大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1999/11/24
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 第百四十五回国会、内閣提出、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として総務庁人事局長中川良一君、金融再生委員会事務局長森昭治君、大蔵省主計局次長藤井秀人君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井啓一君。
○石井(啓)委員 公明党・改革クラブの石井啓一でございます。 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案でございますが、これは国民年金、厚生年金、こちらの年金法と連動する内容でございまして、今回の法律の主要な点は、将来の世代に過剰な負担をさせないために将来の給付を若干引き下げる、こういう内容でございまして、私どももその大きな意味合いについてはやむを得ないかなというふうに考えているところでございますが、ただ、具体的な給付水準を引き下げる等々の問題につきましては、それに伴う諸課題がございますので、そういった点につきまして確認をしていきたいと存じます。 まず、年金の支給開始年齢の引き上げに伴います六十歳代前半の公務員の雇用確保でございますけれども、今回の国家公務員共済年金の支給開始年齢につきましては、厚生年金と連動いたしまして、平成二十五年度から平成三十七年度にかけて六十歳から六十五歳へ段階的に引き上げる、こういう内容になってございます。したがいまして、年金の支給開始年齢が引き上がりますと、それに伴いまして、その間の退職した公務員の方の生活をどう支えるのかということが問題になります。 雇用と年金で六十歳代前半の生活を支えるということが必要になってくるわけでありますけれども、ことしの春に出されました公務員制度調査会の答申におきましても、年金支給開始年齢の引き上げ等にも対応する観点から、公務部門の六十五歳までの雇用に積極的に取り組むべきであるというふうにされております。これを受けまして、今回の国家公務員共済組合審議会の答申の中でも、「公務員制度調査会の答申の趣旨に沿って適切な措置を講ずるよう努力すべきである。」というふうにしております。 まず、この点につきましての大蔵大臣の御見解、そして具体的に政府としてどういうふうに取り組んでいるのか、確認をいたしたいと存じます。
○宮澤国務大臣 ただいまの石井委員の御質問の背景にあります考え方につきましては、問題意識につきましては、私どもも同じような意識を持って考えております。 一般に、我が国が少子・高齢化の社会になっていくということは、片方において労働の供給がそれだけ少なくなるということであるとともに、他方において従来よりも高い年齢において十分に労働、勤労が可能であるという二つのことを意味するわけでございますので、このたびの支給開始年齢の引き上げということも、そういう社会的背景と無関係ではないであろうというふうに考えております。 すなわち、引き上げることになりましたら、その後の所得の保障をどうするかというそのことについて、やはり今議員が言われましたように、高齢者の再任用制度に関する法律案がさきの国会で成立をいたしました。また、公務員制度調査会の答申でも、二十一世紀の高齢化社会において、六十五歳まで働くことのできる社会を目指すべきであると。このことは、従来の長い間の物の考え方あるいはなれから申しますと新しいことのようであって、実態には六十五歳まで働くということは別にもはや不思議なことではないということになっておるわけでございますから、公務部門におきましても、六十五歳までの雇用ということを積極的に考えるべきではないかというふうに思います。 すなわち、このたびの引き上げということは、それ自身この問題に影響を与えますけれども、むしろそういう社会的な変化が求められる中でこういう引き上げということも考えられるようになった、こう考えて対処していくべきではないかというふうに私としては考えております。
○中川政府参考人 政府としての取り組みいかんということでございますが、先ほど御指摘がありました公務員制度調査会の答申を踏まえまして、政府としては、ことしの四月に中央省庁等改革の推進に関する方針というものを定めておりますが、その中で、「公務部門における六十五歳までの雇用に積極的に取り組む」ということにいたしております。 また、ことしの七月には国家公務員法等の一部を改正する法律が成立いたしまして、共済年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールに合わせまして、定年退職等により一たん退職した者を改めて採用することができる新たな再任用制度が導入されることになっております。 総務庁といたしましては、当面この新たな再任用制度の活用等によりまして、国家公務員の高齢者雇用の推進に努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○石井(啓)委員 総務庁にもう一度確認しますが、その新たな再任用制度の導入というのは、具体的にどういうスケジュールで、どういうことで今考えていらっしゃるのか。もう一度お答えいただけますか。
○中川政府参考人 平成十三年から年金の支給開始年齢の引き上げが進むことになっておりまして、これに合わせまして、平成十三年の四月からこの改正法を施行することにいたしております。 まずは、当面六十一歳まで再任用できるということにいたしまして、順次三年に一歳ずつ引き上げまして、平成二十五年には六十五歳まで再任用することができるという仕組みにする予定でございます。
○石井(啓)委員 まず、このつくられました制度の再任用制度をしっかり活用していただきたいと思います。 それから、あわせまして、平成二十五年から具体的には今回の共済年金の二階建ての部分の支給開始年齢の引き上げが始まるわけでありますけれども、これをにらみまして、今国家公務員の定年年齢が六十歳でございますけれども、この定年年齢自体を徐々に六十五歳に向けて引き上げる。再任用制度という制度はつくっていらっしゃいますけれども、そもそもそれは、先ほどの説明では、いわば基礎年金の支給開始年齢が平成十三年から引き上がるのに伴ってそれを導入されるということでありますから、二階建ての部分はもうちょっと先になりますけれども、平成二十五年から二階建ての部分が引き上がりますと、要するに基礎年金部分も二階建て部分も平成二十五年からはもう完全に六十一歳から支給になるということでありますから、その部分に対応しまして六十歳定年年齢自体の見直しを徐々に考えるべきではないか、こういうふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○中川政府参考人 今後の高齢化の一層の進展等に対応する観点から、将来的には確かに公務部門におきましても六十五歳定年に向かうということを検討すべきではないかということで、先ほどの公務員制度調査会の答申でもそういった趣旨が書かれておるわけでございます。ただ、検討に当たりましては、これは公務員制度調査会答申の中でも指摘をしておるところでございますが、社会情勢等を十分踏まえるとともに、財政上の負担が増加しないように配慮することなどが必要になってまいります。 したがいまして、現在の雇用情勢あるいは民間企業におきます定年制の動向等を踏まえまして、当面、私どもとしては、先ほどの新たな再任用制度の活用等によって高齢者雇用の推進に努力してまいりたいと思っておりますが、さらに将来的な点については、そういった民間の状況等も十分踏まえて検討していく必要があるのではないかと思っております。
○石井(啓)委員 当面の取り組みとしては、おっしゃるように再任用制度を活用するということでいいと思いますけれども、やはり本格的には、公務部門においても六十五歳定年に向かうべきであるというふうに思います。今の御答弁では、民間の状況を見ながら、民間が徐々に上がってくるんだったらば公務部門も上がっていこう、そういうお答えかと思いますけれども、ある意味でこの点については、公務員については六十歳定年というのがしっかりと決まっておるわけでありますから、そこら辺は柔軟性を持たせてといいますか、確かに定年年齢が上がることに伴って、それに応じて徐々に報酬が上がるという年功序列をそのまま引き延ばしていいのかという問題等々、検討すべき課題はあると思いますけれども、私は、ある意味で民間に先駆けてこの点についてはやってもいいんではないかという問題意識を持っております。 といいますのは、かねてから私は内閣委員会でも主張しておるんですけれども、公務員の天下り問題を考えますと、これは天下りを禁止するというよりは天下りをしなくても済む人事制度を考えるべきであるというのがかねてからの私の主張でございます。実際、事務次官については六十二歳まで定年年齢が引き上がったということでございますけれども、人事のあり方も見直しをして、例えばスタッフポストをよりふやすですとか、そういうポスト上の工夫も要ると思いますけれども、全体的にやはり六十五歳に向かって引き上げる努力というのは、ある意味では、天下り問題を考えてみても、政府の方が先導して考えてもいいんではないか、こういうふうに問題意識を持っておりますので、この点について申し上げておきたいと思います。 続いての質問でございますけれども、今回、国家公務員共済組合の財政再計算の結果を見てみましたが、この前提となる将来の組合員数、公務員数につきまして、今回の財政再計算では三ケースを想定してやっております。一つは、平成九年度の組合員数百十二万二千人、これを将来も一定というふうに仮定した場合、組合員数を対人口比率で一定と仮定した場合、三ケース目が、組合員数を対厚生年金被保険者数比率で一定と仮定した場合、この三ケースで想定をして計算しているわけです。 ただ、具体的によく見てみますと、例えば対人口比率で一定の場合、平成九年度の総人口一億二千六百十五万六千人、これに対する比率が将来も変わらない、こういうふうに計算をしているんですが、そういたしますと、この計算では二〇二五年においても組合員数が百七万五千人ということで現行より四万七千人のマイナスでとどまっております。四・二%減ということであります。 また、厚生年金被保険者数、これは平成九年度で同様に三千三百四十七万人に対する比率を一定としていますが、このケースでも二〇二五年時点において組合員数を百三万八千人、現在から比べますと八万四千人のマイナス、七・五%のマイナスということになっておるんですけれども、この程度の減少数で計算していて本当に大丈夫なのかしらという問題意識を持っております。 といいますのは、ことしの四月二十七日の閣議決定の国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画の中でも、十年で一〇%の定員削減をする、こういう計画になっております。これは、定削の一方で増員があるわけですから十年間で公務員数が一〇%純減をするという計画でないことは承知をしておりますけれども、ただ、同じ閣議決定の中で、増員についても厳しくこれを見る、「増員の徹底した抑制を図る。」というふうに言っておりますから、この十年間で何%になるか具体的に想定することは難しいんですが、やはり相当の公務員数の純減もあるだろう。 こういうことを考えますと、今回の財政再計算で、将来の負担の割合が出ていますけれども、こういうことで果たしていいのかしら、ある意味でミスリードすることになるのではないのかなという懸念がございます。この点についていかがでございましょうか。
○大野(功)政務次官 ただいま石井先生から今の財政再計算は少し甘いんじゃないか、こういう御指摘でございます。確かにことしの四月の閣議で公務員の数は一〇%減らそう、こういうことがあるわけでございます。しかし、まだ新しい計画が発表されておりません。そこで、今先生御指摘のとおり三つの方法で計算しております。 先生は二〇二五年のことをおっしゃいましたが、二〇二五年と同時に二〇六〇年ということも言っているわけでございます。したがいまして、そこまで、二〇六〇年まで参りますと、一つの例でございますが、厚生年金被保険者の数との比率では七十六万人になる、三割減でございます。それからそこまで参りますと対人口比率も八十二万ということでございます。 年金というのは、極めて長期的に負担と給付をバランスさせていく、こういう考え方に基づいております。したがいまして、階段を一つずつ上っていく、つまり、どういう階段かというと、保険料率が一つの階段が二・八%という階段になっておりますが、一つずつ上っていく、こういうことにいたしますと、二〇六〇年以前、二〇二五年には、最終の厚生年金被保険者比率でいいますと二九・八%という料率になるわけでございます。この料率というのは、確かに厚生年金の二七・六%に比べますと一割高い、しかしながら現行法ベースでいった場合の保険料率三七・八%に比べますと二割低い、こういう数字でございます。 ぜひとも御理解いただきたいのは、年金というのはやはり社会保険制度でございますので、長期的にバランスさせていく、こういう考え方に基づいてやっているわけでございます。
○石井(啓)委員 確かに、二〇六〇年の話をされると、そこまで予測が本当に正確なのかしらという問題がございますけれども、具体的に計算する数字の前提を出すのは非常に難しいことはわかるんですが、ただ指摘しておきたいことは、この三ケースというのが必ずしも本当に厳しいケースで計算しているとは限らない。 ここ数年の行革の流れを見ますと、この五年ないし十年で公務員の制度に関する議論も非常に大きく行われているわけでありますから、ある意味で組合員数が大幅に変わるということも考えられるわけでございまして、今の時点でなかなか予想することは難しいかと思いますけれども、今後の組合員数の変化によっては、ある意味で国家公務員共済組合の制度そのものを根本から見直す、そういうことも必要になってくるのではないか、そういう問題意識を持っております。この点についていかがでしょうか。
○大野(功)政務次官 ただいま申し上げましたとおり、社会保険方式によりまして長期的に給付と負担をバランスさせていく、こういう考え方に立ちますと、今回の財政再計算におきましては、少子・高齢化という問題が一つ、それから経済が極めて低成長時代に入っている、こういうことを念頭に置きながらやっておりますので、私どもは、今の制度で社会保険制度が将来バランスしていく、こういう想定でございますということを申し上げて、お答えにさせていただきます。
○石井(啓)委員 野党であればもう少し突っ込むところですが、まあ、やめておきましょう。 それでは、関連いたしまして、基礎年金の国庫負担引き上げについて大蔵大臣に御見解を伺いたいと思いますが、今回の国民年金法等の一部を改正する法律案の附則に、「基礎年金については、財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする。」とされております。 今回の改正では、ある意味で将来の年金の給付水準の引き下げということばかりが非常に喧伝をされていまして、何か年金を受け取る側にとっては非常に損をするといいますか、給付の引き下げを甘受していただく、こういうことばかりが前面に出ておるわけでございます。それは将来世代の、若い世代の負担を引き下げるということはよくわかりますけれども、ある意味で、もらう側の国民の、年金制度、本当に将来どうなるのかしらという不安や不信、こういったことを招くことにもなりかねないという懸念がございます。 したがいまして、基礎年金の国庫負担の引き上げに関する検討、これについてはやはり早急に行うべきであろうというふうに考えております。経済情勢好転後、この引き上げをなるべく早期に行いまして、基礎年金部分の保険料の負担の引き下げ、あるいは基礎年金部分の給付水準の引き上げ自体も考えるべきではないか、こういうふうに考えております。 大蔵大臣の御見解を伺いたいと存じます。
○宮澤国務大臣 この問題も、御指摘のように、基礎年金の国庫負担分の引き上げにつきまして、平成十六年までに安定した財源を確保して二分の一へ引き上げを図るものとするというのが附則の趣旨でございます。 このことについては、こういう国会の御意思でもございますので、もとより尊重をいたさなければならないところでございますけれども、財政だけの見地から申しますならば、今この時点で三分の一を二分の一に引き上げますときの財政需要は二兆二千億円でございますが、それから後、少し先になりますと、平成十一年度価格のままで、その他の条件はそのまま動かないとしましたときに、引き上げ分だけで平成十六年度で二兆七千億円、平成三十七年度には計算いたしますと三兆七千億円というふうに試算をされておりますので、財政としてはかなりの追加需要になることは確かでございます。 したがいまして、この点については、各党の間でいろいろな御所見が当然のことながらあるわけであって、十六年度までにそのことの結論を出さなければならないということは各党ともお考えでございます。恐らく、石井委員の言われますように、先ほどちょっと経済情勢の好転も待って云々ということも言われましたが、各党ともそういうこともどこかでお考えで、そしていろいろにお考えになっていらっしゃるのではないかと思っていまして、政府としては、このことの決着を、将来の財政見通しにもいろいろ関係するものでございますから、早からんことを願っておりますことは申すまでもありませんが、ただいまのような事情もお考えの上で、早急に各党がお考えを詰めていただければ幸せだというふうに思っております。 国民的には、二分の一になるという部分だけが早く受け取られておりまして、安定した財源確保の方はどうも後回しにされますと、やりようがございませんので、その点についての御配慮もお願いいたしたいと財政当局としては考えております。
○石井(啓)委員 それは大臣のおっしゃるとおりで、当然財源のことも含めて、なるべく早期にまず検討をして、しっかりとしていかなければならない。それと同時に、今回の基礎年金の国庫負担の引き上げについては、今の財政再計算等でも、将来の負担の水準を引き下げるということでこれを活用しようという方向に議論がございますけれども、私どもは、負担引き下げだけでなく、ある意味で給付水準の引き上げにもこれが活用できるのではないか、こういうふうに考えておりまして、その点について指摘をしておきたいと思います。 時間がなくなってまいりました。最後に、ちょっと法律から離れまして、商工ローンにつきまして確認をしておきたいと思います。 商工ローンの問題では、実質金利が非常に高い、これをどう引き下げるべきかという観点の議論が一つございますが、それと同時に、保証人の問題もいわゆる商工ローン問題の非常に重要なポイントであるというふうに理解をしております。主債務者に対して、貸付残高を減らさない、むしろどんどん貸し付けをさせておいて返せなくなる、そうすると保証人からこれを取り立てるということで、よく言われておりますが、いわば金利は主債務者から取って元本は保証人から取る、こういうやり方で業績を伸ばしている。 この点について、やはり私どもも何とかしていかなければならないというふうに考えておりますが、貸金業に対しては、保証人または根保証について現在の規制を大幅に強化すべきであるというふうな意見もございますし、また、極端に申し上げれば、貸金業に対しては根保証そのものを禁止してはどうかという意見もございます。政府の見解を伺いたいと存じます。
○宮澤国務大臣 この問題につきましては、当委員会を初め両院におきまして、最近の事象にかんがみて御熱心な議論が行われておりまして、そして、その結果として根保証であるとかあるいは保証人への通告義務等々、いかにも常識では意外とするようなことがわかってまいりまして、金融監督庁においても業者に自粛を促し、あるいは業者も自粛規定を考えるなどの展開がございますけれども、もとはといえば、昭和五十八年にこの法律ができましたとき、これはサラ金のときでありましたが、それから今回は商工ローンというような違う形で出てまいりました。 非常に問題が難しいものですから、三つの法律が少しずつグレーゾーンを残しておりまして、それはそれなりに当時の立法者が社会的なニーズのある、そのニーズを封圧するわけにもいかないということから、故意に意識してそのグレーゾーンを残された点があったように当時を記憶いたしますが、ただ、ここまで来るとそうばかりも言っていられないというふうに両院の関係委員会でも御議論が多いようでございます。 実は、政府もそう考えております。政府もそう考えておりますが、昭和五十八年のときの経緯もございますし、幾つかの党におきまして既に提案もしていらっしゃるような状況でございますので、これは結局、両院の各党あるいは各委員会の代表者等においてお話し合いをいただいた結果一つの立法が行われるということの方が、結果としては私は望ましいのではないか。政府が責任を回避するという意味ではございませんで、五十八年のときにもそういう経緯もございましたしいたしますから、そういうことをまた現にお考えいただいておるのではないか。 もとより、政府としてなすべきことは幾らでも進んでいたしますけれども、今おっしゃいました問題を含めまして、何かの立法措置が新しく行われることが望ましいというふうに政府は考えております。
○石井(啓)委員 時間が参りましたので、終了いたします。
○金子委員長 次に、中川正春君。
○中川(正)委員 民主党の中川正春でございます。通告に従いまして質問をしていきたいというふうに思います。先ほどの石井委員の問題提起と相当重なるところがあるんですが、私は、野党なりの立場からしっかりした議論をしていきたいというふうに思っております。 先ほども保険制度につきまして、財政再計算のお話が出ておりました。まず、総体的に最初にお話を聞きたいのは、今回の改正そのものは、厚生年金を中心にした全体的な改正の中で横並びの性格が強いものであります。それだけに、厚生年金の議論を中心にして、その中でもたびたび出てきているわけでありますが、一言で言えば対症療法的といいますか、当面の給付水準を下げるということだけで本来的な国民の不安を解消できるような改革になっていくかというと、そうではありませんよというのは、これは全体が一致した基本的な認識だというふうに思うんです。 今回、先ほどの指摘がありましたように、実際負担をどうしていくかというところにメスを入れず、特に保険制度と税制の組み合わせ、国民年金、基礎年金を中心にしたそこの部分の議論を先送りにした形で、もう一方の給付という部分で条件を下げていくということだけの議論になってしまいました。それだけに、国民の方から見れば、全くその不安を解消するどころか、これは逆の効果になっておりまして、不安がますます助長されていくような、そういう改正内容になっております。 そういう点を踏まえて、この再計算の結果、それから、将来にわたる基本認識といいますか、どういう改正がこの共済でも必要であるのかということ、これをまずどのように認識されておるのか、総体的な御意見、考え方というのをお話しいただきたいというふうに思います。
○大野(功)政務次官 まず、全体としてどういう認識であるか、こういうことでございます。 今回は、いわば少子・高齢化社会を迎えて、そしてもう一つは経済の低成長時代を迎えて、基本的に改正をしていかなきゃいけない、こういう認識から出発していると思います。その第一は、給付の適正化の問題、委員御指摘のとおりでございます。それから、もちろんもう一つの問題点は、賃金スライド制をやめている、こういうことでございます。 また、支給開始年齢の引き上げを行っている。支給開始年齢の引き上げを行うことによって、公務員でありますと定年六十歳から六十五歳までの間どうするんだ、こういう議論がありますが、これは先ほど石井議員との間の議論でもございました。そういうような要素を持って、長い間の問題として、これを長期的な問題としてとらえていく、こういうことでございます。 その問題と、もう一つは、いわば基礎年金、基礎部分にまつわる問題でございますけれども、ここの部分をいわば税方式、財政方式にすべきかどうか、この議論が大きな議論の一つでございます。この議論につきましては、現在三分の一を税で支えているということを五年以内に二分の一にする方向で検討しろ、こういうことでございますが、この問題は、一つはやはり、安定した財源と一体として考えていかなければいけない、こういう問題があるわけでございます。 現状で、税で二分の一まで支えろ、こう言われますと、今三分の一を支えているのが四・九兆円でございます。さらにこれを半分支えるとすればプラス二・二兆円必要である、こういうことでございまして、にわかに今の厳しい財政事情の中ではできない。したがいまして、五年の間に検討しろ、安定的な財源を考えながら検討しろ、こういうことでございます。 それから、基本的に、少子・高齢化の問題として、長年にわたってバランスをさせていく、したがって、保険料率は上がっていくのだけれども、その上がり方というのはやはり、先ほど申し上げましたような給付の適正化等を踏まえて、本来上がるべき保険料率の姿に比べれば二割方低くなっている、こういう姿でございます。
○中川(正)委員 そこで、共済独自の問題があると思うんです。 先ほども指摘をされましたが、行政改革の基本を議論する過程の中で、国家公務員の数を一〇%削減していく、あるいは独立行政法人だとか郵政の公社化等々含めて、まだまだこれからの議論でありますが二五%という数字も、いわゆる政治的な判断の中で出てまいりました。私は、これは正式な政府としてのコミットだというふうに思うんですね。 そう考えていくと、再計算の基本、これは私も目を通したんですが、先ほど議論がありましたけれども、このベースで議論するんじゃなくて、やはりこの共済そのものは、政府がコミットした、いわゆる公務員定数の削減ということを前提に議論をしていくべきだというふうに思うんですね。そうした場合に、当然、政府としては、そうした見込みを立てながら、将来に対して説明をする必要があるだろうというふうに思います。 そこで、改めてお聞きをするんですが、この公務員の削減を前提にした中で想定をした場合に、実際数字がどうなっていくのか。そこの認識を改めてお聞きしたいというふうに思います。
○大野(功)政務次官 今後の行政改革の中で公務員の定数を削減していく、これは閣議決定でもなされているところでございます。しかしながら、新しい計画につきましてはまだ発表がございません。新府庁再編前の適当な時期にこれをつくりましょう、こういうことになっているわけでございます。 したがいまして、そのような方面から計算するというよりも、むしろ、先ほども議論いたしましたけれども、三つの前提で再計算を行っている、こういうことでございます。そのいずれの計算におきましても、二〇二五年までには一応バランスした、将来実現すべき姿というのがいずれの場合においても実現し得る、こういう見通しになっております。 その前提となる一番厳しいケースでは、先ほども御説明申し上げましたけれども、対厚生年金被保険者数比率一定、こういう場合でございますが、二〇六〇年の姿でございますけれども、三割減、こういうような形になっております。 繰り返し申し上げて恐縮でございますが、年金というのは、社会保険制度で長期的に給付と負担をバランスさせていく、こういう考え方に基づいております。したがいまして、そういう考え方からすれば、今の三つのケースで一番厳しいケースは、今申し上げました二〇六〇年に公務員の数が三割減になる、こういうケースでございますけれども、今申し上げたように、長期的にバランスするという角度からは実現し得る世界だと思っております。
○中川(正)委員 それはもう先ほども議論を聞かせていただいたところなんです。 私の言っているのは、もう一回言いますが、一〇%削減するということをもうコミットしたわけですから、その前提に立ってこの議論もしましょう、こういうことなんですよ。それで、この再計算を前提にしていったら、その話じゃないじゃないですか。では、議論できないじゃないですか、そういうことなんですよ。
○大野(功)政務次官 先ほど申し上げましたように、そのような新しい計画が出ていない段階で、再度申し上げて恐縮でございますが、二五%とか一〇%とか、そういうことに基づいての計算はいたしておりません。
○中川(正)委員 だとすれば、こんな議論できないじゃないですか。計画が出ていないということじゃないんですよ。十年間で一〇%国家公務員は削減をします、これははっきりしているんです。あとの上乗せの一五%がまやかしで、独立行政法人の人数を入れましょうとか、あるいは郵政をどうしましょうとか、そんな話があるだけで、最初の一〇%というのはもうはっきりしている。政府としてのコミットなんです。違うんですか、それは。
○大野(功)政務次官 公務員の定数の削減の問題と、繰り返し恐縮でございます、もう一度申し上げますが、この年金制度を長期的にバランスさせていく、こういうこととはある程度別に考えても不可思議ではない。つまり、長期的にバランスさせていけば、必ず十カ年で一〇%という前提、それがどの程度、一〇%減るのかあるいは新規採用がありますからどうなるのか、これは別としまして、十カ年で一〇%減るという問題は長期的に解決される、このことを繰り返し申し上げたいと思います。
○中川(正)委員 いや、その根拠を示して議論をするのが今回の話だと思うんですね。その根拠がない限り、一〇%のコミットは本気でないということか、いわゆる行政改革は本気でない、あれはうそだったんだという話か、それとも、この議論が全く違った前提でされているということか、どっちかなんですよ。はっきりしてください。
○大野(功)政務次官 いずれも真剣でございます。一〇%という行政改革の意気込みも真剣でございますし、それから、長期的に、仮に一時でこぼこがあります、長い目で見たら一時、十年目にはでこぼこになっているかもしれない。しかし、長期的に負担と給付をバランスさせるという年金として考えれば、途中の十年目に少しでこぼこがあるかもしれない、引っ込んでいるかもしれない、しかし長い期間をとればそれはバランスしている、このことを申し上げているわけです。 いずれにしても、これは真剣な問題でございます。
○中川(正)委員 そんな議論で年金が進んでいくのであれば、みんなこんな苦労はしていないんですよ。実際、計算をすれば深刻なことになってくるから、基本的な改革をやりましょうということで一つ一つ重ねているんです。にもかかわらず、その基本的な議論をこれに取り込まないで、今のような話で、抽象論だけで、頑張りましょうだけで年金の議論はできないと思うんですよ。これは、この先どういう議論に進めていくのか、はっきりしてください。
○大野(功)政務次官 ただいまの先生の御指摘は、頑張りましょうだけでやれるものじゃない、それは当然でございます。きちっとした計算根拠に基づいてやっているわけでございます。それが長期の幅をとるのか、それとも、先生のように十年という幅をとるのか、これによって物事は変わってきている、こういうことを申し上げているわけでございます。
○中川(正)委員 では、もう一回聞きますが、この財政再計算というのは、この間の十年間の話は見てないんですか。これは見ているでしょう。だから、長期というのはずっと積み重ねて三十年ですよ。 今回、この十年の間に一〇%削減をしますと、この間から行革の中ではっきり約束をしているわけですから、そういう前提での議論ということでないとだめだということですから、改めてそうした前提に立ってこの議論はすべきというふうに思うんですが、ここではできない、そう思うんです。 どうでしょうか、委員長、さばいていただけませんか。
○大野(功)政務次官 まず、行革論からは、今新しい計画が出ていない、このことも繰り返し申し上げておりますが、したがいまして、行革論から年金を議論するということは今できないわけでございます。 それからもう一つは、今の人口、この財政再計算が基づいておりますものは、三つの前提である。これはもう繰り返し説明しませんが、その人口推計に基づいておるわけであります。したがいまして、何ら私どもは矛盾しているとは思いません。
○中川(正)委員 共済は、本当に厚生年金以上に深刻だと思うんですよ。これは、国家公務員のこれからのそれこそポジションというか、行革を控えて、いろいろな不安の中でどういうふうに自分のライフサイクルを描いていくかということ、これも含めて、この共済は特殊なんですよということ、これをやはり正直に説明すべきだと思うんですね。 その説明する根拠というのがもう決まっているわけですから。計画がない、計画がないと。十年間で一〇%削減するというこの計画、これぐらいはっきりした計画はないですよ、決まっているわけですから。それを前提にしたときに共済制度はこういうふうになりますよという形をとっていかないと、これは完全に絵にかいたもちじゃないですか。
○大野(功)政務次官 行革の問題でございますけれども、行革は十年先のことをおっしゃっていらっしゃると思います。それから、年金の方はもう少し長い目で見ていくべき問題でございます。 十年先しかわからない、これではやはり関係者は戸惑いを覚えるのではないでしょうか。もっと長い目で見て一体どうなるんだろうか、その過程において十年先は年金の制度はこうなっていますよ、こうお示しするのが私は一番大切なことではなかろうか。十年間だけわかっているのじゃなくて、もっと人口の変動に応じて、例えば二〇六〇年までわかる、あるいは二〇二五年までわかる、こういう姿が年金を考える場合には一番大事なことだと私は思っております。
○中川(正)委員 では、逆に質問しますが、行革で決定した、十年間で一〇%あるいは二五%削減をしますよという前提はやります、こういうことですね。
○大野(功)政務次官 これは閣議決定事項でございますから、当然その目標に向かってやっていくことだと思っております。
○中川(正)委員 そこがはっきりしているわけですから、政府としては、この削減に基づいてこの共済がどんなふうになってくるのかということをやはり提示すべきだと思うんです。 きょうは、この後まだ私、質問事項をいろいろ持っていますので先に進めますけれども、少なくともそれをちゃんと計算して、再計算の中でそれも組み込んで、もう一回提出をします、オープンにします、情報開示します、そういうことを約束してください。
○大野(功)政務次官 今回の年金の財政再計算、これはあくまでも平成七十二年、二〇六〇年度までの見通しをつくっているわけでございます。今から十年先ということではございません。二〇六〇年までを見通ししているわけでございます。したがいまして、その過程における十年というのは当然計算できます。十年先にはこういうふうになっている、こういう計算はできるわけでございますが、そのときの公務員の数、これは、先ほど申し上げましたように、二〇六〇年には例えば三割減っていますよ、例えば厚生年金被保険者の数と比べた場合こうなっていますよ、あるいは人口の増減に比べてこうなっていますよ、こういうことは言えるわけでございますが、十年先、公務員の数が今の行革との絡みでこうなっているからというよりも、むしろそういう長期的見通しの方が大事なわけでございます。 したがいまして、行政改革の絡みで計算をしてくれ、これは、例えば仮定を置いて、一〇%減った場合こうなりますよという計算は当然できます。当然できますけれども、それを前提にして議論をするというよりも、むしろ長期的な御議論をいただきたい、このように思います。
○中川(正)委員 はっきり答えてください、私の質問に。
○大野(功)政務次官 行革では二〇一〇年ということでございますが、その後、どのような前提を置くのかということでございます。これはそういう前提になりますと決められません。我々はあくまでも二〇六〇年までということで計算をする必要があるわけでございます。(発言する者あり)
○中川(正)委員 今いい話が出まして、十年先がわからないのに、何で三十年、六十年先がわかるんだ、こういうことですね。 そんなへ理屈を言わないで、これは一度やったらどうですか。これはどうせそういう前提で議論していかなきゃいけない話でしょう。それを、これまでの既定方針事実というか、これまでこういう財政計算ベースでやってきたから今回もそうですよという話で流していくというのが、これがだめなんですよ。
○大野(功)政務次官 私どもの考え方はおわかりいただけたと思いますが、仮に先生の方から、では、二〇一〇年には公務員の数はこうなっている、その後、公務員の数はこうなるんだという一つの数字を出していただければ当然計算できますから、その計算はさせます。(発言する者あり)
○金子委員長 中川正春君、どうぞ質疑を続行してください。
○中川(正)委員 そんなものはこちらの数字じゃないでしょう。政府がコミットしているんですよ、行革に。だから、そちらの方の責任で、私たちはこんなふうにやっていきますという、こんなのは当然そちらから出る話です。
○大野(功)政務次官 我々は二〇六〇年を目指して、その間に公務員の数がどうなっていくのか、これを三種類の方法を置いてそれに基づいて計算しているわけでございます。 先生の方の御議論は、十年間に一〇%なり二五%なり公務員の数を削減、こういう議論がある、その前提を置いた場合に、十年先はどうなるんだ、それから、しかしながら、その後どうなるんだ、こういう話がもしありませんと計算ができないわけでございます。ですから、十年以降、どういうふうに公務員の数がなっていくのか、人口がどうなっていくのか、これが我々の方では計算できないわけでございます。したがいまして、前提を置いていただくならばその計算はさせます。 以上でございます。
○中川(正)委員 いやいや、それは想像できないということじゃないでしょう。現に、人口に対してどれだけ、厚生年金に対して一律とか、こういう前提条件があるわけでしょう。その前提条件は政府がつくるんですよ。しかも、その前に一〇%の削減というのはもうコミットしているわけですから、それを前提にしてその後も政府が予想の前提条件をつくっていくということ、そういうことでしょう。
○大野(功)政務次官 繰り返し申し上げますが、年金制度というのは長期にわたって国民に安定感を与えるものでございます。したがいまして、十年先というよりも長い期間にどうなっていくか、このトレンドが一番大事なことでございます。十年先には一時でこぼこができるかもしれない、しかし、それは長期にわたって見れば、負担と給付のバランスが行われますので、乗り越えられるものでございます。その乗り越えられるところをどういうふうな姿になるのか、これを委員は計算してみろ、こうおっしゃっているのだと私は理解しておりますが、もしそうであれば、例えば、十年先に公務員の数は一〇%減っている、その先はどうなるんだ、この前提を考えてみないと計算できません。 したがいまして、その前提をどうやっていくのか、少し議論させてもらわないと、今の段階では私どもはにわかに計算できない、こういうのが現状でございます。
○中川(正)委員 だとすれば、もしその答弁が本当だとすれば、考えていないとすれば、この共済年金制度、全然考えていないということですよ。そんな議論できないですよ、これは。
○大野(功)政務次官 もう一度申し上げます。 行政改革は我々の目指すべきことでございます。真剣に取り組んでまいります。それから、年金について申し上げたことも、繰り返しませんが、長期的に見ていくことでございます。先生と私の間で議論になって、問題になっておりますのは、その行政改革をやった場合、十年先にどういう前提を置くのか、その後の公務員の数はどういうふうにしていくのか、この前提が今の我々はよくわからない。 したがいまして、お願いいたしたいのは、少し場外で、どういう前提を置いたらいいのか、それを相談させていただきまして、先生の御示唆もいただいて、その上で計算をさせてみる、このことを申し上げたいと思います。
○中川(正)委員 この再計算というのは、さっき、負担と給付の割合を調整しながら長期で克服をしていくのが年金だ、こう言われた。まさにそのとおり、その給付と負担の割合を示していくのがこれなんですよね。そのときに、前提条件が、もう既に政府がコミットしている一〇%公務員削減あるいは二五%削減というのをないままにこれをしてしまったわけです。だから、これをベースにしてこの話を続けていったって、これは違いますよ。もし行政改革の問題を撤回するなら別だけれども、もうこれはコミットしているんだから。だから、それを前提にして、政府としてはこうした形で将来やっていきますよ、そういう試算は、責任を持って、政府の責任の中でやっていくべきだ、それを示した上でこの議論をしましょうということになるんです。 そういう話ですから、これはそういう前提で資料を出してください。
○大野(功)政務次官 大変難しい問題でございますけれども、難しいと申しますのは、長期間にバランスさせるという考え方の中で、少しでこぼこのところをどういうふうに考えていくかという意味で難しいと申し上げるのでありますが、少し内部で、その前提をどういうふうに考えたらいいのか議論させていただきたいと思います。
○中川(正)委員 議論をしていただくのは結構です。資料をしっかり政府の責任のもとに提出をするということをはっきり答弁してください。
○大野(功)政務次官 一つの仮説を立てまして、前提を立てまして、その前提のもとに機械的に計算をしていく、こういうやり方しか今思いつかないのでありますけれども、そういう前提、仮説のもとに、こうなった場合にはこうだ、それから十年先以降はこういう前提でやります、こういうことでつくらせてみます。
○中川(正)委員 それを、この正式な財政再計算の一つの選択肢として提出をしていただきたい。そういう前提ですね、さっきの話は。
○大野(功)政務次官 そういう仮説に基づいて機械的に計算したものが批判に耐えられるようなものであれば、もちろん提出させていただきたいと思います。
○中川(正)委員 どういう意味ですか、それは。
○大野(功)政務次官 仮説に基づいていろいろな形があります。それで、その仮説に基づいて機械的計算はできますけれども、それが長期的な傾向とどういうふうになっていくのか、それを見てみないとさっぱり今の状態ではわかりません。そういうことをやっていないものですから、そういう仮説に基づいて機械的に計算して出てきたものが一体どんな姿になるのかよくわからない。 したがって、ある程度機械的計算でいいのだということであれば、もちろん参考資料として提出することにはやぶさかではございません。しかし、全く世の中の笑い物になるようなものができましたら、そのときはちょっと考えなきゃいかぬな、こういうことでございます。
○中川(正)委員 そんな無責任なことを言わないでくださいよ。我々は本当にこれはまじめにやりたいと思うのです。 私が懸念しているのは、将来に対して、共済がこういう形で持続できるかどうか、行政改革ということを前提にしてこういう制度がそのまま持続できるかどうかということがかかっているわけですよ。だから、そこのところはもうすべてはっきりしてきたわけだから、政府として責任を持ってその将来性を示すためにも、破綻していくのだったら破綻していくということを開示する、あるいはうまくいくのだったらどういう形で給付と負担の割合を調整していく可能性があるのかというのを示す、それを政府の責任で示すということは、この財政の再計算をやり直しなさいということですよ。この前提ではだめですよ、そういう意味なんです。
○大野(功)政務次官 お言葉ではございますが、我々は我々が出しているものがベストだと思っております。しかしながら、先生せっかくの御指摘でございますから、今いろいろな仮説を置いて、そして機械的に計算したものを、少し時間がかかるかもしれませんけれども、なるべく早急に急がせて計算をして、そして出します。
○宮澤国務大臣 お話はよくわかりました。 総括政務次官の申し上げていることは、政府として、過去に定員削減を前提にしてそういう資料をつくり、あるいはそういう考え方をしたことはないということを累次申し上げているわけですが、委員は、しかし、審議の必要上、委員のお立場からはそれが必要であるというふうに言っておられます。 したがいまして、政府としては、いろいろな前提が必要でございましょうけれども、その前提を置きまして、そのような作業をいたしてみたいと存じます。 そこで、これは委員長にお願いでございますが、そのような作業をいたしました結果、それが、政務次官の言葉をかりれば大変にとっぴなものになる、その意味は必ずしもやってみないとよくわかりませんが、何か特別の事情がございましたら別でございますが、委員長のお手元、という意味は、あるいは理事会とかしかるべき方法であるかと思いますが、そこへ御提示をまずいたしまして、その上でまた御審議をいただきたい。 政府といたしましては、御要望にはそのような形で応じさせていただきます。
○中川(正)委員 本来なら、その資料が出てくるまで議論できないじゃないか、ちょっと保留しよう、こういうふうに言うべきところかもしれませんが、もう一つやりたいことがあるので、継続をさせていただきます。 もう一つは、これは時間がちょっと迫ってきたので、もう一項目詰めていきたいと思うのですが、これは介護保険制度についてであります。 これはきょうの朝日新聞あたりも、いろいろ世論調査をして、「介護保険運営 八七%が「不安」」こんな記事も出ておりますし、私のところへも、特に市町村長から、何てことをしてくれるんだ、負担と給付、これを地方自治体中心に、地方分権のまず第一歩だ、だから市民に対してもそうした説得をしながら、保険制度でやるんですよ、半分半分ですよ、こういう説明をしている真っ最中に、保険料はもう要らないというふうな説明はできないよ、こういうことが私たちに市町村会あるいは全国知事会等々、各団体から非常に大きなうねりとして、声として出てきております。これは完全に、これも恐らく政策の失敗というか、非常に大事なときに大事な失敗をしてくれたなという気持ちでいっぱいであります。 そこで、大蔵省として、これを予算化していく段階でどういう見解をお持ちなのかお聞きをしたいと思うのですが、まず総体的に、今回のような形で法律改正なしでやっていこうとしている、こういうあり方が、財政運営上あるいは予算を査定していく立場から、これは前例となっていくわけですが、こんなことで本当にいいのかどうか、そこからまずお聞きをしたいというふうに思います。
○宮澤国務大臣 詳細なことは主計局の次長から申し上げますけれども、この制度を来年の三月にいよいよ実行する、その責任主体は市町村でございますから、そういう段階になりまして政府・与党の間でいろいろ御議論がございました。財政当局は、その御議論に対してはもちろん意見は申し上げつつそれを注視しておったわけでございますが、考え方は、これだけの大きな制度を新しく創設して実行する、その結果として六十五歳以上の人たちは、いろいろございましょうけれども、一人当たり二千九百円ぐらいの月々の負担をしなければならない。夫婦の場合、いってみれば全く五体健全の場合でも六千円近い負担が月々あるということはなかなか大きな負担であることは違いありませんから、したがいまして、この制度の円滑な将来への運営のために、いわゆるならし期間というようなものを置くことがいいのではないかという意見が有力になりまして、そして最初の半年、それから次の半年は半分といったようなことを、ならし期間としてはそうすることが適当であるという政府・与党の結論になりました。 法律的には、厚生省は、それは法律的に読めないわけではない、本来そう考えておったかどうかは別ですが、法律的にはそう読めないわけではないということでありました。 したがいまして、財政当局としては、確かにこれだけの大きな制度を導入する、その当初の段階で非常に大きな負担を、五体健全なといいますか、とにかく自分たちは元気なんだがというような人たちが負うということは、多少やはり説得が要るかもしれない。そのための助走期間ということで、財政当局としては、それではその部分は財政が負担をすることはやむを得ないだろう、こういう決断をいたした次第でございます。 入り用でございましたら、詳細は主計局の次長から申し上げます。
○中川(正)委員 その議論は厚生大臣ともしてきたわけでありますが、財政当局として考え方をはっきりさせていただきたいのは、一つは、もともと法律で税金半分、それから保険制度半分、いわゆる社会保険制度でやっていきましょうと、こういう前提になっていくわけですね。 ところが、今回半年分というのは、これは財源で赤字国債を見ていくということですね。だとすれば、制度がひっくり返ってしまう、いわゆる本来は保険制度で見ていかなければならない部分が税制度に変わってしまうという意味合いがあるんですね。これはどう理屈をつけてみても本来の法律の趣旨から変わってくるんです。 これは逆に、保険制度でやった部分を、私たちはそれは正しいとは思わないんだけれども、仮に今回徴収はしませんよということにして、それを将来の同じ保険制度の中で回収をしていく、だから保険料率を変えていくことによって将来それを転嫁していくことによってバランスをとっていきますよということであれば、これは同じ制度の中で根幹を崩さずにいくということなんですが、今回の話はそうではなくて、その分は保険制度に賦課するのではなくて、赤字国債、税制の方で賦課をしていこうという判断なんですね。これについては財政当局としてはどう判断をされておりますか。
○宮澤国務大臣 もう一言私からつけ加えさせていただきますが、私どもはやはりこれは保険制度で運営されることが正しい、このことは政治的には実はデリケートな話でございますから、財政当局としてと申し上げておきますが、と考えておりまして、このたび基金をつくって、それに国庫から補助をするということそのものは、その基本的な建前を崩すものではない。一定の期間が過ぎますと保険制度の本来に戻っていく、そういうことを維持するがためにも、このたび最初のならし期間に財政がある程度の負担をすることはやむを得ないだろう。 このことは、この制度を税金で将来に向かって賄っていくということを意味するものでありませんで、それは予算措置上もかなり注意してそういう措置をいたしておるつもりであります。
○中川(正)委員 だとすれば、その大蔵大臣のコミットは、将来、半年後、それから以降の議論もこれは保険制度が大前提であって、これを税制度で賄っていくということにはなっていかないんだということですね。いわゆる自自公の今の懸案の中で税制度の問題が出ていますが、これは念頭にないんだ、こういうことですね。
○宮澤国務大臣 それは大変注意してお答えしなければならない問題でありますけれども、少なくともただいまの法律の建前、私どもの考え方はそれを前提に考えております。
○中川(正)委員 次に、これは補正でやるわけでありますが、本来は法律改正がこういう問題は前提になるんでしょうが、厚生省、厚生大臣の方は、これは法律改正をやらないという前提だというふうに国会答弁が出ております。そうすると、いわゆる予算補助、予算での交付金ということになって、交付要綱によって簡単に支出をしてしまう、こういう前提になる。だけれども、額が一兆円近くの話になってきて、それが法律補助じゃなくてもうこれは予算補助なんだという形で処理をされようとしているわけでありますが、このことについてはやはり大蔵省は物を申さなきゃいけないと思うのです。こんなことを前例にしていくつもりですか。これをひとつはっきりと、それはだめなんだ、法律を変えましょう、そういうことをやはり議論していくべきだというふうに思います。 それからもう一つは、これは補正予算ですが、本来来年の話なんですね、来年四月以降の話。それを今の段階で補正に組むということ、こういう措置が、これも物すごく不自然な話であります。こんな不自然なことをなぜさせるのか。もともと会計年度独立の原則というのからいくと、大蔵省は物を申さなきゃいけないところだと思うのですね。それもメッセージが届いてこない。 その辺、いわゆる財政当局としてはこれは怠慢ですよ。こんなことをさせていくということ自体がおかしいんですよ。そこの責任を果たしていただきたいというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○宮澤国務大臣 失礼いたしました。ここは私がお答えをしなきゃならないようでございます。 まず、これからいたそうとしておりますことは、御審議をいただく予算におきましては、国から財政補助で、その歳出を補正予算でいたします。その財政補助は各地方団体におきます基金に補助をいたしまして、その基金がそれをもとにして先ほどのような施策を行うということでございます。したがいまして、これは財政補助であります。 次に、これを補正予算でいたしました理由でありますけれども、法律によりますと、各市町村は、来年の二月までに保険料率を向こう三年間の収支を考えて決定しなければならないということが書いてあると承知しております。したがいまして、市町村長は、来年の二月までに料率を決定しなければなりませんので、その際、三年間の収支の中で国との財政関係、出入り関係がどうなるかということは、当然知っておりませんと料率の決定ができません。 中川委員の言われますように、それは、しかし政府のことだから、来年度になったっていいじゃないかという御議論は便宜的にあるかもしれない。しかし、二月に料率を決めろという法律の義務を履行するためには、国からどれだけの金が来るのか来ないのかということを向こう三年間を見通して知らなければ、この料率を決定することはできないはずでございますので、したがいまして、法律の文言どおり言えば、これはそれに間に合うような時期に国の財政の処理をすることが当然である、こう考えたわけであります。
○中川(正)委員 どっちにしたってへ理屈のような形に聞こえて、自然じゃない。これは、こういう問題を予算補助で解決をしていくというふうなことがあってはならないというふうに思います。その思いは、恐らく心のどこかで皆さん方、共通にお持ちだろうと思うんです。 それはそれとして、もう一つ確認をしたいのは、こういう形で補正予算で組まれたこの額については、来年度のいわゆる通常予算の中でシーリングの問題がもう一つあると思うんですね。それに今回のこの補正の、特別に補てんをした金額を入れるのか入れないのか、そこのところをはっきりさせてください。
○宮澤国務大臣 予算措置は補正予算でございますので、当然にシーリングの外でございます。
○中川(正)委員 恐らく、それがあるものですから逆に補正で組んだということなんだろうと思うんですね。 こんな形で財政規律がどんどん崩されていくという状況に対しては、これは大蔵大臣の責任だというふうに私は思うんです。内部議論をもっと表に出して、主張すべきところはもっと主張していただかないと、こんなことが繰り返されていったら、何のために大蔵省が予算査定して枠組みつくっているのかということが問われてくるというふうに思うんです。そういう体質が、これまでのいろいろな形での、財政赤字をこれまで膨らませた問題、それからいろいろな意味でばらまきだと言われている今の予算の内容、こういうものに全部かかわってきているんだということを指摘しておきたいというふうに思います。 それから、一番最初の話に戻りますが、これはもう時間的に最後になってきましたので申し上げますけれども、本来なら、あそこで中断しながらここで座り込んでおらなきゃいけないところであります。 それで、それを継続させていただきましたが、基本的には私の考え方は変わっていません。数字が提出されてから改めてこの議論をさせていただきたいというふうに思います。この数字が提出されるまでは、公務員共済のこの法案については議論ができない。これはそれぞれ、今委員が持ち寄って、どういう結論を出していこうかということ、それにもかかわってくるわけでありますが、そういう議論ができないということを委員長に確認をさせていただきたいというふうに思います。
○金子委員長 両筆頭、理事、お集まりください。 審議を一時中断します。 中断を解き、質疑を続行させていただきます。 先ほどの中川委員からの御意見については、理事間でその取り扱いを引き続き場外で協議をしていただき、質疑は続行させていただきます。中川君。(発言する者あり) 委員長は、それでは申し上げます。 中川正春君は、残余三分ありますので、その三分については保留とさせていただき、質疑を次の方に続行していただきます。 末松義規君からスタートさせていただきます。末松君。——末松君、質疑を開始してください。 次に、末松義規君。
○末松委員 委員長の、今の御審議の過程を私もつぶさに見ておりましたけれども、ここの資料が大きく前提と違っているということでございますから、この審議については、中川議員の余りの時間も含めて、これは前提が違うということですから、私自身、ちょっとこの質疑については保留をさせていただきたいと思います。
○金子委員長 先ほど理事間で場外で御相談をいただくように委員長として要請いたしましたので、末松議員には引き続き質疑を続行していただくようにお願いいたします。——どうぞ、理事間で御協議いただき、引き続き末松君に質疑再開をお願いいたします。(発言する者あり) 理事間で協議をいただきまして、先ほどの資料の件については、政府側から今夕七時に提出をいただきます。この資料を前提とした質疑については、理事間で御協議をいただくことといたし、質疑を続行していただきます。 佐々木憲昭君から質疑をスタートしていただきます。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 先ほどの中川委員の質疑の際に、十年後の再計算に基づく数字の提出を約束されました。それを提出していただいて、その上で法案についてはじっくりと議論をさせていただきたいということで、私どもも要望をしたいと思います。 法案そのものにかかわる問題は別として、きょうは、社会的な批判を浴びている商工ローン、それと銀行の関係についてただしたいと思います。 銀行の九月期中間決算が発表されております。そこで、実態を確認したいと思います。公的資金を受けた銀行で、中小企業向け貸し出しを三月末の実績よりも減らしている銀行の名前、また来年三月の貸し出し計画の水準に達していない銀行、これが何行あるか、これを明らかにしていただきたいと思います。
○村井政務次官 公的資金による資本増強を行いました各銀行の経営健全化計画の平成十一年九月末の中小企業への貸し出し状況についてでございますけれども、これは決算確定後、報告を求めて、これを公表するということにしておりまして、現時点では御報告を申し上げられないということを御理解いただきたいと存じます。 今委員は、新聞報道では出ているではないか、こうおっしゃられるかもしれませんが、私どもは、これにつきましても、中間決算の確定後、これを報告を求めて公表するということにしておるわけでございまして、現時点では御報告を申し上げられない、そういう状態にあることを御了解をいただきたいと存じます。
○佐々木(憲)委員 怠慢ではないですか。実際に各銀行に問い合わせれば数字は直ちに出るのですよ。マスコミにも報道されている。早目早目に手を打って、三月の時点から計画があって、今いろいろと中小企業向けの融資を拡大するということが言われている。ところが、具体的な状況がどうか、確定する前でも、どうなりそうか、あるいは、ほぼこうなりそうだというところをつかんで、それで中小企業向け融資を拡大していくというのは当たり前のことでありまして、全然話にならないと思うのですね。 公的資金を受けた銀行で中小企業向けの貸し出しを三月末より減らしている銀行は、我々も調べましたけれども、日本興業、富士、東海、三菱信託、この四行であります。来年三月の貸し出し計画、この水準に達していない銀行は十一ございます。これだけ商工ローンの問題が社会問題になりまして、なぜ銀行は中小企業に貸さないのかということが問題になっているときに、その実態を正確に把握する、事前に早目早目に把握するというのは当たり前のことでございます。 私は、重大なのは、公的資金を受けながら商工ローンに融資している銀行が十二行もある、そのうち中小企業向け融資を三月末よりも減らしている、そういう銀行が三行もある。つまり、公的資金を受けながら、三月よりも中小企業に対して融資を減らしている、富士、東海、三菱信託。なぜ中小企業に貸し出さないで、社会的批判を浴びている商工ローンにどんどん貸し込むのか。私は、こんなことは許されないと思うのですね。 私は、十月二十七日の当委員会の質疑で、巨額の融資を商工ローンに行っている公的資金注入行についてただしました。再生委員会の森事務局長は、国民の批判というものは当然各銀行の経営者の耳に入っているわけでございますので、我々としては各金融機関の正しい経営判断を期待していきたい、このように答弁をされました。 そこで、我々も銀行の判断を聞いてみました。しんぶん赤旗が問い合わせたところ、例えば住友信託銀行の場合は、安全性や公共性などを総合的に判断し、回収していくという方針を決めており、融資残高は回収済み、こういうお答えでありました。この住友信託のように、融資を見直し、やめたり回収していくという判断、これは当然、森事務局長が期待している正しい経営判断の範疇に入ると思うわけですけれども、そう理解してよろしいですね。
○村井政務次官 これは私からお答えした方がよろしいと思いますので、あえて申し上げますが、委員、お言葉でございますが、私は、金融機関の融資というものは、あくまで民間当事者間の私法上の契約上の取引でありまして、公的資金によって資本増強を受けた金融機関といえども、金融機関の個々の融資というものは、それは基本的には各金融機関の経営判断によって行われるべきものでありまして、行政当局がいろいろ介入するべきものではないと思っております。 さような意味で、ただいまの委員の御質問に対しましては、やはり個別の問題にどうしてもかかわることでございますから、私どもとしてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。 〔委員長退席、渡辺(喜)委員長代理着席〕
○佐々木(憲)委員 これは極めて重大な発言で、行政が介入すべきではない問題だとおっしゃいましたが、それならば、なぜ公的資金を投入して行政が介入したのですか。公的資金を投入するときに、なぜ経営健全化計画を出させて介入したのですか。そのときに、中小企業向け融資をこれだけふやしなさい、こういう計画をなぜ介入して出させたのですか。 一方では介入しながら、具体的にそれが実行されているかどうかについては、これは私法上の問題だ、関係ない、そんなでたらめなことがありますか。少なくとも、住友信託が融資を見直した、これは正しい経営判断の範疇に入るはずです。そういう銀行の判断も、これには介入しないと。介入しないということは、勝手にやっていることだ、別な判断もあり得るのだと。一体何を基準に正しい判断、経営判断とおっしゃったのですか。 森事務局長に聞きたい。正しい経営判断、つまり、国民の批判があるので当然経営者の耳に入っている、それを前提として正しい判断を期待していきたいと答弁されたのですね。住友信託が融資を見直した、回収した、これは正しい判断の範疇に入るのではありませんか。いかがですか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。 先般の当委員会におきまして私が御答弁申し上げさせていただいた件についてでございますけれども、そのときに申し上げましたとおり、当方、経営健全化計画をとりまして、与信、信用供与の円滑な供与という観点、特に中小企業向け融資の重要性を考えまして、それを増加させる、そういう努力目標を経営健全化計画に書かせていることは先生御承知のとおりでございます。 そうした中にあって、個々の公的資金注入行の個々の貸し出しについて当再生委員会との関係はどうかと言われますれば、先般も御答弁させていただきまして、ただいま政務次官が御答弁されましたとおり、当方はそれは金融機関の経営判断の問題であるというふうに考えております。 そうした上で、金融機関の経営者、この方が経営判断をするわけでございますけれども、そうした場合は業務のいろいろなことを頭に入れながら適切な判断をされることを期待するということを私は申し上げたわけでございまして、個々の、どこに貸すことが果たしてそれが適切な経営判断であって、どこに貸すことが適切な経営判断でないかという価値判断を含みながら私は答弁したわけではございません。 そういう点で、もし誤解を先生に生じさせたとすれば、大変申しわけなく思っております。
○佐々木(憲)委員 どこに貸すことが正しいかどうか、適切かという判断は一切しないのですか。つまり、中小企業向けの貸し出し計画が達成されていない、当然中小企業向け貸し出し計画をふやすべきだ、そういう判断は正しい判断ではありませんか。そういう判断はしないのですか、どうなんですか。
○村井政務次官 当然のことでございますけれども、中小企業トータルに対しまして注入行が適切な融資を行う、これは私ども経営健全化の過程の中で当然に配慮していることでございまして、そういう目でチェックもしているつもりでございます。 しかしながら、今、あくまで私どもが申し上げておりますのは、個々の金融取引についてどうだ、どの貸し先についてどうだ、これについては個々の経営判断の問題であって、私どもがいろいろ言うことではないということを申し上げているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 極めて重大な答弁であります。 日本商工会議所の稲葉会頭は、十一月四日の記者会見で、貸し渋りをしている大手銀行が商工ローンに低利で資金を貸し出していたという、これは中小企業からみれば異様な姿だと。日商の会頭が、銀行が商工ローンに低利で資金を貸しているというのは異様な姿だと。これが社会的な常識であります。 資本注入した銀行に対して、再生委員会、監督庁がどのように対処するかというのは非常に大事なんです。一般的に中小企業向けをふやしなさいというだけではなくて、反社会的な取り立て問題などで重大な批判を浴びている商工ローン、いわば中小企業いじめをやっている、そういう業界にどんどん貸し出すということはよろしくない、その上で中小企業向けの融資もふやす、これが当たり前のバランスのとれた対応ではありませんか。 そこで、具体的にお聞きしたいのですけれども、三月の資本注入のときに各銀行が経営健全化計画というのを出しました。そこには数値目標もございます。同時に、ここには理念や経営姿勢についても、これは単なる飾り物ではなくて、当然その履行を前提として出されていると思うわけですけれども、その理念とか経営姿勢、これは当然履行すべきものであるというふうに考えてよろしいですね。
○村井政務次官 まず、その御質問にお答えする前にもう一回申し上げますけれども、私どもは、いわゆる裁量行政というものをできるだけ金融の世界から排除しようということで今のような形になってきている、今の金融再生委員会あるいは金融監督庁の行政の形態になってきているということを踏まえて、私は先ほどのような御答弁を差し上げたつもりでございまして、日商の会頭がどのような感想を漏らされましょうが、私どもとしましては、個別の金融判断、個別の金融取引、それにつきましての判断を私どもの方から申し上げるのは、やはり私どもが与えられた権限から逸脱するものだろうと思っております。 それを申し上げました上で、いわゆる経営健全化計画の記載事項でございますが、これは早期健全化法の五条一項二号におきまして「責任ある経営体制の確立のための方策」という形で規定されておりまして、この項目の中で経営理念等にいろいろ言及をしているのはまさに委員御指摘のとおりでございまして、私どもは、これらの記載を踏まえまして金融再生委員会が公的資本による資本増強の承認を行ったということと理解をしているところでございます。
○佐々木(憲)委員 裁量行政はやらないという話でありましたが、それなら、なぜ六十兆という公的資金を入れる仕組みをつくったのですか。裁量行政をやっているではありませんか。国民の税金を個々の銀行に対して投入する、それは介入であり裁量行政ではありませんか。護送船団ではありませんか。一方でそういうことをやっていながら、中小企業が困っている、国民の側が困っているというときに、もう裁量行政はやらないのだから勝手だ、それは私法の範囲だと、これは余りにも一方的過ぎるのではありませんか。そのことを私は言っているのです。 提出された健全化計画を見ますと、私、資料として配付をさせていただきました。公的資金を投入された各銀行が、どういう経営理念、経営方針を提出しているか、これを一覧表にしてお配りしております。 例えば、大和銀行の場合は、みずからの経営理念について、「社会の理解と信頼をより確かなものにする」ため「社会の常識に則り行動します。」こういうふうに言っているわけですね。東海銀行の場合も、「お客さまの信頼に応え、社会と共に躍進し続ける企業を目指す。」「新しい時代における社会的使命・モラルについての自覚を促している」、こういうふうに書いているわけです。さくら銀行は、「(「行員の行動基準」として)法律に抵触しない場合であっても、最も良心的かつ清廉な行動を選択する」、こういうふうに書いているわけですね。 ですから、こういう角度から見まして、暴力的取り立てを行い、中小企業家を食い物にしている日栄や商工ファンドに巨額の融資をするということは、この経営理念と決して両立しないと私は思うのです。 資本注入を受けた十五行に聞いてみました。そうしましたら、その資料にも書いてありますけれども、回収を終えた住友信託以外でも、さくら銀行は、社会的影響を踏まえ、重大な関心を持って受けとめており、新規貸し出しを中止する、こういうふうに言っています。大和銀行も、新規融資は見合わせている、こう我々に回答しているわけです。 監督庁は、銀行を呼んで商工ローンとの関係を聞かれたようですけれども、資本注入した銀行の対応はいかがだったでしょうか。
○村井政務次官 私ども累次お答え申し上げておりますように、日栄及び商工ファンドに対する融資残高が多い銀行十三行、それから保険会社一社、これにつきまして、十一月四日から順次実態調査を開始しているところでございまして、現在、調査をなお続行中でございます。 そういう意味で、現段階ではどういう結果であったかということは申し上げる段階ではないわけでございますが、できるだけ速やかに結果を取りまとめさせていただきたい、このように思っておりまして、結果がまとまりますれば、実態調査の対象となった銀行それから保険会社の全体の融資残高等の計数やあるいは融資方針の傾向について公表することは、これを予定しているところでございます。
○佐々木(憲)委員 その結果はいつごろ出そうですか。
○村井政務次官 まことに恐縮でございますけれども、いろいろ事実関係の確認とかございまして、ちょっと今の段階ではいつまでにということをはっきり申し上げることを控えさせていただきたい。この点はちょっとお許しをいただきたいと存じます。 できるだけ早くということで、これはもう現在の社会の大変な関心を浴びていることでございますから、私どもとしても精いっぱいの努力をしているところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○佐々木(憲)委員 大至急調査の上、姿勢を正していただきたいと思うのですね。 私は特に重大だと思っておりますのは、第一勧銀の問題です。 第一勧銀というのは、これまで総会屋への融資によって十一名の逮捕者を出し、銀行法に基づく処分を受けました。また大蔵省への接待汚職でも、宮川に過剰接待を繰り返した銀行であります。そのため第一勧銀は、三月の健全化計画の中で、総会屋への融資、接待汚職について、次のように書いております。「信用を基盤とし、健全性・公共性を第一に考えなくてはならない銀行経営にとって、痛恨極まりない恥ずべき事態」、こう書いております。さらに、昨年三月制定の倫理行動基準の中で、社会人としての良識を持ち、高い職業倫理を持ち、何よりもその行動があらゆる法令、諸規則を初めとした社会規範や社会常識と整合する公正かつ透明なものであることが不可欠、こう書いております。書いていることはいいことを書いているのですね。反省を込めて書いている。 ところが、最近、第一勧銀の幹部は何と言っているか。読売新聞十一月十日付、ここで「健全な借り手に融資し、効率よく業績を上げざるを得ない。中小、零細企業より業績の良い商工ローンへの貸し出しが増えたのは当然」、とんでもない言い方をして、こういう言い方で居直っております。商工ローンというのは健全な借り手だから貸し出しがふえて当たり前なんだ、中小零細企業向け貸し出しは効率が悪いんだ、これが第一勧銀の姿勢だというのです。とんでもない話です。 村井政務次官、これは好ましい姿勢だと思いますか。
○村井政務次官 大変恐れ入りますが、私が直接そのような発言を聞いたわけでもございませんし、そのような報道があったことはもちろん私の立場で承知しておりますが、そのことにつきましてあえてコメントを申し上げるのを控えさせていただきたいと存じます。 私は、あくまで金融機関の経営判断というものが個々の取引を決めている、このように理解しておりまして、その個々の金融判断につきまして、私ども当局といたしましてあれこれいろいろ申しますのは、これはやはり控えるべきことだと思っております。 ただ、中小企業に対しましてきちんと貸していけということは、これは私ども金融監督庁の立場でも、あるいは再生委員会が公的資金の投入をいたしますに当たりましても、きちんと私どももいろいろな形でチェックをするように努力をしていることは、これまた累次いろいろな機会に私どもから繰り返し申し上げているところでございまして、この態度に変わりはございません。
○佐々木(憲)委員 経営健全化計画の際に提出をした中小企業向けの貸し出し、これはきちんとやっていくように、融資を拡大するように、それをチェックするとおっしゃいました。そうしますと、この発言というのは、商工ローンは業績がいいからどんどん貸してもいいが、中小企業向けは効率が悪い、その言葉の裏には、中小企業向けなんというのは手間もかかるしコストもかかる、しかも業績が悪い会社が多い、だからこういうところはそうどんどん貸し込むということはやらない方がいいんだ、こういう姿勢がその背後にあるわけです。このような姿勢が好ましいかどうか。 個々の具体的な銀行については触れないとおっしゃいました。では、一般的にこういう経営姿勢というのは正しい姿勢だと言えるかどうかをお答えいただきたい。
○村井政務次官 これはいずれにいたしましても、いわゆる貸し渋り問題などにも関連しまして、私どももいろいろな努力をしているわけでございまして、一つは金融機関トップとの意見交換の場などの機会を通じまして貸し渋り防止のために努力をしてくれという要請を繰り返しやっておるわけでございますし、あるいは金融関係諸団体におきまして苦情相談窓口を周知させるようなこともして努力を重ねている、これはまず御理解いただきたいわけでございます。 そこで、もう一つ、中小企業全体に対しまして金が流れるようにという意味で、特に資本増強行に対しまして私ども再生委員会といたしましては経営健全化計画の履行状況の報告、これは、委員おっしゃるようにこれを求めているわけでございまして、これを各行どういうふうにやったかということを公表することによりまして、言ってみれば一種のパブリックプレッシャー、要するに世間の声というものが当然ここで出てくるわけでございます。これによりまして各銀行が自己規制をいたしまして中小企業にできるだけ貸していく、そういう環境をつくるようにさらなる努力を促す、こういうことをしている。 さような意味で、今申し上げました中小企業への金融の円滑化のために、中小企業に対する金融がトータルとして各行どれだけかということが、結果的には私は非常に大きな圧力になるんだと思っております。そういうような意味での努力をぜひ御理解いただきたいと思います。 〔渡辺(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木(憲)委員 私の質問に対して正面から答えられないわけでありますが。 では、具体的にお聞きしたいんですが、第一勧銀の問題なんですけれども、日栄のメーンバンクとして単体だけでも二百億円もの巨額の資金を融資しております。資料を配付いたしましたが、株式の持ち合い、あるいは関連会社からも融資をしている、さらにナンバー三の地位にある人物も送り込んでおります。まさに資金面でも人的な面でも第一勧銀が日栄を支えているという関係にあります。 資料でも明らかなように、この五年間で、第一勧銀が所有する日栄の株式は六一・一%もふえております。また、日栄への融資は二八・五%ふえております。日栄はそれを原資として貸し出しを六〇%ふやしております。 ここに日栄の社内報があります。これによりますと、九六年の日栄の新本社の落成披露パーティーに第一勧銀の代表取締役専務が出席をして、日栄を天まで持ち上げている。松田社長の信念には衷心から敬意を表したい、こうあいさつをされている。日本経済の根底を支えているとか、あるいは二十一世紀に向けさらに発展するようにという賛辞を送っております。私はここに大変な癒着があると思うのですね。 日栄に巨額の融資を続けるということは、第一勧銀がみずから経営健全化計画で述べているように、社会常識との整合、これとは全く反するものだと思うのです。まさに常識外れの深い関係にある。こういうことでは国民の信頼を取り戻すことはできない、やはり金融再生委員会、監督庁としてこういう姿勢を正すというのは当然だと私は思うのですけれども、その点はいかがですか。
○村井政務次官 再三同じようなことを申し上げていて恐縮でございますけれども、私は、個別の金融機関のそのような行動につきまして、やはり私どもとしましてはコメントを避けるべきだろうと思っておりますので、あえてお答えを遠慮させていただきたい。 ただ、今お配りいただきました資料を拝見していまして、確かに第一勧銀の日栄の持ち株はふえているかもしれませんが、所有株式の所有割合は減っているとかいうようなこともございますし、これは日栄という会社がたまたま急速に伸びた、大きくなった、それがどうだということはありますでしょうが、私は、だからどうだということを直ちに私どもの立場からはやはり言える立場にはないのだろう、こういうふうに思っているところでございます。 ただ、再度申し上げますけれども、現在、私どもがやっております日栄に対してあるいは商工ファンドに対しまして貸し付けを行っております金融機関に対します調査、これができましたら、これは可及的速やかにお出しいたしますけれども、その上で私どもとしましてもいろいろまたよく検討をさせていただきたい、このように思う次第でございます。
○佐々木(憲)委員 個別の問題に答えられないということを先ほどから何度も繰り返しておっしゃっておりますが、大野政務次官はこの委員会で、日栄、商工ファンドに対して百億円を超えるような融資をしている銀行はこれは好ましくない、こういう発言もされております。村井政務次官は、そういう認識はお持ちですか。
○村井政務次官 私は、大変申しわけございませんが、大野政務次官がどのような御答弁をなさったか、ちょっと私の記憶にございませんが、私が置かれております立場の金融再生政務次官という立場におきまして、私といたしましてはそのようなことにつきましてコメントをすることを控えさせていただくのがやはり適切だと考えておりますので、大変恐縮でございますが、お答えを差し控えさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 私、ちょっと認識を間違っていたかもしれません。大野政務次官ではなくて、越智金融再生委員長の御答弁だったと思います。訂正させていただきます。 そうしますと、村井政務次官は、越智金融再生委員会委員長の答弁とは違う答弁をされたわけですね、コメントはしないと。しかし、越智大臣は、百億円以上を超える融資をしているのは問題だと。これを否定されるわけですね、村井政務次官は。
○村井政務次官 私は、越智金融再生委員長のもとにおきまして、金融監督庁に関すること、その他委員長の特に指定する事項につきまして政務をつかさどる、こういうことになっておりまして、金融監督庁という立場からいたしますと、大変恐縮でございますが、先ほど来私の申し上げているようなお答えしか申し上げようがないのではないかと思っております。特にその間に矛盾はないと思っております。
○佐々木(憲)委員 大臣と政務次官の間で違うじゃないですか。大臣が百億円以上の融資というのは問題があるとおっしゃったわけですよ。この大臣の答弁は尊重されるのか、それともこれを否定するのか、どちらですか。
○村井政務次官 もう一度お答えいたしますけれども、私は、お答えを差し控えさせていただいているだけでございまして、いいとも悪いとも何も言っていないわけでございます。そのことはひとつお取り違えのないようにお願いを申し上げたいと存じます。
○佐々木(憲)委員 何も言わない方がおかしいんですよ。これは大臣の答弁を尊重すると言うのが当たり前じゃないですか。 個別の銀行の問題への介入をしないとおっしゃいましたが、早期健全化法第二十条第二項に、「計画の履行を確保するため、銀行法その他これに類する法令の定めるところにより、業務の一部の停止その他の監督上必要な措置を命ずることができる。」というふうになっております。 この計画というのは数字だけではございません。先ほどの経営理念、経営方針、それに基づいてきちっと指導をする、それで新たな融資を控えるというのは、これはもう当たり前のことでありまして、とりわけ、銀行と日栄などの親密な関係は解消させるとか、残っているこういう資金についても、住友信託のように回収させるという方向で指導するというのは当然のことだと思うのです。 第一勧銀に対しては、昨年の三月に九百九十億円の公的資金を注入しました。ことし三月にも九千億円の資本注入をしているわけです。合わせて九千九百九十億円、約一兆円の国民の資金を第一勧銀は受け取っております。巨額の公的資金を入れている銀行にこの経営健全化計画に基づいて何も指導できないということでは、健全化計画の確実な履行が保障できないわけであります。 そこで、私は委員長にお願いをしたい。 国会として国民の厳しい批判にこたえるために、当委員会への参考人招致を要求したいと思います。 資本注入行でありながら、日栄及び商工ファンドに融資を続けている、全銀協会長で第一勧銀頭取の杉田力之さん及び全国貸金業協会連合会の新しい会長、小倉利夫さん、日栄、商工ファンドのそれぞれ松田、大島社長、さらに、中小企業への融資計画の未達成の各銀行の頭取を当委員会への参考人として招致していただきますように、ぜひお取り計りいただきたいと思います。
○金子委員長 ただいまの件については、理事会で御協議をさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 提出されている法案の共済年金の問題については、先ほど要求をされました資料が提出されるそうでありますから、本格的にはその資料の提出を前提として議論をさせていただきたいと思いますが、法案の大前提となります基本的な考え方についてお伺いをしたいと思うのです。 政府は、年金について、給付と負担の均衡ということを盛んにおっしゃいます。ところが、どうもやっていることは、負担をふやすことや給付を減らすということばかりでありまして、どうも、公的な年金に対する信頼感がますます低下をし、年金の担い手、納入者が減って、それが公的年金制度を一層掘り崩すという悪循環を招いているように思います。 私ども日本共産党は、次のような打開策が必要だと思います。 まず第一は、基礎年金の国庫負担、これを九四年の国会決議どおりに直ちに三分の一から二分の一に引き上げる。二つ目に、世界でも大変突出しております巨額の積立金の計画的な取り崩し、それによって給付に充てていく。三つ目に、女性が働きやすい社会的条件を整備して、担い手をふやしていく。こういう三つの大きな方向を実行していけば、負担増なしで現在の給付水準を維持することができると我々は考えております。政府はこうした方向を真剣に検討すべきだと思うのです。 そこで、国家公務員共済組合の資産運用の問題についてお聞きをしたい。 この点で一番大事な問題は、国公共済の組合員から預かった大切な財産の安全、確実な運用であります。初めに確認したいのは、資産の総計はふえているのか減っているのか、平成元年から最近までの傾向をお答えいただきたい。
○大野(功)政務次官 まず、資産の運用状況でございますけれども、平成元年度末は五兆三千九百七十七億円でございます。平成十年度末には八兆一千三百四十八億円になっております。対前年の増額、それぞれ運用益が出ておりますけれども、それと比べて資産がどの程度ふえているのか、この細かな分析もございますが、これはまた後ほど資料で提出させていただきます。
○佐々木(憲)委員 全体として、資産は少しずつではあるがふえているというのが統計の傾向だと思います。 資産の安全、確実な運用というのが非常に大事だと思うのですね。急速にふやそうとして投機的な分野で運用すると、非常に重大なリスクが伴う。元本まで減らしてしまっては元も子もないわけであります。 実際、年金福祉事業団は、この十三年間で損益が黒字だったのはわずか四回しかない。累積赤字は、時価で約一兆二千億円で、簿価で約二兆円に達している。大事な財産に穴をあけたということで大変大きな批判を浴びておりますけれども、このような危険性がないと言えるかどうか。この基金の運用についての基本的な方針、これを聞かせていただきたい。
○大野(功)政務次官 将来の年金の大切な大切な財源でございます。したがいまして、安全、確実、これが一番でございます。 具体的に申し上げますと、資産運用の内訳として、資金運用部預託、これが四四・四%、それから有価証券等への運用が三四・一%、組合員への貸し付けが一三%等でございます。 この中で問題になりますのは、有価証券等への運用だと思いますけれども、これにつきましては、金銭信託のうち五〇%以上は公社債等が占める、こういう状況になっております。なるべくリスクを分散させてやっていく、こういう方針でやっております。 いずれにしましても、安全かつ効率的な運用、こういうことを考えてやっておる次第でございます。
○佐々木(憲)委員 もう時間が参りましたので、法案の内容について、引き続き次回の委員会で質問をさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○金子委員長 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。 先日の本委員会で、私、今大変な被害が出ております五百円硬貨の件について質問いたしました。大臣も非常にこの問題には懸念を示されて、そしてまた、五百円硬貨の改鋳も含めて、これから日銀あるいは警察庁とも連絡をとり合いながら、実情を検証した上で年内に結論を出したいと、非常に前向きな答弁をいただきました。記者会見でもそのようなことを発表していただきました。大変ありがたいことだと思っております。どうか、今被害を受けている人たちのためにも、早急にさらに努力していただきたい、まず冒頭、このことをお願いしたいと思います。 この改正案についてちょっとお聞きいたしますが、現在の長期不況の原因は、バブル崩壊による経済不況、それとともに、国民の皆様方の将来に対する生活不安からくる消費不況、この経済不況と消費不況が相まっていると思うのですね。このことによって、なかなか長期に景気が回復しなかった。相当大きな財政出動によってやや明るさが見えたとは言えますが、まだまだ全体の回復には至っていないわけです。 そういった消費不況の中でも、とりわけ国民の皆様方が将来に対する不安を持っているのがやはり年金だと思うのですね。私たちの国は大変な少子・高齢化社会に突入いたしております。今の若い人たちはよく超と言いますが、超高齢化社会だと言ってもいいと思うのですね。これは、日本の国のすばらしさだと思うのですよ、高齢化が延びるということは。しかし、これとともに多くの問題もまた生じてくるわけですね。 いわゆる高齢化によって年金の受給者がふえていく、それからまた長寿化によって年金受給の期間がどうしても延びていく、こういったことがどうしても高齢化社会にはつきまとってくるわけですね。そのためにはこれまで以上の財源が必要になってくる。 そこで、給付と負担の問題というのが出てくるわけです。今の子供たちがいずれは現役世代、働く世代になるわけですが、こういう人たちが負担に押しつぶされるようなことがあってはならないということ、そして受給者が安心して暮らせる給付が必要であるということ、このつり合いというのは非常に難しい問題ではあろうと思いますが、そういった中で一番大事なことは、やはり年金制度の根幹は、長期的な安定というものがなければ国民の皆様方の信頼は薄れていくのではないかという気がしているわけですね。 そういった意味からちょっと質問いたしますが、やはりかなりいろいろな問題点が私は含まれていると思うのです。先ほどから多くの委員が質問されておりまして重複いたしますが、改めてお考えを伺いたいと思います。 まず、基礎年金の国庫負担割合の二分の一の問題ですが、これは先ほどから言われていますように、九四年の年金改正時には、いわゆる国庫負担の割合を引き上げることについて検討を加えると明記されておるんですね。そしてまた附帯決議でも「二分の一を目途に引き上げることを検討すること。」こういうふうに盛り込まれている。九四年の年金改正時に、九九年、ことしの財政再計算時期にはそのようにするということが国会で決議されているわけですね。 ところがこれは、安定した財源を確保して国庫負担の割合を二分の一への引き上げを図るものとする、それも二〇〇四年までの間、これから五年の間にそういうふうにするという今回の改正案でございます。これは、私は五年前の改正時に決議したということは、国民への約束だと思うのですね。それが財源不足という理由によって今回先送りされている。確かに財源の問題は重要です。しかし先送りされている。しかし一方では、大臣、介護保険、こちらの方もスムーズなる実行ということの大義名分はありますが、片一方では財源がないから五年前の約束も先送りしているのに、片一方では財源がないと言いながら約一兆円にわたる財源を国債で賄っていくということを発表した。 いわゆる介護保険制度というのは保険制度なんですね。そこをまず、根幹を揺るがすようなことを平気でやってしまった。これは選挙対策とかいろいろ言われておりますが、私はそれよりも、五年前に約束したことを財源不足を理由に先送りしたのに、今回、同じ財源がないにもかかわらず、国債でもって介護保険の円滑なる、スムーズなためという大義名分に約一兆円の金をつぎ込む。このことは、国民からすると本当に納得いかないというか矛盾しているという気がごくするわけですが、このことについて大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 介護保険につきましてただいま御指摘のような措置をとろうといたしておりますことは、先ほども申し上げましたが、これほど大きな制度が保険というシステムのもとにスタートしようといたしますときに、ある方々にとっては、殊にお年寄りの御夫婦で比較的元気というような場合に、月々の六千円という負担は確かにかなり大きな負担でございますから、これを運用する責任者の立場からして、やはり導入当初にはそれなりの激変緩和といいますか、ならし運転が必要だという判断がございました。 財政としては、いかにもおっしゃいますように非常に大きな金額でありまして、当然国債で賄わなければならないということも言われるとおりですから、これはなかなか簡単に決心のできなかったことでありますことは、おっしゃるとおりであります。しかし、これによって、この保険の制度が将来保険ということで運営されるならば、これは介護にとっては非常に大きな、革命的な出来事でございますから、あえてその初度の時期において財政負担をするという決心をいたしました。 もとより、これが今後毎年繰り返されるということになりますと、これは別物でございます。それは別物でございまして、そのためには恒常的な財源がなければなりませんが、そうでないということで、いろいろございましたけれども踏み切ったわけでございます。 他方、今度は基礎年金の国庫負担を二分の一にするという問題は、確かに従来から問題になっておりまして、そして最近、このことについては平成十六年までの間に安定した財源を確保した上で二分の一への引き上げを図るという趣旨の決定がなされておるわけでございます。 それは、一つはこのような財政の現状において、今これをやるということは到底困難であるということ、今でなくても先々、それだけの財源が、これは恒常的にということでございますからいっときではない、確保できるかということは、経済の運営にもかかわりますけれども、やはりそれだけの余裕を必要とする、時間を必要とする、こういうことでございまして、片っ方に一兆円近い金があったからそれをこの際二分の一負担に回したらとはおっしゃいませんでしたが、ということは、いっときの財源と恒久的な財源との違いもございますし、両方の間にすぐ交換関係が成立するというふうには思いません。 もとより、介護のことにつきましても、この支出は非常に大きな支出であるし、国債をもって賄わなければならなかったということは、財政当局として、決して財政の立場からは気が進んだことではございませんでしたけれども、国政全体から見て、これはやむを得ないことであるという判断をしたわけでございます。
○横光委員 確かに恒久的な課題と一時的な問題を同等に扱うことはできないというお話でございます。それはそれなりに理解できますが、国民の皆様方は、やはりそこのところは非常に国の施策の矛盾している部分だというふうに受け取りかねないと私は思うのですね。今、介護保険の円滑なる出発ということで、なるだけ負担を避けるということで今回そのような方法をとったということですが、そうしますと、今度の改正案で、賃金スライド、こっちの方は凍結しておるんですね。要するに、介護保険で大変負担がかかるので、ああして国の金を一兆円近くもつぎ込んで、半年は取らない、それから一年間は半減ということにしたわけです。 そういう配慮をしながら、今度は賃金スライドはなしだ。高齢者の人たちは、いわゆる物価スライドと賃金スライドというのは、総合的な勘案方式でこれまで現行どおり維持してきたわけですね。それが今度は、そういったバランスのとれた給付水準が崩れていく。しかも、お話しのように、介護保険が始まりますと、負担をせざるを得ない。その上に賃金スライドの部分がカットされるということは、また言っていることと全く逆なんですね。片一方では配慮しながら、片一方では切り捨てるということをやってしまっている。 このあたりも非常にわかりにくいし、やはり高齢者の方々の可処分所得が介護保険のスタートによって非常に厳しくなるわけなんです。こういった新たな制度は、みんなでそれなりの負担をし合う、血をにじませなければいけないということは説明しても、やはりいろいろと問題が出てくる。 それで、介護保険ではそれなりに納得してくれたのに、今度は年金給付では賃金スライドがなしになっていく。これはこの五年間でいうと、約四%ぐらいの賃金スライドのアップで給付が上がるだろうと高齢者の方たち、受給者の方たちはある意味では大変期待していたわけですね。それがなくなる。いわゆる物価スライドだけになるわけですね、これは〇・六%ぐらいじゃないかと言われておるんですが。それしか給付は上がらない状況になってくる。ここのところも矛盾点がある。 ここは、やはりこういった時期ですので、ちょうど介護保険がスタートするときに、今度は財政再計算の時期と重なった。こういう時期に、二重の負担をかけるようなことになるわけですから、私は、この問題はやはり、長期的に考えたら論議していくべき問題だと思いますが、今はその時期ではないのではないかという気がするのです。どうですか、もう一度、政務次官でも結構ですので。
○大野(功)政務次官 全体として横光先生、消費不況の一因となっているのがお年寄りが将来に対して不安を持っているからじゃないか、可処分所得はしっかり面倒を見るべきではないか、こういう御論旨だと思います。 まず、統計を見てみますと、六十歳以上の貯蓄率が日本の場合は上がっていくのですね。これはまことに、アメリカなんかに比べまして、アメリカは高齢者になると下がっていく。やはり今の段階で、介護保険なりあるいは年金制度をきちっとして将来の安心を与えていかなければいけない、こういう観点からの御論議と思いまして、大変敬服しているところでございます。 しかしながら、賃金スライドと物価スライドの両面を考えてみますと、賃金スライドというのは、いわば勤労者の労働生産性の上昇分を年金にも反映させていこう、こういうことでございます。購買力という観点から見ますと、物価スライドということで購買力は維持できます。この厳しい経済事情、厳しい財政事情、少子・高齢化社会の中で、果たして労働生産性が伸びていく分まで後世代に負担させていいのかどうか、私はこの点は大変疑問であるなと思っておる次第でございます。 しかしながら、少なくとも物価スライドを確保することによって、高齢者の年金受給者の購買力だけは維持していきましょう、このところを強調させていただきたいと思う次第でございます。
○横光委員 確かに、賃金スライドの、今お話しされたいわゆる生産性の問題もありますが、私が言いたいのは、なぜ今かということですね。高齢者にとって可処分所得が大変厳しい状況になるこの時期に賃金スライドの廃止というのは、高齢者の皆様方にとっては大変な痛手だなという気が私はいたしております。 もう一つ、お尋ねいたします。 これも重複いたしますが、支給開始年齢の引き上げでございます。 これはどう見ても、雇用と年金の接続がなされなければ、私はもう検討にすら値しないのではないかというぐらいの問題だと思うんですね。いわゆる六十歳定年制というのがようやく板についてきた時期に、今度は六十五歳という引き上げになるわけですが、これはやはり年金と雇用の弾力的な組み合わせができる選択制というのも必要ですし、また六十歳から六十五歳という空白期間に何ら対応しないままこれを実行していくということは、大変な混乱と信頼の失墜につながるという気がするわけですね。 ですから、これも先ほど申しましたように、いずれ十分審議しなければいけない問題だと思うんですが、この不況の中で、いわゆる六十五歳現役社会というものがまだまだ定着していない中で、こういった政策を打ち出していくということは大変な問題だと思うんですが、この点についてはいかがですか。
○大野(功)政務次官 年金問題は、横光先生御自身もおっしゃっておられますように、将来に対する安心でございます。その将来というのは短期的にとらえるべきではない。長期的にとらえていかなければいけない。制度を五年や十年でころころと変えるようでは安心感が生まれません。したがいまして、今回の制度というのは少なくとも長期的に二〇六〇年ぐらいまでを見通してやっていこう、こういうことでございます。 その中で、少子・高齢化という問題、それから経済が低成長に移ったという問題、それからもう一つは、ここは先生が一番力説されているところでございますが、六十五歳まで引き上げるというのは早過ぎるじゃないか、こういう御議論、これらを総合的に勘案していかなければいけないわけでございます。 まず、六十五歳に引き上げるという意味合いでございますが、これは定額部分が二〇一三年まで、それから二〇一三年から報酬比例部分を二〇二五年にかけて六十五歳に段階的に引き上げていく、つまり長期的に、段階的に支給開始年齢を引き上げていく、このことをまず御理解いただきたいと思います。直ちに六十五歳にするのじゃない。長期的に、まず定額部分は十二年かけてやります、それが済んでから、また報酬比例部分は十二年かけてやります、二〇二五年までに完成いたします、こういうことを御理解いただきたいと思います。 それから、公務員につきましては、御議論いただきましたように、再任用の法律があります。また、公務員制度審議会におきましても答申が出ております。このような方向に沿ってぜひとも六十五歳までの雇用を確保してまいりたい、こういうことが一つあります。 それから、もう一つの問題は、それぞれ六十五歳に引き上げることによりまして、繰り上げ支給をやっていく、このことを制度化していくわけでございます。 あらゆる方面で、長期的に安心できる年金制度のためにいろいろと工夫を凝らしていただき、そしてまた頑張っていただく必要があるかと思っております。
○横光委員 今そういう説明を受けました。もちろん定額制、そして報酬比例部分、これから段階的な措置だと思います。しかし、六十五歳定年制というのはこれからの課題ですし、何といってもこの空白の期間の問題を解消できなければ、この問題は非常に難しいでしょうし、そういった意味で、国民の皆様方はこのことにも不安を大変持っておられますので、選択制の問題もありますが、重々そういったことを配慮した上で進めていっていただきたい、このように思います。 終わります。ありがとうございました。
○金子委員長 次回は、来る二十六日金曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十九分散会