法務委員会 第9号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1999/12/09
会議録
○委員長(風間昶君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、佐々木知子君、森田次夫君、森山裕君及び中島眞人君が委員を辞任され、その補欠として吉川芳男君、阿部正俊君、竹山裕君及び中曽根弘文君が選任されました。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 民事再生法案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
○国務大臣(臼井日出男君) 民事再生法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 現行の倒産法制におきましては、経済状態の悪化した債務者がその再建を図る倒産処理手続として、会社更生法上の会社更生手続、商法上の整理手続及び和議法上の和議手続の三つがございます。 このうち会社更生手続と整理手続とは、株式会社のみを対象とするものであり、株式会社以外の法人や個人は利用することができないものであります。また、会社更生手続は、大規模の株式会社を想定した複雑な手続であるため、中小規模の株式会社が利用することは事実上困難となっており、整理手続も、原則として、すべての債権者が再建計画案に同意しない限り再建ができない仕組みの手続であるため、利用することができる場合が限定されております。 そこで、株式会社以外の法人や個人あるいは中小規模の株式会社が再建型の倒産処理手続を利用しようとする場合には、すべての法人及び個人を対象とする和議手続によることが大部分を占めております。しかし、和議手続についても、破産状態に陥らなければ手続を開始することができないこと、再建計画の履行を確保するための有効な手段が用意されていないこと等、多くの制度的な問題点が指摘されております。 また、和議法は大正十一年に制定され、その後の大きな社会経済構造の変化及び発展にもかかわらず制度の見直しがされていないことから、公平かつ迅速な倒産事件の処理という現在の社会の要請に十分こたえていないとの指摘もされているところであります。 そこで、この法律案は、現行の和議法にかわる再建型倒産処理手続の基本法を制定し、経済的に窮境にある債務者について、その事業または経済生活の再生を合理的かつ機能的に図ろうとするものであります。 この法律案の要点を申し上げますと、第一は、手続開始前の債務者財産の保全のための制度を充実させたことであります。 倒産手続の申し立てがされますと、債権の回収を図ろうとする債権者の権利行使等により、手続が開始されるまでに債務者の財産が散逸してしまうおそれがあります。これを防止するため、現行の倒産手続においても保全処分の制度が設けられておりますが、民事再生手続につきましては、債権者の強制執行等を全面的に禁止する包括的禁止命令の制度を創設するなど、保全処分の制度を充実させ、債務者財産の散逸防止を図っております。 第二は、手続の開始原因を緩和したことであります。 現行の和議手続は、債務者に破産原因があることを開始原因としているために、経済的な破綻の状態が深刻にならなければ手続を開始することができないものとなっておりますが、民事再生手続につきましては、債務者が破産状態に陥るおそれがある段階で手続を開始することができることとし、その事業または経済生活の再生が容易になるようにしております。 第三は、簡素かつ合理的な債権の調査及びその確定手続並びに再生計画の成立手続を整備したことであります。 再建型の倒産処理手続におきましては、債権の総額を調査、確定し、これを前提として再建計画を立案した上でその成立を図るという一連の手続が必要となりますが、民事再生手続につきましては、これらの手続を簡素かつ合理的なものとすることにより、迅速な処理を図っております。 第四は、再建計画の履行確保の手段を設けたことであります。 現行の和議手続は、再建計画の履行確保の手段が不十分であり、この点が制度の信頼性を損なう要因となっておりましたが、民事再生手続につきましては、再生計画の認可後も裁判所による監督等を継続することができるものとするほか、再生計画に執行力を与えること等によりその履行確保について適切な措置を講じております。 なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の制定等所要の手続を必要といたしますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、また現行の和議法等を廃止するほか、民法等の関係法律につき所要の整備をし、必要な経過措置を定めております。 以上が、この法律案の要旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(風間昶君) 次に、同案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員上田勇君から説明を聴取いたします。衆議院議員上田勇君。
○衆議院議員(上田勇君) 民事再生法案に対する衆議院における修正部分について、その趣旨を御説明いたします。 政府提出の法律案は、第四十二条第一項において「営業等の譲渡」として「再生手続開始後において、再生債務者等が再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡をするには、裁判所の許可を得なければならない。」と規定するものでありますが、衆議院においては、裁判所がこの許可を与えるに当たっては、当該営業または事業の全部または重要な一部の譲渡が再生債務者の事業の再生に資する場合にのみ行われるものであることを明確にするため、「この場合において、裁判所は、当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。」との文言を加えて修正を行ったものであります。 以上が、政府提出の法律案に対する衆議院における修正部分の趣旨であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(風間昶君) 以上で本案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律案を議題といたします。 発議者衆議院議員亀井久興君から説明を聴取いたします。衆議院議員亀井久興君。
○衆議院議員(亀井久興君) 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律案について、提案者を代表して、その提案理由を御説明いたします。 現下の厳しい経済情勢のもとで、個人破産者が十万人を超えるなど、経済的に破綻し、またはそのおそれのある個人及び法人の債務者の数が今急激に増加しております。このため、このような債務者の債務を迅速かつ円滑に調整するための方策を講じることによって、債務者の経済的再生に資するとともに国民経済の健全な発展を図る必要があります。 この法律案は、支払い不能に陥るおそれのある債務者等の経済的再生に資するため、民事調停法の特例として特定調停の手続を定めることにより、裁判所における民事調停の手続を利用して、そのような債務者等が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を促進しようとするものであります。 この法律案の要点は次のとおりであります。 第一に、支払い不能に陥るおそれのある者、事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難である者等を特定債務者とした上で、特定債務者は、金銭債務に関する利害関係の調整であってその経済的再生に資するためのものについて、特定調停の申し立てを行うことができることとし、あわせてその申し立ての手続等を規定することといたしております。 第二に、同一の特定債務者についての複数の事件の一括処理を容易にする観点から、異なる裁判所間の事件の移送や関係権利者の参加の要件の緩和を図り、また同一の裁判所に係属する複数の事件の併合に関する規定等を整備することとしております。 第三に、特定調停の内容については、特定債務者の経済的再生に資するとの観点から、公正かつ妥当で経済的合理性を有するものでなければならないこととし、調停委員会は、そのような内容の合意が成立する見込みがない等の場合には、調停を不成立として事件を終了することといたしております。 第四に、成立すべき特定調停の内容の適正を担保する観点から、特定調停を行う調停委員会の民事調停委員の指定に関する規定を整備するとともに、当事者は債権債務の発生原因、内容等に関する事実を明らかにすべき義務を負うことを明らかにし、また必要な資料の収集に関する調停委員会の権限を拡充するため、当事者または参加人に対する文書等の提出命令、官庁等からの意見聴取等の規定を整備することとしております。 第五に、特定調停の成立の促進を図る観点から、民事執行手続の停止の制度を拡充するほか、書面による調停条項案の受諾の制度及び調停委員会が調停条項を定める制度を設けることとしております。 最後に、第六として、その施行については、公布の日から起算して二カ月を経過した日から施行することといたしております。 以上をもちまして、特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律案の提案理由とさせていただき、今後の審議における議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げまして、説明を終わります。
○委員長(風間昶君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。 暫時休憩いたします。 午前九時四十一分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕