経済・産業委員会 第3号
- 発言数
- 298 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1999/12/02
会議録
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、渡辺孝男君、足立良平君、須藤良太郎君及び陣内孝雄君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君、内藤正光君、青木幹雄君及び斉藤滋宣君が選任されました。 また、本日、青木幹雄君及び続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として久野恒一君及び荒木清寛君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として原子力安全委員会委員長佐藤一男君、科学技術庁原子力局長興直孝君、同原子力安全局長間宮馨君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び同長官官房審議官藤冨正晴君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。中曽根科学技術庁長官。
○国務大臣(中曽根弘文君) 原子力災害対策特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 本年九月三十日に発生いたしました株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとりまして、初めて住民の避難や屋内退避が要請された極めて重大な事故でありました。 事故対応の教訓として、我が国における原子力災害に対する対策について、迅速な初期動作、国と地方公共団体との有機的な連携、原子力災害の特殊性に応じた国の緊急事対応体制の強化、原因者である原子力事業者の責務の明確化等の必要性が明らかとなりました。 本法案は、このような現状にかんがみ、原子力災害に対する対策の抜本的な強化を図ることとし、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置その他原子力災害に関する事項について特別の措置を講ずるものであります。 次に、本法案の要旨を御説明いたします。 第一に、本法案は、原子力災害の特殊性にかんがみ、関係法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的としております。 第二に、原子力事業者に対し、原子力事業者防災業務計画の作成、原子力防災組織の設置、原子力防災管理者の選任、放射線測定設備の設置、原子力防災資機材の備えつけ等を義務づけることとしております。 第三に、主務大臣は、原子力事業所ごとに緊急事態応急対策拠点施設を指定するとともに、国、地方公共団体、原子力事業者等が共同して行う防災訓練の実施のための計画を作成することとしております。 第四に、原子力防災管理者に対し、一定の事象の発生についての通報を義務づけるとともに、主務大臣は、原子力緊急事態が発生したと認めるときは、内閣総理大臣に必要な情報の報告等を行うこととしております。 第五に、内閣総理大臣は、原子力緊急事態の発生についての報告等があった場合には、原子力緊急事態宣言を行うとともに、原子力災害対策本部及び原子力災害現地対策本部を設置することとしております。 第六に、原子力災害対策本部長は、関係指定行政機関の長、地方公共団体の長、原子力事業者等に対する必要な指示、防衛庁長官に対する自衛隊の部隊等の派遣要請、原子力安全委員会に対する技術的事項についての助言の要求等をすることができることとしております。 第七に、原子力災害現地対策本部及び地方公共団体の災害対策本部は、原子力緊急事態に関する情報を交換するとともに、緊急事態応急対策について相互に協力するため、緊急事態応急対策拠点施設において、原子力災害合同対策協議会を組織することとしております。 第八に、指定行政機関の長、地方公共団体の長、原子力事業者等は、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策を実施しなければならないものとするとともに、原子力事業者は、指定行政機関の長、地方公共団体の長等の実施する緊急事態応急対策が的確かつ円滑に行われるよう、原子力防災要員の派遣等必要な措置を講じなければならないこととしております。 第九に、科学技術庁及び通商産業省に原子力防災専門官を置くこととするとともに、この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し、報告の徴収または立入検査ができることとしております。 以上がこの法案の提案理由及び要旨でありますが、この法案につきましては、衆議院において修正が行われたところでございます。 この法案は、同時に提案されております核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案により原子力の安全対策に万全を期することと相まって、万が一の際の防災体制を確立するためのものであり、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 本年九月三十日に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における我が国初の臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって、これまでの原子力安全についての規制に対する信頼を損なう極めて重大な事故でありました。従来、加工施設については国による定期的な検査の受検が義務づけられておりませんでしたが、これまでの事故原因の究明により、ジェー・シー・オー社の加工施設においては法令に違反した危険な作業が行われていたこと、今回の事故は高濃度の核燃料を製造する際に同様の危険な作業を行ったことにより生じたこと等の事実が明らかにされております。 本法律案は、このような重大な事故から得られた教訓を踏まえ、原子力安全についての規制体系全体を見直し、加工の事業についての保安対策の強化、製錬、加工等の事業等についての保安教育及び保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定を整備するものであります。 次に、本法律案の要旨を御説明いたします。 第一に、加工施設についての定期検査等に関する制度の新設であります。 加工の事業の保安対策の強化につきましては、これまで国による施設の性能に関する検査の受検が義務づけられていなかった加工施設において事故が生じたこと、近年、加工の事業の形態が変化していること等にかんがみ、施設の使用前にその性能について検査することとするとともに、使用開始後も、国による毎年一回の施設定期検査の受検を義務づけることとしております。また、加工施設の解体についても、国への届け出等を義務づけることとしております。 第二に、保安教育、保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定の整備であります。 事業者等及び従業者が遵守すべき保安規定において、核燃料物質の取り扱い等に関する保安教育についての規定が含まれることとし、事業者等は従業者に対して保安教育を行う義務を有することを明らかにしております。 さらに、事業者等に対して主務大臣が定期に行う保安規定の遵守の状況に関する検査を受検することを義務づけるとともに、これを実効性あるものとするため、科学技術庁及び通商産業省に当該検査に関する事務に従事する原子力保安検査官を置くものとしております。 第三に、主務大臣に対する申告に関する制度の新設であります。 事業者等がこの法律に違反する事実がある場合には、その従業者は、かかる事実を主務大臣に申告することができることとし、事業者等は、当該申告がなされたことを理由として、当該従業者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものとしております。 以上が本法律案の提案理由及び要旨であります。 この法律案は、同時に提案されております原子力災害対策特別措置法案により万が一の際の防災体制を確立することと相まって、原子力の安全対策に万全を期するためのものであり、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(成瀬守重君) 次に、原子力災害対策特別措置法案の衆議院における修正部分について、衆議院科学技術委員長北側一雄君から説明を聴取いたします。北側一雄君。
○衆議院議員(北側一雄君) ただいま議題となりました原子力災害対策特別措置法案に対する衆議院における修正部分について、その内容を御説明申し上げます。 本修正は、衆議院の科学技術委員会における法律案についての審議を踏まえたものであり、事業者の原子力防災管理者から事象の発生について通報があった場合の国の原子力防災専門官の業務につきまして、その明確化を図ることにより、地方公共団体が主体となって実施する応急措置に遺漏なきを期すもので、第三十条第二項に定める原子力防災専門官が行う原子力災害の発生または拡大の防止の円滑な実施に必要な業務として、「地方公共団体が行う情報の収集及び応急措置に関する助言」が含まれることを明記したものであります。 以上が衆議院における修正の内容であります。 本修正案は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案によるもので、全会一致をもって修正すべきものと議決した次第であります。 何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(成瀬守重君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。 前回、私は決算委員会の方で斉藤政務次官といろいろこの原子力問題を議論させていただきました。本日は大臣がいらっしゃいますので、主に大臣に御答弁をいただきたいと思っております。 今回、私は、まず中間報告、そして今回提出されました原子力二法、そして最後に原子力安全委員会、大きく言ってこの三点にわたって質問をさせていただきたいと思います。 まず、中間報告でございますが、科技庁の被曝調査、最近出たわけでございますが、三百五十メートル圏内においても一・四ないし百十ミリシーベルトという結果が出ております。これは年間の許容量が一ミリシーベルトであるということを考えますと、かなりの高レベル、百倍以上の高レベル、大変周辺住民の健康に大きな懸念が抱かれるわけでございます。 そこで、お伺いしたいのは、周辺住民の健康調査について、具体的に今どんなことを実施しているのか、また実施してきたのか、そしてまた並行してその結果についてつまびらかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 当科学技術庁及び放射線医学総合研究所は、より精密な個人の被曝線量を推定するために、地方自治体の協力をいただきまして、十一月十九日から二十二日にかけて行動調査を実施したところでございます。 具体的には、おおよそ三百五十メーター以内の避難要請区域に居住または勤務する方を対象に、放医研、放射線医学総合研究所でございますが、こちらよりの二名とそれから県の保健婦の一名の計三名を一班とする調査員が戸別に訪問いたしまして、事故発生当時から臨界終息時までのおよそ二十時間にわたる個々の方々の居場所、行動経路とともに建物の種類、それから年齢、妊娠の有無などの項目について調査を実施いたしました。 現在、住民の方は全員、また勤務者の方は九割以上についての調査を終了しておりまして、この結果につきましては、現在、事故調査対策本部で行っております理論的な推定線量の精度向上に関する検討とあわせ、個々の住民の方々の線量を推定していくこととしております。 また、この行動調査をもとに明らかにされた推定被曝線量については、健康管理検討委員会におきまして、長期的な健康管理が必要と考えられる方を把握するために検討されることになっております。
○内藤正光君 それでは、具体的にお伺いしたいんですが、現時点までの調査で何人を対象に調査し終えていて、そして何人の被害者といいますか、被曝者が判明しているのか教えていただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) どういう調査かという御質問でございますが、先ほど大臣から申し上げましたように、事故発生当時から臨界が終息するまでおよそ二十時間。その二十時間の間の居場所、それから行動経路、それからいたところの建物の種類、年齢、妊娠の有無等でございます。 それから、大臣の答弁の中にございました推定被曝線量の精度を上げる作業、これも現在鋭意進めているところでございます。
○内藤正光君 現在鋭意進めているところということなんですが、具体的に現時点での調査の計画を教えていただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現時点では、先ほど大臣が答弁申し上げましたように、住民の方は全員、勤務者の方については九割の行動調査を終えております。それから、その人数は約三百名弱でございます。 それぞれの方の行動に対して空間線量率がいわゆる推定値として出ておりますけれども、この空間線量率、かなり安全側、安全側といいましょうか、実際の被曝よりも高い、数値として考えられる最大値という形で推定をさせていただきました。その推定値につきましても、建物の種類によってどれだけ遮へい効果があるんだろうかとか、またそういうことも含めてより正確な被曝線量の推定値を出しているところでございます。 また、いわゆる臨界発生量のパターンとして、バースト部があって、その後かなり低い安定した状態で臨界が続くというパターンがございましたけれども、そのバースト部と継続した臨界等につきましても、より今精密なその比率ですね、臨界量といいましょうか、核分裂数の比率についてもより今精密に検討をしているところでございます。
○内藤正光君 妊娠の有無についてもということをおっしゃいましたが、やはりそのほかにも、これから子供を持たれる方の場合はやっぱり子孫にまで当然長い影響が、悪い影響が懸念されるわけでございますし、また被曝をされた当の本人につきましても、例えば白血病だとか、がんだとか甲状腺ホルモン異常等々起こる可能性があるわけでございます。 こういったことを考えますと、やはり調査は今回限りというふうにするのではなくて、今後何十年間も継続して調査を続ける必要があるかと思います。今後の継続調査といいますか追跡調査についての計画、御予定についてお伺いしたいわけですが、その際、期間だとか規模あるいはまた具体的にどんな項目を調査していくのか、あわせて教えていただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 内藤委員御指摘のように、長期的な検討、これが大事でございます。今後、より精密な推定被曝線量に基づいて個々の方々の被曝線量を出していくわけでございますけれども、健康管理検討委員会の中で、この方については長期の検討が必要である、長期に見ていかなければならない、このように健康管理検討委員会の方で検討された方については、長期にその検討を長期的な健康管理について行っていく予定でございます。 ただ、その調査項目、それから対象者、内容、頻度につきましては、今後健康管理検討委員会の方で具体的に詰めていくということでございます。
○内藤正光君 いずれにしましても、今回の事故で大変な被害に遭われた方は、少なからず、もう本当に大勢いるわけでございます。 そこでお伺いしたいのは、こういった被害を受けられた方々、健康被害に遭われた方々への補償を具体的にどのような形で進めていかれるんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の事故では、作業中に被曝された三人以外には直ちに健康に影響を生ずるような被曝をした方々はいないものと承知をしております。しかしながら、原子力安全委員会に設置されました今申し上げました健康管理検討委員会、ここでは推定被曝線量に基づいた周辺住民の長期的健康管理のあり方についての検討を行っておりまして、今、政務次官から御説明したとおりでありますが、この結果を踏まえて、地元の自治体とも協力をし、周辺住民の健康管理に万全を期したい、そういうふうに考えております。 また、補償につきましては、科学技術庁の指導によりまして、ジェー・シー・オーが東海村の駅前に相談窓口を開設しておりまして、この相談窓口において今対応しているものと承知をしております。
○内藤正光君 補償の具体的なこれからの進め方をお伺いしたかったんですが、それはまた再度聞きます。 その前に大臣、従業員以外には被曝をされた方はいないというふうにおっしゃったと思いますが、ただ、ここに毎日新聞の記事がありますが、十一月十六日の記事なんですが、千八百三十八人血液検査、尿検査等を行ったところ、三人についてこれから追跡調査が必要だというふうに書かれておりますが、大臣の答弁とはちょっとこれ食い違うと思いますが。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど私申し上げましたのは、作業中に被曝された三人以外には直ちに健康に影響を生ずるような被曝をした方々はいないものと承知していますと申し上げまして、直ちに健康に影響を生ずるような被曝をした方々という言い方で先ほど御説明させていただきました。 現在、今回の事故において測定値によりまして被曝が明らかになっていますのは、事故時に転換試験棟において作業をしておりましたこの三名の方、それから消防関係者の方、これが三名でございます。それから、一般住民七名の方、及び株式会社ジェー・シー・オーの従業員、これには関係会社の方も含みますが五十六名の、合計六十九名でございまして、また、その後の水抜き作業等に従事することによりまして被曝をした方が二十四名おられる、そういうことでございます。
○内藤正光君 そこで、補償の進め方なんですが、原子力被害が生じた場合に原子力損害賠償法というのがあろうかと思います。これは保険で、例えば加工事業者の場合はマックス十億円まで保険から出るというふうになっておりますが、まずこれで進めるというふうに理解してよろしいんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 手続的なことを申し上げますが、先ほど東海村駅前に相談窓口を開設すると申し上げました。ここへ住民の方等から申し出等がなされれば、ジェー・シー・オーは具体的被害金額の裏づけとなる書面とか資料等の御提示をお願いすることになります。そして、そういう資料等の提示をいただいて、具体的な賠償の前提となる諸手続を進めていくというのが手順になっております。 また、直接の健康被害がない場合でも、被曝が認められた住民の検査費用、そういうものの補償につきましてもこうした手続に沿って対応されていくことになろうかと思います。 また、原賠法でございますけれども、これは被害者による損害賠償請求権の立証を容易にするとの観点から原子力事業者の無過失賠償責任制度を導入しておりまして、被害者の立証責任の緩和を図っているところでございます。 因果関係につきましては、原告、つまり被害者の側でございますが、原告側がこれを立証するというのが民事賠償制度上の原則でありまして、原賠法もこれに従ったものでございます。 しかしながら、場合によりましては、因果関係の立証が容易でない事態が生ずることも考えられますために、科学技術庁としては、損害認定の迅速化、円滑化を図るために発足させました原子力損害調査研究会におきまして原賠法の相当因果関係の考え方について整理をしているところであります。この研究会の検討結果により、被害者側の立証負担の軽減に資するものになると考えております。
○内藤正光君 そうはいっても、基本的には、原則的には因果関係の立証責任は住民側にあるということでよろしいんですか、大臣の答弁は。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原賠法は、基本的に民法、民事訴訟でございまして、その原則からするならば、住民側にその立証責任があるわけでございますけれども、先ほど大臣が答弁申し上げましたように、いろいろな措置でその立証負担の軽減措置がとられているということでございます。
○内藤正光君 負担の軽減がとられようが、結局は何がしかの負担がかかるわけですよね。突然ジェー・シー・オーのあるいはまた科技庁の監督責任、いろいろな、もろもろの問題で生じた災害による被害を受けている。ただでさえも大変な被害者なんですよ。健康上の被害、心理的な被害、あるいはまた経済的な被害、あるいはまた、もしかしたら、あってはならないことかもしれないけれども、今後結婚するというときだって、東海村の出身ということで差別を受けるかもしれない。大変な被害を受けるわけですよ。一生背負っていくわけですよ。そういう被害者に対して、負担軽減措置をするとは言いつつも、やはり何がしかの立証責任を負わせる、これはちょっと理不尽とは思いませんか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 被害者側による因果関係の立証、これが困難なそういうような損害の賠償に備えまして、原賠法に基づいて、既に原子力損害賠償紛争審査会、こういうものを設置しております。この審査会が公正中立の立場から損害の調査とか評価を行いまして、これを踏まえて、和解の仲介を行うこととなっております。私ども科学技術庁といたしましては、こうした取り組みによりまして可能な限り被害者の方々の立証負担を軽減すべく努めてまいりたい、そういうふうに思っております。
○内藤正光君 これは念押しの確認にもなるのかもしれませんが、例えば数十年後、二十年後か三十年後かもしれません、万々が一、白血病だとかあるいはまたがんが発症した場合、この因果関係についても立証責任は基本的には住民にあるということですね。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど申し上げましたけれども、因果関係につきましては被害者側、つまり原告側がこれを立証するというのが民事賠償制度上の原則でありまして、原賠法もこれに従ったものでございます。
○内藤正光君 そのときは、調停委とおっしゃいましたか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 審査会です。
○内藤正光君 審査会がもう何十年たとうがその因果関係の立証を手助けするということでよろしいんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今私ども考えておりますのは、この事案が終わるまでということで、原子力損害賠償紛争審査会はこの事案が終わるまでということでございます。
○内藤正光君 具体的に、事案が終わるまでというのはどういうことですか。
○委員長(成瀬守重君) 答弁急いでください。速やかにお願いします。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こして。
○国務大臣(中曽根弘文君) 失礼いたしました。 必要があれば、その後もこの委員会が機能を働かすということでございます。
○内藤正光君 しつこいようですが、必要があればということなんですが、それは、例えば一人の人が発病したと、一住民の主張でそういうのがまた再開されるんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど申し上げましたけれども、個々の方々の健康管理、特に長期にわたる健康管理は、国がその後も健康管理について行っていく、そういうことでございます。
○内藤正光君 ちょっと答弁、私が期待しているものが出てこないんですが、この手の被害というのは、最初の検査、健康調査ではパスしても、やっぱりそのときは見抜けなかったような、例えば遺伝子異常だとかいろいろなものがあって、何十年後かに発症する可能性はあるというたぐいのものだと思うんですよね。 ですから、二十年後、三十年後発症したとき、立証責任を手助けしてくれる機関がないというのは、私ははっきり言えば責任放棄にほかならないんじゃないかと。ましてや、今すぐだったら立証も容易なものも、一般的に言いまして、やっぱり二十年、三十年と時がたつほど立証というのは難しくなるわけなんですよ。その点をどのようにお考えになられているのか、ちゃんと明確な答弁をお願いしたいんですが。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど大臣が申し上げました民法上、民事賠償制度上の原則、これは民事賠償制度上の大原則でございまして、一応その大原則はございますけれども、しかし現実問題としてその立証責任を被害者の方が負うということは実質的には避けていきたいというのが科学技術庁の基本的な姿勢でございます。 したがいまして、この原子力損害調査研究会という研究会を設けて、今回、今内藤委員おっしゃいましたようなこの特殊な事例について、その因果関係についてはどういう形で、時間的なファクターも含めて検討をしていく、そして法的には先ほど申し上げました原子力損害賠償紛争審査会、これが決めていくということでございます。 もっとある意味で整理して言いますと、先ほどお話のありました健康管理検討委員会、これは専門家が集まったそういう健康管理検討委員会でございます。その中で、この人については長期的に見ていかなくてはいけないのではないかと、このような判断が下されるわけでございまして、そういう方について将来健康被害が起きたときには、もうそのときには事案が終わっているから知らないということではなくて、それはまだ事案が終わっていないということでございまして、当然その立証責任については本人が実証しなきゃいけないというふうなことではなく対処していけるように、今いろいろな制度を整えているところでございます。
○内藤正光君 私が申し上げている半分はお答えいただいたかと思うんですが、早い段階である程度これは追跡調査が必要ありと認められた患者については、ある意味ではそれはいいんです。私がもう半分問題にしておりますのは、最初の試験で、早い段階で発見されなかったような人、そして何十年後かにひょこっと発病した人、発症した人、こういった人については救いの手は何にもないのか、泣き寝入りするしかないのか、そこを私はお答えいただきたいと思うのですが。
○政務次官(斉藤鉄夫君) それも含めて医学的な見地からこの健康管理検討委員会において検討されると、このように認識をしております。
○内藤正光君 フォローするということなんですが、推定線量でいかほどぐらいの人を今後具体的にフォローしていこうとなさっているんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) その点につきましても、放射線影響等についての学問的知見を持っていらっしゃる健康管理検討委員会の方で検討されるということでございます。
○内藤正光君 検討される。具体的にいつまでとかいうのは、できる限り早い方がいいわけですが、教えていただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほども申し上げましたけれども、今二つの努力をしております。一つは行動調査、一つはより正確な推定線量、その二つ鋭意急ぎまして、できるだけ早い時期に公表したいと思っております。
○内藤正光君 もう周辺住民は大変な心理的に重圧を受けているわけですよ。もう一日一日大変な苦しみの中に生きている。鋭意急いでいるとか早くやるように努めるとか言うんじゃなくて、もう本当に、本当にもう早くやっていただかなければ困るわけなんです。 そしてまた、先ほどから私が再三再四申し上げておりますように、もう周辺住民は既に大変な被害を受けている、経済的にも心理的にも肉体的にも。その上さらに何十年後かに白血病等が発症して、そしてその因果関係を立証しなきゃいけないという、そんな大変な苦しめるようなことがあってはならない、許されないことだと私は思います。 そういった意味で、そういった人を少しでも少なくするためにも、今本当にこの時期に徹底的に調査をしていただかなければ困るわけです。その辺の決意をまずお伺いしたいんですが。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私ども、今回の事故を、単に事故原因の究明、再発防止、これはもちろん大変重要なことでありますが、それだけではなくて、住民の方々の健康の問題、心のケアの問題、あるいはさらに風評被害等の問題まで含めまして、大変に重く受けとめておりまして、また、一日も早く住民の方々がもとの生活に戻れるようにとのことで、私どもで考えられるあらゆる手だてを行っているところでございます。 そういう基本的な考え方がございますので、先ほどから申し上げておりますけれども、今ありますこういう研究会等の組織をフルに生かしまして、今後の住民の皆さん方の健康不安、健康管理にも国として長期的にも取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○内藤正光君 長官は先ほど風評被害という言葉を述べられましたが、ちょっと風評被害についてもお尋ねしたいと思います。 中間報告でこのように出ておりますが、「事故後の誤った認識に基づく風評被害が相当程度発生している。」と。そしてまた、茨城県の調査においても、事故後一カ月の間に被害額は百五十億円に上ったということも書いてあります。実際、具体的には、先月の二十六日に、創業明治三十五年の旅館も相次ぐキャンセル客で経営が行き詰まって倒産をしてしまっているというような事例も見受けられるわけなんですが、こういった風評被害に対する具体的な対策あるいはまた補償に対する考え方を教えていただけますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 大変申しわけありませんが、御質問の事前の通告がなかったものですからすっきりした答弁ができないかもしれませんけれども、地元の知事さんあるいは町村長さん、また農業あるいは商工会の皆様方からも、この問題についての国の対応また支援対策というものを強く要請をされておるところでございます。 風評被害につきましては、大変にいろいろな方々からこの賠償といいますか対応についてのお問い合わせがあるわけでありますけれども、一番大切なことは、正確な情報といいますか、そういうものを把握するということがまず大事だと思っております。それで、私どもは、東海村に設置いたしましたこれのための相談窓口がございますけれども、その相談窓口あるいはジェー・シー・オーまた農林水産省等に寄せられる風評被害に関する情報の把握に今努めているところでございます。 そして同時に、風評被害を払拭するために私どもいろいろな方策を考えているところでございますが、国民の皆様に対するそういう点についての御理解、御理解といいますのは、もう安全でありますというような御理解の広報活動をすること等も必要だと思っておりますし、また環境モニタリングの結果等の積極的な情報公開、あるいは例えばニュースレター、そういうようなものも作成いたしまして発行いたしまして、また県が行う観光PR等の風評対策に対しても協力を行う、そういうようなことを考えておるところでございます。 なお、農林水産省の関係におきましても、食品検査の結果等についての広報活動に力を注いでいるものと承知をしております。それから、悪質な事例、そういうものがあってはならないわけでありまして、情報収集の過程で悪質なものが発見されればしかるべく対応していきたい、そういうふうに思っているところです。
○内藤正光君 具体的なそういった対策及び補償についての予算措置はどれぐらいとられているんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 通告がないんですけれどもね。
○委員長(成瀬守重君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。 ただいまについては事前の通告がなかったようですが、数字その他については後ほど報告することにして、方向性だけについては長官よりまた御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど申し上げましたけれども、ジェー・シー・オーが当然これに対しての賠償をまず行うべきところでございまして、風評被害等による損害賠償につきましては、私どもはジェー・シー・オーを指導いたしまして、そして早期にこの支払いが行われるように、そういうふうにしているところでございます。ジェー・シー・オーの社長あるいは親会社の役員の皆さんに対しましても、私から再三早期にこの支払い等を行うように要請もしておるところでございます。 それから、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、三百五十メーター以内にお住まいの方々や御勤務の方々、あるいは十キロ以内の方々等の健康診断等についても、それの先ほど申し上げましたが証明できるようなものがあれば、健康診断にかかった費用等の支払いも、これも早くやっていただくようにお話をしているところでございます。それから、風評の内容につきましても早期に対応できるよう指導している、そういうことでございます。
○内藤正光君 風評のことは事前通告なくて大変申しわけございませんでした。 先ほど長官は親会社にも支払いを求めていくとおっしゃいました。ジェー・シー・オーの親会社に。おっしゃいましたね。ところが、私の知る限りでは、この原子力損害賠償法というのは親会社にまで損害賠償を請求することはできないはずなんです。保険の枠内でも十億円までですよね。そしてさらに言えば、ジェー・シー・オーが今後存続し続けるかどうか。あるいはまた、もっと言えば、その先に、本当に百五十億円風評被害が出ていると言いますが、もっとあると思うんです。その支払い能力が果たしてあるのかどうか。そしてまた、ジェー・シー・オー自体そのものがなくなってしまった場合どうするのか。大変不安なんですが、教えていただけないでしょうか。これも質疑の中で出てきた私の疑問ですので、お答えいただきたいと思いますが。
○国務大臣(中曽根弘文君) 原賠法では、委員も御存じのとおり十億円という額が決められておるわけでございますが、ジェー・シー・オーには無限無過失責任があるわけでありまして、十億円を超えた額につきましても、ジェー・シー・オーの支払いにつきましては、その可能な限りの賠償をジェー・シー・オーがやっていくということでございます。 また、親会社につきましては、これは一〇〇%の子会社ということもありまして、私どもとしては社会的、道義的責任はある、そういうふうに思っておりまして、そういう観点から、支払いをしてくださいと申し上げたのではなくて、できるだけの親会社としての協力をお願いしたい、そういうふうに親会社の社長さんにもお話ししましたところ、できるだけの協力はいたしましょうと、そういうことでございます。
○内藤正光君 確かにこの原子力損害賠償、無過失無制限の責任をジェー・シー・オーは負わされる。ただ問題は、ジェー・シー・オーに実際としてそれだけの責任能力がないわけなんですよ。倒産してしまえば全くなくなる。そしてまた、親会社に対しても求めていくということなんですが、いろいろ住専の問題等々見てみても、お願いするといってもなかなか、はい、わかりましたと本当に払ってくれるのかどうか、そんなのは今どこにも保証がないわけですよ。何かもっと明確なことを教えていただけませんか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 親会社に対しましては、先ほども申し上げましたけれども、そういう社会的、道義的責任はあるだろうという観点から協力の要請を私どもしておるところでありまして、それに対しての社長の回答は先ほど申し上げたとおりでございます。私どもとしてはそういう働きかけを行っていくということでございます。
○内藤正光君 もっと言いますと、ジェー・シー・オーの役員に対しての個人的な追及は行われるんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員のおっしゃる個人的責任というのはどういうことを指すわけでございますか。
○内藤正光君 金銭的に、支払いに。
○国務大臣(中曽根弘文君) 現在、事故の原因究明とかそういうものが行われている最中でございまして、私はこういうことにつきましては、これらが解明されてからのことだと思っております。
○内藤正光君 徹底してやっていただきたいと思います。 ちょっと話題を変えまして、先月出されました中間報告あるいはまた緊急提言の中で、読んでいきますと「国による検査機能を強化する」という言葉が見受けられるかと思います。具体的には、聞いていていただければ結構なんですが、「原子炉等規制法第六十八条に基づく立入検査等について、より効果的に実施するよう運用する」だとか、「加工事業等に係る規制項目を追加」する、そして「定期検査等を義務づける」等々いろいろ、要は検査項目をふやすだとか強化するだとかいう言葉が散見されるわけなんです。 ところが、考え方を教えていただければ結構なんですが、現行の体制、さきの決算委員会の中の政務次官の答弁でも明らかになったように、最低限の保安規定遵守状況調査すらも人手がないとか言っておろそかになっていたというのが現実だったかと思います。そういった現実があるわけです。一方では定員をおいそれふやせないという、枠があるわけです。そこで、そういった枠の中で、制限の中で具体的にどう検査体制を強化していこうと考えていらっしゃるのか、方向性だけでも教えていただけますでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回、原子炉規制法の改正によりまして保安検査官を法律上明記いたしました。この保安検査官について、内藤委員おっしゃるように人員を確保してきちんと、これは科技庁関係、通産省関係二つに分かれるわけでございますけれども、人員を確保し、万全の体制をとっていきたいと思います。 また、今回法律の中で、これまで定期検査の対象となっていなかったウラン加工施設等についても今後その対象となります。法律でその業務が拡充されるわけでございますから、それに向けて人員の拡充等、努力をしていきたいと思いますけれども、これは今後検討をさせていただきます。 それから、今、内藤委員おっしゃった点、非常に本質的な問題を含んでいるところでございます。じゃ、どこまで検査するのか、もう行き詰めれば一人の作業員に一人の国家公務員がついて常時後ろから見ているというところまで行き着きます。それは現実的ではございません。どこら辺に線引きをするかという、これは合理的な検討が今後必要になってまいります。その検討をして、しかし人員の補充はこれは必要でございますので、鋭意努力していきたいと思っております。
○内藤正光君 ちょっとテーマは変わりまして、次は原子力二法案について質問させていただきたいと思います。 まず第一点目は、原子力防災法第二条においてその対象範囲が書かれているかと思います。例えば、イでは加工事業者、ロでは原子炉設置者等々と書かれているんです。かなり範囲もふえたなと私は思っているんですが、問題はヘの部分で、核燃料物質使用者のところなんですが、そこをよく見ますと、規制法第五十六条の三第一項というただし書きといいますか、要は制限が加わっている。これをずっと読んでいきますと、最終的に行き着くのが核燃料物質使用者すべてが当てはまるわけじゃないんです。 つまり、どういう条件がつくかといいますと、扱うウランの量が三トン以上という制限が加わっているわけなんです。これは三トン以下だったらどうかという話もいろいろあるんですが、私がここで問題にしたいのは、ここにおいては濃縮ウランについては何ら規定がないわけなんです。つまり、どういうことが起こるかといいますと、核燃料物質使用者であっても、例えば二〇%濃縮ウランを八キログラム使っていたとしますが、これをそのまま読みますと対象外となるというふうに見受けられますが、そう理解してよろしいんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今ちょっと法令が手元にございませんけれども、二〇%濃縮ウランを八キログラムも扱っていたら小規模施設ということにはならないと思います。
○内藤正光君 つまり、対象外という理解は正しいわけですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 済みません、先ほどの私の答弁はちょっと私の感覚で答えたんですけれども、今法令がありまして、十六条の二、「施設検査等を要する核燃料物質」ということで、一、プルトニウムの量が一グラム以上、それから二、三・七テラベクレル以上の使用済み燃料、三、六弗化ウランであればウランの量が一トン以上、ウラン及びその化合物については三トン以上のものということでございまして、これが施設検査を要する核燃料物質、法律で決められているものでございます。
○内藤正光君 という理解の上で再度聞きますが、核燃料物質使用者のうち二〇%の濃縮ウラン八キロあるいは九キロ扱っていても、これは対象外ということですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) この法律上、対象外ということでございます。
○内藤正光君 形状等いろいろな条件等があるかと思いますが、二〇%濃縮ウランで何キログラム以上あれば臨界が起こり得るんでしょうか。大体で結構なんですが。
○委員長(成瀬守重君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今ちょっと詳しい臨界量、いわゆる臨界量は、球状で周りに水があって中性子を反射してという境界、そういう最も臨界を起こしやすい量を臨界量としておりますけれども、私が今頭にありますのは、例えば九十数%の濃縮で最も臨界を起こしやすい形状、条件において大体八百グラムだったかと思います。
○内藤正光君 通告がないないとおっしゃっていますが、これは今回のジェー・シー・オーの事故で明らかになったんですが、大体一八・八%でこれぐらいあれば、二〇%でこれぐらいあれば臨界は十分起こり得るわけなんですよね、十キロ、二十キロあれば。つまり、臨界の発生の可能性を有しながらもこの法案の対象外という、これは欠陥とは違いますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回の事故を深く受けとめて、今回原子炉規制法の改正を行ったところでございます。
○内藤正光君 つまり、今回のジェー・シー・オー事故の教訓というのはどこにあったかというと、一つには、可能性としては否定し切れないところはやっぱりそれなりの対応を整えておくべきだということなんだと思いますよ。 ところが、今回の事故を踏まえてこの法案をつくったとおっしゃいますが、事実として、先ほど私が申し上げた例えば二〇%濃縮ウランを二十キロ、三十キロ扱うところがこの法案の対象外。ところが、臨界の可能性を十分に持っている。私は、これは大変な欠陥だと思いますが、この欠陥を正していかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子炉規制法におきましては、この十六条の二で定める量に満たない比較的少量の核燃料物質を使用する者については、原子炉規制法に基づく保安規定の認可を受けることとはしておりません。そのような使用者につきましては、原子炉規制法におきまして核燃料物質等の使用、保管、廃棄及び運搬について定められた技術上の基準に従って保安のために必要な措置を講ずることが義務づけられております。 さらに、科学技術庁は、使用者がこれら技術上の基準に従っているか調査を行うとともに、使用者に対する説明会を開催し、技術上の基準の遵守について再確認を促し、また、事故、トラブルから得られた教訓の周知徹底を図るなど、一層の安全確保のための取り組みを行っているところでございます。 今回の事故の教訓を踏まえ、比較的少量の核燃料物質しか使用しない者に対しても調査の定期化や実施頻度の向上を図ることとし、核燃料物質の使用に係る安全確保について万全を期していきたいと考えております。
○内藤正光君 一般的な姿勢は当然といえば当然なんですが、ただ、現実としてそういう問題を抱えているという、これは欠陥じゃないかと私は申し上げているわけなんです。その辺の対処をどうされるのか教えていただきたいんですが。
○政務次官(斉藤鉄夫君) それぞれの、いわゆるどれだけの核分裂生成物、核分裂物質があるか、それぞれの形態やそのときの使用状況等を勘案して、また、いろいろな形状管理、秤量管理等の技術も組み合わせて管理をしているわけでございまして、この現在の保安規定で不備はないと考えております。
○内藤正光君 形状管理とおっしゃいましたが、今回のジェー・シー・オー事故で明らかになったのは、幾ら形状管理をするような仕組みをつくっても、人間がちょっとこの辺のプロセスをすっ飛ばして最後のプロセスのところへいきなりぶち込もうとしたら、事故が起こるわけなんです。 本来だったら、規定どおりやっていけば、形状管理がされているわけですから今回のジェー・シー・オーは臨界は起こり得なかったんです。ところが、起きたんです。ですから、形状管理をしているから大丈夫だという姿勢は私はだめではないかなと思うんです。やはり可能性としては、技術的には、科学的には臨界が発生し得るわけです。ところが、本法案の対象外。私はそこを強くついているわけなんですが。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回のものにつきましては、例えば形状管理、それから質量管理、また一バッチごとに処理をしていく、ある意味ではその手順が順当に守られれば起こり得べくない臨界が起きたわけでございます。ある意味では三重のバリアがしてあった。我々、保安規定上は、その三重のバリアがあれば、またそしてその手続にのっとって作業が行われれば十分大丈夫であろうと、このように判断をしたものでございますけれども、しかし、現実にはその三つのバリアをある意味で故意に一気にすっ飛ばしてしまうような作業がされた。そういうことが今回の直接の原因でございます。 先ほど申し上げましたように、いろいろなこの今回の、どれだけの量が扱えるかということについては、先ほど申し上げましたようなもろもろの、いろいろな要素から考えているわけでございます。
○内藤正光君 科学的見地からお答えを。 委員長、私が質問していることが出てこないのですが。済みません。
○委員長(成瀬守重君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど内藤委員おっしゃいました原子炉規制法の施行令第十六条の二でございます。これは政令でございまして、今回の原子炉規制法、いわゆる規制法の法改正に伴いましてこの施行令についても見直していく予定でございます。したがいまして、その中で今後このウラン量の取り扱いについても見直してまいります。
○内藤正光君 じゃ、そういうような不備がないように変えていくという理解でよろしいわけですね。わかりました。 では次、私の同僚議員の櫻井議員に質問を譲りたいと思います。
○櫻井充君 ちょっと確認させていただきたいんです。今の内藤議員のいろいろ質疑を聞いておりまして、根本的なことをお伺いしたいんですけれども、この二法案が成立すれば今回のような事故は本当に起こらないんでしょうか。そういうふうに理解してよろしいんですよね。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私どもは、今回の事故、原因まだ究明終了はしておりませんが、原因を究明し、そしていろいろ反省すべき点あるいは不備がどういう点があったかということを総点検して、そして現時点で考えられる対策、方策というものをこの二つの法案に盛り込んだ、そういうつもりでございまして、事故が再発をしないように全力で今取り組んでいるということでございます。
○櫻井充君 今回の答弁をずっと聞いておりまして、きょうのだけじゃないんですけれども、想定外ということをよくおっしゃいますけれども、今回のこの法案はどの程度の規模の原子力災害というものを想定されてつくられているんでしょうか。緊急のときに。どの程度の規模かということは質問通告しているはずです。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今後、国、自治体が共同して防災訓練を行うわけでございますが、その防災訓練を行うに当たり、事故の想定を行います。その事故の想定につきましては、海外の事例、例えばTMI事故等の内外の事故、それから現在県が中心となって行っている防災訓練、諸外国での防災訓練等を参考にしながら、今後具体的にその点を詰めてまいります。
○櫻井充君 逆じゃないですか。普通はどういうことを想定したから法律をつくるわけですよ。法律をつくってから今後どういう事故に対応するかというのは、これはおかしいじゃないですか。要するに、原子力発電所で一基何か事故が起こって、チェルノブイリクラスのことも想定してこの法律はつくられているんですか。それとも、今回みたいに半径十キロ程度のところで避難すればいいような、そういうような法律なんですか、これは。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回のこの原子力災害対策特別措置法、これは原子力施設に起こり得るであろう考えられる事故を想定しております。
○櫻井充君 そうすると、かなり大きいものもすべて想定しているということですね。そう考えていいわけですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) いろいろな原子力施設がございますけれども、その原子力施設で考えられ得る最大の事故を想定しているというのは、これは当然でございます。
○櫻井充君 それでは、法案についてお伺いしたいんですけれども、この法案の第四条に「国の責務」とございます。基本的なことをお伺いして申しわけないんですが、この「国」とは一体何を指しているんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) この四条におきましては、今委員御指摘のとおり、国の責務として、組織及び機能のすべてを挙げて防災に関し万全の措置を講ずるとともに、地方公共団体への勧告、助言や原子力事業者への指導、助言を行うことが規定されている、そういうふうになっておるわけでございます。 この国の責務は、科学技術庁、それから通商産業省、その他の関係する行政機関が法令に基づく所掌事務等に従って相互に協力して責務を遂行していく、そういうことでございます。
○櫻井充君 そうしますと、長である内閣総理大臣は含まれないということでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今申し上げましたような行政機関の最高の責任者は内閣総理大臣でありますから、内閣総理大臣は含まれるものと思っております。
○櫻井充君 もう一つ、素朴な疑問なんですが、行政側の方が責任をとられたことというのは僕は余り見たことがないんですけれども。こういう法案があって、責務があって、ほかの人たちの責務もあるんです。それで、ほかの方々には罰則規定があるんですよ。ですが、国なり行政側の罰則規定がないというのは、これは不備じゃないでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の事故の反省から、いろいろな対応、方策をこの法案に盛り込んで御審議をお願いしているところでありますけれども、国に対しても罰則を設けるべきではないかという御質問だったと思いますが、罰則というのは、国民に対して課した具体的な義務の履行を担保するものでありまして、国自身に対して罰則を規定する、そういう法律的な概念は存在し得ないものと、そういうふうに認識をしております。
○櫻井充君 そうしますと、行政側というのは、例えばこれは国の責務のところにございますが、こういうことで例えば遂行しなかった場合も、責任はそうすると、まあ責任というか、何も責められないということになるわけですね。
○国務大臣(中曽根弘文君) この四条の規定は、個人に対する具体的な義務を規定したものではなく、委員も御承知のとおり、国の責務を規定したものでございますから、社会通念に照らしてその責務の著しい違反がある場合は、国による賠償責任が生じることもあり得るものと思っております。 そして、国の今度は職員による明白な作為あるいは不作為によって法令などに対する著しい違反が行われた、そういうような場合には、当該職員に対し刑事的な責任を問うことが必ずしも否定されるものではないと思っております。
○櫻井充君 繰り返しますが、この法律上は担保されていないけれども、ほかの法律でそういう責任は問えるというふうに考えてよろしいわけですね。
○国務大臣(中曽根弘文君) はい、そのとおりでございます。
○櫻井充君 そうしますと、この法律を理解するためにちょっと具体的な例を挙げさせていただきたいんです。これは済みません、通告ないんですけれども、例えばの話です。 例えば、ここにジェー・シー・オーのパンフレットがございます、こういうパンフレット。(資料を示す)ここに安全管理と言って、もう万全を期していますと、こういうふうなパンフレットもございます。このようなパンフレットを例えば監督しなければいけないだろうというふうに思います。こういうものが発行されていた。しかし、これを発行しておきながら、実際やっていることはでたらめだったわけです。この場合は、国の責務の中に原子力災害予防対策が必要だというふうな、これの責務を果たさなかったというふうに国の責任を問うことは可能なんでしょうか。
○委員長(成瀬守重君) 答弁、すぐできますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
○政務次官(斉藤鉄夫君) ちょっと検討に時間を要しまして、おわび申し上げます。 質問の御趣旨ですけれども、パンフレットに安全に万全を期すと、こう書かれているのに、結果的にこういう事故を起こした、そのことに対して監督官庁としての国の責任はどうなのかと、こういう御質問の御趣旨かと思います。 まず、事故の第一義責任は、これは原子炉規制法上、やはり事業者にございます。その点に尽きます。パンフレットに書かれていることについて国は責任を負うことはできません。
○櫻井充君 そうすると、ちょっと記憶が違っていたかもしれませんが、たしか九三年からジェー・シー・オーに立入検査していなかったはずなんです。もしくは立入検査したとしても、作業をしていなかったか何かで、結局ああいう実態はつかめていないんです。その点についてはこれはどうなるんですか。その点については、これは第四条「国の責務」の中の「原子力災害予防対策」、責務を果たしていないということになりますか、では。それはどうですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) ジェー・シー・オーにつきましては、その当時の法律に基づきまして、定期検査は義務づけられておりませんでした、任意の検査でございました。そういう意味で、定期検査をしていなかったということについて国の責任が直接問われるものではございません。今回の法律改正におきまして、原子炉規制法の改正の方ですけれども、その定期的な検査を義務づけたところでございます。
○櫻井充君 そうすると、この法律が通ってからは、今回と同じようなことがあれば、これは国が責任を問われるというふうなことになるわけですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど申し上げましたように、国の監督責任の範囲で定期検査を怠れば、それは国の責任は当然問われるわけでございますけれども、事故につきましては、その事故の状況等、事業者の責任等も当然ある場合もあるわけでございまして、国の責任と一義的に言うことはできないかと思います。
○櫻井充君 では、そうしますと、済みません、ちょっともう一つ別な観点からお伺いしたいんですけれども。 「原子力災害対策本部の設置、」とございます、「国の責務」の中に。これは、ただ設置すればいいというものじゃなくて、いかに早く設置するかということがポイントになるかと思いますが、普通、最初にその通告があって、大体何時間ぐらい後、もしくは何分ぐらい後に原子力災害対策本部というのは設置されるべきなんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 何時間後というふうに具体的な数字は、今これは具体的になかなか特定できませんけれども、その事業所それぞれの事情もございますし、事故の特性もございますし、数字を具体的に言うことはできませんが、できるだけ早くということでございます。
○櫻井充君 これは今回の事故を踏まえた上での法律ですよね。そうすると、少なくとも目標とする時間ぐらいあるじゃないですか。目安とする、基準とする時間ぐらいあるじゃないですか。どのぐらいを想定されていますか、どのぐらいでやはりつくらなきゃいけないと。じゃなければ、この法律じゃなくても結構です、今回の事故を踏まえた上で、通報がありました、それを受けて、この原子力災害対策本部というのはどのぐらいでつくらなきゃいけないというふうにお考えですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今後、政令で原子力災害対策本部を設置する基準等が決められるわけでございますけれども、その基準、放射線量でありますとかいろいろな事象等によってそのトリガーが発せられれば、もう直ちにこの災害対策本部は設置されるということでございます。
○櫻井充君 では、ちょっとお伺いしますが、今回の事故で対策本部というのは何時にできたんですか。事故発生後、何時間後ですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 科学技術庁に設置されたのが午後二時半でございます。
○櫻井充君 事故の第一報があったのはたしか十一時十五分だったかと思いますけれども。事故があったのは十時三十五分で、この間、参考人で来られたジェー・シー・オーの方々が臨界かもしれないということを報告したのは十一時十五分だったというふうに私は聞いております。 ですから、今回のことで三時間ほどかかっております。当然のことながら、今後はこれよりさらに早くもちろん対策本部をつくられることになるわけですよね。どうなんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回、初期対応に不備があったという点は御指摘のとおりでございまして、その反省を踏まえてできた今回の原子力災害対策特別措置法でございます。早急に設置されるものと考えております。
○櫻井充君 今までこういう対策本部なり避難勧告なりが適切に行われたかどうかということに関してお答えがなかったんですが、要するに今回やはり設置に関しては遅かった、もう少し早くできたんじゃないかというふうに考えてよろしいわけですよね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) そのとおりでございます。
○櫻井充君 そうしますと、今回のこの法律によって、例えば今回みたいに遅かった場合、設置までに時間がかかった場合には、国の責務を果たせなかったと責任をとらされるというふうに考えてよろしいわけですね、時間も含めてですけれども。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回、確かにおっしゃるとおり、また御指摘のとおり本部の設置は遅かったわけでございますが、その間の放射線量等に対する情報というものが十分でなかったということがこの設置が遅くなった判断の一つの原因でございまして、そういうような情報を収集するような設備等を初めとして、連絡網等いろいろ今回反省しているわけでありますが、そういうような事情があったということは御理解いただきたいと思います。
○櫻井充君 事情があったところは理解いたしますが、しかし、私は若干違うと思うんです。なぜかというと、この間の答弁は想定外の事故が起こったということです。情報が集まらなかったというのはちょっと違うと思うんですよ。想定外の事故が起こったから情報を集めようがなかったわけです。なぜならば、事故から何時間かたつその経過中、中性子線量ははかっていないわけです、はかれてないんです。これは、そういう機械を備えつけていないということは、こういうことを予測していないということです。予測していなかったのと、情報はあったんだけれどもその情報の収集に手間取ったということとは全く違うことだと思います。ですから、今回は想定外のことが起こったからということが僕は一番の理由じゃないかと思うんです。 ですから、最初にお伺いしたのは、この法律案は、先ほど内藤議員も言っておられましたが、そういう事故が起こった、こういうので臨界事故が起こったけれども、これは今回の法律からは対象外らしいようですね、先ほどの話からすると。そういう想定外、想定外ということが非常に多いわけですよ。ですから、きちんとした形で、どういう事故に対して対応していくのかということはもう一度御検討願いたいと思います、この件に関しては。 ちょっと話題を変えて、それからもう一つ、先ほども言いましたけれども、緊急の場合、救急の場合、現時点でどのぐらいの被害者の方が出た場合までは、今私の住んでいます宮城県は女川の原発がございますが、あそこでの救急体制というのは、一応書かれてはいるけれども、私にとっては十分なものではないと思っています。ですから、これは質問通告していると思いますけれども、要するに、その地域地域で今回のような事故が起こった場合に、治療でき得る人数というのは平均するとどの程度、それから最大どのぐらいの人数までなら治療できるというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず、災害が発生いたしました場合、地域住民の避難措置が講じられた場合には、その避難地区の住民の方々につきましては、第一次緊急時医療として避難所等において被曝程度の検査やまた除染などが行われるわけでございます。そしてその結果、さらに措置が必要と判断された方々については、第二次緊急時医療として、地方自治体が第二次医療機関として、これは地域防災計画で指定してあるわけでありますが、その第二次医療機関として指定する公的病院等に移送されるわけでありまして、そこで精密な検査やまた除染などが行われることになります。これらの検査や除染が行われることで通常の病院等で受け入れが可能となった場合には、通常の救急医療の体制で十分対応できる、そういうことになりますので、地域の医療機関で対応できる被災者の数というものは一概には算出できないところでございます。 現在までのところ、各地方自治体では、それぞれの地域の実情に応じて、除染の施設とかあるいは資機材の整備や医療関係者の研修等を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、原子力災害時における緊急時医療の重要性にかんがみまして、今後とも関係省庁それから関係機関とも連携して体制の一層の充実強化に取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○櫻井充君 何でこんなことを言っているかというと、マニュアルはあるんです、宮城県にも。でも、先ほども言いましたように適していないんです。一次医療が石巻の保健所にありまして、一時間まではかかりませんが、恐らく三十分以上はその一次救急のところまでかかります。それ以上かかると思います。その後、今度は県立瀬峰病院の方に移送されることになっていますが、少なくとも三十分ぐらいかかるわけです。そういう体制がとられているとは言うけれども、我々からすれば救急とはとても思えないような状況なんです。しかも、そこで何人の人たちが治療できるかというと、もう治療の限界数があるわけですよ。 それからもう一つは、この原子力の今回の災害を見たときに、やはり救急時の治療というふうなものもちゃんときちんと念頭に置いてつくっていっていただかなければいけないんだと思うんですよ。だから先ほど、どの程度の規模まで想定されているかというふうにお伺いしているわけです。ですから、その辺の実態をまずきちんと調査していただきたいと思います。 チェルノブイリの事故のときには、バス千百台が連ねられて、そして地域の方々が避難したという経過もございました。ですから、それだけの事故が起こったときにやはりきちんと対応できるのかどうかという点が先ほどからやりとりしていて非常に不安になっておりますので、この辺のところをきちんとしていただきたいと思います。 それともう一つ、緊急事態のときに、早ければ早いだけいいんですけれども、被害者の方々が病院にどの程度の時間内に到達できることが必要というふうにお考えなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 原子力災害時に被曝者が出た場合でございますが、手順といたしましては、先ほど申し上げましたけれども、避難所等におきましてまず被曝の程度、これを確認いたします。そして、一定以上の被曝がある者については、地方自治体の指定する公的病院等へ移送いたしまして、除染等の措置を行います。そして、放射線障害の専門的診断、治療が必要と判断された方については、放射線障害専門病院へ移送して専門的診断、治療を行うこととされております。 時間についてのお問い合わせでございますけれども、これらの病院への移送時間につきましては原子力災害の発生場所等によってやはり異なると思います。目標時間というものが定められているわけでもありませんけれども、当然この緊急性にかんがみまして可能な限り早く移送することが必要だと思っています。 このため、日ごろからこういう緊急時の移送体制等につきましては当然国や地方自治体や関係団体が協議をしておくということが大変大切なわけでありますけれども、こういう場合に地方自治体の要請等に応じまして、例えば自衛隊あるいは消防等が支援するなど関係機関が連携をとりまして、例えばヘリコプターの出動を要請するとかそういう形で迅速に対応する、そういうことであろうと思っております。
○櫻井充君 しかし、基本的には大体どのぐらいを目標にということを県なら県の方に指定しなければ地方自治体も困るんじゃないですか。それから、防災訓練なら防災訓練をするときに、どのぐらいを目標に移送できるのかとか、どういう経路を通るのかとか、そういうふうなことがわからなければできないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員おっしゃいますとおり、できるだけ早いということが当然でございますので、日ごろからそういう点について十分な打ち合わせをしておくということが大切だろうと思っております。 時間については、サイトといいますか、そういう施設がある地域によって、また病院がどれぐらいの距離にあるかとか、そういうことによって事情は違うと思いますけれども、委員御指摘のとおり、最短の時間で行けるような日ごろからの調査それから準備が必要と思っております。
○櫻井充君 どうしてこんなことを聞いているかというと、今回の事故の経過状況の中で、国立水戸病院に搬送された到着の時間が十二時七分です。救急車が到着したのが十時四十五分です。救急車が現地を出発したのが十一時五十二分、約一時間ここでロスしているんです。救急車が到着して、もう少し早く国立水戸病院なら国立水戸病院に搬送することができたはずなんです。 ですから、こういう経験を踏まえた上で、どのぐらいの時間内にやれるじゃないか、逆に言えば、このぐらいの時間のところに救急病院がなければ今後原子力発電所なりなんなりをつくってはいけないんだ、こういうところにつくるべきなんだというふうな基準になっていくんじゃないかというふうに私は思っています。安全というのは設備の中だけの問題ではなくて、何か事故が起こったときのものを含めてすべて安全なんだというふうなことだと思いますので、ぜひその点について検討いただければというふうに思います。 それと、ちょっとこれは質問通告してないので政府参考人の方でも結構ですが、今回水戸病院の先生がおっしゃっていたのは、実は事故が起こったときに本当は物理のことがわかる人が一緒についてくるはずだったのにということをおっしゃっています。つまり、どの程度の放射線を浴びたのかとかなんとかいうふうなことに関して、マニュアルではついてくることになっていたはずなのにという話があったんです。そこは実際本当なのかどうかという点、ここはわかればで結構です、わかれば教えていただきたい。 それともう一つは、ジェー・シー・オーの職員は、もう十一時十分には避難しちゃっていなくなっているんですよ。三百五十メーターぐらいのグラウンドのところまで移動してしまっているわけですけれども、そこの三百五十メーターのところに移動した人たちの中に物理がきちんとわかって被害の状況を説明できる人がいたのかどうか、ちょっとその点だけ、もしわかる方がいれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(間宮馨君) 今直ちにお答えできませんので、調べまして後ほど御報告させていただきたいと思います。
○櫻井充君 どうも済みません。よろしくお願いいたします。 それではあともう一つ、今回、事故の中で問題になりましたのは聴覚障害者の方々でございます。聴覚障害者の方々が置き忘れられたというか、情報がきちんと伝わらなかったという経緯がございます。その点について、まずどうお考えか、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 体にそういう障害がある方に対する緊急時の対応というものは、日ごろから十分に地域においてそういう方々の所在、人数、状況等を確認して、そして対応を事前に十分に準備しておくということは大変大切なことである、そういうふうに思っておりますし、万一事故の場合に大変な御不安もあろうと思いますし、事故が発生したということすらもわからないというケースが多いことと思いますので、今後地方公共団体等を中心にこういう対策をとられることが大切と思っております。
○櫻井充君 その点についてはこの法律できちんと担保されるというふうに考えてよろしいんですね、そうすると。
○国務大臣(中曽根弘文君) この法律におきまして、例えば視聴覚障害者の方々に対する情報伝達に関する規定はございませんけれども、今回の事故の教訓を踏まえまして、ただいま私申し上げましたように、地方自治体に対して国としても適切に指導していきたいと。今までも、防災基本計画の原子力災害対策編におきまして、高齢者の方とかあるいは障害者の方、その他いわゆる災害弱者の方々を適切に避難誘導するために、地域住民の方や自主防災組織等の協力を得ながら避難誘導体制の整備に努める旨を盛り込んでいるところでありますが、今回のいろんな事故の教訓から、こういう障害の方のところに御家族がどういう構成でおられるか、御近所がどうか、その場合の避難の誘導支援はどうするかという、一件一件、一つ一つのケースをきちっと把握して、お一人お一人に対してどうするかということを事前にきちっと決めておくということが大切だと思っております。 法律そのものには、今申し上げましたけれども、規定はございません。
○櫻井充君 ぜひ、そういうきちんとした対応をお願いしたいと思っています。 それでは、ちょっとまた今回の事故の被害者の方々の健康状態についてお伺いしたいんですけれども、今回の事故で被曝者と認定されたという方は現在のところいらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の事故におきまして測定値によりまして被曝が明らかになっておられる方々の数は、事故時に転換試験棟において作業を行っておりました三名の方、それから消防の関係者の方が三名、それから一般住民の方が七名及び株式会社ジェー・シー・オーの従業員の方、関係会社の方を含みますけれども五十六名でございまして、合計六十九名となります。それから、その後水抜き作業等に従事することによりまして被曝された方々が二十四名いらっしゃいます。
○櫻井充君 この人たちは被曝者として認定されるわけですね。つまり、広島や長崎で原爆の被害に遭われた方々が認定されて、そして医療費等を軽減されているわけですけれども、そういうふうな形での認定を受けられるんですか、こういう人たちは。
○国務大臣(中曽根弘文君) 推定被曝線量、これに基づきまして健康管理が必要な方々を把握しておるところでございます。そして、そういう方につきましては適切な健康管理を行っていきたい、そういうふうに思っております。
○櫻井充君 この認定の基準というのは幾らぐらいなんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 被曝された方の長期的な健康管理につきましては、原子力安全委員会に設置されました健康管理検討委員会において推定被曝線量に基づいた健康管理のあり方が検討されているところでございますけれども、科学技術庁といたしましては、その検討結果を踏まえまして、推定被曝線量に基づいて健康管理が必要な方々を把握いたしまして、そしてそういう方々につきましては、先ほども申し上げましたけれども、適切な健康管理に取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○櫻井充君 答えになっていないんですが、要するに認定として、例えば何ミリシーベルト以上とか、そういうふうに具体的な基準は設けられるんですか、設けないんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 個人の被曝線量に応じまして、必要な人には必要な対策をとっていくということでございます。
○櫻井充君 これは全員一律ではないんですか。例えば、子供の場合と大人の場合で若干違ってくるのはわかりますけれども、ある程度基準値を決めなければ不公平が生じると思います。そういうふうな意味での、このぐらいの線量であれば被曝者として認定しますという、その基準値は決めないんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 健康管理が必要な方々につきましては、健康管理検討委員会において検討するということでございます。
○櫻井充君 健康管理検討委員会で健康管理が必要だというふうに判断するのは、今のところ体の中にどういう変化があるのかという検査はされていないわけですから、そうすると推定線量からやるしかないわけですよね。だとすれば、どの程度の推定線量以上の人が被曝者として今後認定されていくのか、その点について教えていただきたいんです。
○国務大臣(中曽根弘文君) どの程度の推定線量かということについても、この健康管理検討委員会で議論をし、決めていくということになろうかと思います。
○櫻井充君 では、ちょっとお伺いしたいんですが、今入院されている三名の方々の医療費、ちょっとこんなことを聞くのもあれかもしれませんが、こういう人たちの医療費というのはだれが出されることになるんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 現場で作業を行っていて被曝されたということでございますから、労災法が適用されるということでございます。
○櫻井充君 この方々は被曝者としてきちんとした形で認定されるんでしょうか。それはされないんですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 被曝者という認定ということではなくて、もちろん被曝をされておるわけでございますが、労災法で認定をされるということでございます。
○櫻井充君 ではもう一度、要するに何でこんなことを聞いているかというと、また検討委員会でと言われるのが筋なのかもしれませんけれども、健康管理検討委員会というのは事故が起こってから一カ月以上たってから立ち上がっているわけですよね。しかも、今そこで何が決められたかということは、この間委員会の方にお答えいただきました。その点については感謝いたしております。ただ、その結果、「①線量評価をふまえた健康管理の必要性の検討 ② ①の結果をふまえた具体的な健康管理の方法の検討」とあるんです。これは事故が起こった日からだれでもわかることだと思うんです。言葉をかえれば、少なくとも一週間もあればどういうことをやらなきゃいけないかということ、これが審議事項、これがもう二カ月たってこの手の審議事項にしかなっていないわけですよ。このことに関して、果たして十分早く対応しているのか、迅速に対応しているとお考えでしょうか。余りにその対策が私にとってはおくれているように思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 事故直後にジェー・シー・オーの近くで被曝された方のホール・ボディー・カウンターの測定結果、それから茨城県が実施いたしました健康調査によりまして、周辺住民の方に対する放射線による急性の影響は認められないとまず判断されたわけでございます。 それから一方、被曝された方の放射線による晩発性の影響を勘案した健康管理も重要な問題であると認識しておりましたけれども、その検討は周辺環境の線量評価を踏まえて行う必要があると、そういう事情がございました。そして、周辺環境の線量評価は十一月四日に科学技術庁の事故調査対策本部で取りまとめて公表したところでございます。これによりまして晩発性影響の評価に必要となるデータがそろったわけでございまして、同日、長期的な健康管理のあり方を検討するために、先ほどから申し上げております健康管理検討委員会を設置したわけでございまして、一カ月以上経過してからでは遅いではないかという御指摘でございますが、こういうような経過でございます。 それで、今この検討委員会で行っております健康管理は、急性影響に関するものではなくて晩発の影響に対するものでありまして、個人の推定線量を踏まえて、健康管理の対象者、それから内容、時期などについて御検討いただいているものでございます。 専門家の方々に慎重に検討していただいているところでございますけれども、私ども科学技術庁といたしましては、可能な限り早急にこの方針を取りまとめていただくように努力してまいりたい、そういうふうに思っております。
○櫻井充君 今、長官の答弁の中で晩発性の障害が起こり得るというふうにおっしゃいました。その根拠は何になるんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) これは一般にいわゆる放射線影響という分野で言われていることでございますが、いわゆるすぐに現象があらわれてくる、そういう障害については二百ミリシーベルト以上ないとないと言われております。それ以下のものにつきましてはいわゆる晩発性の影響が言われているわけでございまして、どの程度の線量でどの程度の晩発性、晩発性の場合は確率的影響でございますが、出てくるかはまだ学説的に定まっていないところがあるそうでございますけれども、この非常に低い、非常に低いといいましょうか、今回三名の従業員の方以外はその晩発性障害が言われている領域に入りますので、ここで晩発性障害ということを先ほど大臣が申し述べたところでございます。
○櫻井充君 今、その前に二百ミリシーベルトというお話がありましたよね、二百ミリシーベルト。三人以外の方で二百ミリシーベルト以上の中性子線を受けた方は何人いらっしゃるんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 二百ミリシーベルト以上の被曝を受けたと推定される方はおりません。
○櫻井充君 二百ミリシーベルト以下の方に晩発性の障害が起こるかもしれないと今おっしゃいましたよね。そうすると、二百ミリシーベルト以下の方というのは一ミリシーベルトから何から皆入っちゃうわけですよ。そうすると、例えば一般の人は一ミリシーベルトであったりとか、それから健康上影響がなさそうだと、それから作業員の方は五十ミリシーベルトという、こういう基準ができているはずなんです。 まず、じゃちょっとお伺いしたいのは、この数字が出てきている科学的根拠というのは一体何なんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 根本的にはICRPの勧告でございます。
○櫻井充君 これは一瞬のうちに浴びた線量でしょうか、それとも一年間を通して平均してこのぐらいの値ということになっているんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) ICRPのその勧告が今ちょっと手元にありませんので後で詳しく調べて御報告いたしますけれども、この二百ミリシーベルト云々については、比較的短い時間に浴びた線量というふうに私は理解しております。後で調べて御報告します。
○櫻井充君 そうすると、晩発性の障害が起こり得るというふうに御認識されているわけですね、ちょっとくどいんですけれども。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 可能性はあるということで、そのことについても含めてこの健康管理検討委員会で検討していただいております。
○櫻井充君 前回のこの委員会でも質問したんですけれども、我々は尿中の8ヒドロキシル2デオキシグアノシンを測定すべきではないかというふうな話をしました。しかし答弁では、それは確立していないから必要ないんだという話でした。 では、あとはその推定線量以外にどういう方法で晩発性の障害が起こり得るか起こり得ないかというふうにお考えなのか。 それともう一つ、推定線量だけでは要するに体の状態がどうなっているかわからないわけですよ。その体の状況を調べる手段はどのようなことをお考えなんでしょうか。それとも現時点ではほかに方法がないんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 晩発性の場合、先ほど申し上げましたように、比較的低い線量でございます。そういう意味で、推定線量で考慮する以外にほかに方法はないというふうに聞いております。
○櫻井充君 それでは、今検査が確立されていないんだとすれば、半歩譲って、将来検査ができるというふうに確立された場合に検査ができるように、採血や採尿を行って少なくとも冷凍保存しておくべきじゃないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 櫻井委員御指摘の8ヒドロキシル2デオキシグアノシンの測定、これによってDNA障害の有無を確認できるのではないか、またそのために採血、採尿を行っておくべきではないかという御意見でございますが、現在のところ放射線によるDNA損傷を確認する検査として利用できる一般的方法は確立されていないというふうに認識しておりまして、今後もその有用性が認められる可能性は低い、このように専門家から聞いております。したがいまして、本検査のために採血、採尿を行いサンプルを保存しておく必要性は低いのではないか、このように考えております。
○櫻井充君 別にこの方法じゃなくたっていいんですよ。別な方法でDNAの異常が調べられる検査ができるかもしれないわけです。そのときのために試料として残しておくことは何も問題ないんじゃないですか。例えば、今母乳中のダイオキシンなんて調べていますけれども、あれは十年前二十年前の母乳が冷凍保存されていたからこそダイオキシンの量がはかれているわけです。 ですから、この時期にどういう障害が起こっているのかということを将来ほかの方法で調べることは可能になるはずです。ないとは言い切れません。ですから、将来に向けて、何か検査が確立したときに検査できるような試料を用意しておいた方がいいだろう、だからせめて採血や採尿を行ったらどうかというふうに言っているわけです。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 学術的に確立されていない、それもその学術界の中で将来そうなる可能性も低いと、こう評価されている方法で、そのために採尿、採血を今住民の方にお願いすることはかなり行政としてはしにくいなというふうに考えておりますが、健康管理検討委員会の方で検討をしていただきたいと思います。
○櫻井充君 しにくいとおっしゃいましたよね。何の理由でですか。なぜしにくいんですか。でなかったら、希望者だけとっておいたらいいじゃないですか。皆さんに、何も行政側が全部一律に、あなた方は皆検査の必要はありませんと言うことはないじゃないですか。 情報をきちんと公開した上で、こういうことをしておけば、将来何らかの検査ができるようになったときに、あのときの事故である程度の遺伝子に傷がついたかどうかということがわかりますよ、そういう検査ができるようにするために地域の方々どうですか、採血しませんかとか、おしっこをちょっととってくださいよというふうにきちんと情報公開して、そしてその中で希望者にはやっておいていただくというふうにするのが普通じゃないですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 櫻井委員御提案のその方法につきましても、それも含めて健康管理検討委員会に報告し、そこで御検討を願いたいと考えます。
○櫻井充君 わかりました。 そうすると、この検討委員会でいつごろまでに御検討いただくんでしょうか。つまり、こんなことは、採血するかしないかなんというのはその日のうちにだって決められるはずなんですよ。ですから、来週なら来週とか、その辺まで。だって、試料をとっておくだけの話ですよ。ですから、それはいつまでにできるのかということ、御検討いただけるのか、そして返事はいついただけるのか、そこだけは明確にさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 総括政務次官から答弁しておるとおりなんでございますが、委員の貴重な御提案でもございますので、来週健康管理検討委員会が開催されることとなっておりますので、その場で委員の御提案も私どもの方から申し上げて検討してもらおう、そういうふうに思っております。 結果につきましてはちょっと、医学的なこともありますので、どれぐらいかかるか今私ここでわかりませんが、できるだけ早く結果を出してもらうようにということもその場で伝えたいと思います。
○櫻井充君 ぜひ御検討願いたいと思います。 それからもう一点なんですけれども、この健康管理検討委員会のような委員会というのは、今度の法律の場合にもこういう一カ月過ぎてから設置されるものなのでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回の原子力災害対策特別措置法案では、この健康管理検討委員会そのものについては規定はございません。
○櫻井充君 なぜ規定していないのですか。健康管理をしなきゃいけないわけでしょう。なぜこの法律に担保されていないのですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) この条文の中で「事後対策」という条文がございます。その事後対策の中でこの健康管理検討委員会の機能も含めて万全の措置をするということになっております。
○櫻井充君 今回の事故があった後に、最初県がたしか対応して住民の方々の、県ですよね、県がたしか対応していたかと思います。そして、その数値は全く公表されないまま、いつの間にか今度は、県が手を引いて、科学技術庁が健康管理を行うということに変わっていったのだと思います。本来であれば、こういうふうなものというのは基本的には一元的にやるべきものじゃないかと思っているのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回の茨城県が行った健康調査につきましては、地域防災計画に基づいて茨城県が実施したものでございます。 先ほどの櫻井委員の御質問に対するお答えですが、第二十七条「事後対策及びその実施責任」というところで、第一項第二号に「居住者等に対する健康診断及び心身の健康に関する相談の実施その他医療に関する措置」というところが法律で明定されておりますので、この範囲で責任を持って対応していくことになります。
○櫻井充君 これはいつ設置されることになるんですか、この法律の場合には。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 法律では明定しておりませんが、政令等でその点どういう形で健康管理に関する組織をつくっていくかということは決めていくわけでございますけれども、事後対策でございますので早急にということでございます。
○櫻井充君 時間が来たので終わりますけれども、最後の点、なぜかというと、今地域の住民の方は県に対してもすごく不信感を持っています。それは、自分たちの検査をされたけれども公表されていないんです。そして、その後から今度は監督官庁が違っちゃったんです。ですから、前は県だったのだけれども今は科学技術庁がやっているということで、そこの住民の方々はどこにどういうふうに訴えていいかわからないという状況になっているわけです。 ですから、その辺のことも考えていただいて、やはりこういう事故が起こったときには、どこかの官庁なりもしくは最初から県なら県でも結構です、そこがきちんとした形で責任を持って最後までやっていただきたいと思います。 もう一点だけ追加しますと、こだわりますが、8ヒドロキシル2デオキシグアノシンの測定は、最初はやってくださいと言われて、聖マリアンナ医科大学の先生方は、協力して一緒にやってくださいませんかという提案があったんだそうなんです。ですが、その後は、方針が違ったらしくて、もう結構でございますということになったりとか、随分迷走しているわけなんです。 こういう事故が起こったことがなかったから迷走するのは仕方がないかもしれないけれども、少なくとも、そういう経験を踏まえた上でこういう法律がつくられるのであれば、今後こういうことが起こらないような形できちんと法律をつくっていただきたいというふうに思います。 質問を終わります。
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、斉藤滋宣君が委員を辞任され、その補欠として世耕弘成君が選任されました。 ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 休憩前に引き続き、原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤修一君 公明党の加藤でございます。公明党は、生命、生存、生活ということで、私なんかも街頭でよくそういったことを出して演説をしてきた経緯がございますけれども、こういった点から私はきょう質問させていただきたいと思います。 午前中の委員の話も関心を持ちながら聞いておりました。実は、質問通告を午前中にした件でございますけれども、きょうの毎日新聞、十二月二日付でございますけれども、「ウラン残土撤去」ということで、一つの事件が起こっております。 この問題に行く前に、百万キロワットの原子炉で一年間にどの程度のさまざまな物質が移動しているかということについて考えていきますと、ウラン必要量、そもそものウランが百四十トンということで、これは鉱石に行く前の話ですけれども、鉱石に行くと七万トン、あるいは残土として七十万トン出る。死の灰と言われているものが炉の中に広島原爆でいいますと一千発分は生じる、それは二百五十兆人分の許容量に相当するわけでありますけれども、プルトニウムは生成量として二百五十キログラム、長崎原爆の三十発分できる。 あるいは、そういった観点から考えていきまして、放射性廃棄物、これはウラン廃棄物がドラム缶でいいますと二百万本出る、あるいは高レベル廃棄物がキャニスターで三十本、低レベル廃棄物がドラム缶で千本、そのほかの廃棄物が千本ドラム缶で出る。 原子炉が生きている間はこういうことで、今度だんだん死んでいくわけでありますけれども、廃炉という段階ですね、そういった段階では、高レベルが百トン、中レベルが一千トン、低レベルAが三万五千トン、低レベルBが六十万トン。これは、廃炉の関係は一年間じゃございませんが、その前のさまざまな数値については一年間、百万キロワットの容量の場合でございます。この中で、先ほど私が述べましたように、残土として七十万トン出るという話になっているわけであります。 きょうの朝刊によりますと、その一部が、ウラン残土三千立米ですか、長期にわたって放置している、核燃料サイクル機構の責任が問われるというふうに書いてございまして、十年間放置というふうに報道されているわけなんです。 これは、市民団体含めて住民の委託を受けて、機構側の制止を振り切って残土の一部を駐車場まで撤去したと。掘り返すことによって相当放射性気体が拡散することも当然考えられますから、京大の原子炉実験所のある先生は、「ウラン残土は放射能を含んでいるうえ、掘り返すことによってラドンという放射性ガスの飛散が多くなる。これまで放置されていたウラン残土によって被ばくしていた住民が、新たに被ばくすることになり、人体への影響もある。そこまで危険を冒して撤去せざるを得ない状態へ住民を追い込んだ核燃料サイクル機構の責任が問われる。」というふうに報道されているわけであります。 あえて確認しますけれども、これは事実というふうに理解してよろしいですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 事実でございます。事実といいますか、京大の先生のコメントは別にいたしまして、そういう搬出があったことは事実でございます。
○加藤修一君 これはウラン残土、たまたまこれは鳥取県の例でございますけれども、ほとんど鳥取県の中で人形峠を含めてこういった面のことがあるとは思うんですけれども、私は、事実関係を調査すると同時に、こういった残土、どの辺までこういうことが起こっているかどうか含めてぜひきちっとした調査をすべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) この核燃料サイクル機構が所持しますウラン残土につきましてはきちんと管理をされているところでございますが、その点はもう一度確認をしてみたいと思います。
○加藤修一君 今回の事件については当然調査して、委員会の方に報告していただけるということでよろしいでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現在のところまででわかっていることを御報告申し上げます。 ウラン残土といいますのは、ウラン鉱石、昔、昭和三十年代ですが、鳥取県と岡山県の県境にあります人形峠の鉱脈で見つかり、そこで掘り出されたものでございますが、このウラン残土はそのウラン鉱脈の中からウラン鉱石が運び出されたものでございます。 これまで鳥取県東郷町方面地区というところでこのウラン残土を保管されていたわけでございますが、当初、岡山県の人形峠環境技術センターへ搬入し、処理する予定でございましたけれども、岡山県の理解が得られず搬入できない状況でございました。 サイクル機構としましては、次善の策として、平成八年四月、ウラン残土を鳥取、岡山県境の鳥取県有地に保管するため、鳥取県所有地の借用を申し入れ、地元三朝町の理解を得る努力を行ってきましたけれども、平成九年八月、三朝町議会及び住民の理解を得ることは困難である旨の回答がございました。 このような中、平成九年九月、鳥取県は、地区外撤去は難しいとの判断から、東郷町に対し東郷町内保管を提案し協力を要請いたしました。同町は、これを受け、町議会に捨て石堆積物の処理調査特別委員会を設置し、東郷町内保管を検討いただいておりますが、地元の御理解が得られず、現在のところ東郷町内保管も実現しておりません。 ウラン残土は三千立米ございますけれども、比較的放射線レベルの高い二百九十立米について〇・六立米ずつ合成ゴムの袋に入れて素掘りピットに収納し、上部を合成ゴムのシートでカバーしているところでございます。 今回、その合成ゴムの袋一つが搬出をされたということでございます。現在、保管場所及び周辺におけるモニタリング、巡視を行うことにより安全性を確認しております。放射線量の測定値も来ておりますけれども、平常値と変わっておりません。
○加藤修一君 再度、その件を含めて、ほかの件についても調査をして報告していただきたいと思います。 それでは次に、原子力長計会議第二分科会での議論がございます。 その議論というのは、今回の件も含めての話でございますけれども、電気事業者側から、今回の事故を踏まえて、いわゆる電力会社や燃料加工関係企業、関連メーカーなどで原子力安全意識の高揚を目的とするニュークリアセイフティーネットワーク、NSネット、その設立と活動内容が提示されたとか、あるいは議論では、特定エリアでの被曝という言葉がひとり歩きしている、我々は毎日放射能を浴びており、それらとの対比でリスク等についても冷静に受けとめるべきであるといった原子力擁護の方の意見があったり、あるいは、現在のエネルギー政策に批判的な人に議論をしてもらう機会を当計画会議のもとに設け、今後の原子力のあり方を徹底して議論すべきだと。 さらに、この第二分科会は二十二日に三回目を開き、新エネルギーの役割と原子力利用のあり方、放射性廃棄物を含む核燃料サイクル政策の明確化などについて議論を行ったとあります。ここでもジェー・シー・オー事故を踏まえた原子力推進のあり方が議論になったわけでありますけれども、複数の委員から、この際一時的に原子力発電の推進を凍結すべきであると、いわゆるモラトリアム論が提示されたわけであります。しかし一方で、この論に対して、ある程度のリスクは避けて通れない、そういった議論がこの第二分科会でなされたということであります。 昨日、私は本会議の質問の中でケメニー委員会の報告書を紹介いたしました。原子力は本来危険をはらんでいると口に出して述べる態度に変えなければいけない、こういったふうに報告書の中で述べられておりますし、それからケメニー委員会の勧告では、原子力は本来危険との認識に立たねばならない、原子力規制委員会は安全よりも開発優先であるから、委員長を外部から新たに求め、組織を抜本的に再編し、新しい血を入れるべきだ、こういうふうにかなり厳しい勧告の内容がアメリカであったわけであります。 昨日、推進と規制という観点から私も質問させていただいて、それに対し小渕総理大臣は、「原子力安全委員会の独立性及び機能の強化を早期に実施すべきでないかとの御意見があることを踏まえ、平成十三年一月を待つことなく、平成十二年度早々にも事務局機能を現在の科学技術庁から総理府に移管し、」云々、人員も大幅に拡充する方向であるということでございますけれども、この機能の強化及び人員も大幅に拡充する方向について具体的な検討に入ったというふうに聞いておりますけれども、この辺について御提示があればよろしくお願いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員御指摘のとおり、昨日の参議院本会議におきまして小渕総理から御答弁がございました。私どもは総理の御指示を受けまして、原子力安全委員会の一層の独立性また機能の強化、これを早期に実施すべくいろいろ検討を行っているところでございます。 総理の御発言は、「平成十二年度早々にも事務局機能を現在の科学技術庁から総理府に移管し、その人員も大幅に拡充する方向で対処するよう、現在関係省庁に指示いたしておるところであります。」、こういう御発言であったわけでありますが、私どもは、平成十二年度早々にも安全委員会の事務局機能を現在の科学技術庁から総理府に移管いたしまして、独立性を強化し、そしてさらに人員も大幅に拡充する方向で今検討をしているところでございます。 委員会事務局の規模等につきましては、まだ検討が始まったばかりでございますが、現在の専任約二十名の規模を相当数拡大する必要があると考えておりまして、関係省庁と鋭意検討を開始したところでございます。まだ現時点では、具体的に何名ぐらいというふうには、具体的人数は申し上げる状況には至ってございません。 また、機能強化につきましては、原子力安全委員会の行政庁への監視機能を強化することといたしまして、これまでの設置許可段階での安全審査のダブルチェックに加えまして、施設の建設、運転段階においても現地調査を行うなどにより、行政庁の規制行政に十分目配りできるような体制の確立に向けて努力をすることとしております。 この件につきましては、今後、平成十二年度の予算編成時期までには明確な方向性を出しまして、原子力安全委員会の独立性、また機能の強化、こういうものを早期に実施できるように努力していきたい、そういうふうに考えております。
○加藤修一君 機能の強化ということでありますけれども、例えば、いろいろ議論になっている話でありますけれども、これは三条委員会にするとかそういったことも射程の中に入っているかどうか。 それから、航空事故調査委員会設置法というのがございますけれども、これはかなり独立した機能を担っているわけでありまして、例えば「目的」のところの第一条には、「この法律は、航空事故」、これは原子力事故と置きかえてもいいんですけれども、「この法律は、航空事故の原因を究明するための調査を適確に行なわせるため航空事故調査委員会を設置し、もつて航空事故の防止に寄与することを目的とする。」ということで、これは確かに事故調査ということに限定されている話なんですけれども、例えばこういう独自の委員会を設置するという法律も担保させながらつくっていくということも考えていいのではないかなと思っています。こういうことについても十分検討されたらいいのではないかと私は思っておりますが、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど申し上げましたように、平成十三年一月から、委員御案内のとおり、新しい中央省庁の体制になります。その時点でこの安全委員会は内閣府に移しまして独立性をさらに強化しようという、そういう考えでございます。 今お話のございました航空事故調査委員会は、原子力安全委員会と同様、国家行政組織法第八条の機関でございまして、私どもは、内閣府に移管をし、さらに人員等の強化を図ることによって安全規制の審査等がさらに強化される、そういうふうに思っております。
○加藤修一君 十分機能強化及び大幅な人員を獲得して、きちっとした対応をとっていただきたいと思います。 それでは、次の質問に参りますけれども、私は手元にパンフレットを持っておりまして、これは核燃料サイクル開発機構が出しているパンフレットでございます。表には「ジオフューチャー21」というふうに書いてありまして、「世界初、ドームスクリーンによる立体映像モーションシアター」ということになっておりまして、これはどういう事業であるかをコンパクトに紹介していただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私も手元にこのパンフレットがありますけれども、ジオフューチャー21、これは核燃料サイクル開発機構が東海事業所の展示館アトムワールド、ここの中に設置したものでありまして、昨日、十二月一日にオープンいたしました。 この施設は、高レベル放射性廃棄物の地層処分場を三次元映像で構成することによりまして処分場見学の仮想体験の機会を提供する施設でございます。この施設は、地層処分場の構造や安全確保の仕組み、また地震に対する地下深部の安全性について見学者の方々に理解を深めていただくことを目的としております。
○加藤修一君 事業費は言ったでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 製作費用は約五億円でございまして、一回の上映での見学者数は八人、一日当たり八十八人が見学できる、そういうふうに聞いております。
○加藤修一君 私は前回の質問のときに、九月三十日を原子力防災の日にすべきだとか、あるいは実際に事故を起こしたサイトについてはメモリアルサイトにすべきだと、これは非常に物理的な限界もあることも私は承知しておりまして、そのときに答弁いただいたことに対して私は、サイバー空間とかそういった面で対応が十分できるんではなかろうか、メモリアルサイトについて。それによって、実は今回の法案の説明等々を含めて、例えば厳しい緊張感の持続とかそういうことをおっしゃっているわけですね、あちこちで。それを原発、原子力施設関連従業者等を含めての教育、研修ですか、そういった面について、私は、臨場感を持ちながら緊張感を持続するようなシステムを構築すべきだと思っておりまして、そういった点からメモリアルサイトという話をしたわけでございます。 そういった点を考えていきますと、今大臣から答弁がありましたジオフューチャー21、こういう形で、これはたまたま「未来の地層処分場を仮想体験」という話でありますけれども、メモリアルサイトというのをつくって、いわゆる仮想体験ができるようなそういうシステムをやはり私はつくるべきではないか。そういうことがやはり一つには厳しい緊張感を持続していくことにもつながっていく、そう私は思っていますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず、先ほどのジオフューチャー21に関してでございますが、私は、今これの内容等を御報告させていただきましたけれども、地層処分場の構造や安全確保の仕組みを理解していただくためにこういうものをつくるということは意味あるものだと、そういうふうにまず思っております。 そして、今回の事故の教訓につきましては、委員もお話がありましたように、緊張感を持たせるということは大変大事なわけでございますが、原子力の安全確保の強化、それから防災対策の強化にこの教訓を反映していくことが何よりも重要でございまして、そういう意味で、安全確保の重要性を原子力にかかわるすべての者が改めて認識すべきこの事故は一つの契機とすることが重要だと、そういうふうに思っております。 そのような観点から、議員の御指摘も踏まえまして、現場の職員に厳しい緊張感を持たせ、事故の教訓を風化させないようにするためには何ができるか、そういうようなことも私どもで今後考えてみたい、そういうふうに思っております。
○加藤修一君 答弁を私は余りうまく受け切っていないかもしれませんが、こういうことも検討の材料に入れてという意味ですか。私の言った提案はこちらの方に置いておいてという、どっちで私はとらえたらいいですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員はメモリアルサイトのようなものをつくるべきだと、そういう御提言もございました。そのほかにもいろいろな方法もあろうかと思いますので、幅広く検討してみたい、そういうふうに思っております。
○加藤修一君 それで、このジオフューチャーのことになってしまうんですけれども、これを私はちょっと読んでみまして、午前中の議論ともかかわってくる話なんですけれども、議論の中身とは直接関係ないわけですけれども、例えば高速エレベーターで地下一千メーターへ一気に降下するということを仮想現実として、バーチャルリアリティーで体験するという話なわけですね、「エレベータの降下感覚を忠実に再現。処分用トンネルがある地下一千メーターの深さを体感することができます。」、それから、「処分孔の中に入り込み、」、これはサイバー空間の中ですけれども、「処分後一千年経過した人工バリアの状態をご覧いただけます。」と、千年後ですね、千年後どうなっているかを体験することができると。「また、人工バリアの核種吸着効果をゲーム感覚で体験することができます。」等々書いてございまして、こういうことが、例えば千年後という話なんですけれども、千年後のリアリティーということが担保できるかどうかということは、非常に私は不思議だなと思ってこれを実は読ませていただきましたけれども、御感想ございますか。
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。 ただいまお話のございましたジオフューチャーの話でございますけれども、実はこのジオフューチャー21というものを我が国につくろうとしたその経緯は、世界、ほかの国々、例えばアメリカでございますとかあるいはスウェーデンであるとかドイツとかほかの国々におきまして、かなり高レベルの放射性廃棄物処分について取り組みが進んでおります国々では、こういう現場の状況を国民の方々に見ていただこうというふうなことが行われてございます。しかしながら、御案内のとおり、我が国では、高レベルの放射性廃棄物の処分研究開発のまだ緒についた段階でございまして、このあたりについての御理解を得る一つの試みとして、地上において地下の現状についての御理解を得る一つの手法としてこういう形を取り入れたところでございます。 ただいま先生の方からお話がございました一千年後の予測が果たしてこれで十分であるのかどうかというふうなことにつきましては、この核燃料サイクル開発機構としましては、これまで、例えば岐阜県の方にございます中部の事業所におきますこれまでの知見などをもとに、地質の構造の状態についてのかなり先を見越したそのあたりの見込みというのはお持ちだろうと思いますけれども、何分、一千年後の予測が果たしてそのサイクル開発機構が描いたものとしかと符合するかどうかという問題については、私どもの方もそうあるべきものと、こう思っている次第でございます。 いろんな知見が得られます過程でこのジオフューチャー21という問題が、このプログラムがよりよい形で展開されていくことを期待するというふうなのが一つのお答えかと思います。
○加藤修一君 いや、行政の方が勝手に期待するのはそれはそれで結構ですけれども、私はこれについては大きな期待はかけておりません。 この中を読んでいきますと、「未来の地層処分場への仮想見学ツアーを通して、地層処分場の構造や安全確保の仕組みをご覧いただけるとともに、」云々と書いてある。私は、安全だ安全だということがまたここでも繰り返されているような感じがするんです。 耐震性の設計の関係の話になりますけれども、兵庫県の南部地震では最大加速度が四百ガルを超える場所がたくさんあったわけです。それから、最大値が八百三十三ガルにも達したところもあったと。ここの中には「地震や乗り物等の振動や加速度感が再現できます。」等と書いてありますけれども、私はこれは行政監視委員会でも取り上げてもいいような話だと思う、こういうものに五億円も使っているようじゃ。もっともっとリアリティーのある教育研修施設というのが私はあると思うんです。そういうところにやはり効果的にお金を、税金を使っていくべきだと私は思います。 それで、次に原子力施設の関係でございますけれども、これが今回のさまざまな対応の中で、やはり三百五十メーター以内にどのぐらいの人口がいるとか、あるいは企業数がどのぐらいあるとか、道路の幅はどうであるとか、避難経路を想定した場合どういうふうに避難すればいいかとか、そういったことは非常に避難をしていく場合には重要な情報として考えなければいけないわけですけれども、全国にあります原子力施設に関して、GISとかGPS、そういったものを支援したデータベースというのをやはりつくっていくことが必要でありまして、緊急対応としてこれを十全に活用することも考えていいのではないかというふうに思っていますけれども、この辺についてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(間宮馨君) 御説明いたします。 GIS、すなわち地理情報システムと申しますのは、多様なデータを地図上に重ね合わせてコンピューター画面に表示するシステムと承知しておりまして、原子力防災におきましては、緊急時の迅速放射能影響予測ネットワークシステム、いわゆるSPEEDIネットワークシステムに社会環境情報及び地理情報を組み込んで防災活動の実効性向上を図っておりますが、これはまさにGISの考え方を原子力防災に適用したものと考えております。 それと、GPS、すなわち全地球測位システムは、米国国防省が打ち上げた測地衛星の発信する電波を利用した位置を知るためのシステムと承知しておりますが、核燃料輸送時の輸送車両等の位置情報につきまして、事業所に置かれる輸送本部との間で連絡をとりつつ輸送が行われて、事故時には警察、消防等関係機関へも通報されることになってございますが、このGPSは輸送車両等の正確な位置を把握する上で役立つものであると認識しておりまして、事業者における普及状況を勘案しつつ対処してまいりたいと考えております。
○加藤修一君 ぜひ効果的なシステムをつくるように要請しておきたいと思います。 それでは、私は昨日、本会議質問の中でも自然エネルギーを取り上げて、一つの我が国の将来のエネルギーのオプションとすべきだというふうに考えてきたわけでありますけれども、さまざまなエネルギーのオプションを考えていかないと、なかなか京都会議でつくり上げました京都プロトコル、その京都メカニズムというのを達成して、さらに六%削減ということを二〇一〇年に達成することは極めて難しいという状況だと思うんです。そういった観点から、いろいろな小さいものであったとしてもたくさん寄せ集めて、省資源とかあるいは新しい資源エネルギーにかかわるような供給システムをつくり上げていかなきゃいけない、そういったことを考えていかなければいけないと思うわけですけれども、例えばリサイクルとかリユースとか、そういった観点もエネルギーについては非常に重要な観点だと思うんです。 私が今関心を持っている一つには、エコディーゼル燃料化事業とか、あるいはバイオディーゼル燃料化事業というのがあるわけでありますけれども、これについて概要をちょっと説明していただけますか。
○政府参考人(河野博文君) 御説明をさせていただきます。 バイオディーゼル燃料を含みますバイオマスエネルギー、これは地球環境問題への対応の観点から開発あるいは導入に私ども積極的に対応している分野の一つでございます。御指摘のような例を挙げさせていただきますと、これまで例えば京都市などで廃食料油を燃料として精製いたしまして、軽油の代替燃料として清掃車などで利用する取り組み、こういったものが開始をされてきております。ほかの地域におきましても、自治体を中心に試験的な取り組みあるいは導入計画が進んでいるというふうに承知しているところでございます。 私どもは、新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOを通じまして、こうした地方公共団体あるいは民間の事業者の方々が実施されます先進的な新エネルギー利用の取り組みに対しまして支援をさせていただいておりまして、バイオディーゼル燃料化のような廃棄物から燃料を製造するという取り組みにつきましても、この補助制度を適用いたしまして導入促進に努めさせていただいているところでございます。 今後、こうしたバイオマスエネルギーに関します取り組みの現状、課題についても調査を充実させながら、その一層の導入、促進に努めてまいりたいと考えております。
○加藤修一君 ちょっと確認ですけれども、調査を充実させながらというのは、こういった事業がどこで展開されているかということを捕捉するということも含めてという意味ですか。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のように、例えばCOP3が開かれました京都の例というのは比較的全国的にも有名になっているわけでございますけれども、地方公共団体あるいは地元の事業者の方の取り組みが全国幾つかのところで始まっているようでございますので、さらに私どもそういった調査も進めてまいりたいと思います。
○加藤修一君 従来の軽油に比べると、CO2が一二%減少するとか、あるいは黒煙の中に含まれているSPM、黒煙それ自体が六分の一になるとか、あるいは硫黄酸化物がほとんど含まれていない。非常に環境に対する負荷が小さいということで、そういった意味では、私は、本来投げ捨てられる食用油がこういう形で使われるということは非常に望ましいと思っていますので、ぜひ積極的に促進をしていただきたいと思います。 次に、私は、愛知万博の関係でちょっと提案をさせていただきたいと思っているわけです。 それは、環境と共生ということで、そういうテーマをもとにして二〇〇五年に行われるというふうに聞いておりますけれども、実は、この点についても、例えばいろいろのエネルギーを、最新のエネルギーということで、そういう博覧会の中で展示し、国民の皆さんに知っていただく、あるいは世界各国の方々に知っていただくということでは非常に望ましい機会だと私は思っておりまして、例えば、耳なれた言葉ではないかもしれませんが、雪エネルギー、ホワイトエネルギーと私は称しておりますけれども、こういったこともやはり国民の皆さんに知っていただく、あるいはほかの国々の方に知っていただくということも非常に私は大切ではないかなと思います。 これは、北海道では、例えば沼田町で米の貯蔵に使ったり、穂別町では、米、ナガイモ、ニンジン、あるいは美唄市では集合住宅にいわゆる冷水循環式雪冷房システム、そういうものを備えて雪エネルギーをうまく使っている。これは、北海道に限らず石川県とか岐阜県でも使っているわけでありまして、非常にこれは省エネルギーにつながっていく可能性が十分あり得る。 ちょっと計算したことを紹介いたしますと、日本全体で恐らく年間五百億トンから七百億トンの降雪がある。この雪を資源として利用して、例えば氷室効果、そういった点から考えていわゆるデータをとってまいりますと、雪一トンで十万キロカロリーだと、これは灯油に置きかえますと十一・二リットル相当のエネルギーになるということで、これは、米の備蓄基地構想が北海道でも浮かび上がっておるわけでありますけれども、初期投資プラス維持経費について、耐用年数も考慮したそういった計算で考えても、従来の似たような施設の半分程度で進めることができる。しかも保存効果が極めていいということを考えていきますと、地域の活性化の観点から、そういった面も含めて、あるいは省エネルギーの件も含めて非常に効果的な私はあり方ではないかなと思っているわけですけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。それが第一点です。 それからもう一つは、二〇〇五年の愛知万博にこういった雪エネルギーとかあるいは太陽エネルギーとか、さまざまな新しいエネルギーを組み合わせた展示、例えば住宅についてプロトタイプのようなものをつくってみるとか、そういったことも一つの考え方ではないかと思いますけれども、以上の二点についてお願いいたします。
○政府参考人(河野博文君) 先生、まず第一点の御指摘がありました氷室の活用といいますか雪エネルギーというお話は、私どもも耳にさせていただいておりまして、今後さらに勉強させていただきたいと思っております。 〔委員長退席、理事馳浩君着席〕 そういった新エネルギーを二〇〇五年の国際博覧会でどういうふうに扱うかということでございますけれども、御指摘のように、この博覧会は環境と共生ということを念頭に置きまして、「自然の叡智」という銘を打って、環境あるいは資源エネルギー、人口、食糧等々について世界の英知を集めた時代の実験場になることを目指すということでございます。 この具体的な計画は、現在、二〇〇五年日本国際博覧会協会で検討が進められておりまして、まだ結論が出ているわけではないわけでございますけれども、その中で、この「自然の叡智」というテーマを念頭に、御指摘のような新エネルギーあるいは省エネルギーなどのエネルギーのあり方についてどのように取り上げていくかということが検討されているというふうに伺っております。国会の場でこういう御指摘があったことは、この検討の場へも御報告をさせていただこうと思います。
○加藤修一君 どうもありがとうございました。 時間が来ましたので、ここで終わります。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 昨日の本会議で、私も党を代表して代表質問をさせていただきましたが、その際に総理に、安全神話にとらわれて安全対策を怠ってきたことについての謝罪と、根本的なその転換をまず最初に御質問をさせていただいたわけです。そしてまた、今回のジェー・シー・オーの事故への対応のおくれについても質問をいたしました。 結局、しかし、いただきました総理の答弁は、例えばこういうことです、「原子力開発利用に当たりまして、安全確保に細心の注意を払い万全を期することを大前提に、これまでも最新の科学的知見に基づき厳正に安全規制を行ってきたところであります。」というのがまず最初の御答弁であり、事故への対応のおくれについての私の質問に対しましては、「事故現場の状況につきまして得られた情報をもとに、政府としては可能な限りの判断と対応を行ってきたところであります。」ということで、今まで問題にされてきたようなことにつきましては、それこそ問題はないんだと、政府は可能な限りの判断と対応をやってきたんだということの御答弁でございました。私はこの点については大変納得することができない。多くの国民の皆さんも恐らくそのように思われると思います。 〔理事馳浩君退席、委員長着席〕 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、この間繰り返し、直接の責任はジェー・シー・オーだけれどもそれだけではないよと、そういう事故を起こしてきた政府の責任については、もうるる当委員会でも何度も質問をされてきたところでございます。 そこで、現場の責任者として大変な苦労をされた東海村の村長さんの御意見は私は非常に大事だろうと思っているわけです。私も、村上村長とは事故の後、党の調査団の一員としてもお会いをしました、十月二十七日のことでしたけれども、それから当委員会の調査のときにもお会いをいたしました。 村上村長は、もちろん国の安全神話の呪縛にとらわれていたということに対する国の責任を厳しく批判しながら、しかし同時に、加工施設ではそういう臨界事故は起こらないというふうに思っていた自分の不明も恥じるということを率直に私たちにも申されたわけでございます。政府はそういう反省は全く今まで聞かれません。 私は、衆議院の公聴会で村上村長が陳述をなさっている速記録をいただきましたが、非常に大事なことだと思いますので、大臣に、この村上村長が指摘をしている今回の初動対応のおくれということについて、三つの原因を挙げていらっしゃるんです、三つの原因。ほかにもいろいろ、自分としてはふんまんやる方ない思いだと、政府と事業者を信じてきた東海村村民はお人よしであったのかというようなことをるる述べられた後で、今回の初動対応のおくれということが問題になっているが、私はその原因を挙げれば三点あると。 その一つは、やはり想定外の事故だったという思い込みから臨界という事態への認識に手間取ったということが一点あると思います。今回、村が独自に三百五十メーター範囲の住民の避難勧告をしたんだけれども、私は今となってみますと、評価されているんだけれども疑問に感ずると。避難を開始したのは事故発生後実に五時間が経過していたからだということを加えて発言をされているわけでございます。 第二の初動のおくれというのは、やはり原子力事故を想定した防災法を制定することに対して政府と事業者は憶病であったのではないかと私は思っていると。原子力事故に対する法整備も組織体制整備も欠いておりました関係で、有効な処方せんを当初初動体制では持っていなかった。これが二点目の原因だと。 三つ目、現地、現場重視と住民保護の観点がどうも私どもとしましては薄かったのではないか。村は、科学的な解析よりも、状況判断により住民保護を優先したのは事実でございますがということで、三つの問題を挙げていらっしゃいます。 私は、あの事故の中で村上村長が、いろいろな状況が本当に手にとるように入ってこない事態の中で、とにかく村民の安全を第一にということで三時に避難勧告を出していらっしゃるんですが、これも現地に行って聞きましたら三百五十メートル、図にしますと、円を描きますとそれは三百五十メートルでぐるっと円は描けるんですけれども、ジェー・シー・オーから三百五十メートル範囲といったって住民の皆さんはジェー・シー・オーがどこにあるのかわかっていらっしゃらないわけですから、そんな情報を流したって逃げられないということで、結局いろいろな区域をきちっと選びましたところ、結局こういうふうなひし形のような区域になって、村民の避難を指示するということ、これになりました。(資料を示す) そのときの村長の判断というのは、それこそジェー・シー・オーの職員はもう全部逃げているんだからこれは逃がさなくちゃという、本当に現場感覚といいますか、そういうところで判断をしたというふうにおっしゃっているわけです。この現場の緊張した村長の判断、そして国会に出てこられたこの陳述、その点を非常に真摯に私は受けとめるべきだと思いますけれども、大臣のお考えをお伺いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 当日の事故後の状況につきましては、総理の御答弁の中でも、「事故現場の状況につきまして得られた情報をもとに、政府としては可能な限りの判断と対応を行ってきた」というふうに答弁を総理がされておられますが、そういうような対応をさせていただきました。 しかし今、西山委員お話しのとおり、現場におきましては、特に村長さんのお立場では大変な御苦労があったと思います。重要な判断、決断をしなければならない、また、だれに相談していいかわからない、情報もなかなか入らない等あったことと思いまして、村長の御苦労に対して、とられました対応について、本当に心から私ども敬意を表する次第でございます。 三つの原因について委員からお話がありましたけれども、私どもすべてが万全の体制であったとは思っておりません。いろいろ日ごろの検査体制あるいは当初からの審査体制、それから当日の初動体制のおくれ等々いろいろ反省すべき点があると、そういうふうに思っておりまして、そういうことから今回、新しい法律の御審議をお願いしているところでございまして、村長の御指摘等も十分に参考にしながら今後の再発防止に努力をしていきたいと、そういうふうに思っております。
○西山登紀子君 具体的にお伺いしていきたいと思うんです。 「事故現場の状況につきまして得られた情報をもとに、」「可能な限りの判断と対応を行ってきた」、こういう御答弁だったんですけれども、私は当日、十時三十五分に事故が発生して、もう十分後にはジェー・シー・オーの所長はこれは臨界だと判断しています。十一時十五分にはジェー・シー・オーがファクスを科技庁に入れています。十一時五十八分には運転専門官がジェー・シー・オーに到着をしています。このときに、ジェー・シー・オーの所長は、臨界事故の可能性について報告をしているんですけれども、そのときにその運転専門官は中性子線の測定について指示をしていないわけです。これはなぜでしょうか。 到着をする前にも科技庁は中性子線の測定について指示をその専門官に与えていないわけです。また、専門官はその現場で臨界の可能性があるというふうに所長から聞いたときにも、測定をしなさいというふうに指示もしておりません。これは十月二十七日の我が党調査団の調査でも明らかになったわけですけれども、これはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(間宮馨君) 御説明いたします。 運転管理専門官の業務といたしまして、異常時におきまして情報をキャッチするということがございまして、そういうことで、我々としては、当日早くから第一報が本庁に入ったことを受けまして、この東海村に常駐する運転管理専門官及び他の施設に検査のため出張していた職員に対しまして、直ちに現地に向かい状況の把握を行うとともに本庁あてに報告するように指示をいたしました。この指示を受けまして、午前十一時五十八分には運転管理専門官はジェー・シー・オーの東海事業所に到着をいたしております。 その後、同専門官は、ジェー・シー・オーから施設内に設置されたエリアモニターが高い指示値を示しているとの説明を受け、直ちにその旨を本庁に連絡してきております。また、ジェー・シー・オーに対しましては、住民の避難の検討と近隣の専門家の応援の依頼を助言するとともに、那珂町に当該事故状況を伝えるよう助言をいたしております。 その後は、本庁から派遣された職員が到着したことを受けまして、派遣された職員とともに現地対策本部の立ち上げのための準備を行ったということでございまして、今御指摘の中性子線の測定に関しましては、臨界継続というところまでは思い至らなかったということで、そういうところまで指示ができなかったのではないかと推察いたしております。
○西山登紀子君 臨界継続ということをわからなかったということなんですけれども、臨界という認識はあってその運転専門官は派遣したんですか。
○政府参考人(間宮馨君) 第一報の中にガンマ線の測定値とともに臨界事故の可能性ありという記載がございまして、この旨も当然運転管理専門官に伝えてございますので、そういう可能性があるという認識は持って対応はいたしておりました。
○西山登紀子君 可能性があるという認識を持ちながら、それでは、その運転専門官に中性子線をはかるということをやっぱり指示すべきだったんですね。これは指示していないというのはもうはっきりしておりますし、いろんな言いわけをなさっていますけれども、有馬長官自身がある雑誌に、当然現場では中性子線を測定しているだろうと思い込んでいたので、中性子の測定をしなさいということを言わなかったのは今はもうざんきにたえないということを言っておられるわけです。この点は非常にはっきりしていますから、そういう指示をしなかったことについては、認識があってなおさら中性子線の測定を指示しなかったということについては、これはもう明らかにミスでございます。 それで、臨界が継続しているかどうかということ、もし百歩譲ってわからないにしても、それをわかるためにもやっぱり中性子線の測定はしなきゃいけない。この判断はもちろん大事なことでございます。 次の質問に移りますけれども、ジェー・シー・オーから二キロメートル先に、実は原子力研究所那珂研究所というところがございますが、そこの観測装置は事故が起きた九月三十日の午前十時三十五分過ぎに中性子線の高いピークを観測しているわけです。この情報というのはいつ科学技術庁に届いたのでしょうか。
○政府参考人(間宮馨君) 御説明いたします。 日本原子力研究所におきましては、那珂研究所で中性子線の連続測定を常時行っておりますが、今回の事故が発生した九月三十日午前十時三十七分に測定された通常のレベルより高い値を、当初はノイズを拾ったものである可能性が高いと解釈をしておりました。その後、事故が起こった旨の報道がなされるに及びまして、それを踏まえて確認した結果、この午前十時三十七分に測定された値は事故によるものであるとの認識がなされまして、午後三時十一分、当庁に対して二つのモニタリングポストの午前十時三十七分における値が、通常はゼロであるところ、おのおの〇・二六、〇・〇四四マイクロシーベルト・パー・アワーである旨の情報が送られてきております。 さらに、午後四時四十七分、当庁に対しまして、午前十時三十七分に中性子モニターの指示が上がっているのはノイズではなく有意な値と判断される旨のコメントを添えて、モニタリングポストの午前九時半から午後一時ごろまでの測定値の時間変化を連続的にグラフにしたものが送られてまいりました。このような連絡につきましては、当庁としてもその後の対応の参考にしたところでございます。 なお、このころ、核燃料サイクル開発機構がジェー・シー・オー敷地境界において中性子の計測を始めておりまして、午後五時ごろ、敷地境界での中性子測定データ、結果を得て、臨界が継続しているということを認識、確認をいたしたわけでございます。
○西山登紀子君 もう一度確認をさせていただきたいんですけれども、那珂研究所から一番最初に科技庁に連絡が来たのは何時でしょうか。
○政府参考人(間宮馨君) 午前十時三十七分における値のみでございますが、この値につきましては午後三時十一分に到着しております。
○西山登紀子君 ちょっとおかしいんじゃないですか。一番最初に、もう那珂研究所では十時三十七分ごろに急上昇した、いわゆるバーストというこの線が出ている、大変だということで、これはしかしノイズかもしれないというコメントをつけてファクスをしたのは午後一時ごろだというふうに現場の課長から聞いておりますが。
○政府参考人(間宮馨君) 我が方にはファクスの記録がございまして、その記録によりますと、今申し上げましたように、午後三時十一分でございます。
○西山登紀子君 おかしいですね。午後一時ごろに科学技術庁に那珂研究所の松下安全管理課長は連絡、ファクスを送って、そのときはノイズかもしれないというコメントをつけて送っているんですが、午後二時前にテレビでこの臨界事故の情報を聞いて、それでもう所内も驚愕をして、すぐに電話で中性子線が到達したというこの連絡をしたというふうに聞いているんですけれども、そんな遅いんですか、三時とか。
○政府参考人(間宮馨君) 当方の記録には今の件がございません。三時十一分のものが最初と認識しております。
○西山登紀子君 中性子線のこのバーストというのですが、最近よくテレビ、マスコミにも出ておりますが、こういう記録、最初にばあんと出て、何回か繰り返しながら長時間、二十時間近く臨界が継続しているという、こういう状況ですが、(資料を示す)一番最初のこの部分が一番早く科技庁に那珂研究所から実は送られてきているわけでございます。現場の課長さんにお聞きすると、今申し上げましたように一時ごろに科技庁に連絡をし、二時前に中性子線だという訂正の連絡をしているということです。 この中性子線、こういうふうに非常に明確に記録がされている。こういう臨界事故を示す非常に重要な情報だと思うんですけれども、先ほどちょっと局長の方から御説明がありましたけれども、これが長官だとか原子力安全委員会に提出をされたのはいつどのような形で提出されたのでしょうか。この情報というのは、極めて、臨界事故を示す、しかもこれは臨界ももちろん継続をしているという判断材料だと思うんですけれども、どんなふうに扱われたんでしょうか。
○政府参考人(間宮馨君) 当日の状況でございますが、いろんなデータがどんどんいろんなところから入ってきたわけでございまして、この時間帯には当庁の事故対策本部及び原子力安全委員会の方でもいわゆる緊急助言組織が動いておりまして、そういうところにどんどん来たデータがそのまま運び込まれていたというふうに我々は理解しております。
○西山登紀子君 いや、どんどんじゃなくて、有馬長官にはいつどういう形でこの情報が、こういう那珂研のこれは臨界事故を示す非常に重要な、しかも中性子線を測定しているという極めて貴重な情報なんですよ。これを有馬長官にいつ、あるいは原子力安全委員会が正式に開かれたのは午後の二時でございますが、そのときにはこれは提出をされているのかどうかということです。
○政府参考人(間宮馨君) 有馬大臣にいつというところにつきましては、ちょっと今手元に情報ございませんので確認してお答えいたしたいと思います。 先ほど申し上げましたように、原子力安全委員会の緊急技術助言組織は断続的に会合を開いておりまして、このデータが得られました直後の会合が午後六時ごろから開かれております。その席上で、いわゆるその会合に対してはこの情報が出されたと、それ以前にも各委員さんのところにはもちろん回っていたわけでございますが、会合としてはこの午後六時ごろの緊急技術助言組織に出されてここで確認が行われたということでございます。
○西山登紀子君 今、午後六時とおっしゃったんですね。
○政府参考人(間宮馨君) はい。
○西山登紀子君 原子力安全委員会でこの重要な那珂研究所のデータが検討され、俎上に上ったのは午後六時、こういうことですか。もう一度確認します、六時。
○政府参考人(間宮馨君) 繰り返しますが、非常にその当時いろんな動きが早くなっておりまして、その中で来たデータはどんどん、例えば緊急技術助言組織でございますと、各委員さんのところには届けられていたわけでございますが、会合として集まられたのが午後六時ごろということで、その会合の席上で皆さんごらんになって確認をされたということでございまして、個々人は届けられた時点以降、その個人の行動によりますが、適宜ごらんいただいていたというふうに考えております。
○西山登紀子君 非常にこれは私は問題だと思います。三時に村上村長が苦渋の選択をするときには、もう国も何を聞いても何にも指示をしてくれないと。とにかく、ジェー・シー・オーが逃げているから村民を逃がさなくちゃいけないということで、もう村長は独断で決断をするわけですね。国は何も助けてくれない、早く情報が欲しい。しかも、先ほど間宮局長は十一時十五分のファクスをもらったときにもう臨界だと判断しているということであれば、早く住民を逃がすという判断をしなきゃいけない。それもやっていないわけでしょう。そして、那珂研究所から、中性子線を測定した、しかもこういう形もきちっとした重要なものがファクスで送られていると。現地の課長は一時に送った、そして二時にノイズじゃない、中性子だという電話をわざわざ入れている、こういう状況なんです。 ところが、安全委員会の俎上にのったのは夕方の六時だと。科学技術庁自身はこの情報を受け取ったときにだれがどういう判断をしたんですか。ただコピーして横に回したんですか。科学技術庁はどうしたんですか。
○政府参考人(間宮馨君) 四時四十七分にいわば先生今お示しされました流れのような情報が来たわけでございますが、それとほとんど相前後いたしまして、核燃料サイクル開発機構がジェー・シー・オーの敷地境界、こちらの方がより重要な情報でございまして、において中性子の計測をしたデータが届き始めておりまして、我々の注意はそちらの方に向いたということでございます。
○西山登紀子君 つまり、このデータには注意を向けなかったということですよ、これほど重要な。事故が起こったときに同時にこれは中性子線をキャッチしているわけですから。科学技術庁はこの重要なデータに注意を向けなかった、これはもうはっきりしたんじゃないですか。
○政府参考人(間宮馨君) 繰り返し申し上げますが、非常に動きが早い中でいろんな物事が起きているわけでございまして、今おっしゃいましたその系列的なデータ、これはこれで来たわけで、認識はしておるわけですが、我々が欲しかったのはまさに現地で何が起きているかというデータでございまして、それが相前後して届いたということで、まずそちらから注意を払って、さらにその上でこの系統だったデータを眺めて物事がどういうふうに起こったかという認識をいたしたわけでございまして、そういう意味で、この系統だったデータについて関心を持たなかったということではございませんで、いわゆる敷地境界での値ということをまず重視いたしまして、その値を確認し、全体の状況がどう流れてきたかということを理解する上で、原研から来たデータについては当然ながら検討を加えて理解を深めたということでございます。
○西山登紀子君 局長の答弁を聞いていますと、本当に原子力安全局長としての職責を全うしていただけるのかなと、そこまで私は思います。 これはいただいた資料ですけれども、ジェー・シー・オーからわずか二キロ那珂研究所は離れたところにあります。で、事故が起こった直後に見事にこれはキャッチをしておりますということで、手にとるようにジェー・シー・オーの中で何が起こっているのかということで、それはもう二時ごろに課長は慌てて訂正の電話を入れているわけですけれども、科技庁はこのデータには余り注意もしないで、長官にもいつ連絡したのかもわからない、原子力安全委員会の俎上にのったのは夕方の六時と、こういうことでございます。私は、その点については厳しい反省を求めたいと思います。 「住田健二・原子力安全委員に聞く」というインタビューの記事を私は新聞で見ました。住田委員は、この原子力那珂研究所のデータについて、「実は事故当日の午後三時か四時には原子力安全委員会にも来ていた。言い訳になるが、混乱の中で、山のようにあった資料のどれをチェックすべきかという判断がうまくいかなかった。中性子線のデータを最初に見たとき、測定時間も短く、中性子のバーストが出ていること以上のことは分からないと思ったが、実際には様々な重要な情報が含まれていた。」、こういうふうに言っていらっしゃいます。「もっと早くデータを吟味していれば、臨界の全体像が把握できたはずだったのに、と残念に思った。」、「とにかく、データを取っていた原研には感謝したい」と、こういうふうにも述べていらっしゃるわけです。 私は、少なくとも科技庁はこういう住田原子力安全委員のような立場に立っていただかなければ、これはもう本当に今後何をどうゆだねていいのかというのが不安になります。 私も、この臨界事故について科技庁の対応が余りにも私は納得できませんので、少し勉強をさせていただきました。この那珂研の送ってきたデータというのは、特徴のあるこういう変化を描いているわけですけれども、それは、後こういうふうになってずっとこう続くという典型的な溶解中の臨界事故によるエネルギーの放出を示したものだと原子力関係者ではいわば常識のようになっているそうでございます。 私は、実は原子力安全研究協会というところがおつくりになっている、こういう「核燃料の臨界安全」というテキストがあるんですね。これは入門書ですけれども、昭和四十四年四月につくられていますから三十年ほど前から既にこういう教科書のようなものはあるわけです。それが改められまして、八四年の十二月にやはり「核燃料の臨界安全」という「実務テキストシリーズ」というのが出されています。それを少し勉強させてもらったんですけれども、そのテキストには、これはもう皆さんはおなじみのテキストだと思いますけれども、やはり那珂研究所がキャッチしたこういうバーストがびゅーんと出ていて、後ずっとこうなっているというグラフが入っていまして、「溶液系における臨界事故を考えると、基本的に図4のような核分裂エネルギーの放出がある。」。図4というのは、今回の那珂研と同じようなこういう図でございます。 最初に臨界に達した直後の急激なエネルギー放出は瞬時のうちに終わる。その後、何回かの小さい爆発(バースト)をくり返しながら臨界状態が続く。最終的には未臨界状態となり反応は停止する。このような現象を臨界バースト現象という。 臨界バースト現象におけるバーストの大きさや持続時間を決定する因子としては、核燃料の組成・形態、容器の形状などの影響があることはもちろんであるが、臨界状態すなわち核分裂連鎖反応の促進および停止につながる主要条件は、系に添加される反応度の大きさ・添加速度と、エネルギー放出に伴う系の温度変化や沸騰あるいは気体状核分裂生成物の生成による気泡発生などの現象による反応停止機構とである。 つまり、いろんな因子が重なって続くんだと、それで停止に行くんだということをわざわざ書いてございます。 このテキストを読む限りにおきますと、やはり臨界状態というのは、ばあんとバーストが起きて小さい爆発を繰り返しながらずっと続いて、そしてそれはいろんな条件によって左右されながら継続時間は決まるんだというふうに私は読み取れるんですけれども、こういうふうにテキストには書いてあるんじゃないですか。
○政府参考人(間宮馨君) 世界の核燃料施設におきます臨界事故は、これまでに米国七件、英国一件、ロシア十二件、計二十件報告されております。このうち一件はプルトニウム金属燃料の取り扱い時における事故でございますが、他の十九件はすべて溶液系で発生しております。これら事故の臨界の持続時間は、多くは数秒から数時間でございますが、十時間以上持続した事故は三件でございます。 そういう意味におきまして、当時専門家の方が思われた、我々もそういうふうに思いがちであったわけでございますが、やっぱり臨界というのは最初に起きて基本的にはそこで終わるということでございまして、もちろん終わらない可能性も若干はあったわけでございますが、その可能性の確認というのが、先ほどから出ております中性子線の測定データがなかったということもございまして、確認に手間取ったということでございます。
○西山登紀子君 私の質問にお答えになっていないと思うんです。これ、それこそ入門テキスト、「実務テキストシリーズ」ということで、財団法人原子力安全研究協会核燃料施設臨界安全管理編集委員会ということで、日本原子力学会のそれこそ知見をここに盛り込んだものでございますね。ですから、入門のテキストには、今私が申し上げましたように臨界状態が、「最初に臨界に達した直後の急激なエネルギー放出は瞬時のうちに終わる。その後、何回かの小さい爆発(バースト)をくり返しながら臨界状態が続く。」と。その続く条件というのはいろんな状況が絡まって続くんだというふうに書いてあるのは事実でしょう。それをお認めいただきたいんですよ。世界のことを聞いているんじゃないんです。
○政府参考人(間宮馨君) 失礼いたしました。 そこに書かれていることは我々もそのように承知しております。
○西山登紀子君 テキストにはそういうふうになっているわけですから、最初に十一時十五分に連絡を受けて臨界だというふうに思われたんだったら、当然これは続いていると。続いているその状況を把握するためには、まず連絡を受けたときに中性子の測定をしなさい、あるいはどこかから持っていって援助を受けてはかりなさい、こういうふうにするのが私はこれは普通常識じゃないかというふうに思うわけです。 なぜそのことを私はるる言っているかといいますと、もちろんこういう事故が起きてから私たちも勉強させてもらったわけですけれども、この臨界事故が発生した場合の住民の保護というのは何よりも時間との勝負だ。早く逃げる、遠くに逃げる、遮へい物の陰に隠れる、そしてもとの臨界をきちっととめる。臨界だと思った瞬間にこの二つの対策が瞬時にとられなければいけなかったわけです。それがやられなかった。しかも、重要な情報を送ってきた那珂研究所のこの情報は、夜の六時まで安全委員会の俎上に十分のせられなかった。受け取った科技庁は、長官にもいつ報告したかわからない、今の状況では、わからないと。 私は、やっぱりこれはどう考えても弁解の余地のないずさんな、体制もそうだし、専門家として技術的な点での科学的な知見を本当にお持ちなのかなという不信感も残念ながら持たざるを得ないわけです。率直にしかもそれを反省しない。こういう状況では、またこういうふうな事故が続くんじゃないかと大変私は心配をするところでございます。 大臣にお伺いしたいんですけれども、私はこの那珂研究所の情報というのは非常に大事な、ジェー・シー・オーの事故が臨界事故だし、それが継続しているということを示唆する非常に重要なデータなんですけれども、このデータが、実は「緊急提言・中間報告」の中にこういう報告があったということについても触れられていないんですけれども、それはなぜ触れられていないんでしょうか。十一月五日の「緊急提言・中間報告」の中に触れられていますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) なぜ十一月五日の中間報告に加えられていないかという御質問にお答えする前に、なぜ臨界の継続、それを想定しなかったんだ、すぐそれを考えて手を打たなかったんだということに対する御質問でございますが、私も技術者の端くれでございますけれども、臨界事故が起きたということを聞いたときにまず私自身考えましたのは、いわゆる中性子による即発臨界、これで瞬時の爆発的な反応が起きる、普通はそれでストップをするというのがある意味で常識でございまして……
○西山登紀子君 時間がないですから、聞いていることだけ答えてください。
○政務次官(斉藤鉄夫君) そういうことでございます。 また、この那珂研のデータにつきましては、いわゆる中性子が出て臨界反応が継続をしていたということについては、その中間報告を書く時点で核燃料サイクル機構のきちんとしたデータがありましたので、そちらのデータがとられたんだということだと思います。
○西山登紀子君 それは余計に問題じゃないですか。こっちの方が早く来ているんでしょう。しかも、一番最初からの中性子、ジェー・シー・オーの事故の模様を克明にとらえているのは那珂研究所のこのデータなんですよ。そのことについてこの緊急提言の中間報告には一言も触れられていない。その情報がいつどのような形で科技庁に届き、あるいはどのような判断でそれが生かされたのか生かされなかったのか。もし生かされなかったとしたら、その教訓は何なのか。そういうことについてやっぱり検討しなかったらいけないんじゃなかったんですか。 この中間報告に載っていないでしょう。まず載っていないことを確認してくださいよ。
○政府参考人(間宮馨君) 今確認いたしまして、載っていないということでございます。 この中間報告の性格でございますが、いずれ最終報告が出るという中での中間報告でございまして、要するに緊急提言をやっぱりすべきであるという議論から、いわゆる直接的な原因究明の結果をもとにやはり直ちにいろんな措置を講じる必要があるということで、そちらに重点を置いて書かれた報告書でございますので、詳しいいろんなデータにつきましては最終報告に盛り込まれる予定でございます。
○西山登紀子君 委員長、これは住田原子力安全委員も、データをとっていただいていた原研には感謝したいと言い、よくよく見たらやっぱり臨界の全体像が把握できていたのに、非常に残念だと思ったというような率直な御意見も出している。ところが、そのデータは、住田委員は、安全委員会に三時か四時には来ていたというふうな御意見もある。ところが、今局長に聞くと、実際俎上にのっけたのは六時ごろだとか、あるいは那珂研から連絡をもらったのは三時過ぎだとか、しかし那珂研の課長さんは、一時にファクスを入れ、そのときはノイズかもしれないというふうにコメントをつけて送ったけれども、テレビで事故だというのを知って慌てて訂正の電話を入れたというのが現場の課長さんの私どもが聞いたことでございます。 ですから、そういう大事な問題を事故中間報告に、最初からきちっと検討がされていないということ自体が私はやっぱり問題だと思うので、なぜこういう中間報告の中に、あるいは事故検討委員会の中でこれがどのような扱いがされていたのかどうかということについても、私は委員長にお願いしたいんですけれども、もう少し克明にこの調査委員会にきちっと報告をしていただくようにしていただきたいと思う。そうでないと納得ができません。
○政府参考人(間宮馨君) 今の那珂研データの活用でございますが、具体的に例えばどういうふうに活用したかと申しますと、沈殿槽内の試料の分析結果から推定された総核分裂数が臨界の初期のバースト期間とその後の低出力プラトー期間にどのように分布していたかを評価するに当たりまして、このプラトー期間の積算出力から同期間の核分裂数を算出して、これと総核分裂数との差からバースト期間の核分裂数を算出しているわけでございますが、このプラトー期間の積算出力の評価に必要な同期間の出力変化の評価におきましては、この那珂研のモニタリングポストの中性子線の測定データを活用しているわけでございます。 さらに、このようにして得られた総核分裂数は周辺環境の線量評価のためのベースとして活用しているわけでございまして、そういう意味では那珂研のデータはいわば最大限に活用させていただいております。
○西山登紀子君 るる言われるんですが、私が問題にしているのは、一番最初に事故が起こった直後、十時三十七分にはもうバーストを記録している。そして、通常の中性子線の状態からぐうんと一段と上がった状態がずっと正確に記録されている。この記録は、何よりも住民をこの被害から避難させる、この被害から本当に一瞬でも早く避難をさせる対策、あるいは臨界事故を終息させるために動く、こういう決断をする上で最も早く活用されなければならなかったデータではなかったかという点を問題にしているんです。そこが大事なんですよ。(「何でそれが六時になるんだよ」と呼ぶ者あり)本当ですよ。その間に住民は多く被災をしているんです。 そこで、私は、ちょっと実際に東海村の住民の皆さんがその当時何をどのようにしていたのかということを三人の方にインタビューをしてじかに聞いてみたんです。 例えば、Aさんは三百メートルぐらいに自宅があるそうですが、ヘリコプターの音がうるさいということでテレビをかけても余りよくわからなかったというんですが、当日昼の二時ごろに東京から息子さんが電話をかけてきて、そしてテレビをかけた。村のスピーカーは家の中の何かスイッチを切っていたので聞こえてこなかったということで、はっきり聞いたのは三時半ごろ、外のスピーカーから逃げなさいと、三時四十分、逃げなさいということで自分で車でコミセンに行ったというわけです。この方は自宅にずっといたわけです。九月三十日の十時三十五分のときもずっと家にいたと。三百メートル以内に家はあるんですよ。そういうことだったと。今二・五ミリシーベルト推定値ということで大変沈うつな思いになっていらっしゃる方なんです。 もう一人の方は、常陸太田の方に十時三十五分のときにはいたということで、十二時ごろ車でジェー・シー・オーの近くを通ろうとしたら事故だというので、原子力の事故だったら海の方かなと思っていた、ジェー・シー・オーの存在は知らなかったと言うわけですよ。自宅はジェー・シー・オーから五百メートルほど離れていたところ、テレビをつけてずっと家にいたと。五百メートルぐらいだから大丈夫かなということで奥さんは最初からずっと家にいた、こういうことでございます。 それからもう一人の方は、御夫婦で田んぼで作業をしていたそうでございます。自宅はジェー・シー・オーから四百五十メートル。八百メートルぐらいのところで田んぼの作業をしていて、十二時半に家に帰ったときに初めてテレビで知ったそうです。午後また五百メートルぐらいのところの田んぼに出ていって田んぼの作業をしているんです。それで二時間ぐらい田んぼの作業をして三時ごろ家に帰って、避難しろということで大変だと思ったという状況です。 やはり、今回の事故は、私もジェー・シー・オーの工場に行って実際試験棟のそばに立ってみましたけれども、被害が目に見えない。目に見えないものの恐怖、事故というのはこれは私はもう大変なものだなと。例えば火事のようにもくもくと煙があれするだとか何か音が立つとかそういうものじゃなくて、見えないし音は出ない。そういう中で、だから、正確な情報をきちっと伝えないと、住民はいつものとおりの平穏な生活をずっと続けているんですよ。だれが正確な情報、科学的でしかも正確でしかも敏速な指示をする責任があったのかということが今問われているのではないかと思うんです。 その点で私は、やはり那珂研究所の測定したこのデータというのは非常に重要な貴重な資料ですし、そのことを私は中間報告が全く欠落させているということについて、これは意図的であれば極めて問題だと思います。その点についても私は詳細な調査が必要であると思いますし、ここの委員会に私は報告をきちっとしていただきたいと思う。その点で大臣の御答弁をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 事故直後の対応についてでございますが、今委員御指摘の那珂研究所のデータの利用についてのお話でございますが、私自身細かいそのときの状況を存じ上げませんので、今後もう少し私自身も勉強してみたいと思っておりますけれども、当時の関係者の中でそのデータ、情報がどういうふうに利用されたのか、またどういう議論であったのか等は調べてみたい、そういうふうに思っております。 それから、地域の皆さん方の今お話がございました。行政防災無線等もあるわけでございますが、室内におられる方、屋外におられる方、スイッチを切っておられる方、いろいろでございました。今後の体制につきましては、今回のそういう反省も踏まえまして、住民の皆さん方に、すべての皆さんに情報が伝わるにはどうしたらいいかというようなことも地方の自治体の皆さん、関係者の皆さんとそれぞれ御相談をしてもらって、そして事前に十分な体制ができるように今後私どもも協力をしていきたいと思っております。
○西山登紀子君 先ほど言いましたように、住民の皆さんは本当にごく普通の生活をしていた、そこに本当にああいう事故が起こったということについて正確な情報も正確な知識も持たないまま被曝をたくさんの人がしてしまった。これは非常に重大なことだと思います。 元官房長官、野中さんは、夜の十時半ごろに十キロ圏の屋内退避という判断を下したときに、大げさと後でしかられてもいいから住民の被害を少なくするために決断をするというふうなことをおっしゃったんですけれども、それは夜の十時半のことでございます。 私は、そういうことを言うのであればもっと早い段階に、科技庁が十一時十五分にファクスを受けた段階で即座にそういう判断をして、住民の避難等々についてもっと敏速な対応をすべきではなかったか、そのことについても反省がされるべきだと思います。 大臣は、当時のことは自分はタッチしていなかったとおっしゃいますけれども、今、この事故対策の後は大臣の責任においてやっていらっしゃるんですが、この中間報告は大臣自身が当委員会に報告されたのです。その報告された中間報告の中に私は非常に最も核心的な部分のこのデータが見事に欠落しているという状況がある。これについてはやっぱり大臣自身が責任をお感じいただきまして、もう一度きちっとなぜ抜けたのかということについて事実経過も含めて御報告をいただきたい。そうでなかったら納得はできないと思うんです。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず私は、その時点で私は関係ないとかタッチしていないという、そういうつもりで申し上げたんじゃなくて、その技術的な判断をする場にいないし、そういう意味で詳しいことがわからないと申し上げたわけでありまして、私が大臣になっていたなっていないという、そういうつもりで申し上げたわけではございません。 それから、先ほどのデータのお話ですが、先ほども申し上げましたように、そのデータがどういう形で議論されたのかということについてはもう一度勉強してみたい、また御報告もさせていただきたいと思っております。
○梶原敬義君 鳥取県の人形峠、岡山県と鳥取県の県境、先ほどウラン残土の問題で加藤委員から質問がありました。関連して、若干大臣の決意を求めたいと思うんです。 もう今故人になりましたが、昔、吉田達男という参議院に同僚議員がおりまして、これは鳥取県の出身ですが、非常に本件について、これは何とかならないかということで本委員会でもたびたび取り上げておりました。故人となりましたが、私はよく気持ちはわかります。 きょうの新聞を見て質問をしようと思いましたが、同僚議員がもうほとんどやられましたので、質問を聞いておりまして問題点だけ指摘をしたいと思います。 先ほどの答弁では、核燃料サイクル機構の問題だと。国じゃなくて核燃料サイクル機構の責任というか、これがおくれているんだというような、そういう答弁だったと思うんです。核燃料サイクル機構と国との関係というのは、これは国の責任があるわけですから、この際、中曽根長官のときにこれはもう片づけないと、通産省も科学技術庁も役人は一年交代ぐらいでこう行く、次々に引き継いでいく、だからだれも片づけない。大臣も一年置きぐらいでかわる。 この際、中曽根長官の腹でこの人形峠のウラン残土の問題というのはひとつ片づけてもらう、そういう強い要望を大臣に申し上げたいんですが、決意をひとつ。
○国務大臣(中曽根弘文君) 梶原委員おっしゃいますように、これは国は全然関係ないと、そういうことではございません。核燃料サイクル機構がこの問題で地元の御理解をいただく努力をしながら対応をとっておるわけでございますけれども、また、他の場所に移すことができないかということでいろいろな地域にお願いをし、なかなか御了解いただいていないというままに今日まで来てしまったようでございますが、今委員おっしゃいますように、できるだけ早くこの問題が解決いたしますように、また私の立場で努力をしていきたいと思っております。
○梶原敬義君 これはもう中曽根長官のときしか片づけるチャンスはないと、このように期待をしておりますから、よろしくお願いします。 次に、使用済み核燃料の中間貯蔵施設についてお伺いしますが、先般、法案審議をやっている過程の中で、どうも電力会社の方から東海村の方に打診をしているというようなことがちょっと出まして、東海村の村長も少し腹を立てておりましたが、まさかこういうような臨界事故があった後、東海村にということにはならぬでしょうねということをお尋ねします。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘の中間貯蔵でございますが、具体的な立地地点につきましては事業者サイドで現在検討中という状況で、具体的地点名を聞いているわけではございませんけれども、御指摘のような地点が候補に入っているというふうには聞いておりません。
○梶原敬義君 これは長官、沖縄の県道越えの演習のときに、村山総理の時代です、結局こっちに持って帰ってこっちでやろうということになりまして、四カ所か何かのうちの一カ所、私の大分県の地元ですが、大分県の日出生台で演習をやるようになって、今もうやっておるんですね。やっぱりこれは片づかなかったら、時の総理を三人も出している県があるんですよ、群馬県。今、科学技術庁の長官も群馬県、そういうときしか、どうしようもないときはやっぱり群馬県が率先垂範してこれは本当に対応するような形にしなきゃ。 この法律をつくったときに、私はこれは問題あると。これはまじめな話、発電所の中で敷地が多いんだから、そこであと十年分とかあるいは二十年分とかそのぐらいのスペースはあるじゃないかということをあの審議のときに大分言ったんですが、いや、もうこれするしかないということであの法律は押し切ってできたんですね。 この点について、長官、考えることがあればひとつ、感ずることがあれば。
○政府参考人(河野博文君) 大変申しわけございません。先ほど言葉足らずではございましたけれども申し上げましたように、事業者の方でも具体的な立地地点を考えてはいるようでありますけれども、まだ具体的には上がってきていないわけでございまして、私ども通産省といたしましても科学技術庁長官に御報告できている状況ではございませんものですから、その点は御理解をいただきたいと思います。
○梶原敬義君 じゃ次に移りますが、日本原子力発電株式会社敦賀発電所二号機の冷却水漏れの事故について少し経過を。 これは、九九年七月十二日午前六時五分、警報が鳴って、冷却水が漏れて手動で工場をとめております。L字形の配管の亀裂が原因だということですが、少し経過を。操業状況は、いつとめて、動き出したのはいつなのか、そこもひとつあわせてお願いします。
○政府参考人(河野博文君) 原因等につきましては、もしお時間をいただければ藤冨審議官の方から御報告させていただきますけれども、御指摘のとおり、七月十二日に格納容器内におきまして一次冷却水の漏えいが起こったということでございました。 簡単に原因だけ申しますと、高サイクル熱疲労ということでございますが、この後、運転をとめまして原因を調査し、再発防止策について検討をしてまいったわけでございます。去る十月二十五日に、原子力安全委員会へこの調査結果及び再発防止策について御報告をし、御理解を得たところでございます。 再発防止策については、詳しいことははしょらせていただきますけれども、技術基準の改正ですとか、あるいは高サイクル熱疲労による損傷防止の規定を追加する等、検査の充実などを考えております。 今後、基本的な原因調査についての御了解を安全委員会から得たこともあり、修理に入るわけでございまして、運転再開は来年のしかるべき時期ということになろうかというふうに思っております。明年のしかるべき時期ということで、まだ確定しているわけではございませんけれども、明年に入りましてもやはり一、二カ月はかかるのではないかというふうに思っております。
○梶原敬義君 高サイクルによる熱疲労ということですが、どうもなかなか中間報告読んだけれどもよくわからないんですね。私は、こんなことよくわからぬ、専門じゃないからわからないんですが、もしやそういうことになれば、そういうような配管のやり方というのはあっちこっちにもある。それは、同類のそういう熱疲労も起きる可能性がある。安全だ安全だと、こう言っているが、その辺は一体本当に大丈夫なのかどうなのか。
○政府参考人(藤冨正晴君) 御説明いたします。 ただいま先生の御指摘のありました高サイクルの熱疲労と申しますのは、つまり繰り返しの応力が大体十万回以上来ましたときに寿命となるものを一般に高サイクル疲労と申しております。これは日本機械学会などで使われている定義でございます。 それで、今後はこの対策として、同様な高サイクル熱疲労が起こらないように、先ほど長官が御説明しました技術基準を改正して高サイクル熱疲労による損傷の防止を図る、注意するということと、検査におきましても高サイクル熱疲労を考慮した検査の充実として、高温部と低温部の水がまざるようなところについてUT検査、超音波探傷検査をいたします。 それからまた、今回比較的細い管で漏えいが起こりましたので、これにつきましては、格納容器の第一種管、主冷却材が流れているところと同じ温度とか圧力がかかる、そういうものについては細いものであってもUT検査をするということを考えております。
○梶原敬義君 中間報告にはそういうことを書いておるんですが、私は、日本の科学技術というか原子力技術といいますか、科学技術全般を見て、そんなに優秀じゃないと思うんです。この前、国産HⅡか何かの打ち上げのときに、あんなに技術の粋を尽くしてやったはずがやっぱり失敗をする、もう二回ですね。以前には、科学技術庁の職員の方が来まして、いや日本は大したものだと、もう事故はないと、こういうことを言っておりましたが、二回続きました。原子力船「むつ」の場合、私はずっと国会へ来てあれを追っかけていったんですが、あれも修理したかと思ったら、またそれも放射能が出ている。 それで、要するに、日本のやっている、大メーカーを使ってやっているわけですね、三菱、東芝、石川島播磨とか川崎重工とか、そういうところが全部やっているんです。この配管のメーカーとか納入業者とか工事業者とか鋼材のメーカー、鋼材はたしか住金の和歌山じゃなかったかと思うんですけれども、こういうものを中間報告の中に、やっぱり業者名も、だれが一体工事をしたのか、そして素材は一体だれがと、こういうのは全然出てこない、一番大事なところが出てこない。この前、HⅡを打ち上げたときに、だれが一体エンジン回りをやったのかとか、国民は全然わからぬ。わからぬようにしているんだと思うんです、わからなくていいように。だから、私は余り信頼していないんです、日本の大手を。 この辺、本当に読みながら、一体どこの業者がこういうずさんなパイプをつくって、肝心なところのパイプが亀裂する、どういう素材を使っているのかというのが全く出てこない。こういうのはどうかならぬのか。
○政府参考人(河野博文君) この敦賀二号の件に限って申しますと、先ほどちょっと御説明をさせていただきましたが、やや特殊な再生熱交換器の形状、サイズを持っておりまして、それが主たる原因となりまして先ほどの高サイクル熱疲労というものが起こったということで、原因的には再生熱交換器の形状の方に原因が求められているということでございまして、恐らくそういうことでこの報告書にも素材まで触れていないのかと思いますけれども、原子力公開の原則でございますので、今後必要な範囲内のことはどしどし公開するという考え方で対応させていただきたいと思います。
○政府参考人(藤冨正晴君) ちょっと補足をさせていただきます。 今回の敦賀二号機の冷却水漏れにつきましては、前後十回にわたって原子力安全委員会に資料を提出させていただいておりまして、最終的には十月二十五日に報告書としてまとめられております。 その中で、この事故に至りました要因分析をしております。先生御指摘の材料について問題はなかったかということもこの要因分析の中に入っておりまして、材料についてはいろいろ調べましたけれども、化学成分であるとか機械的性質は規格内であるということで、特段、本件については材料不良ということはないという結論になっております。 幾つか消しましたところ、想定される原因の中で高サイクル熱疲労が残ったわけでございます。
○梶原敬義君 言っているのは、確かにそれはそうかもしれないけれども、もしや違ったところに原因があるかもしれない。だから、私はずっと長い間見てきまして、業者、素材納入業者、こういうものはやっぱり一々、国民には関係ないけれども、こういうところがやったんですよというのはわかるようにしてもらいたいんです。これは努力をしていただきたいと思います。 HⅡについて、ちょっと通告してなかったが、例えばエンジン回りはどこがやったとか、その故障箇所は業者はどこがやったかというのは公表できるんですか。できれば教えてください。私もちょっと調べておりますけれどもね。 それでは本題に入りまして、原子力災害対策特別措置法案について、少し残り時間、質問いたします。 第九条についてです。第九条には、事業者は原子力防災管理者並びに副原子力防災管理者を置くということを位置づけて、その人は、重要な緊急事態が発生した場合には、主務大臣と都道府県知事と所在市町村長にすぐ連絡をするということですね。それから、その連絡を受けたら、今度は第十五条で、総理大臣が緊急事態宣言を発する、そして都道府県や市町村長に避難等の指示を行う、こういうことなんですね。そして、原子力災害対策本部を十六条、十七条で設置をするということなんですが、今同僚議員からずっとありましたように、早くそして遠くにということが非常に言われているときに、下からずっと上がってきて、そして上から行って、県知事に行って、市町村長に行ってこの避難命令を出すということは、現実的にそういうことがいざというときに考えられるのかどうなのか。長官、どうもこの法律をずっと読んでみますと、上から物を決めて下に押しつけるような形にほとんど大体動きがなっておるんです。これはこれでもうできたものですからしようがないのかなとは思いますが、要するにもう少しいざというときは現場の判断を重視するようなことじゃないとこれはもたぬのじゃないか。 先ほどからも話がありましたが、東海事業所の所長は、職員の一次避難をして、どうもそこでもガンマ線か何かが高いので、これは悪いということでもう一回移っているんです。その段階でもう何回かは東海村の方に言っているんですよ、これは危ないと。我々も避難したから避難してくれというような意味のことを言っているんです。だから、どうもこの法律の建前が何だか逆になっているような気がしてならぬのですが、これをつくった事務局の局長でいいですから、ちょっと聞かせてください。
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。 今回の事故対応におきまして顕在化いたしました反省点としまして、原子力災害の特殊性を踏まえました迅速な初動体制の確立が問題としてありました。 この法案では、原子力災害の特殊性にかんがみまして、専門的知見を有します国がみずからの緊急時対応体制の強化を図るとともに、市町村長、都道府県知事に対しまして具体的な対策の指示を行うなどによりまして地方自治体と連携をとり、一体的かつ迅速に対策を実施することとしているところでございます。 ただいま先生がお話しございました、上から下ではなくて、むしろ下から上と、こういうふうな問題でございますけれども、この原子力緊急事態宣言が発出される前など国が指示をしていない段階にありましても、地方自治体はこれまでと同様に、現地の状況を直接把握できる立場から、国の指示を待たずに迅速に住民等に対しまして必要な指示等を行うことは可能でございます。 なお、その場合にも、原子力防災に関します知識さらには経験を有します国の原子力防災専門官が現地に駐在し、自治体に対しまして専門的アドバイスを行ったり、あるいはまた地方公共団体の長から国の方に対しまして高度な専門家の派遣を求められる。このようなメカニズムを入れ込んでございますので、こうした国の職員の派遣によりまして地方自治体におきます的確な活動がとれるよう支援することとしている次第でございます。 そのような形で対応可能かと思います。
○梶原敬義君 どこからどこに下から上に近いというんですか。
○政府参考人(興直孝君) 私の認識の違いかと思います。失礼しました。
○梶原敬義君 だから、今までどおりに、例えば東海村なら東海村が先に避難命令をやってもいいんだというようなことが、どうも今までこれを見てもなかなか出てこないんだよな。出てこない。だからそこが非常に気になるところです。あそこには原研があったり何やらして、原子力に対する知識というのはある。例えば九州のどこか田舎の、田舎というか、唐津かあるいは川内か、そういうところでやったときには、これは確かにテレックスか電話でいけば早いかもしれないけれども、やっぱりもう少し現地での対応、体制というのが強く位置づけられないとこれは間に合わぬですよ。 だから、これは少し今度の事故に対して言いわけみたいな、今度はこうするから大丈夫ですよというような感じを強く受けるんだが、それは間違いですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 局長からも御説明申し上げましたけれども、やはり私は原子力災害の特殊性というものを十分に配慮しなければならない、そういうふうに基本的には思っておりまして、先ほども御質問ありましたけれども、今回、現場での村長さんの大変な判断されるということ等の御苦労、御苦慮があったと思うんです。そういう意味で今回の法律では、できるだけ国の対策本部に情報も集中し、そして現場におきましては情報も来るでしょうし対策もとらなきゃならないということで、そういうものを現場の長の方々が混乱した中でされるのも私は大変ではないか、そういうふうにも思っております。 ただ、この緊急事態宣言が発出される前の対応につきましては、今局長から申し上げましたように、現行法におきましても災害対策基本法あるいは地方自治法に基づいて行えるわけでありまして、こういうことができるんですということは今後各原子力関係施設のある地方公共団体にも十分に御説明し、また国の方も対応を早くとって指示が迅速にできるようにする、こういうことではないかと思います。 また同時に、防災専門官も派遣されておりますので、そういう専門官のアドバイス、あるいは専門官の知見というものを十分に活用していただいて、現場は現場の御判断、また中央からの指示も迅速にやる、そういう形で今回お願いしているところでございます。
○梶原敬義君 私どもが視察に行ったときに、東海村の村上村長が今度の法律の位置づけについて語っておりましたが、これはこれなりに意義があるだろうと、しかしだれが一体腹を決めて、責任をとって判断するのかと。例えば、じゃ急ぐというときに、科学技術庁サイド、国サイドで非常にスピードを上げてそういう話ができるのか、一たん上へ上げて上から判断していくというのか。結局非常に悩みが多いんじゃないですか、そういうところは。 だから、非常にその辺を心配しておりまして、だれが判断を瞬時にしていくのかという問題、これはやっぱり現場の村長なり自治体の長というのは、この法律ができたからといって、しかし悩みが解決されるんじゃない、やっぱり自分が判断をしなきゃならないという部分が非常に残るんじゃないかと思うんです。どうもその辺が、この法律が、これが中心に動くということになりますと、どうも軽んじられるような気がしてなりませんから、もう少し何かいい知恵があれば。今局長が動いておりますけれども。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員の貴重な御意見、大変参考になりますし、今後も十分に配慮していかなきゃならないと思います。 要は、地域での日ごろからの協力体制の確立、訓練、それから非常事態に当たってのそれぞれの役割等々十分に協議をしておいていただくということが私は最も大切であろうと思っておりますし、また現場の皆さんが本当に御苦労されないようなことも国として全面的に十分に配慮しながらやっていかなければならないと思っております。
○梶原敬義君 大体時間が来ましたから。
○水野誠一君 私は、きのうも代表質問に立たせていただきまして、原子力を今後も必要な施策として考えていくのであれば、そのリスクも正しく国民と共有していく必要がある。そして、常に緊張感を持って原子力の安全を確保していかなければいけない。そのためには、現在のようなお粗末な体制ではなくて、システム的なリスクマネジメントを再構築する必要がある。そういう観点から幾つか質問をさせていただきました。 きょうは、同じような観点から、原子力安全行政のかなめであります原子力安全委員会のあり方についても伺いたいと思いまして、きょうは委員長にわざわざお越しをいただいているわけでありますが、これは後ほど質問をするとして、まず最初に原子力災害対策特別措置法案について伺いたいと思います。 昨日も申し上げたところなんですが、原子力事故、これは起きてはいけないことなんですが、万一それが起きてしまうということは、事実今回のジェー・シー・オー事故においても証明されてしまった。その対処をふだんからはっきり国民に示しておくこと、これをためらってはいけないと私は思うんです。 例えば、今回も避難訓練をふだんから実施するというようなことが法案の中に盛り込まれているわけですが、こういうことを言うと国民に無用の不安をあおるなどの反論もこれまで聞かれたということであります。しかし、万一の際の危機管理スキームが明確に示されないことこそが無用な不安をあおる事態になっているわけでありまして、やはり私はふだんからの備えというものをこの際しっかりとすることが重要だと思っております。 その観点からしますと、今回の法案の中にあります防災業務計画の義務づけだとか、あるいは共同防災訓練の実施、あるいは保安教育、あるいは緊急事態における自衛隊の派遣要請手続などを盛り込んだ今回の法案というのは、行政が原子力が本来持つ危険性とリスクを正面からとらえてそれをコントロールする姿勢への転換に踏み出すことになったということで、私はやはり評価すべきではないかなと思います。それと同時に、本法案が事故の未然防止と危機管理、リスクマネジメントの両面において十分機能することを期待したいと思っています。 さて、今回の法案の中で、原子力災害対策本部の設置、主務大臣に対する指示、緊急事態応急対策の実施など、この法案の中に書かれております諸スキームが総理による緊急事態宣言の発出によってすべてがスタートする、こういうふうに読み取れるわけでございます。 事業者が政令で定められた一定以上の放射線を計測したときなどに主務大臣に報告することが義務づけられた。主務大臣はそれを受けて、かつ緊急事態と認められるときに内閣総理大臣に報告を上げて総理が緊急事態宣言をされる、こういう段取りになるわけですが、そのときに、事業者から通報を受けた主務大臣の緊急事態と認められるときとの判断、これはどのように行われるのかという点を伺いたいと思うんです。 なぜかと申しますと、原子力事故というのは、まさに今も各委員からいろいろ質問が出てきているように、タイムロスということが許されない。迅速に総理に情報が上げられて、一刻も早く政府対策本部が設置されなければならないわけでありますが、そのときに、よく以前、内閣の危機管理の話で出てきているように、今はもうそんなことはないと思いますけれども、次官会議にかけないと閣議が招集できないみたいな話も以前はありましたわけで、そういう意味で、関係閣僚の了解を前提とするだとか、あるいは識者の意見を聞かなければならないというようなことが、私は絶対ないと思うんですが、まずその点、特に庁内の手続の仕方を含めて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 事故発生直後の国の方の手続についての御質問でございます。 委員も十分御案内のとおりでありますけれども、また多少繰り返しになるかもしれませんが、本法案におきましては、施設の敷地境界における放射線レベルの上昇等一定の異常な事態が発生した場合には原子力事業者から主務大臣へ通報がなされるということでございまして、原子力災害と申しますか原子力関係の事業所の事故には臨界事故が起きないものもあろうかと思います、いろいろなものがあろうかと思いますが、放射線レベルの上昇等一定の異常な事態が発生した場合にまず通報がなされるということで、それを受けて主務大臣が職員の派遣とか原子炉等規制法に基づく措置等の初期対応をまず開始するということになっております。その後、事態の推移によりまして、あらかじめ定めた状況、そういう状況になりますと、直ちに主務大臣から総理大臣に報告されるということになっておりまして、総理大臣が原子力緊急事態宣言を発し、政府に原子力災害対策本部ができるわけであります。 どのように緊急時の判断をするのかという御質問でございますけれども、主務大臣が内閣総理大臣に緊急事態として報告する場合の放射線量の基準とかあるいは事象、こういうものにつきましては今後政令によってその詳細を定めることになっております。 また、この政令は、今後原子力安全委員会の御意見を聞きつつ、客観的に判断できる内容になるように検討を進めていくことになりますけれども、総理大臣への報告が迅速になされるように事業者からの異常事態の通報から原子力災害対策本部の立ち上げに至る手続に関するマニュアルの策定等にも努めていきたいと思っています。
○水野誠一君 もちろんマニュアルも大切なんですけれども、私はやはり一刻も迅速に動ける体質といいますか、体制というものがいかに確保できるか、この点を十分に御注意いただきたいと思うんです。 あと、この法案において災害対策本部と名がつくものが国と国の現地本部とそれから都道府県と市町村、それぞれに設けられるということでございまして、さらにそれらが一堂に会して情報交換を目的とした災害合同対策協議会というのがオフサイトセンター内に設けられるということで、非常にこれは言い方によっては盤石の構えとも言えるんですが、一つ間違うと混乱、あるいは船頭が多くなり過ぎてどうしようもなくなる、こういう問題にもつながると思うんです。 その視点から考えたときに、確かに緊急時には情報交換も重要なんですが、混乱を避けるということからいけば、指揮命令系統の統一がもう必ず必要になってくる。その意味で、この災害合同対策協議会の役割、あるいは意思統一にトラブルが生じた際の最終責任者といった立場はだれになるのか、またあわせて、国の災害対策本部長、これは総理でありますが、総理から国の現地本部長に一部委任される権限とは何なのか。これらの点について、簡潔で結構でございます、伺いたいと思います。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現地のオフサイトセンターに設置されます合同対策協議会、これには市町村、県、国、それぞれの対策本部が集うわけでございます。その場で船頭多くして船という事態にならないようにするためには実質的な命令系統を定めるべきではないか、こういう御質問かと思いますけれども、実質的な指揮権者としては、国の対策本部に来ております現地対策本部長がバックに総理大臣の災害対策本部長としての権限を控えながら実質的に指揮に当たっていく、現実的にはそうなるんではないかと思っております。
○水野誠一君 次に、きのうも質問をさせていただいたんですが、原子力保安検査官、それから原子力防災専門官の問題について重ねてお尋ねしたいと思います。 昨日の代表質問に対するお答えとして大臣から、安全規制に責任を持つ行政府がその検査にも責任を負うべきだから、保安検査官なども科学技術庁、通産省から出すという答弁を伺いました。これは、現状の安全規制体制をよしとする立場に立ってこそ理解できるお答えだと思うんです。 ジェー・シー・オー事故以前からも、原子力の推進に当たるものとそれから安全規制に当たるものが明確に分離されていないことが問題なんだという指摘を重ねてされてきているわけです。そうしたこれまでの安全規制体制が十分機能していなかったからこのジェー・シー・オー事故が起きたわけでありまして、明確にその問題点が露呈したわけです。そのことは私だけが言っているわけではなくて、事故調査委員会の中間報告においても明確に指摘されているわけであります。 そこで、保安検査官などという職務を新設しても、科学技術庁あるいは通産省の職員がその任務に当たるとすれば、身内が身内をチェックするようなものになってしまって、監視機能の事実上の強化につながるかどうか疑問にどうしても感ずるわけでありますが、この点について再度御所見を伺いたいと思います。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 行政によるチェックと安全委員会によるダブルチェック、この機能をどう分離するかという議論につきましては、ちょっと別な議論でございますのでまた別なところで論じていただくことにいたしまして、まず第一義的な規制の責任は行政庁にあるわけでございます。したがいまして、保安検査官、防災専門官も行政庁の責務として厳正かつ的確にこの規制を行っていくということが要求されるわけで、この保安検査官、防災専門官は行政庁に置くというのが筋だと、このように考えております。
○水野誠一君 それに対する疑問というのはいまだ私自身は残るところでありますが、これとも関連する問題として、原子力安全委員会のあり方について質問をしたいと思います。 きょう、原子力安全委員会委員長にもお越しいただいているわけでありますが、決して十分とは言えない人員体制の中で原子力の安全確保を担う最高機関として御尽力されていることについて心から敬意を表したいと思います。 安全委員会は、原子力船「むつ」の放射線漏れ事故の後、原子力の推進と規制を分離すべきとして、一九七八年に原子力委員会から独立したというふうに理解しております。佐藤委員長は、省庁再編による内閣府への移行を前に、昨年十一月、中央省庁等改革推進本部に申し入れをなさっているということで、これまでも安全委員会の機能強化、それから人員強化に熱心に取り組まれてきた方だと承知しております。 昨日の本会議において、二〇〇一年の省庁再編を待たずに、来年早々にでも事務局機能を科学技術庁から総理府に移し、人員も拡充するという方針を総理が明言されたということで、これは大変結構なことだと思うわけでありまして、私はこれを確実に実現していただきたいと思っています。 しかし問題は、単なる人員の増強によって解決されるものだけではないと思うんですね。安全委員会がその安全規制機能を発揮できるだけの権限を持っているかどうか、ここが非常に重要だと私は思います。 これまで科学技術庁あるいは通産省の答弁では、科技、通産が法令に基づく安全審査等を行い、さらに安全委員会がダブルチェックをする仕組みとなっていると繰り返し説明をされています。しかし、科技、通産には原子炉等規制法等に基づく処分や立入検査が行える権限があるのに対して、安全委員会にはそのような権限が与えられていない。これは私はちょっと気になるところであります。安全委員会は、行政庁のチェックが適正に行われているかどうかを審査するのみで、常に助言をする立場にとどまる。ダブルチェックの片方を担っているとは言えないという批判も事実あるわけでありまして、この問題というのは、これは特に安全委員会が独自の手足あるいは権限を持たないという点に生じているのではないかと思います。 この点について科学技術庁、それから佐藤委員長、それぞれの御所見を伺いたいと思う点がまず一点でございます。 そして同時に、また佐藤委員長には、安全委員会も独自の手足を持って主体的にチェック機能を発揮すべきではないかという指摘に対しても御所見を伺えればと思います。
○政府参考人(佐藤一男君) お答え申し上げます。 これは委員も御案内のとおり、原子力安全委員会と申しますのは国家行政組織法のいわゆる八条機関というものでございまして、主たる任務は、その信ずるところを意見を述べ、それを行政に反映していただく。その意見を述べるに当たっては、行政とは一線を画し、独立した立場でこれを行うということになっているわけでございます。 現在の法令等では、原子力安全委員会には、関係省庁に対しまして報告を求める、あるいは資料の提供その他の協力を求めることができる、さらに、必要とあれば内閣総理大臣を経由いたしまして勧告をすることができるという権限が与えられているところでございます。 私のこれまでの活動、決して自分でも本当に百点かと言われればそうとは申しかねるところもあろうかとは思いますけれども、これは本来、安全委員会の仕事をしていく上で、私はまあ十分な権限ではないかというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(中曽根弘文君) 原子力安全委員会は、原子炉施設等の設置許可に際しましては、約二百名に及ぶ専門家を動員いたしまして、原子炉等規制法に基づいて、私ども一次行政庁が行う安全審査について独自の立場からダブルチェックを行う、そういうことになっているわけでございます。 また、本年十一月十一日の安全委員会の決定におきまして、安全審査の際の考え方が建設段階、それから運転段階、それぞれに的確に実現されていること、それから事業者の技術的能力が維持されていること等を確認するために、随時に現地調査を行うことを含めて、一次行政庁の安全規制のあり方を調査して、必要に応じて適切な措置を講じるよう求めていくなど、みずからの機能強化を図ることとしているところでございます。
○水野誠一君 ダブルチェックの問題というのは、これは私は非常に難しい問題だと思うんですが、ダブルチェック機関の一方であるはずの科学技術庁にしても、報告書を必要とするような事故調査を全面的に安全委員会にゆだねたり、そもそも施設の安全審査の基準は安全委員会が定めた指針に基づいて行っているといった答弁が繰り返されるなど、ダブルチェック機関の一つとしては、みずからのチェック責任を明確にしていないように見受けられる点があるんですね。どうも科技庁が都合が悪くなると安全委員会に責任を転嫁しているというような感じがするのは、私だけかもしれないんですけれども、ちょっとそういう感じがするんです。 そういう視点から伺いたいと思うんですが、もしもそれぞれがダブルチェック機関として責任を担っているとするならば、今回のジェー・シー・オー事故において、科技庁にはどのような責任があるのか、それから安全委員会にはどのような責任があるのか、それぞれ明確に整理して説明をしていただきたいと思います。科技庁長官と委員長、それぞれにお願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 行政庁の方では、事故が起きますと速やかに事故対策本部を設置いたしまして、また調査を行うわけでございます。そして、それを安全委員会に御報告をする、そういう形になっておりますので、委員御指摘のような御心配といいますか、その辺は役割をきちっと分担している、そういうふうに私は考えております。
○政府参考人(佐藤一男君) 例として今回のジェー・シー・オーの問題を引かせていただきたいと思うわけでございますが、この施設は、たしか昭和五十九年と記憶いたしますが、安全委員会がつくりました核燃料施設安全審査基本指針というものを踏まえまして科学技術庁が審査をしたわけでございます。その審査の結果を原子力安全委員会が諮問を受けまして、審査内容が適正であるかどうかということをチェックして、その当時これで妥当であるという答申をしたわけでございます。 したがって、安全委員会といたしましては、そういう答申をしたという責任はもちろん有しているわけでございます。
○水野誠一君 どうも私なんかが考えるところとダブルチェックに対する考え方が根本的に違うんじゃないかという気がするんです。つまり、ダブルチェックというからには、それを担うそれぞれ二者がよって立つ立場が明確に異なっている必要があるはずで、それぞれの責任所在が混在している現状では本来のダブルチェックの意味をなし得ていないんじゃないか、こういうところが気になるわけなんです。 事実、朝日新聞の記事に「独立か孤立か 「親元」離れる安全委」というような記事がございました。その中でも、ダブルチェックといっても同じことの繰り返しじゃだめだというようなこととか、強い権限を持つといっても研究、実験の手足が安全委員会には与えられていない、当事者が提出する資料を見るだけの書類審査じゃないか、こういう厳しい指摘も実際あるわけであります。 それはまた改めていつかお尋ねしていくことにして、私は必ずしも原子力に真っ向から反対しているわけではありません。しかし、片方は法律の運用も行い原子力の推進も規制も行う、片方は安全規制が任務だが権限も手足もない、そのためにもう片方に依存するという構図が責任体制をあいまいにしているという気がするんです。規制と推進の分離が明確にされていない、適切で透明なチェックを受けられる体制になっていない、そのために原子力に対する信用性、信頼性が結果として失われてしまう。また、堂々と原子力を推進する立場の説得力をも失わせてしまう。こういう現状を招いているところに私はその問題の根があるんじゃないかな、そういう感じを抱いております。 安全委員会の人員強化が大変重要であると思うわけでありますが、規模の拡大よりも、重視すべきは仕事の質の転換だと思います。安全委員会を内閣府に持っていったとしても、あるいは事務局機能を前倒しして総理府に持っていったとしても、これまでのように科技庁の職員などが短期に出向していたのでは意味がないのではないか、こういう気もいたします。 そこで、最後に一つ御質問をしたいんですが、行政改革の真の目的というのは、単なる枠組みの変更じゃなくて、簡素で透明な政府に向けた質の転換だということを私も繰り返し申し上げてきたわけであります。 例えば、安全委員会を内閣府に移管すると同時に、例えば科学技術庁原子力安全調査室などからそこに人材を送るのだとすれば片道切符の人材異動にしていただく、あるいは委員会の人材の独自採用、これもできるような質的な機能転換、あるいは独立性強化、これを図ってこそ初めて佐藤委員長のおっしゃる行政府から一歩離れて監視する存在価値を見出せるんじゃないかなと感じるわけであります。 この点について長官それから委員長、それぞれの御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほどのダブルチェックのお話をもう少しさせていただきたいんですが、私ども原子力施設の設置等を許可する際の審査においては、行政庁が法令に基づいて行う安全審査について原子力安全委員会が専門的立場から審査指針等に従ってダブルチェックを行っていると。今後は、これと同様に、原子力施設の建設、運転段階についても、例えば一次行政庁の行政官が行う検査に対して原子力安全委員会が専門家を中心に検査方法をチェックするなど、異なる視点からのチェックが行われることになりまして、ダブルチェックの機能が働くこととなるわけでございます。 今後は、内閣府に移行いたしますと、推進それから審査が完全に分離されるわけでありますけれども、私どもはこちらの移行が万全の体制でできるように今後努力をしていきたい、そういうふうに思っております。
○政府参考人(佐藤一男君) 委員御指摘のとおり、例えば単に看板をかえたというだけではこの行政改革の趣旨というのは生かされない、まことにそのとおりと存じます。それから、もちろん私どもの事務方の規模、人数等も極めて重要ではございますけれども、単にこれまた人数をふやせばいいというものでないこともそのとおりと考えます。 どういうふうにそういう人材を確保していくかということは私どもにとっても非常に重要な問題というふうに考えておりますが、少なくとも組織が変わって何がしかの期間は、かなりこれまでも経験のある優秀な行政官という方にもぜひ安全委員会の事務局に御参加いただきたいというふうに考えております。 また、従前どおり、私どもは相当数の現在第一線で活躍しておられるすぐれた専門家の方々の御協力をいただきまして、そういう意味での科学技術的に中正な適正な結論を得るべく努力してまいりたいと思います。 また、直接事務局に御参加いただく要員としまして技術参与というものも考えてございまして、そういう点でも今委員御指摘のような、本当に中身のある安全委員会にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○水野誠一君 ありがとうございました。 非常にやっぱり今国民の目が安全委員会に注がれていると思うんです。ですから、ひとつその辺の独立性をしっかりと保って、屋上屋と言われたり、あるいは通り一遍のダブルチェックと言われないような体制をつくっていただきたい。ひとつ科学技術庁長官ににらまれたり嫌がられるぐらいの安全委員会にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(成瀬守重君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会