運輸委員会 第6号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/03/29
会議録
○仲村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案及び玉置一弥君外二名提出、高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案の両案を一括して議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 引き続き、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として運輸省運輸政策局長羽生次郎君、鉄道局長安富正文君、自動車交通局長縄野克彦君、警察庁交通局長坂東自朗君、建設省都市局長山本正堯君、道路局長大石久和君及び自治大臣官房長香山充弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○仲村委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石破茂君。
○石破委員 今回、政府案そしてまた民主党案、二つの案が出ております。どちらも非常によく考えられた案でございますし、目指すところは基本的には一緒なのかなというふうには思っておりますが、幾つか相違もございますし、その相違を明らかにしながら、よりよいものを目指す。私は、基本的に政府案の方が現実的であるというふうに理解をいたしておりますが、幾つかの点をお尋ねいたしたいと存じます。 今まで、日本のバリアフリー化というのは余り進んでまいりませんでした。それにはいろいろな理由があったろうと思います。一つは、法律によって、国でありますとか自治体でありますとか事業者に対しまして、モビリティー対策というものがなかなか義務づけられなかった。九三年の障害者基本法の制定までははっきりと義務づけられていなかったし、よって補助制度というものが十分でなかったということが挙げられる。しかしながら、我が国においては、欧州諸国と決定的に異なる点がある、それは何かといえば、鉄道輸送というものの割合が非常に多かったということがあるだろうというふうに思っております。 私が知る限りにおきましては、全体の旅客輸送におきます鉄道のシェアというのは、欧州では大体六%から八%、アメリカでは一%にしかすぎない。ところが、日本では三五%が鉄道であり、なかんずく大都市圏においては五〇%が鉄道によっておるということがございました。 欧州なんかへ行きますとわかりますが、高架の駅というのは極めて少ないのですね。大体が地上に駅が置かれておる、これは歴史の違いもあっただろうと思います。日本の場合には、かなりの部分が高架駅であり、高架のホームであるということがございます。そういう違いもあったであろうというふうに私は思います。 いずれにいたしましても、これから高齢社会を迎える、そしてまた、ノーマライゼーションというものを進めていかねばならない、そのためにこのバリアフリーというものは進めていかねばならないというふうに私も思っておるところでございます。 大臣に承りますが、今私が申し上げたようなことかと思っておりますけれども、今まで進まなかった理由。そして、これから概念をがらっと変えるということだと思っておるのですね。今まで、民間の事業者に対してこのように補助をするということは長い間認められてこなかった。しかし、これを根本的に変換するということであろうと思いますが、今回この法案を出されるに至った基本的な考え方について承りたいと存じます。
○二階国務大臣 このたびの政府提案のバリアフリー法に関しまして、今、石破委員から、諸外国の例等を引きながら、基本的には政府案に御理解をお示しいただきまして、まず感謝を申し上げます。 バリアフリー化の問題は国民すべての課題であるというふうに、私はまず認識をいたしております。高齢化社会がやがて押し寄せてくるわけでありまして、もう既にそういう兆しが大きく見えておるわけであります。同時に、身体の御不自由な方々が、常に危険やあるいは心配を抱きながら公共交通機関を御利用なされておる今日の状況に、何としてもお互いの気持ちを寄せ合ってこうした方々に安心して安全に公共交通機関を御利用いただけるような社会をつくっていくということが、まず大事だというふうに考えております。 したがいまして、今回は、法律におきまして、鉄道事業者、同時にそれぞれの市町村、さらに政府が一体となって補助対象経費の三分の一以内の額をお互いに補助し合うという制度でありますが、これらのことによって、地方公共団体、つまりこれから始まります地方分権の時代にふさわしく地方が主体となって計画を立案する、そして鉄道事業者等に呼びかける。鉄道事業者は、そうした地域社会の要請を受けてこれらの問題に前向きに取り組んでいただく。そして法律は、何もかも強制を強いるものではありませんが、このことによって理想の方向を向いて、三者が一体になって進んでいく。つまり、国、市町村、事業者が一体となって進んでいく。その背景に多くの国民の皆さんがこのバリアフリーの推進にお力を下さる、御協力をいただく、同時に、しっかり御声援をいただく、そうした雰囲気の中で一歩一歩進めてまいりたい。 しかし、これから十年以内に鉄道ではほぼ九〇%あるいは九四%ぐらいまでを努力目標にいたしております。また、ノンステップバス等の導入が求められておるわけでありますが、これらはそれぞれの事業者の経営規模あるいはまた経営の状態にも影響を及ぼすものでありますから、これこそいきなり強制というわけにはまいりませんが、新しいバスを購入する際に、新しい航空機等の機材を購入する場合に、バリアフリーの問題について十分配慮を願いたいという気持ちをにじませておる、そういう法律だというふうに考えております。
○石破委員 これは、政府参考人にお答えいただければ結構なのですが、この施策が必要な、交通困難者という言葉をあえて使いますが、交通困難者というのは大体どれぐらいいらっしゃるというふうに把握をしていらっしゃいますか。つまり、それをなぜ私が問うかというと、これから先、財源をどうするか、だれが費用を分担していくのか、合意の形成をどのようにやっていくか、今、大臣もおっしゃいましたが、経営というものに対してどう配慮していくかということについて、どれぐらいの交通困難者がいらっしゃるかということを把握しておくことは必要なことであろうと思っておりますので、お尋ねいたします。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 今先生が御指摘になりました移動制約者またその可能性のある方でございますが、高齢者が二〇〇〇年現在で約二千百万でございます。これに加えまして、身体障害者の方、約三百万、それから妊婦、けが人等の方、約百七十万でございますから、約二千六百万程度、日本の人口が一億二千五百万でございますから、約二五%強といったところかと考えております。
○石破委員 これは、今まで幾つかの自治体でも調査をいたしておりますが、大体二五%という数字が出てこようかというふうに思っております。これは客観的な把握が困難でございますから、主観的に、自分は交通困難であると思いますというふうにおっしゃった方、それが、大体どこの自治体で見ましても四分の一、二五%ということかなというふうに私は理解をいたしておるわけでございます。 民主党の提出者に伺いますが、交通権という概念をどのように把握していらっしゃいますか。 そしてまた、玉置委員、提出者の提案理由の説明の中で、ナショナルミニマムという言葉をお使いになりました。このナショナルミニマムという言葉は、かなり注意して使わなければ危ない言葉だというふうに思っております。民主党提出者が交通権という概念について、私の考えを申し上げれば、交通権というのは何に由来をするかといえば、それは憲法に定められたところの生存権でありますとか幸福の追求権、私は移動の自由というのは、憲法の二十二条はちょっと違うことを定めておるんではないかというふうに思っておりますが、交通権そしてまたナショナルミニマム、どのように把握をされ今回の提出の背景になっておるか、お尋ねをいたします。
○玉置議員 お答え申し上げます。 ただいまのお話の交通権という概念でございますが、フランスでは、一九八二年国内交通基本法というものの中に交通権というものが権利として認められているということでございますが、我が国では法律で特に明記されたものがない、こういうところから、私たち民主党という立場で、移動制約者を含めだれでも移動する権利、つまり交通権があるということを基本に物事を考えたということでございます。またさらに、交通手段を選択する権利、交通に関する情報を得る権利も含め、近い将来これらの交通権の概念を法案化する方向で検討を進めてまいりたいと考えております。 今回のバリアフリー法案につきましては、移動制約者のための特別な法的位置づけですから、交通権についての直接の言及はしておりませんけれども、移動の自由を確保という法律のタイトルにありますように、我が党の法案は権利保障としての性格を強く持ったものであり、その精神が出発地から目的地までバリアフリーという基本理念に結びついております。これらを交通権として実現するためには、アメリカのADA法にもありますように、既存の交通機関を使えない人々のための特別な移送サービス、いわゆるSTSを整備することが欠かせません。このことを民主党案には一応明記しております。 なお、ナショナルミニマムとしても、社会参加という意味でぜひ必要最低限の条件整備をやっていくということがこの基本的理念の中に含まれているということでございます。
○石破委員 恐らく、その交通権というものをお考えだろうと思っているのですね。ただ交通権というのは、今答弁の中にございましたように、我が国においてはまだ目標としての権利だろうというふうに思っております。発展途上の権利であって、はっきりそれを権利として位置づけるということはいまだ困難ではなかろうか、それを目標として一歩一歩クリアしていくということが、段階的にやっていくということが、今の時点においては最も現実的であろうと私は思うのです。 そこでお尋ねをいたしたいのは、補助率が四分の三ということになっております。今まで四分の三という補助率を私は余り見たことがございません。補助率を定める根拠というのは何だとお考えですか。そして、どのような根拠で四分の三となさいましたか。
○玉置議員 おっしゃるように、四分の三の補助率のあるものはほとんどないという状況でございまして、二分の一というものが比較的多い。あるいは三分の一、バリアフリー法案の基礎になります、従来の交通施設に対する整備とかそういう問題では三分の一というのが多いわけであります。 私どもの方は、実はヨーロッパやアメリカに比べて非常におくれたバリアフリーのシステムということがございまして、これを十年間で進めていくためにはかなりインセンティブを与えないといけないということがございます。そういう意味で、当初は二分の一ということで考えてきたわけでありますが、事業者の負担とかあるいは今の自治体の財源状態というものを見ておりますと、国の二分の一補助ではなかなか事業者の方、あるいは自治体の方から手を挙げて進めていただくことはできないだろう、こういうことである程度追い込むための比率ということでございます。 場合によっては、国が四分の三、そして自治体が八分の一、そして事業者が八分の一という可能性もあるわけでございまして、そういう意味で、やはり国が責任を持って進める、先ほどの大臣の答弁にございましたけれども、具体的にやるのは地方自治体であり事業者でありますけれども、やはりそれを一つの国の指針として進めていくという意味で四分の三という補助率を設定したということでございます。
○石破委員 ちょっと見、四分の三の方がよさそうに見えるのですが、大臣のおっしゃいましたように三分の一、三分の一、三分の一というのは、それぞれ責任を持ちなさいということの明確なあらわれだと私は思っているのですよ。つまり、お金は出しませんが責任は持ちますとか、責任は持ちますがお金は出しませんとか、そういうことは私は概念として成り立たないと思っているのです。責任を持つからにはお金も出す。確かに提出者おっしゃいますように、財源の乏しい自治体というのもある。しかし、それに対しては交付税措置というもので見るべきものであって、基本的に三分の一、三分の一、三分の一という考え方の方が、私はあり得べしだと思っております。 そしてまた、地域の実態というのを最もよく知るのは市町村という自治体であって、ですから先ほどナショナルミニマムということをお尋ねしたのですが、国の責任において四分の三というよりは、国も市町村もそしてまた事業体も三分の一ずつ持つべきだという方が私は事業が進むのではないかというふうに一つ思います。 そしてまた、四分の三が国である、そして四分の一が事業者であるということになりますと、これは四分の一といっても相当のお金なんですね。提出者は、例えばエスカレーターを設置する場合に、既存の駅と新規の駅、どれぐらいのお金がかかるとお考えですか。
○玉置議員 新設の場合には、機械設備本体の部分だけということでございまして、三千万、高くて五千万ということですね。ところが、既設の駅になりますと、改造費が入ってまいりまして、推定でございますが、聞き及ぶところによりますと約一億ということでございます。要するに二倍、場合によってはできない場合もある、迂回路とかそういうのをつくることを考えると、なかなか設計上できないというのもあるそうでございますが、少なくとも改造、改修という意味で、二倍近い、約一億に近い数字が出てくるということを言われております。
○石破委員 あるいは私の認識が違うのかもしれませんが、既設の駅の場合にはもっとお金がかかるはずでございます。私の幾つか知っております例でございますが、これは上りもつけねばならない、下りもつけねばならない、そして段差が相当ございますが、一回中央のロビーに出て、それからまた上がるということになりますと、都合四基ぐらい最低でも整えねばならぬということになります。そうしますと、一億ぐらいのお金ではきかない、かなり大きな駅になると、改造ということになれば五億、六億というお金がかかるわけですね。 そうしますと、四分の一は事業者が持ちなさいということを言った場合に、かえって事業者としては、そんなものは採算に合わない。そしてまた、エスカレーターなんぞというものは相当ランニングコストがかかるというふうに了知をいたしておるところでございます。 結果として、四分の三は国が持ちますが、四分の一は事業者が持ちなさいと言った場合に、かえって実現がおくれるのではないかという懸念を私は持ちます。そのことについてのお考えをもう一度承りたいと存じます。
○玉置議員 金額は、先ほどおっしゃいましたように、ホームにつく側とそれから道路につく側と、施設的には両方あるわけですね。それで上りと下りがあるということで、数えていくとかなりたくさんになりますが、基本的に一つのホームを例に見るとそういう形で金額的に算出されるということです。駅によっても大分違います。 それから、四分の三あって、四分の一を事業者が負担した場合と三分の一ずつの場合と進度が違うということでありますが、実際に、今もう既に一部やられているところがあるわけですね。そういうところの事業者の方々のお話を聞きますと、定期的にある一定金額がつくというふうないわゆる予算措置が講じられておれば、事業者としては事業計画に組み込みやすいということであります。我々はインセンティブをつけようということをしておりますけれども、やはり定期的に、例えばことしは百何十億ですけれども、その金額が来年はゼロだとか、あるいは再来年はまた二百億だとかいうことででこぼこがあるよりも、一定の、例えば十年間毎年これだけつけますよというふうに明示をされたときの方が施設整備という面で見たら計画が組みやすいということで、長期的に見たらその方が進展をするでしょうというのが各事業者の意見でございます。
○石破委員 私は、公平に見た場合に、政府案の方が進むという気がしているのです。それは認識が違うと思いますが、そのことだけ申し上げておきたいと思います。 それから、先ほどお答えが十分いただけなかったように思うのですが、主体となってやるのは国なのか地方なのかということなんですね。 私は、これは地方が主体性を持って、地域の実情を把握しながら、そしてそれぞれの意見を聞きながら、地方が主体となりお金も出しながらやっていく、そして国も同じ責任を負うんだというような形で、あくまで主体として進めていくのは地方なんだという思想、これがあるべきだと思っているのです。それが地方分権にもかなうことであり、それぞれの自治体がきちんとした行政をやったところに支持が集まるという地方分権の基本的な考え方に沿うものだというふうに思いますが、そのあたりの御見解はいかがですか。
○玉置議員 交通バリアフリーの現状が諸外国よりおくれているということは、政府もそうですが、国民も周知の事実ということでございまして、このバリアフリーのおくれを取り戻すためにやろうという決断はやはり国だと思うのですね。国がそういう指針を決める。また、地方はそれを受けて、自分たちの地域をどうしていくかという実際の具体的な中身は地方が主体になって考えていくということでございまして、当然一つの方針の後押しは国がやる、そして地方は自分たちの町をどういうふうにしていくかということをそれぞれ独自に決めていくということでございます。 財政的な後押しと国の指針ということに沿って地方が独自でそれぞれの構想を考えるということで、一部はやはり地方自治、地方分権でございますけれども、今の財政状態からいきますと、国が決めて財政がついていかない場合には今までどんなことも全然進展していないということの事実があるわけでございまして、そういう意味では、地方分権といいながら、やはり財源措置が整わない限り事業計画は進まない、こういうことでございます。
○石破委員 政府にお尋ねをいたしますが、今、地方が財源が乏しい、そうであれば進まないのではないか、こういう御指摘が民主党からございました。私は、地方は確かに財政力の弱いところもありましょう、しかしそこに対しては交付税措置等々できちんと見ていくべきものであるというふうに考えますが、政府の考えを承りたいと存じます。
○安富政府参考人 先生がおっしゃるように、国三分の一、地方自治体三分の一、事業者三分の一ということで補助制度をつくっておりますが、今回法案の中でも言っておりますように、このバリアフリーについては、基本構想を自治体が中心となって定めるということで、やはり地方分権ということを前面に出してやっております。 そういう意味で、自治体がこのバリアフリー化に向けていろいろな財政的な措置を講じた場合に、やはりそれに対する地方交付税措置といったような形で国も応援するということで、今回、法案の中においても自治省が参加するというような形でこれを担保しているところでございます。
○石破委員 再度、民主党さんにお尋ねをいたします。 民主党の計画をお進めになる場合に、これは広くあまねくすべての人に、こういうことだろうと思っているのですね。政府の方は乗降客、段差等々で規定を設けまして、それで大体九四%カバーするということになっております。 こういうことを論ずる場合に、費用対効果というようなことを申し上げるつもりはございません。しかしながら、限られた財源の中でどうやって短い期間に多くの人の利便に供していただくかということも、やはり政治としては考えていかねばならないことだというふうに思っております。 政府の方からは、幾らかかる、その内訳は大体どれぐらいだという試算をちょうだいいたしておるわけでございますが、民主党さんとして、民主党さんがお考えのようなことを具現化しようと思うとどれぐらいのお金がかかって、どれぐらいの期間に何をおやりになるのか、それをお教えいただきたいと思います。
○玉置議員 私どもも、すべての駅が同時にできるとはとても考えていませんで、やはり当然優先度をつけて物事を考えていかなきゃいけない。それから、年間の予算も、今まで五億、十億ぐらいしかとれなかったものが、一挙にことしは百十何億という数字がついていますけれども、今の財政状態からいきましてかなり難しい。 それで、やはりやらなければいけないということを前提に算出しようということでやってまいりまして、政府案は乗降客五千人以上の駅についてということで、二千三百該当するということでありますが、私どもの方は、少なくとも全国で一万数百という駅があるわけでございますが、できるだけ多くをやりたいということで、少なくとも五千ぐらいの駅を一つのめどにしてやろうということであります。 それから、対象の人員は、先ほど九四%という話がございましたけれども、それは乗降客全体の話でございまして、高齢者とか障害者が果たして、いわゆる移動制約者が九四%把握されておるかということになると、そうではないだろう。逆に言えば、田舎へ行くほど移動制約者が多いだろうし、またバリアフリーという面から見ると、田舎へ行くほど必要性が高いということでございまして、できるだけ十年間できることをまずやろう、それから、残ったときどうするかということで、概算五千の駅とその他のバス、それからSTSということで、年間六百五十億ぐらいを確保しないと諸外国に追いつくということはできないということであります。 これは、四分の三ということで、六百五十億円。そういう試算を一応はじきました。
○石破委員 これはおいおいまた多くの質問者が明らかにしていかれることだと思いますが、そこの辺をきちんとして納税者の前に示しませんと、いつ何がどのように行われるのかということがわからないと思っているのです。 例えば、タクシーも全部バリアフリー化だというお話をなさっておられますね。日本国じゅうにタクシーがどれぐらいあるのであろうか。例えば、今タクシーで多いクラウンコンフォートとか日産クルーとかいうのがありますよ。あれが大体百五十万とか百六十万とかいうお金ですが、これを全部バリアフリー化にしようと思うとワンボックスタイプの車にならざるを得ないのですね。これはかなり高い。四百五十万ぐらいするわけですよ。そうすると、差額が三百万だ。それで、日本全国のタクシーが大体二十五万台か二十六万台あるのですか、それを全部掛けますと、これだけでとんでもないお金になっていくだろうというふうに思っておるのです。 広くあまねくすべての人にということはもちろんいいことだし、それがナショナルミニマムには違いない。しかし、そういうようなふろしきを広げたところで、実現ができなければ、かえって本当に障害者の方々に喜んでいただけることにはならぬであろうというふうに私は思うのです。 地方の人が、地方の自治体が本当に自分のところはどうしようかということを身近な人と話し合って、それでこのようにやろうねというふうに手を挙げる、そちらの方が地域の人に理解が得られ、そして実現も早いだろうというふうに私は思っているのです。 タクシーのバリアフリー化、それにかかる費用、それをだれがどのように負担をしていくのか。交通事業者に過大な負担がかかることにならないか。全部バリアフリー化しようと思えば幾らかかり、その積算根拠は何ですか。
○玉置議員 自動車のことは専門でございますので、大体概算は自分でもはじきますけれども、一応出た数字だけ申し上げますが、一応タクシーは二十六万台ございますね、正確に言うと二十五万七千台、そういう数字の中の五〇%を一応目標にしてやっていこう。 これは、いわゆるリフトつきとかいろいろな福祉タクシーがありますけれども、そういう形態と、それからロンドン型といいまして、一般乗降客も対象にして、もうそのまま、先ほどお話ありましたクルーのようにタクシー専用車としてするという場合と両方あります。そういうものを含めた中で、五〇%は高齢者や身障者の方々が御利用しやすいような車にするということで試算をいたしました。 その追加費用的な部分でございますが、一台当たり約三十五万ということで、その四分の三を補助ということで計算いたしますと、百十二億という数字が出てまいります。(「一台につき幾らか」と呼ぶ者あり)一台三十五万。(発言する者あり)いやいや、差額です。これは、量産効果とかいろいろなことを考えた中ということでございます。 ちなみに、ノンステップバスとかいろいろございますが、このバスも、普通のバスで今現在一台当たりが千五百万でございまして、価格的には、ノンステップにすると八百万上乗せになるということでありますが、これを量産してまいりますと、差額は四百万前後というふうに変わってくる。 同様に、タクシーの方も、今これだけで見ると、それこそ五百万近い、ほぼ倍額の値段になるわけでありますけれども、例えばロンドン型タクシーのような形にしますと、値段的には今とそう変わらないような形になるということでございます。リフトつきの場合はまた別価格ということになります。ですから、福祉タクシーのあり方を論じていく中で標準化されていけば、かなり価格的には下がってくるということでございます。
○石破委員 時間が来ましたので終わりますが、私が計算しますと、差額はそれぐらいのものでは済まぬだろうと思っているのですよ。三十五万とか四十万とかいう差額ではないであろう。 そしてまた、タクシーというのは公共交通機関ではあるけれども大量輸送機関ではないわけであって、それは必要とされる方が呼ぶこともできる。そしてまた、専用車をどれぐらいの割合で設ければいいか、そして専用の乗り場をどのようにつくっていけばいいか、そういうようなきめ細かいことというのは、やはり自治体において考えていくべきものであろうというふうに思っています。 私は、冒頭申し上げましたように、だれがどのような負担でということをきちんと把握して、本当に実現可能なものを追い求めていくのが政治の役割だろうというふうに思っているわけです。これから高齢社会が進んでいく、そういう方々に進んで社会に参加をしていただくこと、そして、障害をお持ちの方がノーマライゼーションの思想のもとに一人でも早く、一人でも多く参加をしていただくために努力をしていくことが肝要なことだ。そのためには、地方を主役にした政府案の方が私としては理解がしやすいのかなという感想を持ったような次第でございます。 以上で終わります。ありがとうございました。
○仲村委員長 次に、望月義夫君。
○望月委員 同じく自民党の望月義夫でございます。 障害を持つ方々だれもが使える交通機関を求める全国大行動を各地で展開したのは、一九九〇年だったと思います。それから十年、国や地方公共団体、交通事業者等の取り組みも進み、施設整備の状況は年々改善されております。また、その間、障壁なし、すなわちバリアフリーという言葉は国民だれもが日常会話で使用するようになってまいりました。 このような中で、政府において、運輸省は言うに及ばず、建設省、自治省、警察庁も加わり、対象を広げた形での交通バリアフリー法案が提出されたことは非常に意義があると考えております。 そこで、まず運輸省にお尋ねしますが、これまでバリアフリーに関してどのような取り組みを行ってきたのか、財政上の措置も含めてお伺いしたいと思います。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 運輸省でのバリアフリー化への取り組みでございますが、実は二十年くらいの歴史がございます。かいつまんで御報告いたしますと、二十年前当時は、財政的な援助というよりも、公共交通事業者に対して一定のガイドラインを示す、あるいは利用される障害者等の方へのマップをつくるというのが主でございました。 それから、それだけではなかなか進まないということから、平成五年のころでございましたでしょうか、新社会資本というのが非常に言われたことがございまして、その一環といたしまして、エレベーター、エスカレーター等バリアフリー施設を新社会資本として位置づけるということで、これが予算がとれまして、無利子貸付金というのが開銀に準備されたことがございます。しかしながら、無利子貸付金を準備いたしましても、エレベーターやエスカレーター等のバリアフリー施設は収益にはなりませんので、なかなか進みませんでした。 そして、平成六年度にして、初めてエレベーターやエスカレーター等の設置の補助金が計上されました。ただ、この場合、補助率は国が一〇%、地方公共団体あるいは民間の協力者が一〇%ということで、かなり低率なものでございました。これにより若干の進歩はございましたが、大きなバリアフリー化の進歩というのはなかったわけでございます。 そして、平成十年度末の第三次補正によりましてこの補助率というのが革命的に上がったわけでございまして、国が三三%、地方が三三%、合わせて三分の二の補助を国と地方で行う。この制度ができたことによりまして、相当な事業者の意欲を刺激して大きな進展があったわけでございます。 それに加えまして、また、税制等の措置でも特別償却の措置をとる。それから、先ほどから申し上げました国、地方公共団体が三分の一ずつ負担して、残りの三分の一につきましても開銀の政策金融をつけて低利融資を行っているわけでございます。そして、この制度ができたことによりまして、平成十年度以降は相当事業者の意欲が高まりまして、一年度当たり百を超す駅で整備が進んだと考えております。 それから、予算についてでございますが、このとき伸びはかなり著しゅうございまして、平成八年度当時は予算は約十億を欠けておりました。ところが、平成十一年度は二十八億、そして十二年度には百億を突破しているという状態になっております。 運輸省といたしましては、今の新たにつくられた補助制度、あるいは税制、金融制度を利用いたしましてバリアフリー化というのを進めてまいりたい、このように考えております。
○望月委員 本法案の提出以前より施設の改善に向けた努力というのは今まであったと思います。そういうことはよくわかってまいりましたけれども、それに関連して、屋上屋を重ねることになりますけれども、現在鉄道駅でどのくらいバリアフリー化されているのか、その内容についてお伺いしたいと思います。
○安富政府参考人 お答えいたします。 現在、鉄道駅についてでございますが、一日当たりの乗降客数が五千人以上である中小事業者も含めた鉄道駅に関するバリアフリー化の状況について、平成十一年三月現在で見ますと、一つには、エレベーター、エスカレーター等の設置により段差が解消されている駅の割合は三五・六%、全体二千七百二十四駅中九百七十駅となっております。 それから、身体障害者用個室トイレの整備率が四四・二%、千二百四駅でございます。 それから、誘導・警告ブロックの整備率が九八・九%、これは二千六百九十四駅でございます。 それから、改札口を拡幅して車いす等を通りやすくしているものが九七・二%、二千六百四十九駅という状況になっております。
○望月委員 一日当たりの乗降客数が五千人以上の駅で約三分の一という数字だと思いますけれども、全国の既設鉄道駅からいけばまだまだ不十分である、このように思います。ただ、財政面であるとか地域の実情、交通事業者の経営状況等を考えると、既設の旅客施設に対して早急なバリアフリー化を求めるのはなかなか難しい面があると思います。 ただ、大阪市は、「エレベーター・エスカレーターで・真心のある・地下鉄」の頭文字をとって、ええまち計画というのを進めているという話を聞きました。二〇〇一年では全駅で階段を使わないで地上からホームへ移動できるようなことになっているそうでございますけれども、高齢者や身障者の方が安心して移動できるよう、なお一層の取り組みをお願いしたいと思います。 また、先般、二階運輸大臣と八代郵政大臣がJR埼京線の赤羽駅を視察されたということは、そういった意味ではまさしく時宜を得ていると思います。 それでは、運輸省にとって理想の駅とはどういったものを大体イメージしているのか、きょうはちょうど大阪市出身の中馬総括政務次官がいらっしゃいますので、お伺いしたいと思います。
○中馬政務次官 大阪市のことを非常に詳しく御紹介いただきまして、市長も喜ぶと思いますから、また報告しておきましょう。 ともかく、今御指摘の、理想の鉄道駅とはどんなものをイメージしているかということでございますが、家を出て公共交通機関をみずからが利用して、例えば銀座に出て買い物でもして、そして芝居を見て、食事をして、また公共交通機関を利用して家にちゃんと帰り着ける、このことが日常自由にできる社会、これがやはりバリアフリーの社会ではないかと思います。 御承知のように、鉄道駅は一日当たり一億一千万人の方々が利用されているわけでございますけれども、健常者ばかりではなくて、高齢者、身体障害者、それから妊婦の方、それから子連れで多くの荷物を持った方なんかも大変でございます。そういった方々に今言ったようなことができる状況、これをどうつくっていくか、それがまたできた時点で、これが本当に理想のバリアフリーの駅だと私は認識いたしております。 もう少し具体的に申しますならば、まず切符を買うところからあるわけでございますが、車いすの方だと、あの自動券売機はかなり高いところにありますので、やはり低いところにもう一つは少なくとも設置する必要があるのじゃないかと思います。 それから、改札が狭いところがありますが、これも全部とまでは言いませんけれども、車いすもいろいろなのがあるようでございますが、一カ所ぐらいは車いすが自由に通れる形の改札が必要だと思います。 それから、下りも上りもありましょうけれども、駅の階段には、やはりお年寄りの方はすぐつまずいたりしますから、手すりがあるいは必要であろうと思いますし、もちろん車いすの方もいらっしゃるわけですから、エレベーター、エスカレーター、これは今回のように義務づけることにもいたしております。 それから、視覚障害者、この方々には、誘導とか幅広いこうしたブロックが必要でございましょうし、こういったことの設置も義務づけなければいけませんし、また、聴覚障害者には、行き先等がちゃんとはっきり表示された情報案内板も必要でございましょう。 また、目の不自由な方々は必ず一度はホームから転落するんだなどということもこの間おっしゃっておりましたけれども、そういうことを避けるためにも、ホームには転落防止さく、すべてとはいきませんけれども、非常に危険なところにはその設置も必要じゃないかと思っております。 そして、もちろん障害者の方々のトイレは必ず一カ所は必要かもしれませんし、また、こういった情報がちゃんとその方々に伝わらなければいけません。そうしますと、大阪市なんかはそれを義務づけておりますけれども、地下鉄の駅に、ちゃんとどことどこにエスカレーターがあって、どこにエレベーターがありますということ、それを、いろいろ探すのじゃなくて、地図を必ず駅に置くように今しているようでございますが、そういった構内の案内地図といったものも義務づける必要があろうかと思います。 阪急の伊丹駅とかJRの赤羽駅等がかなり進んだ形でございますが、大阪市も今言ったようなことで努力していることもあわせて御報告をしながら、理想の駅とはそんなものではないか、このように思っております。
○望月委員 ありがとうございました。 次に、この法案は、地方自治体である市町村の方がむしろ中心になって取り組むということも先ほどからお話がございましたけれども、その意図するところはスムーズに伝わっているのかどうなのか。各自治体ごとに温度差が出てくるのではないかということが懸念されますけれども、そのところは自治省はどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
○香山政府参考人 お答え申し上げます。 バリアフリー化につきましては、これまでも条例の制定などによりまして積極的に取り組んできた地方団体も多く、自治省ではそのような先導的な取り組みを全国的に紹介するとともに、地方債措置等によりまして応援をしてきたところでございます。今回の法案の成立は、そのような地方団体の取り組みに大きな弾みがつくものと私ども期待をいたしております。 法案では、市町村が基本構想をつくるための指針というものを国からお示しすることになっておりますので、今後、関係省庁と十分連携をいたしまして、地方団体が実情に応じた取り組みができるような指針にしたいと考えております。その趣旨等につきましても、全国の市町村に十分周知徹底してまいりたいと考えております。 あわせて、地方債措置等の財政措置も拡充いたしまして、すべての市町村におきまして積極的な取り組みがなされるよう、自治省として積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○望月委員 最初に述べましたように、運輸省にとどまらず、今回は四省庁に枠を広げて法案を提出した、縦割り行政の弊害を正していく上でも大変評価できる法案である、このように私は実は思っております。 ただ、残念なことを一つ申し上げますと、視覚障害者のために敷設するブロックのことを、運輸省側では誘導・警告ブロックと呼んでいるそうでありますけれども、建設省では同じものにもかかわらず視覚障害者用誘導ブロックと呼ばれているそうであります。こういったことは、我々健常者にとってみれば別に何にも問題ありません。しかし、視覚障害者やその関係者にとっては、これは非常に不便なことなんです。運輸省に行ったときは違う、では建設省に行ったときにはどうなんだというようなことで、同じものであっても違う、陳情を書くにしても何をするにしても、そういった違う名前になっている。これでは障害者不在の行政と言われても仕方がないところがあります。こんなことは、両省で検討して即座に統一していただきたいと思います。 こういったことを考えますと、この法案作成に当たって、障害者及び高齢者の方々から広く意見を求めたのかどうなのか、ちょっと心配になるものですから、お聞きしたいと思います。いかがですか。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 まず、先生最初にお聞きになった誘導ブロックについての呼び名でございますが、御指摘のとおり、運輸省では誘導・警告ブロック、建設省では視覚障害者用誘導ブロックと呼んでおります。その前は点字ブロックと呼んでいたようでございます。確かに、この名前のいわれに深い因縁があってというわけではございませんし、利用者の方々から、これは統一した方がいいというのもごもっともだと思いますので、御指摘の点を踏まえまして、今後早急に両省で話し合うように、私どもの方からお話を進めたいと思います。 それから、先生から今お話がありました、政府案の作成に当たって、高齢者、障害者から意見を聞いたかということでございます。 確かに、高齢者、障害者の方々からの意見というのを聞かないでこの案を作成するというのはなかなか難しいことでもございますし、望ましいことでもございません。私どもといたしましては、政府の案ができて、国会へ提出する前に、高齢者、身体障害者の団体に我々の法案を説明し、御意見を聞いたところでございます。 具体的に申し上げますと、まず、日本身体障害者団体連合会、日本盲人会連合会、全日本聾唖連盟、障害者インターナショナル日本事務局、DPIという略称でございます。それから、全国老人クラブ連合会、主婦連合会、消費科学連合会、東京都聴覚障害者連盟というのにそれぞれ御説明を行ったところでございます。そして、それらの方からは、大体御理解を得られ、好ましい方向であるという評価をいただいているところでございます。 また、この後におきましても、昨日でございますが、今申し上げたようなこういった団体の御参加のもとにシンポジウムを開かせていただきまして、その中で改めて御意見それから今後の方向についても御示唆を賜っているところでございます。 いずれにいたしましても、先生の御指摘のように、この法案の作成のみならず、法案の運用に当たって、障害者、高齢者の方々、あるいは広く一般に、利用者の方、交通従事者の方からも御意見を伺いながら進めていかなければならないものだと考えております。
○望月委員 事後のことについてでございますけれども、この法案が施行されてから、施設整備並びに利用状況について、やはり直接利用者の方々の意見を求めるなど、事後チェック体制が確立しているかどうかということにちょっと不安を覚えるわけなのですけれども、法律というのは完全ではありませんから、事後チェック体制というものを一体どのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 先生のおっしゃるとおり、事後チェックというのは大変重要でございまして、また具体的に、高齢者、身障者や利用者の方がこれらの旅客施設をどう評価しているかということが重要でございます。そしてまた、これを評価するというのも恣意的な意見であってはならないわけでございます。 それで、私ども実はこの法案の作成作業の前から、平成十一年度の予算をいただいて、駅等のバリアフリー度について評価するためのやさしさ評価制度というものを検討しております。これは慶応大学の石川先生に座長を務めていただきまして、学識経験者、高齢者、身体障害者その他約二十名以上の方から成る公共交通ターミナルのやさしさ指標検討委員会というのをつくっていただきまして、その中で、駅のバリアフリー基準であるやさしさ指標というものをつくりまして、それを個々にまたブレークダウンして、具体的に評価する基準というものをつくっております。 その基準でございますが、幸いにもことしの一月に一応指標というものができまして、簡単に申し上げますと、駅のバリアフリー度、移動のしやすさ、案内情報のわかりやすさ及び施設設備の使いやすさという面から数々の具体的項目に分けて評価をするという手法が開発され、関係者の合意を得ております。 ただ、開発はされたわけでございますが、これは具体的に使って、かつこれが広まらないと意味がないわけでございまして、まず学識経験者等が中心になりまして十駅の評価、これを試験的にやってみて、こういうやり方で評価をするのですという、これをやっております。これがたしかきょうでございますか、この十駅についての評価ができて、発表することができるようになっております。 それで、これを踏まえまして、今後五年間で主要駅二百くらい、私どもの地方支分部局が中心となって、いろいろな方に参加していただいて行う、これによってやさしさ評価度に基づく評価というものを定着させる。料理でミシュランというのがございますが、駅も同じように、Aランク、Bランク、Cランクというのが出てくる。そういたしますと、隣の駅はBランク、私の駅はAランクというようなことになると、地域間でも、これを直さなければいけないという市民や利用者の、あるいは事業者の意向が相当出てくるものだと考えております。また、何よりもそういった指標というものが市民の中に定着していくことによって、バリアフリー度というものが広く一般の方に御理解いただけるのだと思いますし、事業者の励みにもなると考えております。 私どもといたしましても、開発された指標度を今後二百駅等で使いまして、一般の方も参加してこれを使えるようにしていきたい、このようなことを考えているところでございます。
○望月委員 バリアフリー化のための施設整備についてはよくわかりました。しかし、旅客、施設利用者のモラルの方は御多分に漏れず年々低下しているように私は思っております。 例えば、警告・誘導ブロック上に放置自転車があるとか、それが駐輪場のようになってしまっている、あるいはまたバス停を整備してせっかくノンステップバスを導入しても、違法駐車のために車いすの方々が有効利用できない、そういった話はよく聞きます。そういった点をこの法案によって警察庁はどのようにしようと考えているのか、お伺いしたいと思います。
○坂東政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、誘導・警告ブロック上に放置されている自転車あるいはバス停留所における違法駐車、こういったものにつきましては、高齢者とか、あるいは身体障害者の方々の円滑な移動の妨げになっている、したがって、いわゆるバリアフリー化の効果を損なう原因になるというように私どもも考えているところでございます。 このために、この法案におきましては、各都道府県公安委員会が行う事業の一つといたしまして、違法駐車行為の防止のための事業というものを織り込んでいるところでございます。警察といたしましては、こういった事業を関係機関とも連携を密にしながら積極的に推進することによりまして、バリアフリー化による効果が十分に上がるように取り組んでまいる所存でございます。
○望月委員 先ほど申し上げましたように、幾らハード面を整備しても、利用客である我々国民が理解をし、協力していかなくては、まさしく仏つくって魂入れずというようなことになりかねないと私は思います。 例えば欧米では、視覚障害者の方に対しまして、誘導ブロックから誘導ブロックまでの切れ目を障害のない方々がきちんと声をかけて誘導したり、段差のあるところで車いすの方に、優しくその段差をクリアしてあげるというようなこと、そういう光景が一般的になってきていると伺っております。 ちょうどこの間の日曜日に最終回を迎えました「ビューティフルライフ」というドラマを、ごらんになっていらっしゃる方は御存じかどうかわかりませんけれども、美容師を演じるキムタクこと木村拓哉氏が下肢障害者であるヒロインの常盤貴子さんに「おれがあんたのバリアフリーになってやるよ」という名セリフをしゃべるシーンがありました。この番組は平均視聴率三二%、瞬間最高視聴率は四七%と、国民の二人に一人が見ているような恋愛のドラマでありました。このヒロインの使用した車いすに注文が殺到しているという社会現象まで引き起こしているわけであります。この視聴率でもわかりますように、国民のバリアフリーに対する関心度はまさに十分機が熟してきていると私は思います。 また、このヒロインが建物の段差や階段を前にして、中に入ることをためらったり、あきらめたりする、胸を打たれるシーンが何度も出てきたのですが、このドラマを何回か見ていて、私自身、情けないな、恥ずかしいなと思ったことが実はあります。車いすに障害者の方をどうやって乗せるのか、あるいはまたおろすのか、私はいまだに知らなかったということに実は気がつきました。 二階運輸大臣は、車いす利用者である八代大臣とも御一緒に視察に行かれるくらいですから、それくらい仲がよいわけでありますので、たとえこのドラマをごらんになっていなくても、私の言っていることをよく御理解していただける、このように思いますけれども、高齢者や身障者には一人一人異なった障害物がある、私はこのように思っております。 ですから、幾ら段差や階段を解消し、点字ブロックを整備したところで、すべての社会的弱者がバリアから解放されるわけではありません。高齢者に席を譲り、車いすの方の通行に協力するなど、相互扶助、助け合いの精神を広げることが本当の意味でのバリアフリーではないのでしょうか。 そこで私からの提案でございますけれども、この法案の提出を機に、文部省や厚生省とも連絡をとって、広く家庭教育、学校の場で、真のバリアフリーを啓蒙していくべきだと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。
○二階国務大臣 望月委員から先ほど、視聴率ナンバーワンといいますか、「ビューティフルライフ」のドラマのお話が出ましたが、私も、最終回は拝見できませんでしたが、その以前にもう何回か拝見し、ちょうど法案提出と時を同じゅうして、車いすの生活者の皆様のことを国民全体が勉強する、まことに時宜に適したドラマを演じていただいておる、こういう感じでひそかに声援を送っておった次第でございます。 先ほど、八代英太郵政大臣のお話が出ましたが、八代英太大臣が車いす生活者として初めて入閣をされて、そして、官邸の中もバリアフリーになってまいりました。国会の中も、以前から八代議員の並々ならぬ御努力の結果でこういうことを招来できたと思うわけであります。 彼の二十年来の友人であるというアメリカ運輸省のマイケル・ウィンター、この方は、まことにお気の毒なことに両足切断の状態でございます。そのお体でもって世界各国を飛び歩いて、そして、バリアフリーの社会を、世界をつくっていこうという大変情熱的な御努力をなさっておる。クリントン大統領がこうした方をそういう政府の重要なポストに就任をさせて、そして、思い切ってやれ、こういう支援をされておる。先般、スレーターという運輸大臣にも私はお目にかかってそのことを賞賛しましたところ、彼は、バリアフリーの世界だけではなくて、政策的にも最もすばらしい功績を持っておる、我が省の誇るべき役人だというお話がございまして、私も大変心強く思った次第でございます。 今お尋ねの中にありましたように、文部省や厚生省、通産省その他関係省庁連携してソフト面を重視してはどうかと、極めて当然の御指摘だと思います。これも、この法案の提出を考えたときから、私は八代大臣に対しましてこの法案の中身等についていろいろ御意見を承ってまいりました。そしてあるとき、私に、バリアフリーの関係閣僚会議というものを提唱したいと思うがどうだろうかと言うから、まことに結構なことである、それは本来私が提唱しなきゃいけないことではあるが、八代郵政大臣が提唱される方がインパクトがあるだろう、そして、関係閣僚一人一人の了解を得てこのことをぜひ実行しよう、二人でそういう相談をしたわけでございますが、先般、青木官房長官を中心とします関係閣僚会議が設置されました。そこで、五月半ばをめどにしまして意見の取りまとめを行おうということになっております。 今御指摘の例えば文部省の場合は、学校等のバリアフリーの問題、これは当然でございますが、あわせて、教科書等を活用して、バリアフリーの、お互いに心の優しい子供たちをつくっていくことによって社会全体のバリアフリーの推進に役立てるような環境をつくっていくということも大事であろうと思いますし、また、厚生省におきましては、障害者、高齢者、福祉の問題を特に柱に置いて政策を進めておる官庁でありますから、これらの皆さんに対して、バリアフリーがどの程度まで進んでおるか、あるいは、バリアフリーのそういう現場、また、そのことに努力をしてきた事業者等のことをできるだけ情報として的確にお伝えいただく、せっかく立派な施設をつくっても、そのことを必要とする方々にその情報が伝わっていなければ意味がないわけでありますから、そうしたことにも努力をいただけると思いますし、通産省は通産省として、バリアフリーの新しい機器の開発とか、いろいろな面でお力をいただけるものと思っております。 いずれにしましても、小渕内閣挙げてこのバリアフリーの問題を政府の大きな目玉として対応していきたい。そのために、財源的な問題も必要でありましょう。そこで、そのことはそのこととして我々は努力していきますが、もう一つ取り組んでいきたいことは、先ほど運政局長から申し上げましたように、実は昨日、バリアフリーの問題をテーマとしますシンポジウムが民間団体のお力で行われました。千人近く入るような会場でございますが、満杯の状況、そして、車いすの方々も多く御参加をいただいておりました。私もごあいさつに伺いまして、本当に胸の熱くなるような思いがいたしました。今いみじくも望月委員がお述べになりましたように、我々健常者は、お互いに、そうしたことを必要とする方々の気持ちを十分酌み取っていない場合が今まで間々あったと思います。私は、そうしたことの反省の上に立って、これからすべての皆さんが、バリアフリーの社会で幸せに、そして希望を持ってこの社会で御活躍できるような場面をつくっていくことがすべての国民の責務であろう、また、そのことをなし遂げることによって日本が文化人として世界に誇れるような国になるんではないか、このことに全力を尽くしていきたい、こういう考えでございます。
○望月委員 ありがとうございました。
○仲村委員長 次に、今田保典君。
○今田委員 民主党の今田保典でございます。 主に、政府提出のバリアフリー法案について御質問させていただきます。総論的なものについては後ほど同志の石毛議員の方から質問があろうかと思いますので、私は、バスとタクシーを利用する側と利用していただく側の声を中心にして質問をしたいと思います。 バスとタクシーの現場では、障害者の皆さんだけではなく、急速に進みつつある高齢化社会に対応するため、このバリアフリーという問題については、まさに時代の要請だというふうに受けとめておるようでございます。ただ、政府案ではタクシーを公共交通機関から除外しているという点について、いささか問題があるんではないかというふうに思います。この点については後ほど具体的に質問させていただくことにしまして、こうした認識のもとに積極的に対応していくことになりますけれども、この機会にバスとタクシーの立場から問題点を指摘して質問したい、このように思っているところでございます。 まず最初は、バスとタクシーに必要な整備を行ったとしても、それが効果的に利用されなければならないという問題があります。バスとタクシーのすべての車両がバリアフリー化されなければならないというふうには思いますけれども、しかし、現実的には、それを達成するには非常に長く時間がかかるだろうというふうに思うわけでございます。とりわけタクシーについては、車いすに完全に対応するとすれば、今のところ現在のタクシー専用車では無理なわけでありまして、それをリフト化するということが必要であります。いわゆるリフトつき特殊車両ということになるわけです。しかし、すべてのタクシーをこういった車両にかえるということは、理想的でありますけれども現実的ではないというふうに思うわけでございます。現在、全国で千四百台ほどこのリフトつきのタクシーがあるようでございますが、当然この数では足りないわけでございます。 しかし、もし、どんどんバリアフリー化した車両を増車するということであれば、当然、採算面も考えなければならぬということになるわけであります。したがいまして、バリアフリー化車両が効果的に活用されなければ業者として維持できないということも、問題点としてあるわけであります。 つまり、できるだけ需要とのミスマッチを少なくすることが必要であり、そのための情報を含めた効果的な活用のためのシステムをどう考えておられるか。特に、鉄道も含めた情報というものが必要だというふうに思います。そういったものをどのように政府の方で考えておられるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○縄野政府参考人 お答えいたします。 今御指摘のように、車いすのまま乗車可能なリフトつきタクシーは約千台ございます。そのほかに、寝台専用車も入れますと、先生おっしゃられましたように、千四百台ございます。これらにつきましては、平成十一年度の二次補正予算におきましても、購入経費の一部を補助する導入促進を図っておるわけでございます。 一方で、通常のいわゆるタクシー専用車両、これにつきましては、全国のタクシー車両のうち、二十六万台ございますが、そのうちの約十万台、四割弱がこのタクシー専用車両でございます。このタクシー専用車両は、身体障害者の方の輸送に対応する場合に、後部トランクに折り畳みの車いすを収容することが可能でございまして、身体障害者の方がタクシーを御利用する場合には、こういう状況の中で、いろいろな利用形態があろうかと思いますが、乗務員による介助などを行うことによりましても可能な部分がございます。 いずれにいたしましても、先ほどおっしゃられましたように、利用者の方のニーズ、それからこういう車両の有効活用という観点から、需要とそれらに対応する配車、そういうものについての情報通信のシステムの活用ということも重要であろうと思っております。こういうことも含めまして、タクシーにつきましても、運行管理の先端技術システムについての支援というものもやっておるところでございます。
○今田委員 ありがとうございます。後ほどタクシー関係についてはもうちょっと具体的に質問したいと思います。 次に、バス関係の問題についてお尋ねをしたいと思います。 乗り合いバスのバリアフリー化ですが、政府案では、その目標を低床バスとされております。これと対立するかのように、利用する側の声を聞きますと、ノンステップバスでなければならないという声が大であります。 そこで、まずはっきりさせていただきたいと思いますのは、低床バスとは何か、それからノンステップバスとは何か、いわゆる地上からの床面の高さを中心にその基準というものがあるのかどうか、あるいは定義についてどのようなものがあるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。 私どもとしましては、ノンステップバスといいますのは、床面の地上からの高さが三十五センチ程度ということで、床面と乗降口が同じ高さのために、乗降口に踏み段がないバスのことを考えております。 それから、低床バスにつきましては、ノンステップバスも含みますが、ノンステップバスでなくても、床面の地上高がいわゆるワンステップバス並み、高さとして六十センチから六十五センチ程度のバスを低床バスというふうに考えておるところでございます。
○今田委員 そこで、先ほど言ったように、ノンステップバスでないと大変なことが非常に多いということを前提にして質問したいわけですけれども、乗り合いバスのバリアフリー化については、低床ではなく、ノンステップでなければならないというようなことを先ほど申し上げました。バリアフリーの基本は、私は、車いすの人が一人で移動できることという理解をしております。この基本をもとに考えれば、必然的にノンステップバスでなければならないということになるわけであります。 このことについて、障害者を代表する方々の意見を何度もお伺いしましたが、車いすでそのまま乗れるノンステップバスでなければ意味がないということを皆さんがおっしゃっておられます。そして、このノンステップバスを乗り合いバスの標準にすべきではないかというふうに実際に考えておるようでございます。 そうしたことを考えてみますと、一人で乗りおりできるのは、先ほど言ったように、これしかないということに結論はなるのではないかというふうに思います。 この標準化ですが、聞くところによりますと、現在、ノンステップバスは二千三百万円から二千四百万円ぐらいかかるということであります。普通の乗り合いバスよりも五割ほど高くつきます。しかし、これを標準化にすると、そのことによって大量生産ということになるわけですから、ほとんど標準的な料金といいますか、値段といいますか、そういったものになるのではないかという声も聞かれるわけであります。 このノンステップバス標準化をどのように運輸省で考えておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○二階国務大臣 ノンステップバスの必要性につきまして、ただいま今田委員御指摘のとおりであります。 私も先般、先ほどの御質問にもございましたように、八代郵政大臣とともに赤羽駅周辺で、ほかに八代大臣の友人の方もおいでになりまして、ノンステップバスに車いすで試乗する現場で、そのノンステップバスの操作方法等につきましても、直接運転手の方々からいろいろ教えていただいたりして、実際私も体験をしてまいりました。ノンステップバスのすばらしさといいますか、こんなにうまくできるならば車いすの方々も利用しやすいな、ほとんど自力ですっとバスに乗れる、こういうすばらしいバスが全国各地にできることが、我々これからバリアフリーの社会を実現していくという大きな目標でなくてはならない、こう思ったわけでございます。 しかし、これまた今田委員からも御指摘のとおり、ノンステップバスは通常のバスよりかなり値段が高い。私が現場で伺ったのでも、普通のバスなら千五百万円ぐらいでできる、ノンステップバスにするともう一千万円それに加えなくてはならない。実際は八百万から一千万程度というわけであります。 そこで、今日のようなバス事業者の経営が厳しい状況の中で、これを導入することを法律で義務づけるということは、かえって運賃の値上げ等を招来して、結果的には利用者の利便を低下させるおそれがあるのではないか、そういう思いもありまして、現時点では、これをすべてノンステップバスに切りかえていくということは現実の問題として難しい問題だと思っております。 したがいまして、新しい車両を購入する際に、国及び地方で助成金を差し上げることによって事業者の奮起を促したい、こういう気持ちでございます。 先ほど御指摘のありましたように、助成措置を活用することと同時に、車両の標準仕様の策定は私は極めて重要な問題だと思っております。このことを積極的に推進することによって、より価格を低減化するということが重要だと思っております。 今後、運輸省は、他の省庁とも連携して、ノンステップバスができるだけ普及しやすいような状況をつくっていくためにあらゆる手段を講じて積極的に対応してまいりたいと思っております。
○今田委員 ありがとうございます。 先ほど大臣言われたように、確かに高いですよね。だから業者に大変負担をかける、こういうことになるわけです。ただ、これからバリアフリーを進めるに当たって、業者と十分話をしていただいて、これがいずれバスの標準になるんだよということになれば、ある程度大量生産に結びつくわけですから、相当料金的には下がってくるのではないかなというふうに思います。 ただ、そうはいっても、そう簡単に今までのバスのように安くなるということはあり得ないわけですので、当然助成というものについても考えなきゃならぬというふうになるんだろうと思いますので、ぜひこれからも研究していただきたい、このことをお願い申し上げます。 しかし、次の問題として、バスの停留所の設計がぴしっとそういったものに対応できるようになっていなければならない、こういうふうに思うわけでございます。したがいまして、バス停からバスへのアプローチが円滑に行われなければ意味がないわけであります。この場合、バスにもスロープ板などの装備が当然必要でありますけれども、バス停そのものも整備する必要があるというふうに思うわけでございます。 そこで、鉄道ターミナルあるいはバスターミナル、さらには道路上のすべてのバス停留所について、低床バスあるいはノンステップバスに対応できるような、スロープといいますか、そういったものをつくりかえなきゃならぬというふうに思うわけであります。したがいまして、新たなバス停の設計基準というものの必要があるのではないでしょうかというふうに私は思うわけであります。 このバス停の整備は、全国至るところにバス停があるわけですので、非常に大変な作業になるということは当然であります。しかし、これからバリアフリー化社会を目指すということであれば、国を挙げて取り組まなければならないだろう、このように思っているところでございます。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、このバス停の整備、そして新たな設計基準、そういったものに対してどう検討されたのか、お答えをいただきたいと思います。
○大石政府参考人 お答え申し上げます。 高齢者や身体障害者の移動の円滑化のためには、ノンステップバスの円滑な乗降に配慮した歩道やバス停の整備が重要である、同様の認識でございます。 このため、現在導入されておりますノンステップバスにおきましては、そのステップの高さが製造メーカーにより異なっていること等から、当該メーカー等に対しまして、車両構造やその普及状況、今後の技術開発の動向についてヒアリング調査を行い、さらに、これに対応して考えられる歩道の構造について、具体的に地域に適用して検証する社会実験等を活用して、その安全性、乗降の円滑性を検証する予定といたしております。 これらの結果を踏まえまして、ノンステップバスとバス停留所での乗降が円滑に行われるような歩道、バス停の構造につきまして、その基準化の可否も含めて検討してまいりたいと考えております。
○今田委員 特に私はバス産業に長く携わってきたものですから感じるんですが、バスの停留所というのはなかなか一般の方が協力してくれないんですね。それにはいろいろ理由があって、バス停を近くにつくりますと、ごみを散らかしたり、それから出口をふさがれたり、そういうようなことで、一般の方がうちの回りにバス停をつくらないでくれというのが今非常に多いんですよね。 今、そういう世間の流れといいますか、そういったものがある中で、バリアフリーにかかわる停留所を新たに検討してやるとなれば、当然そういった方々の協力というものが必要だろうと思うわけです。 したがって、今後進めるに当たって、設計基準、あるいは先ほど御回答いただいたようなことを検討するのも当然必要でありますが、一般の国民に対しても、そういったものに対しての協力の十分なPRが必要ではないかというふうに思うわけでございまして、このことについて何か御検討されたのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○大石政府参考人 バスの利用に関しまして、バスベイがある、バス停があるなしは大変重要な問題であると考えてございますが、今先生御指摘がございましたように、例えば、道路を一定の幅でつくりますと、バス停のところはバスベイを切り込むために、本来幅の広い歩道が必要であるにもかかわらず歩道幅員が狭くなるといったようなことだとか、あるいは多くの方々が集まって歩行がしにくい等の状況がございまして、なかなか用地等の協力が得られないのが実情でございます。 しかしながら、バスベイ、バス停のあるなしがバスの利用者に対して非常に大きな効果があるということでございますので、今後、道路の設計に関してこのようなことを考慮しながら事業を進めていきたいと考えております。
○今田委員 このことについてはもっともっと問題点がいろいろあるわけでありますが、時間もありませんので、いずれいろいろ御検討されるときに幅広く御検討していただけるようにお願い申し上げます。 さらにもう一点。私は、御案内のように東北の山形出身でございます。当然、今雪が降っておりまして、道路、歩道に雪が積もっております。したがいまして、この雪国の対策、先ほど言ったように、低床バスあるいはノンステップバスを標準化するにしても、雪国は特別な措置を講じなければならないだろうというふうに思うわけであります。 しかし、すべてが満足のいくような形にはなかなかならないだろうというふうに思います。現実的には、現在でも歩道を除雪するというのがなかなか困難なんですね。一部のところはやっていますけれども、ほとんどと言っていいほど歩道は除雪していない。したがいまして、小さな子供さん、学校の生徒さんはほとんど一般の道路を歩いて通学する、こういう実態でございます。 だから、そういったことを考えれば、理想は理想としてあるんだろうと思いますけれども、こういった雪国の対策というものについては、当然、それぞれの自治体で事情があるわけでありますので、考えなきゃならぬというふうには思います。このことについて法案化する際に御検討されたのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。 〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。 雪国において、この法案で考えておりますようなバリアフリー対策の措置を講じましても、歩道の除雪、そういうものが行われなければ効果が発揮されないということは御指摘のとおりでございます。 さらに、バスそのものにつきましても、雪国では当然雪が積もっている状態でバスが走るわけでございますので、先ほど申し上げました床の高さの基準の義務づけにつきましても、積雪の多い地域につきましては、それを義務づけますと接触する可能性もございます。そういう状況に対応して、基準の適用を除外するなり、弾力的に措置を講じたいというふうに考えております。
○今田委員 今ほどお答えいただいたように、やはり床が低いと実際に車両と道路が接触する場面が非常に多くなるのですね。そういう道路の設計にもなっているわけですので、これは理想と現実はなかなか結びつかないというのがあるわけであります。問題点はほかにもあるわけでありまして、十分いろいろなお声を聞いていただいて御検討いただきますようにお願いを申し上げます。 次に、先ほど望月委員からも指摘がありましたけれども、せっかくこういったバス関係のバリアフリーを進めることについて御検討される、あるいはつくるということであっても、バス停の近くに違法駐車あるいは放置する自転車が今数多く見られるわけであります。 こういった問題については、何もバリアフリーがあるから問題なんだということじゃなく、今までもこのことについてはいろいろなところから指摘されてきたのだろうというふうに思いますし、実際そういうふうな姿も見られるわけであります。 したがって、この違法駐車あるいは放置自転車があって、せっかくのバリアフリー化されたバスその他のものについて利用ができないということになっては非常にまずいのでありまして、このことについては十分これから、先ほどのお答えでは取り締まりをやりながら周知徹底を行うということを申されておったようですけれども、今までもそういったことを申されて、あるいはやってきたわけです。しかし、依然としてこの部分については改善をされないということであれば、やはり罰則を特別に重くするとか、ほかに何か特別な対策をするとか、そういうことを考えていかなきゃならぬのではないかというふうに私は思いますけれども、警察庁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○坂東政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のように、バリアフリー化を促進するために施設等をつくりましても、そこに違法駐車等があるということになりますと、本来のこの法律の目的を達成しないということは委員御指摘のとおりでございます。 そこで、まず一つ、お尋ねの罰則の強化ということについてでございますけれども、これまでも放置する形態の駐車違反に対する罰則等を強化してきたところでございますが、バス停留所における駐車違反、そういうものをさらに強化するということにつきましては、やはり駐車違反に対する制裁のあり方がどうあるべきか、あるいは他の道路交通法違反の罰則とのバランスといいましょうか権衡といいましょうか、そういった観点から考えていく必要があるものと考えております。 それから、当然ながら、こういった形での違法駐車というものにつきましては、先ほど御答弁いたしましたように、私どもも、関係機関といろいろと協力をし合いながら違法駐車車両の取り締まりあるいは広報啓発活動というものを進めていく所存でございます。 それに加えて、このバス停留所の交通規制を強化したらどうかというようなこともあろうかと思うわけでございます。御案内ではないかと思いますけれども、道路交通法によりまして、バス停留所では駐停車禁止規制ということがされているところでございます。また、バス停留所以外につきましても必要に応じてやはり駐停車の禁止規制をかけているというところもございます。 そういうこともございますので、今後はさらにこの法案の趣旨にのっとりまして、特に重点整備地区におきましては、関係機関とも連携しながら、交通実態に応じて駐停車に関する規制の見直しを行うなど適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○今田委員 私は、決して罰則を強くしなさいということではなくて、やはりスムーズにこういったものが進むようにするにはどうあるべきかという問題を指摘させていただいたわけでありまして、ぜひひとつ十分検討していただきたい、このように思います。 警察庁の局長さん、私の質問はこれで終わりますので、もしよかったら退席してもらって結構です。 次に、タクシーの問題に移りますけれども、まず最初に、政府案ではタクシーを対象から除外しているということについてお尋ねをしたいと思います。 タクシーは、言うまでもありませんけれども、私は公共交通機関の一環であるというふうに位置づけをさせていただいております。しかも、こういった交通機関の中で、唯一のドア・ツー・ドアの輸送機関であるわけであります。 現実に今、先ほど申し上げましたように、福祉タクシーとして車いす対応のリフトつきタクシーが全国で千四百台ほど稼働しておるわけでございます。これからもふえていくだろうと私は期待をしておりますし、そういう状況にあるというふうに認識をしているところであります。 そういう交通バリアフリー化ということを考えた場合、ドア・ツー・ドアのタクシーがかなりの部分で役割分担としてあるのではないかというふうに私は思っております。このタクシーを除いたバリアフリー化は、私は考えられないというふうに思っておるところであります。 民主党案では、タクシーの果たす役割というものを期待して、明確に位置づけをしておるわけでありますけれども、政府案のタクシーを除外した理由について、ちょっと私は理解ができないわけです。やはりこの部分についてはきちっとタクシーも入れるべきだというふうに思いますけれども、その理由についてお尋ねをしたいと思います。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、タクシーは公共交通機関でございまして、またドア・ツー・ドアの輸送、特に移動制約者の方の輸送にとって重要なものであるということは、私どもと認識を一にしているところでございます。 ただ、今回提出しております交通バリアフリー法案というものは、公共大量輸送機関に着目いたしまして、それのバリアフリー化を強力に推進することにしておりまして、タクシーのように個別のニーズに対応した輸送機関についてこの法律体系がなじむかどうかというのは疑問のあるところでございます。 具体的に申し上げますと、このバリアフリー法案でございますと、新規導入、新車を導入する際に一定の基準を強制して義務づけるわけでございます。果たしてタクシーに義務づけが可能かどうかというと、まだ疑問の多いところでございますし、さっき先生も御指摘になりましたように、リフトつきタクシーというのは理想でございます。しかし、これが二十六万台あるいは十三万台にいくというのも不可能でございます。 とすると、では、一体どのようなものを義務づけるべきなのか。これは、先ほど御提案ございましたように、ロンドン型タクシーというのもございますでしょうし、先ほど私どもの自動車交通局長が申し上げましたように、車いすを畳んでいただいて後ろに入れられるような構造にするというのもございますでしょう。では、一体どのような基準を義務としてつけるかといいますと、私は、利用者を含め関係者の間でまだ合意ができていないものだと思います。 それから、もう一つの考え方といたしまして、そもそもタクシーについてはこういった設備を義務づけすべきものなのか。むしろ、例えばその地区に一万台タクシーがあれば一千台はリフトつきにするといったような一定のタクシーの数をある地域に確保することで十分なのかもしれません。 先生もよく御存じのとおり、大量公共交通機関のようにそこへ利用者が行っていわばいや応なくそれに乗るというのではなくて、タクシーは電話で呼び出してこれに乗れるわけでございますから、すべてのタクシーあるいは半分のタクシーについてある基準を義務づけるのではなくて、一定程度確保する、そしてそういうものを、今おっしゃった千四百台をふやしていくという方向で、このバリアフリー化は法律の義務の体系以外でできるのではないかという考え方もございます。 したがいまして、今申し上げたような観点から、タクシーの役割というものは、その法的な規制を含めるのか、必要なのか、あるいは誘導・助成で行うのかを含めて、今後検討する課題だと考えております。 いずれにいたしましても、私ども、タクシーの役割の重要性というのは先生と同様強く認識しているところでございます。 〔実川委員長代理退席、委員長着席〕
○今田委員 今ほど回答いただいたように、私もさきに申し上げましたように、すべてをそういった車にしなさいというのは現実的ではない。理想としてはそうなんですが、しかし、二十五万台を超える車をそういったものにするというのは相当時間がかかるだろうというふうに思います。したがいまして、それを前提にしてこれから質問をしたい、このように思います。 まず、現在のタクシー専用車の問題ですけれども、我が国では、タクシー専用車を開発すべきだという観点から、平成五年に日産のクルー、平成七年にトヨタのコンフォートというタクシー専用車ができました。誕生して七年になるわけでありますけれども、今ではタクシーの専用車が十万台という台数までふえたわけであります。総台数のおよそ四割近くになっております。 ところで、交通のバリアフリー化ということを前にして、今改めてこのタクシー専用車を考えてみますと、バリアフリー化ということを当然考えていない車両でございます。後ろのトランクに折り畳みの車いすがようやく入るかどうかという状態であります。先ほど言ったように、バリアフリー化というものを考えていなかったわけでありますので、当然だといえば当然なわけでありますけれども、そういった車両になっておるわけでございます。 しかし、これからそういった車を本当にバリアフリーに対応できるような車にするためには、このままではまずいというのは当然だろうというふうに思います。今ほどお答えいただいたように、そういう現状であるわけでありますけれども、今後このことについて何か御検討されるときがあるのかあるいはお考えがあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○縄野政府参考人 先生今御指摘のタクシーの専用車両でございますが、これは御指摘のように、ユーザーあるいはメーカー、私どもも参画をしまして、タクシーにとってどのような車が最も適当かということで検討し、その結果としてメーカーによって生産をされているものでございます。 二十六万台のうち約十万台でございますが、専用車両は、乗降の容易性あるいは居住性を高めるために天井が普通の車両に比べて若干高いというようなことで、特別な仕様になっておることは事実でございます。 身体障害者の方がこのタクシーを利用する場合に、先ほども申し上げましたけれども、少なくとも車いすを折り畳めばトランクには収容可能というふうになっております。 それでも折り畳む必要があるという御指摘もございますが、タクシーの利用につきましてはいろいろな利用形態がございまして、すべての車についてリフトつきのタクシーを用意するということもなかなか困難であろうと思います。いろいろな利用形態に対応しまして、乗務員が介助を行うというようなことも含めまして、現在の専用車両によっていろいろな対応が可能であるのではないかというふうに考えております。 もちろん、先ほど申し上げましたけれども、リフトつき、車いすのまま乗れるタクシーについて、私どもとして、いろいろな手だてを講じて、その導入促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○今田委員 先ほど言ったように、すべてがそういうものを収容できるようなバリアフリータクシーを目指すというのは理想なんですが、現実的にはなかなかそうはいかない。しかし、やはり将来はこういうものを目指していきますよというものがあってしかるべきだと思うのです。 したがいまして、バリアフリーということを前提にしたタクシーのあり方あるいは車両のあり方、そういったものをきっちりと政府で検討していただいて、政府でその気になれば可能だというふうに私は思うわけであります。理想はロンドンタクシーなんですが、現実的にそういうことは今の時点でなかなか無理だということであれば、その前段でどう対応をするかという問題もあろうかと思います。そういったことで、ぜひこの点について御検討をいただければありがたい、このようにお願い申し上げたいと思います。 次に、タクシーの車いす専用乗り場というものがあっていいのではないかというふうに思いまして、このことについてお聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。 現在、タクシー乗り場を見ますと、当然、バスの停留所と同じように、バリアフリーに対応したタクシー乗り場というものにほとんどなっていないと言っても過言ではない状況であります。そうはいっても、リフトつき福祉タクシーというものが走っているところは、駅で十分その点について対応しているところもあります。しかし、ほとんどこういった乗り場というものが確保されていないというのが実態でございます。そういうことで、このタクシー乗り場のバリアフリー化を進めるというのは当然必要なのではないかというふうに思います。 主な鉄道ターミナル、バスターミナルあるいは繁華街の中心的なタクシー乗り場、そういったところにはせめて二、三台あるいは四、五台の車いす専用という乗り場をつくってしかるべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、このことについて御検討されたのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○大石政府参考人 お答え申し上げます。 車いすを御利用される方々が駅前広場等のタクシー乗り場で円滑な乗りおりをしたい、このことに配慮することは大変重要な課題だと考えております。 具体的には、例えば、歩車道間に高低差がある場合に車いすが乗りおりしやすいように歩道側に緩やかな勾配を設けたり、乗りおりのためのゆとりあるスペースを確保するといったような配慮が必要でございます。 全国的にはまだ例が極めて少のうございますが、本法の施行に当たりまして、道路特定事業としても、車いすの乗りおりしやすいタクシー乗り場の整備というものに配慮してまいりたいと考えております。
○今田委員 今までバス停とか鉄道の駅とかそういったものを中心にして申し上げたのですが、当然、例えば箱物、公共関係の公民館とかいろいろな建物があるわけであります。そういったところに対しての義務づけについてはどのような状況なんでしょうか。
○大石政府参考人 今御説明いたしましたように、駅前広場等の一般的に多くの方々が利用される公共施設においても現在のような状況でございます。 車いす専用の乗り場ということになりますと、先ほど御説明いたしましたように、車道側のスペースの広さでありますとか、あるいは歩道側の設置基準等の問題がございます。まだまだ十分な状況ではございませんが、多くの方々が利用しやすいように歩道環境、道路環境を整備することは重要であると考えておりますので、御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思います。
○今田委員 次に、こういったバリアフリー化をするには、何といっても、やはり補助金という制度がどのような形になるのかという問題が、関係する皆さんから言わせれば非常に関心のあるところでございます。乗り合いバス、タクシーともにバリアフリー化を進めなければならないということは当然でありますけれども、それぞれの産業が置かれている非常に厳しい実態がございます。これを自力で達成するのは極めて困難だと私は思っております。 このため車両整備に対する補助が必要でありますけれども、この点については政府案では具体的に触れられておりません。私どもの民主党案では、国が四分の三を補助するというふうに明確に規定しているところであります。しかし、バスとタクシーについては、現状において、ノンステップバスには国と地方からそれぞれ四分の一の補助、福祉タクシーとしてのリフトつきタクシーについてはそれぞれの自治体で補助がなされております。所によっては自治体が購入した車を貸与するというところもあります。そしてまた、運行費用を補助するというところもあるわけであります。実際にはかなりの補助が行われているところもあるわけであります。それでも事業として採算面には非常に大きな問題があるわけでありまして、これを継続していくということは非常に困難であるというのが実態であります。 こうしたことから、バスとタクシーについては、現在よりも補助が少なくなるとは思いませんけれども、今後このバリアフリー化を本格的に進めるとすれば、この車両整備補助というものを明確にしておく必要があるというふうに思いますけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○縄野政府参考人 今御指摘の公的補助でございます。 ノンステップバスなどの低床バスの導入につきましては、国と地方公共団体がそれぞれ購入費の四分の一を、通常のバスとの差額の二分の一を限度として補助する制度を十二年度予算において新たに創設したところでございます。なお、この補助につきましては、この法案の第二十一条などにおきまして明記しておるところでございます。 私どもとしましては、これらの制度の活用でありますとか、先ほどお尋ねがございました車両の標準仕様の策定によって価格そのものを低減化していくというようなことで普及に努めていきたいというふうに考えております。 タクシーにつきまして、法案の対象にはしておりませんけれども、今お話しのように独自に取り組みを進めている地方公共団体もございます。一方で、十一年度の第二次補正予算におきましては、先駆的な福祉タクシー車両の購入経費につきまして一部を補助させていただく事業をとったところでございます。地域の福祉行政とも連携をしながら、リフトつき車両の導入促進、タクシーのバリアフリーということについても取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○今田委員 バスについては、ある程度全国的に統一した助成というものをこれまでも行ってきただろうし、これからもそういう形になるだろうというふうに私は認識しておりますけれども、タクシーについていいますと、各地方自治体でばらばらなんですね。 先ほど言ったように、自治体で車両を買って貸与しているところもあれば、あるいは車両を購入する際に自治体の考えのもとで助成を出しているところもあれば、あるいは福祉タクシーという形で乗車する方に対して助成を出しているところもあります。果たしてこういう姿がいいのだろうかということを思えば、決してよくない、あるいは全国的にある程度統一されたものになっていくべきではないのかというふうに私は思うわけであります。 したがって、法案から除外したということになるとそういう方向に進んでいくわけでございますので、タクシーを除外するということではなく、やはりこれはバリアフリー法案の中に入れて、そして、今ほど言ったような問題を整理するということも一つの考え方としてあっていいのではないかというふうに思うわけであります。 国民はみんな平等にサービスを受ける権利があるわけでありまして、あるところはこういったサービス、あるところはこういったサービスがないということでは、私は福祉国家として成り立たないのではないかというふうに思うわけでありまして、この点についてどうお考えなのでしょうか、お聞かせください。
○縄野政府参考人 重ねて御説明を申し上げますが、先ほど運輸政策局長から御説明申し上げましたように、この法案につきましては、大量交通機関につきまして、バリアフリーということで一定の義務づけを行い、それに対する支援ということで国民のコンセンサスを得たいという御提案を申し上げているものでございます。 タクシーにつきましては、そういう意味での大量交通機関ではございませんが、私どもとしましては、先ほどから御説明申し上げているような、タクシーの利用の実態に合ったいろいろな私どもとしての導入、バリアフリーの促進ということに取り組んでまいることによって御理解を得たいというふうに考えておるところでございます。
○今田委員 私と考え方が若干違うのですが、ただ、大量輸送機関ではないから除外をしたということでありますけれども、現実的にはこういった方々はタクシーを利用しているというのが非常に多いのですね。そして、ドア・ツー・ドアの関係もあって、本当に自分で移動できないのだけれども、何とかいろいろなところに行きたいという方はほとんどタクシーを利用しているという実態なのですね。そういう方々への配慮というのは、私はこの際十分考えていく必要があるのではないかというふうに思うのですね。 いろいろな方々からお話を聞きますと、集中的にこのタクシー関係のお話が実際には出るのですね。そういうことをぜひ御配慮いただいて、御検討していただきたい、このように思うのですが、大臣、何かお話があればお聞かせいただきたいと思います。
○二階国務大臣 実は、先ほど申し上げましたアメリカのマイケル・ウィンターさんは、日本に来られた際に、大使館かあるいはアメリカの運輸省等が配慮して、ハイヤーかもっと便利な、車いすが乗りおり簡単な車を御利用されておるのかと思って玄関まで送り出しましたところ、何とタクシーを利用されておりました。そして、付き添いの人がゴムのベルトを持っておりまして、それで、自動車の後ろへ車いすを乗せてゴムで落ちないように縛りつけるといいますか、押さえておく、そういうことをしながら、この方はずっと日本に滞在中タクシーを利用されておったということを私は知りまして、タクシーにおけるバリアフリー化のために何をしなければならないかということを運輸省の中でも検討するように、その日のうちに直ちに関係者に命じておるところでございます。 何せ数多くのタクシーでございますし、今タクシー業界の経営の状況も今田委員御承知のとおりでございますから、直ちにというわけにはまいりませんが、タクシーは多くの国民の皆さんの既に足として定着しておるわけでございますので、車いすの方々が利用しやすいような状況をどうつくっていくかということに、これから一層工夫を凝らして努めてまいりたいと思っております。
○今田委員 ありがとうございます。そういうことでぜひ御配慮をお願いしたいというふうに思います。 最後になりますけれども、そういった方々が利用されている車いすの規格の問題についてお聞かせをいただきたいと思います。 当然、車いすの規格によって、バスの対応、タクシーの対応というものが出てくるわけでございます。現在、日本工業規格においては、車いすの高さは千九十ミリ以下、幅については七百ミリ以下ということになっておりますけれども、果たしてこの規格が車いすを使用する方の必要を満たしているのかどうか、そしてバスやタクシーに乗り入れることを前提に考えているのかどうかという問題点もあります。さらに、そういう工業規格というものがあるにもかかわらず、特に電動車いすについては、輸入車があるという関係もあるんでしょうけれども、規格よりも大きいものが今非常にふえております。 そういったことを考えるとすれば、このままほうっておいていいのかどうかという問題点もありますし、ある一定の規格というものを再検討しておく必要があるのではないかというふうにも思います。そういった点について、どこかでいろいろ検討されたのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 車いすについての日本工業規格、運輸関係の交通施設整備をする際に、この工業規格を前提に、一応通路、エスカレーター、エレベーター等を考えていただくようになっているところでございます。 ただ、先ほど先生おっしゃったように、かなりいろいろなタイプの車いすが出ているようでございます。交通バリアフリーの観点から規格を統一していただくことは大変ありがたいことでございますが、ただ、車いすというのは、交通手段だけでなくて肢体不自由な方の生活の手段でございますので、ただ交通の観点からのみ規格を統一しろということを声高に言うのも、いささか感情を害する面もあるかと思っておりまして、私どもといたしましては、車いすの使い方の現状や今後の技術的な動向も勘案するとともに、身体障害者の方たちの御意見なども拝聴した上で、関係省庁、これは通産省でございますが、統一していただける、そしてそういう方向になるのならば、お願いするということを考えたいと思っております。
○今田委員 いろいろ御検討いただきたい、このように思います。 最後になりますが、特に電動車いす、この車両の重さが今百キロ前後なんですね。これは質問通告していないんですけれども、ノンステップバスというものになった場合、渡るとき、百キロ前後の重さに本当に耐えられるのかどうかという問題点に突き当たるのではないか。そういうものを何か検討されたのかどうか、最後にお聞きして質問を終わりたいと思います。
○羽生政府参考人 電動車いすの場合は、重さ七十六キロから八十七キロくらいまで差がございます。これを乗せた場合、かなり問題があるんだと私どもは考えております。バスについては可能かもしれませんが、恐らくタクシー等についてはかなりあると思います。さらに加えまして、電動車いすは、固定した場合、動いたとき、かなり問題があるんではないか、そういう問題を抱えておりますが、片や、大変便利なことも便利でございます。この中の他の乗客の方の安全性、車の運行の安全性、そういったことを考えながら、この問題についても対処しなければいけないと考えております。
○今田委員 ありがとうございました。終わります。
○仲村委員長 次に、石毛えい子君。
○石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。 運輸委員会は、全員、君の呼び方なのかもしれませんが、委員長、私には、さんづけで呼んでいただきたいとお願い申し上げますが、いかがでございましょうか。よろしいですか。
○仲村委員長 はい、わかりました。
○石毛委員 よろしくお願いいたします。 本日は、傍聴席に車いすを御利用の方がたくさんお見えになっておられます。一九八一年、国際障害者年でございました。差別のない社会を、ノーマライゼーションの実現を、こうした考え方、そしてその社会づくりが二十年余進んでいる中で、まさに今国会に、いわゆるバリアフリー法案、政府案とそれから私ども民主党が提出させていただきました法案、ともに審議をしていただくということになりました。 先日、三月十日の本会議で、私は、政府提案の法案に対しまして、民主党として代表質問をさせていただきました。その際に、運輸大臣、政治家のイニシアチブで、国会で十分に審議を尽くしていい中身の法案づくりにともに努力をいたしましょうと呼びかけさせていただきましたことに、大臣からも積極的な御答弁をいただき、私は感謝を申し上げております。 本日は、まさにバリアフリーの社会を求めておられる当事者の方もお見えでございますので、十分に当事者の方々の御意見等々を踏まえて、本当にバリアフリーの社会をつくれるようなそういう公共交通機関のあり方、町づくりを求めていけるように、的確性の高い内容を持つ法案を制定できればというふうに、まず最初に要望させていただきます。 最初の質問は、法案に関してではございませんが、代表質問の折にもお尋ねさせていただきました、三月八日に生じました日比谷線中目黒駅構内での脱線事故に関しまして、政府は、事故調査検討会及び専門家によるワーキンググループで調査をしておりますというふうに答弁をいただきましたが、これはどのような進行状況でございましょうか。
○安富政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のように、事故の原因究明につきましては、現在、事故調査検討会及び専門家によるワーキンググループで鋭意検討中でございます。 具体的には、当検討会につきまして、事故発生後直ちに現地に派遣いたしまして、その現地調査を行った後、同日の夕刻から、運輸省で直ちに第一回の事故調査検討会を立ち上げたところでございます。三月十日、第一回のワーキンググループ、三月十六日に検討会とワーキンググループの合同会議、さらに、三月二十四日に第三回のワーキンググループという形で精力的に現在、調査、分析を進めてきているところでございます。 ただ、具体的に申しまして、三月十六日の合同会議においても脱線の発生要因、これを特定の一つの原因に絞り込むということができない状況でございまして、そのために、現時点で幾つか推定される要素、具体的には、線路線形の影響、あるいは台車や空気ばねのふぐあいの可能性、あるいは車輪の踏面の形状あるいは軌道狂いやレールの研削状況といったような影響の可能性、さらには脱線時の速度とか運転パターンといったものがどう影響しているかというようなことについて、幅広く十項目ほど整理いたしまして、これらの事柄を中心にして徹底的に技術的解明を図っていくという方針を固めたところでございます。さらに、二十四日のワーキンググループにおきましては、具体的な検証の方法と申しますか、実施計画をつくっております。 具体的に申しますと、輪重、いわゆる車輪の重さですが、それぞれの測定の方法、あるいはレール関係の調査の実施方法、シミュレーションの方法、さらには、現地における実証試験みたいな計画について、今後どうしていくかという具体的な実施方法について議論を行って、現在その計画の深度化を図っているところでございます。 そういう意味で、検討会において、これらの試験等の結果を踏まえてさまざまな角度から科学的な検討を加えまして、早急に原因の推定を図っていきたいというふうに考えております。
○石毛委員 大臣にお尋ねいたします。 あの際にお亡くなりになられました方、あるいは大きなおけがをされていらっしゃる方もおられるわけですけれども、どういう対応をその後なさっていらっしゃいますでしょうか。
○二階国務大臣 石毛委員は、本会議でも、日比谷線の脱線事故に対する関係者の皆さんの御冥福をお祈りいただくとともに、入院加療中の方々への配慮につきましても言及なさいまして、私も本会議におきまして御答弁申し上げましたが、事故当日、総理自身からも、原因の究明や再発防止に加え、被害者の方々への対応には万全を期してもらいたいという強い御指示がございました。 当然のことでございまして、私は、関係者と協議の上、これらの対応につきまして、相手のお立場もあることでございますから、そうスムーズに交渉が進んでいくというわけにはまいりませんが、何回も何回も誠意を尽くして対応して、関係者の皆さんの御満足のいくようなことをしていただきたいということを申し上げております。 現在、それぞれの御遺族等につきまして、担当職員を張りつけて連絡をとらせていただいておりますし、事故被害者ご相談室というものを営団に設置いたしまして対応いたしております。そして、いわゆる被害を受けられた方々との連絡につきましては、毎日その状況を運輸省鉄道局長の方へ報告をさせておりますので、運輸省としてもその実態を常々把握いたしておるところでございます。 そこで、この事故の被害を受けられた方々への対応とは異なりますが、やはり亡くなられた方々に対しても、今回の事故の原因の究明を急ぐとともに、再びこうした事故が起きないように全国の鉄道事業者に対して当日も改めて指示を発したところでありますが、今回、三十日に鉄道・軌道主任技術者会議を運輸省で開くことにいたしておりまして、私も特別に参加をしてみずから訓示を行いたいというふうに考えております。 こうした事故が再び起きないように、安全につきまして、私たちは重ねてその決意を内外に明らかにしたいというふうに考えております。
○石毛委員 ぜひとも事故の再発を防げるように、原因究明をきちっと行っていただくこと、対策を講じていただくこと、そして、お亡くなりになられた方の御遺族の方々あるいは被害を受けていらっしゃる方から信頼を得られるような対応を続けていただけますように要請させていただきます。 それでは、法案の中身に関連して、これから質問をさせていただきます。 私は、いわゆるバリアフリー法案、こういうふうに言わせていただきますけれども、これが実効性を持つためには、大切なポイントが多々あると思いますけれども、どのように基準をつくるかということも非常に大切な大きなポイントだというふうに理解をしております。 そこで、この基準に関連しまして、普通鉄道構造規則、この第百九十二条第二項四号、旅客用乗降口を定めた項目ですけれども、この関連で質問をいたします。 この四号は、「床面又は踏み段の高さとプラットホームの高さとの差は、できる限り小さくすること。」というふうに書かれてございますが、まず、小さくすることというこの内容はどういうことであるのかということを確認させてください。
○安富政府参考人 普通鉄道構造規則の百九十二条第二項第四号で、できる限り小さくすることと書いてございます。 これは、具体的には、この車両の床面とホームの高さにつきましては、車両の床面の高さが、ばねのたわみ、通常、コイルばね等を使っている場合にばねのたわみがございますが、これが最大ですと約八センチくらいございます。それから、車輪の摩耗、これも最大ですと約三センチくらいに及ぶことがございます。そういう意味で、車両の床面の高さは車両によって変化するものでございます。これはまた、車両に乗っている人数によって変化してくるということもございます。車両の構造あるいは人数、乗りぐあいによってさまざまでございますので、この規則の中では具体的な高さについては規定していないものでございます。そういう意味で、できる限り小さくするということに努めているものでございます。 ただ、現実にはどういうことになっているかと申しますと、都市部の駅については、車両の床面とホームの段差はおおむね、満員状態ですとゼロという場合もありますでしょうし、それから、空車状態ですと、いろいろな要素が重なりますと例えば十五センチくらいになるというようなこともございまして、そこら辺が現実の高低差になっているのではないかというふうに考えております。
○石毛委員 確かに、いろいろと物理的な理由等々で、高さを小さくすると申しましても、なかなかコンパクトに小さくなるというのは難しいところもあるかとも思いますけれども、駅ごとに非常にホームの高さが違っているというようなことも理由の一つにはあるかと私は思います。 今おっしゃられましたようなことを、例えば車両からスロープを出すようにして解消するとか、私は東京の多摩の地域なんですけれども、立川モノレールは、確かに段差がこのくらいあったと思いますけれども、車両とホームの間にスロープが必ずついていて、どなたも車いすだけで乗りおりできるようになっている、最近そういう設備整備がされてございます。 私は、そうした具体的な対応策をこれに付加して考えたらどういうふうに規定することができるのか、あるいは、そういうことを付加していろいろな条件を整備していきながら乗りおりできるという状態をつくるという方向性を持つのであれば、この四号は、床面または踏み段の高さとプラットホームの高さをなくし、車いす利用者等の乗降を可能にすることというような書きぶりでもよろしいのではないかと考えるわけでございますけれども、いかがでしょうか。
○安富政府参考人 先生おっしゃいますように、現在でも、車両の床面とホームの間に高低差があるということで、車いすの利用が非常に不便だということはあると思います。そういう意味で、いろいろな解決策を考えていかなきゃいけないというふうに我々も感じております。 一つは、車両の高低差、車両とホームの高さの差をできるだけ小さくするということで、最近ですと、たわみ量の少ないいわゆる空気ばねを使うというような方法も考えられております。これですと、先ほど八センチと申しましたが、最大で約三センチくらいにおさまるというようなこともございますので、そういう車両を積極的に導入していくということが一つあるかと思います。そういう意味で、車両の導入というのも、なかなか現実には新車を入れるということは難しゅうございますが、そういうことを我々としても指導していかなきゃいけないというふうに考えております。 それからもう一つ、具体的なスロープ等の対応でございますが、現実に鉄道事業者においては、例えば車両の車いすスペースに運搬式のスロープ板を常備しておいて、当然自動的にはできませんから、ある程度の介助が必要でございますが、このある程度の介助で乗降が可能なような対応を図っているケースもございます。それからまた、先生おっしゃいますように、車両の乗降口にリフトを設けたものであるとか、あるいはホームの乗降位置に昇降装置、スロープに自動的になるようなものを設けるとか、そういう形でいろいろ試行的なものを検討している状況でございます。 今後、我々としても、こういう幾つかの試行的な事例も含めまして、この事例がどの程度効果があるのか、それから、具体的に直ちに設置という形にはいかないので、大改良等の施設の改善の状況を踏まえてどう整備していくかということについて、鉄道事業者とともにいろいろ努力していきたいというふうに考えております。
○石毛委員 きょう、ずっと各委員の皆様の御質問を承っておりまして、大臣のお言葉の中にマイケル・ウィンターさんのお名前が何度も出てまいりまして、私も非常に親しみを込めて思い出すのですが、実は、マイケル・ウィンターさんと私は、私の住んでいる町のバリアチェックをつい先ごろお見えになったときに一緒にいたしまして、彼は、えい子、この電車はアメリカだったら電車の中からスロープが出るようになっているよというふうに言われました。 今、局長の御答弁、大改造の際は、あるいは車両のばねを用いるというような、そういう折にはというふうに申されましたけれども、私は、要するに基本的な原則、移動に不自由をお持ちの方が自由に移動できるという原則を生かすために、工夫、工夫という言葉は表面的なことになるかもしれませんけれども、さまざまな方法があって、その方法をどう組み合わせていくかということが大事なのではないかというふうに思います。ですから、大改造とそれから車両改造が済まなければというだけではなくて、いろいろな対応をしていただきたいというふうに、これは要望として申し上げさせていただきます。 伺うところによりますと、電車の車両の乗降口をホームの高さに合うように少し切り下げれば、これで一緒になるということもあります。これは、車両の改造の方が必要でしょうけれども、ホームは今のままでも工夫ができるということですから、やはり考え方の基本をどこに置いて、具体策をどうつくっていくかというところが大事なのではないかと僣越ながら申し上げたいと思います。エレベーターを設置しましても、肝心の交通機関に乗るときにだれかの力をかりなければならないというようなことでは、まだまだ移動に制約が残るということになりますので、ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。 次に、道路構造令に関係してお尋ねしますけれども、車道と歩道の段差については、何によってどのように規定されておりますでしょうか。まず、そのことを確認させてください。
○大石政府参考人 お答え申し上げます。 歩道の構造、車道の構造そのものにつきましては、今先生御指摘ございましたように、道路法の政令でございます道路構造令で決まっているわけでございます。具体的な設計基準につきましては、歩道における段差及び勾配に関する基準、これは道路局長、都市局長両名の通達でございますが、この通達において定めております。
○石毛委員 その通達の中では、車道と歩道の段差はどれぐらいあっていいというふうに、あるいはどうでなければならないというふうに規定されているのでしょうか。
○大石政府参考人 この通達におきまして、歩道と車道のすりつけ部の段差につきましては、特に視覚障害者の安全な通行を考慮いたしまして、歩車道の境界が確認できるよう二センチの段差を確保するということといたしております。
○石毛委員 それでは、次の質問でございますけれども、視覚障害者の方についての手だてというふうに言われましたけれども、この面では、警告ブロックなどを適切に活用するというふうに考えますと、思い切って歩道と車道の段差をなくして、そして、その境界は例えばガードレール様のものを設置していくとかというような方法は考えられないのでしょうか。 実際問題、町を歩いておりますと、二センチメートルと言われていますけれども、やはり二センチメートルできちっとできているところというのは必ずしも多いとは言えないという私は実感を持っておりますので、今のような質問になりました。
○大石政府参考人 先ほど二センチと申し上げましたのは、歩道が車道にすりつく部分の最終端のところでございまして、一般的には、今先生からお話がございましたように、かなりの段差があるというのが実態でございます。 しかしながら、歩道の構造につきまして、特に現在話題になっておりますような高齢者、身体障害者が安全かつ円滑に通行できますように、この平成十一年の九月に先ほど申し上げました通達を改定したわけでございますが、この中では、車いす利用者の安全かつ円滑な通行を確保できるよう、歩道の平たん部の幅員やすりつけ部の勾配を新たに規定し直したところでございます。 この基準におきましては、車道と歩道の段差を極力少なくするよう、また車いすや自転車が利用しにくい、いわゆる波打ち歩道にならないように道路の構造を規定したところでございます。言われておりますような、乗り入れ部のために歩道が波打って、自転車や車いすの方々がついつい車道の方に出てしまうような構造になるということを極力避ける意味から、新たな通達を発したところでございます。
○石毛委員 次の質問でございますけれども、ちょうど今の時期になりますと、町を歩いておりますと、ガス管の工事ですとか水道管の工事ですとか、いろいろな工事がされていて、あちらを歩いてもこちらを歩いてもバリアの状態があるのですけれども、そうした状況で、道路を通行しやすくというようなことに関しまして、何らかの通達とかそういうものはあるのでしょうか。
○大石政府参考人 年度末における路上工事についての御指摘でございます。 路上工事は、都市内の大きな交通渋滞の原因ともなりますことから、最近ではその縮減に努めておるところでございまして、例えば東京二十三区の国道及び都道におきましては、年度末、これは十二月から三月でございますが、この路上工事につきましては、平成十年には平成四年度の約半分に減少いたしておりまして、最近では他の月よりも少なくなっているような状況でございます。 先生からお話がございましたように、路上工事の約八割は電気、ガス、電話等の占用工事でございますので、各地区ごとに道路管理者や占用企業者で構成いたします調整協議会を通じまして、路上工事のやり方や路上工事の時期につきまして調整をしておるところでございます。 路上工事の実施に当たりましては、歩行者の安全を確保することを最重要に考えまして、現場の状況に応じ、バリケード、誘導員の設置、照明灯、歩行者誘導案内板の設置等、歩行者空間の確保を図ることといたしております。これらは、それぞれ道路局等の通達になっているところでございます。 これらによりまして、健常者のみならず、車いすや視覚障害者、あるいは多くの障害がある方々の歩行の安全も確保されていると考えているところでございますが、今後とも、歩行者の安全確保、円滑な交通の確保に努めてまいりたいと考えております。
○石毛委員 障害をお持ちの方についても、手だてがなされているはずだと考えているというふうに今御答弁いただいたと思います。例えば、そういうときに誘導ブロックの敷設を配慮するようにですとか、私は、白杖をお使いになる方は、非常にああいうところを通るのは難しいのじゃないかと思いますけれども、そういう方にとっての利便性をきちっと確保するようにというような中身の通達はあるのでしょうか。
○大石政府参考人 一般的には、今先生御指摘がございましたような路上工事に関しまして、歩行者の安全を確保するような通達はございます。
○石毛委員 余り時間はとりたくないのですが、今歩行者と言われましたけれども、移動に制約を持つ歩行者の方に触れている通達もあるというふうな御答弁と理解してよろしいんでしょうか。
○大石政府参考人 申しわけございませんが、今その通達自身を私手元に持っておるわけではございませんが、先ほど申しましたように、一般的に、歩行者等が存在する路上工事を施工する際に、現場の状況に応じて歩行者の動線を確保するということは基本でございます。その際に、単独で歩きにくい、例えば車いすを御利用される方々が通られるような通行空間におきましては、そういう通行が確保できるよう努めることといたしておるところでございます。
○石毛委員 時間もございませんので、これについてのこれ以上の質問は続けることができませんので、後ほどそれをいただければと思います。よろしくお願いいたします。 次の質問でございますけれども、視覚障害者にとりまして切実に求められております駅舎のホームのホームさく、ホームドアの整備についてお尋ねをいたします。 私が拝見いたしました資料では、一九八九年から九八年までの十年間で、全盲の方が鉄道駅のホームから転落して十六名亡くなられているというふうに伺っております。四名の方がけがをされているというふうな記録がございます。政府案の基本理念には、移動の利便性とともに安全性の向上の促進とございますけれども、私は、今、視覚障害者の方にとりましてこの移動の制約を排除していくための手だてというのは、主として点字及び誘導ブロック、警告ブロック程度の設備策しかないのではないかというふうに思っております。 実際、私も全盲の方と一緒に、駅にアクセスして切符を買うところからずっとホームのところまで一緒に行動させていただきまして、確かに、全盲の方が電車からおりて、そして非常に混雑をしている状況などのときに、誘導ブロックと警告ブロックがあったとしてもそれだけでは方向がわからなくなってしまって、そして、あちらですよというふうに声をおかけくださる方がいらっしゃればそれはそれでありがたいわけですけれども、それで行ってもうまく行き当たらないとまた逆へというようなことで、方角がわからなくなってくるというのは、私はこれはとても実感できることなわけです。 そういう状況の中で転落事故が起こっていくんだと思いますけれども、ぜひとも、やはりホームさく、ホームドアはつけるべき設備だというふうに思います。先進事例として紹介はしてあるというふうにお聞きしましたけれども、ガイドラインにも入っていなければ、ましてや基準の中には入っていないんだと思います。私は、これはぜひ基本的な施策として基準の中にも含めていくということが必要だと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○安富政府参考人 ホームに転落防止さくあるいはホームドアのようなものを整備すべきではないかということですが、運輸省の方で、ガイドラインの中において従来から、誘導・警告ブロックの設置、それからホームの両端部の転落防止さくの設置ということで、対策を事業者に指導してきております。 そういう意味で、誘導・警告ブロックあるいはホーム両端部の転落防止、まだ完全ではございませんけれども、大分設置が進んできたんではないかと思いますが、御指摘のような、いわゆるホームドアのようなものにつきましては、先進事例というお話がございました。 おっしゃいますように、最近開業したワンマン運転であるとかあるいは無人運転の新交通システム、あるいは地下鉄の一部で採用された例がございます。そういう意味で、これは転落防止には非常に有効な一つの手段だと我々も考えておりますが、現実問題として、一つには、扉の開閉に一定の時間を要するといったような問題もございまして、非常に通勤客の多い混雑した路線には不適切な部分もある、さらには、既設の駅に設置する場合にはプラットホームの大規模な工事が必要になりますし、当然その期間プラットホームの使用が非常に制限されるということから、幾つかの課題がございます。 そういう意味で、この転落防止さくについて、具体的にホームドア等も含めてこれからいろいろ検討していかなきゃいけないと考えておりますけれども、運輸省では、より現実的な対策として、一つは、誘導・警告ブロックについて、先生おっしゃいますように、どっちの方向に歩いていったらいいかというようなことがよくわからなくなるというようなこともございまして、特に、ホームの内側か外側なのか、警告ブロックだけでは識別ができないというようなこともございますので、現在、学識経験者あるいは視覚障害者の方々、鉄道事業者等も交えまして、誘導・警告ブロック改善検討会というのを設置いたしまして、ホームの縁端、ホームの端であるということをより具体的に識別しやすくするためにどうしたらいいのかというようなことも含めて検討しております。 この法案の中でも、鉄道駅の設置に際して移動円滑化に係る基準を定めるということを予定しておりますけれども、当該基準の策定に当たりましては、こうした検討状況を踏まえて、ホームにおける視覚障害者の転落防止のためどういう措置をとったらいいか、適切な措置を検討してまいりたいというふうに考えております。
○石毛委員 ぜひ、このホームさく、ホームドアの整備についても、いろいろと技術的な困難というのはやはりあるとは私も思いますけれども、それはどういう方向性で解決していくのかというようなことも含めれば基準として設定するということはでき得ることだというふうに私は考えますので、基準にどのような方向で含むかというようなことを御検討いただければというふうに思いますし、特にホームさくについては、私はやはり入れるべきだというふうに思います。ホームドアは、年数は非常にかかるのかなという思いがいたします。ホームがカーブしているところはどうするのかとか、それから今御答弁にありましたように混雑の時間の問題とか、いろいろあると思いますけれども、それは当事者の方々が、こういう状況だったら解決できる、あるいは、ここは少し我慢をしてもいい、そうした当事者判断というのは非常に重要だと思います。 そうしたことを踏まえながら、時間がかかること、ホームドアについてはそういうことかもしれないというふうに思いますけれども、ホームさくにつきましては、私は喫緊の課題だと思いますし、これを立てるということはそれほど費用のかかる問題でもありませんので、ぜひ早急に実現していただきたいということを私は申し上げたいと思います。 局長御答弁いただきまして、大臣、この件に関しましてどのようにお受けとめいただけるか、続けて御答弁いただければと思います。
○二階国務大臣 現在、委員も御承知のとおり、JR、大手民鉄、営団、公営地下鉄におけるホーム両端の転落防止さくの整備状況は、総駅数では六千九百六十二駅のところ、五千二百二十九駅、整備率七五・一%ということになっております。いずれにしましても、今度バリアフリー法を提出させていただきまして、先ほども委員御指摘のように、当委員会等における御審議の中で中身をより充実させていきたいというふうに考えておるわけでございます。 この法律のスタートによりまして、それぞれの関係者、先般も私は、JR東日本の社長の案内で、赤羽駅等で、エレベーターから駅のホームに移ることを拝見してまいりましたが、それは社長だけではなくて、そこにおられる駅長からその周囲の人たち、みんなバリアフリーに対して新たな決意を持って臨もうという姿勢がありありとわかるような気がいたしました。 私は、今回の法案の成立がこれらの問題の終点ではなくて出発点であるということで、関係者の皆さんの御協力を得たいと思っております。残念ながら、何もかも一挙にということは現実にはまいりませんが、私は、可能な限り、諸外国に比べても見劣りのしないように進めていきたい。アメリカに比べて法律は十年おくれましたが、私は、この十年をできるだけ早い機会に取り返し、この面におきましてもアメリカに追いつき追い越すことができるようにしたいというふうに考えております。
○石毛委員 私はちょっと聞き損ねたかと思いますけれども、ホームさくの実施率は七一・六……。
○二階国務大臣 さくでございます。七五・一%。
○石毛委員 七五・一%。その大臣の御答弁を伺いましてはっと思い出したのです。非常に設置率が高いので、あともう少し足せばいいじゃないかというふうに一般的には思われるかもしれませんけれども、大臣の御答弁ではっと思い出したのは、ホームさくの設置の場所と、ホームさくの形態といいますか態様なんですね。 それで、私がたまたまですけれども全盲の方と御一緒しましたのは、ホームの端からかなり手前のところに、つながったさくではなくて、こういうさくが二つ並んでいるわけです。そうしますと、たまたまこの間をすり抜けていったりとかホームとさくの間のここをすり抜けていったりした場合には、今の七五・一%の設置率に入っているさくだと思いますけれども、全盲の方にはそのさくは有効性は何にもなくて、すすすっと歩いてホームから転落する、こういう形状といいますか敷設の形になっているわけです。 ですから、私は、基準をつくるときに、今検討会をつくられているそうですけれども、個々具体的に詰めていく必要があるということを改めて今実感いたしましたので、つけ加えさせていただきたいと思います。 続きまして、点字及び誘導ブロック、警告ブロックの敷設についてでございますけれども、質問通告をさせていただきましたので細かい説明は省かせていただきまして、最低限、最も適切な基準での統一基準をつくる必要があるのではないかということを申し上げたいと思います。 いろいろな場所で警告ブロックの敷き方はばらばらですし、それから、上り、下りのホームの手すりに行き先を示す点字がある駅もあればない駅もあるということで、ばらばらでは一貫した情報のリズムがないわけです。惑えばやはり危険率も高くなるわけですから、スタンダードを設定する必要があるということを、統一基準を設定する必要があるということを申し上げたいのですが、いかがでしょうか。
○羽生政府参考人 誘導・警告ブロックについて、視覚障害者にわかりやすい形でルールを統一していくべきではないかという御質問でございます。おっしゃるとおりだと思います。 旅客施設について、この警告ブロックの整備は、従来、平成六年につくりました施設整備ガイドラインに基づいて、設置の仕方を含め交通事業者を指導してきたところでございます。 しかしながら、御指摘のとおり、点字、誘導ブロックについては設置の仕方が事業者により異なっております。したがって、障害者の方に利用がしにくい場合があることは我々も認識しております。ただ、障害者の方自身でどのようなものが一番よいかというのが、視覚障害者の方自身の中で若干意見の相違があるような印象を受けております。 ただ、いずれにいたしましても、これは統一した方が望ましいわけでございますので、先ほど鉄道局長が申し上げた検討会におきまして、鉄道駅等における警告・誘導ブロックの仕様、敷設方法についての改善策、これを四月から検討を開始することにしております。検討の結果を得次第、統一の方向で努力してまいりたいと考えております。
○石毛委員 ぜひとも検討のプロセスを公開していただきまして、その若干の意見の違いがあるのでしたらそれもオープンに調整できるような、そういう進め方をしていただけますと大変よろしいかというふうに思います。
○羽生政府参考人 先生の仰せのとおりに、必要な情報を公開するようにいたしたいと思います。
○石毛委員 それでは、次の質問に移らせていただきます。 スペシャル・トランスポート・サービスについてでございますけれども、これは委員の皆さんの御質問の中にもございましたように、大量の移動機関を利用しにくい方、あるいは大量の移動、私、人に輸送という言葉を余り使いたくないなと思いましたので、移動という表現を利用させていただいていますが、移動機関と、自分の自宅ないしは目的地まで結ぶ交通機関としまして、スペシャル・トランスポート・サービスについては大変重要であるという認識は、大方の了解事項になってきているかと思います。アメリカのADA法でも公共交通機関としてSTSを位置づけるというふうになっていますし、スウェーデンではコミュニティーがきちっとこれを整備するという義務が課されているという状況です。 大臣は、本会議での御答弁で、スペシャル・トランスポートについて、促進方策などの検討を進めていく所存というふうに御答弁を下さいました。そこをもう少し進めていただきして、必要性また重要性についてどのように認識しておられるかということを承らせていただきたいと思います。
○二階国務大臣 お時間も迫っておるようでございますから、スペシャル・トランスポート・サービス等につきましての認識は石毛委員と一致しておると思いますので、この点は省略をさせていただきます。 運輸省としては、平成九年度及び十年度においてモデル事業を実施したところでありますが、STSについてどのようなサービスをだれの責任と負担で提供するのか、輸送の安全をどのように確保していくのかなどの問題につきまして、本会議での答弁のとおり、さらに促進の方策の検討に取り組んでまいりたい、このように思っております。
○石毛委員 この点につきましても、ぜひ情報公開をプロセスの過程でもしていただきまして、当事者の皆さん、関係する方々が十分にこの方策を求めていくときに参画できるようにということを望みたいと思いますが、いかがでございますか。
○二階国務大臣 何回も申し上げておりますように、バリアフリーの社会を構築していくという上におきましては、多くの皆さんの御協力、そして英知を結集していかなきゃいけない、このように考えております。 したがいまして、私ども運輸省の方で、検討の結果等につきまして常に情報公開をしながら、多くの皆さんの御意見をちょうだいしたい。むしろ、私どもの方から積極的に御意見を求めていく、そういう姿勢で対応したいと思っております。
○石毛委員 ぜひよろしくお願いいたします。 このスペシャル・トランスポート・サービスについては、民主党提出の法案には、第二十五条に、「移動が著しく困難な移動制約者の移動の手段の確保」ということで条文規定がございます。どのように方向性を実現していくのかということで御説明いただければと思います。
○金田(誠)議員 STSについての御質問でございますけれども、民主党といたしましては、御指摘のとおり、すべての人が平等に社会参加を行うことができる社会を構築すべきである、このような認識から、第二十五条で、STSを積極的に位置づけ、当面は地方自治体の努力義務ということにしておりますが、五年後にはSTS導入を義務化して一層のバリアフリー化が実現することを目指している、こういう基本的な考え方に立っております。バリアフリー化が進むにつれてこのSTSは大きく伸びる交通システムである、このように考えております。 ただいまの運輸大臣の御答弁でも、政府の認識も私どもと同じ、このように聞かせていただきました。その辺で、より実りある成案ができればいいなという期待感を大きくしたところでございます。 近い将来、アメリカやスウェーデンのように、法律でSTSを明確に位置づけ、義務化をするということが必要である、こう考えてございます。
○石毛委員 このスペシャル・トランスポート・サービス、何を指して言うかということはいろいろあるようでございますし、まだ共通的な整理というのはついていない部分もあるのかなという思いもいたします。多摩なんかで走っておりますコミュニティーバスのようなことを含めるという方もおられるでしょうし、そういう共通概念をどこで整理していくかというような宿題もあるのかもしれません。私は、このスペシャル・トランスポート・サービス、日本の中では業界の方も福祉タクシー等々で対応されてきておられますけれども、また、ボランティアあるいはNPOとしての活動で熱心に年数を重ねて、大変御苦労されながら実績を日本の社会で定着させてきつつある、そうした活動も大いに注目をして、合意をつくりながらシステムの施策化ということを図っていくべきだというふうに思いますので、この点をつけ加えさせていただきたいと思います。 それから、ちょっと時間がなくなりましたので、質問の順序を変えさせていただきたいと思いますけれども、このバリアフリー法案を推進していく、実効性を持たせていくために、当事者の参画ということが最も肝心な点の一つではないかというふうに私は考えております。これまでの議論の中で、そして本会議の中でも、広く当事者の意見をお聞きになって法案をつくってこられたというふうには承っておりますけれども、具体的なところでは、基準をどうつくるかということで当事者の御意見は非常に重要ですし、それから、設計をどうするかというところでも当事者の方の御意見は重要だと思います。 とりわけ、私が思いましたのは、施工のときに当事者の方の御意見を聞く。設計を具体化する施工というのは、どうやらかなりいろいろな場面で違いが出てくるということが、私も週末、大体地元でいろいろな障害をお持ちの方と一緒にバリアチェックをさせていただいているわけですけれども、そのときに、基準どおりにすればこんなになっているはずはないというようなことがたくさんあるわけです。そうしますと、施工のときにそこがチェックされていれば、多分そこはクリアできた問題なんだというふうに思います。それからまた、一定の期間たちまして、事後評価としてどうするかというところで、当事者の方の御参加をいただき、御意見を伺うということが非常に重要だと思います。 ですから、一言で当事者参加といいましても、いろいろな場面場面といいますか段階があるということを、この間私は痛切に感じております。そうしたことなども大臣には酌み取っていただきながら、私は、この政府案の第三条「基本方針」の中に一項を起こして、当事者の意見をきちっと施策の中に生かしていくということを明記いただきたいというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○二階国務大臣 高齢者や身体障害者の方々の御意見をこの法律策定後、実施に当たってちょうだいしながら進めていくということは当然のことでありますし、施設整備ガイドラインの作成等に当たっても、これらの皆さんの意見をお伺いし、これを反映させてきたつもりであります。 本法案に基づく基本方針、移動円滑化基準については、閣議決定をいたしておりますパブリックコメント手続を活用することにより、高齢者、身体障害者等のみならず、広く多く国民各層の御意見をちょうだいした上で作成することにいたしたいと考えております。また、国が定める基本方針の中で、市町村が基本構想の作成をする。その際、高齢者、身体障害者の意見を聞くべきことを規定することを考えております。さらに、交通事業者の特定事業計画につきましても、意見把握の措置について規定することが考えられると思っております。 今回の国、地方、そして事業者が三分の一ずつ御負担をいただく、そして対応するということは、単に負担だけではなくて、こうした面で、地方の御意見、それぞれの地域の御意見をちょうだいする上で、地方自治体に重要な部分で参画していただいておりますことがこの法案の特徴であろうと思いますが、その特徴を生かして、ただいま委員御指摘のような、それぞれの関係者の皆さんの御意見を十分お伺いすることを念頭に入れてまいりたいと思っております。
○石毛委員 同じ質問を、民主党提出法案の中ではどのように位置づけておられるか。そして、具体化していく過程で、どういう点にきちっと重きを置きながらこの法案の実施を進めていくかというような点について、御説明をいただきたいと思います。
○金田(誠)議員 当事者の参画につきまして御指摘をいただいたわけでございます。石毛先生はかねてから、例えば介護保険法のときもそうだったと思いますけれども、当事者の参加、市民参加、自己決定、こういう観点から当事者参加を特に強調してこられたと思うわけでございまして、私どもも全く同感でございます。民主党案の中では、そうした先生と同様の考えに基づきまして、移動制約者等、当事者の参画について、さまざまな段階で法案にきちんと明記をしてございます。 まず、基本指針の案をつくる際、障害者、高齢者など、移動について制約を持っておられる方々の意見をお聞きいたします。そしてさらに、パブリックコメントを求めた上で基本指針を策定し、閣議決定、国会承認を経て、公表という段階になります。整備の基準を定める際にも当事者の参画を求め、さらに個別の事業につきましても、一定規模以上の大規模改修ということになろうかと思いますが、こうした場合は当事者の参画を求めるように規定してございます。 使い勝手のよい施設をつくり、情報が得やすいシステムにするためには、さまざまな当事者の皆様から意見を伺うことが大切である、こう考えてございます。これは、我が党が各地で行ったバリアフリーのシンポジウムでも、使いやすい駅や乗り継ぎ施設には必ず障害者など移動制約者の方々の意見が反映されている、こういう事実が明らかになったところでございます。 したがいまして、当事者参画をこのような制度においてはきちんと明記をしていくことが必要である、このように考えているところでございます。
○石毛委員 ありがとうございました。 先ほども少し申し述べさせていただきましたが、私はこの間ずっと自分の近辺あるいは友人がいるところ等々で、バリアチェックをさせていただいております。それぞれの鉄道会社の皆さん、駅の皆様も大変好意的に受けとめてくださって、ちょっと表現がいかがかとも思いますが、嫌な顔一つせずに受けとめてくださっておられます。 そういう中で、改めて気がつきますのは、先ほども申し上げましたけれども、私は東京の多摩でございますので、福祉の町づくりですとかバリアフリーの町づくりは、相対的には進んでいた方だというふうに思います。ですから、エスカレーターがついていたりとか、駅舎によってはエレベーターがついていたり、あるいは誘導ブロックがあったりということなのですけれども、実際に、障害をお持ちの方とチェックをさせていただきますと、かえって混乱を招くといいましょうか使い勝手が悪い。 ですから、基準をつくってそれを実施に移したとしても、先ほども申し上げましたけれども、施工の段階でまた参画を得て、要所要所をチェックしていただかなければ、やはり使い勝手のいいバリアフリーというわけにはいかないということを痛切に感じております。笑えない話なんですけれども、券売機に点字の案内が張ってありますけれども、その点字が逆さになっているというようなこともあります。 ですから、私も、きっと施工する側とすれば、そういうことは往々にしてあるんだと思うんです。だって、私は点字を読めないわけですから、これを張るということになれば、そういう間違いが起こってくるというのはありなわけですよね。 誘導ブロック、警告ブロックの敷設にしても、警告ブロックを敷いて、次の階段に行くところまでは幅が四十センチというふうに大体決めてあるんだそうです、統一基準が幾つかあるとか申しておりましたのであれですけれども。でも、一つの駅の一つの階段で、一回目の踊り場の警告ブロックの敷設の仕方と二回目の踊り場の警告ブロックの敷設の仕方が違えば、白杖を使って階段を上りおりする方は、その白杖を打つリズムと全然合わなくなってしまうわけですから、階段につまずいたり、あるいは階段から転がったりということが起こってくるわけですね。 ですから、基準の合理性ということも、当然、当事者の方の参画を得て設定していくべきだと思いますけれども、敷設の段階で、あるいは仕上がってお披露目をする段階でというようなときもあるかもしれません、要所要所で当事者の方の参画が、やはり生きたバリアフリーの社会をつくっていくためには不可欠なんだということを痛感しております。 そういうことを申し述べさせていただきまして、幾つか質問を残してしまいましたことをおわびして、これで終わらせていただきます。 ぜひとも、当事者の方にとって、自分たちが移動を自由にできるということを確信が持てるようなそうした内容の法案に、審議を尽くして成立させていただければというふうに要請させていただきます。 どうもありがとうございました。
○仲村委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○仲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。 今審議されております交通バリアフリー法案、大変画期的で重要な法案でございまして、私ども、慎重な審議の上に、ぜひ法律を成立をさせ、今後のバリアフリー化に向けて、日本の社会をぜひとも変えていただきたいと強く期待をしつつ、また、質疑をさせていただきたいと思っております。 さて、このバリアフリーの問題につきまして審議を進めるに当たって、調査なくして発言なしというのが私ども公明党のモットーでもありますので、まず実態調査をした上で、それを踏まえていろいろ意見を言おうということで、私自身も、ことしの二月、私の地元の大田区におきまして集中的に調査を行いました。 皆様のお手元に配付してあります資料がその概要でございますが、質疑の前に、短時間、このさわりだけでも御報告をさせていただければと思っております。 私ども、このバリアフリー化を進めるに当たりまして、歩いて暮らせる街づくり推進協議会というものをボランティアとして設置いたしまして、公明党の党員のみならず、幅広くボランティアに呼びかけましたところ、何と二百名を超える方に御参加をいただきまして、大田区内の老人施設を中心に調査を行ったわけでございます。 まず、一枚目の紙でございますが、調査の対象は、大田区にあります老人憩いの家二十一カ所、これプラス区民センター四カ所、合わせて二十五カ所を対象に、最寄りの鉄道駅またはバス停からその施設までの最も代表的なルートを、実際に車いすに乗り、また私も押して、この調査を行ったわけでございまして、大変詳細な調査になったわけでございます。通常の距離は、一つのルート当たり五百ないし六百メートルぐらいが大体の標準でございます。 二枚目を見ていただきますと、一番ポイントになる数値でございますけれども、四角で囲ってございますが、それぞれのルート、平均いたしますと、車いすで見た場合、問題箇所、すなわち障害となる部分が何と七・八四メートルごとに一カ所という、大変な障害の多さが改めて浮き彫りになりました。また、通行不可能箇所、これは、車いすが避けなければ通れない、ほとんど車道に出なければ通れないような障害が何と二十三・五八メートルに一カ所という状況が浮き彫りになったわけでございます。 もとより、大田区も大変人口密集地で、無秩序に工業化が行われ、町づくりが非常に無秩序に行われたこともありまして、道路整備が必ずしもよくない状況でございますけれども、一つのケーススタディーとして見ていただければと思うわけでございます。 それから、次の三ページを見ていただきます。どういう障害の種類、頻度があるかということでございますが、この三ページの資料で申しますと、まず、一番多い障害が道路上の設置物、特に電柱、街灯、標識、植え込み、こういったところが道路上の設置物として最も多い障害となっております。特に電柱は、大変障害として大きいということが改めて浮き彫りになりました。 次いで、第二位が、いわゆる凹凸、でこぼこです。マンホール、あるいは道路自体の凹凸、あるいはL形側溝による凹凸、これがやはり非常に車いすの場合には大きな障害になっております。 第三位が、道路上の移動可能障壁でございまして、これは自転車、看板、自動車、それから商品、道路上を使って商品が陳列されている、あるいはごみ、こういったものが移動可能障壁としてあるわけでございます。 第四位が段差、第五位が傾斜、こういった順になっておりまして、改めて、障害者あるいは高齢者の方々の目から見て、非常に町が障害に満ちあふれているということが浮き彫りになったわけでございます。 私自身も実際に車いすに乗り、また押してみて、全く違った世界に見えたという感じを持っておりまして、そういった意味では、先般、大臣も先頭に立って車いすの体験をされたと伺っておりますけれども、政府の方々も、局長さんや課長さん、あるいは担当の方々もぜひ一度はこういったバリアフリーの実際を見て、自分でも車いすに乗り、押すという体験をされることが大変今後の政策検討の上に有益だろうということをぜひ一言申し上げておきたいと思っております。 それから、四ページ目、写真がついております。ほんの一例でございますけれども、これは電柱。歩道が非常に狭い、白線でしか書いてありませんが、こんな狭い歩道で電柱が立っていますと、車いすは全く歩道を通行できません。電柱が大変大きな障害になっているということが改めてわかるわけでございます。 それから、次の、下の写真はL形側溝。これがやはりいわゆる凹凸の代表でございます。車いすがひっかかりますと、バランスを失い転倒する危険もありまして、意外と気がつきませんけれども、非常に重要な障害として改めて認識をされた次第でございます。 それから、次のページへ参りまして、放置自転車。これは移動可能障壁の典型でございますけれども、自転車がこのように置かれておりますと、車いすは大変通行困難を感ずるわけでございます。 それから、その下の写真は橋の段差。これは健常者から見れば何ということない橋なんですけれども、段差がこのようにありまして、車いすでは全く通行不可能、車道に出ざるを得ないということでございまして、こういったこともいかに日本の町づくりが障害者の方、あるいは高齢者の方に配慮がないかということを典型的に示す例ではないかと思うわけでございます。 続いて、六ページ。これはパネルは用意してありませんが、私どもがこの調査をやって、まとめる段階になったときに、大変痛ましい事故が発生をしました。それは、私の地元の大田区の東糀谷四丁目の公園のところで車いすの方が車にひかれるという痛ましい事故が発生をいたしました。それは、奥さんが車いすを押して、御主人がリハビリを毎朝やっておるわけでございますけれども、緑地公園を出て、歩道がなくて、車道に入ったところで、バックしてきたトラックによってひかれて死亡するという大変痛ましい事故が起こったわけでございます。まさに私ども、こういった痛ましい事故が起こることを予測しつつ、警鐘を鳴らす意味でこの調査をしたわけでありますが、大変衝撃を受け、また残念に思っている次第でございます。 次のページにその現場の写真がございます。私ども、直ちに、翌日、独自に現場検証をいたしました。結論として、確かに直接の原因はこの運転手の後方不注意ということが最大の要因でございますけれども、やはり構造上の問題があるということを改めて確認をしたわけでございます。この丸印で囲ってある部分がまさにその事故現場でございますけれども、そもそも道が非常に狭くて、七メートルしか道の幅がありません。そこにほんの申しわけ程度にわずか五十センチの幅で白線が引いてあって、ほとんどこれは歩道を確保されていないという状況でございます。 そもそも道が大変狭くて歩道が確保されていないということに加えまして、本来、この場所は一方通行に指定してしかるべきところなんですが、その指定もなかったということでございまして、こういった構造上の欠陥がやはり基本にあってこういった痛ましい事故になったということが私たちの現場検証でも確認をされたわけでございます。こういった痛ましい事故をなくしていくためにも、あらゆる角度からのバリアフリー化が急務であるということを改めてお訴えさせていただきたいと思うところでございます。 以上、私どもの調査のほんの概要、さわりの部分をお伝えいたしましたけれども、そういった実態調査を踏まえた上で、本日の質問をさせていただきたいと思うところでございます。 まず最初に、この今回のバリアフリー法案におきまして、基本方針や基本構想をつくっていくことになっているわけですけれども、まず真っ先にお願いしたいことは、身障者の方、高齢者の方、そういった方々の意見をぜひとも反映して、十分に聞いていただきたいということが何よりも重要な点でございます。 法案自体には明記されておりませんけれども、実態的にはやられるというふうに伺っておりまして、ぜひともこの点を確保していただければと思っておりますけれども、この市民参加のプロセス、特に高齢者、身障者の方々の意見をどのように反映していくのかという点につきまして、これはまず大臣にお聞きしたいと思います。
○二階国務大臣 ただいま遠藤委員から、お地元のバリアフリーの状況等についてみずから御調査をいただいたことなど、詳しく御報告をいただきました。また、車いすで交通事故に遭われた、大変お気の毒な結果になられた方の事例もただいま御紹介がありました。本当に申しわけないというか残念な思いをお互いに抱くわけでございますが、こうした交通事故を含め、車いすの方々が安全に安心してお散歩にも行ける、電車にも乗れるという社会をつくっていくことが、我が国が本当に経済が繁栄し、そして文化国家として私たちが世界に胸を張るためには、どうしてもこのバリアフリーの問題に積極的に対応していかなくてはならない、そういう思いでございます。 ただいま御指摘がありましたように、これから基本構想を作成する、あるいは具体的に施設整備のガイドラインの作成に際しましても、また、この法案をつくり上げていく上におきまして高齢者団体や身体障害者の団体の皆様の御意見も十分お伺いをしてまいりましたが、今後もこうしたことに対して特に留意をしていかなくてはならないと思っております。昨日も、バリアフリーに関するシンポジウムでそうした団体の皆様からの御意見も伺ったところでありますが、今後、こうしたことをぜひ継続的に続けていきたいと思っております。 閣議で既に決定しておりますパブリックコメント手続を実施するなど、広く国民各層の御意見をちょうだいすることに留意いたしておりますが、今後とも、本法に基づく基本方針におきまして、そうしたことに十分留意をしてまいりたいと思っております。 私ども、先般、赤羽駅等を視察しました際に、車いすの方々の御意見を伺っておりますと、例えば健常者といいますか普通の者はエレベーターに乗って、そして乗ったところからおりる、日常生活の中にもうエレベーターはすっかり組み込まれておりますから、何とも思わずにエレベーターに乗っておると思いますが、この間、車いすの方々が、乗ったエレベーターでホームに着いたときに、車いすを一回転させなくても、別の入り口のエレベーターのドアが開くことによって、乗ったままの、そのままの勢いでホームにおりることができる、これは大変すばらしいということをおっしゃっておりました。 また、エレベーターの設置に際しまして、JRでは、世界各国にいろいろと調査をした結果、随分安い値段でエレベーターを購入することができる道も開けた。ですから、お互いにバリアフリーの社会を構築するという共通の信念さえあれば、いろいろなことがこれから工夫されてくると思います。 ですが、先ほどからも委員御指摘のとおり、地元の実情あるいはまたそうした関係者の皆さんの本当の思いを相手の立場に立って考える、これこそこの問題を進めていく上において最も大事なことではないかと感じておりますので、御指摘の趣旨を十分踏まえてまいりたいと思います。
○遠藤(乙)委員 大臣が御自身の車いす体験を踏まえての大変心のこもったお言葉と受けとめまして、非常に心強く感じた次第でございまして、今後の関係当局の仕事に当たっては、今の大臣の気持ちをぜひ体して、十分に高齢者あるいは障害者の方々の意見を取り入れるべく最大の努力をまずお願いしたいと思います。 続いて、本法案の大きなポイントになっているかと思いますが、既存施設のバリアフリー化の問題です。 この法案では、新規施設は義務化されておりますけれども、既存施設は義務化されておらず、努力目標と書かれております。しかしながら、実際問題としては、この既存施設のバリアフリー化は実は最大の大きなテーマでありまして、これをどうやって具体的に、現実的にバリアフリー化を進めるかということはこの法案にかかわる最大の問題ではないかと私は思っております。 したがって、単に努力義務を決めるだけではなくて、現実的にどうやって実行するか、政策的なインセンティブを与えていくかということが大きなポイントになるかと思いますので、まず、この点につきまして、政府側の見解をお聞きしたいと思います。
○中馬政務次官 バリアフリー化につきまして、実地で大変熱心に取り組んでおられます遠藤委員に心から敬意を表する次第でございます。 今御心配をいただいております既存の旅客施設におけるバリアフリーの問題でございますが、御承知のとおり、新設につきましてはこれを義務化いたしておりますけれども、既設のところでは、一日乗降客が五千人であっても必ずしも義務づけるんじゃなくて、努力義務といたしていることは御承知かと思います。 これも、逆に、既存のところの方は電車がとまっているときに工事をしなければいけないとか、工事費等で新設よりもかなりの費用がかかります。そういったことで、これを一挙にということは現実問題として難しゅうございますから、そういうことでも努力義務という形で優先順位をつけさせていただいているわけでございます。 しかし、今回のこの法律、御承知のとおり、地方自治体にかなりの主導権を持たせております。その地方の方々が本当にその必要性を訴えられまして、また自治体を動かし、そしてまた自治体が重点整備地区に指定して、一体的な推進構想、いわゆる基本構想を提示したときには、そしてそれが合意されたときには、これは既存のものであったとしても、そこに組み込まれている以上、半ば義務化されることになるわけでございますから、そういうことで、地方自治体が主導的に動くことによりまして、既存のところにも十分に整備されていく、このように認識いたしております。
○遠藤(乙)委員 同じ質問を民主党にもお願いをしたいと思います。 民主党の場合には踏み込んだ提案をされておりますけれども、他方、今度は財源の問題ですね。これは非常に大きな制約であるかと思いまして、財源の手当ても含めて、どのように既存施設のバリアフリー化の取り組みを考えているか、民主党の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○前原議員 政府案とは違いまして、民主党案では、既存の施設につきましてもバリアフリー化を義務づけた内容になっております。基本指針に定めるところに従いまして、事業者等が計画的に推進をするという内容でございます。 私どもは、一カ月にわたりましてパブリックコメントを拾い上げまして、その寄せられた多くの声としては、今先生から御指摘のあったように、既存施設に対するバリアフリー化の要望がかなり多うございました。しかし、今御指摘をされたように、既存の施設のバリアフリー化というのは、つくりかえるわけですから、逆に、新たにつくるよりもお金が余計にかかるということで、事業者にとっては負担が大きいということで、我が党案では国においてその四分の三を補助するということにしております。 そこで、お尋ねの、財源をどうするのかということでございますが、新たに我々はその分の財源をとるということは考えておりません。 今国会に提出をいたしますけれども、党として、公共事業コントロール法案というものを出そうと思っております。現在十六本ある公共事業の中長期計画というものを一つにまとめまして、ダブりをなくすとか、あるいは公共事業のアクセルをある程度緩めるとか、また、ある一定金額以上の公共事業については、行政権にすべてゆだねるのではなくて、国会で御審議をいただく中で本当に必要かどうかということを考えようとか。また、時のアセスという概念を入れまして、例えば中海ですと、昭和二十九年からずっと計画がされていて本庄工区だけまだされていないとか、あるいは川辺川のダムですと三十四年間、計画が策定されてからまだ本体工事に入っていない、こういうものもございますので、時のアセスを入れる中で、十年たったものについては見直しを行うということにしております。 そうすれば、我々の試算では六百五十億円がこの新たな、既存施設も含めてのバリアフリー化にかかるということでございますが、今申し上げた公共事業コントロール法案によって、十分その部分については、余りあるほどの財源の捻出は可能だというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 十分議論する時間がありませんが、財源の点ではなかなか制約が多いという認識を私も持っておりまして、既存施設の義務化ということはやはり現時点では困難であろう。しかしながら、どうやって努力をするかということは今後大いに党派を超えて議論すべきであると思いますので、今後の議論にぜひまちたいと思っております。 続いて、この法案を契機に大いにバリアフリー化が進むと思いますけれども、例えば今後十年間を考えたときに、十年後の日本の社会がどういう形でバリアフリー化が進んでいるのか、より具体的なイメージを持ちたいと思うのです。この点につきまして関係省庁の意見を聞きたいと思いますが、まずこれは運輸省ですかね。
○羽生政府参考人 先生御指摘がございました今後の目標でございますが、これは基本方針に記されることになりまして、関係者の御意見も伺わなければいけないので、一つの考え方ということで申し上げたいと思います。 私どもといたしましては、一日当たり乗降客数五千人以上である旅客施設について、二〇一〇年までに段差の解消、誘導・警告ブロックの整備、トイレがある場合には身体障害者用トイレの設置等、バリアフリー化を今申し上げた五千人以上のすべての旅客施設について実施すること、またこれ以外の旅客施設であっても、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず、高齢者、身体障害者等の利用の実態を踏まえて、これについても可能な限り実施していく、必要があれば数量目標をつくるということでございます。 それからバス車両については、現在約六万両のバス車両がございますが、これは原則として、おおむね十年から十五年で低床化されたバスに代替する、このうち二〇から二五%、一万二千台から一万五千台はノンステップバスとすることを目標として考えております。 またこれ以外にも、案内表示板その他いろいろな問題がございますが、関係者の御意見を伺って、技術的な可能性も踏まえて私どもも目標をつくっていきたいと考えております。
○遠藤(乙)委員 続いて建設省、お願いします。
○大石政府参考人 道路のバリアフリー化の今後の見通しについてのお尋ねでございます。 道路のバリアフリー化につきましては、幅の広い歩道の設置、あるいは既設歩道の段差、傾斜、勾配の改善等を内容といたしますバリアフリーの歩行空間ネットワーク整備事業というものを行っております。これは二十一世紀初頭、一応二〇一五年から二〇二〇年というのを頭に置いてございますが、一万四千地区に整備の概成を図りたいと考えてございます。これは、我が国のDID地区ほぼ全体でございます。そのうち、この二割に当たります三千二百カ所、これはDID一万四千地区のうち、市街地の駅、商店街、病院、福祉施設等が集積し、優先してバリアフリーを推進していくべき地区でございますが、この三千二百地区につきましては、平成十四年度までの新道路整備五カ年計画内に整備することといたしております。
○遠藤(乙)委員 同じく警察庁、お願いします。
○坂東政府参考人 都道府県公安委員会の事業といたしましては、バリアフリー化に資する信号機の高度化とか、あるいは同じくバリアフリー化に資する信号機の新設、あるいは道路標識、道路標示の整備といったものを進めることにしておりまして、来年度の予算におきましては、こういったバリアフリー化に資する信号機の高度化につきまして約千三百カ所、事業費ベースで約十一億円の予算をお認めいただいているところでございます。また、各都道府県警察におきましても積極的に必要な予算の確保が図られるものというように考えているところでございます。 そこで、今後の事業の規模ということでございますけれども、市町村が作成いたします基本構想の決定というものとあわせながら、今後どのぐらいの規模で実施していただくかということを各都道府県警察において決定していくものと考えておりますので、私ども警察庁といたしましては、そういった各都道府県警察が作成いたします交通安全特定整備において織り込まれました交通安全施設等整備事業につきまして、これが十分に達成されるように適切に指導してまいりたい、このように考えております。
○遠藤(乙)委員 今三省庁からそれぞれ十年間の目標の発表がありましたが、ぜひとも、その具体化に向けて邁進をしていただければと思っているところでございます。 続いて、今度は公共交通特定事業に関連して若干御質問します。 今回の法案では、タクシーとかコミュニティーバスあるいはSTSといったものは位置づけがされておりません。ただ、これはやはり我々が現場から見ても、今回の調査から見ても大変有用なものであることは間違いないわけでありまして、介護タクシーとか目的を特定したコミュニティーバスあるいはSTS等は、バリアフリー化に向けて、また個別のニーズに対応するためにも、大変これは効果の高いものであると思いますので、今後どのようにこれを推進していくのかということにつきまして、まず運輸省の見解をお聞きしたいと思います。
○縄野政府参考人 タクシーにつきましては、個別の輸送に対応する公共交通機関でございますが、これにつきましてもバリアフリーが必要であると認識をしておりまして、特に、車いすのまま乗車可能なリフトつきタクシーにつきまして車両の導入拡大を進めるべく、例えば、今年度の第二次補正予算におきまして、先駆的な福祉タクシー車両の購入経費の一部を補助する事業を行ったところでございます。 それからコミュニティーバスにつきましては、その導入につきまして、現在、関係地方公共団体と協調しまして補助を実施しているところでございます。 それから、いわゆるSTS、スペシャル・トランスポート・サービスについてでございますけれども、このSTSというものが概念としてどのようなサービスをいうのか、どのようなサービスを、どういう責任で、どういう負担で、どういう意図で行うのかということについて、いま一つ社会的なコンセンサスが得られていない部分もあろうかと思います。安全の確保でありますとか輸送の責任、事業でやるかどうか、法制度上の位置づけにつきまして、もう少し社会のコンセンサスを得られるよう私どもとしても努力を進めながら、そのサービスが進展されますように、私どもとしてもできる限りの対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 今のタクシー、コミュニティーバス、STS、いずれも大変有用なものであることは間違いありませんので、今後、検討課題としてぜひとも精力的に検討を進め、早期に結論を得ていただくようお願いをしたいと思います。 それから続いて、駅の施設のバリアフリー化に関連して、資料を見ますと、JRと私鉄を比べますと、JRが大変おくれているという印象があります。例えば、平成十年度末の施設整備の状況を見ますと、エレベーターの設置はJR四・四%に対して私鉄は一三・九%。エスカレーターの設置は、JRが七・一%に対して私鉄が二四・一%。それから身障者用トイレ、これはJRが三二・六%に対して私鉄が八四・二%と、非常に大きな開きがあるのが目につくわけです。本来、一番大手であるJRが率先してやっていかなければいけないのでしょうけれども、なぜJRがこのようにおくれているのか、理由をお聞きしたいと思います。
○安富政府参考人 先生御指摘のように、JRにつきましては、ほかの私鉄等と比べてバリアフリー化についての整備比率と申しますか、若干おくれているということは御指摘のとおりだと思います。 この問題につきましては、どうしても既存の鉄道駅が多いということが一つの要因ではないかと思います。先ほどから話がございますように、既存の鉄道駅をバリアフリー化するという場合には、どうしても物理的な制約とかいうことでなかなかできないという場合もございますし、それから、それを実施するとなると大幅な改修を必要とするというようなことがございまして、莫大な経費がかかるというような問題もございます。 そういう意味で、JR自体、従来なかなか進んでいなかったということが推測されるわけです。しかしながら、最近、本格的な高齢化社会の到来ということで、バリアフリー化、非常に社会的関心が高くなっておりまして、昨今の状況を見ますと、例えばJRにつきまして、エレベーターあるいはエスカレーターの整備比率、対前年での比率を見てみますと、必ずしもほかの民鉄業者と比べて遜色ない、特にエスカレーターにつきましてはかなり最近では力を入れてきているということがございます。 そういう意味で、これはもちろん社会的な関心が高まったということとあわせて、補助制度というものがある程度充実してきた、御承知のとおり、平成十年度第三次補正予算からかなり大幅な助成制度ということで我々予算を獲得しているわけでございますので、こういうものを今後活用し、さらに、今回の法案において精力的なバリアフリー化の推進ということが図られるということで、我々としても、JRに対しても今後とも積極的なバリアフリー化が図られるように指導していきたいというふうに考えております。
○遠藤(乙)委員 ぜひその方向で努力をいただきたいんですが、今回の実態調査の中でも、特に私の地元大田区で、JRは蒲田駅と大森駅があるんですが、蒲田駅は一日平均の乗降客が二十五万五千人、大森駅は十八万二千人、非常に利用数が多いんですね。しかも、ロータリーの道路から改札口まで非常に標高差が高いんですね、十メートル以上はるかにあると思うんですけれども、身障者の方、高齢者の方から大変強い要望がエレベーター設置について出ておりますので、一つの地元の要望ということでありますけれども、鉄道局長からぜひ前向きの御回答をいただければと思います。
○安富政府参考人 御指摘のとおり、JR大森駅につきましてはエスカレーターが一基あるだけ、それから蒲田駅についてはエスカレーター二基ということで、現状ではエレベーターが未整備の状況になっております。 ただ、先ほども申しましたように、駅のバリアフリー化、実際にいろいろ施設を整備するとなりますと、当然、当該駅の利用状況あるいは駅の構造といったものを十分念頭に置きながらやっていかなきゃいけないということでございまして、東日本の方でも、地元の要望を聞きながら、ぜひ地元と一緒に話し合いを進めていきたいというふうに申しております。今後、地元自治体と協議して、具体的にどういう形でやっていくのか、先ほど申しましたように、助成制度の活用あるいは本法案にございます基本構想の中でどう位置づけていくかというようなことも含めまして、ぜひ地元自治体とJR東の協議が、話し合いが進められるように我々としても応援していきたいというふうに考えております。
○遠藤(乙)委員 特に一番最大手であるJRが率先してそういったバリアフリー化を推進するよう、ぜひ強力に督励をしていただければと思っているところでございます。 続いて、道路特定事業に関連して御質問いたします。 先ほどの私ども地元の調査からもわかったことなんですが、従来道路を舞台に行われてきた公共政策、特に、電柱とか標識、街灯、植え込み等、いろいろな要望を恐らく踏まえて実現をしてきたわけなんですけれども、そういったやり方がかえって、今にしてみると、逆に障害、障壁を構成しているということがわかるわけでありまして、今後のバリアフリー化、特に道路のバリアフリー化を考えますと、大きな道路政策の見直しといったものが必要になるかと思っております。 そういった上で、このバリアフリー化の理念、法整備化を踏まえた今後の道路整備方針につきまして、これは建設省にお伺いをしたいと思います。
○大石政府参考人 バリアフリー化を進める上で、特に歩行空間の障害物が問題ではないかという御指摘でございます。 歩行空間のバリアフリー化のためには、段差が小さく勾配の緩やかな歩行面を確保するとともに、車いすのすれ違い等が可能な歩行空間の幅員を確保することが重要でございます。歩行空間の幅員を確保する上で、電柱や標識、植え込み等がバリアとなっている状況があるとの指摘があることは認識しているところでございます。 このため、例えば標識につきましては、平成十二年三月二十三日、ごく最近でございますが、警察庁と連携いたしまして、道路標識の集約化につきまして、道路管理者及び都道府県公安委員会と連携してやっていく旨の通知をしたところでございます。 また、電柱につきましては、地域に応じて電線類の地中化による撤去や道路区域外への移設を進めてまいっているところでございます。例えば電線類の地中化は、過去十三年間で三千四百キロメートルを整備し、年平均二百六十キロメートルの整備スピードで進めてまいりましたが、今計画の平成十一年から平成十五年までの計画では、五年間で三千キロメートルを整備することといたしておりまして、年平均六百キロメートルを整備したい、従来の整備スピードに対しまして二・三倍のスピードで整備をしたいと考えているところでございます。これらによりまして、電線類の地中化や電柱の撤去が急速に進むものと考えてございます。 また、道路植栽のあり方につきましても、一部からは、利用者の観点を踏まえてさらなる検討を求められている箇所がございます。こういった点につきましても十分な検討をいたしまして、幅員の豊かな歩行空間の確保を図るよう努力していきたいと思います。
○遠藤(乙)委員 ぜひそういう新しい道路整備の理念に立った今後の整備をお願いしたいと思います。 続いて、交通安全特定事業に関連しますけれども、移動可能な障害の中で、やはり自転車、それから違法駐車、これが非常に大きな要素になっておりますが、これに対してバリアフリー化の視点から今後どのように取り組んでいくのか、これは警察庁にお聞きしたいと思います。
○坂東政府参考人 お答えいたします。 違法駐車等の問題に関しましては、かねてから、地域の交通実態に応じた駐車規制とか、あるいは悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いた駐車違反の取り締まりといったものを行うとともに、関係機関やあるいは団体に対しまして、違法駐車防止条例あるいは駐車場付置義務条例等の制定につきまして、あるいは公共駐車場の整備等につきまして、働きかけを行ってきたところでございます。 今後ともこういった対策を積極的に推進するとともに、特に今回の法案に規定されております重点整備地区におきましては、高齢者あるいは身体障害者の方々の移動円滑化の妨げとなるような違法駐車行為を防止するために、特定経路を構成しております道路におきまして、誘導あるいは警告ブロック上に放置されております違法駐車等の取り締まりを強化するとともに、関係機関等と連携いたしまして、違反防止のための広報啓発活動、こういったものを重点的に行いまして、この法案の効果が十分に上がるように取り組んでまいる所存でございます。
○遠藤(乙)委員 ぜひそういった視点の規制は強化をしていただきたいと思います。 他方、規制強化だけではこの問題解決にはならないということは私たちも現場でよく理解をしておりまして、やはり十分な駐車場あるいは駐輪場、この設置が伴わなければ基本的な解決にはならないと思いますので、この点につきましては建設省にお願いしたいと思います。
○山本政府参考人 先生御指摘のように、駅周辺における違法駐車あるいは違法駐輪の問題解決、駐車違反の取り締まりとか放置自転車の撤去等だけでは十分ではないということで、駐車場、駐輪場の整備を進めることが極めて重要であるというふうに私どもも認識をいたしております。 従来より、私ども建設省といたしましても、町づくりの中で地方公共団体や民間事業者が行う駐車場、駐輪場の整備を支援するための各種の補助制度あるいは融資制度、税制上の優遇措置等を講じておるところでございます。 例えば駐車場の整備につきましては、駐車場法に基づく駐車場整備地区の決定でありますとか駐車場整備計画の策定によって計画的な駐車場の整備を促進する、あるいは公共団体等の駐車場の整備に対する特定交通安全施設等整備事業あるいは都市再生交通拠点整備事業による補助の制度、あるいは公共団体等の駐車場を整備する者に対します有料融資事業による融資制度、民間等に対する道路開発資金による融資、あるいはさらには税制上の優遇措置、あるいは駐輪場の関係につきましても、同じように公共団体に対する街路事業でありますとか特定交通安全事業についての補助制度あるいは民間に対する融資制度、税制上の措置といったような点について、私どもやっておるところでございます。 特に、今回、本法案に基づきまして市町村が作成する基本構想で、鉄道駅等の周辺の重点整備地区における駐車場とか駐輪場の整備が位置づけられた場合には、積極的に私ども支援してまいる所存でございます。 なお、十二年度におきましては、私ども、そういう点から、交通結節点改善事業といったような制度でありますとか、あるいは都市再生交通拠点整備事業といったような新たな事業を創設して、この問題に対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○遠藤(乙)委員 それからもう一点です。道路使用の問題なんですが、特にこれは商店街に関連しますけれども、商店街は、従来から道路を一部使用して商品を置いたり、店をさらにせり出したり、あるいは看板が立ったり、むしろ商店街のためによかれと思ってやってきた部分があるわけですけれども、今このバリアフリー化の視点から見ますと、逆にそういったことが障害を構成しているという部分もあるわけでございます。 そういった意味で、ちょっと時間がありませんので、これは要望ということで申し上げたいんですが、そういうバリアフリー化の視点からもう一度商店街のあり方を見直すことも大事なポイントであるということ、ぜひともこれは警察庁にそういう検討を今後お願いしたいと思うところでございます。 そこで、時間もありませんので、私たちの調査を踏まえた上で一つの提言ということをしたいと思っております。それは、全般的にバリアフリー化をやることは不可能、困難でありますけれども、財源の問題あるいは実際の車の状況等を考えまして、バリアフリー化を推進していく上の一つのポイントは、やはり障害者あるいは高齢者の視点に立って重点的にモデルルートを整備していくということが現実的な目標として大事ではないか。その中で、特に三種類のいわゆるモデルルートをそれぞれの地域で重点整備をしていくことが必要と思っております。 第一点が、生活必需品の買い物ルート、特に商店街を含む買い物ルートのバリアフリー化ということが第一点。 それから二番目は、余暇健康空間とでもいうべきルートです。例えば私の地元でいいますと、馬込の文士村とかあるいは旧六郷用水とか、そういう歴史的あるいは自然に富んだルート。これは、実はそういった方々にとってはいわゆるリハビリテーションにもなるような、非常に楽しみながらリハビリをする空間にもなるわけであって、こういうルートもぜひバリアフリー化が優先的にされるべきだと思っております。 それから三つ目に、医療福祉施設のルートですね。当然のことながら、病院とか老人福祉施設等々、こういった高齢者、身障者の方も自由に使えるような、容易に動けるような、そういったルートを重点的に整備する必要があるかと思っております。 こういうことを考え合わせますと、従来の町づくり、都市計画には、随分大きな変更が、見直しが必要となってくると思うわけなんでございますが、歩いて暮らせる町づくり、あるいは高齢者、身障者に優しい、人に優しい町づくりという視点から、相当大幅な都市政策の見直しが必要になると考えておりますけれども、この点につきましては建設省にお伺いをしたいと思います。
○大石政府参考人 確かに、先生御指摘になりましたように、バリアフリーの歩行空間ネットワークの整備を進めようと思いますと、地域の方々の強い支持がなければなりません。そのためには、そのような空間を整備したいという地域からの熱意がぜひとも必要でございます。 例で恐縮でございますが、電線類の地中化がこれほど進むことになりましたのも、例えば東京の馬喰町で第一号の地中化をやらせていただきましたが、そういったパンフレットをたくさんつくりまして、地中化をやればこれだけ美しい町になるといったようなことから、多くの方々にこの地中化を受け入れていただいたということもございます。 事業評価システムとは別に、今先生が御指摘になりましたようなバリアフリー化の取り組みのインセンティブとなるような広い紹介システムや、あるいはモデル事業のあり方について、建設省におきましても積極的に検討してまいりたいと考えております。
○遠藤(乙)委員 時間がありませんので、最後の質問になります。 私ども、今回の調査を踏まえて、ハードの整備はもちろん大変重要であるということがありますけれども、同時にやはりソフト面、心のバリアフリー化といいますか、これは二階大臣もよくおっしゃっているんですが、これが大変重要であることを改めて痛感しました。 特に移動可能な障壁の場合、やはり健常者の人たちのマナーというものが大変重要でありまして、そういう国民の理解、協力というものがあって初めてハード、ソフト両面にわたってのバリアフリー化が推進され、最も人間的な社会が日本につくられていくんだろうと思うわけであります。 その点では、心のバリアフリー化、国民の理解と協力、極めて重要だと思うのでございますが、最後に結論的に、これは二階大臣に、この点につきましての御所見をお伺いしたいと思います。
○二階国務大臣 遠藤委員を初め公明党の議員の皆さんが、随分早い段階からバリアフリー化の推進につきましていろいろと積極的な御意見を寄せていただいておりますことに、この席をかりて感謝を申し上げたいと思います。 そして、私も、さまざまな政党の皆様を通じて、車いすの生活者の皆さんと直接お話し合いをさせていただく機会もたくさんございました。例えば目の御不自由な方々が、よくホームから落ちる、落ちた経験を持っておる。お聞きしながら、まことに胸の痛む思いでございます。私たち目の不自由な仲間の間ではホームで一回落ちないことには一人前とは言えないのですよ、こうしてジョークのように私に語りかけてくれましたが、本当にその実情を思い浮かべるときに、これは大変なことだという思いをしました。 今、大森、蒲田等の大変交通の煩雑な駅におきまして、これまた極めて重要な課題であります。したがいまして、さくをつくるとか、いろいろな方策がありますが、やはり今遠藤委員御指摘の心のバリアフリー、その御近所、周りに立っておられる方々が、何かお手伝いすることはないでしょうか、何かお役に立つことがあればという優しい言葉をかける雰囲気が国全体に広まっていくようなことでなければ、幾ら補助金を出しても、幾ら法律をつくっても、幾らインターネットで御意見を聞いてみたところで、私はなかなか進むものではないと。 アメリカに十年おくれてスタートしたわけでありますが、私は先ほどもやがて追いつき追い越したいということを申し上げましたのは、日本国民全体の温かい心のもとにバリアフリーを進めていくということで頑張っていけば追いつくことはそう難しいことではない、私はこう思っております。 どうぞ遠藤委員を初め各委員の皆さんの一層の御指導、御鞭撻を運輸省に対しましても、また、御一緒に法案を出させていただいております自治省や建設省や警察に対しましても温かい叱咤激励をちょうだいいたしたい、ともどもに力を合わせて頑張っていきたいと思います。
○遠藤(乙)委員 大臣の大変核心をついた、また非常に力強いお言葉を伺って、心強く思う次第でございます。 確かにバリアフリー化、着手はおくれましたけれども、二十一世紀初頭におきまして、我が国が世界一バリアフリーな、また人間的な社会になることを目指して、党派を超えて、また官民ともに協力をして、ぜひともこれから邁進したいと思うわけでございます。 以上をもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○仲村委員長 次に、一川保夫君。
○一川委員 自由党の一川保夫でございます。 私の質問の前に、もう既に五名の方が質問されておりますので、ある程度重複する面が出てくるかもしれませんけれども、そのあたりは御勘弁をお願いしたい、そのように思っております。 私は、内閣提案の本法案を中心に質問をしたいというふうに思っております。また、民主党サイドからも、バリアフリー社会に向けての問題意識の中で法案が提出されていることに対して敬意を表したいと思います。 しかし、目指す方向として大差はないというふうに私は思っておりますけれども、当面どのあたりにターゲットを置いて、本当に実効性のある法制度を整備していくかということでは、私は政府提案のこの法案に対し、大いに期待もし、また、いろいろな面でバリアフリー社会を目指して十分な御配慮をお願い申し上げたいと思っております。 自由党としましても、まだ歴史の浅い政党でございますけれども、結党以来、バリアフリー社会を目指しての基本政策というものを掲げております。それは、バリアフリー社会の創造というテーマとかあるいはバリアのない快適で安全な町づくりという課題、それからまた、身体障害者等の方々に個性と能力に見合った働く場を提供したいという意味合いでのバリアを解消したいというような観点で基本政策にうたってきております。 そういう中で、党の交通部会を中心にこれまでこの問題についてもいろいろと検討をし、勉強もしてまいったわけでございます。二階運輸大臣は、大臣になる以前は交通部会長として活躍もされてきたわけでございますけれども、今回、大臣に就任されて、こういう法案を提出されたということに対しては大変感慨深いものを私は持っております。 また一方では、自由党の中に交通バリアフリー化推進議員連盟というものをスタートいたしまして、こういった法制度の整備に向けて議員連盟としてもバックアップしていこうということで今日まで取り組んでまいりました。私は、その議員連盟の事務局を預かっている立場の人間でございますので、きょうは党を代表しての質問をさせていただきたい、そのように思っております。 まず大臣にお伺いしたいわけでございますけれども、障害者なり高齢者等のこういう対策という話は、私の個人的な印象でもそうですけれども、これまでどっちかというと厚生省の行政の一環としてこういう問題がいろいろと取り上げられてきた経過があるような気がいたすわけでございます。 他の省庁はこれまで、平成六年ですか、ハートビル法という建設省が主体になった法案もございましたけれども、厚生省以外の省庁というのは、こういうバリアフリーというような問題については本当に主体的に責任を持って積極的に取り組んできたということが今までなかったのではないかなという感じがいたすわけでございます。 そういう一つの経過の中で、今回四省庁が連携をとりましてこの法案を提出されたわけでございますけれども、当然運輸省が中心になってこれまで取り組んでこられたと思いますが、特に大臣におかれましては、そういった中心的な役割の中でリーダーシップを発揮されたというふうな印象を私は持っておりますが、この法案提出に当たっての特に大臣の御所見をここで改めてお願いしたい、そのように思います。
○二階国務大臣 一川委員、自由党のバリアフリー化推進議員連盟の事務局長をお務めいただいておりまして、日ごろ御支援をいただいておることに感謝を申し上げます。 私は、このバリアフリー化の問題につきましては、とりあえずは、国、地方公共団体あるいは交通事業者、交通事業の従事者、利用者の皆さん、こうした方々の御協力あるいはまた協調をいただくことによって積極的に推進をしていく必要があるという認識を持っております。 また特に、時あたかも地方分権のスタートのときであります。それだけに、地方分権の考え方を主体的にとらえて、地方公共団体がみずからの発想、決意によって事業者を説得しさらに国に対しても要請をする、そういう立場で、地方が中心になって進めるということが大事ではないか。地方イコール地元の高齢者の皆さんやあるいはまた交通弱者と言われる方々の御意見を十分お聞きする上におきましても、地方はそれらの方々の間近に存在しておるわけでありますから、私はこの組み合わせ、仕組みを大切にしていきたいと思っております。 さらに、私は、昨日も関係者、バリアフリー化を進める熱意を持った皆さんのお集まりにおきまして申し上げてまいったのですが、中央省庁の縄張り争い、これはいつもどこででもよく言われるわけであります。今回は、四省庁が極めて熱心に連携を持ち、お互いの理想に向かって努力をしようという決意を新たにして、予算編成等におきましても連携をとってまいったわけでありますが、この四省庁連携の姿が私は必ず大きな実りを得るものと思っております。 ちょうど来年は建設省と運輸省が一体になりまして国土交通省の中心的な役割を担うわけでありますが、これまた新しい国土交通省の中における大きな政策的な柱としてバリアフリー化の推進に建設省と運輸省が一緒になって取り組むというだけでどれほど大きな前進を見ることができるか、今から私自身も大きな期待を寄せているところでございます。
○一川委員 きょうは厚生省の大野政務次官にお越しいただいておるわけですけれども、一つ厚生省の方に御見解をお伺いしたいと思っております。 今回のこの法案は、御案内のとおり障害者なり高齢者等の皆さん方を基本的に対象にしての法案でございますけれども、内容的には、妊産婦の方々とかそういう社会的に割と弱者と言われておる皆さん方に対してもしっかりとこの法案は対応しているというふうにお聞きいたしております。 当然、今、高齢化問題なりまた障害者に対するいろいろな対応の問題なり、また一方では、少子化社会という中にあって子育て対策ということも重要な課題になりつつあるわけです。そういったもろもろの課題というのには、厚生省は非常にかかわりの深い省でございます。今ほど運輸大臣の方からお話がありましたように、特にこういった交通移動に関係する四省庁が連携を図って、今回法案提出にこぎつけたということでございましたけれども、今回のこの法案の内容等も含めて、厚生省の方ではどのようにこれを評価されておられるのか、厚生省としての見解をお聞かせ願いたいと思います。
○大野(由)政務次官 高齢者や障害者の方々が自立した生活を営み、そして活動の場を広げ、社会参加を積極的に進めていく、こういう社会にしていかなければいけない、このように思っているわけですが、そのためには、政府全体として施策の推進に取り組むことが必要でございますし、先般もバリアフリーに関する閣僚会議が設置されたところでございます。 今般、政府全体の取り組みの一環といたしまして、高齢者や障害者の道路とか交通機関のバリアフリーを進めるために関係省庁により本法案が提出されましたことは、高齢者や障害者の自立や社会参加を促進するものとして、厚生省は大変意義深いものである、このように思っている次第でございます。 厚生省は、どちらかといいますと、ソフト面のバリアフリーを中心として一生懸命取り組んでまいりまして、福祉用具の研究開発の促進とか視聴覚障害者の情報ネットワークの整備とか、高齢者や障害者に配慮された町づくりの推進など、厚生行政におけるバリアフリーの関連施策を推進してきたところでございます。 今後とも、他省庁におけるバリアフリーを初めとする施策と十分に連携協力しながら、高齢者や障害者の自立と社会参加を進めてまいりたい、このように思っております。
○一川委員 どうもありがとうございました。政務次官、お忙しいでしょうから、私はこの一問で終わりですから、どうぞ結構でございます。 私は今回、この質問をするに当たりまして、地元を中心にして若干いろいろな調査をさせていただきました。こういったバリアフリー社会を目指してのいろいろな取り組みというのは、今回四省庁がこの法案を出されましたけれども、地方自治レベルでは割と先行してバリアフリー社会を目指してのいろいろな取り組みをしてきたというふうに私は思っております。 私自身も以前県会議員をやっておりましたけれども、私がいた石川県では、平成九年にやっと条例が制定されたということがございました。そういうことも含めまして、地方自治体の方でこういったバリアフリー社会への取り組み、こういう実情が今どうなっているかということをちょっと自治省の方にお尋ねしたいわけです。 お話を聞きますと、平成十二年三月現在で、もうほとんどの県でこういう取り組みがあるというふうにもお聞きしているのですけれども、実情はどのようになっているのかということが一点と、この法案が実際に施行されて動き出せば、当然またいろいろな面で地方の財政問題が一つの課題であろうというふうに思っております。特に地方自治体の財源対策、このバリアフリー法案に関連する財源対策に自治省としてはどのように対応しようとしておられるのか、その二点についてお伺いしたい、そのように思います。
○平林政務次官 一川委員のおっしゃいます地方公共団体のバリアフリー対策の関係でございますけれども、地元の諸対策につきましてはよく御承知のところでございましょうし、恐らく全国的に、かような仕事に対しましては各地方公共団体が努力をいたしておるところでございます。 運輸大臣が先ほどおっしゃいましたけれども、地方分権とかあるいは地方中心でこの仕事をやることは、いわゆる住民に身近な行政を県や市町村が積極的に取り上げて取り組んでいくということで、最も地方自治にふさわしい仕事であろうと思っております。このたびの法案でも、基本構想というものを市町村ごとに立てて、その構想に基づいて実行していくというようなことが盛られておりますから、まことに結構なことだと思っておるところでございます。 実情は、福祉のまちづくり条例とかやさしいまちづくり条例とかいった条例を定めてやっております市町村の数は、これは十一年の三月末の数字しかございませんけれども、四十二都道府県、二十七市区町村という状況でございます。条例でございませんでも、各市町村で指針を定めたりあるいは要綱を定めたりいたしまして施策をやっております市町村は非常に多うございます、数百に及ぶと思います。さような状況でございます。 それから、自治省でそういう自治行政を応援するためにやっております施策でありますけれども、平成三年度から、バリアフリー化のための公共施設等の改良に関しまして、地域総合整備事業債、そういう起債の項目がございます。これは実に多数の項目を含んでおりますが、この総合整備事業債の中で、事業費ベースで申しますと、毎年度四百億円程度の規模で支援をしてきたという状況でございます。 また、今回の法案におきまして、民間の交通事業者、これは法律で公共交通特定事業者となっておりますが、それに対する助成に要する経費につきましても地方債の特例規定を設けるとともに、基本構想を達成するために行う事業に要する経費について地方債の配慮規定を設けております。 今後、その地域総合整備事業債等の活用によりまして、一層、地方公共団体が取り組みを容易にできるように支援をしてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○一川委員 地方公共団体も、先ほどの説明のように、相当の地域でもう既にこういう問題意識を持って取り組んでおられるということでございまして、当然ながら、財源問題というのが各自治体とも大変心配なところであろうかと思いますけれども、ぜひこういう積極的な取り組みに対してはしっかりとした支援策をよろしくお願いしたい、そのように思っております。 今ほどいろいろと話題に出ておりますけれども、国と地方公共団体それから交通事業者等の関係者間のいろいろな協力なり連係プレーというのは、この制度にとっては大変大事なことだというふうに思います。 運輸省の方にちょっとお伺いしたいのですけれども、今回こういった法整備を行うに当たりまして、国なり地方公共団体それから交通事業者等の皆さん方にどういう役割をそれぞれ期待しておられるのか、そのあたりの御説明をお願いしたい、そのように思います。
○中馬政務次官 国、地方公共団体、交通事業者等のそれぞれの役割でございますが、この法案にもはっきり書いておりますように、国、これは主務大臣でございますが、移動の円滑化を総合的、計画的に推進するための基本方針を策定することにいたしております。 そして、地方公共団体は、基本方針に基づきまして、鉄道駅を中心とした重点整備地区のバリアフリー化を構想する、これを基本構想と名づけております。そして、地方公共団体がかなり主導的な立場で地域に、そしてまた関係の住民に、また交通事業者に働きかけて、この構想を固めていくということになろうかと思います。 そして、そこに指定されたといいましょうか、組み込まれた交通事業者は、新設につきましてはこのバリアフリーの義務が課せられておりますけれども、既設のところでも努力義務がございます。ともかく、このはっきりとした基本構想の中に入って、そこで合意した限りにおきましては、努力義務だけではなくて、強制的な意味までも含めるような形で物事が進んでいくもの、このように考えております。 ともあれ、この三者が一体となって、しかし、主導的に地方自治体が全体を取りまとめるような形で、そして、今自治省の方からもお話がございましたように、それぞれが補助金を出したりあるいは住民を説得したり、あるいはまた道路管理者にいろいろなことを義務づけたりしながら、総合的に、効果的に物事を進めていけるものだ、このように認識いたしております。
○一川委員 このことに関連しまして、ちょっと確認の意味でお聞きするわけですが、市町村ということがよく出てまいりますけれども、今回、都道府県というのはこの問題についてはどういう役回りになっていくのか、都道府県は余り関与しないでいいということになるのか、事務方で結構ですから、ちょっとそのあたりの御説明をお願いします。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 地域に密接した地方公共団体となりますと、やはり市町村でございまして、ここで主体的に計画をつくっていただくということになろうかと思います。 もちろん、都道府県が道路管理者等で入っている場合は当然御協力をいただきますが、やはり地域密接型で基本的な構想をつくっていただく地方団体としては市町村であろう、こういうことから、この中で市町村が位置づけられております。
○平林政務次官 御指摘の点もまことにごもっともだと思いますが、都道府県と市町村が一緒になりまして、しかも一種の総合行政でございますから、お互いに協力して対策を講ずるというのが一番いい姿だろうと思います。 一例を申し上げますと、ここに石破議員が理事でいらっしゃいますけれども、私どもの住んでおります鳥取市でも、鳥取の駅でエスカレーターをつけてバリアフリーの対策をする、こういう構想が持ち上がりまして、これはやはり県と市が協力をいたしまして、国の補助金を得て、しかもJRもさらに支援するような姿で実現をいたしました。これは昨年のことでございますから、法律施行前の話でございます。 さようなことで、恐らく、この法律ができましたら、密接な連絡をとりながらお互いに協力してやっていくものと考えております。
○一川委員 先ほど自治省からの御説明でも、既に四十二の都道府県では条例を制定しているというお話もございましたし、そういう面では、市町村と当該都道府県との連携というのは当然のことだろうと思いますけれども、そのあたりのことについても、しっかりとした御指導をお願いしたい、そのように思っております。 今ほどのお話のように、できるだけ市町村の自主性を生かす、また自律的な地域社会を目指すという観点で、極力地域の皆さん方の創意工夫を反映させたいということがこの法案の中にも流れているというふうに私は思っております。 そういったときに、特に、建設省なんかにちょっとお聞きしたいわけですけれども、私たちが住んでいる北陸地域というのは雪がたくさん降るわけです、俗に言う雪国であるわけです。雪国の方は十分わかると思いますけれども、冬期間、相当の雪が積もって、それが解け出すと歩行者にとっては非常に大変な状況でありますし、雪が積もっている状態のときはもっと大変なんでしょうけれども、割と車社会の今日ですから、歩行者というものが若干犠牲になる嫌いが場所によってはあるような気がするわけです、除雪のやり方によっては。 ですから、今回この法案で、せっかくいろいろな地域の特性をしっかりと生かしていただけるということであれば、やはりそういった雪国等であれば、融雪装置みたいなものをしっかりと配慮するとか、あるいは、除雪のやり方に関連しますけれども、道路の幅員のとり方でも除雪帯を設けるとか、いろいろなやり方があろうかと思いますけれども、そういう地域のそれぞれの特色を配慮したいろいろな整備というのが大変大事なことだというふうに私は思います。 その点について、特に建設省の方、道路管理という立場から、あるいは町づくりということからしましても、そのあたりの取り組みの基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○大石政府参考人 我が国の国土面積の六〇%がいわゆる積雪寒冷地域でございます。市町村数の四〇%、人口の二〇%がこういった地域にあるわけでございまして、この地域が冬期間においても活発な活動を続けることが我が国の経済にとって極めて重要なことと認識いたしております。 そのため、建設省におきましては、冬期間の円滑な雪寒地域における交通を確保するため、いわゆる雪寒法に基づきまして五カ年計画を策定し、防雪、除雪、凍雪害防止、それから除雪機械の整備等を進めてきたところでございます。 従来は、どちらかと申しますと、積雪寒冷地域の冬期における物流を確保するという観点から、自動車交通に重点を置いて除雪等を行ってきたところでございますが、昨今では、今先生から御指摘ございましたように、冬期間の歩行者空間の確保に大変な関心が寄せられているということから、昭和五十二年には直轄国道の歩道の試験的除雪、昭和五十三年には補助国道における歩道除雪の試験的施行、昭和五十四年には都道府県道における歩道除雪の試験的施行等、順次施策を導入してまいりまして、六十三年度からは、冬期の歩行者空間確保のパイロット事業を雪みち計画として実施しているところでございます。昨今では、市町村道の歩道除雪につきましても、その対象と考えているところでございます。 積雪寒冷地域におきます歩行者空間の確保、特に鉄道駅周辺の交通結節点や中心市街地、通学路、福祉施設周辺等における除雪の充実、消融雪施設整備、堆雪幅の確保等を重点的に実施することといたしておりまして、こういったことを通じまして、地域の特性に応じた、雪国におきましては雪国の快適な歩行空間の確保ということに積極的に努めてまいりたいと考えております。
○一川委員 今ほど基本的な考え方を述べていただきましたけれども、ぜひその方向で積極的な対応をお願いしたい、そのように思っております。 それでは、ちょっと運輸省の方に。 今回のこの一つの構想に関連しまして、重点整備地区というものを一応定めて重点的に整備していくということであろうというふうに思いますけれども、先ほどの質疑の中でもいろいろと出ていたと思いますが、五千人以上の乗降客がある云々とか、一つの基準めいたものがあろうかと思いますけれども、これは、市町村の一つの判断の中で基本構想というものがつくられていくんだろうというふうに考えております。 しかし、一方では、ある一定規模以下の駅の方が、そういった地域、俗に言う田舎の方が、非常に高齢者の比率が高いわけですね。現実、そうなんです。農村地域へ行けば、高齢者の方々の比率が高いわけです。また、その地域に属している市町村というのは割と財政力が弱いわけです。 そういうことを考えてみた場合に、確かに、全体の対象人口をカバーする比率からすれば、多くの方々が乗りおりする、そういった駅等を整備していくということは優先すべきであろうというふうに思いますけれども、やはり小さな駅であっても、割とそういった弱者の比率が非常に高いケースがあるということでございますので、そのあたりに対する配慮を当然お願いしたいわけでございますけれども、運輸省としての基本的なそのあたりのお考えをまずお聞かせ願いたい、そのように思います。
○中馬政務次官 先ほども申しましたように、今回は、地方分権推進法、そしてまた一括法で、都市計画そのものも地方自治体が直接できる形になりまして、それを受けた形でもありますが、地方自治体が重点整備地区ということを指定することになっております。 これは、ただいまおっしゃったように、基準で、しゃくし定規に一日の乗降客五千人以上でないとだめだということではなくて、地方の都市であったとしても、例えばの話ですが、そこの駅の周辺に非常にお客さんの多く来る病院があるだとか、福祉施設その他があるだとか、あるいは、そこの住民自体が非常に高齢者の方が多くて、しかし、その方々が利用される、それが半分ぐらいになる、そういった場合には、そこにバリアフリー化した駅施設が必要なわけでございます。 ですから、そのことを自治体の方が主体的に働きかけ、あるいはまた住民からの声の盛り上がりの中でそのことを認識するならば、それを鉄道事業者に、あるいはまた地域の住民に、また関連の道路管理者等にも働きかけて、パブリックコメント等の手続もあわせて配慮しながら、そこを一つ基本構想の中の重点整備地区に指定することができる、そしてそれに基づいて、それぞれの関連の、先ほど申しました建設省関係あるいは警察庁関係、そういったところが一緒になりましてこれを実施していくという形であろうかと思います。 そのようなことで御認識賜りたいと思います。
○一川委員 基本的には、この法案はそういう社会的な弱者を対象にした法案でございますので、やはり地域的にも非常に弱い地域もたくさんあるということを十分御認識していただきまして、実際にこの法の施行に当たりましては十分な御配慮をお願い申し上げたいというふうに思っております。 それから、さて、今回のこの法律等の中身をいろいろと見させていただきましても、当然ながら、割とハード的な問題に焦点を絞って物事を整備していこうということでございます。当然、ハード的なものが整備されただけでは本来のこの趣旨が全うされるというわけではないというふうに私は思います。やはり、こういった施設が所期の目的どおりしっかりと利活用されながら、利用される皆さん方が本当に安心して利用できる、また非常に親しみを持って利用していただけるような状況をつくり上げていく、そういうふうに啓蒙、指導していくということが一方では非常に大事なことだというふうに思っております。 そういう面で、整備されたものが実際、所期の目的どおり活用、運用されているかどうかということをちゃんとフォローしていくということも一方では大事なことではないかというふうに思うのです。場合によっては、定期的にその実情を責任を持って調査して、それを関係する行政機関にしっかりとまた通告するということも必要でしょうし、また、それぞれにかかわるいろいろな皆さん方の教育訓練といったようなことも当然ながら取り組んでいただかなければならないというふうに思うわけです。 運輸省なり警察庁なり、そのあたりをどのようにお考えなのか、お聞かせ願えればありがたいと思います。
○中馬政務次官 今御指摘のように、ただハード面だけではなくてソフト面の大事さ、これは先ほど大臣も申しておりましたように、すべてがこれでカバーできるわけじゃありません。盲人の方がホームから転落されるのを防止するためのさくというものも、同じ列車が同じところに停止する場合にはともかくとして、あちこち列車の長さも入り口も違った場合には、非常にこれが難しいことも事実でございます。 では、それをどうカバーするかといったこと。これはやはり駅員の方がそれなりの教育を受けて、そこに盲人の方がいらっしゃったらそれに対してちゃんとフォローしてあげるとか、それよりも、そこにいらっしゃる一般の乗客の方がその方をすっと介添えしてあげる。また、そのことをもう少し気づいてもらうためにも、駅の放送で、盲人の方には介添えしてあげましょうといったようなことを、しつこくでなくても結構ですから、時々は放送するとか、そのような形で一般の方々に意識を持ってもらう心のバリアフリーといったことも必要かと存じております。同時に、もっと具体的に言うならば、駅員の方々に対する一つの教育訓練、指導といったことも必要でございましょう。 そのほか、今御指摘がございました、各鉄道事業者等に対しましてバリアフリーの実施状況を報告することもここの中では規定をいたしておりますから、私どもは、時々そのことをちゃんとフォローしながら、そしてそれが行き届いていない場合には十分指導していくという形でこの法律を運用していきたいと思っております。
○坂東政府参考人 まず、お尋ねの事後評価という点でございますが、私ども各都道府県警察あるいは公安委員会がいろいろな交通安全事業というのを実施しているわけでございますが、このときには交通安全総点検というものを実施しています。 まず、事業を実施する前にいろいろな道路利用者の方々にお集まりいただきまして、どういった事業を展開すればいいかというふうなことの御意見をいただく。そして、事前のみならず事後においても同様な形で、整備された状況というものが利用者の方々によってどういうようなメリットがあるか、あるいはどういう問題があるかというふうなことの御意見をいただくような機会というのを設けているわけでございます。 今後とも、このバリアフリー化に関します交通安全総点検におきましても、やはり高齢者あるいは身体障害者の方々にもこの交通安全総点検というものに参加していただきまして、施設が整備された後も、高齢者あるいは身体障害者の方々の目線に立って、その整備状況がどうかといったような点を点検していただきまして、そういった方々の御意見等も踏まえながら事業の改善といったことも進めていくようにしていきたい、このように考えているところでございます。 それから、もう一点のお尋ねの教育訓練ということでございますけれども、やはり私ども都道府県公安委員会におきましても、本法案に基づきます施設整備の効果を十分に上げるために取り締まり等の対策を講じていくとともに、あわせまして、現場で活動する警察官に対しましては、本法案の趣旨等の教養を十分に行うように各都道府県警察を指導してまいる所存でございます。 以上でございます。
○一川委員 具体的なお話でちょっと確認しておきます、既に質疑があったのかもしれませんけれども。 法第四条において移動円滑化基準というものを定めることになっております。当然ながら、そこで具体的な基準がいろいろと整理されるのだろうと思いますけれども、先ほどちょっと触れましたように、これからの少子化社会に対する子育て対策の一環としましても、妊産婦の皆さん方の移動なり、またベビーカー、そういうものを移動させる場合とか、いろいろな面で高齢者なり障害者に匹敵するような方々もたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、そういう方に対する配慮というものを基準の中で十分整備していただきたいというふうに思います。 また、だんだん年をとってくれば視力が衰えるわけでございまして、高齢者のそういった視力に対する配慮ということもあるでしょう。また、そのほかのいろいろな障害等に対する配慮というもの、先ほど話題に出ておりましたけれども、そういうようなことも当然いろいろな面で検討されるのだろうとは思いますけれども、そういった円滑化基準なるものを定めるに当たりましての基本的な考え方のところを御説明願いたいと思います。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 法第四条において定めております移動円滑化基準でございますが、これは先ほども御答弁申し上げておりますように、この内容というのは、高齢者や身体障害者等、またほかの利用者の皆様の御意見を聞いた上で定めることとなっておりますので、現在具体的な内容について申し上げることは余り適当でないと考えますが、基本的な考え方といたしましては、先生が御指摘になりましたように、妊婦等の方への配慮、高齢者への配慮、視覚、肢体、聴覚障害者への配慮、こういった方々への配慮を具体的に記すことになると考えております。 先生のおっしゃった点については、当然この中で考えられ、さらに具体的な基準として構想され、それをまた高齢者や障害者その他国民の方々の意見を聞いて具体化し、これを定めていくということになるかと考えております。
○一川委員 では大臣に、最後の方にちょっとまた決意も含めてお答えを願いたいと思います。 私が先ほどちょっと触れましたように、今回この質問の時間を与えられるということで、自分なりにいろいろな人の意見を聞いてみました。要するに、この法案が決定し、しっかりとまず法制度のもとで動き出すということに対しては評価されている方が多かったというふうに思っております。 理想的には、もっともっといろいろな言い分が中にはあろうかと思いますし、そういう面では、まず実効性のあるものを当面早く整備していくということが求められているというふうに思われました。また、障害者の団体の皆さん方もそういう面でほぼ同じ御意見だったというふうにも思っております。 そこで、インターネットなんというのが最近流行しておりますけれども、バリアの問題とか、あるいは運輸省の行政等の問題で、インターネットの中でどういうようなことがされているのかなということをちょっと見てみましたが、残念ながらインターネットの中には、バリアフリーに関するいろいろな施策の紹介めいたものなり、取り組むこれからの基本姿勢なり、そういったものは余り出ていなかったような気がいたしました。 そういう面では、行政機関としてはああいうインターネット等でもっともっと広く国民の皆さん方に、その必要性なり、こういった法案の役割なり、そういったところをしっかりと訴えられた方がよろしいのではないかなという感じを私は受けました。 それから、各県等での条例の話が先ほど出ましたけれども、基本的には、障害者の方々なり高齢者等の皆さん方が、みずからの意思で自由に安全に移動できるということがその本筋でございますし、連続性のある交通環境といいますか、そういうものが非常に重要なことだと思うのですね。あそこまでは行けるけれどもあそこまで行ったらどうも問題があるということではなくて、やはりある程度目的の方向に向かって連続性のあるものが整備されていかないと、せっかく駅周辺で物事が整備されても十分な効果が出てこない感じもいたしますので、これからの一つの課題かもしれませんけれども、そういう連続性のある交通環境を整備していくということも大事なことであるというふうに思います。 また、都市部のこういうバリアフリーへの対応の仕方と地方における対応の仕方では、まだまだ依然として現実にも格差がありますし、この法律がもし整備されていったとしましても、その格差の解消というのは難しい面も一方であろうかと私は思います。 先ほどの質疑の中でも、場合によっては民間のタクシー活用ということもあり得るというようなお話もありましたけれども、そういうことも含めて、課題が幾つか残されているような気がいたします。しかし、今回この法案が提出されたということは、非常に意義深いものがあるというふうに私は思っております。 特に、大臣が触れられましたように、関係する四省庁が連携を図ってここまで来たということも大変意味のあることだというふうに思っております。ぜひこの四省庁がお互いに協力し合って、この法案の趣旨が生かされますようにお願いをしたいというふうに思っております。 大臣、最後になりましたけれども、この法案を実際にこれから運用していくことについての決意の表明をよろしくお願いしたいと思います。
○二階国務大臣 一川委員御指摘のとおり、理想に近づいていくための努力というのは、これから相当の決意で力を注いでまいらなくてはならないというふうに認識をいたしておりますが、とにかく、四省庁が連携をしましてスタートすることができるような状況になりつつあるということを大変うれしく思うわけでございます。 先般も御承知のとおり、関係閣僚会議も立ち上げました。これは単なる会議ではなくて、実際に関係閣僚それぞれ御協力を願って、五月の中ごろまでに結論を出そうということで今急いでいただいております。しかし、いずれにしましても、中核をなすのは四省庁でございますので、それだけの責任感、また決意を持って対応していきたいと思っております。 インターネットの活用等につきましても御指摘をいただきましたが、これから十分インターネットを通じて、バリアフリーの世界をだんだん広げつつあるということを国民の皆さんに広く御理解をいただく努力をしていきたいと思っております。 私も今、出先の運輸局の局長あてに私信を差し上げまして、それぞれの皆さんから、タクシー等のバリアフリーの問題に対して、どういう課題がそれぞれの地域にあるかということを問い合わせをしておるところでございますが、今おいおい各地域からいろいろなことで具体的に連絡が届いてございます。 そうしたことなどにも縦横に対応しながら、とにもかくにもこれからスタートしようとするバリアフリーの出発に、皆様の一層の御協力をお願いしながら、私どもも懸命の努力を傾けてまいりますことを改めてここで表明しておきたいと思います。
○一川委員 どうもありがとうございました。終わります。
○仲村委員長 午後四時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後二時三十五分休憩 ————◇————— 午後四時開議
○仲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。寺前巖君。
○寺前委員 高齢者、障害者等が社会参加した上で、社会が移動の自由と安全確保を図ることは当然の責務であります。また、そのことを関係者が権利として要求することに社会はこたえなければなりません。 完全参加と平等をテーマにした国際障害者年が一九八一年に開かれてから約二十年になります。障害者や利用者、地域住民の運動によって交通機関のバリアフリー化が進められてきましたが、その到達点はいまだ十分なものではありません。この間、駅へのエレベーターやエスカレーター設置の整備指針ができ、毎年の整備計画が提出されるなど前進がありました。そして、抜本的な解決のためには法制定を図るべきと私たちも六年前に政府に提案しましたが、今日、これがようやく実現する運びになりました。 そこで、この法律が実効あるものとなり、高齢者、障害者等、だれもが社会参加できる条件づくりが大いに進むように、以下数点の、法律上気になる問題について、限られた時間の範囲でお聞きしたいと思います。 まず第一に、政府のバリアフリー法案では、高齢者、身体障害者等として、お年寄りと身体障害者、妊産婦やけがをしている人などを対象にしています。なぜ精神障害者、知的障害者が対象にならないのだろうか。本会議で大臣は、どのようなバリアフリー施設の整備により知的障害者や精神障害者が移動を円滑にできるようになるか、必ずしも明らかでなく、対象となっていないとおっしゃいました。バリアフリー施設の整備に当たって、知的障害者や精神障害者の意見を反映して取り組んでいるところはないのだろうか。私は局長さんに聞きたいと思いますが、いかがなものですか。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘の問題、重要でございますが大変難しい問題であると思っております。 我々も、知的障害者、精神障害者の方、何回か見えまして、そのときにお話を伺ったことがございますが、その中では、バリアフリーというよりも他の話題、運賃割引等の問題が中心でございました。 ただ、私どもも、知的障害や精神障害の方々のためにバリアフリーはどういうものが必要なのかということは、これはかなり検討、勉強させていただきました。すなわち、効果的な施設整備があるのか、次は、施設整備ではなくてソフトの面、すなわち周囲の協力というものがよいのではないか、あるいは情報の提供のあり方、コミュニケーションに問題があるのかというような面から検討したことがございますが、なかなかこれについては確定的な答えというものが出ておりません。 その中で、まだ十分確立はしておりませんが、一つの考え方として、ピクトグラムというものがございます。これは図記号でございまして、例えば食堂をあらわすときに、食堂と書かないでナイフとフォークの絵を出すというやり方でございます。そういったものがコミュニケーションという上で役立つ、そういう可能性はございます。これにつきましても、現在まだ開発途上でございまして、確たるものは出ておりません。これを具体的に、どの程度知的障害者や精神障害者の方が認識できるのか、これからその辺のことを十分実証研究した上で図っていかなければならない問題だと考えております。 運輸省といたしましては、このように研究、検討はしておりますけれども、またその成果が出ればそれを活用していく所存でございますが、現在の時点では、知的障害者、精神障害者の方々にとって、交通バリアフリー化、いかなる施設が必要かということについてまだ確たる答えが出ていないというのが現状でございます。
○寺前委員 すべての障害者の自立と社会参加の促進を目的とすると障害者基本法では書かれているわけです。障害者基本法が書かれるまでの経過の中で、知的障害者なり精神障害者なりは、これは外されるというやはり長い間の闘いの歴史がありました。それを考えたときに、なぜ自立と社会参加の促進を目的とする障害者基本法の立場で法律を書くことができなかったのだろうか。要求が必ずしも明確でないというだけではいけないのではないだろうかと私は率直に提起したいと思う。 現に、運輸省所管の公益法人エコロジー・モビリティ財団のモデル事業が二つあります。あの震災後の神戸の港と、伊丹の駅がつぶれた阪急の問題です。 そこへ現に行ってみて、知的障害者に何らかの対処をされましたかということを聞いてみたら、言われました、表示を大きく平仮名で書いていただくと。なるほど、行ってみたら、平仮名が先行して、その下に漢字が書いてある。大きな柱には、大きな看板で、平仮名で書いてある。全線、そういう方向にしてありました。なるほどと私は思ったのです。 精神障害者から要求はありませんでしたかと聞きました。そうしたら、薬の副作用で水を飲むので水飲み場が欲しいという要求が出されました。したがって、今の時代は、水飲み場は、お客さんがふえる時代だからつぶそうと思っていました、しかし、それを残すようにして、全線、そういう方向に目を向けています、こういう回答が会社の担当者から出ました。 そういうことから考えたときに、法律からわざわざ外すということはなかろうにということを私は強く感じました。ぜひとも再検討してほしいと願いたいのですが、大臣、いかがなものでしょう。
○二階国務大臣 これまで交通バリアフリー化の各種施策につきまして、当然、さまざまな障害を持っておられる方々の意見をちょうだいしながら、多様なニーズにこたえていくために、今日までも努力をしてまいりましたが、これからも一層努めてまいらなくてはならないと考えております。 本会議でも申し上げましたが、さらに今委員の御指摘を伺いながら、知的障害者や精神障害者の方々にとっての交通バリアフリー化について、現状では十分とは考えておりませんので、今後とも幅広い検討を加え、方策が明らかになった段階で、ただいまの御指摘を踏まえて、これらを積極的に推進してまいる方途を考えていきたいと思っております。
○寺前委員 次に、最近障害者や高齢者の皆さんと幾つかの駅を回ってみました。大臣は本会議で、バリアフリー化の目標として、二〇一〇年までに、一日当たり乗降客五千人以上の駅等の旅客施設のバリアフリー化を実現すると述べられました。この緊急課題は、本当に実現することができるのだろうか。国や地方自治体とともに、公共交通事業者の責任が決定的だと私は思うのです。その人たちにやる気がなければ進まぬことになるだろう。 ところが、今度の法律を見ておりますと、運輸省は、これまでもエレベーター整備指針を九三年に出され、事業者は既設駅の計画的整備を努めることとされました。九四年の新ガイドラインでは、エレベーターを最優先で設置すべきとされました。その後、どういう事態に発展したんだろうかと調べてみました。 JR六社は、九三年三月末では、総駅に対して二・四%でした。ところが、九九年三月になりますと四・四%、すなわち二倍弱です。大手民鉄は四・四%です。それが一三・九%と、三倍強に発展をしました。営団や公営地下鉄は二二・四%が四七・八%と、二倍強となりました。一番おくれているのは、何といってもJRだということになってくるわけです。 全線じゃなくして、今大臣が提起しておられた五千人以上という問題で見たときには、JR六社は二二・四%、大手民鉄は二九・〇%、営団地下鉄などは四六・五%ということになっています。ここでもJRのおくれが目立ってくるわけです。 今のペースでいったら、九三年を基礎にして対象駅に限って見ただけでも、JRはこのままでいくと三十七年かかることになります。大手民鉄は二十年かかることになります。地下鉄は十二年で解決する方向に流れるでしょう。予算の面倒やらいろいろな面倒、法律ができてくるから変化は生まれてくるでありましょうけれども、今の水準のままで進んでいくと、JRのおくれというのは非常に目立ってくることになると思うんです。 私は、ここでやはり大事な問題は、自分の責任において解決するんだという気迫、それを法的にも、義務として明確にしていくことが重要じゃないんだろうかということをつくづく感ずる次第です。その点について、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○二階国務大臣 JRの問題につきましては、しばしば当委員会でも御指摘がございました。 しかし、私も先般、JRの駅に参りまして実際の状況等を視察してまいりましたが、何%ということも大事でありますが、現在、JRの駅の現場の責任者たちの様子を伺いましても、その気迫を伺っておりましても、バリアフリーの問題に積極的に対処しよう、そういう意気込みが私には感じられました。 近々、それぞれの会社の代表者にお目にかかり、私の方から、積極的に御協力を願えるように、また法律の趣旨等につきましても徹底していきたいと考えております。
○寺前委員 私は、現場へ行きますと、現場の人の気迫というのは、確かにこのままでは困るということを共通してみんなおっしゃいます。とすると、事業者の責任ということが大きな位置を占めてくるであろう、そこをはっきりさせる必要があるということを私はつくづく感じます。 ここで、局長さんにお聞きしたいと思うんですが、例えば、私は京都です。京都駅の一つ手前に、私鉄が入っているし、地下鉄も入っているし、JRがある駅、山科駅という駅がございます。これは、京都駅に次いで二番目に乗降客が多い駅、一日六万人です。この間、そこへ京都市の身障者の会の副会長さんと一緒に寄せてもらいました。 駅員さんは六人でした。晩も六人だそうです。その身障者のお方は、電動車いすに乗っておられた。ところが、駅へ入ってエレベーターがないものだから、担いでもらわなければならない。駅員六人の中で、担いでもらうためにどうするのか。二人の人が出てきて、あと四人の人で担ぐという事態が生まれるわけですよ。 乗っている人自身が、もういいですよと言ってお断りする。ふだん、私はここで乗りませんよ、京都駅へ行くんです、こういう話です。聞いてみたら、駅員さんも、皆さん、もうここへ来てくれませんよ。窓口を閉めて入らなければならぬ、姿を見るだけでもう来られないんです。だから、何とかしてほしいと。 ところが、京都で二番目に乗降客の多いこれだけの駅で、それじゃ、改築して何とかしようという計画があるんだろうか。そんなものは聞いたことがないと、現場ではおっしゃる。 私は数日前に、今度は、JR、営団地下鉄の日比谷線と千代田線、それから東武電鉄が入っている北千住の駅へ行きました。 ここへ行って、私は直接ぽんと感じた問題は、たった三段の階段であるのに、JRの側と私鉄の側へ行くところへスロープを、その三段のために木であろうと何であろうと臨時に何でつけてやろうとしないんだということ。聞いてみたら、五年先の計画だ、五年先に改築するんだからと。その五年間であっても、その三段の階段の解決というのは難しい話じゃないじゃないか。やはり、責任を持ってやろうという立場に何で立てないんだろうか。 エレベーターを聞いてみたら、JRの直営のお店、何階建てか大きな建物でした、そこのエレベーターを使う。ところが、お休みになったらエレベーターが使えないじゃないか。あるいは、朝の十時から晩の十時までだ。そうすると、その前後は使えないじゃないか、どんなふうにして駅をおりていったらいいんだろうか。電動車いすのときの担ぐという問題は、ただごとでない事態。 私は本当に、全線にわたって、そういう皆さんに最低限こたえるということから、ともかく調査をしようじゃないかという姿勢が事業主の側になかったら物事は解決しないな、事業主責任というものをつくづく感じた次第です。 私の提起している問題は事実に反しますか。鉄道局長、よろしく。
○安富政府参考人 先生からお話ございましたJRの山科駅、それから北千住駅の状況でございますが、御指摘のとおり、JRの山科駅につきましては、実は、山科駅自体がいわゆる盛り土構造になっております。それで、現在は盛り土の下の方から階段で上がっていくというような状況になっておりますので、エスカレーターを物理的に設置するのが非常に困難だという状況にございます。 これを解決するためには、具体的には、線路の上に例えば跨線橋みたいなものを整備しまして、大規模な駅改良を行うという必要がございまして、そのために、かなり大がかりな工事になってくるということを聞いております。現在JR西の方では、この山科駅のバリアフリー化を具体的にどういうふうにしたらいいかということにつきまして、また地元自治体と話し合っているところだというふうに聞いております。 それからもう一つのJR北千住駅でございますが、御指摘のとおり、コンコースのスロープの設置、それから駅ビルのエレベーターの時間外使用という問題がございます。ただ、ここは、実は常磐新線の工事をしておりまして、その常磐新線の工事が終了した段階では、JR東日本としても、当然、スロープやエレベーターを設置する予定と聞いております。 いずれにしても、この各駅についての具体的なバリアフリーのやり方をどうしていったらいいかということについては、先生おっしゃるように、事業者自身真剣に考えなきゃいけないとともに、地元自治体とも十分話し合って、どういう解決策があるかということについて、これからも事業者として責任を持ってやっていただきたいというふうに考えておりますし、我々もそういう方向で指導したいと思っております。
○寺前委員 新設をするときとか、大規模改修をやるときとか、こういう指定をやってそこは義務化するというけれども、現実的には、既存の駅でこうやってみんな苦しんでいるんですから、それに即刻こたえる、そういう責務をぜひとも持たすべきではないんだろうかなということを、法案上の問題から提起しておきたいと私は思います。機会があれば、大臣から後で答えていただいたらいいと思います。 その次に、先ほどモビリティ財団のパンフレットが配られました。 ここにも出てくるんですが、この本自身は運輸省が監修しておられるんですが、身障者ではなくして障害者全体を対象にしてこれは書かれています。それからもう一つは、この真ん中を開きますと、交通バリアフリー協議会作成と書いてあるのです。 私は、法律の面でもそういう協議会をきちっと位置づけて、そして、関係者が参加することができる、単にお聞きをしますというだけじゃなくして、制度的にそういう協議会という機関を設置するというような問題はぜひ考えるべきではないのだろうかなということを思いました。 また、既存施設の整備も事業者の義務として目標と計画を明らかにする、あるいは、計画では一気にいかぬというのはみんな知っていることなんですから、協議会で一定の目標を設定したら、その目標から除外規定もつくって、それで、十年の間には無理だけれどもそれ以後にこうするとか、何かそういうふうに、私は協議会という存在を高い位置に法的にも整備してやるということを期待したいと思うのですが、大臣、いかがなものでしょうか。
○二階国務大臣 先ほど来寺前委員から建設的な御意見をちょうだいいたしまして、傾聴させていただいたところでございます。 協議会の問題、そして同時に、先ほど来、法律できちっと規制してはどうかということでございますが、バリアフリー化につきましては、物理的な制約、事業者の投資能力、投資余力等を考えますときに、直ちに強制するということは現実的ではないというふうに考えております。 しかしながら、我が国の鉄道等のネットワークがだんだんと進んでいるわけでありますから、既存の旅客施設をバリアフリー化することは極めて重要な問題であると考えております。今委員御指摘のように、五年たてばというふうな、すぐにでもやれるような問題を長く放置しておくことではなくて、そこは、先ほどから再々申し上げてまいりましたように、鉄道業者といえども、バリアフリーの心でもって、みずからの管轄する、所管する鉄道の現場をバリアフリー化する努力をこれから一層要請してまいりたいと思っております。 本法案におきまして、交通事業者に努力義務を課しているところでありますが、これによって、私は責務は明確化しておるというふうに認識をしております。 なお、明日、運輸省としましては、先般来の鉄道事故等に対する安全の再確認をするという意味をもって、全国の鉄道事業者二百社を招集いたしておりますが、この席におきましても、先ほど来御指摘のような点につきまして、また、けさほど来さまざまな御意見をいただきましたが、バリアフリー化につきまして、鉄道事業者に対して積極的な協力をその場におきましても要請したいと考えております。
○寺前委員 法案では、国の基本方針で移動円滑化の促進に関する目標を決めるというふうになっています。この目標は、エレベーター、エスカレーターの整備と低床バスを中心としたものなんだろうか。 例えば視覚障害者にとっては、バリアフリーは単にエスカレーター、エレベーターだけではいきません。誘導・警告ブロックの設置、視覚障害者でも利用できる券売機の設置、点字の運賃表や時刻表、案内板などを目標に設置して、意識的に取り組んでもらう課題があると思うのです。聴覚障害者には、駅や車内の放送が聞こえません。列車やバスの運行状況等必要な情報を聴覚障害者に知らせるための情報表示施設の整備、そんなものを目標にちょっと位置づけてほしい。身体障害者やお年寄りにとっては、ホームにトイレを設けてほしい。そういう課題があります。 ですから、私は、目標の設定に当たっては、そういうことを含めて検討されることになっているのかどうか、局長さんにお聞きしたいと思います。
○羽生政府参考人 お答えいたします。 この法案が成立いたしまして実施になれば、先生御指摘のように、基本方針をつくり、そこで具体的な目標を定めるわけでございますが、その際には当然のことながら、高齢者、身障者等の意見を伺った上で定めることとなるわけでございます。 したがいまして、現段階でどういうものが基本方針だと断定的に申し上げるわけにはいかないわけでございますが、基本的な考え方を申し上げさせていただくと、確かに、バスとそれから駅舎だけではなくて、先生のおっしゃるように、視覚障害者、聴覚障害者等を対象とした施設というのも検討して入れていく方向で考えなければいけないのではないかと思います。 ただ、その際、もちろん技術的実行可能性、関係者の意見等を尊重しながら決めていくことになろうかと思っております。
○寺前委員 それから、私、JR西日本でちょっと調べてみたら、総駅数千二百二十九駅に対して、五千人以上の駅は二百九十二駅なんです。残り七六%の五千人以下の駅はどういう扱いになってくるんだろうか。京都でいいますと、七十駅のうち五千人以上は二十八駅なんです。大臣のところの和歌山でいきますと、八十駅中五千人以上は七つなんです。ですから、和歌山の場合だったら九一%が対象外になるのかな。 そうすると、バリアフリーを総合的に見ていく場合に、エレベーターやエスカレーター、これは大事な位置を占めます。だけれども、もっとやはり障害者全体を考えて、五千以下の分野も考えるということを位置づけなければならぬのじゃないかと思うのですが、大臣、いかがでしょう。
○二階国務大臣 私の郷里の駅のバリアフリーにつきましても御支援をいただきまして、ありがとうございます。 実は、この法案をつくっている最中から、あちらこちら自分の体験に照らして考えをめぐらしてみますと、今寺前委員御指摘のように、和歌山なんかは全くほとんど関係ないかなと最初思いました。五千人乗りおりする駅というのはめったにないわけであります。 しかし、私はありがたいと思ったのは、小さな町の町長が、五千人にはほど遠い駅でございますが、バリアフリー化の法案が通ったときにあなたはどうするかと言ったら、三分の一なら私の町の財政でも、バリアフリーは大事だからやります、こうおっしゃるわけであります。 私は、そうした三分の一地元が負担するという熱意と、そしてその周辺にバリアフリーの施設を必要とする方々が存在する限り、五千人以下であっても対応すべきものだというふうに考えております。
○寺前委員 それから、法案の対象外になってくるのは、さっきからもう何回も出ましたが、タクシーなんです。何で外さなければならぬ。どうするかという問題。いろいろやり方は計画的にやる問題だと思いますよ、財政を言うんだったら。だけれども、対象から外すことはなかろうになと思うのですが、それはどういうものなんでしょう。
○羽生政府参考人 先生御指摘になったように、タクシーというのは大変重要な公共交通機関でございまして、また、交通に対する弱者の方が多く利用するものだということはよく承知しております。 しかしながら、この法案自体というのは、大量輸送機関に着目しまして、そのバリアフリー化を推進しているわけでございまして、その法律体系は、新しい車になった場合、バリアフリー化基準を義務づけるというものでございます。このような体系というのがタクシーのような個別のニーズに対応する輸送機関についてなじむかどうかというと、困難な点があると考えております。 それから、これの問題よりもさらに大きい問題は、具体的に、タクシーにつきまして、いわゆるリフトつきを二十六万台に義務づけるということは困難でございます。では、そのかわり、タクシーに対してどのようなものを義務づけるかというと、これもまだ検討中の課題でございます。 一つの考え方としては、民主党の方が御提案になりましたようなイギリス型、ロンドン型のタクシーというのもございます。また、もう一つは、私どもお話ししましたように、タクシーの荷物の部分に車いすを畳んで入れるようなスペースをつくる、こういうものもございます。あるいは、こういう施設の規制ではなくて、例えば、その地域に一万台のタクシーがあれば、そのうちの千台はリフトつきにするというようなやり方もございます。 タクシーというのは便利な機関でございまして、大量公共交通機関の場合ですといや応なしにその場へ行かなければならないわけでございますが、呼べば来るということがございますから、そういう意味では、ある程度の台数が地域に整備されれば、何も法的に位置づけなくてもよいものかもしれません。 そのような検討を踏まえて、どれがいいかというコンセンサスをまだ関係者間で得ておりません。したがって、まだ対象外になっております。 ところが、これが、先生御指摘のバスだとかあるいはエレベーター、エスカレーターになりますと、二十年来議論をいたしまして、大体、関係者間で、つくるのはこういうものだというコンセンサスがございます。したがって、これは法的に義務づけることができるわけでございますが、現在のタクシーについての検討状況では、直ちにこれをやれ、あれをやれというようなことを法律的に義務づけるのはいかがなものか。 もちろん、それから、そもそも法的に位置づけるべきものか、助成なり誘導なりしてある程度の台数を地域に置くことによって解決できる問題かもしれないという問題もございますので、この問題を早急に解決した上で、法的にどうするかという問題が検討されるべきだと考えております。
○寺前委員 最後に、一言だけお願いをしたいと思うんです。 家を出て、そしてどこかへ行こうと思ったら、一番基本になるのは、私ども年寄りになってきますとやはりタクシーになるんです。うちの女房も年がいって、腰の手術を八時間かけてやりまして、チタンが入っています。病院に、一カ月に一回は見てもらいに行きます。そうすると、頼りになるのはタクシーです。タクシーというのは日常生活の中で、高齢者はもちろん、障害者はもちろん、多くの人にとって大事な位置を占めているものです。だから、これが対象外になるというのは、この法律そのものにとって重要な位置を占めてくるので、また再検討をしてほしいという問題、これは意見だけにしておきたいと思います。 なお、私どものところに、この法律ができてきた機会に手紙が来ました。その手紙を読みますと、五十八歳のお方で、二十九歳のときに視力を失ったというところから、駅へ行って、そして駅から落ちたという話が二回ある。友達の話もいっぱい書いてあるんです。要するに、駅へ行っても駅の人はだれもおらないので、落ちたときの世話はだれもしてくれない、おまえが悪いんだと。これでは社会的責務を果たすことにならぬのじゃないだろうか、大臣にぜひそのことをといって、手紙が来ておりますものですから、大臣に最後に一言聞かせていただけたらありがたいと思います。
○二階国務大臣 先に、先ほどのタクシーの問題でありますが、年間二十六億人の国民の重要な交通手段として活躍をしておるわけでありますが、現在、何せ大変不況のどん底にあります。今強制的に、あれをやれ、これをやれと言うのは、いささか酷な感じもいたします。 しかし、私はやはり、委員御指摘のように、タクシーこそ一般市民の皆さんのまさに足のような立場で活躍されておるわけでありますから、タクシーのバリアフリー化を今後どう進めていくか、先ほど局長も答弁申し上げましたが、私はこの問題がスタートした時点からそのことを念頭に入れて、今いろいろと模索をいたしておるところでございますが、この問題を解決しなければバリアフリー化を思い切って推進するということにはならないと思っておりますので、将来考えていきたいと思っております。 なお、人的サポートの問題につきまして、おっしゃるとおりでありまして、運輸省としては、鉄道事業者による個々の対応を補完するという意味で、広くバリアフリーに関する国民の理解を深め、利用者全体の協力を呼びかけるなどにより人的サポートの強化を図れるように、何かいい方法はないものだろうかということで、この前からももう既に検討をいたしております。 おっしゃるように、鉄道で、無人駅で線路に転落してだれも救助できなかったというようなことになれば、これは大変な問題になるわけでありますから、いろいろな角度から今後検討してまいりたいと思っております。 きょう御指摘いただいたことを今後の課題として考えてまいります。
○寺前委員 ありがとうございました。
○仲村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十六分散会