消費者問題等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1999/11/11
会議録
○河上委員長 これより会議を開きます。 この際、堺屋経済企画庁長官並びに小池経済企画政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。経済企画庁長官堺屋太一君。
○堺屋国務大臣 経済企画庁長官を引き続き拝命いたしました堺屋太一でございます。河上委員長を初め委員会の皆さんには平素より格段の御高配を賜っておりますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。 当面の重要課題の一つは、将来の公需の鈍化が景気の減速をもたらしかねないという懸念を払拭し、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、景気を本格的な回復軌道に乗せていくことであります。 もう一つの重要課題は、二十一世紀の知恵の時代にふさわしい発展基盤の確立を、日本経済が新たなダイナミズムを発揮し得る経済の新生を実現することであります。 このため、中小・ベンチャー企業対策、ミレニアムプロジェクト等の技術開発、二十一世紀型の社会資本整備、金融などのあらゆる政策を総動員した経済新生対策を本日決定したところであります。 政府といたしましては、本日決定いたしました方針のもとに、総事業規模で十七兆円程度、さらに介護対策を含めますれば十八兆円程度の事業を早急に実現していくことといたしております。 さらに、経済企画庁といたしましては、大きく次の四つの点を推進したいと考えております。 第一に、新しい知恵の時代に対応して、景気及び経済の動向を早期かつ的確に把握し、適時適切な経済運営ができる情報環境を整備することが極めて重要であります。したがって、その体制整備を進めてまいります。 第二は、我が国経済の中長期的発展基盤の構築をたゆみなく推進することであります。このため、本年七月に閣議決定されました「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」に盛り込まれた施策が着実に実施されるよう、その実施状況について毎年フォローアップを行い、制度、構造改革を間断なく推進していきたいと考えております。 第三は、消費者契約に関する新しいシステムづくりであります。現在、経済企画庁において、国民生活審議会の議論に沿って消費者契約法の具体的内容につき鋭意検討を進めているところでありますが、今後とも、各方面との調整を十分に図りながら、できる限り速やかな法制化を目指し、条件が整いますれば、次期通常国会に法案を提出することを目標として最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 第四は、物価問題でありますが、引き続き内外価格差の実態把握に努めるとともに、個別分野ごとの実態に即した具体的な対応を進めてまいります。また、公共料金につきましては、参入規制の緩和、価格設定方式の改革、情報公開の徹底等を図り、事業の効率化を促進してまいります。 以上、経済運営並びに消費者行政について所信の一端を申し述べさせていただきました。本委員会の皆様方の御指導と御協力を切にお願いする次第でございます。(拍手)
○河上委員長 次に、経済企画政務次官小池百合子さん。
○小池政務次官 このたび経済企画総括政務次官を拝命いたしました小池百合子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 消費者を取り巻く環境は、規制緩和等の経済構造改革によりまして多様化、複雑化いたしております。消費者の利益の擁護、増進を図るための諸施策への取り組みに努力してまいりたいと考えております。 委員長を初めまして、また委員各位の皆様方におかれましては、よろしく御指導、御協力のほどお願い申し上げます。 ありがとうございました。(拍手) ————◇—————
○河上委員長 物価問題等国民の消費生活に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として、下村君の質疑に際し、運輸省自動車交通局長縄野克彦君、矢島君の質疑に際し、経済企画庁国民生活局長金子孝文君、中川さんの質疑に際し、公正取引委員会事務総局審査局長平林英勝君及び公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長上杉秋則君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河上委員長 異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○河上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。
○下村委員 おはようございます。下村博文でございます。 我が党におきまして、おととい、規制緩和を見直す会という会を設立されました。百五十二人の議員が参加をしている議員連盟でございます。これは、我が国におきまして、今の景気浮揚、そしてこれからの日本の経済の活性化を考える中で、産業構造の大きな転換が必要であることは言うまでもございませんし、その中で、規制緩和をしなければならない部分がたくさん出てきており、それをドラスチックにしていくことが当然二十一世紀の日本経済の再生のために必要であることは言うまでもないわけでございます。 ただ、その中で、すべての分野において規制緩和をすることが、ある意味では、前、堺屋長官がよく表現をされていらっしゃいましたが、神の見えざる手、ジャングルのおきて、いわゆる自由市場経済をそのままそれにゆだねることが本当にいいのかどうかということについては、分野によってはいい部分もあるかもしれないし、しかし、やはり考える必要があるところもあるのではないか。 この中で、特に、結果的に消費者に迷惑がかかる小売店等における規制緩和の問題については、これをこのまま放置することによって、結果的には大が小を食う、商店街を核とするいわゆる小売店等がそれによって衰退化をしてしまうことによって、町づくりや地域の文化を支えている方々の担い手もいなくなってしまうという別な部分でのマイナス点も出てくる。また、結果的に、小さなお店がなくなることによって、消費者が最終的にもっと自由な意味で選択をしていくということがかなわなくなってしまうこともあり得るのではないか。 この辺で日本の風土に合った規制緩和の見直しについてもう一度考え直す必要があるのではないか、振り子が余りにも振れ過ぎた部分があることによって、特に小売店を中心とする商店街を支える業種が衰退化することによって、結果的に消費者にマイナスの部分、プラスの部分ではなくてマイナスの部分になることの方が、規制緩和をそのまま推進すると出てくるのではないか、実は、そういう危機感の中で、九日の日に規制緩和を見直す会が発足をいたしました。 これは、今まで我が党において、あるいは政府において推進の中心として活動をされておりました元総務庁長官の武藤先生、党内においては党の行政改革推進本部長をされていらっしゃった先生ですが、その先生が今度は会長になりまして、これはやはりちょっと振り子が振れ過ぎたから、もう一度修正をしながら、特に、製造業は別にしても、小売における規制緩和についてはもう一度考えてみようということでの議員連盟が発足をいたしました。 具体的には、お酒の販売、酒類、それから米穀、ガソリンの販売、またタクシー等の新規参入等の自由化、こういうことに対して具体的にこれから研究、勉強をしていこうという会で、この議員連盟が発足したわけでございます。 そういう意味では、やはり行き過ぎた規制緩和ということがあるのではないか、その辺が今の不況感の中で大変、特にこの小売店が厳しい状況の中で、時代状況、社会状況、それから我が国の政治風土という観点の中で、単なる経済的な論理の中での規制緩和ではなくて政治的な視点からこれを見直すことが必要ではないか、こんなふうに考えての議員連盟でございます。 具体的に、前回、私、この消費特で、三月四日に長官に対して、やはり同じような論旨の中で、今後は酒販において規制緩和が行われる、来年、平成十二年九月からは距離基準が廃止をされる、また平成十五年の九月からは人口基準が廃止をされる。 これが廃止をされますと、例えばお酒の場合にはどこでもだれでもがお酒の販売をすることができる。軒並み自動販売機を置くことによって、それで仕事をすることもできる。夜間も売ることができる。これは、青少年のアルコール依存症がふえている中で、社会問題をさらに悪化をしていくだけではないか、あるいは、この規制緩和によって消費者がよりメリットが出るということよりはデメリットの方が大きいのではないかという中で、業界もそういう立場から、必ずしも自分たちの業界を擁護するということではなくて、これはマイナスの部分もあるわけですが、自主規制的に、例えば今後は自動販売機については撤廃をしていこう、対面販売、責任のある人が責任のある立場で、未成年者にはお酒を売らないとか、あるいは深夜は売らないとか、そういう自主規制をしていく。 ある意味ではこういう社会的規制といいますか、経済的規制が撤廃される中で、社会的規制を自分たちが考えていかないと、我が国の社会秩序そのものもますます破壊していく方向になっていくのではないか、こういう危機感を持って今活動しているグループもございます。 いずれにしても、これは酒屋さんの問題だけでなく、小売店のそれぞれの問題、特に消費者と絡んだ小売店における規制緩和の中で、今このような見直しが我が党の中で議論をされているということに対して、まず長官から、どのような御感想をお持ちか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 経済における自由競争というのは、産業革命が起こりました初めにイギリスで始まりました。 このときの発想は、いろいろなものが発明されてくる中で、どれが一番いいものかだれにもわからない。当時は聖書の神の言葉さえ疑われるような時代でございますから、学者や官僚がこれがいいと言っても、それはわからない。したがって、あらゆる人々が自分がいいというものを売り出して、そしてどれがいいかは買い手、消費者が選ぶべきだということになりました。これが新規参入の自由と消費者主権という自由競争の根幹でございます。 ところが、それだけでございますと、物を売る者は玄人でございまして、買う者は素人でございますから、玄人が素人をだますのは簡単だということになりますので、情報公開をしなければいけないというのがその次についてまいりました。そして一方、買い手については、何を買ったかが、どこで買ったかがわかると、圧力をかける心配がありますから、これは消費は秘密にしていいというプライバシーの問題が出てくる。そういうようなセットで行われてきた。 これがいろいろ批判もあり、格差の問題もあり、産業の構造変化の問題もあり、いろいろと議論されたわけですが、今日までのところ、非常に効率をよくする方法だというように言われております。 我が国の場合、規制の中には、終戦直後、あるいは戦争中から終戦直後にかけて、物不足に対応した規制というのもたくさんありました。それから、産業を成長させるときに、日本では自由競争によらずに、むしろイギリス、アメリカ、欧米の先進国で一番いい基準、自由競争の結果これがいいんだと消費者が選んでわかっているものがある、それを導入してきて、官僚が規格基準を定めて、それを全国民が、全企業がつくった方が効率がいいというので、基準を定めて、むだなものをつくらさない。新規参入を抑えるかわりに国の定めた基準でやるというようなやり方をして、規格大量生産を伸ばしてまいりました。 そういうものがたくさん残っているので、経済が規格大量生産の世の中では非常に成功したのでありますが、それ以上の新しいものが生まれない、消費者の変化に対応し切れない、こういう問題が出てまいりましたものですから、七〇年代、八〇年代から規制緩和が言われ、特に九〇年代に入りまして、グローバル化とともに規制緩和が進みました。経済的に見ますと、この規制緩和がかなりの効果を上げて、消費者にも安い物価のものを提供した。その一番典型的なのは電気通信などでございますが、そういう面では大変大きな効果を上げました。 問題として残っておりますのは、委員御指摘のように、まず第一に消費者のための新たなシステムづくり。先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、消費者契約法のような、情報格差、交渉力の格差をいかに解消していくか、これが経済的にも一つの問題でございます。それから、製造物責任法という、製造物責任という問題が安全基準からございます。そしてまた、消費者がいかに情報、例えば注意書きが記述してあってもそれを読まないとかいうような問題もございます。こういうような点を回復するといいますか改善することで、消費者と供給者、製造者との交渉力、情報力のつり合いをとる、これが経済的に非常に重要だと思うのです。 この一連の経済的な問題のほかに、委員御指摘の社会的な問題あるいは政治的な問題、これは経済では推しはかれない問題がございます。 その中に小売店の問題というのがございまして、小売店もやはり消費者が安いところを選ぶ、便利なところを選ぶから淘汰が起こるということもございますが、そのほかに地域社会の問題とか後継者の問題とか、いろいろな観点を検討していかなければならない。特にこれからの高齢化社会を考えますと、従来のような大規模店舗だけの方がいいのか、あるいは歩いて買い物のできるような町づくりを考えた方がいいのか、これは都市の構造も含めて考える必要があると思います。 消費者が自由に選んでいくことを抑えるのはよろしくないと思いますけれども、そういう面で、いろいろな社会的規制についてもこの国会の場で大いに議論していただければありがたいことかと考えております。
○下村委員 ありがとうございます。 三月四日のときの消費特の長官の答弁から比べますと、大分踏み込んだ答弁をしていただいております。三月のときには、社会的規制は余り必要じゃない、酒販等で、そういう論点の中から、最終的にはこれは消費者が選ぶことであるからということでお話しでございましたが、きょうは大分理解を、私から見れば理解を大分深めていただいた、そういう答弁であったのではないかと大変にありがたく思いますし、またお願いしたいと思います。 長官は、日本における規制緩和の推進の第一人者の旗振り役として、長官になる前からいろいろと御活躍をされた立場でもございますけれども、小池政務次官は、政治家としてやはり地域を回っておられることもたくさんあるのではないかと思うのです。やはり今のお話をさせていただいたように、地域の商店街、小売店、先ほど申し上げたような業種の方々からそういう話をお聞きされることがあるかどうか、あるいはこの規制緩和の中で、特に小売関係の規制緩和について見直すという中での自民党の議連の動きについてどんなような感想、また御自身のお考えがあるかどうか、お聞きさせていただきたいと思います。
○小池政務次官 規制緩和の問題でございますが、戦前そして戦後のいわゆる統制的な流れからいたしますと、現在は本当に大変わり、さま変わりということかと存じます。 たしか八〇年代半ばぐらいに前川レポートというのが出されました。これは、ある種、現在の規制緩和の大きな流れをつくったものと私は評価いたしております。その後、新前川レポートなどができ、そしてさらにさまざまな、国営、公営事業の民営化という大きな流れがあり、そして規制緩和三カ年計画というようなものが推進されてまいったわけでございます。その意味で、今規制緩和というのが一つの時代の流れとしてとうとうと進んできたということを実感いたしております。 また、先ほど大臣の方からもございましたように、電気事業などにつきましては、規制緩和によって消費者が大変メリットを受けているということは多くの方が実感をされていることでございますし、当時、私は総務庁の政務次官をやっておりましたときでございますが、規制緩和によりまして携帯電話の買い取りということが緩和されたわけでございます。それによって、携帯電話、PHSを含めまして、今六千万台ですか、それだけの大きな市場規模をつくり、これが産業の、今我が国経済は大変難しい状況にあるわけでございますが、その中で一つ牽引役を見つけるとすれば、これが一つの経済の牽引役にもなっている。これはまさに規制緩和の経済的プラスの側面であろうというふうに私は考えております。 経済的規制なのか、そして社会的規制、どこで分けるのかというのは、規制緩和の議論の中でずっとこれまでも長く続いている問題でございます。どこで線引きをするのかという大変難しい点がございますが、私は、先ほど長官もお述べになりましたように、消費者の側から見て多様化した選択があるかどうかということをまず基本にすべきではないかというふうに考えております。 そういった中で、先ほど御指摘ありました、では議員として、私も小選挙区の代表としてこの国会にいるわけでございまして、地域の方々とのいろいろな接点はございます。ただし、業界団体の御推薦はいただいておりません。その意味で、私はむしろ消費者の方を向き、そして消費者の利便性がどういうところにあるのかということを踏まえまして、先ほど来述べております規制緩和の流れということを推進していきたいというふうに考えているわけでございます。しかし、業界団体とはいえ、この人たちもまた消費者になるわけでございます。この辺の線引きもなかなか難しゅうございます。 今我が国経済が抱えておりますさまざまな構造的な問題を解決する一つの方法といたしまして、私は、いまだにこの規制緩和というのは重要な問題、課題であるというふうに積極的にとらえているところでございます。 せっかく御指名いただいたので、あえてもう一つつけ加えれば、御承知のように、大胆な規制緩和を進めた国といたしましてニュージーランドがございます。行政改革とともに規制緩和を進めた結果、今どうなっているかというと、先ほど下村先生が御指摘なさいましたように、見直し論議も実は出ているのでございます。ですから、例えばニュージーランドの国鉄を完全な民営化、これは規制緩和とはまた別な話かもしれませんけれども、そこを大胆なことをした結果、安全性がどうだったのかといったような議論も出ているところでございます。 ですから、一つ一つの見直しをする時期はいつか来るというふうには思っておりますし、そこで、消費者にとっての利便性はどうなのか、そして、我が国の経済としてどうなのかといったような冷静な目を持つことも重要だというふうに感じております。 以上です。
○下村委員 今お話をいただきましたように、今後我が国の産業構造を大きく変えながら経済的に再生していくという視点では規制緩和は必要であるという認識は、これは当然のことだと思うのですが、今のお話のように、消費者から見ての規制緩和がどうかという視点もこれから付加して考えていくということについては、必要だという答弁があったのではないかというふうに思います。 私、時間が限られておりますので、この中で具体的に、これから規制緩和が行われる分野の問題として、タクシー、ハイヤーの問題についてちょっと御指摘をさせていただきたいと思います。 タクシー、ハイヤーの規制緩和は、平成十三年から行われることになっております。これは、政府の規制緩和推進三カ年計画及び運輸政策審議会の答申に基づいて需給調整規制廃止を行うということでございまして、これによって、今までは免許制であったわけですが許可制にする、こういうことが十三年からスタートするということでございますけれども、今大変な不況感の中で、既に、特に繁華街等の夕方、あるいは大きなターミナル駅等ですと、タクシーが数珠つなぎで何百台と並んでおりまして、こういう不況のときに大変に影響を受けている業種でございます。 その中で、これからさらに規制緩和をすることによって、乗る方、消費者から見て果たしてどんなメリットがあるのか。また、タクシーが許可制になることによって、運賃の問題も、やはり待っているタクシーにそのまま順番に乗るということになるでしょうから、運賃価格については消費者の方がそう選択できるわけではない。また、初乗り運賃等、それから目的地まで着いてみて初めて運賃を払うということになるわけですから、実際幾らになるかよくわからないということの、いわゆる規制緩和に伴う、この業界だけの問題ではなくて、これは消費者の立場から見てかえって混乱をすることになるのではないか、こんな危惧が出てくるのではないかというふうに思います。 この中で、既にもうある意味では大変にあふれていると思うのですが、今後、規制緩和をすることによってさらに新規参入やあるいは増車をそれぞれがされることによって、そういう意味では大幅な供給過剰が出てくることもあり得ます。このことによる先ほどの運賃の問題、それからあとは交通におけるマイナス面、あるいは環境の問題もあるかもしれません、排ガス等の問題ですね。こういうことに対して、この規制緩和が行われるとしたら、行われた後の対応についても考えるということも同時に今から想定をしていく必要があるのではないかと私は思いますが、こういうことに対してどんなふうに大臣はお考えでしょうか。
○堺屋国務大臣 先ほど小池政務次官もお答えいたしましたように、社会規制という名で経済規制が行われてはいけないということが原則だと思うのです。 今のタクシーの問題でございますと、交通の問題あるいは労務の問題、いろいろな点で検討すべきことはございましょうが、数量的な問題で規制するのがいいのかどうか、これは私は大変疑問に思っております。需要、供給の関係から何台という従来のやり方は大変問題があって、むしろ自由競争に任すべきではないかと思っております。 もう少し詳しく申しますと、今までの計算方法でございますと、タクシーの一日の運行費用、コストが同じだと仮定いたしますと、乗り手が少なくなると一人当たりの費用が高まってくるんですね。例えば、今東京あたりで実車率が四六%ぐらいでしょうか、昔は五十数%、一〇%ぐらい下がっておると思いますけれども、そういたしますと、昔は五十五人で割っていたコストを今度は四十五人で割ることになりますから、はやらなくなると値上げする、値上げするから余計はやらない。これは、かつて国鉄やあるいは石炭なんかでも経験したことでございます。 そういうこともございますので、ここは経済的に見ると、タクシーという業界の切磋琢磨というようなことで、技術開発が必要でございましょうし、いろいろな点が改善されて進歩することが望ましいと思います。そのほかに、御指摘の交通問題であるとかあるいは運転手さんの健康問題だとか、そういったことはそういう観点から、経済ではないそういう観点から検討さるべき問題だと心得ております。
○下村委員 せっかく運輸省にも来ていただいておりますのでお聞きしたいと思うのですが、今自体でも、タクシーの従業員というのは全国で四十三万人いらっしゃるそうですが、平均年収は三百六十七万円ということで大変に低いんですね。その中で、人件費が原価の八〇%という労働集約型産業でもありますから、今後新規参入がされますと、もう業界としても大変ですから、当然ダンピングが起きてくるとか、そういう混乱の問題も出てくるのではないかと思うのです。 この辺の、何らかの、規制緩和の後、事後的な対応策、緊急措置といいますか、それからあとはダンピング競争に対して、これを放置しておいていいのかどうか、こういうことに対する誘導等はやはり考える必要があるのではないかと思うのですが、運輸省としては、いかがでしょうか。
○縄野政府参考人 運輸省の検討状況について御説明申し上げます。 今、委員からもあるいは大臣からもお話しございましたように、タクシーにつきまして、私どもから見ましても、事業の発展を図るということにつきましては需給調整というのは大きな役割を果たした。ただ、一方において、昨今のように需要が伸び悩みの状況の中で、新規参入あるいは増車がないということでは、かえって事業全体の活性化とか利用者サービスの向上ということが図られにくいという問題もあるというふうに考えております。そういう意味で、需給調整を廃止しまして、そのような事業全体の活性化を図るということにすべきではないかということで、私どもは作業をしているわけでございます。 ただ、一方において、今御指摘のように、タクシーにはタクシー事業の固有の問題が幾つかございます。おっしゃられましたように、流しでありますとか、乗り場でありますとか、なかなか選択がしにくい場合があるということと、運賃を後で、乗っておりた場合に払いますので、不安感が利用者の方にあるというようなこと。そういう問題に加えて、今おっしゃられましたように、増車に伴うコストが非常に小さいものですから、需給調整を廃止した場合に供給過剰になりやすいのではないかという問題がございます。それから、それによってダンピングが発生するのではないかという問題がございます。 私どもとしましては、需給調整をやめた場合に、市場機能が働いて需給バランスが働くのか働かないのかというのは非常に難しい問題でありますが、万一著しい供給過剰になりまして、利用者の安全とか利便を損なうようなことがあった場合にどのように措置をすればいいのか。それは需給調整をもう一度発動することになるということでもございますので、どのような措置がいいのかということについて慎重に検討してまいりたいと思います。 それから、極端な運賃のダンピング、あるいは運賃のわかりやすさの問題についても、タクシーの固有の問題として、私どもがこれまでやってきた規制と比べてどのような規制が必要なのか、そういう観点から検討しまして、できれば次期通常国会に法案を提出できるように今作業をしている状況でございます。
○下村委員 終わります。ありがとうございました。
○河上委員長 次に、小林多門君。
○小林(多)委員 私は、自由民主党の小林多門でございます。 きょうは、堺屋経済企画庁長官並びに小池百合子政務次官に質問をする機会をお与えいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。 私の質問の第一点は、経済対策についてであります。 今、都民の皆さんや国民の皆さんが、心から文字どおり一日千秋の思いで、今か今かと期待をし待ち望んでいることは、我が国の本格的な景気の回復を図ることであろうと私は常日ごろから思っております。 堺屋経済企画庁長官は、去る一月十九日召集された通常国会において、政府は、平成十一年度経済運営に当たって三つの目標を立てましたと次のように述べられております。その第一は、平成十一年度の経済をはっきりプラス成長にすること、第二は、失業をふやさないこと、第三は、経済における国際協調を進めることでありますと述べられております。そして、今この国に必要なのは、みずからに対する自信と未来に対する夢、そして改革を実現する勇気ある実行力であると結んでおられました。 あれから既に十カ月が経過をしたわけでありますが、堺屋長官は、我が国の景気の現状をどのように認識をされていらっしゃるのか、この点についてまずお伺いをしたいと思います。
○堺屋国務大臣 委員御指摘のとおり、私は、この正月、経済演説におきまして、ことしの経済の目標を、はっきりとしたプラス成長にすること、そして失業をふやさないこと、及び経済協調を、国際協調を進めていくこと、この三つを挙げました。 この三点につきまして、まず経済の成長でございますが、これは今年になりましてから緩やかながら回復に向かっておりまして、去年の年末に経済企画庁が立てました見通し〇・五%の成長を確実に実行できる、本日発表いたしました経済企画庁の見直しでは〇・六%程度の成長は実現できる、こういう状態になっております。しかしながら、民需の力は非常に微弱でございまして、まだまだ安心できる状態ではございません。 また失業の方も、この二カ月ほど少し減ってまいりまして、完全失業率が四・六%になりました。一時よりは少し減っておりますけれども、まだ非常に高い水準でございます。 こういう状況にかんがみまして、本日、経済新生対策を政府として決定をいたしました。総事業規模で十七兆円程度、介護対策を加えますれば十八兆円程度の対策を決めました。これによって、景気の振興を確実なものにしたい、そして来年度の後半には本格的な回復軌道に乗るように持っていきたいと考えている次第でございます。二〇〇一年にはまた新たな成長軌道に乗せよう、こういう計画を実施すべく対策をとっておりますので、必ずやそういう方向に進んでいくものと期待しております。
○小林(多)委員 今大臣からお話のありましたように、思えば小渕総理は、正月の一月十八日、経済審議会に対して、我が国の経済社会のあるべき姿とその実現に向け、経済新生の方針を策定されるよう諮問されたということで、今長官が御答弁をされたように、それがきょう決定を見たということですね。 そこで、私は、この機会に、経済審議会の審議を踏まえて、堺屋大臣が我が国の経済の新生、景気の回復の道筋をどのようにお考えになっておられるのか、お伺いをいたします。
○堺屋国務大臣 委員御指摘の経済新生のあるべき姿とその政策方針、ことし一月に小渕総理大臣から諮問されたものは、経済審議会が七月に答申したものでございまして、きょう出しましたのは十月五日、この第二次小渕内閣が発足したときに御指示いただいた短期政策の方でございます。 この両方とも、片一方は長期、西暦二〇一〇年ごろをめどにした長期政策でございまして、きょうのは、これから補正予算を含む短期政策でございますが、きょう決定いたしましたものでは、このままいきますと来年の一—三月、それから四—六月に公共事業等が落ち込む心配がある。予算を使い切りまして、そこが落ち込んで、それによって景気の腰折れになるんじゃないかという懸念がございます。まずその懸念を払拭して、景気は十分に支えられるというような、量的な問題を出しました。 同時に、あわせまして、二十一世紀の多様な知恵の時代にふさわしい日本の経済基盤をつくるということで、幾つかのものを提出いたしました。その一つの中には、中小企業の振興、またベンチャー企業、新しく業を創業する人への支援というようなものも入っておりますし、情報化社会に対応した早急な日本の情報化基盤を整備する、また、高齢化社会、環境対応というようなものも、この補正予算から本格的に始めようというようなものも入っております。 こういったものが一体となりまして、大体来年度の後半には本格的な回復軌道に乗る、乗せるという決意を持っておる次第でございます。
○小林(多)委員 思えば、堺屋大臣は、昨年の十二月八日の月例報告において、景気は低迷状態が長引き、極めて厳しい状態にあるものの、一層の悪化を示す動きと幾分かの改善を示す動きが入りまじり、変化の胎動を感じられる、こんな堺屋語録を発表されました。その晩のNHKニュースでは、女性のアナウンサーがにこやかに大きな声でそのニュースを発表され、そしてまた、新聞各社も大きな見出しで、筆をそろえてそのような独特な表現を交えて報道をされました。私も、男性でありますけれども、自分の腹を押さえてみて、胎動というものはどんなものかな、こんな思いをしながら、小躍りをして喜び、さすが堺屋大臣、こんな思いで大きな期待と信頼を寄せていたわけであります。しかし、今長官からの御答弁にもありましたけれども、現在に至っては、やや薄日が差してきたかな、緩やかな回復状況にあるかな、こんな御答弁であったと思います。 そこで大臣にお伺いいたしますが、景気の回復を図るために、経済の新生を通じて何をどのようにされようとしておられるのか、この機会にお聞かせをいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 私が変化の胎動と申し上げたのは、昨年の十二月の初めでございました。それから十月十日たちまして、ようやく景気の回復の動きは誕生した。ところが、大変虚弱児、健康優良児とまではいきませんで、これは育てるのに相当やはり政府が手をかけなきゃいけない、これが今回の経済新生対策を打ち出した根本のところでございます。 今回の対策では、三兆五千億円ぐらいの社会資本投資、公共投資と設備整備等を含めて三兆五千億ぐらいの予算を組みました。これによって、かなりの公共需要等が出てまいります。あわせて、中小企業に対しましては、借入保証枠、特別保証枠を二十兆円去年組みましたが、さらに一年延長して十兆円組む。それから、新しいビジネスを起こされる方、特に商店街等の疲弊が目立ちますので、ここに、土地の値段も下落していることですから、新しいビジネスを起こす人を大いに援助していこうというので、創業者に対するいろいろな種類の金融を加えていく。 これとあわせまして、新しい産業を起こさなきゃいけない。新しい産業としてやはり今重点的なものは、一つは情報産業でございます。それで、この情報産業を急速に発展させようということを考えまして、まず、二〇〇一年までに全部の公立学校をインターネットでつないでくれと、これを文部省、郵政省にお願いいたしまして、そういうぐあいに、前倒しで相当速いテンポで実現するようになりました。それにあわせまして、来年度の末までに、全人口の約五〇%を超える人々の居住地域を光ファイバーで結ぶ、そういうことが実現いたしますと、日本の情報環境が非常に進みます。それをもとにいたしまして、二〇〇一年にはインターネットを舞台にしたバーチャルな博覧会ともエキスポともいうべきミレニアム祭りをして、全人口的な参加、一億人の参加のもとに日本の景気回復、本当の新しい時代に向けた経済の発展を確実にしていきたい、こう考えている次第でございます。
○小林(多)委員 今堺屋大臣がおっしゃったように、私どもの小学校の生物や中学校の保健体育の時代に教わったことを思い出すわけでありますが、人間、十月十日たてば大概大きな赤ちゃんが産声を上げて、健康な赤ちゃんが産まれるわけでありますが、なかなかそのような状態になっていないというのが率直に申し上げて残念であります。ぜひ、なお一層の御努力をお願いいたしたいと思います。 そこで、先日、新聞報道によりますと、堺屋大臣は、経済対策に堺屋案をどう反映されるかということで、宮澤大蔵大臣を初め各閣僚を訪ねられ、そして調整し、首相官邸にも再三にわたって働きかけられて、アクセルを一段と踏んで、まさにその速度はハイトップに入っているのではないか、このように報道をされておられます。その御努力に対しましては、私は大きな拍手を送りたいと思います。 そこで、その熱意はどのように反映することができたのか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 今回の経済新生対策に当たりまして、まず政治主導ということで、最初に私どもの方から一つの目標をつくらせていただきまして、そして関係各省、大蔵省、通産省を初めとする関係各省と調整をさせていただきました。そして、幾つかの事業につきまして目標年次を明確に定めて、新しいもの、新規性のあるものを採用してほしい、それから、国民が本当にしてほしいという期待性のあるものをやってほしい、そして、それがどういうぐあいに、何年にどうなるのかということを明確に国民に訴える訴求性の高いものをやってもらいたい、こういうことをお願いいたしました。 その結果、幾つかのことにつきましてたくさんの明確なことが出てまいりました。例えば中小企業対策でいいますと、現在、新しくできる事業所、新しく業を起こされる企業というのが年間十四万社ぐらいでありまして、これは年々減ってまいりました。それを五年後には十万社ふやして二十四万社ぐらいつくられるような環境をつくろう、それだけの金融的支援あるいは人材的支援、そういうものをする仕組みをつくろうではないかということを考えております。 また、平成十五年までに電子政府を確実にする技術開発をする。あるいは、平成十七年、二〇〇五年までにスーパーコンピューターのネットワークをつくりまして、いわゆるペタネットと申しますが、情報新幹線のようなものを走らせたい。もっと直近のことで申しますと、先ほど申しました、二〇〇一年に各学校をつなぎますと同時に、インターネットの接続料金を引き下げるというようなことも時間を限って決定していただいております。 また、電線の地中化三千キロ、これを平成十四年、それからもう来年中には街灯を五千本、明るくするというようなことを具体的に一つ一つ各官庁からお約束をいただきまして、かなりそういう面を加えることができました。 委員、もしお入り用でございましたら、一覧表がございますので、資料としてお渡しさせていただきます。
○小林(多)委員 堺屋大臣を初め小池百合子政務次官には、我が国の景気の回復、そしてまた経済の発展に日夜寝食を忘れて御努力をされていますことにつきましても、私は心から敬意と感謝を申し上げたい、このように思います。 そこで、小渕総理は今度の国会を中小企業国会と銘打って、中小企業の振興発展のために大きな力を注いでおります。私の地元であります八王子も織物業を基幹産業として発展した町であり、そしてまた、すべての中小企業の皆さんやあるいは多くの皆さんが今国会の審議を大きな期待と信頼を持って見守っているわけであります。 そこで、堺屋大臣と小池政務次官にお願いしたいわけでありますけれども、次期通常国会の開会式に、私ども自由民主党を中心として和装議員連盟というものを発足させまして、ことしも一月十九日には、五十名を超える多くの議員がそれぞれ思い思いの和服姿で登院された、こういうことが大きく各報道機関で報道をされました。そこで、せっかく今御努力をされている大臣、政務次官でありますから、堺屋大臣も小池政務次官も和装姿で、和服を着てぜひ御登壇、御登院をいただきたい。そうすることによって、来年一月もし通常国会を召集するとするならば、文字どおり二十一世紀の冒頭を飾るにふさわしいようなニュースになるのではないかな、このように私は思うわけでありますが、この機会に大臣また政務次官の御決意を、またお考えをぜひお聞かせいただきたい、前向きな答弁をお願いいたしたいと思います。
○堺屋国務大臣 私も繊維産業あるいは服飾産業の振興のためにいろいろと心を尽くしておりまして、大臣になる前は、パーティーにできるだけ会社も夫婦連れで呼べ、そうすると、奥さん方が着物を着る機会がある、お着物をつくられても余り着る機会がないから、できるだけ夫婦連れで呼べという運動をしたこともございますが、私自身は、ちょっと和装をするような、まあ似合わないと思いますので、小池さんにぜひやっていただきたいと思います。 御要望の点は重々承りましたが、私はちょっと羽織はかまを着るような柄ではないような気がしております。というのは、結構着がえが、時間が忙しゅうございまして、いろいろそういうこともございますので、ちょっとお約束はいたしかねます。
○小池政務次官 私は、ベストセラー作家の堺屋長官ほど本は出しておりませんが、一冊目がたしかアラビア語会話の本を出しまして、二冊目の本がカイロ大学の留学記ということで講談社から出したことがございます。その本のタイトルが「振り袖、ピラミッドを登る」というタイトルでございまして、文字どおりピラミッドに登りまして、日本女子の象徴である着物を着た。そういうことで、着物に対する私の思いはわかっていただければと思っております。 開会式に着るかどうかでございますが、最大の問題は、自分で着れないということでございます。ここが今、着物は本当にすばらしいと思いますが、着ることができないとなればこれはなかなか難しい。多くの女性が着たいけれどもという思いを持っておられると思いますので、この辺のところ、着物産業としても何かいい方法、考えを出していただければというふうに思っています。 ちなみに、長官はきっと羽織はかまが似合うであろうというふうに思っております。
○小林(多)委員 時間が来たようでありますからもう多くを申し上げませんけれども、堺屋大臣とそれから小池百合子いわゆる両美男美女がこれから一生懸命、まだ時間があるわけでございますから、着つけの勉強もひとつしていただいて、そういうことをすることが景気の回復にも大きくつながってくるのではないかな、このように私は思いますので、今、即答は結構でございますから、ぜひひとつその努力をしていただきますように、お二人の晴れ姿を見させていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○河上委員長 次に、青山二三さん。
○青山(二)委員 公明党の青山二三でございます。 昨年、小渕内閣が経済再生内閣として発足いたしました。戦後最悪のマイナス成長の中、日本経済の再生をかけまして努力されました堺屋大臣の御苦労は本当に大変なものと存じます。そして、十月の五日、新たに我が公明党を加えました三党連立政権が誕生いたしまして、引き続き第二次小渕内閣の一員として大臣の立場で御活躍されるわけでございますけれども、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるとともに、二十一世紀の日本経済の発展基盤の構築に全力で取り組んでいただくことを心から期待しております。 そして、まず堺屋大臣に、三党連立政権に対する御感想と、引き続き内閣を担当されるその御決意を伺っておきたいと思います。
○堺屋国務大臣 我が国経済は、一九五〇年代、六〇年代、平均一〇%の高度成長をいたしました。それが、七〇年代になりますと五%になり、八〇年代になると四%で、九〇年代になりましてからは、今日までほぼゼロ、プラスのときとマイナスのときと引きますとほぼゼロ成長というような状態でございます。 これはやはり構造的な問題がございまして、日本は、高度成長の間に規格大量生産の近代工業社会をつくろうとし、これには大変成功いたしました。それで、八〇年代に大変繁栄をしてきたわけでございますが、そのころから、世界の文明の流れは多様な知恵の時代に方向が変わってきた。これに日本は乗りおくれたために、九〇年代になりますと、容易に景気が回復しないという状態になりました。 それで、政府はこれまで総事業費にいたしますと百兆円近い景気対策をやってまいりましたが、目覚ましい効果が上がりませんでした。それは、この構造問題にある。特に金融の面などに大きな変化が生じているにもかかわらず、依然として規格大量生産時代の構造を持っていたということが問題だ。それで、私は経済企画庁長官といたしまして、この景気の回復と構造改革とを並行的に進めていかなければならない、こう考えております。 まず、昨年は、緊急経済対策におきまして景気の回復を中心とした量的拡大を行い、あわせて金融問題の大改革を行いました。それから、雇用の問題あるいは産業の競争力強化の問題等を取り組んでまいりました。今度の国会では、中小企業の問題を初めといたしまして、社会の情報化の観点あるいは技術開発の観点、そういったことを加えて大いに日本を構造改革していきたい。そうした各部門の構造改革が積み重なって、ある時点で日本全体ががらりと変わる、これがもう近づいているんじゃないか、そういう期待を持っている次第でございます。 そういう経済政策の面に関しましてはこの内閣は余り異論がございませんで、きょうも経済対策を非常にスムーズに打ち出すことができたのは、日本にとって大変幸せなことではないかと思っております。
○青山(二)委員 三党連立政権の御感想を。
○堺屋国務大臣 そういう点で、三党の経済政策に大きな違いがない、きょうの経済新生対策もスムーズに決定していただけた、日本の将来にとってありがたいと思っております。
○青山(二)委員 大臣の大変な御決意をお伺いしたわけでございます。 何か答弁を聞いておりますと、本当に明るい、先行きが見えてきたような気持ちはいたしますけれども、しかしながら、やはり一方では、九月の家計調査では消費支出が、実質で前年の九月と比べてみますと二・九%減ということで、三カ月ぶりにマイナスに転じていることや、それから失業率が高い水準にございまして、先行きは決して楽観できる状況にはないと思っております。 そこで、今日の景気の状況をお伺いし、それから、本日閣議決定されました総合経済対策、そういう諸問題につきまして質問をさせていただく予定でございましたけれども、ただいまの委員から同じ質問が出ておりましたので、ここで、通告はいたしておりませんけれども、家計調査でこのようにマイナスになってきたということは、やはり主婦の財布のひもがかたくなってきた、この財布のひもが緩んでくるのはいつごろになるのかということで、政務次官にちょっとお伺いをしておきたいと思います。
○小池政務次官 ただいまの御質問でございますが、本日総合経済対策が示されたのも、消費者がまず将来に対して自信を持っていただく、すなわち不安を取り除くということが財布のひもを緩めることにつながるというふうに考えているわけでございます。 いつかと言われますとなかなかそれはお答えにくうございますけれども、今の景気の現状を考えまして、また世界におきます日本の役割なども考えますと、やはり一刻も早く景気の回復ということを取り戻さなければならない、そのための政策の一環であるというふうにお考えいただければと思っております。
○青山(二)委員 大変ありがとうございました。 それでは、消費者契約法につきましてお伺いをしてまいりたいと思います。 国民生活センターや全国の消費生活センターに寄せられております消費者のトラブルは年々増加いたしておりまして、全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO—NETに集められております相談件数が、一九八九年に約十六万六千件だったものが、昨年度には四十万件にも達しております。これは、既存の法律ではカバーできない新手の商法が次々に登場いたしまして、これまでの個別法では対応できない、限界があるということを示しております。消費者がかかわる幅広い契約に網をかぶせる消費者契約法の制定が急がれているわけでございます。 私は、実は、昨年の五月にこの委員会におきまして、この法律の制定を急ぐべきであるという質問をいたしました。そのときの大臣は尾身大臣でございましたけれども、消費者契約法につきましても、関係方面と調整の上、来年の通常国会への法案提出を目指して努力をしてまいりたい、このような前向きの御答弁をいただいておりました。その御答弁の中の「来年の通常国会」というのがことしの通常国会に当たるわけでございますけれども、しかしながら、現在まで法案の提出に至っておりません。 消費者契約法制定を目標とする本格的な検討会は、PL法すなわち製造物責任法の制定後から始まっていると思いますが、このように我が国の法制定がおくれているのはどのような理由によるものなのか伺いたいと思います。先ほどの大臣の御答弁では、条件が整えば次期国会には提出できるというお話がございましたが、条件が整えばという、今整わないというのはどういうことなのかもお聞きしておきたいわけでございます。消費者が待ち望んでいるこの消費者契約法の提出への取り組みや、また具体的なスケジュール等についてもあわせてお尋ねをいたします。
○堺屋国務大臣 委員御指摘のように、苦情相談を国民生活センターで受けている量がかなり大きくなりまして、平成十年度には四十万八千件近いものが来ております。そのうちの八〇%が販売方法、契約、解約に関するものが多いわけでございますが、これまたいろいろと新しい業種が出てまいります。住宅の問題もありますれば、サービスあるいは英会話とかエステとかいろいろなものが出てまいりまして、なかなか追いつかないようなあんばいでございます。そういう意味で、消費者契約法のような全体の民法の特例法をつくるということの必要性は高まっていると考えております。 本年の一月に国民生活審議会の消費者政策部会の報告がございまして、消費者契約法は広範な業種、業態を対象としているものとして考えられておりますが、取引の実態やトラブルの実態を踏まえて、法的措置としてふさわしいものを採用することが適当だという答申をいただきました。また、公正で予見可能性の高いルールを定めるという観点から今後さらに議論をしなければならないということも指摘されております。この公正で予見可能性の高いルールというところが一つの問題点でございます。 こうした指摘を受けまして、現在、国民生活審議会の消費者契約法検討委員会というものを設けまして、そこで精力的に議論を行っておりまして、ことしじゅうには消費者政策部会に報告を取りまとめられる予定でございます。 そういう状況を考えまして、この問題、できるだけ条件が整いますれば提出したいと思っております。その条件の中にいろいろな業態を予見可能性の高い状況でどういうぐあいに法文化していくかという問題が、初めてのことで非常に困難な面がございまして、今、関係方面といろいろと協議していかなければならない、こう考えている次第でございます。
○青山(二)委員 いろいろ条件が整わないという中には、産業界に強い抵抗があるというようなことも漏れ伺っておりますけれども、その辺のお話もお聞きしておきたいと思います。 そして、ただいま大臣が御答弁されましたように、ことしの一月に「消費者契約法の制定に向けて」というその最終報告が取りまとめられておりまして、また、去る九月の二十七日には消費者契約法の具体的な内容についてということもちゃんと出されているわけでございますので、本当に一日も早い法制定をお願いしたいと思っております。 先進国を見てみますと、消費者契約法に関する包括的なルールが確立されていないのは日本だけでございまして、これは決して誇れることではないと思っております。このように法の制定がおくれたからには、先進諸国に劣らない、またそれ以上のすぐれた立法を目指すべきであると考えております。そして、何といってもその精神と理念とが大事でございまして、おくれた分だけよくできていると評価される、そのような消費者契約法にすべきであると考えております。 そこで、大臣に、期待できる消費者契約法のあるべき姿につきましてどのようにお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○堺屋国務大臣 消費者契約法の精神といいますか基本理念といたしまして、まず、近年、高齢化、グローバル化、サービス化など、経済の変化が急速に進展しておりまして、市場メカニズムを活用する観点から広範な分野で規制緩和が行われる。そうなってまいりますと、行政の基本が事前チェックという方向から事後チェックの方向に変わってまいります。市場ルールの整備がそこで必要になってくるというのが基本的な発想でございます。 この消費者契約の分野において規制緩和、規制撤廃が進展するに伴いまして、消費者がみずから選択をしなきゃいけない、積極的に選択をしなきゃいけないということが求められるわけでございますが、その際、消費者に十分な情報が与えられているかどうか、これがまず第一でございます。 そしてまた、その消費者が、情報があっても十分な交渉力が発揮できるか。面と向かうと、消費者の方は素人でございますから、何となく気押されるとかいうような形で交渉力が発揮されない、そういうようなことがございまして、トラブルが多発する場合がございます。 こうした中で、消費者、事業者双方が自己責任を持って行動できるような環境を整えなきゃいけない。これは業種あるいは取引形態等で広く違いまして、どのようなものを想定するか、非常にそれぞれのところからいろいろな問題点が指摘されております。特に問題の難しいのは、いわゆる士族と言われる資格のはっきりしているものですね。これはそれぞれの業法がございまして、なかなかこういう一般的なルールになじむかどうかというような疑念がございます。 それから、予見可能性が高い民事ルールにしなきゃいけないという点も重要でございます。そういう意味で申しますと、不実を告げること、あるいは将来の見込みについて断定的な判断を出すこと、あるいは告知した内容に密接に関係する消費者の不利益を隠ぺいしていること、こういうことは非常に予見可能性が高いんじゃないか。 そういうことは詰まっておりますが、それが各業種、各場に当たりましてどう適用していくのかということになると、なかなか難しい問題がございます。その辺を我々といたしましても今一生懸命勉強しているところでございます。
○青山(二)委員 大変難しいというお話もございましたけれども、この契約をめぐるトラブルは本当に年々ふえ続けておりまして、全国の消費者センターには三十万件以上もそういうトラブルが寄せられているということを聞いております。過去の消費者被害を見てみますと、トラブルが発生しなければ行政も救済に動かない、そういう実態がございまして、これまでの訪問販売法等の個別業法では限界があるわけでございます。適正な内容の契約がきちんとした手続で結ばれるために、消費者契約法を、後手に回りやすい行政を転換するような画期的な法律にすべきであると考えております。 どこまでも消費者重視の姿勢を貫けるかどうかが重要でございまして、先ほど質問いたしました産業界の強い圧力があったのではないか、こんな疑問も持ったわけでございまして、その辺の御答弁が先ほどちょっとございませんでしたので、またつけ加えて次のお答えのときにいただきたいと思っております。 今回の消費者契約法の具体的な内容を見てみますと、消費者が事業者と結ぶすべての契約が対象で、例外業種を設けていないこと、それから、結び方が不適切な契約は取り消すことができるというようなことは大変評価ができると思っております。 ここで重要なことは、先ほど御答弁にもございましたけれども、消費者と事業者が、情報や競争力の面で格差があるということでございまして、その格差を少しでも縮めるために、消費者に契約をするときに適正な情報を提供することであると思っております。消費者は情報によって判断をして選択をして意思を決定する、そういうために、事業者からの情報の提供が前提でなければ、消費者主体の選択は保障されないことになるわけでございまして、ここで一番重要な事業者側の情報提供の義務という点については、これはきちっと明記すべきであるし、消費者団体の皆様も特にここを強調しておられますので、この点はいかがでございましょうか。
○堺屋国務大臣 先ほど国際的な比較の問題もございましたが、不当条項というものにつきましては、EUで九三年委員会通達で、指令で非常に完備したものがございますが、契約締結過程については、今私たちが検討している日本のものは世界に冠たる条項にしたい、こう思っております。 今、産業界の問題もございましたが、その中でも、それぞれに業法を持っている業界、例えば不動産業界には現在既に現行法がございますし、医師会にもそういうものがございます。それから、金融法についても、流れましたけれども検討がされておる。そういうものとの関係もございまして、各業界ということだけではなしに、そういう他の法律との関係の詰めもございます。 委員御指摘の中で、特に情報の問題でございますが、先ほども申しましたように、この点は最も重要なポイントだと心得ております。 大体自由競争というのは、製造業者の方、供給者、売り手の方が玄人でございますから、情報公開が完全でないとうまくいきません。そういう意味で、不実、うそですね、不実を告げること、それから、将来この株が上がりますとかこの家がどうなりますとかいう、確実でないことを断定的に必ずこうなりますよと言うこの問題ですね、これを排除する。それから、告知した事実、いいことだけ言って悪いことを隠している。これは大いに上がりますよと言いながら、下がるかもしれないという条件は隠している。こんなことはよくあるわけでございまして、そういうことはしてはならない。こういう不利益な部分を隠ぺいすることはいけない。 こういう業者の行為によって消費者が誤認したというようなとき、これはやはり情報も不十分だったということで、契約解除なりの対象になるような仕組みをつくりたい、こう考えております。
○青山(二)委員 いろいろと御答弁いただきましたけれども、ともかく、この消費者の被害を見ますと、一日も早く消費者契約法を制定しなければならないし、制定すべきであると思っております。堺屋大臣の強力なリーダーシップで、何としても大臣の在任中に消費者契約法を立法化して、そして消費者の権利実現のために頑張っていただきたい。この前の大臣のときにもそのようにお願いしましたけれども、無理でございました。今回は絶対間違いないというその御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 委員の御意見に沿えるようにいろいろと検討したい、できるだけ条件を早急に整えるように努力したいと考えております。
○青山(二)委員 大変ありがとうございました。
○河上委員長 次に、松浪健四郎君。
○松浪委員 おはようございます。自由党の松浪健四郎でございます。 さきの青山二三委員から消費者契約法について御質問がありました。関連してこの問題についてお尋ねをしたいと思います。 国民生活センター等に大変な苦情が寄せられている、こういうお話がございました。その数は大変なものでございます。しかしながら、そのトラブルの実態というものを本当に私たちが掌握しているのかどうか。そして、なぜ消費者契約法の成立を急がなければならないのか。私は、まず、実態というものを聞いていただいて、御理解を賜りたい、こういうふうに思うわけであります。 私たちは、子供のとき、キャラメルを買うときに、おまけのついているキャラメルを買いました。キャラメルが欲しい、しかし、おまけがついているから余計欲しい。これは子供心の共通した心理ではなかろうか、こういうふうに思うわけでありますが、今日、キャッチセールスはだんだんたちが悪くなってまいりました。売りたいもの、高価なものを隠して、まずそのおまけを未成年者や学生たちに見せかけとして呼び込む、そして最終的には隠している高価な商品を売りつける、こういうやり方が非常に横行しております。 例えば、未成年者や学生たちに対して、この会員権を買えば旅行やホテル代が安くなる、あるいは海外製品も安くなる、そして特典としてこういうものを安く買うことができるというふうな話で、まず会員権を買わそうとするわけであります。 ところが、高価ですから、これは高いから嫌だと言いますと、いや、きょう加入すれば入会金がただになる、そこで、判こがなくても拇印でもいいからどうだということで捺印をするわけであります。そして、こういう特権がある、こういう特権があるということで、後日その会社に行きまして、クレジットの申し込みをするということになります。 ところが、額が大きいのでおののくわけですが、そのときに会社側は、いや、四カ月間うちでただで出してやるから、後は続けて払いなさいということになりまして、結局、商品の、例えば高いコンピューターソフト、これらを買わそうとするわけであります。 そして、三カ月間、四カ月間ただだからと思っているとそのうちに、支払えということになってまいります。そこで、親に相談をしますと、解約しなさい。ところが、解約ができないようになっている。じゃ、解約をするのならば、会社側が立てかえた三カ月分、四カ月分を払ってくれということになり、送られてきた商品をそのまま返して、結局、立てかえたという分を払わなければならなくなる。これがおおむね未成年者や学生たちにおけるトラブルの実態である、こういうふうに思います。 そこで、このような商いが横行している、非常にたちが悪くなってきている。これは、日本社会にありまして、私は大変な危機感を持つわけですけれども、このようなビジネスについて、また企業とクレジット会社がぐるになっている、このような商いについて、まず、小池政務次官はどのような印象を持たれるかということをお尋ね申し上げたいと思います。
○小池政務次官 私もかつて、今もそうですね、商工委員のメンバーといたしまして、いろいろこういった消費者関係のトラブルの問題なども審議をしてまいりました。そういったことであるとか、実際に私自身が町を歩き、私自身はキャッチセールスそのものに対応したことはないのでございますが、先ほど来、国民生活センターの方にも四十万近い数の苦情、そして相談が寄せられているということでございまして、最近の手口の巧妙さ、あくどさというのがさらに進んできているなという印象を持っているところでございます。 こうした問題の対処策でございますけれども、まずはやはり消費者側が毅然とした態度をとるということは言うまでもない。また、ノーと言う勇気を持つということも言うまでもないというふうに思います。 しかしながら、一方、相手はプロでございまして、いつも新しい人がそこでひっかかるというケースになってまいりますので、ですから、その意味で、消費者側の方の努力にも限界があるということも認めざるを得ないと思います。 それから、先ほどの立てかえというようなキャッチセールスでございますけれども、本当にこれは、本人が気がつかないままに、いつの間にか高額なものを契約させられているというようなケースも数が多く寄せられているということで聞いております。委員の方も大変御支援いただいております消費者契約法につきましても、そういった意味でも早期に成立させなければならないというふうに思っております。
○松浪委員 そこで、大臣も青山委員の質問に対してお答えになられておりましたけれども、とにかく情報を提供するということ、わかりやすい言葉で提供する、そういう消費者契約法でなければいけない。 それから、約款等については、例えば保険なんかでは、目で商品を見ることができませんから、平易な文章のものにする、そして契約者が理解できるようにしなきゃならないというお話がございましたけれども、もう一つ私は欠落しているような気がいたしまして、一つは、トラブったときのリスクは契約書をつくった側が負うべきだ。消費者が有利になるような形の契約法でなければ、消費者を保護することにはならないのではないのか。これをどうしても三本目の柱としてつけ加えていただきたいということをお願いしたいのでございます。
○堺屋国務大臣 御指摘のとおりでございまして、消費者有利原則というようなものをつくらなければ、消費者の方は個々でございますから、訴訟その他のときに、費用負担あるいは立証責任というのは大変難しくなります。そういうようなことも、どの範囲でどういうぐあいにつくっていくか、これも検討したいと思っておりますが、原則として、委員御指摘のように、消費者有利原則というものは取り入れていくべきだと考えております。
○松浪委員 どうもありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わります。
○河上委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○河上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石毛えい子さん。
○石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。 きょうは、消費者問題特別委員会、この臨時国会初めてでございます。 まず最初に、質問通告をしておりませんけれども、これは当然お答えいただける問題でございますので、長官に藤波孝生議員の辞職の問題について御見解をお伺いしたいと存じます。 昨日のクエスチョンタイムで小渕総理は、藤波議員御自身のお考えにお任せするというような御回答を、我が党の鳩山代表の質問に対してお答えになっておられましたけれども、長官はこの件に関しましてどのような御見解をお持ちでしょうか、お尋ねいたします。
○堺屋国務大臣 私のように選挙をやったことのない者にとって大変難しい御質問でございますが、現在、日本では公職選挙法等で大変厳しいルールがつくられておりますが、藤波議員の場合は、そのルールがつくられる前の出来事であったということで、その適用がないと承知しております。 私は、いわゆる投票制民主主義というのは、各地域の選挙民がその多数の意見によって代表を持つということが定められたものだと思っております。したがって、その地域の、その選挙区の選挙民の方々の意向が非常に重要だと考えます。 したがいまして、藤波議員の場合にも、その選挙区の意向、そして客観情勢等を考えて、賢明な選択をしていただけるものだと期待しております。
○石毛委員 今の最後の長官のお言葉、賢明な選択という表現の中にどういう意味内容が含意されているのかというのは、大変私も気持ちを引かれるところでございますけれども、私自身は、今長官がお述べになられましたように、選挙を通して政治家のポジションを得たというお立場ではない、それだけに市井の、長官は大変な作家でいらっしゃいますし、多くの市民、たくさんの方々に触れられておられまして、そういうお気持ちを酌み取る、そういう場で長年お仕事をされていらしたと存じ上げます。 そういう点でいきますと、むしろ、政治家としての判断、あるいは立法上、今、それが過去にさかのぼってどういう判断をするか、立法上の判断はどうかというようなこととは別に、個人のお立場でのお気持ち、お考えを披瀝していただけるものと私は期待を申し上げておりました。必ずしも、現内閣、閣僚の皆様が全員一致して、政策あるいは方針に同じ方向性をお持ちであるということではないということは、介護保険の議論を初め、さまざまな場面であらわれているわけでございますから、とりわけこの件に関しましては、これまでの御経験からして、もう少し率直な個人のお立場のお気持ちも披瀝いただけるかと存じましたけれども、選挙民の選択にゆだねるという御回答をいただきましたということで、次の質問に移らせていただきます。 長官の最初のごあいさつにもございましたし、それから午前中には青山委員ほか、消費者契約法について随分触れられておりました。私も、中身には入りませんけれども、この消費者契約法、いつごろ具体的に、冒頭の長官の御答弁では、条件が整えば次の通常国会でということで、ことしじゅうには消費者政策部会で取りまとめをして、それからというような御答弁をいただいたと思いますけれども、ことしじゅうに取りまとめをされるとしますと、次の通常国会のいつごろ、通常国会は随分会期は幅がございますので、最初なのか、中ごろなのか、終わりごろなのかというのはいろいろな意味で雲泥の差があることだと思いますので、そのあたりをもうちょっと明確にしていただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 消費者契約法につきましては、本年一月に国民生活審議会の消費者契約法検討委員会の、またその消費者政策部会で報告をつくったところでございまして、消費者契約法の具体的な内容につきまして、取引の実態、実はここが一番問題でございまして、業者とか産業界とかいうことよりも、取引の実態あるいはトラブルの実態というようなものがどんどんと新しいものが出ておりまして、これをどう見るか、そして、公正な、予見性の高いルールを策定するというような観点から具体的な検討をしております。 これが、もしことしじゅうに審議会の報告が得られましたとすれば、それを法文化いたしまして、三月ごろにはできるんじゃないか。前提といたしまして、審議会の報告がうまく取りまとまるというようなことも条件としてございますけれども、それができますれば三月ごろにはお出しさせていただきたいと考えている次第でございます。
○石毛委員 きのうの厚生委員会で、たしか丹羽厚生大臣が、介護保険にかかわりまして、今世紀最大の事業、そういうお言葉を述べられたというふうに記憶をしておりますけれども、御存じのように、来年四月に介護保険がスタートいたします。 長官、先ほどの青山委員が消費者契約法のあるべき姿はというふうな御質問をされましたときに、高齢化、グローバル化、サービス化という表現をなさいました。高齢化、サービス化、まさに介護保険法の内容に一〇〇%重なり合う、そういう内容としてスタートをするわけでございます。それが四月ということでございます。 三月提案されまして、それがうまくいけばということでございますけれども、一方、ぜひ長官にお知りいただきたい、もう御存じでいらっしゃるかとも思いますけれども、国民生活センターから「介護サービスと消費者契約」、こういう大変立派な報告書が出されております。現状で、もう今介護保険はスタートする、それから消費者契約法も大きな国民の関心事になっている、こういう時期に事業者の方に調査をさせていただいた内容とすれば、消費者の権利を認識した契約書というのは皆無であった、それから、重要事項と呼べるものを作成しているというところもなかったという、これが、今までの措置行政としまして、福祉サービス、介護サービスが実施されてきましたこの国の実情なんだというふうに思います。 ですから、これから、福祉も含めまして大きく生活は契約の社会に入っていくわけでございますけれども、実態としてはこういうところだ。それが来年の四月にスタートをするということなのでございます。 三月提案、提出、すぐ審議にかかって可決ということはないと思いますので、実際上、長官のお述べになられました高齢化あるいはサービス化ということに間に合わないのではないか、そういう懸念を持つものでございますけれども、もう一度、これは、実務的なプログラムとしましては、経済企画庁で実務を担当しておられますところからの御回答かと思いますけれども、この件に関しまして長官の御認識をお伺いさせていただければと思います。
○堺屋国務大臣 介護保険の実施までに消費者契約法がなければならないかどうかということになりますと、これは大変難しい問題で、取引実態が全く想像の間でやらなければいかぬということになります。それと、やはり予算審議等がございますから、仮に冒頭に出させていただいたとしても、果たして四月までに審議ができるかどうか大変疑問でございます。それよりは、国民審議会ではっきりと答申をいただきますれば、それを立派な内容のものにしたいと思っております。 先ほど松浪議員の質問に答えまして、消費者有利原則というのも申し上げましたけれども、これ一つ取り上げましても、先ほどどの範囲でと申しましたが、それが一般的なルールとして適用できるのか、特定の場合、約款作成者義務というので合理的判断の範囲に適用するのか、あるいは有利原則だから合理的判断を超えてもいいのかというようなところにも議論がございます。 いろいろなところで議論がございまして、審議会の答申がどういう形で出てくるかもまだわかりません。それを急いで法制化いたしまして条文化いたしましても、三月ぐらいというのがぎりぎりのところかと。それで、国会で御審議いただきまして、介護保険法というのはずっと続くわけでございますから、最初から適用しなければいかぬというものでもないし、また、保険が実施されましてから考えていかなければいかぬ問題もいろいろと出てくると思います。その点は、事前に、介護保険が始まる前にということが必須条件だとは考えておりません。
○石毛委員 必須条件だとは考えておられないという御答弁を確認させていただいて、私どもといいますか、多くの高齢者の方あるいは関係者の方は、できるだけ早くそれに基づいて契約を結べるようになった方が途中のトラブルも防ぐことができるという面も多々あるわけですから、大いに期待をしているということを申し上げたいと思います。 それでは、きょうは、容器包装リサイクル法に関連して質問を申し上げたいという通告をいたしました。通商産業政務次官においでいただいていますので、質問をさせていただきたいと思います。 この法律に関しまして、これは十一月一日の朝日新聞の報道でございますけれども、回収PETボトル引き取り限界、行き場なく自治体悲鳴、こういう新聞報道がなされております。 時間の関係もありますので、細かい内容に触れることは省略いたしますけれども、回収したPETボトルについて、再商品化について事業者が責任を持ちリサイクルを推進するという法律の目的がございます。今、回収したPETボトルを、自治体とそれから容器包装リサイクル法に基づいて制定されました日本容器包装リサイクル協会との間で契約を結んで、契約を結んだ分しかその年には引き取らないということで、契約を結んだ分を超えてたくさんのPETボトルが回収されている。それが自治体の方では処理に困っていて、例えばごみとして燃して、ダイオキシンの問題の不安というようなことも場合によってはありましょうし、それから、PETボトルを圧縮するということに関連して有害物質が排出されているのではないかというような消費者の方の不安もございます。 いずれにしましても、自治体が契約を超えて大幅な回収分を翌年度分に回さなければならないということは、これは事業者が責任を持ってリサイクルを推進するとした法律の目的にも必ずしも当てはまらないのではないか。そこで、計画オーバー分についても協会あるいは推進協議会等が引き取るというような体制、再商品化義務を果たすように、そうした指導を国がすべきではないかという私の考え、そうした質問を申し上げたいと思いますが、御見解はいかがでございましょうか。
○茂木政務次官 石毛委員よりPETボトルのリサイクルにつきまして御質問いただいておりますが、この法律が施行されまして、市町村の方で分別収集の機運が高まっているのは、基本的に私はいいことなのだと考えております。平成十一年度のPETボトルの分別収集は、当初の市町村の計画量を大体二〇%から三〇%上回るペースで進んでいるところであります。そこで、委員からも御指摘ございましたが、日本容器包装リサイクル協会におきましては、当初の引き受け計画を上回る取引を行うべく懸命の努力を今いたしているところでございます。 しかしながら、一部の市町村では、当初の計画の二倍以上といった大幅な見込みのずれを生じておりますため、協会におきましても、このような市町村と個別に今協議をいたしながら、処理能力との関係におきまして年度途中で引き取りを中止せざるを得なくなった、こういう例も九例あると承知をいたしております。 容器包装リサイクル法におきましては、こういった事態が生じた場合は、御指摘のとおり、一時的に保管していただいた上で翌年度にリサイクルを行うこととなっているところであります。今年度につきましては、一部でこういった取り扱いを行わざるを得ない、こういうことになっていると承知をいたしております。このシステムの中で、やはりリサイクル施設の整備の促進を年々進めているわけでありますが、それを一層進めていくということが重要だ、このように認識をいたしております。
○石毛委員 そうしますと、今の御答弁では、計画分は翌年に繰り越すという今のシステムは、当年度中に懸命の努力はするとしても、翌年度分に繰り越してもそれはそれでいたし方ない、それよりは処分といいますか、リサイクルの集積をしていく場を拡大していくという努力をすることの方が重要だ、そういう御答弁だというふうに確認させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
○茂木政務次官 計画量につきまして、それをしゃくし定規にそれだけしか受け取りませんということでなくて、協会としても上回る分についてもできる限り引き受けをしていただきたい。ただ、処理能力の限界が確かにございますので、どうしてもこちらを上げない限りは、現段階では最終的に計画を上回ってたものをすべて引き受けることができない、こういう状況だと認識をいたしております。
○石毛委員 そういたしますと、今、消費者、市民生活の中ではごみの分別というのはかなりの意識が進んでおりますから、PETボトルが環境ホルモンの問題とも密接に、PETボトルだけではございませんけれども、塩化ビニールほかの製品が環境ホルモンと密接に関連しているということの認識からすればますます分別収集は進んでいくというふうに思います。そうしますと、分別収集が進めば進むほど回収したPETボトル等は自治体でストックしなければならないということになってくるわけでございます。 そうしますと、その費用の問題でございますけれども、これは自治体にますます大きな経済的な負担を課していくということにならざるを得ない、そういう帰結になると思います。 私はデータをいただきましたのですけれども、例えば、一九八八年の全国自治体のごみ処理費用は国民一人当たり年間九千四百円、九三年には一万八千三百円になっていて、五年間の間に八千九百円のごみ処理費用の増加になっている。これは、ごみの量がふえたのではなくて、リサイクル等々の促進によりその回収が進んだことによる、月額に直すと平均八百円の負担になる。 容器包装リサイクル法は自治体回収を前提にしておりまして、今申し上げました金額は、例えば瓶ですとかそういうようなもので、二〇〇〇年の四月からはその他プラスチック、その他の紙というのが新しく加わってこのリサイクル法が推進されていくことになるわけですが、今申し上げました九三年の結果、ちょっと古いですけれども、一万八千三百円になっているというような、そのことを踏まえまして、来年四月からその他プラスチック、その他紙がリサイクル回収の対象になっていきますと、どれぐらい自治体では負担増になるかというような、そういう計算、試算を国はしておりますでしょうか。
○茂木政務次官 試算の数字、今は持っておりませんので、後で調べまして御報告いたしたいと思うのですが、二点、御質問に関しまして、国としてといいますか、協会としても処理能力を年々上げているということをぜひ御理解いただきたい。 平成八年の段階は、全く処理能力はございませんでした。これが平成九年度に一万四千十四トン、平成十年度に三万五千六百六十四トン、平成十一年度で四万九千六百二十トン。そしてこれを五万七千トンぐらいまで持っていきたい、こういうことで、単に分別によりましてPETボトルがたくさん出てきて恒常的に市町村に保管の負担が出るというよりも、処理能力の方もこれから大幅に上げていきたいと考えております。 同時に、市町村の負担ということでいいますと、確かに分別に伴いますコストはあるわけでありますが、一方で、リサイクルをすることによりまして市町村としてのごみの処理のコストは下がっていく、このことも御理解いただきたいと思います。
○石毛委員 もう質問時間がなくなってしまって大変残念なのですけれども、今の政務次官の御発言で、市町村においてごみの処理費用が下がっていくというふうにおっしゃられましたでしょうか。ちょっとその点の御確認をお願いしたいと思います。
○茂木政務次官 全体として、PETボトル等々も含めたものでいいますと、ごみとして市町村で処理をするもの、それからリサイクルに回せるもの、このリサイクルの部分というのは、御案内のとおり費用が事業者負担、こういうことになっておりますので、全体の処理ということを考えると費用が下がっていく、その分ということであります。
○石毛委員 わかりました。 では、そこで次に、短い時間で恐縮でございますけれども、今の容器包装リサイクル法では、リサイクルにかかる費用のうち、回収、分別、保管、すべてこれは自治体の負担になっているということでございますね。つまり、税金によって賄われているということでございます。 そこで、これからプラスチックについては回収が新しく始まっていくということに四月以降なるわけですけれども、今ざっと、例えばある自治体のモデル事業で計算されましたその費用ですが、PETボトルに関して申し上げますと、一本回収に二十円程度の費用がかかっている、自治体の方では。再商品化の義務を負っている事業者の負担は、PETボトル一本当たりで、中身メーカー〇・四九円、容器メーカー〇・〇七円ということで、〇・五六円。〇・五六円と自治体負担の二十円というのを比べますと、実に三十倍からそれより強の負担が自治体の方に負わされているというか負っている、そういう現実がございます。 つまり、自治体がリサイクルに多大な税金を注ぎ込んでPETボトルほかの回収を進めて、その処理能力は業界は上がっているのかもしれませんけれども、業界の処理能力が上がれば上がるほどPETボトル等の回収にかかる自治体の費用、税投入が膨らんでいく、こういう構造になっているわけでございます。このことをどのようにお受けとめになられますでしょうか。
○茂木政務次官 今、一自治体の例として、委員の方から、一本当たりの回収コストが二十円、それから事業者の方が〇・四九円、〇・〇七円という御指摘がありました。 ちょっとその中身の数字、初めてお聞きしましたので、それがどこまでの正しさかわかりませんが、もう一つ、回収に関しまして、分別回収を行っているためにこれだけのコストになっているのか、それとも普通の回収でもある程度のものがあるのか、こういうことも含めて判断をすべき問題かな、このように考えております。
○石毛委員 時間が終了いたしまして、わざわざおいでいただきながら大変恐縮でございますけれども。 やはりこのリサイクルということについては、拡大生産に対する責任と申しましょうか、そのあたりをもっと事業者の方に受けとめていただくという方向性を検討しなければ、今リサイクル、国民の認識が高まっておりますときに税の投入をふやしていくことになりかねない。そういう問題点を指摘させていただきまして、ぜひここを通産省とされましても御検討いただくよう要請いたしまして、時間が過ぎてしまいましたので私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○河上委員長 次に、枝野幸男君。
○枝野委員 私、個人的には余り好きでも得意でもないのですが、党としてのチームプレーでありますので、ちょっと大臣に政治姿勢についてお尋ねをさせていただきます。 十一月九日の商工委員会で我が党の渋谷修議員の質問にお答えをいただきまして、岩瀬達哉さんという方の書かれた「われ万死に値す ドキュメント 竹下登」という本の中に引用されております堺屋長官がお書きになったという手紙の中身、その中に、皇民党事件のことを言っているんでしょうが、「実体不明の事件や事実無根の疑惑を並べる興味本位の報道」が行われているということをお書きになっています。 これは、具体的にはどういったことを指してこういったことを指摘されたのか、お書きになったのか、お答えいただければと思います。
○堺屋国務大臣 その出典になっております書物でございますけれども、私の書いたのは私信、個人的な手紙でございまして、写しも何もございません。したがって、それが事実かどうかわかりませんが、そういう趣旨のことを書いたのは事実でございます。 私は、もともと不当と思われるようなやり方、例えば街宣車を連ねるとか怪文書を流すとかいうようなことでいろいろと企業にも個人にも圧力を加える、そういうようなことが存在するのは大変社会としてよろしくないと思っております。したがって、その件に限らず、そういうような場合があったときに、経営者あるいは評論家の方々に断固闘うように激励の手紙を何回か書きました。そのうちの一つでございます。 したがいまして、私はあのとき、皇民党といったのでしょうけれども、たくさん街宣車を連ねて、余り一般的な政治論争ではないような話で、いわゆる褒め殺しと言われたことでございますが、そういうようなことがあるのはけしからぬと思いましたので、激励の手紙を書いたということでございます。
○枝野委員 若干誤解があるようでございますが、大臣がこの手紙を出された時期というのは、九三年の第四十回総選挙の時期であります。皇民党事件で、竹下元総理に対して、暴力団なのか右翼なのかと思われる団体が褒め殺しを行っていたのはそのずっと何年も前でありまして、この九三年、長官が手紙をお出しになった時期というのは、あの街宣車でわんわん騒いでいたのがとまったときに、いろいろと、裏でお金が動いたんじゃないかとかそういったことがこのときに報道されていたという時期であって、この時期は街宣車ががんがんがなっていた時期じゃないんですね。そうすると、どういうことになるんでしょう。
○堺屋国務大臣 いつだったか、手紙を書いた時期は記憶はありませんし、書いた人にも会ったことがございませんから、その人が私の手紙の日付を正確に知っておられたのかどうか、もし委員が御存じでございましたらぜひ教えていただきたいと思うんですけれども、ちょっとよくわかりません。 私は、私の認識としては、手紙を書いたのは、街宣車とどれぐらい離れていたかはちょっと記憶はありませんが、選挙と関係があったという記憶はないんですけれども、もし何か確証がございましたら、ぜひ、将来自分の記録を書くときにも使いたいと思いますので、恐れ入りますが、見せていただければありがたいと思います。
○枝野委員 御存じかどうか知りませんけれども、この「われ万死に値す」という本は今相当売れているそうなんですよ。その中に、大臣のお書きになった手紙だということで、こうやって堂々と掲載されているわけですよ。 もしこれが大臣の書かれたものとは違う、記憶と違う、こんな趣旨のこととは違うということであるならば、これは何らかの対応を当然なされなければ、特に、今公人という立場におられるわけですから、公人としての立場におられる大臣が、事実と違うようなことを堂々と出版され、それもアングラ的な出版ではなくて、堂々と本屋で売られて相当売れている本の中に書いてあるということであるのですから、もし違うというのであれば、それなりの対応をされるのが公人としての責任であるし、そうでないならば、逆にこれをお認めになっているというふうに世間から思われても仕方がない、私はこう思いますが、どうですか。
○堺屋国務大臣 その時期は私は単なるちまたの物書きでございまして、その時期のことでございますから、今とりたてて云々という気もありません。 それから、もし仰せのようでございますれば、世の中いっぱいそういうことが生じて、その出版がどの程度の権威か、どの程度に受けとめられているか、これは雑誌でも何でもそうでございますけれども、そういうことを勘案して行動するのがいわゆる世間の常識というもので、少しでも自分の記憶あるいは記録と違えばすぐ法的手続をとるというのはいかがなものか、日本社会では余りそういうのはやっていないんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょう。
○枝野委員 いいですか、この手紙を書いたことがいいとか悪いとか、私は全く申し上げていませんよ。この手紙を書いたときは当然私人であったとしても、これは政治的なお考え方とかそういったことにかかわる話を書かれているわけですよ。今は公人の立場であるわけです。少なくとも、今大臣が公人として、自分の考え、自分のこれまでの過去の言動と違うことを堂々と報道されているということに対しては、そうであるならばそうであるという前提に物事を考えていかなきゃならないし、違うなら違うということで対応していただかなきゃならない。 つまり、大臣が、かつて私人であったけれども、九三年当時に、皇民党事件などに関して、「実体不明の事件や事実無根の疑惑を並べる興味本位の報道」というふうにこの国の報道に対して認識をお持ちになっていた方が今大臣をされているのかどうかということが問題なわけですから、これをお認めになるのかならないのか。九三年当時、大臣は、この皇民党事件に関する報道について、興味本位の報道が行われているという認識をお持ちになっていたのかいなかったのか。
○堺屋国務大臣 この国の報道にもいろいろな種類がございまして、どこまで報道と言うかによりますけれども、興味本位の報道をしているのもないとは言えないと考えております。
○枝野委員 そこで、この本に掲載されている、大臣が当時お書きになったとされている手紙の引用の中のその次のところには、こういうことが書いてあるのです。「政見の共有も政策の共通性もない小政党の野合が企てられています。」ということを大臣が当時お書きになったというふうにされています。こういったことを認識されていた、あるいは書かれたというような御記憶はございますか。
○堺屋国務大臣 その手紙に書いたかどうかは別として、ある時期そういうふうな認識を持ったことがあるのは事実でございます。
○枝野委員 この場合の小政党というのはどの政党を指してお考えになっていらしたのでしょうか。
○堺屋国務大臣 もう既になくなった政党もございますので、固有名詞を挙げることはできませんが、幾つかそういう政党ができて、また消えたと思っております。
○枝野委員 まさに九三年当時の総選挙の時期ということで考えますと、当時の小政党と言われまして消えていったということを言われますと、私も属しておりましたし、お隣の、あなたを支える立場の政務次官も所属をしていた政党などが含まれるのかなというふうに思ったんですが、いかがなんですか。
○堺屋国務大臣 それはどうですかね。恐らく今言われたのは日本新党ですか。(枝野委員「はい」と呼ぶ)日本新党は、当時総理まで出しておったわけですから、その連立の中であれですが、その前にも新自由クラブというのもあったことがありますし、いろいろございますね。だから、政策が一致してなくても政権に参加したというのは、事例としては幾つかあったと思いますね。
○枝野委員 いいですか、少なくともこの本によると、これは細川連立政権ができる直前の段階での手紙というふうにこの本ではされておりますが、しかも、野合が企てられているということであって、野合ができ上がっているという言い方ではありませんので。 では、こういうふうな尋ね方をしましょうか。 政見の共有も政策の共通性もないというのは、大体どういったところを基準にして判断をされたのか。つまり、野合か野合でないかというのは何が基準になるというふうにお考えになって、これはこの引用した文章だけではなくて、今大臣御自身がそういった認識を持ったこともあるとお話しになったわけですから、野合というのは、野合になるのかならないのかは何が基準になるのでしょう。
○堺屋国務大臣 まず、国家基本方針、特に当時でございますと、まだ社会主義的な思想が濃厚にございました。社会主義と、自由主義といいますか、資本主義といいますか、これはやはり基本的に違うものだと思います。 その中で、当時どういう組み合わせか、それはまだ選挙の前だったらわかりませんが、いろいろな組み合わせがうわさされました。そういう中には、明らかに社会主義を志向した人々を含む、自由主義、資本主義との話も出ておりました。私はちょっと記憶がよくありませんが、選挙の前であったとすれば、その当時、週刊誌その他に出ておりました組み合わせは実に多様でございまして、その中には、今日考えても、やはり国家基本方針について非常にかけ離れた話が出ていたと記憶しております。
○枝野委員 資本主義か社会主義か、その違いさえ一致していれば、つまり資本主義をベースにする政党間であるならば、政策が大分違っていても野合にならないという理解でよろしいでしょうか。
○堺屋国務大臣 それはそうとは限りませんけれども、委員が今どういうのが野合か代表例を挙げろとおっしゃったから、代表例を挙げたらこういうものだ、こう申し上げたので、では、資本主義だったら全部どうでもいいんだということになりますと、個々の問題についてどの程度違うのか、あるいは違いながらも妥協できるのか、そういう点があると思います。 例えば、脳死の問題なんかのときは各党みんな違う意見の人がいたんですよ。それでも妥協して、政策として、政権としては一致していればいい。だから、どの点ということになりますと、はるか昔のそういう例を挙げて言われても返答に窮します。
○枝野委員 それでは、今の日本社会にとって大きな課題である高齢者の介護の問題について、これを税金で賄うべきと考えるのか、保険という方式で考えるべきと考えるのか、この違いというのは相当大きな違いとはお考えにならないのですか。
○堺屋国務大臣 それはかなり大きな違いだと思います。けれども、それがどこかの点で妥協されて、それでこれでいこうと決まればいいんでありまして、根本的には違う考え方を持っていても、連立政権というのは、そもそも政党が違うのはどこかが違うから違うのでございまして、それが政権として妥協されればいいんでございます。 ところが、妥協されないで、その点で分裂するとなれば、これはもう連立与党にはならないと思いますが、その点これから話し合いがあって妥協を、どういう方針かで一つのものが出てくるはずでございます。そうでないと予算が組めませんからね。というように思っておりますから、それは今後の協議も見きわめて、その問題だけで政権が崩れるものだとは思いません。
○枝野委員 妥協ができるんであるならば野合じゃないとおっしゃるんだとすれば、例えば、かつての社会党を含んだ連立政権だって、日本の社会党は少なくとも、例えば九三年当時には、いわゆるマルクス・レーニン主義の古い形の社会主義ではなくて、もう社会民主主義の方向になっていましたから、少なくとも議会制度をベースにして、一応市場経済をある程度前提にしながらということなんで、妥協の範囲じゃないんですか、野合にならないじゃないですか、妥協がそれでできるんだったら。
○堺屋国務大臣 もう一度申しますが、それは、選挙の前にいろいろ企てられたときにはその辺ははっきりしませんでした。だから、その時点のことを思い出していただけますと、やはり社会党の中でも、いろいろな政党の中でさまざまな議論があったと思います。したがって妥協したから、連立政権が、七党連立政権も、自社さ政権もある程度の期間はそういった形ができたんだろうと思うのですね。それで、結局妥協できない面が出てきて分裂するようなことになって、出ていく政党もあり、いろいろしたんだろうと私は思っております。 だから、妥協できる範囲で続いていたときはお互い政権を維持しておられたんじゃないでしょうか。その辺は政治家でございませんから、政党内部の取引とか、妥協の方法とかについてはそれほど詳しくございませんので、単なる傍観者といいますか、外から見た政治の内部というものとしてお答えすると、政策じゃなしに政治ということでお答えするとそういう形になると思います。
○枝野委員 よくわからないですが、大臣になられた以上は、今は政治家でいらっしゃるんだというふうに思うのですけれども、では、もう一点だけ聞きましょう。 日本が核武装をすべきかどうかということについて議論をすべきであると考えるか議論をしないと考えるかという違いはかなり大きな違いであるとは思いませんか。
○堺屋国務大臣 それは大きな違いだと思いますね。それで、もし一つの政党、一つの政権の中で、ある部分の人が断固核武装をするために何々と、例えば予算をつけるというような行動に出るとすれば、これは恐らく全く違う判断をしなきゃいけないと思うのです。 ただ、議論をしようというだけでございますと、それは議論をして悪いことでもない。それは議論があっても悪いことではないと思いますが、今はそんなことはすべきでないということで一致しておるわけです。ごく一部の人がそういうことを言っておるようではありますが、今はそういうことは政権には全く反映されておりません。だから、核武装をすべきかどうかなどというのは現在議論になっていないわけでございますから、これが政権を云々ということではありません。
○枝野委員 もう一点だけ、この本に書かれていることについて余り記憶がないという御理解でございますが、この本によると、この私信と言われる、大臣が当時お書きになって竹下元総理にお出しになったと言われる文書が、当時、竹下元総理の選挙区で大量にコピーして配布されていたというふうに言われておりますが、こうしたことを知っていらっしゃるか。あるいは、こういったことを前提として手紙を出されたことがあるかどうかだけ確認させてください。
○堺屋国務大臣 コピーされて配られておったということは知りませんし、コピーされるとも、大量に配られるなどとは全く予想しておりませんでした。
○枝野委員 さて、それでは消費者契約法についてお尋ねをしたいというふうに思います。 消費者契約法について国生審で議論をしていただいているということでありますが、まず基本的な考え方として、なぜ今消費者契約法が必要だというふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
○堺屋国務大臣 近年、高齢化、グローバル化、そして消費需要のサービス化というようなことが急速に進んでまいりまして、市場メカニズムを活用する観点から、広範な分野での規制緩和が進んでおります。そういった行政の基本が、事前の取り締まりから事後チェックにと変わってまいりました。こういうときに、やはり市場のルールを整備することが重要でございます。消費者契約の分野におきましても、規制緩和撤廃が進むに伴いまして、消費者が主体的な、積極的な選択を行うということが求められております。 ところが、消費者と事業者の間には、午前中にも申し上げましたように、情報力あるいは交渉力に差がございます。特に、情報に関しますと、つくる方、事業者の方は玄人でございまして、消費者の方はその都度素人として出るわけですから、かなり差がございます。また交渉のときも、場によって、おどされたり、すかされたり、泣きつかれたり、いろいろ手を使いますので、契約上のトラブルが発生することがあります。 こうした中で、消費者と事業者の双方の自己責任を明確にしていく、そういう環境を整える必要がある、そういう意味で、業種や取引形態を問わずに消費者契約に広く適用されるような、予見可能性の高い民事ルールが必要だ、こう考えている次第でございます。
○枝野委員 じゃ、こういう聞き方をさせていただきましょうか。今の民法ではなぜだめなのですか。何が足りないのですか。
○堺屋国務大臣 今の民法でございますと、予見性が必ずしも十分ではございません。契約締結過程につきまして申しますと、不実告知等の話がどこまでか、どこまで告知すべきかということが、十分に事業者の側にも消費者の側にも認識されておりません。しにくい部分が、明確になっていない部分があります。あるいは、不退去等につきましても、不退去というのは、売り込みに行って帰らないというような状況でございますが、これにつきましても、強迫とか、そういうところにならないと、なかなかどこまでかということが明確でございません。 そういった消費者と事業者との関係を情報の面でも、あるいは契約、交渉力の面でも明確にしておいて、ここから先はこうだという予見可能性を高めるということが必要だと考えております。
○枝野委員 だとすると、今の法律このまま進めてつくっていただいちゃ困ることになるのですね。つまり、この消費者部会のところで審議されている例えば不退去の話などについて、非常に限定したケースについて不退去として取り消しの対象になる。 つまり、これは九月に「消費者契約法の具体的内容について」といって経済企画庁から審議会の方に出されている案によりますと、不退去等の要件としては、例えば、契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず退去しないことであるというようなことの限定を加えているわけです。そしてこれが、予見をしてもらうために、予見できるようなことのためにということになると、これに該当しなければだめだということになりますね。 ところが、これだと現在の民法より狭くなるわけですよ。今の民法が強迫という抽象的な概念で置いている場合には、具体的なケースケースに応じて、帰らせてくださいよというのを帰さないという場合に、帰してくださいよとか、もう買わないんだからとかということを言わなくたって、幾らでも強迫に当たる具体的なケースはたくさんあるわけです。ところが、それを不退去という形で限定をして、もう買いませんとか、帰らせてくださいと意思表示をしなければ取り消しの対象にならないんだなんということに限定をしてしまうということになるとしたら、これは逆に、狭めることになってしまいます。民法は民法で従来どおり適用されるんじゃないですか。
○堺屋国務大臣 民法の強迫よりはこの不退去の方が予見が緩くなっていると思います。今おっしゃった意思表示ということがございますけれども、民法の場合の強迫というのはかなり行為を限定しておりますが、こちらの方が予見はかなり緩くするつもりでおります。
○枝野委員 いいですか、現行の民法のもとにおいても、いわゆるキャッチセールス的な話で、つまり、ある場所に事実上監禁をしたようなケースの場合について、決して、帰らせてくれという意思表示をしていなくても、あるいはもう買わないんだからというような意思表示をしていなくても、現在の民法において、強迫などに該当するという形で、強迫ですから、取り消しということを認めているケースがあるんですよ。ところが、今回、不退去ということに限定をして、こういう少なくとも意思表示をしたにもかかわらずだなんという限定を加えたら、従来の例よりも狭くなってしまうのは間違いないですよ。
○堺屋国務大臣 今の民法の適用の範囲が、特に強迫等につきましてはかなりあいまいで、消費者に知られていない面もありますし、事業者に知られていない面もあります。 この点、当該消費者契約法の締結におきましては、当該契約の締結の勧誘に際して、事業者が、消費者の居宅もしくは就業場所等から退去するよう求め、または不当契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず退去しないこと。これは、契約をしない意思表示というのは、意思表示をしないとやはり向こうも、向こうというのは業者でございますが、なかなかわからないと思いますね。それで、ある程度返事をしないというのは意思表示ということになるんじゃないでしょうか。あるいは、消費者が、これは言葉ではっきり買わないと宣言するとか、紙を書くとかいうことじゃなしに、意思表示でございますから、これをどう考えるかということの問題だと思います。 また、消費者が勧誘を受けている一定の場所から退去したい旨を告げ、または当該契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず当該消費者の行動の自由を拘束することのいずれかが行われた場合ということで、これは、枝野委員の、どういうケースで民法で適用されたケースを御存じなのか、民法の範囲が広いものでございますから必ずしもわかりかねますけれども、これは予見としてはかなり明確に限定している、明確にしていて、予見としては広いというふうに思っております。
○枝野委員 要するに、予見ができるかどうかということについて法文上細かく書けば書くほど、実は、この法律は意味がなくなるということを申し上げたいんですよ。つまり、実際に裁判になって被害者を救済しようというときには、まさに実体的に、悪徳業者であるのかどうか、あるいはついていったりした方が落ち度がどうなのかというようなことをかなり実体的にバランスを見て、これはさすがにこの被害者、消費者の方を守らなければならないとかというケースについては、今ある民法という法律をかなり裁判官は駆使して、実体的正義が確保されるようにということで判決が出されているのが裁判の実態なわけです。 したがって、予見可能性を高くしましょうということをかなりこだわってしまいますと逆に、その幾つかつくられたパターンの中に入ったケースは、これは逆に消費者の側に落ち度があっても守られてしまうけれども、そこからちょっとずれたケースについては、今度は悪徳業者であっても消費者が守られない。つまり、ルールの裏をかいていく者が得をするという話になってしまうわけです。 基本的には、これは民法の特別法としての包括ルールをつくろうというケースですから、まさに事前規制から事後チェックへということなわけです。悪徳なことをやって、そして消費者をだました、そして利益をむさぼったという者は、事後的に裁判所の判断でだめだよということをする。そのときに、消費者を守るべき基準について、今までより少し広げましょうというスタンスにあくまでも立たなければ、予見可能性というようなことを強調してしまうと、今申し上げたようにむしろ逆行してしまう。 それで、予見可能性は高くならないです。なぜならば、消費者契約法でどんなに具体的な細かい、つまり、予見できそうな幾つかのパターンを法律で固めたとしても、民法の特別法ですから、消費者契約法のその幾つかパターン化された中には該当しない場合についても、民法で守るということをすれば、どうせ予見可能性はできないんですよ。民法は抽象的なんです。民法の適用をしないということをやらない限りは予見可能性は高くならない。かといって、民法を適用しないということになったら、民法の特別法じゃなくなってしまいます。ルールとは逆行します。方向とは逆行します。したがって、予見可能性を高めるという視点を外すという方向で進めていただかないと、この法律をつくることは意味がなくなってしまうということを申し上げたいのですが、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 予見可能性を広げるべきか狭めるべきか、予見可能性がどの程度であるべきか、実は、国民生活審議会でも一番議論になっているところなんです。それで、枝野先生のような法律家の中には、これを裁判にゆだねる部分が大きい方がいいという御意見がかなりあるのですが、逆に、予見可能性が少ないと、何をやっていいかわからないというので経済が混乱し、契約、これは破棄になるわけですから、非常に難しいという意見も、これまた法律家の中にもそういう人がいます。私どもが学生時代に習った法律では、民法ではできるだけ予見可能性を確実にしておく方がいいんだというような話もありました。これは意見の分かれるところであります。 それからもう一つ、ぜひ聞いていただきたいのは、裁判にかかる紛争というのは、この消費者契約では少ないんです。ほとんどが裁判外で、裁判の外で決着しておりまして、一般の消費者が裁判に持ち込むというほどのあれがないんですね、大きなトラブルだったらそうでしょうけれども。だから、こういう法律で非常にわかりやすくしておかなきゃいけない。全部の消費者が裁判に持ち込む習慣ができている、そして、それが迅速に、かつ安価にできるようになっておればいいんですが、必ずしもそうではないから、消費者が泣き寝入りするようなことが多いものですから、こういう法律を定めて意味があるんじゃないか、こういうふうに考えているわけです。 まだ、予見可能性をどの範囲にするかというところは審議会でも議論がございますので、必ずしも明確にできません。また、それが決まる過程で先生にもいろいろと御協力いただきたいと思っております。
○枝野委員 では、時間になったので最後に申し上げておきますが、裁判にならないからこそ、きちんとした形にしておかなければいけないわけなんです。裁判になるんだったら、ある程度パターン化されたものをつくっておいたって、最後は民法を何とかうまくごちゃごちゃやって助けるんですよ、裁判までいってくれれば。 ところが、大部分は裁判までいかないところで決着がつくというときに、幾つかの類型化されたパターンで、こういったときは要するに不退去だからとか、こういった場合は不実告知だからこれは取り消しますよということを余りパターン化をきちんとしてしまうと、裁判外のところでは、そこからちょっとでも形式的にずれていると、このパターンの中に入っていないから助けませんよという形になってしまうし、逆に、裁判外だからこそ、例えば、まさに権利を乱用する者が、形式的には入っているじゃないかという話が出てきたときに、いや、確かに形式的にはパターンに入っているということで、実体的な正義とずれてしまう可能性が、むしろ裁判外が多いからこそふえてしまう。 むしろ、実質的にこういう種類の悪徳業者を取り締まるんだということの質の部分で、パターンではなくて、類型化ではなくて、質の部分のところでつくっておく、あとは、例えば業者さんなどについては、例えば政令とか通達とかのところで、こういうふうに動いておけばまあ大丈夫でしょうねというようなことを出してあげるということで、法解釈の基準としてはもうちょっと抽象的な形にしておかないといけないというふうに思っているということで、また国生審の審議の経過を踏まえながら議論をさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○河上委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。 しばらくぶりで当委員会で質問をさせていただきます。 ことしの六月に国民生活センターが多重債務者問題に関する調査報告書というのを出しました。多重債務者の中には、今大変社会問題になっているところの商工ローンの債務者も含まれております。私、昨日大蔵委員会でこの商工ローン問題を取り上げました。そこで、まず商工ローンの問題でお伺いしたいわけですけれども、商工ローンの中では圧倒的に日栄とそれから話題になっている商工ファンド、この二つがずば抜けておるわけであります。 日栄について調べてみますと、貸出金は年々伸ばしまして、ことしの三月末現在で四千七百五十九億九千万円の貸出金になっております。九八年度の営業利益を見ますと、約六百四十四億円、経常利益が六百四十億円、こうなっております。商工ファンドの方を見ますと、日栄以上に伸びているわけであります。貸出金は、九九年の七月末ですけれども、約四千八十二億円、営業利益も右肩上がりで、九八年二月からことしの一月末までの営業利益が四百八億円、経常利益は四百十億円となっています。 そこで、経企庁長官、今の経済情勢が非常に厳しい中で、中小零細企業を相手にした貸金業というのはこういうように右肩上がりで大もうけをしているわけであります。これは、一つには、金融機関、バンクスが貸し渋りをする中で、中小零細企業が資金繰りなど営業に困って、それにつけ込んで高金利でもうけているわけで、経済状態からすれば決して好ましいことではないと私は思うのですけれども、長官としてこの状況をどのようにごらんになっていらっしゃるか、まずその辺をお聞きしたいと思います。
○堺屋国務大臣 確かに、景気が悪うございまして、中小企業の方々が資金繰りに困られるというケースが出ております。去年の今ごろ、十月ごろはもっとひどかったのでございますが、それに対処いたしまして、政府といたしましても、中小企業・国民金融公庫等の融資をふやしたり、あるいは二十兆円の保証枠をつけたりいたしまして、かなり救われた面が多くて倒産件数も減りました。しかし、なお資金に窮する方々がおられて、それがこういう高利のところに入られるというのは大変悲しいことだと考えております。 特に最近、御指摘のような機関が利益を伸ばしておりますし、特に根保証というような方法を駆使してやっていることは決して好ましいこととは思っておりません。
○矢島委員 宮澤大蔵大臣もこういう形というのは好ましいことじゃないとおっしゃられましたが、長官も大体同じ考え方かと思います。 そこで、私、具体的な多重債務問題でお尋ねしたいわけですけれども、先ほど申しましたように、ことしの六月、国民生活センターが多重債務者問題に関する調査報告書というのを出しておられる。 この多重債務者問題についてちょっと振り返ってみますと、一九七〇年代の終わりごろから、いわゆる第一次サラ金地獄というような状態が生まれました。サラ金業者によって高金利の融資、それから過酷な取り立てというようなのが社会問題になったわけであります。それを踏まえて、一九八三年の十一月だったと思いますけれども、サラ金二法というので、サラ金業を規制する法律ができ上がりました。その結果、多少この間サラ金地獄というものが緩和されたんですけれども、八〇年代に入りますと、八〇年代末以降になりますが、いわゆるクレジットカードの利用が高まってまいりまして、自己破産者が増加するというようなことから、これを第二次クレジット・サラ金地獄、こう名前をつけたわけであります。 この多重債務者問題に関する調査報告書というものを見ますと、こうした歴史的経過も記録しておられるわけですが、歴史的に見て、現在のクレジット・サラ金地獄、加えて、最近大きな問題になっている商工ローンの問題も含めて、多重債務問題の特徴をこの報告書等からどういうふうにとらえられているのか、この点をまずお聞きしたいと思います。局長の方で。
○金子政府参考人 お答えいたします。 まず、先生、第一次サラ金問題、第二次サラ金問題という整理をされましたが、私どもも基本的に同じ認識を持っております。 それで、第一次サラ金問題、これは昭和五十年代に起こったわけですけれども、このときには、今も商工ローンの問題で問題になっていますけれども、出資法による処罰金利、これは一〇九・五%という非常に高い金利であったわけです。そういう非常に高い金利であること、それから信用力を無視した過剰な貸し付け、さらには一部サラ金業者が相当過酷な暴力的な取り立てを行ったということでありまして、かなりの人が自殺に追い込まれるというような問題になったわけであります。 そういうことでありまして、委員先ほど御指摘のように、五十八年には出資法の改正によって、段階的ではありますけれども、処罰金利がそれまでの一〇九・五%から現在と同じ四〇・〇〇四%まで下がる。それから、もう一つは貸金業法の制定がありまして、取り立てに対する規制、さらには誇大広告の禁止、契約内容に関する書面交付の義務ということが定められまして、その結果、サラ金問題は一応の改善を見たということであります。 しかしながら、消費者ローン市場というのは非常に成長度があるわけですから、それまでのサラ金業界だけではなくて、さらに信販業界、クレジット業界、こういうものがどんどん市場に入ってくるということで、いろいろな貸出先がありますので、そういう面で、消費者がさまざまな業者から多重に借り入れを行うということで結果的に返済不能になるという多重債務問題があるということで、問題といえば、それはやはり多重債務問題であるということで位置づけられるのではないか。 しかも、これは国民生活センターで集めている資料を見ますと、多重債務に関する相談件数、これはずっと昔からはないわけですけれども、八九年度では六百十五件だったのが、九八年度では一万六千七百十、さらには個人の自己破産申し立て、これは一九七九年には三百八十七だったのが、九七年には七万一千件以上になるということですから、やはり多重債務問題というのが現在のサラ金問題ということであると思います。
○矢島委員 この報告書を見ますと、三つほど主な特徴が挙げられていると思います。一つは平均年齢の問題、それから、八九年は女性の借り主が多かったけれども、九八年になりますと男性の方が多くなってきているということ、それから、なぜこういうことが起こるのか、つまり多重債務に陥る要因というものが、リストラとか失業とか首切り、こういうものに遭って収入がなくなったことを初め、経済状況の悪化が圧倒的に多くなっていることなどをこの中で挙げております。 そこで、私、まず過剰貸し付けの防止についての問題でお尋ねしたいのですが、過剰貸し付けの問題についてこの報告書の中でも分析しているわけであります。報告書の十九ページには、「過剰貸付け等の禁止を実効性あるものにするために、ガイドラインのこの内容等を法律で規定し、違反には行政罰等を付すことも検討課題と言えよう。」このように書かれております。私、まさしくこれはもっともな指摘だ、このように思います。 そこで、お尋ねしたいのは、経企庁としてこの点について今、法制化したり罰則を強化したりすることの問題について、大蔵省だとかあるいは金融監督庁だとか法務省だとか、関係省庁に提起されたことがございますか。
○金子政府参考人 過剰貸し付けの防止の問題ですけれども、これは、先ほど申しましたように、第一次のときには非常に金利が高かった。しかし、今は昔に比べれば相当低いということは間違いないわけですけれども、それにもかかわらずこういう多重債務問題が生じているというのは、高金利もあるのかもしれませんけれども、やはり基本的には過剰貸し付けだということで、この過剰貸し付け問題についてどういう対応をとっていくかということが非常に重要な課題だと思います。 先生御指摘の調査でも、多重債務を減らす対策として何があるかということを聞いているわけですけれども、その中で、信用情報を充実せよ、あるいは信用情報機関を一本化せよ、そういうことが必要であるという答えがあります。 したがいまして、その多重債務問題を防止するためには、金融業者による過剰な与信が生じないようにするために適切な与信判断ができる、そういう条件をつくっていくことが非常に重要ではないか、こう考えているわけです。 それで、現在、先ほどおっしゃったように、通産省、大蔵省においては、適正な与信判断が行われるよう、そのときのプライバシーの保護に十分に配慮しなければいけませんので、プライバシー保護に配慮した与信システムの整備のあり方に関しての検討が行われているところであります。
○矢島委員 局長、前段の方は結構ですから、私、二十五分しか持ち時間がありませんので、質問に的確に、短く答えていただきたい。提起したかということなんですよね。 今通産省やそのほかでやっているということですが、国民生活センターがいろいろな調査をしたりしますが、その結果というものはやはり、例えば消費者保護会議などで各省庁に事前にいろいろ連絡されているわけです。ですから、企画庁としても、こういう問題が今起きているんだ、だから各省庁ともどういう方向がいいかひとつ検討してやってくれというようなことを言ったことがあるのかないか、ここだけです。
○金子政府参考人 その国民生活センターの調査ですけれども、それは関係省庁に配られています。 それで、現在、消費者保護会議の決定をつくる過程にありますけれども、関係省庁に対しては、その報告書も踏まえて適切な対応をお願いしたいということを依頼しているということであります。
○矢島委員 ぜひ経企庁としても、こういう過剰貸し付けの問題がなくなるようにいろいろ働きかけていただきたいと思います。 次に、金利の問題でお尋ねしたいわけです。 ことしの春、ノンバンク社債法が成立いたしました。その結果、大手貸金業者はさらに低い金利で大量の資金調達が可能になりました。そのことによって、今度は貸金業者が貸し出す金利が下がるだろうか、こういう問題です。 この点についてはいろいろ論議があって、私は、実際には下がらないだろう、こう思って見ているわけですが、この点についても、調査報告書ではやはり十八ページの方に書かれております。こういうことによって「業者側の発意による大幅な金利引下げはほとんど期待できないと思われる。」こういう表現になっております。さらに、この報告書の中にはこういう記載もあるわけです。「少なくとも多重債務者の深刻な立場を救済するためには、罰則がある出資法と罰則のない利息制限法及び貸金業規制法第四十三条の規定を抜本的に見直すことが必要である。」非常に鋭い指摘をされていると思うのですが、このことについて、やはり関係省庁、大蔵省や金融監督庁などなど、これは提起されているのですか。
○金子政府参考人 この金利の問題につきましてはさまざまな面から検討が行われるべきものだと考えておりまして、私どもとしては、関係方面で必要な検討がなされるのではないか、こう考えております。
○矢島委員 なされるのではないかというよそから見る形ではなくて、せっかくこれだけ国民生活センターが調査し、提言をまとめているわけですから、ぜひ中で働きかけていただきたい。やはりそのことが、消費者保護会議にいろいろな調査の報告をするということと、それからこの国民センターが法律によって設置されている、その意義にも沿うものだろうと私は思います。 そこで、時間がだんだんなくなってきましたので先へ進みますが、これは長官にお尋ねしたいのですが、今の提言の中にも、貸金業規制法第四十三条、この廃止というのが入っておりました。それから、出資法の上限金利を、いわゆるグレーゾーンというものですが、現行の利息制限法の制限金利にまで引き下げる、こういう提起もありました。 ただ、この問題を論議しますと、先ほども局長の方からもいろいろ、金利の引き下げについては簡単でないようなお話もありました。その中の一つとして、こういうことをやるとやみ金融がはびこるんだ、そういう意見があるのですけれども、この点についてどのようにお考えか。
○堺屋国務大臣 第一次サラ金問題のときから大分金利は引き下げてまいりまして、当時、出資法の罰則規定のあるのは一〇九%だったんですね。それを四〇・〇〇四まで引き下げました。現在、御指摘の利子法、利息制限法によりますと、十万円未満が二〇%、十万円から百万円までが一八%、百万円以上が一五%、そういうような数字になっております。現在、一般には低金利でございまして、こういう部門だけが非常に高金利だというのは問題でございます。 しかし、一方、やみ金融がはびこるかどうか、これは大変難しい問題でございまして、現在の四〇・〇〇四でさえもやみ金融はあるんだと言われております。そして、そういうのに余り芳しくない団体が絡んでいるということもございまして、余り厳しくするのもいかがなものか。 したがって、先ほど局長が答えましたように、与信の情報交換等もどのようにして徹底していくか。また、借りる側にも問題のある人はやはりおりまして、いろいろと、借りたいから裏をくぐるとかうそをつくとかということも現実にないわけじゃございません。 そういうことも含めて考えますと、これはいろいろと難しい問題を含んでおりますので、大蔵省、監督庁ともよく相談するようにさせていただきたいと思います。
○矢島委員 現在、いわゆるやみ金融というのはシステム金融などというスマートな名前で呼ばれております。何か、システム金融というのは、結局、中小零細企業の経営者をターゲットにして、出資法の上限金利を超える月五〇%前後の法外な高利で、中にはトイチと呼ばれるような高金利でやっているのもあるわけです。しかも、返済期間も短い金を貸しております。いろいろな新手のやみ金融がはびこっているわけであります。そういう中で、パソコンシステムを使って金融をやっているので、システム化した金融だからというのでこの名前が出てきたということも言われております。 さて、このシステム金融は、先ほど長官も言われたように、警察からいろいろ摘発されております、いろいろな悪徳のやみ金融がありますから。それでもまだ活動は依然として活発化しているんですね。 それはなぜかといえば、一つには景気の問題があると思うのです。これがなかなか回復しない。そういう中で、銀行へ運営資金をもらおうと思って行ったけれども、どうしても貸してもらえない。政府はそれなりにまた十兆円の上乗せをする方向でおりますけれども、しかしそれでも、あの時点で問題になりましたように、せっかく我々がそういう信用保証によるところの枠をつくっても、実は、資金回収というのでそれが実際に中小業者の方には手元に行かない。前に借りていたのをみんな返せと。 これも自己資本比率の問題とも絡んでくると思いますけれども、いずれにしろ、そういう状態の中で、中小零細企業の皆さん方がシステム金融を利用せざるを得ない。逆に言えば、システム金融にとってはこういう方々は上客なわけで、お得意さんなわけであります。ですから、なかなかやみ金融は、つまり、警察によって摘発されてもまた違うところに次々と出てくる、こういう事態が今あるわけであります。 金利の点で言いますと、不況が深刻化すればするほどシステム金融の金利は高くなる可能性があるのではないか、また実際にそうなっている。なぜかといえば、貸したところが自己破産しちゃう、自己破産したらまた取り返さなきゃならない、ほかのところで取り返すには貸しているところから取り返せばいいんだということで金利を高くしていくというような状況の中でやみ金融ははびこっているのであって、金利を低くすることによってやみ金融はどんどんはびこってくるんだよというのは、私は間違った考え方ではないだろうかと。そのほかにやみ金融がはびこる理由があるんだから、そういうのを取り除かなきゃならないということがまず必要だろうと思うのです。 そういう点から、あの出資法による上限金利とそれから利息制限法の上限金利、これを下げてきてグレーゾーンをなくしていく、こういうことがやみ金融をはびこらせる理由だというだけではない、むしろそれは逆だと思っているのですが、最後に長官のお考えを聞きたい。
○堺屋国務大臣 金融の問題につきましては、古来いろいろな学説とか調査がございます。 まず、金融を三段階に分けまして、銀行とか、正常なといいますか大規模な金融機関がやっているところ、これは今低金利になっておりますが、この部分も、日本ではリスクマネーを出さない、担保がないと出さないというような習慣がありまして、日本の金融機関の事業審査能力というのが非常に低い、担保の評価だけでやってきた、これが今大きな問題でございます。したがって、日本の金融機関の審査能力をつけて、事業あるいは経営者の人物を見て貸せるような、そういうリスクマネーの貸せる機関にしなきゃいけない、これは第一の問題として考えております。それから、直接金融も広げていかなきゃいかぬ。 それから、第二のゾーンといたしまして、消費者金融に代表されるような、非常に小口で審査にそれほど費用をかけられない、この部分をどうするかということでございます。この部分は、先ほど申しましたように、一〇九%から四〇%まで金利を下げてまいりました。さらに下げたらどうかということになりますと、これが下がりますと、現在でも消費者金融その他の中では相手によりまして金利の差をつけております。したがって、四〇%の金利でないと貸せないと判断されるようなものはここからはじかれてしまう。そうするとやみ金融に行くんじゃないか、こういう説が常にあるわけです。 やみ金融というのは、我々も、政府といたしましても取り締まらなきゃいかぬという、いわば犯罪行為でございますから一生懸命取り締まっておるのですが、やはりそういうところに潜る可能性がある。そのやみ金融のマーケットを広げてしまうんじゃないかという議論がありまして、これはなかなか甲論乙駁、難しいところでございます。 ただ、先生御指摘のように、今のシステム金融について言いますと、非常にコンピューター等が発達して、借りやすい方法、貸しやすい方法、いろいろ新しいシステムが出てまいりました。それに対応して、政府の側の対応がついていっていない、技術的についていっていないという面がございます。これは、早急に我々としても技術的な問題を検討し、金融監督庁等にもお願いしなければならない部分かなと考えております。
○矢島委員 金利の問題も含めていろいろと御検討いただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
○河上委員長 次に、中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。 堺屋長官、そして小池政務次官の御就任をお祝いして、きょうは二十分間質問をさせていただきたいと思います。 最初にまず、小池政務次官は女性でいらっしゃいまして、化粧品のことできょうは質問をしたいと思うのですけれども、小池さんもお化粧品はしっかり使われていらして、きれいにいつもお化粧していらっしゃるのを見受けておりますけれども、政務次官にとって化粧品というのは、ある意味ではもう生活必需品の一つというふうな認識はおありでしょうか。
○小池政務次官 そうですね。大体人前に出るときはお化粧をしないとだれかわからなくなりますので、その意味では必需品と言えると思います。
○中川(智)委員 ですから、女性消費者にとっては本当に化粧品が安くていいもの、そしてまた、私たちはバーゲンがあればやはりバーゲン先を探すという、この市場経済の中で競争をしていくことによって消費者が利益を得るということが大いに期待されるところで、また、この消費者問題特別委員会というのは、特にその問題に対して積極的に取り組んでいく委員会であると思うのです。 政務次官は、化粧品を買うときに、割と大きな六大メーカー、資生堂とかマックスとかコーセーとかいろいろあるのですが、やはりそのあたりの化粧品を使われていると思うのですが、値引きというものがあって、安いものを探されるというか、きっちりと値引きされているな、公平な市場価格の中で競争がされているなというのを、化粧品については実感されていますでしょうか。
○小池政務次官 まあ、我が国の化粧品はどちらかというと高価である、それは経企庁が調べております内外価格差から見ましても、日本はまだまだ割高であるというのは現実でございます。 私も以前から消費者として感じることだったのですが、いわゆる情報誌に、海外のどこの空港がどの製品がどれぐらい安いかという一覧表をばあっと出しているんですね。それでもってOLさんたちは、今はちょっと時代が変わってきましたけれども、化粧品を買いに行くために香港へ行ったりシンガポールへ行ったりハワイへ行ったりするんですね。私は、これはその意味では、化粧品と女性という点で申し上げますと、消費者である女性が、国内で買うよりは外で買った方が安いということであちこち行くという、消費者として不利益をこうむっているなということをつくづく感じていたところでございます。 そこで、独禁法の再販の除外をされておりましたこの化粧品、先ほども申し上げましたように、かつて政務次官をやっておりました際に、規制緩和ということで、この再販の部分から除外か除外すべきではないか、いわゆる一般の商品と同じ形にすべきではないかということで、かなりいろいろと動いたことを記憶いたしております。結果として、平成九年に、これまでの千一円以下というところの除外もとれまして、そしていわゆる再販商品ではないということになったわけでございます。その意味では、これから消費者により利益といいましょうか、選択の自由が出てくることは望ましいことであるというふうに考えております。
○中川(智)委員 本当に、さすが女性同士で、非常に勇気の出る御答弁でありがたく承りました。 そこで、本当にきっちりと、いわゆる再販対象ではないと、昭和四十九年の再販縮小によって、ほとんどの化粧品は価格維持をしてはならないということになりまして、そして平成九年の再販の完全廃止によって、化粧品というのは完全に再販が認められなくなったわけなんですが、今問題になっているのは、いわゆるやみ再販というところの問題です。 そこで、きょう参考人としておいでいただきました公正取引委員会の参考人の方に伺いますけれども、この化粧品六大メーカーは、流通経路の中で、各小売店等チェーン店との契約を結んでいますけれども、そのチェーン店契約書の内容というのを御存じでしょうか。
○上杉政府参考人 お答えいたします。 化粧品メーカーの契約書の内容というのは、一部雑誌等において公表されているものもあるようでございますし、また、公取としていろいろな活動の過程において把握しているものもございますけれども、どのメーカーのものについて承知しているか、その内容はどうかということはお答えできないという立場でございます。
○中川(智)委員 では、個別では確認していないけれども、そのような契約書というものを出して、そこで公取といわゆるメーカー側の話があるということでの答弁をいただいたと確認いたします。 そして、その契約書は、メーカーと公取の間で事前に相談されて、公正取引委員会としてはそれを容認したというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○上杉政府参考人 公正取引委員会では、事業者または事業者の団体から、独占禁止法に違反するおそれがあるかどうかという事前の相談が来た場合は、そのような相談に応ずることによりまして法違反の未然防止を図ることができるという観点から、積極的に応じているところでございますけれども、これは当然のことながら、そのような事実は対外的に明らかにしない、こういう前提で応じているわけでございます。したがいまして、私どもの方から特定の事業者の契約内容が相談の対象になっているかどうかということを申し上げる立場にはありませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。
○中川(智)委員 公正取引委員会で私がきょう問題にしようと思っているのは、独禁法の違反の疑いがあるということで質問しようとしているわけですから、いつもその質問に対してはそういうふうに逃げ回っていて、そして公正取引委員会が不公正取引委員会だなんという陰口をたたかれるようなのは、非常に遺憾なことだと思っております。 そこで、確認があと二項あるのですが、事前に相談をメーカー側から受けたときに、各メーカーによって表現は全く違うと思いますが、ブランド別契約及び店舗別契約、その相談を受けたことがありますか。また、そういう契約があることは御存じでしょうか。
○上杉政府参考人 相談があったかどうかについては先ほどの答弁のとおりでございますけれども、いわゆるブランドの別に契約を結ぶとか、あるいは取引を行う店舗ごとに契約を結ぶ、このようなことが化粧品の業界におきまして行われているということは承知いたしております。
○中川(智)委員 御存じということで、いま一つ。 この事実ですね。契約を利用して、小売店への出荷制限ですとか出荷停止、割引をした小売店に対して、具体的にその六大メーカーの一つ、きょう問題にしたいのはマックスファクターですが、マックスファクターなどが出荷停止をして、そこの会社に非常に大きな損失を与え、見せしめとしての行為をしているということは御存じでしょうか。
○平林政府参考人 ただいま具体的なメーカー名を挙げての御質問でございましたけれども、私ども、個別具体的な事案につきましては、それがどのようなものであるか、それをどう扱うかにつきましては、今後の事件処理に支障を来すおそれがございますので、答弁は御容赦させていただければと思います。 一般論として申し上げれば、もちろん、再販売価格維持行為の疑いがある、そういう具体的な端緒に接しましたら、それは必要な調査をいたすことになっているわけでございます。
○中川(智)委員 これは、我が党の濱田議員が先日も公正取引委員会に申告書を出しました。ですから、具体的なメーカー名はそちらからは言えなくても、そのような不当な制裁措置として出荷停止が行われているという事実を御存じかどうか、それだけで結構ですから。
○平林政府参考人 その点につきましても、先ほど申しましたように、これはこの件に限らず、やはり従来から個別具体的な事件の審査にかかわることにつきましては答弁を御容赦させていただいておりますので、御理解いただければと思っております。
○中川(智)委員 公取というのは、独禁法、そしてその他さまざまな本当に大きな権限を持つ、また、いわゆる公正に、きっちりとした、法律にものっとって市場が動いているか、それに対して目配りをして、そして明らかに違法であるというふうに思われるところに対しては調査をし、納得のいく形で国民にその事実を明らかにする義務があると思うのです。 改めて言うまでもないのですが、独禁法の第一条というのは、「この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束」、これは価格の拘束もあります、「を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、」というふうにうたわれて、最後に高らかに、「一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」とうたわれています。 それで、具体的に、二〇%値引きをして、もしも仮定でも結構です、値引きをして、その値引きした会社、お店に対して、そのメーカーが出荷停止をするというようなことはしてもいいのでしょうか。どうでしょう。委員長にできればお願いいたします。
○根來政府特別補佐人 お言葉を返すようでございますけれども、私どもは、メーカーといいますか販売者と、それから消費者の間に立ちまして、その事実があったかどうかということを判定する機関であります。そして、そういう違反があれば、その違反に対して排除措置を命ずる、こういうことでございますので、片一方の言い分だけを聞いてそれがあったかどうかと言われましても、何ともお答えのしようがないわけでございます。 なおかつ、この独占禁止法の三十八条におきましては、事件に関して、事実の有無あるいは法律の適用については、公正取引委員会の、私を含めて、委員あるいは職員が公表してはならないというふうな禁止規定がございますので、せっかくのお尋ねでございますけれども、具体的な事件につきまして、それが違反になるかどうか、あるいは法律の適用はどうかということはお答えしがたいことでございます。 ただ、一般的に申しますと、仮定の事実ということになりまして、今のことが一般論ということでございましたら、あるいは独占禁止法違反になることがあるかもわかりません。これは事実ということではなくて、一般的な、非常に高度に言えば、学問的に見たときに、そういうときは独占禁止法違反になる可能性はあるということは言えると思いますが、ただ、繰り返して申しますが、具体的な、先ほどからメーカーの名前を挙げられましたけれども、メーカーの問題について、私どもは、それは違反であるとか違反でないとかということをここで申し上げているわけではないことをひとつ御了解いただきたいと思います。
○中川(智)委員 最初の小池政務次官の御答弁にありましたように、女性がわざわざ海外まで安い化粧品を買いに、本当にその目的で行くというのは身近でたくさん聞くわけです。 国内で競争原理がしっかりと生きていて、独禁法違反になっていなければ、ちょっと探せばいいところがあるはずなんです、それが買えるところが。それが、国内ではない。全部調べましたことによりますと、例えば三千八百円の口紅は、この六大メーカーに関して言いますと、沖縄に行っても三千八百円、北海道の網走の果てに行っても三千八百円。これは全部調べて、こちら側の市民団体の人の調査ではっきりしております。公正取引委員会などが調べたのは、全国二万五千店舗の中で百二十二店舗調べて、多少の値引きは会員になったらしてくれますよとか、キャンペーン期間中三日間につき安くしていますよというのは事実としてあったかもしれませんが、日常的に競争原理が生きて消費者の利益に資するような動きはしておりません。 ですから、今根來委員長おっしゃいましたけれども、一部の人の、お店の意見だけ聞くわけにいかないとおっしゃいましたが、これは、明らかにメーカー側ばかりの主張を聞いたことによってこうなっているわけなんです。このような問題があるならば、そのメーカーと実際に制裁措置をこうむっている店舗の代表者を呼んで、きっちりと事情を聴取して、そのことによって前に進むべきだと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○根來政府特別補佐人 お話を承りますと、私どもはメーカーの意見だけを聞いて物事を判断しているように聞こえますけれども、それは全くの間違いでございまして、これは、申立人の意見も聞き、メーカーの意見も聞き、また、平たく言えば参考人の意見も聞き、判断をしているわけでございます。 一般的に申しまして、今、規制緩和、公正にして自由な競争ということが叫ばれておりますが、私どもは、それは独占禁止法の理念にかなうことだということで、一般的には、できるだけ競争してもらってできるだけ消費者の利益になってもらうということは、事あるごとに申し上げていることでございますので、その辺も御理解賜りたい、こういうふうに思います。
○中川(智)委員 それは本当におっしゃるとおりだと思います。 公正取引委員会というのは、公平にきっちりと言い分を聞きということはわかるのですが、今度も、この問題に対して申し立て書を公取の方に出したわけです。でも、たった一行で、独占禁止法の違反ではない、その一行だけで終わっているのです。 しかし、消費者は、どこに行っても同じ価格、本当に値引き、競争原理が働いていない、海外まで買いに行かなきゃいけない、そのような事実があって、消費者にとって本当に利益に資するために公取があり、また経済企画庁もあると思うので、最後の質問として堺屋経済企画庁長官にお伺いいたします。 女性は、今、家計の中で、本当に大変な生活の中で、生活必需品は、毎日食べるもの、そしてまた、少しでも身の回りをきれいにして心を弾ませたいと思っています。にもかかわらず、どこに行っても口紅も同じ値段で買わされて、実際これは、今委員長がそのようなことはないとおっしゃいましたが、結局、メーカーは自分の思うところの価格で売り、そして消費者はそのまま買わされている。女心につけ込んでみたいなところがございますが、買わされているわけなんですよね。 ですから、少しでも、市場原理で、やみ再販と言われるまで悪評高い化粧品の価格について、もう一度踏み込んだ施策をとっていただきたいし、小池次官のあのような発言がとても勇気がわきましたので、長官もぜひとも、一歩踏み込んだ答弁をここでいただいて、この問題を前に進めたいと思いますが、よろしく。女性が期待しておりますので、これはもういろいろな団体のところに配りますから、きょうの企画庁長官の御答弁は。よろしくどうぞ。
○堺屋国務大臣 私自身、化粧品を余り買ったことがございませんし、口紅の値段、調査によりますと、平成十年度で、ニューヨークと比較いたしまして、為替相場が百三十円のときで口紅は一・四四倍と書いてあります。だから、今の百五円ぐらいだったらもっと高いだろうと思いますね。 私、詳しい調査を存じませんが、もし全国一律だったら、なぜそうなっているのか、それはそういうやみ再販のせいなのか、何か他の理由があるのか、そういう点もよく調べなければならないと思いますが、一般論として申しますと、やはり競争原理が働いて、そして効率いい販売をする店がどんどん出てきて、そういうところでは安い値段がつけられて、そしてそれによって日本の全体の小売業がより効率化していくということは大切なことでございますので、それを妨げるような行為があるとすれば、いろいろな方法でこれをなくして、競争の激しい、消費者に資するような経済構造、流通構造をつくっていきたいと思っております。
○中川(智)委員 時間になりましたが、本当に出荷停止とかという制裁措置は独禁法違反です、このように私は確信しております。ぜひとも再調査をお願いして、納得のいくお返事をいただきたいと思います。公正取引委員会にそれを希望いたしますが、よろしいですか。最後に一言。
○根來政府特別補佐人 再調査と言われて言いますと、つい誘導尋問にひっかかりそうですけれども、調査しているかどうかということはお答えできないわけでございますが、先ほど言われたように、一行で、これは独占禁止法違反でないというようなことは、一般的に取り扱いはしていない、慎重に扱って慎重に結論を出すということは申し上げられると思います。
○中川(智)委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。
○河上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十七分散会