっても、やはり、落ちこぼれといいますか、人間の感情に走ってお客様に迷惑をかけるというような事件も発生したりということで、非常に悩んでおりますけれども、社員教育については十分従来からも、それからこれからも努力していきたいというふうに考えております。 それから、当社のエレベーター、エスカレーターの設置についてでございますけれども、他の大手民鉄と比べておくれているということは十分私ども認識いたしておりまして、それについては、今後、設置基準以上に努力していきたいというふうに思います。 当社の場合、乗降人員五千人以下というのは、百駅ある中で一駅だけでありまして、九十九駅が五千人以上。五メートル以上の段差のあるというのは六十七ということで、五メートル以下のところもあることはありますけれども、乗降人員は非常に多いということで、お客様へのサービスといいますか、先ほど来申し上げておりますけれども、バリアフリーについては使命であるというふうに考えまして、できるだけ全駅に行き渡るような努力を重ねていきたいというふうに考えております。 当社のことばかり申し上げてあれなんですけれども、参考までに、今、エスカレーターの設置駅の比率が、基準駅で三〇%になっております。これは民鉄平均の五〇%に対して大分低いわけですけれども、今の目標としては、十四年度末には四五%、五〇%になるべく近づける。エレベーターについては、今二五%ですけれども、四〇%まで持っていくという目標を設定して努力したいというふうに考えております。
○松浪委員 最後に川村参考人にお尋ねをしたいのですけれども、どのような地方の助成、それから税制、税的措置があればペイできるのか、この御希望を教えていただければと思います。
○川村参考人 御承知のように、タクシーの場合は、原価構成で人件費が八割ということになってございます。したがいまして、車の購入だけ行っても、これを維持管理するには大変な経費が必要だということで、大変難しい、今のエレベーターとかエスカレーターとは大分違った要素がございます。 しかし、このたび行われました、特に重度の方々のいわゆるリフトつき、STSは、大体外国でもリフトのついた車をSTSというふうに言っているようですけれども、そういう車に対する改造費が支給されるならば、業者としては、これからの時代はこういった社会になるんだという認識も持っておりますから、十分に加速されるのではないかなというふうに考えております。 そして、税制その他についても、車両の購入に関して言えば取得税その他ではございますけれども、むしろ、売り上げに対する消費税であるとか、そういう点についていろいろ考えていただければなおありがたい、日常の運行についての人件費の負担が多いわけですから、常に売り上げについての五%の消費税というのは現在大変きついということだけ申し上げておきたいと思います。 以上でございます。
○松浪委員 貴重な御意見、どうもありがとうございました。 時間が参りましたので、これで終わります。お忙しい中、どうもありがとうございました。
○仲村委員長 以上で本日の参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。 参考人各位には、大変貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。委員会を代表しまして厚く御礼申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十一分散会