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146回国会衆議院1999/11/12

法務委員会 第4号

発言数
158
登壇者
13
会派数
4
開催日
1999/11/12

会議録

武部勤自由民主党

○武部委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案及び与謝野馨君外五名提出、特定破産法人の破産財団に属すべき財産の回復に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。  両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長石川重明君、警察庁刑事局長林則清君、警察庁警備局長金重凱之君、法務大臣官房長但木敬一君、法務省刑事局長松尾邦弘君、公安調査庁長官木藤繁夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部勤自由民主党

○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

武部勤自由民主党

○武部委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。日野市朗君。

日野市朗民主党

○日野委員 きょうは二度目の質問ということになります。  この法案を見て私も非常に強く感ずるのですが、やはり憲法との関係というのは非常に気になるところです。法案提出者においてもこの点は大分気を使っておられることはよくわかります。第三条を見ますと、「いやしくも権限を逸脱して、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し、及び団体行動をする権利その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を、不当に制限するようなことがあってはならない。」こういう規定がございます。これについては法務省も非常に気を使っておられることはよくわかりますが、ただ、問題はやはり国民の基本的人権にかかわることでございますから、これはもう十分な上にも十分に注意をして、いやしくも違憲の措置という指弾を受けることのないような、そのような運用が行われなければならないというふうに考えます。  この点についてはもう、いかがですかと言えば、そうです、こういうお答えが出てくることは目に見えているのですが、念の上にも念を入れて、この点についての法務省の最高責任者としての法務大臣のこれからこれを運用するに当たっての覚悟のほど、これを十分に伺っておきたいというふうに思いますので、ひとつ念を押しておきます。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今委員から御指摘をいただきましたように、この団体規制法というのは、国民の権利というものの規制、こうしたものを含むものでございますので、この二条、三条にも書いてございますとおり、そうしたものの重大性というものをしっかりと認識をして対処してまいる覚悟でございます。

日野市朗民主党

○日野委員 私、憲法との関連でこの法案を見ますと、それでもこれはやはりかなり問題はあるよ、こういう思いがするのですね。この問題について、マスコミ、ジャーナリズムの世界ですね、それから学界、こういうところでも憲法論に余り立ち入った議論がなされていないように私は実は思います。  その点は、何でこういうことになっているかなといいますと、やはりオウムに対する国民の皆さん、これはジャーナリズム、学界を含めてですよ、オウムに対する批判というものが非常に強い。そして、その危険というものが、これはかなり遠のいたとは言えないような状況が現実に目の前で見られているからだというふうに思うのです。  それで、私は、そういう状況の中でこの法案が、オウムに対する措置であれば何でもいいというような形でどんどん進められてはいけないというふうに思いますので、その点はしっかりとくぎを刺しておきたい、こういうふうに思うわけです。  これは当然オウムに対する措置ということで今までずっと論議が進んでまいりました。そして、私は、現在の時点においてオウム以外の団体に対する措置というものをこの法案で考えられるかどうかということ、これはもう一度ちょっと考えてみたいと思うのですね。これは現在の時点でそれに限定するのだということが確約できますか。いかがでしょう。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 これまで私は繰り返して御答弁申し上げておりますように、現時点において本法案が適用可能な団体というのはオウム真理教以外にはございません。

日野市朗民主党

○日野委員 私が前回の質問をいたしたときに、この法案と国際テロとの関係について、大臣はそのとき、それにも適用がある、適用され得るのだというようなお答えをなすったのです。私もそのままにしていたのですが、さらにこの法律の要件を厳密に、厳重に分析をしてみるということをいたしますと、いささかの疑問点がなしともしないのですね、大臣のお答えに。大臣の方で、その点についてさらに法務省の事務方ともいろいろ相談もなすっているんだろうと思いますね、その検討もなすっているんだろうと思う。その検討の結果を聞かせていただきたいというふうに思います。  この法案には、これは外国のテロ団体にも適用がされ得るのかどうか、またこの無差別大量虐殺というのが、外国における、つまり日本国の主権の及ばない地域で行われたもの、そういうものをも要件の中に含むのかどうか、そこの要件のところについて私もちょっと疑問は感ずるわけです。それから、その支部などが日本にある場合、そのような場合どのような解釈を大臣としてとられるのが妥当だと思うか、ひとつお答えをいただきましょう。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 先日、委員から御質問をちょうだいいたしました。その際における私の答弁、国際的なテロ行為一般に本法案が適用可能であるかのような印象を与えたとするならば、それは私の本意ではございません。誤解を与えたとすれば甚だ遺憾でございますので、ここにもう一度整理して明確に答弁をさせていただきたい、このように思います。  本法案の第一条は、公共の安全の確保に寄与することを本法の目的としておりますが、ここで言う公共の安全とは、日本憲法下における我が国の公共の安全というものを指しております。他方、我が国の行政機関が行う行政処分の相手方は、我が国の統治権が及ぶ地域内に存在している必要があります。  したがいまして、ある団体が本法の無差別大量殺人行為を行った団体に該当するためには、一つとして、当該団体が国内において団体としての実体を有すること、二つとして、当該団体による無差別大量殺人行為というものが我が国の憲法秩序を頂点とする公共の安全に向けられたものであること、この二つの要素というものがいずれもなければならないと考えております。  これら二要件を同時に充足しなければならないため、本法が委員御指摘をいただきました国際テロに適用される余地というものはほとんどないように思われます。

日野市朗民主党

○日野委員 現実に、国際テロなどというのは、これは全世界が国際化しているわけでありますから、外国で例えば特定の宗教団体が激しいテロ行為などを行う、そういう団体が日本に支部等を持つというようなことも考えられるわけですね、現実には。  そういうテロ行為に対して、私は、やはりきちんとした対処をする、基本的な法律案から具体的にこうしていきますよという実行にかけてまで、きちんとしたそういうものを防止する体系ができていなければならないと思う。これは、ぜひともやってもらわなくちゃいかぬわけですがね。  現実に、この法案で用意されているいろいろな手段、方法、これによってそういった国際テロ等に対する対応が可能なのかどうか、この点はいかがでしょう。現実にそれができるのかどうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 ただいま私が申し上げましたように、この新法というものを適用するためには、この団体というものが日本国内において実体を有すること、しかもその団体というものが無差別大量殺人というものを実行して、我が国の憲法秩序というものを頂点とする公共の安全に対して向けられた、実際そういう行為を行った、この二つの要件というものがかぶせられているわけでございまして、そういうことを考慮いたしますと、海外のいわゆるテロというものに対して本法が適用されるということはほとんどない、このように申し上げた次第であります。

日野市朗民主党

○日野委員 今私が伺ったのは、今大臣が言われたことは前の問いでもお答えになっているところで、私もその答弁、これはこのような問題でありますから一応は了とするわけでありますが、具体的にこの法律を使ってそういったテロ対策ができるかどうかということなんですよ。いかがでしょう。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 答弁が繰り返しになって申しわけございませんが、これらのものはあくまでも日本の憲法及び法律の及ぶ範囲内、日本における公共の福祉、それに向けられたものに対する対策法案でございまして、したがいまして、委員先ほどからお話しのような状況であれば、適用の対象にならないものと考えております。

日野市朗民主党

○日野委員 この憲法問題については、この法律の違憲性という問題と、それからこの法律を必要とする緊急性、急迫性、そういったものとの比較考量的なものになってくると思いますが、そういう憲法違反だと言われるような事象が考えられるような、そういうことが起きる可能性というものは厳密に厳格に、これは法務省、この運用に当たってそれは防止してもらう、憲法違反といやしくも言われるような措置はとられないことを心から私は要望しておきたいというふうに思います。  では、次の質問に移ります。  この法律案が出されたというのは、一つは、現在起きている住民運動、これはオウムは出ていけというような形でずっと住民運動が繰り広げられている、そういった住民運動、それからまた地方自治体の首長さんあたりが転入を受理しないというような、そういった法的な安定性から見れば非常に疑問だなと思われるような事態が現実に起きている。しかしまた一方で、オウムに対する不安、それからオウムの現実の行動、活動力、そういったものを考量してみますと、これは何とかしてこれを落ちつけなければならないという政治的な配慮があるんだろうと私は思うのですね。  こういう見解というものはいかがでしょう。そういう考え方、住民運動をやっている方々に、安心して、そしてあとはもう国の方でちゃんとやりますから、あなた方はそう心配しなくてもいいような状況をつくり出しますから、こういう状況をひとつつくる。それから、オウムだって日本人なので、これは日本に住ませなくちゃいかぬので、転入を全部断るなんということはできないわけですから、首長さん方にも、そういうことはしなくて結構ですよ、ちゃんとこっちの方でそれに対するウオッチはやりますよ、そしてしかるべき手段もとってその行動を制約していきますよ、こういうことだろうと思うんですね。  私は、こういう法案が出てきたのは、結局は事柄の緊急性、緊迫性といいますか、そういうものがその根っこにある、こう考えているんです。このような考え方でよろしゅうございますね。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今委員お話しのとおりだろうと思います。  今各地において、住民の皆さん方が非常な不安、懸念を抱いて、実際にいろいろなトラブルも起きている、こういうことに対して、国としてできるだけ早くその不安、懸念というものを取り去ってさしあげる必要がある、こういうふうに考えております。この新法を行うことによりまして、その実態の内容が明らかになる、このことによって、住民の皆さん方のそうした懸念というものも解消してさしあげることができる、こういうふうに思っておりまして、一日も早いこの法律の成立というものをお願いいたしたいと思います。

日野市朗民主党

○日野委員 事は差し迫って、まず、目の前にいろいろ起きている問題、これらの解決をしなくてはいかぬ、それから、オウムという団体、宗教団体だと彼らは言うわけでありますが、その団体に対してきちっとした枠をはめていく、こういうことであれば、そういう必要性は私も認めるところなんです。  ただ、これはいかにも目の前に差し迫っている問題点の解決のためということでありますから、それに主眼点がある。こう見ていけば、この緊急性がなくなった場合、目の前に差し迫った緊急な問題点がなくなった場合は、こういう法律は要らなくなるんじゃないかと私は思うんですよ。そうすれば、この法律を恒久的な立法とすることなく時限的な立法にする、こういう事態が起きた場合は、もうこの法律はなくてもよろしい、時限的な立法にしていく、そのことがいいんだろう、こう私は思っているんですね。  こういう法律が恒久的にずっと続いていくということになりますと、今は緊急な事態があるから仕方がないと思っていても、そういう事態が薄らいでいくということになれば、これは悪用される危険が非常に強い法律ですねという点の方がずっと重みを持ってくるわけですね。そういう議論の方が重みを持ってくる。私は、この法律はやはり時限法と位置づけていくべきなのではないか、そういう修正も行っていくべきではないか、こう思うんですが、いかがでしょうか。  その点ばかりじゃないですよ。オウムにだけ適用したいのだということであれば、もっとほかの点もいろいろ問題には出てくるのでしょうが、私は、まず、時限立法にしたらどうかという点についてお伺いします。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 私ども政府といたしましては、今後いつの時点でもってこの新法に基づく規制が不要になるのか、このことを現時点で見通すということは甚だ困難である、こういうふうに思っておりますので、今私どもが御提示をしております法案をいわゆる時限立法とする考えは持っておりません。規制の対象となり得る団体が、時限立法の期間が経過するまでの間その活動というものを自粛し、期間経過後に再びその活動を活発化させるということも予想されるわけでございまして、そうした場合には、規制の実効性が保証できないからでございます。  本法律案が特別の事情に対するものであるという性格はそのとおりであろうかと思います。今後とも、いろいろ御審議をいただきたいと思います。

日野市朗民主党

○日野委員 おっしゃることはわからないではないんです。適用されるであろうと考えられるオウムで言えば、その教祖である麻原彰晃こと松本智津夫についての裁判というのはかなり長くなるだろうというのが巷間伝えられているところでありますね。時限で切った時点で麻原こと松本智津夫の裁判がまだ終わっていないということは十分考えられるわけであります。  ただ、そういう事態はありながら、それならばもっとほかの知恵もあるではないかということも考えてしかるべしというふうに思うんですね。でありますから、その点で、これから後、与野党でのいろいろな協議なんかも行われるでありましょうが、法務省、そこのところに余り固執すべきじゃないなと私は思いますよ。この一点というのは、この法律が憲法に適合するかどうかという点と非常に強く結びついているというふうに思いますので、そういう私の希望だけを今の時点ではお話をしておきます。  では、今度はまた別の問題に移ります。  この法律では、いろいろな行政行為の主体として、第三者機関として公安審査委員会を置きました。これは第三者機関だ、こういうことであります。私は、この委員会が機能する場面もあってもいいだろうし、それと、もっと大事なところについては司法がかかわり合うべきだということはこの前の質疑の際にも強く主張をしておいたわけであります。そして、国家公安委員会とか警察のかかわりについては、これを限られたものとして行政行為の主体からは外してある。私は、これは賢明な選択だったのかなとも思うんです。  それで、私は、公安審査委員会がこれからどのような活動をやっていくかということについて非常に強い関心を持たざるを得ないわけですね。何しろ、公安庁といい公安審査委員会といい、行政改革の対象としてやり玉に上がったところですから、それを延命させるのかという議論も一つはあります。私は、この議論もゆえのない議論であるとは思っておりません。行革をちゃんとやっていこうということになれば、やはりきちんとした、とるべき措置はとらなくてはいかぬのだ、こんなふうに思っております。  それはそれとして、まずこの公安審査委員会というものがどのような性格を持っているだろうか。これは法律上の性格とは別ですよ。それを構成するメンバーがどんなメンバーであって、そしてどんな個性を持った人たちなのかということは一応洗っておく必要があるんじゃないかというふうに思います。  そこで、公安審査委員会のリストを私もいただきました。まず、委員長は藤田耕三さんという方でございますね。この方の経歴と申しますか、それをひとつお話しいただけますか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今手元に資料がございませんが、藤田委員長は元裁判官で、高等裁判所でもお仕事をしておられたということで、我々は全幅の信頼を置いているお人柄でございます。

日野市朗民主党

○日野委員 藤田委員長は、現在は弁護士を開業しておられるわけですね。そして、前は高裁判事、これを退職されて、そしてこの公安審査委員会の委員長に就任された。  委員長代理という大川隆康さん、この方についてはいかがでしょう。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今委員お話をいただきました委員長代理の大川隆康さんは、弁護士をしておられるというふうに伺っております。

日野市朗民主党

○日野委員 ずっと弁護士でありますか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 そのとおりでございます。

日野市朗民主党

○日野委員 委員の方お一人お一人について伺います。  伊藤助成さん、この方はどういう方でしょう。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 伊藤助成さんは、今、日本生命保険相互会社の代表取締役会長をしておられます。

日野市朗民主党

○日野委員 木村治美さん、この方はいかがですか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 木村治美委員は、現在共立女子大学の教授をいたしておられます。

日野市朗民主党

○日野委員 この方は、共立女子大の先生になる前は何をやっておられたかおわかりですか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 木村委員は、元千葉工業大学教授をしておられまして、臨教審の委員等もしておられまして、家庭・学校・地域の連携に関する分科会の座長もしておられます。

日野市朗民主党

○日野委員 委員の波多野敬雄さん。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 波多野敬雄さんは、現在フォーリン・プレスセンターの理事長をしておられます。

日野市朗民主党

○日野委員 その前は。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 波多野委員は、元外務省の中近東アフリカ局長あるいは国際連合日本政府代表部の大使をしておられました。

日野市朗民主党

○日野委員 現在の小和田大使の前任ということでございますね。  それから、山崎恵美子委員ですね。この方も弁護士のようですが、その前職は何でしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 山崎恵美子委員は、元東京高等検察庁の検事あるいは法務総合研究所の教官をしておられました。

日野市朗民主党

○日野委員 欠員が一人あるようでありますね。この方々の、メンバーを見たところ、メンバーの方々の個性を判断するというのは容易なことじゃありませんが、その職業から推測するところ、まあまあ、一般的な常識それから公安審査についての適格性ということからいうとそう問題のないところだろうというふうに私は考えます。  そういうことで、この法律の運用というのは、人の見方によってはいろいろな見方というのはあります。それは、きょうもその審議をやっておりますが、この審議の中でいろいろな問題も提示されています。しかし、要は法務省がどのような態度でこれを運用していくかということが最も肝心なところでありましょう。  先ほどから私が言いましたように、憲法の問題、それから適用の範囲をできるだけ限定していくという運用の態度、そういったことが私は必要であろうというふうに思いますので、この点については、法務大臣、ぜひとも厳重な指揮をお願いしてまいりたい。そうやっていくことによって、やっとこの法律というのは憲法の問題をパスすることができるわけですね。やはりこれは、運用のいかんによってはいろいろなところから違憲の問題というのは噴き出してくる、私もこんなふうに考えているわけでございますね。  ですから、その点を強く私の方から要望をいたしまして、また、これからこの法律案のいろいろな修正のお話なんかあります。そういうことについては、この委員会における、また国会における各党の立場というものを十分に勘案されて、そしてこの法案に対する修正案の取り扱いに当たってもらいたい、こう思います。  終わります。

武部勤自由民主党

○武部委員長 北村哲男君。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 民主党の北村でございます。法務大臣、御苦労さまでございます。私の方からも質問をさせていただきたいと思います。  まず、この法律をつくらなくてはならないという緊急性ということは、現実に起こっている住民とのトラブル、しかもそのトラブルが非常に、並ではないといいますか、やってはならない、自治体の長が住民登録を拒否したり、普通ではあり得ないことが現実に起こっている、それを何とか解消しなくちゃいけないという緊急性があると思っておるのですけれども、現実には住民票の、転入拒否とか、子弟の就学拒否とか、あるいは現実にいる者に出ていけとか、そのようなトラブルがたくさんあります。  そして、今回の法案はこのトラブルあるいは住民の不安を解消するために、そういう目的を主たる目的としてつくるのだというふうに言われておりますが、こういうふうなことがこの法律ができることによって現実に解消できるとお考えでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 本法案は、無差別大量殺人行為の特性にかんがみまして、過去に無差別大量殺人を行った団体が、現在も危険な要素を保持している、そうした場合、一つには当該団体の活動状況を継続して明らかにすることを目標として、また第二には当該団体の危険な要素の増大を防止する、そういう必要があると認められる、そうしたときにこの団体の活動の制限、そしてそのような行為の再発を未然に防止するということを柱といたしておりまして、オウム真理教に対してこのような処分が的確にとられますならばその団体の危険性を抑えることができる、そして教団と住民等の方々のトラブルや住民の方々の不安を解消、緩和できるものと考えております。  また、オウム真理教の信者の転入拒否、子供の就学拒否、転出強制等の問題につきましては、信教の自由、居住移転の自由、教育の自由、教育を受ける権利等、信者側の人権というものもございます一方、住民にとりまして、住民の平穏で安全な生活を確保するという住民側の人権にもかかわるものでございまして、その解決に当たっては、こうした点に十分配慮しつつ、政府全体として総合的な視点から的確に対処していく必要がある、このように考えております。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 そうすると、この法律を適用することによって、現実に起こっているあってはならない違法状態というものも解消できるというふうに考え、そういうふうにしていく方向だというふうにお伺いしたいと思います。  ただいまのお話の中に、住民の生活の平穏ということを求めるのが一つの目的のようなことを言っておられましたが、この法律の第一条「目的」の中には「必要な規制措置を定め、もって公共の安全の確保に寄与することを目的とする。」というふうに非常に抽象的な言い方をしておられるのですけれども、今大臣がせっかくそのように具体的に、地域住民あるいは国民の生活の平穏ということを目指すんだとおっしゃるならば、法律の目的の中にそういうものを入れたらいかがでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 この法案というものは、さきにも申し上げましたとおり、現実としてオウム対策というものが盛り込まれておりますが、この法全体として、国民の権利、そうしたものを制約するということもございますので、いろいろなところにかなり厳しい制約というものを設けながら対処いたしておりまして、したがいまして、この法全体としてごらんをいただければ、委員御指摘のような御心配はないもの、このように考えております。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 この法律はオウム対策ということを主眼としているということは大体わかります。しかし、体裁は一般法なわけですよね。ですから、定義、第四条一項、二項で幾つかの要件が定められておる。それは、一つは破防法の言う政治目的、それから殺人を犯そうとしている、犯すという、それから不特定多数という要件がまず無差別大量殺人の定義でありますね、三つの要件。  その中で、政治目的並びに殺人はいいんですが、不特定多数というふうな用語は、これは普通法律用語では、多数は二人以上という、今までもその話があります。そうすると、政治目的をもって不特定、二人以上の、極端に言えば二人ぐらいの、二人の人間を殺傷目的、しかもその団体は、第二項を見ると「多数人の継続的結合体」という、「多数人」とありますよね。多数人も、普通法律上解釈では二人以上ということになる。極端に言うと、二人の人間が同じ政治的目的をもって無差別の二人以上の殺人行為を行うという、オウムは物すごく大きい、言葉としては無差別大量殺人、あのサリン事件を想像しながら考える、しかし、現実の法の体裁は、二人の人間が二人以上の人間を対象にすれば、この要件さえ決めてしまえば成り立つようになっていますけれども、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 委員御指摘のとおりでございまして、無差別大量殺人、こうした行為の範疇として、殺人等を犯した者、あるいは、それまでは至らないけれども、多くの方を殺傷する、不特定の方を殺傷する可能性がある場合、そうした場合も当然のことながら含まれるということでございますので、そのようなことにいたしております。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 私の解釈で、私はこれでいいと思うし、大臣も同じような言い方を言われたと思うんです。そうすると、典型的なのは、三菱重工爆破事件というのが過去にありました。これはまさに物すごく大きい、何百人という人間が対象にされました。しかし、例えば、アメリカ大使館にピース缶、ピー缶爆弾というのを置いて、これは少数の殺傷能力しかないけれどもやはり不特定多数をねらっている。あるいは、土田邸爆破事件とか、あるいは、都庁に爆弾を送りつけて、職員が片手を失ったとか、そういう事件なんかあるわけです。  そうすると、二人以上が一定の政治的目的をもってそういうことをやると、みんな対象に入ってくる、法律自体の緊急性は、今考え得るのはオウムだけだといいながら、実際、解釈上は全部入ってくるんですけれども、それはそういうふうに考えてよろしいんでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 過去にそうした事件があったということは委員御指摘のとおりでございますが、それらの行為を行った者たちの実態というものははっきりいたしておりません。そうした関係から、私どもは、現在では、この新法が対象とするものはオウム真理教に限られる、このように理解をいたしております。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 実態ははっきりしていないと言うけれども、現実に裁判になんかなって、ある程度実態ははっきりしているし、現在なお存在、存続しているという可能性も大いにあるわけですから、法律上は対象になると私は思うんです。  そうであるならば、そういうものは今考えられないというふうになるならば、この法律がサリン事件を想定しているならば、サリン事件があった、そして国民の不安はまさにそこに集中しているというならば、一定の過去にさかのぼって区切るというのも一つの案だと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 委員御指摘のとおり、規制の対象となる団体の範囲というものをより明確に絞るというのも一つのお考えであろうかと思っております。しかし、過去に無差別大量殺人行為を行った団体がなお危険な要素というものを保持している、社会に不安を与えているという場合であるにもかかわらず、一定の期間が経過をしたことのみをもって何ら規制ができないということになることは、公共の安全の確保の観点から相当ではないと考えております。  また、政府といたしましては、現時点においては、今後、いつの時点で新法の規制の措置というものが不要になるか、それを見通すことが困難でございますので、御審議いただいている法案をいわゆる時限立法とする考えは持っておりません。規制の対象となり得る団体が、時限立法の期間が経過するまでその活動を自粛している、その経過後に再びその活動を活発化させるということも予想されるわけでございまして、そうなりますと、規制の実効性が保障できないからでございます。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 私が今聞いたのは、時限立法というか、これから先の話じゃなくて、過去に一定期間、例えば十年というふうに区切るならば、今私が言ったような、過去の三菱重工事件、あるいはピース缶事件、当時赤軍派と言われた事件とか、あるいは、過去にさらに上るなら三鷹事件なんかですと、はっきりしないにしろ、当然形態としては当たる事件なんですよね。そういうものは除かれて、一応この法律は、十年前なら我々が知っている範囲ではもうオウム事件だけがこの法律と合致するではないかと。そういう意味では、過去の問題を言っているんです。一言で結構です。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今お話をお聞きいたしまして、この法案は二つの要件を重ねておりまして、過去にそういう無差別大量殺人行為を行った団体、集団であるということが一つ、それから、現に今その集団が危険性というものを保持しながら、さらにそういう状態が拡大をしている、こういうときに初めてこの新法というものが適用される、こういうことになっておりまして、先ほど来から申し上げておりますとおり、現時点で私どもが念頭にありますのはオウム真理教しかない、このように申し上げておる次第であります。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 提案趣旨説明でも、一つは過去に団体の活動として云々、あるいは過去に無差別大量殺人を行った団体について規制するんだというお話がありましたが、その過去とはいつを起点として過去と言われるんですか。法律の施行時ということでよろしいんでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今お話しの点でございますれば、事件が発生をして、この新法を適用する時点、こういうことになろうかと思います。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 そうすると、これから先、もしオウム以外に何らかの政治目的をもって無差別大量殺人が起こった、それも当然想定されているというふうに理解してよろしいんでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 この新法の要件に適合するものであれば、委員御指摘のとおりでございます。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 そうすると、私が一番最初に言ったように、二人以上の人間が一定の政治目的をもって二人以上の人間を殺害しようとするふうなことが起こるならば、これは幾らでもできる、幾らでもというのはおかしいが、あればそれを適用する可能性があるということになるというふうに理解していいわけですね。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 この新法の法文をそのまま当てはめて一般論として申し上げれば、委員御指摘のとおりであろうかと思います。  しかしながら、先ほど来申し上げておりますとおり、この二つの要件というものをクリアする、引き続きその危険性というものを保持して多くの影響を与えるという団体というものはなかなか少ないように思います。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 法律の解釈上、本当に非常に狭い範囲でもあり得る、そして、そういうものは世界の実情を見るといっぱいあるわけですから、先日もだれかが言ったように、アメリカで人種差別に基づいてという一定の政治目的をもって銃を乱射したというような事件も当てはめれば当てはまるわけですから、だからこそ憲法違反の問題、そのほかの法律の厳格適用は大事になるという趣旨で、私は今後もあり得ることをやはり一言言ってみたかったわけです。  ところで、次の質問に移りますが、四条と三十四条の関係でございます。  四条には「団体」として、これは先ほど私が申しましたように、団体といっても「多数人の継続的結合体」ですから、二人以上の人間が継続的に結合していればいいということです。そうすると、三十四条を見ますと、ここで、処分取り消しの訴えというのができるのは、法人でない社団または財団では民事訴訟法に基づいて取り消し訴訟を提起することができると言っています。  私は代表質問でも大臣に質問したんですが、個人の取り消し訴訟とかそういう救済の方法がないのかと言ったら、余り的確でないお答えをされたように私記憶しているんですが、うるさかったからよく覚えていないんですけれども。要は、団体が取り消し請求できるんですが、団体といっても、この三十四条の「法人でない社団」というのはいわゆる法律上権利能力なき社団ということで、一定の人数とそれから一定の目的、それから綱領のようなものを持って団体として活動している、そういうものでなければならないんですけれども、四条の団体の定義によると二人以上であればいいことになりますので、そういう場合は、法人でない社団で個人に近いものもあると思うんです。そういうものはどのような形で取り消しの訴えを出せばいいんだろうかということはどのようにお考えでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 ただいま委員から御指摘をいただきました、二人の者でも団体を構成できるじゃないか、この場合においては、この二人の者が法第四条二項の団体に該当すると認められ、観察処分または再発防止処分が科せられたのであれば、その団体の名において取り消し訴訟というものを提起するということは認められているわけであります。

山本有二自由民主党法務政務次官

○山本(有)政務次官 私の方から少し補足をさせていただきますと、先生のおっしゃるとおり、民事訴訟法二十九条に定めるいわゆる権利能力なき社団ではない、しかし二人で構成される団体だという場合、団体として三十四条を使って取り消し訴訟をすることが可能であります。  しかし、団体でなくて個人という資格の場合では、これは行政訴訟法の一般論としまして、行政訴訟法の九条に掲げる自己の権利が侵害される場合であれば、個人の資格でも取り消しを請求することができます。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 政務次官に、ついでですが、三十四条の「法人でない社団」というのは、私どもの頭にあるいわゆる権利能力なき社団と同義語でございますか。

山本有二自由民主党法務政務次官

○山本(有)政務次官 本法に独自の考え方、団体の意味でございます。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 次の質問に移りますが、六条と十条の関係でございます。  六条、十条、両方同じような規定で、これは、公安審は観察処分の必要性がなくなったら取り消さなければならない。十条は、再発防止処分について、必要性がなくなった場合は取り消さなければならない。先回、恐らく大臣は、これは職権でのみできるというふうにおっしゃいました。これは、当事者から、もうこういう状態はないんだから取り消してくれないかということを申し立てることはできないんでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今御指摘の本法第六条及び十条、この条文は、観察処分または再発防止処分について、公安審査委員会が処分を継続する必要がなくなったと認められるときにはその処分を取り消さなければならない、その旨を規定している条文でございます。  これは、本来、不利益処分については、明文の規定がなくてもその効力を将来に向けて失わせる、すなわちこれを取り消すことはできることを確認しているわけでございまして、一定の要件がある場合にはこれを義務的に取り消さなければならないこととして、対象団体の権利保護を図ったものでございまして、御指摘のように、団体からの取り消し請求を認めるまでの必要はないように思います。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 私は、三十四条で、要するに最初の決定そのものがまずいという場合は当然この取り消しを求める訴訟は提起できるということを認めておるというならば、途中でその必要性がなくなった場合、やはり当事者にそういう権利は当然認めてしかるべきだと思います。そういう状態がなくなったという判断を求めることができると思うんですけれども、その点について、今のお答えで結構ですけれども、私の意見として、違法状態がなくなれば必要性がなくなるので、そういう機会を当事者に与えるべきだと思っております。  次に、七条とそれから十三条の問題を聞きます。  七条、すなわち観察処分の問題、これは特に七条二項の建物への立ち入り、そして設備、帳簿書類その他必要な物件を検査するという問題であります。先日も問題になりました。十三条は再発防止処分で同じことを規定してありますが、建物への立ち入りとか物件の検査というのは、憲法三十五条の住居の不可侵という規定がきっちり決めてありまして、何人も、その住居、書類あるいは所持品について侵入、捜索、押収を受けることのない権利は、正当な理由に基づいて発せられ、捜索する場所及び押収するものを明示する令状がなければ侵されないという規定がきっちり書いてあるわけですよね。  これは刑事事件に至ったものに対するものだと言われておりますけれども、本法は行政処分だと言われます。しかし、それについても、既に最高裁の昭和四十七年十一月二十二日のきっちりと決まった判例があります。それは、当該手続が刑事責任追及を目的とするものでないとの理由のみで、その手続における一切の強制が当然に右規定、すなわち憲法三十五条による保障の枠外にあると判断することは相当でないとして、令状主義をとるべきであるという判例があるわけですね。ですから、それが今の憲法秩序の一つの常識だと理解していいかと思うんです。  そうすると、迅速性を急ぐ余り、こういうふうに、公安調査庁長官の権限で立ち入り、そして物件を検査するということができる、何にも事前に、しかも場所も特定できなければ、全国のいっぱいある組織、どこへ行ってもいいんだ、そうすることが今の憲法秩序に反するのではないかという考えがあるんです。それに対してどういう歯どめというか、私は、裁判所の令状主義かあるいはそれに準じたものをつくるべきだと思うんですけれども、大臣はいかがなんでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 いろいろお話をいただきましたが、憲法第三十五条の令状主義との関係というものにつきましては、この立入検査は刑事上の処罰を目的とする手続ではございません。したがいまして、刑事事件の資料収集、そういったものに直接結びつく作用を一般的に有するものではございません。しかも、その立入検査の拒否、妨害等については罰則が設けられている。行政処分でございます。その強制の様態、程度は間接的なものにとどまるわけでございます。直接物理的な強制と同一視すべきものではないと考えておりまして、そうした憲法上の抵触というものは御懸念に当たらないと思います。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 確かにこの条文だけでは、立ち入らせることはできるけれども、それは拒否されても仕方がないことになっていますね。できないかもしれない。しかし、立ち入ることをノーと言ったら次にすぐ罰則が適用になるから、それをもって強制力が発揮できるわけですから、逮捕したりするわけですから、拒否したがゆえに犯罪になるわけですから、立ち入りを拒否した人間に対してその逮捕状をとって立ち入ることができるという抜け道が幾らでもできるようになっているわけですから、それはやはり余り理由にならないと思いますし、間接的であるといっても事実上これは拒否できない、拒否をすれば刑事罰に当たる、だから入れざるを得ないというふうな、そういう構造にするのは法律のつくり方としてずるいと私は思うんですよ。やはりきっちりこれは、裁判所の令状か、あるいはそのほかにそれに準ずるものをすれば法律の体裁としては形づくれるし正当性を付与できると思うんですけれども、その点について、もう同じ答えだと思いますから、もしお考えがあればもう一度お願いします。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今私が申し上げましたように、行政上の立入検査、こういうことでございまして、他の行政上のこうした件につきましても同じような取り扱いをいたしておるところでございます。したがいまして、委員の御心配には当たらないと思いますし、さらに、この立入検査を行う際には、それに先立ちまして準司法機関である公安審査委員会の判断を得る仕組み、こういうことになっておりまして、一般の行政処分というものに比べましてもさらに慎重な手続が踏まれているものと思います。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 私はそうは思いませんので、このあたりはきっちりとしたことを要求していきたいと思っております。  もう時間がありませんので最後になりますけれども、弁明の手続、破防法には、十二条なんですけれども、弁明手続というのがあります。この法律ではその弁明というものをわざわざ外したのはどういうわけですか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 いわゆる破防法におきましては、暴力主義的破壊活動として多様な犯罪を対象といたしておりまして、規制措置としての活動制限処分及び解散指定処分を規定しておるわけでございますが、これはいずれも、将来さらに暴力主義的な破壊活動を行う明らかなおそれがある、これを除去するということになっているわけであります。結社の自由等に大きな制約を課すものであることにかんがみまして、公安調査庁長官が処分請求の前に弁明手続を行い、対象団体に対し事実及び証拠について意見を述べる、これらについて慎重な請求を行うという仕組みになっているわけでございます。  これに対し本法案は、無差別大量殺人行為が、暴力主義的破壊活動のうちで最も甚大な被害を及ぼす、その遂行が容易である反面、事前防止が困難である、そういった特徴を持っているものでございまして、破防法とは異なる仕組みというものを設けた次第でございます。  本法の定める規制措置というものは、対象団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の増大等を防止することを目的といたしておりまして、一時的に団体活動の一部を停止させる、そういう中間的な処分でございまして、迅速な対応が求められる、その反面、その処分の内容が危険性の程度に応じた範囲に限定をされまして、いわゆる破防法による規制措置に比べて、対象団体に与える不利益の程度に差異があるというわけであります。  そこで、公安調査庁長官による処分請求の後に、公安審査委員会が行政手続上の弁明の機会の付与の手続を基礎とした意見聴取を行う、こういうことにしたものでございます。したがいまして、法体系のバランス上も問題がない、このように思っております。

北村哲男民主党

○北村(哲)委員 この法律は、破防法よりもはるかに緩やかな規制がかけられているんです。破防法は、弁明手続があったり、あるいは危険を及ぼすことが明らかな場合というふうにしたりしてそれなりの歯どめがしてある、それでも憲法違反のそしりは免れないのでずっと慎重に扱われてきた。その枠をこの法律は、オウムを利用してがさっと外しているんですよ。だから、この法律を慎重にしているわけはないので、もっともっと緩やかにされているということなんですから、どこかにやはり歯どめというものを至るところにつけておいても決してそれは運用できないはずがないんですけれども、今のような御説明ではちょっと納得できない点がございます。  もう私の質問も終わりますけれども、意見聴取という弁明手続を外して、単に意見聴取をした、単に聞きおくということだけで処分をしてしまうということ、その運用においては、せめて破防法における弁明手続に準じたような形で当事者の言い分もそれなりに聞く、相手は、本当にけだものでも何でもない、同じ日本人なわけですから、そこのところは、やはり人間としての扱いということは必要だと思いますということで、私の質問を終わります。

武部勤自由民主党

○武部委員長 木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。前回に続いて、政府提出の団体規制法案について質問をしたいと思います。  この法案の第二十八条、二十九条は、公安調査官に、現行破防法の二十七条から三十四条に規定しております調査権、これを全く同一の文章で準用しております。  そこで、現行破防法の第四章のこの公安調査官の調査権がどのように運用されているかについてお聞きをしたいと思います。これは実務をやっておる責任者であります公安調査庁長官にお聞きしたいと思います。  最初に、この調査権の法的性質はいかなるものでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 お答え申し上げます。  破防法によって与えられておる公安調査官の調査権というのは、任意手段による調査権限である、このように理解しております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 強制力のない任意調査であるという答弁であります。  どういう団体、どういう個人に対して調査をすることが法律上できるのでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 破防法に規定されておりますいわゆる破壊的団体に対する調査を基本としております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そういう団体を特定するのに、どんな手続を現在公安調査庁ではとられているのでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 これは、公安調査庁長官の行政の長としての権限に基づきまして調査の指定団体ということを指定いたしまして、公安調査官の持っている権限行使を効率的、統一的に行う、そういうふうにしております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 それは内部規則で決めているのですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 内部の規則というか、公安調査庁長官の権限で部内の者に対してそのように指示しておるところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 ですから、規則をつくって、公安調査庁長官が調査官に対して、この団体については調査すべきと、そういう、どういう場合に指定できるかの内部規則はあるのですかという質問です。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 それは内部の運用のことでございまして、長官の権限で部下職員に対し指揮監督をしているということの一つの態様でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 仕切りをやる規則はない、公安調査庁長官の胸算用一つでできる、そういう仕組みで運用している、こう聞いていいのですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 公安調査庁長官といたしましては、その時々の情勢に即応して、この団体につきましては破壊的団体として全体として取り組む必要がある、そのように認めた場合に指定の団体として指定しておるわけでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 真正面から答えていないのですが、内部規則はない、長官の判断一つだ、こう聞いてよろしいわけですね。  では、そういう指定、ある団体を指定したときには、それが内部または外部に対してきちっと示されるのでしょうか。文書などできちっと残されるのでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 従来は、指定団体につきまして公にしていたこともございますけれども、やはりそのときそのときの情勢に従いましてその指定団体を変えているものでございますから、最近は、どのような団体についてそのような指定をしているということは明らかにしておらないところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 大変運用が不明朗なのですが、一つ確認しておきたいのですが、公安調査庁長官が部下の公安調査官にそういう団体指定をしていない場合は、そういう団体並びにその構成員に対しては破防法二十七条による調査はできない、こう伺っていいですか。そういうふうに公安調査庁は今この法を運用していると聞いていいですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 そうではございませんで、個々の公安調査官による調査の権限というのは、破防法によって与えられているわけでございます。個々の調査官の調査権限の行使を統一的、効率的に処理するために、長官といたしまして、指揮権の行使として、この団体については調査いたしなさい、このように指定するわけでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そうすると、今公安調査庁は、この破防法二十七条の公安調査官の調査については、個々の調査官が思いのままに自由に調査できるんだ、自分がこの団体が調査対象だと思えばできるんだ、そういう解釈で運用されているということですか。長官が指定団体に指定するのは、統一的、効率的にならしめるためである、それ以外でも個々の調査官は調査できるんだというふうに確認してよろしいですか。そういうふうに運用しているということを確認してよろしいですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 もとより、個々の公安調査官の調査権限というのも破防法に基づくものでございまして、破防法に基づきまして、暴力主義的破壊活動を行った団体あるいは行ったということの疑いのある団体あるいは合理的根拠に基づきまして将来それを行うおそれのある団体、そういった団体について規制請求をするために必要な調査をするということによりまして合理的な範囲というものが生じてくる、そのように理解しております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 具体的に聞きますが、オウム教団に対しては、公安調査庁長官によるただいま答弁されました指定、調査対象団体としての指定ということは行われたことはあるのですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 オウム真理教団に対しましても、そのような調査の指定団体に指定をしておるところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 指定したのはいつでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 オウムを調査指定団体に指定した時期でございますが、公安調査庁といたしましては、平成七年三月二十日に地下鉄サリン事件が発生いたしましたことから、その直後に特別調査本部を内部に設けまして、オウム真理教に対する調査を強化していたわけでありますが、その結果、麻原こと松本智津夫が逮捕された当日である平成七年五月十六日に至りまして、オウム真理教を調査対象団体に指定したところでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 指定団体にオウム教団を指定する前、また、今、平成七年三月二十日に特別調査本部を設置したとお聞きしましたが、それ以前はオウム教団に対してはどんな調査がどの程度なされていたのでしょうか。概括的な質問でありますから、概括的に答えていただきたいと思うのです。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 オウム真理教に対しましては、平成二年二月に衆議院選挙に大量立候補し、落選したころから関心を持っておりまして、その後、熊本県波野村の教団施設をめぐる地元住民の反対運動、あるいは長野県松本市への進出に対する反対派住民の阻止運動、亀戸道場異臭事件、上九一色村のサティアンの建築をめぐる反対運動など、相次ぐ地域住民との紛争に注目していたところであります。  しかし、松本サリンとかあるいは地下鉄サリンといった事件の事前に、本格的な調査を始めるだけの合理的な根拠を十分把握することができずにおりましたところ、これら事件の後になりまして、非常に危険な団体であるということが判明いたしましたので、当庁としては、それらの事件とかあるいはオウムの実態について鋭意調査を開始したところであります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 現行破防法の二十九条によりますと、「公安調査庁と警察庁及び都道府県警とは、相互に、この法律の実施に関し、情報又は資料を交換しなければならない。」こういう規定がございます。オウム教団に関して、この規定が発動されて、警察庁及び都道府県警と相互に公安調査庁が情報、資料交換が行われたことはあるのでしょうか。あるとすれば、その出発はいつだったでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 破防法の二十九条に基づきまして、公安調査庁と警察当局とは相互に情報交換を行うことになっておりまして、オウム真理教についても、適宜情報交換を行ってきたところであります。具体的なその時期などについては、格別その情報交換について記録に残しておるわけでもございませんので、必ずしも明確ではございません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 非常に大事な問題だと思うのですね。こういう大事な問題がどうして記録に残らないのでしょうか。  オウム教団を指定団体として公安調査庁長官が統一的、効率的に調査をするためにつくられた指定制度ですが、その指定にしたのが九五年の五月十六日、いかにも遅いのですね。今の答弁ですと、その前からいろいろ、具体的には答弁できないけれども警察とは情報交換、資料交換していたという答弁なんですが、なぜこんなにおくれたのですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○木藤政府参考人 率直に申しまして、松本サリンとか地下鉄サリンが発生する前には、オウム真理教に対する危険性、そういったものにつきまして十分に把握することができなかったということによるものでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 前回も述べましたが、私は、公安調査庁が発行している「内外情報の回顧と展望」、ずっと経年的に読んできているのですが、九六年一月に発行された「回顧と展望」で、初めてオウムの問題が記載されるようになっているのですね。しかし、実際には、オウムがどんな重大な犯罪をこの十年間やり続けてきたかはもう現在では明らかですし、それがオウム教団のしわざであるというようなことも、マスコミ界ではいろんな形で指摘されてきたわけでありまして、オウムに関する公安調査庁の動きというのは、率直に言って、余りにも鈍過ぎたと評価されているのは当然だと私は思うのです。  実は、逆に、この現行破防法の二十七条から三十四条のいわゆる調査、これがとんでもない拡大解釈のもと利用されているということは、もう今日、公然たる事実であります。  現行法でもこの政府が出してきた法案でも、この歯どめをかける仕組みは、法律第三条の一般的訓示規定しかありません。いわゆる規制の基準、三条二項です。「この法律による規制及び規制のための調査については、いやしくもこれを濫用し、労働組合その他の団体の正当な活動を制限し、又はこれに介入するようなことがあってはならない。」これは精神的な歯どめだけであります。  しかし、現実にはこの調査権がどんなに濫用されているか。私ども日本共産党に対しては、もう有名な事件でありますが、八八年十一月に党本部に対する盗み撮り事件というのが発覚したわけであります。  また、ちょうどオウムの事件が起きた年に、その年の一月十七日に起きた阪神大震災、あのボランティア団体がどんな活動をしているか、そんな調査を公安調査庁は物すごくやっているわけであります。私の手元にある、九六年一月発行の「内外情勢の回顧と展望」も、それが非常に詳しく書いてあるのです。私ども日本共産党やその他の、この言葉によりますと、日共系大衆団体がどんな阪神大震災の救援活動をやっているか、詳しく述べられているのです。  そしてまた公安調査庁は、例えば、全国各地で展開されておる市民オンブズマン運動、これに対する調査、あるいは国会の上でも大問題になりましたが、サッカーくじの導入に反対する世論と運動。例えば、日本PTA全国協議会、主婦連合会、東京弁護士会、こういう団体はサッカーくじ導入に反対している、そんなことで調査をする。  こういうふうに、現実にはこの調査権は、とても破防法の規定なんというものじゃなくて、政府の政策に反対する国民の活動に広く適用され、調査が行われてきた。公然たる事実であります。しかも、その調査の方法は、いわゆる社会的、道徳的にも到底認められないような方法をとって行われてきた。そういう事件が既に何件も明るみにされているわけであります。  そこで、法務大臣にお聞きしたいのです。  こういうような公安調査官の調査の実情なんですね。それが憲法違反じゃないかと厳しく各界から指摘されてきたと思うのです。その調査の権限を全く一字一句変えないで、この法案の中に全面的に盛り込んできた。なぜですか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 この今度御提示をしております新法は、いわゆる団体規制法でございますので、現在団体規制法としてある破防法、その規定というものを準用させている、このようなことでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私が質問しているのは、全く同じ破防法の条文をそっくりそのまま閣法、政府提出の団体規制法に盛り込んできているのですが、実際のこれまでの運用の実態というのは今お聞きのとおりですよ。本当ならきっちり調査しなければならぬオウムに対しては、ほとんどまともに調査が行われなかった。そして、破防法の団体とはとても言えないような、そういう国民のいろいろな民主的な団体に対しては徹底した調査が行われてきた。それが憲法違反じゃないか、破防法の濫用じゃないかと大問題になっているわけです。それはもう御承知だと思うのですね。  それなのに、そういう濫用に対して新しい歯どめをつけるような枠組みをとらずに、全く同じ条文のスタイルでこの法案に持ち込んできたのであれば、これは、この法案がどんなにこの調査権の発動によって濫用されるか。だから私どもは、破防法の大拡大になるというふうに指摘しているのは、一つはそこにあるんですよ。  そういう問題に対する配慮というのは、法案立法過程においてなされたんでしょうか。そこをお聞きしたい。

山本有二自由民主党法務政務次官

○山本(有)政務次官 そもそも憲法のもとにおける団体規制というのは慎重を期さなければならないことは、もう言うまでもありません。  その意味におきまして、我が国唯一の団体規制立法でございます破防法、これを拡大しては絶対に相ならぬ、そういう考え方のもとに、拡大解釈ができるだけできない、そういうような念頭に置いた考え方のもとで、破防法の定義を本法の団体の定義とさせていただいたわけでありまして、その意味におきましては、先生御懸念のような御党に対する調査等々の意図は全くあり得ませんので、その点を御理解いただきたいと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そういう答弁をここでもらっても、現実に、この破防法の同じ条文のもとで、違法、違憲なとんでもない調査が吹き荒れているんですからね。それに対して、条文が全く同じだということは、同じことをやるということにならざるを得ないんですよ。ですから私は指摘をしたわけであります。  次に質問したいと思うんです。  法案の第七条二項は、公安調査庁長官に観察処分の実施としての立入検査権を与えました。これは、今私が質問してきた調査と違いまして、罰則による間接強制を伴っている調査権であります。現行破防法にはない新しい権限であります。  そこでお聞きしますが、この間接強制を伴う法七条二項による調査においては立入検査ができるわけですが、設備や帳簿書類その他必要な物件の検査ができるとありますが、どこまでできるんでしょうか。写真撮影や、帳簿についてはコピーもとることはできるんでしょうか。これは法の解釈の問題ですから、官房長に聞きます。

但木敬一法務大臣官房長

○但木政府参考人 法の七条あるいは十三条の立入検査としてどんなことができるかというお尋ねでございます。  立入検査における検査は、対象物件につきまして、五官の作用によって調べることを意味いたします。どのような行為がこれに当たるかは、個別具体的な事情によって判断されると思います。  一般論として典型的なことを申し上げれば、立ち入った先で帳簿や書類を閲覧する行為、あるいは設備を見聞する行為、これらがこれに当たることは言うまでもありません。そのほかにも、例えば、立ち入り先の建物の中で検査対象物が入っていると思われるロッカーをあけるように求めたり、あるいは帳簿類の提出を求めたり、あるいは検査結果を明らかにするために必要かつ合理的な範囲内で写真撮影をしたり、あるいは事務所の見取り図をつくったり、こういうことはできると思います。  しかし、直接強制的な行為、つまり刑事手続で申します捜索・差し押さえというような行為と同視されるような行為はできない。したがいまして、例えば、施錠されている引き出し等をかぎ屋さんを呼んで同意なく開錠してその中の物品を検査すること、あるいは施設内におります人の身体の捜索をすること、あるいは同意なく何かを、例えば薬品がある、これを抜き取って検査する、これらの行為は直接強制的な行為ということになりますので、これはできないというふうに思われます。  お尋ねのコピーと写真の件でありますが、もちろん、検査の一環として、この書類を検査させてくれないかということで、ハンドコピーを使ってコピーをしたいという申し出をすることはできます。しかし、相手方がこれを拒否して、コピーするのは困るといった場合に、なお強制的にコピーすることはもちろんできません。そして、この行為は差し押さえと同じような効果を生ずる行為でございますので、コピーを拒否したからといって直ちに検査妨害であるということは言えないというふうに考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 警察庁にお聞きしますが、この法案で、新たに警察に、再発防止処分の請求に関して意見を述べるために必要なときは、観察処分を受けている団体に対する調査権が付与されました。十三条であります。これも、要するに罰則による間接強制を伴った調査権であります。  もう時間がありませんから具体的に、この法案が成立した場合に、警察庁としては、この法、団体規制法による職務を担う内部部局をどこにしようとされているのか。刑事局なのか、警備公安局なのか、また別の部局なのか。御答弁願いたい。

金重凱之警察庁警備局長

○金重政府参考人 お答えいたします。  この法案につきましては、オウム真理教が今なお各地で住民に対して不安を与えておるというような状況の中で、この教団を念頭に置いて、無差別大量殺人行為を行った団体の規制を行おうとするものであるというふうに承知いたしております。  この法案の対象となる団体は、現時点では、私ども、オウム真理教のみと考えられるところでございまして、従来から、このオウム真理教に関する情報の収集、整理等に関する事務につきましては警備局が所管いたしております。したがいまして、この法案の施行事務につきましても警備局が所管する予定でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、本当にそれはふさわしくないと思うんですね。警備局がやるということは、ますますこの法体系全体が本当に拡大、濫用されるおそれがあるということを指摘しておきたいと思うんです。  時間ももう迫っておりますから、最後に一点、調査結果の地方自治体への提供についてのみまとめて質問いたします。  法案第三十一条によりますと、公安調査庁長官は、関係地方自治体の長から請求があったときには、第五条の処分に基づく調査の結果を提供することができると記載しております。  そこで、私、三つ問題を提起します。  一つは、これは権限規定であります、義務規定じゃない。なぜ提供しなければならないというふうに書かなかったのか。提供しなくてもいいのか。それが一つ。  それから二つ目には、この規定によりますと、公安調査庁が、最初に質問した第四章の調査、二十八条、二十九条等々の調査から得られた結果については規定がありません。その問題はどう考えているのか。  それから三つ目。この条文では、今質問しましたが、警察が新たに権限を付与された調査、立入検査によって得た情報については何の規定もありません。なぜ警察についてはこういう条文を置かなかったのか。  まとめて、一括して法務省から答弁を願って、時間が来ましたから終わりにしたいと思うんです。

但木敬一法務大臣官房長

○但木政府参考人 三点御質問がありました。  まず、第一点についてお答えいたします。なぜ法でしなければならないという規定にしなかったかということでございます。  本条は、関係地方公共団体の施策や当該地域住民の不安を解消するために、公安調査庁長官が、観察処分に基づく調査の結果得た情報を関係地方公共団体に提供できるようにすることとした規定でございます。  調査の結果得た情報につきましては、国家公務員法第百条第一項の職務上知り得た秘密に該当いたしまして、守秘義務が課されているために、本法第三十一条において、個人の秘密または公共の安全を害するおそれがあると認める事項を除いて守秘義務を解除した規定でございます。  第二点のお尋ねは、法三十一条による提供の対象に法十三条による警察官の立入調査の結果が含まれるのかどうか、法文上何も明らかになっていないというお尋ねでございました。  法の解釈といたしましては、警察職員による立入検査の結果は必ず公安調査庁長官に提供すべきものとされております。これを受け取りました公安調査庁長官は、この情報は観察処分によって得た情報として受け取れるというふうに我々は解しております。したがいまして、警察から提供された情報につきましても、警察が立入検査をやって得られた情報につきましても、それが公安庁長官に報告されている限りにおいては法三十一条による情報の開示の中に含まれるというふうに考えております。  次にもう一点、それ以外の、法二十八条による任意調査の結果について、開示について何も触れていないではないかというお尋ねでした。  確かにこれについては触れておりません。と申しますのは、任意調査は種々の目的、対応で行われるものでありまして、例えば観察処分前でも任意調査はこの法律の規制のために行われるわけでございます。ただ、三十一条は、観察処分の結果、つまり観察処分というのが前提になっておりますので、必ずしも任意調査の結果をこの三十一条の中に含ませるということにはならないと思います。  ただ、三十一条の精神はございますので、地方自治体において必要な情報であって、それが任意調査に含まれているものにつきましては、必ずしもそれの開示を排斥した規定ではないというふうに考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 まことに地方自治体に対する情報の提供が不十分だ。今住民が本当に不安になっているのは、オウムが何をやっているかわからないというところにあるわけですから、その点を指摘して、時間ですからきょうは終わります。

武部勤自由民主党

○武部委員長 保坂展人君。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  前回の法務大臣に対する私の質問で、今回の法律案が、オウムを念頭に置き、他のものはほとんど想定しないという事前の説明でありながら、例えば具体的に申し上げますと、カンボジアで起きた大虐殺、クメールルージュの、ポル・ポト派の残党が日本に来ていて、そしてクメールルージュの歴史を勉強し云々という活動、そしてその一人一人は虐殺当時司令官だったり指揮官だったりしたという場合は相当しますかという質問に対して、外国の勢力が日本に支部をつくって活動したら相当するでしょうというふうにお答えになっているんです。ちょっとそれを聞くと、これは無限に拡大していくなという印象を持ったのでありますが、これは答弁として正確だったでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 先般委員から、ポル・ポト派の残党が我が国において組織を結成し、クメールルージュの歴史を勉強して、勉強してというふうにお話でございましたが、ポル・ポト派によるいわゆる無差別大量殺人は我が国の公共の安全に向けて行われたものとは認められません。しかも、我が国において結成された組織がクメールルージュの歴史の勉強をしているだけであるとするならば、何ら無差別大量殺人行為を行うことと関係を有しておりませんので、委員御指摘の組織は本法の適用対象団体には該当しないものと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 とすると、先日の委員会の答弁は撤回されるということで理解してよろしいですか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今私が申し上げたとおりでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 ということは、前回は、当然のことながらこれも入ってくると答弁されていますから、これは正確ではなかった、今の大臣の規定でいえばこれは入らないということでございますね。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 その前後の文脈、正確には覚えておりませんが、私は、常にお話を申し上げるときには、海外の団体であっても日本に組織の実体があって、しかももう一つの条件として無差別大量殺人というものを行った団体でなければこの新法というものは適用されないということを申し上げております。  もしそういう前提を落として、勉強しておるということであるというふうに御理解いただくということであれば、これは私の説明不足でございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 もう一点あるんですが、私の方で聞いている、日本の政治家数人がねらわれた、既遂、未遂も含めて、これは本法と関係あるんですかないんですか。つまり、これはどういう質問かというと、特定の殺人並びに未遂ではなくて、不特定のというところにこの法律の核があるというふうに説明されているわけで、政治家数人というふうに特定された場合、これは当たらないんじゃないかということをお尋ねしているんですが、ここらは整理されましたでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 たとえ相手の目的が政治家数人であったとしても、その行為そのものが無差別大量殺人行為に当たるという行為であれば該当するものと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 では、ちょっと当局に、官房長に聞きたいと思いますが、今の大臣の答弁だと、政治家数人を特定してやったものであっても無差別大量殺人に当たるという答弁ですが、これはよろしいですか。

但木敬一法務大臣官房長

○但木政府参考人 大臣の答弁は、閉ざされた状況といいますか、そういう状況の中で三人だけがおって、その三人を目がけて例えば爆弾を投げるというようなことではなくて、状況によっては、その三人だけでなくて、その三人の周りに、つまり閉ざされた状況がなくてほかの人が入ってくるような中で、しかしその三人だけははっきりわかっているというような状況で爆弾を投げ込んだ場合はなる。つまり、状況によってなる場合もあるという意味であろうと思いますが、不特定というのは対象が限定されていないという意味ですので、仮に委員が、特定された三人の政治家をねらって、その人たちが死亡するように爆弾を投げた、このような事例で考えておられて、ほかに通行人もいないような場所というようなことになりますと、それは本法の対象にはなりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 今の官房長の説明では、爆弾と言うからややこしいわけなんですね。爆弾というのは確かに周りに巻き添え等々あります。じゃ爆弾なら該当してライフルなら該当しないのかみたいな話にもなりますけれども、これは要するに不特定かつ多数という概念を定義のところでぎりぎり詰める必要があるということで聞いているんです。  法務大臣、その不特定かつ多数が、法律案では無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案というふうになっております。これは、中身を見ると、不特定かつ多数の殺人をなしたかあるいは未遂、これも入っているわけなんですが、この名称が無差別大量殺人というふうに、不特定かつ多数を使わずに無差別大量殺人にどうしてなったんでしょうか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 私どものこの新法では無差別大量殺人、こういうふうに申し上げておりますが、状況としては、いわゆる無差別大量殺人、こういうふうに言った場合には、要件の中に不特定かつ多数ということが当然入ってくるわけでありまして、私どもの題のとり方というものは別に問題があるとは思っておりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 では、これは指摘しますけれども、行った団体ですよね。正確に言えば、行った団体か行おうとした団体の規制に関する法律案、こういうふうにはなりませんか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 行った団体ということでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 そうすると、行ったけれども未遂に終わった団体は該当しないんですか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 先ほど来から申し上げておりますとおり、特定の人をねらってそうした行為を行った、その周辺には当然のことながら大勢の方々がおられた、そういうことで、結果的にそれが万一幸いにも未遂に終わっても、そうしたものについては入ると。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 そうすると、正確には、行おうとしたという言葉、文言も入らないとおかしいということは指摘しておきたいと思います。  そして、法案の提案理由説明のところに、ケニア、タンザニアにおけるアメリカ大使館同時爆破事件ということが事例として入っているんですね。無差別大量殺人の事例として入っておりますが、この事例をなぜ入れたんでしょうか。それから、じゃ、この前のコソボ空爆における中国大使館のアメリカ軍によるミサイル攻撃、これは該当しますか。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 御指摘のように、私の提案趣旨説明の中に、ケニア、タンザニアにおける米国大使館同時爆破事件について述べたわけでございますが、これは、私、法務大臣という立場から、近年の犯罪の情勢に関する認識というものを示したものでございまして、我が国のサリン事件の発生、そういったものとあわせて国際情勢にも触れたものにすぎないわけでございまして、全く他意はございませんし、御指摘のような、国際テロへの本法案の適用にも殊さら強調することをいたしたものではございません。したがいまして、後段の部分については適用しません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 つまり、後段の部分というか、一応、ケニア、タンザニアを挙げておられるので、中国大使館へのあのミサイル攻撃は無差別大量殺人に当たりますか、どうですかと。

山本有二自由民主党法務政務次官

○山本(有)政務次官 当たりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 どうして当たらないんですか。

山本有二自由民主党法務政務次官

○山本(有)政務次官 本法のまず第一条の目的からして、「公共の安全の確保に寄与すること」でございます。そして、そこに言う「公共の安全」とは、我が国憲法下における我が国の安全のことでございまして、したがって、我が国の憲法秩序を頂点とする公共の安全に向けられました無差別大量殺人行為でなければならないという要件があるからでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 本法における無差別大量殺人が適用にならないのはもちろんそうです。そうではなくて、無差別大量殺人あるいは不特定かつ多数、そういう要件に該当する事例ですかと聞いているんですよ、中国大使館は。

山本有二自由民主党法務政務次官

○山本(有)政務次官 不特定かつ多数という抽象的な言葉の問題とするならば、不特定多数ということは言えるわけです。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 どうも言葉が煮詰められていないのと、ケニア、タンザニアということが殊さら列挙されることによって、これはテロ対策法なのかという、そうではないとおっしゃっているので、それは誤解だと思いますけれども、そこのところは非常に説明不十分だったと思います。  それで、じゃ、実際にこの法案が動き出すというときに、もちろん公安調査庁に対しても問うていきたいところなんですが、今現在多くの国民が注目しているのは、警察組織が今どうなっているんだろうか、こういう問題です。そして、その警察との連携なしに公安調査庁のみがすべてを負うことはできないわけですから。  まず刑事局長に伺いますけれども、被疑者を逮捕するときの要件、これはどんな被疑者でも同一なのかどうか、逮捕の条件ですね。簡単ですが。

林則清警察庁刑事局長

○林政府参考人 議員御存じのように、刑事訴訟法には、逮捕の理由と逮捕の必要性、これがそろった場合に逮捕するとなっております。具体的に言えば、そういった逮捕の理由がどの程度しっかりしているか、あるいは逃亡、証拠隠滅のおそれ等逮捕の必要性というのがどの程度あるのかというのは、個別の具体的な判断になります。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 逮捕の要件は証拠隠滅及び逃亡のおそれがある場合ということなんでしょうけれども、これはどんな犯罪でもあるいはどんな被疑者でも同一の基準で当てはめられるということだと思うんです。  次に、じゃ、法務省の刑事局長に伺いますが、これは、犯罪の証拠を隠したり、故意に犯罪を見逃した疑いのある被疑者、つまり、今回の神奈川県警のことを想定して一般論で答えていただきたいんですが、証拠隠滅や犯人隠避容疑の被疑者、こういう人たちが実際証拠隠滅のおそれが強いと考えないかということについていかがでしょう。

松尾邦弘法務省刑事局長

○松尾政府参考人 お尋ねの点については、具体的なケース・バイ・ケースということで、なかなか一般論としては申し上げにくい事項ではないかと思っております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それでは、過去十年間に証拠隠滅や犯人隠避などに問われた被告のうちに、勾留なしに起訴された被告の数、ちょっと通告時間が短かったので、もしおわかりだったら紹介いただきたいと思います。

松尾邦弘法務省刑事局長

○松尾政府参考人 平成元年から約十年間の数を申し上げるということで御勘弁をいただきたいと思いますが、証拠隠滅でいわゆる公判請求された人員は全部で四十三名でございますが、この中で在宅のまま公判請求された人員は十六人でございます。約四割でございます。  それから、犯人隠避でございますが、同じ期間公判請求されましたのは八百五十三件でございますが、その中で在宅のまま起訴されましたのが四百二十七件でございますので、約五〇%ということでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それぞれの取り扱いの違いというのがあるんでしょうけれども、この前、法務大臣にも伺いまして、法務大臣の見解も、覚せい剤を使用した警官の問題、これも衝撃的ですよ。こういった不祥事、二十六万人ですか、大組織の中でそういう方が一部いる。確率論でいえば、残念ながらそういうことがずっと続いているわけで、しかし、組織を挙げてこの犯罪をなかったことにしてしまえというのは、今回が初めてですよね。  そこで、警察庁の刑事局長に伺いますけれども、例えば捜査現場に重大な支障は起きていませんか。例えば、神奈川県内で駐車違反とかスピード違反だというときに、何だ、見逃してくれよ、あんたらだっていいかげんじゃないか、こんなふうに言われて現場の警察官が戸惑う、こういうことが起きていないのか。あるいは、神奈川県警だけではなくて、全国の警察取り締まりの現場に悪影響が出てはいないか。警察に対する国民の信頼、今いかにあるか。これについてお願いします。

林則清警察庁刑事局長

○林政府参考人 まず、神奈川県警においてそういうような声が出ていないか、あるいは、さらには広げて全国において出ていないかということは、先生同様我々も非常に懸念しておりますけれども、私自身、現在警察庁に勤務しておりまして、神奈川県警に籍を置いておる、あるいは現場に籍を置いていませんので、直接にそういう声が届いておるということはございません。ただ、懸念はいたしております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それでは、警察庁の官房長に伺います。  これは一警官の覚せい剤使用の問題、その警官は逮捕されているわけですね。組織的に犯人を隠避したり、あるいはなかったことにしたり、ホテルに囲ったり、そういうことをやった十数人、これは県警を挙げてやったわけですから、これはもう重大な信用失墜行為であることは間違いないわけですね。  これに対して、神奈川県警そのものの組織の体質の問題でないかと私は思うのです。いかがでしょうか。悪い個人がいっぱいいたからそういうふうになってしまったというのじゃなくて、組織の体質の問題。

石川重明警察庁長官官房長

○石川政府参考人 現在捜査を急いでいるところでございますけれども、警察庁としてもこのたびの問題については大変重大に受けとめておるわけでございます。  組織の体質かどうかというお尋ねでありますけれども、神奈川県警で勤めておる警察職員、そのほとんど多くは毎日日夜職務に精励をしておるわけでございまして、こうした事案が起きたことは極めて遺憾でありますけれども、その信頼の回復のためにみんな一致協力して努力しようということで今頑張っておるところであるというふうに考えております。  また、全国にも影響がないかと先ほどのお尋ねでありますけれども、そういう日夜精励している警察職員にとって、こうした事態が起きているということについては、心情の問題として大変負担になっておるし、また仕事にも影響が出かねないといったようなことを私ども懸念しておりまして、全国警察においても、この問題についてはしっかり受けとめて、きちっとした対応をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 もう一度警察庁の官房長にお願いします。  それは、日々雨に打たれながら、きょうも交通取り締まりやいろいろな防犯をやっている、そういう警察官がまじめに一生懸命やっているということは知っていますよ。そうではなくて、県警本部長以下監察官室という不祥事を監督しなければいけないところまでがこういうことをやったというのは、これはもう組織の体質の問題でしょう。これを認められませんか、今。

石川重明警察庁長官官房長

○石川政府参考人 この問題については、組織のあり方というものに問題点がなかったかどうかといった点につきましては、現在捜査中でございますので、全容解明を待って、どういうところに反省、教訓事項があるかといったような点を十分検討して、改善すべきものは改善してまいりたい、こういうふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 私は警察組織全体の組織が問われていると本当は思うのですが、極めて狭く言って、当時の神奈川県警の本部長以下幹部たちの組織体質の問題だという答弁ぐらいは、きょう官房長から当然出るものと思っていました。しかし出ない。  これは短く一点だけ聞きますが、前国会、終始何度もお聞きした神奈川県警による緒方宅盗聴事件、あの事件は警察の犯罪ですか。どうですか。短く答えてください。端的に答えてください。

石川重明警察庁長官官房長

○石川政府参考人 警察官がそういったことについて責任を問われた事案だというふうに思っております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 前国会では随分違う答弁をされていたので、一部、やはりこれだけの認識が出てきたということは評価いたしますけれども、警察官が責任を問われた事案だというふうにお答えになりました。  そこで、法務省松尾刑事局長に再び伺いますけれども、結局、今回の神奈川県警のこれだけの不祥事、これだけのスキャンダル、そしてまた、この団体規制法の意図するところの、政府提案によればオウム真理教などの社会不安を除去したい、これは私どもも必要あるとは思っています。しかし、破防法を骨格にしたこのつくり方に問題があるということでずっと質疑を続けていますが、オウム真理教も問題ですよ、だけれども、警察が組織ぐるみで犯罪を醸成するような、そういう組織だということが国民に認識されてしまったら、これは法秩序がもう根本から瓦解するじゃないですか。  そういう意味では、神奈川県警のあの緒方宅事件を特捜部が不起訴にした、そういう決着をしたことが、その後、検察審査会で不起訴不当の議決がなされたり、国賠訴訟で神奈川県警が敗訴していくわけです。坂本弁護士の捜査が後手後手に回っていったというのも、これまた偶然ならず神奈川県警のエリアですね。  こういうことから考えると、県警の不祥事がこれでもかこれでもかと出てきて、最大限の不祥事に今至っている、こういうときに、あのときの神奈川県警の盗聴事件を不起訴にした判断は正しかったと胸を張って言えるでしょうか、刑事局長。

松尾邦弘法務省刑事局長

○松尾政府参考人 個々の事件について検察がどういう判断をするのかということにつきましては、個々の事件の具体的な証拠関係、または事件の置かれた環境その他もろもろの状況を踏まえまして、検察として常にぎりぎりまで考えた上で厳正公平に対処しているということでございます。  一連の神奈川県警の事件につきましては、これまで法務大臣含めていろいろ御答弁申し上げているとおり、検察としても大変重大であると受けとめているところでございます。今、警察でも必死の努力をして、真相の解明とその適正な処理ということに努めております。それを受けまして、検察庁におきましても、厳正公平、徹底的な真相解明ということで、相応の捜査体制を組むということでこれに対応しようとしているところでございますので、法務、検察全体としてそのような受けとめ方をしているということで御理解いただきたいと思います。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 これだけ深刻なときに余り皮肉めいた質問——質問にはしないで、指摘にとどめますね。  これは、前国会であれだけ問題になった組織犯罪対策法あるいは通信傍受法、私どもはいわゆる盗聴法と呼びましたが、いわば薬物犯罪ですからね。この薬物犯罪に県警本部長や監察官室長やあるいは薬物対策課なども関与していたとなれば、これは通信傍受の対象になってしまうというようなことを、あえて答弁は求めません、それだけもう大変な事態だ。  松尾刑事局長にあと一点だけ求めますが、これはラストチャンスかもしれない。恐らく全国のまじめな警察官の方もそれを望んでいるはずですよ。どうしてこんなにむちゃくちゃなことが起きたのか。だれが一体こういう根っこの腐敗した部分をつくってしまったのか。この際、徹底的にメスを入れて、今数字をいただきますと、これは確かに在宅という方もいるのでしょうけれども、末端の覚せい剤汚染の警官が逮捕されて、そして組織的にそれを隠ぺいしたというはるかに重大な警察の信頼失墜を行った幹部たちが書類送検でいいのかというのが正直国民の声ですよ。やはり検察当局には、本当に厳正な、今度は徹底的にこういううみを出していただきたい、それでこそ捜査機関の信頼、検察、警察ともに蘇生し得る道、それしかないというふうに指摘したいのですが、いかがでしょう。

松尾邦弘法務省刑事局長

○松尾政府参考人 国民の間における今回の一連の事件の受け取り方、また国会におけるさまざまな議論、当然検察におきましても承知していることと思います。あの事件、極めて重大な事件と受けとめていることは再三申し上げているとおりでございますので、送致を受けましたら、厳正公平で徹底した究明に努めるものというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 法務大臣に伺いますが、これは前代未聞で、日本の歴史の中でないわけですね、こういうことは。あってはならないことですが、しかしあってはならないことが起きたということをもってしっかり対処して、そしてそこで二度とこういうことが起きてこないような改革を行うのには逆にいい機会ではないかということも含めて、これは団体規制法の立法の目的自体が国民の安心と安全だというふうに幅広く言えば我々受けとめる、だけれども、その骨格自身に、問題を指摘していきますけれども、大きな根本的なところで信頼が揺らいでいるわけですから、御答弁をお願いしたいと思います。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○臼井国務大臣 今御指摘の、本来法を守るべき立場にある警察官がこうした事件を起こしている、このことに関しては大変反省をすべきものだと思います。  今後、私どもは、捜査においてこれらの事件の全貌をしっかりと解明をいたしまして、法と証拠に基づきまして厳正に対処すべきものと考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それではもう一度、この神奈川県警問題を離れて、オウム真理教関係で一点だけ。  警察の方の刑事局長に伺いますけれども、この前、警備局長に、例のオウム真理教の女性信者を、いわば監禁という容疑で信者二名が逮捕されて、その後処分保留で釈放された件について御説明をいただきましたけれども、このいわゆるオウム信者二名の逮捕の前に、この女性の信者の方は警察の施設で一週間ほど何か聞き取りとか事情聴取とかというのを受けたというようなことはございますか。警察の保養所か何かで任意に事情を聞かれたと。

林則清警察庁刑事局長

○林政府参考人 刑事部門で取り扱った事案でございませんので、実は正確なことは存じておりません。  もし仮にあったとすれば、これは正確には存じていないのですが、任意で話を聞くということであればあり得るかもしれないと思いますが、正確には存じておりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 要するに、今回の団体規制法、この法律を急ぐ要因として、今の二名の逮捕事件ですね、女性信者が監禁されたというふうに訴えて、しかしその後は何か撤回をしてしまって、処分保留に至ったケースと、もう一つは、やはり女性が、女子大生が誘拐ということで、これが虚偽の証言だったというところを私は殊さら強調するつもりはないんですけれども、しかし冷静な議論が求められる一つの事実として前回も聞かせていただきました。  時間が来たので、きょうはこれで終わりますが、ぜひ先ほどの神奈川県警の件は法務大臣も法務省もそして警察の方も徹底的にやっていただきたいということを要望して、終わります。

武部勤自由民主党

○武部委員長 次回は、来る十六日火曜日午前九時理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十四分散会

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