財政・金融委員会 第3号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1999/12/09
会議録
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一月十二日、入澤肇君及び堂本暁子君が委員を辞任され、その補欠として星野朋市君及び菅川健二君が選任されました。 また、本日、三重野栄子君及び笠井亮君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君及び八田ひろ子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(平田健二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平田健二君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について、日本銀行から説明を聴取いたします。速水日本銀行総裁。
○参考人(速水優君) 日本銀行の速水でございます。 通貨及び金融の調節に関する報告書の概要につきまして御説明させていただきたいと思います。 去る十二月三日に、日本銀行法第五十四条に基づきまして、本年度上期の金融政策運営に係る半期報告書を国会に提出させていただきました。当委員会におきまして本報告書につきまして御説明の機会を与えていただきましたことを厚く御礼申し上げます。 まず初めに、日本経済の現状に対する認識と金融政策運営について簡単に述べさせていただきたいと思います。 日本銀行が本年二月にゼロ金利政策という思い切った金融緩和措置を講じましてから約十カ月が経過いたしております。この間に、大変厳しい状況にあった日本経済にも徐々に改善の兆しが見られ始めております。まず、本年前半は公共投資と住宅投資が総需要を下支えしてきたと思います。その後、夏場になりまして、アジアを中心とする世界景気の回復を反映して、輸出が明確に増加し始めたと思います。このため、最近では企業の生産活動も回復に転じておりまして、その影響は企業収益にプラスに働き始めているほか、家計所得の面にも徐々に及びつつあるように思います。また、ゼロ金利政策の効果もありまして、金融機関や企業の流動性懸念は大きく後退してきたと思いますし、企業の景況感も改善しつつあるように思います。このため、日本銀行では、景気の現状につきましては下げどまりから持ち直しに転じつつあるというふうに判断をいたしております。 中長期的な課題につきましては、この一年間、バブル崩壊後長きにわたりまして日本経済が直面してまいりました中長期的課題への取り組みにつきましても前進が見られたと思います。第一は金融機関や企業の不良資産の処理であり、第二には新たな国際環境のもとでの産業構造の変革という課題でございます。 まず、不良資産の処理につきましては、まだ終わったわけではございませんが、公的資本の投入を柱とする金融システム安定化策などによりまして、不良資産問題が経済全体の危機につながる懸念はかなり後退してきたように思います。本年春先ごろから企業や消費者のマインドが持ち直してきたように思われますのも、金融再編の大きな流れも含め、金融システムの安定化によるところが大きいと考えております。 もう一つの産業構造変革という課題につきましても、前向きの動きが出てきているように思います。企業の大規模な事業再編、情報通信分野を中心とした新しい企業群の台頭などは新時代の幕あけを予感させるものでございます。 また、本年夏ごろから目立ってまいりましたアジア経済の回復はこうした日本経済の変革の動きと相互に好影響を及ぼし合っている面があるように思います。日本を含めた東アジア諸国全体として拡大していく力が働き始めている可能性があるように思います。 次に、日本経済の展望について触れさせていただきます。 以上のように、日本経済はようやくバブル崩壊後の長期停滞から脱却する足がかりをつかみつつあるように思います。株価がこの一年で約五割上昇いたしましたことも、そうした期待感を市場参加者が強めていることの反映と思われます。 しかし、自律回復に向けての展望は現時点ではまだ確実なものとなっているとは言えません。金融システムが一応安定したとは申しましても、金融機関は中期的な経営健全化の途上にあり、金融仲介機能が十分に回復されるに至ってはいないというふうに思います。また、経済の一部に次第に新しい流れが起こりつつあるとは申せ、全体として見ますと、まだ過剰な債務あるいは過剰な供給能力が残っております。これらが引き続き設備投資や雇用、賃金の抑制要因として作用しているように思われます。こうした中で、このところやや不安定な動きとなっております為替相場につきましても、それが経済にどのような影響を与えるのか、注意深く見ていく必要があろうかと思います。 これらを踏まえますと、足元の景気は下げどまりから持ち直しに転じつつありますが、先行きにつきましては、個人消費と設備投資など民間需要の動向を慎重に点検していくことが必要な段階と考えております。 当面の日本銀行の金融政策運営につきまして触れさせていただきますと、日本銀行はデフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になるまでゼロ金利政策を継続することを明確にいたしております。以上申し上げましたような景気や物価の情勢を踏まえますと、まだゼロ金利政策を解除できる段階には至っていないと判断いたしております。 ゼロ金利政策につきましては、その副作用についてさまざまな御意見があることも承知いたしております。しかし、現段階では、最近見られ始めた経済の前向きな動きを将来につなげていくためにも、金融面から経済活動をしっかり支えていくことが重要と考えております。 終わりに、金融政策運営をめぐりましては、こうしたゼロ金利政策についての評価を初め、政策運営の手法や枠組みなどを含めましてさまざまな論点があろうかと存じます。今後、御意見を幅広くちょうだいいたしますとともに、日本銀行の考え方をできるだけ率直に御説明申し上げて御理解を賜りたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(平田健二君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(平田健二君) 証人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のうち、商工ローン問題に関する件に関し、来る十二月十四日午前九時三十分に株式会社日栄代表取締役社長松田一男君を、同日午後一時に株式会社商工ファンド代表取締役社長大島健伸君を証人として出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、証言を求める事項の通知その他の手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本会議散会後に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後五時五十四分開会
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者衆議院議員相沢英之君から趣旨説明を聴取いたします。相沢英之君。
○衆議院議員(相沢英之君) ただいま議題となりました貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 現在、貸金業者の業務の運営がいわゆる商工ローン問題を中心に大きな社会問題となっております。これは、貸金業者からの貸し付けに係る保証契約について、保証人が保証契約の内容を十分に理解できないうちに契約を締結してしまうこと、いわゆる根保証契約において保証の対象となる新たな貸し付けが債務者に対して行われても当該保証人には何ら通知がなされないこと、貸金業者に対する取り立て行為規制について脱法的な行為が行われていること等によるものであります。また、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律第五条第二項の上限金利が四〇・〇〇四%と、現下の超低金利下にあっていかにも高い水準に設定されていることも問題を深刻なものとしております。 このような貸金業者の業務の運営が社会に重大な影響を及ぼしている現状にかんがみ、貸金業者等に必要な規制を加えて利用者等の利益の保護を図るとともに、処罰される金利の限度を引き下げて高金利による弊害を取り除くためには貸金業の規制等に関する法律等を改正する必要があると考え、本法案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして御説明申し上げます。 まず、貸金業の規制等に関する法律の改正案について申し上げます。 第一に、貸金業者が貸し付け条件についての掲示、広告、債務者等に対する書面交付等を行う場合には、貸し付けの利率については、手数料、調査料その他何らの名義をもってするを問わず、実質的な金利により表示しなければならないことを法律で明記することとしております。 第二に、貸金業者が保証契約を締結しようとする場合には、保証人に対して当該保証契約を締結する前にその内容を説明する書面を交付しなければならないこととしております。 第三に、現在、貸金業者は保証契約を締結するときにのみ保証人に対して貸付契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならないとされているものを、根保証契約において債務者に追加融資が行われた場合にも、その都度、当該保証人に対して書面を交付しなければならないこととしております。 第四に、貸金業者の貸し付けに係る契約について保証した保証業者が弁済をした場合や、貸金業者が委託して第三者が弁済をした場合のこれらの者が行う求償権等に係る取り立て行為を規制する等のため、所要の規定を整備することとしております。 第五に、規制違反に対する罰則を全面的に強化することとしております。 次に、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の改正案について申し上げます。 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律第五条第二項の上限金利を現行の四〇・〇〇四%から二九・二%に引き下げることとしております。 次に、利息制限法の改正案について申し上げます。 利息制限法第四条の賠償額予定の制限について、現在、同法第一条第一項に定める利息の最高限の二倍までと定められているものを一・四六倍までに引き下げることとしております。 また、その他所要の法律措置を図ることといたします。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(平田健二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十九分散会